委員長 | 松田 康将君 |
副委員長 | 米川大二郎君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
理事 | 五十嵐えり君 |
理事 | 小松 大祐君 |
理事 | 福島りえこ君 |
関口健太郎君 | |
福手ゆう子君 | |
古城まさお君 | |
やまだ加奈子君 | |
清水やすこ君 | |
原 のり子君 | |
本橋たくみ君 |
欠席委員 一名
出席説明員政策企画局 | 局長 | 中村 倫治君 |
スタートアップ戦略担当局長理事兼務 | 吉村 恵一君 | |
次長戦略広報調整監兼務 | 山田 忠輝君 | |
技監 | 荒井 俊之君 | |
総務部長 | 末村 智子君 | |
計画調整部長 | 佐久間巧成君 | |
プロジェクト推進担当部長大学連携担当部長 構造改革担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 | 井上 直君 | |
スタートアップ戦略担当部長構造改革担当部長兼務 | 小林 直樹君 | |
東京eSGプロジェクト推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 | 宮崎 成君 | |
戦略事業部長スタートアップ戦略担当部長兼務 | 樋口 隆之君 | |
特区推進担当部長スタートアップ戦略担当部長兼務 | 福永 真一君 | |
総務局 | 局長 | 野間 達也君 |
次長理事兼務 | 小笠原雄一君 | |
理事政策法務担当部長訟務担当部長 コンプライアンス推進部長主席監察員事務取扱 | 貫井 彩霧君 | |
理事 | 川上 秀一君 | |
総務部長 | 猪口 太一君 | |
企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長 新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 | 片山 和也君 | |
訟務担当部長 | 松下 博之君 | |
グループ経営戦略担当部長 | 小野 隆君 | |
都政情報担当部長 | 内山 裕道君 | |
復興支援対策部長復興支援調整担当部長 被災地支援福島県事務所長兼務 | 濱田 良廣君 | |
人事部長 | 石橋 浩一君 | |
労務担当部長 | 田中 角文君 | |
行政部長 | 武田 康弘君 | |
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長 事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 | 木島 暢夫君 | |
都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 | 小林 弘史君 | |
総合防災部長 | 保家 力君 | |
防災計画担当部長 | 芝崎 晴彦君 | |
防災対策担当部長 | 八嶋 吉人君 | |
危機管理調整担当部長 | 若林 憲君 | |
危機管理調整担当部長 | 高田 照之君 | |
統計部長 | 三浦 幹雄君 | |
人権部長 | 吉村 幸子君 |
本日の会議に付した事件
副委員長の辞任及び互選
理事の辞任及び互選
政策企画局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、債務負担行為 政策企画局所管分
報告事項(説明)
・新しいスタートアップ戦略について
総務局関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都公文書等の管理に関する条例の一部を改正する条例
・東京都情報公開条例の一部を改正する条例
・個人情報の保護に関する法律施行条例
・東京都個人情報保護審査会条例
・審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・二〇二一年度東京都政策連携団体経営目標の達成状況について
・第二期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(案)について
陳情の審査
(1)四第六三号 住民基本台帳法の改正を求める意見書の提出に関する陳情
○松田委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、福島りえこ副委員長から、副委員長を辞任したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件は、申出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。よって、申出のとおり福島りえこ副委員長の辞任は許可されました。
○松田委員長 次に、福島りえこ副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員となりましたので、これより副委員長の互選を行います。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○関口委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名をしていただきたいと思います。
○松田委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には米川大二郎委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には米川大二郎委員が当選されました。
それでは、米川大二郎副委員長から就任のご挨拶があります。
○米川副委員長 ただいま副委員長にご推挙いただきましたミライ会議の米川大二郎です。
松田委員長を補佐して円滑な委員会運営に努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
○松田委員長 次に、清水やすこ理事から、理事を辞任したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件は、申出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。よって、申出のとおり清水やすこ理事の辞任は許可されました。
○松田委員長 次に、清水やすこ理事の辞任に伴い、理事一名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○関口委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名をしていただきたいと思います。
○松田委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。よって、理事には福島りえこ委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。よって、理事には福島りえこ委員が当選をされました。
○松田委員長 次に、議席について申し上げます。
議席につきましては、お手元配布の議席表のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。
○松田委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の事務事業に対する質疑、政策企画局及び総務局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、政策企画局及び総務局関係の報告事項の聴取並びに総務局関係の陳情の審査を行います。
なお、本日は、事務事業については、資料の説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及び報告事項については、説明を聴取し、資料要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより政策企画局関係に入ります。
初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○中村政策企画局長 今定例会に提出を予定しております政策企画局所管の令和四年度一般会計補正予算案につきましてご説明いたします。
お手元の資料第1号、令和四年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。
1、総括表、一般会計歳入歳出予算にございますとおり、歳出について五千万円の増額補正などを行うものでございます。
以上が今定例会に提出を予定しております予算案の概要でございます。
詳細は総務部長から説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○末村総務部長 引き続き私から、当局所管分の令和四年度一般会計補正予算案につきましてご説明させていただきます。
一ページの一般会計歳入歳出予算の総括表につきましては、ただいま局長からご説明いたしましたとおりの内容でございます。
二ページをお開きください。歳出予算科目は、款、総務費、項、政策企画費、目、管理費でございます。
新たなイノベーションを生み出すスタートアップの育成、成長に向けて、国内外の多様なプレーヤーが交流する場の具体化に向けた調査を実施するものとして、五千万円を増額補正するものでございます。
続きまして、三ページをお開きください。債務負担行為でございます。
ただいまご説明した案件について、債務負担の期間を令和五年度、限度額を三千万円としてございます。
債務負担の理由といたしましては、期間が二年度にわたり、分割契約が困難なためでございます。
以上をもちまして、大変雑駁ではございますが、今定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○松田委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○松田委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○小林スタートアップ戦略担当部長構造改革担当部長兼務 私から、東京都の新しいスタートアップ戦略、Global Innovation with STARTUPSについて、お手元の資料第2号に基づきご説明いたします。
資料をおめくりいただき、四ページをご覧ください。四ページから六ページが概要となっておりますので、こちらでご説明させていただきます。
まず、四ページ上段のスタートアップと東京の今の部分でございます。
スタートアップが世界の変革と成長を牽引し、生み出されたイノベーションが社会課題の解決につながっており、世界では、国や都市を挙げてエコシステムをつくり出している現状がございます。
一方で、日本のスタートアップ数は米国と百二十倍の差があり、アジアのランキングでも四位と低迷しております。また、若者の変革への意欲やそれを応援する社会機運には大きな差があります。
こうした課題を踏まえて、今なすべきことを関係者で共有するため、大きな方向性と具体的な取組を戦略として提示いたしました。
下段の左側は、国際競争力の低下等を踏まえ、日本が失われた三十年を克服するために異次元の戦略を展開し、世界で役割を果たしていくことを示しております。
そして、右側では、未来を切り開く十掛ける十掛ける十のイノベーションビジョンとして、十倍を目標にした三つの方向性を掲げました。
一つ目は、グローバル十倍です。東京からグローバルなイノベーションを起こすために、東京発ユニコーン数について五年で十倍を目指します。
二つ目は、裾野拡大十倍です。地域の課題を解決する幅広いイノベーションを起こすために、東京の起業数を五年で十倍になるよう進めます。
三つ目は、官民協働十倍です。スタートアップと行政がパートナーとなり、未来を実現するために、協働実践数について五年で十倍を目指します。
この三つの方向性を十倍にすることで、大きなイノベーションを起こしていきたいと考えております。
次に、右側五ページをご覧ください。スタートアップ戦略の展開として、ビジョンの実現に向けて初めから世界を視野に大胆に施策に取り組むボーングローバル、様々な東京の強みを活用し、ポテンシャルを生かすこと、スタートアップを応援する多様なプレーヤーと共に世界に挑むなど三つのスタンスを記載しております。
Ⅰ、世界最高にスタートアップフレンドリーな東京にするです。イノベーションを起こす場を創出する、挑戦と飛躍を引き出す大胆な投資を行う、行政がファーストカスタマーとなる、規制、ルールをリデザインするといった取組を展開いたします。
Ⅱ、誰もが夢に向かって羽ばたける土壌を作るとしては、チャレンジャーが生まれ、それを応援する社会をつくるために、アントレプレナーシップやグローバルマインドを醸成していく取組を展開いたします。
Ⅲ、あらゆる関係者がワンチームで強力にサポートするでは、大学との連携をこれまで以上に強化するとともに、十二月には、関係者が一堂に会するエコシステムサミットを開催いたします。
最後に、Ⅳ、世界を視野に戦略的に発信する取組についてですが、国とも連携してオールジャパンでの取組を推進してまいります。また、二月にはグローバルイベント、City-Tech.Tokyoを開催します。
これらの取組を関係者が一丸となって展開し、令和五年度予算、「未来の東京」戦略のバージョンアップに反映し、強力に実行してまいります。
続きまして、六ページをお開きください。新たな四つの具体的な取組をご紹介いたします。
一つ目は、左上、国内外から様々な人や団体が集まり、重点的な支援を提供する一大拠点、Tokyo Innovation Base構想です。
二つ目は、右上、グローバルな支援実績が豊富な海外ベンチャーキャピタルなどの誘致の仕組みを構築し、国内スタートアップの海外展開に向けた資金供給などを実施します。
三つ目は、左下、高校生が起業家に出会う機会を充実させるとともに、都立大学で三つの本物として、本物のスタートアップ現場、本物の事業化、本物のピッチイベントを体験できる新講座を開設し、起業の魅力を伝える刺激的な体験を提供いたします。
四つ目は、右下の、スタートアップの自由な発想を都政の現場へということで、スタートアップの技術、製品等を活用した提案を募集し、都政現場で実装、公共調達を大幅拡大していきます。
七ページ以降には、これまでご説明させていただきました内容の詳細を記載しております。後ほどご覧いただければと存じます。
以上、新たなスタートアップ戦略、Global Innovation with STARTUPSについてご説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
○松田委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
以上で政策企画局関係を終わります。
○松田委員長 これより総務局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、総務局長から紹介があります。
○野間総務局長 過日の委員会で紹介できませんでした当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
危機管理調整担当部長の若林憲でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○松田委員長 紹介は終わりました。
○松田委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○猪口総務部長 十月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料第1号、総務委員会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。資料は二十一点ございます。
一ページをお開きください。タイムラインの区市町村の最新の具体化状況でございます。
水害対応タイムラインを策定している区市町村数を記載してございます。
ページをおめくりいただき、二ページをご覧ください。2、知事部局の障害者雇用率の推移でございます。
平成二十九年から令和三年までの五年分の実績を記載してございます。
次ページをご覧ください。3、政策連携団体における障害者雇用率の推移でございます。
政策連携団体のうち、障害者の雇用の促進等に関する法律による雇用義務制度の適用団体の障害者雇用率につきまして、平成二十九年から令和三年までの五年分の実績を記載してございます。
ページをおめくりください。4、性自認及び性的指向に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
電話相談につきましては令和元年度から令和三年度までの三年分の実績を、LINE相談につきましては、令和二年七月から開始いたしました本事業の令和二年度及び令和三年度の実績を記載してございます。
次ページをご覧ください。5、人権に関する相談件数の推移でございます。
相談分野別に平成二十九年度から令和三年度までの五年分の実績を記載してございます。
次ページをおめくりください。6、職員対象の人権に関する講演会及び研修会のテーマと講師の一覧でございます。
令和三年度に実施した職員対象の講演会及び研修会について記載してございます。
次ページをご覧ください。7、同和対策事業の終了に伴い一般対策で実施している事業の総務局分の一覧でございます。
ページをおめくりください。8、同和問題に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
令和元年度から令和三年度までの三年分の実績を記載してございます。
次ページをご覧ください。9、東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業の相談件数の推移でございます。
平成二十九年度から令和三年度までの五年分の実績を記載してございます。
ページをおめくりください。10、都及び政策連携団体における非常勤職員等数の状況でございます。
平成三十年から令和四年までの五年分の状況を記載してございます。
次ページをご覧ください。11、都における非常勤職員等数の状況(局別)でございます。
局別に、令和四年八月一日現在の状況を記載してございます。
ページをおめくりください。12、オフィスサポーターから常勤職員にステップアップした職員の数と勤務場所及び勤務内容でございます。
令和四年四月一日現在の状況を記載してございます。
次ページをご覧ください。13、附属機関等の会議及び議事録・議事要旨の公開状況でございます。
令和三年四月及び令和四年四月の状況を記載してございます。
ページをおめくりください。14、政策連携団体評議員会の状況でございます。
政策連携団体が設置しております評議員会の状況を記載してございます。
二枚おめくりいただき、一八ページをご覧ください。15、東京都立大学教職員の長時間労働面接対象者数でございます。
平成二十九年度から令和三年度までの五年分の実績を記載してございます。
次ページをご覧ください。16、身分併有型任期付職員の人数、局別並びに具体的な職種でございます。
令和四年十月一日現在は任用実績ございませんので、実績なしで記載してございます。
ページをおめくりください。17、安倍晋三元総理の葬儀等における半旗の掲揚についての事務連絡でございます。
安倍晋三元総理の葬儀等に関する事務連絡を記載してございます。
次ページをご覧ください。18、開示決定期限の延長通知に係る、検討・決裁文書等関連文書でございます。
緊急事態宣言発令による開示請求等に係る開示決定等の期限についての検討資料等を記載してございます。
恐れ入りますが、八ページおめくりいただき、三六ページをご覧ください。19、情報公開条例第十二条第二項の規定に基づき、決定延長したものを再度延長した件数でございます。
令和二年度から令和四年十月二十五日現在までの実績を記載してございます。
次ページをご覧ください。20、情報公開条例第十二条第三項の規定に基づき、延長した件数でございます。
平成二十九年度から令和三年度までの五年分の実績を記載してございます。
ページをおめくりください。21、小笠原村(父島・母島)から、内地への救急搬送件数でございます。
父島、母島ごとに、平成二十九年度から令和三年度までの五年分の実績を記載してございます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○松田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○小松委員 私の方からは、大きく四つのテーマについて質疑をし、現状を確認しつつ、今後取り組むべき課題を明らかにしてまいりたいと思います。
一つ目は、東京都、そして各特別区の在り方について、また二つ目は、リスキリングや都庁組織を支える人材の育成などについて、三つ目は、危機管理について、最後に、人権課題やインターネット等の誹謗中傷についても取り上げさせていただきたいと思います。
なお、本日の質疑を踏まえつつ、今後、会派の代表質問や予算委員会などにも生かしていきたいと考えておりますので、その点も念頭に置いてご答弁をいただきたいと存じます。
まず、都区の在り方のうち、特別区の再編について伺いたいと思います。
地方自治法において都区制度は、高度に人口が集中し、住宅地が連なるこの大都市東京にのみ適用される制度となっています。
現在の二十三区の行政区域は昭和二十二年以来見直しが行われていません。これ、ちょっと調べると、今、世田谷区、私が住んでいるんですけど、人口九十四万人ぐらいいるんですけど、戦後は二十七万人しかいなかったわけで、昭和二十二年の時点で、急増したとはいっても三十五万人ということは、この八十年近くの間に三倍近くに人口が増えているわけであります。
当時の、戦前の特別区の地域でいくと、大田区が一番大きくて、次が墨田区で、三番目が台東区だったそうです。実際には今、大田区は三番目ぐらいで、墨田区や台東区というのは十六番や二十一番目ということで、戦後の時期にあった、各区の住んでいる方の人口の変化というのも大変大きいんだなというふうに思います。
例えば、豊洲なんか非常に開発も進んで、当時は二十二番目の規模だった、非常に小さかった江東区が、今、二十三区の中でいえば八番目に人口の大きなまちになっているわけであります。
これほどまでにいろいろ行政の規模も変わっている中で、特別区の改編、再編については、これまで都議会においても行財政改革基本問題特別委員会などでも議論をしてきたというふうに仄聞しています。
また、二年前の総務委員会においても、私の方から特別区の再編について幾つか質問させていただきました。それに対し、地方自治法に定める特別区の廃置分合の規定などについてご答弁いただいたところであります。
それに関連して確認をしたいんですが、特別区の区域内で再編を行う場合の基本的な手続について、法律上どのように規定をされているのか伺います。
○武田行政部長 地方自治法第二百八十一条の四の第一項において、現行の特別区の区域内で特別区の廃置分合または境界変更をする場合は、関係特別区の申請に基づき、都知事が都の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならないと規定されています。
○小松委員 それでは、特別区の区域の在り方について、これまでどのような検討がなされてきたのか伺います。
○小林都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 平成十八年に都区共同で設置いたしました都区のあり方検討委員会において、都区の事務配分、特別区の区域の在り方、税財政制度についてセットで検討することとされました。
このうち、特別区の区域の在り方については、都は、区域再編の必要性を検討するための論点や、民間研究機関などによる区域再編案とそれに基づくシミュレーションなどの資料を都区のあり方検討委員会で提示し、特別区へ議論を働きかけたところであります。
しかしながら特別区は、再編の問題は二十三区が統一的な見解を持ち得る性格のものではなく、都区の役割分担を整理した上でそれぞれの区が主体的に判断すべきと主張するなど、都と特別区の意見に大きな隔たりがあったことから、特別区の区域の在り方について具体的な議論は行われず、平成二十三年十二月以降都区のあり方検討委員会を中断している状況にあります。
○小松委員 ただいまのご答弁で、この都区のあり方検討委員会は十年以上議論が中断しているままだということが分かりました。
これまでの経緯を踏まえて、特別区の区域の在り方についてどのように考えているのか伺いたいと思います。
○武田行政部長 特別区の再編は、関係特別区の申請に基づき行われるため、まずは特別区による主体的な検討が求められるものでございます。
都区制度の下において特別区は、より住民に身近な基礎的自治体として、地域の行政サービスを提供する役割を担っております。一方で、都は、特別区を包括する広域の自治体として、消防や上下水道の運営などのほか、東京全体の活力を維持向上させる役割を担っています。
このため、特別区の区域の在り方については、大都市としての一体性、統一性の確保を前提に、東京全体の活力の向上、住民自治の観点、行政運営の効率性、財政基盤などについて、複合的に検討が行われることが必要であると認識しております。
○小松委員 区域の議論は特別区の自治に関わるもので、区側の議論が重要であるということは当然だと思いますが、一方で、東京全体の活力の向上や行政運営の効率性など東京都民の利益という点でいかにあるべきかということについては、先ほど武田部長もご答弁いただきましたけれど、大都市としての一体性や統一性の確保を前提に、複合的な観点から検討が行われるべきだとご答弁いただきました。
ということは、東京都としてもどうあるべきなのかという、東京都側からの理想的な形についてのあるべき姿を考える、この思考を止めるべきではない、そのことを指摘しておきたいと思います。
続いて、もう一つの大きなテーマである都区の財政調整についても伺いたいと思います。
今年度は、令和二年の都区合意に基づいて、都区の配分の割合の在り方について改めて協議をする年だと認識しています。
そこで、まずは令和二年度財調協議の経緯について改めて確認します。
○武田行政部長 都区の財政調整については、地方自治法及び同法施行令において、その内容を条例で定めること、また、条例を改正する場合はあらかじめ都区協議会で協議することが規定されております。
令和二年度財調協議では、区立児童相談所に関する都区の主張が対立し、協議が平行線となりましたが、最終的に双方が歩み寄り、児童相談所の運営に関する都区の連携協力を一層円滑に進めていく観点から、特例的な対応として特別区の配分割合を〇・一ポイント増やし、令和四年度に、この特例的な対応分も含め、配分割合の在り方について改めて協議していくことといたしました。
この内容は、特別区財政調整交付金の算定根拠となる令和二年度都区財政調整方針に明記しており、地方自治法に定める都区協議会で合意しています。
今年度の財調協議において都は、この合意に基づき、配分割合の在り方について改めて協議を行ってまいりますが、区は、配分割合の変更について協議することとなっているとの認識を示しております。
○小松委員 令和二年度の協議では、東京都と特別区の意見が平行線になったことから、その方針を変え、配分割合を〇・一%増やすこととしたというようなご答弁もいただきました。最終的に双方が歩み寄りというような表現いただいているんですけど、数年前のことですけれど、あのときの認識では、何か合理的な判断というよりは、政治的決着を急にされたような認識を持っております。となると、今回のこの意見調整についても、なかなか双方にいい分があって、非常に解決は難易度が高いものだというふうな認識を持っています。そのことも指摘をしておきたいと思います。
今年度は、特例的な対応により変更した分も含め、配分割合の在り方について協議をするということでしたが、特別区長会との意見交換において特別区側は、今年度の財調協議において配分割合の変更について協議することとなっていると主張する一方で、東京都は、特例的な対応により変更した分も含め、配分割合の在り方について改めて協議を行うというのが都と区の唯一の合意と主張しており、歩み寄っておりません。
今年度の協議においても東京都と特別区の意見が激しく対立することが予想されますが、今年度の協議については今後どのようなスケジュールで進めていくのか伺いたいと思います。
○武田行政部長 今年度の協議は、実務的な協議を行う都区財政調整協議会幹事会と総括的な議論を行う都区財政調整協議会での議論を経て、都区協議会での合意に向けて進めていくことになります。
例年のスケジュールとしては、十二月の上旬から協議を開始し、一月上旬に都区で妥結した後、その内容を都区協議会で合意することとなっております。
配分割合を含む都区財政調整に関することについては都区協議会で協議が調うことが前提となっており、この協議結果を条例案として都議会に提出することになります。
今年度は、区立児童相談所に関する配分割合の在り方が論点となるため、都区で議論を尽くせるよう、都区財政調整協議会の開催回数を増やすなど、真摯に協議を進めてまいります。
○小松委員 今、真摯に協議をされるということでありました。互いにいい分があるんだと思うんですけど、十年以上にわたってあり検が中断しているということは、社会環境とか行政ニーズの変化が著しい中で、都政にとっても機会損失が大きいんじゃないかなと思いますし、それが都民に最終的に不利益になる、そのようなことを危惧しているものであります。
例えば、やっぱり三多摩の地域からすれば、この特別区の、いたずらなというと語弊があるかもしれませんけれども、ある種、人から見ると過度な行政サービスの競争ができるのは、この都区財調のこととかも影響しているんじゃないか、そんなに財政の余裕があるのか、そうした声も、多摩地域選出の都議会議員の方々からはよくお声を聞きます。しっかりとそうしたことも、この協議会の中で真摯に協議を尽くしていただきたいと思いますし、何よりも、我々自民党として思っているのは、現在、知事が、この都区問題について、都区制度についての関心が極めて薄いんじゃないかなということを認識しています。
先頭に立って議論を深める努力を、所管局としてぜひ知事にも働きかけていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、組織を支える人材について幾つか伺っていきたいと存じます。
まず、職員の人材育成について伺います。
先般、国においては、リスキリングに五年間で一兆円の投資を行っていくということが岸田総理から表明されたところであります。都職員に対しても、デジタルをはじめ十分なリスキリングを行い、時代に合った人材育成を行っていくべきだと考えます。
都職員に対する研修について、どのような計画を立て、実施しているのか、職員研修の体系や概要について初めに確認します。
○石橋人事部長 都では、職員一人一人が行政運営の複雑化、高度化に応え、直面する様々な課題に対応できるよう、東京都職員人材育成基本方針に基づき職員研修を実施しております。
具体的には、新任研修や課長代理研修など職層ごとに必要な知識や心構え等を学ぶ職層別研修、タイムマネジメント等スキル向上を図るための実践力向上研修、専門知識、技術を習得するための専門研修など、職員一人一人が求められる能力を効果的に習得できるよう多様なカリキュラムを提供しております。
今年度は、職員研修の重点事項として、都政のDX推進を支える人材の育成やグローバルな人材の育成等を掲げ、社会環境の変化に応じた新たなニーズを踏まえながら、職員の能力開発を進めております。
○小松委員 都の職員研修において、職員の能力開発に関する様々な取組を進めているということを確認できました。
一方、社会の変化が早まり、都政を取り巻く環境も、また行政ニーズも大きくさま変わりする中で、複雑化する社会課題を解決していくためには、絶えず都職員も必要な能力をアップデートしていくことが必要であります。画一的な知識の付与だけではなく、職員が自ら必要な知識やスキルを主体的に身につけていくことのできる環境を整備することなど、新たな人材育成策にも取り組んでいく必要があると考えます。
例えば昨日、虎ノ門につくられた出島のスタートアップ拠点、視察を会派でしてきたんですけど、まさに働いている方が、多様性というか、ダイバーシティというか、非常に国際色豊かな環境だなと。あのときに、語学力があるかないかで、あの活用の範囲というのは大分差が出るだろうなというふうに思いました。
例えばその語学ということもそうかもしれませんし、都職員の方々が、目の前の仕事以外のところに興味、関心を大きく取って、その範囲を常に広げていける、そうした素地も必要になってくるのかななんて思いながら、昨日は行ってきたところであります。
続いてですけど、都職員の人材育成における課題認識、そして今後の取組の方向性についても伺いたいと思います。
○石橋人事部長 近年、様々な行政分野において、都政を取り巻く環境がこれまで以上に大きく、かつ急速に変化しており、都職員には、従来にも増して高度かつ多様な知識、能力が求められております。
都ではこれまでも、職員に対して自己啓発支援制度の積極的な活用を促し、必要な資格取得や通信教育講座の受講を支援しております。
さらに、サービスデザインやマーケティングなど様々な分野の知識やスキル等についてオンライン型の学習ツールを新たに導入するなど、育成環境の整備に努めており、職員の自ら育つ意識を引き出し、自学を促す職場風土の醸成を図っております。
今後もこうした取組を通じて、社会構造が大きく変化する中においても、職員一人一人が都民ニーズを的確に酌み取り、時代に応じた的確な行政サービスを提供していけるよう、職員のさらなる能力開発に取り組んでまいります。
○小松委員 世の中の変化に応じて、オンライン型の学習など職員の学びのスタイルについても変化しているということが分かりました。
職員の育成においては、それぞれの職場において日頃の業務を通じて指導、育成を行うOJTも不可欠であり、上司である管理職の役割は極めて重要です。組織をマネジメントする管理職の資質、能力の向上を図るためには、管理職の業績や仕事ぶりを適正に評価することが欠かせないとも考えます。
そこで、都において管理職の人事評価、どのように行っているのか、制度の目的や概要について伺います。
○石橋人事部長 都の人事考課制度は、職員の業績、意欲、適性等について客観的かつ継続的に把握し、これを職員の能力開発、任用、給与制度、配置管理等へ反映させることを目的としております。
管理職の人事評価については、業績と能力の両要素を考慮した総合評価を実施しております。具体的には、各管理職が組織方針を踏まえ、上司との意見交換を経て自ら目標を設定した上で、上司は、目標の達成状況や一年間の成果等とともに、職務遂行の過程で発揮された能力についても評価しております。
○小松委員 都の人事考課制度において、業績と能力の総合評価で人事評価を運用しているということが分かりました。
民間企業などであれば、管理職の人事評価は、上司からの業績評価のみならず、三百六十度評価など多角的で多面的な視点で、同僚や部下からも評価をされ、フィードバックされる、そうした機会があると聞いています。また、そうすることで、自分の足りていない、足らざる点についても気づくことができ、また改善に向けて自助努力につながることで、マネジャー、管理職としての資質の向上にもつながる機会となるというふうに認識をしています。このことが大変大事だというふうに考えています。
そこで、東京都における三百六十度評価の導入経緯と、現在の実施状況について伺いたいと思います。
○石橋人事部長 都では、管理職の人材育成やマネジメント力向上を図ることを目的として、平成二十九年度から本庁の課長級職員を対象にマネジメントレビューを導入いたしました。
本制度では、対象の、職場における取組姿勢や行動に関する部下や同僚からの声を上司がフィードバックするとともに、優れた点や改善点等について指導助言を行うことで、行動改善につながる気づきを促すことに効果を発揮しております。こうした取組の結果を踏まえ、今年度からは本庁の部長級職員に対象を拡大しております。
引き続き、マネジメントレビューの実施を通じて、仕事の進め方、部下との関わり、組織運営など管理職のマネジメント力の向上を図り、職員が意欲と能力を最大限発揮できる良好な職場風土を醸成してまいります。
○小松委員 なぜ私が管理職の方の評価制度等にこだわるかというと、一般的に、組織としてはプレーヤーとして優れている方が管理職にまず抜てきされたり、なっていくケースというのが一般的に多いと思うんですけど、プレーヤーとしての優秀さと管理職、マネジャーとしての優秀さは、本人の資質、適性もさることながら、求められる能力や資質も変わると。このことはよく皆さんもご存じだというふうに思っています。
こうした方々が、しっかりとマネジャーとしても優れた能力を発揮していただく必要があると考えていますし、そのためには、こうした様々な、多面的な評価制度というものはとても重要だと思っています。これが、導入するだけではなくてしっかりと生かしていけるように、引き続きブラッシュアップしていただきたいなというふうに思っています。
今、石橋部長からは、最大限発揮できる良好な職場風土を醸成していくということがマネジャーとしての重要なことだというご答弁ありましたが、やはり行政サービス、都政の質の向上、そうした観点を担っているのは職員の皆様方でありまして、この職員の皆さんが働く職場が良好でなくてはならないというふうに考えます。それをつくるのは管理職の皆様方でありますので、そうした観点からも、都民サービスのために、その質の向上のためにこそ、職場環境をつくる管理職の方々の能力開発というのが大変重要だということを改めて申し上げたいと思います。
もう一点、職場環境をつくっていく上で重要だなと思っていることが表彰の制度です。新たなチャレンジを大勢の前で表彰して、褒めてモチベーションを高めていく、こんな取組も重要だと考えています。
都においては従前から、業務改革や職務精励など、知事が職員を表彰する制度があるというふうに伺っています。現行の東京都職員表彰制度の目的や内容、また件数についても伺いたいと思います。
○田中労務担当部長 都においては、模範とすべき職員を表彰することにより、職員のモラールアップを図ることを目的としまして、昭和五十九年に東京都職員表彰制度を創設し、原則として毎年一回表彰を行っております。
具体的には、都政課題の解決に当たりまして他に類を見ない顕著な功績があったとき、それから都民サービスに関する改善または公務能率の向上に関して著しい貢献があったとき、担当事務に熟達し、多年にわたって献身的に職務に精励したときなどに職員を表彰しておりまして、昨年度は二十一件について表彰しました。
このうち、特に功績が顕著なものについて、最も上位の賞として新しい東京賞を設置しており、昨年度の新しい東京賞としては、日本で初めて5G搭載スマートポールによる新たな都市型インフラを構築し、5Gエリアの整備拡大に貢献したデジタルサービス局の検討チームの功績を表彰しました。
○小松委員 表彰制度の運用に当たっては、職員のモラールアップが目的とのことでありますが、都庁という大きな組織の中においても、職員一人一人の頑張りをしっかり表彰制度に反映していくということが重要だと考えています。
今、昨年度は二十一件について表彰されたというふうにあるんですけど、職員の数からしても、部局の数からしても、本当はもっともっと多くの人たちに、そういう表彰の対象になっていただく方がいいんじゃないかなというのを個人的に思っています。
先日、資料もいただいたんですけど、やはり職員の規模からして、東京都の場合は民間企業とまた違って、金銭的なインセンティブみたいなものをフレキシブルに活用していくということも、なかなか難しい組織でありますよね。そうした観点からも、この表彰制度というのは有効に活用していってほしいなと思うんです。
例えば、表彰された事業とか仕事内容とかいろいろ見ると、それぞれの時代のそれぞれの知事さんが興味、関心があるテーマが大体表彰の対象になっていて、本当にそれが功績が顕著といえるのかどうか。先ほど事例に挙げられました事業についてとやかくいうつもりもないですけど、客観的に施策の効果とか都民サービスについての影響とかといった観点からすれば、果たしてその年その年表彰されたものが最も顕著な功績といえたのかということを見ると、そうとはとてもいえないんじゃないかなというふうな個人的な感想はあります。
ぜひ、知事の関心が薄い、そうしたテーマであっても重要なテーマというのはあると思うし、また、日が当たりにくい、そうした業務であっても、きらりと光る仕事、また業績というのも絶対にあるんだと思っています。そういうことこそ、それぞれの管理職の皆さんが発見していただいて表彰していくということで、このことをもっともっと伸ばしていこう、こうした分野にも挑戦しようという組織風土をつくるべきなんじゃないかなと、それは個人的に思ったりしています。
できれば、首都である東京都の行政マンがした仕事を多くの道府県の職員とか都内の区市町村の職員が逆に知っていて、それを模範にして、あれを目指したいな、そんなスーパー行政マンをアピールできるような仕組みというのもぜひ検討していただきたいと、そのように思っています。
この表彰制度なんですけど、現行の表彰制度における案件、どのように選考されているのか伺います。
○田中労務担当部長 表彰案件の選考に際しましては、まず、各局長等が他の模範とすることができる職員の審査を行うため局審査会を開催することとしております。局審査会において決定した案件について、知事を会長とする東京都職員表彰審査会において審査を行いまして、専門技術的な事項については専門知識を有する者で構成する専門幹事会で事前審査を行いながら、表彰する職員を知事が決定することとしております。
○小松委員 知事が決定する以上、知事の関心テーマが中心になってきてしまうんじゃないかなと思いますので、制度とかを変えたりするのはなかなか行政組織は難しい部分はあるかもしれませんけど、大事なことは、職員の方、特に若い方々がスポットライトを浴びる機会をとにかく増やしていってほしいなと。そのことが東京都の職員の方々の能力開発に間違いなくつながるんじゃないかなというふうに思いますので、せっかくスタートアップで民間交流を広げていこうという取組とか国際交流だということで、様々な海外の先進都市にも拠点を設けてそうした知識を得ているのであれば、こうした表彰制度もうまく活用していっていただきたいなということを求めておきたいと思います。
次に、社会人教育について伺いたいと思います。今は都職員の方の教育。今度は都民、都内に住む社会人の方の教育について伺います。
デジタル技術の急速な発達やグローバル化の進展など、社会の変化がますますスピードを増す中、東京が世界の諸都市と伍して戦うには、競争力の源となる先端の技術や知識などを常に追い求め続けなくてはなりません。学ぶということが学生の専売特許であった時代は早くも終わりを告げ、社会の第一線を担っている産業人にこそ、仕事を続けながら、時には仕事を離れて知識やスキルのバージョンアップを図る、いわゆるリスキリングにも不断に取り組む必要があるということはいうまでもありません。
私が社会に出た二〇〇〇年というのは、一人当たりGDPは、我が国は世界で二位、でも去年は二十八位でありました。ご存じのとおり、アメリカはこの二十年ぐらいで、給与が一・五倍とか二倍になったというふうにいわれているんですけど、日本は恐らくほとんど変わっていない。九七年がピークですから、そこにはまだ戻っていないわけであります。
これ、ポジティブに考えると、まだまだ伸ばす余地がいろいろある、いわゆる伸び代はあるんだといえると思うんですけど、しっかりと生かしていかないと、今のまま衰退していく可能性も十分あるんだろうというふうに思います。
そこで、東京都の資源を都民の能力開発にも有効に活用していくべきだと考えるわけであります。
そこで、東京都立大学などを運営する東京都公立大学法人が都政課題の解決に貢献することをミッションというのであれば、都政の重要課題であるこの社会人の学び直しについても積極的に取り組むべきと考えますが、どのように取り組んでいるのか伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 東京都公立大学法人では、二大学一高専の各校が、現役世代の学び直しのニーズを踏まえた社会人向けの教育プログラムを、各校の強みを生かしながら実施しております。
東京都立大学では、都心にサテライトキャンパスを設置いたしまして、マーケティング、財務分析など経営学の高度な専門知識を教授する大学院の修士課程を開設しております。また、総合大学という特徴を生かしまして、語学や知的財産、経済動向など幅広いテーマの公開講座を、オンライン配信も活用しながら実施をしております。
また、都立産業技術大学院大学では、ICTやインダストリアルデザインなど社会人の学び直しのニーズが高い分野において、実践的な授業を通じまして、ビジネスの現場で通用する力を養うことができる教育課程を開設しております。加えまして、短期間の講座なども実施いたしまして、様々な学びのスタイルに合わせたプログラムを提供しております。
さらに、都立産業技術高等専門学校では、セキュリティやネットワークなどのデジタル技術や、医療機器の開発に必要なノウハウなど、学生の教育に携わっている教員の知識やスキルを生かしまして、企業の技術者などを対象とした専門講座を実施しているところでございます。
○小松委員 この各大学や高専の持ち味を生かした特徴あるリスキリングプログラムを実施していると、今片山部長からご答弁いただきました。
ただ、せっかく優れたプログラムを提供していても、それ自体が多くの都民に認知をされていないと宝の持ち腐れともいえます。また、一言でリスキリングといっても、学びの分野やどの程度しっかりと学びたいのかというのは、個人それぞれにニーズが様々あるんだろうと思います。
講座の内容や専門性の度合いなどを踏まえながら、戦略的に広報を展開していく必要があるというふうに考えますが、各大学や高専では、こうしたリスキリングの取組についてどのようにPRをされているのか伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 二大学一高専で実施する社会人向けのプログラムは、お話のとおり受講者層や教育内容がそれぞれ異なっておりますことから、講座ごとに適した方法で広報を行っております。
例えばですが、都立大学大学院の経営学研究科では、経営や金融のスペシャリストを養成していることから、広報に当たっては教育研究の中身を伝えることに重点を置いております。研究活動や授業の特徴、内容、講師陣などについて詳細な情報を発信するとともに、オンライン説明会を開催いたしまして、コースの特徴をより深く知ることができる機会も設けております。
また、都立大が実施しております公開講座の方につきましては、初学者などでも関心を持ちやすいように、各講座のセールスポイントを分かりやすくまとめたデジタルパンフレットを年四回発行いたしますとともに、SNSですとか都のリカレント教育に関する総合ポータルサイト、東京リカレントナビと申しますが、こちらのサイトなどを通じて幅広く情報を発信しております。
産技大の方では、教員がこれまで蓄積してきた人的ネットワークを活用いたしまして、個別の企業にアプローチを行うとともに、多数の企業関係者が来場するような展示会ですとかフォーラムなどのイベントに出展するなど、企業内人材を主なターゲットとしたPRに注力をしております。
○小松委員 社会人に求められる知識や技術が高度化すればするほど、高等教育機関である大学が果たすべき役割もますます重要になってまいります。都立大は、都が設置した公立の高等教育機関としてこうしたニーズに応え、現役の大学生はもちろんのこと、社会人教育にも一層力を注いでいただきたいと思います。
なお、今、東京リカレントナビというような、これはポータルサイトなんであれなんですけど、リカレントとリスキリングというのは、生涯学習を目的としたものなのか職能開発を目的としたものなのか、目的、また本質が異なるというふうな認識をしています。これ、一緒くたにならないように意識をしていかないと、プログラムにも影響してくるんだろうと思いますので、この辺のところも意識を持って取り組んでいただきたいということを求めておきたいと思います。
また、都がリスキリングを頑張るということ、この環境を整えるということで、都内産業の成長を支える重要な人づくりの政策にもつながると改めて認識をするとともに、都がイニシアチブを取って、都内大学とも連携し、取組を加速していただくように求めておきます。
最後に一点、昨日、都立大の南大沢キャンパスで発生した傷害事件についてお伺いしたいと思います。
本件については、教員の方が何者かに刃物で切りつけられ重傷を負い、犯人は、今どうなったのかな。——まだ捕まっていない、逃走中ということでありますが、大学は地域や社会の知の拠点であって、そのキャンパスは、教員や学生が研究や学びに専念できる場でなければならないということはいうまでもありません。そのことをこのリスキリングでも使っていこうというような提言をしたところであります。
いかなる事情があれ、大学の構内で今回のような事件を起こすということは到底許されるものではなく、強い憤りを感じています。
都立大では、本日から巡回、警備体制を強化した上で、授業や課外活動なども通常どおりに再開しているとも聞いています。本日も推薦入試も予定どおりされているということでありました。学生の皆さんが今回の事件に動揺し、通学に不安を覚えるなど様々な影響も懸念されています。これ、学生さんだけじゃなくて、多分先生方もそうだと思うんですね。
都立大においては、キャンパスの日常を一日も早く取り戻すことができるよう、セキュリティの確保や学生のサポートなど万全を期すべきと考えますけれども、見解を伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 昨日、都立大学の南大沢キャンパス内で発生いたしました傷害事件につきましては、現在もまさに、引き続きですが、大学と連携して情報収集等に当たっているところでございます。
大学におきましては、事件後、授業や課外活動の実施を取りやめるなどの緊急的な措置を講じておりましたが、本日は、ご指摘のありましたとおり、授業等を再開するに当たりまして、南大沢キャンパス以外の部署からもスタッフを動員するなどによりまして、校内の巡回、監視を強化しております。また、昨日のうちに、今回の事件に係る対処方針などを検討する学校危機対応チームを設置いたしました。
キャンパスの安全と安心を確保することは、学生や研究者がその本分であります教育研究活動を行う上での前提ともなるものでございます。こうした考えの下、犯人の逮捕に向け警察の捜査に全面協力いたしますとともに、学内の状況を踏まえ、安全管理措置や学生支援などをはじめ、必要な対応を速やかに講じてまいります。
○小松委員 昨日夕方もかなり日が落ちたタイミングでの事件だったと思うんですけれども、本当に迅速にご対応いただいたと思っております。
ただ、優秀な人材が、これから受験シーズン本番でありますから、そうした人材が都立大の受験を回避するみたいなことにならないように、早く安心・安全を万全の体制で取っていただけるように、関係各局とも調整していただきたいと思います。
次に、危機管理についても伺いたいと思います。
北朝鮮は今年に入り、かつてない頻度で弾道ミサイルの発射をしております。日本を取り巻く脅威というのは高まっていると思います。長射程化など技術や攻撃能力も向上している、そんな専門家の見解もあります。また、ロシアによるウクライナの首都キーウへのミサイル攻撃も行われ、有事には首都が攻撃対象となる可能性があるということも明らかになりました。このことが、第二次世界大戦以降大きく変わったところなのかなと思います。
実際にミサイル攻撃が発生した場合に、都民の生命を守るため、都が関係機関と連携して、まずは住民の避難を迅速に行うということが非常に重要であって、訓練を通じて都をはじめとする関係機関の役割分担や手順なども確認していく、このことも必要になると思います。
そこで、これまで都は、国民保護に関して主にどのような訓練を実施してきたのか伺います。
○八嶋防災対策担当部長 都では、国や警察、消防、自衛隊及び区市町村等との役割分担の確認や相互連携強化を図るとともに、国民保護に対する都民の理解を促進するための訓練を行ってまいりました。
これまでは主に、大規模テロ災害への対応を想定して、集客施設や交通機関において、サリンなどの化学剤や放射性物質、爆発物を使用したテロ等が発生した場合に、原因物質の特定や警戒区域の設定、専門医療の確保、避難誘導など、初動対応の手順を確認するための訓練を実施しております。
○小松委員 関係機関や区市町村と連携をし、大規模テロ災害を想定した訓練を中心に実施されているということが分かりました。
しかしながら、国民保護では、弾道ミサイル攻撃や航空攻撃などの武力攻撃事態も想定をされています。現在、最も脅威が高まっているのは弾道ミサイル攻撃なのではないかと考えます。
そこで、過去に弾道ミサイル攻撃を想定された訓練というのは実施をしてきたのか伺います。
○八嶋防災対策担当部長 都は、平成二十九年度に、国や文京区と共同で、弾道ミサイル攻撃を想定した住民避難等の訓練を実施いたしました。
参加者は、住民と事業者を合わせて約三百五十人でございまして、防災行政無線やスマートフォン等による住民等への避難情報の伝達や、地下鉄春日駅や後楽園駅等への自主避難の訓練を行いました。
○小松委員 平成二十九年度に行ったということでありまして、多分、それ以外の事例がないんだと私の方も承知をしています。
三十年度以降は実施されていないということが確認されたわけですが、しかも、一千四百万人が暮らすこの東京において、そこに参加された方というのはごく僅かの方であります。
この間、コロナの大流行もあって、様々な判断から実施ができなかった部分も推測されるわけですけれども、冒頭で申し上げたとおり、いつ北朝鮮からの弾道ミサイルの落下による被害を受けてもおかしくない状況にあるんだろうと思います。実験が成功しているから、ある意味ぶつからないで来ているんであって、ミサイルが想定のとおりに来なくて、それがたまたま日本の領土、また首都を狙って、首都のどこかにぶつかってしまったと、そんなことだって考えられるわけであります。
都では現在、ミサイル攻撃等の爆風等から直接の被害を軽減するための一時的な施設として緊急一時避難施設の指定を推進しており、令和四年、今年九月の末時点では、全ての区市町村において緊急一時避難施設が確保され、都民全体をおおむねカバーできる水準になったと私も聞いてはいます。
しかし、多くのここにいらっしゃる委員の方々も多分地元でいわれていると思うんですけど、誰も知らないんですよね。実際、僕、必ず会合でこの話をするんですけど、誰もどこに避難していいかは分かっていません。それでは何の意味もないんじゃないかなというふうに思います。
施設整備、これ地下鉄だったらまだ分かるんだけど、とにかく一時的な施設をということで、とにかく矢継ぎ早に様々な区市町村と連携しながら施設を増やした。これは対症療法としてはやむを得ない側面もあると思うんですが、それにしたって、どこに自分たちは、そうしたアラートが鳴ったときにどういう行動を取ればいいのかなということをほとんどの都民が知らないということは、東京都の努力がまだ十分生かし切れていないんじゃないかなというふうに思いますので、この施設整備と併せて、広報の努力についても改めて求めていきたいというふうに思っています。
避難場所を確保して終わりということではなくて、有効に活用するためにこそ、ぜひ実効性のある訓練については速やかに検討していただきたいということを申し上げておきます。
次に、今年に神津島村において行われた、東京都と村合同での総合防災訓練についても伺いたいと思います。
島しょ地域では、平成三十年度に小笠原村で行って以来四年ぶりの実施となりました。九月には品川区で区と合同の総合防災訓練も行われましたが、島しょ地域は本土から距離が離れているという地理的特性に加え、津波や噴火など特有のリスクがあるので、実情に即した訓練を行うということが重要だと思います。
まず初めに、今回の訓練の目的と、どのような方が訓練されたのか確認します。
○保家総合防災部長 本訓練は、本年五月に改定した被害想定に基づき、南海トラフ地震による津波の発生を想定し、島内における自助、共助を促進するとともに、都、神津島村及び防災機関における災害対応の役割、連携などを確認し、さらなる応急対応力の向上を図ることを目的に実施したものでございます。
五百名を超える村民のほか、警察、消防、自衛隊、電力会社等ライフライン事業者、地元消防団など二十を超える防災機関に参加いただきました。
○小松委員 南海トラフ地震が発生した場合、伊豆諸島や小笠原諸島では、地震による津波の襲来が想定をされています。都の新たな被害想定では、神津島においては最大二十六メートルを超える津波が地震発生後約十六分で到達するといわれています。このため、今回のような想定で訓練を実施し、災害に備えていくことは大変有意義であるものと考えます。
そこで、今回実施された訓練の内容と、どのような成果があったのか伺います。
○保家総合防災部長 本訓練では、村民の方に、津波発生の防災行政無線を受け、高台の小学校や本年八月に供用を開始しました神津島港津波避難施設への自主避難を行っていただきました。多くの村民の方々が主体的に参加され、お互いに声をかけ合いながら速やかに行動を取られるなど、自助、共助による円滑な避難を実践できました。
また、災害発生時に、救助部隊や緊急支援物資を島内へ迅速に送れるよう、自衛隊などによる空路や海路を利用した島内各地への輸送手順を具体的に確認したところでございます。
さらに、メイン会場のよたね広場等におきましては、警察、消防、自衛隊等と地元消防団が連携し、倒壊建物からの人命救助や道路啓開、消火活動を実施したほか、ライフラインの応急復旧、医療救護など、実災害を想定したより実践的な訓練を行うことで、地域の防災力の向上につなげることができました。
○小松委員 島しょ町村において、南海トラフ地震など大規模災害の発生に際しては、地元の町村だけでは対処できるものではなくて、東京都や関係機関の支援が必要であることはいうまでもありません。とりわけ、海に囲まれ、本土から離れているという地理的な条件から、ただいま答弁にもありましたが、迅速な救助部隊や物資の輸送というのは極めて重要になってまいります。
今回の訓練では、自衛隊が保有するV22、いわゆるオスプレイが全国で初めて防災訓練に運用されたということを聞いています。
そこで、島しょ地域などにおける災害発生時にオスプレイが出動するメリットについて改めて伺います。
○保家総合防災部長 陸上自衛隊が保有しているV22、いわゆるオスプレイは、一般的には従来の大型輸送ヘリと比較して、速度が約二倍、航続距離が約三倍であることから、救出救助活動や物資輸送等を迅速に、かつ長時間、広範囲にわたり行うことが可能な機体であると聞いております。
○小松委員 今回は地震による津波を想定した訓練でありましたが、島しょ地域においては台風や火山噴火など様々な災害リスクを抱えてもいます。そのような中、オスプレイは、発災時の人員や物資の輸送面において大変有用であると思われますので、防衛省や自衛隊において積極的に活用していくべきと考えます。
いつ発生するか分からない災害から都民の生命と財産を守るため、日頃から警察、消防、自衛隊など関係防災機関とも連携し、実践的な訓練を行うことで備えを万全にしていただきたいと考えます。引き続き、島しょ地域を含め東京の防災力をより一層高める取組を要望しておきます。
危機管理監についても一言申し上げておきたいんですが、東京都にはもちろん自衛隊のOBの危機管理監がいらっしゃるというふうに聞いています。で、以前、石橋さんが総務課長をされていらっしゃったときに、これ質問で準備をしていたと思うんですけど、区市町村にも、本来はもっとそういった、危機管理のまさにプロの方がいるということが、東京の防災力の全体的な底上げに間違いなくつながると考えています。
例えば世田谷区は、危機管理室長はプロパーの職員の方で、危機管理のプロではないんですよね。やっぱりプロの目で見るもの、考えるものとプロパーの方とは当然能力や経験が違うわけで、どっちがいい悪いはないと思うんですけど、やっぱり自衛隊のOBの方だからこそ、例えば、ここの避難所にヘリが発着することになっているけど、こんなに木が生い茂っていたら、現実、風が強い日だったらとてもじゃないけど降ろせませんよ、そんなことをやっぱり図面を見たら気になるわけです。だけどプロパーの方は、当然、晴天の、風もほとんど吹いていない日を想定して、物理的に止められるだろう、だからここですというふうな発想になるわけであります。
一事が万事、そういうことを含めると、やっぱり同時多発での災害ということが起こる可能性もあったり、また、先ほど冒頭も質問しましたけど、相次ぐミサイル攻撃であったりそんなことを考えると、防災関係機関と共通言語だったり、その世界だと当たり前の危機管理能力を有した、そういう経験者の方々を都内の各自治体にしっかりと配置するように、都も、各区市町村に積極的に要請をするということも求めておきたいと思います。
最後に、時間がなくなりましたので、人権問題、インターネット上の誹謗中傷対策について伺いたいと思います。
SNSなどの普及に伴って、インターネット上で容易にコミュニケーションができるようになった一方で、名前や顔も知られず情報を発信することが可能であり、瞬時かつ広範に伝わるといったメディアの特性から、インターネット上の誹謗中傷が横行し、社会的に大きな影響を及ぼすようにもなってきました。
加えて、昨今の新型コロナ禍への対応で、教育現場にもデジタル化が進展したことに伴って、インターネット上でのいじめの増加が指摘されるなど、状況はより深刻になってきているとも考えています。
SNSやネット上の掲示板、ブログ等に執拗に悪口を書き込まれるなどといった誹謗中傷によって、精神的に深く傷つき、追い詰められることで、職場や学校に行けなくなるだけではなくて命にも関わる事態に及ぶこともあります。非常に重要な問題であって、都として、インターネット上の誹謗中傷への対策は喫緊の課題であると考えています。
そこで、インターネット上の誹謗中傷に対し、東京都はどのような対策を行っているのか伺います。
○吉村人権部長 都は、インターネット上の誹謗中傷等による人権侵害に対して、被害を未然に防ぐ観点から、インターネット利用時のルールやマナーについて啓発動画を作成し、SNSも活用して発信するとともに、区市町村へのリーフレットの配布や人権プラザにおいても展示を行うなど、広く都民を対象とした普及啓発を実施しております。
被害に遭われた方への支援としては、人権プラザにおいてインターネット上の人権侵害に関する相談窓口を設置し弁護士による法的な助言等を行うとともに、人権侵犯事件としての救済を希望する場合は東京法務局を案内するなど適切な相談機関を紹介しております。
さらに、プロバイダー等が国の削除要請に応じてインターネット上の人権侵害情報を削除した際に賠償責任を問われることがないよう法整備を行うことを含め、総務省、法務省に対して、インターネット上の誹謗中傷等への対策強化について要望を行っております。
○小松委員 東京都の取組について確認をしましたが、現状、大きく改善するには至っていないと思います。
この問題に対しプロバイダー側では、ヤフーが不適切な利用を防止するため、ヤフーニュースのコメント欄への投稿について、今月から携帯電話の番号設定を必須とするなど、誹謗中傷対策を一層強化する動きも出始めています。
東京都としても、インターネット上の誹謗中傷を未然に防ぐための方針、この抑止力を上げるための取組や強いメッセージを示すなど、対策をより強化していくべきと考えますが、総務局長の見解を伺います。
○野間総務局長 インターネットやSNSの利用が拡大する中、その匿名性や拡散性などから、誹謗中傷による被害が発生してございます。
都は、取り組むべき人権施策の基本方針を示した東京都人権施策推進指針において、インターネット上の人権侵害を重要な人権課題の一つに位置づけており、重点的に取り組むべき課題であると認識してございます。
都はこれまでも、普及啓発や被害者支援の取組を進めてまいりましたが、今年度は新たな普及啓発の取組といたしまして、インターネット上の誹謗中傷をしないよう訴える動画を作成し、若年層にも効果的に訴求できるようSNSや動画広告を活用して幅広く発信することで、適切なインターネット利用について考える契機といたします。
インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方等につきましては、現在、国の研究会において多面的な議論が行われてございます。都といたしましては、表現の自由にも十分に配慮しながら慎重に対応していく必要があるため、こうした研究会の成果も踏まえ、取組を進めてまいります。
今後も、インターネット上の誹謗中傷を未然に防ぐためのメッセージを強く発信していくほか、人権施策に関する専門家会議も活用し、効果的な普及啓発等について議論を重ねてまいります。あわせて、国の研究会における議論の推移を注視しつつ、総務省や法務省に法整備を含め対策強化を強く働きかけるなど、インターネット上の人権侵害の解消に向けて取り組んでまいります。
○小松委員 都がこれまでの、現状の対策に満足することなく、さらに取組を強化していくという考えであること、野間局長の決意からも確認ができました。
今後の取組を考えていくに当たっては、何が効果的かをこれまでの枠にとらわれずに考えていってほしいと思います。
一例を挙げれば、人権尊重条例、これにインターネットの誹謗中傷に関する規定を設けるなど、都民や事業者に幅広く働きかける上では有効なのではないかなというふうにも思いますし、やっぱり誹謗中傷する側のリスクというか、そうしたものに対する抑止力みたいなものも想定して、施策をぜひ考えていっていただきたいなというふうに思います。
この深刻な現状を大きく動かすためには、より踏み込んだ対応を検討していくことを求めておきたいというふうに思います。これは不登校とかにもつながったりする事例も見ていますし、自殺にもつながったという事例も見ていますので、ぜひ早急に取り組んでいただきたいと思います。
最後に一言、来月、十二月十日から十六日は北朝鮮人権侵害問題啓発週間であります。東京都はこれまでも、都庁をブルーリボンでライトアップしていただいたり、写真展など、今年はオンライン写真展と書かれていましたけど、取組をしていただいていますが、残念ながら、これは国も総力を挙げているものの、まだ解決に至っていないというところであります。
今、教育庁さんの方には、DVDの活用が全然進んでいない、そのことを指摘しているところでありますけれども、ぜひ、昨年代表質問でさせていただいて、この啓発週間の回の本会議、これ最終日だったと思いますけれども、知事をはじめ都全ての幹部職員の方々がブルーリボンをして、警視総監もされていたこともあって新聞にも載りましたけれど、こうしたことは、継続して初めて成果だと思いますので、しっかりと、この十二月十日から十六日のブルーリボンの啓発期間のときには、今年もしっかり知事や幹部職員の皆様におかれましても着用していただくことを求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○福島委員 私からは、最初、東京都公立大学法人について質問させていただきます。
冒頭に、昨日都立大学で発生した大学教員の傷害事件に関して一言申し上げます。
命に別状がないということが不幸中の幸いではございましたが、一日も早い回復をお祈り申し上げるとともに、速やかな犯人の逮捕を望みます。
自由に議論、そして学び、探求する場所であるはずの大学でこのような事件が起きたことは、断じて許されることではございません。既に、巡回を強化する、学校としての対応方針などを検討する学校危機対応チームを立ち上げるなどの取組に着手したと聞き及んでおります。引き続き、学生、教員らがこれまでどおり安心して勉学、そして研究できる場所であり続けるための取組を鋭意行っていただくことを要望いたします。
また、研究者の皆様におかれましては、こういった暴力に萎縮することなく、これまでどおり活動していただきたいと思います。
そして、話は変わりまして、先日、公立大学法人に義務づけられている年度計画の作成と年度評価が廃止されるとの報道がありました。国において、今年の四月に廃止した国立大学法人の評価制度に倣いまして、年度計画の策定や年度評価に関する事務負担軽減のための法改正が行われるとのことです。
毎年、ボリュームある計画を策定し、その評価を行っているため、大変な事務負担があることは理解しておりますが、年度評価を通じて都民への説明責任を果たしてきたという側面もあると思います。仮に評価制度が廃止となった場合であっても、公立大学法人の運営について何らかの形で都議会への報告を続けるべきと考えますが、見解を伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 公立大学法人は、地方独立行政法人法の規定により、毎事業年度、業務に関する計画を定めましてこれを公表するとともに、年度終了後は設置都道府県において地方独立行政法人評価委員会による評価を受け、その結果を議会に報告するとされております。
今月の十一日に国の有識者会議が開催されまして、こちらで、これらの定めを廃止する内容の対応方針案が了承されました。今後、この方針の閣議決定を経まして、次期通常国会に改正法案を提出する予定と国からは聞いております。
東京都公立大学法人は、都政課題の解決を通じて都民生活の向上に寄与することを使命としております。その運営状況については、法人の自主性や自律性を尊重しつつも、公立の高等教育機関として、都民等に対し説明責任を適切に果たしていくことが重要であると認識しております。
都といたしましては、こうした考え方の下で、これまで都議会に中期目標や年度評価等のご報告を行ってまいりました。引き続き、国における制度改正の検討状況等について、動向を注視してまいります。
○福島委員 教育や研究については、入試志願者数や外部資金獲得額など、評価制度に頼らずとも外部から評価される仕組みはあると思っており、事務負担を考えると、必ずしも現行の評価を行う必要があるのか、これについては私も疑問だとは思っております。
一方で、都政課題は複雑化し、時代の流れとともに求められるスキルも大きく変化する、こういった時代におきまして、東京都立大学、東京都立産業技術大学院大学の二大学、そして東京都立産業技術高等専門学校の一高専、こちらが都政の課題の解決や人材育成に果たす役割は、今後ますます大きくなると考えています。年度評価、中でも現在も実施している都政との連携の評価項目については、毎年確認していく必要があるというふうに考えております。
法制審議を注視していくというご答弁でしたけれども、ぜひこの視点を大切に、都政課題解決のための人材育成、そして研究をし続ける法人であることを要望いたします。
公立の高等教育機関として、都の経済を支える産業界との連携も重要です。
今年、日本経済団体連合会が出した新しい時代に対応した大学教育改革の推進というレポートによれば、政府は、AI戦略二〇一九において、文理を問わず全ての大学生、高専生がリテラシーレベルの数理、データサイエンス、AI、こちらを習得することを目標に掲げており、日本全国の大学がリテラシーレベルの数理、データサイエンス、AI教育プログラムの開発を進め、必修科目として位置づけることを求めています。その際、企業や経済界の声を取り入れながら産学が協働することで、より実践的な教育プログラムが開発できるともされています。
必修科目化はもちろん、こういった教育を副専攻として受けられるようにすれば、より多くの学生が学ぶことができると考えていますが、東京都立大学での取組状況について伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 近年、インターネットによる情報のやり取りが爆発的に増加したことに伴いまして、その膨大なデータから有益な知見を見いだして活用するための手法でありますデータサイエンスの重要性が高まっております。
都立大では、こうした動向を踏まえまして、全学生必修の情報教養科目を実施いたしますとともに、今年度からですが、より高度なデータサイエンスの知識、技術を学ぶ数理・データサイエンス副専攻コースを開設いたしました。各学部の専攻科目とは別に、希望者が追加で学習を行う上乗せの教育プログラムとなっております。
文系、理系いずれの学生も履修することができまして、現在、履修者数は八十六名でございます。
カリキュラムは民間のICT企業から意見をいただきながら作成しておりまして、統計分析に関する数学の科目ですとか、データ処理、機械学習に関する専門知識を学ぶ科目のほか、実際のデータを活用して課題解決に取り組む科目など、実社会で通用するデータサイエンスのスキルを体系的かつ実践的に学ぶことができる内容となっております。
○福島委員 今年度現在の履修者は八十六名ということですけれども、これは、定員を超えた希望があったが全て受け入れたというふうに伺っております。今後も、数理、データサイエンス、AI、こういった領域を学びたい学生が学べる環境を整備していくこと、これを求めます。
同じくこの経団連が出している採用と大学改革への期待に関するアンケート結果、こちらによると、優先的に実施するべき教育プログラム面の改革として、多くの企業が、課題解決型の教育プログラム、PBLなどの充実、そして、社会や企業のニーズに対応した教育プログラムの迅速な構築、充実を挙げています。
特に後者については、例えば、毎年のアップデートに取り組むことが講師陣の成長につながるとともに、本当にこれが実現できれば、リスキリング目的の社会人学生も増えるというふうに考えます。
大学や高専における取組の状況について伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 公立大学法人では、社会の第一線において活躍できる有為な人材を輩出できるように、産業界等のニーズの変化を捉えまして不断に教育プログラムの見直しを図っております。
先ほどご答弁申し上げた都立大の副専攻プログラムにおきましても、ビジネスの最前線で今求められているデータサイエンスの知識を学ぶプログラムを新規に開発したものでございます。その講義内容も最新動向を織り込んでおりますことから、テクノロジーの進歩に合わせて継続的にアップデートを図ってまいります。
また、情報、ものづくり分野等における実践的な教育を行う産技大、産技高専、こちらの二校におきましても、カリキュラムの作成に当たっては専門家や経営者などから様々なご提言をいただいておりますほか、企業等における業務経験が豊富な実務家教員の先生を任用することによりまして、現場動向を常に教育内容へと反映させるように努めています。
○福島委員 ありがとうございます。
比較的、大学進学率みたいなことが議題に上がることが多いんですけれども、進んだ大学で質の高い教育が受けられるか、これは大変重要なことだと思います。不断の見直し、そしてアップデートが図られているということですので、引き続き行っていただきたいと思います。
次に、多様な価値観を尊重し、地球規模の課題、そして日本の抱える課題を俯瞰して考察できるグローバルな視野を持った人材の育成や国際的な競争力の維持のため、海外大学との教育研究ネットワークの構築を進めることは重要です。
双方向の留学生交流をコロナ禍でも継続するため、オンラインを活用するなど工夫がなされるべきですが、都立大学における取組について伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都立大におきましては、異なるバックグラウンドを持つ他者と協働して主体的に問題解決に取り組むことができる、こうした国際感覚豊かな人材を育成するために、様々な国際交流プログラムを実施しております。
具体的に申し上げますと、海外の提携大学との交換留学に加えまして、都立大生向けには海外の短期研修ですとかインターンシップを、また、海外の大学生向けには日本語短期集中コースを実施いたしますほか、都立大生と海外の大学生とがチームを組みまして、言葉の壁を乗り越えて議論を行うグローバルディスカッションキャンプなども実施しております。
各プログラムにつきましては、録画した講座を期日までに学習するオンデマンド配信ですとかテレビ会議システムを活用した海外学生とのライブディスカッション、あるいは実際に渡航してのフィールドワークなど、オンラインとリアルを適切に組み合わせて実施することにより、感染拡大防止にも配慮しつつ教育効果の最大化を図ることとしております。
○福島委員 先日、ノーベル生理学・医学賞を受賞したスバンテ・ペーボ教授が非常勤の教授を務めている沖縄科学技術大学院大学、こちらについては、国際的な知の拠点ということで国が力を入れているわけですけれども、教授陣や学生の国籍が多様であることはもちろん、複数の研究室を経験できたり、研究室が分野で分けられていない、実験用の機器が共用というふうに、多様な人が自然に交ざり合う、そういった仕組みがされているというふうに伝え聞いております。
コロナ禍により現地留学が制限される中、新たな形の留学について検討するなど、都立大が世界に開かれた大学として、海を越えて有為な学生たちが集い、共に学び合う場として機能し、グローバルな人材を多く輩出していくために、引き続き前向きに取り組んでいただくことを要望いたします。
次に、東京都生活応援事業について質問させていただきます。
本事業は、都民生活が様々な生活必需品の値上がりなど厳しい状況にあることを踏まえた我が会派の要望を受け、都が第二回定例会において補正予算を計上し、昨年度に引き続き実施することとなったものです。物価高騰の状況が続く中、本事業を多くの区市町村が活用することで、都民生活を支える一助となります。
そこでまず、今年度の執行状況について伺います。
○小林都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 これまでに交付決定いたしました区市町村の合計は二十九団体であり、交付決定額の合計は約五十四・一億円となっております。内訳は、デジタルのみが二十六団体、デジタルと紙商品券の併用が三団体であります。
今後、十二月初旬を目途に、最終となる交付決定を行う予定といたしております。
○福島委員 本事業においては、実際に事業スキームを構築するのは区市町村になりますけれども、事業を必要としている層にきちんと届いたのか、これを検証することは大変重要です。
都では、令和三年度に実施した事業を対象に効果検証を行ったと聞いています。キャッシュレス決済を根づかせるのと同時に、デジタルのみでの実施が本則であることから高齢者が対応できていたのか、また、生活応援という事業目的を考慮するとどのような使途で使用されたかなどについても確認しておく必要はあります。
そこで、効果検証では、利用者の年代や購入された商品においてどのような効果が得られたのかについて伺います。
○小林都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 都では、令和三年度の本事業を活用した利用者や店舗等に対し、ウェブや書面によるアンケート調査などを実施し、事業の効果検証を行いました。
利用者の年代を見ますと、約四分の一を六十歳以上が占める結果となっております。
また、本事業による消費額の部門別内訳を見ますと、精米、パン類や乳製品などの飲食料品が最も多く約二〇%であり、次に、外食などの対個人サービスと、野菜、果物や鮮魚類など農林漁業の順となっており、これらの消費額を合計いたしますと、全体の約半分を占める結果となっているところであります。
○福島委員 六十歳以上の方も参加はできていること、食料品を中心に消費されていることなど、キャッシュレス化の推進、そして都民の生活応援という目的に沿った事業内容になっていることを理解しました。
ただいまの答弁で一部が紹介されましたけれども、本事業についてはアンケート調査等による効果検証が行われており、三百ページを超える報告書、これが作成されています。聞いたところによれば、事業全体の予算額百二十五億円に対して、効果検証に要した費用は五千万円程度というふうに伺っております。私はかねてより、事業費の五%か、もしくは最大で五千万円程度を効果検証にかけるべきと訴えてまいりました。今回、丁寧に評価したことを高く評価いたします。
内容を確認させていただきましたけれども、例えばロジックモデル、これが作成されてKPIを設定したり、デジタルと紙で、使いやすさの面でどちらが満足度が高いか、これについて統計的に有意であるP検定なども行うなど、一歩進んだ評価がなされています。
一方で、例えば利用者の、先ほど教えていただいた年代や年収、そして職業、基礎自治体ごとの店舗数なんて載っているんですけれども、例えばこの生活応援事業のサービスを利用された方、利用されていない方の職業は、両方、一位は会社員、事務の方というふうになっているんですけれども、よく考えたら、会社員で事務の方が多分もともと多いんですね。
そういった意味では、規格化しないと、この会社員の方、実際利用された方、利用されていない方でどっちが多かったのかということは見えてこないですし、先ほどの四分の一の方が六十歳以上でしたというのも、人口構成比できちんと規格化をすれば、多分、恐らくもっとたくさんの方が利用できるように応援していかなきゃいけないんじゃないかと思います。そういったことについては指摘をさせていただきます。
また、区市町村によっては、予算上限に達し、予定期間より早く終了するようなことも起きているというふうなことですが、執行率が高いからよいというふうなことではなくて、今回評価を丁寧に行っていただいたように、目的に照らして、今後も繰り返し実施する必要があるかどうかについても丁寧に検証する必要があると思っています。
「国際金融都市・東京」構想二・〇、これは二〇三〇年に八〇%、こういった意欲的なキャッシュレス決済比率目標を掲げています。その達成にも資するよう、再度実施するのであれば、例えば高齢者の皆様の一層のキャッシュレス利用につながる工夫を併せて行うなど、不断の事業の改善に努めていただきたい。この目的に沿った事業内容になるように、丁寧にやっていただきたいと思います。
また、この検証についても私から提案がございます。
今回の報告書は、先ほど答弁にあったように、ウェブや紙でのアンケートベースで実施しているということですけれども、隣の小松議員と同じ、私の地元世田谷区なんですけれども、区がせたペイというアプリをつくって、本事業にもこのせたペイを使って参加しています。自前でアプリをつくったことで、利用者の購買データをすぐに把握できるなど、事業効果の検証に当たっても大変大きな利点があります。
このように事業効果を着実に検証していくために、例えば、データは二十一世紀の石油ともいわれていることですから、先日、日銀が中央銀行デジタル通貨、CBDCの実証実験を行うとの報道もありましたが、関係省庁や民間事業者でこういったデジタル通貨の検討が進んでいる中で、都が日本円と連動する地域通貨、これはステーブルコインというものなんですけれども、これを発行して、例えばこういったところで使うことができれば、東京都が事業を通じて配ったお金がどう消費されたかを都が直接把握することが可能になると考えます。都にはこういった動きを注視していっていただきたいというふうに考えます。
次、東京都防災模試についてお伺いをいたします。
東京都防災模試というのは、令和二年度から開始し、今年度で三年目となっております。今年度は特に、東大発の知識集団、QuizKnock、こちらが監修した問題が四つの難易度にステージ分けされており、初級者から上級者まで幅広い層に楽しんでいただける工夫がなされたというふうに聞いています。
実は私も一部を、九月に都政報告会というのをやったんですけれども、防災とコミュニティというテーマでこの問題の一部を示したところ、都政報告会の中でそこが最も盛り上がりました。アプリで、それもクイズ方式で行うことで、より幅広い層に、そして特に若年層に関心を持ってもらうことが実際に期待できると思います。
そこで、過去三年間の東京都防災模試における参加者数、特に十代、二十代の若者の割合、そして全問終了した人数について、それぞれ伺います。
○保家総合防災部長 東京都防災模試の参加者数は、令和二年度は約八万人、昨年度は約十万人、今年度は約二十一万人でございます。
十代、二十代の若者の割合は、令和二年度は約一四%、昨年度は約二六%、今年度は約四三%でございます。
全問終了した人数は、令和二年度は約三万一千人、昨年度は約二万八千人となっております。今年度は約一万七千人でございますが、四つのステージいずれかを終了した人数は約六万人となってございます。
○福島委員 四段階のステージがあるんですけれども、私がやった印象ですと、四段階目になるとかなり難しくなっていて、今は質問と答えがもうホームページ上に載っているのでさらっと学べるんですけど、やり直すというのはなかなか忍耐力が要るんじゃないかなと。当時、模試に取り組んだ人で、完答までたどり着いた一万七千人というのは、それなりに防災に関して学び、努力された皆様だと思います。防災に興味があることは間違いありません。
そこで、地域の防災リーダーになってもらったり、消防団に入ってもらうなど、その興味と関心をつなげられないか検討するべきと考えますが、見解を伺います。
○保家総合防災部長 東京都防災模試は、防災知識の確認を通じて、都民一人一人の防災力を高め、自助の取組を促進することを目的に実施してきたものでございます。
今後は、模試の参加者の世代や設問ごとの正答率など三年間の結果を参考に、より効果的な防災普及啓発の方策を検討することで、自助の取組を一層推進し、地域の防災活動の担い手の確保にもつなげてまいります。
○福島委員 自助の取組や、さらには共助の担い手につなげていくという前向きなご答弁でした。期待をしています。
次に、デジタルツインを使った可視化についても伺わせていただきます。
都民により一層災害対策を進めていただくためには、このデジタルツインを用いた仮想体験は有効であるというふうにかねてより訴えてまいりました。国土交通省の浸水ナビでは、指定した地点での浸水シミュレーションの時間経過が見られるんですけれども、大人と子供の立ち姿と水位を比較することで、平面のハザードマップより実感を持てるような工夫がなされています。
総合防災部で今年度から検討を始めている水害シミュレーションの開発の進捗について伺います。
○保家総合防災部長 デジタルツインを活用した水害シミュレーションの開発に向けまして、今年度は、洪水、高潮、土砂災害のシミュレート方法や3Dでの表現方法、サーバー機器等のシステム構成などについて、専門家の知見も踏まえ設計を行っておりまして、来年度、シミュレーションシステムの開発に着手する予定でございます。
○福島委員 デジタルツインというと、どういったデータ形式を持つのか、ちょっと詳しくは知らないんですけれども、レンダリングしようと思うとまあまあの重さがあると思いますし、それと水面と合成をするというのを各自のスマートフォンとかで見せようと思うと、そこには若干創意工夫が必要なんじゃないかと思います。
もちろん、都の防災計画に使うというのも第一目標ではありますけれども、この結果を自助、共助が進むように、自分事として考えられる仮想体験に活用することも念頭に、引き続き水害シミュレーション、こちらの開発を行っていただきたいと思います。
次に、事業所防災リーダーについて取り上げます。
東京都が本年三月に開始した事業所防災リーダーの登録制度、これは平時や発災時の企業の防災対策を推進する上でとても重要な取組であるというふうに評価をいたします。
私は、第二回定例会の総務委員会におきまして、この事業所防災リーダーについて質問しました。その際、まず登録者数を伺いましたが、そのときの答弁では、六月九日時点で三百八社、四百九十一人ということでした。
その後、どのくらい登録者数は増えたのでしょうか。現在の事業所防災リーダーの登録者数について伺います。
○八嶋防災対策担当部長 十一月二十九日現在の事業所防災リーダーの登録者数は、六百九十六社、二千六百五十三人となってございます。
○福島委員 事業所数も人数も増えるとともに、一事業所当たりの登録者数が、前回は約一・六人、今回は三・八人というふうに伸びていることが分かります。
私は、第二回定例会の総務委員会で、事業所防災リーダーには期待する一方で、企業には既に防災に関する体制があることから、事業所防災リーダーの位置づけが曖昧になる懸念について指摘をいたしました。事業所防災リーダーに興味を持ち、加入してくれた人には、所属企業の防災組織に入る、もしくは防災組織の人にもまず加入を促すなどにより、企業内防災体制と共存することが望ましいと考えます。
そこで、事業所防災リーダーと企業の防災組織との位置づけについて伺います。
○八嶋防災対策担当部長 事業所防災リーダーは、事業所内での災害対策の旗振り役として、平時には日頃の防災活動に役立つ情報を、そして発災時には一斉帰宅抑制等の情報を都から直接受けることで、企業の防災対策を推進していく役割を担ってございます。
現在、より多くの企業で事業所防災リーダー制度を活用してもらうため、公共交通機関や通信機関等の指定公共機関をはじめ都の防災対策に関連の深い企業や、多くの事業所を有する企業を中心に、都の職員が直接赴くなど、防災リーダーへの登録を働きかけてございます。
都といたしましては、企業の防災担当を担う従業員にこうしたリーダーとして登録いただきたいと考えておりまして、訪問の際、その旨を丁寧に説明するとともに、リーフレットを作成し、業界団体を通じて広く配布をお願いするなど、積極的な周知に取り組んでいます。
○福島委員 今ご説明にありましたリーフレットですけれども、事業所防災リーダー登録の推奨例として、防災担当部署のメンバー全員が登録するとともに、部署ごとに一名登録する事例が載せられています。これであれば企業の仕組みと共存できますし、結果的に一事業所ごとの登録者が伸びている、この現状についても理解することができます。
とはいえ、現在、訪問により登録者を伸ばしているということですけれども、事前の打合せのご担当者がこつこつとやっているということで、東京都における企業の数に対すると、そのスピード感、ちょっと難しいんじゃないかなと思うところもございます。
定期的に発信する情報が有用だということが、例えば口コミとかで広がれば、自然に広がることも期待できるかなとも思ったりするんですけれども、これは、一斉帰宅抑制の周知徹底につながる大変重要な取組ですので、ぜひ戦略広報の力を借りるなどして、引き続き登録者数が伸びるように頑張っていただきたいと思います。
次に、区市町村における災害発生時の体制等について伺います。
首都直下地震などにおける大規模災害が東京で発生した場合には、物資の受入れや避難所運営など、膨大な災害対策対応業務が発生します。
一方で、地方公務員の非正規化が進んでいるといわれています。この十五年で一・五倍に増加、かつ四人に三人が女性であるともいわれています。
都外の自治体の事例ではございますが、正規職員だけで災害に対応するとした現在の防災計画では限界があるとして、非正規職員についても災害対応に当たる方向で検討をしているものの、非正規職員は待遇が正規職員とは異なり、また、子育てをしている女性も少なくないことから、どこまで災害対応に当たることができるのか課題があるとされています。
そこで、災害対応に当たる職員規模など都内区市町村の防災体制について、都としてどのように把握をしているのか伺います。
○保家総合防災部長 都は毎年、都内区市町村における防災事業の現況を幅広く把握するための調査を行っており、その調査の中で、各区市町村の防災体制について把握することとしております。
具体的な項目としては、各区市町村の防災担当職員の人数、参集までの所要時間及び参集方法であり、職員の種別としては、管理職、一般職及び非常勤の職員を含むその他の職員の三種類でございます。
○福島委員 この表を実際に私も見せていただいたんですけれども、地域ごとに数え方が違うみたいなところもあるみたいなんですが、数名から数十名という数字になっていました。
都内で首都直下型地震のような大規模災害が発生した場合は、防災担当者だけで災害対応業務を担うことは難しい、これは明らかです。正規職員による災害対応を前提としているとしても、被災自治体のマンパワーだけでは対応し切れないことが想定されることから、自治体間の連携は重要であると考えます。
そこで、都内の被災自治体における災害対応要員の不足に対してどのような対応を行っていくのか伺います。
○保家総合防災部長 都はこれまで、全国知事会や九都県市等との間で災害時の相互応援協定を締結するとともに、昨年十二月には都と都内全区市町村が参加する協定を締結し、地震や豪雨など大規模災害時においては相互に職員派遣や避難先の提供を行うなど、都内の連携体制を強化したところでございます。
現在、協定の実効性を確保するため、災害時に応援が必要な業務の洗い出しや支援の受入れ体制など各区市町村が抱える課題等の取りまとめを行っております。
今後、各区市町村の実情に応じたきめ細かい支援を行うことで、都内全体の災害対応力を強化してまいります。
○福島委員 都内自治体間における応援職員の派遣など、相互協力体制が確保されていることを確認させていただきましたし、また今後、各区市町村の実情に応じた支援を行う、こういったご答弁もいただきました。
西日本豪雨などの災害対応時では、平常時は非正規の方が住民への直接サービスを担っていたが、正規職員はその実情をよく把握しておらず適切な避難支援ができなかったり、その後の復旧支援においても正規職員だけでは足りず、本来、庁内業務、これに限定されているはずの非正規職員も動員せざるを得なかった、こういった状況もあったというふうに聞いております。
自治体における非正規職員の割合が増加していることも踏まえ、都として区市町村の災害時対応体制を改めて確認するとともに、災害時には、非正規職員へ過度な負担がかからないよう区市町村へ啓発していくよう要望をいたします。
次に、統計部の取組について伺います。
私は、都議会議員になって以降、EBPM、すなわち証拠に基づく政策立案、これを推進するためには、適切なエビデンスの収集や正確な分析に基づく検討、評価が重要であって、統計データの利活用は有効なツールであるというふうに訴えてまいりました。
都政におけるEBPMを推進するため、統計部は、都政に係る職員が統計的にデータを理解し、活用する知識、すなわち統計リテラシーの向上を図るため、どのような取組をしているのか、改めて伺います。
○三浦統計部長 都では、都や区市町村の統計部門の担当者を対象といたします実務能力向上のための研修として、日本の統計データの総合サイトである、いわゆるe-Statの利活用等について、これを運営する総務省の統計の専門職員を招いた講義等を実施しているところでございます。
また、各種の事業に携わる各局の職員等の統計利活用に関する知識、ノウハウを高めるため、例えばビジネスにおける統計分析をテーマとするセミナーなども行っております。
さらに、全職員を対象として統計メールマガジンを配信いたしまして、寄与度や相関分析などの専門用語の解説や、エクセルを使いました統計分析ツールの利用などをテーマにいたしまして、スキル向上や統計に関心を持ってもらう取組なども進めているところでございます。
○福島委員 研修やセミナー実施により統計リテラシーを身につけてもらう取組、これは重要でありますけれども、私としてはまだ十分ではないと考えています。
少子高齢社会が進む中で、真に必要な政策の具体化を加速するためには、検討と評価の取組は重要です。現状は、研修やセミナーをした上で、実際に統計データを使ったら教えてくださいと、こういうふうに各局に依頼していると聞いていますけれども、本当にこれを進めたいのであれば、事業費の高いものから順で構わないので、統計データを使ったり、また、統計的な評価が望ましい事業を統計部として選定をして、実施を提案するとともにサポートをすると、できないのであれば、どうしてできないのか理由を聞いて対策を打つと、そういった取組がないと進まないのではないでしょうか。
こういったEBPMの推進に向けて、国も組織的な取組をもう始めています。都でも、一部の局では取り組んでいる事例もありますが、こういった動きをしっかりと後押しできるよう、統計の専門部隊である統計部が積極的に取組に関与していくべきと考えますが、見解を伺います。
○三浦統計部長 国におきましては、先頃、内閣官房が各府省のEBPM推進のためのガイドラインを公表し、他団体におきましても、新規事業の検討や事業の見直し、評価を行う中での統計的手法の活用が見られているところでございます。
今後は、研修やセミナーをアップデートする中で、こうした具体的な先進事例を紹介するとともに、各種の統計データを使用し、都の産業連関表を用いた検証など、より実践的な演習となるよう取組を進めてまいります。
さらに、各局の統計部門を束ねる統計主管部長会議等を通じまして、国や他団体の取組や、最新の統計情報を提供するなど情報共有や連携強化に努めるとともに、各局事業に係る評価や様々な構造改革へ取り組む際の検討におきましても、統計的な知見を用いた支援を進めていきたいと考えております。
○福島委員 より実践的な演習に取り組む、自分が持っているデータを使って練習すること、これはやる気につながると多くのところでいわれておりますので大変重要ですし、最新の統計情報を提供していただけること、さらには、従来の各局への支援のみならず、今回は事業評価、そして構造改革に対しても働きかけるということで、評価をしたいと思います。
これだけうるさくいっているのは、本件に関して私が危機感を持っているからでありまして、今回のこの事務事業質疑に先立って実施したやり取りについて、ちょっと申し訳ないですけれども紹介させていただきたいと思います。
先ほど質疑をしました東京都生活応援事業、これの効果検証を、東京都の産業連関表を使って行うべきではないですかと、こういったことを提案したところ、統計部のご担当からは、産業連関表というのはイベントなどの経済波及効果を見積もるものであって使えませんというような説明を受けておりました。ところが後日、総務局がこの産業連関表を使って、この東京都生活応援事業の経済波及効果を自主的に見積もっていたと、そういうことが後から分かったんですね。
統計部のご担当からは、効果検証に使えないかと聞かれたので使えないと答えたと重ねて説明を受けましたけれども、本当にこんなことでいいんでしょうか。効果検証には使えないが経済波及効果には使えるんですよと、そういった前向きな説明をいただきたかったんですね。
変化の激しい、そして課題も山積する現状において、今までどおりの仕事の枠内の仕事しかしませんと、こういった消極的な姿勢は大変問題であるということを指摘しておきたいと思います。
総務省の統計局が行っている地方公共団体における統計データ利活用表彰、これが七回を数えるんですけれども、これを受賞している県は長崎県が三回、茨城、そして宮崎、佐賀、静岡、和歌山県、こちらが二回、そして岐阜県が一回というふうに、受賞県が大変偏っています。
そして、これらの自治体で共通することは、DX、データ利活用で先行しているんですね。データ利活用とかDXをやるというんだったら、そのデータを使って効果検証する、そこも両輪で進めていく必要があるということなんです。
国家並みの予算を扱う東京都であればこそ、評価についても一流であってほしいと思います。このような取組ができている自治体と意見交換をするなど、東京都におけるEBPMをしっかりと推進し、東京都のやっている政策が確実に都民のQOL向上につながるよう、しっかりと取り組んでいただくことを要望いたします。
次に、人権部に関してお伺いをいたします。
十一月よりパートナーシップ制度が運用されています。一方で、LGBTQに対する理解がまだ十分ではない時期に制定された都条例に関して、当事者の皆様より配慮が欠けているという指摘を受けました。これに対する担当局の答弁を確認させていただいたところ、そのような意図はないという都側から見た説明に終始しており、当事者目線が欠けているといわざるを得ません。
都では、各局の施策展開に当たって、性的マイノリティー当事者への配慮についてどのような考え方で取り組むこととしているのかについてお伺いいたします。
○吉村人権部長 都では、人権尊重条例に基づき、令和元年十二月に性自認及び性的指向に関する基本計画を策定し、不当な差別の解消や啓発等の推進に取り組んでおります。
本計画では、庁内各局の十分な連携の下、性自認及び性的指向に関する施策等を推進していくとともに不断の検討を行っていくことを明記しており、こうした考え方について、全局の人権担当等の部長級職員で構成する性自認及び性的指向に関する施策推進会議において共有を図っております。
今年度末に基本計画の改定を予定しており、引き続き、性的マイノリティーの方々に寄り添った施策がより一層展開されるよう各局に理解を求めてまいります。
○福島委員 ありがとうございます。
条例とかを変えるときには議会を経なきゃいけないとか、そう簡単な話ではないというのは重々承知はしているんですけれども、何らか返答するときも、当事者の方に寄り添った、その場に立った返答をきちんとできるよう、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
以上で質疑を終わります。
○古城委員 総務局の事務事業に関連して、障害者雇用、政策連携団体、就職氷河期世代、行政書士制度、東京都立大学、犯罪被害者支援などについて質問させていただきます。
初めに、都庁における障害者雇用についてであります。
都議会公明党はかねてより、精神障害者、知的障害者にも都職員採用試験の門戸を開くことと併せて、障害特性や程度に応じたきめ細かな職場環境の整備などを訴えてまいりました。これらの強い要請を受けて、都は二〇一七年度の障害者採用選考から対象を拡大しています。
そこで、近年の障害者採用選考の結果など、都における障害者雇用の取組状況について答弁を求めます。
○石橋人事部長 都においては、令和二年度から五年間を計画期間とする障害者活躍推進計画を策定しており、障害を有する職員が、障害特性や個性に応じて能力を有効に発揮できるよう、様々な取組を推進しております。
障害者採用選考については、昨年度の合格者が二十八名であり、その内訳は、精神障害者が十九名、身体障害者が九名となっております。
今月八日に人事委員会が公表した今年度の合格者は四十七名であり、その内訳は精神障害者が三十五名、身体障害者が十一名、知的障害者が一名となっております。
平成二十九年度に精神障害者、知的障害者に対象を拡大して以降六年間で、精神障害者が百七十名、身体障害者が七十七名、知的障害者が一名合格しております。
また、障害者の雇用に当たっては、障害特性や配慮すべき事項、各職場の取組をまとめた事例集の改定等を行うとともに、受入れ職場等を対象に、改めて障害の理解を深める研修を実施するなど、誰もが働きやすい環境整備に努めております。
○古城委員 都議会公明党は、二〇二〇年の予算特別委員会で、知的障害者の常勤採用に向けた具体的な取組を進めていくことを訴えました。これに対して知事は、知的障害者の方が非常勤職員から常勤職員にステップアップすることを可能とする新たな雇用の枠組みの創設に向けて検討を進めていくと応じました。
そして、同年の第三回定例会の我が党の代表質問において、一定の勤務実績のあるオフィスサポーターを対象に、同年度中に常勤職員の採用選考を実施し、合格者については、二〇二一年度から常勤職員として事務等の補助の職務を担わせる方針が示されました。
そこで、都における知的障害者雇用の取組状況について答弁を求めます。
○石橋人事部長 知的障害者の雇用の取組については、平成三十年度から非常勤職員であるオフィスサポーターの任用を開始し、現在、十二名が勤務しております。この取組では、専門的な知識、経験を有する障害者雇用支援員を配置し、データ入力や紙資料の電子化など各種庶務事務や軽作業を切り出すことにより、個々の能力や適性を踏まえた職務の創出を行っております。
さらに、こうした取組状況を踏まえ、令和二年度に、非常勤職員から常勤職員へステップアップすることを可能とする雇用の枠組みも創設いたしました。
この結果、今年度までに常勤職員を八名任用しており、特別支援学校からの実習生の受入れ対応やインターネットを活用した資料作成、各局からの依頼に基づく成果品の検品など、事務等の補助の業務に従事しております。
今後とも、都における知的障害者の雇用促進に努めてまいります。
○古城委員 常勤職員へステップアップできる新たな雇用の枠組みは、職業訓練としてではなく、一般就労で都庁の戦力として雇用していくことに大きな意義があり、高く評価いたします。私の地元、新宿区手をつなぐ親の会や東京都知的障害特別支援学校PTA連合会の皆様からも期待の声が寄せられています。
私たち都議会公明党の議員が、オフィスサポーターとステップアップした常勤職員が働くオフィスサポートセンターを視察した際に説明役を担っていただいた、今年四月から常勤職員として働いておられる方は、仕事のやりがいをほかの知的障害者にも伝えたい、将来は簿記を必要とする金銭管理に携われるようになればと希望を語ってくださいました。都も、民間企業などと並んで魅力的な就職先としてアピールする必要があると考えます。
かつて、都立特別支援学校、知的の高等部の卒業式で、人事部の課長さんとご一緒させていただいたことがありました。このオフィスサポーターの啓発に各学校を回っていらっしゃる、そういうご努力も伺ったところでありますけれども、まだまだのところもあるのかなというのが実は私の実感でもあります。ぜひとも、各学校や都知P連に対して、この制度をこれまで以上に積極的に周知していただきたい、このように要望いたします。
関連して、政策連携団体の障害者雇用についてであります。
都議会公明党は、監理団体の当時から、政策連携団体の障害者の法定雇用率の達成を訴え続けております。そして、全ての団体で障害者雇用が進むように、都庁が培ってきたノウハウを都庁グループ全体で共有するなど達成に向けた具体的な提案を行ってきました。
二〇二一年の予算特別委員会で確認したところ、二〇二〇年六月一日現在、障害者雇用促進法に基づく雇用義務制度の適用対象である二十五団体のうち、未達成が五団体とのことでありました。
そこで、二〇二一年における障害者雇用の法定雇用率達成状況について答弁を求めます。
○小野グループ経営戦略担当部長 政策連携団体における適用対象団体数は、二〇二一年、令和三年六月一日現在も二十五団体でございます。
法定雇用率に関しましては、令和三年三月に〇・一ポイントの引上げが行われたところでございまして、引上げ後の法定雇用率を達成している団体数は、二十五団体のうち十五団体でありまして、未達成の団体は十団体でございます。
○古城委員 障害者雇用率の達成は、単なる数合わせにならないよう、雇用の質の向上や職場への定着にも力を入れる必要があります。
私は、これまでに所属した各委員会において、各局が所管する政策連携団体の法定雇用率の達成状況や障害者雇用の促進に向けた取組をただしてまいりました。
そこで、政策連携団体における法定雇用率達成に向けた取組について答弁を求めます。
○小野グループ経営戦略担当部長 都はこれまでも、政策連携団体における障害者雇用の促進に向け、団体に対しまして情報提供や雇用環境の整備促進等を実施してまいりました。
具体的には、ハローワーク講師による障害者雇用に関する講義や東京しごと財団の支援メニューの紹介などを行う研修会の映像を受講者がいつでも視聴できるよう動画配信サービスを活用して配信し、昨年度も、団体の人事担当者など五十名を超える職員に加え、団体を所管する局からも参加がございました。
昨年度の研修会におきましては、外部の支援団体と連携して、障害者の悩みや困り事を解決することにより職場への定着を図った民間企業の取組など好事例の紹介を行ったところでございます。
今後も、団体職員等の一層の意識向上を図り、未達成団体に対しましては、毎月、進捗や雇用に向けた取組などの状況を確認するとともに、各団体の状況に合わせた支援メニューの活用などを個別に働きかけるなど、対象となる全団体が法定雇用率を達成するよう取り組んでまいります。
○古城委員 ぜひとも、ただいまご紹介いただいた好事例は、民間の団体、民間企業さんの取組であろうかと思いますけれども、政策連携団体における好事例が政策連携団体同士で共有できるよう、一層の取組の深化を各団体に強く促していくことを要望いたします。
そして、先ほども言及がございましたように、昨年三月からは法定雇用率も〇・一ポイント引き上げられており、法定雇用率の達成はもとより、障害者雇用の促進に向けた積極的な取組が今こそ求められているときであります。
都庁におけるオフィスサポートセンターのような取組を政策連携団体にも広めるなど、都庁グループ全体で知的障害者の雇用を推進していくべきと考えますが、見解を求めます。
○小野グループ経営戦略担当部長 知的障害者を雇用するに当たりましては、職場における軽作業などの定型業務を切り出してサポートするなど知的障害者に適した職域を設定するオフィスサポートセンターのような取組は、効果的な取組であると認識しております。
このため、政策連携団体に対しましては、団体向けの研修会で都庁におけるオフィスサポートセンターの意義や取組状況を周知するなど、まずは知的障害者雇用への理解を促すとともに、オフィスサポートセンターのような取組を検討する団体に対しましては、具体的なノウハウを提供するなどの支援を行ってまいります。
○古城委員 都庁と政策連携団体を含む都庁グループ全体で障害者の働きやすい環境をさらに整備し、雇用を拡充できるよう取り組むことを重ねて強く求めるものであります。
次に、就職氷河期世代を対象とする職員採用についてです。
私は、二〇一九年の一般質問で就労支援の強化を提案し、二〇二〇年の予算特別委員会では、都庁職員採用においても、この世代の人材を幅広く求めるため、募集人員は十名を超える規模とし、高校卒業程度に加えて大学卒業程度の採用枠も設けることとともに、正規雇用での就労に向けた支援としての非常勤採用も訴えさせていただきました。局長とは当時、次長でいらっしゃったかと思いますけれども、意見交換させていただいたのが昨日のことのように思い出されます。
もとい、そこで、これまでの都における就職氷河期世代の職員採用の取組状況について答弁を求めます。
○石橋人事部長 就職氷河期世代を対象とした常勤職員の採用選考は令和二年度から実施しており、昨年度までの二年間で、大学卒業程度の区分、高校卒業程度の区分でともに二十三名、計四十六名が合格しております。令和四年度も、各試験区分で採用予定者をそれぞれ十名とし、現在選考を行っております。
また、非常勤職員の採用については、都における就労経験を積み、民間企業等への正規雇用での就労を目指す取組として令和二年度から実施しており、今年度まで三年間で計二十八名が合格しております。
現在、各職員は、本庁や事業所などの様々な職場で都政を支える幅広い業務に従事しております。
○古城委員 私は、人事部の皆様と意見交換させていただく前提として愛知県さんにお邪魔をいたしまして、愛知県さんの人事部、また人事委員会の皆様から様々ご教示をいただいてまいりました。
そうした中で、愛知県さんでは先行されておるわけですけれども、多くの有為な人材の方が県庁職員として幅広いフィールドで活躍をされているということを伺ってまいりまして、皆様と様々意見交換させていただいたわけでありますけれども、都における就職氷河期世代を対象とする採用試験につきましては、人事委員会事務局によれば、今年度も一千五百名に迫る申込みがあり、対採用予定者数合格倍率は七十倍を超えております。
今春の予算特別委員会では、国による三年間の集中取組方針の後も、期間を限定することなく、都が率先して職員採用を継続することを求めたところであります。その後国は、二〇二三年度及び二〇二四年度の採用選考の実施を国による支援の第二ステージと位置づけて取組の継続を決定しており、地方公共団体に対しても取組を一層推進するよう通知を行ったと仄聞いたします。
そこで、都としても引き続き、就職氷河期世代の安定的な就労を支援する取組を行うべきと考えますが、見解を求めます。
○石橋人事部長 都において、多様で幅広い年代の方々が意欲や能力を生かして活躍できる組織づくりは重要であります。
今後の就職氷河期世代を対象とした採用選考の取扱いについては、国からの通知等を踏まえ、継続する方向で具体的な検討を進めてまいります。
○古城委員 就職氷河期世代の方々が、首都東京をフィールドとして、行政を担う都職員として活躍されていることは、私にとっても幸甚に耐えないところであります。
今後も、都職員の年齢構成は、現在の四十歳前後が少ないという特徴は続くわけであります。したがいまして、この世代を対象とする職員採用につきましては、具体的な検討が早期に結実されることを強く要望させていただきます。
次に、行政書士制度についてであります。
私は、運輸事業者に勤務していたサラリーマン時代の経験を通じまして、行政手続に係る書類作成や申請代理に関する法律が定める法定の専門家であり、さらに、都民にとって身近で頼れる法律の専門家である行政書士の役割を十分に認識し、その意義を肌身で感じた一人であります。
先日のデジタルサービス局の事務事業質疑とも密接に関連するわけでありますが、私は二〇一九年六月の総務委員会で、東京都行政書士会から提出された行政書士制度への理解及び行政書士法の遵守徹底に関する請願を受けて、都の許認可窓口において、法の趣旨に鑑み、非行政書士行為への注意喚起を促すとともに、行政書士制度の一層の周知を行うことなど実効性のある取組を進めるよう訴えました。
そこで、この請願の採択の後に都が行った取組について答弁を求めます。
○武田行政部長 行政書士制度は、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに、国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することを目的としております。こうした行政書士が社会で果たしている役割について正しく理解されることは大変重要であると認識しております。
令和元年第二回定例会において採択された請願を踏まえ、庁内各局の総務部長などで構成される会議等において、行政書士または行政書士法人でない者が、他人の依頼を受け、報酬を得て官公署に提出する書類の作成を業として行うことは、法律に別段の定めがある場合を除き行政書士法違反であることを周知徹底いたしました。
あわせて、行政書士でない者が他人の依頼を受け、報酬を得て官公署に提出する書類の作成を業として行うことは法律で禁止されている旨の掲示を行うよう周知した結果、請願者から特に要望が強かった窓口において、速やかに、窓口に来庁される方が見やすい位置に掲示をされております。
○古城委員 請願の採択を契機に、総務局が旗振り役となり、行政書士が社会で果たしている役割について正しく理解されるよう、関係局の窓口において掲示が始められているということにつきまして高く評価をさせていただきたい、このように思います。
その上で、掲示後の取組の継続も大変重要であります。
そこで、これらの取組について、東京都行政書士会の受け止めと、都が実効性を維持するための取組について答弁を求めます。
○武田行政部長 東京都行政書士会からは、東京都の窓口に行政書士法の遵守を促すプレートが設置されたことは、都民の権利利益を実現するためにも大変望ましいものと評価しているとの声をいただいております。
この取組の実効性を維持していくために、総務局の職員が、毎年、請願者から特に要望の強かった窓口に赴きまして、来庁される方が見やすい位置に掲示が継続されているか確認をしております。
加えて今年度、行政書士法の規定について職員への周知徹底を図るとともに、窓口に来庁される方に対し行政書士制度の周知に取り組むよう改めて各局に通知をいたしました。
今後とも、関係局と連携しながら行政書士制度の周知にきめ細かに取り組んでまいります。
○古城委員 私の地元新宿区内では、二〇一八年、東京都行政書士会新宿支部及び東京行政書士政治連盟新宿支部の皆様の要請行動を受けて、警視庁及び東京消防庁の深いご理解をいただき、四警察署と三消防署や、加えて区保健所など、これら特に申請件数が多い官公署の窓口に、行政書士制度を周知するチラシの設置やポスターの掲出がなされ、場所によりましては非行政書士行為への注意喚起のためのプレートも設置されております。
行政書士が果たす役割の理解が広がり、都民や都内事業者の方々が安心して行政手続に臨むことができ、おのおのの権利利益が守られるために、都が許認可窓口において行政書士制度をしっかりと周知していくことを重ねて要望させていただきます。
次に、東京都立大学についてであります。
私は、本会議や総務委員会などにおきまして、東京都立大学が国連の持続可能な開発目標、SDGsの推進拠点となることを訴え、約百四十か国、一千三百校以上の世界の大学などと連携した国連アカデミック・インパクト、いわゆるUNAIへの参画を提案してまいりました。
これらに対し、二〇二〇年の予算特別委員会で、都が設立した高等教育機関として、大都市が抱える課題の解決と持続的発展に貢献するため多彩な研究や人材育成に取り組む都立大学について、二〇二〇年度の早い時期にUNAIに加盟する方針が示されました。
また、令和二年度各会計決算特別委員会第一分科会において、都立大学が二〇二〇年八月二十四日に加盟したことを確認したところであります。
そこで、UNAI加盟の狙いと、これまでの活動の実績について答弁を求めます。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 お話のUNAIは、国連が掲げる十七の持続可能な開発目標、SDGsをアカデミズムの立場から推進していくためのプロジェクトでございまして、現在では世界各国千四百を超える教育機関が加盟しております。国連の関係組織や加盟大学におきましてワークショップなどの様々な活動を展開いたしまして、その情報を共有、発信することとしております。
SDGsの達成に寄与する取組は、都立大におきましても、環境問題の解決に資する新技術の研究や女性研究者支援をはじめとする学内環境整備など、幅広く展開をしております。UNAIへの加盟は、こうした持続可能な社会の実現に貢献する取組をさらに推進していくという都立大の姿勢を明らかにするとともに、積極的な情報発信を通じまして同大のプレゼンスの向上につなげようとするものでございます。
これまでの主な発信事例といたしましては、プラスチックの分解リサイクル技術に関する国際共同研究の成果発表ですとか、コロナ禍における子供の貧困などの問題をテーマとしたシンポジウムの開催などがございました。
○古城委員 これまでの東京都立大学、また首都大学東京の強みを生かして、まさにSDGsとの親和性、シナジーが発揮される形での、UNAIに加盟した上での取組になっていると、このように実感をいたしました。
国連広報局の国連アカデミック・インパクト、UNAIの責任者は、学問は他者を利し、学生は何かを生み出す。SDGsに取り組んでいる大学ほど、この組合せが効果的で劇的に作用している場所はないと強調しております。
時代変革の力強いエネルギーは学生たちから生まれます。UNAI加盟を契機に、社会や消費の在り方を変える世代として世界的に注目され、SDGs達成を目指す二〇三〇年にはその時代の中核を担う学生が、SDGsの取組の推進力となることが期待されます。
そこで、東京都立大学におけるSDGsに関する取組のうち、学生が主体となっている取組について答弁を求めます。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都立大学では、多様な経験を通じて社会における様々な課題を発見し、その解決に意欲的に取り組むことのできる人材の育成を図るため、学生の主体的な活動を幅広く支援することとしておりまして、学内外において、SDGsの達成に資する学生による取組が様々行われております。
一例をご紹介いたしますと、有志の学生スタッフが、授業の音声の文字化や動画教材への字幕の挿入ですとか施設のバリアフリーチェック等々、障害のある学生を支援する活動に取り組んでおります。
また、東京都主催のスマートフォンの操作講習会に、学生が教える側のスタッフとして参加いたしまして地域の高齢者の方と交流するなど、学外においても様々なボランティア活動が行われております。
○古城委員 前国際連合日本政府代表部大使の星野俊也大阪大学大学院教授は、SDGsのキーワードは変革と指摘されております。また、現在のやり方の単なる延長では目標達成はおぼつかず、政府や自治体、企業、市民が前例にとらわれず、むしろイノベーションも起こし、ポストコロナの世界の新しいノーマルを率先してつくるつもりで行動してほしいとの期待も述べられております。
今、とみに増して、民間企業においてもSDGsへの賛同の輪が広がっております。これを好機と捉え、東京都立大学もこうした企業と連携して、SDGsの達成に貢献する共同研究などを積極的に実施していくべきと考えますが、見解を求めます。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 SDGsに関する国連総会における決議では、民間セクターに対し、持続可能な開発における課題解決のための創造性とイノベーション、これを発揮することを求めるとされております。民間企業が、SDGsの実現に向け重要な役割を果たすことが期待されているところでございます。
都立大におきましても、こうした企業との連携、協働によりまして、大都市課題の解決や社会の持続的発展に資する教育研究を推進することとしております。
具体的には、電気自動車などに用いる蓄電池のエネルギー効率と寿命の改善を図る共同研究ですとか、製造時に大気中の二酸化炭素を吸収、固定化してくれるコンクリートの実用化を目指すプロジェクトなどなど、様々な産学連携の取組を進めております。
引き続き、民間企業との協働による研究の活動に積極的に取り組んでまいります。
○古城委員 私は二〇一九年、低炭素社会構築に向けた水素エネルギーの利活用方法を探るため、携帯電話やパソコンなどで使われているリチウムイオン電池を改良した次世代の蓄電池を研究されている金村聖志教授と意見交換させていただきました。
東京都立大学こそ、SDGsの目標達成をはじめ、課題解決のための英知を育む揺籃となることを期待する一人であります。
ここまで都立大学について取り上げてまいりましたが、東京都公立大学法人は都立大学以外にも、東京都立産業技術大学院大学と東京都立産業技術高等専門学校を運営しております。SDGsに掲げられた目標を達成するためには、これら二大学一高専を挙げて取り組まなければならないと考えます。
そこで、都立産業技術大学院大学と都立産業技術高等専門学校におけるSDGs達成に向けた取組に関するこれまでの実績について答弁を求めます。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 産業技術大学院大学及び産業技術高等専門学校における教育は、企業等の現場で活躍できる即戦力の人材の育成を目的としております。両校では、自ら課題を見つけ、その解決を図る実践型の授業を行っておりまして、その中でSDGsに関連する様々な社会課題について考える機会を提供しております。
産技大では、チームで取り組む課題解決型学習、PBLでございますが、そちらのテーマといたしまして、例えば資源循環型の新しいライフスタイルの提案ですとか、デジタルを活用した発展途上国における高等教育の普及など、SDGsに関わるものが毎回数多く取り上げられております。
また、産技高専におきましては、課外活動のグループが二酸化炭素の排出量を見える化するアプリを開発し、プログラミングコンテストで受賞を果たすなど、学生が自主的に取り組んでいる事例もございます。
○古城委員 国連アカデミック・インパクト、UNAIは、その対象を、学位を授与する全ての高等教育機関、またはそれに相当する実質的な研究を行っている機関としております。
日本のUNAI加盟機関では、大学に設置される大学院が一校、大学院大学が三校あります。総合大学である東京都立大学だけでなく、大学院大学としての専門職大学院である東京都立産業技術大学院大学も対象に該当するわけであります。
高度専門技術者の養成を目的とし、社会人のリスキリングなどに取り組む都立産業技術大学院大学は、まさにSDGsのゴール八、働きがいも経済成長もを体現する教育を実践していることから、UNAIへの加盟をぜひとも前向きに検討していただきたいと、このように要望いたします。
もう一言、東京都立大学南大沢キャンパス構内において、昨日十一月二十九日午後に発生した傷害事件について申し上げます。
これは許されざる蛮行でありまして、早期の被疑者確保を願うものであります。
被害に遭われた大学教授の先生におかれましては、ご回復を心よりお祈り申し上げますとともに、謹んでお見舞いを申し上げます。
報道によりますと、不安を感じている学生の皆さんも数多くおられるようであります。特に、被害教員の研究室に所属する学生は強いショックを受けたのではないかと思料いたします。
先ほど来ございましたが、大学では昨日中に対応方針などを検討する学校危機対応チームを設置したと、このように伺っておりますけれども、メンタルケアも含めまして、学生の皆さんに寄り添った対応を行っていただきたい、このことを要望させていただきます。
次に、犯罪被害者支援についてであります。
今日、十一月三十日を含む十一月二十五日から十二月一日までの一週間は犯罪被害者週間です。私は、被害者の願いである、一日も早く元の平穏な生活を取り戻すために、犯罪被害者の当事者やご遺族の生の声をお聞きするとともに、一九七五年に初めて被害者の権利を提唱された諸澤英道先生など、支援に携わる関係者と活発に意見交換してまいりました。
また、既に条例を制定していた佐賀県、大分県、大分市、そして三重県を現地調査し、犯罪被害者等支援条例の制定や第四期東京都犯罪被害者等支援計画の策定に向けて、被害者や被害者支援相談員を対象にした実態調査の実施や、見舞金などによる経済的支援の充実など具体的な提案を行ったところであります。
そして知事は、見舞金制度について、二〇二〇年第一回定例会において、都議会公明党からの要望を踏まえて新たに創設する旨を明らかにし、同年十月から開始されて二年が経過しております。
そこで、昨年度と比較した今年度の見舞金の実績とともに、制度の利用者から寄せられた声について答弁を求めます。
○吉村人権部長 犯罪被害者等見舞金は、国による犯罪被害者等給付金の支給までのほか、医療費、裁判費用等当面必要となる経費に充てるため、重傷を負った場合に十万円、亡くなった場合には遺族に三十万円を支給するものでございます。
令和三年度の見舞金の支出実績は三十二件で、内訳は重傷病見舞金が二十七件、遺族見舞金が五件でした。
令和四年度は、十月末現在で昨年度実績と同数の三十二件の受付を既に行っております。内訳は、重傷病見舞金が二十五件、遺族見舞金が七件であり、昨年度を大きく上回る見込みでございます。
制度を利用した被害者等からは、警察から制度の紹介を受けて行政の支援を受けることができた、被害後、支出が増える一方だったので見舞金は大変ありがたいなどの声をいただいております。
○古城委員 私はこれまで、都議会の場におきまして、犯罪被害者等支援に関連して視察した自治体担当職員の方との継続したやり取りの模様を紹介してまいりました。
都の担当部局の皆様も大変ご努力されており、とても刺激を受けましたであるとか、今般東京都さんは見舞金制度に加え、転居費用や無料法律相談を実施されており、今やトップランナーになられたのではないでしょうか、こうした評価の声が寄せられております。
それとともに、この紹介をさせていただくこととともに、先行自治体となった都においても、ほかの道府県などに協力することを求めまして、昨年もその状況を質問させていただきました。
そこで、この一年間での、見舞金制度の導入を検討している他自治体への協力について答弁を求めます。
○吉村人権部長 都は、見舞金制度の導入を検討中の他道府県から問合せがあった際は、見舞金の支給要件の判定方法、警視庁や関係機関との連携等について具体的に情報提供するなど、積極的な協力に努めております。
この一年間の問合せ件数は六件であり、累計で十九自治体となりました。また、既に制度を導入した自治体は三自治体増えて、累計で八自治体となりました。
このほか、今後導入を予定している自治体も複数あると聞いております。
○古城委員 犯罪被害者等支援に携わる専門家の方によりますと、被害者等への支援は事件当初の三か月が最も重要とのことであります。
都議会公明党は、二〇一九年第三回定例会の代表質問で、被害者等が生活し、初期段階の支援の中核を担う区市町村とも連携して、早期かつ十分な支援を行うことができる体制の整備を求めました。
先ほど来、私、被害者と冒頭申し上げておったんですが、諸澤先生は被害者という意味合いだけでなく被害者等といったことが大事だとおっしゃっておられましたので、今いい換え、いい直しをさせていただいております。
それとともに、支援という言葉は、そもそもその支援という言葉の中に早期という、早いという言葉もあるし、十分だということも込められているんだと私もご指導いただいております。
そこで、区市町村との連携に関する取組状況について答弁を求めます。
○吉村人権部長 都は、区市町村において犯罪被害者等への適切な支援ができるよう、都や関係機関の支援策に関する情報提供のほか、窓口対応マニュアルの作成、提供、人材育成など、支援体制整備に向けサポートの充実を図っております。
令和三年度からは、被害者等支援専門員を人権部に配置し、支援実績が少ない区市町村でもノウハウを身につけることができるよう、相談対応への支援を行っております。
また、専門員が区市町村を訪問して意見交換を実施するほか、区市町村の被害者等支援窓口から生活福祉等の関係部署に速やかにつなげられるよう助言するなどきめ細かい支援に努めております。
さらに令和四年度は、区市町村職員を対象とした研修において、新たにロールプレーイング方式による実践的な演習を導入するなど、研修内容の充実を図っております。
○古城委員 犯罪被害者等は、日常生活において様々な困難、不安にも直面しておられます。都の区市町村に対するサポートを評価させていただくとともに、区市町村の取組が被害者等に寄り添った支援へと進化するよう、都と区市町村のより緊密な連携協力を要望いたします。
そうした中で特に配慮すべきは、諸澤先生いわく、被害者が窓口を回ることなくワンストップで必要な支援を受けられることであります。
大分県では、幾度も相談者の方が同じ話をしなくても済むように、犯罪に遭った被害者などの気持ちや状況、支援の対応などを整理、記録する支援ノート、絆が作成されておりました。
そこで、都議会公明党は、こうした取組を参考にした被害者等支援ノートの作成を繰り返し要望してまいりましたけれども、都においてTokyo被害者支援ノートを作成した意義について答弁を求めます。
○吉村人権部長 犯罪の被害に遭われた方やそのご家族は、犯罪による直接的な被害に加えて身体的、精神的、経済的に困難な状況に直面しているため、複数の関係機関が連携して支援を行うこととなります。
被害者等支援ノートは、こうした支援の提供に当たり、被害者等がその都度被害状況等の説明を繰り返すことによる心理的負担の軽減を図るとともに、支援の経過等について関係機関と円滑に情報共有し、状況に応じた適切な支援を提供していくことを目的として、令和三年度に作成いたしました。
○古城委員 東京都における被害者等支援ノート、Tokyo被害者支援ノートでありますけれども、これにつきまして他自治体の職員の方々からは、大変きめ細やかな構成かつ温かみがあるノートと感じました、被害者中心の考え方が徹底されていると感服しますと、こういう声が寄せられております。
人権部の職員の皆様、部長、課長はじめ皆様の、全国を駆け回っていただいたことも伺っております。そのご努力に改めて敬意を表したいと思います。
この支援ノートの活用によりまして、被害者等の心理的な負担軽減は当然として、支援ニーズを顕在化させること、加えて支援者がそれを的確につかむことにも資することが期待されます。
そこで、Tokyo被害者支援ノートの配布数とともに、被害者等や関係機関でのノートの活用方法について答弁を求めます。
○吉村人権部長 被害者等支援ノートは、東京都の総合相談窓口や性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターのほか、区市町村の窓口でも被害者等の相談対応の際に直接交付するとともに、警視庁や弁護士会等の関係機関にもノートの周知や配布を行い、合計で約一千部配布いたしました。
被害者等が、被害状況のほか被害後の心身の状況、家事や育児や仕事など日常生活による困り事をノートに記録して自分の状況を整理し、支援者に相談する際などに活用しております。
今後は、各機関における相談経過についても記入していただき、その内容を支援者等が共有することで被害者等の状況に関する共通理解を図り、連携した支援の提供につなげてまいります。
○古城委員 都議会公明党は、犯罪被害者等支援の体制整備に当たって、都として被害者等の尊厳に向き合うことや、二次被害の防止と再被害の防止の責務を都も負うべきことなども訴えてまいりました。
犯罪被害者等やその家族の方々は、直接的な被害だけでなく、周囲との関わりの中で心ない言葉や無責任なうわさ、嫌がらせなどの二次被害にも苦しんでおられます。その上に、加害者の出所などによる再被害の恐怖感まで抱え込ませてはなりません。
このような二次被害を防止するための都の取組について答弁を求めます。
○吉村人権部長 犯罪被害者やそのご家族は、犯罪による直接的な被害に加え、周囲の人々のうわさ話や中傷、偏見等による精神的苦痛など、二次的被害に遭うことも多くございます。
都は、二次的被害について都民の理解を深めるため、被害者やご遺族の方からご自身の経験等についてお話しいただく講演会を実施するとともに、被害者等が置かれた状況等について理解を促すリーフレットを作成し、区市町村等の関係機関の協力も得ながら配布するなど啓発活動に取り組んでおります。
今年度は新たに、十一月二十五日から明日十二月一日までの犯罪被害者週間に合わせて、広く都民への理解促進を図るため、電車内や街頭のデジタルサイネージ等を活用して啓発動画を配信しております。
引き続き、二次的被害の防止に向け、リーフレットの内容に工夫を凝らすなど、様々な機会や媒体を活用して広報啓発に取り組んでまいります。
○古城委員 私は、今年も被害者支援都民センター主催の犯罪被害者支援キャンペーンに足を運びました。その中で特に印象に残ったのは、被害者や遺族にかけてほしくない言葉とのパネルであります。
子細には述べませんけれども、そのパネルの結論部分に、何より大事なのは相手がどう感じるかを思いやることですとの、当事者がまさに振り絞られた声にどう向き合うべきか、こうしたことを思索しております。
大分県では、犯罪被害者等支援条例パンフレットと二次的被害防止リーフレット、この二次被害と二次的被害というのはまた引き続き意見交換させていただければと思いますけれども、この大分県さんでは、県民にとっても二次的被害の加害者になる可能性があることを分かりやすく表現しております。
こうした工夫を都においても取り入れていただくこととともに、諸澤英道先生が提唱されている、被害者にも落ち度があったのではないかとの偏見を払拭し草の根からの支援を広げるための、被害者の置かれている状況や必要な配慮などについて学ぶ取組についても、ぜひとも都として検討していただきたい、このように要望させていただきます。
二〇一一年三月十一日、東日本大震災の発災から十一年が経過しております。犠牲になられた方々に改めて哀悼の意をささげますとともに、東京電力福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故により被害を受けられた皆様お一人お一人に心からお見舞いを申し上げます。
都議会公明党は、発災直後から東北各県を幾度も訪問し、被災地と被災者の支援、都民を守る対策に全力で取り組み、風化と風評被害という二つの風と闘い続けています。
順次、都による東日本大震災被災地の支援について質問いたします。
私も二〇一八年六月に福島県を訪問した際に、鈴木正晃副知事から震災後の都や都議会などの支援に対する謝意を伺い、中でも、都からの派遣職員の活躍が復興の大きな力になっていることを実感いたしました。
我が党は、同年の第二回定例会で被災地への職員派遣を継続すべきと訴え、知事から東京二〇二〇大会に向け、復興した被災地の姿を世界に届けるべく、総仕上げに取り組む被災地への職員派遣を継続する方針が示されました。
そこで、東日本大震災の被災地への職員派遣に関して、直近三年間の実績について、技術職の派遣状況も含め答弁を求めます。
○濱田復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都はこれまで、被災自治体の復興事業を支援するため職員の派遣を行ってまいりました。
令和二年度は四十八名、令和三年度は三十名、令和四年度は二十名の職員を被災自治体に派遣しており、このうち技術職の派遣は、令和二年度は十六名、令和三年度は九名、令和四年度は五名となっております。
技術職員については、道路、河川、港湾施設の復旧工事が完了したことなどにより被災自治体からの需要が減少していることから、派遣人員の減少につながっております。
○古城委員 都の派遣職員の方々は、復興事業の進展に伴って膨大化した事務処理においても、また区画整理事業などで欠かせない土木の技術職においても、優秀な即戦力として活躍されてきました。技術職の派遣人数の減少は、インフラ施設の復旧、復興が進んでいることの証左ともいえるのではないでしょうか。
昨年三月には、ハード面の復興を目指す第一期復興・創生期間が終了し、心のケアなどソフト面を重視する第二期復興・創生期間がスタートしました。しかし、東北の被災地は人口減少や少子高齢化が加速し、産業の空洞化などの課題先進地ともいわれます。
都としても、今後も被災地の声を聞きながら、残された課題の解決に貢献するべく、派遣職員の経験を都庁内で共有するとともに職員派遣を継続していくべきと考えますが、見解を求めます。
○濱田復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都はこれまで、被災地の要望に応えて、技術系、事務系職員などの中長期派遣を行ってまいりました。
派遣された職員からは、震災の恐ろしさを目の当たりにし、日頃から災害に対する備えの意識を持つことが大事である、きめ細かく被災住民の声に向き合いながら復興を進めることの重要性を改めて認識したなどといった声が寄せられております。
被災地派遣を通じて職員が得た知見や今後の都政に生かすべきことなどにつきましては、関連部署間で共有するため毎年度支援活動報告書を作成しております。
今後も、復興に向けた残された課題の解決のため、被災自治体からの応援要請に基づきまして、ニーズを踏まえた職員派遣を実施してまいります。
○古城委員 さて、都議会公明党は、くしくも発災から十年の節目の開催となった東京二〇二〇大会について、一貫して復興オリンピック・パラリンピックとしての開催を求め、その取組を推進してきました。
被災地での競技開催や福島県からの聖火リレースタートなど、改めて被災地に思いを寄せるとともに、手を差し伸べてくださった世界中の方々に感謝の気持ちを伝える機会になったと信じるものであります。
それとともに、都が風化にあらがい、風評払拭をはじめとした復興支援の取組を進めるに当たり、復興に懸命に取り組む被災地の姿を発信し、多くの都民の方々に被災地に目を向けていただくことも重要であります。
そこで、被災地の現状や都の復興支援の取組を都民に周知するための最近の取組状況について答弁を求めます。
○濱田復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都はこれまで、様々なイベントの実施をはじめ、ホームページやツイッターなどを通じて被災地の状況や復興に向けた取組等の情報を発信し、東日本大震災の記憶の風化防止に努めてきました。
昨年度は、東京二〇二〇大会の開催に当たり、オリンピック聖火リレー到着式等におきまして、福島県産のヒマワリや岩手県の大漁旗、宮城県の七夕飾りでステージを装飾するとともに、それぞれの大会期間を通じて都庁舎に展示し、併せて被災地からのメッセージを発信いたしました。
また、本年七月には、被災地復興の機運をさらに高めるため、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック一周年記念セレモニーにおいて、被災地ゆかりのヒマワリ等の装飾を行いました。
さらに、本年の七月と今月上旬には被災三県とともに、震災記憶の風化防止と支援の継続を呼びかけるため、従来実施しておりました福島産直市を拡充し、新たに東北三県ふるさと市を銀座駅のコンコースで開催し、観光情報の提供や特産品の販売等を行いました。
○古城委員 私も、第二回東北三県(岩手・宮城・福島)ふるさと市で県産品を買い求めた一人であります。
また、人権部によりますヒューマンライツ・フェスタ東京二〇二二でも、同様に被災三県の物産品販売や観光案内が出店をしておりまして、こちらでも三県の名産を購入させていただきました。
さらに、地元新宿区内の下落合東町会が、東日本大震災発災後から被災地支援に取り組み、三陸の特産品を購入して復興を応援するイベントには、これは十一月二十三日でございましたけれども、雨にもかかわらず多くの方々が訪れておりました。
今後も、都民の皆様に被災地支援に関連する情報を届けて、支援に向けた行動につなげていく必要があります。そして、ただいま答弁していただいた中にございました取組は、一過性で終わるのではなく、継続的な実施が重要であると考えます。
そこで、都による震災記憶の風化防止や風評払拭のための取組について、今後の予定も含め答弁を求めます。
○濱田復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 来年一月から三月にかけまして、岩手県、宮城県、福島県及び青森県とともに、東日本大震災風化防止イベントを開催いたします。
イベントの開催に当たりましては、ホームページ上に特設サイトを開設し、著名人や各県知事からの支援を呼びかけるメッセージ動画を放映するほか、イベント会場では被災地の今を伝える動画の放映やパネル展示、各県の特産品の販売などを行うこととしております。
今後とも、被災地の実情を踏まえつつ、被災地と連携しながら、庁内各局の協力の下、各種イベント等様々な機会を捉え、震災記憶の風化防止、風評払拭に取り組んでまいります。
○古城委員 千年に一度の地震に津波、さらには原発事故という、広域かつ複合的な災害である東日本大震災が時の流れとともに忘れられていく、風化が予想以上の速さで進んでいることに危機感を覚えなければならないと私は思っております。
三・一一は、二万人以上の尊い命が犠牲となりました。
震災の経験と被災地の今、被災地のリアルを後世に、また日本全国、世界に伝えていくことが、風化をさせないこと、そして犠牲者の皆様に応える道であると信ずるものであります。
今日取り上げました被災地への職員派遣につきましては、派遣職員の方々の思いが込められた報告書、私も毎年読ませていただいております。皆様のそのお仕事ぶりに満腔の敬意を表したいと思います。
ぜひとも、これにつきましては現地のニーズを踏まえて今後も継続をしていくこと、また、復興支援イベントにつきましては、都庁各局が行う行事、催事、イベントの機会を捉えて、シナジーが発揮されるような工夫をぜひとも凝らしていただきたいと要望いたします。
最後に、国民保護について質問をさせていただきます。すみません、少し駆け足になります。
二〇一九年九月の総務委員会におきまして、東京都国民保護計画の一部変更に関する報告がございまして、これについて質疑を行わせていただきました。その際にも申し上げたわけでありますけれども、有事において、国民の生命、身体、財産を守るためには、やはり事前の計画が重要となります。
国民保護事案が発生した際、迅速かつ的確に住民避難を実現するため、区市町村は複数の避難実施要領のパターンをあらかじめ作成するよう努めることとされています。
そこで、避難実施要領のパターンをあらかじめ作成しておくことの意義と、現在の作成状況について答弁を求めます。
○八嶋防災対策担当部長 国の基本指針におきましては、区市町村は関係機関と緊密な意見交換を行いつつ、総務省消防庁が作成するマニュアルを参考に、複数の避難実施要領のパターンをあらかじめ作成しておくよう努めるものとされております。
あらかじめ複数のパターンを作成しておくことにより、ミサイル攻撃や大規模テロなど国民保護事案が発生した際、円滑な避難誘導が可能となることに加え、その作成過程において関係機関とのネットワークを構築することができます。
本年十一月時点で、都内区市町村六十二団体のうち作成済み団体は三十五団体、そのうち複数のパターンを作成している団体は二十七団体でございます。
○古城委員 二〇一九年九月当時の質疑では、複数の避難実施要領のパターンの作成は、努めることということではあるわけですけれども、都において区市町村に対して作成を促すことを求めさせていただきました。
そして、二〇一九年八月時点で、都内自治体では作成済みは二十五団体ということでありましたので、現在は十団体増えていることになります。
そこで、これまでの都の取組について答弁を求めます。
○八嶋防災対策担当部長 都はこれまで、国が策定した手引や事例集を各区市町村に周知することとともに、ラグビーワールドカップや東京二〇二〇大会の競技会場が所在する区市町村に対して、国と都で連携して積極的な働きかけを実施いたしました。
また、令和四年一月には、国と連携し、区市町村向けに避難実施要領に関する知識、作成のノウハウ等の習得を目的とした避難実施要領のパターン作成に関する研修会を開催し、作成済みの団体を含め二十四団体が参加いたしました。
○古城委員 総務省消防庁の今年四月一日時点のまとめによりますと、全国の区市町村における避難実施要領のパターン作成状況は六九%であります。一方で、都の現在は五六%ですので、全国平均を下回っているということになります。
しかしながら、今答弁していただいたように、三年前よりも十団体増えているということで、着実に取組が進んでいるということは、この都の対策が着実に効果を上げているということであります。
そこで都は、より積極的に区市町村に対して作成支援を行う必要があると考えますが、見解を求めます。
○八嶋防災対策担当部長 都では、二十を超える区市町村が未作成であることを踏まえ、本年四月及び十月に通知を発出し、年度内に作成するよう促してきております。
加えて、未作成である団体に、改めて研修動画の録画映像を配信し視聴を促すとともに、未作成団体の進捗状況や課題を把握した上で、個々の実情に即した助言を行うなどフォローアップを行ってまいります。
また、国は、パターン作成に特化した相談対応専用窓口の設置やオンラインでの作成支援など個別相談体制の強化を図っており、こうした支援策の積極的な活用を促すことで区市町村を後押ししてまいります。
○古城委員 度重なるミサイル発射など、一方的にエスカレートさせている北朝鮮の挑発行為は、我が国日本の安全保障にとって極めて重大かつ差し迫った脅威であり、断じて許すことはできません。
国民保護の観点からは、全ての都内区市町村で複数の避難実施要領のパターンを早期に作成することが必至の状況であると考えます。
二〇一七年にも、北朝鮮によるミサイル発射が繰り返された中で、国民保護のための訓練を実施する自治体が増加しました。しかしながら、ミサイルを飛ばされたら逃げる場所がない、訓練に意味があるのかと、むしろ不安を感じた方が多いとの指摘もあったわけであります。現在にも通ずる点であろうかと思います。
都として、区市町村による避難実施要領のパターンの作成を力強く支援することを重ねて求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○松田委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
午後三時五十九分休憩
午後四時二十分開議
○松田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○福手委員 私からは、二つの点で質問をさせていただきますが、最初は、都区財調の配分割合について質問をさせていただきます。
区が設置する児童相談所の運営に関する財政調整制度の配分割合の話合いが行われ、結果として、特例的な対応として〇・一%配分割合を増やし、令和四年度に改めてこの協議をすることを、令和二年度の都区協議会で都区財政調整方針として確認をされていますが、私からも改めてこの経過と中身、確認したいと思います。
この〇・一%の配分割合は特例的な対応としていますが、児童相談所の運営による需要に充てたものではないということでいいでしょうか。
○武田行政部長 特例的な対応につきましては、経費として積算した数字ではございません。
○福手委員 令和二年度の都区協議では、特別区は〇・二六%増の変更を求めていますが、結果は〇・一%となり、この〇・一%は、児童相談所の運営のための経費としてでの〇・一%ではなく、特例的な対応をとったということを確認しました。
では、この令和四年度に改めて協議をすると決めた理由は何ですか。
○武田行政部長 令和二年度の財調協議で、令和四年度に特例的な対応分も含め、配分割合の在り方について改めて協議していくことを都区で合意したものでございます。
○福手委員 令和四年度の協議になぜ持ち越すことにしたのかというところで理由を質問しましたが、令和二年度の都区協議で合意をしたからという答弁でした。
令和二年度の都区協議の配分割合のやり取りの中で、都は、実態を踏まえたあるべき需要、合理的かつ妥当な水準かは、区が設置する児童相談所が一定数増えた段階で検証と分析ができると主張されています。令和二年度は三区が、令和三年度は港区、そして今年度は中野区が既に児童相談所を設置しています。合意をした下で進めてはいますが、特例的な対応とされた〇・一%のままで来ているということで、今年度の協議は特別区にとって非常に重要になっています。
令和二年度に合意したように、今年度の都区協議会は、児童相談所の運営に関する都区財調の配分割合について協議をするのですか。あわせて、いつ都区協議会を行う予定ですか、伺います。
○武田行政部長 今年度の財調協議は、算定の項目なども含め、令和二年度協議における都区合意に基づき、特例的な対応により変更した〇・一%も含め、配分割合の在り方について改めて協議を行います。
また、財調協議の例年のスケジュールにつきましては、十二月上旬から協議を尽くし、条例改正案などを協議会に諮ることになっております。
○福手委員 今年度の都区協議では、児童相談所運営に関わる配分割合の在り方についての協議を行うこと、日程は十二月上旬で例年どおりを予定していることを確認しました。
特別区として児童相談所運営経費分に〇・二六%増を求めたんですけれども、結果として、今は〇・一%増の対応が続いています。これは、つまり実施している区や準備している区でも、財源の確保としての都区財調が決まらないという中で進めている状態が続いているということです。
法改正で虐待対応を強化していくことが求められながらも、いつまでも検討を続けていては、児童相談所の実施や運営に対して影響を及ぼすことになるのではないでしょうか。今年度の協議では、区の意見を踏まえ、在り方の協議の中で配分割合の具体的な改善ができることを求めたいと思います。
協議を行う上で確認いたしますが、特別区の児童相談所の設置は、都区の役割分担の変更であるという認識ですか。
○武田行政部長 お尋ねの点ですけれども、まず、区立児童相談所については、都区の役割分担の大幅な変更に当たるかどうかも含めて議論を尽くしてまいります。また、その前ご発言にございました財調、区の児童相談所につきましては、需要として既にもう算定をしてございますので、そういった点では財源は保障されているという認識でございます。
○福手委員 今回の協議では、役割分担、大幅な変更かどうかも含めて議論をするということでありました。協議がこれからですのではっきりしたことはいうことはできないとは思うんですけれども、配分割合の変更については、二〇〇〇年の地方自治法の改正で都が広域自治体、特別区は基礎自治体とされ、都は行政の一体性、区は自主性や自立性を強化したもので、これを基に都区間の役割分担と財源配分の考え方を定められました。そこで、大幅な役割分担が変更した場合は配分割合を変更するとなっています。
特別区は、協議するに当たって、配分割合についての考え方を総務省に確認をしています。総務省は、特別区の児童相談所設置は、都区の役割分担の変更に該当するので割合を変更して対応するものと、そういうふうに総務省は見解を述べています。東京都からも、都区協議の前に総務省に見解を問い合わせることが必要ではないでしょうか。
今回、各区の区長から都議に対して、区が児童相談所を設置することに対して、財源となる財調の配分割合、上げてほしいということで協力を、声がかけられています。万が一、適切に配分割合に反映されなければ、児童相談所を設置しない区の需要額にも影響が出ることになりますし、また、児童相談所の拡充で虐待対応の強化ということで、法改正もあって進められているという点でも、とても重要なこととして私は受け止めています。
根拠となる二〇一六年の児童福祉法改正の趣旨には、子供は権利の主体であるということが明確に位置づけられました。子供は適切な養育を受け、健やかな成長、発達、自立を保障されるなどの権利を持っていること、子供の最善の利益が優先して考慮される努力をすることが前面に出され、児童虐待の早期発見、対応を強化するために、特別区でも児童相談所を設置することができるようになった、そういう経過があります。
二〇二五年に開設予定している文京区ですけれども、特徴としては、教育に熱心なあまり虐待に至るケースが多く、特別区でも児童相談所が設置できるという法改正があって、文京区独特の虐待をどう区として対応していくかを検討して、先行自治体の取組も計画に反映させながら、今、児童相談所設置の準備をしています。区に児童相談所ができることで、地域の社会資源を活用して迅速に切れ目なく支援ができ、都とも連携できるので、児童虐待の対応としては本当に大きな意義があります。
区が安定的に児童相談所の運営を行うために、都区の配分割合を増やして財源保障を図ることは不可欠です。こども基本条例を持つ都として、今回の協議では、区の意見をしっかり聞いて、配分割合を増やすよう私から求めたいと思います。
続いて(武田行政部長発言を求む)質問していませんので。すみません。
続いて、都立大のことについて質問をしていきます。
都立大の有期雇用研究者や大学教員等の雇用について質問をいたします。
二〇一三年に労働契約法が改正され、有期契約の労働者が契約更新を繰り返し五年を超えたときは、労働者が申請をすれば無期雇用に契約を転換できる無期転換ルールが使用者に義務づけられました。翌年には、研究者に対しては、一定の研究の成果が出るまでに数年かかり、評価にも時間がかかるため、無期転換の申請ができるまでの期間を五年ではなく十年に延ばすことにしました。そして、今年度末で最初の十年目を迎えます。
今、一部の大学や研究機関では、無期転換の適用を回避しようと、無期転換の権利を発生する前に雇い止めをするという問題が起きています。この無期転換ルールが、都立大の研究者や教員にはどのようになっているのかを確認するために質問いたします。
都立大学には、今年度末で雇用して十年たつ任期付教員や研究者は何名いますか。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都立大において、いわゆる無期転換に関する労働契約法の規定が施行された平成二十五年四月一日に期間の定めのある労働契約を締結し、今年度末をもって通算契約期間が満十年に達する教員等は、四十七名でございます。
○福手委員 では、国の労働契約法では、対象になる人が無期転換を申請すれば対応しなければならないとなっていますが、都立大学では同様に対応するということでいいでしょうか。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 労働契約法では、使用者との間で有期労働契約が更新されて、その期間が所定の年数を超えたときは、労働者の申込みにより無期労働契約に転換できるとされております。
都立大の教員も、当然同法の適用対象でございます。
○福手委員 労働契約法は、都立大の教員も適用されるという答弁でした。
今問題になっているのは、法が適用されていても、無期転換の権利が発生する前に雇い止めをするということが起きているので、この部分を改めて確認したいと思いますが、有期労働契約が十年に達し、これまでどおり働けば無期転換できる方に対し、無期転換をさせないがために契約の更新をしないというような、いわゆる雇い止めはしないということでいいですか。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都立大における任期付教員の契約の更新は、質の高い教育の提供と優れた研究の推進という大学本来の目的を果たす観点から、在職期間のいかんにかかわらず、各教員の仕事の実績や能力、業務の需要などを踏まえ、雇用者である大学法人の権限と責任により適切に行っております。
○福手委員 都立大の契約更新は、実績や能力を踏まえて行うもので、無期転換させないための契約更新ではないということを確認することができました。
教員には、教授、准教授、助教、講師といった職層がありますが、無期転換になる方はどういう職層の方ですか。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 労働契約法におけるいわゆる無期転換のルールは、使用者との間で有期労働契約を締結する労働者一般に適用されるものでございます。
都立大の教員においても、当然職層による差異なく、ひとしく適用がございます。
○福手委員 無期転換ルールの対象となる労働者は、契約社員やパート、アルバイト、派遣社員など名称は問われないとありますので、大学と有期労働の契約を結んでいる労働者は、どんな職層でも無期転換ルールは当てはまるということで理解をいたしました。
都立大の非常勤教員には、研究が主な業務である特任教員と授業を担当する非常勤講師があります。これらの方々の無期転換のルールはどのようになっていますか。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 労働契約法上、いわゆる無期転換のルールが適用されるのは、有期契約の通算期間が五年を超えるときとされておりますけれども、大学の研究者等については、別の法律において、研究開発能力の強化等を図る観点から、その期間を十年とする特例等が設けられております。
都立大の非常勤教員につきましても、この法律に基づき、専ら研究の業務に従事する者については十年が適用され、その他は五年が適用されます。
○福手委員 科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律、そういう名前の法律があって、それによって研究者は、無期転換の申請権が発生するまでの期間を五年から十年に延ばすとあります。そして、それに基づいて都立大も、非常勤で主に研究をしている方は十年、主に教育をしている非常勤の方は、労働契約法に基づいて五年ということでした。
都立大では、非常勤で日本語を教える方、教員センターで働く方、外部資金をもらってやっている研究の補助に従事する方などがいらっしゃいます。こういった方々も、この要件に当てはまれば無期転換ルールの対象となっていくことが分かりました。
今いった教員センターで働く方というのは、学校を定年されてから都立大に行って、そして教職をされています。六十五歳以上の場合はどうなるでしょうか、伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都立大の就業規則によりますと、任期の定めのない無期労働契約の教員の定年年齢を、有期労働契約から転換した者を含めまして六十五歳となっております。定年年齢に達した教員は、その日以後最初の三月三十一日に退職する定めとなっております。
ただし、無期労働契約に転換した時点で既にこの定年年齢に達している教員については、その転換した日以後最初の三月三十一日に退職するという定めになっております。
○福手委員 六十五歳を超えていても無期転換はできるということです。
しかし、今の説明では、無期になった時点で定年という概念が発生し、その場合はその年度末で退職、また、無期転換申請しない場合は定年の概念は当てはまらないので、契約期間までの雇用ということになるということが確認できました。
今回は、契約更新の際に意図的に、無期転換の申請権が発生する前に雇い止めが行われることがあってはならないということで確認をいたしました。
厚労省の通知では、期間が十年の対象者と有期労働契約を結ぶ場合には、相手の方が対象者であることを書面に明示し、その内容を説明することを留意すべき事項としています。
適切な運用をしてほしいと思いますが、本来は研究者や教育者は正規雇用するべきだと思います。教員や研究者の労働や生活に関わる意味で重要な問題であると同時に、雇用の期間で研究者や教員が切られてしまい、知識やノウハウが生かされないことになれば、人を育てることができなくなります。そして、携わっていた研究は人手不足で止まってしまう可能性も出てきます。業務に支障が出ることもあります。
そもそも研究職に就きたいと思っても育つ環境が整っていなければ、これからの世代が研究に魅力を持たなくなり、人材確保という面でも、研究が進み社会が発展していくという意味でも影響が出ることになってしまいます。非常勤で、いつ契約が終わるか分からない中では、人を育てることはできません。
そして、研究者を育てるためには、研究する場を確保し、資金を補助することがなければ、やはり育てることはできないと思います。この視点で業務を行うことが重要だと思います。今後も都立大と東京都が連携して取り組んでいただきたいと思います。
そして、最後に、私からも一言申し上げたいと思います。昨日の傷害事件ですね。
教授が、キャンパス内であったということで、本当にあってはならないこと、そして許されないことだと思います。早く回復していただくことを願うとともに、同時に、やはりほかの委員の方もおっしゃられましたけれども、学生のメンタル面でのフォローをやっていただきたいと。そして学内の事件なので、学内で働く方に対しても適切に対応していただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○五十嵐委員 私も、都立大学の質問に際して、冒頭、一言申し上げたいと思います。
昨日、東京都立大学南大沢キャンパス内で、宮台真司教授が切りつけられたという事件が発生したとのことでございます。一刻も早い宮台教授のご回復と犯人逮捕を願っているところでございます。暴力は、決して許されるべきではございません。
東京都に対しては、大学の自治を尊重しつつ、教授や学生たち、構内の安全の確保について、昨日、学校緊急対応チームですか、を設置していただいたとのことですけれども、取り組んでいただきたいと思います。
都立大学に関する質問、一点確認させていただきたいと思います。
令和四年第二定例会において、東京都公立大学法人の第四期中期目標が議決されております。この中期目標は、教育や研究、社会との共生など様々な分野において、来年度から六年間で都立大学をはじめとする東京都公立大学法人が目指すべき大枠を都が示したものであるとのことです。
中期目標によると、第四期における教育の一つの視点として、デジタル、金融、医療等将来の東京の成長を支える分野に重点を置き、教育プログラムの拡充に取り組んでいくということでございます。
この中期目標を達成するための計画については、法人が作成をして東京都知事が認可するという手続になっているようでございますけれども、今いった視点、デジタル、金融、医療等将来の東京の成長を支える分野、こうした将来の東京の成長を支える分野について、具体的にどのような教育を展開していくのか現在の検討状況について伺います。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都議会の議決をいただきまして都が定めました第四期中期目標の達成を図るため、法人は、本年度末を目途に取組を具体化した中期計画を策定する予定で聞いております。
先日開催されました都の地方独立行政法人評価委員会の会議におきまして、法人から計画案の報告がございました。それによりますと、お話の点に関しては、高度情報化社会の進展や国際金融都市としての東京における人材需要、保健医療分野の高度化等を踏まえ、関連分野の教育プログラムや教育体制を充実させ、基盤となる知識や実践的な知識、技術を有し、社会の発展に貢献する人材を育成するとの記載でございます。
また、具体的な目標として、今年度開始した数理・データサイエンス副専攻コースの修了者を輩出していくことなどの記載がございます。
○五十嵐委員 ありがとうございます。
今年度から数理・データサイエンス副専攻コースというのを新設されたとのことでございます。
東京都立大学については、夜間大学を平成十五年度を最後に廃止するなどしておりまして、やっぱり今後六年間適用される方針ということで、もちろん高度情報化社会とか国際金融都市とか保健医療分野、非常に重要な分野ではございますけれども、ぜひ文系、理系、バランスよく、総合大学としての特性を生かすような取組というか、方針で取り組んでいただきたいと思います。
次に、本日の総務委員会要求資料の中にもございました、安倍晋三元総理の葬儀等における半旗の掲揚についての事務連絡についてもちょっと確認させていただきたいと思います。
この令和四年七月十一日事務連絡、安倍晋三元総理の葬儀等における半旗の掲揚についてという事務連絡でございますけれども、これは、誰がどのように決定したんでしょうか、都知事はどの程度関与されているんでしょうか。
○猪口総務部長 安倍元総理は、在任中、都政に対しまして多大なご尽力をいただいておりまして、こうした安倍元総理への弔意を表するため、都庁本庁舎で半旗掲揚を実施いたしました。
この実施につきましては、都旗及び庁内管理を所管する総務局が決定したものでございまして、知事には適宜ご報告を行っているところでございます。
○五十嵐委員 すみません、適宜というのは事前でしょうか、事後でしょうか。その点について教えてください。
○猪口総務部長 都の施策の推進に当たりましては、この件に限らず、知事に適宜ご報告を行っておりまして、本件につきましても、総務局の決定に際しまして、適宜ご報告を行ったところでございます。
○五十嵐委員 適宜ということで、前か後か、なぜはっきりしてくださらないのかちょっとよく分からないんですけれども、やっぱり東京都の独断というか、国から協力要請がない中で、しかも家族葬というものにおいて都庁舎において半旗を掲揚していると。
今回のように、これ多分初めてのことだと思うんですけれども、国から半旗掲揚についての協力要請文書がない中で、都の施設で半旗掲揚を実施した事例というのは過去あるんでしょうか。
○猪口総務部長 確認できる範囲内ではご質問のような事例はございませんけれども、今回の安倍元総理の家族葬の際には、国の機関でも弔意を表するため半旗を掲揚するとのこともございましたので、都としても安倍元総理への弔意を表するため都庁本庁舎において半旗掲揚を実施したところでございます。
○五十嵐委員 確認できる範囲ではというご答弁だったと思うんですけれども、その確認できる範囲というのはどの期間でしょうか。
○猪口総務部長 近年、総理経験者がお亡くなりになった際に、国の協力依頼を踏まえまして半旗を掲揚した事例は、確認できる範囲内では令和二年の中曽根元総理の葬儀でございまして、それ以前でございましては、平成十六年にまで遡りまして鈴木善幸元総理の葬儀まで遡りますが、このときの半旗の掲揚の実施の有無、あるいは国からの通知の有無につきましては、正確な記録はございませんので確認はできてございません。
○五十嵐委員 確認できないということを述べられますけれども、やっぱり家族葬で、しかも国から協力要請がない中で半旗を掲揚したというのは、都としても初めてのことだったということを指摘しておきたいと思います。
次の質問に移ります。人権プラザの問題でございます。
本日、資料を委員の皆様に配らせていただきたいと思います。報道とかもされているところなんですけれども、十月二十九日の新聞記事で、東京新聞なんですけれども、東京都の人権プラザで開催している美術作家飯山由貴さんの企画展で、都人権部が関東大震災時の朝鮮人虐殺に触れた映像作品に難色を示し、上映を禁じていたことが分かったと。映像作品、都が検閲というような見出しもついておりますけれども、この点についてちょっと質問をいたしたいと思います。
今、委員のところにお配りしております令和四年五月十二日のこの問題のメール、これ総務局からいただいているメールなんですけれども、一部、担当者の名前、開示請求では明らかになっているところ、私の方で黒塗りにさせてもらっております。
今日、この配信、当事者の方も見ていらっしゃると思うので、このメールについてなぜ問題になっているのかということについて、都にもしっかり受け止めていただきたいと思います。
まず、このメール、報道にもありますけれども、三点、東京都人権部の方から、東京都人権啓発センターについて懸念があるということで三点指摘されているものでございます。
この趣旨についてちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、一点目の懸念事項についてなんですが、こうあります。関東大震災での朝鮮人大虐殺について、インタビュー内で、日本人が朝鮮人を殺したのは事実といっています。これに対して都では、この歴史認識について言及をしていません。小池知事は、毎年九月一日に行われる朝鮮人大虐殺追悼祭について都知事として追悼文を発出しておらず、これに対しての世論を騒がせております——朝日新聞のリンクが貼ってあります——都知事がこうした立場をとっているにもかかわらず、朝鮮人大虐殺を事実と発言する動画を使用することに懸念がありますと。
事実というところにかぎ括弧がついているんですけれども、これ、どういう趣旨で送られたメールなんでしょうか。
○吉村人権部長 五月十二日付のメールは、メール本文にも記載されておりますとおり、人権プラザ企画展の附帯事業の検討過程におきまして、最初に当該映像作品を見た人権部の担当職員が、あくまで担当として確認した限りのものとして幾つかの疑問点を確認する目的で人権啓発センターの職員宛てに送付したものでございます。
○五十嵐委員 メールの文言をそのまま読みますと、飯山さんたちがつくろうとしていた映像作品について、朝鮮人の虐殺について事実という教授の方の発言があるんですけれども、この発言自体が、小池都知事が追悼文を送らなくなったので、この立場とそごするために、これを事実と発言する動画を使用することに懸念があるというふうに、素直に文言上読めば読めるのは明らかなんですが、都として、関東大震災時における朝鮮人の虐殺について、ここでは歴史認識について言及をしていませんというふうにありますけれども、こういう歴史認識なんでしょうか、都は。
東京都は、朝鮮人の虐殺についてどのように認識しているのかについての見解を伺います。
○吉村人権部長 人権部といたしましては、関東大震災時の朝鮮人殺傷事件につきまして、史実として、教科書や中央防災会議の報告書にも掲載されているものと認識しております。
○五十嵐委員 東京百年史という東京都が発行している本がございます。著作、発行、東京都となっている書籍なんですけれども、これが、やっぱり都の発行している本でもございますから、公式である文書ということには変わりがないとは思うんですけれども、念のため確認なんですけれども、ここではどのように言及されているのかについて伺います。
○吉村人権部長 昭和四十七年に発行された東京百年史第四巻には、鮮人暴動の流言が広がると、各地で青年団、在郷軍人、消防組などを中心として組織がつくられ、自警団と称して鮮人を迫害したなどと記載されております。
○五十嵐委員 これはもう、どうやってやっても否定できない事実でございまして、幾ら小池さんが追悼文を送るのを二〇一七年からやめたからといって、都がこういう、追悼文をやめたという立場をとっているのでこれとそごしますという意味でのこのメールの〔1〕の記載、明らかにおかしいものだと思います。
小池さんが最後に送られた朝鮮人犠牲者追悼式、平成二十八年九月一日に最後に送られた追悼の辞というものがあるんですけれども、ここにはこう書いてあります。この極度の混乱の中、多くの在日朝鮮人の方々がいわれのない被害を受け、犠牲になられたという事件は、我が国の歴史の中でもまれに見る誠に痛ましい出来事でした。私たちは、このような不幸な出来事を二度と繰り返すことなく、誰もが安全な社会生活を営めるよう、世代を超えて語り継いでいかなければなりません。東京都知事小池百合子と追悼文を出しているにもかかわらず、やっぱりこれをやめたことによって、都の職員が、この事実はなかったと、都がこういう立場をとっていると、そのように解釈しているかのようなメールをセンターに送る、非常に問題のあることだと思います。
十月二十八日にいろいろ報道されまして、東京都はこれまで何て説明してきたかといいますと、十月二十九日の朝日新聞の記事なんですけど、都の川上人権担当理事は、メールの表現が稚拙で工夫すべきところがあったと、都知事のことを出したのは必要のない表現だったとか、都人権部の担当者は、職員は朝鮮人虐殺が歴史家の見解が分かれる史実だと意識し、内容を確認する意味でメールを送った、映像を採用するかしないかに都知事は関係なく、必要ない表現だった。歴史家の見解が分かれる史実なので確認するためにメールを送ったみたいなことを東京都はいっている、十月二十八日の段階でいっているようなんですけれども、現在もこのメールについてはこういう認識なのでしょうか、伺います。
○吉村人権部長 本メールにつきましては、附帯事業の検討過程で、人権部の担当職員があくまで担当として映像作品を確認した限りのものとして、幾つかの疑問点を確認する目的で人権啓発センターの担当職員宛てに送付したものでございます。
事業を進めるに当たり、様々な観点から確認や検討を行うことは必要でございますが、分かりやすい表現を用いるべきだったと考えております。
○五十嵐委員 表現の問題ではやっぱりないと思うんですね。どう考えても、表現がどうだったからと、普通に日本語を読めば、やっぱり小池さんの追悼文不送付をもって懸念を示しているわけですから、まあ忖度といいますか、過度に忖度したものだと思います。
このメール、懸念事項が三つありまして、二つ目と三つ目もかなりおかしなことをいっているものだと思います。
二つ目についてもちょっと確認なんですけれども、そもそもこのメールには、都でヘイトスピーチ対策をしている中で、これがヘイトスピーチと捉えかねないのでやめてくださいというような趣旨なんですけれども、東京都の人権条例におけるヘイトスピーチの解釈、どういう場合にヘイトスピーチに当たるのかについて、その解釈の基準を教えてください。
○吉村人権部長 いわゆるヘイトスピーチへの該当性につきましては、法務省より、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえて、言動の背景、前後の文脈、趣旨等の諸事情を総合的に考慮することが示されており、都においてもこの考え方に基づき対応しております。
○五十嵐委員 法務省からの、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に係る参考情報その二というものがあるんですけれども、ここで国の、ヘイトスピーチに当たるか否かの判断基準について示されているところでございます。
そこによると、例えば同一の文言であれば、常に本条の該当性の判断に変わりがないというものではなく、個別具体の言動がどのような状況や背景の下で行われるに至ったのか、その前後の文脈を踏まえて当該言動がどのような趣旨、意味に解されるか等の諸事情を勘案することにより、ヘイトスピーチに該当するかの判断が異なることは当然あり得るなどと記載されております。つまり、文脈全体からヘイトスピーチかについて、国と同じように東京都も判断するということだと思います。
当然、人権部の職員がそういう解釈を知らないわけはないと思うんですけれども、そういう解釈基準に照らしても、このメールの本文ですね、この発言を切り取ってヘイトスピーチと捉えかねませんと指摘すること自体、非常に、解釈知っているんですかという疑義があるんですけれども、この点について、ヘイトスピーチに当たらないというふうに思うんですけれども、この記載の趣旨を教えてください。
○吉村人権部長 映像作品全体を見ればヘイトスピーチでないことは分かりますが、作品中のラップの中に、俺は日本人だから朝鮮人は全員抹殺だなどという表現があり、その部分だけを切り取られて受け止められることを懸念して、人権啓発センターの見解を担当者間で確認しようとしたものでございます。
○五十嵐委員 ヘイトスピーチが何かについては、人権条例なるものを所管する人権部の職員が、その一部を切り取って、ヘイトスピーチと取られかねないと都民に対して指摘する行為というのは非常に間違っていると思います。
この懸念事項の三点目なんですけれども、動画全体を視聴した感想ですが、在日朝鮮人は日本で生きづらいという面が強調されており、それが歴史観、民族の問題、日本の問題などと連想してしまうところがありますと、参加者がこういう点について嫌悪感を抱かないような配慮が必要かと思いますというふうに記載されているんですけれども、これの意味についても教えてください。
○吉村人権部長 メールの記載は、人権部の担当職員が、あくまで担当として映像作品を確認した限りのものとして、映像を見た方に、在日コリアンの方々が皆日本で生きづらいといった葛藤を抱えているという誤解を与えないような配慮について、人権啓発センターと担当者間で確認しようとしたものでございます。
○五十嵐委員 説明を聞いても、このことで何がいいたいのかよく分かりませんけれども、このメールを見て、ご本人たちは、在日朝鮮人が日本で生きづらい、そういう事実があること自体を東京都人権部の職員が隠そうとしていると、そういうふうに受け取られて、東京都では多様性とかダイバーシティとかインクルーシブとかうたいながら、こういう在日コリアンの生きづらさを隠そうとする、こういう姿勢、つまりこういう方たちに対する無配慮についても表れている指摘で、非常に問題があると思います。
十月二十八日の飯山さんたちの記者会見を受けて、東京都は、パワポといいますか、説明資料を作成されています。飯山さんたちも先日、都議会議員向けにIn-Matesという動画作品の上映会、都議会でもされたんですけれども、そこの中でも、要するに人権部が説明しているこの資料についても誤りがたくさんあるというようなことをおっしゃっていました。
東京都は、企画の趣旨に合っていないからみたいなことを、パワポの資料では一応説明がされているんですけれども、やっぱりそもそものこの企画の趣旨自体、飯山さんたちもいつ説明を受けたのかについて非常に疑念を持っておられるところでございます。
例えば、人権部が作成したこのパワポの資料ですけれども、東京都人権プラザにおける映像作品の上映に関する件について(3)のところで、今回の企画展及び附帯事業は精神障害をテーマとし、参加者に精神障害の理解を深め、障害者と人権について考えていただくきっかけとなることを期待して企画したものであり、このような観点から事業内容を決定しているとか、今回の作品について否定する理由として、主に在日コリアンの生きづらさに焦点が当たっており、それが精神障害への理解促進につながる旨、直接的な表現がなく、子供を含めた幅広い都民が精神障害への理解を深めるという観点からは分かりづらいなどと指摘されて中止せざるを得なくなったというようなことなんですけれども、そもそもこの企画の趣旨というのは、いつ、どこでご本人たちにご説明されたというふうに承知されているでしょうか。
○吉村人権部長 人権啓発センターから飯山氏へは、人権啓発センターの職員が昨年十二月に、飯山氏の作品のうち精神障害を扱った今回の企画展で上映している三作品で企画展を開催したい、これらの映像作品を通じて、精神疾患について社会、家族、歴史などいろいろな観点から人権を考えていきたいとの趣旨で協力を打診したと聞いております。
○五十嵐委員 このパワポの資料に、(2)のところなんですけれども、八月の記載で、附帯事業の実施内容については、インタビュー動画の制作、配信とすることで飯山氏から了承を得たと、センターから人権部に報告があったというような記載もあるんですけれども、これについてもその根拠を教えてください。
○吉村人権部長 人権啓発センターが、八月十二日に飯山氏と面会して話し合った結果、附帯事業の実施内容は、現在配信しているインタビュー動画の制作、配信とすることで飯山氏から了承を得たとの報告が人権部にございました。
八月十九日には、同内容の事業計画書がセンターから人権部に提出され、また、八月二十四日にはセンターと飯山氏側との間で、附帯事業のインタビュー動画の制作を含む業務委託契約が締結されたとの報告を受けたため、飯山氏が了承したものと認識しておりました。
○五十嵐委員 五月十二日の、資料でもお配りしているメールですけれども、やっぱりこういう点に懸念があるというふうに都の人権部が懸念を示しているわけですから、飯山さんたちとしても修正して何とか上映できないかというようなことは考えたそうですし、このラッパーの方の発言がヘイトスピーチに当たるというような指摘を受けたというふうに認識されているので、この点についても、例えば字幕を消すとか音を消すとか、そういうような修正をしたいというふうに飯山さんたちも、センターですか、そちらの方に申し出ていらっしゃるみたいなんですけれども、なぜその修正というか、こうした懸念があるという点について修正を求めた飯山さんたちに応じなかったのかについて伺います。
○吉村人権部長 人権部とセンターが協議の上で映像作品を使用しないこととした理由は、精神障害の理解を深めるという企画展の趣旨とは合わないと判断したことによるものでございます。
人権部では、映像作品の修正を行っても企画展の趣旨を実現することは難しいと考え、より事業効果を期待できるほかの附帯事業案の検討を進めていくべきと判断いたしました。
○五十嵐委員 企画の趣旨と合わないのでみたいなことを繰り返しおっしゃられますけれども、飯山さんたちがこういう附帯事業をやりたいんですというふうにこのIn-Matesという作品を送って、それに対する東京都人権部からの意見というのがこの懸念事項三点ということで示されているわけですね。何で、これについて修正しようというふうに当事者が申し出たのに修正しなかったんですかという今の質問に対して、企画の趣旨と合わないからですというふうにおっしゃるんですけれども、じゃ、何でそもそもこのメールでこういうふうに懸念を示したんですかということがやっぱり残るわけですよ。
やっぱりどう考えたって、当事者たちは、具体的にこうやって朝鮮人の、小池さんの追悼文不送付という事実に反するからとか、文言だけ切り取って読めばヘイトスピーチになり得るからとか、生きづらさについては伏せたいのでみたいなことを指摘されているということから、じゃ、何でやっぱりこのメールを送ったんですか。
いいたいのは、後から企画の趣旨に合わなかったというふうにおっしゃっていますけれども、やっぱり飯山さんたちは専門員の方とも何度も調整して、こういう作品をつくりたいんですみたいな、流したいんですみたいなことはおっしゃっていたみたいなんですね。しかも、この附帯事業というのは、今常設展ですか、飯山さんたちの、あなたの本当の家を探しにいくという企画展が本日までやっているところですけれども、今回この問題になったのはその附帯事業でして、一回きり会議室で借りて、当事者の方とかも加えて、映像を流しながら、その映像がどういう意味か、確かに映像自体はすごく、それだけ見れば難しいですけれども、つくった当事者の方とか、精神病院の診療記録をご覧になった飯山さんとかが説明を加えれば、全体として、障害者と人権というテーマですか、それについては啓発ができるというようなものだったはずなんですが、やっぱりそれについて、こういう懸念とするメールを送っていると。それをいかに修正しても、そもそも企画の趣旨と外れるんでという理由は、やっぱりおかしいと思います。
このメール、これはやっぱり関東大震災時における朝鮮人の虐殺があったというようなことを否定するかのようなメールにもなっていますし、何でこんなメールが人権部の中で——このメール、人権部の職員が三人入っているんですね。課長代理の方も入っていて、人権部の職員の方が三人もCCで入っているメールなんですけれども、これについて、あくまで担当が確認のためにやり取りしたメールだというのは、やっぱり苦しいと思います。
こうしたことを受けて、飯山さんたちが、検閲を受けたとか、歴史修正されたとか、人権部の方に誤った指摘をされているというふうに思うのはもっともでございます。
飯山さんたちは、要望書を提出されるということで、現在、電子署名を募っていらっしゃいます。やっぱりこういうメールを受けたことに対して、飯山さんたち、何ていうふうにその要望書でおっしゃっているかというと、都知事への忖度であり、人権部によるIn-Mates上映禁止の判断は、都政による在日コリアンへのレイシズム、民族差別にほかなりませんと。人権が尊重される社会を実現することを掲げているはずの人権部による差別と検閲は、決してあってはならないことですと。
それについて、二度とこのようなことが繰り返されないようにと、四つ、項目事項を具体的に挙げておられます。ちょっとここで読み上げます。
小池都知事に本件の調査と説明を求めます、人権部による検閲を認め、謝罪することを求めます、東京都人権啓発センターの専門性を尊重することを求めます、In-Matesの上映と出演者によるトークイベントの実施を改めて求めますと、そういうようなことを要望で、今署名も募っていらっしゃるようなんですけれども、この点についての見解を伺います。受け止めを伺います。
○吉村人権部長 電子署名を募っていることについては承知しておりますが、正式な要望についてはまだ提出されておりません。
○五十嵐委員 正式な要望があると思いますので、その点についてもしっかり対応していただきたいと思います。
すみません、先ほど確認すべきだったんですけど、こうした担当間でのやり取りというか、人権プラザである事業を行うときに、担当の間で、こういうところで懸念がありますみたいなことをやり取りするというのはよくあることなんでしょうか。つまり、こういうふうに担当の間で、ここが懸念がありますというようなことを指摘して、現に修正した作品というのは過去にあるのかについても伺います。
○吉村人権部長 人権プラザは、都の人権啓発の重要な拠点であり、都と指定管理者である人権啓発センターの間の協定におきましては、センターは、事業計画について都の承認を受けた上で実施することとしております。人権部では、事業効果をより高めるため、センターとの間で事業計画の調整を行うことがございます。
○五十嵐委員 調整を行うことがございますということで、具体的な事例は示されないわけですよね。よくあることというふうにおっしゃいますけれども、具体的にどうやってやっているか、どういう作品でどのようになったかというのはいえないということですよね。
やっぱり、このIn-Matesという作品ですけれども、先ほども申し上げましたけれども、きちんと解説があって、在日コリアンの方の精神病ということについて当事者たちの解説があれば、私は上映することが可能だったというふうに思うんですけれども、やっぱりこの点について飯山さんたちも、何で中止になったのかについて釈然とされていないわけですね。
この点について、人権部から飯山さんの方に直接ご連絡するなどして、直接にご本人たちにこの中止に至った経緯とか理由とかというのをご説明される考えはおありでしょうか。
○吉村人権部長 現時点では正式にお話は来ておりません。
○五十嵐委員 現時点では正式に話はないというようなことをおっしゃっていますけれども、先日、都議会で上映会やったときも、人権部の方とぜひお会いしたいというようなことはご本人たちからもいわれていたはずです。
今回、人権部の職員の方の、こういう人権感覚とか人権行政の在り方に対する懸念というか不信の声、非常にこの報道も含めて上がっております。
それについては、人権部としてはどのように認識されているのか。そして、東京都人権部というところがこういうメールを送ったということで、都民の間に、信頼が損なわれたというか、人権部に対する不信があると思いますけれども、今後、人権部としてはどのように信頼回復、努めていくかについて伺います。
○吉村人権部長 五月十二日付のメールは、メール本文にも記載されているとおり、附帯事業の検討過程で、最初に当該映像作品を見た人権部の担当職員が、あくまで担当として確認した限りのものとして、幾つかの疑問点を確認する目的でセンターの担当職員宛てに送付したものでございます。
人権部の職員は、人権施策を担う部署として人権意識を持って職務に当たっているものと考えております。
引き続き、様々な人権課題について、都民に対し分かりやすい普及啓発に努めてまいります。
○五十嵐委員 今日のこのやり取りでも、残念ながら、このメール自体については正面から謝罪なりされることはないというようなことでございました。
一番の問題は、やっぱり小池都知事が、一九七四年から始まってきた朝鮮人犠牲者の追悼式に対して追悼文を送ってきたにもかかわらず、小池さんが就任二年目でこれを送らなくなったというところに非常に問題があると思ってます。
小池都知事は、九月と三月の大法要にて追悼の意を示しているので個別に送るのをやめたというようなことをおっしゃっているんですけれども、この大法要の追悼文、二十八年についても、二十九年、つまり個別に送るのをやめた後についても文言は同じでございますし、特別、在日朝鮮人の方々がいわれないの理由で虐殺されたということについての追悼の意をやめたというのは、非常に大きなことだと思っています。
これやっぱり、ヘイトクライムとかそういうものでございまして、政治家がこれをやめたというのは、ただなくなったという意味じゃなくて、やっぱり政治的な、この事実を否定するかのような政治的なメッセージになってしまっているんだと思います。
現に、東京都の人権部の職員が忖度したというようなことが起きているわけでございます。やっぱりこういう小池都知事の姿勢が、行政内部での差別の扇動につながっていますし、そういったことが起きているということを東京都人権部は重く受け止めていただきたいと思います。
来年、一九二三年からですか、大震災が発生してから百年目になります。そのときに、小池さんがどういうふうに、この在日コリアンの方の、関東大震災で起きたこの虐殺についてどういうふうに向き合うのかというのは、非常に海外に対してもメッセージというか、意味を持つことになるんじゃないかと思います。
現に、先ほどから北朝鮮のミサイルの問題、何度かやり取りしてますけど、質問など出ていますけれども、この虐殺をめぐる映像、今回のIn-Matesのこの事件で、北朝鮮外務省がウェブサイトで都を非難していますよね。日本帝国主義による反人倫犯罪を隠そうとする歴史否定の策動の一環だなどとして、北朝鮮の外務省が、これの上映を中止したことについて非常に抗議、非難、出しているわけですね。北朝鮮のミサイルを心配するなら、まずやっぱり外交というか、世界に向けて誤ったメッセージを発信しないことというのが非常に大事なことだと思います。
そもそも、そもそもといいますか、この人権プラザ自体は年間で、今年一億五千七百万円ほどをつけて人権施策をやっている。これは他の自治体に比べても人権施策に力を入れているといったことで、センターの方たちも、職員の待遇改善とかそういうこともしてもらっているというような意識を持たれているようです。だからこそ、本件の、こういうメールを人権部が送ってきたということについては非常に残念だというふうに思っているとのことでございます。
これ、今回初めて始まったことじゃなくて、過去にも、二〇一八年ですか、保見団地に暮らす日系ブラジル人の方々を映した写真展というものが人権プラザであったようなんですけれども、この事業について、人権部の部長の方から日系ブラジル人の方を差別するような発言があったというようなことでございまして、これについては専門員の方々が非常に問題だというふうに抗議をしたというようなことも、多分人権部の方にもセンターから報告は上がっていると思うんですけれども、そういうことが、同じようなことが二〇一八年にも起きていたということで、ぜひこの事件についても、事実、しっかり確認していただきたいと思います。
先ほど来質問していますけれども、このメールに対する正面からの反省というのは残念ながらないんですけれども、文化芸術法とかにも、文化芸術というのは表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重することを旨としつつというようにありますけれども、やっぱりこういうものを扱うということを、人権部の方が、どこまで職員の間で共有されていたのかについても検証が必要だと思います。
今回のメールについて、やっぱりこれだけ大きな問題ともなっていますし、ぜひ飯山さんたち当事者の方たちにしっかり今後も向き合っていただきたいということをお願いして、私からの質問を終わります。
○川上理事 ただいま理事から幾つかご質問いただきまして、部長から答弁させていただきましたけれども、私からも総括的なご答弁をさせていただければと思います。
人権プラザは、人権尊重の理念を普及させることによりまして人権意識の高揚と人権問題の解決を図り、もって都民一人一人の人権が尊重される社会の実現に寄与することを目的に都が設置した施設でございまして、都が指定管理者として指定した公益財団法人東京都人権啓発センターが運営をしているものでございます。
プラザの企画展でございますが、子供を含む幅広い都民を対象とした人権啓発事業として実施しておりまして、その附帯事業につきましては、企画展と連動し、来館者に人権課題を理解してもらうに当たりまして企画展との相乗効果が期待できる内容、テーマを選定して実施しているところでございます。
今回の附帯事業で使用しなかったことが問題とされている映像作品につきましては、精神障害の理解促進につながる直接的な表現がなく、幅広い都民が精神障害への理解を深めるという今回の企画展の趣旨に合わないと考えまして、判断をしたものでございます。
現在、附帯事業として配信してございます飯山氏のインタビュー動画につきましては、作者の実体験に即したものとなっておりまして、分かりやすく、幅広い都民の理解につながるものと考えてございます。
検討の過程で人権部の担当職員が送付したメールにつきましては、分かりやすさなどの表現について工夫すべき点はあると考えてございますけれども、事業のごくごく初期の検討段階で、人権部とセンターの担当者間の意見交換のために送付したものでございまして、こうしたメールの内容の一部が外部に伝わり、あたかも都の見解として受け止められることで誤解を生じさせることとなったと考えてございます。
今後とも、人権部とセンターとの間の連携を一層密にいたしまして、引き続き人権課題について分かりやすく効果的な普及啓発に取り組んでまいります。
○五十嵐委員 私がこの質問を通じて申し上げたかったのは、そもそも今回の企画展の趣旨にそぐわないというのが、後からつけた、このメールを送った後に、これはまずいということで後からつけた理由だったんじゃないかということをかなり指摘しているのと、あと、このメールが外部に漏れたとか分かりやすさが足りなかったからとか、そういうことを指摘しているんじゃなくて、やっぱりこういうことを送っても何とも思わない、そういう職員が三人もCCに入っていて、これを直ちに、こうやって外に出てくるまで問題ということが把握していなかったということですよね。
ようやく外に出てきて、後から、分かりやすくなかったとかそういうことをいっているんじゃなくて、やっぱり、こういうメールを送っても何とも思わないというか、ヘイトスピーチの解釈も理解されているか分からないんですけれども、こういうメールを送ること自体に問題があるというか、そういう職員の方の人権意識、そこに非常に都民の不信が募っているということをしっかり受け止めてもらって、企画の趣旨がそぐわなかったと、後からだと当事者たちは思っていらっしゃるのですから、その点についてはぜひ当事者たちに丁寧に説明していただきたいということを申し上げます。ありがとうございます。
○米川委員 私からはまず、都区財政調整制度について伺いたいと思います。
何人かの委員の方との重複がありますので、令和二年度からの特例的な対応、〇・一%増ということは、特例的な対応として特別区の配分割合を〇・一%増やし、令和四年度に、この特例的な対応分も含め配分割合の在り方について改めて協議するという答弁がありましたので、ここは質問は割愛させていただきまして、一問だけ伺いたいと思います。
特別区が今後の都区財政調整協議に先立ちまして、今年の八月、総務省から区立児童相談所設置に伴う対応として、配分割合を変更して対応するものであるとの見解を確認しております。このことについて、東京都はこの総務省の見解、どのように取り扱われたのか、一問だけ伺います。
○武田行政部長 ご質問いただきました総務省の見解の件でございますけれども、特別区長会の照会について、総務省からは、文書ではなく口頭で回答したこと、また、特別区から提示された情報のみで回答したものであり、区立児童相談所の実態や特別区の財政状況などを踏まえたものではないとも聞いております。
あわせて、総務省から、財調制度に関することは都区で協議を尽くすものであり、国は財調協議に関与する立場ではないということも聞いてございます。そのため、総務省の見解が財調協議に何ら影響を与えるものではないと考えております。
○米川委員 来月からこの協議が始まるということですが、しっかりと議論を尽くして、都区で合意されることを求めて次の質問に移ります。
次に、大規模風水害時の広域避難先の確保について質問してまいります。
私は、ここの都議会へ登庁する際には必ず、建設局が施行中の葛飾区の中川の護岸の耐震工事現場を見ながらこちらに来ています。葛飾区の新小岩から工事が始まり、現在は新中川と分岐する高砂橋付近で工事が行われておりまして、間もなく終了することとなります。
しかし、このハードの整備が完成しても、自然災害は何が起こるか分かりません。東京の東部低地帯では、一たび河川の氾濫や高潮が発生すれば広範囲で長期間にわたり浸水するため、ソフトの面では常に最悪の状況を想定し、対応策を準備する必要があります。
都は、昨年九月に初めて、渋谷区にありますオリンピックセンターを広域避難先として確保し、その後もさらなる広域避難先の確保に向け、国、民間施設との調整を進めているとのことです。災害時の避難先の確保は、本来、区市町村が主体となって行うべき取組ですが、広域避難先は区市町村の区域外に立地するため、区単独の取組ではなかなか確保が進まない現実があります。
こうした中、都が広域自治体として主体的に広域避難先の確保を進めていることは、広域避難対策という困難な課題を一歩ずつ前進させていく上で大変重要な取組と考えております。
そこで改めて、現在の広域避難先の確保状況と今後のさらなる確保促進に向けた取組について伺います。
○芝崎防災計画担当部長 都は、オリンピックセンターを運営する国立青少年教育振興機構をはじめ、国、民間団体との間で広域避難先としての活用に係る調整を進めており、これまでに七団体と協定を締結しております。
今後も関係区と連携し、浸水想定区域外にある大学などの大規模施設に対して重点的に働きかけることによりまして、広域避難先施設のさらなる確保を進めていくこととしてございます。
○米川委員 広域避難先の確保が着実に進められている点を評価したいと思います。
一方、現状ではまだ広域避難先施設には限りがあるため、在宅避難や自主避難が可能な住民まで広域避難先に避難することになれば、広域避難先の収容力を超過し、真に広域避難先を必要とする住民の避難先がないという状況も想定されます。
各区市町村ではハザードマップを作成し、区市町村によっては全ての世帯に配布している自治体もあります。しかし、台風が接近しているときに、自分はどのような行動を取ればよいのか、また、どのような備えをしておけば家にとどまることができるのかなどは、このハザードマップを見るだけでは直接すぐには分からない状況です。
東京都では今年九月に、私の地元であります葛飾区と連携し、水害リスクや推奨される避難行動などを住民に直接発信する事業を開始したとのことですが、そこで改めて、この事業の目的と実施状況、今後の展開について伺います。
○芝崎防災計画担当部長 都は、都民が水害リスクを自分事として認識し、災害時に適切な避難行動を取っていただけるよう、居住地ごとの水害リスクや推奨される避難行動等を住民に直接発信するモデル事業を開始し、本年九月から十月にかけて葛飾区で実施いたしました。参加した住民の方からは、自宅周辺の水害リスクを確認できた、今後対策を検討したいなどのご意見をいただいております。
引き続き、東部低地帯の関係区や町会と連携し、このモデル事業を推進することで効果的な普及啓発を図ってまいります。
○米川委員 居住地ごとの具体的な水害リスクや取るべき備えを直接住民に伝えることは、全国的に見ても新しい試みと思います。既に実施した地域でも、住民の水害意識の向上に大きな効果があったことがうかがえます。
例えば葛飾区では、昭和二十二年のカスリーン台風を経験した高齢者世代や長く地域に暮らしている方々は水害リスクについて理解しておりますが、新住民、今、葛飾区ではまちの再整備がどんどん進んでおりますが、新しく居住した住民の方々、なかなかこの居住地域の災害リスクを理解しづらい面がどうしてもあります。引き続き、関係区と連携を図りながら幅広い地域で事業を展開していただくことを求め、次の質問に移ります。
次に、自然災害の一つであります火山対策。江戸時代に噴火し、東京にも降灰があったと記録が残る富士山の噴火対策について質問します。
富士山はこれまで、幾度となく噴火が確認されており、その周期は定まっていませんが、最後に噴火が確認されたのは一七〇七年の宝永噴火であり、既に三百年以上が経過しております。都は、今年度取りまとめることとした都市強靱化プロジェクトで、富士山噴火について今後対策を講じていくこととしていますが、そこで、富士山が噴火した際の東京への影響について、まず伺います。
○芝崎防災計画担当部長 国の中央防災会議に設置されたワーキンググループが令和二年四月に取りまとめた報告書によりますと、富士山の噴火に伴う降灰によって、都内でも鉄道の運行停止、停電や通信障害、上水道の原水の水質悪化、下水管路の閉塞などが発生する可能性があるとしてございます。
○米川委員 都内にも影響があることがよく分かりました。
しかし、この富士山の噴火の際は、降灰の影響が東京都だけではなく首都圏の広範囲に及ぶと考えられるため、まずは国が中心的役割を果たすべきではと考えております。
しかし一方で、東京には人口や都市機能が集積しているため、都民生活や社会経済活動に大きな混乱が生じる懸念があります。都民の生命、財産を守るとともに、首都機能を維持していくことは都の責務です。
そこで、富士山の噴火に備え、都においても降灰対策について検討すべきと考えますが、見解を伺います。
○芝崎防災計画担当部長 都はこれまで、国に対して、富士山噴火に備えるため、広域的な降灰対策において重要となります火山灰の除去、処分方法について明確な指針の策定等を求めてまいりました。
また、都としても、いつ起きるかもしれない噴火に備えまして、除灰に必要な資機材の確保や火山灰の処理方法など、降灰時でもインフラ、ライフライン等の機能を維持する方策の検討に新たに着手いたしました。
○米川委員 東京都では、伊豆諸島の伊豆大島、三宅島などの有人島において、島民の生命、財産を守るための対策を推進しております。
昭和六十一年の三原山の噴火や平成十二年の三宅島の雄山の噴火での対策の経験を生かし、また、富士山の噴火に伴う降灰対策についての検討で得られる成果を、数十年の周期で噴火が想定される今後の島しょ火山対策にも活用できると考えますので、ぜひとも積極的に進めていくことを求めて、次の質問に移ります。
次に、職員目安箱について伺います。
職員が抱いている問題意識や提案などの幅広い意見などを、職員が知事に直接伝えることができる仕組みとして職員目安箱が設置されています。東京都の業務は膨大なため、職場内で課題を改善していくことに加え、このように行政のトップに提案できる仕組みは大変重要だと考え、私は、平成三十年の予算特別委員会でも取り上げさせていただきました。
そこで、この職員目安箱が設置されてから数年が経過していますが、これまでの意見などの件数、件数の推移、主な事例や他の任命権者の職員が対象になっているかについて伺います。
○貫井理事 職員目安箱に関して、平成二十八年十月の設置から令和三年度末までの間、総務局コンプライアンス推進部及び当時の行政改革推進部に調査の指示があった件数については二千九百六十三件でございます。令和三年度は四百六十三件であり、各年度の件数はおおむね五百件前後で推移してございます。
寄せられた意見の趣旨が実現したものとして、産後の職場復帰等を支援する観点から、都民広場地下一階の授乳用施設、赤ちゃん・ふらっとの扉に搾乳にも利用できる旨を掲示した例があります。また、オフピーク通勤の実施による午前七時台の職員の登庁の実態に対応するため、午前七時半から午前八時まで、都庁舎一階正面玄関非常口を職員通用口として開放した例もございます。
なお、職員目安額に意見等を送付することができるのは、警視庁、東京消防庁及び議会局に所属する職員を除く職員でございます。
○米川委員 制度が始まって約五年になりますが、都庁の業務量を考えますと、また、職員一人一人が一つの提案や意見をしたならばと考えますと、まだまだ増える余地はあると考えております。職員が、知事と問題意識や提案を共有したいとの考えを持ち、より多くの提案が知事に伝えられるよう、より活性化させていく必要がありますが、考えを伺います。
○貫井理事 これまで毎年度、知事から全職員に向け、職員目安箱への建設的な提案を呼びかけるメールを発出しております。また、職員目安箱に寄せられた主な意見、課題と、これに対する現状及び今後の方針についてホームページで公表してございます。こうしたことにより、職員に対し、都政改革に資する意見等の送付を促しているところであります。
○米川委員 自らの職務に関するものでないものも主な事例として紹介していただいておりますが、職員の方が職場を異動すると、前の仕事について意見する機会がなくなってしまうと私は考えております。この制度のすごくいいところとしては、異動後の職場での経験もさらに加わったことで、新たな視点で異動前に行っていた業務についても提案できるところだと私は考えております。
また、自らの業務であると、どうしてもうまくやらなければと視野が狭くなることもあると私は考えております。そんなときに、少し一歩引いて、違う立場から制度の解釈ややり方をほかの職員の方が提案していただければ、そういうことで、他の仕事を他人事ではなく、常に自分のことと考えながら業務を行うことになれば、さらに都民に役に立つ都庁に変わっていくと私は考えております。ぜひ、この職員目安箱、より一層、今、大体同じぐらいの件数なんですけど、さらに活用されるように取り組んでいただくことを求めまして、次の質問に移ります。
次に、職員の定数について伺います。
組織の運営には、人、金、物、情報が鍵を握るといわれておりますが、行政の場合、組織管理においては、予算と並んで職員の定数が重視されていると私は考えております。
そこで、総務局が掌握する職員の定数に関して、その基本的な考え方や管理の実態について質問してまいります。
まず初めに、定数編成の基本的な考え方を、定数を削減、抑制する場合の手法と併せて伺います。
○石橋人事部長 都の事業は、基本的に都民の税金で賄われており、常に、最少の経費で最大の効果を発揮することが求められております。このため、職員定数については、毎年度各局とも十分に調整しながら、事業動向や個々の職務内容と業務量等を踏まえた上で、削減すべきところは削減すると同時に、都政の重要課題への対応など必要な人員については積極的に増員することで、効率的な執行体制の構築を図っております。
効率的な執行体制の構築に向けては、役割分担を踏まえた非常勤職員の活用をはじめとして、委託の導入、ICTによる業務効率化、専門人材の登用など、多様な手法を活用しております。
○米川委員 ありがとうございます。
今の答弁にありました委託の導入の効果としては、例えば総務事務センター、こういったものが挙げられるのかなと思っています。また、専門人材ということでは、今、デジタル人材が必要ということで、ICT職、これを新たに職を設けて採用していると、こういったこともあるのかなと思っています。
その上で、私は東京都の職員のときに、ハード系の事業局、港湾局で定数の仕事を経験したことが一度だけあるんですが、他の局の定数と現員、実際に配置されている職員の方をいろんな事業概要とかで見たときに、政策企画局の職員配置状況を見ますと、定数に対して実際に配置されている職員数、これが大きく超過しているんですね。ですので、この理由についてまず伺わせてください。
○石橋人事部長 職員の定数とは、常勤職員の任用し得る限度を示すものとされており、東京都職員定数条例では、任命権者全体の職員の定数が定められております。条例に定める職員定数を限度として、知事が局ごとの配置すべき職員数を配分していますが、事務事業量の増減等に伴い、一部の局において職員数がその数を超える場合がございます。
政策企画局は、知事のトップマネジメントを補佐するとともに、各局が有機的な連携の下先進的な施策を積極的に展開できるよう支援する役割を担っており、その目的に沿った運用を行うため、年度途中の突発的な事業への対応や機動的な企画立案などに必要な職員を配置しております。
○米川委員 ありがとうございます。
政策企画局の役割や機能から、局に裁量を委ねている部分が他の局と比べ比重が高いということがよく分りました。
しかし、この政策企画局の部署全てが今の説明に該当するのかどうか、私は、しないんではないかなとも考えております。例えば令和四年度の総務部秘書課なんですが、定数二十五人に対して四十一人の職員が配置され、十六人もの職員が多く配置されております。平成二十八年以前は六名程度の超過でしたから、数字だけ見ると近年急増しているようにも見えます。
私は、総務局にありました知事室時代の秘書課と頻繁にやり取りする部署、これは人事部の服務班というところで、職員の叙位叙勲の関係で、この仕事で三年ほど秘書課とやり取りするような業務があったんですが、大体、秘書課の業務というのは定型的なものが多いのではないかなと昔は考えていました。
時代も変わりまして、現在の職員配置がしっかり査定されて適切なものかもしれませんが、疑念が持たれないように、局と調整、確認する必要があるのではないかということを指摘させていただきます。
また、職員定数を削減する手法として、業務の委託化についても先ほど説明がありましたが、東京都教育委員会の都立学校図書館に学校司書が配置されていますが、業務委託化を進めることで、学校司書を退職不補充として職員を減らしてきたことがこの事例に当たると考えています。
しかし、この業務委託については、国の東京労働局から偽装請負の可能性があるとして調査するように指摘もされています。東京都教育委員会は、この指摘や学習指導要領の改訂に伴うとの理由で、今年度から、委託期間が切れるものから順に、司書の資格を持った会計年度任用職員と、その職員が勤務しない日に司書の資格を有しないアルバイトを配置しています。来年四月には、委託は全て廃止になるとのことです。
ここで問題となるのが、業務のやり方、体制を変える際に、再度の正規職員を配置するのではなく、会計年度任用職員とアルバイトを配置するという仕事の質を落としての対応となっていることにあります。定数削減のための体制見直しの取組が課題を生じさせた一例ではないかとも考えております。
また一方で、総務局は、事業局と役割分担の下、効率的な執行体制の確立に取り組んでいることは理解しておりますし、それぞれの事業局が適切に自律的な見直しを促すことはとても大切なことだと考えています。
しかし、今紹介しましたが、数年にわたり業務委託化に取り組んできた都立学校図書館の運営方法を直接雇用した職員に代えるというあまり行政では事例のないことが、議会での質疑を経て実現しております。こうした例はあまりないからこそ、ぜひ全庁の定数を編成する総務局として適切に関与し、事業局ともコミュニケーションを取っていただくことを強く求めて、次の質問に移ります。
最後に、東京都職員の退職管理について伺ってまいります。
都のホームページには、退職した職員が、定年またはその直前まで勤務して培った知識、経験を社会の様々な分野で活用することは、社会の要請に応えるものでもあり、有意義と考えていますとの記載があります。私も、都の職員の方が様々な分野で活躍されることを有意義と考え、同様に考えておりますが、あくまでもその前提は、行政が関与し、天下り先の確保を目的としていると都民から疑念を抱かれないことが必要だと考えております。
まず、東京都を退職した後で、例えば再任用職員や適材推薦団体へ就職した方は、その後退職した際に退職金は出るのでしょうか、また、処遇にどのような差があるのか伺います。
○石橋人事部長 再任用職員については、職員の給与に関する条例に基づき給与が支給されており、職員の退職手当に関する条例において退職手当は支給対象外とされております。
適材推薦団体に再就職した職員については、各団体の規定により、給与や退職金の取扱いが定められております。
○米川委員 東京都職員の退職管理に関する条例の第六条第一項で、任命権者は、都政の一体的、効率的かつ効果的な運営を行うため、適切な人材として当該任命権者の職員又は職員であった者を推薦することが必要と認められる団体、これは適材推薦団体ですね、を選定し、当該任命権者の職員又は職員であった者を推薦することができるとなっております。
具体的な団体は、東京都職員の退職管理の運営等に関する規則に定められており、国、国際機関、地方公共団体などのほか、この規則の別表において政策連携団体や事業協力団体、地方独立行政法人、都の事務事業と密接な関連がある国の関係団体など百二十四団体が指定されておりますが、なぜこの適材推薦団体に職員の推薦をしているのか、その目的と理由を伺います。
○石橋人事部長 都を退職した職員が、これまで培ってきた知識、経験、能力を社会に還元することは有意義であります。そうしたことから、都の事務事業と関連を有する適材推薦団体に職員が再就職することは、都政の効率的、効果的な運営を図る観点から有益であると認識しております。
○米川委員 組織に所属しているときは、たとえ希望していない職場であっても、そこで全力を尽くすものと考えております。しかし、組織を一旦離れたならば、組織に頼ることなく、自らの能力で、力で道を切り開いていくものと私は考えております。
行政が職員を推薦するという形で関与するということは、退職後の職員の人事管理の一環として団体が位置づけられているのではとも考えられます。また、組織から推薦を受けるということは、推薦する組織や受入先の団体としがらみや遠慮が生じることとなるのではないでしょうか。
そこで、本来、適材推薦団体は都庁とは別の団体と考えておりますが、東京都職員の退職管理に関する条例第六条第一項の適材推薦団体の都庁における位置づけについて伺います。
○石橋人事部長 適材推薦団体は、東京都職員の退職管理に関する条例に基づき、外部有識者で構成する退職管理委員会の諮問を経た上で、都が適切な人材を推薦することが必要とした団体であります。
なお、各団体の人事については、団体自らの経営判断により決定しております。
○米川委員 就職活動という視点で見ますと、推薦で就職するのと、自らその会社や団体で働きたいと意欲を持って応募するのでは、同じ仕事をするのでも取組に差が生じるものと私は考えております。
また、都政の一体的、効率的かつ効果的な運営を行うため適切な人材は、都庁の管理職員に限定されず、都庁の一般職員や、国や他の自治体の元職員、例えばコンサルタントなどの、行政と業務を行った経験のある民間の方なども行うことができると私は考えております。
また、これまで推薦されてきた方についても、団体で仕事をしていく能力があるとするならば、推薦という形ではなく応募が行われた際も当然にその持てる能力を発揮し、採用されるのだと私は考えております。
そこで、現在、適材推薦団体を選定し、職員または職員であった者を推薦する制度になっていますが、団体の活性化や、職員のそこで働きたいという意欲を見るため、また都民から天下りのあっせんではとの疑念を抱かれないため、団体が広く公募する方式に変更してもらい、都庁からの推薦は廃止すべきと考えますが、考えを伺います。
○石橋人事部長 各団体では、業務の円滑な遂行を図る観点から、自らの経営判断により、都職員の活用だけではなく、様々な採用手法で適切な人材の確保を図っているものと認識しております。
団体が都職員の活用を図る場合、都としても、都の事務事業との関連を有する団体に都職員が再就職することは、都政の効果的、効率的な運営を図る観点から有益であると考え、再就職の意向のある職員を推薦しております。
○米川委員 ありがとうございます。
私も総務局の人事部に所属していたときには、実際は、自分は業務としてやっていないんですが、同じ課の先輩方がこの団体の関係、再就職の関係等いろいろとやっているのを見てまいりました。また、港湾局の人事係では、一般職員の対応についていろいろとやられていたということを見てきました。
それはもう二十年近く前の話なんで、随分、この条例を制定して厳しく都庁側としてはやられているということは理解するんですが、やっぱり僕も都庁から飛び出しまして、民間の方、移ってみますと、あくまでやっぱり都民の視点で今やられていればいいのかなと。
組織の中の論理としては、よりよく改善してきたんだからこれでいいんじゃないかということもあるかもしれませんが、あくまで一都民の立場の視点で、よりよく変えていくということが必要だと思いますので、これからも引き続き、様々な質問や提言でこの問題に取り組んでまいります。ありがとうございました。
○本橋委員 私からは、防災対策について伺ってまいります。
まず、東京都地域防災計画についてでありますが、私の地元国分寺市においても当然のことながら地域防災計画があるわけでありますが、それぞれの地域において、都道府県や市区町村において地域防災計画を策定することとなっているものと認識をしております。
都においても、東京都地域防災計画を策定し、都の防災対策の根幹をなす計画として位置づけられていると思います。
そこで、まず初めに、都道府県の地域防災計画はどのような位置づけで策定されるものなのか伺います。
○芝崎防災計画担当部長 都道府県の地域防災計画は、国の防災基本計画に基づきまして、当該地域の防災に関わりのある関係団体である国や市区町村、警察、消防など様々な主体が処理すべき事務や業務について広く定めるものでございます。
都におきましては、震災、風水害、火山、原子力災害及び大規模事故の五つの災害事象に対応した地域防災計画を策定してございます。
○本橋委員 ありがとうございます。
都は本年五月に、首都直下地震等による東京都の被害想定を十年ぶりに見直したところであります。これを受け、現在、東京都地域防災計画震災編の改定作業を進めていると聞いております。今回の改定のタイミングは、大きな節目であると考えます。
そこで、今回の地域防災計画の改定の狙いと現在の検討状況について伺います。
○芝崎防災計画担当部長 今回の地域防災計画の改定に当たりましては、被害想定において明らかになった被害の様相やこの十年間における各防災施策の取組の進捗、社会環境の変化等を十分に踏まえる必要がございます。
このため、まちづくり、ライフライン、マンション防災、家庭や地域の防災活動など、今後の防災対策において特に重要となる十二の重点施策を定めまして、予防、応急、復旧の視点等も踏まえながら、来年度早期の改定に向け、関係各局や関係機関等と連携し、個別具体的な検討を進めております。
○本橋委員 被害想定で明らかになった様々な課題などをあぶり出して、今後の対策を検討していく流れを確認させていただきました。
地域防災計画は、国や市区町村、関係機関など様々な主体の役割分担が整理されているとのことですので、各主体が連携し、ぜひ幅広な検討を進めてもらいたいと思います。
また、災害対応の多くは市区町村が担っており、また、都の地域防災計画が改定されれば都内の市区町村も地域防災計画を改定することになるため、ぜひ市区町村にも適宜情報共有しながら検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、災害時における物資の確保について伺います。
大規模災害の発生に備え、まずは住民自らが自助、共助による地域防災力を向上させる必要があることはいうまでもありませんが、いざ災害が起きれば、自助、共助では対応し切れない部分を行政が支援することが必要不可欠です。
都内に大規模災害が発生した場合、まず人命救助等が最優先だと思いますが、被災者が避難生活を送る上で必要となる物資を、市区町村と連携して確保することも大変重要だと考えます。
そこでまず、市区町村で物資が不足した場合、都が必要な物資をどのように調達し、市区町村に提供をするのか伺います。
○芝崎防災計画担当部長 大規模災害発生時は、被災市区町村において物資が不足するため、都は、こうした市区町村に対し、遅滞なく必要な物資を届けることが重要でございます。
都は、都内に多摩広域防災倉庫など複数の物資拠点を確保し、大規模災害時には、国や他県等からの物資を受け入れた上で、市区町村の物資拠点へ輸送等を迅速に行う体制を構築してございます。
また、発災後の時間の経過とともに変化いたします市区町村や被災者のニーズにも適切に対応できるよう、全国に店舗を有する大手小売チェーンなどと協定を締結し、多様な物資を調達できる体制を確保しております。
○本橋委員 都が、発災時に迅速に物資を確保、調達し、市区町村へ提供する仕組みについても確認をさせていただきました。今後も引き続き、災害時に都民に対して必要な物資が必要なときに届けられるよう、体制の充実強化に向けて、引き続き取組をお願いいたします。
次に、災害時の通信確保について伺います。
発災時において、被災状況などの災害関連情報は、関係機関による応急対策などの具体的な活動を展開する上で欠かせません。このような必要な情報を伝達するためには、発災時に機能する通信網を確保していく必要があります。
そこで、まず、東京都と各機関を結ぶ通信網について伺います。
○保家総合防災部長 大規模災害発生時には、都と各防災機関が情報を確実に共有できる通信環境が不可欠であり、現在都は、独自の防災行政無線ネットワークを整備しているところでございます。
本ネットワークは、都庁、各市区町村、防災機関などの間を相互に結んでおり、災害時でも確実に機能するよう、関東大震災規模の地震にも耐え得る設計となっております。加えて、仮に一つのルートに障害があっても他のルートによりバックアップできるようにしており、信頼性の高い通信網となってございます。
○本橋委員 発災時においても、防災機関同士の情報通信が確保されることは理解をさせていただきました。
一方、災害が起きたときには、私たち都民も、安否の確認や情報収集のため、通信環境が確保をされていることが大変重要であります。
十年前と比べ、情報通信を取り巻く環境は大きく変化をしております。国の調査によりますと、携帯電話契約数は約三倍、固定系ブロードバンド通信量は約十五倍に増加をしております。
私自身、日常生活における通信への依存が増大していることを実感しておりますが、このため、災害や停電等により通信が途絶すると、都民生活に大きな影響を及ぼすことが想定されます。こうした状況を踏まえて、現在、東京都地域防災計画の改定に当たってどのような議論が行われているのか伺います。
○保家総合防災部長 本年五月に公表しました被害想定においては、首都直下地震が発生した場合に、電気、上下水道、ガス等のライフラインの途絶に加え、携帯電話などの通信の途絶が発生する可能性が示されております。このため、都は、地域防災計画の改定に当たって、通信の確保を重点施策の一つとして位置づけ、東京都防災会議の下に、庁内関係局や通信事業者等で構成される部会を設置しております。
その中で、基地局の耐震化や非常用電源の長時間化など、災害時にもつながる通信基盤の確保や、災害伝言板の活用、早期復旧に向けた移動基地局車や移動電源車等の派遣など、予防、応急、復旧の観点から幅広く議論を重ねているところでございます。
こうした検討結果を地域防災計画に反映させ、災害に強い通信環境を確保してまいります。
○本橋委員 今回、都道府県や市区町村において策定することとなっている地域防災計画のうち、都の防災対策の根幹をなす東京都地域防災計画について、その位置づけや改定の狙い、現在の検討状況などを確認させていただきました。
特に、広域的な支援には、物資や情報通信の確保が欠かせません。今後も引き続き、体制の充実強化や各事業との訓練等により、多摩地域や島しょ地域をはじめ、東京の防災力をより一層高めるよう取り組んでいただくことをお願いさせていただき、質問を終わります。
○清水委員 どうぞよろしくお願いします。
私からはまず、マンション防災についてお伺いしたいと思います。
五月に公表された新たな被害想定では、都内では大量の住民を抱えるタワーマンションが増加する一方、発災時はエレベーターやトイレが長期間使用できない可能性があることや、住民同士の連携が弱まっているのではないかとの危惧が示されています。こうしたことから、マンションの防災の重要性が一層増していると私は考えています。
そこでまず、これまでのマンションの防災について、都はどのような取組をしてきたのか、お伺いいたします。
○八嶋防災対策担当部長 マンションでは、発災時にエレベーターやトイレが長期間使用できなくなるおそれがあることなどから、日頃からマンション特有の防災対策に取り組む必要がございます。
これまで都は、防災アプリ等でマンションの住民に対して、備蓄や住民相互の安否確認などの必要性を周知するとともに、管理組合向けに、マンション特有の防災対策が学べる東京防災学習セミナーを実施してまいりました。加えて今年度から、個人向けの東京防災ホリデーセミナーにマンション防災を学べるコースを新設してございます。
○清水委員 ありがとうございます。
私も、この東京防災学習セミナー、拝見させていただきましたけれども、初めて管理組合に携わる方も分かりやすいんじゃないかなという印象を受けました。東京都では、住民や管理組合に、マンション防災に取り組むためのセミナーなどを行っていくことが分かりました。
私は、マンションでは、住民による自治組織である管理組合の日頃の防災活動が重要であると考えています。
そこで、管理組合向けのセミナーの講習内容をお伺いいたします。また、その際、受講者にセミナーの内容に関するアンケートなど行っているかも併せて伺います。
○八嶋防災対策担当部長 東京防災学習セミナーでは、マンション管理組合向けに二つのコースを設けてございます。
一つはマンション防災の基本コースでございまして、地震発生時のマンションの被害の特徴や家具転倒、落下防止、ごみ、トイレの対策といった、住民が行うべき備え等について学ぶことができるものでございます。
もう一つは、みんなで進めるマンション防災コースでございまして、初期消火、安否確認、要配慮者の支援、マニュアル作成など、マンションの住民が協力して取り組む防災対策について学ぶことができるものでございます。
また、セミナー後に受講者にアンケートに協力をしていただいておりまして、アンケートの結果は年度ごとに集計し、次年度のセミナーの内容等に反映をしてございます。
○清水委員 ありがとうございます。
管理組合向けのセミナーの内容をお伺いいたしました。両コースとも大切な内容で、ぜひ多くのマンションの管理組合に受講していただき、日頃の防災活動に生かしてもらいたいと考えます。
そこで、東京防災学習セミナーの管理組合向けのコースの実績を伺います。
○八嶋防災対策担当部長 管理組合向けのセミナーを開始した平成二十五年度から今年度予定されている講習まで含めまして、マンション防災の基本コースとみんなで進めるマンション防災コースの実施回数は、合わせて四百八十三回となってございます。
○清水委員 ありがとうございます。
マンションの棟数は、東京都の十年前の数字しかないんですけれども、平成二十五年度に東京都が公表した調査では、東京の分譲マンションの棟数は約五万棟です。管理組合の数は把握していないということですが、把握するよう強く要望したいと思います。
管理組合は、棟数を考えると万単位の数になるかと思います。そのため、都内の管理組合に広くセミナーを周知していくことが必要ではないかと考えます。
そこで、これまでどのようにセミナーを周知してきたのかお伺いいたします。
○八嶋防災対策担当部長 東京防災学習セミナーの周知といたしましては、毎年募集を開始する時期にプレス発表を行うとともに、「広報東京都」や防災ホームページへの掲載、防災ツイッターでの発信など様々な広報媒体を活用して、都民に積極的に周知をしております。
加えて、東京都町会連合会の常任理事会を通じて都内の町会、自治会に周知することで、マンションの自治会や管理組合にセミナーへの参加を促してございます。
○清水委員 ありがとうございます。
都民に対し広く周知をしていただいているところですが、冒頭に申し上げたとおり、マンション防災の重要性は増しています。もう少し管理組合の皆さんに直接届くような方法というのを考えられないでしょうか。
そこで、今後マンションの管理組合等に対し、さらに防災活動に関する普及啓発を行っていくための都の取組をお伺いいたします。
○八嶋防災対策担当部長 より多くのマンションの管理組合に都のセミナーを知っていただき、セミナーの受講につなげるために、引き続き、あらゆる都の広報媒体を活用し、周知を行ってまいります。
加えまして、今後は業界団体と連携いたしまして、マンションの自治会や管理組合に対してリーフレットを作成し、セミナーのPRを積極的に行ってまいります。あわせまして、住民による訓練の実施や防災マニュアル作成の必要性なども周知することで、マンションの防災対策を促してまいります。
○清水委員 ありがとうございます。
セミナーの実施回数が七年間で五百弱ということで、万単位の管理組合数に対して、私としては少ないと感じております。都が実施している防災セミナーを受講することで、発災時の行動はもちろん、平時からの備蓄などの備えなど、マンションの住民は大きなメリットを享受することができるわけです。
もちろん、セミナーを受けていない管理組合が防災対策に取り組んでいることもあるかと思いますが、地震はいつ来るか分かりません。業界団体と連携することも大切ですが、もっともっと多くの管理組合にアクセスして防災セミナーの受講数を格段に上げてもらうように、都にはセミナーのPRなどもっと工夫をしていただければと強く要望いたします。よろしくお願いいたします。
次に、多摩・島しょ地域への移住、定住の促進についてお伺いいたします。
私の地元の西多摩地域や島しょ地域においては既に人口減少が始まっており、多摩地域全体でも、今後、人口減少局面に入ることが見込まれています。将来にわたり持続可能な地域社会を築いていくためには、積極的に移住、定住の取組を行っている市町村への支援など、都と市町村が連携して取り組んでいく必要があります。
我が会派の要望もあり、都では、多摩・島しょ地域への移住、定住の相談窓口を今年度新たに設置したところでありますが、窓口は有効に活用されているのか、市町村へのフォローが適切になされているのかの視点で、何点かお伺いいたします。
まず、移住、定住の相談窓口について、これまでの相談実績、相談内容についてお伺いいたします。
○木島多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、本年五月二十六日に、有楽町のふるさと回帰支援センター内に市町村の情報を一元的に集約した東京多摩島しょ移住定住相談窓口を設置いたしまして、専属の相談員が移住希望者の相談内容に応じてきめ細かい対応を行っております。
十月末までの累計相談件数は百一件であり、相談内容は、住宅に関する相談が三十五件、仕事に関する相談が二十三件、その他が四十三件となっております。相談者の移住希望地は、多摩が約五割、島しょ地域が約四割となっております。
相談員は、子育て支援策の内容や仕事情報の案内、空き家バンクを見ながらのアドバイス、実際に暮らすイメージを持つための現地訪問の提案などを行っております。その結果、相談者からは、やるべきことが見えてきた、相談してよかったとの感謝の声が寄せられております。
○清水委員 ありがとうございます。
今年の第一回定例会における私の一般質問を受けて、都として総合的な相談窓口を設置するなど移住、定住の取組が本格実施され、多くの相談にきめ細かく対応していることが分かりました。
私は、政策提案するに当たって様々な地域に足しげく訪れ、様々な地元の声を聞いており、移住、定住の取組を進めるに当たっても、地域の魅力や実情を把握している市町村との連携が不可欠であると感じています。都は、どのように市町村の声に耳を傾け、その取組のフォローを行っているのか伺います。
○木島多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都は、市町村との移住、定住に係るネットワークの強化を図るため、都と市町村の関連部署が参加する多摩・島しょ移住定住促進連絡会議を本年四月に設置し、市町村と情報共有を行いながら取組を進めております。
市町村との意見交換を実践する中で、移住、定住に関する知識を習得する必要がある、移住、定住施策の立案や取組をどう進めてよいか分からないなどの意見を伺っております。
これらを踏まえまして、市町村職員が移住、定住施策について学ぶセミナーを実施し、関係人口の創出の先進事例やセミナー開催のノウハウを紹介するなど、市町村の支援を行っております。
こうした取組によりまして、市町村の機運を高めるとともに、窓口の相談員の声も生かし、移住関心層に多摩・島しょの暮らしの魅力を伝えるセミナーを市町村と連携して開催するなど、移住、定住を促進してまいります。
○清水委員 ありがとうございます。
地域の魅力を伝え、相談件数が増えたとしても、移住者のために活用できる空き家が少なければ移住希望を満たせないなど、様々な課題があるのではないでしょうか。
例えば、私の地元奥多摩町では、空き家が五百軒あっても五十軒も紹介できないと聞いています。行政だけでなく、民間の知恵も借りつつ、全庁を挙げて、ボトルネックになっている部分の解決に向けて取り組むべきと考えます。
そこで、これまで移住、定住促進の取組を進めてきた中で見えてきた課題と、それを踏まえた取組の方向性についてお伺いいたします。
○木島多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 都はこれまで、市町村との意見交換のほか、相談窓口の活用等の情報共有を進める中で、地域側の支援体制の構築がこれからであること、移住へのきっかけづくりとなる取組が少ないこと、住宅等の受皿が不足している地域があることなど様々な課題を把握してまいりました。
こうした課題につきましては、多摩島しょ振興担当副知事をリーダーとする関係各局によります横断的な庁内プロジェクトチームで共有し、移住、定住促進のさらなる支援策を検討しております。
庁内及び市町村との緊密な連携の下での、都の窓口によるワンストップ相談、移住、定住セミナーの開催等による地域への訪問促進、空き家対策を含めた受入れ環境の整備等とともに、民間企業等の情報も活用するなど幅広い取組を検討、実施することで、多摩・島しょ地域への移住、定住を後押ししてまいります。
○清水委員 ありがとうございます。
移住、定住の様々な取組を積み重ねたとしても、その受皿となる住宅が確保できなければ、全ての取組が無駄になってしまいます。多摩・島しょの持続的発展に向けて、移住、定住の取組のさらなる拡充にぜひ取り組んでいただきたいと強く希望いたします。
最後、市町村総合交付金についてお伺いいたします。
喫緊の行政課題の一つである脱炭素化に向けた市町村の取組に対する財政支援についてお伺いいたします。
私が以前視察に行った群馬県上野村は、面積の九六%を森林が占めていて、林業振興による地域活性化の手法として木質バイオマス発電事業を実施していました。森林整備によって搬出された間伐材や製材所から出た端材を無駄なく活用し、そこで生み出された電気や熱をシイタケ栽培を行う地元のきのこセンターへ供給することで、木材の地産地消と地域のエネルギー循環を図っていました。森林を適切に伐採して、木材として利用し植え替える森林循環を進めることは、地球温暖化の緩和に大きく貢献します。さらに、取り出した木材を地域のエネルギーとして活用する上野村の取組は、脱炭素社会の実現に向けたモデルとなる好事例といえます。
東京においても、総面積の四割が実は森林であり、とりわけ西多摩・島しょ地域には広大な森林が広がっています。豊富な木材資源を有する都内の自治体においても、上野村のようなバイオマスを利用した取組が広がっていくことを期待したいと思います。
そこで、市町村の各種施策を財政面から支援する市町村総合交付金の政策連携枠を利用し、木質バイオマスをはじめとした再生可能エネルギーの導入など、脱炭素化に取り組む市町村を後押しすべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○武田行政部長 これまで、市町村総合交付金の政策連携枠によりまして、市町村の施策を支援してまいりました。今年度からは、脱炭素化に向けた市町村の取組を幅広く後押しするため、これまでの電気自動車の導入をゼロエミッションの推進へと改め、支援内容の充実を図っております。
具体的には、庁舎や公共施設への太陽光発電の導入やLED照明の設置のほか、バイオマス発電や風力発電など再生可能エネルギーに係る設備の導入経費等を新たに支援対象といたしました。
今後とも、市町村のご意見を十分に伺いつつ、多摩・島しょ地域の実情や課題を踏まえ、効果的な支援に努めてまいります。
○清水委員 大変前向きな答弁ありがとうございます。脱炭素化に向けて市町村が実施するバイオマス発電についても、新たに政策連携枠の対象となる旨の答弁をいただきました。
今後、市町村の積極的な取組を促すためにも、支援対象等の周知をきめ細かく行うとともに、市町村のニーズを捉えたより使いやすい制度となるよう、今後も改善を図っていただくことを要望して、私からの質問は終わります。大変ありがとうございました。
○小林委員 初めに、科学技術振興についてお伺いいたします。
かつて、日本は科学技術立国として世界のトップに立ち、高度な技術力を基盤として、優れた品質のものづくりなどが経済の活性化や雇用の創出にもつながってきました。
近年、その様相が一変しており、文部科学省の科学技術・学術政策研究所が発表している科学技術指標によると、世界に影響を与えた論文数で、日本は二〇一七年から二〇一九年では世界十位と、十年前の五位から大きく下落をしております。本年八月に発表された報告書によれば、日本は過去最低の十二位になりました。
科学技術の水準は、国力を表す重要なバロメーターであり、その衰えは、すなわち日本の衰退を意味するといっても過言ではなく、資源の乏しい日本が成長していくために科学技術は欠くことはできず、現状に大いに危機感を持って科学技術振興に取り組んでいかねばならないと考えます。
私たち公明党は、科学技術分野で再び世界をリードしていくために、科学技術イノベーショントータルプランの策定を掲げ、取組を進めております。
国において、科学技術立国を目指して加速度的に前進していかねばなりませんが、国を牽引すべき東京も、科学技術振興に一層の力を入れていくべきと考えます。
総務局の事業として、科学技術の振興に関する事務が挙げられておりますが、都民生活の向上や産業の発展に不可欠な科学技術の振興について、都としても全庁を挙げて取り組むべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 国の科学技術・イノベーション基本計画におきましては、科学技術の振興について、現代における地球規模の危機を克服し、持続可能で豊かな社会を実現するためには多様な知の創出が重要であるとしております。都におきましても、東京の持続的な発展を図るため、先端の科学技術を取り入れた政策などを全庁を挙げて積極的に展開しております。
その内容についてでございますが、例えば感染症対策や脱炭素など社会課題の解決に資する研究の推進、あるいは革新的なデジタル技術等の社会実装の促進、さらには情報、理数教育の強化をはじめとした人材育成など非常に多岐にわたっておりまして、こうした都の各部局による重層的な取組は、科学技術の振興につながっているものと考えております。
○小林委員 私は都議会に議席をいただく前に国会議員の秘書をしておりましたが、一九九九年、秘書をしていた議員が当時の科学技術庁の総括政務次官に就任をいたしました。そのときに行われた科学技術週間の標語募集で最優秀に選ばれたのは、当時小学校三年生の児童の作品で、よく見て感激、調べてびっくり、科学って面白いというものでございました。科学の醍醐味を見事に表現した標語と感銘を受けましたが、科学技術の振興にあって、次代の子供たちが科学に興味を持っていくための取組を進めていくために、二〇一一年の第四回定例会の一般質問で私は、当時の首都大学東京における、科学技術への興味を高める事業の推進を質問いたしました。
総務局が設置する現在の都立大学をはじめとする教育研究機関は、都として科学技術の振興を図る上で柱の役割を果たすべきものと考えます。
そこで、都立大学、産業技術大学院大学の二大学及び産業技術高等専門学校における科学技術の振興の取組についてお伺いいたします。
○片山企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都立の二大学一高専は、高等教育機関として研究開発、人材の育成や、その成果の社会への還元などに取り組んでおりまして、こうした各校の活動は、それ自体、科学技術の振興、発展を図る取組であると認識しております。
研究活動では、一例を挙げますと、人工光合成の研究や超高精度GPSの開発など、最先端技術の創出につながるプロジェクトを、都立大を中心として展開しております。
また、教育面におきましては、各校がそれぞれの強みを生かしながら、ICT、ものづくりや応用科学などの各領域において、産業技術の発展を支えるスペシャリストの育成に取り組んでおります。
また、こうした教育機関としての本来的な活動に加えまして、次代の東京を担う小中学生の児童生徒に対し科学技術の面白さを楽しみながら学んでもらう機会を提供するため、ペットボトルロケットや自律走行型ロボットの製作体験イベントなどを開催するといった取組も行っております。
○小林委員 ありがとうございます。
先ほども触れましたが、文部科学省の科学技術・学術政策研究所が二〇二〇年に行った科学技術に関する国民意識調査によれば、科学技術に関するニュースや話題に関心がありますかとの問いに対し、六一%が関心があると答えておりました。また、科学技術の発展にはマイナス面よりプラス面が多いと回答した人は七一%、科学技術の進歩につれて生活はより便利で快適なものになると回答した方も七一%いらっしゃいました。科学技術の発展の期待は、非常に高いのではないかというふうに思います。
科学技術の進歩は近年ますます加速化しており、技術革新や新たな産業創出に向け、世界各国がしのぎを削っております。都の人材育成の基幹的な拠点である二大学一高専は、積極的に科学技術振興に取り組み、東京都、そして日本を支える科学技術力を持った人材の輩出に、なお一層力を注いでいただくことを要望したいと思います。
また、先ほどご答弁にもありましたが、都庁の中におきましては、各局で様々な科学技術振興の取組がなされているというふうに思います。その意味で、科学技術振興は総務局だけにとどまらず、各局にまたがる取組でもあると思いますので、これは政策企画局の方に申し上げるべきことかもしれませんが、都としても一層科学技術振興に取り組んでいくために、東京科学技術戦略ともいうべきプランの策定なども今後の検討課題としていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、行政不服申立てについてお伺いいたします。
都民生活に身近な場面で様々な行政処分が行われています。こうした行政庁等が下した処分に対し、私も様々ご相談をいただくこともございます。
行政処分は法令に基づき行われているとはいえ、都民や事業者がこれを不服とする場合、訴訟によらず、より簡便に都民の権利、利益の救済を図る制度として行政不服審査制度があります。私もご相談をいただく中で、こうした制度をご相談者にお話をさせていただくこともございます。
改めてお伺いいたしますが、都民が行政との関わりの中で、どのような場合に行政不服審査制度による審査請求をすることができるのか、また、具体的にどのように請求の手続を行っていくのかお伺いいたします。
○松下訟務担当部長 行政不服審査法に基づく審査請求は、法令に基づく申請に対する決定や許認可等の取消し等、行政庁の処分に関し不服がある場合にすることができます。また、法令に基づく申請から相当の期間を経過しても行政庁が申請に対して何らの処分をもしない、いわゆる不作為がある場合もすることができます。
審査請求は、法令で定められた審査請求先の行政庁に対し、必要事項を記載した審査請求書を提出することで行うことができ、申立て費用は必要としておりません。
具体的な審査請求の手続や審査請求書の記載事項は、都のホームページで案内しております。
○小林委員 令和三年度においては、都知事に対し七百九十三件審査請求が行われていますが、この七百九十三件の事案の内訳についてお伺いいたします。
○松下訟務担当部長 審査請求七百九十三件の内訳ですが、福祉、衛生関係が四百五十三件と最も多く、このうち生活保護関係が二百五十件、障害者手帳関係が百十件ございます。
次に、公文書の開示決定等の情報公開関係が百四十一件、固定資産税の課税処分等の税務関係が九十九件、市街地開発事業に係る権利変換処分等の都市計画、区画整理関係が三十二件、その他が六十八件となっております。
○小林委員 ありがとうございます。
福祉、衛生関係を中心に、都民に非常に身近な問題について、公正な判断を求めて審査請求が行われていることがうかがわれますが、審査請求の公正性、客観性を担保していくことは当然のことながら重要であります。
行政不服審査法の改正により、平成二十八年四月、第三者の立場から処分や審査の妥当性についてチェックする行政不服審査会への諮問手続が導入され、審査会には重要な役割が期待をされています。
情報公開など条例に定めがある場合などを除いて、様々な行政処分に係る審査請求が東京都行政不服審査会に諮問されております。
行政不服審査会の委員は、法令に照らして行政処分の適否を正しく判断するため、高度な専門性を求められると考えますが、この点の取組について見解をお伺いいたします。
○松下訟務担当部長 審査会は、審査庁から諮問を受けた審査請求事案について調査審議することを目的として設置された知事の附属機関であり、法令解釈を含む審査庁の判断の妥当性を第三者の立場からチェックし、審査庁に対して答申を行っております。
この審査会は、関係法令等にのっとり行政処分の適否について判断する必要もあることから、委員は関係各法や様々な行政処分に精通するとともに、近時の訴訟の動向も踏まえた上での見解が期待されるなど、高い法的知識を求められております。
このため、委員の選任に当たっては、法令の解釈に関して専門的識見を有する行政法学者、元裁判官、行政事件に詳しい弁護士などの法律の専門家や豊富な行政実務経験を有する者の中から、女性や若手の有識者の登用も図りながら、公正な判断を行うことができると認められる者を選任しております。
○小林委員 ありがとうございます。
不服申立ては、さきにご答弁があったとおり、膨大な件数と多様な案件があるかと思います。
私も、この不服審査の話をご相談者の方としますと、どうせ却下されるよという形のご意見等もあるのが事実でございますけれども、この行政不服審査会の答申において審査請求人の主張が認められた事案はどの程度あるのか、お伺いいたします。
○松下訟務担当部長 審査会の答申において審査請求人の主張の全部または一部が認められた事案は、令和三年度は十一件ございます。
審査会への諮問手続は、審査庁による裁決の客観性、公正性を高めるため、平成二十八年施行の行政不服審査法の改正により新たに導入された制度であり、法の趣旨を踏まえ、第三者機関としてその機能を十分に果たせるよう取り組んでまいります。
○小林委員 審査請求人の主張が認められた事案も十一件あるとのことで、違法、不当な行政処分などによって権利、利益を侵害された方の救済手段として、行政不服審査制度により都民の権利、利益が正しく確実に守られるようにすることは大変重要であると思います。
こうした行政不服申立てについては、行政処分が行われた段階で制度についてはお知らせされているかと思いますが、今後もより分かりやすく、そしてより丁寧な制度の周知に取り組んでいただきたいと思います。
次に、防災対策についてお伺いします。
私は、二〇〇九年の初当選時、初めて委員会で質問をさせていただいたのが総務局に対してでありました。
当時、東京都地域防災計画の大規模事故編の修正があり、このことについて質問させていただきましたが、今回、総務局の事務事業概要、改めて拝見をしましたが、十三年前と比べて、東日本大震災を教訓として様々な取組が進捗していることを改めて実感したところであります。
防災対策については当時より東京都地域防災計画があり、修正に向けて活発な議論も現在なされておりますが、その後、東京都防災プランや国土強靱化法に基づく東京都国土強靱化地域計画が策定をされております。
そこで、この東京都地域防災計画と東京都防災プラン、東京都国土強靱化地域計画の関係性についてお伺いいたします。
○芝崎防災計画担当部長 東京都防災プランは、東京都地域防災計画で定めた都の役割に応じまして、地震、風水害、火山等の自然災害に対する防災対策を迅速かつ計画的に推進していくために策定する事業計画でございまして、現在のプランは令和三年度から五年度までの三か年を計画期間としてございます。
また、東京都国土強靱化地域計画は、東京都の地域において強くしなやかな都民生活の実現を図るため、東京都地域防災計画などの都の防災計画や、それに基づく具体的な取組の指針として、国土強靱化基本法に基づき定めるものでございます。
○小林委員 東京都防災プランは防災施策を具体的に進めていくための事業計画、そして東京都国土強靱化地域計画は地域防災計画などの計画や防災施策を束ねる役割を果たすとのことですが、現在、総務局が東京都地域防災計画震災編を改定する中、政策企画局と都市整備局においては、都民の安全・安心を確保できる強靱で持続可能な都市を形成するために、仮称都市強靱化プロジェクトの策定作業が現在進められております。
この都市強靱化プロジェクトは、風水害、地震、噴火、災害時の電力、通信、感染症という視点に立って検討されていると仄聞しておりますが、今後予定されている地域防災計画震災編の改定については、このプロジェクトと相互に連携を図りながら検討を進めていく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
○芝崎防災計画担当部長 東京都地域防災計画と、仮称でございますが都市強靱化プロジェクトは、共に東京の防災力の向上に資する取組であるため、両者が緊密に連携を図っていく必要がございます。
このため、東京都地域防災計画の震災編の改定を進める上では、その検討状況を関係局と適時適切に共有するとともに、都市強靱化プロジェクトの推進会議の下に設置されている地震火山部会に対し必要な助言を行うなど、緊密に連携を図ってございます。
○小林委員 防災は分野横断で、地域を挙げて取り組むべき施策になります。複数の計画やプロジェクトを通じて、重層的な視点から今後も事業を推進していただきたいと思います。
次に、発災時に、こうした幅広い分野にわたる防災事業を強力に進めていくに当たって欠かすことのできない都政における業務継続体制、いわゆる都政のBCPについてお伺いいたします。
以前、総務委員会に在籍していた際にもこのBCPについては何度か取り上げてきましたが、都が最初に都政のBCPの地震編を策定したのが平成二十年であり、その後、平成二十九年に東京都業務継続計画、都政のBCPとして改定をされました。
そこで、平成二十九年の都政のBCPの改定の狙いと、現在における課題の認識についてお伺いいたします。
○芝崎防災計画担当部長 平成二十三年の東日本大震災や平成二十八年の熊本地震では、一部の被災市町村において想定外の事態による職員の不足や、他自治体等からの応援職員受入れ時の混乱などにより業務継続が困難となる事態が発生いたしました。
このため、平成二十九年に改定した都政のBCPでは、発災直後に着手する業務の絞り込みや他県等からの応援職員の円滑な受入れなどの執行体制の確保、BCP未策定の区市町村への支援などを新たに位置づけたところでございます。
今後、激甚化、頻発化している大規模風水害にも対応できる業務継続体制を確保していく必要があると認識してございます。
○小林委員 ただいまご答弁のありましたとおり、大規模風水害は頻発しておりまして、気候変動に伴う地球温暖化などにより、今後さらなる激甚化、頻発化も懸念されるところであります。また、現在蔓延している新型コロナウイルスのように感染症のリスクもあります。いつ起こるとも知れない様々な危機に対しても都民の安全・安心が確保されるよう、このBCPの改善を継続的に着実に行っていただきたいと思います。
次に、東京都防災アプリについてお伺いします。
二〇一一年に東日本大震災が発災した直後、私は防災対策の一つとして、情報提供を的確、迅速に行っていくために、当時急速に普及されてきたスマートフォンを活用して防災情報を集約するようなアプリの開発を行っていくべきではないかと、当時の総務局の担当課長と意見交換をさせていただきました。
当時、都庁内でアプリを作成、活用していたのは交通局のみだったと思いますが、まだまだアプリの活用という機運は、都庁内では、その当時はそんなに高くなかったのではないかと思います。
また、都議会公明党は二〇一二年の第二回定例会の一般質問で、帰宅困難者への情報提供の方策として独自の専用アプリを作成し、多くの人が活用できるようにすべきとも提案をいたしました。
翌二〇一三年の予算特別委員会の私の質問で改めてこうした点を取り上げて、当時の総務局長より、防災情報を集約したポータルサイトを立ち上げるとの答弁があり、運用が開始をされました。そして、その五年の時を経て、二〇一八年三月に東京都防災アプリの提供が開始された際は非常に感慨深いものがございました。
非常に多機能なアプリとなっておりますが、改めて東京都防災アプリの主な機能と現在のダウンロード数についてお伺いいたします。
○保家総合防災部長 東京都防災アプリは、「東京防災」や「東京くらし防災」といった防災に役立つ情報が記載された冊子の情報を簡単に閲覧、検索できる機能や、ゲームやクイズなど気軽に災害の備えを学べるコンテンツを備えております。
また、登録した地域に警報等が発令された際、プッシュ通知で避難情報が配信されるなど、スマートフォンの特性を生かした機能も備えており、これまでに約七十三万件ダウンロードされているところでございます。
○小林委員 現在、七十三万件のダウンロード数とのことですが、さらに多くの方々が使いやすく興味を持ってもらえるようなアプリを構築することが大切であると思います。
そのためには、順次必要な機能を追加しながら、都民にこのアプリが役に立つと実感してもらうことが大切であります。
都議会公明党は、水害に関する機能の追加などアプリの機能強化も提案をしてまいりましたが、これまでに行ってきたアプリの改修の取組についてお伺いいたします。
○保家総合防災部長 令和元年度に洪水や高潮による浸水リスクなどを視覚的に表示できる水害リスクマップを追加しますとともに、令和二年度には雨雲レーダーを閲覧できる機能を追加いたしました。加えて昨年度、区市町村が開設した避難所の混雑状況をデジタルマップ上に表示するとともに、Jアラートの情報をアプリを通じて配信するなど機能を充実させてまいりました。
○小林委員 水害リスクマップや雨雲レーダーなど便利な機能が順次追加されていますが、昨今、大型の台風が多くなるとともに、短時間に狭い範囲で非常に激しく降る雨も頻発をしております。このような台風、大雨のときにどのような行動を取るべきか、スマートフォンで日頃から確認できる防災アプリを利用する取組はとても重要であると思います。
そこで、風水害時に防災アプリを活用できるよう、情報の拡充や発信に取り組んでいくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○保家総合防災部長 今年度、風水害からの避難に必要な知識を習得しながら適切な避難行動を事前に学ぶことができる東京マイ・タイムラインを防災アプリ上で作成できるようにしますとともに、雨雲レーダーによる降水予報をこれまでの一時間先から十五時間先まで拡大するなど、利用者のニーズに応じたコンテンツの充実に取り組んでまいりました。
今後、年度内に、都が観測している河川の水位情報や降雨量等をリアルタイムに提供する水防災総合情報システムと連携しまして、都が管理する河川の氾濫危険情報をプッシュ通知で発信するなど、防災アプリのさらなる機能拡充により都民の適切な防災行動につなげてまいります。
○小林委員 私の地元練馬区には石神井川という川が流れており、夏の台風やゲリラ豪雨の時期は溢水の懸念があり、私も河川水位を頻繁に確認しておりますが、今ご答弁にありましたように、こうした情報が新たに防災アプリの機能に追加されるということは個人的にも大変ありがたいことであります。
発災時には、自治体が様々な取組や情報提供を行っていても、都民に届かなければ意味がありません。必要としている都民、事業者に情報を届け、利用してもらう、そして活用してもらうことが何よりも重要であります。都民の防災意識へのさらなる向上を図るためにも、アプリというツールは多くの方々に気軽に関心を持ってもらうことができる重要な取組であると思います。
私も、地域の町会等の防災訓練にお邪魔した際には、必ずこの防災アプリのお話をさせていただくようにしております。今後も都民一人一人に、防災意識を高めるため、防災対策に関心を持ってもらうために、多機能でかつ分かりやすい、利便性に富んだアプリの充実に取り組んでいただき、一層の普及啓発の取組を進めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○松田委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後六時五十五分休憩
午後七時十六分開議
○松田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○原委員 それでは最初に、身分併有型任期付職員について伺います。
身分併有型任期付職員とは、民間企業等を退職せず、籍を置いたまま東京都の職員として仕事をする職員のことですが、昨年の十二月一日、都は、民間企業の従業員の身分を併有する任期付職員に適用する公務の公正性の確保に関する基準を制定しました。なぜこの基準を制定したのか伺います。
○石橋人事部長 令和二年度に総務省が公表した自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画において、自治体が外部人材を任期付職員として任用する際、民間企業の雇用関係を継続し、従業員としての地位を保有したまま任用することが可能との見解が示されました。
これを受け、都も身分併有型任期付職員を活用することとしましたが、任用に当たり、官民癒着等の疑念を抱かれることのないよう、公務の公正性を確保するため、独自に、民間企業の従業員の身分を併有する任期付職員に適用する公務の公正性の確保に関する基準を定めることといたしました。
○原委員 これまでにデジタルサービス局では、身分併有型任期付職員制度の活用も可能な職員募集を行っていますが、この基準はデジタルサービス局に限ったものではないわけです。他局で募集しているものはありますか。
○石橋人事部長 現時点では、その他の事例はございません。
○原委員 デジタルサービス局以外では事例はないということです。
では、どういう職種について身分併有型を考えているでしょうか。どのようなメリットがあると考えていますか。
○石橋人事部長 任期付職員制度は、法律上、特定の職種に限定されるものではなく、様々な行政分野で活用が可能であります。本制度は、専門的な知識や経験を有する者を外部から任用する際、民間企業等の退職を前提としないことから、応募者の選択肢を広げ、より一層柔軟な人材確保が可能となるものと認識しております。
○原委員 今メリットを聞いたんですけれども、ちょっと一点伺いたいんですけれど、反対にデメリットというのはどういうものを想定されていますか。
○石橋人事部長 今回の制度につきましては、外部から任用する際、選択肢を広げるということですので、メリットとしては考えておりますが、デメリットとしては考えてございません。
○原委員 デメリットとしては特に考えていないということですが、最初のご答弁にあったとおり、公務の公正性を確保するために、やはりこういう基準が必要だという判断があるということではあるんだなというふうに思います。
それで、身分併有型任期付職員を導入している他県などの状況は把握していますでしょうか。どのぐらいの自治体がどういう分野で導入しているのか伺います。
○石橋人事部長 総務省の調査結果では、令和二年四月一日時点において、全国の地方自治体で合わせて三十九名の任用実績があり、デジタル分野のほか、シティプロモーションなどでの任用事例があると聞いております。
○原委員 全国で三十九名の任用実績ということですから、決して大きく広がっているという状況ではないのかなというふうに受け止めました。東京都で働いている間は企業から給与は受け取らない、辞めてから二年間は都に在職していたときの部署との間における特定の業務には就かないというふうに規定もしていますけれども、改めてその理由を伺います。
○石橋人事部長 身分併有型任期付職員は、地方公務員法に定める営利企業への従事等の制限の適用を受けており、自ら営利企業を営み、または報酬を得ていかなる事業もしくは事務に従事してはならないとされています。
また、国の官民人事交流法においては、民間企業から交流採用した職員に対し、任期中、交流元の民間企業が給与等を支給することを禁止しております。
これらを受けて、本基準第六条においても、身分併有元企業は身分併有型任期付職員に対し、その任期中、金銭、物品その他の財産上の利益を贈与してはならないと規定しております。あわせて、公正な都政運営、都民の信頼確保等の観点から、国の官民人事交流制度における運用なども踏まえ、退職後二年間は一定の業務について従事制限を課しております。
○原委員 やはりリスクはあるということから、このような基準を設けているのだと私は思います。都として基準をつくるという判断は大事だと受け止めていますけれども、しかし、企業に籍を置きながら都にいる間だけは給与を受け取らないとするなどの一定のルールだけで、果たして癒着や不正を防ぐのに万全といえるのかどうかというふうにも思います。
公務員の役割は大変重いものであって、自治体の在り方が問われている問題だと受け止めています。私自身は、やっぱりこれは、身分併有型の職員をどんどん採用するというやり方は進めるべきではないという意見を強くいっておきたいと思うんですね。
それで今回も、デジタルサービス局では、高度人材を集めたいということが動機になって募集をしたわけですけれども、実際には身分併有型での採用は、まだ今の時点ではないということですよね。
一方で今度は、デジタル関係でいえばGovTech東京までつくって、今度は給与の差もつけて高度人材を集めようという、そういう方向に今動いていますよね。東京都は、ICT職を正規職員として採用しているわけで、しかし、GovTechを東京都が出資をしてつくって、そちらには給料を高くしていくと。
私は、東京都で働いてくださる方、特にICT職で採用された方と、そして、なかなか高度人材が集まらないからといって、東京都が出資をして新たな団体をつくってそこは給与を上げるというこのやり方が、果たして自治体がやることかなというふうに私は思っているんですね。
都の職員の皆さんが意欲を持って働ける職場であるように、これらの政策は見直した方がいいというふうに思いますし、とりわけ身分併有型の任期付職員については、これを推進していくというのはここで改めるべきだと、見直すべきだという意見を述べておきたいというふうに思います。
次に、犯罪被害者支援について質問します。
第四期犯罪被害者等支援計画は、二〇二一年度から二〇二五年度までの五か年間となっています。進行管理に当たっては、学識経験者及び犯罪被害者等で構成する犯罪被害者等支援施策検討委員会を設置して、犯罪被害者等支援計画の進行管理に関することについて、毎年度専門的な見地から意見を聴取していると聞いています。
その上で伺いたいんですけれども、第四期計画には、計画期間中であっても国の施策の展開、犯罪被害者等のニーズ、犯罪被害者等を取り巻く状況の変化に合わせて必要な見直しを行うと書かれています。
困難女性の支援新法やAV出演被害防止・救済法など、新しい法律もできた中で、見直し、支援強化が必要ではないかと思いますが、まず見解を伺います。
○吉村人権部長 本年六月に施行されたアダルトビデオ出演被害防止・救済法では、地方公共団体に対し、相談体制等の整備や社会福祉施策等との連携による適切な支援の提供を求めており、都では既に、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターや同センターに配置したコーディネーターが、区市町村等の関係機関と連携しながらこうした取組を実施しております。
令和六年四月から施行される困難女性支援法につきましては、現在、国において基本方針の検討中であり、今後、関係局と連携しながら対応してまいります。
引き続き、第四期犯罪被害者等支援計画に基づき、支援センターにおける支援の強化に努めてまいります。
○原委員 私は、五か年の中で中間の見直しというのをしっかりやってもいいかなという意見を持っていますけれども、でも、今ご答弁の中で、第四期支援計画に基づいて支援の強化に努めていくというお話がありました。これはぜひ、さらに進めていただきたいと思います。
それで、同時に今大事なのは、実態をいかに把握するかだと思います。犯罪被害者等の実態に関する調査が二〇二〇年一月に実施をされて、その結果を踏まえて、第四期の計画で拡充された取組も幾つもあるというふうに認識をしています。
今後の予定とかいろいろ聞こうと思いましたが、少しはしょりまして、先に進んで聞きたいんですけれども、今後の実態調査において力を入れていただきたい、そのことについて伺いたいんですね。
例えば、痴漢被害なども位置づけられるようになって、性暴力被害の調査、これはより充実をさせていただきたいということを求めておきたいんですが、同時にその中で、私は二次的被害について詳しく調査をすることが必要ではないかと今思っているんです。
そこで伺いたいんですけれども、改めて二次的被害とはどういうものだと定義をしているか、お聞きいたします。
○吉村人権部長 令和元年度に実施した実態調査では、二次的被害についても把握する趣旨で質問項目を設定しており、犯罪被害者等が他人の言動や態度により傷つけられたことがある状況についての回答として、加害者側の対応だけでなく、友人や知人の言動やインターネットでの書き込み等が挙げられました。
都は、こうした調査結果等を踏まえ、犯罪被害者等支援条例において、周囲の者等による偏見や無理解による言動、配慮に欠ける言動のほか、インターネットを通じて行われる誹謗中傷や報道機関による過剰な取材等により犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛等の被害を二次的被害として定義しております。
○原委員 とりわけ性暴力を受けて二次被害を受けるということについては、本当に改めて調査もしながら、そういうことを起こさないような、そういう啓発が求められていると思っているんですが、ちょっと具体的な事例で伺いたいというふうに思います。
現在、二十代の女性の方ですが、十代後半に性暴力被害に遭っています。信頼できる大人たちがたくさんいるグループの中で、最も相談に乗ってくれる人が加害者となりました。
被害に遭っている間、ちょうどその被害に遭っているときですね、そのことを彼女はこういうふうにいっています。息ができなかった。何が起きているのか理解できなかった。怖くないと聞かれてうなずいた。本当は怖かったけど、拒否すれば殴られるんじゃないかと怖かった。いいと聞かれてうなずいたと話しています。
彼女は、このときの出来事を自分がノーといえなかったせいだ、相手との距離を取らなかったせいだと思って、ずっと自分を責めていました。今でも思い出せば叫びたくなるようなことで、今でも苦しくて忘れたくて、できるなら記憶に蓋をしておきたい、その苦しさと自己嫌悪に今も苦しんでいると話しています。
さらに深刻なのは、その被害の後のことです。信頼していたほかの大人の人たちから性暴力被害をハニートラップだと決めつけられて、病気と決めつけられ、そしてそれを広められてグループから排除をされます。SNSを使って、直接、間接に攻撃を受けます。大人が集団で未成年に対していじめるという構図になったわけです。話をしたいといっても拒否をされて孤立をしていきます。
その後、その人たち、その大人たちがいそうな場所にはもう行けないという事態になって、思い出すとフラッシュバックするという状況に苦しむということになります。その後、複雑性PTSDと診断をされています。
今話したことですけれども、このケースは二次的被害に当たるというふうに当然思うんですけれども、見解を伺いたいと思います。また、このような場合の被害者本人に、メンタル面も含めてどういう対応ができるのか伺います。
○吉村人権部長 犯罪被害者等支援条例では、周囲の者等による偏見や無理解による言動等のほか、インターネットを通じて行われる誹謗中傷等により犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛等の被害を二次的被害として定義しております。
これに該当し、支援が必要になった場合は、東京都の総合相談窓口や性犯罪等被害者ワンストップ支援センターにおいて相談を受け付け、被害者の状況に応じて面接相談、警察等への付添い、医師等による精神的ケアを行っております。
また、被害者がインターネット上の誹謗中傷に関する相談を希望する場合には、人権プラザにおける法律相談を紹介するなど、関係機関と連携して対応しております。
○原委員 先ほどの事例は、まさにセカンドレイプなわけですね。それも、二重三重に、一回、二回とかではなくて二重三重にやられるというところが、もう本当に深刻だというふうに思うんですね。
今とても注目されているのは、伊藤詩織さんを中傷するツイートにいいねを何度も押したことについて、杉田水脈議員に対して裁判が行われていて、逆転勝訴をしていますよね。これは東京高裁ですけれども、杉田議員が過去に伊藤さんをやゆする発言をしていたことなどを踏まえて、いいねを押したことは、これに好意的、肯定的な感情を示すために行われたものと認められ、伊藤さんの名誉感情を侵害するものと認められる。約十一万人ものフォロワーを擁する杉田議員のツイッターで行われたもので、国会議員であるからその影響は大きいと認定をされていますが、そういうふうに、この問題は、本当に勇気を出していってくださる方が今たくさん出てくる中で動いてきているんですよね。
先ほどの事例として挙げたその彼女にも、私も許可も取ってここでお話ししているんですけれども、先ほどの例も、大人が未成年に対してSNSも使って行ったというそういう二次的被害ですから、加害ですから、そういう点でも非常に重大だということが分かっていただけるのではないかというふうに思います。
それで、ぜひ今後のいろんな調査の中で参考にしていただきたいなというふうに思っているのが、今年の三月十一日から四月三十日の間に、NHKが性被害に遭った方やそのご家族に実態調査を行っています。三万八千三百八十三件もの回答が寄せられたと発表されていますが、この調査で分かったのが性被害後、長期間にわたって心身の不調にさいなまれている人は非常に多いということ、被害後の周囲の反応や対応によって傷ついていること、特に、身近な人に傷つけられているということがはっきり分かる調査結果でした。
先ほど引用してくださった東京都の調査でも、かなり二次的被害について分かる部分があるんですが、このNHKの調査はさらに踏み込んだ調査をしています。性被害後の早い対応と周りの理解が、回復のためにはとても重要だということがよく分かります。
それで、私は改めてお願いしたいと思うのは、誰もが加害者になる場合があるということを含めて広く周知、啓発することを求めたいのですが、いかがですか。
○吉村人権部長 都は、二次的被害について広く都民の理解を深めるため、被害者やご遺族の講演会を実施するとともに、リーフレットを作成し、区市町村等の関係機関の協力も得ながら配布するなど啓発活動に取り組んでおります。
今年度は十一月二十五日から明日十二月一日までの犯罪被害者週間に合わせて、電車内や街頭のデジタルサイネージ等を活用して啓発動画を配信しております。
○原委員 都のリーフレットで被害者向け、あるいは被害者がどういう気持ちかなどを周知する、それはとてもリーフレットとして大事だと思っています。で、私はそれに加えて、それは加害だということが分かるような啓発を強化してもらいたいと思っているんです。
まだまだ自分は加害側になることはないと、人ごとの受け止めが社会では本当に多いんですよね。誰もが被害者にもなる場合もあるけれども、加害者にも誰でもなり得るんだということを据えて、周知をするということが必要だと思っているんです。
それで、最後に一点だけ伺いたいんです。そういう啓発の資料、リーフレットも含めて、そういうことをぜひ検討していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
○吉村人権部長 引き続き、様々な工夫を凝らしながら、効果的な啓発活動に取り組んでまいります。
○原委員 前向きに検討していただくことを強く求めておきたいと思います。
それでは最後に、人権プラザ企画展、附帯事業の問題について伺います。
八月三十日から本日十一月三十日まで開催されてきた東京都人権プラザにおける企画展、あなたの本当の家を探しに行くの附帯事業について、十月二十八日に飯山由貴さんにより、東京都の歴史修正主義とレイシズムによる検閲反対との記者会見が行われました。これは私も記者会見を拝見しました。
まず、こういう状況に至った経緯について、人権部としてはどのように捉えているのか伺います。
○吉村人権部長 都と指定管理者である人権啓発センターとの協定に基づき運営されている人権プラザでは、毎年度三回程度企画展を実施しており、今年度第二期は障害者と人権をテーマとして実施することとしておりました。
企画展の効果を高めるために連動して実施している附帯事業につきまして、五月にセンターから、飯山氏へのインタビュー動画や飯山氏の映像作品であるIn-Matesの上映とトークを含む事業計画案がセンターの担当者から人権部の担当者に、検討段階のものとして提出されました。
このうち、In-Matesについては今回の企画展の趣旨に合わないと考え、都からセンターに再検討を依頼しました。その後、八月にかけてセンターと飯山氏が附帯事業に関する調整を行い、八月中旬にセンターから人権部に対し、実施内容はインタビュー動画の制作、配信とすることで飯山氏から了承を得た旨報告がありました。センターと飯山氏側が同内容を含む委託契約を八月二十四日付で締結しました。企画展は八月三十日から、附帯事業は十月二十一日から実施しております。
○原委員 人権部から見ての経緯は今おっしゃられたことだというふうに思うのですが、これについては飯山さん側からは、また別の意見も出ているということを聞いています。
それで私は、人権プラザの企画展及び附帯事業については、東京都と指定管理者である人権啓発センター、この間で締結されている基本協定があります。この基本協定に位置づけられたものとして実施をされるということですよね、これがまず基本です。
そこに立って実施をされていくんですが、じゃあ、何で今回のようなことが起きたのかということが、これは検証していく必要があると思っていて、今私が知っているだけの材料では、これはちょっとまだ検証し切れないなというふうに思っているんですね。
企画展のそもそもの在り方、その基本協定に基づいた在り方を踏まえながら、東京都の関与の仕方はどうだったのか、人権啓発センターや専門員の役割はどうであったのか、そこをきちんと検証していくという必要があると思います。
本来、現場でよく話し合って、企画展、よりよいものをつくり上げていくというものだと思いますし、また、芸術作品については様々な捉え方があるのは当然であって、その中で、企画展、附帯事業の目的にふさわしいものが展示をされていくということだと思うんですね、通常の流れは。そうした基本に立って、今回の問題どうなのかということが一つ、検証すべきテーマとして私はあると思っています。
ですので、現時点ではその関係については議論をすることは難しいと思うので、今分かっている、はっきりしていることで問題点、見過ごすことができない問題点について質問していきたいと思います。
今回の経過の中ではっきりしているのは、先ほど五十嵐理事からも配布をされた五月十二日付の人権部職員から人権啓発センターに送られたメールの存在、これに端を発しているということだと思うんです。これはもうはっきりしているんですよね。
それでこのメールでは、In-Matesについて仮に附帯事業として扱うとしても、下記三点について誤解が生じないよう十分配慮する必要があるのではないかというふうに述べて、その一番目に、メールでいうと〔1〕として書かれていますけれども、関東大震災での朝鮮人大虐殺の問題についてが書かれているわけです。この歴史認識がこういうふうに書かれていて、普通に読めば、先ほど五十嵐理事も指摘をされたとおりだと思うんですけれど、これを普通に読んでいけば、これが上映できない理由なのかなと普通は受け止められると私も思いました。
ただ、このメールは人権部の職員から人権啓発センターに行っているメールなので、飯山さんに直接行っているわけではないんですよね。飯山さんは、人権啓発センターの職員からこの内容を聞いたということだというふうに思います。これは記者会見でもおっしゃっていたのでそうなんだというふうに思います。でも、いずれにしてもこれは、表に出た事実になったわけです。
そこで確認しますが、関東大震災での朝鮮人虐殺問題についての歴史認識、東京都の見解、改めて教えていください。あわせて、小池知事の認識はどのように表明されているのか確認します。
○吉村人権部長 人権部としては、関東大震災時の朝鮮人殺傷事件につきましては、史実として、教科書や中央防災会議の報告書にも掲載されているものと認識しております。
知事は毎年、横網町公園内の東京都慰霊堂で開かれる大法要で、関東大震災とそれに続く様々な事情で不幸にも亡くなられた全ての方々へ哀悼の意を表しております。
○原委員 いろいろありますけれども、とにかく史実として認識はしているということだと思うんですよね。それは否定できないということですよね。
そうすると、五月十二日付の人権部職員から人権啓発センターに送られたメールの歴史認識ですね、歴史認識について書かれている部分は史実とは違う、誤りだということになると思うんですね。そのことについて見解を求めます。
○吉村人権部長 五月十二日付のメールは、メール本文にも記載されているとおり、附帯事業の検討過程で、最初に当該映像作品を見た人権部の担当職員が、あくまで担当として確認した限りのものとして、幾つかの疑問点を確認する目的で人権啓発センターの担当職員宛てに送付したものであり、人権部としての見解を示したものではありません。
○原委員 人権部としての見解ではないというけれども、職員のメールで書かれたことが検討過程では出されていたわけですよね。そのことは事実なわけだから、そこが史実とは違うんだということについては、私はちゃんと誤りとして、はっきり認めるべきだというふうに思うんです。
人権部の見解ではないから関係ないということではなくて、そこはちゃんと認めるべきではないかというふうに思います。いかがですか。
○吉村人権部長 五月十二日付のメールは、附帯事業の検討過程で、最初に当該映像作品を見た人権部の担当職員が、あくまで担当として確認した限りのものとして、幾つかの疑問点を確認する目的で人権啓発センターの担当職員宛てに送付したものであり、人権部としての見解を示したものではありません。
○原委員 同じ答弁を繰り返されました。私はやっぱりこれは、検討過程で出されたものだというけれども、そこに、東京都がちゃんと認めている、この東京都の歴史としても本当に重要な部分であって、その事実と違うことを職員がいってしまった場合には、それはちゃんと是正をしていくということが必要だと思うんです。
共産党都議団としては、小池知事が関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送ることをやめて以降、毎年都に対して抗議の申入れも行っていて、代表質問でも取り上げてきています。
ちょっと大事だと思うので紹介したいのは、ちょうど知事が取りやめた直後ですけれども、二〇一七年の三定で代表質問で取り上げたときにはこういうふうにいっています。関東大震災直後、朝鮮人が混乱に乗じて暴動を起こすなどのデマが流されて、朝鮮人や中国人が暴行、虐殺されたということを指摘もし、そして、それから五十年目の一九七三年、犠牲者を悼み、当時の都議会各会派の幹事長も呼びかけ人に加わり追悼碑を建立し、以来、追悼式典には歴代都知事が追悼の辞を送ってきました。
小池知事も昨年は−−一回送ったときですね、昨年は、多くの在日朝鮮人の方々がいわれのない被害を受け犠牲になられたという事件は、我が国の歴史の中でもまれに見る誠に痛ましい出来事、このような不幸な出来事を二度と繰り返すことなく、誰もが安全な社会を営めるよう、世代を超えて語り継いでいかなければなりませんという追悼の辞を送付していたんですよね。
何度もお名前出して恐縮ですけど、先ほど五十嵐理事もおっしゃっていたけれども、こういうふうに出していたという事実があって、それをやめるという行為がどれだけ重いかということを私は指摘をしなければならないと思うんです。同時に、知事のこの行為がヘイトスピーチを助長することになりかねないですよということも、私たちも指摘をしてきたんですね。
それで、知事の姿勢を改めることを求めるというのは当然なんですけれども、同時に、都の職員の皆さんには、東京都として認めている歴史の事実を踏まえて仕事をしていただくということを改めて強く求めておきたいと思うんです。この件はまた議論したいと思いますが、ちょっと先に進みます。
五月十二日付のメールの二つ目の理由のところも問題があるんですけれども、これはちょっと後に触れます。
三つ目の理由として、私はこの理由が、ちょっとこれは看過できないと思っているんですね。というのは、嫌悪感という表現をされているんですね。これは、歴史観、民族の問題、日本の問題などと連想してしまうところがあります、参加者がこういう点について嫌悪感を抱かないような配慮が必要だと。この嫌悪感という言葉を使ったということは、やはり問題ではないかと思いますが、見解を求めます。
○吉村人権部長 メールの記載は、人権部の担当職員が、あくまで担当として映像作品を確認した限りのものとして、映像を見た方に、在日コリアンの方々が皆、日本で生きづらいといった葛藤を抱えているという誤解を与えないような配慮について、人権啓発センターと担当者間で確認をしようとしたものでございます。
○原委員 それがなぜ嫌悪感という言葉になるのかというのが、私は本当にこれは疑問です。今のご答弁では全く説明になっていないんですね。
さらに不可解なのは、この五月十二日のメールがあるわけですけれども、この本当に直後に、数日後に上映しないという方針が固まることなんですね。だから普通だと、このメールはあくまで個人ということではなくて、人権部で打合せをして出されているんじゃないかと普通は思います。いかがですか。
○吉村人権部長 本メールにつきましては、附帯事業の検討過程で、人権部の担当職員が、あくまで担当として映像作品を確認した限りのものとして、幾つかの疑問点を確認する目的で人権啓発センターの担当職員に宛てに五月十二日に送付したものであり、人権部で打ち合わせた上で出されたものではありません。
附帯事業の内容を検討するに当たり、管理職がそれぞれ映像を見た上で五月十七日に議論をした結果、本作品には、精神障害への理解促進につながる直接的な表現がなく、幅広い都民が精神障害への理解を深めるという観点からは分かりづらく、企画展の趣旨に合わないとの結論になったものでございます。そこでセンターに対し、改めて再検討を依頼するよう職員に指示いたしました。
なお、人権部の管理職がメールの存在を把握したのは六月下旬であり、五月十七日の判断には影響しておりません。
○原委員 それでは、組織としては問題ないということなんでしょうか。メールの内容について、組織としてどう受け止めているんでしょうか。
○吉村人権部長 本メールについては、附帯事業の検討過程で、人権部の担当職員が、あくまで担当として映像作品を確認した限りのものとして、幾つかの疑問点を確認する目的で人権啓発センターの担当職員に送付したものでございます。メールの中で誤解を招く表現を使ったことについては、別の表現を用いるべきであったというふうに考えております。
○原委員 これはやっぱり、このメールが人権部としては議論したものではないということだったんですけれども、やっぱりすごく私は、人権部、東京都として責任があるというふうに思うんですね。
それで、今回の問題の根底には、このメールに示された歴史認識があるというふうに思うんです。正式に、やっぱり都として、ここで書かれたことは歴史の事実とは違うんだということで、私はそのことを明らかにして是正をすると。また、都民に向けても、飯山さんはじめ都民に向けても、そのこと自身は謝罪をする、これは必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○吉村人権部長 本メールについては、附帯事業の検討過程で、最初に当該映像作品を見た人権部の担当職員が、あくまで担当として確認した限りのものとして、幾つかの疑問点を確認する目的でセンターの担当職員に送付したものであり、都としての歴史認識を示したものではございません。
今回の企画展及び附帯事業は精神障害をテーマとし、参加者に分かりやすく精神障害への理解を深め、障害者と人権について考えていただくきっかけとなることを期待して企画しており、このような観点から事業内容を決定したものでございます。
○原委員 都としての歴史認識を示したものではないんだっていうふうにおっしゃっている。だから違うんだということですよね。そのことを、私はちゃんと明らかにするとともに、職員の間でもきちんと確認をして、その認識を改めていくということが必要だというふうに思います。
このことは指摘をしておきたいというふうに思いますが、もう一つ、先ほどいった嫌悪感なんですけどね、私は本当にこれ気になっていまして、この言葉を都の職員、人権部で使うということ自体がヘイトスピーチと取られかねないなというふうに、ちょっと指摘せざるを得ないなと思っているんですね。これはきちんと整理して謝罪し、是正をすべきというふうに思いますが、この点についての見解をお願いします。
○吉村人権部長 附帯事業におきまして、映像を見た参加者が、在日コリアンの方々が皆、日本で生きづらいといった葛藤を抱えていると誤解することや、参加者の中に在日コリアンの方がいらした場合に、自分はそういった葛藤を抱えていると周囲から誤解されたくないと感じることなどを懸念し、担当者がそのような表現を使ってしまったと聞いております。
○原委員 私は、やっぱりこの文脈で嫌悪感というのは、ないというふうに思います。このことは指摘をしておきたいですし、ぜひ深めて検討してもらいたいと、この場では要望しておきます。人権問題でとても大事なところだというふうに私は思いますので、そのことは指摘をしておきます。
それで、五月十二日のメールのことがありましたけれども、この後、五月二十日付で、上映はしませんという旨を伝えた人権啓発センターからご本人に送られたメールというのもあるんですよね、五月二十日付ですね。ここでは一切、五月十二日付のメールでの、歴史認識のこととか知事のこととかいろいろ書いてあったわけですが、そこには全く触れないで上映できない理由を説明しているんですね。
この内容を見ると、何で上映できないのかなというのは、ちょっと私もよく分からなかったんですけれども、そもそもの目的から離れてしまっていると、精神障害の理解という点でということや、あと動画全体を見ればヘイトスピーチではないということが分かるけれども、切り取られると心配で、人権プラザとしては、そのリスクを取れないというふうにいっているんですけれども、これはあまり理由になっていなくて、全然クリアできる理由だというふうに思うんですね。いかがでしょうか。
○吉村人権部長 人権部と人権啓発センターが協議の上で映像作品を使用しないこととした理由は、センターから飯山氏に五月二十日付で送った文書に書かれておりますとおり、精神障害への理解を深めるという企画展の趣旨とは合わないと判断したことによるものでございます。
朝鮮人殺傷事件に触れていることを理由とするものではなかったため、同文書には記載しておりません。
○原委員 ただ、最後におっしゃっていた部分については、先ほどいったように、人権部から人権啓発センターに送られた五月十二日のメールは、その内容をもう飯山さんが聞いていて、共有しているわけですよね、中身としては。
そういうことがあって上映できないというところにつながっていると当然理解をされたというふうに普通思うので、そこをきちんと五月二十日付の文書では、きちんと書かれるべきなんじゃないかなというふうに思うんですよね、そういう理由ではないというのであれば。でも、何もなく、説明もなくそこは抜け落ちていると。だから、これは人権啓発センターの責任で書かれた文書だというふうに思いますので人権啓発センターに聞いてみないと分からないのかもしれませんけれども、ちょっと不自然だなというふうに私は感じました。
それで、そういう中で、この理由として挙げているものについては、さっきいったように工夫をすればクリアできる内容になっていると思うんですね。例えば、全体としてはヘイトスピーチではないというのは分かるというふうにいっているわけだから、じゃあ変に切り取られないように解説を工夫しようとか、上映の仕方を工夫しようということは、当然考えられると。先ほど来の質疑でも、そういうことも飯山さん側も考えもあったということもいわれているそうです。
また、作品の受け取り方というのはそれぞれなんですよね。人権部の職員の方が見て、精神障害者の問題が直接いわれていないって例えば思ったとしても、いや、その芸術作品を通して障害者の問題がすごくよく分かるという受け止めだって当然ありますし、それはそれぞれの受け止め方を勝手に決めてはいけないと思うんですね。そういう人の内心に踏み込むような形でできる、できないというのは、これは私はよくないんじゃないかというふうに思うんです。
それで、改めて大本に戻って、今日はやっぱりこれ以上の議論は私はできないと思っていて、その企画展の位置づけや事実関係、今回の状況に至るまでのやり取りなど、きちんと資料を見ながら議論をしていく必要があるし、この人権啓発センターに、人権プラザにやってもらうこうした事業について、企画展について、東京都としてはどういうふうに依頼をしているのか、あるいは、人権啓発センターからアーティストの方に、どういうふうにそれが伝わっているのか、そういうことも含めてきちんと検証しながら、企画展が、せっかくやる企画展ですから、これからもいい形でやられるようにしていかなければいけないんじゃないかなという意見は述べておきたいと思います。
そして、今はっきりしているのは、先ほどいったように歴史認識の問題で、これだけの大きな問題になったということについてしっかり受け止めて、是正すべきところ、謝罪すべきところはちゃんとやって、東京都として正していただきたいということを強く求めて私の質問は終わります。
○関口委員 よろしくお願いします。
私からは、都区財政調整について質問していきたいと思いますが、先ほど来から小松理事、福手委員、米川副委員長からも質疑がありましたので、重なるところはカットしながらも、同じようなスタンスの質疑、同じような質疑がありつつも少しアプローチが異なるものもありますので、そういったところには質問させていただきたいと思います。
この児童相談行政を取り巻く環境というものは大きく変化をしています。二〇一六年の児童福祉法改正によって、特別区は児童相談所の設置が可能となりました。この法改正は特別区の強い要望と働きかけによって実現をしたと認識しております。
そうした中、都内においても、江戸川区、世田谷区、荒川区、港区、中野区、板橋区などの多くの区で設置が進んでおります。また、それ以外の区においても、設置に向けた動きが加速をしているところでもあります。
しかし、この児童相談所業務が特別区に移行するに当たって重要なのが財源の問題だと思います。令和二年度では、都区財政調整における大きな変更がなされました。配分割合が、児童相談所の設置運営に対しての都区の連携強化という観点から、特別区の配分が今までの五五%から〇・一%増えて五五・一%となりました。ただ、この配分割合は特例的措置というものであります。令和四年度に、この特例的対応分も含めて、配分割合の在り方について改めて協議をしていくというところであります。
ただ、この〇・一%という数字、〇・一%が増えたわけでありますけれども、まずこの数的根拠はどのようなものであるのか。そして都は、それは妥当なものであると考えているのか、まず伺いたいと思います。
○武田行政部長 特例的な対応につきましては、経費として積算した数字ではございません。
○関口委員 今ご答弁いただきました特例的な対応ということで、経費として積算させた数字ではないということでありました。
今ちょっと私、妥当な数字と考えますかということで伺ったんですけれども、そちらについて再度いかがでしょうか。積算した数字ではないということなんですが、それは妥当とお考えでしょうか、伺います。
○武田行政部長 この特例的な対応とした〇・一%を増やすことで、都区で合意したものでございます。
○関口委員 この間、ここにいらっしゃる委員の皆さん含めてだと思うんですが、特別区において児童相談所を設置した自治体の関係者の皆さん、これから設置するんだという思いの関係者の皆さんとお話をすると、やはり児童相談所の設置や運営に伴っては多くのコストがかかるということで、都区財政調整の配分割合を増やすべきだという話を伺ってまいりました。児童福祉司や児童心理司や専門性のある人材の確保、人員体制の確保のためには、様々な観点でこのコストを有するわけであります。
都区財調制度に対して、特別区の首長、特別区区長会などでは、どのような意見が寄せられているのか伺いたいと思います。
○武田行政部長 区側は、今年度の協議におきまして、配分割合の変更について協議することになっているとの認識を示しております。
○関口委員 まあ、柔軟性が欲しいところなんですが、これ以上はというところなんでしょう。
例えば、どんな発言を各首長がされているのかなというところを見ていくと、本年十一月の特別区長会の意見交換会において、これはもちろん都側の出席者としては、知事、副知事、総務局長もいらしたと。そして、各区の特別区長ももちろんいらっしゃるという状況です。山崎会長、江東区長の山崎会長は、今年度の協議において、再度都区の見解が分かれ結論が得られないことになりますと、児童相談行政、ひいては特別区の子供たちに影響が及びかねませんので、こうしたことは絶対避けなければならないと考えております、子供を虐待事件等から守り、心身ともに健やかに育成していくためには、財源の課題は大変重要であると考えておりますのでよろしくお願いをしたいと思いますという発言でありました。特別区長会の会長ということですので、慎重な発言なんだろうなということは推測をするんですが、ただ一方で、財源の課題は大変重要なんだという認識を示している。
また、他方では、これは知事と区市町村長との意見交換。本年十月、これは中野区長の発言であります。これは知事と区市町村長が、どちらかというと区市町村長が要望して、それに都側が答えていくという場なんでしょうけれども、その場では、中野の酒井区長はこういっています。区では今年度、児童相談所を開設しました——ちょうど今年度ですね。現在、児童相談所では、児童虐待対応について、初動から一貫した迅速な対応や地域と連携したきめ細かい支援の実現に向けた取組を進めているところであります。区の児童相談所は、これまで東京都が受け付けていた案件も含め、区内における全ての虐待通告に対応しているところであります。児童相談所の運営費についてでありますけれども、人件費を含め、令和四年度予算で十六億三千万円ということであります。児童相談所の運営経費につきましては、令和二年度の配分割合の変更〇・一%、これでは不足をしているということが明白でございまして、実態を踏まえた算定をお願い申し上げたいと思います。児童相談所開設に係る都区財政調整に係る協議につきましては今年度中に行うこととなっておりますけれども、児童虐待対応件数の増加傾向が継続する中で区が安定的に児童相談所を運営するためには、業務実態に応じた適切な財政的支援が不可欠だと考えておりますため、要望いたします。そのまま酒井中野区長の発言を今引用して読みました。
そこで、都区財政調整における配分割合に向けた協議が始まるということで、都としてはどのような姿勢で挑むのか伺いたいと思います。
また、私は基礎自治体に権限を移譲していくことが重要であると考えております。そのためには、区により多く財源を配分していく必要があると考えておりますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○武田行政部長 今年度の財調協議におきましては、特例的な対応により変更した分も含め、配分割合の在り方について改めて協議をしていくということが都区の合意でございまして、配分割合の在り方につきまして真摯に協議をしてまいります。
また、都はこれまで、都道府県が行う事務のうち、住民ニーズへの対応や利便性の向上に資するかを精査した上で、特別区との協議を経て、事務処理特例交付金などにより措置をしてございます。
○関口委員 冒頭申し上げました二〇一六年の児童福祉法改正につながるものとして、都区のあり方検討委員会、児童相談所のあり方等児童相談行政に関する検討会、特別区長会などなどといった場の議論があったと認識をしております。二〇〇八年六月に都区のあり方検討委員会によって、児童相談所設置に関する事務について区へ移管する方向での合意が取れたわけであります。
そこで伺いますけれども、この都区のあり方検討会の意義と開催状況について伺いたいと思います。
○小林都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 都区のあり方検討委員会は、都区協議会の下、都区の在り方を根本的かつ発展的に検討いたしますため、平成十八年十一月に都区共同で設置をいたした委員会であります。
都区のあり方検討委員会においては、都区の事務配分、特別区の区域の在り方、税財政制度についてセットで検討することといたしておりましたが、特別区の区域の在り方については都と特別区の意見に大きな隔たりがあったことから、特別区の区域の在り方と税財政制度については具体的な議論が行われず、平成二十三年十二月以降、議論を中断いたしておるところであります。
○関口委員 今答弁で、都と特別区の意見に大きな隔たりがあるということでありましたが、具体的にどういうものなのか。なぜ検討委員会の開催が止まっているのかについて伺いたいと思います。
○小林都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 特別区の区域の在り方について、再編を含む区域の在り方について議論が必要であると、都区間で合意をいたしたところであります。
しかしながら区側は、再編の問題は二十三区が統一的な見解を持ち得る性格のものではなく、都区の役割分担を整理した上で、それぞれの区が主体的に判断すべきと主張するなど、検討に当たりまして都区の認識に相違があり、議論を中断しているところであります。
○関口委員 基礎自治体の再編というのは、一筋縄ではいかないというのは明らかなのかなと思います。
一方で、この都区のあり方検討委員会で児童相談所の設置に向けた合意が取れたと、そこで話合いを進めていたというところでありましたが、平成二十三年には、今ご答弁いただいたように、二十三区再編の問題によって議論がストップをしたということであります。
その後の児童相談所の議論というものは、児童相談所のあり方等児童相談行政に関する検討会を設け、ここに議論が引き継がれたわけであります。つまり、難しいことはさておき、児童相談所の事務的な取扱いだけは、新しく検討会を設けて進めましょうということだったんだと思います。
ただ、私思いますのが、たらればの話になってしまうんですけれども、都区のあり方検討委員会が仮に続いていたとしたら、この都区財政調整における配分割合の〇・一%、数的根拠のない数字が浮かび上がってくるようなことはなかったんじゃないかなと考えております。
都と区における本質的な議論というものが置き去りにされてしまっていた。あまりにも、この十年間、十五年間という間にストップしてしまっていたんじゃないかなということを、非常に強く痛感しているわけであります。
そこで、都区のあり方検討委員会をしっかり、開催を再開すべきと私は考えておるんですけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○小林都区制度担当部長区市町村調整担当部長兼務 先ほどもご答弁申し上げましたが、都区のあり方検討委員会については、都区の事務配分、特別区の区域の在り方、税財政制度についてセットで検討することとなっておりますが、このうち、特別区の区域の在り方について都と特別区との意見に大きな隔たりがありましたことから、平成二十三年十二月以降、検討を中断しているところであります。
現在におきましても、検討の前提が整っておらないことから、すぐに再開することは難しいものと認識をいたしておるところであります。
○関口委員 すぐに再開することは難しいということでありましたが、やはり、お互いに歩み寄るということが重要だと思っております。再開をするのは難しいんだなという認識をまず改めることを要望したいと思います。
また、先ほどから、小松理事の方からも話がありましたが、やはり、都知事自体がこの東京都と特別区の関係、どういう構想を考えているのか、また、そこにどういう哲学を持っているのかというのがあまりに見えないと、あまりにも無関心じゃないかということも指摘をしまして、質疑を終えたいと思います。
○やまだ委員 よろしくお願いします。
私からは、都職員のメンタルヘルス対策と、あと防災対策四点ほどの項目について伺ってまいりたいと思います。
まず初めに、都職員のメンタルヘルス対策についてです。
令和二年以降、都職員は新型コロナウイルスの感染拡大防止の取組や急速なテレワークの推進により、新たな働き方が求められています。業務の負荷が増えたり、働き方が変化をして、ストレスを感じる職員も増えているのではないかと考えています。現に、メンタルを理由にした病気休暇、また、休職を取得した職員数も、少しずつではありますが増えていると聞いています。
ストレスやメンタルコントロールができ、働くことで生きがいや働きがいを感じられる職場づくりが職員の能力を十分に発揮させ、都の組織全体を活性化することになり、都民の利益につながると考えています。
そこで、都職員のメンタルヘルス対策の取組について伺いたいと思います。
○田中労務担当部長 職員一人一人の健康維持は、職場の活力や生産性の向上のためにも極めて重要であると認識しておりまして、都では罹患予防から復職まで、総合的なメンタルヘルス対策を講じております。
知事部局等においては、不調の未然防止を目的とする一次予防といたしまして、ストレス対策講習会や職員向けメールマガジンの発行などメンタルヘルスに関する教育、啓発や、労働安全衛生法に定められておりますストレスチェックを実施しております。
不調者の早期発見、早期対応を目的とする二次予防では、精神科医や精神保健相談員等専門スタッフを配置した相談体制を整備しておりまして、職員と対面による面談のほか、電話、メール、オンラインによる相談にも応じております。
さらに、職場復帰支援や再発防止を目的とする三次予防では、職場復帰訓練や復職支援のためのセミナーを実施するほか、早期かつ円滑に職場に復帰し職務を遂行できるよう、必要に応じて復職時の勤務軽減措置を講じております。
○やまだ委員 ご答弁では、都が、職員のメンタルヘルスについて、未然防止から早期対応、また職場復帰支援等、段階に応じた総合的な支援が行われているということを理解いたしました。
一方で、新型コロナウイルス感染防止対策をきっかけとして、都でも民間企業でも、急速なテレワークの普及、定着が進みました。民間企業では、このテレワークによる働き方の変化で不安やストレスがかかり、職場に行けなくなる事例などが散見されるなど、課題として挙げられるようになりました。
例えば、若い職員は、まだ社内での人間関係が十分にできる前に、テレワークの増加でコミュニケーションをうまく取ることができず、周囲や上司に相談しにくかったり仕事を抱えて孤立するなど、メンタルヘルス上の課題があるといわれています。
そこで、テレワークを行う都職員に対するメンタルヘルス対策も重要であると考えますが、都の認識とその取組について伺いたいと思います。
○田中労務担当部長 テレワーク実施時は、出勤時のような対面によるコミュニケーションが取れませんから、職員がコミュニケーション不足で孤独を感じたり、不安になることがないようにするために、積極的な声がけやコミュニケーションを促進することで、職員のメンタルヘルス不調の発生を未然に防止しまして、働きやすい環境を整備していくことが重要であると考えています。
こうした認識の下、都では、テレワーク時においても職員間で円滑にコミュニケーションを図ることができるよう、メールやチャット機能等の活用方法や、ウェブ会議、オンラインミーティング等を行う際の留意点など、コミュニケーションの工夫やコツをまとめました取組例を作成しまして、全職員に周知しております。
また、職員に配布しておりますQ&Aにおいて、疲れにくいパソコン作業環境について紹介するなど、テレワーク時における心身の不調を予防するポイントについて記載しているほか、管理監督職員に対しては、部下職員と密にコミュニケーションを図り、メンタルヘルスケアに留意しながら適切に労務管理を行うよう促しております。
○やまだ委員 都においても、テレワーク時のコミュニケーション不足が課題であると認識しているとのご答弁でありました。テレワークは、えてして導入のメリットだけが語られることが多いと思いますが、テレワークを長く続けている職員は、対面ではないがゆえのコミュニケーションに関する課題を抱えやすいといったデメリットについてもしっかり認識をすることが重要であります。
また、都では、職員のメンタルヘルス対策として、医師等による相談についてもオンラインでも実施しているとのことでした。オンライン相談の場合、モニター越しでは相談者である職員の様子が詳しく感じられないなど、的確に相談に乗ることが難しいのではないかと危惧する声もあります。
都においては、どのような面接相談についてオンラインで実施をしているのか、また、その課題と対策について伺いたいと思います。
○田中労務担当部長 知事部局等では、職員からの要望も踏まえまして、テレワーク時や事業所勤務の職員も気軽に相談できるよう、心の悩みや不安があるときのこころの健康相談室、それから健康診断の結果や生活習慣等について気になる際の体に関する健康相談窓口のほか、長時間労働面接指導においても、対面に加えましてオンラインを活用した医師や保健師等による面接相談を実施しております。
委員ご指摘のとおり、オンラインによる面接相談の際には、対面に比べまして職員の表情や症状を把握しづらい場合もあると医師や保健師等から聞いておりまして、その際には、継続的な面談を行ったり対面での対応を組み合わせるなど、職員一人一人の状況に応じた面接相談を行っているとのことでございます。
今後、職員の利便性向上を図るとともに、メンタルヘルス不調の早期発見、早期対応をはじめ、職員の心身の健康の保持増進に一層取り組んでまいります。
○やまだ委員 オンライン相談導入によって相談方法の選択肢を増やすことやテレワーク推進によって働き方の選択肢を増やすことなど、様々な場面における選択肢を増やすこと自体はよいことだと考えています。
時代の変化に伴い働き方も変化をしていく。新しい働き方の選択肢を増やそうとする際には、必ずデメリットとなり得ることについても認識をした上で、早め早めの対策を講じ、働き方に合わせたメンタルヘルスの取組を引き続き進めていただきたいと思います。
職員の方々の休職者数、少しずつの増加ということは、逆にいうと減っていないということでありますので、様々な策を講じて、皆さんが働きやすい環境をぜひともつくっていただきたいと思います。要望させていただきまして、次の質問に移ります。
続きまして、防災対策について伺ってまいりたいと思います。
まず、帰宅困難者対策についてです。
東日本大震災時には、発災直後に駅前の広場などターミナル駅周辺に多くの人たちが押し寄せている光景が報道されていたことは、十年以上たった今でも記憶している人は多いのではないでしょうか。
もし首都直下地震が発生すると、東日本大震災時のように公共交通機関が止まり、駅周辺には多くの滞留者が発生することが想定されます。
主要駅周辺では駅前滞留者対策協議会が設立され、発災時の混乱を避けるための活動が行われています。そこでまず、これまでの都及び駅前滞留者対策協議会の取組と協議会の課題について伺いたいと思います。
○八嶋防災対策担当部長 都は、区市と共同して、駅周辺の鉄道事業者や大規模集客施設などを構成員とする駅前滞留者対策協議会を設立し、駅ごとに混乱防止のための地域のルールを策定するなど、行政と地域が一体となった体制づくりを進めてまいりました。
各駅前滞留者対策協議会では、駅ごとに活動内容は異なりますが、定期的な会議や訓練の実施等により、各事業者間の情報交換や災害時の対応及び役割分担の確認を行っております。
課題といたしましては、発災時に十分なマンパワーが確保できるかといった点や災害時の情報収集が円滑に行えるかといった点を協議会からは聞いてございます。
○やまだ委員 課題として、十分なマンパワー確保が課題だというご答弁でありました。
このマンパワー確保と共に重要になるのは、やはり駅前滞留者対策協議会の平時からの訓練や関係団体との連携づくりであると考えています。
地元であります北区にいろいろと話を聞いてまいりました。駅前滞留者対策協議会の現在の取組、活動状況について話を聞いてきたところ、やはり協議会設置後、なかなか訓練等、コロナ前も含めて行われていないというのが現状だということでありました。
都として、各協議会の取組状況を把握し、活動をサポートする体制を積極的に行うことが大切であります。その一つに、都は、区市町村と合同の開催で帰宅困難者対策訓練を年に一度実施しています。
先日、来年二月に都と地元北区の合同での帰宅困難者対策訓練を実施するとの発表がありました。現在は、当日開催に向け、関係事業者による事前準備が進んでおり、協議会の活動が活性化しているとの話でもあります。そうした面から見ても、都との合同訓練の意義は大変大きいものと考えます。ぜひ、こういった合同の訓練を行っていただくことで活性化に努めていただきたいと思います。
そこで、協議会が抱えている課題に向けた帰宅困難者対策を含む都の支援事業について伺いたいと思います。
○八嶋防災対策担当部長 都は、駅前滞留者対策協議会の円滑な活動の支援のため、各協議会の会議に都の職員がオブザーバーとして出席し、アドバイザー派遣制度などの都の支援策に係る情報提供を行っております。
要請がありました場合、専門家をアドバイザーとして協議会に派遣し、発災時の運営体制や情報連絡体制の確認、訓練の実施方法など、協議会の課題解決につながる助言を行っております。
また、毎年度、区市と合同で帰宅困難者対策訓練を実施し、発災時に関係機関がどのように連携し対策を講じるかなど具体的な取組を確認するとともに、検証結果を対策に反映させることで取組を強化しております。
加えまして、毎年度、帰宅困難者対策フォーラムを開催し、帰宅困難者対策訓練の検証結果や各協議会の取組などについて区市や民間事業者に周知をしております。
○やまだ委員 ぜひ、協議会の抱える課題の解決に向けて、都として引き続き強力な支援を行っていただきたいと思います。
それとともに、合同訓練に向け、事前準備を周到に行っていただきたいと思います。あわせて、合同訓練は、都内で年に一自治体のみであります。合同訓練が実施されない地域でも、合同訓練のデジタル配信をするなど共有していただきながら、協議会全体の活性化にもつなげ、有意義な訓練にしていただくよう要望したいと思います。
次に、地域防災力向上について伺います。
防災訓練では、駆けつけた警察、消防、自衛隊などが、生き埋めや閉じ込められた場所から被災者を救出される一方で、阪神・淡路大震災では、多くの住民が家族や近所の方々によって命が救われたという場面が多くありました。このことからも、都民の生命と財産を守るためには、地域における自助、共助の取組が大変重要であります。
総務局では、地域防災力の向上のために、町会、自治会や個人向けに各種の防災セミナーを開催しています。
そこで、都が実施する防災セミナーの目標数とそれに対する実績、また、実績に対する都の見解を伺いたいと思います。
○八嶋防災対策担当部長 発災時に都民や地域の町会、自治会等が適切な防災行動を取れるよう、都では様々な防災セミナーを行ってございます。
令和三年度におきましては、町会、自治会向けの東京防災学習セミナーは、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、上限回数三百四十回に対し実績は百三十八回、子育て世代向けのパパママ東京ぼうさい出前教室は、上限九十グループに対し実績は八十七グループでございました。
また、個人向けの東京防災ホリデーセミナーと、主に女性向けの防災ウーマンセミナーにつきましてはオンラインのみの受講となっておりまして、それぞれ実績といたしましては一千三十三人、七百七十六人となっております。
これまでも、既存セミナーの内容充実はもとより、都民のニーズに応じて、先ほども申し上げた子育て世代向けのパパママ東京ぼうさい出前教室を新設するなど適宜見直しを図ってまいりました。
今後も、都民のニーズを適切に把握し、セミナーの内容をさらに充実させてまいります。
○やまだ委員 様々な属性でのセミナーが実施されていて、セミナーの内容によっては上限に達するほどの実績もあるというお話でありました。ぜひとも様々なセミナーを今後も検討いただきまして、実施していただきたいと思います。
多くの都民にセミナーに参加してもらうことは大変重要なことであります。それに加えてさらに重要になるのは、セミナー参加者が参加後に、そのセミナーで学ばれたことを実践的な行動につなげてもらうためのフォローが都として重要だと思います。
そこで、都が実施する防災セミナーの受講者に対し、地域の防災活動などに参加してもらえるよう取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
○八嶋防災対策担当部長 都は、女性防災リーダー育成の観点から、防災ウーマンセミナーの受講者を対象に、さらなるスキルアップを目的としたコーディネーター研修を実施しており、防災ホームページに区市町村別の受講者数を掲載しております。
女性視点の防災対策を推進するため、区市町村から照会の依頼があった場合、受講者本人の同意を得て情報提供をしております。
また、東京防災学習セミナーで得た知識を町会、自治会の訓練やマニュアル作成など実際の活動に生かせるよう、生活文化スポーツ局が所管する地域の底力発展事業助成制度を積極的に周知しております。
今後、各種防災セミナーの受講者に他のセミナーの受講を案内しスキルアップを促すなど、地域の防災活動を担う人材育成に努めてまいります。
○やまだ委員 町会、自治会の東京防災学習セミナーの後、地域の底力発展事業助成制度につなげているというご答弁もありましたが、地元で様々防災訓練、私も参加をさせていただきますが、なかなかそういった新たな連携による取組というのが見られないのも現状であります。
ぜひ、各局、局内の各部の事業がそれぞれ横のつながりを持って、より実践的な防災意識の向上につなげるべく取組に発展させていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、地区防災計画について伺いたいと思います。
先般、首都直下地震等による東京の被害想定が公表されました。いつ起こるとも知れない地震に対して、公助による対策の推進はもとより、自助、共助の取組が大変重要であります。
東日本大震災では、地域住民自身による自助、地域のコミュニティによる共助が、避難誘導、避難所運営等において重要な役割を果たしたことは周知のとおりであります。この教訓を踏まえ災害対策基本法が改正され、各地区の住民や事業者が、その地区における自発的な防災活動を定める地区防災計画の制度が創設されました。
この地区防災計画制度は、区市町村の判断で、地区防災計画を区市町村地域防災計画に規定するほか、その地区の居住者等が区市町村防災会議に対し、区市町村地域防災計画に地区防災計画を定めることを提案することができる仕組みであります。
そこで、改めて地区防災計画制度の狙いと現在の取組状況、都としてこの制度をどのように受け止めているのか伺いたいと思います。
○芝崎防災計画担当部長 地区防災計画制度は、区市町村内の一定の地区における住民や事業者の自発的な検討の成果を計画として取りまとめることを通じまして、地域防災力を高めることを目的として創設された制度でございます。
都内では、令和三年度末時点で十一の区市がこの制度を活用しております。
地区の特性や防災上の課題はそれぞれ大きく異なるため、防災上の役割や取組などを各地区の住民や事業者が自由に決めて策定することができる地区防災計画の制度は、自助、共助の促進につながるものと認識しております。
○やまだ委員 都としても、この制度の有効性について、自助、共助の促進につながるものと認識をされているというご答弁でありました。
この地区防災計画策定は、その地域に住み、また働く方々自らが、地域特性に合わせたどのような防災対策や避難行動が最も有効であるかなど自ら考えてつくっていくこと、我が事として準備することで、自助、そして共助の意識を高める有効な取組だと考えています。
都内でも地区防災計画制度の活用が少しずつ進みつつあるものの、まだまだ十一区市であります。あまり浸透していないともいえます。今後、本制度の活用を一層進めることで、自助、共助の取組を促進する必要があると考えています。
そこで、都として、自助、共助の促進につながる地区防災計画の取組を進める区市町村を積極的に支援すべきと考えますが、見解を伺います。
○芝崎防災計画担当部長 いつ発生するとも知れない災害からの被害を軽減するためには、都民一人一人による自助や地域における共助の対応力を高める取組が重要でございます。
このため都は、国が実施する地区防災計画作成に向けた研修会等を周知するなど、区市町村における自助、共助の取組の強化を支援してまいりました。
今後、区市町村ごとの地区防災計画の作成状況を把握しながら、必要に応じた支援を行うことなどによりまして、区市町村の取組を後押ししてまいります。
○やまだ委員 今後、区市町村ごとの作成状況を把握しながら、必要に応じた支援を行っていただけるというご答弁でありました。
地区防災計画制度は、住民や事業者が自発的に作成する地区防災計画が、お住まいの区市町村の地域防災計画に位置づけられることで取組の促進が図られるなど、実効性を向上させる上では有効な取組であります。
ぜひ、区市町村からの相談、また積極的に東京都としても、広域的な立場から適切な助言を行っていただくよう要望いたしまして、この質問を終わらせていただきます。
最後に、都立施設の活用について伺います。
令和元年の台風第十九号の際には、都内全域で最大約十八万六千人の方々が避難を行い、一部の地域では避難先が不足する状況が生じました。これにより都は、都立高校や東京武道館などの都立施設において避難者を受け入れたとのことであります。
自然災害が頻発化、激甚化する中、今後もこのような事態が発生することが想定されます。
そこで、大規模災害時における都立施設の活用に向けた取組状況について伺いたいと思います。
○芝崎防災計画担当部長 都は、令和元年の東日本台風の教訓を踏まえまして、都立施設の避難先としての活用に向けて、施設利用に係る協定書のひな形を区市町村に提供するとともに、施設管理者との間で活用に係る調整を図ってまいりました。
この結果、令和三年度末現在、二百を超える都立施設について協定を締結してございます。
○やまだ委員 現在、二百を超える施設が協定を締結しているとのご答弁でありました。ただ、聞くところによりますと、避難所となり得る都立施設の総数としては四百弱とのことであります。まだまだ協定を締結していない施設があることも分かります。協定締結に至らない施設には施設側の理由、また区市町村側の理由など様々な事情があることが推察されます。
そこで、都立施設のさらなる活用を図る上での課題と、その解決に向けた取組について伺います。
○芝崎防災計画担当部長 避難所としての活用が進まない都立施設におきましては、夜間、休日発災時の鍵の管理、備蓄物資の保管場所や運営体制の確保などが課題となっている場合が多うございます。
このため、都は、地域と学校が連携し、鍵の管理等を適切に行っている事例を紹介するなど、解決に向けた助言を行ってまいりました。
今後、避難所として活用している先進事例を取りまとめまして、広く区市町村や施設管理者等と共有するなど課題の解決に向けた取組を一層強化し、都立施設のさらなる活用に向け積極的に調整を図ってまいります。
○やまだ委員 やはり、避難所として活用していく場合の課題については、それぞれの固有の事情があると思いますが、共通的な課題も見えてくると思いますので、ご答弁にありましたとおり、先進的事例をまとめて、それぞれ区市町村にも伝えていただきながら、課題解決に向けて支援を強化していただきたいと思います。
そして、やはり協定締結を結ぶことが目的ではなくて、協定締結を多くしていくこととともに、協定締結後のさらなる実践的な取組につなげていただきたいと思います。
私、地元の都立高校、王子総合高校では今年、生徒さんも含めた防災訓練を行わせていただきました。五年ほど前に、避難場所としての、地域の方々の防災訓練を開放していただきまして、今年は生徒さんも参加しての防災訓練ということで、着実に取組については進んでいるなというふうに感じています。
これは、施設側の校長先生をはじめとする大きな理解の下で進んでいますが、こういった事例をぜひ各施設にお伝えをいただきながら、実践的な、そして都民の避難場所確保に向けた取組をぜひ東京都として積極的に行っていただくことを求めまして質問を終わります。ありがとうございました。
○松田委員長 ほかに発言がなければお諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
○松田委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○野間総務局長 今定例会に提出を予定しております総務局所管の条例案八件の概要についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、資料第2号、令和四年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。
まず、番号1、東京都公文書等の管理に関する条例の一部を改正する条例から番号5、審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例までの条例案につきましては、個人情報の保護に関する法律の改正を踏まえ、条例の新設または規定の整備を行うものでございます。
次に、番号6、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例から番号8、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例までの条例案につきましては、東京都人事委員会勧告等を踏まえまして、職員、特定任期付職員及び任期付研究員の給与の改定を行うものでございます。
以上が今定例会に提出を予定しております条例案の概要でございます。
詳細は総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○猪口総務部長 今定例会に提出を予定してございます総務局所管の条例案八件につきまして、ご説明申し上げます。
資料第2号、令和四年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要の一ページをご覧ください。
番号1、東京都公文書等の管理に関する条例の一部を改正する条例及び番号2、東京都情報公開条例の一部を改正する条例でございます。
これは、個人情報の保護に関する法律の改正等を踏まえまして、所要の規定を整備するものでございます。
続きまして、番号3、個人情報の保護に関する法律施行条例でございます。
これは、個人情報の保護に関する法律の改正等に伴いまして、同法の施行に関し、保有個人情報の開示請求に関する手続や行政機関等匿名加工情報の利用に係る手数料など条例で定めることとされている事項を定め、個人情報の保護に関する条例及び特定個人情報の保護に関する条例をそれぞれ廃止するものでございます。
続きまして、番号4、東京都個人情報保護審査会条例でございます。
これは、個人情報の保護に関する法律の改正等に伴いまして、保有個人情報の開示請求等に係る審査請求につきまして調査審議させるため、東京都個人情報保護審査会を設置するものでございます。
おめくりいただき、二ページをご覧ください。番号5、審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
これは、個人情報の保護に関する法律の改正等に伴い、出頭した参考人等の費用弁償に係る規定を改めるものでございます。
番号1から5までの条例案につきまして、施行日は令和五年四月一日を予定してございます。
続きまして、番号6、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
これは、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、職員の給与に関わる規定改正を行うものでございます。今年度の公民較差に基づく職員の給与の規定改正について、主な内容は二点でございます。
まず、給料表の改定では、行政職、公安職など六つの給料表を、人事委員会から勧告された給料表等に改めるものでございます。
次に、手当等の改正では、給料の調整額の支給限度額及び勤勉手当の支給月数を表のとおり改正するものでございます。
施行日は、公布の日を予定してございます。
続きまして、次ページをご覧ください。
番号7、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例及び番号8、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
これらは、東京都人事委員会勧告などを踏まえ、第二号任期付研究員に適用する給料表を改めるとともに、特定任期付職員及び任期付研究員の期末手当の支給月数を表のとおり改正するものでございます。
施行日は、公布の日を予定してございます。
以上で、今定例会に提出を予定してございます条例案につきまして説明を終わりにしたいと思います。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○松田委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○原委員 一点お願いします。
個人情報保護条例の新旧対照表をお願いいたします。
○松田委員長 ただいま原委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。
理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
○松田委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○小野グループ経営戦略担当部長 二〇二一年度東京都政策連携団体経営目標の達成状況につきまして、ご報告申し上げます。
資料第4号、二〇二一年度東京都政策連携団体経営目標の達成状況の概要をご覧ください。
まず、1、制度概要でございます。
都では、政策連携団体が三年間で進める改革の取組をまとめた経営改革プランを東京都政策連携団体経営目標評価制度の評価対象と位置づけまして、毎年度達成状況を評価することとしております。
今回は、二〇二一年度から二〇二三年度までの第二期経営改革プランにつきまして、計画の初年度となります二〇二一年度の達成状況を都が評価したものでございます。
評価した各団体の経営目標の達成状況等について公表することによりまして、都民への説明責任を果たすとともに、団体の経営改革の促進を図っていくものとしております。また、二〇一七年度から、より一層の経営改革に資する目標設定及び評価がなされるよう、外部有識者で構成されます評価委員会を設置いたしまして、評価に当たって意見を聴取しております。
次に、2、経営目標の達成状況でございます。
まず、評価の仕組みについてでございます。
評価に当たり、各団体は、経営改革プランに掲げました戦略、それから三年後、二〇二三年度の到達目標及び個別取組事項により構成されます経営目標に対する二〇二一年度の取組実績を所管局に提出し、その提出を受けた所管局が団体の目標達成状況及び定性面を踏まえ、一次評価、局評価を実施いたしました。
その上で、各団体の経営目標の達成状況につきまして評価委員会から意見を聴取し、その意見を踏まえ、三十三の政策連携団体を、おのおの五段階で評価をいたしました。
なお、二〇二一年度の評価に当たりましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うやむを得ない事業の変更や当初の経営目標に掲げていない新たな取組を実施した場合には、その内容を踏まえた評価を実施しております。
次に、各団体における二〇二一年度の評価結果でございます。
資料下段の表に記載のとおりでございまして、上位から、S評価の団体が一団体、A評価の団体が十一団体、B評価の団体は二十一団体となってございます。
なお、理事長等の業績評価につきましては団体評価と同一としておりまして、理事長等の役員報酬の減額を行うC及びD評価の団体につきましては、今回は該当がございませんでした。
詳細につきましては、大変恐縮ではございますが、資料第5号、二〇二一年度東京都政策連携団体経営目標の達成状況をご覧いただければと存じます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○吉村人権部長 第二期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(案)につきまして、お手元の資料第6号及び第7号によりご説明させていただきます。
資料第6号が計画の概要になっておりますので、そちらをご覧ください。
本計画は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例第五条第一項に基づき策定するもので、現在の計画は令和五年三月までを計画期間としておりますことから、次期の計画案をお示しするものでございます。
本文四ページからの第2章は、多様な性をめぐる国内外の動向や、昨年度実施いたしました性自認及び性的指向に関する調査の結果などを取りまとめたものでございます。
本文一七ページからの第3章は、こうした現状を踏まえ、都の課題認識として、性的マイノリティー当事者は、周囲の無関心、無理解、偏見等の中で、人間関係や学校、職場などの様々な場面で依然として困り事に直面している現状があることや、当事者が社会とつながる契機となるよう社会へのアクセスを確保すること、継続的な普及啓発を通じ、多様な性についての理解を浸透させていくことの必要性などを挙げております。
このような課題認識の下、基本方針として、性的マイノリティー当事者に寄り添う、多様な性に関する相互理解を一層推進する、東京に集う誰もが共に支え合う共生社会、インクルーシブシティ東京の実現を目指すの三点を掲げ、計画期間を令和五年四月から五年間として各施策に取り組んでまいります。
裏面をご覧ください。
本文二三ページからの第4章では、四つの施策の柱を掲げ、それぞれ具体的な取組を実施することとしております。
まず一つ目の柱、相談・支援体制の充実では、若年層が相談しやすい環境整備のため、電話、SNSを活用した専門相談の実施や同じ悩みを抱える当事者同士が交流できる機会の提供などの取組を記載しております。
二つ目の柱、啓発・教育の推進では、若年層向け学習プログラムの開発、実施の検討、企業向け研修の充実、受講企業によるフレンドリー企業宣言や性的マイノリティーの理解者を意味するアライの宣言を促す取組の検討、民間事業者によるパートナーシップ制度の活用を支援する相談体制、事例紹介等の検討などの取組を記載しております。
三つ目の柱、職員理解の推進では、パートナーシップ関係にある職員に対し各種福利厚生制度を適用していくことや、窓口等での接遇や職場内の同僚への配慮等について記載した職員向けマニュアルの活用などの取組を記載しております。
最後に四つ目の柱、庁内外の取組の推進では、行政文書における性別記載欄の廃止、見直しや、都が提供する各種サービスにおいてパートナーシップ制度を活用するなど、庁内外で連携した推進体制の下、施策を推進していくこととしております。
本件につきましては、本定例会にご報告させていただくとともに、本日から実施いたしますパブリックコメントを経まして、令和五年三月に計画を策定、公表する予定でございます。
第二期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(案)に関する説明は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○松田委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○松田委員長 次に、陳情の審査を行います。
陳情四第六三号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○武田行政部長 陳情四第六三号、住民基本台帳法の改正を求める意見書の提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
資料第8号、陳情審査説明表をご覧ください。
この陳情は、山梨県中央市小池裕敏さんから出されたものでございます。
陳情の要旨ですが、都議会において、本人の同意がある場合は、民間事業者が住民基本台帳ネットワークシステムにより本人確認情報の提供を受けられるよう、住民基本台帳法を改正することを求める意見書を国に提出していただきたいとするものでございます。
現在の状況ですが、住民基本台帳法においては、氏名、出生の年月日、男女の別及び住所等の本人確認情報の提供を受けることができる者を、市町村長、その他の市町村の執行機関、都道府県知事、その他の都道府県の執行機関及び法に定められている国の機関または法人に限定しています。
なお、令和三年五月に電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律が改正され、同法の施行後において、署名検証者等である民間事業者等は、署名利用者である本人の同意があり、かつ署名利用者である本人の氏名、出生の年月日、男女の別、住所及び署名用電子証明書の発行の番号の特定署名用電子証明書記録情報が存在する場合、当該情報の提供を受けることが可能となります。
説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○松田委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第六三号は不採択と決定いたしました。
陳情の審査を終わります。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後九時七分散会
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