委員長 | 渋谷のぶゆき君 |
副委員長 | たかく則男君 |
副委員長 | 田の上いくこ君 |
理事 | 入江のぶこ君 |
理事 | 鈴木 烈君 |
理事 | 平田みつよし君 |
増山あすか君 | |
滝田やすひこ君 | |
斉藤 りえ君 | |
古城まさお君 | |
早坂 義弘君 | |
池川 友一君 | |
米倉 春奈君 | |
藤井あきら君 | |
菅原 直志君 |
欠席委員 なし
出席説明員総務局 | 局長 | 佐藤 智秀君 |
次長理事兼務 | 石橋 浩一君 | |
理事 | 豊田 義博君 | |
総務部長 | 保家 力君 | |
企画担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 | 田村 弘明君 | |
都立大学調整担当部長 | 天野 哲史君 | |
訟務担当部長 | 松下 博之君 | |
グループ経営戦略担当部長 | 渡邉 貴史君 | |
復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 | 八嶋 吉人君 | |
復興支援調整担当部長防災企画担当部長兼務 | 小川 清泰君 | |
人事部長 | 金久保豊和君 | |
労務担当部長 | 堀内 弘君 | |
行政部長 | 田中 角文君 | |
多摩島しょ振興担当部長 事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 | 松野 利美君 | |
小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 | 近藤 豊久君 | |
総合防災部長 | 高田 照之君 | |
防災計画担当部長 | 田代 則史君 | |
防災対策担当部長 | 西山公美子君 | |
国民保護担当部長 | 永田 真一君 | |
危機管理調整担当部長 | 小平 房代君 | |
避難所・物資担当部長 | 後藤 和宏君 | |
人権部長 | 若林 和彦君 |
本日の会議に付した事件
総務局関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・非常勤職員の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想の策定について
陳情の審査
(1)六第三八号の三 首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情
(2)六第四九号 都が賠償を命ぜられた国家賠償訴訟における求償権の行使に関する陳情
○渋谷委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の事務事業に対する質疑、第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取及び陳情の審査を行います。
なお、本日は、事務事業については、資料の説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及び報告事項については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより総務局関係に入ります。
初めに、事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○保家総務部長 十月二十二日の当委員会におきまして、要求のございました資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料第1号、総務委員会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は二十点ございます。
一ページをご覧ください。タイムラインの区市町村の最新の具体化状況でございます。
令和六年九月現在の水害対応タイムラインを策定している区市町村数について記載してございます。
二ページをご覧ください。知事部局の障害者雇用率の推移でございます。
令和元年から令和五年までの五年分の状況を記載してございます。
三ページをご覧ください。政策連携団体における障害者雇用率の推移でございます。
政策連携団体のうち、障害者の雇用の促進等に関する法律による雇用義務制度の適用団体の障害者雇用率について、令和元年から令和五年までの五年分の実績を記載してございます。
四ページをご覧ください。性自認及び性的指向に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
令和三年度から令和五年度までの三年分の実績を記載してございます。
五ページをご覧ください。人権に関する相談件数の推移でございます。
相談分野別に、令和元年度から令和五年度までの五年分の実績を記載してございます。
六ページをご覧ください。職員対象の人権に関する講演会及び研修会のテーマと講師の一覧でございます。
令和五年度に実施した職員を対象とした講演会及び研修会について記載してございます。
七ページをご覧ください。同和対策事業の終了に伴い一般対策で実施している事業の総務局分の一覧でございます。
八ページをご覧ください。同和問題に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
令和三年度から令和五年度までの三年分の実績を記載してございます。
九ページをご覧ください。東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業の相談件数の推移でございます。
令和元年度から令和五年度までの五年分の実績を記載してございます。
一〇ページをご覧ください。都及び政策連携団体における非常勤職員等数の状況でございます。
令和二年から令和六年までの五年分の状況を記載してございます。
一一ページをご覧ください。都における会計年度任用職員の状況でございます。
局別、男女別に令和六年の状況を記載してございます。
一二ページをご覧ください。オフィスサポーターから常勤職員にステップアップした職員の数と勤務場所及び勤務内容でございます。
令和六年度の状況を記載してございます。
一三ページをご覧ください。附属機関等の会議及び議事録・議事要旨の公開状況でございます。
令和五年四月及び令和六年四月の公開状況を記載してございます。
一四ページをご覧ください。政策連携団体評議員会の状況でございます。
政策連携団体が設置している評議員会の状況を記載してございます。
一八ページをご覧ください。東京都公立大学法人教職員の長時間労働面接対象者数でございます。
東京都公立大学法人の教職員における長時間労働面接対象者数につきまして、令和元年度から令和五年度までの五年分の実績を記載してございます。
一九ページをご覧ください。東京都公立大学法人における学生の授業料減免等の状況でございます。
東京都公立大学法人が設置する学校別に、令和六年度前期の授業料について、減免制度等の適用を受けた学生数を記載してございます。
二〇ページをご覧ください。身分併有型任期付職員の人数、局別並びに具体的な職種でございます。
令和六年十月一日現在の身分併有型任期付職員の任用状況について記載してございます。
二一ページをご覧ください。小笠原村(父島・母島)から、内地への救急搬送件数でございます。
小笠原村の父島、母島別に、内地へ救急患者を搬送した件数について、令和元年度から令和五年度までの五年分を記載してございます。
二二ページをご覧ください。副知事の在任期間でございます。
平成二十七年四月一日から令和六年十一月一日現在までの期間に在任していた副知事を記載してございます。
二三ページをご覧ください。各政策連携団体における都派遣職員及び都退職者の在籍数でございます。
令和二年から令和六年までの五年分の状況を記載してございます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○渋谷委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○増山委員 それでは、質疑させていただきます。
まず初めに、多摩の魅力発信プロジェクトについてお伺いいたします。
このプロジェクトは、多摩地域の様々な魅力を生かして、市町村と連携しながら発信を進めていると伺っております。私も多摩地域出身の議員の一人として、東京都が主体的に多摩地域の魅力を広く発信していくことは非常に重要だと考えております。
そこで、まずは多摩の魅力発信プロジェクトを始めた背景や目的についてお伺いいたします。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 多摩の魅力発信プロジェクトは、平成二十五年度の多摩東京移管百二十周年などを契機とし、市町村や経済団体、企業など多様な主体と連携して、多摩地域の様々な魅力を発信していく取組として開始いたしました。
本プロジェクトは、多摩地域の関係人口や交流人口の増加などを図るとともに、地域住民の方々が多摩の魅力を再発見することを目的としており、市町村の住みやすさなどの紹介や、より多くの多摩の魅力に触れ、好感を高める取組を展開することで、多摩地域の多様な魅力を広く発信しております。
○増山委員 多摩に住む方々、そしてそれ以外にお住まいの方々も含め、より多くの方に多摩の魅力を地道に伝え続け、好感を持ってもらいたいという効果を期待しながら取り組まれているということが分かりました。
多くの方に多摩地域を知ってもらい、足を運んでもらうためには、継続して発信することはもとより、その中でも工夫を凝らしながら取組を推進することが重要だと考えます。
そこで、令和六年度の取組状況についてお伺いいたします。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、特設ホームページやSNS、パンフレットなどを活用し、自然や歴史、文化、食をはじめとした多様な多摩の魅力を広く発信しております。
今年度は、多摩の三十市町村のお勧めスポットを、自然、グルメなどのテーマ別に巡り、魅力を体感していただくデジタルスタンプラリーを市町村と共催で実施いたしました。
また、インスタグラムの共通ハッシュタグを用いて、多摩地域の景色や名産などの写真をエピソードとともに投稿するキャンペーンを実施するなど、参加型の取組も用いながら多摩の魅力を発信してございます。
○増山委員 市町村と連携し、SNSなど様々な媒体や参加型の取組も交えながら、工夫を凝らして魅力の発信を進めていることが分かりました。
私の地元府中市でも、大國魂神社といった歴史あるスポットや多摩川沿いの自然など、様々な魅力を有しております。地域の魅力を発信するとともに、市町村それぞれのすばらしい取組を積極的に発信し、より一層多摩地域に注目を集められるよう取り組んでいただきたいと思います。
一方で、多摩地域では、人口減少、少子高齢化への対応をはじめとして、実は地域ごとに様々な課題を抱えております。
例えば、住宅地が多く、商店街の活性化をはじめとした産業振興が求められている地域もあれば、山間部で、自然と共生し観光にも力を入れていくことが求められている地域があるなど、多摩地域には様々な色があり、それぞれの課題に目を向けることが重要だと考えます。
こうした課題を効果的に解決していくためには、それぞれの自治体での取組が必要ですが、行政区域を超えた連携や様々な主体との協働も重要となってまいります。
総務局では、こうした地域課題の解決に向けた市町村の取組を支援するため、今年度から、多摩地域における多様な主体との連携促進支援事業を開始したと聞いております。
そこで、本事業の狙いと令和六年度の支援の状況についてお伺いいたします。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、複数の市町村と民間企業や大学などの多様な主体が連携する幅広い取組を支援することで連携事業の促進を図り、多摩地域のさらなる発展につなげていくため、本事業を開始いたしました。
今年度は、多摩川流域の八自治体による企業情報を地域の魅力とともに全国に向け広く発信する取組や、秋川の三自治体による流域の魅力発信、回遊性の向上に向けた取組に対しまして、自治体間の連携や民間企業、大学などとのマッチング、事業構築などについて、技術的、財政的に支援を行っております。
○増山委員 今後も、地域の魅力を高める取組や広域的な課題解決に向けた取組など、幅広い事業への活用が期待されます。
多摩地域は、地域ごとに異なる様々な特徴や課題を持っておりますので、市町村の意見を丁寧に聞きながら事業を進め、多摩地域の魅力向上、持続的発展に取り組んでいただきたいと思います。
続いて、職員定数及び業務の見直し、効率化についてお伺いいたします。
本年七月には、都知事選挙と都議会議員補欠選挙が同時に行われました。都知事選挙におきましては、過去最多の五十六人が立候補し、選挙ポスターや政見放送などをめぐり、これまでにない異例の事態が生じた結果、都民からの苦情の声や問合せなどが選挙管理委員会に殺到いたしました。
その際、選挙管理委員会事務局では、市の選管からも含め、電話がなかなかつながらない状況が生じておりました。回線数などの問題に加え、選挙管理委員会事務局にこうした事態に対応できる十分な人員体制が組まれていたのかといった点についても、改めて考える必要があると思います。その上で、選挙期間中などの繁忙期においても、業務を着実に遂行できる環境や体制を整えることが必要ではないかと考えます。
こうした想定外の事態とまではいかずとも、都のそれぞれの部署において、都民サービスを着実に提供できるよう、翌年度に想定される状況を十分に踏まえた上で、業務に見合った人員体制を構築していくことが重要です。
そこで、人員体制のベースとなる職員定数について、各局の業務状況をしっかりと踏まえたものになっているのか、確認いたします。職員定数設定に当たっての考え方やプロセスについてお伺いいたします。
○金久保人事部長 都におきましては、効率的に事業を実施するため、毎年度、人員や組織を精査し、職員定数を定め、各事業の基本的な執行体制を整備しております。
各局の職員定数を設定するに当たっては、真に業務量や業務動向に見合った執行体制となっているのかという視点を持って精査を行い、限られた人的資源を適正に配分することが重要と考えております。
そのため、知事部局における職員定数につきましては、例年七月に、組織及び職員定数計画の策定方針を発出し、九月頃に各局からの人員要求を受け、以降、各局と要求内容につきまして議論をしながら、事業動向や個々の職務内容、業務量などを確認して、適切な規模となるよう十分に調整した上で、一月に組織定数案を公表しております。
○増山委員 職員定数設定に関する考え方やプロセスについて確認いたしました。各局などと密にコミュニケーションを図り、状況を十分に踏まえた上で、各局の業務を円滑に行うことのできる人員体制を整えるよう、よろしくお願いいたします。
さらに、通年の業務量を想定した定数設定では対応しづらい、年度途中に突発的に人員が必要となる状況についても柔軟に対応するようお願いいたします。
一方で、我が国の生産年齢人口の減少は既に始まっており、官民問わず、今後はこれまで以上に人材確保が難しくなっていくことが容易に想定されます。人員体制の充実のみによって、解決を図っていればよいというわけではございません。
現在と同じ行政サービスをこの先も保とうとするのであれば、AIなどの活用を積極的に行うなど、より少ない人員でも対応できるように業務の効率化を強力に進めていく必要があります。こうした効率化の取組は時間がかかるものも多く、職員数が保てなくなってから対応するのでは手遅れであり、今のうちから将来的に待ち受ける状況に備えて取り組んでいくことが肝要です。
そのため、都庁全体として業務の抜本的な見直しや効率化に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、その見解を伺います。
○金久保人事部長 社会全体で労働人口の減少が見込まれている中において、将来にわたり都政全体の行政サービスを確保、向上しながら、都政課題に取り組んでいくためには、効率的かつ生産性の高い持続可能な執行体制の構築を進めていく必要がございます。
そのため、令和七年度の組織及び職員定数計画の策定方針においては、BPRの徹底や生成AIをはじめとする先端技術の活用等により、それぞれの職場における業務の抜本的な見直しや効率化を進めることを各局へ求めております。
また、こうした業務の見直しや効率化を進めるための人員につきましては優先的に措置することといたしておりまして、各局の積極的な取組を奨励しております。
○増山委員 都全体として、業務の見直しや効率化に積極的に取り組もうとしていることは理解いたしました。
先ほどの選挙管理委員会事務局の状況においても、AIを活用したチャットボットなどを活用し、簡単な問合せは答えられるようにするなど、人員に頼らずともできる工夫があると思います。ぜひ都民サービスの質を維持向上できるよう、業務の効率化にスピードアップして取り組むようお願いいたします。
続きまして、都のOB人材活用についてお伺いいたします。
東京都では、昨今、技術職をはじめとした慢性的な人材不足が続き、安定したマンパワーの確保には、先ほど申し上げましたとおり課題が山積しております。何より、確保が困難な技術職の後継者育成は、都政にとって喫緊の課題であり、解決に向けて早期に手を打たなければなりません。
一つの考えとして、退職を迎えた専門的な知識や経験を有する都のOB人材を、都庁グループの一員であり、都政の現場実務を担う政策連携団体で活用することも重要です。
そこで、都を退職してから政策連携団体に再就職している人材の状況は把握できているのか、お伺いいたします。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 政策連携団体における都退職者の在籍状況は、令和六年八月一日現在では、常勤役員三十九人、常勤職員五百五十四人となっております。
○増山委員 こうした政策連携団体で、都退職者が現職時代の知見を生かしていくことは賛成です。また、役員につきましては一定期間で交代していると聞いておりますので、課題とは思っておりません。
しかし一方で、現職時代の人間関係など仕事が属人的となり、かえって業務に支障が生じる例もあるようだと聞いておりまして、万が一、本当にこのような状況があるのであれば、ガバナンス上、問題が発生してしまうのではないかと懸念しております。
そこで、政策連携団体の自立性は尊重しつつ、都民理解のためにも、都のパートナーとして必要な指導監督をしっかりと行うべきではないでしょうか。現状の取組についてお伺いします。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 都は、政策連携団体の経営を継続的に改善していく観点から、経営目標管理を実施しております。経営目標の中には、団体の人材確保、人材育成、ガバナンスの強化などの視点で人材マネジメントの項目を設定しており、団体の組織運営に的確に反映されるよう指導監督をしております。
また、都はコンプライアンスの確保、理事会、取締役会の適切な情報開示と透明性の確保、職員をはじめとするステークホルダーとの適切な関係構築などを盛り込んだガバナンス指針を作成し、所管局を通じて団体を指導監督することで、政策連携団体のガバナンスの強化を促進しております。
今後とも、これらを通じて各団体の運営の適正性がより一層確保されるよう取り組んでまいります。
○増山委員 人材ネットワークは、都庁グループとして必要な仕組みだと感じておりますが、都民から疑念を持たれない仕組みとすることが大切です。
総務局として、権力が特定の人間に集中することのないよう、役職者に限らず、人材が一定期間で循環するようなルールをつくるべき時期に来ているのではないでしょうか。都議会自民党として、この点、意見を述べまして、質問を終了いたします。
ありがとうございました。
○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
男性の育業について伺います。
子供を育てながら安心して働き続けられる社会の実現に向けては、男性も当たり前に育業ができる環境づくりを推進する必要があります。
都はこれまでも、職員の育児と仕事の両立支援を進めており、本年一月には、東京都が東京都特定事業主行動計画として策定をいたしました東京都職員「ライフ・ワーク・バランス」推進プランにおいて、男性職員の育業取得率を令和七年度までに九〇%とする新たな目標を定めました。
そこで、男性職員の育業取得率の向上に向けた取組について伺います。
○堀内労務担当部長 都は、男性職員の育業を促進するため、子供が生まれる予定の職員に対して、所属長が育業等の予定に関する面談を実施しているほか、全ての管理職がイクボス宣言を行うなど、職員が育業を取得しやすい職場づくりを進めております。
今年度は、職員が子育てと仕事の両立について長期的な計画を立てられるよう、育業や出産支援休暇などの育児関連休暇の具体的な活用例や、職員の育児体験談を紹介するチラシを作成することとしております。今後、このチラシにより、子育てをする職員のロールモデルの発信強化に取り組むとともに、所属長による育業の取得勧奨にも活用していきます。
こうした取組により、男性職員の誰もが希望に応じて育業できる機運醸成を図ってまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
私も、あらかじめ都の職員の育業取得率を調べさせていただきました。資料提示ありがとうございました。男性だけに限って申し上げますと、平成三十年は一四・六%でした。令和元年は一八・三%、翌年は三三・六%、そしてその翌年は四二・五%、そして最新の数字では令和四年度五五・四%、本当に確実に伸びてきたということ、これは高く評価すべきだと思います。
その傾向の中で、令和七年度には九〇%まで伸ばしていくんだという高い目標を設定している。国にも先んじている取組だと思いますので、高く評価し、そして期待をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
都は、所属長によるイクボス宣言も早い段階から進めておりまして、既に定着したと思います。男性職員の育業が社会で定着するよう、都は、隗より始めよで、率先して取組を進めてきた、この証左ではないかと思います。
育業とは違いますが、都の「ライフ・ワーク・バランス」推進プランには、職員一人当たりの超過勤務時間という数字もあります。都の本庁舎職員の超過勤務時間は、民間職員と比べると、こちらは残念ながら随分と長いという調査データが示されております。この件は、都議会、私たちとしても改善の議論が進められておりますが、やはりメインは都職員の働き方改革だと思います。さらなる議論、そして改革を求めておきます。
続いて、市町村総合交付金の議論をさせていただきます。
市町村総合交付金は、都内市町村の財政需要に応じて交付されるものであり、市町村の自主的な事業に活用される大変重要なものでございます。
小池知事は、東京の独自の魅力を形成している多摩・島しょ地域の重要性やポテンシャルに着目をして、総合交付金の大幅な増額を進めてきました。私たちも知事とともに、多摩・島しょ地域の振興に向け、この制度の拡充を提案し続けてまいりました。
多摩・島しょ地域の自治体においては、自然災害や物価高騰への対応など住民を守る施策を進めながら、少子高齢化やDXの推進など、将来に向けた新たな取組を積極的に展開していくことが必要ですが、財政基盤が弱いことから取組を進めていくことができない状況、これも見受けられます。
多摩・島しょ地域のより一層の発展に向け、市町村が抱える様々な行政課題に対応できるように、市町村交付金により後押しをしていくべきと考えます。改めて、市町村総合交付金の制度の意義、そしてこれまでの増額の考え方について伺います。
○田中行政部長 市町村総合交付金は、市町村が取り組む各種施策に要する一般財源の補完制度でございまして、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図ることを目的としております。
多摩・島しょ地域におきましては、インフラ整備や自然災害への備えなど様々な課題に直面しておりまして、その解決に向けて、各市町村が自主、自立的に施策を展開できるよう、この八年間で百三十億円増額しまして、令和六年度当初予算では、過去最高の六百二十億円を計上しました。
また、東京が抱える喫緊の行政課題を市町村と連携して解決していくため、平成三十年度に政策連携枠を導入しまして、令和六年度九月補正予算では、全ての市町村が学校給食費の無償化を実施できるよう、政策連携枠を十七億円拡充することといたしました。
今後とも市町村の意見を十分に伺いつつ、市町村が積極的に課題に取り組めるよう支援してまいります。
○菅原委員 先日の報道でも、この政策連携枠を使って学校給食費の施策、多摩地域の全ての町、市が進めるということを発表されました。政策をリードする役割もあるのかなと思って、この報道を見ておりました。
市町村にとって重要な財源である総合交付金、これを大幅に増額してきたことは率直に評価をしたいと思います。
ご承知のとおり、足元では、長引く物価高騰や公共施設の老朽化への対応など、市町村の行財政運営というのは依然厳しい状況に置かれておりますので、引き続き市町村と丁寧に意見交換を行っていただき、より一層、市町村の行財政運営を後押ししていただけるよう、さらなる増額を要望し、次の質問に移ります。
犯罪被害者のことを伺わせていただきます。
二〇〇四年十二月一日に犯罪被害者等基本法というのが制定されました。制定されたのは十二月一日です。その直前となる十一月二十五日から十二月一日というのは、犯罪被害者週間とされておりまして、各地で犯罪被害者に関わる啓発イベントなどが行われております。その犯罪被害者週間を踏まえ、本日の事務事業質疑に取り上げさせていただきます。
国の犯罪被害者等基本法では、このように書かれております。地方自治体も、被害者や家族の支援を行う責任があると書かれております。
今春、岩手県での犯罪被害者等支援条例が制定されました。これで全国全ての都道府県に犯罪被害者支援条例というのが制定されたことになります。
十月二十三日には、犯罪被害者の遺族らが都内でシンポジウムを開きまして、二〇二三年四月の時点で、全国のおよそ三分の二の自治体――都道府県じゃあなくて区市町村のことだと思います、が犯罪被害者の支援の条例を制定していないんだという報告がありました。まずは、東京都内の基礎自治体での条例制定の状況を伺います。
○若林人権部長 現在、都内で犯罪被害者等支援を目的とした条例を制定済みの自治体は、五区市でございます。また、来年度の施行を目指し、条例案の検討を進めている自治体が二区市あると把握しております。
○菅原委員 国内で初めて犯罪被害者の名称が明記された条例というのは、一九九九年の埼玉県嵐山町です。都内では、日野市が二〇〇三年に初めて制定をいたしました。
嵐山町の被害者支援条例というのは、全国初の取組として高い評価を得ましたが、その反面、被害者が死亡した場合には三十万円の弔慰金、けがの場合にはたしか二十万円のお見舞金と、そういうものでございました。
日野市の犯罪被害者支援条例の制定のとき、私自身も当時の日野市議会議員として条例制定を提案し、その内容にも関わってまいりました。私は自分自身が犯罪被害者であり、全国の犯罪被害者団体のネットワークの事務局的な立場を十年程度務めてきた、多くの犯罪被害者の声を聞いてきた経験から、自治体の被害者支援は、生活を丸ごと支える条例であるべきと考えて、東京で初めて条例制定した日野市の条例は、生活を支える条例とさせていただきました。
例えば、自宅が事件現場になった場合の緊急宿泊施設の提供や、相談は被害者に寄り添うことを最優先する考え方を徹底しました。被害者の家庭には、同居家族に未就学児がいたり、または介護が必要な人がいるという場合があります。その場合、保育園での臨時預かりの実施、または特別な介護サービスができるようなスキームもつくらせていただいたんです。治療のために病院に行ったり、または裁判に行く、または警察に呼ばれる。様々なときに、介護が必要、または未就学児を預かるという仕組みは必要だったんです。
都道府県では、二〇〇四年の宮城県が最初となります。東京都は二〇二〇年に制定をいたしましたが、都の条例制定は、関係者の間で大きな話題となりました。その後の都の取組は、被害者の安全と寄り添いを最優先にして、転居費用や無料の法律相談など、犯罪被害者に寄り添った施策として評価されております。
条例制定によって、行政の事業根拠が明確になり、安定もします。犯罪被害者の支援は、ケース・バイ・ケースが基本です。都の施策だけで十分ではなくて、生活に密着をした区市町村の寄り添った支援が必要になります。そのために、都内全ての自治体での条例制定が必要と考えますが、都の見解と具体的な取組を伺います。
○若林人権部長 犯罪被害者等支援のための条例について、国は、域内において総合的かつ計画的な犯罪被害者等支援を推進する根拠となるほか、犯罪被害者等が利用できる支援制度、サービス等を住民に示すものとして、重要な意義を有しているとの考えを示しています。
都においても犯罪被害者等支援条例を制定し、犯罪被害者等支援を総合的かつ計画的に推進しております。
区市町村における条例の制定については、各自治体の判断によるものと考えていますが、都は、区市町村が総合的に支援を推進することができるよう、必要な情報の提供、助言等を実施しており、引き続き区市町村の取組を支援してまいります。
○菅原委員 区市町村の犯罪被害者に係る条例の制定は、それぞれの自治体の考え方によります。
さらに、条例制定をすると、多くのケースでは、相談窓口の設置、支援金支給の手続の窓口の設置、または啓発などが必要になります。これらの窓口は、区市町村としては新しい業務ですので、少なくとも職員体制や予算化などが必要になることから、自治体によっては逡巡するケースもあると思います。
警察庁の公表データによりますと、昨年二〇二三年の一年間に起こった犯罪は、次のようになっております。認知されております。
殺人が九百十二件、強盗が一千三百六十一件、そして性的な犯罪ということでは、不同意性交が二千七百十一件、不同意のわいせつ事件が六千九十六件、合計一万一千八十件ということです。一万一千件以上があるということです。この数字は、一年間に一万人に一人が何らかの被害に遭う可能性があると、こういう計算になる。私の住んでいる日野市は十九万人程度ですから、毎年十九人ぐらいの犯罪被害者が発生している可能性を想定しなければいけないということになるんです。
この数字には、交通事故は入っていません。または、性犯罪の被害者のように表面化しない暗数、見えない数字というのもありますから、実際に犯罪被害に遭っている方々はもっと多く、相当数いると考えるのが自然だと思うんです。
だからこそ、犯罪被害者を支える条例が必要だと訴えてきましたし、住民生活に近い区市町村の取組には期待の声が集まっているということなんです。
全国の都道府県には、基本的に一団体ずつ被害者センターがあります。東京にも被害者支援都民センターが着実な事業を進めております。
しかし、本当に東京に一団体だけでいいのかということは考えていただきたいと思います。少なくとも複数の被害者支援センターを東京は設置すべきではないかと考えます。このことも、今後の課題として要望をさせていただきます。
この機会なので、犯罪被害者をめぐる背景についてもお話をさせていただきたいと思います。
犯罪被害者の人権というのは、比較的新しい行政課題です。警察は、最大の被害者支援は犯人の逮捕といい切っていた時代があります。裁判の場での被害者は、加害者を裁くための証拠ということでしたから、証拠とならないほとんどの被害者たちは、裁判日程はおろか、加害者の処遇や状況報告も教えられず、知らない間に裁判が終わっていたという被害者が本当にたくさんいたんです。
交通事故遺族の場合、多くは起訴されませんので、裁判すら行われないというのが今までの日本の司法の姿です。その中でも、刑事訴訟になる場合もあります。被害者は、せめて裁判の傍聴をしたいと考えるのですが、以前は優先傍聴の配慮もなくて、一般傍聴のために並ばざるを得ない状況というのもあったんです。
これらの事例に示したように、社会は、犯罪被害者や遺族に対し弔意やお見舞いは示してくれますが、被害者が生き直すための社会的サポートは全くありませんでしたし、刑事司法による真実を知る権利すら配慮されてきませんでした。つい四半世紀前の日本は、犯罪被害者の人権に鈍感過ぎたといわれているゆえんでございます。
オウム真理教によるテロの事件の被害者や犯罪被害者の当事者の会、あすの会などがその理不尽さを社会に訴えたことから、少しずつ変わってきました。
国が犯罪被害者の人権のための法律として制定した犯罪被害者保護のための二法、二つの法があります。この法律によって、被害者に対して、刑事裁判の日程などの情報提供や支援者の付添い支援、被害者による意見陳述、傍聴席での犯罪被害者への配慮などができました。これが二〇〇〇年のことなんです。
日本の犯罪被害者支援は歩み出したばかりで、まだまだ成熟していません。施策展開も未成熟ですし、被害者遺族に対する世間の目も厳しいものがあります。ぜひ、大きな視点で施策展開を描いていただきたくお願いをいたします。これも要望させていただきます。
性犯罪に焦点を当てて、一問伺います。
今日の資料にもありました東京都の性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業、この相談件数、これも増加傾向にあるということも報告がありました。
内閣府の発表しているデータによりますと、性犯罪の被害について、次のような統計があります。
女性の十四人に一人は、無理やりに性行為などされた経験がある。加害者は、交際相手、配偶者、職場の関係者など、大多数は被害者が知っている人となっており、全く知らない人からの被害は一割程度。性暴力被害について、女性の六割程度、男性の七割程度が誰にも相談していない、こういう数字があります。
本日は、男性の性被害者について伺います。
男性の性被害については、女性と同様に深刻な事態となっているのですが、相談件数も少なく、顕在化しにくいといわれております。また、小学校時代に被害に遭う場合というのもあります。加害者が学校関係者だったり近しい知人の場合も多くて、その犯罪性や被害当事者の自覚もないまま大人になる場合も多いといわれ、さらに顕在化しにくいといわれております。
性犯罪の相談の一割は、男性からの相談というデータもあります。男性への支援も必要となってきておりますが、取組について伺います。
○若林人権部長 都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおいて、二十四時間三百六十五日体制で、性別にかかわらず被害者からの電話相談を受け付け、必要に応じて警察、医療機関、弁護士等への付添い支援、精神的ケアの実施などの支援を実施しております。
また、センターの支援員向けに、男性等への対応に関わる研修を実施するほか、令和六年度から法律相談に対応する弁護士に新たに男性を加えるなど、男性への支援体制の拡充に取り組んでおります。
○菅原委員 ありがとうございます。
都として、今年度から男性の性被害者への対応を進めているという説明をいただきました。この取組をさらに進めていただきたく、要望いたします。
犯罪被害者の質疑の最後に、一言申し上げます。
多くの犯罪被害者との対話の中で、行政が制定してきた被害者支援条例を評価しながらも、なぜ被害者基本条例にならないのかという意見を聞いてきました。国会の憲法審査会の中でも、犯罪被害者の権利というのは新しい権利でございまして、例えば知る権利、プライバシーの権利、環境権と並んで、新しい人権として犯罪被害者の権利が議論されているということもあります。
今後、都の条例も、支援条例から被害者の人権を守る条例へとアップデートされることを要望させていただきます。
犯罪被害者たちが求めている、共通するのは二点です。一つは、真実を知りたいということ。もう一つは、普通に生活したいということ。これは基本的人権だと思います。ぜひご検討いただきたいと思います。
首都防衛、防災対策について伺います。
大規模災害時の対応については、総務委員会や本会議の場でも、多くの議員からの課題提起があります。私たちも会派の中に能登半島PT、プロジェクトチームを設置して、私は座長として取組を進めてまいりました。
本日は、避難所の改革について、六つの視点から対応を伺います。
大規模災害のとき、上下水道や電気、ガス、道路などのハード系のライフラインの確保は重要ですが、情報もソフト系のライフラインとして非常に重要です。避難所においては、Wi-Fiをはじめとするネット環境の改善に向けた整備が重要と考えます。
そこで、Wi-Fi環境の整備状況及び確保に向けた都の取組について伺います。
○田代防災計画担当部長 令和五年四月時点で、区市町村が指定する一時避難所のうち、おおむね半数にWi-Fiは設置されております。都は、避難所において被害状況の把握や家族の安否確認などを行えるよう、区市町村に対し、令和五年度からWi-Fi購入や設置工事に要する経費を補助しており、令和六年度には、区市町村ニーズ等も踏まえて、補助対象となるWi-Fiの種類を拡大いたしました。
○菅原委員 区市町村が指定する一時避難所のうち、Wi-Fiが設置されているのは、おおむね半数という報告をいただきました。都は、区市町村の設置への補助を拡充しているという答弁もありましたので、さらに進めていただくよう要望させていただきます。
次は、避難所の雑魚寝の解消についてです。
私たちは、会派内の能登半島PTの緊急要望の中で、TKB2Wの確保を提案しました。Tはトイレ、Kはキッチン、Bはベッド、そして二つのWというのはウオーム、暖かい部屋、暖かい環境と温かい食事です。
小池都知事からは、第三回定例会において、能登半島地震を受けて、首都直下地震が発生したときに、被災者がより安心して避難所生活を送れるよう、避難所での生活環境向上に向けて、避難所の新たな運営指針を年度内に取りまとめ、避難所改革を推進していくということが明言されました。
災害時の避難所運営に関し、雑魚寝の解消に対する具体的な方向性を示し、主体となる区市町村への財政支援を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、先般、能登半島地震の教訓を取りまとめており、避難所で被災者がより安心して避難生活を送れるよう、避難所での生活環境の向上に向けた取組を進めることとしております。
発災時に現場を担う区市町村や有識者の意見を伺い、雑魚寝の解消も盛り込んだ避難所の新たな運営指針を年度内に取りまとめ、避難所の改革を推進してまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
次は温かい食事、衛生的なトイレです。
第三回定例会において、小池都知事からは、災害時の避難所運営は、温かい食事、衛生的なトイレの整備を進めたい、こういう答弁、明言がされました。取組を加速すべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 長期化する避難所生活においては、避難者の健康維持のため、栄養バランスを満たした温かい食事が重要となることから、避難所での食事の提供の在り方について、雑魚寝の解消と同様、有識者などの意見を伺いながら検討を進めているところでございます。
また、発災時にも避難所等において衛生的なトイレを安心して利用できるよう、現在、発災後の各フェーズや地域の実情等に応じて、必要なトイレの量や種類を整理したトイレ環境の向上に向けた計画を策定しております。
今後、温かい食事の提供や衛生的なトイレの整備についても、年度内に策定を予定している新たな避難所運営指針に盛り込んでまいります。
○菅原委員 特に衛生的なトイレについては、深刻な状況があると思います。
私自身も、被災地での非常に苛酷なトイレの現状も実際に見てまいりました。被災者の中には、トイレに行きたくないために、食事や水を我慢するというケースも珍しくない。これは、もう皆さんも周知のことだと思います。
私は、能登半島ボランティア、災害ボランティアに三回、この一年に行ってまいりましたが、二月の活動の際には、簡易トイレを五十個ぐらい準備をして現地に入りました。十月のボランティアのときには、各地にトイレトレーラーが設置されており、安心して活動ができたという記憶があります。
衛生的なトイレの問題は、避難者の健康と衛生的な生活に直結いたします。ぜひ備えを加速することを要望させていただきます。
次に、ペット同行避難です。
ペット同行避難は、避難所のマニュアルにも記載をされておりますが、現実には、ソフト、そしてハード面での課題が多くあります。ペット同行避難の在り方についても、都としての方向性を示すべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、避難所でのペット同行避難の対応等を盛り込んだマニュアルを作成するほか、専門家の招聘や避難所で必要となるペット用ゲージ等の備蓄に要する経費を支援してまいりました。
今後は、ペット同行避難の重要性や、避難所のペット受入れに係る具体的な手法などを区市町村に示し、ペット同行避難の訓練を支援することで、ペット同行避難の受入れの実効性を高めるとともに、年度内に策定を予定している新たな避難所運営指針に盛り込んでまいります。
○菅原委員 八月三十日から九月一日に合わせて予定されていた東京都の総合防災訓練では、ペット同行避難もプログラムされており、期待をしておりましたが、残念ながら、台風のために防災訓練自体が中止となりました。準備に当たられた板橋区と東京都総務局の皆様の取組に敬意を表したいと思います。
避難所でのペット同行避難は、東京都獣医師会や地域の獣医師会のアドバイスを踏まえて、具体的な取組をお願いしたいと思います。
また、避難所ごとにペットの同行避難の自主管理チームを組織することも提案をします。避難所はそれぞれの運営方法がありますが、その運営チームの一部にペット同行避難の自主管理チーム、避難者同士でのチームですね、これを組織することによって、ソフト面での柔軟な管理ができるのではないか。そしてまた、避難者同士のトラブルも、住民同士なら回避できることもあり得るのではないか。こちらもぜひご検討いただきたいと思います。
インクルーシブ避難所について伺います。
大規模災害のとき、障害のある方は高いリスクの中で生き抜くことになります。二〇一六年熊本地震の際、熊本学園大学は、七百五十名の地域の避難者を受け入れる自主避難所を開設し、障害者エリアを設置して、六十名の障害者を受け入れたということを聞いております。
このように、インクルーシブな避難所運営についての研究を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、災害時にも障害者の意思疎通を行う権利が尊重されるよう、手話や文字、音声など、障害者等に配慮した情報伝達方法を確立することを地域防災計画で明記し、避難所での要配慮者対策の向上を図っているところでございます。
○菅原委員 住民の一五%は、何らかの障害を持っているといわれます。そして、高齢者もいれば乳幼児もいる。地域の福祉避難所はありますが、この福祉避難所は、地域の指定避難所に一度集まってから福祉避難所に移動するというのが基本になっていると思います。全ての避難所は、最初からインクルーシブ避難所として、ソフト面、ハード面での構築をすることが重要だと思います。
さて、ここまで災害避難所の在り方を議論してまいりました。避難所の運営は、地域の避難者が行います。これまでの様々な状況を想定した避難所運営を進めるのは、実際はなかなか大変だと思います。
例えば、避難所を組織するコーディネーターの育成や派遣をすることも必要ではないかと思います。都として、こうした視点の避難所運営、どのように取り組んでいくのか伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 高齢者、障害者及び外国人などの要配慮者等の視点を踏まえた支援を行うためには、支援ニーズに応じて外部支援者を養成し、支援を得ることが重要です。そのため、避難所管理運営の指針において、専門分野にたけた団体との協定を締結し、避難所運営の支援を行うことを明記しているところでございます。
○菅原委員 ありがとうございます。
次は、災害の復旧、復興に取り組む災害ボランティアについて伺います。
このたびの能登半島被災地へのボランティアにとって、活動費が大きな負担となりました。ボランティアが円滑に活動を進めるためには、被災地に向かう学生などに対するボランティアへの補助金や活動拠点の確保など、ニーズに沿った各種支援を実施することが重要となります。都内で発生した場合においても、活動する団体や個人にとって、同様に課題となると考えられます。
そこで、ボランティア団体や個人のニーズを踏まえながら、幅広い活動支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 ボランティア団体等が円滑に被災地で活動できるようにするためには、過去の災害事例等も踏まえ、適切に団体等のニーズを把握することが重要でございます。
都は、関係各局等で構成する東京都防災対策推進ワーキンググループ等において、地域の社会福祉協議会や災害ボランティア団体等の現場のニーズを踏まえながら、連携体制の構築や支援の在り方を検討しております。
今後、関係局等と連携し、重要となる活動拠点の確保等を含め、幅広く検討を行ってまいります。
○菅原委員 被災地に行くために、国は高速道路料金の無料措置が適用されていたり、また福井県では、今回の能登半島災害ボランティアのために活動支援事業補助金を制度化いたしました。もちろん東京都も、生活文化スポーツ局が主体となったボランティアの補助など様々なことを行っています。今後、この事業をさらに拡充し、即応性の高い制度にしていただければと思います。
大規模災害発生時に備えて、ボランティアの活動拠点の確保の重要性は共有できていると思います。先日の第三回定例会の私の一般質問において、生活文化スポーツ局長は、受入れ拠点の確保については、東京都社会福祉協議会や支援団体と検討を進めていくという答弁をいただきました。
活動拠点については、様々な施設などを対象に検討を行うべきで、大規模災害時の災害ボランティアの活動拠点として、例えば都立大学などの活用を検討していくべきと考えます。現状、災害発生時に都立大学ではどのような役割を担っているのか伺います。
○天野都立大学調整担当部長 東京都立大学では、キャンパスごとに、東京都や自治体、警察署や消防署等の行政機関とあらかじめ協定書等を取り交わした上で、大規模災害発生時に帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設や広域避難場所、発災時の警察や消防の活動拠点等の役割を担っております。
発災時には、体育館や陸上競技場などの施設を開放するとともに、備蓄品やトイレの提供などを行うこととなっております。
○菅原委員 災害時に公的施設に求められる役割を、都立大学が率先して担っているということだと思います。
ボランティアテント村の設置期間や教育研究活動との兼ね合いなどについて、求められる役割を果たす上での一般的な課題の整理が事前には必要ですが、拠点としての都立大の活用を検討すべきだと思います。
例えば、八王子市または日野市から、ボランティアテント村の設置場所として要請があった場合など、どのように対応するのかというのが問われるのではないかと思います。見解を伺いたいと思います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、新たに災害時における活動拠点として施設利用の要請があった場合には、求められる施設の規模や要件を備えているか、運用に当たって他の協定等との支障の有無を確認するなど、検討を行うこととなります。
○菅原委員 少し簡単に事例紹介をいたします。
東日本大震災のときは、石巻にある専修大学が、地元の災害ボランティアのために施設を開放いたしました。熊本の地震のときは、崇城大学が施設を開放いたしました。能登地震では、七尾市のボランティアテント村が設置されましたし、珠洲市では、ボラキャンすずというところが設置されました。それぞれ私は全て四つとも行っています。
首都直下地震が起きた場合、多くのボランティアが東京を目指すと思うんですね。そうすると宿泊先が不足する、足りないということが考えられます。その宿泊先を都内の大学が提供して、運営を全国の行政職員や専門的な市民団体が担うと、こういうイメージをしていただければと思います。
東京都は、例えば大学と協定を結び、最後の原状復帰の予算を確約するようにすれば、都内の大学も安心して会場を提供できると思うのです。その先鞭を都立大学に求めています。ぜひご検討ください。
大規模災害時の官民協働の取組の重要性は既に認識をされており、ライフラインの復旧や行政手続、避難所の備蓄や医療提供体制など、多岐にわたる協定が結ばれています。
ここで議論するのは、民間のNPOなどとの協定です。能登半島での活躍などを見ると、災害に備えた民間NPOなどとの協定を視野に入れた取組を進めるべきと考えます。また、今後、官民協働の連携の枠に、災害に強いNPOを加えるべきと考えます。
そこで、地域防災計画には、民間NPOとの連携についてどのように記載されているのか伺います。
○田代防災計画担当部長 地域防災計画では、平常時から東京ボランティア・市民活動センターを中心に市民活動団体等と協働し、幅広いネットワークを構築することを定めております。
また、今後具体化を図るべき重点事項として、区市町村や市民活動団体等と連携し、平時の研修、訓練等の実施、発災時の多数の災害ボランティアの受入れや調整を行う体制、活動拠点の確保、被災者ニーズ等の情報提供方策等について、充実強化を掲げております。
○菅原委員 災害対策の最後に、住家被害認定について伺いたいと思います。
能登半島地震の被災地では、一部の自治体において、第一次調査結果への不服が約四割に上がっていると報じられており、罹災証明の交付に必要な住家被害認定調査が今も続いているということです。再調査を行えば、罹災証明書の交付までにかかる時間がさらに延びて、被災者が生活再建のために受ける支援にも遅れが生じます。
住家被害認定調査に当たっては、調査に従事する職員の技術の向上など、迅速かつ被災者の納得性を高めるための取組が常に求められております。
首都直下地震などの大規模災害が発生した際、住家被害認定調査を迅速に進めるために、都はどのような取組を行っているのか伺います。
○西山防災対策担当部長 膨大な住家被害認定の調査に当たりましては、知識、経験のある職員が限られておりますことから、都は、調査に携わる区市町村職員の知識、技術の習得に向けた実務研修を毎年実施してございます。
また、都は、証明書を交付するシステムを区市町村と共同で運営するとともに、AIが家屋の損傷程度を判定する業務支援ツールを開発し、住家被害認定調査の迅速化に取り組んでおります。
○菅原委員 業界団体からは、不動産鑑定士や住家被害認定士という専門人材の活用も可能性があるのではないかということも聞いております。こういった人材活用についても検討していく余地があると考えました。
例えば、全国から集まるこれらの専門家を区市町村が臨時職員として雇用するということもあり得るのではないかと思うんです。迅速かつ被災者の納得性を高めるため、様々な可能性を検討しながら取組を進めていただきたいと思います。
最後になります。ヘイトスピーチです。
表現の自由とヘイトスピーチの議論などもあり、大変難しい議論ではありますが、昨今のヘイトスピーチは、リアルな場ではなくて、オンラインの世界でも様々な事例が出てまいりました。
人権尊重条例の趣旨を踏まえて、ヘイトスピーチに対する具体的な施策展開が必要という意見もあり、例えば人権ネットワーク・東京などは、現在行っているヘイトスピーチと認めた表現活動の概要公表に、加害発言者の氏名も加えるべきという意見を表明しています。この件は、私もどちらがいいという判断ができるものではないですが、専門的な団体はそういうことも表明されている。時代の変遷の中で、さらなる検討を進めるべきと考えますが、都の見解を求めます。
○若林人権部長 人権尊重条例に規定する概要等の公表は、不当な差別的言動の実態を広く都民に伝え、いわゆるヘイトスピーチは許されない旨、啓発していくことを目的としております。
概要公表に当たっては、ヘイトスピーチを受けた相手の方々の人権に配慮しつつ、表現の自由を不当に侵害することのないよう、外部の専門家から成る審査会の意見を踏まえて慎重に検討し、表現の内容、日付、行われた区市町村名等を公表しております。
また、表現活動に関わる動画等がインターネット上に掲載された場合には、表現の内容の拡散を防止するための措置として、法務省東京法務局に削除要請を行っております。
引き続き、概要公表や削除要請を行うほか、啓発チラシの作成、配布や地下鉄駅等でのポスター展示、動画配信など、ヘイトスピーチの解消に取り組んでまいります。
○菅原委員 以上で終わります。ありがとうございます。
○古城委員 総務局の事務事業に関連いたしまして、複数のテーマにわたりまして質問させていただきます。
当初申し上げていた順番からちょっと変更させていただきたいので、この順番でということを初めに申し上げたいと思います。
行政書士制度、それから防災施策、障害者雇用、犯罪被害者等支援、東日本大震災の復興支援、とちょう保育園、そして最後に国境離島と、この順番で質問をさせていただきます。申告時間に限りがありますので、手短に質問に入らせていただきます。
まず初めに、行政書士制度についてであります。
先般、デジタルサービス局の事務事業質疑の際にも申し上げまして、また密接に関連するわけでありますけれども、二〇一九年六月の総務委員会におきまして、東京都行政書士会から提出されました行政書士制度への理解及び行政書士法の遵守徹底に関する請願を受けて、都の許認可窓口において、法の趣旨に鑑み、非行政書士行為への注意喚起を促すとともに、行政書士制度の一層の周知を行うことなど実効性のある取組をと、このように私は訴えさせていただいたところであります。
そして、この請願が採択をされまして、様々都において取組が進んでおるわけでありますけれども、まず、今日の質問の最初に、行政書士制度の意義について都の認識を確認するとともに、非行政書士行為への注意喚起を促す取組状況について、併せて説明を求めます。
○田中行政部長 行政書士制度は、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに、国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的としております。こうした行政書士が社会で果たしている役割について正しく理解されることは、大変重要であると認識しております。
各局に対しましては、行政書士または行政書士法人でない者が、官公署に提出する書類の作成を、他人の依頼を受け、報酬を得て、業として行う行為は、原則として行政書士法違反であることを周知しております。
窓口に来庁される方向けには、各局の許認可窓口等への掲示などによりまして、制度の周知を行うよう通知しております。
さらに、総務局の職員が、東京都行政書士会から特に要望の強かった窓口に毎年赴きまして、来庁される方が見やすい位置に掲示が継続されているかを確認しております。
○古城委員 請願の採択を契機に、総務局行政部が旗振り役となって、行政書士の皆様が社会で果たしている役割について正しく理解されるよう、関係局の窓口において掲示が進められているという点について、評価をさせていただきたいというふうに思います。
それから、この請願の審査に至るに当たりまして、私の地元新宿区内では、二〇一八年に東京都行政書士会新宿支部及び東京行政書士政治連盟新宿支部の皆様の要請行動を受けて、そして警視庁及び東京消防庁の深いご理解をいただいて、四つの警察署、そして三つの消防署、また加えまして新宿区保健所など、特に申請件数が多い官公署の窓口に、行政書士制度を周知するチラシの設置やポスターの掲出がなされ、場所によっては非行政書士行為への注意喚起のためのプレートが設置をされ、まさにこうした大きな動きの端緒となったというふうに、新宿区の行政書士の皆様の取組を、私自身、重要なものであるというふうに考えてございます。
そして、今ご答弁いただきましたように、東京都の窓口においても行政書士制度への理解や行政書士法の遵守について周知がなされているということでありますけれども、行政書士の皆様が社会で果たしている役割について正しく理解されるよう、庁内外へ制度の普及促進を図ることもまた重要であります。
そこで、都における行政書士制度への理解を促進するための取組について答弁を求めます。
○田中行政部長 都は、行政書士制度の適正かつ円滑な運営を図るため、東京都行政書士会との間で、制度の普及等に関する事項につきまして定期的に意見交換を行っております。
また、行政書士制度のさらなる普及を図り、行政手続の円滑な実施に寄与するため、毎年十月の行政書士制度広報月間に合わせまして、東京都行政書士会と共催で無料相談会を開催しているほか、区市町村に対しまして、行政書士法の適切な運用及び制度の普及につきまして、協力を依頼しております。
今後とも関係機関等と連携しながら、行政書士制度の周知にきめ細かく取り組んでまいります。
○古城委員 行政書士が果たす役割の理解が広がり、都民や都内事業者の方々が安心して行政手続に臨むことができ、そして、おのおのの権利利益が守られるために、東京都としての取組、これからも継続、徹底、強化していただきたいと、このように申し上げさせていただきます。
次に、防災施策について順次質問をいたします。
初めに、避難実施要領のパターン作成についてであります。
私は、二〇二二年十一月の総務委員会におきまして、武力攻撃等の有事の際に、都民の生命、身体、財産を守るためには、自然災害への対策とは異なる対処が必要であり、いずれの機関がどのようにして住民を守るかについて、事前の計画が重要であると、このようにお訴えをさせていただきました。
有事の際に迅速かつ的確に住民避難を実施するため、区市町村は、複数の避難実施要領のパターンをあらかじめ作成するよう努めることとされています。国民保護に関して、避難実施要領のパターンをあらかじめ作成していくことが重要であると考えますけれども、現在の作成状況について説明を求めます。
○永田国民保護担当部長 国の基本指針におきまして、区市町村は、複数の避難実施要領のパターンをあらかじめ作成しておくよう努めるものとされております。昨年度末現在で、都内区市町村六十二団体全てがパターンを作成済みであります。また、複数のパターンを作成している団体は、四十一団体であります。
○古城委員 二〇二二年の十一月時点で、都内自治体で一パターン以上作成済みの団体は三十五でありましたけれども、現在は全ての自治体、六十二団体で作成済みであるということとともに、複数の避難実施要領のパターンを作成済みの団体も四十一ということであります。着実に進展をしていると確認させていただきました。
特に近年は、ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮の度重なるミサイル発射など国際情勢が緊迫化する中、武力攻撃等の脅威から都民の生命、財産、そして身体を守っていくこの国民保護の取組は、一層重要性を増しているわけであります。
今、確認させていただいたように、作成済みの団体が増えているわけでありますけれども、この増えている要因について、特にこれまでの都の取組、この観点から説明を求めたいと思います。
○永田国民保護担当部長 都は、これまで国が策定した手引や事例集を各市町村に周知するとともに、進捗状況や課題を把握した上で個々の実情に応じた助言を行うなど、作成を支援してまいりました。
また、今年度から、希望する区市町村に対しまして、避難実施要領のパターン作成の知見を有する自治体職員等をアドバイザーとして委嘱、派遣する国の事業を活用しまして、パターンの複数化などを支援する取組を開始しました。こうした支援策の積極的な活用を促すことで、区市町村を後押ししてまいります。
○古城委員 ぜひとも、今四十一の団体が複数作成をしている避難要領のパターンでありますけれども、早期に六十二全ての都内の自治体が作成できるよう、一層の取組を強化していただきたいと申し上げます。
続きまして、東京防災のチャットボットの活用について質問させていただきたいと思います。
具体的には、AIチャットボットによる被災者支援についてであります。今年の予算特別委員会におきまして、都議会公明党として代表総括質疑で提案をさせていただいたところであります。
一月一日発災の能登半島地震におきましては、富山市に拠点を構えるIT企業が、被災者が困っていることを、AIチャットボットに質問しますと、約百ある、これは内閣府が被災者支援に関する各種制度の概要というものをウェブ上で公表しておりますけれども、この中から該当する支援を回答してくれるサービス、これを無償で公開をしておりました。
一方で、東京都におきましては、東京都防災ホームページ上で、「防サイくんに質問」というチャットボットで防災情報を入手することができるわけでありましたが、発災時の支援策は、防災ブックで確認しなければならず、チャットボットでは見つけにくいのが現状だと、この点を指摘させていただいたわけであります。
そこで、こうしたチャットボットを活用して、都として、大規模災害発生時に備えて、都民が手軽な方法で被災者支援に関する情報を手に入れるようにすべきだと、このように申し上げました。
これに対して、当時の総務局長から、防災ホームページに設けているチャットボットを活用した情報提供の在り方を検討すると、こういう答弁を得たところであります。そこで、その後の検討状況について説明を求めます。
○高田総合防災部長 都は、防災ホームページに設けているチャットボットにおきまして、災害への備えや発災直後に取るべき対応などを中心に、情報提供をしております。
本年度は、内容の充実を図るために過去の検索履歴を分析いたしまして、より多くの質問に回答できるように改善をいたしました。
さらに、被災された方の生活再建に役立つ情報の提供も重要でありますことから、被災者支援に必要な罹災証明書の取得手続や経済支援制度に関する情報なども案内できるようにいたしました。
今後も、利用者の目線に立ちまして、チャットボットのさらなる利便性の向上に努めてまいります。
○古城委員 ただいま総合防災部長から、既にチャットボットにおいて被災者支援の情報も確認できるようになっているとご答弁をいただきましたけれども、どうやら、つい先日こうなったようであります。
私もちょっと試しに、東京都防災ホームページを見て、防サイくんのチャットボット、入力をさせていただきましたが、罹災証明書と入力をすれば、それは罹災証明書についての取組がチャットボット上で表示をされるようになっておりますけれども、一方で被災者の方にとっては、罹災証明書という存在がまだ確認ができていない、認識をされていない、そういう状況におられる、発災直後の混乱の状況では、そういうこともあろうかと思います。
であるならば、例えば、家が壊れたであるとか自宅が壊れたであるとか、そうした一般的に認識をする、そういう被災の状況に合わせて、ぜひともこの防災チャットボットの運用改善を早期に図っていただきたい。特にAI技術なども活用して、先ほどご案内申し上げましたけれども、内閣府の支援策、これはPDFで六十ページぐらいあるんですね。これは国の取組ですけれども、それを先ほど申し上げたように、富山市の民間企業さんが、それでは見づらいので、AIチャットボットを活用して分かりやすくしたと、こういう視点でありますので、ぜひとも都民目線に立って、このチャットボットの運用改善、AIも活用して早期に実施をしていただきたいと、強く要望させていただきます。
続きまして、富士山噴火の際の降灰対策についてであります。
今年は、南海トラフの臨時情報が初めて発令をされたところでありますけれども、この南海トラフを震源とするマグニチュード八を超える巨大地震が、百年から百五十年間隔で繰り返し発生をしています。
今から遡ること約三百年前でありますけれども、宝永四年十月四日に発生をした宝永地震は、東海、東南海、南海の三地震がほぼ同時に連動し、マグニチュード八・六で最大級とされております。この宝永地震の四十九日後には、富士山が噴火をいたしました。宝永の大噴火と呼ばれるものであります。
この三百年という周期を考えますと、いざというときに備えていくという喫緊の課題というものは、いや増して重要性を増しているわけでありますが、もし富士山が噴火するとすれば、東京にも灰が降ってくることが予測をされております。
灰が降りますと、水が飲めない、下水が詰まる、電気がショートする、車がスタックするなど、様々大変厳しい都内の状況が想定、想像されるわけでもあります。
一方で、昨年度になりますけれども、総務委員会で、桜島がございます鹿児島市を私、総務委員会の一員として視察をさせていただきました。この鹿児島市の取組というのも非常に重要でありまして、参考になる、このように実感をして帰ってきたところであります。
東京都においては、本年七月に、東京都防災会議幹事会で地域防災計画火山編の修正の発議がなされましたけれども、現在の修正の検討状況について説明を求めます。
○田代防災計画担当部長 都は、本年七月の地域防災計画火山編の修正発議において、島しょ火山及び富士山噴火に備え、今後取り組むべき対策等の方針を示しました。
このうち富士山噴火については、国の降灰シミュレーションにおいて、都内の降灰が広域に及び、その総量も大量となることに加え、それに伴う交通網の混乱や停電、通信障害など、社会経済活動への影響が広範囲にわたり生ずることが想定されております。
そのため、地域防災計画火山編の素案の公表に向けて、降灰状況を関係機関と共有する仕組みや、都民に対する情報発信の内容と手段、道路除灰に必要な資機材を確保するための体制などについて、各局や関係機関と検討を進めております。
○古城委員 先ほど申し上げました視察をした鹿児島市におきましては、町内会を通じて、克灰袋ですね、黄色い袋でありますけれども、こうした袋を各家庭に配布をして、宅地内に堆積した灰を回収する仕組みを構築しております。そして収集された灰は、今申し上げた克灰袋に入れられまして、市内各地の宅地内降灰指定置場に集積をされ、最終的には土捨て場等で処分をされているということであります。この取組を東京都内で実施しようとしますと、非常に多くの論点が生じるのかなと、このように感じております。
そこで、富士山が噴火した場合に、宅地等に降った火山灰について、都における灰の処分を行う仕組みについて説明を求めます。
○田代防災計画担当部長 都は昨年十二月、国に先駆けて大規模噴火降灰対応指針を策定し、除灰から処分まで行う主体や、火山灰の収集から処分までのフローの方向性等を示し、地域防災計画火山編の素案の公表に向けた検討を進めております。
具体的な火山灰の取扱い区分や降灰除去、処分方法については、国が明確な指針を示していないため、早期に対応方針を示すよう要望しております。国の検討状況を踏まえながら、区市町村と連携し、宅地等からの除灰、収集作業方法の明確化や仮置場の確保等を進め、降灰への備えを検討してまいります。
○古城委員 もう一問、質問させていただきます。
降灰によりまして水質悪化がもたらされ、断水が発生したり、管路が閉塞して下水道が利用できなくなったり、都民の生活に甚大な支障が出るおそれもあります。
そこで、上下水道の降灰対策も重要と考えますが、都の取組について説明を求めます。
○田代防災計画担当部長 都が策定しました大規模噴火降灰対応指針では、降灰時にも上下水道施設の機能が維持できるよう、体制の整備や非常用発電機の確保などをあらかじめ行うこととしております。
また、発災時には、施設の点検、被害調査等を行うとともに、必要に応じて上水道の送水管ネットワークによる他浄水場からのバックアップや、下水道の管渠内に流入した降灰の除去等を行うこととしており、今後、各局や関係機関と検討を進め、地域防災計画に反映させてまいります。
○古城委員 降灰対策における上下水道の取組は、これまた非常に重要なことであるというふうに認識をしてございます。当然、生きるために必要な飲用水、飲み水、この確保にも影響がございますし、また、下水の管路内に灰が流入した場合においては、下水が排水できていかない、生活排水が噴き出してしまう。さらには、もし降雨、雨が降ることが重なった場合には、下水のマンホールのところによく落ち葉が詰まってしまって道路冠水がもたらされると、こういうような同様のことも想像されるわけであります。
ぜひともこの上下水道の対策についても、地域防災計画の改定の中でしっかりと反映をしていただきたい。実効性ある取組をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、避難所運営についてであります。
都議会公明党は、昨年二〇二三年の第一回定例会におきまして、避難所の管理運営に関わる事務事業について、当時、福祉保健局の少子社会対策部が所管をしているという現状を指摘いたしまして――佐藤局長もよくご認識でいらっしゃったと思いますけれども、総務局が防災分野全般にわたって調整機能を発揮することが重要である、このように訴えたところであります。
そして、区市町村の避難所運営支援に係る関係部局の役割について、必要な見直しを図ることを提案いたしました。
こうした私どもの訴えを受けまして、昨年七月、総務局総合防災部に避難所・物資担当部長と避難所運営担当課長が設置をされたところであります。こうした総務局と、当時、福祉保健局の役割を見直して一年がたっておりますけれども、避難所運営支援の取組について説明を求めます。
○後藤避難所・物資担当部長 令和五年七月に、平時の避難所運営支援に係る業務を当時の福祉保健局から移管し、総務局において総合調整を行うこととし、発災時には、都の災害対策本部との連携の下、組織改編をした福祉局等が要配慮者への対応を含む避難所運営支援に携わる仕組みといたしました。
この間、新たな仕組みの下、発災時を想定した図上訓練などを行うなど、災害対応の実効性の向上に努めてまいりました。また、現在、能登半島地震の発生なども踏まえ、災害対応の全体を統括する総務局において、避難所の新たな運営指針を年度内に取りまとめることとしてございます。
○古城委員 すみません、ちょっとここから駆け足で進んでまいります。
避難所運営体制の確保についてでありますけれども、災害発生時に速やかに避難所が開設され、適切に運営されるよう、都として区市町村を支援していくことが重要であると考えますけれども、都の対応について説明を求めます。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、区市町村向けに、避難所における衛生環境の維持の方法や配慮が必要な方への対応の方法など、安全・安心な避難所運営体制の在り方を指針として示し、区市町村の取組を支援しております。
また、区市町村の円滑な避難所運営を進めるため、指針において、他の自治体の避難所運営の取組の中から参考となる好事例を紹介しております。
○古城委員 続きまして、帰宅困難者対策について質問させていただきます。
発災後、救出救助活動や人命救助活動等が優先されるとする三日間程度、行き場のない帰宅困難者を受け入れるのが一時滞在施設の役割であり、いかに迅速に開設し、かつ円滑に運営していけるかどうかが重要となります。
特に、女性や高齢者、障害者なども多く受け入れることとなり、そのような配慮を必要とする方々への支援も重要であります。
そこで、一時滞在施設における女性や高齢者、障害者など、配慮を必要とされる方々への取組について説明を求めます。
○小平危機管理調整担当部長 都は、都立一時滞在施設の運営マニュアルにおきまして、女性や高齢者、障害者など要配慮者への対応を行う人材を配置することや、優先スペースの確保等の環境整備を定めておくことなどを示しており、女性や高齢者などの受入れを想定し、必要な数の生理用品や大人用紙おむつ、乳幼児用に液体ミルクなどの備蓄を行っております。
民間一時滞在施設につきましては、要配慮者への支援なども視野に入れた上で、同様の備蓄ができるよう、購入費用の六分の五を補助するとともに、運営マニュアルに準じた対応を行うよう、機会を捉え、経済団体などに働きかけております。
○古城委員 一時滞在施設で受け入れた帰宅困難者となられた方々が、そこで安心して過ごしていただくためには、家族の安否確認や情報収集ができる環境の確保も必要であります。
そこで、そうした環境の確保のための取組について説明を求めます。
○小平危機管理調整担当部長 都立一時滞在施設では、災害時に通常の電話よりつながりやすい特設公衆電話の配備に加え、インターネットやSNSに活用できるようWi-Fi環境を整備するとともに、スマートフォン等の充電のための蓄電池等も配備しております。
民間一時滞在施設に対しましては、備蓄品補助の対象として、帰宅困難者のスマートフォン等の充電のための発電機や蓄電池の購入費用の支援を行っております。
○古城委員 この都庁があります西新宿に所在をいたします工学院大学の村上正浩教授、建築学部のまちづくり学科の先生でいらっしゃいますけれども、非常に防災施策に造詣をお持ちでいらっしゃいまして、新宿区行政とも協力をして、先ほど質問させていただいた避難所運営、それから今質問いたしております一時滞在施設、こうした運営について、避難所運営キットであったり一時滞在施設のキット、こうしたものを開発されております。
先日も新宿区の総合防災訓練が行われまして、村上正浩教授を中心とする工学院大学の研究室の皆様がブースを出展していただいたところであります。その際には、避難所ではなく、一時滞在施設のキットについて詳細なご説明を、私もその場でご指導いただいてまいりました。
この一時滞在施設という場所につきましては、日常でありますと施設管理者がいますので、発災直後の開設ということにつきましては、避難所よりも優位性があると、こういう点もあろうかと考えております。
そして、今申し上げました一時滞在施設の開設キットでありますけれども、発災時に施設管理者がスムーズに開設するためのキットとなるわけでありまして、こうしたキットを活用した実践的な訓練も効果的であると考えております。
そこで、災害発生時に速やかに民間一時滞在施設が開設され、適切に運営されるための支援について説明を求めます。
○小平危機管理調整担当部長 都はこれまで、災害時に民間一時滞在施設が円滑に運営できるよう、都立一時滞在施設の運営マニュアルを公表するとともに、希望する施設には専門家を派遣し、開設準備や発災時の対応等のコンサルティングを行ってまいりました。
また、現在、大学研究者による事業提案を踏まえ、発災時から開設まで実施すべき事項を分かりやすく示した手順書の作成に取り組んでいるところでございます。完成した手順書と併せて、民間一時滞在施設の運営における好事例につきましても、防災ホームページや各地の駅前滞留者対策協議会などを通じて広く周知し、効果的な運営を後押ししてまいります。
○古城委員 ぜひとも一時滞在施設につきましては、都民、また来都者の皆様の安全・安心につなげていくべく、質、量の両面から取り組んでいくこと、これを要望させていただきます。
防災施策の最後に、危機管理副監についても質問いたします。
昨年の第二回定例会中の総務委員会でも質疑を行ったところでありますけれども、危機管理副監は、大規模災害などの際に危機管理監を補佐して本部運営の指揮に当たるほか、多摩や島しょ地域で局地的な災害が発生したときには、現地対策本部長として現地で指揮を執る、そうした重要な役割を担っております。
そういう意味から、私は、この危機管理副監の役割を鑑みますと、これが設置をされたのが二〇二二年の十二月でありますけれども、その後に行われました地域防災計画震災編や首都直下地震等対処要領、南海トラフ地震対策対処要領において、その役割、危機管理副監を明示していく、明確に位置づけるべきだと、このようにお訴えをさせていただいたところであります。
そこで、危機管理副監の役割を今後の地域防災計画全般や各対処要領に反映し、総合的な防災対策の取組に生かしていくべきと考えますが、見解を求めます。
○高田総合防災部長 お話しのとおり、都は、複合災害などへの備えとともに、多摩・島しょ部における発災時の現地対策本部の指揮など、局所的な災害への対応力を強化するため、危機管理監を補佐する危機管理副監を設置しております。
今年一月に発生した能登半島地震では、発災当初、石川県庁に赴き、現地の状況を把握するとともに、被災地のニーズを庁内で共有し、各局の横断的な取組につなげるため、支援調整組織の指揮を執る役割を担っております。
今後、地域防災計画などの修正に合わせまして、危機管理副監の役割を示してまいります。
○古城委員 次に、障害者雇用について質問させていただきます。
東京都における障害者雇用につきましては、先般、人事委員会事務局との事務事業質疑の際にも申し上げましたので、その前段の説明の部分については、今日は、時間の都合もありますので、省略をして進めさせていただきたいと思います。
まず、今年実施されております障害者採用選考の結果など、東京都における障害者雇用の取組状況について説明を求めます。
○金久保人事部長 都は、障害を有する職員が、障害特性や個性に応じて能力を有効に発揮できるよう、障害者活躍推進計画に基づき様々な取組を推進しております。
今月十二日に人事委員会が公表した今年度の障害者採用選考では、合格者は四十八名であり、その内訳は、精神障害者が二十七名、身体障害者が二十一名となっております。
平成二十九年度に、精神障害者、知的障害者に対象を拡大して以降の八年間では、精神障害者が二百二十九名、身体障害者が百十四名、知的障害者が一名合格しております。
また、障害者の雇用に当たっては、全職員を対象に、障害への理解を深める研修を実施するとともに、障害特性や配慮すべき事項をまとめた事例集を改訂し周知するなど、誰もが働きやすい職場環境の整備に努めております。
○古城委員 東京都における障害者雇用の取組が着実に進んでいるということを確認させていただきました。
その上で、総務局では、知的障害者の雇用促進を図るために、一般就労の場として、オフィスサポートセンターを運営しております。さらに、二〇二〇年度には、非常勤職員から常勤職員にステップアップすることがかなう制度を創設いたしまして、常勤職員の雇用も進んでおります。
そこで、オフィスサポートセンターにおける今年の採用選考の状況について説明を求めます。
○堀内労務担当部長 オフィスサポートセンターにおいては、平成三十年度から知的障害者を対象とした非常勤職員であるオフィスサポーターの採用を開始しており、現在十三名が勤務しております。
また、今年度実施した採用選考の結果、新たにオフィスサポーターとして三名を合格としたところでございます。
さらに、令和二年度に創設いたしました非常勤職員から常勤職員への登用を可能とする枠組みによりまして、現在十六名の職員がオフィスサポートセンターの常勤職員として勤務しており、今年度の採用選考を今後実施する予定でございます。
○古城委員 私は、オフィスサポートセンターが開設された直後から、また、現在は第二本庁舎の一階に新たな執務スペースが移転をして開設されておりますけれども、そちらにも幾度もお邪魔をして、お仕事されている様子、拝見をしているところであります。やはり常勤職員となられた方々が活躍をしているという姿が、オフィスサポーターとして働いておられる皆様にとって、その常勤職員を目指していく大きなモチベーションにもつながるだろうと、こういうことも感じておりますし、非常に重要な、知的障害者の方を積極的に雇用していく大事な取組であるというふうに認識をしてございます。
そこで、オフィスサポートセンターにおけます常勤職員が主に行う業務について説明を求めます。
○堀内労務担当部長 オフィスサポートセンターでは、専門的な知識、経験を有する障害者雇用支援員を配置し、データ入力や資料の電子化など、各種庶務業務や軽作業の一部を切り出すことにより、障害を有する職員の能力や適性に応じた職務の創出を行っております。
その中でも、常勤職員は、単純作業にとどまらず、特別支援学校からの実習生の受入れ対応や、インターネットを活用した資料作成、各局からの依頼に基づく成果物の検品など、事務等の補助の業務に従事してございます。
○古城委員 オフィスサポートセンターにおける常勤職員の方々は、より高度な業務に従事をしているということを確認させていただきました。ぜひとも一人でも多くの常勤職員の方が活躍できる職務の創出を、総務局人事部の皆様として、ぜひ都庁各局に広く訴えていっていただきたいと思います。
さて、オフィスサポートセンターは、今年で設立七年目を迎えておりまして、現在二十九名の職員が業務に従事しているということでありますけれども、長期的に運営していくことが私は重要であると考えますが、そうした視点から見ても、今後、職員数に見合った業務を確保していくことが重要であります。
そこで、オフィスサポートセンターにおける業務の取組実績や、さらなる業務確保に向けた取組について説明を求めます。
○堀内労務担当部長 オフィスサポートセンターでは、現在、都庁各局からの依頼に基づき業務を行っております。令和三年度は七百三十八件、令和四年度は千二百四十九件、令和五年度には千七百五十六件の業務を引き受けるなど、年々業務量は増えている状況であり、成果物の完成度について、多くの部署から好評をいただいております。
さらに、令和五年度からは、執務室内で行う業務に加え、オフィスサポートセンターの職員が各部署に出向き、出向いた先の職員の指示の下、事務等の補助業務を行う取組を試行的に人事部内で開始をしたところでございます。
今後、各部署の状況に合わせて職員を派遣する取組を都庁各局に拡大していくとともに、職員向けメールマガジン等を活用するなど各局への広報活動を強化し、より多くの業務を都庁各局から引き受けてまいります。
○古城委員 先日の人事委員会事務局の事務事業質疑におきまして、常勤職員へとステップアップした職員の給与水準を確認させていただきました。
職員の皆様が安心して働き続けていくためには、適切な処遇の確保も欠かせないと、このように考えております。また、会計年度任用職員であるオフィスサポーターについても同様であると、このように考えております。
今年の人事委員会勧告は引上げと聞いておりますけれども、オフィスサポートセンターにおける常勤職員の給与はどのように改定されているのか。また、会計年度任用職員であるオフィスサポーターの報酬はどのように改定されるのか、この点、併せてお尋ねいたします。
○堀内労務担当部長 本年の人事委員会勧告は、例月給、特別給ともに三年連続の引上げ改定となっております。オフィスサポートセンターにおける常勤職員の給与についても、人事委員会勧告を踏まえ、令和六年四月一日に遡及して改定していくこととしております。
また、オフィスサポーターを含む会計年度任用職員の報酬額については、常勤職員の給与改定を踏まえ改定を行うこととしており、その改定時期につきましては、常勤職員に準ずることとする見直しを行ったところでございまして、令和六年四月一日に遡及することとしてございます。
○古城委員 オフィスサポーターから常勤職員にステップアップした職員についても、他の職員と同様に給与を改定するということを確認させていただきました。今年も給与改定に関する条例が議決をされますと、ステップアップした職員の給与も、また、オフィスサポーターの報酬も引き上がるということで理解をさせていただきました。オフィスサポートセンターに勤務する職員の給与については、ぜひとも適切に今後も対応していただきたいと要望させていただきます。
ここまで、東京都における障害者雇用の取組状況について質問させていただきましたけれども、こうした取組は、二〇二〇年に作成をされました都庁における障害者活躍推進計画を基に推進をされてきております。障害者活躍推進計画の計画期間は五年でありまして、これを考えますと、今年度中に改定が必要となるところであります。
計画の改定に当たりましては、必要に応じて障害者団体等からも意見を聴取するなどして、障害を有する職員の皆様にとって働きやすい職場づくり、また、そこにチャレンジをしたい、挑戦をしたい、そういう多くの皆様の希望となるような職場づくりに引き続き努めていただきたい、このように要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
障害者雇用に関連しまして、政策連携団体における障害者雇用についても質問してまいります。
まず初めに、二〇二三年、令和五年における障害者雇用の法定雇用率達成状況、これは政策連携団体の達成状況について答弁を求めます。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 政策連携団体における雇用義務制度の適用対象となる団体数は、令和五年六月一日現在では二十五団体となっておりまして、法定雇用率を達成している団体数は二十四団体、未達成の団体は一団体となっております。
○古城委員 これまで私ども都議会公明党は、特に、都庁グループ全体として障害者雇用推進をしていくべきであると、そして都庁における障害者雇用の取組を政策連携団体にも大いに生かしていくべきであると、このように訴えてまいりました。
法定雇用率というのは、これは年々引き上がる、こういう状況でもありますので、特に政策連携団体においては、取組が非常に大変な部分もあろうかと推察をいたします。都庁グループとして、現業を担う、そうした団体もございますから、それぞれの団体の特徴、特徴を捉まえながら、この法定雇用率達成に向けた取組が一層重要になると、こういう認識をしてございます。
そこで、政策連携団体における法定雇用率達成に向けた取組について答弁を求めます。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 これまで都は、政策連携団体に対して、ハローワーク講師による講義、都庁におけるオフィスサポートセンターの運営手法の紹介などを行う研修会の映像を動画で配信し、障害者雇用の促進につなげてまいりました。
これに加え、昨年度からは研修会で特別支援学校のインターンシップの内容を紹介するとともに、今年度は、障害者の継続雇用や定着性の向上に向けた講義内容の充実、インターンシップから採用につながった好事例の紹介を検討しております。
今後も、団体に対する研修を充実するとともに、法定雇用率未達成の団体における雇用計画の進捗状況をきめ細かく確認するなど、対象となる全団体が法定雇用率を達成するよう、着実に取り組んでまいります。
○古城委員 次に、犯罪被害者等支援について質問いたします。
私は、これまで都議会公明党の一員といたしまして、犯罪被害者等支援条例を既に制定しておりました佐賀県、大分県、大分市、また三重県を訪問して現地調査をし、東京都の条例制定、また、現在の第四期東京都犯罪被害者等支援計画の策定に向けて、様々な提案をさせていただいたところであります。
その中の一つが被害者支援ノートであります。これは、大分県にお邪魔をした際に、支援ノート、絆というものを拝見してまいりまして、特に、二次被害を防いでいくという観点からも非常に重要だということで、これを持ち帰りまして、当時の東京都の人権部の担当課長さんにお渡しをして、ぜひともこれを東京都で実現をしてほしいと、こういうふうに繰り返し要望してきたところであります。
これを受けて、東京都においては被害者支援ノートが作成をされたわけでありますけれども、この実績について、まず説明を求めます。
○若林人権部長 Tokyo被害者支援ノートは、犯罪の被害に遭われた方やそのご家族が、行政をはじめとする関係機関の支援を受ける際、その都度、被害状況等の説明を繰り返すことによる心理的負担の軽減を図ること等を目的に作成したものであり、これまで被害者やそのご家族、区市町村犯罪被害者支援担当窓口、警視庁、弁護士会等、関係機関に配布し、活用を図ってまいりました。
実際に被害者支援ノートを活用した被害者等からは、相談の際は勇気が要るが、いい出しにくい内容もチェック式になっていてよかった、書き込みやすく、問題整理に役立った、ノートによって様々な支援や相談窓口があることを知ることができたなどの声が寄せられております。
○古城委員 先ほど被害者支援ノートについては、二次被害を防いでいくという大きな意義があるということも申し上げましたけれども、警察、また検察であったり、さらには都民センター、東京都の様々な窓口、さらにはご自身が住む区市町村、そうした住民相談の窓口、いろいろなところで同じことを繰り返し聞かれなくても済む、心理的な安定に向けて大きな意義があると、こういうことでこの被害者支援ノート、作成を求めてきたわけでありますけれども、やはり特に区市町村、まさに初期段階の支援の中核を担う区市町村において、この被害者支援ノートが活用されていくことが非常に重要であると考えております。
そこで、被害者支援ノートの区市町村での活用促進に向けた取組について説明を求めます。
○若林人権部長 都は、区市町村の窓口でも被害者等へ被害者支援ノートを直接交付できるよう、ノートの周知や配布を行っています。
区市町村の職員からは、被害者の困り事や刑事、民事手続の流れ、相談窓口や支援策の一覧があることで、被害者等からの相談対応をスムーズに行うことができたなどの声が寄せられております。
さらに、令和六年度から新たに区市町村向けに、ノートの活用マニュアル及び事例集を配布したほか、研修においてノートの活用方法を説明するなど、活用促進に取り組んでおります。
○古城委員 都議会公明党は、令和元年の第三回定例会代表質問におきまして、ただいまも申し上げましたが、初期段階の支援の中核を担う区市町村をしっかりと都として支援していくべきであると、このように訴えたところであります。
そこで、都としての区市町村への被害者等支援の取組への支援について説明を求めます。
○若林人権部長 都は、住民に最も身近な自治体である区市町村において犯罪被害者等への適切な支援ができるよう、人権部に配置した被害者等支援専門員による相談対応の支援のほか、人材育成など支援体制整備に向けたサポートに取り組んでいます。
令和五年度からは、区市町村職員を対象とした研修において、より多くの方に参加いただけるよう、研修のオンデマンド配信を開始するなど、支援の充実を図っております。
引き続き、都と区市町村のより緊密な連携協力体制の構築に努めてまいります。
○古城委員 先日、被害者支援都民センターが主催をし、東京都と警視庁が後援をいたします犯罪被害者支援キャンペーン二〇二四、毎年お邪魔をしておりますけれども、今年も二日間ともにお邪魔をしてまいりました。
そこで、特に初日の入り口では、東京都行政書士会の暴力団等排除対策委員会の皆様、私の地元の新宿支部でも支部の委員長をお務めになられる行政書士の皆様方が、啓発資料の配布を行っておられました。この行政書士の皆様方からは、各都内区市町村自治体における犯罪被害者等支援条例、これをぜひとも制定をしてほしい、こういう強い要望活動もいただいているところであります。
先ほど菅原委員からもお話がございましたけれども、都内自治体における被害者等支援条例の制定に向けた取組、いや増して重要になると考えてございます。
そこで、都の果たす役割について見解を求めます。
○若林人権部長 犯罪被害者等支援のための条例について、国は、域内において総合的かつ計画的な犯罪被害者等支援を推進する根拠となるほか、犯罪被害者等が利用できる支援制度、サービス等を住民に示すものとして、重要な意義を有しているとの考えを示しています。
都においても犯罪被害者等支援条例を制定し、犯罪被害者等支援を総合的かつ計画的に推進しております。
区市町村における条例の制定については、各自治体の判断によるものと考えていますが、都は、区市町村が総合的に支援を推進することができるよう、必要な情報の提供、助言等を実施しており、引き続き区市町村の取組を支援してまいります。
○古城委員 東京都行政書士会の皆様方からは、区市町村における犯罪被害者等支援条例の意義として、行政の窓口として専管部署が位置づけられるということ、さらには経済的支援の取組というのが区市町村においても行われることで、国、都、そして区市町村と重層的にそこが支えていくことができる、こういう意義があるというふうに話を伺っておるところであります。
そういう観点から、最後の質問として、経済的支援の拡充に向けた都としての取組でありますけれども、先般、第三回定例会の一般質問で知事からも、犯罪被害者等支援計画の改定に向けて答弁をいただいたところであります。この次期計画策定に向けた都の取組について答弁を求めます。
○若林人権部長 都は、被害者の生活再建の第一歩を後押しするため、見舞金の給付、転居費用の助成などの経済的支援を行ってまいりました。被害者への支援拡充として、令和六年十月から、性犯罪被害者については、被害場所にかかわらず転居費用助成の対象とするなど、被害者に寄り添った対応に取り組んでまいりました。
令和八年度からの次期計画の改定に向けて、現在、犯罪被害者等の実態や被害者支援に関わるニーズを把握するための調査を実施しております。この実態調査の結果や、今後の国、区市町村等の動向も踏まえ、より効果的な被害者等支援の在り方について整理してまいります。
○古城委員 次に、東日本大震災の復興支援について質問させていただきます。
二〇一一年三月十一日、東日本大震災の発災から十三年が経過をしております。都議会公明党は、発災直後から東北各県を幾度も訪問し、被災地と被災者の支援、都民を守る対策に全力で取り組み、今、風化と風評被害という二つの風と闘い続けております。
私も、二〇一八年六月に福島県を訪問した際に、福島県副知事から、震災後の都や都議会などの支援に対する謝意を伺い、中でも都からの派遣職員の活躍が復興の大きな力になっていると、こういうことを実感したところであります。この質問、一問だけさせていただきたいんですけれども、東京都の職員の皆様方が被災地に派遣をされた、そこでの経験を今後の都政にも生かしていくべきであると考えております。この点について、見解を求めます。
○八嶋復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都では、平成二十三年度から東京都支援活動報告書を毎年作成し、派遣職員の業務と経験の記録を行い、庁内や区市町村と共有をしております。
また、これまでの職員派遣で培った被災県との絆を生かし、昨年度は、都の技術職員を対象に、宮城県庁、福島県庁職員によるセミナーを都庁で実施いたしました。今年度は、都の技術職員が福島県内の復興状況を視察した上で、福島県庁職員等と質疑応答や意見交換を行うセミナーを実施いたしました。
こうした取組を通じ、都の災害対策等への活用はもとより、都政に携わる一人でも多くの職員が被災地派遣の経験に触れるよう努めてまいります。
○古城委員 ただいま質問させていただきました東日本大震災の被災地への職員派遣につきましては、派遣された職員の皆様の思いが込められました東京都支援活動報告書、これを私も毎年読ませていただいております。その皆様のお仕事ぶりに、満腔の敬意を表したいと思います。
ぜひとも、この培われた皆様のご経験というものを、当然、今後の都の防災施策、また復興施策、こうしたものにも生かしていくこととともに、よくいわれる言葉ではあるやもしれませんが、悠久の都政という観点から、五十年後もこの都政を担う、これから入ってくるであろう東京都の職員の皆様に対するそういう育成という観点からも、ぜひ今のこの報告書に込められた熱い思いというのをぜひ継続して、引き継いでいっていただきたいと、このことを要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
あと、残り二つのテーマでございまして、ここからもさらに駆け足でまいります。
とちょう保育園について質問いたします。
とちょう保育園は、この東京都議会議会棟の一階にございますけれども、民間事業者における地域に開かれた事業所内保育所の設置を促進し、待機児童解消を進めるためのシンボル的な事業として、二〇一六年、平成二十八年に開設をされました。開所から八年が経過しておりますけれども、現在のとちょう保育園の利用状況について説明を求めます。
○堀内労務担当部長 事業所内保育所であるとちょう保育園は、一般財団法人東京都人材支援事業団が設置しており、対象はゼロ歳児から二歳児まで、定員は四十八名で、そのうち区民が対象となる地域枠が二十四名となっております。
令和六年十一月時点の入所児童者数は三十二名であり、このうち、都庁職員や近隣企業の枠が十三名、地域枠が十九名となってございます。
○古城委員 都議会公明党は、親の就労の有無にかかわらず、希望すれば乳幼児が保育を受けることができる仕組みの構築を提案し、福祉局におきまして、昨年二〇二三年度から、多様な他者との関わりの機会の創出事業として取組が開始されております。多様な他者との関わりの中での様々な体験や経験を通じて、非認知能力の向上など子供の健やかな成長を図るという大変意義のある事業であると考えております。
この多様な他者との関わりの機会の創出事業につきまして、今後、とちょう保育園でも実施できる条件がそろいましたら導入していくべきと考えますが、見解を求めます。
○堀内労務担当部長 多様な他者との関わりの機会の創出事業は、区市町村が実施主体の事業でございまして、実施場所についても各区市町村において定めてございます。
とちょう保育園については、区が事業所内保育所を本事業の対象とした場合に、所定の手続を経た上で実施可能になるものと認識してございます。
今後も、区の動向を注視するとともに、東京都人材支援事業団及び運営委託事業者と連携を図り、とちょう保育園が様々な行政課題に対応できるよう適切に事業を進めてまいります。
○古城委員 新宿区における取組も、いや増して重要であるということを確認させていただきましたので、新宿区の皆様に対してもしっかりと提案をしていきたいというふうに考えてございます。
その上で、とちょう保育園が東京都内の事業所内保育所の見本となるよう、ぜひとも今申し上げた点も含めて、率先した取組を期待するところでございます。よろしくお願いいたします。
最後に、国境離島について質問をさせていただきます。
東京都内には、東京湾内、伊豆諸島、小笠原諸島に至るまで、約百七十万平方キロメートル、日本全体の約四割に当たる広大な排他的経済水域が存在をしております。日本の最南端である沖ノ鳥島、最東端である南鳥島は、それぞれが日本の国土全体の面積を上回る排他的経済水域を持つ極めて重要な島であります。豊かな海の恵みは、都民生活や東京の都市力の維持発展に欠かすことができません。
一方で、この沖ノ鳥島、南鳥島は、非常にアクセスが難しい国境離島でありまして、情報もなかなか得ることが難しい、知見を蓄積していくことが大変重要であると考えております。
そこで、二年前の総務委員会におきまして、沖ノ鳥島周辺海域における現地調査について、質問、確認をさせていただきました。非常に興味深い内容を伺ったわけでありますけれども、改めて、今度は令和五年度、昨年二〇二三年度に実施した沖ノ鳥島周辺海域における現地調査の内容や成果について、説明を求めます。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 令和五年度は、七月九日から二十一日までの行程で現地調査を実施いたしました。
音波による海底地形調査では、令和四年度の水深二千メートルから、水深三千二百メートルまで拡大し、沖ノ鳥島周辺の詳細な3Dの海底地形図を作成いたしました。
また、自律航行型水中ロボットによる海底観察では、令和四年度には観察されなかった海綿動物が確認されたほか、鉄マンガン酸化物に薄く覆われた黒色の石灰岩が点在していることも確認いたしました。
さらに、採水による環境DNA調査の成果としては、世界でも駿河湾など二地域のみでしか生息が確認されていなかったヨコヅナイワシのDNAを沖ノ鳥島周辺海域で初めて検出いたしました。
○古城委員 令和五年度、二〇二三年度の現地調査におきましては、ただいま様々、非常にこれもまた興味深い結果が確認をされているわけでありますけれども、このほかにも大学研究機関などと連携し、様々な観点で研究調査を継続して行っていると思いますけれども、今年度の研究調査の内容についてお尋ねいたします。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 今年度は、昨年度に引き続き実施している三つの研究テーマに加え、新たに一件のテーマを採択し、合計四件の研究調査を行っております。
昨年度から引き続く三テーマでは、先ほどの沖ノ鳥島周辺の海底地形等の調査のほか、コンピューターによる沖ノ鳥島及び南鳥島周辺の漁場シミュレーション、さらにはサンゴ等による島の形成メカニズムの把握を目標に、研究調査に取り組んでございます。
今年度新たに採択した研究テーマでは、沖ノ鳥島周辺の海底地形に関する最新のデータと、過去に様々な研究機関等の調査で得られた同地域のデータを比較分析することで、海底地形の形成過程や今後の変化を考察することなどを目指してございます。
○古城委員 最後の質問になります。
私は、この沖ノ鳥島、南鳥島のシンポジウムにも足を運びまして、大変興味深い研究成果、拝聴しているところでありますけれども、やはりこの国境離島というものに興味、関心を持っていただくということについては、多くの方々、また、ぜひとも子供たちにもこれを知ってもらいたいと思うわけであります。
沖ノ鳥島、南鳥島、この両島を維持するためにも、島への興味を多くの世代の方々に持っていただくことが重要であります。例えば、ファミリー層をターゲットとして普及啓発を図ることも重要であると考えますが、都の取組について説明を求めまして、質問を終わります。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 都は、令和四年度にウェブサイトにキッズページを開設し、両島を分かりやすく学べる漫画やアニメーションなど、コンテンツの充実を図ってまいりました。
令和五年度には、子供たちをはじめ幅広い層に関心を持っていただけるよう、葛西臨海水族園と連携し、プロジェクションマッピングを上映するイベントを開催いたしました。
さらに、本年十二月六日から八日の三日間で開催するイベントでは、楽しみながら知識を深めていただくため、子供にも人気のある著名人や海洋の専門家を交えたトークやクイズのほか、両島のジオラマを親子で作成するワークショップも開催いたします。
今後とも工夫を凝らしながら、両島に関する都民の関心を高めていくため、さらなる普及啓発に取り組んでまいります。
○渋谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時四分休憩
午後三時二十五分開議
○渋谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○米倉委員 日本共産党の米倉春奈です。
まず、都立大学の学費支援などについて伺います。
今年四月から、都立大学法人の学校に通う学部生と博士課程前期、つまり院生などについて、生計維持者が都民である場合、授業料を免除し、ゼロとしました。
私は、初当選以来十年間、日本の高過ぎる大学などの学費負担を下げ、無償化していくために、首都東京から都立大学の学費値下げを進めていくことを求めてきました。今年度から、都民に限定はされますが、授業料の大幅な負担軽減が進められてきたことは重要です。
この新しい制度、都内子育て世帯授業料支援制度、この制度で授業料が無料となった学生は何人となるのか、法人が持つ三つの学校それぞれについて示してください。
○天野都立大学調整担当部長 お尋ねの制度の適用者数は、九月末の時点において、東京都立大学では二千四百七十八人、東京都立産業技術大学院大学では四人、東京都立産業技術高等専門学校では六百三十五人となっております。
○米倉委員 とても多くの方が、この制度で授業料ゼロとなったということです。この都民の授業料をゼロ円としたことについて、学校や学校関係者からはどういう声が寄せられていますか。
○天野都立大学調整担当部長 東京都公立大学法人の事務局には、学生やその生計維持者などから、今般の無償化の取組を評価する声が寄せられていると聞いてございます。
○米倉委員 評価されているということです。
東京都は、国に高等教育の無償化、これは完全な無償化を求めています。今年度も重点要望しています。
この授業料がゼロになり、学生の生活がどのように変化しているのか把握をして、社会に共有する、このことは学費無償化の力となります。大学法人と連携して調査することを求めたいと思います。いかがですか。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学については、定期的に学生生活実態調査を行っております。
なお、今回導入した支援制度は、少子化対策の一環として、都内子育て世帯の教育費負担を軽減することを目的として実施したものでございます。
○米倉委員 定期的には詳しい学生生活調査やられているので、そこでかなり明らかになるとは思います。
ただ、この授業料を全額免除するということは、今お話ありましたように、都民の暮らしを支えるために、都として都税を使った取組として進められたわけですよね。大学とは、もちろん協力連携されていると思います。
こういう取組である以上、どういう効果をもたらしたかという把握は大切だと思うんですが、いかがですか。
○天野都立大学調整担当部長 繰り返しでございますけれども、都立大学については、定期的に学生生活実態調査を行ってございます。
なお、東京都公立大学法人につきましては、地方独立行政法人制度に基づきます評価委員会に定期的に業務の報告をすることとなってございます。
○米倉委員 この制度、とっても大事ですし、実際かなりの予算を用意して始めた事業なわけですよね。喜ばれているということもあります。ぜひこれ、取り組んでみてどういう変化が起きているのかということは、これは都として、大学の定期の調査だけでなくて、法人とも連携して実態把握していただきたいと思います。それは都庁全体の流れからしても、とても意味のあることだと思います。
この都民の授業料免除ですけれども、所得制限を設けずに免除するということが決まったのはスタートに近い時期でして、最終的に大学が公式発表したのは四月一日と聞いています。つまり、お知らせする時間は限られていたと。この中で、どう対象となる学生に周知をしてきたのか、今年度制度を知らずに授業料を振り込んだ学生はどのぐらいいらっしゃったのか、そういう学生にはどう対応してきたのか、併せて伺います。
○天野都立大学調整担当部長 学生への周知につきましては、申請案内をメールで複数回送付、新入生ガイダンスでのリーフレット配布、ホームルームでの通知など、それぞれの学校に適した方法で実施するとともに、都立大学では、新制度の導入初年であることから、複数回申請を受け付けました。
なお、前期授業料の納付後に減免が認められた学生約四百五十人については、授業料相当額を還付いたしました。
○米倉委員 それぞれの学校にフィットした形で申請されてきたということです。
すみません、もう一度伺いたいんですが、申請時期、複数回だったということで、前期に申込みができなかった都内出身の学生で、後期に申込みをして、前期分の授業料を返還したという学生の数、すみません、もう一度お願いします。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、新制度導入の初年度であることから、複数回申請を受け付けました。その関係上、前期授業料の納付後に減免が認められた学生約四百五十人につきましては、授業料相当額を還付いたしました。
○米倉委員 ありがとうございます。決まったのは直前だったということもあって、本来授業料が免除されるはずの学生が、そうなっていなかったという方が後で申請した場合に、その払った分、返還されたということはとても大事だと思います。
これ本当は既存の授業料減免制度も、こういうこと起こり得ると思っていて、そこも連動して対応を考えていただけるといいなというふうに思います。
次に、都立大学法人ではこれまでも授業料減免制度がありました。基準の所得に届かない世帯の学生については授業料をゼロにする、もしくは半額にするという対応です。
この制度は、以前は予算の範囲で対応していたために、年度によっては申請が殺到して、授業料がゼロになるはずの学生百人以上が半額は支払わなければならないという状況がありました。私や共産党都議団は、このことを繰り返し指摘してきまして、今では必要な予算を用意するというふうに、基準どおりに授業料が減免されるというふうになった、これは大切だと思っています。
これに関して、既存の授業料減免制度の利用者について、今年度の前期を含めた直近三年の実績を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都内子育て世帯授業料支援制度以外の授業料減免制度等の適用者数は、都立大学では、令和四年度は約一千人、令和五年度は約一千五十人、令和六年度前期は九月末時点で約一千四百人でございます。
同じく、産技大では、令和四年度は約十五人、令和五年度は約十五人、令和六年度前期は約十人。
産技高専では、令和四年度は約八百五十人、令和五年度は約八百五十人、令和六年度前期は約七百人でございます。
○米倉委員 ありがとうございます。学校によって変動はあるということなんですが、都立大学で見ますと、既存の減免制度の利用者も例年の一・四倍になっているということです。この都立大学で、利用者、申請者が増えた理由はどう考えていますか。
○天野都立大学調整担当部長 今年度、都内子育て世帯授業料支援制度導入に当たり、制度全般の周知を行うとともに、マイナンバーの活用など申請の利便性向上を図ってございます。
○米倉委員 やはりこの制度自体が知られたということは大きいのだなと思います。
この間、こうした学生への支援を充実してきたことは大事だと考えます。同時に、この学費問題というのは、これから学生になる人や、今、学生だと、もしくは保護者、最近だと祖父母の方たちまで孫の学費支援しなければならないという状況ですが、そこにとどまる問題ではないと思います。
既に卒業した方たちの中で、奨学金を返済されているという方、たくさんいらっしゃって、この総額は日本全体で十兆円にもなります。生活を圧迫し、日本経済にも影響を与え、また、結婚するのか、子供を持つのか持たないのかという人生選択にも影響を与えています。
都は、都内の中小企業の人材確保とこの返済支援として、奨学金返済支援を行っています。また、都内自治体でも独自の返済支援は行われています。
大学法人の職員への支援も大切だと考えます。都立大学法人の人材確保の取組として、またこれはもちろん返済支援になります。こういう立場で、法人に就職した職員の奨学金返済を支援することは大切だと思いますが、これ法人と相談をして返済支援を検討されてはどうかと考えますが、どうですか。
○天野都立大学調整担当部長 法人職員の人材確保や福利厚生などは、法人が自律的に実施すべきものと認識してございます。
○米倉委員 ぜひ都が法人と相談していただきたいということです。社会的な課題ですよね。これに各分野がどう向き合っていくかという問題だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと要望します。
最後に、大学などでの物価高騰の対応です。
総務局は、来年度予算の局要求として、都立大学の標準運営費交付金に、物価高騰、また人件費の増加分を見込んで、十五億円の増額要求されています。これは私たちも求めてきたことで、大事だと思います。
大学などの運営に物価高騰はどういう影響、状況となっているのか、光熱費、委託費の増額など状況を示してください。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学の主なキャンパスである南大沢、日野、荒川の三キャンパスにおける電気料金は、昨年度月平均で約四千二百万円、今年度十月までの月平均で約五千五百万円、ガス料金は、昨年度上半期の月平均で約七百二十万円、今年度上半期の月平均で約八百四十万円となっております。
委託料については、例えば南大沢キャンパスの建築設備管理の委託費は、昨年度五億一千万円、今年度の契約額は約五億三千万円となってございます。
○米倉委員 つまり、電気もガスも委託費も上がっているということです。こういう中で、その分を見込んだ交付金対応を検討されるというのはとても必要なことだと思います。
国は、こういう状況にまともに対応がされていないという状況です。そういう中で、今、国立大学、東京大学も話題ですけれども、学費値上げで対応しなくてはならないということが相次いでいます。大学の努力任せにせず、都として、物価高騰による必要経費をこの交付金で対応していくということは、教育や研究を守っていくために当然のことで、今は要求した段階ですけれども、来年度予算案に盛り込まれるように、この必要性を都庁の中でしっかり共有していただきたいと要望します。
次に、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターの取組の充実と、性暴力は長期にわたって心や体に影響を及ぼすことも多い犯罪、暴力です。過去の性暴力被害への支援についても伺います。この質問は、当事者の方たちも見られるものですので、そういうことを受け止めて答えをしていただきたいと思います。
まず、支援について伺います。
性暴力を受けたときに相談して支援を受けられるのは、主に性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター、そして犯罪被害者等のための東京都総合相談窓口の二つです。
まず、性犯罪・性暴力ワンストップ支援センターはどういうものなのか、どういう方にどういった支援をしているんでしょうか。
○若林人権部長 都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターを二十四時間三百六十五日体制で運営し、被害直後から相談対応、医療機関等への付添い、精神的ケアなどの支援を行っております。
また、令和五年十月から、同センター内に子供・保護者専用性被害相談ホットラインを開設いたしました。
○米倉委員 では、過去二年分と今年度の現時点までの相談などの実績、そしてLINE相談、子供相談も併せて示してください。被害の内容や相談者の年代など、傾向も伺います。
○若林人権部長 支援センターの相談等件数は、令和四年度は六千三百二十五件、令和五年度は一万七百八十八件、うち子供相談であるホットラインが二百九十七件、令和六年度は九月末現在で四千二百八十五件、うちホットラインが二百七十八件となっております。LINE相談の相談件数は、令和五年度は四十件、令和六年度は九月末現在で百九件となっております。
被害の内容は多岐にわたっており、一概には申し上げることはできませんが、不同意性交等に関する内容が多い傾向でございます。また、相談者の年代につきましては、若年層が比較的多いと、センターの支援員から聞いております。
○米倉委員 ワンストップ支援センターというものは被害直後から支援をするもので、警察に被害届をすぐに出すと判断をしていなくても、支援を受けられるところです。ご答弁を聞きましても、相談は基本的に増加傾向だということです。相談内容も不同意性交などが多いと、そういうことが多いということで、やはり深刻です。
次に、もう一つの相談窓口、犯罪被害者等のための東京都総合相談窓口です。性暴力被害について、どういう方が、またどういう支援を受けられるのか、お願いします。
○若林人権部長 都は、犯罪被害者等のための東京都総合相談窓口を設置し、被害届を提出した犯罪被害者やその家族に対し、電話、面接相談、警察、裁判所等への付添い支援のほか、精神的ケアを行っております。
○米倉委員 では、実績についても、過去二年分と今年度の現時点までを伺います。
○若林人権部長 総合相談窓口における性被害に関わる相談等件数は、令和四年度は三千二百三十七件、令和五年度は二千五百二十八件、令和六年度は九月末現在で千二百十四件となっております。
○米倉委員 つまり、犯罪被害者等のための総合相談窓口は、被害届を出した方向けの支援だということです。
驚きましたのは、都の資料を見ますと、最も多い相談が性被害になっています。それに続いて殺人、交通被害、暴行、傷害となっています。
このワンストップセンターと総合相談窓口、二つの窓口で、昨年度の一年間に性暴力の相談が延べで一万三千件を超えているということも分かりました。大変規模が大きい相談があるということです。
次に、性暴力被害者のワンストップ支援センターについて聞いていきます。
ワンストップ支援センターにおいて、被害を受けた直後の緊急対応が必要な急性期、そして過去の被害の相談の割合はどうなっていますか。
○若林人権部長 性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおいては、被害時期にかかわらず電話相談を受け付けております。被害時期については、明確でない場合や聞き取っていない等の事情があるため、詳細を秘匿されることがあることなどから、割合は把握しておりません。
○米倉委員 割合は把握はないということです。面接相談については分かると思うので、それはぜひ把握していただきたいと思います。
この性暴力というものは、被害を被害と認識することに時間がかかるといわれます。被害当事者の方たちでつくる団体Springの調査では、平均して七・四八年、被害を認識するのに時間がかかったということです。専門家は、支援につながることも数年から十年以上かかることも少なくないと指摘をしています。これは、ほかの犯罪にはない特徴だと思います。特に若い方などは、性暴力に遭ったと認識できるまでに、とりわけ時間がかかるといわれています。この問題についてどう認識していますか。
○若林人権部長 国の調査では、若者の性暴力被害者の中には、被害を被害として認識することの難しさや相談することの難しさから、早期に支援機関につながることなく、心身の不調等を抱えながら社会生活に適応することが困難となるなど、生きづらさを抱えたまま年を重ねる傾向があると指摘されております。
○米倉委員 今のは本当に重く受け止める必要がある内容だと思います。
私も直接話を聞きました。二〇一七年以来のMeToo運動で性暴力が語られるようになって、自分が受けたのは性暴力だったと気づいたと話してくださいました。被害から十年以上たっていたそうです。
被害を被害として認識していなければ、問題にならない、性暴力による心や体への影響がないということはありません。性暴力を受けたことで、精神への影響、それにより学業や仕事を続けられない、フルタイムで働けないなどの影響が出ることについて、都はどう認識していますか。
○若林人権部長 令和元年度に実施した犯罪被害者等の実態に関する調査において、性犯罪、性暴力被害によりPTSDを発症したと回答された方が約七七%、学校を辞めたと回答された方が約一四%、仕事を辞めたと回答された方が約五四%となっております。
○米倉委員 東京都自身の調査で、性暴力による影響がとても深刻で、多くの方に及んでいるということが明らかになったということです。PTSDやトラウマ、それによって以前と同じ生活が送れないということは、社会では全く十分には共有されていないことだと思います。
高校生のときに初めて被害に遭った方は、被害を被害だったと気づくのに時間がとてもかかった、体力がなさ過ぎる、緊張で体が痛くなったり理由の分からない具合の悪さも、これは自分の性質なんではないかと思ってきたと。けれども、実は被害の後からのものだったと。いきなり具合が悪くなるのも、今では、電車に男の人たちがたくさんいたからだったんだなどと原因が分かるようになった。性暴力被害によって、こうした体調が悪くなることがあるんだと、手の届きやすいところに情報があればよかったと話をされました。
性暴力によって心や体の調子が悪くなることがある、これは支援やケアを受けられることなんだと、支援が用意されているということが、必要な人に届く周知を都として位置づけていただきたいと思いますが、いかがですか。
○若林人権部長 都が行っている支援について、啓発していくことは重要だと考えております。
○米倉委員 すみません、ちょっと語尾が聞き取れなかったもので、もう一度お願いします。
○若林人権部長 東京都がそうした支援を行っていることを啓発していくことは重要だと考えております。
○米倉委員 支援があるということと、こういう体や心への影響があると。そういう方たちが、もしかしたら自分の過去の性暴力があるのかなというようなことを、これはぜひそういう必要な方に届くような周知の仕方というのを、これは東京都、実態、自分たちでつかんでいらっしゃるわけで、検討していただきたいと要望します。
直近のことではない過去の被害への支援には、これは課題があると思っています。過去の性被害の相談にはどう対応しているのか、具体的にできる支援はどういうものがありますか。
○若林人権部長 過去の被害の方についてでございますけれども、都につきましては、調査にご協力いただけている方を対象に、被害者等が被害後に置かれている状況等を把握するため、現在、犯罪被害者等の実態に関する調査を実施しております。
○米倉委員 調査をされているということは大事なんですけれども、今現在のことを伺いたいんですが、今、過去の性被害、数年以上前の性被害がある方が相談されてきた場合は、都はどういう対応をされているのか、具体的にできる支援というのはどういうものがありますか。
○若林人権部長 具体的にできる支援ということでございますが、都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおきまして、犯罪時期にかかわらず電話相談を受け付け、状況に応じて適切な支援につなげております。
○米倉委員 では、過去の被害を相談された場合でも、例えば医療や生活への支援、必要なところにつなぐという支援を求められていると思いますが、都はどう考えていますか。
○若林人権部長 先ほども答弁いたしましたように、被害時期にかかわらず電話相談を受け付け、状況に応じて適切な支援につなげております。
○米倉委員 過去の性被害の場合、ワンストップ支援センターで電話相談を受け付けていらっしゃると、適切な支援につなげていらっしゃるということがご答弁です。
しかし、実際にはそうならなかったという声も聞いています。具体的には、ここに電話した際に、ここは被害直後の対応をするところなのでというふうにいわれたということなんですね。こういう対応はやはり受け止めて、支援全体の問題として検討が要ることだと思います。
相談員の皆さんが本当に力を尽くしてくださっているということは、私もとってもそう思っています。だけれども、都内でたった一か所の相談センターで非常に多くの相談を対応されていて、しかも性暴力の場合は、急性期、被害直後の場合は、医療機関に急いでいかなければならないというような緊急対応もあるわけで、そういう中でこういうことが起きるんだと思っています。
恐らく、過去の被害によって困難がある方の支援というものは、どこが責任を持って受け止めていくかという整理が必要で、体制をつくっていくということが必要だと思います。そういう検討を都としてする必要があると思っています。
実は、これは都も認識されていることだと思います。都の犯罪被害者等支援施策検討委員会でも議論があります。都自身が、過去の事件の支援について、課題として認識しているというふうに答えていらっしゃいます。これぜひ今後検討していっていただきたいんですけれども、これ考えるときに、今ある支援の仕組みそのものが、過去の性被害への支援に使っていくことができると。力になるものは幾つもあるというふうに思っています。
例えば引っ越しのための費用支援、引っ越ししたらフラッシュバックが止まって驚きましたと、加害者に家を知られていたので引っ越せてよかったという声を聞いています。必要な方が使える制度に、これも直近の被害ではなく、使える制度にしていただきたいと思っています。
都は、この制度に関わっては、今年度、引っ越し費用支援、拡充しています。この拡充の内容、そして利用された件数を伺います。
○若林人権部長 都は令和六年十月から、性犯罪被害者については、被害場所にかかわらず転居費用助成の対象とすることといたしました。
転居費用助成の実績は、令和三年度は二十八件、令和四年度は三十三件、令和五年度は三十七件でございます。
○米倉委員 拡充されたということは大切です。
この支援制度は、新しい住まいへ荷物を移す費用に限定されています。実際には、敷金、礼金など初期費用が高額になります。被害がなければかからないもので、こういうことも含めた支援をぜひ行っていただきたいと要望しておきます。
性暴力の場合は、過去の被害もありますから、そういう方も対象となる仕組みにしていただきたいということも、改めて求めます。
都は、人権部の方に二〇二一年度から被害者等支援専門員、コーディネーターによる支援を始めています。被害者等支援専門員はどのような支援をしているのか、具体的に内容を示してください。
○若林人権部長 令和三年四月から人権部に配置している被害者等支援専門員は、被害者やそのご家族から生活再建における困り事の相談があった場合、直接その内容を聞き取り、区市町村等の関係機関と連携して被害者等の支援を行っております。
○米倉委員 生活支援を行うと、生活再建のためにということなんですけれども、これ実際、窓口となるのは区市町村だと思います。都の専門員が当事者の方のお話を伺って、支援に関わる機関と連携をすると、場合によっては支援窓口に付添いをすることもあるということで、求められている支援だと思います。
支援専門員は二人と聞いていますが、拡充が必要ですし、これも比較的直近の被害に支援が限定されます。これ、人権部の方の仕組みなので、被害届出された方ということも基本になります。
過去の被害で苦しい方というのは、心も体も負担があって大変なのに、自力で支援にたどり着かないと支援が受けられないという状況があります。どんな支援を受けられるか分からない。とにかくネットで一生懸命調べた。ワンストップ支援センターから具体的な支援につなげてもらえるということにもならなかった。どこの心療内科に行っていいか分からない。自立支援医療制度が使える。障害者手帳取れるんではないかなどを病院に行っても教えてもらえなかったと。自分で調べたり知り合いに教えてもらって知ることができたと。それぞれの窓口で今の状況を説明するために、性暴力被害のことを何度も話すことになって負担になったと聞いています。こういう声をどう受け止めますか。
過去の性暴力被害であっても、生活支援やメンタルへの支援、様々な支援が必要となる場合があります。そういう際に、どういう支援が受けられるのかを知ることができて、支援先につないでもらえるということは必要なことと考えますが、都はどう考えますか。
○若林人権部長 都は、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターにおきまして、被害時期にかかわらず電話相談を受け付け、状況に応じて適切な支援につなげております。
○米倉委員 今紹介した声というのは、現状の中で起きているわけですよね。こういう実態があるっていうことは、これは受け止めていただかないといけないことですし、支援があるんだということと具体的な支援をご本人に負担なく行っていくということを確保していく体制が必要だと思います。
過去の被害を被害だったと認識して相談に来られた方が、何に困っていて、どういう支援を求めているのかということそのものを、状況をつかむ必要があると思います。いかがですか。
○若林人権部長 先ほども答弁申し上げましたが、被害時期にかかわらず電話相談を受け付け、状況に応じて適切な支援につなげてまいります。
○米倉委員 それで、やっぱり実態を都としてつかむ必要があると思うんですね。こういう実態がある中で、過去の被害についても、何に困っていらっしゃって、どういう支援を求めているかということ、これは都がつかむ必要あると思いますが、いかがですか。
○若林人権部長 都は、調査にご協力いただけている方を対象に、被害者等が被害後に置かれている状況等を把握するため、現在、犯罪被害者等の実態に関する調査を実施しております。
○米倉委員 都は、調査を現在されているということです。この調査にご協力いただける方を対象にというのは、これは直近の被害だけではなくて、過去の被害も含めて実態調査されているということですよね。
○若林人権部長 そのとおりでございます。
○米倉委員 過去の被害も含めた調査となっているということは、これは大事なことです。
あわせて、これを一般的なつかみ方ということにはせず、これは今もう既に調査されているので、間に合わないとしたら、今後の調査として、数年たった後にもいろんな影響が、暮らしにも体にも心にもあるわけで、そういう段階の人がどういう支援を求めているか、何に困っているかということを把握していただきたいと要望します。
そして、東京の人口からしたら、ワンストップ支援センターが一か所しかないと、しかも二十三区だけですねというのは少な過ぎます。ワンストップセンターでは、緊急の医療支援、法律相談、継続的なカウンセリングを受けられる拠点であって、少なくとも多摩地域に急いでつくるべきだと思います。
さらに、ワンストップセンターが対応する性被害というのは、この時代の変化の中で非常に多岐にわたっています。不同意性交、痴漢、AV出演強要、そして急性期だけではなくて、過去の被害も相談が寄せられます。私は、センターの拠点を増やすことと併せて、それぞれの問題で専門性を持つ相談員の体制をつくっていくということも求めたいと思います。
次に、ワンストップ支援センターでの医療機関との連携の大切さについて聞いていきます。
性暴力被害を受けた方への支援において、医療的なケアの重要性、医療機関との連携の大切さをどう認識していますか。
○若林人権部長 性犯罪等被害者は、被害後精神的ダメージを受けるだけでなく、望まない妊娠などのリスクを負うため、犯罪直後から、早期回復に向け医療機関との連携などによる支援は重要でございます。
○米倉委員 ご答弁のとおり、医療機関との支援というのは不可欠です。望まない妊娠だとかそういうことだけでなくて、性暴力被害と併せて、けがだとか暴力被害に遭っていることもありますし、証拠の採取をするかどうかということもあります。ですから、医療的ケアというのは密接です。
では、東京都のワンストップ支援センターは医療機関とどのように連携していますか。
○若林人権部長 性犯罪等被害者が緊急避妊等の産婦人科診療を受けられるよう、都は百三十三の協力医療機関と連携し、ワンストップ支援センターの職員が被害者に付き添うなどの対応しております。
○米倉委員 以前は、ワンストップ支援センターに、特に拠点的に関わる提携病院というものが一か所ありました。夜間や深夜も医療対応されていたと聞きます。
今のご答弁では、協力医療機関の話しかありませんでした。現在は、提携病院はないということですか。
○若林人権部長 都は、ワンストップ支援センターを設立時は、提携病院の敷地内に設置する相談センター拠点型として運用していましたが、被害者の利便性の向上のために支援センターを移転いたしました。
都内全域にわたる百三十三の協力医療機関との連携による相談センターを中心とした連携型に移行しており、状況に応じて夜間対応するなど、現在も適切に支援を行っております。
○米倉委員 性暴力被害への支援は、医療支援は不可欠で、だからこそ、そこにさえ行けば必要なケア、また法的支援などを一か所で受けられると。そうした相談窓口が最も、相談する人には負担がないといわれます。
それで、例えば日弁連は、最低一か所は各県に病院拠点型、つまり病院の中にワンストップ支援センターが必要だと提起をしてきました。ヒューマンライツ・ナウは、最低一か所、各県に病院拠点型のセンターが必要だということにとどまらず、さらに人口の多い県は、これに即して設置すべきだと勧告をしています。
相談センターの外に協力している病院を多く持つと、百三十三か所とご答弁ありましたが、これは大切なことなんです。だけれども、それで十分とはならないと思います。今後、病院の中にワンストップ支援センターを設置することや、拠点的に支援に関わる提携病院ですね。以前は一か所はありました、少なくとも。こういう病院をつくっていくことは必要と考えますが、都は、こうした医療支援を強化するための検討をされているんでしょうか。
○若林人権部長 都は、被害者がより身近な地域で支援を受けられるよう、相談センターを中心とした連携型によりワンストップ支援センターを運営し、様々な被害状況に対応するため、都内全域にわたる百三十三の協力医療機関と連携し、適切に支援を行っております。
○米倉委員 適切に支援されているということなんですが、協力病院しかないということは、いつでも受け止められる場所はないっていうことなんですね。
私、以前に、愛知県の病院拠点型のワンストップ支援センターに伺いましたが、病院の中に基本的にワンストップセンターを設ける場合は、中核的な総合病院に設けることが多いですが、そういうふうになると、ここにワンストップセンターありますよということをお知らせすることもできて、県民との関係でも、何かあればあそこに駆け込んだらいい、あそこに電話したらいいんだっていうふうにやっぱりなっていらっしゃるということです。
ですから、本当にそういう、ここに相談したらいいと。一括で協力医療機関ですと、まずはワンストップの窓口の方と相談をして、じゃああしたの朝、病院が開くときに、あそこの病院に一緒に行きましょうとかというふうにやっぱりなりますよね。その後の法的な支援どうするかとか、カウンセリング必要だってなったら、多摩の方だったら二十三区まで通わないといけないっていうふうになってきますよね。ですから、こういう全ての支援を一括で受けられるという拠点を、東京都がないというのはこれは本当に深刻な問題で、これは考えていく必要あると思います。
今の協力医療機関を持っているという状況で、どういうことには対応できていて、何が課題になっているかっていうことも、これは都の責任でつかんでいただきたいと要望します。
これは追加で伺いたいんですけれども、その拠点となる医療機関などとの連携を進めるということは、これは各団体が求めているだけではなくて、国の方針でもあります。二〇二一年に出された性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針でも、女性活躍・男女共同参画の重点方針二〇二四でも、こういうことがいわれています。
性犯罪・性暴力被害者に対する医療的支援の更なる充実のため、各地域において、病院へのワンストップ支援センターの設置、中核的医療機関等との提携等の推進を図る。特に、中長期的な関係の構築を見据えて、公立病院や公的病院へのワンストップ支援センター設置や提携を含め、関係強化を図るというふうに書いています。位置づけていますけれども、都は、こういうことを知っていますか。
○若林人権部長 国の内容については存じております。
相談件数の多さに鑑みますと、特定の病院と提携するよりも、都内全域にわたる協力機関と連携する方が適切ではないかと、そのように考えています。
さらに、都は都内全域にわたる協力医療機関と連携することで、被害者が身近な地域で支援を受けられるように取り組んでおります。
○米倉委員 ご存じだということです。
今、私、読み上げた内容を聞いていらっしゃったのかなと思うんですが、国の方針というのは、一般的な協力医療機関を増やしましょうではなくて、協力の先のレベルの提携する病院を増やしていくということなんですよね。
さらに、病院にワンストップ支援センターを設置するということも、充実のために各地域で必要だということをこの方針ではいっているわけで、ここの点、どう受け止めますか。
○若林人権部長 都内全域にわたる百三十三の協力医療機関との連携による相談センターを中心とした連携型に移行しており、状況に応じて夜間対応するなど、現在も適切に支援を行っております。
○米倉委員 協力する医療機関が増えるというのはそれはいいことなんですが、それは何というか、性暴力というのはいつでも起きるわけで、特に夜間なんか多いですよね。そういうときに、なかなか対応しづらい時間帯の被害にも、必要なタイミングでケアできるのかと。やっぱりそういうことを考えると、一般的に診療時間が何時から何時で、この期間だったら受け止められますよということには、やっぱりとどまらない協力が必要ですよね。そういう拠点的な医療機関をどうつくっていくのか。
東京の人口からしてっておっしゃいましたけど、そうなんですよ。東京の人口からして、拠点的な提携病院を、一からゼロになったというのは本当に重大で、五か所、十か所と、本当は都が責任持って働きかけて増やしていくということが必要なわけですよね。国は、そういうことをこの方針で求めているわけです。
提携にとどまらず、病院の中にワンストップつくっていくということも呼びかけられていて、本当にここをどう受け止めるのかなと思います。医療的な支援が大事だという認識、示されたわけで、そこをどう保障していくのかということを、これは重く受け止めて考えていただきたいと思います。
改めて、この国の方針を受け止めた都としての医療支援の充実と、相談者にとって負担の少ない支援センターをどう増やしていくかということは、これは検討すべきだと思うんですが、いかがですか。
○若林人権部長 繰り返しにはなりますが、都内全域における百三十三の協力医療機関との連携による相談センターを中心とした連携型に移行しており、状況に応じて夜間対応するなど、現在も適切に支援を行っております。
○米倉委員 本当にまずいと思います。
実は国は、今まではここまで踏み込んだ、医療機関との提携だとか病院拠点型のセンターが必要だということは、いってきませんでした。それはなぜかというと、まずは各県に一か所はセンターが必要だということで号令かけてきたわけです。センターが各県に確保されて、中身をよりよくしていくというときに、医療の拠点が必要だということで、新たにこういう方針出しているわけですね。
今のお答えは、全くそうした全国の努力に反するものだと思います。これ、検討を今後していただきたいと要望します。
部長もおっしゃられたとおり、東京は人口が多いんです。国連は、女性の二十万人に一か所のレイプクライシスセンター、いわゆるワンストップ支援センターを設置すべきだといっています。東京だと女性が約七百二十万人いますから、三十六か所、本当はワンストップセンターが必要なんですね。今、一か所です。
こういう三十六か所ぐらいの規模感で必要なケアが身近に受けられると。病院拠点型や拠点的な医療機関が身近なところにあって、医療も法的な対応も警察対応もメンタルケアもできるということを、こういうことを受け止めていただいて、今後の対応を考えていただきたいと要望して、質問を終わります。
○斉藤委員 先日、デジタルサービス局の質疑でもお話ししましたが、都議会立憲民主党は小笠原村を視察しました。私も初めて小笠原村を訪れ、島の様々な課題について、村長、村役場、村議会、都の支庁、村の皆様から丁寧なご説明、様々なご意見を伺ってまいりました。
本日は、その中から総務局に係る事柄、また、小笠原諸島の振興の総合調整に係る事柄についてお伺いします。
また、視察に先立って、総務局の小笠原担当の方より、小笠原村の課題や都の取組についてヒアリングを行い、視察に生かすことができたことを改めて感謝申し上げます。
小笠原村で多く伺った話題の一つは住宅問題でした。小笠原の有人島はその多くの部分が自然保護地域です。自然保護地域における自然環境の保全、植生回復等の取組の一方で、限られた活用可能な土地は、有人国境離島地域でもある小笠原の振興を図る観点から、地域の実情に応じた土地の有効活用、住宅確保に向けた取組が必要であると考えますが、見解を伺います。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原においては、自然環境との調和や防災上の観点も取り入れて農業用地や住宅用地等を確保することが必要であり、全体的な土地利用計画として、集落地域、農業地域、自然保護地域及びその他の地域の四つの区分を定めております。
今年度策定した小笠原諸島振興開発計画では、村の住宅用地確保の意向を踏まえ、土地利用計画を見直しました。
具体的には、父島において、集落地域に隣接した、実態として農地活用されていない一部の農業地域を集落地域に変更いたしました。
○斉藤委員 土地利用計画の見直しに取り組みをいただいているとのことです。
お話のとおり、貴重な自然環境や景観との調和を図りながらも、限られた活用可能な土地は住宅確保等に生かしていく必要があります。
第二次世界大戦、米国統治からの日本復帰より長い年月を経て権利が細分化するなどし、不在地主や所有者不明土地となっている未利用地、管理不全の土地もあり、住宅をつくるにはたくさんのハードルがあります。ご自身で現在の所有者を探し当て、村とも協力して譲り受けた方のお話も伺いましたが、個人でできる方は限られると思います。
さらに、歴史的な経緯から、特別賃借権制度など課題がふくそうしているとのことですので、都として、各局が連携して村の住宅確保の取組を積極的に後押しするようお願いいたします。
小笠原住宅を視察し、ご説明を伺いましたが、老朽化が著しいため、改築を進めているとのことです。
一方、小笠原住宅以外の住宅事情はというと、戸建ての購入、建設はもとより、賃貸住宅も大変不足しており、特にファミリー向けの住まいがなく、若年層は大変困っておられました。たまたま私が宿泊した施設のお隣で、東京都住宅供給公社の住宅新築工事が行われていましたが、四世帯の建物とのことでした。
小笠原の住宅難は深刻で、人手不足への対応として本土から従業員を雇い入れようにも、住まいの確保が一筋縄ではないとのことです。住宅不足は、各種産業の発展の制約になっているともいえると思います。都の小笠原諸島振興開発計画では、将来的な人口を三千人と想定し、増加させるとされております。
離島ゆえの課題や困難性もあると思いますが、住宅不足に対し、小笠原諸島振興開発計画を踏まえ、住宅整備をどのように進めていくお考えか、お伺いします。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 都は、今年度策定した小笠原諸島振興開発計画に基づき、住宅整備に向けた取組を進めていくこととしております。
具体的には、都営の父島清瀬アパートの三十戸を対象に建て替えを進め、四十四戸としてまいります。併せて、都、村及び東京都住宅供給公社が協定に基づき、父島において移住、定住の促進を図るため、先導的事業としてファミリー向け賃貸住宅を建設しており、令和七年三月の入居開始を予定してございます。
○斉藤委員 小笠原の住宅不足には、数の不足と質の不足、二つの側面があるようです。単身で移住する方も、家族ができれば、子供の数や成長に見合った住居が必要になりますので、一つ一つの課題について、各局と連携した推進をお願いいたします。
次に、情報通信について伺います。
先日、衛星インターネット通信を活用した「おがさわら丸」船内など離島航路まで含めた通信困難区域の解消に向けた取組をデジタルサービス局への質疑で求めました。
本土から千キロメートルの小笠原では、東京都が二〇一一年に海底光ケーブルを敷設したものを民間事業者が保守管理していますが、私たちが視察した老人ホームと合築の診療所では、都立広尾病院と直結した画像伝送が可能となるなど、情報通信技術の活用が飛躍的に進んだとのことです。千キロメートルの離島であり、定期航路が六日に一便、到着に丸一日かかる「おがさわら丸」に限られるため、小笠原における通信確保の重要性はまた格別です。
さきの定例会では、能登半島地震を受けた通信インフラの強化、迅速な復旧について確認させていただきました。こうしたことから、小笠原村では平常時に安定した通信サービスを提供し続けることに加え、万一、災害等が発生した場合への備えも重要です。平常時、災害時を問わず、通信を確保していく取組が必要と考えますが、見解を伺います。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 都は、小笠原における情報通信基盤を維持するため、今年度策定した小笠原諸島振興開発計画においても、適切な運用保守や計画的な機器更新等を行い、引き続き安定した通信サービスの提供を継続していくこととしております。
また、災害時の対応として、東京都防災行政無線網や衛星携帯電話等の代替通信手段により、村との重層的な連絡体制を確保しており、今年度からはモバイル衛星通信機器も配備しております。
○斉藤委員 デジタルサービス局にも申し上げましたが、今回の小笠原視察では、Wi-Fiやモバイル通信ができない場所もあったのですが、オフラインで使用できる音声認識アプリを使って視察はできました。
とはいえ、電波がなく、道迷いやそのほかの緊急事態に連絡手段がないことは、聞こえない人だけでなく、聞こえる人や外国人にも不安なことだと思います。デジタルサービス局も、衛星インターネット通信などで環境の整備を進めていくとのことですが、小笠原などの離島や奥多摩地域などの山間地、離島航路の船内などでの通信環境整備は、災害時の通信途絶防止対策を含め、ユニバーサルサービス、観光振興など、総合的な見地から進めていただきたいと思います。
小笠原に関する質問の最後に、製氷海岸について申し上げます。
製氷海岸は、まち中から近く、夕焼けもきれいに見え、安全に利用できる海岸として、憩いの場になっています。珍しいサンゴや熱帯魚、時にはウミガメも見られるシュノーケリングスポットでもあるそうですが、休憩場所やトイレなどの附帯施設がありません。
そのため、製氷海岸に面した未利用国有地での都立公園整備の要望が出ています。町村会、町村議長会からの要望にもありますとおり、総務局には、課題解決に向け関係各局との総合調整をしていただけるよう、お願いしておきます。
○田の上委員 ミライ会議の田の上です。よろしくお願いいたします。
人事委員会勧告等について、まず伺います。
令和六年人事委員会勧告では、公民較差解消により、例月給、特別給ともに三年連続引上げ改定、三十二年ぶりに引上げ額が一万円を超えました。こうした引上げは、非正規職員である会計年度任用職員の報酬にも反映し、改定をするべきと考えますが、見解を伺います。
○堀内労務担当部長 会計年度任用職員の報酬額につきましては、常勤職員の給与改定を踏まえ改定を行うこととしており、その改定時期についても常勤職員に準じることとしてございます。
○田の上委員 常勤職員の給与改定を踏まえ、すなわち公民較差二・五九%解消を基準とし、会計年度任用職員の報酬も改定するということかと思います。また、常勤職員と同じく、本年四月に遡及して改定するというふうに理解をいたします。
東京都におきましては、会計年度職員が多く、常勤の職員と同じような仕事をし、都政を支えています。しかしながら、その処遇は大きく異なります。夜間残業をしたとしても、正規職員は超過勤務手当がつきますが、会計年度任用職員は手当ではありません。今後も、報酬水準の見直しを含めた非正規職員の処遇改善に取り組んでいただきたいと要望いたします。
今回の勧告で給与が増額されたのは、正規職員の初任層が中心となり、職務の級の職責差を一層給与へ反映させる観点から、各級においてめり張りをつけた改定であるとされています。
しかしながら、扶養手当において、子に係る手当は一万三千円に引上げをされるものの、配偶者に係る手当は二年で廃止されることから、特に中高年層の職員からは、給料表の引上げによる増額分より減額分が多くなるのではないかと懸念している声が聞こえてきます。初任層以外の中高年層職員のモチベーションを上げる必要があると考えますが、総務局ではどのように考えているのか、見解を伺います。
○堀内労務担当部長 人事委員会勧告は最大限尊重すべきものと認識をしておりまして、本年の勧告は、給料表について全級全号給を引き上げ、特別給についても年間支給月数を〇・二〇月分引き上げることとしています。
給料表の引上げに当たりましては、中高年齢層職員も含め、一般職、監督職及び管理職それぞれの職責差を給与へ一層反映させる観点から勧告されたものと認識してございます。
また、扶養手当については、民間及び公務において、配偶者に対し手当を支給している割合が減少していることや、少子化対策が喫緊の課題であることなどを踏まえた見直しが勧告されております。
○田の上委員 人事委員会勧告の内容とその背景についてお答えをいただきました。全級全号給を引き上げているということや、いろいろ手当についても見直しが勧告をされているということでお答えをいただきました。
手当の改定につきましては、子供が中心となり、控除についても議論になっており、国でも決定していることではありますが、配偶者が働ける環境ではない場合というのもありますので、全体を見ていく必要があるというふうに考えております。
また、若い職員が将来の希望を失わず、働き続けたいと思う環境をつくっていかなくてはなりません。
都職員においては、採用試験の申込者数が減っており、Ⅰ類Bでは、十年前九千七百二十人に対し、昨年度四千四十七人、Ⅰ類Aは、十年前三千七百四十四人に対し、昨年度八百十五人というふうに聞いております。今後の有意な人材確保のためにどのように工夫をしていくのか伺います。
○金久保人事部長 都では、多くの志ある人材から就職先として選ばれるよう、都の職場の魅力を伝えるため、ホームページや広報冊子等の広報ツールを充実させ、イベントや説明会を開催するなど、積極的なPRを行っております。
また、今年度より、民間企業併願者の方々などが受験しやすい適性検査を一部の試験において導入するなど、受験しやすい採用選考を実施しております。
今後も引き続き、多くの方に都を就職先として希望してもらえるよう努めてまいります。
○田の上委員 ぜひ、都の職場の魅力発信や受験しやすい採用選考などについてご答弁をいただきましたが、都の職場そのものが魅力的でなくてはなりませんので、各局にも働きかけをして、働きやすい環境づくりをしていただきたいと思っておりますので、併せて要望をいたします。
次に、副知事の任期について伺います。
資料をいただきまして、ありがとうございます。
十年間なので、ほとんどの方が小池都知事が誕生してからの就任でありますが、前田副知事までの三名が、舛添知事以前からの副知事でした。安藤副知事、秋山副知事については、石原都知事の時代から副知事に就任しています。その二人は、在任期間が四年を超えています。以降は、宮坂副知事が五年を超えているだけで、ほとんどが三年未満となっています。
まず、副知事の任期を四年に設定した考え方を伺います。
○金久保人事部長 地方自治法におきまして、副知事の任期は四年とすることとされております。
○田の上委員 地方自治法で決められたもので、都庁としての考えではないということかと思います。
いただきました資料では、過去十年間で在任の副知事が十七名いますが、六十五歳以下で退職した副知事は何人いるのか伺います。
○金久保人事部長 平成二十七年四月一日以降に退職した副知事のうち、六十五歳以下であった者は十三名となっております。
○田の上委員 十三名ということでした。つまり、現職の副知事以外は、全員六十五歳以下で退職をされているということですね。
二〇二五年四月からは、六十五歳定年が義務化されるものと認識をしています。五十代で退職された副知事もいらっしゃり、一般的に考えても早い退職というふうになります。
議会では、任期四年を前提として議決をしたはずなんですが、任期途中で退職するのは、自己都合以外に何かあるのか伺います。
○金久保人事部長 本人の申出によるほか、地方自治法におきまして、住民による解職の請求が行われ、議会の同意があったときは、その職を失うと規定されております。
また、普通地方公共団体の長は、任期中においても副知事を解職することができると規定されております。
さらに、副知事が欠格条項に該当するに至ったときは、その職を失うと規定されております。
○田の上委員 るるご答弁いただきましたが、こちらの資料にある現職以外の副知事の退職に当たっては、今おっしゃった解職等ではなくて、ご自身が退職を希望したということでよろしいでしょうか。確認させていただきます。
○金久保人事部長 本人の申出によるものでございます。
○田の上委員 地方公共団体の長による任期中の解職等ではないということでありました。
平成六年の入都から、都の職員につきましては、採用が減らされたものと認識をしています。就職氷河期世代の採用試験がここ数年は行われていますが、Ⅰ類BとⅢ類に限られており、採用予定数も各十名となっています。就職氷河期世代の職員数が少ないと考えますが、理事をはじめ幹部人事に今後影響がないのか伺います。
○金久保人事部長 都における行政系職員の職層構成でございますけれども、管理職が約二千九百人、課長代理などの監督職が約九千六百人、一般職が約二万三千人となっておりまして、ピラミッド型の職層構成となっております。
そうした中で、学歴や年功、性別にとらわれず、能力や業績に基づく、公平で平等な選考によりまして、誰でもチャレンジ可能な実力本位の任用管理を実施しております。そうしたことで影響がないものと認識しております。
○田の上委員 ご答弁をいただきました。特に今後の理事級幹部人事に影響はないということであります。
しかしながら、副知事の代わるサイクルが非常に早い。副知事で任期満了まで在任している方があまりにも少ないです。私たち議員は、副知事の退職については同意をしておらず、四年間の任期をもって就任することにのみ同意をして議決をしているわけであります。都知事が代わったときに、副知事が交代することも政治的には理解できます。自己都合での退職だとおっしゃるなら仕方ないのかもしれません。
しかし、短い期間で退職される方ばかりというこの現状については、懸念をいたすものであります。やはり議決の重みというものも鑑み、四年間の任期を全うすることが基本ではないでしょうか。意見として申し上げます。
次に、政策連携団体等退職管理条例について伺います。
資料を準備していただきましたが、この資料は常勤役職員のみ、また研修派遣は含まないとのことです。残念ですが、これでは全体像が見えません。資料データとして検討できる数字になりません。
都の職員派遣につきましては、これまでにもミライ会議で何度か質問をしてきましたが、管理職につきましては、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律に基づいており、一方で一般職については、企業等派遣研修実施要綱に基づく派遣であったと認識をしております。根拠法令が異なるけれども、同じ都からの派遣であり、研修派遣の人数を把握、管理し、公開をするべきではないでしょうか。
また、この資料では非常勤職員も含まれていません。他の委員からの資料要求で、非常勤職員の数も提示していただきましたが、今後は、非常勤職員、研修派遣職員の数も含めて、どれくらいの都職員等が政策連携団体に勤務をしているのか、示していただきたいと思います。
政策においては、エビデンスベースに基づく検討をしていくべきであります。曖昧なデータでは客観的な判断ができませんので、ぜひ今後よろしくお願いいたします。
改めて、都退職者のうち常勤役職員は、令和六年で見ると合計五百九十三名となっています。政策連携団体では、例外はあれども、主に都の退職者がトップになる以上、固有職員の昇進に限界がありますが、どのような見解なのか伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 政策連携団体の人事制度につきましては、各団体がその役割、事業内容及び事業規模等を踏まえ、適切に運用されていると認識しております。
○田の上委員 政策連携団体の人事制度は、各団体によるものというご答弁ですね。後で都からの適材推薦団体については触れさせていただきますが、政策連携団体では、この推薦制度により、都からの推薦をされた再就職者が経営トップとして就任している例が多いことは事実であります。
政策連携団体の中には株式会社もありますが、独自で採用された職員も、将来の希望を持って昇進できるようにしていかなくては、モチベーションが高まりません。今後は、固有職員を育成し、適材をマネジメント職に配置するような風土をつくるべきではないかと申し上げます。要望いたします。
次に、東京都職員の退職管理に関する条例では、第二条、第三条、第四条、第五条で、離職後二年間、利害関係にあった企業等に対し就職等の規制がかかっています。都の退職者で、政策連携団体を経て民間企業に就職する方はどれぐらいいるのでしょうか、伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 政策連携団体に就職した都の退職者が、その後、民間企業へ就職した実績は把握しておりません。
なお、退職管理条例におきまして、管理職及び勤続二十年以上等の一般職員につきましては、退職後二年間、再就職情報の届出を義務づけております。
○田の上委員 都では、退職管理条例により、退職後二年間の再就職情報の届出を義務付けされている、そういった形で管理をしていて、政策連携団体に再就職したところまでは把握しているんでしょうけれども、その後のことは分からないということかと思います。
政策連携団体とは何なのかということが問題だと考えます。東京都の退職管理制度では、退職管理条例の第二条で、再就職した元職員は、職員に対して、職務上の行為をする(しない)ように要求または依頼することが禁止されており、退職前五年間の職務に関する働きかけの規制期間は、退職後二年間となっています。
仮に、この二年間を、退職前五年間の職務の関連の政策連携団体に再就職し、その後、民間企業に再就職した場合、最新の行政情報を持ったまま、民間企業に行くということになりますが、都の政策連携団体は、都の職場とは異なる民間団体としての扱いなのか伺います。
○金久保人事部長 政策連携団体は、都と協働して事業を執行するなど、特に都政との関連性が高い団体です。と同時に、都とは別の法人格を有している団体でもあります。
○田の上委員 都とは事業を協働したり、都政と関連性が高いが、都とは別の法人格を有している団体というご答弁でありました。
例えば条例の第四条では、任命権者は、職員であった者に対し、離職後二年間、利害関係にあった企業等に対し、当該利害関係にあった企業等もしくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、もしくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、または当該地位に就くことを要求し、もしくは約束しないよう求めることができるとされていますが、都の政策連携団体は、こういった条文に見られる利害関係にあった企業等に当たるのかどうか確認をいたします。
○金久保人事部長 先ほど申しましたように、都の政策連携団体は東京都と密接に連携して事業を行う団体でございますので、利害関係企業とかそういうことではございません。
○田の上委員 別の法人格であって、利害関係にあった企業等には当たらないということであります。
民間でもない、公でもない、都と密接な関係にあり、一緒に都の事業を遂行していて、多くの都職員が派遣され、元職員が再就職しているのが、この政策連携団体です。
例えば水道局ですが、東京水道株式会社にどんどん業務移転が進んでおります。東京水道グループと称し、一体的に人材育成などを行っています。もはや都から独立しているようには見えません。
また、デジタルサービス局のGovTech東京に関しては、現職の副知事が理事長を務めていて、企画と実働部隊に分かれているだけで、なぜ都から独立して設立する必要があるのかよく分かりません。
こうした政策連携団体が、利害関係にあった企業等に当たらないのは不思議であります。政策連携団体には都からの補助金が入り、指定管理者として都の施設を管理していたりするわけですから、都を離職後二年間の規制のある利害関係のあった企業として規制をするのか、もしくは政策連携団体を都と同列に位置づけ、退職前五年間の職務に関する規制の職務に含めて、政策連携団体離職後二年間の規制にするべきではないでしょうか。意見として申し上げます。
ミライ会議では、これまでにも何度も、退職管理条例第六条は削除するべきであると主張してきました。東京都職員の退職管理に関する条例は、適切な人材として、職員または職員であった者を推薦することが必要と認められる団体、適材推薦団体を選定し、推薦することができると規定していますが、これは他の地方自治体の退職管理条例にはない、東京都独自の規定だと認識をしています。
都は、退職管理条例に基づき、外部有識者で構成する退職管理委員会への諮問を経た上で、適材推薦団体への職員の推薦や営利企業等からの求人の申込みに対する人材情報の提供を行っているので、適正であるという答弁を何度かしているかと思います。
退職した職員の方々が利害関係のない企業等に再就職する自由は、もちろん確保するべきだと思います。都からの推薦はなくとも、優秀な職員、または元職員が求職して、民間企業等に再就職をすることは可能だと考えます。適材推薦団体、当時監理団体と呼んでいましたが、過去には、業務の円滑な遂行を図る観点から、自らの経営判断により、都職員の活用を含め適切な人材の確保を図っているものという答弁がありました。つまりは、団体から都に推薦依頼があって、都から職員を推薦しているのかと思いますが、適材推薦団体が広く求人募集をすればよいと考えますが、あえてこの条項を設けた理由を伺います。
○金久保人事部長 都を退職した職員がこれまで培ってきた知識、経験、能力を社会に還元することは有意義でございます。こうしたことから都の事務事業と密接に関連を有する適材推薦団体に都職員が再就職することは、都政の効率的、効果的な運営を図るという観点から、有意義であると認識しておりまして、必要に応じて適切な人材を推薦することとしております。
なお、各団体の人事におきましては、団体自らの経営判断によりまして決定されているものでございます。各団体では業務の円滑な遂行を図る観点から、都の職員の活用だけではなく、様々な採用手法で適切な人材の確保を図っているものと認識しております。
○田の上委員 ご答弁いただきました。都の事務事業と関連を有する適材推薦団体に職員が再就職をすることは、都政の効率的、効果的な運営を図る観点から有益であるということでした。正直、理解できません。
団体の多くは、政策連携団体であったり、先ほども申し上げましたが、指定管理者など都事業の委託を受けている企業、団体であるわけです。まさに利害関係のある団体ではないのでしょうか。各団体の人事は、都職員の活用だけでなく、様々な採用手法で適切な人材の確保を図っているものと認識しているというご答弁もありましたが、そうであればこの推薦の仕組みは要らないのではないでしょうか。
適材推薦団体は年々増えています。私が間違えていなければ、今百二十八団体あるのかと思います。退職管理条例第六条は削除するべきだと考えますが、改めて見解を伺います。
○金久保人事部長 先ほども申しましたとおり、政策連携団体というのは都と協働して事業を執行するなど、特に都政への関連性が強い団体でございます。そういうことでございまして、現在の退職管理条例に基づきまして適材推薦団体を認定して、そこに有用な都の人材を推薦するということは、非常に有意義なものであるというふうに考えてございます。
○田の上委員 見解が違うんですけれども、これまでこの退職管理条例も改正をしてきて、改革もしてきたところもあると思います。退職管理委員会を外部有識者で構成してつくったということも一つであると思いますが、結局は、都が推薦し再就職するという結論は変わらないわけであります。
たとえ求職において制限がされていましても、都が推薦して再就職するということは、都民から見れば天下りそのものであります。この仕組みを変えて、初心に戻り、本当の東京大改革につなげるよう要望をさせていただきます。
以上で終わります。
○滝田委員 新時代の八王子、滝田やすひこです。お願いいたします。
私からは、防災対策と、先ほどもテーマにありましたけれども政策連携団体の話、そして都立大学について取り上げていきたいと思っています。
時間が限られます。ちょっと重複する部分もありますので、防災対策については少し足早に行きたいというふうに思いますが、まず、都では、能登半島地震等での課題を踏まえて、災害時避難所の環境向上に向けまして、新たな運営指針を今年度内に策定するというふうにしております。
さきの定例会では、雑魚寝の解消や温かい食事提供、衛生的なトイレ環境、ペット同行避難などを盛り込むということの方針が示されました。
こうした新たな取組方針については、国がまとめた能登半島地震の自主点検レポートであったり、あるいはスフィア基準等に基づいて取り組んでいくのか。例えばスフィア基準では、一人当たりの居住スペースは、最低三・五平方メートル確保することというふうにされておりますが、雑魚寝の解消に向けては、こうしたものも踏まえて取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、先般、能登半島地震の教訓を取りまとめたところでございます。
避難所で被災者がより安心して避難生活を送れるよう、避難所での生活環境の向上に向けた取組を進め、雑魚寝の解消を盛り込んだ避難所の新たな運営指針を年度内に取りまとめることで、区市町村と連携し、避難所の改革を推進してまいります。
○滝田委員 なかなか、何平方メートルつくっていくというようなことを答えるのは難しいかなというふうに思うんですけれども、雑魚寝の解消というふうにいったときには、大きく三つ観点があるかなというふうに思いまして、一つは、先ほどの空間的な、スペース的な話で、一人当たりどれぐらいの面積が必要かとか、あるいは仕切りやテントなどの形でパーソナルスペースどうやって確保するのかという観点。
あとは、床に直接ではなくてベッドで寝られるのかどうかといったような観点に整理されていくのかというふうに思うんですけれども、やはりどういう避難所の環境を整えていくべきなのかということについて、東京都としての基準のような、目指すべき考え方というのが必要なのかなというふうに思っておりまして、今後、具体的に整備の方向性というのを整理していくんだと思いますけれども、単に数字ということだけではなくて、こういう環境をつくっていかなきゃいけないんだという考え方をぜひ示していただきたいということを要望いたします。
床に雑魚寝をしますと、床から舞うほこりの影響であったりとか、あるいは身動き取れないということであったり、あるいは冬であれば冷気が下から来るということもありますので、健康を害する環境ともなり得ます。
そうした環境も踏まえまして、これまでも段ボールベッドの配備であったりとか、仕切りの配備などを進めていくという方針がありましたけれども、現状の配備状況を伺うとともに、今後の取組を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 現在、都においては、都内発災時の初動対応に備え、広域的見地から区市町村を支援するため、段ボールベッド等の簡易ベッドと屋内テントをそれぞれ約二千五百個備蓄してございます。
また、区市町村防災事業の現況調査によりますと、区市町村においては、令和五年四月一日時点で、段ボールベッド等の簡易ベッドを約二万五千個、屋内テント等を約四万八千個備蓄しております。今後、区市町村と連携し、避難所改革の中で検討を進めてまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。発災直後から、高齢の方であったりとか介護が必要な方、障害のある方、あるいは乳幼児を育てている方など、必要性の高い方についてはカバーできるようにしていただきたいというふうに思いますし、それ以外の方々についても、避難所生活が長期化してしまうというような場合には必要性がありますので、ぜひ被害想定等を踏まえながら、どういった個数をどこに配備すればいいのかということについて、しっかりと検討、計画、そして実際の配備をお願いしたいと思います。
先ほど、区市町村の配備状況を答弁されましたけれども、全体としては相当な数あるものの、区市町村で現在の状況というのはまちまちであるというふうに理解しています。
例えば、区市町村現況調査の中では、私の地元の八王子市では、簡易ベッドを四百個準備しているということではあるんですが、この四百個が何を意味するのかということが整理必要だというふうに思うんですけれども、ちょっと十分ではないんじゃないかなというふうにも思いますし、取組が進んでいるところ、あるいは逆に遅れているところ等々ばらつきがありますから、しっかりと東京都の役割を果たしていくということと、避難所の設置運営については、八王子市などの区市町村の役割でもありますので、こうした環境向上を東京都がしっかり後押しできるように、区市町村の支援についても、今後十分な予算措置を求めたいというふうに思います。
温かい食事の提供については、キッチン機能の早期の設営というものが必要になるかと思います。避難所に調理できる環境がない場所であったりとか、あるいはライフラインが何かしら機能しなくなってしまった場合にも対応していく必要があるかと思います。
早期設営に向けた仮設のキッチンとして、あるいはキッチンカーとかコンテナハウスやトレーラーハウスなどを活用できるようにすることや、地域とボランティアで調理できる人員体制など、国内外の様々な事例を基にして、被災後早期に温かい食事を提供できるように備えるべきと考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 首都直下地震では、約二百万人が避難所に避難すると想定されており、避難者の生命を維持する視点から、発災後三日分の食料を都と区市町村で備蓄してございます。四日から一週間目までは、国のプッシュ型支援において食料等を供給することとなってございます。今後、温かい食事の提供につきましては、新たな避難所運営指針に盛り込んでまいることとなります。
また、先ほど答弁をさせていただいた区市町村の備蓄する屋内テント数を四万八千個と申し上げましたが、正確には八万四千個の誤りでございました。
○滝田委員 ありがとうございます。テントの数の修正もありましたけれども、温かい食事の提供ということに関しましては、発災直後の提供に必要な物品みたいなものであるとか、あるいはその後の、発災直後以降の提供体制というものは、それぞれ課題が違うものというふうにも思いますので、その点については両方、両建てで、それぞれ温かい食事提供というのを災害後の段階に応じて提供できるような取組というものを進めていただきたいなというふうに思います。
東日本大震災であったり、あるいは熊本地震などでも、コンテナハウスであったりとかトレーラーハウスなどを利用した事例というものがあります。建設の工期が要らない仮設住宅というだけではなくて、福祉避難所であったり医療機能であったり、あるいは集会所やボランティアの受付所などの機能にも活用されてきたというふうに聞いております。こうした温かい食事の提供に対しても有用ではないかというふうに思いますので、既存事例なども踏まえまして活用の検討を求めておきます。
能登半島地震等でも、トイレの問題というのが大きな課題でありました。災害避難所のトイレ環境の改善については、避難所生活におけるQOLの大きな向上につながります。生活の質ということの向上につながりますので、過去の災害からも、水、食料の備えということはもちろん大事ではありますが、被災後により早く、本当に切実に必要になるものが、実はトイレだということを認識する必要があります。
発災直後には、携帯トイレ、簡易トイレ、そしてマンホールトイレ、その後、仮設や移動トイレの設置といった段階に応じたトイレの確保が必要となります。また、高齢者や障害のある方にも利用できるトイレ環境の確保ということも必要です。特に、発災直後に必要となる携帯トイレ、簡易トイレが不足しないように相当数用意することが肝要ですが、どのような考えで衛生的なトイレの環境確保に取り組むのか、見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 都は、現在、災害用トイレの確保の主体である区市町村が適切な取組につなげられるよう、発災直後、復旧期、それぞれの段階や地域の実情等に応じて必要となるトイレの量や種類などを検討しており、年度内に災害時のトイレ環境の向上に向けた計画を取りまとめる予定であります。
今後、この計画を踏まえ、区市町村と連携して被災者が衛生的なトイレを安心して利用できるよう、環境の確保に取り組んでまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。今まさに取り組んでいるところだと思いますけれども、区市町村への支援も、こちらも必要となりますので、しっかりと応援していただけるようにお願いをいたします。
また、ペット同行避難ですけれども、対応が十分に想定されている避難所というところとか、あるいは地域特有のはいまだに限定的であるというふうに思います。ただ一方で、認識は広がってきておりまして、私の地元の八王子市でも、防災訓練のときに町会の方から、今度はペット同行避難の訓練を地域でやれないかということで、何かサポートがあればお願いしますということの声もいただきました。
ペット同行の避難については、避難所の状況に合わせてどのような対応ができるのかということを検討する必要もありますし、地域の理解も必要でありますので、実地での経験というものが不可欠であるというふうに考えます。
区市町村や町会等の地域において、例年、避難所の開設訓練であったり防災訓練が実施されている中で、ペット同行避難についても訓練が行われるように、区市町村や地域、町会等を支援すべきであるというふうに考えますが、見解を伺います。
○後藤避難所・物資担当部長 都は、避難所でのペット同行避難への対応等を盛り込んだマニュアルを作成するほか、専門家の招聘や避難所で必要となるペット用ケージ等の備蓄に要する経費を支援してまいりました。
今後は、ペット同行避難の重要性や避難所のペット受入れに係る具体的な手法などを区市町村に示し、ペット同行避難の訓練を支援してまいります。
○滝田委員 ありがとうございます。ぜひ区市町村並びに地域や町会を巻き込んで取り組んでいただくように、推進策をお願いしたいというふうに思います。
また、能登半島地震では、通信環境の確保という観点で、米国の宇宙企業スペースX社の衛星通信サービス、スターリンクが大きな役割を果たしたというふうにいわれています。同社と国内の通信会社との連携によりまして、発災後一週間後には、数百台規模でのスターリンクが避難所に提供されたというふうに聞いております。
東京都では、既に昨年度からスターリンクを試験導入しまして、本年度、本格導入へと至っていると理解していますが、行政の災害拠点での利用や島しょ等での利用というものを進めていくとともに、被災地の通信環境の確保という取組を進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 都は、能登半島地震での広域的な通信障害を踏まえ、発災時の都と区市町村との通信手段としてモバイル衛星通信機器七十七台を確保し、今年八月より島しょ部を含む全区市町村に設置し、運用を開始しております。
被災者の通信環境の確保に向けては、避難所において家族の安否確認や災害情報の収集などを行えるよう、区市町村に対し、令和五年度からWi-Fi購入や設置工事に要する経費を補助しております。
○滝田委員 今、東京都としては、七十七台保有をして全区市町村にもそのうちの一部を配備しているということでありました。一台当たり百数十台使えるというようなことも聞いておりまして、そういう意味では、被災者が使うものというよりは、行政側でしっかり拠点として通信ができるようにしていくという観点で使われていくという形だと理解をしました。
また一方で、区市町村へのWi-Fi設置支援という形で、被災された方々への通信網の確保、あるいは通信網に対する負担の軽減という観点では、そちらを進めているというふうに理解をいたしました。
スターリンクを整備していく上での費用面での課題ということもありますけれども、能登半島では、数百台規模で避難所に通信会社が持ち込んだということもありましたので、通信会社とも連携しながら災害時に提供してもらえないかという協定であったりとか、あるいは国でもそれなりの数を確保してもらうということも必要になるかと思いますので、それは東京都だけということではなくて、しっかり対応できるようにお願いをいたします。
また、能登半島地震では復旧が遅れた理由の一つとして、重機の不足が挙げられています。東京の場合には、膨大な災害瓦礫、災害廃棄物が発生するということが予想されますが、こうした重機の不足ということの対処は、非常に重要な課題であると考えています。
そうした中で、できるだけ早期の撤去や運搬を実現していくために、必要な重機の確保であったり、あるいは重機ボランティアの積極的な活用等によって、重機を扱える人材の確保ということについても再度検証して備えておくべきと考えますが、大規模災害時の重機の確保について見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 都は、地域防災計画に基づき、大規模災害時において災害廃棄物や道路上の障害物の除去などの応急復旧対応を迅速に行うために、各種団体等と協力協定を締結し、平常時から情報交換や訓練を行っております。
○滝田委員 今、各種団体等との協定であったり、あるいは平時からの訓練ということをやっているということでありました。これは非常に重要なんですけれども、各区市町村でもそういった団体等々、取り組んでいるという理解です。
一方で、災害の後に、特に復興期ですけれども、全国から多数のボランティアの方々、特に人数だけではなくて様々な技能を持った方々というのもいらっしゃるのかなというふうに思います。重機の取扱いができる方であったりとか、あるいは先ほどの温かい食事の提供という観点で、衛生的にしっかり対応できる方であったりとか、こうした技能を持ったボランティアの方、あるいは専門性のあるボランティアの方々が十分に機能を発揮していただける体制をつくっていくということも重要だというふうに思います。
せっかく来てくれたのに普通のボランティア活動だけで終わってしまうというのでは、非常にもったいないとも思いますので、こうした技能を持っている方々をどうやっていくのかということについては、改めて検討を求めておきます。
防災について、まだ続きますけれども、昨年二月、初めてのCity-Tech.Tokyoが開催されました。今はSusHi Tech Tokyoだと思うんですけれども、私も視察をさせていただきまして、様々なスタートアップの皆様と意見交換をさせていただきました。
そうしたスタートアップの中には、防災の取組を提案している企業というのも多数おりまして、例えば小規模水循環システムの企業というところでは、生活排水をその場で衛生処理して循環利用できるようにするということで、水道と接続しなくても生活用水を供給し続けることができるといったような提案をしている会社もありました。
こうした会社の提案であれば、つまり災害時にインフラが寸断されていても利用ができるということになります。また、実際に能登半島地震では、こうした技術が活用されたというふうにも聞いております。
一方で、仮設住宅として3Dプリンター住宅というのも能登半島地震では初めて提供されたというふうに聞いておりまして、プレハブの仮設住宅よりも安価で、かつ短い工期で建築することができるということであります。
こうした事例でありますけれども、水循環システムであったり、あるいは3Dプリンター住宅などの防災スタートアップの製品やサービスについて、実際に東京都としても導入することで災害対応力を強化していくということとともに、スタートアップの育成の観点からも普及を後押ししていくべきだと考えますが、見解を伺います。
○高田総合防災部長 都は、これまでも危機管理に関する展示イベント等に参加いたしまして、防災分野における最新技術の情報収集を行ってきております。また、ドローンの実用性を検証するなど、スタートアップピッチイベントの参加者が持つ防災に関する技術の掘り起こしも行っております。
能登半島地震の状況等も踏まえながら、今後も必要に応じまして防災対策などの課題解決に取り組むスタートアップとの連携について、検討してまいります。
○滝田委員 今後も検討していただくということでありましたので、ぜひ期待をしたいと思います。
スタートアップとの連携ということに関しては、発災した後からでは十分にできませんので、ぜひ発災時を想定して、ふだん使いで活用していくという視点も必要なのかなというふうに思います。そういう意味では、現場を持っている各局とも連携をしながら今から取り組んでいくという視点が必要だと思いますので、ぜひ、ふだん使いで災害のときには活用できるという体制をお願いしたいと思います。
また、都では、賞味期限の近づいた食料備蓄品について、廃棄をせずに利用するということを取り組んでいるかというふうに思います。現状どのように活用しているのか、また直近五年間について、どの程度利活用されているのか、伺いたいと思います。
○後藤避難所・物資担当部長 災害救助用に備蓄しているアルファ化米やクラッカー等の食料につきましては、賞味期限を五年としており、賞味期限を迎える食料の活用について、現在、区市町村や社会福祉施設等と連携し、防災訓練での利用やフードバンクへの寄附など有効活用を行っているところでございます。
直近五年間の実績といたしましては、対象数量の一〇〇%を利活用してございます。
○滝田委員 ありがとうございます。そういう意味では、東京都の持っている部分については、利活用が十分に進んでいるということでありました。
一方で、大企業を中心としまして、各企業に対しても防災の食料備蓄というものをお願いしているということでありますので、再利用が徐々に進んできているということもありますけれども、東京都全体の防災力を高める上でも、こうした各企業にもしっかり備蓄を進めてもらって、かつ、それらの備蓄食品が廃棄をされないようにするという取組も必要だと思いますので、これは環境局の所管になるかもしれませんけれども、連携をしながらしっかり企業の取組についても推進していくようにお願いをしたいというふうに思います。
次に、政策連携団体の話にいきたいと思います。
東京都では、協働して事業等を執行、提案、政策実現に向けて連携するなど、特に、都政との関連性が高い団体を東京都の政策連携団体として指定をしていると。現在、三十三団体あるというふうに理解していますが、まずこれらはどのような設立形態を取っているのか伺いたいと思います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 政策連携団体は、主に営利を目的としない一般財団法人、公益目的事業を主たる目的とする公益財団法人、株式発行による資金でサービス等を提供し、利益を得ることを目的とする株式会社で構成されております。
このような各団体の設立形態につきましては、設立目的、予定されている事業内容等に応じて、団体の設立者が選択しております。
○滝田委員 複数の設立形態があるということで、設立の目的等によりまして、これらが選ばれているということだと思いますが、その中でも株式会社という形態を取っているものもあるということですので、こちらについて少し伺いたいと思いますが、政策連携団体に限って一覧表を見ても、この株式会社形態のもので東京都の出資比率というのが八〇%ぐらいあるものから五〇%ぐらいのもの、五〇%強ですね、五〇%をちょっと超えているぐらいのもの、あるいは過半数未満のマイノリティー出資というものまで様々あるわけですが、こうした様々な団体におきまして、設立に至る歴史的経緯等があるかというふうに思いますけれども、東京都からの団体への出資やその比率の考え方、並びに株式会社設立時の株主構成がどのように決まっているのかということについて伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 都が政策連携団体に対し出資等を行うに当たりましては、指導監督基準において、その意義が十分に認められ、団体の行う事業が都の施策や行政運営と密接な関連があり、都民の福祉や都民サービスの向上につながるものであることとしております。
また、出資等の比率は、団体の役割、規模、出資等の目的に配慮し、公共性を確保する観点から、都の意向を反映できる程度とすることとしております。さらに、株式会社設立時の株主構成につきましては、発起人が発行株式を引き受けるほか、発行株式を引き受ける者の募集等により決まっております。
○滝田委員 ありがとうございます。そうした中で、株主構成ということについてはいろんなパターンがあるかというふうに思うんですけれども、大体、政策連携団体の株主を見ていきますと、基本的には、東京都の出資以外については、関連する事業をやっている企業さんが入っているというのが多いかなというふうに思うんですね。鉄道関係であれば鉄道系の方が出資をしていたりとかということで、基本的には、その事業目的にかなう形で株主構成が決まっていっているというふうに理解をしています。
ちょっと具体の話になりますけれども、私の地元の八王子市南大沢地域には、都市整備局が所管をしている政策連携団体でありますが、株式会社多摩ニュータウン開発センターというものがございます。その株式構成を見ますと、東京都が五一・二%で、東京建物が三・八%、それ以外に金融機関が十五社ほど、ずらずらっと並んで株式を保有しているという状況にあります。
非常に金融機関の比率が高いし、数も多いかなというふうに思うんですけれども、これはどのような経緯や目的で現在の株主構成や出資比率になっているか伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 株式会社多摩ニュータウン開発センターは、主として南大沢駅周辺に商業、業務施設などを計画的に建設し、それらの施設の管理運営を通じて地域の健全な発展を図ることを目的として、昭和六十三年に設立されました。
事業の経営主体は、東京都、金融機関、その他民間企業の共同出資による株式会社としており、都の出資比率は、設立当初は五〇%、その後、二回の株式発行を経て、現在五一・二%となっております。
○滝田委員 この多摩ニュータウン開発センターの事業報告書を確認しますと、以前、経営が苦しい状況がありましたので民事再生計画があるんですけれども、それに載っておりまして、令和八年度には、東京都からの借入金の返済が完了するというふうに記載がされておりまして、会社として苦しかった時代から新たなフェーズに移っていくという段階にあるという認識であります。
今後どうしていくのかということについては、一義的には団体の方で、要するに多摩ニュータウン開発センターの方で考えるものだというふうに存じておりますけれども、この南大沢の地域におけるまちづくりの核、これは何をやっているか、なかなか多分皆さんご存じないかもしれませんけれども、ビルを持っていまして、そこにイトーヨーカドーさんが入っていたりとか、地域が使う商業施設が入っていたりということで、南大沢地域では必要不可欠な生活の基盤になっているわけなんですが、こうしたまちづくりの核として、より価値を発揮していく上では、手段として、より公益的な取組に柔軟に取り組めるようにしていくんだということであれば、東京都の比率をもっと高めていく方向、あるいはディベロッパー等のテナント業であったり、まちづくりの能力の高い事業者に参画してもらって、会社が生み出せる機能を高めていくという方向性なのか、いずれかの方向性で現状の株主構成から変化させていく必要があるのではないかなというふうに考えています。
とりわけ定款の変更というような形につながるような発行済み株式数の増加については、会社であったり利害関係者に与える影響も大きいということでありますので、都としてもしっかり指導監督していく必要があるかというふうに思います。
政策連携団体等の株式総数の変更について、一般的に都としてどのように対応しているのか伺いたいと思います。また、併せて株式の譲渡手続についても伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 政策連携団体である株式会社が発行可能な株式の総数を変更する場合、都は、指導監督基準に基づき、当該政策連携団体から定款変更に関する協議を受けるとともに、法令に基づき既存の株主として、株主総会において定款変更に係る議決権を行使することとなります。
また、各政策連携団体の発行済み株式につきましては、譲渡制限が付されており、こうした株式の譲渡においては、法令に基づいて、各団体の取締役会において承認の決議が必要となります。
○滝田委員 これはごめんなさい、事前に確認していなかった点で、今ちょっと追加で聞きたいんですけど、定款を変更する場合に、当該政策連携団体から協議を受けるということでありますけれども、それは対応するのは所管をしている局になるんですか、それとも総務局になるんですかね。すみません、伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 協議につきましては、総務局の方で対応することとしております。
○滝田委員 ありがとうございます。定款変更する必要がある場合というのは、要するに増資をしていくというような場合だと思うんですけれども、その場合には、株主総会を開く必要があることということと、あと、総務局として、しっかりその変更が妥当かどうかということを見ていく必要があるということの確認をさせていただきました。
一方で、株主構成を変更する、要するに株式を譲渡するというパターンの場合には、株主総会ではなくてそれぞれの団体の、要するに、今のケースでいうと多摩ニュータウン開発センターの取締役会で議決をすることが必要であるということの整理だったというふうに思います。
なので、株式構成の変更といっても、いろんなパターンがあるかと思うんですけれども、ちょっとルールが複雑であると。あるいは、東京都の出資比率を上げるということになると、当然、財務当局等の確認も必要になるということかと思うんですけれども、続きは都市整備局とも話をしなきゃいけないなと思っているんですが、この多摩ニュータウン開発センターの状況というのが、令和八年頃には借入金返済が終わって、今度は利益が上がってくると。じゃあ今後どうするんだという話にだんだんなってくるわけですので、同団体とも話をしなければいけませんし、主管である都市整備局ともどうしていくんですかという話をしなければなりませんけれども、結構、近々にそういった状況になるということでもあります。今、南大沢については、さきのこの委員会でも触れてまいりましたけれども、例えば南大沢のスマートシティの話があるとか、あるいは都市整備局がやっていますけれども、都有地を今アウトレットとして活用しているんですけれども、契約の更改をしたということで、いろいろ変化がある時期でもありますから、この南大沢まちづくりをどうしていくのかという観点で、ぜひ総務局の皆様にも関心をちょっと持っていただいて、都市整備局と一緒に進めていけるようにお願いをしたいなというふうに思います。
続いて、別の質問にいきたいと思うんですが、都立大学について最後に伺っていきます。
おととし、二〇二二年にスタートアップ戦略が策定されましたけれども、その中で東京都立大学については体験型のアントレプレナーシップ教育講座を新設するなど取り組んでいくとしています。
都立大におけるスタートアップ関連の取組について、今の進捗状況を伺うとともに、こうした取組について都立大の学生からの反応を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 昨年度、都立大学では、学生の起業に対するイメージを具体化することなどを目的として、アントレプレナーシップ講座を開始しており、本年十二月にビジネスアイデアコンテストを開催する予定であります。
昨年度の講座受講者アンケートでは、回答者のうち八割を超える方から、自分でスタートアップに挑戦したい気持ちが高まったなどの前向きな回答がございました。
○滝田委員 ありがとうございます。先ほど答弁ありましたけれども、アントレプレナーシップ教育として、講座の開設であったり、あるいはビジネスプランコンテストの開催ということをやっているという答弁がありました。こうした機会を通じて、都立大で実際に起業しようという学生や研究室が出てきた際に、メンターであったりファンディングであったり、具体的な支援策も必要になると考えますけれども、取組を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学は、昨年十月にインキュベーション施設を日野キャンパスに開設し、ロボット研究開発分野で起業を目指す教員やAR技術の研究を進める創業初期の企業などを対象として、外部専門家によるメンタリング等の支援を行っております。
○滝田委員 ありがとうございます。このインキュベーション施設を新しくつくったところで、入居していただくだけじゃなくて支援等もしっかりやっていくということの答弁がありましたので、ぜひ都立大発スタートアップということについて、しっかり取り組んでいただきたいなと思います。
もともと都立大は、結構、行政職員を目指す人が多かったりとか、なかなかスタートアップというもののなじみが、もしかしたらなかったかもしれないんですけれども、東京都全体としてもスタートアップ企業を十倍にしていくというような話もありますし、あるいは行政向けのスタートアップをつくるとか、社会貢献的な目的のスタートアップを立ち上げてもいいわけですので、もうある意味どういう学生であっても、そういうことに関心を持ったりとか機会があるということが必要な時代になってきているというふうに思います。
都立大もだんだん性質を変えてきて、技術的な部分であったりとか5Gの話も後で出てきますけれども、取組がいろいろ技術系の方もかなり強化をしているということもありますので、ぜひ研究ということだけではなくて、こうしたスタートアップの取組というものをやっていただきたいなというふうに思います。
都立大学のある南大沢ですけれども、東京都のスマートシティにおいて、重点地域、先行実施エリアということで指定をされてきて、これまでも様々な取組がなされてきました。何で南大沢なのかということの大きな理由の一つが、やっぱり都立大学ということでもあります。これまで都立大学の南大沢スマートシティへの貢献について、どのような取組がなされてきたか伺いたいと思います。
○天野都立大学調整担当部長 スマート東京実施戦略において、都立大学はローカル5G環境の整備と研究等への活用を担うこととされておりまして、同環境を活用した最先端研究を推進するとともに、自動配送ロボットの実証実験などのフィールドとして民間企業等に提供し、新たなサービスの社会実装を推進しております。
○滝田委員 ありがとうございます。やっぱりフィールドとして活用していくというのは非常に重要だと思いますので、今後も募集しながらやっていくというふうに理解をしておりますけれども、ぜひ、なかなか大学のキャンパスを使うというのは難しいところもあるかと思うんですけれども、実証がどんどん進んでいくように協力していただきたいなというふうに思います。
一方では、キャンパス内だけではなくて、南大沢スマートシティ協議会にも都立大学の先生方が座長であったり部会長として加わっていただいているということであります。以前も私、委員会等で質疑をしたことがありますけれども、都立大学の先生方がこうした協議会に参画する上で、それを機能させるためには、先生方を支える大学側の環境面や人員面などのサポートが必要というふうに考えますが、見解を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学では、5G・南大沢まちづくり担当部長及び担当課長など南大沢スマートシティの推進を担う体制を設けており、担当部長が協議会の委員として参加するとともに、担当職員が研究や実証実験に係る調整、ローカル5G施設の運用管理など研究者の支援を行ってございます。
○滝田委員 ありがとうございます。引き続き、先生方だけではなくて職員の方々も含めて、スマートシティの取組を応援していただきたいなというふうに思います。
こうしたスマートシティの取組を進める上で、都立大学のキャンパスであったり、あるいは施設をある程度柔軟に利用できるということも必要かと思います。ホールであったり体育館、屋外キャンパスなど、どのような条件で利用できるのか伺います。
○天野都立大学調整担当部長 都立大学の南大沢キャンパスでは、大小ホールを備えた講堂や教室棟、体育館などの運動施設について、教育研究活動、その他法人の業務運営に支障が生じない範囲でのみ施設貸出しを実施しております。
その貸出し方法については、ホームページに掲載し申請を受け付けており、受付期間は、運動施設は希望日の八営業日前から七営業日前までの二日間、それ以外の施設は、希望日の二か月前までとしています。
施設の利用が可能な場合、申請期間内になされた申請を受理し、料金の支払いを受けた後、施設の利用承認をしております。
○滝田委員 当然、都立大の学生さんであったりとか大学の取組というものが優先されるということではあるかと思いますけれども、今のご答弁にありますとおり、運動施設の利用というのはかなり制限があるというか、なかなか前もって予約することが難しいということもありますので、これは何か都立大学と連携してやりましょうといったときに、支障になるパターンがあるんじゃないかなというふうに考えております。
実際、私の方にロボットプログラミングの国際大会を都立大学でできないかというような相談もいただいておりまして、局の方にも相談をしていますけれども、以前TGGで開催をしたことがあるという取組でもあるんですが、こうしたものを例えば体育館を貸していただいてできませんかといっても、今のルールに基づいてしまうと、なかなか難しいということもございます。
当然この話は、スマートシティを南大沢でやるから都立大学でどうですかという話が来ていますので、当然いろんな取組に関連をしている部分ではあるんです。ただ、原則のルールに基づいてしまうと、教育活動ではないかもしれないからどうかなとか、あるいは、今のルール上では、八営業日前から七営業日前までしか借りられませんと。ほかの運動施設以外も二か月前までということになってくると、大きい規模でのイベント事をやりましょうとか、何かちょっと新しい取組をしようとしたときに、やっぱり限界があるのかなというふうにも思います。
何でもかんでも全部使えるようにしてくれということではもちろんありませんので、大学の重要な行事についてはしっかりと入れていただいた上で、こうした都立大学で一緒にやりましょうという取組については、うまく取り入れられるような形をぜひ今後検討していただきたいなというふうに思いますので、キャンパス、あるいは施設の利用の仕方については、ぜひより柔軟な方法を検討いただきますようにお願いをいたしまして、私からの質問を終わります。
○渋谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十五分間休憩をいたします。
午後五時三十六分休憩
午後五時五十九分開議
○渋谷委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○早坂委員 私からは大きく三つのテーマ、国境離島、国民保護、防災対策について伺います。
まず、国境離島について伺います。
日本は小さな島国だと思っている人が多いかもしれません。確かに、世界地図を見ると、我が国の近くには中国やロシアといった大きな国がありますし、太平洋を東に行くと、アメリカやカナダ、南へ行くとオーストラリアなどの大きな面積の国があります。それと比べると、我が国はとても小さく見えてしまいます。
世界には二百以上の国や地域がありますが、その中で、我が国の国土面積は六十一位です。世界の陸地面積の中での我が国の占める割合はたった〇・三%です。しかし、領海と排他的経済水域、EEZを合わせた海洋面積は何と世界第六位で、順位はぐんと跳ね上がります。海洋面積が広いことは我が国にとって大きなメリットがあります。
まず、我が国の輸出入の合計である貿易量は、海洋貿易が九九・六%を占めており、海運は我が国の貿易にとって不可欠です。次に、豊かな漁業と養殖業の水揚げがあります。さらに、我が国の領海、EEZ、大陸棚には、石油、天然ガス、そして、石油に代わる次世代エネルギーとして知られるメタンハイドレートなどのエネルギーや鉱物資源の存在が確認されています。
このように、我が国が狭い陸地面積ながら、広い海洋面積を誇るのは領海やEEZの根拠となる数多くの離島が我が国の管轄海域の外縁を根拠づけているからであります。これらの離島を国境離島と呼びますが、我が国には幾つ国境離島があるのか、そのうち東京都に帰属する国境離島は幾つあるか、有人島、無人島の内訳についてもお伺いをいたします。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 国が公表している我が国が現に保全管理を行っている国境離島一覧によりますと、令和六年八月時点で四百七十三島、そのうち東京都に帰属するものは百十九島でございます。百十九島の内訳は、有人島が九島、無人島が百十島でございます。
○早坂委員 先ほど私が質問で述べたものを初めてこちらにご覧いただきますが、これを使うのは初めてでありますが、領土から十二海里、約二十二キロメートルの部分が領海でありまして、さらに二百海里、三百七十キロメートルのところまでがEEZだというふうに定義をされているところであります。せっかくつくったので、皆さんご覧ください。(笑声)はい、ありがとうございます。古城先生はよくご存じかと思います。
本題に入ります。東京都には百十九の国境離島があるとのことでありました。今回の質疑に当たっていろいろ調べて、大変驚いたことがあります。一つは、国境離島の数は一定でなく、一九八七年には全国で四百八十四だとされていたのが、二〇二二年には四百七十三、つまり、三十五年間で十一も減ってしまっていたことです。もう一つは、平成の中頃まで名前のついていない国境離島が幾つもあったことです。
島の数が減ったのは、前回調べてから三十五年後によく調べてみたら、十一も減っていた。その間、国境離島の重要性に意識がなかったからだろうと思います。
もう一つの名前がついていない国境離島が幾つもあったことは、二〇一〇年、平成二十二年から、それらに名前をつける作業を進めたため、現在では、全国四百七十三全ての国境離島に名前がつき、海図に表示されるようになりました。
国境離島のうち、最南端は沖ノ鳥島、この真ん中のところです。最東端、東は南鳥島、こちらの地図でいうと右側のところです。いずれも東京都小笠原村に帰属しています。国境離島が自然浸食されないように留意することはもちろん、自然浸食のみならず、外国からの侵略に備えることも重要です。国境離島には大島や八丈島など、人の住む有人国境離島と、人の住んでいない無人国境離島の二つに分けられます。
有人国境離島は、我が国の領海や排他的経済水域の保全などに重要な役割を担っています。こうした有人国境離島において、人が住み続けられる環境を整備するため、伊豆諸島、小笠原諸島の島々に対して、地域振興の観点から様々な支援を行っていくことが必要です。
そこでまず、これらの地域に対する国と東京都の支援策について、それぞれ伺います。
○松野多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 国は離島に係る各種法律に基づき、地域の振興や地域社会の維持に関する基本的な方針を定め、離島を活性化するための交付金などにより支援を行っております。都は、国の基本方針を踏まえ、各種計画を策定し、港湾施設や道路をはじめとしたインフラ整備などに取り組むとともに、町村それぞれの実情を踏まえながら、効果的な技術支援や財政支援を行っております。
○早坂委員 さて、東京都には、我が国の国土面積を上回る広大な排他的経済水域の根拠となり、とりわけ重要な国境離島である二つの島があります。すなわち沖ノ鳥島と南鳥島です。ちなみに、沖ノ鳥島は無人、南鳥島は有人です。
この両島に対する国と東京都、それぞれの取組を伺います。
○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 国は法令に基づき、状況把握や海底の掘削等の規制、さらには保全対策等を実施することとされており、各種調査などを実施しております。また、EEZの保全や利用に関する活動に向け、港湾施設の整備等を実施しております。
都は、両島の維持保全や利活用を進めるためには、都民の関心、理解を得ていく必要があることから、調査研究を行うほか、国とも連携し、ウェブサイトの充実やイベントの開催等、情報発信に取り組んでおります。
○早坂委員 我が国には全国で四百七十三の国境離島がありますが、その中でも我が国の最南端である沖ノ鳥島、そして最東端である南鳥島、この二島だけが法令により特定離島という特別な国境離島に指定されています。この両島は、EEZの保全や利用を促進することが必要な離島として、国が船舶の係留や荷さばきが可能となる施設の整備などを進めています。
両島をはじめ、国境離島を守っていくことは、我が国の国益を考える上で極めて重要です。領土、領海を守ることは、国家の根本的な、根幹的な責務であることはいうまでもありませんが、東京都としても取り得るあらゆる施策に取り組んでいただきたいと思います。
同じく、我が国の国益を考える上で極めて重要な国境離島の一つに、沖縄県石垣市に帰属する尖閣列島があります。
一九七〇年代以降、ここに石油埋蔵の可能性が指摘されてから中国が急に領有権を主張し始めました。特に、二〇〇八年からは、中国の公船、公の船が尖閣諸島付近で領海侵犯を頻繁に繰り返すようになり、日中関係の緊張度は高まりました。
当時、この尖閣列島は我が国の民間の方が所有していました。この所有者の手放したいという意向をキャッチした当時の石原慎太郎東京都知事は、本当は国が買い上げればいいのだが、それをすると中国が怒るから、代わりに東京都が買い上げると方針を示した。これを受けて東京都は、尖閣諸島の東京都購入資金を寄附金で集めることを表明。九か月間で十五億円の寄附金が集まり、東京都は海洋からの調査を始めました。
この状況を見た当時の民主党政権、野田佳彦総理大臣は、慌てて国が二十億五千万円で買い上げることを決定しました。
したがって、東京都が集めた寄附金十五億円は寄附者に返すべきだという議論になりましたが、寄附者は十万人を超えていて、かつ匿名の寄附者も多く、寄附者に返すことは困難だと判断され、今日まで基金として積み立てられている状況です。
この尖閣諸島活用基金は、沖縄県石垣市に帰属する尖閣列島だけでなく、東京都に帰属する国境離島にも利用できるのか伺います。
○田村企画担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 尖閣諸島活用基金は、尖閣諸島を公の所有として安定させ、活用してほしいという寄附者の志を受け、条例に基づき設置したものでございまして、国による尖閣諸島の活用に関する取組のための資金とすることとしております。
○早坂委員 今のご答弁を改めてかみ砕いて繰り返しますと、この基金は条例で、その使途を国による尖閣諸島に関する取組に限定されていることから、東京都に帰属する国境離島には使えない。そして、尖閣においても国の取組がないと基金の支出が難しいということであったと思います。
尖閣諸島の保全や活用は国が責任を持って進めていくべきものですが、東京都には寄附金を集めた責任があります。したがって、国が尖閣において取組を見せないのなら、東京都は国に対して具体的な取組を行うよう積極的に働きかけるべきです。
そこで、この基金の活用に向けて具体的にどう取り組んでいるのか伺います。
○田村企画担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 都は、寄附者の志が生かされますよう、国に対して尖閣諸島の活用に向けた要望を行っております。
具体的には、地元漁業者のための船だまりや無線中継基地、有人の気象観測施設の設置のほか、ヤギの被害から貴重な動植物を守る取組といった自然環境の保全など、戦略的な活用方策について提案しているところでございます。
地元の石垣市とも意見交換を行っておりまして、周辺海域における漁業者の出漁の状況や、ヤギによる食害が進んでいる現状など、最新の情報も踏まえ尖閣諸島の適切な維持保全の必要性を国に訴えかけることにより、同諸島の活用に向けた国の取組を粘り強く求めてまいります。
○早坂委員 地元自治体である石垣市の声も聞きながら、国に具体的な提案を行っていくことは重要です。
今年七月には、尖閣諸島付近の接続海域内で中国海警局の船舶の航行が連続で過去最長の二百十五日となるなど、その動きはさらに活発化しています。こうした状況の中、国による尖閣諸島の権益確保につながるよう、東京都としても引き続き寄附者の思いに応えるという強い気持ちを持って取り組んでいただきたいと思います。
さて、北朝鮮は過去に例を見ない頻度で弾道ミサイルを発射し、二〇二二年十月四日には弾道ミサイルが我が国の上空を通過しました。
北朝鮮から発射された弾道ミサイルが我が国に飛来する場合、それは極めて短時間のうちに飛来することが予想されます。仮に、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが我が国の領土、領海に落下する、または上空を通過する可能性がある場合、政府は二十四時間いつでも全国瞬時警報システム、Jアラートを使用し、緊急情報を伝達、発出することになっています。
弾道ミサイルが着弾した場合に都民の命を守るためには、爆風などからの直接の被害を軽減するための一時的な避難施設が必要であり、東京都では緊急一時避難施設として指定を推進しています。
そこでまず、緊急一時避難施設について、どのような施設を中心に確保しているのか、また、その確保状況について伺います。
○永田国民保護担当部長 都は、緊急一時避難施設として、都内にある学校や庁舎等のコンクリートづくり等の堅牢な建築物や地下街、地下駅舎等の施設について指定を推進しており、年度末現在、四千四百七十四か所を確保し、東京の全人口を収容できる規模を確保しております。
○早坂委員 学校や地下鉄駅や地下街などを緊急一時避難施設に指定することで、数字上では東京の全人口を収容できる環境を確保しているとのご答弁でありました。
しかし、都民の命を守るためにはより多くの施設の確保が必要であります。東京都内にはまだ指定が済んでいない大規模な駅などもあるため、今後もさらなる指定に向けて取り組んでいただきたいと思います。
ところで、緊急一時避難施設に指定されている施設のうち、例えば地下鉄駅舎は改札の外、ビルではロビーなどの共用部分に指定箇所を限定するなど、実際に避難者を受け入れる場所を施設全体ではなく一部に限定している施設があるようです。
各施設の指定の範囲をどのように決定しているのか伺います。
○永田国民保護担当部長 弾道ミサイルは発射から僅かな時間で飛来する可能性があるため、迅速な避難行動が必要です。こうした点を踏まえまして緊急一時避難施設の指定を進めており、施設のどの範囲を避難場所とするかにつきましては、個々の施設の事情なども考慮の上、各施設管理者と協議して決定しております。
○早坂委員 施設によっては、迅速な避難が可能となるよう、誰でも入ることができる共用部分に限定して指定しているということだと理解をいたしました。
弾道ミサイルに対処する施設については理解をいたしましたが、一方で、例えば上陸を目的として本気で我が国を攻撃してくる場合には、いきなり弾道ミサイルを打ち込んでくるのではなく、事前に首都東京の電力や通信などのインフラを麻痺させ、混乱状態をつくることが想定をされます。
あるいは、我が国に近接している東アジアの国や地域で混乱状態が生じた場合、東京横田にある在日米軍の出動を遅らせるために、東アジアの地域からはるかに離れた東京でもインフラ麻痺を企図される可能性もあります。
東京都としてインフラ施設を攻撃された場合を想定した訓練を実施しているか伺います。
○永田国民保護担当部長 都はこれまで、テロ等により鉄道や大規模集客施設等において被害が発生した想定で、関係機関等と連携し、住民の避難誘導や救出救助を行う訓練を実施してまいりました。
○早坂委員 ご答弁では、テロによる攻撃に対して、住民の避難や救出救助に関する訓練を実施しているとのことでありました。それは、言外に避難や救出救助に限ったもので、私が今課題だと認識している電力や通信などの途絶状態にいかに対応するかという訓練は行われていないということだと理解をいたしました。
地震や台風などの自然災害は、災害基本対策法によって救援や復旧、復興が行われています。自然災害でもインフラ被害が発生します。
しかし、同じインフラ被害でも、自然災害とテロとは決定的に異なることがあります。それは、自然災害は悪意を持ちませんが、テロによるインフラ攻撃は悪意を持って、すなわち我々の対処策の裏をかいて次々と攻撃をしかけてくることが想定されることです。その場合に、ライフラインの復旧には自然災害と比較にならないほどの時間がかかり、住民の生活に大きな影響を与えることとなります。
国は今年、二〇二四年五月二十七日、愛知県庁で地域演習を行い、本日私が問題提起したような事態を想定した秘密訓練を行ったようであります。
東京都は今後、住民の避難や救出救助のみならず、重要なライフラインである電力、上下水道、ガス、通信などのインフラ施設のテロによる大規模災害を想定した訓練を実施することで、課題を洗い出し、今後の対策に生かしていただきたいと思います。
さて、防災対策に移ります。
本年、二〇二四年元日に能登半島地震が発生しました。
現在、東京都は、能登地方の復旧、復興支援のため、中長期の職員派遣を行っています。その中には、現役職員に加え任期付職員も含まれています。
まず、能登半島地震に伴い、被災地へ派遣している任期付職員の目的と条件について、併せてその具体的な業務内容について伺います。
○小川復興支援調整担当部長防災企画担当部長兼務 都は、能登半島地震に伴う被災地における技術系職員不足の課題に対応するため、行政経験者、民間経験者を一般任期付職員として募集いたしました。募集に際しましては、年齢制限は設けず、任期は原則として一年、業務の状況等により延長は五年を超えない範囲で可能といたしました。
現在、石川県へ四名の技術系職員を派遣しており、職員は、河川や道路の災害復旧工事の設計、積算、施工管理業務等につきまして即戦力として従事しております。
○早坂委員 今から十三年前の東日本大震災では、被災地へ派遣する目的で初めて任期付職員というものを採用し、派遣したと理解をしています。
その経緯と派遣人数について伺います。
○八嶋復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 東日本大震災の本格的な復旧、復興期に移行していく際に、現地では災害公営住宅の建設や、道路、下水道をはじめとしたインフラの整備などの需要に対し、特に沿岸部の市町村において技術系職員の不足が顕著となりました。
こうした状況の中、都は、現役職員に加え、豊富な知識、経験を持つ行政や民間の退職者等を派遣するため、任期付職員制度を活用した被災地への職員派遣を全国に先駆けて導入をいたしました。
平成二十四年九月に四十七名の任期付職員を採用いたしました。平成二十九年八月末までの五年間で延べ百八十二人の職員を、岩手県、宮城県、福島県の三県の市町村に派遣いたしました。
○早坂委員 東京都が被災地が直面している技術職員不足の状況を見て、現役職員に加えて任期付職員を採用し派遣するという取組は、自治体による被災地支援の新たな手法であったと考えます。
今回の能登半島地震でも、多くの現役職員と任期付職員が派遣されています。
そこで、東日本大震災における職員派遣の経験が能登半島地震における復旧、復興支援にどのように生かされているのか、また、これまでの東日本大震災の職員派遣の経験をどのようにまとめ、共有しているのか伺います。
○八嶋復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 都では、東日本大震災などの大規模災害において多くの職員を被災自治体に派遣したこと及び発災直後から長期間派遣を継続していることから、職員派遣に関する豊富な知識、経験及びノウハウを蓄積してございます。
これらを生かし、能登半島地震におきましても速やかに職員を派遣し、派遣職員の円滑なサポートを行うとともに、任期付職員の採用を短期間で実施するなど、必要な職員を確保することで被災地の復旧、復興を支えております。
また、東日本大震災での派遣職員の知識、経験は、毎年度、活動報告書として記録し、庁内で共有するとともに、ホームページにも掲載をしてございます。
○早坂委員 引き続き、被災地の状況を見極め、ニーズに沿った適切な職員派遣をしてほしいと思います。また、東日本大震災と同様に、能登半島地震の被災地に派遣された職員の皆さんの経験についても、都庁職員だけにでなく、広く都民に向けて発信していただきたいと思います。
一方、復興支援は派遣だけではありません。職員の派遣以外で、東日本大震災の経験を生かして能登半島地震の復興支援に生かしているものがあれば、教えていただければと思います。
○八嶋復興支援対策部長被災地支援福島県事務所長兼務 東日本大震災については、風評払拭や特産品のPRのため、東北三県ふるさと市などのイベントを実施しております。
能登半島地震では、このノウハウを生かし、六月に都民広場、十一月に御徒町駅前広場におきまして応援イベントを円滑に開催をいたしました。また、都内避難者につきましても、東日本大震災の避難者向けの相談窓口を能登半島地震においても活用し、スタッフがきめ細かな対応を行ってございます。
今後とも、これまで培ってきた様々な復興支援のための知識、経験、ノウハウを十分活用しながら、適切な支援を実施してまいります。
○早坂委員 現役職員に加え、任期付を含めた職員派遣をはじめ、応援イベントの開催、また都内避難者への対応など、東京都として東日本大震災で培ってきた経験が生かされているようであります。
都庁には復興支援対策部がありますが、全国的に見ても復興支援を専門に扱う部署が行われているのは東京都だけです。東日本大震災から十三年が経過した現在でも、全国の自治体で最も多い九名の職員を福島県に派遣しています。
これからも、被災地の復旧、復興のため、東京らしい支援に取り組んでいただきたいと思います。
さて、災害が発生すると多くの都民が被災し、一日も早い生活再建が急務となります。中でも、住宅再建や財産の取扱いなど、被災者一人一人が直面する課題に様々な分野の専門家が連携して向き合う災害ケースマネジメントという取組があります。
そこで、災害ケースマネジメントとはどのようなもので、こうした取組について区市町村職員の理解を促すことが必要かと考えますが、東京都の取組について伺います。
○西山防災対策担当部長 国の手引では、災害ケースマネジメントとは、被災者一人一人の被災状況や生活状況の課題などを個別の相談等により把握した上で、必要に応じ専門的な能力を持つ関係者と連携しながら、当該課題などの解消に向けて継続的に支援することにより、被災者の自立、生活再建が進むようマネジメントする取組とされております。
都は、弁護士会や行政書士会等と復興まちづくりの支援に関する協定を締結してございまして、今年度新たに、協定を締結している専門士業団体で構成される災害復興まちづくり支援機構などとともに、区市町村職員向けの講習会を実施いたします。
○早坂委員 かつて私が被災地に出向き、被災された方々に私自身が東京から来た地方議員であると自己紹介して、お見舞いの言葉を述べた後に何がお困りですかと尋ねてみると、その答えのほとんどがありがとうという言葉だけで、あれが足りない、こうしてほしいという答えが返ってくることはまれでありました。応援に行った私からすれば、どう見ても困り事だらけのように見えるけれども、SOSを発信する被災者は驚くほど少ないというのが私の印象であります。
その理由は、見ず知らずの私にそれを話していただくような人間関係がないということが一つ挙げられると思います。あるいは、泣き言をいわないことが美徳だとする考えも被災者の中にあるかもしれません。
東京から来た初対面の私に何でも話していただく必要はありませんが、困り事だらけの被災者が果たして適切な支援を受けられているのだろうかという観点からのアプローチが、この災害ケースマネジメントです。
被災者がどのような困り事を抱えているか、それは十人十色、人によって全く違います。持ち家か、借家か。持ち家だとして、全壊か、半壊か、一部損壊か。ローンは残っているか。一人暮らしか、家族と一緒か。その家族は寝たきりだったり、障害があったり、障害がある人だったりするか。その障害とはどんな障害か。お年寄りや赤ちゃんが一緒か。仕事はあるか、失業していないか。それまで家計を維持してきた人が、例えば災害で亡くなっていたりしないか。本人や家族が精神的に落ち込んでいないか。例えを列記すると切りがありませんが、被災者が抱える困り事は一つとして同じことはありません。それらの困り事の多くに行政の支援策があるだろうと思います。
しかし、被災した人が自分の困り事を全て並べて、その全ての支援を受けることはとても大変なことです。なぜなら、どんな支援策があるか分からなければ支援の申請ができないからです。あるいは、冒頭に申し上げた見ず知らずの人に相談することの心理的バリアや我慢、あるいは諦め、放心状態といったことも考えられます。
我が国の行政の支援制度は、その多くが申請主義であります。つまり、どんなに困っていても申請しなければ支援を受けられないのであります。
こうした状況を突破しようというのが災害ケースマネジメントです。弁護士、司法書士、行政書士、建築や不動産の専門家、福祉や学習支援の専門家、就労支援の専門家、そして社会福祉協議会など、それぞれの専門分野の支援策に知悉した支援者が一堂に会して、ある被災者に寄ってたかってどんな支援ができるかを検討し、支援を行うという方法であります。
一つだけ、ある事例を紹介したいと思います。
東日本大震災で築四十五年の木造住宅が被災し、半壊の認定を受けたこの方は、公的な支援として応急修理制度、五十二万円を受け取りました。しかし、屋根の張り替えや玄関の修理などで八百万円の費用がかかったといいます。しかし、生活再建支援制度では、半壊家屋を解体して建て替えた場合、最大三百万円が支給されることになっています。この方はその仕組みを知らず、古い家の修理に八百万円をかけるならば、三百万円の支援を受けて新しく建て替えるべきだったと嘆いたとのことであります。
冒頭、私は、被災者に何がお困りですかと尋ねたという話をいたしました。しかし、災害ケースマネジメントでは、どんな被害がありましたかと尋ねるのが正しいのであります。つまり、被災者本人の認識する困り事ではなく、被災者の置かれた状態を尋ねるのであります。その状態を見て、それぞれの分野の専門家がこんな支援策があると寄ってたかって支援をする仕組みは優れたものであると考えます。
ちなみに、災害に限りませんが、そうした支援策の提案を寄ってたかってでなく、一人で行う人を一般的にはコンサルタントと呼びます。制度に知悉して支援策を提案するというのは私たち政治家に求められている資質でもありましょうが、やはり餅は餅屋、専門家にはかなわないと思います。
少し話が脱線をいたします。
こういう状態ならこういう支援があるというのは、ある意味で定型的なものであります。だとするならば、その被災者の状態を全て把握できれば、行政が行う全ての支援策を漏れなく受け取ることができることになります。
今は、専門家が寄ってたかって災害ケースマネジメントを推し進め、被災者支援に取り組むべきでありますが、もしかしたら将来的には、それはAIが代替可能なものかもしれないと思いました。この条件ならこの答えというのは、AIが最も得意とするものだからであります。
話を戻します。
災害ケースマネジメントは、ある被災者に一度提案して終わりではありません。時間が経過することで、その被災者の抱える困り事が変わってきます。PDCAサイクルのように、状況を見て繰り返すものだと指摘しておきたいと思います。終わり。
○入江委員 私からもミサイル攻撃への対応について伺います。
世界情勢は大変不透明で、ロシアによるウクライナの侵攻が残念なことに続いています。また、北朝鮮からは、例えば今年の十月三十一日にはICBM級弾頭ミサイルが発射され、これまでの中の最長で約八十六分飛翔しまして、最高の高度に達したと推定されています。
常に島国日本は、近隣諸国からのミサイルの脅威にさらされております。
十月七日に小池知事は、石破首相と官邸で面会をされました。報道によると、小池知事は東京都政において進めている案件についてお話しをされ、石破首相からは、自然災害や北朝鮮による度重なるミサイル発射などの脅威に真剣に取り組むとのご発言があったとのことです。
今後、日本と首都東京の安全保障に関して、国と都の緊密な連携が期待されます。
ミサイルをはじめとする武力攻撃から都民の命と安全を守るために政府との連携が大変重要と考えますが、都の見解を伺います。
○永田国民保護担当部長 ミサイル攻撃などに円滑に対応するためには、都は平素から国と緊密な連携体制を構築しておくとともに、有事に際しましては関係機関と協力し、都民への避難指示や救出活動などの措置を的確に実施することが重要と考えております。
都はこれまで、国や区市町村等と連携し、緊急一時避難施設の指定を推進するとともに、住民避難訓練などを実施してまいりました。
今後も、避難施設の確保や国民保護訓練の実施など、国との連携をさらに強化し、都民の安全・安心を確保してまいります。
○入江委員 緊急一時避難施設の指定を進めることは大変重要だと先ほどもご答弁にありましたし、また、その数というのも四千四百七十四か所ということでございますので、その点は私からお伺いせずに、次の質問に進みたいと思います。
一たび弾道ミサイルなどで有事の状態が生じると、私、元いた職場がテレビ局なんですけど、そこでも非常に軍事戦略に詳しい記者など先輩の方がいて聞いたんですけれども、戦況分析はとても難しくて、かつ予見しがたいといわれているということなんです。なので、最悪の事態を想定して、さらなる脅威への対応をしっかり念頭に置いて備えていくことが重要でございます。
都では、私の地元港区にある都営地下鉄麻布十番駅において、緊急一時避難施設よりも安全な施設の検討を進めていると聞いています。その取組状況を伺います。
○永田国民保護担当部長 都は昨年度、欧米諸国の事例なども参考に、地下鉄等を対象として、より安全に避難できる施設に必要と考えられる設備等について調査を行いました。
調査結果を踏まえまして、今年度は、都営地下鉄麻布十番駅に併設する防災倉庫において、整備する設備や機能などを検討し、設計に向けた準備を進めております。
○入江委員 ニュースでも話題になりましたこの麻布十番駅の防災倉庫の使い方ですけど、まだこれからいろいろと設計などを決めていくということで承知しております。
安保三文書の国家安全保障戦略では、外交力、防衛力、経済力を含む総合的な国力を最大限に活用し、国益を守ることとされています。そして、その実現は、国民の理解と協力を得て、国民が自発的かつ主体的に参画できる環境を政府が整えることが不可欠としております。
都民の生命と財産を守ることは都の責務でもあります。都においても、都民一人一人のミサイルへの危機意識を醸成していく取組が必要だと考えます。そのためには、例えば弾道ミサイルの脅威、リスクを伝えるなど、都民に対する強いメッセージの発信が大切だと考えます。
そうしたメッセージがもっと広く届けば、都民は緊急一時避難施設の位置や場所に今まで以上に関心を持ってくれると思っております。そして、もし万が一の際、有事の際には、避難誘導がより円滑に、かつ迅速に行えると思います。
こうした周知啓発、広報という点に関しまして、都は都民に対してどのような取組をしてきたのか伺います。
○永田国民保護担当部長 都は昨年度、ミサイル攻撃に際して、実際に地域住民の方々に取るべき避難行動を体験していただくため、初めて緊急一時避難施設を活用した実動訓練を練馬区や中野区と連携をして行いました。
さらには、Jアラートが聞こえた際の逃げる、離れる、隠れるといった避難行動を分かりやすく記載しましたリーフレットを都内全ての小中高等学校等へ配布するとともに、動画を作成し広く都民の方々に周知をしてまいりました。
○入江委員 ミサイル攻撃というのは本当にあってはならない事態で、外交努力を期待しておりますけれども、常に最悪の状況を想定して備えることが重要です。小池知事も首都防衛とおっしゃっております。
引き続き、都民への周知を強化していただくことを要望いたします。
続いて、帰宅困難者について伺います。
もう十三年前ですが、東日本大震災の際には都内にはたくさんの帰宅困難者の方がいらっしゃいました。駅周辺には多数の滞留者で、大変混乱いたしました。
もし、さらに被害が大きいとされる首都直下地震が起きると、東日本大震災以上に帰宅困難者が多く発生いたします。そして、もし一斉に帰宅行動を開始すると、群衆雪崩や余震などによる落下物による危険にさらされたりするおそれがございます。なので、職場や学校など施設の中にいた場合には、むやみに移動せずに、そこにとどまることが安全だといわれております。
都は、このような東日本大震災時の教訓から、平成二十四年三月に帰宅困難者対策条例を制定し、企業に対し従業員の帰宅を抑制することを求め、備蓄品の確保をお願いしています。
当時、私も企業の管理職でこの条例を受けて、従業員の一斉帰宅抑制のための業務にも取り組んだなということを思い出しておりました。
多くの企業が備蓄の確保など、一斉帰宅抑制に取り組むことが必要なので、それに対して都内の一斉帰宅抑制のための備蓄品の取組状況と、一斉帰宅抑制を促すための都の取組を伺います。
○小平危機管理調整担当部長 都内の企業の従業員向けの備蓄につきましては、本年の東京商工会議所の調査結果では、約千二百の回答企業のうち、約半数が三日分の食料と飲料水を備蓄しているとのことでございます。
都は、東京都帰宅困難者対策条例に基づきまして、事業者に対して、従業員を事業所等に三日間の待機をお願いするとともに、それに必要な物資の備蓄に努めることを求めております。
具体的には、企業等への普及啓発として企業向けハンドブックを作成、配布するとともに、経済団体等と連携してセミナーを毎年開催しております。
○入江委員 ありがとうございます。都内の約半数の企業というので、そこは三日間の食料、飲料水の備蓄に取り組んでいるということですが、まだまだ少ないなと思います、半数ですから。
多くの企業に備蓄を含めた一斉帰宅抑制などに取り組んでもらうためには、都にはさらなる普及啓発を行っていただきたいと思います。
冒頭触れました首都直下地震のときの帰宅困難者の混乱防止のためには、今後、新たにこういった備蓄などの対策に取り組む企業を増やしていかなければなりません。そのためには、私も企業に長く勤務していた経験から思うんですが、その企業の社員の中に中心となって防災に取り組む人材が必要であると考えます。
そこで、社内の中心となって防災に取り組む人材育成のために、都の取組について伺います。
○小平危機管理調整担当部長 都は、事業所内での災害対策の旗振り役として事業所防災リーダー制度を創設し、企業等の災害対応力の向上を図っているところでございます。
登録された事業所防災リーダーは、平時には都から直接防災活動に役立つ情報を、発災時には一斉帰宅の抑制や大型台風接近時の出勤抑制の都からの呼びかけや、気象警報、被害状況など、役立つ防災情報を都から速やかに受け取ることができるようになっております。
こうした制度を広く周知し、活用を促すことで、企業等の一斉帰宅抑制の中核となる人材育成につなげてまいります。
○入江委員 事業所防災リーダー制度、大変よい制度だと思います。
ただ、企業側としますと、そういう通知が来て一旦担当を決めるんですけれども、決めたことで結構その後が、なかなか継続していろいろと取組を考えたりというのがしにくくなったりするケースもありますので、都としては引き続き定期的にいろいろ企業に対して情報なり、また促していただければと思っております。
そして、企業ではこういった防災リーダーなどがいて、建物内にとどまるようにといって備蓄も用意するということなんですけれども、一方で、買物客の方や行楽客の方など、たまたま外出していた方は災害時に待機する場所がございません。こうした行き場のない帰宅困難者は、一時滞在施設にとどまるということになります。
私の地元の港区というのは昼間人口が大変多いところなんですけれども、大規模な開発も進んで増加を続けているオフィスビルに対して、一時滞在施設になっていただくことを港区からも強くお願いしていると聞いております。
都内において、行き場のない帰宅困難者の想定数と現在の確保の状況について伺います。
○小平危機管理調整担当部長 令和四年五月に公表された都の首都直下地震等による東京の被害想定では、最大で約四百五十三万人の帰宅困難者が発生すると想定しており、そのうち行き場のない帰宅困難者は約六十六万人でございます。
令和六年七月現在で、都立一時滞在施設をはじめ、民間施設も含めて約四十七万四千人分確保しております。
○入江委員 想定される行き場のない帰宅困難者数約六十六万人に対して、確保されている一時滞在施設はおおよそ七割ということでございました。ということなので、依然として不足している状況だと考えます。
都も区市町村も、公共施設のほとんどは避難所や一時滞在施設に指定をしております。今後この一時滞在施設を増やしていくためには、より多くの民間施設の協力を得る必要があります。
そこで、一時滞在施設の確保のための都の取組について伺います。
○小平危機管理調整担当部長 都はこれまで、民間施設に対しまして、帰宅困難者向け備蓄品の購入経費の六分の五を補助するとともに、都と国の災害時拠点強靱化緊急促進事業により、備蓄倉庫や非常用発電機の整備等を行うことで一時滞在施設の確保を進めてまいりました。
また、余震等で施設が被害を受けたことにより、受け入れた帰宅困難者がけがをした場合に損害賠償責任を負うリスクを懸念する事業者もいることから、都は国に対し、発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度の創設などについて要望しております。
今後も、民間施設への支援を行っていくとともに、再開発の機会を捉えた周知を行うなど、施設のさらなる確保を進めてまいります。
○入江委員 一時滞在施設にご協力いただいている企業に対しては、様々な支援があることが分かりました。
ご答弁にありました発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度の創設というのは多くの企業の皆様から強く求められておりますので、引き続き国に働きかけていただくことをお願い申し上げます。
さて、都の補助がかなりありまして、購入した水や食料などの備蓄品は、災害で使用されない場合は五年程度で必ず期限が到来することになります。私のいた企業では、五年たったものはみんな社員に配って、おうちに持って帰って食べてみてくださいなんていうことをやっておりました。
五年たった際の備蓄品を廃棄するのではなく、再利用することが貴重な食料資源を無駄なく活用するという観点から必要なことだと考えております。
民間一時滞在施設の備蓄品のフードロス対策について伺います。
○小平危機管理調整担当部長 都は、民間一時滞在施設の水や食料などの備蓄品の再利用を促すため、都の補助により購入した備蓄品について、更新のために再び補助を受ける場合は、社員への配布やフードバンクへの寄贈など、食品ロス削減の取組を義務づけております。
その実効性を担保するため、一時滞在施設が備蓄品の補助を申請する際には、取組内容の分かる写真やフードバンク等の受領書を添付した食品ロス削減取組報告書の提出を求めております。
○入江委員 ありがとうございます。フードロスは資源の無駄遣いだけでなく、地球温暖化の原因となるCO2排出につながる社会的な大きな問題です。この問題を解決するために、都はじめ企業、消費者、行政が協力して様々な対策を進めていただいております。
引き続き、一時滞在施設においてもフードロス対策にも考えていただいて取り組んでいただけるよう、皆さんに知っていただくようにお願いいたします。
さて、企業や学校で一時滞在施設で一応三日間待機した帰宅困難者は、発災から四日目以降に自宅に帰るということになります。大規模な地震で恐らく鉄道や公共交通機関などが運行していないことが想定され、多くの帰宅困難者は長い距離を徒歩で帰宅すると思われます。
災害時帰宅支援ステーションというものがございますが、大規模災害時に徒歩帰宅者に対し、水やトイレ、災害情報などの提供を行い、徒歩帰宅者が円滑に帰宅できるよう、可能な範囲で支援を行う施設です。
そこで、災害時帰宅支援ステーションの確保状況について伺います。
○小平危機管理調整担当部長 都では、都立学校を災害時帰宅支援ステーションとして位置づけているほか、沿道に多数の店舗があるコンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどの民間施設とも協定を締結しております。
都内で営業する事業者などに対しましては、都圏域を超えて広域に営業する事業者などに対しては九都県市が災害時帰宅支援ステーションへの協力を要請し、確保を進めているところでございます。
災害時帰宅支援ステーションは、今月新たに事業者と協定を結ぶことで五十八か所増え、都内においては約一万六百か所確保しており、九都県市全体では約二万七千九百か所確保しております。
○入江委員 災害時帰宅支援ステーションも確実に数が増えているということが分かりました。
今後、より一層帰宅困難者対策の充実を図るとともに、都民の安全・安心を確保するために、このような取組をさらに広くPRしていただきたいと思います。また、多くの民間企業に災害発生時の状況を理解していただき、協力をしてもらえるよう、区市町村と連携して取り組んでいただくことをお願いいたします。
最後に一問、東京都立大学について伺います。
東京は世界で一番の都市となることを目指しております。世界をリードする都市として発展していく上ではイノベーションが不可欠です。イノベーションを連続的に起こしていくためには、高度の知識や国際的なネットワークを持つ研究者の育成が重要だと考えます。
しかし、日本の大学の国際的地位は、中国やシンガポールなど、アジア諸国と比べても低下をしておりまして、高度人材の海外への流出が懸念されております。例えば、博士課程の皆さんからは、日本での研究費の少なさやポジションの不安定さについての懸念をお伺いします。海外であれば恵まれているということです。
これまで世界的な課題解決につながった研究というのは四十代前半までに開始している事例が多く、若手研究者を支援するということは非常に重要です。研究費やポジションの心配をせずに、若いうちからしっかりと研究に打ち込めることは優れた研究成果につながり、ひいては社会課題の解決や日本の成長戦略につながります。
若手研究者への支援拡大は国に強く求めたい事項ですが、まずは東京都立大学からさらに進めていただきたいと思っております。
私は令和三年の予算特別委員会でこの件を求めまして、四十四歳以下の研究者に対して研究費を支援する仕組みを導入したとのご答弁をいただいております。
それで、現在の状況ですね。世界をリードする研究を担うために、さらに若手研究者の育成に力を注いでいくべきと考えますが、現在の状況を伺います。
○天野都立大学調整担当部長 東京都立大学では、四十四歳以下の研究者に対し複数年にわたって研究費を支援する仕組みを導入しており、今年度は十二件の研究を支援しております。
また、様々な研究者と切磋琢磨し研究力を磨くとともに、将来研究を進めるための人脈づくりにつなげる海外派遣制度を充実させ、今年度は四名の若手研究者に対し海外での研究に専念する機会を提供してございます。
こうした取組などにより、都立大学から世界で活躍できる若手研究者を育成、輩出してまいります。
○入江委員 令和三年のご答弁では研究の支援は四件だったんですが、今のご答弁で今年度は十二件に増えているということが確認できました。また、海外派遣制度で四名の方が海外での研究に専念しているということで、よかったと思っております。
日本は欧米諸国に比べて研究者への支援のレベルが低く、特に理系のポスドクの方などが海外の大学や企業へ出ていってしまっております。東京都立大学では、引き続き優秀な若手研究者が東京を基点に研究を継続できるよう、研究者支援の取組を充実させていただくことを要望いたします。
質問を終わります。ありがとうございました。
○たかく委員 今までほかの委員からも質疑がありましたが、私の方からも最初に能登半島地震に伴う東京都の被災地支援について伺います。
甚大な被害を及ぼした元旦の能登半島地震の発生から約十一か月が経過しました。東京都は、地震の発生直後から被災地のニーズに応じた支援に取り組み、速やかに職員を派遣し、被災地の応急復旧、さらには復興に尽力していただいていることには感謝申し上げます。
被災地では道路も寸断されて、また移動も大変長時間の移動となり、断水や宿泊場所の不足など、大変厳しい環境の中での大変な作業であったともお聞きしてございます。
初めに、地震発生以降の都職員の派遣状況についてお伺いいたします。
○小川復興支援調整担当部長防災企画担当部長兼務 都は、能登半島地震の発災直後から避難所運営、上下水道の応急復旧等、多数の職員を派遣してまいりました。また、道路、漁港のインフラ復旧や応急仮設住宅建設等、復旧復興支援のため技術系職員を中心に中長期の職員派遣も実施し、現在二十一名が現地で業務に従事しております。
これまでに延べ一千七百人を超える都職員が被災地支援に従事しており、今後も被災地のニーズに応じた職員派遣を実施してまいります。
○たかく委員 この九月には、地震の被災地である輪島を含む奥能登地域を記録的な豪雨が襲い、さらなる被害を及ぼすなど甚大な爪跡を今残しております。
大規模地震に加えて豪雨被害が重なったことでさらなる支援が必要となりましたが、東京都では、救助活動などのほか、石川県の要請を受け、現在の中長期派遣者に加え、豪雨被害の復旧対策に当たる技術系職員五名を順次派遣しているとのことで、改めて感謝申し上げます。
甚大な被害に遭われた能登半島では人口減少も著しく、また自治体規模も決して大きくはありません。こうした厳しい状況下の被災地において、一日も早い復興を実現するためにも、東京都の持てるノウハウを結集し、現地のニーズをしっかりと酌み取った上で適切に人員を派遣するなど、引き続き支援に努めていただきたいと思います。
さて、都議会公明党では、十三年前の東日本大震災の際に、発災から約二か月後に岩手県、宮城県、福島県の三県に入り、現場の声を聞いて、そして要請を受けて当時の知事に申入れを行い、一泊三千円の補助が出る被災地応援ツアーが実施されることになりました。
被災地の復興には、なりわいの再建も不可欠であり、そのためには特産物等の販売支援が重要であります。都内において、都が被災地の特産物販売を支援し、その魅力を発信することは、都民をはじめとした多くの人たちの被災地に対する関心を呼び起こすとともに、その購入を通じて復興支援に貢献できるものと認識してございます。
今回の地震で被災を受けた被災地の特産物販売支援状況等について、お伺いいたします。
○小川復興支援調整担当部長防災企画担当部長兼務 都では、農業、漁業など、被災地の特色ある産業のPRのため、石川県等とも連携し、特産品販売のイベント等を行っております。
六月には、都民広場で応援イベントを実施し、八月からは職員食堂において石川県産等の食材を用いたメニューの提供を開始いたしました。また、今月初め、御徒町駅前で復興応援ふるさと市を開催し、特産品の販売に加え飲食の提供も行いました。
○たかく委員 今おっしゃったような方法で、人口が集積する東京において、都民をはじめとした多くの方に石川県等の特産物の魅力に触れていただき知ってもらうことは、長期的に見ると能登半島地震の被災地の復興に大きく寄与するものと思います。
引き続き、様々な機会を捉えて、石川県など特産物の魅力発信に取り組んでいただきたいことを要望いたします。
今回の能登半島における災害に伴い、多くの職員が被災地で様々な支援活動に従事していただいております。そこで得られた知見、また教訓は、大変貴重なものであると考えます。
こうした知見、教訓を、今後いつ起こるか分からない首都直下地震にどのように生かしていくのか、見解を伺います。
○田代防災計画担当部長 能登半島地震では、ライフラインが深刻な被害を受け、避難所における衛生環境が悪化するなどの課題を改めて認識いたしました。
こうした課題に加え、高層化した建物の集積や人口の多さなど、東京の地域特性も考慮し、建物の耐震化や不燃化などのハード対策を着実に進めるとともに、マンション防災や避難所環境の確保、トイレ対策など、各局等とも連携をしながら取組をさらに充実強化してまいります。
○たかく委員 被災地での厳しい環境で支援活動を行うことは、大規模災害に備えるための様々な教訓が得られたと思います。都民の命と財産を守るよう、引き続きしっかりと防災対策に取り組んでいただきたいことを要望いたします。
能登半島の復旧、復興はまだまだ道半ばで、これからであると思います。
私のところにも、石川県で被災をされて東京に避難されている方より、いろいろな相談をいただいております。例えば、被災されて現在都営住宅に入居されている方からは、現地石川県の家が全壊状態で帰ることもできないと。このまま延長して東京都の都営団地にとどまりたいなどの相談もいただいております。
これからも能登半島地震被災者へのさらなる都の支援を求め、次の質問に移ります。
次は、災害時のトイレ対策について伺います。
大規模災害発生時の不衛生な環境による被災者の健康被害を防ぐために、公衆衛生の確保は極めて重要であります。
今年元旦に発生した能登半島地震では、陸路の寸断や断水、停電の長期化によってトイレが使えない状態が長引き、避難所などの衛生問題が深刻化しました。
十一月二十二日に発表された能登半島地震での災害関連死は二百三十五名で、建物倒壊などの直接死の二百二十七名を上回ったとの報道が出ておりました。
劣悪なトイレ環境によっては避難生活のストレスが増え、災害関連死の危険性も高めることになります。災害関連死を防ぐためには、安心できるトイレの環境が不可欠であると考えます。
都議会公明党は、本年一月の能登半島地震を踏まえ、区市町村が災害用トイレの確保に取り組むよう、東京都として支援していくべきであると求めてまいりました。
初めに、災害時のトイレ対策における都と区市町村との役割についてお伺いいたします。
○田代防災計画担当部長 地域防災計画において、都は、災害用トイレや、し尿処理に関する広域的な調整に加え、下水道管の耐震化の推進や避難所のマンホールトイレの整備などについて、関係各局等が連携して対策を推進することとしております。
また、区市町村は、携帯トイレや簡易トイレなど様々な種類の災害用トイレの確保を行うとともに、災害用トイレの設置場所や備蓄等をあらかじめ住民に周知し、災害用トイレに関する普及啓発などの役割を担っております。
○たかく委員 地域防災計画では、災害用トイレの確保については一義的には区市町村の役割であるとのことであります。
今回の能登半島地震の避難者は、最大約四万人が避難所に避難されておりました。首都直下地震における被害想定では、避難者は最大三百万人、避難者も二百万人といわれております。これだけの避難者を対象と考えると、トイレ環境の向上に向けた計画を早急に策定することが重要であります。
NPO法人日本トイレ研究所が昨年、全国の自治体を対象に実施したアンケート調査によりますと、災害時のトイレ確保管理計画を策定していると答えた自治体は二四・一%で、策定していないが七五・九%に上りました。
災害用トイレの備蓄状況についても、最大規模の災害が発生した場合に想定される避難者数に対して足りる見込みと答えた自治体は三〇・七%にとどまっております。
都議会公明党は、過日の第三回定例会代表質問で、災害時のトイレ対策について、都や基礎自治体が災害に備えて様々な種類のトイレ対策を計画的に取り組むことが重要、都は各自治体が地域特性に応じて災害用トイレの確保に取り組めるよう支援していくべきですとの質問に対し、都は、現在区市町村が災害用トイレを適切に配備できるよう発災直後、復旧期、それぞれの段階や、下水道管や建物などの被害想定を踏まえ、地域特性に応じて必要となるトイレの量や種類などを検討している、今後計画を年度内に取りまとめ、発災時にも衛生的なトイレを安心して利用できるよう区市町村の取組を支援してまいりますとの答弁でありました。
そこで、災害時のトイレの衛生環境の確保に向けて、どのような視点を重視して計画の策定を行っているのかお伺いいたします。
○田代防災計画担当部長 都は、被害想定や能登半島地震の教訓を踏まえ、女性や要配慮者等の多様な視点を重視し、災害用トイレの適切な使用手順や留意事項などの運用面についても整理しながら、計画の策定を進めております。
○たかく委員 今回の能登半島地震での被災地では、トイレトレーラーやトイレカー、またトイレの排水を無臭で飲料可能なレベルまでに処理できる循環型トイレ等も有効に活用されておりました。
都は、各自治体が地域特性に応じて、災害用トイレの確保に取り組めるようあらゆる角度から支援していくべきと考えます。様々な被災者が想定されることを踏まえ、災害時に誰もが安心して利用できるトイレ環境の実現に向け、計画の策定を進め、財政的支援も含め、区市町村のトイレ確保の支援に積極的に取り組んでいただきたいと要望して、次の質問に移ります。
次は、都庁における職員の採用について伺います。
先日開催されました令和五年度各会計決算特別委員会分科会では、事務職の採用状況について質疑を行い、大学卒業及び大学院修了程度を対象とするⅠ類採用試験における倍率が低下傾向にあることが分かりました。
東京都では、適性検査の導入や採用候補者の名簿の有効期間の三年間への延長など、新卒者の確保に向けた採用制度の見直しに取り組んできておりますが、新卒の売手市場が続いている中、今後新卒者の採用はますます厳しくなると考えます。
転職者へのアプローチとしては、我が党の要望を踏まえ、技術職を中心に本年度から経験者採用選考を実施しているところであります。
そこで、改めて経験者採用選考を導入した狙いについてお伺いいたします。
○金久保人事部長 近年、転職市場が拡大し、人材の流動化が進んでいる中、民間企業においては計画的に中途採用者の割合を増加させております。こうした状況を踏まえまして、都においても多様な人材を確実に確保していくため、採用募集を通年で行い、全国どこからでもオンラインで適性検査を受けられるなど、公務員試験のための特別な準備を必要としない経験者採用選考を今年度から導入いたしまして、順次拡大しているところでございます。
○たかく委員 社会の変化を踏まえながら、採用施策の充実に取り組み、多様な人材の確保に努めていることが分かりました。
行政の仕事に求められている能力がますます多様化する中、民間企業等での経験を有する人材に、これまで培った経験や知識を活用しながら都庁で活躍してもらうことの重要性も増していると考えます。
また、都庁では会計年度任用職員や任期付職員として活躍している職員も多く、人材確保が困難となってきている中、そのような能力のある職員のうち、次は常勤職員として働きたいと希望する方にも門戸を広げ、これまでの経験や能力を引き続き都政で生かしてもらうことも有効であると考えます。
経験者採用選考により、多様な人材を確実に確保していくことでありますが、先日、これまでの技術職を中心に実施していた本選考を事務職にも拡大することが発表されました。
そこで、経験者採用では具体的にどのような人材を求めているのか伺います。
○金久保人事部長 民間企業などでのこれまでの経験を行政で生かしたい方をはじめ、アルバイトやパートタイムとして働いていたけれども、さらなるキャリアアップを目指す方、出産や育児などの理由で退職したけれども、新たなセカンドキャリアを築きたい方など、能力と熱意ある人材を広く募集してございます。
また、都庁などの公務職場で、会計年度任用職員や任期付職員として働いてきた経験を糧に、今後は常勤職員として定年まで都政に貢献したいと希望する意欲と能力のある方にも応募していただきたいと考えております。
○たかく委員 私は令和五年度各会計決算特別委員会の分科会において、一人一人が希望する働き方で活躍できる社会を実現していくことが重要であり、都庁でも、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍できるよう要望させていただいたところであります。
経験者採用選考では、キャリアアップやキャリアチェンジを希望する方が広く挑戦可能な選考であることが確認できましたが、こうした取組を通じ、今後も幅広い年代の方々が意欲ある能力を生かして活躍できる組織づくりを今後も引き続き推進していただくよう要望させていただき、次の質問に移ります。
最後に、性的マイノリティー交流の場、機会の提供についてお伺いいたします。
性的マイノリティーの方々の多くは誰にも相談できず、一人で悩みを抱え、さらに周囲の無関心、無理解、偏見などの中で、学校職場など様々な場面で困難に直面していることがあります。
第二期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画には、具体的施策として、交流の場、機会の提供と明記されておりますが、LGBTやそうかもしれないと思っている人が集まれる交流の場の事業について、いつからどのような目的でこの事業を実施しているのかお伺いいたします。
○若林人権部長 都は、令和二年度から性的マイノリティーの方々が安心して集い、ほかにも同じ悩みを抱えている人がいることを知り、今後の生き方を考えることができるよう、十代から二十代前半の若者を対象に交流の場事業を実施しています。
実施に当たっては、都内の中学校、高校にチラシを配布するなど、ターゲットである未成年期や学生の当事者に的確にアプローチするとともに、イベントに参加することによるアウティングが絶対に発生しないよう適切に対応しております。
○たかく委員 この基本計画の中で都が実施した調査でも、どのような困り事に直面しているかの質問に対し、相談相手の不在と答えた人の割合が多いことから、当事者が相談しやすい環境の整備が求められております。都内自治体でも様々な取組を行っていると聞いており、誰もが気軽に参加できるよう行政が居場所づくりを主催していくことに意義があると考えます。
交流の場の事業について、令和五年度及び令和六年度の実績、そして今後の方向性についてお伺いいたします。
○若林人権部長 令和五年度は三回開催しており、延べ六十七名が参加いたしました。令和六年度は、九月、十一月に開催し、延べ三十四名が参加しており、十二月に三回目の開催を予定しております。
交流の場は、ゲームやレクリエーション等を通じて気軽に交流できる環境づくりを心がけるなど、当事者の方が参加しやすい内容としており、参加者からは今まで自分と同じ悩みを持っている人と会ったことがなく、親近感が湧いて楽しかった等の声が届いています。
今後とも、同じ悩みを抱える当事者が安心して集える居場所づくりに取り組んでまいります。
○たかく委員 ありがとうございます。今後、こういった声を上げられずに悩む性的マイノリティーの方々にしっかりと寄り添うように取り組んでいただくことを期待申し上げ、私からの質問を終わります。
○池川委員 日本共産党、池川友一です。
パートナーシップ制度について質問します。そもそも論になりますが、大事なことなのでまず確認したいと思います。
パートナーシップ制度により、都が期待することはどのようなことでしょうか。
○若林人権部長 東京都パートナーシップ宣誓制度は、多様な性に関する都民の理解を推進するとともに、パートナーシップ関係に係る生活上の不便の軽減など、当事者が暮らしやすい環境づくりにつなげることを目的としております。
○池川委員 パートナーシップを利用した方からは、支えになっている、とても心強いという声が寄せられています。共に生きている大切な家族として生きていくことを公的に証明してもらえるということ、具体的に困っていることの改善などについても様々ご意見を寄せていただいています。
公益社団法人Marriage For All Japan―結婚の自由をすべての人にの調査によると、日本全体の人口に対するパートナーシップ制度のカバー率は、今、約八九%、九割に広がっているということです。
二〇一五年に渋谷区と世田谷区で制度が開始して以降、十年弱で全人口の九割まで拡大してきたということは、声を上げた方はもちろん、声を上げられずとも制度の実現を求めてきた方々の巨大な成果だといえると考えます。
東京都は、二〇二二年から制度を開始しています。都におけるパートナーシップ制度の証明書交付数の推移について伺いたいと思います。また、オンラインでの交付、それ以外の交付の内訳についてもお答えください。
○若林人権部長 受理証明書については、令和四年度末で六百五十四組、令和五年度末で千百三十九組、令和六年十月末で千四百三十二組に受理証明書を交付しております。また、令和六年十月末時点で受理証明書の交付済数のうち、千三百八十九組がオンライン交付、四十三組が書面での交付でございます。
○池川委員 先月末で千四百三十二組のパートナーシップの方がパートナーシップを宣誓したということです。
私も喜びの声を直接聞いてきましたが、それはやっぱり大切な家族として生きていくことへの喜び、あわせて、例えば都営住宅への応募ができるということも大変喜ばれています。
東京都は家賃が高く、このことは今、社会問題になっていますが、制度ができるまではそもそも申請そのものができなかった。パートナーシップ制度ができたからこそ変わった、実感できる一つだと思います。
この十一月で制度が始まって二年となります。この二年間の制度を利用した方から、どのような声が寄せられているのか。よりよい制度としていくために継続的な取組が必要だと考えます。パートナーシップ制度開始後、当事者へのヒアリング、制度への意見等についてはどのように聞いてきたんでしょうか。
○若林人権部長 利用者からの意見をメール等により継続的に把握するなど、利用者の声を丁寧に聞き取っております。
○池川委員 私の質問は、当事者へのヒアリングを直接どうやってやってきたのかということなんです。やっぱり制度をつくってその制度をしっかりとよいものにしていくためには、継続的に意見を聞き、反映していくということが不可欠だと思います。
例えば、盛岡市、今年度、導入から一年たった時点で、制度を利用した方々へのアンケートを行い、回答率は八割だったといいます。制度を利用したきっかけ、証明書の利用状況、気持ちの変化、よかったこと、今後期待していることなどについて、項目を立てて当事者調査をやっている。
渋谷区、二〇二二年度に、これはかなり大規模な調査でしたが、利用者に対してインターネット等、さらにはインタビューの実態調査を行っています。アンケートを行う中でニーズを調査しており、行政が捉え切れていない問題を当事者にやはり直接聞くということで改善していこうということがこのアンケート、意識調査、実態調査、いろいろ呼び方はありますが、そうした取組の共通点ではないかと考えます。
都は、こうした自治体がアンケートや意識調査等について実施しているということについては、把握をされているんでしょうか。
○若林人権部長 各自治体との意見交換などにより、内容の方は把握しております。
○池川委員 自治体の取組について把握しているということなんです。東京都も制度ができて二年たったんですね。利用した方々、先ほど、千四百組を超える方々がパートナーシップ宣誓制度を利用しているということなので、この利用した方に直接アンケートを行う。やっぱり直接制度を利用した方々に聞く機会というのを都がつくらなかったら、意見は待っているだけなんですよ。都がつかみに行く、そのためにはやっぱりアンケートを含めた意識調査、この呼び方は様々あると思いますが、利用されている方々に対する調査を行わないと、声がつかめないんじゃないかと思うんですが、具体的に、アンケート調査、実施を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○若林人権部長 オンライン登録をする際にシステムを活用しておりますが、そのシステムによってアンケートを実施しております。
○池川委員 今、お答えになったアンケートというのは最初にあった答弁とは違うということなんですか。ちょっとその辺を整理してお答えいただきたいと思います。
○若林人権部長 失礼しました。違うという意味ではございませんで、利用者からの意見をメール等によって把握するということでございます。
○池川委員 つまりは、いわゆる制度利用者に対して改めてアンケートをし直すという取組をやっていないということだと思うんですよね、今、現時点では。私、多様な性の理解とか生活上の不便の軽減、当事者が暮らしやすい環境づくりにつなげていくというのが最初目的だというふうにお答えいただいたと思うんですね。
この目的が、今実際、達成されているのか、していないのかというのは聞いてみないと分からないと思うんですよね。聞かずにこれは判断できないと思うんです。これは聞かずにこうした目的が達成されているか否かについてどうやって把握するんですか。
○若林人権部長 利用者の声を丁寧に聞き取ることによって把握しております。
○池川委員 直接、向こうからアクションがあった場合の話だと思うんですね。ほかの自治体でやられているアンケートというのは、この制度を利用した利用者さん全体に対してアンケートなどを通じてその実態を把握するということをされて、様々な制度の改善とか、東京都が今回目的として掲げたことが達成されているとか、そういうことを把握していくという努力がやられていて、やっぱりこれをやらないと、この制度が具体的にどうやって利用している都民の方々に対して役に立っているのか、課題があるのか把握できないと思うんですよ。
これはアンケートを実施した自治体の調査、私も幾つか読みましたが、やっぱり制度をよくするための具体的な提案も、その利用者の方に聞くことによって、待っているだけじゃなくて、聞くことによってきちんと提案を受けていると。
実際に制度ができたことによって、どういう変化があったのかということをつかまなかったら、それは駄目だと思うんですね。これは当事者への調査ということを待っているだけじゃなくて、都として能動的につかむということはやる必要あると思うんですけど、いかがですか。
○若林人権部長 パートナーシップ宣誓制度のシステムに新たに導入しましたアンケート機能を活用いたしまして、利用者の声を把握しております。
○池川委員 それはつまり、今回登録して、利用登録した証明書を交付した千四百組に対してアンケートを行うという理解でよろしいでしょうか。
○若林人権部長 アンケート機能を使いまして実際に実施しております。
○池川委員 最初のメールで聞いたという話と今の話、よく分からないですけど、とにかく広くアンケート機能を使って千四百組に対してちゃんと聞いていくということで、これはいいわけですね。意識調査というか、都としてこういう項目を聞きたいという項目を設定して、きちんと千四百組の方々に対して聞いていくということで、そういうことでいいんですね。確認させてください。
○若林人権部長 そのとおりでございます。
○池川委員 最初からそれをぜひ答弁していただきたかったんですね。
全国的には名称や制度が様々ですが、条例、要綱、違いはあると。五百近い区の自治体が今パートナーシップ制度をつくっています。こうした広がりの中で今の実態調査などもやられて、さらに制度をよくしていく、様々改善していくという取組が行われているということなんですね。
パートナーシップ制度についての都内市区町村の状況について伺いたいと思います。
どのぐらいの自治体が導入をしているのか。また、市区町村との制度の連携がどのように行われているのか。未実施の市区町村との連携についてはどうやってやっているのか。併せてお答えください。
○若林人権部長 都内において、独自でパートナーシップ制度を導入しているのは二十三自治体でございます。
都は、令和四年度のパートナーシップ宣誓制度開始時より、制度を導入している全ての都内自治体と受理証明書の相互活用に関する連携協定を締結しています。また、制度が未導入の都内自治体に対しては、都の受理証明書を各自治体の行政サービスで活用できるよう区市町村と丁寧に協議し、連携を図っております。
○池川委員 過去の委員会資料を遡ると二〇二二年が十二自治体、二三年が十六自治体、今年の二月が二十二自治体だったので、さらに一自治体増え、今二十三だということです。
パートナーシップ制度ができた経緯については様々違いはあると思いますが、当事者の困ったという声から始まったという点では共通していると考えます。
都が広域自治体として果たすべき役割は、人権の問題として性の在り方はグラデーションがあること、また、どのように困難に直面しているかを共有すること、理解と支援を行うアライを増やしていくことなど、様々あると思いますが、これらを市区町村とも連携しながら、ぜひ進めていただきたいと思います。
都の証明書を活用することで具体的なサービスが受けられるようにしていくことも大事だと考えます。この間、携帯電話の家族割引やファミリー割引などは同性パートナー同士でも受けられる、大きくこの点では広がりました。ほかにも、家を買う際のペアローン、生命保険の受取人など様々課題があるというふうに指摘をされています。
都は、東京都パートナーシップ宣誓制度受理証明書等により利用可能となる事業一覧というのを公表していますが、今後、この事業を拡大していくための方策について伺います。
○若林人権部長 制度導入時から業界団体等に継続して働きかけるとともに、民間団体が主催する性的マイノリティーに関するイベント等におきまして、制度の理解や周知を図っております。
さらに、性的マイノリティーに関する企業向けポータルサイトにより、多様な性の理解の促進と併せ、顧客向けサービスや社内福利厚生において、制度の活用が広がるよう協力を呼びかけています。
○池川委員 これは相手もあることなので、利用可能となる事業を増やしていくための取組が必要だと思います。
具体的な壁の一つとなっているのは、病院での面会や入院の同意書の問題があります。入院や手術というのは、時には命に関わる問題で一人一人の人生に大きく関わる問題です。パートナーの人生の最期に立ち会いたくても立ち会えなかったという声も寄せられています。
病院での様々な手続、面会、入院や手術の同意書のサインなど、不安と困難に対して都はこの課題をどのように認識し、どう対応しているのか伺いたいと思います。
○若林人権部長 制度の検討時に行った有識者等へのヒアリングの中で、例えば医療機関においてパートナーの診療情報を聞けない、手術の同意ができないといった意見を聞いております。そのため、受理証明書が活用されるよう医療関係の業界団体を訪問し協力を依頼しているとともに、病院で面会する際などに受理証明書が活用可能であることを確認できた六十施設を東京都のホームページに掲載しています。
○池川委員 現在六十の医療機関が、証明書が活用可能な病院として紹介されている。今、答弁にあったとおりです。もちろん、ここには掲載されていない場合でもきちんと対応してくださっている病院というのはあると思いますが、やはりここに掲載していただくことによって、当事者の方々が安心して行くことができる、そうした拡大の働きかけについては引き続き行っていただきたいというふうに思います。
パートナーシップ制度における子供の対応について伺います。
都は、パートナーシップ制度の利用者に子供がいる場合、子供に関する困り事の軽減につなげる仕組みとして、受理証明書の特記事項欄に希望に応じて子供の名前を記載することができるというふうな対応を取っています。証明書に子供の名前を記載したカップルの推移について伺います。
○若林人権部長 令和六年十月末時点で二十三組となっております。
○池川委員 パートナーシップ制度の当初の議論では、子供の名前は補記、補って記すことができるとされていましたが、こども基本条例をはじめ、子供の権利保障の視点から問題提起を行う中で、補記という言葉は使わなくなっています。
現在の制度では、特記事項欄に子供の名前を記載できるというのは先ほどいいましたが、特記事項とは特別に記すということです。特別に記すということではなく、やはりパートナーと同じようにファミリーシップとして証明してほしいという声が寄せられています。
ファミリーシップについては、都内自治体で現在導入しているのは幾つあるでしょうか。
○若林人権部長 現在、三自治体でございます。
○池川委員 都内でも新たに豊島区がファミリーシップを導入したことで、今三自治体となっているということです。
兵庫県明石市では、ありのままが当たり前を掲げ、人生のパートナーや大切な人を家族として届け出たことを市が証明するとして、パートナーシップファミリーシップ制度という名称で制度をつくっています。ファミリーシップの制度について検討する必要があると思いますが、いかがですか。
○若林人権部長 東京都パートナーシップ宣誓制度は、届出者に子供がいる場合、受理証明書の特記事項欄に子供の名前を記載できることとしております。これにより、病院の付添時などに、子供とその親のパートナーとの関係を説明しやすくなるなど、子供に関する困り事の軽減が図れるものと考えています。
○池川委員 子供は、紛れもなく人生を生きていく上での大切な家族だと考えます。関係性を証明するファミリーシップ、これは強く求められていると思います。当事者の声を聞き、ファミリーシップの制度を導入するということを重ねて求めておきたいと思います。
婚姻するかしないかは一人一人の選択ですが、同性パートナーの場合は、そもそもその選択肢がありません。結婚の自由をすべての人に訴訟が提起をされ、札幌高裁に続き東京高裁でも、同性が婚姻できないのは憲法違反であるという判決が出されています。
東京高裁判決は、同性婚が認めない現行規定は、個人の人格的存在と結びついた重要な法的利益について、合理的な根拠に基づかずに、性的指向により法的な差別的取扱いをするもので、憲法第十四条一項と二十四条二項に違反するとしています。同性間で配偶者としての法的身分関係を形成できることは、男女間と同様に、安定的で充実した社会生活を送る基盤をなす重要な法的利益で、十分に尊重されるべきだともしています。
これらの判決について都はどう受け止めているのか。国に対して、都としてはどのような要望をしているんでしょうか。
○若林人権部長 婚姻制度や婚姻制度と密接に関連した法令等につきましては、国全体に関わることであり、その在り方に関しては、広く国民の理解を得ていくべきものであることから、今後の国の動向を注視していくこととしております。
都は、パートナーシップ宣誓制度を創設し、多様な性に関する都民の理解を推進するとともに、パートナーシップ関係に関わる生活上の不便の軽減など、当事者が暮らしやすい環境づくりにつなげています。
○池川委員 実際には選択できない人たちがいらっしゃる。これは立法府としての国会が厳しく問われていると考えます。
都は、選択的夫婦別姓については、都民に生じている不便、不都合を解消する観点から選択的夫婦別姓制度に係る議論を早急に深め、結論を出すことと、これは国への提案要求で出しています。同性婚については触れていません。同性同士で婚姻ができないことについても、都民に生じている不便、不都合を解消する観点から、私は国に提起していただきたい、提案要求していただきたいということを求めておきたいと思います。
同性パートナーが法律婚や事実婚と比べて不利益がないようにしていくことが重要だと考えますが、都の見解を伺います。
○若林人権部長 都は関係法令との整合性を踏まえ、婚姻制度と異なるものとして、令和四年度より東京都パートナーシップ宣誓制度を導入いたしました。これにより、多様な性に関する都民の理解を推進するとともに、パートナーシップ関係に関わる生活上の不便の軽減など、当事者が暮らしやすい環境づくりにつなげております。
○池川委員 実際には不利益があると。同性婚が実現すればこれは解決すると考えますが、同性婚が法制化するまで、少なくとも事実婚と同様の取扱いとしてほしい、そういう制度改正を求める動きがあります。事実婚と同様に住民票の欄に、夫未届け、妻未届けと記載する運用を始めている自治体もあります。
都民に生じている不便、不都合を解消する観点から、都としてもこれらの問題についてぜひ深めていただいて、国に対する要望、また様々な基礎自治体との連携図って、取組進めていただきたいということを求めておきます。
次に、事実婚について聞きます。
都は、事実婚の方々が抱えている課題を解決する立場から、実態把握を進めると表明しています。課題とされるものは、選択的夫婦別姓が実現すれば解決する課題だということは、まず申し上げておきたいと思います。
事実婚を現在選択している方は、どの程度だと把握されていますか。
○若林人権部長 内閣府によると、令和三年度に実施した調査結果では、事実婚を選択している人は成人人口の二から三%を占めていることが推察されるとのことでございます。
○池川委員 生まれ持った姓を名乗りたい、でもそれを全ての人が選択できるわけではない、そうした環境が整っている状況ではありません。事実婚の場合、親や周辺の理解がない場合もあり、そうした方々が公的に証明してほしいという声もあります。
パートナーシップ制度に事実婚を含めている都内自治体について、どのように把握されていますか。
○若林人権部長 現在四自治体でございます。
○池川委員 事実婚を最初にパートナーシップ制度に含めたのは、全国的には二〇一九年の千葉市が最初だと思います。都は、実態把握をするとこの間表明していますが、事実婚についてどのような調査を行っているんでしょうか。
○若林人権部長 事実婚の方々の困り事の実態を把握するため、民間企業等へのヒアリングを行っております。
○池川委員 現在ヒアリングを行っているところだと、行ったと、行っているということだと思います。事実婚が抱えている人の課題解決に向けて、具体的にどういう取組をされていくんでしょうか。
○若林人権部長 事実婚の方々の困り事の実態を把握するため、ヒアリングを行っておりまして、現在ヒアリング結果の分析を行っております。
○池川委員 分析をされているということなんですが、めどとしては、いつ頃までにその分析結果を取りまとめるとしているんでしょうか。
○若林人権部長 めどについてはお答えできませんが、現在ヒアリング結果の分析を行っているところでございます。
○池川委員 鋭意努力して分析されている最中だということです。
私自身も実は事実婚の当事者でありまして、私自身は、先人たちが本当に声を上げ、制度を改善して実現してくれた様々な恩恵を受けているなと実感する場面が少なくありません。ただ、一方で課題もあると感じています。
伺いたいと思いますが、事実婚と法律婚で具体的にどのような違いがあるのか。何が不利益となっていると考えていますか。
○若林人権部長 事実婚は、事実上婚姻関係と同様の事情にあり、法律婚に準じ、社会保険や公的年金などの各種制度において、一定の権利が認められているほか、同居協力扶助義務などがございます。一方で、税控除の問題などで取扱いが異なっております。
○池川委員 内閣府が二〇二一年三月にまとめた、いわゆる事実婚に関する制度や運用等における取扱いという資料がありますが、これにかなり詳しく記載をされています。
配偶者控除が受けられないということが今ありました。どちらか一方のみが働いている場合、共働きでは生じないわけですが、どちらか一方が働いている場合に、控除が受けられないというのは大変大きな不利益だと考えます。
また、相続の問題でも課題があって、遺言などによって相続をした場合であっても、相続税の軽減は適用されないなどの課題があります。また、建物や土地を持っている場合、どちらか一方の名義である場合に、例えば事故等で突然亡くなったときにこの相続の問題というのは発生するわけで、これら法的な課題があるというふうに考えます。
事実婚と法律婚では、子供がいる場合どのような違いがあるでしょうか。
○若林人権部長 内閣府が公表している資料によりますと、父子の関係の成立、親権などの取扱いが異なるとしております。
○池川委員 事実婚の場合は単独親権、原則は母親が親権者となるとされています。認知をすることによって父子関係を成立させるということになりますが、私ごとで恐縮で、私の場合をちょっと紹介すると、胎児のときにパートナーの承諾を得て、胎児の父であるという、いわゆる胎児認知というふうにいわれますが、認知をするという届出を出すことになります。これはパートナーの承諾が必要というのは、父になる人だけで勝手に出すことはできないというふうになっているんですね。我が家は今子供四人なので、その都度認知届を出してきました。
これはうちの場合は直接ではなかったんですけど、居住地、つまり住民票がある自治体に本籍がある場合は問題になりませんが、住んでいない自治体が本籍である場合、その本籍地に認知届を送るという壁があるんですね、これ。ということもあると。ハードルになると思います。つまり、法律婚では必要ない手続が様々あるということです。
子供が生まれると、出生届というのを出すことになります。この中にも恐らく出生届持って行かれた方いらっしゃると思いますが、ここでも法律婚と事実婚では異なる対応になっています。胎児認知をしている場合、生まれた子供の父の欄に、自分の氏名を書くことはできる、これは先人たちの努力によって書くことができるようになっています。
しかしもう一つ、届出人という項目があるんですね。この項目は、出生届を出しに来たあなたは一体何者ですかっていう、そういう項目です。その項目の中には、父、母、法定代理人、医師、その他立会者など、チェックで選択できる項目があって、そこにチェックを入れるようになっています。生まれた子の父の欄には自分の氏名が書けるので、当然父にチェックを入れて役所に提出をします。しかし事実婚の場合は認知をしていても、この父にチェックを入れたものというのは受理していただけません。受理していただけません。なので、不備があるということで突き返されることになる。
じゃあ、どうするのかと。父ではなく同居者という項目があって、そこにチェックを入れることによって、初めてこの届けを受け取ってもらえるということになって、これ私、毎回父にチェックを入れて、役所から返されてもう一回出し直すということをやりましたけど、法務省に確認をしてみたら、現在も父の欄にチェックを入れて出すことはできないというふうに確認をしました。父の欄に名前は入れられるのに、届出人は父として出せないというのは、やっぱりおかしいなと思うんですね。
もう一つ事例を紹介します。予防接種です。予防接種を行う場合には、実施規則で被接種者、その保護者に有効性、安全性、副反応などについて説明をし、文書により同意を取るというふうに決められています。この保護者には厳密な定義があって、予防接種法の中では、保護者とは親権を行う者または後見人とされていて、厳密に親権者に対して同意を求めてくださいとなっているんですね。私は親権者ではないので、本来は同意することできないんですが、私も事実婚の友人などに聞くとここの運用は曖昧で、親権者じゃなくてもサインして予防接種打っているよということはあって、柔軟にといっていいのかはちょっと分からないんですが、きっちり運用はされていないと。その本人の意思確認を、親権はないけど、保護者として確認しているという対応をされているということもありました。
法改正がこの間行われて、子供への相続などについては不利益的な扱いというのは解消され法律婚と比べると、法律婚とそこに差はなくなったと。これ、いろいろ前進もあるということは事実です。
この繰り返しになるんですけど、これらは選択的夫婦別姓が実現すれば、直ちに解決をする問題ではないかと考えます。現状、世界の中で強制的夫婦同姓となっているのは、姓を変えることそのものが個人の尊厳、キャリア形成などからいって大きな不利益になっているということだと思います。
この事実婚の困り事を考えるときに、選択的夫婦別姓の問題というのは避けて通れない課題だと思います。知事はこの間、様々な場面で選択的夫婦別姓についても、研究を進めると表明をされていると。この事実婚の問題を考える際に、今、総務局が直接様々なヒアリング等をやられていますが、生活文化スポーツ局との関係では、連携というのは図っているんでしょうか。
○若林人権部長 生活文化スポーツ局と連携を図っております。
○池川委員 その生活文化スポーツ局で今年度やっている事業で、私立中学校の保護者に対する給付金があります。私、子供が中学生で、これに初めて申請をしました。そしたら、これは住民票を出したんですけど、住民票を出すといわゆる未届けの欄があって、いわゆる事実婚だということはそこで分かるわけですが、あなたは一体何者だという三回問合せを受けましたよ。やっぱりこれっていうのは本当に社会的に、なかなかまだ認識されていないんだなということを感じる場面もあって、この事実婚で困っている問題って、直面して初めて実感することもたくさんあって、ですがそういう一つ一つを洗っていただいて、課題を抽出していただいて、これが課題なんだということをまとめていただくことはとても大事だと思うんですけど、やっぱり根本には、今の制度の中で受け止め切れないものがたくさんあるんだなということを強く思っています。
国は一方で旧姓の併記、いわゆる通称使用の拡大ということをいっていたりもします。これはやっぱり不利益は解消できないと思うんですね。
例えば、パスポートについて外務省は、旧姓が併記された公用旅券、つまりパスポートについて、旧姓が併記された旅券は、国内外で出入国時にトラブルを生じる可能性をはらんでいるっていう注意喚起をしていて、とてもトラブルがあるということを事前に告知しなきゃいけないような状況になっていると、こういう注意喚起やっています。
夫婦同姓となることがやっぱり最大の障壁で、この障壁を乗り越えるには、やっぱり選択的夫婦別姓に進むしかないということを改めて、私も調べ直して実感をしました。
各党、各会派の皆さんにも、ぜひこの選択的夫婦別姓の早期実現、これを一緒に進めようじゃないかということを呼びかけまして、質問を終わります。
○鈴木委員 都議会立憲民主党の鈴木でございます。
まず、会計年度任用職員の再任用ルールについてお伺いをしたいと思います。
さきの決算特別委員会の全局質疑の場で会計年度任用職員の再任用について、公募によらない再任用の上限回数を四回、五年までと設定している、いわゆる五年ルールについて質疑をさせていただきました。昨年度末のスクールカウンセラーの大量雇い止め事件の元凶になった極めて悪質なルールだと私は考えておりまして、今日もこの五年ルールに否定的な立場から質疑をさせていただきたいというふうに思います。
ちなみに、国はこの東京都の五年ルールと同様の三年ルールですね、これを人材確保を理由に今年の六月、撤廃を発表したところでございます。都内の自治体の七割も撤廃、もしくは対応を検討すると考えているという現状を、毎日新聞が九月二十日に報じているところでございます。
私はこの五年ルール、ぜひとも撤廃すべきと考えますがどうでしょうかということを、先日の全局質疑の際に総務局長に質問をさせていただいたわけでございますけれども、総務局長の答弁は、五年ルールは、外部の方を含めた競争による能力本位の任用と人材確保の両立を図る、この二つの観点から必要なんだという答弁で、これからもこの五年ルールを堅持されていくという姿勢を示されたわけでございます。よくこの問題扱っていると誤解を受けるんですけど、私は非正規公務員の方々を雇い止めにしちゃいけないっていうことをいうつもりは全くないんですね。
私も長年企業経営者をやってまいりまして、やっぱりその会社や職務になじまない、合わない方々に会社や組織から離れていただくというのは、経営者や管理職にとっても非常に重要なことですし、ご本人の幸せのためにも必要なことなんだというふうに思っているんです。
その上でちょっと質問をさせていただきたいんですけれども、私どうしてもこの五年ルールが理解できないのが、五年ルールがなくても会計年度任用職員の方っていうのは、その名前のとおり一年間の契約なわけですよ。一年間の契約が終わった時点で勤務評定を見て、一定の水準に達していなければ、その時点で雇い止めにできる制度であるというふうに思うんですね。にもかかわらずですね、これ何でわざわざ五年で、勤務評定がどんなにいい人も駄目な人も十把一からげにして、一旦全員雇い止めにして、新人と一緒にもう一回公募に応募してください、かなり乱暴なことを東京都はやっているわけですけれども、何でこういう乱暴なことをやらなければいけないのかなということを、改めて質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○堀内労務担当部長 会計年度任用職員の任用に当たりましては、現職以外の外部の方にも公平な機会を提供し、競争によって能力本位の任用を行うことが重要でございます。そのため、原則は公募による採用とされてございます。
公募における選考におきましては、面接や職務経歴書により最新の知見の有無や、職への理解、勤務意欲など、一人一人の能力や適性を評価し、外部の方を含めた競争の中で能力本位の任用を行っているものであって、こちらが乱暴であるとは考えておりません。
また、公募を行わず、毎年度の業績評価のみで選考を行う場合、外部の方への公平な機会を提供できず、競争による能力本位の任用が図られないこととなるため、都は公募によらない再度任用の上限回数を四回と設定してございます。
なお、国におきましても、非常勤職員の任用につきまして、各府省がそれぞれの実情に応じて、公募によらない再度任用の上限回数の目安を独自に設けることも否定されるものではないとしております。
また、悪質なルールとのご指摘ございましたが、こちら当たらないものと考えてございます。
○鈴木委員 ありがとうございます。期待していたよりも本当に率直な、踏み込んだご答弁をいただきまして、その点については感謝を申し上げたいというふうに思うところでございます。
一点、ちょっとご答弁伺っていて、現状把握されているのかなと思ったんですけれども、私は昨年の、昨年度末のスクールカウンセラーの再公募のときに、十人以上のスクールカウンセラー、雇い止めに遭った方、幸運にも再び採用された方のお話伺いました。実際、適正な選択を公募でされたとおっしゃるけれども、僅か二十分の面接なんですよ。五年間働いて、五年間の勤務評定は全く見てももらえず、ご本人の方々がおっしゃるには、私は校長先生からも高い評価いただいていて、当然、また任用してもらえるんだと思っていたけれども、それが全く評価されないというのは本当に残念だと。
僅か二十分の面接、指導主事の方がいらっしゃって、スクールカウンセラー、その心理職の学位を持たれていて心理職の資格も持っていらっしゃる方々に、何の資格も持たない方々が面接官としていろいろと面接されて、それだけで決められたそうなんです。
私はこれ、かなり乱暴だなというふうに思って先ほど申し上げましたけれども、ここについては、そんなの教育委員会にいってくれっておっしゃるんでしょうから、そこ、もういいですけれども、ちょっともう少し今のご答弁について伺いたいんですけれども、皆さんが外部の新しい方々との競争を非常に重視されているというのはよく分かりました、ご答弁からね。続けて頑張ってくれている人もいいんだけれども、東京都としては、もう常に新しい知見を持った、若い、能力の高い方を随時取っていきたいんだと。五年頑張ろうが何だろうがそんなの関係ないんだというご姿勢なのは分かりました。
その上でちょっと議論、私はそういう考えは問題あるんじゃないかなと思いますけれども、それいい合っても我々野党ですし、考え方が違いますといわれて終わりだと思いますので、皆さんの考え方の土俵に乗って質問したいと思うんですけど、私もそういった新しい希望者を入れていくっていうことは重要だと思うんです。だからそれは否定しないんです。であるならば、毎年の会計年度任用職員の方々の再任用の際に一定数は、もう勤務評定の結果や、もしくは選考して一定数はもうこの基準に達しないからやめていただこうと、雇い止めにしようと。その分新しい方々に門戸を開こうと。十分できると思うんです。わざわざ五年ごとにまとめて全員雇い止めにする必要が全くないと思うんですね。一年ごとに新しい力を入れていけばいいと思うんですけれども、そこがどうしても理解できないんですけれども、どう整理されていらっしゃるんでしょうか。
○堀内労務担当部長 会計年度任用職員の任用につきまして、原則公募であるという点は一部の方々のみではなくて、全ての方々にひとしく適用されるものでございます。その上で、人材確保の観点も考慮する必要があることから、都は四回までは内部の業績評価で、適性のある方々の再度任用を可能といたしまして、五年に一度は、全ての方に外部の方も含めた競争をしていただき、能力本位の任用を行うことで、より適性の高い方々を採用しているところでございます。
こうした方法で、外部の方も含めた競争による能力本位の任用と、人材確保の両立を図っているところでございます。
○鈴木委員 ちょっとごめんなさい、私よくご答弁聞いていたつもりなんですけど、制度の説明してくださったように聞こえたんです。それは分かった上で質問していまして、皆さんが人材の確保だけじゃなくて、能力本位の採用したいというお考えは分かりました。それは認めます。でもそれ五年でまとめて、全員、もう優れた勤務評定すごいいい方も全部一回再更新せずに、もう一回ゼロから全員公募でやるんだというやり方をせずとも、毎年毎年一定数を勤務評定や試験を行って、一定の成績に達しないですねという人はもう再任用をせずに、外部の新人入れればいいと思うんです。
決して私がいいたいのは、毎年毎年そういうやり方で皆さんが求められているその二つの原則ですよね、能力本位と人材の確保、できると思うんですけど、何で五年に一回なんですか。結局、さっきの質問に戻っちゃうんですけど、そこを説明してほしいんですけど、私がいう一年ごとのやり方だと何で駄目なんですかね。
○堀内労務担当部長 会計年度任用職員の任用につきましては原則一年ごとに公募するというのが原則になってございます。それは、ちょっと繰り返しになりますが、一部の方々のみではなく、全ての方々にひとしく適用されるものです。そうした中で、人材確保の観点も考慮する必要があることから、先ほど申し上げましたとおり、四回までは内部の業績評価、五年に一度は外部の方と競争していただくという形で、能力本位の任用と人材確保の両立を図っておるところでございます。
○鈴木委員 ちょっとごめんなさい、よくあれなんですけど、会計年度任用職員については、毎年そこで雇い止めもできる、再任用もできる、そういう制度だということは分かりました。それで毎回毎回一年で切っちゃうと人材が確保できないから五年にしているんですよという意味のご答弁なんですかね、多分ね――はい。
○堀内労務担当部長 人材確保の観点といいますのは、毎年度行うことで、職によっては適正に人材を確保できるかどうか、応募いただけるかですとか、適性の高い人材を採用できるか、そういった観点を踏まえまして、原則公募であることと、こうした人材確保の観点を考慮して、先ほどから申し上げているやり方、取扱いをしているところでございます。
○鈴木委員 ごめんなさい、ちょっと本当に意味が分からなくて、ただ、別に私、部長を困らせることが本意じゃありませんので、また引き続き今度予算のときにでも伺おうと思うので、ぜひまた議論させていただきたいなと思うんですけれども、やっぱり五年で勤務評定すばらしい方も、駄目な方も、五年間は自動継続で、そこでまとめて新人と一緒に公募させると、これやっぱり乱暴だと思います。こういう制度はやめた方がいいと思います。
皆さんとすれば、スクールカウンセラーなんか成り手いっぱいいるんだと。少々乱暴にでも能力本位でどんどん取っていくんだというお考えなのも分かるんですけど、私それ本当に続くのかなと思うんですよ。確かに、私たちが学生の頃もそうでしたけど、心理学って人気があるわけです。心理職も人気がある。だから安い給料でも働こうとわざわざ大学に行って、心理学の修士号も取って、なかなか仕事ないけど、好きな心理学の仕事できればいい、子供たちの心のケアができればいいと思ってやっていらっしゃる方が多い。若い間は続くけど、年取ってくると、やっぱり家庭を持ったらもう続かないんですよ。
私の知り合いのスクールカウンセラーももう辞めちゃいました。皆さん、お給料高い、お給料高いっていうんだけど、確かに一日の手当は高いように感じます。四万四千百円、スクールカウンセラーは。でもこれ、年間の年収に直すと、一校だけ持っていると百六十七万五千円にしかならない。スクールカウンセラーの方々に聞くと、一日勤務ではやっぱり足りないんですよね。学校との打合せだとか、資料の整理だとか考えると、一つの学校一日行くと、もう一日やっぱり時間取られます。だから、週にせいぜい二校、体力ある人、バイタリティーがある人が三校なのが限界ですとお話しされていらっしゃいます。
二校持たれても三百三十五万円ですよ、年収。三校頑張って持ったって五百万円ですよ。まあ、そんなに高いと私は、大学院まで行って、専門職の資格取られた方々で、かつ、毎年毎年不登校増え続けているわけです。この問題に取り組んでくださっている方々のお給料として私は高過ぎることないと思うし、こういうことを続けていると、今の学校の教員そうじゃないですか、もう成り手いなくなっちゃって、今までさんざんひどい扱いしてきて、もう学校の成り手いない、お給料上げたってもう応募が少ない。同じことにならないかなというふうに思うんです。
東京都は、スクールカウンセラーだけじゃなくて、学校の教員の方もいらっしゃるし、児童相談所の職員の方々、非正規雇用の方々で、専門的な知見を持って住民サービスに当たられている方たくさんいらっしゃる。こういう方々やっぱりもう少し大切にしないと、いずれ本当に人がいなくて回らなくなる。児童相談所なんかはもう実際そうなっていると私は感じています。ぜひご検討いただきたいというふうに思います。
続きまして、都の職員の皆様の再就職に関する規定についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
今年六月の赤旗の記事によれば、神宮外苑再開発等の大型再開発プロジェクトを主導する三井不動産グループ二社に都の幹部十四人が天下りをしていたと報じられています。私は職員の方々も自由に民間に行けるようにまた活躍してほしいし、民間の方が都にも入ってきてもらいたいと思っているので、別に十四人の方が天下りしていたというのは、別にそれはそれであってもいいんじゃないかなと思うんですけれども、私が問題だと思ったのは、神宮外苑再開発プロジェクトの大きな方針が定められたとされる石原都政時代に二人の局長が天下りをしているという指摘でございます。
神宮外苑再開発については、ここで議論するテーマでもないと思いますし、そもそも我々さきの都知事選挙でこれを争点にして負けてしまいましたので、そのこと自体をここで議論しようという思いはございません。
ただ、一方でこの神宮外苑再開発問題でかいま見えてくる政・官・業の癒着の問題、これだけは看過できないなという問題意識がございます。そんな観点から何点か質問させていただきたいと思います。
まず教えていただきたいんですが、都の職員のOBの再就職に関する東京都の規定の内容についてご教示いただきたいと思います。
○金久保人事部長 職員の再就職につきましては、都民の信頼を損なうことがないよう、都議会の議決を経ました退職管理条例に基づきまして、元職員による働きかけ規制に加え、外部有識者による退職管理委員会の設置、利害関係企業等への求職活動の原則禁止、再就職情報の公表などを行い、再就職の公正性、透明性を確保しております。
○鈴木委員 ありがとうございます。元職員による働きかけ規制に加えて、利害関係企業等への求職活動の原則二年間の禁止など重要な規定があるということが分かりました。
そこでまた質問させていただきたいんですけれども、先ほどご紹介した赤旗の記事によると、十四人の天下りがあるという指摘だったんですけれども、三井不動産と主要グループ会社に就職した元都幹部の人数及びそのうち都市整備局のOBは何人いらっしゃったのかということを教えていただきたいと思います。
○金久保人事部長 幹部職員の民間企業への再就職状況につきましては、総務局におきまして、平成二十二年度から毎年度、団体名及び役職名などを公表しております。お話の企業に再就職した人数でございますけれども、令和五年度までの十四年間で三名であり、そのうち離職時の所属が都市整備局である人数は二名となってございます。
○鈴木委員 赤旗で報じられて、十四名が天下りしていると報じられているんですけれども、都が把握しているのは二名、それ以外は分からないということなのかなというふうに思います。
さきの衆院選でも、赤旗大スクープを放っている、定評のある取材力のあるメディアでございますから、私はこれ、恐らくちゃんと裏づけのある記事なんだろうな、石原都政下で二名の、やっぱり都市整備局の局長が天下りをしたのは事実なんだろうなと残念ながら思っているところでございます。
ここからは若干うがち過ぎた見方かもしれませんけれども、この局長OB、二人石原都政時代に天下って、もし仮にですよ、神宮外苑再開発事業のビジョンをこの方々がつくって、都庁の元部下たちに根回しをする。こういった中で、多くの野党の方々が問題提起されていらっしゃる公園まちづくり制度がつくられて、神宮外苑再開発事業が進められてきたということがもしあれば、やっぱりそれは大きな問題なんじゃないかなというふうに考えているところでございます。
そこでまた質問をさせていただきたいんですけれども、都市整備局の局長級職員、現在ですね、現在のルール上で、都市整備局の局長級の職員及び神宮外苑再開発に関連のある都市整備局の部長級職員にとって、三井不動産と主要グループの各社というのは、求職活動の規制対象となる利害関係企業等に該当するんでしょうか。該当するのかしないのか、教えていただきたいと思います。
○金久保人事部長 都におきましては、退職管理条例に基づきまして、局長級職員は管理職になった昇任以降に就いた全ての職務につきまして、また、部課長級職員につきましては、退職時の職務について、利害関係のある企業等への求職活動を退職後二年間原則禁止としてございます。同条例における利害関係とは、当該企業等に対しまして、許認可や検査の権限を有している場合や、補助金の交付を行っている場合、契約を締結している場合などが該当いたします。
利害関係の有無につきましては、職員の退職時等の職務内容と当該企業等との関係性を詳細に把握、精査し、さらに外部の有識者で構成される退職管理委員会において、第三者の目を通して、求職活動の妥当性について審議を行った上で、個別に確認の上、判断することとしております。
○鈴木委員 私の質問は制度の説明ではなくて、その制度の中で、今の都市整備局の局長、もしくは再開発事業に関わっていらっしゃる部長さんが三井不動産グループに再就職したいというときに、三井不動産グループは利害関係企業に当たるのかどうか、イエスかノーかで答えていただきたいという質問なんですけれども。
○金久保人事部長 繰り返しになりますけれども、利害関係の有無につきましては、その都度、その都度ですね、その職員、その職員の退職時などの職務内容と当該企業との関係性を詳細に把握、精査して、第三者委員会である退職管理委員会において、中身を見て、それで妥当性について審議した上で、個別に確認して判断することになるので、今この場でどうだこうだということは分かりません。いえません。
○鈴木委員 その基準を聞きたいんですね。説明いただきたいと思ったんですけど、結局、それは答えられないと、個別にどんな基準で審査するということが聞きたくて、こういう質問をしたんですけれども、答えられないということなんですかね。部長職の方であれば、いろんな何とか部長ってたくさんありますから、答えられない、精査したいというのは分かるんですけど、局長だったら答えられますかね。もう一人しかいらっしゃらないし、ポジション明確ですし、三井不動産との関係もはっきりしていると思うんですけど、明らかに利害関係あると思うんですけど、これ答えられますか。
○金久保人事部長 この条例に基づきます利害関係ということでございますけれども、その企業に対して、その管理職が退職時または局長級については管理職以降に就いた職務の中で、許認可であるとか、検査の権限をそのとき有していたとか、補助金の交付を行っていたとか、契約を締結したとか、そういうことが該当いたします。それは先ほども申しましたように、都度都度精査して、退職管理委員会において、第三者の目を通して、個別に精査して、審議して、確認の上、判断することとなっております。
○鈴木委員 もうどうしても答えてくださらないみたいなので、次の質問にいこうと思うんですけれども、仮定ですけど、恐らく利害関係企業に当たるんだろうというふうに私はご説明を聞いて理解をいたしました。その上でちょっとご指摘をさせていただきたいのが、局長級の経験者だった都の職員のOBが、今のルールだと退職後二年間禁止をされているという説明だったかと思うんですけれども、二年間って短過ぎるんじゃないのかなということを指摘させていただきたいと思うんです。
先ほどご紹介した赤旗の記事でも、元局長二人は都を退職後、都関連法人の社長、理事長を経て、石原慎太郎知事時代に三井不動産に渡りましたと記載されているわけですね。
これ、私は先ほど田の上副委員長の質疑を聞いていて、ああなるほど、そういう意味かと非常に勉強になったんですけれども、結局、都の政策連携団体で二年間、規制の期間が過ぎるのを待っていて、利害関係企業に就職できてしまうと。二年であれば、これ局長にとっては僅か二年前ですから、都市整備局の職員ってまだ半分以上残っていらっしゃると思うんですね。ですから、影響力を発揮するのは非常に簡単なんだろうなというふうに考えるところでございます。
そこで質問いたしますけれども、私も先ほど申し上げましたとおり、一般の職員の方々の再就職を規制するということは本当に最小限であるべきだというふうに考えているところでございますけれども、一方、局長のような重要な役割を果たされた方々が、直接利害関係のある企業に求職活動できる規制が僅か二年というのは短過ぎると思うんですけれども、ご見解を聞かせていただきたいと思います。
○金久保人事部長 まず、退職後の職員につきましては、一私人でございまして、日本国憲法の第二十二条第一項により、職業選択の自由というのが保障されていると、まずそれが前提にあります。その中で都におきましては職業選択の自由というものに配慮しつつも、公務の公正を確保するため、先ほども申し上げましたとおり、局長級職員は管理職昇任以降に就いた全ての職務、部課長級職員につきましては退職時の職務について、利害関係のある企業等への求職活動を退職後二年間、原則禁止というふうにさせていただいております。
この退職した元職員の求職活動の規制というのは、これは国においても規制されていない、都の独自の取組でございまして、より厳しくなっているというところでございます。
今後とも都民の信頼を損なうことがないよう、退職管理の厳格な運用を図ってまいります。
○鈴木委員 ありがとうございます。私も前半部分は全く同感でございまして、一般の職員の方々の再就職を規制するというのは、確かに最小限であるべきだと同意をするところでございますけれども、局長が二年で都の関連団体を経て天下りできてしまうというのはやっぱり問題じゃないかなというふうに指摘をさせていただきたいというふうに思います。
この問題を答弁調整の際から総務局の皆さんと意見交換させていただいていて、我々も真面目な人間の集まりですから、信頼してもらいたいという思いがひしひしと伝わってきて、それは本当に心からの思いなんだろうなとリスペクトを感じているところでございます。
一方で、やっぱりどうしてもこの神宮外苑の問題はいろいろと引っかかってくるわけでございまして、今申し上げた局長二名の天下りの問題に加えて、政治と民間企業の癒着も疑われているわけでございます。
さきの決算特別委員会の全局質疑でもございましたけれども、小池知事自体が神宮外苑再開発事業を担う事業者にパーティー券を購入させていたんじゃないですか。各方面からの質問に対して、いまだに否定できないという事態が続いているわけでございます。
皆さんは、パーティー券ぐらいいいじゃないかと、三井不動産に限度額で二十万円ぐらい買ってもらっていて、それで再開発事業が揺らぐわけないよ、ゆがめられないと思われると思うし、私も半分ぐらいはそうなんじゃないかなと、お付き合いで二十万円ぐらい三井不動産が買っていたら、賛同はできませんけれども、それぐらいはやむを得ないのかなと思うところもあるんですけれども、でも、そんな簡単な問題でもないということを最後に申し上げたいんです。
これは改めて三井不動産のホームページを確認したら、三井不動産グループは主要グループ企業だけで五十三社あるわけです。これ関連企業を合わせると多分百、二百たくさん企業あるわけですね。
これ主要企業の五十三社だけでもパーティー券を二十万ずつ購入すると、これ一千万円超えてくる金額になってしまうわけなんです。事ほどさように、今までの政治資金規正法というのは非常に緩くて、いろんなことができてしまう、そういう状況があるわけで、こういう状況の中で、やっぱり大きな事業を進めていくとなると、細心の注意を払っていく必要があるし、我々議会は厳しくチェックをしていく責任があるんだろうというふうに考えているところでございます。
今後もこの問題については、引き続き我が会派として厳しく問題提起をさせていただくことを申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○藤井委員 それでは、最後の質疑をさせていただきたいと思います。
先日の各会計決算特別委員会の分科会の際にも申し上げましたが、パートナーシップ宣誓制度に関しまして、私も請願の紹介議員として署名をしたパートナーシップ制度の創設に関する請願というのが二〇二一年六月に全会派一致で趣旨採択をされたことを受けて、二〇二二年六月から始まりましたのが、東京都のパートナーシップ宣誓制度であります。
このパートナーシップ宣誓制度の制定に向けて、二〇二二年三月の総務委員会でも私の方から提案をさせていただきましたのが、都外の自治体との連携についてであります。その検討状況について確認をさせていただきます。
この間、福岡市や福岡県が連携している他の自治体と転出、転入の際の手続の簡素化や、元の宣誓書を継続して使える取組をしていますが、都の検討状況を伺います。
○若林人権部長 都はこれまでも、パートナーシップ宣誓制度を持つ首都圏などの自治体との連携が必要と考え、各自治体の制度対象者や申請方法などについて情報収集や意見交換を実施してまいりました。引き続き、都外自治体との情報交換を通じ、提携について検討を行ってまいります。
○藤井委員 都外自治体との提携を検討するということで、前向きなご答弁をいただきました。先ほど申し上げました福岡県や福岡市を中心とした九州での取組も参考に、しっかりと前に進めていただきたいと思います。
続いて、LGBTQ等の若者を対象にした交流の場事業について質問しようと思いましたが、先ほど、ほかの委員からも質疑がありましたので、割愛をさせていただきます。
当事者の若者にとっては非常に貴重な機会でありまして、かつ、東京都という行政が実施しているという安心感があると思いますので、引き続き、なるべく現在の形で続けられるようにお願いをしたいと思います。
先ほど池川委員からあった質問を聞いていてちょっと思ったんですけれども、パートナーシップ宣誓制度に登録された方への調査に関してなんですが、すみません、これ通告していないんですけれども、宣誓制度の制度利用の手引を見ると、定期連絡についてという項目がありまして、受理証明書をお持ちの方には、都の施策等についての情報提供やお困り事の把握をするため、年一回程度、定期的にメール等でご連絡しますとなっているかと思います。これ、通告していないんですけど、これは実施していると考えてよろしいでしょうか。もう二年たっていますので。
○若林人権部長 実施しております。
○藤井委員 ありがとうございます。先ほどのやり取りの中でアンケートという話もありました。アンケートのシステムをつくったという話もありますので、そういったところ、定期連絡も通じて、しっかりとやっていただければなと思います。すみません、先ほどの答弁の中で、私はそもそもやっているという認識だったので、ちゃんとやっていると答弁していただいてよかったんじゃないかなというふうに思います。
この性的マイノリティー等への施策に関して、最後に一言申し上げさせていただきたいと思います。住民票の記載に関する取扱いです。
以前より、例えば、兵庫県の明石市はファミリーシップ制度を利用して、パートナーと子供などの住民票の続き柄を親族らを示す縁故者に変更できるようにしております。これまでの書き方というのは同居人しか選べなかったところです。今年の五月に長崎県の大村市が同性カップルの住民票の続き柄の表記を、夫(未届)または妻(未届)と記載する判断をしたということが明らかになったところで、報道もされ、話題となったところであります。
それらを受けて、都内でも、世田谷区と中野区が同様の動きを今月から始めておりまして、当事者の皆様からは、都内全域に広がってほしいという声をいただいているところであります。住民票の事務は、基礎自治体の自治事務であり、一方で、総務省へ問合せをして、実務上の課題が生じるおそれがあるという回答をしているとのことであります。
一方でなお、同性パートナーの位置づけ、取扱い、各種社会保障制度を含めて、これは様々議論があるところであって、各制度の所管府省庁においても議論が進められていると理解しているので、総務省としては、それらの状況をしっかりと注視してまいりたいと思っているところでございますと回答しているところであります。
東京都は、オリンピック憲章にうたわれる人権条例に基づきまして、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画を定めておりまして、その中で、東京都区市町村性自認及び性的指向に関する施策推進連絡会を設けています。
例えば、そういった場で、先行しているこういった住民票に関わる事例等を情報共有したり、意見交換を行うなど、総務省が新たな判断が出たときにすぐに動けるような準備をしていただきますように要望させていただきたいと思います。
次に、テレワークに関してお伺いをさせていただきます。話が変わります。
私自身も民間企業で働いていた頃、妹の看病をしながら仕事を続けていた経験から、介護や子育てしながらもテレワークで働き続けられる柔軟な職場環境を都庁でもつくってほしいと二〇一七年の一般質問で当選直後に取上げさせていただきました。当時、都は東京二〇二〇大会の交通マネジメントの一環として、ロンドンオリンピックでの取組を参考に、小池知事が主導して進めていたと記憶をしております。
コロナ禍で一気に都庁内でのテレワーク、社会でのテレワークの利用というのも進んだところでありまして、さらにいうと、当たり前になったというふうに考えております。コロナ禍で上昇したこのテレワークの実施率は五〇%を超えるようになりまして、現在は五割程度と聞いておりますが、今後、より一層職員の働きやすい環境の構築に向けてどのように取り組むのかお伺いします。
○堀内労務担当部長 都はテレワークに対する職員の満足度を二〇二五年度までに八〇%以上とする目標を掲げてございます。それに向けまして、管理職の意識改革を図る講習会の実施や、テレワークのコツをまとめたティップス集の全職員への展開など、上手にテレワークを活用するための取組を進めてございます。
こうした取組によりまして、二〇二二年度は六一%であった満足度は、二〇二四年度には七九%まで向上してございます。また、今年の夏には、翌日の熱中症警戒アラートが発出された際にテレワークの呼びかけを行うなど新たな取組も実施し、多くの職員が活用したところでございます。職員が出勤とテレワークを柔軟に組み合わせることで、最適なワークスタイルの実現を目指してまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。単純に実施率を指標とするのではなくて、都庁職員の満足度を八〇%以上にするということの取組をしていて、その結果として、二〇二二年度の六一%から七九%に高めてきたというご答弁をいただきました。
先ほど、一連のやり取りをする中で、職員の皆様からなかなかテレワークができる環境があっても、取りにくいというようなお話もあったということでありまして、今年の夏には、熱中症警戒アラートの際にテレワーク活用を呼びかけるなど、機会をいろいろと増やしているということで確認をさせていただきました。
夏ですと台風等もありますし、今後、冬には大雪警報なども想定されますので、ぜひ、そういったときにもテレワークを使い、柔軟な働き方を進めて、職員の皆様が継続して働ける体制というのをしっかりと構築していただきますようにお願いいたします。
最後のテーマになりますが、指定管理者の労働環境確保の取組についてお伺いさせていただきます。
現在、都は都立公園、スポーツ施設、文化施設などに指定管理者制度を導入しています。これらの施設の指定管理者がよりよい都民サービスを提供していくためには、そこで働く職員の労働環境を適正に確保することが重要です。指定管理者が適正な労働環境を確保するため、都として、これまでどのような取組を行ってきたのか伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 都は各都立施設の設置条例におきまして、指定管理者に対し、労働基準法等関係法令の遵守を義務づけております。また、施設の設置者である都は、都民サービスの一層の向上を図っていく観点から、外部の専門家等も活用し、指定管理者の管理運営状況評価を毎年度実施しており、その際には労働環境の確保状況の確認を行っております。
さらに、平成二十九年度からは社会保険労務士を活用し、毎年度三者程度の指定管理者を対象とした労働条件等に関する調査を実施するとともに、令和元年度からは全ての指定管理者向けに適正な労務管理のための意識啓発、知識習得を目的とした講習会を実施しております。
○藤井委員 これまでに社会保険労務士を活用した労働条件等の調査や講習会を実施しているということを理解いたしました。先ほど、指定管理者の管理運営状況評価を毎年実施しているとのご答弁がございましたが、先般公表された令和五年度の管理運営状況評価を確認しましたところ、評価区分Cとなっていた指定管理者が一者ございました。こちらは労働環境の確保状況が直接影響したものではないと聞いておりますが、労働環境の確保が十分でないことにより、職員のエンゲージメントが低くなり、結果として、サービスの質が低下し、評価全体が低くなってしまうということも考えられるのではないかと思っております。
今後、社会保険労務士を活用した調査の実施に当たっては、指定管理者の管理運営状況評価の結果を考慮すべきと考えますが、見解を伺います。
○渡邉グループ経営戦略担当部長 指定管理者の労働条件等調査の実施に当たり、従来は施設の種別や前回調査時期などを踏まえ、調査対象を選定してまいりました。今後はこれに加えまして、指定管理者の管理運営状況評価の結果等も考慮するなど、効果的、効率的に調査を実施することで実効性を高めてまいります。
○藤井委員 指定管理者がよりよい都民サービスを提供するためには、職員が安心して生き生きと働ける環境整備が非常に重要でございます。そのためには労働法令等に精通した専門家の知見を有効に活用することが必要であると考えております。
この社会保険労務士による労働条件等調査や講習会を効果的に実施することで、引き続き、指定管理者の労働環境の確保にしっかりと取り組んでほしいと要望させていただきまして、私の質疑を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○渋谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
○渋谷委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○佐藤総務局長 今定例会に提出を予定しております総務局所管の条例案の概要についてご説明を申し上げます。
資料第2号、令和六年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要の目次をご覧ください。
ご審議をお願いいたします条例案は、全部で五件でございます。
まず、番号1、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例から、番号3、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例までの条例案につきましては、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、職員、特定任期付職員及び任期付研究員の給与の改定を行うものでございます。
続いて、番号4、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例につきましては、雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、所要の規定を整備するものでございます。
続いて、番号5、非常勤職員の報酬等に関する条例の一部を改正する条例につきましては、非常勤職員の報酬の限度額等を改定するものでございます。
以上が今定例会に提出を予定しております条例案の概要でございます。
詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○保家総務部長 総務委員会に付託される予定の条例案五件についてご説明申し上げます。
資料第2号、令和六年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要の一ページをご覧ください。
番号1、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
これは、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、職員の給与に関する規定改正を行うものでございます。
今年度の公民較差に基づく職員の給与の規定改正についてでございますが、主な内容は二点でございます。
(1)、給料表の改定でございます。行政職、公安職などの七つの給料表を人事委員会から勧告された給料表等に改めるものでございます。
(2)、手当等の改正でございます。給料の調整額及び初任給調整手当の支給限度額並びに期末手当及び勤勉手当の支給月数を表のとおり改正するものでございます。
施行日は、公布の日を予定しております。
その他、条例の改正に関して必要な事項等を附則にて規定してございます。
次に、二ページをご覧ください。
番号2、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例及び番号3、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。これらは、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、特定任期付職員及び任期付研究員に適用する給料表を改めるとともに、特定任期付職員及び任期付研究員の期末手当の支給月数を表のとおり改定するものでございます。
施行日は、公布の日を予定しております。
次に、三ページをご覧ください。
番号4、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。これは、雇用保険法等の一部を改正する法律の施行により、所要の規定を整備するものでございます。
施行日は、令和七年四月一日を予定しております。
次に、四ページをご覧ください。
番号5、非常勤職員の報酬等に関する条例の一部を改正する条例でございます。これは、常勤職員の給与の改定を踏まえ、非常勤職員の報酬の限度額並びに費用弁償の支給区分及び額について改定するものでございます。
施行日は、公布の日を予定しております。
以上が今定例会に提出を予定しております総務局所管の案件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○渋谷委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○渋谷委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○高田総合防災部長 多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想の策定についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、資料第4号の一ページをご覧ください。基本構想の要約版でございます。
近年、首都直下地震や大規模風水害など自然災害リスクの懸念が高まるとともに、DXの進展など、災害応急対策に係る外部環境も大きく変化しております。これらを踏まえまして、災害対応力を高めるため、立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫につきまして、新たな防災拠点として整備するための基本構想を策定いたしました。
二ページをご覧ください。新たな防災拠点の基本理念と基本方針等でございます。
基本理念は、都民の安全・安心を確保するとともに、あらゆる災害に対応でき、平時から区部や島しょ地域も含め、全ての都民に貢献できる防災拠点といたしました。この理念を具現化するため、基本方針や整備の方向性などを整理しております。
三ページをご覧ください。整備手法等でございます。
防災拠点としての機能を高めるため、多摩広域防災倉庫の敷地スペックを効果的に活用し、立川地域防災センターと多摩広域防災倉庫について、建て替えにより一体的な整備を行うことといたしました。なお、現在の立川地域防災センターにつきましては、今後、多様な活用方法を検討してまいります。
資料下段、スケジュールでございますが、来年度、基本計画を作成した上で、設計、工事と進めていきたいと考えております。
説明は以上でございますが、詳細につきましては、資料第5、多摩地域の新たな防災拠点の整備に向けた基本構想をご覧いただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○渋谷委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○渋谷委員長 次に、陳情の審査を行います。
初めに、陳情六第三八号の三を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○西山防災対策担当部長 陳情六第三八号の三、首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
資料第6号、陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
この陳情は、練馬区の大柳武彦さん外七十五人から出されたものでございます。
陳情の要旨は、都において、首都直下地震に備えた対策として、防火のため、感震ブレーカーの設置を促すとともに、補助を行うことでございます。
現在の状況でございますが、大規模災害時の被害を最小限に抑えるためには、出火防止や初期消火等を総合的に進めることが重要でございます。そのため都では、出火防止対策に関するリーフレットの都内全世帯への配布やイベントの出展などを行っております。
また、昨年度から、震災時に延焼が懸念される木造住宅密集地域の木造住宅世帯を戸別訪問し、出火防止対策の重要性について説明するとともに、希望する世帯に感震ブレーカーを配布するなど普及啓発を行ってございます。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いいたします。
○渋谷委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○池川委員 日本共産党都議団を代表して、首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情について意見を申し上げます。
総務委員会には、防火のため感震ブレーカーの設置を促すとともに補助を行うことという内容が付託されています。地震発生時、建物火災の約六割は電気による出火です。日本共産党都議団は、震災時の通電火災を防ぐために感震ブレーカーが有効であり、制度補助を強く求めてきました。東京都が昨年度から出火防止対策普及啓発事業を始めたことは一歩前進です。
しかし、事業目的はあくまでも普及啓発で、配布されているのは一か所のコンセントのみ通電を遮断するコンセントタイプと呼ばれるもので、分電盤に設置して、家中の通電火災を防ぐものではありません。コンセントタイプにもセンサーが揺れを検知し、擬似漏電を発生させ、ブレーカーを切ることで家中の通電を遮断する一括遮断型もありますが、これでもありません。都内自治体では一括遮断型を配布している自治体もあります。
東京都として、出火防止を目的に自治体の取組を財政的にも支援することこそ必要です。その際、自治体の負担を少なく抑えることで普及が進み、災害時の出火防止対策が進むと考えます。
よって、本陳情は趣旨採択にすべきだと申し上げ、意見表明とします。
○渋谷委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○渋谷委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第三八号の三は不採択と決定いたしました。
○渋谷委員長 次に、陳情六第四九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○松下訟務担当部長 陳情六第四九号、都が賠償を命ぜられた国家賠償訴訟における求償権の行使に関する陳情につきまして、ご説明申し上げます。
資料第6号、陳情審査説明表の二ページをご覧ください。
この陳情は、東京都港区の内藤治郎さんから出されたものでございます。
陳情の要旨は、都において、都が賠償を命ぜられた国家賠償訴訟につき、故意による重大な違法行為をした公務員に対しては求償権の行使を検討していただきたいというものでございます。
現在の状況につきましては、国家賠償法第一条は、第一項において、国または公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体が、これを賠償する責に任ずると規定しており、第二項において、前項の場合において、公務員に故意または重大な過失があったときは、国または公共団体は、その公務員に対して求償権を有すると規定しております。
過去五年間に、知事を都の代表者として提起された国家賠償請求訴訟のうち、都の敗訴判決が確定した事件は十二件ございまして、これらの事件につきまして、職員に故意等があったとして求償した事案はございません。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いいたします。
○渋谷委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○渋谷委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決をいたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○渋谷委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第四九号は不採択と決定いたしました。
陳情の審査を終わります。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時五十五分散会
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