総務委員会速記録第十七号

令和五年十一月三十日(木曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長石島 秀起君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長うすい浩一君
理事渋谷のぶゆき君
理事五十嵐えり君
理事福島りえこ君
斉藤 りえ君
早坂 義弘君
おじま紘平君
池川 友一君
米倉 春奈君
菅原 直志君
まつば多美子君

欠席委員 なし

出席説明員
総務局局長野間 達也君
次長理事兼務小笠原雄一君
理事政策法務担当部長訟務担当部長
コンプライアンス推進部長主席監察員事務取扱
貫井 彩霧君
理事川上 秀一君
総務部長猪口 太一君
企画担当部長都立大学調整担当部長
尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務
天野 哲史君
都政情報担当部長内山 裕道君
復興支援対策部長復興支援調整担当部長
被災地支援福島県事務所長兼務
若林 和彦君
人事部長石橋 浩一君
労務担当部長田中 角文君
行政部長武田 康弘君
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務
高田 照之君
小笠原・国境離島担当部長近藤 豊久君
総合防災部長保家  力君
防災計画担当部長八嶋 吉人君
国民保護担当部長永田 真一君
危機管理調整担当部長水野  剛君
避難所・物資担当部長後藤 和宏君
統計部長濱田 良廣君
人権部長住野 英進君
デジタルサービス局局長山田 忠輝君
次長丸山 雅代君
総務部長深井  稔君
戦略部長芹沢 孝明君
デジタルサービス推進部長スマートシティ推進担当部長兼務巻嶋 國雄君
デジタル基盤整備部長斎藤 圭司君
人事委員会事務局局長田中  彰君
任用公平部長DX推進担当部長兼務新田見慎一君
審査担当部長蓮沼 正史君
試験部長谷 理恵子君

本日の会議に付した事件
人事委員会事務局関係
陳情の審査
(1)五第四〇号 有為な人材を確保するために都の採用試験制度の改善を求めることに関する陳情
デジタルサービス局関係
陳情の審査
(1)五第三一号 個人番号カードの顔写真に係る規格の緩和を求める意見書の提出に関する陳情
(2)五第三二号 新たな個人番号カードの様式に係る意見書の提出に関する陳情
総務局関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・東京都業務継続計画の改定について
・東京都災害時受援応援計画の改定について
・東京都震災復興マニュアル復興プロセス編の修正案について
陳情の審査
(1)五第三五号 政党機関紙の庁舎内勧誘行為等に関する陳情
(2)五第四〇号 有為な人材を確保するために都の採用試験制度の改善を求めることに関する陳情

○石島委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課の担当書記の小関友恵さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○石島委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の事務事業に対する質疑、第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取並びに人事委員会事務局、デジタルサービス局及び総務局関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、事務事業については、資料の説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及び報告事項については、説明を聴取し、資料要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより人事委員会事務局関係に入ります。
 陳情の審査を行います。
 陳情五第四〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○新田見任用公平部長DX推進担当部長兼務 陳情五第四〇号、有為な人材を確保するために都の採用試験制度の改善を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
 この陳情は、埼玉県桶川市の中島秀斗さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨ですが、要旨2は、経験者採用を時代に合わせて再構築し、中途採用を拡大すること、要旨3は、Ⅰ類Bに偏った採用を見直し、全採用試験、選考でバランスよく採用することで、受験機会や競争倍率等においても公平性を確保すること、要旨4は、全ての採用試験、選考において、初任給の加算限度号給を採用される級の最高号給までとすること、要旨5は、就職氷河期世代採用試験と同様に障害者採用選考にもⅠ類枠を新設することの四点でございます。
 次に、現在の状況でございます。
 要旨2でございますが、都職員の採用については、長期勤続によるキャリア形成を図る観点等から、新規学卒者等を対象としたⅠ類B採用試験などにおいては受験年齢に上限を設けて実施しております。
 経験者採用では、専門的な知識、スキルを持つ民間企業経験者等を対象としたキャリア活用採用選考を設け、受験年齢の上限を設けずに人材を募集しております。これまでも社会状況等に応じて、選考職種の追加や選考方法の見直しなど適切に採用選考を行っております。
 次に、要旨3でございますが、職員の採用に当たっては、任命権者により、職員の年齢構成や退職動向等を踏まえて各試験区分で必要とする採用予定者数を適切に設定し、公平、公正な採用試験、選考を行っております。
 次に、要旨4でございます。新たに職員となった者の初任給は、規則において、採用された試験選考区分ごとに適用される初任給の号給が規定されており、採用前に職務経験などの有用な経験等を有する場合は、その経験等に応じて初任給の号給に加算することができると規定されております。
 都の採用試験、選考は、基本的には職務経験を受験資格とせず、都におけるキャリア形成を前提としている一級職の採用を想定したものであることから、初任給における経験加算は、上位職の給与水準を超えないよう均衡を図る必要があり、加算限度号給を設定しております。
 一方、キャリア活用採用選考は、民間企業等でのキャリアや実績といった個々の経験に着目し、主任級や課長代理級として採用する選考であることから、採用される級の最高号給を加算限度号給に設定しております。
 次に、要旨5でございますが、職員を採用するに当たっては、地方公務員法に定める成績主義に基づき、採用後に従事する職務内容に応じた適切な能力実証を実施しております。
 障害者Ⅲ類選考は、常勤の事務職を採用するためのものであり、任命権者における職の設定等を踏まえて、第一次選考の出題程度は高等学校卒業程度としております。また、障害のある方についても、受験資格を満たしていれば、Ⅰ類B採用試験など障害者Ⅲ類選考以外の採用試験、選考の受験は可能であり、試験等において能力が発揮できるよう、個別の相談への対応を含め必要な合理的配慮を行い、試験等の公平性を確保しております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○石島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○早坂委員 人事委員会事務局所管分の陳情五第四〇号に対して意見を申し述べます。
 陳情者は、都庁職員の採用試験でⅠ類A、B試験に年齢制限があることが差別的だとしています。
 東京都が別に行っている経験者採用試験においては、受験資格に年齢の上限の定めはありません。一方で、このⅠ類A、B試験には年齢の上限があります。それは、都庁職員としてのキャリア形成に時間を積んでもらう人も採用するという意味であり、いろいろなタイプの採用方法があることは十分理解できます。
 よって、この陳情には反対いたします。
 そのことを申し述べた上で、やや脱線をいたします。
 国際医療福祉大学の和田秀樹教授は、差別とは、そのカテゴリーに属すからといって不当な扱いをしてはいけないという考えだとしています。女性は話が長いからメンバーを外せというのは典型的な差別です。男性でも女性でも、話が長い人もいるし短い人もいる。にもかかわらず、女性は話が長いと決めつけてメンバーから外すのは不当な扱いそのものです。
 最近お会いした東京大学を卒業した女性は、高学歴の女性に対する差別はひどいといっていました。東大出身の女性は高飛車だとか冷たいと決めつけられるというのです。当然ながら、そういう人もいるでしょうし、そうでない人もいる。にもかかわらず、その人の個性を見ないで、はなからこうだと決めつけるのが不当な扱いです。
 そこで、脱線の本題に入ります。それは年齢差別についてです。
 例えば、高齢者は頭が固いので新しいアイデアは出てこないから駄目という決めつけがあります。若くても頭が固い人もいるし、そうでない人もいる。高齢者でも同じです。要は、そのカテゴリーに属しているからといって、その個人がそのカテゴリーの特性を兼ね備えているかどうかは分かりません。個人を見ないで決めつけることは不当な扱いにつながります。
 世間一般には年寄りは駄目、若い人でないとという風潮があります。定年制は、制度としてのその表れだと思います。しかし、その人の仕事能力は年齢で測れるものではありません。若くても、高齢者でも、仕事能力は人それぞれであるにもかかわらず、日本社会において年齢差別は全く見逃されています。
 先ほど紹介した和田秀樹教授が例として示す高齢者差別に対する指摘は過激であります。高齢者の運転は重大な事故を起こしかねないから免許を取り上げるべきだという風潮に対して、和田教授は次のように指摘します。
 いわく、死亡事故全体のうち一六%が高齢者によるもので、それが過去最高だという指摘がある。しかし、運転免許保有者の高齢者の割合は二二%なのだから、一六%ということはむしろ少ないといえるというのです。死亡事故以外の交通事故でも、二十代の事故より後期高齢者の事故の方が少ないという数字を示しています。
 脱線から本題に戻します。
 都庁職員の採用にはいろいろな方法があってしかるべきだと考えるので、本陳情には反対いたします。

○石島委員長 ほかに発言はよろしいでしょうか。――発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、総務局所管分もございますので、決定は総務局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第四〇号は継続審査といたします。
 陳情の審査を終わります。
 以上で人事委員会事務局関係を終わります。

○石島委員長 これよりデジタルサービス局関係に入ります。
 陳情の審査を行います。
 陳情五第三一号及び陳情五第三二号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○芹沢戦略部長 お手元の資料第1号、陳情審査説明表の一ページをお開きください。
 陳情五第三一号、個人番号カードの顔写真に係る規格の緩和を求める意見書の提出に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 本陳情は、山梨県中央市の小池裕敏さんから出され、令和五年七月十日に受理されております。
 その要旨でございますが、都議会におきまして、個人番号カードの顔写真に係る規格を緩和することを求める意見書を国に提出することでございます。
 現在の状況でございますが、個人番号カードの顔写真につきまして、障害がある方や寝たきりの方など、やむを得ない理由により規格どおりの写真が撮影できない場合、その理由を記載するなどの対応をすれば不備にならないことを総務省が通知しております。
 この旨は、個人番号カードの交付申請先となってございます地方公共団体情報システム機構のホームページにつきましても掲載されております。
 続きまして、二ページをお開きください。陳情五第三二号、新たな個人番号カードの様式に係る意見書の提出に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 本陳情は、山梨県中央市の小池裕敏さんから出され、令和五年七月十日に受理されております。
 その要旨でございますが、都議会におきまして、個人番号カードの様式の改正に当たり、対面での本人確認機能を維持することを求める意見書を国に提出することでございます。
 現在の状況でございますが、次期個人番号カードにつきましては、本年六月に国が定めましたデジタル社会の実現に向けた重点計画におきまして、身分証明書としての機能などを踏まえつつ検討することとされております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○石島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○米倉委員 陳情五第三一号、三二号について意見を述べます。
 政府は、健康保険証を廃止し、マイナカードとの一体化を来年十月からスタートさせようとしています。任意であるマイナンバーカードを強制的に持たせようとすることに多くの人が反対の声を上げています。
 この背景には、マイナカードの情報が他人とひもづけられた事例が多発し、マイナ保険証による医療現場でのトラブルも続いていることなど、制度の根幹に対する不信と不安が広がっていることがあります。
 国会審議の中で、障害者団体からは、車椅子に乗っている人が顔写真にヘッドレストが写っていることを理由に申請を却下された、黒目のない人が顔写真を撮り直すよういわれたという深刻な実態が紹介されました。健康保険証が現行どおり使えるのであれば起きなかった事例であり、明らかな人権侵害です。
 さらに、保険証と一体化したマイナカードに別人の情報が登録されていたトラブルは七千三百件以上に上ります。他人の医療情報に基づいて誤った診断や薬の処方が行われれば健康被害が生じる可能性があります。極めて重大かつ深刻な事態です。
 加えて、マイナンバー関連事業で巨額発注を受けた大企業五社が、自民党の政治資金団体に、九年間に合計七億円を献金していたことも厳しく批判されています。
 日本共産党は、マイナンバー制度そのものに重大な問題があることを厳しく追及してきました。今やるべきは、制度の部分改善ではなく、マイナンバーカードの運用を一旦停止し、保険証を廃止して全ての人に強制的にマイナカードを持たせるやり方をやめることです。
 よって、二つの陳情には賛成できないことを申し上げ、意見表明とします。

○石島委員長 ほかに発言はよろしいでしょうか。――発言がなければ、これより採決を行います。
 陳情五第三一号及び陳情五第三二号を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、いずれも不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第三一号及び陳情五第三二号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上でデジタルサービス局関係を終わります。

○石島委員長 これより総務局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、総務局長から紹介があります。

○野間総務局長 過日の委員会で紹介できませんでした当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 企画担当部長で都立大学調整担当部長、尖閣諸島調整担当部長、DX推進担当部長、子供政策連携室企画調整担当部長及びスタートアップ・国際金融都市戦略室スタートアップ戦略推進担当部長兼務の天野哲史でございます。防災計画担当部長の八嶋吉人でございます。
 なお、防災対策担当部長の西山公美子につきましては、病気療養のため本日の委員会を欠席させていただきます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○石島委員長 紹介は終わりました。

○石島委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○猪口総務部長 十月十九日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料第1号、総務委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は二十点ございます。
 一ページをご覧ください。都内外国人人口の推移でございます。
 平成六年から令和五年までの三十年分の都内の外国人人口を記載してございます。
 二ページをご覧ください。タイムラインの区市町村の最新の具体化状況でございます。
 令和五年九月現在の水害対応タイムラインを策定している区市町村数について記載してございます。
 三ページをご覧ください。知事部局の障害者雇用率の推移でございます。
 平成三十年から令和四年までの五年分の状況を記載してございます。
 四ページをご覧ください。政策連携団体における障害者雇用率の推移でございます。
 政策連携団体のうち、障害者の雇用の促進等に関する法律による雇用義務制度の適用団体の障害者雇用率について、平成三十年から令和四年までの五年分の実績を記載してございます。
 五ページをご覧ください。性自認及び性的指向に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
 電話相談につきましては令和二年度から令和四年度までの三年分の実績、LINE相談につきましては、本事業を開始しました令和二年七月から令和四年度までの実績を記載してございます。
 六ページをご覧ください。人権に関する相談件数の推移でございます。
 相談分野別に、平成三十年度から令和四年度までの五年分の実績を記載してございます。
 七ページをご覧ください。職員対象の人権に関する講演会及び研修会のテーマと講師の一覧でございます。
 令和四年度に実施した職員を対象とした講演会及び研修会について記載してございます。
 八ページをご覧ください。同和対策事業の終了に伴い一般対策で実施している事業の総務局分の一覧でございます。
 九ページをご覧ください。同和問題に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
 令和二年度から令和四年度までの三年分の実績を記載してございます。
 一〇ページをご覧ください。東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業の相談件数の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの五年分の実績を記載してございます。
 一一ページをご覧ください。都及び政策連携団体における非常勤職員等数の状況でございます。
 令和元年から令和五年までの五年分の状況を記載してございます。
 一二ページをご覧ください。都における非常勤職員数の状況(局別)でございます。
 局別に令和五年の状況を記載してございます。
 一三ページをご覧ください。オフィスサポーターから常勤職員にステップアップした職員の数と勤務場所及び勤務内容でございます。
 令和五年度の状況を記載してございます。
 一四ページをご覧ください。附属機関等の会議及び議事録・議事要旨の公開状況でございます。
 令和四年四月及び令和五年四月の公開状況を記載してございます。
 一五ページをご覧ください。政策連携団体評議員会の状況でございます。
 政策連携団体が設置している評議員会の状況を記載してございます。
 二枚おめくりいただき、一九ページをご覧ください。東京都立大学教職員の長時間労働面接対象者数でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの五年分の実績を記載してございます。
 二〇ページをご覧ください。身分併有型任期付職員の人数、局別並びに具体的な職種でございます。
 令和五年十月一日現在の身分併有型任期付職員の任用状況について記載してございます。
 二一ページをご覧ください。情報公開条例第十二条第二項の規定に基づきまして決定延長したものを再度延長した件数でございます。
 令和二年度から令和四年度までの三年分を局別に調査し、報告を受けた件数を記載してございます。
 二二ページをご覧ください。情報公開条例第十二条第三項の規定に基づきまして延長した件数でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの五年分を局別に調査し、報告を受けた件数を記載してございます。
 二三ページをご覧ください。小笠原村(父島・母島)から、内地への救急搬送件数でございます。
 小笠原村の父島、母島おのおのの島から内地へ救急患者を搬送した件数について、平成三十年度から令和四年度までの五年分を記載してございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○石島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○渋谷委員 それではまず、多摩振興プランについて伺います。
 さきの第三回定例会で、我が会派の代表質問において、多摩振興プランについて今後改定するとの答弁がありました。
 そこで、現在のプランに基づくこれまでの都の取組実績についてを伺います。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、令和三年九月に新しい多摩の振興プランを策定し、市町村と共に連携しながらコロナ禍を乗り越えるとともに、多摩地域の課題に応じた様々な施策を展開しております。
 主な実績といたしましては、産業分野では東京たま未来メッセや多摩地域雇用就業支援拠点などを整備したほか、サテライトオフィスの設置を促進しております。教育分野では小中高一貫校の設置や体験型英語学習施設であるTOKYO GLOBAL GATEWAY GREEN SPRINGSを設置、防災分野では調節池の整備や河川監視カメラを設置しております。
 さらに、道路交通ネットワークの充実といたしまして、多摩南北道路の整備等を促進しております。
 これらの取組によりまして、多摩地域の持続的発展に向け着実な取組を進めております。

○渋谷委員 現在のプラン策定以降、総務局を中心に移住、定住策に力を入れているが、現在の取組状況を伺います。また、多摩振興を所管する総務局として、プラン改定に当たりどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は昨年度、移住定住相談窓口を設置いたしまして、相談者にきめ細かな情報提供を行っております。また、今年度からは暮らし体験ツアーを開始いたしまして、地元の方との交流等を通じて多摩地域での暮らしを実感していただくとともに、地域ごとの様々な魅力も紹介しております。
 このような取組を含めまして、プランの改定に当たりましては、住んでよし、働いてよし、訪れてよしという多摩が持つ魅力を一層高めていく視点を全庁で共有して施策を取りまとめ、多摩地域のさらなる振興につなげてまいります。

○渋谷委員 プランの改定に当たっては、市町村等の意見も反映していく必要があると考えますが、見解を伺います。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 複雑化、高度化する課題に対応し、多摩地域の持続的発展を図るためには、都と市町村が一丸となるとともに、様々な主体とも連携して取組を進めることが重要でございます。
 このため、プランの改定に向けまして、全ての市町村との意見交換を行うとともに、各分野の有識者へのヒアリングや、子供を含めた都民アンケートも実施しております。
 今後、これらの意見等を踏まえながら検討を進め、素案を取りまとめてまいります。

○渋谷委員 多摩地域をより魅力あふれる地域として発展させていくためにも、地域の実情に精通した市町村など様々な主体との連携が重要です。ぜひ、様々な意見を丁寧に聞き、それを踏まえて検討を進めるよう求め、次の質問に参ります。
 市町村総合交付金について伺います。
 市町村総合交付金については、我が会派が長年粘り強く要望し、そして地元の声を反映し、増額を果たしてきたところです。
 令和五年度の予算額は五百九十二億円となっていますが、令和四年度からの拡充内容とその考え方について、都の見解を伺います。

○武田行政部長 市町村総合交付金は、市町村が行う各種施策に要する一般財源の不足を補完するものであり、制度創設以降、その充実に努めてまいりました。
 都内市町村では、人口減少や少子高齢化、交通インフラの整備、防災対策などに加え、DXや脱炭素化への取組など、それぞれの地域で課題を抱えております。令和五年度は、各市町村の課題解決に向けた取組を後押しするため、前年度から四億円増の五百九十二億円を確保し、一般枠と政策連携枠について、それぞれ二億円の増額を図っております。
 また、市町村からの要望を踏まえ、チルドレンファーストの社会の実現に向けて地域の取組を重点的に支援していくため、政策連携枠の対象に少子化対策の項目を新たに追加いたしました。

○渋谷委員 市町村総合交付金の来年度予算について、総務局の予算要求では令和五年度と同額の要求になっており、特に増額はないように見えます。
 しかし、都内の財政事情が厳しい自治体は、さらなる増額を望む声が強く、今回の総務局の予算要求の事情についてを伺います。

○武田行政部長 来年度の市町村総合交付金については、市町村の財政状況や国の動向、現状の予算額の水準などを総合的に勘案いたしまして、令和五年度と同額の五百九十二億円を予算要求としております。

○渋谷委員 市町村総合交付金について、総合的に勘案し、今年度と同額の予算要求としているということです。
 しかし、都内の財政事情が厳しい自治体は、さらなる増額を求める声が強く、一層の増額を図ることを強く求めます。
 次に、市町村消防団の充実強化について伺います。
 地域住民が主体となって、有事の際に現場に駆けつけ、対応できる消防団の重要性はますます高まっています。
 私自身、消防操法大会などで別の消防団の装備を目にすると、装備が充実されていて羨ましい、あの装備の方がよさそうなので地元の消防団の装備も変えるように提案してみようと思ったこともあります。消防活動の一層の充実のためには、消防団の持つ資機材や装備の充実が欠かせません。
 特別区においては東京消防庁が消防団の資機材や装備について一律で支給しているとのことですが、多摩・島しょ地域の市町村においても消防団の資機材や装備の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○保家総合防災部長 多摩・島しょ地域においては、発災時の初期消火や救出救助活動など地域防災の要である消防団の管理運営は市町村が担っております。
 市町村消防団の装備品の充実に向けては、平成三十年度より特別区配備基準に基づく装備品の配備を支援するための市町村総合交付金政策連携枠が創設されているほか、消防団に対し救助用器具や救命胴衣などの安全装備品に係る国の補助制度がございます。
 都としては、市町村がそれぞれの実情に応じてこれら支援策を活用し、消防団の資機材や装備の充実が一層図られるよう働きかけてまいります。

○渋谷委員 消防団員の安心・安全のための資機材や装備の充実に向けた取組を、今後も引き続き進めていただきたいと考えます。
 消防団には、地域の防災活動の中心として大きな力を発揮していただいていますが、多くの消防団では団員が減少していることに悩まされています。少しでも団員が増えていくよう、消防団の活動を広く理解していただき、入団促進に力を入れていくことが重要と考えますが、都は、消防団の役割やその活動をもっと都民にPRし、新たな入団者の確保に努めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○保家総合防災部長 都はこれまでも、市町村と連携し、ホームページや各種イベントを通じた消防団活動の紹介、ポスターの作成などにより団員募集PRを行ってまいりました。
 令和三年度からは、幅広い世代の方に消防団活動について知っていただけるよう、SNSや検索サイトなどに広告を掲載しております。
 今後、現役の女性団員や学生団員等の活動の様子を多様な媒体で発信するなど、引き続き市町村の団員確保に向けた取組を支援してまいります。

○渋谷委員 東京消防庁や市町村と連携しながら、消防団活動への都民理解を深めることにより、今後も入団促進支援に取り組んでいっていただきたいと考えます。
 一方で、消防団員の数は年々減少してきているだけでなく、平均年齢もだんだん上がってきています。今活動している団員に加えて、新しい団員をできるだけ増やしていかなければなりません。
 女性や学生向けにPRしているとのことですが、消防団において新たに女性や学生を団員として円滑に受け入れ、定着が図られるよう、都としても支援をしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○保家総合防災部長 都内の消防団活動の活性化のためには、より多くの女性団員や学生団員に入団してもらい、その力を十分に発揮してもらうことが重要でございます。
 このため、現在、団員の定着に向けて、女性、学生団員を対象としたセミナーを実施しているほか、今後、都内や全国の消防団における女性、学生団員の受入れに係る好事例を横展開するなどにより、受入れ、活動環境の整備を支援してまいります。

○渋谷委員 新たな団員の受入れ環境や活動環境の整備を進めていくことは非常に重要です。
 しかし残念ながら、消防団は上下関係が厳しく体質が古いといった声を耳にすることがあります。また、せっかく志を高く持って入団した方が、思っていたのと違ったといって入団してからほどなくして辞めてしまったという事例もあります。消防団のよき伝統は残しつつ、時代や社会状況の変化に伴って消防団も変わっていかなければならない局面に来ているのではないかと考えます。
 そこで、例えば研修やセミナーなど、消防団におけるハラスメントの防止などの意識啓発に向けて都はどのような取組をしているのか、見解を伺います。

○保家総合防災部長 都においては、今年度新たに、都内全域の消防団について、指揮監督を行う者を対象としてハラスメント防止講習を実施いたしました。
 講習は、外部専門講師による講義やグループワークにより、一人一人がハラスメントについて正しく理解し、適切な対応について学べる内容としております。また、受講者が所属の消防団において講習内容を還元できるよう資料を提供するなど、消防団内での意識啓発を促進する取組を行っているところでございます。

○渋谷委員 地域における消防団の活動は、地域住民の安心・安全を確保していく上でますます重要となってきています。せっかく消防団の門戸をたたいてくれた方が、団員として前向きに、かつ長く活動していただくことが消防団の活性化につながっていきます。
 日々の仕事に従事する傍ら、危険が伴うこともある消防団活動を精力的に行っている団員の方々のためにも、消防団がよりよく変わっていくための取組をこれからも支援していってほしいと思います。
 次に、東京都職員名簿について伺います。
 先日、東京都職員名簿が各議員に配られましたが、分厚い紙の冊子となっています。近年のDXの流れを踏まえ、都議会においてもデジタルツールの利用を拡大しているところであり、総務委員会で先行して委員会資料のペーパーレス化を実施しています。こうした時代の流れの中で、職員名簿についても、よりよいやり方があるのではないでしょうか。
 そこで、東京都職員名簿の作成目的と今後の取扱いについて伺います。

○石橋人事部長 東京都職員名簿は、行政に対する都民の信頼を確保する観点から、これまで、国や他自治体の取扱いなどと同様に、毎年度作成し、各局や関係団体等へ配布するほか、有償刊行物として販売しております。
 現在、都政の構造改革を進める中でペーパーレス化の推進をしており、職員名簿についても庁内への電子データの配布、共有や、必要部数の精査などによる発行部数の削減を図ってまいりました。
 今後、関係部署等との調整を図りながら、さらなるデジタル化を進めてまいります。

○渋谷委員 この件に限らず、時代に合った大胆な見直しを行っていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○おじま委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、国民保護、特段、ミサイル攻撃への備えについて質問したいと思います。
 北朝鮮が昨年から、かつてない頻度で弾道ミサイルを発射しておりまして、国際社会の平和と安全を脅かし続けております。
 先週二十一日にも弾道ミサイル――北朝鮮は、これは軍事偵察衛星というふうに主張しているんですが――を打ち上げまして、我が国の領空を通過するという可能性から、沖縄県を対象にJアラートが発令をされました。
 また、同国は、中距離弾道ミサイル、IRBMの固体燃料式エンジン試験に成功したというふうにも発表しておりますが、これが仮に事実であれば、日本全土が射程に入ったということであります。自衛隊のご努力によりまして、PAC3をはじめ迎撃体制を強化してきているところではありますが、脅威はより高まっているといわざるを得ません。
 実際にミサイルが飛んできたという有事に際しては、まずは都民自らが命を守るために迅速な避難を行うことが重要であります。そんな中で今月六日には、私の地元練馬区におきまして、都と区が共同しての住民避難訓練、これが実施をされました。
 そこで、今回の住民避難訓練の状況と成果について伺いたいと思います。

○永田国民保護担当部長 今回の訓練は、弾道ミサイルが我が国に飛来する可能性があると想定をし、住民の方六十名がご参加をいただき、屋内や屋外などそれぞれの状況に応じて取るべき、逃げる、離れる、隠れるといった避難行動を実際に経験いただきました。
 訓練参加者の方からは、万が一のときにどのような行動を取らなければならないかを理解することができたなどのコメントがあり、都民への普及啓発に寄与したものと認識しているところでございます。

○おじま委員 訓練そのものは非常に有意義であったということは理解いたしました。
 ウクライナにおいても、ロシアによる首都キーウへのミサイル攻撃が行われているという状況を鑑みますと、今回のような訓練をさらに積み重ねていただくことはもちろんのこと、避難行動について都民に広く普及をする必要があろうかと思います。
 そこで、訓練の成果を踏まえまして、取るべき避難行動について、今後都民にどのように周知をしていくのか伺います。

○永田国民保護担当部長 ミサイルを想定した住民避難訓練は、平成三十年一月以来二回目であり、こうした訓練を含めた積極的な普及啓発の取組により、都民の避難行動に対する理解をさらに深めていくことが重要であります。
 このため、都としては、引き続き国や区市町村と連携した訓練を実施していくとともに、避難行動を分かりやすく示したリーフレットなどを作成し、ホームページやSNSなど様々な媒体を活用して広く都民に情報発信してまいります。

○おじま委員 今ご答弁いただいたとおり、五年ぶり二回目の開催ということでありまして、これが第一歩、かつ今後のモデルケースにもなるというふうに考えております。
 危機意識をあらかじめ都民と共有をして備えていただくということは非常に重要でありまして、さらなる取組をお願いしたいと思います。
 その上で、ミサイルが仮に日本に落下をした場合には甚大な被害が生じる可能性があります。その際には、東京都と警察、消防、自衛隊はじめ関係機関がしっかりと連携をして、適切に避難誘導するなど都民の安全を確保することが重要であります。
 そこで、ミサイル落下に備えた避難誘導などについても取組を進めていくべきだと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○永田国民保護担当部長 国民保護法では、ミサイル攻撃が発生した場合、地方自治体が国の指示に基づき避難指示や救出活動などの措置を的確に実施することとされております。
 都は、今年の七月に、弾道ミサイルからの避難を想定し、関係機関などの相互の連携強化のための図上訓練を実施しました。
 今後は、図上訓練の成果を踏まえ、避難誘導に係る関係機関等との連携要領などを検証してまいります。

○おじま委員 ちなみに、国が取ったアンケートによると、Jアラートが鳴った際に八〇%以上の国民が避難行動を取らなかったという調査結果が出ております。これは、北朝鮮がミサイルを飛ばし過ぎというのもあるんですけど、国民も結構慣れてしまってきておりまして、この警報がある意味で狼少年のようになってきているという状況も非常に憂慮をしておるところであります。
 危機管理にとっての敵は慣れでありまして、これによって、東日本大震災の津波のときも多数の犠牲者が出てしまったということも、これは忘れてはならないと思います。日本人は平和ぼけをしているというふうにもいわれるところでありますが、ぜひ実効性ある訓練と危機意識の共有について検討いただくよう、これも改めて要望しておきたいと思います。
 昨年の第四回定例会の一般質問でも私から質問したところでありますが、ミサイルが発射をされてから数分で我が国の領土に着弾をするという可能性を考えると、爆風などから直接の被害を軽減するための一時的な避難先である緊急一時避難施設を多く確保するなど、ハード面の取組も重要であります。
 そこでまず、緊急一時避難施設の指定状況について伺いたいと思います。

○永田国民保護担当部長 都では、区市町村と緊密に連携をし、都内にある公共施設の総点検を実施することで緊急一時避難施設の指定を進めてまいりました。また、公共施設はもとより、都内の地下駅舎や商業施設などの民間施設も指定するなど、施設のさらなる拡大に取り組んでまいりました。
 こうした取組の結果、現時点で四千二百五十八か所指定をし、東京の全人口を収容できる規模の施設を確保しております。

○おじま委員 今ご答弁にあったとおり、四千二百五十八か所、急ピッチでこの指定を進めていただいておりまして、その努力については高く評価をしております。
 しかし、実際にこの指定されている緊急一時避難施設を見ると、そのほとんどが公共施設でありまして、これに誰もが数分以内にアクセスをできるかどうかというのは少し疑問であります。周辺に公共施設がないような市街地にいても逃げ込めるような体制を整備するためにも、もっと民間に協力を求めていくべきではないかと考えております。
 そこで、民間施設の指定状況について伺いたいと思います。

○永田国民保護担当部長 現時点で、民間の地下駅舎が七十四施設、商業施設の地下駐車場や歩行者用道路などが十六施設、合計九十か所の民間施設を緊急一時避難施設として指定しております。

○おじま委員 九十か所の指定施設のうち、ほとんどが地下駅舎ということでありました。
 先ほどは、東京の全人口を収容できる規模の施設を確保したという答弁でありまして、いわゆる人口カバー率というのは一〇〇%を達成したということになりますが、区市町村ごとの状況を確認してみると決してそうではなくて、ばらつきがあるようであります。
 私は、やはり民間施設が鍵だと思っていまして、例えば行政用語でいう避難所以外、自然災害時の避難所の考え方でいえば通常対象外になるような民間施設も含めて指定をできるように、柔軟に検討を進めていただきたいと思います。
 例えば私のところには、ライブハウス団体であります日本音楽会場協会というところから、地下、かつ防音性が重視をされているところから堅牢でありまして、また窓ガラスもないので飛散の心配もないライブハウスを活用してはどうかという申出をありがたくいただいておりまして、これは東京都の方にも既に紹介をさせていただいているところであります。国が例示をしている施設に限定をするということなく、より幅広い視点で可能性を追求していただきたいと思っております。
 そこで、今後、さらなる指定に向けてどのように取り組んでいくのか、見解を伺いたいと思います。

○永田国民保護担当部長 都は、人口カバー率が一〇〇%に満たない区市町村に対しまして、今年度個別に訪問をし、指定に係る意見交換やほかの自治体の指定事例の状況など、追加指定に向けた調整に積極的に取り組んでもらえるようサポートを行っております。また、緊急一時避難施設の意義や指定の手続などについて分かりやすい資料を作成いたしまして、大規模地下施設を有する民間事業者に働きかけを行ってもおります。
 こうした取組を通じまして、引き続き指定の拡大に取り組んでまいります。

○おじま委員 繰り返しになるんですが、我が国へのミサイル攻撃、これを眼前にある現実的な脅威として認識をして、ソフト、ハードの両面から取組を強化していくということは非常に重要であります。
 引き続き、都民、国民の安全・安心の確保に向けてしっかりと取り組んでいただきたいということを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
 ただいまはミサイル攻撃、いわゆる国民保護事案への対応について伺ったんですが、自然災害の脅威についてもしっかりと備える必要があります。
 都は昨年度、今後三十年以内に七〇%の確率で発生をするとされている首都直下型地震の被害想定を十年ぶりに改定をするなど継続して対応してきているということは認識をしております。
 いざ首都直下地震はじめ大規模災害が発生した際にはどうするのかというと、東京都は速やかに災害対策本部を立ち上げるというふうに伺っておりますが、改めて首都直下地震の発生時に設置をされる災害対策本部の役割等について伺いたいと思います。

○保家総合防災部長 首都直下地震等により大規模な災害が発生し、または発生するおそれがある場合、都は、知事を本部長とする東京都災害対策本部を設置し、災害対応への活動体制を構築することとしております。
 本部は、災害情報の収集及び伝達、自衛隊への災害派遣要請、災害救助法の適用等、都が実施する様々な対策について基本方針を審議、策定し、迅速な応急復旧活動に取り組んでまいります。

○おじま委員 ただいま災害対策本部の役割についてを確認させていただいたんですが、これがしっかりと機能するにはやはりマンパワーが必要でありまして、その人員体制についても気になるところでありますが、地震発生時に災害対策本部に従事をする人員体制について伺います。

○保家総合防災部長 災害対策本部において的確に応急対策を実施するためには、速やかに本部を運営する職員が参集し、体制を構築することが重要でございます。
 このため、勤務時間内に災害対策本部を設置した場合は、総合防災部に勤務する職員を中心に全庁を挙げた初動体制の確立を図ります。
 また、夜間、休日等の勤務時間外に震度六弱以上の地震が発生し、災害対策本部を設置した場合などには、都庁周辺の災害対策職員住宅に入居する職員などが直ちに参集するとともに、全職員が参集して災害対応に従事する体制を整えているところでございます。

○おじま委員 この災害対策本部が立ち上がると、恐らく各局から人が来たりとか送ったりとかその取りまとめ、仕切り、この事務局機能を担うのも総合防災部であるというふうに伺っております。その意味においても、総合防災部の果たす役割、責任というのは非常に大きく重たいものだと思っております。
 私としては、以前から主張させていただいているとおり、総務局総合防災部というのは、総合防災局とか総合防災本部とか、局並みに格上げをすべきというふうに考えていますということを最後に、これは応援メッセージとして申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○まつば委員 初めに、被災地支援について質問をいたします。
 東日本大震災の発生から十二年が経過をいたしました。東京都は発災直後から、福島県、宮城県、岩手県に現地事務所を置くなどして復興支援を行ってきました。警察、消防も含め延べ三万人を超える職員の方々を被災地に派遣してこられました。私も、被災地である福島県の現地を何度も訪れ、少しでもお手伝いできればとの思いで今日まで参りました。
 東京都の福島県事務所にもお伺いをいたしましたが、当初は同じフロアに複数の自治体が現地事務所を設置して支援をされておられましたが、徐々に少なくなり、現在は東京都だけと聞いております。現地に事務所を置き、復興の後押しをすることは、大変重要なことだと考えております。
 初めに、現地事務所の状況についてお伺いいたします。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、発災直後から、岩手県、宮城県、福島県の三県に現地事務所を設置し、現地の情報収集や支援ニーズの把握、派遣職員の業務面や生活面でのサポート等を行ってまいりました。
 地震、津波による被害が中心であった岩手県、宮城県は、道路などのインフラや住まいの整備など復興の進展に伴い両事務所の機能を本庁に統合いたしました。
 原子力災害等に関わる困難な課題を多く抱えている福島県は、復興には中長期的な対応を要することなどから、現地事務所において継続して支援を行っております。

○まつば委員 都は現地事務所を置きまして、継続してニーズを把握し、的確な支援をするなど努力してきたことがよく分かります。
 現地事務所と並んで被災地の復興支援に重要な役割を果たしてきたのが被災地に派遣された都職員の皆様です。岩手県、宮城県は昨年度で派遣が終了したとのことですが、福島県は、原子力災害被災地域の復興再生がようやく本格化したところであり、依然として職員の派遣が必要であると認識をしています。
 そこで、福島県への都職員の派遣の状況と、具体的にどのような業務で復興に貢献しているのかお伺いをいたします。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 今年度は、福島県に事務系及び技術系の職員を、合わせて十一名派遣しています。
 具体的には、原子力災害により避難指示が出された地域の住民帰還に向けた環境整備、移住、定住の促進のほか、福島県産農産物の販売促進や販路拡大、道路の建設工事など、幅広い復興業務に従事しております。

○まつば委員 今ご答弁いただきましたけれども、引き続き被災地の声を聞いて支援に取り組んでいただきたいと思います。そして、福島県から職員派遣の要請がある限りはしっかりと支援を続けていただきたいと、そのように思います。
 一方で、派遣された職員の方々は、復興支援業務を通じて被災地の状況や被災地の生の声を聞くとともに、都庁では得ることができない貴重な経験をされたものと思います。東京でも首都直下地震への備えが重要となる中、被災地で得た知見や教訓を都庁内で生かしていくことが重要であります。
 行政職員の立場で震災を経験していない職員の方にも派遣先で得た知見や教訓を継承し、職員の皆様の防災意識を向上させていくべきと考えますが、見解を求めます。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 派遣された職員からは、日頃から非常事態の行動を想定しておくことが重要であるや、被災住民に寄り添った丁寧なコミュニケーションの必要性を認識したなどといった声が寄せられています。
 これらの被災地派遣を通じて職員が得た知見や教訓などについて、毎年度支援活動報告書を作成しているほか、業務内容に応じて派遣後に報告会を開催する等で共有を図っております。
 これに加え、令和五年三月には、震災から十年以上が経過したことを踏まえ、発災直後からの都の復興支援の取組、支援業務に携わった派遣者の声などをまとめた冊子を作成するとともに、ホームページにも掲載しています。
 今後とも、職員の防災意識の向上のため、派遣職員の経験や業務を通じて得た知見、教訓などの継承に努めてまいります。

○まつば委員 被災地に派遣された職員の方々が様々な分野で被災地の復興に貢献してきた経験を、ぜひ都の災害対策等に生かしていただくことを期待しております。
 また、今答弁の中でも触れられておりましたけれども、今年の三月に都の復興支援の取組などをまとめた冊子の作成ということがありました。この東日本大震災における東京都復興支援の軌跡という冊子だと思いますけれども、とても大事な記録であり、私もこの冊子を大切にしています。
 この中の福島県インタビューでは福島県の総務部長のインタビューが掲載をされておりまして、少し読ませていただきたいと思います。
 皆さん本当に驚くほど優秀で、志も高く、おかげさまで仕事も進んで非常に助かりました、東京都においても課題山積の中で、これまで継続して優秀な職員を福島県に派遣していただいております、採用が困難といわれている技術職の方も多数派遣していただいており、まずは御礼申し上げたいと思います、本当にありがとうございますということで、抜粋でございますけれども、私も心から敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。
 また、この本にもありますけれども、被災地への主なプロジェクト支援事業一覧というのも掲載をされておりますけれど、各局が様々な支援を行ってきています。
 先日、豊洲市場で行っております、卸協同組合などが中心となって、都と連携して被災地応援のための夢市楽座という一般来場者向けの魚介類の販売と被災三県の紹介を行っている、そうした場所にも行かせていただきましたけれども、十二年経た今でもこうした支援をしていることに感動でいっぱいになりました。この事業も総務局の復興支援対策部が支援をしていると聞いております。今後も、被災地支援について、総務局中心となって引き続き行っていただくことを要望いたします。
 次に、東京都防災会議について質問をさせていただきます。
 過去の災害では、防災計画の策定や防災対策の決定など様々な意思決定過程において女性の参画が十分に確保されておらず、女性と男性のニーズの違いなどが配慮されないといった課題を生じていました。都の防災対策の根幹となる東京都地域防災計画の作成、修正の責務を担う東京都防災会議の役割は極めて大きいわけでありますが、私がこの問題を最初に提起したのは二〇一三年当時であります。
 東京都防災会議には、知事が指名、任命する委員に女性委員が一人もいませんでした。その後、都議会の場で何度も提案を重ねてきた結果、都もそれを受け止めまして、東京都防災会議の構成員について定めております東京都防災会議条例について、東日本大震災以降、平成二十五年と平成三十一年、令和四年の三度条例改正を行うなど、対応が着実にされてきたと認識をしております。
 本日は、改めてこれまでの経緯について確認をさせていただきます。
 初めに、平成二十五年の条例改正の主な内容と、それを踏まえた都の対応についてお伺いいたします。

○八嶋防災計画担当部長 東日本大震災では、避難所で女性が必要とする物資の不足や専用スペースの未設置など、女性の視点からの様々な課題が浮き彫りになりました。その後、地域防災計画に多様な主体の意見を反映できるよう、平成二十四年に災害対策基本法が改正され、防災会議の委員に自主防災組織を構成する者または学識経験者を任命することが可能となりました。
 これを受け、平成二十五年に東京都防災会議条例を改正し、知事が指名または任命する委員の上限数を増やすとともに、防災教育や市民防災に精通している学識経験者である女性委員二名を任命いたしました。

○まつば委員 ただいま答弁ありましたけれども、災害対策基本法の改正によって防災会議の委員に自主防災組織を構成する者または学識経験者を任命することが可能となったわけでありますが、これは当時、公明党内に女性防災会議を立ち上げまして、全国の自治体を対象に、女性の視点から課題を洗い出す防災行政総点検を行いまして、国に対して提言を行うなど積極的に取り組んだ結果、国が我が党の提言を受け、実現をしたものと考えております。
 続いて、平成三十一年の条例改正の主な内容と、それを踏まえた都の対応についてお伺いをいたします。

○八嶋防災計画担当部長 大阪府北部地震や西日本を中心とした豪雨など全国各地で相次いで発生した災害を踏まえ、平成三十年に都が実施した防災事業の緊急総点検において、女性や要配慮者の視点に立った避難所運営や地域住民が連携した確実な避難、避難者の健康管理の重要性などを再確認をいたしました。
 このため、都は、こうした様々な課題に対応するため、東京都防災会議条例を再度改正し、知事が指名または任命する委員数の上限を増やすとともに、地域での共助社会づくりや災害看護に精通した女性委員を新たに二名任命したところでございます。

○まつば委員 二十五年、三十一年の改正で段階的に委員構成の見直しを図ることによりまして、東京都防災会議における女性委員の数が増えてきたわけであります。
 ちょうど二年前の総務委員会の事務事業質疑で確認をしたときには、東京都防災会議の委員全体が七十三名でありますが、女性委員は八名でありました。都道府県の平均と比べても、まだこの女性委員の割合は低い状況であったわけです。
 その後、都は、東京都地域防災計画の修正に向けた検討に着手をされましたが、この際にも、新たな計画に女性や高齢者、障害者の視点など多様な視点を反映させるべきであると都議会公明党は提案を行いました。
 そこで、令和四年の主な条例改正の内容と、それを踏まえた都の対応についてお伺いをいたします。

○八嶋防災計画担当部長 地域防災計画の修正に向けた検討に当たりましては、高層建築物やスマートフォンの世帯保有率の増加などこの間の社会環境の変化等も十分に踏まえ防災対策の実効性をさらに向上させるため、防災に関わる様々な分野から改めて多様な視点を取り入れることといたしました。
 このため、令和四年に東京都防災会議条例を改めて改正し、知事が指名または任命する委員の上限数を大幅に増やすとともに、医療や福祉、ボランティアなどに関連する団体等に所属し、専門的知見を有する女性委員十四名をはじめ、計十六名を新たに任命したところでございます。

○まつば委員 十一月の二十二日現在、東京都防災会議委員全体のうち女性委員は二十四名ということで約二七%に達しており、二〇二二年四月時点で内閣府が把握している全国平均の値よりも多くなりました。
 また、東京都男女平等参画推進総合計画における都の審議会等の女性任用率算定基準というのがありますけれども、それは、役職が指定されている委員、区市町村の長など都の裁量で決めることができない委員を算定対象外とするものです。この考え方の女性任用率は約五三%と、目標値の四〇%を達成しています。
 十年前には女性委員が一人もいなかったわけでありますので、様々な対応、また条例改正などもしていただく中でこの女性委員の参画というのが図られてきた。この間の総合防災部の取組を評価したいと思います。
 加えて私は、政策決定の場である東京都防災会議だけではなく、計画の検討段階においても女性や要配慮者など多様な視点を踏まえた検討を進めていくべきであると、令和四年の予算特別委員会で提案を行いました。
 そこで、今回修正した地域防災計画の中に、女性、要配慮者等の視点をどのように反映をしたのかお伺いをいたします。

○八嶋防災計画担当部長 女性等の視点に立った防災対策を進めるため、東日本大震災や熊本地震等の被災地支援の経験を有する女性職員や実際に被災した住民の方、被災地での支援経験が豊富な女性ボランティアの方からヒアリング等を実施いたしまして、被災現場での様々な課題等を改めて整理をいたしました。
 また、女性や要配慮者等に関連する庁内の各局職員で構成されるプロジェクトチーム等において、多様な視点を踏まえた対策について検討を行いました。具体的には、女性、要配慮者等の視点を踏まえました避難所管理運営指針の改定や区市町村災害ボランティアセンター等への支援、手話や文字、音声など障害者等に配慮した情報伝達方法の確立などを地域防災計画に位置づけたところでございます。

○まつば委員 東京都地域防災計画修正の検討段階から、女性や要配慮者など多様な視点を取り入れるための議論を進めてきたことを確認させていただきました。
 今回修正した地域防災計画には、長期的な視点から今後一層具体化を図るべき取組について、引き続き各局関係機関において検討を深めていくことも明記をされております。災害に備え、女性、要配慮者など多様な視点を踏まえた防災対策に万全を期していただくことを要望させていただきます。
 次に、防災ブックのリニューアルについてお伺いをいたします。
 東京都防災会議に加えまして私が取り組んできたのが、女性視点の防災対策の具体的取組であります。命を守るために具体的にどのように行動したらよいのかが分かる女性視点の防災ブックを作成してほしいとのお声をいただきまして、二〇一六年に小池知事に提案いたしました。そして、二〇一八年に完成したのが「東京くらし防災」であります。
 それから五年がたちまして、今般、関東大震災から百年となる節目の本年九月に「東京くらし防災」と「東京防災」がセットでリニューアルをされまして、現在、冊子を全世帯に配布していると聞いております。
 そこで、今回リニューアルされた防災ブックの特徴と、全世帯配布とした狙いについてお伺いをいたします。

○保家総合防災部長 今回、関東大震災から百年を契機とした自助、共助のさらなる促進を図るため、社会の多様性や居住形態の変化、国際環境の動向などを踏まえ、防災ブックをリニューアルいたしました。
 「東京くらし防災」は、日常の暮らしの中で手軽に取り組めるよう、女性をはじめ、高齢者や障害者など多様な視点に立った防災行動を示しております。また、「東京防災」は、自らの防災知識を深めるとともに、地域やマンション、学校、職場などコミュニティにおける活動にも活用してもらえる内容としております。
 これら防災ブックには、自分や家族の命を守る重要な情報が盛り込まれており、都民の皆様に確実に情報をお届けするため、全世帯に配布しているところでございます。

○まつば委員 防災ブックが社会の多様性や居住形態の変化に応じてアップデートされていること、また、女性、高齢者、障害者や外国の方など多様な視点に立った内容となっているということを確認いたしました。
 特に、日常生活の中での防災行動を始めるきっかけとしていただく「東京くらし防災」は、配布しておしまいではなく、分かりやすく都民の皆様に伝えていくことが重要であると思います。
 そこで、リニューアルした防災ブックの内容を都民の皆様に浸透させていくために、防災ブックをどのように活用していくのかお伺いをいたします。

○保家総合防災部長 防災ブックの内容を分かりやすく都民に伝え、防災対策の実践を促すことは重要でございます。
 このため、関東大震災百年イベント、総合防災訓練などにおいて防災ブックの内容を紹介するほか、SNS広告やデジタルサイネージ、トレインチャンネルなどを通じ、防災ブックの配布、活用について幅広くPRを行っております。また、防災ブックの内容も踏まえ、防災の知識をクイズ形式で楽しみながら学べる東京都防災検定を、配布と併せて実施しているところでございます。
 今後、各種防災イベントや町会、自治会を対象としたセミナーなど様々な機会を捉え、防災ブックの活用を促すとともに、様々な媒体を用いて都民一人一人に防災ブックを手に取ってもらえるよう働きかけてまいります。

○まつば委員 セミナーなどの機会の活用、また、様々な媒体を用いて都民一人一人に防災ブックを手に取ってもらえるよう働きかけると、こういう答弁でありました。
 まあ、致し方がないと思うんですが、情報量も多いということでもありますので、やはり文字も小さいということもあります。そうした意味では、幅広い年齢の方々に活用していただけるように、ポイントを絞って学んでいただいたり、また活用していただけるような工夫を凝らして、今後やっていただきたいなと、そのように要望しておきますので、お願いいたします。
 続いて、性被害支援について質問をいたします。
 第三回定例会代表質問で都議会公明党は、学校や学習塾などでの子供への性被害の頻発や、子供時代に受けた性被害により、苦しみを抱えておられる方々が被害を告白されるなど、子供の性被害が社会問題になっており、都として即座に対応すべきと質問をいたしました。それを受け、十月十六日に子供・保護者専用性被害相談ホットラインが開設をしたわけであります。
 子供たちにとっては、何が性被害かということを理解する、また認識をするということはなかなか難しいということがあります。そうした意味では、子供の目線に立って支援をしていくことが大変重要であるというふうに考えます。
 着替えやトイレをのぞかれた、水着で隠れているところを触られた、抱きつかれた、インターネットで下着や裸の写真を送れといわれた、そんなことはありませんか、いつでも相談してくださいねと、そうした、子供たちに分かるように伝えることが大事であると、そのように考え、子供たちのための相談窓口が必要だと、こう思ったわけであります。
 今回設置をしました子供・保護者専用性被害相談ホットラインの設立の意義と周知のための広報についてお伺いをいたします。

○住野人権部長 子供の性被害は、被害に遭った当事者の心身に長期にわたり影響を及ぼす極めて悪質な行為であり、決して許されるものではございません。加えて、子供は被害に遭ってもそれを性被害と認識できないことや、声を上げにくく、適切な支援を受けることが難しいことなどの課題が指摘されてございます。
 こうした現状から、より子供が相談しやすい環境を整えることが必要と考え、専用電話窓口を開設したところでございます。
 広報につきましては、対象者へ確実に情報が届くことが重要でございまして、学校等を通じて全ての子供、保護者へ相談窓口をご案内いたしましたほか、都公式LINEによるプッシュ型通知、「広報東京都」への掲載、区市町村広報紙等への掲載依頼を行ってございます。

○まつば委員 開設して一か月が経過をしたわけでありますが、子供・保護者専用性被害相談ホットラインのこれまでの実績についてお伺いをいたします。

○住野人権部長 開設以降の子供・保護者専用性被害相談ホットラインの実績でございますが、十一月二十六日現在、六十件を超える件数となってございます。

○まつば委員 早急に対応していただいたわけでありますが、子供・保護者専用性被害相談ホットラインが開設をされて、六十件を超える相談があったということでありました。すぐに対応可能な手段として、電話相談窓口を開設したということは評価するものです。
 その一方で、昨今の情勢を考えれば、子供の目線に徹底して立ち、多様な相談方法の提供が必要だと思います。
 令和六年度に向けて、SNSを活用した相談についても実施することを検討していることは承知をしておりますが、子供の性被害に関わる重要な取組であることから、可能な限り早期に実施すべきと考えます。
 子供の性被害に関するSNS相談について、今後の方針をお伺いいたします。

○住野人権部長 子供や若者にとって、SNSは日常的に利用している親しみやすい通信手段でございます。支援センターの支援員からも、SNSを活用することは大変有効であると聞いておりまして、より相談しやすい手法であると、このように考えてございます。
 こうしたことから、お話の子供や若年層を主なターゲットとした性被害に関するSNS相談窓口につきまして、早期に開設できるよう検討してまいります。

○まつば委員 子供や若年層のために、SNS相談窓口を早期に開設できるよう検討していくと、こういう旨のご答弁でございました。
 子供の性被害は潜在化しやすいこともあり、様々な相談窓口の設置が大変重要であると、このように思います。できる限り早くSNS相談窓口を開設していただきたいと要望しておきます。こうした施策が広く浸透して、苦しむ子供をなくすことができるような取組をしっかりと図っていただくようにお願いをいたします。
 最後に、事実婚への対応について質問をいたします。
 都議会公明党はこれまで、事実婚当事者の方々が抱える様々な課題や困難について、ヒアリングや他自治体への調査を行うなど取り組んでまいりました。
 第二回定例会代表質問では、パートナーシップ宣誓制度に異性事実婚の方々も対象として加えることを提案いたしました。また、第三回定例会の高倉議員の一般質問では、事実婚の方々を取り巻く課題などについて知事に見解を求め、知事より、今後、各業界等の関係者へのヒアリングを実施し、困り事の実態について十分に把握する旨の答弁がありました。
 その後の状況についてお伺いいたします。

○住野人権部長 さきの第三回定例会一般質問におきまして知事から答弁をいたしましたとおり、今後、事実婚当事者の方々の困り事の実態について把握し、事実婚当事者の方々の暮らしやすい環境づくりにつなげていくため、金融機関等の関係業界のヒアリングの準備を行っているところでございます。

○まつば委員 現在、関係業界へのヒアリングに向けた準備を行っているという答弁でした。
 第三回定例会における都議会公明党への知事のご答弁を踏まえて、しっかりと取り組んでいただくことを改めて要望して、質問を終わります。

○池川委員 まず、質問に先立ち、昨日起きた米軍横田基地所属のCV22オスプレイの墜落事故で亡くなられた方にご冥福申し上げたいと思います。
 これまでもオスプレイは、各地で重大事故を繰り返しており、事故が市街地で起こればその被害は一般人の人に及び、極めて甚大になるということは明確だと思います。
 日本共産党都議団は、横田基地への配備前からこの重大性について指摘をし、トラブルが発生するたびに訓練中止、横田基地からの撤去を求めてまいりました。オスプレイの飛行中止、横田基地からの撤去を都として国と米軍に改めて求めていただきたい、求めることが必要だと思います。
 加えて、都の総合防災訓練に米軍が参加をし、自衛隊のオスプレイが投入されたということがありましたが、こうしたことについても行わないようにしていただきたいということも重ねて求めておきたいと思います。
 初めに、情報公開条例について質問します。
 情報公開条例は、都民の知る権利を保障することを前文で明記をし、一条の目的では、東京都が都政に関し都民に説明する責任を全うすること、都民の理解と批判の下に公正で透明な行政を推進することが書かれており、都民による都政への参加を進めることがこの条例の目的となっています。
 大原則として、開示請求を待つことなく情報を積極的に公表、提供することにより、都政に関する正確で分かりやすい情報を都民が得られるようにすることは不可欠だと思います。
 開示決定について、開示請求が行われた場合の開示決定については十四日以内にしなければならないことが条例の十二条一項で定められています。可及的速やかに開示することが必要で、この十四日以内というのは基本的に原則で、しかも原則公開するということがこの条例の精神だと思います。まず、その原則どおりの運用をしていただきたいということを初めに求めておきたい。
 十四日が原則ですが、延長できる規定が定められています。情報公開条例の十二条二項に基づく延長は、どのような理由で何日を限度に行うことができるとされているでしょうか。

○内山都政情報担当部長 東京都情報公開条例第十二条第二項では、やむを得ない理由により、同条第一項に規定する十四日以内に開示決定等をすることができないときは、開示請求があった日から六十日を限度としてその期間を延長することができるとされております。

○池川委員 やむを得ない理由については、情報公開事務の手引に具体的に書かれていて、例えば一つは、一度に多くの開示請求があったり内容が複雑である場合とか、東京都以外の人から意見を聞く必要がある場合とか、また、天災や一時的な業務量の増大とか、年末年始が重なってしまうときとかそういうことが具体的に書かれていて、こういう場合はやむを得ないと考えることができますよというふうになっています。コロナ対策なども、一時的な業務量の増大の場合はこのやむを得ない事情に入るのかなと思いますが、それでも限度は六十日。
 同時に、緊急事態だからといって法律や条例を超えていいとか、超法規的な手段を取っていいということになってしまったら、それはやっぱり権力の濫用、人権の制限につながりかねないものであり、平時に増して、実は緊急事態というのは情報公開が重要になるというふうにもいえると思います。
 ところが、このコロナ対策をめぐって、二〇二〇年四月八日付に出された通知の中で、当面の間、六十日を限度とした期間延長、つまり先ほど六十日までとしていた期間の延長を複数回行うことができるという課長通知が出されています。この一片の課長通知で、条例十二条二項を根拠にして延長できるという明らかな条例違反が行われたと。
 この問題は、昨年度の決算委員会、各会計の決算特別委員会で質問する中で、今日資料に出していただいた、資料番号の18に出ていますが、百二十八件、情報公開請求がこの十二条二項によって行われた。これは、条例上はできない延長が実施されたということが明らかになって、私はそのとき、決算第一分科会で質問した、その直後に停止するという通知が出されました。
 この昨年十月末に出された通知、十二条二項に基づいて百二十八件もの六十日を超えた期間延長、複数回行っていたことが明らかになったことを受けて出された通知、これは一旦停止するんだということを通知、出されましたが、それ以降どういう対応になっているでしょうか。

○内山都政情報担当部長 お話の課長通知については、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、令和四年十月三十一日付で、同年十一月一日以降当該通知による取扱いを停止する旨、通知いたしました。
 その後、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変更されることに伴い、令和五年四月二十八日付で、同年五月七日をもってこの取扱いを廃止する旨を通知いたしました。

○池川委員 昨年の決算特別委員会の全局質疑で、当時も野間局長でいらっしゃいましたけれども、野間局長から一時停止の状況という答弁があったんですね。条例違反の状態を一時的に止める。逆にいうと再開する可能性があるという含みのある答弁だったと私は思っていましたが、事実上、その後、この通知そのものが廃止をされたというのが今の答弁ではっきりしたと。
 私は、二度とこういうことは、やっぱり情報公開条例の精神を踏まえるならば、やってはならないと思います。こういう条例違反が起こらないように総務局として対応していただくよう厳しく求めておきたいと思います。
 情報公開条例との関係で、条例の目的を踏まえない対応が行われているということについても、所管局である総務局に対応を求めたいと思うんですね。
 私は、最初に紹介した条例一条に、都民の理解と批判の下に公正で透明な行政を推進すると書いてあることに大変注目していまして、批判、つまり都民のチェックを受けることがこの情報公開条例の中ではきちっと位置づいていて、この条例の重要な構成要素というふうになっています。
 しかし実際には、行政にとって、例えば不都合な真実には蓋をするとか、あれこれ理由がつけられて非開示になるとか、中には取りあえず六十日まで延長しておこうとか、そういう対応が散見される、そういう状況があるというふうに思います。
 行政にとって不都合なものであっても、都民共有の財産である公文書は、行政の都合ではなく、都民の知る権利を保障する立場で誠実に、公正に、そして積極的に公開する必要があると考えますが、いかがですか。

○内山都政情報担当部長 コロナ禍にいたしました再延長の通知ですが、これは、コロナ禍という未曽有の状況にございまして、都民の生命、身体を守るという業務と開示請求者の権利の尊重とをともに遂行するため、六十日を超えて期間延長を行うことができる旨の通知を行い、運用してきたものでございます。
 この通知の中では、コロナに伴うやむを得ない理由がある場合は、条例十二条二項に基づき六十日を限度とする期間延長を行うことができることを示しますとともに、条例十二条三項の趣旨を踏まえて六十日を超える期間延長ができる旨を周知したものでございます。したがいまして、条例違反だというふうには考えておりません。
 情報開示におけます原則開示を徹底いたしますとともに、開示請求を待つことなく、各種の情報を積極的に公表、提供するなど、情報公開条例に基づき情報公開の総合的な推進を図っておるところでございます。

○池川委員 十二条三項に基づいて延長ができるということを、一回も通知もお知らせも各局にしていないと当時認めているでしょう。もう、本当に条例違反だというふうに私たちは、誠実に、きちんとこの情報公開条例に基づいて業務をやると、それが都民の知る権利、その負託に応えるんだという立場でやっていただきたいと思うんですね。
 今、事実上その課長通知がなくなった下で、できないというふうになっているわけですが、二度とあってはならないというふうに思います。
 原則開示の徹底、各種情報を積極的に公表、提供すること、その認識と情報公開との間に今ギャップがあるというのが実態だと思うんです。本当に推進しているというんであれば、様々な不都合な真実、都民に見えなければいいとか、隠せばいいとか、そういう姿勢はやっぱり根本から改めることが必要だと思います。
 公文書は都民共有の財産であり、都民の知る権利を保障し、都民のチェックを受けることを通じて公正で透明な行政を行うこと、これこそ必要であって、総務局はその条例を所管する局なわけですから、その役割を本当に発揮していただかないと困るというふうに思います。
 この情報公開条例の精神に基づいて、ぜひ積極的な、都民の知る権利に応える、また都民の批判の下にきちんと情報公開を進めていく、そういう立場で取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、防災対策について伺います。
 東京における防災対策は極めて重要であって、自己責任ではなく公的責任を果たすことが強く求められているというふうに思います。
 今日は防災ブックについて質問します。
 今回配布している防災ブックの作成、印刷、配布について、それぞれ契約金額は幾らですか。

○保家総合防災部長 全世帯に配布する防災ブックの契約額について、原稿作成に関するものは約八千百万円、印刷に関するものは約二十一億八千九百万円、配布に関するものは約五億二千五百万円となっております。

○池川委員 防災ブックは、どういう規模で配布をされているでしょうか。

○保家総合防災部長 防災ブックは、都内全世帯へ配布することとしておりまして、約七百七十万世帯を見込んでおります。

○池川委員 総額約二十八億円、七百七十万、基本的には全世帯配布だと、予定だということであります。
 我が家にも届きました。開くと小池知事の写真が出てくるということなんですよね。この前、五十嵐委員、生文局の事業でやりましたけれども、本当にまたかと思いました。
 生文局の町会、自治会防災に係る補助事業は、昨年度、知事の写真、名前、メッセージをチラシにして配らないと補助が受けられないという制度設計になっていて、八十八万枚チラシがまかれているんですよね。今年度は関東大震災百年の事業で、この前、五十嵐理事が選管のときに質問されていましたけど、知事の写真、名前、メッセージ入りのチラシを今度は掲示板に貼り出すと。しかも回覧板の配布もお願いして、チラシ配布もお願いしているんですよね。税金使って、やっぱりこれは都知事選の対策なんじゃないかという声が寄せられています、率直にいって。
 これに加えて、今回、防災ブックは全世帯ですよ。全世帯に知事の写真、名前、メッセージ入りのチラシを入れて、開けたら知事が登場するということになっていると。
 知事のメッセージ、内容というのは、誰が考えて、誰が作ったんですか。

○保家総合防災部長 防災への取組に関する知事の考えをメッセージとして都民に発信したものでございまして、作成は総務局で事務を行っております。

○池川委員 都の考えではなくて知事の考えをメッセージにしたということなんですね。
 舛添さんのときにも「東京防災」で全世帯配布やって、そのときにメッセージ、一緒について出されています。それを踏襲したということなのかもしれませんが、やっぱり知事の考えを発信するためにこの冊子の中に入れて出すというのはちょっと理解に苦しむと。都としての考えを発信して――説明の中には、この防災ブックはどういうふうなもので、どういうふうに読んでほしいという説明を書いてありますから、そういうことは必要だと思いますけど、なぜ知事の考え方、メッセージを出さなきゃいけないのかと。
 防災ブックの配布時にこのメッセージを入れたのは誰の指示でしょうか。

○保家総合防災部長 事業を効果的に推進するために、総務局において作成したものでございます。

○池川委員 もう一回聞きますね。防災ブックの配布時に小池知事のメッセージを入れたのは、誰の指示でやったものかについて、これは伺っている答弁ですから、ぜひ伺いたい。

○保家総合防災部長 答弁しましたとおり、総務局で作成して報告をしております。

○池川委員 そうでなくて、防災ブックを配布するときに知事のメッセージを入れたのは、これは一体誰の指示なのかと。今のは、知事に報告したかどうかの多分話だと思うんですけど、メッセージを入れるというのは誰の指示でやったのかということを伺いたい。

○保家総合防災部長 防災ブックの配布時に同封した知事のメッセージ等による案内は、都民に防災ブックを手に取ってもらい、効果的に活用してもらえるようにするため、総務局において実施したものでございます。

○池川委員 都民に防災ブックを手に取ってもらい、効果的に活用してもらうようにするためにメッセージを入れたということですよね。
 逆にいうと、知事のメッセージがないと手に取ってもらえず、効果的に活用してもらえないということなんでしょうか。

○保家総合防災部長 防災ブックには、自分や家族の命を守る重要な情報が盛り込まれております。そのため、都民一人一人に実際に防災ブックを手に取ってもらうことが何より重要と考えております。
 このため、今回、案内文を同封しまして、防災への取組に関する知事の考えをメッセージとして発信し、併せて「東京くらし防災」、「東京防災」の効果的な活用方法、問合せ先などを掲載したところでございます。

○池川委員 私、防災ブックの活用、防災ブックを手にして、多くの都民の皆さんが防災ブックを読んでもらうことは必要だと思っています。ただ、知事のメッセージがなければ手に取ってもらえず効果的な活用ができないと、そんなことはないと思うんですよね。
 じゃ、伺いたいと思うんですけど、東京都が実施する最新の都民生活に関する世論調査における都政への要望、都に力を入れて取り組んでもらいたいもののトップは何ですか。

○保家総合防災部長 今、ちょっと手元に資料がないのでございますけれども、防災もその一つだと考えてございます。

○池川委員 トップは防災対策ですよ、四二%。やっぱり都民の中で、防災意識というのは高いんですよ。都政に対する要望も位置づけは高いんですよ。都民の防災意識が物すごく低くて、そういうわけではなくて既に防災意識は高い。もちろん個人差はある、そういう中で、きちんと科学的な分かりやすい情報を発信して届けていくこと、これ自体は私、大事だと思っていますが、それを、知事のメッセージがないと手に取ってもらえず効果的な活用ができないというふうにさっき答弁されるから、それはやっぱり違うんじゃないかというふうに思うんですよね。
 やっぱりこの防災対策って、東日本大震災を契機にすごく上昇しているし、もともとこの意識調査そのものは、三項目しか選べなかったのが五項目選べるようになって、防災が一気に上に行くんですよね。都民の身近な生活の中で防災の問題というのは暮らしにとってとても大事な問題だというふうに思っていることの表れだと思います。やっぱりね、知事選まで一年切ったこの時期に知事のメッセージを出すということ自体の方が本当、課題があると思うんですね。
 知事のメッセージの作成、印刷費用は幾らですか。

○保家総合防災部長 知事のメッセージや防災ブックの読み方、問合せ先など都民へのお知らせが掲載された案内文、この案内文の印刷費用は約一千二百万円となっております。

○池川委員 印刷費一千二百万円ということですね。それを全戸配布すると。
 さっきもペーパーレスの議論ありましたけど、本当に要るのかなと思いますよ。つまり七百七十万枚印刷して配布しているということになるわけですよね。必要なものを紙にして届けるのは必要だと私は思います。だから、紙を何でもやめればいいとは思いませんが、必要なものなのかということが問われると思うんです。
 都政は知事のものではなくて都民のものなんだと。都の税金を使って行う事業だということなんですよね。それに対して知事の選挙対策なんじゃないかという声が上がってくるのは当然だと私は思うんです。やっぱり公的責任をきちんと明確にし、誰一人取り残すことなく生命、身体、財産を守る自治体の役割を発揮する。やっぱりこれには、都民と対話をする、都民とちゃんとキャッチボールをする、そして様々な中で防災の的確な情報、正確な情報、必要な情報をきちんと出していく、そういう役割を本来総務局は果たさなきゃいけないというふうに思います。そういうときにやっぱり、知事のメッセージがないと読んでもらえないんじゃないかという話が出てきてしまうのは大変残念です。
 そういう意味で、防災における重要な機能を果たす総務局として、引き続き防災対策、全力で取り組んでいただきたいということは併せて申し上げておきたいと思います。
 多摩格差について伺います。
 多摩格差は、かつて八課題が設定されていたものが、石原都政の下でかなりの部分解消しているとされました。
 八課題とは一九七五年に設定され、義務教育施設、公共下水道、保健所、病院及び診療所、道路、図書館・市民集会施設、国民健康保険料、保育料という八つの課題だと。この多摩格差八課題というのは解消しているんでしょうか。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 従来からのいわゆる多摩格差につきましては、これまで都と市町村が連携し、解決に努めた結果、かなりの部分で解消していると認識しております。
 一方で、多摩地域は人口減少、少子高齢化への対応、道路、交通インフラの整備、防災対策、産業振興など地域それぞれの課題を依然として抱えているため、こうした課題に一つ一つ丁寧に対応していくことが重要であると考えております。

○池川委員 かなりの部分で解消しているといわれた八課題ですが、例えば義務教育施設、小中学校の特別教室、学校体育館へのエアコン設置率というのは明らかに多摩地域の方が設置率が低い。中学校給食の実施状況も多摩地域の方が明らかに低く、いまだに中学校が全員給食ではない自治体もあります。学校教育に関わる環境で依然として格差があるということは実感です。
 もう一つは保健所です。これも八課題の中に入っていますが、二十三区には一つの区に一つの保健所と、さらに保健センターがあるというふうになっていますが、多摩地域は八王子、町田は独自に設置をしているものの、西多摩、南多摩、多摩立川、多摩府中、多摩小平という、残りの自治体は五つの保健所でカバーをしていると。比較すれば、やっぱり段違いの差になっているんじゃないかと思うんですね。
 実際にコロナ対応では大きな困難に直面したし、多摩地域では増設を求める声というのは根強くあります。連携で解消できるというものでなく、やはりそもそも一保健所が抱える人口を減らして対応することが必要ではないかというふうに寄せられる声が大変強いです。
 これはやっぱり、解消しているどころか、八課題の中でも厳然として、格差として存在していると思います。それでもかなりの部分で解消したということができるんでしょうか。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 区部と市町村では、行財政制度をはじめまして、人口規模や地理的条件、産業構造など置かれている状況が異なります。
 都といたしましては、画一的に区部と多摩を比較して論じるのではなく、多摩地域それぞれの地域の実情を十分に踏まえて、一つ一つの課題に丁寧に取り組んで、多摩の持続的発展につなげていくことが重要だと、このように考えております。

○池川委員 多摩に住んでいる実感として格差があると。もちろん、それぞれの自治体ごとに様々な特性、特徴はある、それはそのとおりだと思うんですけど、実際の基本で、今、八課題定めていた段階でも実際差があるじゃないかと。学校体育館のエアコンなんていうのは、本当は都としては全部つけてほしいということで進めたけれど、なかなかついていないのが実情なわけですよね。やっぱり明らかな格差だというふうにいわざるを得ないと思うんです。
 私たちは、教職員と自治体職員の婦人科検診の実施状況について独自の調査を行って、十月二十六日に発表しました。
 厚労省の調査によれば、女性が最も多くかかるがんは乳がん、しかも三十代前半から急増し、四十代後半にピークを迎える。子宮がんは乳がんより罹患者の増える年齢が低く、現役世代では乳がんに次ぐ罹患率となっています。
 国際的に見ても、女性の命と健康を守るために婦人科検診は欠かせないものというふうになっています。東京都も都職員の婦人科検診を実施していると思いますが、その意義について伺います。

○田中労務担当部長 知事部局等においては、女性特有の疾病の予防及び早期発見のため、乳がん検診及び子宮がん検診を行っております。

○池川委員 予防と早期発見のために、乳がん検診、子宮がん検診を実施していると。
 保健医療局の調査によれば、がん検診が職場で行われる場合は対象者の約八割が受診をしていますが、他に受診の機会がない場合に受ける市区町村の検診の場合は、受診率が三割未満と激減をし、受診のハードルが高くなっているという調査もあります。現役世代が職場検診で受けられるというのは大変意義が大きいということだと思います。
 私たちが調査を行ったきっかけは、多摩地域の市の小中学校の教職員の方から、これまで職場の健診項目に婦人科検診があったが廃止をされてしまった、復活してほしいという声が寄せられたことがこの調査のきっかけです。調査の結果は、学校教職員の婦人科検診が多摩地域では次々と廃止され、実施は十四市町村、全体では四七%と半数以上が婦人科検診がないということが明らかになりました。
 一方で、同じ教職員、つまり東京都の採用である教職員は、二十三区では一〇〇%婦人科検診があると。二十三区の場合は一〇〇%婦人科検診が職場健診としてあると。直接総務局じゃありませんけど、やっぱり都教委が採用して、東京都の職員としての教職員がこれだけの差になっているということは、極めて重たいと思うんですね。
 さらに驚いたのは、自治体職員の婦人科検診です。早期発見、これは本当に大事だと思いますし、予防も大事だと思います。ところが、自治体職員の婦人科検診は、多摩地域では実施が何とゼロです、ゼロ。二十三区は一〇〇%です。つまり、二十三区の場合は一〇〇%やっているけど多摩は一つもやっていないと。こんな分かりやすい多摩格差はないんじゃないかなと思うぐらいの格差になってしまっているというふうに思います。
 こういう状況について、都は認識をしていたのか、知っていたのか。その認識について伺います。

○武田行政部長 市町村職員の婦人科検診の件でございますけれども、基本的には事業主が、労働安全衛生法上、職場における労働者の安全と健康を確保しなければならないというふうにされておりまして、自治体職員の健康診断につきましては、同法は、事業主の責務として各自治体が実施することとなっておりますので、職員向けのがん検診につきましては当該健康診断の項目外となっており、それぞれの自治体の判断でやっているというふうに認識をしてございます。

○池川委員 その判断の結果で格差じゃないかという話なんですね。
 女性の健康に大きく影響する婦人科検診を職場健診として実施することは、ジェンダー平等、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツ、性と生殖における健康と権利にとっても重要な問題だと思います。
 直接的な責任は、今答弁あったとおり、事業主である各自治体にあることははっきり分かっています。分かった上で実際にこれだけ格差になっているということは、やはり改善に向けた取組を都としても考える必要があるのではないか、後押しをしていただきたい、健康を守る取組として、ぜひ、こうした課題があるという認識に立って、引き続き取組をしていただきたいということを求めたいと。
 加えて、さらなる多摩格差になっているものがあります。例えば学校給食費の無償化です。二十三区では、実施を表明した自治体も含め全区で踏み出したものの、多摩地域では、府中市、檜原村、奥多摩町が第一子から、狛江市と、小平市が今度の一月から実施するということでこの二つは第三子からということで、明確な多摩格差になってしまっているという実情があります。十八歳までの医療費無料化も、二十三区では全区で完全無償化となっていますが、多摩地域では所得制限、一部窓口負担が残された状況になっていると。
 東京都市長会は、来年度予算編成に対する要望で、学校給食費無償化へ向けた補助制度の創出、子供の医療費助成における所得制限や一部負担金の撤廃を最重点要望に上げています。これは、明らかに二十三区と格差があるから、都として真剣に受け止め、具体化をすることが必要だと私は思います。
 今いった十八歳までの医療費無料化、学校給食費の無償化など、明らかに多摩格差となっているものについてどう認識されていますか。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 各行政サービスにつきましては、自治体を取り巻く社会経済環境や地理的状況など様々な状況を踏まえて、それぞれの自治体において判断し、提供していくものであると、このように認識しております。

○池川委員 様々、それぞれでは格差はなくならないと思うんですね。
 知事と区市町村長との意見交換が今やられています。総務局が所管なので当然ご存じだと思います。現在、議事録が出ている十一月二日までの意見交換について調べてみました。学校給食費の無償化について触れているのは五つの自治体、全て多摩・島しょ地域の自治体でした。子供の医療費十八歳までの医療費に触れているのは四つの自治体、これも全て多摩地域の自治体です。
 このうち、給食費と医療費の両方について触れられているのは二つ。要望の時間の全てを十八歳までの医療費無料化に一点に絞って、ほかにも様々課題がある中で一点に絞って要望された自治体が二つもあります。それぐらい切実な課題だということなんですよね。直接皆さん聞かれているから分かっていると思います。
 市長会は最重点要望で掲げる。さらに、知事との直接意見交換の場でこうした要望が相次いでいることは、重く受け止めるべきじゃありませんか。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 先ほどご答弁申し上げたとおり、行政サービスにつきましては、自治体を取り巻く社会環境や地域的状況など様々な状況を踏まえて、それぞれの自治体において判断して提供していくものと認識しております。
 要望は受けておりますので、それについては丁寧に対応していきたいというふうに考えております。

○池川委員 例年に増して明らかに要求として高まっているということをきちんと受け止めていただきたいと思います。
 広域自治体として、東京都の役割はやっぱり求められていると思うんですね。各自治体の様々、それぞれの判断だということで済ませず、きちんと二十三区と市町村の間にある、制度を含めた様々な格差の実態について、今ご検討いただいている多摩振興プランの中でも、調査をすることも含めてぜひ行っていただきたいということも提案しておきたいと思います。
 一番の要因はやはり財政力です。二十三区に比して市町村は財政力が小さく、踏み出そうと思っても踏み出せない実情があります。
 区市町村民税、財政調整基金の残高について、二十三区と市町村の現状はどうなっていますか。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 令和四年度の決算における各税収の総額につきまして、個人の区市町村民税は、人口約一千万の特別区では一兆一千二百二十億、人口約四百万の市町村では三千二百八十六億円となっております。
 また、財政調整基金残高につきましては、特別区は八千六十億円、市町村は一千六百三十九億円となっております。

○池川委員 財政力が違うというのは、今の答弁からも明らかだと思います。
 ここに、都区財調で財源となっている法人住民税、固定資産税などを加えて全体見ていくと、より財政力の違いがはっきりすると。これが根底にあると思います。
 一般財源を補完する市町村総合交付金、この間、増額していただいておりますが、やっぱりこの増額は本当に必要だと思います。様々な格差を解消していく具体的方策こそ必要だというふうに思うんです。
 広域自治体が、広域自治体として、様々な広域的な行政課題に対して積極的に取り組み、専門的な知見から様々な活動を行い、基礎自治体だけでなく、実施が困難なものについてきちんと補完する取組が必要だということは、以前の議論の中でもちゃんと議論されているんですよね。
 連携は大事だし、意見交換もやっていくことは大事だと思いますが、広域自治体として多摩格差の解消を真正面にして取り組むことを強く求め、質問を終わります。

○斉藤委員 立憲民主党の斉藤りえです。
 まず、復興支援対策についてお伺いいたします。
 先日、視察で福島県の沿岸部に行ってまいりました。二〇一一年の東日本大震災と原子力発電所の事故から十二年以上が経過していますが、いまだ復興は道半ばで、厳しい被災地の状況を目の当たりにしました。一方で、地域では新しいチャレンジ、先駆的な取組なども行われており、未曽有の災害から未来を切り開こうとする多くの方々とお会いすることができました。
 そうして地域に触れる中で、被災自治体における全国様々な自治体からの応援職員と呼ばれる職員派遣の取組がとても高く評価されていることも伺いました。東京都においても多くの職員を災害被災地域に派遣をしてきましたし、現在も多くの方々が各地において活躍をされていると存じております。
 東京都においては、いつ首都直下地震が起きてもおかしくないといわれ続けております。災害は起きないことがベストで、誰もがそれを望むことではありますが、残念ながら、毎年各地において自然災害が発生しています。そうした避けられない有事において、災害被災地で汗をかいてきた職員の皆さんの経験は、とても心強く感じております。
 そこでお伺いしたいのですが、職員派遣を経験した職員が、その後に都庁内でその経験を共有していく仕組みや機会などはあるのでしょうか。教えてください。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都はこれまで、被災地の要望を踏まえ、インフラ整備や産業振興など幅広い分野に職員を派遣してまいりました。
 被災地派遣を通じて得た経験については、毎年度、支援活動報告書を作成しているほか、業務内容に応じて、派遣後に報告会を開催する等で共有を図っております。

○斉藤委員 私は、幅広い分野に職員の皆さんが派遣されていることはとても重要であると評価しています。
 有事の際には、自治体運営も様々な課題を抱えますし、同時に、被災者の緊急支援、避難所の運営など、限られた時間との闘いの中で仕事をしなければいけません。ぜひこうした職員の皆さんの経験してきたお話や決して簡単ではない復興のリアルなど、都庁内や都民の皆さんにも共有する機会を増やしていただきたいです。また、大学や高校など学校に所属する若者たちにも共有いただき、有事の際に頼れる公務員、都庁職員のキャリアを広めていただければ幸いです。
 先ほど、現在まで続く復興の取組について触れましたが、十二年の月日がたってももともとの地域に帰還が許されない、できない長期避難者の方々を多く出しているのが福島県の被災の特徴でもあります。
 東京都でも、多くの避難者の方々を受け入れ、様々な施策に取り組んできました。他方で、都内避難者への支援は、避難が長期化する中で難しい状況にあると理解しています。支援へのニーズは複雑化し、一概に横並びの対応が難しくなっていると感じてもいます。
 そうした状況下で、相談支援では具体的にどのような相談が寄せられているのか教えていただきたいです。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 避難者が抱える悩みや課題は、被災や避難に直接起因するものから日常生活に伴うものが中心となってきています。
 最近では、健康や医療、精神的な不安、親の介護、家族関係や友人関係などに関する相談が寄せられております。

○斉藤委員 災害は、どうしても発生直後の緊急支援のニーズが注目を受け、その後に続いていく支援がどうしても目立ちにくくなる傾向があると伺っています。
 他方で、長期化する避難生活の中では、発生直後にはなかった問題や課題などが出ることもあります。特に、子供に関する課題などは、避難の長期化がどのような影響を及ぼしているのかまだまだ不透明なことも多いと思います。日本においては、長期避難を要する災害の経験は限定的なため、ニーズをつかむことが難しいとも理解しています。
 そこで、もし分かれば教えていただきたいのですが、都内避難者のうち、子供、若者の教育状況、抱えている課題などの把握はできているのでしょうか。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都では、避難者アンケートや相談窓口の運営等を通じ、都内避難者の状況や課題を把握してまいりました。
 子供や教育等に関しては、発災からしばらくは、就学資金、放射能による子供の健康不安、転校や進学先に関する相談などが寄せられておりました。なお、最近ではそのような声は聞かれなくなっています。

○斉藤委員 ありがとうございます。ニーズがないこと、少なくなってきていることが望ましいとは思いますが、声を拾えていない可能性もあるので、ぜひ注視しながら避難者支援に当たっていただければ幸いです。
 この問題は、単に当該避難者支援という観点だけではなく、強制的な避難を余儀なくされた住民として位置づけるのであれば、災害に限らず移民、難民などの受入れとも接点があります。今まさに中東で起きていることにもつながりますし、どこで、いつ、多様な文化背景を持った方々が移動を強いられるかは分かりません。
 東京都においては、増加する外国ルーツの子供、若者の教育支援にも参考になる可能性もあるとも思っていますので、引き続きの取組をお願いいたします。
 次に、防災について伺います。
 防災対策は、その人その人の置かれている立場や状況によっても変わってくると思います。特に、障害を持つ方やお年寄りなどの要配慮者などは、そうした点がなかなか難しいとも感じています。また、女性の視点での防災なども、ジェンダー的な問題も含め、とても難しい課題を含んでいるとも認識しています。
 女性視点の防災ブック「東京くらし防災」では、音声コードや点字などの工夫がなされているほか、多言語対応もされていると伺っています。この取組の反響や評価などはどのようになっており、今回のリニューアルにどのように生かされているのか教えてください。

○保家総合防災部長 平成二十九年度に発行した「東京くらし防災」は、点字版や多言語版を含め、都や区市町村の施設など約一万か所で配布し、活用を促してまいりました。
 これまでに約二百二十万部配布し、都民の防災意識を高めることに貢献してきたものと認識しており、今回のリニューアルでも、女性をはじめ、高齢者や障害者など多様な視点に立った防災行動を盛り込んでおります。

○斉藤委員 ぜひ、女性に限らずですが、多様な視点を持って防災対策に取り組んでいただきますようお願いします。
 次に、有事における外国人渡航者についてお伺いします。
 東京では多くの国際イベントが行われ、海外から多くのお客様が訪れている。そうした状況下で防災対策はとても重要なことになりますが、例えばデフリンピックなど、海外から障害を持った方々が東京に滞在する場合の有事の対応はどのようになっているのか。部署横断的に対応が必要になると思いますが、教えていただけますでしょうか。

○保家総合防災部長 都では、要配慮者が災害情報を容易に入手できるよう、防災ホームページを英語や中国語などの多言語や、やさしい日本語で提供するとともに、視覚障害者でも内容を確認できるよう、音声読み上げ機能を搭載しております。
 また、防災アプリを活用し、気象警報等の状況や避難所の開設情報を多言語で発信するなど、要配慮者に対する的確な情報提供を行っております。

○斉藤委員 関連してですが、有事の際の避難所運営において、外国人が障害を持っている場合をケースとして捉えているのかについても教えていただけますでしょうか。

○後藤避難所・物資担当部長 都は、避難所において、外国人や障害者を含む要配慮者への対応が適切に行われるように、必要な配慮事項が区市町村が作成する避難所運営マニュアルに反映されるよう東京都避難所管理運営指針に具体的に示し、周知しているところでございます。
 それぞれの要配慮者は、年齢や言語、障害の種別など複数の配慮事項が重なることも想定され、外国人で障害がある避難者の方にも必要な配慮をすることとしてございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。どんなに想定をしても、災害時には全ての対応ができるとは限らないことは理解していますが、世界中からお客様が多く集まる東京としてでき得る限りの想定をしていければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 想定という部分ですが、それぞれの立場で認識をして対策をしていくことは官民を超えて必要ですし、都や基礎自治体との連携もとても重要になると考えています。
 ウェブのNHK首都圏ナビでは、大地震が起きたらあなたのまちはにおいて、二十三区のそれぞれの被害予想を見える化しています。例えば、私が選出の大田区は、エレベーターが千五百も停止になり、水道が一か月使えないなどが紹介されています。
 こうした想定は、民間、基礎自治体、東京都でそれぞれ共有され、協働の下で想定への対策を検討しているという認識でいいのか、ご見解をお伺いいたします。

○八嶋防災計画担当部長 都は昨年、庁内各局に加えまして国や民間事業者、区市町村の代表等が構成員となってございます東京都防災会議におきまして、被害想定の見直しを行ったところでございます。
 これを踏まえ、同防災会議におきまして、本年五月に地域防災計画震災編の修正を行い、防災関係者が連携して対策に取り組んでいるところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。ぜひ市民も巻き込みながら、自治体も協働、連携に向けた取組を進めていただきますようお願いいたします。
 次に、人権についてお伺いします。
 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第十二条に基づく事案の取扱状況について、具体的にどのような申出があるのでしょうか。事案のリストなどあれば開示いただけますでしょうか。

○住野人権部長 都は、都民等の申出を受け、審査会の意見を聞いた上で、当該表現活動が不当な差別的言動に該当すると認める場合は、その概要等を公表してございます。
 審査会の審議は、審査会設置要綱に基づき非公開となってございまして、申出事案の開示は行っておりません。

○斉藤委員 これはとてもセンシティブなことであり、一歩間違えると新たな差別や偏見を生み出す可能性があることは理解しています。他方で、公開の有無は別として、ぜひ、寄せられている多様な当事者の声を踏まえながら、ニーズに寄り添う政策形成をお願いいたします。
 私たちは、東京オリ・パラを進めてきた立場として、人権を考える際に東京オリンピック憲章をとても意識しています。
 そこでお伺いしたいのですが、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例は、都内の在日朝鮮人の方々も対象として内包されているか、ご見解を伺います。

○住野人権部長 人権尊重条例の前文では、東京に集う多様な人々の人権が、誰一人取り残されることなく尊重されるとしてございます。

○斉藤委員 誰一人取り残されることがない、これは本当に大切なことであると同時に、難しいことでもあると理解しています。
 都内で生活する在日朝鮮人の方々の人権は、安易に一くくりにできない複雑な背景があることも重々承知しておりますが、一方で、私たち一人一人が集まることで構成されている東京都という観点で考えると、そこに差別や偏見があることをでき得る限りなくしていくことは当然であると考えています。関連する当事者、団体などからの要請や要望もあるとも伺っていますので、人権の観点からしっかりと向き合っていくことをお願いしたいと思います。
 人権施策や人権の捉え方は多岐にわたるので、在日朝鮮人の方々や外国人、外国ルーツの方々など幅広く多様に向き合うことが求められることはとても難しいことであるのは理解しています。
 近年、職場や学校などで、性的マイノリティーへの理解促進も大きな人権案件となっていると思います。
 そこでお伺いしたいのですが、人権施策では性的マイノリティーへの理解促進が進められていますが、学校教育や市民教育との連携はどのようになっているのでしょうか。総務局の立場としてどのようなアプローチをしているのかお伺いいたします。

○住野人権部長 都では、令和五年三月に第二期性自認及び性的指向に関する基本計画を策定し、不当な差別の解消や啓発等の推進に取り組んでおります。
 本計画では、庁内各局の十分な連携の下、性自認及び性的指向に関する施策等を推進していくこととしてございます。

○斉藤委員 私たちの国では人口減少が社会問題としてありますが、これから、性的マイノリティーの方々や多様なパートナーシップの下での子供、子育ても、可能性としては増えてくると思います。これは同時に権利でもあると思いますし、そうした希望を持つ方々に対して公的なサポート、特に私たち東京都は、多様性の向上、人権尊重を目指していく中で、例えば、東京都は性的マイノリティーのカップルが子供を養育することについてどのようなサポートができるか、ご見解を伺いたいと思います。

○住野人権部長 パートナーシップ宣誓制度は、パートナーシップ関係に係る生活上の不便の軽減など、当事者が暮らしやすい環境づくりにつなげてございます。
 子供がいる場合、病院での付添い時において子供とその親のパートナーとの関係を説明できずに苦慮している事例もあると、そのように聞いてございます。そのため、受理証明書の特記事項欄に子供の名前を記載できることとしてございます。

○斉藤委員 パートナーシップ宣誓制度は、私は、とても大きな一歩であり、この制度をきっかけに、これまで考えることが避けられていた課題や問題にもようやく考える機会が与えられると感じています。
 人口減少社会において、誰一人も取り残さない人権政策、施策をどのように考えていくのか、また、多様な都民一人一人のウエルビーイングをどのように最大化していくのかは、まさに政治が中心になって議論をしていかなければいけないと考えております。
 人権部の皆様におかれましては、日々、都民の人権について議論いただいているとは思いますが、ぜひ引き続きの取組をお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

○石島委員長 議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十分休憩

   午後三時四十分開議

○石島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○桐山委員 ミライ会議、桐山ひとみです。よろしくお願いします。
 まず最初に、派遣職員について伺ってまいりたいと思います。
 これまでも、オリ・パラの組織委員会に派遣をしている職員ということで、今でいう政策企画局あるいは人事委員会等にも質疑をさせていただき、同じような内容を総務局にも質疑をさせていただきたいと思います。
 公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律によれば、条例で定めるところにより職員を派遣することができる団体は、一般社団法人または一般財団法人などのうち、その業務の全部または一部が当該地方公共団体の事務または事業と密接な関連を有するものであり、かつ、当該地方公共団体がその施策の推進を図るため人的援助を行うことが必要であるものとして条例で定めるものと規定をされています。
 そこで、公益的法人等への東京都職員の派遣等に関する条例第二条第二項第一号は、都が出資し、もしくは補助金、負担金その他これに準ずるものを支出し、または事業の委託もしくは役員の派遣を行っている団体と規定されておりますが、都が人件費を負担して職員を派遣することは、事実的には人件費を補助することとなりますが、それは公益的法人への補助として計上すべきではないかと考えておりますが、それはどこに計上されているのか、まずお伺いをいたします。

○石橋人事部長 派遣職員の給与については、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律第六条第二項により、派遣職員が従事する業務が派遣元自治体の委託を受けて行う業務である場合など一定の条件を満たす場合は、条例により派遣元自治体が給与を支給することができるとされており、派遣職員の給与を都が支給する場合は、各局の管理費などに計上されております。

○桐山委員 ただいまのご答弁では、派遣職員の給与を都が支給する場合は、各局の管理費等に計上をされているということでした。
 現在、各局のことはちょっとお伺いできないんですが、現在、総務局から派遣されている職員の人件費等も、いわゆるこの管理費、総務局の予算書の中には管理費等に計上されているんだと思います。
 その予算書では、款、項、目に示されております目の管理費の中の部分で総額が示されているわけですが、節の部分には内訳が書かれているのでしょうか。確認のためご答弁願えればと思います。

○石橋人事部長 総務局におきましては、人件費といたしまして、総務管理費の位置づけになりまして、節の部分につきましては、報酬、給料、職員手当、扶養手当等ということで計上してございます。

○桐山委員 私が何がいいたいかというと、結局、職員の給与を支給するということは理解をするんですけれども、いわゆる派遣をされている職員の方々の給与が実際どこで計上されていて、例えば都民の目に、人材、人件費どのぐらいかかっているのかというのが分からないようになっているので、これは財務局に確認をしたら、統一的に各局も同じような取扱いになっているということだったので今ご答弁のとおりだと思うんですが、課題としては、こういったものを透明性を担保するためにも、そういった内訳を、もう少し節の部分で丁寧に書いていただくような仕組みが必要なのかなというふうに思っています。
 次です。派遣職員が従事する業務は、派遣法六条の二項における地方公共団体と共同して行う業務で、これらの業務が派遣先団体の主たる業務等に該当するとのことで、給与についても都の職員が派遣される場合は都が給与を支給することになっておりますが、派遣法第六条一項は、職員の派遣期間中は給与を支給しないとの原則があります。
 都は例外的措置を取っているとのことですが、これは全ての派遣職員に対して例外的措置を取っているのか伺います。

○石橋人事部長 派遣法第六条第一項及び第二項の規定に基づき、従事する業務などの条件により、各局が各団体との協議の上、取扱いを決定しており、全ての派遣職員に対して例外的措置を取っているわけではございません。

○桐山委員 ありがとうございます。
 公益的法人等への東京都職員の派遣等に関する規則の中でも、別表の中でも示されている八十八か九の団体全てにおいてもほぼ、ほとんどが例外的措置を取っているのではないかなというふうに思っております。そこについては理解するところではあります。
 そして、次にオリ・パラ組織委員会のことでも伺っていきたいんですが、職員の派遣に関する取決め書というのをこの間も質疑をさせていただいております。
 都は、平成二十六年一月に締結をされ、組織委員会における報酬その他勤務条件等について記載をしているが、当該取決めについてはこの間、公開をしていないというふうに説明をいただいております。
 そこで、その取決め事項は、派遣法二条三項によれば、一、報酬その他勤務条件、二、業務内容、三、派遣期間、四、職務復帰、五、その他条例で定める事項とされています。この取決め書については、人事委員会へ写しを提出することになっていますが、総務局人事部としてはどのような役割と手続があり、その文書の保存年限について伺います。

○石橋人事部長 総務局人事部では、公益的法人等への東京都職員の派遣等に関する規則の規定により、各局が派遣法第二条に基づく取決めを新たに締結したときなどは、任命権者として取決め書の写しを当該局から入手し、取りまとめの上、人事委員会に提出しており、その決裁文書と各局からの取決め書の写しの保存年限は一年であります。

○桐山委員 総務局の役割としては、各局の任命権者として、取決め書の写しというものを、原本ではなくて写しは各局が持っていますけれども、写しを、入手をされたものを取りまとめたものを人事委員会に総務局として提出、人事部は提出をしているという流れかと思います。そして、この写しの写しといわれるものだと思うんですけど、その保存年限は一年だというご答弁でした。
 この取決め書の写しを人事委員会へ提出した後は、総務局人事部としては、派遣職員の管理はどこでどのようにデータをシステム管理しているのか伺います。

○石橋人事部長 都は、派遣された職員にかかわらず、人事委員会が定める職員の人事記録に関する規則により、各職員の経歴に関する主要な事項を記録しています。
 総務局人事部では、職員の履歴などを管理するシステムを保守、運用しており、各局等では必要な事項について入力、管理しております。

○桐山委員 ちょっと前へ戻るんですけれども、先ほど取決め書の保存年限を、各局から来ている写しの写しは一年だということだと伺いましたけれども、総務局から派遣をされている団体もありますので、取決め書の原本もあるかと思いますが、その原本保存年限は何年になっているのか伺います。

○猪口総務部長 総務局における派遣法に基づく派遣職員の取決め書の起案につきましては、保存年限は三年でございます。

○桐山委員 各局の取決め書を集めて、先ほども、人事委員会の写しの写しは保存年限は一年だと。原本については三年だということでありました。
 この間、今でいうオリ・パラ準備局がないので、今は、清算法人としての管理としては企画がやっておりますけれども、そのときも保存年限は一年だというふうにおっしゃっていたんですね。
 その原本の考え方なんですけれども、この原本の保存年限三年ということで総務局は理解したんですけど、この三年というのはどのように決めているのか、また、文書管理規則とかあると思うんですけれども、この三年というのはどういうふうな優先順位になっているのか。各局がばらばらな理由があるのか、もし分かったら、確認のためご答弁をお願いできればと思います。

○猪口総務部長 文書の保存年限につきましては、東京都文書管理規則に基づきまして、法令の定め、当該公文書の効力、重要度、利用度、資料価値等を考慮して定めることとされておりまして、各局はこうした規定に基づいてそれぞれ保存年限を定めているところでございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 知事部局の職員の人事管理については、各局がデータを管理しているものをシステム上では把握できているとすれば、派遣職員についての派遣先や派遣の種別、派遣期間、職務復帰などどのようにデータ入力をされているのか教えていただきたいと思います。

○石橋人事部長 一般的に、職員が派遣される際は、各局等において、派遣の発令日、派遣の種類、派遣先、職務復帰の発令日などを入力しており、職員個人の履歴として管理しております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 先ほども取決め書のところで、提出した後、人事部として職員の管理はどういうふうにデータをシステム管理しているんですかということをお伺いしたときにも、内容を打ち込んでいるということでした。今のご答弁でも、各局等において職員が派遣される際は、先ほど、取決め書が団体とあって、それぞれ双方が同意と合意をして派遣が成立するわけですけれども、その中で派遣の発令日とか、種類とか、派遣先とか、復帰の発令日を基準にしながら入力をされているということで、職員の個人の履歴として残っているんだというふうに解釈をさせていただきました。
 ともすれば、私がこれまで、ここで答えられるかどうかは別としてですけども、システム上、例えばオリ・パラ準備局、今ないですけれども、オリ・パラの組織委員会に派遣した職員というのは、一回まずオリ・パラ準備局に職員が集められたところから派遣をされるという認識だとすれば、オリ・パラ準備局の職員の一覧とか、例えば派遣先の組織委員会というのを選んだら、一覧として、要は個別の履歴があるんですから、一覧としてシステム上は閲覧というか抽出できるのではないかというふうに素朴に感じるわけですけれども、それはできるものなのかどうなのか。もしできない理由があったら教えてください。

○石橋人事部長 現在のシステムは職員個人の履歴として管理しているものであり、一覧表を抽出する機能はありません。
 なお、システムにつきましては、再構築に向けた検討を今進めているところでございます。

○桐山委員 今、そのようなシステムになっていないということなんですけれども、普通に、本当に申し訳ないですけど、素朴に考えたら、エクセルとかで自分たちが、例えばですよ、私たちが選挙において、例えば地元の人たちの住所一覧とかがあったときに、例えば地域ごとに検索をしたら出るようにプログラムをつくればできるんじゃないかなというふうに思っているんです。
 こういう使い方を今までしていたのかしていなかったか分からないんですけれども、それぞれの職員の方々が、個人の番号というか、個人の番号が付されていて、それでどこに異動しても、どこに派遣されても、発令日と同時に履歴として残っているということが分かるわけなので、こういったことの仕組みを、ないならつくってくださいというしかないんですけれども、今の単体であってもやればできるんではないかなと思っているので、これまで私は、オリ・パラの組織委員会に派遣されていた職員が四千二百一人で、それの根拠法は、派遣法派遣の派遣と一般職は研修派遣と分類されていて、その内訳はって聞いても把握していないと述べ、さらに、三年以前の派遣職員の内訳を把握できる文書は保存年限が終了しているとのことで、その年限も一年なので分かりません。
 その取決め書に基づいて、先ほど申し上げたように、各局で職員の履歴を入力しているんですから、分かるんですよね、派遣先も分かるし、一覧にできないシステムになっていることに私は問題があるのではないかなと思っておりますので、ぜひこういった入力できる仕組み、システムの構築といいますか、今、行政のデジタル化が進んでいるので、ぜひ、何十年も前と同じような入力の仕方じゃなくて、ぜひブラッシュアップしていただくような取組が必要なのかなということを指摘し、提言しておきます。
 次に、職員研修についてです。人材育成としての職員研修について伺います。
 職員研修には、職場外研修として中央研修と局研修があるとされていますが、東京二〇二〇大会の組織委員会に研修として派遣をしたのは中央研修か局研修のどちらか伺います。

○石橋人事部長 国や民間企業との交流を通じて専門的知識や幅広い視野を養成する派遣研修の位置づけとして、中央研修としております。

○桐山委員 中央研修ということは分かりました。
 東京二〇二〇大会の研修後、企画、派遣、研修レポートの提出、研修効果の判定に当たって、総務局はどのような役割を果たされてこられたのか伺います。

○石橋人事部長 派遣研修の実施に当たっては、各局と総務局とが連携しながら取り組んでおります。
 研修効果の把握等については、所管局の各所属において、面談などを通じて研修の成果等を確認しました。
 総務局においては、地方公務員法第三十九条を踏まえた企業等派遣研修実施要綱に基づき、その運用を適切に管理いたしました。

○桐山委員 ありがとうございます。
 職員については、オリ・パラ以外にもこうやって派遣をしたりすることで、豊富な知識と経験など団体が持つ経験や、また団体が持つ迅速かつ機動的な対応力などそれぞれの強みを生かしながら、相乗効果があるということで、そこも理解をしておりますし、もちろん、研修に行った先でスキルアップを図ってきたり、都民のサービスが向上したり、様々な利益還元につながるような取組というのは非常に必要なことだというふうに認識をしているんですけれども、一方で、総務局の人事部としての職員研修とか職員の人材育成というふうに考えたときに、各局ベースでそうやって研修をした成果とか、面談を通して評価をしていると思うんですけれども、総務局として、人材育成という視点から、各局の、そういった派遣をして帰ってきた取組の中で、どのぐらい、なかなか効果を測るのは難しいのかもしれないですけれども、総務局としては、こういった内容もしっかり把握できる、検証することも必要なのではないかなというふうに考えているので、ぜひそういったことも今後の検討にしていただけないかなというふうに思っております。
 次です。ハラスメントについてです。
 パワハラ、もう最近もいろんな報道があります。権限を有する者によって行われるのが通例なんですが、副知事以下都庁幹部へのコンプライアンス研修や監察はどのようになっているのか伺います。

○貫井理事 法令遵守は公務員に当然求められるものであり、毎年研修を実施しております。
 知事部局等の職員の服務監察につきましては、東京都服務監察規程に基づいて適切に行っております。

○桐山委員 副知事以下の都庁幹部ということで、局長あるいは理事者もそうだと思うんですが、そのお立場になられるいわゆる管理職の方々というのは、そもそも研修対象ではなくて、本来ならば講師として、自らが講師として立っていく立場なのかなというふうに思っています。
 もちろんたくさんの事例を見てきていらっしゃると思いますし、今回伺ったところ毎年研修を実施されているということなので、今申し上げた局長、理事も含めて研修をしているという認識でよろしいんでしょうね。はい、分かりました。
 ハラスメントは、最近、幹部によるセクハラ事件に鑑みて、ハラスメントを受けた者が特定されないように情報を秘匿するのではなくて、幹部であればあるほどその情報を隠蔽する傾向にあるのではないかという危惧を持っています。
 ハラスメントがあった場合の情報公開についてはどのようになっているのか伺います。

○石橋人事部長 懲戒処分の指針において、ハラスメントについての標準的な処分の量定や職員の懲戒処分の公表基準等を定めておりまして、これに基づき対応しております。

○桐山委員 先日、ある記事を見ました。富山県警の警察署長が飲み会で女性職員にセクハラをして本部長注意を受け、依願退職をされたという記事でした。
 この内容については、県内飲食店で男女数人の酒の席に参加をした際に、県警の女性職員に手を握ったり頭をなでるなどして不適切な行為であったと情報が寄せられて、調査をしていたそうです。署長は、ビールや日本酒などを飲み酔っていたといって、女性職員や組織に迷惑をかけ大変申し訳ないと述べられたということの記事でありました。
 こういった記事がどうということではありませんけれども、進退というものは本人が決めることですので、一言、このような文面を見つけて、そういえば同じような例があったなということを申し上げておきたいというふうに思います。
 次です。女性の職員の健康管理についての質問に移ります。
 女性活躍を推進していくためには、女性が働きやすい職場の環境づくりが必要であると考えております。
 そこで、事務事業の概要で見させていただくと、職員の健康管理といって、一般健康診断とか、あるいはその他の検診、ストレスチェックとか様々なところでの職員の健康管理というものは、かなり充実されているんだなという認識です。
 そこで、都庁における女性職員の健康管理に関わる取組についてお伺いしたいと思います。

○田中労務担当部長 知事部局等におきましては、女性特有の疾病の予防及び早期発見のため乳がん検診及び子宮がん検診を行っておりまして、職員に対しチラシやセルフチェックを周知啓発するなど受診勧奨に努めております。また、管理職候補者等に対する研修において、生理休暇や不妊症治療に係る休暇等も含め休暇制度に関する知識を習得させるなど、理解を促進しております。
 あわせて、保健師による健康相談窓口を設置しておりまして、女性特有の健康課題に関する相談を含めまして、職員からの健康相談に対応しております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 女性特有の疾病の予防の早期発見のための、先ほども出ておりましたが、乳がん検診ですとか子宮頸がん検診も行っておられまして、そういった周知や啓発に、受診勧奨に努められていると。また、管理職候補者等に対する研修は、生理休暇とか不妊症治療に関わる休暇、いわゆる女性特有の健康不調というのは様々ある中で、特に、今回触れていただいていないのが更年期の問題なんです。
 私は、更年期というのは結構個人差があって、早い方は早い。ちょうど年齢的にも女性が閉経を迎えて、あるいはホルモンの減少が行ってきたときに、その障害として症状が出るというふうにいわれているものであります。
 特に管理職を、ちょうど自分の子育て等が終わり、そして管理職になって仕事をばりばり働くぞって思っていた矢先にこういった不調を訴えるケースがあって、こういった女性が管理職を断念したり、仕事を諦めざるを得ないという方も中にはいるというふうに聞いております。
 そんな中で、残念ながら今は更年期のことには触れられていないんですけれども、女性活躍というところにおいては女性職員も同じだというふうに思っています。
 そんな中で、今、答弁の中でもいただいていた、多分、更年期の不調を訴えた場合には、健康相談窓口を設置しているので、保健師等に、こういった症状なんだけどというふうなご相談とかはあるのかもしれないです。また、研修等とかというふうにあると思うんですけど、なかなか更年期の障害というか、症状というのが、自分がどういう、本人自身もなかなか気づかなかったりするので、何か今日頭が痛いなとか、今日ちょっと体がだるいなとか、あるいはひどい人だとフラッシュバックといって、本当に急に――フラッシュバックじゃないホットフラッシュか、ぱあっと熱くなって汗がだあって出ちゃったりとか、いろんな症状が、個人差あるんですけれども、そういった症状を自分でまず知るということというのも大事だと思いますし、そういった方々の不調に対応できる仕組みというのも大事なんじゃないかなと思っています。
 そこで、ちょっと確認をなんですけれども、今、生理休暇や不妊治療に関わる休暇があると思うんですけれども、現在、休暇制度における特別休暇の中で、更年期障害休暇というのがあるのかどうなのか確認をさせてください。

○田中労務担当部長 更年期障害による病的な症状の療養のために勤務しないことがやむを得ないという場合には、病気休暇等で対応することが可能となっております。

○桐山委員 今のご答弁だと病気休暇なんです。
 国の方にも働きかけとか、かなりあるとは思うんですけれども、こういう休暇制度に関わる問題というのは、私は非常に、今後の女性活躍、女性職員の方々の働きやすい環境づくりを考えたときには、これ人事委員会の制度なのかな、休暇制度についてはぜひしっかりと仕組みの構築のために要望するなり、そういう女子職員の、女性職員だけじゃないですね、男性も更年期あるんで、アンケートを取るとかそういったところで、ぜひそういった休暇制度を制度化していただくように強く要望しておきたいというふうに思いますので、この問題については終わります。
 次に、行政部の市町村総合交付金について質疑をさせていただきます。
 こちらも先ほどから、委員の方からの質疑があったところですけれども、毎年度、市長会の最重点要望にあるとおり、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図るために創設をされた交付金です。市財政にとっては、各種施策に要する一般財源の不足を補完する重要な財政補完制度として、これまた本当に重要であります。
 そんな中で、市町村総合交付金は、財政状況割、経営努力割、振興支援割給付に、まず一般枠のところではあるかと思うんですけれども、まず経営努力割のところについて一点伺います。
 人事給与、定員管理適正化の取組の中で職員数の削減率というのがありまして、これまで、行財政改革の視点を踏まえると、各自治体の職員の削減率が経営努力割の項目として掲げられ、人員削減の取組を進めてこられた市町村は多いです。
 一方で、行財政ニーズの多様化による事務負担が増加をはじめ、新たな働き方を目指す職員の流出によって職員体制が不足をしている現状から、これから人員削減ができずに、効果が上がらない自治体も多いと聞いています。
 この現状をどのように考えるのか。また今後、人員削減効果の視点を改めるべきだとも考えていますが、見解を伺います。

○武田行政部長 市町村総合交付金の経営努力割は、市町村の自助努力の促進、自主性、自立性の向上に向けて、税の徴収率の向上や歳出削減など市町村が自ら取り組む行財政改革の努力に応じて配分をしております。
 経営努力割の算定項目の一つでございます定員管理の取組につきましては、三十九市町村の職員数の平均増減率や類似団体の職員数を指標とすることで、各市町村が事務事業の効果的、効率的な遂行に要する人員を過不足なく適正に配置できるよう後押しをしております。

○桐山委員 ありがとうございます。そのようになっているんだというふうには理解をするところです。
 これまで、何がいいたいかというと、経営努力割のところで削減効果というところで見てもらえるので、定員を不補充とかしながら、定員、職員の人員削減をしてきたと。でも、今の状況になると、減らすことはもうこれ以上できない、一方で、新しい、東京都もそうですけれども、いい人材が急に退職しちゃったりとかして外に流出をするということもあり、多様なニーズに応えるべく、そういったところでの人員確保も非常に厳しいということも伺っているところであります。
 こういったところで、なかなか、類似団体の指標を見ていらっしゃるところもあるとは思うんですけれども、やはり類似団体でも、例えば給与に跳ね返るように取組を行うといっても、なかなか財政力の、類似団体といってももう財政力は様々なので、そういったところでの厳しさというものもしっかり見ていく必要があるのかなというふうに懸念もしています。
 次に、政策連携枠のところに移っていきたいと思いますが、政策連携枠の子育て支援についてのリーディングプロジェクト等というところがあると思います。子供の笑顔につながる遊びの推進という項目がある中で、自治体においては、公園遊具の、例えば経過年数ですよね、経年劣化とともに予防安全対策として、スプリング遊具とかそういった遊具の更新を計画的に実施をしている自治体も多いかと思います。そういったところで、政策連携枠では、公園の改修は不特定多数の利用者という判断から認めてもらえない現状にあるというふうに聞いております。
 遊具を利用するのは主に子供であることから合致するのかなと思っているんですが、公園遊具の更新を対象とするように見直しの検討などできないのか伺います。また、どのような取組だとこういった公園遊具の更新をするときに使えるのかどうなのか、認めてもらえるのか伺いたいと思います。

○武田行政部長 政策連携枠の少子化対策では、育業の取得促進、子育て支援拠点の整備、子供の居場所づくりなど、市町村が地域の実情に応じて行う少子化対策に資する新たな取組を支援対象としてございます。このため、広く一般市民を対象とする取組ですとか経年劣化に伴う維持更新については交付対象外としております。
 また、公園の改修において、例えばインクルーシブな遊び場やプレーパークの整備などについては、こうした観点に沿う取組として支援の対象としてございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 こういった課題もあるんだなということで提案させていただいているんですけれども、質疑させていただいているんですが、今伺いますと、確かに新たな取組に充当するんだということ、今申し上げたように、公園の改修は不特定多数の利用者という判断から認めてもらえないんだけど、経年劣化も認められない、でも、その遊具を安全対策のために、本来もう更新したい、替えたいといったときに、例えばでおっしゃっていただいたインクルーシブ公園ってあると思うんですけれども、インクルーシブな遊具ということに替えたりとか、あるいは、そこの取組の中で付加価値をつけるのかな、プレーパークの整備をしていくとか、そういった取組をしていけば支援の対象としているんだよということだと思うんです。
 こういった取組も、なかなか分かりづらいと思うので、ぜひこういう、市町村の課長会を通してなのか分かりませんが、そういったところでこういった情報提供をやっていただかないと、これは認められてこれは認められないみたいな、この査定がどういうふうになるのかというのが、こういうふうに替えればこうなるんだという使い方も、検討材料に多分、各それぞれ市町村がなると思うので、ぜひそういった取組は必要かなというふうに思っています。
 また、インクルーシブ遊具って結構高額なので、なかなか手を出せないということも伺っております。
 ゼロエミッションの推進について伺います。
 公共施設のLED化というのがあると思うんですが、自治体においては将来の環境負荷を低減するためには様々な環境対策を実施しているところです。その一つとしては公共施設のLED化があります。その中で、費用対効果を比較検討すると、交付金の対象である改修というよりも、例えば十年リースによる導入の方が効果は高いというふうに試算をされていても、リースそのものが債務負担を設定する経常経費との判断から、対象とならないということで認めてもらえないということであります。
 今後も、学校施設のLED化という、各それぞれの市町村もどんどん順次進めていくことになると思うんですけれども、例えば初年度だけでもリースとして、債務負担を十年組んだとしても、初年度だけの整備の段階での検討はできないのかということについてお伺いしたいと思います。

○武田行政部長 ゼロエミッションの推進では、公共施設への太陽光発電の整備の導入やLED照明の整備など、市町村が新たな取組において負担の大きい初期費用を支援しておりまして、維持管理やリースに係る経費など経常的経費については交付対象外としております。

○桐山委員 はい、分かりました。
 次に、財政力の弱い自治体にとっては、農地保全という政策についても、産労が行っている制度を利用してもその裏負担分の支出が厳しい自治体にとっては、今後、環境対策等も含めた政策としてその経費を認めてもらえるよう政策連携枠に入れてはどうかという意見もいただいております。
 今後、政策連携枠のテーマ設定についてはどのようにされていくのか伺います。

○武田行政部長 政策連携枠は、都と市町村が連携して取り組むべき政策課題に重点的に対応するため、平成三十年度から導入したものでございます。
 これまで、デジタル化や脱炭素化など時代の変化に即した新たな課題に対応するため、対象項目の追加をしているところでございます。

○桐山委員 今ご答弁のあるように、政策連携枠のテーマ設定、平成三十年度から導入をされて、まず待機児童対策、電気自動車の導入、消防団活動の充実から始まって、令和三年度には行政のデジタル化が入り、そして令和四年度にはゼロエミッションの推進、働き方改革、地域振興だったり、令和五年度には少子化対策ですね、入ってきたというふうに認識をしています。
 例えば待機児童対策というものについては、これまで待機児童対策はずうっと、三十年度から四年度まで続いていて今も続いているんですけれども、保育園の待機児童は、それぞれの市町村においてはもうほぼ終了していて、そこで何かをやるということはまずないんだけれども、それは終わっていることなんだけれども、令和五年からは学童の待機児童対策というふうに、少し内容も拡大をされているというふうに認識しています。そうすると今後、政策連携枠のテーマって、継続して運用はあるけど、テーマも増えていくから、すごく今後増えていくのかなというふうに想像するわけです。
 来年度のことなんですけれども、例えば、先ほども農地保全の話とかも申し上げたんですけど、今、知事一推しのグリーンビズというのがありますよね、グリーンビズ。これ政策連携枠に入ってくるんじゃないかなというふうに想像しているわけです。
 グリーンビズ、つくる、増やす、生かすという、緑をそういうふうにしていきましょうということなので、それに対しての、確かに区市町村についてはなかなか費用負担を、緑に対して費用負担をしていくというのはなかなかの至難の業なんでございまして、財政力が豊かなところじゃないとなかなか手を出せないところなんですが、そういった取組も今後あるのかなというふうに思うわけであります。
 で、最後の質問なんですけれども、この政策連携枠として、都の政策を市町村に、先ほども何個もいろいろ聞きましたが、ひもづけるのではなくて、市町村の自主性を尊重して、政策連携枠という縛りをなくして市町村総合交付金を増額すべきだと考えておりますが、都の見解を伺います。

○武田行政部長 政策連携枠も含めた市町村総合交付金は、市町村が行う各種施策に要する一般財源の不足を補完するためのものであり、制度創設以降その拡充を図ってまいりました。
 政策連携枠については、市町村からの要望も踏まえ、より使いやすい制度となるように、その対象を拡大するなど制度の充実に努め、市町村の取組を強力に後押ししてまいりました。
 引き続き、政策連携枠を含めて、市町村総合交付金を有効に活用していただけるように、市町村の意見も踏まえて適切な支援に努めてまいります。

○桐山委員 先ほども委員との質疑の中であったように、広域自治体として広く課題に取り組み連携することは大変重要だと思っておりますし、知事が市長と直接意見交換をすることも非常に大事だというふうに認識をしております。
 でも、そんな中で、先ほど何個か例を挙げて質疑をさせていただいたように、ひもづいているといういい方をさせていただいておりますけれども、政策連携枠って、これは認めるけどこれは駄目よというのがやっぱりあるわけであります。
 そういったことを踏まえると、先ほどもご答弁にあったように、政策連携枠については市町村からの要望も踏まえて、より使いやすい制度となるようにその対象を拡大していると。では、拡大をするんだったら、もう少し、先ほど申し上げたような使い勝手のいい中身にしてもらわないといけないし、それができないのであれば、市長会の要望でも高いように、できるだけ一般枠、政策連携枠をなくして一般枠の方で増額できるような仕組みだと自由度が高まるんではないかなというふうに思いますので、ぜひ今後、そういった課題をしっかりと捉えながら取り組んでいただきたいというふうに思って、市町村総合交付金については終わります。
 次に、防災関連について質疑を進めます。
 まず、避難所運営支援について伺っていきます。
 私は以前、厚生委員会に所属をしていた際に、避難所管理運営指針の改定の際になぜ当時福祉保健局の少子社会対策部の扱いで答弁をされているのかというふうにすごく感じていました。一般の指定の避難所と福祉がやらなきゃいけない福祉避難所、両方取扱いを管理して、司令塔というような形で取り組んできたのかなというふうに思っているんですけれども、非常に無理があるんじゃないかなという印象でした。
 そこで、今年の七月に避難所運営支援に関する業務を福祉局から総務局総合防災部に移管したとのことですが、これはどのような趣旨で移管をしたのか、具体的にどのような役割分担が変わったのか伺います。

○後藤避難所・物資担当部長 七月の組織改正に合わせ、各局の役割分担を改めて精査し、避難所運営支援に関する業務のうち、平時の区市町村支援業務を総合調整機能を有する総務局総合防災部が担い、実際に発災した際の支援業務を、都の災害対策本部との連携の下、福祉局が担うこととしたところでございます。

○桐山委員 大変だったんだなというふうに思うわけであります。
 そこで、一問ちょっと確認なんですけれども、先ほど平時と発災時というすみ分けというふうに解釈をしているわけですけれども、福祉局としては福祉避難所のみを受け持って、この指針管理ですよね、避難所管理運営指針というのがあるんですが、この指針管理は総合防災部で平時のときから対応していくという解釈でよろしいのか、確認のためお願いします。

○後藤避難所・物資担当部長 お話のとおり、一般の避難所に関わる指針につきましては、総合防災部が総合調整機能の中でつくると。福祉局の方におきましては、福祉避難所の方の指針等も含めて対応させていただくという役割分担になってございます。

○桐山委員 ありがとうございました。
 次です。総務局の令和五年度事務事業概要の冊子の中に、過去の災害の教訓や女性の参画、要配慮者などの多様な視点等を踏まえ、区市町村の適切な避難所管理運営を支援していくとありますが、具体的にどのように区市町村を支援していくのか伺います。

○後藤避難所・物資担当部長 都は、東京都避難所管理運営指針を作成し、その中で、避難所における女性の避難所運営委員会への参画を促すほか、避難所において配慮を要する方々への配慮事項も示し、区市町村が適切に避難所を管理運営していけるよう支援しているところでございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 今、すみ分けの中の話があったと思うんですけれども、福祉避難所の方は福祉局が担当をこれからもされていくということですけれども、地域においてなかなか、区市町村の中でもそうですけれども、福祉避難所にすぐに行けない場合は一般の避難所に障害のある方や配慮を要する方がいらっしゃることもあることを想定して、しっかりと区市町村で適切に、そういった方が来ても対応できるように、管理運営していくように支援していくんですよということだと思いますので、引き続きしっかりと市区町村をサポートしていただきますようよろしくお願いいたします。
 最後ですけれども、最後にちょっと何点かあるんですが、先ほどから出ていた防災ブックの配布、防災ブックのリニューアルのことについてお伺いをしてまいりたいと思います。
 まず最初に、都は、防災ブックをリニューアルされて、都内の全世帯に配布をしておりますが、マンション等の集合住宅への配布などにおいて、前回「東京防災」を配布した際の経験から、改善をしてきたことは何かあれば伺います。

○保家総合防災部長 平成二十七年度の「東京防災」配布時には、高層マンション等の集合住宅において、管理人に許可をもらえず配布できないケースが発生しました。
 こうした経験を踏まえ、今回は、必要に応じて管理人等に事前に連絡を取り、防災ブックの重要性を説明して、管理人等から各世帯に配布いただけるよう改善しております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 リニューアルをした防災ブックを都内の全世帯へ配布するに当たり、居住しているかどうか分からない場合があると思うんですね。アパートとか、先ほども高層マンションとか、今おっしゃっていただいたように確かにほとんどオートロックになっていたりとか、管理人が常駐してチラシお断りって最初から書いてあったり、いろんなことがあると思うんですけれども、居住をしているかどうか分からない場合にも配布を、今、ポスティングをされているのかどうなのか伺います。

○保家総合防災部長 防災ブックは原則として全世帯にポスティングを行っておりますが、ポストにテープが貼られているなどの状況から明らかに住んでいないと判断できる場合は配布しないこととしております。
 また、必要に応じてインターホンを押すなど、状況確認を行っております。

○桐山委員 前回の教訓の中で、なかなか配布できない、先ほどもやり取りがありましたけれども、やはり全ての都民の方に配布できるようにしたいんだという強い思いなのか、必要に応じてはインターホンなどを押されながらでも配布をされる努力が感じられるかなというふうに思っています。
 都は防災ブックを、これは無償配布ですよね、ポスティングなので無償配布をされていると思います。そういうふうに、表面にもたしかそういうふうに記載があったかと思うんですけれども、現在、前回もそうだったんですけれども、既にメルカリとか転売サイトで出品とか売買されているんですね。
 都として何か対応しているのか伺います。

○保家総合防災部長 防災ブックは、自分や家族の命を守る重要な情報を確実に全世帯に届けるために配布しているものであり、大手転売サイトには、防災ブック配布開始前から当該冊子の出品があった際には削除していただくよう申入れを行っております。

○桐山委員 今のご答弁ですと、そういうのは確認をされていて、大手転売サイトには、防災ブック配布開始前からそういった出品があった際に削除していただくよう申入れしていると。
 これは非常に難しいのかなと思っているんですけれども、多分依頼を、削除していただくよう申入れをしているんだと思うんですけれども、実際開いてしまうと、日に日に増えていっているという状況を目の当たりにすると、今、サイトの方では、今どこが配布をされていて、地図上で分かりますよね、どこが配布されていて、どこが、今何区のところが配布されていますとかいうのが分かると、ある程度地域を特定されてしまうんですけど、引き続きしっかりと、こういった申入れは必要かなというふうに思っています。
 視覚障害や聴覚障害がある方、または盲ろう者などの複数の障害がある方もいますが、リニューアルした防災ブックは、障害のある方にもご活用できるようどのような配慮をされてきているのか伺います。

○保家総合防災部長 防災ブックは、障害のある方にもご活用いただけるよう、例えば、視覚障害者向けに音声で内容を確認できる音声コードを掲載しているほか、聴覚障害者向けに各種問合せ先の電話番号と併せてメールアドレスを記載するなどの対応も行っております。
 また、本人のみならず、ご家族などの支援者に向けた情報も掲載することにより、障害のある方をサポートできる内容としております。

○桐山委員 前回の八年前、五年前でしたっけ、から比べると、障害のある方にも活用いただけるように、こういった音声コードとか掲載をしてきたということが分かりました。
 しかしながら、今、情報コミュニケーションとか、情報アクセシビリティーの関係から、やはり特に盲ろう者の方々への配慮ということが、非常にアクセスが難しいということで、工夫がこれからも必要だなというふうに思っておりますので、引き続き、そういった盲ろう者の方への発信の仕方というんですかね、情報アクセスしやすいような仕組みというのは今少ないと思っておりますので、そういったことを拡充できるように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 先ほど、部数と金額については委員から出ていたので、総額では約二十八億円だと。二十七億一千四百万円ということで、七百七十万部。前回は七百五十万部配布して、印刷、配送料合わせた経費が前回の場合は二十一億円ですか、二十一億一千七百万円というふうに聞いておりますので非常に上がってはいますけれども、まず、そこでお伺いしたいのが、電子版の方も公開を、九月かな――そうですね、「東京防災」は八年ぶりで「東京くらし防災」は五年ぶりにリニューアルして九月一日に電子版を公表されているんだと思うんですが、この電子版が公開され誰でもアクセスできるようになっているのに、なぜ改めて紙で印刷して全世帯に配布する必要があるのか伺います。

○保家総合防災部長 防災ブックには、自分や家族の命を守る重要な情報が盛り込まれており、都民の皆様一人一人に確実に情報をお届けするため、全世帯に配布しているところでございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 費用対効果の面から、総額二十八億円が、これが本当に実際、今、電子版もアクセスできるようにしている、両方、私も、先ほどの池川委員の話もありましたけれども、一概に紙を全てなくせというふうには思っていません。
 しかしながら、先ほども何度もいいましたけれども、高層ビルで入れない人の世帯に配布、全員にはしたいんだけれどもできないこともありますし、もちろんチラシと同じように、そのまま中身も見ずに廃棄される方もいると思うんです。確実に防災意識を高めていく、あるいは中身を見て、様々な備蓄品をそろえるとかこういった避難をするとか、そういったことの都民の知識とか防災意識を高めることのために費用って使っていってもらわなきゃいけないことだと思うんですけど、そこで最後の質問ですが、今回配布後、都民の防災意識の検証ってどうやって行っていくのか伺います。

○保家総合防災部長 都は、防災ブックの配布をはじめ、都民の自助、共助を高めるための様々な取組を実施しております。
 今後とも、毎年度実施している防災に関する都民の意識調査の結果なども踏まえながら、都民の防災意識のさらなる向上を図ってまいります。

○桐山委員 自助、共助を高めるため様々な取組を実施していて、防災に関する都民意識調査というのは毎年されているんだということです。
 だとすれば、防災に関する都民の意識調査の項目の中に、せっかく防災ブックを全世帯に配布するんですから、できるだけ多くの都民の方々に、この防災ブックを実際知っているのかとか、手にしたのかとか、読んだのかとか、それをどう活用したのかとか、そういった項目を入れてしっかりとそういった調査をしていく必要があるというふうに思っておりますけれども、今後、その点については取組をどういうふうにされていくのか、お考えがあったらぜひ見解を伺いたいと思います。

○保家総合防災部長 先ほど申し上げました防災に関する都民の意識調査におきましては、非常に多様な項目において調査を行っているところでございます。自助、共助を高めるための取組に関して、様々な形で検証をしていきたいと考えております。

○桐山委員 私も申し上げましたように、ぜひ検証をやっていく必要性はあるのかなというふうに思っているので、やはり都民の命を守っていかなきゃいけないということにおいて、こういった総額二十八億円使って全戸配布するのですから、ぜひそういった効果検証も含めて、都民の防災意識が高まることに期待をして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○早坂委員 総務局には大きく三つ、文書の取扱いと東日本大震災の復興支援、そして緊急事態条項についてお伺いをいたします。
 まず、東京都が受け取る文書の取扱いについて伺います。
 私たち東京都議会は、国に対して意見書を提出することがあります。この意見書作成に当たっては、同僚議員の皆様はよくご存じのとおり、その内容の調整に各党、各会派間で相当な時間とエネルギーを費やしています。
 意見書の宛先は、所管大臣であったり衆参両院議長宛てだったりしますが、私が知る限り、東京都が提出した意見書について国会議員と話題になったことはただの一度もありません。恐らく国会議員がその内容を共有する仕組みができていないのではないかと想像します。意見書を提出する側は必死ですが、受け取る側の扱いは実に軽いと思います。
 そこで考えました。私ども、東京都知事や東京都議会議長宛てにも、都内各区市町村からたくさんの意見書が届いているはずです。しかし、私の十八年間の議員生活の中で、ただの一度もそれを見たことがありません。提出する側の区市町村は、私たち東京都議会が国に対して提出する意見書の内容の調整に相当な時間とエネルギーを費やしているのと同じであろうはずなのにです。
 都庁には、知事宛てに日々たくさんの意見や要望が寄せられているだろうと思います。そうした意見や要望には、今申し上げた、区市町村が地方自治法九十九条を根拠に国や東京都知事宛てに出す意見書のほかに、個人やグループが自由にお出しになるものがあります。それらは都庁の住所宛てに郵便物で送られてくるものだろうと思います。
 そこで、そうした知事宛ての郵便物を、誰がどのような基準で仕分しているのか伺います。

○猪口総務部長 都の本庁に到達した知事宛ての文書につきましては、文書管理規則に基づき総務局文書課で受領いたしまして、原則開封の上、各局の庶務主管課に配布しており、各局におきましては、到達した文書を各主管部署等に配布してございます。

○早坂委員 日々大量に届く知事宛ての郵便物は、総務局総務部文書課が原則として開封し、その内容を見て各局に振り分けるとのご答弁でありました。
 さて、話は戻りますが、区市町村が地方自治法九十九条を根拠に提出する都知事宛ての意見書は、区市町村の皆様の熱い思いが込められたものだろうと思います。区市町村の皆様が東京都に対してどのような意見をお持ちなのか、私は東京都議会議員としてその内容を知りたいと思います。しかし現状では、各局に振り分けてそれで終わり。その内容は各局だけが知っているという状況です。
 そこで、今後は、地方自治法九十九条に基づく東京都知事宛てに届いた区市町村からの意見書は一括して、例えば都庁ホームページに公開するなどしていただきたいと思います。その内容を知ることは、都民やその代表である都議会が都政の方向性を考える際の参考になるからであります。よろしくお願いをいたします。
 次に、東日本大震災の復興支援について伺います。
 今年は、関東大震災から百年であるのと同時に東日本大震災から十二年、つまりちょうどえとが一回りの年であります。
 我が東京都議会のメンバー構成は、十二年前と比べれば入れ替わりが相当ありました。この総務委員会は十三人のメンバーで構成されていますが、当時のことを知っているのは、まつば委員と私の二人だけとなりました。
 そこで当時、東日本大震災の復興支援に都庁がどんなことをしたのか、つぶさにはご存じでない同僚議員もいらっしゃると思いますので、ほんの一部ではありますが、当時を振り返り、それが十二年後の今どのような成果を上げているのか、あるいは上げていないのか、考えてまいりたいと思います。
 東日本大震災が発生した二〇一一年、平成二十三年三月十一日は、都議会第一定例会の最終日でありました。二週間後の三月二十四日告示の都知事選に、石原慎太郎知事が四期目の出馬宣言をこの最終日の本会議で行い、閉会。本会議が閉会したのが午後二時二十一分。石原知事が各会派への挨拶回りを終えた直後の午後二時四十六分に、ここ東京都庁も甚大なる揺れに襲われました。
 死者、行方不明者合わせて二万二千人を超える人的被害をもたらした大震災でしたので、石原知事は選挙活動を一切行わず、その代わりに防災服を着て都庁職員に指示を出す姿を連日マスコミで報道してもらうことが、結果的に最大の選挙運動になりました。
 都庁では、いち早く岩手、宮城、福島の三県に現地事務所を開設し情報収集に当たったほか、警察、消防、医療関係はもちろん、罹災証明などを行う一般行政職員や、上下水道や道路、港湾などの技術系職員を、その時々のニーズによって大量に派遣しました。私は何度も被災地に足を運びましたが、どこに行っても都庁の防災服を来た職員の姿を見つけ、大変誇らしく思ったものであります。
 発災から十二年後の現時点での被災三県への都庁職員の派遣状況について伺います。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 被災三県のうち岩手県、宮城県は、道路、河川等のインフラ整備がおおむね完了するなど派遣需要は減少し、石巻市の一名を除き、令和四年度で派遣は終了いたしました。
 福島県では、避難指示が一部解除されるなど復興、再生が本格化するところであり、県のニーズを踏まえ、現在においても十一名派遣しております。

○早坂委員 都庁が行った幾つかの復興支援について紹介します。
 一つは広域火葬協力です。当時、被災地では、大量の死者が発生したことに加え、火葬場が被災したり燃料不足であったことからご遺体を火葬することができず、やむを得ず土葬をしていました。都庁は、厚生労働省や全国知事会からの要請で、被災地のご遺体を東京都の火葬場で受け入れると最低三度も返答したのに、一向にご遺体は運ばれてきませんでした。
 被災三県の都庁現地事務所の職員が事情を調べたところ、広域火葬協力の仕組みは、被災した自治体がご遺体を東京都まで運んでくるというものでありました。しかし、被災県にはそんな余裕はなく、諦めていたということが分かったのです。
 それならばということで、都庁は東京都トラック協会にお願いしてトラックと運転手さんを出してもらい、また東京都石油商業組合経由でトラックの輸送ルートにあるガソリンスタンドで給油ができるように頼んだ結果、八百六十体のご遺体を東京で火葬して、お骨をお返しすることができました。都庁が広域火葬協力を行って以降、土葬は行われなくなりました。
 発災から一年半後に、私は宮城県気仙沼市役所で、当時この広域火葬協力の担当職員だった方にお話を伺う機会がありました。その方は、あんなにありがたいことはなかったとおっしゃり、そのときの記憶がよみがえってきたのでしょう、しばらく絶句して沈黙が続いたということがありました。
 二つ目は、福島県の教員採用です。当時、福島県では六千人の児童が県外避難をしているため、福島県の小学校教員の新規採用を中止せざるを得ませんでした。そこで、五年後に福島県の小学校で働くという約束で新規教員を都庁が五十人募集し、それまでの五年間を都内の小学校で働いていただくということにしました。
 今日のこの質疑に当たって東京都教育庁に確認したところ、このとき四十六人が採用され、約束の五年後に二十六人が福島県の小学校で働き始めたということです。ちなみに、東京都の小学校に残った方が十四人、それ以外の六人は退職したとのことであります。すばらしい成果を上げたと思います。
 三つ目は、被災地応援ツアーです。東京都内に在住、在勤、在学の人が岩手、宮城、福島の被災三県を旅行する場合に、最大二泊六千円まで助成するという仕組みです。日帰りでも助成されます。東日本大震災が発生した半年後の平成二十三年九月からこのツアーが始まり、昨年度末、つまり令和五年三月までに二十一万八千泊、日帰り旅行では六万八千人もの利用がありました。
 コロナでしばらく中止になったものの、現在でも福島県への旅行には助成が受けられる仕組みが続いています。これは、単に旅行業者だけでなく、被災地全体に幅広い経済波及効果をもたらしたほか、東京の人たちがどんどん被災地を訪れることで、被災した皆さんを勇気づけるということにもなりました。
 四つ目は、震災瓦礫の受入れです。東日本大震災では、岩手県で通常の九年分、宮城県では通常の十四年分の災害廃棄物が発生しました。まちじゅうに散乱したこの膨大な量の廃棄物を処理しないことには、被災地の復旧、復興が進みません。
 そこで、東京都は、被災地で発生した十七万トンの災害廃棄物を受け入れ、都内で処理しました。特筆すべきは、被災地から都内までの輸送を東京都側が担ったことであります。
 五つ目はと続けたいところでありますが、時間が幾らあっても足りませんので、都庁が行ってきた震災支援策の紹介はこれで終わりにしたいと思います。
 十二年後の今、当時のことを振り返ると、都庁のあらゆる部局が自分たちに何かできることはないかと必死で考え、それを次々と実行していったことに、都庁職員の皆様の限りなく熱い思いを感じます。広域火葬協力は保健医療局、福島県の教員採用は教育庁、被災地応援ツアーは産業労働局、震災瓦礫の受入れは環境局。都庁のあらゆる部局が、自分たちにできること、そして自分たちにしかできないことを考えたのです。
 困ったときはお互いさま。東京都らしい、そして東京都にしかできないような復興支援策を次々と繰り出していった当時の都庁職員の皆様の熱い思いは、十二年後の今の職員の皆様にもきっと脈々と引き継がれているだろうと思います。それは、防災のみならず都政のあらゆる課題について当事者意識を持ってという意味でもあります。
 さて、被災地からの都内避難者数は、震災発生から一年後の平成二十四年四月に最多の九千五百人を数えました。
 現時点での都内避難者数について伺います。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都内の避難者数は、令和五年八月一日現在で二千八百四十七人となっております。そのうち、福島県からの避難者が二千二百九十五人で約八割を占めており、その他、宮城県が三百七十一人、岩手県が百七人となっております。

○早坂委員 国は、震災発生から十年間を復興期間と位置づけていました。
 発災から十二年となった今、国の復興に対する位置づけはどのようになっているのか伺います。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 国は平成二十三年に、東日本大震災からの復興の基本方針を定め、令和二年度までの十年間を復興期間としました。このうち、復興需要の高まる当初五年を集中復興期間、後半五年を、被災地の自立につながり地方創生のモデルとなるような復興の実現を目指す復興・創生期間と位置づけました。
 この復興期間中に、引き続き対応が必要な事業や新たな課題が明らかになったことから、令和元年に国は基本方針を新たに策定し、令和三年度以降における復興の取組や組織等の方針を定めました。
 国は、令和三年に同基本方針を改定し、原子力災害被災地域については国が前面に立った中長期的な対応が必要であり、当面十年間、本格的な復興、再生に取り組むとしています。

○早坂委員 ここまで、都庁が行ってきた震災復興策と現時点での状況について伺ってまいりました。
 首都直下地震や東海、東南海、南海地震、大島、三宅島あるいは富士山の噴火、大雨や台風など今後想定される自然災害は、いずれも甚大な被害が予想されるものばかりです。災害の発生そのものは防げませんが、それによって発生する被害は私たちの英知によって減らすことができます。
 東京都らしい、そして東京都にしかできない取組をこれからも続けていただきますようお願いをいたします。
 最後に、日本国憲法に現時点では定められていない緊急事態条項について、現場で災害対応に当たる自治体からの観点で伺います。
 法律による行政の原理というものがあります。行政活動は、行政機関独自の判断で行われてはならず、国民の代表で構成された立法府が定めた法律に従って行わなければならないという原理のことをいいます。
 行政機関はその活動によって、国民に義務を課したり権利を制限したりすることができます。例えば、課税処分や営業停止処分です。このような活動を行政機関が思うままに行えるようにしてしまえば、国民の自由や権利が侵害されるおそれがあります。そこで、国民の代表者で構成された立法府で定めた法律によって行政をコントロールしようという考えです。これが、法律による行政の原理であります。
 さて、災害対策基本法は、国内で災害が起きるたびに改正されています。災害現場の状況と法の内容に隔たりが見つかるからだろうと思います。
 そこで、東日本大震災を契機に改正された災害対策基本法の内容について伺います。

○保家総合防災部長 国は、東日本大震災以降、災害対策基本法について、大規模災害時における緊急車両の通行ルートの円滑かつ迅速な確保や災害により生じた廃棄物の円滑かつ迅速な処理に向けた改正など、数次にわたって所要の改正をしております。

○早坂委員 災害が起きるたびに災害対策基本法が改正されるのは、法律による行政の原理を徹底する上で必要なことです。
 一方で、災害現場に直面する自治体の立場からすれば、待ったなしの対応が求められます。そこで、地方自治法百七十九条では専決処分を定めています。専決処分とは、議会の議決すべき事件について、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであるときに、例外的に首長が議会の議決なしで意思決定することです。もちろん、その内容は次に開かれた議会に報告され、承認を得る必要があります。
 ちなみに、地方自治法百七十九条のこの部分は、平成十八年に追加されたものです。つまり、平成七年に発生した阪神・淡路大震災でその必要が認識されたからです。
 自治体において認められているこの専決処分は、国においては認められておりません。憲法四十一条に、国会は、国の唯一の立法機関であるとあり、その例外規定は定められていないからです。その例外規定のことを緊急事態条項といいます。
 もちろん、国会の議決なしでオーケーだから行政府が何をしてもよいというわけではありません。どこまで何を認めるか、そしてそのチェックの方法については国会での議論を待ちたいと思いますが、自然災害、感染症、外国からの武力侵攻など非常事態発生時には、いつものように国会で精緻な議論を待つ余裕はなく、次々と意思決定を行っていく必要があることは想像にたやすいことです。
 岸田総理は、ご自身の自民党総裁任期中、すなわち来年九月までに憲法改正を成し遂げると何度も発言しています。その改正内容の一つが、この緊急事態条項の追加です。
 日本国憲法が施行されて七十六年、人間でいえば後期高齢者です。この間、様々な社会の変化がありましたが、憲法はただの一度も改正されないままでした。これでは、現状にそぐわない部分が出てくるのは当然であります。岸田総理は、ご自身の公約を守り、何としても憲法改正を成し遂げていただくよう、防災の観点から強く期待します。終わります。

○菅原委員 今日の議論は、復興支援がそれぞれの委員から出されております。私も、東日本大震災の被災地の復興のことから入りたいと思います。よろしくお願いいたします。
 都は、東日本大震災以後、被災地の復興のために様々な取組を行ってきました。今回は、復興支援策についてのお伺いです。
 まずは、東日本大震災の被災地である福島県に対する職員派遣の実績について伺います。お願いします。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都は、被災した自治体の要望を踏まえ、一か月未満の短期派遣のほか、技術系、事務系職員を中心に、一か月以上の中長期派遣を行ってまいりました。福島県には、発災直後からこれまでに、延べ二百二十四名の中長期派遣を行っております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 今の答弁のように、多くの職員が復興支援として派遣されて業務に当たってまいりました。これらの職員がどのような業務を行ってきたのか、答弁をお願いいたします。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都の派遣職員は、ハード、ソフトの両面にわたり復興業務に携わってまいりました。
 ハード面では、震災により被害を受けた道路、港湾などの公共インフラの復旧、復興や地域の中核となる病院の整備、復興公営住宅の建設などに取り組んできました。
 ソフト面では、医療人材の確保などの医療提供体制の再構築、復興公営住宅におけるコミュニティの形成、県の主要農産物である桃等の消費、販路拡大などの業務に従事してきました。
 これらの業務を通じて、福島県の復興に貢献してまいりました。

○菅原委員 ありがとうございます。
 私も、東日本大震災の直後の一年間は毎月被災地に通って、当時の復旧ですね、復旧のボランティアをしてまいりました。その後も定期的に、今も通っておりまして、少なくとも四十回とか五十回ぐらいは現地に通っております。
 今でも、福島県南相馬市の小高地区では、南相馬市ボランティア活動センターが民間主導で運営されております。多分、東日本大震災以後で今も運営されているセンターというのは、ここ一か所だと思います。
 現地では、いまだ帰還が難しい人々がおりまして、その方々がふるさとに帰る気持ちを保ち続けるために、雑木林や草刈り、または側溝、または個人宅の掃除をしており、私も毎年ボランティアで訪問を続けております。
 この地域は原発の二十キロ圏内でもありまして、今でも風評被害とも闘っている地域です。そして、今年は新たな課題も起きております。
 原発のALPS処理水の放出は、十一月二十日に三回目の放出を終了いたしました。東京電力の発表によりますと、原発周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度は、国が定めた安全基準を下回っているということです。ALPS処理施設は多核種除去設備といいまして、六十二種類の放射性物質を除去できる施設で、そこで処理された水をALPS処理水というそうです。
 ALPS処理水については安全性の確保が最重要な課題でありまして、政府としては、かなり厳重な管理と調査を行っているというのが私の実感です。結果として、ALPS処理水の海洋放出は、国内だけではなくて国際的には十分に許容できる状況だと考えます。その状況は、経済産業省、資源エネルギー庁、外務省など幾つかの省庁からも報告がされております。
 しかし、残念ながら根拠のない宣伝をする国もあります。根拠のない風評には、国として毅然とした対応が求められますし、被災地の福島を応援するのが私の立場です。
 都としては、福島の風評被害を払拭して、産業を支える取組を続けていただいております。これからもさらなる取組が求められます。震災被害はまだ終わっていないということを伝えるその取組も進めていただきたいと思います。
 都として、被災地を風評被害から守る取組が求められると考えますが、見解を伺います。

○若林復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 大消費地である東京都が風評払拭に取り組むことは重要であり、これまでも様々な機会を捉え、被災地産品の魅力発信等を行ってまいりました。
 今年度は、八月以降、都庁の職員食堂において被災地の水産物を取り入れたメニューを継続的に提供しているほか、九月に実施した東北三県ふるさと市では、被災地の水産物関係者による水産物のPRなどを行いました。
 今後とも、福島県をはじめとした被災各県と密に連携し、被災地産品の販売や魅力を発信することで、風評払拭に努めてまいります。

○菅原委員 福島県のホームページを見ますと、風評・風化対策強化戦略というのを発表しています。この資料を読みますと、県産品の販路回復と開拓をする、または観光客を呼び込むと。そして正確な情報発信、これを取り組むべき三本柱としています。物を動かして、そして人を呼び込むという福島県の取組に対して、東京都はそれに呼応していると思います。
 この二年間の間に、震災被災地となった青森からずうっと来て千葉まで、その沿岸地域では、震災や津波の被害を伝える震災遺構というのが次々とオープンをいたしました。私も宮城県や福島県、また茨城の幾つかの震災遺構を訪問していますが、それぞれが強いメッセージを発信しています。
 被災地はいまだ復興の途中ですし、風化をさせないためにも、東京都民が福島を訪問しやすい環境を継続する、または震災遺構を訪問できるような環境をつくる、この拡充することを要望いたして、次の課題に進みます。
 東京都だけではなくて、行政機関というのは、様々な事業を行う場合に、公務員だけではなくて、多様な職種の専門家などの意見を取り入れながら、民間の視点を取り入れる取組を進めています。そして、専門家や一般公募の都民を各種の審議委員や第三者委員会に選任することで、公平性と公正性を担保しているのだと思います。
 本日は、各種審議委員や第三者委員の公平性、公正性を担保する意味で、基本的な部分を伺います。
 まずは、東京都は各種審議委員などの公平性、公正性を担保するためにどのような取組を行っているのか、状況を伺います。

○石橋人事部長 審議会等附属機関に関しては、公正を確保し得る委員構成とすることを附属機関等設置運営要綱において定めております。各局等に対しては、具体的な留意事項として、特定の団体に所属する者に偏るなど公正性を疑われるような選任をしないように、その取扱いを示しております。

○菅原委員 都民生活が多様化して複雑化していることを背景にして、個人の利益に係る事業、例えば公営住宅などがあると思うんですが、これらの公平性、公正性についてはさらなる専門性が求められていると思います。
 委員の選任に係る規定において専門性を求める要件を取り入れるなど、こうした審議会などについては、職域団体からの推薦者なども含めて委員の専門性が担保されるように取り組むべきと考えますが、見解を求めます。

○石橋人事部長 都においては、附属機関の設置要件として、専門知識の導入、公正の確保、利害の調整または民意の反映を特に必要としています。
 このうち、専門知識の導入を目的とした附属機関については、特にその専門性を有する人材を選任することが重要と考えております。そのため、各局等には、各附属機関の設置目的に応じて、専門性の確保を図りつつ多様な委員構成となるよう促しております。

○菅原委員 それでは、第三者委員会について伺います。
 東京都の審議会などには、都の事業に対する第三者委員会の性質を持って調査などを行うものがあると認識しております。こうした審議委員会におけます委員の選定や報酬の支払いについて、どのように行っているのか伺います。お願いします。

○石橋人事部長 第三者委員会の性質を持った審議会等含め、附属機関の委員については、地方公務員法において特別職非常勤職員とすることが定められており、所管局において法律や条例等の定めに基づいて選任した上で、知事等が任命しております。
 また、報酬については、東京都附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例に基づき、任命権者が知事と協議して定める額を支給しております。

○菅原委員 行政は、様々な事業を進めています。残念ながら、その中で自殺に至る例というのも現実にはある。例えば学校での自殺の事例なども、これに含まれるとは思います。衝撃を受けた当事者間で見解が対立する、つまり行政側と当事者の間で見解が対立するということも少なくありません。
 その場合に第三者委員会の取組が重要となりますが、この第三者委員会の委員の選定が、当該の学校や教育委員会や、または基礎自治体などが行うわけですから、公平性や公正性の担保というのが実は難しいのではないかと考えます。
 都が当事者となる事案を取り扱うものも含めて、第三者委員会の性質を持つ審議会などにおいては、特に公平性、公正性に疑念を抱かれない委員を任命することが重要と考えますが、都の見解を伺います。

○石橋人事部長 第三者委員会の性質を持ったものを含め、都が附属機関の委員を選任するに当たっては、公平性、公正性に疑念を抱かれないことが重要だと考えております。
 そのため、知事部局等においては、公正を確保し得る委員構成とすることを要綱に定めた上で、委員の選任については執行機関が行うことを踏まえ、都民等の批判を招くことがないよう公正に行うことを、総務局から各局等に対して求めております。

○菅原委員 第三者委員会の性質を持ったものを含めて、それに対して当事者から疑念を持たれないことが重要と、こういう見解をいただきました。これはとても重要な見解です。
 私は、公平性、公正性は当然ながら、もう一つ、独立性という観点も必要かと思っているんです。行政と住民の課題に第三者として意見をするのが第三者委員会ですが、その任命と報酬というのは行政機関が出す。今のお話のとおりです、それは当然です。それだけに、行政とは意見が違う場合がある独立性の担保について今後研究を重ねていただければと思いますので、今日はこの程度にさせていただきます。
 話は変わりまして、海外からの留学生支援について伺います。
 コロナ禍によって海外からの留学生の受入れが減りました。しかし、今年度からは回復していると聞いております。コロナ禍前から現在に至るまでの留学生の受入れ数の推移について伺います。お願いいたします。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 東京都立大学における外国人留学生の数は、令和元年度に六百五十六名と過去最多となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により令和二年度から三年連続で減少し、令和四年度には五百二十九名となりました。
 その後、令和四年度の後期から交換留学生の受入れを再開したことなどにより、令和五年度は前年度より十六名増加し五百四十五名となってございます。

○菅原委員 都内への留学生が回復基調にあるという報告もいただきました。それでも、コロナ禍前と比べると百人以上少ないというのが現状でして、今後の取組が重要となります。
 少子化が進んで人口減少社会を迎える日本は、名目GDPでもドイツに抜かれて四位に転落する予測も発表されています。一方で、コロナ禍での東京五輪の開催やコロナ禍での感染症対策など、日本が大きく注目された部分もあります。グローバル化が進むこれからの国際社会を見据えて、学生時代に日本で過ごす外国人の受入れの拡大は、重要な未来への投資になるのではないかと思うんです。
 私は、学生時代にブラジルのアマゾンに一年間滞在をして、日本語教師を経験することができました。その経験は貴重でしたし、その中で培った人脈が大きな力となっています。何よりも、ブラジルが大好きになって帰ってまいりました。今でも大好きです。
 一九〇八年に日本からの移民がブラジルに渡り、日系移民は大変な苦労をしながらブラジルの社会で活躍をしてきました。ブラジル日系社会は、アメリカに次いで二番目に大きい、今でもそういうバリューになっています。
 東京都民が中心となるブラジル都友会という団体がありまして、それは一九六五年に設立をされて、二〇二五年には六十周年を迎えます。
 東京都は、東京都出身ブラジル人日系人の留学生の受入れを行ってきました。しかし、コロナ禍でこの受入れが難しくなったという状況もあります。ポストコロナの一つの象徴として、改めて海外留学生の受入れを拡大すべきと考えますが、見解を伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 都立大学では、外国人留学生の受入れのため、令和五年度は、韓国やベトナムなど海外で開催される日本留学フェアに四年ぶりに参加し、現地でPRを行うとともに、コロナ禍で中断していた東京都出身の日系ブラジル人学生の受入れプログラムも再開いたしました。
 このほか、令和六年度に新たに導入する秋入学や交換留学生向けの新たなプログラムの開講に向けた準備を進めるなど、海外からの学生の受入れを推進してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。コロナ禍を抜けた日本の一つの象徴ではないか。人の交流というのはとても重要だと思います。ぜひ強い取組を期待しております。
 話は変わります。都の育業の現状について伺います。
 少子化が大きな社会課題となっている中、様々な議論がされております。育児休業も大きな転換期にあります。東京都としては、社会全体の意識を変えて働き方を変えていく先頭に立つ役割がありまして、今回はその立場からの質問となります。
 都の職員の働きやすい職場づくりの大きな指標として、男性職員の育児休業取得率があります。以前は、男性職員が育児休業を取ることは珍しい時代がありましたが、小池都知事が就任してから都庁での働き方改革の取組が進んできました。育児休業もその一つです。
 民間企業も公務員も、育児休業中は原則無給でありまして、一定の給付金が支給される仕組みとなっておりますが、その給付割合の引上げが政府でも検討されています。男性の育児休業取得の促進に向けて、こうした国の支援策はもちろんのこと、それぞれ職場レベルでの理解も重要と考えます。現在の都における男性職員の育児休業取得率と、その向上に向けた取組について伺います。お願いします。

○田中労務担当部長 都では、全ての管理職がイクボス宣言を行うほか、課長や部長に昇任した際に研修を実施するなど様々な機会を活用して男性職員が育業を取得する意義や制度についての理解を深めることとしております。
 また、パパ職員向けガイドブックの配布や育業取得者の体験談の紹介、意見交換等を行うプレパパ応援講座を実施しておりまして、男性職員の積極的な育児参加を促しております。さらに、子供が産まれる予定の職員に対しまして所属長が面談を行うこととしておりまして、育業の取得を前提とした働きかけを進めております。
 こうした取組の結果、令和四年度の男性職員の育業取得率は五五・四%となりまして、目標を三年前倒しで達成したため、令和七年度までに九〇%とする新たな目標を再設定いたしました。
 職員が周囲に気兼ねなく育業を取得できる機運醸成を一層促進してまいります。

○菅原委員 令和七年度には九〇%を目指すんだと、すばらしい目標だと思います。私たちも応援したいと思います。
 その取組を、そして東京都全体の取組も今お話をいただきました。それらの取組を、ぜひ区市町村や、または民間企業に情報提供することもご検討いただきたいと思います。そのことが全体の働き方改革や育児休業の取得につながると思います。これは要望をさせていただきたいと思います。
 子供政策連携室の話になりますけれども、育業ドラマというのがこの十二月の四日だったと思います、公開されます。「育業を、はじめるとき。 大事な時間の過ごし方 」という表題のドラマだそうで、私も見ようと思いますけれども、東京都としてこういう取組をどんどん進めていく、幅広く多角的にやっていく。応援したいと思います。
 防災対策について伺います。
 東京都は昨年の五月に、首都直下地震などによる東京の被害想定報告書を発表いたしました。この報告書では、死者数が都心南部直下地震で最多となって、全死者数の約六割が高齢者や障害者などの要配慮者と想定をされています。大規模災害時の要配慮者への対応は重要な課題となっています。
 要配慮者の避難先としては社会福祉施設や老人福祉施設、障害者の支援施設、特別支援学校などの施設が考えられます。大規模災害の場合、地域の特別支援学校において、避難所として地域の要配慮者の受入れが可能なのか、確認をいたします。お願いします。

○後藤避難所・物資担当部長 都立の特別支援学校五十八校中、五十四校において、地元の区市からの要望に基づき協定を締結し、福祉避難所として開設することとしております。
 残りの四校につきましては、一校は都外に所在しており、三校については現在のところ区市からの要請がないため、協定締結には至っていないと聞いております。

○菅原委員 地域の特別支援学校において、避難所として地域の要配慮者の受入れが可能であるということを確認させていただきました。そして、多くの特別支援学校が福祉避難所としての協定を締結していると、区市町村と提携しているということもご報告をいただきました。
 避難所の設置は区市町村が主体となります。区市町村は、地域防災計画によって避難所などを指定していますが、私の地元の日野市の地域防災計画において、特別支援学校の指定の状況があると思います。ちょっと確認をさせてください、お願いします。

○後藤避難所・物資担当部長 日野市の地域防災計画においては、都立の七生特別支援学校と八王子東特別支援学校の二校を福祉避難所として指定しているところでございます。

○菅原委員 日野市の場合、特別支援学校の二校が福祉避難所として指定されているとの報告をいただきました。福祉避難所の場合は、例えば教職員が避難所運営を担うというパターンがあります。一般の学校での避難所との違いがそこにあるのではないかと思います。
 避難所運営の主体である区市町村に対して、都から避難所運営組織の整備について何らかの方向性が示されているのか伺います。お願いします。

○後藤避難所・物資担当部長 これまで都は、東京都避難所管理運営指針を作成し、避難所運営の主体である区市町村に対して周知することにより、区市町村の避難所運営を支援してまいりました。
 この東京都避難所管理運営指針において、発災時には各避難所において、行政職員による避難所管理責任者を置くとともに、避難所運営の核となる地域住民、行政担当者、施設管理者等により構成される避難所運営委員会を設置し、避難所の運営を行うこと、また、発災時に避難所運営の機動性を確保すべく、平常時から避難所運営委員会の構成員で意見交換を行いながら役割分担を定めておくよう示しており、特別支援学校を避難所として運営する場合も同様の取扱いとなるところでございます。

○菅原委員 今回は、特別支援学校の福祉避難所の運営について伺いました。災害時の避難所運営については、実はまだ整っていないというのが実情だと思います。
 そして、主体となる区市町村の取組は、なかなか、区市町村の指定避難所ですら、それぞれの避難所の運営が整っていない状況で、特別支援学校までなかなか手が回らないというのも実情だと思います。これらの区市町村の取組を促すためにも、都としてあらゆる支援体制の構築を要望させていただきます。お願いします。
 ちょっと角度を変えて、都立学校の取組、都立高校の取組といってもいいと思います、これを伺いたいと思います。
 都立の高校のうち、区市町村の指定避難所または予備的避難所になっている学校の実態について伺います。お願いします。

○後藤避難所・物資担当部長 都立高校全百八十四校のうち百五十九校が、地元の区市町村からの要望に基づき協定を締結しており、災害時には、各区市町村の地域防災計画に基づき指定避難所や予備的避難所として開設することとなります。

○菅原委員 都立高校と区市町村の避難所運営については、学校長と、そしてそれぞれの区市町村が協定を締結するというふうに伺っています。既に多くの都立学校が協定を締結しておりますが、実際に避難所として運営できる体制になっているかというのは、これは別の問題だと思います。本日は実際の運営体制ではなくて、都立高校を活用した避難所体制について少し伺いたいと思います。
 避難所運営をする場合に、都立高校ではなくてちょっと角度を変えて、避難所運営をする場合に、ペットの同伴避難という問題があります。どのようにしてペットの同伴避難を受け入れるのかという問題がある。
 個別の避難所でのペット同伴避難について、都の取組を伺います。また、現状の課題認識も伺います。お願いいたします。

○後藤避難所・物資担当部長 現在、東京の六十の区市町村が地域防災計画に動物救護対策を記載しておりますが、避難所へのペット同行避難の受入れ準備をさらに整えておくことは重要なことだと認識をしてございます。
 このため、保健医療局において、災害時の飼い主と動物の安全の確保を目的に、区市町村がペットとの同行避難の受入れを的確に行えるよう、避難所での対応を盛り込んだ災害時における動物愛護管理対応マニュアルを作成するとともに、避難所で必要となる動物用ケージや応急処置用品の備蓄等に要する経費を財政面で支援しているところでございます。

○菅原委員 私は、私自身が地域の小学校の災害時の避難所運営組織の立ち上げに関わって、今も活動しております。避難所運営をする上で、課題の一つにペット同伴避難があります。
 二〇一八年に行われました都政モニターアンケートによりますと、過去十年間にペットを飼ったことがある人というのは約三割だそうです。そのうち、犬が五二%、魚が二六%、猫が二五%です。さらに、直近の二〇二二年に行われたペットに関する調査、これも東京都が行っていますが、この調査によりますと、現在ペットを飼っている人というのは二三%という報告があります。東京都は、多くの人がペットを飼育しているんだということが分かります。
 その東京都はペット同伴避難を進めるとしていますが、その受皿となる避難所の体制が整っておりません。ペット同伴避難は、ペットの食事や排せつ物による衛生面の課題、鳴き声やにおい、避難者にはアレルギーのある方もいることもあり、多くの課題があります。
 さらに、避難所での生活の困難さを考えて、崩壊した自宅でペットとともに過ごす飼い主もいるでしょう。または、車での避難をする場合も想定をされます。ペット同伴避難というのは、ペットと飼い主だけの問題ではなくて、全ての避難者の課題ではないかと思います。
 都内のほとんどの避難所ではペット同伴避難を前提としていることを考えれば、これらの対策を進める必要があります。この大きな課題を、区市町村のそれぞれの避難所がそれぞれ取り組むだけではなくて、東京都全体として大きな方向性を示す必要があるのではないかと考えています。
 例えば、特定の避難所をペット同伴重点避難所として指定することなどによって、課題が少し緩和できるのではないかと思うんです。今答弁のありました都立高校などの施設をペット同伴の重点避難所に指定することなども検討いただきたいと思うのです。このことによって、ペット避難の資機材の集中配備や、または医療提供体制としての獣医師なども重点的に集中できるのではないか。避難所運営組織でも配慮ができるし、避難所を解除、避難所をやめる際に掃除をしなければいけません、この清掃の課題の解決なども少し緩和されるのではないかというふうに思います。
 避難所解除の際の清掃というのはそれなりの予算がかかります。区市町村の小学校、中学校だと区市町村の予算でやらなければいけない。これが実は、なかなか重い負担になる。でも、都立高校であれば東京都の予算の中でできる。これは実は、地味ですけれども大きな違いがあると思います。都として、獣医師会などの専門家との情報交換を行うなど、何らかの検討を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○後藤避難所・物資担当部長 これまで、保健医療局において東京都獣医師会や専門家と情報交換を重ね、災害時における動物愛護管理対応マニュアルのペット同行避難を含めた内容に反映させるとともに、毎年実施している区市町村との担当者会議において周知するなど、関係者と連携した取組を推進しているところでございます。
 引き続き、発災時に都民の安心・安全な避難が的確に実施できるよう、ペットとの同行避難の受入れ体制の整備につきまして、関係局間で一層連携し、推進をしてまいります。

○菅原委員 次に、大規模災害の発災時のボランティア対策について伺います。
 大規模な災害の場合は、全国からボランティアが東京に集まる可能性があります。過去の被災地でも、全国から集まるボランティアの受入れは、地味ですが大きな課題でした。例えば、東日本大震災では、石巻市の石巻専修大学にボランティアキャンプが開設されました。私も現地でボランティアしたのでよく分かります。または、熊本地震の現場では、崇城大学にボランティアビレッジが開設されました。これらは、地元の大学がボランティアのために開放したものです。
 大学に設置されたボランティアキャンプでは、基本的にその施設内で宿泊をして、トイレ、シャワー、または食事などが可能です。もちろん、ボランティアセンターもその学内に設置をされて、毎日のボランティア登録や作業のマッチングなどもその場で行われます。
 熊本地震のときは、熊本市内のホテルの全ての部屋を報道機関が押さえてしまったんです。そうすると、私も現地のボランティアに入りましたけれども、私の場合は福岡市に宿泊をして、朝五時ぐらいのバスで熊本に入って、また夕方帰っていくということになって、大変苦労した覚えがあります。こういうことが東京でも起こり得るのではないかと思うんです。
 地域防災計画では、ボランティアキャンプ村などボランティアの活動拠点の確保についてどのように位置づけられているか伺います。お願いします。

○八嶋防災計画担当部長 本年五月に修正いたしました東京都地域防災計画震災編では、二〇三〇年度までに人的、物的被害をおおむね半減させる減災目標を定め、この目標の達成のため、長期的な視点から今後一層具体化を図るべき取組を重点事項として取りまとめてございます。
 この重点事項の一つといたしまして、発災時の多数の災害ボランティアの受入れや調整を行う体制や、活動拠点の確保等の充実強化を掲げてございます。引き続き、ボランティアを所管する局をはじめ関係各局等で構成する東京都防災対策推進ワーキンググループ等におきまして検討を深めていくこととしてございます。

○菅原委員 東京の場合、例えば大学などと協定を結んで、あらかじめボランティアキャンプ村を備えていくことをご検討いただきたいと思います。例えば、都立大学などをまず指定をして、その経験を踏まえて私立大学などに展開することなどが現実的かもしれません。ぜひ関係各局と連携をして、検討を進めていただくことを要望いたします。
 犯罪被害者支援について伺います。
 東京都は、犯罪被害者等支援条例を制定し、取組を進めてまいりました。全国の被害者団体や被害者支援団体からは、東京で条例化をした意味は大きいとして歓迎をされております。そして、転居費用の助成など独自の事業展開もすばらしいと評価をいただいてきました。本日は、東京都の犯罪被害者支援をさらに進めるために質問いたします。
 まずは、被害者の相談窓口について伺います。
 被害者の相談が電話とメールのみとなっていますが、SNSでの相談受付などの計画はありますでしょうか。
 自殺対策や児童虐待のLINE相談などの導入状況を見ますと、当事者は、ふだんから使っているLINEなどのSNSでの相談を希望するケースが多いと考えられます。SNSの相談は、その性質上、特別な対応が必要と考えます。既に、自殺対策や虐待対策などでSNS相談を行っているので、その知見を生かして事業化を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○住野人権部長 東京都総合相談窓口に相談する被害者は、被害届を提出し、事前に警察に相談の上、相談窓口の支援内容や相談方法等について説明を受け、経済的支援などの具体的支援を求める方などでございます。
 東京都総合相談窓口では、そうした方々を対象に、電話やインターネット相談フォーム等で被害状況を聞き取った後、面接相談を行い、経済的支援や精神的支援につなげてございます。
 こうした特性を踏まえまして、相談方法についてのニーズの把握を行うなど、今後とも相談しやすい運用に努めてまいります。

○菅原委員 相談しやすい運用に努めるという答弁、ありがとうございます。
 本日の総務委員会の要求資料の中にもありました。例えばLGBTQに関する専門相談の中で、直近の電話相談は二百十件、LINEの相談は五百七十一件で二倍なんですよ。LINEの相談の需要というのはあると思う。
 東京都は、都の条例が制定する前の平成二十年から犯罪被害者等支援計画を策定して、現在は第四期の支援計画を展開しています。第四期の計画は、令和三年度から七年度の五年間となっています。この計画の策定のために、犯罪被害者等の実態に関する調査が行われました。
 性犯罪や性暴力に遭った被害者への調査に、今後、貴団体が、あなたの団体ですね、力を入れていきたい支援内容についての項目では、電話相談が一一・一%、SNSによる相談が同じく一一・一%、面接相談も同じく一一・一%というように、電話相談や面接相談と同じくらいにSNS相談が必要という調査結果もあります。
 これらの調査結果を踏まえれば、SNS相談は当然ながら検討項目に入るべきではないかと考えます。自殺対策や児童虐待でもSNS相談は実施されておりますし、先日、東京都の教育委員会では、教員のメンタルヘルスの観点からSNS相談を実施するということも発表されました。犯罪被害者の支援は、様々な形で早い段階からのつながりが必要だと思います。改めて、SNS相談の必要性については要望いたします。
 次は、見舞金です。
 見舞金は、犯罪被害者等給付金支給法による給付金の支給が遅いための一時的な意味合いがあると伺っています。見舞金の支給は、できるだけ簡便な手続が望まれると思いますが、その点についての見解を伺います。
 さらに、被害当事者が重傷などの場合、家族への委任状などの手続が必要になると思います。この委任状なども本当に必要なのか。ワンストップや、できるだけ簡便にすることなども検討すべきと思いますが、見解を求めます。お願いします。

○住野人権部長 見舞金の申請に必要な書類は、申請書のほか、診断書や本人確認書類等、必要最低限の書類としてございます。また、申請者が未成年、またはやむを得ない事情により見舞金の申請ができない場合は、申請者の代理人が代理申請を行うことができるとしてございます。
 さらには、被害者の方の申請に係る負担を軽減するため、人権部に配置されております被害者等支援専門員が必要書類の説明を行うとともに、面接等により記入のサポートを行ってございます。
 引き続き、被害者に寄り添った丁寧な対応に努めてまいります。

○菅原委員 ぜひお願いいたします。
 転居費用について伺います。
 犯罪被害者への転居費用の支給は東京都が最初に始めた制度であり、業界には大きな良い影響を与えました。この転居費用について伺います。
 加害者に自宅が知られている場合であっても転居費用が支給されない場合があるということも伺いました。制度上はなかなかないんですけど、現実にはあるということなんです。
 犯罪被害者が、事件によって自宅に住めない場合全ての事例に対して転居費用が支給されるよう制度設計が必要と考えますが、現在の状況を確認いたします。お願いします。

○住野人権部長 転居費用助成金は、都内で発生いたしました犯罪で生命または身体に被害を受けた場合やそれに準じる被害を受けた場合に支給の対象となっているものでございます。
 例えば、直接身体的被害を受けていなくても、性犯罪目的の住居侵入や盗撮などの被害に遭った場合などは転居費用の助成対象としてございます。

○菅原委員 ありがとうございます。身体的被害を受けていなくても、住居侵入や盗撮などの被害に遭った場合などは転居費用の助成になるという答弁もいただきました。ありがとうございます。
 都の転居費用の助成についての資料を見ますと、転居費用の助成の概要の欄にはこのように書かれているんですね。殺人、性犯罪などの生命、身体の被害により、従前の住居に居住することが困難になったと認められる方及び遺族が、新たな住居への転居をするための転居費用を助成すると書かれています。この表現がちょっと微妙でして、狭く読み込むと、生命、身体の被害によって転居しなければいけなくなった場合ということになってしまうんです。私のもとには、そのような、実際に狭く読み込むような相談もいただいてまいりました。
 この部分は制度の根幹を示すことですので、表現を整理する必要があると思いますが、見解を求めます。

○住野人権部長 転居費用助成制度の要綱には、身体的被害を受けていなくても、それに準ずる方を助成対象とする旨の記載がございます。この要綱の規定を踏まえまして、今お話ございました被害者の方に、より分かりやすい表現となるように工夫してまいります。

○菅原委員 お願いいたします。
 次は弁護士費用です。
 弁護士費用についても、東京都の制度設計は大きな話題となりました。制度設計を見直すことで、さらに使いやすくできるのではないかという声もあります。国選弁護人の弁護士の場合、資力二百万円以下の場合に国の弁護士費用の補助が出ると伺っています。都の場合は、資力二百万円から五百万円の方々の弁護士費用を都が補助する制度と聞いています。概要の説明をいただきたく思います。
 加えて、この制度は都独自の制度と聞いています。住んでいる場所によって被害者へのサポートが違っている状況になっていると思います。この際、国への要望として、犯罪被害者の弁護士費用の助成について国に要望するなどの取組を行うべきと考えますが、見解を求めます。お願いします。

○住野人権部長 被害者参加制度における弁護士費用助成制度は、刑事裁判において被害者参加制度を利用する場合の弁護士費用のうち、着手金の一部として上限十万円を助成する制度でございまして、令和三年七月から開始いたしました。
 資力要件につきましては、国の資力要件により助成を受けられない被害者に対しても支援を行えるよう、国選被害者参加弁護士制度の算定方法を参考に、都独自の設定を行ったものでございます。
 今後とも、本制度を適切に運用し被害者の支援に努めていくとともに、国に対しましては、被害者に対する経済的支援の充実につきまして、引き続き要望してまいります。

○菅原委員 東京都には、被害者支援都民センターという施設があります。この都民センターが転居、引っ越しをしますが、この移転の機会に、そもそもの都民センターの役割や重要性についての議論をすべき時期ではないかと思うんです。
 私は、被害者支援都民センターの設立当時から、ずっとその事業経緯を見てきました。民間事業者として、行政や警察からは独立した犯罪被害者のための団体として運営を継続した取組には敬意を表しつつ、その財務体質を伺うと、いまだに個人の寄附などに頼らざるを得ないようです。
 そもそも、犯罪被害者は社会の責任で支えるべきです。その支援団体も、十分な行政の支えがあるはずですが、いささか東京都の支えは、か細い印象があります。被害者支援センターや被害者当事者団体への支えについて、都としてどのように考えているのか、認識を伺います。

○住野人権部長 東京都総合相談窓口の共同運営者でございます被害者支援都民センターに対しましては、総合相談窓口の運営に必要な経費を全額都が負担しているものでございます。
 当事者団体に関しましては、例えば犯罪被害者週間行事につきまして、NPO法人の活動内容を紹介してもらうために展示スペースを設けたり、交通事故被害者遺族の講演を通じて都民に対する意識啓発を図るなど団体の活動を支援してございます。今後も、このような取組を通じまして当事者団体と連携してまいります。

○菅原委員 まずは、被害者支援都民センターについてですが、人口一千四百万人の大都市東京に被害者センターが一つしかないということ自体が大きな課題だと考えています。例えば、アメリカの場合は全米被害者援助機構、NOVAという団体があり、全国で活動する団体は、地域の被害者支援団体も含めると七千とも一万団体ともいわれます。犯罪の多いといわれるアメリカの状況をそのまま比較対象にはできませんが、参考にはなると思います。
 お隣の韓国では五十七か所ある。日本は四十八か所なんです。人口比で考えても、日本の被害者センターが少なめだと考えられます。特に、一千四百万人に一か所だけという状況は、大きな課題ではないかと思います。都として、被害者支援都民センターを都内数か所に設けるなどの検討をすることを求めます。この点は要望します。
 都民センターの移転に伴って、事業の重要性や被害者の当事者団体との連携について、さらに被害者などの理解を進めるための取組なども含めて改めて議論をする時期ではないかと考えます。被害者の当事者団体の現状をヒアリングするなどの取組をすることを提案いたします。
 被害者当事者団体は、それぞれが貴重な活動をしていますが、拠点となる場所がないためにその運営には多くの困難があります。集まる会議室がないために、資料を抱えてファミリーレストランを使ったり、住所がないために、個人宅を団体の連絡先にしている状況です。
 都民センターの移転を契機に、これらの被害者当事者団体との連携を深めるため、都民センターの一部を貸し出したりロッカーを提供したり、団体の住所登録制度をつくったりすることは、そんなに難しいことではないと思うんです。今後の検討課題として要望しておきます。
 都の犯罪被害者等支援の条例が制定されて五年を超えるこの時期を踏まえて、被害者支援施策の再構築の議論をすべきだと思います。例えば、被害者支援計画の策定を前倒しすることなどもご検討いただきたいと思います。
 最後に、今回提示いたしました個別の被害者支援の事業や、都民センターの移転に伴うセンターの新築や機能強化はもちろんですが、歌舞伎町に集まる子供たちに対して、悪意のある大人がホストやコンセプトカフェで法外な取引を行い、過剰な市販薬を摂取させるオーバードーズや、また、性被害や反社会的な団体へ引き込むことなども行われています。ここにも被害者がいます。
 犯罪被害者という視点から、トー横かいわいに若年被害者の支援を行っている団体などとの連携も視野に入れた展開が求められます。この点も要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○うすい委員 大分お疲れでしょうけど、私の後には休憩が入ると思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 初めに、大規模水害時における広域避難対策についてお伺いをいたします。
 近年は、温暖化の影響を受け、全国各地で豪雨が激甚化、頻発化しております。海抜ゼロメートルのエリアが広がる東部低地帯では、荒川などの大河川の氾濫や東京湾高潮が発生した場合、約二百五十万人の行政区域を越えた避難、いわゆる広域避難が必要となるケースが出てまいります。
 かねてより都議会公明党は、こうしたことを踏まえて広域避難先施設確保の重要性を訴えてまいりましたが、都は、令和三年九月、初めて国立オリンピック記念青少年総合センターと協定を締結しました。
 そこで、都における現在の広域避難先施設の確保状況についてお伺いをしたいと思います。

○八嶋防災計画担当部長 都は、都有施設はもとより、国、民間団体と広域避難先としての活用に係る調整を進めており、令和五年十月一日時点で大学等十二団体と協定を締結してございます。
 今後も関係区と連携し、浸水区域外の大規模施設等の協力を得るため、職員が赴き、制度の目的やスキーム等を解説したリーフレットを用いて丁寧に説明することなどにより、広域避難先施設のさらなる確保を進めてまいります。

○うすい委員 都が、第一号となるオリンピックセンターとの協定締結から約二年間で、精力的に施設確保に取り組んでおられることを理解させていただきました。
 一方、国と都が令和三年六月に公表しました大規模水害時における住民避難の考え方と今後の取組方針についての中には、約二百五十万人の広域避難者数のうち、親戚や知人宅への自主避難を除いても、行政は約七十四万人分もの施設確保が必要との試算がされているわけでございます。身近な知り合いがいないという都民も増えている昨今、引き続き、避難先施設確保を早急にしっかりと進めていただくことを強く要望させていただきます。
 避難先施設確保の次の課題として、広域避難が実際に行われる場合には、施設を円滑に開設、運営し、避難した住民を着実に受け入れることが重要であります。そのため、全ての関係者が緊密に連携を取る必要があると考えます。
 そこで、広域避難のオペレーションを円滑に実施するための取組状況についてお伺いいたします。

○八嶋防災計画担当部長 都は、大規模水害時の広域避難等の円滑な実施について検討を行うため、令和四年六月に国と共同で、首都圏における広域的な避難対策の具体化に向けた検討会を設置いたしました。現在、本検討会において、国、都、関係区、交通事業者、メディア等が連携して、住民の避難を適切に誘導できるようそれぞれの役割や発信の内容、タイミング等を整理した広域避難タイムラインの策定に向け、検討を行ってございます。

○うすい委員 都や国が、広域避難を具体化するために取り組んでいるということでございました。
 一方、広域避難は、浸水しない安全な場所への避難が必要であるため、通常の避難に比べて長距離を移動しなければなりません。例えば、今回の第一号のオリンピックセンターについても、東部低地帯、江東五区についてはやはり距離がありますので、そういう意味では広域避難時における移動手段が重要になってきます。どう考えているのか、見解を伺います。

○八嶋防災計画担当部長 広域避難の際は、多数の住民が長距離の避難を行う必要があるため、輸送力の大きな鉄道での移動が重要でございます。また、バスは鉄道と比べれば輸送力は小さいですけれども、広域避難先施設まで直接輸送できるため住民にとっては負担が少ないなど、交通機関それぞれの特徴に応じた活用が求められます。
 引き続き、国との検討会におきまして、交通事業者等と、広域避難者の誘導手段、方法について具体的な議論を行ってまいります。

○うすい委員 今ご答弁いただきましたとおり、広域避難のときの移動手段については本当に重要なことですので、ぜひとも検討を進めていただきたいというふうに、答弁もいただきましたけれども、ぜひ進めていただきたいと思います。
 また、実際に広域避難を行う区にとっては、要配慮者の移動などはどうするのかという課題も大変重要でありますし、また、避難生活の体制についても、いわゆる移動と生活についても、これまた重要な課題でございます。引き続き、技術的な支援も含めてしっかり取り組んでいただくよう要望させていただきまして、次の質問に移ります。
 次に、障害者雇用について伺います。
 都庁における障害者活躍推進計画の作成趣旨にもありますように、障害を有する人が自らの適性に応じ、能力を最大限発揮して活躍できる社会を実現することは大変に重要であると認識をしているところでございます。
 本年の人事委員会勧告においても、法定雇用率が段階的に引き上げられる中、障害者雇用のさらなる推進が求められており、公務部門は率先して障害者雇用の取組を推進していかなければならないと見解が述べられております。
 都においては、昭和五十六年度から、身体障害者を対象とした常勤職員の採用選考を実施しておりまして、平成二十九年度選考からは精神障害者、知的障害者にも対象を拡大するなど、我が党の主張も踏まえて積極的に障害者雇用に取り組んでいるものと認識をしております。
 そこで、障害者採用選考の結果など、都における障害者雇用の取組状況は現在どのようになっているのかお伺いをいたします。

○石橋人事部長 都においては、障害を有する職員が障害特性や個性に応じて能力を有効に発揮できるよう、障害者活躍推進計画に基づき様々な取組を推進しています。
 障害者採用選考については、今月七日に人事委員会が公表した今年度の選考結果では、合格者は四十八名であり、その内訳は、精神障害者が三十二名、身体障害者が十六名となっています。
 平成二十九年度以降に精神障害者、知的障害者に対象を拡大して以降七年間で、精神障害者が二百二名、身体障害者が九十三名、知的障害者が一名合格しています。
 また、障害者の雇用に当たっては、全職員を対象に障害への理解を深める研修を実施するとともに、障害特性や配慮すべき事項をまとめた事例集を改定し周知するなど、誰もが働きやすい職場環境の整備に努めております。

○うすい委員 都における障害者雇用の取組が着実に推進されていることを確認させていただきました。
 そのほかに総務局では、知的障害者の雇用促進を図るために、一般就労の場としてオフィスサポートセンターを運営しております。オフィスサポートセンターにおけるこれまでの任用状況について見解を伺います。

○石橋人事部長 オフィスサポートセンターにおいては、平成三十年度から知的障害者を対象とした非常勤職員であるオフィスサポーターの任用を開始しており、現在十一名が勤務しております。また、今年度実施した採用選考の結果、来年度新たに六名のオフィスサポーターを採用する予定であります。
 さらに、令和二年度に創設した非常勤職員から常勤職員への登用を可能とする枠組みにより、現在、十二名を常勤職員として任用しております。

○うすい委員 ありがとうございます。オフィスサポーターの任用が着実に進んでおり、知的障害者の雇用が促進されているとのことでございました。
 都の障害者雇用の拡充については、都議会公明党として一貫して主張してきたところでございます。特に、知的障害者が安定して働ける常勤採用に向けた取組も繰り返し訴えてきたところでございます。
 私自身も昨年度、都庁内で知的障害者が働くオフィスサポートセンターを視察させていただきました。昨年の四月から常勤職員として働いている男性から感想を伺いました。そうしたらその男性は、仕事のやりがいをほかの知的障害者の方にもぜひ伝えたい、そして将来は、簿記を必要とする金銭管理に携われるように頑張りたいって、こう語っていたんですね。私もそれ聞いて、大変うれしく思った次第でございます。
 オフィスサポートセンターでは、それぞれ各職員が得意分野を生かしながら熱心に業務に取り組んでおられ、本当にすばらしいなというふうに感じた次第でございます。
 そこで、障害を有する職員が、それぞれの障害特性を踏まえ、得意分野を生かしながら活躍していくためには、やはり適切な配慮やサポートが必要であると考えておりますが、オフィスサポートセンターにおける取組内容について教えていただきたいと思います。

○石橋人事部長 オフィスサポートセンターでは、職員が一人一人の特性に応じて能力を有効に発揮できるよう、様々な配慮や支援を行っています。
 具体的には、専門的な知識、経験を有する障害者雇用支援員を配置し、各種庶務事務や軽作業の一部を切り出すことにより、各職員の能力や適性に応じた職務の創出を行っています。また、日々の業務に従事する現場で、きめ細やかな指導助言を行っています。
 さらに、令和四年度からは、新たに外部の専門カウンセラーによる各職員のスキルチェックを実施し、職務遂行能力向上を目的とした研修を行うなど、職員の人材育成にも取り組んでおります。

○うすい委員 今後、日本の労働力人口が減少する中、障害がある方々が、それぞれの得意分野を生かしながら就労していくことは極めて重要であると考えております。オフィスサポートセンターでの取組を伺って、個々の職員がそれぞれの障害特性や能力、適性に応じて働くことができるということは本当に大切ですし、そのために適切な配慮やサポートが丁寧に行われている、そうした状況を確認することができました。
 仕事のやりがいをほかの人にも伝えたいと語っていた男性職員のように、より多くの障害がある方にもそう感じていただけるように、引き続き障害者雇用の促進に積極的に取り組んでいただくよう強く要望をして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、先ほど菅原委員からもございましたが、私の方からも犯罪被害者支援について質問をさせていただきます。
 今日十一月三十日を含む十一月二十五日から十二月一日までの一週間は、犯罪被害者週間でございます。都議会公明党は、被害者の願いである一日も早く元の平穏な生活を取り戻すために、犯罪被害者の当事者やご遺族の生の声をお聞きするとともに、一九七五年に初めて被害者の権利を提唱された諸澤英道先生など、支援に携わる関係者と活発に意見交換をしてまいりました。
 そこで、質問の初めに、これまでの都の犯罪被害者等支援の取組についてお伺いをしたいと思います。

○住野人権部長 都はこれまで、犯罪被害者等基本法の基本理念に基づき、平成二十年一月の東京都犯罪被害者等支援推進計画以降、犯罪被害者等の方々を社会全体で支える支援の実現に向けて、様々な取組を進めてまいりました。
 令和二年三月には東京都犯罪被害者等支援条例を制定し、都の犯罪被害者等への支援の姿勢を明確に示すとともに、社会全体での取組を一層進めているところでございます。
 令和三年二月には、本条例に基づく犯罪被害者等支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための計画といたしまして第四期東京都犯罪被害者等支援計画を策定し、取組を進めているところでございます。

○うすい委員 都議会公明党は、都の犯罪被害者等支援条例の制定や第四期東京都犯罪被害者等支援計画の策定に向けて、既に条例を制定していた佐賀県、大分県、大分市、そして三重県での現地調査も踏まえて、被害者や被害者支援相談員を対象にした実態調査の実施や、見舞金などによる経済的支援の充実など、具体的な提案を行ってきたところでございます。
 そして、知事は、見舞金制度について、二〇二〇年第一回定例会において、都議会公明党からの要望を踏まえて新たに創設する旨を明らかにし、同年十月から開始されて三年が経過をしております。
 そこで、制度開始以降の見舞金の支給実績とともに、制度の利用者から寄せられた声について、併せて答弁を求めます。

○住野人権部長 犯罪被害者等見舞金は、国による犯罪被害者等給付金の支給までの間、医療費、裁判費用等当面必要となる経費に充てるため、重傷病を負った被害者本人に十万円、被害者が亡くなった場合には遺族に三十万円を支給するものでございまして、令和二年十月から制度を開始いたしてございます。
 令和二年度は重傷病見舞金が十三件、遺族見舞金が二件、令和三年度は重傷病見舞金が二十七件、遺族見舞金が五件、令和四年度は重傷病見舞金が三十件、遺族見舞金が十三件となってございます。
 見舞金の支給制度を利用した被害者の方からは、被害に遭ってつらかったが、見舞金の給付の手続を通じて行政の方々に自分の気持ちを聞いてもらうこともでき、自分は孤独ではないと感じることができてありがたいですとか、被害後、支出が増える一方だったので見舞金は助かったといったような声が寄せられてございます。

○うすい委員 制度が認知されてきているという趣旨において、見舞金の支給実績が年々伸びていることや、被害に遭われた方から感謝の声が寄せられていることから、条例制定により開始された見舞金の支給を評価するものでございます。
 経済的支援に関連して、転居費用助成金と被害者参加制度における弁護士費用助成金についても、制度開始以来の実績をお伺いいたします。

○住野人権部長 転居費用助成金は、殺人、性犯罪等の生命、身体の被害等により、従前の住居に居住することが困難になった被害者や遺族の方が新たな住居へ転居するための費用について二十万円を限度として助成するものでございまして、令和二年四月から開始してございます。
 実績についてでございますが、令和二年度は十五件、令和三年度は二十八件、令和四年度は三十三件となってございます。
 被害者参加制度における弁護士費用助成制度は、刑事裁判において被害者参加制度を利用する場合の弁護士費用のうち、着手金を最大十万円まで助成する制度でございまして、令和三年七月から開始したものでございます。
 実績についてでございますが、令和三年度はゼロ件、令和四年度は二件となってございます。

○うすい委員 経済的支援の開始から約三年が経過しており、これまでの支援内容を検証し、今後の施策の充実強化に生かしていくことを要望させていただきます。
 さて、犯罪被害者等支援に携わる専門家によれば、被害者等への支援は事件当初の三か月が最も重要とのことであります。被害者等にとっては、基礎的自治体である区市町村の支援が重要となると考えるわけですが、都が区市町村に対して行っているサポートについて説明を求めます。

○住野人権部長 令和三年度に被害者等支援専門員を人権部に配置いたしまして、支援実績が少ない区市町村においてもノウハウを共有することができるよう、相談対応の支援を行ってございます。
 具体的には、専門員や都民センターの相談員等が区市町村を訪問して、都と区市町村が連携して行った支援内容の事例紹介や意見交換等を行うなど、きめ細かな支援を行っているところでございます。
 さらに、令和四年度からは、区市町村職員を対象とした研修におきまして、新たにロールプレーイング方式による被害者への適切な対応方法等を含めた実践的な演習を導入するなど、研修内容の充実を図ってございます。

○うすい委員 ありがとうございます。
 犯罪被害者等は、日常生活において様々な困難、不安にも直面しております。全ての区市町村の取組が被害者等に寄り添った支援となるよう、都と区市町村のより緊密な連携協力を要望しておきます。
 そうした中で特に配慮すべきは、被害者が各窓口を回ることなくワンストップで必要な支援を受けられることが重要でございます。
 都議会公明党が視察した大分県では、相談者の方が幾度も同じ話をしなくても済むように、犯罪に遭った被害者等の気持ちや状況、支援の対応などを整理、記録する支援ノート、絆を作成しておりました。このノートは、県内の各市町村でも活用され、犯罪に遭った被害者等の気持ちや状況、支援の対応等を整理、記録するもので、支援者と一緒にノートを用いて円滑な支援を実施するとともに、対応職員等による二次被害の防止を目的としております。
 そして、都議会公明党がこうした取組を参考にした被害者等支援ノートの作成を繰り返し要望してきたことが、二〇二一年度にTokyo被害者支援ノートとして結実したものでございます。
 そこで、Tokyo被害者支援ノートについて、これまでの活用状況及び今後の取組をお伺いいたします。

○住野人権部長 Tokyo被害者支援ノートは、犯罪の被害に遭われた方やそのご家族が行政をはじめとする関係機関の支援を受ける際、その都度被害状況等の説明を繰り返すことによる心理的負担の軽減を図ること等を目的に作成したものでございまして、これまで被害者やそのご家族、区市町村犯罪被害者支援担当窓口、警視庁、弁護士会等関係機関に配布いたしまして、活用を図ってまいりました。
 また、Tokyo被害者支援ノートには、利用できる窓口や制度も掲載しておりまして、それらを被害者等に案内することができるなど、被害者等が日常生活を取り戻すための一助となっているというふうに考えてございます。
 現在、区市町村の担当者向けにTokyo被害者支援ノート活用マニュアルを作成しているところでございまして、被害者等の日常生活を支える役割である区市町村の被害者等支援体制づくりの充実に向けて取り組んでございます。

○うすい委員 ありがとうございました。区市町村の被害者等支援の取組の充実に向けて、Tokyo被害者支援ノート活用マニュアルを作成中とのことでございます。
 犯罪被害者の方々が一日も早く平穏な日常を取り戻せるよう、都においては、特に初期段階の支援の中核を担う、被害者等が生活する区市町村とも連携をしっかりして、早期に、かつ十分な支援を行うことができる体制の充実強化を強く要望し、次の質問に移ります。
 次に、最後になりますけど、リカレント教育についてお伺いをいたします。
 私は、令和三年第四回定例会の一般質問で、人生百年時代の到来とともに、技術革新等の進展による経済社会の大きな変化に対応するために、一人一人のライフスタイルに応じた能力、スキルを身につける機会の提供が重要であることを訴えさせていただきました。
 リカレント教育には、仕事に対する学びでキャリアアップを図る、定年後に再度職を得るために学ぶ、子育てで離職していた人がスキルを身につけて就職を目指す、生きがいのため教養を身につけるなど様々なパターンがございます。一番大事なのは、こうしたリカレント教育の情報をしっかりと提供していくことだということも質問で訴えさせていただきました。
 知事からは、都民に効果的に情報提供するためのポータルサイトの構築に取り組んでいくとの答弁があり、早速都は、令和四年三月にポータルサイト、東京リカレントナビを開設したことを評価するものであります。
 リカレント教育を一層推進させるために、このポータルサイトがより多くの都民に知っていただき、活用されるようにすることが大変に重要であると思っております。
 そこで、サイトの利用状況と、活用促進に向けた取組について見解を伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 都はこれまで、都民にサイトの活用を促すため、SNS広告や著名人出演の動画等によりそのPRを行うとともに、初学者向けの短時間の動画コンテンツを制作し、サイトへの誘導を図ってまいりました。
 こうした取組により、閲覧数は、サイト開設直後の月平均約二万回から、現在約五万回と増加してございます。
 今年度は、サイトにユーザー登録機能を登載することで、興味分野に応じた講座等を表示し、利便性を向上させることで、サイトのさらなる活用を促進してまいります。

○うすい委員 サイトの、ご答弁いただきました閲覧数でありますけれども、PV数っていいますけれども、一般に三千PVから一万PVが目安だといわれておりますけれども、当然規模にもよりますが、サイト立ち上げ当初が今答弁いただいたとおり二万というものが現在は五万ということで倍以上の数字ですから、大変に努力をされている状況が数字となって表れているのかなと思っております。
 できれば、大都会東京ですから、十万件、十万以上をぜひ目指していただいて、取組をよろしくお願いをしたいと思います。
 多くの人に活用されるようになったことで、今後は様々な学びのニーズに応えていかなければならないと思っております。現在、都内には多くの大学が集積をし、それぞれ特色を持ったリカレント教育を展開しているわけでございます。多くの都民がリカレント教育を享受できるよう、都として大学と連携をし、学びの支援をしていくべきであります。都の見解を求めます。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 都はこれまで、幅広いリカレント教育の展開を図るため、様々な機会を捉えサイトと大学との連携を進めてまいりました。その連携先は、東京都立大学からスタートし、現在、都と大学との定例懇談会参加大学を中心として十二大学に拡大しております。
 今後も、東京に数多く立地する大学と連携を進めまして、都民の多様な学びのニーズに応えてまいります。

○うすい委員 ありがとうございます。
 答弁いただきまして、都立大からスタートをして、今現在、十二大学に拡大をされたということでございます。大変ありがとうございます。
 大学との連携を着実に進めていらっしゃるということで理解をさせていただきました。ほかに、東京には百四十を超える大学がありますので、各大学との連携もぜひ積極的に進めていただきたいと思います。私の地元足立にも六つの大学がありまして、自宅から近い大学でもこうしたリカレント教育が受けられるんだということになれば、都民にとって、さらにこのリカレント教育が身近なものになっていくと考えております。
 ぜひ、引き続き大学との連携を図っていただくことを要望させていただきまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○石島委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後六時十九分休憩

   午後六時四十分開議

○石島委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○米倉委員 日本共産党の米倉春奈です。
 まず、都立大学などの無償化について伺います。
 来年度から都立大学、都立高専、都立産業技術大学院大学の無償化がスタートをします。東京から、高過ぎる高等教育費用の無償化を進めていくということを、そのために都立大での授業料の半額、無償化をと、私も繰り返し求めてきました。今回の取組は、完全な学費無償化や半額化ではありませんが、大事な一歩だと考えています。
 都立大学などの授業料実質無償化について、学生数と、また今回の無償化の対象と見込む学生数、また、そのうち博士課程前期課程の大学院生についても、それぞれ伺います。そして、根拠となる今回の授業料実質無償化の考え方についてもお示しください。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 先月内容を公表しました東京都立大学等の授業料実質無償化は、学生の生計維持者が都内に在住する年収九百十万円未満世帯を対象に実施するものでございます。
 都立大学では、学生数約九千人のうち、入学料における都民割合や国の調査による年収の分布割合等を基に機械的に積算しますと、対象となる学生数は約千八百人となります。また、このうち博士課程前期課程の学生数は約千五百人、対象となる学生数は約三百人となります。

○米倉委員 それでは、都立産業技術高等専門学校と都立産業技術大学院大学についても、それぞれ学生数と今回無償化の対象と見込む数分、学生数についてお示しください。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 先ほどと同様に、公表しました制度に基づきまして、機械的な積算でございますが、東京都立産業技術高等専門学校におきましては学生数約千七百人のうち約百八十人が、東京都立産業技術大学院大学におきましては学生数約二百五十人のうち十数名が対象となると積算してございます。

○米倉委員 最初のこの話では、大学院生、博士課程前期ということですけれど、これは入っていなかったわけで、新たに加わったということは非常に大切だと思っています。これはどうして加えたのか、また、博士課程前期に限定したという考え方も伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 近年、企業等においても高度な専門性が求められることから、博士課程前期課程への進学者は一定数存在しておりまして、都立大学においても、理系を中心に多くの学生が博士課程前期課程まで進学している実態等を踏まえ、対象を定めております。

○米倉委員 分かりました。
 それで、公表されているこの三つの学校の実質無償化についてなんですけれども、何歳で都立大学、また院に入っても対象になるというふうには読めないわけです。対象となる学生については、学部生に相当する方たちは基本的に、浪人でいうと二浪まで、高校卒業から二年以内ということでいいのか、大学院生の場合は、学部生からストレートに院に入学しなければならないということなのか、それぞれの考え方について伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 今回の都立大学等の授業料実質無償化は、子育て世帯の教育費負担軽減を図る観点から実施するものでございます。このため、学部生につきましては、入学者の年齢構成の実態等を踏まえまして、高等学校等を初めて卒業した年度の翌年度の末日から入学までの期間が二年を経過していない学生を対象といたしました。
 また、大学院生につきましては、学部から引き続き進学した学生は生計維持者が父母である割合が相当程度あることから対象といたしました。

○米倉委員 つまり、高校を卒業して二年以内に都立大に入学した人、大学院生については学部から引き続き、つまりストレートで入学した人でないと対象にならないということです。
 私が知っている若手の研究者の中には、大学四年生で卒業せずに、もう少し学んで何を専門としていくかということを見定めようということで、わざわざ五年生をしてから院を受けて大学院進学していくという方なんかも複数いらっしゃるというのがあります。こういう方ですとか、一年いろんな事情で休学をされた方ですとか、また、留学などで一年、学部生の期間が延びるという方なんかもいらっしゃいます。
 都立大の院に進学する場合、学部の卒業からストレートに大学院に入学するとなれば、学部生の期間が延びても、それは無償化の対象から外れるということはないということでいいのか、確認します。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 先ほど申し上げましたように、博士課程前期課程につきましては、学部から引き続いて入学される場合を対象としてございます。

○米倉委員 つまり、引き続きの入学なら対象になるということです。
 それでは伺いたいんですが、学部からストレートで大学院に進学しない場合、例えば学部を卒業してから一年、二年空いてから都立大の大学院に進学する方は、これは対象にならないということなんでしょうか。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 今回の都立大学の授業料等実質無償化は、都内子育て世帯の教育費負担軽減を図る観点から実施するものでございまして、その観点から、先ほど申し上げましたように学部から引き続いての方を対象としてございます。
 逆に申し上げますと、社会人学生等は対象にならないという定めでございまして、個別の案件につきましては、大学等で個別の事例についての整理を行った上、Q&A等で対象者についてお答えする形になろうと思いますが、今般の趣旨といたしましては、都内の子育て家庭の教育費負担軽減を図る観点から整理をしてまいるものと考えてございます。

○米倉委員 現行の示されている考え方、基準というのは、つまり大学の学部から大学院にストレートに入るかどうかで、支援の対象になる方の年齢が変わらなくても支援の対象から外れる場合があるっていうことになると思うんですね。これは、ちょっとさすがにまずいんじゃないかと思っています。見直しが要るんではないかと思いますが、どうですか。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 先ほど申し上げた趣旨で、今般、都内子育て世帯の負担軽減という趣旨で制度設計をしてございまして、現在の考え方におきましては、学部から引き続く入学をなされた方を対象に考えてございます。

○米倉委員 こういう、ちょっとよく分からないことが起きるっていうのは、子育て世帯への支援ということが中心になっていることで起きているのかなと思います。だとしても、これはやっぱり改善、要るのではないかと思います。
 私はやはり、この学生支援というものは、目的は、学ぶ人への権利保障だということを中心にする必要があると思います。学ぶ機会への保障というふうに整理されれば、こういう溝にはまるような方っていうのは出ないわけですよね。これは検討を求めます。
 ただ、さっきも申し上げましたが、子育て支援だとしても、これは行政の考える標準的な道を歩まないと支援しないとなるのはおかしいと思います。学部生から大学院へストレートで入らないと支援の対象にはならないと。高校から都立大などに入る際も、二年しか猶予がないっていうことなんですね。
 ただ、現実には、不登校や病気などで学歴が途切れる人もたくさんいらっしゃいます。人生選択は多様化しています。そういう下で、別の経験をしてから都立大に入る学生も多い中で、そういう人を排除するということになってしまうと思うんですね。この支援対象の要件については改めて見直すことを求めておきます。
 あわせてですが、都立大の学生や教員の方たちからも声が上がっていますが、経済的にとりわけ苦しいのは東京都外から進学してくる学生たち、多いですよね。学費と生活費を用意するためにバイトに追われ、学生生活もままならないという人たちが取り残される事態になっています。これは重大です。
 この第三回定例会には、都立大学生から出された、東京都立大学の無償化を進めることを求める陳情が出されています。今回のこの授業料の実質無償化を、今の支援メニューにとどめずに、学生生活を支えるための拡充を引き続き検討していただきたいと要望します。
 授業料だけでなく、入学金も重い負担です。都は、今回の無償化の対象を拡大するこの検討の際に、入学金の無償化や減額について検討しているんでしょうか。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 今回の都立大学等の授業料実質無償化は、都内子育て世帯の教育費負担軽減を図る観点から実施するものであり、都内私立高校における支援等も参考として検討し、入学金は対象外としてございます。

○米倉委員 これ、せめて入学しない方には入学金の返金をする必要があると思うんですが、いかがですか。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 一度納入された入学料の取扱いにつきましては東京都公立大学法人が自主的に決定すべきものでございますが、入学辞退者が支払った入学金の返還を求めた訴訟では、一般的にこれを退ける判決が出されてございまして、法人はこうした判例も踏まえ、入学辞退者に対して入学料を返還していないと聞いてございます。

○米倉委員 高額な入学料を徴収している国というのは、先進国でほかにないわけです。ましてや、結果的に進学しない大学にも入学金を払わなければならない、返還もないというのはあり得ないと思います。
 先日、大学生のお子さんを持つ方たちからお話を伺いました。受験に向かって予備校、受験費用で相当な金額の支払いをして、さらに入学金も、その私が伺った方の多くが、進学した大学だけではなくて、結果的に進学しなかった大学にも支払って、さらに入学後の重い学費の負担がのしかかってくるというお話で、皆さん途中で声が詰まると。総額は怖くて計算していないというお話でした。
 入学金自体廃止すべきことですが、入学しなかった大学への入学金の問題は、これは一刻も早く解決すべきことで、ほかの大学の様子待ちということではなく、都立大学からやはりこの流れ変えていくと。ぜひ都立大学、法人とも相談していただきたいと求めておきます。
 次に、都立大学法人についてですが、各校の施設について、気候危機への対応をどう取り組んでいるのかも伺います。省エネ化、再エネ化の導入などについてどう取り組んでいるか、計画などはあるのかも教えてください。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 法人では、施設整備等におきまして、都と同様の省エネ・再エネ東京仕様を取り入れるとともに、照明のLED化やソーラーカーポートの設置など環境に配慮した取組を推進しており、令和四年度にはカーボンニュートラル推進プランを策定してございます。

○米倉委員 この分野というのは公共部門が率先的に取り組むことが必要だといわれていますし、もう本当にそのとおりです。都としても情報提供しながら、連携して進めていただきたいと思います。
 先ほど、この学費減免との関係で学生の方々から出された陳情について、私、結果申し上げていなかったと思うんですが、この陳情というのは、今、議会では継続審査となっているわけですね。これはぜひ重く受け止めるべき話で、この立場でさらなる検討を求めていただきたいと思います。
 次に、ワンストップ支援センター、性暴力被害者への支援についてです。
 今、子供への性暴力の深刻さが、今までも問題になってきたんですが、社会で共有をされて、これは大きな社会課題となっています。都は、こうした状況の中で、子供や保護者向けの電話相談の窓口も設置をしました。これはどういう趣旨で設置したものなのか、これまでの相談状況も伺います。

○住野人権部長 性被害につきまして、子供が相談しやすい環境を整えることが必要と考え、子供・保護者専用性被害相談ホットラインを開設いたしました。実績といたしましては、十一月二十六日現在、六十件を超えているという状況でございます。

○米倉委員 子供の被害は、ご本人がなかなか被害を認識できないということ。被害を認識して支援を求めるまでもまた時間がかかるという深刻さがあります。子供が、自身が性暴力被害を受けた場合に、被害を認識して、そして支援が受けられることだと本人が知っていること、そして支援の場があると知ることができているということが大切です。この点についてどう認識していますか。

○住野人権部長 東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターの子供たちへの周知は重要と認識をしてございまして、リーフレットやカードを都内の公立学校等へ配布しておりますほか、SNS広告等により周知を行ってございます。

○米倉委員 ワンストップの周知は重要ということなんですけど、私は、子供が自分の被害を認識できて、自分は支援が受けられる対象なんだということを知っていて、そして自分には支援される、支援を受ける場があるんだと知ることが大切ですよねと今伺ったわけで、やっぱり皆さん、この支援の窓口を担っていらっしゃるわけですから、その点はっきりご答弁していただきたかったと思います。
 子供や若者に対して、性暴力被害のワンストップ支援センターがあることをどのように周知しているのか、これも具体的にお示しください。

○住野人権部長 東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターのリーフレットですとかカードを、私立を含みます都内の小学校、中学校、高等学校等へ配布しておりますほか、SNS広告等により周知を行ってございます。

○米倉委員 伺ったところ、今のお話のとおりなんですが、そのワンストップ支援センターをお知らせする名刺サイズのカードというものは、来年度、公立の中学校二年生、そして都立高校の一年生全員に配るために準備されているということです。リーフレットというものは、小学校、中学校、高校、そして私立学校に、これはそれぞれ二十部ぐらい配るというふうに聞いています。子供たち全員に行き渡るというふうにはなっていないわけですね。
 今、これだけ子供への性暴力の深刻さが明らかになって、社会で問題になっているわけで、全ての子供を対象にした周知というのは必要だと思うんですけれど、この認識はいかがですか。

○住野人権部長 繰り返しのご答弁になってしまいますが、東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターのリーフレットやカード、これらは私立を含みます都内の小学校、中学校、高等学校へ配布してございます。
 先ほど委員からもお話しございましたように、カードにつきましては、公立中学校二年生、公立の高等学校一年生に配布をいたしてございますほか、SNS広告等により周知を行っているものでございます。

○米倉委員 やっぱり、限定した学年に対して全員配るということは大事なんですけれど、学年を限定して、例えば高校三年間で一回カードがもらえるということでは、これはやっぱり足りないと思います。どういうものが性暴力で、こういうときに自分を責めなくていいんだと、支援が受けられるんですよということなんかは、これは繰り返しそういうメッセージが子供たちに伝わらないとまずいと思います。これは、私、もう大分長くこのことを要求しているんですよね。これ、重く受け止めて検討していただきたいと思います。
 この相談窓口をお知らせするっていうときに、それぞれの窓口があるよということだけがお知らせされても不十分かなと思っています。それぞれの年齢に応じて、性暴力がどういうものかを知ることができて、そして相談できるところがあるんだと。それぞれの発達段階に応じた打ち出し方が必要だと思っています。それが、やはり年に一回ぐらいはちゃんと知らされるという必要があると思います。
 私たち日本共産党は、この間、二回にわたって痴漢被害実態調査を取り組んでいます。合わせて二千五百人近い方が声を寄せてくださった、かなり規模も大きくなった調査です。ここで、被害に遭った方の年齢調べますと、七割が十八歳未満で痴漢の被害に遭っているわけです。
 一方で、学校に通っている年齢の方たちに、学校で、この痴漢の問題でどういう情報提供があったかということなんか聞きますと、全く、相談してくださいねという話になっていないんですね。相談できる場所があるということも知らされていないということも浮き彫りになりました。
 性暴力被害が何なのか、そういうことを知らされない中では認識できないわけで、そして、寄せられた声の中では、親にもいってはいけないんじゃないかというふうに一人で抱え込んでいると。それも長年抱え込んでいて、随分後になってあれは性暴力だったんだと認識をして、それが過去の問題で終わらずにかなり打撃を受けるという実態も多数寄せられました。
 あなたは悪くない、支援される対象なんだと、繰り返し呼びかけられる必要があります。これは教育委員会などとも連携して取り組んでいただきたいと要望しておきます。
 子供や若者への性暴力被害に関わって、都教育委員会、また大学などとどのような連携があるかも伺います。

○住野人権部長 本年五月、都教育委員会主催のスクールカウンセラー連絡会で、都の犯罪被害者支援に関する事業を説明いたしましたほか、八月には、都立学校の教職員向けに研修会を実施いたしました。また、東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターのリーフレットやカードを都内の大学、専門学校等へ配布してございます。

○米倉委員 日本共産党都議団は、第三回定例会の代表質問でも、LINEなどもっと身近な手段で相談できる環境が必要だと求めました。
 都は、新たにSNS相談について、今検討をしています、この性暴力被害の相談について。これは必要なことだと考えていますが、これは都としての、どういう趣旨で相談窓口つくろうとしているのか、また、これは早期で設置していただきたいと思いますが、併せて伺います。

○住野人権部長 若年者にとりまして、SNSは親しみやすい通信手段でありまして、より相談しやすい手法であると考えたものでございます。設置につきましては、先ほど他の委員のところで申し上げたとおりでございます。

○米倉委員 早期に取り組んでいくということだと思います。これは大事なことです。
 性暴力などの相談支援を行っている団体にお話を伺いました。相談してくる方たちというのは、これは自分が育つ中で身近にあった通信ツールを使って相談してこられるということで、そういう意味で、LINEなどの相談は若者の相談が多いということです。
 このときに必要な、相談を受ける側にとって大切なことは、これは返信する文字を早く打てるかどうかというようなことではなくて支援力なんだということです。専門性を持って対応できる相談員、経験豊かなベテランの相談員がいることが、電話相談でもLINE、SNS相談でも力になるんだということなんです。ワンストップ支援センターのSNS相談も、これは専門性を持った方たちが受ける対応となるように要望しておきます。
 ワンストップ支援センターへ寄せられる相談の状況、全体についても最後にお聞きしたいと思います。この間の相談件数について、過去二年分と今年度の現時点までの状況を伺います。

○住野人権部長 令和三年度は五千四百三十七件、令和四年度は五千六百四十三件、令和五年度は九月末現在で五千百八十九件となってございます。

○米倉委員 つまり、過去二年間は年間が五千五百件前後だったけれども、今年度は半年で五千二百件近いと、例年の二倍近い相談件数になっているということだと思います。今年度、この相談が二倍近くに増えているわけですが、これは相談内容について傾向が、変化があるのか、相談件数が増えたことに対して、これは相談体制を増やすことが必要だと思いますが、いかがですか。

○住野人権部長 件数は年々増加しておりますものの、相談内容の傾向に大きな変化は見られません。
 同行支援や面接相談等必要な支援につきましては、これまでどおり被害者に寄り添い、適切に実施してまいります。

○米倉委員 ちょっとこの相談件数の増え方、これまでにない増え方ですよね。これですと、相談対応される方の負担、相当大きくなっているんではないかと思いますし、今年に入って、冒頭質問もしましたが、子供と保護者向けにホットラインもつくって相談呼びかけていますよね。加えてSNS相談も始めようとしているわけで、ますますワンストップ支援センターの役割は大きくなるという状況です。必要な体制確保を要望します。
 あわせて、性暴力被害の支援がワンストップで受けられる場所が都内に一つしかないと。その上、多摩地域にはないわけです。これは、東京の人口からして余りに不十分です。これでは、面接相談もセンターでのカウンセリング支援も、とりわけ多摩地域など、このセンターから遠い地域にお住まいの方には受けづらいものになります。せめて、早急に多摩地域にワンストップ支援センターをつくるべきですし、二つでも足りないですよね、人口からして。三つ、四つと、国連の基準からしたら各区市町村に一つぐらいの規模感で設置されていますから、そういう国際的な状況なんかも見ながら増設、計画的にしていただきたいと要望します。
 あわせてですが、病院拠点型のワンストップ支援センターの設置を求めます。性暴力の被害というのは医療的なケアが密接に関わってきます。支援センターの基本は、病院の中にあって対応されるということだと思います。
 ところが、東京都の性暴力の被害者センターというのは、そうはなっていないという状況です。これまで、愛知県や沖縄県の病院拠点型のワンストップ支援センターの状況を伺って、私たち、議会でも提起してきました。ワンストップ支援センターの役割は、今後さらに都民にとって重要となってきます。これは、計画的な増設を求めたいと要望しておきます。
 最後に、パートナーシップ制度についてです。
 パートナーシップ制度導入からちょうど一年です。当事者の方たちを中心に声を上げ続けてくださったということ、そして私たち都議会も一緒に制度実現を求めて、東京都としてパートナーシップ制度導入が実現したことは、歴史的なことだと思います。
 Marriage For All Japanによると、現在、東京都を含め三百六十一の自治体が導入をし、人口に対するカバー率は七五%を超えているそうです。
 日本共産党都議団としては、制度導入を契機にして、多様性への理解を広げていく都の取組も充実していくことを求めてきました。
 まず初めに、パートナーシップ制度の証明書交付数、これは現時点で幾つになっているのか、また、子供の名前を記載したカップルはどのくらいか伺います。

○住野人権部長 十月三十一日時点で、九百六十八組に受理証明書を交付してございます。そのうち、子供の名前を備考欄に記載したのは十四組でございます。

○米倉委員 多くの方に利用していただいているということです。そして、子供の名前を書いている方もいらっしゃるということが分かりました。
 都の仕組みは、パートナー関係にある二人の関係性を証明するもので、子供の名前は特記事項欄に書かれるものになっています。レインボーファミリーの方たちからは、子供も家族なんだと、ぜひファミリーシップを導入してほしいという声を伺ってきました。
 以前に、ファミリーシップを既に導入している足立区に、職員の方からお話伺いましたが、すごく学ぶところがあるなと思いました。足立区がファミリーシップを導入したというきっかけは、当事者の皆さんとの意見交換会でファミリーシップを入れてほしいという希望を聞いたことで導入したんですということなんですね。
 特に、このレインボーファミリーの皆さんは、一人の親の方は子供と法的な関係があるにしても、もう一人の親の方は法的な関係はないという状況です。親として書類を書くこともないという状況なんですね。ファミリーシップ制度を導入して、利用者の方々からは、子供の名前を書けることが感慨深いと話をされたということなんです。ぜひ、この都のパートナーシップ制度というのも、利用者の皆さんの声を聞いて、さらに発展させていただきたいと思います。
 次になんですが、このパートナーシップ制度導入を受けて、区市町村との連携も都は進めています。これ重要だと思っていまして、この一年で連携はどう広がってきたんでしょうか。

○住野人権部長 都は、既に制度を導入しております都内二十二の自治体と、受理証明書の相互活用に関する連携協定を締結してございます。未導入の都内自治体とは協議を重ねまして、都の受理証明書を活用した行政サービスの提供が順次実施されているところでございます。

○米倉委員 ホームページ見ますと、制度のある自治体との関係では、どちらかの証明書を持っていると受けられる行政サービスで、充実しているなと思います。パートナーシップ制度が未導入の自治体との関係でも、都の証明書を使うことで市営住宅に入れるなど、連携は広がっているということは大事だと思います。引き続き、拡充のために連携広げていただきたいと思っています。
 同時に、民間企業、特に不動産業者、不動産業、病院との関係で理解を広げるということは不可欠ですけれども、どう取り組んでいますか。

○住野人権部長 多くの民間事業者の顧客向けサービスや社内福利厚生においても受理証明書の活用が広がるよう、医療、住宅関係の業界団体や経済団体を訪問しまして協力を依頼してございます。

○米倉委員 都のパートナーシップ制度がスタートして、これは当事者の皆さんからはとっても喜ばれたんですが、同時に、民間企業で働く方たちからは、会社内の理解を得て福利厚生に反映されることが難しいということにも直面される方が多くいらして、新しい困難が指摘をされてきました。都として、各業界団体に呼びかけているということは、これは大事なことで、今後もこれ広げていただきたいと思います。
 パートナーシップ制度に登録された方々に、性的マイノリティーであることによる困り事などを聞いていくこと、そして、その聞いた声を基に都の施策を充実させることは必要ですが、どう取り組んでいますか。

○住野人権部長 利用者からのご意見を把握しまして、適切に制度の運用等を図っているところでございます。

○米倉委員 これ、様々なやり方で意見聞いていらっしゃるということは認識しています。電話などでは、都営住宅に入れたとか病院で使えたなどという喜びの声が寄せられているということも聞きました。
 あわせてですが、これは、そういう寄せていただく声との関係ではなくて、都として積極的に当事者の皆さんの困っていることやニーズを把握していくということをぜひやっていただきたいと思います。やっぱりそれをやってこそ、都として、ではどうしていくのかということも見えてくるわけで、都の施策として拡充していくと。これはやっぱり、何ていうか、ほかの自治体の方たち、すごく一生懸命やっていらっしゃるなと思います、会議体つくったりだとか、積極的に声を聞いていらっしゃいます。都としてもこれはぜひやっていただきたいと要望して、質問を終わります。

○五十嵐委員 よろしくお願いします。
 私は、まず、国民保護法に基づく住民避難訓練についてお伺いしたいと思います。
 先ほど他の委員からも質問ございましたけれども、私も、この十一月六日に行われた練馬区での住民避難訓練について、私は、これは本当に意味あるのという観点から質問したいと思います。
 十一月六日の十時十五分から十時二十五分、この十分間において、練馬区において住民避難訓練が実施されております。先ほどのご答弁によりますと、練馬区民で参加したのは六十名で、都の職員が二十八名、駅員一名が参加。費用については、この一回について百五十万円とのことでございます。
 この住民避難訓練の想定なんですけれども、X国から弾道ミサイルが発射され、我が国に飛来する可能性があると判明したとの訓練でございました。そもそもこの、X国っていうふうに書いてあるんですけど、これは北朝鮮ということなんでしょうかね。ちょっとX国ということでご答弁はこれはいただけないようなんですけれども、そもそもこれ、なぜ練馬区で行うことになったのかについて、練馬区で実施することになった経緯と他の自治体との調整状況、まあ、断られたところがあるのかについても伺います。

○永田国民保護担当部長 都として、様々な自治体を候補として調整する中におきまして、練馬区となりました。調整状況についてはお答えは控えさせていただきます。

○五十嵐委員 詳細は全然教えていただけないんですけれども、練馬区になったと。その住民避難訓練の効果と実績について、都の認識について伺います。

○永田国民保護担当部長 住民避難訓練を実施することによりまして、Jアラートが発出されたときに都民が取るべき行動についての理解促進につながると考えております。
 訓練参加者の方々からは、万が一のときにどのような行動を取らなければならないかを理解することができたなどのコメントがあり、都民への普及啓発に寄与したものと認識しております。

○五十嵐委員 実績について非常に前向きな答弁なんですけれども、私はそれ非常に疑問に思います。
 普及啓発に寄与とのことでしたけれども、参加した区民、六十名ですよね。理解することができたと訓練参加者はおっしゃっているようなんですけれども、そもそもこの十分間の訓練で、どう行動するか理解できたというような訓練でいいのでしょうかという非常に疑問があります。はっきりいって、ミサイル撃たれたらそんな甘いものではないというのは、ガザやウクライナ見たら明らかだと思っております。
 そもそも、都内の地下駅舎の二百八十八、全部であるんですけれども、そのうち百三十二駅を緊急一時避難施設として都は指定しております。この練馬区の六十人が参加した住民避難訓練なんですけれども、そもそも練馬区の区民って七十五万人ぐらいいるんですか、かつ、その練馬の駅の乗降者数、これ交通局に確認しましたけれども、利用者数は一日、練馬駅の乗降客数は六万九千五百十一人ということで、乗ったり降りたりしているということで、一日約三万五千人の方が利用しているみたいなんですね。
 練馬駅の深さについてもいろいろ調べたんですけれども、十五・五メートルということになっているようなんですけれども、これはホームの、列車が到着するところの深さが十五・五メートルで、緊急一時避難施設として一時待機するエリアというのは改札口のあるコンコース階であり、ホームの階よりもさらに深さが浅いようなんですね。地下一階相当に該当するとのことでございます。
 これは、例えばウクライナを見ておりましても、地下の駅ですね、避難しているような映像が流れますけれども、あれ百メートルぐらいあるんですね。それに比べて練馬駅は、十五・五メートルない可能性もあると。
 そもそもその練馬駅で、先日十一月十五日に公営企業決算特別委員会で関口委員も質問していましたけれども、都営地下鉄の全百六駅のうち五十九が都営交通協力会に委託しているんですね、練馬駅は直営なんですけれども。これ緊急災害時、どう、要するに助役という都の職員が、委託しているその駅員に対して直接指示すると偽装請負になるということで報道もありましたけれども、緊急時の場合に直接業務指示はできないということになっているんですね。
 百六駅のうち五十九も委託しているんですけれども、これ緊急時どのように避難をするか、避難できるかというところについては非常に疑問があると思います。改めて、その住民避難訓練を今回実施する意義があったのかについて見解を伺います。

○永田国民保護担当部長 有事の際、自らの生命を守るために、都民一人一人が速やかに避難行動を行えるよう、屋内や屋外などそれぞれの状況に応じて取るべき、逃げる、離れる、隠れるといった避難行動を実際に経験いただいたことは意義があったと認識しております。

○五十嵐委員 六十名参加の訓練で、意義があったと繰り返すのも非常に疑問です。自らの生命を守るための訓練というふうにおっしゃいましたけれども、地下のこの駅ですね、避難した場合というのは都民は助かるんでしょうか、伺います。

○永田国民保護担当部長 内閣官房によりますと、爆風や破片などから身を守り、被害を軽減するためには、コンクリートづくりなどの堅牢な建築物や地下施設へ避難することが有効であり、とりわけ地下施設は、爆風や破片などからの被害軽減に効果が高いとされております。

○五十嵐委員 急に内閣官房によればということになっちゃったんですけれども、今答弁にもあったように、あくまで被害の軽減ということですよね、被害を軽減するという点ですね。被害が生じることは大前提なんだと思っております。
 なので、生命を守るために住民を参加させて、避難させる訓練をさせるというところは、あくまで被害の軽減だという点、強調すべき必要があると思います。
 この国民保護法に基づく住民の避難訓練なんですけれども、都の予算の推移について伺います。

○永田国民保護担当部長 今年度の住民避難訓練に係る予算につきましては約一千二百万円であります。昨年度までは、住民避難訓練についての予算は計上しておりません。

○五十嵐委員 今ご答弁にもありましたけれども、今年度初めて一千二百万ということで予算化されているとのことでございます。
 先ほどもご答弁ありましたけれども、訓練で繰り返し周知していきたいとのことですので、今後も実施、来年度以降も予算が立てられるのではないかなと思っております。繰り返し訓練を実施するとのことですけれども、今後どのような頻度で計画しているのかについて伺います。

○永田国民保護担当部長 普及啓発のためには継続した訓練が必要でありまして、今後の訓練については引き続き検討をしてまいります。

○五十嵐委員 こういった訓練が来年度も実施されるのであれば、それは、今回練馬区の駅の外にもたくさんの区民がデモというか、こんな訓練して何が意味あるのと、不安をあおっているだけじゃないのというようなデモたくさんありましたけれども、不安をあおる面、本当に否定できないと思います。これ、本当に逃げる、離れる、隠れるしたら助かるわけじゃないですよね、被害の軽減とかっていっていますけれども。
 都民の理解というならば、ミサイル撃たれたら正直いって助かりませんと、ウクライナの地下とは状況が全く違いますということも併せて普及啓発すべきだと思います。本当にミサイルを現実的な脅威として受け止めているなら、こんな甘い訓練は本来できないはずです。
 本当の訓練ですね、被害想定など本当に深刻に受け止めているならば、訓練の在り方も国のいいなりではなく真剣に都として考えるべきだと思いますし、そもそも、この後、質問させていただきますけれども、都内におけるヘイトスピーチ対策しっかりするとか分断をあおらないとか、そういうことを真っ先に、そちらを優先してすべきだということを申し上げたいと思います。
 次の質問に参ります。
 人権条例、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例について伺いたいと思います。
 そもそもなんですけれども、この条例の二条の三項に、都民は、人権尊重の理念について理解を深めるとともに、都がこの条例に基づき実施する人権尊重のための取組の推進に協力するよう努めるものとするというような条文がございます。これ、人権を尊重する主体というんですか、尊重するのは東京都で、対象は都民、つまり都民としての義務は、東京都が行う人権尊重のための取組の推進に協力するよう努めるという理解でよろしいのでしょうか。まずちょっと、前提として伺いたいと思います。

○住野人権部長 人権尊重条例第二条三項では、都民は、都がこの条例に基づき実施する人権尊重のための取組の推進に協力するよう努めるものとするというふうに規定してございます。

○五十嵐委員 そもそも憲法に書いてあるんですけれども、九十九条で、憲法を尊重する、擁護する義務を負うというのは公務員ですね、東京都も含めて公務員が含まれると。で、国民は個人として尊重されるということが憲法十三条に書いてあります。全て国民は個人として尊重される、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とするというふうに書いてありますね。人権を尊重されるのは、私は、当然のことなんですけれども、国民や都民だというふうに思っております。
 先ほどパートナーシップ宣誓制度についてもほかの委員からも質問ございまして、私もこれ利用している当事者の方に聞くと、やっぱり東京都でこれを導入した意義というのは非常に大きくて、自分らの存在が認められたというような意味で、非常に喜んでいるというような声も聞いております。
 ただ、気になるのが人権条例三条の二の二項ですね。パートナーシップ関係を組むときの要件についてなんですけれども、ちょっとこの点ただしたいと思います。
 人権条例三条の二の二項にパートナーシップ関係とありまして、パートナーシップ関係、何かというところで、双方またはいずれか一方が性的マイノリティーであり、互いを人生のパートナーとして相互の人権を尊重し、日常の生活において継続的に協力することを約した二人というふうに書いてあるんですね。
 これちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、先ほど申し上げたように、人権を尊重されるのは国民というか都民ですかね、あくまでその尊重、立法その他国政の上で最大の尊重を必要とするということ、尊重されるのは都民だというふうに私は理解していたんですけれども、パートナーシップ関係を組むに当たって、その宣誓の内容として、相互の人権、カップル同士ですね、カップル同士が相互の人権を尊重するということの、こちらの意味について伺いたいと思います。

○住野人権部長 人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が、誰一人取り残されることなく尊重されるとしておりまして、性的マイノリティー当事者の方々も含め、都民の誰もが認め合う共生社会を実現することとしているものでございます。
 こうした理念を明確にするために、本制度では、性的マイノリティー当事者の方々の人権尊重の観点から、パートナーシップ関係にある二人が、対等な立場で互いの人権を尊重することを前提に、条例案に定めたものでございます。

○五十嵐委員 何か、とてもいいことをいっているふうなんですけれども、私の問題意識としては、なぜ同性カップルについては、互いが人権を尊重しますよということを宣誓しないとパートナーシップ関係が組めないのかっていうところですね。これがやっぱり、この宣誓制度の必須の要件になっているんですね。お互いに、同性カップルが人権を尊重しますよということを宣誓するということが必須の要件になっているんですね。
 これは、婚姻とは違う制度というようなことを東京都はおっしゃっていますけれども、やっぱり異性のカップル、普通の婚姻において、こういう互いに人権を尊重しますというようなことを宣誓される場はないわけでありますし、そもそも都民や国民が人権を尊重される受け手というか、尊重してもらえる方なのにもかかわらず、同性カップルについて尊重することを宣誓させること自体、この考え方というか、非常に疑問があると思っております。
 ただ、やはり先ほど申し上げたように、この制度自体については、やってくれたというような好意的な意見もたくさん届いております。
 ただ、その当事者からお話伺いますと、どこが足りないかを聞きますと、やっぱり民間含めて医療機関でほぼ使えないというか、現場でこのパートナーシップ証明書というのを示してもなかなか理解してもらえず、それ何ですかということで全く理解してもらえないということが問題だというふうに聞いております。
 こういった問題があるんですけれども、民間含めた医療機関ですね、この現場に対して、このパートナーシップ宣誓制度というのをしっかり周知させる必要があると思いますけれども、見解を伺います。

○住野人権部長 受理証明書が活用されるよう、医療関係の業界団体を訪問し協力を依頼しているところでございます。また、病院で面会する際などに受理証明書が活用可能で、掲載にご協力をいただきました六十の施設を東京都のホームページに掲載してございます。
 なお、制度利用者からは、病院でパートナーの治療の説明を受けることができ、とても助かった等々の声がこちらの方に届いてございます。

○五十嵐委員 都内に全部で六百程度の医療機関があるようなんですけれども、そのうち六十施設ということで、やはり現状、少ないのかなというふうに思っております。非常時、緊急搬送や災害発生時に使えなければ意味があまりないので、現場に対する理解も周知もしっかり努めていただきたいと思います。
 もう一つあったのが、既に市区町村で発行しているパートナーシップ制度との二重適用というか、その関係について、効果がどうなるのかについてよく分からないといったような混乱があるというようなことを聞いております。この点に対する実情の認識と対策についても伺います。

○住野人権部長 都は、既に制度を導入しております都内自治体と受理証明書の相互活用に関する連携協定を締結いたしまして、制度利用者は、都と区市町村のいずれかの証明書を提示することで双方の行政サービスを受けられるよう、利便性の向上を図っているところでございます。

○五十嵐委員 そうですね、区市町村との連携というところで、当事者に対する周知もしていくということでよろしいですかね。こちらもやっぱり制度があるだけじゃなくてやはり現場で、病院なりそういった現場で理解してもらえるということが大事ですので、しっかりと周知に取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、この人権条例についてのヘイトスピーチの規制について伺いたいと思います。
 今年の九月一日に、墨田区の都立横網町公園で、日本女性の会そよ風という団体が、慰霊碑の近くで、碑に刻まれた六千余人という虐殺の犠牲者数がうそだなどといった独自の主張をして、歴史的事実を矮小化するような集会を開いております。
 この集会というのは、小池知事が朝鮮人犠牲者追悼式に追悼文を送付をすることをやめた二〇一七年から毎年行われているものなんですけれども、今年の九月一日にも同様の集会が行われ、その中で、朝鮮へ帰れとか祖国へ帰れとかそういったヘイトスピーチもあったというふうな認識をしております。かつ公務執行妨害というか、場も騒然として逮捕者も出たというふうに報道もされております。そもそもこの事態が、適切な人権条例に基づく措置を講じていれば防げたんじゃないかと私は思っています。
 そもそもこの人権条例の十一条、公の施設の利用制限という条文があるんですけれども、この趣旨について伺います。

○住野人権部長 公の施設におきまして、不当な差別的言動が行われることを防止するということでございます。

○五十嵐委員 今ご答弁いただいたように、この条例には十一条で、公の施設において不当な差別的言動が行われることを防止することという規定がございます。この条例の十一条、知事は、公の施設において不当な差別的言動が行われることを防止するため、公の施設の利用制限について基準を定めるものとするという規定があります。この基準ですね、条例第十一条に規定する公の施設の利用制限に関する基準というのが総務局によって定められております。
 どういった場合に公の施設の利用制限ができるのかについても、要件というのが二ページですね、書いてあります。以下の二つの要件を両方満たした場合に利用制限を行うことができると。一が、ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこと、二つ目が、ヘイトスピーチが行われることに起因して発生する紛争等により、施設の安全な管理に支障が生じる事態が予測されることというような規定がございます。
 この一のヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いことと、施設の安全な管理に支障が生じる事態が予測されると二つあるんですけれども、この二つの要件を満たす場合に公の施設の利用制限、占用許可申請されたとしても、利用制限ということで不許可にできるというような基準になっています。
 そこで、お伺いいたします。この一つ目のヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこととはどのような意味でしょうか、伺います。

○住野人権部長 ヘイトスピーチが行われる蓋然性につきましては、予定されている集会等について、事前に判明しているテーマ、具体的内容、開催、実施の方法等の諸事情を勘案することとしてございます。

○五十嵐委員 今、蓋然性については、予定されている集会等について事前に判明しているテーマ、具体的内容、開催、実施の方法等の諸事情を勘案というふうにあります。
 ただ、この基準の中身を見ていくと、三ページにさらに細かく考慮要素というのがあるんですね。今、実施の方法等というところで丸められてしまったんですけれども、その等の中に、集会等の主催者及び参加予定者が過去に行った同種の集会等の内容及び当該集会等における言動の内容などという要素が三ページ、二ページか、に書いてありますけれども、これも含まれるということでよろしいでしょうか。

○住野人権部長 蓋然性の考え方の部分でございますけれども、予定している集会等について事前に判明しているテーマ、具体的内容、開催、実施の方法等の諸事情ほか、集会の主催者及び参加予定者が過去に行った同種の集会等の内容及び当該集会等における言動の内容ということになってございます。

○五十嵐委員 今ご答弁いただきました。
 ヘイトスピーチを理由に利用制限を行うことができる場合の要件、二つあったうちの一つ、その蓋然性なんですけれども、ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いというのをどう判断するかという中に、参加予定者が過去に行った同種の集会等の内容及び当該集会等における言動の内容なども考慮するというような答弁でございました。
 私の問題意識としては、今年の九月一日に、そよ風という団体がヘイトスピーチ、かつ、現場が騒然として現行犯の逮捕者も出たというようなことなんですけれども、そもそも、このそよ風という団体なんですけれども、令和元年にこの東京都の人権条例に基づいてヘイトスピーチ認定されているんですね。令和元年九月一日、東京都墨田区内の集会における以下の言動ということで、犯人は不逞朝鮮人、朝鮮人コリアンだったのですなどという発言が、この東京都の人権条例に基づいてヘイトスピーチ認定されていた団体なんですね。
 このことから考えると、令和元年に同団体が横網町公園でヘイトスピーチ認定されているわけなんですけれども、この団体が本年も、九月一日、横網町公園で同じような集会を行ったということだったんですけれども、これはヘイトスピーチを行う蓋然性がありということで利用制限すべきだったのではないでしょうか、伺います。

○住野人権部長 蓋然性等につきましては、施設管理者が判断をするに当たりましては、施設利用の態様等を総合的に勘案することとしているものでございます。
 なお、お話のありました団体につきましては、ヘイトスピーチを行っているということで認定しているものではございません。

○五十嵐委員 ヘイトスピーチを行っているものとして認定しているものとのことですか、それ、どういう意味でしょうか、伺います。

○住野人権部長 不当な差別的言動に該当すると認めるのは、人権尊重条例第九条第一項第二号に規定する表現活動でございまして、団体を認定しているものではございません。

○五十嵐委員 今のご答弁から推察するに、ヘイトスピーチ認定したのは表現活動であって団体ではないというような答弁だったんですけれども、団体を認定するものではないから蓋然性に、令和元年にですか、ヘイトスピーチ認定されたとしても、団体を認定するものではないから蓋然性がないというような判断でよろしいということなんでしょうか。
 そもそも団体を認定するものではないというところなんですけれども、条例の十二条、公表のところで、当該表現活動の概要等を公表するとあり、条例改正する必要なく、ヘイトスピーチを行った氏名や団体も公表することが運用ですぐできるんですね、条例改正しなくても。そのような運用に改善すべきではないでしょうか、伺います。

○住野人権部長 先ほど申しましたとおり、不当な差別的言動に該当すると認めるのは、人権尊重条例第九条第一項第二号に規定をする表現活動を指しているものでございまして、団体を認定するものではございません。
 蓋然性の有無につきましては、予定されている集会等についてテーマ、具体的内容、開催、実施の方法等の諸事情を勘案することとしてございます。

○五十嵐委員 かたくなに、この人権条例に基づいてヘイトスピーチ認定をする場合に団体や氏名、公表しないというようなかたくなな答弁だったんですけれども、じゃ、そもそもこの基準ですね、公の施設の利用制限に関する基準で、ヘイトスピーチがある蓋然性が認められる場合には利用制限できるよというところの蓋然性ですね、集会等の主催者及び参加予定者が過去に行った同種の集会等の内容及び当該集会等における言動の内容などということで、過去のその団体の言動も考慮しなさいよということで考慮要素に入っていて、かつ、この団体が令和元年に同じ条例でヘイトスピーチ認定されているにもかかわらず、ここに当てはまらないということなんでしょうかね。
 そうすると、この場合の蓋然性というのはどのような場合に当たるんでしょうか。どういう場合にこの蓋然性というのを判断することができるんでしょうか、伺います。

○住野人権部長 蓋然性等につきましては、施設管理者が判断するに当たりましては、施設利用の態様等を総合的に勘案するということになってございます。

○五十嵐委員 施設利用の管理者がということで今ご答弁されましたけれども、私の問題意識としては、東京都人権条例に基づくヘイトスピーチの規制、公の施設の利用制限というところが、蓋然性、過去にヘイトスピーチを行った団体も防げないようなものであれば、条例の運用として、人権部として、総務局として、この条例の運用として正しいんですかということを聞いているんですけれども、この点について伺います。

○住野人権部長 判断に当たりまして、人権尊重条例を所管しております私どもの役割といたしましては、施設管理者から先ほどお話にありました二要件の該当性につきまして意見照会を受けた際は、ヘイトスピーチ審査会において調査、審議を行いまして、回答を行っているものでございます。

○五十嵐委員 極めて無責任というか、極めて、この人権条例をつくっただけ、ヘイトスピーチ規制、ヘイトスピーチの公の施設の利用制限規定をつくっただけ。極めて無責任だと思います。
 昨日、この人権条例に基づいてその審査会、今答弁でもおっしゃいましたその審査会というのが開かれております。そこで、もし今年の九月一日のこの団体の言動がヘイトスピーチ認定されるようであれば、内容は教えていただけないんですけど、内容がヘイトスピーチとして認定されるならば、全くこの条例が機能していないということを明らかにするものだと思います。
 今年の九月の横網町公園でも、冒頭申し上げましたように、参加者の一人が朝鮮へ帰れとか祖国へ帰れとか発言をしているんですね。
 今年の令和五年の九月一日の、このそよ風という団体が占用許可申請をした申請書を拝見いたしますと、過去にはなかった資料がついておりまして、公園占用許可申請書、令和五年八月十六日付でこの団体による横網町公園の申請書というものがあるんですけれども、その申請書にはチラシがついておりまして、真実はここにあるということで、関東大震災朝鮮人犠牲者、真実の慰霊祭ということが書いてありまして、さらに説明文の中で、今年は震災百周年と、特に二百数十人の方は自警団に殺されて非業の最期を遂げました、ここに真実の慰霊祭を粛々と催行いたしますというようなことがしっかり書いてある資料が添付されて占用の許可申請がされているんですね。
 これ、去年もなかったですし、その前も過去、文書を保管している過去遡った申請の資料にはないんですけれども、今年についてはその資料がついているにもかかわらず占用の許可が出されて、かつ、朝鮮へ帰れというようなヘイトスピーチが行われたと。で、逮捕者も出ていると。
 このような事態がこの人権条例で阻止できないというか防げないというのは、小池知事も、知事の部屋、記者会見でこの条例できたとき述べていましたよね、表現の自由に配慮しながらヘイトスピーチを許さないという姿勢を示してまいります。
 この基準についても、七ページに、ヘイトスピーチは決して許されるものではないというメッセージを都として強く出していくというようなことが書いてあるんですけれども、決してそのような人権条例の運用になっていないということ、人権条例がヘイトスピーチに関して全く機能していないということ、指摘したいと思います。
 人権条例を所管する人権部として、このような運営が来年度以降なされないように、法の趣旨にのっとり、条例がしっかり機能するよう通知なり指導なりすべきだと思いますけれども、見解を伺います。

○川上理事 ヘイトスピーチに関する概要公表にいたしましては、発言者に対する制裁を行うということではなく、不当な差別的言動の実態を広く都民に伝え、啓発していくことを目的としております。
 したがいまして、氏名、団体名等の公表は行っていないところでございます。
 なお、本年九月一日の公園での発言等の報道でございますけれども、私どもとしては、どこの団体がどういう発言をしたという確認はできていないところでございます。
 以上でございます。

○五十嵐委員 それを踏まえて、人権条例が、全くヘイトスピーチに関して、公の施設の利用制限という条文がありながら全く機能していないということを指摘させていただいたので、改善をしていただきたいと思います。
 続いて最後に、感染症コロナの総括について質問したいと思います。
 先ほど他の委員からも緊急事態条項について質問がございましたけれども、私は、それも本当に今必要がありますかという観点から、東京都に確認をしたいと思います。
 都に、緊急事態条項必要ですかと聞いてもそのまま答弁してはいただけないと思うので、都が今年の六月二日に、新型コロナウイルス感染症対策に係る東京都の取組というものをまとめましたので、コロナの総括というふうに受け止めて、この点ちょっと質問をしていきたいと思います。
 先ほど他の委員からもございましたけれども、今、国会では緊急事態条項についての議論が行われております。十月二十三日の岸田首相の所信表明演説でも、憲法改正の条文の具体化について言及するなど、具体的な議論というか、行われているところでございます。
 条文案の具体化なんですけれども、自民党ではなくて、維新、国民、有志の会が、憲法改正条文案というのを六月に記者会見をして公表しています。その中に、感染症の蔓延に対処するため緊急事態条項、具体的には国会議員の任期延長なんですけれども、その緊急事態条項が必要だということで公表をしております。
 具体的に会見、この条文をつくった人たちは、新型コロナウイルス禍を挙げて、緊急事態条項の創設の意義があるというようなことを主張しております。で、都の見解、このコロナ対策に対する都の見解を確認していきたいと思います。
 都は、今年六月に新型コロナウイルス感染症対策に係る東京都の取組をまとめたんですけれども、この作成の目的、伺います。

○水野危機管理調整担当部長 五類移行を機に、都内の感染状況とそのステージに応じた主な対策など、三年以上にわたる都の取組を振り返り、専門家の皆様からのご意見もいただき取りまとめたものでございます。

○五十嵐委員 三年以上にわたる都の取組を振り返り、まとめたものということでございました。
 コロナ禍の中、都は、都民への外出の自粛など行動制限等を課していましたけれども、これは新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて都は、都民に対し外出の自粛などの行動制限を要請していました。その法律に基づいて、新型コロナウイルスが蔓延した場合に、都としてどのような行動制限を課していたのか伺います。

○水野危機管理調整担当部長 緊急事態宣言発令期間や蔓延防止等重点措置適用期間において、都は、感染状況や人流の動向、変異株の特性等に応じて、専門家のご意見等を踏まえつつ、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、都民に対し感染防止に向けた協力を要請してまいりました。

○五十嵐委員 外出自粛の協力を要請していたとのことです。
 この行動制限に反した場合にも特段罰則等は規定されていなかったので、罰則等はなかったんですけれども、このような罰則の強制力がない協力要請に効果があったのかについて、見解を伺います。

○水野危機管理調整担当部長 感染リスクの高い場面の行動など、その時々の状況に応じた感染防止対策について、都民や事業者などの皆様にご理解やご協力いただき、その都度感染の波を乗り越えることができました。

○五十嵐委員 この取りまとめにもありますけれども、都としては、コロナ禍に対する取組としては感染の波を乗り越えることができたというような認識というふうに理解します。
 コロナ禍を振り返り、都としていかなる対策を講じ、さらに、例えばいかなる権利を制約できればもっと改善なり、もっと都民を救済できたと考えているのか、新たな感染症に備えて都の今後の対応について伺います。

○保家総合防災部長 都はこれまで、都民の皆様にもご協力いただきながら新型コロナ対策に取り組み、そこで得られた知見や経験を次の対策に生かし、東京モデルを確立させ、幾度も感染の波を乗り越えてまいりました。
 今後とも、これまでの成果を生かし、専門家の意見を踏まえつつ、国や各局等と緊密に連携し、新たな感染症に備えてまいります。
 なお、先ほどの国民保護の訓練について一言申し上げます。
 この訓練は、万が一のときに一人でも多くの命を守り、被害を軽減するために行っているものでございます。都民の安全・安心を確保することは都の使命であると考えているものでございます。

○五十嵐委員 聞いていないことをなぜ突然この場で付け足されたのか全く分かりませんけれども、緊急事態条項に戻りますと、都としては、幾度も感染の波を乗り越えてきたというふうな答弁だったので、私としては、緊急事態条項があればさらなる救済ができたというような、例えば緊急事態条項でさらなる権利を制約したりとかそういうことは必要ないというふうな認識だったというふうに理解をしたいと思います。
 そもそも都は、二〇二一年の八月、感染症法に基づく医療機関に対する病床確保や人材派遣の要請をしておりますけれども、私もこれ一番初めの一般質問で質問をさせていただいたんですけれども、既存の法律ですら要請をしたのが八月二十三日ということで、既にその数日前には感染者数がとても増えていたので、もっと早く感染症法に基づく病床確保の要請をすべきだったんではないかという問題点を持っていましたけれども、やはり平時から、既存の法律に基づく対策というか措置、しっかり講じておくことが必要だと思っております。
 コロナ禍を経て、インフル特措法も改正されましたし、感染症法も改正をされましたし、例えば改正感染症法の常時の都道府県知事と医療機関の協定の義務づけなどいろいろ、常時の対策の強化としての法令の改正もしておりますので、私としては、東京都に対しては法令に基づいて、都としてしっかり平時から新たな感染症に備えて、法令に基づいて必要な対策を講じてほしいと思います。
 以上です。

○福島委員 私からはまず、人員動向を見据えた執行体制の構築について伺います。
 生産年齢人口の減少や人材の流動化など社会情勢の変化を受けて、国、自治体を問わず、公務全般において採用試験の受験者数が減少傾向にある一方で、離職者数も増加傾向にあるというふうに伺っております。
 都だけがこうした情勢の影響は受けないということはあり得ず、将来的に行政サービスの低下を招かないためにも今後の人員動向を見据えた執行体制の構築等を進めていく必要があると考えますが、見解を伺います。

○石橋人事部長 行政需要のさらなる増大や生産年齢人口の減少による社会構造の変化など、社会の変化を踏まえた新たな視点の下、都庁の制度や仕組みを更新していくことが不可欠であります。
 今後の職員数が減少することを前提に、大胆な視点で仕事の仕方を抜本的に見直すため、業務の可視化、分析、DX等の活用などの調査検討に着手しております。
 質の高い都民サービスを提供するとともに、新たな重要課題にも対応できるよう、効率的な執行体制の構築を図ってまいります。

○福島委員 今後の職員減少を前提に、都の効率的な執行体制の構築に取り組むその考え方を確認させていただきました。
 こうした取組を進めることで、時代に即した効率的な業務運営を実現することに加え、他局ですけれども政策企画局では、都庁のデジタル環境に関する都職員の満足度をちゃんと調査をして、満足と回答する割合が年々増加していることを公開するとともに、オープン・アンド・フラットな職場づくりに努めていることを公表しています。
 都民の課題解決や東京都の将来を描きつくる仕事というのはそもそも意義ある仕事です。仕事環境の改善に丁寧に取り組むことが、必要な方に来ていただく、そして受験者数の減少を抑制することにつながると考えます。
 総務局においても、就職活動をされている皆様から選ばれる都庁にするために、答弁にあった執行体制の構築に加えて、都職員としてやりがいや成長を実感できるような職場環境、そして人事制度の整備などについても引き続き取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、島しょ地域の遠隔医療について伺います。
 都はこれまで、離島振興法に基づき、伊豆諸島地域の振興、発展に向けた取組を進めており、本年五月には新たな東京都離島振興計画を策定、公表いたしました。
 本計画では、十年後の目指すべき姿を定めて、コロナ禍を経て、特に地理的制約を克服し、島しょ地域の方々の生活環境を向上するためには、デジタル技術を活用していくことが重要であるとしています。
 特に、医療分野におけるデジタル技術の活用は、医療の質や患者の利便性の向上、そして医療の地域差の是正など、地域医療の充実の観点から重点的に進めていく必要があると考えています。
 そこで、島しょ地域の遠隔医療の現状と加速の必要性について見解を伺います。

○高田多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 現在、島しょ医療の基幹病院である都立広尾病院において、画像伝送システムを使用し、島しょ地域の医療機関に対して、エックス線写真等の画像を通じた専門医による診療支援を行っております。
 また、町立八丈病院との間では、5G通信を使用した超音波検査動画による遠隔での診療支援を本年三月から開始したところでございます。
 島しょ地域が置かれている地理的制約を克服するためには、DXの力を活用していくことが重要であります。今後は、島しょ町村の実情を踏まえまして、所管局と連携し、地域医療の質の一層の向上と診療体制の強化を図ってまいります。

○福島委員 実施主体は保健医療局になるのかもしれないですけれども、今ご答弁にあったとおり、総務局からは、このDXの力を活用して、医療の地域格差解消など多摩・島しょ地域の振興、こういった立場から、島しょ部の実情を踏まえたゴールの姿と計画を共に描くなど、役割に応じた働きかけ、これを求めます。
 次に、小笠原航空路の検討状況について伺います。
 我が会派は、平時における村民生活の安定と小笠原諸島の自立的発展のため、そして救急災害時に村民の安心・安全を守るため、小笠原空港開設に向けた調査と検討、そして計画案の早期策定を求めてまいりました。小笠原航空路の検討状況について伺います。

○近藤小笠原・国境離島担当部長 小笠原航空路につきましては、現在、より実現性の高い洲崎地区に絞り、集中的に調査を実施してございます。
 航空機については、一千メートル以下の滑走路で運用可能な開発中の二種類の機体の性能等に関する情報収集のほか、飛行場の配置等の検討を行ってございます。
 また、小笠原は世界自然遺産に登録されており、貴重な自然に配慮するため環境調査を実施してございます。
 今後とも、国や小笠原村とも連携し、検討を進めてまいります。

○福島委員 空港の建設と自然保護の両立が容易でないことは承知はするものの、さきに述べた医療事情等も考えると、航空路を開設し、そして移動時間を短縮させることは、村民の生活の質の向上だけでなく命を守ることにもつながります。問題を一つ一つ解決し、できる限り早期に航空路開設を実現できるよう検討を進めることを要望します。
 次に、災害ケースマネジメントの普及啓発について伺います。
 内閣府では、被災者一人一人の被災状況や生活状況の課題等を個別の相談等により把握した上、必要に応じ専門的な能力を持つ関係者と連携しながらこれらの課題等の解決に向けて継続的に支援をすることにより、被災者の自立、生活再建が進むようマネジメントする取組、災害ケースマネジメントというものを進めています。
 従来型の自立、生活再建というのは、支援メニューを用意して、被災者からの申請に基づき支援を提供するというものでしたが、これを官民連携で被災者の自立、生活再建が進むようマネジメントするということで、災害関連死や支援漏れの防止、そして被災者の自立、生活再建の早期実現や地域社会の活力維持への貢献などの効果が期待されているものです。
 内閣府は今年六月に、地方公共団体の担当者向けにこの災害ケースマネジメントの実施に関する全国講習会を開催、そしてこれまでに岡山県、福岡県、兵庫県、奈良県、静岡県の五県が、取組の主体となる区市町村や関係民間団体向けの説明会を開催しておりまして、加えてこれからは、岩手県、宮城県、福島県、愛知県、岐阜県の五県も今年中の開催を表明しているものです。
 都においても、災害ケースマネジメントの取組推進に向け、区市町村や関係機関、民間団体などに対する普及啓発を行うべきと考えますが、状況について伺います。

○保家総合防災部長 発災後、被災者一人一人に寄り添ったきめ細かな支援を行うためには、その主体となる区市町村が平時から様々な関係団体等と連携し、適切に対応できる体制を構築することが重要であり、災害ケースマネジメントはそうした取組を推進するための手段の一つであると認識しております。
 都としましては、区市町村への災害ケースマネジメントに関する普及啓発などについて検討してまいります。

○福島委員 東京都の首都直下型地震の発生リスク、そして人口の多さ、さらには各種中枢機能が集中している、こういったことを踏まえて早期の取組を求めます。
 次に、避難所におけるストーマ用装具への対応について伺います。
 本年六月の第二回定例会で、今年五月に修正された東京都地域防災計画震災編において生活必需品等の確保の一つにストーマ装具、これを記載いただいたことを踏まえまして、住居が被災し、被災者がストーマ用装具を持ち出せなくなった場合に備えて、自己所有のストーマ用装具を預かってもらったり保管場所を提供する取組を都から区市町村に促すことについて見解を伺いました。
 その際には、自治体の好事例を横展開していくなど、ストーマ用装具への対応を含めた避難生活の環境改善に努めていくとの答弁をいただいております。これまでの取組と今後の予定について伺います。

○後藤避難所・物資担当部長 避難所の運営に当たっては、避難者の視点に立ち、避難者個々の事情に応じきめ細かな対応を行うことが重要でございます。
 これまで都は、東京都避難所管理運営指針を作成し、避難所運営の主体である区市町村に対して人工肛門、人工膀胱保有者のための装具交換スペースの検討を促してまいりました。今後、ストーマ用装具の備蓄等を行っている自治体の好事例を横展開していくなど、避難生活の環境改善に努めてまいります。

○福島委員 東京都は、ホームページで避難所マップというものを公開しています。APIで民間地図アプリにもここの情報は提供しているというふうに聞いているんですけれども、ここにバリアフリー情報という項がありまして、その他の欄には、オストメイト設備が設置されている場合、記載してもよいという注釈があります。この取組、このマップをつくるに当たって、東京都はオストメイト設備の地域ごとの普及状況を把握できているはずです。現状を踏まえた必要な取組を行うことを要望いたします。
 また、現在は、オストメイト設備が整備されているかどうかというのを見ようとすると、この避難所のマップ上で避難所を一つ一つクリックしながらその様子を確認していかないと分からないんですけれども、東京都にはオープンデータカタログサイトといったものがあるので、避難所マップの元データを公開すれば、地域ごとの普及状況についてより多くの都民が把握できるようになります。
 取組の推進には情報公開も有効だと考えます。検討を求めます。
 次に、災害時都民台帳システムの開発について伺おうと思ったんですけれども、ちょっとスキップをさせていただきます。
 次に、帰宅困難者対策について伺います。
 都は、昼夜間人口比率が国内で最も高いとされております。つまり、首都直下型地震が平日の昼間に発生した場合には、地域によっては多くの方が働きに出ていたり買物に出かけたりしていて在宅していないことが考えられます。加えて都は、都民の安全を守るために、むやみに移動を開始せず、最大三日間安全な場所で待機する一斉帰宅抑制を推進しています。
 一方で、区市町村では、発災後にどの程度の住民が自治体内にいるかを把握できれば、物資の配分や避難所の準備などにおいて精度が高められるというふうに考えます。
 都は、一斉帰宅抑制の実効性を高めるため、一時滞在施設の確保に努めるとともに、帰宅困難者対策オペレーションシステムを開発、都内の混雑状況を可視化したり、一時滞在施設への到着管理や施設の混雑状況、これを共有することを目指しています。この帰宅困難者対策オペレーションシステムの到着管理などを活用し、各自治体にいない住民の数を伝えるなどはできないのでしょうか。
 そこで、デジタル技術などを活用して、災害時において都や区市町村が地域内の残留人口と流出人口を把握することが可能か、東京都に伺います。

○保家総合防災部長 現在開発中の帰宅困難者対策オペレーションシステムでは、都内の混雑状況を把握するために携帯電話のGPS位置情報を活用しております。本システムで把握した混雑状況については、帰宅困難者と住民等を区分するため、個人を特定しないことを前提に、携帯電話のGPS位置情報によって帰宅困難者の具体的な動きなどを推定できるか研究しているところでございます。
 今後とも、研究結果も踏まえ、災害対策における活用方法について検討してまいります。

○福島委員 平時にどことどこを往復しているかの情報から、その方が住民なのか、それとも仕事などのために移動してきた人なのかを切り分けるという研究であるというふうに伺っております。これに成功すれば、お住まいの自治体も推定できて、お住まいの自治体への不在住民の規模感に関する情報提供が可能になります。災害時の基礎自治体のオペレーションの精度向上に向け画期的なことになると思いますので、ぜひ実現をお願いいたします。
 次に、マンション防災について伺います。
 当初は区民からの指摘を受けまして、平成三十年の総務委員会において、マンションに住んでいる人が本当に多いのに、「東京防災」におけるマンションの災害対策についての取扱いが非常に少ない、こういったことを指摘させていただきました。
 関東大震災から百年を迎える今年、今年度に向けた予算要望において、我が会派からの防災に関する重点要望としてマンション居住者に向けた取組の強化を挙げさせていただきました。今年五月に修正された地域防災計画震災編では新たにマンション防災が位置づけられるなど、都の取組が着実に進んでいることを評価いたします。
 そこで、リニューアルされた防災ブックでは、マンション防災に関する記載をどのように拡充したのかを伺います。

○保家総合防災部長 防災ブックのリニューアルに当たっては、居住形態の変化等の社会状況を踏まえ、新たにマンション防災という項目を設け、マンションにおける防災力向上に向けた日頃の備えや発災時の行動などについて分かりやすくまとめております。
 具体的には、家具の転倒防止や携帯トイレ等の準備といった各家庭での備えに加えマンション全体での備えが必要であることから、マンションの規模等に応じた管理組合等における防災マニュアルの作成や備蓄、トイレやエレベーターなどマンション特有の構造上の課題への対応などについて記載しております。
 また、マンションで被災したときの対応やマンション防災チェックリストを盛り込むなど、記載を充実させております。

○福島委員 防災ブックにおいて、マンション防災に関する記述が拡充されたことがよく分かりました。
 繰り返し述べられてきたように、都民の七割の世帯は集合住宅にお住まいで、より今の都民の暮らしの実情を踏まえた内容になったことを評価いたします。
 都は、防災ブックの中に記載するだけでなく、マンション防災のリーフレットも作成して、防災ブックと一緒に全世帯配布を進めています。我が会派は、TOKYO強靱化プロジェクトの素案である都市強靱化プロジェクトの時点で、コミュニティに関する記載がないことを指摘し、防災力の強化のためにはコミュニティへの働きかけが欠かせないことを指摘。TOKYO強靱化プロジェクトには、コミュニティに関する記載が追加されました。
 この文脈で、私は、このマンション防災のリーフレットにも、住民に防災の意識を高めていただく際には地域防災の要である町会、自治会との連携について丁寧に説明するように求めてまいりました。マンション防災リーフレットの具体的な内容について伺います。

○保家総合防災部長 マンション防災に関するリーフレットでは、地震発生時に一人一人が自分事として取るべき行動、在宅避難で気をつけたいポイント、水や食料品など各家庭における備えなどについて、イラストも用いながら分かりやすく記載しております。
 また、地域コミュニティの一員であるマンション等居住者に対して、日頃から居住者間での挨拶や声かけを通じた顔の見える付き合いが重要であることや、地域の町会、自治会との連携なども災害時に力を発揮することも記載してございます。

○福島委員 このリーフレットを見た町会、自治会の関係者の皆様からは、マンション住民の皆様に対して町会、自治会の防災における役割を伝える記載があること、これを喜んでいただいています。町会、自治会に所属する皆様の高齢化、さらには解散するケースも表れてきています。一度失われてしまうと、都内を網羅するネットワークを再構築することは大変難しいというふうに考えます。
 二〇二二年のものですけれども、首都圏新築マンション契約者動向調査によれば、購入者の平均年齢は三十九・七歳ということです。いつかは戸建てにという住宅すごろくが崩壊し、マンションをついの住みかとして選ぶ方たちも増えています。マンションの居住者の皆様がこの地域防災の主体になるよう働きかけることは重要です。
 そこで、マンション住民と町会、自治会の合同訓練を推進するべきと考えますが、見解を伺います。

○保家総合防災部長 災害時には、町会、自治会、マンション、事業所など地域コミュニティを形成する団体が協力し合って被害の拡大を防ぐことが大切でございます。それぞれの団体間の協力体制を構築し、初期消火訓練、救出救助訓練、資器材取扱訓練などを連携して実施することは有効でございます。
 このため、都は、防災セミナーの内容の充実などにより、マンション居住者等と地域の町会、自治会との連携した活動を促しているところでございます。

○福島委員 今ご紹介の中にあった防災セミナーですね、東京防災学習セミナーの中でも、マンション防災に関するセミナーへの申込みは今年で百件ほどということで、都民の関心も高いというふうには伺っております。
 この中で、地域の町会、自治会との連携した活動を促しているということですが、今後はこういった啓発に続いて、実際に地域の町会、自治会と連携した活動をしたのかとか、もしくは自ら自治会を結成したのかなど、この防災分野においてマンション住民と行政の接点ができて、それが機能すると、こういった行動変容につながるような取組を愚直に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、統計リテラシーについて伺います。
 都民ファーストの会の進める東京大改革の大原則は、都民ファースト、そして情報公開、賢い支出、これはワイズスペンディングともいうんですけれども、この三本柱です。このワイズスペンディングの要になるのがEBPM、証拠に基づく政策立案です。少し長くなりますが、大切なことなので説明させてください。
 私は、総合電機メーカーの研究者のときに会社の方針で、全研究者が製品の品質管理手法であるシックスシグマというものを学びました。シグマというのは統計における標準偏差といって、分布をしたときの広がり具合を示すものなんですけれども、製品や部品の品質特性は一定であることが望ましいものの実際は分布が生じるので、この分布を考慮しつつも、製品不良の発生を百万回作業しても三、四回に抑えることのスローガンがシックスシグマというもので、製品の歩留りを上げる、つまり大量生産において利益率を上げるために大変重要な取組でした。
 実は、これを研究者も学んだことで、これまで研究者というのは、一つ、二つ試作をして、できるっていうんですけれども、これが製造現場の量産における、できるとのずれというのがしばしば事故を起こしていたので、こういった認識のずれが埋まり、そして研究者自身も、できるときにこのマージン、どれだけ許容度があるか、つくりやすいといったときにどれだけこの設計値からずれても本来の性能が出せるかということも考えて研究するようになりました。
 このような経緯があって、私は二〇一九年に都議会議員になったんですけれども、政策の効果検証においても統計的取扱いが必要であるということを伝えるのが、この多様性の高まった新しい議会の一翼を担う自分の使命であると認識し、継続して取り上げてまいりました。
 製品開発に比べると、実社会の方が要因は多く、環境も制御できません。さきに述べた、例えばマンション防災セミナーを受けたとしても、町会、自治会との合同訓練に取り組むマンション住民もいればそうでないマンション住民もいらっしゃいます。なぜなら、背景は様々だからです。だからこそ、この数、サンプルサイズが重要です。
 セミナーを受けたマンション住民のグループと受けていないグループでそれぞれ分散はあるかもしれないけれども、このピーク、中央値というか平均がちゃんと有意な、分散に比べて大きな差が発生しているかどうかということがこの効果検証になるわけです。
 セミナー受講がこの町会、自治会活動につながるかどうか、こういった評価を行うにはどうしても統計的な手法が必要です。このEBPMとそのための統計評価の重要性を議会で継続して訴えてきたんですけれども、ケースによっては担当職員と具体的な評価方法までやり取りを重ねてきました。
 今現在、議会での答弁でもEBPMの言葉が当たり前のように出るようになりましたし、また、毎年発行される東京都予算案の概要、緑の本といわれているこの本における政策評価、事業評価においても、かつては数字さえあればエビデンスベースといわれていたものが、令和五年からは一部の評価において統計的な検証、すなわちEBPMが導入されています。一歩ずつですが、確実に前進していることを評価します。
 そこで、職員の統計リテラシー向上に向けた取組について伺うとともに、また、庁内においても統計データを利活用した政策評価、事業評価が始まっており、こうした取組の中で生まれた好事例を広く共有するなど庁内の取組を横展開することも有用であると考えますが、併せて伺います。

○濱田統計部長 都では毎年度、各局の統計担当者の実務能力を向上させるため、統計に関する基礎的知識や専門知識を習得させるオンライン研修を実施しております。また、各局で各種事業に携わる職員等の統計利活用に関する知識、ノウハウを高めるため、統計利活用セミナーを集合形式で開催しております。
 今年度は、民間の専門講師による、アンケート調査におけるサンプルサイズ設計などの考え方や実績の解説、総務省統計データ利活用センターの職員によるEBPMの概要や、地方公共団体における統計データ利活用事例の紹介等の講義を行っていただきました。
 さらに、今年度、東京都産業連関表及び経済波及効果分析ツールに関する利用説明会を開催したほか、全職員を対象に統計メールマガジンを配信するなど、職員のスキル向上や統計に関心を持ってもらう取組なども進めております。
 今後、都の事業執行の中で生まれた好事例や知見を庁内で共有するなど、職員の統計データに関する利活用能力の一層の向上を図ってまいります。

○福島委員 都民からお預かりした税金をもって行う行政サービスの質をきちんと高めていくために、すなわちワイズスペンディングの徹底のために大変重要な取組だと思います。継続した取組を求めます。
 そして、都庁内の事例であれば、より我が事として聞いていただけると思うので、せっかく始めた東京都予算案の概要の政策評価、事業評価の事例についても統計部主催のセミナーにおいて紹介いただくよう、よろしくお願いいたします。
 次に、人権部に対してご質問させていただきます。
 都民ファーストを徹底するには、都民の多様性を認め、これまで政治に届きにくかった声、中でもマイノリティーが直面する課題に向き合うことは大切です。かねてより我が会派は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の制定や東京都パートナーシップ宣誓制度の実現に向けて、当事者の声を伝え、寄り添った内容にするべく取り組んでまいりました。
 しかしながら、これらの取組が進むと同時に、体の性と心の性の不一致に起因するトイレや温泉等のトラブルなどの報道を捉え、LGBTQの皆様に対して、この人権配慮に向けた取組の全てを否定するような論調が見られ、全くおかしいと考えます。都の見解を伺います。

○住野人権部長 都はこれまで、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いの解消のため、人権尊重条例に基づき、啓発、教育の推進や相談支援体制の充実などに取り組んでまいりました。
 トイレや温泉等の使用に関しましては、施設管理者が施設の設置状況や当事者本人の意向を十分に踏まえ他の利用者との調整を図り、個別の事例に応じた対応策を検討していくことが必要でございます。
 都は今後とも、幅広い層に向けて継続的な理解促進、知識普及に取り組むことにより、多様な性に関する相互理解を一層推進してまいります。

○福島委員 例えば温泉などのトラブルであれば、マジョリティーの男性がうっかり女湯に入ったとしても性暴力を起こす人はまれで、性暴力を振るうとしたら、男性だからではなくその人の問題です。また、トランスじゃない人がトランスを装って侵入したのであれば、やはりその人の問題です。
 もちろん、運営や設備に安全・安心の工夫は必要ですが、LGBTQの皆様の人権を尊重するためには必要な努力だと考えます。ジェンダーレストイレも、安全・安心な設備の工夫が必要なのはいうまでもありませんが、LGBTQの皆様が求める権利保障とは全く別の問題です。
 ちょっと、レベルは全然浅いんですけれども、私自身、理系の分野で女性の割合は低く、中でも管理職になるとその割合はがっつり下がるんですけれども、そのときに私が感じていたリスクは、私が勝手に失策を犯したときに、福島が駄目だではなく女が駄目だになることでした。
 今日、冒頭でラベリングの話が出て、ちょっと締めでも同じようなことをいってしまうんですけれども、このようにマイノリティーの封じ込めによく使われるのが論点のすり替えとラベリングです。幅広い層に向けて多様な性に関する相互理解を推進することは本当に大切なんですけれども、一方で、このような論点のすり替えやラベリングが今、堂々と横行している。これ自身がLGBTQの皆様を本当に傷つけているし、人権侵害だと思うんですけれども、こういった構造を踏まえた啓発、これにも取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、公立大学に対して四問ほど質問させていただきます。
 不足するデジタル人材の育成に向けて、さらにはSociety五・〇時代を生き抜く若者たちが必要なスキルを身につけるために、情報教育の充実を継続して訴えてまいりました。
 令和七年一月実施分から、大学入学共通テストの試験項目に情報Ⅰが加わります。加えて、より発展的な学習である情報Ⅱを学んだ生徒についても都立大が率先して確保するように求め、令和四年第一回都議会定例会において知事からは、試験科目など選抜方法の見直しを行うとの答弁を得ております。
 高校における新たな情報教育を受けた生徒が令和七年度に大学に進学します。これを踏まえた入試制度の検討状況について伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 東京都立大学では、高校における学習指導要領の改訂に対応し、IT技術者としての活躍が期待される学生の受入れを促進するための入学者選抜を実施してまいります。
 具体的には、令和七年度から、システムデザイン学部の情報科学科において、必履修科目の情報Ⅰ、選択科目でより高度なスキルや技術を学ぶ情報Ⅱの二科目の成績がいずれも一定レベル以上の学生を対象に、志望理由や口頭試問などによる総合型選抜を導入いたします。
 今後、令和六年七月頃、入学者選抜要項を発表する予定でございます。

○福島委員 情報処理学会の皆様や専門家の皆様からは、この東京都の取組というのは本当に国内を牽引する内容だというふうにご評価をいただいております。情報教育、情報というのは、ほかの教科に比べても総合的かつ統合的な科目であると感じます。対象とする現象を観察し、システムで開発可能な範囲も鑑みつつ課題設定をしてモデル化し、解決方法を論理的に組み立てて実装可能な範囲で実装すると。
 そして、プログラミング言語のベースはもちろん英語です。プログラミングが得意になる子を見ていると、動機や意欲を当然に備えている子が少なくないように思います。総合型選抜には適していると思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。
 私が、情報Ⅱを大学入試で評価することを求めてきたのは、入試は高校生の学習範囲に与える影響が大変大きいからです。一応私の母校なんですけど、東北大学が九月に世界トップレベルの研究力を目指す国際卓越研究大学に初めて認定されましたが、その理由の一つに、将来的に一般入試を廃止して全て総合型入試、現行はAO入試と呼ばれているんですけれども、これに移行することを表明したからだといわれております。
 現行の学習指導要領では、主体性や協調性といった非認知能力の伸長が重要だと述べられておりますが、知識偏重の原因である大学入試を同時に改めていくことは大変重要です。
 AO入試の拡大に関する都立大の見解を伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 都立大学では、第三期中期目標期間におきまして、推薦入試とゼミナール入試などの総合型選抜等による募集人員を、全体の三〇%以上に拡大してまいりました。
 今年度からの第四期中期目標期間におきましても、志の高い多様な学生を選考するための入学者選抜方法への見直しを実施してまいります。

○福島委員 東北大や早稲田大学の十年間の追跡調査によれば、一般入試に比べてAO入試で入学した学生がその後の成績が良いなどの調査結果が出ているそうです。大学にとっても好ましい結果が出ているようですけれども、中高生の学びに与える影響も大きいです。引き続き前向きな取組をお願いいたします。
 令和二年十二月に都知事が秋入学の検討を表明、翌年の十二月には、理学部生命科学科で令和六年度から秋入学を設けることを公表しています。学生の多様性を高める大変重要な取組です。
 令和六年度に開始する秋入学の募集人数はどの程度なのでしょうか。また、導入に向けた取組の状況と今後の展望について併せて伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 都立大学では、令和六年度から導入する秋入学について、来月募集要項を公表し、来年十月の入学に向け若干名を募集する予定でございます。
 現在、学生の受入れに向けて、英語による授業の拡大や留学生の履修相談等のサポート体制の充実など教育体制の整備を進めております。また、学生の募集のため、英語による動画配信や海外の進学情報誌等を活用したPRを行うとともに、インターナショナルスクールを個別訪問するなど広報活動を展開しております。
 こうした取組により、留学生の受入れを拡大し、大学のさらなる国際化を進めてまいります。

○福島委員 コロナ禍は、世界の経済社会や人の働き方、移動にも多大な影響を与えてきました。このような中、着実に取組を進めてきたことを評価するものです。大学の国際化、そして多様性の向上につながる、都知事らしい先行的な取組だと思います。国内外の多くの学生に興味を持っていただけるよう拡大に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、EBPMしかり、AIの実装しかり、文理を問わずデータサイエンスリテラシーを身につけた人材の教育が重要と思っておりまして、数理問わず専攻可能な数理・データサイエンス副専攻を創設していただき、好評であるというふうに伺っております。
 職種を問わずニーズが高まっているデータサイエンスリテラシーを身につけた人材の育成に向けた取組について伺います。

○天野企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長DX推進担当部長兼務 都立大学では令和四年度から、各学部における専攻科目に加え、希望者がAIやデータ分析の知識、技術を学習できる数理・データサイエンス副専攻を開講しております。
 今年度は新たに、社会人向けの公開講座として、データリテラシーやデータベースをテーマとしたデータサイエンスの入門プログラムを開講し、定員を上回る申込み状況となっております。来年度からはさらに、機械学習とテキスト分析の講座を開講する予定としてございまして、より幅広い学修機会を提供してまいります。

○福島委員 新たに設けた社会人向けコースもニーズが高く、来年度からは機械学習とテキスト分析の講座も新設するというふうに伺っております。都民と都内産業が求める学びの場の提供に、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 以上で終わります。

○石島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○石島委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○野間総務局長 今定例会に提出を予定しております総務局所管の条例案の概要についてご説明申し上げます。
 資料第2号、令和五年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要の目次をご覧ください。
 ご審議をお願いいたします条例案は、全部で四件でございます。
 まず、番号1、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例から、番号3、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例までの条例案につきましては、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、職員、特定任期付職員及び任期付研究員の給与の改定を行うものでございます。
 次に、番号4、非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例につきましては、会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給等に関し、必要な事項を新たに規定するほか、規定を整備するものでございます。
 以上が今定例会に提出を予定しております条例案の概要でございます。
 詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○猪口総務部長 総務委員会に付託される予定の条例案四件につきましてご説明申し上げます。
 資料第2号、令和五年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要の一ページをご覧ください。
 番号1、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 これは、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、職員の給与に関する規定改正を行うものでございます。
 今年度の公民較差に基づく職員の給与の規定改正についてでございますが、主な内容は二点でございます。
 (1)、給料表の改定でございます。行政職、公安職など七つの給料表を、人事委員会から勧告された給料表等に改めるものでございます。
 (2)、手当等の改正でございます。給料の調整額の支給限度額及び勤勉手当の支給月数を表のとおり改正するものでございます。
 施行日は、公布の日を予定してございます。
 その他、条例の改正に関しまして必要な事項等を附則にて規定してございます。
 続きまして、番号2、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例及び番号3、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。これらは、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、特定任期付職員、任期付研究員等に適用する給料表等を改めるとともに、特定任期付職員及び任期付研究員の期末手当の支給月数を表のとおり改定するものでございます。
 施行日は、公布の日を予定してございます。
 続きまして、番号4、非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。これは、地方自治法の一部を改正する法律の公布を受けまして、会計年度任用職員に対する勤勉手当の支給に関し、必要な事項を新たに規定するほか、規定を整備するものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日を予定してございます。
 以上が今定例会に提出を予定してございます総務局所管の案件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○石島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○石島委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○八嶋防災計画担当部長 東京都業務継続計画の改定についてご説明いたします。
 お手元配布の資料第4号、東京都業務継続計画の改定概要をご覧ください。
 まず、資料一ページをご覧ください。本計画、いわゆる都政BCPは、災害発生時での限られた人的資源や環境の中で非常時優先業務を確実に実施し、都民の生命、財産などの保護や都市機能の維持を図るため、全庁的な方針を整理したものでございます。
 今回の改定は、新たな被害想定や東京都地域防災計画の修正等を踏まえ、様々な災害事象と規模に応じて柔軟に対応できるオールハザード型のBCPを目指し、その第一ステップとしてレベルアップを図るものでございます。
 次に、改定の三つのポイントについて申し上げます。
 二ページをご覧ください。一点目は、東京で起こり得る様々な災害への対応でございます。
 本計画は、従来の首都直下地震に加え、大規模風水害、南海トラフ地震や火山噴火等の島しょ地域における災害等を新たに追加し、災害の事象や規模に応じて対応できるようにいたしました。三ページから四ページに、非常時優先業務の選定、災害ごとの特徴と対応の方向性等について記載をしてございます。
 続いて、五ページをご覧ください。二点目は、被害の実態に即した執行体制の構築でございます。
 最大の被害が想定される首都直下地震が発生した際、実際にどのくらいの職員が参集できるのか詳細な分析を行い、対応策について整理をいたしました。資料六ページから七ページに、分析結果と対応策の基本方針等について記載をしてございます。
 続いて、八ページをご覧ください。三点目は、業務継続の実効性向上でございます。
 発災時、災害の事象、規模、時間の経過に応じシームレスに対処できるよう、災害対応態勢を四つのカテゴリーに区分いたしました。
 九ページには、被災区市町村への円滑な支援等について記載をしてございます。
 説明は以上でございますが、詳細につきましては、資料第5号、東京都業務継続計画の本冊をご覧いただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

○保家総合防災部長 東京都災害時受援応援計画の改定についてご説明いたします。
 お手元配布の資料第6号、東京都災害時受援応援計画(改定版)の概要をご覧ください。
 まず、受援応援計画の概要でございます。
 本計画は、大規模災害発生時に、全国の自治体や関係機関等からの応援受入れや、都内区市町村、都外自治体への応援を円滑に行うための具体的な手順やルール、体制等を示すものでございます。本計画は、平成三十年一月に策定され、今回の改定は、東京都地域防災計画の修正や東京都業務継続計画の改定を踏まえたものとなっております。
 次に、改定の三つのポイントでございます。
 一点目は、南海トラフ地震等災害特性に応じた対応でございます。これまで本計画は、主に首都直下地震を想定した対応を記載していましたが、今回の改定では、南海トラフ地震や大規模風水害、島しょの火山噴火等を想定して、都と区市町村等における受援、応援の対応手順等を整理しております。
 続いて、二ページをご覧ください。
 二点目は、より実効性のある相互応援体制の構築でございます。全国知事会、九都県市等、多様な広域連携体制が存在するところ、今回の改定では迅速な被災地支援を行うため、人的支援の際に総務省の応急対策職員派遣制度を優先し、一元的に調整すること、またDIS、東京都災害情報システムや国の物資調達・輸送調整等支援システム等のDXを活用することなど、各団体との受援応援スキームの明確化を図っております。
 三点目は、都と区市町村の役割の見える化でございます。多くの区市町村が受援、応援のルール等を規定していない中、今回の改定では、都と区市町村の役割分担と対応の流れを時系列で示したフロー図等で明確化するとともに、令和三年に締結した災害時等相互協力に係る協定に併せて連絡会を開催するなど、区市町村との連携を強化し支援を推進することとしております。
 説明は以上でございますが、詳細につきましては、資料第7号、東京都災害時受援応援計画をご覧いただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、東京都震災復興マニュアル復興プロセス編の修正案についてご説明いたします。
 お手元配布の資料第8号、東京都震災復興マニュアル復興プロセス編(修正案)の概要をご覧ください。
 一ページ目の1、東京都震災復興マニュアル復興プロセス編の概要でございますが、この震災復興マニュアル復興プロセス編は、都民向けに復興の基本的な考え方や復興を進めるための仕組みを示したものでございます。
 2、修正の視点については二ページ以降でご説明いたします。
 次に、3、今後の予定でございますが、本修正案のパブリックコメントを昨日より実施しております。今後、学識経験者等からの意見聴取を経て、三月下旬に修正内容を確定して公表する予定でございます。
 二ページをご覧ください。4、修正内容の視点1、防災を取り巻く新たな政策の展開でございますが、近年の大規模災害の発生等に伴い、防災施策の策定や見直しが行われたことを受けた修正をしております。
 まず、「未来の東京」戦略に対応して、復興の基本目標を修正しております。
 次に、様々な自然災害から都市を復興させる際の指針である都市復興の理念、目標及び基本指針の改定を反映し、上段に掲げた目標に応じた具体的な取組を下段に記載しております。また、新たに設定した産業、エネルギー政策の内容を反映したほか、支援制度一覧を掲載することで、被災者支援に関する情報発信を強化いたしました。
 三ページをご覧ください。視点2、大規模災害の教訓でございますが、被災後に都が公表する東京都震災復興方針や東京都震災復興計画について、その内容等を都民の皆様にあらかじめ周知するものでございます。また、避難所における通信環境確保のほか、関東大震災の教訓を踏まえ、震災が東京のまちづくりに与えた影響などについて記載しております。
 説明は以上でございますが、詳細につきましては、資料第9号、東京都震災復興マニュアル復興プロセス編(修正案)の本冊をご覧いただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

○石島委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○石島委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情五第三五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○猪口総務部長 陳情五第三五号、政党機関紙の庁舎内勧誘行為等に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第10号、陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 本陳情は、新宿区の公正な明るい都市をつくる会代表の赤嶺文雄さん外一名の方から出され、令和五年八月三日に受理されております。
 要旨でございますが、一つ目は、執務室内において政党機関紙の勧誘、配達、集金が行われないようにすること。二つ目は、政党機関紙を自主的に読みたい職員は自宅を配達先とする旨通達すること。三つ目は、職員が庁舎内で政党機関紙の購読を勧誘されたり、勧誘の際に心理的圧力を感じたことがないのか調査、確認することでございます。
 現在の状況でございます。
 本陳情書にある政党機関紙の購読勧誘及び販売行為につきましては、都庁舎における秩序の維持等を図り、もって公務の円滑な遂行を期することを目的に、東京都庁内管理規則第五条で禁止されております。
 なお、この規定は、東京都庁内管理規則の施行についてにおいて、職員の注文に応じて行われる新聞、図書等の配達行為までも禁止するものではありません。ただし、配達員、営業員等職員以外の者が入庁する場合は庁内管理者の許可を要するものとされておりまして、政党機関紙については配達、集金に係る業務に限定して立入りを許可してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○石島委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石島委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第三五号は不採択と決定いたしました。

○石島委員長 次に、陳情五第四〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○石橋人事部長 陳情五第四〇号、有為な人材を確保するために都の採用試験制度の改善を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 資料第10号、陳情審査説明表二ページをご覧ください。
 この陳情は、埼玉県桶川市の中島秀斗さんから出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において、職員定数に応じて必要となる人員確保、新任職員の採用において、各任命権者が人事委員会と連携しながら、オール都庁で有為な人材の確保が危ぶまれている事態を打開していただきたいという内容でございます。
 現在の状況ですが、都はこれまでも、大卒程度の採用区分であるⅠ類B採用試験や、院卒程度の採用区分であるⅠ類A採用試験、民間企業等で培った職務経験を有する人材を対象とするキャリア活用採用選考など多様な採用チャネルを活用して、必要な人材を確保してまいりました。
 また、本年一月に公表したシン・トセイ3において、生産年齢人口の減少が見込まれる中、民間志望者や転職者も受験しやすい採用試験にしていく方向性を示し、Ⅰ類B採用試験(新方式)における適性検査の導入などの見直しを図っております。
 人事制度の見直しや働き方改革などの取組により、全ての職員が活躍できる制度構築や環境整備が進んでおります。さらに、業務を通じた職員の能力向上、育成や民間企業等との人事交流、海外研修など職員が成長し続ける環境を充実させております。
 人事委員会と連携してこうした様々な取組等を推進し、有為な人材の確保に努めております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○石島委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げます。
 本件中、人事委員会事務局の所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について、発言を願います。

○池川委員 陳情五第四〇号について意見を述べます。
 本陳情は、都庁職員の採用試験における応募倍率の低下などの現状を踏まえ、オール都庁で職員の確保のために取り組むことなどを求めています。
 さらに、精神障害のある方について、氷河期世代採用と同様に、障害者採用選考Ⅰ類枠を新設することを求める内容となっています。
 都庁職員の確保のために常に採用の在り方を見直し、対応していくことは当然必要です。加えて、障害のある方の採用についても、これまでの枠でなく様々な角度から検討し、障害者採用を拡大していくことに賛同するものです。
 一方、精神障害のある方の場合、短時間の勤務や本人の障害に合わせて働く環境をつくることが大切です。Ⅰ類に障害者採用選考を入れる場合であっても、一律にフルタイムの勤務時間を前提とすることには慎重さが求められると考えます。
 本陳情は、先ほど委員長からもあったとおり、人事委員会、総務局に分割して審査が行われていますが、都職員の確保のための努力及び障害者採用の拡大という点には賛同します。
 一方で、五つある陳情項目のうち、一つ一つについて検討を重ね、賛同するに至らない項目もありますが、今回一括で採決に付されることになるため、陳情が求める趣旨に賛同することから、本陳情は趣旨採択にすべきだと申し上げ、意見表明とします。

○石島委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○石島委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第四〇号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時五十八分散会

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