委員長 | 渋谷のぶゆき君 |
副委員長 | たかく則男君 |
副委員長 | 田の上いくこ君 |
理事 | 平田みつよし君 |
理事 | 鈴木 烈君 |
理事 | 入江のぶこ君 |
増山あすか君 | |
滝田やすひこ君 | |
斉藤 りえ君 | |
古城まさお君 | |
池川 友一君 | |
米倉 春奈君 | |
早坂 義弘君 | |
藤井あきら君 | |
菅原 直志君 |
欠席委員 なし
出席説明員総務局 | 局長 | 佐藤 智秀君 |
次長理事兼務 | 石橋 浩一君 | |
理事 | 豊田 義博君 | |
総務部長 | 保家 力君 | |
企画担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 | 田村 弘明君 | |
都立大学調整担当部長 | 天野 哲史君 | |
都政情報担当部長 | 篠 祐次君 | |
復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 | 八嶋 吉人君 | |
人事部長 | 金久保豊和君 | |
労務担当部長 | 堀内 弘君 | |
行政部長 | 田中 角文君 | |
多摩島しょ振興担当部長 事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 | 松野 利美君 | |
総合防災部長 | 高田 照之君 | |
防災計画担当部長 | 田代 則史君 | |
国民保護担当部長 | 永田 真一君 | |
避難所・物資担当部長 | 後藤 和宏君 | |
人権部長 | 若林 和彦君 |
本日の会議に付した事件
総務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 総務局所管分
・第二号議案 令和七年度東京都特別区財政調整会計予算
・第四号議案 令和七年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
・第百五十九号議案 令和七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 総務局所管分
・第百六十号議案 令和七年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
付託議案の審査(質疑)
・第二十九号議案 審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第三十号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第三十一号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
・第三十二号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十三号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十四号議案 東京都人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第三十五号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
・第三十六号議案 東京都知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部を改正する条例
・第三十七号議案 東京都知事等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・第三十八号議案 東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第三十九号議案 東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・第四十号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第四十一号議案 非常勤職員の報酬等に関する条例及び非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第四十二号議案 東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第四十三号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第四十四号議案 職員の懲戒に関する条例及び職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第四十五号議案 職員の分限に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第四十六号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第四十七号議案 職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第四十九号議案 東京都職員定数条例の一部を改正する条例
・第五十号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第五十一号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第五十二号議案 住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
・第五十三号議案 都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
・第百三十九号議案 包括外部監査契約の締結について
・第百六十一号議案 東京都防災会議条例の一部を改正する条例
・第百六十二号議案 東京都国民保護協議会条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和六年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について
報告事項(質疑)
・令和七年度都区財政調整の概要について
・都庁における障害者活躍推進計画(第二期)について
・多摩振興アクションプラン(仮称)素案について
・東京防災アクションプラン改定素案について
・東京トイレ防災マスタープラン素案について
・東京都地域防災計画火山編(令和七年修正)素案について
・東京都避難所運営指針素案について
・東京都新型インフルエンザ等対策行動計画改定素案について
・東京都国民保護計画変更素案について
○渋谷委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより総務局関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、総務局所管分、第二号議案、第四号議案、第百五十九号議案、令和七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、総務局所管分、第百六十号議案、第二十九号議案から第四十七号議案まで、第四十九号議案から第五十三号議案まで、第五十五号議案、第百三十九号議案、第百六十一号議案、第百六十二号議案及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和六年度東京都一般会計補正予算(第三号)の報告及び承認について、並びに報告事項、令和七年度都区財政調整の概要について外八件を一括して議題といたします。
予算案、付託議案及び報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○保家総務部長 二月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
総務委員会要求資料の目次をご覧ください。資料は十一点ございます。
一ページをご覧ください。パートナーシップ宣誓制度の届出及び受理証明書交付件数でございます。
届出件数及び受理証明書交付件数のほか、交付件数のうち子供に関する記載、在勤及び在学の件数を記載してございます。
二ページをご覧ください。パートナーシップ制度を導入している都内自治体及び道府県の一覧でございます。
都内二十三自治体と二十九府県の状況について記載してございます。
四ページをご覧ください。防災対策予算の主な事業別執行状況の推移でございます。
令和元年度から令和五年度までの防災対策予算の執行状況を主な事業別に記載してございます。
五ページをご覧ください。都及び政策連携団体における非常勤職員等数の状況でございます。
非常勤職員等の人数について、局別、団体別に令和六年八月一日現在の状況を記載してございます。
六ページをご覧ください。感震ブレーカー設置率及び区市町村における設置支援制度の状況でございます。
揺れを感知して電気を止める器具である感震ブレーカーの都内の設置率や、令和六年八月一日現在、設置支援制度がある区市町村数を記載してございます。
七ページをご覧ください。区市町村における戸別受信機等の普及制度の状況でございます。
防災行政無線を受信して、放送内容を建物の中で聞けるようにした戸別受信機などの装置について、令和七年一月三十一日現在、普及制度がある区市町村数を記載してございます。
八ページをご覧ください。令和六年度国際競争力強化プロジェクトの実施状況でございます。
令和七年一月末時点における局別の実施状況を記載してございます。
九ページをご覧ください。東京都公立大学法人に対する運営費交付金及び施設費補助金、当初予算額の推移でございます。
運営費交付金及び施設費補助金の予算額について過去五年間の推移を、運営費交付金につきましては標準運営費交付金と特定運営費交付金とに分けて記載してございます。
一〇ページをご覧ください。東京都公立大学法人の授業料・入学料減免の実績でございます。
東京都公立大学法人が設置する学校別の授業料及び入学料の減免者数につきまして、令和二年度から令和六年度までの五年分の実績を記載してございます。
一三ページをご覧ください。東京都公立大学法人の退学者数・休学者数でございます。
東京都公立大学法人が設置する学校別の退学者数及び休学者数につきまして、令和二年度から令和六年度までの五年分の実績を記載してございます。
一四ページをご覧ください。オフィスサポーターの取組状況でございます。
オフィスサポーターの令和二年度から令和六年度までの五年間の任用状況をはじめ、勤務条件等や合理的配慮の主な事例を記載してございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○渋谷委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○増山委員 よろしくお願いいたします。
都はこれまで、その時々の社会経済状況等を踏まえ、節目節目で多摩振興計画を策定し、様々な施策や事業を進め、多摩地域の振興を推進してまいりましたが、地域ごとに課題も異なり、新たな課題への対応も含めて、各自治体は様々な行政需要を抱えております。
そこで、先般策定されました多摩振興アクションプラン素案につきまして、何点かお伺いさせていただきます。
最初に、プラン策定に当たっての都の多摩振興への基本的な考え方についてお伺いいたします。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 多摩地域は人口動向、土地利用、産業構造など、地域によって様々な課題を抱えております。同時に、豊かな自然や良質な住環境など、多様な地域資源を有してございます。多摩地域の持続的な発展のためには、こうした地域のポテンシャルを最大限に生かし、地域それぞれの魅力の向上や課題の解決を図る必要がございます。
こうした考えの下、本プランの素案を策定し、多摩地域の特性を踏まえ、ハード、ソフトの取組や分野を横断した取組を積極的に進めてまいります。
○増山委員 これまでと同様の一貫した考えに基づいて、今回のプランの策定を進められたことが分かりました。
地域密着の都議会自民党は、長きにわたり地元のニーズをしっかりと把握し、多摩地域の発展につながる政策を提案してまいりました。
そこで、前回の計画に基づく主な取組や成果についてお伺いいたします。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、前回のプランに基づき、人口減少、少子高齢化への対応、道路交通インフラの整備、防災対策、産業振興など、各地域の特性や課題に対応した取組を着実に実施してまいりました。
具体的には、多摩南北、東西道路や多摩都市モノレールの延伸などの道路交通インフラの充実、創業支援拠点の設置による産業振興などを図るなど、振興策を進めてまいりました。
○増山委員 私の地元の府中市周辺でも、南北道路や東西道路が日々進捗しているのを目の当たりにしております。多岐にわたる分野で着実に事業を進め、具体的な成果も出ていることを評価いたします。
一方で、多摩地域には地域ごとに課題が残されております。大きな課題として、多摩地域において人口減少は避けられない状況でありますし、自治体の枠を超えた取組も重要だと考えております。
都においても、各局が所管事業を進める中で対応を図っていると思いますが、このプランでは多摩地域の人口減少に対応するため、どのような方向性を掲げ、総務局としてどのような取組を進めるのかお伺いいたします。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 多摩地域の人口は今後減少に転じていくことが見込まれてございます。一方、西多摩地域では既に人口減少が始まっている状況でございます。
こうした状況から、移住者を増やし定住につなげていくことや、子育て環境の充実などの必要性を踏まえ、中長期も見据えて施策を推進してまいります。
総務局では、空き家を活用した移住、定住を推進するとともに、人口減少などの課題に対する市町村の広域的な連携を支援する取組などを着実に進めてまいります。
○増山委員 広域連携につきましては、事務事業質疑でも取り上げさせていただきましたが、これからも多摩の自治体が持続的に発展していくためには、とても重要だと考えております。
現在、産業や観光への支援を行っていると聞いております。より広い分野で支援できるよう取組を進めていただくことをお願いいたします。
移住、定住に空き家を活用するということですが、こうした取組は関係局が連携してこそ効果が上がると考えております。次年度予算で新たに計上されましたアフォーダブル住宅は、空き家の有効活用にもつながることが期待されております。
予算質疑でも私、取り上げましたが、都心の住宅が高くて住めないという世帯には、ぜひ多摩地域への移住をお勧めする。ある意味、そのチャンスがあるんだと思います。千葉や埼玉、神奈川にそういった住民が取られないよう、近隣県よりも手厚い子育て支援が受けられる東京都である多摩地域への移住促進について、ぜひ国際金融都市戦略室とも連携を図るようお願いいたします。
そして、本プランには子育て施策など、市町村の取組を支援する事業が多く掲げられております。本プランの実効性を上げるためには、都庁内で各局が一丸となって多摩振興に取り組むとともに、市町村と連携を進めることも重要であると思いますが、都の見解を伺います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都では、副知事を本部長とする多摩島しょ振興推進本部を設置し、関係者間で共通認識を持ちながら、全庁で取組を進めております。
この本部を活用し、プランに掲げる取組の進捗状況について毎年度調査、把握することで、的確な進行管理を行い、公表してまいります。
さらに、本プランの方向性や事業内容などにつきまして、市町村と共通認識を深め、主体的な取組への後押しなども行いながら、施策を着実に展開してまいります。
○増山委員 人口減少が進む中、これまで以上に行政分野をまたいだ多摩振興の取組が重要になります。総務局が市町村や関係局の中心になり、しっかりと好循環を生み出して、多摩地域のより一層の発展につなげてもらいたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○藤井委員 それでは、私からも総務局に関しての質疑をさせていただきます。
総合防災部、人権部、都立大学、そしてテレワークに関連して質疑をいたします。
四年前の都議選の公約として、私も個人的に新技術を使った防災対応力の向上というものを掲げてまいりました。ドローンを使った災害状況の把握や物資輸送、最新の災害システムの活用、都民のSNSからの情報収集や、成田空港等でのチャットボットを活用した災害時の対応の事例など、これまで提案をしてきたところでございます。
昨年の能登半島地震では、被害状況の調査や孤立した地域に薬を運ぶなど、実災害でドローンが活用されました。
発災時に道路被害による立入りが困難となったエリアに対し、被害状況を把握することや緊急性の高い物資を必要とされる方へ届ける上で、ドローンの活用は大変有効な手段であると考えております。
都がこれまで実災害でドローンを活用した実績と、円滑に活用するため、どのように取り組んでいるのか伺います。
○高田総合防災部長 ドローンの活用ですが、令和元年の台風十九号への対応に当たって、奥多摩町において孤立した地域に生活必需品などの物資を輸送いたしました。
こうした実績などを踏まえまして、令和四年三月には指定公共機関のKDDI株式会社及びソフトバンク株式会社と協定を締結いたしまして、図上訓練を実施するなど、物資輸送の実効性を高めてきております。
また、令和三年に海底火山が噴火し、軽石が島しょ地域に漂着した際には、職員が直接ドローンを操縦し周辺状況を確認するなど、情報収集活動を行いました。
操作に当たる職員には民間資格を取得させておりまして、総合防災訓練や通常業務でもドローンを使用するなど、操作能力の習熟を図っております。
○藤井委員 ありがとうございます。二〇一九年の台風十九号の際から対応を始めて、その後、訓練というか習熟度を上げるような取組をされているというご答弁でありました。
また、総合防災部ではドローンを二十基ほど持たれているということで、一部多摩地域を中心に消防団にも貸出しをしているということで、ドローンの活用をさらに進めていっていただきたいと思います。
次に、東京都災害情報システム、DISの再構築についてお伺いをいたします。
どの自治体でも災害情報システムに被害情報を入力するのは、その自治体の職員でありまして、能登半島地震では発災対応に手いっぱいでシステム入力する人員が足らず、特に発災当初に混乱する局面が見られたと聞いております。
システムがあっても、様々なソースから収集した情報を入力しなければ、適切な情報把握や分析、そして情報把握と分析をした上での的確な判断は難しいと思います。
都は、来年度予算にDISを再構築するための基本設計のための費用を計上しているところであります。この東京都災害情報システム、DISを再構築する際には、最新の技術を活用し、誰にとっても使い勝手のよいものとすべきですが、どのように再構築するのか伺います。
○高田総合防災部長 東京都災害情報システムの再構築に当たりましては、常にシステムの運用に最適な環境を確保するためのフルクラウド化を行うほか、データプラットフォームの整備に加えまして、システム間連携に必要なAPIを拡充いたします。国や区市町村等とのデータ連携を強化することで、より多くの情報を一元管理できるようにいたします。
また、ダッシュボードを整備することで、地図やグラフなどで災害情報を視覚的に表示し、輸送ルートの選定など、分析業務を効率化いたします。
さらに、入力画面の改善により操作性を向上させるほか、民間の情報サービスを活用いたしまして入力の手間を省くことで、情報収集などの業務の迅速化、効率化を図り、災害対処能力の一層の向上につなげてまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。特にシステム面のところで、フルクラウド化を行うというご答弁がありました。聞いておりますと、やっぱり国等から情報連携、様々求められているというお話でありますし、扱うデータの量というのも、かなり増えているんだと思います。また、災害が起きたときには、SNSからいろんな情報を集めたりとか、これまで多分テキストベースでいろいろやり取していたところが、今、皆さんスマホを持たれているので、写真だったりとか動画、こういったものも増えてくるかと思います。そういったものを踏まえて、クラウド化をすることによって、柔軟に容量を増やすことが簡単にできるというような対応をされているというふうに理解をいたしました。
また、国や区市町村との連携という面で、APIをつくって連携をされているということであります。これまで、多分一個一個、連携する際にベンダーさんに発注をしてカスタマイズをしていたところを、もう仕様を決めてしまって、これに沿えば連携ができますよというものにしたということで、連携しやすい環境をつくったということと理解をしております。
いわゆるレガシーな環境からモダンな環境に変えるというDISのお話をお伺いすることができました。
これを機に、例えばですが、災害対応で外に出ている職員がデータ入力をしやすいように、手で入力するだけではなくて、例えば音声入力ができるであったり、収集したデータ、様々なセンサーであったりとか、様々なセンサーで今データを取ることができますので、そういったものを自動的に集めて分析できるといったような機能を加えていってほしいと検討をお願いいたします。
能登半島の教訓というのは、やはりいざというときになるべく人手や手間をかけないで済むようなシステムをつくっておくということが非常に重要であって、意思決定をしつつ、そして現場で困っている方々を助けに行けるという環境をつくっておく必要があるかと思いますので、そういったシステムをつくっていただいて、職員が本来の災害対応に一層注力できるようにしていただきたいと思います。
都にとっても、市区町村や関係機関にとってもすばらしいシステムとなるよう、ぜひ力を入れて取り組んでいってください。
次に、LGBTとパートナーシップ宣誓制度、LGBTの皆さんに当たり前の権利が当たり前に認められるよう、同性パートナーシップ宣誓制度を推進するということで、これまで私も取り組んできたところであります。
この間、私もずっと総務委員会にいたんですけれども、二年ほど離れておりまして、この一年ほど代表質問の件であったりとか、あとこの事務事業質疑も含めて、やり取りをさせていただいているんですけれども、私が過去にパートナーシップ宣誓制度の成立に向けて、様々提案をした内容というのを何度かお伝えしているんですけれども、ちょっと忘れられてしまっていて、ゼロから何度も説明をし直すということがございました。非常に残念な思いをしたところであります。
また、今年の緑色、グリーンの予算案の概要には、性的マイノリティーであったりとか、LGBT等の関連施策についての記載というものが一つもございませんで、ちょっと前向きに取り組んでいただけているのかどうか、後ろ向きになっているのではないかと懸念をしているところでございます。
最初にちょっと申し上げさせていただきたいんですが、昨年十一月の事務事業質疑で述べたんですが、事前のやり取りの中でご認識がないということでしたので、もう一度述べさせていただきます。
昨年五月に、長崎県大村市が同性カップルの住民票の続き柄の表記を夫(未届)、妻(未届)と記載をする判断をして、都内でも世田谷区や中野区などが同様な判断をしたということであります。
これに対して、質問できない、なかなか都の直接のところでは難しいというのは理解をしているんですけれども、東京都は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例に基づきまして、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画を定めておりまして、その中で、区市町村とは、東京都区市町村性自認及び性的指向に関する施策推進連絡会を設けて、連携をしていくとしております。
この連絡会を活用して、開催して、住民票の続き柄に関わる事例の共有や意見交換をすることを改めて強く求めさせていただきます。
それでは、最初にパートナーシップ宣誓制度について、宣誓当事者に使い勝手など毎年アンケートをして改善を図っていくということでしたので、この現状をお伺いいたします。
○若林人権部長 都では、令和四年度に受理証明書の交付を受けた方を対象に、受理証明書の使い勝手等について、令和五年九月にアンケートを実施いたしました。
アンケートによると、インターネットやSNSで認知したとの回答が多かったことから、こうした手段による広報を強化することで、さらなる認知度向上につなげていくこととしております。
今年度は、令和五年度に受理証明書の交付を受けた方に対して、十二月に同様のアンケートを実施しており、現在集計、分析中でございます。
○藤井委員 ありがとうございます。令和五年九月と今年度は昨年の十二月にアンケートを実施して取り組んでいるということでありますので、今年度分については現在分析中ということですので、しっかりとよりよい宣誓制度にしていっていただきたいと思います。
一点気になったのが、おととし、令和五年は九月に実施をして、昨年、この間は十二月に実施をしているということでありますので、タイミングはちょっとそろえて、しっかりと計画をしてやっていただいた方が、宣誓されている方々にとってもいいのではないかと思いますので、計画を立てて対応をお願いしたいと思います。
続きまして、Tokyo LGBT相談について確認をいたします。
人権部では、LGBTQ等の専門相談としまして、LINEと電話での相談を受け付けしておりますが、一方で対面での相談窓口というものはありません。福祉局のとうきょう若者ヘルスサポート、わかさぽにおいては対面での相談がございまして、この相談員というのはLGBTQ関連の講習なども受けているということであります。
そこで、このLGBTQ等の電話とLINEの相談について、現在の実績を確認させていただくとともに、若者のLGBTQ当事者の悩みが多い中で、福祉局のわかさぽと連携をしていくべきと考えますが、見解を伺います。
○若林人権部長 都では、性的マイノリティーの方々の悩みや不安の解消につながるよう、電話とLINEによる専門相談を実施しており、令和六年度は二月末時点で、電話相談二百二件、LINE相談四百八十二件を受け付けております。
寄せられた相談に対しては、きめ細やかな助言を行うとともに、相談内容及び相談者の状況に応じて適切な専門機関を案内しています。案件に応じて、わかさぽについても案内しております。
○藤井委員 案件に応じてわかさぽに案内している事例もあるということでありまして、やはり対面で気軽に相談できるので、LINEだったりとか電話で、かつ件数はLINEが相談しやすいということで件数も多いんじゃないかと思っておりますが、一方で、より深く相談したいであったりとか、対面だからできる相談もあると思いますので、ぜひわかさぽも活用していただいて、そういったところで悩んでいる若者であったり、LGBTQ当事者の悩みに寄り添った対応をぜひお願いしたいと思います。
わかさぽのサイトを見ると、その他の相談窓口として人権部のLINE相談と電話相談へのリンクも載せているようでありました。こちらも連携をしているということですので、よりしっかりと連携をしていって、対応をしていっていただきたいと思います。
次に、都が進めているアライマークについて伺います。
アライとは、性的マイノリティーの方々への理解や支援の意思を表明している人を意味する言葉でありまして、私もアライの一人であると認識をしております。
都のアライマークの取組に関し、ピンバッジの取得者の数を確認するとともに、今後さらに普及させるため、昨年も出展していた東京レインボープライド、今年はTokyo Prideと名称を変更するそうですが、などで紹介する等すべきと考えますが、見解を求めます。
○若林人権部長 都は、ご自身がアライであることを表明するためのアライマーク、TOKYO ALLYを令和六年三月に作成し、そのピンバッジについて七月から配布を開始いたしました。ピンバッジは、東京都主催の研修、セミナーの受講など、一定の要件を満たす都内在住、在勤または在学の方から申込みを受け付け、令和七年二月末現在で九百四十二個配布しております。
TOKYO ALLYについては、性的マイノリティーの方々を支援するイベント等の機会を活用し、引き続き普及啓発を推進してまいります。
○藤井委員 このアライマークのピンバッジにつきましては、約一年間で一定の要件を満たす方に九百四十二個配布をしているということであります。
事前のやり取りも含めてですが、このアライへの理解をしっかりと広げていく必要があるかと考えております。ちょっと何をいいたいかというところなんですけれども、私もアライとして認識をしているとお話をしましたが、このアライのピンバッジについては、まだ申込みをしておりませんでしたので、しっかりちょっとこれも申込みをしてみたいと思うんですが、理解を広げるに当たって、質の担保を一定するので、セミナーの受講なども一定の要件を設けるということは、それはそれで必要なのかもしれないですが、この九百四十二個というのが十分なのか、予定どおりだったのかというところも含めて、しっかりと議論をしなければならないと考えております。
アライについての理解をどのように広げるのか、そのためのこのアライマークの取得者をどれぐらい何名まで具体的に増やすのか、数値目標を持ってもっと積極的に取り組むように要望をさせていただきます。
続きまして、事実婚につきましても、この都のパートナーシップ宣誓制度でも活用できるようにしてほしいということをこの制度ができる前から、私は伝えさせていただいておりました。
一年半前には、知事から、会派の代表質問に対して、事実婚についての困難などを研究していくと答弁があったところでありまして、現在の研究の状況をお伺いいたします。
○若林人権部長 都はこれまで、学識経験者や弁護士などの専門家のほか、金融機関をはじめとした民間企業等にヒアリングを実施いたしました。
ヒアリングによると、事実婚は多くの民間サービス等で法律婚と同様に適用対象とされており、その手続では住民票をはじめ、公共料金の領収書などが関係性の確認に用いられていることが把握できました。
また、姓が異なることで、関係性の説明に手間がかかるというご意見がありました。
○藤井委員 まずは、現状の調査を行っていただいたということであります。
この件に関しては、何度かやり取りもさせていただいておりますが、制度上の立てつけ上、条例にひもづいているという、人権条例にひもづいているという立てつけ上、なかなかその事実婚をパートナーシップ宣誓制度に追加するのは難しいのではないかというお話もございました。
一方で、都の立てつけを取り除いて考えたときに、全国で見ると、いわゆるパートナーシップ制度と事実婚であったりとか、これももう一つの別の議論ですが、ファミリーシップの制度についても含めているところというのは増えてきていると思います。
ぜひこういった調査なども踏まえながら、この事実婚であったりとか、ファミリーシップの制度についても真剣にご検討をいただきたいと思います。併せて要望させていただきます。
次に、犯罪被害者支援の拡充について伺います。
二〇一八年、犯罪被害者支援について条例を求める陳情が都議会に出されたところでありまして、私も当時、総務委員会に所属しておりました。
当初、局からの説明や過去の都議会において、例えば二〇一二年に同様趣旨で、民主党の会派から議員提案条例が提出され、総務委員会にて可否同数、委員長判断で否決とされていたり、また同様趣旨の都民からの条例制定を求める陳情も否決されてきた経緯があり、当初、否決なのかという話がございました。
そのような中で、ここにいる菅原都議がこの犯罪被害者支援をライフワークとしておりまして、日野市でも犯罪被害者支援条例の制定に携わりまして、そのつながりから、支援団体や犯罪被害者の家族の方々の話を我々何度もお伺いする間に、この被害に遭った方々への支援や拡充、その継続性に向けて、条例化することの重要性というものを強く感じまして、陳情を採択する必要があると会派の中で決意をしたことを覚えております。
私たちは、当時最大会派でもありましたので、局や他会派との調整の中、最終的に趣旨採択をされまして、その後の私たちの代表質問で初めて都が条例に着手すると、知事からご答弁をいただくことができました。
それらを受けて成立したのが東京都犯罪被害者支援条例でありまして、この条例をてことして区市町村との連携を進め、犯罪被害者に寄り添った支援の拡充を今まで進めてきたところだと認識をしております。
来年度では、この計画の見直しに向けて取り組むと聞いております。また、この犯罪被害者等基本法というのが二〇〇四年に成立してから二十年が経過をしたところでもありまして、しっかりと支援をしていく必要があると考えております。
被害者支援都民センターというのは、これまでも真摯に取組をしていただいていると認識をしておりますが、一方で当事者団体との連携というのは今後の課題とも聞くところであります。
そこで、犯罪被害の当事者からの意見を直接聞きながら、新しい計画を推進していくべきですが、見解を伺います。
○若林人権部長 都は、東京都犯罪被害者等支援計画の策定や、進捗管理のために設置している検討委員会において、被害者のご遺族に委員として就任いただき、様々なご意見をお聞きしております。加えて、今年度、犯罪被害者等の実態や被害者支援に係るニーズを把握するための調査を実施する中で、被害者ご本人やそのご家族、当事者団体等のご意見を伺っています。
これらの中で、支援に関する情報提供の強化や、被害者についての正しい理解の促進を求める声などが寄せられました。
今後、いただいたご意見等を踏まえながら、令和八年度からの次期支援計画の策定に取り組んでまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。犯罪被害の直接の関係者の方々も施策検討のメンバーに入っているというご答弁でありました。その次期計画の策定に取り組むということでありまして、当事者目線での取組を進めていただきますように、よろしくお願いをいたします。
次に、都立大学についてお伺いをさせていただきます。
最初に、プレミアム・カレッジについて。
都は、五十歳以上の方々を対象に、東京都立大学プレミアム・カレッジを開校し、人生百年時代に生涯学べる都立大学で、新たな学びと交流の場の提供をするということで、これまでも取り組んできたところであります。
東京都立大学プレミアム・カレッジについて、これまで四年間の取組と今後どのように取り組むのか伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学プレミアム・カレッジでは、令和三年度にこれまでの本科、専攻科に加えまして、自身の興味関心のある分野を研究する二年間の研究生コースを開設いたしました。
ステップアップしながら学び続けられる環境の下、都と連携したフィールドワークや情報教育の拡充等、カリキュラムを充実させてまいりました。
令和三年度から令和六年度までの四年間で、本科で二百十五名、専攻科で百二十九名、研究生コースで四十八名の学生を受け入れております。
シニアの学びや交流のニーズに柔軟に応えつつ、人生百年時代にふさわしい学習環境を提供してまいります。
○藤井委員 新たなコースを新設するなど、プレミアム・カレッジの拡充を通して、人生百年時代にふさわしい学びと交流の場をつくっていただいているとご答弁をいただきました。
倍率も高いと聞いておりますし、非常に人気があると聞いています。ぜひプレミアム・カレッジの卒業生が、その後どんなことをされているかなど、調査を行うなどしていただきまして、さらに充実した環境を目指していっていただきたいと思います。
都立大学には、学生や教授、また研究者などをはじめとした人材や最先端の研究など、起業のためのシーズがたくさんあると思っております。
二〇二三年十月には、TMU Innovation Hubインキュベーションルームがオープンし、ウエットラボといわれる実験ができるような場所を完備しておりまして、研究成果をビジネスにつなげる場ができていると聞いております。
さらには、学生に向けて、昨年十月からアントレプレナーシップの授業も開始したと聞いております。
都立大学におけるこれらの取組の成果と現状を伺うとともに、スタートアップ人材の育成や研究成果をベースとした起業を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学のインキュベーション施設におきましては、専門家による起業支援や交流イベントの開催などのほか、創業初期の企業や教員など、現在入居する十者がロボティクスの研究開発等を進めております。
また、今年度から全学部生向けにアントレプレナーシップ科目を開講し、先輩起業家による講演などを通して、起業家性を養っております。
こうした取組を通じて、大学の研究シーズをスタートアップと結びつけ、革新的な技術の創出を図っていくとともに、都の施策とも連携し、都立大生と国内外の学生や若い起業家等との交流を促進してまいります。
○藤井委員 私も思い返してみると、大学生のときにアントレプレナーシップの授業を受けて、起業家に憧れて、起業であったりとかをしてみたいなと思って、実はベンチャー企業、スタートアップ企業で働いていたこともあるんですが、なかなか自分が起業というところには至らなかったんですけれども、やはりアントレプレナーシップの授業をすることによって、様々な起業家であったりとか、そういう新しいビジネスをつくっていくということにも学生が触れる機会にもなりますので、ぜひ進めていただきたいです。
さらにいうと、その入門の授業を受けた後の起業に本当に興味を持った学生さんが後を踏み出せるように、例えばですけど、TIBやSusHi Tech Tokyoなど、都の取組、ご紹介してつなげるであったりとか、TIBのイベント等もあるかと思いますので、そういったものもぜひ紹介していただきたいなと思いますし、またスタートアップの施策、これまで進めておりますが、やはりどうしても二十三区というか、都心部になりがちなところがありますので、ぜひ多摩でもこういったスタートアップの熱気を広げていきたいと思っております。
TIBで常設しているようなイベントを何らか都立大学でつなげるだったりとか、そういったことも都のスタートアップ施策としっかり連携をしていってほしいということも要望させていただきます。
最後に、テレワークについて伺います。
私は、都議になる前に妹をがんで亡くしておりまして、その際、看病をしながらテレワークをして仕事を続けたという経験がございます。
二〇一七年の当選直後から、都庁内においてテレワークできる環境というのは非常に重要だと考えて、提案、推進をしてきたところであります。
当時は、昨日デジタルサービス局の質疑でも申し上げたんですが、二〇二〇年の東京大会に向けての交通マネジメントの一環として推進をされておりまして、それ以外の、例えば子育てをしながらだったり、育児をしながら、看病をしながらといったような観点というのは、当時はなかなか、なかったかなと思いますが、コロナ禍で都庁に出てこなくても働ける環境をしっかりつくるということで、一気に普及したというふうに認識をしております。今では都庁ではテレワーク、当たり前になっていると認識をしております。
テレワークの活用により、様々なライフステージにおける課題に直面する都職員が生産性を最大限発揮できるということが重要だと考えておりますが、この八年間で都庁においてテレワークはどのように普及を遂げて、また今後どのように取り組んでいくのか伺います。
○堀内労務担当部長 都は、テレワーク制度について、試行実施期間を経て二〇一九年度に本格導入し、その定着に向けて取り組んでまいりました。この間、職員の日常の業務を支えるシステム基盤の機能強化などにより、テレワーク時のチャットやウェブ会議などが可能となる環境整備が進んでまいりました。
また、一層の普及に向け、テレワーク時の効果的なコミュニケーション方法についても全職員に周知を図ってまいりました。
二〇二二年度からは、テレワークの満足度を新たな指標とし、この二年間で六一%から七九%まで向上するなど、柔軟で多様な働き方は着実に普及しております。
今後はシン・トセイXにおいて、働く時間や場所を業務内容や目的に合わせて選択できる働き方である都庁版ABWを新たに掲げ、この中でテレワークを一層推進し、都庁内外に発信してまいります。
○藤井委員 この間、テレワークが進んできたということが理解できました。一層取組を推進していただきたいと思います。
一方で、例えばなんですけれども、会計年度任用職員など非正規の方々に関しては、なかなかテレワークできないだったりとか、そもそも端末がないという話もあったりしますので、そこも含めてしっかり考えていっていただきたいと思います。
あわせて、都庁版ABWでは働く時間の選択についても言及しているところでありますし、フレックスタイム制や週休三日など、さらに都庁職員の柔軟な働き方を推進していっていただきたいと申し添えまして、私の質疑を終えます。ありがとうございました。
○古城委員 第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、総務局所管分及び総務局の報告事項に関連をいたしまして、行政書士制度、犯罪被害者等支援、都職員採用、東京都公立大学法人、多摩振興アクションプラン、東日本大震災の復興支援、そして総合的な防災施策について順次質問してまいります。
初めに、行政書士制度についてです。
私は、二〇一八年に東京都行政書士会及び東京行政書士政治連盟の両新宿支部の要請行動を受けて、地元新宿区内の警察署四署及び消防署三署における非行政書士行為を排除するためのプレート設置、ポスター貼付、チラシ備置を後押しして以来、二〇一九年六月の請願審査など、都議会において度々行政書士制度への理解や行政書士法の遵守、徹底について訴えており、昨年の事務事業質疑では、行政書士制度の周知や窓口での非行政書士行為への注意喚起の掲示の取組が継続されている旨の答弁を得たところであります。
行政書士制度の適切な制度運営を確保する上で、こうした取組を継続することは大変重要であり、結果として、行政書士が果たす役割の都民理解につながると考えます。
そこで、行政書士制度の理解促進や非行政書士行為への注意喚起に向けた取組状況と今後の対応について答弁を求めます。
○田中行政部長 行政書士が社会で果たしている役割について、正しく理解されることは大変重要でございます。
このため都は、各局に対しまして、行政書士または行政書士法人でない者が他人の依頼を受け、報酬を得て、官公署に提出する書類の作成を業として行うことは、原則として行政書士法違反であることを周知しております。
また、窓口に来庁される方向けに、行政書士法の遵守を促すプレートを掲示するよう各局の許認可窓口等に依頼するほか、総務局の職員が東京都行政書士会から特に要望の強かった窓口に毎年赴きまして、来庁される方が見やすい位置に掲示が継続されているかを確認しております。
今後とも、これらの取組を継続的に実施しまして、関係機関と連携を図りながら、行政書士制度の周知徹底を図ってまいります。
○古城委員 行政書士の皆様は、昨年の犯罪被害者支援キャンペーン二〇二四の会場入り口で、東京都行政書士会暴力団等排除対策委員会の方々が啓発資料を配布されたほか、都内自治体に対して、条例制定をはじめ、支援制度や相談窓口の創設を要望されています。
私が視察をいたしました大分県や三重県では、県に加えて、県内全市町で犯罪被害者等支援条例が制定されています。
都議会公明党は、二〇一九年第三回定例会の代表質問で、被害者等が生活し、初期段階の支援の中核を担う区市町村とも連携して、早期かつ十分な支援を行うことができる体制の整備を求めました。
そこで本日は、都内自治体での犯罪被害者等支援条例の制定に向けて、三点質問させていただきます。
被害者の方々、またご遺族、ご家族の方々の願いは、一日も早く元の平穏な生活を取り戻すことであります。犯罪被害者等支援における区市町村の役割について、都の認識をお尋ねいたします。
○若林人権部長 区市町村は住民に最も身近な自治体として、日常生活に関連する多様な施策を実施しており、犯罪被害者等支援を効果的に進める上で重要な役割を担う存在でございます。
○古城委員 現在の第四期東京都犯罪被害者等支援計画の中には、犯罪被害者等の相談窓口の認知度についてのアンケート結果が記載をされております。それを見ますと、警視庁の相談窓口が四三・三%、それに次いで二番目に各区市町村の相談窓口四〇・七%と非常に高い認知度となっていると、このように理解をしております。
そこで、都における区市町村支援の取組内容について説明を求めます。
○若林人権部長 都は、区市町村において犯罪被害者等への適切な支援ができるよう、人権部に配置した被害者等支援専門員による助言、Tokyo被害者支援ノート等の配布、区市町村職員向けの研修の実施など、区市町村における体制整備に向けたサポートに取り組んでおります。
令和七年度から行政機関や民間団体等から成る東京都犯罪被害者支援連絡会に新たに区市町村の代表自治体に参加いただき、犯罪被害者等支援に関わる関係機関との連携体制の強化を図ることとしています。
また、人権部の被害者等支援専門員の勤務日数の増加やアシスタント職の新たな配置により、区市町村に対するサポート体制の強化に取り組みます。
引き続き、都と区市町村のより緊密な連携協力体制の構築に努めてまいります。
○古城委員 私がご指導を仰いでまいりました一九七五年に初めて被害者の権利を提唱された諸澤英道先生は、二〇二一年に自治体における犯罪被害者等支援の条例制定が進まない現状について、日本の被害者支援の歴史は警察が関わる刑事事件を中心に発展したことから、いまだに多くの自治体が支援は警察が行うものと捉えていて、行政が果たすべき役割について理解が進んでいない、このように指摘をされておるところであります。したがいまして、区市町村における犯罪被害者等支援の条例制定が非常に私は重要になると考えてございます。
そこで、三点目に区市町村における条例制定の効果について、都の認識をお尋ねいたします。
○若林人権部長 犯罪被害者等支援のための条例について、国は域内において総合的かつ計画的な犯罪被害者等支援を推進する根拠となるほか、犯罪被害者等が利用できる支援制度、サービス等を住民に示すものとして重要な意義を有しているとの考えを示しております。
都においても、犯罪被害者等支援条例を制定し、犯罪被害者等支援を総合的かつ計画的に推進しています。
現在、都内で犯罪被害者等支援を目的とした条例を制定済みの自治体は五区市です。都内自治体における犯罪被害者等に対する支援の実施状況については、見舞金の給付等を行っている自治体は四区市で、いずれも条例を制定済みの自治体であります。また、犯罪被害者等に特化した窓口を設置している自治体は六区市で、うち四区市が条例を制定済みの自治体でございます。
○古城委員 都において検討が進められている第五期東京都犯罪被害者等支援計画、次期計画でありますけれども、ぜひともこの計画の中には区市町村における条例制定の支援、こうした意義、観念をとどめていただきたいと重ねて要望させていただきます。
都は、都議会公明党の提案を受けて、犯罪被害により今までの住居に住むことが困難となった場合に、転居等の費用を助成しています。
我が党の二〇二四年予算特別委員会での求めに応じて、昨年十月から性犯罪の被害に遭われた方への支援拡充のため、被害場所にかかわらず対象としたことを高く評価させていただきます。
また、私は昨年第三回定例会一般質問で、支援を必要としている犯罪被害者等に対して、より手厚い経済的支援の検討を訴えたところであります。
犯罪被害者等の生活再建を支えるためには、できることから早期に経済的支援を拡充すべきですが、今後の取組について答弁を求めます。
○若林人権部長 都は、被害者等の経済的支援として、見舞金の給付、転居費用の助成などを行ってまいりました。
転居費用の助成については昨年十月から対象を一部拡大しており、令和七年度からは物価高騰の状況を踏まえ、上限を二十万円から三十万円に引き上げる予定でございます。
現在、犯罪被害者等の実態や支援ニーズを把握するための調査分析を実施しております。その結果や国の動向等を踏まえまして、来年度改定予定の犯罪被害者等支援計画を策定する中で、経済的支援を含めた支援の在り方について検討してまいります。
○古城委員 次に、都職員採用についてです。
就職氷河期世代が直面する悩みは、就労、社会保障、健康、医療、住宅、家族、親の介護、福祉、人間関係、心の悩み、金銭、暮らしなど多岐にわたっています。高齢期を見据えた人生設計に寄り添う支援とともに、安定就労を確実に前へ進めることが重要です。
私は二〇一九年の一般質問で就労支援の強化を提案し、二〇二〇年予算特別委員会では、東京しごとセンターへの就職氷河期世代向け専用窓口の設置や、都職員採用においてもこの世代の人材を幅広く求めることを訴えました。この観点から四点質問させていただきます。
まず、二〇二〇年度に開始され、今年度で五年が経過している就職氷河期世代を対象とした都職員の採用選考です。
これまで常勤で採用された職員が、現在どのような職場で働いているかの確認とともに、任用上のステップアップとなる主任昇任について説明を求めます。
○金久保人事部長 就職氷河期世代を対象にした採用試験で採用された職員は、現在、本庁や事業所などの様々な職場で都政を支える幅広い業務に従事しております。
主任級職選考につきましては、大学卒業程度の区分で採用された職員は、採用後五年目から受験できる制度となっておりまして、例えば令和三年度に採用された職員につきましては、来年度から受験することが可能となります。
○古城委員 次に、来年度の就職氷河期世代を対象とした都職員の採用選考についてです。
私は、二〇二四年第三回定例会一般質問において、国の方針にかかわらず、都として就職氷河期世代の職員採用を継続することを求め、今後の対応を検討していくとの答弁を得ました。
そこで、就職氷河期世代の安定的な就労を支援する取組として、二〇二五年度も都職員の採用を行うべきですが、直近の実績とともに検討の結果について答弁を求めます。
○金久保人事部長 今年度実施した就職氷河期世代を対象とした常勤職員の採用試験では、大卒区分で二十四名、高卒区分で二十一名、計四十五名を合格としました。来年度も、それぞれの試験区分で採用試験を実施することを先月公表いたしました。
非常勤職員の採用選考につきましては、就労経験を積むことなどを通じまして、民間企業等への正規雇用での就労を目指しておりまして、昨年度は五名が合格いたしました。また、来年度の採用に向けましては、現在選考を実施しているところでございます。
○古城委員 続いて、年齢を問わない経験者採用選考についてです。
都職員の年齢構成は、四十歳代前半が少ないという特徴があり、持続的な都政運営を図っていくためにも、就職氷河期世代の方々を採用できる制度を広く整備していくことが有効です。
そこで、今年度から経験者採用選考を導入した狙いと求める人材像について説明を求めます。
○金久保人事部長 近年、転職市場が拡大し、人材の流動化が進んでいる状況を踏まえ、都においても多様な人材を確実に確保していくため、公務員試験のための特別な準備を必要としない経験者採用選考を今年度から導入しております。
経験者採用選考は、就職氷河期世代を含めた幅広い年代の方々を対象としておりまして、民間企業などでの経験を行政で生かしたい方をはじめ、アルバイトやパートタイムとして働いていたけれども、キャリアアップを目指す方など、能力と熱意のある人材を広く募集しているところでございます。
○古城委員 新たに導入された経験者採用選考では、主任級以上の採用もうたわれておりまして、就職氷河期世代を含めた幅広い世代や多様な職務経験を持つ方々が、都職員としての入り口となる採用だけにとどまらず、都庁内でキャリアアップして、都政の幅広いフィールドで活躍することが期待されます。
そこで、経験者採用選考の合格者が採用される職級や採用後のキャリアアップについて説明を求めます。
○金久保人事部長 経験者採用選考では、学歴区分や民間企業等における職務経験年数、選考の成績に応じまして、主事級から課長代理級までの職級で採用を行っております。
採用された職員は、民間企業等における経験も考慮しまして、早期に昇任選考にチャレンジできる仕組みとなっておりまして、意欲や能力に応じてキャリアアップしていくことが可能となっております。
○古城委員 都職員採用に関連して、報告事項、都庁における障害者活躍推進計画(第二期)にも係る知的障害者の雇用についてであります。
私は都議会公明党の一員として、都庁ないし政策連携団体も含めた都庁グループ全体での知的障害のある方の雇用と職場環境の充実を訴え続けております。
これを受けて、会計年度任用職員としての期末手当の支給、非常勤から常勤へのステップアップなど、都の取組が着実に進展していることを評価いたします。
昨年の事務事業質疑では、オフィスサポートセンターにおいて、オフィスサポーターの任用が着実に増えていることや、それに伴い業務量が年々増加していることを確認しました。
そこで、オフィスサポートセンターにおいて、知的障害者の雇用を促進するとともに、活躍の場を拡大すべきと考えますが、取組状況について答弁を求めます。
○堀内労務担当部長 オフィスサポートセンターでは、現在、非常勤職員であるオフィスサポーター十三名、常勤職員十六名の計二十九名の知的障害者が事務等の補助に従事しております。
来年度に向け、オフィスサポーターを新たに三名採用する予定であるとともに、オフィスサポーターから常勤職員への登用を可能とする枠組みにより、四名を常勤職員に任用する予定でございます。その結果、来年度はオフィスサポーター十二名、常勤職員二十名の計三十二名が業務に従事する予定でございます。
今後は、オフィスサポートセンター内で行う業務に加えまして、オフィスサポートセンターの職員が各部署に出向き、事務補助等を行う取組を進めていくなど、知的障害者の活躍の場の拡大に努めてまいります。
○古城委員 次に、東京都公立大学法人についてです。
都は、二〇五〇東京戦略(案)において、国連のSDGsの先の目標づくりの議論に参画し、国際社会をリードする旨、言及しており、都が設立する東京都立大学等においても、都政課題の解決を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されます。
持続可能な社会を実現する上で、サステーナブルファイナンスなど金融面からのアプローチも重要であり、その前提となるのが金融教育であります。この金融教育は、若い世代から高齢者まで幅広い年代を対象とすることも求められていると考えます。
そこで、東京都立大学における金融教育の取組について答弁を求めます。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、本年四月から経済経営学部におきまして、国際金融人材特別プログラムを本格開講いたします。このプログラムは、経済経営分野のミクロ、マクロ理論に加えまして、国際金融の実務的な知識、ビジネスレベルの英語力を兼ね備えた人材を育成する内容としております。
このほか、大学院で金融機関の第一線で働く実務家などを対象に高度なプログラムを開講しているほか、五十歳以上が対象のプレミアム・カレッジでも金融科目を提供するなど、学ぶ目的に応じた教育を実施してございます。
○古城委員 SDGsなど国際的な取組をリードする人材は、東京都立産業技術大学院大学においても育成していく必要があると考えます。
私は、東京都立の大学が国連アカデミック・インパクト、UNAIに参画することを提案してきておりまして、東京都立大学は二〇二〇年八月二十四日付で加盟し、産技大についても二〇二二年、二〇二三年と総務委員会での要望を重ねてまいりました。
そこで、東京都立産業技術大学院大学のUNAIへの加盟について説明を求めます。
○天野都立大学調整担当部長 東京都立産業技術大学院大学では、令和五年十一月に国連アカデミック・インパクト、UNAIに加盟いたしました。同大学では、UNAIの原則、世界各国の高等教育制度において能力を育成するに沿いまして、主にアジア地域を中心に、現地の教員等との議論やワークショップなどを通じて、地域の課題解決に取り組んでおります。
令和五年度はアメリカ、韓国など五か国、八機関と、令和六年度はインドネシア、ベトナムなど四か国、六機関と連携して実施いたしました。
○古城委員 法人全体の取組も重要であります。持続可能な社会の実現に向けて東京都公立大学法人としての取組と今後の展望についても答弁を求めます。
○天野都立大学調整担当部長 東京都公立大学法人では、これまで気候非常事態宣言の発出、TMUサステナブル研究推進機構の設立、カーボンニュートラル推進プランの策定など、持続可能な社会の実現に向け先進的に取り組んでまいりました。
今年度は、国公立大学として初めてとなるネイチャーポジティブ宣言を発出し、生物多様性の確保等に向けて取り組む姿勢を明確にしたところでございます。
二大学一高専を有する法人として、アカデミズムの立場から東京の持続的発展に貢献し、都政課題の解決に資する調査研究などを推進してまいります。
○古城委員 東京都立大学、または産技大がUNAI、国連アカデミック・インパクトに加盟するとともに、東京都公立大学法人としても先進的な、また先駆的な、また大変に意欲的な取組を進められているということにつきまして高く評価させていただきたいと思います。
この取組が確実に都民の皆様にとっての大きな財産となるように、この取組の強化、ぜひともお願いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、多摩振興アクションプランについてであります。
多摩地域は、四百万人を超える人々が暮らす緑豊かで魅力に満ちた地域であり、多摩地域の振興を進めることは都政の重要なテーマであります。
その遂行には、これまでの都の施策の振り返り、今後の施策の進め方や道筋、進行管理を明確にすることが不可欠であると考えまして、三点質問させていただきます。
まず、今般、仮称素案として示された多摩振興アクションプランを策定する背景及び目的について説明を求めます。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都はこれまで、多摩の振興プランを策定し、人口減少、少子高齢化の対応や道路交通インフラの整備、防災対策、産業振興などの取組を推進してきました。そうした中、新しい働き方や既存ストックを有効活用するという意識の変化が生じております。
また、都においては、二〇五〇年代の東京の姿を示した二〇五〇東京戦略(案)などを本年一月に策定いたしました。
こうした計画などとの整合や社会状況の変化も踏まえ、多摩振興に資する取組を取りまとめ、本プランの素案を策定いたしました。
○古城委員 新たな計画を策定するに当たっては、前回の計画の実績を明確にし、その評価を踏まえるとともに、三多摩地域、五つのエリア、それぞれの課題も踏まえる必要があると考えます。
この点、都の取組について答弁を求めます。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、前回の計画に基づき、多摩南北、東西道路や多摩都市モノレール延伸などの道路交通インフラの充実、創業支援拠点の設置による産業振興を図るなど、幅広い分野の取組を実施してまいりました。
また、今回の計画策定に当たり、人口動向や事業所数の推移などの分析に加え、多摩地域を五つのエリアに区分し、特性や課題を整理いたしました。
これらを踏まえ、人口、産業などの分野別に課題や取組の方向性を示し、おおむね三年で実施する約五百の事業を盛り込んでございます。
○古城委員 今回のプランには、幅広い分野のハード、ソフトの都事業が取りまとめられているということでありますけれども、これらの事業を着実に実行し、多摩地域の振興を実現していく必要があります。
理事者の皆様に少しお尋ねしたいわけでありますが、これまで多摩地域における都庁の事業所で勤務された経験を皆様お持ちでいらっしゃいますでしょうか。――ありがとうございます。多くの皆様にうなずいていただいております。ありがとうございます。
さらに、今、総務局に限らず、都庁各局の事業が今回のプランにまとめられているわけでありますが、皆様が所管をされておられる事業においても、多摩に係る事業がある理事者の皆様もいらっしゃると思います。多摩に足を運んでいただいて、そうした実情をつぶさに確認をしていただいているかと思いますので、その点を踏まえて最後の質問をさせていただきたいと思います。
計画は策定したら終わりではなく、策定の後こそが本当のスタートであると私は考えます。多摩振興の核となる行政組織として、分野横断的な政策立案と総合調整の機能も備えつつ、地域と一体となって推進する体制が不可欠であり、私はその役割を総務局に期待をするところであります。
そこで、多摩振興アクションプランを実効性のあるものとするためには、総務局の取組が大変に重要になると考えますが、見解を求めます。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 今後、本プランの実効性を確保するため、毎年度、全ての事業について実施状況の調査を行い、実施自治体や実施規模などをきめ細かく把握することで進行管理を行い、公表してまいります。あわせて、事業の実施状況を市町村長や市町村の企画部門と共有することで、主体的な取組も後押しし、事業の実施に結びつけてまいります。
これらの取組を通して、庁内各局や市町村と緊密に連携を図り、多摩振興に取り組んでまいります。
○古城委員 次に、東日本大震災の復興支援についてであります。
二〇一一年三月十一日、東日本大震災の発災から十四年が経過しました。犠牲になられた方々に哀悼の誠をささげます。
都議会公明党は、発災直後から東北各県を幾度も訪問し、被災地と被災者の支援、都民を守る対策に全力で取り組み、風化と風評被害という二つの風と闘い続けてまいりました。
発災の翌年三月、福島県が主催し東京都が共催したがんばろうふくしま!大交流フェアが東京国際フォーラムで開催され、予想を上回る一万五千名を超える来場者でにぎわいました。その際のトークショーに出演されるなど、被災したふるさと福島を励まし、復興を応援し続けてこられました福島県出身の俳優、西田敏行さんが昨年十月お亡くなりになられました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
千年に一度の地震に津波、さらには原発事故という広域かつ複合的な災害が時の流れとともに忘れられていく、風化が予想以上の速さで進んでいることに私は危機感を覚えております。
今日は三点にわたり、都が被災地に寄り添い続け、来年度も復興支援を続けていくことを確認させていただきたい。これがこれからのテーマであります。
都は、東日本大震災の被災県を対象としたふるさと市を開催していますが、私も度々お邪魔をしてまいりました。
そこで、ふるさと市の経緯と内容、来年度の取組について答弁を求めます。
○八嶋復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 平成二十四年度から開催してまいりました福島産直市を令和四年度から岩手県、宮城県を加えた三県の物販イベント、東北三県ふるさと市に拡大し、年二回実施してまいりました。
今年度は五月に各県の特産品をその場で味わえる飲食メニューの販売を行ったほか、十一月は能登半島地震の被災地である石川県も対象に加え、復興応援ふるさと市として開催をいたしました。
来年度も年二回の実施を予定しておりまして、五月は御徒町で飲食販売を中心に開催を計画しております。
今後とも、特産品のPRを効果的に行えるよう、被災県のニーズを十分に踏まえ、魅力発信と風評払拭を支援してまいります。
○古城委員 都は、東日本大震災の風化防止を目的に、東日本大震災復興フォーラムも開催をしておりますけれども、私は今年も汐留シオサイトの会場を訪れまして、宮城県参事から現在に至る震災の実相を伺うとともに、東北四県の産品を買い求めました。
そこで、東日本大震災復興フォーラムの開催状況と今後の展開について答弁を求めます。
○八嶋復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 東日本大震災復興フォーラムは、岩手県、宮城県、福島県及び青森県と共に、五都県で実行委員会を組織し、毎年三月に開催をしております。今年は三月七日から十一日までの間、開催いたしました。
被災地の現在を伝える展示や著名人による応援メッセージの放映、各県の特産品の販売などを行うほか、新たに震災の教訓から防災を学ぶコーナーの設置や、山林火災で大きな被害を受けた岩手県大船渡市への募金も行いました。
被災県にとっても風化防止は大きな課題であり、復興フォーラムは東京での重要な情報発信の機会と捉えていただいております。
今後とも、被災県と密に連携し、SNSの活用などより多くの方に震災を記憶し、今の被災地の状況に関心を持っていただけるよう工夫をしてまいります。
○古城委員 昨年の事務事業質疑では、東京都支援活動報告書にも表出、本当ににじみ出るどころではなくて、本当に皆様の思いが込められた活動の記録、東日本大震災の被災地に派遣された職員の皆様の思いを共有させていただいたところであります。
そこで、都が実施をしてきた職員派遣の実績とともに、十四年が経過をしております、したがいまして、業務に変化があったのか、さらに来年度の予定について答弁を求めます。
○八嶋復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、発災直後から被災三県に対し、昨年度末までに延べ三万人を超える職員を派遣してまいりました。
中長期派遣開始当初は、道路や河川等のインフラ整備のため土木職や、中小企業等の再生支援に従事する事務職を中心に派遣しておりましたが、事業の進捗に伴い、令和五年度末で土木職の派遣を終了しておりまして、今年度は福島県に九名の事務職を派遣しております。
来年度は、水素関連事業など新産業創出に向けたプロジェクトの実施や、JRグループと連携した令和八年度の福島デスティネーションキャンペーンの準備など、新たなニーズも踏まえ、福島県に九名の派遣を予定しております。
また、福島県の現地事務所に二名の職員を配置しておりまして、引き続き現地の情報収集や支援ニーズの把握、派遣職員の業務面や生活面でのサポートなどを行ってまいります。
○古城委員 新年度は新たに福島県へ九名の派遣を予定されているということであります。
かつて福島県に私もお邪魔をいたしまして、当時の副知事と意見交換をさせていただいた際に、東京都からの様々な支援、中でも職員の方々の派遣支援というものが非常に重要であった、大変に感謝をしている、そういうお話を伺ったところであります。
引き続き、ぜひとも被災県に寄り添った支援というものを継続していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
私ども公明党も、東日本大震災からの復興に向けまして、人間の復興を成し遂げるその日まで寄り添っていく、支援を続けていく、共に歩みを進めていく、そういう決意で臨ませていただいております。引き続き、都の皆様とも積極的な活動について意見を出しながら、知恵を出しながら、協力させていただきたいと思ってございますので、この点もぜひともよろしくお願いを申し上げます。
最後のテーマは、都民の命を守る、都民の生命、財産を守り抜くという観点から、総合的な防災施策についてでありますけれども、今般、多くの報告事項、聴取をしておりますので、その点を中心に質問させていただきます。
第一に、東京防災アクションプラン改定素案についてであります。
都は、地域防災計画に掲げる二〇三〇年度までに、人的、物的被害をおおむね半減させるという減災目標の達成等に向け、先般、東京防災アクションプランの改定素案を公表し、地震対策をはじめ、風水害対策、火山噴火対策といった防災施策を計画的に推進していくとのことであります。
都として事業を進めていく一方で、首都直下地震等の災害対応に当たっては、国との連携もいや増して重要となります。
国は、防災業務の企画立案機能を飛躍的に高め、平時から不断に万全の備えを行う本気の事前防災に徹底的に取り組むとともに、災害発生時の司令塔機能を抜本的に強化するため、私ども公明党の提案も受けて、二〇二六年度中に防災庁の設置を検討しているところであります。
そこで、防災庁の設置準備に対応する都の取組について説明を求めます。
○高田総合防災部長 国は、地域防災力の強化促進に向けて、都道府県ごとのカウンターパートとなる職員を配置し、平時には備蓄促進や訓練など、発災時には情報収集や避難所環境の確保などに取り組むとのことでございます。
都といたしましては、こうした状況を注視いたしまして、国との連携を図ってまいります。
○古城委員 また、国は災害時に被災地で使えるキッチンカーやトイレカー、ランドリーカーなどの車両について登録制度を創設し、平時から全国の自治体や民間の在庫を把握して、災害発生時には被災自治体などが活用できるようにするとのことであります。
そこで、自治体などが保有する災害対応に資する車両やトレーラーハウスを把握するための国が創設する登録制度の活用について、都の見解を求めます。
○田代防災計画担当部長 国や自治体が平時から全国の自治体の災害対応車両を把握しておくことで、被災地への迅速な支援を可能とすることは重要でございます。
現在、国が本登録制度を検討しており、都は今後の動向を注視してまいります。
○古城委員 被災地におきまして、人がたどり着けない場所での支援活動を可能にさせるドローンのメリットは大きいものがあります。
公明党は、ドローンを活用して被災地の状況を早期に把握し、救急救命活動や復旧作業に役立てることを重要政策の一つに掲げております。
災害時にドローンを活用する上で不可欠なのは、自治体と民間のドローン関連事業者が連携協定を結んでおき、平時からドローンを迅速に活用できる体制を整えていくことであると、このように考えております。
そこで、都におきましても災害時の物資輸送や被害状況の把握など、民間事業者との連携も含め、災害対応全般にドローンを活用していくべきと考えますが、都の取組について答弁を求めます。
○高田総合防災部長 都は、令和四年三月に山間部の孤立集落に緊急支援物資を輸送できるよう、指定公共機関のKDDI株式会社及びソフトバンク株式会社と協定を締結いたしまして、連携体制を構築するとともに、協定事業者と飛行に必要となる手順等を確認する図上訓練を実施し、物資輸送の実効性を高めてまいりました。
また、発災当初より被災現場の情報を収集できるよう、操作に当たる総合防災部や支庁の職員には民間資格を取得させており、総合防災訓練や通常業務においてドローンを使用するなど、操作能力の習熟を図っております。
○古城委員 第二に、東京都避難所運営指針素案についてです。
都議会公明党は、二〇二三年第一回定例会で、避難所の管理運営に関わる事務事業について、当時、福祉保健局の少子社会対策部が所管していた現状を指摘し、総務局が防災分野全般にわたって調整機能を発揮することが重要であると訴えました。そして、区市町村の避難所運営支援に係る関係部局の役割について必要な見直しを図ることを提案し、適切な執行体制の確保と運用を求めました。
これを受けて同年七月、福祉保健局から総務局に事務が移管され、私は昨年の事務事業質疑で、能登半島地震の発生なども踏まえ、災害対応の全体を統括する総務局において、避難所の新たな運営指針を年度内に取りまとめることとしているとの答弁を得たところであります。
そこで、総合的な防災施策を担う総務局において、本指針を策定した意義について説明を求めます。
○後藤避難所・物資担当部長 令和五年七月に平時の避難所運営支援に係る業務を災害対応の全体を統括する総務局に移管し、発災時には都の災害対策本部との連携の下、福祉局等が避難所運営支援に携わる仕組みといたしました。
本指針の策定に当たっては、総合防災部の総合調整機能を生かし、これまでの大規模地震における避難所の主な課題を整理し、避難所のあるべき姿とその実現に向けた取組の方向性をお示しいたしました。
今後は、本指針の実現に向け、区市町村や関係機関、地域の皆様と連携し、取組を推進してまいります。
○古城委員 登山家の野口健さんの言葉を紹介したいと思います。どの被災地を訪れても、日本の被災者は声を上げない、我慢するのが当たり前との風潮がある。熊本地震では、建物の崩壊などによる直接死よりも、避難生活に伴う体調悪化で亡くなる災害関連死が四倍以上だったことを考えると、避難所の環境改善は重要だと、こういう言葉で、重要な指摘だと思います。
能登半島地震の発災後、石川県七尾市で避難所支援に携わってこられた方の体験を拝聴いたしました。今回の避難所運営指針に掲げられている、これまでの大規模震災における避難所の主な課題についてに挙げられている八点に加えて、ライフラインの途絶と避難所空調の途絶も大きな課題になるとのご意見でありました。
さらに、その上で東京都が目指すべき避難所、これも素案に書かれておりますけれども、ここに万全の停電対策、トイレの洗浄、洗濯、入浴ができるための生活用水の確保、暑さ対策、寒さ対策ができるための空調設備の稼働を加えること、この点をご提言いただいたところであります。
この点につきまして、順次、都の見解をお尋ねしてまいりたいと思います。
被災者が尊厳ある生活を営むための、スフィア基準に沿った避難所の質の向上が進む中、電源確保の重要性もまた高まっております。災害時には停電が長期化することも想定されるため、避難所における非常用発電機などが必要となるわけでありますが、一点だけ質問に入る前に提案をさせていただきたいと思いますけれども、スフィア基準には環境の持続性も触れられております。したがいまして、非常用電源として避難所に再生可能エネルギー、蓄電池の整備も重要なのではないかと私は考えます。
先般、国会の衆議院の予算委員会の議論の中で、環境大臣からは、全国の指定避難所のうち再生可能エネルギーの導入率は約七%であると、こういう答弁がありまして、その上で大臣は、積極的に働きかけていきたい、こういうこともおっしゃっておられるわけであります。
今日は、この点、詳しくは答弁を求めませんけれども、改めまして避難所における非常用発電機などにつきまして、都の見解をお尋ねいたします。
○田代防災計画担当部長 都、区市町村及び災害応急対策に係る機関は、災害時に公共施設、拠点施設や避難所等の機能を維持するために、非常用電源の導入等による必要な電力確保策を図ることとしております。避難所においては、その運営主体となる区市町村において、非常用電源の確保に取り組んでおります。
都は、今年度から、希望する区市町村にLPガス等を燃料とした可搬型の非常用発電機をあらかじめ配置するとともに、災害時に機動的な配備ができるよう、都においても同様の非常用発電機を保有し、必要な電源確保に努めております。
○古城委員 災害時における飲料水や生活用水の確保もまた重要であります。素案では水の確保において、雨水、河川水、プールなどの水の活用が示されております。
先般、こうした水を有効に活用する取組につきまして、日本プール安全管理振興協会という団体さんがありますけれども、こちらにお伺いをいたしましたところ、奈良県の天理市さんと共同で学校のプールの水を浄化する実証実験を行い、現在天理市において市内の複数の小中学校にプールの水を精製できる固定式飲料水精製装置が設置をされておりまして、災害時の避難所における水の確保対策を進めているとのことでありました。
今後、避難所となる学校――学校が多くなると思いますけれども、この学校のプールの水を災害時にシャワーやトイレ、洗濯用水などにも活用できるようにするため、浄化装置の設置を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
○後藤避難所・物資担当部長 災害時の避難所において、避難者の生活上、また衛生環境の確保上、水の確保体制を重層的に用意していくことは重要でございます。
熊本地震や能登半島地震において、非常用生活用水浄化装置が活用され、被災者に大量の生活用水を供給した事例など、区市町村に情報提供をしてまいります。
○古城委員 スフィア基準の一つである最適な快適温度、換気と保護を提供するという基準を満たすためには、災害時に稼働できる空調設備が必須であります。空調設備の中には、停電下においても長時間運転が可能なLPガス空調システムがあります。
発災時には停電も想定され、そのような中でも、避難所には七十二時間以上稼働できるLPガス空調設備の導入を促進する必要があると考えますが、見解を求めます。
○後藤避難所・物資担当部長 避難所の生活上、避難者の健康確保のため、空調設備についても重層的に用意していくことは重要でございます。
素案においては、発災時に避難者が滞在することを想定している部屋等に利用可能な冷暖房機器、スポットクーラーやストーブ等の可搬式の機器を備えておくことを盛り込んでおります。停電時にも使用が可能なLPガスの空調設備の導入事例など、区市町村に情報提供をしてまいります。
○古城委員 災害はいつどこで起こるか分からず、平時からの備えが肝腎、肝であります。
都は、素案において、スフィア基準に準拠した生活空間やトイレの確保、入浴機会の提供など、将来目指すべき避難所の基準を示しております。
今後この指針を区市町村に展開し、避難所の生活環境の改善の取組を進めていく中で、都においては、こうした基準、またスフィア基準を満たす避難所を開設できるか区市町村に総点検を促していく、または都として総点検を行っていくべきと考えますが、見解を求めます。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、今年度、都と区市町村が連携し、避難所改革に取り組めるよう、東京都避難所運営指針を策定することとし、その中でスフィア基準などに準拠した目指すべき基準をお示ししました。
区市町村が直ちに取り組むべき具体的方策としてガイドラインに取りまとめるとともに、来年度は必要な資機材の確保ができるよう、新たな補助金などにより区市町村を支援し、目指すべき避難所の実現に向け、その取組を促してまいります。
○古城委員 避難所に関連をいたしまして、防災DXの観点からもう一問お尋ねをいたします。
避難所における被災者の受入れ、私も地元新宿区におきまして各避難所で開催をされております避難所防災訓練にお邪魔をいたしまして、私自身も受付をして、その訓練に参加をしておりますけれども、やはりその現場現場で感じることは、受付で避難所に来られた方々に必要な情報、お名前などの必要な情報を紙に記入していただくという方法は、非常に時間もかかりますし、また手間もかかる、さらにはその紙をどのように管理をしていくのかということも大きな課題になるのではないかと、このように感じているところであります。
茨城県の五霞町では、マイナンバーカードを活用して避難所の受入れ手続を簡略化する訓練を行っているとのことであります。受入れの際に取得したマイナンバーは、住民基本台帳と突合し、電子地図に取り込むことで、避難状況を把握するといった試みであります。
このようにデジタル技術を活用し、避難所における被災者情報の把握などに取り組むべきと考えますが、見解を求めます。
○高田総合防災部長 都は、来年度、発災直後の安否確認から応急復旧時の被災者の所在やニーズの把握、復興期の生活再建の支援まで、DXを活用し、被災者情報を一貫して管理する情報システムの構築に向け、課題の整理など具体的な検討を行うこととしております。
また、今般公表いたしました東京都避難所運営指針の素案においては、区市町村に対し、避難所における入所受付にマイナンバーカードやQRコードを活用した自治体の取組事例も紹介してございます。
今後も区市町村と連携し、DXを活用した被災者支援の迅速化、適正化に取り組んでまいります。
○古城委員 第三に、東京トイレ防災マスタープラン素案であります。
災害時、下水道が被害を受けた場合、水洗トイレの使用を控え、携帯トイレなどのし尿をごみとして保管、回収するタイプや、仮設トイレなどのし尿を便槽に貯留するタイプの災害用トイレを使用する必要があります。
都が公表した東京トイレ防災マスタープランの素案では、トイレの確保や質の向上に加え、運用体制の構築として、し尿処理の運用体制についても記載がなされております。
そこで、避難所避難においても、在宅避難においても、し尿処理体制の確保が重要と考えますが、見解を求めます。
○田代防災計画担当部長 プランの素案において、区市町村は、くみ取りを要する災害用トイレに係るし尿収集について、し尿収集車の台数、収集場所等の情報を把握した上で、し尿収集計画を策定することとしております。
また、使用済み携帯トイレ等につきましては、生活ごみ、避難所ごみと併せて収集、運搬、処分をするため、特に在宅避難により使用が多くなることを踏まえた体制を構築することとしております。
都は、区市町村からの要請に基づき、し尿収集車等の確保やし尿処理施設での受入れについて、近隣県を含めた広域的な調整や支援要請を実施いたします。
○古城委員 第四に、東京都地域防災計画火山編(令和七年修正)素案であります。
富士山は、江戸時代中期の一七〇七年に起きた宝永噴火から三百年以上が経過し、いつ大噴火が起こるともしれない状況にあるとのことであります。また、東京の島しょ部には全国に百十一存在する活火山のうち二十一の火山が存在し、特に三宅島や伊豆大島は数十年に一度の頻度で噴火を繰り返しています。
このため、こうしたリスクに備え、平常時からの備えを強化していくことが重要です。中でも、富士山の大噴火については、東京から離れた場所で発生する災害であるため、降灰に伴い、人々、都民の皆様にとってどのような被害が及ぶかについて、ほとんど知られていない、そういう現状もあろうかと思います。
私もこの新年、年が明けまして、地域の集いで、様々意見交換をさせていただく中で、豪雨災害、風水害、さらには地震、火事、こうしたいざというときの備えについてのお話をさせていただく中で、富士山の降灰対策というものも一つの話題、テーマとしてお話をさせていただきますと、そういうことがあったんだねと、昨年の南海トラフに関わる臨時情報の発令というのは、実は私たちにとっても密接に関係することなんだねと、こういうような率直な思い、ご意見も承ったところであります。
そこで、平常時より降灰に伴うリスクや発災時に備えるべき内容について、都民の皆様の理解を深めるための対策を講じることが重要であると考えます。富士山の大規模噴火降灰時に起こり得る被害様相などについて、都民の皆様に効果的に情報発信すべきと考えますが、都の取組について説明を求めます。
○田代防災計画担当部長 今般公表した地域防災計画火山編の修正素案では、都は降灰による影響を自分事と捉え、富士山噴火に備えられるよう、誰もが分かりやすい情報発信を行うこととしております。
現在、富士山噴火降灰に伴う交通インフラやライフラインへの影響、健康被害等について、CGを活用した動画等を作成しております。
来年度は、作成した動画を活用し、SNS広告や街頭ビジョン等の広告媒体、イベント等を通じて広く情報発信してまいります。
○古城委員 まずは身の回りで起こり得る降灰被害について、動画などを活用し、都民の認知度を上げていくとのことでありますが、都民の皆様の理解をさらに深め、自分事として捉えていただかなければなりません。
例えば、首都直下地震などの場合、発災時の被害様相について、家族構成や建物構造、住んでいる場所などを入力すれば、都民一人一人の個別の状況に応じた被害想定を作成できるマイ被害想定というコンテンツがありますけれども、こうしたコンテンツのように、将来的には富士山の降灰対策につきましても同様に、個人の状況に応じて、被害の様相を確認できるコンテンツの作成を要望させていただきます。
また、島しょ火山への対応も急務であります。特に伊豆大島や三宅島につきましては、前回の噴火から数十年が経過をしております。一度噴火すれば、島外も含め、避難を余儀なくされるため、災害リスクへの備えの強化に向けた取組を早急に進めるべきであります。
そこで、島しょ火山が噴火した際の島民の安全確保に向けた都の取組について説明を求めます。
○田代防災計画担当部長 今回の素案では、島民の安全確保に向けた取組を一層強化するため、避難体制の整備や島外避難の輸送体制の確保を進めることとしております。
具体的には、都は各町村と連携し、最新の知見等も踏まえ、来年度は伊豆大島や三宅島の火山ハザードマップを見直すなど、火山ごとに作成する火山避難計画の更新につなげてまいります。
また、火山活動が急変した場合や台風等の複合災害が見込まれる場合の対応手順、船舶等の保有数や港の規模等に応じた輸送手段の配分などについて検討を始めます。
○古城委員 総合的な防災施策に関連して、都の体制整備と都政BCPについても順次お尋ねしてまいります。
昨年十二月の総務委員会で、危機管理副監を都の規則上や計画上に位置づけることを提案したところでありますが、現在の検討状況について説明を求めます。
○高田総合防災部長 都は、現在、組織改正に伴い東京都災害対策本部条例施行規則ほか関係規則等の改正手続を進めており、この中で危機管理副監を本部員として位置づける予定でございます。
○古城委員 今般の報告事項には、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画改定素案、また東京都国民保護計画変更素案も上がっております。これらはいずれも対策本部が必要となるものでありますので、ぜひとも、今ご答弁いただきましたが、危機管理副監を規則の改正手続におきまして本部員と位置づける際には、これらの計画、ほかの計画もございますけれども、こちらにも、計画上にも明示をしていただきたいと重ねて要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
もう一つ、都政BCPに関連をいたしまして、昨年度の十一月に改定された東京都業務継続計画、都政BCPオールハザード型Step.1では、災害対策本部の拠点となる都庁防災センターの代替施設の候補先として、都庁内の会議室等に加え、防災行政無線等の機能を有した立川地域防災センターが明記されました。
それとともに、総務局総合防災部には、各局等の危機管理マニュアルなどの継続的な改善を支援する役割が求められています。
まず、都政BCPに基づく総務局BCPの策定状況について答弁を求めます。
○保家総務部長 総務局は、東京都災害対策本部の事務局として応急対策を推進する上で中心的な役割を担っております。
昨年度の都政BCPの改定を受けまして、総務局のBCPである総務局危機管理マニュアルの抜本的な見直しを行いました。
具体的には、都政BCPの改定趣旨を踏まえ、非常時優先業務に従事するための必要人数と実際に参集できる人数を試算し、様々な災害事象に柔軟に対応して、災害対策本部の事務局機能が担える体制を構築いたしました。
○古城委員 都政BCPに基づいて、総務局のBCPも改定、策定をされているということを確認させていただきましたが、続いて都政BCPに基づく各局BCPの改定状況について答弁を求めます。
○田代防災計画担当部長 都は、令和五年度に改定した都政BCPに基づき、各局等においてそれぞれのBCPを適切に改定できるよう、参集人員の試算や非常時優先業務の実施など、必要な事項を盛り込んだガイドラインとしてまとめております。
本ガイドラインを踏まえて、現在、各局等においてBCP等の改定を進めておりまして、令和六年度末までに約六割の局等で改定する見込みであり、令和七年度中の改定に向けて支援をしてまいります。
○古城委員 都政BCPには、各局等の代替施設までの移動フローのイメージというものも記載、掲載をされております。
都庁各局の業務継続の実効性を向上させるには、代替施設の選定など執務環境の確保が重要であることから、災害対策本部だけではなく、各局の代替機能も明示していくべきであると考えます。
まず、総務局における代替施設の選定状況について答弁を求めます。
○保家総務部長 都政BCPでは、都防災センターが使用不可能な場合、第一本庁舎、第二本庁舎の順に災害対策本部機能を使用可能な会議室に移転し、都庁舎が使用不可能な場合は、立川地域防災センターに移転することを定めております。
総務局は、東京都災害対策本部の事務局としまして、都政BCPで定めた代替施設の順に移転することを定めているほか、多摩地域にある総務局所管の施設である公文書館を代替施設として定めてございます。
○古城委員 総務局においては、代替施設として災害対策本部に合わせて都庁舎の第一本庁舎の中、それから第二本庁舎の中、そして最後には立川地域防災センターということとともに、公文書館に移っていくと、こういう代替機能を既に定めておられるということでありますけれども、それでは続きまして、都庁各局における代替施設の選定状況について答弁を求めます。
○田代防災計画担当部長 都政BCPでは、執務室が被害を受けた場合にも機能を維持するため、代替施設を選定する際には、施設の安全性など、移転の判断基準、移転手段の確保等についても定めておくこととしております。
現在、各局等では被害の状況に応じて円滑に移転を行えるよう、事業所の有無、非常時優先業務の内容や必要人数などを踏まえた検討を行っております。
引き続き、各局等の実情に応じた代替施設の選定が進むよう支援してまいります。
○古城委員 ただいまの答弁を伺いますと、総務局においては既に代替施設が定められておりますけれども、そのほかの局においては選定作業中であると、選定はこれからだということになろうかと思います。
当然、この東京都庁舎、第一本庁舎、第二本庁舎、また議会棟、都民広場も含めて、ここから移転をしなければならないということは、本当に甚大な災害、東京都の危機的な状況に陥るということであろうかと思いますが、やはり最悪の場合、万が一に備えて、ぜひとも各局における代替施設、代替機能の確保というものを総務局、また、なかんずく総合防災部のリードによって着実に進めていただきたいと、このことを強く要望させていただきますとともに、都政BCPに基づく各局BCPの改定、策定とともに、今申し上げた代替施設の選定状況につきましても、都度都度、時期を見まして確認をさせていただきたいということを申し添えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
結びに当たりまして、先ほどもご紹介を申し上げました登山家、野口健さんの言葉をもう一度ご紹介させていただきます。災害時の一日は平時の一日と違い、生きるか死ぬかに直結をする。非常に重要な言葉であるというふうに思います。
都民の皆様の命と暮らしを守る、都民の生命、財産を守り抜く決意の下、私も総務局、なかんずく総合防災部の皆様をはじめ、各局各部の皆様と様々に意見交換をしながら、知恵を出し合いながら、その実現のために、何としてもそのことをやり抜くために、これからも力を尽くしていくということをお誓いを申し上げまして質問を終わります。大変にありがとうございました。
○米倉委員 日本共産党の米倉春奈です。
まず、都立大学の博士課程の学生への支援について伺います。
今年度から都立大学などでは学部生と修士課程、つまり博士課程前期の学生には、生計維持者が都民であれば学費がゼロとなりました。これは私たち長年求めてきたことで歓迎しています。ただ、私ですとか日本共産党都議団は、博士課程後期も対象にすべきと求めてきました。しかし、今年のスタート、四月の段階では、都、また大学などは支援の対象というふうにはしませんでした。
博士課程後期まで大学に残り研究する方たちの中には、一千万円を超える返さなければならない奨学金を抱えながら、アルバイトをして生活費を稼ぎながら大学に通って研究するという方がたくさんいらっしゃって、私も身近に何人も見てきました。
都が都立大に限定しますが、来年度から支援を始めるということは大事なことだと考えています。
まず、これまで博士課程の後期の学生にはどのような経済支援があったんでしょうか。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、修学機会確保のための授業料減免制度において、博士課程の学生も対象とするほか、国の補助金を活用した支援プログラムなどに採用された学生に対して、研究奨励費等を支給してまいりました。
○米倉委員 つまり一定の収入基準を満たせば授業料が減免されるということと、あとは国の支援制度に合格すれば支給されるということだと思います。
来年度の予算案で示している博士人材への支援をなぜ東京都は始めるのか、問題意識を示してください。
○天野都立大学調整担当部長 高度専門人材を育成する博士課程への進学者数が減少しているため、優秀な学生の進学を促進し、東京の持続可能性を支える人材を確保することを目的に新たな支援を実施することとしてございます。
○米倉委員 おっしゃるとおりで、本当に研究して学問に貢献したいというような方たちが、研究が続けられないというような事態が広く広がっています。そういう中で博士課程にも進まないという方は確かにたくさんいらっしゃって、そこに支援していくということは大事なことです。
もう一つ、予算案で示している博士人材への支援はどういう支援を考えていらっしゃるのか、支援額の水準なども示してください。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、令和七年度から社会人等を除いた博士課程の学生を対象に、生活費相当額の奨学金や授業料等の支援を行います。加えて、優れた二、三年次の学生に対しましては、修士課程修了後就職した場合の給与に相当する金額まで奨学金を上乗せします。また、大学や産業界など幅広い分野での活躍につなげるため、キャリア形成を支援いたします。
○米倉委員 つまり博士課程一年生との関係では、授業料については払わなくてよくなると、そして生活費に相当する額の奨学金で支援すると、さらに研究費分も支援するということも聞いていて、大切なことだと思います。二年生以上に対しては、優秀な方に限定して、同じ学歴で働いた場合に相当する金額を奨学金として支給するということです。
この支援なんですが、年齢制限などの要件はあるのか、都立大の博士課程後期の学生のどのくらいの割合の方が支援対象になるんでしょうか。
○天野都立大学調整担当部長 今般の支援は、優秀な学生の博士課程への進学を促進することを目的に実施いたします。このため、社会人などを除いた修士課程から直接進学する学生を対象とすることを想定してございます。詳細は大学が今後決定いたします。
○米倉委員 修士課程からストレートに博士課程に進学しないと支援対象にはならないということです。ただ、都の優秀な学生に博士課程に進んでほしいという目的からすれば、もう少し要件は緩和するべきじゃないかと思います。
加えて、今回フルパッケージでの支援は、博士課程一年生しか受けられないわけですね。博士課程まで進む方たちの経済負担は大変重いものがあって、都立大の学部生などの対応と同じように、一年生だけでなく全学年一斉に進めていただきたいと思っているんですが、いかがですか。
○天野都立大学調整担当部長 今般の博士人材の支援につきましては、優秀な学生の都立大学への進学を促進する目的で実施します。先ほど申し上げましたように、優れた二、三年次の学生に対しましては、来年度から上乗せをいたします。
○米倉委員 博士後期まで行く方たちですから、本当に一生懸命研究されている方たちだと思うんですね。やはり経済負担大変な中で、この研究の道を進んでいらっしゃるという方たちの集団の中で、一年生だけ対象になった方はみんな支援するよというふうになると、これは私、研究環境としても分断が生まれて、それがいい研究やっていくという大学づくりに貢献するのかなというところはとても疑問があります。
これはぜひ学部生のときと同じように、全部の学年で一斉にスタートをしていただきたいと重ねて要望しておきます。
次に、国民保護計画についてです。
まず国民保護計画とはどういうものですか。
○永田国民保護担当部長 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律及び国民の保護に関する基本指針に基づきまして、武力攻撃事態や緊急対処事態において、都が法定受託事務として実施する国民保護措置等を規定した計画でございます。
○米倉委員 本当に聞き慣れない言葉がたくさん出てくるんですが、つまり国民保護法に基づく計画ということです。
この法律は、米軍ですとか自衛隊が軍事行動を自由に行うために、国民保護の名で国民を統制、管理、動員する罰則もある法律となっています。
ご答弁では、その計画はもし武力攻撃事態などの状況だと正式に認定された場合に、都は法定受託事務として行う措置を定めているということです。そうした事態だと認定されていない以前、今のような平常時ですね、については、6章に書いている平素からの備えなどに当てはまって、ここは法定受託事務ではないと聞いています。
では、国民保護計画の変更はどういうタイミングで行うものですか。
○永田国民保護担当部長 国民の保護に関する基本指針の変更や国際情勢の変化、国民保護措置に係る変更、訓練の成果などを踏まえまして、見直しを実施するものでございます。
○米倉委員 ということは、今回、国の基本指針が変更されたわけではないということです。
このタイミングで国民保護計画を変更する理由は何なのか、これは国から指示があったのか、もしくは都知事から指示があったのか、そこはどうですか。
○永田国民保護担当部長 ミサイル攻撃を現実的な脅威として捉えまして、ミサイル攻撃への対処を強化するなど、より実効性の高い計画とするため変更するものでございます。
○米倉委員 そういう状況だという話なんですが、今の主語がなくて、誰が考えた話なのか分からなかったので確認したいんですが、まずこれは国から求めがあったということなんですか。
○永田国民保護担当部長 先ほども答弁しましたけれども、計画の変更のタイミングについては、国際情勢の変化、国民保護措置に係る変更、訓練の成果などを踏まえまして見直しを実施するものであります。
今回、ミサイル攻撃を現実的な脅威として捉えまして、ミサイル攻撃への対処を強化するなど、より実効性の高い計画とするため、国と調整の上、都として変更するものであります。
○米倉委員 国と調整の上、変更と。すみません、確認しますけれど、それは国民保護計画というのは最後国と協議、この委員会の後の話ですけれども、ありますけど、その調整のことをいっているんでしょうか。
今私が聞いているのは、そもそも何で変更することになったのかと、それは誰の判断なんですかと、東京都の判断なんですかと、それとも国からも変えたらどうですかという話があったのかということを聞いているので、もう一度答えてください。
○永田国民保護担当部長 今回の変更につきましては、ミサイル攻撃を現実的な脅威として捉えまして、それらの対処を強化するなど、より実効性の高い計画とするため、国と調整の上、都として変更するものでございます。
○米倉委員 じゃ、確認しますが、国と調整は今もやっていらっしゃるということなんですか。
○永田国民保護担当部長 これから国と協議をいたします。
○米倉委員 ということは、東京都の判断だということだと理解しました。
さっきご答弁の中で、ミサイル攻撃を現実的な脅威として捉えるという話があったんですが、これは東京都の判断として、今近くの国がミサイル攻撃を用いて日本に侵略してくる現実的な脅威があるというふうに都が考えているということでいいんでしょうか。
○永田国民保護担当部長 武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律では、武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明確な危険が切迫すると認めるに至った事態と定義をしております。
○米倉委員 私が今伺ったのは、ご答弁の中でミサイル攻撃を現実的な脅威として捉えているということをおっしゃったので、日本が今そうした侵略の現実的な脅威の前にあるというふうに東京都は考えているんですかというふうに聞いたんですね。ちょっと今のお答えはかみ合っていなかったんです。ちょっとよく分からなかったです。
最初の質問のご答弁で確認したんですが、国民保護計画は武力攻撃事態か大規模テロなどの緊急対処事態の場合の対応を定めるものとなっています。
確認するんですが、まず武力攻撃事態とはどういう定義となっていますか。
○永田国民保護担当部長 ミサイル攻撃を現実的な脅威として捉えまして、ミサイル攻撃への対処を強化するなど、より実効性の高い計画とするため変更するものであります。
武力攻撃事態とは、武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律では、武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態と定義をしております。
○米倉委員 国民保護法では、もう一つ、武力攻撃事態、今のご説明にあった定義に至る前の段階である武力攻撃予測事態も対象となっています。この武力攻撃予測事態とはどういう定義になりますか。
○永田国民保護担当部長 法では、武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態と定義をしております。
○米倉委員 つまり日本が攻撃を受けていない状況から自衛隊が動けるようになり、国民を動員できる仕組みだということです。何をもって武力攻撃事態や予測事態と判断するかは、総合的に慎重な判断がなければならないものです。
そもそも武力攻撃事態と武力攻撃予測事態は、誰がどう認定するものなんでしょうか。
○永田国民保護担当部長 法により、内閣総理大臣が武力攻撃事態と武力攻撃予測事態を認定することなどを含む武力攻撃事態等または存立危機事態への対処に関する基本的な方針を閣議決定し、国会の承認を求めることとされております。
○米倉委員 つまり閣議決定し、国会が承認しなければ、武力攻撃事態も予測事態も認定はできないということです。そして、この事態の認定と併せて国の対処基本方針が出され、それを受けて初めて国や都の国民保護計画が現実的に実施される段階になるということだと思います。
今回の計画の変更について、主な内容はどういうものなのか、また具体的な内容で変更されたものはどういうものがあるでしょうか。
○永田国民保護担当部長 ミサイル攻撃を現実的な脅威として捉えまして、ミサイル攻撃への対処を強化するために、想定する事態として弾道ミサイル攻撃を重視しています。また、現行計画で充実させている大規模テロへの対処と併せまして、より実効性の高い計画にするために、関係機関等の役割を時系列で整理をしています。
○米倉委員 弾道ミサイル攻撃を重視したということです。
それで、これまで想定する事態では、最初に着上陸侵攻、船などが実際に上陸して占領するという攻撃が一番目に来ていました。それが今回の変更では、今までこれ、着上陸侵攻が最後に位置づけられて、弾道ミサイル攻撃を一番目にするなどの変更が案として出ています。
これについて伺いたいんですが、想定する事態の類型の順序を変更したことの理由はどういうものなのか、この順序というものに意味があるんでしょうか。
○永田国民保護担当部長 ウクライナ侵攻などの今までの戦争や紛争を参考にしまして、蓋然性の高い順序に事態類型の記載を変更しています。
○米倉委員 蓋然性の高い順にしたということです。
加えて伺いたいんですが、これは安保法制、いわゆる戦争法などができたことを受けたものということなんでしょうか。
○永田国民保護担当部長 ウクライナ侵攻など、今までの戦争や紛争を参考にしまして、蓋然性の高い順序に事態類型の記載を変更しております。
○米倉委員 今回の計画の大きな変更の一つは、この想定される事態の類型の順番を入れ替えたことなんですね。つまりそれには意味があるという東京都の判断があるんだと思います。現行の計画では、一番目が着上陸侵攻、二番目、ゲリラ特殊部隊による攻撃、三番目、弾道ミサイル攻撃、四番目、航空攻撃となっています。
どれも武力攻撃ですが、どういう事態を日本への侵略行為とみなすか。明確な武力攻撃と認定するかというときに、国際法上も明確な攻撃がないと侵略とは認められないわけで、だから類型の一つ目が着上陸侵攻になっていたんだと思います。
しかし、安保法制ができて、日本が武力攻撃を受けていなくても、自衛隊が米軍と共に戦争に参戦できるようになりました。アメリカがアジア太平洋地域で戦争を起こせば、軍事支援できるようになり、もっと重大なのは、アメリカが起こした戦争を存立危機事態と認定すれば、自衛隊が米軍と武力行使できるようになりました。しかし、この事態では、まだ国民保護は動けないわけですね。
国民を動かす、統制するには、国民保護法が必要です。だからミサイルが飛んできたら、もしくはミサイルが飛んできそうだと、それを予測事態と認定すれば、国民保護法を使えるようにしたいというふうに政府は考えているんではないかというふうに思いますし、東京都の今回の計画の変更というのは、そうした国の考えに沿ったものなんだろうと思います。
質問の中で、そもそも元の国の基本指針が変わったわけでもないのに、今回そうした変更をしてくるというところは、本当に東京都、前のめりになっていて、危惧するというところです。
もう一点、計画のつくり方を章立てを入れ替えて、最初にあった平素からの備えを最後にして、想定する武力攻撃事態及び緊急対処事態を計画の基本の次に説明したということには、どういう意味がありますか。
○永田国民保護担当部長 より実効性の高い計画にするために、想定する事態等への対処を理解した上で、平素から備えられるよう構成を変更したものでございます。
○米倉委員 よりリアルに都民に対して危機感を持たせたい、統制管理しやすくする土壌をつくっていくということなのかなと感じます。
しかし、都が責任や対応を問うべきは都民ではなく、日本政府だと思います。武力衝突を起こさせない、武力攻撃予測事態などを引き起こさないための努力こそ強く求めるべきだと思います。
そもそもミサイルシェルターを幾つかつくっても、実際にミサイル攻撃されてしまえば、都民を守るということは現実にできないわけです。
この間の都の取組は、学校に子供たち全員分ミサイルが飛んできたときの対応を知らせるプリントの配布などを行っています。また、都内の学校でも、校内アナウンスを使った訓練も行われています。
少し前ですが、ある都内の小学校では、近くの国をX国などではなくて、名指しをしてミサイルが飛んできましたという避難訓練をしていました。たまたま学校にいた保護者の方がアナウンスを聞いてびっくりしたということで、直接聞きましたが、国の名前を名指ししていて、これは本当にどうなのかと驚きます。
これは確認したいんですが、都のミサイル対応訓練というのは、近くの国を名指しした訓練を呼びかけているんでしょうか、これは都が進めていることなんですか。
○永田国民保護担当部長 特定の国は想定しておりません。
○米倉委員 当然だと思います。
ただ、やはりミサイル対応訓練だということで、これまでも東京都の国民保護計画にも位置づけてきましたけれども、現場でこういうことが起きているんですね。これは大変まずいことで、こういうことのないように徹底していただきたいと、これは確認したいんですが、どうですか。
○永田国民保護担当部長 特定の国を対象としたものではございません。
○米倉委員 それは当然なんですが、現実にいろんな手違いもあるのかもしれませんが、特定の国を名指しして、あの国からミサイルが飛んできたというような攻撃が都内の訓練でやられているというのは重大で、これは是正、必要だと思います。どうですか。
○永田国民保護担当部長 訓練は特定の国を対象としたものではございません。
○米倉委員 これ大事なことなので、では局長に伺いたいと思いますが、こういう国民保護計画も持って、東京都は責任を持っているわけです。特定の国を名指ししたミサイル訓練がやられるということは、これは重大なことで、是正が、見直し、対応が必要だと思いますが、どうですか。
○佐藤総務局長 これまでるる答弁しておりますけれども、特定の国を対象としたものではありません。
ただ、まず大前提として、安全保障は国の専管事項だというふうに思います。その上で、現在、度重なるミサイルの発射などがあって、国民を保護するために、都民の安全・安心を確保するために国民を保護する計画でありまして、そういうものをつくっているということをご理解いただければと思います。
○米倉委員 ちょっと驚きなんですけど、特定の国をじゃあミサイルが飛んできている実態があるから、名指しした訓練、東京都は認めるということなんですか。私はこれはまずいんじゃないですかという、現実にこういう事態があるから、それは最低限是正される必要があることだというふうに聞いているんです。
もう一回、局長、そこについてどうですか。
○佐藤総務局長 ただいまご答弁したとおりで、国民を保護するための計画なんで、当然実施すべきことだというふうに思います。(米倉委員「名指しで」と呼ぶ)名指しでやるとはいっておりません。特定の国を名指しするものではありません。
○米倉委員 ちょっと驚きなんですけれども、当然なんですよ、名指ししないのは。だけど、現場でそういう事態が起きているんですから、それはやっぱりあってはならないことじゃないんですかということを聞いているのに、正面から答えがないわけですね。それは、東京都として危機をあおっているのを、そういうことなのかなとなりますよ。重大だと思います。ヘイトだとか、そういうものも原因になりますよね。
今必要なのは、現実的なリスクをどうなくすかということです。世界情勢は危うい状況です、確かに。深刻な状況を招いているのは、それは一部の国だけではなくて、それに対して排他的なブロック対立が進んでいるからなんですね。
ロシアのウクライナ侵略を利用して、アメリカを中心にユーラシア大陸の東と西で大変な軍事同盟の拡大が進められています。日本はその最前線となっています。
アメリカは今、統合抑止という名で、アジアと太平洋では日米、米韓、米豪などの軍事同盟を統合し、欧州ではNATOが欧州を覆う勢いで拡大して大軍拡を進め、それがアジア太平洋の軍事同盟とNATOの統合を進めているということが今進んでいます。これが情勢を悪化させる重大な原因の一つです。
こういう中で、自民党政府は軍事予算をアメリカの要求に応えて、この三年で三兆円も増やして、一・六倍化しています。
他方で、ロシアと北朝鮮が相互の軍事援助を取り決め、ウクライナへの侵略戦争に加担し、戦争の危機を北東アジアに持ち込む危険な動きはそれはあります。中国が東シナ海などを力で現状変更の動きを続けているというのも情勢の緊張を確かにつくり出しています。(発言する者あり)既に軍事対軍事の悪循環を引き起こしているわけです。この道に平和はないですし、一度戦争になれば止めることは非常に難しいということは明らかです。
さっき私がこの国を名指ししたことに対して、それはヘイトスピーチじゃないかといいましたが、それは違いますよ。ちゃんと平和外交するために、リアルに現実を直視した対話が必要なんです。ただ、それと国民に対してどこからミサイルが飛んできたかということを一緒にするのは、それは次元が違う話なわけですね。
国民保護計画を実行することがないように、そもそも武力攻撃事態などを起こさない努力をすることが最も重要なわけです。その点は都はどう考えているんですか。
○永田国民保護担当部長 安全保障については国の専管事項です。度重なるミサイルの発射などは、都民の安全・安心にとって重大な脅威であり、その対処を強化するため、国民を保護するための国民保護計画を変更し、都民の安全・安心にとって努めてまいりたいと思っています。
○米倉委員 では、東アジアでの信頼関係をつくっていくということには、自治体としては都は取り組んでないんですか、取り組まないんですか。
○永田国民保護担当部長 安全保障は国の専管事項でございます。
○米倉委員 安全保障は国の専管事項というんですけれど、ほかの県は自治体レベルでの平和をつくっていくための外交を頑張っていますよ。大前提の脅威を招かないための努力についても、何も答えられないと。それでいいのかと、自治体として、本気で都民の命を守る気があるのかと問われます。
ブロック対立を避けて、ASEANのような徹底した対話の文化をつくっていくと、平和の共同体をつくって、もめごとを武力衝突に発展させないということの真剣な努力が今必要なわけです。
東京都はミサイルシェルターづくりや訓練はするんですが、この平和をつくっていくための積極的な平和外交、都市外交には背を向け続けています。これは重大で、首都こそ、こうした取組をつくっていく先頭に立つべきです。
日本共産党は政党として独自に世界の政府や政党との外交を位置づけて取り組んできた政党です。最近はアジア、そしてヨーロッパの各国を訪問して、各政党と懇談を重ねてきました。どこでもブロック政治から包摂的な対話で危機を乗り越えなければならないということが一致します。ヨーロッパでは、各国でいわれるのは、アジアの軍拡と緊張の高まりを懸念しているという声です。また、ユーラシア大陸に東西の軍事ブロック化を乗り越えていくために、ヨーロッパとアジアの国々、政党が連携することが大事だということを今私たち自身もやっています。
アジアでは与野党を問わず、全ての政党に開かれたアジア政党国際会議というものがあります。年末にも開催されました。十二回目で、アジアからの参加の二十八か国、四十九の政党は半分が与党で、オブザーバーでアメリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカから十五か国も参加するというような会議が行われています。
私たち日本共産党も志位和夫議長などが参加し、会議の成功のためにという立場で議論に参加してきました。この会議は、政党、各国、与野党を問わず、イデオロギーも問わないと、一堂に会して率直に討論して、理解や信頼を深めるということを大事に重ねています。
最後、採択する宣言も一致点を大事にして、昨年はプノンペン宣言が採択されました。大国間の対立の強まりに強く警鐘を鳴らして、その下で政党がなすべきことは、対話と包摂で平和をつくるということが打ち出されました。これは大変大きい意味があると思います。
そもそも国際的な政党会議、こういうものはアジアにしかありません。アジアには、東南アジアにはASEAN中心に大変な対話の努力が重ねられています。年末、日本共産党もASEAN本部をはじめ、東南アジア各国、田村智子委員長を先頭に訪問、回りました。ASEANでは年間千五百回も会合を開いて、徹底して対話を重ねています。どこでもこの長年の努力によって、政治文化でも、外交文化でも対話の習慣があって、それをさらに深めているという状況です。それが衝突をこの武力的なものに発展させないと、抑えていくという土台になっています。
ところが、こうした土壌が東南アジア中心にはありますが、北東アジアにはないわけです。どうやってつくっていくのかと、ここは都としても取り組むべき問題で、真剣に都民の命を守るというときに、外交について自治体としての努力が何も語られないということはあり得ない話で、これは国任せにせず、都としての努力を求めたいということも求め、質問を終わります。
○渋谷委員長 この際、議事の都合によりおおむね二十分間休憩をいたします。
午後三時二十七分休憩
午後三時五十分開議
○渋谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○鈴木委員 最初に、多摩地域の防災拠点の機能強化についてお伺いしたいと思います。
予算案の概要を確認いたしますと、立川地域防災センターと周辺設備を一体的に整備することにより、防災拠点として機能最大化のための基本計画の策定等を実施とあります。
年末の総務委員会でも、このテーマについて審議いたしました。ほかの委員の方々からも、立川地域防災センターそのものの強化だけではなくて、交通インフラの整備が必要ではないかというご指摘が多かったかと記憶をしているところでございます。
あえて、ここで強調したいんですけれども、ここは釈迦に説法かもしれませんけれども、都の地域防災センターだけでなく、国の立川広域防災基地であったり、国立病院機構災害医療センターが隣接するエリアでございまして、仮に首都直下型地震が起こり、首都機能が不全状態に陥った場合、国全体の復興の指揮をこのエリアの施設が担う重要な地域であるということでございます。
しかし、実際にこの地域に暮らしていると、本当にこんな脆弱な、ふだんでも私、例えば都庁に来るに、昨日も中央線が十分間遅れてちょっとひやっとしたり、去年は二時間電車の中に、中央線の中で閉じ込められるということもありました。立川から新宿、都庁って、車で来ても本来近いはずなんですけれども、もう朝の時間帯は交通渋滞でして、ほぼ私も車で来ることはございません。非常に交通インフラが整っていないなということを痛感しているところでございます。
南北の交通も渋滞ばかりで、本当に頼りないという状況でございまして、この地域の交通インフラの弱さ、具体的に申し上げると、JRをまたぐ南北交通の不便さ、中央線の複々線化や外環道の計画の遅れ、羽田空港へのアクセスの悪さ等を、まずどう認識されていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○高田総合防災部長 多摩地域の防災拠点ですけれども、八王子インターチェンジや国立府中インターチェンジまで、おおむね車で三十分以内の距離に位置し、中央道を経由すると、圏央道、東名高速など、主要な高速道路網との接続が可能でございます。
また、都心部等への交通アクセスは、多摩地域と都心をつなぐ道路網として、国道や都道など、災害時の活用を想定した緊急輸送道路が整備されているのに加えまして、首都高等の高速道路が活用が可能でございます。
なお、今年一月に公表いたしました多摩のまちづくり戦略(案)におきまして、広域防災拠点へのアクセスルートとなる道路等の事業を推進することが盛り込まれており、今後、さらなるアクセスの強化が図られるものと認識しております。
○鈴木委員 ありがとうございます。そうなんですよね。すいていると非常にいろいろ便利で、この地域に防災の拠点がつくられるということは合理的だなというふうに思うんですけれども、いろいろと改善をするところが多いんだろうなというふうに感じているところでございます。
多摩のまちづくり戦略(案)において、防災拠点へのアクセスルートとなる事業の推進が盛り込まれており、今後、アクセス強化が図られるとの認識だというご答弁をいただきました。計画や構想があるわけでございますので、ぜひ皆様から、総務局の皆様から都市整備局に、危機管理の観点から継続的に働きかけていただきたいなと思います。
この立川地域防災センターなんですけれども、この交通インフラの問題をもう一つ引き続いて質問したいんですけれども、発災の直後は大丈夫だと私も思っているんですね。ご説明いただいたとおり、交通規制すれば各拠点に道を確保することはできるんだろうなと、アクセスも便利だろうなというふうに思うんです。
ただ、これ、長期の復興が必要になるような事態になってしまったときに、じゃ、この地域に都心の首都機能のいろんなものが移ってきて、復興事業をやっていけるのかというと、あまりにやっぱり交通インフラが脆弱だなというふうに思うところでございます。
長期の復興期間を踏まえてアクセスルートを確保していくという観点で、庁内で連携して対策を進めていただきたいと思いますけれども、見解を伺います。
○高田総合防災部長 立川地域防災センターにつきましては、東京都地域防災計画において、応急対策の中枢を担う拠点として指定してございます。中枢を担う拠点を結ぶ道路などは、緊急輸送ネットワークとして、発災時に庁内各局や関係機関と連携し、優先的に障害物の除去等を行うとともに、必要に応じて交通管理者による交通規制等も行うなど、迅速な人命救助や物資輸送につなげることとしております。
また、復興までの各フェーズにおきましても、道路などの交通関連施設につきましては、都市の活動を支える基盤として重要な役割を担っておりますことから、庁内各局や関係機関と連携しながら、機能確保に努めていくこととしております。
○鈴木委員 復興までの各フェーズにおいても、道路等は都市の活動を支える重要な役割を担っていることから、庁内各局と連携し機能確保に努めていくと、我が意を得たりの答弁をいただきました。ありがとうございます。ぜひ、頑張っていただきたいと思います。
続きまして、こちらの多摩振興アクションプランについて、質問させていただきたいと思います。
こちらの二六ページに掲載されている多摩地域の人口予測を見ると、今後、多摩地域では、二〇二〇年から二〇五〇年までの三十年間で約四%の人口減少が予想されています。日本全体では、同三十年間で一七%人口減少が進むというふうに考えると、これ大健闘じゃないかなというふうに思っているところでございます。
東京全体では、何と今後三十年でも、まだ二・五%ほど人口が増加することが予測をされているようでして、東京都としての政策によっては、多摩地域も、少なくとも今後三十年は人口維持を実現できる可能性もあるのかなというふうに、こちら拝見しながら考えていたところでございます。
加えて、コロナ禍で広がったリモートワークが、コロナ終結後も一定程度定着をしている。その結果、鉄道各線の定期券販売がコロナ前の水準に戻らない。長らく続いてきた都心回帰の流れが終わるんじゃないか、現在の都心部の利便性を優先するライフスタイルから、郊外の自然豊かな場所でのライフスタイルが尊重されるように、価値観がまた揺れ戻してくるんじゃないかというようなことも、多摩住民の一人として期待しているところでございます。
そこでお伺いいたしますが、都は、多摩地域の人口動態をどのように捉え、どう取り組んでいくお考えでしょうか、伺いたいと思います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 多摩地域の人口は、今後、減少に転じることが見込まれております。エリア別に見ますと、西多摩地域では、既に人口減少が始まっている状況にございます。こうした状況を踏まえ、本プランでは、移住、定住の促進を分野横断的に取り組むという方向性を示し、空き家を活用した移住定住や地域交流ワーケーション体験ツアーなどに取り組んでいくこととしてございます。
○鈴木委員 ありがとうございます。ご答弁の中でも空き家の話が出ましたので、続いて、こちらの二七ページで触れられています多摩地域の空き家の問題について、触れていきたいと思います。
二七ページを拝見すると、二〇〇八年から二〇二三年までの僅か十五年間で、空き家数が四万二千軒、二一%も増加をしています。
さらに、今後、団塊世代の皆さんが、私の父なんかまさにその年代なんですけれども、そろそろ自宅をどうしようかなんていう話が家族の中でも持ち上がってきておりまして、こういった団塊世代の方々が自宅を処分する動きが加速していくことを考えると、またさらに多摩地域では空き家が増えていってしまうんだろうなということを懸念しているところでございます。
このような状況を考慮すると、今までのように、私もずっと多摩で育ってきましたけれども、どんどん駅から遠いところの山を切り開いて、新しい住宅街をつくるんですね。駅から二十五分、三十分歩くようなところを切り開いて住宅地をつくって、これ三十年後どうなっちゃうんだろうと、また空き家になっちゃうんじゃないかというようなことが、今でも続いている状況があるわけでございます。
そういった今までのまちづくりの流れを見直して、既存の住宅ストック、要は中古住宅をもっと有効活用するとか、空き家を地域で活用していくというお話、先ほども伺いましたけれども、空き地を地域で活用していくことも否定しないんですけれども、もっと新築住宅がちょっと抑制されるように、例えば、中古住宅市場をもっと活性化するとか、もしくはダイレクトに新たな宅地開発を今後制限していくとか、そういった取組、まちづくりの転換のようなものが求められているかと思うんですけれども、見解を伺いたいと思います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 本プランでは、多摩地域において、空き家数が増加している状況などを踏まえ、既存ストックを有効活用するという方向性を示しました。
具体的には、空き家の利活用などを進める市町村への支援や、空き家を地域資源として活用する民間事業者等への支援、空き家活用の魅力発信などを実施していくこととしてございます。
○鈴木委員 ありがとうございます。続いて、また、再び道路交通の話に戻りたいと思うんですけれども、多摩地域の大きな弱点として、国際空港へのアクセスの問題があろうかと思います。世界一のGDPを誇る東京に国際空港が二つしかない。成田空港をその一つに数えていいのかどうか、原稿を書きながら悩みましたけれども、成田を入れて、国際空港二つなわけですね。
私は、昔、イギリスに、一年ほどロンドンに暮らしておりましたけど、国際空港四つございました。ロンドンよりもはるかに大きな東京に国際空港二つしかない。実質、東京の中にあるのは羽田だけですよね。これは、羽田がパンクしちゃうのはしようがない、当然の結果なんだろうというふうに思うところでございます。
私の地元、立川からですと、電車に乗ろうと車であろうと、羽田まで予定どおりいって一時間半、二時間から三時間見ておかないと着かないと、車だとですね、そういう状況でございます。
こういう状況の中で、このグローバリゼーションの時代に、立川でスタートアップだとか、企業誘致だとか、働ける場所といっていただいているんですけど、なかなか、この問題解決しないと難しいんじゃないかなと思うところがございます。
これ以外にも、多摩地域の交通の問題、南北方向の道路渋滞とか、いろんな問題がございます。都としてどのように取り組むか、見解を伺いたいと思います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 多摩地域の都市計画道路は、多摩南北主要五路線等について、年々整備が進んでおりますが、引き続き道路ネットワークの強化などを推進していく必要がございます。
そうした中、本プランにおいては、多摩南北、東西道路の整備や優先整備路線の計画的な整備、首都圏三環状道路の整備促進などに取り組んでいくこととしてございます。
○鈴木委員 ありがとうございます。なかなか、空港の話は触れづらいと思うんですけれども、ぜひ皆さんの頭の片隅に置いておいていただいて、長期的な多摩地域、東京の課題として、ご検討いただけないかなというふうに思うところでございます。
また、他会派からもご提案されている羽田空港アクセス線の西山手ルート、これなんかも非常に国際空港の問題を別のアプローチで改善する、いいご提案だなというふうに思っているところでございます。ぜひ、前向きにご検討いただきたいというふうに思うところでございます。
続きまして、市町村総合交付金について伺いたいと思います。
都は、市町村総合交付金の算定に当たり、経営努力割という項目を設定しています。昨年の決算審査特別委員会の分科会質疑においても、この点について確認をさせていただきましたけれども、改めて伺いたいと思います。
経営努力割では、市町村職員の賃金や人事制度について、国や都の制度に準拠しているかを確認しており、その状況に応じて総合交付金が配分される仕組みとなっているとのことです。
我が国の人口は、既に減少局面に入っておりまして、東京都も例外といっていられないかと思います。特に、これからの業務の担い手の生産年齢人口が今後減少していくといわれていることを考えると、なかなか公の機関であっても、人材の確保、苦労していくことになっていくんだろうなというふうに思っているところでございます。
こうした状況を踏まえれば、経営努力割の算定項目の一つである人事給与制度の状況については、人事確保に関する各市町村の戦略判断を尊重していただきたいと、算定項目から外すべきじゃないかというふうに昨年から提案をさせていただいているわけでございますけれども、改めて見解を伺いたいと思います。
○田中行政部長 地方公務員の人事給与制度は、地方公務員法第二十四条に定めます国や他団体との均衡の原則等に基づきまして、人材確保に資する処遇改善や、役割、活躍に応じた処遇の実現等といった観点を踏まえまして、各団体で整備されるものでございます。
住民の理解と納得を得ながら、能力と実績に基づく人事管理を行う必要があるとの認識の下、市町村総合交付金の経営努力割の算定に当たりましては、市町村の自助努力に対するインセンティブの付与を主眼としていまして、各団体の人事給与制度の取組状況を踏まえております。引き続き、適切に対応してまいります。
○鈴木委員 ご丁寧にお考えを説明いただきまして、ありがとうございます。当面、やはりこの項目続くんだなというふうに理解をいたしました。
国なんかでも、サイバーセキュリティの、例えば、専門家を雇うためには、既存の給与テーブルでは雇えないということで、いろいろと見直しが進んでいるというふうに伺っています。都内の各市区町村もいろんな努力をされていらっしゃるわけで、ぜひ、そういう戦略的な判断、人事上の努力を前向きに評価をいただきたいなというふうに思うところでございます。
経営努力割の算定に当たっては、市町村の自助努力に対するインセンティブの付与を主眼とすると、今もご説明をいただきました。大胆な人事上の自助努力によるチャレンジで、経営努力割の減額というペナルティーが発生するような事態が起こらないように、ぜひ注意していただきたいというふうに思うところでございます。
最後に、私の非常に重視しているテーマでございます会計年度任用職員について、お伺いをしたいというふうに思います。
まず最初に、令和六年度の東京都の都全体の職員定数及び知事部局の職員定数を教えていただきたいと思います。加えて、都全体の会計年度任用職員の人数は把握されていないようでございますので、知事部局における会計年度任用職員数を教えてください。
○金久保人事部長 令和六年度の学校職員、警視庁及び東京消防庁等も合わせました全任命権者における職員定数は十六万六千六百六十五人となっております。そのうち、知事部局における職員定数は一万九千六十八人となっております。また、知事部局における会計年度任用職員数は七千五十九人となっております。
なお、会計年度任用職員の勤務形態は様々でありまして、例えば、週二日から三日程度の職もこの中に含まれているものでございます。
○鈴木委員 ありがとうございます。非常に多くの数を雇用されているということがよく分かりました。
都全体の会計年度任用職員の人数は把握されていないということでしたので、総務省のホームページに掲載されている集計表を基に私なりに算出したところ、東京都全体で二万九千六百二十七人を雇用していると。ちょっとどこまで正しいのか分かりませんけど、恐らく三万人ぐらいいらっしゃるのかなというふうに受け止めているところでございます。
先ほど教えていただいた、都全体の正規職員が十六万六千六百六十五人、先ほどの二万九千六百二十七人を合わせると、東京都全体で十九万六千二百九十二人を雇用しているということになるわけでございます。十九万人というのは、改めてすごい数だなというふうに思うんですね。
これ、どれぐらいすごい数なのかというのを自分なりに確認しようと思って、東京都のホームページで発表している東京労働力調査の結果、令和五年の第四・四半期の数字なんですけど、東京全体の全就業者数を確認すると八百四十二万五千人なんですね。だから、東京で働いている全ての数が八百四十二万人、そのうちの十九万人、これもう東京都の職員だということがいえるわけで、これをパーセンテージに直すと、東京全体の就業者の二・三%が東京都の職員だということがいえるわけでございます。
つまり、何がいいたいかというと、恐らく今まで議論していると、総務局の皆さんは、東京都の組織のための人事政策をやっていらっしゃるっていう意識でやられているんだと思うんですけど、それが東京都全体の労働市場の二・三%の物事を決めていて、二・三%の物事を決めると、当然全体に大きな影響力を及ぼしているんではないかということを指摘させていただきたいわけでございます。
加えて、東京都以外にも、都内基礎自治体とか都の関連団体に、東京都の人事政策って強い影響を与えている、そういったことも考えると、都の人事政策は都全体の労働市場に強い影響を与えることができるし、既に与えているということがいえるかと思います。
ですから、私は、東京都は自分たちの人事政策が、自分たちが都合がいいんだと、最適なんだと、部分最適なんだといっているだけではなくて、その結果、東京都全体の労働市場にどんな影響を与えているのかという点をぜひ考えていただきたいなというふうに思っているところでございます。
都の人事政策を見ていると、先日、一般質問で私が、知事部局の三割の職員が非正規雇用ですと、こんな状況を見直すべきではないでしょうかと質問させていただきましたら、総務局長から、常勤の職とするか、会計年度任用職員の職とするかにつきましては、専門性の有無、業務量、権限や責任の度合い、今後の事業の動向等を総合的に勘案し、判断しておりますというご答弁をいただきました。
現在の実情を丁寧にご説明いただいたと受け止めていますけれども、つまるところ、東京都という組織が担っている事業をどうやって運営するかに一番都合のいい、部分最適を実現するための人事政策を採用しているというお答えなんだろうと思うんですね。
それだけでは足りないんじゃないかな。東京都全体の労働市場に対する影響、非正規公務員という官製ワーキングプアともいうべき存在を生み出している側面について、もっと考慮していただきたいなというふうに思うわけでございます。
もう一点、しつこいんですけど、指摘をさせていただきたい点がありまして、同じくさきの本会議で、産業労働局に対して、非正規雇用をどう考えますかって質問させていただいたんです。そうしたら、産業労働局は、非正規雇用の方の正規雇用化は安定した就労を実現するために重要であり、都はその後押しを行っているというふうに答弁をいただきました。同じ東京都の組織である産労さんは、非正規雇用の正規化は重要だっておっしゃっているんですね。
また、これ、あしたの質疑で取り扱うんですけど、先般発表された東京都の少子化対策二〇二五を読むと、一二ページで、非正規雇用の有配偶者割合が著しく低いと。つまり、非正規雇用だと結婚されている方が著しく低いんだという事実を指摘されていて、若年層や子育て世代が安心して将来展望を描ける就労、職場環境の整備が必要だと、子供室さんも指摘をされていらっしゃるわけです。
ここでようやく質問になって恐縮なんですけれども、こういったことを踏まえて、東京都は、自分たちの都合ばかりではなくて、都内最大級の従業員を雇用する組織として、また公の機関として、社会的影響を考慮して現状の方針を改め、正規職員としての配置を中心とした人員計画を採用すべきではないでしょうか、見解を伺いたいと思います。
○金久保人事部長 東京都の職員定数につきましては、将来にわたり、都政全体のクオリティー・オブ・サービスを確保、向上しながら都政課題に取り組んでいくため、効率的かつ生産性の高い持続可能な執行体制を構築する観点に立って定めるものでございます。
その上で、常勤の職とするか、会計年度任用の職とするかについては、専門性の有無であるとか業務量、権限や責任の度合い、今後の事業の動向等を総合的に勘案し、判断しております。
○鈴木委員 ちょっと恐縮なんですけど、質問に答えていただいていないと思うんですね。今のお話は、この前の局長答弁で分かっているわけです。東京都として最適なやり方なんだと、事業運営していくに当たって、そこは分かった上で質問させていただいているんですね。東京都として、そうやって部分最適をやる結果が東京都の全体の労働市場にどういう影響を与えていますかと、ほかの部門は非正規雇用なくしているといっているのに、総務局が自分たちの採用に当たっては、非正規雇用だろうが何だろうが、自分たちの事業が進みやすい採用をやるんだ、配置をやるんだっていうんでいいんですかっていう質問なんですけれども、その点について、ご答弁いただきたいと思うんですが。
○金久保人事部長 先ほど申し上げましたとおり、職員定数につきましては、将来にわたり、都政全体のクオリティー・オブ・サービスを確保、向上しながら都政課題に取り組んでいくため、効率的かつ生産性の高い持続可能な執行体制を構築するという、そういう観点に立って定めることが重要であると考えているところなんです。
なお、今年度から、事務、土木、建築、機械、電気、福祉職におきまして、経験者採用選考を導入しております。都庁などでの公務職場で会計年度任用職員として働いてきた経験、それを糧にして、今後は常勤職員として定年まで都政に貢献したいと希望する意欲と能力のある方にも、ぜひ応募してもらいたいと考えているところでございます。
○鈴木委員 残念ながら、また質問に答えていただけなかったなというふうに思うんですけど、小池都知事がよく、隗より始めよとおっしゃるんですけど、産労さんは東京都全体の非正規雇用を正規に変えていくんだというお話をされていて、子育て支援の観点からも、安定した就労が必要なんじゃないかと子供室さんは提案されているという中で、東京都自体がいつまでも自分たちの職員については自分たちの効率性だとか、自分たちの部分最適だけ求めればいいんだという発想を、ぜひ見直していただきたいなというふうに思うところでございます。
最後に、会計年度任用職員の問題、引き続きなんですけれども、雇用年限の五年ルールについて伺いたいというふうに思います。
何度か、この問題取り上げてまいりました。昨年の都によるスクールカウンセラーの大量雇い止め事件が、とうとう訴訟に発展してしまい、非常に残念に思っているところでございます。
かねてより、今回のスクールカウンセラーの大量雇い止め事件の原因となった東京都の五年ルールは廃止するべきだと訴えてまいりましたが、皆さんからいただく答弁は、公募による能力本位と継続雇用による人材確保の両立を図っていきたいんだということで、当面この五年ルールを続けていく方針だと説明をいただいているところでございます。
そこでいつまでも押し問答してもしようがないので、今日ちょっと違う観点から質問させていただきたいんですけれども、これ五年、そういう皆さんの方針は分かったんですね。公募による能力本位、この原則は変えられないんだということであるのであれば、私、五年ごとに全員雇い止めにして、勤務評定が非常に五年間すばらしかった方も、駄目だった方も、一緒くたにして、新人と一緒に公募にして、書類選考、これあまりにも非合理じゃないかなと、皆さんの方針から考えても、能力本位にならないんじゃないかなというふうに思うところなんです。
ぜひ、提案させていただきたいのは、会計年度任用職員ですから、一年ごとにも勤務評定の下位の一定程度の方々とかって見直すことできると思うんですね。そういった方々を毎年毎年、雇い止めにするなり、契約を更新しないというふうにしながら、その分を公募として、実力本位で新しい人材を採用していくという制度に変えた方が、合理的で能力の高い人材が確保できると思いますし、会計年度任用職員の方々の納得性にもつながるかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○堀内労務担当部長 会計年度任用職員の採用に当たりましては、現職以外の外部の方にも公平な機会を提供して、職場外の外部の方との競争によって能力本位で行うことが重要でございまして、したがって、原則は公募とされてございます。原則公募であるという点は、一部の方々のみではなく、全ての方々にひとしく適用されるものでございます。
一方で、人材確保の観点も考慮する必要があることから、都では毎年度の能力実証を前提にし、四回までは再度任用を可能とし、五年に一度は職場以外の方との競争を行うことで、能力本位の任用と人材確保の両立を図ってございます。
また、公募により採用された後に、職場内での業績評価で良好ではないというふうに判断された方がいた場合には、次年度の引き続きの任用は行わず、公募を行うこととしてございます。
○鈴木委員 それは分かっているんです。今までもご答弁いただいているんで、それで、それを分かった上でご質問させていただいているんですね。そういう考え方もあろうかと思うんですけど、あとごめんなさい、一点、今、原則は公募とされているとおっしゃったんですけど、原則を公募としているんですよね、皆さんが。国だってこの制度をやめているわけだから、皆さんの意思でこの五年ルール続けられているんだという点はまず確認させていただきたいんですけど、この点どうですか。
○堀内労務担当部長 国におきましても原則公募としておりまして、私どもも、それを踏まえまして原則公募としているものでございます。
○鈴木委員 私、マニュアルも確認しましたけれども、原則公募としているというのが何を指していっているのか、ちょっと正直よく分からないなというふうに思うところでございます。
本題に戻りたいんですけど、この五年ルールについて、皆さんのおっしゃる説明はもう前からいただいているんで分かっているんですね。私も百歩譲って、公募も必要だよねと、皆さんとしても、そもそも会計年度だから一年で切るということはしていないんだと、継続雇用の必要性も認めているんだということで、私、歩み寄れるんじゃないかなと思ってご提案させていただいているわけなんですけれども、公募も必要だと思うんです。だから、私が提案させていただいているのは、五年たった時点で、勤務評定が五年間非常にすばらしかった方も、駄目だった方も、一斉に全部その実績をゼロにして、新人と同じで、書類選考だけ見て選びますというのは、優れた人材を採ろうという観点からもマイナスだと思うんです。
そんなことをしないで、一年ごとに勤務評定が一定の点数に達しないという方はご退場いただいて、その分公募にして、新人の方々にも門戸を開くということにすれば、公募のよさと継続して雇用できることのよさ、両方が両立できていいんじゃないかなというふうにご提案させていただいているんですけど、この私のプランについて、ご意見をいただきたいと思います。
○堀内労務担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、原則公募であるという点につきましては、一部の方々のみではなくて、全ての方々にひとしく適用されるものでございます。その上で、人材確保の観点も考慮する必要があることから、都は、四回までは内部の業績評価で適性のある人材の再度任用を可能とし、五年に一度は全ての方、外部の方も含めて、現職以外の外部の方も、東京都以外でも様々なご経験をされておりますので、そういった方も含めて競争していただいて、能力本位の任用を行うことで、より適性の高い人材を採用させていただいているところでございます。
なお、五年の上限を達した方であっても、公募を経た選考を行った上で、その成績により、引き続き任用されておるところでございます。
○鈴木委員 五年間たった方であっても、公募でまた優れた点数を出せれば、引き続いて継続できるからいいっておっしゃるんですけど、現場で、日々の仕事の中で信頼できる仕事をされる方と、一発試験の公募試験でいい点数取れる方って違うと思うんですよ。
日々、毎年いい勤務評定を残されている方が公募で必ず残れるとは思えないし、実際、スクールカウンセラーの問題起こったとき、私もたくさんお話を伺いましたけど、現場の校長先生からも非常に高い評価をいただいていたけれども、僅か二十分一本の面接で落とされたと、本当に納得がいかないし悔しいと、せめて何が悪かったか指摘してもらいたい、おっしゃっていらっしゃいました。本当に納得できない不合理な制度だなというふうに思っているところでございます。
もうここで押し問答してもしようがないんで、でも、その原則公募というところで何か議論がいつまでも前に進まないなというふうに感じて、最後、そこ確認させていただきたいんですけど、私も、総務省の会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルの第二版、この改正されたやつ、確認してしゃべっているんですけど、原則公募というのが、ちょっとごめんなさい、どこに表記されているのかが分からないなと。
このマニュアルの最後に書いてあるんですけれども、今までの任用年度のところはもう廃止がされていて、具体の取扱いについては、各地方公共団体において、平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、地域の実情等に応じつつ、適切に対応されたいと、要は自主的に判断してくださいって書いてあると思うんです。
ここに基づいて、平等取扱い並びに成績主義、皆さんの言葉でいうと能力本位と人材確保ですかね、その二点で考えていけばいいんじゃないかなと思うんですけれども、何でそこまで、皆さん、原則公募にこだわっていらっしゃるのか、最後にご説明いただきたいと思います。
○堀内労務担当部長 お話のありましたマニュアルでございますが、マニュアルの大前提といいますか、総論のところにありますが、募集採用に当たりましては、地方公務員法の平等取扱いの原則を踏まえまして、均等な機会を与える必要があるというふうになってございます。理事おっしゃっていただいた部分につきましては、それを前提といたしましてのお話が、読み上げていただいたマニュアルに記載されているということでございまして、原則公募であるということは、国もいっていることでございます。
○鈴木委員 ちょっとよく分からなかったんですけれども、また今後議論を、ここ、深めさせていただきたいなと思うんですけれども、もう国もやめて、国は三年ルールでしたけど、やめて、もう全国の各自治体もこれやめていっていますよ。何で東京都がいつまでもこんな五年ルールにこだわっているのか、私、非常に強い疑問です。実力主義でやっていくに当たっても、こんな五年ルール要らないと思うし、人材の確保のためにもこんなルール要らないと思うし、非常に不合理でアンフェアな制度だなと思いますので、ぜひご検討いただきたいなと思います。
以上です。
○田の上委員 ミライ会議の田の上です。よろしくお願いします。
私からは、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例等について伺います。
通勤手当の引上げや在宅勤務等手当の新設、管理職員特別勤務手当など、令和六年人事委員会勧告等を受けての改正となっています。これまでにも、人事委員会や総務局の事務事業質疑で確認をしてきました。
常勤職員の給与改定を踏まえ、すなわち公民較差二・五九%解消を基準とし、会計年度任用職員の報酬も改定するとのことかと思います。また、会計年度任用職員については、常勤職員と同じく、四月に遡及して改定をすることになりました。
一方で、扶養手当において、子に係る手当は、段階的に二年間で一万三千円に引上げされるものの、配偶者に係る手当は二年間で段階的に廃止される。もう二年後には廃止になってしまうということから、年齢層によっては給料表の引上げによる増額分より減額分が多くなるのではないかと懸念している声があります。
都の配偶者の扶養手当をこのまま段階的に廃止してよいのか疑問があります。改めて、今回の扶養手当の見直しの趣旨と内容について伺います。
○堀内労務担当部長 扶養手当につきましては、令和六年人事委員会勧告におきまして、民間及び公務において、配偶者に対し、手当を支給している割合が減少していることや、少子化対策が喫緊の課題であることなどを踏まえ、配偶者に係る手当を段階的に廃止し、子に係る手当を一万三千円に引き上げることが適当とされました。
今回提出させていただいております給与条例の改正案は、この人事委員会勧告を踏まえまして、労使で交渉を行った上で、勧告どおりの見直しを行うものでございます。
○田の上委員 ご答弁いただきました。総務局としては、簡単にいうと、人事委員会勧告を踏まえて、労使で妥結したものであるということであると思います。
また、民間や公務において、配偶者に対し、手当を支給している割合が減少していることや、少子化対策が喫緊であるということを踏まえて、配偶者の手当の廃止が適当とされたということだと思います。配偶者の手当があることで、手当を受けるための収入基準を超えないように働き控えをする方もいるということを踏まえた動きであると認識をしております。
一方で、国においては所得税の百三万円の壁の議論が行われており、その控除額が百三万円から百六十万円まで引上げされる方針がまとめられました。これは、子供だけではなく配偶者も対象となっています。
私は、常々、労働は価値があるものだと考えておりまして、手当や控除を受けるために働き控えをすることはもったいないことだと思っております。しかしながら、必ずしも配偶者が働ける環境でない場合もあります。例えば、配偶者の中には障害、疾病などで働きたくても働けない方もおり、中高齢層の職員の中には、配偶者の扶養手当が廃止されることで世帯年収が下がってしまう方もいるのではないかと懸念をいたします。
そこで、扶養手当につきましては、こうした状況も踏まえながら、引き続き検討していくべきと考えますが、今後の対応について伺います。
○堀内労務担当部長 地方公務員法において、職員の給与が社会一般の情勢に適応するものとなるよう人事委員会が勧告を行うこととされておりまして、都といたしましては、勧告を最大限尊重すべきものと認識しております。今後も、人事委員会勧告を踏まえ、適切に対応してまいります。
○田の上委員 人事委員会勧告を最大限に踏まえるというご答弁でございました。社会一般の情勢を踏まえた人事委員会勧告でございますので、今後も、見直しも含めて、いろいろご検討いただければと思います。物価高の中、手当の廃止が年収の減少につながるようなことがないように、職員の声にも耳を傾けながら、今後の制度構築をしていただきたいと要望いたします。
次に、都庁における障害者活躍推進計画第二期についてです。
計画では、職務環境の整備、相談体制の整備、人材育成等のほか、障害を有する職員が勤務できる職場の拡大から、採用、育成とキャリア形成に向けた取組まで含まれています。相談をはじめ、障害特性に配慮した一人一人に向き合う計画が提案されており、期待をするものです。
知事部局の雇用率は、令和六年度実績で三・二六%であり、前計画前二・八%より増加をしています。障害者の雇用率は、非正規社員や短時間労働者であっても、常用雇用している労働者であれば障害者雇用率に算定をすることができますが、都庁の三・二六%は勤務時間で分けた場合、どのような内訳になっているのでしょうか、伺います。
○金久保人事部長 知事部局の障害者雇用率三・二六%の基となっております障害者である職員数については、法令に基づきまして、一週間の所定の勤務時間が三十時間以上の職員、二十時間以上三十時間未満の短時間勤務職員及び十時間以上二十時間未満の特定短時間勤務職員に分類し、国に提出し、その内容を公表しております。
その際、少人数である場合には、特定の職員が障害者であること及びその障害の程度等が推測されるおそれがあるため、非公表となっております。
直近で国へ提出した内訳では、短時間勤務職員は非公表、特定短時間勤務職員は在籍していないため、大部分の職員が一週間の勤務時間が三十時間以上の職員となっております。
○田の上委員 三・二六%の実績の内訳について伺いました。短時間勤務職員は非公表、つまり少人数であるということかと思います。特定短時間勤務職員は在籍がなし。大部分は一週間の勤務時間が三十時間以上の職員とのことです。
一人一人の事情、希望を踏まえて、勤務時間が設定されていることが基本であります。計画には、障害を有する職員の採用等に関する取組として、毎年度、身体、知的、精神障害者を対象とする職員採用選考の実施、知的障害者が非常勤職員から常勤職員へとステップアップできる選考の実施とあります。非常勤から常勤職員へステップアップできることは、モチベーションの一つになると考えます。
本人が希望し、能力が認められる場合は全て常勤職員に採用すべきと考えますが、見解を伺います。
○堀内労務担当部長 都では、オフィスサポートセンターにおいて、知的障害者を対象とした非常勤職員であるオフィスサポーターを毎年採用するとともに、オフィスサポーターから常勤職員へステップアップすることを可能とする選考を実施してございます。
選考では、前年度に引き続きオフィスサポーターとして勤務していることなどの要件を満たした上で、選考に申込みを行った職員を対象に、勤務評定や個別面接の結果等を総合的に勘案いたしまして、合格者を決定してございます。
○田の上委員 ご答弁いただきました。ステップアップを念頭に選考を実施しているオフィスサポーターという制度は、無理なく働けて、またモチベーションが上がる取組だと思います。一年以上勤務しているなどの要件が整えば、選考に挑戦ができ、総合的に勘案して合格者を決定するとのことで、今後も多くのチャンスをつくり、常勤職員として活躍できる方を増やしていただきたいと思います。希望もしっかりと聞いていただきたいと思います。
令和六年度に実施した職員アンケートの職場満足度は六八・一%であり、今回の計画では七〇%超を目標としています。満足とはいえない場合において、職場の協力が得られない、障害者雇用の理解が得られないなど、職場環境についての結果はある程度得られていると思いますが、仕事のやりがいなどについての問いがありません。一人一人がキャリアとして向上できるよう育成していくことも必要です。
今後は、仕事内容そのもののやりがいに関して、アンケートに問を追加して確認していく方法も考えられますが、職員の仕事への意欲をどのように把握しているのか、見解を伺います。
○金久保人事部長 障害を有する職員のそれぞれの障害特性を踏まえたキャリア形成を行っていくことが重要でございまして、毎年実施する上司との定期的な面談等を通じまして、本人の意欲や能力、適性に応じた職務について意見交換を行い、担当する職務や配置に生かしていくこととしております。
○田の上委員 ご答弁では、上司との定期的な面談等を通じて意見交換を行っているとのことでした。個別の面談もよいのですが、何事も定量的に把握ができるように、アンケートなど、数値をデータ化できるようにしていくことも重要であると申し上げます。今後も、本人の意欲や働く環境を把握できるよう、引き続き調査、取組をお願いいたします。
以前は、障害者雇用というと、都庁の場合、特に身体障害が中心だったなというふうに覚えています。議会の中では、かなり前ですけれども、知的障害がある方の雇用を何度も求めてきた経緯があります。現在は、精神や知的障害がある方も活躍する時代となりまして、障害者活躍推進計画も様々な視点から策定をされているというふうに思います。
今後も、データに基づく検証と、また実践を重ねながら、また、ご本人たちの意欲も確認しながら、よりよい計画を策定していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、大規模水害についてです。
二月末の一般質問でも触れましたが、東京都では、東部低地帯への大規模水害時における円滑な広域避難に必要な区の計画のモデルを作成し、公表、また、関係区に働きかけ、計画策定を支援するということでした。大規模水害時は、自宅近くで避難することが第一ではなく、より現実的な広域避難を考えていかなくてはなりません。
私の地元、江戸川区は東部低地帯にありまして、大規模水害の際には自主的広域避難を推奨しています。自治体外への広域避難については、以前より何度も質問をしており、広域避難先は都有施設の活用のほか、国、民間十四団体と協定を締結していると聞いていますが、広域避難施設の場所は明らかではありません。
場所については、民間の施設もあり、公表できないと聞いておりますが、その理由について改めて伺います。
○田代防災計画担当部長 広域避難先施設の確保を進めるためには、施設管理者の理解を得ることが重要でございます。避難先施設において、やむを得ない事情により施設の提供ができなかった場合、避難者の混乱などの懸念があることから、施設の事前公表については、施設管理者の意向を優先しております。
○田の上委員 ご答弁いただきました。施設管理者の懸念があることから、事前公表ができないということだと思います。広域避難は自宅を出て区外に、江戸川区の場合、区外に行くものですので、あらかじめ準備が必要です。都が一番初めに発表した、国立オリンピック記念青少年総合センターしか公表されていないのかと思います。江戸川区は東京都の東にありまして、こんな遠くまで行かれない、まあ、行かない人が多いのではないかと懸念します。実際に私が話をしたときに、このオリンピックセンターの名称を出すと、そこがどこか分からないという方も多いです。
せめて、どの辺りの地域に、何か所広域避難先があるのかというのを公表するべきだと考えますが、見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 広域避難先施設は、都内の浸水想定区域外にある大規模施設を基本としており、施設管理者等と調整し、理解を得た上で、現在、国や企業、大学等、十九団体と施設利用の協定を締結しております。都は、大規模水害時に、施設側の状況を確認した上で、避難者に施設を案内することとしております。
○田の上委員 十九団体ということで、提携先も増えたんですね。そういった団体と施設利用の協定を締結し、大規模施設を確保しているということでありますが、大規模風水害時に、施設側の状況確認をした上でないと避難者には施設を案内できないということかと思います。
施設管理者が、広域避難のタイミングでないときに避難のため押し寄せた場合の混乱や、やむを得ない事情により、先ほどおっしゃっていました施設提供ができなかった場合の混乱など懸念しているということは分かりましたが、了解を得ている施設だけでも公表する方法もあるのではないかと考えます。
日頃から地域では、どの小学校やどの中学校が自分たちの避難先になるのかなど、皆、確認をしております。地域での防災訓練もしています。そういった事前準備が大切であるということも含め、広域避難先の公表を今後検討していただきたいと改めて要望いたします。
次に、垂直避難です。
垂直避難につきましては、広域避難が間に合わない場合などに有効です。現状の協定締結状況を伺います。また、今後、協定締結を増やす方針なのか、増やすとすればどのような施設を基準として協力を求めていくのか伺います。
○田代防災計画担当部長 都は、大規模水害時に、時間的な猶予がなく、浸水を免れることのできる避難先として、大規模商業施設等を活用する包括協定を締結することで、区市町村の避難先の確保を支援しております。また、都営住宅等の空き住戸を活用する協定を五区四市と締結しております。引き続き、区市町村による上層階が浸水しない垂直避難先の確保を支援してまいります。
○田の上委員 垂直避難も非常に大切です。区市町村による垂直避難先の確保が主になるのかとは思いますが、都でも、おっしゃったように、商業施設との包括協定や都営住宅の活用については、五区四市と協定締結しているということであります。残念ながら、その五区は、江東五区が三区しか入っていない、江戸川区も入っていないんですけれども、引き続き区市町村と連携をして、垂直避難先の確保に努めていただきたいと要望いたします。
特に、江東五区はじめ、東部低地帯に位置する自治体については、積極的に働きかけをされたいと要望いたします。
以上で質問を終わります。
○滝田委員 私から、まず、都の組織について伺いたいというふうに思います。
今般予定されている組織再編につきまして、スタートアップ・国際金融都市戦略室がなくなって、スタートアップの施策が産業労働局の下の本部になるということであります。これまで、スタートアップ・国際金融都市戦略室として、全庁に横串を刺していたことで、大きな推進力、スタートアップに関しての推進力を持っていたというふうに大変評価をしております。
産業労働局の下になることで、全庁に対しての影響力を低下させてはなりません。これまで同様に、あるいはそれ以上に、スタートアップの推進に関して、全庁に対する影響力を持たせていくということができるのか、懸念がございます。
スタートアップ部門と他局との兼務を含む連携体制や、各局の事業におけるスタートアップ活用の視点など、具体的にはどう変わるのか、あるいは変わらないのか、見解を伺いたいというふうに思います。
○金久保人事部長 スタートアップにつきましては、これまで、庁内関係部署からの兼務職員を主なメンバーとするTeam Tokyo Innovationを編成し、全庁で連携してスタートアップ施策を推進してきておりまして、都政現場におけるスタートアップとの対話を通じた共同プロジェクトに取り組むことで、官民協働の目標数を達成するなど、成果を上げてまいりました。今後、創業支援など、産業政策全般において、産業労働局が有する知見を活用することで、スタートアップ施策を強力に推進してまいります。
また、これまで築き上げてきました全庁の連携体制を活用しまして、官民協働を推進していくとともに、SusHi Tech Tokyo、Tokyo Innovation Baseなどのプラットフォームを土台として、取組を進めてまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。兼務などの連携体制は引き続き活用していく、変わらないということでよろしいですかね。安心をいたしました。しっかり、引き続きスタートアップやっていただきたいなと思っておりますので、ここはまた、引き続き、新しいスタートアップの本部と会話をしていきたいというふうに思います。
あとは、質問とはしないんですけれども、若者支援の取組強化が必要であるという議論が都政においても、国政でも強まっているというふうに思いますし、私も取組を加速していきたいというふうに思うんですが、現在、案が示されている新たな長期戦略、二〇五〇東京戦略においても、若者という大項目が新しく加わったことは大きな前進だというふうに考えています。
今後、施策をより強化して、各局連携で取り組むための組織体制や仕組みづくりが必要であるというふうに考えております。私個人としては、子供政策連携室につけるのが一番効率的で機能的ではないのかなというふうに思うんですけれども、若者支援をどこが旗を振って、横串を刺して担うのかということにつきましては、ぜひ、二〇五〇東京戦略の策定ということを踏まえまして、今後検討いただきたいというふうに求めておきたいと思います。
次の質問ですが、東京都のグローバル専門人材の育成ということであります。
東京都職員の海外留学等を進めることが、今回、予算に計上されております。海外で先端知識や専門知識を吸収して、都政に還元する人材というものは必要不可欠だと私も思います。
これまでの東京都の職員の海外留学制度の実績と、今回新たに実施をします事業の概要について伺いたいと思います。
○金久保人事部長 都では、職員を一年間ないし二年間、海外大学院に派遣して、調査研究を実施させる留学プログラムを実施しております。直近三年間では、令和四年度に七名、令和五年度に五名、令和六年度に四名を米国、ワシントンDCのジョージタウン大学公共政策大学院等の海外大学院へ派遣しております。
来年度は、既存の留学プログラムに加え、東京を強靱化する取組を支えるため、都の技術職及び専門的な職種を対象としました新たな留学プログラムを創設し、世界の先進的な知見や技術を学び、グローバルな視点で活躍できる専門人材を育成してまいります。
○滝田委員 これまで、どちらかというと、事務系の幹部職員になることを想定した行政分野における留学が基本的に想定されていたというふうに理解をしております。今回は、技術系人材の育成の観点での海外留学を拡大していくという取組だということですので、大いに期待をしたいと思っております。
私も理科系人材でありまして、都市工学の修士まで出ているんですけれども、やっぱり理科系の人材とか技術系人材の専門性を高めつつ、都政でしっかり活用すると、あるいは行政分野に活用するというのがなかなか、もう少しできる部分もあるんじゃないかなというふうに私も思っているところがありまして、例えば、以前、ニューヨーク市の都市計画部門を訪ねてヒアリングをしたことがありますけれども、ニューヨークもそうなんですけれども、欧米の自治体って、基本的には都市づくりの分野、専門性とか、あるいは幅広い視点であったりとか、長期的に取り組まなければいけない都市づくりの分野においては、ころころ担当を変わらずに、基本的には長期に同じ部門、あるいは関連部門を担当していると。私がヒアリングした方は、二十年ぐらい都市計画の関連の部門にいらっしゃったということでして、日本の行政の人事異動とはかなり異なる形でのキャリアステップが踏まれています。
また、そうした行政職員においても、都市づくりの分野とか、あるいは技術系の分野を担う職員の方々は、マスターであったり、ドクターの学位を持っているということが当たり前であると。これは欧米だけじゃなくてアジアの国々でも結構そうなんですけれども、名刺にも書いてあって、海外のそうした方と名刺交換をすると、ドクターであるということが分かるようなパターンが多いということであります。
今後、都の事業の推進においても、当然、専門性というものが重要になりますけれども、海外の専門家、あるいは海外都市との連携ということややり取りも今後増えていくというふうに思いますので、都職員の専門性を実務面で上げていくということもありますし、国際的に通じる肩書きというのが、肩書きが必要かというのはよくありますけれども、でも、国際的に通じる専門性をちゃんと持っているということを示すということは非常に重要でありますので、ぜひ、今回の留学支援の取組ということが活用されて、東京都の職員がより専門性を高めた活躍をしていただきたいというふうに思います。
また、留学から帰ってきた方々に対しての人事であったりとか、待遇あるいはその活躍できる環境というものを整えるということも必要だと思いますので、ぜひ併せて検討いただきたいということをお願い申し上げます。
次に、多摩振興について伺っていきたいというふうに思います。
まず、副知事の担任事項に多摩振興担当というものがありますけれども、これを定めた経緯、また、その副知事が多摩振興の推進に向けてどういった役割を担っているのかということについて伺いたいと思います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都では、多摩・島しょ振興に係る重要な課題の解決を図るとともに、局間の調整を行う機能を強化するため、平成三年五月から、副知事の担任事項の一つとして、多摩・島しょ振興に関することを定めております。
担当副知事は、多摩島しょ振興推進本部の本部長を担うほか、毎年、知事と共に市町村長との意見交換を行ってございます。さらに、市長会や町村会からの要望を受けるなど、様々な機会を通じて地域の実情を把握し、関係局と共に課題の解決に努めております。
○滝田委員 今は栗岡副知事が担当なさっているということでよろしいですかね。はい、ありがとうございます。
平成三年から、変わらずこうした仕組みでやっているということではあるんですけれども、体感ベースではあるんですけれども、過去には、多摩担当の副知事がかなりフォーカスが当たって取り組んでいたというような時期もあったのではないかなというふうに感じておりまして、昨今、少し登場するシーンが下がっているんじゃないかというふうにも思っているところでして、もう少し多摩振興ということを、知事ももちろん、どんどんやっていただきたいとは思うんですけれども、多摩担当の副知事におきましても、より積極的に出てきていただいて、もちろん行政官がいろいろやっているとは思うんですけれども、ご活躍いただきたいなということを思いますので、私も今後の本会議での質問等々で多摩担当の副知事に質問するとか、ちょっと聞いていきたいなというふうに意識をしたいというふうに思います。
一方で、今回、多摩振興アクションプランの素案が策定されておりますけれども、総務局の行政部がこうした多摩の振興プランの推進においてどういった役割を担っているのか、伺いたいと思います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 総務局行政部は、多摩地域の現状分析を行い、策定に向けた方向性を示した上で、庁内関係局と連携し、本プランの取りまとめを行いました。今後、プランに基づく取組を調査、把握することで進行管理を行ってまいります。さらに、市町村の広域連携の支援や移住定住促進などに、所管部署として取り組んでまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。多摩振興アクションプランは、多摩関係の事業を推進する上で重要なツールだというふうに私も捉えております。しかしながら、プラン内の主な事業の三か年の取組というようなものがあるんですけれども、ここを見ていきますと、一年目、二年目、三年目と、取組内容が同じ文言になっているような部分があったりということで、そういったケースが少し多いので、気にかかっているところでございます。
やはり、具体的な事業の推進をする上では、二年目、三年目についても、より具体的な内容を各局と連携をして記載をすべきではないかというふうに考えますけれども、見解を伺います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 本プランに掲げた事業を着実に推進するため、主な事業につきまして、庁内関係局と連携し、当面の三か年の年度別の計画を示してございます。今後、毎年度、これらの事業について、実施状況の調査を通じて進行管理を行い、あわせて、各年度の計画内容を更新した上で公表してまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。ブラッシュアップしながらやっていくということでありますので、やはり具体的な記述ができる限り増えていくようにお願いをしたいなというふうに思います。
各局も頑張って書こうとしていて、書きたいのだけどなかなか書きづらいという場面があることも理解はできますし、例えば、書いちゃって、そこまでコミットメントできるかとか、あるいは、財務局がちゃんと予算をつけてくれるのかとか、多分いろんな要素があると思うんですけれども、ここでしっかり調整をして書ければ、大きな推進力につながっていくというふうにも思います。特に財務局と連携してもらうということは、非常に各局の積極性を引き出すということにおいても重要だと思いますので、そこは各局対財務局というだけじゃなくて、総務局からも合いの手を入れていただいて、ぜひ政策の推進を図っていただきたいと、また、具体的なことをできるだけアクションプランに書いていただきたいということをお願い申し上げます。先のことも具体的に書いていただくようにお願いをいたします。
関連する部分ですけれども、三か年の事業内容をより具体的に掲載した上で、進捗させるために必要な予算の確保、あるいは、事業が効果的に進んでいない場合にはてこ入れすることも含めて、事業評価、政策評価等の場面で、財務局と連携をして事業の推進を後押しすべきだというふうに考えますが、見解を伺います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 総務局では、各局で実施した事業の取組状況や実績などについて、毎年度取りまとめ、財務局など庁内各局と共有してございます。
具体的には、多摩地域における各局事業の実施箇所や規模、進捗状況などを詳細に盛り込んでおり、各局の今後の事業検討に資する内容として整理してございます。あわせて、総務局が把握している市町村の実態を基に、各局と意見交換をすることなどで、多摩地域における事業の推進を後押ししてございます。
○滝田委員 ありがとうございます。例えばの例なんですけれども、ベビーシッター利用支援制度というものがございます。先般、一般質問でも取り上げたんですけれども、多摩地域三十自治体のうちの五自治体しかまだ取り入れていないということでもありまして、こうした多摩地域での展開が遅れている事業などがありますけれども、そうした事業について、要因の分析を事業局としっかり連携をして検討して、必要な対応を後押しすべきだというふうに考えますが、見解を伺います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 知事と市町村長との意見交換や、市長会、町村会からの要望に加えまして、市町村の企画部門との日常的な意見交換を通して、各自治体の課題やその背景を把握し、庁内に情報提供することなどで、事業所管局が市町村の課題やニーズを踏まえて事業内容を検討できるようにしてございます。また、行政分野がまたがる課題を中心に市町村からの相談を受け、庁内調整を行い、市町村が課題解決できるよう後押しをしてまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。総務局、各局と連携しながら、あと財務局との連携ということも含めまして、ぜひ多摩振興の、区市町村との関係もありますけれども、多摩振興のハブとして、引き続きしっかりやっていただきたいなということをお願いをいたします。
私も多摩地域、八王子選出の都議会議員でありますので、しっかり、この点については引き続き議会でも取り上げていきたいというふうに考えておりますので、ぜひとも後押しのほどお願いをいたします。
次に、都立大学について取り上げたいと思います。
私の地元、八王子に都立大学ありますので、地元の立場からも、この都立大の取組が充実してきたということを評価しております。今年度も、授業料の実質無償化であったり、あるいは国際化の取組が様々進捗してきたところであります。
まず、授業料実質無償化に関するこれまでの取組と成果を伺いたいと思います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、令和六年度から都内子育て世帯向けの授業料支援制度を導入し、減免対象者が約一千人から約四千人に拡大いたしました。
○滝田委員 ありがとうございます。ちなみに、この授業料の実質無償化についてですけれども、何か学生に条件を求めているのかどうか、また、授業料の負担がない分、学生には学業、研究とともに、地域活動であったり、学外活動についても活発な取組を求めたいと思いますけれども、見解を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都内子育て世帯授業料支援制度は、少子化対策の一環として、子育て世帯の教育費負担を軽減することを目的として実施するものでありまして、生計維持者が都内に在住する世帯を対象としてございます。なお、留年中や停学中の学生などは対象外としてございます。
○滝田委員 答弁からすると、子育て世帯の教育費負担軽減を目的として実施をしているということでありますので、都内に在住している世帯、親がだと思いますけれども、都内に在住している世帯については、特段、条件なく対象になっているというような答弁だったかと思います。
私としては、それはそれでいいかなというふうに思いますけれども、せっかく授業料負担がないということであれば、例えば、ほかの大学で、授業料を稼がなきゃいけないから一生懸命アルバイトをするとかですね、そういったことも例えばあったりする学生もいると思うんですけれども、そういう心配とか憂いがないわけですから、もちろん学業、研究に専念していただくということもありますけれども、より一層、都立大学で学んでいる学生が活躍をできるように、地域活動であったり、学外活動、先ほどお伝えしましたけれども、こういったものについても充実していけるように求めていくというか、せっかくこれだけの公的な支援を受けるわけですから、それなりの活躍をしていただくということを求めてもいいのではないかなというふうに思っておりますので、そういったことについても、ぜひ今後検討いただきたいということを申し述べておきます。
次に、国際化に関するこれまでの取組と成果についても伺いたいと思います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学の国際化については、世界の第一線で活躍する研究者などを講師に招いた特別講座の開講や、今年度からの学部生の秋入学導入など、グローバル人材の育成を進めてまいりました。
○滝田委員 それに関連しましてですが、東京都全体で来年度から行う東京都版海外留学制度におきましては、所得制限なしでの制度設計というものが想定されております。
私は、都立大学の仕組みにおいても、誰を派遣するかというのは、人物であったりとか、あるいはその派遣の内容で評価すべきであって、所得で差異を設けるべきではないのではないかというふうに考えますけれども、新たに導入する都立大学生の海外留学支援制度について、想定している制度の概要を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学が実施する海外留学支援は、所得を問わず、成績優秀な学生が支援を受けられる制度とし、支援の内容は、所得に応じて二段階で留学費用を支援することを想定してございます。
○滝田委員 基本的には、所得で選ぶんじゃなくて成績で選ぶということでありますので、支援内容については、二段階にしていきたいということを私も事前の説明でお聞きしました。その差がすごくあるというよりは、支援をしっかりやるけれども、低所得の方についてはより多めの支援をされていくというような理解をいたしました。
これ、長期の留学と短期の留学というものがあるというふうに制度設計をしているというふうに聞いているんですけれども、私の経験を少しお話ししますけれども、都議会議員になる前は、私、商社に勤務をしておりましたので、海外での経験、ドイツにも二年間おりましたけれども、そうした経験からしますと、海外で暮らしたり、学ぶことの意味合いというか意義みたいなものは、単純な語学力、英語力とかではなくて、むしろ母国語を使えない中で、あるいは知り合いもすごく少ない限られた中で、どうやっていくのかということを切り開いていく経験値というものが非常に重要だというふうに思っておりますので、ある意味、修羅場みたいな環境の中で、体当たりでも周りと関係を築いて活路を切り開いていくような、そうした挑戦ができるのかどうかということは非常に重要だというふうに考えています。
学位や単位につながるような本格的な留学、長期の留学ということに関しましては、基本的にはそうした経験になるというふうに思っておりますので、私はどんどん後押しをすべきでないかというふうに考えております。
一方で、短期の留学については、例えば単なる語学留学であったりとか、周りに日本人がたくさんいるというような環境であれば、あまり効果がないということはないんですけど、語学の習得としては効果がありますけれども、より挑戦につながる経験という意味では、もう少しハードルが高いものをやってもいいのかなというふうに思っておりまして、公費を投じての手厚い支援をするからには、そういったことをしっかり見ていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。
これ、東京都全体で行う留学の支援事業についても同様の観点が必要だと思っておりますので、あしたの子供政策連携室への質疑でも行う予定ではありますが、今日は総務局ですので、都立大学の留学制度について、短期留学について、支援に見合う挑戦につながるような渡航先での取組内容や渡航先国の選定を求めるべきではないかと考えますけれども、見解を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 今般の海外留学支援においては、都立大学が設定する留学プログラムに参加する学生の経費を支援いたします。短期留学では、様々な地域の大学等で、語学に加えまして、現地の学生との交流やホームステイ、ボランティア活動等を通じて異文化を学び、経験するプログラムとなってございます。
○滝田委員 学生側ではなくて、都立大学側が設定をするプログラムだということで、しっかり内容を吟味したものを提供するということで理解をいたしましたので、そこはしっかりやっていただいて、支援に見合う成果を得られるようにお願いをしたいなというふうに思います。
次に、新年度予算案では、交換留学生向けの経済支援の拡充ということも記載がなされておりまして、これが先ほど質疑をした都立大生の留学支援と同じ、約二億円という非常に大きな予算額が計上されております。これはどういった内容を想定しているのか伺いたいと思います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、交換留学制度を活用した都立大生の海外への留学促進や、多様な地域の学生が共に学ぶ環境の構築に努めてまいりました。令和七年度は、英語による授業や日本文化など、留学生向け科目の拡充、留学生をサポートする教職員の確保等に加え、留学生約八十名に対する渡航費及び住居費を含む滞在費など、支援の充実に係る経費を計上してございます。
○滝田委員 予算の全額が直接留学生に対する支援というわけではないというふうには聞いておるんですけれども、ただ、やはり大きい額がそこに充てられる想定をされているということで、今、答弁ありましたけれども、留学生約八十名程度、今よりも多分増やすということだと思うんですけれども、そこに対しての支援ということで、単純に割り返すと二百万から二百五十万ぐらいになってしまうということで、非常に大きな支援額に、一人当たりの支援額になっていくということでもあります。
それのいいか悪いかということは、今、議論はしませんけれども、留学生をこれだけ支援するということに当たっては、もちろん、大学に対しての学業、研究における貢献に加えて、日本人学生への好影響を与える活動であったりとか、あるいは地域に対する活動によって貢献していくなど、支援に見合うものを求めていく。また、留学生にとっても、あるいは大学、学生、地域との交流にもつながるということの仕組みを構築していくべきではないかというふうに考えますけれども、見解を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、留学生と日本人学生が共同生活する宿舎を確保し、交流イベントなどを通じ、協調して課題を解決する力の育成に取り組んでおります。また、近隣の公立学校からの依頼に応じまして、留学生による授業や生徒との交流などを行っております。引き続き、留学生が日本文化に触れ、充実した留学経験が得られるよう、日本人学生や地域との交流を図ってまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。基本的には、都立大のグローバル化というか、交流を行っていくということについては私は前向きに捉えたいというふうに思っておりますが、これだけの支援をするからには、しっかりそれが、留学生も、日本人あるいは日本のコミュニティに貢献してもらうし、逆にいうと、日本人の学生にとっても、しっかりつながりができて、海外に行かなくてもグローバルな経験ができるとか、そういったものにぜひつなげていただきたいというふうに考えております。
外国人留学生の寮とコミュニティの活動をうまく組み合わせている海外事例もあるというふうに聞いておりまして、私もこれを聞いたのが少し前のタイミングなので、今はどうなっているのかというのはあるんですけれども、デンマークの首都のコペンハーゲンにティットゲンという大変留学生に人気のある大学寮がありまして、これは都立大学の留学生受入れにも参考になるんじゃないかなというふうに思っております。
学生たちが日常的に多国籍で多様性のある交流ができるという環境で、特にクリエーティビティーを促すような生活環境、住と学と遊、遊びってなっていますけど、生活の部分で融合させることによって、創造的でかつ多様な交流ができる場所をつくっているということであります。
そこに入りたいという学生が非常に多いらしくて、留学生の中でも競争になっているということなんですが、特徴的で都立大の参考になると思っている部分の一つに、この人気のある寮に入る際の選考で、どういうふうにコミュニティに貢献していくのか、できるのかということを意思表示して、認められないと入れないというようなことになっているようです。
こうした事例も参考にすると、留学生の受入れ拡大策と併せて、学内であったり、学外のコミュニティにプラスに働くような仕組みづくりということができるんじゃないかなというふうに思っておりまして、だから逆にいうと、そういう場があって大変だといって留学生が来ないんじゃなくて、そういうコミュニティをもっとやりたいんだという積極的な留学生が来るということにもつながりますから、ぜひそういう工夫を、海外、国内にもいろんな事例があると思いますけれども、参考にしていただいて、支援と併せて、そういったプラスに働いていく仕組みについても検討いただきたいということをお願い申し上げておきます。
都立大の最後の質問なりますが、少し観点変わるんですけれども、AIの活用であったりとか、デジタルの活用については、今後、都庁でも活用に力を入れていくというところでございます。
こうしたAI活用やデジタルの活用は、これからの社会を生き抜く基礎スキルになってきておりますので、都立大学でも全学生に対して習得できる機会を講じるべきだと考えますが、取組を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、デジタル技術を活用する力を養う情報リテラシーの科目を全学部生の必修としてございます。また、文系、理系を問わず履修が可能なデータサイエンスやAIについて学ぶ副専攻コースを設けており、データ分析、プログラミング、AIに機械学習させるための手法などに関する専門科目を提供しております。
○滝田委員 ぜひ、専門科目ということだけではなくて、全学部生が必修になっている情報リテラシーの科目の中においても、AI活用であったりとか、こういったことについてウエートを上げていただいて、卒業したら一定程度使えるようになっているよというようなことを目指して取り組んでいただきたいなということをお願い申し上げておきます。
最後のテーマですが、災害対策の話に行きたいと思います。
事務事業質疑でもかなり取り上げましたので、今日は、主にはペット同伴避難の話をしたいと思うんですけれども、避難所へのペット同伴避難ができるということは、動物とその飼い主の安全な避難のためにも重要であります。
避難所で受け入れる環境として、ペット飼育に必要な資機材の確保や受入れの体制を整える必要がありますけれども、今般の東京都避難所運営指針の策定に当たりまして、ペット同伴避難について、都としてどのような目標、また目指すべき基準を定めて取り組んでいくのか伺いたいと思います。
○後藤避難所・物資担当部長 本指針において、ペットの受入れ体制の整備につきましては、ペット飼育者が安心して避難できる環境が整っていることを目標とし、原則、全ての避難所において、ペットの滞在スペースが確保されていること、避難所において、ペットを安全に滞在させるためのルールが確立されることなど、必要な受入れ体制が構築されていることを目指すべき基準として示してございます。
○滝田委員 原則、全ての避難所においてということで基準を定めているということになりますので、かなり、目標設定、高めに設定いただいているんだというふうに理解をしております。これ自体はすごく評価をしたいと思っておりますので、ぜひ、具体的なところに次は進んでいきたいというふうに思うんですけれども、こうした目標を実現していく上では、実際に区市町村への支援ということが不可欠であります。
令和七年度予算において、こちらにどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○後藤避難所・物資担当部長 区市町村がそれぞれの実情に応じて、避難所でのペット同伴避難に必要なケージなどの資機材の整備を進めることができるよう、新たな補助金を創設し、支援してまいります。
○滝田委員 この新たな補助金につきまして、区市町村にしっかり活用していただきたいというふうに思うんですけれども、また、実際には避難所においてペットを受け入れるためには、地元の町会、自治会等の地域の理解ということも不可欠であります。こちらについて、どのような周知や理解増進を図っていくのか伺いたいと思います。
○後藤避難所・物資担当部長 避難所でのペット同伴避難に当たっては、動物が苦手な方や動物アレルギーの方への配慮も求められる面もあることから、平時から災害時のペット同伴避難の重要性について、避難所運営に携わる方々や地域住民に周知啓発して理解の促進を図ることを指針に盛り込んでおります。
来年度は、指針について、東京都防災ホームページなどの活用や避難所運営を担う地域の町会、自治会や自主防災組織のリーダーなどを対象とした専門家によるセミナーの開催などを行うことで、普及啓発を図ってまいります。
○滝田委員 要となる町会、自治会であったり、自主防災組織のリーダーの方々に対してのセミナーを行うということであります。これは運営指針全般の話もしていくんだと思いますけれども、その中でペットの同伴避難についてもしっかりと取り上げていただいて、理解が進んでいくことを促していただきたいということを改めて求めておきます。
少し観点変わるんですけれども、平時から、ご家庭等でも備蓄を備えていただいたりしておりますが、避難所にいざ避難するときに、何を持っていけばいいのかということ判断したり、あるいは避難所にどういった備蓄や機能があるのかとか、あるいはペットの受入れ体制があるのかといったことが、なかなか分かりにくいというような声もいただいておりまして、避難所に関するこうした情報が整理されて、市民、都民に日頃から共有されている必要があるのではないかと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 素案では、避難所ごとのマニュアルを作成し、各施設において、運営、設備、備蓄品等の状況や、部屋割りや区割り、生活上の留意点など、避難所の状況を具体的に示すことを推奨してございます。都は、より実践的なマニュアルの策定を推進するため、来年度、セミナーやコンサルティングを実施するなど、避難所ごとのマニュアルが地域住民に共有されるよう区市町村に働きかけてまいります。
○滝田委員 避難所ごとのマニュアルをつくるということでありますので、これ、全ての避難所に対してのマニュアルをつくっていくという意味合いですよね、基本的には目指していくということですね。でありますので、避難所ごとにしっかりマニュアルがつくられれば、先ほどご答弁いただいたような運営面だったり、設備や備蓄品等の状況等々についても整備がなされて、そのマニュアルの情報を基に、地域住民の方々にも共有することができるようになるということですので大変だとは思うんです。でもこれが実現をしていけば、避難所に行ったら何ができるんだろうか、あるいは逆に何ができないんだろうかということを、ある程度、地域の方が把握をして日頃の備えをすることもできますし、いざというときに、それを踏まえた行動ができるというふうに理解をしております。ですので、しっかり取り組んでいただきたいということを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
少し観点変わりますけれども、避難所の運営ということに関しましては、町会、自治会や自主防災組織、非常に重要ですけれども、その状況であったり、地域の実情によって、それぞれ運営状況が変わってくるということでもございます。
私の地元の八王子市でも、この自主防災組織の結成というものを促して、公助に加えて、自助共助の力を高めていく取組についても推進をしているところでございます。地域の力でもあります自主防災組織の活動が活発になっていけば、地域住民の防災意識の向上が図られていくということにもつながりますし、地域を主体とした防災訓練や学校宿泊訓練などの実施ということについても充実をしていく、また、避難所が近くにない地域というものもありますので、そうした地域においての防災力の向上にも寄与していくものだというふうに考えております。
災害の発生時に備えまして、地域の自主防災組織の活動を活性化していくということについても、都として支援していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 地域の住民で組織する自主防災組織は、住民主体で運営される避難所の中心的な役割が期待されております。
都はこれまで、自主防災組織の活動を支援するため、区市町村に対し、Wi-Fi環境の整備、非常用発電機及び蓄電池の設置費用を補助してまいりました。来年度は、自主防災組織による避難所運営体制の構築を支援するため、専門家によるセミナー開催やコンサルタントの派遣等を行ってまいります。
○滝田委員 自主防災組織、町会、自治会ともかぶっている場合も多いと思うんですけれども、やはりこうした地域の力を高めていくということは非常に重要ですので、しっかり支援していただきたいというふうに思います。
最後、質問ではないんですけれども、事例を少し紹介したいと思うんですが、八王子でもどちらかというと郊外の方の特有の課題かもしれませんが、例えば高尾山の近く、高尾浅川地域というところでありますけれども、水害の際に、実は、避難所となっている小学校とか市民センターに浸水可能性のあるエリアを越えていかないとたどり着けないというエリアがありまして、それは一部の地域じゃなくて、結構広い範囲でそういう場所があるんですけれども、えてしてこういった場所って周りが山で、土砂災害の警戒区域にも指定されている場所があったりということで、本来、いち早く避難しなきゃいけないところでもあるんですが、特に高齢の方などで、避難所に行くのも大変だし危険だしということで諦めてしまうというようなケースもございます。
町会等の会館を利用したりとか、あるいは地域の中で助け合いをして何とか補っているというようなこともあると聞いておりまして、東京全体で見たときに、こういったエリアが多いわけではないかもしれないんですけれども、結構な人数、こうした地域に住んでいるというのが実際八王子でもあって、八王子以外の自治体でもそういった場所があるんではないかなというふうにも思います。
こうした地域においては、避難所ありきではなくて、地域の協力を得ながら、よりきめ細かな対応を取る必要があるのではないかというふうに考えておりますし、あるいは小さな避難所を設定するというようなこともあり得るのかというふうに思うので、東京の中でもかなり西の方にはなるんですけれども、来年度の検討を様々また進めていくに当たっては、こうした視点につきましても、ぜひ踏まえていただきまして、地域住民の立場に立った支援の実現ということに取り組んでいただきたいということを最後お願いいたします。
広い東京の隅々まで目配りするということは大変ではありますけれども、総務局の皆様には、各局との連携、あるいは財務局との連携、あるいは市町村との連携ということの、しっかりと核になっていただいて、多摩振興、あるいは災害対策、隅々まで行き届いた災害対策ということについて、最後お願いを申し上げまして、私からの質問を終わります。
○渋谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十五分間休憩いたします。
午後五時三十分休憩
午後五時五十九分開議
○渋谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○斉藤委員 東京を元気にする会の斉藤りえです。
本日は、総務局関連で質問をさせていただきます。
まず、昨日、スタートアップ国際金融でも取り上げた人材育成について、総務局所管事業について伺います。
都立大における国際金融人材育成特別プログラムについて、これまでの取組の評価と拡大するに当たってのカリキュラムや人材育成の理想像はどのようなものか、併せてお伺いいたします。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学の経済経営学部では、国際金融論や金融工学などの理論に加え、資産運用などの実務家を講師とする科目や、ビジネス英語科目を順次先行開設してまいりました。この取組について、東京都地方独立行政法人評価委員会からは、社会のニーズに応えようとする積極性が感じられるとの所見を得てございます。来年度からは正式開講となり、理論に加え、金融実務の知識とビジネスレベルの英語力を持つ金融人材の育成に本格的に取り組むこととしてございます。
○斉藤委員 この取組は、私はとても期待をしております。高等教育では、実社会で活用できる知識や能力の獲得をどのようにするのか、これはまさに時代の要請であり、日本が国際社会の中で競争していくために不可欠な点であると考えています。人材育成分野は、すぐに結果が出るものではない中で評価が難しいとは思いますが、ぜひ、よい形で学生の皆さんが学び、社会実装や社会への還元の道筋ができていくことを期待しております。
次に、防災、有事対策についてお伺いをします。
災害時においては、音声情報に限らず、視覚情報やそのほかの情報伝達手段を駆使しながら情報保障をしていくことが、都民の生命と財産を守るためには必須であることは、皆さんと共通の認識だと思います。
一方で、災害が発生する前段階、つまり平時においても、被害様相や危機について認識していくことは、防災教育や危機意識の醸成として不可欠であり、それが結果的に有事に生かされることが期待されます。
来年度予算において、富士山噴火降灰時に起こり得る被害様相等の視覚的情報発信が盛り込まれています。これは具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
また、災害時においても、都民に対し災害状況等を視覚的に分かりやすく発信することが重要と認識していますが、都はどのように取り組んでいくのか、併せてお伺いします。
○田代防災計画担当部長 都は現在、富士山噴火降灰に伴う被害の様相等について、CGを用いた動画を作成しております。今後作成した動画を活用し、SNSやイベント等を通じて、平時から広く情報発信していくこととしております。
また、富士山が噴火した場合の降灰状況等については、SNSやホームページ、防災アプリ、Lアラートなどのツールも活用し、情報発信を行うこととしております。
○斉藤委員 続いて、来年度予算に含まれている多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本計画では、どのような機能強化について検討をするのか教えてください。
○高田総合防災部長 都は昨年十一月に、多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想を策定し、防災センターや防災備蓄倉庫及び広域輸送基地の各機能を高め、災害時のレジリエンスを強化するとともに、防災DXの活用や平時の利活用など、基本方針を示したところでございます。
来年度策定予定の基本計画では、この構想に基づき、防災拠点における執務スペースなどのキャパシティーや通信ネットワーク、発災時の電力確保などのために必要な機能について、具体的な検討を行ってまいります。
○斉藤委員 防災拠点一つ取っても、様々な整備が必要になると思います。また、度々起こる災害によって、足りていない機能や盲点であった整備などが浮き彫りになることも多々あります。完璧を目指すことは難しいですし、自然災害はさらにそれを超えていくことを私たちも日々痛感していますが、ぜひ検討段階では、柔軟な発想で議論を進めていただければと考えています。
また、その際に、障害者や外国人を含めた多様な都民の存在を念頭に入れていただきながら、取り残される都民、こぼれ落ちる都民がいないかの検討をしていただきたいと思います。
別の施策ですが、発災直後からの一貫した情報管理に係るシステム構築等に向けた調査検討においても、同様のことを懸念しています。この取組の具体的なイメージなどがあるのか教えていただきたいです。関心としては、そうした調査検討において、情報コミュニケーションに困難を抱える都民を含めているのか、含めることも可能なのかなどをお伺いします。
○高田総合防災部長 発災直後の安否確認から復興フェーズまで、被災者支援に関する一貫した情報管理を行うことで、迅速かつ適正に必要な支援を提供することを目指すものでございます。
この情報システムの構築に向けて、来年度は技術動向の調査、個人情報の取扱い、本システムの対象範囲など、各課題について検討を行ってまいります。
○斉藤委員 また、有事においても、こうした視点はとても重要になってくると危惧しております。
そこで、弾道ミサイル攻撃からの避難施設整備は、情報コミュニケーションに困難を抱える都民も想定ができているのかについてもお伺いいたします。
○永田国民保護担当部長 都では、国際情勢が緊迫する中、武力攻撃等の脅威から都民の生命を守るため、より安全に避難できる施設のモデル事業として、調査等を進めております。
配慮が必要な方への対応につきましては、今後、施設内の備品などの設置と併せて検討してまいります。
○斉藤委員 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、島しょ関連事業について伺います。
来年度予算では、島しょのブランド化が含まれていますが、東京宝島事業における島しょのブランド化は、どのようなターゲット層を目がけて組立てを行っていくのでしょうか。
また、そのブランド化には、地域の方々も策定に加わり理解を示しているのか、併せてお伺いいたします。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 東京宝島事業は、島しょ地域の隠れた魅力を再発見するとともに、付加価値を付し、活性化を図ることを目的に実施しております。
本事業を進めるための各島におけるブランドコンセプトにつきましては、現地の観光団体や事業者、住民などが参加する会議において構築したものでございます。
○斉藤委員 私は、島しょ部にはとても可能性を感じています。その肝になるのは、ブランドコンセプトであり、そのコンセプトにどれだけ地域のオリジナリティーが出していけるかだと思います。策定に当たっては、地元住民も参加できると伺いましたので、ぜひ積極的に地域を巻き込みながら、取り組んでほしいです。
また、関連してになりますが、東京宝島事業における町村支援において、地元のニーズ確認はどのように行ってきているのでしょうか。また、地元からの要望を反映する形で、本事業が策定されたのかについてもお伺いさせてください。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 知事と町村長との意見交換や各町村からの個別要望に加え、現地における町村や地元事業者等との意見交換などを通して、島それぞれの課題やニーズを把握した上で事業を構築し、実施しております。
○斉藤委員 島しょ地域と一くくりにしても、島ごとにもそれぞれ多様な文化や置かれている環境があります。そうしたことを考えると、地元のニーズや意見を酌みながら、事業を構築していってほしいと願っております。その際に重要になってくるのは人材育成だと思います。
そこでお伺いしたいのは、ブランド化において地元高校などを巻き込みながら、中長期な視座が大切になると理解しています。地域一体となった観光地づくりに対する町村支援をはじめとした東京宝島事業においては、人材育成の観点も不可欠であると考えるが、地元高校、例えば八丈高校などとの連携も視野に入れているのでしょうか。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 島しょ地域を活性化していくためには、島を熟知している現地の方々の主体的な取組への支援や機運醸成が重要であります。こうした視点に立ち、島を支える人材を地域と共に育成することを目的として、昨年度、都立八丈高校における生徒の郷土愛や課題解決能力、主体性を高める取組について後押しいたしました。
○斉藤委員 全国的に高校で取り組まれている総合的な探究の時間という科目では、こうした地域政策やブランディングなどと相性はとてもよいと理解しています。特に離島は、地域課題がとても見えやすい環境にあり、仕掛け次第では生徒たちの探究学習が伸びていく可能性は大いにあると思います。
最後の質問になりますが、東京宝島サステナブル・アイランド創造事業には、DXによる多言語化や情報コミュニケーションの利便性向上の施策などもあるのでしょうか。あれば、具体例も併せて教えてください。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 本事業は、島の地域資源やDXの活用などにより、島しょ地域の持続的発展や特色ある宝物の発掘、魅力の創造につながる町村の意欲的な公民共創の取組を支援するものでございます。
具体的な取組の中には、多言語観光アプリの構築や、公共施設における顔認証技術を活用した実証実験などがございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。ダイバーシティを掲げている東京にとっては、とても重要なポイントだと認識しています。ダイバーシティを島しょ部にもしっかりと展開し、さらにインバウンドも含めた多様な資源を活用して、東京全体を強く豊かにしていく、それこそが首都東京から日本全体を豊かにしていくことにつながると信じています。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○早坂委員 東京都の存在感は、私たち自身が考える以上に大きいものだと考えます。東京都が何かアクションを起こすと、それはマスコミに報じられ、区市町村やほかの道府県や国が注目し、東京中に、そして日本中にその内容は広まってまいります。
本日は防災について伺いますが、東京都のスタンスは、東京中、日本中によくも悪くも大きな影響を及ぼす、そうした観点から三つのテーマについて伺います。
まず、東京防災アクションプランについて伺います。
防災の、そして東京都政の最も大切なことは、都民の命を守ることです。東京防災アクションプラン改定素案に記されている東日本大震災の死者数と、都心南部直下地震の想定死者数について伺います。
○田代防災計画担当部長 本プランの素案でお示ししております東日本大震災の死者数一万九千七百七十五人は、国が公表した平成二十三年、東日本大震災の被害状況の令和六年三月一日時点現在の数値を引用しております。
また、都心南部直下地震における都内の想定死者数六千百四十八人は、都が令和四年に公表した首都直下地震等による東京の被害想定から引用しております。
○早坂委員 大変失礼ながら、今ご答弁いただいた認識は明らかに誤りであります。なぜそんなことをいうかということを説明いたしたいと思います。
今ご答弁いただいた内容は、この素案の二二ページに記されています。しかし、その数値は東京だけのものなのか、あるいは、東京にとどまらない全体の被害を示すのか。それがごちゃごちゃになっているからであります。
首都直下地震の被害想定による死者数六千百四十八人というのは、東京だけの死者数です。であるならば、東日本大震災の死者数は、都内で死亡した七人と書くのがふさわしいわけです。ですが、東日本大震災の死者数を東京だけで考える人はいません。東京、東日本大震災の死者数は、ご答弁のあった一都一道十県の合計である一万九千七百七十五人こそが正しく、したがって首都直下地震の想定死者数を東京だけの数字でなく、国が公表している一都三県の合計である二万三千人と表記するのが正しいのであります。その上で、東京はこの数だとしっかり書かないと誤りだということは、お分かりいただけますでしょうか。分かったということで、どうもありがとうございます。いい感じになりました。なぜそのような誤解が生じることになったのか、それは東京都が作成した被害想定の表記に、問題があったからであります。
東京の被害想定なのだから、東京だけの被害想定を書いて何が悪いという考え方があるかもしれません。しかし冒頭に申し上げたとおり、東京都の存在感は私たち自身が考える以上に大きく、東京都の発表した想定死者数六千百四十八人は全体の一部ではなく、全体の数だと思い込んでしまうのであります。同じ局内でもそう思ってしまうのであります。
そうした誤解は、かつて東京の被害想定が発表された翌朝の読売新聞の社説にも見られました。そこには六千人という、東京の想定死者数が出ていましたが、この六千人という数は、阪神・淡路大震災の死者六千四百人と変わらない、大きな被害だと記されていました。しかし、繰り返しになりますが、正しくは首都直下地震、一都三県全体の被害の二万三千人と六千四百人を比較するべきものであったにもかかわらず、東京の被害がまるで全体の被害かのような誤解を読売新聞もしたわけであります。
この資料は、この被害想定は、御東京都総務局が発表している資料であります。局内でも誤解を招くような、ちゃんといえば分かるんでしょうけれども、誤解を招くような記載になっているということは、これは大変問題だというふうに思います。
私は被害想定の発表の前に、被害想定ですよ、被害想定の発表の前に、そうした誤解が生じないよう、注釈を明確に入れてほしいと要望いたしました。注釈は記載されましたが、それは本文の後半の目立たないところだったゆえに、このような誤解が今も、今も生じているのであります。
さて、防災の、そして東京都政の最も大切なことは、都民の命を守ることだと申し上げました。であるならば、今回の東京防災アクションプランも、そうした観点から記されるべきでありますが、私から見れば、残念ながらそうした記述は全く見えてまいりません。
私自身が行う防災講演会では、私は次のように話をいたします。東日本大震災の死者九割が津波に巻き込まれての水死、すなわち命を奪った原因は水でありました。阪神・淡路大震災の死者八割が、建物倒壊の下敷きとなっての圧死、窒息死、すなわち命を奪った原因は建物だった。関東大震災の死者の九割は、地震により発生した火災に巻き込まれての焼死だった。すなわち命を奪った原因は、大震災で命を奪う原因は、水か建物か火なのであります。
では、私たちが生きているうちに必ず発生する首都直下地震の死因はどうか。ここでまた被害想定に移るわけですが、東京都が発表した被害想定では、倒壊建物の下敷きになる圧死、窒息死が六割、残り四割が火災に巻き込まれる焼死。しかし、それは東京都全体の数字であって、例えば、私の住む杉並区での想定死者数の六割が火災ということで、つまりお住まいの区市町村によって、命を奪う原因は異なってくる。
加えて申し上げれば、食べ物がなくて死亡する人は誰もいない、ゼロ。防災というと、食料備蓄を連想する人がいますが、命を守るための防災という観点からすれば、食料備蓄の優先順位ははるかに実は低いのであって、建物倒壊による圧死、窒息死を防ぐため、備蓄食料の優先順位ははるかに低いのであります。
一度区切って、建物倒壊による圧死、窒息死を防ぐためには建物の耐震化、そして、火災による焼死を防ぐためには通電火災を防ぐ感震ブレーカーと、各論に入っていくわけであります。
死因の話で付け加えるべきことに、災害関連死があります。熊本地震では圧死、窒息死に代表される直接死は五十人だったのに対し、災害の一撃からは命を取り留めたものの、その後の避難生活で亡くなった人は、その四倍の二百人。しかし、水か建物か火かという話と、この災害関連死について、それらが私たちの命を奪う原因で、それこそが防災の目的だということが、残念ながら、このアクションプランからは全く読み取れないのであります。
そもそもこのアクションプラン、文字を詰め込み過ぎて、何が一番大切かというメッセージが読めないのであります。この物すごい文字量で、生成AIを使ってやったならいざ知らず、誰かが考えて書いたのなら、物すごい頭がいい人だなと。私はこれ、とてもできないことでありますが、そのことには敬意を表しますが、繰り返しになりますが、詰め込み過ぎて何がポイントかということをここからは読み取れないし、そもそもポイントがあるのかどうか。私のいったような観点からのアプローチは、残念ながらこの文章からは読み取れないわけです。いろいろ書いてあるけれども、で、何なのというところ。失礼ながら、何なのという感じがいたしました。
各論の部分、今は総論の話ですが、各論の部分でも申し上げたいことがたくさんありますけれども、一つだけ申し上げようと思います。
七四ページに、災害用持ち出し袋の中に入れておきたいものが例示をされています。私ならそこに手袋、災害時はガラスもあるかもしれないし、手袋が必要だということと、あと健康を維持するために、歯ブラシ一本入れておいてくださいと。この手袋と歯ブラシを私なら加えます。また、例示に含まれているチョコレートは、暑さですぐべとべとになって、持ち出し袋を汚すので、私はこれは外す、私なら外すなというふうに思います。
話を本題に戻します。命を守ることが防災の最大の目的です。そして命が守られたら、次に考えなければいけないことがあります。食べ物の我慢は一日や二日はできても、トイレの我慢は、特に大きい方は一時間や二時間、我慢することは到底できません。
そこで、東京トイレ防災マスタープラン策定の目的や意義について伺います。
○田代防災計画担当部長 本プランは、首都直下地震の被害想定等を踏まえ、災害時におけるトイレ環境の向上を目的に、区市町村の取組を支援するための指針として策定するものでございます。災害時における都民の尊厳と健康を守るため、災害時に必要なトイレを適切な場所に十分な数量を確保するとともに、災害用トイレの運用ルールや点検方法を明確化するなど、質の高いトイレ環境を確保してまいります。
○早坂委員 私が応援に伺った能登半島地震でも、トイレでは本当に困ったというお話を数多く伺いました。能登は山間部であり、ちょっと言葉を選びますが、物陰に隠れてということが、あるいはできたんだろうというふうに思いますが、この東京でそのようなことができるかというと、どこもないという感じがいたします。それゆえに、このトイレ対策というのは、とても重要だというふうに思います。
さて、東京都が今般公表した避難所運営指針素案の特徴について伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 本指針は、今後、東京都全体で避難所改革を推進していくに当たって、都内避難所の将来のあるべき姿を示すとともに、避難所運営の向上に資する直ちに取り組む具体的な方策をガイドラインとしてまとめております。
また、これまでの国の基準に加え、一人当たりの居住スペースやトイレ環境の確保などに国際的な人道支援の最低基準であるスフィア基準に準拠した目指すべき基準を示すとともに、都の独自基準として、災害時でも使用可能な水洗トイレや運営メンバーの四割を女性とすることなども示したところでございます。
○早坂委員 今お話のありましたスフィア基準は、一九九四年のアフリカのルワンダ紛争をきっかけに、人道に対する最低基準として、赤十字などが中心となり設けられたものであります。
ルワンダ紛争では、民族対立により、百日間で八十万人が虐殺されたという想像を絶する悲劇であります。一九九四年は平成六年、つまりつい最近の出来事なのであります。百日間で八十万人の虐殺だけでなく、膨大な数のレイプが行われるなど、この世の地獄とも呼ぶべき状況だったと思います。
そうした状況から避難した人々の避難所の環境も劣悪で、その支援に当たった赤十字などのスタッフが涙を流しながら、世界中どこでも、最低限の人道基準をまとめたのがこのスフィア基準であります。
スフィアとは球体、すなわち地球という意味であります。スフィア基準の日本語の翻訳はとても読みにくく、かつ分量も多いので、読むのにはとても苦労します。それを頑張って読むと、いろいろなことが記載されています。
例えば、潤滑ゼリーつきのコンドームを用意しようという記載があります。ルワンダで膨大な数のレイプが行われたことから、せめて病気や妊娠を防ぐために、コンドームを用意しようという思いなのだろうと思います。
また、別のところには、世界の高齢者基準は六十歳だが、その基準はもっと若くすべきだという記載もあります。我が国の感覚からすれば、もっと上に引き上げようと考えるのが一般的だと思います。
例を挙げれば切りがありませんが、このスフィア基準の内容は、我が国の状況とは大きく異なる部分がございます。アフリカのルワンダ虐殺をきっかけに策定されたスフィア基準、スフィア、すなわち地球全体の基準が、先進国である我が国にそぐわないところがあるのは当然のことであります。
そうした中で、避難所の一人当たりの面積をこのスフィア基準を用いて定めるのは、果たしてふさわしいものでありましょうか。東京都には、東京都独自の基準で定められた認証保育所と、国基準で定められた認可保育所があります。東京都独自の基準で定められた認証保育所は、預かり時間が長い、ゼロ歳児保育を必ず実施するなどと同時に、一人当たりの面積が狭くてもよいというものであります。同じ日本国内でも、東京と北海道では事情が異なり、それを一律の基準で縛るのは無理があります。同じように、地球全体という崇高な目的で定められたスフィア基準をそのまま東京都に当てはめようというのは、相当無理があります。
このスフィア基準というのを取り入れているのは、国が率先してこの基準を取り入れて、それを東京都もまねしたんだろうというふうに思いますが、私はそのような思いを持つのであります。
そうした中、東京都の一人当たりの避難所の面積を、何か絶対的な基準として誤解されているスフィア基準に合わせようとするのは、私は違うと考えます。
例えば、災害時に、我が杉並区にも避難所が設置されます。その収容可能な人数よりも、避難所に来所すると想定される人数が多い中で、一人当たりの面積を増やすとどうなるか。当然避難所に入れなくなる人が増えます。もともと定員オーバーしているところに、さらにオーバーさせるとどうなるでしょうか。肝腎なのは、そうした場合の避難所の現場であります。定員オーバーだから帰ってくださいと、果たしていえるのでしょうか。また、帰ってくださいといわれた人は、一体どうしたらいいのでしょうか。
念のため申し上げますが、避難所一人当たりの面積を増やすことは、もちろん大歓迎であります。しかしながら、そうした場合に、現場の混乱が十分想像できるのに対して、そこに対する答えがない。そうした中で、一人、スフィア基準だけを打ち出すということは、いたずらに混乱を引き起こすことだろうと私は思います。その先のことまで面倒を見て、要するにこういうことがあります、こういうことが提案ができますということまでやってこそ初めて、このスフィア基準の一人当たりの面積が生きてくるのだろうというふうに思います。それは、このスフィア基準を掲げた東京都の責務だと思います。
その解決方法、私は幾つも、ゆっくり考えれば、今思いつくのは一つだけですけれども、それは、その一つが避難所に来る人を減らすということです。減らすためにはどうしたらいいかと。ならば、できるだけ避難所には来ないでください。そのためには、家に、避難してくださる方の家にトイレがあれば、トイレが使えれば、プライバシーのない学校体育館の避難所より、はるかに快適に暮らすことができます。
トイレは、上水道、下水道、マンションによっては電気が通らなくなると使うことができません。仮に、それらが全て生きていたとしても、建物内の配管が損傷するとトイレは使えません。昔は、上水道が止まったときのために、お風呂の水を流さずにとっておきましょうと、こういわれました。しかし現在は、そうした配管損傷のおそれがあるために、お風呂のお湯をためておきましょうということは、必ずしも推奨されておらず、家庭用の洋式トイレに、その都度ビニール袋をかぶせて使う非常用トイレが主流であります。一枚百円、オリンピックという、呼名はともかくオリンピックというスーパーマーケットでこの間見てまいりました。買ってまいりましたが、一枚百円。この百円を一人一日七回トイレに行くとして、二人暮らしだと、掛け算をすると一週間で九十八回。つまり一万円を準備すると一週間分、二人分の用意ができるということになります。
そういった話をすると、そうかということで都民の理解が深まって、では一万円分買ってみようかなと思う方が、多分増えてくるのだろうというふうに思います。
ちなみに、火災予防に関しては、昔は地震だ、火を消せといっていましたが、今はそのスローガンはなくて、今は地震だ、まず身の安全というふうにスローガンが変わっています。これは、天ぷら油をかぶったりするようなことがあったために、それでは仕方がないので、地震だ、火を消せではなくて、地震だ、まず身の安全とスローガンが変わりました。時代とともに、様々な対策が進化するのであります。
話を戻しますが、そうしたストーリー、すなわち、まずは命を守るために何が必要か。そして、命が守られたらその次に何が必要か。家庭でのトイレ備蓄がいかに大切か。そういったことを順序立てて示すことで、都民の理解を得て、そして行動変容を促す。そういったことが必要だと私は考えます。
避難所の運営メンバーの四割を女性にというご答弁もありました。東京都独自の基準ということであります。そのことももちろん否定するものではないし、すばらしいことでありますが、ただ、女性なら、いわゆる女性ならではの問題に関して、必ずしも適切に応えられるかというとそうではありません。むしろ、この総務局の防災にたけた皆様の方が、ただ女性ということよりも、はるかにいわゆる女性の目線で女性の困り事、あるいは障害者の困り事、外国人の困り事、皆様の方がはるかに、はるかに理解をして、その改善策を提案できるんだろうというふうに思います。
したがって、この避難所の運営メンバーの四割を女性にという政策は、歓迎するものでありますが、それがなされていればいいし、なされていなければ駄目だということではないということも十分分かっていただくように、こういった文章の中に入れていかないと、ただ四割が達成できているからよくて、達成できていないから駄目だと、そういうことではないということも、分かっていただくような書きぶりにするべきだと思います。今から間に合うなら、ぜひともそうしていただければと思います。
昨年、能登半島地震の後に、台湾の花蓮で大地震がありました。たまさか私が台湾に行っているときで、私は台北におりましたけれども、台北でその揺れに遭いました。我が国でもその花蓮地震の被害と、その後の迅速な避難所設営が大きなニュースになりました。瞬く間に避難所ができて、マッサージつきの何とかとか、おいしいお食事とか、当時ニュースになったことで、ちょっと今文章にはしてまいりませんので言葉がまとまりませんが、台湾の避難所が、私たち日本の目指す避難所の一つのモデルというふうに、当時されたのであります。
しかし、その内容をつぶさに調べると、率直にいってなぜ台湾でそれが可能だったかというと、被害の程度が極めて小さかったからであります。なぜならば、この避難所の解散は一日後か二日後。すなわち、うんと限定的な避難であったゆえに、あらゆる力を投じてそこの避難所を充実できたということなのであります。
なので、今回花蓮の話はここには書いていませんけれども、マスコミで報じられている、あるいは私たちがそう信じていることは、よくよく調べてみると、結構違うことがあるなというふうに思います。それは私自身がよく調べたことであります。
この東京防災アクションプラン、大変大切な文章なので、いろいろ意見を申し上げているわけでありますが、もう一つ書いていただきたいことは、自助、共助、公助のうちの自助の大切さであります。
阪神・淡路大震災で救われた方々のうち、自助で助かった、自ら瓦礫の下からはい出してきた方は六七%、共助、近くの方によって助けられたのは三一%、そして公の助け、公助によって助けられた方は二%でありました。そういった事実があって、私ども防災の専門家からすれば、このことには必ず触れるのでありますが、この東京防災アクションプランには、残念ながらその自助の大切さ、よく読めばそういうニュアンスが出てくるんでしょうけれども、そういったことは残念ながら出てまいりません。
東京都の存在感は、私たち自身が考える以上に大きいものであります。ぐずぐずと、ねちねちと嫌みっぽいことをいいましたけれども、ぜひとも東京の、私たちの存在感が大きいということを意識して、すばらしいこの三つのプランに書き換えていただければと思います。ぜひともよろしくお願いいたします。終わり。
○たかく委員 私の方からは最初に、東京都のグローバル専門人材の育成についてお伺いさせていただきたいと思います。
令和七年度の予算概要には、新たに海外大学院留学プログラムによる都の技術職、専門的な職種全般における、グローバル専門人材の育成を実施するとありました。この東京都グローバル専門人材の育成を新たに実施する目的についてお伺いいたします。
○金久保人事部長 激甚化する災害から都民の生命や暮らしを守り、首都東京の機能や経済活動を維持していくためには、都政を支える職員が都市強靱化に資する最新の技術を取り入れ、世界的な潮流を捉えた施策を展開することが重要です。
そのため、技術職及び専門的な職種の職員を海外大学院へ派遣することで、海外で得た知見や人脈を都政に生かし、世界的潮流を捉えた施策を展開するとともに、海外都市との技術協力や技術連携を深め、都の国際的なプレゼンスを向上していくことを狙いとしております。
○たかく委員 今、東京都のグローバル専門人材の育成の目的については、ご説明いただきました。こうした人材の育成は、海外研修として位置づけられると聞いておりますが、都には既に、海外大学院へ職員を派遣する留学プログラムがあると伺っております。
そこで、既存の留学プログラムと新たな留学プログラムの違いについて見解を伺います。
○金久保人事部長 既存の留学プログラムは、国際的な視野を持って大都市経営を担い得る職員を育成するため、管理職のほか管理職候補者など、将来管理職を目指す職員を対象として、公共政策等の専門知識や、海外の専門家等と議論できるレベルのコミュニケーション能力を習得させるものでございます。
今回新たに設置する留学プログラムは、世界目線で都市課題を捉え、解決できる人材を早期に育成するため、若手職員にも対象を広げまして、例えば風水害に資する土木技術や都市の基盤を支える情報通信技術など、東京を強靱化する知見や技術を習得させるものでございます。
○たかく委員 今のお話では、若手職員にも対象を広げて、東京を強靱化する知見や技術の習得をさせるものということで理解いたしました。
人材育成は、短期に成し遂げられるものではなく、こうした中長期的な視点を持って、事業を推進していくことは大変重要なことと思います。海外研修を通じて、高度な専門技術を職員に身につけていただいて、今後も複雑多様化する都政課題に、的確に対応する執行体制を強化していただくことを要望させていただいて、次の質問に移ります。
次は、東京トイレ防災マスタープランについてお伺いをさせていただきます。
これまで都議会公明党は、能登半島地震などの過去の災害の教訓を踏まえ、災害時におけるトイレ環境の確保、整備が重要であることから、災害時のトイレ対策について質疑を重ねてきたところであります。
東京都では二月に、新たにトイレ防災マスタープランの素案を公表しました。このマスタープランでは、首都直下地震の被害想定を踏まえ、災害時のトイレ確保の主体となる区市町村を支援するための策定する計画が示されたところであります。東京都が区市町村の指針となるこのトイレ防災マスタープランを策定し、さらに補助制度を新たに創設していただいたことには、評価するものであります。
私も三月十三日の予算特別委員会で、災害用トイレの整備方針、いわゆる量の確保について、また災害用トイレの衛生環境、質の確保について、また災害時トイレ確保等の区市町村支援について質問をさせていただきましたが、ここでは一点、質問をさせていただきます。
来年度実施される補助事業においては、トイレカー、トイレトレーラーなどを含め、様々な種類のトイレが対象となっております。災害用トイレについては、状況に応じて様々な組合せが必要と思います。区市町村がマンホールトイレや携帯トイレなどについて、いざ災害時となっても、それらのトイレがきちんと利用できるようにしておくとともに、災害時のみならず、平時から活用できるいわゆるフェーズフリーのトイレについても普及させていくべきであると考えますが、見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 災害時におけるトイレ環境向上のためには、発災直後から災害用トイレを円滑に利用できるよう、事前に準備をしておくとともに、平時にも利用できる災害用トイレを普及させることが重要でございます。
このため、事前の準備については、災害用トイレの使用手順の確認や住民等によるマンホールトイレの設置訓練の実施などを、区市町村に対して働きかけてまいります。
また、平時からの災害用トイレの活用については、防災訓練や普及啓発イベントなどの機会を通じて、トイレカー等を活用する他の自治体の好事例を紹介してまいります。
こうした取組により、誰もがストレスなく、円滑に災害用トイレを利用できる環境を整えてまいります。
○たかく委員 次に、富士山の噴火降灰対策について伺います。
東京都では、令和五年度に策定した大規模噴火降灰対応指針における降灰対策の方向性を踏まえ、防災対策を一層推進させる観点から、東京都地域防災計画火山編修正素案を取りまとめた次第です。
富士山の大規模噴火が発生した場合の降灰については、都内の広範囲に及び、またエリアにより、降灰の厚さなどの状況が異なることが想定されます。このため、災害時に道路除灰などの応急対策を迅速に進めることができるように、都内の降灰状況を計測して、その情報を集約するための体制をあらかじめ構築しておく必要があると考えます。
そこで、降灰状況を把握するための各主体の役割分担や取組についてお伺いいたします。
○田代防災計画担当部長 都は、本年二月に公表した修正素案におきまして、降灰厚情報等の把握、収集の役割分担や対策の内容を定めました。庁内各局や区市町村等が降灰の有無や計測地点の天候、降灰の厚さ等について地上調査を行い、東京都災害情報システムに入力することで総務局が降灰状況を集約し、関係機関と情報共有をいたします。
今後、システムの再構築を予定しておりまして、改修後は降灰情報を地図上に視覚的に表現できるようになります。
来年度から、降灰の計測方法や調査場所、情報の集約方法等について関係機関との調整を行ってまいります。
○たかく委員 いつ起こるかもしれないこういった大規模噴火に備えて、降灰状況の把握のための体制整備をしっかりと進めていっていただきたいと思います。
交通インフラや通信等のライフラインが発達した現代社会においては、大規模な降灰が生じた事例は少ない状況です。とりわけ、富士山については前回、宝永四年、一七〇七年の噴火から三百年以上が経過しており、実際に大規模噴火が発生した場合に、道路や鉄道の状況や復旧見込み、取るべき対応等について不安を感じる都民も多いと考えられます。
災害状況については、除灰等の応急対策を行う関係機関への情報共有に加えて、都民等に対しても正しく情報が届くよう、発災時の情報発信を積極的に行うべきと考えますが、都の取組についてお伺いいたします。
○田代防災計画担当部長 都は、気象庁や報道機関等と連携し、降灰の状況や想定される健康への影響と対策、外出自粛等の呼びかけなど、発災時に正確な情報を届けていくこととしております。
具体的には、SNSやホームページ、防災アプリ、Lアラートなど、様々な情報伝達ツールを活用し、災害の状況に応じて適切に情報発信を行ってまいります。
○たかく委員 災害時にも都民が落ちついて行動できるように、発災時の情報発信体制の強化に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
富士山の大規模噴火時には、最悪のケースでは約一・二億立米の降灰が発生することが想定されることから、火山灰の除去作業後、一時的に集積する仮置場を確保するなど、火山灰の都市機能の早期回復に向けた迅速な降灰処理が必要と考えます。
私は、昨年十月の決算委員会の分科会で、富士山噴火に伴う火山灰の仮置場の確保について質問をさせていただきました。そのとき都からは、条件に合う場所を候補地とするとの答弁がありました。火山灰の仮置場の確保に向けては、都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 昨年の秋以降、計画の火山編修正素案を策定していく中で、火山灰の仮置場の候補地の選定の基準について定めました。
具体的には、まず、公有地等を抽出した上で、おおむね百平方メートル以上の一定の面積を有すること。敷地内にダンプやトラックが搬入可能な出入口があることなどの条件を満たすことや、傾斜地や河川、水路近傍の場所を除外することを基準といたしました。
今後この基準を踏まえて、区市町村と調整を始めることとしております。
○たかく委員 火山灰の仮置場について、今後区市町村との調整を始めるとのことでありますが、最終処分場についても、役割分担や手順等を具体化していく必要があります。
一方、国の方では火山灰の取扱い等について、明確な指針をまだ示してはいないとのことであります。引き続き、国に対して早急な指針を示すように要望していただき、最後の質問に移ります。
最後に、避難所運営指針素案におけるペットの受入れ体制について質問をさせていただきたいと思います。
まず、総務局では、このほど災害時の避難所の生活改善に向けて、避難所運営指針の素案を取りまとめたところです。この指針では、東京都における避難所の将来あるべき姿とともに、都、区市町村において、直ちに取り組むべき具体的な取組をガイドラインとして提示するものであります。
今までの大規模震災での避難所の課題では、ペットの受入れ体制については、ペット受入れ環境や準備が不十分なため、ペット飼養者が不自由な車中泊やテントでの避難生活を強いられてもおりました。今回の素案においては、ペット飼育者が安心して避難できる環境が整っていることを目標とし、そして、全ての避難所でペット受入れ体制の確保を基準とするとしております。
今回、これまでのペット同行避難としていた考え方を、同行避難と同伴避難に分けて記載することにもなりました。都民にとって、特にペットを飼育している方にとって、同行避難と同伴避難という用語が具体的にどういうものなのか、なかなか理解されていないといわれておりまして、私の方にも、この二つの避難の意味が理解できませんというようなお話を多数いただいております。
この同行避難と同伴避難、それぞれの定義と意義、そしてまた、今後それらの定義をどのように周知をされるご予定かお伺いいたします。
○後藤避難所・物資担当部長 令和六年十一月、内閣府が出した、避難所の現状・課題についてによると、ペットへの対応として、動物が苦手な人や動物に対するアレルギーを持っている人への配慮も考慮し、同伴避難ルールを決めておくことが重要としています。
その上でペット同行避難とは、ペット飼育者がペットとともに、避難所など安全な場所に避難する行動のことであり、ペット同伴避難とは、災害の発生時に飼い主が同行避難したペットを避難所などで飼養管理する状態を指す。ただし、避難所などで飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではないとの定義が示されているところです。
こうした内容を指針に明記するとともに、来年度はこれらの定義を含め、ペット同行、同伴避難の重要性を東京都防災ホームページなどを活用して周知してまいります。
○たかく委員 内閣府が出した避難所の現状ということによりますと、ペットの同行避難というのはある意味で行動のことであって、またペット同伴避難というのは、災害の発生時に飼い主が同行避難したペットを、避難所などで飼育管理する状態を指すというような見解でということは理解しました。
避難所のことの事情を踏まえて、これからペット同伴避難のルールをしっかりと確立していくためにも、都民の方に、しっかりと同行、同伴避難の定義を説明していただきたいということを要望させていただいて、次に、避難所でのペット受入れ体制の整備についてお伺いをさせていただきます。
避難所運営を円滑に行うための手段として、避難所ごとに作成するマニュアルにその地域の実情に応じたペット受入れの取組事項が盛り込まれ、受入れ体制の整備が着実に進むようにすべきと考えます。
私の地元の世田谷区内にある避難所の運営訓練に参加した際に、そこの避難所では、運営マニュアルに避難所でのペット受入れの際の留意事項などが、しっかりと明記もされておりました。しかし、都内全体を広く見るに、各避難所における運営マニュアルの作成、そしてマニュアルへのペット受入れに関する取組事項の記載が、避難所によって全て完全にできているとは限らず、まちまちなところがあるのかと認識いたします。
今後、各避難所の運営マニュアルに対して、避難所でのペット受入れの取組事項がしっかりと記載されるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 素案では、ペットを避難所に受け入れるための滞在場所の設置、ペット滞在ルールを作成、確立することなど、避難所で取り組むべき事項を盛り込んでございます。
来年度は、都が策定する指針を区市町村に丁寧に説明するなど、避難所のマニュアルに反映されるよう取り組んでまいります。
○たかく委員 避難所運営訓練というのは、あくまでも区市町村で行いますので、しっかりとこういった区市町村の避難所のマニュアルに反映されるように、適宜対応していただきたいと思います。
それから最後に、来年度の区市町村への支援についてということだったんですが、先ほど滝田委員の方から同様な趣旨の質問がありましたので、割愛をさせていただきます。
ペットの受入れ体制の整備のため、ペットスペースの確保、また資機材を今回備蓄するということで、新たな補助金が創設されるということでございますので、しっかりと区市町村を支援していくようにお願い申し上げて、私からの質問を終わりといたします。
○池川委員 日本共産党の池川友一です。
防災対策について、まず質問します。
阪神・淡路大震災から三十年、能登半島地震から一年が経過をしました。東京都が実施する都民世論調査では、都に対して特に力を入れてほしい政策の今年度調査のトップが防災対策となっています。防災アクションプラン、避難所運営指針、トイレ防災マスタープランなどが報告事項となっており、さらには来年度予算でこの具体化がされています。
避難所とトイレの問題を中心に質問したいと思います。
まず、避難所について伺いたいと思います。
これまでの避難所の何が課題で、今回の指針ではどのような改善を図っていくんでしょうか。
○後藤避難所・物資担当部長 避難所運営指針の素案では、狭隘な生活空間、トイレ環境の悪化、不十分な食事などを課題として整理し、将来目指すべき避難所と取組の方向性を示すとともに、区市町村が直ちに実施すべき具体的な取組をガイドラインとして取りまとめております。
○池川委員 生活するスペースが狭く、トイレの環境が悪化していることなどの課題に対して、将来目指すべき方向として、具体化すべき取組をガイドラインとしても示した、まとめたということです。
目指すべき姿を示したことは、大変意義のあることだと思います。いつまでにどういうペースで進めていくのか。そのために、都としてどういう後押しをしていくのかも大事になります。
日本共産党都議団は、二〇一八年に私が初めて質問して以来、避難所やトイレの基準として、人道憲章と人道対応に関する最低基準、いわゆるスフィア基準を参考にして取り組むことを求めてきました。これまで、都としては公式にスフィア基準という言葉を使わずにきましたが、今回の指針の中で初めてスフィア基準という言葉を使い、さらには目指すべき基準として定めたことは、提案してきた側からすると、とても大事だというふうに思っております。
指針では、スフィア基準や都独自基準を定めていますが、この基準の考え方について伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 素案では、一人当たりの居住スペースやトイレ環境の確保など、国際的な人道支援の最低基準であるスフィア基準に準拠した目指すべき基準を示すとともに、都の独自基準として、災害時でも使用可能な水洗トイレや運営メンバーの四割を女性とすることなどを示したところでございます。
○池川委員 目指すべき基準をどう実現していくのか、ここが問われることになると思います。
先ほど早坂委員の方から、今の避難所の不足の状態にさらに基準をつくって広げてしまったら、入れる人数が減ってしまうじゃないかと、私もそのとおりの指摘だというふうに思って聞きました。
ただ同時に、これはやはり耐震化をちゃんと進めるとか、避難所を増やしていくとか、そういう対策と一体にやらなければ、この目指すべき基準というのは実現できないというのは、これはもう誰が考えても明らかなので、ぜひここをどうやって進めていくかというのを総務局だけではなく、都庁を挙げて、区市町村とも連携して進めていただきたいと思うんですね。
本会議の質問でも、都として、避難所での生活改善を区市町村任せにせず、都内全域で進めるために、都がイニシアチブを発揮すべきだというふうに求めました。来年度、避難所環境整備と災害トイレ確保など、市区町村を支援する新たな補助制度を創設するというふうにしています。この補助をなるべく多くの自治体に使ってもらうために、どう取り組んでいくのかについて伺いたいと思います。
○田代防災計画担当部長 新たな補助制度は、区市町村がより効果的、効率的に整備できるよう、地域の特性やニーズに応じて、適切な資機材を柔軟に選択できるような仕組みとしてまいります。
○池川委員 ざっくりした答弁だったと思うんですけど、予算の説明の中には、例えば簡易ベッド、屋内型仕切り、テント、災害用温水シャワー、携帯トイレ、マンホールトイレ、トイレカーなど具体的な例が示されています。
これ以外にもメニューがあると思いますが、各自治体が選択できるという点は、大変大事だというふうに思っています。新たな補助制度について、予算は十億円だと聞いています。予算書にもそう書いてあります。自治体ごとに上限はあるんでしょうか。
○田代防災計画担当部長 補助制度の運用に当たりましては、今後具体的な内容を定めていくこととしております。
○池川委員 現時点ではまだ定まっていないということです。
私たちのところにも問合せが多数来ていますし、この間、総務局とやり取りをしていく中でも問合せは多数来ていますよということで、ただ、年度途中でどのぐらい補正ができるのか、自治体の側もどのタイミングで補正をしたらいいのか、どの規模で対策を進められるのかというのについては、まだ議論が深まっているとはとてもいえない状況かなとも、一方で思っています。
その点で、来年度予算十億円というふうになっていますが、自治体からの希望が多かった場合については、ぜひその希望に応えられる規模に補正予算を組むなど対応していただきたい、このことは要望しておきたいと思います。
あわせて、市町村がこれをどうやって効果的、効率的に使ってもらうのかということが大事なんだって話がさっきあったと思うんですね。ここで大事なのは、やはり都内全域で進められるかどうかだと思います。
学校給食の無償化、十八歳までの医療費助成では、市町村総合交付金に上乗せをして、多摩地域、島しょ地域でも進められるように対応しました。やはり都が都内全域で引き上げていくためには、市町村へのより手厚い支援が不可欠だと考えますが、どう取り組んでいくんでしょうか。
○田代防災計画担当部長 新たな補助制度は、区市町村がより効果的、効率的に整備できるよう、地域の特性やニーズに応じて、適切な資機材を柔軟に選択できるような仕組みとしてまいります。
○池川委員 これは多摩地域も含めて都内全域で進むように、来年度スタートする制度なので、制度を動かしてみた上で、ぜひブラッシュアップもしていただきたいということを求めておきたいと思います。その点で、やっぱり都のイニシアチブが大事だということを重ねて申し上げたい。
能登半島地震の際には、都の職員が直接現地に行き、発災直後から継続的に支援を行ってきた経験について、私自身も職員の方から直接聞かせていただいたり、報道でも都の職員の皆さんがインタビューに応じている記事にも接してきました。
今回の指針の改定に、やはり現地に行ったというのは大変大きな意義があるというふうに、この間やり取りをさせていただいても感じます。今回の指針作成に当たって、能登半島地震をはじめ、職員が被災地の支援に入った経験をどのように生かしたのか伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 現地に派遣され、避難所運営業務に従事した職員によれば、避難所に設置された仮設トイレの清掃や簡易シャワーのメンテナンスなどに水が欠かせないことから、水の確保は最も重要な要素の一つだと感じたとの報告を受けてございます。
○池川委員 都の職員が現場に入り、実感を持って政策づくりを行うことが、都民の生活の質を上げていくことにつながると考えます。
今回の例に限らず、現場に入り直接声を聞き政策に反映する取組、もちろん直接行かずとも、声を聞いて反映する取組も含めて取り組んでいただきたいということを求めておきます。
人口が集中している東京において巨大地震が来た場合、これまでの震災では想定されなかった事態になることは、想像に難くありません。特に日中に地震が来た場合は、都内に滞在している人口が夜間人口に比して多く、避難をどう進めていくかなどの対応が、様々求められることになります。
さらに、避難所改革を進めたとしても、震災の規模によっては、被災者が避難所で生活することが難しい状況になる、そうしたことも容易に想像できるわけです。
その点で、在宅避難も含めた避難者全体の課題については、来年度検討していくというふうにしていますが、どのように検討を進めていくんでしょうか。
○後藤避難所・物資担当部長 来年度の検討に当たりましては、区市町村や専門家等から意見を聴取し、進めていくこととしてございます。
○池川委員 在宅避難の在り方については、専門的な知見とともに、都民へのアナウンスがとても大事ではないかと思います。避難所で生活していない在宅避難者の方に対して、支援物資が渡るような仕組みを構築することなども必要になると思いますし、様々これまで想定していなかった検討が必要になるというふうに思うんです。来年度の検討の中では、ぜひ支援物資の供給方法をはじめ、丁寧な検討を行っていただきたいと求めておきます。
トイレについても繰り返し改善を求めてきました。特に、トイレの男女比については、一対三にするスフィア基準の問題について、災害時だけでなく、平時からそうした視点を持って取り組むことが大事だと求めてきましたが、今回の改定で目指すべき基準となったことは歓迎したいと思います。
さらに、指針では、発災直後は五十人に一基のトイレを、発災から一週間後には二十人に一基のトイレを設置することが明記されています。災害時において、トイレを質、量ともに確保する重要性について、改めて認識を伺いたいと思います。
○田代防災計画担当部長 プランの素案では、災害時に必要なトイレを適切な場所に十分な数量を確保すること、誰もが快適で衛生的な質の高いトイレを利用できる環境を整備することを基本方針としております。
○池川委員 質、量ともに確保することを基本方針としたということです。災害時に使えるトイレについて、どのように増やしていくんでしょうか。
○田代防災計画担当部長 区市町村がトイレ確保に向けた計画を策定できるよう、東京トイレ防災マスタープランを指針としてお示しいたします。また、新たに創設する補助制度により、区市町村が様々な災害用トイレを確保できるよう支援をしてまいります。
○池川委員 自治体でトイレの計画を持っているというのは、まだ少数になります。都として、都内全域のトイレの確保状況について把握し、対応することを求めたいと思います。この点でも、都のイニシアチブを発揮するということが必要だと思います。
避難所のトイレを衛生的に保つことが必要だと考えます。災害時のトイレについては、衛生環境が悪化しないために、保健師をはじめ公衆衛生の立場で関わる人が必要だと考えますが、認識を伺います。
○田代防災計画担当部長 プランの素案では、衛生的なトイレ環境を確保するため、施設管理者や避難所運営者等が災害用トイレの使用手順や清掃の実施体制、必要備品などの項目をチェックするアセスメントシートを作成し、適切な維持管理に活用できるようにしております。
○池川委員 避難訓練のとき、また避難所の運営リーダーの講習の場などで、トイレを衛生的に保つための具体策を共有できるようにしていただきたいと思います。避難訓練をやった際に、いつも同じメニューを回している自治会さんが、どうしたらいいんだろうというふうに話していることもあります。そのときにトイレの話題をぜひ加えていただくなど、対応していただきたい。
また、保健師をはじめとした公衆衛生の専門的知見を持った人たちが実際に避難所に入り、衛生管理を行うための役割が発揮できるよう、これは都庁内の連携もそうですし、区市町村との連携も含めて、公衆衛生の専門家が直接入って連携できる、その体制強化も求めておきたいと思います。
次に、情報公開について質問します。
都民の知る権利を保障し、情報を公開していくことの重要性について見解を伺います。
○篠都政情報担当部長 情報公開制度は、開かれた都政を推進していく上でなくてはならない仕組みとして発展していくものであり、都民がその知ろうとする、都の保有する情報を得られるよう、情報公開を推進していくことは重要でございます。
○池川委員 今答弁あったように、実際に運用がどうされているのか。都政の情報公開、透明性の問題について、質問を今日はしていきたいと思います。
まず、条例の理解を深める立場で幾つか聞きます。
条例一条にある、都政に関し都民に説明する責任を全うするというのはどういう意味でしょうか。
○篠都政情報担当部長 東京都情報公開条例第一条の、都政に関し都民に説明する責任を全うするとは、都民から都政を負託された都が、都政の諸活動の状況を明らかにし、都民に対し説明する責任を果たしていくとする趣旨でございます。
○池川委員 説明責任を果たしていくという趣旨だということで、ここは大事だと考えます。
同じく、一条にある都民の理解と批判の下に公正で透明な行政を推進し、都民による都政への参加を進めるのに資するとはどういう意味でしょうか。
○篠都政情報担当部長 都政に関する情報を広く公開することにより、都政に対する的確な認識と評価に基づく都民の意思形成が可能となり、公正で民主的な開かれた都政が実現し、都政への都民の参加が一層進むことを述べたものでございます。
○池川委員 公正で民主的な開かれた都政の実現と都政の都民参加と、これは極めて重要な点だと考えます。しかし、この間の情報公開請求に対する各局含めた実施機関の対応は、この高らかな理念との間では、ギャップを感じざるを得ない対応が少なくないというふうに思っています。
公文書について、公文書管理条例では都民共有の財産だと位置づけられ、現在及び将来の都民に対する説明責任を果たすことを目的にしているとされています。情報公開条例というのは、知事、教育委員会、選挙管理委員会などを実施機関として定めています。公文書に何が当たるのか、この公文書の何が当たるのかについて確認したいと思います。
情報公開条例の二条には、公文書の定義が書かれています。条例二条二項で実施機関の職員が職務上作成し、または取得したというのは、具体的にどういう意味でしょうか。
○篠都政情報担当部長 実施機関の職員が自己の職務の範囲内において、事実上作成し、または取得した場合をいうものでございます。
○池川委員 同じく条例二条二項で、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものとあるが、これはどういう意味でしょうか。
○篠都政情報担当部長 公文書は、その作成または取得に関与した職員個人段階のものではなく、当該実施機関の組織において、業務上必要なものとして利用、保存されている状態のものを意味するものでございます。
○池川委員 職務の範囲において作成したり取得したりする文書で、組織において業務上必要なものとして利用、保存されているものを公文書等と定めていて、これは情報公開請求の対象となるということです。
情報公開の在り方、公文書とは何かについて質問してきましたが、具体的な運用の方法について聞いていきたいと思います。
情報公開条例十一条一項には、情報公開請求について、全部または一部開示の決定を行い、その旨を決定し、開示請求者に対し、その旨並びに開示をする日時及び場所を書面により通知するとしています。これは何で知らせることにしているんでしょうか。
○篠都政情報担当部長 公文書の開示をする際、開示請求者に来庁していただく日時及び場所をお知らせするためのものでございます。
○池川委員 情報公開事務の手引という、総務局がつくっている手引がありますが、その中に、公文書の開示をする日時という欄があり、次のように書かれています。
開示をする日は、開示決定通知書が開示請求者に到達するまでの日数を考慮して到達予定日から数日置いた日とし、時間は通常の勤務時間内で指定をする。なお、開示請求者と事前に電話等により調整を行い、開示請求者の都合のよい日時を指定するよう努める。さらに、公文書の開示の日時及び場所の通知は、条例により、書面によることを義務づけられているので、開示請求者と事前に連絡が取れず、開示決定通知書の送付後に日時及び場所が決定した場合は、改めてその旨を書面により通知すると。
これ日時をちゃんと指定をして、日時を明らかにした上で決定通知をしなければいけないという趣旨だと思います。
要約すると今のは、到着までの時間を考慮して、開示請求者と事前に調整をする。さらには、日時及び場所の通知は書面で行うということが条例上、義務づけられているということだと思うんですけど、こういう認識で間違いないでしょうか。
○篠都政情報担当部長 ご指摘のとおりだと思います。
○池川委員 それでは、確認になりますが、開示する日時を書かずにこの決定通知書を出すことはできるんでしょうか。
○篠都政情報担当部長 公文書の開示をする日時につきましては、開示請求者と実施機関との間で調整を要することなどから、開示決定の通知までに決まらないこともございます。その場合におきましては、各実施機関において速やかに開示請求者と調整の上、決定し、開示をすることとなります。
○池川委員 今私が聞いたのは、開示請求者と連絡が取れない場合の対応ではなくて、連絡が取れていた場合でも、開示する日時を書かずにこの決定通知書を請求者に対して渡すということが、そもそも条例上想定されているのかということなんですけど、いかがでしょうか。
○篠都政情報担当部長 一般論となりますが、各実施機関では、公文書の開示をする際にはそれぞれの事案におきまして、開示請求者と速やかに調整の上、交付事務を行っているものと認識してございます。
各実施機関に対しまして、日頃から担当者会議や研修等を通じまして、情報公開制度の理解促進を図るとともに、円滑な手続を進めるように周知をしてございます。
○池川委員 今聞いたことに答弁をいただけていないんですね。日時を書かないで出すことというのは、私はこの条例を読む限りあり得ないというふうに思います。
知事など実施機関が開示の決定をする日を決める。請求した人に対して、開示をする日時を通知というかお知らせする。これというのは、同日もしくは翌日など、この一体的に考えられるものだというふうに理解できると思うんです。開示請求を行った人への説明責任を果たすためにも、この開示の決定の日と開示する日時というのは、条例上、一体的に運用するという必要があると思うんですけど、基本認識を伺いたい。
○篠都政情報担当部長 情報公開条例では、開示請求に係る開示等をするときは、その旨を決定し、開示等する旨並びに開示する日時等を通知することとされており、開示決定と公文書の開示を同時に行わなければならないとする規定はございません。
各実施機関におきましては、条例の趣旨を踏まえながら、適切に手続を行っているものと認識してございます。
また、各実施機関に対しまして、日頃から担当者会議や研修などを通じて、情報公開制度の理解促進を図るとともに、円滑な手続を進めるよう周知しているところでございます。
○池川委員 今、同時にしなければならないという規定はないという話だったんですが、それでは、開示する日時をいつまでしなければならないという規定はあるでしょうか。
○篠都政情報担当部長 ご指摘のような規定はございません。
○池川委員 それはないんですよね。だから、必ずしも同日でなければならないと、そこまで厳しいこといっているわけじゃないんですが、これは開示を決定した日時と開示する、つまり請求者のもとに行く日時というのは、これは規定がないので、一体的な運用なんですよ。つまり開示決定をした、しかし文書が届くのはいつか分からないという運用は、これは条例の、さっき条例の趣旨を踏まえてと答弁ありましたけど、その趣旨からいっても明らかにおかしいと。
何でこういうことを聞くかというと、それは開示決定の日から約三十日間待ってほしいと。開示を決定したけど、渡すまでに三十日かかるという事例に接したからです。これは東京都教育委員会が開示した文書ですが、対象公文書の確認及び精査に時間が要するとして、十二条二項において六十日まで延長がされました。これまでは、十二条二項の、条例上の対応なんですね。
その後、一部開示決定がなされましたが、開示決定通知書の開示する日時の欄には日付はなく、別途調整と。ちゃんと本人と連絡取れているんですよ。本人と連絡取れているんですけど、別途調整と書かれているんですよね。日時が書かれていないと。日時を書かないまま、日付を書かないまま開示決定はしたけれど、その開示の際は、これから文書の非開示部分の作業をするので、一か月程度待ってほしいというふうにいわれたという話なんです。
これ、今の事例とはちょっと切り離して、一般論で伺いたいと思うんですけど、開示の決定してから三十日待ってほしいという運用は、条例は想定しているんでしょうか。
○篠都政情報担当部長 一般論でございますけれども、各実施機関では公文書を開示する際には、それぞれの事案におきまして、開示請求者と速やかに調整の上、交付事務を行っているものと認識してございます。
各実施機関に対しましては、日頃から担当者会議などを通じまして、情報公開制度の理解促進を図るとともに、円滑な事務を進めるように周知をしているところでございます。
○池川委員 三十日は明らかに速やかではないと思うんですね。こんなことが許されてしまったら、期間内に開示決定はした。しかし実施機関の裁量で、実際に開示してその方に文書が渡る、文書などが渡る日を引き延ばすことが可能になってしまうということで、これはやはり、都民の知る権利を侵害することにほかならないと思います。
開示請求がなされた後に、いつまでに開示決定を行うかについてはこれは十二条、条例十二条で原則十四日、延長しても六十日、さらに三項延長って、超特別な特例延長ありますが、基本的にはいつまでに出さなければいけないというのは、これ明確に、決定の日は定められているわけです。
しかし、決定の日は定められていますが、先ほどやり取りしたように、開示する日時というのは規定がありません。これは、条例が一体的な運用を前提として開示決定をする、その請求者に文書が渡るというのは、そんな期間を置かずに、一体的な運用として行われることを想定しているというか、それを前提としているからだというふうに思います。
ちょっと角度を変えて聞きます。仮に、この決定、不服だった場合には、審査請求を出せるということになりますね。審査請求を出せるのは、決定を知った日から起算して三月以内とされています。開示決定の日から、仮に開示される開示文書が届くまでに一か月かかってしまった場合、審査請求の期間というのは、残り二か月になってしまうというふうになると思うんですけど、そういう理解でよろしいでしょうか。
○篠都政情報担当部長 委員ご指摘のとおりでございます。
○池川委員 それは、つまり開示決定の日から三十日たって開示されれば、審査請求を出す日が短くなる、不利益になるということそのものなんですね。こうした点からも、三十日たって文書を渡しますという運用が行われているというのは、大変問題があると思います。
条例を所管する総務局として、開示決定の日と開示の日時は、一体的な運用となるように、これは実施機関に対して、条例の趣旨をきちんと踏まえた対応をしていただきたいというふうに重ねて申し上げておきます。
情報開示請求によらずとも、情報にアクセスできるようにしていくというのは、都民の知る権利を保障する上で極めて重要です。開示請求を待つことなく、各種の情報を積極的に公表、提供することの重要性について認識を伺います。
○篠都政情報担当部長 ただいまのご質問の前に、先ほどの質問につきまして若干、補足させていただきたいと思います。
個別の事案につきまして、一般的に開示決定等の通知書には、開示しない部分がある場合には、その理由や根拠規定が記載されてございます。開示請求者は通知書をもって決定内容等を知ることができるというふうになってございます。
また、行政不服審査法第十八条一項におきましては、処分についての審査請求ができる期間は、処分があったことを知った日から、その翌日から起算して三月である旨が規定されているところでございます。
なお、繰り返しになりますけれども、各実施機関に対しましては、日頃から担当者会議や研修等を通じまして、情報公開制度の理解促進を図るとともに、円滑な手続を進めるように周知をしているところでございます。
続きまして、都民が都政に関する正確で分かりやすい情報を迅速に得られるよう、積極的に都政に関する情報を公表または提供することは重要でございます。
都はこれまで、開示請求等が多い工事設計書類など、公文書情報を無料で即時に入手できるデータベースの公開や、ホームページを通じた情報提供の拡大などを実施してまいりました。これらの取組によりまして、情報公開の総合的な推進を図っております。
○池川委員 さっきの開示決定の通知、決定通知書を受け取ってしまったら、その日が効力が発する日だというふうに理解できるわけです。だからそこに、これから三月以内に不服審査する場合はしてくださいということが書かれていて、その開示決定の日の日付入りで文書が来ちゃうんですよね。文書は来たけれど、決定文書は来たけれど、開示されるそのものの文書は一か月後ですという対応がされているということは、やっぱり問題あるでしょうと。その場合、不服審査が一か月間、そもそもできない状態が続くということにつながってしまうでしょうという話なので、決定通知書を受け取った時点がその起点だということで、これは間違いないと思うんです。これ事前のやり取りでもそういうやり取りさせてもらっています。
さっきの質問のあれですけど、積極的に都政に関する情報公開を行っていく、開示請求を待つことなく行っていくということで、総合的に推進していくといった答弁が今ありました。
情報公開の手引には次のように書かれていて、私はこの内容は大変大事だと思っています。
公文書開示制度は、民主主義の発展に大きな影響を持つものであるが、制度上の限界もある。すなわち、都民が開示請求をしない限り開示されないこと、また、開示の対象は、公文書そのものであり、分かりやすく加工された情報ではないことから、必ずしも都民にとって理解しやすいものではないこと、さらに、開示請求者のみに提供されるということから、広報的効果は期待できないということなどである。そこで、情報公開を総合的に推進することを条例上明記し、開示請求を待つことなく各種の情報を積極的に公表、提供することにより、都政に関する正確で分かりやすい情報を都民が迅速かつ容易に得られるようにすることとした。
これは、私は大変重要な規定だと思っていて、つまり公文書開示請求しなくともアクセスできるように、不断の努力が必要だというふうなことだと思うんです。ぜひ、開示請求を待つことなく、情報公開を積極的に進めていただきたいと、重ねて求めておきたいと思います。
最後に、予算特別委員会の代表総括質疑でも取り上げた東京都が作成している外郭団体等OB役員名簿について質問します。
この役員名簿の存在については、予算特別委員会の場で、東京都も存在を認めています。この名簿について、代表総括質疑で白石都議は、都が天下りをあっせん差配するリストではないかという疑惑について追及をしています。さらに、この名簿の中に都議会自民党の政調会ポストが含まれているのではないかという指摘もしました。
総務委員会では具体的な内容について事実確認をしていきたい、シンプルな質問にしていきたいと思うので、端的に事実をお答えいただきたいと思います。
初めに、外郭団体等OB役員名簿というのは、いつからつくられているんでしょうか。
○金久保人事部長 お話の名簿は、人事担当者が人事事務の一環として、可能な範囲で主な元幹部職員の再就職先の情報であるとか、連絡先を把握するために作成しているものでございまして、作成を始めた時期については把握しておりません。
○池川委員 把握していないと。事前のヒアリングでは、相当前からあったんじゃないか、ただ確認できていないということでありました。
名簿は、総務局人事部のどこで作成されていましたか。
○金久保人事部長 お話の名簿は、総務局人事部の人事課において、人事担当者が人事事務の一環として作成しているものでございます。
○池川委員 この名簿というのは、誰の指示でつくられている名簿なんでしょうか。
○金久保人事部長 お話の名簿は、人事担当者が自らの人事事務に使うための基礎資料として、適宜更新しているものでございます。
○池川委員 これは、つまり誰の指示もなくとも、人事担当者が脈々とつくっていたということなのか、それとも、この名簿についてはちゃんと引継ぎが行われ、誰かがこの名簿を更新するようにということが行われて、名簿が更新されていたんでしょうか。
○金久保人事部長 お話の名簿は、自らの人事事務に使うための基礎資料として、人事担当者が更新をしているものでございます。
○池川委員 誰かの指示がなかったり、具体的にこの文書、この名簿があってこれを更新するということがないまま引き継がれるということはないと思うので、どなたかが、誰かがこの問題については、名簿の更新をしてほしいという依頼をしているということなんだと思うんですね。
この名簿というのは、職務の一環でつくっているということでよろしいんでしょうか。
○金久保人事部長 お話の名簿は、人事担当者が人事事務の一環として、可能な範囲で主な元幹部職員の再就職先や連絡先を把握するために作成しているものでございまして、分かる範囲で適宜情報を更新するものでございます。
主な使い道としては、例えば適材推薦団体へ適切な人材を推薦する場合の人材情報の確認であるとか、審議会、有識者会議の委員などへの就任に当たっての人材情報の確認、過去の事業の経緯などを尋ねるときなど、何か問合せをするときの資料、また元幹部職員がどのような状況にあるのか、持続的に確認するための資料の一つとして作成しているものでございます。
なお、この人事事務ということでございますけれども、人事事務は職員の人事異動に関する事務に限定されるものではなく、職員の状況の把握など、広く人事管理全体を含むものでございまして、元職員であっても、その状況を可能な範囲で把握することが人事事務の一環であるというふうに認識しているところでございます。
○池川委員 つまり職務の一環だということです。職員が仕事で対応していたもので、何か私的に書き留めていたとか、そういうものではないということが今ので分かりました。
予算特別委員会で質問をする、通告をする以前に、この名簿というのはどの範囲で所持をされていたものなんでしょうか。
○金久保人事部長 この名簿でございますけれども、人事事務の担当者が使うことが基本でありまして、人数としては、総務局長以下人事部長、私、そのほか数名がこの名簿というのを、存在を知っていると、持っているという状態でございます。
○池川委員 それは具体的に、何人の職員が知っていたということなんでしょうか。
○金久保人事部長 何人の人間が知っていたかということなんですけど、先ほど申しましたとおりに、作成を始めた時期については把握していなくて、そういう中で人事異動とかも行われるものですから、この名簿の存在を知っている人数というのが何人かというのは、よく分かりません。
○池川委員 先ほどの誰かの指示でつくったのではないかということなんですけど、局長や部長が、この名簿について追加をしてほしいという指示をしたということではないんですか。
○金久保人事部長 先ほどから申し上げているとおり、この資料につきましては、名簿につきましては、人事担当者が人事事務の一環として、可能な範囲で、分かる範囲で主な幹部職員の再就職先であるとか、連絡先とか、そういったものを把握するために作成しておりまして、分かる範囲で情報を更新するものでございまして、何かこの情報を付け足してほしいとか、そういうことを指示したりとか、そういうものではございません。
○池川委員 それでは、具体的にその名簿について、部長や局長が報告を受けるという関係にはあったんでしょうか。
○金久保人事部長 名簿につきましては、必要に応じて名簿の中身について聞くということはございました。
○池川委員 総務局の中でも、局長、部長を含めた数人の方が知っていたということなんですね。
次に、法的根拠について聞きます。
名簿は、退職管理条例の対象ではないというふうに、これは予算特別委員会でもやり取りがありました。求職活動も含めて把握することは、どのようなこの法的根拠があって、今回の名簿が作成されているんでしょうか。
○金久保人事部長 お話の名簿でございますけれども、先ほども申しましたとおり、例えば適材推薦団体への適切な人材を推薦する場合の人材情報の確認であるとか、審議会、有識者会議の委員などへの就任に当たっての人材情報の確認であるとか、過去の事業の経緯を尋ねるなど、何か問合せをする際の資料であったりとか、また、主な元幹部職員が、どのような状況にあるのか持続的に確認するための資料の一つとして、作成しているものでございます。
名簿は、人事担当者が人事事務の一環として、可能な範囲で把握できた情報について、随時書き足しているというものでございまして、人事事務につきましては、職員の人事異動とか、そういったものに関する事務に限定されるものではなく、職員の状況把握など、広く人事管理全体を含むものでございます。元職員であっても、その状況を可能な範囲で把握することは、人事事務の一環であるというふうに認識しておりまして、情報の内容につきましては、したがって人事事務の一環として、必要な範囲として認識しているものでございます。
なお、東京都組織規程の二十条におきまして、総務局の各部課の分掌事務が規定されております。その中で人事部人事課においては、その他、人事に関することというふうに規定されているところでございます。
○池川委員 今の質問は、法的根拠があるのかという質問だったんですけど、つまり条例や法律に基づくものではなく、事務の一環ということで、条例や法律に基づくものではないということで、確認してよろしいでしょうか。
○金久保人事部長 人事担当者が人事事務の一環として、可能な範囲で把握できた内容について随時書き足しているものでございます。先ほども申しましたとおりに、東京都組織規程の第二十条におきまして、人事部人事課の分掌事務ということが規定されておりまして、人事部人事課は、その他人事に関することっていうことが分掌事務として規定されているところでございます。
○池川委員 人事事務の一環として作成していたと。分掌上そういうその他規定があるということなんですけど、職員定数条例とか、退職管理条例とかという条例に基づく、そうした条例に基づくものとはまた全く別の名簿だということです。
先ほども答弁あったんですけど、予算特別委員会の中でも、過去の事業の経緯を尋ねるなど問合せがあるときとか、審議会、有識者会議への委員の就任、あるいは適材推薦団体への適切な人材を推薦する場合の人材情報の確認とか、元幹部職員がどのような状況にあるかについて、持続的に人事部門として確認するための資料の一つというふうに、答弁を局長がされています。
具体的に、じゃあ、この外郭団体等OB役員名簿に何が記載されているのかについて、聞いていきたいと思います。
名簿には、具体的にどのような項目、事項が記載されているんでしょうか。
○金久保人事部長 お話の名簿につきましては、先ほどから申しましているように、人事担当者が人事事務に使うための基礎資料として、可能な範囲で把握できた情報について記録した資料でございます。
名簿の記載内容につきましては、団体や個人に関する情報であるため、お答えはできません。
○池川委員 この名簿は、職務の一環として作成された公文書です。公文書管理条例は、公文書は都民共有の財産とあり、先ほど質疑した情報公開でも、公正民主的で開かれた都政の実現を掲げています。
予算特別委員会の白石都議の質問に対して小池知事は、一層の透明化が必要だと進めてきた。都民ファースト、都民が第一という信念の下で、真に都民のための都政運営に邁進するというふうに答弁して、この透明化の問題については言及をされています。
具体的に聞いていきたいと思いますので、透明度の高い答弁を求めたいと思います。
外郭団体等OB役員名簿は、具体的に団体とポストが書かれているリスト、天下りあっせん、差配するためのリストだというふうに聞いています。名簿には、何団体、何ポストが書かれているんでしょうか。
○金久保人事部長 一般論で申し上げますと、情報の公表に当たりましては、対象となる公文書に含まれる情報につきまして、当該情報の性質や特定の個人、法人等に不利益が生じるおそれがあるか、ないかという有無なども踏まえて、公表の適否を判断するものというふうに認識しております。
お話の資料につきましては、人事担当者が人事事務に使うための基礎資料として作成したものでございまして、記載内容につきましては、人事事務に関する資料でございまして、かつ個人に関する情報、団体の勤務条件などの情報があるため、お答えすることはできないということでございます。
また、どのぐらいの数が、ポストかというところでございますけれども、名簿に記載されている団体数というものも、人事担当者が把握できる範囲の情報については更新しますけれども、更新されずに残ったままの古い情報もたくさん存在しております。そのため、不確実な情報も含まれておりまして、お答えは差し控えさせていただきます。
○池川委員 私は別に、個人情報を明らかにしてほしいといって質問しているわけではありません。何団体、何ポストが書かれた名簿なのかということは、今お答えいただけませんでした。
予算特別委員会では、連絡先等について聞いているという話がありましたが、連絡先については何が書いてあるんでしょうか。
○金久保人事部長 先ほども申しましたように、この名簿でございますけれども、名簿につきましては都の再就職の関与の有無、ありなしにかかわらず、個人による求職活動も含めて、人事担当者が把握できる範囲で、主な幹部職員の再就職先の状況につきまして記載しているものでございまして、記載内容につきましては、個人に関する情報であるとか団体の情報であるため、お答えはできません。
○池川委員 私は、団体の情報に何が書かれているのか、この個人がいますかという質問をしているわけじゃないんですね。
予算特別委員会でも触れましたが、名簿には個室のあるなしということについては、これは個人がどうという、この団体がどうということでなく、名簿の中にそういう記載はありますか。
○金久保人事部長 名簿の記載内容についてでございますけれども、先ほどから申しましているとおり、人事事務に関する情報でございます。また、個人に関する情報、団体の勤務条件などの情報であるため、お答えはできません。
○池川委員 私は、一つ一つの団体について聞いているわけではありません。その名簿の中に、そういう事項をつかんでいるのかという話なんですね。
車の送迎のあるなしということは、書いてあるんでしょうか。
○金久保人事部長 繰り返しになりますけれども、団体の勤務条件などの情報であるため、お答えはできません。
また、勤務条件といった団体の情報につきましては、団体としても公表することを想定していない情報のため、記載内容の有無も含めてお答えはできません。
○池川委員 一つ一つの団体、一人一人の個人についてどうかという質問をしているわけではなく、この名簿そのものは職務として、人事事務の一環としてつくられたもの、公文書であるということは、先ほどやり取りしたとおりです。その名簿の中に、一つ一つの団体の記載内容、個人の記載内容を聞いているわけではありません。そういうこの一つ一つの団体の、個人の情報を聞いていけば、それは個人情報だから答えられないというのは、それはもう分かります。しかし、私は名簿の中にそういう記載があるのかないのかと、この団体についてと限定をつけずに聞いています。秘書のいるいないという規定はありますか。
○金久保人事部長 名簿の記載内容につきましては、団体や個人に関する情報であるため、お答えはできません。
○池川委員 じゃ、広く聞きます。民間企業は入っていますか。
○金久保人事部長 繰り返しになりますけれども、名簿の記載内容につきましては、団体や個人に関する情報のため、お答えできません。
なお、お話の名簿につきましては先ほど申しましたとおり、都の再就職の関与の有無、ありなしにかかわらず、個人による求職活動も含めて、人事担当者が把握できる範囲で、主な元幹部職員の再就職先について記載したものでございます。
○池川委員 結局何一つ答えていただけないんですね。職務の一環として作成した文書であるにもかかわらず、答えられない。今の答えを聞いた都民の人たちは、何さっぱり分からないと思うんです。
専用の個室があるかないか、車の送迎があるかないか、秘書がいるかいないか、民間企業が入っているかどうかなどについて、しかし否定はされませんでした。否定されないということは、事実だと確認して差し障りがないんではないかというふうに思います。
退職管理条例があり、その下で人事情報を管理している中で、人事事務の一環で待遇について聞く必要はないと考えます。団体とポストを把握し、天下りあっせん、差配のリストになっているという、これは驚くべき疑惑なわけです。
この名簿には、都議会自民党の政調会ポストも入っているということは、冒頭述べました。こちらをご覧いただきたいと思うんですけど。(パネルを示す)これは、都民ファーストの会が二〇一七年の都議会議員選挙で掲げた公約なんですよ。この中には、都庁職員のOBの都議会会派への天下りというふうに書いてあるんですね。取り上げていて、私ではなく、知事が代表を務める都民ファーストの会が当時、公約として天下りの問題としてこの問題、書いていると。
具体的に、都庁OB職員が一部の会派の控室の職員として採用され、都庁と都議会の慣れ合いが問題視されているというふうに書いてあります。さらに、一部の人間、集団の利益のための都政であってはなりませんというふうにもなっているんです。私、都民ファーストというのはこういうことだなと、これを読んですごく思いました。
今回の名簿、予算特別委員会でも追及しました。私たちはこの問題について、今質問しても一切お答えいただけないわけですね。その存在は認めたけれど、個人情報じゃないその部分について、こういう情報が記載されているかということについても、現時点でお答えいただけないというやり取りになっています。
引き続き、この問題についてはきちんと追及していきたいということを表明して、質問を終わりたいと思います。
○渋谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時五十分散会
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