総務委員会速記録第十五号

令和七年十一月十八日(火曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長福島りえこ君
副委員長藤井とものり君
副委員長増山あすか君
理事こまざき美紀君
理事望月まさのり君
理事坂本まさし君
高田 清久君
星  大輔君
さいとう和樹君
笹岡ゆうこ君
西崎つばさ君
早坂 義弘君
本橋ひろたか君
斉藤まりこ君
小林 健二君

欠席委員 なし

出席説明員
総務局局長佐藤 智秀君
次長理事兼務石橋 浩一君
理事総合法務支援担当部長事務取扱貫井 彩霧君
理事豊田 義博君
総務部長保家  力君
企画担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務島田 喜輔君
都立大学調整担当部長栗原  大君
グループ経営戦略担当部長田村 弘明君
都政情報担当部長篠  祐次君
復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務小川 清泰君
人事部長金久保豊和君
労務担当部長堀内  弘君
コンプライアンス推進部長主席監察員兼務高畠 信次君
行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務田中 角文君
小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長
事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務
近藤 豊久君
総合防災部長高田 照之君
防災計画担当部長田代 則史君
防災対策担当部長佐藤  栄君
国民保護担当部長永田 真一君
危機管理調整担当部長小平 房代君
避難所・物資担当部長畠山 宗幸君
人権部長若林 和彦君

本日の会議に付した事件
総務局関係
事務事業について(質疑)

○福島委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、総務局長から幹部職員の紹介があります。

○佐藤総務局長 先般の人事異動に伴いまして、役職に変更のあった当局の幹部職員をご紹介申し上げます。
 総合法務担当理事で総合法務支援担当部長事務取扱、このたび、監察担当理事を兼務いたします貫井彩霧でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○福島委員長 紹介は終わりました。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○保家総務部長 九月十八日の当委員会におきまして、要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料をご覧ください。表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は十九点ございます。
 一ページをご覧ください。タイムラインの区市町村の最新の具体化状況でございます。
 令和七年九月現在の水害対応タイムラインを策定している区市町村数について記載してございます。
 二ページをご覧ください。知事部局の障害者雇用率の推移でございます。
 令和二年から令和六年までの五年分の状況を記載してございます。
 三ページをご覧ください。政策連携団体における障害者雇用率の推移でございます。
 政策連携団体のうち、障害者の雇用の促進等に関する法律による雇用義務制度の適用団体の障害者雇用率について、令和二年から令和六年までの五年分の実績を記載してございます。
 四ページをご覧ください。性自認及び性的指向に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
 制度開始からの実績を記載してございます。
 五ページをご覧ください。人権に関する相談件数の推移でございます。
 相談分野別に、令和二年度から令和六年度までの五年分の実績を記載してございます。
 六ページをご覧ください。職員対象の人権に関する講演会及び研修会のテーマと講師の一覧でございます。
 令和六年度に実施した職員を対象とした講演会及び研修会について記載してございます。
 七ページをご覧ください。同和対策事業の終了に伴い一般対策で実施している事業の総務局分の一覧でございます。
 八ページをご覧ください。同和問題に関する専門相談窓口の相談件数でございます。制度開始からの実績を記載してございます。
 九ページをご覧ください。東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業の相談件数の推移でございます。
 令和二年度から令和六年度までの五年分の実績を記載してございます。
 一〇ページをご覧ください。都及び政策連携団体における非常勤職員等数の状況でございます。
 令和三年から令和七年までの五年分の状況を記載してございます。
 一一ページをご覧ください。都における局別・男女別の会計年度任用職員の状況でございます。
 局別、男女別に、令和七年八月一日現在の状況を記載してございます。
 一二ページをご覧ください。オフィスサポーターの総数及びオフィスサポーターから常勤職員にステップアップした職員の数と勤務場所及び勤務内容でございます。
 令和七年度の状況を記載してございます。
 一三ページをご覧ください。附属機関等の会議及び議事録・議事要旨の公開状況でございます。
 令和六年四月及び令和七年四月の公開状況を記載してございます。
 一四ページをご覧ください。政策連携団体評議員会の状況でございます。
 政策連携団体が設置している評議員会の状況を記載してございます。
 一八ページをご覧ください。東京都公立大学法人教職員の長時間労働面接対象者数でございます。
 東京都公立大学法人の教職員における長時間労働面接対象者数につきまして、令和二年度から令和六年度までの五年分の実績を記載してございます。
 一九ページをご覧ください。東京都公立大学法人における学生数及び授業料減免等の状況でございます。
 東京都公立大学法人が設置する学校別に、令和六年度及び令和七年度の学生数と授業料について、減免制度等の適用を受けた学生数を記載してございます。
 二〇ページをご覧ください。身分併有型任期付職員の人数、局別並びに具体的な職種でございます。
 令和七年十月一日現在の身分併有型任期付職員の任用状況について記載してございます。
 二一ページをご覧ください。小笠原村(父島・母島)から、内地への救急搬送件数でございます。
 小笠原村の父島、母島別に、内地へ救急患者を搬送した件数について、令和二年度から令和六年度までの五年分を記載してございます。
 二二ページをご覧ください。東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第十二条に基づく概要等公表件数、日付、場所ごとの一覧でございます。
 令和元年度から令和六年度までの六年分の実績を記載してございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○福島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○本橋委員 まずは、人材確保の取組についての質疑でございます。
 少子高齢化と労働力人口の減少などにより、多くの分野と職場で人手不足が叫ばれています。そうした事情は民間企業においてはもちろんのこと、国をはじめとして多くの公務、職場について当てはまるものと認識しています。
 最近、国家公務員に関しては、優秀な人材確保のために人事院の有識者会議において、能力主義の徹底や年功序列制度の修正が話題に上ったとのことであります。
 都庁におきましても既存の制度の見直しを進めていくなど、多くの優秀な若手人材を常に確保、定着し得る魅力的な職場環境整備が急務であります。
 そこで、将来の都政の担い手となる若手人材の確保のための都の取組を伺います。

○金久保人事部長 将来にわたり都政全体のクオリティー・オブ・サービスを確保、向上しながら都政課題に取り組んでいくためには、激化する人材獲得競争にあっても、多くの志ある人材を職員として確実に、着実に確保していくことができる魅力ある人事給与制度を整備することが必要でございます。
 そのため都では、一部の採用試験におきまして、公務員試験のための特別な準備を必要としない適性検査を活用するなど、民間企業併願者等にも受験しやすい採用選考を実施するとともに、都の職場の魅力を伝えるため、ホームページや広報冊子の広報ツールを充実させ、イベントや説明会を開催するなど、積極的なPRを行っております。
 さらに今後は人事委員会勧告を踏まえ、採用における競争力向上のため、初任給の引上げや新規学卒者を主な対象とした住居手当の引上げのほか、民間企業等の経験をはじめとした多様なキャリアを適切に給料に反映するための給与制度の見直しなどを予定しております。
 こうした取組を通じまして、多くの人に都を就職先として希望してもらえるように努めてまいります。

○本橋委員 特に土木職、建築職などの技術職の人材確保は重要であります。道路などのインフラ整備等を適正管理、建築物の設計から工事施工と維持管理などなど、技術職人材は必要不可欠であります。
 そこで、技術職人材の採用、確保について都の取組をお伺いいたします。

○金久保人事部長 技術職人材の採用、確保につきまして、都では、早期化する学生の就職活動状況などの動向に対応するため、令和五年度から一部の試験におきまして秋試験を開始し、技術系職員の受験機会を拡充いたしました。
 また、多様な人材を確実に確保していくため、令和六年度から採用の募集を通年で行い、全国どこからでも適性検査を受けられる経験者採用選考を土木職等で導入し、民間企業等での多様な職務経験や専門性を有する人材の確保に努めております。
 さらに、東京の持続可能性を支える人材を安定的に確保するため、今年度から貸与型の奨学金を借り入れていた学生が、都市の強靱化に携わる技術系の公務員になった場合、都が本人に代わり奨学金を返還する支援を開始したところでございます。
 引き続き、安全・安心な都市東京の実現に向け、有為な技術人材を着実に確保してまいります。

○本橋委員 人材の確保といった面では、土木事務所や建設事務所の出先機関の業務の効率化も急務であります。公務員の転職が常態化している昨今、ここでの業務の効率化があってこそ、初めて確保できた人材が定着をいたします。
 そこで、技術職の確保、定着に向けて、職場環境の整備や業務自体の見直しについて、都の取組をお伺いいたします。

○金久保人事部長 都は、職員が抱える様々な事情に応じましてワークスタイルを選べるように、テレワークや時差勤務、フレックスタイム制を活用した週休三日など、時間や場所にとらわれない働き方を推進しております。
 あわせて、業務プロセスの最適化や生成AIをはじめとする先端技術の活用などによりまして都政全体のDXを推進し、効率的で生産性の高い持続可能な執行体制の構築を進めておりまして、事業所においてもリモートで施工状況を確認する遠隔臨場や、ドローン、AIなどのデジタル技術の活用など、インフラ事業の効率化に取り組んでおります。
 先ほど答弁した取組と併せまして、将来にわたり都政全体のクオリティー・オブ・サービスを確保、向上できるよう、魅力ある職場環境の整備や持続可能な執行体制の構築に努めてまいります。

○本橋委員 これまでの質疑を通じまして、都庁が意欲と能力のある若手職員や技術職人材に選ばれるために、様々な工夫と取組をしていることが分かりました。
 社会全体で労働人口の減少が見込まれる中においても、将来にわたり都民の生命や暮らしを守る取組を推進し、都政課題の解決を図っていくためには優秀な人材の確保や定着が重要でございます。
 引き続きまして、優秀な人材に選ばれ、やりがいと成長を実感できる都庁としていくための取組を推進していただきたいと思います。
 次に、市町村総合交付金についての質疑です。
 我が会派は、会派誕生当時、多摩エリア選出の都議を中心とした政策研究グループ、多摩部会を結成しまして、日々、多摩振興について研鑽を積んでおります。
 多摩・島しょ地域には、区部にはない山や海といった大自然があることで東京の独自の魅力を形成しており、多摩のさらなる振興を図るには、この魅力をさらに大きくしていかなければなりません。
 多摩・島しょ地域の発展のためには、市町村が様々な行政課題に対応できるよう都が市町村を支え、安定した行政運営が展開できることが肝要です。その意味では、いわゆる市町村総合交付金によるバックアップが欠かせません。
 そこでまず、市町村総合交付金という制度の意義、目的について伺います。

○田中行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 市町村総合交付金は、市町村が実施する各種施策に要する経費の財源補完を通じまして、市町村の経営努力を促進し、自主性、自立性の向上に資するとともに地域の振興を図り、もって市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図ることを目的としております。

○本橋委員 その交付金に関して、小池都知事はかねてから多摩・島しょ地域を、誰もが行きたい、誰もが住みたいと憧れる地域にする旨を発信してまいりました。
 市町村総合交付金も、小池都政スタート時の平成二十八年度の総額四百九十億円から、令和七年度の総額七百五億円と増額が続いております。
 そこで、多摩・島しょ地域に対し、どのような視点でこの間の増額を図ってきたのかをお伺いいたします。

○田中行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 多摩・島しょ地域においては、インフラ整備や自然災害への備えなど様々な課題に直面しておりまして、その解決に向けて各市町村が自主、自立的に施策を展開できるよう、この九年間で二百十五億円増額しまして、令和七年度当初予算では、過去最高の七百五億円を計上しております。
 さらに、東京が抱える喫緊の行政課題を市町村と連携して解決していくため、平成三十年度に政策連携枠を導入するなど、制度の充実を図ってきているところでございます。

○本橋委員 この多摩・島しょ地域の市町村が山積する課題を解決し、さらなる魅力を発揮していくためにも、市町村総合交付金の充実は必要でございます。
 そこで、小池都政がスタートして始まった市町村総合交付金の増額による具体的な成果を聞かせていただきたいと思います。

○田中行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 市町村総合交付金は、市町村の発展に向けまして重要な役割を果たしておりまして、待機児童の解消や消防団活動の充実、DXの推進など、都と市町村が連携して取り組む政策課題にも的確に対応してまいりました。
 さらに、学校給食費の無償化や、子供の医療費助成の所得制限撤廃に係る経費を確保しておりまして、学校給食費無償化は令和七年一月から、医療費助成の所得制限撤廃は令和七年十月から全ての市町村で実現されております。
 今後とも市町村の意見を十分に伺いつつ、市町村が積極的に課題に取り組めるよう支援してまいります。

○本橋委員 先月発生した台風二十二号、二十三号は、伊豆諸島方面に甚大な被害をもたらしました。市町村が予見しがたい不測の事態に対応しつつ、安定した行政運営を展開するためにも、総合交付金のさらなる増額を求めさせていただきます。
 次は、多摩・島しょ地域への移住、定住促進の質疑でございます。
 国土の均衡ある発展が重要であるとよくいわれますが、それは特に人口密度に関しても当てはまると思います。人がいなくなればまず家屋が廃れ、やがて地域は荒れていってしまいます。
 多摩・島しょ地域では、かねてより人口の減少が叫ばれてまいりました。特に、西多摩エリアや島しょ部では、既に減少に転じているとのことでもあります。まずは、都内の人口減少に関する動向と、それについての都の認識をお聞かせいただきたいです。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 二〇五〇東京戦略では、東京都全体の人口は今後もしばらく増加が続き、二〇三〇年の千四百二十六万人をピークに減少に転じるとしてございます。
 多摩・島しょ地域については、人口は二〇二五年をピークに、その後減少局面に入るとしてございます。このような人口動向を踏まえ、移住者を増やし、定住につなげていくことが必要であると考えております。

○本橋委員 そうした中、都は、令和四年度に移住定住相談窓口を開設し、始め、そして移住、定住に関する取組を加速させてきたところです。
 そこで、まず移住定住相談窓口での取組と成果について伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、多摩・島しょ地域への移住、定住等に関する情報を提供する常設の相談窓口を、令和四年五月から運営してございます。
 窓口のほかイベントでの出張相談にも対応し、令和六年度までの相談件数は二千八百四十五件であり、件数は年々増加してございます。
 移住支援、情報提供等の活動を行う民間団体が令和七年二月に発表した移住希望地ランキングでは、東京都の順位は上昇し、全国で十四位になるなど、移住希望者への認知度が高まってございます。

○本橋委員 なかなかのものだなと思いました。
 相談窓口を利用するなど、移住に関心を持っている方々が、一歩踏み込んで具体的に移住に向けた検討を進めていくためには、短期間でも現地に足を向けてもらうといった実践的な機会の提供が必要だと思います。
 都は、これまでどのような取組を行ってきたのかお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、円滑な移住につなげていくため、令和五年度から多摩・島しょ地域の生活、文化等の体験や、地域住民等との交流ができる体験ツアーを開始いたしました。
 昨年度までに実施した百四回、延べ九百三十八人が参加し、現地の様子を知ることができた、移住の検討の参考にしたいなどの声をいただいてございます。

○本橋委員 移住、定住希望地として、そもそも多摩・島しょ地域が選ばれるためには、各自治体と都の連携は不可欠であります。市町村の中には、移住、定住の受入れについて温度差はあるものの、意欲ある自治体は独自の移住、定住施策を始めています。
 そこで、都が知り得ているこれまでの市町村の取組例と、都のこれまでの連携と支援の内容をお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 市町村の取組としては、例えば青梅市やあきる野市では、移住、定住に取り組む専管組織を令和五年度から設置し、施策を推進してございます。
 また、新島村では移住相談窓口を設置し、空き家の利活用支援などを行う団体に委託して運用してございます。
 都は、多摩・島しょの実際の暮らしの魅力をリアルに伝えられるよう市町村と連携し、先輩移住者や地域で活躍している企業の方に登壇していただく移住セミナーを開催いたしました。
 また、市町村が移住、定住の取組の幅を広げていけるよう、都、市町村、民間企業等の多様な関係者が参画する多摩島しょ移住・定住促進つながりネットワークを構築し、情報交換を行うなど支援を行ってございます。民間企業の講演なども行い、参考になったなどのご意見をいただいてございます。

○本橋委員 意欲ある自治体をより一層応援し、移住、定住を促進していくためには、地域の特性や実情を十分理解した上で取組を進めることも効果的であることから、都は、市町村の取組に対して積極的に支援し、その意欲を高め続ける必要があると思いますが、今後に向けた取組をお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は今年度、人口減少が進む市町村の自主的な取組を支援するため、移住、定住市町村の支援事業を開始いたしました。
 本事業では、市町村による全国規模の移住イベントへの単独出展や、地域に根差した移住体験ツアーの実施、アドバイザーを活用した事業展開等の取組を財政的に支援してございます。引き続き、市町村と連携して移住、定住につながるよう取組を進めてまいります。

○本橋委員 もろもろ移住、定住に関してお聞かせいただいたところです。
 移住、定住に取り組んでいる自治体にとりましては、移住、定住が促進されない場合、人口減少の課題を解決できないこととなってしまいます。日本の首都である東京都内に人口減少エリアとか、ましてやいわゆる限界集落などがあってはならないと私は思っております。
 さらに申し上げれば、昨今は全国的に熊による人身被害が多発しております。西多摩エリアにおきましても、山間部を中心にしてツキノワグマの目撃情報が相次いでおります。熊の出没が多いため、移住、定住先として危険があるがゆえに、魅力ゼロと受け止められてはなりません。
 都は、多摩・島しょ地域の自治体が移住先として選ばれるよう、熊に関する内容も含めまして、現地に関する様々な情報提供や、広報活動の充実に努める必要があると私は思います。移住、定住施策の推進に向け、都がさらに取組を強化することを求めさせていただきます。
 次に、指定管理者について質疑いたします。
 平成十五年に行われた地方自治法の改正によりまして、いわゆる指定管理者制度が創設されました。現在都は、都立公園やスポーツ施設などに指定管理者制度を導入しておりますが、改めて指定管理者制度の趣旨をお聞かせいただきたいと思います。

○田村グループ経営戦略担当部長 指定管理者制度は、平成十五年六月の地方自治法改正に伴い、公の施設の管理者の対象を広く民間事業者にも拡大するとともに、新たに施設の使用許可等の権限を指定管理者に付与することができる制度として導入されました。
 本制度は、多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用し、行政サービスの一層の向上を図ることを目的としております。

○本橋委員 総論的なところを聞かせてもらいましたが、都内には、公の施設が数多く存在するものの、指定管理者が管理運営を行っているものと、行っていないものがございます。
 そこで、都の現在の指定管理者施設数と指定管理料の総額をお伺いいたします。

○田村グループ経営戦略担当部長 都における令和七年四月一日現在の指定管理施設数は二百十八施設、令和七年度の指定管理料の予算総額は約七百八十五億二千万円でございます。

○本橋委員 指定管理者の選定方法に関しましては、公募選定を基本としつつも、いわゆる特命選定が可能であると、指定管理者制度に関する指針で定められております。
 そこで、この特命選定がどのような場合に可能なのか、確認させていただきます。

○田村グループ経営戦略担当部長 東京都指定管理者制度に関する指針におきまして、指定管理者の選定は公募を原則としつつ、地理的に事業者の参入機会が限定される施設のほか、都の政策等との密接な関連性及び施設の管理運営における団体の適格性の観点から、政策連携団体による管理運営が適切である施設、また大規模改修工事の影響等を考慮し、現行の指定管理者による管理運営の継続が妥当である施設などの要件を満たす場合に、特命選定を可能としております。

○本橋委員 競争原理に基づいた民間活力ないし能力の導入によって、なお一層、行政サービスの向上を図るとするなら、公募選定による公募施設であることが基本でなければならないと思います。
 先ほどのご答弁にあった特命選定のうち、地理的制約や大規模改修工事などによるものは致し方ないものと理解しますが、政策連携団体への特命について、さらに伺います。
 団体特命が導入されたのは、平成二十二年三月、東京都指定管理者制度における指針が改定されたときからと聞いております。
 そこで、都の指針の趣旨はどういったものか、また平成二十二年当時、指針を改定し、団体特命を導入した理由はどういったものなのか、それぞれお伺いいたします。

○田村グループ経営戦略担当部長 東京都指定管理者制度に関する指針は、指定管理者制度の統一的な運用のために策定したものでございまして、指定管理者の選定、管理運営の実施、そしてその評価について、基本的な考え方や必要な手続等を定めたものでございます。
 平成二十二年の指針改正では、都における指定管理者制度を本格導入いたしました平成十八年四月から、指定期間五年を経た最初の更新期に当たる平成二十三年度を迎えるに当たり、それまでの制度運用の実態を踏まえた上で見直しを図りました。
 その一つが団体特命の導入でございまして、これは防災対策など施設運営において都と密接な連携が求められ、かつ民間では対応が困難な場合などは、行政支援、補完機能を有する当時の管理団体に特命選定することで、その施設機能を最大限発揮させることを目的としたものでございます。

○本橋委員 それでは、現在の特命選定によって指定管理される特命施設の割合を伺わせていただきます。あわせて、特命選定によって政策連携団体が指定管理する特命施設の割合も伺わせていただきます。

○田村グループ経営戦略担当部長 令和七年四月一日現在、全ての指定管理施設のうち、特命により選定された施設の割合は四八・二%でございます。特命施設のうち、政策連携団体の割合は八二・九%でございまして、指定管理施設全体の三九・九%でございます。

○本橋委員 特命選定に関しましては、そもそも公募を経ないがゆえに、競争原理が適用されないといった点が指摘されております。また、特命選定の選定基準がそもそも曖昧であるといった点も問題ではないかと考えます。
 そこで、特命選定の妥当性及び透明性の確保について、都のご見解を伺います。

○田村グループ経営戦略担当部長 指針では公募を原則としつつ、施設の状況に鑑み、競い合いによる効果が十分発揮されないと考えられる場合などには特命選定を可能としており、個別の施設が置かれている状況を十分に踏まえた上で、特命選定の是非を判断しております。
 特命選定を行う場合には、外部専門家などによる選定委員会が、特命選定の妥当性及び管理者としての適格性などを審査しております。
 また、選定委員会の審査内容などを公表することで選定の透明性を確保しており、引き続き適切に対応してまいります。

○本橋委員 特命選定した指定管理者については、選定時に妥当性を検証するのみでなく、指定管理期間中を通じて当該指定管理者の特命を継続し続けてよいのか、定期的に検証していくべきだと考えます。
 そこで都は、特命選定の妥当性について、事後の検証をどのように行っていくのかお伺いいたします。

○田村グループ経営戦略担当部長 指定管理者を特命選定した施設につきましては、毎年度実施する管理運営状況評価において、外部有識者のみで構成する評価委員会が、特命要件が継続しているか否かについても審議しております。
 具体的には、特命の前提となった施設の位置づけのほか、政策連携団体の特性と果たした役割、都との連携体制などを評価しており、選定後も特命選定の妥当性が担保されるよう取り組んでいるところでございます。

○本橋委員 指定管理者制度の運用に当たりましては、特命選定の基準の明確化と透明性を確保し、その上で多様化する住民ニーズに対応するとともに、行政サービスの一層の向上を図れることが望ましいと思います。
 こうした観点から、今後、指定管理者制度のより適正な運用に向けて取り組んでいくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○田村グループ経営戦略担当部長 都の指定管理者制度においては公募を原則といたしまして、民間事業者の参入によりサービスの向上を図るとともに、防災公園の管理など、都の政策と密接に関連する施設につきましては協働して事業を進めていくため、特命により政策連携団体等を選定することで、民間活力の活用と都による政策実現の両立を図ってまいりました。
 特命選定を行う上では、その妥当性や透明性の確保が重要でございます。都は、これまでも団体特命の要件に施設管理運営における団体の適格性を加えたほか、選定、評価を担う委員会での外部有識者の活用拡大や選定過程の議事要旨の公開など、制度運用の見直しに取り組んできたところでございます。
 今後も公の施設の管理に民間のノウハウを活用しつつ、都民の福祉増進や生活文化の向上といった行政目的を達成できるよう、引き続き指定管理者制度を適切に運用してまいります。

○本橋委員 指定管理者制度に関して、るるお答えいただきまして、ありがとうございました。
 次に、防災、震災対策の強化についての質疑です。
 能登半島地震など近年の大規模災害において、被災自治体に対し他の地方公共団体は多くの応援職員を派遣しており、初動の応急対策期においても重要な役割を果たしております。被災自治体の膨大な災害対応業務に適切に対処していくためには、こうした応援職員の存在は欠かせません。
 そこで都は、平成三十年に東京都災害時受援応援計画を策定し、令和五年十一月にこれを改定しています。この改定のポイントをお聞かせいただきたいです。

○高田総合防災部長 東京都災害時受援応援計画では、大規模災害発生時に、全国の自治体や関係機関などから応援の受入れや、都内区市町村、都外自治体への応援を円滑に行うため、具体的な手順やルール、体制等を定めております。
 都は、令和五年に同計画を改定し、首都直下地震に備え、南海トラフ地震や大規模風水害、当初の火山噴火などを想定して、都と区市町村等における受援応援の対応手順等を整理いたしました。
 また、各団体との受援応援スキームを明確化するため、人的支援を行う際には、総務省の応急対策職員派遣制度により一元的に調整するとともに、DXの活用により物資調達、輸送の迅速化を図ることとしております。
 さらに、都と区市町村の役割を明確化するため、都内全区市町村との災害時等相互協力協定を締結いたしまして、平時から図上訓練や連絡会議を開催するなど、区市町村との連携強化を図ることとしております。

○本橋委員 大規模災害発生とともに、全国の自治体や関係機関などからの応援を迅速かつ円滑に受け入れ、スピード感を持って災害対応できることが肝要であります。
 一方で、都内では、いまだに受援応援計画を定めていない市区町村があると伺っております。特に住宅密集地域、木造密集地域などの事情を抱える都内の二十三区は、具体的なルールなどを明確にした受援応援計画などを策定しておく必要性と緊急性は極めて高いと思います。
 そこで現在、受援応援計画などを策定している都内自治体の数をお伺いいたします。

○高田総合防災部長 令和七年十一月時点で、受援応援計画等を策定しているのは二十五団体でございます。

○本橋委員 二十五ということでございました。
 都の地域防災計画では、令和十二年までに、都内の全ての市区町村の受援応援計画策定の方針を掲げております。都内全ての市区町村の受援応援体制の早期整備を支援するとともに、策定していない都内自治体には、その必要性を認識してもらう必要があるのは当然であります。
 そこで、都による未策定自治体への支援についてお伺いいたします。

○高田総合防災部長 都は、能登半島地震で改めて顕在化した課題等を踏まえ、本年二月、東京都災害時区市町村受援応援体制ガイドラインを改定し、区市町村に提供いたしました。ガイドラインには、区市町村が策定する受援応援計画のひな形を掲載してございます。
 また、他自治体が作成した参考となる計画を共有するとともに、応援職員を受け入れるまでの具体的な手順や対象業務など、発災時の対応がイメージできるよう助言を行っております。

○本橋委員 引き続きご尽力をお願いしたいところです。
 首都直下地震などの大規模災害が発生した際、甚大な被害が想定される東京都においては、実効性のある受援応援体制を構築することが極めて肝要です。令和十二年までに、都内の全ての市区町村の受援応援計画策定の方針の達成に向けて取組を進めていってほしいと思います。
 次は、DXを活用した被災者支援についてであります。
 災害発生直後の七十二時間は、人命救助において最も重要な時間とされています。さらに七十二時間を経過した後には、地域防災拠点への物資輸送や救援物資の適切な判断を行うために、被災状況の的確な把握が不可欠であります。
 令和五年第一回定例会以降、我が会派の福島都議は本総務委員会において、都民一人一人の被災状況を把握する手段として、マイナンバーとデジタル技術の活用を提案されてまいりました。これを受け、令和七年第一回定例会において小池都知事より、今年度からDXを活用し被災者情報を一貫して把握する新たな仕組みの構築に向け、検討に着手するとの方針が示されました。
 そこで、防災DXを活用した被災者支援の仕組みの構築について、今年度の具体的な取組内容と今後の計画についてお伺いいたします。

○高田総合防災部長 都は、被災者に必要な支援を適時適切に提供するため、発災直後の安否確認から応急復旧時の避難者の所在やニーズの把握、復興期の生活再建の支援まで、被災者情報を一貫して管理するシステムの構築に向け、調査検討を進めております。
 今年度は、個人情報の取扱いに関する課題や既存システムとの連携、被災者からの情報収集方法などについて専門家や区市町村等からヒアリングを行うとともに、参考となる事例調査などを行っております。
 今後は、区市町村や関係機関等と意見交換を行いながらシステムの構築に向け、令和十年度までにシステム設計を完了させることとしております。

○本橋委員 被災者の所在などの現況把握が正確にできなければ、災害関連死の未然防止や被災者にとって切に必要な支援も届かないことがあり得ます。着実に防災対応のDXを図り、迅速な被災者支援につなげていくことを切に要望させていただきます。
 そして、次の質問に移りますが、内閣府では、被災者一人一人の被災状況や生活状況の課題などを個別の相談などにより把握した上、必要に応じて専門的な能力を持つ関係者と連携しながら、これらの課題などの解消に向けて継続的に支援することにより、被災者の自立、生活再建が進むようマネジメントする取組であります災害ケースマネジメントを進めています。
 従来型の自立生活再建は、支援メニューを用意し、被災者からの申請に基づき支援を提供するものでしたが、これを官民連携で被災者の自立、生活再建が進むようマネジメントすることで、災害関連死や支援漏れの防止、被災者の自立、生活再建の早期実現や地域社会の活力維持への貢献などの効果が期待されます。
 内閣府は、令和五年六月に、地方公共団体の担当者向けに災害ケースマネジメントの実施に関する全国講習会を開催しました。その年の事務事業質疑で、我が会派の福島都議より、都においても災害ケースマネジメントの取組推進に向け、区市町村や関係機関、民間団体などに対する普及啓発を行うべきと訴えさせていただいたところです。
 本年、国による災害ケースマネジメントの実施体制を構築するためのモデル事業に荒川区が手を挙げているとのことであります。都として災害ケースマネジメント実施体制整備モデル事業に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○小平危機管理調整担当部長 災害ケースマネジメントを検討する際の参考となるよう取りまとめた国の手引では、区市町村は、支援の実施主体として被災者が抱える課題等を個別の相談などにより把握した上で、専門家と連携しながら課題等の解消に向けて継続的な支援を行うこととされております。
 区市町村が被災者が抱える様々な生活相談に応じ、一人一人に寄り添った支援が行えるよう、都は協定を締結している弁護士会、行政書士会等を含む二十団体から専門家を区市町村の要請に応じて派遣することとしております。
 今般の八丈町における台風被害におきましても、本協定に基づき、専門家による被災者向けの相談窓口を設置し対応しております。本年一月には、専門家等との連携体制の構築などを促進するため、区市町村職員向けの講習会を開催し、他自治体の好事例や専門士業団体が実施している被災者支援の取組を周知しております。
 今後、こうした講習会を通じまして、荒川区におけるモデル事業も含め、先行事例等を区市町村と共有することで、被災者支援の取組を後押ししてまいります。

○本橋委員 ぜひ荒川区の取組を参考にしていただいて、都としても前に進めていっていただきたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。次は、出火防止対策、家具類転倒等防止対策などについての質疑です。
 最近、南海トラフ地震の発生時期と確率について、修正の発表が新聞やテレビなどでありました。その発表によりますと、南海トラフを震源とするマグニチュード八から九の地震の今後三十年間の発生確率は六〇%から九〇%程度以上というものと、二〇%から五〇%程度の両論併記に見直したとのことでありました。
 また、首都直下地震については、マグニチュード七程度の地震の三十年以内の発生確率が七〇%程度と、令和七年一月に内閣府が公表しております。
 いずれにしても、巨大地震はいつ起きてもおかしくないわけでございます。都はこれまでも、阪神・淡路大震災、熊本地震、そして能登半島地震などから得た教訓を踏まえ、都の防災力向上に鋭意取り組んでこられました。
 特に出火防止に関する取組は、確実に人的、物的被害の軽減につながってまいります。出火防止対策は、個々の家庭での取組が必要でありますが、都民一人一人に対策の重要性を知ってもらうことが大事であります。そのため、都は、普及啓発することにより、都民の出火防止対策を促進すべきであります。
 まずは、出火防止対策について、都はこれまでどのように普及啓発を行ってきたのかをお伺いいたします。

○佐藤防災対策担当部長 都は、令和五年度に感震ブレーカーの特徴、設置により期待される効果などについて記載したリーフレットを作成し、防災ブックと併せて都内全ての世帯に配布しました。
 加えて、令和六年度からは、区市町村が実施する防災イベント等において都のブースを設置し、出火防止対策について周知してきました。
 また、令和五年度及び六年度には、木造住宅密集地域の木造住宅に対して、感震ブレーカーが地震による電気火災の防止に有効であることをリーフレットで周知するとともに、普及啓発を目的に、希望する世帯に対して感震ブレーカーを配布しました。

○本橋委員 都が、木造住宅密集地域のみならず、広く都民へ出火防止対策の普及啓発を実施していることは評価させていただきます。
 しかし、対策を加速するためには各世帯の一層の協力と理解が必要であり、実効性を高めるため、都は今年度から区市町村との連携や、住宅事業者の協力を得るための新たな取組を行っていると聞いております。
 そこで、対策を加速するための令和七年度の出火防止対策の具体的な取組をお伺いいたします。

○佐藤防災対策担当部長 令和七年度からは、区市町村が地域の実情に応じて対象とする世帯に感震ブレーカーの設置を進められるよう、設置経費の二分の一を補助する新たな制度を開始しました。特別区長会や市長会、町村長会などでの説明に加えまして、個別に区市町村に活用を促しております。
 また、住宅事業者に対しまして、新築住宅に感震ブレーカーを設置する場合に、その購入費の二分の一を補助することとしました。住宅事業者に対して個別に制度の説明やヒアリングを行い、補助制度の活用促進を図っております。

○本橋委員 都が区市町村や住宅事業者を支援するため、感震ブレーカーの設置を促進する新たな補助制度を開始したことは評価いたします。
 今後も、都は区市町村や事業者との連携を一層に密にしていただきまして、出火防止対策に取り組むことを期待しております。
 次に、家具類転倒等防止対策についてでございます。
 都の地域防災計画において、家具の転倒、落下、移動防止対策は、減災対策の中でも特に重要と位置づけられております。特に阪神・淡路大震災では、約八割の住民が家屋の倒壊や家具類の転倒による圧迫死であったとのことから、この対策の普及啓発と実践は極めて重要であります。
 その一方、令和五年度に都が実施した防災に関する都民の意識調査によりますと、この対策を講じている世帯は四割程度にすぎないとのことでございました。そこで家具類の転倒防止対策の最新の実施率をお伺いいたします。

○田代防災計画担当部長 令和六年度の防災に関する都民の意識調査において、倒れる危険性があるものは全て実施していると回答した割合が九・七%、一部の家具等に実施していると回答した割合が二七・三%であり、合計して三七・〇%でありました。

○本橋委員 大分ちょっと心配な数字が出てきましたが、家具全てに転倒防止器具を取り付けている世帯を増やしていくことは、人的被害の軽減において極めて重要であります。しかし、これまでのお願いベースのような普及啓発方法では、なかなか都民の行動変容は期待しづらいと思います。
 ここ最近発生する地震による被害内容の三割から五割は、家具類の転倒、落下、移動に起因するとの報告もございます。
 そこで、都内各世帯に向けたさらなる家具類の転倒など、防止対策に関する都の取組をお伺いいたします。

○田代防災計画担当部長 都は、ハンドブックの配布やホームページ、SNSによる周知、デジタルサイネージを活用した普及啓発動画の発信に加え、町会、自治会、マンション管理組合等の地域コミュニティに対するセミナー等を通じて、家具、家電の転倒防止対策のポイントなどを都民に分かりやすく伝えております。
 また、東京消防庁の防災訓練やイベント等において、具体的な取付方法について周知するとともに、VR防災体験車でのリアルな災害体験により、家具類転倒等防止対策をはじめとした都民の防災意識の向上を図っております。こうしたことにより家具類転倒等防止対策のさらなる促進に向け、取り組んでまいります。

○本橋委員 今度は、この点についての事業所ないし店舗などに関してであります。
 都内の事業所や店舗などに対しては、従業員や利用者の生命や財産を守るといった観点から、都は震災対策条例において、家具等の転倒、落下、移動防止対策を含む、事業所防災計画の作成を義務づけています。
 一方、その計画の提出、届出義務が一部の施設に限られているがゆえに、多くの事業所や店舗などでは防止対策がおざなりとなり、従業員や利用者の生命や財産、安全・安心が脅かされている状況にございます。
 首都直下地震に備え、都民の生命や財産、安全と安心を守るためには、全ての事業所や店舗等において、家具類の転倒等防止対策への取組を促進しなければならないと思います。
 その意味で、都は計画の届出義務のない事業所への対策について、より厳しい条例や規則へと改正すべきと考えますがいかがか、都の見解をお伺いいたします。

○田代防災計画担当部長 事業者が家具類の転倒等防止対策を実施し、従業員や顧客の安全を確保することは重要でございます。対策を徹底する観点から、事業所防災計画の届出義務のない事業所においても、条例や規則による対応も含めた実効性の確保は必要でございます。
 このため、現在、東京消防庁と連携して有識者や事業者団体等へのヒアリングを実施し、事業所における対策が一層促進されるよう、現状の把握や課題の整理等を行っております。

○本橋委員 従業員や利用者の生命や財産を守るためには、企業が事業所や店舗等の安全対策をしっかりと行うことに加え、従業員の一斉帰宅抑制など、帰宅困難者対策に取り組むことも重要であります。
 我が会派は、これまでも災害時における帰宅困難者対策を重要な施策と位置づけ、様々な機会を捉えて取り上げてまいりました。首都直下地震が発生した際、都の被害想定では四百五十三万人の帰宅困難者が見込まれ、一斉に帰宅行動を開始することにより、群衆雪崩や余震などによる二次被害の危険性も懸念され、こうした社会の混乱を回避させるためには、企業による従業員の一斉帰宅を抑制することが不可欠となってまいります。
 こうした中、都は、令和四年に企業における災害対策の旗振り役となる事業所防災リーダー制度を創設し、リーダーの登録推進に向けた普及啓発や広報PRを展開しているところであります。
 一方、本年八月に発表されました東京商工会議所が会員企業に行った災害リスク対策に関するアンケートでは、事業所防災リーダーについて内容を含めて把握している割合は約一割となり、前回調査から増加してはいるものの、約七割は制度自体を把握しておりません。
 そこで、現在の事業所防災リーダーの登録者数の状況と登録者数の増加に向けた取組状況についてお伺いいたします。

○小平危機管理調整担当部長 事業所防災リーダーの登録者数は、令和七年十一月十二日現在、六千四百九十四社、二万六千九百二十四人でございます。昨年度末に比べ企業数は六百六十三社、リーダー数は九百六十九人増加しております。
 都はこれまで、経済団体が実施する企業向けの防災対策セミナーやインターネット広告などを活用し、事業所防災リーダーの普及啓発を行ってまいりました。事業者の皆様からの、防災対策に取り組みたくてもどうすればよいか分からないという声も踏まえまして、昨年度からリーダーが防災対策に取り組むための平常時からの備えや、発災時の対応を分かりやすくまとめた実践的なマニュアルを作成し、広く都の防災ホームページ等で周知しております。
 また、本年二月、リーダーの活用に積極的に取り組んでいる企業等の優れた取組を表彰する制度を創設し、都の防災ホームページや民間ビジネス誌等で広くPRいたしました。
 今月末に開催される産業交流展でのPRなど、多数の企業が集まる機会や様々な手法を活用し、積極的にリーダーの登録を推進してまいります。

○本橋委員 ここでは最後の質問になりますけれども、災害廃棄物の処理にまつわる課題についてであります。
 能登半島地震では大量の災害廃棄物が生まれ、その処理が停滞していたことは記憶に新しいところです。災害廃棄物があると道路が寸断されたり、住宅建築が進まなかったり、また廃棄物の種類によっては悪臭を放ったりして、早期の生活再建や早期復興が妨げられてしまいます。首都直下地震や南海トラフ地震など、想定される大規模災害に対応し得る災害廃棄物処理体制をあらかじめつくり上げていくことが肝要といえます。
 そこで、災害廃棄物の処理についての都の考え方をお伺いいたします。

○田代防災計画担当部長 東京都地域防災計画では、都、防災機関、事業者及び都民が行うべき震災対策を項目ごとに、予防、応急、復旧の各段階に応じて具体的に定めております。
 予防の段階では、大量に発生する災害廃棄物の処理は区市町村を実施主体として、必要に応じて都が支援して仮置場や最終処分場を確保し、迅速な処理体制を整備することとしております。
 応急の段階では、災害廃棄物処理は区市町村の被災状況や委託要請を踏まえ、都も仮置場等を確保し、かつ処理体制を確立することとしております。
 復旧の段階では、災害廃棄物処理は処理施設の被災状況や区市町村での一時仮置場の状況を踏まえて、都において対策を検討することとしております。
 また、応急から復旧の段階を通じて、都は、処理主体である区市町村が適正に災害廃棄物の処理を実行できるよう、技術的支援や各種調整を行うこととしております。

○本橋委員 大地震や豪雨災害などが発生した場合、その復旧、復興を通じて、確実といってよいほど新たな災害廃棄物が発生し、その処理、処分が問題となります。
 ふだんからスピーディーな災害廃棄物処理体制を作成しておくとともに、常にその計画の実効性を高めていくことが重要であります。災害廃棄物処理の支援と、広く首都防衛に向けた危機管理の強化をお願いいたします。
 次に、ペット同行、同伴避難についてであります。
 ペット同行、同伴避難は、動物愛護の観点のみならず、飼い主の生命、身体の安全を守り、適切な避難行動を確保する観点から重要です。また、災害時にペットが逸走すると、地域社会の公衆衛生対策や安全対策に関わる問題にもつながってしまいます。
 一方で、能登半島地震の際には、避難者、運営者などの認識が不十分であったことなどにより、ペットを連れてきた避難者の受入れが断られるなど、避難所ごとに対応の相違が生じたとの報告がございます。
 また、ペットが苦手な方やアレルギーをお持ちの方への配慮といった課題もあります。こうした状況の中、ペットとともに避難できる飼い主被災者を受け入れる避難所が増えることが望ましいと思います。
 そこで、本年三月に策定された東京都避難所運営指針では、避難所でペットを受入れ可能とするためにどのような内容を示しているのか、お伺いいたします。

○畠山避難所・物資担当部長 避難所運営指針では、ペット同行、同伴避難について目指すべき基準として、原則全ての避難所でペット受入れ体制を確保すること、具体的取組として、ペットの滞在ルールの事前周知、餌やケージなどの資機材の確保、ペット同行、同伴避難受入れ訓練の実施などを示しております。

○本橋委員 都としてそのような指針が存在し、それに基づいてしっかりと運営されていることは、飼い主にとって大変心強いと思います。指針で示した目的を没却させることなく、そこでの目標を実現するためには、避難所を運営する区市町村の取組が重要であります。
 そこで、ペットの受入れ体制の構築に向けた区市町村の取組に対し、都はどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。

○畠山避難所・物資担当部長 避難所でのペット受入れに必要となる資機材等の確保のため、令和七年度からは、餌やケージについて区市町村の購入経費の二分の一を補助しております。
 また、本年八月に、羽村市と合同で実施したペット同行、同伴避難訓練では、獣医師の指導のもと、ペット滞在スペースの設定、ペットの種類やサイズ別のゾーニング、逃走防止対策などについて確認しております。
 現在訓練の成果と課題を取りまとめており、今後、他の区市町村と情報共有してまいります。

○本橋委員 ちなみに、手前みそではありますけれども、ペット同行、同伴避難に関しまして、私の地元の豊島区とはどのような連携、取組をしているのかお伺いいたします。

○畠山避難所・物資担当部長 本年七月に内閣府及び豊島区は、ペット同行、同伴避難についても取り上げた避難生活支援リーダー、サポーター研修を開催し、これに対し、都は後援及び運営協力を行っています。
 また、都は避難所の運営に関わる住民が、各避難所の実情を踏まえた運営ノウハウ等を習得することを目的としたセミナーを、来月、豊島区で実施予定であり、ペット同行、同伴避難についても取り扱うこととしております。
 なお、都が今年度から開始した避難所でのペット受入れに必要となる資機材に係る補助制度を、豊島区は既に活用しております。

○本橋委員 都が、私の地元の豊島区をはじめとして、市区町村としっかり連携して様々な取組を進めていることが分かりました。
 ペットの飼育率が高い地域においては、避難所に多数のペットが集中する可能性があります。その場合、対応が後手に回ると混乱を招きかねません。そのため、世帯ごとのペットの飼育数や種類、集合住宅、戸建ての分布などを平時から把握しておくことが重要だと思います。また、避難所の収容見込みを推定しておくことも同様に重要だと思います。
 そうした観点での今後の取組の実施を強く要望しまして、最後の質問に移らせていただきます。
 最後に、災害対応全体に関してお伺いいたします。これまでの質疑において、様々な都の防災対策について答弁を聞かせていただきました。都は、従来からのハード面の整備に加え、避難所の環境整備や備蓄、家具転倒防止対策など、様々な対策を進めていることが理解できました。
 しかし、首都直下地震などの大規模災害への備えは、これまで対策を行えば十分といえるようなものではなく、常に対策の見直しを行っていく必要がございます。
 また、先月の八丈島、青ヶ島を襲った台風二十二号、二十三号のように、住まいや水道、道路などのインフラに大きな被害をもたらす風水害も頻発化、激甚化しています。そうした状況の中、首都防衛を実現するためには、総務局が中心となって各局をリードし、災害への備えに万全を期すべきと考えます。
 そこで、激甚化する風水害や、いつ起こるとも知れない首都直下地震などの大規模災害に対してどのように取り組んでいくのか、最後に局長の決意をお伺いいたします。

○佐藤総務局長 今ご質問いただきました東京には、首都直下地震ですとか、あと東京は島しょを抱えていて、私が係長のときに三宅島が噴火をいたしまして、二十五年たちます。
 また、激甚化する風水害、台風ですとかゲリラ豪雨みたいなことが激甚化しております。様々な災害リスクがあるということがいわれているわけでございます。
 都では、こうしたことに対応するため、建物の耐震化あるいは不燃化、治水などのハード対策などを進めて、減災対策という意味ではかなり進んでまいりました。これは、都庁でいえば都市整備局ですとか建設局あるいは下水道局が担っております。
 例えば、建物被害の被害想定というのは、二〇一二年の被害想定と二〇二二年と比べますと、三十万棟壊れるというものから、十九万棟というものに減少しています。ほかにもデータとして立証されるものはたくさんございます。こうした都の減災対策というものをまずしっかりと進めていくことが必要であります。
 ただ、同時にリスクというものを強調して、東京の都市としての価値あるいは国際競争という観点ではマイナスというジレンマがあります。最近は、首都東京の災害リスクみたいなものを殊さらに強調して、首都機能分散的な動きをセットとしようとするような動きもあります。
 したがいまして、東京都の減災対策をしっかり進めていくと同時に、そのことを政策企画局とも連携をして、しっかり発信をしていく必要があると思っています。
 また、ハードの取組だけではなくて、るる答弁申し上げてまいりましたけれども、事前防災の強化をする必要があると思います。例えば出火防止ですとか家具転倒ですとか、あるいは住宅政策本部が担っているマンション防災ですとか生活文化局が担っている町会、自治会による地域防災力の向上であります。
 大事なことは、防災対策というのは、警視庁、消防庁も含めて様々な行政分野で東京都の総体の力で取り組むということ、また民も含めて全体の東京の力で取り組むということが必要だと思います。そのために総務局が中心となっていくということだと思います。
 あと、もう一つ大事なことは、人命に直結する発生直後の初動応急対策、これは総務局が主に担っております。人的資源が限られている状況の中で、区市町村や救出、救助機関ですとか関係団体の力を合わせて、迅速かつ実効性の高い活動というものを展開する必要があります。
 そのために実践的な訓練をやっていますけれども、例えば、いかなる事態でもバックアップ体制、指令統制を行えるように、多摩の立川には新たな防災拠点を整備しております。
 また、大事なことは救出、救助活動を行う各主体ですとか地域防災計画に定めている役割というものが、実際にワークする、有機的に連携して実際に機能することが必要だというふうに思います。
 そのため現在、そういう実効性の高い、機能するような形で検討を進めているところであります。同時に、警視庁、消防庁の資機材の充実による対処の向上というのを図っているところでございます。
 災害対策は、あらゆる事態を想像、想定しながら、常に先手先手で対策を講じていくことが必要であります。国や区市町村、関係機関と緊密な連携を図るとともに、民間事業者、地域団体、都民の協力を得て、都庁総体も含めて、都庁の総力を挙げて首都防衛の担う役割、首都東京の防災力を高めていく決意であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○本橋委員 局長の力強い決意を拝聴させていただきまして、私の質疑を終えます。

○星委員 よろしくお願いします。本橋委員とちょっと重なるところがありますけれども、極力重ならないように進めてまいりたいと思います。
 被災地支援を開始するに当たっては、支援を受け入れる被災地の体制、支援を必要な地域に届ける仕組みなど、支援活動が被災地で有効に展開されるよう、支援活動を開始するに当たっての情報収集、事前調整が必要であります。
 令和七年台風二十二号及び二十三号による被害に関する支援活動の実態と改善点に関する見解を、まず伺わせていただきます。

○高田総合防災部長 台風二十二号について、気象庁は十月七日時点で、今後非常に強い勢力を保って伊豆諸島に接近すると予報し、翌十月八日には暴風波浪特別警報の可能性があることや、線状降水帯が発生するおそれがあることなどを発表いたしました。
 このため、都は事前対策として、十月七日に大島、三宅島、八丈島の各支庁に情報連絡要員、リエゾンですけれども、総合防災部の職員を派遣いたしました。
 また、十月八日には、警報の発表を待たず、災害即応態勢を構築した上で町村と連携し、早期に避難所の開設、島民の避難につなげるなど、台風の接近に備えております。
 さらに、暴風特別警報の発表を受けて、被害が発生する前に国と調整し、伊豆諸島の島しょ町村を対象に災害救助法を適用いたしました。
 台風二十三号の接近に当たりましては、土砂崩れのおそれがある地域の住民に対し、八丈島の職員や消防団員と連携し戸別訪問を行うなど、事前避難の呼びかけを行っております。
 現在、台風二十二号及び二十三号に伴う防災対策の検証を行っており、その結果を今月末までにまとめ、今後の対策に生かしていきます。

○星委員 ありがとうございます。首都直下地震、南海トラフ地震、富士山噴火などが発生すれば、東京は必ず被災をします。被災した後は、道路橋梁の破損、建物の倒壊、鉄道網の断絶、水道、下水道やガスの電力の遮断など、東京の経済と生活を支えるインフラが多大な影響を受ける中、外国人も含め、避難場所を求める多くの被災者への対応が求められることになります。
 昼間人口が、夜間人口を大幅に上回っている都心部などでは、住民を対象に設置している避難所だけでは収容能力に限界があります。
 そこで欠かせないのは、被災状況を踏まえた近隣区同士の協力や多摩の各市の支援、都内にある大型施設での収容、都内から都心部に通勤している方の帰宅支援、そして広域避難の実施とともに、被災者の不安軽減、ひいては混乱の中での安全・安心の確保に欠かせないのが、行き届いた情報の発信であると考えます。
 いずれも事前の準備が欠かせません。そのときになって検討するのであれば手後れになってしまい、支援を担っていただく相手方と事前調整、受入れ体制構築が必要であります。
 東京の災害対策を考えるときに、減災対策に加えて被災することを前提に、特に人口が密集する都心部や、海抜ゼロメートル地帯での予想される被災後の実態を想定し、関係する自治体、他県、国からも支援をしてもらう体制整備を強力に進めるべきであると考えております。
 東京都災害時受援応援計画に基づく対策のこれまでの進み具合と、災害時に都が直面するこうした課題に向けた今後の具体的な取組について伺います。

○高田総合防災部長 都は、令和五年に災害時受援応援計画を改定し、首都直下地震に加え南海トラフ地震や大規模風水害、島しょの火山噴火などを想定し、都と区市町村等における受援応援の手順を整理いたしました。
 計画に基づき各団体との受援応援スキームを明確化するため、人的支援を行う際には、総務省の応急対策職員派遣制度により一元的に調整するとともに、DXの活用により物資調達、輸送の迅速化を図ることとしております。
 また、都と区市町村の役割を明確化するため、都内全区市町村との災害時等相互協力協定を締結いたしまして、平時から図上訓練や連絡会議を開催するなど、区市町村との連携強化を図っております。
 現在、国が、首都直下地震発生時における全国からの応援職員派遣に係るアクションプランの検討を行っており、今年度中に策定される予定でございます。今後、プランを踏まえまして、受援応援に係る具体的な内容を整理し、実効性のある体制を構築してまいります。

○星委員 我々都議会自民党は、この台風二十二号について発生した後に緊急要望を知事に提出させていただいて、二十二号の後の二十三号の前にもこの緊急要望を提出させていただいたところでもあります。本当に対応に感謝を申し上げさせていただきたいと思いますし、また先日も、我々都議会自民党、三宅正彦都議中心に八丈島を訪れて現地調査もさせていただきました。その調査に関しましてもご協力いただいたことに感謝申し上げさせていただきたいと思います。
 やはり一か月ちょっとたった台風に関しましては、まだまだ復興の遅れがあることは、現地に行っても聞いてきたところでもありますので、今後も先ほども局長からもお話がありましたとおり、都庁全体で対応していくことを台風に関しましては要望をさせていただいて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 緊急一時避難施設の指定について伺ってまいります。
 国際情勢が緊迫化する中、ミサイル攻撃への備えとして、Jアラートが発出された際の避難施設の確保は喫緊の課題であると考えています。都は、緊急一時避難施設の確保を進めていますが、指定の状況について伺います。

○永田国民保護担当部長 都は、国や区市町村と緊密に連携をし、都内にある公共施設をはじめ地下駅舎や商業施設などの民間施設を含め、緊急一時避難施設の確保を推進しております。
 都内の緊急一時避難施設は、令和六年度末現在で、前年度末から百五十六か所増加し、四千六百三十か所となっており、東京の全人口を収容できる規模を確保しております。

○星委員 東京都全体では全人口を収容できる規模の施設を確保しているということでありました。
 しかし、例えば私の地元の町田市などの市町村部は、区部と比較して地下施設や堅牢な建物が都心部に比べて多くなく、緊急一時避難施設も少ない状況にございます。
 そこで、市町村部における緊急一時避難施設のさらなる指定や、住民の理解促進に向けた取組について伺います。

○永田国民保護担当部長 さらなる確保に向けまして、屋外滞留人口の多い大規模な駅周辺で指定を進めるとともに、市町村部におきましても、地下施設や大規模集客施設を有します民間事業者などを個別に訪問しまして、緊急一時避難施設の意義や指定の手続などを丁寧に説明をし、指定に向けた働きかけを行っております。
 また、都民が適切に避難できるよう、有事の際は近くの建物に避難する、建物がない場合は物陰に身を隠す、地面に伏せ頭部を守ることなどを分かりやすくまとめましたリーフレットやSNSなどを活用し、普及啓発に取り組んでおります。

○星委員 ありがとうございました。先ほど申したように私の地元、町田市は、駅周辺は本当に大きな堅牢な建物が多かったり、地下施設があるところが多くあるんですけど、一歩、少し離れると戸建ての住宅が多い住宅街でしたり、あとは畑が多かったり、丘陵地が多い場所であります。
 そういったところの施設と今も連携していくというお話もありましたけれども、そうした連携と、またこちらも最後ありましたとおり、身を隠すといったところの普及啓発も引き続きお願いを申し上げさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。
 多摩地域の消防団への支援について伺います。
 自然災害が頻発化、激甚化し、首都直下地震の発生も懸念される中、地域の防災活動の中核として活動する消防団の重要性がますます高まっています。
 消防団の活動は、地域住民の安全・安心を確保するために欠かせないものですが、多くの消防団が団員の確保に苦慮しています。総務省消防庁によると、全国の消防団員数は、令和七年四月一日時点で、前年比一万四千人減の七十三万二千人であったということであります。
 まず、都内全体の消防団の団員数と、多摩地域の消防団の団員数について、それぞれ現在と五年前の比較について伺わせてください。

○佐藤防災対策担当部長 令和七年四月一日現在、都内全体の消防団員数は二万一千二百八十八人。そのうち多摩地域の消防団員は七千百十八人であります。
 五年前の令和二年四月一日と比べると、都内全体では七百八十九人減少、そのうち多摩地域は五百九十三人の減少となっております。

○星委員 消防団員は減少傾向にあるとのことでありますが、特に多摩地域において減少が進んでいるということであります。
 消防団を中核とした地域防災力向上のためには、消防団員の安定した確保が不可欠です。そのために、新たな団員の消防団への入団促進に向けては、都が市町村を強力に支援する必要があると考えています。
 そこで都は、市町村における消防団員入団促進のため、どのような支援を行っているのか伺います。

○佐藤防災対策担当部長 都はこれまでも、市町村と連携し、若者をターゲットとしたポスターや、女性消防団員のインタビュー動画等を活用して団員募集PRを行ってきました。
 令和六年度は、新たに大学の学園祭や地域の防災関連イベントにおいてブースを三回出展し、消防団の活動の紹介、入団の促進などを行いました。
 令和七年度は、学園祭等へのブース出展を拡充するとともに、新たに若者が多く集まるプロサッカーの試合において消防団員の募集広告映像を放映するなど、一層の入団促進に取り組んでおります。

○星委員 都が消防団員の入団促進に積極的に支援をしているということでありましたが、さらに取り組んでいただきたいと思います。せっかく入団していただいた消防団員が安心して活動に取り組めるよう支援を行い、定着を図っていくことも非常に重要であると考えます。
 消防団員の定着促進策として、都はどのような取組を行っているのか伺います。

○佐藤防災対策担当部長 都は、団員間の交流を活性化し、活動を継続しやすい環境づくりのため、女性や学生の団員向けのセミナーを毎年開催しております。
 また、苛酷な現場で活動する消防団員の幅広い悩みに対応できる専門相談員を配置した相談窓口を設置するとともに、ストレスをケアする役割を担う人材を養成するための研修も実施しております。
 さらに、令和五年度からは新たにハラスメント防止講習を開催し、昨年度からは、よりきめ細かく対応するため、ハラスメントの基礎知識等を学ぶ一般団員向けと、ハラスメントを防ぐための指導スキルを中心に学ぶ幹部団員向けに分けて実施しており、今年度は二月に開催を予定しております。

○星委員 都が、市町村における消防団員の入団促進や定着に向けて様々な取組を行っているということでありました。
 今後、消防団員が減少傾向にある背景などもしっかりと分析をしながら、一層効果的な消防団員の入団促進、定着に向けた取組を進めていただくことを要望させていただいて、次の質問に入らせていただきます。
 多摩振興アクションプランについて伺ってまいります。
 さきの第三回定例会で、我が会派は多摩振興アクションプランに基づく施策を着実に進め、地域課題克服とさらなる発展を図る必要性を確認いたしました。
 本年三月には、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸が都市計画決定され、開業に向けた取組が進んでいます。私の地元、町田市の町田方面への延伸がまたさらに実現すれば、南北の拠点が結ばれ、地域の活力向上に大きく寄与いたします。道路交通ネットワークの充実は地域発展の基盤であり、今後も着実な整備が求められます。
 そこで、まず本年三月に策定した多摩振興アクションプランでは、多摩地域での道路交通ネットワークの一層の充実に向け、どのように取り組んでいこうとしているのか伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 多摩振興アクションプランでは、都心からのアクセスのよさなど、多摩地域の強みをさらに伸ばし、生活の利便性を向上させるため、多摩地域の主要な骨格幹線道路である多摩南北道路などの整備を進め、道路ネットワークの強化を図ることとしております。
 また、多摩地域における快適な生活、訪れやすさに磨きをかけるため、多摩都市モノレールの延伸など、鉄道ネットワークの強化や連続立体交差事業の推進など、交通環境の整備等、様々な取組を進めていくこととしております。

○星委員 改めて、町田方面へのモノレール延伸に向けて関係者と調整、協議を一層推進していただくことを強く要望をさせていただきたいと思います。
 多摩地域の魅力発信についても重要です。緑豊かな自然や交通利便性など、多摩は高いポテンシャルを有しています。モノレールは基幹インフラであると同時に、広告媒体としても有効であると考えます。
 都では、多摩の魅力発信の一環として、多摩都市モノレールの車両を多摩丘陵を舞台としたアニメーション作品である平成狸合戦ぽんぽこによるフルラッピングをする取組を行っています。この取組の狙いと実施状況をお伺いさせてください。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は多摩都市モノレールを媒体とし、多くの人に親しまれ、幅広い世代の興味、関心を引くアニメを活用した広報を行うことで、多摩地域の魅力発信や地域の活性化に資するよう、本事業を実施しております。
 本年十月十七日から十二月二十一日までの間、フルラッピング車両を走行させるとともに、車内の広告枠を全面的に活用し、多摩の三十市町村それぞれの豊かな自然、歴史や文化の名所を紹介したポスターを掲出してございます。
 また、多摩都市モノレール株式会社の協力を得て、アニメの絵柄のカードがもらえるスタンプラリーや、大人用と子供用で異なるイラストの一日乗車券を販売してございます。

○星委員 こうした取組を通じて多摩地域の魅力を広く発信し、延伸事業への関心をさらに高めていただくようお願いをいたします。
 次に、市町村の公共施設の維持管理について伺います。
 さきのアクションプランでは、都として地元自治体のまちづくりを支援していく方針が示されています。町田市では人口減少が見込まれる中、教育環境の整備を進めるため、新たな学校づくり推進計画を策定し、老朽化した施設の統廃合を進めています。学校施設に限らず、公共施設全般で老朽化が進んでおり、都内市町村は同様の課題を抱えています。
 こうした状況を踏まえ、各市町村は総合管理計画や個別計画を策定し、この計画に基づいた施設整備を推進することとしていますが、現下の物価高騰の影響で入札が進まないなど、市町村の事業遂行は困難を伴っています。公共施設を総合的、計画的に管理することは将来のまちづくりに不可欠であると考えています。
 そこで、都としても市町村の計画遂行に寄り添った支援をする必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。

○田中行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 市町村が、お話がございました総合管理計画に基づきまして各種公共施設の統廃合等を進める際、都はヒアリング等の機会を通じまして、市町村の事業計画等を丁寧に把握し、国や都の補助金、地方債の活用など、財政負担の平準化に向けた助言を行っております。
 また、国の通知では、総合管理計画につきまして社会情勢や地域構造の変化に応じ、不断の見直しを実施し、順次充実させていくことが適当とされておりまして、都は市町村が適切に対応できるよう技術的な支援を行っております。
 今後も総合管理計画の推進に向けまして、市町村の状況を踏まえながら各団体の行財政運営を後押ししてまいります。

○星委員 公共施設の老朽化対策は喫緊の課題であり、もちろん国の責任でもありますが、都としても引き続き丁寧な対応をお願いさせていただきたいと思います。
 最後に、市町村総合交付金について伺います。
 今まで申し上げてまいりましたこうした一連の課題解決や魅力創出など、それぞれの市町村の取組を支える基盤が市町村総合交付金であります。多摩都市モノレールの延伸や魅力発信、公共施設の老朽化対策に触れてまいりましたが、物価高騰などの影響により市町村の財政運営は一層厳しさを増しており、交付金のさらなる拡充を求める声が高まってきております。
 こうした状況を踏まえ、多摩・島しょ地域のより一層の発展に向けて、市町村総合交付金のさらなる拡充を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○田中行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 多摩・島しょ地域では、少子高齢化への対応や交通インフラの整備など、地域ごとに様々な課題を抱えておりまして、その解決に向けて市町村が自主的、自立的な取組を展開できるよう、都として支援することが重要でございます。
 市町村総合交付金は、市町村の取組に対する包括的な財源補完制度でありまして、創設以降、予算の着実な増額を図っておりまして、令和七年度は、六年度当初予算から八十五億円を増額し、七百五億円を計上しております。
 今後とも地域の実情を丁寧に把握しまして、市町村の主体的な取組を後押ししてまいります。

○星委員 これまでの増額は高く評価をして感謝をさせていただきますが、引き続き市町村との丁寧な意見交換を重ねて、財政支援の強化に取り組んでいただくよう強く要望させていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。

○藤井委員 私からまず、ペット防災についてお伺いをしたいと思います。先ほど本橋委員からお話がございましたが、重複のない範囲でお伺いしてまいりたいと思います。
 ペットというと家族の一員であります。そして、地元で高齢化が非常に進んでいる中においても、本当にパートナーというか、飼ってすごく癒やしになるというか、そういった存在でもあって、すごく増えているなというのを実感しているわけであります。
 他方で、先ほどお話がありましたとおり、避難所におきましては、ペットの同行避難、同伴避難を拒否されてしまうようなケースもあると伺っているところでございます。
 現状の課題について聞こうと思ったんですけど、先ほど答弁がありましたので、原則としては受け入れていくということで、都としては区市町村に対する支援をされているというような答弁であったかと思います。
 やはり今後、避難所のほとんどが私、調べてみますと、動物の居場所が校庭などの屋外にあるということでございまして、避難としては受け入れるということでございますけれども、一方では、そういった中で受け入れることになってしまいますと、非常に夏なんかは暑いですし、冬も寒いということで雨が降っちゃうと本当にもう雨ざらしになっちゃうということで、ペットにとっても非常にかわいそうだということでございます。
 一方では、飼い主以外にとってみれば、同じ空間にずっといるのは、なかなか厳しいのかなということでございます。これはもう強制をするような話でもないということでございまして、少なくても犬ちゃんや猫ちゃん、ペットを飼っている愛好家の方から見て、この避難所は屋内で受け入れてくれるとか、屋外でしか中で受け入れてくれないとかいったことも、ちゃんと市区町村レベルの取組の中で明示をしていくようなことも必要なのかなと、いろいろ先ほどご質疑を聞いていて思ったわけでございます。
 今後ペット防災に限らず、防災訓練も極めて重要だと思っています。都として市区町村の取組を今後どのように支援をされていかれるのか、都の見解を伺いたいと思います。

○畠山避難所・物資担当部長 本年八月に羽村市と合同で実施したペット同行同伴訓練では、獣医師の指導の下、ペット滞在スペースの設定、ペットの種類やサイズ別のゾーニング、逃走防止対策などについて確認をしております。
 現在、訓練の成果と課題を取りまとめておりまして、今後、他の区市町村と情報共有してまいります。

○藤井委員 羽村市での事例をご紹介いただいたと思います。そんな中で、他の市区町村でこういった好事例はぜひ共有していっていただきたいと思いますし、都として、ペットは家族同然ですし、やはり欠かせない存在だと思いますので、このままで万が一、首都直下型地震等々の大規模震災を迎えてしまうことになりますと、ペットという観点もかなり混乱を生んでしまう可能性もあると思いますので、しっかりと課題整理をしていただいて、市区町村の取組を支援していただきたいなということを要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次に、マンション防災についてお伺いをしたいと思います。
 私の地元練馬区におきましては、共同住宅にお住まいの区民の方の割合が五割を超えるような状況になっています。東京都全体では九百万人でございまして、一千四百万人分の九百万ということでございますので、過半の都民の方がこうした集合住宅に住まわれているということであろうかと思っています。
 マンションで震災に見舞われたということになりますと、まずエレベーターが停止をしてしまうということでありますし、停電になりますと、高層階の住民の方が孤立をしてしまうと、特に高齢者の方が非常に孤立するリスクが高いということであるわけでございます。
 そこで、マンションにおける防災上の課題について、どのようにご認識になられているのか、簡単にお伺いをしたいと思います。

○佐藤防災対策担当部長 マンションでは、エレベーター停止時に閉じ込めが発生し得ること、トイレが使えなくなること、高層階では家具転倒の被害が発生しやすいことといった特有の課題が挙げられます。

○藤井委員 今、るるご答弁をいただいたと思います。
 やはり一番怖いのは本当に火災が発生をしたときに、例えば高層階の方が逃げ遅れてしまうというようなことだったり、非常にパニックになってしまうということで、命を落とされてしまうという事態に至ってしまうと、これは本当に非常に怖いことだと思います。今のマンションに関する特有の課題があるということで、幾つかのご例示をいただいたというふうに思います。
 都は、東京とどまるマンションの登録制度に登録をしたマンションの管理組合が、購入をした防災備蓄資機材を活用して防災訓練を行う場合の機材の購入費用を負担されるなどのご支援をされていらっしゃると思います。
 マンションでは、いざ、発災をいたしましたら、各住戸での対応に加えまして管理組合や自治会等をはじめとしたマンション全体での防災の取組が力を発揮すると思います。すなわちこのマンションの防災の要は、マンションの管理組合の取組にほかならないと思っております。
 そこで、こうしたエレベーターの故障や閉じ込めといった問題に対する防災対策、そして在宅避難の課題にどのように取り組んでいくのか、支援をされているのか、都の見解をお伺いしたいと思います。

○佐藤防災対策担当部長 都は、マンション管理組合や自治会などを対象に、マンション防災セミナーを実施し、エレベーターの故障や閉じ込めなど、マンション特有の課題に対する備えや発災時における対応策などについて具体的に提示し、マンション全体での協力体制の構築を促しております。
 また、在宅避難のための備えとして、東京とどまるマンションの登録マンションを対象に、令和七年度エレベーター閉じ込め防止対策への補助も開始するなど、支援を拡充しております。

○藤井委員 とどまるマンションの備蓄の購入といった制度については、三分の二を助成するということでございますし、地元の町会と連携をしてでの活動ということになると、十分の十を支援するような、かなり手厚い支援をされていらっしゃるかと思います。
 先ほど、マンション管理組合さんという話をさせていただきましたけれども、自助、共助、公助という言葉がございますが、そのうちやっぱり共助の力であるマンション管理組合さんのこうした防災訓練も含めて、自主的な取組をどうやって支援をしていくのかということが、やはりマンション防災を進めていく上でも極めて重要な視点になってくるのかなというふうに思っていますので、しっかり支援をしていただきたいと思います。
 ところで、災害時におきましてトイレの課題というのがあろうかと思っています。
 全ての避難所でマンションの高層住宅から逃げられる方も含めて、全て受けられるというわけではありませんので、基本的には在宅避難をお願いするということであります。
 配水管が損傷してしまったり、あるいは、停電で排水のポンプが作動しないということになりますと、各戸に水も配給できないということでございますので、こういった問題もある。そんな中で無理して流してしまいますと、様々な被害が出てしまうということでございますので、やはりトイレの課題をクリアしていく必要性があるのかなと思います。
 これもマンションの管理組合さんということであれば、そこでルールをつくって取り組んでいただくことが重要だと思いますし、あるいは、下水道との対応ということでありますと、マンホールトイレをつくっていくと、これも支援をしていただく。組合さんで意思決定をしていただいて、それを行政は支援をしていくという形になっていこうかと思います。
 このマンションのトイレの課題について、都としてはどのように整理をされていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。

○佐藤防災対策担当部長 都は、防災ブックや防災アプリ等により、在宅避難のための備えを周知しております。
 特にマンションについては、トイレが使えなくなるなどの課題があるため、リーフレットやセミナーを活用し、各家庭や管理組合などがあらかじめ備えておくべきことについて普及啓発を実施しております。
 都は、本年六月より、区市町村が災害用トイレ整備を推進するための補助制度を開始しました。本制度では、区市町村が在宅避難者用の携帯トイレを含む災害用トイレを購入する場合に、購入経費の二分の一を補助しております。さらには、東京とどまるマンションを対象に、令和七年度からマンホールトイレの整備への補助も開始しております。

○藤井委員 先ほど申しましたように、管理組合さんの自主的な取組を含めて、どんどん地域での活動が活発になるような支援をぜひお願い申し上げたいと思います。
 最後に、コンプライアンスの関係でお伺いをしたいと思います。
 先ほどの決算委員会でも様々、会派さんからお話が出ていたと思いますが、都営地下鉄の保守工事に関する談合疑惑が、今、公正取引委員会の立入調査が入っているということでございますし、あるいは、都営住宅事業に係る特別会計の消費税の未申告というような問題も出ているわけであります。いずれももし事実であるならば、都民の信頼を大きく損ねるようなことでありますし、これはもう当然、都としても極めて深刻に受け止めていらっしゃると思います。
 都は、談合疑惑につきましては調査特別チームを立ち上げると。消費税については監察を実施するということであろうかと思います。こちらはコンプライアンス推進部さんが中心となって、これから枠組みをつくっていかれるというふうに承知をしているところであります。
 私は一点気になるのは、やはり内部調査はどうしても限界があるといわざるを得ないわけでございまして、第三者目線あるいは専門家目線、こういうものが十分担保されていく中で、初めて公正な調査が行われた、総括が行われたという評価を都民の方もされるのだろうと思いますので、この客観性の担保はぜひこれはお願いをしたいなというところでありますけれども、都の見解をお伺いしたいと思います。

○高畠コンプライアンス推進部長主席監察員兼務 実効性のある監察を行い、事故の再発防止を図るためには、事故の原因や背景を分析することが必要でございます。そのために必要な体制を整え、調査を行ってございます。

○藤井委員 それぞれ所管が交通局であったり住宅政策本部であったりということで、またがるわけでございますが、これは総務局さんが中心となって、こういったチームをつくっていくということであろうかと思います。しっかりと調査が行われていると、当然しっかりやっていただけるものだと思うんですけれども、客観性が担保されているか否かというところで、都民の外部の目線から見たときに少なくともしっかり調査していると信頼を担保していく意味でも、とても重要なことだと思いますので、ぜひ客観性の部分、第三者的な目線でしっかりと取り組んでいただきたいなと思いますので、そういうことを申し上げまして私の質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○小林委員 よろしくお願いいたします。私からは、五つのテーマについて質問をさせていただきます。
 初めに、東京都公文書館についてお伺いいたします。都では、江戸の歴史と文化に光を当て、世界に誇る江戸の魅力や価値を発信し、さらに江戸東京の文化の世界遺産登録に向けた取組を進めております。
 東京都公文書館には、江戸幕府から引き継いだ資料など、江戸期の史料を含め歴史的な文書が数多く保存されているとのことであります。
 そこで、都政の中で公文書館の果たす役割についてお伺いいたします。

○保家総務部長 都の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等は、都民による都政への参加を進めるために不可欠な都民共有の財産であり、都は、公文書の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図ることとしております。
 東京都公文書館は、各局等から移管される公文書のほか、東京府、東京市からの引継文書や江戸期の史料など、国指定重要文化財や東京都指定有形文化財を含む数多くの歴史資料を整理及び保存しております。
 これらを活用して史料編さん事業を進めるなど、都政の評価、検証や歴史資料の研究等に資するという重要な役割を果たしているところでございます。

○小林委員 国指定重要文化財、また東京都指定有形文化財など、数多くの貴重な歴史資料が保存されているとのことですが、江戸時代から引き継がれた資料は、時の経過によって状態が変わっていくことも当然あろうかと思います。
 また、歴史をひもとくと、こうした歴史的な資料が時に災害や戦火によって失われてしまった事実も数多く見られますが、現代に生きる私たちは歴史的に重要な資料をしっかりと守り、後世にも引き継いでいく責務を負っていると思います。
 後世に引き継いでいくためには、現物を大切に管理、保存していくことはもちろんですが、万が一を考慮し、資料のデジタル化を進めていくことも重要であると考えます。
 資料のデジタル化も含め、公文書館が所蔵する資料を確実に保管し続けるための公文書館の取組についてお伺いいたします。

○保家総務部長 公文書館は、令和二年に移転、開館した施設であり、外壁の二重化や最適な温湿度管理に加え、害虫等による資料損傷を防ぐ生物被害対策を講じるなど、資料の永久保存が可能となるよう、様々な取組がなされております。
 また、公文書館が所蔵する歴史公文書等のうち、原本の破損、汚損を生ずるおそれのあるもの、歴史的に重要な情報が記録されたもの、閲覧、展示等により多くの利用があるものなどについて、デジタル化する形で複製物を作成しております。
 こうした取組を通じて都民共有の財産である公文書等を永久に保存し、後世に確実に引き継いでまいります。

○小林委員 東日本大震災では、当時の文化庁長官が文化財保護法制定以来の最大の試練と述べるほど、多くの貴重な文化財が被害に遭いました。
 こうしたことを踏まえ、私は本年の予算特別委員会で、文化財のデジタル化を進めていくべきと質問をいたしました。歴史的公文書の保存、活用に当たっても、後世に資料の価値を引き継いでいけるよう、デジタルの力を積極的に取り入れながら進めていただきますよう要望したいと思います。
 次に、コンプライアンス推進の取組についてお伺いします。
 都が様々な政策を実現するためには、その根本に法令遵守と都民からの信頼を得るというコンプライアンスが確保されていることが重要であります。
 初めに、都政におけるコンプライアンス推進のための総務局の取組についてお伺いいたします。

○高畠コンプライアンス推進部長主席監察員兼務 都は、コンプライアンスの取組を進め、都民の期待に応える行政サービスの提供を目指しております。そのため、東京都コンプライアンス基本方針を制定し、職員一人一人が認識すべき内容を定めております。
 都における推進体制といたしまして、総務局を担当する副知事を委員長、局長等を委員とする東京都コンプライアンス推進委員会を設置しております。
 職員のコンプライアンス意識を強化するため、毎年十一月を推進月間といたしまして、職場討議や研修を実施するほか、コンプライアンス通信の発行等の取組を行っております。

○小林委員 職員の規範となるコンプライアンス基本方針が制定され、推進体制としてコンプライアンス推進委員会を設置しているとのことですが、コンプライアンス推進部では、職員の問題意識や提案などを集める職員目安箱、また職務に関する職員への働きかけなどへの対応、公益通報といった制度を所管もしております。
 これらの制度がコンプライアンスの推進のために果たす役割、また制度の運用において是正された事例があるのか、お伺いいたします。

○高畠コンプライアンス推進部長主席監察員兼務 職員目安箱は、職員が抱いている問題意識や提案を知事に直接伝える制度でございまして、これまでの提案には、都庁舎の会議室不足に対応するため職員食堂に通信環境を整備し、職員向けの打合せスペースとして一部開放した事例などがございます。
 また、職務に関する働きかけは、都政の透明性の向上、公務員倫理の保持、適正な業務執行のため、その概要を毎年公表しております。
 公益通報は、寄せられた通報のうち、公益通報の要件を満たすものにつきましては調査を実施し、通報対象事実があると認められた場合には、速やかに是正措置及び再発防止策を講じております。昨年度には、職務専念義務違反などについて是正し、その内容を公表しております。

○小林委員 こうした制度の状況についてはホームページでも公表されておりまして、私も拝見をさせていただきました。
 職員目安箱については、寄せられた主な意見、課題として公表されているものは五十二件、公益通報制度については令和六年度は三十件と記載されておりました。
 職員目安箱、公益通報制度などが制度として成り立っていることは大事なことであると思います。その上で、制度が有名無実化することがあってはなりませんので、実効性ある取組としていくようお願いしたいと思います。
 先ほどのご答弁で、職員のコンプライアンス意識を強化するため、毎年十一月を推進月間としているとのことでしたが、まさにその推進月間である今月、交通局所管の工事等契約に関する談合疑いについて大きく報道され、十一日には、交通局における軌道保守関係の工事等契約に関する調査特別チームが設置をされました。
 この調査特別チームの事務局をコンプライアンス推進部が担いますが、今回の交通局の談合疑いの事案における対応について見解をお伺いいたします。

○高畠コンプライアンス推進部長主席監察員兼務 今月十一日、交通局に対し公正取引委員会の立入検査が行われたことを受けまして、交通局所管工事等契約に係る談合疑いに関する調査特別チームを設置し、翌十二日に第一回会議を開催いたしました。
 現在、公正取引委員会の検査に支障がないよう留意しつつ、都として早急に事実関係などを把握するため、集中的に調査を行っております。
 なお、調査に当たりましては、外部の専門家にご協力いただくことも検討しております。

○小林委員 昨日の公営企業会計決算特別委員会の都議会公明党の質疑でも、交通局に今回の問題をただしました。
 小池知事も、先日、報道陣の取材に対し、職員が受注調整に関与した可能性もあるということで、事実であるとすれば、都政に対して都民の信頼を損ないかねない重大な事態だと認識していると発言されたと報道もされておりました。都民も注視していることでありますので、全容解明に向け真剣に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、犯罪被害者支援についてお伺いします。
 都議会公明党はかねてより犯罪被害者支援に注力し、犯罪被害者等支援条例制定に向けた取組以来、数々の提案を重ね、特に犯罪被害者の経済的困窮への支援強化を求めてまいりました。
 被害に遭った方は、事件直後に強い不安や混乱に陥り、誰に相談すればよいのか、どのように行動すべきか分からなくなることが多く、こうした状況において被害者の心情に寄り添い、安心して支援を受けられる体制を整えることが重要であります。
 犯罪被害者等の生活再建を支えるためには、特に経済的支援が大切でありますが、都の経済的支援の取組と直近の実績についてお伺いいたします。

○若林人権部長 都は、犯罪被害者等の生活再建の第一歩を後押しするため、見舞金の給付、転居費用の助成などの経済的支援を行っております。
 令和六年度の経済的支援の実績は、見舞金給付は五十六件、転居費用助成金は四十件、無料法律相談は三百五十件、被害者参加制度における弁護士費用助成は一件でございます。

○小林委員 都議会公明党は、犯罪被害者等の生活再建を支えるため、経済的支援の一つとして、今ご答弁にもありました転居費用の制度の確立と充実を求めてまいりました。
 都は、転居費用について、これまで自宅やその付近で被害に遭われた方を助成対象としていたところ、昨年十月から性犯罪被害者については、被害場所にかかわらず助成対象としました。
 本年三月の予算特別委員会における都議会公明党の質問で、さらなる経済的支援の拡充を求めたところ、都は本年四月より物価高騰の状況を踏まえ、転居費用助成額の上限を二十万円から三十万円に引き上げたところであります。
 そこで、こうした転居費用助成の拡充の効果について見解をお伺いいたします。

○若林人権部長 対象範囲の拡大により新たに対象となった方は、令和六年度は三件、令和七年度は十月末時点で四件でございます。
 また、上限額の引上げによりまして、二十万円を超える金額で助成した方は、令和七年度は十月末時点で四件です。

○小林委員 対象範囲の拡大、上限額の拡充によって経済的支援が行き届く対象が広がったと思いますが、引き続き被害者などに寄り添った支援について、さらなる検討をお願いしたいと思います。
 現在、都は第四期東京都犯罪被害者等支援計画の下で施策を講じていますが、現計画は今年度までとなり、現在、第五期計画に向けた検討がなされていると思います。
 さきの予算特別委員会の都議会公明党の質問に対し、知事より、被害者の方が置かれている現状やニーズを把握、分析し、その結果も踏まえて令和七年度改定を予定している犯罪被害者等支援計画を策定する中で、国の動向なども踏まえながら、より効果的な支援の在り方について検討していくとの答弁があったところであります。
 そこで、第五期犯罪被害者等支援計画の改定に向けた現在の検討状況について、お伺いいたします。

○若林人権部長 次期支援計画の策定に当たっては、昨年度実施した犯罪被害者等に対する調査や被害者支援団体等に対するヒアリングにより、被害者等の置かれている状況や支援に係るニーズを丁寧に把握しています。
 また、外部有識者や被害者の遺族で構成する東京都犯罪被害者等支援施策検討委員会において、様々なご意見を伺っております。今年度中の計画策定に向け、より効果的な支援の在り方について検討を進めてまいります。

○小林委員 理不尽な犯罪被害に遭った方々は、精神的、肉体的にも想像を絶する苦しみがあります。次期支援計画の策定に当たっても、犯罪被害者の方々の心の痛みにどこまでも寄り添い、経済的支援を含め、犯罪被害者等の生活再建を支えるための支援の拡充について、前向きに検討していただくことを要望いたします。
 次に、性的マイノリティーへの理解促進について質問します。
 性的マイノリティーの方への支援を表明するアライの取組が進んでおります。アライとは、英語で支援を意味するALLYでございますけれども、それが語源で、性的マイノリティーの方々への理解や支援の意思を表明する人のことですが、私は以前、このアライの取組を音楽を通じて広げていこうと取り組んでいる音楽グループの方々と意見交換をさせていただく機会がありました。
 この音楽グループの方々は、EXPAND THE CIRCLE OF ALLYSHIP、直訳すると、アライシップの輪を広げるという意味のプロジェクトを立ち上げ、活動をされております。
 メンバーのお一人が語っておられました。性別だって、性の在り方だって選べるわけじゃないのに、そうして生まれてきた人がなぜ不利な立場になってしまうのかをきっかけに、音楽でそういう思いを共有できるように、アライシップの輪が音楽のように身近になることを目指し、プロジェクトとして活動しています。このようにおっしゃっておりました。
 こうした取組を糾合しながら、アライの取組を点から線に、そして面にして大きな輪としていく取組が求められます。
 都は、令和六年三月に、独自のアライマーク、TOKYO ALLYを作成しましたが、改めてTOKYO ALLYを作成した目的と、デザインコンセプトについてお伺いいたします。

○若林人権部長 都は、性的マイノリティーの方々への理解や支援の意思を表明していただくため、アライマーク、TOKYO ALLYを作成いたしました。
 デザインについては、当事者団体からの意見も踏まえ作成いたしました。そのコンセプトは、性的マイノリティーに理解があることの国際的象徴とされている六色のレインボーカラーを使用し、ロゴを取り囲む円は、これから完全な輪になる様子を表現し、アライを広める取組を通じて社会が一つになることを意味しており、TOKYO ALLYを活用することで多様な性の理解促進を図り、性的マイノリティーの方々が暮らしやすい社会を目指すこととしております。

○小林委員 今、ご答弁でロゴを取り囲む円は、これから完全な輪になる様子を表現し、アライを広める取組を通じて、社会が一つになっていくことを意味しているとありましたが、こちらがTOKYO ALLYマークでありますけれども、実は、ある当事者団体の方から、このマークについてご意見をいただきました。
 この円は完全な円になっていないということで、ここに欠けている部分があります。この欠けている表現が、自分たち性的マイノリティーの当事者が何か欠けているのではないかとの印象を受けたとのお声がございました。
 性的マイノリティーへの理解促進がまだ道半ばで、一層理解の輪が広がるようにとの意味を持たせたコンセプトかと思いますが、何か欠けているのではないかとの印象を持ったというこうした声を踏まえて、TOKYO ALLYの精神、心を正しく、さらに普及させることが重要だと考えますが、見解をお伺いいたします。

○若林人権部長 都は、TOKYO ALLYのピンバッジを作成し、研修セミナーの受講など、一定の要件を満たす都内在住の方等に配布しております。性的マイノリティーに関する企業向けポータルサイトでは、ピンバッジの申請方法等を紹介しております。
 また、普及啓発動画を作成し、トレインチャンネルやSNS広告、デジタルサイネージで放送しております。
 昨年十月には、山手線主要駅にポスターを掲出いたしました。さらに性的マイノリティーの方々を支援するイベントに参加しチラシを配布するなど、認知度向上を図っております。今後もこうしたTOKYO ALLYを広める取組を進めてまいります。

○小林委員 TOKYO ALLYという言葉、その意味、そして込められた思いが正しく普及し、理解促進と拡大につながっていくよう積極的な取組をお願いしたいと思います。
 また、性的マイノリティーの方々のサポートも必要であります。カミングアウトへの不安をはじめ、無理解や偏見から生じる誹謗中傷など、心理的、精神的な負担に対する寄り添った支援が重要であります。
 先日も、ある当事者団体の方々がSNS上で脅迫にも及ぶような誹謗中傷を受けているご相談をいただきまして、法的な相談窓口へとつながせていただきました。
 都では、こうした方々への専門相談を実施していると聞いていますが、専門相談の概要と相談内容の傾向についてお伺いいたします。

○若林人権部長 都は、性自認及び性的指向に関する様々な悩みや不安について対応するため、電話やLINEによる専門相談を実施しており、本人だけではなく、家族等からの相談にも専門相談員が対応しております。
 令和六年度は、電話相談が二百九件、LINE相談が五百二十件となっております。
 相談内容の傾向については、電話、LINE相談ともにカミングアウトやパートナー関係、家族関係が多くなっています。

○小林委員 多くの相談が寄せられているとのことですが、こうした相談に対し、不安を解消し、解決の方向を指し示していけるようにしていくことが何より大切でありますが、相談に対する具体的な対応についてお伺いいたします。

○若林人権部長 寄せられた相談に対して、心理士やカウンセラー等の専門知識を持った相談員がきめ細かい助言を行うとともに、必要に応じて医療機関、当事者支援団体、法律相談窓口等、適切な専門機関を紹介するなどの対応を行っております。
 引き続き、当事者の方々の様々な悩みや不安が少しでも解消されるよう取り組んでまいります。

○小林委員 専門知識を有して対応していくことはもちろんですが、相手の側に立った寄り添う心を大切にして、耳を傾けていくことが何より重要であると思います。
 私も日々、様々なご相談案件を都民の方より数多くいただいておりますが、機械的に対応するのではなく、接していく上で心を大切にしていくことが何より重要であると思っております。相談窓口の運営に当たっては、不安や悩みを持った方々に対し、安心できる対応をくれぐれもよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、都の復興支援の取組についてお伺いします。
 都議会公明党は、東日本大震災の発災直後の五月、当時は二十三名の所属議員がおりましたが、二十三名全員が、岩手県、宮城県、福島県の三チームに分かれて幾度も被災地を訪問調査して、都としてやるべき支援策を提案してまいりました。
 私は福島県のチームでしたが、発災後、津波が押し寄せる信じ難い映像がテレビで放映されていましたが、その生々しい傷痕が残る現地を訪問したときの衝撃は今も忘れることができません。
 東日本大震災は、発災から来年で十五年の節目を迎えますが、福島県において、いまだ住民の帰還困難な地域があるなど、復興は道半ばであります。
 政府も、令和八年度から十二年度までの五年間を第三期復興・創生期間と位置づけ、復興に向けた様々な課題について引き続き総力を挙げて取り組むとしており、都としても、引き続きの支援が重要な施策であると思います。
 まず、東日本大震災における被災地への現在の職員派遣状況についてお伺いいたします。

○小川復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、発災直後から被災三県に対し、昨年度末までに延べ三万人を超える職員を派遣してきており、現在、福島県庁において事務職九名が、農産物の販路拡大、被災地の住民帰還に向けた業務等に従事しております。
 また、福島県の現地事務所に都は職員二名を配置しており、現地の情報収集、支援ニーズの把握、派遣職員のサポート等を行っております。

○小林委員 福島県において現在も都の職員が県産品の消費拡大や避難者の支援など、被災地の復興に向けて取り組まれているということでございますが、発災後から今日までのご尽力に心より感謝を申し上げます。
 都内では、令和七年八月一日現在で、東北三県などから、いまだ二千五百人を超える方が都内に避難されていると聞いており、長期間の避難生活でのご心労は絶えないかと思います。
 都内に避難されている方への支援も大事な課題でありますが、都内避難者への支援の状況についてお伺いいたします。

○小川復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、都内避難者で災害救助法に基づき被災県から要請のあった市町村の方に都営住宅等を応急仮設住宅として供与しております。
 また、避難者の希望世帯へ月一回、支援情報をまとめた定期便を送付するとともに、健康や福祉、経済状況、家族に関する悩みに対応する相談窓口を設置するなど、生活全般の支援に努めております。
 このほか、避難元県、避難先自治体、地区の社会福祉協議会等の関係機関と連携し、戸別訪問等の孤立化防止を行っております。
 さらに、福島県や支援団体と連携して避難者交流会を東京国際フォーラムで開催し、被災地の今の様子を題材にしたクイズ等の企画を通じ、避難者同士や避難者と避難元自治体との交流を図っております。

○小林委員 継続して生活支援を行っていただいておりますが、今後も被災県、被災者の方々の声に耳を傾け、寄り添って必要な支援を継続するよう要望いたします。
 早いもので震災から十五年の月日が経過しようとしておりますが、震災の記憶が風化するようなことがあってはなりません。復興推進の原動力となる都民、国民の復興応援への意識を持続させるためにも、風化防止の取組が今後一層重要になってくると考えます。
 都民に震災記憶を想起し、被災地への関心を継続してもらうため、都はこれまで風化防止イベントなどの取組を、被災県と連携して例年実施してきたと思います。
 同時に、被災地産品への風評払拭も依然として重要な課題であります。
 また、昨年元日に発生した能登半島地震や奥能登豪雨においても発災から二年が経過することから、東日本大震災と同様に、風化防止の取組が今後求められてくると考えます。
 東日本大震災の風評払拭と能登半島地震などを含め、震災記憶の風化防止のため都として一層取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小川復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、東北三県及び石川県等と復興応援ふるさと市を開催し、各県特産品の飲食メニュー販売や県産品の物販を行うとともに、職員食堂にて被災県産の水産物等を用いたメニューを提供し、被災地の魅力発信と風評払拭を図っております。
 また、毎年三月、東北三県及び青森県と共同で東日本大震災復興フォーラムを開催しており、今年度は被災県の現状の展示、特産品販売に加え、東北ゆかりの著名人出演や語り部の講話など、被災地に関心を持っていただくよう工夫することを計画しております。
 毎年三月、都庁舎一階で東日本大震災の被災地の現状や復興に向かう姿を示すパネル展示を行っております。
 新たに来年一月には、能登半島地震等に関しても同様のパネル展示を行うこととしております。

○小林委員 いまだ苦しんでおられる方々への心を込めた支援、そして、この震災を我が事として努力していくための風化防止の取組は、車の両輪として進めていくべきと思います。
 ある識者の方が、災害に強い社会と災害に弱い社会、その違いは実は人間が平等に扱われているか否か人間の尊厳が大切にされているか否かによって決まる、人間性豊かな社会は震災に強い社会なのですと指摘しておりました。
 今後の被災地復興支援、さらには東京の防災対策にあって、ぜひこうした点に立脚した施策展開に取り組んでいただくよう要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 この際議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十五分休憩

   午後三時三十一分開議

○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤(ま)委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
 資料のご提出をありがとうございました。まず初めに、伊豆諸島を襲った台風二十二号、二十三号によって被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。また、復旧、復興のためにご尽力されている職員の皆さん、現地の職員の方々に心からの敬意を表します。
 十月九日未明から十日にかけての台風二十二号は、雨風ともに観測史上最大規模のものとなり、八丈島では土石流が発生するなど、甚大な被害が広がりました。その後、十三日には台風二十三号が直撃しました。
 日本共産党都議団は、現地での視察のほか、八丈島の方とのオンラインでの懇談で被害の状況を伺い、これまで二回の申し出を行ってきました。そうした中、予備費の活用や物的、人的両面での支援などは、この現地を励ますものになっているというふうに思います。
 しかし、いまだ住宅の復旧や農業などのなりわいの再建には時間がかかり、継続的な支援は喫緊の課題です。現地からの声から伺っていきたいというふうに思います。
 まず総務局からは、延べ何人の職員が八丈島や青ヶ島の災害対策に派遣されているのか、またその役割について伺います。

○高田総合防災部長 都は、十月八日に災害即応対策本部を立ち上げ、八丈町及び青ヶ島村からの要請に基づき、十一月十三日時点で延べ五百四十名の職員を派遣しております。
 そのうち、総務局職員については、主に町村の災害対策本部の運営支援や生活再建関連業務、罹災証明書の交付業務補助のほか、現地との情報連絡調整の役割などを担っており、その数は十一月十三日時点で九十六名でございます。

○斉藤(ま)委員 まさに全体的な状況を見てどんな支援が必要か、局横断的な連携の要になる役割を担っているのが総合防災部だと思います。現地の方々に寄り添いながらその声を都政に届けていく役割は極めて重要です。
 台風二十二号での災害について、国は局地激甚災害に指定する見込みであることが発表されましたが、このことによって国の補助がどのように変わるのか伺います。

○高田総合防災部長 激甚災害に指定された場合、八丈町及び青ヶ島村については、中小企業信用保険法による災害関連保証の特例があるほか、八丈町については公共土木施設災害復旧事業等に関する国庫補助率のかさ上げなどの措置が行われることになります。

○斉藤(ま)委員 八丈町については、公共土木施設災害復旧事業等に関する国庫補助率のかさ上げなどの措置が行われていくということで、費用の大部分を国が出すことになりますが、町の財政にとっては残りの部分の負担も重いものだと思います。巨大な財政力を持つ東京都が支援を行って、町には極力負担がないようにしていくことが求められていると思います。
 八丈島での復興に向けて必要な支援は、ライフラインや住宅のほかにも、甚大な被害を受けた観葉植物などの農業や漁業、飲食店や観光業など多岐にわたっています。
 個人の救済はもちろん、八丈町の負担とならないように都独自の財政支援を行う必要があると思いますが、見解を伺います。

○高田総合防災部長 都は、発災直後から島の産業を支えるインフラの応急復旧を進めてまいりました。農業者など被害を受けた事業者に対し、運転資金等を無利子で融資する特別融資による支援を実施しております。
 また、台風被害を受けた町村が実施する様々な取組を後押しできるよう、災害復旧・復興特別交付金を創設しております。

○斉藤(ま)委員 五億円の特別交付金を出すことになったことは重要です。この金額は積み上げではなく、実際にどれだけの費用が必要になってくるかはこれからになります。必要な予算は積み増すことも含めて対応していただきたいというふうに思います。
 島しょ地域では、あらゆる物資に輸送コストがかかるため、物価も高いといわれています。災害廃棄物や復旧に必要な資材の輸送について、財政支援をすることを既に申入れでも求めてきました。住宅等の再建のための資機材の運搬費用も被災者の負担のないようにするべきですが、いかがですか。

○高田総合防災部長 住宅に被害があった方に対して、八丈町と連携し、災害救助法に基づく応急修理制度により住宅の屋根やトイレなどを応急的に修理する場合に支援を行っているほか、被災者生活再建支援金の支給や災害援護資金の貸付けなどにより、被災者の生活再建を支援しております。

○斉藤(ま)委員 災害救助法や生活再建支援法は全国一律の制度であって、島の輸送費などのコスト増に対応したものにはなっていません。また、今日の物価高騰の分を踏まえたものともなっていません。支援の額について、輸送コストや物価高騰を踏まえて、都独自に財政支援を行うことを求めます。
 被害者がいた末吉地区の海・山・暮らし館に大量の土砂が流れ込みました。私は、直後に島の方からオンラインで現地の状況を伺ったところ、本来の避難所は末吉公民館だったが、あそこにはエアコンがなかったため、エアコンがある海・山・暮らし館に避難していたようだと伺いました。そのことは後に報道もされています。
 八丈島の避難所に冷暖房機器の設置を都の負担で早期に行えるようにすることを求めますが、いかがですか。

○畠山避難所・物資担当部長 東京都避難所運営指針では、区市町村が直ちに取り組むべき具体的な方策をガイドラインとしてまとめており、その中で、冷暖房機器や、スポットクーラー、ストーブ等の可搬式の機器を備えておくことなど、暑さ寒さ対策について示しております。

○斉藤(ま)委員 備えておくことを示しているということだけでは解決しないというふうに思います。
 災害発生前に町議会でも話題になったそうですけれども、町の財政の問題からエアコンの設置が見送られてきたとも聞いています。今後に設置、建設する公共施設や避難所には、都の負担でエアコンを設置していくことを求めます。
 激甚化、頻発化する風水害や大地震、火山噴火などの災害に備え、避難所の改善は急務です。自治体任せではなく、避難所環境整備、災害時トイレ確保等の区市町村支援を拡充し、補助率も引き上げるべきですが、いかがですか。

○田代防災計画担当部長 都は、今年度から避難所環境の改善等に資する区市町村の取組を支援する補助制度を導入しており、活用を促しております。

○斉藤(ま)委員 今年度から支援を行っているということですが、予算を増やすことや、現在二分の一となっている補助率の引上げも検討をしていただきたいというふうに思います。
 八丈島では多くの方が当面のなりわいを失い、収入がない中で被害からの復旧、復興に当たっています。そうした町民の方々に公務として手当を出すなど、生活との両立のための施策を検討することを求めますが、いかがですか。

○高田総合防災部長 生活基盤に著しい被害を受けた被災者に対し、被災者生活再建支援金の支給や災害援護資金の貸付けなどにより、生活再建を支援しております。
 農業者など被害を受けた事業者に対しましては、運転資金等を無利子で融資する特別融資により支援を実施しております。

○斉藤(ま)委員 被害を受けた事業者に対して無利子での運転資金を融資するということなんですけれども、無利子とはいっても融資では限界があります。なりわいを失い、収入を断たれてしまっている方々にとって、無利子で貸しますよといわれても、先の不安が残ってしまうのは明らかです。
 まちの復興、復旧に当たる町民の方々は、かけがえのない仕事をしてくださっている方々です。島の方々の暮らしに希望が持てるような支援の在り方をぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 次に、九月十一日に都内で起きた短時間豪雨での被害について伺います。この短時間豪雨によって浸水した家屋は、床下、床上を含めてそれぞれ何件でしょうか。

○高田総合防災部長 現在、取りまとめ中でございます。

○斉藤(ま)委員 もちろんまだ調査中の件もあると思うので、現時点での数をお示ししていただきたかったですが、出せないということですね。
 そこでちょっと確認するんですけれども、総務省消防庁が十一月十四日に出した速報値によると、九月十一日の短時間豪雨による住家被害は、床上浸水が千二百九十七棟、床下浸水が四百四十九戸、合わせて一千七百四十六棟と公表をしていることは把握されているでしょうか。

○高田総合防災部長 取りまとめ中の数字であるというふうに認識しております。

○斉藤(ま)委員 今の消防庁の数字というのは、最終の数字ではないかとはもちろん思いますけれども、しかし公表されている数字なんです。
 これから、ある程度被害の状況というのが見えてくることもあると思うんですね。この浸水の数というのは、同じ消防庁の調べで比べても、二〇一九年の台風十九号のときよりも、浸水の数、件数としては多いんですね。
 しかし、今回の短時間豪雨の浸水被害に対しては、台風十九号と違って現時点では災害救助法も生活再建支援法も適用されておらず、住宅被害に対応した基本的な支援が受けられない状況になっています。
 浸水の被害を受けた一人一人の被災者にとっては、生活再建の問題は同じように重たいものだというふうに思います。今回の短時間豪雨によってなりわいが途絶えたり、大きな被害を受けた都民にとってのダメージは深刻です。
 区市町村と連携をして都からの支援を行うべきですが、いかがですか。

○高田総合防災部長 災害発生時におきましては、その規模等に応じまして災害救助法や被災者生活再建支援法などに基づき、国と都が連携して区市町村及び被災者へ支援を行うことになります。

○斉藤(ま)委員 それらの法律が適用されていないという問題なんですね。
 適用されていないから支援をしなくていいということではないと思うんです。住宅をはじめとする生活再建に対して支援がないわけなんですけれども、そもそも法適用のハードルが高いということは既に指摘をされています。
 先ほどもいいましたが、浸水被害は二〇一九年の台風十九号のときよりも多くなっています。にもかかわらず、国が示す基準には現時点では満たないため支援がない。本来であれば、一世帯でも自然災害による被害があれば、自己責任ではなく、支援をする枠組みがあってしかるべきです。必要な人に支援が届かないという状況をなくすためにも、都として独自に支援をするという視点に立っていただきたいというふうに思います。
 台風被害と短時間集中豪雨被害への支援を行うための補正予算の編成を求めて、次の質問に移ります。
 都職員の男女賃金格差について伺います。
 人事委員会の職員の給与に関する報告と勧告では、女性の活躍推進について、東京都男女平等参画基本条例の基本理念の下、固定的な役割を強制されることなく、自己の意思と責任により多様な生き方を選択できる社会の実現に取り組んでいると示しています。
 女性が自己の意思で生き方を選択できる、人権の問題として捉えて、都職員の女性の管理職への登用や、男女の賃金格差の是正などに取り組んでいく必要があります。
 今年のジェンダーギャップ指数において、日本の男女の賃金格差は前年の八十三位から九十三位へと後退しています。男女の賃金格差の是正は、民間だけでなく都職員にも求められている喫緊の課題ですが、認識を伺います。

○金久保人事部長 男女間に給与の差異がある場合、重要なのはその差異が単に性別のみを理由としたものなのか、勤務形態や役職といった合理的な理由によるものなのかということだと認識しております。
 我が国の労働市場において、現在においても働く場における女性の選択肢を広げるためのさらなる取組が求められている中、東京都は率先して男女分け隔てない公平、公正な人事給与制度を運用するとともに、男性も女性も全ての職員が生活と仕事を両立しながら活躍できる、またキャリアアップしていけるような環境づくりを推進する観点から、事情があっても働き続けることができる職場環境づくりや女性職員の管理職選考への挑戦を後押しする取組などを進めてまいりました。
 こうした取組を進める中において、都の女性管理職比率は、国や他県、民間に比べて高い水準でありまして、また男女の給与差も国や他県、民間に比べて都は小さいものになっています。こうした客観的事実を踏まえることなく男女間の給与の差異を人権問題というふうに捉えるには不適当だと考えております。

○斉藤(ま)委員 今、随分長々と答弁されましたけれども、まず女性の管理職の登用を後押しするということは具体的にありましたが、男女の賃金格差については言い訳をして、そしてやっていくという答弁ではありませんでしたね。他県と比べて高い。制度としては、同じ制度を使っているということ。
 しかし、先日の決算の全局質疑でも申し上げたとおり、格差があるということが明らかになっています。そこにもう目を向けないで最初から言い訳をするという状況。私はこの姿勢を絶対に男女平等、男女の賃金格差、そしてジェンダー平等に背を向けるような姿勢だというふうにこれはいわなければならない。そういう答弁だと思います。
 男女の賃金格差は都においてはないという認識に立っているということなんですか。これをなくしていくことが重要だということ。日本においても低いと、世界で見たら低いという認識がないということですか。

○金久保人事部長 先ほど申しましたけれども、我が国の労働市場において、現在においても働く場における女性の選択肢を広げるためのさらなる取組が求められているという状況がございます。
 そうした中で個人の自由な選択やライフステージの違いを尊重しつつ、都は先んじて、女性職員のキャリアアップに向けた後押しであるとか多様な働き方の推進を進めてきたということも、また事実でございます。

○斉藤(ま)委員 都は先んじてやってきたといいますが、実態は伴っていないということも事実ですね。それについて伺っていきます。
 まず賃金格差をなくす、是正するということをはっきりいえないというのは重大だと思うんです。その基本的な認識がなければ現状の肯定、賃金格差の実態に対しては仕方ないということになってしまいます。男女の賃金格差の解消を目指して実態に目を向け、具体的な政策に踏み出すことが必要です。
 具体的に質問をしていきます。まず、女性管理職についてです。女性職員の管理職への登用については、選考への挑戦を後押しする取組をしているというご答弁でしたけれども、現状について伺います。
 都職員の女性の管理職の登用について、都は、二〇二五年に二五%とする目標を掲げていますが、二〇二五年、今年の女性の管理職の割合は一八・四%です。目標達成していないことについてはどう認識していますか。

○金久保人事部長 都は男女問わず、意欲や能力のある職員がやりがいを持ってキャリアアップできる環境を一層整備するため、先輩職員に相談できるキャリア・メンター制度などを実施しております。また、昨年度より管理職選考を見直しまして、職員の専門性に着目して、管理職に登用する昇任ルートを拡充したところでございます。
 これらの取組は、女性職員の管理職選考への挑戦を後押しすることにもつながるものでございまして、昨年度の管理職選考合格者に占める女性割合は二四・二%と増加し、都の女性管理職比率は、国や他県、民間に比べて高い水準ということにもなってございます。

○斉藤(ま)委員 管理職選考合格者に占める割合は二四・二%とおっしゃいましたけれども、実際の管理職の割合は一八・四%なんですよね。
 国や他県、民間に比べて高い水準とまた繰り返されましたが、私が聞いたのは目標との関係を聞いたんです。目標は二五%です。これは確認ですけれども、今年度の女性管理職の割合の目標、二五%は変わっていないですよね。確認です。

○金久保人事部長 変わっておりません。

○斉藤(ま)委員 変わっていないと。
 そして、都は率先してやっているとかいろいろあったんですけど、目標達成どころか、女性の管理職の割合は二〇二二年の二〇・五%から、今、二%減少している状況なんですね。その理由についてはどう分析していますか。

○金久保人事部長 女性管理職比率が、令和四年四月一日時点から比べて減少しているということでございますけれども、令和四年七月の都立病院の地方独立行政法人化による影響と認識しております。
 なお、都立病院の影響を除いた場合の女性管理職の比率につきましては、都立病院の地方独立行政法人化前の令和四年四月と比較して増加しているものでございます。

○斉藤(ま)委員 分かりやすい理由だったと思いますが、つまり都立病院の独法化が影響しているということのお答えでした。
 都立病院には、看護師さんやコメディカルとして働く女性職員の方が多くいました。独法化によって当時六千人以上の方が一気に都職員の身分を奪われましたが、同時に、女性管理職が大きく減ってしまったということなんですね。つまり、都立病院以外の管理職の比率は、男性はより高く、女性はより低かったということになります。
 先ほど紹介したジェンダーギャップ指数において、日本の管理職に占める女性の割合は、世界ランキング百二十七位と、さらに低くなっています。
 日本共産党都議団は先日、都職員の男女の賃金格差についての調査結果について発表し、先ほども申し上げましたが、各会計決算の全局質疑で取り上げました。私自身も、人事委員会での質疑でも取り上げました。
 大事なことなので今日もご紹介しますけれども、まず、正規、非正規を含む都の全職員の平均給与は、男性が七百四十八万円、女性が六百七十一万円で、女性の方が七十七万円低いということになっています。これが明らかになりました。
 そして、正規同士で比較をすると、男性より女性の方が五十九万円低く、これは管理職に占める女性の割合が一八・四%と少ないことが影響しているというふうに考えられます。
 総務局は、都職員の間でもこうした男女の賃金格差があることを、どう認識していますか。今まで認識していなかったということかもしれませんが、この間、連続して私たちは議会で取り上げています。その事実を聞いてどう認識しているか、お伺いいたします。

○金久保人事部長 先ほど答弁させていただきましたけれども、男女間に給与の差異がある場合、重要なのはその差異が単に性別を理由としたものなのか、それとも勤務形態や役職といった合理的な理由によるものなのかということが重要であるというふうに考えております。
 そうした中で、女性の管理職比率が低いということでございますけれども、試験により選抜する管理職選考への申込みを女性職員がためらう理由として、家庭との両立等の不安であるとか現在の仕事の継続を希望する声が上げられておりまして、こうした声も踏まえまして、東京都ではこれまでも育児、介護等と仕事との両立支援や働き方改革をはじめ、誰もが活躍できる環境の整備に取り組んできたところでございまして、そうした取組を進めていく中で、事実関係で申し上げますと、先ほども述べましたとおり、都の女性管理職の比率は、国、他県、民間と比べて高い水準にございまして、昨年度の管理職選考合格者に占める女性割合も二四・二%と増加しているところでございます。

○斉藤(ま)委員 男女の賃金格差があることを認めなければ、この先前に進めないということになりますよ。理由として勤務形態によるもの、まさにそうだと思います。勤務形態による差別があることを私たちは明らかにしてきました。これは改善していかなければいけないということが課題なんだと思います。
 非正規職員の平均給与は四百六十万円で、男性正規職員の七百九十四万円の約六割になっているということも分かっています。差額は三百三十四万円にもなります。その中でも、女性の非正規職員の八割を占める会計年度任用職員の平均給与は四百二十二万円で、男性正規職員の約半分、五三%となり、その差額は三百七十二万円にもなります。
 会計年度任用職員には女性相談員や消費生活相談員など、女性が多い専門職が多く含まれています。つまり、雇用形態を通じた差別があり、この下で都庁の働く職員の中で、男女の賃金格差が大きなものになっているということなんですね。
 ちなみに、これらの給与額はフルタイムの勤務に換算した場合の金額です。実際には、非正規雇用の大多数はフルタイムではないので、実際の給与はさらに少なくなります。月十六日勤務で月給二十万円の場合、年間三百三十万円程度にしかならず、しかも何年働いても昇給はありません。都政に必要な仕事を担いながら、これほどの大きな格差があるのは問題ではないでしょうか。
 基本的なことを伺いたいんですけれども、会計年度任用職員と正規職員の仕事にはどのような違いがあるでしょうか。

○金久保人事部長 会計年度任用職員は、特定の学識、経験に基づく専門的業務や補助的業務等を担う職としておりまして、常勤職員とは、そもそもの責任の度合いや役割、勤務、職務内容が異なるものでございます。
 また、会計年度任用職員は、現在の業務に従事しながら民間企業やほかの自治体で働くこともできることや、定年年齢がないことなど、任期の定めのない常勤職員とは働き方が大きく異なっているものでございます。

○斉藤(ま)委員 公務の運営については、任期の定めのない常勤職員とすることが基本です。今のご答弁ですと、会計年度任用職員の仕事には責任の度合いが低いんだという答弁だと思いますが、女性相談員や消費生活相談員、そのほか統計は別になりますけれども、スクールカウンセラーや学校司書は責任のない仕事とはとてもいえませんよね。大きな責任を伴う重要な仕事をやっているというふうに思います。
 実態として、会計年度としていることで賃金格差が生まれているわけです。さらに伺いますが、女性相談員や消費生活相談員などの専門職は、なぜ会計年度任用職員でしか雇わないのですか。

○金久保人事部長 個別の職の設置や選考の実施につきましては、各局において適切に対応するものでございます。

○斉藤(ま)委員 常勤職員にしてはならず、会計年度任用職員でなければならないということはないわけです。
 個別の職の設置は、各局において対応しているということですけれども、都の全体の人事を所管する総務局が、雇用形態を通じた女性差別があることを直視して変えていくことが必要ではないでしょうか。
 男女の賃金格差の是正を東京都から進めていくためにも、常時ある仕事をする職員は正規雇用とするなど、抜本的な対策を講じる必要がありますが、いかがですか。

○金久保人事部長 常勤の職とするか、会計年度任用の職とするかにつきましては、専門性の有無、業務量、権限や責任の度合いなどを総合的に勘案し、判断するものでございます。
 その上で会計年度任用職員の職の設置に当たりましては、毎年度全ての職について個々の職務内容、業務量、今後の事業の動向等を精査した上で判断を行うものでございます。
 また、会計年度任用職員は特定の学識、経験に基づく専門的業務や補助的業務等を担う任期を限った職としておりまして、常勤職員とはそもそもの責任の度合いや役割、職務内容等が異なるものでございます。

○斉藤(ま)委員 実態は、重要な仕事を会計年度任用職員という雇用形態に押し込めているという状況なんじゃないでしょうか。いろいろ線引きをして、都民にとって重要な仕事をしているにもかかわらず、会計年度任用職員にすることは仕方がないということにしては駄目だと思うんですね。
 東京都として判断すれば、常勤職員にすることはできるわけです。正規と非正規雇用の格差は、男性職員にももちろん切実な問題ですし、特に現役世代の会計年度任用職員の七割を占めているのが女性だということも私たちの調査で明らかになっていますが、これが男女の賃金格差の大きな要因にもなっています。男女の賃金格差の是正を東京都から率先して進めていくためにも、常時ある仕事をする職員は正規雇用とすることを重ねて強く求めます。
 昨年、我が党は調査の過程で職員の雇用形態別の職員数や給与総額について総務局に提出していただき、その後にホームページに掲載されるようになりました。そのことによって、今回の独自調査を行ったわけですが、なぜ掲載したのか伺います。

○金久保人事部長 職員の給与の男女の差異に係る情報につきましては、女性の職業選択に資するよう、国によって定められた様式に基づきまして公表することを原則としつつ、女性の職業選択に資するための補助的な情報を任意に公表することもできることとなってございます。
 都においては、都庁が女性にとって給与面においても魅力ある職場であるということが判断できるよう、国が定める様式の内容に加えまして、男女別の職員数及び給与の総額などの情報につきましても都として必要と判断し、公表を行ったものでございます。

○斉藤(ま)委員 任意だけれども、補助的、補足的な情報を出すことで役立つと考えたから公表したということですね。
 今のご答弁ですと、女性が職業の選択をする上で役立つ情報ということで公表したということだと思います。
 そうであれば、都職員の男女の賃金格差を正確につかむために、雇用形態別、年齢別などの分析等の実態調査を行い、それらについて公表する必要があると思いますけれども、いかがですか。

○金久保人事部長 都は、既に女性の職業選択に資するよう、国が公表を求める男女の給与差異に関する情報に加え、都として必要と判断した情報も公開しているものでございます。

○斉藤(ま)委員 私たちが情報を求めたものについて、補足的な、そして女性の選択に資するような情報だということで公表していただいたということですよね。
 雇用形態、年齢別などについて公表してはいけないという規定はあるのでしょうか、伺います。

○金久保人事部長 これまでも都として把握が必要だと判断した職員に関するデータ等については、調査や分析を行い、人事給与制度等の見直しに反映させているところでございます。

○斉藤(ま)委員 雇用形態別、年齢別などについて公表してはいけないという規定はあるんですかということについてのご答弁はありませんでした。それは駄目だという規定はないということですよね。
 おっしゃるとおり、女性の選択に資する情報を公表しているということですから、それをもっと前に進めていったらいいと思うんですね。大事なのは、男女賃金格差の実態をきちんと明らかにすることです。その点で雇用別形態、年齢別などの情報を公開することは大事なことです。
 男女の賃金格差の解消への取組は、まずこうした情報から分析を行い、現状の都職員の男女の賃金格差の実態を正確につかむことが不可欠です。都として調査に踏み出すことを強く求めて、次の質問に移ります。
 最後のテーマですが、人権尊重条例について伺います。
 人権尊重条例は、いかなる種類の差別も許されないという基本理念を掲げる第一章と、多様な性の理解の推進を求める第二章、そして本邦外出身者、つまり外国人に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進を求める第三章で構成されています。
 まずその意義について伺います。

○若林人権部長 人権尊重条例は、東京二〇二〇大会の開催を契機として、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念が、広く都民等に一層浸透した都市となることを目的として、平成三十年に制定いたしました。
 この条例では、様々な人権課題に対して取組を求める中で、国際社会の視点からホストシティとして多様な性の理解の促進、推進と、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進を定めました。

○斉藤(ま)委員 とても大事な視点だというふうに思います。
 条例は、いかなる種類の差別も許されないという理念に基づいて、都民にも事業者にも差別解消の取組の推進に協力するよう努めることを求めています。差別をなくすということは、みんなで守るべき普遍的な価値だということだと思いますが、都の認識を伺います。

○若林人権部長 人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が誰一人取り残されることなく尊重され、東京が持続可能なよりよい未来のために、人権尊重の理念が実現した都市であり続けることは、都民全ての願いであると規定しております。

○斉藤(ま)委員 その理念は、憲法に定められた基本的人権の尊重と同様に、全ての人権を尊重するために規定されているもので、私たちが長い歩みの中で獲得してきた普遍的な価値であるというふうに思います。
 人権尊重条例では、差別をなくしていく取組の一つとして、第十二条に基づいて差別的言動に該当すると認めるときは、その内容の拡散を防止するために概要等の公表を行っています。いわゆるヘイトスピーチ解消法に基づくものですが、ヘイトスピーチの定義及びヘイトスピーチを認定し公表したものの件数について伺います。
 また、引き続きヘイトスピーチの解消に向けて取り組んでいくべきですが、いかがでしょうか。

○若林人権部長 ヘイトスピーチについて、ヘイトスピーチ解消法の第二条では、本邦外出身者に対する差別的意識を助長し、または誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉もしくは財産に危害を加える旨を告知し、または本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国または地域の出身者であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動をいうと規定しております。
 概要等の公表件数は、取組を開始した令和元年度が五件、二年度が七件、三年度が四件、四年度が四件、五年度が十三件、六年度が十二件でございます。
 また、概要等を公表することにより実態を広く都民に伝え、ヘイトスピーチは許されない旨を啓発するとともに、チラシの作成、配布や、地下鉄駅等でのポスター展示、動画配信などにより、広く都民への意識啓発の取組を行っております。

○斉藤(ま)委員 本邦の域外にある国または地域の出身者であることを理由として侮辱したり、地域社会から排除することは許されないんだということだというふうに思います。
 公表されているヘイトスピーチの概要を見ると、同じ人間に対してどうしてそんなことがいえるのかと思うような言葉が並び、胸が痛みます。日本から出ていけといったり、身体に危害を加えるような言葉や、そのほか聞くに堪えないようなものなど、明らかなヘイトであるものも多くあります。
 そして最近本当に問題だと感じるのは、差別と排外主義が広がり、身近なところでも、マイクを使って公然と外国人の排斥を訴える光景が広がっているということです。
 都民から私のところに寄せられた声は、ある政治家の方が、ここにいる政党の方ではないですけれども、特定の国を名指しして、こういう人たちは駆逐しなければならないと訴えていたというものでした。
 学校でのことを取り上げて、日本語を母語としない子供たちの指導に授業の大半の時間が奪われて、そして日本の子供がかわいそうだ、だから国に帰れというような主張だったんですが、子供たちの間に分断を持ち込むような内容に、目の前で聞いていた都民の方は不安と怒りを感じたそうです。
 問題の解決のためには、日本語を母語としない子供たちに教えることができる教員や大人の手を増やして、そして、国籍にかかわらず、どの子も豊かな教育を受けられる環境をつくることが必要だと思います。本当の解決や問題から目をそらし、外国人が問題であるかのような言説で排斥をしようということ、あるいは自由を制限しようとすることは、この条例の理念にも反するものだと思います。
 声を寄せてくれた都民の方は、今、子供たちの世界では、国籍やルーツにかかわらず、学校で仲よくすることが当たり前の日常になっているのに、大人がそこに分断を持ち込むようなことは本当に恥ずかしく、やめてほしいと訴えておられました。
 都としても、これまで積み上げてきた人権尊重の理念を守り発展させる立場で、人権尊重の啓発に力を入れていただきたいと思います。
 人権の問題としてもう一つ大事にしなければならないのが、多様な性についてです。ジェンダーアイデンティティ、つまり性の自己同一性に関わる性自認は、個人の尊厳に属するものとして尊重されるべきものと考えますが、都の認識を伺います。

○若林人権部長 人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が誰一人取り残されることなく尊重され、東京が持続可能なよりよい未来のために、人権尊重の理念が実現した都市であり続けることは、都民全ての願いであると定めています。
 また、第二章で多様な性の理解の推進を規定しており、性的マイノリティーの方々をはじめとする全ての都民が個人として尊重されることが重要であると認識しております。

○斉藤(ま)委員 性的マイノリティーの方々をはじめとする全ての都民が個人として尊重されることが重要という認識は、とても大事なものだというふうに思います。
 ジェンダーアイデンティティは、性別や人種などと同様、自分の意思によって選択や変更ができないものです。国際的な人権基準の発展の中で、性自認のありようを病気とみなす病理モデルから、本人の性自認の在り方を重視し尊重する人権モデルへの移行が進んでいます。
 二〇一九年、世界保健機構WHOは、最高意思決定機関である世界保健総会において、精神疾患から性同一性障害を除外しました。病理モデルから人権モデルへの大きな変化の一つです。性自認は男性や女性の二元論ではなく、非常に多様です。全ての人が自身の性自認に基づき生きる権利があり、個人の尊厳そのものです。
 しかし、アメリカのトランプ大統領など、政治家が性別は男か女しかないという性的マイノリティーの尊厳を踏みにじるような言説を流すなど、重大なバックラッシュが起きています。日本でも、トランスジェンダーの方への重大な差別が起きています。性的マイノリティーについて関心や知識などがないことや、意図的に持ち出されている根拠の乏しい言説からくる差別と偏見に対する当事者の苦痛は本当に厳しいものだと思います。
 人権尊重条例第四条では、都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的扱いをしてはならないと、性自認や性的指向を理由とした差別を禁止しています。
 この部分の重要性、意義について都の認識を伺います。

○若林人権部長 人権尊重条例第四条は、第三条で規定している性自認及び性的指向に関する不当な差別の解消並びに啓発等を推進するとともに、不当な差別的取扱いを解消していくための取組を進めていくことが重要であることから、都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とした不当な差別的取扱いをしてはならないと規定しているものであります。

○斉藤(ま)委員 差別的取扱いを解消する取組も重要と認識していることは大事だと思います。性自認や性的指向は個人の尊厳に属するものであるということ、差別的な取扱いを解消していくために、都は条例に基づいて積極的に啓発していくことが重要です。
 人権尊重条例に基づいて人権啓発を進めるために、都はどのように取り組んでいるのか伺います。

○若林人権部長 都は、人権啓発イベントであるヒューマンライツ・フェスタ東京をはじめ、様々な主体と連携して開催するとともに、みんなの人権をはじめとする啓発冊子等の作成、配布などを実施しています。
 また、各種の人権課題に関する啓発動画を作成し、ユーチューブ等での配信に加え、SNSも活用し広く都民への啓発に取り組んでおります。

○斉藤(ま)委員 多様な性の在り方を認めて尊重すること、また、先ほど取り上げました国籍やルーツにかかわらず人権を尊重していくこと、つまり全ての人権を大事にしていくということは、どちらも日本や国際社会がこれまでに積み上げてきた普遍的な価値だと思います。都として一層の啓発に力を尽くしていただくことを求めて、質問を終わります。

○坂本委員 国民民主党の坂本まさしです。どうぞよろしくお願いします。
 総務局は、人事や文書など都庁の内部管理をはじめ、防災や人権など数局にわたる事業の連絡調整、区市町村の行財政運営に関する連絡調整や各種統計調査などを都庁の要として、幅広い分野の事業を進めていく重要な機関であります。
 私は、かねてから煩わしいことはデジタルに任せて、思いやりは人の手で届けていくという考え方をずっと申し上げています。行政のデジタル化の目的が単なる効率化ということだけではなくて、職員の皆さんをデスクワークからも開放して、現地にも足を運べるようにするということにもあると考えております。
 つまり都民との関係を適切に管理して、必要な支援を必要な人に届けていく。行政版CRM、シチズン・リレーションシップ・マネジメントの実装に近づけるようなことだと考えております。
 本日は、そういった観点からデジタル化の第二段階、すなわち人の動き方、時間の使い方をどう再設計していくかについて伺っていきたいと思っております。
 東京の持続的発展に向けては、行政サービスの届け方を変えることが重要であります。書類や報告のための事務をデジタルで軽くして、職員の皆さんが現地に出向いて、困っている方々の声も直接聞けるようにもしていく。都庁の業務は多岐の分野にわたっておりますから、それぞれの課題は違うとは思いますけれども、各現場の声を踏まえながら課題の解決に向けた取組を推進していくことが必要なんじゃないかと考えています。
 そこで伺いますが、総務局としてデジタル化により職員の皆さんの時間を創出して、各行政分野の課題解決につなげていくことが重要だと思いますけれども、見解を伺わせてください。

○金久保人事部長 社会全体で労働人口の減少が見込まれる中において、将来にわたり複雑化、高度化する都政課題に取り組んでいくためには、効率的かつ生産性の高い持続可能な執行体制の構築を進めていくことが急務であると考えております。
 こうした認識の下、業務プロセスの最適化の徹底やDXの推進により、それぞれの職場における業務の抜本的な見直しや効率化を促進するとともに、既存の執行体制から二〇五〇東京戦略に掲げる重要施策に係る体制へのマンパワーシフトなどを各局と連携して進めているところでございます。
 引き続き、効率的かつ生産性の高い持続可能な執行体制の構築に向けた取組を進めてまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。都庁本体のデジタル化は、行政手続や職員業務の電子化などで大きく進んでいるということだと思います。
 一方で、業務が紙からデジタルに単に変わっただけでも、職員の働き方そのものが変わらなければ、デジタル化の効果は十分に発揮できないんだと思います。働き方そのものが変わって、都民の接点が厚みを増してこそ、行政版CRMの実装につながっていくんじゃないかと考えます。
 そこで、デジタル技術を活用した都の職員の皆さんの柔軟な働き方の推進に向けた取組について伺わせてください。

○堀内労務担当部長 都は、職員が働く時間や場所にとらわれない柔軟で多様な働き方を推進することで生産性を向上し、質の高い行政サービスを提供することを目指してございます。このため、時差勤務やフレックスタイム制を導入しているほか、デジタル技術を活用しながらテレワークを推進してございます。
 これまでテレワークに適した端末の配備やデジタルツールの導入、ペーパーレス化などによりまして、テレワークをしやすい環境の整備を進めており、引き続きデジタル技術を活用し、効率的で柔軟な働き方を推進してまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。テレワーク勤務などの柔軟な働き方が定着する一方で、それによって職場内での日常的な会話は減ってしまうこともあると思います。すなわち、それによって孤立感を抱えてしまうようなケースもあるんじゃないでしょうか。
 総務局として柔軟な働き方を進めていただきながら、職員の皆さんの間同士によるコミュニケーションなどをどのように活発化していくのか。また、メンタルヘルスの対策に対して、どのように取り組んでおられるのかを伺わせてください。

○堀内労務担当部長 都におきましては、テレワーク実施時においても職員間で円滑にコミュニケーションが図れるよう、チャット機能の活用方法や定期的なミーティングの実施など、コミュニケーションのコツをまとめたティップス集を作成し、全職員に周知してございます。
 また、職員のメンタルヘルス対策といたしましては、不調の未然防止を目的としたストレスチェックの実施や不調者の早期発見、早期対応を目的とした専門スタッフによる相談体制の整備等を行ってございます。

○坂本委員 ありがとうございました。続いて、育児や介護、治療、そういったライフステージに応じた柔軟な働き方を一層進めていくための制度強化についても伺わせてください。

○堀内労務担当部長 様々な事情を抱える職員が、生活と仕事とを両立しながら最大限に力を発揮できる環境を整備することは重要でございます。
 都は、本年四月からフレックスタイム制を活用した週休三日や、子育てと仕事の両立のための新たな部分休暇を導入したほか、本年十月からは介護のために勤務の始めと終わりに取得できる短時間の休暇について、勤務の途中でも利用ができるよう見直したところでございます。

○坂本委員 ありがとうございます。都庁におけるデジタル化や働き方の見直しが進展していったとしても、現場に立って都民に寄り添う仕事が大事であることに変わりはないと思っています。
 職員の皆さんの都民との接点での貢献というものをどのように評価していくのかというのが、行政版CRMの観点でも非常に重要だと考えています。
 庁内の調整業務や事務処理、こういったことだけではなくて、都政の第一線である現場で働く職員の皆さんを正当に評価していくことは必要な取組だと考えております。
 そこで、多様な職場を有する都庁の総務局として、現場で働く職員の皆さんの頑張りをどのように評価に反映していくのか、見解を伺わせてください。

○金久保人事部長 都においては、各所属が直面する課題に対応するための組織方針を設定することとしております。その方針に基づき設定した職員の職務目標の達成状況や職務遂行の過程で発揮された能力等を基に、人事評価を実施しております。
 都政の第一線である現場における職務は多岐にわたりますけれども、例えば対外折衝であるとか、都民、顧客サービスであるとか、設備施設管理といった現場の業務の課題解決に向け、職員が遂行した職務の実績に応じて適正に評価しております。

○坂本委員 ありがとうございます。適正に評価されているということで。
 次の話に行きたいと思いますが、DXの進展に伴いまして、人事分野でもデータの活用というものは進んでいます。採用から配置そして評価、育成までを一気通貫で把握して、職員の皆さんのスキルや思考、強み、そういったものを可視化する仕組みを構築することは重要なんじゃないかと思います。
 そこで、総務局としてデータを生かした人材配置及び組織運営をどのように推進していかれるのか、伺わせてください。

○金久保人事部長 都では、これまでも人事考課、人事配置及び人材育成の情報を一元的に管理し、人事業務を支援するシステムとして、e-人事システムを活用しております。
 今後ともe-人事システムを活用した職員の意向、能力、適性などの情報を一元的に管理しつつ、適切な人事配置及び組織運営に努めてまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。東京都では、e-人事システムを活用して人事に関する情報を一元的に管理していることが分かりました。ありがとうございます。
 その人事配置について、都政の第一線である現場も含めて、職員の皆さん自身がやりがいや成長を実感できることが重要なんじゃないかと考えるわけですが、まず具体的な人事配置について、どのように行われているのかを伺わせていただきたい。
 また、職員の皆さんがやりがいや成長を実感できる環境を整備するべきだというふうにも考えますが、そちらの見解も含めて伺わせていただけますか。

○金久保人事部長 職員の配置についてでございますけれども、具体的には自己申告の制度などを活用し、上司と相談しながら本人のキャリアの意向を十分確認するとともに、適材適所の配置を推進しております。
 そうした中で、意欲や能力のある職員がその実力を存分に発揮できるよう、積極的に主任や課長代理に任用するほか、現場の第一線などで培ってきた業務経験を生かし、キャリアアップできるよう、専門性に着目したキャリア形成の後押しも進めております。

○坂本委員 よく分かる説明でありがとうございました。
 そして、都庁の職員の皆さんが都政をさらに発展させていくには、従来の枠を超えて、庁外の視点を持ち帰って自らの経験として蓄積できるようにしていく、そういった越境的な学びというものも不可欠なんじゃないかと思うわけであります。
 そこで、都庁の職員の皆さんが企業や大学など都庁外で学んで、新たな知見を得るような派遣ですとか研修制度も一層推進していくべきなんじゃないかなとも思うわけですが、そちらについての見解を教えていただけますか。

○金久保人事部長 複雑多様化する都政課題を解決していくためには、職員が積極的に都庁の外へ出て新たな発想を取り入れ、絶えず成長し続けていくことが必要でございます。
 都は、職員を国や区市町村などへ派遣するとともに、民間企業との異職種交流研修や海外大学院への派遣などを通じまして、職員が都庁の外に出て学ぶ機会を提供しております。
 引き続きこうした派遣や研修制度などを通じまして、庁外の先進的な取組を学び、庁内外の垣根を越えて活躍できる人材の育成を進めてまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。充実した制度があるということで安心しました。
 続いて、災害に対する備えも忘れてはならないのでちょっと触れておきたいと思うんですが、昨年は元旦に能登半島地震が発生するとともに、八月には宮崎県の日向灘での地震を受けて、南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されたということです。
 つい先日の台風二十二号、二十三号でもですね、八丈島を中心に大きな被害が発生いたしました。首都直下地震もいつ起きてもおかしくない状況でございまして、地震や風水害など、災害の懸念が高まる一方なんじゃないかと思うわけであります。
 こうした中、自然災害は避けることができないわけですが、仮に災害が起こっても、被災者の方が一刻も早く生活を再建できるということが極めて重要であります。この災害時においても困っている被災者の皆さんに着実に支援を届けるとともに、支援情報を横断的に共有して、誰にどのような支援がきちっと届いているのかを一目で把握できる仕組みは、まさに行政版CRMの根幹なのであります。
 そこで、支援情報についても、先ほど自民党の星委員から現状についてのご質問がございましたように、被災者へ支援情報をどうやって届けるのか。その被災者の状況を一貫して把握する仕組みというものがないからがゆえにそういった質問も出るわけですが、それをやはりちゃんと仕組みとして整えるべきであろうと考えるわけですが、それについての見解を伺わせてください。

○高田総合防災部長 被災者に必要な情報を提供するとともに、適時適切な支援を行うためには、被災者の情報を区市町村と連携し、発災直後から復興フェーズまで広域的かつ一貫して管理する必要がございます。
 そのため、都は現在、発災直後の安否確認から応急復旧時の避難者の所在やニーズの把握、復興期の生活再建の支援まで、被災者情報を一貫して管理する情報管理システムの構築に向け、調査、検討を進めてございます。
 こうした取組を通じまして、被災者の情報を把握し、必要な支援情報の提供を行う環境を整えてまいります。

○坂本委員 実にナイスですね。情報システム構築の件、ぜひ別途教えていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 行政だけではなくて、地域の人々やNPO、企業が連携して課題を解決する地域共助の人材を育てることが、持続的な行政運営には欠かせないわけであります。
 総務局として、人的ネットワーク形成に関してどのような形があるのかを伺いたかったわけですが、先ほど冒頭、都民ファーストの本橋委員から事業所防災リーダーのお話を質問されていましたので、それで少し理解が進んだわけです。その事業所防災リーダーに関して、都庁はどういった形で支援をしていかれるというふうなお考えなのかを最後に伺わせていただきたいと思います。

○小平危機管理調整担当部長 都は、企業等の災害対策の旗振り役となる事業所防災リーダー制度を立ち上げまして、従業員の安全確保や一斉帰宅抑制など、企業等の災害対応力の向上を図っているところでございます。
 事業所防災リーダーには、企業等における防災対策に加えまして、地域の防災力の担い手としての役割も期待をしております。そのため、事業所防災リーダーに対しましては、事業所防災の実践マニュアルや定期的に配信するニュースコンテンツを通じまして、地元の町会、自治会等が主催する防災訓練やイベントに参加するよう促すなど、地域と一体となった防災対策を進めるよう働きかけを行っているところでございます。こうした取組によりましてネットワークを形成し、防災力のさらなる向上を図ってまいります。

○坂本委員 ありがとうございました。より充実していくといいなと思います。
 総務局は都庁の要でございますし、その仕事は都政全体の質も左右するんじゃないかと思います。デジタル化が進んで働き方が変わりゆく今であるからこそ、私たちは業務を効率化することだけではなくて、都民一人一人に必要な支援を確実に届ける行政であるべきだと、その方向性を明確にしていかなければならないんじゃないかと思っております。
 私は、シチズン・リレーションシップ・マネジメントの都民との関係をデータと現場の両面から丁寧に管理をして、孤立させずに支える行政モデルを東京で実装していくべきであるというふうに考えています。
 デジタルは手段でございまして、目的は都民の皆さんの安心なわけであります。職員の皆さんが現場にも向かっていただいて、人の声を聞き、課題をともに解決する。そのための時間と環境をつくることが総務局の大きな使命であるというふうに考えます。
 東京がもっと優しく、もっと強い都市となるよう、引き続き議論を深めていきたいということをもって、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。

○望月委員 参政党の望月まさのりです。本日はよろしくお願いいたします。
 先ほど斉藤委員からもありましたけれども、当然我が党は差別に反対です。それぞれの主張がある中、ご配慮いただきありがとうございます。
 改めまして、日本人ファーストとは、政策を検討するに当たり伝統的な家族観や国家観を尊重し、グローバル化ではなく国際化を前提とした政策を重視すべきであると考えているということです。
 トランプ大統領の捉え方は様々ありますけれども、アメリカのトランプ大統領は、エネルギーの自立や家族重視の政策を掲げ、国家主権の回復を強く訴えております。
 また、イギリスやハンガリーのオルバン政権においても、安全性、国民負担、地域の景観、国家の安全保障を無視してはならないという再エネ政策への慎重な立場が明確に示されております。
 これらに共通するのは、国家としての主権と責任を国民の声を基に行う、いわゆる反グローバリズムという姿勢です。我が国においても、都が先頭に立ち、国益の視点から政策構築を進めていくべきであると強く考えております。
 その上で、防災、復興支援、ミサイル攻撃等の複数のリスク観点から、戸建て住宅へのソーラーパネルの設置や、伊豆諸島などにおける浮体式洋上風力発電が安全であるとされる具体的根拠をお示しください。
 近年の台風被害、津波、ミサイル着弾想定等を含め、国際的な再エネ導入基準において重視されている国家安全保障の観点から、国際基準、耐風、耐震設計、防災対応、非常事態下の避難計画、維持監視体制などを踏まえて、都の対応方針を明確にご説明願います。

○田代防災計画担当部長 東京都地域防災計画では、都、防災機関、事業者及び都民が行うべき震災対策を項目ごとに、予防、応急、復旧の各段階に応じて具体的に定めております。
 その中で、都は、災害時に非常用電源としても有効な再生可能エネルギー発電設備、蓄電池、産業用、家庭用燃料電池等の導入を支援することとしております。
 再生可能エネルギーの導入拡大につきましては、所管局において適切に対応しているものと認識しております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。再エネ事業の安全性等に関しては、環境局をはじめとする各局が判断すべきであると、現時点では、局においては特段、推進等を把握はしていないというご説明を理解いたしました。
 昨今の国際情勢を踏まえると、ソーラーパネルの設置や浮体式洋上風力発電に関して、都が国家的危機にさらされる可能性を検証し、国防上の観点を含めて多角的に検討することが求められているとも考えております。
 また、自然災害への備えという防災上の観点からも関係各局が連携し、リスク評価と対応策を横断的に検討できる体制の構築が必要です。特に、安全性の担保が困難な場合には、浮体式洋上風力発電事業と再エネ事業そのものの在り方についても、庁内で総合的な議論を進めていただくよう要望いたします。
 先日の台風二十二号及び二十三号の影響について、八丈島の方からお話を伺いました。被害は甚大であり、現在もなおインフラが完全には復旧していない地域があるとのことです。
 さらに、農業従事者の方々が農地へ向かう経路が依然として遮断されたままで、農作業を再開できない状況が続いているとも伺いました。
 今回の台風は、極めてまれな規模で、一部報道では、最大風速は約五十四・七メートルという非常に強い勢力のものでした。仮にこのような台風発生時に近海へ浮体式の風車が設置されていた場合、その被害は計り知れません。現行の設計基準で、このような大型台風への体制は十分といえるのでしょうか。防災上の観点からも、改めて慎重な検討がなされるよう要望しておきます。
 次の質問に移ります。
 本年九月、都営住宅特別会計において消費税未納問題が発覚しました。本件については、第三回定例会において多くの会派から質問がされ、現在は監察が進められているところを把握しております。
 住宅政策本部におかれましては、再発防止にしっかりと取り組んでいただきたいというふうに考えておりますが、こうした不備を見逃さないためには、日常的な点検や多層的なチェック体制の構築は極めて重要であると考えます。その仕組みの一つとして、外部の専門家が監査を行う包括外部監査の活用が有効であると考えます。
 そこで、まず、都における包括外部監査の概要について伺います。

○田村グループ経営戦略担当部長 包括外部監査は、従来の監査委員監査に加え、監査機能の独立性と専門性を一層充実させるために導入された制度であり、住民福祉の増進、最少の経費による最大の効果の実現、組織及び運営の合理化などを目的としております。
 都におきましては、平成十一年度から本制度を導入いたしました。包括外部監査人が、都政の置かれている状況や各局の事業動向などを把握した上で、自己の見識と判断に基づき監査テーマを選定し、監査を行っております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。今ご説明のあった包括外部監査の直近の実績についてお答えください。

○田村グループ経営戦略担当部長 令和六年度は、生活文化スポーツ局の事業等が監査テーマとして選定され、文化振興、スポーツ振興、男女平等参画の推進に関する事業などが、関係法令にのっとり、経済性、有効性、効率性を十分に考慮しつつ執行されているかといった視点で監査が実施されました。
 監査人からは、東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たり、制度所管局である生活文化スポーツ局が、計画の取りまとめやPDCAサイクルの実施に際して主体的に総合調整機能を果たしていくため、一層の取組を求める意見などがございました。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。包括外部監査人が自らテーマを選定し、独自の視点で監査を実施しているということが分かりました。
 今回問題となっている都営住宅事業会計は、平成十四年度に特別会計として設置されたとのことですが、平成十四年度以降、都営住宅に関する事業が監査のテーマとなった実績はありますでしょうか。お答えください。

○田村グループ経営戦略担当部長 都営住宅に関する事業を含めた住宅政策が監査テーマとなった包括外部監査は、平成十九年度と令和二年度の二回実施されております。

○望月委員 ありがとうございます。では、そのうちの平成十九年度の監査について、どのような結果だったのか伺います。

○田村グループ経営戦略担当部長 平成十九年度は、住宅政策に関する四つのテーマの一つとして都営住宅等に関する事業が選定され、法令への適合性や住民福祉の増進等に留意し、経済性、効率性、有効性を重視する視点から監査が実施されました。
 監査人からは、都営住宅等の公有財産台帳について、手書きからシステムに移行した際の事後チェックが不十分であるという指摘などがございました。
 また、都営住宅の募集について、入居者選定の公平性を確保する観点から、住宅困窮度を詳細に把握するポイント方式による募集の拡充を求める意見などがございました。

○望月委員 ありがとうございます。続きまして、令和二年度の監査について、どのような結果だったのかお伺いします。

○田村グループ経営戦略担当部長 令和二年度は、住宅政策本部の事業等がテーマとして選定され、住宅政策が関係法令にのっとり適正に実施され、かつ、時代のニーズを反映し、経済性、有効性、効率性を十分考慮した上で執行されているか、さらには都営住宅等が適正に管理されているかといった視点から監査が実施されました。
 都営住宅に関する事業につきましては、入居者等の利便性を高める観点から、都営住宅の駐車場空き区画について、カーシェアリングなどの様々な外部利用の施策の検討を求める意見などがございました。
 また、東京都営住宅条例等の改正により連帯保証人が廃止された際、既存の入居者は、連帯保証人に代わる連絡先を届け出ることになりましたが、届け出た世帯数が少なかったことから、入居者に対して手続を促す取組を求める意見などがございました。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。過去二回の監査においては、それぞれ異なるテーマで監査が実施されたが、いずれも消費税未納問題という核心的な事案にまで踏み込む内容とはならなかったため、今回の未納問題に気づくことができなかったものとして理解しております。
 本件を受けて、監査テーマの選択肢がさらに広がったと思っておりますので、今後はまた新たな視点を取り入れた監査の実施をお願いしたいと思います。
 一つ擁護するわけではございませんが、確かに今回の未納問題は、都政の信頼を損なう重大な過誤であることは否定できません。しかし一方で、元国家公務員の立場から誤解を恐れずに申し上げれば、当時の担当職員による見落としを、数年後、数十年後のその職に就いた職員が過去の資料を全て見直し、その過誤を発見することは実際には極めて困難であることも理解しております。
 しかしながら、本件は、都政の信頼を大きく損なう重大な事案であることから、再発防止の徹底のため、特別会計に移行するものは毎年多くあるわけではありませんので、移行する際に、包括外部監査のような複数局による多角的視点から監査が実施される体制の構築も必要ではないでしょうか。ぜひとも前向きなご検討をお願いいたします。
 次に、都民にとって極めて重要なインフラである上下水道や交通インフラについてお伺いします。
 先日、所管各局に確認したところ、現時点では、民営化の検討は行っていないとの回答をいただきました。一方で、近年、上下水道施設の運営については赤字経営が続いている状況も把握しております。しかしながら、都民の命の源である水は、決して民間企業の利益追求のための自由主義経済の土俵に乗せてはならないと考えております。
 そこで、都として復興支援や行政運営を考える立場から、上下水道や交通インフラ等が、今後万が一、民営化された場合、災害復旧や都民生活に支障を来すおそれがあると考えますが、都としてどのような対応を想定しているのか、ご見解を伺います。

○田代防災計画担当部長 災害対策基本法において、電気、ガス、輸送、通信、その他の公益的事業を営む法人のうち、内閣総理大臣が指定する法人を指定公共機関、また、都道府県知事が指定する法人を指定地方公共機関として位置づけております。
 これらの指定公共機関、指定地方公共機関は、この法律の規定による国、都道府県及び市町村の防災計画の作成及び実施が円滑に行われるように、その業務について当該都道府県または市町村に対し協力する責務を有しております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。我が党は、インフラの民営化には明確に反対の立場を取っております。万が一にも公共インフラが民営化されるようなことがあってはならず、その際には断固として反対の姿勢を貫くつもりです。
 例えば、パリでは民営化された結果、水道料金が約三倍にまで高騰し、水質や情報公開の面で住民の不満が高まり、最終的に再公営化へとかじを切ったという経緯があります。こうしたヨーロッパの失敗例からしっかりと学び、赤字経営が続いているところで厳しいとは思うんですけれども、インフラの売却という観点からいくと、防災上の観点からも都としても世界の教訓を踏まえた上で、都民の命を支える水道インフラの在り方を改めて精査した上で、公共性、安全性、持続性を最優先に据えた運営体制の確立を要望させていただきます。
 次に、都庁職員の採用状況等について伺います。
 都庁の外国籍職員の登用については、どこまで可能か。また、将来的に意思決定や決裁権を持つポジションに就く可能性と、国籍要件はどのように設定されているのかについてご所見を伺います。

○金久保人事部長 国は、公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わる公務員には、日本国籍が必要であるという考えを当然の法理としております。
 また、最高裁判決においても、公権力の行使に当たる行為を行うことなどを職務とする地方公務員に外国人が就任することは、我が国の法体系の想定するところではないとされております。
 こうしたことから、都においては公権力の行使等に携わる蓋然性が高い、事務、土木、建築などの職種や管理職への任用について、日本国籍を有する者に限定して行っております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。この問題は極めて重要な問題であります。
 国家や自治体の意思決定には、国民的な正当性が不可欠であると考えます。特に、自治体の根幹を担う意思決定層への昇格や重要な決定権の付与に際しては、誰が意思決定に関与するのかという透明性と正当性が強く求められます。
 都の職員として行政に従事する場合、政策の立案や市民生活に直結する情報を取り扱うことも多く、その責任は極めて重大です。したがって、機密性の高い情報や行政運営の根幹に関わる業務においては、より一層の慎重さが求められます。
 以前いただいた資料の中には、外国籍の方が一部採用されていることが確認できました。現時点では、意思決定権を有していないとの説明を受けておりますが、情報の取扱いを一歩間違えれば、国家安全保障や行政の信頼を揺るがす事態に発展しかねません。
 採用に当たっては、職務内容やアクセスできる情報の性質を十分に精査し、外国籍職員の採用については、たとえ末端の職員であったとしても、慎重に判断する体制を整えていただくよう強く要望いたします。
 次に、小中学生を対象とした人権問題体験学習会についてお伺いいたします。
 現在、こうした学習会では、多様な性ってなんだろう、LGBTQ学習会、人と違うってどういうことといったテーマが比較的多く見られます。
 まずは、それぞれのテーマについて実際にどのような内容が扱われているのか、簡潔にご説明ください。あわせて、これらの教材の監修や講師の選定に当たって、どのような思想的背景や経歴を持つ人物が関わっているのかをお示しください。

○若林人権部長 人権問題体験学習会は、政策連携団体である公益財団法人東京都人権啓発センターが実施しており、学校における人権教育に関する支援事業でございます。様々な人権問題についてのプログラムを用意し、学校からの申込みを受け、学校の担当者と具体的な内容を検討し、ワークショップや講演等による学習会として学校に出向き実施しております。
 多様な性ってなんだろうとLGBTQ学習会は、ともに多様な性に関する基礎知識や、互いの違いを受け止めていくにはどうすればよいかを考える内容となっており、LGBTQ学習会は、よりワークショップを重視した構成となっております。
 人と違うってどういうことは、生まれつきのあざ、脱毛などの見た目から偏見や誤解を受けやすい人たちが抱える問題について知り、自分らしい生き方について考える内容となっております。
 講師については、学習会の目的や趣旨、専門的な知見や活動実績などに基づいて東京都人権啓発センターが選定しております。また、教材は講師が作成しており、学習会の目的や趣旨を踏まえた資料となっているかなどについてセンターが事前に確認しております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。人権の尊重を決して否定するものではありません。ただし、こうしたテーマを取り扱う際には、対象となる子供たちの発達段階に対する慎重な配慮が必要不可欠です。特に、まだ自己が確立されていない時期の児童に対して、性に関する多様な価値観や概念を一方的に教え込むような内容が含まれているのであれば、それは教育の名を借りた思想の押しつけともなりかねません。
 アメリカのトランプ大統領は、公教育の場における性教育やジェンダー関連教育の早期導入に強い懸念を示してきました。性別とは生物学的なものであり、家族と社会の中で自然に形成されていくものであるとの立場から、初等教育の場では、まず子供たちが安心して自己を確立できる環境づくりこそが優先されるべきであるとしています。
 また、イギリスやハンガリーにおいても、ジェンダー教育や性的多様性教育に関しては、発達段階に応じた慎重なカリキュラム設定や、家庭や地域の価値観を尊重する姿勢が明確に制度として整えられてきています。
 都における体験学習会の実施に当たっても、こうした国際的な流れを十分に参考にし、発達段階への配慮、保護者への説明の徹底、教材の中立性、講師の思想的背景等の透明化などを基本方針として明示すべきであると考えております。
 子供たちに必要なのは、まず前提に男として女性を大事にしなければならないことや、子供を産めるのは女性だけであり、女性の体は生まれたときから将来の子供のための体でもあり、自分一人だけの体ではないから大事にしなさいということをしっかり教えるのが先です。自己が確定していない段階でいきなり性の多様性について印象を与えるのは、順番が違います。子供たちが自らの命に対する尊重、家庭や地域との絆、そして我が国に生まれたことへの誇りを育むことが第一であります。
 以上から、学習会の内容、教材、講師陣の起用に当たっては、いま一度その在り方を検証し、思想的な偏りがないか点検いただくとともに、都民に対する説明責任をしっかりと果たしていただくよう強く要望いたします。
 最後に、都がコロナ対応での行動計画や対策について効果検証が行われているのか、今後の見直しに向けたスケジュールはどうなっているのか、お答えください。また、見直し方針が未定である場合、その理由は具体的に何かを明確にお示しください。

○小平危機管理調整担当部長 新型コロナの対策に当たりましては、新型インフルエンザ等対策特別措置法により、国が策定しました新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に基づきまして、専門家の助言を踏まえながら都民や事業者の皆様にもご協力いただき、取り組んでまいりました。そこで得られた知見や経験を次の対策に生かし、幾度も感染の波を乗り越えてまいりました。
 国は、新型コロナの経験を踏まえ、平成二十五年六月に策定した新型インフルエンザ等対策政府行動計画を令和六年七月に抜本改定し、これを受け、都も本年五月に都の行動計画を改定しました。
 国は、政府行動計画の改定につきまして、おおむね六年ごとに検討を行うこととしており、都はその動向を注視してまいります。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。新型コロナウイルス感染症への対応は、都民の命、医療体制、そして経済活動を大きく左右した極めて重大な政策であります。
 特にコロナの感染者の死亡数やワクチン接種後の健康被害、過去最大規模となったワクチン関連の死亡報告数などを総合的に検証し、科学的かつ客観的な評価を再度徹底的に行う必要があります。
 先日もお話ししましたが、先日、私は大阪府の泉大津市に行政視察に伺わせていただきました。同市では、コロナワクチン後遺症への対策として、西洋医学だけでは改善しないとの認識の下、後遺症に苦しむ方々に救いの手を差し伸べる政策を実現しています。
 また、未病予防コンディショニングと銘打ち、西洋医学のみならず、代替療法などを取り入れて自律神経を整え、自己治癒力を高めることで症状の緩和、改善を図る取組も進めています。これにより心身両面からのケアを通じて、食生活や生活習慣の見直しを促すプログラムが構築されています。
 私が申し上げたいのは、こうした取組こそ、コロナ対策においてあらゆる可能性を検討し、市民にワクチン以外の選択肢を提示した点を高く評価すべきであるというところでございます。
 コロナ禍当時を振り返ると、国も都もワクチン接種のメリットを強調するあまり、あたかもワクチン以外の選択肢が存在しないかのような情報発信が行われていた側面がありました。現に、国が公表しているデータにおいても、新型コロナワクチン接種後の死亡が多数報告されているのが実情です。
 以上を踏まえ、感染症に関連する行動計画や対策を策定するに当たり、保健医療局の所管、福祉局の所管といった縦割りで処理するのではなく、都民生活に広範な影響を与えたこれまでの経験を踏まえ、より横断的な検証と政策形成が求められます。
 当時、行政や製薬会社等の支援を受けない立場で発信していた多様な専門家、市民の意見も含め、幅広い視点を政策に生かすことが重要です。つきましては、都として医療、福祉、危機管理対応をする各局が連携し、透明性の高い情報提供と多様な意見の反映を徹底する感染症対策体制を構築し、コロナ禍当時に都の各局が実施した対策については、その効果検証を再度多角的観点から横断的に徹底的に行っていただくよう要望いたしまして、以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

○こまざき委員 都民ファーストの会のこまざき美紀です。よろしくお願いします。
 まず、パートナーシップ宣誓制度について伺います。
 都では、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が、平成三十年十月五日に東京都議会本会議で可決成立し、同年十月十五日に公布されました。
 その第一条では、目的としていかなる種類の差別も許されないことを、第二条では、都が人権尊重に関する取組を推進することを、そして第四条では、都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的扱いをしてはならないとしています。
 そして、令和四年十一月からはパートナーシップ宣誓制度を開始。都営住宅の入居申込みの対象となったほか、民間でも住宅購入時のペアローンが組めるなど、活用先が拡大しています。
 改めて、この条例に定められたパートナーシップ宣誓制度の目的と、制度開始からこれまでの受理証明書の交付実績を年度別に伺います。

○若林人権部長 東京都パートナーシップ宣誓制度は、人権尊重条例の理念を踏まえ、多様な性に関する都民理解を促進し、パートナーシップ関係にある性的マイノリティーの生活上の不便等の軽減など、当事者が暮らしやすい環境づくりにつなげることを目的として創設いたしました。
 受理証明書の年度別の交付実績は、令和四年度は六百五十四組、令和五年度は四百八十五組、令和六年度は四百八十七組、令和七年度は十月末現在で二百五十三組となっており、累計で千八百七十九組でございます。

○こまざき委員 制度開始後三年が経過する中、毎年約五百組の交付があり、当事者の皆さんに評価され、かつ社会的に定着しつつあることが明らかとなりました。引き続き、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 同様に、私たち都民ファーストの会東京都議団も、いかなる種類の差別も許されないという人権尊重の理念に基づき、都議会での質疑を行ってまいります。
 次に、都の職員採用について伺います。
 都は、ダイバーシティ・アンド・インクルージョンを掲げ、多様な人材が活躍できる職場づくりを推進しています。その実現のためには、障害のある方、難病を患う方、LGBTQ、外国にルーツを持つ方、ヤングケアラーなど、様々な困難を抱える方々が能力を十分に発揮できる環境を整備することが不可欠です。
 特に難病患者については、他県において難病患者を対象とした常勤職員の採用試験が導入されるとともに、国でも障害者雇用率の算定に難病患者を含めることが検討されている状況もあります。都においても、難病患者も含め、困難を抱える方への支援が重要です。
 また、入庁後の職場においても、合理的配慮を適切に提供することで困難を抱える職員一人一人が持てる力を最大限発揮し、都民サービスの向上に貢献することが重要であり、六点質問いたします。
 都の職員採用試験での配慮はもちろんですが、入庁後も能力を十分に発揮できる環境を整備することが不可欠です。入庁後の合理的配慮について、本人の希望に基づき、柔軟かつ迅速に対応できる相談体制を整えることが重要と考えますが、都の取組を伺います。

○若林人権部長 都においては、障害を有する職員が障害特性や個性に応じて能力を有効に発揮できるよう、障害者活躍推進計画に基づき、様々な取組を推進しております。
 相談体制につきましては、職員に身近な各所属の管理職を相談窓口に指定しておりまして、定期的に面談を実施することで、本人の障害の症状や悩みの把握に努めております。
 あわせて、各所属だけでは対応が困難な場合は、各部、事業所の人事担当者が相談に応じる体制も整えております。
 さらに、今年度からは新たに障害特性等に関するコミュニケーションシートを導入し、職場における相談対応を充実したところでございます。
 また、全職員を対象に障害への理解を深める研修を実施するとともに、障害特性や配慮すべき事項をまとめた事例集を毎年改定し、各局に周知するなどの取組も行うことで、誰もが働きやすい職場環境の整備に努めております。

○こまざき委員 二〇二二年十一月、都は全職員の同性パートナーを事実婚と同様に扱うよう条例規則を改正しました。この改正の基盤となったパートナーシップ宣誓制度を盛り込んだ人権尊重条例改正案は、都議会で全会一致で可決されたものであり、高く評価します。
 しかし、制度があっても職場で安心してカミングアウトできる環境がなければ、利用は進みません。同性パートナーに関する福利厚生制度について、制度の存在を管理職も含めた全職員に周知することが重要と考えますが、都の取組を伺います。

○堀内労務担当部長 都におきましては、東京都パートナーシップ宣誓制度の創出に当たりまして、東京都人材支援事業団が実施する介護支援事業、相談事業、慶事祝い金等の各種福利厚生事業について、職員のパートナーシップ関係の相手方を対象として追加する改正を行いました。
 制度改正時には、所属長をはじめ全職員に対して、これらの事業の対象者について周知を行ってございます。また、各事業の募集を行う際には、対象者について記載をしてございます。

○こまざき委員 ありがとうございます。LGBTQへの理解を深めるためには、定期的に職員へ研修をすべきと考えています。
 LGBTQに関する職員への研修の実施状況について伺います。

○金久保人事部長 都では、新任職員や管理職等を対象とした人権に関する研修や、労務管理に関する研修などにおきまして、職員のLGBTQへの理解を深め、人権へ配慮した良好な職場環境を醸成するため、LGBTQに関する講義を行っております。

○こまざき委員 取組に関して確認させていただきました。
 次に、相談窓口を明確にし、LGBTQに関する差別やハラスメントのない職場環境を構築すべきと考えますが、都職員に対する取組について伺います。

○堀内労務担当部長 都はこれまで、職場におけるセクシュアルハラスメントの防止に関する基本方針に性自認及び性的指向に関する規定を追加したほか、イラストを活用して分かりやすく伝えるSOGIハラスメントについて知るBOOKを作成するなど、SOGIハラスメント防止や多様な性に関する職員の理解促進に努めてまいりました。
 また、職員からの相談に対しては、全庁及び各局の相談窓口のほか、外部弁護士による相談窓口など複数の窓口を設けており、職員が万が一ハラスメントを受けた場合にも安心して相談できる体制を整備し、職員に周知してございます。
 今後もこれらの取組を着実に実施し、差別やハラスメントのない職場環境を整備してまいります。

○こまざき委員 様々事情を抱える方がそれを理由にキャリアの可能性が狭まることがあってはなりません。重要なのは本人の適性、能力、そして何より本人の意欲と希望です。
 障害者採用職員の配置について、本人の希望や適性を丁寧に聞き取り、必要な配慮を提供した上で、多様な部署、職域への配置を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。

○金久保人事部長 人事配置につきましては、障害の有無にかかわらず、自己申告の制度などを活用し、上司と相談しながら職員本人のキャリアの意向を十分確認するとともに、適材適所の配置を推進しております。
 また引き続き、職員の意向、能力、適性等に基づきまして、人材育成の観点も踏まえた適正な人事配置を行ってまいります。

○こまざき委員 昇進、昇格についても同様と考えています。障害を理由とした不当な差別的取扱いは法律で禁止されているだけでなく、人としての尊厳を損なうものです。能力と実績に基づいた公正な人事評価が行われなければ、働く意欲を失わせることになりかねません。
 障害や病気により困難を抱える職員が将来に希望を持ち、キャリアを積み重ねていけるよう都として合理的な配慮を提供し、公正な評価に基づいて昇進、昇格の道を開くべきと考えますが、都の取組を伺います。

○金久保人事部長 都はこれまでも、学歴や年功、性別、障害の有無などにかかわらず、能力や業績に基づく公平、平等な昇任選考によりまして、誰もがチャレンジ可能な実力本位の任用を行っております。
 昇任選考に当たりましては、昇任選考のうち競争試験が必要な主任級職選考及び管理職選考の実施に当たりまして、障害や困難を抱える職員が能力を十分に発揮できるよう、職員からの申出に基づきまして、点字による試験を実施するなどの個々の障害等の態様に応じた適切な配慮を行っております。
 引き続き、誰もが意欲や能力に応じてキャリアアップできる取組を推進してまいります。

○こまざき委員 都が採用試験や昇任において、個々の事情にかかわらず、誰でもチャレンジ可能な制度としていることを確認しました。
 配慮が必要な事情は障害や難病、LGBTQだけではありません。ヤングケアラーや家族の介護を担う方、一人親家庭の方、DV、虐待サバイバー、外国にルーツを持つ方、宗教的配慮が必要な方など、一人一人が抱える事情は様々です。
 引き続き、これらの方々がそれぞれの事情に応じた配慮を安心して伝えることができ、採用試験においても、入庁後においても不利益を受けることなく活躍できるよう環境整備に取り組んでいただくことを求め、次の質問に移ります。
 情報公開制度に関して伺います。情報公開制度は、都政の透明性を確保し、都民の知る権利を保障する重要な制度です。しかし近年、開示された情報が本来の趣旨と異なる形で利用される事例が散見されています。
 特に、開示文書を断片的に取り上げ、文脈を無視した解釈や虚偽情報を付加し、SNS等で特定団体や個人を誹謗中傷する目的で拡散されるケースが報告されています。
 そこで、四点伺います。まず、開示請求があった場合、都は開示、不開示の判断をどのように行っているのか伺います。

○篠都政情報担当部長 東京都情報公開条例では、開示請求があったときは、個人情報や法人の事業活動情報などの不開示情報が記録されている場合を除き、当該公文書を開示しなければならないとされてございます。
 例えば、法人等に関する情報については、競争上または事業運営上の地位、その他社会的な地位が損なわれると認められるものは不開示としているなど、開示することの利益と開示することにより損なわれてはならない個人または法人の正当な利益等との調整を図りながら判断をしてございます。

○こまざき委員 近年の濫用実態を踏まえますと、不開示の判断では、開示後の請求者による情報の利用方法、利用実績等も考慮し、総合的に評価する必要があると考えています。
 次に、都の開示する公文書には、都の管轄外の団体等の情報が含まれる場合があります。こうした情報については、当該団体から十分に意見を聴取し、開示による具体的リスクを把握した上で、開示、不開示の判断をすることが重要です。
 この点について、現在の取組状況と今後の推進方針をお聞かせください。

○篠都政情報担当部長 条例では、公文書に法人等に関する情報が記録されているときは、決定に先立ち当該法人等に通知して意見書を提出する機会を与えることができるとされてございます。
 この制度について、庁内の担当者会議を通じて各局等に周知を行うほか、必要に応じて個別に運用の確認、助言を行っております。こうした取組を通じて、引き続き適切な運用に努めてまいります。

○こまざき委員 続きまして、権利濫用への対策について伺います。
 都は、令和四年四月に、開示請求における権利の濫用についてのガイドラインを制定し、三つの類型を権利濫用と定めています。
 このガイドライン制定の趣旨と、具体的に請求を却下すべき事例はどのようなものなのか伺います。

○篠都政情報担当部長 開示請求における権利の濫用についてのガイドラインは、情報公開審査会において、権利濫用として請求を却下すべきである旨の判断がなされた開示請求の内容及び対応等を類型化し、実施機関における取扱いを明確にするため、令和四年に策定したものでございます。
 具体的には、開示請求者の言動、請求の内容、方法等から、開示請求の目的が真に公文書の開示を求めるものではない、または、公文書の開示を受ける意思がないと明らかに認められる開示請求が繰り返される場合、開示請求の手続等において著しく不適正な行為が繰り返される場合、専ら実施機関の事務の混乱または停滞させることを目的とする開示請求が繰り返される場合としてございます。

○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。さらに今後の対策強化について伺います。
 近年のSNS等を通じた情報拡散の実態を踏まえますと、大量請求や反復請求でなくても明らかに誹謗中傷や業務妨害を目的とした新たな形態の濫用が出現していると思います。
 情報公開制度の濫用は全国的課題であることから、国や他自治体とも連携し、好事例の共有や制度改善に向けた検討を行うべきと考えますが、都の取組状況について伺います。

○篠都政情報担当部長 都は、他道府県や政令市と権利濫用を含む情報公開制度に関する諸課題について、毎年、担当者会議において情報交換を行っているほか、個別の案件に関して随時、意見照会等を行っております。また、総務省の担当部署とも情報共有や意見交換を行っております。
 引き続き他自治体や国と連携し、最新情報や好事例の共有を図るなど、情報公開制度の適切な運用に努めてまいります。

○こまざき委員 情報公開の透明性と権利保護の両立は容易ではありませんが、極めて重要な課題だと考えています。
 都は既にガイドラインを策定していますが、新たな形態の濫用に対しても、制度の趣旨を守りながら被請求者を守る実効性ある取組の強化を求め、次の質問に移ります。
 防災関係について伺います。
 都内では、マンション等の共同住宅に居住している都民は約九百万人にも上ります。また、荒川が氾濫した場合、地元北区では約半分の地域が浸水すると想定されています。
 都内の避難所収容人数は約二百九十二万人とのことですが、地震、水害、いずれの場合も、全ての方に避難所を用意することは極めて困難です。建物が無事であり、かつ浸水継続時間が短く、速やかに水が引く地域であるなど、条件がそろえば在宅避難という選択肢を選べるよう、都民の居住環境を整備することが喫緊の課題です。
 特に震災の場合、耐震基準を満たしたマンション等では、被害が軽微であれば、在宅避難が可能となります。多くの都民がマンションに居住しているという東京の地域特性を踏まえ、マンションにおいて在宅避難を行えるよう、マンション防災の取組を評価していくことが重要です。
 在宅避難を実現するためには、各戸での準備が不可欠です。中でも、トイレの確保が感染症蔓延等の健康被害の発生を予防するためにも極めて重要だと考えています。
 都は、区市町村に対して、避難所における携帯簡易トイレの備蓄を補助率二分の一で支援していますが、在宅避難者向けの家庭備蓄については、まだ十分な支援が行き届いておりません。
 そこで、四点について伺います。
 発災時にマンションでの在宅避難を選択、継続するためには、事前の備えが欠かせません。いざ災害が発生したときに、マンションに居住する住民が在宅避難を選択し、安全・安心に避難生活を継続できるよう、事前の備えやマンション特有の課題についての普及啓発をより一層強化し、都民の防災意識を高めていく必要があります。
 マンション防災の普及啓発に係るこれまでの都の取組状況について伺います。

○佐藤防災対策担当部長 都は、防災ブックのリニューアルに当たり、新たにマンション防災の項目を設けるとともに、マンション防災における発災時のリスクや対策の要諦をまとめたリーフレットも作成し、防災ブックとともに都内全世帯に配布しました。
 また、PR動画を作成し、ホームページ等への掲載やSNSの発信など、普及啓発を行っております。マンション管理組合などを対象に実施するマンション防災セミナーにおいて、エレベーターの停止時に閉じ込めが発生し得ること、高層階では家具転倒の被害が発生しやすいことなど、マンション特有の課題に対する備えなどを具体的に提示しております。
 令和六年度には新たに有明ガーデンで、マンション防災TOKYO 二〇二四を開催するとともに、品川駅周辺の共同住宅において、都と三区合同でエレベーター閉じ込め時の対応訓練を行いました。

○こまざき委員 都が、様々な取組によりマンション防災の重要性を普及啓発していることが分かりました。
 しかし、都が推進している東京とどまるマンションは、登録数は増えているものの、いまだ道半ばであると考えています。
 また、マンション防災を進めるには住民の意識改革が必要ですが、その道のりは容易ではありません。いつ発生するか分からない首都直下地震等の大規模な災害を想定し、対策を一層推進することが急務であります。
 そこで、マンション防災の一層の加速が必要と考えますが、見解を伺います。

○佐藤防災対策担当部長 マンション防災を推進するためには、トイレやエレベーターなどマンション特有の構造上の課題や、地域コミュニティと一体となった活動の推進、自助、共助の強化など、多岐にわたる課題について取り組んでいく必要があります。
 東京とどまるマンションについては、今年度、エレベーターのリスタート機能への補助制度を開始するとともに、マンホールトイレへの整備にも補助するなど、支援を拡充しております。
 あわせて、町会・マンションみんなで防災訓練など、関係局の取組について様々なイベントやセミナー等で紹介し、周知しております。
 これらに加えまして、マンション特有の課題を紹介する動画を作成し、防災意識の向上を図るとともに、エレベーターの安全対策について関係局と連携し検討を進めており、マンション防災の取組をさらに推進していきます。

○こまざき委員 都が様々な取組を行っていることを理解しました。
 一方で、ある区では、エレベーターの閉じ込め対策として防災キャビネットを配布しています。こうした実践的な備えに加え、いざというときに住民が迷わず行動できるよう、具体的な手順を示すことも重要です。
 例えば、震災時にマンションで必要な対応から復旧工事のノウハウまでをカード式の指示書、マニュアルとしてまとめたものがあります。都として、こうした実践的なツールの活用についても検討していくべきと意見を述べさせていただき、次は、災害時のトイレ対策について伺います。
 まず、能登半島地震から得た教訓と都の防災、震災対策の強化について質疑します。
 都は、建物の倒壊、通信やライフラインの途絶等々、甚大な被害をもたらした能登半島地震から多くの教訓を得て、東京の防災力の強化につなげています。避難所運営の在り方の向上、トイレの備蓄の充実、上下水道のライフラインの迅速な復旧の仕方、都と六十二市区町村へのモバイル衛星通信の環境整備等々、数え切れない施策が打ち出されてきました。
 能登半島地震では、災害時のトイレ事情に関して量的にも衛生面でも問題視され、トイレ環境の向上の重要性に注目が集まっています。政府も同様の認識を持っており、防災基本計画を修正し、そこには避難所へのトイレカーの導入や要配慮者への支援の拡充が盛り込まれています。
 そこで、都の災害時のトイレ対策はどうなっているのか、また、都内の区市町村に対してどのような支援の取組を行っているのか、それぞれ伺います。

○田代防災計画担当部長 都は、本年六月より区市町村が災害用トイレを整備するための補助制度を開始いたしました。本制度では、区市町村が在宅避難者用の携帯トイレを含む災害用トイレを購入する場合に、購入経費の二分の一を補助しております。
 事業開始に当たり、都は、区市町村長に制度の概要や目的を説明するとともに、区市町村の防災担当課長や実務担当者に対して本制度の対象品目や申請手続等について説明し、活用を促しております。
 今後も、トイレの整備が進みますように区市町村を支援してまいります。

○こまざき委員 都の積極的な取組を評価いたします。私も地元、北区の防災訓練に参加する際、住民の方々からトイレに関する不安の声を多くお聞きします。引き続き区市町村での整備が着実に進むよう、丁寧な取組をお願いします。
 東京都避難所運営指針では、今後、都や区市町村の取組により在宅避難が可能となる地域の拡大が期待されています。それに伴い、避難所外で避難する方々への支援拠点として、避難所の役割はますます高まっています。
 在宅避難者も備蓄がなくなれば、近隣の避難所で食料などの提供を受けることが想定されています。しかし、実際の運用では、どこで何を受け取れるのかなど、支援に関するルールが不明確な部分があります。
 そこで、在宅避難者の生活支援に関して、区市町村において具体的にオペレーションができるよう都はどのように支援していくのか、見解を伺います。

○畠山避難所・物資担当部長 本年三月に策定した東京都避難所運営指針では、避難所を在宅避難者への支援拠点としても位置づけており、在宅避難者の安否確認、物資や情報の提供、生活支援など、区市町村が平時から検討するべき事項を示しております。
 現在、都は著しく多い避難者や耐震性の高いマンションが多数存在する大都市東京の特質を踏まえ、在宅避難者を含めた避難者全体への生活支援等について検討を進めており、区市町村へのヒアリングや専門家の意見を聞き、今年度中に指針を取りまとめてまいります。

○こまざき委員 ご答弁では、今年度中に取りまとめをいただけるとのことです。在宅避難者が実際に困ったときにどこで何を受け取れるのか、具体的なルールが現場で機能するよう実効性のある支援体制の構築をお願いいたします。
 本年三月に策定された東京都避難所運営指針は、避難者一人一人に寄り添った先駆的な取組であり、心から評価いたします。スフィア基準に準拠し、避難者一人当たり三・五平方メートル、約二畳分の居住スペース確保、全員への簡易ベッド、毛布の支給、プライバシー確保用の仕切り、テント提供という明確な目標が示されました。
 さらには、トイレ環境、温かい食事、入浴機会の確保など、八つの課題について具体的な基準を設定されたことは、体育館で雑魚寝という従来の避難所から、人間の尊厳が守られる避難所への転換を宣言したものです。能登半島地震の教訓を即座に反映されたスピード感も高く評価いたします。
 このすばらしい指針を一日も早く確実に実現していただきたい。そのためには、理想を掲げるだけではなく、具体的な実行計画が不可欠です。首都直下地震では約二百万人の避難者が想定される中、膨大な資機材の調達、保管、輸送という前例のない課題に加え、地域での実効性をどう確保するのか、この指針の実現を後押しするため、四点について提案とともにお伺いします。
 第一に、備蓄物資の状況についてです。簡易ベッド、仕切り、テントについて、都及び区市町村における備蓄状況を伺います。

○畠山避難所・物資担当部長 昨年度、内閣府が実施した災害用物資・機材等の備蓄状況に関する調査時点の令和六年十一月において、都と区市町村で段ボールベッド等の簡易ベッドを二万一千六百六十三台、パーテーション及びテントを九万五千三百六十三枚備蓄しております。

○こまざき委員 備蓄状況について確認できました。
 次に、避難所環境整備の財政支援について伺います。スフィア基準に準拠した避難所環境の実現には相応の財政負担が伴います。避難所の環境整備に必要となる資機材の備蓄を促すために、都は、区市町村へどのような支援を行っているのか伺います。

○畠山避難所・物資担当部長 都は、令和五年度から区市町村が避難所において活用する携帯トイレ、簡易トイレの購入やWi-Fi環境の整備に要した経費の二分の一を補助しております。
 避難所運営指針では、避難所の環境改善に資する資機材等を具体的に示しており、令和七年度からは、簡易ベッドや屋内型仕切り、テント、災害用温水シャワー、ペット避難資機材について区市町村の購入経費の二分の一を補助しております。
 本年八月には、補助金の積極的な活用を促すため、区市町村の担当者向けに補助対象となる様々な種類の資機材を紹介する展示会を実施しております。

○こまざき委員 避難所の環境整備のため、都は、今年度から新たな補助制度による区市町村への支援に取り組んでいることを確認できました。
 短期間に整備することが困難な場合には、まず要配慮者向けを優先し、段階的に整備するなど、中長期的なロードマップを都民に示すことも提案させていただきます。
 第三に、地域内輸送拠点について伺います。能登半島地震では、物資の到着の遅れが課題となりました。首都直下地震においても道路閉鎖のリスクが想定される中、約四千八百か所以上の避難所への輸送をどう実現するのか懸念されます。
 都の地域防災計画においては、区市町村の地域内輸送拠点は百二十七か所とされています。都は、原則として区市町村からの要請に応じて物資を地域内輸送拠点まで輸送し、当該拠点で受け入れた物資を区市町村が各避難所へ輸送するという役割分担が定められています。こうした体制の下、地域内輸送拠点で円滑に物資を払い出すことが求められます。
 そこで、地域内輸送拠点の機能強化を図るに当たり、都として、区市町村に対してどのような支援を実施しているのか伺います。

○畠山避難所・物資担当部長 都は、避難所運営指針において地域内輸送拠点の物資の仕分方法や在庫管理、避難所への輸送手段の確立などを目指すべき基準として示すとともに、運営マニュアルや物資供給計画の作成など、区市町村が直ちに取り組む具体的な方策をガイドラインに取りまとめております。
 また、区市町村の取組を支援するため、地域内輸送拠点の運営マニュアルのひな形や体制、人員数、配備すべき資機材リストの例を提示してございます。
 今年度からは、地域内輸送拠点の環境整備を促進するため、ハンドリフトや籠台車、投光器などの資機材の配備に対して購入経費の二分の一を補助しております。
 さらに、総合防災訓練などを通じ、物資の受入れ、払出し、避難所までの輸送といった一連のプロセスを区市町村や物流事業者等と確認しております。

○こまざき委員 都が、地域内輸送拠点の強化を支援することで、区市町村の対応力の向上を図っていることが分かりました。避難所に避難している方が安心して生活していくためには、環境整備に加え、必要な物資が迅速かつ確実に輸送されなければなりません。
 私はさきの総務委員会で、備蓄の状況や輸送の体制の確認をさせていただきました。現状は、餅は餅屋というように、現場の状況や業務に精通した自治体職員や物流事業者等が連携して対応することとなっています。この体制では、効率性が追求される一方、関係者が多く、どこか一つに予期せぬ事態が発生した場合、全体が機能しにくくなるリスクがあります。
 こうしたリスクを回避するため、現行の仕組みに加え、平時における物資の購入、管理及び発災時の輸送を一括して委託するなど、新たな調達、保管、輸送の仕組みを導入することも検討していただきたいと思います。
 第四に、避難所運営における実効性の確保について伺います。避難所運営指針では、地域住民が主体となった運営体制を構築し、日頃からの訓練で習熟を図ることが明記されています。実際の避難所開設、運営は、区市町村職員の支援を受けながらも、地域の自治会等の自主防災組織、その他の地域団体など、地域の住民の皆さんが中心となって担われています。
 私の地元北区でも、各地で熱心に防災訓練が実施されていますが、どれほどすばらしい指針も、現場に周知され、実践されなければ意味がありません。この新しい指針の内容を理解し、スフィア基準に準拠した避難所運営を実際に行えるよう、訓練内容も進化させていく必要があります。
 そこで、簡易ベッドの組立て、プライバシー確保のためのテント設営など、新たな指針に基づいた実践的な訓練を推進するため、どのような支援を行っていくのか伺います。

○畠山避難所・物資担当部長 都はこれまで、総合防災訓練の中で区市町村や関係機関と連携し、避難所開設、運営訓練を実施してきました。本年八月の羽村市、日の出町と合同で実施した訓練では、参加した住民自らが居住スペースの設営やマンホールトイレを設置するなど、新たな指針に基づく取組を実践しております。
 現在、訓練の成果と課題を取りまとめており、今後、他の区市町村と情報共有してまいります。
 また、避難所の運営に係る住民が、各避難所の実情を踏まえた運営ノウハウ等を習得することを目的に、セミナーやコンサルティングを来月から実施してまいります。

○こまざき委員 都と区市町村、そして地域が一体となって避難所改革を進めるための連携体制の構築が重要です。
 この画期的な指針を絵に描いた餅にしないため、都民が安心できるように取組を進めていただくことを求めて、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○増山委員 都議会自民党の増山です。質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 令和七年第一回定例会における知事の施政方針演説におきまして、住宅価格や家賃が高騰する中、都内で安心して子育てができる住まいの確保も大切ですと課題を述べていらっしゃいます。
 この課題に対し、産業労働局では、アフォーダブル住宅の供給という施策を百億円、民間投資も含めて二百億円かけてスタートいたします。
 では、総務局はどうでしょうか。総務局も、多摩地域の活用というもう一つの課題解決策を持っているのではないでしょうか。
 私は、昨年も総務委員会に所属しており、この移住、定住の質疑を行っております。その際、副知事をトップとした各局連携を行っていくという答弁をいただいておりますが、その後の進捗が見えておりません。
 一方の産業労働局が百億円を使って課題解決に動いているのですから、総務局ももっとスピード感を持って解決に動いていただきたいという思いから、再度、このテーマを取り上げます。
 都心の住宅価格の高騰につきましては、報道においても、議会においても、新築マンション価格の平均が一億円を超えているのでとても買えないということがいわれており、あたかも東京都内でマンションを購入するには一億円以上準備しなくてはいけないかのような印象を与えております。
 しかしその一方で、多摩地域の住宅価格の上昇は緩やかであり、地域によってまちまちです。実際にあるデータによると、二〇二五年九月現在、七十平米の中古マンションの平均価格が二十三区では九千二百万円であるのに対し、調布、三鷹では六千万円前後、多摩地域全体では四千百万円前後で販売されております。また、空き家も調布市では一〇%、府中市では一三%あり、十分な不動産ストックがございます。
 三十代から四十代の子育て世帯が、千葉、埼玉、神奈川に転出する現状を食い止めたいのであれば、同じ都内である緑豊かな多摩地域の子育てを推奨する新たな施策をもっと積極的に展開していけばよいのではないでしょうか。
 総務局は、多摩地域や島しょ部に関わる調査、企画を所管しておりますので、この点をもっとPRする責任があるのではないでしょうか。多摩振興プランや離島振興計画を作成されており、その中で、多摩地域や島しょ部の課題の一つは、人口減少と少子高齢化を挙げております。この課題と都心の住宅価格高騰への解決策は、多摩地域への移住、定住の促進ではないかと考えております。
 この点、今までどのような対応策を講じ成果を上げているのか、また、今後どのような対策を講じるのか改めてお伺いしていきたいと思います。
 その際、多摩地域はいつも一くくりにされがちですが、実際には、先ほどご紹介した物件価格でも差があるとおり、区部と接する東部地域と西多摩地域及び島しょ部では、状況は全く異なります。それぞれの地域に分けてお伺いいたします。
 まず、多摩の東部地域における移住、定住の取組についてお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 お尋ねの多摩の東部地域は、JRや私鉄などにより都心へのアクセスがよく、多摩川など水辺空間にも恵まれ、多くの公園やスポーツ施設などが整備されてございます。
 都では、こうした多摩東部を含む多摩・島しょ地域への移住、定住を促進するため、移住定住ポータルサイトを構築し、各市町村の地域情報や支援制度のほか、移住、定住関連イベント等の情報を発信しており、令和五年三月の開設以降、閲覧数は増加傾向にございます。
 また、市町村の取組の推進に資するよう、民間企業等も含む多様な主体によるネットワークを構築し、情報共有や連携強化に取り組んでございます。今後とも、市町村と連携した取組を進めてまいります。

○増山委員 正直、多摩の東部地域は移住、定住という言葉には違和感があり、都内における転居先の一つという位置づけではないかと思います。
 ただ、区部、特に東側の区部にお住まいの方にとっては、多摩と一くくりにされているので、すごく都心から遠くて山があるというイメージを持たれている場合がありますが、実際には、狛江、三鷹、調布、府中など、東部は都心にも三十分以内で出ることができます。西多摩や島しょと同じくくりでの住まいの扱いは現実に即してはおりません。
 新しい多摩振興アクションプランでは、この点、五つのエリアに区分した考え方を提示されていらっしゃいますが、ぜひ住まいの施策についても、そのエリアに即した施策を行っていただきたいと思います。
 続いて、西多摩地域及び島しょ部での取組についてお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 西多摩地域など山村地域や島しょ部では、移住体験の拠点となる体験住宅等の整備を支援しており、これまでに五自治体が住宅を整備し、運用を行ってございます。
 また今年度は、空き家を活用した移住、定住も進めており、移住希望者が移住後の住まいや地域のイメージを持てるよう、空き家バンク、掲載物件等の見学や地域の生活文化の体験を行うツアーを実施してございます。
 これまでに西多摩地域で二回、島しょ部で二回実施しており、三十八人の方が参加されてございます。引き続き地域の特性を踏まえ、移住、定住につながる取組を促進してまいります。

○増山委員 西多摩地域や島しょ部は既に人口減少も始まっており、過疎地域に指定される自治体もあるなど、共通した既に深刻な課題に直面しております。
 この点、西多摩や島しょに関する移住定住につきましては、東京都過疎地域持続的発展方針の改定のときにも詳細に質疑をさせていただきましたので、引き続きのご努力をお願いいたします。
 多摩の東部地域における移住、定住の取組の一つとして、移住定住ポータルサイトを運営しているというご答弁がございましたが、このポータルサイトを立ち上げた目的と、どのような情報を選び、計算しているのかお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都では、多摩島しょ地域への移住、定住を促進するため、移住希望者の関心が高い情報を一元化して情報発信する東京たましま移住定住ポータルサイトを構築してございます。
 具体的には、多摩・島しょ地域の各市町村の歴史、文化、各自治体が運営している空き家バンクなどの住まいに関する情報のほか、地域の求人、子育て支援などに関する様々な情報を掲載してございます。
 また、エリアやジャンルで条件を絞り込み、検索もできる機能を備え、利用者が必要な情報に容易にアクセスできるよう工夫してございます。

○増山委員 私も、このポータルサイトを見させていただきましたが、部長は責任者としてこのポータルサイトをどのように思っていらっしゃるでしょうか。
 私は、二点課題があると思います。まず引っ越しを考える人が最初に検索するのは、やはりSUUMOやアットホームといった物件サイトではないかと思います。このような不動産サイトと連携して移住定住ポータルサイトに誘導していくというような動線を考えないと、このサイトには普通の人はたどり着かないのではないでしょうか。見てほしい人に見てもらえないという課題がございます。
 もう一点の課題についてですが、各市町村のページがあります。しかし、これは文字だけで構成されており、まるで総務省が出している市町村データのページのようで、動画なども掲載できるネットのよさが生かされていないのではないかと思います。
 実際、あのページを見て、例えば私は府中市ですけれども、私の住む府中市に引っ越したいなと思えるようなページにはなっていないのが実態ではないでしょうか。
 三、四十代の子育て世帯が都外に流出してしまうことが、東京都の課題であるといっているのですから、近隣より東京都で子育てをすれば、一人当たり五百万円ぐらい支援の差がありますというぐらい大きく表示をするなど、ある程度インパクトのある表示が必要ではないでしょうか。
 ポータルサイトの内容を含めた運用と不動産会社との連携の充実など、今後取組を進めていっていただきたいと思います。
 かねてから私は主張しておりますが、都心の住宅が高くて住めないという世帯には、ぜひ多摩地域は区部と比べて既にアフォーダブルな価格になっておりますので、多摩地域への移住をお勧めしたい。
 多摩には良好な住環境があるというポテンシャルが十分にございます。そこで、多摩振興アクションプランでは、安心して暮らせる住まいの確保にどのように取り組もうとしているのかお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 本年三月に策定した多摩振興アクションプランでは、多摩地域の空き家が増加している状況などを踏まえ、既存ストックとして有効活用するという方向性を示してございます。
 具体的には、市町村が行う空き家の実態調査や、空き家を移住、定住者向けに改修する民間事業者の取組を後押しするなど、多摩地域の住環境の確保、充実に取り組んでいくこととしてございます。

○増山委員 多摩地域における空き家の増加は、今後大きな課題となってくると思います。こうした課題をチャンスと捉え、既存ストックとして有効活用することにより、都心の住宅が高くて住めないという世帯に対し、手頃な価格で安心して住むことができる住まいを多摩地域において提供することで、安心して子育てができる住環境を確保することができるのではないでしょうか。
 移住定住の取組を一層促進するため、多摩地域の振興の核となる総務局が、住宅政策本部をはじめ各局と連携し、地域の実情に即した取組を進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。

○福島委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後五時五十四分休憩

   午後六時二十五分休憩

○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○西崎委員 よろしくお願いいたします。
 まず、地方分権関連から少しお伺いをいたしますけれども、気づけば、第一次地方分権一括法からもう四半世紀が過ぎたということでございまして、特に基礎自治体が国の出先機関ではなくなり、自らの手で自らのまちをつくっていくという改革が進められて、整備が進められたということが改めて非常に大きな出来事だったなと実感をする次第でございます。
 そこで、都におきましても、基本的にはそうした基礎自治体が様々な事務に当たり、そしてまたそれを広域、連絡調整、補完という考え方で、東京都があるという考え方にのっとって、これまでも様々進められてきたかと思っております。
 あわせて、地方分権一括法の機関委任事務の廃止ですね。このときに事務処理特例制度というものも創設をされまして、法定のものに加えて、様々協議をしながら区市町村へと事務を移譲してきたというような経緯があろうかと思います。
 そこで伺いたいのは、こうした条例による事務処理の特例によって、都から区市町村への事務移譲が図られる際、どのように都と区市町村間の協議や調整が行われているのでしょうか、伺います。

○田中行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 事務処理特例制度によります事務を移譲するに当たりましては、地方自治法の定めによりまして、区市町村との協議を行う必要がございます。
 都におきましては、特別区長会、東京都市長会、東京都町村会を通じまして区市町村に協議を申し入れまして、事務担当者レベルでも協議を行い、合意を得た上で事務移譲を実施しております。

○西崎委員 実務レベルでも、要は非常に丁寧に協議をして事務移譲を行ってきているということかと思います。そうして、しばしば事務処理の特例に関する条例も議会の方にも上程をいただいているということかと思っております。
 この事務処理特例だけではなくて、これまでも都と区市町村の間では、私はどうしても目黒区、特別区の出身でありますので、区でいったら、例えば都区の財調であったり、児相の際もいろいろな協議がありましたし、様々な機会に区も含めて区市町村と協議をされていることかと思っております。
 それで、少し話を挟むようでありますけれども、いわゆる火葬料金の問題について、我が会派は九月二十二日に東京都に知事宛てに要望書を提出いたしましたけれども、そこでは火葬の在り方を検討し、区市町村と協議の場を設けることを盛り込み、要望させていただきました。現実に、その後の知事の所信表明でも区市町村との連携には言及があったというところでございます。
 ただ、火葬場、墓埋法に関する権限がいわゆる一括法の法定移譲になりますので、さっきいった事務処理特例とは別にはなります。けれども、ここで考えたいのは、我々もそういった連携を要望して、今後東京都も何か模索していくんだろうなと思っていますけれども、考えなければいけないのは、安易に権限を都に戻すみたいな考え方はなじまないんじゃないかなと思っております。これまでの方向性とは少し異になってしまうようなものかと思っております。
 もちろん今後どういう連携が望ましいのかは所管局で様々検討し、また、それぞれ区市町村と議論していくものかと思いますけれども、ここで申し上げたいのは、行政部の皆さんといたしましても、引き続きいわゆる補完性の原理といいましょうか、まずは基礎的自治体が各種の事務に当たるべきだと。これまでもそうした考えでやってきていただいているとは思いますが、その姿勢を大事にして引き続き丁寧な事務を進めていっていただきたいということを申し上げておきます。
 次に、人事関連で伺います。
 アルムナイ採用についてお聞きをいたします。人手不足ないしは価値観やキャリアの多様化等々を受けまして、民間等では一旦退職した人を再採用するアルムナイ採用が広がり始めているということでございます。
 アルムナイ、卒業生とか同窓生という意味があるということでありますけれども、実は都庁でも、同様のアルムナイ採用制度が既に導入されているということでありますけれども、その背景と意義についてお聞きをいたします。

○金久保人事部長 近年転職市場が拡大し、人材の流動化が進んでいる状況等を踏まえ、都においても転職や育児介護等の理由で都を退職した有為な人材を厳選して再採用することで、様々な経験に基づく知見を都政に還元していただくため、令和六年度から都庁版アルムナイ制度を導入しております。

○西崎委員 今おっしゃった人材の流動化等々、様々な状況がある中で、多分そういった傾向って今後加速をしていくものだと思います。なかなか後戻りになることは考えづらい中で、どうしても行政は民間ともいろいろな人事体系も異なり、独特なものがありますので、現段階で既に東京都が導入しているということは、いい意味でかなり思い切った取組だったのかなと思っています。
 一方で、民間企業等では、退職した社員がアルムナイ採用で再採用されるときに、やめる前ですね、当時よりも上位の役職で登用されるであったり、いわゆるその待遇に既存の社員、ずっといた社員の方から不満が出るというようなことであったり、もしくはその退職の前ですね、ブランクがあるその前にやっていたやり方だとか働き方というものに、前のやり方にとらわれ過ぎて、戻ってきても周囲との摩擦を招いてしまう場合があるといった課題があるというふうにいわれているところでございます。
 そこで、現に制度を既に導入している都として、このような課題にどのように取り組んでいるのか伺います。

○金久保人事部長 都庁版アルムナイ採用制度では、かつて都で任用されていた職種、種別及び職層以下で採用することとしております。
 また、採用後、円滑に業務を遂行できるよう、他の経験者採用と同じく、都職員としての心構えや都政実務などについての研修を改めて受講させることとしております。

○西崎委員 いわゆる待遇の面であるとか研修の受講など、一定の制約といういい方がいいか分かりませんが、配慮がなされているということでございます。
 これはまだ始まって間もない制度でありますけれども、先ほど申し上げた様々な人材の流動化、そしてまたいろいろな事情を抱えながら、東京都としても優秀な人材を確保していくという観点からも、将来的にはさらに意義のある制度となっていく可能性は高いと私は思っていますので、実際に運用していく中でのメリット、デメリットを捉え、改善を図りつつ進めていっていただきたいなということをここでは申し上げておきたいと思います。
 次に、防災関係について伺ってまいりますけれども、まずは、かなり細かい話から入って恐縮ですけれども、MCA無線について伺いたいと思います。
 大規模災害が発生をした際には、いわゆる通信事業者の回線が使えないことはこれまでの経験からも大いにあり得るわけでございますけれども、そうした際にも、都は区市町村であるとか関係機関との連絡が取れるように防災行政無線を整備していることに加えて、協定事業者との連絡手段としてMCA無線を配備しているかと思っております。
 まず、MCA無線の特徴を改めて伺いたいのと、都における活用状況についてお聞かせください。

○高田総合防災部長 MCA無線は、サービスを提供する事業者が設置する中継局と、特定多数の利用者が設置する無線局で構成され、無線を共同利用するものでございます。
 大規模災害時において、携帯電話や固定電話と違い、通信が集中することによる接続制限がないことや、同時通話機能による一斉通信が可能なことなどが特徴として挙げられます。
 都は、防災行政無線の整備をしていない災害時協定を締結している関係団体や企業等との連絡手段として、一般財団法人移動無線センターが提供するMCA無線サービスを利用しております。

○西崎委員 防災行政無線とは別に、災害時にもつながりやすい連絡手段として関係団体や企業等との間でMCA無線が活用されるという、そういった手はずになっているということでございます。
 このMCA無線は所管が全然変わりますけれども、消防団でも使われていて、私も月一回、無線訓練に参加をしているということでございますが、一方で、MCA無線については、二〇二九年五月三十一日に事業者によるサービスが終了すると発表されているところでございます。
 これは当然、東京都以外でも幅広く活用されているということから、二〇二三年十一月、国の消防庁から都道府県に通知が発出されておりまして、当たり前といえば当たり前なんですけれども、サービス終了までに代替手段を計画的に整備するよう呼びかけられているということでございます。
 そこで、率直に伺いますが、同サービスの終了に向けた対応についてお聞きをいたします。

○高田総合防災部長 都は、サービス終了後も引き続き災害時協定を締結している関係団体や企業等との連絡手段を確保するため、災害時でも安定した通信が可能で、かつセキュリティが高い無線システムの導入を検討しております。

○西崎委員 ありがとうございます。きちんとした代替手段としてのものを検討しているということでございます。
 サービス終了まではまだ三年半ほどありますので、これを長いと見るか短いと見るかというのはそれぞれでありますけれども、特にこの時代でありますから、やはり技術が日進月歩であるということで、どのタイミングで新しい技術、新しい製品、サービスを用いて代替手段とするか、なかなか難しい部分もあろうかと思いますけれども、それをきちんと用意して配備をするという観点からも、しかるべき時期に適切な代替手段を確保できるよう、お願いをしておきたいと思います。
 次に、防災関連が続きますが、我々の会派はちょうど一週間前に、能登半島及び石川県庁にお邪魔をしてまいりまして、様々お話を伺ってきたところでございます。
 そして、またそこでもご説明をいただきましたけれども、石川県は今年の八月、能登半島地震の初動対応業務についての検証報告書を公表しておりますけれども、これはかなり何というか、様々な問題点を自ら点検をし、公表しているということで、全国の自治体が注目すべき貴重な資料ですというふうに拝見をしたところでございます。
 そこで、この報告書に関連して東京都の備えについて幾つか伺ってまいりたいと思います。
 初めに、石川県の検証報告書で一番最初に出てくるのは、職員の災害対応意識が不足していたということに言及されているということでございます。すなわち、総務局もそうですけれどもいわゆる危機管理部門であったり、ないしは例えば復旧、復興の土木部門である、そういったところなど、災害対応にすぐ直結すると分かるような部門には非常に高い負荷がかかる一方で、そうではない部署も含めて全庁的に対応するという意識が足りなかったというふうな総括を石川県ではしているということでございます。
 特に今回、県庁自体が物すごく建物が駄目になっちゃったとかそういうわけではなかったので、そういったことも相まって当事者意識を共有することに課題があったということでございます。
 そこで伺いますけれども、東京都において大規模災害等が発生した際に、全庁的に対応するという観点から職員の意識をどのように醸成をしているものなのか、お聞きをいたします。

○高田総合防災部長 災害発生時の職員の対応力を向上させるため、全職員を対象に災害時の都職員の職責、態勢、参集基準など、基礎的な情報を学ぶeラーニング型研修を実施するとともに、大規模災害時を想定した安否確認や、職場や参集場所までのルートを確認するための参集訓練などを定期的に行っております。
 こうした取組により、職員の防災知識の強化や防災意識の向上を図っております。

○西崎委員 やはり研修であるとか訓練などを定期的にやられているということであります。
 ただ、本当にいざ起こったときにどれだけ機能するか、動けるかがやはり重要だろうなと思っております。例えば石川県の報告書では、発災当日あるいは元日、一月一日でありますけれども、発災当日を含めた八日間のうち、県庁職員の出勤率が五〇%を割り込んだ日が六日あったということが示されております。
 ですので、もちろん日頃の研修、訓練等々は、しっかりとやられていることかと思いますけれども、そういった計画やマニュアルの検証や改善も含めて、実効性を絶えず確認をする必要があるのかなということを申し上げておきたいと思います。
 次に、情報の集約や各局の連携についてお伺いをいたします。
 今、申し上げたように、当然全庁的な対応が必要であるということでありますけれども、特に発災時には都庁内外から様々な情報が寄せられて、それを大量にさばいてどう処理していくかということが必要になるわけでございます。
 今回の石川県の報告書におきましては、その情報集約体制に問題があり、県庁内での連携に支障が発生をしたというふうに自ら記載をされているということでございます。
 そこで、東京都の対応を伺いたいんですけれども、首都直下地震など、大規模災害時における応急対策活動に当たって、都庁の各局がどのように連携していくのか、この部分をお伺いしたいと思います。

○高田総合防災部長 都においては、震度六弱以上の地震が発生したときなどには、全職員が職場や指定された場所に自動的に参集し、知事を本部長とする東京都災害対策本部を設置することとしております。
 災害対策本部では、危機管理監の指揮のもと局横断的な調整を行い、全庁を挙げて応急対策活動を実施することとしております。

○西崎委員 災対本部は当然立ち上がって、危機管理監が指揮を取って調整をするということで、そう聞くと問題ないのかなとは思うんですけれども、やはり能登半島地震の際にも、現実に県庁内に多数のチームがそれぞれ部局で組まれて、そこに国の省庁が集まってミニ霞が関みたいなのができたり、また当然自衛隊も入ってきたり、民間の電気通信事業者であったり放送事業者などもうわっとなって、そうした機関は横断的に調整はしていたということではあるんですけれども、逆に情報を集約した結果が今度は各部局に伝わっていかないみたいな課題があったということが、報告書で示されているところでございます。
 また、そもそもの問題として執務スペースが足りないという記載もありますけれども、もちろん東京都と石川県を単純に比べられるものではないんですけれども、やはり実情に応じた体制の構築、実効性の確保は不断に見直していく必要があるだろうなということも改めて感じましたので、ぜひ皆様にも、もちろんそういった気概をお持ちで日頃やられているかと思いますが、改めて私からもお願いをしておきたいと思います。
 次に、発災時の情報連絡要員、リエゾンについて伺います。今日も何度か名前が出てきておりますけれども、ここでは職員を送る側としての都の対応についてお聞きをしたいと思います。
 石川県の検証報告書と、我々が現地で実際にお話を聞いてきた範囲だけでも、このリエゾンについて各自治体などからかなり厳しい声が上がったということでございました。
 これが書いてあるんですよ。指示がなければ動かないとか、そもそも役割を理解していないとか、決定権がないので迅速な対応ができないとか。リエゾンがいるにもかかわらず、県の各部署から、向こうでいったら市町ですけれども、それぞれの自治体に次々に別々で要請が届いて負担増になったと、かなり辛辣な声が上がっていたということでございます。
 もちろんリエゾンを派遣する、よかれと思って皆様ご存じのように、先ほども出てきました受援応援計画というのがあって、実際に職員を派遣する、リエゾンを派遣するということをやっているわけでありますから、これが効果的に役割を果たすことは非常に重要であると思います。
 では、現状そういった区市町村へ派遣をする都のリエゾンの業務内容やマニュアルはどのようになっているのか伺います。

○高田総合防災部長 都は発災時に、総務局総合防災部職員や各局の業務要員等を情報連絡員、いわゆるリエゾンといたしまして区市町村に派遣することとしております。
 災害対応のマニュアルでは、リエゾンは区市町村や関係機関から情報収集等を聞き取り、都本部に報告するとともに、都本部の指示に従い、活動することとしております。

○西崎委員 先ほども受援応援計画もありましたけれども、都としては制御されているということかと思います。
 先ほど少しご紹介申し上げたように、石川県ではかなり厳しい声が多数上がったということが現実としてあったわけでありますけれども、恐らく都内の自治体でも不安に思っているところは結構あるんじゃないかなと思うんです。
 私も地元が目黒ですけれども、目黒区の防災課に少しお話を聞きましたけれども、目黒は目黒で受援応援計画を策定しているということでして、これは東京都に限りません。自衛隊とかもそうですけれども、リエゾンの受入れということも当然規定をされているということです。
 ここでは都の話を今しますが、都から送られてきたリエゾンの方に区の災対本部運営の補助等を担ってもらうということが規定をされていて、それは何かというと、要は、先ほどご答弁にもあった、都へ被害状況等を報告するような業務をやってもらうということが規定をされているわけであります。
 これは当然、目黒区の方も把握というか、目黒区自身も整理はしているんですけれども、ただ、現実的にそういった発災時に都庁からどこの誰が派遣されてきて、どのぐらいの知識があって、どういう権限があって、どのぐらいのことをお願いできるのかということを、具体的に想定していこうと思うと、まだまだ課題があるのかなみたいなことをやはり感じているというお話も聞いてきたところでございます。
 先ほど議論も少しありましたが、これから受援計画をつくるみたいなところも、都内にはまだあるというようなお話が先ほどございました。そういった観点から、当然東京都も人事の異動もありますから、いつ誰が来るということは明確に定まっているわけではないと思いますけれども、そうした実効性の高い訓練であるとか、そういったことができるように、区市町村との連携を当然日常的に深めているとは思いますが、そうした観点からも、不安に思っている自治体もあるようですので、取組を求めておきたいと思います。
 最後にいたしますが、実働機関との調整についてお伺いをいたします。
 発災時直後、実際に救助、救出活動の多くを担うのは、警察、消防、自衛隊などの実動機関が非常に役割を果たすということであります。けれども石川県におきましては、当時調整する能力や経験のある人材に乏しく、非常に苦慮したということを伺ってまいりました。
 一方で、自治体や関係機関からは、この報告書の中でもやはり県内の状況が分かっている県が調整役を担うべきだという声が上がっているとまとめています。
 そこで、東京都の状況をお伺いいたしたいと思いますが、東京都において、そうした警察、消防、自衛隊などの実動機関との調整は誰がどのように行うのでしょうか、伺います。

○高田総合防災部長 東京都災害対策本部に救出救助統括室を設置いたしまして、都職員や警視庁及び東京消防庁からの併任職員、自衛隊及び海上保安庁からの派遣職員に加え、各機関からのリエゾンを受け入れることとしています。
 この救出救助統括室を通じまして、各機関との調整を行うこととしております。

○西崎委員 救出救助統括室は災対本部内に置かれるものでありますので、本部長である知事の下、都が調整を行っていくというものであろうかと思います。
 これが各現場で有効に機能するというのは非常に大事だろうなと思っているところでございます。今日、石川県の報告書を引き合いに出しながらいろいろ伺ってきましたけれども、石川県の担当者の方に、結局、何が一番問題だったんですかと聞いたら、やはり想定外だったというところに尽きるわけですよね。
 改めて、だからこそ検証報告書は大きな意味を持っていると思いますけれども、これまでも大規模災害が数々ありまして、そのたびにいかに想定外をなくしていくかということが常に指摘をされる中で、どんどん新しく起こる災害に対して想定外が現実に発生をしているところかと思います。
 そうした中で、もちろん皆様の日々の取組は非常に力を入れてやっていただいていると思っておりますけれども、さきの委員からも指摘がありましたように、防災に向けた備えというのはもう本当に終わりのない取組であると感じているところでございます。
 引き続き、皆様にはご尽力いただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○高田委員 都議会公明党の高田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私からは、台風第二十二号、第二十三号対応、また防災施策、そして多摩の振興について、これまでのご質問の重複を避けながら質問させていただきたいと思います。
 先月九日には、非常に強い勢力の台風第二十二号が伊豆諸島を襲い、八丈島では記録的短時間大雨情報が発表され、観測史上一位の瞬間風速を記録しました。
 また、その四日後には立て続けに台風二十三号が襲うという異例かつ深刻な被災状況でありました。これら連続した台風により、八丈町では多くの住家被害や断水が発生したほか、八丈島及び青ヶ島では広範囲の停電や通信障害に見舞われました。
 私も先月の発災直後、都議会公明党による八丈町の被災状況の現地調査に加わりました。都議会公明党として、これまで二回、東京都に対して要望を行ってまいりました。現地にて被災者の方々にお会いしましたけれども、被害を受けて幸せな日常が一瞬にして壊された住民の方の気持ちを思うと、いたたまれません。
 そうした方々に寄り添った支援が必要である、こう考えますけれども、都としてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○高田総合防災部長 八丈町では、台風の被害により断水が継続するなど、町民の生活に支障が生じておりました。そのため都は、水道施設等の早期復旧を支援するとともに、被災者が断水時に必要とする飲料水や携帯用トイレ、ボディーシートなどの物資を確保し、輸送をしてまいりました。また、町の要望を受け、自衛隊に対し、被災者に対する給食支援及び入浴支援などを行うように要請いたしました。
 住宅に被害があった方に対して八丈町と連携し、災害救助法に基づく応急修理制度により、住宅の屋根やトイレなどを応急的に修理する場合に支援を行っているほか、日常生活を営むことが困難な方々を対象に、被服や寝具などの生活必需品を支給しております。

○高田委員 ありがとうございます。私も避難所に避難をされず、やむを得ず自宅で避難している高齢の方に現地でお会いをしまして、その方の窮状をお聞きいたしました。
 こうした台風により自宅が壊れた方の中にも、やむを得ず、二次避難所であるホテルに避難していない方もいらっしゃるんだと思います。こうした方の中には、高齢者など要配慮者もいらっしゃいます。
 そこで、二次避難所に避難せず、自宅にとどまっている方の中でも、特に要配慮者に対しどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。

○高田総合防災部長 八丈町の被害状況や保健活動の混乱を踏まえ、都はプッシュ型で保健師等のチームを派遣し、八丈町の保健師から状況を聞き取った上で、要配慮者、要支援者に対して自宅や二次避難所を訪問し、健康調査を実施いたしました。
 また、八丈町は東京都社会福祉協議会や介護事業者と連携し、戸別訪問により要配慮者等の状況を確認しつつ、食料と水を配布しております。
 十一月十七日からは、都は、町からの要請を受け、福祉専門職により構成され、災害時に要配慮者を支援するチームであるDWATを町に派遣し、在宅等の要配慮者に対する訪問調査を行い、支援ニーズの把握やアセスメントを実施しております。

○高田委員 ありがとうございます。昨日からDWATを町に派遣するなど、都が台風の被害により生活に大きな影響を受け、苦しんでいる町の方々に対して生活の支援を行ってきたことが分かりました。
 今も町では被災者の町営住宅への入居についての調整が行われておりますけれども、同時に、自宅の回復を希望する方も数多くいらっしゃると思います。被災者の生活を、台風による被害の前の日常に一日でも早く戻していくよう、目の前の生活支援と並行して生活再建に向けた支援を早期に行う必要があり、そのためには、速やかな住家被害の認定が必要となります。
 そこで、町村が速やかに住家被害認定を行い、その次のステップである罹災証明書の迅速な交付につなげるため、都はどのような支援を行ったのか、お伺いいたします。

○高田総合防災部長 都は、十月八日に災害即応本部を立ち上げ、八丈町からの要請に基づき、十一月十三日時点で延べ五百二十六名の職員を派遣しております。
 そのうち、町が実施する住家被害認定調査及び罹災証明書の交付を支援するため、十月十七日以降、延べ九十二人を派遣しております。
 被災された方々が早期に生活再建できるよう、派遣職員と町職員による調査チームを編成し、被害の大きい地域につきましては、被災者からの申請を待つことなく調査を行い、その結果、十一月十三日現在、約七百五十件の調査を完了しております。
 こうした職員派遣により体制を整備することで、罹災証明書交付の迅速化を図っております。

○高田委員 ありがとうございます。現場では対応する人数が限られており、日々の災害対応で疲労が蓄積をしている町の職員だけでは、被災者への対応にも限界があるんだと思います。被災者の手元に罹災証明書が速やかに届くよう、引き続き人的な面で町への支援を行ってほしいと考えます。
 また、今のお話は都や町の職員の方のお話でありましたけれども、私の地元では、民間の方が罹災証明書の交付のためのシステム構築で現地を訪れていたと伺いました。こうした方々のご尽力もあり、既に八丈町では罹災証明書の交付が開始されていることを承知しております。
 現在、八丈町の罹災証明書の交付状況についてお伺いをいたします。

○高田総合防災部長 八丈町では、十月三十一日より罹災証明書の交付を行っており、十一月十三日時点において交付件数は四百二十六件となっております。
 今後も引き続き、町と連携して取組を進めることにより、罹災証明書の速やかな交付につなげてまいります。

○高田委員 ありがとうございます。罹災証明書は、被災住民の方々が生活再建に着手するためには欠かせないものであります。一刻も早く被災者全員に届くよう、都も全力で支援していただくことを要望させていただきます。
 特に八丈町においては、被害が大きかったことも踏まえ、生活インフラの早期の復旧を進めるとともに迅速に罹災証明書を発行し、被災者が生活再建支援金を早急に受け取ることができるようにするべきでございます。
 こうした目に見える形で生活再建を進めることこそ、島民が災害によるつらい状況から立ち直る第一歩となるものだと考えます。
 そこで、八丈町の方々が早期の生活再建を行えるよう、都としてどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

○高田総合防災部長 住家被害認定調査により判定する住家の被害の程度として、被害の大きいものから、全壊、大規模半壊、中規模半壊、半壊、準半壊、一部損壊の六区分がございます。
 都は、予備費を活用し、被災者生活再建支援金について、都独自の制度として中規模半壊世帯に対する国の支援金額の上乗せに加え、国制度で対象とならない半壊世帯にも支給する区市町村を支援することとしておりまして、十一月十一日から申請受付を開始しております。
 また、災害援護資金について、災害により負傷または住居、家財に被害を受けた方を対象に、十月三十一日から貸付金の受付を行っております。
 さらに、台風被害からの復旧・復興に向けた町村が実施する様々な取組を後押しできるよう、五億円の災害復旧、復興特別交付金を創設しております。引き続き被災者の早期の生活再建につなげていけるよう、町と連携して取り組んでまいります。

○高田委員 ありがとうございました。常に被災者の立場に立つことを忘れず、引き続き被災者の生活再建支援に取り組んでほしいことを求め、次の質問に移ります。
 次に、都内全体の避難所の環境整備について質問をいたします。
 近年の災害は、規模、頻度ともに、かつてないレベルに達しています。昨年、元日に発災した能登半島地震では、避難所生活が長期化し、残念ながら災害関連死も発生しました。こうしたことは決して繰り返してはなりません。災害時に誰もが安心して身を寄せられる避難所環境の整備は、まさに命を守る最後のとりででございます。
 また、一昨日、私の地元、武蔵村山市中藤で都民の皆様を対象にした防災セミナーに講師として招かれ、講演をさせていただきましたけれども、多くの方が真剣に耳を傾けてくださいました。特に避難所の環境整備や災害時の生活支援への関心の高さを改めて実感したところでございます。
 こうした点を踏まえ、避難所の運営体制の強化と地域との連携支援についてお伺いをいたします。
 今年三月に策定、公表された東京都避難所運営指針では、スフィア基準に準拠した目指すべき指針が示されております。私も、これまで防災政策の企画立案に携わってまいりましたけれども、国際的に推奨されている最低限必要な支援の水準を示しているスフィア基準について、目指すべき姿として位置づけている点は意義深いと感じております。
 国際基準に準拠する姿勢は、都民に対しても大きな信頼を与えるものであると考えます。そこでまず、スフィア基準とはどのようなものか、お伺いをいたします。

○畠山避難所・物資担当部長 スフィア基準とは、国際的な人道支援の最低基準であるとされており、スフィアアソシエーション発行のハンドブックによると、スフィアの原理は、災害や紛争の影響を受けた人々には尊厳ある生活を営む権利があり、したがって、支援を受ける権利がある、災害や紛争による苦痛を軽減するためには、実行可能なあらゆる手段が尽くされなければならないの二つの基本原理に基づくとされております。
 同ハンドブックには、避難所における居住スペースの基本指標として、一人当たり最低三・五平方メートルと記されております。
 また、突然起こる危機の初期段階では、迅速な解決策として共同トイレは五十人に最低一基、可能な限り速やかに状況を改善する。中期的段階になると、共同トイレは二十人に最低一基とし、女性用と男性用の割合が三対一となるようにすることなどが記載されております。

○高田委員 ありがとうございます。率直に申し上げまして、最低限必要な支援の基準とはいうものの、今日の日本の避難所の現状を踏まえれば、スフィア基準は高めの基準であると思います。
 ただ、理想は高く掲げながら、その理想に向かって着実に整備を進めていくことが重要であり、とりわけ首都直下地震の発生が指摘されている東京都が、避難所環境整備に向けて、全国の中でも先進的に取り組むべきと考えます。
 スフィア基準には、居住スペースやトイレに加え、入浴施設についても記載があります。発災時に都民の生命と健康を守るためには、雑魚寝の解消や衛生的なトイレ環境の確保と同様に、避難生活の中で都民が使用できる入浴施設の整備も特に重要と考えます。発災後の八丈島でも入浴は大きな課題になっておりました。
 そこで、都が区市町村と連携して避難所において入浴機会を確保できるように整備を進めるための取組についてお伺いをいたします。

○畠山避難所・物資担当部長 避難所運営指針では、入浴機会の確保について目指すべき基準として、災害用温水シャワーや入浴施設等で入浴機会が提供されていること、スフィア基準に準拠し、シャワー等の入浴設備が五十人に一基以上とすることを示しております。
 具体的な取組として、地域のホテル、旅館等の入浴施設を活用できるよう、関連業界、施設との協定を締結すること、入浴機会を直ちに提供できるように、災害温水用シャワーを備蓄することなどを示しております。
 令和七年度からは、災害用温水シャワーについて区市町村の購入経費の二分の一を補助することとしております。

○高田委員 ありがとうございます。シャワーなどの入浴機会を確保する取組について評価をいたします。
 東日本大震災、熊本地震、能登半島地震でも、避難所における入浴機会は限られたものであり、自衛隊や民間施設の応援に依存する部分も多かったのが現実でございます。スフィア基準を目指すべき姿として位置づける都として、今後の取組の推進を要望させていただきます。
 さらに、首都直下地震では、多くの避難者が発生することが想定されております。避難所の設備を整えることはもちろんのこと、避難所の運営についても極力人手をかけずに、効率的に行っていく必要があります。
 そのためには、DX化が不可欠でございます。大規模災害が起きたとき、各避難所にどれだけの避難者がいるのか、また誰が避難しているのか、掌握が求められます。そうした避難者情報をデータベース化していけば、物資の配分や生存者確認などが容易になります。
 能登半島地震の際も避難所のDX化が必要になり、石川県は避難者にそれぞれIDが付与されたSuicaを配布し、避難者情報やニーズの把握に努めました。これは一種の現場の知恵でありますけれども、事前に避難者情報を含めた避難者のDX化の整備が必要と考えます。
 そこで、DXを活用して、避難所の避難者の情報の把握などに取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。

○高田総合防災部長 都は、発災直後の安否確認から応急復旧時の避難者の所在やニーズの把握、復興期の生活再建の支援まで、被災者情報を一貫して管理するシステムの構築に向けた検討を進めております。
 このシステムでは、避難所における避難者の受入れの仕組みも含めて検討を行うこととしておりまして、被災者の安否や健康状態、支援ニーズなどを把握、管理することで必要な支援の提供につなげてまいります。
 また、避難所運営指針においては、区市町村に対し、避難所における入所受付にマイナンバーカードやQRコードを活用した自治体の取組事例を紹介しております。

○高田委員 ありがとうございます。先ほど複数の委員のご質問のご答弁にもありましたように、都として被災者情報を一貫して管理するシステムの構築のための検討を進めているということでございますけれども、避難所の避難者情報把握のためにも、早急なDX化の推進を求める次第でございます。それは避難所運営に限らず、要配慮者に対する個別避難計画と結びつけば、よりきめ細かく被災者へ対応できると考えます。また、東京アプリを活用し、区市町村と連携しつつ避難者情報を一元的に掌握することも期待されます。
 今後の真摯な取組を期待し、次の質問に移ります。
 避難所の運営体制の強化と地域の連携支援について質問をいたします。
 東京都は今年度、避難所環境整備のための新規事業を開始し、区市町村に対し、備品整備などの費用の二分の一を補助されております。こうした取組は大きな一歩であり、今後、財政力の弱い自治体にも整備が進むよう、来年度も必要な予算をしっかり確保するよう求めます。
 その上で、設備整備の推進は重要でありますけれども、実際の避難所運営においては、ハード整備だけでなく、運営体制の充実が不可欠でございます。現場では、避難所を運営する自治体職員や地域住民、ボランティアの方々が、限られた人員の中で懸命に対応をされております。
 先月、八丈島の避難所もまさに地域住民、ボランティアの方々が一生懸命運営をされておりました。しかしながら、運営マニュアルや訓練の整備、人材育成などが十分でない自治体も少なくありません。
 また、女性や子供、高齢者、障害者など、要配慮者への環境整備が進んでいない避難所も多く、授乳スペースや照明、トイレ、パーティション、段差解消など、避難生活の質を左右する環境整備が課題になっております。
 そこで都は、避難所運営体制の強化に向けた区市町村の取組を支援すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○畠山避難所・物資担当部長 避難所運営指針では、目指すべき基準として、住民リーダーが中心となり発災後直ちに避難所が開設され、円滑に運営されていること、女性、要配慮者等が避難所運営に参画していることを示しております。
 具体的な取組として、住民リーダーの育成促進や、全ての避難所に複数の住民リーダーを配置すること、地域住民主体で地域特性を踏まえた運営ルールを確立することなどを示しております。
 また、避難所の運営に関わる住民等が各避難所の実情を踏まえた運営ノウハウ等を習得することを目的に、セミナーやコンサルティングを来月から実施してまいります。

○高田委員 ありがとうございます。今年度予算において、都としてまさに避難所運営の要となるリーダーを育成するため、セミナーを開催するとのことでした。評価するとともに、こうした地域防災力の担い手の育成確保に努めてほしいと考えます。
 ハード面の支援に加え、こうした避難所の運営支援を含めたソフト面に対する支援も強化していくことを求めます。災害時の避難所運営は、行政職員だけでは限界があります。実際には、町会、自治会、自主防災組織、社会福祉協議会、NPOなど、地域の力が大きな支えとなっております。
 特に私も一員でありますけれども、資格者が全国で三十万人を超えた防災士などの専門人材の活用が重要と考えます。一部の自治体では、地元企業や学校PTA等と連携し、物資提供や運営協力を行うなど、官民協働のモデルが生まれております。こうした事例は、地域の防災力向上の上で極めて有効と考えます。
 そこで、各自治体での好事例の共有、横展開を積極的に進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○畠山避難所・物資担当部長 都はこれまで、区市町村や関係機関と連携して、避難所開設、運営訓練を実施してきており、本年八月には、羽村市、日の出町と合同で訓練を実施しております。現在、訓練の内容、成果や課題等について取りまとめており、今後他の区市町村と情報共有してまいります。
 また、避難所開設準備を地域の方と連携して行うことができるよう、自治体職員、自主防災組織、防災士等が連携して開設訓練を行う他自治体の取組事例を避難所運営指針において紹介しております。

○高田委員 ありがとうございます。防災士を含めた民間人材を活用しているとのことでありました。今後も避難所運営を含め、民間の力を活用した取組を強化していくことを求め、次の質問に移ります。
 多摩振興について質問をいたします。
 まず、今年三月に策定した多摩振興アクションプランについてお伺いをいたします。多摩地域は、緑あふれる自然環境や充実した子育て、教育環境など、多様な魅力やポテンシャルを有する一方、人口減少や少子高齢化への対応や道路交通インフラの整備など、地域ごとに多様な課題を抱えているのが現状でございます。
 私も、生まれも育ちも多摩地域でございまして、大好きなふるさとである多摩の魅力をもっと引き出していきたい、そして、多摩特有の課題について真正面から取り組んでいきたい、このように決意をしております。多摩の課題を解決し、多摩地域の振興を進めていくためには、都はもとより市町村や民間事業者などが、旧来の枠にとらわれることなく緊密に連携をし、一体となって施策を展開していくことが重要と考えます。
 そこで、多摩地域の振興策を進めるに当たって、本年三月に策定された多摩振興アクションプランの位置づけと内容についてお伺いをいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 多摩振興アクションプランは、二〇五〇東京戦略を上位計画とし、そのビジョン等の実現に向け、多摩を取り巻く状況や地域ごとの特性を踏まえ、地域の持続的発展に資する具体的な取組を示したものでございます。
 多摩地域で実施する都事業のほか、市町村等の主体的な取組への支援策など、幅広い分野にわたる約五百の事業を掲げてございます。多摩地域の特性を踏まえ、ハード、ソフトの取組や、分野を横断した取組を積極的に進めることとしてございます。

○高田委員 ありがとうございます。多摩振興アクションプランを着実に実施するとともに、多摩振興への取組をさらに強化していく必要があると考えます。
 その観点から多摩振興に果たす都の役割は大きく、重要であると思いますけれども、市町村は住民や地域と密接に連携して、それぞれの地域のさらなる発展につながる創意工夫を凝らした取組を推進しております。
 多摩のより一層の発展のためには、こうした市町村の取組を含め、多摩地域に関心を持ち、ファンを増やしていくことが重要と考えますが、都の取組をお伺いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は今年度、大学生が市町村の先進的、特徴的な事業を視察し、市町村職員との意見交換を通じて改めて多摩地域の魅力に触れ、理解を深めるための事業を開始いたしました。
 この事業では視察の様子を取りまとめ、ビジネス誌やホームページに掲載することで多摩地域内外に多摩の魅力を発信し、市町村への注目を高めていくこととしてございます。
 あわせて、多摩の暮らしやすさの認知度や地域への好感度の向上にもつなげていくこととしており、今年度は武蔵村山市をはじめとする九市で実施してございます。

○高田委員 ありがとうございます。私の地元の武蔵村山市の魅力が、視察した大学生や雑誌を読んだ多くの人に伝わっていくことを期待させていただきます。
 多摩地域の振興には、市町村それぞれが独自で行う取組も重要ですけれども、課題が複雑化する中、その解決には複数の市町村で広域的に連携した取組が必要であると考えます。また、そこには事業者なども含めた民間との協働や連携も効果的であると考えます。
 こうした取組を積極的に後押ししていくべきと考えますが、都の取組についてお伺いをいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、令和六年度から複数の市町村と民間企業、大学及びNPO法人等の多様な主体との連携による広域的な地域課題の解決や先進的な取組に対して、最長三年間支援を行う事業を行ってございます。
 令和七年度は、令和六年度に開始した二事業に加えまして、六市四区、社会福祉協議会等が連携し、ひきこもりや生きづらさを抱える女性をサポートする取組への支援を開始いたしました。
 この取組では、複数の自治体や関係団体が連携することで当事者への支援を担う人材のスキルアップや、裾野の拡大などを効果的に行ってございます。

○高田委員 ありがとうございます。都は、広域的な地域課題解決のため、今年度より複数の自治体が連携をして、ひきこもりなどの女性のためのサポートへの支援を開始したとのことでございました。
 この取組には、私の地元である東大和市も参画していると聞いておりますけれども、様々な課題の解決を広域連携で実現することを目指して活動する市町村を、都が手厚く支援していることが確認できました。
 これらの取組は、ほかの市町村にも共有し、各市町村でも参考にできるよう横展開も図っていると聞いております。各市町村の実施している様々な取組を多くの人に伝えることは、ほかの市町村にとって、よいアイデアにもなり得ることからも積極的に行っていくことが重要と考えます。引き続き多摩の振興にしっかりと取り組んでいくことを強く求めさせていただきます。
 最後に、市町村総合交付金について質問をいたします。
 市町村総合交付金は、都内市町村の多様な財政需要に応えるために交付されるものであり、各市町村が自主的な事業を展開する上で欠かすことのできない極めて重要な制度でございます。
 私の地元、北多摩北部地域は、多様な魅力にあふれるすばらしいまちではありますけれども、財政状況が非常に厳しく、総合交付金は自治体運営における生命線となっております。
 都議会公明党は、これまでも総合交付金の増額を強く要望するとともに、子育て世帯の負担軽減など、都民生活に直結する重要課題への対応も都に求めてまいりました。その結果、令和六年度から七年度にかけて、予算が大幅に増額されています。改めて、その主な内容をお伺いいたします。

○田中行政部長都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 市町村総合交付金は、地域の発展に向けまして市町村が取り組む各種施策に要する一般財源の補完制度として、重要な役割を果たしております。
 令和七年度は、通年分の学校給食費無償化への支援や、医療費助成の所得制限撤廃に係る経費を含めまして、令和六年度当初予算から八十五億円を増額し、過去最高の七百五億円を計上しております。
 なお、学校給食費の無償化は令和七年一月から、医療費助成の所得制限撤廃は令和七年十月から、全ての市町村で実現されております。今後とも市町村の状況を丁寧に把握し、市町村の行政運営を支援してまいります。

○高田委員 ありがとうございます。小池知事就任以降の交付金の増額が続いており、高く評価をいたします。学校給食費の無償化、また医療費助成の所得制限撤廃、大変に皆様、喜ばれております。
 一方で、長引く物価高騰により都民生活は厳しさを増しており、各自治体はそうした住民に寄り添った取組も展開していかなければなりません。各自治体からの市町村総合交付金の増額に対する期待は、大変大きいものがございます。今後も、市町村が様々な環境変化に対応しながら行政水準を向上できるよう、交付金の一層の増額を強く要望いたします。質問を終わります。ありがとうございました。

○さいとう(和)委員 お疲れさまございます。さいとう和樹と申します。
 私は、十年以上、中小企業の経営者として代表を務めまして、現在も一般社団法人や公益社団法人で世話人や顧問などを務めております。そういう背景から、産業の部分から今回の災害などについてお伺いできたらなと思います。よろしくお願いします。
 八丈島、青ヶ島の災害対応について、まずはお伺いします。ここ数年、地球温暖化による気候変動により、頻発化、激甚化する風水害への懸念が高まっております。海水温が上昇し台風大型化が進んでおり、先日、八丈島、青ヶ島を襲った台風二十二号、二十三号においても猛烈な風や記録的な雨が降り、土砂崩れによる道路の寸断や家屋の被害が出ました。
 台風被害については、気象予報からある程度の事前の対応ができたかと思っておりますが、そこで都は、今回の台風二十二号、二十三号の接近に対し、どのような事前の対策を行ったかお伺いいたします。

○高田総合防災部長 台風二十二号について、気象庁は十月七日時点で、今後非常に強い勢力を保って伊豆諸島に接近すると予報し、翌十月八日には暴風波浪特別警報の可能性があることや、線状降水帯が発生するおそれがあることなどを発表いたしました。
 このため、都は事前対策として十月七日に大島、三宅島、八丈島の各支庁にリエゾンとして総合防災部の職員を派遣いたしました。また、十月八日には警報の発表を待たず、災害即応態勢を構築した上で町村と連携し、早期に避難所を開設、島民の避難につなげるなど、台風の接近に備えました。
 さらに、暴風特別警報の発表を受けて、被害が発生する前に国と調整し、島しょ町村を対象に災害救助法を適用しました。
 台風二十三号の接近に当たりましては、土砂崩れのおそれがある地域の住民に対し、八丈町の職員や消防団員と連携し戸別訪問を行うなど、事前避難の呼びかけを行いました。
 現在、台風二十二号及び二十三号に伴う防災対策の検証を行っておりまして、今月末までに取りまとめまして、今後の対策に生かしてまいります。

○さいとう(和)委員 ご説明ありがとうございました。気象庁の早期の警戒情報を踏まえ、都が直ちに島しょ部へ職員を派遣し、避難所の早期開設や事前避難の呼びかけを行うなど、的確かつ機動的な対応をとられたことにまず敬意を表します。
 特に暴風特別警報の段階で国と調整し、被害発生前に災害救助法を適用した判断は、島民の安全確保に向けた迅速な意思決定として高く評価すべきものと考えております。
 また、八丈町における職員や消防団との連携による戸別訪問など、地域の寄り添った丁寧なアプローチは、まさに命を守る観点から極めて重要であり、今後の対応モデルにもなり得るものと受け止めております。
 現在、両台風での対応全体について検証を進めているとのことですが、気象災害の激甚化が続く中、今回得られた教訓を明確に整理し、平時からの備えや住民への情報伝達、島しょ部支援体制のさらなる強化につなげていただきたいと考えております。
 島民の命と安全を守るため、引き続き実効性ある防災体制の構築と不断の改善に取り組んでいただくよう要望いたします。
 次に、通信への被害が出たと聞いておりますので、災害時に情報の連絡体制を確保することは、迅速に支援を行う上でも不可欠でございます。都は、通信環境の確保に当たり、どのような対応を行ったのか、お伺いいたします。

○高田総合防災部長 都は、令和六年度に全区市町村へモバイル衛星通信機器を配備いたしました。八丈島には二台、青ヶ島には一台配備しており、台風二十二号で通信被害が出た際、当該機器を活用いたしました。
 現地からの要望により民間事業者の協力も得て、モバイル衛星通信機器を追加で八丈島に四台、青ヶ島に一台輸送し、通信環境の強化を図りました。

○さいとう(和)委員 島しょ地域では、自然状態から地上系インフラの脆弱になりやすく、通信の途絶は即、住民の安全確保に直結する重大な課題であります。かつ、通信環境は東京都全体の課題でもあります。
 スターリンクという名前でなじみの方もいらっしゃると思います。今回のように、モバイル衛星通信を柔軟かつ迅速に追加確保された取組は大変重要であり、今後の災害対応に向けても有効な教訓になると考えます。
 一方で、実際の運用に当たっては、機器操作に習熟した人材の確保、訓練体制、ほかの通信手段の多重化によるさらに強固なバックアップ体制といった継続的な課題もあると認識しております。
 ついては、今回の検証結果を踏まえ、島しょ地域を含む都内での通信途絶リスクを最小化するため、まず災害想定を高く設定し、かつ想定を上回る事態に対しても、より実効性の高い通信確保策を区市町村、関係機関が連携し、適切な災害対応ができるよう、災害への備えを十分に進めていってほしいとお願い申し上げます。
 地域防災ボランティア支援体制についてお伺いいたします。
 今回の台風二十二号、二十三号では、三原小学校や八丈高校が避難場所となりました。現在においても避難所となり得る教育施設が破損しており、子供たちの学びの場の安全確保は急務です。
 避難所となっていた八丈高校では、教員の方が避難所運営を支援し、高校生が町内でごみを拾う活動をしていたとは聞いております。こうした地域の助け合いの精神は、被災地では非常に重要です。
 また、八丈町で行ったボランティアの中には、あきる野市の民間救助隊や特殊伐採技術を持つ方々も現場で活躍しているのを確認しました。
 そこで、こうした民間の力を災害時に迅速に生かすため、民間ボランティアとの連携制度の整備、特殊技能ボランティアへの支援が重要だと考えております。見解をお伺いいたします。

○田代防災計画担当部長 都は、地域防災計画において大規模災害における被災地のニーズに即した円滑なボランティア活動を支援するため、平時から東京ボランティア市民活動センターを中心に市民活動団体等と協働し、相互に連携を図ることとしております。
 また、被災地における円滑な応急対策活動を実施するため、語学や応急危険度判定に関する専門的な能力を持つボランティアについては、事前に講習を実施した上で登録をしております。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。東京ボランティア市民活動センターとの連携は、生活文化局所管と聞いておりますが、区市町村のボランティアセンターや特殊技能を持つボランティアとの連携など、様々な対応が必要となってくると思いますので、総務局においても生活文化局やNPO法人などとの連携を一層強化し、現在の実態の把握や活動の支援を行うように要望いたします。
 次に、島の産業や再建や事業者への支援についてお伺いいたします。
 今回の台風被害の影響により観光客が激減した観光業のほか、施設の被害を受けた農業や漁業など、島内の産業に大きな痛手があると聞いています。観光協会、商工関係者からは産業祭などの主要イベントが中止となり、地域経済が大きく停滞している現状や、三月に予定されているフリージアまつりへの強力な後押しなどを聞いています。
 地域企業から運転資金は借入れ、いわゆる融資に頼るしかない、設備投資補助や災害弁償が十分ではない、環境関連産業では営業再開のめどが立たず、収入ゼロが続いているとの声が寄せられております。
 農業生産者からは設備の六割以上が壊滅、重機不足で片づけが進まないため、機材支援が求められているなど、多くの深刻な声が上がってきています。
 こうした状況から、さらなる雇用人口、産業、事業の流出が懸念されており、地域内の雇用を維持し、生活基盤を守る必要があると私は強く感じております。
 そこで都は、島の産業の再建や事業者への支援に向けて、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○高田総合防災部長 都は、発災直後から崩落により寸断が発生した道路や、広い範囲で断水が発生した水道など、島の産業再建の基礎となるインフラの応急復旧を進めてまいりました。
 また、既存予算により、農業者など被害を受けた事業者について、経営安定維持に必要な運転資金や施設資金を無利子で融資する特別融資のほか、中小企業者等向け制度融資による支援を実施することとしております。
 さらに、台風被害からの復旧、復興に向けた町村が実施する様々な取組を後押しできるよう、今般、予備費五億円を活用し、災害復旧・復興特別交付金を創設することとしております。
 今後も、町や関係局と連携いたしまして、早期の復旧、復興に向けた取組を進めてまいります。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。産業再建に向けた取組について確認させていただきました。
 産業再建を行っていくためには町とも連携し、町民の声や現場のニーズをしっかり把握して取り組んでいただけるということで、誠にありがとうございます。私の方からも要望させてください。
 加えて、都庁全体での取組となりますが、現場の声を踏まえると、雇用を維持し、生活基盤を守るために、災害時版の雇用調整助成金の適用、個人事業主を含む持続化給付金の再開、被災世帯への家賃補助、仮住居施設の拡充、アシタバ加工工場などの農業系地域事業への再建支援、被害を受けた教育施設の早期修繕や子供たちが地域の復興を学ぶ防災地域産業教育プログラムの創立も要望しておきます。
 建物被害に対して罹災証明の発行が追いつかないことで、保険の審査が始められない、見積りそのものも業者が忙しくて見てもらえない、見積りが出ても罹災証明がまだなので保険審査に移れない、保険カバー金額も見えないために運転資金と合わせて幾ら借りるべきかも見通せないという声も聞いています。
 罹災証明の発行を迅速に行うことも大変重要であり、急務であると考えております。罹災証明の支援についてお伺いしようと思っていましたが、さきの議員と重複するため割愛し、意見と課題などを共有させていただきます。
 八丈町に対して延べ五百名を超える職員を派遣し、住家被害認定調査や罹災証明書交付支援を積極的に実施されていること、また、被害の大きい地域では申請を待たずに調査を行うなど、迅速な体制を構築されている点について、まずは高く評価いたします。
 都の職員派遣により調査体制が強化され、一定の成果が上がっている点は心強く受け止めておりますが、それでも町民の皆様が安心している状況ではございません。町とも連携し、より町民の声や現場のニーズをしっかりと把握して取り組んでいくことをお願い申し上げます。
 島しょ地域における大規模災害時には、町単独では人的リソースの確保が難しく、調査、交付業務が遅延するリスクが常に存在します。今回の事例からも、災害時の専門調査員の事前育成や迅速に応援職員を確保できる仕組みづくりなど、平時からの体制整備が重要であると改めて認識しております。
 災害発生時に、島しょ町村が迅速に住家被害認定調査を実施し、罹災証明書を交付できる体制を平時から強化していくことを強く要望申し上げます。
 最後に、風水害対策についてお伺いいたします。八丈島などにおける台風二十二号、二十三号での都の対応についてはご説明いただきました。内地では、九月に集中豪雨による河川の氾濫などにより、品川区や大田区などで床上、床下浸水被害が起きました。いかなる災害にも屈することのない安全・安心な東京を築くためには、あらゆる自然災害への対応に一層力を入れなくてはならないと考えております。
 そこで、頻発化、激甚化する風水害に備えるために、都ではどのような取組をしているか、お伺いさせていただきます。

○田代防災計画担当部長 都は、東京防災アクションプラン等に基づき、豪雨による水害の発生、拡大を防止するため、中小河川の護岸や調節池、下水道幹線の整備、排水機場の強化を進めるとともに、土砂災害の被害を軽減するため、優先度が特に高い渓流などにおいて砂防施設等の整備に取り組んでおります。
 また、都民が風水害時の避難行動計画を作成できるよう、東京マイ・タイムラインを公表し、普及啓発を行うとともに、東部低地帯での広域避難について国や関係自治体、関係機関等と連携し、広域避難施設の確保や広域避難計画の策定等を進めております。
 こうしたハード、ソフト両面からの取組を通じて、防災力のさらなる向上を図ってまいります。

○さいとう(和)委員 ご答弁ありがとうございました。
 さて、我が会派都民ファーストの会、本橋委員も述べられたとおり、災害ケースマネジメントの普及啓発に関して、私の地元である荒川区は非常に積極的に取り組んでおります。
 ご答弁いただいたとおり、東京都におかれましても、荒川区でのモデル事業を単なる都内の優良例として終わらせるのではなく、これを起点として実施体制整備の構築を一層後押ししてくださいますよう、私からも重ねてお願い申し上げます。
 河川の護岸整備や調節池整備、さらには下水道管や排水機場の強化など、豪雨災害に備えたインフラ整備を着実に進めている点、また、砂防施設の整備によって土砂災害の被害軽減を図っている点、都の重要な取組です。高く評価しております。ハード、ソフト双方からの対策を推進していただいていることは心強く感じております。
 しかし、さきに述べたとおり、浸水被害などが起きてしまっているのも現状でございます。気候変動の影響によって風水害の頻度は年々増し、被害の規模も大きくなることが想定されている中で、利水、治水の考え方や地域の実情に応じた対策の重点化など、さらに実効性を高めていく必要があります。
 特に、短時間強雨による浸水被害は市街地で顕在化しやすく、住民が避難行動を判断するための情報提供や避難所の事前確保など、行政と地域が一体となった取組が不可欠です。都として、今後、流域全体での水害対策の強化や避難行動を後押しする情報提供体制の充実についても推進していただくことをお願い申し上げます。
 私、冒頭に自身の背景として、十年以上、中小企業の経営者をやってきたというふうにお話しさせていただきましたが、なぜそれを述べたかというと、災害というものに対しては、どんなに一企業が準備をしてもやっぱりどうしても足りない部分が、天災だったり、被害だというふうに感じております。
 私自身も十年以上も、数えるのをやめるぐらいずっと会社を経営してきたので、恐らく何百人という雇用を抱えてきました。やっぱり一人一人が頑張っているのを都が、行政がこういうときにこそ支えてあげてほしいなと思っています。
 八丈島に行ったときも、町民の方が、東京都なんだよ、ここも島も東京都なんだと感じるようなことをやってほしいと、子供たちにそういうような思い出を話せるような取組をぜひ期待していますというふうに私は読みました。すごく刺さる言葉でした。ぜひ東京都一丸となって、どのような災害にも負けない首都防衛を一緒につくっていきたいと思います。
 以上です。

○早坂委員 本日は、被災地支援、防災DX、女性の権利の大きく三つのテーマでお話をさせていただきたいと思います。
 まず、被災地支援について伺います。東日本大震災が発生したのは二〇一一年、平成二十三年三月十一日、来年の三月で十五年となります。
 都議会の選挙は厳しく、毎回三分の一ほどが入れ替わるので、発災当時、つまり十五年前、東京都議会議員であった人は、我が総務委員会の中では、小林議員そして私の二人だけが残ることとなっています。
 令和五年十一月三十日の総務委員会で、発災当時の支援活動について振り返ったことがあります。しかし、期が改まり、また新しい議員も誕生したので、発災当時の話をした後に、令和七年現在の支援の状況、また今後、他の道府県で大災害が発生した場合の支援の在り方について論を進めていきたいと思います。
 東日本大震災が発生した日は、都議会第一回定例会の最終日でありました。二週間後に告示される都知事選への出馬表明を、石原慎太郎知事はこの日の最終日の本会議で行いました。地震が起きたのは閉会後、石原知事が各会派への挨拶回りを終えた直後のことでした。
 大震災発生を受け、東京都は、いち早く岩手、宮城、福島の三県に現地事務所を開設して、情報収集に当たりました。そして、警察、消防、医療関係はもちろん、罹災証明などを行う一般行政職員や水道、下水道、道路、港湾などの技術系職員を、その時々のニーズによって大量に派遣しました。
 私は当時、何度も被災地に足を運びましたが、どこに行っても東京都の防災服を来た職員の姿を見つけ、大変誇らしく思ったものであります。
 当時、東京都が行った幾つかの復興支援について紹介をいたします。
 一つ目は、広域火葬協力です。当時被災地では、大量の死者が発生したことに加え、火葬場が被災したり、燃料不足であったことからご遺体を火葬することができず、やむを得ず仮埋葬をしていました。仮埋葬とは、火葬が何らかの理由でできないときに一時的に土葬をするというものです。その後、火葬ができるようになったら、ご遺体を掘り返して火葬をいたします。
 私は、被災地支援に行った際に、遠くからではありましたが、偶然、この仮埋葬が行われている場面に出くわしたことがあります。その状況はあまりにも悲惨なので、ご家族の立会いが許されないものでした。東京都は、厚生労働省や全国知事会からの要請で、被災地のご遺体を東京都の火葬場で受け入れますと最低三回も返答したのに、一向にご遺体は運ばれてこない状況が続きました。
 被災三県の東京都現地事務所の職員が事情を調べたところ、広域火葬協力の仕組みは、被災した自治体がご遺体を東京都まで運んでくるというものながら、被災県にはそんな余裕はなく、はなから諦めていたということが分かったのです。
 それならばということで、東京都は東京都トラック協会にお願いして、トラックとドライバーさんを出してもらい、また東京都石油商業組合経由でトラックの輸送ルート上にあるガソリンスタンドで給油ができるように頼んだ結果、八百六十体のご遺体をお迎えに行き、東京で火葬して、お骨にしてお返しすることができました。東京都が広域火葬協力を行って以降、仮埋葬は行われなくなりました。
 私は発災から一年半後、宮城県気仙沼市役所で、当時この広域火葬協力の担当職員だった方にお話を伺う機会がありました。その方は、あんなにありがたいことはなかったとおっしゃり、そのときの記憶がよみがえってきたのでしょう。しばらく絶句して、沈黙が続いたということがありました。私はすぐに当時の被災地責任者の東京側の責任者に電話をかけ、こんなにも感謝されているということを伝え、涙が出たことを思い出します。
 二つ目は、福島県の教員採用です。当時、福島県では六千人の児童が県外避難をしているため、福島県の小学校教員の新規採用を中止させざるを得ませんでした。
 そこで、東京都は五年後に福島県の小学校で働くという約束で、新規教員を東京都が五十人募集し、それまでの五年間を都内の小学校で働いていただくということにしました。このとき四十六人が採用され、約束の五年後に二十六人が福島県の小学校で働き始めました。ちなみに、東京都の小学校に残った方が十四人、それ以外の六人は退職しました。すばらしい成果を上げたと思います。
 三つ目は、震災瓦礫の受入れです。東日本大震災では、岩手県で通常の九年分、宮城県では通常の十四年分の災害廃棄物が発生しました。まち中に散乱した膨大な量の廃棄物を処理しないことには、被災地の復旧、復興が進みません。
 そこで、東京都は、被災地で発生した十七万トンの災害廃棄物を受け入れ、都内で処理しました。特筆すべきは、被災地から都内までの輸送を東京都側が担ったことであります。
 四つ目はと続けたいところでありますが、時間が幾らあっても足りませんので、東京都が行ってきた震災支援策の紹介はこれで終わりにします。
 そうした中で、令和七年の今も継続している東日本大震災への支援があります。
 その一つは、応急仮設住宅としての都営住宅等の提供で、現在でも約八十人もの人が都営住宅等に避難しています。
 二つ目は、被災地応援ツアーです。東京都内に在住、在勤、在学の人が、岩手、宮城、福島の被災三県を旅行する場合に、最大二泊六千円まで助成するという仕組みで、日帰りでも助成される仕組みです。現在は、福島県のみとなっています。
 東日本大震災が発生した半年後の平成二十三年九月からこのツアーが始まり、令和七年三月までに二十二万八千泊、日帰り旅行では六万九千人もの利用がありました。これは単に旅行業者だけでなく、被災地全体に幅広い経済波及効果をもたらしたほか、東京の人たちがどんどん被災地を訪れることで、被災した皆さんを勇気づけるということにもなっています。
 そして三つ目が、本日のテーマである福島県への職員派遣です。発災から十五年弱となりますが、今でも九人の職員を派遣していることは本当にすばらしいことで、心から敬意を表します。ちなみに、岩手県と宮城県には、令和五年度末まで十三年間職員を派遣していました。
 被災地への職員派遣は、東日本大震災にとどまりません。昨年、令和六年元日に発生した能登半島地震、そして昨年九月に発生した奥能登豪雨にも東京都は職員を派遣し、様々な支援に取り組んでいます。
 もちろん東京都においても、技術系職員の人材確保は厳しさを増しています。そのため、東京都は被災地に派遣する職員を確保すべく、現役職員に加えて、行政経験者や民間経験者を一般任期付職員として募集し、派遣しています。応援を出したいけれども、都庁にも人がいなくてと断るのではなくて、わざわざ派遣するために一般任期付職員を採用することはなかなかできないことです。
 私が議員としていつも東京都政に望んでいることは、東京都らしい、そして東京都にしかできない施策を進めてほしいということです。ここまで紹介してきた東日本大震災、そして能登半島地震への支援は、まさにそれを体現するものです。それぞれの局が自分たちの局でできることは何だろうかと考え、実行に移してきました。それこそがまさに東京都らしい、そして東京都にしかできない施策であります。
 誇り高き都庁職員の皆様におかれましては、被災地支援はもちろん、それ以外のあらゆる分野においても、どうぞ今後ともそうした気概を持って東京都政に臨んでいただきたいと思います。
 話を戻します。令和七年度の能登半島地震などへの被災地への職員派遣の実績、そして一般任期付職員も含めた技術系職員がどのような業務に従事しているのか伺います。

○小川復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、令和七年十月末現在で、合計二十九名の職員を派遣しており、内訳は、石川県十八名、輪島市十名、富山県一名となっております。そのうち技術系職員は二十二名で、土木職十九名、建築職三名でございます。土木職十九名中、十名が一般任期付職員となっております。
 技術系職員は、被災自治体の職員とともに、河川、道路、砂防、港湾、公共施設等の災害復旧工事の設計積算や施工管理などに従事しております。

○早坂委員 能登半島地震などへの派遣は、昨年度末時点で二十名だったのが、被災自治体のニーズに応じて今年度は二十九人に増員したことは、実にすばらしいことだと思います。
 被災地でのニーズが高い土木職の半数は任期付職員と伺い、復興支援におけるその役割の大きさを認識しました。今後は土木職に加えて、ニーズの高いであろうIT職の派遣もぜひ検討していただきたいと思います。
 さて、ここまで被災地支援の過去と現在の状況について論を進めてまいりました。ここからは、今後の在り方について意見と質問に移ります。
 私たちは、コロナを契機にテレワークという手法を学びました。仕事は何も都庁という職場に足を運ばずとも在宅でできるものもたくさんあるということが分かりました。
 ならば、被災地支援においても同様で、必ずしも被災地に居を移さなければ支援ができないということではありません。ならば、例えば、東日本大震災で機能しなくなった宮城県庁の業務を、その間、東京都庁で代わりに承ることがこれからはできるのではないでしょうか。それは、災害支援に直接関わる分野であっても、あるいは災害支援とは直接関わらない分野であってもであります。もちろんそのためには、事前にそうしたことが可能になるような準備が必要となります。
 よく、担当者がいないから分かりませんというやり取りがなされることがありますが、これは危機管理上、大変深刻な事態です。なぜならある人が欠けたら、その業務全てがストップしてしまうということだからです。つまり業務の在り方を見直して、担当者が欠けてもその業務が回るようにすることの延長線に私の提案があります。
 話は変わりますが、例えば、ホテルの予約やパソコンの購入で国内の電話番号にかけると、その電話は実は海外につながり、海外で外国人が日本語で応対するという事例が数多くあります。電話の内容は個別事情に応じた内容に見えても、俯瞰してみれば、定型的な内容の範囲内ゆえに可能なのだと思います。
 発災時に県庁の電話はパンクすることが予想されます。その代わり、その多くは定型的な内容の範囲内に集約されると思いますので、電話応対を代わりに都庁で行うことも可能だということです。そこで答えられないような内容のものについては、都庁が情報を集約して、被災県庁にメールで戻せばいいと思います。被災地支援の方法も、時代に合わせて進化させるべきだと考えます。
 各県で行われる災害対策本部会議にリエゾンを派遣して情報収集を行うことは重要です。今後も続けてほしいですが、もし可能ならオンライン会議で傍聴できるようにして、都庁各局や都内インフラ企業が同時に見られるようにしていただきたいと思います。そうすれば、先ほど申し上げた、それぞれの局が自分たちの局でできることを考えることにつながるかと思います。
 災害支援だけでなく受援、すなわち東京が被災した場合にも災害対策本部会議の状況を支援してくださる各県、あるいは同じく被災した区市町村にも共有することをぜひ考えていただきたいと思います。
 質問に移ります。東京都は、今後の災害でも被災地支援のために一般任期付職員を採用することになると思います。ならば、発災後でなく、平時の今から希望者を募っておくことが有効ではないかと思います。ご見解を伺います。

○小川復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、土木、建築、機械、電気、林業の技術系五職種について、国、地方公共団体、民間企業等で長期の経験を有し、被災地の復旧、復興業務に関心のある方に事前に登録いただく、被災地派遣希望者事前登録制度を令和七年六月に創設いたしました。
 登録者には、東京都が被災地派遣任期付職員を公募開始する際、採用選考案内等をメールでお知らせすることとしております。
 十月末現在、登録者は、都の退職者も含めて三十四名となってございます。

○早坂委員 今年六月から事前登録を進めているというご答弁でありました。
 このことに関して、復興支援対策部のご担当者と打合せして分かったのが、募集要件はあくまで他県で災害が発生した場合の派遣要員の登録であるということです。
 つまり、東京都自らが被災した場合にも人手が必要になると思いますが、そうした場合には、事前登録者には声をかける仕組みにはなっていないということであります。頭の固い考えはやめにして、東京都自らが被災したときにも声をかけられる仕組みに改めていただければと思います。
 さて、これまでの被災地への派遣で職員が得てきた知識や経験を都政にどう生かしていくのか伺います。

○小川復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、東日本大震災発災直後に、職員派遣をはじめ、平成二十三年度から東京都支援活動報告書を毎年度作成し、派遣職員の業務と経験の記録を行い、他道府県や区市町村等と共有するとともにホームページにも掲載し、復興支援の取組等を幅広く発信しております。また、派遣者が被災地で得た知識、経験を発表する報告会なども実施しております。
 こうした取組により、被災地支援で得た知識や経験を東京の災害対応力向上につなげてまいります。

○早坂委員 東京都は長期にわたり被災地への職員派遣を続けてきています。そのすばらしい取組と深い愛情に改めて敬意を表しますとともに、時代に合わせて進化させていただきますよう改めてお願いを申し上げます。
 次に、防災DX、防災デジタルトランスフォーメーションについて伺います。
 我が国社会のデジタル化は飛躍的に進んでいます。例えば、かつては災害情報のドーナツ現象というものがありました。何かというと、震源地など最も被害の大きいところの被害情報は被害が甚大過ぎて全く入ってこず、ドーナツのように中心からぐるっと囲んだ周辺部のところの比較的少ない情報だけが先に入ってくる。
 それが時間とともにだんだんと中心部の震源地の情報が入ってくるようになり、被害の真相が明らかになってくるという話であります。
 例えば、神戸新聞の報道を見てみましょう。阪神・淡路大震災が発生したのは、一九九五年、平成七年一月十七日の早朝五時四十六分でした。その日の夕刊には、近畿で大地震、死者二百三人という記事が見出しとなります。そして、翌日の朝刊には兵庫で死者千三百人、夕刊には死者千八百八十人と報じられました。それが最終的には六千四百三十四人という甚大な被害に膨れ上がります。テレビニュースも、被害の大きいところからの中継はその甚大な被害ゆえになされず、その周辺部の比較的被害の少ないところからの中継が先でした。それゆえ、被害の全体像がつかめるまでにはかなりの時間を要しました。それが災害情報のドーナツ現象であります。
 ところが、二〇二〇年代、令和の現在はどうでしょうか。あらゆる人がスマートフォンを持っているために、震源地など被害の最もひどいところの被災地情報が、SNSを通じて阪神・淡路の頃とは比べものにならないくらいの瞬時性とボリュームと正確性で広く共有されるようになりました。
 以前は、警察、消防、自衛隊あるいはマスコミの情報が頼りでしたが、今はそうしたSNS情報が質、量、スピードで圧倒しています。インターネットにつながってさえいればという前提ではありますが、災害対応においてそうしたSNS情報を有効に活用しない手はありません。
 そこで発災時、東京都は、SNS情報をどのように活用しているのか伺います。

○高田総合防災部長 都はAIを活用し、発災時に都民等がXなどで発信する情報を広く収集、分析するためのツールを導入しております。収集した情報については、AIによる解析と人によるファクトチェックを行い、真偽が疑わしい情報を除外した上で、被害が生じた現場画像や情報発信地等の有益な情報を、警察、消防、区市町村等と東京都災害情報システムにより共有をしております。
 また、真偽が疑わしいと判別された情報については、必要に応じて関係機関に事実確認の上、都民に対して注意喚起を行うこととしております。

○早坂委員 今回の質問に当たって、総務局総合防災部が導入しているSNS災害情報収集システムを見せていただきました。ツイッターなど膨大に発信されるSNS情報からAIが必要な災害情報を抜き出して、フェイク情報であるかどうかも判断して、情報がユーザーにどんどん提供されます。
 話は脱線しますが、過日、AIの判断能力に私が強く感じ入ったことがありました。それは、近くのラーメン屋さんで食べた、ごく普通のラーメンをグーグルの画像検索で調べたところ、何とそのお店の名前と住所が正しく提示されたのです。別のイタリア料理店で食べた野菜の普通のお料理も正しく出てきました。
 きっとそれはラーメン丼や器も含めて、かつて誰かがどこかに写真を投稿したもの、あるいはそのお店自身がホームページに掲載しているものを、AIが見つけ出したのだろうと思います。
 それにしても、天文学的なインターネット情報の中から、大して特徴のないように見えるそれらのメニューが瞬時に正しく、かつ無料で検索されたことには本当に驚きました。きっとそうした技術からフェイク画像の判断は既に別のサイトで使われているものを見つけ出すことなのだろうと思います。
 かつては、自分自身の顔を調べると、そっくりな人も含めて検索結果が提示されましたが、今は顔写真の検索はできなくなっています。きっとあまりにも正しく人物を特定できるので、プライバシーの侵害に抵触するからだろうと思います。
 フェイク画像の判断は、最初はAIの力を借りて振り分けをしても、最後の判断は人間が行うべきものです。複数の人による似たような投稿は、より信憑性が高いという判断材料につながるものと思います。
 私が見せていただいたSNS災害情報収集システムは、実に興味深く、ずっと見ていたいと思う内容でした。ただ、個人ならそれを見ているだけでいいですが、東京都の場合は、そこで得られた情報をいかに活用するかこそが肝であります。
 話を戻します。スマートフォンとSNSの普及によって、一昔前とは天文学的な違いで、今は瞬時に大量の正確な情報が取れるようになっています。他方で、誰かが発信した情報を収集するだけでなく、自らが情報を取りに行くことも容易にできるようになっています。
 例えばカメラを搭載したドローンです。ドローンは、一般的にGPSで位置情報を確認しますが、最近ではGPSが届かない地下空間などでも、搭載したカメラの目視情報をAIが判断することで自律飛行が可能になっています。
 現在は、ドローンの飛行空間には法的な制限がかかっています。災害時にはそうした制限を緩和する特例をつくるよう東京都は国に働きかけていただきたいと思います。
 さて、防災DXは帰宅困難者支援の場でも有効です。我が党は本年、第二回定例会で帰宅困難者対策について取り上げました。これに対し東京都からは、帰宅困難者を一時滞在施設に円滑に案内するためのシステム運用を開始したとの答弁がありました。
 帰宅困難者対策オペレーションシステム、通称、キタコンDXのことであります。そこで、このキタコンDXの機能について伺います。

○小平危機管理調整担当部長 本年四月に本格稼働したキタコンDXは、都や区市町村、一時滞在施設の管理者が駅前の滞留状況や施設ごとの混雑状況をリアルタイムで把握し、その情報を基に帰宅困難者を適切かつ速やかに一時滞在施設へ誘導するためのシステムでございます。
 また、帰宅困難者は、スマートフォン等によりLINEアプリを通じてこのシステムにアクセスすることで、付近の受入れ可能な一時滞在施設を検索できるとともに、施設までの移動経路などの情報も得ることができます。さらに、施設到着後は入館受付の手続も行うことができます。
 今年度は、キタコンDXの多言語化を図るとともに、大使館や空港、主要駅、ホテル等と連携し周知を図っていくことで、外国人旅行者が避難情報を入手しやすくなるようにしてまいります。

○早坂委員 キタコンDXは、私たち都民、国民にとって有効であるだけでなく、多言語対応であるがゆえに、外国人旅行客にとっても有効なものだろうと思います。
 肝腎なのは、その有効なシステムをいかに多くの外国人旅行客に使っていただくかということであります。日本では、地震が多く発生することが海外でもよく知られています。したがって、日本滞在時には、地震が起きた場合の対処方法について関心が高いはずです。
 私たち日本人は海外に出かけるとき、地球の歩き方という旅行ガイドブックを手にして出かけます。同じように外国人はロンリープラネットというガイドブックを手にして海外に出かけます。そうした旅行ガイドブックに掲載してもらうのが、多くの外国人旅行客の目に留まることになるだろうと思います。ぜひそうした働きかけをお願いいたします。
 東京都は、かつて二〇一六年東京オリンピック・パラリンピック大会招致の際、TOKYO COLOURSというプロモーション動画をつくり、東京の魅力を発信しました。インターネットはもちろん、全日空、ANAの機内番組にも加えていただき、多くの方から好評をいただきました。そのときの条件は、東京都側も、全日空側もお互いに映像使用料や掲載料を請求しない。つまり機内放送での放映はお互いに無料という仕組みで行われました。
 さきに申しましたとおり、日本では地震が多く発生することが海外でも知られています。したがって、日本滞在時に地震が起きた場合の対処方法については関心が高いはずです。そうした際に使っていただくキタコンDXに誘導するような啓発動画をつくって、日本発着の航空便の機内放送で無料で放映していただくことも提案したいと思います。
 さて、防災DXは避難所運営についても求められます。先ほどのご答弁では、キタコンDXの機能に一時滞在施設のオンラインチェックイン機能があるということでありました。
 オンラインチェックインとは大げさなものではなく、氏名、住所、年齢、携帯番号などの情報を紙の登録用紙に記載するのではなく、スマートフォンを使って登録するというものです。ならば一時滞在施設のみならず、地域の避難所のチェックインもオンラインで行えるようにすべきです。一時滞在施設向けにはもう仕組みができているのだから、それを避難所用にちょっと手直しをすればよいだけだと思います。
 そこでキタコンDXのようなチェックイン機能を持ったシステムを、避難所でも活用すべきと考えます。ご見解を伺います。

○高田総合防災部長 都は、発災直後の安否確認から応急復旧時の避難者の所在やニーズの把握、復興期の生活再建の支援まで、被災者情報を一貫して管理するシステムの構築に向けた検討を進めており、令和十年度末までにシステム設計を実施することとしております。
 同システムでは、避難所における避難者の受入れの仕組みを含め検討を行うこととしておりまして、避難者の安否や健康状態、支援ニーズなどを把握、管理することで、必要な支援の提供につなげていきたいと考えております。
 加えて、既に避難所のチェックイン機能を導入している自治体の事例など、DXを活用した官民の様々な取組も参考に、避難所の運営主体である区市町村の意見も聞きながら、早期に効果的な被災者支援につながる取組も進めてまいります。

○早坂委員 今ご答弁で、システム設計は令和十年度までに実施するというお話をいただきました。今は令和七年度、システム設計だけで令和十年度で、システムが設計された後にシステムを構築、実装化するには、さらにそれから時間がかかります。一体いつまで時間をかけて、そういった仕組みをつくろうとお考えなのでしょうか。
 マイナンバーをそこの機能に加えるとなると、きっと大きな手続、ハードルがあって、時間がかかるだろうと思います。しかしながら、先ほど申し上げたキタコンDXのような簡易な仕組みであれば、今すぐ――今すぐというのは今日という意味ではありませんが、今すぐできるものだろうと思います。避難所のチェックインというのは、あまり問題視している方はいませんが、実は重要な課題であると考えます。
 今現在、避難所のチェックインは、大体A4の紙が渡されて、そこに鉛筆が渡されて、住所と名前と生年月日とアレルギーがあるかなどを手書きで書くわけです。それを裏に持っていって、誰かが入力するということになります。
 問題があると私が考えるのは、その紙を渡して書いていただく。私のような悪筆な者が字を書くと、何て書いたか、読む方が読めないというのが一つあります。あとは、発災時に天気の状況が大雨だったり、猛暑だったり、雪が降っていたり、様々な状況が想定をされますが、そうした中で、避難所に入る前に外で列をつくって紙に書いていただくということが現在の仕組みであります。
 ですが、さきの子供政策連携室の質疑でもやり取りをしたとおり、昨今の暑さはもう尋常ではありません。一刻も早く日陰に入っていただきたいところでありますが、例えば学校の校庭で延々と並んでいただいて、紙が渡されるのを待って、鉛筆が渡されるのを待って、これを書いていただいて、それを見て入っていただく。そういった余裕はないのであります。そこまで完璧なシステムをいつかおつくりになって、私たち都民、国民のために使っていただくことは有効でありますが、今すぐできることは今すぐやってほしい、これが私の願いであります。ぜひその方向でお願いをしたいと思います。高田部長からうなずいていただいたので、やるということだと理解をいたしました。
 最後に、女性の権利について伺います。
 東京は国内外から多くの人々が集まる国際都市であり、東京に集う多様な人々の人権が最大限尊重される都市であることが重要です。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、東京都は人権尊重条例を制定し、多様な性の理解の推進もそこに定められています。これまでの取組について伺います。

○若林人権部長 都は、いかなる種類の差別も許されないというオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念が、広く都民等に一層浸透した都市となることを目的として人権尊重条例を定めており、誰もが認め合う共生社会を実現するための取組を進めております。
 お尋ねの多様な性の理解の推進について、具体的には啓発冊子の作成や、都民・民間事業者向けのオンラインセミナー、電話及びSNSを活用した専門相談などを実施しております。

○早坂委員 東京都は、これまで幾つもの巨大国際スポーツ大会の招致、運営に深く関わってきました。二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック、二〇二五年世界陸上、そして現在行われている二〇二五年デフリンピックです。
 巨額の税金を投入してまで国際スポーツ大会を招致運営するのはなぜか。それは東京にとってメリットがあるからです。後世に残るメリット、そしてデメリットもですが、この二つを合わせたものをレガシーと呼びます。
 私はかつて、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック、そして二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの招致に深く深くのめり込み、東京都議会のみならず、あらゆる場面でレガシー論を訴えてまいりました。
 本日は、平成三十年、二〇一八年六月二十二日の総務委員会で提起した女性とスポーツに関するレガシーを振り返りながら、女性の権利を切り口に、今年の世界陸上における新たな、そして重要なレガシーについて論を進めてまいります。
 平成三十年の総務委員会で私が取り上げたのは、女性差別でありました。オリンピックの歴史を振り返れば、第一回近代オリンピックである一八九六年のアテネ・オリンピックでは、女性の参加は許されませんでした。そもそも紀元前七七六年から西暦三九三年までの千百六十九年間行われた古代オリンピックの参加資格は、都市国家ポリスと植民市の男性市民に限られていました。古代ギリシャでは、女性は社会的集まりにはほとんど参加できなかったという社会的差別が古代オリンピックにもそのまま反映されていたからです。
 その後、一八九六年、明治二十九年に第一回近代オリンピックを復興させたクーベルタン男爵は、女性のオリンピック参加に強く反対していました。当時の上流階級では、女性が汗を流し、肌を出し、肉体的に争うのははしたないとされていたからです。また、女性がスポーツで体力を使うと出産能力に支障が出るという、今日では驚くような医学的理論がまかり通っていました。一方で、女性自身の側にも外に出ず、肌を日光にさらさないのが裕福なあかしとされており、自己規制の意識も働いていたようであります。
 クーベルタン男爵は、亡くなる一九三七年の一年前、真のオリンピックの勇者は男性だ。女性の主たる役割は勝者に冠を授けることであるべきと書き残しています。女性がオリンピックに参加できないように、古代オリンピックに倣って、競技は全裸で行うべきだと主張したともいわれています。スポーツを通じた国際平和と教育という開けた考え方を持っていたクーベルタン男爵が、こと女性の参加に関しては、極めて保守的だったのは皮肉に思えます。
 その後、紆余曲折の末、第九回、一九二八年アムステルダム・オリンピックでは、女子の陸上競技が試験的に導入されました。オリンピックへの女性の門戸開放という意味で、このアムステルダム・オリンピックは大きな意味を持っています。
 このとき行われた女子八百メートル競技をニューヨーク・タイムズはセンセーショナルに報じました。すなわち、九人中六人がゴール直後にばたばたと倒れ、数人が運ばれた。この競技は女性には負担が重過ぎると報じたのであります。陸上競技が、女性の体と出産能力に悪影響を及ぼすと信じられていた時代ですから、IOC、国際オリンピック委員会は、こうした報道に後押しされて、以降、三十二年後の一九六〇年、ローマ・オリンピックまで女子八百メートルの競技を除外しました。
 ところが、実際のレースでは九人中倒れたのは一人だけで、日本人女性初のメダリストとなった銀メダルの人見絹枝さんを含むトップの三人は、世界記録を上回る記録でゴールしていたのです。すばらしいレースだったといえます。
 それがなぜ誤った報道になったかといえば、新聞記者自身が自分の目で競技を見ずに伝聞で書いたからだろうといわれています。しかし、腑に落ちないのが現場で見ていたはずのIOCが、なぜその誤報に抗議しなかったかということであります。これはIOC委員にも女性への偏見を持つ者が少なくなく、この報道後、女性排除の格好の口実にしたという一面があったというのが本当のところのようであります。
 競技種目においては、少しずつ女性にも門戸が開かれてきました。二〇一二年ロンドン・オリンピックで女子ボクシングが種目に入り、夏のオリンピックで男性だけの競技はようやくなくなりました。
 かつて、一九〇〇年のロンドン・オリンピックでの女子テニスの服装は、鯨のひげでつくったコルセットでウエストを締め上げ、足首まで隠れるフリル付きのロングペチコート、頭にはクジャクの羽で飾った帽子をかぶってプレーしました。スポーツの場面でもレディであることが強く求められた時代性のあらわれです。
 ここまで、私はオリンピックにおいて女性が経験してきた苦労、差別に関するお話をしてまいりました。しかし、オリンピックが女性の社会進出の大きな起爆剤となった例もあります。
 その一つが、一九六四年、昭和三十九年、最初の東京オリンピックです。このときの東京オリンピックでは、東洋の魔女が女子バレーボールで大活躍をし、金メダルを獲得しました。今では考えられないことですが、聞くところによると、当時の女性たちは結婚すると自分の楽しみのために家から外出することがほとんどなかったそうであります。それが東洋の魔女の活躍に発奮し、ママさんバレーが大流行。女性が自らの楽しみのために外出する、あるいはスポーツを楽しむというすばらしい習慣、レガシーが、このときから生まれました。
 一九六四年、東京オリンピックが後世にもたらした財産、レガシーといえば、東海道新幹線や首都高速道路の完成、カラーテレビの普及などを挙げる方が多いかと思います。しかし私は、一九六四年東京オリンピックの開催が日本女性の社会進出を後押ししたことも、それらに比肩する大きなレガシーであると考えます。
 オリンピックにおける女性差別の話はこれで終わりにして、時計の針をぐっと進めて、今年二〇二五年の東京世界陸上のレガシーに論を移します。
 我が国では、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、多様な性に対する理解が求められるようになりました。LGBTQという言葉もこの頃から聞かれるようになったと思います。多様な性に対する理解は大切なことです。
 他方で、生物学的には男性だが、自らを女性だと自己認識していると称するトランス女性が、女性専用スペースに入ってくることへの恐怖感が女性の側から聞かれるようにもなりました。女性専用スペースとは、お風呂やトイレといった物理的なもの、そしてスポーツの女性種目といった理念的なものがあります。
 トイレに関しては、一昨年、二〇二三年、新宿の東急歌舞伎町タワーのジェンダーレストイレが注目をされました。一つのフロアに男女ともに使える個室八室のほか、男性用、女性用がそれぞれ二室、多目的トイレ一室が片仮名のコの字型に並ぶ設計で、中央に男女共用の手洗い場が設置されました。
 用を足すのは個室なのだから問題がないように思われましたが、女性が利用したすぐ後に男性が利用する、ドアの前に男性が立っている、サニタリーボックスのある個室を男性が使用することなどから、女性から苦情が殺到しました。
 一時は、トイレ内に警備員を配置したものの、僅か三か月に満たず、男性用、女性用、多目的の三つにつくり直されました。この歌舞伎町の事例は、トランス女性に関するものではありませんが、都民、国民の持つ常識と現実が、ポリティカルコレクトネスを排除した事例だと思います。
 今年、二〇二五年に開催された東京世界陸上では、国際陸上競技連盟が定めた基準が採用されました。その基準とは、全ての女性選手は生涯に一度だけ、自分が女性であることを証明する検査を受ける必要があるというものであります。具体的には、頬の内側の粘膜を取ることや血液検査です。男性と女性には体力的な格差があります。
 かつてハードルで大活躍したオリンピアンの為末大さんは、次のように説明します。かつて為末さん自身が十五歳のときに達成した二百メートルハードルの国内の中学生記録は、二十一秒三六。他方で、オリンピックの金メダリストとして当時知られていたフローレンス・ジョイナーさんが出した世界記録は二十一秒三四。国内の中学生の男性の記録と女性の世界記録の差は、僅か〇・〇二秒しか変わらない。つまり男女の体力的格差はとてつもなく大きいというものであります。
 つまり、女性スポーツの場に自称トランス女性が入ってくると、女性スポーツは成り立たない。今は陸上競技の例でしたが、例えば、女性柔道だと圧倒的に体力格差のある自称トランス女性に投げ飛ばされて怖いということになります。女性スポーツを守るためには、その競技に男性が入ってこないことが求められます。世の中には、男と女しかないという意見もありますが、性的少数者がいるのも事実です。
 そうした少数者への配慮は、もちろん大切なことでありますが、そうした少数者だけの配慮が尊重されて、圧倒的多くの女性専用スペースを守ってほしいという女性の素朴ですが、切実な願いを無にすることがあってはなりません。
 そうした思いの一つのあらわれが、東京二〇二五世界陸上の生物チェックだったのだろうと私は考えます。国際陸上競技連盟の内部にも様々な意見があり、ましてや他の競技団体においては、さらに意見があることだと思います。
 私は、いずれ現実と常識に沿った方向に収れんしていくものと思います。このようにスポーツの歴史は、実は人権の歴史といっても過言ではありません。そうした意味で、今年の世界陸上のレガシーの一つは、女性スポーツが守られたことにあると考えます。皆さんはいかがお考えになりますか。終わり。

○笹岡委員 お疲れのところ恐縮ですが、質問をさせていただきます。立憲ミネ無の笹岡ゆうこです。
 一点省略をいたしまして、四点だけ防災について質問させていただきます。
 先ほど西崎さんからもありましたとおり、私たちの会派は、先週、能登視察に行ってまいりました。珠洲市、輪島市を回らせていただき、社協の皆様からのお話や、NPOなどの民間の方、そして県庁からもお話を伺ってまいりました。能登の復興は進んでいるものの、生活や地域の営みを取り戻すには、なお支援が欠かせないことを再確認してまいりました。
 本年、令和七年八月に石川県の能登半島地震対策検証委員会による令和六年能登半島地震対策報告書、発災後おおむね三か月における石川県の初動対応の検証が出ました。
 県職員、県民からの意見、市町からの意見、県議会での議論を踏まえたかなり詳細な記録と分析になっております。私も読んでいて、ごまかしのないその真摯な書きぶりに驚きました。
 初めには、このような記載があります。本検証は、多くの関係者のご協力の下で洗い出された多くの課題と、それに対する改善の方向性についてまとめたものです。加えて、県単独では対応できない国、市町と連携して、今後取り組むべき課題や、検証を進める過程で収集した県職員アンケート、県幹部職員や国、市町職員へのインタビューなどを資料編に盛り込んでおり、全国の防災に関わる機関の皆様におかれましては広く共有いただき、災害対応力の向上に役立てていただきますことを心から期待申し上げますという記載がありました。
 そこで伺います。石川県が出した能登半島地震に係る検証報告の中で、表題にもありましたとおり、初動体制の不足が課題とされておりました。大変参考になると考えますが、都の認識を伺います。

○高田総合防災部長 都は、過去の震災等の経験や教訓等を生かし、防災対策を常に強化しており、能登半島地震の教訓や東京の特性等を踏まえ、本年三月、東京防災アクションプランを改定したところでございます。

○笹岡委員 ありがとうございます。都としては、この報告書が出る前に、いち早くアクションプランを練り直していることが分かりました。都市の強靱化、災害対応能力向上を軸に、ハード・ソフト両面での強化が掲げられていたと思います。
 石川県と東京都、地理的にも規模や準備が異なってくる点も多くあると思いますが、物資をさばくこと、人の采配など、人、情報、物流がどこかで詰まることのないように、日頃から国と自治体、民間の連携が必要だと、この報告書を読んでいて思いましたし、また視察に行って感じました。非常に有用な報告書だと思いますので、ぜひ都の防災、首都防衛に生かしていただきたいと思います。
 次に、段ボールベッドの輸送について伺います。私の地元、武蔵野市では防災協定を締結し、段ボールベッド、段ボール製シート、段ボール製間仕切りなどを災害発生時に調達することになっております。
 運搬には、使用する車両について災害対策基本法の緊急通行車両に係る事前届出や証明を関係機関について行っていると聞いております。段ボールベッドは保管しておくとカビたり劣化しやすいため、平時から実物をどこかに保管しているわけではありません。つまり、段ボールベッドは自治体で十分な数を備蓄することが困難であります。
 そこで、伺います。都は、段ボールベッドを備蓄されていますが、発災時、これらの段ボールベッドはどのように被災避難所に届けられるのか伺います。

○畠山避難所・物資担当部長 都は、避難所における生活環境の改善と感染症対策に有効な段ボールベッドを民間事業者の倉庫に保管しております。発災時に区市町村から提供要請があった場合には、速やかに民間事業者に輸送を依頼し、区市町村の地域内輸送拠点等に届けることになっております。提供を受けた区市町村により、必要な避難所に輸送されます。

○笹岡委員 ありがとうございます。段ボールベッドの受入れ体制には、知識の差から地域差が生じているのが課題だと感じています。また、簡易ベッドも推奨されていますが、段ボールベッド以上に知られておりませんので、一層地域差が生じる可能性があると思っています。
 災害関連死を防ぐためにも、避難所の環境を改善していく必要がございますが、令和七年三月の東京都避難所運営指針で示されたように、本当にスフィア基準が実行できるのか、非常に課題を感じております。
 よく比較される二〇二四年に起こった台湾での大地震では、地震発生から一時間以内に情報共有体制が稼働し、二時間以内にテント、間仕切りつき避難所が設営されたといわれています。
 能登では孤立したこともありますが、発災後三週間以上かかって段ボールベッドが導入されたと聞きました。東京においても、都と自治体とNPOや災害支援の法人など、市や市民ボランティアなど、迅速に動ける体制づくりを台湾の例を参考に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 次に、通信途絶時の対応について伺います。少しかぶっている質問もございましたが、少し切り口が違うため、質問させていただきます。
 大規模災害時には通信の確保が懸念され、能登半島地震でも輪島市や珠洲市で通信が途絶しています。
 東京都においても、今後三十年以内に七〇%程度の確率で首都直下地震が発生するとされており、発生後に市区町村や関係機関と通信が確保できる取組が重要であります。
 そこで伺います。これまでの取組と能登半島地震を踏まえた対応についてお伺いします。

○高田総合防災部長 都は、大規模災害発生時に区市町村、関係機関等との通信を維持するため、震度七の地震にも耐えられる独自の防災行政無線を整備しております。
 具体的には、多重無線のほか光ケーブルや閉域LTE、静止軌道衛星など多様な手段を用いるとともに、多ルート化することでネットワークの冗長性を確保しております。
 また、能登半島地震を踏まえ、防災行政無線のバックアップとして、昨年八月にモバイル衛星通信機器を七十七台確保し、全ての区市町村に配備することで災害時のネットワークを強化しております。

○笹岡委員 ありがとうございます。能登半島地震も踏まえて、全ての市区町村にも一層の支援をしていることが分かりました。通信途絶で機能不全にならないように対策を進めていることが分かりました。国、市区町村、関係機関などから情報を集約し、分析し、整理する機能についても併せて強化をお願いしたいと思います。
 最後の質問をいたします。
 本年七月、カムチャツカ半島付近の地震が発生し、太平洋沿岸を中心に津波警報が発令され、首都圏を中心に鉄道の運転見合せ、遅延が発生いたしました。幸いに、都内では大きな混乱には至りませんでしたが、もし首都直下地震が発生した際には、東日本大震災のように多くの帰宅困難者が発生することが予想されています。
 令和七年度三月、東京防災アクションプランによりますと、帰宅困難者は約四百五十三万人から五百十七万人といった想定がされています。都は、毎年、区や市と合同で帰宅困難者対策訓練を実施しており、こうした訓練は地域が抱える課題の解決にもつながり、その意義はとても大きいと思います。
 一方で、都と合同で訓練を行う自治体は限られており、訓練以外でも帰宅困難者対策に取り組む自治体を支援していくことが重要だと考えます。
 そこで、地域で帰宅困難者対策に取り組む自治体への支援について伺います。

○小平危機管理調整担当部長 都は、区市と共同で駅周辺の鉄道事業者や大規模集客施設などを構成員とする駅前滞留者対策協議会を設立しております。
 各協議会では定期的に会議や訓練を実施し、各事業者間の情報交換や災害時の対応及び役割分担の確認を行っております。
 都は、必要に応じて会議にオブザーバーとして出席するとともに、専門家等をアドバイザーとして派遣しています。
 また、都は毎年度、希望する区市と合同で帰宅困難者対策訓練を実施しております。加えて、帰宅困難者対策フォーラムを開催し、訓練の検証結果や各協議会の取組などを自治体や民間事業者へ周知しております。
 さらに、都や区市町村、一時滞在施設の管理者が駅前の滞留状況等をリアルタイムで把握し、その情報を基に帰宅困難者を一時滞在施設に誘導するためのシステム、通称キタコンDXを今年度から本格稼働させたところでございます。

○笹岡委員 ありがとうございます。各駅前滞留者対策協議会は、災害時における帰宅困難者対策の要となる重要な取組です。一方で、一時滞在施設の確保も十分ではありません。また、協議会オブザーバーとして出席されることもあるとのことです。
 都が、市区町村と年に一回、帰宅困難者訓練をやっておられますが、そのノウハウを市区町村に積極的に共有していただけたらと思います。
 東京都は、様々な対策を進め、東京都防災アプリやキタコンDXなど、新しい仕組みも導入されています。しかし、アプリはダウンロードが必要でありますし、キタコンDXもLINE登録が必要です。
 先日、地元の防災訓練でも市民の皆様に伺ったところ、利用者は残念ながらおりませんで、まだ浸透していないことを実感しました。私も都の取組を伝えてまいりますが、認知度が高いとはいえないなと思っております。
 LINEを活用したキタコンDXでは、一時滞在施設の開設状況の確認や入館登録が可能とされておりますが、実際に災害時の現場で、そして駅前滞留者対策協議会とも、どの程度円滑に連携できるのか課題も残っていると思います。新たな混乱とならないように、訓練を行う際は、それらも実装しながら行うように、そしてそのノウハウもシェアをしていただけるようにお願いいたします。
 また、先ほどありましたが、キタコンDXと防災アプリと東京アプリの今後の関係もちょっと分かりにくいですので、今後の取組や啓発については工夫をしてしっかりお願いしたいと要望いたします。
 今後の帰宅困難者対策については、実際に混乱と向き合う自治体との密な連携や支援を徹底されて、一層実効性のある対策を進めていただきますようにお願いいたします。
 能登に視察に行き、国、都道府県、自治体、地域団体だけではなく、災害支援をしている様々なNPOなどの民間との役割分担と、顔の見える連携の大切さについて学んでまいりました。
 首都で大地震や大規模災害が起これば被害は甚大で、ここにいる皆様も、そのご家族も被災者となります。多層的なネットワークによるできる限りの備えをみんなで構築していくことをお話しいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○福島委員長 発言がなければお諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時三十四分散会