| 委員長 | 福島りえこ君 |
| 副委員長 | 藤井とものり君 |
| 副委員長 | 増山あすか君 |
| 理事 | こまざき美紀君 |
| 理事 | 望月まさのり君 |
| 理事 | 坂本まさし君 |
| 高田 清久君 | |
| 星 大輔君 | |
| さいとう和樹君 | |
| 笹岡ゆうこ君 | |
| 西崎つばさ君 | |
| 早坂 義弘君 | |
| 本橋ひろたか君 | |
| 斉藤まりこ君 | |
| 小林 健二君 |
欠席委員 なし
出席説明員| 子供政策連携室 | 室長 | 田中 愛子君 |
| 総合推進部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 | 山本 公彦君 | |
| 企画調整部長 | 山本麻里雄君 | |
| 少子化対策担当部長 | 池上 洋平君 | |
| 若者政策連携推進担当部長 | 吉川健太郎君 | |
| プロジェクト推進担当部長 | 臼井 宏一君 | |
| 人事委員会事務局 | 局長 | 丸山 雅代君 |
| 任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 | 谷 理恵子君 | |
| 審査担当部長 | 渡邉 貴史君 | |
| 試験部長 | 斎藤 圭司君 |
本日の会議に付した事件
人事委員会事務局関係
報告事項(説明・質疑)
・令和七年「職員の給与に関する報告と勧告」について
事務事業について(質疑)
子供政策連携室関係
事務事業について(質疑)
○福島委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局及び子供政策連携室関係の事務事業に対する質疑並びに人事委員会事務局関係の報告事項の聴取を行います。
これより人事委員会事務局関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京都人事委員会は、去る十月十七日に、都議会及び知事に対しまして、地方公務員法の規定に基づき、職員の給与についての報告及び勧告並びに人事制度等についての報告を行いました。
本日は、資料第1号、令和七年人事委員会勧告等の概要についてご説明させていただきます。
恐れ入りますが、一ページをご覧ください。本年の勧告のポイントでございます。
公民較差解消のため、給料表を職級によりめり張りをつけた上で、全級全号給引上げ改定を行うとともに、特別給についても引き上げることとしております。
また、給与制度の改正といたしまして、管理職の給与のアップデートや、新規学卒者を主な対象とした住居手当の見直しを行うこととしております。
引き続きまして、詳細をご説明させていただきます。
2の職員と民間従業員の給与比較、(1)、比較の方法についてでございますが、公民比較に当たっては、国の見直しを踏まえつつ、都内民間事業所の状況等も踏まえ、本年比較対象企業の規模を百人以上に見直しました。
(2)でございますが、公民比較の結果、例月給につきましては、民間従業員の給与が都職員の給与を一万三千五百八十円、率にして三・二四%上回っておりました。また、特別給につきましては、民間が年間四・九〇月となっており、都職員を〇・〇五月分上回っておりました。
続いて、二ページをお開き願います。この比較結果を踏まえて、公民の差を解消するため、(2)、アでございますが、給料表につきましては、人材確保の観点から、若年層を重点的に引き上げるとともに、管理職について、全体の平均改定率を上回る重点的な引上げ、監督職も職責に応じた引上げ改定をしております。
全体の平均改定率は三・四%でございます。
初任給につきましては、大学卒程度であるⅠ類Bを一万六千五百円、短大卒程度であるⅡ類を一万四千百円、高卒程度であるⅢ類を一万二千三百円、それぞれ引き上げることとしております。
また、イの特別給につきましては、年間支給月数を〇・〇五月分引き上げ、四・九〇月分とし、引上げ分は期末手当及び勤勉手当を実施することとしております。
また、ウの初任給調整手当ですが、医師等の処遇を確保する観点から、支給限度額を引き上げることとしております。
(3)、実施時期でございますが、給料表及び初任給調整手当の改定につきましては、令和七年四月に遡及して実施し、特別給の引上げにつきましては、令和七年十二月支給分から実施することとしております。
4の給与制度の改正でございます。
(1)、管理職の給与のアップデートでは、管理職の職務の困難度、職責の高まりに対応するため、課長級の給料表について、給料月額の下限である初号の水準を引き上げるとともに、給料の特別調整額について見直すことが適当としております。
次に、三ページの上段に移りまして、(2)、人材確保に資する処遇の改善でございます。
まず、ア、住居手当の見直しでは、採用における競争力向上の観点から、新規学卒者を主な対象として、二十七歳までの職員に対する支給額について、三万円に引き上げることとしています。
また、イ、初任給決定における経験加算の見直しでは、民間企業等における多様な経験を適切に給料に反映できるよう、職務経験を給料の号給に換算する方法等について見直すことが適当としております。
(3)、その他の手当についてでございますが、通勤手当などにつきまして、国の改正内容や都の実態等を踏まえ、適切な対応を検討する必要があるとしています。
続きまして、(4)、教員給与の見直しでございますが、教員の処遇改善を盛り込んだ本年の法改正を踏まえ、アのとおり、教職調整額を段階的に引き上げるとともに、あわせて、イの教育管理職に対する加算措置についても、段階的に措置していくこととしております。
そのほか、三ページ下段から四ページにかけまして、ウの学校教育法による新たな職への対応や、エの義務教育等教員特別手当の見直しについては、都の実態を踏まえ、適切な対応を検討する必要があるとしております。
四ページをご覧ください。(5)、実施時期でございますが、管理職の給料表、給料の特別調整額及び住居手当の見直しについては、令和八年四月一日から、教員給与の教職調整額の引上げ、教育管理職に対する加算措置及び義務教育等教員特別手当については、令和八年一月一日から実施することが適当としています。
5の今後の課題でございます。
(1)、職務給のさらなる進展や、(2)、国の新たな人事制度検討への対応、(3)、定年の段階的引上げを見据えた給与制度の検討については、引き続き適切な対応を検討してまいります。
6の人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)でございますが、四ページの下段から五ページの上段にかけまして、(1)、多様で有為な人材の確保では、採用制度の見直しによる申込者数や受験者数の増加などの取組の成果を踏まえ、制度の継続的なアップデートを進めていくことや、採用後のサポートとして、研修の充実と職場内でのきめ細かなサポートの強化が必要であることなどについて意見を述べています。
五ページをご覧ください。(2)、都職員としてのキャリアを描き、成長できる環境づくりでは、昇任など職員のキャリア形成支援を充実させていくことに加え、生成AI等のデジタル技術を駆使し、より高いレベルの業務を遂行できる能力を涵養していくことについても言及しております。
(3)、女性の活躍推進では、女性職員が管理監督職に安心して挑戦できるよう、長時間労働の是正や柔軟な働き方の促進、キャリアアップの後押しが重要であり、チャレンジが可能となる人事マネジメントの充実が不可欠であるという意見を述べております。
(4)、やりがいを実感し、誰もが活躍できる職場づくりでは、立場や職層を超えて、職員が自由に意見を交わし、互いに尊重し合いながら協働できる職場づくりについて言及しております。
六ページをご覧ください。(5)、選ばれる都庁を目指した魅力の向上・発信では、幅広い人材から選ばれる魅力的な組織を目指し、都職員の仕事の意義や魅力を積極的に発信していくことが重要であると述べております。
(6)、働き方改革と勤務環境の整備では、生活と仕事の両立を図ることができる働き方をさらに浸透させていくことや、育児や介護を行う職員への支援、組織全体でのハラスメントの防止、長時間労働の是正などについて意見を述べております。
(7)では、職員が高い倫理観と高潔な使命感の下、誠実かつ公正に職務に精励し、都民生活の質の向上に貢献していくことを望むとしております。
以上で、令和七年職員の給与に関する報告と勧告のご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○福島委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑と併せて行いますので、ご了承願います。
なお、事務事業については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしております。
資料について理事者の説明を求めます。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 九月十八日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
資料は一点でございます。
恐れ入りますが、お手元の資料第3号、総務委員会要求資料の表紙をおめくりください。障害者を対象とする東京都職員Ⅲ類採用選考実施状況でございます。
障害の種別ごとに、過去三年分の申込者数と合格者数を掲載してございます。
なお、欄外にも記載しておりますが、令和七年度採用選考の最終合格は十一月十四日に発表予定のため、令和七年度の合格者数については、数値を記載しておりません。
以上、簡単ではございますが、資料についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○福島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○さいとう(和)委員 荒川区選出のさいとうでございます。
技術職の採用についてお伺いいたします。
人材共有の構造的な変化や働き方に対する価値観の多様化が進む中、官民問わず、人材の確保は一層困難になっています。
都においても、採用試験の申込者数が減少傾向にある中、令和五年度以降、採用試験制度の見直しに集中的に取り組んできており、今年度は、事務職の申込者数が増加するなど、明るい兆しも見られています。
また、一年前に私たちが行った予算要望に対し、令和八年度から技術職職員に向けて奨学金返還支援を実施するため準備を進めていることを高く評価いたします。人事委員会ではこの点も周知しながら、学生への広報、PRをしているとのことです。
しかしながら、技術職職員の確保が難しい状況は都に限った問題ではなく、全国的に土木、建築、機械、電気といった分野の技術的公務員の確保が極めて困難な状況になっております。
こうした状況を打開し、より都を目指す人を増やすためには、技術者にとって都が魅力的な職場であることを学生などに伝えることが大切だと考えております。
そこで、都が働く技術人材の確保に向けて、これまでどのように取り組んできたのかお伺いいたします。
○斎藤試験部長 都はこれまでも、採用PRイベントの実施や大学が主催する就職説明会への参加などを通じまして、都の仕事の魅力や、特別な準備を必要としない民間企業併願者も受験しやすい採用試験制度等に関する情報を周知してまいりました。
イベント等におきましては、参加者が都の若手技術職員と直接対話できる機会をつくり、職場の雰囲気や将来のキャリア展望も含め、就職後の具体的なイメージを共有できるよう取り組んでまいりました。
○さいとう(和)委員 これまでも都の魅力を学生に伝えているということですが、技術職の採用試験の実施状況は厳しい状況にあります。民間企業の採用活動も活発であり、いわゆる内定の早期化も進行していると聞きます。
そこで、学生に対するPRについて、新たな視点でのアプローチや工夫が必要であると考えておりますが、都の認識と取組内容についてお伺いいたします。
○斎藤試験部長 学生の民間企業への就職活動早期化を踏まえまして、学生が就職先を具体的に検討し始める前の段階で、公務や都の職場に興味を持っていただくことが重要でございます。
このため、本年度から新たに大学一、二年生を対象として、技術職が働いている現場の見学会と若手職員との懇談とをパッケージ化した、都庁×理系キャリア発見フォーラムを九月に開催いたしました。
言葉で伝えるだけでなく、生の現場を体験してもらうことで、都の技術職の仕事の意義ややりがいを実感してもらうとともに、就職先としての都庁のイメージが向上することを期待しております。
こうした取組や大学キャンパスでの広報媒体の活用等を通じまして、都の技術職の魅力を早い段階から伝え、有為な人材の確保につながるよう取組を進めてまいります。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。大学一年生、二年生という低学年に向けたイベントを開始するなど、新たな工夫をしていることが確認できました。こうした取組の結果、受験者がどれだけ増加したなど、その効果もしっかりと検証してほしいと思っております。
やりがいの一つには、技術系人材がきちんと評価され、昇進できる環境であることも大切です。
技術系人材は、専門性を生かした仕事や研究に取り組むことで、マネジメント経験を積みにくく、結果、昇進要件を満たすタイミングが遅れる傾向があるともいわれております。採用に加え、総務局とも連携し、その後、育成にも配慮することなど、技術職にとって魅力ある職場とし、その確保に尽力していただきたいと考えております。
転じまして、東京がニューヨークやロンドンなど世界の主要都市と肩を並べ、さらにはそれ以上の世界一の都市となるためには、東京が競争力や魅力を一層高めていくことが必要だと考えております。
その実現には、都政の担い手である職員に能力と意欲を備えた人材を確保し、職務にやりがいを感じられるような給与であることも重要な要件の一つだと考えております。
そこで、都職員の給与水準は民間と比較しても大きな差分があるものではよくないと考えております。公務員の給与決定には法律により定めがあると認識しております。
そこで、改めてまず、都の職員の給与をどのように定め、勧告を行ったかお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 地方公務員法では、地方公務員の給与は、国や他の地方公共団体の職員及び民間従業員の給与などを考慮して定めなければならないとされております。
このため、人事委員会は、国等との制度的均衡を図りながら、給与水準について、都内の民間従業員の給与の支給状況に関する調査を毎年行い、その結果等を基に適正に勧告を行っております。
本年は、民間との較差を解消するため、職級によりめり張りをつけた上で給料表の全級全号給の引上げ改定等を勧告いたしました。
○さいとう(和)委員 公務員の給与は法に基づき一定の枠組みの中で実施されており、都職員の給与も国や民間との均衡を図りながら決定されていることが確認できました。
本年は、民間企業で働かれている皆様の給与と比較した結果、例月給もボーナスも民間企業が上回ったため、都職員の給与を引き上げる勧告を行ったことであることを確認いたしました。
次に、特に人材確保の観点から、関心の高まっている初任給について質問させていただきます。
人材獲得競争は激化しており、公務部門全体で採用試験の申込者数は減少しております。直近令和六年度、令和七年度を比較すると、全体的に申込者数も倍率も上昇しています。
しかしながら、中長期的に見ると、都の今年の春の採用試験でも、申込者数は十年前の半数以下の水準になっており、危機感を持って対応しなくてはいけない事案であると私は考えております。
そこで、本年の勧告では初任給を引き上げるとしているが、どのような考えに基づいて行ったかお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 厳しさを増す人材獲得競争の中、採用における競争力を高め、多様で有為な人材を確保するため、昨年に引き続き、若年層に重点を置きつつ、初任給を大幅に引き上げる勧告を行いました。
民間の状況や国家公務員における初任給の改定等を考慮しながら、大卒程度の採用区分であるⅠ類Bの初任給については、一万六千五百円引き上げ、給料月額二十四万二千円といたしました。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。今回の引上げにより、Ⅰ類Bの初任給は、地域手当を含めると二十九万四百円になると認識しています。この額は、決して低い額ではございません。
都の職員の給与は、国などと均衡を図りながら、都内の民間企業従業員の給与の支給状況に関する調査を基に勧告を行っていると説明がございました。
そこで、今回、どのような基準に基づき、初任給を引き上げたのかお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都内民間の初任給改定の状況について調査いたしました結果、新規学卒者の採用を行った事業所においては、大学卒では七二・八%、高校卒では八六・六%の割合で初任給の引上げが行われ、昨年に引き続き、初任給を増額する傾向が見られました。
国においても、公務に係る人材確保が喫緊の課題であることを踏まえ、採用市場での競争力向上のため、初任給を大幅に引き上げる勧告を行ったところでございます。
都として、有為な人材を確保する観点から、こうした動向を踏まえ、公民較差解消に当たって、若年層を重点的に引き上げることとし、初任給については、Ⅰ類Bは国の総合職大卒と同額の二十四万二千円に、高卒の区分であるⅢ類は国の一般職高卒と同額の二十万三百円に引き上げる勧告を行ったところでございます。
○さいとう(和)委員 一部の民間企業では、初任給が三十万を超える企業も出てきたことは私も確認しています。そのような昨今の情勢、官公庁間での人材確保の優位に立つためにも、国家公務員のキャリア職と同額まで引き上げることは意義があることだと考えております。
優秀な人材の確保、将来の人的資本投資という観点を踏まえれば、今回の勧告は決して批判される内容ではなく、評価できる内容であると考えております。
持続的な産業の成長や高い都市価値をもたらすのは人材であり、人があってこそのまちの発展であり、産業の発展です。人材の価値を再評価して、お金をかけることはコストではなく、都政への投資、都民への還元が原点であることを再認識していただきたいとお願い申し上げます。
ここまで技術職、新規学卒者などを中心に確認してまいりましたが、少子化の進行により、即戦力となる中途人材の確保に力を入れる企業も増え、雇用市場における人材の流動化が進んでいる点に関して質問いたします。
民間の経験を公務に生かすという視点は重要であり、私たちはかねてより、官公庁と民間企業間で人材が行き来する都庁版リボルビングドアに取り組み、専門性や技術の導入だけではなく、多様性を高め、組織のイノベーションにもつながるべきと訴えてきました。
これからの都政にとって、民間経験を持つ人材の役割はますます大切になっており、そのためには、職歴をしっかりと評価し、給与にも反映させることが不可欠と考えております。
本年の勧告では、職務経験のある人材について、それまでのキャリアを適切に初任給に反映できるよう、換算方法を見直すとの言及がありましたが、その考え方についてお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 民間企業等における経験を有する者については、現在も経験年数を換算して初任給に加算する制度がございますが、職種や雇用形態により、同じ経験年数でも加算額が低くなるケースもございました。
一方、都政課題の複雑化、困難化に伴い、求められる経験や能力も多様化していることや、広く様々な人材を確保することが重要となっていることから、民間企業等での多様なキャリアをこれまで以上に適切に給料に反映できるよう、現行の換算方法を見直すことが適当であるとの意見を述べたところでございます。
○さいとう(和)委員 初任給の引上げに加え、民間企業などでの職務経験を給与へ反映できる換算方法が改善されていることで、優れた人材の確保に好影響があることを期待しております。
次に、採用後の給与についてお伺いします。
企業の中には、初任給が高く設定されていても、その後の昇給が抑制されていたり、役職が上がっても、それに見合うような給与の増加が見られないケースもあると、私は荒川在住の皆様をはじめ、働き世代、就職氷河期世代からも聞いております。
職場として都庁に入った後、なかなか給与が上がらないということであれば、やる気の創出につながらないと考えております。
そこで、初任給の額だけではなく、採用後、給与がどうやって上がっていくのか、職員のモチベーションに関わる若年層の給与水準や昇給、昇格についてお伺いします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 若年層の給与については、昨年、大きな改善を行い、今回も初任給だけではなく、給与水準の重点的な引上げを勧告いたしました。
採用後の給与については、人事評価に基づく勤務成績に応じて、毎年四月一日に昇給する仕組みとなっております。
また、一定の勤務経験を経て、良好な勤務成績を積み重ね、主任級職選考等に合格し、上位の職に任用された場合には、職務職責に見合った、より高い水準の給料級が適用されます。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。毎年の昇給が単なる年次ではなく、勤務実績に応じた評価に基づいて行われていることや、より上位の職に登用されることで給与が上昇するよう制度が設計されており、努力する職員がきちんと報われる仕組みになっていることを理解いたしました。
働き方はそれぞれですし、目指すべき働き方やライフ・ワーク・バランスというのは人によって違いますので、ぜひ年齢や年次だけではなく、そういうところもしっかりとフォローしたような制度設計をしていただければなというふうに考えております。
さて、東京都の職員が担う業務は、職種、担当ポジションにかかわらず、東京都として行う公的な事務であり、その性質上、民間企業とは異なる高度な機密性や専門的知識が求められる場合が多く、都民にとって重要な資産ともいえるものです。
そこで、お伺いいたします。採用に当たり、東京都職員としてふさわしい人材であるか、公務員として、国家、東京都の安全と公的な職務を果たす資質を有する人物であるかが重要であると私は考えておりますが、そうしたことを含めて、どのような観点、基準で判断しているのかお伺いいたします。
○斎藤試験部長 職員の採用に当たりましては、地方公務員法の規定に基づき、受験者の職務遂行能力と適性について、競争試験により、公平、公正に評価しております。
採用試験では、筆記試験を通じて、職務遂行に必要となる基礎的な知識、知能を検証するとともに、口述試験を通じて、都が受験者に対し、東京都が求める四つの人材として示している、高い志と豊かな感性を持った人材、都民から信頼され、協力して仕事を進める力を持った人材などに関する適性を評価しております。
これらの試験の結果を踏まえ、最終合格者を決定しております。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。
最後に、今後の取組の方向性について質問させてください。
東京が国際的な都市間競争を勝ち抜き、首都として日本を牽引していく上で、都庁の組織全体の活性化と機能の向上は不可欠であると考えております。
そのためには、職員のモチベーションを高め、潜在力を最大限に引き出す魅力ある給与制度も重要であるが、今後、給与面でどのような取組が必要か、見解をお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 質の高い行政サービスを持続的に提供するためには、職員一人一人の能力や意欲を最大限に引き出すことが重要でございます。
このため、職務の困難度や責任の重さを踏まえ、職員の努力や貢献に十分に応える給与水準及び給与制度を目指して、様々な取組を行ってまいりました。
また、有為な人材を安定的に確保するため、人材獲得における競争力の向上に向け、魅力ある給与水準となるよう取組を進めてまいりました。
本年は、民間との大きな較差を基にめり張りある全級全号給の引上げや管理職給与のアップデート、初任給の大幅引上げ、さらには新卒者を対象とする住居手当の改善等について勧告を行いました。
今後とも、都政や都の職員を取り巻く状況の変化に適切に対応し、よりよい給与制度となるよう取り組んでまいります。
○さいとう(和)委員 本年の給与勧告に関する説明を通じて、職員の意欲や能力を引き出す給与制度の整備が着実に進められているということを確認させていただきました。
また、厳しさの増す人材確保の環境を踏まえた取組も、組織の基盤強化につながるものであると評価しております。
今後とも、都政の持続的な発展に向け、人事委員会のさらなる取組と推進に期待しております。
さきにも述べましたが、給与だけではなく、働き方というのは人それぞれですし、目指すライフ・ワーク・バランスというのも人それぞれです。ぜひきめ細かいヒアリングなどを行って、都政で働く一人一人が輝くことができる環境づくりに今後も期待しております。
私からは以上です。
○早坂委員 本年十月、東京都職員給与について、人事委員会は四年連続となる引上げを勧告いたしました。この四年間の改定では、本年も含め、初任給を中心とする、特に若年層を重点に置いた引上げでありました。
一方で、管理職については、職責の高まりに見合うような重点的な引上げは行われてきませんでした。それが本年ようやく管理職の処遇を重点的に改善する勧告が行われたわけであります。この委員会室にご出席いただいている東京都の幹部職員の皆様はその対象者であり、さぞかしお喜びのことと存じます。
社会情勢が大きく変化する中、都政の課題は単純なものではなく、複雑かつ困難になってきています。
こうした状況に対応するためには、都庁各部署のリーダーである管理職の果たすべき役割は重要でありますが、管理職選考の受験者数は、長期的に見て減少傾向にあります。
人事委員会が実施する管理職選考の受験者数は、若手職員を対象とする種別Aの区分では、令和元年度に九百九十八人だったものが、本年、令和七年度は六百六十一人まで減少しているとのことであります。
優秀な人材の着実な管理職登用は、将来の東京都政を考えると、重要な事柄であります。
そこで、管理職の登用促進について、今回の勧告の内容について伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 勧告では、能力と意欲のある人材を幅広く登用するため、大きなやりがいと成長を感じられる管理職の魅力を伝え、多くの職員が積極的に管理職選考にチャレンジするようサポートすべきとの観点から意見を述べております。
具体的には、ロールモデルとなる先輩管理職との意見交換や、昇任への不安や業務負担への懸念を払拭するための昇任後の研修やサポートなど、任命権者が行っている取組について、さらに充実すべきと言及しております。
加えて、管理職自身の生活と仕事の両立も重要であることから、テレワークやコミュニケーションツールの活用等による柔軟な働き方や、それを支える組織の理解促進も求められるとしております。
さらに、管理職選考については、その実施状況や任用状況等を検証し、質の高い人材を確保できるよう、よりよい選考となるよう、人事委員会が任命権者と連携し、さらに検討を進めるなど、不断の改善に取り組むとしております。
○早坂委員 職員が管理職を目指す上で、その処遇がその管理職の職責に見合うものであることが重要であります。
本年の勧告における管理職の給与の引上げの具体的な内容について伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 管理職の給与については、管理職の業務や組織のマネジメントの高度化、困難化に対応するため、職務、職責を踏まえためり張りある給料表改定に加え、仕事へのモチベーションや昇任へのインセンティブにつながる改善についても勧告いたしました。
本年の給料表改定では、管理職について、全体の平均改定率を上回る重点的な引上げを行いました。また、管理職手当についても、職責によりめり張りをつけた支給額を見直すことが適当であると意見を述べたところでございます。
さらに、管理職への早期昇任へのチャレンジ意欲を喚起する観点から、課長昇任時の給与の最低ラインを引き上げ、若手職員が早期に課長級に昇任した場合、現在よりも大きく給与が上昇する仕組みとなるよう勧告いたしました。
○早坂委員 今回の勧告により、年収ベースでどれぐらい課長級の給料が上がるか、人事委員会事務局に確認をいたしました。
その答えは、課長級、四十五歳のモデル例では、約五十万円増加して、年収が一千百万円を超えるとのことでありました。
この改善が意欲と能力のある職員にとって、管理職に挑戦するインセンティブとなることを期待いたします。
一方、国では、本府省――府と省ですね、本府省の管理職に対しても、新たに本府省業務調整手当、いわゆる霞が関手当を支給することなどによって、中央官庁で勤務する課長のモデル例では、年収が百万円近く増加するなど、東京都を上回る改善が行われているようであります。
人事委員会として、そうした国の状況や民間の動向にも留意しながら、管理職の職責や働きに見合った給与となるよう、引き続き取り組んでいただければと思います。終わり。
○小林委員 初めに、令和七年職員の給与に関する報告と勧告について三点お伺いいたします。
都政の持続的な発展のためには、職員一人一人が抱える多様な事情に配慮し、誰もが能力を発揮できる職場環境を整えることが大切であります。障害や性別、育児、介護など、様々な背景を持つ職員が安心して働ける環境づくりは、組織の力を高める重要な取組であります。
特に、女性の活躍推進はその中核をなす課題であり、個性や能力を生かし、管理職として活躍できる環境を整えることは、都政の質をさらに高めることにつながると考えます。
こうした観点から、女性の管理職の現状と今後の取組について見解をお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 本年四月時点における都の行政職種の管理職に占める女性の割合は、国や他自治体と比較して高い水準にあるものの、一八・四%であり、二〇五〇東京戦略に基づき、引き続き取組を進めていく必要がございます。
女性管理職の登用の促進に向け、任命権者においては、キャリア・メンター制度等の活用により、身近なロールモデルとの関わりを通じて、自分らしい管理職像を描けるよう支援するとともに、育児や介護等の事情を抱える職員が、より安心して管理職選考を受験してもらえるよう、令和八年度から、管理職候補者がライフプランに応じて、昇任時期を選択できる猶予制度も運用を開始することとしております。今後は組織として、こうした制度の活用を促進していく必要があるとしております。
さらに、長時間労働を是正し、仕事と育児を両立しやすい柔軟な働き方を促進することに加え、意欲や能力のある職員が幅広く有益な経験を培える仕事にチャレンジが可能となるよう、人事マネジメントを充実させていくことなども重要であると勧告の中で言及しております。
○小林委員 ありがとうございます。都議会公明党は、かねてより障害者雇用の拡充に取り組んできており、昨年の事務事業質疑でも、東京都職員の障害者採用選考について、精神障害者、知的障害者にも門戸を広げた後の実施状況について質疑を行ったところであります。
そこで、障害を有する職員が、採用後に都庁において活躍できるよう、一層の取組を進めていくべきと考えますが、人事委員会の見解をお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 障害を有する職員が各職場で継続的に活躍するためには、それぞれの障害特性に応じた配慮と障害への理解が不可欠であり、障害者活躍推進計画に基づき、都庁全体でさらに取組を進める必要がございます。
このため、障害特性に応じた施設整備などハード面での取組に加え、相談体制や人材育成などのソフト面の環境整備、障害に対する職場全体の理解促進を通じて、障害を有する職員にとって働きやすく、能力を十分に発揮できる環境の整備をさらに充実させていく必要があると意見を述べたところでございます。
○小林委員 また、都議会公明党は高齢者の就労支援に力を入れております。働く意欲のある高齢者が現役時代のスキルを生かすなどして、幅広い職種で収入の確保にもつながる仕組みづくりが重要であると考え、都議会での質疑も重ねてまいりました。
こうした提案を受け、民間においては、産業労働局を中心として、シルバー人材センターの機能拡充や、プラチナ・キャリアセンターにおいてセカンドキャリアで多様な選択ができるよう支援が開始されております。
高齢者の雇用を確保しながら、その能力を生かしていくことは社会全体の要請であり、公務においても高齢者の力を十分に生かしながら、よりよい行政サービスの実現につなげていくことが求められていると思います。
都庁においては、職員の定年が令和十三年度には六十五歳になると聞いておりますが、職員の定年が段階的に引き上げられる中での豊富な知識と経験を有する高齢者層職員の活躍について見解をお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 勧告の中では、定年が段階的に六十五歳に引き上げられる中、役職定年制や短時間勤務が可能な制度等について、職員が十分に理解し、個々の事情に応じた働き方を選択できるよう、勤務条件や処遇等に関する丁寧な情報提供を行うなど、きめ細かな対応を引き続き実施する必要があると述べております。
また、高齢層職員が能力を発揮し、継続的に活躍できるよう、定年引上げに伴う新たな立場での役割や職場でのコミュニケーションについて研修で理解を深めてもらうとともに、DXに関する知識、スキルの習得など、リスキリング支援を引き続き充実させていくことも重要としております。
今後の定年引上げの完成を見据え、高齢期における任用配置の在り方については、国の動向を注視しながら、将来的に検証を進めていく必要があることについても言及しております。
○小林委員 ありがとうございました。
次に、労働基準監督機関としての事務についてお伺いいたします。
人事委員会の主要事業の一つである労働基準監督機関として行っている事務の具体的な内容について確認させていただきます。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 人事委員会は、法に基づく労働基準監督機関として、都立学校や都税事務所など、いわゆる非現業事業場に勤務する職員の労働環境等について、書面や実地による調査を行い、必要な指導監督を行っております。
まず、定期監督では、超過勤務や年次有給休暇の取得状況など、職員の勤務状況や職場の安全衛生管理体制を確認しております。その際、機械設備や有害物を有する事業場においては、安全調査及び有害物調査も併せて行っております。
安全調査は、事業場における事故を防止するため、工作機械や作業車両等の使用状況、点検の実施状況等のほか、設備、作業環境などの安全性を確認しております。
有害物調査は、事業場における職員の健康障害を防止するため、化学物質や危険物等の管理及び保管状況等を確認しております。
○小林委員 定期監督、安全調査、有害物調査の三つを実施しているとのことですが、対象となる実施部局が、都立学校、警視庁、東京消防庁などで、令和六年度の実施状況を見ますと、定期監督が六十か所、安全調査が三十六か所、有害物調査が四十四か所とのことであります。
こうした定期監督などにおいて、課題が見つかることも当然あろうかと思いますが、改善指導が必要な具体的な事例及び是正方法についてお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 令和六年度の定期監督等において改善指導を行った事例では、衛生管理者の選任報告が漏れていた場合や、機械室の設備周辺の整理整頓が徹底されておらず、点検に支障が生じている場合などがございました。
その後の対応状況については、任命権者に報告を求め、当該年度内に改善、または改善に着手していることを確認しております。
○小林委員 人事委員会が労働基準監督機関として所管する事業場は、令和七年四月一日の段階で七百七十三か所、職員数は十一万七千七百七十六人とのことであります。
勤務条件に関する法令違反の防止、職員の利益保護を図るという目的達成のために、引き続き取り組んでいただくよう求めまして、質問を終わります。
○斉藤(ま)委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
人事委員会の勧告の中から、ジェンダーの視点で質問をいたします。
人事委員会では、今年度の勧告の中で女性の活躍推進を掲げ、女性の管理職登用の促進について着目しています。
その背景と目的について伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 持続的な都民サービス向上のためには、男女を問わず、能力と意欲のある人材を管理職として登用していくことが重要でございます。
一方で、本年四月時点における都の行政職種の管理職に占める女性の割合は一八・四%であることから、引き続き取組を進めていく必要があると考えております。
勧告では、仕事を通じた自己実現の重要性を踏まえ、女性活躍推進の意義について言及しております。
○斉藤(ま)委員 ご答弁のとおり、勧告では、仕事を通じた自己実現は重要であると示されています。
東京都男女平等参画基本条例の基本理念の下、一人一人が自立した個人として、その能力を十分に発揮し、固定的な役割を強制されることなく、自己の意思と責任により多様な生き方を選択できる社会の実現に取り組んでいるということも示されていますが、つまり、女性の権利の視点に立つことが重要なんだというふうに思います。
しかし、都職員の現状では、行政職種の管理職に占める女性の割合は一八・四%と、先ほどのご答弁のとおり、低い状況にあるということです。
東京都の目標は、今年度、二〇二五年度で二五%にするというものなんです。しかも、二〇二二年には二〇・五%だったんですけれども、そこから二%も減っているという状況なんですね。
私は、これは深刻に捉える必要があるというふうに思っています。
六月に発表されたジェンダーギャップ指数では、日本は前年と同じ、百四十六か国中百十八位でしたが、特に経済分野では、管理的職業従事者の男女比は百二十七位と著しく低い状況が続いています。
人事委員会の勧告では、都が率先して行動し、社会のマインドチェンジにつなげていくことは大きな意義があるとされていて、まさに都庁において女性の管理職を増やしていくことが喫緊の課題だというふうに思います。
人事委員会では女性の管理職の登用を増やしていく上で、具体的にはどのような制度や改善が必要だと示しているでしょうか。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 女性管理職の登用の促進に向け、任命権者においては、キャリア・メンター制度等の活用により、キャリア形成を支援するとともに、令和八年度から、管理職候補者がライフプランに応じて昇任期を選択できる猶予制度も運用を開始するとしております。今後は組織として、こうした制度の活用を促進していく必要があるとしております。
さらに、長時間労働を是正し、育児と仕事を両立しやすい柔軟な働き方を促進することに加え、意欲や能力のある女性職員が安心してキャリアアップに挑戦できるよう、組織としてサポートする取組を進めていくことも重要であると勧告の中で言及しております。
○斉藤(ま)委員 長時間労働を是正すること、育児と仕事を両立しやすい環境をつくっていくということは不可欠の課題だというふうに思います。そのためには、正規の職員を増やしていくことが必要だということをまず指摘しておきます。
来年度、二〇二六年度からは、管理職候補者がライフプランに応じて、昇任時期を選択できる猶予制度の運用を開始するというご答弁でした。
具体的にはどのような制度なのか伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 本猶予制度は、管理職選考合格後の職員を対象として、一年を単位に、出産、育児、介護等の事由ごとに、通算三年まで昇任を猶予できる制度であり、運用を令和八年四月一日から開始すると任命権者から聞いております。
○斉藤(ま)委員 通算三年まで昇任を猶予できる制度だということです。
特に女性は、出産、育児などのライフステージが昇任の時期と重なることはよくあることだと思います。そのために、昇任を諦めたりすることも多く、それが女性の管理職が少ない要因の一つにもなっているのではないかと思います。
そもそも出産したり、育児で時短勤務をする場合でも、管理職として働ける環境が必要だというふうに思います。
女性管理職が多いスウェーデンでは、多くの企業が従業員の労働時間を本人のライフスタイルに合わせて調整可能にしているということです。
近年では、一日六時間勤務を採用する企業も拡大していて、長時間労働に依存しない働き方によって、育児や家事を担う親も職場でのパフォーマンスを高めることができるため、女性管理職の増加に貢献しているということです。
ライフプランに応じて昇任時期を選択できるという制度は、その一歩にもなるものと期待しますが、女性職員の声をよく聞きながら、よい運用にしていただきたいというふうに思います。
もう一つの問題があります。男女の賃金格差の問題です。
六月に発表されたジェンダーギャップ報告書二〇二五によると、経済分野の指標の一つ、男女の賃金格差が、前年の八十三位から九十三位へと後退しています。
職員の男女の賃金格差についてはどのように認識しているか伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 任命権者が、職員の給与の男女の差異の情報公表の補足情報で明らかにしているとおり、都職員においては、性別にかかわらず同一の給与制度が適用されており、制度上、男女の差異が生じるものではございませんが、職員の男女構成や継続勤務年数、勤務状況、諸手当の受給状況等において異なる状況がある場合には、実際の給与の支給に影響が生じる場合があると認識しております。
○斉藤(ま)委員 同一の給与制度が適用されているため、制度上、男女の差異が生じるものではないということ、ただ、職員の男女構成や勤務年数、そして勤務状況や手当の受給状況で差がある場合があるというご答弁です。
昨日、日本共産党都議団は、都庁の男女賃金格差の実態についての調査結果を記者会見にて発表いたしました。今朝は東京新聞でも、この結果、会見の内容が掲載をされておりました。
男女別、雇用形態別の職員数と給与の総額の提出を、私たちは総務局に求めて入手し、この数字は新たに都のホームページに掲載されるようになりました。
私たちは、これらの数字を基に独自に計算を行い、一人当たりの平均給与を明らかにしました。
まず、正規、非正規を含む、都の全職員の平均給与は、フルタイム換算で男性が七百四十八万円、女性が六百七十一万円で、女性の方が七十七万円低いという結果になりました。
こちら、パネルを用意しております。これは昨日の記者会見でも使ったパネルなんですが、実態として、先ほどご答弁で、男女の差は、制度上は差異はないということなんですが、しかし、もろもろの条件で七十七万の格差が出ているというのが実態なんですね。
正規同士で比較すると、男性よりも女性の方が五十九万円低いという結果になっています。これは、先ほどご答弁にありましたけれども、管理職に占める女性の割合が少ないということが影響しているというふうに考えられると思います。
先ほどのご答弁では、一八・四%、ちょっとこちらのパネルは一八・三%になっていますが、これは本年度じゃなくて、昨年度の数字ですので、ちょっと差異がありますが、こういう状況になっているということですね。
つまり、制度上差異はないといっても、ご答弁にあるように、様々な条件から、女性の賃金の方がこれだけ低くなっているということが明らかになりました。
人事委員会として、都職員の男女の賃金格差の解消のために、どのような政策が必要だと考えますか。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都職員においては、性別にかかわらず同一の給与制度が適用されており、制度上、男女の差異が生じるものではございませんが、職員の男女構成や継続勤務年数、勤務状況、諸手当の受給状況等により、実際の給与の支給に影響が生じる場合があると認識しております。
○斉藤(ま)委員 私は、この賃金格差の解消のためにどのような政策が必要なのかと考えているかというふうに聞いたんですけれども、先ほどと全く同じご答弁なんですね。実態として格差があるということに向き合わなければ、改善もできないという状況だと思うんです。
さらに、私たちは、都庁で働く職員の賃金の格差の実態を明らかにするため、正規職員と非正規職員の賃金格差についても調べました。特に、男性正規職員との比較を行うことで、都職員の賃金格差を明らかにしました。非正規職員の平均給与は四百六十万円で、こちらにありますように、正規職員の男性職員、七百九十四万円の約六割になっているんですね。差額は三百三十四万円にもなります。
その中でも、女性の非正規職員の八割を占める会計年度任用職員の平均給与は四百二十二万円で、男性正規職員の約半分、五三%になっていて、その差額は三百七十二万円にもなります。
会計年度任用職員には、女性相談員や消費生活相談員など、女性が多い専門職が多く含まれています。つまり、雇用形態を通じた差別があり、この下で都庁で働く職員の中での男女の賃金格差が大きなものになっているという状況です。
ちなみに、先ほどもいいましたけれども、これらの給与額は、今いった給与額は、フルタイム勤務に換算した場合の金額です。実際には非正規雇用の大多数はフルタイムではないので、実際の給料はさらに少なくなっていると思います。
月十六日勤務で、月給二十万円の場合、年収三百三十万円程度にしかならず、しかも、何年働いても昇給はありません。都政に必要な仕事を担いながら、これほどの大きな格差があるのは問題だということを指摘したいと思います。
都職員の男女の賃金格差の現状や要因をつかむために、実態調査を行うことを求めますが、いかがですか。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、職員の給与の男女の差異の情報公表を行っております。
○斉藤(ま)委員 今ご答弁にあった東京都が現在公表している職員の給与の男女の差異の情報公表は、雇用形態や役職を通じた賃金格差を表すものになっていません。
しかも、差異については割合が示されるだけなので、一体何円の差があるのかも分かりません。女性の管理職への登用については、都は率先して行動していくと勧告で示しています。男女の賃金格差についても、きちんと実態に目を向けて、都が率先して、その格差を解消していくべきではないでしょうか。
都の職員について、男女の賃金格差をより正確に表すこれらの数字を公表するとともに、常時ある仕事をする職員は正規雇用とするなど、格差を是正する抜本的な措置を講じる必要があるということを指摘して、質問を終わります。
○坂本委員 国民民主党、坂本まさしです。よろしくお願いします。
人事委員会は、都庁職員の採用や勤務条件などに関する研究など、行政運営の根幹を担う重要な機関であります。
私はこれまでも、煩わしいことはデジタルに任せて、思いやりは人の手でと申し上げてまいりました。その思いやりを担っていく都政運営を支える人材の確保というものは重要な課題だと考えます。
昨今、人材の流動性が高まる中、公務員についても例外ではありません。東京都は様々な背景や経験を持つ人材を積極的に受け入れて、組織への定着と成長を促すなど、柔軟性と包容力を備えた組織へと進化していく必要があります。
先ほど、都民ファーストのさいとう委員からも、流動性に関するお話がございましたが、フォーカスは処遇に関するものでしたので、異なる観点のご質問をさせていただきたいと思っています。
行政課題が複雑化する中で、専門性の高い外部人材や、民間出身者の登用は欠かせないなというふうに思うわけですが、人事委員会として、多様な人材の採用と登用の拡大にどのように取り組んでいくのか伺わせてください。
○斎藤試験部長 人事委員会では、民間企業等での勤務経験を有する人材を採用する選考として、キャリア活用採用選考と経験者採用選考を実施しております。
キャリア活用採用選考では、財務、ICTなど、十八の区分を設定いたしまして、高度な専門的知識やスキルを有する人材を採用しております。
また、令和六年度には、経験者採用選考を開始いたしまして、令和七年度、今年度からは、事務と技術の全区分について、通年で募集を行い、民間企業等での多様な経験を有する人材の確保を進めております。
行政課題が複雑化する中、今後とも都民サービスの充実に貢献できる幅広い知識、経験を有する人材の確保を進めてまいります。
○坂本委員 ありがとうございました。経験者採用などを活用して、多様な経験を有する人材の確保を進めていらっしゃる旨がご答弁いただきました。
採用する職員が多様化していくことから、より一層、職員一人一人の能力や志向を把握していただき、それぞれが力を発揮できる環境を整えることが求められているわけであります。
大切なのは、人を評価するということよりも、人を育てることなのではないかと思います。
人事委員会として、職員の成長を中長期的に支えるための仕組み、いわば成長支援型の人事制度への転換、こういったことに関して、どういうふうにお考えになられているのかを伺わせてください。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 近年、雇用制度や働き方が大きく変化する中、就業者が自らの成長を重視する傾向が強まり、社会全体でキャリア形成を支援する動きが活発化しております。
都の職員におきましても、職務を通じたキャリア形成や成長への関心が高まっていることから、担当業務を通じた職場内での成長機会の提供や、職員が自律的かつ主体的に学ぶことができる環境づくりのさらなる充実が必要でございます。
職員の能力や適性、希望するキャリアなどを踏まえながら、成長につながる学びを組織として後押しし、一人一人が成長を実感できる、魅力ある都庁を目指していくことが重要であると本年の勧告の中で言及しております。
○坂本委員 ありがとうございます。職員さんが自らの成長を実感しながら、働ける都庁を目指すという答弁をいただいたと思うんですが、まさに今求められているのは、評価のための人事から成長のための人事への転換なのではないでしょうか。評価は過去を測るものではありますが、成長支援は未来を開くものであります。
近年、民間では、育てるから開花させるというふうな発想の転換も進んでいるわけでございます。上から育てるということだけではなくて、個々の志や強みを引き出していただいて咲かせていく、そんな発想が広がり始めているんだと思っています。
ぜひ都庁こそ、そうした時代の先頭に立っていただいて、学びと挑戦が息づく職場を実現していただきたいというふうに考えております。
人事委員会には、単に採用や評価を担う機関ということだけではなくて、公務の魅力を再定義する役割もあるんじゃないでしょうか。
安定ということだけではなくて、社会を動かすダイナミズム、こういったものを実感できる、そんな職場へ移っていただきたいというふうに思いますし、若い世代ですとか民間の経験者が東京で働きたいと思えるような都庁へ、これは採用政策だけではなくて、都政の未来戦略そのものなんではないかと思うわけであります。
私も一人の都議会議員として、そして、一人の経営者としても、人が育ち、人が輝いていく東京を後押ししてまいりたいと思います。そういったことをお話しさせていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。
○望月委員 参政党の望月まさのりです。
都における人事行政の公正性と中立性を担保する機関として、人事委員会の果たす役割は極めて重要だと考えます。特に、公務員制度の根幹をなす公平、実力、継続性の原則を守る立場として、その運営には高い透明性と責任が求められます。
ところが、昨今の流れとして、多様性の尊重、女性活躍、働き方改革などの言葉だけが先行し、結果として、実力や継続性よりも、属性や制度上の平等性を重視する風潮が広がっているように見受けられます。
また、働き方改革も、労働時間の短縮や休暇の取得、テレワーク推進といった施策ばかりが強調され、現場で必要とされる責任感や持続性が軽視されていないか、懸念を抱いております。
人事行政がその影響を最も受けやすい分野であることから、いま一度、その方向性が本当に健全なのか、都民全体の利益に資する形となっているのかを検証する必要があるのではないでしょうか。
そこで、以下お尋ねします。
人事委員会の委員は、議会の同意を得て知事が選任するものでありますが、法令上、人格が高潔で、人事行政に関して識見を有するものとされています。
これまでどのような職歴や知見を有する者が任命されてきたのか、また、選任に当たって、特定の思想に偏らないよう、どのような配慮がなされているのか伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 人事委員会委員については、地方公務員法第九条の二第二項において、地方公共団体の長が議会の同意を得て選任すると定められてございます。
都の人事委員会の委員については、職員の適正な勤務条件の設定や中立、公正な任用制度の確保、また、公平審査といった機能を果たすため、地方自治や人事制度に高い見識を持つ者、高度な法的判断を行ってきた経験のある者など、様々な角度から、公平、公正に人事給与等に係る議事をご審議いただける方が選任されてまいりました。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。
前の第三回定例会において、委員任命に反対の立場を表明いたしました。その理由の一つとして、同人がいわゆるDEIの理念を推進する立場を公に表明されていることが挙げられます。
DEI政策は、近年、特にアメリカ、バイデン政権において、行政や企業で幅広く導入されてきましたが、政策の推進が利権や一過性の施策につながる事例も報告されています。
トランプ大統領は、このような背景から、行政におけるDEIプログラムを批判し、能力、実績に基づく選抜や教育の中立性を重視する立場を取っております。
トランプ政権下では、DEIプログラムが特定の属性を優遇することで、逆差別や行政資源の非効率を生む可能性、また、学校教育における思想的、イデオロギー的介入の懸念が指摘され、助成金や研修の見直しが行われています。
このように、国家や行政の意思決定の場においては、理念先行型の政策が予期せぬ混乱を生じるリスクもあることが示されています。
我が党も同様に、日本国内において、外来の価値観やイデオロギーの強制的な導入に対しては反対の立場を取っています。従前から申し上げておりますとおり、子供や家庭、地域の価値観を尊重しながら、教育や社会制度を運営することを重視しており、性的指向や、いわゆる性自認に関する教育や多文化主義的な施策については、一度立ち止まる必要があると主張してまいりました。
こうした背景を踏まえ、議会では、三十四年ぶりの反対表明だったと把握しておりますが、都の人事委員会委員の選任等に当たっては慎重さが求められると判断したことによります。
子供たちの教育環境や心身の安全を守る観点からも、理念の先行がもたらす潜在的リスクを十分に検討した上で、意思決定層への任命が行われるべきことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、働き方改革についてお尋ねします。
私自身が、実際に法務省や東京地検の現場、人事業務等に身を置いてきた者として、近年の働き方改革をめぐる一部の動きについては、かねてより強い違和感を抱いております。
確かに、長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの改善は重要な課題ではありますが、現実には、働き方改革と本質的に相入れない業種や職務が存在し、画一的な労働時間削減の目標設定や、形式的な休暇取得率の向上が、現場の実態を無視した形で進められているケースも少なくありません。検察の仕事もまさにそうでした。
志高く公の職に就かれた公務員の皆様の中には、同じように感じている方も少なくないのではないでしょうか。
近年の若年層の所得動向を見ると、こうした行き過ぎた働き方改革が必ずしも望ましい結果をもたらしていないのではないかと思います。
そこで、働き方改革の名の下、現場での責任の所在が不明確になり、勤勉性が軽視されているといった声も聞かれますが、昨今のそうした変化について、人事委員会としてどのように捉えているか、見解を伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、充実した都民サービスを提供するため、職員誰もが高い意欲を持ち、生き生きと働ける環境が重要であることから、働き方改革に取り組んでおります。
業務の効率化やコミュニケーションの確保に留意しながら、職員のライフステージに応じた、最適で柔軟な働き方を支援しております。
こうしたことを踏まえ、本年の勧告の中では、働く時間や場所を選択できる柔軟な働き方を可能とする都庁版ABW、アクティビティー・ベースド・ワーキングの浸透や、育児や介護など様々な事情を抱えた職員が生活と仕事を両立しながら活躍できる職場づくりのほか、長時間労働の是正に向け、各職場で実効性の高い取組を積極的に進めることにより、職員の健康保持、職務に対する意欲や生産性の向上につながるよう、引き続き取り組む必要があることなどについて言及しております。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。国税庁の民間給与実態統計調査、令和五年版ですけれども、それによれば、二十代後半の平均給与はこの十年間で実質的にほとんど伸びておらず、むしろ残業削減や時間外手当の減少が実質賃金の押し下げ要因になっていることが指摘されています。
また、リクルートワークス研究所などの調査でも、残業規制によって収入が減り、生活設計が難しくなったと回答する若手社員が増加傾向にあります。
その結果として、結婚、出産といったライフイベントを先送りする若年層が増え、少子化の一因となっていることも考えられます。
内閣府の結婚・家族形成に関する意識調査では、経済的な不安が、結婚や子供を持たない理由として最も多く挙げられており、二十代から三十代の男性において、収入の不安定さを理由とする回答が顕著です。
すなわち、形式的な労働時間短縮が若年層の所得環境を悪化させ、結果的に出生率低下という社会的副作用をもたらしているといえるのではないでしょうか。
実際、国家公務員として仕事をしていた身としては、その影響を少なからず受けていたという実感がありました。
改革の目的が、数字上の労働時間削減や休暇取得率の向上だけに矮小化されると、現場の士気をそぎ、労働意欲の低下や人材流出を招くおそれがあります。
都としては、単なる数値目標の達成に邁進するのではなく、職務の性質や現場の実情に即した政策を構築することが求められます。すなわち、短く働くことよりも、意欲と責任を持って働ける環境づくり、それこそが結果的に生産性の向上と人口減少の歯止めにつながる、そうした現場感覚に根差した運用が今まさに必要なのではないでしょうか。
最後に、多様性や女性活躍推進の影響について、数値目標や登用比率に基づいた形式的な運用が目的化し、本来の能力評価や業務適正をゆがめ、結果として、人事評価や採用における公正性、実力主義の原則がゆがめられているのではないでしょうか。
また、性別、年齢、国籍などの属性ではなく、個人の責任感、実績、能力が適正に評価されるべきです。
今後は、能力、成果に基づく公正な評価が確保されるよう、バランスの取れた運営が求められると考えますが、人事委員会として、どのような姿勢で臨むのか、見解を伺います。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 様々な事情を抱える職員が、ライフステージに応じて柔軟に働ける環境の充実は、組織の持続的な成長と質の高い都民サービスを支える土台でございます。
このため、都はこれまで職員一人一人が活躍できる環境づくりを行うとともに、それぞれが能力を最大限発揮できるようサポートに取り組んでまいりました。また、職員の採用、任用等については、性別などの属性によらず、平等な取扱いを行ってまいりました。
職員の人事評価については、地方公務員法に基づき、任命権者が職務遂行における職員の能力及び業績を把握した上で、公正に実施していると認識しております。
また、採用及び昇任についても、同法に基づき、受験成績、人事評価、その他の能力実証に基づき行わなければならないとする成績主義の原則にのっとり、人事委員会が、職員採用試験や主任級職及び管理職の昇任選考を公正に実施しております。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。多様性や働き方改革が目的化されてはならず、それが本来の組織力や人材育成を損なうことのないよう、人事委員会がしっかりと監視機能を果たし、人事行政が、形ではなく中身、制度ではなく実態を見詰め直すことを求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○高田委員 都議会公明党の高田清久です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、今回の人事委員会勧告のうち、教員給与の見直しに係る部分について質問をさせていただきます。
教員の皆様と意見交換をしておりますと、皆様、大変なご苦労をされながら、お仕事をされていることが分かります。
児童生徒へのきめ細やかな対応、授業内容の研究、学校行事、様々な事務、保護者への対応など、たくさんの業務がある中で、教育に携わっていることへの使命感を持ち、日々、教育現場で奮闘をされていらっしゃっております。
そんな教員の皆様への処遇を改善していくべきであり、また、優秀な人材を確保していく観点からも、都議会公明党は、その実現に向け、取り組んでまいりました。
そして本年、国会における教員の処遇改善を盛り込んだ法改正を踏まえ、都としても、本勧告において教員給与について適切に対応するとしたところでございます。
そこで、まずお伺いします。
本年の勧告の中で、教員の処遇改善について言及をされておりますけれども、対象となる教員の範囲についてお伺いします。市区町村立学校の教員は対象となるのでしょうか。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都の給与勧告の対象には、都立学校のほか、市区町村立学校の教職員が含まれております。
都内の市区町村立の小学校、中学校等の教員について、その任命権は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、東京都教育委員会に属するとされ、市町村立学校職員給与負担法に基づき、東京都が給与を負担しております。
○高田委員 ありがとうございます。今回の勧告は都立のみならず、区市町村立の教員も対象となるということでございました。
次に、勧告内容についてお伺いします。
人事委員会は、本年、教職調整額の引上げについて勧告を行いましたが、その理由と内容についてお伺いします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 教職調整額につきましては、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法に基づきまして、超過勤務手当に代わる給料として、給料月額の四%に相当する額が支給されております。
本年六月、高度専門職にふさわしい処遇の実現を目指す同法の法改正により、引き上げることとなったところでございます。
これを踏まえ、都においても、教員の人材確保の必要性に鑑み、その処遇の改善を図る必要があることから、現行四%である教職調整額を、令和八年一月から毎年段階的に引き上げ、令和十三年一月に一〇%とする勧告を行いました。
○高田委員 ありがとうございました。来年一月から教職調整額を毎年一%ずつ引き上げるとのことでございました。
実際に勧告どおりに実施するかどうかは、これからの取組になりますけれども、教員の処遇が、一歩改善に向かっているということで評価したいと思います。
その上で、校長、副校長の管理職の皆様は対象外になっております。
そこでお伺いします。
教職調整額が支給されていない教育管理職への対応についてお伺いいたします。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 教職調整額の支給対象外である教育管理職についても処遇改善を講じる必要があることから、校長及び副校長の給料月額に加算額を措置する勧告を行いました。
加算額は、一般教員の教職調整額の引上げ分に相当する額とし、毎年、教職調整額の引上げに合わせて段階的に引き上げることといたしました。
○高田委員 ありがとうございました。校長、副校長も、毎年、教職調整額の引上げ分に相当する額を引き上げていくとのことで、校長、副校長の処遇が改善されるための勧告がなされたことが分かりました。
その上で、勧告を読んでみますと、国は、義務教育等教員特別手当を見直すこととしております。具体的には、特別手当の支給額に係る率を引き下げる一方、学級担任に対しては、支給額を加算すると、このような内容になっております。
この義務教育等教員特別手当の見直しに関する人事委員会の見解についてお伺いをさせていただきます。
○谷任用公平部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 国は、義務教育等教員特別手当について、支給率を引き下げる一方で、学級担任に対する三千円の加算措置を設けることといたしました。
これを踏まえ、本年の勧告では、学級担任について、校務における職責や勤務負担の実態を適切に給与に反映させる観点から、加算措置を講じることが適当であると意見を述べたところでございます。
一方、支給率の引下げについては、近年、教員採用試験の受験者数が低迷するなど、都の教員確保は極めて厳しい状況にあることを踏まえ、都教育委員会において適切な対応を検討する必要があるといたしました。
○高田委員 ありがとうございます。学級担任については、国の方針を踏まえ、加算措置を講じることが適当であるとしたことは評価したいと思います。
加えて、支給率の引下げについては、都の教員確保が厳しい状況であることを踏まえた対応が必要であると、そのようなご意見でございましたけれども、まさにそれはそのとおりであると思いますし、これについても評価をしたい、このように考えております。
人事委員会の意見を踏まえ、都教育委員会が決定することになると思いますけれども、この意見を踏まえ、両委員会で連携をして、円滑に手続を進めていただき、教員の処遇改善がなされることを期待したいと思います。
今回の勧告が教員の処遇改善への一歩となることが分かりました。都議会公明党は引き続き、教育現場で奮闘される教員の皆様の環境や処遇の改善に取り組んでいくことを申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。
○福島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福島委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○福島委員長 これより子供政策連携室関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○山本総合推進部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 去る九月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、電子ファイルの02、総務委員会要求資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をご覧ください。
資料は三件でございます。
一ページをご覧ください。東京都フリースクール等利用者支援事業の交付決定件数と交付決定対象施設の一覧でございます。
一ページの(1)に、令和六年度及び令和七年度の交付決定件数を記載してございます。
また、(2)、交付決定対象施設一覧といたしまして、一ページから八ページにかけまして、令和六年度の交付決定対象施設、九ページから一四ページにかけまして、令和七年度の交付決定対象施設の一覧を記載してございます。
一五ページをご覧ください。保護者の不安や悩みに対するサポートの参加実績でございます。令和六年度に実施いたしました不登校の子供を支える保護者のひろばの開催日及び参加者数を記載してございます。
一六ページをご覧ください。東京都フリースクール等支援事業の交付決定件数と交付決定対象施設の一覧でございます。
一六ページの(1)に、令和六年度の交付決定件数を記載しております。また、(2)、令和六年度交付決定対象施設といたしまして、一六ページから一七ページにかけて一覧を記載しております。
以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○福島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○本橋委員 よろしくお願いいたします。
まずは、不登校の子供の保護者への支援について質疑いたします。
ここ数年の間に、都内小中学生の不登校児童生徒は大幅に増加いたしました。先月、令和六年度の不登校児童生徒数が発表されまして、都内の不登校児童生徒数は十二年ぶりに減少はしましたが、いまだに三万人を超えている状況にあります。
この状況下にありまして、我が会派は令和四年度末に、令和五年度予算重点要望の中にフリースクール、東京大改革を盛り込んだ上、この課題解決に向けた提案を小池都知事に行ったところです。
こうした我が会派の要望を受けた形で、令和六年度に都が、東京都独自のフリースクール利用料助成制度を創設したことは高く評価したいと思っております。都民の満足度も上々とのことであります。
もっとも、さらにこの局面で重要な課題は、不登校の子供を持つ親の多くが孤独感にさいなまれている点をどのように解消、解決するかにあると思います。
保護者の不安や悩みに寄り添う支援策の構築が必要でありますが、都は、令和七年度中に保護者が不登校支援などに関する様々な情報を一元的に入手できるポータルサイトを開設するとのことでありました。
そこで、改めてこの開設の意義、目的、趣旨と現在の状況についてお伺いします。
○山本企画調整部長 昨年度、フリースクール等利用者支援事業を利用いたしました保護者に対しまして行いましたアンケートでは、約四割の保護者から、フリースクール等を探す際に十分に情報収集できなかったとの回答があったほか、フリースクール等の情報以外にも公的支援や相談窓口、進学に関することなど様々な情報を求める保護者の実情が明らかになりました。
こうした不安や悩みを抱える保護者が、子供の状況に応じた相談先や各種支援策を見つけることができるよう、都や区市町村による支援に加えまして、フリースクール等や親の会といった民間支援の情報を一元的に掲載するポータルサイト、TOKYO多様な学びの場・居場所ナビを十月二十日に開設をし、十月末までに約二万六千PVがございました。
○本橋委員 かなりの注目度かななんて思いますのと、今、親の会というのが出てまいりました。
我が会派は、令和七年第二回定例会の代表質問におきまして、公的機関による支援はもちろんのこと、親の会といった民間で展開されている支援までも情報提供すべきと主張いたしました。
公的支援やフリースクールなどの情報に加え、同じ苦労をした子育ての先輩や現在同じ境遇にある親同士が相まみえることのできる居場所である親の会を掲載したことにつきましては、高く評価したいと思います。
ポータルサイトであるがゆえに、そこでは不安にさいなまれる保護者に寄り添えている有益な情報が提供されていなければならないと思うわけでありまして、しかも、有益な情報とは保護者のニーズに沿ったもの、ないし満足させるものでなければならないということができます。
そこで、都のポータルサイトの具体的な内容、分量、開設に際しての工夫などについてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 ポータルサイトには、都や区市町村の不登校支援策や相談窓口、教育支援センター、子供家庭支援センター、児童相談所などの公的支援を約三百九十事業掲載しているほか、フリースクール等を約六十施設、親の会を約二十団体掲載してございます。
また、保護者への心理的サポートや各種支援の選び方に関する記事など、保護者の悩み等に関する専門家のコラムを五本掲載してございます。
ポータルサイトは、スマートフォン等で見やすく、いつでも気軽に検索できるようなデザインといたしますとともに、コラムを親しみやすく、柔らかい表現にするなど、悩みを抱える保護者に寄り添う工夫を行いました。
○本橋委員 多くの情報が掲載されていることや保護者に寄り添った工夫をしていることが分かりました。
一方で、一口に有益な情報といいましても多種多様でありまして、それらを行政側のみで判断、決定しては危険でもあります。行政側によるたゆまぬ検証が不可欠であることはもちろんのこと、適宜、保護者などのニーズや意見を酌むことも重要であります。
そこで、都はいかにして、本ポータルサイトのブラッシュアップを図っていくのかについてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 ポータルサイトに掲載する公的支援や民間支援の情報は随時充実を図ってまいります。
このため、区市町村やフリースクール等に対して定期的に掲載情報の更新を依頼いたしますとともに、新たな掲載希望にも対応してまいります。
また、コラムも順次追加を予定しており、取り扱うテーマは多様な学びの場、居場所に関する相談会に参加する保護者のニーズや関心等を踏まえながら設定をいたします。
○本橋委員 このポータルサイトが立ち上がったことによりまして、保護者にとって必要な情報にアクセスできるようになったわけであります。このこと自体、画期的なことだと思っております。
一方で、情報は鮮度が命でありまして、情報自体を常にアップデートしていかないと、ポータルサイト自体の価値が低下してしまいます。常に都民ファースト、ユーザー目線に立って、ポータルサイトの掲載情報を充実強化していくことを要望いたしたいと思います。
また、不登校の子供の保護者への支援は、このポータルサイトの利活用にとどまるものではございません。子供政策連携室にはあらゆる知恵を絞って支援策を講じていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
次に、とうきょうすくわくプログラム推進事業について質疑させていただきます。
子供たちの心と体を健やかに成長させ、それによって、子供自身が自らの能力と意思で未来を切り開いていけるよう応援することは、私たち大人に与えられた使命でもあります。
そうした中、頭の良さやIQの数値で表されるような心の力の認知能力に加えて、昨今、それにあらざる頭の良さ以外の心の力といった非認知能力を高めることが重要だといわれております。
その非認知能力を育み、高めるべく、東京都と東京大学CEDEPが連携してつくり上げたのが、このプログラムであると聞いております。
そこで、改めてこのプログラムの意義についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 とうきょうすくわくプログラムは、乳幼児期の育ちの重要性に鑑み、幼稚園や保育所といった施設類型の垣根を越え、多彩な体験、経験に触れ合うことのできる探究活動の実施を通じ、非認知能力の育成など、子供の健やかな成長をサポートするものでございます。
○本橋委員 この非認知能力でありますけれども、先月、大相撲ロンドン公演が盛況に行われ、終わったところであります。
相撲の世界でよくいわれるのが心技体でございまして、ここでの技と体は、稽古場での稽古や部屋での食事や休憩などによって獲得されるものでしょうし、また、数値化もしやすいかと思います。
一方、心は、親方をはじめとした相撲関係者の指導、先輩、後輩たちとの厳しい稽古、部屋の中での自身の生活ぶりなどをはじめ、様々な要因を通じて獲得されるものでしょうし、かつ、数値化も難しいものがございます。
そこで、そもそも非認知能力とは何なのか、また、なぜ今日この非認知能力なるものが注目されるようになったのか、それぞれお伺いいたします。
○山本企画調整部長 非認知能力とは、自己肯定感、意欲、好奇心、思いやり、協同性などの目に見えない心の性質を指すものとされていまして、社会情緒的スキルともいわれております。
平成二十七年にOECDがまとめたレポートによりますと、社会情緒的スキルが、ウエルビーイングの高さや問題行動の少なさなどを予測すると示されておりまして、こうしたことを背景として、非認知能力が注目されるようになったものと認識してございます。
○本橋委員 このプログラムですけれども、まさにこの非認知能力にフォーカスしたものであり、このプログラムを通じて当該能力が育まれていくことが企図されているわけでございます。
そのとおりだとするならば、このすくわくプログラムは大変有意義な取組であるということができます。
我が会派はこれまでの間、この非認知能力の伸長について効果検証し、施策のブラッシュアップにつなげるよう求めてきておりまして、前回、十月の総務委員会のさいとう委員の質疑においても、現在の取組状況を確認したところであります。
その際には、プログラムを実施する保育者に対して行ったアンケートの結果、保育者の多くから、子供の物事への興味や関心が高まった、子供が自分からこれがやりたい、試したいと積極的に発言や行動をするようになったとの回答があったことや、そうした回答結果から、プログラムの取組によって、子供の好奇心や探究心、意欲が高まっている姿が見られたとの分析結果が示されました。こうした子供の変化については経年で把握するようにしてもらいたいものであります。
そこから、このプログラムをより多くの幼稚園や保育所で質高く実施してもらうに当たっては、実効性のある支援策を講じることが不可欠であると思われます。
そこで、このプログラムを実施する園に対する支援の状況についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 幼稚園や保育所等におけるプログラム実践の質を高めるため、都は、都内全ての園を対象に、取組事例等を用いた実践的な研修会をオンライン形式で開催いたしました。
また、専用サイト、すくわくポータルのプログラム実施園向けページに、取組のポイントを紹介する動画や探究活動の実践に携わる専門家のアドバイスをまとめたヒント集などを掲載してございます。
さらに、本年三月にチャットボットを導入し、補助金に関することのほか、探究活動の内容やテーマごとの活動事例といった、頻度の高い質問への対応を行い、園での実践をサポートしております。
加えて、先月から、プログラムを実施する園同士が相互に学び合う環境の整備に向けて、学び合いの中核となるすくわくナビゲーター園の募集を行ってございます。
○本橋委員 都は、すくわくナビゲーター園制度を創設し、ナビゲーター園の募集を行ったとのことでございました。
そこで、このすくわくナビゲーター園の役割と活動開始に向けた今後の取組をお伺いいたします。
○山本企画調整部長 すくわくナビゲーター園は、他園からの見学を受け入れる中で、交流や取組の紹介等を行いまして、プログラムを実施する園同士の活発な学び合いを促進する役割を担います。
すくわくナビゲーター園は、第一弾の募集を十月十日に開始し、昨日から第二弾の募集を行ってございます。現在、第一弾のナビゲーター園の決定に向けて、応募があった園の取組内容等の確認を進めてございます。
ナビゲーター園に対しましては、十二月上旬の活動の開始に向けて、オリエンテーションを行い、学び合いの活性化につなげてまいります。
○本橋委員 さて、我が会派の都民ファーストの会、特別顧問でもあります小池都知事と同じく、人への投資を最重要視しております。
このプログラムによりまして、意欲、自己肯定感、社会性などの非認知能力が養われ、その子供たちが健やかに成人し、もって人が輝く東京が実現したら、すばらしいことだと思っております。
都におかれましては、引き続き様々な支援を通じて、量と質の高いプログラムの実践をサポートしてもらいたいと思っています。
次に、若者層や子育て世代などに対する意識調査について質疑をさせていただきます。
少子化対策をつくり、かつ練り上げる際、頭を悩ます点は、何といっても少子化の原因がこれであるとピンポイントで確定しづらいところにあります。この手段を講じれば少子化は解決に向かうと、単純にはいかない点に、少子化対策の難しさがあるわけであります。
実効性ある少子化対策を効率よく展開していくためには、直接、若年層や子育て世代などに向かって、そこにある課題やニーズを聴取することが合理的であります。
そこから、ここ最近、都は、若年層、子育て世代の都民一万人を対象として意識調査を行ったとともに、様々な少子化の要因にまつわるデータの収集とその分析を進めていると聞いております。
そこで、まず改めて、若年層や子育て世代などへの意識調査の意義、目的、趣旨などをお伺いいたします。
○池上少子化対策担当部長 都の少子化対策におきましては、多様な価値観や考え方を尊重しながら、都民一人一人の思いに寄り添い、都民から共感の得られる施策を幅広く展開することで、望む人が安心して子供を産み育てることができる社会を実現することを目指しております。
そのためには、都民の意識やニーズの変化等を継続的に把握し、施策の充実に向けた検討に生かしていくことが重要でございます。
こうした認識の下、昨年度から、若年層及び子育て世代を対象として、結婚や子育て等に係る意識調査を実施しております。
○本橋委員 今ご答弁があったような意識調査によって得られた見解というものは、ある特定の施策に対するパブリックコメントによって得られる見解とはまた違った趣旨、性格のものが見受けられると思われます。
様々な不安を抱え、それなりに幅のある若年、子育て世代から集まってくるがゆえに、一つ一つの見解は重層的、複合的な要因、ニーズを含み、それらの解析にはさぞかし工夫と苦労があったと思われます。施策の充実を図る上で、都民ニーズや課題の解決は欠かすことができないものであります。
都の少子化対策は、望む人が子供を産み育てることができる社会の実現を基本スタンスとしているわけですけれども、今年度の意識調査からは、都民の希望と現実の間にどのくらいのギャップがあるのか、あったのか、また、その中で、見えてきた特徴的な要因などについてお伺いいたします。
○池上少子化対策担当部長 少子化の要因は、婚姻数の減少と夫婦が持つ子供の数の減少の二つに分解することができます。
都が今年度実施しました意識調査におきましては、結婚について、六割を超える未婚者が望んでいるものの、いずれ結婚できると考えている人の割合は、その半数の約三割にとどまっております。
いずれ結婚できると考える人の割合は、収入や雇用形態、恋愛経験の有無などにより大きく異なる傾向が見られ、様々な側面からの支援が必要であることが分かりました。
また、夫婦が持つ子供の数につきましては、理想の数が平均一・九人であるのに対し、予定の数は平均一・六人となっております。その差の理由として、これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから、子供を育てる自信がないから、自分の時間が取れないと思うからなど、育児の負担感に関する選択肢への回答割合が、特に女性で高くなっており、子育ての負担感が女性に大きく偏っていることが読み取れました。
○本橋委員 男性の私としては、ちょっと何といっていいか――これまでも都は、子供政策連携室が中心となって、ライフステージを通じて、少子化対策をシームレスに展開することで、結婚、出産、子育てなどへの不安の解消に努力してまいりました。
そこでの努力が実を結び、意識調査をはじめとする各種関連データの活用によって、都の少子化対策関連施策がなお一層実効性あるものになっていくことが望ましいということができます。
その意味では、都による、子育て世代などのニーズや抱える課題の把握、分析力が重要になってくると思われます。
そこで、都は、どこで誰がどのようなやり方で効果の検証をし、もって施策の展開に結びつけていくのかをお伺いいたします。
○池上少子化対策担当部長 意識調査は、民間事業者を活用し、四月から六月にかけ、インターネットアンケートやグループインタビューを実施し、その後、データ集計を行いました。
子供政策連携室におきまして、これらの集計データに加え、関連する国や都の統計データ等を収集し、有識者のご意見も伺いながら、エビデンスに基づく多面的な分析を実施いたしました。
分析の結果を踏まえまして、今後の政策検討課題を整理した上で、八月に少子化対策の推進に向けた論点整理二〇二五を取りまとめ、関係局に共有して議論を重ねているところでございまして、都民ニーズを踏まえた今後の施策展開につなげてまいります。
○本橋委員 今申されたような施策が展開されれば、都民の悩みやニーズに寄り添ったものとなるがゆえに、都民から大きな共感が寄せられていくものであると思います。
しかし、出産、子供、子育て分野の政策は幅が広く、シームレスに展開していくためには、たゆむことのない施策の検証が不可欠であります。
そこで、たゆむことのない政策のブラッシュアップには、そのよりどころとなる意識調査を継続的に実施するとともに、その内容自体もブラッシュアップしていく必要があると思うわけですけれども、都の見解をお伺いいたします。
○池上少子化対策担当部長 社会経済状況が刻々と変化する中で、都民の意識やニーズを的確に把握し、政策のバージョンアップに継続的につなげていくことが重要でございます。
このため、今年度の意識調査の結果や有識者からのご助言も踏まえながら、都民の意識やニーズを継続的に把握する手法の在り方について検討してまいります。
○本橋委員 結婚したい、子供を持ちたいと望みながら、不安や悩みを抱える都民に寄り添った支援や後押しをしていくことが欠かせません。
出会い、結婚、妊娠、出産、そして、子育て期の保育や教育、住宅など、都民のニーズは多岐にわたっております。都民の意識やニーズをしっかりと踏まえ、共感の得られる施策をさらにブラッシュアップしていくためにも、今後とも工夫を凝らしながら、継続的に意識調査を行うことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
次は、若者の海外留学支援について質疑させていただきます。
ここ最近、日本人の海外留学者数は回復基調にあるものの、コロナ禍前の水準には戻っておりません。外国の制度や学問、文化を貪欲に吸収したいという意欲ある若者よりも、内向き志向の若者が我が国では増えているとのことであります。
一面では、モラトリアムともいえる、学生、生徒という身分を最大限生かすとともに、若い頃にこそ世界を知り、自らの可能性を大きく広げ、世界に通用する人材に育ってもらいたいものであります。
その意味で、今日、若者に対する海外留学経験の機会を提供することは極めて重要であります。
まずは、都が実施、展開している若者への海外留学支援制度の種類、それらの概要、内容についてお伺いいたします。
○吉川若者政策連携推進担当部長 都におきましては、教育庁が都立高校生等を対象に実施する次世代リーダー育成道場や、都立大学が都立大生を対象に実施する海外留学支援など、各局等が様々な取組を行っております。
子供政策連携室では、大学生等向けの海外留学支援制度、東京グローバル・パスポートを所管しており、令和八年度の派遣開始に向け、令和七年度中に募集することを予定しております。
○本橋委員 若者向けの海外留学支援制度は、何も都道府県レベルだけで展開しているものでもございません。それらには、国レベルでも、例えば文部科学省が中心となって展開しているものも数多くあると聞いております。
そこで、国レベルの海外留学支援制度の種類、それらの概要、内容についてお伺いいたします。
○吉川若者政策連携推進担当部長 大学生等を対象とした海外留学支援制度としては、文部科学省や独立行政法人日本学生支援機構が、海外の大学に留学する学生等を対象として支援制度を設けております。
具体的には、官民協働で、大学生等の海外留学を支援するトビタテ!留学JAPANや、大学間の学生交流に関する協定等に基づく留学を対象として、留学費用の一部を支援するもの、学士の学位取得を目指し、海外の大学に留学する方を対象として奨学金を給付するものなどがございます。
○本橋委員 国のトビタテ!留学JAPANは、学生が自ら立案した諸外国などでの実践活動を含む留学を支援する制度であると聞いております。
都の海外留学支援制度、東京グローバル・パスポートについても、留学目的、目標に沿った探求活動が含まれる留学計画を学生自ら立案することが応募の要件とされており、この点に関していえば、両制度は類似したものということができます。
そこで、都制度と類似した制度である国のトビタテ!留学JAPANと都のものとの比較、相違点、特徴点についてお伺いいたします。
○吉川若者政策連携推進担当部長 トビタテ!留学JAPANは、将来自ら社会に変革を起こしていくグローバルリーダーとなり、日本の未来をつくる人材の育成を社会全体で強力に推進することを目的としております。
この制度の特徴としては、留学計画の要件を満たし、実践活動が含まれている計画であれば、幅広く対象となる点がある一方、留学期間が三か月以上の中長期の留学計画が推奨されている点や、月額で支給される奨学金に家計基準が設けられている点が挙げられます。
一方で、都の東京グローバル・パスポートは、海外留学の最初の一歩を踏み出すきっかけづくりをサポートすることを目的としており、大学生等のニーズを踏まえ、短期と中長期の二つのコースを設け、留学経験がない学生が挑戦しやすいよう、短期コースの募集枠を、国の類似制度と比べ手厚く設定しております。
また、本制度では所得制限を設けず、意欲ある大学生等を幅広くサポートすることとしており、授業料への支援は国を上回る単価を設定しております。
○本橋委員 我が会派はこれまで都に対して、都立高校生の海外派遣事業の拡大を求めてきました。都は令和五年度に、米国、フランス、UAEなどに派遣した経緯があるとのことであります。
都は、支援を判断するに際しては、派遣国、派遣先はどこかに注視、吟味するとともに、慎重な判断とアドバイスが必要であるわけでございます。紛争国はもちろんのことですが、政情が不安定な国とか、いわゆる反日が強い国とかに我が国の大事な若者を送るわけにはまいりません。
分かりやすい例として、あえて取り上げるとするならば、派遣国が中国である場合であります。平成元年六月四日、中国国内において天安門事件が発生してしまいました。我が国の中国現代史家の多くが、この事件は中国政府にとって、共産党体制の正当性を根底から揺るがす、甚大な危機ないし転換点だったと論評しています。
実際のところ、この事件直後、中国国内で展開され、我が国と関連する動きの一つが、いわゆる愛国主義教育でございます。
我が国を仮想敵国と位置づけた内容の教育が初等教育から高等教育に至るまで一貫して中国の児童生徒に刷り込まれたり、数年前は日本製品への不買運動や日本商店の打ち壊しが多発したりもしました。
こうして警戒しなければならないのは、外国に滞在している我が国の若者の生命と財産の確保であります。
実際のところ、例えば中国国内では、通学、通園途上の日本人の親子や児童生徒をあえて狙ったと思われる殺傷事件が発生したりもしております。
そこで、都は、海外留学に挑戦する若者の生命と財産の安全・安心に最大限配慮しなければならないと考えますが、いかがか、そして、この都の取組についてお伺いいたします。
○吉川若者政策連携推進担当部長 今般創設いたしました東京グローバル・パスポートでは、留学をする大学生等の安全を確保する観点から、受入れ機関の所在地が、外務省が発出する危険情報及び感染症危険情報のレベル2、不要不急の渡航はやめてください以上に該当する地域ではないことを留学計画の要件としております。
また、在籍大学等の要件として、留学中の派遣留学生に対する適切な危機管理体制を有することを定めており、在籍大学等には、文部科学省が定める大学における海外留学に関する危機管理ガイドラインチェックリストに基づき、学生の意識啓発や大学における危機管理体制の整備を求めているところでございます。
○本橋委員 ただいま具体例として、あえて挙げさせていただきましたが、中国では今年を抗日戦争勝利八十年として祝賀しており、かつ記念の軍事パレードまで行っておりました。
また、今年八十年に合わせて、中国国内では抗日戦争に関連した映画数本も上映され、かなりの観客動員数と興行収入があったと聞いております。
その意味では、中国国内にいる若者の境遇が心配でなりません。都の支援を受けて中国に渡った若者が、安全・安心に有意義な留学生活を送ることができるよう、関係機関とも連携して、危機管理に万全を期してほしいところでございます。
さて、令和七年第一回定例会での我が会派からの代表質問に対して、小池都知事は、来年度予算案に都独自の新たな海外留学支援を盛り込んでおります、若者のニーズを踏まえ、短期と中長期のコースを設け、増加傾向にある留学費用を都が支援することで、より多くの若者が海外留学の最初の一歩を踏み出すきっかけづくりをサポートしてまいりますと力強く答弁されたところであります。
現在、円安、物価高などの社会経済情勢も相まって、海外留学に要する費用は大幅に上昇しているとのことでございます。こうした金銭面の理由によって、貪欲でかつ能力のある若者の留学の機会が失われてはなりません。それは、ある意味では我が国の国益を損なう事態にもなります。
そこで、まず都は、若者たちのニーズも踏まえて、短期、長期などの期間はもちろんのこと、留学費用面も含めて、様々な観点でのバリエーション豊かな支援制度の構築をすべきと考えますが、いかがか、都の見解を伺います。
○吉川若者政策連携推進担当部長 東京グローバル・パスポートでは、大学生等のニーズを踏まえ、短期と中長期のコースを設けております。
このうち、夏休みなどの長期休暇中の活用を想定した短期コースにつきましては、募集枠を年間で五百名と、国の類似制度と比べ手厚く設定しております。
また、留学先の物価水準を考慮し、地域ごとにきめ細かく支援単価を設定しており、短期コースでは、留学先の地域を三つに区分し、それぞれの地域ごとに支援単価を設定いたしました。例えばアメリカ留学では、支援額を最も高い九十万円としており、本人の負担を大きく軽減するものとなっております。
また、本制度では所得制限を設けず、意欲ある大学生等を幅広くサポートいたします。
これらにより、これまで留学経験のない方を含め、より多くの大学生等が海外留学の最初の一歩を踏み出せるよう、強力に後押ししてまいります。
○本橋委員 都の海外留学支援を受けて、帰国してきた若者たちの海外での生活、学業などの体験談というものは、極めて価値ある情報源となります。この体験談を最大限生かして、今後の取組に生かしていくことが肝要であります。
そこで、都は、このような体験談をどのように収集し、どのような効果を狙い、どのように利活用していくのか、それぞれお伺いいたします。
○吉川若者政策連携推進担当部長 東京グローバル・パスポートでは、帰国後に留学報告書として体験談を収集するとともに、海外での活動内容や成果を同世代に対して発表する機会を創出するほか、ホームページやSNS等を活用して発信してまいります。
こうした取組により、大学生等の留学経験を広く共有し、海外留学に挑戦する学生の裾野を広げてまいります。
○本橋委員 私自身、まあ、実は若者向けの政経塾を切り盛りしていて感じることでありますけれども、海外留学に挑戦をしたいという若者は潜在的には大勢いらっしゃいます。そこから多くの若者が海外留学に挑戦しやすい制度を設計し、次の世代から次の世代へと、若者たちの挑戦とその結果の好循環を生み出すことを求めまして、次の質問に移らせていただきます。
次は、若者向けの奨学金返還に関する支援についてであります。
我が会派は昨年の十二月に、令和七年度予算重点要望の中に奨学金支援の制度創設を掲げまして、小池都知事に提案もいたしました。
また、我が会派は、令和七年第一回定例会代表質問において、特定分野に就職する若者の奨学金の返済を助成することの重要性を強く訴えました。
この代表質問に対して、小池都知事からは、来年度から、貸与型の奨学金を借りていた学生が、未来を担う子供たちを育てる都内の教員や、都市の強靱化に携わる技術系の公務員になった場合、都が本人に代わり奨学金を返還する支援を新たに行いますとの力強い答弁をいただきました。
まずは、一般論として、そもそも奨学金を借り受けた若者に対し、その返還ないし弁済にまつわる支援を行うメリットは何なのかを伺います。
○吉川若者政策連携推進担当部長 日本学生支援機構によりますと、奨学金返還支援制度は、貸与型の奨学金を受けていた従業員に代わって、企業等が奨学金の返還を行う制度であり、従業員には経済的な負担が軽減されるメリットが、企業等には若手人材へのアプローチや人材の定着で離職率が低減することで、人材の確保が期待できるといったメリットがあるとされております。
○本橋委員 そこで、このたび小池都知事の強いリーダーシップの下、都は新しい支援制度を創設するということであります。
現状、若者が奨学金を受け取る際に締結する契約内容には、その弁済、返済方法も含めて、様々なものがあるかと思います。
そこで、若者向けに現状どのような契約内容を持った奨学金支援制度があるのかを都は把握しているのか、それらにはどのようなものがあるのか、それぞれ伺いたいと思います。
○吉川若者政策連携推進担当部長 多くの学生が利用している日本学生支援機構が実施する奨学金制度には、返済が必要な貸与型の奨学金と、返済が不要な給付型の奨学金がございます。
このうち、貸与型につきましては、利子のつかない第一種奨学金と、利子のつく第二種奨学金がございます。
貸与型の返還方式につきましては、例えば第一種奨学金の場合、返還完了まで定額で返還する定額返還方式と、前年の所得に応じて毎月の返還額が決まる所得連動返還方式がございます。
○本橋委員 今、説明をいただいたように、若者が受け取っている奨学金に関する支給には、様々な形態、制度があるということでございます。
若者にとっては、自身の奨学金の返済という負担軽減に対応できる奨学金支援制度があることが望ましいことはいうまでもありません。
その一方で、小池都知事の答弁では、貸与型の奨学金を借りていた学生と、その支援対象を狭義、限定しているようでもあります。
そこで、都は、どのような対象に、どのような支援制度を創設したのか、その内容と効果、特徴について、それぞれお伺いいたします。
○吉川若者政策連携推進担当部長 都は今年度、東京の教育や都市の強靱化を支える人材を安定的に確保することを政策の目的として、奨学金返還支援制度を創設いたしました。
本制度は、奨学金を借りていた学生が、都内の教員や技術系の公務員になった場合に、返還総額三百万円を限度として、その半額を都が本人に代わって返還するものでございます。
本制度の具体的な負担軽減の効果といたしましては、例えば、日本学生支援機構における四年制無利子の大学生向け奨学金貸与スキームのうち、最も金額の大きい私立、自宅外の返済モデルによりますと、大学四年間で総額三百七万二千円を定額返還方式で借り入れた場合、返還年数は十八年となり、その返還額は月約一万四千円、年間約十七万一千円となります。
一方、都の奨学金返還支援制度を活用した場合、返還に係る本人負担額は月約二千円、年間約二万一千円にまで軽減されることとなります。
○本橋委員 我が国の政府は、平成二十年ですけれども、留学生三十万人計画を打ち出しまして、特にアジア諸国からの留学生を大規模に受け入れる方針を掲げたことは、記憶に新しいところであります。その理念は、人的交流を通じた相互理解の深化とのことでありました。
昨今、我が国の奨学金制度には不平等なところがあると指摘されてもおります。それは、外国人留学生の中で、特に博士課程の理系学生には年間三百万円近い給付型奨学金が支給されたりしているのに対して、日本人学生にはそうした機会が極めて限定的で、多くの奨学金は返還義務を伴う貸与型ローンだとの指摘であります。
これでは、多くの若者が中年期まで債務を抱えたまま、手取り二十万円ほどの給与で社会に出ざるを得ず、結婚、出産、マイホーム購入といった人生設計すらままならないということができます。
このような制度的不均衡が放置されるならば、我が国の若者の活力がそがれるとともに、少子高齢化という、都にとっても最重要課題の解決も遠のいてしまいます。
まずは、そもそも国がこうした制度的不均衡の是正解消に努めるべきであることをこの場で申し述べまして、次の質問に移らせていただきます。
次は、保育料の無償化をはじめとする、子育てに関わる負担軽減策についてであります。
小池都知事は、令和六年のご自身の都知事選挙の公約で、保育料の第一子からの無償化を掲げました。都知事選を現場で指揮していた私自身、小池都知事の意気込みをまさにもろに直に感じ取ったのはもちろん、子育てを社会全体で進めるチルドレンファーストの社会の実現のために避けては通れない政策の一丁目一番地であると推察した記憶がございます。
この施策は、都民から大きな期待と反響を呼び、子育て支援の充実強化の取組の中で象徴的な輝きを放っております。
保育の第一子無償化をはじめ、〇一八サポート、とうきょうママパパ応援事業など、東京ならではの子育て支援策が小池都政下において充実強化されてまいりました。
子育て世帯の約九割が東京は子育てしやすいと実感しているというデータもあり、まさに東京の多くの子育て世帯から喜びの声が上がっていると感じ取っています。
そこで、東京が全国を牽引し、これからもこうした歩みを止めることなく、子供子育て政策のバージョンアップに不断に取り組んでいく必要があると考えますが、いかがか、都の基本スタンスについて伺います。
○山本企画調整部長 子供の健やかな育ちを支えるために、妊娠、出産から乳幼児期、学齢期、青年期まで、ライフステージを通じた切れ目ない支援の充実が重要でございます。
このため、とうきょうママパパ応援事業や東京都出産・子育て応援事業、保育料等の無償化など、子育て世帯の家事育児の負担軽減等に向けた取組を推進しております。
また、学校給食費の負担軽減、高等学校等授業料の実質無償化など、子供の健全な育ちを支える重要な基盤である教育に関わる家計負担の軽減等を図ってございます。
今後とも、子育て家庭のニーズを的確に捉えたサービスの充実など、子供の健やかな育ちを支える環境づくりを各局と連携して推進してまいります。
○本橋委員 ただいまやり取りした中で出てきた保育料の無償化政策などによりまして、確かに金銭面での負担は軽減されていくかと思われます。
しかし、その一方で、子育て家庭の漠然とした不安や悩みの解消に向けた精神面での支援は依然として大事であります。ここをおろそかにしてしまいますと、例えば児童虐待、ネグレクトなど数多くの課題が生じてしまいかねません。
この点に関して、都は、ファミリー・アテンダント事業を展開しているとのことであります。
そこで、まずはファミリー・アテンダント事業を実施した背景や意義、目的、趣旨について、それぞれお伺いいたします。
○山本企画調整部長 文部科学省が毎年度実施している調査によりますと、七割の保護者が子育てをしている中で悩みや不安を感じていることが明らかになってございます。
コロナ禍の影響や核家族化の進展等により、子育て家庭の感じる孤独や不安が増す中で、子育て家庭とつながり、日常的な不安や悩みに寄り添い、支援していくことは重要でございます。
そこで、子育て家庭へのきめ細かな見守りを実現するため、定期訪問等による見守りと傾聴、協働による伴走支援の二つの訪問型支援を事業の柱とし、地域の支援体制構築を後押しする補助事業として、ファミリー・アテンダント事業を実施してございます。
○本橋委員 家族の核家族化や地域での孤立化が進むなどして、今日の子育て家庭を取り巻く課題は複雑化しております。児童虐待やヤングケアラー、不登校やひきこもりなど、迅速に解決しなければならない課題が山積しております。特に、ゼロ歳児のいらっしゃるご家庭の場合の産後鬱発症のリスクはかなり高いことが分かってもおります。
そこで、本事業では主にどのような世帯を対象として定期訪問し、どれだけの訪問を実施したのか、また、子育て家庭からはどのような声が寄せられているのか、昨年度と今年度の実施状況と併せてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 本事業は昨年度六区市で実施し、合計八万九千四十一件の定期訪問を行いました。また、今年度は、十月末時点におきまして八区市で実施をしてございます。
定期訪問等による見守りは、特に不安が生じやすいゼロ歳児家庭を中心としてございまして、具体的な訪問世帯は、区市町村が地域の実情に応じて設定することとしてございます。
実施自治体の利用者からは、平日は一人で育児をしていて話す相手がいないので、五分程度でも話すことができて、気持ちが軽くなりました、あるいは、育児について質問して、アドバイスをもらえたりと、心の支えになりましたなど、本事業に対する評価の声をいただいてございます。
○本橋委員 もろもろ出てきました山積する課題について、本事業によりまして、支援を必要とする子育て家庭に必要とされる支援が着実につながることが重要であります。
そこで、こうした手厚いサポートの提供を実施、展開するための都の取組、工夫などについてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 子育て家庭に対して、きめ細かな訪問型の支援を行うためには、地域の支援体制の構築や運営に関わる経費などの財政負担が大きいため、都は補助率を十分の十といたしまして、区市町村を財政面から強力に支援をしてございます。
昨年度は補助制度の改善を図り、年間の訪問回数や対象人口に応じた区分の設定により、人口規模が小さくコストが割高になりやすい自治体でも参画しやすい単価設定に見直すほか、地域の支援団体との連携手法について、補助要件を緩和し、自治体が行う委託事業や補助事業など、多様な取組への支援を強化いたしました。
さらに、今年度新たに事業を実施する自治体がより実効性の高い支援の仕組みを構築できるよう、他自治体の取組事例や担当者の声などを取りまとめ、共有してございます。
○本橋委員 そうした中で、子育て家庭からの本事業への相談というものは、その多くが秘密性、秘匿性が強く求められるものが多いと思われます。
そこから、本事業における相談者、相談内容などの個人情報が漏えいしてはたまったものではございませんし、ある意味、本制度の存続問題にもなってしまいかねません。
そこで、この点に関しては、相談者が安心して相談できる仕組みづくりが必要と考えますが、いかがでしょうか。都の見解と取組をお伺いいたします。
○山本企画調整部長 本事業では、子育て家庭が安心して利用できるよう、東京都が実施自治体と連携して、訪問支援員等の研修を実施しております。
研修では、訪問時の対応や記録の取り方、個人情報の組織的な管理などの基礎知識の習得に加え、接遇や傾聴の手法など、実践的なトレーニングをロールプレーイング形式によって行ってございます。
この研修は、これまで原則として集合形式で行ってございましたが、今年度から、基礎知識の習得につきましてはeラーニング形式とし、より多くの訪問支援員が参加できるよう工夫を図ってございます。
○本橋委員 ただいまこうしてファミリー・アテンダント事業を取り上げて、質疑してまいりましたけれども、これ以外にも様々、子育て家庭の不安や悩みに対する支援策はあるかと思います。
ぜひ創意工夫をお願いしたいのと、また、ちなみに、私の地元の豊島区にはファミリー・サポート・センターがありまして、これはどこの自治体にもあるかと思うんですけれども、その会員さんたちが本当に一生懸命子育て家庭を支援してくれているわけであります。
子育て家庭の孤独、孤立による不安、悩みを予防、解消すべく、引き続き、様々な施策を企画立案していただくことを強く要望いたしまして、次に、質問といたしましては最後のものに移らせていただきます。
それは、シェアレンティングについてであります。
私自身、若者向けに政治経済塾を主催しているわけですけれども、ともに研修活動を展開しているわけでございます。
ここ最近の若者からは、研修活動記録、特に写真や動画などをSNSなどで使用する前に必ず許可ないし同意を得てほしい旨の、ある意味、確約を求めんがばかりの要望を受けたりします。
また、令和七年九月、メルカリは、胎児の超音波写真を出品禁止物に指定しました。子供、若者どころか、いまだ生まれていない子供の医療情報の商品化は不適切きわまりない出品だとの苦情が多く寄せられたそうであります。
確かに私からすれば、当該若者のガクチカ――学生時代に力を入れた活動ということを略すらしいんですけれども、ガクチカに生かせればよいとか、親からすれば、我が子の成長記録の一ページにしたいとか、ある意味、単純な善意や無邪気な思い入れがそこにはあるわけでございます。
しかし、一方で、それらが、胎児はもちろんのこと、被写体の意思とは無関係に、いわゆるデジタルタトゥーとしてネット上に半永久的に残ってしまうとき、それはゆゆしき問題を生じさせてしまいます。
欧州では、大人たち、特に親が子供の生活をオンラインに公開する行為をシェアレンティングと称して、問題視されておりまして、その対策が今、急がれているとのことであります。
国際的なオンライン調査会社のYouGovが二〇一九年に、本社のあるイギリスの八歳から十五歳の子供八百六十三人を対象にしまして、子供の同意なき写真投稿にまつわる調査を行ったとのことであります。
その結果ですけれども、仄聞するところによりますと、親が自分の写真を投稿する際に常に許可を取っているとの回答はたったの一三%、また、親の投稿を許可制にしてほしいとの回答が五〇%近いとのことでありました。
都においては、東京都こども基本条例が令和三年四月一日から施行されています。そこでは、子供の最善の利益を図るといった観点から、子供の安全・安心、意見表明、権利擁護などが規定されているわけであります。
そこでまず、シェアレンティングに関して、東京都こども基本条例に照らし、どのように考えるか、都の認識についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 東京都こども基本条例では、第三条において基本理念を定めており、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先とすることで、全ての子供が今と将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに育っていけるよう、社会全体で子供を育む環境を整備していかなければならないとしております。
この基本理念を踏まえれば、子供に関わる様々な問題について、子供の最善の利益を最優先として考える必要があると認識してございます。
○本橋委員 今取り上げている論点は、各ご家庭や親子間に関わるデリケートな問題、課題であります。
まずは実態の把握が不可欠であり、そのための調査を実施し、かつ精緻なデータを収集、分析する必要があると思われます。
我が国での現状はというと、各都道府県の動向はともかく、全国規模での信頼できる実態調査すら行われていないようであります。
そこで、都としては、まずはシェアレンティングに関する実情について、データの収集や分析を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。都の見解を伺います。
○山本企画調整部長 都は、年代別に公募いたしました一千二百人のこども都庁モニターに対しまして、各局施策に関するアンケートを実施してございます。
本アンケートを活用し、今後、子供の写真等をSNSに投稿することのリスクに対する認知度など、実情の把握に取り組んでまいります。
○本橋委員 海外では、フランスの子供肖像権法、イギリスの年齢適正デザインコードやオンライン安全法、ドイツの自己画像権など、法的な対策が進みつつございます。
これら諸外国と比べた場合、明らかに我が国の対策は遅れているということがあります。子供の同意なき親の投稿などで、子供の将来を萎縮させたものにしてはなりません。
その意味で、この論点は、社会全体で子供の最善の利益をいかにして守るかを考える、重要な課題の一つであると私は思います。
子供たちという次世代の主役を守るため、国をリードする意味でも、都としてこの問題に向き合い、対応をぜひとも考えていただきたいと思います。
以上、これまで、子供政策、少子化対策、若者施策など、多岐にわたる論点について質疑を行ってまいりました。
小池都政の政策の大きな軸として、人が輝く東京があります。都がなすべきビジョンとして、誰もが将来の夢や希望をかなえ、もっと一人一人が輝く東京を実現することが掲げられているわけであります。
子供政策連携室は、チルドレンファーストという視点から、人が輝く東京を実践するミッションを担う組織であると私は認識しております。東京のチルドレンファースト施策は、都の政策の先進性を象徴するものであります。そして、チルドレンファースト施策を牽引してきたのが子供政策連携室であります。
この間、子供政策連携室は、ゼロベースのところから、様々な具体的施策を打ち出してまいりました。本日、私が質疑で取り上げたすくわくプログラム、ファミリー・アテンダント、海外留学支援など、いずれもこれまでの延長線上にはない、都民ファーストの視点に立った斬新な取組でございます。
そして、今まさに、国では高校授業料の無償化や給食費の無償化に向けて議論されていますが、こうしたチルドレンファースト施策は、常に都が国をリードしているといっても過言ではございません。
子供政策連携室は、組織の縦割りを廃して、チルドレンファースト、都民ファーストを軸に据え、今後とも、子供や子育て家庭、若者に喜ばれる施策、都民の不安を安心に変える施策に果敢にチャレンジしてほしいと思っております。
そこで、最後に、田中愛子室長の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○田中子供政策連携室長 令和四年四月に子供政策連携室が発足して、今年度で四年目を迎えます。室発足後、一年目にまかれた子供政策の種が二年目に芽吹き、昨年度から今年度にかけましては、具体的な施策として結実し、実践フェーズに移っています。
例えば、幼保共通のプログラム、とうきょうすくわくプログラムは、都内全域で展開され、今年度は、昨年度の二倍となります二千七百五十園で実践を見込んでおります。
また、子供の声を聞き、政策に反映する取組につきましても、子供政策連携室が率先して実践する中、庁内各局にもこうした取組が着実に広がりつつあります。
さらに、望む人が安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けまして、ライフステージに応じて、シームレスに結婚、子育て支援を行うため、庁内各局と連携しながら、少子化対策のバージョンアップを図っております。
加えまして、今年度からは、思春期の子供から成人への移行期に当たる年代を対象とした、既存の枠組みに収まらない新たな重要施策の企画立案及び連携推進につきましても、子供政策連携室が担っておりまして、大学生等向けの海外留学支援制度を立ち上げたところでございます。
子供や子育て家庭、若者を取り巻く課題は複雑化、複合化しておりまして、先生のおっしゃるとおり、何か一つ手だてを講じれば解決するものではございません。
子供政策連携室は、今後とも当事者目線、ユーザー目線を徹底し、従来の延長線上にとどまることなく、新たな政策課題に果敢にチャレンジすることで、都民一人一人のウエルビーイングの向上を図っていく所存でございます。
○本橋委員 これからも子供政策連携室が繰り出す各種施策によって、子供、若者を育てるのなら東京都と、そう多くの人にいわれることを願って、私の質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。
○福島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時二十八分休憩
午後三時四十五分開議
○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○笹岡委員 立憲ミネ無の笹岡ゆうこです。よろしくお願いいたします。
まず、子供政策連携室は、チルドレンファーストの東京の実現のために、子供の視点を大切にしながら、各局を横断し、調整を行われています。
チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針二〇二五を読んでも、子供を育てる親の目線としても、時代に合ったどれも必要不可欠なテーマにしっかりと切り込んでいると感じました。庁内横断的に子供の視点と政策を広げていくという取組は、一定の成果を上げられています。
この間、子供政策連携室の創設の経緯においても、我々の会派も含めて、都議会も大きな役割を果たしたと存じております。
しかしながら、私は、子供政策連携室がなぜ局ではなく室なのかという疑問が拭えません。子供を取り巻く課題は、保育、教育、保健、医療、療育、福祉など、複数の局にまたがっています。だからこそ、二〇二三年、国においては、子供真ん中社会の司令塔として、こども家庭庁が発足いたしました。一方で、東京都は連携体制で対応しています。
私は、子供政策連携室は局に格上げをした上で、これまでの連携を生かした司令塔機能や政策実現体制の一層の強化が必要ではないかと考えますし、それができると考えております。そのようなことを意見として冒頭に申し上げて、以下、質問させていただきます。
子供政策推進に当たっては、他局との連携が必要ですが、どのような工夫をされているのか伺います。
○山本総合推進部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 子供政策連携室は、子供の意見やエビデンス等を反映した政策の企画立案機能及び総合調整機能の役割を担っております。
夏には、子供政策強化の方針と少子化対策の論点整理を作成いたしまして、子供政策の課題と今後の政策強化の方向を示すとともに、少子化対策の幅広い分野における次年度予算の政策検討の課題を整理しております。
また、次年度予算案の公表時期には、こども未来アクションや東京都の少子化対策を取りまとめまして、知事が出席する子供政策総合推進本部におきまして庁内各局と共有することで、全庁的な取組の推進につなげております。
○笹岡委員 ありがとうございます。子供政策強化の方針等々も、また、新しいリーディングプロジェクトの着眼点をはじめ、とてもよいものだと思っています。
参考までに、こども家庭庁の基本方針においては、子供政策に関し、各省庁の間で抜け落ちることのないよう必要な取組を行うとともに、新規の政策課題に取り組むとあります。
子供を取り巻く課題は一体性とスピード感が求められています。予算も拡充した上で、子供室として独自事業をもっと増やすべきだと考えていますが、見解を伺います。
○山本総合推進部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 子供を取り巻く環境や直面する課題は複雑化、複合化しておりまして、都は関係局から成る推進チームの下、リーディングプロジェクトとして、組織横断で取り組んでおります。
これまでの取組により、着実な実施段階に至ったプロジェクトを再構築するとともに、思春期のメンタルヘルス増進をはじめ、三つの新たなプロジェクトを組成することとしております。
また、若年層に向けた少子化対策に関する戦略的な情報発信や、大学生等に向けた都独自の留学支援を実施するなど、新たな重要施策にも取り組んでおります。
○笹岡委員 ありがとうございます。様々挑戦的な取組をされていることが分かります。
しかし、依然として縦割りの課題や、その中での予算の配分、各局間での優先順位の違いや取組の濃淡や温度差は生まれるのではないでしょうか。室ではなく、局にすべきではないのか、その上でチルドレンファーストの都政運営を一層推進できるのではないか、こちらは重ねて私の意見として申し上げておきます。
次に、こどもスマイルムーブメントについて伺います。
こどもスマイルムーブメントは、子供と保護者、市区町村、民間企業などを巻き込んで、子供の笑顔を育むために事業を展開していると認識しておりますが、その取組状況を伺います。
○臼井プロジェクト推進担当部長 こどもスマイルムーブメントでは、現在、二千百を超える企業、団体が参画をしておりまして、各主体の特性や強みを生かしたアクションにより、社会全体で子供を大切にする機運を醸成することを目指しております。
例えば、夏季休業期間中に子供が楽しめるよう、都や市区町村、企業、NPO団体によるイベント等を紹介するなど、官民一体となって、様々な取組を展開しております。
○笹岡委員 ありがとうございます。今年度、こどもスマイルムーブメントの取組として、新たに中高生の職業体験の取組であるJob EXを開始したと伺っています。中高生が多様な体験ができるように、様々な業種の企業や団体と連携してほしいと考えています。
例えば、子供と福祉、子供と農業の連携について、現状と今後の展望について伺います。
○臼井プロジェクト推進担当部長 本年七月から八月まで、夏季休業期間中に実施いたしましたJob EXでは、大企業からスタートアップまで、幅広い企業、団体が中高生を受け入れており、例えば、高齢者介護施設を運営する社会福祉法人や農林水産業の振興を図る政策連携団体などが、職業体験プログラムを提供いたしました。
引き続き、子供が将来の進路選択に生かすことができるよう、多様な職業体験の機会を創出してまいります。
○笹岡委員 ありがとうございます。このJob EXについては、武蔵野市においてもコミュニティセンターで取り組まれるなど、様々なところで波及効果があるなというふうに思っておりました。
子供と農業、子供と福祉のつながりというのを私は注目しておりまして、大人になるまでに大切にしてほしいことだと思っています。
今後は、イベント参加や登録にとどまることなく、様々なテーマに結びつけることで、自治体、地域、子供の育ち、様々な枠組みにおいて展開して、東京全体で子供を大切にする実感が一人一人に届くようにお願いしたいと思います。
次に、少子化対策について伺います。
少子化については、私は、日本の社会の構造的な問題である長時間労働というのが非常に課題だと考えています。国際的に比較しても、日本における、特に男性の長時間労働は突出しています。
私も三年間海外に行ってまいりましたが、本当に働き方が違って、衝撃を受けました。これでは、子育てや家事、介護に関わる時間も捻出することができず、職場を離れられない長時間労働の文化こそ、そろそろ本格的に改善する必要があるのではないでしょうか。ここがまだまだ、いまいち伝わっていない、弱いと思っています。
育業や介護休暇などももちろん大切ですが、根幹の問題を改善せずに、期間限定の取組だけでは、どうやっても少子化に対する、また、働き方に対する抜本的な改善は難しいと考えています。
男女問わず、働く世代に時間的、金銭的余白がない中で、子供が増えるなんてことはあるんでしょうか。少子化対策については、この長時間労働の様々な課題について、様々な計画へ記載の上、都として旗振りをすべきだと考えておりますが、見解を伺います。
○池上少子化対策担当部長 都は、少子化対策の推進に向けた論点整理二〇二五におきまして、就労、職場環境に関する都民の意識と実態について、エビデンスに基づき、丁寧に分析を行ってございます。
具体的には、男女とも、理想のライフコースとして、結婚し、子供を持つが、仕事も続ける両立コースが最も多いという意識調査の結果を掲載しております。また、育児のための各制度の利用状況に男女差があることや、日本の男性は国際的に見て長時間労働の割合が高いこと、また、家事育児の負担が女性に偏っていることなどを示すエビデンスを掲載してございます。
こうしたデータやエビデンスを踏まえ、男女ともに子育てと仕事を両立し、ポジティブに働き続けられる環境を整備していくことを、就労環境、職場環境に係る政策検討課題として掲げており、関係局と連携しながら、多角的に検討してまいります。
○笹岡委員 ありがとうございます。論点整理二〇二五、おっしゃるとおり大変丁寧に分析されていました。自分らしくポジティブに働き続けられる環境整備をするとのこと、とても大切だと思います。
いま一度、長時間労働に着目していただきたいと思います。多くのリーディングカンパニーが集まる東京都において、都が改めて旗振り役をすることは極めて大切なことだと考えています。
次に、三C補助金、補助事業について伺います。
三C補助金、補助事業については、既存の枠組みにとらわれない、先駆的、分野横断的な取組で、ChildrenとChojuとCommunity、この三つのCに関わる事業が補助対象になっています。
三Cについては、今後も都内全域に広げるとのことですが、今後、未実施自治体へどのように展開していくのか、また、制度開始から五年がたち、先駆的な取組自体も一定程度網羅されたのではないかと考えます。採択率も上げていくべきではないかと思いますが、見解を伺います。
○山本企画調整部長 未実施自治体に対しましては、検討段階から事業化に向けた伴走支援に取り組み、既実施自治体の好事例も紹介しながら、きめ細かく相談に乗ることにより、三C補助の活用を後押ししてございます。
また、採択は、分野横断性や先駆性を審査の上、予算の範囲内で行っておるところでございます。
○笹岡委員 ありがとうございます。予算の範囲内でということですので、不採択が多いのであれば、予算を拡充してください。
そもそも基盤整備に伴う事業は、Childrenが補助上限五千万円、Chojuが一億円です。ジャンルや年齢層などの違いはあれど、実際の基盤整備に係る費用にそこまで差があるとは考えにくく、補助上限の在り方自体も見直すべきではないかと指摘しておきます。
この三Cの趣旨は非常にいいと思いますので、この趣旨を生かすためにも、自治体が一層活用できるように、柔軟で実効性のある制度へと改善するように検討をお願いいたします。
次に、東京都こども基本条例と子供の権利について伺います。
この条例は、子どもの権利条約の精神にのっとり、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先とするものです。これまで、子供自身への啓発や教育現場、市区町村での取組は一定程度進んできていると認識しています。
これはちょうど十一月十五日付の武蔵野市の市報が昨日入っておりまして、トップの画面に、子どもの権利が尊重されるまちを目指してということで、マスコットキャラクターのミミワンというのがついて、取組を進めていますというのが、ちょうど十一月十五日付の市報のトップになっています。
このマスコットキャラクターについては、五百十三件、子供たちから投票があり、この名前のミミワンについては、百五十五件の応募の中から、十歳前後、九歳から十一歳の子供がつけたミミワンというものが採用されました。由来は犬がワンワンといっていて、大きな耳を持ち、子供たちの話を聞いてくれるからだそうです。
子供の権利擁護についても、子どもの権利擁護センターの名前はまもルームと決めて、これも子供たちが決めたものです。子供の権利擁護の取組も広がっていると思っています。
一方で、私も含む多くの大人は、子供の権利という概念に触れずに育った層も多くて、条例施行から時間はたちましたが、社会の共通認識として十分に定着しているとはいい切れません。子供の啓発は進んでいると思いますが、大人への啓発について、現状と今後の展望を伺います。
○山本企画調整部長 広く都民へ条例の基本理念の普及啓発を図るため、条例ハンドブックや条例解説動画などのコンテンツを活用して、出前講座やSNS等を通じた広報を行ってございます。
具体的には、教員や民生委員等、日常的に子供と接する大人に対して出前講座を実施しております。
また、SNS広告等を通じた戦略的な広報を展開しており、大人向けの条例解説動画は約四十九万回視聴されております。
今後とも、子供の権利に関する都民の理解の促進をしてまいります。
○笹岡委員 ありがとうございます。約四十九万回視聴というのは、思ったよりも、想定よりも多いんじゃないかなというふうに感じました。
子供の権利について、大人がそれを阻むことのないように、子供の意見表明権もこれまで以上に大切にしながら、子供が生きやすく、自分を大切にできる東京の実現を進めていただきたいと考えています。
最後に、ポータルサイト、TOKYO多様な学びの場・居場所ナビについて伺います。
先ほどもご質問がありましたが、少し違った視点ですので質問させていただきます。
この居場所ナビについては、官民問わず、幅広い地域の様々な支援一覧を整えられたのは、市区町村ではなかなか難しく、都としての取組があってのことだと考えます。
この居場所ナビの構築に当たり、どのような工夫をされてきたのか、また、今後の展望について伺います。
○山本企画調整部長 TOKYO多様な学びの場・居場所ナビでは、庁内各局だけでなく、市区町村やフリースクール等から幅広く協力を得て、不安や悩みを抱える保護者が、子供の状況に応じた相談先や各種支援策を見つけることができるよう、公的支援や民間支援の情報を一元的に掲載いたしました。
今後、ポータルサイトに掲載する公的支援や民間支援の情報は、随時充実を図ってまいります。このため、市区町村やフリースクール等に対して、定期的に掲載情報の更新を依頼するとともに、新たな掲載希望にも対応してまいります。
○笹岡委員 ありがとうございます。この居場所ナビについては、私、非常に高く評価しております。不登校の子供たちを支えるには、公があらゆる選択肢を用意しつつ、公と民間の垣根を越えて、子供が安心できる居場所を見つけることが何より大切だと思っています。
しかし、これまでは、それらの情報を一元化する難しさ、そして、一元化したものがあったとしても、市区町村が保護者に知らせるタイミングの難しさ、そして、学校復帰よりも民間を紹介していいのかなど、大きな壁があったと感じています。
結果として、多くの保護者は孤立感を募らせながら、時には仕事を減らしたり、転職や休職をしたりしながら、不登校の子供に対応していました。子供は一日一日たつごとに不安や焦りも大きくしていきました。子供の学ぶ権利も危ぶまれる、そんな現実があったと思っています。
今回、居場所ナビが誕生したことは大きな一歩だと思います。必要な人に届くように、この一歩を次の前進に進めて、つなげていただきたいとお願いいたしまして、私からの質疑を終わります。
○早坂委員 まず、子供の暑さ対策について伺います。
今年の夏は、東京都心では三十五度以上の猛暑日が二十九日と、過去最多記録を更新し、また、熱中症警戒アラートの発令回数も四十回に上るなど、歴史的な暑い夏となりました。
暑さにより、外出やスポーツ、外遊びなど、子供の様々な体験機会が失われているという問題提起を、さきの第三回定例会において我が党が行いました。
これに対し、東京都からは、熱中症予防のポイント等の情報発信などを通じた、安全で安心な子供の体験活動のサポートを行う旨の答弁がありました。
熱中症警戒アラートが発令された日に、スポーツ施設などの利用が制限されるといった基準がある場合、そもそも子供のスポーツ体験機会が失われることになります。
また、利用が制限されなくても、例えば少年野球などをグラウンドで行う際には、そのグラウンドの持ち主である行政から、子供たちに暑さ対策を徹底してくださいということをいわれます。現場での対策の内容は、少年野球連盟あるいはチームなどに一〇〇%任されています。
そこで、ミストを導入しようと考えると、グラウンド内には電源や水源が整備されておらず、したがって、簡易型のものを持ってこざるを得ません。また、お昼、正午を挟んで二、三時間の一番暑い時間の活動は控えるという動きが我が杉並区でもありますが、その待ち時間に時間を過ごす涼しい場所がないという事例もあります。
かつて肢体不自由児の親御さんからご相談をいただきましたが、スクールバスを待っているときに外が暑くてたまらないから木を植えてほしいということを、たしか十年ほど前にいわれたことがあります。
バスのために、お子さんのために木を植えるのはというふうに十年ほど前には考えましたが、今日的にいえば、オリンピックを経て、樹冠拡大といいまして、樹木の樹に冠の冠、これを拡大する、要するに木をこんもりと育てて、そこに日陰をつくるというのが今日の暑さ対策の一つであります。そのとき私はちゃんと受け止められなかったことを今恥じておりますが、そうした暑さ対策もあります。
また、昨今では、学校の水泳の授業が暑過ぎて行われないということもあるようであります。プールに入るから、涼しくていいでしょうということではなくて、あまりにも暑いと水泳の授業は行わないということになります。
さきの参議院選挙で、元オリンピックの水泳の金メダリストだった鈴木大地さんからいろいろお話を伺いましたが、そうしたこともあって、またプールの維持ということに関しては、大変お金もかかるということで、水泳の授業をやめてしまえという議論もあるんだというふうに鈴木大地さんから伺いました。
鈴木大地さんはもちろん水泳選手でありますので、水泳をいかにしてやるかということの議論をされていたわけですけれども、何も真夏の暑いときにプールに入らなくても、区内に例えば民間のプールを一つ、二つあれば、そこに次々と一年中、スクールバスを使ってそこに行くようにすれば、平準化することで、水泳の機会がもしかしたら保たれるのかもしれない、そんな議論もされていたことを思い出します。
学校での暑さ対策は教育庁、温暖化対策は環境局など、様々な部局で暑さ対策の取組が進められていますけれども、子供の暑さ対策という観点からすれば、子供政策連携室が推進役を担うべきだというふうに考えます。
子供が利用する公園や校庭などの利用制限など、この夏の暑さが具体的にどのような影響を及ぼしたのか、その実態についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 都は、全区市町村に対し、学校の校庭やプール、公園、スポーツ施設など、子供が利用する公立施設について、暑さを理由とする利用制限基準を設定しているか等の状況把握を行いました。
この結果、四十一の自治体におきまして、熱中症警戒アラートの発令や暑さ指数三十一以上などを基準とする利用制限基準を設けているとの回答がございました。
一般的に夏休み期間とされております七月十九日から八月三十一日までの四十四日間におきまして、猛暑日、熱中症警戒アラートの発令、暑さ指数三十一以上のいずれかに該当した日は三十五日あり、多くの自治体で、施設の利用制限による子供の遊びの機会が失われたものと認識してございます。
○早坂委員 四十一の自治体で、施設の利用制限の基準が設けられているということでありました。
私が子供の頃は、随分、はるか昔でありますが、夏休みにはプール開放といって、学校のプールで遊ぶということがありましたけれども、昨今の暑さでは、先ほどの施設の利用制限もあり、学校のプール開放というのは、恐らくほとんど行われていないのではないかなというふうに思います。
極端な暑さの中で子供が遊んだり、スポーツを行うことは危険なので、そうした制限はやむを得ないことだろうと思います。
一方で、基準に達しない中でも、子供が安全に活動できるよう、暑さ対策を進める必要があります。ただ、こうした取組は、遊び場の運営団体など現場任せになっているのが実情だというのは、先ほど申し上げたとおりであります。
そこで、現場の団体などがどのような暑さ対策を講じているのか、また、暑さ対策を講じる上で、どのようなことを課題と考えているのかお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 プレーパークの運営団体に聞き取りを行いましたところ、運営団体自らの判断で、プレーパークそのものの開催中止や一部企画の中止、時間短縮を行ったケースなどがございました。
また、ミストや日よけの設置を行うとともに、川遊びや水遊びを企画に取り入れるなど、様々な工夫が行われてございます。
一方で、独自に暑さ対策を行う場合、追加的な運営経費の負担が生じることや、暑さ対策に資する空調つきの休憩室等が必要であることなどの声がございました。
○早坂委員 現場にスタッフを配置しているプレーパーク運営団体が様々な工夫によって、暑い中でも何とか子供の遊び場を、遊びの機会を提供しているということが分かりました。他方で、追加で負担が生じるという課題を抱えた運営団体もあるということであります。
今はスタッフがいるプレーパークの話ですが、ほとんどの公園にはスタッフがいません。夏の遊具、滑り台とかブランコとかが灼熱の中で猛烈に照らされて、ちょっと触れただけでやけどしそうな状況になっていることも、いわれてみれば、そのとおりであります。
先ほど樹冠拡大というお話を申し上げましたが、そういった遊具が日陰になっていれば、そういったやけども防げる、もしかしたら遊べることになるかもしれません。
子供は身近な地域で様々な体験を積み重ねていくことが重要であり、その機会が暑さによって失われることがないよう、行政は配慮すべきと考えます。東京都のご見解を伺います。
○山本企画調整部長 子供は遊びを通じて、友達同士で関わりながら、様々な挑戦を経験することにより、実社会で生きる力を育んでまいります。
このため、夏の暑さが深刻化する中にあっても、子供が遊びの機会を十分に確保できるよう、今夏、この夏の子供の遊び場での実情などを踏まえ、効果的な対応を図ることが必要と考えてございます。
○早坂委員 現場の団体や区市町村としっかり連携して、東京都が子供の遊びにおける暑さ対策を、遊びに限りませんが、暑さ対策を進めていただきたいと思います。
次に、学校の居心地向上についてお伺いをいたします。
先月、東京都教育委員会が発表した令和六年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によると、いじめの認知件数や暴力行為の発生件数は依然として増加傾向にあります。
また、不登校の児童生徒数についても、中学校では減少に転じたものの、小学校や高等学校ではいまだに増加し続けており、引き続き実効性の高い対策が求められています。
令和六年第一回定例会代表質問において、我が党は、いじめや不登校など、学校で起きる様々な課題について、問題発生後の事後的な対応に加えて、予防的な視点に立った取組の重要性を訴えてまいりました。
私自身も昨年、令和六年の事務事業質疑において、実効性の高い東京モデルの構築に向けた取組を進めるべきと提案をしてまいったところであります。
こうした提案を受け、東京都は、学校の居心地向上検証プロジェクトを進めています。その内容は、学校風土の改善を通じて、子供が直面する様々な問題の発生を未然に防ぐ仕組みの構築であります。
本事業では、昨年度、都立小台橋高等学校と都立立川国際中等教育学校の二校で取組を開始し、今年度はさらに学校数を増やして取組を進めていると伺っています。
そこで、これまでの取組の効果と今年度取組を開始した学校の現在の取組状況についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 昨年度、学校の居心地向上検証プロジェクトの取組を開始した都立小台橋高等学校では、生徒同士が気軽に交流できる居場所を創出するなど、生徒自らの発案による活動を展開しております。定期的に実施しているアンケート調査におきまして、生徒が感じている居心地が着実に向上いたしました。
今年度は、都や区市の教育委員会と連携し、都立高校三校と二区市の中学校四校におきまして、学校の居心地向上に向けた取組を開始してございます。
これらの学校では、年度当初より生徒や教職員に対して事業の目的や実施内容を説明し、取組を進める上で中心的な役割を担う生徒を校内で募集するとともに、取組前の居心地の調査を行うなど、校内での活動実施に向けた準備を進めてまいりました。
現在、生徒とクラス担任以外の複数の教職員との交流機会を設けたいなど、生徒のニーズに基づき、学校ごとに活動テーマを設定し、生徒自らが具体的に実施計画を立て、生徒や学校との円滑な調整を担う外部人材であるコーディネーターとともに居心地向上の取組を進めております。
○早坂委員 子供の学校の居心地向上においては、教員が心身ともに元気でいる必要があります。それで初めて、子供たちにも居心地向上という話ができるんだと思います。すなわち、教員の負担軽減という視点は大切なものだと思います。
今ご答弁にあった外部人材であるコーディネーターとともに、居心地向上を進めているとのご答弁でありますが、コーディネーターの活用は、教員の負担軽減という観点からも、学校の居心地向上検証プロジェクトの成功の鍵を握ると考えます。
今年度からスタートした学校においても、学校ごとに個別具体の計画が立てられ、居心地向上に向けて順調に取組が進められているということでありました。各学校と連携し、プロジェクトをさらに進めていただければと思います。
ここまで、中学校や高等学校での取組について伺いましたが、先ほども触れたとおり、不登校は小学校においても増加傾向にあり、また、いじめや暴力行為は小学校でも多く発生しています。
小学校を対象とした取組に関しては、今年の予算特別委員会において、我が党の質問に対して、不登校児童生徒の低年齢化などに対応するため、小学校を対象にしたスキームを検討していくとのご答弁がありました。
そこで、小学校を対象としたこの取組について、今年度の具体的な実施内容についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 小学校における居心地向上の取組を進める上で、小学生は、一年生から六年生まで、心身の成長発達の差が大きいことを踏まえ、中高生とは異なる仕組みとする工夫が必要でございます。
このため、都は今年度、東京都医学総合研究所と連携し、小学校における実効性の高いスキームを検討しております。
具体的には、小学生向けの居心地調査の開発に向け、中高生に対して実施している内容を基に、小学生にとって適切な設問数や表現等への変更などを検討しており、今後、小学校で試行的に実施し、調査の精度を高めてまいります。
また、居心地向上の活動を実施する際に、児童から意見やニーズを成長、発達段階に応じて的確に把握する方法など、小学校での取組を進める上での課題を整理し、きめ細かな制度設計につなげてまいります。
○早坂委員 小学生は中学生や高校生と異なり、様々な成長発達段階にあるという特徴を踏まえて、それぞれの子供たちの声を丁寧に聞き、その声を学校での活動につなげていけるよう、この主体である東京都医学総合研究所の専門的な知見も活用して、効果的な仕組みを構築していただきたいと思います。
次に、子供の性被害防止についてお伺いをいたします。
今年、学校の現役教員による盗撮グループが七人逮捕されました。七人のうち一人は、豊島区立小学校の教員の男でありました。
この七人は、学校内で着替え中の女児――女性、女の子供の盗撮をはじめ、児童のリコーダーに自らの体液をつける、給食に体液を混入するなど、この議会の場で口にするのがおぞましいような行為を次々と重ねてきました。
それをクローズドなSNSで共有し、いいですね、うらやましいなどの感想を投稿し合うことで、行為をますますエスカレートさせてきたことが分かっています。
子供に対する盗撮やわいせつ行為などの性犯罪のニュースが連日のように報道されています。子供を標的とした性暴力は、子供の健やかな成長を妨げ、心に深い傷を残す、極めて重大な問題であり、断固として許すことができません。
令和六年六月には、こども性暴力防止法、いわゆる日本版DBSが成立し、来年、令和八年十二月二十五日までに施行される予定となっています。
この法律は、学校や児童福祉施設などで直接子供たちに接するスタッフに対して、性犯罪の無犯罪証明を義務化するものであります。これにより、一定の性被害の抑止につながることが期待されています。
しかし、初犯、初めて犯罪を犯す初犯の人を見つけ出すことはできないし、法の施行は来年十二月であります。この今日、今もそうした教員が子供たちを狙っているのではないか、そんな学校にはとても通わせられないという私のひりひりした思いを、東京都教育庁幹部職員との勉強会で吐露いたしました。
それに対する教育庁の幹部職員は冒頭で、ほとんどの教員はそういった行為から無縁だというところから始まり、また、子供自身が何かおかしいなと思ったら、相談できる窓口をつくるなどと答えたので、私はその幹部職員と話す価値がないと判断をいたしました。
相談窓口の設置はもちろんよいことです。しかし、何も疑わない、そして信頼してやまない学校の教員が、子供自身に対する性犯罪を行った場合、どうしてそのほかの学校教員は信用できると思うのでしょうか。
そうした判断は、例えば中学生ならできるかもしれませんが、小学校低学年の児童が、どうして相談窓口に相談できるのでしょうか。私の危機感を教育庁は全く理解しなかったのであります。
しかし、子供たちを守るための施策を前に進めていかなければなりません。話を戻します。
性犯罪の無犯罪証明が義務となっているのは学校や保育園などに限られており、例えば学習塾やスポーツクラブなどが国から認定を得て、この制度に参加するかどうかは任意となっています。過去に性犯罪を犯した者が指導者であるかもしれない場所に子供を通わせることは、保護者からしても不安は全く尽きません。
民間の事業者が法の重要性を理解し、認定取得を積極的に行うべきと考えます。ご見解を伺います。
○山本企画調整部長 子供に対する性暴力は、将来にわたり被害者の心身に大きな影響を及ぼし、かつ人権を著しく侵害する、極めて卑劣で悪質な行為であります。子供を犯罪、事故その他の危害から守り、子供の安全と安心の確保に向け、子供が伸び伸びと健やかに成長できる環境を官民で整備していくことは重要でございます。
こども性暴力防止法では、法への対応が任意となる事業者については、国が指導監督を所管することとしてございます。
都は、国に対して、学びの場、居場所を運営する多様な民間事業者が制度に参加できるようにすることや、法への具体的な対応方法をガイドラインで示すことを要望してございます。
また、国の実務担当者との間で、法の施行や運用が円滑に進むよう、定期的に意見交換を実施いたしますとともに、国が作成した事業者向けリーフレットについて、庁内各局と連携して、関係団体への周知も図ってございます。
今後、国の状況を注視しながら、子供の安全確保に向けて取り組んでまいります。
○早坂委員 こども性暴力防止法の施行に向けて、多くの事業者が参加しやすい環境を整備するよう、国に対して要望を行っているというご答弁でありました。
しかし、国任せではなく、東京都でできることは何か、そのことを考えて、積極的に動いていただきたいと思います。
国や東京都が、それぞれの立場から対応するのはもちろんですが、区市町村の役割も重要であります。区市町村は、子供にとって最も身近な地域であり、様々な子供の居場所と関わりが多いからであります。
東京都は、区市町村とどのように連携しているのか伺います。
○山本企画調整部長 区市町村に対しましては、国における検討状況等につきまして、適宜資料や情報を共有いたしますとともに、問合せへの対応も行ってございます。
また、先ほど国が作成していると申し上げました事業者向けリーフレットにつきましては、地域の関係団体に周知するよう、区市町村に対しても依頼をしてございます。
○早坂委員 区市町村には多くの子供の居場所があるので、そのネットワークが活用されるよう、法施行に向けて、引き続き連絡を密にしていただきたいと思います。
私は、子供への性被害がこれほど頻発している現状について、非常に切迫した、ひりひりした危機感を持っています。
先ほどの答弁にもありましたが、子供への性暴力は、人権を著しく侵害する、極めて卑劣な行為であります。法施行前に東京都が何もしなくていいということではありません。
東京都は、子供の性被害を防ぐため、どのような取組を行っているのか伺います。
○山本企画調整部長 都は、子供や保護者が相談しやすい体制の充実や、成長、発達段階に応じた正しい知識の理解促進など、被害者への支援と性被害の未然防止に取り組んでおります。
国の報告書によりますと、被害者が子供の場合、恥ずかしくて誰にもいえなかった、被害かどうか分からないなどの理由から、半数近くが被害に遭っても誰にも相談しなかったという実態がございます。
都は、子供の性被害の未然防止に向け、子供たちに性暴力や性被害について正しい知識を啓発する動画を制作し、こどもホームページへの掲載やSNSでの発信を行ってございます。
さらに、より多くの子供に視聴してもらえるよう、今年度中にリリース予定の中高生Webサイト(仮称)への掲載も予定してございます。
○早坂委員 子供たち向けに性暴力や性被害についての啓発動画をつくっているということが分かりました。
しかし、つくって、それを都庁のホームページにアップすればオーケーということでは全くありません。
例えば、学校の授業でそれをみんなで見るようにするようなことまでして、子供にメッセージが届いて初めて効果があるのであります。最大限のご努力をお願いしたいと思います。
子供たちが安心して暮らせる社会を築くことは、我々大人の重要な責務であります。東京都でできること、例えば全ての教室に防犯カメラを設置することについては、様々な議論があると思います。しかし、事態の深刻性を考えれば、私は、設置に踏み出すべきだと考えます。
子供の未来を守るために、性被害の未然防止、再発防止や、万が一起きてしまった場合の支援などについて、全力で取り組んでいただくよう、改めてお願いを申し上げたいと思います。
最後に、国との連携について伺います。
今述べてきたとおり、国と連携することは、子供の性被害予防にとどまらず、多岐にわたる子供政策を最大限効果的に実施していくために必要なことであります。
令和四年四月にこの子供政策連携室が発足しました。それから一年後、子供真ん中社会の実現に向けた国の司令塔として、こども家庭庁が発足をいたしました。
子供政策に横串を刺し、分野横断で様々な課題に取り組むという使命は、国も東京都も同じであり、国と方向性を共有しながら施策を進めていくことは重要なことであります。
東京都として、国とどのように連携して、子供政策の充実強化を図っていくのか、また、東京都が何ができるか、そのことについて、ご見解をお伺いしたいと思います。
○田中子供政策連携室長 子供を取り巻く環境や直面する課題は複雑化、複合化するとともに、刻々と変化し続け、新たな課題も生じております。
こうした中、実効性ある子供政策を推進する上で、国との連携協力は不可欠でございます。
先ほどご質問がございましたとおり、子供の性被害につきましては、今後、国が公表するガイドライン等を踏まえまして、国と緊密に連携して、適切に対応してまいります。
また、これまでも、こども家庭庁とは、様々な機会を捉えまして、意見交換を実施してきました。こども未来アクションや子供政策強化の方針をテーマとしまして、子供政策に関する取組の方向性や今後の課題、福祉や教育部門との連携についてなど活発な議論を行っております。
子供の事故につきましても、経済産業省やこども家庭庁等からデータ提供を受けまして東京都が作成した子供の事故情報データベースについて、こども家庭庁がデータベース開設を全国の自治体へ周知していただきまして、活用の促進を図るなど、国と協働した取組も実施しております。
さらに、東京都こどもホームページに掲載されているこどもリンク集に、本年度から、こども家庭庁、子供向けのホームページを掲載しております。四月から十月まで七か月間に送客した回数は約五千三百回でございまして、全体で二番目に多いという状況になっております。
引き続き、国や都が行う施策や事業につきまして情報交換を行いまして、実施に当たり緊密に連携していくとともに、私としましては、国がやるべきことはしっかり要望していきたいと思っております。現場の実情も踏まえましたものをこども家庭庁に届けるというのは我々の役割だと思っておりますので、必要に応じて、国に対して要望していきたいと思っております。
引き続き、子供政策のバージョンアップを不断に図っていきたいと思います。
○早坂委員 こども家庭庁との連携は重要なことであり、それをお願いしたところであります。
ただ、私の今日の趣旨は、そのことのみならず、東京都でできることは何か。それは、例えば、法律の施行は来年の十二月、それまで東京都は何をするのか、何ができるのか。このひりひりした思いをぜひ共有していただいて、東京都独自でできることを直ちに進めていただければと思います。終わり。
○高田委員 どうぞよろしくお願い申し上げます。
初めに、東京こども政策国際会議についてお伺いいたします。
令和六年第四回定例会の都議会公明党の代表質問におきまして、海外の先進事例や知見を積極的に取り入れ、子供政策をさらに充実強化していくべきとの質問に対し、海外都市の子供政策の実務責任者を招聘し、国際会議を初開催するとの答弁がございました。
東京の子供政策の現在地を国際的な視点で捉えるとともに、世界の動向を踏まえ、今後の政策の方向性を考えることは極めて重要だと考えます。
そこでまず、今年二月に開催されたこの会議の概要とその成果についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 令和七年二月に初開催をいたしました東京こども政策国際会議には、子供政策に積極的に取り組むアジアと欧州の十三の海外都市等が参加し、子供の声を聞く取組、子供の参画などをテーマに、各都市等の取組の発表や意見交換などを行いました。
都からは、条例ハンドブックや解説動画を、子供の声を取り入れて作成したことなどについて発表を行いまして、他都市から、大人も含め様々な年代別に作成しているのがよい、ぜひ参考にしたいといった評価をいただきました。
また、海外の各都市等からも、プロジェクトの計画段階から子供の声を取り入れている事例や、高校生の提案が政策として実現した事例が紹介され、参加者の活発な意見交換につながりました。
さらに、児童館やプレーパークを視察し、子供の声を反映した事例の共有も図ってございます。
参加都市等からは、この会議について、東京や世界の他の国々がどのような取組をしているかを知り刺激を受けたや、子供や若者の声を聞くための様々なアプローチが紹介され、ケーススタディーの発表は大変参考になったといった声が寄せられました。
○高田委員 ありがとうございました。初めての開催で、様々なご苦労もあったかと思います。
今のご答弁で、多くの都市等が参加をし、それぞれの取組事例を共有できたことで大変好評であった、そういうことでございました。この成果を次の開催につなげることを期待するものでございます。
そこで、今年度のこの会議の開催の方向性についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 今年度は来年二月に開催を予定しておりまして、子供を取り巻く世界的な課題への対応についてテーマとする予定でございます。
世界保健機関が昨年公表したレポートにおきまして、思春期のメンタルヘルスは世界的に深刻なテーマとされており、思春期の子供を支える取組をテーマとし、居場所やメンタルヘルスなどについて、各都市等が発表を行い、取組事例の共有などを行うこととしてございます。
○高田委員 ありがとうございます。文化や制度が異なる中でも、子供政策に関する課題は世界の都市で共通していると思います。様々な打ち手を共有することは大変有意義である、このように考えます。
子供政策をさらに進化させ、国際都市東京のプレゼンスを一層高めるためにも、常に国際的な視点を意識しながら取組を進めていただきたい、このように思います。
本年二月の国際会議で、子供の声を聞く取組や子供の参画に関する海外都市と意見を交わしたとのことでございますけれども、こうした取組は、子供政策を進める上で非常に重要なことだと思います。
今日の東京都の子供の声を聞く取組、これは東京都こども基本条例に基づくものであり、この東京都こども基本条例は、令和三年、都議会公明党が原案を作成し、全会一致で可決したものでございます。
同条例の第十条には、都は、子供を権利の主体として尊重し、子供が社会の一員として意見を表明することができ、かつ、その意見が施策に適切に反映されるよう、環境の整備を図るものとすると明記をされております。公明党の主張により盛り込まれたものでございます。
こうしたことを踏まえ、都議会公明党はかねてより、都は、当事者である子供の意見を施策に積極的に取り入れていくべきであると主張してまいりました。
そこで、各局の施策について、子供の意見を聞き、反映につなげる取組として行っている、こども都庁モニター、あるいはこどもワークショップについて、今年度の取組状況をお伺いいたします。
○山本企画調整部長 年代別に公募した一千二百人のこども都庁モニターに対して、各局施策に関するアンケート調査を各局と協議の上、今年度はこれまで四回、十一局十八テーマについて実施をしており、今後年度末までに、計十四局二十七テーマについて行う予定でございます。こども都庁モニターを活用する局は前年度より五局増え、庁内に子供の声を聞く取組が浸透してございます。
また、各局の施策をテーマに、子供の生の声やニーズを把握するこどもワークショップを、自然豊かな東京など三テーマについて実施し、計五十五人の子供が参加しました。
今後、これまで二年間実施したこどもワークショップについて、テーマ設定や参加者募集に関するノウハウ、子供が安心して意見をいえるための環境づくりの工夫について、事例集として取りまとめ、各局に展開し、子供の声を直接聞き取る取組の後押しにつなげてまいります。
○高田委員 ありがとうございます。今後、事例集を作成し、各局へ展開するとのことでありますけれども、各局が子供の意見を聞き、施策に反映させる取組を着実に進められるよう、子供政策連携室には伴走型でサポートすることを要望いたします。
子供たちにとっては、自分が今考えていること、自分が悩んでいることなど、ありのままの自分の思いや意見が大人に受け止められ、その思いや意見を受けて大人がどのように対応してくれたのか、こうした一連のプロセスを原体験として経験できるということは、子供の成長発達にも寄与できるものであると、このように考えます。
できれば、より多くの子供たちがこうした経験をできるようにしていくことが、東京都こども基本条例の理念の実践そのものではないか。そのように考えております。
そういう意味では、子供政策連携室が旗振り役となって、都庁各局で子供の声を聞く取組が着実に広がってきていることは、大きな前進だと思います。
さらに、こうした取組を地域レベルで実践し、より多くの子供たちに、身近な日常的な場において、自分たちの思いや意見を大人に聞いてもらった、そういう経験をしてもらいたい、このように切に思うわけでございます。
ぜひ、こうした観点から、子供の意見聴取の政策をどんどんレベルアップしていただきたい、このように要望させていただきます。
また、子供が自らの意見を表明し、社会参加を可能とする環境の整備をさらに進めていくことが重要であると考えます。
都議会公明党は、令和五年第三回定例会代表質問において、東京都こども基本条例に込められた理念を形にして実践していくことが重要であり、都は、子供が主体的に参画する機会を創出し、当事者である子供の意見を施策に積極的に取り入れていくべきである、こう主張させていただきました。
都は、子供が自ら声を上げ、議論、提案できる取組として、中高生政策決定参画プロジェクトを実施していると聞いております。
そこで、中高生政策決定参画プロジェクトについて、今年度の取組状況をお伺いいたします。
○山本企画調整部長 都は、子供の社会参画意欲の向上を目指し、令和六年度から、中高生が自ら子供政策について議論し、政策形成の過程に参画する中高生政策決定参画プロジェクトを実施しております。
今年度は、中高生にビジネスや起業に親しみを持ってもらおうをテーマとし、公募で選ばれた中高生十二名が、今年五月から八月にかけて、計十一回にわたるグループワークを行いました。
グループワークでは、ビジネスや起業に関して、同世代へのSNS調査や同級生へのインタビューを通じて明らかになった課題や、都のスタートアップの拠点であるTIBで開催されたプログラムへの参加により得た気づきなどを基に議論を重ね、政策案を練り上げました。
今年八月末に、中高生アントレプレナーシップ育成計画として、知事に対して政策提案を行っており、今後、都はその提案を受け止め、適切に政策に反映してまいります。
○高田委員 ありがとうございます。子供政策の当事者である中高生が議論を重ね、都の政策過程に参画をし、それが形になるという経験は、子供にとっても、主体的に社会に参加する意識を高める取組でもある、このように考えます。一層の取組を期待いたしまして、次の質問に移ります。
子供の意見を聞くに当たって、単に声を上げられる子供の意見だけではなく、声を上げにくい子供の意見の掌握が大切であると、都議会公明党はこれまで訴えてまいりました。
そこで、声を上げにくい子供の意見をどう掌握するのか。都は、ヒアリングを実施していると聞いておりますけれども、その取組をお伺いします。また、このヒアリングの開始時期、各年度の人数の実績についても併せてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 都は令和四年度から、様々な環境下にある子供の声や思いを把握するため、子供が日常を過ごす多様な居場所に足を運び、一人一人の実情に寄り添ったきめ細かなヒアリングを行っております。
実施人数は、令和四年度は百十三人、令和五年度は六百一人、令和六年度は五百四十人でございます。
令和七年度は五百人以上の規模で現在ヒアリングを行っており、子供食堂、日本語教室、フリースクール、児童養護施設、放課後等デイサービスを重点施設としております。
ヒアリングの実施に当たりましては、子供との対話経験が豊富なファシリテーターが、子供が安心して本音を話せるようサポートするとともに、話したくないことは無理に聞き出さないなど、ヒアリングを通じて、子供に不利益が生じないよう配慮を徹底し、様々な工夫を凝らして、子供の率直な意見を丁寧に把握してございます。
○高田委員 ありがとうございます。きめ細かな配慮もしながら、事業を進めていただいているということを理解いたしました。
都議会公明党は、小さな声を聞くことを大切にしております。条例の理念を実践するためには、日頃なかなか声を上げにくい子供の声をしっかりと丁寧に聞き取っていくことが何よりも重要だと考えます。
子供の居場所におけるヒアリングでは様々な子供の声を聞いているとのことでございましたけれども、その中で、例えば虐待やいじめを受けた経験や、あるいは家族の介護、そうしたことに直面しているなど、実際に困難な状況にある子供の声を聞くことも実際にはあるんだと、このように思います。
そこでお尋ねしたいのが、そのような際には子供への配慮が必要であり、場合によっては行政的支援につなぐなどの対応も必要なのかなと、こういうふうに考えますけれども、いかがでございますでしょうか。
○山本企画調整部長 ヒアリングの中で、参加した子供が虐待やいじめを受けている等の表明をした場合には、迅速かつ適切な対応ができるよう、対応方法は事前に整理してございます。
具体的には、ヒアリング中は深掘りせず、終了後に本人の同意を得た上で、ファシリテーターが施設職員と連携して話を聞き、必要に応じて相談機関、あるいは支援機関等につなぐなどすることとしてございます。
また、本人が話したくない場合には無理に聞かず、相談機関等の存在を伝え、今後話したくなった際には、施設職員や相談窓口等へ遠慮なく相談するよう促すこととしてございます。
○高田委員 ありがとうございます。子供に意見を聞くに当たっては、緊急時の対応を事前に準備され、丁寧に取り組んでいることが分かりました。
そして、大事なことは、そうした特に声を上げにくい子供の声をいかに政策に反映をしていくのか、そういうことだと思います。見解をお伺いいたします。
○山本企画調整部長 都は、様々な環境下にある子供の声を聞き、子供の実情や抱える課題を的確に把握し、施策に反映することで、子供目線に立った政策を推進しております。
例えば、ユースセンターなどの居場所で行ったヒアリングでは、知っている人より知らない人の方が相談しやすい、LINEで話すことで、直接会話しないからこそ話しやすいなど、相談相手や相談方法などについて、子供たちが様々な意見を持っていることが分かりました。
こうした意見を踏まえ、日常的な不安や悩みをスマートフォンやパソコン等からチャット形式で気軽に相談できる、子供・子育てメンターギュッとチャットのサービス内容に反映した例などがございます。
○高田委員 ありがとうございます。この子供の居場所におけるヒアリングは、今年度で四年目ということでございまして、今後もこの取組を進めていくということであれば、声を上げにくい子供たちの声がどう変化していくのか、経年で捉えていただき、その特徴を分析し、政策に反映できるものは反映していくべきではないか、このように考えます。見解を伺います。
○山本企画調整部長 子供を取り巻く環境や直面する課題は刻々と変化しており、新たな課題も生じる中、子供の意見や社会情勢等を的確に捉え、政策に反映していくことは重要でございます。
これまでのヒアリングを通じて得られた多くの子供の声や意見の分析手法や分析結果の活用方法について、今後、専門家へのヒアリング等も行いながら検討してまいります。
○高田委員 ありがとうございました。今後も多様な子供の声を丁寧に聞いていただき、子供目線の政策を着実に推進していただくことを期待し、次の質問に移ります。
フリースクールについて質問をさせていただきます。
令和六年度における全国の不登校の小中学生は、十二年連続で増加をし、過去最多の三十五万三千九百七十人となっております。
一方で、東京都内の不登校の小中学生は三万三千八百三十一人であり、国とは異なり、十二年ぶりの減少に転じましたけれども、ただ、依然として高水準である、そのようにいえると思います。
こうした状況の中、都は、都議会公明党の要望に応え、昨年度からフリースクール等の利用者や事業者への支援を開始したことは高く評価するものでございます。
不登校の児童生徒や保護者への支援をさらに推進する観点から、取組の状況を確認したいと思います。
まず、フリースクール等の利用者を支援する事業について、改めて支援の具体的な内容、令和六年度と今年度の活用状況について、交付決定数と、この事業を通じて利用を図るフリースクール等の数についてお伺いをさせていただきます。
○山本企画調整部長 都は昨年度、フリースクール等に通う利用者の経済的負担軽減を図るため、フリースクール等利用者支援事業を創設いたしました。
この事業では、不登校の状態にある義務教育段階の子供がフリースクール等に通う場合の利用料に対して、月額二万円を上限に助成を行い、昨年度は三千百五十四件、三百施設の利用について交付決定をいたしました。
また、今年度は、十月末時点で二千五百十七件、二百八十八施設の利用について交付決定を行ってございます。
○高田委員 ありがとうございます。令和六年度の利用者支援事業の予算規模は千五百件と伺っておりまして、当初の想定規模の二倍を超えて利用されたことが分かりました。
今年度においても、予算規模は三千件と伺っておりますので、昨年度に引き続き、都独自の利用者支援事業は都民ニーズが高く、大きな反響が生まれているものと理解をいたしました。
一方で、私のところには保護者から、交付申請だけでなく、利用状況報告の入力方法が分かりづらかった、そういった声も聞いております。助成制度を不断に見直しをし、保護者の声を踏まえながら、利便性を向上していくことも重要である、このように考えます。
そこで、フリースクール等利用者支援事業について、保護者が円滑に申請できるよう、どのような取組を行っているのか、お伺いをいたします。
○山本企画調整部長 保護者から、交付申請に当たって入力項目が多いとの声や、実績報告の際に必要となる書類の作成について、フリースクール等との間で円滑に意思疎通できるよう工夫してほしいとの声がございました。
そこで、交付申請に当たりまして、前年度の申請内容が自動的に引き継がれるよう、オンライン申請システムを改修し、申請者の利便性向上を図ってございます。
また、実績報告書の作成に当たりまして、フリースクール等に向けて、本制度の内容や書類の作成方法を分かりやすく解説したページを専用のウェブサイトの中に新たに設けることで、フリースクール等が子供の通所状況に関する報告書を円滑に作成し、保護者に提供できるようにいたしました。
○高田委員 ありがとうございました。ぜひ利用者に寄り添った対応を今後もお願いしたい、このように思います。
一方で、フリースクールの利用者への支援に加え、フリースクール等に対する支援も重要だと考えます。
都は、その取組の質を高めるための支援も開始したと伺っておりますけれども、フリースクール等に対する支援事業についても、支援の具体的な内容、令和六年度の利用実績と今年度の利用状況についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 都は昨年度、子供目線に立った取組を行うフリースクール等を支援するため、フリースクール等支援事業を創設いたしました。
この事業では、子供一人一人のサポートプランの作成や、実践に係る人件費、防犯カメラやAEDの設置等の安全性向上に資する経費、臨床心理士に関する研修や子供の特性の理解に資する書籍の購入など、スタッフの資質向上に関わる経費等を補助対象経費としております。
昨年度は四十八件に対し交付決定を行い、今年度は十月末時点で八十九件の交付決定を行ってございます。
○高田委員 ありがとうございます。令和六年度予算の規模は四十八施設、今年度の予算規模は八十施設、このように伺っておりまして、こちらについても順調に利用されていることを評価させていただきます。
この制度は始まったばかりでございます。フリースクール等の声を踏まえながら、継続的に補助事業を見直しをしていくことが大切だと考えます。そして、子供目線に立った取組を行うフリースクールを増やしていくことが重要だと思います。
そこで、フリースクール等支援事業について、昨年度の実施状況を踏まえた見直しの状況についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 昨年度は、小規模施設を含めた幅広い団体に支援を行うため、一事業者当たり一施設を対象とすることや、運営事業者の本店所在地が都内にあることを補助要件としてございました。
今年度においては、基本的な考え方を維持しながら、子供目線に立った取組を行うフリースクール等をさらに広げていく観点から、複数施設を有する事業者に対しまして、本事業に初めて申請する場合は、これまでと同様に支援は一施設までとしつつ、本事業の利用が二年目以降の団体は二施設まで補助対象といたしました。さらに、運営事業者の本店所在地が都外である場合でも、都内のフリースクール等に責任者を配置することを条件に補助対象とする見直しを行いました。
○高田委員 ありがとうございます。それぞれの事業について保護者やフリースクール等のニーズを踏まえ、見直しを着実に進めていることが分かりました。
私のところにも、フリースクール等の利用者や事業者から、それぞれの事業に対し、好意的な声が寄せられております。今年度、予算規模を超えて申込みが来ている状況にしっかりと対応をしていただきたい。また、引き続き手続を見直して、利便性の向上を図っていくことを要望いたします。
また、来年度予算においても必要な予算をしっかり確保することを求め、次の質問に移らせていただきます。
次に、とうきょうすくわくプログラム推進事業について質問をいたします。
都議会公明党は、本会議や委員会での質疑を通じ、乳幼児期の集団保育の重要性や非認知能力を育むことの大切さについて、繰り返し訴えてまいりました。
そうした我が党の提案が結実をして、昨年度から都内全域へ展開されている、このすくわくプログラムについて、本年の第三回定例会の総務委員会において、取組の質を確保していくことが重要であるとの認識の下で質問をさせていただきました。
その質疑においては、すくわくナビゲーター園制度をより効果的な制度にしてほしいとの思いで、ナビゲーター園がメリットと感じるきめ細かい支援が必要である。また、メリットを募集時に明確に周知すべきといったことを提案させていただき、それらの点が先月の募集開始時のプレスリリースの中にもしっかりと反映されていることを確認させていただきました。ありがとうございます。
本日も何点か質問をしていきたいと思います。
初めに、すくわくプログラムの実施状況について確認をさせていただきます。
今年度、プログラムを実施している園では、どのような取組が行われていますでしょうか。実施園数の見込みについても併せてお伺いをさせていただきます。
○山本企画調整部長 すくわくプログラムを実施する園では、それぞれ園の環境や強みを生かしながら、子供の興味や関心に応じた探究活動が行われております。
具体的には、自然をテーマとした園では、園庭で育てている植物から、子供が好きなものを選び、手触りや匂いを確かめ、ルーペ等で拡大して見てみるなど、思い思いの方法で観察し、気づきを友達と共有する取組が行われております。
また、音をテーマとした園では、保育室などで聞こえる音を探す活動を行い、水が流れる音や段ボールをこすると聞こえる音など、子供たちが見つけた音の様子を自分なりの言葉で表現し、友達と共有する取組が行われております。
今年度は、こうした様々なプログラムの取組が、事前の意向調査によりますと、計五十五自治体に所在する二千七百五十を超える幼稚園や保育所等で実施される見込みでございます。
○高田委員 ありがとうございます。子供の興味や関心を踏まえながら、多様な取組がさらに都内各地で広がっている状況が分かりました。
次に、すくわくワークショップについて確認をいたします。ワークショップについては、さきの委員会質疑で、今年度から新たに実施し、全六回開催したとの答弁がございました。
そこで、まずはこのワークショップを開催した目的を改めて確認するとともに、参加した人数や具体的な実施内容についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 すくわくワークショップは、探究活動のさらなる充実を目指す園を後押しすることを目的に、令和六年度からプログラムを実施している園の幼稚園教諭や保育士等を対象として、オンライン形式と集合形式とで開催し、延べ三百二十二名の参加がございました。
自然とデジタルや、色、光など、毎回異なるテーマを設定し、探究活動を深めるために、専門家の講義や参加者同士でのグループディスカッションを実施したほか、他の園の取組事例を学べるよう、自身の園の取組について、グループ内での共有を行いました。加えて、集合形式で開催した回では、テーマに即したワークも併せて実施をいたしました。
例えば、自然とデジタルの回では、公園で拾った葉っぱを細部まで観察するために、虫眼鏡やマイクロスコープ等の様々な拡大鏡を活用する手法など、探究活動の質を高める工夫を園の先生自身が直接体験しながら学べる機会を設けました。
○高田委員 ありがとうございます。三百名を超える多くの参加があり、様々なテーマで行われた当日の具体的な実施内容もよく分かりました。
プログラム実施園での取組の質の向上につなげるためには、参加した園の先生のニーズにかなったものであることが重要だと、そのように考えます。
そこで、ワークショップに参加した園の先生からの反響がどうだったのかお尋ねをいたします。
○山本企画調整部長 本ワークショップ終了後に行ったアンケート結果では、参加した園の先生方の九八%が、参加してよかった、探究活動への理解が深まったと回答しており、高い満足度を得ることができました。
また、参加者からは、探究を深めるための新たな視点を感じることができた、保育者側の準備が大切であると感じた、ワークを行ったことで、子供の視点で考えることの楽しさを実感した、子供の様子をよく見て、子供の声などに耳を傾けていきたいなど、今後の園の取組の充実につながる様々な前向きな声をいただいてございます。
○高田委員 ありがとうございます。満足度がほぼ一〇〇%に近い数字ということで、非常に好評であった、そのように理解をしました。参加者の声からも、ワークショップを通じて、様々な気づきがあったことがうかがえ、大変有意義な取組となったことが分かりました。
こうしたワークショップを通じて、取組の質が向上した園にこそ、すくわくナビゲーター園になってもらうのが望ましい、そのように思うところでございます。
そこで、このワークショップに参加した園にはすくわくナビゲーター園になってもらうなど、次に生かしていく視点が重要と考えますが、見解を伺います。
○山本企画調整部長 すくわくナビゲーター園については、プログラムの意義や探究活動への理解があることを前提としてございます。
このため、ナビゲーター園を募集するに当たりまして、令和六年度からすくわくプログラムを実施しています約千六百園のうち、本ワークショップに参加した園であることなどを応募の要件としてございます。すくわくワークショップの成果をナビゲーター園制度に生かし、質の高いプログラムのサポートにつなげてまいります。
○高田委員 ありがとうございます。ワークショップの取組がすくわくナビゲーター園制度の取組にもしっかりと生かされているとのことでございました。
また、さきの委員会質疑では、私の方から、ナビゲーター園の持つ知見やノウハウを広く共有して、多くの園のすくわくプログラムの質の向上につなげていくべきということも提案をさせていただきました。それに対しては、ナビゲーター園の知見の他園への共有を図り、すくわくプログラム全体の取組の充実につなげていくとの答弁があったところでございます。
全体の取組の充実につなげていくためには、すくわくナビゲーター園をある程度の規模で確保し、広がりをつくっていくことが必要だと考えます。
そこで、そうした観点から、すくわくナビゲーター園の募集の仕方に工夫を凝らすべきと考えますけれども、見解を伺います。
○山本企画調整部長 都は、すくわくナビゲーター園の募集に当たり、多くの園から応募をいただくため、ナビゲーター園の活動内容や都からのサポート内容を分かりやすくまとめたチラシを作成するとともに、ナビゲーター園制度を詳しく説明した動画をオンデマンド配信するなど、様々な方法で周知を行っております。
第一弾の募集を十月十日に開始し、現在、ナビゲーター園の決定に向けて、応募のあった園の取組内容等の確認を行っているところでございます。
昨日からは、第二弾の募集を行うとともに、今年度内にさらなる募集も行い、すくわくプログラム実施園の一割程度を順次ナビゲーター園に位置づけてまいります。
こうした工夫を行いながら、ナビゲーター園の広がりを創出してまいります。
○高田委員 ありがとうございました。すくわくナビゲーター園の取組には大いに期待をしているところでございます。
さて、とうきょうすくわくプログラムは、幼保共通のプログラムである点が特徴だと思います。
昨日、地元東村山市の幼稚園の理事長とお話をする機会がございました。理事長ご自身は心理学を勉強され、長年、幼児教育の質の向上に向けて工夫を凝らし、多くの園児を卒園させてこられました。理事長とは、幼児教育の振興の大切さを共有させていただきました。
実は、私の子供二人もこの幼稚園にお世話になりましたが、当時からこのすくわくプログラムに通じる、すばらしい取組を行っている幼稚園でございます。こうした現場の取組が非常に重要であると考えます。
子供政策連携室におかれましては、幼稚園や保育所など、それぞれの施設の特色を生かしながら、子供の興味、関心に応じた探究活動が実施をされ、子供の育ちにつなげていってほしいと要望をさせていただきます。
最後の質問に移ります。
あさって十一月十五日から、いよいよ東京二〇二五デフリンピックが開催をされます。
今年は一九二四年にパリで第一回が開催されてから百周年となる節目の年であり、また、我が国として初開催となる、まさに歴史的な大会でございます。
この間、都議会公明党は一貫して、東京での大会周知に尽力するとともに、大会を通じた共生社会の実現に向けて、多岐にわたる提案を行ってきたところでございます。
躍動するデフアスリートの姿は、聴覚障害に対する子供たちの理解を一層促進するとともに、困難に挑戦する勇気を育む絶好の機会でございます。
私の地元東大和市でもボウリング競技の開催が予定されているところでございまして、こうした身近な場所で世界的なスポーツイベントが開催されるという貴重な機会をしっかりと子供たちの将来に向けた学びや経験につなげていきたい、そのように考えております。
そのためにも、より多くの子供たちにデフリンピック競技大会について知ってもらいたい、そう考えておりまして、同大会を所管するスポーツ推進本部や各競技会場となる市区町村等とも連携しながら、子供政策連携室としても情報発信に取り組んでほしいと考えております。
そこで、デフリンピックに関する情報を子供たちに届けるため、子供政策連携室として、これまで行ってきた取組と成果についてお伺いをいたします。
○臼井プロジェクト推進担当部長 限界に挑戦するデフアスリートの姿や手話などに触れることは、子供たちにとって将来に向けた夢と希望を育み、多くの学びにつながるかけがえのない機会になるものと認識しております。
このため、子供政策連携室では、スポーツ推進本部や市区町村と連携し、今年の夏季休業期間中に競技会場等で行われた機運醸成イベント、デフスポーツの体験イベント等の開催情報につきまして、こどもスマイルムーブメントホームページの特設サイトを通じて積極的に発信しました。
また、一日最大約七万人がアクセスする東京都こどもホームページのポテンシャルを生かしまして、デフリンピックについて漫画形式で学べるハンドブックや、デフアスリートと競技体験、手話体験等を行うイベントを紹介するなど、多くの子供たちがデフリンピック競技大会を知り、関心を持つきっかけづくりに寄与してきました。
さらに、大会観戦は無料でありますことから、多くの子供たちが現地で選手を応援できるよう、二つのホームページにおきまして、競技日程や会場などの情報を掲載しております。
引き続き、関係機関とも連携しながら、子供たちに届く、分かりやすい情報発信に取り組んでまいります。
○高田委員 ありがとうございました。ただいまご答弁にありましたとおり、積極的な情報発信がデフリンピックの意義の理解や大会の盛り上げに貢献しているものと考えます。引き続き、こどもホームページなどのリソースを最大限活用し、情報発信に取り組んでほしいと考えます。
デフリンピックは、聞こえないことや手話言語、ろう者の文化への理解を広め、共生社会の実現を図るものであり、特に子供たちの理解を深めていくことは極めて重要であると考えます。
都議会公明党として、デフリンピックを契機に、子供たちを含めた、障害への理解促進について取組を進めてまいります。質問を終わります。ありがとうございました。
○斉藤(ま)委員 私からは、子供の遊び場と体験について、まず質問をいたします。
子供期に本物に触れ、体験することは、子供の今と未来にとって極めて大事です。こども基本条例でも、七条で、子供が伸び伸びと健やかに育つことができるよう、子供が過ごしやすい遊び場や居場所づくりなど、環境の整備を図るものとしています。
子供政策連携室では、体験活動と遊びの推進を掲げていますが、その意義について伺います。
○山本企画調整部長 子供は、発達段階に応じて、体験や経験を積み重ねる中で、社会を生き抜く上で必要となる基礎的な能力を身につけていくものと考えてございます。
○斉藤(ま)委員 子どもの権利条約三十一条は、休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活及び芸術に対する子供の権利について書いていますけれども、子どもの権利委員会は、遊びとレクリエーションは、子供たちの健康とウエルビーイングにとって本質的に重要であり、また、創造性、想像力、自信、自己効力感並びに身体的、社会的、認知的及び情緒的な力及びスキルの促進につながると指摘をしています。
また、遊びの主たる特徴は、楽しさ、不確定さ、挑戦、柔軟性及び非生産性である、これらの要素が相まって、遊びが生み出す楽しみと、その結果として生じる、遊びを続けたいという動機に貢献すると指摘をしています。
遊びは子供の主食ということもいわれていますが、豊かな子供期にしていくために不可欠なものです。これらを進めていくときも、子供の意見を聞くこと、その意見を反映していくことが必要です。
都では、子供の意見を反映した遊び場づくりの推進を行っていますが、その取組状況と内容、効果について伺います。
○山本企画調整部長 都は、区市町村による子供目線に立った遊び場の整備を支援するため、子供に意見を聞き、遊び場等の整備内容に意見を反映させることを補助要件としておりまして、今年度は十二事業を採択いたしました。
○斉藤(ま)委員 子供の意見を聞き、意見を反映することを補助要件としており、十二事業を採択したということです。
私の地元の足立区でも、元渕江公園でこの取組が行われていて、好評だというふうに聞いています。
子供に意見を聞く際に形ばかりになっていては駄目だと思います。また、意見を聞く自治体の担当者が、聞くためのスキルとノウハウを持ち合わせていることが不可欠だというふうに思います。
意見を聞く際に、障害のある子供、社会的養護の子供、外国にルーツのある子供など、一般的に声を上げにくい子供たちからも聞くことなどを求めておきたいというふうに思います。
子供の体験活動について、私たちは、全ての子供たちを対象にしながら、同時に体験格差を解消するための取組を求めてきました。子供たちの豊かな成長を保障していくためにも、体験格差の要因や障害を取り除いていくことが重要だと考えますが、認識を伺います。
○山本企画調整部長 全ての子供が多様な体験活動にチャレンジできる環境を創出していくことが重要と考えてございます。
○斉藤(ま)委員 全ての子供が多様な体験活動にチャレンジできる環境をつくり出すというのが重要だと、これは大事な認識だというふうに思います。
経済的に困窮していたり、保護者の体験が乏しく、必要性を感じにくい場合、体験活動そのものに参加する機会を得にくいという傾向があります。
また、誰でも参加できると広く呼びかけた場合でも、情報を取得することに困難がある環境にいる子供たちは参加できない状況になってしまいます。
経済的に困窮している子供、障害のある子供、社会的養護の子供などの参加機会を保障していく努力が必要です。体験格差をなくしていくための取組を強く求めたいと思います。
体験格差を考える際に障壁になっている問題について伺います。
子供たちの体験機会を保障する上で大きな壁の一つとなっているのが交通費の問題です。山や海などの自然に触れたり、キャンプに行くなどの体験をさせてあげたくても、交通費や旅費がかかるために諦めざるを得ないという実態があります。
子供のキャンプを主催しているNPOからは、物価高騰や運転士不足などでバス代などが値上がりしていることで、参加費に反映せざるを得ず、そのことによって参加できない子供たちがいるというふうに聞いています。
さらに、公共交通を使う場合でも、子供の年齢は十八歳までなのに、電車やバスの交通費は中学生から大人料金になってしまいます。そのことで、中学生になると、体験の機会がぐっと減るという話も聞いています。
子育てしている方には身近に思うことでもあると思いますが、急に大人料金になってしまうため、経済的負担は、中学生以上になると本当に重くなるということは皆さんよく分かることだというふうに思います。
これは明らかにおかしいと思うんですね。こども基本条例でも、そして、児童福祉法でも十八歳までが子供の定義というふうになっています。
交通運賃の子供料金が十二歳までになっているのは、八十一年前につくられた鉄道運輸規程によるものだと我が党は指摘をしてきました。既に時代に合わないものになっていて、それこそアップデートが必要だというふうに思います。
子供の体験活動と交通費の負担についての実態調査を行うことを求めますが、いかがですか。
○山本企画調整部長 全ての子供が多様な体験活動に参加できる機会を提供するため、都は、区市町村が地域の実情を踏まえて実施する取組を支援しているところでございます。
○斉藤(ま)委員 実際に体験に交通費の問題が影響しているかどうかについて、東京都の補助を実施した自治体の報告を分析する際に、交通費の問題についてもしっかりと把握、分析するようにしていただくことを重ねて求めておきます。
次に、子供の居場所について質問します。
居場所について、元都立小児総合医療センターの副院長の田中氏は、無条件に受け入れられること、そこにいることを自ら選べることが重要だと述べています。
中高生は、家と学校以外の居場所が少ないということも指摘されています。自分らしくいることが否定されず、排除されず、ここにいていいということが保障されることが求められます。
区市町村では、中高生を対象とした施設を設置し、居場所をつくり出しています。例えば、杉並区のゆう杉並、豊島区のジャンプ、文京区のビーラボ、それから、町田市の子どもセンターなど、それぞれ特徴や違いはありますけれども、共通しているのは、中高生が主体ということです。そこでは、何にでも挑戦できること、何もしない自由も保障されています。
新たなリーディングプロジェクトとして、多様な子供の居場所の創出を掲げておりますけれども、その意義と重要性について伺います。
○山本企画調整部長 自宅以外の居場所は、子供の幸福度や自己肯定感を高める上で重要な存在でございます。とりわけ中高生になると、地域に安心できる居場所が少なくなる傾向がございます。
このため、子供政策強化の方針二〇二五では、政策強化の方向として、区市町村等と連携した、地域における中高生の日常的な居場所づくりなどを掲げてございます。
○斉藤(ま)委員 自宅と学校以外の場所の重要性とともに、中高生になると居場所が少なくなるという認識はとても大事だというふうに思います。
都生涯学習審議会は、建議で、乳幼児期から中高生世代までの青少年への対応は区市町村が担い、高校生を含む青年期以降の青少年への対応は東京都が担うことが基本だと述べています。これはとても大事な視点です。
また、都政で子供の居場所を考える際に避けて通れない課題があります。一つは、青年の家を廃止したこと。もう一つは、東京都に一つしかなかった大型児童館である東京都児童会館が二〇一二年に廃止されたことです。当時、近くにこどもの城があるということが廃止の理由の一つとされましたが、現在は両方ともありません。
東京都児童会館は、年間六十万人もの子供や保護者が利用していましたけれども、親子が気軽に利用できて、安心できる居場所、交流の場であると同時に、文化ホールも併設しており、人形劇や児童演劇等を通じて、子供の豊かな情操を育む良質な文化の拠点であり、発信地としての役割を果たしていました。
この東京都児童会館の廃止の理由の一つとされたこどもの城も閉館されてしまったことで、東京には大型児童館が事実上空白地帯というべき状況となっています。
改めて子供の居場所について着目することはとても大事ですけれども、東京都が実践の場を持っていることが、区市町村との連携でも大事だというふうに思います。
二〇一八年に社会保障審議会児童部会遊びのプログラム等に関する専門委員会が出した報告書では、大型児童館がない自治体は計画的に設置を進めるとともに、設置までの間は大型児童館に代わる拠点児童館を選定することを都道府県への期待として書かれています。
過去を検証し、区市町村の取組を後押しするとともに、東京都としても、広域自治体にふさわしい対応を行うことを求めておきます。
私たちは、子供の体験活動や遊びにとって、子供たちが主体的に関われることが重要だと繰り返し求めてきました。
中高生の居場所をつくるに当たって、子供たちに何かをやらせるということではなくて、自由な時間と主体性を大事にする視点が重要だと思いますが、認識を伺います。
○山本企画調整部長 子供政策の推進に当たりましては、当事者の意見反映や参画は重要であると認識してございます。
○斉藤(ま)委員 重要な認識だというふうに思います。
自分らしくいることが否定されず、排除されず、ここにいていいということが保障されること、そのために、当事者の意見や参画をきちんと保障してほしいと思います。
私は昨年四月に、同僚の都議と一緒に韓国のソウルに自費で行きまして、若者の居場所と主体的に活動することを支える取組について、現地視察を行ってきました。
ソウル市教育委員会の方からもお話を伺ってきたんですが、ソウル市でも、不登校や貧困など、若者が様々な困難に直面する中、若者が主体的に自由に活動できる場として、ハジャセンターという施設を設置して、若者の活動を後押しする取組を行っています。
ハジャセンターは、青少年が望む未来を自ら創造し実行する進路空間であるというビジョンを掲げて、一九九九年に延世大学がソウル市から委託を受け設立したソウル市立の青少年のための施設です。
若い人たちがやりたいと思うことをかなえるような多彩な活動を支える設備に驚きました。料理教室もできるキッチンや本格的な美術室、木工室、また3Dプリンター室、そして、音楽作成ができる音楽機器を備えた防音施設だったり、ミラーボールがあるホールや、自転車等を創作するスペースなどもありました。そして、動画を撮影して発信するスタジオもありました。
もちろん何もしなくてもいいし、本を読んだり、ゆっくりできるカフェがあったり、若い人たちが思い思いに過ごせる場所になっていました。
利用者は年平均で十五万人、昨年の時点で三十六のプログラムがあり、十九歳から二十四歳向けの企業に出向くインターンシップもありました。
ここを利用して卒業した若者の中には、有名なドラマの脚本家やエッセーの著者、ドキュメンタリー映画監督、また、Kポップアイドルなど、多彩な分野で活躍をしているということでした。
若者のやってみたいという思いを力にして、自分の生きる道にもつながる取組は、本当に多くの学ぶべき点がありました。
東京都としても、こうした先進例に学びながら、若者の主体的な取組を後押ししたり、また、何もしなくても自由に過ごせるような中高生の居場所づくりを進めていただきたいというふうに思います。
多様な居場所づくりの中に、多文化キッズサロンの取組もあります。多文化キッズサロンの区市町村の設置箇所数と主な取組内容について伺います。
○山本企画調整部長 都は、日本語を母語としない子供の居場所として、多文化キッズサロンを設置運営する区市町村に対して支援を実施しておりまして、これまで五自治体において設置しております。
多文化キッズサロンでは、日本語教室の開催に加え、子供や保護者の相談対応や地域の日本の子供たちとの交流など、子供へのサポートに取り組んでございます。
○斉藤(ま)委員 日本語を母語としない子供の居場所として、保護者も含めた相談対応のほか、地域の日本の子供たちとの交流など、子供へのサポートを行っているということで、大事な取組だというふうに思います。
子供たちが多文化に親しみ、理解をしていくことや、多様性を体感できる機会は、豊かな人格の形成にとっても重要だと思いますが、認識を伺います。
○山本企画調整部長 子供政策強化の方針二〇二五では、早くから多文化に親しみ、豊かな国際感覚を育む機会を創出していくこととしてございます。
○斉藤(ま)委員 早くから他文化に親しんでいくことや、国籍やルーツの違いにかかわらず、多様な人と接することで、異文化への理解や他者への理解が自然と育てられていくものだと思います。
今、私たちは、特に国籍や民族の違いによって起きている対立や分断、戦争など、世界的にもつらい現実に直面しています。
しかし、今の日本の子供たちを取り巻く環境の中では、以前よりもはるかに、学校にも多様なルーツを持つ子供たちが多くいる中で、自然に友達関係を結んでいる姿に、大人としても感心させられることが多くあります。垣根なく、どんなルーツの人たちとも共存し、交流を発展させていける関係を築いていくということは大事なことだというふうに思います。
ぜひ、区市町村をサポートして、取組を広げていただきたいと思いますが、多文化キッズサロンの中には、子供だけを対象にしているのではなく、日本語を母語としない大人の相談にも対応しているところもあります。
そうした場合は補助の対象になるか、事前に伺いましたけれども、大人が対象の施設は生活文化局の所管ということで、ミックスされている場合は、それぞれの所管で案分でこの補助を出すとか、柔軟なやり方も検討されるというふうに伺いました。
ぜひ現場の声を反映して、利用しやすい運用を行っていただきたいというふうに思います。
最後に、学校の居心地向上検証プロジェクトについて伺います。
子供政策連携室では、ハーバード大学が行った研究において、居心地のよい学校環境では、生徒のメンタルヘルスの問題が生じにくくなり、抑鬱やいじめなどの件数が少ないという報告に着目をして、こうした要因を減らすことで、不登校などの減少につながることが期待されるとしています。大事な視点だというふうに思います。
学校の居心地向上検証プロジェクトの現在の取組状況と効果について、改めて伺います。
○山本企画調整部長 学校の居心地向上検証プロジェクトでは、生徒が学校生活を送る中で感じている学校の居心地について、定期的にアンケート調査を実施し、その結果を踏まえ、学校をよりよくするための活動を展開してございます。
今年度は、都立の高校四校と中等教育学校一校、区市の中学校四校で、学校の居心地向上に向けた取組を実施してございます。
昨年度実施した学校でのアンケート調査では、生徒が感じている居心地が着実に向上いたしました。
○斉藤(ま)委員 定期的にアンケート調査を行っている中で、生徒が感じている居心地が着実に向上しているということです。
私は、前期に文教委員だったときに、医学研の先生からもお話を伺いましたけれども、とにかく学校の先生は、日本に限らず、世界のどこを見ても忙しくて、先生が忙しい問題というのは、学校にとっては宿命のような状態になってしまっているというお話をされていました。ハーバード大学の教授も、都で行ったビデオ講演の中で同様のことをいっておられたと思います。
忙しくて、なかなか生徒たちの声を聞くことも難しい中、コーディネーターを入れて、子供の声を聞いて、そして、学校の取組に生かして、居心地の向上につなげていくという取組に、私たちも注目をしています。
学校の居心地は子供の意見表明と関係していると、この子供政策強化の方針にも示されていますが、大事な視点だと思います。とうきょうこどもアンケートの結果から、学校等で自分の意見がいえることが、学校の居心地向上のよさにつながるということが示されています。
現在の取組の中で、子供たちの声や意見が反映された事例について伺います。
○山本企画調整部長 都立小台橋高等学校では、生徒同士が気軽に交流できる居場所など、生徒自らの発案による活動を展開いたしました。
○斉藤(ま)委員 都立小台橋高校では、生徒の発案から、具体的にはボードゲームカフェを開いたりしているというふうに伺っています。生徒同士が気軽に交流できる場を、生徒自ら発案して実践することで居場所がつくられて、通いたくなる学校になるのではないかと思います。
不登校の生徒の数が過去最高になっている中で、どういう学校の在り方が求められているのか、大きなヒントにもなるものではないかと思いますが、このプロジェクトの効果や届いている声について、東京都教育委員会とはどのように共有しているのか伺います。
○山本企画調整部長 居心地向上の取組を組織横断のリーディングプロジェクトに位置づけておりまして、子供政策連携室が把握した子供の声など、都教育委員会と適時共有してございます。
○斉藤(ま)委員 東京都ではこの間、不登校が増えている原因については様々な要因があるとしながら、その原因を家庭や本人の問題として、学校の在り方については議論を避けてきました。
その点で、学校の居心地をよくしていこうということに着目した取組は重要なものだというふうに思っています。
このプロジェクトでは、子供たちの声を聞き、その声や意見を学校の取組に反映させていく、そして、その声を聞くコーディネーターを配置しているということが大きなポイントだというふうに思います。つまり、子供の声を聞き、その具体化をサポートする大人の手があるということが重要なんだというふうに思います。
先ほども申し上げましたけれども、学校の先生は忙しい。それは、教員が少なく、クラスの規模が大きく、一人一人の生徒に向き合うことのできる環境になっていないということが大きな要因なんだということではないでしょうか。
子供たちが通いたくなる学校に改善していく取組は重要です。先生の多忙化を解消し、一人一人の生徒に行き届く学校の在り方が求められているということを、都教育委員会や都の関係部局とも連携して共有し、子供政策連携室には、居心地向上などの学校の在り方の改善に向けて、現場の声を聞きながらリードする役割をぜひ発揮していただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○坂本委員 国民民主党の坂本まさしです。よろしくお願いします。
少子化対策の推進に向けた論点整理二〇二五においては、住宅や就労支援など、子育て世帯の生活基盤を支える施策が整理されたと思います。これらは子供を産み育てたいと願う家庭を社会全体で支える上で欠かせない取組であるかなと思います。
しかしながら、一方で、支援のいわゆる総量というようなことだけではなくて、その届き方とつながり方にこそ課題が残っているんじゃないかと思うわけであります。支援制度がどれほど充実しても、必要な人に届かない、そんな状況が続いてしまうと、実質的な支援とはいえないわけであります。
今日は、現場での実感、そして政策間の連続性、さらには支援の可視化という三つの観点からお話を伺わせていただきたいと思います。
子育て世帯の支援を行うためには、まずは子育て世帯のニーズや課題感の把握が重要だと思っております。
東京都では、少子化対策の推進に当たって、どのような形で都民のニーズを把握し、把握したニーズをどのように活用しておられるのかを伺わせてください。
○池上少子化対策担当部長 都の少子化対策におきましては、都民の意識やニーズの変化等を継続的に把握し、施策の充実に向けた検討に生かすため、昨年度から、若年層及び子育て世代を対象として、結婚や子育て等に係る意識調査を実施しております。
今年度は四月から六月にかけて、インターネットアンケートやグループインタビューの形式で意識調査を実施いたしました。
これらの結果に加え、関連する国や都の統計データ等を収集し、有識者のご意見も伺いながら、エビデンスに基づく多角的な分析を実施いたしました。
分析の結果を踏まえまして、今後の政策検討課題を整理した上で、八月に少子化対策の推進に向けた論点整理二〇二五を取りまとめ、関係局に共有し、議論を重ねているところでございまして、都民ニーズを踏まえた今後の施策展開につなげてまいります。
○坂本委員 ありがとうございます。結婚とか子育てなどに係る意識調査において、若者や子育て世帯のニーズを把握するとともに、これらの分析を踏まえて、関係局と課題を共有しているということだったかと思います。その少子化対策を取り巻く諸課題については、子育て世帯のニーズを踏まえた施策となっていること、また、そして、施策が都民に届いているというようなことは非常に重要で、こうした視点で各課題を確認させていただきたいと思います。
まず、住宅支援に関してです。
子育て世帯向けの住宅の供給拡充やアフォーダブル住宅制度の導入など、都として先進的な取組が進められているという点は非常に評価できるかなと思っております。特に、民間事業者との協働による供給モデルとか若年層の転入促進といった観点からも、これは注目すべき取組かなというふうに考えます。
ただし、入居後の生活満足度や居住継続率、こういった点で、その後を見据えた施策展開が重要なんじゃないかと。入居できたというようなことだけで終わらすことなく、コミュニティ形成とか孤立防止といった暮らしの質に踏み込む視点が求められるんじゃないかと思うわけであります。
そこで伺いますが、子供政策連携室として、住宅の支援と地域の子育て支援の接続、こういったものをどのように捉えておられるのかを伺わせてください。
○池上少子化対策担当部長 望む人が安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けましては、子育て世帯等が安心して生活できる住宅の確保と、それを下支えする、子供、子育てに優しい社会をつくることが重要でございます。
東京都の少子化対策二〇二五におきましては、子供の安全性の確保に加えまして、コミュニティ形成など、ソフト面を重視した住宅を認定し、支援する取組など、安心して子育てできる住宅確保の推進を掲げております。
また、区市町村が地域の実情を踏まえて行う少子化対策を後押しします三C補助事業におきまして、ファミリー向け区営住宅の提供や、民間支援団体等と連携した男性の育児支援など、ハード、ソフト両面から一体的に取組を展開する自治体への支援も実施してございます。
引き続き、子供政策連携室が横串を刺して、庁内各局や区市町村と緊密に連携し、子育て世帯の住環境確保の方策について検討してまいります。
○坂本委員 ありがとうございます。子供政策連携室が各局事業の横串を刺していくことによって政策間の連携をぜひ進めていただきたいと思います。
次に、子育て支援についてであります。
都内では、保育段階の待機児童はほぼ解消されたということですが、一方で、小学校入学以降の放課後時間帯における支援不足というものが依然として課題となっているかと思います。
学童クラブは重要なインフラではあるものの、預かり時間や長期休暇対応のミスマッチ、こういったものも含めて、時間帯の空白というものが親の就労継続を妨げるケースもあるんじゃないかということで、結果として、子供の学年進行に伴って、就労継続を断念せざるを得ない、そういった家庭もあって、放課後の壁というものが少子化の要因の一つにもなりかねないと。
この放課後の壁をどういうふうに捉えて、どのような支援連携を図っておられるのかを伺わせていただけますでしょうか。
○池上少子化対策担当部長 都内では、学童クラブの整備が進み、登録児童数が増加する一方、待機児童数は三千名程度で推移しており、特に小学三年生と四年生の待機児童の割合が大きくなっております。
また、都の調査におきまして、約三割の保護者が、学童クラブで十九時以降の預かりサービスがあった場合に利用したいと回答しており、放課後に長く預けたいという保護者のニーズがございます。
このため、東京都の少子化対策二〇二五におきましては、今年度、学童クラブのさらなる整備に向けた支援に加え、児童館等の既存施設を活用した多様な居場所づくりの支援など、量の拡充に向けた取組と、開所時間等について、都独自の国を上回る運営基準を満たす学童クラブの認証など、質の向上に向けた取組の両方を掲げております。
令和九年度末までの学童保育の待機児童の解消に向けまして、関係局と連携しながら、質、量の両面での子供の居場所の確保を推進してまいります。
○坂本委員 ありがとうございました。子供を放課後に預けられるかは、非常に共働きの保護者の皆さんにとって切実な問題であります。引き続き、各局と連携しながら放課後の壁の打破に向けて取組を進めていただきたいというふうに思っております。
また、子育て世帯に対する支援策は多岐にわたるわけでありますが、制度の複雑さ、そういったものが支援を受けられない理由になってはならないと思います。子育て世帯にとって必要な情報がまとめてきちっと入手できることが大事なんじゃないかというふうに考えるわけであります。
様々な施策をそれぞれに発信するというようなことではなくて、都民目線に立った情報発信を推進していくべきだというふうに考えますが、その所見を伺わせていただけますでしょうか。
○池上少子化対策担当部長 都におきましては、今年五月に、都民の悩みやニーズに寄り添い、出会い、結婚、妊娠、出産、子育てに至るライフステージごとに、都が展開する支援策等を分かりやすく紹介するため、―「叶えたい」を支えたい―チルドレンファースト社会の実現に向けてversion2を公表いたしました。
公表に当たりましては、都民の悩みやニーズに即して支援策を紹介するなど、本冊子のポイントを分かりやすくまとめたポケットブックを作成したほか、動画や特設ページ、SNS等、様々な広報媒体を活用し、積極的な情報発信を展開いたしました。
今後も、「叶えたい」を支えたいをキーメッセージに支援を必要としている都民に届くよう、都民目線に立った効果的な発信内容や発信手法等のさらなる充実について検討してまいります。
○坂本委員 ありがとうございました。都民は、自分にとって必要な情報をストレスなく入手できるということが重要であります。
今後とも組織の壁を越えて、都民目線で情報をまとめるとともに、ぜひ発信していただきたい。こうしたナビゲーション設計にこそ、行政のUXというものの質が問われるんじゃないかというふうに思います。
そして、子育て世帯を対象とする支援策というものは、住宅、教育、医療、雇用など多岐にわたるわけであります。
しかし、実際には制度間のつなぎ目というもので支援が途切れてしまったり、申請漏れが生じたりするケースも少なくないわけであります。
先ほども公明党の高田委員からも、フリースクールの申請漏れのお話ございましたけれども、私自身も、都民との関係性ですとか支援履歴を一元的に管理して、支援漏れを防ぐためのシチズン・リレーションシップ・マネジメント、こうしたCRMの導入を提案させていただいております。
子供政策連携室としても、子育て支援分野でこの考え方をぜひ応用していただいて、家庭ごとの支援状況をしっかりと俯瞰できるような設計思想を取り入れていただいて、多忙な子育て世帯を支援していくべきというふうに考えますが、所見を伺わせてください。
○池上少子化対策担当部長 ライフステージを通じた切れ目ない子育て支援策の効果を最大限に発揮させていくためには、その利便性を向上し、様々な悩みや不安によりサービスを必要とする子育て世帯に必要な支援を届けることが重要でございます。
少子化対策二〇二五では、便利で快適な子育て支援サービスを実現するため、国や区市町村、民間事業者等の垣根を越えたデータ連携やサービス基盤の構築等を進めるこどもDXの推進を掲げております。
こどもDXの具体的な取組として、アプリから必要な情報を先回りで届けるプッシュ型の子育てサービスや、保育所探しから入園までの手続がオンラインで完結する保活ワンストップサービスなどを進めることとしております。
引き続き、子育て世帯に必要な情報や支援が届くよう、関係局との緊密な連携を図ってまいります。
○坂本委員 ありがとうございます。子育て分野については、組織の壁を越えて、情報発信を行って、子育て世帯が自分たちの受けられる支援策がしっかりと見えるようになることは、とても重要なわけであります。
特に、家庭ごとの支援履歴を俯瞰的に、先ほども申し上げたシチズン・リレーションシップ・マネジメントの考え方を子育て分野で先行実装していただくことが、都のデジタル政策としても象徴的な一歩となるんじゃないかというふうに思うわけです。
これからも最新の情報が都民の手元に届くように、DXを最大限に活用していっていただきたいと思います。
ここまで、住宅や学童保育、デジタルと、少子化対策を取り巻く諸課題についてお話しさせてきていただきましたけれども、子供、子育て支援への支出は、単なる福祉ではなく、人的資本への投資であると考えます。
こうした人的資本への投資は、民間企業においても進めていく必要が当然あるわけでありますが、一方、民間企業だけでは難しいという部分もございまして、行政、特に全国的な制度を所管している国の役割は大きいものと考えております。
先ほど自民党の早坂委員も国との連携の話をしておられましたけれども、少し異なる観点のお話を伺わせていただきたいと思います。
企業が自発的に育児支援や柔軟な働き方を導入できるように、東京都として、国への制度提案、また、インセンティブ支援、そういったものをどのように投げかけ、取り組んでおられるのかを伺わせていただけますでしょうか。
○池上少子化対策担当部長 少子化対策を推進する上では、都だけではなく、国や区市町村、民間企業等がそれぞれの役割の下、連携し、社会全体で取組を推進することが重要でございます。
都は、国の施策及び予算に対する東京都の提案要求におきまして、子育てしやすい労働環境や雇用環境の実現を含む、子供政策及び少子化対策に関する要求事項を取りまとめ、幅広く要望活動を行っております。
あわせて、国の子供政策、少子化対策の司令塔であるこども家庭庁と定期的に意見交換を重ねております。
また、都自らも、少子化対策二〇二五におきまして、育児等と仕事の両立に向けた制度整備や、従業員の柔軟な働き方等に向けた環境づくり等に取り組む企業に対する支援などを掲げており、これに基づき取組を進めてございます。
引き続き、男女ともに子育てと仕事を両立し、ポジティブに働き続けられる環境を実現するため、国や区市町村、民間企業等との連携の下、取組を推進してまいります。
○坂本委員 ありがとうございます。引き続き国への働きかけを進めていただきまして、国と都が連携して少子化に対処していただきたいというふうに思います。
この子育て支援は、制度の数よりも届き方で評価されるべき時代に入っているんじゃないかと思います。どれだけ支援があるかということだけではなくて、しっかりとどれだけ支援を実感できるかに指標の軸を変える、そんな時期に来ているんじゃないでしょうか。
子供を育てる家庭が、支援がつながっているというふうに実感できる東京を実現するために、子供政策連携室が司令塔となっていただいて、暮らしの安心はつながりからというものを体現する都政運営を強く期待しますし、都民一人一人の暮らしの背中を押す行政として、現場と制度の橋渡し役を担っていただきたいと思います。
以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○福島委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
午後五時五十一分休憩
午後六時二十分開議
○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○望月委員 参政党の望月まさのりです。
近年、子供たちの心身の健康や学校とのつながりの希薄化が、教育や福祉の分野において深刻な課題となっております。
例えば、厚労省の令和六年中における自殺の状況によれば、小中高生の自殺者数は五百二十九人に達し、統計を遡る中で過去最多の水準となりました。
また、文科省の令和六年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、小中高生の不登校児童生徒数が約四十二万人を超え、大きな増加傾向が継続しております。
こうした動向は、子供の自尊心を十分に育むことができていないこと、自己肯定感や、学校、家庭、地域における居場所、つながりを十分に感じられないまま、教育環境や家庭環境、社会環境が複合的に機能不全に陥っている可能性を示唆しています。
前述した数値をただ減らすだけではなく、子供一人一人の尊厳や個性を育む観点から、施策の優先順位と重点分野を明確に打ち出すことが求められています。
そこで、自殺者数や不登校児童数の増加の原因をどのように分析しているかお聞かせください。これらは複合的要因とされがちですが、行政としては、どの要因を重く見て、どのように優先順位をつけて施策を講じているのか、その整理を伺います。
○山本企画調整部長 警察庁が公表しております令和六年中における自殺の状況によりますと、児童生徒の自殺の原因、動機は、病気の悩みの中でその他の精神疾患によるもの、これが最も多く、続いて、学業不振などとしております。
また、文部科学省が先月公表した児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、小中学校の不登校児童生徒について、学校が把握した事実として、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があったが最も多く、続いて、生活リズムの不調に関する相談があったなどとしております。
都が八月に公表いたしました子供政策強化の方針二〇二五の中では、様々な困難を抱える子供に寄り添い、一人一人の状況に応じた支援を一層強化することや、学校生活になじめない子供に、多様な学びの場、居場所の選択肢を提供することについて、政策強化の方向として整理し、庁内各局と連携しながら、今後の子供政策の検討をしてまいります。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。現代を生きる子供たちがなぜ不登校になり、なぜ自殺をするのか、その原因は、恐らく複合的要因といわれるかもしれませんが、私は教育にあるというふうに考えております。
学校教育において、子供たちが我が国に誇りを持てないような自虐史観教育や道徳観、倫理観教育が十分とはいえない教育環境の影響により、自らが世のため人のために存在しているという意識を持てず、自分が何者なのかも分からなくなっているからではないでしょうか。
私が様々な事件捜査を行っていた際、そこで痛感したのは、人が大人としてどのような人格を形成するかは、幼少期から高校卒業に至るまでの間、家庭、学校、そして地域社会において、いかに愛情を与えられて育ったかに深く関わっているということです。
事件捜査に携わっている中で、やはり被疑者になってしまう子は、親や地域から愛されず、愛情は足りず、そういうふうになってしまったという事件が本当に多くありました。私はその経験から、こうしたことを発言させていただいております。
子供が周囲から温かく見守られ、支えられながら成長することこそが、その人の人生を形づくる最も重要な基盤であり、社会全体の健全な発展にも直結するものと確信しています。
すなわち、子供の教育とは、単に知識や技能を教え込むのではなく、将来の日本を担う人材をいかにして、世のため人のために尽くすことのできる大人へと導くかという、国家の将来像そのものに関わる、極めて重要な根幹の課題であると考えております。
そこで、確認させていただきますが、子供政策連携室が抱く、現代を生きる子供たちに対して真に必要と思われるものは何と分析し、理解しているか、見解を伺います。
○山本企画調整部長 子供や子育て家庭を取り巻く課題は複雑化、複合化しておりまして、何か一つの手だてを講じれば解決するものではございません。
子供政策強化の方針二〇二五におきまして、誰一人取り残さない視点から、子供へのサポートを強化することを柱の一つに掲げてございます。
この中では、いじめや不登校など、悩みや困難を抱えている子供に対し、不安や悩みの深刻化の予防、解消や、問題解決に向けた多面的継続的な支援などが必要としてございます。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。自己肯定感の低下、不登校の増加、若年層の自殺など、子供たちが生きづらさを感じる社会となっています。
こども家庭庁が公表した令和六年版こども白書によれば、十三歳から二十九歳の若者を対象とした調査において、自分自身に満足している、そう思う、または、どちらかといえばそう思うと回答した日本の若者の割合は五五%であり、アメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンといった先進五か国中、最も低い水準となっております。
この数値は、若者の多くが自らの存在や将来に対して確信を持ち切れておらず、希望を描きにくい現実を示しており、教育、子育て、地域支援の観点からも看過できない事態といえます。子供たちが自らの生きる意味や価値を見いだせる環境を整えていくことが、今後ますます重要となるはずです。
今まさに国難の時代であり、教育分野に限らず、経済も食料も医療も情報主権も、いわゆるグローバリズムといわれる状態に陥りつつある中、日本人としての精神的な支柱を取り戻す必要があると考えます。
過去を一方的に否定するのではなく、先人の知恵と努力に学び、感謝と誇りを持って、未来を築く教育へと転換するべきです。家庭や地域、学校が一体となって、子供が人とのつながりを感じながら、心を育む場を再生していくことが急務であり、偏差値や受験競争にとらわれず、子供一人一人の個性を尊重し、学ぶ喜びや生きる力を引き出す教育体制を整えることが必要です。そして、子供が我が国に生まれてよかったと心から感じられる社会をつくることが、私たち大人の責任です。
その意味で、昨今国会で議論されている日本国国章損壊罪は、我が国の国旗についても同様に敬意を持つことが大切だという観点から、非常に意義のある論点だと考えます。こうした取組は、子供たちが自分の価値観の根をしっかり張り、ぶれない軸を持って生きていく力を育む上でも大きな意味があります。
自国も他国も含め、国旗や国章が象徴する価値を尊重することは、子供たちに、国家や社会への責任感、そして他者への敬意を伝える教育の一助にもなると考えます。
日本の未来を担う子供たちが、自分自身の価値を信じ、家族を大切にし、地域を愛し、我が国に誇りを持って生きられるよう、教育の原点を取り戻し、改めて人づくりに重点を置くことが重要だと考えます。
次に、昨今、外国人の国内生活者が急速に増加する中で、学校教育現場や地域社会において、日本語を母語としない子供たちへの教育をめぐる様々な課題が顕在化してきました。
確かに日本語を母語としない子供たちとの円滑なコミュニケーションを図ることは大変重要です。しかしながら、私たちが見据えるべきは、単なる言語支援にとどまらず、これからの日本社会における外国人との真の統合ではないでしょうか。
そこで伺います。日本語を母語としない子供たちへの教育は、単なる支援施策にとどまらず、統合、国際化、国益という観点から極めて重要です。都として、こうした課題にどのように対応されるのか、ご所見を伺います。
○山本企画調整部長 都では、日本語を母語としない子供を支援するため、子供政策連携室、生活文化局、教育庁などの関係局で構成する組織横断の推進チームを立ち上げ、子供政策連携室が総合調整機能を担いながら、関係局と連携して多面的な支援を行ってございます。
具体的には、子供目線に立った相談体制の整備や居場所づくりの促進に取り組むとともに、一人一人に応じた日本語教育指導により、地域や学校への適応をサポートし、多くの人とつながり、心理面や生活面等にも寄り添ったきめ細かな支援を展開してございます。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。日本に暮らす外国籍の子供たちに対しても、日本語教育のみならず、日本のすばらしさや精神、文化を丁寧に伝え、社会の一員として統合を目指すということは、長期的に見て、国益にも資する重要な取組であると考えます。
教育現場や全国各地域においては、こうした国家間や文化的アイデンティティーを育むための教材の充実並びに教育方針の明確化、コミュニティへの参加促進等、さらに進めていただきたいと強く要望いたします。
次の質問は、子供の体験活動に関することだったんですけれども、斉藤委員からも質疑がありましたので、こちらは飛ばさせていただきます。
次に、経済的な理由などから、特に若年層の間で、自らの体をお金に換える、いわゆる売春や援助交際といった行為が広がり、治安や風紀の悪化が懸念される状況が見受けられます。
最近では、新宿区の大久保公園をはじめとする都心部において、性搾取の被害に巻き込まれる少女たちの存在が、社会問題として顕在化しています。
こうした少女たちは、家庭環境の不安定さや経済的困窮、孤独や居場所の喪失などの要因を背景に、やむを得ずそのような道を選んでいる現状があります。また、これについては、経済的困窮のみならず、心の貧困が根底にあることも否めません。
昨今、都心部で問題となっている性搾取の犠牲となる少女たちについて、なぜ彼女らがその道を選ばざるを得ないのでしょうか。その背景には、人間関係などの心の問題だけではなく、質の低いものを食べることに起因する心身ともの不調などの様々な要因があると思います。
少女たちに対して、女性の体の大切さを啓発し、相談支援を充実させていくべきと考えますが、子供政策連携室の取組とその実績を伺います。
○山本企画調整部長 子供政策連携室におきまして、不安や悩みを抱え込みやすい思春期の子供に対し、自らの健康管理の意識向上と行動を後押しするため、性や健康等の思春期に知っておきたいヘルスケア情報を専用ホームページで発信してございまして、本年十月末時点で、アクセス数は累計約百四十万ページビューとなってございます。
また、子供が日常的な不安や悩みをスマートフォンやパソコン等からチャット形式で心理士や保健師などに気軽に相談できるギュッとチャットを今年一月から開始しております。
十月十九日までの先行稼働期間に五千五十三件の相談を受け、このうち、約三六%が中高生年代からの相談となってございます。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。昨日、都民安全総合対策本部が行っている歌舞伎町にあるきみまもに視察に行ってまいりました。そこでは、人生に様々な悩みを抱える若い子たちが集まっていて、食事をしたり、誰かとコミュニケーションを図ったりするシーンを見させていただきました。
そこで提供される食料が安価で簡易なものであることについては別途言及しておきましたが、そこに集まる子の特徴をお聞きしたところ、やはり経済的に困窮しているだけではなく、何らかの理由により、幼少期から思春期までの間、十分に愛情を受けてこなかったことから、自分の存在意義や生きている理由が見えず、本能的に誰かとのつながりを持ちたいという感情を表現する子が多く集まる現状を確認させていただきました。
本件は、都民安全総合対策本部の事業でありますので、これ以上の言及はこちらでは避けますが、私が主張させていただきたいのは、短期的には、日本経済の長期低迷や家庭の貧困、社会の格差拡大といった構造的要因が背景にあると捉えておりますが、より長期的な視点に立てば、やはりこれは彼女たちが受けてきた教育の内容や価値観、また、社会との接し方、人間関係の築き方に根本的な問題があるのではないかと強く感じています。
女性にしか子供は産めない、いい換えれば、女性は生まれたときから、自分一人の体じゃないということです。老若男女問わず、日本人女性を守らなければいけないことは誰もが分かっていることです。
最近では、外国人観光客をターゲットとした買春ツアーのようなものが実際に組まれているという報道もある中で、こうした若い世代の女性たちが都内で被害の当事者にも加害の温床にもなっている実態は極めて深刻であり、元検察事務官としても決して見過ごすことはできません。
これは単なる個別事例ではなく、都の治安、教育政策、さらには国際的な信用にも関わる問題です。都としても、警視庁など関係機関と緊密に連携し、早急に対策を講じる責任があると考えます。
この問題には、時間が解決するという楽観的な態度は通用しません。子供たちが社会に出る前の段階での教育的アプローチ、家族や地域とのつながりの回復、そして、早期の保護、支援体制の整備を含め、都としてできる最大限の対応を早期に講じていただきたいと強く要望いたします。子供政策連携室が横串を刺していただきたいというふうに思います。
次に、少子化対策についてです。
少子化対策については、毎回、様々な複合的要因が絡み合っているとの説明がありますが、少子化に歯止めがかからない大きな理由、少子化に影響を与えている具体的な要因すら十分に把握されていないのが現状です。そのため、出口が見えない状況が続いているといわざるを得ません。
ここ最近では、核家族化が進み、地域とのつながりを感じにくくなりつつあるという声を多く聞きます。地域においても、育児の悩みや子育てについて相談できる人がいると心強く、相談相手が多ければ安心も大きくなります。
特に、母親の不安を一つでも払拭し、安心材料を増やしてあげることが、子供を持とうという気持ちにつながっていくのではないでしょうか。
そこで、子育ての悩みを身近に相談できる相手が存在するような地域、家庭環境の重要性についてどのように分析しているのか、見解を伺います。
○池上少子化対策担当部長 都が今年度実施いたしました意識調査からは、予定する子供の数が多い方ほど、近隣に子育てに関して相談できる人がいると回答した割合が多いことが分かっておりまして、子育て家庭を地域で支える仕組みは重要であると認識しております。
なお、都におきましては、東京都の少子化対策二〇二五におきまして、各家庭のニーズに応じた伴走型の相談支援等に取り組んでいる自治体を後押しすることなどを掲げ、これに基づき取組を進めているところでございます。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。
相談先の創出の目的等から、現在ギュッとチャットなど、オンラインによる子育て支援事業に予算を配分されていますが、オンラインのつながりだけでは、子育ての本質的な学びや支え合いは十分に得られないと思います。子育ては本来、親や祖父母、地域の方々といった実際の人との関わりの中で、経験を通じて学ばれていくものです。
私は、少子化対策として、三世代同居促進による地域強化、子育て支援も一つ、手ではないかと考えます。海外の取組を見ますと、シンガポールでは、親、子、祖父母が同じ住宅ユニット、あるいは同一団地内に住むことを可能にした三世代フラットの制度が導入され、多世代が支え合いながら暮らす環境を制度的に整備しています。これにより、住宅支援だけではなく、子育て支援、地域支援と連動した多世代共生が進められています。
また、ドイツでは、多世代住宅という制度を通じ、子供たちの学び場、高齢者の居場所、地域交流の場を一体化し、世代間で助け合う生活基盤を形成しています。
これらの海外事例は、子供たちが家庭、地域、世代のつながりを感じながら育ち、教育、子育て環境の改善、少子化の緩和、地域、世代の絆の再生を同時に実現し得る政策として、日本においても参考になるのではないでしょうか。都においても、三世代同居や近居、多世代同居を促す制度、支援をご検討ください。
次に、卵子凍結、リプロダクティブテクノロジーの進展を背景に、将来の出産戦略として、それを推奨する動きがあります。しかし、イギリスにおいては、凍結イコール出生保証ではないと警告しており、リスク教育が不可欠です。
少子化対策としての卵子凍結の意義と取組状況について、具体的にお答えください。
○池上少子化対策担当部長 卵子凍結は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには踏み切ることができない方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つとなるものでございます。
このため、少子化対策二〇二五では、加齢等による妊娠機能の低下を懸念する場合に行う卵子凍結に係る費用の助成とともに、妊娠、出産に関する正しい知識等を説明するセミナーの開催、卵子凍結等に係る職場環境の整備を行う企業等の支援などを掲げており、これに基づき取組を進めてございます。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。卵子凍結については、その選択肢もあるということを広く周知することのみならず、様々研究段階であり、将来の子供に与える影響、母子に与える影響など、正確なデータが出そろっていないことから、メリットだけではなく、デメリットについても同様に周知することが重要だと考えます。
続けて、近年の都の対策は、政策軸が不妊治療支援、高齢者出産支援に偏重しているように見えますが、そもそも、なぜ少子化対策として若年妊娠支援より、そちらが重視されているのか、分析の根拠を伺います。
○池上少子化対策担当部長 都におきましては、望む人誰もが安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向けて、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てまでを切れ目なく支援しているところでございます。
○望月委員 ご答弁ありがとうございます。
まず、大前提として、トランプ大統領も明言しているように、この世界には男と女という二つの性しかなく、男性は生物学的に子供を産むことはできません。女性の出産というのは、科学技術では代替できない、身体的、精神的にも大きな負担を伴う、極めて神秘的なものです。
近年は、無痛分娩や卵子凍結、体外受精など、生殖に関する医療技術が発達していますが、イギリスやオーストラリアをはじめとする複数の国では、これらの技術が母子に与える影響や倫理的な課題について慎重な議論が行われています。
科学技術や医療の進歩は歓迎すべきものではありますが、それが人間の本質や生命の尊厳をゆがめるようなものであってはならないとも考えます。
その観点から、都としても、出生や生殖医療に関する教育、啓発において、単に利便性や選択の自由のみを強調するのではなく、自然な出産の意義や命の尊さ、そして、親子の愛着形成や幸福感の大切さをしっかりと伝える方針を打ち出していただきたいと思います。
かねてから訴えていることではありますが、少子化が喫緊の課題だという認識があるのであれば、いつか子供を産みたいと思ったときに産めるような仕組みづくりではなく、今、子供を産みたいと思える人づくり、社会づくりという、本気の少子化対策に早急にシフトすることを強く要望いたします。
少し時間が押しているので、質問は以上といたします。
以上、都の子供政策について質疑をさせていただきました。
今、私たちに求められているのは、子供にとっての幸せとは何か、家庭とは何か、命をつなぐとはどういうことかといった本質的な価値観の再確認と、その価値観に基づいた政策づくりが重要です。
少子化や家庭の崩壊といった深刻な課題に対しては、短期的な便利さではなく、五十年、百年先を見据えた勇気ある政策判断が求められます。
先日、大阪府の泉大津市に視察に行かせていただきました。
約七万人規模の小さな市ではありますが、マタニティ応援プロジェクトと題し、そのプロジェクトに参加した妊婦を対象に、ほかの自治体と連携をしてお米を確保し、毎月十キロ、金芽米を配布するというものでした。
その政策は、市民の健康増進、食料危機への備えという問題意識が出発点です。金芽米とは、玄米の表面から少しずつぬかを取り除いていくことにより、お米の表面に均等に亜糊粉層を残す精米方法で、栄養を最大限に生かした精米が可能になるものです。
これを学校給食に導入するなど、自然栽培や減農薬のものを子供たちに食べさせることで、子供たちの健康を真に願った政策がほとんどでした。
取組の趣旨としては、食による妊婦の健康増進や行動変容を促し、健康リテラシーの向上を図ることにあるそうです。ふだんから健康でいれば、対症療法であるワクチンなどの西洋医学に頼ることなく、病気に打ち勝つ体づくりを徹底されていました。
まだ研究段階だそうですが、この金芽米で育った子供の出生時体重が増加傾向であり、一か月健診時の体重が増加傾向にあるとのことでした。
何より泉大津市の市役所の職員お一人お一人の意識が高く、本当に生き生きして職務に従事しておりました。自分たちが行っている事業が、市の子供たちをはじめ、そのご両親、おじいちゃん、おばあちゃんの世代に至るまで、一人一人の幸せに関われているという実感を持ち、喜びを感じている様子でした。
また、公園で遊んでいた子供たちも、市長を確認するや否や、市長に声をかけて駆け寄るなど、市長から子供たちまで、大切にし合っている光景を見させていただきました。政策立案から実現まで、市長が本気で子供たちを愛しているからこそ、お互いに通じ合っているんだろうなというふうに実感をしました。
東京都の皆様が立案している政策は、子供たちにとって、また、お母さんたちにとってどう思われているでしょうか。まずは原点に立ち返り、母子ともの健康増進から始まる食育に重点を置き、抜本的な少子化対策の入り口としてみてはいかがでしょうか。
ぜひ子供政策連携室の皆様にも、本気で子供たちのことを思い、本気で少子化対策に臨むのであれば、一度、泉大津市に視察に行っていただくことをお勧めいたします。
以上、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○こまざき委員 都民ファーストの会のこまざき美紀です。よろしくお願いします。
近年、気候変動の影響により、夏季の猛暑が深刻化しています。連日のように気温が三十五度を超える日が続き、熱中症警戒アラートが発表される中、子供たちが安全に外遊びをすることが極めて困難な状況となっています。
気象庁のデータによれば、都における真夏日、猛暑日の日数は年々増加傾向にあり、今後もこの傾向は続くと予測されています。環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、暑さ指数が三十一度以上の場合、運動は原則中止とされておりますけれども、真夏の東京では、午前中からこの基準を超える日が珍しくありません。
こうした状況下で、子供たちの外遊びの機会は大幅に減少しており、体力低下や運動不足による健康への悪影響も懸念されます。実際、文科省の全国体力・運動能力調査においても、コロナ禍以降、子供の体力、運動能力の低下傾向が顕著になっており、猛暑で外遊びができない状況が続ければ、この傾向はますます深刻化することが予想されます。
この殺人的な暑さへの対策として、都民ファーストの会東京都議団では、本年八月十八日に知事に提出した緊急要望において、保育所や幼稚園の園庭、公園遊具等への日よけ設置を進め、子供を暑さから守る環境整備を推進することを求めてきました。また、あわせて、都立高校で試験導入されている校庭の日よけ設置を全校へ拡大することも要望いたしました。
そこで、まず伺いたいと思います。
都は、区市町村が屋内外の遊び場を整備する際の補助制度を設けておりますけれども、具体的にどのような内容となっているのか。補助対象となる施設や補助率、補助上限額など、制度の概要について伺います。
○山本企画調整部長 都は令和五年度から、子供の遊び場等整備事業補助金により、区市町村が子供の意見を踏まえながら、プレーパークやボール遊び場、屋内遊び場など、地域の資源を活用した多様な遊び場を整備することを支援してございます。
本事業では、遊び場の新築や改修等に要する経費のほか、子供の意見を聴取する取組などの経費に対しまして、補助率十分の十、一か年度当たり一億円を限度に最大三年間の補助を行ってございます。
○こまざき委員 ありがとうございます。
では、この制度を活用して、これまでに何自治体が採択されたのか伺います。
○山本企画調整部長 本事業では、令和五年度は六区市、令和六年度は八区市村、今年度は十二区市村の計二十八事業を採択し、子供の意見を踏まえたプレーパークやボール遊び場など、地域資源を活用した遊び場の創出を支援してございます。
○こまざき委員 この制度を活用して、多様な遊び場が整備されたことは評価いたします。
気温そのものが人体に危険なレベルに達している状況では、屋外で体を動かすことはおのずと限界がございます。
本事業では、屋内遊び場が何件採択されたのか、施設の概要も併せて伺います。
○山本企画調整部長 これまで採択をいたしました二十八事業のうち、屋内遊び場につきましては、四区市村、五事業を採択し、子供が天候にかかわらず遊ぶことができる環境づくりに取り組んでございます。
本支援により整備されました施設の例として、登る、渡る、滑るなど、様々な遊びができる複合遊具が設置された約四百三十平米の屋内遊び場やインクルーシブな遊び場に加え、カウンターデスクやイートインスペースも設置するなど、幅広い年代の子供たちが、遊びや学びが行える約四百平米の屋内遊び場がございます。
○こまざき委員 ありがとうございます。屋内遊び場の整備が五件採択されているとのことですが、少々少ないかなという印象を受けました。
現場の区市町村からは、補助制度があっても、新たに施設を建設し、継続的に運営していくことは、財政的にも、そして人員的にも大きな負担があり、なかなか実現が難しいとの声も多く寄せられています。
都として、こうした区市町村の抱える課題をどのように認識しているのか、また、これらの課題に対して、どのような支援策を講じているのか伺います。
○山本企画調整部長 子供の健やかな成長を支えるため、夏の暑さが深刻化する中にありましても、子供の遊びの機会を確保することは重要でございます。
都は、子供目線に立った遊び場整備の取組を全区市町村へ広げていくため、遊び場の整備内容や整備の過程が優れている事例を好事例集として取りまとめておりまして、整備をいたしました屋内遊び場の概要や、子供の意見反映の内容などについて掲載し、区市町村説明会等で共有を図っているところでございます。
○こまざき委員 ありがとうございます。事例集で共有しているとのことですけれども、新規の公共施設整備には多くの課題があり、また、既存の公共施設だけでは需要に十分応えられていない現状があります。
そこで、発想を転換しまして、既に民間が運営している施設の活用を積極的に進めてはいかがでしょうか。
他自治体の先進事例について申し上げますと、神奈川県相模原市では、十八歳以下のお子さんに対して、市営プール、体育館、アイススケート場などの使用料を無料化としています。同じく神奈川県海老名市では、市立小中学生に対して、屋内プール無料利用券を配布しています。
さらに、兵庫県明石市では、子育て支援の五つの無料化の一環として、親子交流スペース、ハレハレという大型屋内遊具を備えた施設を明石市民は無料で利用できるようにしたほか、市民プールについても市内の小学生は無料としています。明石市はこうした取組により、十年連続で人口が増加し、子育て世代の移住先として高い評価を得ています。
これらの事例は、公共施設の整備無料化により、子供の遊び場を確保する取組として参考になりますが、都としては、さらに一歩進んだ施策として、民間の室内遊具施設の活用も視野に入れるべきだと考えています。
例えば、民間施設活用の具体的な提案について申し上げます。都内を見渡せば、子供たちが思い切り体を動かせる民間の室内遊具施設が多数営業しています。ボーネルンドのキドキドのような遊びの専門家が設計した室内の遊び場、全身運動ができるトランポリンパーク、トンデミ、多様な遊具を備えた室内遊具地、あそびマーレ、プールやスタジオを備えたスポーツジム、さらにはボルダリングジムや屋内スケートリンクなど、その種類は実に多彩です。
これらの施設は、既に高い専門性と運営ノウハウを持ち、子供たちに安全で魅力的な遊び環境を提供しています。しかし、利用料が一回当たり千五百円から三千円程度かかるため、特に複数の子供を持つご家庭にとって、頻繁に利用することが経済的に難しいという声を多く聞きます。
そこで、都が新たに施設を建設するのではなく、こうした既存の民間施設に対して、子供の利用料補助を行うことを提案いたします。
この手法の最大の利点はスピードです。新規施設の建設には用地取得から設計、建設、運営体制の構築まで数年を要しますが、民間施設活用であれば、制度設計さえ整えば来年の夏には実施可能です。猛暑で苦しむ子供たちを今すぐ助けることができます。
また、子供たちや保護者にとって、選択肢が広がるのも重要です。活発な子にはトランポリンパーク、じっくり遊びたい子は知育玩具が豊富な施設、水遊びが好きな子はプール施設と、それぞれの個性や興味に合わせて遊べます。この多様性こそが民間施設の活用の強みだと考えます。
さらにいえば、この施設は、子育て支援であると同時に、コロナ禍で打撃を受けた地域の事業者支援にもなります。民間施設の利用が促進されれば、雇用の安定化や新規雇用の創出にもつながり、地域経済の活性化に貢献します。
猛暑という新たな課題に直面する中、公共施設の整備だけでなく、既に存在する民間の資源を有効活用する公民連携の視点が今こそ求められていると考えております。
以上、提案とさせていただきます。ご検討をお願いいたします。
次に、ギュッとチャットについて伺います。
都が本年一月から開始したギュッとチャットは、子供や子育て家庭の日常的な不安や悩みに寄り添う、東京ならではの先駆的な取組として高く評価しています。
どこに相談したらよいか分からないような、もやもやとした悩みを最初に相談する窓口として位置づけられ、孤独、孤立による不安や悩みの予防、解消を目指している点は、まさに現代のニーズに応えるものです。
都が実施した調査では、孤独や孤立を感じる方の七から八割が、他者とのつながりを求めることが明らかになっており、このサービスの必要性は明確です。公認心理師や臨床心理士、看護師、保育士など、多様な専門家がメンターとして参加している点、また、学齢期から十八歳までの子供本人と、妊娠期から十八歳までの子供を育てる保護者の両方が利用できる仕組みとなっている点も、家庭全体を支える相談体制として高く評価します。
実際、十月の本稼働スタートまでには五千件を超える相談が寄せられていると伺っており、都民の皆さんからの期待の高さがうかがえます。
そこでまず、先行稼働の期間の相談実績や主な相談内容について伺います。
○山本企画調整部長 都は、日常的な不安や悩みをスマートフォンやパソコン等からチャット形式で気軽に相談できるギュッとチャットを今年一月二十四日から開始しております。
十月十九日までの先行稼働期間には五千五十三件の相談を受け、このうち、約五一%が小学生年代、約三六%が中高生年代であり、全体の八七%が十八歳以下の子供本人からの相談となってございます。
子供からの相談は、学校生活、心身の健康、人間関係など、また、子育て家庭からは、子育て、家庭環境、心身の健康など、多岐にわたる相談が寄せられております。
○こまざき委員 ありがとうございます。先行稼働期間中の実績として、子供本人からの相談が約九割という状況が分かりました。
今年三月の第一回定例会総務委員会の場で、私たちの会派の議員が相談実績について伺いましたところ、子供からの相談は約七割との答弁がありました。
それを踏まえますと、子供たちの相談が占める割合がさらに増加しており、現在も子供たちにとって相談しやすいサービスとなっていることがうかがえます。
これまでの経過は順調に運用されているようですが、相談ニーズの増加への対応や、日本語を母語としない方など、今まさに支援が必要な層への視点も欠かせません。
そこで、十月の本稼働ではどのような取組を実施したのか伺います。
○山本企画調整部長 十月二十日からスタートした本稼働では、より多くの方に利用していただけるよう、相談回線を九回線に倍増させるとともに、回線が混雑している場合には、次に相談できる時間の目安を表示する仕組みを新たに導入いたしました。
また、ウェブサイトの多言語化やチャット相談の翻訳機能を導入し、日本語を母語としない方も気軽に不安や悩みを相談できる環境を整備することに加え、AIを活用し、相談の内容に合わせ、適切な専門家等を紹介する機能やチャットボットの導入など、利用者目線に立った取組を展開してございます。
○こまざき委員 利用者目線に立ってサービスを充実させていることを確認しました。
誰一人取り残すことがないように、これからもサービスの向上に取り組んでいただくよう要望いたします。
先ほどの日本語を母語としない方のように、このサービスを必要とする子供や保護者へ確実に届けるため、都はどのような周知活動を行っているのか伺います。
○山本企画調整部長 子供や保護者一人一人に情報を届けるため、区市町村と連携して、学校の一人一台端末や自治体の子育てアプリなどを通じて周知を行っているとともに、今後、東京都出産・子育て応援事業のメールマガジンを活用した配信も行います。
また、不安や悩みを抱えた多くの子供や子育て家庭に一層利用いただけるよう、SNSを活用した広報を通年で実施することに加え、子供たちの不安が高まりやすい長期休業明け前後には、集中的な広報も展開してございます。
さらに、日本語を母語としない方に向けましては、これまで日本語で制作していた動画やポスター、パンフレットなどのコンテンツを多言語化し、多文化キッズサロンを通じて周知を図るなど、対象に合わせたきめ細かな広報を実施してまいります。
○こまざき委員 対象に合わせて、きめ細かく広報を行っていることを確認しました。引き続き、ギュッとチャットを必要とする子供や保護者に情報が届くよう、周知活動を実施していくことを要望します。
最後に、相談対応について伺います。
相談者に寄り添った丁寧な対応は不可欠ですが、チャットならではのテンポのよいコミュニケーションも大切だと思います。よりスムーズで的確な対応を目指すため、相談にどのような体制で対応されているのか、また、きめ細やかなサービスを提供するためにどのような取組を実施しているのか伺います。
○山本企画調整部長 ギュッとチャットの相談運営は、他の自治体等の相談実績が豊富な事業者に委託して実施をしてございまして、スーパーバイザーのサポートの下、心理士、社会福祉士、保育士などの多様な専門人材がそれぞれ相談対応に当たっております。
また、回答の質を確保するため、相談対応の進め方や緊急時の対応フローなど、業務に必要な事項をまとめたマニュアルを基に、相談対応やシステム操作等の実践的な研修を継続的に実施するなど、サービスの品質向上に資する取組も実施しております。
○こまざき委員 一部の利用者の方からは、返信に時間を要したケースや、返信内容が相談者の意図と異なっていたケースもあったと聞いておりましたが、質の高いサービスを提供するために、体制や研修等を充実させていることを確認でき、安心いたしました。
利用者に安心して使っていただけるよう、今後もサービスの充実と質の確保の両面から取組を進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。
フリースクール関係について伺います。
都内には三万人を超える不登校の児童生徒がいます。学校での勉強や生活、友人関係など、子供たちが不登校という状況に陥る要因は実に様々であり、かつ、それらは複合的であるといわれています。
不登校という状況になってしまった子供たち一人一人に寄り添い、それぞれの状況に応じた学びの場を提供していくことが重要です。真の学びの多様化を実現するためには、より多くの子供たちがフリースクールなどの学びの場を実際に利用できるよう、支援の拡充を求め、質問をいたしたいと思います。
まず、都内にはどれぐらいの数の不登校児童がいるのか、また、その動向はどうなっているのか、そこに、小学校、または中学校別で何らかの特徴があるのか、さらに、不登校児童が生まれる要因についてどのように分析、把握しているのか、それぞれお伺いします。
○山本企画調整部長 文部科学省が先月公表した児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、東京都内の不登校の小中学生は三万三千八百三十一人であり、前年度と比較して、三百六十八人減少し、十二年ぶりの減少となってございます。
また、小学校、中学校別に不登校児童生徒数を見ますと、小学校では前年度比で六十七人の増加、中学校におきましては四百三十五人の減少となってございます。
この調査の中では、不登校児童生徒について学校が把握した事実としまして、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があったが最も多く、続いて、生活リズムの不調に関する相談があったなどとなってございます。
○こまざき委員 不登校児童生徒の減少は十二年ぶりであり、都における不登校施策の成果と受け止めることもできます。
一方で、依然として三万人を超える不登校児童生徒がいます。不登校という状態になってしまった児童に対する対応、フォローが大事であることはいうまでもありません。
昨今、不登校児童の新たな学びの場としてフリースクールが取り上げられています。
私たちは、フリースクールプロジェクトチームを立ち上げ、継続的に研修と議論を重ねてきました。と同時に、都に対して提言も行ってまいりました。
私たちの提言は三つの柱から成ります。一つは、子供目線に立ったフリースクールへの支援制度の創設、二つ目は、保護者負担軽減のための支援制度の創設、三つ目として、子供一人一人の可能性を伸ばす多様な学びの実現へのチャレンジがございます。
私たちの提案を踏まえ、私たちが強く求めてきた東京都フリースクール等利用者支援事業が実現し、心から感謝を申し上げます。月額二万円という支援は、不登校の子供たちとその家庭にとって大きな希望となりました。都の不登校支援における画期的な前進として、高く評価したいと思います。
そこで、本事業の昨年度及び本年度の利用実態について、子供の年齢層の内訳を伺います。
○山本企画調整部長 令和六年度は、利用料助成につきまして、三千百五十四件の交付決定を行い、このうち、小学生が一千七百十八件、中学生が一千四百三十六件となっております。
令和七年度は、利用料助成について、十月末時点で二千五百十七件の交付決定を行い、このうち、小学生が一千四百三十九件、中学生が一千七十八件となってございます。
○こまざき委員 本制度が多くの方々に利用されていることは喜ばしいことです。
国の最新の調査でも、都内公立学校の不登校児童生徒のうち、フリースクール等を含む民間施設の相談、指導等を受けた児童生徒数は、小学校で約九%、中学校で約七%と年々増加しています。
一方で、私たちが不登校の子供を持つ保護者から聞く声は切実です。不登校の子供の置かれた状況は様々であります。学校の校内分教室、いわゆるチャレンジクラスを活用するケースもあれば、学校外の教育相談センターなど、公的支援を活用しているケースもあると思います。
また、フリースクール等の民間施設を活用するケースもあります。特に、フリースクール等の民間施設については、利用料がボトルネックとなり、フリースクール等に通わせたくても通わせられないという実情もあります。
こうしたご家庭においては、都独自の利用料助成制度の存在が大きな助けとなるはずです。利用料助成制度の存在を知れば、金銭的負担をためらうことなく、子供を通わせることができるご家庭もあると思います。
そのような意味では、利用料助成制度の情報が必要とする方に届き、利活用に結びつけていくことこそが重要であります。せっかく実現した支援制度を真に支援を必要とする多くの子供たちに届けるために、どのように周知を行っているのか伺います。
○山本企画調整部長 フリースクール等利用者支援事業を必要とする方々に本事業の情報が着実に届くよう、様々な工夫を凝らしながら、幅広く周知広報に取り組んでおります。
具体的には、支援制度の専用ウェブサイトにより制度の詳細を広くお知らせするとともに、学校、教育機関に加え、福祉関連施設、フリースクール等を通じての周知を図るほか、先月開設をいたしました不登校の子供を持つ保護者が様々な支援等に関する情報を一元的に入手できるポータルサイトにも掲載をしてございます。
○こまざき委員 通所型フリースクールに通うことが難しい子供たちが大多数を占める中、私たちはオンラインフリースクールという選択肢に注目をしています。
私たちの会派の有志で、複数のオンラインフリースクールの視察を行いました。そこで確認したのは、オンラインが決して単なる動画配信ではないということです。
オンラインフリースクールには、リアルタイムで参加する朝の会や授業あり、文化祭や運動会などの学校行事もあり、子供たちが自分の居場所を感じられる工夫が随所に凝らされています。画面越しでありながら、生徒同士、そして、先生との間に確かなつながりが生まれていました。
不登校だった子供がオンラインで仲間と出会い、徐々に自信を取り戻し、やがてオフラインのイベントにも参加できるようになった事例も見てまいりました。
さらに、自分のペースで学びを深めながら、得意分野を伸ばし、自己肯定感を高めている子供たちの姿がありました。一人の保護者からは、うちの子は外出することが難しかったのに、オンラインなら安心して参加できる、今では毎日画面の前で友達との時間を楽しみにしていますと語っておられました。
通所型フリースクールには、対面でのコミュニケーションや実際に体を動かす活動など、かけがえのない価値があります。一方で、オンライン型は、地理的に制約がない自宅という安心できる場所で参加できる、対人関係への不安が軽減されるといった利点もあります。重要なのは、どちらが優れているかではなく、子供一人一人の状況に応じて選択できる環境を整えることではないでしょうか。
二〇二四年十二月、私の一般質問における、困難を抱える子供に寄り添った支援のさらなる充実を図っていくべきとの不登校児童生徒に関する質問に対して、小池都知事は、ユーザー目線を徹底し、政策に磨きをかけていくとご答弁されました。私はこの言葉を重く受け止めています。
真の学びの多様化とは、多様な選択肢が存在するだけでは不十分です。それらの選択肢に実際にアクセスできる環境が整っているということが不可欠だと考えます。
通所型フリースクールという選択肢があっても、地理的、経済的、心理的な理由でアクセスできなければ、その子供にとって選択肢は存在しないのと一緒です。
さきに述べたとおり、国の調査で、民間施設の相談、指導等を受けた生徒児童数は小学校で約九%、中学校で約七%となっております。そのほかの九割の子供たちは、チャレンジクラスや教育相談センターの利用など、様々な支援を受けているとは思いますが、フリースクールに通えなくても通えない子供たちもいると考えられます。
だからこそ、通いのフリースクールだけでなく、オンラインでの学びや家庭での学びなど、多様な学びの場に応じた支援の充実が求められます。より多くの不登校の子供たちが自分に合った学びの場を実際に選択できる、これこそが本当の意味での学びの多様化ではないでしょうか。
文科省もICTを活用した学習支援の重要性を指摘しており、オンラインでの学習も出席扱いとする仕組みが整備されています。全国的にもオンラインを活用した不登校支援の取組が広がりを見せています。
そこで伺います。
都は、不登校の子供たちへの支援において、今後どのような方向性で、多様な学びの場、居場所の提供を進めていくお考えでしょうか。また、ICTやオンラインを活用した支援の可能性についてどのように考えているのか伺います。
○山本企画調整部長 都は、八月に公表した子供政策強化の方針二〇二五におきまして、学校と福祉等の関係機関が協働して支援する体制の充実の一つといたしまして、公立中学校におけるチャレンジクラスの設置促進や、公立学校、教育委員会とフリースクール等との連携推進、オンライン上の仮想空間における新たな居場所や学びの場となるバーチャルラーニングプラットフォームの活用を図ることを政策強化の方向として整理してございます。
引き続き、関係局と連携しながら取組を進めてまいります。
○こまざき委員 ありがとうございます。これまで申し上げてきましたように、大多数の不登校の子供たちがフリースクールなどの民間施設を利用できていない現状があり、一方で、オンラインフリースクールにはその壁を乗り越える可能性があります。
そこで、現在の支援事業をオンラインフリースクールにも拡大することを強く求めます。
オンラインフリースクールへの支援拡大には次のような意義があると考えています。地理的制約の解消です。多摩地域や島しょ部など、近隣にフリースクールがない地域の子供たちにも、都内のどこからでも、質の高い教育を受けられるようになります。
また、経済的負担の軽減です。オンラインフリースクールには、通所型に比べて、利用料は比較的安価な傾向があり、交通費もかかりません。二万円の支援があれば、多くの家庭で実質的な負担ゼロに近づく可能性があります。
次に、心理的ハードルの低減です。自宅という安心できる環境から参加できるため、対人関係に不安を抱える子供たちも、まずは一歩を踏み出しやすくなります。
段階的な支援の実現です。オンラインから始めて、徐々に対面の活動にも参加していくという柔軟な支援の形が可能となります。
実施に当たっては、一定の質の確保が重要です。単なる動画配信ではなく、双方のコミュニケーションがあり、子供の居場所としての機能を果たし、個別の支援体制が整っているかどうか、こうした要件を満たす施設を認定する仕組みが考えられます。
そこで伺います。
大多数の不登校の子供たちが取り残されている現状を変えるために、より多くの子供たちに学びの機会を届けるため、そして、真のユーザー目線に立った政策とするために、オンラインフリースクールへの支援拡大について、都の見解を伺います。
○山本企画調整部長 フリースクール等利用者支援事業は、学校生活になじめない子供が、様々な子供と時間や場所を共有しながら、将来、社会で自立していく力を身につけていく観点から、人とのリアルなつながりを持つことができる通所型施設を支援対象としてございます。
このため、自宅での活動が中心となるオンラインフリースクールのみの利用については、現在対象としてございません。通所型施設を利用している方で、体調等子供の状況に応じてオンラインを併用する場合には、本事業の対象としてございます。
○こまざき委員 ありがとうございます。オンラインフリースクールへの支援拡大を引き続き求めていきたいと思いますが、このほかにも、制度の充実強化に関して、たゆまぬブラッシュアップも大事になってくると思います。
そこで、この点に関する都の対応と今後の取組について伺います。
○山本企画調整部長 フリースクール等利用者支援事業につきまして、保護者等の声を踏まえまして、今年度、交付申請の受付を一か月程度早めまして、第一・四半期分の助成金の支給時期の早期化を図ってございます。
また、前年度の申請内容を自動的に引き継がれるよう、オンライン申請を行うシステムを改修し、利用者の利便性向上に関わる改善を図ってございます。
○こまざき委員 ありがとうございます。
学校での勉強や友人関係がうまくいかないこと、学校での生活になじめなかったりなど、日常を苦しくしている児童が増えております。児童が自分らしく成長できるように寄り添い、既存の学校教育にこだわらない新たな政策づくりが常に必要です。児童一人一人が持つ無限の可能性を引き出す環境づくりへのたゆまぬ取組が求められています。
都は、学校外における多様な学びの創出と充実に引き続き積極果敢にチャレンジしていくよう要望しまして、次の質問に移ります。
私たちは、かねてから望まない妊娠について、様々な場で議論を続けてきました。
例えば、二〇二四年第二回定例会では、緊急避妊薬の試験販売が始まったことについての評価と課題、未成年への支援として、わかさぽを活用した医療機関への同行支援や、緊急避妊薬を処方する医療機関の検索サイトの必要性など、具体的な提案を続けてきました。
このたび、緊急避妊薬が処方箋なしで薬局で購入可能となり、性と生殖に関する健康の権利保障に向けた前進が見られたことを踏まえ、質問します。
緊急避妊薬の市販化は、若年層にとって、性と健康に関する自己決定権を保障する重要な制度改革です。しかし、制度の存在や利用方法、服用のタイミングなどについて、十分に情報が届いていない現状があります。
特に中高生や大学生など、性教育の機会が限られる層に対しては、正確で分かりやすい情報提供は不可欠です。都として、学校や地域、SNSなど多様な媒体を活用し、若年層が安心して必要な情報にアクセスできる環境を整備すべきです。
また、制度の定着と健康リテラシーの向上に向け、都の情報提供体制を整備すべきと考えます。例えばウェブサイト、TOKYO YOUTH HEALTHCAREを活用して、十代の子供、若者に対する普及啓発が必要と考えますが、見解を伺います。
○山本企画調整部長 都は、思春期に知っておきたいヘルスケア情報をユース目線で発信するTOKYO YOUTH HEALTHCAREのウェブサイトにおきまして、医師等の専門家の監修を受けた健康管理に関する記事や、都の相談窓口の一覧などを掲載しており、これまで累計約百四十万ページビューのアクセスがございます。
このウェブサイトでは、緊急避妊を必要とする子供や若者が速やかに必要な情報にアクセスできるよう、発信を行ってございます。
具体的には、避妊に失敗したと思ったら、どうすればいいの?や「妊娠したかも……」どうしたらいい?等の記事におきまして、緊急避妊薬についての概要や効果、利用方法等を解説してございます。
今年度、記事コンテンツのアップデートを行う中で、薬局等における要指導医薬品としての緊急避妊薬の販売開始に関する情報につきまして、掲載をする予定でございます。
○こまざき委員 ありがとうございます。薬局での販売開始に関する情報を速やかにウェブサイトに掲載する予定とのこと、前向きな答弁を評価いたします。
引き続き必要な情報が若年層に確実に届くよう、SNS等も活用した積極的な情報発信を要望しまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
○藤井委員 私からは、日本語を母語としない子供に対する支援について、まず、一問お伺いをしたいと思います。
私の周囲でも外国籍のお子さんが非常に増えているということを実感しています。外国籍のお子さんといっても、もうめちゃくちゃ教育熱心なご家庭がある一方で、その親御さんもお子さんもなかなか日本語が理解できていない、話せないといったご家庭まであって、特に後者のご家庭の方々に対する支援って、とりわけ学校現場では相当な負担になっているんだろうなというふうに、想像に難くないわけでございますけれども、市区町村からどういった声が上がっているのか、都の課題意識等々、お伺いをしたいと思います。
○山本企画調整部長 令和五年度に区市町村を対象として都が実施をいたしましたアンケートでは、多くの自治体で日本語教育に関する様々な課題意識があることが分かり、とりわけ日本語教育を担う人材不足や高校受験対策などを挙げる自治体が多くございました。
都では、学習、相談、交流等の機能を一体的に備えた多文化キッズサロンを設置する区市町村への補助を行ってございまして、地域の実情を踏まえ、課題解決に向けた取組を後押ししてございます。
○藤井委員 答弁ありがとうございます。ぜひ現場の支援を、室として、お願いを申し上げたいというふうに思います。
やっぱり、しっかり日本語を理解していないと、数学なり、理科なり、ほかの授業も国語を中心に、その知識があって、土台があって教育が成り立つというふうに思います。しっかり支援をすることによって、外国人の教育レベルを低いままにしてしまうということではなくて、しっかり質を上げていくということをすることで、低いままだと、かえって分断を生んでしまうということになってしまうと思いますので、ぜひこれは力強く支援をしていただいて、お願いをしたいというふうに思います。
次に、不登校対策についてお伺いをしたいと思います。
こちらも、本当に私の周囲でも非常に多くの声をいただいておりまして、特に私、親世代になりまして、お子さんが不登校になられて、親御さんも本当に悩んでおられると。切実な状況にあろうかというふうに思っています。
私の友人なんかでも会社へ行けなくなってと。子供さんのことで悩んで、会社へ行けなくなってという人間もいて、私も、もう本当に他人事ではないなというふうに思っています。
この不登校のお子さんが急増している現状に対して、それはどういう理由で、どんな要因で増えているのかについて分析をされておられましたら、お伺いをしたいと思います。
○山本企画調整部長 文部科学省が先月公表しました児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、小中学校の不登校児童生徒について、学校が把握した事実として、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があったが最も多く、続いて、生活リズムの不調に関する相談があったなどとしてございます。
○藤井委員 やる気が出ないとか、なかなか生活のリズムが整わないという話は、多分、私がもう遠い昔の子供の時代から、やっぱりあったわけであります。
私、やっぱりこの原因、様々複合的な要因はあると思うんですけれど、この増えている理由というのを、真にどういったものなのかということを今後しっかり受け止めていくという必要性があろうかと思っています。
地元の教育委員会の方、まあ私、地元練馬なんですけど、教育委員会の人に聞きますと、不登校の定義って何なんですかって聞きますと、年間三十日以上というふうにいわれまして、これ、月に割ると、十二で割り算すると、二・五回ということになって、三回休んでしまうと、じゃ、あなたは不登校ですと、あるいは、あなたのお子さんは不登校児ですといわれてしまうということでございます。
昔の私の子供の時代なんかでも、やっぱり一か月近く休むお子さんもたくさんいましたし、これは、教育委員会を含めて、行政として、丁寧にお子さんをケアしていこうという趣旨があっての三十日以上という定義なのかなとは思うわけでございますけれども、そこでしっかり支援をするということも大切だと思うんですが、一方では、この三十日というのが、ともすれば、ちょっと厳し過ぎる側面もあるのかななんて思ったりするわけでございますけれども、こういったことについて、どのように分析をされていらっしゃいますでしょうか。
○山本企画調整部長 文部科学省の調査では、不登校児童生徒とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因、背景により、児童生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるために、年間三十日以上欠席した者のうち、病気や経済的理由によるものを除いたものと定義されてございます。
○藤井委員 いつから三十日という厳しい基準になったのか、ちょっと私も以前のこと、基準がどうつくられたかというのも分かりませんけれども、やっぱり私の周囲の方々の話なんか聞いていますと、ともすればレッテルといったら、ラベルを貼るといったらあれですけれども、やっぱり子供の教育に正解も不正解もないと思っているんですけど、でも、自己肯定感なり、そういう自信というんですかね、それを損なわせるような方向になってしまっては、やっぱりこれはよくないというふうに思いますので、こういったことも含めて、ぜひ検討していただきたいなというふうに思っています。
次に、学校の居心地向上検証プロジェクトについてであります。これも先ほど来、様々議論があったと思います。
私がこのプロジェクトを調べますと、インドの事例から引っ張ってきてということで、ハーバードの教授さんがやられているということでございます。
私も一点、やっぱり懸念するのは、これはまさに調査のための調査といってしまったらあれですけれども、我が国の状況とインドの状況って全然、ある意味違いますし、先ほどの話ともつながりますけれども、やっぱり原因が何なのかということをある程度追及していくと、究明していくということがないとできないというふうに思っていますので、これも決して、調査のための調査にならないように、ぜひこれはお願いをしたいなというふうに思います。これは、先ほど来、質問出ていましたので、要望にとどめたいと思います。
最後に、少子化の対策についてお伺いをしたいと思います。
少子化の原因も複合的だということであろうかと思っています。私、今の東京都の政策って、子育て支援、特に経済的支援といわれる保育園だとか給食だとか医療費だとか学校の費用だとか、あるいは〇一八だとか、こういった経済的な支援を中心とした子育て支援だというふうに思っています。
これが必ずしも、子育て支援としては物すごい都民の方々からはご評価いただいていると思っているんですけれども、一方で、それが必ずしも少子化対策に寄与しているのかということでいいますと、どうしてもクエスチョンマークがついてしまう側面もあるというふうに思っています。
こういった現状、これは私の認識というか、私の仮説なわけでありますけれども、都として、どういうふうにこの分析をされておられるのかお伺いしたいと思います。
○池上少子化対策担当部長 社会の存立基盤を揺るがす国家的な課題である少子化に対しまして、都は、一刻の猶予もないとの認識の下、望む人が安心して子供を産み育てることができる社会の実現に向け、子育て支援はもとより、出会い、結婚や妊娠、出産、教育、住宅、就労、職場環境など、幅広い分野の取組を多面的に推進してまいりました。
全国では、出生数の減少に歯止めがかからない中で、都内では昨年、出生数の先行指標ともいわれる婚姻数が大幅に増加し、出生数の減少にも下げ止まりの兆しが見えてきております。
都はこれまで、ライフステージを通じた切れ目ない支援を展開してきた中で、都内の約九割の子育て世帯に、東京は子育てしやすいと実感いただいており、引き続き都民の皆様から共感の得られる施策を幅広く展開してまいります。
○藤井委員 東京都として一生懸命取り組んでいただいているということは感謝しているんですけど、今ご答弁にあった、婚姻数が増えた、出生数の減少に歯止めがかかったという話は、もう近隣の自治体から、出産適齢期といわれるような若い女性がどんどん引っ越してくることによって、結果起こっただけかもしれませんし、この原因、やっぱりしっかり分析をしていただいて、子育て支援に加えて、それが真の少子化対策にも寄与していくというような展開をぜひ都としてつくっていっていただきたいなということを、期待を込めて申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○星委員 はい。よろしくお願いします。
都は本年八月に、子供政策強化の方針二〇二五を公表しました。この方針では、子供との対話を重層的に実践しながら、全庁一丸となって、次の時代の主役である子供たちの可能性を育む政策を推進し、今と未来を子供と一緒につくっていくとうたっています。
私はプロサッカー選手でありました。この東京で、町田で生まれて、プロサッカー選手になりたいという夢をこの東京でかなえさせていただいた一人です。
私の今の理念が、この東京にいる子供たちがそれぞれの夢を持って、その夢をかなえていく、これが私の今、理念で、今活動しているわけでございますけれども、今申し上げた子供政策強化の方針二〇二五の中での理念と相通ずるものがあると私は思っておりまして、かねてより提案をしてきた、子供政策の現場を担う市区町村と連携しながら、多様な子供の意見を把握し、具体的な施策につなげていくなど、真に子供目線に立った実効性のある子供政策を推進していくことが必要であると考えております。
これまでも我が会派は、子供政策の充実に向けて、子供政策連携室が推進役となって、関係各局と連携しながら政策を前進させていくことを求めてまいりましたが、改めて、庁内各局と連携した子供政策の推進に向けて、庁内でどのように連携して取り組んでいくのか伺います。
○山本企画調整部長 子供政策連携室は、都の政策全般を子供目線で捉え直し、子供政策を総合的に推進していくために、企画立案と調整機能を担ってございます。
今年八月、子供政策のさらなる推進に向けて策定をいたしました子供政策強化の方針は、都庁全体の取組の方向性を示すものであり、福祉局や教育庁をはじめ、各局が取り組む子供政策や、既存の枠組みでは対応が困難な課題に対して、政策分野の垣根を越えて、複数の局が連携して取り組むリーディングプロジェクトにつきまして、課題分析を踏まえ、今後の政策強化の方向として整理をしてございます。
本方針を踏まえ、子供政策連携室が核となり、各局と政策強化の方向を共有するとともに、施策の充実強化策について検討を深めてまいります。
年度内を目途に、その内容を反映したこども未来アクション二〇二六(仮称)を策定いたしまして、このアクションを基軸として、子供政策の推進へとつなげてまいります。
○星委員 子供を取り巻く環境や直面する課題は刻一刻と変化をし続け、新たな課題も生じてまいります。中には各局だけでは対応が難しい課題も生じてくると考えております。
これまで都が打ち出した様々な取組を着実に結実させていくことはもとより、こうした新たな課題に対しては、子供政策連携室がその中核を担い、組織の垣根を越えて前進させていく必要があります。単なる旗振り役にとどまることなく、実効性のある子供政策を推進できるよう期待をさせていただきたいと思います。
次に、子供の意見を反映した遊び場について、私からも伺ってまいります。
子供は遊びを通じて他者と関わりながら様々な経験を重ねることで、人間性や社会性を培うことから、遊びは子供の健全な成長発達に欠かすことのできない政策課題だといえます。
遊びを実効性のある子供政策として推進していくためには、当事者である子供の意見を把握し、施策につなげていくことが重要であります。
私は、令和五年第四回定例会の一般質問において、ボール遊びを楽しめる遊び場や公園が欲しいという子供の声を多く聞いている、このことを申し上げさせていただきました。
こうした地域の子供の声を実現する上で重要な役割を果たすのは市区町村であり、都からは、子供の意見を踏まえた多様な遊び場の創出など、市区町村の取組をより一層後押ししていくとの答弁をいただいたところでございます。
この間、様々な子供の声を受け、政策に反映してきたものと認識をさせていただいておりますけれども、そこで伺いますが、まず、都が市区町村の遊び場などの整備を支援する子供の遊び場等整備事業補助金において、子供の意見を取り入れた遊び場の整備が進むよう、募集に当たって行った工夫と、その結果、どのような特徴を持った遊び場の整備が進むのか、今年度の取組状況についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 子供目線に立った遊び場を創出していくため、子供に意見を聞き、遊び場等の整備内容に意見を反映させることを補助要件とし、また、子供のニーズを踏まえ、プレーパークやボール遊び場を整備する場合や、学びや居場所等の機能を併設する場合、優先的に採択することといたしました。
今年度は、十二市区村の十二事業を採択してございまして、プレーパークやボール遊び場の整備は七事業、学びや居場所等の機能を併せ持った施設を併せて整備する事業は五事業採択してございます。
○星委員 子供の意見を聞くことが重要な要件として位置づけられ、都と市区町村で連携して整備が進んでいるということでありましたが、より増やしていっていただきたいと思います。
子供の意見を聞くに当たっては、自分から積極的に声を上げられる子供からだけでなく、多様な子供の意見を把握していくことが重要だと考えます。
そこで、本事業ではどのような手法で子供の意見を聞いているのか伺います。
○山本企画調整部長 今年度採択された自治体では、ヒアリング形式でのアンケートや、子供同士で議論するワークショップの開催、小学校への出前授業、整備予定地での子供との意見交換など、様々な手法により子供の意見を取り入れてございます。
具体的には、公園近隣の保育園など子供関連施設へ職員が出向き、子供から、公園で行いたいボール遊びや好きな遊具について聞き取りを行ってございます。
また、小学生向けのワークショップを複数回開催し、公園でしたい遊びや設置してほしい設備、ボール遊び場などの公園内のゾーニングについて、子供が自分の考えを書き出し、それを基に子供同士で議論し、子供が考える公園として取りまとめた事例もございます。
○星委員 様々な方法で子供の意見を聞いてきているということでありました。真に子供目線に立つ取組を進めていくためには、子供の意見をしっかりと反映していくことが重要であります。
様々な手法で聞いた子供たちの意見が実際どのような形で遊び場整備に反映をされているのか伺います。
○山本企画調整部長 子供の多様な遊びのニーズを取り入れた例としまして、高いところに登って遊びたいという意見を踏まえ、登って遊べるツリーハウス型遊具の設置を採用した事例ですとか、斜面をそりで滑りたいというニーズに応え、芝滑りゲレンデの整備を設計に反映した事例がございます。
また、遊び場に快適な居場所としての機能を求める声に応えた例としまして、暑くても公園で遊びたいという意見を踏まえ、大きな日陰ができるパーゴラの設置を採用した事例や、伸び伸びできる広場が欲しいという意見には、芝生広場の整備を設計に取り入れた事例など、様々な子供の意見を反映した遊び場整備に取り組んでございます。
○星委員 ハード整備という部署では、子供の意見を取り入れるということはちょっと時間がかかったり、難しいのかなというふうに思っておったんですけれども、市区町村と連携をして、子供の意見を反映させた遊び場の創出に取り組んでいるということでありました。
今、答弁にあったように、子供の声を聞く手法や遊び場整備に反映させた事例を好事例集の中に盛り込んで、他の市区町村との横展開が図れるように要望をさせていただきたいと思います。
私の地元、町田市にも自由な遊びができるプレーパークがあって、冒険遊び場と呼ばれているようなところも多くあります。多くの子供たちが生き生きと伸び伸びと楽しそうに遊んでいる姿をよく目にしてはいるんですけれども、一方で、私の地元、町田市には、緑地であったり、街区公園であったり、都市公園であったり、全ての公園といわれているところを合わせて、八百か所ほどあります。
そうしたプレーパークのみならず、そうした街区公園といわれる、そういった公園でもぜひ整備を進めていっていただきたいと思いますし、先ほど早坂委員からもありました、暑い日のそういった整備というところも、今後、我々会派としてもしっかり推し進めてまいりたいと思いますので、そちらの方もぜひ力を貸していただきたいと思います。
何度も申し上げているように、子供の意見を反映した遊び場が、子供の身近な地域で増えていくよう、改めて要望させていただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○さいとう(和)委員 さいとう和樹です。お疲れさまでございます。
グローバルな感覚を育む機会の創出、極めて意義深く、東京の未来を見据えた壮大なテーマ、重要な視点であると考えております。
東京はこれまで、アジアを牽引し、ニューヨーク、ロンドンと並ぶ世界のトップ都市として、世界各国から認識されてきました。しかし、近年、その地位を維持できていない現状があることに目を伏せるわけにはいきません。
その背景の一つとして、幼少期からの教育が国際基準、グローバルスタンダードに十分に適応できず、人材競争力の低下を招いた点が挙げられます。
本年八月に都が公表した子供政策強化の方針二〇二五においては、こうした人材競争力の低下なども背景とし、子供たちにグローバルな感覚を育む機会を創出していく方針を打ち出しました。
東京の国際的プレゼンスを再び高め、持続可能な都市経営を実現するためにも、子供たちが早い段階から国際感覚を育んでいく取組を推し進めていくことは必要であると考えております。
年度内には、子供政策の具体的なアクションをまとめた、こども未来アクション二〇二六、仮称ではございますが、策定予定とのことですが、グローバルな感覚を育む機会の創出の政策強化に向け、どのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○山本企画調整部長 日本の国際競争力が課題となる中、子供がグローバルな素養を磨くことで可能性を広げ、世界を舞台に活躍できるよう、早期から日本や世界の文化に親しみ、多様性を体感し、豊かな国際感覚を育む機会を創出していくことが必要でございます。
このため、子供政策強化の方針二〇二五では、政策強化の方向として、子供の成長発達段階に応じて学校内外で国際感覚を育む取組を切れ目なく展開していくこととしてございます。
現在、同方針を踏まえ、施策の充実強化策について、幼児期段階の取組や小中学生向けの取組など、各局と検討を深めており、今後その結果を年度内を目途に策定するこども未来アクション二〇二六(仮称)に盛り込んでまいります。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。幼少期段階から取組を進めていくことは大変重要であると考えております。
具体的な取組は検討中とのことですが、ぜひ保育所や幼稚園などの現場で、子供たちが日本語や日本の伝統文化に加え、様々な言語や文化に触れ、国際感覚を豊かにしたり、国際理解の意識を育んでいけるような、実効性のある仕組みを検討していただくとともに、都の強力な後押しを期待しております。
また、国際社会で競争していく上では、コミュニケーション手段としての英語を話せることも重要でございます。
昨今、AIツールによって、機械を通してコミュニケーションを取ることもできますが、やはり根幹には、人と人との関わりには、自分の言葉でしゃべるというのは非常に重要であります。
国際感覚を育む上で、ぜひとも教育庁とも連携し、子供たちの英語学習の充実についても、両輪を進めてほしいとお願い申し上げます。
次に、体験活動の推進についてお伺いいたします。
都は、こども未来アクション二〇二五の中で、組織横断のリーディングプロジェクトとして、子供の未来を育む体験活動の推進を新たに位置づけています。このプロジェクトでは、多面的な取組により、全ての子供が多様な体験にチャレンジできる環境づくりを推進しております。
その中で、区市町村による子供の体験活動を都がサポートする取組を行うこととしていますが、この事業では、子供のどのような資質や能力の育成を重点的に行いたいと考え、補助制度の中で、どのように工夫を取り入れているかお伺いいたします。
○山本企画調整部長 子供は、発達段階に応じて様々な体験や経験を積み重ねる中で、社会を生き抜く上で必要となる基礎的な能力を身につけてまいります。
そのため、都は今年度、子供たちが生活を送る身近な地域において、子供目線に立った体験活動を促進するため、学校外の多様な体験活動の創出に取り組む区市町村を支援する補助制度を創設してございます。
申請の受付に当たり、体験活動の重点分野として、デジタルや国際理解など、子供の未来を切り開く能力の育成、幼保小の交流活動などの社会課題、地域課題への対応等を優先採択することを示し、事業全体で二十五自治体の五十三事業に交付決定を行いました。
優先採択を行った事例としましては、歴史や文化等をテーマとしたメタバースゲームの制作体験や、未就学児や小学生が地域の大人と行うビオトープづくり体験などの幅広い取組を支援してございます。
○さいとう(和)委員 補助事業で幅広い体験活動に対して支援されていることが確認できました。
しかし、世界に目を向けてみると、日本全体の労働生産性はOECD加盟三十八か国中で二十九位となっております。国際都市としての東京都、すなわち日本をリードする首都の観点から、世界と比較すると極めて低い水準です。
日本の人材競争力の低下する中で、有識者からは、日本の子供たちの国際的な経験を得る機会が少ないといった指摘もございます。国際都市のプレゼンスを高める人材の育成に向けて、子供の体験活動において、日本文化を基盤としつつも、国際的な生活文化体験の機会を促進し、充実させることも有効なのではないかと考えております。
先ほど答弁の中で、重点分野として、国際理解に関する体験活動も優先採択しているということでしたが、その採択実績と、どのような事業が採択されているかお伺いいたします。
○山本企画調整部長 今年度は、採択をした事業のうち、国際理解に関する体験活動は五自治体、八事業でございます。
このうち、都内の子供を外国に派遣する体験活動は五事業を採択しておりまして、ホームステイや現地の学校での授業体験など、子供の意見を取り入れた中学生向けのプログラムの例などがございます。
また、都内において実施する、国際理解につながる体験活動も三事業採択しておりまして、多文化共生に向け、外国にルーツを持つ子供を含め、全ての子供が充実した学校生活を送るために取り組むべきことを考えるワークショップや、外国語指導助手、ALTを活用した英語でのクイズイベントの例などがございます。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。本補助は、区市町村が地域の実情に応じて実施する多様な体験活動に対して支援を行う事業であるため、国際理解に関する取組が、全体の交付決定件数で五十三事業のうち八事業、約一五%にとどまっていると確認しました。
地域ごとに課題やニーズが異なることは事実であり、それぞれの地域に即した事業展開が重要であることはいうまでもございません。
これまで、英語が話せたらいいな、海外でも活躍できる人材を育てたいなといわれながらも、十分に取り組まれなかったことがこの分野であり、その遅れを次の世代に先送りすることはもはや許されません。取り組んでいないわけではないことは重々理解しておりますが、まだまだ不十分であり、東京のプレゼンスも低下しているのが事実でございます。
将来世界を舞台に活躍したいという夢を持つ子供たちが、自ら可能性に挑戦し、自己実現を図れるよう、幼少期から日本と世界の多様な文化に親しみ、国際感覚を身につけることができる機会を提供することが重要であります。幼少期の生活環境や教育環境こそが将来の豊かな人生につながっていくと私は確信しております。
荒川区でも、小学校ワールドスクールなど、区が持っている人材をうまく活用して国内留学を実施しております。これはまさに優良事例の一つであると考えております。それでも、国際都市、グローバル社会の視座から考察しますと、決して十分というわけではありません。
今こそ東京都が首都として先頭に立ち、国際都市としてのプレゼンスを最大限に発揮しながら、子供たちが自然にグローバル社会を体感できる環境づくりを推進すべきであり、新規のリーディングプロジェクトである、グローバルな感覚を育む機会の創出の取組には大いに期待しているので、しっかりと検討を進めてほしいとお願いさせていただきます。
次に、日本語を母語としない子供への取組についてお伺いいたします。
私たちはかねてより、日本語を母語としない子供に対する日本語教育の充実を求めてきました。
これを受けて、教育庁は、令和六年三月に、都内の外国人児童生徒などの教育の基本的な方針である日本語指導推進ガイドラインを策定、例えば、以前は学校長判断で行われていた日本語指導の必要性の判断を一人一人の状況に応じたものにするために、継続的なアセスメントを行うとともに、個別の指導計画を策定することを求めています。
子供政策連携室は、日本語を母語としない子供が過ごす地域の拠点として、多文化キッズサロンを設置する区市町村への支援を行っております。地域における子供の居場所機能を担う、こうした拠点と学校がしっかり連携して取組を進めていくことが大事であると考えております。
まずは、これまでの多文化キッズサロン設置支援事業の実績についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 都は、日本語を母語としない子供が集い、交流する地域の居場所として、学習、相談、交流等の機能を一体的に備えた多文化キッズサロンを設置する区市町村への補助制度を令和五年度に開始いたしました。これまでに、令和五年度は二区市、令和六年度は二市を採択し、サロンの開設と運営を支援してございます。また、今年度は、前期の募集において新たに一市に対し交付決定を行い、開設されてございます。
今月から後期分の申請受付を開始する予定であり、引き続き各自治体の取組を後押ししてまいります。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。人材確保が課題になると聞いておりますが、先行している自治体の好事例がほかの自治体にも広がるよう、引き続き取組を要望してまいります。
さて、教育庁が日本語指導推進のためのガイドラインを作成し、誰一人取り残さず、指導、支援するとしましたが、学校との連携ができているのかお伺いいたします。
○山本企画調整部長 多文化キッズサロンでは、各自治体が地域の実情を踏まえ、学校や関係機関と連携しながら取組を進めてございます。
具体的には、市内四つの小中学校の教室を活用して設置した多文化キッズサロンの事例では、サロンが学校や地域の支援団体と連携し、子供の困り事などの課題の把握や学習のフォローを行ってございます。
こうした連携事例を、日本語を母語としない子供を日本語教育につなぐ取組の事例集に掲載してございまして、事例集のウェブサイトでの公開や、区市町村の教育部署や児童福祉部署などへの配布を通じて、区市町村での地域の実情に応じ、学校をはじめとした関係機関と連携した取組を促進してございます。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。日本語指導を必要とする若者らの学びたいという意欲を語学の壁で損なうことがないよう、引き続き丁寧な取組を求めます。
次に、中高生Webサイト、こちらも仮称ですが、についてお伺いいたします。
主に小学校を対象として、令和四年度から公開している東京都こどもホームページは、子供からの意見やアイデアを基に、継続的にアップデートを行うとともに、公立小学校の一人一台端末への接続を進めた結果、昨年度の年間閲覧数が一億ページビューを突破する大人気なページとなっています。
こうした中、都は、中高生からも、中高生に特化したサイトが欲しいと声が出ているということを踏まえ、今年度、新たに中高生Webサイトを制作しております。
本年第一回定例会総務委員会で、都民ファーストの会からの質疑に対し、制作に当たっては、東京都こどもホームページと同様に、子供の意見を基に構築、アップデートする方式を継承し、令和七年度に中高生の制作メンバーの公募を行う旨の答弁がございました。
中高生にとって、日常的に利用したくなる魅力的なサイトにするためには、当事者である制作メンバーの活動は極めて重要であると考えております。
そこでまず、制作メンバーの現在までの活動状況についてお伺いいたします。
○臼井プロジェクト推進担当部長 本年公募で選ばれました中学生六名、高校生六名、合計十二名の制作メンバーは、AIを活用した学習、都政の情報や相談窓口とつながる、中高生目線で自ら情報発信、この三つをコンセプトといたしまして、本年六月から来年三月にかけて、ウェブサイトの制作活動を行うこととしております。
これまでに開催した三回のワークショップでは、サイト全体のデザインや、AIを活用した英語の学習コンテンツの内容等につきまして、意見交換を行いました。
また、都の取組など、中高生目線で記事として同世代に発信するため、東京二〇二五世界陸上競技選手権大会の開催に先立ちまして、日本陸上競技連盟の有森裕子会長に取材を行うなどの活動を行っております。
○さいとう(和)委員 公募の中高生が集まり、自分たちで議論してウェブサイトをつくり上げるという、まさに主体的かつ生きた学びの実践があることが分かりました。
一言に中高生といっても、性別や学年の違いがあることから、様々な意見やアイデアが出たと思います。それらを可能な限りサイト構築に反映されることが重要だと考えております。
そこで、制作メンバーの中高生からはどのような意見が出て、その意見を今後どのようにサイト構築に反映していくのか、それについてお伺いいたします。
○臼井プロジェクト推進担当部長 サイト全体のデザインにつきましては、都の素案に対しまして、中高生からは、女子や男子がそれぞれ好きな色を幅広く選べるようにしてほしいという意見がございました。
また、AIを活用した英語の学習コンテンツにつきましては、気軽に実践的な英語の練習ができるコンテンツが欲しい、苦手な人でも英語が楽しめるよう、レベル分けを細かくしてほしいなど、英語学習へのニーズが高い中高生ならではの提案がございました。
さらに、サイトを使えば使うほど経験値がたまるような機能があるとよいなどの斬新なアイデアもございました。
こうした中高生の声を基に、操作性や安全性、技術的な課題などを考慮しながら検討を行いまして、可能な限りサイト構築に反映してまいります。
○さいとう(和)委員 ただいまの答弁より、中高生の意見を丁寧に聞き、デザインやコンテンツへの反映に向け、制作を進めていることが分かりました。
都のウェブサイト制作というリアルな課題に向き合って、自分の意見を出し、仲間と協力して形にしていくプロセスは、まさに探求の真髄を実感できるものであり、大変評価するに値する内容だと考えております。
十二名の中高生が学校や学年の垣根を越えて集まり、長期的にわたり、熱意と意欲を持って、サイト制作に取り組むことは、都の子供政策を推進する上で大きな力になるものと考えています。
私がよくいう言葉で、イノベーション・スタート・シンキング・ディファレントリー、イノベーションは違う考え方をすることによって生まれるという言葉があるんですが、もしかしたら、大人から見ると、中高生の意見はうーんと思ったり、答弁にもありました、なかなか実現のハードルが高いななんていうものもあるかもしれません。
しかし、イノベーションというのはそういうところから生まれますので、ぜひ積極的に真摯に向き合っていただきたいと思っております。
中高生のアイデアが、思いが詰まったウェブサイトを、東京都こどもホームページと同様、多くの中高生に認知し、実際に活用してもらうための工夫が必要であると考えておりますが、どのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
○臼井プロジェクト推進担当部長 サイトの公開後、教育庁や区市町村教育委員会等と連携し、都内中学校や高校への周知を図るとともに、こどもホームページと同様、一人一台端末との接続を進めてまいります。
また、中高生段階では、スマートフォンを利用する割合が極めて高くなることから、縦型の画面でも見やすいデザインとするとともに、SNSを活用した広報を行ってまいります。
さらに、中高生にとって影響力や共感力のある著名なインフルエンサーを起用し、戦略的にサイトのPRを行ってまいります。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。中高生は様々な悩みを抱えたり、将来のことを考え始める多感な世代です。こうした難しくかつ大切な時期を過ごす中高生にとっては、様々なつながりがあることが大変重要であると思います。また、つながりは居場所ともいえます。そういう意味では、中高生Webサイトは中高生の支えとなる存在であってほしい、そのように願っております。
今後、こどもホームページ同様、一人一台端末との接続を進めていくとともに、ほとんどの中高生が使っているスマホ対応にも万全を期すことで、より多くの中高生とのつながりが創出されることを願います。
中高生Webサイトのプレゼンスが高まり、そのポテンシャルが最大限発揮されるよう、引き続き中高生目線に立って、取組を進めていただくことを期待して、次の質問に移ります。
次に、こども性暴力防止法、日本版DBSについてお伺いいたします。
子供に対する性暴力は、子供の権利を著しく侵害するものであり、教育、保育など、現場における性被害を防ぐため、こども性暴力防止法が令和八年十二月二十五日までに施行されるという予定になっております。
法が施行されると、対応が義務づけられる学校や保育園などの事業者は、子供に接する業務に従事する職員を採用する際などに、性犯罪の事実確認を行わなければなりません。また、性暴力が疑われる事案が発生してしまった場合には、事実調査や子供の保護など、様々な措置を講じることも求められていきます。
ただ、少人数で運営している小規模な事業者などでは、対応に向けた体制を確保することが難しいという声も届いております。
社会全体で子供をしっかりと守っていくためにも、学校や保育園をはじめとする事業者が法制度を円滑に運用できる環境をつくっていくことも重要だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○山本企画調整部長 子供に対する性暴力は、将来にわたり、被害者の心身に大きな影響を及ぼし、かつ人権を著しく侵害する、極めて卑劣で悪質な行為でございます。
都は、国に対して、こども性暴力防止法で事業者に求められる対応について、ガイドラインで示すことなどを要望してございます。
また、国の実務担当者との間で、法の施行や運用が円滑に進むよう、定期的に意見交換を行ってございます。
現在、国においては、有識者等による準備検討会を開催してございまして、法の施行に向けて、ガイドライン等の整備や、国や施設の監督権限を有する所轄庁、事業者、それぞれの役割など、様々な論点を整理しているところでございます。
こうした国の状況を注視しながら、子供の安全確保に向けて取り組んでまいります。
○さいとう(和)委員 こども性暴力防止法が令和八年の半ばには施行される予定であるにもかかわらず、現時点でガイドラインも示されていないことから、予算を組むことができないことは理解しております。
平成二十五年に施行されたいじめ防止対策推進法では、当初、第三者機関による調査を十分に行うための予算措置が不十分で、調査が困難になった事例が報告されております。こども性暴力防止法でも同じようなことを繰り返さないように、国の議論を注視していただきたいと思います。
続きまして、とうきょうすくわくプログラム推進事業についてお伺いいたします。さきの議員とかぶる部分に関しては割愛させていただきますことをご了承ください。
共働き家庭の増加や核家族化が進む東京では、幼少期における教育環境、社会環境の質が将来に与える影響を極めて大きいと考えております。
ノーベル経済学賞受賞者、ジェームズ・ヘックマンによると、ヘックマン教授ですね、教授の提言によれば、幼児教育プログラムの一ドルの投資に対し、七・一六ドル、七ドル十六セントの社会的リターンがあるとされており、幼少期の教育に対する公的投資は、格差是正のみならず、社会的、経済的な利益をもたらすものであることは、研究結果からも分かっています。
東京都では、保育の待機児童問題はほぼ解消しつつあります。今後は、待機児童対策を中心とした量の拡大から、保育の質へと転換、子供の育ちの視点に重点を置いた施策を推進することが急務であり、質の高い幼児教育、保育を実現していく必要があります。
保護者が園を選ぶ上でも、質を重視する視点は一層増していくものと考えております。
そうした中、都は、就学前の子供の意欲、自己肯定感、社会性の非認知能力を養うことをコンセプトとする、とうきょうすくわくプログラムを令和六年度から都内全域で展開しています。
そこで、すくわくプログラムの今年度の実施状況をお伺いします。また、すくわくプログラムの取組により、幼稚園や保育所などの幼児教育、保育の充実を図るとともに、各園の魅力向上に生かしていくべきと考えますが、併せて見解をお伺いいたします。
○山本企画調整部長 今年度は、事前の意向調査によりますと、昨年度を上回る計五十五自治体に所在する二千七百五十を超える幼稚園と保育所等ですくわくプログラムの実施を見込んでございます。
また、とうきょうすくわくプログラムの効果検証に向けて、本プログラム実施の保育者等に対して行ったアンケートの中で、保育者自身について、子供の見方、捉え方などが変わったと感じるかと尋ねたところ、約九割の保育者から、変わったとの回答があり、日常の子供の行動や考えに、これまで以上に意識を向けるようになっていることが確認できております。
さらに、一部の園で行った保護者へのアンケート結果では、九割を超える保護者から、すくわくプログラムの取組の実施に対して、とてもよい、またはよいとの回答がございました。
こうした保育者の意識の変化に寄与し、保護者からも好意的な評価を得ているすくわくプログラムについて、都は各プログラム実施園の環境や強みを生かした質の高い取組の実施を後押しし、幼児教育保育のさらなる充実を図ってまいります。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。すくわくプログラムが、子供だけではなく、保護者自身の変化につながり、保護者からも好意的に受け止められていることが確認できました。これは本当にすばらしいことだと思います。
質の高いプログラムの実施は、園の魅力向上に寄与し、選ばれる園づくりにつながるものと期待しております。
そもそも未就学児が通う施設には、幼稚園、保育園をはじめ、様々な運営形態が存在しています。特に保育園については、認可、認証、認可外、こども園など、多岐にわたり、運営形態が乱立している状態ともいえます。
そのため、都民にとって、どの園がいいのか、また、自分の子供にとって、どの環境が適しているのか判断することは、極めて不透明で、分かりづらい状況であるといわざるを得ません。
縦割りを超え、保護者が真に望む園を適切に選べるようにするためにも、ある一定の質を担保する園、具体的には認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書を有する園以上については、行政のサポートを統一基準のもので適用し、全園無償化の方向性で制度設計を進めるべきと考えています。
時代のニーズに応じて、保育園は進化してきました。だからこそ、現状や子供たちの多様な育ちに合わせた支援の在り方を再考すべきです。
また、保育園で働く保育士への処遇改善についても同様の課題があります。働く園の形態によって、家賃補助やキャリアアップにつながる処遇改善手当が受けられない現状は、現実社会のニーズとかけ離れているといわざるを得ません。
公平性と透明性のある改革を進めることで、質の高い幼児教育、保育が担保され、全ての子供たちが安心して育ち、保護者が安心して子供を預けられる環境につながると考えています。これは、幼児虐待や不慮の事故の防止といった観点からも重要であると申し伝えたいと思っております。
これまで東京都が掲げてきたチルドレンファーストの取組を高く評価します。評価するからこそ、ぜひもっともっと取り組んでいただきたいとお願いする次第です。
引き続き全国の先頭に立って施策を推進し、二十年後、三十年後、今の子供たちが大人になったときに、国内にとどまらず、世界というフィールドで自らの道を自由に選択できる教育環境を整備することを強く期待しております。
次に、少子化対策に関し、待機児童への取組についてお伺いいたします。
少子化対策については、出会いから結婚、妊娠、出産、子供の健やかな成長に至るまで切れ目のない支援を展開していますが、共働きが進んでいる現在においては、働きながらという観点からの支援も欠かせません。
いわゆる待機児童、就学前の保育の待機児童は、小池都知事就任時には八千名を超える状況にありましたが、小池都知事と我が会派、都民ファーストの会が、東京大改革の名の下で行った保育所の整備や保育人材の処遇改善などを通して、ほぼ解消しています。
一方、学童の待機児童数は高止まりしており、小学校入学時に、朝や放課後など、子供の居場所がなく、仕事との両立が難しくなる子育て世帯が多いという現実がございます。
望む人が安心して子供を産み育てることができる社会を実現していくためには、様々な働き方を保護者が直面する課題に寄り添い、学童の待機児童の解消に向けた取組を進める必要があると考えておりますが、見解をお伺いいたします。
○池上少子化対策担当部長 都はこれまで、区市町村による学童クラブの整備を促進してきており、学童に登録する児童数は増加している一方、共働きの進展などにより、待機児童数は依然として三千名程度で推移しております。
また、学童クラブを利用する保護者のニーズは多様であり、都の調査におきましては、長期休業期間中のお弁当づくりや預かり時間のミスマッチに負担を感じているなどの保護者からの声が多く寄せられております。
このため、少子化対策二〇二五におきましては、学童クラブのさらなる整備や、児童館等の既存施設を活用した多様な居場所づくりの支援に加え、利用者がニーズに応じて様々な選択や利用が可能となるよう、開所時間やサービス等について、都独自の国を上回る運営基準を満たす東京都認証学童クラブや、学校の始業前の子供の居場所づくりに対する支援など、質と量の両面から子供の居場所づくりを進めることを掲げ、取組を推進しております。
令和九年度末までの学童保育の待機児童解消を目指し、今後とも関係局と緊密な連携を図ってまいります。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。都民の要望をしっかりと把握し、対応していくことが重要であると考えております。
そして、ここからは福祉局に頑張っていただくことになるとは思いますが、これらの学童を支えていくための人材の確保も併せて進めていく必要があります。
既に人材確保に向けた取組が行われているとも聞いてはおりますが、大学に赴き、学童支援員という仕事を紹介したり、都の講習を実施する機会を設けるなど、支援員の仕事のイメージアップや人材確保のための取組も、さらなる充実を要望いたします。
次に、若年層に向けた情報発信についてお伺いいたします。
これから結婚や子育てを考える若い方たちが前向きになれるような情報を発信するに当たっては、若年層の共感を得ることが重要であると考えます。
昨年の私たちの求めもあり、都は今年度、当事者である若者の意見を取り入れながら、結婚や子育て支援などに関わる情報を戦略的に発信する取組を新たに開始しました。
さきの総務委員会で、大学生などをメンバーとしたワーキンググループで、これまでの取組状況について質問し、都からは、有名人よりも一般の方の声の方が共感しやすい、分からないことをクリアにするためには都の支援などを実際に体験することが重要といった、メンバーからの意見を踏まえて、動画の制作を進めているという答弁がございました。その後、動画は完成し、公開されたとお伺いしています。
そこでまず、動画の制作過程で具体的にどのような工夫が行われたのかお伺いいたします。
○池上少子化対策担当部長 都は今年度、若年層の目線で、結婚、子育てに関する動画を制作、発信する取組を進めており、先月十日に第一弾として、出会い、結婚をテーマにした動画を公開いたしました。
動画は、ワーキンググループでの議論を基に二本構成とし、一般の若者のリアルな声を広く聞いた街頭インタビュー編とインフルエンサーが都の結婚支援事業を疑似体験する体験編を制作いたしました。
また、動画内容におきましても、メンバーからのアイデアを積極的に取り入れて、若者から共感を得られるような工夫を行っております。
具体的には、インタビュー編では、結婚したい人、したくない人、両方の若者の声を紹介するとともに、シール投票やフリップを使って、いろいろな思いを可視化しております。
体験編では、等身大の発信で若者に人気のインフルエンサーが都の支援事業を体験し、自身の境遇に重ねて感想を伝えることで、視聴した若者が自分事として感じられる内容としております。
○さいとう(和)委員 ターゲットに情報を届けるためには、当事者の意見に実際に耳を傾けながら取り組むことは大変重要です。同世代の若者の意見を積極的に取り入れながら、動画を作成していることを評価いたします。
私も実際に動画を見ました。インタビュー編では、若者が自分の言葉で出会いや結婚に関して語っており、非常に新鮮な思いをしました。また、体験編でも、インフルエンサーが実際にマッチングシステムなど、様々な体験をしている様子がリアルで、都の事業が分かりやすく紹介されていると感じました。
動画を制作して終了ではなく、これはやはりいかにターゲットに届けていくかが大事です。
そこで、この動画を多くの若者に見てもらうために、どのような取組をしているのか、これまでの実績と併せてお伺いいたします。
○池上少子化対策担当部長 動画は、より多くの若者に見ていただくために、都の各種SNS媒体で発信しているほか、インスタグラムやユーチューブなど、若者に人気のSNS媒体でのターゲット広告の配信や、渋谷Rakuten Vision等の街角での掲出なども行っております。
さらに、動画に出演したインフルエンサーやワーキングメンバーの協力により、メイキング動画や告知用のショート動画を作成し、自身のSNSでPRしていただくなど、若年層のネットワークを通じた拡散も行っております。
これらの発信によりまして、十月十日の公開以降、約一か月となる十一月十一日時点の動画視聴数は、総数で約三十三万回となっており、さらに、多くの若者に届くように、今後とも戦略的に広報発信を行ってまいります。
○さいとう(和)委員 このような動画とかが何で大事かというと、やはりSNSでは不安をあおるようなネガティブな情報が拡散されやすい傾向があるとされています。
結婚や出産育児に関する否定的なイメージもその影響を受けて、実態以上に広がっている可能性があることから、私たちはこれらに対するポジティブな発想を行う必要性を訴えてきました。
これから子育てや結婚など向き合う若年層が、安心してその一歩を踏み出すためには、結婚や子育てに対してフラットに向き合える風土を醸成していくとともに、一歩を踏み出す場合には、都がしっかりと応援していく、そのようなサポートがあるよと伝えていくことが重要です。
今後、年度内に第二弾、第三弾の動画公開を予定していると聞いています。多くの若者に、結婚や子育てに対して安心感やポジティブな機運を醸成することを目指し、引き続きワーキングメンバーから若者の声を取り入れ、一人でも多くの若者の目にとどまり、望む人が一歩を踏み出せる気持ちになるような動画発信に向けて工夫を凝らしていってほしいと思います。
子供に関する定点調査、とうきょうこどもアンケートについてお伺いいたします。こちらですね。チルドレンファースト社会の実現に向けて、子供政策を不断にバージョンアップしていくに当たり、私たちはかねてより、子供の声とエビデンスに基づくことが重要であると訴えてきました。
とりわけ子供を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中で、子供の実態や意識の変化を継続的に把握するために毎年度実施している都独自の定点調査、とうきょうこどもアンケートは、子供政策の基盤となるものと考えております。
この調査は令和五年から開始され、今年で三回目を迎えたことになりますが、都内の子供や保護者の実態や意識に関するデータが着実に蓄積されているものと考えております。
改めて、今年度の調査結果の概要についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 今年度の調査結果によりますと、東京の子供は、今の自分は幸せかや学校等の居心地がよいかという設問に対し、肯定的な回答の割合が高く、アンケート開始から三年連続で増加傾向にございます。
また、生成AIの使用経験については、調査対象の全ての年代で、前年に比べ増加傾向にあり、とりわけ中学二年生と十七歳では、約二〇ポイント増加しました。
さらに、東京の保護者は、住む地域は子育てによい場所かという設問に対し、肯定的な回答の割合が三年連続で増加傾向にあり、子育てや教育の費用の悩みに関する設問に対し、はっきりと悩んでいると回答した保護者の割合が三六%で、前年と比べ一〇ポイント以上減少いたしました。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。保護者について、子育て、教育に係る費用の悩みが軽減されたという調査結果が出ました。
これは、私たちが提言してきた赤ちゃんファースト事業や〇一八サポートをはじめ、出産、子育て、育児、そして教育に係る切れ目のない支援施策が、小池都知事のリーダーシップの下、推し進めてきた子育てに関わる経済的負担の軽減策が実を結んだものといえます。
また、子供の生成AIの使用経験の増加が本調査によって客観的なデータとして把握できたことに大きな価値があると考えております。このデータを教育現場などで生かしていただきたいです。
今回の調査結果について、庁内各局と情報を共有し、様々な子供政策にしっかり反映していただきたいが、単純な集計結果をそのまま提示するだけではなく、複数の解答結果の相関関係を分析することで、より詳しく子供の実態や意識が把握できるのではないかと私は考えております。
そこで、今年度の調査結果について、どのような詳細な分析を加え、そこから得られた特徴はどのようなものかお伺いいたします。
○山本企画調整部長 今回の調査では、男女別で回答結果の差が大きい調査項目に着目し、分析を行いました。
具体的には、週に三十分以上遊んだり、体を動かしたりする日がどの程度あるかという設問に対し、毎日と回答した割合は、調査対象の全ての年代で、女性の方が約一〇ポイント低く、特に中学二年生と十七歳では、ほとんど外で遊んだり、体を動かしたりすることはないと回答した割合は、女性の方が一〇ポイント以上高くなってございます。
また、今悩んでいることはあるかという設問に対し、友達に関することで悩んでいると回答した割合は、調査対象の全ての年代で、女性の方が高い結果が出てございます。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。成長期に体力をつけることは重要であり、また、今年になって、思春期女子のメンタルヘルスが悪化し、自殺者数が男女で逆転したとの報道もありました。
いずれの調査結果もデータとして貴重なものであり、今後の子供政策に的確に反映することを要望いたします。
ここまで様々な調査結果の内容についてご説明いただきましたが、調査結果を子供たちに直接フィードバックしていくことも大切だと私は考えております。
そこで、定点調査の結果を子供へどのようにフィードバックするのか、取組についてお伺いいたします。
○山本企画調整部長 定点調査の結果のフィードバック機能を強化するため、都は昨年度から、成長発達段階に応じて、小学校低学年、小学校高学年、中高生向けの三種類の報告書を作成してございます。
今年度、新たに、報告書の制作段階で、十二人の子供からワークショップ形式で意見を聞き、キャラクターがしゃべっているようにした方がよいや、四コマ的に面白く、話の流れがあるとよいといった意見を踏まえ、報告書は漫画形式のストーリー仕立てで、分かりやすく調査結果を紹介しております。
また、今年度、小中高校での出前授業におきまして、子供の居場所や意見表明などに関する調査結果を児童生徒へ直接説明する機会を新たに設けてございます。
○さいとう(和)委員 ありがとうございます。いろんな方法をチャレンジしていて、非常にいいんじゃないかなというふうに思っています。
俯瞰的に自分たちを見るというのはなかなか難しいことですが、データとかを示しながら、そういうことはすごく子供たちにとってもいいことだと思います。
実際に子供向けの資料を読みましたが、子供の声が反映されたことで、分かりやすいものだったと私は思いました。
また、学校への出前授業により、今回の調査結果を基に子供たちがグループで話し合ったとのことですが、子供たちにとって様々な気づきにつながるなど、大変意義深い取組であるので、継続していただきたいです。
引き続き、子供政策を推進するに当たっては、エビデンスベースでブラッシュアップを重ねるとともに、様々な形で子供たちに調査結果を周知することで、主体性を育むことにもつなげていただきたいと思っております。
あわせて、現場目線で課題を解決するというところもぜひ忘れないでいただきたいなと思っています。子供たちが実際に生活する場所に豊かな人間関係があるか、つながりがあるか、そこに居場所があるか、そういうものがすごく重要なんじゃないかなと考えております。
私自身、子供のための未来に真摯に向き合い、汗をかく大人でありたいと、あり続けたいと思っています。ぜひ東京都もそうであってほしいと心から願っております。
以上で私からの質問とさせていただきます。
○西崎委員 しんがりの西崎でございます。
今回も子供の事故を中心に幾つかお伺いをしたいと思います。
まず、水の事故について伺いたいんですけれども、日本財団も公表しておりまして、本年の夏も多数の水難事故が発生をし、夏の時期の速報で二百六十九名とのことです、全国ですけどね。その中で、十代が五十五名で最多ということで、去年全体で二百六十五名ということなので、もうほぼ変わっていないというような状況でございます。
この水難事故というか、水の事故の、大昔に比べれば、数は減っているんですけれども、ここ十年だけ取り出してみると、ほぼ横ばいになっていて、何なら昨年はこの十年で最多だったというような状況で、やはりまだ取組の余地があるんだなというふうに思っているところでございます。
都もいろいろ対策をやっているかとは思うんですけれども、こども未来アクションを例えば見てみると、具体的な取組として言及されているのは、川での水難事故について、建設局でポスターを配布していますみたいなことの記述がありますけれども、もっといろいろあるとは思うんですけれども、そこで、まず最初に、東京都において、こういった水辺での事故を防ぐ取組についてお伺いをいたします。
○山本企画調整部長 都は、子供の事故を予防するために、変えられるものを変えるという視点に立って、事故が起きにくい環境づくりに取り組んでございます。
川で遊ぶときの安全対策については、ライフジャケットをつけるなど、行動によって変えられるものを変えることで、事故予防をすることとしてございます。
こうした考え方に基づき、水難事故の予防策等をまとめた記事を作成し、東京都こどもセーフティプロジェクトのウェブサイトに掲載をしてございます。
また、事故が多発する季節には、注意喚起のメッセージ等をSNSによりタイムリーに発信をしてございます。
○西崎委員 ライフジャケットも、この前も少し触れさせていただきましたけれども、何度も何度も登場させていただいているということで、これは建設局のあれを見たら、建設局もいっているんですね、ライフジャケットをつけましょうというのは。皆さんのきちんとした様々な訴えも横展開されているということなので、早く教育庁にもやってほしいなと思いますけれども、それはまた余談でありますが。
今おっしゃっていただいたこどもセーフティプロジェクトの記事におきましては、もうかなり細かく、川などに行くときには、天気のチェックから始めて、水辺の環境であったり、あと、遊ぶときの親子の位置、子供は川上の方に置きましょうみたいな。そういうところも大変丁寧に解説をされているということです。というのを拝見いたしました。また、季節に応じて、SNS等でも発信をされているということでございます。
ただ、やはり事故件数が最近十年ほど、それほど減っていないということから、ちょっと都内の状況だけ取り出しているわけじゃないので、全国的な傾向ですけれども、やっぱりまだ対策の余地はあるんだろうなというふうに思っています。
サンダルバイバイみたいなことは割と普及してきたんですかね。そういったものも言及はあるのかもしれませんけれども、そういったさらなる啓発であったり、また、データベースの、今後また、事業者等も含めて活用していくということであったり、また、セーフティ・レビューも、予算要求の方は来年度に向けて入っているというのも少し拝見いたしましたけれども、そこで取り上げるなど、いろいろと取組を強化していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、子供の事故予防全般にわたるお話ということで伺いたいんですけれども、先ほど部長ご答弁でもおっしゃっていましたけれども、都が打ち出している、変えられるものを変えるという考え方は、やっぱりまだまだ普及をさせていかなければならないという余地のあるものだと思っております。
実際に、周知啓発は取り組まれているということでありますけれども、とりわけ子供と接する機会の多い保育園であったり、幼稚園だったり、学校だったり、学童だったり、そうした現場での理解を促進するということが非常に重要になるのではないかなと考えています。
もちろんそういった子供と接する方というのは、それぞれ研修などは受けているとは思うんですけれども、そうはいっても、東京都で今打ち出している、皆さんが子供の事故を防ぐために提唱している考え方というのは、非常に先進的な考えということでございますので、これをそういった現場に浸透させていくというのは、やはりもっともっと進めていただきたいなと思うところでございます。
そこで、そうした子供の事故予防において、日常的に子供と関わる現場において、具体的な取組や啓発を進めていく人材が増えることが重要と考えますけれども、見解を伺います。
○山本企画調整部長 子供の事故予防については、保護者等の見守りを中心とした考え方に加え、子供の成長や行動に合わせて、変えられるものを変えるという考え方を社会の様々な主体が共有していくことが重要でございます。
このため、都は、子供の事故予防に関するハンドブックを作成して、子育て関連施設や病院に配布してございます。
また、睡眠環境における事故など、社会的なトピックを踏まえた具体的な事故に関する予防策について、東京都こどもセーフティプロジェクトのウェブサイトを通じて発信するほか、オンラインセミナーにより、子育て家庭や事業者など、子供に関わる様々な主体へ伝えてございます。
○西崎委員 様々な対象に様々な場所で情報発信であったり、セミナーの開催なんかもされているということは承知をしておりますが、ここでいいたいのは、皆さんが今、様々発信しているような子供の事故予防の理念をさらにそこから広げるような人を増やしていくというのが一つありなんじゃないかなということなんです。要は子供の事故予防の専門家を養成していくということです。
以前も申し上げましたけれども、私自身が子ども安全管理士の資格を持っておりますけれども、これは長崎県の大村市の事業を通じて取得をしたものでございます。
といっても、その講師陣は、東京都でも度々お世話になっている西田先生だったり、北村先生だったり、大野先生だったり、そうしたいわゆるまさに第一人者の講義を受けて、これはオンラインで受けたんですけど、それで論文を提出して、資格を認定していただいたというものでございます。
この大村市では、基礎自治体ではありますけれども、子供の安全管理士を広げることによって、市内のほとんどの保育園、幼稚園、こども園にこの子ども安全管理士が配置をされているというか、そういった現場の方々が専門的な知識を持って日々の業務に当たっているということでございます。
すると、そうした園の安全はもちろんのこと、接する保護者の皆さんへの啓発みたいなものも、専門的な見識ができるわけですから、子供たちの家庭の事故予防にも大きく寄与するというような効果もあると考えられます。
これをぜひ東京でもできないかという大きな野望を持っているわけでありますけれども、いかにこうやってお伝えをしても、じゃ、すぐにやりますというわけにはなかなかいかないと思いますが、ぜひ、皆様が非常に高い力強い旗を掲げてやられているので、そうした専門家を増やしていくと、子供の事故を防ぐための理念をどんどんどんどん広げていく、そういった子ども安全管理士のような専門家を増やしていくということを今後の調査研究対象として検討いただきたいということを強い要望として、ここでは申し上げておきたいと思います。
次にといいますか、これで最後にいたしますが、公園の遊具についてお聞きをいたします。
こども未来アクションないしは強化の方針でも、継続的に遊びの推進、子供たちの遊びについてお示しをいただいているところです。
公園の遊具に関しては、私なりには二つの観点があると思っておりまして、一つは安全性、今いった事故予防のようなところと、もう一つ、クオリティー、遊具の質というところで、まず安全性についてお聞きをしたいんですけれども、さっきも出てきたこどもセーフティプロジェクトの記事では、公園の遊具の安全についても取り上げているものがございます。
ほかの種類の事故と同様、子供から目を離さないということの前にできる予防策を実践しようと呼びかけている記事でございまして、一貫性があるものだなというふうに拝見をいたしました。
ただ、この中で、日本公園施設業協会、いわゆるJPFAによる遊具の対象年齢を守りましょうとか書いてあって、行政的には仕方ないとは思うんですけれども、やっぱり無理があると思うんです。
私自身の子供がまさにそういう年齢なのであれなんですけれども、例えば五歳の幼児と七歳の児童を一緒に公園に連れていって遊ばせて、六歳から十二歳対象の遊具で一緒に遊ばないかといったら、絶対それは無理というのは、子供がいらっしゃる方は何となくお分かりになるかと思うんですけれども、そういったこの遊具は何歳から何歳までだよっていって、それを一〇〇%守らせるのは絶対無理だと思っておりまして、それはちょっと非現実的なのかなと。
それよりは、例えばその遊具でも、一定の体格がなければ、高いところまで行けないから、大きな事故につながらないとか、そういう仕掛けを施しておくことの方が重要だと私は考えています。
これは、先日も同じことを申し上げたんですが、このJPFAの基準は、国交省の指針と軌を一にしているもので、六歳までの子供については保護者の見守りを前提としているものでございます。
すると、都の姿勢とは少し異なる部分があるのかなと。すなわち、事故予防のABC理論における変えられないものですね。例えば、ここでいうと、四六時中、子供から目を離さないことは不可能です、これ、絶対変えられない。もう一つ、子供は予期しない行動を取るというもので、これも変えられない。
本来は別のところを変えなきゃいけないんですけれども、要するにJPFAの基準等々は、子供から目を離さないという不可能なことを前提としているということで、これはやっぱり、これは皆さんのものじゃないんですけど、国のもの、国というか、そもそも業界のものなので、それは別のところで要望したいと思いますけれども、そういった課題があると。公園の遊具にはそういう課題が、今の日本の基準というか指針ではあるということでございます。
そこで、東京都として、子供が使用する公園遊具の安全性を高める取組について伺います。いかがでしょうか。
○山本企画調整部長 都は、事業者や研究機関など、子供に関わる多様な主体が、子供の事故に関して必要な情報に容易にアクセスできるよう、製品事故や学校等での事故などの情報を一元的に集約したデータベースを公開しております。
このデータベースには、公園遊具に関する子供の事故情報も収めており、安全・安心な製品づくりなどに生かされるよう、認知度向上に向けた情報発信を行ってまいります。
○西崎委員 保護者だとか研究者とか、また、いわゆる遊具メーカー等々もデータベースを活用して、製品を改良したり、安全性を高めていってねっていうような、そういうことだと思うんですけれども、やっぱり公園って、一時期から、事故が起こるたびに遊具が撤去されて、もうすかすかになっちゃうみたいな、こういう話が語られているところでありますが、本来であれば、安全性の高い遊具が公園にしっかりと充実をしているということは当然望ましいわけでございます。
そこで、加えて申し上げたいのは、先ほど申し上げた安全性はもちろんなんですけれども、クオリティーの問題ですね。これは前期の一般質問でも取り上げたんですけれども、私この公園遊具の質を高めていくということに非常にこだわって、今、活動をし、また、訴えをしているところでございます。
先ほど申し上げたJPFAの基準というのはもう構造基準でしかないということですので、その遊具は安全かもしれませんけど、というか、安全なんです。基準上安全なんです。安全なんだけど、じゃあ、子供に何をもたらすのか、どんな学びや育ちにつながるかを測るという視点がないんですよね。
例えば、インクルーシブ遊具、これはアクションでも触れられていますし、東京都も様々取組をやって、様々な立場の子供たちが一緒に遊べるというのはすばらしいことで、私も何ら否定するものではありませんが、じゃあ、例えばそのインクルーシブ遊具が、車椅子でこの山みたいなところに上がって下りてきて、それで子供に何の学びがあるんですか、育ちがあるんですか。
一緒に遊べることはいいけれども、それによって、その子にどういう成長があるんですかということを測りようがないんですよ、今のJPFAの基準だと。こういうところをより高めていくような取組が必要だと思っています。
そこで、私が注目しているのは、遊具の国際規格とも呼ばれるEN1176及び1177ですね。これは子供の動きを考慮した性能規格ということで、遊具から得られるベネフィット、すなわち子供の成長や発達につながっていく遊びの価値、これを測って、許容されるリスクとのバランスを取っていくという考え方で、世界では五十か国以上が採用しているといわれています。JPFAは当然、日本でしか通用しないものだということです。
じゃ、ベネフィットって何なんだろうというと、例えば、その遊具が子供たちに適度な挑戦心、チャレンジングなものを与えるかとか、身体的、精神的にバラエティーに富んだ経験をもたらすかとか、あと、ほかの子供とのコミュニケーションや協力を必要としているかとか、こういったものをアセスメントするというものでございます。
例えば、遊具に何かのキャラクター、ウサギでもネコでもタヌキでも何でもいいんですけれども、こういうものがあると、子供のイマジネーションを限定しちゃうんですよ。減点されるんですね。すなわち、こういった観点からその遊具のベネフィットを測るんですが、日本ではそういうことは、少なくとも基準上は問われていないということです。
ただ、実は日本でも、公園ではない場所、例えば幼稚園だったり、保育園だったり、ショッピングモールだったり、先ほど室内遊具という話もありましたけれども、ここではEN1176に基づいた遊具が採用されているところもありまして、私も何度か見に行きましたけれども、非常に子供たちにも人気があり、にぎわっているというものを拝見しました。
このJPFAは、そもそも自分たちで基準をつくり、メーカーが自分たちで遊具を製造し、点検も自分たちで行うというものになっています。それが悪いとはいいませんが、国際規格では、基準をつくるところと、遊具をつくるところと、点検をするところがそれぞれ別々になる三権分立みたいな形になっていまして、この点検を行うのがRPIIと呼ばれる精密検査士、これは日本にも存在をします。すぐ、ここから車で十分ぐらいのところにいますけれども。
お話を伺いましたけれども、工夫をすれば、現行のJPFAの基準に基づきつつ、EN1176によるベネフィットのアセスメントもかけられるということなんです。すなわち両立できるということなんです。例えばですけど、都立公園に子供の成長を意識的に促すような質の高い遊具を設置することが可能ということなんです。
これを提案しちゃうと、また、建設局ですみたいな話になるので、今日はなかなかいえないんですけれども、ぜひこれ子供政策連携室で、今後その課題として取り上げられないかというふうに思っています。
これまでせっかく子供の遊びを非常に重視して取り組まれてきているわけでありますから。これ、全国どこもやっていないですから。ぜひ全国に先駆けて、子供たちの遊びの質を高めていく、公園遊具の質を高めていくという取組、今後新たなこども未来アクション等々の取組もあるかと思うんですけれども、ぜひそういったところで検討していただきたいと思う。
これもまた強い要望で終わりますけれども、ということを申し上げまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○福島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福島委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で子供政策連携室関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時四十六分散会
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