総務委員会速記録第八号

令和六年六月七日(金曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長石島 秀起君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長うすい浩一君
理事渋谷のぶゆき君
理事五十嵐えり君
理事福島りえこ君
青木 英太君
おじま紘平君
斉藤 りえ君
早坂 義弘君
池川 友一君
米倉 春奈君
本橋ひろたか君
まつば多美子君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長坂本 雅彦君
次長理事兼務木村 健治君
総務部長遠松 秀将君
子供政策連携室室長田中 愛子君
総合推進部長DX推進担当部長兼務山本 公彦君
スタートアップ・国際金融都市戦略室室長吉村 恵一君
戦略推進部長DX推進担当部長兼務樋口 隆之君
総務局局長佐藤 智秀君
次長理事兼務石橋 浩一君
総務部長保家  力君
企画担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務田村 弘明君
行政部長田中 角文君
小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務近藤 豊久君
デジタルサービス局局長山田 忠輝君
次長丸山 雅代君
総務部長深井  稔君
選挙管理委員会事務局局長川上 秀一君
人事委員会事務局局長田中  彰君
任用公平部長DX推進担当部長兼務古賀 元浩君
監査事務局局長小林 忠雄君

本日の会議に付した事件
理事の互選
意見書について
総務局関係
報告事項(質疑)
・小笠原諸島振興開発計画(素案)について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○石島委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、去る五月二十九日の本会議におきまして、本委員会委員に青木英太議員が選任されました。
 この際、新任の青木英太委員をご紹介いたします。

○青木委員 目黒区選出の青木英太です。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○石島委員長 紹介は終わりました。

○石島委員長 次に、委員の所属変更について申し上げます。
 去る六月四日の本会議におきまして、藤井とものり議員が本委員会から財政委員会に変更になり、新たに五十嵐えり議員が文教委員会から本委員会に変更になりました。
 この際、新任の五十嵐えり委員をご紹介いたします。

○五十嵐委員 改めてよろしくお願いいたします。

○石島委員長 紹介は終わりました。

○石島委員長 次に、藤井とものり議員の所属変更に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○青木委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○石島委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認めます。よって、理事には五十嵐えり委員をご指名申し上げます。
 これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認めます。理事には五十嵐えり委員が当選されました。
 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。

○石島委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
 本件については、本日の理事会において協議の結果、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。
 お諮りいたします。
 本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○石島委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の報告事項に対する質疑並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 報告事項、小笠原諸島振興開発計画(素案)についてに対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○渋谷委員 それでは、質問いたします。
 小笠原諸島は、戦時中に住民のほとんどが強制疎開した後、戦後、米軍軍事下に置かれたという経緯を経て、昭和四十三年に我が国に復帰しました。本土から遠く離れた外海にあり、厳しい自然環境などによる生活面、経済面での格差がある中、今日に至るまで、村民の方々の努力により振興が進められてきました。昨年度には返還五十五周年を迎え、返還祭が開催されました。私たち都議会自民党も現地に伺い、村民の皆様と喜びを分かち合いました。
 小笠原は、こうした歴史的経緯から、日本に返還された後、離島振興法ではなく特別措置法に基づき、振興の取組が進められてきました。
 昨年三月には、都議会で、小笠原諸島振興開発特別措置法の改正・延長に関する意見書が全会一致で議決され、本年三月末には、衆議院、参議院ともに全会一致で法延長が行われたと承知しています。
 都は、今回、今後五年間の道しるべとなる振興開発計画の素案を取りまとめたところですが、まずは確認になりますが、計画を策定する意義や効果と、計画策定過程における国や村との関わりについてを伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原諸島振興開発計画は、小笠原諸島振興開発特別措置法に基づきまして、今後の振興開発の基本的方針と施策の方向を明確化し、振興開発事業を積極的に推進するため、都が定める法定計画でございます。
 計画策定の効果といたしましては、計画の事業が国庫補助の対象となった場合には、補助率のかさ上げなどの特例措置を受けることとなります。
 今回の計画素案は、国が定める基本方針に基づき、小笠原村から提出された計画案をできる限り反映させた上で取りまとめたものでございます。
 今後、パブリックコメントを実施した上で、国との協議を行い、計画として策定することとしてございます。

○渋谷委員 本計画素案は、国の方針や村の計画をしっかりと反映させて策定されていることを確認しました。そうした経緯を踏まえ、本委員会にて報告されているものと受け止めています。
 都はこれまで、数次にわたり計画を策定し、小笠原の振興と発展を図ってきたものと承知しています。前回の計画を踏まえて今回の計画を策定していることと考えますが、前回の計画の主な成果についてを伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原におきましては、これまで生活、交通、産業基盤の整備を重点的に行い、住民生活に必要な基盤整備について相応の成果を上げてまいりました。
 前回計画期間では、生活環境の整備として、老朽化、教室不足の解消のため、小笠原小中学校の建て替えに着手したほか、新たな水源確保のため、父島第二原水調整池の整備や、老朽化した母島浄水場の建て替え等を進めました。
 また、交通アクセスの整備として、「おがさわら丸」と「ははじま丸」のドック期間中の交通確保に向け、代替船の建造等を行っております。
 さらに、産業振興として、小笠原の基幹作物であるパッションフルーツやレモン、ミニトマトなどの栽培技術や新品種導入に関する試験研究のほか、主力漁獲物であるメカジキ、アカイセエビなどの生態解明や資源管理技術の開発などにより、高品質、高付加価値化を図るなど、小笠原の振興に向けた取組を幅広く実施してきたところでございます。

○渋谷委員 前計画を踏まえ、小笠原の振興に向けた事業が着実に行われてきたことを確認しました。
 今回の計画素案では、国の定めた基本方針に沿って、住宅確保に向けた取組や地域の特性を生かした産業振興、南海トラフ地震等に備えた防災対策などの取組が盛り込まれています。
 こうした取組は、いずれも住民生活の安定や、移住、定住の促進に欠かせないものであるが、とりわけ重要なものは産業の振興です。
 国境離島である小笠原諸島において、人が住み、生活を営み続けるためにも、産業を振興し、生活の安定を確保していかなければなりません。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、観光客が一時減少したものの、現在は回復基調にあります。小笠原は世界自然遺産にも登録されており、来島者を魅了する自然環境を持つ小笠原諸島において、他の地域にはない魅力を最も生かすことができる産業です。
 自然環境の保全に配慮しながら、小笠原諸島の強みや地域資源を生かし、観光振興を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原では、自然環境の保全、再生と観光振興の両立を図る観点から、エコツーリズムを基軸とした観光を推進してまいりました。
 計画素案では、こうした取組をさらに充実させていくため、海洋生物に関する調査研究の拠点である村の海洋センターを、仮称でございますが、小笠原エコツーリズム普及啓発拠点としてリニューアルし、小笠原の貴重な自然に関する情報発信の機能についても強化を図ることとしております。
 具体的には、ウミガメや鯨等、海洋生物の調査研究のため、環境を構築することで、その成果を教育やエコツーリズムへ還元していくほか、屋内展示の充実による雨天時の観光コンテンツの提供を進めてまいります。
 さらに、小笠原の訪問者に島を存分に体験してもらえるよう、島の情報と魅力を幅広く発信いたしますアプリを新たに作成するなど、貴重な自然環境と調和した観光振興を図ってまいります。

○渋谷委員 小笠原の魅力をさらに高め、発信していく取組について確認しました。
 来島者を魅了する豊かな自然環境は、村民の暮らしにも欠かせない観光資源であるが、交通アクセスが船舶に限られている小笠原において、島の玄関口である船客待合所は観光客にとって重要な施設です。
 観光客は宿をチェックアウトした後、「おがさわら丸」に乗船するまで、島内の周遊や船客待合所で過ごすことになります。
 計画素案において、二見港船客待合所の建て替え等検討を進めるとしていますが、船客待合所の利便性、快適性を高めることは、島の魅力を高めることにつながるものであり、精力的に対応を進めることを要望しておきます。
 次に、小笠原村の農業振興について伺います。
 小笠原では農業も盛んに行われており、主要産業の一つとなっています。亜熱帯性の気候を生かした品質の高いパッションフルーツやトマトは島を代表する特産物になっているほか、カカオ豆など、ほかの地域にはない特徴的な農産物も生産されています。
 小笠原での農業生産に当たっては、頻発する台風などが課題となっていましたが、近年は、強風から農産物を守る頑丈なパイプハウスの整備が進んでおり、農業振興に向けては、こうした施設を活用する栽培方法が広がっていくことが重要です。
 施設での栽培は雨が当たらないため、安定的に水を供給できることが必要であり、小笠原諸島振興開発計画の素案においても、農業用水の確保が課題とされています。
 また、小笠原諸島は地理的、地形的特性から渇水に対するリスクを抱えており、これまで何度も大規模な渇水に見舞われました。
 農業用水の確保を進めていくことは、ひいては渇水への対策にもつながります。
 都は、小笠原村の農業者が安心して農業生産に取り組めるよう、農業用水の供給力を一層強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原村の農業を活性化していく上で、果樹等の施設栽培に必要な農業用水を着実に供給していくことは重要でございます。
 都はこれまでも、数次にわたる振興開発計画に基づき、農業用ダムや送水管を整備してきたほか、今年度には、ダム機能を補完する容量一千トンの貯水槽を稼働させる予定でございます。
 さらに、今回の計画素案では、かんがい施設等農業基盤の整備や、各事業者の畑に設置している老朽化した貯水槽の更新を計画的に進めていくこととしております。
 これらの取組によりまして、温暖な小笠原の気候を生かした農業のさらなる振興につなげてまいります。

○渋谷委員 小笠原の主要な産業である農業の振興について確認をいたしました。
 小笠原で生産される農産物は、加工品を含め、島の特産品となっており、引き続き、都としてしっかりと支援を進めてもらいたいと考えます。
 今回は質問しませんが、小笠原のさらなる発展には、老朽化した公共施設の更新など、解決すべき課題はいまだ残されています。そのためには、公共事業を円滑に進めていかなければなりません。
 小笠原では、工事の作業員が泊まる宿泊施設が限られていることから、中長期的な視点で公共事業を計画的に進めていく必要があります。村と連携し、事業の優先順位も意識して、計画的に事業を進め、住民生活を支える公共事業の整備を着実に進められたい。
 最後に、一点要望しておきますが、本土から一千キロメートル離れた小笠原においては、我が会派が本定例会の代表質問でも指摘したように、航空路の開設が最重要課題です。長年待ち望む島民の声に応えるため、国や小笠原村と緊密に連携し、精力的に取組を進めていくことを求めて、質疑を終わります。

○福島委員 私たちは、会派メンバーの小笠原諸島の訪問や村議会議員の皆様に都議会にお越しいただくなど、定期的に意見交換を重ねてまいりました。直近では、四月の二日から七日に視察に伺い、五月十六日に村議会の皆様に都議会にお越しいただきました。これらの意見交換に基づき、幾つかの質疑、そして要望をしたいと思います。
 まず、産業振興についてですけれども、小笠原村では建築業の持続可能性に課題があるというふうに聞きました。今般取りまとめた小笠原諸島振興開発計画案は、国が定める基本方針に基づいて作成しているものであるために、この産業振興開発には建設業に関する記載はないことは承知はするものですけれども、この建設業の維持に向けた支援も大事な視点なので、今後の取組を進めていただきたいと思います。
 次に、再生エネルギーの活用について確認をさせていただきます。
 小笠原村では、太陽光や蓄電池を導入しようにも、都営の小笠原住宅に住む人が多いなど、ほかの島しょに比べても戸建ての持家率が低いというふうに伺っております。
 そこで、集合住宅向けの再生可能エネルギー導入施策はあるのでしょうか。また、小笠原住宅に導入しているか伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原村のエネルギー自給率を高めることは、化石燃料由来のエネルギー消費量の削減に加えまして、地域防災力の強化にも寄与することから、地域特性に応じた再生可能エネルギーの活用を進めていく必要がございます。
 都では、ゼロエミッションアイランドの実現に向けた取組の一環といたしまして、集合住宅や事業所などでの太陽光発電設備及び蓄電池の設置が進むよう、設置者に対し、経費の一部を助成してございます。
 また、公共施設や避難所機能を有する防災拠点施設への太陽光発電の導入にも取り組んでおり、小笠原住宅の建て替えに当たっても設置を予定してございます。

○福島委員 先日ご意見をいただいた印象では、この集合住宅向けの支援については、ちょっと周知が足りないのではないかと思いました。令和四年より新しくできた事業ということなので、丁寧な周知をお願いしたいと思います。
 また、太陽光発電を積極的に活用するとしていますが、この太陽光は、点検や維持、メンテナンスが必要であって、これができる事業者が育っていないというふうにも聞いております。小笠原村としてもメンテナンスを行う技術者の育成等について、島内外事業者への働きかけを行うようにするということですけれども、来年春より始まる太陽光設備設置義務化のタイミングで、例えば島しょ部以外での都内で経験していただくなどの取組が必要ではないでしょうか。改めて、村と検討し、取組を進めていただきたいと思います。
 次に、小笠原村の建築物について伺います。
 この住宅については、村議会の皆様より、せっかく移住しても子供ができると部屋数がある住宅がなくて島を出ていかざるを得ないとか、また若者が住みたくても、この住宅がなくて、どうしても島しょ外に戻ってしまうなどの課題があるというふうに伺いました。
 計画素案に住宅整備の取組がありますけれども、今後の住民増減の予測と住宅整備の計画について伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原村による将来人口推計によれば、総人口は減少傾向となることが見込まれておりますけれども、本計画素案では、令和十年度末の人口を令和五年度末より増加させる目標を設定していることや、住宅不足の解消が喫緊の課題であることを踏まえまして、住宅整備に向けた取組を進めていくこととしております。
 具体的には、都営の父島清瀬アパートの三十戸を対象に建て替えを進め、四十四戸としていくとともに、現在、父島において、モデル事業としてファミリー向け賃貸住宅の建設を進めております。
 さらに、住宅用地を確保するため、土地利用計画を見直し、集落地域を拡大することとしております。

○福島委員 ただいまの答弁にありましたこのモデル事業については、これはファミリー向けの賃貸住宅であって、今年度には入居開始ということですけれども、清瀬第二アパートについて資料を拝見したところ、新築する南棟は、令和四年度中に工事が契約できれば、令和七年度中に竣工予定、北棟はその先になるというふうに書いてありました。
 現在進めようとしている住宅建設と、今後の人口予測の整合を図る必要があると考えます。今後、取組を進めていただきたいと思います。
 また、建築物の老朽化が進んで、事業継承ができても建物はそのままであり、建築廃材を島外に持ち出すことが高額であるなどにより廃墟化してしまうと、そういったご意見もございました。
 建築物の更新に当たり、この廃墟化を防ぐ手だても、村と連携して検討していただきたいと思います。
 次に、高齢者福祉について伺います。
 母島には老人ホームがなくて、最期を島で過ごせないというふうに伺いました。グループホームやみとりができる、この見舞える環境を望むということです。
 父島、母島ともに、在宅福祉サービスの拠点となっている高齢者在宅サービスセンターがあるほか、父島では、在宅での介護が困難な高齢者に対応するために村営の有料老人ホームが設置されていると聞いておりますけれども、一方で、この専門性を有する人材が慢性的に不足しているというふうに聞いております。
 大手介護事業者の人材ローテーションに加えてもらうなど、広域的な解決策を、都として検討していただきたいと思います。
 最後に、災害対策について伺います。
 西之島を震源地とする地震が発生した場合に、津波は十分以内に到達するというふうに伺いました。発電所等の公共設備が平地にあるということなので、対策が必要であると考えます。
 計画素案の六八ページには、発電所などの公共施設や住民施設を支える機能の多くが海岸沿いの低地にあるために、しかしながら、高台に平地がないから、どうしてもこの高台移転をしようとしても限度がある、そういった記載がございました。
 ライフラインである発電所における浸水対策について伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原におきましては、南海トラフ地震等による大規模津波の襲来が想定されており、被害想定では、居住地域の大部分が津波による浸水地域となる可能性が示されてございます。
 母島の発電所につきましては、津波による浸水が想定されない場所に整備されてございます。
 父島の発電所については、津波による浸水が想定されるエリアに位置してございますが、高台に平地がほとんどなく、適地の確保が困難な状況にございます。
 そのため、小笠原村の地域防災計画におきましては、浸水被害に備え、父島の高台に配備している高圧電源車や、島内に設置している非常用発電設備等により、災害発生時の電源を確保していくこととしてございます。

○福島委員 ありがとうございます。
 引き続き、小笠原諸島の振興に向けて、村と連携して取組を進めてもらうことを要望しまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○うすい委員 よろしくお願いします。
 今回、小笠原諸島振興開発計画の素案が取りまとめられたところでございますけれども、計画期間である今後五年間で何をどう取り組んでいくのか、具体的に確認をさせていただきたいと思います。
 一つ目は、小笠原の土地利用計画について伺います。
 小笠原については、都議会公明党として昨年十一月に現地を訪れまして、実情をつぶさに確認させていただいたところであります。
 村民の方からのご意見も伺い、超遠隔離島という点からも様々な課題が浮き彫りとなっておりましたが、中でも重要な課題の一つは、住宅問題と感じております。
 そこで、特措法の目的にもある移住の促進に当たっては住宅の確保が不可欠であり、しっかりと対応していくことが重要であると考えております。
 計画素案では、小笠原における土地利用計画の見直しについて記載されておりますけれども、農地との両立を図った上で、住宅用地の確保に向けた土地利用計画の策定が必要と考えますが、都の見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原におきましては、自然環境との調和や防災上の観点も取り入れて、農業用地や住宅用地等を確保することが必要でございまして、全体的な土地利用計画として、集落地域、農業地域、自然保護地域及びその他の地域の四つの区分を定めてございます。
 計画素案において、都は、集落地域を拡大する土地利用計画の見直しを行うこととしております。
 具体的には、村の住宅用地確保の意向を踏まえ、父島の集落地域に隣接し、実態として農地活用されていない一部の農業地域を集落地域に見直すこととしてございます。

○うすい委員 今、答弁をいただきまして、土地利用計画の見直しにより、将来的に住宅用地を確保することで持家を増加させていくという方向性は理解をさせていただきましたが、小笠原には、昭和四十四年から都が設置、管理している小笠原住宅があります。
 まずは、今日までの約半世紀、小笠原住宅が担ってきた役割と成果について、都の見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原住宅は通常の公営住宅とは異なり、東京都小笠原住宅条例に基づき、小笠原諸島への帰島を希望する旧島民の帰島促進と住民の方々の生活の安定を図るため、都が国の補助を受けて建設したものでございます。
 全三百九十三戸の小笠原住宅には、村の全世帯数の約三割が居住するなど、これまで多くの島民、村民の生活を支えてまいりました。

○うすい委員 今ご答弁いただいたとおり、小笠原住宅が担っている役割は非常に大きいものがございます。
 一方で、昭和四十年代に建てられた小笠原住宅は、築五十年を超え、老朽化が進行し、建て替えの時期を迎えております。
 小笠原住宅の現状と老朽化への対応について、都の見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原住宅は全三百九十三戸のうち、昭和四十四年度から昭和五十三年度に建設されたものが三百戸、平成三年度から平成十八年度に建設されたものが九十三戸となってございます。
 このうち、老朽化が進行した住宅につきましては、計画素案において建て替えを計画的に推進することとしてございます。
 現在、老朽化した父島清瀬アパートの三十戸、母島沖村アパートの六十戸を対象に建て替えを進め、それぞれ四十四戸、六十戸となってまいります。
 定住の促進のほか、省エネ設備、太陽光発電の導入等による居住環境や環境性能の向上及び自然環境に配慮した住まいづくりを目指してまいります。

○うすい委員 冒頭でも申し上げたところでございますけれども、移住を進めるには、住まいの確保が必要不可欠であるわけですが、小笠原には民間賃貸住宅が少ないのが実情です。
 住宅用地の確保や公営住宅の建て替えはもちろん必要ですが、民間賃貸を増やすといった取組も同じく重要であると考えるわけでございますけれども、見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原では住宅用地の取得が難しく、建設コストも本土と比べ割高であることから、民間賃貸住宅、とりわけファミリー向けの賃貸住宅の建設が進んでいない状況にございます。
 このため、都、村及び東京都住宅供給公社が協定に基づき、父島において移住、定住の促進を図るため、モデル事業としてファミリー向け賃貸住宅の建設を進めており、令和七年三月の入居開始を予定してございます。
 本モデル事業は、東京都住宅供給公社において、島しょ部での初めての賃貸住宅の建設及び管理でございまして、今後、整備や管理面などの検証も行ってまいります。

○うすい委員 今答弁いただいたとおり、小笠原には数が少ない賃貸住宅を増やしていくということがやはり重要でございます。着実に進めていただきたいと思います。
 一方で、整備するモデル事業は戸数が少ないという声も聞いております。また、遠隔地である小笠原では、今ご答弁あったとおり、建築資材の輸送費や人件費がかさむため、建築コストが内地に比べ割高であり、民間賃貸住宅が増えていくことは難しいのではないかという懸念もございます。
 こうしたことも踏まえた上で、小笠原における住宅確保に向けた取組を進めていただくことを要望させていただきます。
 次に、子育て支援について質問をいたします。
 小笠原村においては、平成十二年頃から人口はおおむね横ばいであるものの、移住の促進等により、この先も安定して人口を確保していくためには、保育サービスなど安心して子育てができる環境を整えることが一つの鍵になるのではないかと考えております。
 小笠原村において、安心して子育てができる環境整備を着実に進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原村では、父島、母島ともに保育施設が整備されてございます。
 計画素案では、村は老朽化した母島の保育施設の建て替えを進めていくこととしておりまして、建て替えに当たっては、保育施設と一体となった子育て支援のための拠点施設を開設し、子育て支援の充実を図ることとしてございます。
 また、村の子供家庭支援センターにおいて適切に相談支援を行うとともに、関係部署、関係機関との連携を図り、支援を必要とする子供や家庭等に対し、ベビーシッターの利用支援や、保健師等専門職による戸別訪問など、サービス提供を行うこととしております。
 都は、全ての子供と子育て家庭の安全が守られるよう、引き続き支援をしてまいります。

○うすい委員 ぜひともその支援をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、航空路について質問します。
 小笠原諸島は本土から一千キロメートル離れた太平洋上に位置をし、本土との交通アクセスは、約六日に一便、片道約二十四時間を要する定期船に限定されているわけであります。
 島民生活の安定と、小笠原諸島の自立的発展、住民の安心・安全を守るという観点から、交通アクセスの改善は欠かせません。
 令和五年第四回定例会の代表質問で、都議会公明党から、自然との調和の取れた小笠原空港の早期開港を目指すべきと訴えさせていただきました。
 自然環境と調和の取れた航空路の検討に当たり、これまでの検討状況と、候補となる航空機の開発状況について、見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原航空路の検討に当たりましては、これまで候補地である洲崎地区において、地盤強度の確認を行うボーリング調査、風向きや波の向き等を確認する気象、海象調査等を実施し、飛行場の基本構造や工法の実現性を確認するためのデータを収集してまいりました。
 また、世界自然遺産である小笠原では、貴重な自然環境への配慮が必要であることから、専門家からの助言も踏まえ、環境影響評価に必要な動植物等の調査も行ってまいりました。
 さらに、航空機につきましては、ATR42−600Sというプロペラ機と、AW609というティルトローター機の二種類が候補となってございますが、いずれの機体も現在開発中でございます。

○うすい委員 航空路の開設は村民の悲願でございます。
 航空路の早期の開設に向けて、今後どう取組を進めていくのか、見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 航空路の開設に向けては、候補となる航空機について開発メーカーへのヒアリングを通じて、より詳細な情報を収集するほか、飛行場の配置や構造、工法など、様々な検討をさらに進めてまいります。
 また、世界自然遺産である小笠原では、ユネスコ等の発行したガイダンスが求める厳格なアセスメントが必要となります。
 具体的には、都条例に基づく環境影響評価に加えて、小笠原の貴重な生態系を保護する観点から、外来種に対する影響評価等もガイダンスで求められており、それらの準備も進めております。
 こうした調査等の状況について、国、都、村で構成する小笠原航空路協議会の場などを活用し、関係者間で共有した上で、自然環境と調和した実現可能な航空路案の検討を深めてまいります。

○うすい委員 今、都の取組について答弁をいただきました。今後もしっかりとやっていただけるということで、大いに期待をするところでございますけれども、その裏づけとして、平成十九年度に小笠原村が実施をした航空路村民アンケートの結果によれば、村民の約七割が、航空路が必要との回答であったと聞いております。
 航空路開設は、島民の長年の悲願であることから、早期開設を目指し、着実に検討を進めていただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
 防災対策について質問いたします。
 本定例会の代表質問で、我が会派より、振興計画素案における防災対策の強化について質問をし、対策を一層強化するとの答弁がございました。様々な取組が必要となりますが、ポイントを絞って質問させていただきます。
 まず、一点目は、港湾施設についてでございます。
 小笠原は本土との交通アクセスが船舶による航路に限られており、発災後の救助活動や復旧に向けた支援活動も船舶での活動が中心になるわけであります。
 そのため、港湾施設における防災対策は特に重要であると考えますが、都の見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 都は、島民が生活している伊豆・小笠原諸島の全ての島において、災害発生後の復旧、復興に必要となる物資を円滑に輸送できるよう、船舶を係留する岸壁を原則一つ選定し、緊急輸送用岸壁として位置づけております。
 今回の計画素案では、父島の緊急輸送用岸壁である二見港について、最大規模の地震や津波に耐えられる強度となるよう、必要な整備を進めることとしております。
 また、父島の二見港及び母島の沖港等においてライブカメラや人工衛星、ドローン等の最新のデジタル技術を活用して、被災状況を速やかに把握し、復旧工事に向けた設計等を迅速に進める離島港湾DXにも取り組んでまいります。

○うすい委員 港湾整備は小笠原にとって大変に重要なインフラ施設であります。災害に強い施設に向けて、整備をしっかりと進めていただきたいと思います。
 次に、再生可能エネルギーについて質問します。
 今回の計画素案では、母島において再生可能エネルギーである太陽光発電により、一年のうち半年程度の電力供給を行う実証事業を行うこととされております。
 世界遺産に登録されている小笠原諸島は、いうまでもなく、自然環境の保全が重要であります。
 母島での実証事業については、こうした貴重な自然環境を損なうことがないように進めていくことが不可欠だと考えるわけでございますけれども、都の見解を伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 計画素案では、ゼロエミッションアイランドの実現に向けた取組の一環としまして、都、小笠原村及び東京電力パワーグリッド株式会社の三者で連携し、母島において太陽光発電による実証事業を実施することとしてございます。
 本事業の実施に当たりましては、自然環境調査や専門家の意見等を踏まえ、希少な動植物等に影響を及ぼすことがないように配慮した上で、世界自然遺産区域外の圃場跡などの都有地を太陽光パネル等の設置場所としてございます。
 さらに、太陽光パネルの設置に際して、周辺の景観との調和にも配慮するなど、自然環境との両立を図りつつ、再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。

○うすい委員 ぜひ配慮をしていただくとともに、今後とも、村民の意見もよく聞いていただきながら、自然環境と両立した再生可能エネルギーの活用をぜひとも進めていただきたいと思います。
 世界自然遺産に登録されている小笠原諸島の貴重な自然を守りながら、世界から一層注目される島にしていかなければならないと思っております。今後とも、一層の尽力をお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○池川委員 日本共産党の池川友一です。私からも小笠原諸島振興開発計画(素案)について質問したいと思います。
 小笠原村の村長さん、村議会の皆さんからご意見を伺う機会が私もありました。限られた条件の中で様々努力されていることを伺い、住民自治を発揮しているという姿から、多くのことを学ばされたところです。
 小笠原島民は、戦争中に強制疎開となり、一九六八年に返還されるまで帰島ができない。島の至るところに戦争の跡が残されており、こうした歴史の継承を行っていくことも重要だと感じています。
 小笠原村を東京都が支援し、島民の皆さんの暮らし、なりわいを支えていくことが重要であるという観点から、幾つか質問したいと思います。
 まず、この計画において、基本的な話になるんですけど、小笠原村からどのように意見を聞いて、どう反映されているんでしょうか。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 今回の計画素案の取りまとめに当たりましては、小笠原諸島振興開発特別措置法に基づき、あらかじめ小笠原村から計画案が提出されておりまして、都は、村の計画案の内容をできる限り反映させてございます。

○池川委員 法律第六条四項には、東京都は、振興開発計画を定めようとするときには、小笠原村に対し、案を作成し、東京都に提出するよう求めなければならないとあって、これに基づいて、今回の計画策定に当たっても、村から計画が出されているということだと思います。
 村からの要望については基本的に反映しているというふうに思っていますし、村から幾つか聞いた話の中でも、基本的には反映していただいているというふうに聞いています。
 具体的な課題についても聞いていきたいと思います。
 昨年の決算特別委員会分科会で、我が党の大山とも子都議が、最期まで仲間と一緒に島で暮らすことができる、これを望んでいる高齢者が多くいて、安心して暮らせることの重要性について質問しました。
 福祉の増進の具体的取組として、必要な介護サービス基盤の整備を促進し、小笠原村の特性に応じた施策の展開を支援していくということが計画の素案にも書かれていますが、これは都が担うというふうにしています。具体的にどのように支援を進めていくんでしょうか。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 都は、小笠原村の特性に応じた介護サービス基盤の整備を促進できるよう、所管局におきまして、認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスの整備について、島しょ地域の補助額を加算するなど、支援の仕組みを構築してございます。

○池川委員 父島には有料老人ホームがある。しかし、定員は十四人となっています。これでは足りないという声も寄せられている。一方で、母島には入所できる施設がないということになっていて、父島、母島は二時間かかるんですよね。一つの日常生活圏域というにはやっぱりちょっと離れ過ぎていると。本土であれば二時間離れているところを一つの生活圏域とはやっぱりならないわけですから、それぞれの島ごとにどう整備していくか、これは知恵も発揮していただいて、村や住民の皆さんの意見も聞きながら、必要な施設の整備について、これを都として支援していくということですので、取り組まれることを強く求めたいというふうに思います。
 先日、小笠原産のおいしいパッションフルーツを食べましたが、生産額の約半分が農業生産ではパッションフルーツとなっているということです。台風、塩害をはじめとした小笠原の困難性を抱えながらも、どう営農していくかというのはとても重要な課題だと思います。
 新規就農者を支援していくことが重要だと考えていますけれども、認識と対応について伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 計画素案では、小笠原村において新規就農者を確保し、担い手不足を解消する観点から、亜熱帯農業センターや営農研修所等による農業生産に関する研究や技術指導等により、新規就農者への自立支援を行っていくこととしてございます。

○池川委員 都の農業アカデミーの卒業生が小笠原に来て、農業に携わってくださっているという話も聞いて、こうした都内全域で様々な支援ができる角度というのもとても大事だというふうに聞きました。
 未利用地となっている農地をどうしていくのかということも大きな課題だと。さらに本土に輸送する場合に、これは先ほど来出ていますけど、やっぱりその割高になっていく問題について、海上輸送費の支援等についても、実際、声を聞いているところです。
 こうした点についても、持続可能な農業をつくっていこうと思ったときに、島内だけで全ての消費ができるわけでは当然ないわけで、きちんと輸送費についての支援も含めて、対応していただきたいというふうに思います。
 村が抱える大きな課題の一つが住宅問題だと、これはほかの委員の方からも異口同音に語られています。住民の方からも直接、やっぱり住宅が古くなって建て替えてほしいということも、率直に私も伺いました。とりわけ、ファミリー向け住宅が足りないと。
 私は東京都住宅供給公社の評議員もしていますが、JKKと連携しながら新しい住宅建設について今検討しているということも聞いています。
 住宅については建てる土地がなく、課題があるということが指摘をされていますが、この住まい全体をめぐる課題については、どのように認識をしているでしょうか。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 計画素案では、住宅不足の解消に向け、土地利用計画の見直しによる住宅用地の確保や小笠原住宅の建て替えのほか、都、村及び東京都住宅供給公社が協定に基づき、モデル事業としてファミリー向け賃貸住宅の建設等を進めることとしてございます。

○池川委員 限られた条件の中でどう安定した住まいを確保していくのか。移住する最大のネックがこの住宅問題だというふうに伺っていますので、対応を求めたいと思います。
 この点も、島に搬入するための資材については経費がかかる。さらに、それに今、資材高騰が乗っかってきて、高騰していることによって、なかなか厳しいということも聞いています。都として、この点についても支援をしていただきたいし、村の意見を聞きながらぜひ進めていただきたいと思います。
 エネルギー問題もとても重要な課題だと考えます。
 小笠原村が二〇二二年にゼロカーボンシティを宣言し、新たな取組も始めていると聞いています。再生可能エネルギーの普及についてどのように考えているのか伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原の地域特性に応じて再生可能エネルギーの活用を推進していくことは、化石燃料由来のエネルギー消費量の削減に加えて、小笠原村の地域防災力の強化にも寄与することとなります。
 計画素案では、ゼロエミッションアイランドの実現に向けた取組の一環として、都、小笠原村及び東京電力パワーグリッド株式会社の三者で連携し、母島において太陽光発電による実証事業を実施することとしております。

○池川委員 地域防災力の強化にも寄与するという視点は大事で、電気をためておくことができる施設をはじめ、災害時への対応強化をぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 また、島に暮らす方々に徹底して寄り添い、島の要望もしっかりと聞いて、この再生可能エネルギーの普及、どのような形でできるのか、具体化を求めたいというふうに思います。
 今日は小笠原諸島の振興について質問してきましたが、これは伊豆諸島でも様々な島をめぐる課題というのがあって、町村に対する支援が重要だと考えています。
 特に共通する課題としては、医療、介護、産業など、暮らしとなりわいの基盤をつくっていくこと、住民合意を大切にした再生可能エネルギーの普及など、持続可能で住み続けられる、そうした地域を都として最大限支援していただきたいということを求めて、質問を終わります。

○桐山委員 私からも小笠原諸島振興開発計画(素案)について質疑をさせていただきます。
 まず最初に、交通インフラ、航空路の整備についてなんですが、小笠原諸島と本土を結ぶ交通アクセスは、六日に一便、片道二十四時間を要する定期便、定期船ですね、に限定をされているということです。
 そして、今後の課題としても引き続きこの交通アクセスということで、今現在この航空路に関わる調査検討もされている中で、都は滑走路の位置や方向の検討に必要なデータを収集して、父島西部で世界自然遺産の区域外に位置する洲崎地区が有力候補地ということで、気象調査なども行っておられるところです。引き続き、この自然環境の調和を図りながら、できるだけ早期に航空路開設の実現のために検討を進めているということが、これまでも様々な場面でご答弁としていただいていて、承知をしております。
 改めて、現状について伺いたいというふうに、まず一点お願いいたします。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 航空路につきましては、現在、より実現性の高い洲崎地区に絞り、飛行場の検討や候補となる航空機の調査とともに、世界自然遺産である貴重な自然環境に配慮するため、環境調査等を行っております。

○桐山委員 今現在も小笠原航空路協議会ということで、先ほども出ておりましたけれども、一年に一回でしょうか、回数を重ねながら十二回まで協議会、実施をされていて、今年度もこれからなのかなというふうに考えておりますが、昨年の議事録を読ませていただく中では、やはり村長さんからは、できるだけ情報を出してほしいというお話が、議事録を読ませていただく中でありました。そして、議長さんからも、島民の方々の機運というんですか、航空路に対しての機運が、やはりこう下がってきていると。それはなぜかというと、すごくやっぱり時間がかかっているということでありまして、それでも、やはり村民の皆さんは、自分たちが年を重ねていくに当たって、やはり病気になったり、緊急の場合にどうしたらいいんだろうとか、そういった声も上がっているということでございます。
 できるだけこちらの方も早期、空港、航空路の実現のために努力をされているかと思いますけれども、引き続きこういった情報を協議会の場で出していただけるようにお願いしておきたいと思います。
 それから、あわせてですが、村民の救急搬送のことについて伺いたいと思います。
 昨年、米川議員が、同じくこの小笠原の救急搬送についての現状を、質疑をさせていただいたところです。
 この救急搬送は、小笠原諸島からの救急患者を本土へ搬送する必要が生じた場合は、海上自衛隊または海上保安庁に要請を行い、父島または母島からヘリコプターで硫黄島へ行き、そして硫黄島から固定翼の飛行機で本土へ速やかに搬送を行う体制を確保されているということで答弁をいただいております。
 非常に距離も時間もかかるということだと思うんですが、救急搬送について、小池知事も、島民の命を守るために必要な航空路の確保については言及をされています。
 私たちミライ会議としては、警察・消防委員会の中でも、八丈島にヘリコプターの拠点をつくり、例えば、消防庁とともに検討して、都が責任を持って救える命を救っていくような救急搬送システムを構築すべきではないかというふうな提案もさせていただいております。
 救急搬送について、距離や時間について、先ほどもかかるということなんですが、これらについて、この救急搬送についての新たな検討など、そういったものがありましたら、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 本土から約一千キロ離れて位置する小笠原諸島では、現在、自衛隊等の協力を受けながら救急患者の搬送を行ってございます。
 計画素案では、小笠原村の救急医療体制を確保するため、引き続き、自衛隊等の協力を受けながら、救急患者の搬送体制を維持することとしてございます。

○桐山委員 今の現状は変わらないということは分かったんですが、田の上議員が、この警察・消防委員会の中でお尋ねをした際に、東京消防庁では、今このAW189という型式ヘリコプターを所有しているということで、その航続の距離は約千二百キロと聞いているんですが、東京から小笠原父島までの距離とほぼ同じ距離だということです。機体の性能だけで見れば、八丈島と父島の間の行き来というのが可能なんではないかということでの質疑だったんですけれども、なぜ八丈島に拠点を置いたらどうかというのは、八丈島は二次医療圏としての町立八丈病院があるので、そこで対応できるものはしっかり対応し、そこで対応できない重篤な患者などの場合は、八丈島が取っているような形でもって東京消防庁のヘリで広尾病院に搬送していくと。そういった形で、小笠原の島民の皆様の早期搬送とか、早期対応ができるように、八丈を利用してはどうかという提案をさせていただきました。
 しかし、やはり消防庁のヘリでは難しいというご答弁をいただきました。往復に要する約千四百キロメートルを飛行できる機体が必要となるということで、今、東京消防庁が持っている機体の最大距離は約千二百キロメートルだということで、現状、消防用の導入可能なヘリコプターでは、八丈島と小笠原諸島間の往復に対応できるものはないと。気象状況などを考えると、行けたとしても途中で降りれなくなって引き返す場合に、近隣に寄れる島がないということで、非常に難しいというご答弁でした。
 そこでなんですが、二〇二〇年に、都が父島の空港整備を検討する協議会の中で、垂直離着陸を可能なティルトローター機の採用案、先ほども出ていた、今二機、案として開発ということで検討されている中の一機種なんですが、このティルトローター機というのは、現在航空路では四百メートル以内の航空路で十分なんじゃないかという案も示されているんですが、いわゆるヘリポートですよね、の中でも可能だということで、かなり期待をするところなんですが、このティルトローター機の採用案を示されて、知事も、島民の命を守るために必要な航空路を確保する有効な策だというふうに述べられています。
 これらについての課題認識がありましたら、お答えいただきたいと思います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長調整担当部長兼務 小笠原航空路は、島民生活の安定と国境離島である小笠原諸島の自立的発展、住民の安心・安全を守るという観点で、実現可能な航空路案が取りまとめられるよう検討してございます。

○桐山委員 この小笠原航空路協議会、今されていると思うんですけれども、この航空路、これから、今も検討されていますが、かなり時間を要すると思います。
 しかしながら、島民の命を守ることというのはやはり最優先にしなければならないという認識を持たせていただいている中で、ティルトローター式のこの機に関しては、今型式証明を申請中であると思います。今後これが申請をされて実用可能になってきた際に、私は、八丈も含めて、その近隣の島しょ地域全体の災害対応もそうなんですけれども、東京消防庁と連携をして、この垂直離着陸可能なティルトローター式、この飛行機というか、ヘリは非常に実用可能であり、島しょ地域の命を守るための対応ができるというふうに、私は非常に期待をしているので、ぜひこういった型式申請、申請ができて実用可能になった際には、航空路も同時並行しているとは思いますけれども、ぜひそういった導入をいち早く検討ができるような取組もぜひお願いをしたいというふうに要望しておきたいと思います。
 以上で終わります。

○石島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○石島委員長 請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時散会