委員長 | 渋谷のぶゆき君 |
副委員長 | 田の上いくこ君 |
副委員長 | たかく則男君 |
理事 | 鈴木 烈君 |
理事 | 平田みつよし君 |
理事 | 入江のぶこ君 |
増山あすか君 | |
滝田やすひこ君 | |
斉藤 りえ君 | |
古城まさお君 | |
早坂 義弘君 | |
池川 友一君 | |
米倉 春奈君 | |
藤井あきら君 | |
菅原 直志君 |
欠席委員 なし
出席説明員政策企画局 | 局長 | 佐藤 章君 |
次長 | 土村 武史君 | |
技監 | 朝山 勉君 | |
理事計画調整部長事務取扱 | 佐久間巧成君 | |
総務部長 | 早川 八十君 | |
政策部長 | 大出 仁君 | |
政策担当部長 | 川田 正敏君 | |
政策担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 | 松本 祐一君 | |
戦略広報部長 | 鈴木 成君 | |
戦略広報担当部長 | 伊藤 正勝君 | |
戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 | 西田雄一郎君 | |
国際広報担当部長 | 天津 利男君 | |
グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 | 本木 一彦君 | |
プロジェクト推進担当部長構造改革担当部長兼務 | 佐々木康隆君 | |
東京eSGプロジェクト推進担当部長 | 久松 千恵君 | |
都市強靱化プロジェクト担当部長 東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 | 有江 誠剛君 | |
カーボンハーフ担当部長大学連携担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務 | 佐藤 義昭君 | |
外務部長 | 村永 伸司君 | |
国際戦略担当部長 | 飯野 雄資君 | |
外務担当部長 | 工藤 忠仁君 | |
総務局 | 局長 | 佐藤 智秀君 |
次長理事兼務 | 石橋 浩一君 | |
危機管理副監 | 安井 寛君 | |
総務部長 | 保家 力君 | |
企画担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 | 田村 弘明君 | |
人事部長 | 金久保豊和君 | |
労務担当部長 | 堀内 弘君 | |
総合防災部長 | 高田 照之君 | |
避難所・物資担当部長 | 後藤 和宏君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 川上 秀一君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
選挙管理委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和六年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百六十七号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第二百六十八号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百六十九号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百七十号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第二百七十一号議案 非常勤職員の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想の策定について
政策企画局関係
事務事業について(質疑)
○渋谷委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○渋谷委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、政策企画局関係の事務事業に対する質疑、選挙管理委員会事務局及び総務局関係の付託議案の審査並びに総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和六年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認についてを議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○渋谷委員長 これより総務局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第二百六十七号議案から第二百七十一号議案までを一括して議題といたします。
本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 立憲民主党の鈴木烈でございます。今回、非常勤職員の報酬の改定の際に、初めて今までと変わって、遡及改定する見直しを行ったというふうに伺っているところでございます。非常にすばらしい判断をしていただいたなというふうに認識をしておりますけれども、今回そういった見直しを行った経緯と理由等についてご説明をいただけますでしょうか。
○堀内労務担当部長 会計年度任用職員の報酬額については、勤務条件明示書によりまして、任用前に本人に示していることから、年度途中には引上げ、引下げ、いずれも行わず、翌年度の四月一日に改定する制度としておりました。
昨年、国の通知が出されまして、改定の実施時期は常勤職員の給与改定に準じることを基本としつつ、その対象範囲については各団体の実情を踏まえ、適切に設置するものとされました。
改定時期の見直しに当たりましては、引上げ改定の場合のみならず、引下げ改定の場合も併せて考える必要がございます。
常勤職員につきましては、引下げ改定があった場合、差額を期末手当から差し引くことになっておりまして、このような取扱いを会計年度任用職員についても実施すべきか慎重に検討を行ってまいりました。
また、都の会計年度任用職員は、例えば任期が三か月程度の職や、週一日勤務の職などもあり、勤務条件が様々であることから、一律に常勤職員に準じる改定時期にすべきかについても検討を行ってまいりました。
これらの観点を総合的に勘案した上で、労使交渉を積み重ね、より早期に改定を反映させるため、今般、改定時期を一律に常勤職員に準じることとする見直しを行ったものでございます。
○鈴木委員 丁寧なご説明をありがとうございます。ご説明ございましたけれども、会計年度任用職員の方々、いろいろと勤務条件が複雑というか、様々で、技術的な問題もあったんだろうなというふうに感じているところでございますけれども、その中で一律に遡及改定するというご決断をいただいたこと、本当に英断だと思います。感謝を申し上げたいと思います。
先月、石破総理が非正規公務員の待遇改善、もしくは正規化の方針を打ち出されたというニュースが流れているところでございます。この非正規公務員の問題、今まで不公平だからとか、不公正なんじゃないかという観点から論じられてきたと思うんですけれども、私、若干潮目が変わってきていると思っておりまして、やっぱり少子化が進む中で多くの方々になるべく能力を出していただきたい、社会に参画をしていただきたいと、そういう要請の中で見直しが進んできているんじゃないのかなというふうに考えているところでございます。
改めて、今後も非正規公務員、会計年度任用職員の方々の待遇改善や正規化を進めていただくようお願いを申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○渋谷委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 ありませんね。発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○渋谷委員長 次に、報告事項、多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想の策定についてに対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○増山委員 それでは、よろしくお願いします。
都は先般、多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想を公表しまして、立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫について、それぞれの機能を強化するための基本的な考え方を示しました。中でも多摩広域防災倉庫は、災害時の広域輸送基地及び物資の備蓄倉庫としての機能を有する物資拠点としての役割を担っています。災害時に都民へ着実に物資を届けるためには、このような拠点がしっかり機能することが欠かせません。
そこで、多摩広域防災倉庫には現状どのような物資を保管しているのか、また、この基本構想を踏まえ、どのように機能強化を図っていくのかお伺いします。
○後藤避難所・物資担当部長 多摩広域防災倉庫は、広域的見地から区市町村を支援できるよう、災害に特化した施設として整備しており、避難所等で直ちに必要となる食料や毛布、敷物、おむつ、生理用品といった生活必需品などを備蓄しております。
本構想におきましては、備蓄品の保管スペースを拡充するとともに、適切な温湿度管理を行うなど、多様な物資に対応できるよう機能強化することとしており、具体的な備蓄品の保管スペース等は今後検討を進めていくこととしてございます。
○増山委員 新たな防災拠点は、保管スペースの拡充を行い、多様な物資に対応できる環境確保を行うということです。また、災害時に都民に確実に物資を届けるには、区市町村の物資拠点などに円滑にアクセスできることが重要です。
しかしながら、ここで一点懸念することがございます。この立川の拠点は、高速の出入口から遠く、また立川駅周辺は交通渋滞も慢性化しており、アクセス面の改善も必要と考えます。道路整備は建設局や都市整備局の役割と考えますが、災害時のアクセスルートの確保は検討していくべきだと思います。
そこで、防災拠点から高速道路や都内各地へのアクセスルートをどのように確保していくのか、お伺いいたします。
○高田総合防災部長 都は、東京都地域防災計画におきまして、都庁舎、立川地域防災センター、区市町村庁舎等を応急対策の中枢を担う拠点として指定しております。また、応急対策の中枢を担う拠点を結ぶ道路などについては、緊急輸送ネットワークとして発災時に関係機関と連携し、優先的に障害物の除去等を行うとともに、必要に応じて交通管理者による交通規制等も行うなど、迅速な人命救助や物資輸送等につなげることとしております。
今後も、訓練等の実施による検証を行うとともに、応急対策活動に必要となるルートを迅速に確保するために検討を行ってまいります。
○増山委員 新たな防災拠点が円滑に機能するように、アクセスルートの確保に努めていただきますようお願いいたします。
次に、基本構想の基本理念でうたう都民のメリットについてお伺いいたします。
基本理念の一つに、平時における防災への理解促進や発災時の対応など、多摩地域のみならず、島しょ地域も含めて、全ての都民に広く貢献できる防災拠点とあります。この全ての都民に広く貢献できる防災拠点について、具体的にどのような拠点としていくのか、お伺いいたします。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点は、発災時のみならず、平時においては自治体や関係機関など多様な主体との宿泊を伴う防災訓練などに活用するとともに、現立川地域防災センターについては、防災を切り口に学べる、体験できる、集える普及啓発、体験スペースを設置するなど、多様な利活用方法を検討してまいります。
同じ立川広域防災基地内に所在する警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの防災機関との連携を強化いたしまして、広域的な物資輸送を行うなど、防災拠点としての機能を最大限に発揮できるよう検討してまいります。
○増山委員 この場所で新たに防災拠点をつくることの最大のメリットというのが国の様々な機関が集結していることだと思います。いざというときに円滑な連携が図れるよう、日頃の訓練をはじめ、活発な交流をお願いしまして、私の質問を終わります。
○藤井委員 それでは、質疑をさせていただければと思います。
先日、十二月三日に都民ファーストの会会派の多摩部会を中心に、有志で多摩広域防災倉庫と立川地域防災センターの視察をしてまいりました。その際出た意見や論点も踏まえまして、都民ファーストの会を代表して多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想について質疑をさせていただきます。
このような大規模な代替施設を持っている自治体は、東京以外にほかにはほぼないというようにも聞いております。すばらしい拠点だなと思った一方で、防災倉庫は国からもともと米の備蓄に使っていたところを倉庫として使っていることもあって、米の、何というんですかね、倉庫、倉みたいなところが全く使われていないような状況だったり、また防災センターについてはできてから三十年以上が過ぎていて、老朽化であったりとか、体育館はエアコンが使えなかったり、職員の執務室だったり仮眠スペース等が足りていないというお話も直接お伺いすることができました。非常にいい場所で、かつ、いい土地があるにもかかわらず、使い切れていないもったいなさを感じたところでありまして、有事の際には防災本部の機能が移すという要件に合った、また現在の最新の環境にアップデートする必要があるということを痛感したところであります。
そのような観点から質疑をしていきたいと思います。
最初に、私もアクセスに関してお伺いしようと思っておりました。基本構想によりますと、アクセスは基本的には高いというふうにされておりますが、ラストワンマイルについては課題があると考えております。特に地元の立川の伊藤都議の方からも話がありまして、防災拠点から日野橋周辺までの道路などを想定した場合には、地域から心配の声があるというふうに聞いております。
防災拠点への主なアクセスは立川通りでありまして、平時から渋滞が激しい道で、大規模災害時に緊急車両専用となっても、構造的な渋滞のリスクの懸念があります。
この災害時のルート確保について伺う予定でしたが、先ほど質疑がありましたので、こちらは割愛をさせていただきたいと思います。
立川通りが使えない場合に備えて予備的なアクセス道路などもしっかりと確保していっていただきたいと思いますし、迅速に確保するための準備をしているということでありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
加えて一言申し上げますと、建設局の事業になりますが、富士見町などに計画されている都市計画道路三・一・三四号線は、これいまだにまだ認可されておりませんで、新たな防災拠点にも関わる非常に重要な道路計画でありますので、建設局や地元市などともしっかりと協力をして進めていただきたいと要望させていただきます。
この基本構想の七ページに都内の防災倉庫、備蓄倉庫及び広域輸送基地の地図があります。それを見ると、多摩地域には西多摩福祉事務所と視察に行った多摩広域防災倉庫及び立川地域防災センターの三施設のみが備蓄倉庫等となっておりまして、私も視察の際、車で町田から、地元の町田から防災センターのところまで行ったんですが、やはりちょっと立川駅前の渋滞に巻き込まれて一時間を超えてしまうような移動時間となっておりました。アクセスにはなかなか難しいところがあるなと感じたところであります。
そこで、多摩に備蓄倉庫等をもっと整備していくべきではないかと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、多摩地域を含む都内全域において広域的見地から区市町村を支援できるよう、広域輸送基地や備蓄倉庫を確保してまいりました。多摩広域防災倉庫は、都が直接保管する食料の約六五%を備蓄しており、国などの防災機関が集積する立川広域防災基地内に立地することから、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などによる物資輸送なども想定し、訓練も行っております。
さらに、区市町村が設置する備蓄倉庫に都が購入した物資をあらかじめ搬送し、備蓄する寄託制度の活用を推進していくことにより、発災時に物資を必要とする被災者へ迅速に届けてまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。都の基本的な方針、考え方として、現在何か、今後は倉庫を増やすのではなくて、有事の際に迅速に区市町村が動けるように、もう既に区市町村に直接保管をしてもらう寄託制度というのを推進しているということでありました。事前のやり取りの中で地元の町田市の中でも、一部そういった保管も進んでいるということでありますので、しっかりとこちらも進めていただきたいと思います。いざというときにないというのが一番困りますんで、あと送れないというのは困りますんで、そういった対応も進めていただければと思います。
本構想では、有識者からの意見というのも三回にわたっていただいていまして、その中でも記者会見等を実施するスペースや設備を整備する必要が指摘されていたところかと思います。東京都、日本における直近の最大の有事であるものといえば、やはりコロナ禍でありまして、総合防災部の皆さん、総務局の皆さんも、福祉局もそうだったかもしれませんが、大変ご注力をいただいたところだと思っております。
その中で、やっぱり小池知事が毎日のようにユーチューブ等を使って、東京動画等を使って直接情報発信をしていたことが都民の安心にもつながった面があるんじゃないかなと感じておりまして、あれを見て都の動きを把握できて安心できたという声も多くいただいたところだと記憶をしております。評価の声があったと記憶をしております。
そこで、記者会見などと併せまして、そういったスタジオを整備するなど、自ら発信できるスペースも必要だと考えますが、見解を伺います。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点では、都民や関係機関等へ迅速かつ確実に災害情報等の発信ができるよう、記者会見室等の情報発信スペースを確保するなど、広報機能の強化を図ることとしております。
具体的な設備内容につきましては、今後検討してまいります。
○藤井委員 具体的な内容については今後検討していくということでありますので、今ご答弁いただいたように、分ける必要があるかどうかは別として、記者会見室等の情報発信のスペースを確保するということですので、そういったところで独自に情報発信をできるような準備をするだったりとか、もしくは別の部屋、本当にスタジオみたいなところをつくって、都でもコロナのときにやっていたと思うので、そういった知見も生かしながら、ぜひ整備していただきたいと思います。
続きまして、ちょっと少しまたテーマが変わりまして、本基本構想ではオールハザードに対応するということで、様々な災害等について検討をしているところであります。富士山降灰対策等も書いてあったかなと記憶をしているところでありまして。その中で、これもちょっと視察のときに参加していた議員から出た意見なんですが、最近はウクライナでのロシアとの戦争をはじめ、世界の情勢、様々見る中で有事というのも他人事ではないんじゃないかというご意見があります。日本でも北朝鮮のミサイル発射のニュースというのも聞く機会もかなり増えておりまして、私が都議になってからも、ミサイルに対する避難訓練だったりとか、様々しているところかなと思っております。さらには、国の方からも通知が出されていて、緊急一時避難所の指定を進めるようにだったりとか出ているところであって、都でもまさに進めていただいていると思うんですけれども、地下鉄の駅のシェルター化など進めているかと思います。
本構想におきましても、いざというときのために、例えば北朝鮮などからのミサイルの有事にも備えて、地下シェルターなど整備すべきと考えますが、見解を伺います。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点は、首都直下地震をはじめ、南海トラフ巨大地震、大規模風水害、火山噴火、さらには複合災害など、オールハザードに対応できることを基本理念の一つとしております。
具体的な施設構造などについては、今後検討してまいります。
○藤井委員 しっかりご検討いただきたいと思います。
続きまして、また検討会の中でも意見としてありました防災備蓄倉庫機能についてお伺いをいたします。
空調負荷を考慮した温湿度のコントロール等、保管物資に応じたスペースの確保や手法を検討できるとよいという有識者の意見がありました。私たちも視察した際に倉庫を実際見せてもらったんですが、温度や湿度の管理というのが昔ながらの換気扇——まあ、一つじゃなかったような気がするんですが、換気扇がまさについているだけで、それを回しっ放しにしているというようなお話でありまして、やはりそこはしっかりとやっていくべきではないかという意見が我々の中でも出てきたところであります。
倉庫の空調について、多様な防災資材を保管するため、温度や湿度の管理等を適切に行えるよう整備すべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 新たな防災拠点に設置する防災備蓄倉庫機能につきましては、倉庫内の備蓄品目に応じた適切な温湿度管理や防疫対策として消毒用アルコール等の保管を可能とするなど、多様な物資に対応できる環境の確保に向けて検討してまいります。
○藤井委員 結構重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、自立した拠点運営ということでありまして、新たな防災拠点における電力、エネルギーの関係について質問させていただきたいと思います。
防災拠点は、どんな災害に遭っても活動を止めない自立した施設である必要があります。自家発電、再生エネルギー等を着実に確保することが重要と考えますが、見解を伺います。
○高田総合防災部長 基本構想では、安定的なエネルギーの確保について基本方針の中に掲げております。新たな防災拠点では、発災時に安定的に業務を継続できるよう必要な電源容量を確保するとともに、燃料備蓄が可能な自家用発電設備、太陽光発電設備など、あらゆる災害を想定いたしまして、多様な手法を用いることでエネルギーの確保を図ってまいります。
○藤井委員 東京都ではペロブスカイト型の太陽光発電も進めておりますし、あとこの後、政策企画の方にも質疑をするんですけれども、ベイeSGプロジェクトなどで先端的な太陽光発電、道路を使ったものだったりとか様々ございますので、ぜひそういった新たな技術も積極的にご活用をいただきたいなと思います。
続けてなんですが、この防災拠点はHTTの取組など、地球環境へ配慮した施設となるということであります。平時に発生した再生エネルギーの処理や地域へのエネルギーの還元などについて、取組を伺います。
○高田総合防災部長 基本構想では、HTTの推進について基本構想の中に掲げております。新たな防災拠点では、設備機器の省エネルギー化、再生可能エネルギーや蓄電設備の導入など、地球環境に配慮した施設設備を進めることとしております。
具体的な導入設備等につきましては、今後検討してまいります。
○藤井委員 今後検討していくということであります。質問の中にありました地域への還元という観点は、地域の脱炭素を進めるといった観点もしっかりと入れていただきたいなと思いますので、その点もよろしくお願いいたします。
先ほど一点漏れちゃいましたけど、東京都はスタートアップの取組もいろいろとやっておりますので、スタ・国室等、また環境局でも様々な新しい脱炭素の技術を持っているかと、把握しているかと思いますんで、そういったものもぜひ積極的に活用いただければと思います。
続きまして、基本構想の一三ページの課題や、二五ページの整備の方向性等を見ますと、災害対策本部の円滑な運営には、情報管理や意思決定に必要な情報システムの整備が必要であるとされております。安定した情報システムのために、スターリンクをはじめとする最新の衛星通信の配備や、ヘリテレ映像の環境改善などが必要と考えますが、その取組を伺います。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点は、都防災センターの補完的役割を担うとともに、多摩地域の現地対策本部及び都庁舎の代替拠点といたしまして、災害時の情報収集、共有及び意思決定、指揮命令を円滑に行えるよう、機能強化を図ることとしております。
このため、衛星通信等の最先端の情報通信設備を導入するなど、あらゆる災害に対応した通信インフラの多重化を図り、国、関係機関、区市町村等との確実な連絡手段を確保してまいります。
具体的な導入設備等につきましては、今後検討してまいります。
○藤井委員 通信インフラの多重化をしっかりと図っていくということでありますので、ご検討いただきたいと思います。
少し情報システムの話が出ましたので、視察をした際にもちょっと意見交換をさせていただいたんですが、倉庫の物資管理の在庫管理等についても申し上げます。
こちらも基本構想の中には入っているものではあるかと思うんですけれども、現在は倉庫の管理、基本的には目で確認をして、エクセルで対応をしているということでありました。
その上で先端の倉庫、例えばアマゾンみたいなところの視察も防災部としてしているやに聞いております。日頃から多くの物資を取り扱うわけではございませんので、平時の物資の出入りというのは限定的ではありますが、有事の際、何かあった際には入ってくる物資の量というのも、出ていく量というのも考えられないぐらいの量になるかと、桁違いになるかと思います。
例えばですけど、AIのカメラだったりとかで量を管理したりとか、またロボットの活用など、人力に頼らない方法というのもぜひご検討をいただくのがいいのではないかと思います。有事の際に、より注力しなければいけないところに注力できるように体制を整えていただきたいと思います。ここでも記載しておりますが、スタートアップ等の技術、知見が大分増えていますので、そういったものもご活用いただければと思います。
次に、平時の対応について伺います。
施設管理や備品管理、いざというときの搬出などについては、防災訓練などを通しての課題整理や職員の習熟も必要と考えますが、具体的にはどのように考えているのか伺います。
○高田総合防災部長 発災時に適切かつ迅速に対応できるよう、立川地域防災センターに併設する災害対策職員住宅に入居している職員を対象といたしまして、定期的に通信システムや物資の搬出、受入れ訓練を行っております。
また、令和四年五月からは住宅入居職員が不在となる平日の勤務時間中に総合防災部の職員を毎日派遣いたしまして、機器の立ち上げ等を行うなど、発災時の体制強化を図っております。
新たな防災拠点におきましても、その機能が最大限発揮できるよう、引き続きこうした訓練を積み重ね、課題を検証いたしまして、災害対応力を強化してまいります。
○藤井委員 これも視察をした際にも、平日の昼間でしたが、防災部の職員の皆さんが何日か交代で詰めているというお話を直接聞くことができました。毎日朝からですか、稼働の確認をしているという話もお聞かせいただいたところであります。いざというときに動かなければ意味がありませんので、毎日の訓練、しっかりと進めていただきたいと思いますし、あと今後の計画の中では、いざというときの備え、いざというときしか使わないのではもったいないと思いますので、常時何か稼働する機能を持たせるであったりとか、日常的に使うような工夫もした方がいいんじゃないかなと思いましたので、ご検討をお願いしたいと思います。
この施設、都のすばらしい施設が立川の場所にあるわけですが、地域の方々の理解というのもあった方がいいんじゃないかなと思います。今あまり知られていない状況かなと思います。立川の市民だったりとか都民に親しまれている必要というのがあるんじゃないかと考えております。
新たな防災拠点や防災センター機能を移転した後の現立川地域防災センターについては、地元と連携して平時の効果的な利活用を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点は発災時のみならず、平時から多様な利活用方法を検討いたしまして、効果的に活用をしていくこととしております。多摩地域の防災拠点といたしまして最大限機能を発揮するために、自治体や関係機関などとの連携が欠かせないことから、多様な主体との防災訓練や研修の実施など、今後具体的な活用策について検討してまいります。
○藤井委員 ぜひ市民だったりとか、都民に親しまれる施設としていただきたいと思いますので、そういった視点も入れていただければと思います。
最後になりますが、今は平時の活用についての意見でしたが、多様な主体と宿泊を伴う長期間の防災訓練や研修などを想定しているという記述がございます。例えば、自治体の防災サミットや避難所運営サミットなどが行えるイメージを、読むと持つところであります。
能登半島地震の経験から、国も都も災害に強い市民団体やNPOとの連携というものを表明しておりまして、この際、多くの方に平時からの訓練に使っていただくなど、平時の利活用について多様な主体との連携を図るべきと考えますが、見解を伺います。さっきとちょっとあれしているかな。お願いいたします。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点は、発災時のみならず、平時から多様な利活用方法を検討し、効果的に活用することとしております。お話のありましたNPOなどの連携につきましても、自治体や関係機関との連携が欠かせないことから、多様な主体との防災訓練や研修の実施など、今後具体的な活用について検討してまいります。
○佐藤総務局長 少し答弁に補足させていただきます。
新たな防災拠点は、発災時のみならず、平時から多様な利活用を検討することとしておりまして、今後、自治体や関係機関など多様な主体との宿泊を伴う防災訓練や研修の実施、国や物資輸送事業者等と物資の受入れや仕分の輸送訓練などについて検討してまいります。
現在の立川地域防災センターでございますけれども、平時は防災に関する都民向けの普及啓発、体験施設など、多様な利活用につきまして検討してまいります。
○藤井委員 補足をいただきまして、ありがとうございます。我々の会派の菅原委員がまさにNPO等との、菅原都議の方は毎年、東日本大震災の震災のボランティアだったりとか、能登半島の方にも行っておりまして、会派の方では能登半島PT等も立ち上げて対応しているところでありまして、こういったNPOなど多様な主体との協力というのが避難所運営等に関しては欠かせないというところで、会派としても強くお伝えさせていただいておりますので、補足いただいたところも含めてしっかりとご対応いただければと思います。
この基本構想、今基本構想が発表されまして、有識者の意見を踏まえてつくったものかと理解をしておりますが、今後、たしか来年度計画になって、さらに何年かかけてしっかりとつくっていくものだと考えております。
最初、冒頭も申し上げましたが、これほどの規模の代替施設を持っているほかの自治体というものはなかなかないと思いますので、そういった自治体の参考になるようなものにぜひしていただきたいなと思います。新たな取組も含めて、しっかりとご検討いただくことを要望させていただきまして、質疑を終わります。
○たかく委員 それでは、私の方から多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想の策定について伺います。
令和四年五月に公表された首都直下地震等による東京の被害想定により、首都直下地震が発生した場合の被害の様相が改めて明らかになったほか、大規模な風水害、複合災害等の自然災害の懸念も今高まっております。
私は、令和六年第一回定例会の一般質問で様々な災害への対応力を高めるため、隣接する多摩広域防災倉庫も活用し、デュアル、二つの防災体制を構築していくべきであり、立川地域防災センターは都庁の防災センターと同等の機能を有する施設とすべきとの質問を行いました。
知事からは、災害の状況等により立川地域防災センターが災害対策本部機能を担うことになるが、今後、建て替えも含め、災害対策本部としての機能などを考慮し、機能強化に向けた検討を行い、基本構想を策定する等の答弁がございました。
この質疑を受けて、何点か質問させていただきたいと思います。
まず、改めて多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想を策定した背景と、また目的等についてお伺いいたします。
○高田総合防災部長 近年、首都直下地震や大規模風水害など自然災害リスクの懸念が高まるとともに、DXの進展や環境への配慮など社会環境も大きく変化しておりまして、あらゆる災害から都民の命を守るための対策が急務でございます。
このような状況を踏まえまして、都全体の災害対応力を高めるため、立川広域防災基地内に所在する立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫につきまして、新たな防災拠点の整備に向けた基本構想を策定したところでございます。
○たかく委員 いつ起こるか分からない災害、あらゆる災害から都民の命を守っていく、可能な限りしっかりと備えていくことは重要だということであります。
立川地域防災センターは、多摩地域の防災拠点として重要な役割を担っており、社会環境の変化などに対応した施設とすることは必要であります。また、都防災センターの代替施設としての機能の発揮も求められます。
そこで、都庁の防災センターの代替施設とするには、新たな拠点施設に同センターと同等の機能が必要と考えますが、基本構想ではどのようになっているか見解を伺います。
○高田総合防災部長 都庁舎における防災センター機能に係る災害対策本部室や執務室等の諸室面積は、約二千平米でございます。新たな防災拠点は、これと同等以上のスペースを確保するとともに、DXの活用などによる情報収集、共有及び意思決定、指揮命令の円滑化、通信インフラ環境の整備などによる情報発信及びセキュリティの強化など、防災センターとしての機能強化を図ることとしております。
○たかく委員 今の答弁ですと、新たな防災拠点が都防災センターの代替にふさわしい機能を有する施設とすることは理解いたしました。
次に、物資の拠点施設である多摩広域防災倉庫について確認をさせていただきます。
現在の多摩広域防災倉庫では、何をどれだけ、何人分相当として備蓄されているのか、また、新たな拠点施設ではどのくらいの備蓄が可能となる構想なのか伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 多摩広域防災倉庫には、避難所等で直ちに必要となる食料や毛布、敷物、おむつ、生理用品などを備蓄しており、例えば食料につきましては令和六年四月一日時点で約三十六万人の三日分に相当する約三百二十万食を確保してございます。
本構想におきましては、備蓄品の保管スペースを拡充するとともに、適切な温湿度管理を行うなど、多様な物資に対応できるよう機能強化することとしており、具体的な備蓄品の保管スペース等は今後検討を進めていくこととしてございます。
○たかく委員 ここの多摩広域防災倉庫では、国や民間事業者から届く支援物資を取り扱う広域輸送拠点として機能するとともに、発災後は備蓄を拠出して、国プッシュ型支援の輸送拠点となるとのことでもございます。今後、備蓄品の具体的な検討は今後これからだということですが、しっかり検討していただいて構想にまとめていただければというふうに思います。
次に、アクセスルートの確保が不可欠であって、道路整備、ハード整備におけることをちょっと質問しようかと思いましたが、先ほど増山委員からも質問もありましたので、こちらについては割愛させていただきたいと思っております。こういった災害を想定して、引き続き輸送ルートの確保にしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
そして、最後の質問になりますが、防災拠点としての役割を果たすためには、災害時における電源の確保というのもやはり重要であると思います。いざというときにも電源が安定的に確保できる。そのために、この拠点がその役割を果たすためには、エネルギーの確保はやっぱり重要であると思いますが、どのように取り組んでいくのか、お示しください。
○高田総合防災部長 基本構想では、安定的なエネルギーの確保について基本方針の中に掲げてございます。新たな防災拠点では、発災時に安定的に業務を継続できるよう必要な電源容量を確保するとともに、燃料備蓄が可能な自家用発電設備、太陽光発電設備など、あらゆる災害を想定いたしまして、多様な手法を用いることでエネルギーの確保を図ってまいります。
○たかく委員 今答弁ありましたように、いつ発生するか分からない災害に対し、災害が発生しても業務が継続して実施できるようにするのが重要でございます。また、発災時に防災拠点として有効に機能する安定した電源がしっかりと対応していくように、構想にまとめていただけるようにお願い申し上げて、私からの質問を終わります。
○滝田委員 私からも、多摩地域の新たな防災拠点について質問をしてまいります。ちょっと重複するところもありますので、少し駆け足でいければというふうに思います。
ちょうど四年前の十二月ですけれども、私も現状の立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫については視察をさせていただきました。ですので、現状の設備については拝見もさせていただいているので認識をしているということですが、今後この機能を拡充していくということでありますので、非常に期待をしているところであります。
まず、立川地域防災センター及び多摩広域防災倉庫を設置している意義について伺いたいと思います。
○高田総合防災部長 立川地域防災センターは、災害時に情報収集、連絡調整、救援物資の備蓄、輸送、要員確保の機能を有する多摩地域の防災拠点として活用することになっておりまして、都防災センターの補完的役割を担うとともに、多摩地域で局地的な災害が発生した場合は、現地対策本部として機能することとなっております。
また、大規模災害で都庁舎の使用が困難になった場合には、代替施設として都災害対策本部の機能を担うことになります。
多摩広域防災倉庫は、災害時に国や民間事業者から届く支援物資を取り扱う広域輸送基地であるとともに、災害時の食料、生活必需品等を保管する防災備蓄倉庫としての機能を有しております。
○滝田委員 ありがとうございます。意義として大きく二つあるのかなというふうに理解をいたします。
一つは、都庁舎が使用困難な場合の代替の拠点となっていくということであります。もう一つは、多摩地域に立地しておりますから、多摩地域の防災拠点であるということかという理解をいたします。
先ほど答弁いただいた意義の中でも、立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫について、多摩地域の防災拠点として具体的にどのように活用してきたのか伺いたいと思います。
○高田総合防災部長 今年八月に台風が東京に接近した際、立川地域防災センターにつきましては、孤立化のおそれがある西多摩地域の五市町村に情報収集や連絡調整を担うリエゾンを派遣する拠点として活用いたしました。また、多摩広域防災倉庫からは、要請のあった自治体にブルーシートや土のうを搬出いたしました。
平時には、多摩広域防災倉庫を活用いたしまして、発災時の円滑な倉庫運営が可能となるよう、職員による初動対応や協定事業者と連携した搬出、搬入等の訓練を実施しております。
○滝田委員 ありがとうございます。自治体との連携の拠点であったり、あるいは物資の供給拠点として多摩地域の防災に役立てていただいているということで、震災だけではなくて水害対策等々も含めて災害対応を行っていただいているということであります。
一方で、現行の東京都の陸上での広域輸送基地と備蓄倉庫の配置について、区部と多摩地域に分けて概況を伺いたいと思います。
○後藤避難所・物資担当部長 都では広域輸送基地として、区部ではトラックターミナルが四か所、多摩地域では多摩広域防災倉庫及び立川地域防災センターの二か所、合わせて六か所を確保しております。
また、備蓄倉庫につきましては、区部に十三か所、多摩地域には多摩広域防災倉庫及び立川地域防災センターを含む三か所、島しょ部に四か所の合計二十か所を確保し、救助用物資を備蓄しております。さらに、現在、板橋区内に備蓄倉庫を新たに建設中でございます。
○滝田委員 ありがとうございます。答弁にありましたけれども、立川は広域防災倉庫と立川地域防災センター、両方指定されているということですので、二つカウントされているわけですけれども、全体として広域輸送基地六か所あるうち、多摩地域では立川の二か所ということで、備蓄倉庫については島しょを除くと十六か所あるうちに、多摩地域では立川の二か所と青梅に一か所ということですので、ちょっと数の上でいきますと、多摩地域の配置が少ないんじゃないのかなというふうにやはり思うところなんです。
多摩地域は皆さんご存じのとおりですけれども、東京の人口の約三分の一に当たりますけれども、四百三十万人が暮らしていて、かつ、面積も二十三区よりも広いと。山あいの箇所もありますので、今後どうやって多摩地域を守っていくのかということは非常に重要な課題であるというふうに考えております。
そうした意味では、二十三区と多摩地域で配置状況に大きな差があるのかなというふうに感じるんですが、どのような考え方となっているのか伺います。また、都内全域、多摩地域全域も含めてですが、速やかに物資を支援するためにどのように取り組んでいくのか伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、多摩地域を含む都内全域において広域的見地から区市町村を支援できるよう、広域輸送基地や備蓄倉庫を確保してまいりました。
多摩広域防災倉庫は都が直接保管する食料の約六五%を備蓄しており、国などの防災機関が集積する立川広域防災基地内に立地することから、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などによる物資輸送なども想定し、訓練も行っております。
さらに、区市町村が設置する備蓄倉庫に都が購入した物資をあらかじめ搬送し備蓄する寄託制度の活用を推進していくことにより、発災時に物資を必要とする被災者へ迅速に届けてまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。多摩地域の要ということでもありますし、東京全体の都が保有している、都が直接保有している食料のうちの六五%がここにあるということですから、非常に重要な拠点であります。今後、各地域にしっかりと物資を届けていくために、寄託等も活用しながら各地に備蓄を増やしていきたいということだと思うんですけれども、先ほど質疑しましたけれども、多摩地域の配置がやっぱり少ないんじゃないかなと思うところではありまして、土地に関していいますと、未利用の都有地であったりとか、あるいは都営住宅等の建て替えとかで創出余地があるとか、いろんな多摩地域においても道路のアクセスとかも含めてですけれども、適地があるというふうに思いますから、ぜひ東京都の広域輸送基地や備蓄倉庫ということについて、設置の拡充も検討いただきたいなというふうに思います。
先ほどもちょっと重なってしまっていますけれども、立川駅周辺ですが、JRの中央線を挟んで南北間をなかなか車両が移動しにくいと、この間の質疑で皆さんおっしゃっているんですけれども、私も現地行きますと非常に交通混雑していますし、いざ発災した場合に踏切を渡らなきゃいけないと。立川地域防災センターから南に行こうとすると踏切を渡らなきゃいけないんですけれども、これ長時間寸断したりとか、災害のときに使えないというふうになってしまうと、私の地元の八王子であったりとか、あるいは日野であったり、町田なんか、どうやって行くのかなというふうに思うところもあります。非常に懸念があるんですが。
道路整備については他局での取組ではあるんですけれども、整備には時間がかかるということもありますので、その間、災害に対してどのように対応していくのか伺います。
○高田総合防災部長 都は、東京都地域防災計画におきまして、都庁舎、立川地域防災センター、区市町村庁舎等を応急対策の中枢を担う拠点として指定しております。
また、応急対策の中枢を担う拠点を結ぶ道路などにつきましては、緊急輸送ネットワークといたしまして、発災時に関係機関と連携し、優先的に障害物の除去等を行うとともに、必要に応じまして交通管理者による交通規制等を行うなど、迅速な人命救助や物資輸送につなげることとしております。
今後も訓練等の実施による検証を行いまして、応急対策活動に必要となるルートを迅速に確保するための検討を行ってまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。ぜひ電車で、電車が倒れたりとかして遮断されてしまって動かせないとか、そういうことも全然想定される話ですので、道路管理者、あるいは警視庁も当然なんですけれども、鉄道事業者とも、この点については特に留意しておくべきポイントだと思いますので、しっかり、こうなったらこうしなきゃいけないという話を平時から整理していただくようにお願いをいたします。
今回の新たな拠点整備ということで、再整備の期間中については、立川の多摩広域防災倉庫、使用できないわけなんですけれども、整備の期間中の災害に備えて、広域防災倉庫の機能はどのように担保するのか伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 多摩広域防災倉庫は敷地面積が約二万二千平米、物資保管面積が約一万一千平米あり、保管容量といたしましては約五千九百パレットの機能を有しております。建て替え期間中も現有の防災対応力を維持できるよう、立川広域防災基地の近接地で、現施設と同等の機能を確保するよう取り組んでまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。近接地で、恐らく倉庫を借りたりとか仮設したりとかということで確保するということでありますので、しっかり取組をお願いいたします。
立川地域防災センター及び多摩広域防災倉庫を再編した上で、多摩地域の新たな防災拠点になりますけれども、新たにどのような機能が付加、強化されるのか伺います。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点でございますが、約二千平米ある現在の都防災センターと同等以上のスペースを確保するとともに、DXの活用などによる情報収集、共有及び意思決定、指揮命令の円滑化、通信インフラ環境の整備などによる情報発信及びセキュリティの強化など、防災センターとしての機能強化を図ることとしております。
また、温湿度管理による多様な物資の保管環境の整備、車両の走行環境の改善など、防災備蓄倉庫、広域輸送基地としての機能強化も図ることとしております。
○滝田委員 私も視察した際に現在の執務スペース、かなり狭いなというのは、拝見させていただいていて、お聞きしたところ四百平米程度かなというような話ですので、今の答弁と合わせると、五倍か、それ以上ということを目指して整備をしていくということでありますので、ここを大幅に強化していくということでありますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
また、温湿度管理ができるようになるということで、湿気に弱い段ボールベッドの保管等々もしやすくなっていくのかというふうに思いますので、段ボールベッドの拡充ということも取り組んでおりますから、ぜひその点についても併せて、逆にいうと、自治体が持っている倉庫もなかなか結構大変なところというか、管理ができるところ限られるということもありますから、ここでの整備がしっかり進んだ上で、東京都全体の段ボールベッドもしっかり確保できるようにお願いをいたします。
一方で、災害が起こると、全国から応援のボランティアが多数訪れるのかなというふうに、当然想定されます。能登半島でも相当な数のボランティアが来ていますけれども、東京で発災したらもう本当に日本全国から来ていただけるということになるかと思います。
そうした中で、新たな施設におきましては、災害時にボランティア拠点としての機能を持たせる構想なのかどうか、見解を伺います。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点は災害時に都防災センターの補完的役割を担うとともに、多摩地域で局地的な災害が発生した場合は現地対策本部として機能いたします。
大規模災害で都庁舎の使用が困難になった場合には、代替施設として都災害対策本部の機能を担うことから、これらの機能が優先されることとなります。
○滝田委員 まずは行政機能を最優先にしてしっかりやっていくというご答弁かなというふうに理解しました。そこは大変重要ですので、まずは、そこをしっかりやっていただきたいというふうに思うんですけれども、ボランティア、じゃあ、いざ来るよといったときに、どこに行こうかというふうに考えますと、結局、立川のここかなという話になるんじゃないかなというふうに予想されますので、そういう意味では、ボランティアの受入れ体制、どうしていくのかということの検討とか想定についても、やはり今回の整備に合わせて検討していく必要があるというふうに思いますので、まずは行政機能ということではあるんですけれども、恐らくすごく大量にいらしていただくであろうボランティアの方々をどうしていくのかということについても、いろんな検討をお願いしたいというふうに思います。
受付するという機能だけじゃなくて、待機をしたりとか、移送したりとか、休憩をしたりとか、仮眠したりシャワーとかって、いろんなものが、いい出したら切りがないですけれども、必要になってくるかというふうに思いますので、それをここでやるのか、それとも近くでやるのか、どうするのかということも含めてご検討をお願いしたいというふうに思います。
今回のこの構想では、HTT関連装置も設置していくということであります。現在の多摩広域防災倉庫の太陽光発電設備の最大容量は五十二キロワットというふうに聞いておりますけれども、現行の施設からどの程度増加できるのか伺います。また、災害対策の一環としても、EV、電気自動車の普及促進ということを行っていますけれども、EV充電などの設備も導入する予定なのかどうか伺います。
○高田総合防災部長 基本構想では、HTTの推進について基本方針の中に掲げております。新たな防災拠点では、設備機器の省エネルギー化、再生可能エネルギーや蓄電設備の導入など、地球環境へ配慮した施設整備を進めることとしております。
具体的な導入設備等につきましては、今後検討してまいります。
○滝田委員 今後検討するということでありますけれども、現行の施設でワンフロア全面使っているということではないという理解をしていますので、まあ、分かんないですけど、倍増するとか、いろんな形で発電容量については増えていくのかなというふうに思いますし、蓄電の機能であったりとか、あるいは先ほどご提案しましたけれども、EV充電などの設備についても検討余地があるんだろうという答弁かと理解しましたので、ぜひ設置をお願いしたいと思います。
また、さきの委員会質疑でも確認しましたけれども、賞味期限が近づいた食料品等の備蓄品については、廃棄するのではなくて、フードバンクであったりとか、福祉施設で使ったりということをやっております。
新たな多摩広域防災倉庫といういい方でいいのかな、新たな拠点における倉庫です。こちらにおいても、平時においてこうした備蓄品をしっかり循環させていくということをあらかじめ考慮して、効率よく管理したりとか、あるいは搬出入できるような設備と仕組みを考えておくべきだと考えますけれども、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 基本構想において備蓄品の在庫管理や物資の効率的な搬出作業を支援するため、平時にも資する災害時物流のDXの活用を推進することとしております。
○滝田委員 ありがとうございます。入出庫管理等々がしっかりできるようなDXの活用ということでありますので、災害時は当然なんですけれども、通常時の備蓄の循環というものは結構大変だということで、先般の委員会でも議論させていただきましたので、ぜひそこも想定をして、日頃の取組が効率的にできるようにということでもお願いをいたします。
立川地域防災センターを有事に有効に機能させるためには、訓練等の実施ということだけではなくて、平時から利用する、一部業務について平時から利用するとか、こうした場所に慣れて、いつでも使える状態にしておくということが重要かなというふうに考えております。
現場の職員ということだけではなくて、都の幹部の方々が現地に詰めて通常業務を行うといったことであるとか、あるいは都議会のメンバーも同地に行って、出張都議会をやるとか、そういうこともあってもいいんじゃないかというふうに考えます。まず、出張都議会というより、出張総務委員会かもしれませんけれども。
こうした取組を行って、平時から利用していくということで、災害時のことが様々想定できるというふうに考えております。
また、区市町村との連携ということで、いわゆる事前復興、復興まちづくりの構想であったり、図上訓練を行うということについては、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいので、こうした場所を平時に使うという中での取組で行っていただきたいということも重ねて要望しておきます。
新たな防災拠点を平時はどのように活用していて、また災害時の対応力強化にどのように活用しようとしているのか、伺いたいと思います。
○高田総合防災部長 新たな防災拠点は、発災時のみならず、平時から多様な利活用方法を検討することとしております。今後、自治体や関係機関など多様な主体との宿泊を伴う防災訓練や研修の実施、国や物資輸送事業者等との物資受入れや仕分等の輸送訓練などについて検討してまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。多様な主体との連携ということもやっていくということでありますので、先ほどいろいろと提案しましたけれども、様々な取組について、今後整備を進める中で検討いただければというふうに思います。
最後の質問になりますが、一方で、現在の立川地域防災センターについては、現在の建物を残すという構想であると理解しています。竣工から三十三年経過しているというふうに聞いているんですが、今後、再編した後ですけれども、平時及び災害時にどのように有効に使っていくのか見解を伺います。
○高田総合防災部長 現立川地域防災センターにつきましては、平時は防災に関する都民向け普及啓発、体験施設、発災時には各局の活動スペースとするなど、多様な利活用方法を検討してまいります。
○滝田委員 整備が進む中でまだ時間がありますから、その中でしっかりまた検討いただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
今日様々提案しましたけれども、ぜひ構想をさらに深めていただいて、本当に多摩地域、東京全体の災害力の強化ということではあるんですが、私自身は八王子の選出の議員ですから、多摩地域の防災機能の強化ということについては非常に期待をするところでありますので、ぜひ検討をいただければというふうに思います。
以上です。
○古城委員 総務局の報告事項、多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想の策定に関連して質疑させていただきます。
二〇一九年の二つの台風、十五号、令和元年房総半島台風と、十九号、令和元年東日本台風は、我が国に上陸をして大きな被害をもたらしました。改めて、被災された皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
その際、私ども都議会公明党は、台風襲来後直ちに、被災した島しょ地域、日の出町や奥多摩町、檜原村、さらに多摩地域の河川の氾濫現場、多摩川流域の浸水現場に駆けつけ、緊急対応、住民要望の聴取、現地調査にいそしみました。こうした活動を基に、知事に繰り返し要望を行い、補正予算による被害の復旧、復興への対応を求めたほか、都議会各委員会での質疑を通じて迅速な取組を訴えました。
これらを受け、補正予算が提出され、成立するとともに、台風に伴う防災対策の検証が行われ、区市町村が参加する図上訓練、立川地域防災センターの機能強化や、仮称危機管理副監の設置など、幅広い取組が示されました。
そこから三年たった二〇二二年十二月、都の危機管理副監が新設されました。初代として着任された安井寛危機管理副監は、防衛駐在官や陸上自衛隊においてヘリコプターのパイロット及び指揮官、方面航空隊長、方面総監部幕僚副長、このときはまさにコロナ禍の真っただ中であられたと思います。さらに、駐屯地司令、航空学校長などをお務めになられました。陸将補であられた安井副監のご経歴と、ご着任以来の都民の安心・安全の確保に向けたご尽力に満腔の敬意を表する次第であります。
本日は、新たな防災拠点の整備につきまして、まずはこの二〇一九年の検証結果から確認をさせていただきたいと思っております。
これまでの質疑内容を伺ってございますと、特にこの淵源となっておるものにつきましては、令和四年五月に公表した首都直下地震等による東京の被害想定により、こういうところがまず冒頭に書かれておりますが、私としてはやはり、この二〇一九年の検証結果、ここに基づくということが非常に大事であるというふうに考えておるからであります。
そこで、二〇一九年の検証結果として、立川地域防災センターの機能強化が課題として挙げられておりますけれども、その内容と対策についてお尋ねいたします。
○高田総合防災部長 都は、令和元年台風十五号及び第十九号等に伴う防災対策について検証を行い、立川地域防災センターの機能強化につきましては、二つの対策を挙げております。
一つは危機管理副監の設置を含む体制の整備で、もう一つは大規模災害時において都防災センターの補完的機能を持つ多摩地域の防災拠点としてのさらなる機能強化を図るため、必要な改修に向けた検討を実施することでございます。
このうち、体制の整備については、令和四年五月から災害対策職員住宅入居職員が不在となる平日に、総合防災部の職員を立川地域防災センターに毎日派遣いたしまして、機器の立ち上げ等を行い、発災時に備えることとし、同年十二月には、危機管理副監を設置いたしました。
また、多摩地域の防災拠点としてのさらなる機能強化につきましては、これまで検討を進めまして、今般、基本構想を策定し、立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫を一体的に整備することといたしました。
○古城委員 二〇一九年の検証結果が都議会総務委員会で議論されたのは、二〇一九年の十二月であります。当時、早坂委員が委員長をお務めでいらっしゃったなと存じます。私ども都議会公明党の谷村委員が総合防災部の皆様と、このときにも議論をさせていただいておりますけれども、その際に要望させていただいたことの一つが、今ご答弁いただいた内容については中長期的な対応と、こういうくくりになっていたわけであります。したがいまして、これについては中長期ではなくて、ぜひとも短期で進めてほしいと、こういう要望をさせていただいたわけであります。
いずれにいたしましても、既に危機管理副監は設置をされております。一方で、今日議論させていただいております基本構想の検討ということにつきましては、今年度になっております。この理由についてお尋ねをいたします。
○高田総合防災部長 都は令和元年以降、立川地域防災センターの機能強化に向け、改修する方向で様々な検討を進めてまいりました。令和四年五月に見直した首都直下地震等による東京の被害想定では、首都直下地震が発生した場合の被害の様相が改めて明らかとなりました。また、大規模な風水害、複合災害等の自然災害の懸念も高まっていること、DXの進展など、災害応急対策に係る外部要因が大きく変化しております。
こうした状況を踏まえまして、改めて多摩地域の防災拠点の機能強化に向けて検討することといたしまして、本年六月に有識者を交えた検討会を設置して、十一月に基本構想を策定したものでございます。
○古城委員 二〇一九年の検証結果の後に、総務局が関わられます様々な都の計画物、これを確認いたしますと、この前に二〇一七年の九月、平成二十九年に多摩の振興プランというものが策定をされておりまして、この当時は防災拠点等としての活用に向けた東京都多摩広域防災倉庫、旧立川政府倉庫の取得と、こういうところのみであったわけでありますけれども、二〇一九年を経まして、二〇二一年の九月に新たに公表されました新しい多摩の振興プラン、こちらの中において今確認させていただいております立川地域防災センターの機能強化、さらには東京都多摩広域防災倉庫の活用、これが両者ともに計画上に明記をされたわけであります。
本来であれば、この点については行政部の多摩島しょ振興担当部長さんにお尋ねした方がよろしいのかもしれませんが、今日はこの計画でありますので、総合防災部長にお尋ねをしたいと思いますけれども。
多摩の振興プランから新しい多摩の振興プランとなり、多摩地域の防災拠点、これはどのように位置づけてきたのか、位置づけられたのか、この点ご説明をお願いいたします。
○高田総合防災部長 令和三年九月に公表いたしました新しい多摩の振興プランにおきましては、機能強化をするため、立川地域防災センターを改修することとしておりました。その後、改めて多摩地域の防災拠点の機能強化に向けて検討いたしまして、立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫を一体的に整備し、それぞれの機能を効果的に高めることが有効との結論に至り、本構想において新たな拠点として整備することといたしました。
○古城委員 先ほどご紹介した新しい多摩の振興プラン、これの進捗状況につきまして、総務局からは毎年、多摩振興事業の実績報告というものが行われております。二〇二一年度につきましては防災棟の改修基本計画を策定と、こういうことが明示をされておりまして、これは入札で業務委託が出ていたわけでありますが、その後の二〇二二年度、それから二〇二三年度については立川地域防災センターについての言及がなくなりまして、多摩広域防災倉庫で施設運営訓練等を実施したと、こういうところにとどまっていたわけでありますが、ただいまご答弁をいただきまして、この間様々な事情、先ほどの令和四年五月の新たな被害想定も含めて、総務局内において様々な議論を経て、こうした形で今回、新たな基本構想という形で公表されたということを確認させていただきました。
続きまして、この二〇一九年の検証結果に関連して、もう一テーマお尋ねをしたいと思います。それにつきましては何かと申し上げますと、二〇一九年の総務委員会の質疑におきまして都議会公明党といたしましては、立川地域防災センター、ここに東京都職員の常駐を求めたわけであります。現在の対応について答弁を求めます。
○高田総合防災部長 立川地域防災センターの機能を早期に発揮するため、夜間、休日においては、同センターに併設する災害対策職員住宅に入居している職員が対応することとしております。これに加えまして、令和四年五月からは住宅入居職員が不在となる平日の勤務時間中に総合防災部の職員を毎日派遣いたしまして、機器の立ち上げなどを行うなど、発災時の体制強化を図っております。
○古城委員 当時、遠藤局長から、都議会公明党谷村委員の、常勤の職員を置いてこそ複合的な体制を組めるのではないかと、こういう問いかけに対しまして、問題意識は、全く委員の問題意識と私ども同じだと思いますと、このように答弁をいただいているところであります。そういう点においては、私といたしましては、いや増してこれはぜひとも実現をしていかなければならないというふうに考えておるわけであります。
今のご答弁を踏まえますと、交代制で職員の方が対応しているということになろうかと思いますけれども、私といたしましては、ぜひとも本庁部長級などが常駐をする、そういう体制をしいていくべきであると、そういう人事体制を強化していくべきであると考えますけれども、この点いかがでしょうか。
○高田総合防災部長 今回の基本構想において、防災拠点の機能強化に当たっては、首都直下地震や南海トラフ巨大地震をはじめ、大規模風水害、火山噴火、さらには複合災害など、東京を取り巻くあらゆるリスクを踏まえることとしており、今後、新たな防災拠点の整備を進めていく中で必要な体制も含めて検討してまいります。
○古城委員 今日は人事部長もご出席でいらっしゃいますので、ぜひとも今、必要な体制を含めて検討という答弁をいただきましたけれども、総務局として、ぜひこの点、全く同じ問題意識をお持ちだということで当時、局長からご答弁いただいていることでもありますので、ぜひとも真剣にご検討をいただきたいと強く要望させていただきます。
では、ちょっと具体的に立川地域防災センターの役割について、大きく二つの角度から確認をさせていただきます。
まず、代替施設機能についてであります。質問の初めに、立川地域防災センターを東京都防災センターの代替施設と位置づけている計画、この点について説明を求めます。
○高田総合防災部長 令和元年七月に一部変更した東京都国民保護計画及び令和五年十一月に改定いたしました東京都業務継続計画、都政BCPにおいて、立川地域防災センターを都防災センターの代替施設として位置づけております。
○古城委員 順次改定されていく様々な都の防災計画においても、ただいまご答弁いただいた東京都国民保護計画、それから東京都業務継続計画、都政BCP、これらと同様に立川地域防災センターを都防災センターの代替施設として位置づけるべきと考えますけれども、この点、見解をお尋ねいたします。
○高田総合防災部長 今後、地域防災計画などの修正に合わせまして、代替施設としての位置づけを示してまいります。
○古城委員 それでは、東京都業務継続計画、都政BCPにおける都の災害対策本部について確認をさせていただきたいと思います。
都政BCPにおける都の災害対策本部の代替の順序、これについてご説明願います。
○高田総合防災部長 都政BCPにおいては、都防災センターが使用不可能な場合、第一本庁舎、第二本庁舎の順に、災害対策本部機能を使用可能な会議室等に移転することとしております。都庁舎が使用不可能な場合は、防災行政無線等の機能を有した立川地域防災センターに移転することとしております。
○古城委員 都の災害対策本部に関連をいたしまして、国の災害対策本部についても同様に確認をさせていただきたいと思います。国の災害対策本部の代替の順序について説明を求めます。
○高田総合防災部長 国の大規模地震・津波災害応急対策対処方針では、緊急災害対策本部は原則官邸内とされており、官邸が使用不能な場合は、内閣府の中央合同庁舎八号館、防衛省の中央指揮所、立川広域防災基地内の災害対策本部予備施設の順とされております。
○古城委員 それでは、国の災害対策本部が立川広域防災基地内の災害対策本部予備施設に移動した場合、都の災害対策本部も立川に移転するのでしょうか。この点、お答えください。
○高田総合防災部長 都政BCPにおきまして、都庁舎が使用不可能な場合は、防災行政無線等の機能を有した立川地域防災センターに移転することとしております。
○古城委員 今ご答弁いただいたことを踏まえますと、国が立川に移動したとしても、この西新宿都庁の防災センターが維持されている限りにおいては、東京都の災害対策本部は西新宿で稼働していくということになるわけであります。
それでは、大規模災害時に国は都道府県に現地対策本部を設置するということが定められておりますけれども、この点、国の現地対策本部は被災都道府県に置かれるのか、ご説明を願います。
○高田総合防災部長 国の大規模地震・津波災害応急対策対処方針では、首都直下地震が発生した際の現地対策本部は、東京湾臨海部基幹的広域防災拠点のほか、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の各都県庁のうち一か所、または複数か所に設置することを想定しているとのことでございます。
○古城委員 本来であればモニターなどを使って可視化して、どういう場合にというのをお示しした方が本当は分かりやすいんでしょうが、ちょっと言葉だけで申し上げるので分かりにくくて申し訳ありません。
国は、各都県庁に一か所または複数か所の現地対策本部を設置するとのことでありますけれども、仮に東京都の災害対策本部が立川の新たな防災拠点に移転しているとした場合、国から現地対策本部の要請があった場合には、新たな防災拠点で対応するのか、また国は立川広域防災基地内に災害対策本部予備施設を持っておりますので、どのような形で対応するのか、この点についてもご説明願います。
○高田総合防災部長 災害の規模や状況等に応じまして、国と調整していくことになります。
○古城委員 災害の規模や状況等に応じて国と調整していくということでありますけれども、事前の準備というところで、国とぜひとも緊密な連携を図って、どういう場合にはどういう対応をしていくのかということをぜひご検討、おまとめいただきたいと、この点も要望させていただきます。
続きまして、東京都の災害対策本部がここ西新宿から立川へ移転、まさに代替施設として立川が機能するその際の段取り、フローについて説明を求めます。
○高田総合防災部長 都政BCPに基づき、代替となる施設の被害状況を確認するとともに、鉄道等公共交通機関の被災状況、職員の移動手段の確保状況等を勘案して移転先を選定いたします。
立川地域防災センターにつきましては、併設する災害対策職員住宅に入居している職員や、総合防災部の職員が施設の被害状況を確認いたします。同センターを代替施設として選定した場合は、災害対策本部を立ち上げるために必要となる先遣隊が準備等を行った上で移転することとしております。
○古城委員 ただいまのご答弁で立川の状況をいかにして確認をしていくのかと、こういう点をお答えいただいたわけでありますけれども、一方で、ここ都庁西新宿がどういう状況であるときに立川へ移動していくのかという、どのような事態を想定しているのかという点も、私、地元新宿区でありますので非常に関心が高くあります。
例えばブラックアウトするであるとか、全く通信環境が周辺地域、途絶をしてしまっているであるとか、また、今日現在の質疑におきましては災害対策という点から質問をさせていただいておりますけれども、これ以外にも国民保護の観点であるとか、また緊急対処事態の観点であるとか、対策本部を立ち上げるときというのは様々想定、規定をされているわけであります。したがいまして、西新宿から立川へ移動しなければならない被害、ここ西新宿においてはどのような事態を想定しているのか、答弁を求めます。
○高田総合防災部長 都庁舎は業務継続性の確保のため、制振装置を設置することで耐震安全性は向上しておりますが、何らかの事由によりまして使用が困難となった場合を想定しております。
○古城委員 何らかの事由というものが、この西新宿エリア、新宿周辺エリアが大変な深刻な被害を受けているということが恐らく想定をされると思います。やはり様々な事態を想定して、この立川への移転ということも引き続き検討していただきたいと考えます。
そして、西新宿から立川への移動手段の一つとしてヘリが想定をされているとお聞きをしておりますけれども、都庁舎が使用不可能であって、さらに都庁舎屋上ヘリポートも使用不能となると。例えば電源が喪失をして、ヘリポートまで、八階、九階の防災センターから駆け上がっていかなければならないと考えたとすれば、これは想像を絶するものであります。そうした事態に備えて、代替のヘリポートを確保しているのかお尋ねいたします。
○高田総合防災部長 新宿区と覚書を締結いたしまして、都庁舎近隣に代替となるヘリポートを確保しております。
○古城委員 都庁舎の屋上ヘリポートの代替については新宿区と覚書を締結して、都庁舎近隣に確保しているということを確認させていただきました。
続きまして、都政BCPに規定をされている点についても確認をしたいと思います。
これは都の災害対策本部が立川へと移動した場合に、都政BCPの七二ページには、各局等においても、非常時優先業務の実施に必要となる機能を特定し、執務室が被害を受けた場合を想定して、当該機能を維持するための対策をあらかじめ定めておくと、このようなことが記載をされておるわけでありますけれども、これは繰り返しのご答弁いただくことになってしまうやもしれませんが、このように都政BCPで規定をされているということについて、各局でどのように確保していくのか、見解をお尋ねしたいと思います。
○高田総合防災部長 昨年十一月に改定した都政BCPを踏まえ、現在、各局においてBCPの改定を進めており、非常時優先業務の実施に必要となる機能を特定し、機能を維持するための対策を検討しているところでございます。
○古城委員 各局のBCPについて現在検討中ということでありますので、この点につきましては時期を見まして、また改めて皆様と議論、確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
ここまで都災害対策本部、また都防災センターの代替機能について確認をしてまいりました。
続きまして、新たな防災拠点で期待をされる機能につきまして、これはこれまでも都防災センターの補完的役割、さらに多摩地域で局地的な災害が発生した場合は現地災害対策本部として機能すること、こうしたことが想定をされているわけであります。
そこで、このテーマの質問の初めに、東京都として直近で現地災害対策本部を立ち上げた事例、また、その際、どなたが現地対策本部長をお務めになられたか、答弁を求めます。
○高田総合防災部長 平成二十五年十月に発生した大島土砂災害において、現地対策本部を大島支庁内に設置し、現地災害対策本部長を当時の総務局担任副知事が務めております。
○古城委員 ただいまご答弁いただいた平成二十五年十月の大島土砂災害の際の現地対策本部、実はこれは先に現地対策本部が立ち上がりまして、その後に、都庁の災害即応対策本部が設置をされたわけであります。いずれも、当時の前田副知事が本部長をお務めになられました。
ここから確認をしたいのは、今も確認させていただいた大島土砂災害の際は、条例に規定される災害対策本部ということではなくて、知事の下で設置をされた可及的な対応であったかと考えますけれども、条例に定められている点について、これから確認をさせていただきます。
条例の施行規則に基づきますけれども、現地災害対策本部長は、本部長、すなわち知事が副本部長または本部員から指名することとされていますが、規則上、本部員として位置づけられていない危機管理副監が現地対策本部長を務めることは可能なのか、見解をお尋ねいたします。
○高田総合防災部長 都は多摩・島しょ部における災害時の現地対策本部の指揮など、局所的な災害への対応力を強化するため、危機管理副監を設置しております。危機管理副監が現地対策本部長になるに当たりましては、災害対策本部条例施行規則に基づき、災害対策本部長である知事が本部員及び現地災害対策本部長として指名をすることとなります。
○古城委員 ただいまご答弁いただいた内容というのは、東京都災害対策本部条例施行規則五条の二項に基づいている指名になるということになりますが、この本部員となるこの指名について、施行規則五条二項に基づいて指名された職員の実績はあるか、お尋ねいたします。
○高田総合防災部長 これまで指名した実績はございません。
○古城委員 先ほど質疑に立ちました、たかく副委員長が今年の第一回定例会の一般質問で確認をさせていただいたときにも、知事の方から立川地域防災センターが災害対策本部機能を担うこととなり、今後建て替えも含めて災害対策本部としての機能などを考慮し、機能強化に向けてと、こういう答弁をいただいておりますし、また私も二〇二三年の総務委員会におきまして、当時の総合防災部長から、本部長の指名により危機管理副監が現地対策本部長として現地で指揮を執るなどの役割を担っていると、このように答弁を得ているところであります。
こうした点に鑑みますと、やはり東京都災害対策本部条例施行規則、また、それ以外にも同様に、東京都国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例、それぞれの施行規則に危機管理副監を本部員として明記すること、このことがオペレーション上非常に重要となるのではないかと考えますけれども、見解をお尋ねいたします。
○高田総合防災部長 現在の規則においても、知事の指名により危機管理副監を本部員とすることができますが、今後、新たな防災拠点の整備を進めていく中で、必要な体制の検討と併せまして、危機管理副監の規則上の位置づけについても検討してまいります。
○古城委員 ここまで立川地域防災センターが果たす役割の二つの観点、代替施設の機能、また補完的役割とともに、都の災害対策本部の代替施設機能としての役割、さらに現地災害対策本部としての機能、この両面から確認をさせていただきました。
ここまでの質疑の最後に当たりまして、東京都の現地災害対策本部、また国民保護の現地対策本部、緊急対処事態の現地対策本部が設置された際に、この現地対策本部長として指揮を執る役割を担うことになります危機管理副監より、多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた決意をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○安井危機管理副監 私は令和四年十二月に危機管理副監に着任以来、地震や風水害など様々な災害対応にこれまで当たってきております。今年の元日に発生した能登半島地震においては、発災直後、石川県庁に赴き、現地の状況を把握するとともに、被災地のニーズを庁内で共有し、各局の横断的な取組につなげるための支援調整機能を指揮する役割を担いました。
この夏には、南海トラフ地震臨時情報が初めて発表をされました。また、全国的にも集中豪雨が多発するなど、風水害が頻発化、激甚化しております。首都直下地震もいつ起こるとも分かっておりません。
今般、都全体の災害対応能力の向上のため、立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫を新たな防災拠点として一体的に整備する基本構想を策定しました。
本日の委員会では、皆様から様々なご議論をいただいております。現地対策本部長の役割を果たす立場として、いただいたご意見も踏まえ、今後この構想の具体化に向け、しっかりと取り組んでまいります。
これまで様々な災害に対応してきた経験を生かし、危機管理監を補佐し、東京全体の安全・安心のため全力を尽くしてまいります。
○古城委員 ただいま安井危機管理副監から、とてもご覚悟がある決意を拝聴いたしました。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努めると宣誓をなされたお立場、そうしたご覚悟を拝聴いたしまして、私自身、身の引き締まる思いがいたしたところであります。
総務局の皆様におかれましては、多摩地域の新たな防災拠点について、原田危機管理監と安井副監のご経験とご見識をぜひとも具現化していただきまして、名実ともにオール東京の防災拠点とすべく、ハード、ソフトの両面から着実に整備を進められたいと申し上げまして、質疑を終わります。ありがとうございました。
○渋谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了をいたしました。
以上で総務局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩といたします。
午後二時三十九分休憩
午後三時開議
○渋谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより政策企画局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、交代のありました幹部職員について、政策企画局長から紹介があります。
○佐藤政策企画局長 さきの人事異動に伴い就任いたしました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
外務担当部長の工藤忠仁でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○渋谷委員長 紹介は終わりました。
○渋谷委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○早川総務部長 十月二十二日の当委員会におきまして要求のございました資料一点につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の総務委員会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりください。
歴代知事並びに副知事の海外出張の出張先、期間、目的でございます。
資料のご説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
○渋谷委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○増山委員 それでは、まずTOKYO強靱化プロジェクトについてお伺いいたします。
今年は元旦に発生した能登半島地震をはじめ、八月に南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されるなど、改めて災害への危機感が高まった年でした。東京においても、気候変動により今後も激甚化、頻発化が見込まれる風水害や首都直下地震、富士山の噴火など、様々な災害リスクが想定されており、都民の生命と財産を確実に守っていくためには、直面する危機への備えを急ぐとともに、将来を見据え、着実に東京の強靱化を進めていく必要があります。
そこで、TOKYO強靱化プロジェクトの概要について、改めてお伺いいたします。
○佐藤カーボンハーフ担当部長大学連携担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務 激甚化する風水害や、いつ起きてもおかしくない大規模地震などの危機から都民の生活を守り、首都機能を維持するためには、東京の強靱化に向けて各施策をレベルアップする必要がございます。そのため都は、TOKYO強靱化プロジェクトを立ち上げ、風水害、地震、火山噴火、電力通信等の途絶及び感染症の五つの危機に対し、二〇四〇年代に目指す東京の姿を明らかにした上で、その実現に向けてバックキャストの視点で、ハード、ソフトの両面から施策を強化することといたしました。
二〇四〇年代までの総事業規模は約十七兆円、当初十年間では約七兆円の事業規模を見込んでおります。
○増山委員 事業規模も明らかにしながら、将来も見据えて長期的な視点で取り組む重要なプロジェクトであることが確認できました。
プロジェクトの取組として、まず地震対策について確認します。
能登半島地震では、能登半島の大動脈とされる国道二四九号線などの主要な道路が寸断されたことにより、緊急車両の通行や支援物資の輸送、ボランティアの支援活動に遅れが生じたことは、道路インフラの重要性を再認識する機会となりました。
東京で首都直下地震が発生した場合に、こうした道路の被害や建物の倒壊により応急対策や救助活動に支障が生じないよう、道路交通網の強靱化を進めることが重要です。
そこで、災害時の道路ネットワークの確保に向け、強靱化プロジェクトではどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○佐藤カーボンハーフ担当部長大学連携担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務 プロジェクトでは、二〇四〇年代に目指す姿の一つとして、地震後に応急対策活動を支える交通網が確保され、救出救助機関がすぐ駆けつけられることを掲げております。そのため、地震時に建物が倒壊し、道路を閉塞しないよう、緊急輸送道路の沿道にある建築物の耐震化を進めていくこととしており、そのうち特に耐震化を推進する必要のある特定緊急輸送道路については、二〇三五年度までに通行機能を評価する指標である総合到達率の一〇〇%達成に向けて、耐震化を進めております。
加えて、電柱の倒壊を防ぐため無電柱化を進めていくこととしており、都道については二〇四〇年代までに整備対象全線で無電柱化の完了を目指すほか、ネットワークを補完する区市町村道などの無電柱化にも取り組んでまいります。
こうした取組を通じて災害時の道路ネットワークを確保してまいります。
○増山委員 特定緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化につきましては、私が市議会議員になったおよそ十年前から取り組んでおりまして、毎年、市議会では予算化するものの、耐震化されずに終わることを決算で確認しているような状況でございました。
特定緊急輸送道路の沿道は大規模なマンションやホテルなどになりますので、耐震化するにも住民合意や費用負担についてかなり難しく、なかなか進まない現状があります。
結局、府中市では、旧耐震基準の建築物につきましては、いまだに六六%程度しか耐震化が進んでいないと思います。
また、一般緊急輸送道路についてはもっと低く、二〇%前後です。ぜひこのような状況を打開できるよう、東京都として新たな解決手法を提示するようお願いいたします。
また、無電柱化にも時間と労力を要しますが、道路ネットワークが確実に機能することは、災害時に住民の生命を守り、支援活動を支える基盤となることから、技術革新も含め、工夫も凝らしながら取組を前に進めていただくようお願いいたします。
次に、風水害対策について伺います。
能登半島地震の後、九月には台風十四号の影響で線状降水帯が発生し、大雨による土砂災害により仮設住宅や道路にも大きな被害が出ました。確認したところ、都内では土砂災害警戒区域は約一万六千か所指定されているとのことですが、こうした区域で土砂災害が発生すれば都民の命に関わることですから、対策は不可欠です。
そこで、土砂災害に備え、強靱化プロジェクトではどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○佐藤カーボンハーフ担当部長大学連携担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務 プロジェクトでは、土砂災害による人命の損失や孤立化を防止することを二〇四〇年代の政策目標に掲げ、施策を推進していくこととしております。具体的には、土砂災害特別警戒区域内における既存建築物の擁壁設置や外壁補強などを支援するとともに、衛星を活用した不適正盛土の検知など、デジタル技術を活用した取組なども進めております。
また、多摩山間・島しょ地域において、災害時の代替ルートなどとなる道路の整備も進めております。
○増山委員 土砂災害の防止に向けましては、衛星なども活用して盛土の状況把握を進めていることを理解しました。不適正な盛土が発見された際には、地元自治体などと連携しながら、確実に是正を進めるようお願いいたします。
都がこのプロジェクトを通じて、直面する災害リスクだけでなく、深刻化する気候変動など、将来も見据えた視点も持ちながら取組を進めていることを確認できました。
近年、資材価格や人件費を含め、建築コストは上昇し続けております。災害対策は待ったなしというだけでなく、コストの面を考えましても、強靱化の事業はなるべく前倒しで実行していくようお願いいたします。
災害に強い強靱な都市の実現に向けて着実に取り組んでもらうことをお願いし、次の質問に移ります。
次に、次世代モビリティーの空飛ぶクルマに関してお伺いいたします。
都では、空飛ぶクルマについて関係各局で連携して、実装化に向けて取り組んでいるということです。
そこでまず、空飛ぶクルマの東京都での実装の意義と目標についてお伺いいたします。
○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 空飛ぶクルマは、交通渋滞等の回避や交通空白地域の解消、迅速な物資輸送など、都民生活の質を高め、都市の魅力向上につながる技術であります。そのため、都では「未来の東京」戦略 version up 二〇二四において、社会実装に向けたロードマップを策定し、二〇三〇年の市街地への展開を目指し、官民連携で取組を進めていくこととしております。
○増山委員 空飛ぶクルマが市街地を飛行している姿は、映画の未来そのものだと思います。大いに期待するところですが、六年後というのはあっという間です。先ほど官民連携で取組を進めていくとのご答弁がありましたが、二〇三〇年の実現に向けて官民様々な関係者が一丸となって取り組んでいくことが重要です。
そこで、官民連携での具体的な検討状況についてお伺いいたします。
○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 都は、本年六月に国土交通省、経済産業省、機体メーカーや運航事業者、通信や管制システムの関係者などが一堂に会する協議会を設置し、社会実装に向けた課題の洗い出しなどについて幅広く議論を重ねております。
協議会では、ロードマップの精緻化とともに、離着陸場及び管制などの運航環境や実機飛行による都市内移動などの活用事例の検討を行うこととしております。
○増山委員 検討が具体的に進められていることが分かりました。
一方で、空飛ぶクルマが広く活用されていくためには、安全性や利便性などについて、都民の理解を得ていくことが不可欠です。
そこで、都は具体的にどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。
○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 お話のとおり、空飛ぶクルマの社会実装を進めるためには、その安全性や利便性等を多くの方々に理解していただくことが重要であります。そのため、本年三月に東京国際フォーラムにおいて空飛ぶクルマの実機の展示を行ったほか、五月のSusHi Tech Tokyo 二〇二四において、都内初飛行を実施いたしました。そこでは、四日間で計七回の飛行を実施し、多くの方々にご覧いただくことで、空飛ぶクルマを身近に感じてもらう機会を提供いたしました。
引き続き、官民連携の下、イベント等様々な機会を通じて、空飛ぶクルマについて理解いただく取組を推進していきます。
○増山委員 空飛ぶクルマにつきましては、興味のある人が多いのではないかと思います。その一方で、自分が実際に乗ることを考えたり、自宅上空を飛行することを考えますと、その安全性についても、皆さん確認したいと思います。
ご答弁では、東京国際フォーラムやSusHi Tech Tokyoでイベントを実施されたということですが、多摩地域のことも忘れないでほしいと思います。
新しい技術を普及させるには、広く都民の理解と協力が必要です。ぜひとも多摩地域に住む都民にもご理解いただけるよう、イベントの実施をしていただくようお願いいたします。
未来の乗り物に期待しつつ、次の質問に移ります。
続いて、国際戦略の推進についてお伺いいたします。
現代は都市の時代といわれております。都市が果たす役割がますます高まる中で、都市間競争も熾烈になっております。
こうした中で、都は世界から選ばれる都市東京を実現するため、国際戦略を推進してきたと聞いております。
そこで、政策企画局は、これまで国際戦略をどのように推進してきたのか、お伺いいたします。
○村永外務部長 都は、「未来の東京」戦略で掲げました世界から選ばれる都市東京を実現するため、国際都市戦略プロジェクト推進方針を令和四年六月に策定しました。
この推進方針で掲げました、都の政策を世界に伝える、海外都市等とのつながりを強化する、国際展開を担う人材を育てるの三つの視点を踏まえて国際戦略の推進に取り組んでまいりました。
具体的には、COPやU20等の国際会議やイベント等での都の施策の発信、都が主導する都市間ネットワーク、G-NETSの立ち上げ、海外都市への職員派遣等の様々な形での都市間の交流促進等の取組を全庁を挙げて進めてまいりました。
○増山委員 都が世界から選ばれる都市東京の実現に向け、大きく三つの視点で国際戦略を推進してきたことが分かりました。
一方で、都市の時代において東京が世界から選ばれるためには、大都市東京のプレゼンスを高めていかなければなりません。
例えば、先月のCOP29でも、国同士では立場の違いも見られる中、都は都市の役割を果たすべく、都独自の環境政策を打ち出したことは評価しております。
そこで、東京のプレゼンスを高めていくため、今後、国際戦略をどのように推進していくのかお伺いいたします。
○村永外務部長 都市間競争が激化する中、東京がプレゼンスを高めていくためには、都市が直面する共通の課題の解決に向けて、二都市間、多都市間の連携を進め、都が率先して取組を実践に移していくことが重要であります。
都はこれまでも、姉妹友好都市をはじめとする都市との首長同士の会談や実務レベルでの交流、また多都市間のネットワークを活用した防災分野での協力等を進めてまいりました。
さらに、都が世界各都市に呼びかけ、令和四年度に立ち上げたG-NETSの中で、環境など具体的なテーマに係る知見の共有や職員の相互訪問を含めた共同プロジェクトの実施等、持続可能な都市の実現に向けた議論と実践を積極的に推し進めております。
今後も国際都市東京のプレゼンスを高めるため、様々な形で世界の都市との連携をさらに深めながら、実践的な取組を進めてまいります。
○増山委員 東京のプレゼンスをさらに向上させ、リーダーシップを持って挑むことが重要です。それを実現することは簡単ではなく、都の総力を挙げることが必要だと思います。海外都市と渡り合っていくためには、実際に海外に行き、自分の目で見て感じることが重要だと思います。今はネットを通じて世界中の情報を集めることができますが、やはり実際に現地に行って体験することのインパクトは大きく異なります。また、日本もそうですが、世界は目まぐるしく変化しており、特にコロナ前とコロナ後では、まちや仕事の在り方が変わっていたりします。ぜひ職員の皆さんには、都庁の中にいるだけでなく積極的に海外に行き、現地の職員や市民の方と交流して、世界の新しい動き、取組を見てきて、東京との違いや、よい点、改善すべき点を体感してほしいと思います。それがひいては都民の暮らしの満足度向上につながります。政策企画局が引き続きリーダーシップを発揮し、各局が一丸となって取り組むことを期待しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○入江委員 お願いします。新たな戦略の策定について伺います。
都は「未来の東京」戦略について今年の八月に、中でも重点政策方針二〇二四を公表されました。そして、世界で一番の都市東京の実現に向けて新たな戦略を策定することとしていらっしゃいます。
私はこれまで、ずっと東京が世界から選ばれる都市、魅力的な都市であり続けるためには、例えば食、芸術文化、そしてエンターテインメントといった東京が持つ強みをさらに向上させ、継続的ににぎわいを創出していくことが重要であると主張してまいりました。
こうした要望も受けていただいて、都は東京の魅力向上、プレゼンス向上に向けて、観光やコンテンツの磨き上げなど、様々な施策を実施してきていただいております。
東京の持つポテンシャルはまだまだ伸びていきます。とりわけ、エンターテインメントやナイトタイムは大きな可能性を持っております。例えば、ロンドンやアムステルダムなどの先進的な都市ではナイトタイム戦略を策定するなど、都市としての夜の魅力や価値を高め、ナイトタイムエコノミーを推進する取組を強化しております。
さて、現在策定中の新たな戦略においても、エンターテインメントやナイトタイムなど東京のさらなる魅力向上に向けて政策の強化を図り、東京の戦略として打ち出していくべきと考えますが、見解を伺います。
○佐久間理事 東京は、芸術文化、エンターテインメントなど多様な魅力を有しており、これらに磨きをかけ、世界を魅了し続けていくことが重要でございます。このため、「未来の東京」戦略の下、魅力ある観光コンテンツ創出プロジェクトや、アートとエンターテインメントあふれる日常プロジェクトなどを推進することとしております。
具体的には、ナイトタイムを楽しむ新たなプロジェクションマッピングの実施や、民間事業者と連携したアートフェスティバルの開催など、魅力あふれる様々なコンテンツを展開してきております。
新たな戦略の策定に当たりましては、東京ならではのナイトタイム観光の充実や、芸術文化、エンターテインメントの価値や魅力の発信など、都市の活力を生み出し、東京の魅力をさらに高める政策の強化につきまして、検討を進めております。
○入江委員 ありがとうございます。前向きな答弁をありがとうございます。
東京の魅力を高めるということは単に地域の活性化にとどまらず、経済の好循環を生み出し、都民生活への還元、つまり都民のウェルビーイングの向上にもつながると考えております。
「未来の東京」戦略は、都民の皆さんはもちろんなんですけれども、港区にも多いんですが、ディベロッパーなど大規模な開発をされる事業者の方々なども大変注視しておりまして、企業の経営計画にも影響を与える東京都の羅針盤です。そのために、新たな戦略にはエンターテインメントの価値や魅力、ナイトタイムの充実についてしっかりと盛り込んでいただきまして、戦略的に取り組んでいただくことを強く要望いたします。
続いて、東京ベイeSGプロジェクトについて伺います。
前回のSusHi Tech Tokyo 二〇二四では、最先端のテクノロジーを単に展示するだけではなくて、エンターテインメントを掛け合わせていることで、トータル六十万人もの方々に未来の東京を楽しんでいただくことができました。来場されたお子様たちからは、未来の東京についてたくさんのアイデアもいただきました。
そうした実績も生かし、都は先日、日本科学未来館に東京べイeSGプロジェクトを発信するTokyo Mirai Parkをオープンいたしました。私も伺いましたが、未来の東京をみんなでつくる場所というコンセプトで、大変よいと思いました。
この拠点を活用し、最先端のテクノロジーを多くの方に楽しんでいただきながら社会に広げていくべきだと考えますが、見解を伺います。
○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 Tokyo Mirai Parkは、東京ベイeSGプロジェクトの発信拠点として、体験を通して多くの方に未来の技術を身近に感じていただき、その将来性や有用性を実感していただく場として設置したものでございます。
具体的には、ゲーム感覚で楽しめる宇宙ロボットの操作や、自分の脳の反応を可視化する眼鏡、次世代モビリティーの試乗など、体験型のコンテンツを展開しております。
こうした取組を通して、多くの方に最先端テクノロジーに興味を持っていただき、技術への理解を促すことで社会への浸透を図ってまいります。
○入江委員 私も視察させていただいて、部長にもご案内いただいて、ありがとうございました。宇宙デジタルツインなど、宇宙スタートアップによる最先端のテクノロジーなどを楽しく体験することができました。Tokyo Mirai Parkを拠点に、専門性の高いテクノロジーを一般の方にも分かりやすく、楽しく紹介する取組を続けていってほしいと思っております。
また日本発、東京発の最先端テクノロジーを世界に向けても発信し、東京の価値を高めていくことが重要だと考えております。
来年春のSusHi Tech Tokyo 二〇二五では、国内外から集まる多くの方々に東京が誇るテクノロジーを体験していただくべきと考えております。東京ベイeSGプロジェクトではどのような取組を行うのか伺います。
○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 SusHi Tech Tokyo 二〇二五は、国内外に向けて東京ベイeSGプロジェクトが目指す未来の都市像を発信する絶好の機会であることから、会場内に東京が誇る最先端テクノロジーを体験できるパビリオンを出展いたします。そこではロボットなどを展示し、集客につなげたSusHi Tech Tokyo 二〇二四ショーケースプログラムのノウハウを踏まえるとともに、Tokyo Mirai Parkで集めた声なども生かし、テクノロジーを駆使したコンテンツを展開してまいります。
○入江委員 来年の五月八日、九日がビジネスデー、十日がパブリックデーということで、今回はSusHi Tech Tokyoは三日間。去年は——去年というか、前回は多くの会場も使ったんですけれども、今回はビッグサイトを中心にという、コンパクトにはまとまるけれども、前回のショーケースのお子様たちの喜びの笑顔とか、そういった未来への期待をしっかり反映していただきたいなと思っているところでございます。
SusHi Tech Tokyo 二〇二四のショーケースプログラムや、Tokyo Mirai Parkに来ていただいた皆さんへの未来への希望や期待も反映された人気のパビリオンとなるように期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
続いて、都市間交流について伺います。
東京の世界におけるプレゼンスを高め、また施策をブラッシュアップしていくためにも、海外都市との連携が今後ますます求められていくと考えております。
世界の主要都市を見ると、環境やスタートアップへの支援など、東京が学ぶべきアイデアや施策があると認識しております。
東京都はニューヨーク市、パリ市、ベルリン市、ロンドン市など十二の姉妹友好都市と二都市間での交流を行っているところです。
そこで、まず東京都は姉妹友好都市とどのような交流を行い、またどのような効果があったのか伺います。
○工藤外務担当部長 都はこれまで、姉妹友好都市と首長間の会談や実務的な交流など、様々な形で交流を行ってまいりました。
例えば、本年二月に知事がオーストラリアのニューサウスウェールズ州を訪問した際には、知事と州の首相との間でエネルギー分野での協力を推進するための合意書に署名し、グリーン水素の社会実装に向けた取組を加速させました。
また、本年五月にはベルリン市長が知事と東京において会談を行い、都市の持続可能性に係る施策やスタートアップの分野で連携することを確認する共同コミュニケを発出いたしました。
実務レベルでは、ニューヨーク市との間で、都市インフラに関する交流のための合意書を先月締結いたしまして、早速合意書に掲げる水管理の成功事例について相互に施策の紹介と意見交換を行ったところでございます。
○入江委員 ありがとうございます。東京都として様々な形で姉妹友好都市との交流を進めて、成果が上がっているということが分かりました。
私は先日、ベルリンとの友好都市三十周年記念イベントに参加したわけなんですけれども、ベルリンの芸術やサブカルチャー、クラブ文化など、東京都の魅力向上の参考にもなる事例がたくさんございました。そして、私からは東京の芸術文化やライブエンターテインメントの支援策などをご紹介いたしました。
ぜひこのように、都市の魅力を醸成させる文化や芸術分野でも交流を一層進めていただきたいと思っております。
都市間交流においては、都内で国際会議開催による多様な海外都市との交流も重要です。東京都は気候変動や激甚化する自然災害など、世界の都市が共通して抱える課題の解決に向けて、国際ネットワーク、G-NETS、グローバルシティネットワークフォーサステーナビリティーを令和四年度に立ち上げました。そして、本年五月にはSusHi Tech Tokyoと同時期に首長級会議を開催いたしました。私も参加都市の関係者の方から、東京は食べ物がおいしく、まちがきれいで、人々がとても優しかったという感想も伺っております。
会議の開催を契機として、これまで東京と交流のない都市の関係者にも来ていただきまして、東京に親しんでもらう重要な機会になったと考えております。
そこで、G-NETSのこれまでの取組状況と今後の展望について伺います。
○飯野国際戦略担当部長 都は、海外の多様な都市が参画するG-NETSを立ち上げ、首長級、実務責任者級、実務担当者級といった様々なレベルにおける海外都市との交流を拡大、深化させる取組を進めております。
本年五月の首長級会議には四十五都市のリーダーが参加し、気候危機などの共通課題の解決を目指した共同声明を取りまとめました。
また、先週、実務担当者級を対象といたしましたワーキンググループを開催し、子供政策やソフト面での防災対策などをテーマとして、各都市の取組に係る知見を共有いたしました。
来年の五月には、東京において実務責任者級会議の開催を予定しておりまして、こうした取組の成果を共有するとともに、都市間の共通課題に関するセッションを行うなど、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
○入江委員 ありがとうございます。G-NETSの取組には、これまで八十を超える多くの都市が参加しているとお聞きしております。都が牽引して持続可能な社会の実現に向けた取組を進めていることは、大変すばらしいと思います。
来年五月の実務責任者級会議、これもSusHi Tech Tokyoとちょっと一日ずれるだけで、五月七日、八日、九日に開催と聞いておりますが、東京を訪れた海外都市の方々と交流を深め、さらに東京の魅力を体感していただけるように、引き続きしっかりと取り組んでいただくことをお願い申し上げます。
続いて、こういった東京都の様々な取組を都民や世界の皆さんに知っていただくための戦略広報について伺います。
「一人ひとりと生きるまち。東京都」という地上波テレビスポットCMを見ておりますが、とてもよいなと思い、そして放送時間帯も効果的だと思っております。
しかし、人々の情報収集は、マスメディアだけが中心ではなく、ウェブ検索やSNSツールから最新情報を得ることが当たり前となりました。
国のメディアの平均利用時間に関する調査では、インターネットがテレビを超過しております。若い世代も含めて、都民に広く都の施策を知ってもらうためには、ウェブやSNSなどデジタルツールを効果的に活用することが必要です。
そこで、ウェブ広告の活用に関する都の取組状況について伺います。
○伊藤戦略広報担当部長 これまで主流であったテレビや新聞などの広告に比べまして、デジタルメディアにおけるウェブ広告は年代や性別などの属性に応じて配信できることから、若年層を中心に、都の様々な事業の利用者に応じてターゲットを設定し、確実かつ効率的に情報を伝えることが可能でございます。
こうしたことから都では近年、Xやインスタグラム、ユーチューブ等のウェブ広告を中心とした情報発信を強化しております。
例えば、若年層への注意喚起が喫緊の課題である闇バイトにつきまして、X及びユーチューブにおいて、十代から三十代を中心に危険性を啓発する動画広告を配信し、一週間で約七十八万回視聴されました。
今後も都民へ確実に情報を届けることができるよう、デジタルメディアを活用し、ターゲットに応じた効果的な広報に積極的に取り組んでまいります。
○入江委員 東京の施策をお知らせする、イベントをお知らせする、魅力をお知らせする。そして、なおかつ今お伺いしたように、闇バイトについての注意喚起をする。様々な観点で本当に広報、戦略広報というのは大切だと思っております。
そして、SNSです。インスタグラムなどで非常に都からの情報を多く見かけるようになりまして、都政の情報発信が以前よりずっと進化しているんではないかというふうに私は感じております。
また、最近では、海外向けアカウントであるTokyo Govというのがあるんですけど、プロジェクションマッピングを紹介する、海外女性が登場して、動画を使って、すごくテンポよく英語で魅力を発信しておりまして、大変好感を持ちました。今後も英語で海外向けに多く発信し、東京の多彩な魅力を広めていくことが重要だと考えております。
そこで、SNSを活用した海外発信の取組状況について伺います。
○天津国際広報担当部長 都の施策や東京の魅力を国際社会に向けて発信するためには、受け手による拡散も期待できるSNS発信を効果的に活用していくことが重要でございます。海外向けSNSアカウント、Tokyo Govでは、動画等のコンテンツを活用し、外国人に響くメッセージを発信することで、東京への理解度や好感度を高めるなど、認知の獲得を目指しております。
例えば、SusHi Tech Tokyo 二〇二四では、日本の魅力を海外に発信しているインフルエンサーとタイアップした投稿により、合計で約百三十万回の閲覧回数を獲得しました。
今後もインフルエンサーの起用やショート動画の活用等、SNSを駆使した広報戦略を展開し、都のプレゼンス向上を実現してまいります。
○入江委員 ウェブ広告による効果的な広報やSNSを活用した海外発信など、デジタルメディアを活用した取組を積極的に、なおかつ多角的に行っていただいていることが分かりました。
世界で一番の都市東京を実現するために、東京のファンもうんと増やしたいなと思っておりますし、今後も都の施策、そして魅力、また注意しなければならない点、様々な観点から都のプレゼンス向上につながる戦略的な広報をますますしっかりと取り組んでいただくことを期待しております。
毎週金曜日に小池都知事が定例記者会見で新しい施策やイベントを発表していただいております。そのショート動画の発信なども今後はトライしていただいたらよろしいのではないかなという意見を添えて、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○たかく委員 それでは、私の方から質問させていただきます。
これまでも都は、社会情勢の変化などに先手先手で対応し、東京のポテンシャルを最大限生かすことで、持続可能な未来への歩みを加速させるため、「未来の東京」戦略をバージョンアップしてきました。その取組状況について何点かお伺いいたします。
まずは、認知症対策についてです。
厚労省の推計では、認知症の方は今後増加する見込みであり、二〇二二年時点では四百四十三万人、二〇六〇年には全国で六百四十五万に上り、六十五歳以上の高齢者の五・六人に一人になると推測されております。
私の地元の世田谷区では、認知症の当事者から意見を聞いて取りまとめ、当事者が希望を持って自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現を目指す、認知症とともに生きる希望条例を二〇二〇年十月に施行しました。当事者の声が反映された認知症に関する条例の施行は首都圏で初めてのものでありました。
また、国においては、認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができるよう、施策を総合的かつ計画的に推進する、共生社会の実現を推進するための認知症基本法が二〇二四年、今年一月一日に施行されました。
この同法では、基本理念で、全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活と社会生活を営むことができるようにするとしたほか、認知症の人の意見表明や社会参画の機会の確保、家族らへの支援などが記されておりました。
そこで、現在、「未来の東京」戦略において、認知症共生社会の実現に向け、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○佐久間理事 「未来の東京」戦略では、高齢者が不安なく生活できる社会を実現するという観点から、認知症との共生を掲げ、様々な施策を展開することとしております。
具体的には、認知症に対する理解を深めるための普及啓発や、GPSを活用した見守り支援など、本人や家族が認知症と共生しながら安心して暮らせる地域づくりを掲げております。
さらに、TOKYO認知症施策推進プロジェクトを今年度から始動し、認知症の早期診断、早期対応に向けた検診の対象年齢の拡大や、身近な地域で抗体医薬の治療を受けられる体制の確保などを進めております。
こうした取組により、認知症の方が社会の一員として尊重されるとともに、希望を持って暮らすことができる社会を目指してまいります。
○たかく委員 二〇二五年、来年には都内高齢者の六人に一人の割合で発症が見込まれるのは、この認知症であります。今の答弁で、東京都はTOKYO認知症施策推進プロジェクトとして、当事者が尊厳を持って暮らせる社会づくりを推進しているとのことであります。「未来の東京」戦略に掲げているとおり、誰もが安心して生き生きと暮らせる社会の実現に向け、しっかりと認知症のプロジェクトを進めていただきたいことを要望いたします。
次に、都市農業について伺います。
東京の都市農業は、都民の食卓に新鮮で安全・安心な農作物を供給しており、生活に彩りを与えるものであります。また、その基盤となる農地は、東京に貴重な緑を生み出すものであるとともに、災害時には避難場所にも活用できるなど、多面的な機能を果たしております。
その一方で、就農者の担い手不足や農業生産額の伸び悩み、資材価格の高騰など、東京の農業は様々な課題に直面しております。私の地元、世田谷区でも、農地が多く残されているものの、それが減少しつつあります。様々な機能を有する農業が持続可能に展開していくよう、都として営農できる環境をしっかりと整えていく必要があると考えます。
そこで、「未来の東京」戦略において、持続可能な農業の確立に向け、どのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。
○佐久間理事 持続可能な農業を実現していくためには、新規就農者の確保に加え、最先端技術の活用や高付加価値化、地産地消の推進など、農業の稼ぐ力を高め、魅力あふれる産業へと成長させることが重要でございます。
「未来の東京」戦略では、次世代に引き継ぐ持続可能な農林水産業の確立を掲げ、新規就農者の施設整備費の支援や、最先端技術を活用した東京型スマート農業の推進、東京産農産物の学校給食への活用の促進に取り組んできているところでございます。
また、今年度新たに農林水産業の活性化と将来の担い手確保を図るため、若手リーダーの活動について、インフルエンサーを活用してSNS等で広く効果的に発信する取組も始めております。
こうした取組によりまして、農業の生産性と収益性を高め、東京ならではの魅力あるサステーナブルな産業の成長を目指してまいります。
○たかく委員 小池都知事は、東京の農業振興に向けた専門懇談会で、東京における農業は食料安全保障という観点からも考えなくてはならない。女性の活躍をはじめ、多様な担い手確保の問題、農地の貸借の促進、スマート農業の推進など、さらにギアを上げて取り組んでいく必要があると述べられております。
持続的な都市農業の実現に向け、様々な取組が行われていることでしたが、関係局と連携を図りながら、しっかりと戦略を進めていただきたいと思います。
次に、治安対策について伺います。
昨今、SNSなどで実行犯を募集し、応募した若者が凶悪な犯行に加担する、いわゆる闇バイトに関係した強盗事件が全国各地で相次いでおり、中には未成年者が逮捕される事案も発生するなど、非常に深刻な事態となっております。いわゆる闇バイト強盗は、被害者のみならず、加害者自身の人生も台なしにする極めて許し難い犯罪となります。
先日閣議決定された総合経済対策にも、闇バイトによる強盗、詐欺への対策を強化するとしており、東京都においても、犯罪から都民を守る取組を強力に推進していくことが必要と考えます。
そこで、「未来の東京」戦略において安全・安心な暮らしを実現するため、どのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。
○佐久間理事 安全・安心な暮らしの実現に向けましては、いわゆる闇バイトをはじめとする身近な犯罪から都民の安全を守る取組を進めていくことが重要でございます。
「未来の東京」戦略では、新たな実行犯を生まないよう、若者向けのSNSターゲティング広告やインターネットカフェなどでのリーフレットの配布など、普及啓発に取り組むこととしております。
また、警察署や区市町村と連携し、体験型の防犯講習会を実施するとともに、町会、自治会などが地域の見守りのために新たに設置、更新する防犯カメラの支援を強化していくこととしております。
こうした取組により、都民の安全・安心な暮らしの実現を目指してまいります。
○たかく委員 SNSで怪しい求人を見かけた経験があると答えた高校生の割合は四割超に上るとの民間調査もあります。教育現場での注意喚起や対処法の徹底も欠かせないと思っております。
また、地域の防犯活動への支援も必要で、防犯パトロール活動や防犯カメラの整備などへの支援、また個人住宅への防犯カメラやモニター付インターホンなどの防犯設備の補助の実施も必要と考えます。
「未来の東京」戦略に掲げているとおり、身近な犯罪から都民の安全・安心を守る様々な取組を行われているとのことでしたが、闇バイト対策においては、犯罪の加害防止と被害防止の両面からしっかりと対策を講じていただきたいと思います。
次に、TOKYO強靱化プロジェクトについて伺います。
TOKYO強靱化プロジェクトには、五つの危機があります。風水害、地震、火山噴火、感染症にも強いまちづくり、そして電力通信等の途絶があります。
能登半島地震では道路網が寸断され、山間部において孤立地域が複数発生する中で大規模な通信障害が発生したため、被災状況や避難者への支援ニーズの把握などに大きな支障を来しました。
今や高齢者を含め、スマートフォン等の所有率は約九割といわれる中、災害時の重要な情報収集のツールとなっており、東京で大規模な災害が発生した場合には、避難所などで通信が途絶えてしまうことは避けなくてはなりません。
そこで、強靱化プロジェクトでは、災害時における通信の確保に向け、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○佐藤カーボンハーフ担当部長大学連携担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務 プロジェクトでは、いつでも、誰でも、どこでも、何があってもつながる東京を実現することを将来像として掲げ、災害時も見据えた通信環境の多重化に向けた取組を行うこととしております。
具体的には、避難所や人が多く集まる都有施設などで、高い安全性と接続しやすいなどの利便性を有した国際的な規格であるオープンローミングに対応したWi-Fi環境の整備を加速しております。
また、能登半島地震を踏まえ、全区市町村に対しモバイル衛星通信機器の配備を加速するなど、災害時の通信手段の確保に向けた取組を強化しております。
○たかく委員 災害時には誰もが確実につながる東京を実現していくことは重要なことであります。通信技術は日々進化し、新しい技術も次々と生まれております。今後もそうした技術も積極的に活用しながら、都民の安全・安心を守る取組を着実に進めてまいりたいと思います。
次に、豪雨対策について伺います。
今年も日本各地で台風や線状降水帯の発生に伴う豪雨の被害が相次いでおり、都内においても、夏に時間百ミリを超える猛烈な雨が降りました。今後も、豪雨による被害の増加が懸念される中、河川や下水道施設などのインフラ整備に加え、レインガーデンなど自然が持つ力も積極的に活用し、水害への対策を進めていくべきと考えます。
そこで、強靱化プロジェクトにおいて、気候変動を踏まえた豪雨対策にどのように取り組んでいるのか、見解を伺います。
○佐藤カーボンハーフ担当部長大学連携担当部長都市強靱化プロジェクト担当部長兼務 プロジェクトでは政策目標に、気候変動に伴い、現在に比べ一・一倍に増加すると想定される降雨量に対応していくことを掲げ、豪雨対策を強化し推進していくこととしております。
具体的には、河川の調節池整備などを加速するとともに、下水道については浸水の危険性が高い地区を重点化して先行整備するなど、浸水対策を強化しております。
さらに、レインガーデンなどのグリーンインフラを都有施設などで導入するなど、雨水の流出を抑制する対策の強化も図っております。
○たかく委員 今の答弁では、レインガーデンなどグリーンインフラの導入を行っていくとのことでありますが、その取組状況についてもお伺いいたします。
○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 都は東京グリーンビズにおきまして、グリーンインフラなどの自然が有する機能を活用することで、豪雨災害等の社会課題を解決することを目指しております。
そこで、今年度から公共施設にレインガーデン等を三十か所で先行的に設置しますとともに、区市町村に対しましてレインガーデン等の整備への補助や、取組事例の情報発信、機運醸成事業などへの支援をすることとしております。
また、こうした取組を東京グリーンビズマップなどで広く周知することで、都民や民間事業者などにおけるグリーンインフラ導入の機運を醸成してまいります。
○たかく委員 レインガーデンをはじめとするグリーンインフラの雨水浸透機能など、自然が有する機能を社会課題の解決に生かすことは大事な観点だと思います。今後も河川や下水道の整備と併せ、取組を進めてもらいたいと思います。
最後に、若者施策について伺います。
都議会公明党はかねてから、若者施策の充実に向け、提案を重ねてまいりました。昨年七月には、若者の意見を継続的に聞き、都政に取り入れるための取組の推進を要望いたしました。
昨年の第四回定例会の代表質問では、都は若者施策についてスピード感を持って対応するため、政策企画局で横串を刺し、各局横断で施策の強化を図ると答弁をいただいたところです。
さらに、先日の本会議で都議会公明党の代表質問では、若者施策の強化について小池都知事から答弁をいただいたところです。
若者施策の強化に向けては、若者の意見を適切に反映しながら取組を展開していくことは重要であります。
そこで、これまで「未来の東京」戦略において、どのように若者施策に取り組み、今後どのように施策強化に取り組んでいくのか伺います。
○佐久間理事 若者を取り巻く生活や社会の環境が急速に変化する中、若者の意見を適切に反映し、施策をつくり上げていくことは重要でございます。
そこで、「未来の東京」戦略において、施策の立案に向けた若者の意見を取り入れる取組などを行っているほか、様々な困難を抱える若者に対する支援策について庁内横断で検討し、相談体制の充実や居場所づくりなど様々な支援を講じてきております。
今後も若者の様々な意見を踏まえながら、庁内横串を刺して、各局連携の下、施策の強化を図ってまいります。
○たかく委員 今ご答弁がありましたように、若者の意見をしっかり捉えながら、しっかりと若者施策の強化に取り組んで、新たな戦略にも反映していただくよう改めて要望し、私からの質問を終了いたします。
○池川委員 日本共産党の池川友一です。若者施策、若者の都政参加について、まず質問したいと思います。
日本の中で最も多く若者が暮らし、働き、学び、活動する都市が東京です。意見を聞かれる若者の権利を保障すること、権利の主体として活動できる場を若者と共につくっていくことは重要であると考えます。
子供政策連携室の質疑でも行いましたが、私の問題意識の一つは子供と若者の接続というところにあります。若者について、子供から大人への移行期にいる全ての人と定義をして捉えていくことが大事だと考えます。
実際に国のこども基本法は、平仮名のこどもの定義について、年齢ではなく、心身の発達の過程にあるものと、年齢で区切ることをしていないということがそこの特徴だと思います。
そこで、子供と若者の接続について認識を伺いたいと思います。
○佐久間理事 「未来の東京」戦略におきまして、庁内横串を刺して様々な支援を講じてきております。
○池川委員 接続についての直接のお答えではないんですが、つまり、子供と若者の間に線を引くのではなくて、都としては接続も含めて支援をしていくということだと受け止めました。
都政において、子供に関わる政策については子供から意見を聞く動きが、以前と比較をすると本当に広がっている、前進しているなと感じています。
一方で、若者施策については必ずしも子供と同じというところまではいっていない。若者のことはやはり若者に聞かないと分からないというふうに思います。
八月に出された重点政策方針二〇二四ではこれまでと違い、未来を担う子供、若者の成長を社会全体で支えるという項目で整理をされています。ここに私は注目しています。子供、若者からどうやって意見を聞いているかについて、具体的な記述もあると。
若者からの意見を聞くことについて、意義を伺いたいと思います。
○佐久間理事 施策の立案に当たりましては、若者をはじめ都民の意見を聞くことが重要でございます。
○池川委員 若者からも都民からも意見を聞きます、それは当然だと思うんです。
重点政策方針には、声や思いを真正面から受け止め、当事者目線に立った政策を通じ、今と未来を子供、若者と一緒につくっていくという記述があると。そういう意味では、きちんと当事者目線に立ってやるためには、声や思いを正面から受け止めて施策に反映する、都民の意見を反映するということが必要だということでよろしいですね。
○佐久間理事 施策の立案に当たりましては、若者をはじめ都民の意見を聞くことが重要であると認識しております。
○池川委員 当事者のことは当事者に聞かないと、私分かんないと思うんです。東京に生きる若者から広く意見を聞くことは、当然大事だと思います。さらには、直接意見を聞く、来てもらって聞くんじゃなくて、出向いていって聞く。そういう取組も若者分野でぜひやっていただきたい。子供の分野では、子供たちの活動している場所に行って意見を聞くという取組、既に始めていただいているので、一面的なことではなくて、多面的、立体的に若者政策をつくっていくための取組が求められているというふうに感じています。
これまで若者の声をどう聞いてきたのか、都政の中で位置づける必要があると考えますが、いかがですか。
○佐久間理事 施策の立案に当たりましては、若者をはじめ都民の意見を聞くことが重要であり、「未来の東京」戦略策定時には都民意見ウェブアンケートを行うなど、意見を聞きながら策定してきております。
○池川委員 広く意見を聞くことは大事だと。同時に若者の置かれている状況について聞いていくこととともに、きちんと調査し、検討することが求められていると思います。一人一人多様に生きているわけです。若者という大きなカテゴリーだけど、一人一人多様に生きている。多面的、立体的な若者政策にしていくためにも、やっぱり直接声を聞くこと、これを求めたいと思います。
全国の四分の一近くの学生が東京で学んでいます。高過ぎる学費に対して東京都は、高等教育の授業料無償化の実現を国に要望している。これは本当に大事だと思います。同時に生活者としての学生という側面も大事だと考えます。学費や生活費のために深夜徹夜バイト、土日はフルでバイトするなど、とりわけこの間の物価高騰が学生生活にもたらす影響は大きいというふうに思っています。
東京は住宅価格が高騰し、家賃負担が本当に重い。そういう中で、例えば住宅政策本部では都内の大学と協定を結び、その大学の学生が都営住宅に居住をして、団地の自治会が行う活動に協力するなど、住まいの支援と地域コミュニティを一体的に取り組むと。これは「未来の東京」戦略の中の大事な核の一つになっていると思いますけど、位置づけて取り組んでいると、コミュニティ活動を支援する取組としてやっているということです。
若者施策を考える際に、やはり東京で学び暮らす学生のこともきちんと視野に入れた取組が重要だと考えますが、いかがですか。
○佐久間理事 個々の施策につきましては、その目的、対象等に応じてそれぞれ検討されるべきものと考えております。
○池川委員 学生ということについていえば、例えば知事が公約をされた大学生向けの給付型奨学金と。これは、この間のやり取りで、副知事をトップにして今検討中だという答弁があります。
東京で若者政策を考えるときに、学生というのはやっぱり絶対外せない存在だと思うんです。結果としてどういう施策に結びつけていくかということは当然ありますが、学生ということをきちんと視野に入れた対応を求めておきたいと思います。
若者政策を進めるために政策企画局の役割は何か、具体的にどのような関わりをしてきたのか伺います。
○佐久間理事 若者施策につきましては多岐にわたるため、政策企画局が総合調整を担い、庁内横串を刺しながら取り組んできております。
○池川委員 庁内横串刺すと。これまではそれぞれ事業ごとに各局、適切に対応しているということだったんですが、やっぱり若者という一つの柱を立てて、そこをきちんと総合調整していくことが大事だということだと思うんです。
例えば、三十四期の青少年問題協議会には新たに若者部会というのが設置されています。これは二〇二一年に私たち日本共産党都議団が条例改正を提案し、その際、青少年問題協議会の中に若者が直接いなかったんです、その当時は。若者が直接参加できるように、青少年を六人、委員に加えるという条例提案をしました。やはり若者が一つの固まりとして意見を交換し、きちんと都の施策に反映することが大事だという、そういう提案だったんです。
今回新たに設置された若者部会も、私たちの提案と同じ六人となっています。青少年問題協議会の総会では、副会長から若者部会について、若者支援部会、これはいわゆる大人の部会です。大人の部会と、これは縦の関係にあるわけではなくて並列に並んでいると認識をしている。ですので、対等な立場で意見交換できたらいいなと思っていますと。とても大事な発言があったと思っています。
この若者部会ではどうやって若者から意見を聞くのか、その仕組みについての検討も行われています。
なぜこれを政策企画局で質問しているかというと、若者部会の事務局にもともと政策企画局、入っているんです。政策企画局長は委員の一人、幹事にも政策企画局のメンバーが入っていると。加えて今回、この部会の事務局に生活文化スポーツ局とともに政策企画局のメンバーが入っていると。これ今まではいなかったんです、政策企画は。そういう意味で、総合調整の一環だと思って今回入ったのかなと思っています。
そういう意味で、若者の議論にリアルに接することが都政の若者政策をちゃんと位置づけていくことにつながるというふうに考えます。
新たな戦略で今検討を始めていると。重点政策方針も出したということで、その一つに、さっきもいいましたけど、子供、若者の成長を社会全体で支えるということが入っている。ここにやっぱり権利の主体としての若者をちゃんと位置づける必要があると思います。
新たな戦略の策定の中でも、さっき紹介した若者部会で、どうやったら若者から意見を聞くかということに政策企画局も関わっているわけですから、きちんと若者から意見を聞く。そしてそのやり方。このやり方についても若者から聞いて、施策に反映をする、意見を聞いていく、こういう取組を進めていくことが大事だと思いますが、いかがでしょうか。
○佐久間理事 各局が所管する若者施策の一体的な推進に向けまして、庁内連携を図る観点から、当局も事務局に加わっております。そうした施策の立案に当たりましては、先ほども申し上げておりますが、若者をはじめ都民の意見を聞くことが重要でございまして、若者部会での意見も参考にしてまいります。
○池川委員 ぜひ直接参加をしている政策企画局ですから、新たな戦略の中にも、子供とともに若者の意見の聞き方、実際に意見を聞くというプロセスをたどっていただきたいと思います。
東京都では、こども基本条例が全会一致で修正可決してから子供政策のコントロールタワーとして子供政策連携室ができ、今、子供政策について各局で施策を行うと同時に、東京都としても子供政策全体に責任を持つ組織として動いています。
一方で、若者や学生はそうなっていないというのが現状です。最も若者人口が多い東京都で若者を担当する部署について検討を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐久間理事 若者施策につきましては多岐にわたるため、政策企画局が総合調整を担い、庁内横串を刺しながら取り組んでまいります。
○池川委員 これまでも体制については、各局連携しながらきめ細かく対応していると。適切な執行体制の下に取り組むとしてきました。今、政策企画局がその総合調整の役割を担われているということだと思います。
しかし、それを一歩前に進めようと思ったら、若者を担当する部署、そうした体制をつくっていくことが必要だということ、これは求めておきたいと思います。
広報について伺います。
東京都における……。
〔佐久間理事発言を求む〕
○渋谷委員長 ちょっと待って。(池川委員「じゃあいいです、どうぞ」と呼ぶ)いいですか、はい。
○佐久間理事 先ほども答弁しましたとおり、これまで「未来の東京」戦略の下、若者施策に対し庁内横断で検討し、様々な施策を講じてきております。
今後も引き続き政策企画が総合調整を担い、庁内横串刺しながら、各局と連携して取り組んでまいります。
○池川委員 ぜひ取り組んでいただきたい。その体制や部署も含めて検討していただきたい、これは私が申し上げておきたいと思います。
広報について伺いたいと思います。
東京都における広報の役割というのは具体的にどういうものでしょうか。
○鈴木戦略広報部長 都においては、各種事業や行政サービスの情報を必要とする人に正しくタイムリーに届けることを目的に各種広報を行ってございます。
○池川委員 何をどのように伝えるのか、どのような媒体でそれを発信するのか、それが本当に難しいと考えます。
同時に、東京都の広報というのは、いわゆる企業広告とは大きく違って、企業広告というのは一定のシェアを獲得することに目的がありますが、行政の発信というのはそうはいかないと考えます。
この間、広報の予算の推移、媒体ごとの内訳はどうなっていますか。
○鈴木戦略広報部長 広報広聴費については、令和四年度が約四十一億円、令和五年度が約五十一億円、令和六年度が約六十五億円となってございます。
媒体費については、テレビ、ラジオは令和四年度から令和六年度まで各年度約十四億円でございます。
刊行物及び都庁総合ホームページの運営は、令和四年度は約十五億円、令和五年度は約十八億円、令和六年度は約二十八億円でございます。
○池川委員 一番予算的に増えたのは、ホームページのこの間の刷新だというふうに聞いています。これ以外に、今お答えいただいた以外に、いわゆる事業にひもづいた広告、広報費などがあるということです。
体制についても聞きたいと思います。戦略広報部では、民間出身のキャリア活用採用というのを実施していると思います。戦略広報部における特定任期付職員と一般任期付職員の役割と人数の推移について伺います。
○鈴木戦略広報部長 戦略広報部では民間出身の専門人材を採用し、その知見を活用しており、特定任期付職員の在籍者は令和四年度末十名、五年度末十三名、一般任期付職員は令和五年度末六名でございます。
○池川委員 都庁ではデジタル分野もそうだったと思いますが、この専門性ということを大きな理由として、任期付職員の採用を行うことを進めています。
今現在公募をされている戦略広報担当課長の募集の要項を見ると、任期は二年、最長で五年まで期間を延長できるというふうになっていますが、やはり公務の現場における連続性、継続性などを考えたときに、本当に任期付でよいのかという点については、私は考える必要があるということは申し上げておきたいと思います。
Xの投稿について伺います。
過去一年、東京都公式Xで表示数上位の三ポストはどうなっていますか。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 一位が「一人ひとりと生きるまち。」キャンペーンに関する投稿、二位がフォトコンテストに関する投稿、三位が駐日イスラエル大使に関する投稿でございます。
○池川委員 最も表示回数の多いポストは、今答弁があったとおり「一人ひとりと生きるまち。」キャンペーンのポストで、表示回数は一千五百九十八万表示、インプレッションとなっています。これどういうポストかというと、一人ひとりと生きるまちキャンペーン。未来の東京で何をしたいですか、かなえたいことをポストしてください。#もっとよくなる東京のために、都政でできることを増やしていきたいからと書かれていて、応募方法として、一、東京都の公式X、@tocho_kohoをフォローすること、二、下のボタンを押して、これは#一人ひとりと生きるまちというのを、ポストすること。そのポストをすると、QUOカードPay五百円分を抽せんで七百名様にプレゼントするということになっているんです。
フォローしてポストをすると、QUOカードPayがもらえる。これが、だからインプレッションが増えた最大の要因じゃないかと思うんです。
東京の未来についてのキャンペーンですが、私はこのポストが広がったのは、今の暮らしの困難の表れだと思うんです。
民間企業のキャンペーンでは、こういう方法をよく取られていると思います。しかし、自治体の広報が税金を使って、こういうやり方をしていいのかというのは疑問があります。都政に関わる仕事をしてくださっている人たちに謝礼を払うことというのは、これは当然あり得ることだと思うんですけど、フォローをしてポストをしたら抽せんでQUOカードPayを渡すというようなやり方というのは、やっぱりちょっと考え直す必要あるんじゃないかなということは申し上げておきたいと思います。
二位は、英語発信のTokyo Govのアカウントから発信されたもので、三位は中日イスラエル大使のツイートに関するものだということでした。
基本的な確認をしたいと思います。Xのポストをするまでにどのような承認手続が必要になるでしょうか。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 東京都Xの投稿は、ガイドラインに基づき、各部署等の投稿作成者が承認者の承認を経た上で投稿しております。
○池川委員 今答弁のあった、承認者の承認を経た上で投稿すると。この承認の手続というのは、決裁が必要だということでよろしいでしょうか。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 承認手続はガイドラインに基づき、X投稿管理ツールによって行っているほか、迅速性が求められる投稿や定例、定型的な投稿などはX投稿管理ツールを通さずに承認できることとしております。
なお、全ての投稿については、投稿前に承認者が承認をしております。
○池川委員 今の答弁を整理すると、X投稿管理ツールというものがあって、投稿の文案を作成し、それを承認するとXにポストがされると。一部、緊急対応や定型文など例外はあるということですが、基本的には承認した上でポストがされるということだと思います。承認とは決裁と同じ意味だと事前の説明を受けています。
先ほど表示数が三位だった駐日イスラエル大使に関するポストについて、私たち日本共産党都議団は、その意思決定に係る経緯及び検討経過が分かるものについて情報開示請求をしています。しかし、不存在で不開示決定というふうに返ってきました。
そこで確認したいんですけど、この七月十日、駐日イスラエル大使は、二〇二二年四月に着任挨拶のため東京都庁に来られました、ご参考までにとポストした承認手続はどのようになっているでしょうか。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 投稿作成者である外務部の担当者から依頼を受け、承認者である戦略広報担当部長が承認しております。
○池川委員 具体的な事実について確認したいと思うんですけど、外務部からの依頼というのは口頭だったというふうに説明を受けています。
確認するんですけど、戦略広報の担当から、具体的なポストはこういう中身ですという依頼があって、戦略広報担当部長が承認したというのは、先ほど紹介のあったX投稿管理ツールを職務上やったということでよろしいでしょうか。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 ガイドラインに基づき、X投稿管理ツールを通さずに承認をしてございます。
○池川委員 投稿管理ツールを通さずにポストしたということは、それは全て口頭でやられたということなんでしょうか。それとも具体的なポストの案を提示して承認したと。先ほど承認したということだったと思うんですが、承認したということなんでしょうか。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 投稿については、口頭で承認をしております。
○池川委員 ということは全て口頭でやられて、要は外務部から口頭、担当から口頭ということで、記録は一切残していないということなんですか。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 文書による記録は残してございません。
○池川委員 その場でみんなで集まってポストの中身を相談したということなんですかね。具体的なこの承認はされたと。その承認の中身をどうやって確認したのかというの、口頭だけだというのは、ちょっと説明として私は分かりづらいなって大変思います。
今回、東京都が駐日イスラエル大使に関するポストをしたというのは、大使自身が小池百合子都知事、再選おめでとうございます。東京とイスラエルとの結びつきを一層深めていけることを楽しみにしていますというポストをし、二年以上の前のものであるという注釈はなく、知事と大使のツーショットの写真を添付してポストしたことに起因しているんです。
二〇二三年十月にイスラエルによるパレスチナのジェノサイドが開始され、報道では今四万人の方が犠牲となっているといわれています。この惨状に多くの方が胸を痛め、停戦を強く願っている。
そうした中で大使からツーショットと写真入りで、東京都とイスラエルの結びつきを一層深めていることを楽しみにしていると発信されたこと、これはやっぱり東京都がイスラエルと緊密な関係にあると見られてしまうことは明らかだと思うんです。
大使は、東京都公式Xが七月十日にポストをした、その翌日にこのポストをリポストして、ご指摘のとおり、こちらの写真は二〇二二年に初めて小池都知事とお会いした際に撮影されたものというふうに発信をされています。
イスラエル大使館と東京都との関係では直接やり取りはしていないというふうに事前に聞いています。都としては、やはり誤解されたくないという意図があったからこそ、打ち消すための発信をしたということになると思います。
イスラエル大使館に直接意見を伝えることも必要だったのではないかと思います。
東京都のポストの在り方について、基本的には承認。しかも、X投稿管理ツールを使った承認。記録が残る形でやっているというのが基本だというのが、さっきご説明ありました。この意思決定とか、誰が決裁したのかというのは、先ほどの話だと記憶を頼りに答弁されているということだと思うんです。記録がないということ、記憶を頼りに答弁されているということだと思うんですよ。やっぱり行政が行政手続をする際に、記憶に頼るのではなく、きちんと記録を残しておくということは、これは改善するべきことだというふうに思います。
今後の東京都のポストの仕方についても、きちんとこうした教訓を踏まえて改善を求めたいということを求めて、質問を終わります。
○田の上委員 ミライ会議の田の上です。よろしくお願いします。
まずオリ・パラの清算法人について伺います。
二〇二二年七月でオリンピック・パラリンピックの組織委員会は解散いたしました。皆さんもご存じのとおり、東京二〇二〇大会は二〇二一年の七月、八月に行われたものです。そして、東京都議会のオリ・パラ、オリンピック・パラリンピック特別委員会は二〇二三年十二月で調査が終了いたしました。
この清算法人は、いつ清算結了するのか伺います。
○川田政策担当部長 清算法人は、法令に定められた清算業務が終了した場合、評議員会の承認をもって清算結了となります。
○田の上委員 まだ係争中で、いつ清算結了するのかは分からないということなのかと思います。清算業務が終了したら評議員会の審議を経て清算結了になるというようなことだと思いますが、じゃあ、この清算法人には固有職員並びに、もしくは都の派遣職員は何人いるのか伺います。
○早川総務部長 清算法人の職員数は、令和六年八月一日現在で六名であり、いずれも都からの派遣職員でございます。
○田の上委員 全て都から派遣職員ということであります。
組織委員会が解散し、清算法人に移行したときに、何人体制であって、現状はどのようになっているのかということを改めて伺います。
○早川総務部長 清算法人移行時に二十二名、現状は六名となってございます。
○田の上委員 人事の確認は東京都は大体八月一日付なのかと思いますが、令和六年時点では六名なので、十六名減っているということであります。都の優秀な職員が派遣されたまま、いつ都の元の職場に戻れるか分からないという状況は残念であります。オリ・パラの大会の負のレガシーであり、教訓として今後の国際イベント開催時には、いつまでも清算結了できないというような状況にならないようにしていただきたいと要望いたします。
次に、都市外交についてです。資料を作成していただきまして、ありがとうございます。
東京都は十二の都市と姉妹友好都市の提携をしています。最近の実績を見ると、新たに友好都市関係を樹立するのではなく、都市と共同コミュニケや交流、協力に関わる合意書を交わしているようであります。
いただいた資料を拝見すると、石原元知事や猪瀬元知事は、特に猪瀬元知事ですが、総会や会議に出席することが多いように見えます。小池都政では、過去の都知事の出張先と異なる出張をしている場合も見られますが、海外出張の必要性をどのように考え、行き先を選んでいるのか伺います。
○村永外務部長 知事の海外出張は、国際会議への参加や海外都市との連携強化等を目的に実施しております。
この観点から、効果的な発信が可能となる国際会議や共通課題の解決等に向けた連携強化が見込まれる都市を出張先として決定しております。
○田の上委員 共通課題の解決等に向けた連携強化が見込まれる都市を出張先として決定するというご答弁でありました。
あえて聞きませんけれども、これは政策企画局が決めるんですけれども、知事の意見もあって決定するものもあるかと思います。
いただいた資料を見ますと、それぞれの知事の特徴がありまして、例えば中国があまりお好きではなかったと思いますが、石原元知事は台湾に多く出かけていたり、舛添元知事は、短い期間の間ですが、韓国を三回訪問しています。小池知事になってからはコロナ禍もあってしばらく海外出張がない期間もあるものの、歴代知事にない中東出張が加わり、ここで分かるもので四回も訪問しております。よくも悪くも、そのときの首長の、都知事の思いの、思い入れのある都市が入っているようであります。
過去の都知事の合意してきた内容を現在もどのように生かしているのか伺います。
○工藤外務担当部長 都は海外都市と様々な分野で合意書を締結し、交流、協力を深めてまいりました。過去に合意書を締結した都市においては、新たな都市課題や双方の関心分野等を踏まえ、内容の拡充などを行っております。
一例を挙げますと、ニューサウスウェールズ州とは二〇一五年にスポーツ、教育、持続可能な都市づくりの分野で合意書を締結いたしました。その後、エネルギー分野を新たに追加するなど合意内容を充実させ、さらなる交流、協力の推進につなげております。
○田の上委員 ニューサウスウェールズ州を例として挙げていただきました。合意内容を充実させた例があるということです。ほかにもパリ市などもあるというふうには聞いております。
誰が見ても不合理であるということまで続ける必要はないと思うんですけれども、例えば過去の知事が頻繁に行っていた都市に現知事の関心がなかったとしても、過去の合意事項がゼロになるわけではありませんので、政策企画局でしっかりと都市交流をつなげていただけるように要望いたします。
合意書を締結したときに、合意分野についてはどのようなプロセスで決定をするのでしょうか、伺います。
○工藤外務担当部長 都は相手都市と課題認識の共有や事業所管局の意向等を踏まえまして、交流、協力の分野を選定し、両都市間で合意書の有用性を確認した上で合意書の締結をしております。
○田の上委員 相手都市が課題としているものを知って、協力分野を選定しているということかと思います。
小池都知事の令和四年五月のアラブ首長国連邦出張がありますが、目的には次世代を担う若者の多文化共生を一層推進するため、都立高として初めてとなる中東との交流に向けて、一関係者と意見交換等を行うとあります。
先ほどのご答弁では、共通課題の解決等に向けた連携強化が見込まれる都市を出張先として決定するということでありました。一つ一つの都市交流において、お互いの共通課題がどのようなものなのかというのは見えてきませんけれども、高校生の国際交流については遠くの都市、遠くの国に行くよりも、近くの都市、国でいいので、なるべく多くの生徒たちが海外での貴重な体験をできる方がいいのではないかというふうに考える次第です。
また国際交流では、語学のみならず、日本ではできない経験もできるのでしょうけれども、できれば語学もセットで学べる方が一石二鳥だと考えます。
都立高校生の国際交流の内容については政策企画局では答弁できないですよね。ただ、相手国もありますけれども、一方に偏らず、お互いの国、都市の課題解決、メリットになる分野を選定していただきたいと思いますし、その手法については所管局と話し合いながら、最後まで政策企画局が監督していっていただきたいと考えます。意見として申し上げます。
次に、参与及び専門委員の設置に関して質問いたします。
参与及び専門委員の設置等に関する規則では、第二条で参与、七人以内を置くとされています。顧問についても同様の規定があります。
東京都では顧問と参与は、今日現在何人いるのか伺います。
○大出政策部長 本日時点で顧問は一名、参与は七名でございます。
○田の上委員 参与及び専門委員の設置等に関する規則第六条において、参与等の任期は一年以内とする。ただし、再任を妨げないと定められています。顧問についても同様であります。
令和元年度以降で新たに顧問及び参与に就任された方の人数と、そのうち再任された方の人数を伺います。
また、就任された方それぞれの在任期間について、一年以下、二年以下、二年超の人数を伺います。
○大出政策部長 令和元年度以降に新たに就任された顧問は一名で、そのうち再任された方は一名でございます。在任期間は、現任期満了日である令和七年三月三十一日までで、通算すると二年超の方が一名でございます。
また、令和元年度以降に新たに就任された参与は十五名でございまして、そのうち再任された方は七名でございます。
在任期間は、現任期満了日である令和七年三月三十一日までで、通算すると一年以下の方は八名、二年以下の方は三名、二年超の方は四名でございます。
○田の上委員 ありがとうございます。顧問が現状も一名ということでありますが、顧問というのは専門的な知識や経験を生かした助言を行う役職ですので、もっといてもいいのではないかなというふうに考えます。
また一方で、今年度就任された参与が八名いるということなんだと思うんですけれども、都の場合、参与について、それぞれ委嘱分野が決まっており、役割分担が決まっており、外から見ると顧問との違いがあんまりよく分かりません。局長、理事級であった方が参与であることが多いのですが、そういった方々の再就職までのつなぎではないかと懸念されないように、この人材が参与として必要というのであれば、その必要性をもっと強調するべきだと思います。
顧問及び参与の任期は、規則において一年以内と定められていますが、年度途中で選任された場合の任期はどのようになるのか伺います。
○大出政策部長 顧問及び参与を選任する際、任期は年度末までとしてございます。
○田の上委員 年度途中の、例えば九月や十月、十一月とかで選任された場合も、年度末が任期になる、そして、人によっては四月に再任されるということかと思います。
顧問や参与は都議会の議決がなく決まるのですけれども、一年任期とはいえ、あまり頻繁に替わるのは印象がよくないので、なるべく短期で終了しないようにしていただきたいと思っております。
顧問及び参与が退職した後、政策連携団体に再就職した方はどれぐらいいるのか伺います。
○大出政策部長 顧問及び参与の職につきましては、退職管理制度の対象となってございません。
○田の上委員 退職管理制度については総務局が所管局になりますが、顧問や参与というのはアドバイザーのような役割であり、非常勤職員なので二年の関連する民間企業再就職禁止期間にもかからないということだと思います。非常勤ですのでもちろん兼職もできます。
しかしながら、顧問や参与というのは都の中枢の政策に関わっており、企業でいえば組織経営の補助をするわけですから、就職先の公開規定くらいはあってもいいのではないかと考えるものでございます。今後も注視してまいります。
以上で質問を終わります。
○渋谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩といたします。
午後四時三十四分休憩
午後四時五十五分開議
○渋谷委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○滝田委員 私からは、まず新たな東京都の長期計画の策定について伺ってまいります。
四年前の二〇二一年三月に、東京都の長期戦略、「未来の東京」戦略を策定し、その後、バージョンアップを続けてきております。
まず、過去、これまでの東京都の長期戦略の策定時期について伺いたいと思います。
○佐久間理事 これまで長期計画等の策定経緯につきましては、一九六三年に都における初の長期計画として東京都長期計画を策定、一九七一年に広場と青空の東京構想試案を作成、一九八二年、一九八六年、一九九〇年の三次にわたり再び東京都長期計画を策定、一九九七年に生活都市東京構想を策定、二〇〇〇年に東京構想二〇〇〇、二〇〇六年に「十年後の東京」、二〇一一年に「二〇二〇年の東京」を策定、二〇一四年に東京都長期ビジョンを策定、そして二〇二一年に「未来の東京」戦略を策定しております。
○滝田委員 ありがとうございます。詳細に伺いましたけれども、歴代の都知事の在任期間を私の方でもちょっと確認をしたところ、最初の六三年というのは東都知事のときということで、その次は美濃部都知事のときに策定を、それぞれ一回ずつしていて、その後、鈴木都知事のときに四期務められていますけれども、三回策定をされていると。その後、青島都知事のとき、そして石原都知事の際には三期お務めになって三回つくっているということでありまして、その後、猪瀬都知事、舛添都知事の流れの中で一回つくっていると。今回、小池都知事については、三期目になりますけれども、一度つくっていて、今回二回目という形になるので、過去の長期戦略の、長期計画の策定ということを見ますと、今回、新しくつくるということは、あまり違和感はないのかなというふうにも感じました。
一方で、前回、二一年に東京都の長期戦略として「未来の東京」戦略をつくりまして、その前の二〇一四年に作成をした長期戦略から大幅な内容更新を行っているというふうに理解をしていまして、新たな政策テーマを相当数入れることができましたので、意欲的な内容だというふうに、私も当時も、一期目の都議会議員でしたけれども、内容を様々提案をしましたので、評価をしているところでございます。
その上で、今回、今年度新たな長期戦略を策定するということでありますが、どのような内容を盛り込む必要があるというふうに考えているのか伺います。
○佐久間理事 気候変動で深刻化する自然災害、AIの爆発的な進化など、都政をめぐる環境は目まぐるしく変化しております。
新たな戦略の策定に当たりましては、こうした社会情勢の変化や構造的な課題への対応を図るとともに、新たに二〇五〇年代の東京の姿を描き、二〇三五年の東京の将来像とそれに向けた具体的な政策を練り上げてまいります。
○滝田委員 様々環境が変わってきているということや、答弁にありませんでしたけれども、前回つくったときには、コロナ禍の真っ最中ということもありましたので、そういったことも踏まえて今回つくっていくと。また、二〇四〇年代を目標にしていたものを二〇五〇年代ということで、さらに先を見据えた内容にしていくということですので、また改めて踏み込んだ内容をつくっていただきたいなということで期待をいたしますし、様々議会の方からも提案をしていきたいというふうに思います。
一方で、先ほど、過去の歴史を見ると、タイミングとしては違和感がないということでお話ししましたけれども、本来、長期計画とか長期戦略というものの性質上は、あまり高頻度で見直しするものではないのかなというふうにも思っていますし、毎年バージョンアップというのは、今、すごい苦労してつくっていただいてはいるんですけれども、そこまでやるものなのかなというふうにも思うところもあって、本来、二、三年に一回見直していったりとか、見直すというか、バージョンアップしていったりとか、あるいは七、八年ぐらいで見直すということでも、いいんじゃないかというふうにも思うところはありまして、それだけの重みがあって、あまりころころ変えるというよりは、しっかりつくり込むというのが大事なんじゃないかなというふうには思っています。
そういう意味では、有識者会議を重ねたりとか、あるいは都民意見をかなり幅広く募集をしたりとか、あるいは議会からも何度も意見を取り入れたりということがあってしかるべきなのかなというふうに思っておりまして、前回作成した際には、最初にビジョンを出して、その後、素案が出て、本番の計画が出てということで、三回、議会で議論する機会があったかなというふうに記憶をしていまして、そういう意味では、今回、少し議論の局面が少ないのかなというふうに思うところもあって、そういう意味では、つくっていくということ自体はいいんですけれども、ぜひ様々な意見を取り入れられるように、限られた時間ではあるんですが、そういった観点でお願いをしたいなというふうに思っています。
その上で、長期戦略、極めて重要ではあるんですが、ハード面の整備や空間イメージの共有などの観点から、二〇一七年九月に策定されました都市づくりのグランドデザインというものについては、審議会答申から八年、策定から七年経過していますが、バージョンアップはされておりません。
長期戦略に関連するこうした重要な上位計画について、新たな長期戦略の策定に合わせて更新するべきではないかと考えますが、見解を伺います。
○佐久間理事 各局が所管する計画などにつきましては、新たに策定する戦略や、それぞれを取り巻く行政課題、法令等を踏まえながら、政策企画局と各局が連携しながら策定、改定していくものと考えております。
○滝田委員 ありがとうございます。長期戦略、議論する中で、いろいろ各局と話をしているんだと思いますが、この都市づくりのグランドデザインも含めて改定等も視野に入れているんだというふうな理解を答弁からはさせていただきました。
そういった意味では、本当に期待するものでありますし、私自身は、もともと都市計画、まちづくりの専門家という形で都議会議員もやっておりますけれども、ソフト面だけではなくて、ハード面での取組というものについても、しっかりと長期戦略、そしてその先の様々な計画の改定という中で、取り組んでいただきたいということをお願いいたします。
そうした観点の中で、次のテーマに行きたいと思うんですが、東京の緑の創出ということについて、長期計画にも関連する中でお話をしていきたいというふうに思います。
ニューヨークやロンドン、シンガポールなど、世界の主要都市では、公園であったり緑を都市づくりの中核に据えて、人々を引きつける居心地のよい都市空間、あるいはその機能性に着目した取組というのが進んできています。そうした中で、東京都が新たにグリーンインフラを計画に位置づけて取組を開始したことを高く評価しています。
世界に後れを取っている分野でもありますので、取組の加速を求めたいと思いますが、新たな長期戦略の策定も控えていることでありますので、このグリーンインフラについても、その中でしっかりと位置づけて、拡大を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 気候変動による自然災害の激甚化が進む中、自然が有する機能を豪雨対策や暑熱緩和等の社会課題の解決に活用することは重要でございます。
本年八月の重点政策方針二〇二四におきましても、緑の確保や保全を一層推進するため、自然の力を生かすグリーンインフラの導入も図っていくこととしており、公共施設や民間施設での導入を後押ししております。
○滝田委員 東京都でのグリーンインフラの取組というものにつきましては、本当に取組が開始されてきたというところでありますので、先ほど別の質疑でもありましたけれども、事例を積み上げていっているというような形かと思います。
ただ一方で、長期戦略をつくっていくということにもありますから、しっかりと、並行してになりますけれども、具体的な事例を積み上げつつ、でも長期の目線での目標設定をしっかりやって取り組んでいくということをお願いしたいと思います。
グリーンインフラの取組では、東京都や国、区市町村の道路であったり、学校であったり、公共施設等の整備に加えて、民間開発や戸建て住宅などにおいても、雨庭、レインガーデン導入などを行っていく必要がありますし、あらゆる開発や整備の機会を通じて導入を図っていっていただきたいというふうに思います。
そのためにも、例えばガイドラインの策定であったり、民間や区市町村への支援策、普及策の取組といったものが必要になるかと思います。多様な分野や主体の垣根を越えた総合的な取組というものを、必要になりますから、ぜひよろしくお願いいたします。
東京の緑の創出ということに関して、もう一つのテーマでお話ししたいんですが、特に、都心であったり、多摩地域でも主要な駅の周辺などにおいては、敷地に限りがありますので、立体的な緑の創出という観点が必要になります。
私の二〇一八年の都市整備委員会での質疑で、都議会では初めてだと思いますが、立体的な緑、取り上げました。東京都がこの間、eSGプロジェクト、「未来の東京」戦略、そして東京グリーンビズといった構想の中で、立体的な緑という言葉を入れて、テーマになってきたということを評価いたします。
コロナ禍の前、私、二〇一九年にシンガポールに視察に行きましたけれども、国土の狭いシンガポールでは、屋上緑化、壁面の緑化に加えて、建物の中空階の緑化、あるいは屋内の緑化というものも実現をしている緑化建築、グリーンビルディングというものが普及しておりまして、立体的緑化を先行して実現をしている国でもあります。あるいは、シンガポールの場合は国民の八割が公営住宅に住んでおりまして、必ずしも低所得者向けというわけではないんですけれども、高層の公営住宅の中間階に緑の庭園を設けているといったような取組もあります。オフィスビルだけの取組ではなくて、立体的な緑を取り入れているという事例が海外ではあります。
東京都では、まずeSGプロジェクトで臨海部の立体的な緑に取り組むとされておりますが、新たな長期戦略の策定も控えていることから、多摩地域も含め、東京都内全域での様々な立体的な緑の創出を構築していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 立体的な緑の創出につきましては、東京グリーンビズの下、屋上や壁面等を活用した立体的な緑化を都内のあらゆる地域で推進しております。
○滝田委員 あらゆる地域ということですから、多摩地域も忘れずに取り組んでいただきたいということをお願いいたします。
まだまだこれからの分野ということでありますので、事例をつくっていかなきゃいけないんですけれども、例えば、必ずしも立体的というだけではないんですけれども、千葉県の流山市では、流山グリーンチェーン戦略という名称で、大規模開発だけではなくて、商業、業務の建築物であったり宅地等、それぞれにおいて庭木や垣根などの植栽を増やすということを後押しするための支援策と認証制度を設けて取り組んでいます。
資産価値がどれぐらいそれで上昇するのかといった、まちへの寄与度についても評価、分析に取り組んでいるというふうに聞いていまして、私が視察に行った際にも、官民あるいは市民みんなで緑を大事にして増やしていこうとする姿勢であったり、あるいは取組というものを体感させていただきました。大変参考になる取組かと思います。
東京都において、大規模開発では開発諸制度などの様々な手段がありますが、流山市の事例なども参考にして、大規模開発以外の民間建築物でも緑を創出していくための仕組みづくりということを、これは都市整備局とも連携してですが、構想していただきたいんです。特に多摩地域の緑創出という観点でいうと、大規模再開発の仕組みだけだと、なかなか難しいということもありますので、ぜひそういった取組についても議論を深めていただきたいということをお願いいたします。
次に、二〇三〇年を目標として、ちょっと最近またアップデートされているかもしれませんけれども、シンガポールのグリーンプランというものであったり、あるいはニューヨークのプランニューヨークシティ、ローマ字でいうとPlaNYCですけれども、全ての市民が公園から徒歩十分以内のところに住むことができるようにするというふうに目標が設定されておりまして、これは非常に進んだ取組だなというふうに思っているんですけれども、「未来の東京」戦略であったり、あるいは東京グリーンビズの中では、都立公園への言及はもちろんありますけれども、国立公園であったり、区市町村の公園との連携については言及がないという状況です。
行政の主体をまたぐことで、ハードルが高いというものでありますけれども、都民、市民にとって、あるいは海外からも含めて来街する人々にとっては、都か区か、あるいは都か市かということは関係がないものであります。シンガポールやニューヨークのように、国や区市町村も含めた都市にある公園全体を視野に入れた構想を描くべきというふうに考えております。
東京の魅力向上、都民の生活の質の向上の観点から、国立公園、区市町村の公園等との連携を深めていくべきではないでしょうか。見解を伺います。
○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 東京グリーンビズは、百年先を見据えた緑のプロジェクトでございまして、国や区市町村、民間など、様々な主体と協働して進めております。
その取組の一つといたしまして、緑に関するプラットフォームとなる東京グリーンビズマップを作成し、都内の緑あふれるスポットやイベント情報を発信しております。このマップでは、都立公園などの都立施設に限らず、国立公園や区市町村立公園などについても掲載しておりまして、引き続き関係機関と連携し、情報発信に努めてまいります。
○滝田委員 海外の先進都市に緑の魅力というもので負けないように、公園全体を視野に入れた構想が描けるよう、東京グリーンビズの取組拡大と、今回の新たな長期計画を通じた取組によりまして、区市町村や国との会話も深めていただきたいということを求めておきます。
また、学校について、校庭の芝生化や屋外の緑化、ビオトープの取組など、子供たちの緑に触れる暮らしや学びという観点も重要かと思っています。最近は、エディブル・スクールヤードという、食べられる校庭みたいなことをテーマにした取組ということも出てきております。
「未来の東京」戦略や東京グリーンビズにおいて、子供たちが日頃から緑に触れられるように、施策を盛り込むべきと考えますが、見解を伺います。
○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 都では、東京グリーンビズにおける取組といたしまして、東京の多様な自然を知る小学生向け参加型プログラムや、保全地域での体験プログラムを開催し、身近に自然を感じることができる場を提供することとしております。
また、先日開催した東京グリーンビズDAYでは、小学生などを対象にした生き物一斉調査や林業体験など、緑に触れ、親しむ機会を提供いたしました。
今後とも、こうした取組によりまして、子供たちが豊かな自然に触れ、自然と人のつながりについて考える機会を設けてまいります。
○滝田委員 子供たちが日頃から触れられる緑ということについても、テーマとして施策を積み上げていくということかと思います。
一方で、特に学校、区市町村の小中学校であったりとか、あるいは都立高校、都立学校などにおける取組についても、ぜひ議論していただいて、長期計画に取り入れていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
多摩地域の郊外、丘陵部や山に近いエリアにおいて、谷戸などの貴重な自然環境、これが例えば建設残土の埋立て事業などによって危機にさらされているという例がいまだに続いております。必要性の高い開発であれば否定するものでもない、もちろん環境に配慮してですけれども、ただ一方で、郊外の開発を続けていく時代ではない中で、こうした緑地、自然、生態系を守るということについて、改めて取組の強化が必要ではないかというふうに考えております。
多摩地域の自治体の財政力には限りがある中で、こうした郊外の自然環境の保全や活用について、自治体等と連携しながら、都としても取組を強化していくべきですが、見解を伺います。
○本木グリーンビズ推進担当部長計画調整担当部長兼務 東京グリーンビズでは、自然の保全等を目的とした保全地域を、現在の約七百六十ヘクタールから、二〇五〇年に累計約一千ヘクタールに指定拡大する目標を掲げております。指定された保全地域につきましては、新たに設置した東京都生物多様性推進センターを核に、区市町村やボランティアなど様々な主体と連携し、適切な維持管理を行うこととしております。
今後とも、関係各局と連携し、取組を進めてまいります。
○滝田委員 この保全地域の拡大、ぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
特別緑地保全地区買取等補助事業といった仕組みもできてきておりますので、基礎自治体とよく連携して、各局の取組を促していただきたいと思いますし、ちょっと具体の地元地域の件もあるんですけれども、それは環境局とか都市整備局と話しますので、ぜひ全体の方向性の中で後押しをいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次のテーマに移ってまいりたいと思います。
高齢になっても、車がなくても、運転ができなくても、地域で元気に暮らせるまちづくりということについて伺いたいと思います。
多摩地域の、特に郊外部における高齢化、深刻な状況を迎えています。多摩地域の郊外部といいましても、鉄道駅から車やバスで約三十分ぐらいかかるところに、数千世帯の団地があったりとか、数百世帯の戸建て住宅街があるということも珍しくありません。むしろ八王子含めてたくさんあるというような状況なんですが、これは、一九六〇年代から七〇年代にかけて、まあ、八〇年代も入りますね、一九六〇年代から七〇年代を中心に、首都圏の人口爆発に対応する形で宅地開発されたということが基となっておりまして、その頃若くして転居してきた皆様方が一斉に年齢が上がっていってしまって、今、七十代から九十代になってしまっているという状況です。
車社会で、車がないと生活できない環境、生活に窮する環境であることも多く、また、高齢あるいは後期高齢となって免許を返納した場合に、お出かけができない、病院にも行けない、買物にも行けないのに、どうしたらいいのかという状況になっている方が少なくありません。また、今後、その予備軍の世代の方々もたくさんお住まいです。
そして、一斉に年齢が上がってきているために、今度は若い世代が比率として非常に少ないという状況になっていまして、高齢になった方々をサポートできる人材が地域に不足しているということや、町会、自治会の担い手がいなくなってきてしまっているという状況にもなっています。
都心に住んでいますと、この問題に気がつきにくいというふうに思いますので、ぜひ皆様には八王子まで視察に来ていただきたいというふうに思いますけれども、もともと都心、首都圏の人口爆発に対応して、それを受け止めるために開発された宅地の問題ですので、地域課題ではなくて東京の問題という形で、この件に向き合っていただきたいというふうに思います。
八王子市内でもバスが一時間に一本しかないとか、一日に数本しかないと、最近減便されてしまったということも多々事例があるのですが、こうした郊外地域のバスの維持拡充、あるいは新たな地域公共交通の構築というものが急務でありますが、どのように取り組んでいるのか伺います。
○佐久間理事 「未来の東京」戦略では、誰もが移動しやすい、利便性の高い都市の実現に向け、地域公共交通ネットワークを形成することとしております。また、市区町村や交通事業者と連携し、駅前広場の整備や再編に合わせ、自動運転など新技術を活用しながら、駅を中心とした地域交通の充実や交通結節機能の向上に取り組んでいくこととしております。
○滝田委員 今答弁ありましたけれども、新しくつくっていく長期戦略でもしっかりと位置づけていただいて、自治体が事業者と連携した具体的な取組を推進していただきたいということをお願いいたします。
また、自動運転バスの実現、実装などのテクノロジーの活用も並行すべきでありますし、加えて交通空白地対策、あるいは交通脆弱地域といういい方がいいかもしれませんけれども、こうした地域の対策としても、自家用有償旅客運送、ライドシェアも選択肢として取組が加速するよう位置づけていくべきではないかというふうに考えますので、検討、調整をお願いしたいと思います。
また、地域に居場所があって、ご友人の方々や近隣の皆様とおしゃべりができたり、そのために家から出て外出することができる環境づくりということが必要です。地域で簡単な日用品が手に入ったり、医療福祉的なサービスが得られることも必要です。
一方で、歩きやすい環境や公共交通を利用しやすい環境という観点も必要です。ウオーカブルなまちづくりが「未来の東京」戦略にも位置づけられておりますが、現時点では都心での取組が事例として掲げられておりまして、多摩地域での視点、先ほどの郊外の地域での視点というものが欠けているのではないかということを危惧しています。郊外においても、高齢になっても歩ける、歩きやすいという意味でのウオーカブルなまちづくりも必要です。
こうした高齢になっても、そして車がなくても、安心して歩くことができるまち、地域で元気に暮らせるまちについて、分野横断して築いていくべきですが、見解を伺います。
○佐久間理事 「未来の東京」戦略では、人が集い、憩える都市の実現に向け、人中心の歩きやすいまちづくりを進めることとしております。
具体的には、主要駅周辺へ生活関連施設等の機能集約を図るとともに、コミュニティ活動の場の創出や買物弱者の支援なども行うことによりまして、高齢者をはじめ、誰もが不安なくストレスなく移動し、生活できる環境を整備していくこととしております。
○滝田委員 よく私が地元で相談やご意見いただくのが、座れる場所をもっと欲しいという意見であります。この間、一般質問で加藤先生が取り上げていらっしゃいましたけれども、まさに私も同じ状況にありまして、様々意見をいただいております。椅子でなくても腰かけられる何かがあればよいという形ですけれども、まちの中にそうした場所がとても足りないというのが現状であります。
例えば、高齢者の足で五分から十分置きぐらいに腰かけられる場所があれば、休みながら歩いていくことができるのにといった声であるとか、あるいはバスの本数が少ないので、絶対に乗り遅れないようにしなきゃいけないんで、二十分から三十分前にバス停に着くんだけれども、バス停に座れる場所がなくて、ずっと立って待っているのがつらいと、特に夏の炎天下はとてもつらいというような声をいただいています。
こうした、まち中や郊外の地域の中にも座れる場所があったり、バス停に座れる場所があったりということも考慮した座れるまちづくり、そして高齢になっても歩ける、高齢になっても歩きやすいという意味でのウオーカブルなまちづくりについても視野に入れたウオーカブルな東京を築いていくべきだというふうに考えています。
こちらについては、今、やってくれといってもすぐ答弁できないというふうに思いますので、質問にはしませんけれども、この新たな長期計画、長期戦略をつくっていくに当たっては、ぜひ視野に入れていただきたいと、テーマにしていただきたいというふうに思いますので、ご検討をお願いいたします。
この件、私、しばらくテーマにして、政策企画局の皆様であったり都市整備局の皆様に聞き続けていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○平田委員 自動運転についてお伺いします。
今、滝田委員からも公共交通、路線バスのお話ございました。せんだっての代表、また一般質問でも各会派から、この路線バスの運転手不足に関する質疑が行われ、私も就労支援施策という観点から質問させていただきましたけれども、社会のインフラ維持は都政に課せられた大きな課題だと思います。
その課題を解決する一つの手段として、自動運転の実現に期待する声は大変大きいわけでございますけれども、その一方で、都が自動運転に取り組んでいるというようなお話を地元でいたしますと、自動車メーカーとかIT企業が自動運転に取り組むのは当たり前なんだけど、何で東京都がやっているのというような、そういう素朴なお声も伺うところでございます。
都の自動運転に対する取組、複数局にまたがっていると認識していますけれども、総務委員会でございますので、政策企画局として、都が自動運転を実現する意義について改めてお聞かせいただければと思います。
○松本政策担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 自動運転移動サービスは、ドライバー不足の解消、高齢者や移動に制約のある方へのサービス提供、交通事故の削減など、都の交通サービスが抱える様々な課題解決の手段となり得る可能性を有してございます。
このため都は、「未来の東京」戦略 version up 二〇二四において、自動運転等の次世代モビリティーの実装を加速し、人々のクオリティー・オブ・ライフ、都市の魅力、プレゼンスを向上させることとしております。
○平田委員 運転手不足に加えて、社会経済活動に欠かせない移動手段の確保ですとか事故削減など、様々な意義があるということでございましたので、私もそういうふうに地元で説明させていただきたいなと思っております。
ただ、都民の関心のもとは、じゃあこの自動運転がいつどのレベルで実現するかだと思います。
ちょうど去年の秋ですけれども、八丈島で行っていたレベル2の自動運転バスの実証実験というのを実際体験してきましたけれども、レベル2なんで運転手がまだ乗っていましたし、ただ、島を横断する約七キロの道のり、大半は自動運転が実現しているなというように感じました。
ただ、乗っていると、ブレーキのちょっとかけ方がやっぱりぎこちないとか、走行車線に路上駐車があって、それをよけて反対車線に出るときに、対向車が一台だったら何とかしのぐんですけど、二台とかつながっちゃうと、やっぱり人の手を借りないと、またそういう運転が対応できないというような課題を感じました。
ただ一方で、世界に目を向けますと、もう既にサンフランシスコや深センなどでは、レベル4の自動運転タクシーの営業が始まっているというふうにも聞いています。日本においても、つい先日、ニュースで、愛媛県の松山市で、今月からレベル4の自動運転路線バスが本格運行するというふうに聞きました。
そこで、自動運転の実現に向けて、都としてどのように取り組んでいるのかお伺いします。
○松本政策担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 自動運転の実現のためには、技術精度の向上に加え、新しい技術に対する都民の不安を払拭し、理解を深めていただくことも重要でございます。そのため都は、今年七月に、ベイエリアを推進区域として設定し、現在、複数の事業者がさらなる技術水準の向上のため、区域内で検証走行を重ねております。
また、SusHi Tech Tokyo 二〇二四や、江東区での地域イベントなどの場を活用し、自動運転車両の実機展示や、安全性等を分かりやすく伝えるためのパネル掲示など、自動運転を身近に感じていただける機会を設けてきてございます。
今後は、区域内の取組をさらに充実させるとともに、自治体や事業者と協議を進め、複数の地域へ運行を拡大し、自動運転の早期実現を目指してまいります。
○平田委員 鋭意取り組んでいただいていることは、もう十分認識させていただきました。
ただ、先ほども申したとおり、多くの普通の都民の関心は、じゃあいつできるのというような実現の時期の問題だと思います。今お話ありましたとおり、不安も解消しなきゃいけない、技術的な問題とか安全性の確保とか、いろんな課題がありますから、いつからどのレベルでと、ここで言及するのは大変難しいとは思います。
ただ一方で、先ほどの都民の話じゃないですけれども、一体いつ実現するのかとか、自分の生きている間に、運転手いなくても出かけるようになれるのかねというような、そういう素朴な声というか、率直な希望があることも事実でございます。
都として、行政として取り組むからには、都民に対してより具体的に、例えば何年度までにはこれこれ、その先の何年度までにはかくかくしかじかを目指すというような、より分かりやすい発信を引き続きお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○藤井委員 まず、空飛ぶクルマについて伺います。
先日、小池知事の所信表明で、二〇三〇年の市街地での商用運航開始を目指してロードマップを精緻化し、官民連携で取組を加速していくとの表明がございました。
昨年九月の私の一般質問では、空飛ぶクルマの初期ロットの数量というのが非常に限られておりまして、世界中の都市で誘致合戦が起きている、激化しているということを指摘させていただきまして、機体メーカーをはじめ、官民で連携するためのロードマップの策定を提案し、その後、私たちの会派の代表質問では、民間との連携を強く訴えさせていただきました。
こういった提案も受けまして、都では東京都官民協議会を立ち上げて、今年度は六月十八日に第一回を開催して、年明け一月に次年度以降の方針を決めるための第二回を開催予定と公表されているところであります。
そこで、これまで協議会ではどのように情報共有や意見交換を行ってきたのか伺います。
○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 都は、本年六月に、機体メーカーや運航事業者、通信や管制システムの関係者など、計十二者を構成員とする協議会を設置いたしました。
第一回協議会では、各主体による取組状況を共有いたしました。その後、実務者によるワーキングや個別ヒアリング等を通じ、二〇三〇年の市街地における商用運航開始の目標を共有するとともに、社会実装に向けた課題の洗い出しなど、幅広く議論を重ねております。
○藤井委員 もともとのロードマップには、二〇三〇年以降からの商用運航ということで、二〇三〇年というふうにはなっていなかったかというふうに理解しておりますが、その商用運航開始という都の目標を、ワーキングや個別のヒアリング等を通じて共有をして議論をしてきたということであります。
やっぱり二〇三〇年以降と二〇三〇年に商用運航開始するということでは、取るべき戦略や、やるべきことというのも全然違うものかと思いますので、せっかく民間の事業者の方々を巻き込んで、東京に空飛ぶクルマをしっかりと誘致するためにつくった協議会ですから、今後の精緻化に向けて、積極的に情報提供と意見交換をお願いしたいと思います。
私も視察をしましたが、今年の五月のSusHi Tech Tokyoにおいて、都内においては、空飛ぶクルマの都内初飛行を実現したところだと認識をしております。二〇三〇年までに商用運航するということで、先ほどもちょっとありましたけれども、六年しかないわけで、一刻の猶予もないというふうに考えております。
その際、最大のリスクとなるのは、いろんなものを見ても、国の認証がしっかり取れるのか、事業者の機体の開発ができるのかという問題と国の認証が取れるのかという問題、リンクしている問題かと思うんですけれども、その認証が下りるのかということだと思います。
精緻化した都のロードマップを着実に進めるためには、国が策定したロードマップとの整合性であったりとか、機体の認証など、国との連携が欠かせません。国とも連携しまして、商用運航に向けて今後しなければならないことを整理するなど、ロードマップの精緻化が必要だと考えますが、どのように取り組むのか伺います。
○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 官民協議会では、構成員のほか、国土交通省、経済産業省がオブザーバーとして参加しており、連携を図りながら議論を行っております。
その中では、活用事例や離着陸場、管制などの運航環境等を一体的に検証する必要があることや、現在のロードマップを基に、年度ごとに取組内容を具体化する必要があることなどの意見が交わされております。
今後、商用運航に向け、協議会等において精力的に議論を重ね、ロードマップの精緻化に取り組んでまいります。
○藤井委員 繰り返しになりますけれども、商用運航に向けての最大のリスクとなるのは、国の認証が進むかどうか、下りるかどうかということだと考えております。大阪万博は国のロードマップの中に位置づけられておりまして、ぜひこの東京都の二〇三〇年の商用運航というのも、国の空飛ぶクルマのロードマップの中に位置づけられるように働きかけを強めていただきたいと要望させていただきます。
二〇三〇年の実現のためには、遅くとも今年度末までにはロードマップの精緻化というのは必要じゃないかと考えますので、迅速なご対応をお願いしたいと思います。
続いて、自動運転について伺います。
自動運転につきましては、先ほども平田委員の方からもありましたが、様々、レベル2の車体への搭載など着実な進展がある一方で、サービスという観点だと一進一退を繰り返しているかなというのが率直な感想であります。
平田さん以外もそうかもしれませんが、地元でも、自動運転バスの実証実験などがあって乗ったけど、何ですかね、止まってしまうだったりとか、なかなか完全自動にはなっていないとか、そういったことがあるのではないかと思うところであります。
この自動運転については、都は、私も初当選をした約七年半前から、国のサンドボックスの制度などをたしか使って、国内で初とかだったと思うんですけれども、自動運転を推進してきたところだというふうに認識をしております。その頃からいわれていたのは、七年後の二〇二五年のレベル4の自動運転を目指しているということ、議事録等にも記載がありましたけれども、もう来月、一か月後には二〇二五年ということになるところであります。
これもちょっと繰り返しになっちゃいますけれども、多くの自治体で様々な実証実験が行われているんですが、なかなか都民に実感を持てる自動運転のサービスというのが出てきていないのではないかと、特に日本では出てきていないんじゃないかと思います。
アメリカ・サンフランシスコでは、ドライバーのいない完全自動運転のタクシー、いわゆるロボタクシーがいち早く商用化されておりまして、中国でも進んでいるという状況です。小池知事も、五月のサンフランシスコへの出張の際には乗車をしてきたというふうに聞いております。
これも、ちょっとまた揺り戻しじゃないんですけれども、一方で、先行していたGMがロボタクシーから撤退する、事故などもあって撤退するという報道が先日されたところでもあります。
国内を見てみますと、都の実証事業であったりとか、SusHi Tech Tokyoの方にも参加しているティアフォー社が、今年十一月からのロボタクシーの事業化を計画、二〇二五年にはお台場を含む東京都内の三か所、二〇二七年には都内全域でのサービス提供を目指していると発表しておりまして、都としてもしっかりと支援をしてほしいと考えております。
都としても、関係機関などとも連携をしながら、自動運転の社会実装をしっかりと支援してほしいと考えますが、今後の取組を伺います。
○松本政策担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 自動運転の実現のためには、技術精度の向上に加え、新しい技術に対する都民の不安を払拭し、理解を深めていただくことも重要でございます。
そのため都は、事業者の事業計画を基に、まずベイエリアを自動運転の推進区域として設定しまして、事業者と地元自治体とを結びつけるほか、国とも連携し、効率的な関係者調整などを支援してございます。
また、自動運転車両の乗り込み体験など、住民の理解を促進するための事業者等による取組を後押ししてございます。
今後も、様々な主体と連携しながら、二〇二六年度の自動運転レベル4の実現に向けて取組を加速させてまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。事業者の計画も基に、ベイエリアを自動運転の推進区域として設定したというご答弁でありました。また、都としては、二〇二六年度の自動運転レベル4の実現に向けて取組を加速していくということで、しっかりと進めていただきたいと思います。
ちょっと話題、直接的な話じゃないんですけれども、今後、アメリカのテスラ社では、二〇二六年に向けて、EV型の自動運転タクシーの開発も進められると聞いております。この気候変動の対策、脱炭素というのは、都としてもしっかりと取り組むべき内容だと思いますので、今後、例えばですけれども、自動運転については、自動運転のサービスについては、EVに集約していくなども、少なくとも例えばベイエリアではそうしていくだったりとかということも含めて、考えていっていただきたいと思います。
先ほど、この自動運転に関しては一進一退であるというふうに述べさせていただいておりますが、一方で、車の自動運転のアシスト、これはレベル2の自動運転の機能になると思うんですけれども、既に多くの車に採用されているところかなと思います。
私も最近、高速を運転する機会が以前より増えまして、アシスト機能を使うと、アクセルを踏まずに、例えば八十キロとか設定すると、前の車との関係で速度を一定に保ってくれたり、あとカーブなんかも曲がれたりとかするわけで、運転手の負担というのはかなり減ってきているんじゃないかなというふうに考えております。
長距離ドライバーの多い北米では、ハンドルから手を離すことができるレベル2プラスというんですかね、というのも実装されてきているということでありまして、都民が自動運転の技術を実装できる機会というのも、これからどんどん増えてくるんじゃないかと思っております。こういったメーカーの実装というのも、考えてみると、都のそういう実証実験の取組だったりとか、そういったことが一つ一つ生かされているんだなというふうに期待をしておりますので、今後のロボタクシーなど、自動運転サービスが当たり前になるように、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
最後の固まりになりますけれども、東京ベイeSGプロジェクトについて確認をさせていただきます。
このプロジェクトでは、先進的な取組をしているにもかかわらず、その認知がなかなか進んでいないのではないかという課題意識を私は思っております。
SusHi Tech Tokyoでも展示をしておりましたが、すばらしい展示だったので、もっと人が集まってもいいんじゃないかと思いましたし、大変もったいないなと思っておりまして、何点か確認をさせていただきます。
二〇二一年四月に、持続可能な未来の都市を創造する東京ベイeSGプロジェクトというのが公表されまして、二〇二二年からは、社会課題の解決を目指し、最先端技術の社会実装を進める先行プロジェクトが、次世代モビリティー、最先端再生可能エネルギー、環境改善・資源循環の三つの分野で実施をされているところであります。
まず、この先行プロジェクトにおいて、これまでどのような取組をして、社会実装につながるどのような実績が出ているのか、お伺いをいたします。
○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 先行プロジェクトは、中央防波堤エリアにおいて、三か年を事業期間とし、必要なフィールドの提供や支援費の支出、国をはじめとする関係機関との調整など、実装に向けた支援を行っております。
具体的には、災害時に避難所で非常用電源として活用できる移設可能な風力発電の技術実証が完了いたしました。
また、例えば、都庁舎で島しょ部のインフラ施設の点検、監視ができるよう、あらかじめ決められたルートを自動で飛行する遠隔操作型ドローンの技術実証も完了しております。
○藤井委員 具体的に取組が進んでいるということを確認させていただきました。ちょっと次の質問と合わせて意見させていただきたいと思います。
先行プロジェクトの中では、このほかにも舗装式太陽光発電についても取り組んでいると確認をしております。この取組について、社会実装に向けた実績と今後の展開を伺います。
○有江都市強靱化プロジェクト担当部長東京eSGプロジェクト推進担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 駐車場などの路面に設置できる舗装式太陽光発電については、海に近い地域での塩害や、バスなど大型車の通行での耐久性を検証するとともに、発電した電力を電気自動車の給電に利用するなど、技術的な性能を確認できました。
また、これらの取組をSusHi Tech Tokyo 二〇二四やジャパンモビリティショーなどで紹介し、多くの来場者に対し技術の有用性を実感していただきました。
事業者からは、こうした取組の成果を踏まえ、今後、本格的な導入に向け、公道への設置を行うと聞いております。
○藤井委員 ありがとうございます。こちらでも、事業者は、この先行プロジェクトを経て、社会実装に向けた具体的な取組、本格的な導入に向け、公道への設置を行うという話も出てきているということでありまして、大変すばらしいなと思います。
一つその前の答弁も含めて要望させていただきますが、今、ご答弁の中で、両方とも技術実証が完了していて、もうまさに社会実装のフェーズに入っているということであります。東京都では今、スタートアップ支援の一環で公共調達の拡大というのを進めておりますので、ぜひこの東京ベイeSGプロジェクトで実証、検証された新技術というのが都庁の中で使われるように、積極的に政策企画局の皆さんにも働きかけてほしいと思います。
さらには、都内外の区市町村や道府県自治体が使えるように、先ほどのスタートアップの取組の中で、スタートアップ室はそういう取組もしていますので、ぜひ公共調達の手法を、一緒になるだったりとか広げるということも、取り組んでいってほしいと思います。そうすることが、この東京ベイeSGプロジェクトに参加することでビジネスが拡大していくということで、いい評判にもつながっていくと思いますので、ぜひやっていっていただきたいと思います。
直接的に関係しないですが、同じ事業者さんがワイヤレス給電のプロジェクトというものも採択されておりまして、ちょっとまだ詳細は決まっていないということですが、道路から発電した電気をワイヤレスで給電するとか、そういったことも今後検討されていくということであります。
先日、この採択されている事業者とは別なんですけれども、ワイヤレス給電の研究やビジネス開発をしている方とお話をいたしました。そのときに、この東京ベイeSGプロジェクトについての紹介をしたんですけれども、その人は、東京ベイeSGプロジェクトということは何となく聞いたことがあるそうだったんですが、ワイヤレス給電のプロジェクトが進んでいるということは認識をされていなかったようであります。
その後にこのプロジェクトについて確認をしたところ、都でやっているワイヤレス給電のプロジェクトは、技術や社会実装の観点で非常に難易度が高くて、産学官の連携が先進的に東京都で行われているんだということで、大変驚かれておりました。
都内で先端的なビジネス開発をしている人が、東京ベイeSGプロジェクトのことを詳しく知らないというのは、大変もったいないなと感じたところでありまして、様々な知見や技術を持った企業にプロジェクトに参画をしていただくことで、さらなる社会実装につなげていくことが重要じゃないかと考えております。
そのためには、先端研究者やビジネス開発をするスタートアップをはじめ、今後より多くの方々に東京ベイeSGプロジェクトに関わっていただけるように働きかけていくべきと考えますが、見解を伺います。
○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 東京ベイeSGプロジェクトでは、その理念を国内外へ広げていくため、官民学連携コミュニティである東京ベイeSGパートナー制度を設けており、現在、約三百社が参画しております。
これまで、スタートアップなども多く訪れる国内外の大規模展示会にeSGパートナーと共に出展し、先行プロジェクトなどの取組を発信してまいりました。
今後、Tokyo Mirai Parkなども活用し、eSGパートナーの技術や先行プロジェクトの成果を発表するなど、様々な事業者が集う機会を創出することで、事業者間の新たな連携を生み出すとともに、さらなる参画の拡大を図ってまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。今後、さらに事業者間の新たな連携等を生み出していくということであります。先ほど申し上げた、実際のビジネスにつながるところの支援というのも非常に重要だと思いますので、ぜひしていただきたいと思います。
最後に申し上げますと、東京ベイeSGプロジェクトについては、認知度を上げていくということが非常に重要だというふうに感じております。そのためには、まずその認知度がどうなのかというところをしっかりと調査をしていただきたいなと思います。その上で、どのぐらい知られているか把握した上で、経年の調査等をして改善をしていくなど、取組をご検討いただければと思います。
あと、もしこれも可能であればということで、非常に一つ一つ、先行プロジェクト含めて先端的な取組をしているというふうに思っておりまして、先ほど、専門家の方もびっくりするぐらいのものだったという話もあります。
一方で、もっと数を増やしてもいいんじゃないかなというふうには考えておりまして、先行プロジェクトの数を増やすのか、例えば他県で、実証フィールドなど調べると、福島のロボットテストフィールドだったりとか、ほかのところは結構、検索等でも引っかかるんですが、こういったところでは、ある程度テーマを絞って、結構、比較的広く使えるような形にしていたりもしますので、そういったベイeSGプロジェクトの中でも、ある程度その対象を絞って実証できる場とするなども検討いただければと思います。
以上で私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○古城委員 都では、新たな長期戦略、シン東京二〇五〇仮称の策定に向けた検討が始まっています。現在の長期戦略に掲げる未来の東京しかり、東京が目指す理想の未来を展望していくには、二〇四〇年ないし二〇五〇年の東京の主役となる子供たちが、わくわくどきどきしながら未来を思い描けるように、それを引き出すフィールドが不可欠であります。
こうした認識から、政策企画局の事務事業に関連し、東京ベイeSGプロジェクト、自動運転、政策の強化について質疑させていただきます。
初めに、東京ベイeSGプロジェクトについてであります。
SusHi Tech Tokyoを広げる施設とうたわれておりますが、SusHi Tech Squareでは、昨年八月の開設以来、わたしのからだは心になる?展、都市にひそむミエナイモノ展、人間×自然×技術=未来展、そして現在のエモーション・クロッシング展と、創造性に富むコンテンツが展開され、TOKYO二〇二〇レガシー展や、東京の自然と生き物を知り、理解できる体験型デジタルコンテンツも一体となって、知的好奇心をかき立てるフィールドになっています。
私の率直な実感は、未就園児や未就学児であっても十分に楽しむことができる場所だということであります。SNS上でも、例えば、都市にひそむミエナイモノ展について、五歳児にはかなりよかった、二時間半たっても全然帰ろうとせず、結局、親が帰ろうとリクエストして、ようやくとの評価が確認できます。
だからこそ、本年、二〇二四年春に開催されたSusHi Tech Tokyo 二〇二四ショーケースプログラムでも、こうした点を期待した私は、子育て世帯が訪れたくなるよう、政策企画局に要望を続けてまいりました。ご対応いただきました東京eSGプロジェクト推進担当課長の皆々様には感謝を申し上げたいと思います。
具体的には、開催場所がベイエリアであることから、子供を連れた家族での移動を考えると、行くのをためらってしまうのではと考え、メインビジュアルのイメージパースにベビーカーを描くことや、未就園児や未就学児も楽しめるコンテンツ、ベビーカー置場の設置を求めてまいりました。
私自身、実際に訪れた感想を申し上げますと、ベビーカー利用者も多く散見——散見ですから、すみません、多く見ることができて、そして、二〇五〇年の東京の主役となる子供たちが楽しかったと答えていたり、用意されたレゴやトミカ、塗り絵などで真剣に遊ぶ子供たちの隣で、保護者の方々の、こういうのがあってよかったとの声が聞かれたり、政策企画局の皆様のご努力が報われたと確信をいたしております。
これらの観点から、東京ベイeSGプロジェクトについて三つの問いを投げかけさせていただきます。
今般、ベイエリアを舞台に、持続可能な未来の都市モデルを創造する東京ベイeSGプロジェクトについて、新たな発信拠点が日本科学未来館に設置されるとの発表がありました。
そこで、東京ベイeSGプロジェクトで日本科学未来館に新たな拠点を設ける目的について説明を求めます。
○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 ベイエリアを舞台に、五十年、百年先の未来を創造する東京ベイeSGプロジェクトでは、未来の主役である子供たちの参画を促し、そのアイデアをプロジェクトに反映させる取組を進めております。この取組をさらに発展させ、テクノロジーの体験を通して、より多くの子供たちと本プロジェクトが目指す持続可能な未来を考え、一緒につくっていくため、多くの子供たちが訪れる日本科学未来館に、Tokyo Mirai Parkとして新たに拠点を設置いたしました。
○古城委員 Tokyo Mirai Parkには、二〇五〇年の主役となる子供たちが楽しみながら未来を思い描けるよう、工夫を凝らしていくことが求められます。
そこで、子供たちの意見を引き出していくことが重要と考えますが、そのための取組について説明を求めます。
○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 Tokyo Mirai Parkでは、来場者が様々な最先端テクノロジーを体験し、その技術が社会に広がることで、未来の暮らしがどう変わるかを想像できるコンテンツを展開しております。そうしたテクノロジーの体験を通して、子供たちが感じた未来への期待や自由なアイデアを年表に書き込み、貼り出すことで、多くの人から意見を集める工夫もしております。
また、東京ベイeSGパートナーと連携したワークショップを開催し、生成AIを用いて未来の東京を描くなど、子供たちがテクノロジーに触れながら、アイデアを形にする場を提供いたします。
これらの取組により集めた声を東京ベイeSGパートナーの新たな技術の発展につなげるなど、プロジェクトの推進に生かしてまいります。
○古城委員 未就園児、未就学児から高校生までが訪れ、多様で創造的なアイデアが生まれる場となることを期待いたします。そして、コンテンツを充実させて、子供たちが繰り返し訪れ、そのたびに未来の東京への思いを深められる場所へと発展させていくべきであります。
ベイエリアでは、東京ビッグサイトや日本科学未来館の周辺でも、日々様々なイベントが行われております。そうしたイベントをきっかけに、訪れた子供たちや家族連れを効果的に引き込んでいく取組も展開していくべきであります。
そこで、多くの子供たちにTokyo Mirai Parkを訪れてもらい、ファンとなってもらう取組について説明を求めます。
○久松東京eSGプロジェクト推進担当部長 Tokyo Mirai Parkは、利用者の声を聞きながら、コンテンツを定期的にリニューアルするとともに、未来の暮らしを便利にするロボットを作製するなどのワークショップを毎月異なるテーマで開催し、子供たちが訪れるたびに新たな気づきや発見ができる場所にしてまいります。
また、会場である日本科学未来館や東京ビッグサイト、周辺自治体をはじめ、様々な関係機関のイベントなどとも連携してまいります。
加えまして、ワークショップで作成した成果物を来年春開催のSusHi Tech Tokyo 二〇二五で展示するなど、Tokyo Mirai Parkの魅力を伝える工夫を検討してまいります。
○古城委員 Tokyo Mirai Parkが、知る人ぞ知るといわれるような施設ではなくて、ここに訪れたいと、このために訪れたい、これを目的に訪れたいと思われるような拠点へと発展させていくことを改めて要望させていただきたいと思います。
その上で、SusHi Tech Tokyo 二〇二五との関係性についてもただいまご答弁をいただきました。先日、スタートアップ・国際金融都市戦略室の事務事業質疑におきまして、明年のSusHi Tech Tokyo 二〇二五の三日目、これはパブリックデーとして広く都民に無料開放すると、こういう答弁をいただいたところでありますけれども、一つの、何といったらいいんでしょうか、道しるべとなるといいますか、目標となるのは、明年のSusHi Tech Tokyo 二〇二五のパブリックデーと重なる、この日であろうかと思います。
日本科学未来館だけではなくて、会場となる東京ビッグサイトも含めて、くどいようですが、未就園児から十八歳まで、子供たちが多く楽しめる、そういう企画、場所を進めていっていただきたいと思います。
次のテーマとして自動運転についてであります。
SusHi Tech Tokyo 二〇二四において、日本科学未来館周辺では、最先端のモビリティー市場体験や自動運転バスの運行なども行われていました。昨年、西新宿で行われた自動運転モビリティーの実証では、新宿区立西新宿小学校五年生が、二十年後の西新宿にあったらいいものをテーマに描いた絵が走行車両にラッピングされておりました。
他方、近年のバス路線の廃止や運行回数の削減といった傾向は、全国的に大型二種免許保有者の高齢化と新規取得者の減少が進行しており、バス乗務員確保が経営課題となっていることによります。
こうした昨今の社会情勢については、もう一つ側面がございまして、免許を返納した高齢者の方々と、こういう視点も重要であります。この高齢者の方々が日々の買物や通院などに困らないように、移動支援サービスを充実させていくことも重要であります。
そこで、これらの解決策として期待されるのが、自動運転バスも含む自動運転技術であります。自動運転技術の導入に関する政府目標として、地域限定型の無人自動運転サービスについて、二〇二五年度を目途に五十か所程度、二〇二七年度までに百か所以上の地域で実現することが掲げられています。都内においても、レベル4の実現に向けた実証実験が各地で進められており、西新宿でも自動運転バスの実証走行が行われてきました。全国的にはレベル4の運用は昨年四月から解禁され、ごく一部でありますが事業化が始まっています。
自動運転バスの事業化で運行する自治体や事業者が不安に感じているのは、事故対応を含むルール整備だとの指摘もあります。また、自動運転の開発に伴うコストや維持費は高く、事業化が進まない原因となっています。乗客の安全対策に加え、安全に関わるルール整備を丁寧に進めるとともに、地域の足の確保へ、自動運転サービスに対する期待は大きいことから、きめ細かな導入支援が必須であり、中でも地域住民の不安や疑問の解消を図り、実装への機運を高めることが重要であります。
都では今年度、機運醸成に積極的に取り組む事業者に対する支援を新たに開始しているとのことでありますが、その内容について説明を求めます。
○松本政策担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 都では、今年度より社会受容性向上支援事業補助金を創設し、自動運転に関するソフトウェアや車両を開発している事業者や、自治体が実施する地域住民の不安を解消し理解を促進する取組への支援を行ってございます。
具体的には、自動運転の体験や学びの機会を提供する取組等にかかる会場費や広報費などの経費について、中小企業者には三分の二、その他事業者等には二分の一を補助してございます。
○古城委員 地域住民の皆様はじめ、広く都民の皆様に技術を知っていただき、直接体感してもらうことで、さらに自動運転技術の実装が加速されていくものと考えます。
そこで、この補助制度の実施状況について説明を求めます。
○松本政策担当部長次世代モビリティ推進担当部長兼務 本年五月に開催しましたSusHi Tech Tokyo 二〇二四や、江東区での地域イベント等において、自動運転車両の実機展示や、自動運転の利便性や安全性を分かりやすく説明したパネル掲示などに対して補助を実施してございます。
また、九月には、新宿区において小学校の課外授業として、西新宿での自動運転の試乗会などに対しても補助を実施してございます。
○古城委員 今ご答弁いただいた私の地元西新宿で、次代を担う子供向けの自動運転モビリティーの試乗会が開催されたとありましたが、先ほども演説で申し上げましたように、去年は五年生が、そして今年は六年生ですので、同じ学年の一つ上がった子供たちが自動運転に親しむというのは、本当に大きな意義があるというふうに考えております。
また、私も、SusHi Tech Tokyo 二〇二四ショーケースプログラムで、補助制度を活用して実施された自動走行車の展示でキャビンを体験してまいりました。こうした都民の皆様にとって、その理解の促進につながる取組を継続していくことを要望させていただきます。
最後に、政策の強化についてであります。
冒頭に申し上げましたように、新たな長期戦略、シン東京二〇二五仮称の策定に向けた検討が始まっています。「未来の東京」の実現に向けた重点政策方針二〇二四では、新たな戦略の策定に向けて大胆な発想、大胆かつ柔軟な発想、これまでにない発想、新たな発想と、四か所にわたって発想が強く求められております。
都議会公明党の提案を受けて、「未来の東京」戦略に位置づけられた外濠浄化プロジェクトでは、導水に玉川上水路が活用されます。承応二年、江戸時代の一六五三年十一月十五日に開通した玉川上水は、全長約四十三キロメートルで、標高差は僅か約九十二メートルの画期的な導水路であります。武蔵野台地の稜線、尾根を巧みに利用した自然流下方式が取られ、自然にあらがわない柔軟な発想に基づく土木技術は、まさに世界遺産といっても過言ではありません。
多摩川より羽村で取水された玉川上水は、外堀、神田川、日本橋川を経て、隅田川から東京湾に至り、これら約五十三キロメートルは、東京の水循環の象徴というべき水の輪であります。そこから先には、沖ノ鳥島、南鳥島まで、壮大な可能性と魅力を有する東京の海が広がっています。この点についても、新たな発想で行政の垣根を越えていただきたいと要望させていただきます。
もう一点、政策の強化に当たって、社会教育士についても申し上げたいと思います。
社会教育法に基づいて、教育委員会に置くこととされている専門職員である社会教育主事に対して、社会教育士は、社会教育主事養成課程の必要単位を取得した時点で直ちに称することができます。
一般社団法人日本社会教育士会の平井康章代表理事によれば、市民、NPO団体や企業、行政など、様々な立場から、地域の教育や福祉、防災、環境、地場産業などの領域で、人々の学びの支援やネットワークを通して、人づくりや地域づくりに関わる役割を担う方々であります。
中央教育審議会は、かつて、人口減少下での様々な地域課題の解決に向けても、社会に開かれた学校での学びが子供たち自身の生き方や地域貢献につながっていくとともに、地域が総がかりで子供の成長を応援し、そこで生まれる絆を地域活性化の基盤としていくという好循環をもたらすことになると示しました。
子供たちの学びには、社会との接点が不可欠であります。社会教育士には、子供たちと地域をつなぐかけ橋として、子供たちの学びを豊かにする役割も期待されます。
これまでにない発想の主体者として、また、連携を都が模索する様々な主体の一つとして、身近な暮らしの中の様々な課題の解決に向けたコーディネーターとしての役割が期待される社会教育士の視座も取り入れていただきたいと提案するものであります。
もとい、重点政策方針二〇二四では、政策強化に当たって必要となる視点の一つとして、政策掛けるDX、政策DXで社会課題を解決していくと掲げられています。新型コロナウイルス感染症の影響による人々の価値観や生活様式の多様化など、社会の大きな変化を契機に、都では行政サービスのデジタル化や内部事務改革など、DXを都政の中で最大限活用する道を進んできたと認識しています。
今後、デジタル技術の進展が著しく進む中で、二〇五〇年の東京の主役となる子供たちが思い描く未来に向けて、都庁内部の改革にとどまらず、さらにDXを展開していくことが重要であります。
そこで、政策DXを掲げた狙いについて説明を求めます。
○佐々木プロジェクト推進担当部長構造改革担当部長兼務 重点政策方針二〇二四では、複雑化、多様化する社会課題に対応するため、事業単位で進展してきたDXを組織や分野を超えて発展させるべく、デジタルの力を最大限に活用する政策DXとして強化することとしております。
昨年度、各局連携の下開始いたしましたこどもDXでは、国や区市町村等と連携し、子育てに必要な情報が先回りで届くプッシュ型子育てサービスなど、行政の垣根を越えた便利で快適な子育て支援サービスの実現を目指しております。
今後、医療や防災など、幅広い連携が必要となる分野におきまして、局横断的に政策DXに取り組み、都民が実感できるサービスの質のさらなる向上を図ってまいります。
○古城委員 都が目指すQOS、クオリティー・オブ・サービスを向上させることで、都民のQOL、クオリティー・オブ・ライフを高め、誰もが安全・安心で幸せを享受できる社会の実現に向けては、重点政策方針二〇二四で示す、一つに、複雑化、多様化する社会課題に対峙するため、組織や分野を超えて知恵を出し合う政策DX、二つに、政策にデジタルの力やAIなど先端技術を最大限活用することで社会課題の解決に導く政策DXが重要であると認識を新たにいたしました。
ただいまの答弁では、先行指標としてこどもDXが例示されておりましたけれども、ほかの分野におきましても早期に事業効果を発現させていただきたいと強く求めまして、質疑を終わります。ありがとうございました。
○早坂委員 私は、前回、十一月二十九日の総務委員会、総務局に関する事務事業質疑で、国境離島と有事の二つのテーマを取り上げました。思いのほか都民の皆様からの反応がよく、大変気をよくしましたので、本日の政策企画局に関する事務事業質疑でその続きを行います。
まず、国境離島です。
最初に前回のおさらいをいたします。
世界には二百以上の国や地域があります。その中で我が国の国土面積は六十一位、この順位を見ると、我が国は小さな島国という印象が芽生えます。しかし、領海と排他的経済水域、EEZを合わせた海洋面積は世界第六位であり、順位はぐっと跳ね上がります。
我が国は、広い海洋面積を有することで、海運、漁業、養殖業、メタンハイドレートなどのエネルギーや鉱物資源の埋蔵など、大きなメリットを享受しています。それは、我が国の国境海域の外縁を根拠づけている国境離島のおかげだ、前回そんなお話をいたしました。
国境離島のうち、最南端、最も南にあるのは沖ノ鳥島、最東端、最も東にあるのは南鳥島、このどちらもが東京都小笠原村に帰属しています。一方で、最西端、最も西にあるのは沖縄県石垣市に帰属する尖閣列島ですが、我が東京都は、当時の石原慎太郎知事の呼びかけで、尖閣諸島に対する寄附金を幅広く集め、東京都は現在、その寄附金十五億円を尖閣諸島活用基金として積んでいる、ここまでがおさらいです。
では、我が国の最北端、最も北にあるのはどこかというと、それは北方領土です。
東京都は北方領土についてどのような取組を行っているのか伺います。
○村永外務部長 都は、北方領土の早期返還の実現に向け、都内の自治体、民間団体及び個人等を会員とする北方領土の返還を求める都民会議の事務局を担っております。
都民会議では、知事や議長をはじめ都議会議員も参加される北方領土の返還を求める都民大会を毎年開催し、世論の盛り上げを図るとともに、都庁、区役所などの都内公共施設等において、北方領土に関するパネル展を昨年度は十二回開催するなど、都民への普及啓発に取り組んでおります。
○早坂委員 ご答弁にあった北方領土の返還を求める都民大会は、毎年開催されています。令和四年と令和五年には小池知事が出席していますが、その前はというと、青島幸男知事の時代まで遡らないと知事の出席は見られません。小池知事はそれだけ、この北方領土返還には意識があるということです。
ちなみに、北方領土の返還を求める都民会議の会長は、なぜか地婦連、東京都地域婦人団体連盟の会長が就くことになっています。それは、地婦連のホームページに、東京地婦連が代々会長に就くことになっていると明記されていることから分かります。
さて、これで我が国の東西南北の一番遠いところがどこであるかを改めて確認することができました。最南端の沖ノ鳥島と最東端の南鳥島は東京都小笠原村に帰属していますから、都庁内に担当する部署があるのは当然です。
他方で、北方領土は北海道、尖閣諸島は沖縄県に帰属していますが、そのどちらにも都庁内に担当部署があるのはすばらしいことです。なぜなら、東京都は、人口や予算のみならず、社会的影響力において大きな力を持っているからです。
それぞれの担当部署をよく見てみると、沖ノ鳥島と南鳥島は総務局行政部、尖閣諸島は総務局総務部、そして北方領土は政策企画局外務部とそれぞればらばらです。担当部署がばらばらであるということは、例えば都庁のホームページには自分の担当のことだけが記載されており、私のような問題意識、つまり東西南北の国境離島全てに都庁が関わっているということは分かりませんし、せっかくの国境離島への関心を、ほかの国境離島にも向けていただくチャンスを失っていることにもなります。ホームページだけでなく、それぞれの企画やイベントにおいて相互乗り入れを進めていただきますようお願いをいたします。
独立行政法人北方領土問題対策協会、北対協のホームページは大変優れており、全国四十七都道府県別に、それぞれの都道府県が北方領土とどんな関わりがあるかを興味深く示しています。東京都の場合では——皆さん、よろしければホームページをご覧ください、北対協。東京都の場合では、例えば、北海道本島に一番近い北方領土である貝殻島の納沙布岬からの距離を、東京ドームのある水道橋駅から国技館のある両国駅と同じ距離、あるいはJR荻窪駅から吉祥寺駅と同じ距離だと示しています。四十七都道府県それぞれに様々な観点から興味深い内容が記載されています。
政策企画局外務部が事務局を務める北方領土の返還を求める都民会議のホームページには、この北対協へのリンクが張ってありますが、それはトップページであり、東京都と北方領土の関わりを示す該当ページではありません。何か工夫があってもよいのではないかと考えます。
さて、有事に話を移します。
こちらも、十一月二十九日の総務局に関する事務事業質疑のおさらいから入ります。
北朝鮮は、過去に例を見ない頻度で弾道ミサイルを発射し、二〇二二年十月四日には弾道ミサイルが我が国の上空を通過しました。北朝鮮のみならず、外敵が上陸を目的として本気で我が国を攻撃してくる場合には、いきなり弾道ミサイルを打ち込んでくるのではなく、事前に首都東京の電力や通信などのインフラを麻痺させ、混乱状態をつくることが想定されます。あるいは我が国に近接している東アジアの国や地域で混乱状態が生じた場合、東京にある在日米軍の出動を遅らせるために、東アジアの地域からはるかに離れた東京でも、インフラ麻痺を企図される可能性があります。
台風や地震などの自然災害でもインフラ被害は発生しますが、自然災害とテロでは決定的に異なることがあります。それは、自然災害は悪意を持たないが、テロによるインフラ攻撃は悪意を持って、すなわち我々の対処策の裏をかいて、次々と攻撃を仕掛けてくることが想定されることです。その場合、ライフラインの復旧には、自然災害と比較にならないほどの時間がかかり、住民の生活に大きな影響を与えることとなる、ここまでが前回のおさらいです。
そうした場合でも、東京都は都民への適切な情報発信が求められます。
そこで、インフラの途絶により情報発信が困難な状況における東京都の広報発信について伺います。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 災害時におきましても、必要な情報を途切れずに届けることは極めて重要でございます。
都の広報手段は、自主的に発信可能なホームページ、SNSのほか、テレビ、ラジオ等への報道対応など、多岐にわたっておりまして、災害時には、インフラの被災状況に応じた媒体を臨機応変に活用して発信してまいります。
また、区市町村の防災行政無線や広報車による音声での呼びかけ、衛星通信による避難所への情報提供など、あらゆる手段を用いて広報することで、都民の安全・安心を確保してまいります。
○早坂委員 ご答弁のとおり、都庁の広報発信は、一般的にはホームページやSNSの発信、テレビやラジオからの報道対応というものです。
しかし、電力や通信が途絶した場合、そうした広報発信が行えない場合のことも考えておく必要があります。区市町村の防災行政無線や広報車による呼びかけというご答弁がありましたが、それを実行に移すには、事前に十分な打合せや訓練を行っておく必要があります。ぜひそうした取組を始めていただきたいと思います。
ところで、インターネットやSNSには、平時の今でも信頼性が失われる情報が散見されます。それが有事、テロとなれば、不確かな情報や悪意のある偽情報、フェイクニュースを流布させ、都民の不安や混乱をあおる可能性が高いと思われます。
そこで、偽情報、フェイクニュースに対する東京都の取組について伺います。
○西田戦略広報担当部長企画担当部長DX推進担当部長兼務 災害時には、SNSでフェイクニュースが拡散し、悪影響を及ぼすことが懸念されます。このような偽情報を迅速に察知し、都民の不安を払拭するために、国や自治体等の公的機関からの情報を継続的に発信していくことが効果的でございます。
また、都民に対しては、公的機関の一次情報を確認するなど、冷静な対応を呼びかけていくことで、誤った情報の拡散を防止することも重要でございまして、平時より緊張感を持って危機管理の徹底を図ってまいります。
○早坂委員 ライフライン途絶時の都庁の広報発信は極めて重要です。自然災害対策とテロ対策とは決定的に異なるということを前提に、広報発信の訓練を実施し、課題を抽出して、今後の対策に生かしていただくようお願いいたします。終わり。
○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
まずは、「未来の東京」戦略について伺います。
都は、「未来の東京」戦略の推進をする上でのPDCAサイクルのチェックの取組として、政策ダッシュボード、これを公表しています。その政策ダッシュボードでは、「未来の東京」戦略に掲げている全ての政策目標及び主な三か年のアクションプランについて、これまでの取組や実績なども、数値などとともに示しています。また、BIツールを活用して取組状況の見える化も図っているということでございます。
いうまでもありませんが、計画は策定して終わりではなくて、計画に盛り込まれている様々な施策の進捗状況を適切に把握し、その成果や課題も踏まえて不断に見直し、そして強化をしていくことが重要です。
そこで、まず、政策ダッシュボードの取組により、「未来の東京」戦略の各戦略で掲げている取組の進捗状況、これをどのように評価、分析し、ブラッシュアップにつなげているのか伺います。
○佐久間理事 「未来の東京」戦略では、二〇四〇年代の東京の姿をビジョンとして掲げ、その実現に向けた戦略、政策目標と戦略実行のための推進プロジェクトを位置づけており、これらにつきまして、PDCAサイクルを徹底して着実に遂行することとしております。
そのため、政策目標や個別事業の進捗状況を把握するとともに、見える化を図り、政策ダッシュボードとして取りまとめ、公表しております。政策ダッシュボードを通じまして、各局において事業の実施状況など現状の洗い出しを行い、政策企画局において客観的な目線で状況を分析し、各局と議論を行った上で、事業の見直しや政策の強化へとつなげております。
○菅原委員 政策ダッシュボードが施策の実効性を高める上で欠かせない取組だということでございます。
二〇二一年三月に「未来の東京」戦略が策定されてから四年弱が経過をいたしました。この間、予想を超える速度で進む少子化、または新型コロナの終息、これもしかりです。また、ロシア、ウクライナの情勢によるサプライチェーンの混乱もありました。また、気候危機の深刻化があったり、または能登半島の地震がありました。様々な社会情勢の変化が生じており、それに伴い、社会のありようや人々の考え方も変容してきているんだと実感をしております。
現在、「未来の東京」戦略を発展させて、新たな戦略の策定に向けて検討を進めていると聞いております。新たな計画、新たな戦略の策定に当たり、急激な社会情勢の変化に伴って、多様化する人々の価値観や、またニーズをどのように拾い上げていくのか、それを伺います。
○佐久間理事 気候危機の深刻化に伴う災害の激甚化、予想を超える速度で進む人口減少、少子高齢化、AIの爆発的進化など、世界は急速に変化しており、柔軟な発想で課題に対処していくことが重要でございます。
こうした考えの下、新たな戦略の策定に当たっては、幅広い有識者から専門的知見に基づく助言をいただくとともに、ワークショップなどを通じまして、子供や大学生など多様な意見を聴取しております。加えて、膨大な意見を効率的に集約し、可視化する技術であるブロードリスニングなど、AIを活用した新たな手法も柔軟に取り入れてまいります。
○菅原委員 今、答弁の最後にブロードリスニングの話もありました。今日、東京都が発表しておりますけれども、シン東京二〇五〇仮称の策定に向けたご意見大募集と、これがかなりの応募があったので、応募期間を延ばすという報告が、報告というか公表がありました。すばらしいことだと思います。
東京の未来というのは、主役である都民と共につくり上げていくと、このことは重要だと思います。こうした新たな技術を積極的に取り入れていくことは、チャレンジングな試みであり、非常に期待をするものであります。社会のありようが大きく変革する中で、都が取り組むべき施策を庁内横断で強化をしていくことが今後ますます求められてきます。
そこで、新たな戦略の策定に当たり、政策企画局が持つ総合調整機能をこれまで以上に発揮していくことが重要だと考えますが、どのように取り組んでいくのか伺います。
○佐久間理事 「未来の東京」戦略策定後、都政を取り巻く課題やニーズは一層複雑化、多様化しており、従来にも増して組織横断で政策を検討、強化していかなければなりません。
そのためには、政策企画局が総合調整機能を十分に発揮し、将来に向けた大きな方向性を示した上で、その実現に向けた方策を各局と議論、調整を重ねながら練り上げていくことが重要でございます。
こうした考え方に立ち、新たな戦略の策定に当たりましては、副知事をトップとした庁内横断での検討体制の下、大局的な視点で取り組むべき課題に対処すべく、検討、調整を進めております。
今後、検討をさらに深め、東京の明るい未来を切り開いていくため、実効性ある政策の実現につなげてまいります。
○菅原委員 少し視点を変えて、孤独、孤立対策について伺いたいと思います。
近年は、独居高齢者の孤立だけではなくて、女性や、またはひとり親世帯の孤立も問題になってきました。孤独、孤立の問題というのは社会全体に広がっているのだと思います。孤独、孤立対策は、様々な要因が複合していることが多くて、現場の声を聞きながら丁寧に対策に取り組むことが必要です。
都においても、東京都全体の問題として、孤独、孤立問題の最前線で取組を進める区市町村と一体となって対策に取り組むことが重要です。孤独、孤立問題に対し、区市町村とさらに連携をして対策を強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○佐久間理事 将来的に単身世帯の増加が見込まれるなど、孤独、孤立の深刻化が懸念される中、対策の強化に当たりましては、現場で取り組む市区町村と連携し、より効果的に支援していくことが不可欠でございます。
都はこれまでも、組織横断のプロジェクトチームで検討を行い、市区町村が行う多様な居場所の創出や、介護、生活困窮などの様々なケースに一元的に対応できる相談体制の構築などを支援してまいりました。
孤独、孤立の対策を東京都全体として進めていくに当たりましては、市区町村の取組をさらに拡大していくため、福祉局と連携しながら、市区町村へのアンケートやヒアリングを行い、課題の把握に努めることで、今後の取組につなげてまいります。
○菅原委員 現場で取り組む自治体のニーズを酌み取って支援をしっかり行うことで、孤独、孤立対策の強化に努めてもらいたい、このことは要望いたします。
国は、内閣府に孤独・孤立対策推進室というのを設置いたしました。加えて、行政と民間団体の連携を前提とした孤独・孤立対策官民連携プラットフォームを結成して、多くの主体がそれぞれの活動を尊重しながら協働事業を構築して、それらの情報共有などを行っております。
一方で、東京都の孤独、孤立対策に関する取組というのは、自殺対策や若年向けの事業や、また、ひとり親家庭や高齢者対策などで個別に行われておりますが、これらを横断的で重層的な取組として仕立て直すことも必要ではないかと感じております。
コロナ禍を経て、若年から高齢者まで多くの世代に孤独、孤立感が広がっていると感じています。これからは単身世帯も増えるという推計もありますから、都民の行動様式も多様化することなども考えれば、孤独、孤立感を深める要素は今後も増えてくるだろうと思います。
都は、自治体の行政だけではなくて、多くの民間団体との情報交換を行っていただきたいと考えています。都としての局横断の総合施策として、今後は自治体プラス多くの民間団体とも紡いでいただくことを要望して、質疑を終わります。ありがとうございました。
○渋谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で政策企画局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時二十七分散会
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