総務委員会速記録第十三号

令和七年十月三十日(木曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長福島りえこ君
副委員長藤井とものり君
副委員長増山あすか君
理事こまざき美紀君
理事望月まさのり君
理事坂本まさし君
高田 清久君
星  大輔君
さいとう和樹君
笹岡ゆうこ君
西崎つばさ君
早坂 義弘君
本橋ひろたか君
斉藤まりこ君
小林 健二君

欠席委員 なし

出席説明員
デジタルサービス局局長高野 克己君
次長佐久間巧成君
総務部長芹沢 孝明君
調整担当部長繁宮  賢君
情報セキュリティ担当部長田畑 伸哉君
デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務辻  正隆君
デジタル事業担当部長澤村  航君
デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務谷口  祐君
プロジェクト推進担当部長福田  厳君
DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務芝崎 晴彦君
DX推進調整担当部長政策DX担当部長兼務富山 貴仁君
区市町村DX協働担当部長中西 正樹君
デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務小林 直樹君
データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務小林 孝幸君
つながる東京整備担当部長
スマートシティ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務
小原 誠司君
デジタル基盤部長村永 伸司君
選挙管理委員会事務局局長川上 秀一君

本日の会議に付した事件
選挙管理委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
デジタルサービス局関係
事務事業について(質疑)

○福島委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局及びデジタルサービス局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○川上選挙管理委員会事務局長 去る九月十八日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、選挙出前授業・模擬選挙実施状況をお開きください。
 1、学校でございますが、東京都選挙管理委員会及び区市町村選挙管理委員会が令和二年度から令和六年度までに実施いたしました選挙出前授業、模擬選挙の実施校数及び参加人数を、小学校、中学校、特別支援学校、高等学校の別にお示しをしてございます。
 2、施設でございますが、東京都選挙管理委員会が令和四年度に実施いたしました選挙出前授業、模擬選挙の実施数及び参加人数をお示ししてございます。
 次に、お手元の資料第2号、当選証書への通称付記の状況をお開きください。
 当選証書への通称付記について、区市町村選挙管理委員会及び東京都選挙管理委員会の状況をお示ししてございます。
 よろしくお願い申し上げます。

○福島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○本橋委員 よろしくお願いいたします。私からは、まずはネット投票について質疑させてください。
 インターネット投票については、海外では導入済みの国もあり、そこではネット投票の技術を高めつつ国民の信頼を得て、国民投票率を高めているとのことであります。
 確かに、インターネット投票は、スマートフォンやパソコンさえあれば自宅でも職場でも投票できることになります。有権者の利便性の向上や投票用紙の作成経費などのコストの削減が期待できるところであります。
 しかし、いまだに我が国ではインターネット投票が実現できてはおりません。これはインターネット投票が、今、申し上げたメリットだけでなく、負の側面も併せ持っているからだと私は思っております。
 そこで、まず、インターネット投票の課題についてお伺いいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 インターネット投票導入における主な課題といたしましては、総務省が設置した研究会の報告によりますと、なりすましや二重投票を防止する本人確認の確実な実施、投票の秘密の確保、システムの安定稼働やセキュリティ対策などが挙げられてございます。さらに選挙の公正性の確保の観点から、投票立会人が不在の中で投票を行うこと等の議論も必要とされているところでございます。

○本橋委員 ただいまのご答弁にもありましたように、インターネット投票の導入には、自由意思によって投票できる環境の確保といった、まだまだ乗り越えるべき課題が山積していることが分かります。
 当然ではありますが、インターネット投票の導入に当たりましては、法改正が必要となっていることから、国における検討が進まなければ実現は困難であることは間違いありません。
 そこで、インターネット投票をめぐる国の検討状況と、それを受けた都選管の基本姿勢をお伺いいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 国会におきます総理大臣答弁では、インターネット投票という新たな投票方法の導入は、選挙の公正確保の観点も含めて、各党、各会派で議論すべきとされてございます。また、総務省では現在、郵便局等での投票が認められている在外選挙において、利便性向上の観点から、インターネット投票についての調査研究が実施されてございます。
 都選管といたしましては、選挙制度の中核をなす投票方法の在り方に係る事柄であり、法整備が必要であるため、今後も国における検討の動向を注視してまいります。

○本橋委員 ぜひ、国レベルでも、都レベルでも、十分な検討を引き続きお願いしたいと思います。
 次に、選挙違反に対する対応ぶりについて質疑させていただきたいと思います。
 昨年から今年にかけまして、国政選挙など大きな選挙が行われてきました。その中で、選挙運動違反行為とおぼしきものがあり、地元の方などから、区選管や警察に連絡したよというお話を見聞きしております。
 公職選挙法に違反すると思われる選挙運動に関する通報などがあった場合、都選管は、取締り機関である警察と緊密に連携して対応すべきと考えますが、都選管の見解をお伺いします。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙違反の取締りにつきましては、公職選挙法上、検察官、都道府県公安委員会の委員及び警察官が行うこととされております。このため、都民から違反行為について通報等があった場合は、直接警察に通報するようご案内をしておりますが、必要に応じて、選挙管理委員会からも警察へ情報提供を行っております。
 また、選挙前には、警視庁の担当者と各選管と警察との連絡、協力体制について打合せを行い、その内容を都選管から区市町村選管に対して周知するなど、連携して取り組んでおります。
 引き続きこのような取組を継続することで、公平、公正な選挙執行に努めてまいります。

○本橋委員 ぜひ、警察と選管が今まで以上に緊密に連携していただきまして、多くの選挙で少しでも違反行為がなくなるよう、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、バリアフリー投票について質疑させてください。
 十八歳選挙権の時代を迎えて数年がたちました。障害のある方への合理的配慮の具体的な取組は、都立特別支援学校の生徒さんにおきましても重要であります。実際、学校の独自の取組として、投票の練習をしているとのことであります。
 都選管でも、区市町村の選管と連携して、特別支援学校などを訪問して、選挙について講義を行ったり、実際に使用されている投票箱などの機材を使って、生徒に投票体験をしてもらう選挙出前授業、模擬投票を行っていると聞いております。
 そこで、まずは昨年度、都選管と区市町村選管と連携して行った選挙出前授業、模擬投票の実績といたしまして、訪問校、対象生徒の総数を伺いたいと思います。
 また、そのうち都選管が行った数をお伺いいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 昨年度、都選管と区市町村選管は二十六校の都立特別支援学校を訪問いたしまして、千九百四十二人の生徒を対象として選挙出前授業、模擬選挙を行いました。
 そのうち都選管は六校の特別支援学校を訪問し、三百十九人の生徒を対象といたしました

○本橋委員 主権者教育を推進する上で、障害のある生徒も取り残されることなく選挙の重要性を学び、投票体験をすることができる選挙出前授業、模擬投票を、今後も推進していくことを期待しております。
 その中で、障害のある生徒さんの困り事など、その実態を把握して、さらに適切な合理的配慮がなされるべきだと考えます。
 そこで、特別支援学校で模擬投票を行うに当たり、どのような工夫がなされているのかをお伺いいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、特別支援学校で選挙出前授業、模擬選挙を実施するに当たり、選管職員と教員の間で、個々の生徒の障害の程度に応じて個別に対応を調整し、生徒が円滑に模擬投票ができるよう、きめ細かく取り組んでいるところでございます。
 例えば、筆記用具を持つことができない生徒には、代理投票の制度を紹介し、事務従事者役の教員が投票用紙に記載を行います。また、車椅子の生徒に対しては、車椅子の高さに合わせた記載スペースを確保するなど、生徒の障害に応じた対応を行ってございます。

○本橋委員 そこで、ただいま出てきました合理的配慮の点についてであります。都選管は実際の投票所という現場において、どのような合理的配慮を提供しているのかをお伺いいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 障害のある方々の状況は、障害の種別や程度などにより一人一人異なるものと認識してございます。そのため、投票所におきましては、投票所の事務を担う区市町村選管の事務従事者が有権者の個々の状況を理解し、障害の状況に沿って対応することが必要でございます。
 例えば、投票所のバリアフリー化や車椅子の用意等に加えまして、自書することができない方には代理投票制度を、聴覚に障害のある方にはコミュニケーションボードや筆談器を用いた対応、視覚に障害のある方には点字投票のご案内など、きめ細やかな対応が行われてございます。

○本橋委員 では都選管は、今の合理的配慮に関しまして、どのように区市町村の選管に対して周知をしているのかをお伺いいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙の都度実施する委員長会議及び事務説明会におきまして、事務処理の手引を配布し、具体的な投票所における取組事例を説明するなど、周知徹底を図ってございます。
 また、毎年、東京都心身障害者福祉センターから講師を招き、区市町村選管職員向けの研修を実施し、様々な障害の特性や接遇のポイントなどについて説明するなど、投票所における障害のある方への接遇の向上に取り組んでございます。
 さらに、都選管ホームページでは、障害のある方が活用できる制度や備品類とともに、投票所における対応例なども紹介してございます。
 引き続き、区市町村選管と連携し、障害のある方への適切な対応に努めてまいります。

○本橋委員 もろもろご答弁ありがとうございました。個々の障害に合わせまして投票の場を整えることは極めて大事であります。引き続きまして都選管におかれましては、区市町村の選管と連携の上、投票の機会と場をしっかりと提供していただくことを期待しまして、私の質疑を終わります。

○星委員 よろしくお願いします。私から一点だけ確認をさせてください。
 公職選挙法の一部改正による令和八年一月一日以降に告示される選挙において使用する選挙運動用ポスターのサイズについて、全ての選挙で統一されることとなります。
 都内で予定されている選挙では、二月に町田市と日野市の選挙があり、選挙運動の公平性を担保するためにも、この改正内容を候補者に着実に周知する取組が必要であると思います。
 ポスターサイズの改正内容、それに伴い、掲示場の枠サイズも変更されるのか、また候補者への周知に当たって都選管の取組について伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 本年四月に公職選挙法が改正され、候補者の選挙運動用ポスターの規格が、全ての選挙につきまして、長さ四十二センチメートル、幅四十センチメートル以内とされたところでございます。
 都選管が管理執行する国政選挙、都知事選挙及び都議会議員選挙におけるポスター掲示場の枠につきましては、本改正前から、縦横ともに四十二センチメートルとしているところでありまして、本改正に伴う変更は必要ございません。
 都選管では、国からの施行通知等を区市町村選管に対し速やかに情報提供するとともに、研修や会議等を通じまして、各自治体で選挙前に開催される立候補予定者説明会等におきまして、改正内容を候補者に確実に周知するなど、適切な対応を求めてまいります。

○星委員 ありがとうございました。改正後すぐに選挙があるのは、先ほど申し上げたように、私の地元の町田市で市長、市議選があります。そして、日野市でも市議選がありますので、候補予定者の皆さんに周知徹底をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○西崎委員 よろしくお願いいたします。
 選挙は、総選挙を除いて定期的に行われるというところもありますけれども、特にこの二年は、知事選、総選挙、そして今年は都議選、参院選と、本当にいろいろなご苦労があったかと思いますけども、本当にお疲れさまでございました。
 引き続き、日々の業務、また周知啓発等も皆様、常にやられているということで、ご尽力いただければと思っております。
 それではですね、今日は期日前投票のワントピックに絞ってお伺いをしてまいりたいと思います。
 期日前(ぜん)ともいいますけど、私、期日前(まえ)と呼ばせていただきますが、いうまでもなく投票率の向上というのは永年のテーマだというところでありますし、皆様、様々ご努力をされていることと存じております。一方で、どうしても経年で投票率が低下傾向にあるというのもまた事実でございます。
 様々な要因がもちろんあろうかと思います。学説によれば、本来は、経済が発展して学力が向上して生活が豊かになると投票率が向上するというような学説もあったわけですけれども、なかなか日本は今、そうなっていないという状況でですね、もちろん、その都度その都度の選挙の構図であったり、天気という長らくの課題もありますけれども、そうした中で、期日前投票というのは、その利便性、投票のアクセスの容易さというところから、投票率の向上の一つの要素にはなり得るのかなと思っております。複合的な要因がありますので、どれぐらい寄与しているかというのはなかなか分析は難しいけれども、やはり重要な制度であるなというふうに感じているところでございます。
 そこで、まず最初に、いうまでもなく期日前投票が拡大をしてきたということはもう皆さん、ご承知のことと思いますけれども、今年ちょうど都議選もやりましたので、都議選についてお聞きをいたしますけれども、期日前投票の利用状況の推移、これを都としてどのように把握をしているのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 期日前投票が導入され、初めて執行された平成十七年東京都議会選挙における期日前投票者数は四十七万七千九百四十九人で、期日前投票率は一〇・七八%でございました。本年六月の同選挙におきましては、期日前投票者数は百七十二万九千二百二十四人で、期日前投票率は三二・二〇%となりまして、都議会議員選挙では過去最高となったところでございます。
 増加の要因といたしましては、期日前投票所を増やすとともに、駅周辺施設、百貨店、スーパー等の大型商業施設などの利便性が高い施設に設置するなど、取組を進めてきたためと考えてございます。

○西崎委員 都議選に限って、今、お伺いいたしましたけれども、制度開始当初からしたら二十年ぐらい経過をするわけですけれども、投票者数でいったらもう三倍を超えるような増加を見せていると。今年が過去最高の実績だったということでありますけれども。
 期日前投票率、これは全投票に占める期日前の割合という理解でいいですか、違っていたら後でご指摘いただければと思いますけれども、要は、当初は期日前を利用していたのが十人に一人だったものが、今三人に一人ぐらいなっているという解釈かと思いますが、本当に多くの方がご利用されている。恐らくそれによって、選挙当日行けないけれども先に行っておこうとか、こういった様々な動機づけにもなっているのかなと推測をするところでございます。
 一方で、こういった期日前投票が拡大をしてきたというのは、やはり選管の皆様のご努力がしっかりと結実をしているという部分もあろうかと思いますけれども、特にですね、そうした投票に行きましょうという周知啓発というのは継続的にされていることかと思いますけれども、期日前に限らないかもしれませんけれども、この期日前に関して、皆様がどういった周知啓発を行っているのか。特に昨今なんかは、SNSであったり、動画、こういったものが非常に訴求をするという重要なファクターの一つになっていると思いますので、その辺りの取組についてお聞かせください。

○川上選挙管理委員会事務局長 期日前投票の周知につきましては、特設ホームページへの掲載、選挙期間中における周知動画やSNSへの投稿、区市町村の広報紙、投票所入場券への記載など、区市町村選管と連携して取り組んでおります。

○西崎委員 ありがとうございます。動画、SNSももう対応されているということで、これは引き続き、力を入れていただければと思います。様々幅広く、区市町村選管等とも連携をしながらやっているということでございます。
 この制度の利用が拡大していくというのは、先ほど来申し上げているように、望ましいことなのかなと、投票率の向上につながる皆様の有権者の利便性に直結をするものなのかなと思っておりますが、ここからは、少しちょっとその期日前投票の課題について伺いたいと思います。
 便利な制度として広がっていく、多くの方が利用されるということは望ましいんですけれども、この制度が二十年ほどたつわけですけれども、実際に我々も選挙をやっている立場でありますけれども、いろんな矛盾みたいなものが生じているように感じています。
 例えば、いうまでもなく、通常の投票日というのは選挙運動は一切禁止ということで、もう皆さん二十三時五十九分にぎりぎりで宣伝したりとか、そういうことをやられているかと思いますけれども、一方で、期日前投票は、選挙期間が始まって期日前が始まったら、その期間ずっと投票ができるというわけです。当然その間は選挙運動をやられていると、当然認められているというわけですから、ここの、何ていうんでしょうね、そごを来すんじゃないかというような見方も一つあろうかと思います。
 例えばですね、今、これは自分もやらないわけじゃないんであれなんですけれども、例えば期日前投票所で、もうずっと張りついて、そこで活動するとかやったことある方もいらっしゃると思いますけれども、果たしてこれが本当に制度の中で、本来であれば選挙当日の運動は駄目っていう中で、これが果たして適正なのかどうか。今は認められているんですけどね、認められているんですけど。とか、投票所付近三百メーターでしたかね、当日看板隠さなきゃいけないじゃないですか。あれも、当然、期日前投票の目の前に選挙事務所があって、どんと看板立てて、何の文句もいわれない、今、認められているということです。こういった選挙運動と期日前投票の少し課題みたいなものがあるように感じています。
 また、非常にプラクティカルな話で、もう選挙公報、これも今はネットで先に公開するというパターンが非常に多いかと思いますけれども、そういったインターネットに容易にアクセスできない方にとっては、やはり配布をされる選挙公報が重要ですけれども、それも、もう来たときには期日前投票始まっていて、それを見ないで投票に行くみたいなこともあり得るわけですが、様々な課題があるのかなというふうに思っています。
 これは制度が開始をしていったときの課題だというふうに思っておりますけれども、そうしたところについてですね、様々、皆様もそうですし、区市町村選管でもいろいろな実態というか、いろんなことが起こっているかと思うんですけれども、そうした課題について、選挙の運営について、区市町村選管と様々な情報共有をするようなことって、皆様されているのかどうか、その点について伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 東京都及び区市町村における選挙事務の改善を図り、相互の連携を密にすることを目的に、東京都選挙事務運営協議会を設置いたしまして、選挙事務に関する調査研究及び改善に関する協議を実施しているところでございます。

○西崎委員 選挙事務運営協議会で、様々調査研究であったり協議をされているということです。ぜひですね、そうした期日前投票の課題というものも、やはり私もやっていて感じますし、いろいろ皆さんもお感じになられるところあるかと思いますけれども、そうした課題も議論してほしいなと思っているところでございますが、ただ、最終的には、これ、どうしても公選法、国の方の話になろうかと思います。
 そこで、同じような質問で伺いますけれども、そうした制度の運用について、所管をするのは多分総務省かと思いますけれども、そうしたところ、国、総務省とかなどとの情報共有であったり、逆に、都としては、広く提案要求みたいなこともしていますけれども、そうした国との関わりについて、どういうことができているのかお伺いをいたします。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、公職選挙法等の解釈や運用に際し、総務省に見解を確認するとともに、選挙事務における必要な制度改正等につきましては、都道府県選挙管理委員会連合会を通じまして、国への要望等を行っているところでございます。

○西崎委員 都道府県選挙管理委員会の連合会を通じても要望されることもあるということでございます。ぜひですね、こういった課題について、区市町村でも協議会の方で課題を整理していただいて、国にもそういった要望をつなげていってほしいなと思うところでございます。
 この期日前投票、冒頭申し上げましたように、制度の意義としては非常に重要なすばらしいものだと思っていますし、皆様のご努力でこれを拡大してきたということです。ただ、今の立てつけとして、この制度自体が例外的な投票方法であるというふうに位置づけられているかと思います。
 ちょっと今回、ご質問するに当たって調べたら、過去に立憲民主党の国会議員から質問主意書が出ているのを見つけました、たまたま見つけました。それはやっぱり期日前投票と選挙運動の関連についてですけれども、そこの答弁書では、期日前投票は、選挙の当日に投票することが困難であると見込まれる選挙人に対して投票の機会を与えるため、選挙の期日前に投票を行わせようとする例外的な投票方法であることから、期日前投票の期間中も、同法によって許される状態において選挙運動をすることが可能であると。要は先ほど来申し上げているようなことが可能であると。それはなぜかというと、例外的な投票方法だから、今はそういう解釈でなっているんだということです。
 しかしながら、最初に数字をお伺いいたしましたように、今、投票される方の三割以上が期日前投票を使っているということです。そのことは望ましいんですが、やはりいろいろな課題が出てきているのかなと思っています。
 まだ国においては、あくまでも例外的な投票方法なんだという姿勢は崩さないというような姿勢も示しているところではありますけれども、果たしてこれだけ拡大してきた中で、これを見直していく必要がないのか。こういった、もちろん国の公選法の問題ではありますけれども、区市町村や都道府県レベルでも、ぜひ、実態把握や協議を進めていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○斉藤(ま)委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
 資料のご提出をありがとうございました。
 私からも、選挙制度等について質問させていただきます。
 日本は世界的にも選挙の投票率が低く、民主主義を掲げる国でありながら、国民の投票行動を含めた政治への参加が少なく、民意が十分に反映された政治にはなっていない現状があります。本来政治とは、賃金や労働時間、教育や社会保障など国民の暮らしに直結するものです。国民のためのよりよい政治と社会を実現するためにも、国民一人一人が主権者であることや、投票行動を含めた自分たちの行動で社会は変えていけるということを若いうちから認識していくことが必要です。
 そこで、まず伺いますけれども、東京都選挙管理委員会は、この主権者教育の重要性について、どのように認識しているか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙におきまして、多くの有権者が投票に参加し、政治への意思表明をするために、選挙権年齢前から選挙への関心を高めるとともに、政治や社会の課題について自ら考え、投票行動を起こす力を育てる主権者教育は重要であると認識をしてございます。

○斉藤(ま)委員 政治や社会の課題について考え、投票する力を育てる主権者教育は重要という認識はとても大事なものだというふうに思います。
 その認識の下、選挙管理委員会では、小中学校や特別支援学校、高校などでの選挙出前授業を行っていますけれども、その実施状況について、過去五年間の推移を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管及び区市町村選管が都内の小中高等学校で行った選挙出前授業の実施状況についてですが、令和二年が百九十五校、令和三年が二百十九校、令和四年が二百五十一校、令和五年が二百八十三校、令和六年が二百九十五校となってございます。

○斉藤(ま)委員 資料の方でも掲載していただいておりますけれども、大体毎年約三万人が参加しているということで、重要な取組だというふうに思います。
 私の地元の足立区では、文教大学が足立区選管と協定を結んで、主権者教育の実践を行っています。昨年は都選管も協力をして、足立区選管との連携の下、模擬選挙のイベントを学園祭で行ったというふうに聞いています。区選管の方からも、よい取組ができたということでお話を聞いております。
 選挙出前授業や模擬選挙などの取組を広げていくためにも、実施する区市町村や民間団体への支援も重要だと思いますけれども、認識を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 多くの児童生徒が選挙への関心を高め、政治や社会の課題について自ら考える機会を創出するために、都選管が区市町村選管と連携して、選挙出前授業や模擬選挙の取組を推進していくことは重要と認識をしてございます。

○斉藤(ま)委員 区市町村選管等と連携した取組は重要という大事なご答弁ですけれども、民間団体でも模擬選挙の取組をやっているところがあります。投票率を上げることを目的に行う模擬選挙、実際の機材を借りてきて行うなどをやっているところがありますが、こうした市民団体、民間団体に支援をしていくということも重要だと思います。区市町村を通じた支援も含めて充実していただくことを求めます。
 高齢者の方々が選挙に行きやすい環境をつくっていくことも重要です。高齢化が進んでいる都営住宅の住民の方々から、投票したくても、遠くにある投票所に行くのが困難だという実態があり、都営住宅の集会所で投票できるようにしてほしいという声が寄せられています。実際に活用されている事例があれば、その数について伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 投票所は、公職選挙法に基づきまして、区市町村選管が設置をいたします。都営住宅の集会所に投票所を設置している事例につきましては、四件でございます。

○斉藤(ま)委員 事例としては四件あると。区市町村選管が都選管に要請すれば、都として認めるということを伺いました。
 しかし、まだ事例が少なく、団地の集会所に投票所を設置していいということを知らない都民の方が多くいるのではないかと思います。高齢化が進んでいる中、身近な場所に投票所をつくっていくということも喫緊の課題です。区市町村選管にお知らせを徹底して、都営住宅や都有施設の活用を広げていくべきだと思いますが、見解を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 投票所には、区市町村選管と施設管理者との協議によりまして、都立高等学校や都営住宅の集会所など、多くの都有施設が活用されているところでございます。

○斉藤(ま)委員 区市町村選管等との施設管理者との協議によって設置していくことが可能だということですので、ぜひ、都営住宅の集会所も活用できるということも積極的にお知らせしていただきたいというふうに思います。
 どんな障害を持っている方でも、投票権の行使を保障していくことが大事だと思います。
 この間、視覚障害者の方々から、投票を保障するための環境整備を求める声が寄せられています。一つは投票所への同行支援についての充実ですけれども、現在は、視覚障害者の方に支援員が付き添って投票所に行く場合の補助が出ていますが、所得によっては一割の自己負担があるというふうに伺っています。誰もがそうした負担なく投票ができるようにしてほしいということです。制度は福祉局のものですけれども、東京都選挙管理委員会からもそうした有権者の方の声を共有して、そして支援の充実を働きかけていただくことを求めます。
 弱視の方々からの声も寄せられています。小さな文字だと見えなくても、大きな文字なら見ることができる、こういう方々にとって、大活字版の選挙のお知らせは重要です。
 弱視の方にも分かるような大活字版の選挙のお知らせは、どこにどれぐらい配布されているのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 本年の参議院選挙の東京都選挙区におきましては、大活字版の選挙のお知らせにつきまして、区市町村選管に二部ずつ配布し、都内障害者団体や福祉施設、図書館等に一部ずつ配布してございます。合計で六百八十八部でございました。

○斉藤(ま)委員 当事者の方々に必要な情報を届けることが求められておりますけれども、現状では、視覚障害者の方々は、そうした場所に行かなければ選挙の情報を得ることができません。通常の選挙公報は全戸配布され、有権者の手元に届きます。本来なら見ることができる情報を直接届けてほしいというのが視覚障害者の方々からの声です。区市町村選管とも連携しながら検討していただきたいというふうに思います。
 また、投票所での対応の充実も求められています。弱視の方々にとって、通常のルーペでは文字の拡大が不十分であり、スマホやタブレットで文字を拡大すれば見えると伺っています。
 投票所に、弱視の方にも分かるように大活字版の選挙公報を備えることや、候補者名簿などを拡大して見ることができるようにスマートフォンやタブレットの使用を認めてほしいという声があります。区市町村の選管に認めるよう働きかけていく必要があると思いますが、いかがですか。

○川上選挙管理委員会事務局長 各選挙における投票所の管理運営は区市町村選管が行ってございます。投票所でのスマートフォンやタブレット端末の使用の可否につきましては、各投票所における投票管理者の判断になりますが、有権者からのご指摘のご意見につきましては、区市町村選管との会議等でこれまでも周知しているところでございます。

○斉藤(ま)委員 各投票所での判断であり、意見についてはこれまでも周知をしてきているということですけれども、場所によって対応が違ったり、そもそも使い方を守れば使うことが認められるということを知らない当事者も多いということだと思います。
 現在は、区市町村によって、投票に支援が必要な方には、支援カードや配慮カードというものが入場整理券と一緒に届けられ、投票所で支援や配慮が必要な方は、それを伝えることができるようになっています。重要な取組だと思いますが、視覚障害者の方々にも分かるような支援の在り方、情報の届け方というのを検討していただくことを求めます。
 次に、民主主義を守り発展していくために重要な選挙制度の在り方について伺っていきます。
 選挙において、民意を正確に反映し、多種多様な意見が尊重される制度としていくことが重要です。性別などの属性や障害のある、なしなどにかかわらず、誰もが尊重される社会の実現のためにも、多様な意見と民意を反映する選挙制度へと発展させていくことこそ求められています。
 まず、伺いますが、昨年、二〇二四年十月二十七日に行われた衆議院議員選挙の東京都での結果について、小選挙区制度で当選者が得た得票数の総数と、当選しなかった候補者が得た得票の総数をお示しください。

○川上選挙管理委員会事務局長 当選者得票数につきましては二百五十二万七千八百八十八・五三八票、落選者得票数は三百六十九万五千六百三十五・四五四票でございました。

○斉藤(ま)委員 ご答弁のとおり、この小選挙区制度では、落選者の得票数の方が、当選者の得票数より約百十七万票も多く、約三百七十万票もの民意が、いわゆる死票として切り捨てられているという状況だと思います。これは、選挙区の中で一人しか当選できない小選挙区制度の根本的な問題だというふうに思います。
 昨年の総選挙で、東京都の小選挙区から立候補した方の総数は百四十四人でした。当選は三十人、落選は百十四人ということで、死票の数とともに、落選した方は当選した方の四倍近くになります。一人しか当選できない制度ながら、多いところでは九名が立候補しています。これでは多様な意見、民意を酌み取ることができないのは明らかではないでしょうか。
 また、日本のジェンダーギャップ指数は百四十八カ国中百十八位で、特に政治、経済の分野で大きく遅れています。昨年の東京都の小選挙区で当選した女性の数は、全体の三十人中僅か六人です。日本ではまだまだ男性政治家が多い中、一人しか当選できない小選挙区制度は、女性の参入が難しくなっている要因の一つではないでしょうか。
 それでは、中選挙区である参議院選挙の方はどうか、確認したいと思います。
 今年、二〇二五年七月二十日に行われた参議院選挙の東京選挙区において、当選者が得た得票の総数と、当選しなかった候補者が得た得票の総数をお示しください。

○川上選挙管理委員会事務局長 当選者得票数は四百三十四万七千六百二・二六〇票、落選者得票数は二百六十一万四千六百九十七・六七六票でございました。

○斉藤(ま)委員 やはり小選挙区とは違い、当選した方が得た得票の方が大きく上回っています。今年の参議院選のこの東京選挙区は、定数六人、補欠を加えて七人が当選をする中選挙区制ですけれども、小選挙区制度に比べても死票の割合が減り、民意をより反映する制度だったということが分かります。
 一方で、死票が最も少ないのが比例代表制です。比例代表は政党が獲得した票数に応じて議席を配分する制度で、最も正確に民意を反映する民主的な制度です。比例代表では、多様な民意の反映とともにジェンダーギャップの解消にもつながります。実際に、比例選挙中心の北欧諸国では、国会議員に占める女性の比率が四〇%から五〇%となっています。
 多様な意見を反映させ、誰もが生きやすい社会をつくるためにも、私たち日本共産党は、民意を正確に反映する比例代表中心の選挙制度に改革することを提案してきました。今、国では、衆議院の定数について、一割を目標に削減を行うと狙う新しい連立政権が生まれていますけれども、これは民意を切り捨て、多様な意見を否定する危険な道だといわなければなりません。
 そもそも日本の国会議員の数は国際的にも見て少ないのが実態です。衆議院調査局第二特別調査室が四月に公表した選挙制度関係資料集の二〇二五年度版によると、国会議員一人当たりの人口は、日本が十七万五千人、G7の中では、各州のほとんどが上下両院から成る議会を持っているアメリカを除くと、日本が最下位であり、一番多いイギリスと比べると三・八倍もの差があります。
 議員定数を減らせば、さらに国民の声が国会に届きにくくなってしまいます。比例代表の定数削減は民意の切捨ての危険な道であることを指摘し、一人一人の声が届く民主主義の発展にこそ力を注ぐべきということを訴え、次の質問に移ります。
 公平、公正で民主的な選挙を行うためのルールについて確認をしていきたいというふうに思います。
 この間の選挙戦で、関係者や有権者の証言も基に報じられた事例から伺っていきます。
 まず、政治団体の収支報告書の会計責任者に、本人の確認や委任もなく、名前の記載や押印がされていることは、どんな法律に抵触、違反となるのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 政治資金規正法の規定では、収支報告書に虚偽の記入をしたものは、五年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金のほか、一定期間公民権の停止が科せられることとなっております。
 なお、収支報告書に添えて提出する宣誓書につきましては、本罰則の対象とはなってございません。

○斉藤(ま)委員 虚偽記載となり、政治資金規正法に抵触するものだということです。このケースの場合、政治団体のどのような立場の者が法的に責任を問われるのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 違法性の判断につきましては、取締り当局及び司法が判断することとなります。

○斉藤(ま)委員 報道された事例では、会計責任者が辞めていたにもかかわらず、本人への確認なく、数年にわたり署名と押印をしていたということです。専門家からは、私文書偽造罪に当たる疑いもあるとし、政治団体の代表者も責任を免れないと指摘をしています。さらに確認しますけれども、選挙事務所の看板や、選挙カーの看板や、スピーカーなどの選挙費用を、選挙運動費用収支報告書に記載せずに、政党支部の政治資金収支報告書に記載した場合、どのような法令違反になりますか。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法の規定では、選挙運動費用に記載すべき事項を記載しなかったものは、三年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金のほか、一定期間公民権の停止が科されることとなってございます。
 なお、実際に行われた支出が公職選挙法の規定に反するかどうかについては、取締り当局及び司法が判断することとなってございます。

○斉藤(ま)委員 こちらは公職選挙法に抵触するものだということです。
 さらに伺っていきたいというふうに思います。選挙事務所の移動についての制約はあるか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法では、選挙事務所は一日につき一回を超えて移動することはできないと規定されてございます。

○斉藤(ま)委員 選挙事務所は一日に一回は移動させることができるということです。
 これを利用するような形で有権者へのアピール、露出を狙う意図もあるかと思いますが、選挙事務所を移動させる、いわゆる移動事務所という言葉が慣習的に使われているということがあります。
 さらに伺いますが、選挙事務所を設置する場合、所有者の許可は必要でしょうか、伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法では、選挙事務所を設置する場合の所有者の許可の必要性に関する規定はございません。

○斉藤(ま)委員 事前のやり取りでも、大変ご答弁に悩ませてしまったというふうに思うんですけれども、選挙事務所を設置する場合に、その建物の所有者に了解を得ることは当然のことであって、公職選挙法で定めるまでもないくらいの当たり前のことなんだというふうに思います。ところが、賃貸物件や不動産会社の事務所、個人の家、自治会の会館などが同一の候補者の日替わり選挙事務所のようになっていたケースで、選挙事務所として貸した覚えはないという不動産会社や個人のお宅があり、通常では考えられないことが起きているという実態があります。テナントが全て入っている貸しビルの前などに巨大な選挙事務所の看板が掲げられているということが、有権者から目撃されています。
 確認していきたいのですけれども、企業、団体などの所有する場所に選挙事務所を設置する場合、無償提供を受けることはできるのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 政治資金規正法の規定では、企業等の法人は、政党または政治資金団体以外に寄附をすることが禁止されてございます。そのため、候補者が企業などから選挙事務所を設置する場所につきまして無償提供を受けることはできません。

○斉藤(ま)委員 これは明確にできないということなんですね。賃料を払わずに、個人の選挙事務所への無償提供ということになれば、政治資金規正法が禁じている、企業、団体から候補者への献金に当たるということになるわけです。
 当たり前のことかと思いますが、改めて確認をしていきたいと思います。選挙管理委員会に届出をしていない場所に選挙事務所を設置することは可能か、伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法の規定では候補者が選挙事務所を設置したときは、直ちにその旨を選挙管理委員会に届け出なければならないとされておりまして、違法な選挙事務所の設置があると認められるときは、選挙管理委員会がその閉鎖を命ずる権限を有していると明示されてございます。

○斉藤(ま)委員 届出をしていない。つまり、違法な選挙事務所の設置が認められるときは、選挙管理委員会が閉鎖を命じる権限を持っているということです。
 選挙事務所として届出していない場所に、選挙事務所の看板を設置することができるのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 公職選挙法の規定では、候補者が選挙事務所を設置したときは、直ちにその旨を選挙管理委員会に届け出なければならないとされてございます。

○斉藤(ま)委員 選挙事務所の看板も当然ですけれども、届出をしている事務所にしか設置はできないということだというふうに思います。
 様々伺ってきました。違法性については取締り当局が判断するものだということですけれども、これらの事例は全て東京都内の選挙区で起きていて、地元の関係者や有権者の証言を基に報道されているものです。
 公平、公正で民主的な選挙を実施するためには、それを担保するための法律を守ることが重要です。日本共産党は、公平、公正な選挙と、民主主義をさらに発展させる選挙制度の在り方を追求していくことを表明し、質問を終わります。

○坂本委員 国民民主党、坂本でございます。よろしくお願いします。
 さきの都議選をはじめ、選挙は民主主義の根幹を支える営みであります。しかし一方で、特に若年層や現役世代の投票率の低さというものが続いており、政治に関心がないということもさることながら、関わり方がなかなか見つけられないという声が多いのも事実ではないでしょうか。
 本日は、選挙管理委員会の取組を、公正の確保から一歩進めて、参加を支えていく仕組みということの中でどう再設計していくかという視点から伺っていきたいと思います。
 初めに、投票率の現状認識と参加促進の課題についてであります。
 近年の東京都における投票率は、選挙種別によって差はございますが、特に若年層や現役世代の投票参加が依然として低調な傾向にあるんではないでしょうか。選挙管理委員会として、こうした世代間の投票率格差、並びに投票行動に影響を与える要因をどのように捉えていらっしゃるのか、現状認識を伺わせてください。

○川上選挙管理委員会事務局長 一般的に、投票率は当日の天候、有権者の選挙への関心の度合いなど様々な要因が関わって変動するものと認識してございまして、世代間の投票率格差の発生要因について、一概に説明することは困難でございます。
 都選管が実施した昨年度の衆議院選挙の世論調査におきましては、若年層や現役世代が投票を棄権した理由といたしまして、投票所へ行くのが面倒だったから、仕事が忙しく時間がなかったから、政治や選挙には関心がなかったからが他の世代より多い結果となっております。

○坂本委員 ありがとうございます。確かにですね、一人一人の生活状況や関心度によって行動は左右されるわけですが、しかし、関心がないという話もさることながら、関わり方が分からないという声が多いのも実情ではないかと思います。制度や仕組みの側から、関心を持てるきっかけをどう設計するか、その視点が今、求められているんではないかというふうに感じます。
 その上で、啓発を強化するのではなく、投票しやすい動線ということで、期日前投票の拡充のお話を伺おうと思ったんですが、先ほど立憲民主党さんの西崎議員よりご質問がございましたので、メッセージだけちょっと一言お話しさせていただきますが、その期日前投票も含めて、行きやすさというのが最大の啓発ではないかというふうに思いますので、通勤通学やお買物などの日常動線にどう組み込んでいくのか、東京都としても、区市町村へ助言というふうなことだけではなくて、ベストプラクティスの共有ですとか、設置基準の柔軟化などを、そういった後押しを、ぜひ期待していきたいと思います。
 次に、デジタル技術を活用した参加の促進の件でございます。
 若者や現役世代は、日常の意思表明の多くをスマートフォン上で行っています。その意味で、投票情報の発信ですとか、候補者情報の提供を、よりインタラクティブ、双方向に設計することが有効ではないかと考えます。
 選挙管理委員会として、SNSとか、アプリを活用した、投票行動ナビゲーションと私、名づけましたが、すなわち、例えば、近くの投票所はここですよですとか、期日前はここでできるよとか、そういったときには何も持っていかなくていいよみたいな、そういったナビゲーションをですね、そういった新しい、新たな発信手法をご検討していらっしゃるのか、そういったことを伺いたいと思います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、選挙期間中にSNSを活用して投票情報や候補者情報を掲載した特設ホームページへと誘導する仕組みを構築いたしまして、若年層を中心とした有権者に選挙に係る情報が伝わるよう取り組んでございます。
 また、昨年度の都知事選挙の後には、若年層の有権者を対象としてインターネット調査を行いまして、都選管が実施したイベントや作成した動画の評価等を聴取いたしました。
 今後も、こうした取組により、若年層への投票情報の発信などに努めてまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。実にSNSの活用は重要だなというふうに思います。
 加えて、ただ情報を届けるだけではなくて、参加をデザインするUI、UXというか、そういったものの進化が鍵となるんじゃないか。投票に行きますかというリマインドですとか、候補者比較ナビなどですね、自発的行動を促す仕掛けを都としてもぜひ実装していきたいところであります。
 また、東京都デジタルサービス局とは連携して、東京アプリなど、既存の都民向けサービスを通じて、投票情報ですとか、候補者の一覧、投票所マップなどを届けるような、いわば都民の手のひらの中にある選挙といったものの実現に向けた取組についても見解を伺わせてください。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、選挙期間を中心といたしまして、特設ホームページを開設し、投票情報や候補者情報を掲載して有権者に発信を行っているところでございます。
 今後も、都民にとって利便性が高い媒体を有効に活用いたしまして、こうした情報をさらに広く有権者に届けてまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。ここは、都全体のデジタル戦略と一体で進めるべき領域だとは思います。東京アプリに、ぜひ選挙モードを組み込んで、投票所マップですとか、期日前投票所検索などをワンタップで表示できるようにする、そういった、都民にとって行政と政治をつなぐ共通プラットフォームとして発展させる可能性もあるというふうに思います。
 続きまして、投票所のバリアフリー化のお話を伺おうと思ったんですが、都民ファーストさんの本橋議員さんがお話しされておりますので、ここについては割愛し、コメントだけさせていただきますが、高齢者や障害のある方に対して、安心して入れる雰囲気づくりというか、そういった投票所づくりも欠かせないんじゃないかというふうに思っています。段差の問題ですとか、照明、そういったことだけじゃなくて、案内表示や誘導員の配置、心理的なバリアフリーの視点もぜひ進めていただきたいなというふうに考えているというものだけ申し伝えておきます。
 一方で、生成AIなど新技術の普及によって、選挙運動のデジタル化、こういったものが急速に進んでいるというふうに考えております。フェイク情報の拡散などによる公平性の影響も懸念されているということですが、選挙管理委員会として、こうしたリスク、新しいリスクにどう向き合っていくのか、その監視体制やガイドライン整備の考え方を伺わせていただきたいと思います。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙の取締りにつきましては公職選挙法の規定によりまして、検察官、都道府県公安委員会の委員及び警察官が行うものとされてございます。
 選挙に関するインターネットの利用等については、本年四月に公布されました公職選挙法の一部改正の附則におきまして、最近の選挙をめぐる状況の対応について、引き続き検討が加えられ、必要な措置が講ぜられるものとされたところでございます。都選管では、こうした国の議論を注視してまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。AIによる生成情報というのが、公正な選挙の信頼を根底から揺るがしかねないということだと思います。もちろん国の動向を注視していただくということですが、都としても、早い段階から、教育的啓発並びに情報リテラシー向上を進める必要があるんじゃないかとは思うわけであります。AI時代の選挙リテラシーを、その次の世代にどう育てていくのか、これは都選管のリーダーシップにぜひ期待していきたいと考えております。
 続いて、教育のリテラシーに、選挙リテラシーの育成というふうなことについてもご質問しようと考えておりましたが、共産党の斉藤議員からもお話ございましたので、ここは割愛してコメントだけさせていただきますけれども、これに関しては、選挙の教育イコールルールの説明ということだけでは終わらずにですね、社会をつくる力を育む教育というものが、広げていくべきことなんではないかと思うわけであります。子供たちに、選ぶ楽しさというか、意見を持つ勇気、こういったことを体験できるような仕組みをさらに進化させていただきたいなというふうにコメントをさせていただきます。
 また、SNS時代にふさわしい形で、若者が自分の言葉で意見を発信して、政治とつながる場を設ける、例えば若者の声プロジェクトのような、共創的な取組というものについてご検討していらっしゃるかどうかについても伺わせていただきたいと思います。

○川上選挙管理委員会事務局長 若年層の選挙への関心を高めるために、様々な場で意見を発信する機会を設けることは重要でございます。
 一方で、選挙管理委員会が主体となって、そうした意見を政治とつなげることにつきましては、選挙管理委員会に求められる公平性、公正性の観点から、慎重に検討していく必要があると考えてございます。

○坂本委員 ありがとうございます。おっしゃるとおり、公平性の確保は大前提だと思います。
 一方で、若者の声が届かない政治では未来は開けないわけでありまして、都選管が、当然ながら中立的な場の提供者として意見表明の場を共創するということは可能なんじゃないかなとも思います。若者のみならず、選挙を通じて政治に近づける環境というものを整えることこそ民主主義の基盤づくりといえるんではないかと思っております。
 次に、電子投票に関して伺いますが、国内では、茨城県つくば市など一部の自治体で、ブロックチェーン技術を活用した住民投票の実証実験が行われていると思います。もちろん国は、この実験に対して課題があるというような指摘もあるというふうなことも伺っておりますが、一方で、投票データを暗号化して分散的に記録することで、改ざん防止と透明性を高めようとする試み、このこと自体は、投票内容をブロックチェーン上に安全に記録していくこと、開票の信頼性を確保して、遠隔地からの投票も可能にする、そうした技術的基盤を検討する動きとも捉えられます。
 東京都としても、国の見解もあるとは思ってはおりますが、電子投票ですとか、遠隔投票の制度化を見据えて、こうした新しい技術の活用の可能性ですとか、課題について、どのように認識をされていらっしゃるのかを伺わせてください。

○川上選挙管理委員会事務局長 委員お話しの新技術の活用可能性や課題につきまして、国は、つくば市におけるインターネット投票制度の導入提案に対して、選挙の公正確保等の観点から課題がある、そして、選挙制度の根幹に関わる問題であるため、各党、各会派における議論が必要であり、実験的に行うべきでない旨の見解を示しているところでございます。
 都選管といたしましては、今後も新技術の活用を含め、国における検討の動向を注視してまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。確かに、制度の根幹に関わる重要な課題だとは思うんですよ。
 ただですね、技術が先行してはいけないということではなくて、制度が技術をどう導くかという視点が必要なんじゃないかと思うわけであります。東京こそ、信頼性と利便性を両立した投票モデル都市というものを目指す先導役を担えるんじゃないかなと思うわけであります。
 最後に、民主主義は選ばれたものの営みではなく、関わるもの全ての営みであるということであります。一票の重みを支えるのは、制度ではなく参加の意思であります。その意思を育てることこそ、これからの選挙行政の使命ではないでしょうか。
 投票をデジタルで便利にしながらも、民主主義を温かく支える東京、そういったものの実現に向けて、選挙管理委員会の皆様方の一層の取組を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○望月委員 参政党の望月まさのりです。本日はよろしくお願いいたします。
 本日は、選挙管理委員会事務局が所管する事業のうち、特に選挙の広報、啓発活動、及び民主主義の根幹を支える選挙の自由に関して質問させていただきます。
 まず、投票率の低下について、これまでいろいろ質問が出てきましたが、現在、全国的に投票率が低迷する中、都内においても例外ではなく、国政選挙、都知事選挙、都議会議員選挙、さらには統一地方選挙など、いずれの選挙においても有権者の投票率は下がる傾向にあります。
 例えば、衆議院議員選挙では、二〇〇九年には投票率が六九・二八%でしたが、二〇二四年、昨年では、全国平均で五三・八五%にとどまり、約一五ポイント低下しています。
 都知事選挙においても、昭和期には七〇%台に達していた時期がありましたが、近年では五〇%から六〇%台で推移しており、都議会議員選挙では、二〇二五年六月、さきの行われた選挙の投票率が四七・五九%にとどまっており、依然として過去の水準には戻っておりません。
 このような状況を踏まえ、我が党としても、政治参加の重要性を訴えてきた立場から、投票率の向上に資する施策について、都の取組状況を伺います。
 まず、東京都がこの十年間程度に行ってきた啓発活動のうち、SNSの活用やデジタル広報の強化など、従来とは異なる新たなアプローチを行った例があるか、具体的にお示しください。
 また、その取組の効果はどのように現れたのか、加えて、世論調査等を経て、今後の選挙啓発にどのように取り組むのか見解を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、これまでも選挙に当たり、XなどのSNSを活用した情報発信に取り組んできたところでございます。
 昨年度の都知事選挙、衆議院議員選挙におきましては、こうした取組に加え、新たに街頭でのイベント等の情報を特設ホームページに掲載し、若年層を中心とする有権者にイベントへの参加を促したところでございます。イベントでは、写真や動画を撮りやすいパフォーマンスや展示を行い、参加者が自身のSNSにより投稿を拡散することを促したところでございます。
 このように、都選管では、様々な広報手段の相乗効果によりまして、有権者に選挙期日の周知や投票への呼びかけを行う新たな取組を進めているところでございます。
 取組の効果についてでございますけれども、衆議院議員選挙後に、都内に居住する有権者を対象に行った世論調査では、投票するに当たり影響を受けたネット上の情報といたしまして、ユーチューブなど動画共有サイトでの選挙関連動画を挙げた割合が、前回選挙の約二〇%から、今回は約四〇%へと大幅に増加いたしました。
 また、年代別で、二十歳代の六割以上、三十歳代の五割以上が、投票先の決定に最も役立つ情報としてホームページ、SNSを挙げてございます。
 こうした世論調査の結果から、都選管では、ユーチューブやSNSなどを活用した取組が若年層を中心とする有権者に伝わったものと認識をしてございます。
 そうした世論調査の結果から、都選管では、若年層を中心とした有権者には、選挙においてユーチューブやSNSなどから情報を収集する傾向が強くなっていると認識をしてございます。
 都選管は、若年層を中心とした有権者の選挙における投票に向けた行動分析を進め、今後も選挙啓発に取り組んでまいります。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。こういったことを質問すると、大体複合的要因があって分からないというところではあったかと思うんですが、しっかりと詳細に分析されて、SNS、ユーチューブ、X等を活用されるということだったので、引き続き行っていただければというふうに思います。
 次に、十八歳選挙権の導入を受けた若年層向けの教育的取組について伺います。
 現在、大阪府の香里ヌヴェール学院や常翔学園など、一部の学校においては、政党の代表を招いて、生徒たちが政策を直接聞いた上で模擬選挙を実施するという取組が行われています。こうした体験型の主権者教育は、選挙への臨場感をもって政治への関心を深めるという観点からも大変有意義なものだと考えております。
 そこで、都においても、都立高校などと連携し、現職議員や各政党の代表が生徒と対話する場を設けた模擬選挙のような取組が検討されたことがあるのか、また、現状として、そのような施策が実施されているかについてお答えください。
 加えて、今後、そうした主権者教育の充実を図る考えがあるのか、さらに、模擬選挙を実施するに際し、どのようなハードルが想定されるかについても併せて伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管では、お話のような模擬選挙の取組を行ったことはございません。
 現在、都選管は、区市町村等と連携して、都内の高校を中心とした教育施設等を訪問いたしまして、選挙や政治に係る講義を行うとともに、実際の投票箱や記載台を使用いたしまして、生徒に模擬投票を経験してもらう選挙出前授業、模擬選挙を実施しているところでございます。
 ハードルについてでございますけれども、特定の現職議員や各政党が生徒と対話する場を設けた模擬選挙の取組を選挙管理委員会が主体となって行うことにつきましては、選挙管理委員会に求められる公平性、公正性の観点から疑義が生じるおそれがあると考えてございます。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。なかなかハードルがあるということでいただきましたけれども、実際に我が党も、地方のその大阪の事例ですけれども、各校にお招きいただいて、所属議員が参加するなど、未来を担う学生の皆さんに、政治への関心を持っていただく大変有意義な機会となりました。このような取組は非常に効果的であるというふうに私は考えております。
 また、公平性の観点から、積極的な実施は難しいというようなことですが、例えば都議会に限っていえば、現職会派のみを対象とした取組とするなど、工夫を凝らした上で、子供たちが政治家と触れ合う機会を増やすことが重要だと考えておりますし、若者の政治参加への関心、政治への関心を高められると考えております。ぜひ、ご検討いただきたいと思います。
 もちろん、ここにいらっしゃる皆様もそうだとは思いますが、政治家とは、高い志を持ち、自らの人生を我が国の発展と国民の幸福の実現にささげるべき存在であるにもかかわらず、政治家がなりたい職業にランクインしていないことが、私は問題だというふうに感じております。やっぱり政治家がもっと身近で魅力的な職業として認識されるようになれば、これは投票率の向上にもつながるというふうに期待しております。
 今後、こういったところは、都庁の方じゃなくて議会の方でということをご教示いただきましたので、この点について、いろんな場で議会において議論を進めていきたいなというふうに思っております。
 次の質問に移ります。選挙運動、政治活動に対する妨害行為とその対策についてお尋ねします。
 我が党は、二〇二二年の参院選を皮切りに、街頭での政治活動及び選挙運動において、複数回にわたる執拗な妨害行為を受けてまいりました。こうした行為は、我が党に限ったものではなく、他党の活動、さらには、小池都知事の街頭演説においても同様の妨害が確認されており、中には逮捕者が出る事例もあるなど、極めて重大な問題であると認識しております。
 特に、昨年二〇二四年四月に実施された衆議院東京十五区補欠選挙におきましては、候補者の演説を大音量の拡声機でかき消す、あるいは選挙カーを追尾して継続的に妨害を行うなど、悪質かつ計画的な妨害行為が確認されました。
 これらの行為は、公職選挙法第二百二十五条、選挙の自由妨害違反の疑いで、一部の加害者が逮捕される事態に至っております。
 本来、政治活動及び選挙運動は、憲法が保障する表現の自由、政治活動の自由に基づく極めて重要な国民主権の実践であり、これを妨害する行為は、民主主義の根幹を揺るがすものでございます。
 また、こうした妨害が表現の自由の範疇であると主張されることもありますが、表現の自由は、他者の自由と衝突する際には一定の制約を受けるべきであり、例えば、街頭での妨害行為によって、一般市民が候補者の主張を知る権利や参加する自由を奪われることは、民主主義社会において到底容認されるものではありません。
 さらに問題なのは、政治活動期間中の妨害行為に対する直接的な法的規制が極めて限定的である点です。選挙運動期間中における妨害行為には、上述のように公職選挙法の適用が可能な場合がありますが、選挙期間外の政治活動、いわゆる日常的な政治活動や政策発信活動に対しては、公職選挙法の規制が及ばず、たとえ執拗な妨害があっても、それが明確に違法とされにくい法的空白が存在しています。
 このような状況に鑑み、以下について伺います。
 昨年は、四月の東京十五区衆院補選の選挙妨害行為による逮捕者が出るなど、選挙の安全性や公平性が損なわれている事案が発生し、都選管として、政治活動や選挙運動に対する悪質な妨害行為について、どのような認識をお持ちか、また、こうした行為が繰り返されることによって、市民の政治参加や候補者の活動が不当に制限されるおそれがある中で、都選管としてどのような対応策、啓発、協力体制の強化を図っていくべきと考えるか、見解を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 選挙は民主主義の根幹をなすものであり、選挙運動の自由と公正が確保されることは重要でございます。
 また、有権者が候補者の政策等を聞く機会を阻害するような妨害行為につきましては、有権者による選挙に対する忌避感を生じさせるとともに、安全・安心な選挙が損なわれることを危惧しているところでございます。
 また、対応策、啓発、協力体制等につきましては、都選管では、安全・安心な選挙運動に向けたリーフレットを作成し、立候補者等に説明するとともに、SNS等を活用し、広く有権者に周知しているところでございます。
 今後とも、区市町村や警察等の関係機関と連携し、公正な選挙の実施に努めてまいります。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。政治活動の自由と公共の秩序のバランスをいかに保つかは、現代民主主義における重要なテーマであり、積極的にこの問題に関与していく必要があると考えます。妨害行為を自由な言論の範囲として容認することには限界があり、このような声を放置すれば、将来的に市民や通行人を巻き込む重大な事故へと発展するおそれがあります。
 また、さきの参院選においても、各党関係者等による組織的な妨害行為が確認されており、看過できない状況にあります。警察庁の通知においては、演説妨害への介入基準が非常に高く設定されており、その結果、現場での対応が限定的となる傾向が見受けられます。
 こうした状況を踏まえ、今後の選挙において同様の事態が発生しないよう、選挙管理委員会としても独自の検討を進めていただきまして、例えば、演説妨害に関する検討会や対策プロジェクトチームの設置などを視野に入れた対応を、ぜひ前向きにご検討いただきますよう強く要望いたします。
 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

○こまざき委員 都民ファーストのこまざき美紀です。よろしくお願いします。
 都民の投票機会確保のため質問します。
 先日、指定難病で在宅療養をされている方から悲痛な声をいただきました。期日前投票期間中に病態が急変して入院した。病院に不在者投票について尋ねたところ、既に希望者調査を終えて、対応を締め切ってしまっていたとのことです。投票日まで数日あったのに、投票を諦めざるを得なかったということでした。
 難病は予測不可能な体調変化を伴うことが多く、前日まで自宅で過ごしていた方が突然入院を余儀なくされることは珍しくありません。しかし、現行の運用では、投票日まで数日日数があるにもかかわらず、病院側の締切りにより投票の機会を失うケースが生じています。
 そこで、選挙権の平等な保障という観点から、都としての対応について伺います。
 まず、病院に入院した際の不在者投票の手続について伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 不在者投票指定病院に入院している有権者が希望する場合、一般的には、有権者が院長に申し出ることにより、院長は、有権者が登録されている区市町村選管に不在者投票用紙等の請求を行います。
 有権者は、区市町村選管から送付を受けた投票用紙を用いて、不在者投票立会人が立会いの下、投票日前日までに病院内で不在者投票を行います。
 記載が済んだ投票用紙を所定の封筒に入れ、有権者及び不在者投票立会人の署名を行った上で、院長から区市町村選管へ送付いたします。
 区市町村選管に到着した不在者投票用紙等は、投票日まで保管された後、投票日に投票所へ送付され、投票箱に投函されることになります。

○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。不在者投票用紙は、入院患者の住所地の選挙管理委員会に請求し、送付された投票用紙で投票を行った後、再び選挙管理委員会に送付され、そこから投票日に投票所に送られる仕組みであることが分かりました。
 この往復のプロセスには一定の日数を要するため、急な入院の場合、投票日までに手続が間に合わない可能性があることが分かりました。
 都内の病院における不在者投票の運用実態をどのように把握しているのか、また、不在者投票指定病院の指定状況と、その現状に対する都の見解を伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 不在者投票ができる病院等の指定は都選管が行ってございます。指定要件の確認などの現地調査につきましては、地域の実情に精通した区市町村選管が実施し、連携して対応してございます。
 都における指定病院につきまして、令和六年十二月現在で七百十四施設あり、厚生労働省が発表している都内の病院等に占める割合は八二・四%となってございます。
 都選管といたしましては、入院中の有権者の方々の投票の機会を確保し、投票環境を向上させるためにも、より多くの病院に不在者投票施設の指定を受けていただくことが望ましいと考えてございます。

○こまざき委員 八割を超える病院が指定を受けていることが分かりました。一定の成果が上がっている一方で、残り二割弱の病院についても、引き続き指定拡大に向けた取組を求めます。
 多くの病院が指定を受けている一方で、指定を受けていない病院や新設の病院も存在します。
 そこで、まず、指定の基準の具体的な内容について伺います。また、基準を満たさない病院であっても、柔軟に指定される場合があるのか、さらに指定を受けていない病院に対してどのような働きかけを行っているのか併せて伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 施設の指定基準につきましては、総務省通知等により、入所定員がおおむね五十人以上であるほか、投票場所や人員体制の確保が求められているところでございます。
 都選管といたしましては、五十人未満の入所施設であっても、適正な管理執行体制が取れると認められる場合は、積極的に指定をしているところでございます。
 指定を受けていない病院や新しく開設される病院に対しては、地域の実情に精通した区市町村選管が指定に向けた働きかけを行っているところでございます。

○こまざき委員 指定施設の拡大に向けた働きかけを行っていることが分かりました。また、五十人未満の施設でも柔軟に指定している点を評価いたします。
 一方で、指定を受けた病院においても、不在者投票が適切に運用されていることが重要です。そうした取組により、急な入院によって投票機会を失う方をなくしていく必要があると考えます。
 そこで、医療機関では、不在者投票の実施に関して、どのような情報提供や研修を実施しているのか伺います。

○川上選挙管理委員会事務局長 都選管が作成し指定病院等に配布してございます指定病院等における不在者投票の手引におきまして、病院等における不在者投票の手続や、注意事項等を掲載しているところでございます。
 さらに、選挙の前に区市町村選管が指定病院等に対する事務説明会を行うなど、不在者投票事務が適切に執行されるよう、連携し取り組んでおります。
 引き続き、有権者の方々の貴重な一票が有効に行使されるよう、こうした取組を継続してまいります。

○こまざき委員 指定病院の拡大、指定病院等における不在者投票の手引の配布、事務説明会の実施など、様々な取組を行っていることが分かりました。
 しかし、冒頭で申し上げましたとおり、投票日まで日数があるにもかかわらず、病院側が早期に締め切ってしまい、投票できないケースが実際に発生しています。
 この手引や説明会を通じて、郵送期間を考慮しつつも、可能な限り柔軟に対応することや、急な入院患者についても、個別の状況に応じて対応を検討することなど、投票機会の確保に向けた医療機関へのより一層の働きかけを要望します。
 都民の貴重な一票が確実に行使できるよう、さらなる取組を求め、質問を終わります。

○福島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○福島委員長 これよりデジタルサービス局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○こまざき委員 都民ファーストの会のこまざき美紀です。よろしくお願いします。
 まず、東京アプリについて伺います。
 都が開発を進めている東京アプリは、行政手続のデジタル化や都民サービスのワンストップ化を実現する都のデジタル施策の中核を担うアプリとして大きな期待が寄せられています。
 特に、これまで複数の窓口や異なる手続方法で煩雑だった行政手続の申請が一つのアプリで完結できるようになること、さらには、社会的意義のある活動に参加した際には、東京ポイントが獲得できるなど、都民の利便性向上とデジタル化の促進が図られることは高く評価いたします。
 一方で、報道等によれば、七〇〇〇ポイント付与のキャンペーンが秋頃にスタートすると告知されていますが、具体的な付与時期等の詳細が分からず、せっかくのキャンペーンも、都民に正確な情報が届かなければ、結果として、アプリの利用促進の妨げになりかねません。
 そこで、七〇〇〇ポイントの付与のキャンペーンについて、実施時期や内容、付与されたポイントの活用方法について伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリは、都民一人一人に合わせた情報発信や行政サービスの提供を目指しており、その実現に向け、現在、マイナンバーカードによる本人確認機能の開発を行ってございます。
 つながるキャンペーンは、より多くの都民にこのアプリを知っていただき、登録、利用していただけるよう、アプリの導入に向けた普及促進と都民の皆様の生活応援に向けたものでございます。具体的には、十五歳以上の都民を対象に、マイナンバーカードによる本人確認を行った方に七〇〇〇ポイントを付与することとしてございます。
 付与されたポイントは、都立施設等の入場チケットへの交換に加え、民間決済事業者のポイントへの交換が可能となっております。
 本キャンペーンは、多くの都民を対象としており、アクセス集中時の負荷分散やセキュリティ対策などに加えて、都民の皆様の協力も得ながら、最終的な検証を行った上で実施する予定でございます。

○こまざき委員 七〇〇〇ポイント付与のキャンペーンの内容について確認しました。
 付与されたポイントは、民間決済事業者のポイントへの交換が可能とのことですが、都民の利便性向上に向けて、例えば、PayPayやSuica、PASMOといった交通系電子マネーのポイントなど、利用者の多い民間決済サービスのさらなる追加を要望いたします。
 次に、東京アプリの安全性について伺います。
 まずは、都における一般的な情報保護について確認をしたいと思います。
 官民問わず、今の時代は多くの業務データが外部のサービスを活用し、保存されておりますが、外部にデータが保存されていることに対し、懸念の声もございます。
 そこで、外部のサービスを利用する際の都におけるセキュリティ対策について伺います。

○田畑情報セキュリティ担当部長 都では、国のガイドラインに基づき、情報資産を保護するため、外部サービスの利用に関する基準を策定し、対策を行っております。
 具体的には、サービス提供事業者が情報を本来の目的以外で使わないことを契約で明確にするとともに、セキュリティ対策が適切に施されているか、取り扱う情報について日本の法令が適用されるデータセンターを選択しているかなどの事前確認を行っております。
 また、情報資産への不正アクセスを防止する仕組みや暗号化、サービス利用終了後の確実なデータ廃棄などの技術的な安全対策を定め、契約内容に明記するとともに、監査等を通じて、サイバー攻撃や情報漏えいを防ぐ体制を整えております。
 今後も、こうしたルールに基づき、個人情報等の情報資産の安全を確保することで、都民が安心して利用できるサービスを提供してまいります。

○こまざき委員 都のセキュリティ対策について確認することができました。
 東京アプリは、キャンペーンを通じて、東京都と多くの都民がアプリでつながることになります。都民の皆さんに安心して利用してもらうためには、東京アプリにも、こうしたルールに基づき、個人情報の管理を含めた高いセキュリティ対策が求められます。
 そこで、取得した個人情報の適正な管理を含めた東京アプリのセキュリティ対策について伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 個人情報の管理については、利用に当たってのサービス利用規約や個人情報保護方針を定めており、アプリの利用者から、住所、氏名、メールアドレスなどの個人情報を、同意を得た上で取得してございます。収集した個人情報は、東京アプリを通じたサービスの提供に利用しており、個人情報の保護に関する法律や利用規約等に基づき、利用目的の範囲内で適切に取り扱ってございます。
 こうした個人情報を含め、多くの都民が利用する東京アプリの安全性を確保するため、国が求めるセキュリティ要求を満たしたクラウドサービスを利用しており、サイバー攻撃に対して監視を行うとともに、不正と思われるアクセスを検知した際にはアクセスそのものを遮断するなどの措置を行ってございます。
 また、東京アプリのシステム基盤において、万が一異常を検知した際には、迅速に対応できる体制をGovTech東京と協力して整備するなど、セキュリティ対策を重層的に講じてございます。
 都民から信頼されるアプリとなるよう、個人情報の管理を含めたセキュリティ対策に引き続き取り組んでまいります。

○こまざき委員 ご答弁ありがとうございました。都民の安全性を考慮しながら、東京アプリの取組を進めていることが確認できました。
 今後も、都民が安心してアプリを利用できるようにご尽力いただくことを要望します。
 その上で、繰り返しになりますが、東京アプリは、都のデジタル施策の中核を担うものであり、多くの都民にアプリの魅力を感じてもらえるよう取り組んでいただくことが欠かせません。また、住民サービスの最前線を担う区市町村との連携した取組も重要です。
 都民が利便性を実感できるよう、東京アプリの機能拡充を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 生活の様々な場面で東京アプリを利用いただけるよう、都民の声を丁寧に聞きながら、暑さ対策や防災など安全・安心に係る情報等の提供に加え、庭園や美術館等ポイント交換可能な施設の拡充などに取り組んでまいりました。
 また、住民に身近なサービスを提供する区市町村とも連携し、ポイントの交換先として区市町村の施設を追加するとともに、現在、区市町村が実施する社会貢献活動に対してポイントを付与できるよう準備を進めてございます。
 今後は、マイナンバーカードによる本人確認機能の実装に加え、ニーズのある自治体独自アプリと東京アプリとの連携を可能になるよう取り組むなど、東京アプリの利便性向上を図ってまいります。

○こまざき委員 次に、東京アプリ利用に係る高齢者へのサポート体制について伺います。
 東京アプリが真に都民全体のためのツールとなるためには、高齢者やデジタル機器に不慣れな方々への配慮が不可欠です。現在、都内の六十五歳以上の高齢者は約三百万人以上に上り、都内人口の約四分の一を占めています。スマートフォンの操作に不安を感じる方、そもそもスマートフォンを持たない方も少なくありません。こうした方々が取り残されることなく、行政サービスにアクセスできることが重要です。
 そこで、東京アプリを高齢者にも活用いただくための都の取組について伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 より多くの都民に東京アプリを使っていただけるよう、専用のコールセンターを設置し、デジタルに不慣れな高齢者も含め、東京アプリの登録の仕方やポイント交換方法など、様々な問合せにきめ細かに対応してございます。
 また、高齢者を対象にスマホの使い方などを対面で学ぶことができるスマホ教室において、東京アプリのダウンロード方法や基本操作等を学べるプログラムを実施してございます。
 高齢者の不安を取り除き、東京アプリを気軽に利用していただけるよう、今後とも様々な取組を推進してまいります。

○こまざき委員 ぜひ、デジタルに不慣れな高齢者が、東京アプリによる利便性を享受できるよう、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 都庁各局が提供しているアプリケーション、ポータルサイト、オンラインサービスは乱立状態であると感じています。中には、異なる局で類似するサービスを提供している例なども見受けられます。
 これらのデジタルサービスは、各局がそれぞれの政策目的や課題、ターゲットに沿って構築しているものと認識しておりますが、都民にとっては、行政サービスや必要な都政情報にアクセスする方法がばらばらで分かりづらいなと私は思っております。
 こうした中、デジタルサービス局は、都政のデジタル化の旗振り、牽引役として、各局の開発するデジタルサービスについて、最適化の観点で指導監督していくことが期待されています。
 デジタルサービス局は、各局の開発するデジタルサービスについて、全体像をどのように把握し、どのように関与を行っているのか伺います。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 デジタルサービス局では、予算編成及び決算の各段階におきまして、局別だけではなく、人、物、ソフトウェアといった分野別や、セキュリティ、AI、クラウドなどの用途別に、各局が開発するデジタルサービスの全体像を把握しております。
 とりわけ政策的重要度や技術的難易度の高いデジタルサービスにつきましては、企画段階からサービス運用に至るまで重点的に伴走支援を実施するなど、GovTech東京と連携し、全体最適化なども視野に質の高いサービス開発に関与しております。

○こまざき委員 デジタルサービス局による全体像の把握、関与について理解をいたしました。
 しかし、せっかく開発した優れたツールがこうした乱立の中で埋もれてしまい、都民に十分活用されていないのでは本末転倒であります。特に、東京アプリのような期待のアプリについては、都民に広く認知され、日常的に活用していただける環境を整備することが不可欠であります。
 都庁各局から数多く提供されているウェブサイトやアプリを都民がアクセスしやすいよう、東京アプリに集約していくべきと考えますが、見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 日常生活に役立つ行政サービスや情報に簡単に都民がアクセスできるアプリとしていくことが重要でございます。そのため、幅広い都民を対象としたサービスであるか、都民にとって関心が高いサービスであるか等の観点から、東京アプリに掲載すべきウェブサービスや独自アプリを取りまとめてございます。
 加えて、防災、観光・イベント、子供・教育、暮らし・住まいなどのジャンルに分類するとともに、時節に合ったサービスや情報を集約した上でアプリ上に掲載を行ってございます。
 今後とも、こうした取組を各局と連携しながら推進することで、都民と都政とのタッチポイントとなるアプリを目指してまいります。

○こまざき委員 現在はばらばらになっている行政へのアクセスを、東京アプリで一つにつなげようとしている取組について評価いたします。
 今の段階は完成形ではなく、第一歩を踏み出したところと認識しています。各局が提供する様々なサービスを集約、統合していくとともに、今後は、住民に身近なサービスを提供する区市町村のアプリなどの状況についても把握しながら、さらに利便性の高いものとなるよう取組を進めることを期待いたします。
 最後に、多様な主体との連携によるデジタルサービスの利便性向上の取組について伺います。
 行政のデジタル化は、都単独で完結するものではありません。国が推進するマイナポータルとの連携、二十三区や市町村が独自に提供している行政サービスとの情報共有、さらには、ほかの自治体との相互運用性の確保など、広域的な視点での連携が重要です。特に、都民が引っ越した後にもシームレスにサービスを利用できる環境づくりが求められます。
 国や区市町村、他の自治体との情報共有基盤の構築、異なるシステム間でのデータ連携やデータ形式の統一などによる、デジタルサービスの利便性向上について、都の取組と今後の方針を伺います。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 東京デジタル二〇三〇ビジョンでは、プッシュ型、垣根を越える、顧客最適化の三つの変革に挑戦することを掲げ、その基本となるデータ連携などの共通基盤の構築などに取り組んでおります。
 変革の突破口として取組を開始したこどもDXでは、保活に関する様々な情報を集約するための連携基盤を整備し、民間の保活サイトや保育施設が持つシステムとつなぐことで、保育園探しから入園までの手続がオンラインで完結できるようになり、子育て世代の利便性向上につながっております。
 こうしたサービス変革の取組を国や区市町村とも連携しながら、今後、子供以外の他の政策分野にも展開していくことで、都民が利便性を実感できるサービスの提供を目指してまいります。

○こまざき委員 ご答弁ありがとうございました。デジタルサービス局には、都政のデジタル化の牽引役として、都民目線に立った利便性の高いサービスの提供に全力で取り組んでいただくことを強く要望し、大きな期待をしたいと思います。
 これで私の質問を終わります。

○増山委員 都議会自民党の増山です。
 本日は日本企業の育成とクラウドサービスの二件について質疑を行います。
 先般、東京都がグーグル合同会社と東京全体のDX推進に向けた連携・協力に関する協定を締結したと発表がありました。都政が直面する課題は複雑化、多様化しており、都民サービスを一層向上させていくためには、最先端のデジタル技術を効果的に活用していくことは重要だと考えます。
 そこで、今回グーグルと協定を締結するに至った背景、締結の目的についてお伺いいたします。

○芹沢総務部長 グーグル社は、地理空間技術を活用したスマートシティの取組や、AIの技術開発、サイバーセキュリティ対策など、最先端の技術や知見を保有しております。こうした知見を都政に生かしていくことは、都民サービスの向上や行政課題の解決に大きく寄与するものと考えております。
 二〇五〇東京戦略で掲げるスマート東京の実現に向け、グローバルな知見とネットワークを有するグーグル社と連携することで、東京全体のデジタルトランスフォーメーションを推進することを目的に、協定の締結に至ったものでございます。

○増山委員 連携の目的は理解いたしました。世界でトップを走るグーグルの持つ最先端の技術や知見を活用して、都のDX推進を加速させ、都民サービスを向上させることを期待しております。
 しかしその一方、グローバル企業との連携を推進するあまり、日本企業の持つ力が埋もれてしまうことがあってはならないとも考えます。
 日本には、独自の優れた技術やノウハウを持つIT企業が数多く存在します。都の行政課題は多岐にわたっており、その解決には、海外のプラットフォームだけでなく、日本の実情を深く理解した国内企業の力が不可欠であると考えます。
 そこで、デジタルサービス局として、グーグルのようなグローバル企業との連携と、国内IT企業との連携を、それぞれどのように位置づけ、どのような方針で連携を進めていくのか考えをお伺いいたします。

○芹沢総務部長 国内には、独自の技術を有し、世界をリードするサービスを提供できる企業が存在しており、都民が利便性を実感できるスマート東京の実現のために、そうした国内企業と連携を図ることが効果的でございます。これまでも、技術面、資金面及びネットワーク面での多角的支援を通じ、スタートアップによるスマートサービスの実装を促進する取組などを進めてまいりました。
 グローバル企業と国内企業のそれぞれが持つ強みを生かせるよう、都が抱える課題の性質や規模に応じて最適なパートナーと協働し、都政のDXを効果的かつ着実に推進してまいります。
 特に、国内IT企業の持つ技術や発想力を最大限に生かしながら、都民サービスの向上と東京のイノベーションの創出、国際競争力の強化に取り組んでまいります。

○増山委員 グローバル企業と国内企業、それぞれの強みを生かした連携が重要です。特に、国内企業との連携は、都政DXの推進に資するだけでなく、企業自身の成長や技術力の向上を促す契機にもなります。
 ITの分野は、これからの世界に必要不可欠ですが、残念ながら現在、この分野で日本は海外企業に後れを取っております。しかし、遅れているからといって、海外企業を優先して利用していると、不透明な国際情勢の中、いつ地政学リスクが高まり、海外サービスの提供が不安定になるか分かりません。同時並行で日本の企業を育てていくことは極めて重要です。公共の役割の一つとして、仕事を発注することで、国内企業を育てていくという側面がございます。特に東京都のような規模が大きい自治体は、その東京モデルが全国に派生するため、効果が大きいともいえます。
 そこで、IT分野における国内企業の育成という観点をどのように考えているのか見解をお伺いいたします。

○芹沢総務部長 経済成長や経済安全保障の観点からも、国内IT企業を活用、育成していくことは重要でございます。とりわけ国内IT企業が持つ技術やノウハウが十分に発揮される環境を整えることが、東京ひいては日本の持続的な成長やイノベーションの創出につながると考えております。
 国内IT企業が様々な分野で活用できるよう、その育成に資する取組などについて、国の動向なども見据えながら検討を進めてまいります。

○増山委員 国内IT企業の育成には、契約制度や人材確保、育成など様々な課題があると思いますが、国内企業の成長を見据えた取組を今後期待したいと思います。
 次に、セキュリティ対策についてお伺いいたします。
 クラウドサービスは、利用者のニーズに柔軟かつ迅速に導入できることなどから、デジタル化の推進に欠かせないツールとなっております。
 しかしながら、今月、世界最大級のクラウドサービスであるアマゾンウェブサービス、通称AWSにおきましては、大規模な障害が発生し、多くの企業等のサービスが一時停止しました。多くの企業が使用するからこそのスケールメリットや信頼性がある一方で、世界中からターゲットになること、攻撃を受けた場合の影響が甚大です。クラウド依存のリスクとセキュリティ対策の重要性が改めて浮き彫りになりました。
 そこで、先般のAWSの障害による都のデジタルサービスへの影響についてお伺いいたします。

○田畑情報セキュリティ担当部長 今月二十日のAWSの障害は、アメリカ東部のリージョンで発生し、日本国内にも影響を及ぼしました。
 都では、クラウドサービスを利用する際には国内のデータセンターを利用することとしており、ショートメッセージサービスの機能等、一部のシステムの一時的な影響が確認されたものの、都民サービスの停止は発生しませんでした。

○増山委員 都のサービスには大きな影響はなかったということが、今、確認できました。
 デジタルの力を活用し、都民に便利なサービスを安定的に提供するためには、こうしたリスクとも向き合い、障害は常に発生する可能性があると考えて対策を進めることが重要です。
 クラウドサービスの大規模な障害に備え、都ではどのような対策を行っているのかお伺いいたします。

○村永デジタル基盤部長 都は、クラウドサービスの利用時には、システムの重要度に応じまして、求められる稼働率や目標復旧時間などを十分に検討し、調達の際に検討した結果を仕様書に具体的に盛り込むことで、安定的なサービス提供を図っております。
 また、災害や障害によりサービス停止が生じた場合にも業務を継続できるよう、システムや保有データ等の保全対策を定めましたICT-BCPに係る都庁統一基準を策定し、各局における実効的なBCPの策定を支援しております。

○増山委員 都のシステムは多岐にわたるため、システムの重要度に応じた対応はとても重要だと思います。安定的なサービス提供に向け、利用するサービスの拠点を分散したり、多重化するなど、さらなる強靱化を図ることを要望いたします。
 また、クラウドサービスでは、セキュリティ対策も外部で行うことから、データの保護も重要な課題です。どれだけ対策を行っても、世界中からの攻撃を一〇〇%防ぐことは不可能だと思われます。つまり、攻撃を受け、障害が起きてからの復旧が重要になってまいります。
 そこで、データのバックアップ体制はどうなっているのかお伺いいたします。

○田畑情報セキュリティ担当部長 災害やシステム障害から、都の重要なデータを保護するためには、バックアップ対策を確実に行う必要があります。このため、都では、サイバーセキュリティポリシーに基づき、システムの重要度に応じて、情報システムから隔離したネットワークや媒体に保管するなどの措置を講じております。
 また、システムの重要度や業務の許容停止時間を踏まえた適切なバックアップの実施頻度の設定と世代管理を行うとともに、正常に業務を再開するための復旧手順の策定及び定期的な訓練を行うこととしております。
 今後、クラウドサービスの大規模な障害を想定した業務継続やバックアップ対策の強化を検討し、高度化、巧妙化する脅威から都民の重要な情報を保護してまいります。

○増山委員 クラウドサービスは、今や電気、水道、交通などと同様に社会経済活動にとって重要なインフラとなっており、サイバー攻撃や障害による停止リスクに万全を期さなければなりません。
 都議会自民党はこれまでも、デジタル化と併せてセキュリティ対策がDX推進の両輪であるとして、これまでも対策の強化を求めてまいりました。あらゆるサービスやデータが国境を越えて連携する時代を迎え、都の重要なデータの安全確保や、災害や障害に強いサービスの構築がますます不可欠となっております。
 国外の法制度や地政学的リスクから、都のデータやサービスを保護するための方策として、さきに述べた国内ベンダーの活用も有効な手段の一つであることから、積極的に検討していただくことを要望いたします。
 都は、都民生活の重要情報の守りを一層強化し、非常時においても、できる限りサービスが継続できるよう、さらなる対策の強化を求め、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○笹岡委員 立憲ミネ無の笹岡ゆうこです。よろしくお願いいたします。
 私は今回、市区町村とのDX連携について主に伺います。
 私の地元武蔵野市からも、都の自治体連携の取組はとても助かっていると聞いています。都は、GovTech東京と共に、市区町村のDX推進に向けた様々な支援を実施しています。
 GovTech東京の理事長メッセージを読んでみますと、業務範囲を従来の都庁のデジタル化から広げ、都庁に加えて東京都の六十二区市町村のニーズに応じて貢献する組織になります。中略します。自治体ごとに断片化したシステム開発やデータ利活用、ユーザーインターフェース。この縦割りの現状から組織間の共同化を推進します。
 また、車輪の再発明による業務の無駄、コスト増、開発速度の低下、利用者体系の悪化を防ぎます。ハードウエア、ソフトウエア、ネットワーク、教育研修など、あらゆる領域で自治体や行政内組織を超えた人と物の共同化を推進しますとあります。
 都民、市民に最も身近な存在である市区町村の業務がデジタル化で便利になることは、ますます多様化するニーズに応える上でも重要であると考えます。市民目線では、都の情報を得たり、都に手続に行く回数よりも、暮らしている市区町村とのやり取りの方が数としては多いと感じています。DXの目指すところの一つでもある公共サービスの向上において、市区町村のDX化の推進支援は欠かすことができません。
 そこで伺います。都は、市区町村のCIOとの連携強化の取組として、都・区市町村CIO協議会やCIO座談会を開催しているとのことであります。この協議会、座談会の狙いや取組について伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 都・区市町村CIO協議会は、都と市区町村のCIOが一堂に会し、GovTech東京を加えた三者で実施する区市町村共同事業の方向性等を協議する場として、年三回程度開催してございます。
 協議会では、共同事業の方向性に関する協議のほか、生成AIやシステム標準化等に関する市区町村の先進的な取組の共有などを通じ、オール東京でのDX機運の醸成を図ってございます。
 また、CIO座談会は、市区町村との顔の見える関係を構築するため、都CIOが各地域を訪問し、各自治体の取組や地域の課題等について、各地域のCIOと率直な意見交換を行ってございます。

○笹岡委員 ありがとうございます。都と市区町村のCIOとの間で様々な形での意見交換や事例の共有などが行われていると理解いたしました。とても大切なことだと考えています。各自治体のDXへの取組は、人力、財力ともに差があることが課題だと思うからです。
 武蔵野市では、CIOである副市長の下、武蔵野市CIO直轄DX推進プロジェクトを発足させています。若手職員をメンバーに、自ら課題を発見する事業創造型の枠組みで、所属する部署を超えて課題解決に取り組むプロジェクトを進めています。
 実際に、保険年金課、高齢者支援課の納付済確認書の発行申請のオンライン化、これは六二%がオンライン化に切り替わり、送付代等で約百二十万円削減されたといわれています。そして、狂犬病予防注射済みの交付申請のオンライン化と、キャッシュレス決済の導入などに成功しているとのことです。
 これらの取組について、武蔵野市からはCIO座談会で言及したと聞いておりますが、市区町村による先進事例を様々な形で把握し、自治体間に共有されるように取り組んでもらいたいと思います。自治体間の差をなくすためのキャッチアップできる一層の仕組みづくりをお願いいたしたいと思います。
 そして、今後は、参加層を拡大し、自治体間職員のつながりや学びのネットワークづくりも後押ししていただきたいと考えています。
 次に、共同調達について伺います。広域のスケールメリットを生かし、調達価格などへのコスト減と、事務負担などの軽減、効率化に寄与すると考えます。GovTech東京が進める、物やサービスを共同で調達する取組は、地元の武蔵野市からも好評であると聞いております。
 共同調達の参加自治体数やその効果など、取組実績を伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 都がGovTech東京と連携して実施する共同調達には、令和七年度当初の契約に延べ百十一自治体が参加し、パソコンやAI議事録、eラーニングなど八つのツールやデバイスで約二十三億円のコスト削減を実現いたしました。
 また、GovTech東京が入札手続や仕様書作成などをまとめて実施することで、参加する市区町村の事務負担を軽減したほか、豊富な知見を有する専門人材が、市区町村の課題解決に資する効果的な製品の選定を行いました。
 さらには、共同調達したツール等について、事業者による操作講習会や活用事例の紹介などを実施するとともに、効果的な活用に関するノウハウを参加自治体間で共有する場を設けるなど、コスト面だけではない付加価値を創出いたしました。

○笹岡委員 ありがとうございます。共同調達により、コスト削減だけではなく、様々なメリットが生み出されることが分かりました。導入時のコスト削減効果は明白かと思います。よい取組です。
 これからは、ますます導入支援だけではなく、活用支援や伴走支援も必要になるのではないかと感じます。また、技術の進化の速度が早まることで、早いスパンでの更新も考えられますので、継続的な共同調達体制の維持も求めておきます。
 こうしたツールなどの導入方法に限らず、市区町村はDXを進めるに当たり、困ったときにどこへ相談すればいいのか悩んでいるところも多いと聞いております。自治体が抱える困り事に対し、相談に乗ってくれる仕組みや専門人材を紹介してもらえる取組が大事だと思います。
 都とGovTech東京が行っているスポット相談や、GovTech東京パートナーズの取組実績について伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、GovTech東京と連携し、デジタルに関する市区町村の個別課題に対応するスポット相談を実施してございます。九月末時点で、前年同期比約一・五倍となる約百三十件の相談がございまして、システム開発に当たっての仕様書の精査や、自治体ニーズに応じた最適なツール等の紹介など、幅広くご利用いただいております。
 また、公務分野での活躍を希望するデジタル人材を紹介し、区市町村のDX推進体制の強化を支援するGovTech東京パートナーズでは、これまで十八自治体においてCIO補佐官や実務人材など、延べ二十二名の任用につなげてございます。

○笹岡委員 自治体からは、課題に直面した際に、どのように専門的なアプローチを取ればよいか分からないときに相談窓口があること、適切な人材につながることは非常に助かっているという声がありました。実際、相談件数は前年度比一・五倍の百三十件に増加しており、今後は人員拡充などの必要性も検討していただけたらと思います。
 また、昨今の人件費の上昇により、システムエンジニアやプログラマーといった技術系の人材の需要は高まっており、それに伴い単価も上昇しています。民間のデータによると、IT人材の単価は、二〇二五年で前年度比約一五%上昇しています。今後のDXの進展に当たっては、最新の技術や高度なスキルを持つ人材への需要がますます高まる中で、単価も影響を受け上昇していくことが予想されます。
 自治体の財政状況によって、人材を活用できるか、マッチングできるかに格差が生じることのないように、都としても財政支援体制等々も整えていくことを求めておきます。
 地方公共団体の基幹業務システムの標準化について伺います。
 現在、国により、市区町村の負担軽減等を目的として、基幹二十業務のシステムを国が定める標準仕様に適合させる標準化の取組が進められています。一部報道によりますと、運用経費の増加などを理由に、各自治体より不満の声が上がっているとのことです。また東京都では、特別区長会、東京都市長会及び東京都町村会と連携し、国に対し、地方公共団体の基幹業務システムの標準化に関する共同要請を二〇二五年五月に実施しました。
 そこで伺います。国が進める標準化について、広域自治体である都は、どのように対応しているのか伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 基幹業務システムの標準化について、都は、GovTech東京と連携し、市区町村に対して技術的助言を行うなど、円滑な標準化移行に向けた支援を継続的に行ってございます。
 また、標準化後に運用経費が都内全体で約一・六倍に増加する見込みであるという市区町村の状況を踏まえまして、今年の五月には、特別区長会、東京都市長会、東京都町村会と共に、国に対して運用経費の削減や財政措置を求める共同要請を行ったところでございます。

○笹岡委員 大切な要請を行っていることが分かりました。
 総務大臣宛ての東京都と特別区長会、東京都市長会、東京都町村会の共同要請の参考資料によりますと、標準化移行後の経費は、デジタル庁が主張する割引を最大限適用できたとしても、都全体では一・六倍、先ほど教えていただいた数字です。区部では一・五倍、武蔵野市などの市部では一・七倍、町村部では二・〇倍という、驚くべき見込みが出ています。
 GovTech東京を通じた支援強化と併せ、国に対して財源確保を引き続き要請していただきたいと考えています。
 現場の自治体にとっては、DXの過渡期における大規模な制度転換のただ中にあるという現実が横たわっています。過渡期は、理念と現場の実態との間に大きなギャップが生じます。今後は、自治体の成熟度、規模、人材環境に応じた段階的支援が必要です。また、財政力の違いにより、デジタル化のスピードや質に差が生じることのないように、財政的、技術的な支援もお願いします。
 移行期、過渡期の今が、まさに将来の持続的なデジタル行政の基盤になることを考えて、過渡期の負担と、各自治体の不均衡へ目を向けた支えをお願いしたいと思います。
 続きまして、保活ワンストップについて伺います。
 こちらの目的と今年度の取組について伺います。

○福田プロジェクト推進担当部長 都は、保活に係る保護者の負担を軽減するため、保活に関する情報を集約した連携基盤を整備し、民間保活サイト等とつなぐことで、保育施設の情報収集や見学予約などをワンストップで行えるサービスを、昨年十月から都内三つの自治体、百二十六の保育施設で開始いたしました。
 参加する自治体の拡大に向けた働きかけを行いまして、本年七月から十九の自治体、千二百を超える保育施設に対象を拡大してサービスを提供しております。
 今後、これまでいただいた保護者からのご意見を踏まえ、利便性向上に向けたさらなる機能拡充に取り組んでまいります。

○笹岡委員 ありがとうございます。七月からは十九の自治体、千二百を超える保育施設に拡大されたということが分かりました。
 一方で、各自治体はこれまで、市民の声に応えて、保育園検索、入園申請、見学予約など、独自のアプリや子育ての総合的なウェブサイトなどを順次整備してまいりました。それぞれが自治体の実情に合わせたきめ細やかな対応を目的に構築されており、情報項目、連携システムも異なっています。
 例えば、武蔵野市は、市からのお知らせやイベント情報、管理が難しいとされる小さなときの予防接種のスケジュール調整、市内の子供が使える施設の検索、保育施設、幼稚園、認定こども園などの情報、保育所等利用調整の指数シミュレーション、医療機関検索、そして写真や検診の記録の電子データ保存など、子育て応援サイトむさしのすくすくナビを開設済みです。
 国は保育DX、東京都は保活ワンストップ、こどもDXを推進し、同様の機能やそれぞれの目的が持つサービスを整備しているため、結果として、市区町村の独自の取組と国との共通基盤が並行して、時には機能が重複しながら存在しています。サービスの体系的な整備や改善に関しては、自治体が市民の声に合わせてつくってきたものの選考設計や個別運用、創意工夫を生かせるようにしていただきたいと感じています。
 保活ワンストップなど、保護者の利便性を高めるデジタル施策は一定の成果を上げられています。しかし加えて、私が課題に思いますのは、今、申し上げているそれぞれのシステムがあることにも関連いたしますが、自治体職員にとっての利便性と行政の事務負担の軽減、こちらも大きな課題だと思っています。国と市区町村がそれぞれの補助金や加算制度を持ち、複雑であります。国と自治体を網羅できるような独自のシステムについては、専門人材や財源が限られている自治体の努力では限界があります。
 GovTech東京の理事長の言葉にもありますとおり、自治体ごとに断片化したシステム開発やデータ利活用、ユーザーインターフェース、この縦割りの現況から組織間の共同化を推進しますは、とても求められていることです。
 東京都は、財政力、人材力いずれの面でも、日本の自治体を大きくリードする立場にあります。国と自治体がうまく連携できるように、市区町村の現場の声を丁寧に聞きながら、都の広域の視点、デジタルにかける組織力の強さを生かした自治体への支援を要望いたします。
 先ほど申し上げましたが、今はデジタル化の過渡期であります。GovTech東京についても、きめ細やかかつ力強い推進力を期待いたしまして、私からの質疑を終わりにいたします。ありがとうございます。

○福島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十二分休憩

   午後三時二十九分開議

○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○高田委員 都議会公明党の高田でございます。よろしくお願い申し上げます。
 初めに、東京アプリ及びつながるキャンペーンについて質問をいたします。
 東京都は、新たな行政の形の構築を目指し、行政をポケットにというコンセプトの下、東京都公式アプリ、東京アプリを本年から実装しました。そして、アプリの普及と都民の生活応援につなげるものとして、都民一人当たり七〇〇〇ポイントを付与するつながるキャンペーンを実施するとしております。
 まず、その開始時期についてですが、先ほど質問がございましたので、質問を省略しますけれども、先ほどのご答弁にありましたとおり、非常に多くの都民を対象としたキャンペーンであるがゆえに、アクセス集中時の負荷分散などの課題があり、制度スタート後に不具合が生じないよう、最終的な検証を行っていくとのことでございました。ぜひ万全を期してご準備いただきたいと思います。
 本事業は、生活支援策としても、都民の期待が極めて高い取組でございます。公明党は、さきの都議選の公約、家計応援計画において、つながるキャンペーンに関し、付与されるポイントを七〇〇〇ポイントから一万ポイントに増額することを掲げ、その実現に向けて重ねて質疑をしてまいりました。引き続き、その実現を求めていきたいと思います。
 多くの都民の皆様から、開始時期についてお問合せもいただいております。つながるキャンペーンの準備が整い次第、速やかに開始時期や具体的な内容を公表していただきたいと考えます。見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 キャンペーンの実施時期など詳細が決まった際には、多くの都民に参加いただけるよう速やかに周知を行ってまいります。

○高田委員 ありがとうございました。東京アプリは、スマートフォン上で様々な手続ができる便利な仕組みとなる一方で、利用者の障害の有無にかかわらず、あらゆる方が使えるものでなければなりません。特に、障害を持つ方も東京アプリを支障なく利用できるよう配慮することは当然のことであり、当事者の方が実際に使ってみて、そのご意見を伺い、改善につなげることも大切です。
 都は、障害を持つ方も東京アプリを利用できるよう、ユーザーテストなどに取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリは、都民と行政がスマホ一つでつながることを目指しており、障害のある方も含め、誰もが使いやすいものとしていくことが重要でございます。そのため、文字の大きさや配色などに配慮したデザインを取り入れるとともに、視覚障害のある方に操作性を確認いただく等の取組を進めてまいりました。
 アクセシビリティーのさらなる向上に向け、GovTech東京の専門チームと連携し、定期的に障害のある方の声を聞きながら、今後ともアプリの機能改善、充実に取り組んでまいります。

○高田委員 ありがとうございました。今のご答弁で、東京都は、文字の大きさなどに配慮したデザインとされていること、あわせて視覚障害者の方に対し操作性を確認したとのこと、さらに、定期的に障害のある方の声を聞いていくとのことを伺いました。評価いたします。
 引き続き、障害者の方を含め、全ての利用者のために、不断の機能改善、充実を求め、次の質問に移ります。
 キャンペーンをきっかけに、多くの方が東京アプリをインストールされることが見込まれますが、問題はその後でございます。ポイント受け取り後に削除されてしまうようでは、本来の目的である行政DXの推進にはつながりません。
 東京アプリには、アンケート機能や、都の事業情報の提供、社会的貢献活動へのポイント付与など、多彩な仕組みが備わっております。中でも重要なのは、行政手続をアプリで完結できるという機能でございます。例えば、子育て関連手続、福祉サービスの申請、防災情報登録などがアプリ上で一元的に行えるようになれば、都民は、ポイントだけでなく、生活そのものが便利になった、こう実感していただけると思います。
 したがって、東京アプリを通じて、どのような機能を実装し、どのような行政手続が将来可能になるのか見解を伺います。
 また、つながるキャンペーンの開始と同時期に、それらを分かりやすい形で示すことが重要と考えますが、併せて見解を伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 多くの都民に東京アプリを日常的に使っていただけるよう、これまで、夏には子供向けの催しや暑さマップなどの熱中症対策情報、秋にはスポーツの体験会やイベントなど、季節に応じた情報や行政サービスを提供してまいりました。
 また、〇一八サポートや保活ワンストップサービスなど、子育てに関わる各種申請手続に東京アプリからアクセスできるよう、関係局とも連携した取組を進めてまいりました。
 今後は、年末年始に向けた地域の防犯情報や、春の新生活に役立つサービス等、都民にとって関心が高いコンテンツを充実させるとともに、こうした様々なサービスを簡単、便利に検索できる機能を実装してまいります。
 さらに、本年四月に公表した東京都公式アプリの将来像で、給付金の申請や公共施設の予約など、様々な手続を東京アプリで行えるようにすることを掲げており、GovTech東京の開発力強化を図りながら、その実現に向けて取り組んでまいります。
 こうした取組を、キャンペーンの機会を捉えながら、都民に分かりやすく伝えてまいります。

○高田委員 ありがとうございました。都民が、行政が変わった、生活が便利になったと実感できるよう、今後の行政手続の拡充ロードマップを明確に示していただくよう要望し、次の質問に移ります。
 東京アプリについて確認をしてまいりましたけれども、そもそも、都政全般におけるデジタル化については、常にユーザー目線でのサービス改善を行っていくことが必要です。都は、都政の構造改革の取組として、利用者との対話を通じて、便利で快適なサービスの提供を目指していると伺っております。
 先ほども申し上げたとおり、都民にとって満足度の高いデジタルサービスを提供するためには、ユーザー、すなわち都民や事業者の意見をサービスに反映させ、改善していく取組が不可欠でございます。
 例えば、水道に関する各種手続がスマートフォンで簡単に完結する水道局アプリでは、リリース前にユーザーテストを複数回行い、都民の声を踏まえて改善を重ねてこられたと伺っております。リリース後の現在も日々改善に取り組まれているとのことでございます。
 また、QRコードを活用することで、行列に並ばずに、通勤、通学定期券を発行できるウェブ予約サービスであるTOEIスマート定期券予約なども、ユーザーの意見を踏まえながら、サービスの開発等を行ってきたと伺っております。
 こうした取組も含め、ユーザー目線でのサービス開発、改善を行うため、東京都としてどのような取組を進めているのかお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、品質の高いデジタルサービスを提供するため、シン・トセイ戦略に基づきまして、令和三年度から都が提供するデジタルサービスにおきまして、リリース前にユーザーテストを実施する取組を行っているところでございます。
 昨年度は、ユーザーからの意見を踏まえまして、スマートフォンでも見やすいサイトデザインへの修正、必要な情報をカテゴリー別に検索できる機能、入力内容の一時保存ができる機能の追加などの改善を行った上でサービスをリリースしたところでございます。
 こうしたリリース前の取組に加えまして、サービス品質の維持向上を図るため、昨年度から新たに利用者にサービスリリース後の使い勝手や満足度を評価してもらうユーザーレビューを導入したところでございます。
 具体的には、各局の主要ホームページ、全ての窓口、申請の多い行政手続から開始をいたしまして、昨年度末までに、利用者から約五万件以上の評価をいただいているところでございます。
 今後とも、ユーザーテストを通じたサービス品質の向上に努めるとともに、ユーザーレビューの仕組みをデジタル化された全ての行政手続に拡大するなど、利用者の声を踏まえたデジタルサービスの提供に取り組んでまいります。

○高田委員 ありがとうございました。東京都のホームページなどのユーザーレビュー画面について、文字だけでなく、アイコンの活用など、視覚的に分かりやすい改善を実施されるとのことを理解いたしました。
 引き続き、全ての都民が置き去りにされないデジタル化を目指し、あらゆる層の声が反映される仕組みづくりを求めてまいります。
 次に、東京都AI戦略について質問をいたします。
 近年、生成AIが急速に普及し、多くの個人、事業者で活用されるなど、AIの利活用は社会的に大きく広がっています。AIは単なる技術ではなく、都政の生産性を抜本的に高める可能性を有していると考えます。一方で、誤判定や情報漏えい、プライバシー侵害などリスクも伴います。
 こうした中で、東京都が本年七月に東京都AI戦略を策定したことは、全国の自治体の中でも先駆的な取組であり、高く評価いたします。
 そこでまず、AIを徹底活用することによる効果、そして目指す方向性についてお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 東京都AI戦略では、都が目指す都市の実現を加速させる中核技術としてAIを位置づけまして、都政のあらゆる側面で徹底的に利活用することを掲げてございます。
 AIの積極的な利活用によりまして、例えば、AIが申請書類の作成をサポートするなど、出産や子育て、介護や暮らしなど都民のライフステージにおける様々な場面でサービスの質の向上が図られることで、趣味や自己研さんなど、都民が自由に使える時間を創出されるものと見込んでいるところでございます。
 また、職員の業務における生産性向上が図られ、住民へのきめ細やかな対応や政策の企画、立案など、人が担うべき業務に注力することが可能になるなど、都政の羅針盤でございます二〇五〇東京戦略で掲げる政策の実現にも寄与できるものと考えております。
 加えまして、戦略では、民間や大学、研究機関など多様な主体とのAI利活用促進を掲げてございまして、持続的に成長を続ける都市の実現に向けて、民間企業とのAI利活用促進、産官学連携の推進、都民のAIリテラシー向上やAI人材の確保、育成などに取り組むこととしてございます。

○高田委員 ありがとうございました。都政のAI活用による都民のメリットとして、複雑な各種申請書類の作成などをAIがサポートし、行政手続の利便性向上につなげていくことが期待されるとのこと、また、妊娠、出産、子育てから学び、働き方、介護に至るまで、ライフステージに応じた都民サービスの質の向上が図られるとのこと、理解をいたしました。
 さらに、中小企業の生産性向上に資するDX推進の支援などでもAIを活用することで、都内産業の成長にも資するよう取組を進めていただきたいと思います。
 一方で、AIの活用には、透明性と説明責任が不可欠でございます。AIが出した判断や推奨が、なぜそうなったのかを検証できる仕組みがなければ、行政としての公平性や信頼性を損なうおそれがあります。AI利活用に伴う行政判断について、後から検証できる仕組みを構築し、誤りを未然に防ぐことが重要です。
 加えて、個人情報や行政データを取り扱う以上、セキュリティ対策、プライバシー保護も万全でなければなりません。
 AI活用における透明性、公平性の確保を含め、AIの活用に当たって、リスクや安全性をどう担保していくのか伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 AI戦略では、最終的な判断や責任は人間が担うことを原則とすること、また、都民が信頼できるAI利活用を図ることなどを基本方針とし、都政のあらゆる側面で徹底的に利活用することを掲げてございます。
 利活用に当たりましては、安全かつ円滑、効果的に推進することが重要であることから、今後、年度内をめどに利活用ガイドラインを策定してまいります。具体的には、有識者で構成される東京都AI戦略会議での議論も踏まえながら、利活用を進める上での考え方や事例、戦略で示した透明性や公平性など留意すべき点などを整理いたしまして取りまとめてまいります。
 こうした取組を通じまして、リスクへの適切な対応を図りながら、都政でのAI利活用を推進してまいります。

○高田委員 ありがとうございました。都として透明性や公平性の確保について取り組まれていることを確認いたしました。
 さらに、当然のことながら、安全性やプライバシー、セキュリティの確保にも万全を期していただき、都民の皆様が安心してAIを利活用した行政サービスを受けられるよう、引き続きの取組をお願いしたいと思います。
 その上で、行政によるAIの利活用は、東京都のみならず区市町村にも広げていくことが極めて重要でございます。
 都は、区市町村へのAI活用に係る支援を速やかに実施していくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 行政サービスの質の向上や業務の生産性向上、これらは住民に身近なサービスを提供する市区町村にも共通の課題でございまして、東京全体で行政におけるAIの利活用を進めていくことが重要でございます。
 これまでも市区町村が抱える共通の課題解決を図るプロジェクト型伴走サポート事業におきまして、生成AIの業務活用に関するプロジェクトを、GovTech東京と協働し、きめ細かな支援を行ってまいりました。
 今後は、AI戦略に基づきまして、生成AIを活用し、業務用アプリを開発、利用できる共通基盤の共同利用や、AI導入ノウハウ等の共有、事例の横展開を図るなど、市区町村との連携をさらに強化してまいります。

○高田委員 ありがとうございました。GovTech東京の共通基盤の共同利用やAI導入のノウハウ等の共有などの支援により、先進的な東京都の取組を区市町村にも広げていただき、都民の利便性のさらなる向上を目指していただきたいと思います。
 次に、行政手続一〇〇%デジタル化についてお伺いいたします。
 許認可や届出などの行政手続は、都民や事業者にとって最も一般的な都との接点の一つといえます。これまでの質疑の中でも明らかになったとおり、行政サービスの根幹ともいえる行政手続のデジタル化により、手続を行う際に、利用者に係る負担を減らし、さらなる利便性向上を図っていくことが求められます。
 その観点から、都は、都の行政手続一〇〇%デジタル化に向けた取組を進めていますけれども、現在の進捗状況についてお伺いをいたします。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 都は、東京デジタルファースト推進計画に基づき、令和八年度までの都の行政手続一〇〇%デジタル化に向けて取り組んでおり、本年六月末時点で、都の行政手続約三万のうち八五%、約二万五千五百手続でデジタル化が完了しております。
 令和八年度末の一〇〇%の達成に向けまして、引き続き各局と連携し、手続のデジタル化に取り組んでまいります。

○高田委員 ありがとうございました。今のご答弁で、都には約三万の行政手続があり、そのうち八五%までデジタル化が完了しているとのことでした。着実に一〇〇%へ引き上げることを求めます。
 約三万件の中には、都民、事業者が都に直接申請等を行うものだけでなく、区市町村を経由して都が受け付ける手続なども含まれていると思います。
 そこで、お伺いをいたします。都の行政手続の中に、区市町村が窓口となっている手続の種類及びその処理件数はどの程度あるのかお伺いいたします。

○芝崎DX協働事業部長DX推進統括担当部長兼務 都の行政手続の中には、法令や条例の定めに基づき、市区町村を経由して行われる手続も存在いたします。都の行政手続のうち、事業者に対する許認可や住民に対する各種助成や手当に関する申請など、約一千の手続が市区町村を経由して行われておりまして、これらの手続の年間処理件数は、その申請や通知などを合わせ、令和六年度で約百五十万件となってございます。

○高田委員 様々調べていただき大変にありがとうございます。約三万種類のうち約千種類が区市町村を経由しており、その千種類の年間処理件数は約百五十万件あるとのことでございました。当然、区市町村が窓口となっている都の行政手続も、推進計画に沿って、デジタル化一〇〇%に向けた取組が進められていることと思います。
 ただし、住民向けの手続の多くは、実際には区市町村が直接担っているものであり、都民が日常的に接する窓口も区市町村でございます。都の手続が一〇〇%デジタル化されたとしても、区市町村側のデジタル化が進んでいなければ、都民の利便性の実感としては十分ではありません。
 そこで、区市町村の行政手続デジタル化に向けた取組についても、東京都としてしっかりと支援していくべきと考えますが、区市町村への支援についてお伺いします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、GovTech東京と連携し、デジタルに関する市区町村の個別課題に対応するスポット相談を実施しており、行政手続のデジタル化についても多くのご相談をいただいてございます。
 具体的には、デジタル化に向けた現状把握や計画策定、住民等に送付する通知のデジタル化などに関するご相談がございまして、GovTech東京の専門人材が持つ知見や、都における実例などを踏まえた助言及び支援を行ってございます。
 また、市区町村に共通する課題の解決に継続的に取り組むプロジェクト型伴走サポートでは、窓口DXをテーマに、書かない窓口の計画策定やBPRなどの取組を支援してございます。今後ともこうした取組を通じ、市区町村が進める行政手続のデジタル化を後押ししてまいります。

○高田委員 ありがとうございました。区市町村にとっては、都がこれまで取り組んできた行政手続デジタル化の実例やノウハウは極めて貴重な情報になります。区市町村がそれぞれの創意工夫をもって取組を進められるよう、都は引き続きしっかりと支援していってほしいということを求めてまいります。
 最後に、母子健康手帳のデジタル化について質問をいたします。
 妊娠や出産、子供の発育状況などを記録する母子健康手帳について、国政における公明党の推進により、今年度、こども家庭庁は電子版母子健康手帳のガイドラインを発出するとしております。手帳のデジタル化により、母と子が健康に関わる情報に触れやすくなる上、データ分析によって、効果的な母子保健政策に資するものとして、保護者や行政、業者にとってメリットがあると考えます。
 私の地元東村山市では、市議会公明党が、議会で電子版母子健康手帳の導入を求めてきました。このたび東京都は、公募により選定した東村山市と連携し、電子版母子健康手帳の機能充実に向けたトライアルの導入を来年一月から実施するとのことでございます。
 そこで、トライアル導入について、どのような取組を実施されるのかお伺いいたします。

○福田プロジェクト推進担当部長 都は、東村山市と連携し、妊娠や子育てに関する情報を保護者がより取得しやすくなるよう、予防接種記録の確認機能や個人の状況に応じた情報のプッシュ配信等の実証に取り組んでまいります。
 具体的には、マイナポータルを介してPMH等に接続し、健診記録や接種記録等を取得できるようにすることで、電子版母子健康手帳への手入力が不要になるとともに、保護者が正確に管理できるようになり、接種忘れの防止にもつなげてまいります。
 また、妊娠周期や子供の月齢、健診受診状況等の情報を基に、自治体からプッシュ型での受診勧奨等の情報が届くようにいたします。
 加えまして、妊娠届提出時等に自治体が配布する多くの印刷物を分類した上でデータ化することで、電子版母子健康手帳からいつでも必要なサービスを確認でき、キーワード検索等で情報を探す手間を省けるようにいたします。
 こうした取組の検証等を行いながら、子育て世代の利便性向上に向けた取組を展開してまいります。

○高田委員 取組について理解をいたしました。
 トライアルの中でユーザーの皆様のお声を丁寧に聞いていただき、トライアルの結果を踏まえ、来年度以降、都全体に展開できることを目指し、取組を進めていただきたいと思います。
 また、区市町村によっては、民間を活用して、既に展開しているところもございますけれども、このトライアルの取組が民間の取組にも資するよう求め、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○斉藤(ま)委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
 私からは、まず、デジタル化に関わる個人情報の取扱いについて伺います。
 デジタルサービス局では、事務事業概要の最初に、この局の役割として、都民がデジタルの力で利便性を実感できる東京を実現することを掲げています。
 利便性の向上ということを御旗に、デジタルの推進が強力に進められていますが、その下で高度な個人情報を扱ってきた公の在り方が大きくさま変わりしつつある状況だというふうに思っています。特に民間企業を活用した事業の中で、これまでは、公的な責任の下で扱われてきた都民の個人情報の取得の範囲が、民間企業にも拡張されてきているということについて、私たちは慎重に考えていかなければならない課題が多いという認識に立つことが、まず必要だというふうに思います。
 その観点から、自治体DXと個人情報保護について伺います。
 最初に、東京都公式アプリについて幾つか伺います。
 東京アプリは、マイナンバーカードで本人確認をしてアプリをダウンロードすれば、スマホ決済で使えるポイントが七千円分もらえるキャンペーンですが、昨年度の最終補正で経費七百九十九億円が計上され、我が党は、巨額の予算を投じ、任意であるはずのマイナンバーカードの利用を誘導するものだと批判しました。
 都は、四月に、東京都公式アプリについて、都民と共に創るアプリを公表し、都民がスマホ一つで、都や区市町村の様々な窓口とつながり、便利になることを示すとしています。
 自治体DXは、便利になることが強調されていますが、一方で、国民を情報資源とみなし、大量の個人データを収集、蓄積し、国家や市場が利活用していく狙いがあることが指摘されています。
 そのために、これまで自治体ごとに異なっていた個人情報の記録媒体や情報システムを共通化することで、自治体の持つ情報を外部提供することや、オープンデータ化すること、個人情報保護法制による規制を大幅に緩和して、匿名加工情報とすることも含め、利活用しやすくすることが国の方針策定や法整備を通じて推進されています。そして、東京都ではまさしくそれを推進しているのが、デジタルサービス局とGovTechになります。
 便利になる側面ばかりを強調するのではなく、少なくとも提供した個人情報がどこに提供され、どのように利用されるのか、分かりやすく都民に知らされ、情報提供するかどうか都民が選択できること、また情報を提供しなくても行政サービスが利便性をもって受けられることが必要です。
 そこで、まず基本的なことを確認しますけれども、東京都公式アプリでは、先ほど申し上げたキャンペーンのポイントや、都のイベントなどに参加してもらったポイントをスマホ決済で使うことができますが、現在使用できる決済事業者はどこなのか伺います。
 また、都とGovTechが東京アプリの開発や運営を委託している事業者はどこか、伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京都公式アプリについては、東京都とGovTech東京の協働事業として実施してございます。東京ポイントが交換できる民間決済事業者は、KDDI株式会社及びauペイメント株式会社、株式会社NTTドコモ、CCCMKホールディングス株式会社、株式会社メルペイ及び株式会社メルカリ、楽天ペイメント株式会社及び楽天Edy株式会社でございます。
 また、主な委託事業者先でございますけれども、アプリの開発、運用、保守の一部をフェリカポケットマーケティング株式会社、運営の一部を株式会社エイチ・アイ・エスに委託してございます。

○斉藤(ま)委員 会社名をお答えいただきましたが、スマホ決済の名前でいうと、auPAY、dポイント、Vポイント、メルカリ、楽天ペイとのことです。
 また、東京アプリの運営は、フェリカポケットマーケティングということで、これはイオンやソニー、大日本印刷を出資会社とし、地域通貨などのアプリを自治体に提供する事業を行っている会社ですね。実に多くの企業に個人情報が共有されるという状況にあります。
 では、都民が東京アプリをダウンロードする場合、当然、利用規約への同意が必要になりますが、東京都公式アプリの現在の登録者数と、そのうち何人が利用規約を最後まで読んでいるのか、これについて伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 本年二月の東京アプリリリース以降、現在まで、登録ユーザー数は約二十三万人となってございます。東京都公式アプリの登録に当たっては、東京都公式アプリ利用規約及び東京都公式アプリ個人情報保護方針に同意する必要があり、全ての登録ユーザーは、本規約や方針に同意の上、アプリを利用してございます。

○斉藤(ま)委員 現在の登録ユーザー数は約二十三万人と。ちょっと確認をしたいんですけれども、アクティブユーザー、つまりダウンロードしただけでなく、実際にアプリを使っている人数は何人でしょうか。

○澤村デジタル事業担当部長 委員ご指摘のあったマンスリーアクティブユーザーでございますけれども、直近の数字でいいますと、月に一回以上、公式アプリを開いた方については約十五万人というふうになってございます。

○斉藤(ま)委員 アクティブユーザーは十五万人ということで、率直にいって、この東京アプリは、キャンペーンで七千円分のポイントを付与することにしていますけれども、七百九十億円を、このポイント原資として、一千百二十五万人に利用してもらうというのが予算の根拠なんですね。便利になるといいますけれども、七〇〇〇ポイントを目当てに一定の登録者は増えると思いますけれども、果たしてどこまでアクティブユーザーが増えるのか、これは今後きちんとチェックしていきたいというふうに思います。
 利用規約や個人情報との関わりでは、どれだけの人がきちんと見ているのか、こういう問題がありますが、多くの皆さんが実感されていると思いますけれども、規約というのは小さな文字で示されて、しかもスマホの画面スクロールをし続けないと読むことができません。私自身も、この規約見てみましたけれども、ずっとスクロールし続けて読まないといけないんですね。これ最後まで読んでる人っていうのは、ほとんどいないんじゃないかというふうに思います。
 どれだけの人が最後まで読んだか答弁はありませんでした。つまり分からないということだと思うんですね。しかし、同意しなければアプリは使えないので、使うためには、同意せざるを得ないということですね。今後、行政手続に使うなど、どこまでこのアプリに情報が蓄積されるのか分かりませんが、一千百二十五万人もこのアプリに誘導するということでは、物すごいビッグデータになるということだと思います。
 取得された情報の利用ですが、例えば、この東京都公式アプリの利用規約には、個人情報の取扱いについて、使用する目的の一つに、都の各種施策の向上を目的とした分析及びマーケティングということが記載されています。このアプリの運営事業者以外の民間事業者にも委託などで情報が共有されることもあるのかどうか、伺います。

○澤村デジタル事業担当部長 本アプリの利用に関して、取得した個人情報については、東京都公式アプリ個人情報保護方針第三条第二項において、利用者情報を決済事業者等、事務支援事業者及び提供事業者以外の第三者に提供することはないものとすると規定してございます。

○斉藤(ま)委員 第三者への提供はないということを確認いたしました。
 もう一つ確認なんですけれども、これは個人が識別できないように加工した匿名加工情報も提供しないということでよろしいでしょうか。

○澤村デジタル事業担当部長 匿名加工情報につきましては、規定の中ではうたってございません。

○斉藤(ま)委員 規定の中でうたっていないということなんですけれども、それだと本当にそれまずいと思うんですね。提供しないということならそれもしっかり明記しなければなりませんし、逆に利用できるということであれば、そのこともきちんと明示しなければならないことです。
 匿名加工情報にしてしまうと、その提供先や利用目的は公表する必要がなく、本人が知らないままに利用されていくことになります。今後の規約の改定などで、都民の知らないうちに情報が利活用されていくことのないようにしていただきたいというふうに思います。
 利用者が個人情報を登録するサービスとして保活ワンストップについても伺います。
 保活ワンストップは、都のこどもDXの一つとして、保育園探しや見学の申込み、入所までの手続が一元的に完結するシステムとして、昨年度は都内三自治体と連携、今年度は十九自治体と連携したサービスが開始されています。先ほども質疑がありましたけれども。
 この事業において、保護者が利用するサイトを運営する民間事業者はどこか、伺います。

○福田プロジェクト推進担当部長 保活ワンストップでは、保護者は、二つの民間保活サイトと都が運営するサイトからサービスを利用することができます。民間保活サイトの運営事業者は、BABY JOB株式会社及び株式会社コドモンでございます。

○斉藤(ま)委員 保活ワンストップサービスを利用するためには、今、ご答弁のあったBABY JOBやコドモンという民間保活サイトに保護者が個人情報を登録する必要がありますが、その取扱いについては、どこで説明されているのか伺います。

○福田プロジェクト推進担当部長 保護者が民間保活サイトを通じて保活ワンストップサービスを利用する場合、民間保活サイトを運営する事業者の個人情報の取扱いの規定に同意した上で情報を登録し、サービスを利用することとなります。
 なお、民間保活サイト以外にも、都が運営するサイトを通じて保活ワンストップサービスを利用することも可能でございまして、その際は、都が定める個人情報の取扱いに同意した上で利用することとなります。

○斉藤(ま)委員 都が運営するサイトを通じて利用できるが、BABY JOBやコドモンという民間保活サイトを通じて利用する場合は、そのサイトの個人情報の扱いに同意することが必要だということです。
 東京都とサイトを運営する民間事業者との間で、個人情報の取扱いについては、どのような取決めをしているのか伺います。

○福田プロジェクト推進担当部長 事業者とは、業務委託契約書におきまして、個人情報の保護に関する法律に基づき、本業務に係る個人情報を適切に扱うことなどを取り決めてございます。

○斉藤(ま)委員 個人情報の保護に関する法律に基づきということなんですけれども、法令遵守さえしていればどのように取り扱っても自由ということですね。
 しかし、その法令は、冒頭に申し上げたとおり、市場が情報を利活用できるように大幅に規制緩和されているわけです。民間保活サイトやその関連のサイトでは、事業者独自の様々な商品や情報が提供され、保活ワンストップもそのサービスの一つということになります。事業者は、取得した個人情報を利用して、個別最適化した商品や各種情報の提供やマーケティングを行います。
 民間企業はですね、当然ながら、自らの利益を最大化できるように考えるわけですから、そうしたところに行政がノータッチで、従来であれば行政によって保護されていた保育に関わる住民の個人情報が流出していく可能性について、都民を守る立場から慎重に検討するべきではないでしょうか。
 さらに多くの保育園で、これまで紙で連絡帳でやっていた、この代わりに、民間事業者のアプリを使って子供の情報が日々やり取りされています。先ほど名前が出ましたコドモンも、メインの事業は、そうした保育園の業務支援システムの開発、提供ですね。
 民間事業者のアプリの利用により、子供の発達状況や欠席状況だったり、病気、家庭環境などのセンシティブな情報が民間企業に集積される中で、その利活用についての規制がなく、民間事業者任せになっていることについて、都のデジタルサービス局として、どう認識していますか。

○福田プロジェクト推進担当部長 民間事業者が収集した個人情報の取扱いにつきましては、各事業者が法令や利用規約等にのっとった対応を行っていると認識してございます。

○斉藤(ま)委員 各事業者がということで、事業者任せで、これだと東京都としては、問題意識もないということなのかなというふうに思います。
 従来は、保育者などが専門性と守秘義務をもって扱ってきた子供の保育情報と成長に関わる膨大なデータを、民間事業者が集積し独占する過程が進んでいます。
 とある企業は、利用規約でシステムを他者に切り替える場合には、データを引き継ぐことができないようにしているそうです。保育園や自治体にすれば、一度導入してしまえば、やめるにやめられない状況です。
 一方でその企業の利用規約では、保育園や保護者から提供された情報は、個人情報を消去すれば利活用できるということになっており、その企業の利益が優先される形になっているのですね。一度契約した事業者を変更できないような状況は、自治体や住民の利益にかなっているとはいえないと思います。
 また、事業者に多数の自治体や保育園からの膨大な情報データが蓄積、独占され、保育園や自治体が持つ情報量との不均衡、差ができてくるということによって、保育園や自治体から保育に関する知見や専門性が失われていく可能性も指摘されています。AIも同じような問題を持っていると思います。
 子供自身にとっては、これらの情報が生まれたときから長期にわたり企業に蓄積され、企業がその所有権を持っているという状況がつくられます。
 私たち、今の大人は経験したことがないような状況になるわけですね。それは後に自治体が子供の権利を侵害するということになりかねないのではないかという懸念があります。
 EUでは、自分の情報を事業者から読める形で返還してもらったり、別の事業者に移行してもらうことができる権利、データポータビリティー権というそうですけれども、これが定められるなど、個人情報を保護し、個人の権利を守るための規制が行われています。
 デジタルサービス局としても、無批判にデータの利活用を推進していくのではなく、都民の権利や尊厳を守りながら利便性を確保するにはどうしたらよいか、こういう視点を持って事業を進めること、自治体独自の視点を持って、利便性と個人の権利保護を両立させるための方法を探求していくことが必要だというふうに思っています。そうした立場に立って事業を行っていただくことを強く求めます。
 次に、GovTech東京について質問します。
 東京都では、ICT職を採用し、都庁の中でデジタル化、ICT化を進めてきました。それに加え、民間企業から特定任期付職員を採用することも行ってきました。
 GovTech東京は、デジタル化を都庁の中で進めてきた在り方を変えて、政策連携団体として設立されました。その狙いについて、宮坂副知事が公務員だと地方公務員法にとらわれるので、民間企業だったら当たり前のことがなかなかできない。そのルールを変えることはすごく大変なので、外に出した方が早いとインタビューに答えています。
 民間企業だったら当たり前のことができないというのはですね、そもそも利益追求することが目的の民間企業と、全ての住民、都民の福祉の向上、住民福祉の向上を役割としている行政、その役割がそもそも違うからだということ、私たちは民間と同じようになっていく在り方はおかしいということを、池川友一前都議なども以前から厳しく指摘をしてきました。
 GovTechが設立されてから三年目ですけれども、その現状がどうなっているかについて質問していきたいと思います。
 一つ目に、働き方の問題です。GovTechの設立の際に、宮坂副知事が、これまで都のデジタルサービス局で出していた水準よりレンジを上げています、ただ、民間の相場からは逸脱ができないので、民間の技術者の平均調査に基づいて、これぐらいであれば採用できるんじゃないかという数を出していますと発言をしていますが、GovTech東京で直接採用した固有職員と都職員の平均給与支給額と平均年齢にはどうなっているか伺います。

○繁宮調整担当部長 令和七年度の人事委員会勧告資料等により試算した東京都職員の給与支給額でございますが、年間約六百九十七万円、平均年齢は四十・六歳でございます。GovTech東京固有職員の平均給与支給額は、令和六年度におきまして年間約八百七十三万円、平均年齢は四十三・九歳でございます。

○斉藤(ま)委員 給与については、平均で約百八十万円の差があるということ。これが宮坂副知事のレンジを上げるという結果なのかなというふうに思います。
 東京都で採用していたデジタルサービス局の特定任期付職員はゼロ人になり、その方々からこのGovTechに移ったという方もいるということです。つまり、東京都で採用するよりもGovTechの方が給与がよいから、そういう対応にしたということだと思うんですね。
 GovTech東京の現在の職員数と、そのうち都派遣職員とGovTechが直接採用している人数はどうなっているか教えてください。

○繁宮調整担当部長 本年十月一日時点で、GovTech東京の職員数は二百六十五名、うち都派遣職員数は百七名、団体が直接雇用した固有職員は百五十八名でございます。

○斉藤(ま)委員 これまでGovTech東京の固有職員として採用した人数の合計、そして退職した人数の合計を伺います。

○繁宮調整担当部長 本年十月一日時点で採用した人数の合計は百七十五名、退職した人数の合計は十七名でございます。

○斉藤(ま)委員 直接雇用で働いている職員は昨年の九十二名から百五十八名と大きく増えています。一方で、採用した一割の方が既に退職しているということです。
 GovTech東京の直接雇用している人のうち、期間の定めのない人数は何人ですか。

○繁宮調整担当部長 全ての固有職員が任期付雇用でございます。

○斉藤(ま)委員 全員が任期付で五年以内になっているというのは変わっていないということです。
 これまでもデジタル業界ではこういう採用が普通なんだということがいわれてきたんですが、五年以内に雇用契約を切るというのは、期間の定めのない雇用への無期転換をさせないということです。期間の定めがないということは、働く人が極めて不安定な位置に置かれるということだけでなく、事業の継続性についてもノウハウが蓄積しにくいということが起こります。退職された方々が関係する民間企業に行くということなどもあり得るのかどうか、こういったことも想定されると思うんですね。それでもなお全員を任期付職員として採用しているということは、東京都の政策連携団体の在り方としても課題があるといわなければなりません。
 予算についても伺いたいと思います。
 GovTech東京に関する都の予算の推移を伺います。

○繁宮調整担当部長 GovTech東京に関する各年度の予算でございますが、令和五年度が二十三億円、令和六年度が八百八十五億円、令和七年度が百四十六億円でございます。

○斉藤(ま)委員 昨年度は東京都公式アプリのポイント付与分を最終補正予算で計上したため、金額が増えているということだと思います。
 では、GovTech側はどうなっているのか、GovTech東京の経常収支における東京都の支出額の推移について伺います。

○繁宮調整担当部長 GovTech東京の収支予算書の経常収益における都支出額でございますが、令和五年度が経常収益計十億円のうち都支出額が十億円、令和六年度が九十三億円のうち九十二億円、令和七年度が百三十八億円のうち百三十六億円でございます。

○斉藤(ま)委員 つまりGovTechの経常収益、つまりこのGovTechの収入のほぼ一〇〇%が東京都の税金だということだと思います。残りの部分は協働事業における区市町村の負担分なので、GovTechの経営に係る費用は現時点では全て税金だということになります。
 民間では当たり前のことをやるため、給与水準を上げるためにGovTechをつくったけれども、それは全て税金でやっているということなんですよね。税金でやれるけれど、公務員のルールには縛られたくないということだと思います。しかも、直接採用した全員が期間の定めのない有期雇用となっている。こういう政策連携団体というのはほかにはないわけですね。
 加えて、これも繰り返し指摘していますけれども、東京都のデジタル部門のトップである副知事と、政策連携団体であるGovTech東京の理事長が同じわけです。現職の副知事が政策連携団体のトップを兼ねていることは、GovTech以外にはないわけです。今すぐでもこれも変える必要があると思います。同時に、公共の役割を果たすためにも、東京都としてICT職の採用を行い、育成していくことこそ必要だということを強く求めて質問を終わります。

○坂本委員 国民民主党東京都議団の坂本でございます。どうぞよろしくお願いします。
 まず、東京アプリについて伺いたいと思います。
 さきの第三回定例会におきまして、一般質問で、Tokyo支援ナビのUI、UX改善を通じて、支援の潜在的ニーズを顕在化していく重要性を提起させていただき、政策企画局から前向きな答弁を頂戴したというわけでありまして、その推進を見守っていきたいと考えておりますが、この制度の存在を知らせるのではなくて、必要な人にきちっとちゃんと届いていく、そんな仕組みに転換していくこと。本日はですね、その思想を引き継ぎまして、デジタルサービス局が担っておられる東京アプリについて伺っていきたいと思います。
 この東京アプリですが、都民と行政をつなぐフロントドアであり、まさに都民関係管理、私どもが提唱しているCRMですね、シチズン・リレーションシップ・マネジメントの要となる可能性を秘めているというふうに考えております。
 この東京アプリは、都民向けの情報発信や行政手続のデジタル窓口として様々な機能を具備しつつあるということでございまして、先ほどの斉藤議員のご質問にもありましたが、現在二十三万人の登録ユーザーで、アクティブユーザーが十五万人ということですが、その主な機能の利用状況ですとか、あとは、今後追加をする予定の主要機能について、進捗状況を伺わせてください。

○澤村デジタル事業担当部長 本年二月の東京アプリのリリース以降、現在まで、ダウンロード数は約三十二万件、登録ユーザー数は約二十三万件というふうになってございますけれども、これまで、暑さ対策や防災など、都民生活に役立つ情報や行政サービスを提供するとともに、都民の方が社会的意義のある活動に参加した際には東京ポイントを付与する取組や、都立施設等の入場チケットへの交換、民間決済事業者へのポイント交換機能を設けてまいりました。
 今後は、一人一人に合わせたサービス提供を可能とするマイナンバーカードによる本人確認機能を実装するとともに、都民にとって関心が高いコンテンツの充実や、自治体独自アプリと東京アプリとの連携に向けて取り組んでまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。東京アプリの今後の機能拡充の方向性について確認させていただきまして、ありがとうございました。
 東京アプリが単なる情報配信アプリにとどまらず、都民一人一人のニーズに応じた生活支援プラットフォームとなっていくためには、UI、UXの継続的改善が不可欠であります。
 Tokyo支援ナビで提案した潜在ニーズの顕在化、すなわち都民自身が気づいていない支援を提案してくれるような、そんなUX設計が必要だと考えておりますが、そこで、都民自身が気づかない困り事や、その潜在ニーズに対応できるような東京アプリを目指していくべきじゃないかというふうに考えておりますが、見解を伺わせてください。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリは、スマホ一つで都民と行政がつながることを目指しており、本年四月に公表した東京アプリの将来像では、簡単、便利、安全につながること、必要な情報にタイムリーにつながることなどを掲げてございます。
 その実現に向け、マイナンバーカードでの本人確認機能や、一つのIDで様々なサービスへログインできる機能、個人宛てのお知らせ機能やAIによる行政手続のサポートなど、実装を目指す主な機能を示したところでございます。

○坂本委員 ありがとうございます。東京アプリは行政情報を届ける手段にとどまることなく、都民一人一人の関心や状況に応じて最適な情報を届ける仕組み、まさに、それを速やかに実現するには、マイナンバーカードを活用した本人確認や、IT連携の整備が理にかなっているのかなとは思っております。ぜひとも推進していただきたいですし、いわば、都民との関係性をデータで育てていく、CRMプラットフォームへと進化すべきではないかと考えております。このCRM的な思想を、今後の機能開発やデータ設計に反映していくことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、データ連携とマネジメントの推進に関してでございますが、真に利用者本位のデジタルサービスを実現していくためには、各局がそれぞれで持つデータ、様々あると思いますが、閉じたシステム構造を超えた横断的なデータ連携が不可欠なんじゃないかというふうに考えるわけでありますが、そのデータ連携の取組状況と、今後の展開について伺わせてください。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 シン・トセイXでは、各局等が共通利用するシステムやデジタルツール等の共同化を図るDX共同化構想推進プロジェクトを掲げ、都民や事業者の利便性向上や内部業務の効率化に取り組んでおります。
 本プロジェクトの一つである事業者データベースの活用では、事業者の基本情報を蓄積、連携する基盤となるデータベースの構築を進め、今年度から補助事業を対象に運用を開始いたしました。これにより、各局等が利用する補助金申請システムと事業者データベースとの間でデータが連携されることで、事業者が一度登録した情報をほかの手続の申請時にも再度入力することが不要となるなど、事業者の負担軽減につなげております。
 今後、届出や許認可等に対象を拡大するとともに、国の法人ベース・レジストリとの連携も図ることなどを通じて、ワンスオンリー、ワンストップの実現を目指してまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。まず、その事業者データベースを起点としたワンスオンリーの取組は、利便性向上の第一歩として高く評価しております。
 一方で、将来的には、都民一人一人の生活データとも安全に接続して、よりパーソナライズされた行政サービスにつなげていくことが重要なんじゃないかと思っております。利用者本位の横串行政を目指していただいて、データ連携の進化をぜひ加速していただきたいと要望させていただきます。
 そして、その東京アプリや各局のシステムを真に機能させる鍵は、単なるデータ連携だけではなくて、先ほどもあったデータレジストレーション、登録や整備の質にあるかと存じます。すなわち、どのような情報を、どの粒度で収集、登録をし、どのように更新、活用していくのか、このプロセス設計こそが、都のDXの要、肝であるというふうに考えるわけでありますが、デジタルサービス局として、このデータ登録や情報収集のルール策定、そういった全庁横断的なデータマネジメントについて、どのように取り組んでおられるのか、いかれるのかということについて伺わせてください。

○谷口デジタル企画担当部長政策DX担当部長デジタル改革担当部長兼務 デジタルサービス局では、品質の高いデジタルサービスの提供に向け、職員が日々の業務においてデータを利活用する際のポイントをガイドラインとしてまとめ、その中で、データの収集方法や品質確保等に向けた取組を示しております。
 具体的には、データ収集時におけるデータ提供者からの合意や許諾の適切な取得、正確性や一貫性など五つの観点に留意することなどを定めるとともに、データ整備に携わる職員に対して研修等を実施しております。
 こうした取組に加え、シン・トセイXに基づき、組織の垣根を越えたデータ整備やデータ連携等にも取り組むことで、都民や事業者が利便性を実感できる質の高いサービスの実現を目指してまいります。

○坂本委員 ありがとうございます。ガイドライン整備や職員研修を通じて、データ品質の向上を図る取組を評価させていただきます。
 ただしですね、DXを真に前進させるには、どんなデータを、どの粒度で、どう活用していくのかという戦略的な設計思想が不可欠ではないかと思うわけであります。都民にとって意味のあるデータが自然なUXの中で登録されていくような仕組み、この発想を今後のデータマネジメント方針の中核に据えていただくよう要望させていただきます。
 このデジタル化の目的は、単に便利にすることだけではなくて、都民一人一人との関係をしっかりと深め、信頼を可視化することにあるんじゃないか、そう思うわけであります。東京アプリが支援を届け、データを育て、都民との関係を紡いでいく。まさに都民関係管理、シチズン・リレーションシップ・マネジメントの中核となるよう、今後の取組に大いに期待させていただきます。
 この情報をつなぐ力こそ、これからの行政の競争力であるというふうに申し添えて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○望月委員 参政党の望月まさのりです。本日冒頭より、ほかの委員の方々からの質問が大分かぶっておりますので、私からは、最初に主張をさせていただいて、質疑に入らせていただきたいというふうに思っております。
 東京アプリの事業に関しては、運営基金が約七百九十億円、そして固定資産を含むと八百八十億円と、多くの予算をつけておりますので、運用等についてはしっかりとされたいというふうに思っておりますので、その辺りご留意いただければと思います。
 また、先ほどにもありましたけれども、一人当たり七〇〇〇ポイント、一千百万人の都民十五歳以上の方々に七〇〇〇ポイントを付与するというようなことを、事前のレクでご説明いただきましたので、その運用に際しては、まず全対象者一千百万人に対して、七〇〇〇ポイントが全員に行き渡るということがなかなかに想定しづらいなというふうに思っております。この七百九十億円については、全額をそれで全て使い切ると、もうなかなかに思えないので、その部分につきましては、しっかりとつけた予算を回収できるような体制をつけていただきたいというふうに思っております。
 ただ、我々、我が党がずっと訴えておりますのは、このマイナンバーの事業、マイナンバー関連のものに関しては、今の情報管理の脆弱性、そこからしっかりと今の体制を構築しない限りは、このマイナンバーに触れるこの機微な情報の管理の方法については、しっかりと今後も検討していっていただきたいというような意味で、マイナンバーの推進については基本的に反対の立場に立たせていただいております。
 今回のポイント付与をしてまで推進することについては、何かほかに意図があるのではないかというふうに勘ぐってしまうような、そういった進め方もされているように感じますので、その辺りはしっかりと進めていっていただきたいというふうに思っております。
 それでですね、先ほど、さきの委員からありましたけれども、AWSやグーグルのクラウドを使ってセキュリティ上の脆弱性を解消しているというような話もありましたが、やはり我が党、従前から申し上げているとおり、都民の重要な個人情報を扱うに当たり、海外資本のクラウドサービスに依存し続けること自体が、情報主権や安全保障の観点からやはりずっと懸念が残ります。そういった意味で、私が従前から申し上げておりますとおり、都が主導して、国産の安全なクラウド基盤の開発、活用をしっかりと都が先陣を切って進めていただくよう改めて要望させていただきます。
 以下、質問に入らせていただきますが、GovTech東京をはじめとする都の外部委託の状況について伺いたいというふうに思っております。
 GovTech東京をはじめとする各事業においては、クラウドの開発や運用を含め、多くを外部の民間事業者に委託していると承知しております。委託に当たり、都民の個人情報や重要なデータが海外に流出しないよう、どのような対策や管理体制を講じているのかお答えください。
 また、事業者の選定に際しては、どの程度の競争性が確保されているのか、特定企業への継続的な発注が行われていないかについても、都として把握状況をお示しください。

○芹沢総務部長 都は、国のガイドラインを踏まえた外部サービス利用基準を定めておりまして、データセンターが日本国内にあり、国内法が適用されることなどを要件として定めてございます。外部サービスの利用に当たりましては、こうした要件を満たしていることを確認した上で、最高情報セキュリティ責任者が利用を許可しております。
 また、事業者の選定に当たりましては、地方自治法等に基づき、一般競争入札や指名競争入札の手段により、競争性や公正性を確保した適正な契約手続を行っております。
 特命随意契約により実施する場合におきましても、特命理由が基準に沿ったものであるかをよく吟味した上で、採用の可否を判断するとともに、当該事業者を採用した特命理由などを公表しております。

○望月委員 なかなかこういった事業というのは、限られた企業にしか担当ができないようなものもあると思いますので、その辺りの公平性はしっかりと担保していただきたいというふうに思っておりますし、今、説明の中にありました、国内にあって、国内法が適用される、そういった施設を推進というか、使っていくというような話がありましたが、もう構造上の問題です。国内に企業があったとしても、結局国外とパイプがつながっていれば、国内法が適用されたとしても、そこの脆弱性というものは解決されません。私はここを指摘しているわけで、先日のデジタルサービス局とのレクでもさんざんご説明させていただきましたとおりですけれども、ここのパイプがしっかりと脆弱性が解消されない限りは、今のクラウドや今の国内にあった企業で国内法が適用されているといわれましても、なかなかにまだ解消されないんじゃないかなというふうに思っておりますので、そういった視点も持ってしっかりとやっていただきたいなというふうに思っております。
 様々申し上げましたが、現在の国際情勢を踏まえれば、今、情報は国家の戦略資源であります。都民情報の管理は、主権と安全保障の問題でもありますし、国内でしっかりと情報を守って、海外事業者に依存しない体制の構築に向けて、都として最大限の注意と責任を持って取り組むべきであると申し添えまして、次の質問に移らせていただきます。
 子供政策におけるデジタル化推進の課題について、教育現場や子育て支援の分野において、ICTの積極的な導入が進められています。タブレット端末の活用や、オンライン学習の普及、デジタル相談システムなどは、効率性や利便性の向上に大きく寄与している一方で、子供の発達や健康への影響という視点から、改めて慎重な検討が求められます。
 実際に、海外では、デジタル化を無条件に推進する段階を終え、子供の脳や情緒、社会性の発達を守る方向への政策転換が始まっています。スウェーデンやフィンランドなど北欧諸国においては、幼児期からのスクリーンタイムが脳に与える影響について、多くの科学的エビデンスが蓄積されており、スウェーデン国立保健福祉研究所の二〇二一年の報告では、二歳未満の幼児のスクリーンタイムは極力控えるべきであり、過剰なデジタル機器利用は、神経発達障害リスク、睡眠障害、注意散漫、情緒障害の発症と関連するとされています。
 また、欧州小児神経学会も、幼少期の画面時間制限ガイドラインを発表し、北欧諸国では、これを受けて、教育現場におけるデジタルデバイスの使用制限、自然体験や人との対話を重視する非デジタル教育環境への回帰が進んでいます。
 一方、国内においても、愛知県の豊明市では、今月施行されたスマートフォン等の適正使用の推進に関する条例において、市民一人一人がスマートフォン等を適正に使用し、心身の健康と健全な生活習慣を維持することを目的に掲げています。この条例は、スマートフォン等の長時間利用が睡眠不足や学習、家庭生活への悪影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、仕事、勉強、家事などを除く余暇時間のスマートフォン利用は一日二時間以内を目安とするという理念を示しています。
 これは、罰則や強制力を持たない理念条例ではありますが、行政がデジタル機器の過剰使用による弊害を公的に認め、特に子供の睡眠時間の確保や健全育成を支援する明確な方針を示した全国初の試みとされています。
 このように、国内外を問わず、子供の成長段階や家庭環境に即したデジタル機器との向き合い方を再考する動きが広がりつつあります。
 そこで、都として、北欧諸国の科学的知見や政策転換の動向をどのように把握し、子供たちの心身の健全育成に資するために、例えば、くりらぼの取組において、どのような具体的措置を講じているのかお示しください。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 ご指摘の点については、世界中で多様な意見がございます。都が実施するとうきょうこどもクリエイティブラボ、くりらぼは、今後のデジタル社会を担っていく子供たちが幅広いデジタル体験ができる機会を創出し、新しい時代を切り開く人材の育成に貢献することを目的としております。
 体験会やワークショップは、プログラムの切れ間や子供たちの様子を見ながら必要に応じて適宜休憩を取るなど、子供たちが安心して参加できるよう配慮しております。また、スタッフと楽しく交わりながら子供たちがデジタル技術を安全に使用し、自分のペースで主体的に考えられるようサポートしております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。今のご答弁の中で確認させていただきたいのですが、今の中に、適宜休憩を取るとのことですが、その具体的な根拠とともに、デジタルサービス局がどのような点を懸念して、このような対応を示されたのかお答えください。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 繰り返しのご答弁になりますけれども、体験会、ワークショップはプログラムの切れ間や子供たちの様子を見ながら必要に応じて適宜休憩を取るなど、子供たちが安心して参加できるよう配慮しております。また、スタッフと楽しく交わりながら子供たちがデジタル技術を安全に使用し、自分のペースで主体的に考えられるサポートをしておるところでございます。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。このくりらぼに関しては、以前お聞きしたときに、大体二時間から二時間半ぐらいの時間を区切って実施されているというようなことをお伺いしました。愛知県の二時間条例とも相まって、いろいろと基準があるのかなというふうに私は思っていたので、基準を改めてお聞きしましたが、具体的な何かエビデンスとか、具体的な基準に基づいたものではないということで私は確認させていただきました。
 確かに、デジタル化は、業務効率を高め、情報へのアクセスを容易にします。しかしながら、人間の成長は決してデータやアルゴリズムで完結するものではありません。子供たちの脳、心、人とのつながりを守るためには、科学的根拠に基づいた慎重な判断が今こそ求められると思います。
 都におかれましては、北欧諸国や他県の先例事例も参考にしつつ、子供の発達を第一に考えたデジタル政策を率先して打ち出されることを強く要望いたします。
 次に、デジタル推進に伴うセキュリティと個人情報保護についてお伺いいたします。
 近年、国内外クラウドサービスの脆弱性が指摘されており、生成AIツールの利用拡大により、個人情報や行政情報の国外流出リスクも増大しております。
 都として、生成AIツールの利用拡大に伴う情報の国外流出リスクをどのように管理しているのか、契約条項や監査体制、リスク評価基準について具体的にご説明ください。
 また、生成AIの利用に際しては、どの国で開発されたものを利用しているのかも明示していただきたい。よろしくお願い申し上げます。

○村永デジタル基盤部長 都では、生成AIツールの利用に当たりましては、国の方針に基づき適切に情報を管理しておりまして、外部委託を行う際には、これらの要件を踏まえた委託仕様書を定めて、契約を締結する際に利用するサービスの安全性を確認しております。
 また、情報セキュリティ監査による報告書の内容、各種の認定、認証制度の適用状況等から、当該サービス及び当該サービスの委託先の信頼性が十分であることを総合的、客観的に評価することとしております。
 全職員に提供しております生成AIツールにつきましては、広く一般的に利用されております米国製のものを使用しております。その際には、データセンターが日本国内にあり、国内法が適用されることを確認するとともに、都の機密情報等が生成AIに学習されることがない環境を確保しております。

○望月委員 ご答弁ありがとうございます。アメリカ社製の生成AIであることが確認できました。また、都の情報が生成AIに学習されないようになっているということも併せて確認ができました。ありがとうございます。
 この点に関して、私が都議会議員になったときよりずっとご説明をいただいている部分ではありますが、アメリカでは、イノベーションの推進と経済競争力の強化を国家戦略の中心に据え、軍事、産業、教育などあらゆる分野でAIの開発と活用を進めています。
 こうした動きは、技術発展の面で参考となる一方、アルゴリズムや学習データの設計思想に欧米的価値観や政治的バイアスが組み込まれている可能性を常に念頭に置く必要があります。
 さらに、中国は、AIを国家統治と社会統制の中核に据え、監視社会の構築や世論誘導、検閲システムの強化に活用しています。生成AIを含む中国製プラットフォームの利用は、自由とプライバシーの侵害、さらには思想、歴史認識の改変リスクに直結します。実際、教育や情報発信の領域で中国系AIを用いた場合、学習データに組み込まれた歴史観や価値観を通じて反日的歴史観や自虐史観を再生成する危険性が極めて高いと指摘されています。
 例えば、中国国内では、近現代史における日本の位置づけが一方的な視点で記述され、AIの自然言語処理モデルにも、そのデータが学習されています。もし、そのようなAIを教育現場や行政情報システムで無批判に利用した場合、日本人の歴史的アイデンティティーや文化的自尊心を損なう情報が無意識に拡散、定着するおそれがあります。
 AIの生成結果は中立ではなく、設計した国や企業の思想、政治的意図、言論統制の方向性を反映します。すなわち、他国の生成AIに依存することは、単なる技術導入ではなく、言語、歴史、価値観といった日本の情報主権を他国に委ねる行為に等しいです。
 したがって、日本としては、こうした国際的な現実を正確に把握した上で、日本の価値観、法制度、文化的土壌に基づく安全で倫理的なAI開発と運用を確立することが極めて重要だと考えます。
 教育分野や行政分野においては、AIの導入に際し、学習データの出典、思想的傾向の検証、国内での情報保全、サーバー管理、日本史、道徳教育におけるAI生成コンテンツの監査体制を整備することが求められます。
 テクノロジーの利便性を歓迎しつつも、短期的な効率化や数値目標の追求にとどまらず、人間の尊厳、国家の主権、教育的価値といった根本的価値を守る行政運営を強く求めます。これは単なる技術論ではなく、都政の信頼性、情報安全保障、そして日本の文化的アイデンティティーを次世代に継承するための重要な課題であります。
 都には、第三者的視点や専門的監査体制を強化し、AI利用における透明性、説明責任、思想的中立性を確保することで、都民に安心と信頼を届けるデジタル行政の実現を強く期待いたしまして、私の質疑といたします。ありがとうございました。

○本橋委員 よろしくお願いします。かぶっているところが何点かありますので、その場合は割愛させていただきます。
 まずは、つながる東京でございます。
 このところ立て続けに来襲する台風の被害対応に都は鋭意取り組んでおられます。特に台風二十二号、二十三号によって、八丈町と青ヶ島村は甚大な被害を受け、今なお懸命な復旧活動が続けられている最中でございます。一方で、依然として首都直下地震の発災可能性の高まりもございます。
 現代社会でスマートフォンは生活のあらゆる場面で活用され、モバイル通信は重要な社会インフラとなっております。台風や地震をはじめとする各種災害によって、例えば電柱の倒壊による電線の断絶、あるいは倒木による通信ケーブルの断線などが発生した場合、通信障害による都民生活の支障は計り知れません。
 そこから、我が会派といたしましては、かねてから携帯電話基地局の強靱化を喫緊の課題とし、その推進を都に求めてまいりました。
 まずは、先日の台風二十二号、二十三号の影響により発生した通信障害の状況と、それらに対しての対応についてお伺いいたします。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシテイ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 台風第二十二号及び第二十三号の影響により、八丈島及び青ヶ島において固定回線、携帯回線ともに通信が不通となるなど障害が発生しました。都保有の光ファイバーケーブルにつきましては、台風第二十二号の影響により、青ヶ島の陸上部においてケーブルが断線し、青ヶ島村全域に影響が出ました。
 そのため、復旧作業を進め、台風第二十二号通過翌日の十月十日夕方には、八丈島との無線通信による応急復旧を行いました。さらに、台風第二十三号通過後の十五日には、断線箇所の修復を行い、光ファイバーケーブルの修復が完了いたしました。

○本橋委員 大変お疲れさまでございます。
 都内におきましては、そもそもいわゆるつながりにくい地域といったものがあると思われます。伊豆諸島や小笠原諸島、そして西多摩地域などが代表例と思われます。こうした地域が一たび大災害に襲われますと、通信面でも孤立集落となってしまいかねません。災害拠点病院があれば、それは都民の生命にまで直結するゆゆしき事態となってまいります。
 そこで、都は、都内のどこをつながりにくい地域としてマークしているのか、モバイル通信の強靱化といった観点から、どのような対策を取っているのか、それぞれ伺います。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシテイ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 都は、令和四年度に西多摩地域及び島しょ地域の全市町村で電波状況調査を実施し、住民の生活地域で携帯の電波が一社もつながらないエリアが存在することを把握しております。
 この調査結果を踏まえ、こうした地域に携帯基地局が整備されるよう、学識経験者や通信事業者等と構成する協議会におきまして、通信事業者に対し働きかけを行っております。また、町村が国の補助制度を活用して、携帯基地局整備を行う場合に必要な整備計画の策定や基盤整備に対する支援を行っております。
 また、島しょ地域においては、モバイル通信等が海底光ファイバーケーブルに依存していることから、万が一断線等の通信障害が発生した場合に備え、今年度新たに衛星通信を用いたWi-Fiスポットを整備することとし、全島で強靱化に向けた取組を進めております。

○本橋委員 各種災害とその脅威に対して、都民の生命や財産を守り、被害を最小限に抑えるためにも、災害時の連絡や情報共有の手段となる携帯電話の通信環境を確保することは極めて重要であります。モバイル通信の強靱化のための施策やその改善策には、通信事業者との連携協力は欠かせないところであります。この分野では、都と通信事業者の二人三脚が重要です。
 そこで、都は、通信事業者と連携して、都民の生活を支える通信環境の確保のためにどのような取組をしてきたのか、また今後どのような展開をするのか、それぞれお伺いいたします。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシテイ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 災害時には、初動対応や都民の連絡手段としてモバイル通信が不可欠であることから、今年度から、通信事業者に対し、携帯基地局強靱化に向けた取組への支援を開始いたしました。
 具体的には、主要駅や災害拠点病院など重要な施設周辺の携帯基地局を対象に、非常用電源の長時間化や衛星通信を用いたバックアップ回線の導入費用を国と都が全額補助しています。
 さらに、通信の多重化を図るため、安全で利便性の高いオープンローミング対応Wi-Fiの整備拡充に向け、今年八月に大手通信事業者と協定を締結いたしました。この協定に基づき、発災時に人が集まる駅前等の電話ボックスへ、今後三年間で約千五百か所にWi-Fi整備を進めてまいります。

○本橋委員 しっかりとした連携取組、今聞かせていただきました。
 都は毎年、TOKYO Data Highwayサミットを開催しております。小池都知事も出席したりして、都の首都防衛に対する覚悟が伝わってまいります。これによって、なお一層、国内の通信各社が協働して都の通信環境が向上することを願うばかりであります。
 そこで、TOKYO Data Highwayサミットの意義、目的、趣旨についてお伺いいたします。また同時に、そこで繰り広げられた議論の概要と、そこから施策に取り入れられたものをお伺いいたします。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシテイ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 TOKYO Data Highwayサミットは、都民生活にとって重要なインフラである通信環境の整備促進に向けて、都と通信事業者のトップが一堂に会して官民の協力関係をつくる場であり、令和元年度から継続的に開催しています。
 令和五年度のサミットでは、「つながる東京」展開方針を都から示し、通信手段ごとの整備の方向性やロードマップ等について通信事業者と認識を共有しました。その内容に基づき、各通信事業者と連携しながら、5GやWi-Fi等の整備に向けた取組を推進しております。
 また、昨年度のサミットでは、令和六年能登半島地震を受けて、通信事業者各社の防災に関する取組を紹介していただき、最新の技術動向等を踏まえた携帯基地局強靱化に向けた施策や、災害時等を想定した衛星通信の活用に関する事業に取り入れました。
 今後も、通信事業者等と強固な協力関係を維持しながら、つながる東京の取組を推進してまいります。

○本橋委員 ただいまのご答弁から、通信環境の強靱化に向けまして、小池都知事のリーダーシップの下、都が通信事業者と連携しながら取組を強力に進めていることは確認いたしました。
 さて、都内において、これまで発生し、かつ、通信障害をはじめ様々な被害実態と、それらに対しての対応ぶり、検証を考えるとき、能登半島地震への考察は必須でございます。改めて能登半島地震による甚大な被害を見たとき、強く感じるのがデジタル技術の有用性であります。我が会派も、点群データに代表されるデジタルツインの検討や、防災分野への応用をこれまでも訴えてまいりました。
 能登半島地震を踏まえまして、都は、デジタルツインビューアーの点検、点群データなどによる被災状況の可視化で被災地の復興を支援しています。その活動を首都直下地震に対する備えの強化にぜひともつなげたいところであります。
 そこで、都は、点群データやデジタルツインをこれまで以上に防災分野に活用すべきでありますが、現在の都の取組と今後の展開についてお伺いいたします。

○小林データ利活用担当部長スマートシティ・データ連携担当部長兼務 都では、物体や地形の表面などを点の集合として三次元的に表現いたします点群データを都内全域で取得するとともに、様々な機関が保有する地理空間データと合わせて、3Dビューアーで可視化するデジタルツインの取組を行っております。
 防災分野につきましては、水害シミュレーションや土石流対策などに活用しているほか、能登半島地震の発災前後の点群データなどを3Dビューアーに掲載いたしまして、斜面の崩落などの被害状況を可視化し、石川県において防災教育などにも役立てられております。
 今後とも、地理空間データの拡充とシミュレーションの精度向上を図るとともに、ユーザー視点も踏まえたビューアーの改善に取り組みまして、防災分野などの課題の解決にデジタルツインを活用してまいります。

○本橋委員 東京都といたしまして、大規模災害が発生した際、点群データやデジタルツイン、そしてAIなど、あらゆる最新技術を活用し、被災者の円滑な生活再建につなげるとともに、ひいては都の災害対応力強化につなげることが肝要であると思います。
 そのための基盤となる通信ネットワークは、今や道路や水道と並ぶ基本的ライフラインといえます。自然災害など、何があってもつながる東京の実現に向けまして、引き続き着実に取組を進めていっていただきたいと思います。
 次に、西多摩エリアの自治体支援でございます。
 六十二市区町村内の西多摩エリアについては、かねてから職員の人手不足、成り手不足が叫ばれております。エリア内の自治体規模は小さくとも、やるべき業務内容は他の自治体と遜色ありません。西多摩エリアの自治体のデジタル面での充実ぶりのスピードは遅く、これまで質疑してきた自治体連携という局面は、このエリアでは薄くかつ弱いものとなっております。
 西多摩エリアにおきましても、各自治体がデジタルの強みを生かし、住民サービスの向上や業務の活性化、効率化を図れるのが望ましいところですし、しかも西多摩エリアは広く、各エリアの実情に沿った支援も重要であります。
 そこで、まずは、都に対して西多摩エリアの各自治体から、デジタル面に関してどのような意見、相談があったかをお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、デジタルに関する個別の課題や悩み事の解決に向けた相談窓口でございますスポット相談や、都と区市町村の最高情報責任者であるCIOがフラットな関係で意見交換を行う座談会等の場を通じ、各自治体の実情や課題把握に努めております。
 西多摩エリアには、書かない窓口やオンライン申請などを精力的に進めている自治体がある一方、特に町村からは、職員数が減少する中でデジタル人材の確保は一層困難であるという意見や、職員一人一人が幅広い業務を抱えており、DXを進めたくてもどこから手をつければよいか分からないなどのご相談をいただいております。

○本橋委員 特に西多摩エリアの町村から多くの切実な声が届いていることを、今、確認させていただきました。
 六十二市区町村が均等にデジタル化を進めていけることが望ましいことはいうまでもありません。その意味でも、西多摩エリアのデジタル化の着実な前進は必須であると思います。
 そこで、西多摩エリアの各町村のデジタル化推進に向けた都の取組や、今後の支援策、強化策をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都は、DX推進体制の確保が困難な西多摩エリア等の町村の実情を踏まえまして、昨年度から、GovTech東京と連携し、日常業務における改善策の検討から生成AIやチャットツールなどのデジタルツールの導入までを一貫して支援してございます。
 今年度は、新たに多摩・島しょ地域の町村向けに、都とGovTech東京のデジタル人材で編成するDX支援チームを設置いたしまして、デジタルツールの活用の定着を図ってございます。
 また、希望する町村と定例ミーティングを開催いたしまして、町村の課題や困り事のきめ細かな把握に努めますとともに、勤怠管理のシステム化やオンライン申請の拡大などの支援につなげております。
 引き続き、町村におけるデジタルツール等を活用した業務改善やBPRの好事例の創出を図りますとともに、それらを西多摩・島しょ地域全体に広げていけるよう、各町村の実情を踏まえた一層寄り添った支援を実施してまいります。

○本橋委員 ぜひとも、西多摩エリア、そして島しょ部分のデジタル化の推進をよろしくお願いいたします。
 次に、こどもDXについて質疑させていただきます。
 都は、令和七年度より、いよいよ本格的に政策DXに取り組んできたところです。その取組の先駆けともいえるのがこどもDXかと思います。
 そこで、まず改めて、こどもDXの意義、目的、趣旨をお伺いいたします。

○福田プロジェクト推進担当部長 都は、令和五年九月に東京デジタル二〇三〇ビジョンを策定し、一人一人に最適化されたサービスを、行政の垣根を越えてタイムリーに届けることを目指しております。このビジョンを踏まえ、仕事や育児に忙しく、デジタルとの親和性が高い子育て世代に向けたサービス変革を進めるこどもDXを推進しております。
 こどもDXは、国や区市町村、民間団体との連携の下、全国展開を視野に入れたサービス基盤の構築や、垣根を越えたデータ連携等を推進し、デジタルの力で子育て世代の利便性向上を図ることを目的としているところでございます。

○本橋委員 これまで都は、こどもDXでは様々なプロジェクトに取り組んできております。そこで、こどもDXにおけるプロジェクトの概要と成果、さらには課題をお伺いいたします。

○福田プロジェクト推進担当部長 こどもDXでは、デジタルの力で仕事や育児に忙しい子育て世代の利便性向上を図るため、四つのプロジェクトを推進してまいりました。
 中でも、アプリ等から必要な情報を先回りで届けるプッシュ型子育てサービスでは、都内全区市町村及び東京都の子育て支援制度のデータベースをオープンデータとして公開し、都内全域での情報配信が可能となる環境を整えました。
 また、保育園探しから入園申請までをオンラインで完結できる保活ワンストップサービスでは、十九の自治体でサービス提供されるなど、着実に成果を上げております。
 今後、子育て世代の利便性を高めるため、利用者の声を反映しながら、サービス内容の充実等を図っていく必要があると考えてございます。

○本橋委員 続いては保活ワンストップをお聞きするところでしたが、先ほど質疑の中で出ましたので、割愛させていただきます。いずれにしても、このこどもDXプロジェクトの中の保活ワンストップ、これについては保護者の反響も大きくて、かつ評判がいいと聞いておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 次が、電子版母子健康手帳をお聞きしようと思ったんですが、これも先ほど質疑で出ましたので、割愛させていただきます。
 続けて、子育て世代からしますと、出産に伴う様々な行政手続もデジタルで一元化してほしいところです。例えば、出生届、児童手当などは、出産後の一定期間内に市民課、子育て支援課などなど複数窓口で手続を行う必要があります。産後の慌ただしい時期に必要な手続をオンラインでまとめて済ませることができれば、子育て家庭にとって負担が大きく軽減いたします。
 一方、これらの手続は、主に区市町村で申請を受け付けるものであり、制度設計は国が実施していることから、自治体や国との連携が不可欠となってまいります。
 そこで、都は、出生届などのオンライン化、ワンストップ化に向けてどのような取組を進めているのか、取組状況をお伺いいたします。

○福田プロジェクト推進担当部長 出生届等のオンライン化、ワンストップ化につきましては、国が出生、子育て分野の手続に関して、オンライン一括申請できるシステム環境の整備を目指すとしております。一方で、環境の整備に向けては、実務を担う区市町村が、手続のオンライン化やシステム改修等を進めていく必要がございます。
 都は、こうした状況を踏まえまして、出生関連手続の一括申請の実現に向けた取組を進めるため、国や自治体等による意見交換を行う場を設けました。そこでは、都民ニーズや自治体の実務課題など、現場の声を国とも共有し、国による利便性の高いシステムづくりにつなげてまいります。
 また、区市町村の手続のオンライン化等に当たりましては、書面による審査の改善など、自治体の事務処理の効率化も併せて進めていく必要がございます。そのため、意見交換の場に参加する自治体間での対応事例の共有や、全国の先進事例の調査などを行い、業務改革に向けた手引を作成いたします。
 さらに、これらの今年度の取組の成果につきまして、都内自治体向けの報告会を開催し、普及啓発も行うことで、出生届など複数手続のオンライン一括申請の取組が都内に広がるよう促してまいります。

○本橋委員 出産後の大変な時期に、オンラインかつワンストップで各種の行政手続ができることは、子育て世代にとって大変便利なことであります。また、導入する自治体にとっても負担とならないよう、都、GTTとして、自治体に対する技術的な支援についても要望しておきます。
 次は、子供のデジタル体験でございます。先ほどくりらぼに関して質疑がありましたが、これは続けさせていただきます。
 高度情報通信社会の昨今、子供の頃からのデジタル技術の習得が重要となってきております。都は、令和五年度に子供向けデジタル体験場所として、くりらぼを設置いたしました。これによって、次代を担う子供たちのデジタル体験の充実が図られることとなりました。
 まずは、くりらぼの設置と、常設拠点くりらぼベースの開設について、目的と取組内容についてお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 とうきょうこどもクリエイティブラボ、くりらぼは、今後のデジタル社会を担っていく子供たちが誰でも気軽に幅広いデジタル体験ができる機会を創出し、新しい時代を切り開く人材の育成に貢献することを目的に、令和五年度から開始しております。具体的には区市町村と連携し、図書館や児童館、公民館など子供たちの身近な場所で開催するくりらぼin区市町村では、ロボットプログラミングや電子工作などの体験会を実施しております。
 また、令和六年十月に、予約なしで気軽に体験ができる常設拠点でございますくりらぼベースを、有楽町のTokyo Innovation Baseに設置しておりまして、現在、ゲームの制作や3Dプリンターの体験など八つのプログラムを体験することができます。

○本橋委員 多くの子供たちが、デジタル体験を通じまして豊かに育っていくことを願ってやみません。そのためにも、まずは多くの子供たちに、このくりらぼの存在それ自体を知ってもらうことが重要となってきます。
 そこで、この点に関する都の広報活動についてお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 くりらぼを多くの方に知っていただくために、東京都公式LINEやXなどで発信しているほか、都が幅広い主体とともに進めているこどもスマイルムーブメントと連携し、広く情報発信を行っております。
 また、今年度は、くりらぼベースのリーフレットを、より子供に親しみやすいデザインにリニューアルし、近隣小学校や都立図書館へ配布したほか、先日開催いたしましたスマートシティフェスタでも周知を行っております。
 区市町村と連携して実施する体験会については、自治体の広報紙やSNSを通じて情報発信しております。
 加えて、デジタルに興味を持つ子供にくりらぼの情報が届くよう、教育庁と連携し、区市町村の教育委員会が集まる会議において取組を紹介し、小中学校における児童生徒や保護者への広報につなげております。

○本橋委員 ありがとうございます。
 同様に子供たちが気軽に立ち寄れるところにくりらぼが存在し、体験できることが、なお一層望ましいと思います。その意味で、できることなら、都内各小学校の通学区域内に一か所あればありがたいものです。
 そこで、都は、デジタルに興味を持った子供が身近なくりらぼに来ることができるよう、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、子供たちがくりらぼにより身近な場所で参加しやすくするため、区市町村と連携した体験会を、昨年度の約百回から今年度は約二百回に倍増して実施いたします。
 また、くりらぼへの理解を深めるために、区市町村に対して事業説明会を実施するとともに、個別ヒアリングによる自治体のニーズを聞き取り、実施可能なプログラムの提案などを行った結果、参加自治体数は昨年度の二十六自治体から三十六自治体となっております。
 今後、くりらぼを実施したことがない自治体に対して、体験会実施の働きかけを強化するなど、身近な場所で子供の創作体験の場が広がるよう取り組んでまいります。

○本橋委員 子供の創造性や知性を育てていく意味でも、常に多様なプログラムの用意と更新が必要になってまいります。その際、単に都だけでなく、民間企業の協力と協働が不可欠となってまいります。
 そこで、都は、民間企業などから、くりらぼに対する賛同と協力をどのようにして得るのか、また企業と連携して行うワークショップでは、どのようにしてプログラムを提供していくのか、それぞれお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、次代を担う子供たちに幅広いデジタル体験の機会の提供、充実を図ることを目的に、企業や大学等との連携ネットワークでありますくりらぼネットワークを令和六年十月に立ち上げ、現在、十八の企業等が参画しております。
 さらなる企業等の賛同と協力を得るため、ホームページにより発信を行うとともに、主にデジタル分野に強みを持つ企業等に対して、子供たちの創造性を育むくりらぼの理念の説明や具体的な連携事業の内容を紹介し、参画を促してまいります。
 また、参画いただいた企業等の持つノウハウや独自のコンテンツを生かせるよう、繰り返し意見交換をしながら、子供たちの自主性や好奇心を引き出すプログラムを提供してまいります。

○本橋委員 子供の頃からデジタル技術に触れ、創造力を育むことは、長い目で見たとき、東京ひいては日本の国際競争力にプラスになります。引き続き、この取組を着実に進めていっていただきたいと思います。
 次は、デジタルツールと職場環境について質疑させていただきます。
 働き方が多様化している昨今、都民にサービスを提供する立場にある職員にとりまして、デジタルツールを使った働きやすい環境の創出は重要であります。そのような職場ないし組織があってこそ、職員の一人一人がやりがいを持って意欲的に仕事に取り組むことができます。
 まずは、デジタルツールの活用などにより、職員が生き生きと働くことができる都庁の実現に向けたこれまでの取組と今後の展開をお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都は、都政の構造改革の取組といたしまして、柔軟で多様な働き方ができるよう、公用スマートフォンやウェブ会議ツールの導入によりまして、テレワーク可能な環境を整備するとともに、民間シェアオフィス等の活用や、フリーアドレスを可能とするオフィスへの転換を進めてきました。
 また、職員一人一人が高い意欲を持って力を発揮できるオープン・アンド・フラットな組織づくりに向けまして、幹部職員と若手職員が議論する場の創出や、職員が都政の構造改革の取組に関する改善提案を行えるデジタル提案箱の取組などを実施しているところでございます。
 昨年度実施した職員への意識調査では、都政が変わったという回答が六割を超えてございまして、改革の取組が着実に職員の実感につながってきているものと考えております。
 引き続き、こうした職員の声を定点観測しながら、職員一人一人が生き生きと活躍できるよう取り組むことで、都民サービスの質の向上につなげてまいります。

○本橋委員 デジタルを活用した上での職員の一人一人が活躍できる職場づくりにとって、現場の職員の生の声は欠かせないところであります。
 その意味で、ただいまご答弁の中にも出てまいりましたけれども、デジタル提案箱は有用な取組であり、そこには、デジタル技術も活用して、職員が力を発揮できる職場や環境づくりに向けた意見が多く寄せられたかなと思います。
 そこで、デジタル提案箱での重要な意見、提言としてどのようなものがあったのか、また、そうした意見を踏まえ、どのような改善を行ってきたのかお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 デジタル提案箱には、業務や組織風土に関することなど、取組を開始した令和二年度から二千件以上の意見、提言が寄せられているところでございます。
 具体的には、自宅以外でテレワークをできるようにしてほしいとの提案に対しまして、仕組み、制度の見直しを行い、未来型オフィス職場を対象に、民間シェアオフィスの利用を可能としたところでございます。
 また、デジタル化に関する幹部職員の意識改革を促してほしいとの提案を踏まえまして、令和四年度から、新たに管理職に対しまして、DXや組織変革等に関する研修を実施するなど、管理職のデジタルリテラシーの向上を図っているところでございます。

○本橋委員 ご答弁から、デジタル提案箱での様々な意見に対しまして、必要な改善を着実に行っている点、評価させていただきます。引き続き、働きやすい環境の創出に向けて取組を進めていただきたいと思います。
 また、様々なデジタル技術を都政に取り入れていくという観点から、近年急速に進化を遂げるAIに対しても適切に対応していくことが重要となってまいります。AIは、都民サービスの質を高めていく上で、今後必要不可欠な技術になっていくものと確信しております。
 そこで、生成AIをはじめとしたAI技術を、どのようにして都民サービスの向上に生かしていくのか、都の見解を伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都ではこれまで、AIを活用しまして、都民向けの問合せ対応へのチャットボットの導入、画像認識技術を活用した施設管理の効率化などに取り組んでまいりました。
 こうした取組を全庁的、戦略的に進めるため、東京都AI戦略を本年七月に策定いたしまして、都政のあらゆる側面でAIを徹底活用することで、業務の生産性向上と都民サービスの質の向上に取り組むことといたしました。
 AI戦略では、都民サービスなどの各業務領域におきまして、どのような利活用が可能かを分かりやすく整理し、留意すべき事項等と併せ、AI利活用に当たっての考え方を示したところでございます。
 今後、年度末をめどに策定予定でございます都庁全体のAI活用を効果的に推進するための利活用ガイドラインも活用しながら、AIによる申請内容の案内や、行政サービスの提案など、都民の暮らしや生活に役立つ都民サービスの提供を目指すなど、都政におけるAI活用を推進してまいります。

○本橋委員 AIの利活用に続けまして、質の高い行政サービスへと変革し、それを展開するためには、そのサービスを支える人材が重要となってまいります。そこで、都は、デジタル人材としてICT職の採用を令和三年度から開始しており、多くの人材が活躍しているとのことであります。
 そこで、ICT職の現在の人数や、今年度の採用はどのような状況か、また採用活動に当たっての課題や改善への取組について、それぞれお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 都では、都政とICTをつなぎ、課題解決を図る人材として、現在、二百二十八名のICT職が、デジタル施策の企画、計画策定をはじめ、都庁各局や都内区市町村への技術支援、助言等に従事しております。
 このうち、今年度は、即戦力となる民間企業の経験者等を対象とするキャリア活用採用選考二十五名、大学の新規卒業生等を対象とするⅠ類B採用試験十五名、過去最多の四十名を採用いたしました。官民問わず人材獲得競争が激しい中で、質の高いデジタル人材を確保していくことが課題であることから、当局では、独自の採用PRサイトやSNS等を活用し、現場で働く職員の生の声を発信するとともに、オンラインを含めた就職、転職イベントへの参加を拡充するなど、採用PR活動を強化しております。
 今後とも、関係各局と連携し、都政のQOS向上を支える人材を質、量両面から安定的に確保してまいります。

○本橋委員 質の高い行政サービスの展開に当たりましては、ICT職の果たす役割は大変大きいといえます。しかも、有能、優秀なデジタル人材と評価され認知されるまでには、多くの時間と労力が必要となります。その点は、都のデジタルサービス局の頭を悩ますところかと思います。
 そこで、どのように専門性を伸ばしながらICT職の育成を進めているのか、現状と今後の展開、取組をお伺いします。

○繁宮調整担当部長 ICT職が有する専門性を維持向上していくため、育成プログラムを最新の技術動向等を踏まえたカリキュラムに更新し、多様な研修を受講することで、知識やスキルの習得を図るとともに、GovTech東京や民間企業等への派遣により、先進的な技術等の習得にも取り組んでまいります。
 また、デジタルと行政の知見を兼ね備えた人材の育成に向け、デジタルサービス局をはじめ、様々な局等での行政実務を担い、各局事業への理解や視野を広げるジョブローテーションを実施しております。
 今年度からは、業務で活用できる実践力の向上に向け、GovTech東京の知見を生かし、都のルールや実務に即したカリキュラムや教材を自前でつくり上げ、講師や研修の運営を含めて、内製化した新たな研修を開始いたしました。
 今後とも、東京都デジタル人材確保・育成基本方針に基づき、デジタルサービス局とGovTech東京が協働し、オール東京のDX推進に向けた牽引役として、ICT職の育成を図る取組を一層強化してまいります。

○本橋委員 デジタル専門職であるICT職の確保に向けた採用強化や、デジタルと行政双方の能力を高めるための育成策など、様々な工夫を凝らしながら取り組んでいることを確認させていただきました。
 今後、ICT職が全庁的にしっかり認知、評価され、彼らが中心となって、都政のDXをさらに進めていくことを大いに期待しております。
 次に、デジタル共生社会とスマホ体験会について質疑させていただきます。
 デフリンピックが東京で開催される今こそ、誰一人取り残されないデジタル共生社会を実現することは重要であります。障害の有無にかかわらず、デジタル技術を活用して、誰とでも円滑にコミュニケーションが取れる社会にしていくことが大事であります。
 我が会派といたしましても、令和五年第三回定例会の代表質問におきまして、障害のある方の生活の質の向上に真に役立つサポートを進めていくべきと訴えてもおります。
 そこで、都は、障害者の方が日常生活の質を高められるよう、デジタルを活用した支援を充実させるべきですが、都の見解をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、都民が身近なところでデジタルの利便性を実感できるよう、令和四年度から、独創性や機動力に優れるスタートアップ等によるスマートサービスの実装促進に取り組んでおりまして、これまでに百件を超えるサービスを導入いたしました。
 今年度は、視覚障害者を安全に誘導するため、商業施設と連携して足に装着し進む方向を振動で伝えるナビゲーションデバイスや、スマホのカメラでタグを読み取り、音声で案内するサービスの実装に取り組んでおります。
 また、地元企業が主催する屋外に彫刻を展示するプロジェクトにおいて、視覚障害者が安全に移動しながら作品の鑑賞を楽しめるよう、音声による誘導や内容の紹介を組み合わせたコンテンツを提供する取組を支援いたしました。
 今後、新たにインクルーシブをテーマに設定し、障害者等の困り事の解決に重点を置き、自治体や企業等と連携しながら、利用者が有用性を実感できるようサービスの実装を進めてまいります。

○本橋委員 ご答弁から、障害者の方の日常生活向上に資する取組がなされていることを理解いたしました。
 都は、障害者の方が日常生活を送る上で便利なアプリやサービスを使いこなせるよう、スマホ教室などの充実を図ってきたところです。その評判も上々とのことであります。
 そこで、この障害者を対象としたスマホ教室の目的、取組状況をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、視覚、聴覚に障害のある方の生活利便性向上を図るため、障害に応じた機能やアプリを使いこなすことができるよう、区市町村などと連携してスマートフォン教室を実施しており、令和七年度は約三百九十回の開催を計画しております。
 視覚障害者向けの教室では、点字や音声教材を事前配布した上で、六回コースを少人数制で実施しており、カメラで撮影したものを音声で知らせてくれる機能など、生活に役立つアプリの使い方を学べるようにしています。
 聴覚障害者向けの教室では、手話通訳や要約筆記などを用意し、四回コースで、音声認識技術により会話を文字化するアプリの使い方などを学べるようにしています。
 どちらの教室でも、講師に加えアシスタントが一対一でサポートし、学んだ内容の定着を図るためのフォローアップも行っているほか、参加後に電話やファクスで相談できる窓口を設置するなど、きめ細かな対応を行っております。

○本橋委員 障害のある方が、デジタル技術を活用することで、日常生活の向上につながることが何よりも大切であります。本日、答弁のあった取組が、障害者に対する実効性ある支援につながることを大いに期待しております。
 終わりに、まとめの質問をさせていただきます。
 これまでの質疑を通じまして、都がデジタルに関する様々な取組を進めていることが確認できました。
 令和七年の都議会予算委員会での我が会派の締めくくり総括質疑の中のDXに関する質疑の中で、宮坂副知事は、世界で最も情報技術を使い倒す東京といわれました。非常に私も印象深いいい回しだなと思って受け止めておったんですが、この使い倒すとの表現に、世界中のどんな首都にも、自治体にも負けない、いわんやそれらの追随を許さないスマートシティ東京の構築という、都の不退転の決意と覚悟を感じたのは私だけではないのではないかななんて思っています。
 そこで、最後に、これまでの取組を踏まえまして、今後、都民が快適で利便性を実感できる東京の実現に向け、どのように取り組んでいくのか、局長の決意をお伺いいたします。

○高野デジタルサービス局長 デジタルの力で都民が便利になったと実感できる、快適で豊かな生活が送れる都市東京の実現に向けまして、行政手続のデジタル化や、行政の垣根を越えた都民視点でのこどもDXの推進、また、冒頭ご質疑ありましたけれども、Wi-Fi等の通信環境整備など、誰もが、いつでも、どこでも、何があってもつながる、いわゆるつながる東京の推進など、ソフト面、ハード面、その両面からこれまで取組を進めてきたところでございます。
 今後もその手を緩めることなく、これらの取組を推し進め、都民の手取り時間を創出するよう、サービスの質を高め、変革をさせていくことが重要でございます。
 そのための鍵となるものが、急速に進化を遂げるAIと、行政の新たな形を目指す東京アプリでございます。AIにつきましては、都政のあらゆる側面でAIを徹底的に利活用してまいります。
 技術の専門家集団でございますGovTech東京と協働し、職員が自らアプリを開発、利用できる生成AIの共通基盤の整備を進めるとともに、AIの利活用ガイドラインを策定するなど、都庁全体の取組を強力にサポートしてまいります。
 また、東京アプリにつきましては、都民と行政がスマホ一つでつながるアプリへと磨き上げてまいります。都民の日々の生活を支えるサービスや情報の充実、区市町村独自のアプリとの連携など、機能拡充を図ってまいります。GovTech東京の開発力を強化し、都民がその利便性を実感できるアプリとなるよう取組を進めてまいります。
 これらソフト面、ハード面の取組を強力に推し進め、世界に誇れる、便利で快適な都市スマートシティ東京の実現に向け、局一丸となって積極果敢に挑戦してまいります。

○本橋委員 ぜひとも、副知事と局長のツートップのリーダーシップでもって、スマート東京を構築していただきたいと思います。さようお願いいたしまして、私の質疑を終わります。

○星委員 よろしくお願いします。私、ちょっと皆さんと重複するところありますけども、ちょっと違う角度からの質問にさせていただきたいと思います。
 今月、台風第二十二号と二十三号は、立て続けに伊豆諸島周辺を通過し、八丈町や青ヶ島村を中心に、道路や水道、電気などのインフラに大きな被害が発生いたしました。被災された島民の皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
 今や重要な基本インフラの一角をなすインターネットや電話などの通信も、今回の台風による障害が発生しました。特に青ヶ島村では、都が保有する光ファイバーケーブルが切断されたことによる全島的な通信障害が一時発生し、島民の生活に影響が出ました。
 これまで我が会派は、島しょ地域における通信環境整備の重要性について繰り返し主張をしてまいりました。その立場から、今回の台風被害に関する質問をしてまいります。
 まず、島しょ地域の海底光ファイバーケーブルについて、これまでどのような損傷が発生し、強靱化に向けて、都はどのような取組をしてきたのかそれぞれ伺わせていただきます。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシテイ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 これまでの海底光ファイバーケーブルの損傷につきましては、台風等に伴う波浪の影響による損傷が、利島陸揚げ部で一回、御蔵島陸揚げ部で三回発生しています。そのほか、御蔵島沖海底部において、船が原因と推定される損傷が一回発生しました。
 こうしたケーブル損傷を踏まえ、地形の影響等により損傷が複数回発生した利島及び御蔵島において、陸揚げ部の強靱化対策工事を進めてまいりました。具体的には、利島について、陸揚げ部を波が穏やかな港内へ移動する対策を本年三月に完了させ、御蔵島については、陸揚げ部を波浪の影響を受けないトンネル構造とする対策が本年六月に完了いたしました。

○星委員 過去に発生した海底光ファイバーケーブルの損傷の状況と、それらに対して都が強靱化に向けてどのように取り組んできたのか、確認をさせていただきました。
 これまでの都の取組については評価するものの、今回、青ヶ島村では数日間の通信障害が発生しました。今後のさらなる強靱化に向けた対策を検討する上で、その原因を明らかにしていくことは重要であると考えます。
 そこで、台風第二十二号の影響で発生した青ヶ島村の通信障害の原因はどこにあったのか、また、その教訓をどのように生かしていくのか、それぞれ伺います。

○小原つながる東京整備担当部長スマートシテイ推進担当部長つながる東京推進担当部長兼務 先日の台風第二十二号の影響による通信障害は、青ヶ島陸上部の地中化されていない架空線区間において、強風による断線が原因であることが判明いたしました。
 今回の通信障害を教訓といたしまして、光ファイバーケーブル架空線区間の早期解消に向けた地中化等の検討はもとより、激甚化、頻発化する自然災害のリスクを改めて洗い出し、島しょ部の安定した通信環境確保に向け、さらなる取組を検討してまいります。

○星委員 現時点における、原因の分析状況を確認させていただきました。
 さらなる強靱化に向けては、今回の障害の発生原因だけでなく、今後、考えられるリスクについても改めて検討していくことが重要であると思います。
 島民にとって海底光ファイバーケーブルは、情報を入手したり、発信したりする上で生命線といっても過言ではありません。今回の台風被害についての分析を踏まえたさらなる強靱化に向けた対策を着実に講じていただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 市区町村支援について伺います。
 我が会派は、かねてから住民に身近な市区町村のDXの推進が重要であること、そして、GovTech東京の技術力を生かして都がDXを牽引することを求めてまいりました。
 今後、自治体職員の減少は避けられず、自治体の予算にも限りがある中で、デジタルを活用した業務の効率化は、どの自治体にとっても急務の課題であります。
 GovTech東京を擁する都は、専門人材の技術力を生かして様々な支援を展開してきたと思いますが、その取組状況について伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、GovTech東京と連携いたしまして、デジタルに関する市区町村の個別課題に対応するスポット相談や、複数の市区町村に共通する課題の解決に継続的に取り組むプロジェクト型伴走サポートなど、実際のニーズを踏まえた支援を実施しております。
 スポット相談は、九月末時点で、前年同期比で約一・五倍となる約百三十件のご相談があり、システム開発に当たりましての仕様書の精査や、自治体ニーズに応じた最適なツール等の紹介など、幅広くご利用いただいております。
 また、プロジェクト型伴走サポートでは、生成AIの業務活用など、既存のテーマに加えまして、ペーパーレス化に向けた支援など、新たなテーマを追加し、現在、昨年度を上回る延べ約百二十自治体が参加してございます。

○星委員 GovTech東京の事業開始から二年余りが経過し、それぞれ昨年度を上回る利用があるなど、市区町村支援の実績が着実に伸びていると理解をいたしました。
 こうした取組は、市区町村のDXの進展に大いに寄与していると思いますが、他方で、GovTech東京の支援を活用しつつも、市区町村が自らDXを進めるようにしていくことも欠かせません。
 今後の行政の担い手不足などの厳しい状況を見据えて、都では、市区町村のデジタル人材の確保や育成の支援にも取り組んでいると思いますが、これらの状況と今後の取組について伺います。

○中西区市町村DX協働担当部長 都は、市区町村のデジタル人材の育成を支援するため、GovTech東京と連携し、各種勉強会や研修会を実施しております。具体的には、DXの重要性を理解し、庁内の機運を高めるためのマインドセット研修やBIツールを活用した行政データの可視化に係る研修などを実施いたしまして、九月末現在で、市区町村から計五百七十五名の参加を得ております。
 また、公務分野での活躍を希望するデジタル人材をご紹介し、市区町村のDX推進体制の強化を支援いたしますGovTech東京パートナーズでは、これまで十八自治体においてCIO補佐官や実務人材など、延べ二十二名の任用につなげてございます。
 今後は、伴走サポートへの参加を通じて得た解決策やノウハウを他部署に横展開するためのデジタル人材を紹介するなど、市区町村がGovTech東京のサービスを複合的に利活用し、主体的かつ継続的にDXを進められるよう後押ししてまいります。

○星委員 GovTech東京による研修やパートナーズについても、都内市区町村で活用が広がっていくことを確認させていただきました。
 高い技術力を持つGovTech東京が関与した取組は、市区町村にとって安心感につながると思います。
 また、プロジェクト型伴走サポートやGovTech東京パートナーズなどサービスを複合的に活用したサービスを進めていくとのことでありました。ぜひ、好事例やユースケースを生み出していただきたいと思います。
 市区町村に寄り添った支援を行うことで、期待に応えるのはもちろんのこと、今後、市区町村が自らDXを着実に進めていくよう、都とGovTech東京が牽引をしていっていただきたいと思います。
 次に、東京都AI戦略について伺います。
 都は、本年七月、東京都AI戦略を策定し、AI技術を都政に取り入れ、徹底的に利活用を図っていくことを掲げています。今後、AIを活用することで都民にとって質の高い行政サービスが提供されるという点は非常に期待感を持っているところであります。
 一方、AIが事実と異なる情報を提示するなどリスクも懸念がされると考えます。AIを使うことで生じ得る様々なリスクにしっかりと対応しながら、人間がAIが示す内容をチェックした上で最終的なジャッジを下す。こうした考えに立ち、行政での利活用を推進していくことが求められます。
 そこで、都におけるAIの利活用とリスクへの対応の考え方について伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 AIの積極的な利活用に当たりましては、リスクへの適切な対応との両立、これが重要であるという認識の下で、AI戦略におきまして、AIを人の判断を補完するものであることや、AI利活用に当たってのリスクを理解し適切に対応することなどを基本方針として掲げたところでございます。
 その上で、利用主体が都民、事業者である都民サービス、職員が利用主体となる都民サービス関連業務、職員内部業務の各業務領域と、AIの技術的な機能を踏まえた分類、留意すべき事項を踏まえまして、AI利活用推進に当たっての考え方を示したところでございます。
 具体的には、生成AIが内部文書の下書き作成や校正をすることなどにつきましては、比較的リスクが低い領域として捉え、積極的にAIを利活用を図ることとしておりまして、例えば、申請者からの申請書の一次判断支援などは、リスクが一定程度ある領域といたしまして、留意事項に十分配慮を行った上で、積極的な利活用を図ることとしておるところでございます。

○星委員 様々な業務を想定した上で、対応方針を定め、利活用とリスクへの適切な対応の両立を図っていくこと、AIは人の判断を補完するものであるという考え方が確認をさせていただきました。
 次に、都庁におけるガバナンスに関して確認をさせてください。
 先ほど、AIの利活用に当たって、対応方針がAI戦略の中で示されているとの答弁がありましたが、実際にAIを利活用を進めていく各局が、こうした考え方をしっかりと理解した上で、今後の施策展開にAIを導入していくことが求められます。
 また、どういった業務にどのような技術を使うべきなのか、リスクへの対応は十分なのかといった手厚いサポートを、デジタルサービス局が各局に対して行うのはもちろんでありますが、例えば、外部の専門家などの活用も考えるなど、都庁全体のAIに関するマネジメント体制を構築していくことが重要であると考えます。
 AIの都政全体での積極的な利活用に向けて、どのような取組を展開していくのか伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都政におけるAIの利活用の推進に向けまして、政策企画局、財務局と連携した推進体制を構築いたしまして、各局が進めるAI利活用の取組を後押ししております。
 具体的には、本年七月の戦略策定後速やかに、AIに関する様々な相談にワンストップで対応する各局向けの相談窓口を設置するとともに、生成AIを活用し、文章作成支援などの業務用アプリを職員自ら開発、利用できる共通基盤、生成AIプラットフォームの提供を進めておるところでございます。
 こうした取組に加えまして、今後、有識者の意見や、今現在AI戦略本部で議論している国の動向なども踏まえながら、生成AIを含め、AIを適正かつ効果的に利活用できるよう、業務に応じたリスクへの対応や、利活用に当たってのポイント等を具体化した利活用ガイドラインを年度内をめどに策定してまいります。
 また、職員のAIに関するリテラシー向上策や、各局の専門的な相談に応じられる相談体制の検討などを含めまして、利活用に向けた様々な取組を推進することで、生産性の向上や質の高い行政サービスの提供につなげてまいります。

○星委員 東京都がどのようにAIと向き合っていくのか、考え方や今後の取組について確認をさせていただきました。
 AIに職員が使われてしまうのではなく、職員が適切にAIを使いこなし、そこで生み出される時間を、人が行うべき仕事に振り向けて、都民に対してよりきめ細かなサービス提供を行っていただきたいと思います。
 最後に、AIに限らず各局の様々なデジタルサービスの取組を進めるため、デジタルという面から強力に牽引をしていただきたいと思っています。デジタルサービス局が各局の事業に主体的に関与し、各局をリードしていくべきであると考えますが、最後、高野局長の意気込みを伺って、私の質問を終わらせていただきます。

○高野デジタルサービス局長 都民がデジタルの力で利便性を実感できる都市東京を目指し、当局が発足以来、DXに取り組む各局を積極的に技術支援するとともに、都が構築するデジタルサービスの質を高めるために、プロジェクト監理基準を整備し、各局が開発するデジタルサービスにつきましても、企画段階から関与しておるところでございます。
 また、全庁の行政手続のデジタル化につきましては、各局の事業の見直しをリードしまして、令和八年度末までに達成率一〇〇%を目指し、取組を強化しているところでございます。
 特に年間申請件数が一万件以上の手続につきましては、徹底的なBPRに取り組んでおるところでございます。
 さらに、行政が主体的に都民に情報を提供するプッシュ型、各局はもとより区市町村などの行政の垣根を越える、また、都民の一人一人に合った顧客最適化の視点、これらの視点を基に、サービスの変革の新たな形の一つといたしまして、これからの都民との接点となる東京アプリをリリースしたところでございます。
 このアプリは、都民がスマートフォン一つで行政とつながることを将来像として掲げておりまして、アプリ上で行政手続ができるよう着実に開発を進めており、各局をリードしまして、都民サービスをさらに一段向上させていく所存でございます。
 加えて、職員が生成AIを活用したアプリを自ら開発利用できる生成AIの共通基盤を当局が構築、展開することなどによりまして、全庁でのAIの徹底した利活用を推進し、都民への行政サービスと職員の生産性の向上を図ってまいります。
 東京全体のDXを加速させるため、当局が先頭に立ちまして、各局の取組を牽引し、都民が利便性向上を一層実感できるデジタルサービスを提供し、快適で豊かな生活が送ることができるよう、局一丸となって取り組んでまいります。

○藤井委員 私からは、東京アプリ事業とGovTech東京について、二つの質問項目についてお伺いしようと思っていたんですけど、GovTech東京の方は、もうかなり丸かぶりでございますので、こちらは割愛をしてというか、じゃあ、ちょっと要望だけ申し上げたいというふうに思います。
 これ、GovTech東京の方は、設立からちょうど三年というようなことでございまして、経過をしているところでございます。こちらですね、やはり先ほど来お話ありましたとおり、こういった外郭団体、監理団体としてつくったということで、都議会だったり、都民だったりから見たときに、なかなか見えづらい、こういう存在として映らないように、しっかりこれはですね、団体としての透明性、資金の流れも含めて、これはしっかりデジタルサービス局としては指導していくということになるのかなというふうに思いますけれども、この点、お願いを申し上げたいというふうに思います。
 それでは、東京アプリの方についてもお伺いをしてまいりたいと思います。
 これマスメディアでもかなり大々的に取り上げられたということでございまして、私も今、もう地元の方から、いつになったら七〇〇〇ポイント付与されるのかといったような声も少なくないわけであります。
 他方で、この東京アプリですが、やはり七〇〇〇ポイントを付与するということ、これ自体が別に目的ではないわけでありますし、これは単にアプリの登録者を増やすというためのものでもないというふうに思っています。これ、目的が曖昧なままに巨費である七百九十九億という都税を投じていくということに対しても、一定この疑問の声がないわけじゃないというふうに思うわけでございますけれども、改めてこの事業というか、今回のポイント付与に関して、どういう狙いがあるのかお伺いをしたいと思います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリは、デジタルの力で都民一人一人がスマホ一つで行政とつながることで、より便利になったという実感を都民に届けることを目指してございます。
 つながるキャンペーンは、都民にこのアプリを知っていただき、利用していただけるよう、アプリの普及促進と都民の生活応援に向けて実施するものでございます。

○藤井委員 アプリの普及促進というのと、都民の生活応援ということで、ともすれば、何かあんまり関連していないような、そういう二つの事業目的が述べられたというふうに思います。
 行政の、これはあくまでも、これは私の理解なんですけど、生活応援というのは、あくまでも副次的な話であって、これは行政のDX化をしっかり進めていくと。あるいは、都民にとっての実感というか、QOSなりQOLが引き上がって初めて、これは効果があったということなんだろうというふうに思っています。
 今後ですね、KPIと申しますか、この事業の成果をどうやって測っていくのかということについて、一定その物差しを局として持っていくという必要性があろうかと思いますけれども、このKPIの設定を含めて、どのように評価をされていかれるのか見解を求めたいと思います。

○澤村デジタル事業担当部長 本年四月に公表した東京都公式アプリの将来像では、例えば東京アプリを通じて様々な手続がオンラインで実施できるようになり、都民が窓口に行かずに、より迅速な手続が可能となって、都民の手取り時間が増えるといった、アプリで提供するサービスや、それにより利便性が向上した姿などを示してございます。将来像で掲げた取組の実現に目指し、取り組んでまいります。

○藤井委員 このアプリなんでございますけれども、今、ご答弁ありましたが、なかなかちょっとイメージがつかないなというふうな、私、率直な印象を持っています。
 もとより、東京都って広域の自治体でございますので、実際、住民の皆さんにサービスを提供しているのは区市町村ということでございます。東京都でも、地下鉄だとか住宅だとか、直接都民の皆さんにサービスを提供しているというものはあるわけでございますけど、大半は、そういった市区町村を通じたサービスなんだろうというふうに思っているわけであります。
 先ほど来、保育園のサービスの話ありましたけれど、私の地元練馬区では、LINEを使って保育園探しから入園決定まで全部完結をするというようなサービスでございます。多分ほかの自治体さんでもやられていると思いますけれども。
 具体的に、やっぱりですね、都庁のDXなり、あるいは都民にとっての実感というんですかね、QOSが上がっていくというようなことがあって初めて効果があったのかなというふうにご評価いただけるものだと思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいのは、やっぱり市区町村との連携であろうかというふうに思っていますが、このアプリは、東京都のサービスの中でとどまってしまうと非常に効果も限られたものになってしまうのかなということを懸念するわけでございますけれども、区市町村との連携について、どういうふうにイメージをされているのかお伺いをしたいと思います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京都公式アプリの将来像において、区市町村との連携を示しており、これまで東京アプリに関する意見交換等を行ってございます。引き続き、区市町村と連携した取組を推進してまいります。

○藤井委員 区市町村と連携というご答弁がありましたので、ぜひ精力的に取り組んでいただきたいなと思っています。
 これ最初の冒頭の主張にもちょっと戻っちゃうんですけれども、都民のやっぱりデジタル利用を促進していくということは、非常に重要なことだと思っています。他方で、登録しただけで七千円みたいな話になっていますと、どうしてもばらまきなんじゃないかという、そういうそしりを受けかねないものでもあるというふうに思っています。このアプリが都民にとって本当に有用なものであれば、ポイントなくても、ある意味勝手に広まっていくようなものだというふうにも思っています。
 こういった都民の人たちが普通に感じるような疑問だったり、批判というものに対して、東京都として、局として、これはしっかり、これは結果なり行動で示していただくという必要性があろうかと思いますけれども、改めて決意についてお伺いを申し上げたいと思います。

○澤村デジタル事業担当部長 東京アプリは、都民と行政がスマホ一つでつながることを目指しており、これまで、熱中症対策等に関する情報や子育てに関する行政サービスを提供してございました。引き続き、都民に役立つサービスや情報の充実に取り組むなど、アプリの利便性向上を図ってまいります。
 なお、つながるキャンペーンは、都民にこのアプリを知っていただき、利用していただけるよう、アプリの普及促進と都民の生活向上に向けて実施するものでございます。

○藤井委員 ぜひ、今後の取組に期待を申し上げたいというふうに思います。登録をしていただいて、多くの都民の人たちにとってみれば、もう登録して七〇〇〇ポイントもらって、その画面からアプリ削除したみたいな、そういった多くの都民の方が出ないように、ぜひ、今後の取組に期待をしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○福島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後六時一分休憩

   午後六時十五分開議

○福島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小林委員 よろしくお願いいたします。
 私、十六年前に都議会初当選をさせていただいて、初めて所属した委員会が総務委員会でした。その当時は、デジタルサービス局なんていう局ができるとは正直夢にも思っておりませんで、十六年たってこの総務委員会でデジタルに特化した議論をするということは、本当に隔世の感がありますけれども、今回、四回目の総務委員会の所属で、二度目のデジタルサービス局さんへの事務事業質疑になりますが、よろしくお願いいたします。
 初めに、デザイン思考について質問いたします。
 デジタルサービスは特定の世代の方を対象に提供するものもあれば、全都民を対象とするものなど様々でありますが、利用者にとって利便性の高いサービスを提供するためには、行政目線ではなく、利用者である都民の目線に立ってサービスをつくっていくことが何よりも大切であると考えます。
 そのためには、サービスを提供する職員も、利用者の視点に立って課題を見つけ、施策を考えていく、デザイン思考をしっかりと理解することも重要であると考えます。
 こうしたデザイン思考に立った都民サービスを提供していくためのデジタルサービス局の取組について、まずお伺いいたします。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 都では、デジタルサービスに携わる全ての職員が遵守すべき共通の価値観といたしまして、顧客視点でデザインしよう、都民と共創しようなどをデジタル十か条として定めまして、庁内への価値観の浸透、定着を進めているところでございます。
 また、サービスの企画からリリースまで利用者の視点等を取り入れるため、サービスデザインガイドラインを作成いたしまして、企画段階での利用者の要望の把握、設計段階で機能や操作性を確認するため試作モデルを作成、検証するプロトタイピングの実施、リリース前のユーザーの使い勝手の確認などの手法を分かりやすくまとめまして、その実践に向けた職員向けのワークショップなどを実施しているところでございます。
 今後、ウェブサイトの操作画面、レイアウトなどサービスと利用者をつなぐ接点であるユーザーインターフェース、UIに関する改善手法を新たに追加するなど、ガイドラインのバージョンアップを年度末までに実施してまいります。
 今後とも、デザイン思考に立った取組を進めていくことで、利便性の高いデジタルサービスの提供につなげてまいります。

○小林委員 デジタルサービスの推進に当たっては、便利になった、使いやすいなど、利用者がその恩恵を享受できることが最大の眼目であると思います。その意味で、今のご答弁にもありました企画段階での利用者の要望の把握、設計段階での試作モデルの検証、リリース前のユーザーの使い勝手の確認などは大変大事な取組であると思います。
 また、ガイドラインについても、今後、見直しを進めていくとのことですが、常に利用者の目線に立って、何が求められ、どう利便性を向上していくかなどに鋭敏なアンテナを張って、引き続きよりよいサービス提供に向けて取組を進めていただきたいと思います。
 また、都民の方々にとってよりよい行政サービスを生み出していくためには、都のDXを支えるデジタル人材の育成が重要であります。
 私は、令和四年の総務委員会での事務事業質疑で、都が必要と考えるデジタル人材像の考え方と役割についてお伺いしました。その際、都からは、都政のDX推進に必要なデジタル人材を、ICT職、高度専門人材、リスキリング人材の三つに区分し、人材像を定義しているとのご答弁がありました。
 現在も、デジタル化がますます進展しており、誰一人取り残さないサービスを提供できるようにするためには、高齢者などデジタルに不慣れな方への配慮が一層大事になってきていると考えます。私も地元で高齢者の方々とお会いをする中、スマートフォンを活用した都の取組をご紹介する機会があります。スマートフォンを使っている高齢者の方も増えてきているとはいえ、丁寧に説明をしていかねばご理解を得られないと痛感をしております。
 例えば、今、準備に取り組んでいる東京アプリを活用したポイント付与ですが、そもそも言葉から丁寧に話をしていかなければなりません。アプリ、ダウンロードといった言葉の意味、ポイントが付与されるとはどういうことで、どのようにして使うことができるかなど、若者世代にとっては当たり前のことでも、高齢者の方には一つ一つ細やかにお伝えをしないと、何のことかさっぱり分からないということにもなりかねません。
 誰もがデジタルで便利に使えるサービスを提供していくためには、どれだけ細やかな配慮をもって取り組んでいくかが重要であり、高齢者など、デジタルに不慣れな方への配慮も行き届いた事業を企画、実施できるよう職員を育成していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○繁宮調整担当部長 都は、都民の誰もが使いやすく、満足度の高いデジタルサービスの実現を目指しており、サービス開発の担い手となる職員育成について、意識づけから実践的な内容まで幅広く研修などを実施しております。
 具体的には、利用者視点に立ったデザイン思考に関するオンライン講座を、幹部、一般職員双方の研修に取り入れ、職員に広く意識づけを図るとともに、今年度は各局でDX企画、推進の中核を担うCIO補佐官に対し、都民目線での事業創出をワークショップ形式で学ぶ研修を新たに実施しております。
 加えて、都職員が遵守すべき基本的な事項として、顧客視点や、誰一人取り残されないなどの行動規範を定め、その概要や実践のポイントについて、全職員向けの悉皆研修を実施しております。
 こうした取組を通じ、デジタルに不慣れな方を含め、あらゆる都民の方に寄り添った事業づくりを進められる人材を育成してまいります。

○小林委員 職員の方々には、デジタルが得意な都民ばかりではないということを念頭に、誰一人取り残さないという意識を持って事業を企画、実施してもらえるよう、人材育成の取組も引き続き進めていただきたいと思います。
 次に、区市町村との協働によるDXの推進についてお伺いします。
 東京全体のDXを進めていく上では、人口や財政規模の異なる六十二の区市町村について、格差を生じさせることなく取組を推進していくことが重要であります。
 現在、システム面における自治体間の格差解消につながる取組として、税や福祉をはじめとする、区市町村の基幹業務の二十の業務を標準化する取組が全国で進められております。標準化により、システム基盤を統一することは、都内のデジタルサービスの底上げを図っていく上で重要な取組でありますが、区市町村によって、現行システムの構成や規模に差があることから、課題や進捗も大きく異なり、都からの支援も大事であると考えます。
 基幹業務の二十の業務の標準化において、課題や進捗の異なる区市町村に対する、都の今年度の支援の取組についてお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、区市町村の標準化に関しまして、個別ヒアリング等を通じて課題や進捗状況を精緻に把握した上で、GovTech東京のデジタル人材と連携しながら、区市町村の現場で技術的支援を行う伴走サポートを実施しております。
 また、今年度は、先行して標準化に取り組んだ自治体職員を講師に招きまして、成功のポイントや注意点を共有するワーキンググループを開催いたしましたほか、移行時に発生した障害等を取りまとめた対策事例集の提供など、移行を終えた自治体のノウハウを共有する取組にも力を入れてございます。
 こうした取組を通じ、現在までに、全六十二のうち二十七区市町村におきまして、計二百八十三システムの移行が完了してございます。
 引き続き、安全かつ円滑な標準化への移行実現に向け、各自治体の個別の状況を踏まえた丁寧な支援を行ってまいります。

○小林委員 標準化が一定程度進捗しているとのことですが、引き続き、円滑な標準化移行に向けた支援を行い、都内区市町村のシステム基盤の整備を進めていただきたいと思います。
 標準化により、都内のシステム基盤の整備が進む一方で、先ほども少し触れましたが、DXは自治体の人口や財政規模、地域の実情によっても取組に差が生じているのが現状だと思います。標準化は、自治体の主要な業務システムについて、国が定める統一した仕様に合わせることが主眼ですが、区市町村によっては、広く様々な業務でデジタルを活用し、創意工夫を凝らした業務改善や質の高い行政サービスの提供をしているところもあると仄聞しております。
 そうした取組に光を当て、都内全域に広げることで、都内自治体全体でDXが進むよう取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、毎年、行政の課題解決に資するDXに関する取組や、新たな提案を表彰し、都内区市町村の間で共有するTokyo区市町村DXawardを開催しておりまして、優れた事例につきましては、実際に携わった区市町村の担当者を講師とする研修会などを実施してございます。
 さらに今年度は、アワードで提案された事例やアイデアを他の自治体に広げていくため、GovTech東京が主体となりまして、提案内容に係るシステム開発等を実施する区市町村DX共同化促進事業に取り組んでおりまして、現在、生活保護業務におけるAIの活用などにつきまして、テスト版の作成等の企画、検証を行ってございます。
 こうした取組を通じ、区市町村に共通する課題の解決につながるデジタルサービスを生み出し、都内全域に横展開することで、東京全体でのDXの底上げを図ってまいります。

○小林委員 DXを進める上では、いかに自治体間で足並みをそろえて進めていけるかということが重要であると思います。自治体によっては、なかなか他の自治体の情報に接する機会がなく、デジタル化のスピード感や、導入するツールの選定などに戸惑う状況もあると思いますが、都は広域自治体として、先行する自治体の知見やノウハウを積極的に共有し、全ての自治体においてDXが進展するよう、しっかりと後押しをお願いしたいと思います。
 次に、サイバー攻撃への対策についてお伺いします。
 近年、民間事業者を狙ったランサムウエアによるサイバー攻撃により、製品の出荷停止や個人情報の流出などの重大な被害が発生しており、社会全体に深刻な影響を及ぼしております。つい先日も、通販大手の企業がサイバー攻撃を受け、システム障害により、都民生活に多大な影響を及ぼしております。
 都も、都民サービスや内部事務においてデジタルが浸透してきておりますが、万が一こうした攻撃により被害が発生した場合、水道や交通などの重要インフラの停止や、都民の情報が漏えいするなど、都民生活に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
 サイバー攻撃の脅威に備え、デジタル化の推進と両輪でセキュリティ対策の強化が極めて重要でありますが、都のサイバー攻撃への対策についてお伺いいたします。

○田畑情報セキュリティ担当部長 ランサムウエアなどによるサイバー攻撃に対処するためには、システムやネットワークなどの不具合などに起因する脆弱性を放置せず、常にシステム機器のソフトウエア等を最新の状態に維持することが重要です。
 これまで都では、サイバーセキュリティポリシーに基づき、当局から脆弱性情報を共有し、各局において、システム機器の情報を確認し、ソフトウエアのアップデートなどを行っております。
 高度化、巧妙化する脅威に対応するため、今年度中にGovTech東京と協働し、サイバーセキュリティセンターを立ち上げ、こうした取組をさらに徹底してまいります。
 具体的には、全庁のシステム機器の情報を一元管理するデータベースやシステムの脆弱性を自動で監視する新たな技術的対策を順次導入し、全庁横断的に対策を強化していくことなどにより、都民の安全・安心を確保してまいります。

○小林委員 サイバー攻撃の影響は日々重大化しており、セキュリティ対策の強化の重要性はこれまでになく高まっております。サイバー攻撃は、次から次へと新たな方法で仕掛けてきますので、サイバーセキュリティセンターにより、最新の技術を活用し、都の重要インフラや都民の重要な情報の守りが一層強固になっていけるよう、油断なく取組を進めていただきたいと思います。
 次に、都が実施している子供たちの創造性を育むデジタル創作体験についてお伺いします。
 先日、学校関係者の方より、デジタル化が及ぼす子供への影響に大変憂慮されている声を伺いました。デジタル化の重要性は分かるが、子供が利用するに当たっては、大人が様々な事態を想定して注意を払い、子供が安全に利用できる環境を整備してもらいたいとのご要望でありました。
 私は、令和五年の文教委員会での質疑で、学校における情報モラル教育について取り上げましたが、デジタル化を推進するデジタルサービス局においても、デジタル化の推進に当たって、子供の影響や安全利用といった視点を持って取り組んでいくことが重要であると考えます。
 デジタルサービス局では、子供向けのデジタル創作体験のプロジェクトを推進していますが、デジタルに関するリテラシー向上の視点も持って行って取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、デジタルを活用した創作体験を通じて子供たちの創造性を育むとうきょうこどもクリエイティブラボ、くりらぼを実施しています。くりらぼでは、デジタルに関心を持った子供たちが創作体験を通じて、デジタルツールの特性についても理解し、安全に正しく使いこなすための取組を行っております。
 具体的には、動画制作やアプリ開発のワークショップの際に個人情報を動画に掲載しないこと、生成AIを使用する場合は著作権や情報源等に注意することなど、リテラシー向上につながる内容を盛り込んでおります。
 今後、企業や大学等との連携の場であるくりらぼネットワークにおける情報交換や意見共有を踏まえ、デジタル社会で守るべきルールやトラブルの防止策等をワークショップのプログラムに反映し、子供たちのリテラシー向上を目指してまいります。

○小林委員 都庁において、デジタル化をリードしていくデジタルサービス局でありますので、子供たちのリテラシー向上の視点を忘れることなく取り組んでいただきたいと思います。
 次に、障害者の生活応援プロジェクトについてお伺いします。
 デジタル技術を活用し、障害者の外出を支援する障害者の生活応援プロジェクトが行われており、昨年度に続き、今まさに実証が行われていると聞いております。このような取組は、障害者の社会参加を促進する上で重要であり、利用者である障害者の意見を丁寧に聞き取り、さらなる展開につなげていくべきと考えます。
 現在、行われている実証の具体的な内容とともに、得られた意見を活用してサービス向上に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、スマホのアプリを活用し、障害のある方等の外出をサポートするサービスの実証を令和六年度から行っております。
 昨年度の実証では、こうしたサービスにより、外出時の困り事が解決できるという声を多くいただきましたが、店舗や施設のスタッフとの円滑な意思疎通のためには、障害の特性に応じたきめ細かな対応が必要であるとの意見もいただきました。
 このため、今年度は、障害特性や生活スタイルに応じた多様なニーズを反映し、サービスの質を高められるよう、対象とする障害特性について知的障害を加えるなど、四種別から十種別へと拡充し、一層幅広く利用者や障害者団体の意見等を収集することとしております。
 今年度の実証の前には障害者団体等にヒアリングを実施いたしまして、得られた意見等を店舗や施設のスタッフの事前研修に活用することで、障害特性に応じた困り事への理解やその対応方法の充実を図りました。
 今後は、実証で得られた意見を、サービスの提供者によるアプリの機能向上や、本事業に協力いただいた事業者の対応方法の改善につなげることで、より多くの方が利用しやすいサービスとなるよう取り組んでまいります。

○小林委員 私は、令和三年の一般質問、令和四年の予算特別委員会で、視覚障害者の駅構内における移動支援として、点字ブロック上のQRコードをスマートフォンで読み取り、目的地まで音声で案内するシステムの民間における実証実験について取り上げ、都としての取組を求めました。
 様々な障害がある方々の利便性、安全性を向上させ、障害者の方々が住みやすい環境整備においてデジタルの力を活用していくことは大事な取組であると思います。
 ご答弁の中で、サービスの質を高められるよう、対象とする障害特性について、四種別から十種別へと拡充したとありました。様々な障害特性を勘案しつつ、より多くの障害者の方、さらには配慮が必要な方に対し、デジタルの恩恵が行き渡るよう取り組んでいただきたいと思います。
 次に、TOKYOスマホサポーターについてお伺いいたします。
 私はこれまでも、スマホの利用を支援する人材を確保するTOKYOスマホサポーター制度に注目をしてまいりました。
 まず、このスマホサポーター制度の現在の取組についてお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 TOKYOスマホサポーター制度は、スマホを日常的に利用している方がデジタルに不慣れな方に寄り添い、困り事の解決に一緒に取り組むことで、身近な地域での支え合いにつなげる取組として、令和五年一月に開始いたしました。
 スマホサポーターになるには、専用のウェブサイトから会員登録を行い、スマホの基本操作や安全・安心な使い方などについての講座をオンラインで受講し、確認テストに合格する必要がございます。
 令和七年九月末時点で約五千名の方にサポーターとしてご登録いただいておりまして、都主催のスマホ教室や区市町村が行うスマホ相談会等のうち、お住まいの地域に身近な場所等で高齢者の相談等に応じていただいております。

○小林委員 サポーター数も約五千人となったということで、随分増えてきた印象があります。
 私は、スマホサポーター制度が始まる前年度の予算特別委員会で、制度の取組に当たっては、スマートフォンの活用に慣れている多くの若者にサポーターの役割を担っていただけるような取組が必要ではないかと質問をいたしました。
 そこで、スマホサポーターの年齢構成が現在どのようになっているのか、また、募集の実施状況についてお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 令和七年九月末時点でTOKYOスマホサポーターの年齢構成は、二十代以下が約一六%、続いて三十代が約一七%、四十代が約一九%、五十代が約二二%、六十代が約一七%、七十代以上が約一〇%となっております。
 サポーターの募集は通年実施しておりまして、登録者の中で比較的構成比率の低い若年層とサポーターとして活発に活動していただいている五十代以上をターゲットに、ユーチューブやSNSで事業の内容を紹介するウェブ広告を定期的に配信しております。
 また令和七年二月からは、スマホサポーターになるために必修の講座と東京アプリの基本操作に関する講座を併せて受講した方を対象に、東京ポイントを付与することで、サポーター登録の拡大を図ってございます。

○小林委員 今、ご答弁のありました年齢構成については、比較的各世代がバランスよくサポーターになっていただいているなという印象を受けました。また支援を受ける高齢者に年齢が近い六十代以上のサポーターが約二七%いるとのことで、この年代は、同年代ということで困り事に共感できやすいという点で、寄り添ったサポートが期待できるのではないかと思います。
 いずれの年代の方にもぜひ幅広く活躍していただくことが大切ですが、技術的な知見があっても、スマホの扱いに不慣れな高齢者などへの対応が適切にできることが大事ではないかと思います。
 スマホサポーターとして活動するに当たっては、デジタルデバイドの視点を持って対応すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 スマホサポーターにご登録いただいた方には、スマホに関する高齢者の身近な相談相手として活動することを期待されておりまして、スマホの利用についてのスキルを有することはもとより、相談を受ける上でコミュニケーションスキルが求められるところでございます。
 このため、会員登録時に、スマホの操作だけではなく、高齢の方への接し方に関する講座の受講を必須としておりまして、高齢の方がつまずきやすい内容を理解することにより、実際の対応に生かしていただいています。
 また、登録したばかりの方や活動経験の少ない方向けに、実践の場を想定したロールプレーイング研修を行うなど、高齢者の困り事の解消につながるよう、きめ細かい支援を行っております。

○小林委員 私には、現在八十七歳になる母がおります。七十歳を超えてからスマートフォンを持ってもらいましたが、最初は電話以外使うのは無理だろうなと思っておりましたが、とにかく丁寧に使い方を教えたところ、今はLINEやショートメール、Zoomなどを使って、老人会の方とやり取りをしているようです。
 高齢者と接する多くの方にぜひスマホサポーターになっていただき、身近で相談できる存在になっていただきたいと思います。
 TOKYOスマホサポーター制度は、スマホを持っている人に対する支援となる一方で、高齢者の中でも年齢が高くなるほど、そもそもスマホを持たない方の比率が高いと聞いております。
 都議会公明党は、本年の第一回定例会の代表質問で、東京都公式アプリを活用したつながるキャンペーンの実施に当たって、全ての都民がつながるキャンペーンに参加できるよう、都として手だてを講じていくべきと提案し、当時の山田デジタルサービス局長より、デジタルに不慣れな方を対象とした区市町村のスマホ相談会への支援の拡充などを図るとともに、新たにスマホをお持ちでない高齢者の購入費を助成するため、高齢者施策推進区市町村包括補助の先駆的事業による支援を検討していくとの答弁がありました。
 都は、スマホ購入に関する補助事業である高齢者向けスマートフォン活用支援事業を今年度から実施していますが、この事業の現状と今後の取組についてお伺いいたします。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、東京アプリに対応したスマホを初めて購入する高齢者を対象に、必要な機能を備えた機種の購入費を助成する区市町村に対し、高齢者一人当たり三万円、一自治体当たり一千万円を上限とする補助を実施しております。
 実施に当たり、都は通信事業者と協定を締結し、アプリの登録や補助金の申請などについて、購入店舗においてワンストップで高齢者をサポートする体制を整備いたしました。
 また、区市町村に対して説明会や意見交換などを通じて積極的な取組を呼びかけた結果、二十一自治体が助成を実施する意向を示しておりまして、このうち六自治体が既に事業を開始しております。
 今後も、区市町村の声を丁寧に聞き取りながら、必要な対応を検討するなど、高齢者のスマホ活用を支援する取組を後押ししてまいります。

○小林委員 二十一自治体が助成実施の意向、六自治体が既に事業を開始しているとのことですが、残念ながら、私の地元練馬区では、まだ実施しておらず、九月には、区議会議員の皆さんと区長に対して、この補助制度を活用した高齢者のデジタルデバイド対策の強化を要望させていただきました。
 この仕組みを必要な高齢者が利用し、デジタルの恩恵を受けられる方がさらに増えることが期待されますので、来年度以降のご検討もぜひお願いしたいと思います。
 高齢者、障害者をはじめ、デジタルの恩恵があらゆる方々に行き渡り、都民生活が豊かになった、便利になった、楽しくなったと実感してもらえるように施策を展開していくことがデジタルサービス局の使命であると思います。
 先ほど、十六年前からの隔世の感があると申し上げました。高野局長も、デジタルサービス局長になるとは多分夢にも思われていなかったかと思いますけれども、最後に、都民の生活に寄り添ったデジタルサービスの今後の展開について、局長の決意をお伺いいたします。

○高野デジタルサービス局長 都民がデジタルの力でその利便性を実感し、快適で豊かな生活が送れる社会を実現していくことこそが何よりも大切なことだと考えております。
 現在の人々の生活はスマホやアプリをはじめ、あらゆる面でデジタル技術が浸透し、生活になくてはならないものの一つとなっているといえます。
 当局は現在、都民がスマートフォン一つで行政サービスとつながれる東京アプリのサービス向上に向けた開発を進めております。都民からいただく様々なご意見を踏まえながら、その求めるサービスや内容を適宜組み込み、便利になったと感じてもらえるものとしていきたいと考えております。
 また、当局はこれまでも、子育て世代向けに保活ワンストップサービスなど、都民の求めるサービスを具体的に進めてきており、引き続き、都民の視点からの事業の構築に努めてまいります。
 これらの取組を進めていく上では、デジタル技術が進展する社会の中にあって、誰一人取り残されない社会の実現が必要でございます。デジタル技術に不慣れな方々にこそ、丁寧に寄り添い、豊かな生活を送れるようサポートしていくことが行政の役割でございます。
 これまでスマホ教室の開催や、スマホサポーター制度など、高齢者や障害者など支援を必要とする方々に寄り添った事業を行ってまいりました。これらをより一歩、これまで届かなかった場所、方々へ、その支援の強化が大事だと認識しておりまして、都民に寄り添いながら、着実に進めてまいります。
 これからも、都民の視点をより一層大切にしまして、誰一人取り残されず、また、デジタルサービスを通じて、都民一人一人が充実した社会生活を送れるよう、局一丸となって取り組んでまいります。

○小林委員 デジタルサービス局の取組によって、今、ご答弁のありました誰一人取り残されず、デジタルサービスを通じて都民一人一人が充実した社会生活を送れるようにしていくという使命を一層具現化していただきますよう求めまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○さいとう(和)委員 さいとう和樹でございます。お疲れさまでございます。さきの委員と重複する部分に関しては割愛させていただきます。ご了承ください。
 市区町村が行う住民票や戸籍など、証明書類については、オンライン申請やコンビニでの取得も一般的になっておりますが、司法書士などの士業の方が本人に代わって代理で申請を行う場合、自治体に郵送で手続を行うことが多くございます。その際、手数料の支払いに郵便局でしか購入できない定額小為替を用いることが、その必要があり、特に多くの申請を行う場合、非常に負担が大きいと聞いております。
 一部の区市町村では、郵送申請時の証明書発行手数料のキャッシュレス化を取り組むところも出てきており、都も区市町村を支援していると思いますが、その取組状況についてお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 都では、郵送申請時のキャッシュレス化につきまして、区市町村の最高情報責任者が出席いたしますCIO協議会などで、その有用性を周知いたしますとともに、先行自治体の担当者を講師に招聘し、ノウハウの共有や意見交換等を行う研修会を実施してございます。
 また、多くの区市町村が導入しているクラウドサービスを活用した仕組みを整備いたしまして、GovTech東京との連携の下、希望する自治体への技術的支援を行うなど、都内の区市町村での導入を促してございます。
 この結果、都の調査では、司法書士などの代理人による郵送申請時のキャッシュレス決済が可能な区市町村は、令和五年度は三自治体であったところ、先月末には十八自治体に増加してございます。

○さいとう(和)委員 都における様々な取組もあり、区市町村で導入が進んでいることを理解いたしました。
 他方で、このキャッシュレス決済を実現できていない、または実現まで時間がかかる自治体もあると聞いております。
 先行する自治体の協力も得て、導入に際してのQ&Aや、ちょっとした工夫、いわゆるティップスを整理するなど、二の足を踏んでいる自治体や検討が行き詰まっている自治体を後押しするような支援をすべきではないでしょうか。見解をお伺いいたします。

○中西区市町村DX協働担当部長 キャッシュレス決済を導入していない複数の自治体の意見を聞きましたところ、キャッシュレス決済と定額小為替による処理が併存することによる煩雑さや、郵送請求事務の委託業務の見直しが必要などの理由により導入に踏み切れないケースがございます。
 今年度は、これまでの取組を通じて得た先行自治体のノウハウを活用し、CIO協議会での周知に加え、新たに事業を所管する課長会で直接周知いたしますとともに、区市町村の実情を踏まえたFAQを作成するなど、きめ細やかな対応を行い、区市町村のキャッシュレス化を促進してまいります。

○さいとう(和)委員 ありがとうございます。区市町村にとってキャッシュレス化の導入や利用をちゅうちょする原因がどこにあるのか、的確に把握した上で、都がしっかり対応していくことが重要であると考えております。
 LoGoフォーム、いわゆる自治体専用の電子申請システムを自治体に導入すると、キャッシュレス決済ができると確認しております。ただ、この自治体専用の電子申請システムをそもそも導入していない自治体、また、電子申請システムを導入しているが、キャッシュレス決済を行っていない自治体がまだ多く存在していることも確認しております。現場の声として、正直面倒くさいから使っていない、よく分からないから導入するように前向きに考えていないという本音も私の耳には届いております。
 ある自治体はキャッシュレス決済が可能だが、隣の自治体ではできないという状況は、都民の立場からすると、決して望ましいものではないです。都が、GovTech東京という新しい団体を立ち上げた意義の一つは、都だけではなく、区市町村も含めたオール東京のデジタル化を進めることにあります。
 行政のプロセスを見直す過程において、ちょっとした困り事や障壁になることはよくあることです。だからこそ、そのような場合を想定し、先行自治体のノウハウを、キャッシュレス決済が未実施の自治体に提供することにより、担当者の負担感が和らぎ、キャッシュレス化の普及促進につながる一助になっていただきたいとお願い申し上げます。
 私の地元荒川区では、滝口区政の下、GovTech東京との連携を通じて、業務の効率化や住民の利便性向上に積極的に取り組んでおります。また区内では、デジタルコンシェルジュのような相談体制の強化など、現場発の前向きな取組も進められております。こうした優良事例をしっかりとヒアリングし、都としても、ほかの自治体へ横展開していく仕組みを整えていただければ幸いです。
 現場の声を生かしながら、都全体のデジタル化を一層推進していくこと、期待しております。私は常に現場目線で、無駄、無理、むらを徹底して排除を進め、誰もが実感できるデジタル都政改革を力強く後押ししていきたいと思っております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質疑とさせていただきます。

○早坂委員 デジタルの力は、私たちの生活を豊かにします。それは、障害者の生活においてもであります。
 東京都デジタルサービス局は、昨年令和六年から障害者の生活応援プロジェクトという実証実験を行っています。このプロジェクトは、二つのデジタルサービスの実証実験です。
 一つは、袖縁というサービスです。障害者やそうでない人が、自分の困り事をアプリを使って事前に登録されたお店に伝えることで、そのお店での困り事軽減に役立つというものであります。
 例えば、自分は手が不自由だと事前に伝えておくと、セルフサービスのお店でも、店員さんが準備して助けてくれる。また、右耳が聞こえない、聞こえにくいと伝えておくと、左側から話しかけてくれる。袖振り合うも多生の縁、そんなサービスであります。
 もう一つは、アイコサポートというスマートフォンを使った視覚障害者向けのサービスです。実証実験は、昨年は二週間、西新宿に対象エリアを絞って実施されました。そこで、今年の実証実験の具体的な内容について伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 障害者の生活応援プロジェクトでは、今年度、実施期間を約三か月に拡大し、昨年度実施した西新宿に加えまして、大手町、丸の内、有楽町を合わせた大・丸・有地区、竹芝、豊洲の四エリアにおきまして、障害のある方や配慮を必要とする方の外出をサポートするスマートサービスの実証に取り組んでおります。
 エリアの拡大に伴い約二百五十名のモニターにご協力をいただき、約百七十か所で実施をしておりまして、今年二月から行った実証と比較して、参加モニター数や協力店舗、施設数は一・五倍以上に増加しております。
 また、昨年度の実証結果を踏まえて、利用者と店舗や施設との対話が円滑にできるよう、通信安定性の向上を図るとともに、アクセシビリティーの観点からの操作性の向上等、アプリの機能改善を行っているところでございます。

○早坂委員 二つ目のサービスであるアイコサポートについて、私が都議会で取り上げるのは、今回で四回目になります。一回目は令和四年十一月九日厚生委員会、二回目は令和六年十一月二十七日総務委員会、三回目は令和七年三月十七日総務委員会、そして四回目が本日の総務委員会であります。
 以下、このアイコサポートがどういうものかということを改めてお話ししますが、何度も私がこれを取り上げるのは、私が東京都に対して、東京都に提案した本質的なことが一向に取り上げられないという強い不満からであります。
 お水を飲んで、少し気を休めて、始めさせていただければと思います。
 アイコサポートの内容をごく簡単にいえば、スマートフォンの画像情報と位置情報を読み上げてもらう、オペレーターに読み上げてもらうというサービスです。スマートフォンをですね、こう首からかけまして、ここにカメラがありますが、このカメラの内容をオペレーターに読み取ってもらう。同時にGPSも機能しているので、私がどこにいて、どういう動きをしているかということが、オペレーターが分かる。こういう仕組みであります。
 アプリを立ち上げて、このようにスマートフォンのカメラを外に向けて使います。どのような場面で使うかというと、バスに乗った際に空いている席がどこにあるか、道に迷った場合の現在地確認と目的地の方向、スーパーマーケットで行列に並ぶ、お店の中でのメニューを読み上げてもらう、自動販売機を探して、さらにその中から飲みたいものを探してもらう、自分が着ている洋服の色や柄の確認、落としたものを探す、まあ切りがありませんけれども、など、私たち目が見える晴眼者にとってはごく当たり前の行為を、オペレーターにその情報を読み上げてもらうというものであります。
 視覚障害者が外出する際には、一般的にはガイドヘルパーさんに同行をお願いするということが行われています。ですが、ガイドヘルパーさんには、あらかじめ時間と場所を決めて待ち合わせ場所に来てもらう必要があるということと、個人の居室には入らないという制約があります。またヘルパーさんの交通費や食事代も利用者負担となるところもありますし、一度お願いするのに、最低何時間以上という取決めがあるところもあります。
 今、ちょっとタクシーに乗りたいけれど、タクシーの乗り場が分からない。ガイドヘルパーさんは、そんな今すぐ知りたいけれども、すぐに解決する困り事の解決には不向きであります。そうしたことを考えると、一分単位で利用可能なスマートフォンを利用した遠隔ガイドサービス、アイコサポートがかなり便利だといえます。
 アイコサポートは、損保ジャパンのグループ会社であるプライムアシスタンスという会社が行っている事業です。プライムアシスタンスは、損保ジャパンのコールセンターですので、毎日たくさん事故現場から電話がかかってきます。GPSとスマートフォンの画像情報を使って事故対応をしますので、アイコサポートのサービス内容との親和性は極めて高いといえます。
 ただし、誰でもアイコサポートのオペレーターになれるわけではありません。例えば、目の前に階段があることを知らせる際に、その階段が上りなのか下りなのかは極めて重要な情報です。そうした情報を誤解のないよう瞬時に案内するためには、ガイドヘルパーさんが受ける同行援護事業者研修を、アイコサポートのオペレーターも受けています。
 サービスの使用料金は一か月で二時間五千円、追加料金は三十分で一千二百五十円、一分単位で使いますので、無駄がない仕組みになっています。朝の九時から夜の九時までがサービス時間で、現在全国で五百人が利用しています。
 さて、ここまでがアイコサポートの概要です。デジタルの力は障害者の生活を豊かにします。東京都が昨年、今年と行っている実証実験は、先ほどのご答弁にありましたように、操作性の向上やアプリの機能改善です。それはありがたいことで、感謝をいたしますが、率直にいって、それは両事業者が自己努力でもできることであります。東京都の協力はもちろん歓迎すべきことでありますが、繰り返しになりますが、それは自己努力でもできることです。
 しかし、私がこれまで東京都にお願いしてきたのは、東京都でしかできないような、東京都が行うべきこと、東京都でしか行えないようなことを、本質的な支援を行っていただきたいということであります。それは事業継続性とサービス利用者の費用負担支援であります。
 これまでは目の視覚障害のお話でありましたが、ここからは、耳の不自由な聴覚障害者支援のための電話リレーサービスのお話をいたします。
 聴覚や発話に困難がある方は電話でお話しすることができません。したがって、耳が聞こえて話すことができる人なら簡単に電話で済ますことができる病院やレストランの予約に関して電話を使うことができません。
 そこで、通訳者を介して電話をするというサービスが、この電話リレーサービスです。聴覚障害者は、スマートフォンやパソコンのアプリである電話リレーサービスを使い、通訳者であるオペレーターに対して、チャットか手話で用件を伝えます。そして、通訳オペレーターがそれを音声言語に通訳して、相手先に電話で内容を伝えます。
 例えばこんな感じです。こちらは電話リレーサービスです。耳の聞こえない方からのお電話を通訳しております。双方のお話を全て通訳いたしますという案内がまず最初にあって、案内の後、通訳オペレーターを通じて、聴覚障害者と相手先が通話を開始します。私はフクシマと申します。私の患者番号は千八百五十四番です。整形外科の予約の明日の予約を変更してくださいといったように、聴覚障害者のフクシマさんが、通訳を通じて、会話の主体として、相手先と話をいたします。
 二十四時間三百六十五日いつでも利用できるサービスで、一日当たり全国で一千件の利用があります。この利用料金は幾らかというと、無料であります。利用者は電話の通話料だけを負担します。では、その通訳料は誰が負担しているかというと、実は私たちです。
 どういうことかというと、固定電話や携帯電話に加入している全ての人、つまり私たちが二か月に一円、年間六円を払うことで成り立っているのであります。毎月の電話料金の明細を見ると、電話リレーサービス料という項目があり、二か月に一円が請求されていることが分かります。どうぞ皆さん、今度ご覧になってください。その二か月に一円の負担が積もりに積もってサービスを支えているのです。
 それがどのぐらいのボリュームかというと、固定電話と携帯電話の我が国での契約総数は、一人当たり二台、約二台、現時点で二億五千万件だとされていますので、年間十九億円の予算で回すという巨大な仕組みが構築されているのです。
 この電話リレーサービスは、最初からこういった仕組みで運営されていたわけではありません。サービスの提供当初は、公益財団法人日本財団がサービスに係る費用を全額負担することで成り立っていました。ただ、日本財団のあらゆる助成の仕組みは、未来永劫助成を続けるというものではありません。特定のサービスが軌道に乗るまでの数年に限ってお手伝いするというものであります。
 電話リレーサービスに関しては、制度の維持発展のための費用負担をどのようにしていくかが最大の課題でした。しかし、ある事件をきっかけに事態は進展をいたします。二〇一七年、平成二十九年、三河湾沖で、聴覚障害者のグループが乗るボートが転倒し、電話リレーサービスを使って救助されるという事件が起きたのです。このことが、電話という公共通信網は、障害のない人のみならず、聴覚障害者を含むあらゆる人に提供されなくてはならないという議論になりました。
 そこで、電話リレーサービスの提供が各電話会社の義務としてまず定められ、そして、その費用、すなわちオペレーター通訳代を電話提供事業者が各契約者に転嫁してもよいということになりました。その結果、電話リレーサービスは今日、日本財団の支援を受けずに運営がなされているのであります。
 東京都が今、進めている袖縁とアイコサポートの実証実験の内容は、繰り返しになりますが、操作性の向上やアプリの機能改善です。しかし、東京都が支援するべきことは、そこではありません。
 そこで、事業継続性の確保に向けた支援の方向性について、東京都の見解を伺います。

○小林デジタルサービス推進部長スマートシテイ推進担当部長兼務 都は、都民生活の質の向上に貢献するため、スマートサービスの実装を行うBe Smart Tokyoという事業に取り組んでおりまして、今年度からインクルーシブをテーマとした社会課題解決に向けたスマートサービス実装事業を開始いたしました。
 本事業では、都内全域をフィールドに、都と連携して、スタートアップによるサービス実装を促進する事業者が、三年間で四十件以上のスマートサービスの導入を目指していきます。今般、実装促進事業者を二社採択したところであり、同事業者に対し、都のこれまでのスタートアップとの連携の取組や、実証結果で得た知見を共有してまいります。
 さらに、実装促進事業者や実証事業に協力いただいた障害者団体、事業者に加え、福祉等関連部署と継続的に連携する仕組みを整え、持続的なサービス提供に向けた取組を推進してまいります。

○早坂委員 スタートアップ支援であるBe Smart Tokyoは、審査に選ばれたデジタル事業に東京都が支援団体を通じてお金を出すというものであります。今回の袖縁とアイコサポートが審査に選ばれることを期待いたします。審査結果の内容次第ですが、そこで得られるお金は、ごく短期間かつ少ないもののように私の伺ったところでは感じをいたしました。つまりスタートアップ当初に限った支援であり、事業継続性への支援ではないということであります。実証実験のおかげでサービスがさらに優れたものになったとしても、そのサービスは資金繰りがうまくいかず廃止となりましたということでは、あまりにも寂しいと思います。
 アイコサポートの事業者に伺ったところ、赤字でやっていると。大きな会社なので、損保ジャパンのグループ会社なので、やめることはないんだろうと思いますが、今の事業規模の十倍以上にならないと、いわゆる黒字にはならないという話を本日も伺ったところであります。
 さて、話は変わります。私たち健常者は歩いて二階に上ることができますが、車椅子の人はエレベーターがないと二階に上ることができません。障害があるからです。しかし、エレベーターがあれば二階に上ることができます。ここで注目していただきたいのは、車椅子の人に何の変化もなく、それを取り囲む社会の側、すなわちエレベーターがあるかないかという変化が、障害の存在を決めているということであります。車椅子だから二階に上れない。当然のことのように思うかもしれませんが、その障害の理由を個人に求めるのが障害の個人モデル。他方で、エレベーターがないから二階に上れない。すなわち、その理由を社会に求めるのが障害の社会モデルです。
 今日、我が国政府は、社会モデルを採用しています。そうした社会モデルの考え方からすると、視覚障害がある人が障害だと感じる理由は社会の側にあるということであります。アイコサポートを使えば視覚障害者の生活は豊かになります。アイコサポートの利用料金は一か月に二時間で五千円です。都庁や都議会に働く私たちからすれば、さほど高額でないという印象を持ちますが、私が日頃の地元活動でお会いする視覚障害者の皆さんに、このアイコサポートの話をすると、一様に高いという返事が返ってきます。視覚障害がある人たちの所得は大変低いという現実があるのだろうと思います。
 デジタルの力で障害者の生活は豊かになります。ならば、東京都が行うべき支援は、東京都でしか行えない支援は、操作性の向上やアプリの機能改善ではありません。事業継続性とサービス利用者への費用負担への支援であります。私はそう考えます。
 ほかの自治体では、既にアイコサポートの支援が行われています。一つは面に注目したもの。鳥取県では、県内のどこにいても利用者はアイコサポートが自己負担なしで使えます。もう一つは人に注目したもの。神奈川県厚木市の住民は、全国どこへ行ってもアイコサポートが自己負担なしで使えます。
 東京都デジタルサービス局は、昨年、今年と二年続けて障害者の生活応援プロジェクトで、この二つの事業の応援をしていただいています。そのことに心から感謝申し上げます。感謝していないように思われるかもしれませんが、心から感謝を申し上げます。ならば、操作性の向上やアプリの機能改善にとどまることなく、事業継続性とサービス利用者の費用負担支援に大きく踏み出していただきたいと思います。
 まだ時間がありますので、話が脱線します。私は持病を抱えています。それは重度の骨粗鬆症でございます。フォルテオという人生で二年間しか使えない強い注射を、毎日、私は一年間だけでしたが、自分でおなかに打ったことで、今、私の骨密度は、同年代の人ではなく、若い人よりも多くなりました。骨密度が増えることにも減ることにも自覚症状が全くありませんので、病院の検査結果を聞いて、ああ、そうですかという感じでありました。
 自分が重度の骨粗鬆症であると分かったのは、地元の健康イベントでの簡易骨密度測定です。健康イベントは杉並区内各地でしょっちゅう行われていますので、簡易骨密度測定は何度も受けてきました。そのたびに、当然ながら、著しく低い数値が出ていました。その結果を見た医師や薬剤師の先生からは、随分低いですね、カルシウムをしっかり取ってくださいといわれていたのだと思います。
 それがあるとき、検査結果で著しく私の数値が低いことを見た整形外科の先生から、ごめんなさい、検査がうまくいかなかったのでもう一度調べさせてといわれて、そのときは三回検査をしました。骨粗鬆症は閉経後の高齢女性が多くかかることで知られているので、当時四十代だった男性の私の数値が著しく低かったことに強い違和感を覚えたのでありましょう。ですが、三回とも著しく低い値でありました。その整形外科の先生から、絶対に病院に検査に行ってと強くいわれ、そこで初めて病院で精密検査をすることになり、私が重度の骨粗鬆症であることが分かったのであります。私は今、その注射のおかげで、骨粗鬆症は今は克服していますが、永遠に薬は飲み続けなければならないということであります。
 その整形外科の先生に強くいわれる以前にも、多くの医師、薬剤師の先生から注意が促されてきました。しかし、その整形外科の先生は、それこそ血相を変えて私に精密検査を促しました。ご自身の検査に熱があったのであります。
 今回の袖縁、そしてアイコサポートの実証実験を二年も続けて応援していただいていることは、東京都デジタルサービス局のご担当者が、この二つの事業に愛情を持っていただいているからだと思います。ですが、その愛情は、これまで私の著しく低い数値を見て、カルシウムをしっかり取ってとおっしゃった医師、薬剤師の先生と同じレベルに思います。それが普通なのでしょうが、私を精密検診に行かせたのは、目の前の患者に対する熱い熱を持った整形外科の先生でした。袖縁、そしてアイコサポートを愛してくださるなら、それが生活者の生活を豊かにすると、心の底から考えていただいているのであれば、どうか東京都が行うべき支援、東京都でしか行えない支援を進めてほしいと思います。
 都内には視覚障害者が四万人います。その四万人の皆さんのために、デジタルサービス局の奮起を期待いたします。るる述べてまいりましたが、局長、よろしくお願いいたします。
 次に、データセンターに関する東京都の役割について伺います。
 私たちの生活の相当部分が、インターネット、ビッグデータ、クラウド、IT、AIなどの技術に依存しています。そうした技術を、見えないところで下支えしているのが電力であり、本日取り上げるデータセンターであります。
 社会や産業のデジタル化が進む中、データの収集、処理、保存を行う施設としてのデータセンターの重要性は増える一方です。東京都としては、データセンターの省エネは産業労働局、データセンターを中心にしたまちづくりは都市整備局、データセンターの環境対策は環境局、それら各局事業の横串を刺すのがデジタルサービス局だと理解しています。
 そこで、データセンターに関する様々な課題について述べた後に、データセンターに関する東京都の考え方について伺います。
 まず、データセンターは四つの種類に区分されます。最も電力使用量が大きいのが、AI型データセンターです。AI処理に特化した高性能な基盤を備えたもので、これは国が北海道や九州に整備をするものです。ChatGPTやGeminiといった生成AI事業者が利用しているものであります。
 二つ目に電力使用量が大きいのが、ハイパースケール型データセンターです。東京や大阪から五十キロ圏内に集中しているのが特徴で、東京では三鷹市や多摩市、千葉県では印西市に立地しています。グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどのクラウド事業者が利用しているものです。
 電力使用量が中ぐらいなのが、リテール型データセンターです。レスポンスの速さ、リアルタイムでの処理が必要な金融事業者などが使用しています。
 最後に、最も電気使用量が少ないのが、エッジ型データセンターです。自動運転のように、リアルタイム、瞬時の回答が求められるようなもので、離れた場所ではなく、都市の中、例えばビルの中にも設置できるのが特徴です。
 データセンターのデメリットを挙げれば、膨大な電気や冷却水を必要とする、つまり電力消費や環境負荷が莫大であること。あるいは、それ単体では雇用を生み出さないということなどがあります。それゆえに、もしかしたら、データセンターは、社会にとって必要なものだけれど、迷惑な施設だと思われる方がいるかもしれません。
 しかしながら、今ご説明した四類型のように、データセンターといっても、その規模はまちまちであります。北欧では、グリーンデータセンターといって、環境負荷に配慮したデータセンターが進んでいます。例えば、サーバーが発する熱を地域冷暖房に利用する事例、あるいは、使用する電力を再エネに限る事例、また、冷却水をどこからか持ってくるのではなく、データセンターをそもそも海の上に設置するというものや、それをさらに進めて、海の中にデータセンターを設置するという構想もあるようです。要は頭の使いようです。
 今日、世界中がオンラインでつながっていますので、データセンターは何も自国に設置されたものを使う必要はありません。防災上、つまり地震や津波や火山噴火の安全性、地政学上、つまり暴動や戦争の安全性、安定した電力供給、そして気温、つまり赤道に高い暑いところにデータセンターは不向き。費用、人件費、建築費など、様々な要素を加味して、どの国のどのデータセンターを使うかが選ばれます。自治体にとって、固定資産税が入ってくるというメリットがあります。
 今後、事業が爆発的に増えるともいわれるデータセンターに対する東京都の考え方について伺います。

○辻デジタル戦略部長DX推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 インターネットやSNSの利用など、日常生活の様々なデジタルを介したサービスは、データセンターを活用し提供されるとともに、最近は生成AIなど、AIの利用は急速な拡大をしておりまして、データの処理量、こちらは今後大幅な増加が見込まれるところでございます。大量のデータを保存、処理するデータセンターは、便利で快適なスマート東京の実現や、都市の国際競争力の向上、これに不可欠なものと考えてございます。
 こうした認識の下、本年七月に策定いたしました東京都AI戦略におきまして、持続的に成長を続ける都市東京の実現に向けまして、民間における利活用促進の取組の一つとして、データセンターなど、データ利活用環境の整備を盛り込んだところでございます。
 今後、AI利活用などの推進にとって不可欠な基盤となるデータセンターにつきまして、委員おっしゃったようなまちづくり、またエネルギー施策の効率化、環境負荷等の観点を含めたバランスの取れた取組を関係局と連携して検討していくこととしてございます。

○西崎委員 よろしくお願いいたします。今日はですね、委員長は仕切りということですけれども、全ての委員がこれまでここで発言をされているということで、それだけデジ局の皆さんの取組に関心が高い、また東京都にとってそれが大事であるということの証左であると思いますが、私のお聞きをしたいことは全て聞かれてしまいましたので、ここでは意見要望だけ申し上げたいと思います。
 東京アプリについてでございます。これ相当かなりいろいろな視点からの議論がありましたので、詳細には申し上げませんが、いわゆる様々な情報の受発信、手続をDXで一元化して、さらに都民の利便性を高めていく、距離を近づけていくということに関する、この意義というのは非常にあるものだと思っております。
 一方で、現状、東京都に対して、都民の皆様が直接様々な手続を行う場面というのはそれほど多くないというふうに感じています。そう考えると、むしろ事業者の皆さんが、東京都と様々な届出であったりをやるという場面は、むしろそちらの方が多いんじゃないかなという印象を受けています。当然、今それは、皆さんは別のところでの取組も含めて、様々なプラットフォームが組まれて、別の角度からDXが進められているということを承知しておりますけれども、もしこういったこの東京アプリで一元化をするんであれば、今後、そうした事業者の皆さんへの対応ということも、ひとつ視野に入れていただきたいということを、まずは一つ要望として申し上げたいと思います。
 そして、もう一つですけれども、これももう何度も何度も今日出てきましたけれども、この東京アプリの今後の成否というのは、やはり区市町村との連携にかかってくるんだろうなと思っています。申し上げましたように、様々な手続は、やはり基礎自治体が窓口になって担っているという話も、これはもう今日ありましたけれども、そういう意味においては、この東京アプリがいかに区市町村と連携して、中身がどんどんどんどん詰まっていくかというところが非常に重要になると思っています。
 例えば、私、地元が目黒区ですけれども、事務所から歩いて五秒で品川区に入ります。区境なんですね。そうすると、近くの会議室を使おうと思ったときに、目黒区のシステムで会議室が空いていなければ、じゃあ、今度は品川区の施設に入るみたいなことを、実はやっているわけですね。これがもし一元化されるんであれば、めちゃめちゃ便利だなというふうに思います。
 そういうことも、この東京アプリについての資料を見ると、多分将来的な視野には入っているんじゃないかなと、この資料を拝見して、見ているところでございます。非常に便利になると思いますが、とにかく生半可な話じゃないと思っています。
 今日も、我が会派の委員からも申し上げたように、各自治体で独自にDXの推進の取組というものは進めています。武蔵野市でもそうですし、練馬区でもそうでありますが、私の目黒区でも、公式LINEを通じて様々な情報発信であったり、そしてまた、古くはコロナワクチンの予約であったり、今も様々なイベントの参加、手続等々、このLINEを通じてやっておりまして、目黒区人口二十八万人に対して、登録者数が今十九万人を超えているということで、二人に一人以上は、数字上はですね、登録をしているということで、そこに割って入っていくという、相当、大変な話だと思いますが、意義はあると思います。
 ただ、これって多分、十年とかじゃできないと思います。皆さんがどれだけ頑張って、それは相手もあることなので、相当長いスパンの話になるんだろうなと思っていますけれども、ぜひそこはですね、頑張っていただきたいなと思っています。
 いわゆる行政ないしは自治体ごとの縦割りみたいなところで、実際に、区民というか都民、市民もそうですけれども、そうした利便性が、本来であればもっと向上するというところに、この東京アプリは割って入っていくという可能性があると思っておりますので、ぜひですね、これ恐らくつながるキャンペーンで登録者数ももう少し増えると思いますし、今後様々な取組が皆様進めていかれるということは、今日いろいろ確認はされておりますけれども、これもう二十年、三十年とか、そのぐらいのスパンで取り組んで、本当に、これがもうあれば何でもできるんだぐらいのところを、ぜひ目指してやっていっていただきたいということを申し上げまして、私の発言とさせていただきます。すみません、ありがとうございます。

○福島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○福島委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上でデジタルサービス局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時二十分散会