総務委員会速記録第十八号

令和五年十二月十五日(金曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長石島 秀起君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長うすい浩一君
理事渋谷のぶゆき君
理事五十嵐えり君
理事福島りえこ君
おじま紘平君
斉藤 りえ君
早坂 義弘君
池川 友一君
米倉 春奈君
菅原 直志君
まつば多美子君

欠席委員 なし

出席説明員
総務局局長野間 達也君
次長理事兼務小笠原雄一君
総務部長猪口 太一君
企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長
DX推進担当部長兼務
天野 哲史君
人事部長石橋 浩一君
労務担当部長田中 角文君
行政部長武田 康弘君
総合防災部長保家  力君
防災計画担当部長八嶋 吉人君
防災対策担当部長西山公美子君

本日の会議に付した事件
意見書について
総務局関係
付託議案の審査
・第百九十七号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第百九十八号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第百九十九号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第二百号議案 非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例(質疑)
・第二百二十二号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 総務局所管分(説明・質疑)
報告事項(質疑)
・東京都業務継続計画の改定について
・東京都災害時受援応援計画の改定について
・東京都震災復興マニュアル復興プロセス編の修正案について

○石島委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○石島委員長 次に、人事異動に伴い異動のありましたデジタルサービス局の幹部職員について、局長から紹介があります。

○山田デジタルサービス局長 本日十二月十五日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 こどもDX推進担当部長の福田厳でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○石島委員長 紹介は終わりました。

○石島委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百九十七号議案から第二百号議案まで及び第二百二十二号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、総務局所管分を一括して議題といたします。
 それでは、追加提出されました第二百二十二号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、総務局所管分について理事者の説明を求めます。

○野間総務局長 今定例会に追加で提出いたしました総務局所管の令和五年度一般会計補正予算案の概要についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の令和五年度補正予算説明書の一ページをご覧ください。
 1、総括表の(2)、歳出の表、補正予算額の欄の下段、歳出合計にございますように、六百六十四億九千六百万余円の増額補正を行うものでございます。
 また、(3)、繰越明許費につきまして、表にございますように、一件、六百六十四億九千六百万余円の増額補正を行うものでございます。
 詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○猪口総務部長 今定例会に追加で提出いたしました令和五年度一般会計補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の令和五年度補正予算説明書の二ページをご覧ください。
 歳出予算につきまして、上から三段目、科目は、款、総務費、項、区市町村振興費の目、自治振興費でございます。
 これは、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金としまして、六百六十四億九千六百万余円の増額補正を行うものでございます。
 三ページをご覧ください。繰越明許費でございます。
 これは、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金により実施する事業につきまして、年度内に支出が完了しないと見込まれることから、翌年度に継続実施するためにあらかじめ繰越明許費を計上するもので、予算額は六百六十四億九千六百万余円でございます。
 以上、簡単ではございますが、今定例会に追加でご提出いたしました一般会計補正予算案につきまして説明を終わりにしたいと思います。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○石島委員長 説明は終わりました。
 その他の議案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○おじま委員 よろしくお願いいたします。
 私からは……(発言する者あり)違う……。

○石島委員長 ごめんなさい、失礼しました。
 説明は終わりました。
 その他の議案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。――発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○石島委員長 次に、報告事項、東京都業務継続計画の改定について外二件に対する質疑を一括して行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○おじま委員 失礼いたしました。よろしくお願いします。
 では、改めまして、私からは都政BCPについて伺いたいと思います。
 東京都は先月、東京都業務継続計画、いわゆる都政BCPを、オールハザード型Step.1として、大幅な改定を行ったところであります。
 災害発生時に都民の命と財産、それから首都東京の機能を維持すること、これがまさに東京都業務継続計画の根幹となる基本方針にあるわけであります。
 名は体を表すということで、オールハザード型というところ、それからStep.1というところがポイントになろうかと思います。私からは、その切り口で何点か確認をしていきたいと思います。
 まず、今回のBCP改定のポイントについて伺いたいと思います。

○八嶋防災計画担当部長 首都直下地震に加えまして、東京で想定される様々な災害が発生した場合におきましても、都民の生命、生活及び財産を保護するとともに首都東京の都市機能が維持できるよう、BCPの改定を行ったものでございます。
 改定のポイントといたしまして三点掲げております。まず、一点目が対象とする災害と規模の拡充、二点目が被害の実態に即した執行体制の構築、三点目が業務継続の実効性向上でございます。

○おじま委員 今回の改定のポイントは、まず、都として業務継続の視点から、災害対応の守備範囲を広げて、そして、よりリアルなシミュレーションを行って、さらにはBCPの肝であるBCM、いわゆる業務継続のマネジメントの視点を強化したというふうに受け止めさせていただきました。
 次に、それぞれのポイントごとに確認をしていきたいと思います。
 まず、東京都で起こり得る様々な災害に対応したということでありますが、BCPの対象とする災害あるいは規模をどのように拡充をしたのか伺いたいと思います。

○八嶋防災計画担当部長 これまでのBCPでは、東日本大震災や熊本地震など過去の災害の教訓等も踏まえつつ、最大の被害をもたらす首都直下地震を前提といたしまして、非常時優先業務の整理などを行ってまいりました。
 今回の改定では、昨年、約十年ぶりに見直した被害想定を踏まえまして首都直下地震への対応を改めて整理するとともに、大規模風水害や、南海トラフ地震による津波や火山噴火など島しょ地域における災害につきましても、各局の非常時優先業務の整理を行ってございます。
 また、中規模災害や複合災害につきましても、業務継続の観点から、考慮すべき事項につきまして考え方を整理したものでございます。

○おじま委員 区市町村の単位で見れば、地域で起こり得る災害の種類も被害の程度も大きく異なるわけでありますが、東京都全体で見れば、山間部、丘陵部、台地、低地、島しょ地域と様々な地勢を抱えているということからも、様々な災害に対して業務が継続できるように整理をするという視点は重要であると思います。
 続いて二点目は、被害の実態に即した執行体制の構築であります。
 特に、被害が甚大と想定される首都直下型地震が発生をしたという場合は、新たな被害想定でも示されているとおり、至るところで建物の倒壊や火災が発生をして、道路閉塞に伴って救出救助の活動が困難になってしまうなど、様々な状況が起こり得るわけであります。
 特に、夜間や休日に発災をした場合に、実際にどれくらいの職員が参集できるのか、今回のBCPで試算をしておりまして、業務を継続する上で不可欠な非常時優先業務を実施するために必要な職員数に対して参集できる職員は限られる可能性があるわけであります。
 そこで、現実的な参集状況というのを踏まえて、都はどのように非常時優先業務を行っていくのか、この見解を伺いたいと思います。

○八嶋防災計画担当部長 甚大な被害が想定される首都直下地震等が発生した場合、多くの非常時優先業務を遂行するための人員が必要となりますけれども、発災直後は一定数の職員が参集できないことが想定されます。
 その対応策といたしまして、今回の改定では、各局の非常時優先業務につきまして、優先順位を設定するとともに、各局や都外からの応援要員が対応可能な業務につきましても整理を行ってございます。これらを組み合わせることで、限られた参集人員の中で必要な業務を確実に継続することとしたものでございます。

○おじま委員 ただいまの答弁、非常に重要な視点であると思います。特に、発災直後はやらないといけない業務に対して必要な職員の参集が、これが間に合わなくてギャップが生じるため、その不足分というのをあらかじめ想定をしておいて、いざというときを見据えて備えておくということが大変重要であると思います。
 さらには、発災時においても、リモート環境が確保できるようになれば、危険な状況の中で無理して参集をしなくても必要な災害対応というのが行うことができるようになるわけであります。
 様々検討もしていただいているようでありますが、ぜひ最新の技術動向等も踏まえて、選択肢の一つとして継続的に検討を進めていただきたいと思います。
 続いて、三つ目の視点でありますが、これまで確認した事項も含めまして、業務継続の実効性、これを向上させるということが何より重要であります。そのためにも、今回改定したBCPを継続して検証して、さらなる改善を図っていく、いわゆるBCM、すなわちビジネス・コンティニュイティー・マネジメントの視点も極めて重要であります。
 また、現場の第一線で対応に当たっていただく区市町村のBCPも地域の特性に応じて改定をするとともに、そのBCMの流れに乗せて相乗効果で底上げを図っていくということが重要であります。
 そこで、区市町村のBCPも含めて、業務継続の実効性を高めていく必要があると考えますが、この見解を伺いたいと思います。

○八嶋防災計画担当部長 都はこれまで、区市町村がBCPを適切に策定できるよう、ガイドラインを作成し、説明会を実施するなどの支援を行ってまいりました。
 今回改定したBCPを踏まえ、区市町村においても地域の特性に応じた災害に柔軟に対応できるよう、都としてガイドラインを改定し、説明会等の実施により周知をしてまいります。
 あわせまして、区市町村と連携した訓練等を実施することなどによりまして、東京全体の災害対応力を一層強化してまいります。

○おじま委員 首都直下型地震も南海トラフも、大規模風水害あるいは島しょ地域の火山の噴火などなど、いずれもいつ起きてもおかしくない状況であります。ぜひ、区市町村も含めて、東京全体で業務継続の実効性向上に向けて不断の見直しを図っていただきたいと思います。
 最後になりますが、今回のBCP改定は、申し上げたとおり、オールハザード型Step.1という名称をつけているということは、次のステップ、Step.2があるからこその命名ではないかと思います。
 そこで、オールハザード型BCPに向けた今後の都の取組について見解を伺いたいと思います。

○八嶋防災計画担当部長 今回の改定では、第一のステップといたしまして、様々な災害に柔軟に対応できるBCPへとレベルアップを図ってございます。今後は、オールハザード型BCPを目指しまして、富士山噴火などの多様なリスクにも対応できるよう検討を進めてまいります。

○おじま委員 先ほども羅列をさせていただきましたが、災害というのはどれ一つとして同じものはないわけであります。想定していなかった事態に陥るということも想定をされます。
 こうした状況においても、都民の命と暮らしを守って首都東京の機能が維持できるように、様々な場面を想定して必要な業務を継続できるよう不断の見直しを図っていただきたいということを改めて要望して、私からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○早坂委員 東京都業務継続計画、都政BCPオールハザード型Step.1について伺います。
 都政のBCP、ビジネス・コンティニュイティー・プランとは、大規模災害が発生した際、東京都自らも被災することで、利用できる人的資源、物的資源などに制約が見込まれるので、優先的に取り組む重要な業務をあらかじめ定めておくというものであります。
 都政BCPは、平成二十年、二〇〇八年に地震編が発表されました。その後、平成二十三年、二〇一一年の東日本大震災を受けて、平成二十九年、二〇一七年に、それまでの地震編を全ての災害に準用できるように改定がなされました。今回の令和五年、二〇二三年の改定は六年ぶりのものであります。
 そこでまず、今回のBCP改定の狙いについて伺います。

○八嶋防災計画担当部長 切迫性の高い首都直下地震や南海トラフ地震、島しょ地域の火山噴火、大規模風水害など、東京でいつ災害が発生してもおかしくない状況でございます。
 このため、これまでの首都直下地震を前提としていたBCPから、様々な災害事象と規模に柔軟に対応できるものへと改定を行ったものでございます。

○早坂委員 前回の改定は、地震編を全ての災害に準用できるようにしたものでありました。
 しかし、例えば首都直下地震では都内全域が被災する可能性が見込まれるのに対して、大規模風水害や火山噴火では、都内全域ではなく都内のある部分だけが被災することが見込まれます。そうした違いを丁寧に見ていこうとするのが今回の改定の狙いであります。
 さて、今回の都政BCPの副題にオールハザード型Step.1とあります。オールハザード型というのが、地震だけでなくあらゆる災害に対応する意味だと思われます。
 では、Step.1としているところの意味を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 今回、様々な災害に対応できるBCPへと改定を行いましたが、対象としている災害の種類は首都直下地震に加えまして、大規模風水害、南海トラフ地震、島しょ地域の火山噴火でございます。これら以外の災害につきましても今後対象としていくことからStep.1としたものでございます。

○早坂委員 今回のStep.1ではこれまでの首都直下地震に加え、大規模風水害、南海トラフ地震、島しょ地区の火山噴火が項目として明記されました。
 しかしながら、自然災害でいえば富士山噴火が抜けています。自然災害以外にも、テロや武力攻撃、深刻な感染症など様々な危機対応も抜けており、それは今後検討する意味で、Step.1としたのでありましょう。
 さて、このStep.1において、首都直下地震とそのほかの災害では、BCPの視点では何が違うのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 首都直下地震は、近隣県も含め、島しょ地域を除く都内の広範囲で甚大な被害が発生するため、全庁を挙げて非常時優先業務を実施してまいります。
 また、大規模風水害や、南海トラフ地震に伴う島しょ地域の津波浸水などにつきましては、被災エリアは首都直下地震と同様甚大な被害が発生するため、全力で災害対応に当たる一方、被災していない地域では通常業務も並行して行うこととなります。

○早坂委員 今回の改正でBCPに明記された災害、すなわち大規模風水害、南海トラフ地震、島しょ地区の火山噴火は、都内全域が被災するわけではないと見込まれます。そうしたことから東京都としては、非常時優先業務と並行して通常業務を行うということを改めて確認したというのが今回の改正のポイントの一つであります。こうした視点を区市町村のBCPにも取り入れることが重要だと考えます。
 東京都に確認したところ、現在、都内の全ての区市町村においてBCPが策定されているとのことでありました。今回の東京都の改正に合わせたこうした視点も踏まえていない区市町村もあると思うので、ぜひ、地域の特性に応じた区市町村BCPの改定支援を進めていただきたいと思います。
 さて、BCPを考える上で大切なのは、人、箱、マニュアルの三つであります。こうした整理の中、順次伺ってまいりたいと思います。
 まずは人であります。
 BCP、業務継続計画の担い手は人材であります。災害の八割は勤務時間外に発生します。というのも、一日二十四時間のうち、一般的な勤務時間は午前九時から午後五時までの八時間、つまり、一日の三分の一だけが勤務時間であります。これに土曜、日曜、祝祭日、お盆や年末年始のお休みを合わせると、年間ベースでは八割の時間が勤務時間外となります。つまり、災害の八割が勤務時間外に発生するということは、多くの都庁職員が職場にいない時間帯に災害が発生するということであります。
 加えて、首都直下地震では、交通が麻痺し、あるいは都庁職員自身やご家族が命を失ったり大けがをするなどして職場に駆けつけられない可能性もあります。
 今回のBCPでは、首都直下地震発生時の職員の参集をどのように想定したのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 今回改定した都政BCPでは、本庁に参集する職員の居住地と首都直下地震で想定される被害を重ね合わせ、実際にどの程度参集できるか試算を行いました。
 具体的には、建物倒壊や延焼火災など被害の甚大なエリアに居住する職員や公共交通機関の影響を受ける遠方に居住する職員は、一定期間参集できないなどの条件を設定いたしました。
 この結果、三日以内で職員の三分の一程度、一週間以内で三分の二程度の参集を見込んでございます。

○早坂委員 三日以内に職場に参集できるのは三分の一、一週間以内でも三分の二と厳しく見積もっているのはよいことだと思います。
 ただ、試算条件をよく見てみると、一日の徒歩時間は十時間を目途、めどとあります。しかし、十時間も歩いて、果たして職場に登庁できるのか、やや疑問があります。
 そこで、現在どのような参集訓練を行っているのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 過去の大規模災害を通じまして、初動対応の重要性が確認されていることから、これまで、初動対応を主眼とした訓練の一つといたしまして、対象や目的等様々な設定で職員参集訓練を実施してまいりました。
 今年度は、総合防災訓練の一環といたしまして、居住地から都庁舎までの距離が十キロメートル以内にあり、最初に所属先へ到着し非常時優先業務に従事する第一配備職員、ちなみに約一万九千人が対象となってございますけれども、などを対象といたしまして、各局と連携し、九月に参集訓練を実施いたしました。

○早坂委員 私は杉並区荻窪に住んでいます。実際に歩いてみると、都庁まで九十分くらいの距離であることが分かりました。
 防災対策を離れても、歩くことは健康によいし、気持ちがよいものであります。職場への登庁だけでなく、自宅への帰り道を歩くのも同じことであります。九十分くらいなら歩けるなということが分かり、私は折に触れて歩いて登庁、歩いて帰宅をしております。ちなみに、多くは自転車通勤であります。
 都庁職員は、人事異動で職場の場所が変わることもあるでしょう。毎年一回参集訓練を行うことを、全ての職員さんに参集訓練を行うことを提案したいと思います。先ほど九月という話がありましたが、何も同じ日に都庁職員が一斉に行うのではなくてそれぞれの職員が任意の日に行えば、仕事には影響がないだろうと思います。
 人材についてさらに伺ってまいります。
 都庁の災害対策を担うのは、原則的には都庁職員であります。しかし、被災の規模が大きければ大きいほど自前では賄えず、他の道府県職員の応援を受けることも想定されます。私は、そこに民間の皆様の応援を加えることを提案したいと思います。
 例えば罹災証明の発行には、行政文書の取扱いに慣れた行政書士の先生方に応援をお願いするとか、避難所の運営には防災士の皆さんに応援をお願いするといったことであります。もちろん、それは都内のみならず他県の方であっても構いません。平時の今、そうした皆さんと協定を、必要なら守秘義務契約をも事前に結んでおくなどして、人材確保に努めていただきたいと思います。
 東京ボランティア・市民活動センターの皆様には、発災時には大変お世話になると思いますが、一方で、誰がどれぐらい応援に来てくださるのか、そのときになってみないと分からないという側面もあります。人材調達のために、平時の今できるあらゆる努力を行うべきと考えます。
 もう一言付け加えたいと思います。それは、どんな方が応援に来てくださっても直ちに仕事ができるようなマニュアルを事前にしっかり準備しておくべきだということであります。このことは後ほど、また改めて触れたいと思います。
 さて、大規模災害発生時には、区市町村からの情報を得るために、都庁からリエゾンオフィサー、情報連絡員を派遣することが想定されます。そうした際にぜひ心がけていただきたいのは、当該区市町村に深いご縁のある職員を選んでいただきたいということであります。
 どれくらいの規模の幹線道路や鉄道の駅がどこにあるか、繁華街や住宅街や田畑がどこにあるかなど、当該区市町村職員ならいわずもがなの知識をリエゾンオフィサーが持ち合わせていないことには、その役割を十分には発揮できないだろうと思います。
 リエゾンオフィサーをある市に派遣するとしたら、交代を含めて最低二人以上となるでしょう。誰をリエゾンオフィサーとして派遣するかの人選は総務局人事部が行うものと想像します。そうした場合に、その市に生まれ育った都庁職員や、あるいはその市の市役所に出向した経験のある都庁職員を三十人でも四十人でも事前にリストアップしておいて、その中から選ぶようにしていっていただきたいと思います。可能なら、事前にその方たちに、お願いするかもしれないねというふうに事前にいっておくこともいいかもしれません。
 さて、BCPに必要な人、箱、マニュアルのうち、箱について伺ってまいりたいと思います。
 箱とは、災害対応に当たる職員が安全に働ける執務場所や、そこで必要な資機材のことであります。
 まず、東京都と区市町村の非常用電源の確保状況について伺います。

○八嶋防災計画担当部長 停電時においても災害対応が円滑に行えるよう、災害対策本部を設置する庁舎におきまして非常用電源を確保することは重要でございます。
 このため、都では、都庁舎に非常用発電機を設置しているほか、都政BCP等において、電源の有効活用のための負荷制御や非常用発電機等の燃料確保等について定めてございます。
 現在、六十区市町村におきまして、災害対策本部が設置される庁舎に非常用電源を設置してございます。

○早坂委員 今ご答弁で、六十区市町村において、災害対策本部が設置される庁舎に非常用電源が設置されていると。六十という話がありましたが、都内には六十二の区市町村があります。二つの区市町村には現時点でこれが設置をされていないということであります。いまだ非常用電源の確保ができていない役所があるということは全く驚きであります。
 少し話は変わりますが、総務局は平成三十年度、二〇一八年度から、区市町村庁舎の非常用電源設備補助を行いました。今申し上げたとおり、都内には六十二の区市町村がありますが、当時、二十四の区市町村、すなわち四割の区市町村庁舎で、非常用電源の使用可能時間が七十二時間未満でありました。
 このことを知った私は、すぐにそれらの区市町村議会の仲間に連絡を取り、おたくの区市町村庁舎の非常用電源の確保は十分でないということと、東京都が助成をするのでそれを利用するのもいいけれども、本来とっくの昔に自前で用意しておくべきものですよと口汚く伝えたことを思い出しました。
 話を戻しますけれども、いまだ二つの区市町村が非常用電源を用意していないということは、ただ驚き、あきれるばかりであります。BCPの策定は六十二の区市町村全てでなされているようでありますが、いまだ非常用電源の設置が不十分な区市町村が策定するBCPの内容が一体どんなものか見てみたいと思います。
 悪口はこの辺で終わりにして、箱の話に戻したいと思います。
 災害対応に当たる職員が安全に働ける執務場所や、そこで必要な資機材のことでありますけれども、その一つに非常用食料があります。
 今回のBCPには、職員一人一日当たりの食料として、乾パン一食、アルファ化米二食、飲料水三リットル、野菜カレー一食、ようかん一食と丁寧な記載があります。
 しかし、食に関しての記載はあるものの、排せつ、すなわちトイレに関するものは、僅かにトイレットペーパーに関する記載があるばかりであります。空腹は我慢できますがトイレが我慢できないのは、私たちが実感としてよく知るところであります。
 トイレが使えなくなるのは、水道、下水道のストップだけではありません。建物内の配管が損傷したらトイレは使えなくなってしまいます。そうした観点からすれば、食料以上に大切なのは、災害時に使える簡易トイレや携帯トイレであります。このことに関して十分配慮をお願いしたいと思います。
 最後に、BCPに必要な人、箱、マニュアルのうち、マニュアルについて伺ってまいりたいと思います。
 今回のBCP、Step.1を見ると、東京都全体の非常時優先業務は千八十九、そのほかの通常業務は千八百九十七、合わせて最大二千九百八十六の業務があると分類されています。そのうち、非常時優先業務は応急復旧業務と通常業務に大別され、さらには、発災後三時間以内に必要なもの、一日以内に必要なもの、三日以内、一週間以内、二週間以内、一か月以内、一か月以降に必要なものと丁寧に細分化されています。
 発災時の人的、物的制約を鑑みれば、非常時優先業務はできるだけ数を絞った方がよいということになります。
 今回のBCP、Step.1で示された事業数は都庁全体のものであります。では、総務局の事業数は幾つか、非常時優先業務とその他の通常業務がそれぞれ幾つあるのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 都政BCPにおける総務局の首都直下地震時の全業務数は百八十となっておりまして、そのうち、非常時優先業務は四十三、その他の通常業務は百三十七となっております。

○早坂委員 総務局だけで見てもそれだけの業務があるということが分かりました。
 大切なのは、それぞれの職員が、災害発生時に自分がどの業務を行うかをあらかじめ把握しておき、いざというときに円滑に必要な業務を行っていくことであります。さらには、大規模災害時に、限られた人員で真に必要な業務を円滑に行うためにも、参集人数に応じてどの業務を優先して行うかなどを局内で共有することが重要であります。
 先ほどご答弁いただいた非常時優先業務が何であるか、その他の通常業務が何であるか、またその業務数などBCPの肝になる具体的内容を、今後、各局がマニュアル改定するに当たって整理するよう支援すべきであると考えます。ご見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 今回の改定に合わせまして、参集体制、局災害対策本部の運営、非常時優先業務の実施など必要な事項を盛り込んだ各局等におけるBCP改定のためのガイドラインを整備し、マニュアル等の継続的な改善を支援していくこととしております。

○早坂委員 各局がBCPを策定してあるといっても、その内容がどういうものか精査する必要があると思います。
 第一義的には所管局が頑張るべきでありますが、総務局総合防災部が内容をチェックして、もし足らざるところがあれば意見すべきと考えます。ご見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 総務局は、今後整備するガイドライン等を踏まえまして、各局等と改定の過程において意見交換等を行うとともに、改定したマニュアル等に基づきまして様々な災害を想定した訓練を実施することなどによりまして、全庁的な業務執行体制を強化してまいります。

○早坂委員 最後に、BCPについて改めて意見を述べたいと思います。
 災害の八割は勤務時間外に起きると申し上げました。勤務時間外だから職員はおらず、偶然に残っていたか、あるいは真っ先に駆けつけた職員が先頭に立って、優先順位の高い業務から手をつけていくということになります。
 その際に必要なことは二つあります。一つは、たまたま居合わせた職員が、非常時優先業務がどれであるかすぐに分かるようにしておくこと、もう一つは、その非常時優先業務がたまたま居合わせた職員でもこなせるように簡略化、システム化しておくことであります。
 日頃の仕事でよく耳にするのが、担当者が席を外しているので分かりませんというやり取りであります。しかし、災害時には担当者はいないということを前提に業務を行わなくてはなりません。
 そうした備えをすることは日頃の業務の整理や見直しにもつながります。また、他局でのBCPの取組でよいところがあれば、ぜひ庁内で共有していっていただきたいと思います。相乗効果によるBCPの徹底をぜひ進めていただきたいと思います。終わります。

○うすい委員 よろしくお願いいたします。
 初めに、復興マニュアルの概要についてお伺いをしたいと思います。
 都は今回、震災復興マニュアル復興プロセス編の修正の視点の一つに、大規模災害の教訓を踏まえた修正としております。
 今年は、関東大震災から百年目の節目の年を迎えて、都としても様々な取組をしてきたところですが、復興という視点から、今回の復興プロセス編の修正に当たり関東大震災の教訓をどのように反映をしたのか、初めにお伺いをしたいと思います。

○西山防災対策担当部長 今回の復興プロセス編修正案では、関東大震災からの学びといたしまして、震災復興からの学びと今後の震災への備えの重要性について都民に訴える内容のページを新設しております。
 震災復興からの学びとしては、現在の東京の都市基盤となった道路網の整備や土地区画整理事業など、震災復興がその後の東京のまちづくりに与えた影響などを記載してございます。
 また、今後の震災への備えといたしまして、地震に強いまちづくりの取組と地域力を生かした住民主体の復興を車の両輪として展開することの重要性について盛り込んでございます。

○うすい委員 震災復興の学び、地域力を生かす復興という車の両輪だという視点での重要性の答弁がございました。
 過去の大きな災害復興を振り返って、そこから得られる教訓についてしっかりと啓発することが重要でありますので、今後の取組をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、震災の被災地のうち、特に被害の大きかった地域では、もう当然、復興に長い時間がかかります。過去の震災においては、復興の長期化に伴う被災地外への人口流出によって、地域経済の衰退につながった事例も報告をされております。
 被害に遭った地域には、高齢者や個人事業主など様々な立場やそれぞれの事情の違った人たちがいるわけでございまして、必ずしも、同じ地域コミュニティの中でつながっているとは限らないと考えております。
 復興プロセス編では、被災地域の復興には住民自身の主体的な参画が望まれるとしており、その中で地域復興協議会を理想的な取組として提示をされております。
 そこで、地域復興協議会とは、誰が主体でどのように運営される組織なのか、また、その活動には地域の多様な住民等の参画が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

○西山防災対策担当部長 地域復興協議会は、被災地域の住民や事業者等が主体的に参画し、地域力を生かして復興に取り組むための核となる組織でございます。
 その母体となるのは町会、自治会やまちづくり協議会などの地域組織であり、運営に当たりましては様々な意見、要望を持つ地域住民等の多様な意見を反映していくことが重要でございます。
 このため、今回の復興プロセス編修正案では、過去の震災復興において、地権者、老人会、商工業者など地域の多様な主体が地域復興協議会に参画して復興に取り組んだ事例を紹介しております。

○うすい委員 ぜひ進めていただきたいと思います。
 復興プロセス編修正案に一通り目を通しましたが、どれも大切な情報が掲載されていると考えております。しかし、その主体となる住民が情報を知らなければ、震災からの復興に活用することは絵に描いた餅になってしまいます。
 復興プロセス編で記載されておる、住民が積極的に復興を進めるための仕組み等について効果的に情報発信をする必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○西山防災対策担当部長 一日も早い復興を進めるためには、住民一人一人の自助努力だけでなく、住民同士が協力して復興に取り組んでいく組織をつくることが重要でございます。
 住民や事業者、町会、自治会など地域活動を担う組織等に対して復興プロセス編を周知することは必要でございます。復興プロセス編修正案の確定後は、東京都防災ホームページに公開するとともに、東京都防災Xや東京都公式LINEなども活用いたしまして、発信してまいります。

○うすい委員 ぜひ効果的な発信をよろしくお願いをしたいと思います。
 今回の修正を含めてのマニュアルでございますが、情報発信の工夫も当然大切ですし、何よりも実効性が大切ですので、区市町村はもとより、多くの都民の皆様が災害復興にできるだけ円滑に進められるように、今後ともしっかりとした取組をよろしくお願いをいたします。
 次に、東京都業務継続計画、いわゆる都政BCPについて伺います。
 これまでの都政のBCPは首都直下地震を前提とした計画でありましたが、今回の改定ではオールハザード型として様々な災害に対応していくということで、大規模風水害や南海トラフ地震、島しょ地域における火山噴火なども対象としております。
 私の地元足立区をはじめ東京の東部低地帯ではゼロメートル地帯を多く抱えておりますので、まさに大規模風水害への備えは喫緊の課題であることから、今回の改定の方向性は極めて重要であると考えております。
 そこでまず、今回改定したBCPでは、大規模風水害にどのように対応することとしているのか見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 大規模風水害の特徴といたしましては、台風の進路や規模など気象予測の精度向上等によりまして、ある程度の予測が可能となってございます。
 また、大河川の洪水による堤防の決壊などが発生した場合には、東部低地帯を中心に広い範囲で浸水が発生いたしますけれども、首都直下地震と比べた場合には、台地などでは被災しないエリアも同時に存在することとなります。
 このため、災害発生前の段階から体制を構築し、事前避難や都民への呼びかけなどの対応に当たることとなります。
 また、災害発生時は、排水活動や浸水した都市インフラの復旧、被災者の生活支援に全力を尽くすとともに、浸水していない地域における通常業務も並行して実施することとしております。

○うすい委員 ありがとうございます。
 答弁いただきましたとおり、まさに風水害は、突発的に発生する地震と違いましてある程度は予測できることから、備えも変わってくると考えております。建設、都市整備のハード局など関係する局と連携の下、風水害のBCPの充実をぜひとも図っていただきたいと思います。
 これまでのBCPでも想定されていた首都直下地震でありますが、都が昨年、十年ぶりに見直しをした被害想定では、私の地元足立区が、揺れに伴う建物被害が都内で最多となっておりまして、全壊棟数が約一・二万棟、半壊棟数が約二・二万棟となっているわけでございます。
 発災後の視点で見ますと、被災者の避難所生活や住家の被害認定調査、罹災証明の手続など、被害の大きいエリアでは区市町村の職員だけの対応では極めて困難と考えております。
 そこで、今回のBCP改定において、被災自治体への支援はどのように整理をされているのか、また、その実効性の向上に向けた平時の取組について見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 大規模災害発生時、被災自治体から応援の要請があった場合には、庁内各局や都内の被災していない区市町村、広域応援協定団体等への応援要請などを行うこととしてございます。その際、今回のBCPと併せて改定を行いました東京都災害時受援応援計画で定めた手順等に基づき、速やかに応援を実施いたします。
 また、平時におきましても、区市町村と連携した訓練を実施することなどによりまして、災害対応力の強化を図ることとしてございます。

○うすい委員 今答弁いただきましたとおり、被害が甚大な区市町村では、広域自治体である東京都の支援が必要不可欠でございます。今回の報告事項でも、その手順等を示した受援応援計画が報告をされているわけでございますが、ぜひ実効性の向上に向けた取組を進めていただくことを要望させていただきます。
 これまで風水害と地震について確認をしましたが、双方の災害リスクを抱える足立区をはじめとした東部低地帯では、地震と風水害の複合災害への備えも大変に重要でございます。
 そこで、今回のBCP改定では、複合災害についてどのような視点を踏まえて整理されたのか、見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 今回の改定では、地震と風水害などの複合災害が発生した場合における業務継続のポイントを定性的に整理いたしました。
 例えば、大規模地震の発生により多くの住民が避難生活を送る中、大型台風の接近等により水害が発生した場合、浸水エリアにある指定避難所では、河川の氾濫に備え、安全な場所にある別の避難場所に再避難を行うこととなります。
 このように、先発災害に係る非常時優先業務を確実に進めつつ、後発災害に備えて必要な対応を行うことなどの留意点を取りまとめてございます。

○うすい委員 ぜひ、複合災害についての備えをしっかりとよろしくお願いをしたいと思います。
 六月から十月の五か月が出水期でございまして、これは一年の半分近くになるわけでございます。いい換えれば、首都直下地震が発生する確率の半分近くは出水期に当たるということになります。
 複合災害といっても、災害が起きるタイミング、順番によって無数の組合せがあります。それぞれ対応が大きく異なることから、引き続きBCPの視点でも様々なケースを想定して、備えていただきたいと思います。
 これまで、災害ごとにどのような対応を行うのか確認をさせていただきました。いうまでもなく、BCPの考え方としては、災害発生時にいかなる状況においても業務が継続できる体制を構築できることが大原則となるわけであります。
 そこで、様々な災害が発生したとしても柔軟に対応できる体制を構築すべきと考えますが、見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 今回の改定では、災害の事象や規模、時間の経過に応じて、初動対応からシームレスに応急復旧業務に移行できるよう、全職員で対応するカテゴリーⅣから最大一割程度で対応するカテゴリーⅠまで、職員の配備体制を四つに区分をいたしました。
 災害発生時には、被害の状況等を収集した上で、どのカテゴリーに当たるかを決定するとともに、その後の復旧状況に応じましてカテゴリーを柔軟に運用することで、適切な対応に努めてまいります。

○うすい委員 ありがとうございます。
 災害は、事象、起きる時間、季節、場所によって状況は異なるなど、同じ状況にはならないわけですので、常に様々な状況を想定し、また訓練等も重ねながら、実効性の向上に努めていただくことを強く要望させていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○斉藤委員 まず、復興のイメージについてお伺いします。
 大規模な地震などで東京が被災した場合、行政だけで復興のプロセスを進めていくことは大変困難になると予想されます。先日視察した東日本大震災の被災地においても、地域の住民と共に、都からの派遣職員を含め、NPOなど多くの関係者の力を結集した取組が行われていました。
 そこで、震災復興マニュアル復興プロセス編において、どのように復興を進めていくイメージなのか教えてください。

○西山防災対策担当部長 復興プロセス編の修正案では、まず被災者自らが主体的に行動し、次に、自らのまちを地域で協働して再建を図っていくとともに、NPO、専門家等の活動や行政による多様な施策が的確に機能することで、自助、共助と公助が相互に力を発揮した復興が可能となるとしてございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 復興という言葉は、今年災害発生から百年を迎えた関東大震災以降、様々な災害において使われてきました。一方で、その言葉が持つ意味は人によって異なり、被災者によっても異なりますし、置かれている立場や環境によっても異なります。これは、先ほども触れました東日本大震災の被災地を視察したときにも感じたことです。
 その言葉をどう捉えるかは多様であり、自由であってよいとは思いますが、行政が主導して進めていく際には、しっかりとしたイメージを確立して、内外にコミュニケーションを取っていくことが望ましいと考えています。
 ご答弁いただいた復興のイメージは、私も大変共感しますし、有事の際にしっかりとメッセージを出していければと期待しています。
 その復興においては、地域復興協議会が大きな役割を担うことが想定されています。また、地域復興協議会において復興の在り方を協議して、計画や環境整備、生活改善等に関して取決めを行うとあります。
 そこで、地域復興協議会における復興の取組において、特に、障害のある人やひとり親家庭など弱い立場にある人が取り残されることのないようにという視点が欠かせないと考えていますが、復興マニュアルの内容はそのようになっているのか教えてください。

○西山防災対策担当部長 復興プロセス編の修正案では、復興を進める視点として、高齢者や障害者、妊産婦や外国人などの要配慮者への適切な対応が必要であることを記載してございます。
 こうした視点も踏まえ、地域復興協議会においては、様々な意見、要望を持つ地域住民等が参画し、多様な意見を反映していくこととしてございます。

○斉藤委員 災害時では、要配慮者はとても難しい状況に置かれますし、多くは、余裕がない中で見過ごされていることが想像できます。
 ただ、そうした要配慮者の方々が持つ視点や不安などを復興の文脈に生かすことができるのであれば、さらに多くの人たちを救える、さらに多くの被災者に優しい地域の再建になるのではないかと期待しております。ぜひ、多様な意見が反映される基盤整備をお願いできればと考えています。
 有事からの復興に向かうに当たり、私はやはり、平時をどのように過ごしていくのか、準備をしていくのかがとても重要だと考えています。あらゆる領域で、平時から関係性ができていない場合に有事に対応できないことはよくある話だと理解していますが、専門家との連携もそうだと思っています。
 専門家との平常時からの連携について、定期的な情報交換などの場を設定しているのか、また、どのような分野の専門家と連携しているのか、教えていただけますでしょうか。

○西山防災対策担当部長 都は、復興まちづくりを円滑に行い、被災住民の生活の早期安定を図るため、災害復興まちづくり支援機構を構成する弁護士や不動産鑑定士など二十の専門士業団体と復興まちづくりの支援に関する協定を締結してございます。
 支援機構とは、毎年、シンポジウムの開催などを通じ、情報交換などを行っております。

○斉藤委員 ぜひ平常時からも積極的に交流や意見交換をしながら、関係性を構築していっていただきたいと思います。
 また、既に幅広い専門家や団体との連携を進めていますが、被災者の多様性を想定すると、その幅はさらに広くしていくことも必要なのかなとも考えています。段階的にでも構いませんのでご検討いただけますと幸いです。
 また、地域においてはこのマニュアルを基に、各地域で柔軟に復興プロセスを進めるという趣旨と理解しますが、実際の災害からの復興プロセスを進めるのは、具体的に考えると大変難しいと思います。
 住民が協力しながら地域復興に取り組むためには、民間団体やNPO法人なども含めた平時からの取組が重要と考えますが、今回のマニュアルではどのように整理しているかお伺いします。

○西山防災対策担当部長 復興プロセス編の修正案では、被災時には、地域復興協議会への支援として、区市町村がNPO、ボランティア、専門家、企業などの協力を得ながら活動支援や助言を行うこととしてございまして、平常時から地域における相互支援ネットワークを構築することの必要性を記載しております。

○斉藤委員 次に、東京都業務継続計画について伺います。
 非被災自治体からの応援職員の受入れはもちろんのこと、そうした方々が業務を円滑に行っていく体制づくりは平時から取り組まなければいけないと考えますが、訓練や体制構築の協働など平時から実施をしていくのか、具体的に教えてください。

○八嶋防災計画担当部長 大規模災害発生時、被災自治体から応援の要請があった場合には、庁内各局や都内の被災していない区市町村、広域応援協定団体等への応援要請などを行うこととしてございます。
 また、平時におきましても、区市町村と連携した訓練を実施することなどにより、災害対応力の強化を図ることとしております。

○斉藤委員 ローテーション勤務の考え方はどのように構築したのでしょうか。過去の災害における経験を基に構築したと予想しますが、具体的にあれば教えてください。

○八嶋防災計画担当部長 都政BCPにつきましては、東日本大震災や熊本地震など過去の災害の教訓等も踏まえまして、災害対応が長期にわたる場合は早期に四班三交代制にするなど職員の健康維持に配慮いたしまして、被災状況に応じた持続可能な体制を構築することとしております。

○斉藤委員 東日本大震災の被災地においては、行政職員のメンタルヘルスケアについても課題となりました。被災した住民対応を行う行政職員もまた被災者である可能性も高く、そうした中で業務に当たることの難しさは、時としてメンタルヘルスに影響を与える可能性は高いと思います。
 そうした行政職員のメンタルヘルスケアの体制などあれば教えていただきたいです。

○八嶋防災計画担当部長 都におきましては、職員の総合的なメンタルヘルス対策を講じてございまして、ストレスチェックの実施やメンタルヘルスに関する教育、啓発、専門スタッフを配置した相談体制の整備などに取り組んでございます。
 職員の安全管理及び衛生管理に関しましては、災害時においても通常業務として対応するものでございます。

○斉藤委員 最後に、人材の活用についてお伺いします。
 訓練等における人材育成は不可欠ですが、東日本大震災、その後の熊本地震の被災地においては、都職員や区市町村職員が多く応援職員として派遣をされています。そうした被災地で経験を有している職員らの知見を生かし、組織内で共有して人材育成に活用していくことも有用な施策となる可能性がありますが、見解をお伺いします。

○保家総合防災部長 都はこれまで、東日本大震災や熊本地震等の都外災害時に職員を派遣し、被災自治体の災害対応を支援するとともに、応援業務を通じて職員の災害対応スキルを高めてまいりました。
 今後とも、これらの知見、ノウハウ等を訓練や引継ぎ等を通じて組織全体で共有し、職員の能力の確保、維持を図ってまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 東日本大震災の被災地域では、都庁や都内区市町村からの職員派遣に大変感謝されている声を多く伺いました。そうした職員の経験は、行政職員としての貴重な財産となるとは思いますが、私たち都民としてもとても心強い財産であるとも思っています。ぜひ、こうした体験や経験を積まれた職員たちをさらに有効に活用できるように今後もお願いできればと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○桐山委員 私からも、東京都業務継続計画、BCPについて質疑をさせていただきたいと思います。
 都政BCPは、地域防災計画等を踏まえ、大規模災害発生時に、都自らも被災している状況、利用できる資源に制約がある状況下において、優先的に取り組む重要な業務をあらかじめ特定をして、業務執行体制や業務の環境、継続に必要な資源の確保等を定めておくことで、大規模災害発生時においても適切な業務遂行を確保するための計画として策定をされていることだと思います。
 今回、先ほどからも質疑がありましたように、大規模風水害、南海トラフ、火山噴火や、中規模災害や複合災害なども追加をされる中で改定を行ったわけであります。
 BCPはその名のとおり、災害発生時には必要な業務が継続できるのか、その実効性の確保が重要であることから、この視点で何点か確認をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、職員の体制についてであります。
 発災時というのは、やはり初動というのが大変重要になってまいります。
 そこで、災害対応の中心となる総合防災部をはじめ、職員の配備体制がどのように定められているのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 都では、災害の発生及び発生のおそれがある段階における職員の配備体制をあらかじめ定めております。
 例えば総合防災部では、情報収集に当たる体制を常時確保しているほか、地震の震度や気象警報、噴火警戒レベル等に応じて必要な体制を構築することとしております。
 また、各局等におきましても、所管する業務等に応じた配備体制を定めてございます。

○桐山委員 首都直下を見ますと、震度六弱以上の地震が発生した場合は特別非常配備体制を取って、自動的に参集対象の職員が一斉に参集することになっているかと思います。
 総務局防災部の一部の職員と各局等との初動対応の職員が災害対策職員住宅に居住をされるというふうに指定をされていることも伺っておりまして、ローテーションによって初動体制を確保するための職員としての指定要員ということも定められているかと思います。
 防災センター等職員として定められて、まさに、夜間の連絡員から一報を受けて駆けつける要員のことだというふうに思います。そういった災害時対応の職員住宅に居住をされている防災部の職員の方々は、まさに、家族の安否とかも、家族を置いてでもまず第一に駆けつける要員ということで伺っており、大変、家族の元へも帰ることもできない、使命感を持って行う重要な業務なんだなということで、敬意を表していきたいというふうに思っております。
 また、先ほども質疑の中でもありましたけれども、今回の改定の中で、職員の被害の実態に即した参集状況の分析結果を見ても、三日後のところでも全職員の三分の一での対応になるということも今回お示しをいただいております。初動対応が大変重要だということで、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、非常時優先業務に従事をしない職員について伺います。
 所属をされている職場において、災害対応を担っていない職員はどのような体制になっているのか、非常時優先業務に従事をしない職員はどのような体制になっているのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 首都直下地震等が発生した場合、現地機動班要員といたしまして、あらかじめ指定された参集拠点に参集し、都立公園や区市町村庁舎等の活動拠点におきまして、非常時優先業務に従事することとなっております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 今のご説明ですと、基本的には管理職も、災害時には、首都直下を想定した場合には、それぞれの各局でも、管理職それぞれ、一般職も含めて役割がきちっと定められているということだというふうに思います。
 特に、各局の中でも非常に現場を持っていたり事務量が膨大にある局もあれば、一方で、先ほど質疑の中にもありましたように、都税事務所のように特段役割というところが何か直接ない場合は、ただいまの答弁のように、公園などに行って、それぞれしっかりと役割が定められているということが分かりました。
 そこで、一点確認なんですけれども、以前から私は、都の派遣職員のことについてもお伺いを様々な角度からさせていただいているんですが、一般職では、例えば研修で派遣をしている派遣先であったり、あるいは派遣法による派遣で行っている、例えば政策連携団体とかそういったところに派遣されている職員もいるかと思うんですけれども、そういった職員はその団体での、基本的に災害時にも、そちらの方にBCPが定められているかどうかちょっと分からないんですけれども、その定めによってそちらの方で行動するという認識でいいのか、あるいは呼び戻して、都庁内部でしっかりその役割を担っていただくのか、または、そういった派遣をしている職員についての、安否確認も含めてなんですけれども、どのような体制になっているのか、分かりましたら教えてください。

○猪口総務部長 職員を外部の団体に派遣する際には派遣先団体の業務に従事することとされておりまして、災害時におきましても派遣先団体で災害対応に従事することを原則としてございます。
 なお、状況に応じまして、派遣先団体と個別に協議することになります。

○桐山委員 ありがとうございました。派遣の方々もそういうふうな取決めがあるということを確認をさせていただきました。
 次です。東京都災害時受援応援計画のことを一点確認させてください。
 今回、庁外からの応援体制として災害時受援応援計画も改定を行い、受皿を明確化されました。どのように備えていくのか伺います。

○保家総合防災部長 都は今般、災害時受援応援計画を改定し、様々な災害に迅速、的確に対応するための応援の受入れ手順や体制等を整備しました。
 大規模災害時に、都単独では十分な災害応急対策を講じることができない場合には、都外自治体等から応援を受け入れ、必要な体制を構築いたします。

○桐山委員 ありがとうございます。
 次に、職員の体制の構築だけではなく、職員の個々の災害対応力の確保も重要だというふうに認識をしております。
 都の職員は数年置きに異動があるため、これまでの役割、先ほど申し上げましたように一人一人役割があるということだというふうに思っているんですが、全く異なる災害対応を求められることもあります。
 職員の異動に伴う対応については本書の方でも示されておりますが、職員の人事異動によらず業務が継続される仕組みづくりが重要であると考えますが、見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 各部署における災害時のマニュアル等の引継ぎの徹底や、各局等における転入職員に対する研修及び訓練の実施について、都政BCPで示してございます。

○桐山委員 普通に考えると、結構、各局内でも異動があったりとかそれ以外のこともありますけれども、やはり異動の際に、異動直後にとか災害が発生する場合もありますので、こういった、各局が災害時のマニュアル等の引継ぎの徹底などしっかりチェックをしていただけたらいいなというふうに思います。
 次に移りますけれども、災害時における業務継続のための執務場所の確保も重要です。
 首都直下地震が発生した場合でも、都庁が使用できなくなることは想定しにくいです。国の業務継続の手続でも、本庁舎が使用できなくなった場合の代替の庁舎の特定を、業務継続計画策定において重要な要素として位置づけられております。
 そこで、代替施設の考え方と、それから首都東京のバックアップ機能に対しての考え方、一緒にご答弁をいただきたいと思うんですが、都政BCPでは代替施設をどのように考えているのか。また、立川の地域防災センターを追加した位置づけの理由など伺います。

○八嶋防災計画担当部長 代替施設の考え方につきましてでございますけれども、都庁舎が使用不可能な場合、防災行政無線等の機能の有無、それから鉄道等公共交通機関の被災状況等を勘案いたしまして、都災害対策本部の代替施設を決定するという考え方でございます。
 また、立川の地域防災センターのお話でございますけれども、こちらも、代替施設としての選定に当たりましては、防災行政無線等の機能の有無、そういったもの等から勘案をして定めているというところでございます。

○桐山委員 次に、南海トラフ地震について確認をしていきたいと思います。
 南海トラフの地震発生は、都内では、島しょ地域において巨大な津波が短時間で来るということで、島の玄関口となる港湾施設が被災をして、空路のみの支援となることが示されております。
 また、西日本を中心に広範囲な甚大な被害が発生するため、全国の応援部隊は西日本に優先をされるということ、それから、島しょを守るためには都が全力で支援する必要があるというふうに本書の方でも書かれております。
 こうした状況下の中で、島しょ地域への支援体制をどのように構築をするのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 東京都業務継続計画、都政BCPでは、南海トラフ地震発生時、港湾施設が被災した場合には、復旧までの間、空路を主体とした輸送のための調整を行うこととしてございます。
 また、西日本で甚大な被害が想定される南海トラフ地震では、都外からの応援が期待できないことを踏まえまして、都内自治体による被災自治体への積極的な支援が想定されることを記載してございます。

○桐山委員 津波ということで、港湾施設が、船では無理だと、支援も含めてですけれども、無理だという場合には空路のみの支援になるということ、それから、都内が、島に被害がある場合に、いわゆる島内ですよね。この東京都内においては被害は比較的少ないために、非常時優先業務が首都直下地震や大規模風水害に比べて少ないということから、こちらの方では通常業務を行いつつ、優先して島民の命を守っていくということで、安心・安全への対応の支援ということに全力を尽くすということを理解いたしました。
 引き続き、島しょの地域への災害時の情報共有が速やかに行えるように支援することをお願いしたいというふうに思います。
 それから、災害によっては求められる対応も異なることから、それぞれの災害の特徴を踏まえて業務を継続していくということが重要であります。
 今回改定した都政BCPは全庁的な方針を整理したものであり、災害時にBCPを機能させるためには各局の底上げも重要だと考えております。
 今回のBCPの改定を踏まえまして、各局のBCPも改定を支援するべきと考えておりますが、見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 総務局は、各局等のBCP等の継続的な改善を支援するため、多様な災害に柔軟に対応できるようガイドラインを整理するとともに、各局等との意見交換や訓練等を実施してまいります。

○桐山委員 これから各局の方にも、それぞれマニュアル等持っていらっしゃると思うんですけれども、今回追加をした災害ですよね、追加をした、想定した災害も含めて、各局がまた配分、業務の配分等も決めていかれるかというふうに思います。
 様々な災害に対応できる、そういった配分についても、先ほども質疑がありましたように、総合防災部が中心となって各局の支援に当たっていただきたいなと思っております。
 意見交換をさせていただいたときに、各局には防災担当というのがいるということだと思うんですが、その防災担当って誰なのかなって伺うと、総務課長とか、そういう総務をつかさどる方々が、防災の、災害時の対応の窓口になられるのかなというふうに想定をしました。
 ですので、そういったそれぞれ局が持っている対応、業務継続するための対応についても、想定し得る場所が多分各局様々だと思いますので、そういったところのチェックも含めてしっかり支援をしていただきたいなというふうに思っております。
 特に、福祉で記憶に新しく、もうほんと直近までも支援をしていただいた中では、コロナ禍においては、非常にパンデミックを対応した当初は、都民の命を守るために、福祉保健局のみならず全庁を挙げて応援体制を構築してきたなというふうに思っております。
 その当初の、まだ少しずつ、分からない手探りの状態から様々な応援体制が築き上げられてきたというふうに思いますけれども、その中でもやっぱり初動対応というところにおいては、そのときに、まさに先ほどから出ている複合災害ですよね、風水害対策だったりとか巨大な、甚大なる大きな地震が起こった場合とか、そういった複合災害での対応というものも、非常にそういった教訓を生かして想定をしていかなければならないというふうにも考えております。
 そこで、少し質問なんですが、特にそういった現場対応や業務の多い局への人員の応援体制を、総合防災部としてどのように調整をされていくのか伺います。

○八嶋防災計画担当部長 各局等におきまして部署内の人員が不足する場合、局内で人員の再配置を検討いたしまして、再配置を行っても対応困難と見込まれる場合は、都災害対策本部へ応援を要請するということになります。
 都災害対策本部は、各局等からの要請を受けた場合、必要な調整を行います。

○桐山委員 ぜひ日頃、日頃からといいますか、今後もそうなんですが、各局が調整、そういった割合を決めていく際にも、まだ膨大な量なので、少しずつ少しずつやっていきたいというお声も伺っておりますので、そういったところの支援もぜひお願いします。
 今回、BCPの改定を踏まえ、先ほどから申し上げている各局のBCPの策定に当たりまして、じゃあ、いつまでにどういうものを策定、改定というんですかね、策定してもらうのかということにはスケジュールというものも重要になると思うんですが、早急にこの改定作業をしていかなければならないと考えておりますが、見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 いつ起こるとも知れない災害に備えまして、ガイドラインを整備し、提供するなど、各局がBCPを早期に改定できるよう支援をしてまいります。

○桐山委員 ぜひ、そういった各局との窓口になるものを、総合防災部としてしっかりその窓口を明確化していただきながら、各局の支援、こういった策定支援をしていただきたいということを重ねてお願いしておきます。
 最後に、市区町村の、業務継続計画のBCPが未策定の自治体に対して、個別にこの間もヒアリングを行い、非常時に優先すべき業務の選定や職員の参集体制の確保など、業務継続に関して重要となる事項について、この策定支援をされてきたと思います。
 先ほどもご意見の中で出ておりましたが、改めて市区町村におけますBCPの策定の状況を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 これまで、都といたしまして、業務継続計画が未策定の区市町村に対しまして、個別のヒアリング等を通じまして必要な支援を行ってまいりました。
 その結果、現在、都内六十二区市町村全てにおきましてBCPを策定済みとなっております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 引き続き、それぞれの区市町村においても、南海トラフの対応だったり風水害の対応だったり、先ほどからも質疑もありましたように、様々な事情があって、また改定や策定をしていかなければなりませんので、引き続きそういった支援をお願いするとともに、また、市区町村と連携をした訓練を実施することなどを通して、東京都全体の災害対応力を一層強化し、都民生活、首都機能への影響を最小化を図れるように、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

○菅原委員 今日は、BCPとか、また復興マニュアルですね、プロセス編、または受援応援計画と大きく三つの議論をさせていただいている中、私は受援応援計画について伺いたいと思います。
 大規模な災害の際に、被災した自治体だけで災害対応することは難しくて、区市町村と東京都の間での応援体制が必要ということだと思います。さらに、東京都以外の道府県や市町村との相互応援というのも必要です。
 混乱の中、可能な限り早く、そして有効な支援体制の構築が必要ですし、その情報を集約して、応援体制をマッチングする、そのための受援応援計画、その体制が必要だということだと思います。
 今回改定された東京都災害時受援応援計画は、首都直下地震などの大規模震災だけではなくて、大型台風による河川の氾濫や高潮などの大規模風水害、または富士山の噴火などの大規模噴火なども想定をしていることは、資料を読ませていただきました。
 平時、何もないときからの緊急の場合を見据えた対応を具体化、具現化するためにも、いざというときに使える計画にすることが求められていると思います。
 さて、一刻を争う中で被害を最小限にとどめるためには、スムーズな情報伝達が大切です。受援、応援などの災害対応を迅速に行うために、都はDXを積極的に活用していくことが必要であると思いますが、見解を伺います。

○保家総合防災部長 都は、人的支援の要請を含めた災害対応に係る情報を迅速に伝達するため、関係各局や都内区市町村、関係機関等との間に、東京都災害情報システム、DISを導入しております。
 また、国が開発した物資調達・輸送調整等支援システムを活用し、国や自治体との物的支援に係る情報連携を行っております。
 今後も、DXを活用して、関係機関等とリアルタイムに情報共有することで、迅速な災害対応を行ってまいります。

○菅原委員 デジタル化、DX、活用していくという方針も示されました。
 このデジタル化のよさというのは、災害時に情報のスムーズな伝達ができるというだけではないと思うんです。混乱した状況の中で、いつ何があったのかというデータが蓄積されることにも注目をしたいと思います。
 蓄積されたデータを集約、そして分析することで、災害対応の妥当性や改善点が、その後、後日ですが見えるようになって、次の災害に備えるための貴重な情報になるのだと思います。ぜひ災害対応のDX化、早く、そして深く取り組んでいただきたいと思います。
 さて、実際に災害が発生した際はもちろんのこと、平時の訓練においても積極的にDXを活用していただきたいと考えます。
 都の図上訓練では、区市町村も参加をして、東京都災害情報システム、DISを用いて、本番を想定した訓練を実施しているとの報告もいただいております。一方、区市町村が実施する訓練では、必ずしもDISを活用している状況にはないのではないでしょうか。
 区市町村の図上訓練でもDISを活用するように、都が促進をしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○保家総合防災部長 発災時に、DISにより迅速な情報共有を行うためには、訓練等で十分習熟を図っておく必要があり、都は、図上訓練を実施する際には、区市町村からの人的支援の要請などをDISにより行うこととしております。
 また、全区市町村を対象としたDIS利用の習熟訓練を行うとともに、区市町村が実施する図上訓練にも参加して、DISによる情報共有を行うなどの取組を進めているところでございます。
 今後とも、訓練をはじめ、様々な機会を通じてDISの利用を働きかけてまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。都の図上訓練のときだけではなくて、様々な機会を通じてDISの利用の働きかけをするという答弁だと思います。ぜひ進めていただきたいと思います。
 今回の報告にあるように、東京都は、災害時受援応援計画を改定して、大規模災害時における受援応援体制の強化に積極的に取り組んでおります。さらに、今回改定される計画は、東京都や区市町村のような行政機関だけではなくて、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの公的な機関や、またボランティアなどの応援も受け付けるための計画となっています。
 一方で、区市町村は、受援応援体制の整備が十分でない自治体も多いと聞いています。都が率先して区市町村の取組を後押ししていく必要があると考えますが、区市町村の受援応援体制整備を進めるために都はどのように取り組んでいくのか伺います。

○保家総合防災部長 大規模災害発生時に、自治体間の相互応援や救出救助機関の受入れを円滑に行うためには、都の受援応援体制に合わせて都内区市町村もあらかじめ体制を整備しておくことが重要でございます。
 このため、都は、地域防災計画において、二〇三〇年度までに全区市町村で受援応援計画等を策定することとしております。
 引き続き、全区市町村が参加する連絡会議において、災害時の支援受入れや応援に関する意見交換等を行うとともに、区市町村の受援応援体制整備に向けたガイドラインの見直しなどにより、取組を支援してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 少し要望をさせていただきたいと思います。
 先日の事務事業質疑では、大学などにボランティアセンターを設置して、県外からの滞在型のボランティアを受け入れるボランティアキャンプ村が必要であるという提案をさせていただきました。
 今回の計画を読みましたが、ボランティアとの連携、支援の部分の施策は、まだまだ工夫の余地があるのではないかという感想があります。これは要望しておきます。
 さらに、七八ページに書かれておりますが、このように書かれております。実災害からの知見、ノウハウの蓄積という記載があるんですね。過去の被災地での活動を行ってきた知見、ノウハウを通じて、災害対応スキルを高めることが重要と書かれております。これは共感をいたします。先ほど斉藤委員からも発言があったと思います。
 先日の事務事業質疑でも取り上げたように、被災地での職員の経験や知見を、東京都だけではなくて区市町村にも提供して、全体としての取組を底上げすること、これも要望させていただきます。
 最後の要望ですが、多くの区市町村は、東京都以外の自治体と防災協定を結んでいると思います。私の地元日野市も、例えば神奈川県の秦野市、または長野県の諏訪市などと防災協定を結んで、何かがあると行き来をしましょうということにしているんですね。大規模災害の場合の相互応援ということだと思います。これも受援、応援の一つだと思います。
 しかし、財政の問題や、それぞれの自治体同士の温度差などもあって、いざというときに本当に機能するのかという課題があります。そこで、今回の受援応援計画の議論を踏まえて、区市町村が独自に結んでいる自治体間の防災協定が有効に機能するように、調査や情報提供、または支援などについて検討を進めることを要望させていただきます。
 今日のやり取りの中で、二〇三〇年までに区市町村の受援応援計画の策定をしていくという方向性が示されました。区市町村独自の防災協定も視野に入れた取組を進めていただくよう要望して、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○渋谷委員 それでは、BCPについて質問いたします。
 富士山噴火については我が会派の代表質問でも指摘しましたが、降灰対策について検討していく旨の答弁がありました。今回のBCP改定でも検討を深化していくということでありますが、島しょにおける噴火については記述がありますが、富士山についてはどうでしょうか。
 噴火が起きた場合、過去の噴火の例を見ても分かりますが、非常に甚大な被害が発生いたします。富士山噴火時の業務継続においても検討を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 今回の改定では、第一のステップといたしまして、様々な災害に柔軟に対応できるBCPへとレベルアップを図ったものでございます。
 富士山噴火につきましては、現在、関係局や有識者で構成する検討会を設置いたしまして、降灰が発生した場合の対策について検討しておりまして、その内容を地域防災計画火山編の修正に反映させていくこととしております。
 今後はこれらも踏まえまして、富士山噴火時のBCPについても検討してまいります。

○渋谷委員 引き続き検討をお願いいたします。
 東京都災害時受援応援計画について質問いたします。
 首都圏で大規模災害が発生した場合、都や都内区市町村だけで対応し切れず、都外自治体からの応援を受け入れることが考えられます。
 過去の都外の災害事例を見ると、災害時に外部からの応援を受け入れる際に受入れ側の準備が整っておらず、大きな混乱が生じたケースがあると聞いています。首都直下地震はもとより、島しょの災害など様々な災害の発生を見据えて、適切に他自治体からの応援受入れ体制を整えていかなければ、災害への対応が遅れ、都民の命や生活に関わる事態にも発展しかねません。
 都は、災害時受援応援計画を改定しましたが、この計画に基づき、どのように災害対応を行っていくのかをまず伺います。

○保家総合防災部長 都は今般、災害時受援応援計画を改定し、様々な災害に迅速的確に対応するために、これまでの首都直下地震に加え、南海トラフ地震や島しょの火山噴火等も想定した応援の受入れ手順や体制等を整備しました。
 あわせて、都と区市町村との間で締結している災害時等の相互協力に係る協定の実効性を高めるため、平時から連絡会議を開催するなど区市町村とのさらなる連携強化を図っております。
 こうした取組を通じて、大規模災害などへの備えを万全にしてまいります。

○渋谷委員 今回の改定では、南海トラフ地震や火山噴火などの島しょの災害も想定した内容になっているということでありますが、首都圏で大きな災害が発生した場合についても、仮に首都機能が麻痺するような大きな被害を受けると、島しょ地域などは、大きな被害がなくても必要な物資が届かなくなるなど孤立することが考えられます。
 首都直下地震等により首都機能が被害を受けたときに、島しょなどの地域をどのように支援していくのか、見解を伺います。

○保家総合防災部長 首都直下地震等により首都圏に甚大な被害が生じた場合、被災区市町村に対し重点的な対応を行う一方、島しょなど比較的被害が少ない地域へも適切に対応していく必要がございます。
 このため、都は、こうした大規模災害発生時においては、国の応急対策職員派遣制度等を活用して、広域応援協定団体を中心とした応援の受入れ等により、人的、物的資源の確保を図り、被災していない利用可能な港湾を使用して継続的な物資の搬送を行うなど、島しょ地域等の生活の維持に努めてまいります。

○渋谷委員 今回の改定では、様々な災害の発生を見据えた内容になっているということです。
 東京都災害時受援応援計画について、かつて我が会派の代表質問で、大規模風水害対策が不十分であり、実効性のあるものにすべきと指摘しましたが、どのように見直したか見解を伺います。

○保家総合防災部長 改定した計画では、災害特性に応じた受援応援の対応手順等について定めており、大規模風水害については、台風の進路や気象予報などある程度の予測が可能であることから、事前の避難等への対応が重要となります。
 このため、今回の改定では、行政区域を越える広域避難が行われる場合等の都災害対策本部や被災区市町村、また、比較的被害が少なく応援を行う側となる区市町村の役割などを示し、発災時を見据えた実効性のある計画といたしました。
 これにより、大規模風水害の発生時においても、区市町村との連携を深め、迅速な災害対応を行ってまいります。

○渋谷委員 復興マニュアルについて伺います。
 区市町村における復興マニュアル作成状況について伺います。
 都がこのたび修正する震災復興マニュアル復興プロセス編では、分野ごとの復興の取組や住民等が主体となった復興の取組の提示など、とてもいい内容であると考えております。
 一方で、区市町村の復興施策においては、国の施策に加えて地域の実情に即した取組を展開することから、こうしたことも地域住民に周知する必要があると思われます。
 そこで、各区市町村における復興に関する取組状況を伺います。

○西山防災対策担当部長 区市町村におきましては、各地域の復興マニュアルの作成が進んできてございます。今回の震災復興マニュアル復興プロセス編の修正を機に、改めて区市町村に対しマニュアルの策定を呼びかけてまいります。

○渋谷委員 震災からの復興に当たっては、自助、共助の取組が重要です。区市町村が復興施策を実施するに当たり、住民による自主的な取組や行政の施策に協力をお願いすることも多いと思います。
 平成三十年度の調査では、復興マニュアルを策定済みの区市が二十四だったと伺っていますが、改めて区市町村に復興マニュアルの策定を促していくことが必要であると考えます。引き続き都の取組の推進を要望して、質問を終わります。

○福島委員 私からは、東京都震災復興マニュアル復興プロセス編について質疑をさせていただきます。
 復興の基本目標として、協働と連帯による安全・安心なまち、にぎわいのある首都東京の再建を掲げ、復興を進めるための五つの視点と五つの方針が定められています。
 その方針の一つ目には地域復興の課題、将来の市街地像や地域づくりの進め方について、地域の皆さんが速やかに協議を始められるよう支援するとの記述がありまして、その取組の一つとして、都は、地域復興協議会の仕組みを挙げております。
 この地域復興協議会とは、被災地域の住民や事業者らが主体的に参画をし、住民同士が協力して復興に取り組む核となる組織であり、平時からの組織づくりや事前の復興後のまちづくりの検討などが求められています。
 このように大変重要な組織なんですけれども、不勉強ながら私はその仕組みについて知りませんでした。都議会の議事録をこの地域復興協議会で検索したところ、質疑が行われたのは八年前のこの総務委員会が最後でして、まつばさんの質問が最後になっています。
 ということで、この地域復興協議会の仕組みやその活動について、地域活動を担う住民等に知ってもらうことが重要と考えますが、都の認識と取組について伺います。

○西山防災対策担当部長 地域復興協議会は、被災地域の住民や事業者等が主体的に参画し、地域力を生かして復興に取り組むための核となる組織であることから、地域活動を担う住民等にその仕組みや活動内容、運営などについて周知することは重要でございます。
 このため、災害時に防災活動のリーダー的存在となる人材を育成する防災コーディネーター研修において地域復興協議会を核とする復興プロセスについて取り上げるなど理解促進に努めてございます。
 なお、防災コーディネーター研修は、平成三十年度から年一回、五十名程度の募集枠で実施しており、昨年度までに計二百六十二名が受講をしております。

○福島委員 例えば、大規模震災が発生してから一定時間安全な場所に待機する一斉帰宅の抑制については、都は、東京商工会議所の調査を活用して、毎年認知率を把握しています。震災からの地域復興の中核組織であるこの地域復興協議会があること、そしてその役割についても、担い手となる都民の皆様に周知する必要があると思います。認知率を測定して取り組むべきことを指摘しておきます。
 また、ご答弁では、防災活動のリーダー的存在となる人材として防災コーディネーターを育成してきたということですけれども、例えば、私のイメージなんですけれども、少なくとも中学校区に一人ぐらいは必要なのではないでしょうか。都内の中学校は、平成三十年時点で六百十校ということです。偏りがないことに配慮をしつつ、目標値を持って取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地域復興協議会の母体となる組織の項ですけれども、ここには、自治会、町会、まちづくり協議会、マンション管理組合、そして、エリアマネジメントを実施する団体のような地域づくり組織や自主防災組織など、平常時の地域活動の状況に応じ様々な団体、組織が母体となることが考えられますとの記載があります。
 これらの団体、組織を挙げた理由について伺います。

○西山防災対策担当部長 復興を円滑に進めるためには、住民同士が地域の復興に向けた課題を把握し、強い意欲を持って主体的に復興の在り方について協議していくことが重要でございます。
 このため、その核となる地域復興協議会は、平時の地域活動の状況に応じ、町会、自治会をはじめ様々な団体が母体となるものでございます。

○福島委員 ご答弁にありました平時の地域活動の状況に応じ、この点が大事なんだと思います。
 被災地において、本格的な復興までの時限的な生活の場として、仮設市街地を整備する時限的市街地という概念も提示されています。この時限的市街地は、仮設の住宅、店舗、事業所等から構成するとしていたのが、今回の修正で、この定義に集会所、被災者支援拠点が追加されました。
 この時限的市街地の定義に集会所、被災者支援拠点を追加したその経緯について伺います。

○西山防災対策担当部長 平成三十年度に開催いたしました東京都都市復興基本計画検討委員会におきまして、有識者委員より、過去の震災では集会所や地域支え合いセンターのような被災者支援施設が重要な役目を果たしたことを踏まえ、時限的市街地にこうした施設が含まれることを明確にすべきという意見を受けました。
 このような意見を踏まえまして、時限的市街地の定義に集会所、被災者支援拠点を追加したものでございます。

○福島委員 大変重要だと思います。この有識者の、過去の震災では集会所や地域支え合いセンターのような被災者支援拠点が重要な役目を果たしたという発言ですけれども、これはやはり、日頃コミュニティ活動が行われている場所が、被災後もこの活動拠点になったということ、これは場所があるというだけではなくて、やっぱり平時のネットワークも機能した、そのように思われます。改めて日頃のコミュニティが重要であるということが示されました。
 一つ前の質問で、地域復興協議会の母体となる組織として、自治会、町会、まちづくり協議会、マンション管理組合が列挙され、平時の地域活動の状況がポイントになるというやり取りをさせていただきましたが、まずこの町会、自治会ですが、東京都が発行する東京都区市町村年報によれば、都内二十三区と二十六市の四十九区市で、自治会、町会、町内会などの地縁団体の数は、現在の定義で集計を始めた二〇一六年には八千九百三十一件あったんですけれども、二〇二二年には八千七百八十七と、百四十四減少をしております。
 加えて、総務局がまとめた東京の自治のあり方研究会中間報告では、自治会、町会が抱える問題点として、役員の引受け手がいない、これが六六・五%、役員の高齢化、固定化、これが四四・八%、人手不足が三九・三%と挙がっています。
 次に、マンション管理組合です。私はマンションに住んでいるんですけれども、マンション管理業務はマンション管理会社に委託されていて、マンション管理組合というのはこの管理会社が策定した年度計画や修繕計画、予算、決算を承認する組織として存在をしています。このようなマンションは少なくないのではないでしょうか。当然、地域復興協議会の母体となる組織としての自覚もあまりないと思います。
 これまで私は、防災関連でコミュニティ活性化の重要性、何度も取り上げてきているんですけれども、町会、自治会であれば生活文化スポーツ局の地域の底力発展事業助成が担っていて、それ以外については政策企画局が取り組む、例えばみんなの居場所創出プロジェクトと、どうしても他局の仕事になりがちです。
 また、我が会派は、約九百万人の都民がマンションに居住しているものの町会、自治会への加入率が低いことに着目して、マンション住民に対する働きかけを継続して求めてまいりました。
 総務局防災部は、防災セミナーや、東京都防災アプリ、防災ブックのリニューアルなどにおいてこのマンション防災に関する情報を拡充してきたこと、これを評価するものですが、啓発にとどまらない取組としては、住宅政策本部が、例えば防災資器材の購入を助成する東京とどまるマンション事業の強化、生活文化スポーツ局も、来年度に向けて町会、自治会とマンション住民が連携した防災活動の予算提案などを行っております。
 他局の取組はいずれも大切なものではありますけれども、防災、震災からの復興において、コミュニティの活性化に加え網羅性が重要になってくるという中では、こういったプッシュ型じゃない、プル型というか、自覚があるところが手を挙げる、こういった事業があるだけでは十分ではないと思います。
 この東京都震災復興マニュアル復興プロセス編の一八ページには、地域復興協議会に関するQ&Aというのがありまして、まさに私と同じ声、東京では地域コミュニティが存在せず、地域協働復興の取組はできないのではという質問があります。
 これにはちゃんとQ&Aで答えもありまして、東京ではコミュニティが希薄という声が聞かれるところですが、平常時から、地域における相互支援ネットワークづくりの構築や地域のケア能力の向上など、行政としてもコミュニティ再生に積極的に取り組んでいきますという記載があるので、ぜひ記載してあるように、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 そのためには、総務局防災部が都内コミュニティ活性化に果たす役割を私は明確にするべきだと思います。
 具体的には、コミュニティの網羅性と活力を把握し、各局の事業に対してフィードバックをかけつつこの網羅性と活力を維持する役割、これを担ってはいかがでしょうか。具体的に提案をしたいと思います。
 一つ目は、政策企画局の事務事業質疑で、TOKYO強靱化プロジェクトのアウトカム指標として提案したことなんですけれども、都内のコミュニティの活力と網羅性の把握、これを目的にソーシャルキャピタル系の評価が役立つと考えます。
 災害時要援護者の支援はもちろん、災害復興においてコミュニティが機能するかどうかを、例えば、地域における日頃挨拶する人の数、災害が発生したら気遣う人の数、さらには災害が発生したら避難を手伝う人の数などをサンプリングでよいので評価して、これをコミュニティ活性化施策のブラッシュアップに生かしていただきたいと考えます。
 ちなみに、子供政策連携室が私の提案により、とうきょうこどもアンケートに、子供が困っていたら近所の人が助けてくれるといったソーシャルキャピタル系の設問を導入して、実はちょっと関係ないんですけれども、幸福度が高い子供でそう思うと回答する子供の割合が高いみたいな結果も出ているんですけれども、この調査はnが二千しかないので、地域としては二十三区と多摩部の比較しかできないんですね。
 このソーシャルキャピタル系の比較では差がないということが、多摩部と二十三区ではないということになっているんですけれども、総務局防災部として、全数調査ではなくてサンプリングでいいので、都内六十区市町村で比較ができる値で、経年変化を追う形での調査を行うこと、これを提案したいと思います。
 次に、町会、自治会の組織への未加入者に向けた取組です。
 総務局は、大学生向け防災セミナーを今年度から新たに開催するなどしておりますが、先ほども申し上げたとおりいずれもプル型の施策であり、要請がないと発動しない内容になっています。
 例えば江東区が今年、関東大震災から百年という節目となる年に、自助による区民の防災力のさらなる底上げを目指して、防災カタログギフトというものを区内の全世帯に配布して、七割の世帯から申込みがあったというふうに聞いております。防災意識の向上にはつながったと思うんですけれども、例えばこんなことをやるに当たっても、申請するに当たって自らが所属する、またはするべき町会、自治会を調べて入力していただくとか、あとは、平時の防災関連の情報提供や発災時の連絡手段としてメアドの提供やSNSの登録、こういったことを、町会、自治会に加入しなくてもせめて情報が届くようにするとか、こういうことをすると、ハードルは上がるかもしれないけれども都民の行動変容につながるのではないかと思います。
 コミュニティの活力度、そして網羅性、こういったものを高める取組を検討するように求めます。
 この地域復興協議会には、地域より多くの当事者が参画し、緊密に話合いや意思決定を進めることが望まれます。しかしながら、災害時には多数の住民等が地域外に避難するなど対面による開催に困難を来したり、先ほど斉藤委員から質問があったように、例えばコミュニケーションに関してサポートが必要な方々もいらっしゃいます。
 地域復興協議会の運営において、オンラインによる課題の説明や意見集約するような仕組みも必要かと考えますが、都の見解を伺います。

○西山防災対策担当部長 多くの住民等による意見集約や合意形成などが行われる地域復興協議会の運営においては、デジタル技術の活用も含め、それぞれの状況に応じた効果的な手段が用いられるということを想定してございます。

○福島委員 そもそもこの地域復興協議会自体があまり知られていないので、その先にどういった手段を使うかという議論もなかなか進みにくいとは思うんですけれども、事前の準備があった方がいいのは明らかなので、例えば防災コーディネーター研修で具体的な事例を示すなど、事前の備えが進むように取組を要望いたします。
 次に、災害時にいち早く瓦礫を撤去したり、破損したインフラを補修するに当たり、重機は不可欠です。一方で、現在、都内に稼働している重機の中には都外から搬入されるものも多いと聞いております。災害時に被害の大きかった地域に十分な数の重機がなければ、復興の遅れにつながりかねません。
 そこで、都内における重機の数と分布を把握するなど、迅速な復旧復興に備えるべきと考えますが、都の見解を伺います。

○西山防災対策担当部長 都は、災害時に道路や河川などの応急措置や障害物除去を迅速に行えるよう、都内の建設業界の団体と災害時における応急対策業務に関する協定を締結しております。
 この協定に基づきまして、団体は、会員が保有する災害時に稼働可能な建設資機材等を把握し、平時から都に報告するとともに、災害が発生した場合には、都の出動要請を受け、業務を実施することとしてございます。
 また、発災時には交通規制を実施するなど、建設重機をはじめとする災害応急対策に使用する緊急通行車両を優先して通行させることとしております。

○福島委員 建設業には、職人の高齢化、若年層の入職者の減少、低い労働生産性、多重下請構造といった大きな社会問題が指摘をされております。
 この状況を受けて、二十三区の過半数では公契約条例を締結するなどの取組が進んでおりまして、我が会派の求めに応じて、都の財務局も今年度、都発注工事の下請実数の調査に取り組んでいるところです。
 総務局防災部におきましては、こういった契約があるということですけれども、この災害復興を担う建設業界の持続可能性にも留意をして、必要に応じて適切な支援を行うよう要望をいたします。
 次に、被災時において、被災者が生活や事業の再建を進めるに当たり、支援策に関する情報は大変重要です。様々な支援策があっても、必要とする被災者が見つけられなければ活用することはできません。
 そこで、今回の復興プロセス編の修正において、被災者支援に関する情報発信をどのように強化するのかを伺います。

○西山防災対策担当部長 今回の復興プロセス編修正案では、都が実施する被災者向けの支援制度を一覧化したページを新たに設け、各種給付金や住まいなどの支援制度を、被災後の生活再建における困り事に応じた分類により掲載しております。
 今後、修正案の確定に向けた作業と併せて、効果的な情報発信についても検討してまいります。

○福島委員 これまでの委員会のやり取りの中で、東京都の防災ホームページに記載するといったお答えもあったように思うんですけれども、加えて「広報東京都」や防災関連情報が集約されていると都民が認識しつつある東京都防災アプリなども活用していっていただきたいと思います。
 また、新たに紙物を作って配布するのであれば、「東京防災」ブックと同じサイズにすれば、マンション防災リーフレットなどと一緒に保管してもらえるのではないかと思います。検討を求めます。
 最後に、この復興プロセス編の修正においては、関東大震災の教訓として新たなページが設けられました。
 関東大震災からの学びのページに、行政が行う地震に強いまちづくりと地域力を生かした地域協働復興の連携を記載した狙いについて伺います。

○西山防災対策担当部長 大規模な被害からの一日も早い復興には、自助、共助に根差した住民主体の復興に加え、行政による多様な施策が的確に機能することが不可欠でございます。
 関東大震災から百年が経過し、都民を取り巻く環境や求められるまちづくりが変わっていく中でも、自助、共助と公助の取組を車の両輪として展開していくことが極めて重要でありますことから、今回改めて発信するものでございます。

○福島委員 地域社会の再編成、町内会の形成の項では、関東大震災において、町内での住民組織が配給、救護、相互扶助において一定の役割を果たしたことから町内会の整備と事業振興は強く意識されるようになりました。結果として地域社会の再編成が行われ、町内会組織が増加しましたとの記載があります。これまで述べてまいりましたが、この町会、自治会の持続可能性に課題があること、これは改めて指摘をしたいと思います。
 改めて、この総務局防災部におかれましては、コミュニティの活力の把握と、そして網羅性の維持、これについて責任を持って取り組んでいただくことを求めまして、質疑を終わらせていただきます。

○石島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時一分散会

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