委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 加藤 雅之君 |
副委員長 | 本橋ひろたか君 |
理事 | 藤井あきら君 |
理事 | 清水 孝治君 |
理事 | 鈴木 邦和君 |
山内れい子君 | |
宮瀬 英治君 | |
米倉 春奈君 | |
原 のり子君 | |
のがみ純子君 | |
つじの栄作君 | |
中屋 文孝君 | |
入江のぶこ君 | |
木村 基成君 |
欠席委員 なし
出席説明員総務局 | 局長 | 山手 斉君 |
次長理事兼務 | 西山 智之君 | |
理事 | 藤田 聡君 | |
総務部長 | 小平 基晴君 | |
企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 久保田直子君 | |
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 | 緑川 武博君 | |
総合防災部長 | 猪口 太一君 | |
防災計画担当部長 | 古賀 元浩君 | |
防災対策担当部長 | 榎園 弘君 | |
危機管理調整担当部長 | 高島 慶太君 |
本日の会議に付した事件
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十三号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)中、歳出 総務局所管分
・第百六十五号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十六号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
報告事項(質疑)
・原子力損害賠償紛争解決センターに対する和解あっせんの申立て方針について
・令和元年度東京都公立大学法人業務実績評価について
・令和元年度政策評価の取組について
・セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇二〇について
○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより総務局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百六十三号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)中、歳出、総務局所管分、第百六十五号議案、第百六十六号議案及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○小平総務部長 九月十五日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。
資料は二点でございます。
一ページをごらんください。1、警視庁と連携した感染拡大防止策の普及啓発実施状況でございます。
普及啓発の実施状況につきまして、実施日、店舗の種類、実施件数、都職員参加者数を記載してございます。
二ページをごらんください。2、ステッカー掲示店の現地確認の実施状況でございます。
令和二年八月十八日から九月十五日までに実施した現地確認の実施状況につきまして、実施日、店舗の種類、実施件数を記載してございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○早坂委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○木村委員 私からは、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例に関する質問をさせていただきます。
本年六月、事業者向け東京都感染防止ガイドラインの取り組みが始まりました。目的は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と経済社会活動の両立。東京都は、事業者向け東京都感染拡大防止ガイドラインを作成し、本ガイドラインや業界団体作成のガイドラインをもとに、事業者が感染拡大防止を徹底し、対策を行った店舗や事業所の登録で、感染拡大防止宣言ステッカーが取得できる仕組みをつくりました。
七月十七日の本会議で知事は、感染拡大防止ガイドラインの徹底的な遵守などが新型コロナに打ちかつための土台だと発言されております。また、感染防止徹底宣言ステッカーが目印になるとも、そのとき発言されていました。
このステッカーについては、当初、感染拡大防止の実効性というのがどうなんだろうかということを私は率直に感じたところでございますが、そこで、七月二十日の総務委員会で何点か指摘をさせていただきました。
都民からステッカーの実効性に関して信頼性を得る必要があるんじゃないかというのが一点。それから、真摯に感染拡大防止に取り組む店舗がある一方で、ただステッカーを掲示するだけの店舗があったとすれば、それは非常に不条理ではないか。それからもう一つは、しっかりと感染防止に取り組む店舗の努力が報われる必要があると。この三点、指摘をさせていただきました。
その上で幾つか提案もさせていただきましたが、店舗が第三者からの点検や評価を受けてはどうか。それから、民間の力を使うということも一つじゃないか。あるいはステッカーよりも目立つフラッグだとか、何らかの認証というものがあってもいいのではないか。こういう三点、申し上げたと思います。
局長からは、都が先頭に立って、ガイドラインの遵守に対する効果的な支援のあり方を検討するという答弁をいただきました。
八月一日、知事の専決で、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例というものが改正されたわけでありますが、そこで伺うんですが、改正でガイドラインの遵守やステッカー掲示等の努力義務というものを行いました。その背景、効果、また評価、これについて伺いたいと思います。
○猪口総合防災部長 ガイドラインやステッカーを活用することによりまして、感染拡大防止のための取り組みを進めてまいりましたが、七月二十三日には新規陽性者数が三百六十六人となり、二十七日には入院患者数も千二百六十人と前日より大幅に増加いたしました。
このため、緊急に感染症に対する措置の強化を図る必要があったことから、事業者と都民の責務を努力義務として明確に規定するための条例改正に着手いたしました。
事業者にはガイドラインの遵守とステッカーの掲示を強力に求め、安心して利用できる店舗をできるだけ増加させ、都民にもステッカーの掲示がある店舗等の利用を積極的に促し、事業者と都民の双方のご協力をいただきまして、さらなる感染拡大を抑え込むことといたしました。
この結果、七月二十七日には約六万四千件であった感染防止徹底宣言ステッカーが、九月三十日時点では約二十一万一千件と大幅に増加するなど、感染防止策を講じる店舗等が広がっていると考えてございます。
○木村委員 最初は、条例改正しても努力義務だと実効性が担保されるのかどうかということは非常に心配だったわけでありますが、しかし、感染状況というのを踏まえて一刻も早く対策を打ちたいんだということは、皆さんからいろいろ私も説明を伺ったりして、また東京都からの発表も伺いながら、その考えの背景というものは理解することはできました。
あのとき、実効性を持たせる対策の準備をしてからステッカーというものを始めていたとすると、これは私の予想ですけど、普及は恐らく二カ月ぐらい後になったんだろうな、そういうふうに思うんですよね。まずは事業者と利用者の啓発を優先したんだ、この考え方については私も理解できるところです。
八月に入ってからの感染者数の推移を見ていくと、直接的な関係というのは断言できないんだと思いますけれども、意識啓発というのは一定の効果があったんだろうと、そういうふうに私は評価したいと思っています。
専決にするか、議会の開会を待つか。そのときの選択というのは専決だったわけでありますけれども、七月の感染者数の推移からすると専決で条例改正を行った、これについても、一定の理解を私はしたいと思っています。
理解できるというふうに申し上げましたけど、百点だとは思っていなくて、どういうことかというと、実効性の担保がセットになっていないと、これはよくないだろうと。この点だけは都民ファーストの会としてはやっぱり譲れない点であると。
そこで、九月二十九日の本会議で、我が会派は代表質問で、東京都は感染防止徹底宣言ステッカーの普及を進めたけれども、その効果が認められる一方で、ステッカー掲示店における不十分な対策がもとでクラスターが発生している事例もあるなど、ステッカー制度の実効性の担保は大きな課題になっていると、このように指摘をさせていただきました。その上で、ステッカーの掲示に際しては、適切にガイドラインが守られているか都が直接店舗を確認することに加えて、各業界団体と連携した取り組みを強化するべきであると、このように提案をさせていただいたわけであります。
今後、各業界団体が主体的にガイドラインの遵守、点検を行うことを推進するために、点検を実施した店舗を都民が認識できるように、ステッカーの上にシールを張るなどの取り組みや、店舗や利用客に対する普及啓発のための動画やポスター制作などの取り組みも支援するべきであるというふうにあわせて提案をしたわけでありますが、これに対して局長からは、業界団体が自主的にステッカー掲示店を巡回し、感染防止対策を点検、指導する取り組みへの新たな補助制度を構築するよということがありました。
その際、業界団体による点検済みを示す統一デザインの標章をステッカーの上に掲示することで、都民が感染防止対策の状況を判断できる仕組みとすると。そしてもう一つは、感染防止対策を推進するための業界団体による啓発動画の制作だとか、講習会の開催、店舗利用者向けの情報発信など、普及啓発の取り組みも対象にするということでした。
このような答弁があって、ステッカーの実効性を担保する対策はとれることになった、このように思います。私たちの提案した内容なんだというふうに思っております。これで感染拡大防止と経済活動を行っていく体制というものが整うんだというふうに私は考えております。
経済を回すには、都民の納得と安心がなければ無理だと思います。それには、私たちが当初より提案してきたように、実効性を担保する取り組みが重要になってくるんだろう、このように思っております。
そこでお伺いいたしますが、今後、どういうふうにして業界団体を活用した取り組みを進めて、点検済みを示す標章をステッカーに掲示した店舗などを広げていくのか、この取り組みについて伺いたいと思います。
○山手総務局長 新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済社会活動の両立を図り、都民の安心を確保するためには、事業者がガイドラインに基づく感染防止対策を適切に実施することが重要でございます。
意欲のある業界団体が店舗を巡回し、感染防止の取り組み状況を点検するとともに、点検済みを示す標章をステッカーに掲示することで、利用者は感染防止対策の実施状況を容易に判断することができ、また、事業者としても利用者へPRすることができるものでございます。
今後、点検済みの標章が掲示される店舗がふえますよう、業界団体に対して、本事業の利用を強く働きかけますとともに、取り組みを行う団体の公表や、また、さまざまな広報を実施するなどいたしまして、自主点検の取り組みを広げていく考えでございます。
こうした施策を通じて、事業者と都民が双方で協力して、さらなる感染拡大を抑え込めるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○木村委員 今おっしゃっていただいたように、利用者にとっても事業者にとっても、お店の取り組みがしっかりわかるような表示をするということは非常にメリットがあることだと思います。
広報活動も展開してくださるということでありました。しっかり東京都からも、こういう活動をしているということは、ただ単にホームページに載せるだけではなく、いろんな媒体を使って広めていただきたいと思います。また、いろんなところ、会見等、あるいはその他の場面でも、その活動というのはしっかり行ってくださるよう、これは求めておきます。
コロナ禍は、先の展開でわからないことが多くて、加えて特措法だとか、感染症法が現実に即していないといった問題があります。そうした中で、常に前向きにコロナ禍に取り組む総務局の皆様には、心から私は感謝を申し上げたいと思っております。
今回のこのステッカーについても、非常に真摯に対応していただいたと思っております。そのことを感謝申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○のがみ委員 私からも、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例の一部を改正する条例について質疑をさせていただきます。
さきの七月二十日の総務委員会の質疑の時点では、感染防止徹底宣言ステッカーは約三万六千五百件とまだまだ普及が進んでおりませんでした。その後、局によると、七月三十一日時点では九万一千八百件、九月三十日時点で約二十一万一千件と大きく件数がふえてきております。
まち中でもステッカーを目にする機会が多くなったと感じております。この感染防止徹底宣言ステッカーの普及に当たって、さまざまな創意工夫が必要だったと思いますけれども、ここまで普及させるのに、具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。
○高島危機管理調整担当部長 都は、都民が利用する店舗や施設等にステッカーを普及するため、二百八十七の業界団体やチェーン展開を行う企業に対して、訪問や電話によりステッカーの趣旨を説明したほか、個々の店舗に対しても都職員が訪問して直接説明するなど、積極的に働きかけを行ってまいりました。
また、区市町村と連携した商店街でのリーフレットの配布や、動画やCMなどのさまざまな媒体の活用などを通じ、普及に努めてきました。
さらに、パソコンやプリンターを持たない事業者がステッカーを取得できるよう、コンビニでの印刷サービスの紹介やステッカーの郵送対応など、デジタルディバイドにも配慮したきめ細かな対応を行ってきました。
今後も、ステッカーを掲示していない店舗等への積極的な働きかけを行うなど、さらなる普及啓発を行い、感染拡大防止を図ってまいります。
○のがみ委員 私も結構、行きつけの飲食店に、こういうのがありますからぜひ参加してくださいというふうに資料を配ったり、あるいはそのお店にネット環境がない、小さなお店もたくさんあるんです。おじいちゃんとおばあちゃんがやっているようなお店もあって、そのときには自分のパソコンを持って、こういうふうになるんですよって、ちょっと丁寧にやってあげたりとか、いろいろさせていただきました。
結構、局の方々の本当に地道な取り組みによって、すごい件数が出てきたんじゃないかと思っております。これまでの取り組みにより、ステッカーを掲示する店舗は増加したんですけれども、ただステッカーが張ってあればよいというものでもなく、各店舗で適切な感染予防対策が実施されていることが重要であると思います。
うちの葛飾とか、江戸川とか、足立でも出たんですけれども、何たらパブとかというのが多かったんですけど、ステッカーを張ってある店舗でクラスターが発生した事例も見受けられることから、ステッカーの実効性の確保が急務であると思っております。
ステッカーの実効性を確保するために、さまざまな手法でチェックを実施すべきであると思っておりますけれども、見解をお伺いいたします。
○高島危機管理調整担当部長 都では、本年八月から、繁華街の飲食店を中心に職員がステッカー掲示店舗を訪問し、ガイドラインに沿った感染防止策が実際に講じられているかどうかの確認を行っております。
この現地確認については、九月三十日までで二千二百五十四件実施しており、多くの店舗等で適切な感染防止策が実施されていることを確認しております。
また、今後、業界団体が自主的にステッカー掲示店舗を巡回し、感染防止対策を点検、指導する取り組みへの補助制度を導入いたします。
さらに、専門家による講習会や現地確認を行うアドバイザー事業を拡充するなど、ステッカーの実効性を高め、感染防止対策の徹底を図ってまいります。
○のがみ委員 前回の質疑の中で、感染防止ガイドラインに沿った対策を行っていない店舗に、対策チームをつくって、しっかり指導しながら取り組んでいくべきであるということを要望したわけであります。
この要望を受けて、山手総務局長から、さらに今後、繁華街における積極的なPCR検査の実施や休業に伴う協力金の支給など、まずモデル事業を豊島区でやりまして、ほかの区市町村にも広げていくということで、個別のニーズに応じたきめ細かい支援を充実していくということをおっしゃったわけでございます。
今、アドバイザー事業というのは、アドバイザーの方が、八名のままでよろしいんですかね、いらっしゃると思うんですけれども、ぜひ都民の安心を確保していくためにも、積極的に今後も取り組んでいっていただきたいということを要望して、終わります。
○原委員 それでは、質問したいと思います。
最初に、コロナ対策条例改正の専決処分について伺っていきたいと思います。
今回のコロナ対策条例の改正については、ガイドラインの遵守、それからステッカーの掲示、また、掲示している施設を利用するとか、通知サービスの活用などについて、事業者と都民にそれぞれ努力義務を課すという、そういう改正です。
この今回の専決処分は、地方自治法百七十九条に基づいて、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであるということで実施をされています。
重要なのは、専決処分は長の責任において実施されるということだと私は思っています。ですから、共産党都議団として、代表質問で知事に質問をしました。しかし、知事は一切答弁されませんでした。余りに無責任だと私は思っています。
残念ながら、知事出席のもと特別委員会を設置して審議できるようにするという提案もしましたけれども、議会では通りませんでしたので、知事が専決処分のみずからの責任については何も答えないまま、この議会は終わろうとしているというふうに思います。
二元代表制を否定するような知事の姿勢は曖昧にできないと考えています。ここには知事はいらっしゃいませんけれども、総務局としての考えを伺っていきたいと思います。
この条例改正が都民の権利や義務にかかわる重大な内容であることから、議会に諮る必要がある、また議会に審議してもらわないといけないというふうには全く考えなかったのでしょうか。
○猪口総合防災部長 感染状況等の危機的な状況を踏まえまして、七月二十七日の臨時会の閉会後、ステッカー等の取り組みを努力義務とする条例改正の検討を開始いたしました。
改正の内容から考えますと、努力義務を課す都民及び事業者に速やかに周知いたしまして、一刻も早く効力を発生させる必要があり、また、議会を招集する時間的余裕がなかったため、専門家の意見等も踏まえまして、専決処分によるほかないと考えたところでございます。
○原委員 専決処分によるほかないというふうに考えていたということです。
モニタリング会議は二十二日に開かれて、次は三十日でした。通常で考えれば、三十日のモニタリング会議を受けてどうするか決めるということがあり得たのではないかと思いますが、そういうことは考えなかったんでしょうか。
○猪口総合防災部長 七月二十七日に検討を開始した段階では、緊急性に鑑みまして専決処分を含めました検討を開始いたしましたが、最終的に専決処分を判断したのは、専門家等の意見を踏まえた三十日でございます。
○原委員 専決処分は七月三十日に行われています。臨時会は七月二十七日までやっていたことからすれば、臨時会中から検討していたのではないかと普通は思います。
代表質問での総務局長の答弁では、七月二十七日の臨時会の閉会後、ステッカーを努力義務化する条例改正の検討を開始したと述べられていました。
少なくとも臨時会中に条例改正の必要性については検討していたのではないですか。
○猪口総合防災部長 七月二十二日に行いましたモニタリング会議の分析では、新規陽性者数は先週より増加、重症患者数は増加の兆しが見られるなどのコメントをいただいております。このため、事業者にはガイドラインの遵守やステッカーの掲示を、都民にはステッカー掲示店舗等の利用を、引き続き強く求めてきたところでございます。
このため、臨時会開会中は、今般の条例改正の必要については検討してございません。
○原委員 必要性自体も検討していなかったということですが、本当に何も検討していなかったのなら、臨時会直後、七月二十七日に、どうしても条例改正をしなければならない重大な出来事があったということになるのではないかと思いますが、それは何でしょうか。
○猪口総合防災部長 七月二十三日の四連休の初日には、新規陽性者数が三百六十六人と前日の二百三十八名より急激に増加しております。また、二十六日までの七日間移動平均も二百五十人を超えるなど、感染状況が危機的な状況となっておりました。加えまして、二十七日には入院患者数が千二百六十人と前日より百人近くも増加いたしまして、医療提供体制が危機的な状況に陥るおそれがございまして、緊急に感染症に対する措置の強化を図る必要があったことから、閉会後に条例改正に着手したところでございます。
○原委員 今の答弁は、二つの矛盾があると思います。一つは、臨時会中には何も検討していないといいながら、臨時会中に感染状況が危機的になっているということを今答弁をされています。特に、新規感染者が三百六十六人になった、これは二十三日です。逆に、実は二十七日は、新規感染者は減っているという状況でもありました。
この時期で会期延長して検討していくなど、臨時会中に検討することは十分できたのではないかというふうに思いますが、そういう検討もなかったんでしょうか、ちょっと確認させてください。
○猪口総合防災部長 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、二十三日からの四連休については、感染状況も危機的な状況となってございます。加えまして、二十七日には医療提供体制の中の入院患者数が千二百六十人と百名近くも増加したということで、緊急に感染症に対する措置の強化を図る必要があったということでございますので、開会中につきましては検討はしてございません。
○原委員 本当にちょっと疑問なんですね。今、二つの矛盾があるといって、一つ目のところでちょっと確認をさせていただいたんですが、もう一つの矛盾は、今おっしゃった入院患者数の問題なんですけれども、二十七日に確かに九十五人ふえているという状況があります。それはそのとおりなんですけれども、臨時会初日、十七日は八百三十六人だったんですが、二十六日までに三百二十九人ふえています。つまり、その日一日だけではなくて、緊迫した状況は臨時会中ずっとあったということです。
ですから、臨時会が終わって突然、これは必要だと気づいて条例改正をするというものではなかったということは明らかではないかと私は思います。
改めて伺いますけれども、条例改正をどうしても急がなければならなかった理由、条例改正をしなければできないことというのは何でしょうか。
○猪口総合防災部長 ガイドラインやステッカーを活用することによりまして、感染拡大防止のための取り組みを進めてまいりましたが、感染状況や医療提供体制が危機的な状況に陥るおそれがありましたことから、緊急に感染症に対する措置の強化を図る必要があったところでございます。
条例改正によりまして、事業者と都民の責務を努力義務として明確に規定することで、事業者にはガイドラインの遵守とステッカーの掲示を強力に求め、安心して利用できる店舗をできるだけ増加させ、都民にもステッカーの掲示がある店舗等の利用を積極的に促しまして、事業者と都民の双方のご協力をいただいて、さらなる感染拡大を抑え込むこととしたところでございます。
○原委員 今ご答弁で、条例改正しなければできないことは何ですかということを聞いたんですけれども、結局、努力義務化して明確に規定するということで、それまで取り組んできていることをさらに推進するということだと思うんですよね。
これは、条例改正をして努力義務化ということ、この改正をしなくても、今取り組んできている事業ですから、それをさらに強化をしていく、発信をしていくということはできるわけで、慌てて条例改正をここでしなければならないその理由になるのかというふうに私は思います。
これまでのことをちょっと伺いたいんですけれども、都の条例改正で、専決処分をした事例というのは過去にどういうものがあるのか教えてください。
○猪口総合防災部長 本年、令和二年には、東京都都税条例の一部を改正する条例、令和元年には、警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例や都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例がございます。
今回は、感染状況等の危機的状況を踏まえまして、緊急に感染症に対する措置の強化を図る必要があったため、専決処分を行ったところでございます。
○原委員 今、幾つか事例を述べられました。こうした事例の中で、軽微なものではなくて、努力義務化の事項を加えるなど都民の権利や義務にかかわる内容の条例改正で専決処分をした、そういう事例はほかにありますか。
○猪口総合防災部長 過去五年間の専決処分を確認する範囲におきましては、そのような条例は確認されませんでした。
一方、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は、過去に例のない未曽有の出来事でございまして、一刻を争う事態に緊急に対応する必要があったものでありまして、ご理解いただきたいというふうに考えてございます。
○原委員 やはり例外中の例外だと。例外だけれども、異例のことだけれども、一刻を争うことだからということですよね。
何で今回専決処分が非常に問題なのではないかといっているのは、繰り返しいっているように、都民の権利や義務、ここにかかわっているからなんです。その大きなものを改正する。しかも、今ある条例に新たに加えるという非常に大きな問題だから、本当にこの内容で専決処分でいいのかということをいっているわけですけれども、このような例はほかにはないということです。
専決処分は、知事の自由裁量ではありません。客観的な根拠がなければできないわけですが、今回の場合、客観的な根拠は何なのかお示しください。
○猪口総合防災部長 当時、新規陽性者数が大幅に増加する傾向が続くとともに、全世代に感染が広がり、島しょ部を除きます都内全域に感染が拡大するなど、さらに大きく感染が拡大するおそれのある危機的な状況となってございました。
こうした状況に緊急に対応するため、ガイドラインやステッカーを活用した施策を直ちに行いまして、努力義務を課す都民及び事業者に速やかに周知し、一刻も早く効力を発生させる必要がございまして、感染症対策審議会等における専門家の意見も聞いて、専決処分を行ったところでございます。
○原委員 一刻も早く効力を発生させる必要があるということを繰り返しおっしゃっています。
でも、効力を発生させる、その鍵は何かというと、都民や事業者の理解ということだと思うんです。
都民や事業者の理解を短期間のうちに進めるということでは、どういうことをやったんでしょうか。
○猪口総合防災部長 条例施行後、速やかにさまざまな媒体を活用しまして、都民や事業者のご協力を求めるとともに、職員が現地に直接赴きまして、ガイドライン遵守の指導やステッカーの掲示状況等を確認する中で、さまざまなご意見をいただいて、条例の普及啓発に努めているところでございます。
○原委員 それは、専決処分をした後、そういう努力をしていますというお話だと思います。
私は、重大な中身の問題を決めてしまってから徹底しますよということでは、本来はやっぱりよくないのではないかと意見として持っています。
条例を改正して、知事が記者会見の中でフリップをよくかざされますけれども、その中で、義務っていうふうに書いていたんですよね。都民がステッカーのあるお店を利用することなどについて義務ですということで示していらっしゃいました。
私は、努力義務なわけですけれども、そういうことでわかりやすくしようと思ったのかわかりませんけれども、義務だということでアピールされていて、こういうふうにやればみんなびっくりして協力するだろうという発想なのではないかというふうに感じたんですね。
重要なのは、これを実施することによって感染拡大防止にどれだけ効果があるのかということを、科学的にその根拠を持って話していくことだというふうに思うんです。
ステッカーを努力義務化することでの効果というものをどう説明しているんでしょうか。
○猪口総合防災部長 本条例の普及につきましては、何より都民と事業者のご協力が不可欠でございます。
先ほどご説明したように、条例施行後、都民や事業者への普及啓発に努めてまいりました結果、ステッカーの掲示枚数は大幅に増加しておりまして、新規感染者数も減少傾向にあるというふうに考えてございます。
○原委員 効果があるということも含めて示しているということなんでしょうけれども、私は説得力があるといえないのではないかというふうに思うんですね。
また、内容についてはちょっと後ほど聞いていきますが、今回の手続の進め方でもう一つ重大な問題があるので、その点を伺いたいと思います。
専決処分の承認もどうなるかわからないわけです。今、議論しているわけですけれども、この段階でさらなる条例改正案を出して、それが今、厚生委員会にかかっているということにこの議会はなっています。このやり方については問題があるとは考えていないのでしょうか。
○猪口総合防災部長 七月の条例改正につきましては、先ほど申し上げておりますが、感染状況や医療提供体制が危機的な状況に陥るおそれがあると認めまして、これ以上の感染拡大を抑え込むため、ガイドラインの遵守、ステッカーの掲示等を努力義務としているものでございまして、本定例会で承認をお願いしているところでございます。
新たに提案している条例改正案は、今後の新型コロナウイルス感染症の感染の再拡大を見据えまして、都民に対して、自宅療養や必要な検査を受けること等を努力義務化しているものでございます。
同一条例の改正ではございますが、その趣旨、内容等は異なるものでございまして、また、法的にも専決処分につきましては、議決を経て行われたものと同様に、適法かつ有効であるというふうにされているところでございます。
○原委員 それでは、このことについても伺いたいんですけれども、一つの条例で、専決処分の報告と、それからさらなる改正案の提出が、同じ定例会で別々の局からなされるという今回のような事例は過去にあったでしょうか。
○猪口総合防災部長 過去五年間の専決処分を確認する範囲におきましては、そのような事例は確認されてございません。
なお、今回は同一条例の改正ではございますが、その趣旨、内容等は異なるものでございまして、別々の局からご報告、ご提案をさせていただいているところでございます。
○原委員 これも過去五年間の中で事例はないということで、ただ一刻を争うからだということを理由にされているんですけれども、同一条例だけれども趣旨、内容が異なるから、法的には問題ないということでした。
ただ、私が思っているのは、今回の厚生委員会にかけられている部分の条例改正も、努力義務を課すものなんですよね。条例全体を見て、またコロナの感染の状況全体を見て、都民に努力義務を課すことが、何が適切なのかということをきちんと議論するということがどうしても必要だと思うんです。
どの分野も必要と思えばどんどん努力義務をふやすというようなことになっては、これは問題だと思いますので、本当に慎重にすべきだというふうに思っているんです。
審議会でも、委員の方からこの点については意見が出ています。都民に対してについては、ステッカー掲示施設を利用するとか、通知サービスの利用を努力義務として課す方向にやや過剰ではないかという懸念も感じました、そこまで必要なのだろうかと。私的領域にやや入り込み過ぎなのではないか、こういうような懸念も持ちましたというご意見が出ているんですよね。本当に慎重にすべきものではないかというふうに思います。
それに、この専決処分、今、議論していますけれども、不承認になる場合もあるわけですよね。この場合、行政としての対応はどういうことが考えられるのか、そのことは検討されたのでしょうか。
○猪口総合防災部長 議会のご承認が得られなかった場合にも専決処分の効力そのものには影響がないとされてはおりますが、議会のご承認をいただけるように、丁寧にご説明していく所存でございます。
○原委員 専決処分の承認をしてもらえるよう丁寧に説明するということなんですが、そうではなくて、本当に丁寧にしなければならなかったのは、その前の議論だったというふうに思います。どんなに一刻を争うといっても、努力義務を課すという本当に重要な、重大な問題ですから、きちんと議論できるようにすべきだったというふうに思います。
実際に、先ほどもいいましたけれども、条例改正を急がなくても、例えば協力金の補正予算もありましたが、改正がなければこれが進められないというわけでもなかったですし、また、都としてはステッカーへの協力は既に呼びかけているわけですから、専決処分するのではなくて、議会できちんと議論をする、また都民の意見を聞くということを、一刻を争う本当に緊急な事態だったからこそ、そこを丁寧にすべきだったというふうに私は思います。
代表質問でも、二元代表制を機能不全に陥らせる知事の行為ではないかと厳しく私たちは指摘をしていますけれども、二度とこのような専決処分がなされないよう求めておきたいと思います。
続いて、条例改正の内容についてもちょっと伺いたいと思います。
ステッカーのないお店は避けてくださいという知事の呼びかけがずっと行われてきました。これは私、前の定例会の委員会でもいろいろ質問をして、やりとりしていますけれども、条例では、都民は標章が掲示されている施設の利用等に努めなければならないと規定しています。
ステッカーが掲示されている店を利用するように努力してほしいというふうに求めるのと、掲示されていない店に行くなと求めるのは、似ているようで質が全く違うというふうに思います。
果たして、知事の避けてくださいといっていることは、条例に照らして適切なものなのかどうか伺います。
○猪口総合防災部長 条例では、都民に対しまして、新型コロナウイルス感染症の予防の観点から、施設の利用及び催し物等への参加に当たりましてステッカーが掲示されている施設の利用等を求めているところでございます。
知事の呼びかけにつきましては、都民、事業者の行動変容を促しまして、新しい日常を定着させるため、できるだけ都民にわかりやすいよう、さまざまな表現で発信しているものというふうに考えてございます。
○原委員 知事はわかりやすく発信をしているんだということですけれども、知事の発想は、ステッカーを張っていなければガイドラインを守っていない店なんだっていうふうに思われているんじゃないかなというふうに思うんですね。
ステッカーを張りたくても張れない、そういう条件のお店があるということを本当にご理解されているかなと私はいつも疑問に思っているんですが、七月十五日の記者会見でも、ガイドラインを守らない店は避けていただきたいと存じます、そして、その目印としてこのステッカーのあるお店を選んでいただきたい、それが感染拡大防止の基本となりますといっていて、ガイドラインを守りたくても守れる環境にないお店に対する配慮が、今いったように私は感じられないというふうに思っているんですね。
実際に、ガイドラインを守ってステッカーを張っているお店で感染が出たとき、クラスターが発生したときに、当初は、ガイドラインを守れていないのに掲示しているかのような決めつけた発言を知事が行っているんですね。それをその後、事実がわかっても謝罪をされていないんです。
それで、伺いたいのは、七月二十九日、専決処分直前の産経新聞のインタビューなんですが、ここで知事は、ステッカーを掲げていない店を避けてくださいというのは有効な手だてになると述べて、ステッカーを掲げていない店を避けてくださいということを明確にいっているんですね。これが条例化の狙いだといっているんです。この発言は、条例に照らして適切ですか。
○猪口総合防災部長 本条例の狙いにつきましては、先ほど申し上げましたように、都民に対して、予防の観点から、施設の利用及び催し物への参加に当たりましてステッカーが掲示されている施設の利用等を求めている内容でございます。
繰り返しになりますけれども、知事の呼びかけにつきましては、都民及び事業者の行動変容を促し、新しい日常を定着させるため、都民にわかりやすいよう、さまざまな表現で発信しているものでございます。
○原委員 では、この知事の発言は、条例に照らして問題ないということになるんですかね。私は非常にこれは問題だと思っていまして、そういう特定の店を、その事情も考慮しないで、そこを排除するかのような発言なんですよね。私はこれをやっていいのかというふうに思っています。
特にコロナ条例を見ますと、第十条に、知事について責務を規定しています。知事は、新型コロナウイルス感染症対策を実施するに当たって、都民及び事業者に対し、必要な支援を行うよう努めるものとするということを書いているんですね。
だから、こういう店を避けなさいというのが知事の仕事ではなくて、なかなかガイドラインを守りたくても本当に条件が厳しいんですと、ステッカーを張れないんですというお店があったら、そのお店に対してどういう支援をしていくのかということを考えていかなければならない、それが知事の責任なはずなんですよね。
また、条例の第十一条では、基本的人権の尊重を述べています。ここではこういうふうに書いてあります。都民の自由と権利が尊重されるべきことに鑑み、新型コロナウイルス感染症対策を実施する場合において、都民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型コロナウイルス感染症対策を実施するため必要最小限のものでなければならないといっているんです。
だから、ここに照らしても、今回の専決処分はどうだったのかというふうに思いますし、今のように知事がこういう店は避けてくださいということは、この条例に照らして問題があるんじゃないかということを指摘しているわけです。
第五条ではガイドラインの遵守を位置づけていますけれども、その対象は、事業者となっています。しかし、ステッカー掲示については第六条で、劇場、飲食店その他の集客施設を運営する事業者というふうに、対象をしています。
それぞれの定義はどういうもので、それはどこに書かれているか伺います。
○猪口総合防災部長 条例上、定義規定というものは今回の場合設けてございませんけれども、第五条の事業者とは、事業を行う法人、団体及び個人と考えてございます。
また、第六条の劇場、飲食店その他の集客施設を運営する事業者とは、第五条の事業者のうちで、劇場、飲食店その他の、主に不特定の利用者が集まる施設を運営する事業者のことを考えてございます。
条例の内容やステッカーの掲示につきましてはさまざまな媒体を通じて周知するとともに、事業者等からの問い合わせに対しましても、ステッカー申請・感染拡大防止協力金相談センターで個別に対応しているところでございます。
○原委員 第五条については、事業者というふうに全体をくくっていますので、これは当然イメージというか、わかるわけですけれども、第六条については、これは都独自の考え方ですから、本来、定義を明確にするという必要が私は条例上もあるのではないかということは指摘をしておきたいと思います。
それと、もう一つ伺いたいのは、厚生委員会に今回かかっている条例改正は、たった六日間でしたけれども、パブリックコメントが行われているんですね。この六日間というのはどうかというのはいろいろあるんですけれども、ただ今回は、今議論しています専決処分された条例改正については、パブリックコメント自体は当然行われていないという結果になっているわけです。
同じ努力義務を課すという内容ですよね。違いはあるけれども努力義務の問題なのに、一方ではパブコメにかける、一方ではかけないという、この判断の違いを説明してください。
○猪口総合防災部長 七月の改正につきましては、感染状況等の危機的な状況を踏まえまして、臨時会の閉会後、ステッカー等の取り組みを努力義務化する改正の検討に着手したところでございます。
こうした改正の内容から考えると、努力義務を課す都民、事業者に速やかに周知し、一刻も早く効力を発生させる必要があったことから、パブリックコメントを行うことなく、三十日に専決処分を行ったところでございます。
なお、職員による各事業者への直接の訪問による現地確認やステッカーの普及啓発、コールセンターでの事業者からの相談の受け付けなどにおいて、各事業者からさまざまなご意見をいただいており、個別に対応しているところでございます。
○原委員 パブリックコメントについても、今回は急ぐ必要があるからということで意見を聞かないということになっていて、私はそこの急ぐから聞かないんだというのは、やっぱり問題があるんじゃないかというふうに思います。
意見を聞くという点では、ちょっと伺いたいのは、実際に先ほど来いっていますけれども、ガイドライン遵守が難しい事業者の方からの相談や要請は受けていませんか。受けているとすれば、どのような検討や対応がされていますか。
○猪口総合防災部長 職員によります各事業者への直接の訪問による現地確認や普及啓発、コールセンター等の受付におきまして、各事業者からは、座席の間隔を十分にとること、あるいはキャッシュレス化の導入等が難しいなどの相談を受けてございます。
各ガイドラインにつきましては、感染防止対策の取り組み例を示したものでございまして、各事業者には、店舗等の実情に応じた適切な感染防止対策に取り組んでいただくよう呼びかけているところでございます。
○原委員 実情に応じたというお話がありました。今答弁されたように、実情に応じたチェックでステッカーを掲示して構わないという意味なんでしょうか。ちょっと確認させてください。
○猪口総合防災部長 できるだけガイドライン等の遵守というものを呼びかけてございますけれども、ステッカーの掲示につきましては、実情に応じてステッカーを掲示していただくようお願いしているところでございます。
○原委員 実際に、本当にまじめにお仕事をされている方たちの中では、どうしてもチェックが全部つかなくて、掲示をしていないという例はたくさんあるんですよね。
例えば、私、前の委員会でも美容院の例を出したと思うんですけれども、また違う美容院の方にもお話を聞いたんですけれども、そのお店も掲示していないんですね。
掲示していない理由は、本当に努力しているけれども、全部完璧にチェックをつけられないので、それで張ってしまって、もし感染者が出たときにどうしたらいいかということや、また、自分たちは精いっぱい努力していますといっても、例えばお店の中に入ってきた人がこんな対策でいいのかといって、そういう情報をネットに上げたりされると、もうお店が大打撃になって、営業が成り立たなくなる場合もあると。そういうことも心配されて、ステッカーを張れないというふうに話をしているんですね。
私は先ほど、この条例の第十条の、知事はと書いて、必要な支援を行うよう努めるものとするというところを引用して話しましたけれども、ここの対策をとらないとだめなんじゃないかというふうに思っているんですね。
第十条に立って、ステッカーを今掲示したくてもできない、悩まれているお店の支援を具体化すべきなんじゃないかと思うんです。
必要な支援を行うよう努めるものとするというふうに条例で明記されているんですから、それをちゃんと検討すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。それをやることが感染拡大防止にも有効なんじゃないかというふうに思いますが、見解を伺いたいと思います。
○猪口総合防災部長 コールセンターや直接の訪問などによりまして、我々もさまざまなお声をいただいております。そうした中で、今般の補正予算の中でも、新たなチェック制度等々の取り組みを提案させていただいているところでございます。
引き続き、そういった取り組み、あるいは現在のガイドライン等々の取り組みを相乗的に発揮させて、感染防止対策に努めてまいりたいと考えてございます。
○原委員 私は第十条をしっかり進めていっていただきたいというふうに重ねて求めておきたいと思いますけれども、そして先ほど触れました第十一条の基本的人権の尊重というところを見ても、都民の自由と権利に制限を加えられるときであっても、最小限でなければならないと、こう書いているのに、最小限かどうか、議会にも都民にも聞かずに進めるのは、やはりあり得ないと改めて思います。
それで、これもちょっと見解を伺いたいんですけれども、知事は記者会見で、努力義務化したことについて、義務というふうに書いたフリップを持って説明をしているんですね。もっと慎重であるべきだと思いますが、あのフリップは、そういう義務だというふうにお知らせすることについては問題はないと考えているんでしょうか、ちょっと確認します。
○猪口総合防災部長 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、本条例につきましては、さまざまな努力義務を課しているところでございますが、それらにつきまして、できるだけ都民、事業者にわかりやすく普及啓発する、その一環で、知事の方からもいろいろな言葉を用いまして発信させていただいているところでございます。
○原委員 私はちょっと課題があるなというふうに思います。進め方、それから内容についても、大きな問題があるというふうに改めて感じているところです。
最後に、補正予算案について伺います。
今回の補正予算では、業界団体の自主点検を促進するということになっています。なっているんですが、職員の巡回や警視庁との巡回、啓発が今まで行われてきましたけれども、これらは効果がなかったという見方をしているんでしょうか。
○猪口総合防災部長 職員の感染防止対策の現地確認では、ステッカーを掲示している店舗等において、おおむねガイドラインに沿った適切な感染防止対策が講じられております。また、警視庁と連携した感染防止対策の徹底の取り組みでは、感染防止のチラシの配布や店内での感染防止状況の確認を行っているところでございます。いずれの取り組みも、ステッカーの実効性の確保や普及啓発に効果があったものと考えてございます。
自主点検制度につきましては、業界団体が自主的に店舗を巡回し、感染防止対策を点検、指導する取り組みでございます。これまでの職員等による取り組みと相まって、ステッカーの実効性をさらに高めていくものと考えてございます。
○原委員 資料も出していただきましたが、こんなにたくさん巡回をしているんだということを改めて感じて、職員の皆さんが毎日行くようになったというのは聞いていましたけれども、ここに相当の人数ですよね、最大四十五人の構成でということで、これほどやる必要が本当にあるんだろうかというふうにも感じています。
私が何より驚いたのは、警視庁と連携しての普及啓発ですが、当初二回ぐらいやったときに、まあ、その後ちょうど職員の皆さんの巡回というのも始まっているかと思うんですね。ですから、そちらに変わったのかなと思ったら、警視庁との連携でも続けているということなんですね。
職員の巡回、また警視庁との巡回、啓発は、今後も継続する考えなんですか。
○猪口総合防災部長 職員の感染防止対策の現地確認及び警視庁と連携した感染防止対策の徹底の取り組みにつきましては、今後の感染状況などを踏まえまして、適切に対応してまいります。
○原委員 適切に対応するということですけれども、自主点検を業界団体ごとにやっていただくということになっても、それらも適切に継続するという意味なんだというふうに思うんですね。今聞いていて、そうなんだなというふうに思いました。
ただ、振り返ってみますと、もともとステッカーは自主的なものだったはずなんですね。自分でチェックしてステッカーを掲示すると。それなのに、警視庁や、また職員の巡回などで、外から点検といいますか、点検といういい方がいいかちょっとあれですけれども、巡回が行われるということは、私は本来の趣旨からいくと問題があるんじゃないかというふうに、もともと思っています。
今回、補正予算で自主点検についての支援を行うというふうになったわけですから、警視庁、また職員の巡回のあり方については、ちょっと検証して、見直していく必要があるんじゃないかと思いますが、検証はされますか。
○猪口総合防災部長 繰り返しになりまして大変恐縮でございますけれども、これらの取り組みにつきましては、今後の感染状況などを踏まえまして、適切に対応してまいります。
○原委員 私は、きちんと検証して、見直しをしていただきたいということを求めたいと思います。特に今回、補正予算の中では、ウエブ講習会とか、現地アドバイザー派遣なども入っているわけですけれども、この講習については事業者の方々から希望が出されているということも聞いています。
こういう活動というのは非常に重要で、きちんと講習をして、必要な対策を皆さんがとっていただけるようにしていく、こういう支援を強めていくということに重きを置く必要があるんじゃないかというふうに、その点は指摘をしたいと思います。
そしてもう一つ伺いたいんですけど、自主点検なんですけれども、これもやり方を気をつけないと、業界団体の中でお互いに監視し合うような、そういうことにならないかというのを私はとても心配していて、同業者の中に分断が生じるようなことにならないように、きちんとやっていく必要があるんじゃないかというふうに思うんですね。
先ほど来ずっといっていますけれども、ステッカーを掲示したくてもできない、悩んでいる、そういう事業者の声を、業界団体の取り組みの中でそういう声が出たときに、きちんと東京都にそれを届けてもらって、そして東京都としてもどういう支援が必要か検討していく、そういう対応が必要なんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
一つ一つの店舗の実情に応じた支援が必要だというふうに思いますが、その点について見解を伺います。
○猪口総合防災部長 自主点検制度につきましては、業界団体が自主的に店舗を巡回し、感染防止対策を点検、指導する取り組みでございまして、これまでの職員等による取り組みと相まって、ステッカーの実効性をさらに高めていくものというふうに考えてございます。
また、個別店舗への巡回や指導につきましては、職員の巡回等を活用して、さまざまな声をそこで反映させて取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○原委員 すみません、もう一回だけ確認します。
職員の巡回をしたときに、そこで出た声なども把握していくという趣旨のお話があったと思うんですけれども、今回の補正予算で出ている自主点検事業の中で出ている声、こういうことに悩んでいるとか、要望も含めて、そういう声についても、東京都としては、担当部としてはきちんと把握をしていくと、聞き取っていくということでよろしいんですよね。確認します。
○猪口総合防災部長 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、自主点検制度につきましては、業界団体が自主的に店舗を巡回いたしまして、感染防止策を点検、指導する取り組みでございます。
職員による巡回につきましては、ステッカーの遵守状況等を把握するために行っているところでございまして、それについては今までの取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○原委員 ちょっと私、まだ十分理解できないんですけれども、もともとステッカーの考え方は、自主的な取り組みでスタートをしていると。
自主点検をしていただくという中で、そこで出た声などをしっかり把握をして今後の取り組みに生かしていくというのは当然だと思うんですね、東京都としては。そういう考えがあるかどうかということを確認させてください。
○猪口総合防災部長 個別の事業者の声をステッカー制度に反映させるということは、もとより重要なことというふうに考えてございます。
一方、この自主点検制度は、業界団体が自主的に店舗を巡回し、点検、指導する取り組みでございまして、その内容等については、補正予算の審議等を踏まえまして、適切に考えてまいりたいと考えております。
○原委員 じゃあ、内容はこれからまた詰めていくということなんですね。
私は、自主点検という名前になっていますけれども、やってもらえればいいということだけじゃなくて、やっぱりそこで出ている本当に現場が悩まれていることをどうつかんで、どうそれを東京都として施策に生かしていくのかというのが非常に重要だと思いますので、その点についてはこれから内容を詰めるということですから、十分に考えていただきたいとこの場では述べておきたいと思います。本来であれば、そこをこういう委員会の場で議論ができることが大事なのではないかということも指摘をしておきたいと思います。
最後に、ちょっと一点質問したいと思います。
小池知事が一度、会見でステッカーのTシャツを着ていました。ステッカーTシャツは何のために、またどのぐらい、また幾らで作成をしたのか教えてください。
○猪口総合防災部長 ステッカーの普及啓発の取り組みで活用するため、感染防止徹底宣言ステッカーがプリントされたTシャツを五十枚、十六万六百円で製作してございます。これまで、大相撲九月場所でのPRやFC東京と連携した取り組みなどの際に活用してございます。
○原委員 五十枚、十六万六百円ということで、金額は小さいといえ税金ですので、私は、本当に効果のあることに税金は使うべきで、思いつきのように行うということはやめた方がいいのではないかという意見を持っています。
知事は、三十日のコロナ対策審議会の最後の発言でこうおっしゃっているんですね。このステッカーのTシャツのことじゃないんですけれども、私は七月に全て終えて、八月からオリンピックモードにしようというのを念頭にしていたんですが、なかなかウイルスもしつこいところがございますが、いずれにしましても、この夏に何とか片づけないと、その後につながらない、こういう発言をされていました。
私、これを読んで、本当にびっくりしたんですね。感染で苦しんでいる方や亡くなられている方もいらっしゃるし、またコロナの中で職を失ったり、大変な思いをしている方もたくさんいると。だけれども、オリンピックがあるから、そのために今どうにかしなきゃいけないという、そういう趣旨の発言をされているんですね。
私は、こういう中で、今回の専決処分というものもそこに通じてきているんじゃないかというのを、本当に大変心配だというふうに思いました。
特にコロナウイルスについては、先ほどいったように、亡くなられている方もいると。専門家の先生たちも、ここは手を打たなければいけないということで検査の拡充も含めて相当おっしゃっているという状況の中ですので、私はやっぱり本当に感染拡大を防止していく、このことを、どういうふうに都民も交えて考えて、みんなで効果的な取り組みをしていくかということが大事だと思うんですね。
私はこういう発言については、残念ながら知事に直接聞けないのでわかりませんが、ちゃんと前後の関係も全部議事録を読んでここで質問していますけれども、やっぱり今本当に感染を抑えていくために科学的な根拠のある対策をとることが何より大事なんだということを最後に指摘をして、質問を終わります。
○宮瀬委員 では、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、コロナ対策についてお伺いしたいと思います。
まず、この八カ月、予算にして一・六兆円の血税を投じてきて、全体像を把握したいなと思っております。
そもそも総務局初め--コロナ対策全般の、全体像の把握ですとか取りまとめ、司令塔というのは、改めてどこが行っているのかお伺いします。
○猪口総合防災部長 新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして、総務局が関係各局の総合調整を図るとともに、各局等と相互に連携し、オール都庁で的確に対策を実施しているところでございます。
○宮瀬委員 総務の方でやっていますよといったことでございますけれども、コロナ対策と聞くと、どうしても福祉保健局が司令塔なのかなと私も当初思ったんですけれども、そうではないと。もちろん産業労働局もかかわっていますし、多岐にわたると思うんです。
私、この前行った代表質問でも少し触れたんですけれども、実際に、対策の全体について、感染状況ですとか重症化した方の状況は数字で見ているんですけれども、実際実施した施策、一・六兆円分ですから、その施策の効果検証とか数値やデータによる進捗管理とか検証を、きちっと一兆六千億円分、私たちは補正予算ですとか一覧表をもらうんですけれども、そういったデータを含むものは、プラン・ドゥー・シーのシーに当たるものですが、あるんでしょうか。
○猪口総合防災部長 新型コロナウイルスへの対策につきましては、数値等の客観的な分析の重要性に留意いたしまして、課題を検証しながら施策を行っておりますが、現段階では、お尋ねの資料は作成してございません。
対策の全体像と個々の取り組みの進捗状況を把握するとともに、施策を充実強化していく上で、一覧表のようなものも一つの手法というふうに考えてございます。
○宮瀬委員 あるかどうか聞いたんですけど、そういった手法もあるといったご答弁をいただいていますけれども、ぜひですね、私、ちょっとびっくりします、一兆六千億円のお金を使って、全体の把握をどこもしていないと。
役割、司令塔としては総務局が行うべきはずのもので、そうすると、もちろん最後の最後は検証していただく旨のご答弁、さきの総務委員会でもいただいていますが、何でこんなにいっているかといいますと、次の一手、例えば協力金もそうですし、ステッカーの話もそうですけれども、次の打つ手をやるに当たって、例えば今、協力金十五万、五十万で本当によかったのか、そういった検証がしっかりと行われて、次、秋冬の感染者増大に向けて、打ち手ができると思うんですよね。
なので、そういった進捗管理と効果の検証は、八カ月たっていますから、やっていただきたいと思っています。
次に、じゃあ全体像のお話をする中での追加ですが、具体的に、今、全体像の把握の話ですが、検証をやってきたのかどうかお伺いしたいと思います。
代表質問の際では、営業時間の短縮について検証していますよといったご答弁があって、中には、アンケート調査は実施していないというご答弁も明確にいただいています。そうなると、しっかりと検証されているのかなと。
まず、総務局で行っている事業で、営業時間短縮以外のもので、データの検証、数値に基づいた施策の効果検証を行っているのか、他局のものも含めて教えてください。
○猪口総合防災部長 総務局では、確認している範囲では、本会議でお答えいたしました営業時間の短縮要請の延長のみでございます。
他局の事例といたしましては、産業労働局では、感染症の拡大防止のため、本年三月に事業継続緊急対策のテレワーク導入助成金等を開始いたしまして、三月及び四月に実施した緊急調査で、都内中小企業におけるテレワーク導入率が約二四%から六割に急速に拡大いたしました。
こうした状況を踏まえ、助成金の申請受け付け期限の延長等を行ったというふうに聞いてございます。
○宮瀬委員 総務局としては、営業時間短縮の要請のみといったご答弁でございました。また、他局に関しては、産業労働局の行っているテレワーク導入助成金の事業と。
私もいろいろちょっと調べてみたんですけれども、一・六兆円使っていて、その取り組みを実施した施策に対する効果検証が、今のところ証明できるものが二個しかないんですよ。
感染状況、重症化、新規感染者の数は、数字でしっかりと毎日出てきているものでありますけれども、それに基づいて都が対策を、いろんな打ち手を打っている中で--もちろん今緊急事態ですので、やりながら考えていかなきゃいけないところもあります。極論すればPDCAサイクルのPがない状態で、ドゥーから始まったところもあると思います。ただ、やっぱりドゥーの後にCがないと、検証、チェックですね、その次のPにつながっていかないと思っています。
もう一回いいますけれども、今回コロナ対策でどれぐらいの打ち手を打ったのか、百なのか二百なのかわかりませんけれども、一・六兆円です。その全てを効果検証やれとはいいませんけれども、せめて具体的なことをやっているのであれば、テレワークのこと、時間短縮延長だけではなくて、やっぱり効果検証して、次の、じゃあ営業時間短縮は本当に十一時とか十時でいいのか、九時でいいのかと。そういった調査に生かしていかないといけないと思っております。
そういった状況の中で、やっぱり今後は、モニター調査とかアンケート調査をやった方がいいんじゃないのかなと。客観的な数字をもとに我々も議論しないと、これがいいのか悪いのか、取り組み効果はありましたということはわかります。でも、どれぐらいあったのか、もっといい打ち手があったんじゃないかという、共通の数字がないと、議論ができません。
そういった客観的な数字をもとに、コロナ対策の効果検証を行うべきだと考えますが、見解を伺います。
○猪口総合防災部長 令和元年台風第十五号及び十九号に伴います防災対策の検証におきましては、インターネットを活用した都民向けアンケートも実施したところでございます。
この調査では、都民が実際に感じた避難上の課題などを統計的に把握でき、より効果的な対策の検討につながったというふうに考えてございます。
今後も必要に応じまして、こういった統計的な調査等の活用についても検討してまいります。
○宮瀬委員 検討していただけるということで、これは私案なんですけれども、例えば、生活文化局が毎月一本、都政モニターという形で、いろんな都政の諸課題についてアンケートを、たしかn数千ぐらいでとっています。それを活用されれば、ステッカーの張ってあるお店を選んでいますかとか、どれぐらい選んでいるのかというのも聞けると思います。今ご答弁ありました防災のときに、しっかりと民間の--私も民間企業にいたときに使っていた会社ですけれども、しっかりと統計をとるための数値の会社、調査会社を、皆さん実際に使われていましたので、ご活用いただきたいなと。
また、協力金、他局の事例、産業労働局になりますけれども、実際の協力金を五十万掛ける二回、プラス十五万、三回目お渡ししていて、基本オンラインでの申請を受けていたと思います。ということは、メールアドレスも皆さんわかっているはずで、であれば、協力金を実際支給した店舗の皆さんに追跡でアンケートをとれば、実際にその協力金の仕組みがどうだったのか、どこに課題があったのか。次にやるとすれば、どういうふうにやればもっといいのか。その取り組みはどう継続していくのか。協力金のお金はもうちょっと上げてもいいのか、下げてもいいのかの判断になると思います。
批判ばかりではなくて、そういった案も出しますので、総務局だけではなく、他局の皆さんも巻き込んでやっていただきたいと思っております。
次のテーマでございます。専決について私もお伺いしたいと思います。
専決は、さきの代表質問でも私の方で質問させていただきましたが、やはり都民への支援や助成というのは結構、定例議会まで議決は後回しになってしまうんですが、都民の権限を制限したり、義務を課すといったところには、原委員もおっしゃっていましたが、私たちもやっぱり慎重にやらなければいけないと思っております。
とりわけ、七月の第二回臨時議会の閉会三日後に専決を行うということは、やはり都議会議員はチェックするのが役割ですので、そのチェックができないといったことに、大変じくじたる思いもしております。
その中で、知事がご答弁の中で、どうして専決をしたのかというところで、新規陽性者が大幅に拡大をして、医療提供体制の逼迫のおそれから、感染拡大を抑えていく必要があったとの答弁がございました。
そこでポイントになるのが、現状や予測がどう行われてきたのかといった議論の過程や、その専門家会議の中でどういうことを議論されているのか。
まず皆さんにお伺いしますのは、専決処分の緊急性、緊急だったからやったということですので、何を根拠にその緊急性を判断したのかお伺いします。
○猪口総合防災部長 当時、新規陽性者数が大幅に増加する傾向が続くとともに、全世代に感染が広がりまして、島しょを除く都内全域に感染が拡大するなど、さらに大きく感染が拡大するおそれのある危機的な状況となってございました。
こうした状況に緊急に対応するため、ガイドラインやステッカーを活用した施策を直ちに行いまして、努力義務を課す都民及び事業者に速やかに周知し、一刻も早く効力を発生させる必要がございまして、モニタリング会議等のデータ分析、あるいは感染症対策審議会における専門家の意見等もお聞きした上で、専決処分を行ったところでございます。
○宮瀬委員 ご答弁の中にありましたデータの分析や感染症のことに対して、専門家の意見をしっかりと聞いたんですよといったご答弁を確認させていただきました。
そこで、私、今回の質疑で一番テーマにしたいことなんですけれども、専門家の皆さんがどのような予想をしたのか。つまり、今後爆発的にふえていくといった中で、予想をしてどれぐらいの数字になっていくのかというところで、どんな議論がされたのか。
私はやはり都民を代表する都議会議員の立場で、今後どうなっていくのかというのは、どんな議論がそこで行われたか、大変関心があります。その中で、記録とか文書をどういうふうに記録し、残ってきたのかを確認したいと思います。
その中で、パネルを用意させていただきましたが、見えないと思いましたので、皆さんに配布資料として--手際が悪くて申しわけございません。これは、今理事者の皆様にお渡ししているものと同じでございます。
このデータ、資料自体は、事前に局の皆さんにはお送りしていますので、見ていただければと思うんですけれども、インターネットを見ている方はなかなか読めないと思うので、簡単に説明をしますと、これは福祉保健局と総務局の文書課の皆さんに一個一個事実を確認したものでございます。
まず、実際に、今回あくまで専決の質疑ですので、下の方を見ていただくと、四月七日に専決をして、七月三十日に条例改正案を専決しているという時系列が見てとれますが、その前段階で、三月十七日から打ち合わせが、専門家の方々を招いて実際に三月二十一日まで詳細な議論がされていると。これは参加者をまとめさせていただいています。三月十七日、打ち合わせ会議を三十分、場所は健康安全研究センターにて、センター長、あとは福祉保健局の部長、あと専門家の方が三名いらっしゃっています。そのときに、感染がどのように拡大していくかの予測文書をご提出されていると。
その文書の内容はさまざまなことが、私、持っていますけれども、今後感染対策どうしていくのか、体制強化の呼びかけ等をいっています。その中で、今後一万七千人の感染者数にふえる可能性があるという数字が出ておりまして、それで議論をしていると。ここは議事録も議事要旨も内容もわかっておりません。
その後、三月十九日にメールでやりとりを、専門家の方から都の部長さんに送っています。両方とも、三月十七日、十九日は、その後すぐ破棄したといったことです。
三月二十一日に意見交換会という大きな会議が、二十人規模のものがありまして、知事初め、都の幹部、専門家など二十名ほどと。
その会議の前に、知事に対して、皆さんで事前の会議をやっているということでございます。三月二十一日の時点で文書がもうないはずなので、口頭でその資料の内容をお伝えしたといった内容です。口頭でありますが、実際に、議事要旨、議事録もないよということです。
三月二十一日、意見交換会の会議で、本体の方ですね、これもこの文書は出てこないで、議事要旨はある、議事録もあるけれども、非公開で見せませんと私いわれました。
その後、四月六日に定例記者会見があって、その一万七千人の数字が知事の口から出て、びっくりしたと。
その後、四月七日に専決があり、五月下旬にその破棄された文書についての情報公開請求がなされたと。
六月中旬には、不存在として、東京都が回答をしました。
その後、新聞報道で、やっぱりおかしいんじゃないかということで七月十二日に出まして、八月の中旬に、知事の方の発言もあり、専門家の方から文書二通を取り寄せて、公文書として再び復活して公開されたということで、この公文書の存在が消えたり出てきたりすると。同じ内容の文書が、ずっとバツ、最初、マルが二つ続いていたのに、その後バツが続いて、急にマルになると。同じ内容の文書ですと。
これはちょっとやっぱりおかしいと思っておりまして、本会議の代表質問で、この件を、ここまで個別には説明できませんので、おかしくないのかといったことを伝えさせていただきました。
総務局の皆さんからは、局長からは、一連の経過においての政策の形成過程を明らかにするための議事要旨が一部未作成である点で、正しく運用されていない部分があったといったご答弁されたと思うんですけれども、具体的に、これはどこの部分のことがふさわしくない部分なのか、教えていただきたいと思います。
○小平総務部長 お尋ねの点でございますが、先ほどのパネルの〔3〕にございます三月二十一日の専門家との意見交換会に先立って行われました知事に対する事前説明でございます。
○宮瀬委員 となりますと、この文書を見ますと、三月二十一日の、ここのFのところ、三月二十一日の意見交換会のための事前会議の議事要旨がとられていなかった、そこが問題ですよと。それ以外は大丈夫なんですか。お願いします。
○小平総務部長 それ以外、大丈夫でございます。
○宮瀬委員 それ以外は大丈夫といったところに、私は疑義を申し上げたいと思っております。
そもそも、議事録もしくは議事要旨を作成し、保存しなきゃいけないためのルール、公文書管理条例ですとか、いろんな規約をつくっていると思うんですけれども、どういう要件でしょうか。
○小平総務部長 公文書管理条例第六条第三項では、重要な事案の決定に当たっては、その経過等を明らかにする文書を作成しなければならないこととしております。
経過等を明らかにするための議事要旨を作成しなければならないときには、局長決定以上の事案で都または局等の政策決定にかかわる場合や、意思決定を伴わない場合であっても局長以上の職にある者に対して説明を実施した場合等が該当いたします。
○宮瀬委員 政策意思形成過程であることと。やっぱり雑談とかは関係ありませんので、政策をつくっていく過程のものということと、あと、やはり組織の中で共有されたものといいますか、その二点。細かいその--局長以上の職にある者に対して説明を実施した場合はとる必要があるということですけれども、部長決定以下の案件に相当するものや、会議で局事業の方針に係る重要な判断が行われた場合も、必要と判断される場合にはとらなきゃいけないですよというルールだそうで、私は今回の質疑に当たって初めて見ましたが、東京都公文書等の管理に関する条例のガイドラインというものが存在していることを、ちょっと初めて知りまして、そのガイドラインに基づいてやっているといったことでございます。
そういった中で、私は今回の〔3〕のCといいますか、ここの三月二十一日の議事要旨、先ほど教えていただいたルールの中では、知事と都職員の幹部の打ち合わせですので、先ほど、局長以上の職にある者に対して説明を行っている、ここで、口頭のみにして議事要旨がないというのは問題ですよねということなんですけれども、実際に、議事要旨が、本来とらなきゃいけないものがないといったことに、総務局ではいつ知ったのでしょうか。教えてください。
○小平総務部長 当初の感染予測文書の取り扱いにつきまして、福祉保健局と確認している過程の中におきまして、現在から約二週間前、作成が求められている議事要旨が一部未作成であることを確認いたしました。
○宮瀬委員 二週間前ということですので、この表でいうと八月中旬までしか書いていないので、今十月ですので、相当、全部過ぎた後に知ったと。
では、福祉保健局の調査というのはちゃんとしたんでしょうか。したのであれば、いつなのかお伺いします。
○小平総務部長 福祉保健局には、議事要旨の不備をその際に速やかにお伝えいたしました。
○宮瀬委員 ごめんなさい、今の答弁だと、正式に調査はしたということでいいのか聞いたんですけれども。
○早坂委員長 小平部長に申し上げます。
やや聞き取りにくいので、大きい声でお話しいただくか、マスクを取っていただくか、どちらかでお願いいたします。
○小平総務部長 はい、失礼いたしました。先ほどお答えいたしましたとおり、議事要旨の不備をお伝えしました。
それで、お伝えしたところ、福祉保健局の方で現在、調査をしておりまして、結論から申し上げますと、作成されたかどうか、現在都も承知はしておりません。
○宮瀬委員 ちょっと答弁が、済みません、聞き取りづらいんですけれども、したという意味合いで、二週間前に行ったという意味合いだと思います。
となりますと、ここの一連の過程において、もう明らかに、答弁の中で三月二十一日の意見交換事前会議で議事要旨をとっていないことは問題だといったことが、じゃあどうしてチェックがかからなかったのかといったことであり、これ、今回の新聞報道がなければ、皆さん報道が出てから、代表質問での意見交換会のときに私は把握されているような気がしましたけれども、もし報道がなければ、ここの本来必要だった議事要旨がないことがずっと永久に問題だとならなかったと思いますけれども、どうしてチェックがかからないのかといったことをお伺いします。
○小平総務部長 福祉保健局とは、七月十二日の報道発表以降、これまで必要に応じて事情説明の方を受けてきております。
当初は、報道にございますとおり、文書廃棄について事情説明を受けておりましたため、今回の議事要旨の件については、若干時間が生じたというものでございます。
○宮瀬委員 時間が生じたというご答弁でしたけど、時間があれば、ちゃんとチェックできたんですか。
というのが、これは実際に三月二十一日の出来事で、今十月ですよ。問題把握したのが二週間前とおっしゃっていましたけれども、報道がもしなければ、いずれどこかでチェックがかかるということだという認識で、今のご答弁、いいんですか。
○小平総務部長 今回は、報道発表を契機に我々としても把握したところでございますが、例えば、局が行っています自己点検ですとか、あとは当局が行っております文書管理に関するヒアリング等を通じて、局の説明だとか、あとは事情を伺う機会はあるものと考えております。
○宮瀬委員 となりますと、文書管理のチェック体制って、たしか一年に一回、局とやっていると思うんですが、そのときに、きっちり三月二十一日とっていないのはキャッチアップできたと。キャッチできたということでいいんですか。
要は、報道で知ったとおっしゃっていたので、報道がなければこのままわからないという認識なんですけれども、担当の課長さんと打ち合わせしているときも、三月二十一日の詳細をご存じなかったと思いますが、そこはどうでしょうか。
○小平総務部長 今お答えいたしましたとおり、報道は一つのきっかけでございます。
年一回行っているヒアリング、この中で、これまでもそうでございますが、議事要旨の作成状況等もヒアリング項目等に加えてございます。
こうした中で、発覚というか、相談を受け、適切に局の方を指導してまいりたいというふうに思ってございます。
○宮瀬委員 私は、大変不安に思えているのは、本当にそこでチェックがかかっていたのかなと。報道がなければ、この重要な感染人数がどうなっていくのか--いろんな意見があると思います、誰も、正解が当時はないですし。いろんな声があって、そこの算出方法の根拠がわかれば、それも一つの考え方だということで議論がわかると思います。私たちも検証ができると。
私、もう一つ確認したいのが、さきの代表質問で、知事から、知事は文書を見たと、福祉保健局は口頭でいったということをいっているんですが、ついに答弁出まして、知事が文書を見たのはいつですかと。三月二十日、副知事から文書を見たと。文書で確認したのはいつですかのご答弁が、三月二十日、副知事からということでありました。
となりますと、三月十七日に打ち合わせをして、ここ書いていませんが、三月二十日、知事と副知事、部長さんもいたでしょう、そこのやりとりをされているわけですよ。しかし、三月十七日の打ち合わせに福祉保健局の部長さんはいましたが、どうして副知事がその話を知っているんですか。本当は捨てたんじゃないんですか、不完全な文書として。三月十七日、会議が終わった後に捨てて、捨てたはずの文書が、三月二十日、副知事がこの文書をもとに知事に説明しています。答弁出ています。
ということは、三月十七日、打ち合わせのところに副知事はいないんですよ。副知事に対して、部長さんか誰かが説明したんじゃないですか。だから副知事は、その内容を文書をもって知事に説明したんだと思いますけれども、そこの議事録、議事要旨がないことは問題なんじゃないんですか。
さっきガイドラインを確認しましたけれども、局長以上の決定事案のことはしっかりと残しておかなきゃいけないっていうご答弁あったじゃないですか。ガイドラインにそう書いてあって、三月二十日、副知事が知事にご説明を文書でしていて、副知事、今まで全然出てこないですよ。部長さんが副知事に説明しているはずです。副知事は局長以上の階級になっていまして、本来だったらそこの議事要旨と議事概要、わからなきゃいけないんじゃないですか。
部長、先ほど、これほかに、〔3〕Fといって恐縮ですけど、意見交換会の事前会議の議事録がないことだけが問題だとおっしゃいましたけど、今の件、問題じゃないんですか。
○小平総務部長 三月十七日の打ち合わせで示された文書、当初の感染予測文書についてでございますが、福祉保健局の方から、試算等については不完全な情報に基づくものと考え、組織的に用いる文書として取り扱わなかったというふうに伺っております。
また、副知事と知事とのやりとりについては、詳細は承知してございません。
○宮瀬委員 突っ込みどころ満載なんですけれども、やっぱり、承知していないということは、本当にちゃんとお調べになったんですかと。三月二十日に知事が副知事からご説明を受けたとご答弁しています。この詳細はわかりませんということは、公文書を管理すべき総務局の方でちゃんと調査していると私はいえないと思いますけど、どうですか。
○小平総務部長 基本的には、この当初の感染予測を含めた文書その他の対応につきましては、所管局の方で対応するものでございます。
総務局といたしましては、全庁の公文書管理の状況を把握し、適正な管理に資するための調査を行っているところでございます。
○宮瀬委員 その調査が適切に行われていないから、今のファクトベースで並べていっても、議事要旨をとらなきゃいけないタームなんじゃないですかと指摘しているんですけれども、そのことについて、調査を行われているものという一般論ではなくて、この件はどうなんですか。
○小平総務部長 ちょっと繰り返しの答弁で恐縮でございますが、三月十七日の打ち合わせで示された文書、いわゆる当初の感染予測文書については、試算等について不完全な情報に基づくものと考え、組織的に用いる文書として取り扱わなかった、公文書ではなかったというふうに伺っております。
○宮瀬委員 となると、副知事は知事に対して不完全な文書でプレゼンしたということですか。
でも、一つ確認したいのは、感染予測文書に完全なものってありますか。だから予測って書いてあって、どれも不完全ですよ、私が思うに。だから当然、不完全なものですし、部長、一つ矛盾しているのは、その不完全なものでも最後公開しているじゃないですか。ずっと公開しないならわかりますよ。ずっと公開していないのは不完全なものだからですと。でも、最後必要だとして、知事、公開しているじゃないですか、皆さんが。不完全、不完全といっても、どうして、不完全だから出さないっていったのを最後は不完全なものでも出しているんですか。矛盾しませんか。
○小平総務部長 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、当初の受け取った文書は試算等につきまして不完全な情報に基づくものと考え、組織的に用いる文書として取り扱わなかったというふうに聞いてございます。
一方でございますが、新たに取り寄せた文書は、情報開示の観点から改めて文書を取り寄せ、開示するよう指示を受け、当該文書を組織的に用いる文書として取り扱った上で、情報公開を進める観点から公開していると伺っております。
○宮瀬委員 一応、聞いている方にわからない方がいるとあれなんですけど、最初の三月十七日のと、最後公開した文書って全く同じですよね。一番最初に議論した専門家による文書と、最後に八月中旬に公開した文書って全く同じですよね。念のため確認します。
○小平総務部長 そのように聞いております。
○宮瀬委員 であれば、最後は不完全なものでも情報公開の観点から公開したと。
でも、そもそも考えてみてください。公文書管理条例というのは、情報公開の観点からつくられたものなんじゃないんですか。公文書管理条例は、情報公開を知事がおっしゃって、その観点からつくられてきたもので、本来であればもうしっかりと最初の段階からそれを反映して--情報公開の観点で必要だから最後に出しましたというのは、私は矛盾すると思いますが、見解を伺います。
○小平総務部長 公文書の適正な管理と情報公開は、表裏一体というふうに考えてございまして、現在及び将来の都民に対する説明の責任をしっかり果たすべきものというふうに認識しております。
○宮瀬委員 部長、先ほどから聞いていることに対してのご答弁がちょっと、直接しっかりと答えていただかないと、全然、一般論を答えてもらっても、先ほどから議論になりません。事前に質問を通告しているわけですから、大きなテーマで。関連質問はするといいましたけど、ぜひそこは誠実に、意味がわからないような回答ではなくて、しっかり回答していただきたいと思います。
ここまで、ファクトベースの事実を並べていったときに、副知事から知事にご説明している議事録、議事要旨がない。恐らく専門家から聞いた話を副知事に誰かがレクしているんですよ。そのレクチャーしている議事要旨、議事録もない。実際に専門家を招いた方々の会議でどういう議論がなされていたのかの議事録、議事要旨は、とっていても公開してもらえないと。
そうなってしまうと、私たち都民は、実際感染人数が今後どういうふうになっていくのか、それに伴いどういう議論がされているのか、全くわからないわけであります。
この状況を、情報公開の観点から、どう思われますか。おかしいと思いませんか。
○小平総務部長 繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、今回の一連の経過におきまして、やっぱり政策の形成過程を明らかにするための議事要旨が一部未作成である点で、条例が正しく運用されていない面もございました。
今回の事例を踏まえまして、条例が正しく運用されますよう、今後は、新型コロナウイルス感染症対策にかかわる作成文書や収受文書の重要性を、改めて各局に周知徹底してまいりたいというふうに考えています。
また、議事要旨のお話もございました。特に、当該感染症対策にかかわる文書を多く取り扱う部署に対しまして、各局に直接出向いて個別にヒアリングを行うなど、適切に指導助言を行うことによりまして、制度所管局としての役割を果たしていきたいというふうに考えてございます。
○宮瀬委員 今後のことを語っていただいているんですけれども、振り返れば、豊洲新市場の盛り土の問題で、地下空間が、本来存在しないものがあったと。それがどういう経緯でできたのかわからなかったと。
一方、五輪に関しましても、組織委員会との費用分担のときにどういう議論がなされていたのかが、議事録をつくっていなかったといったことです。
今回も、コロナの件で感染者がどう推移していくのか、そのことがわからないわけであります。
しかも、皆さんが決めたルールに基づいて一個一個はめていったときに、明らかにルールを逸脱して、公文書を残さない。皆さんが把握している公文書の今回の件の問題はここですよといったところ以外にも疑義があるといった状況で、本当に運用や周知の問題ではなくて、仕組みをしっかりと変えていかなきゃいけないんじゃないですか。
このガイドラインで私は一番問題だと思うのは、議事録をとるかとらないかの判断が、局長以上の案件は必ずやらなきゃいけないんですけれども、それ以下の、部長以下ですとか、方針にかかわる重要な判断が行われた場合ですとか、そういったことは、必要と判断される場合には保存しなきゃいけないよと。その必要と判断される場合というのは、どこが判断するんですか。
○小平総務部長 各局でございます。
○宮瀬委員 そこが最大の問題だと思います。
局が必要か必要じゃないかを自分たちで決めてしまうと。そこの局が自分たちで要らないと思えば、この感染予測文書、重大なものだと思いますけれども、ぽいってしちゃうんですよ。しかも、誰かが副知事にレクしているのも残っていないと。
そこの運用を私は見直すべきだと思いますけれども、見解を伺います。
○小平総務部長 ただいまお答えしたとおり、基本的には各局で判断すべきものというふうに考えます。
ただし、文書所管局といたしましては、各局における公文書が適正に管理されますように、必要な指導助言を行ってまいります。
○宮瀬委員 五輪の件も、豊洲新市場の件も、局が独自に要らないと判断したから、その記録がなくなってしまったわけですよ。
しかも今回も、その根幹となる、必要に応じてというのを、いい方は悪いですけれども逆手にとって、実際世に出なかったわけですよね、この新聞報道があるまで。
そうすると、豊洲新市場の盛り土の問題、各局独自で要らないといえば捨てられちゃう、この問題が、今後もずっと、コロナの件もあって続いてしまうと思いますけれども、その教訓が生かされていないことについて、どう思われますか。
○小平総務部長 この公文書管理条例でございますが、適正な文書管理というものは、先ほどもご答弁させていただきましたが、情報公開制度と相まって、都民の都政への参加を進めるとともに、私ども行政が説明責任を果たすための基盤となるものというふうに考えてございます。
この適正な文書管理を各局において適切に行うために、私ども必要な指導、助言、相談等を行っているところでございまして、引き続き、こうした公文書の管理が適切になされるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○宮瀬委員 もうこれで最後にしますが、もう同じことを聞いても、同じことの繰り返しだと思いますが、やっぱり指導ですとか、徹底させるという問題ではなくて、今の運用のルールを変えないといけないと思います。
実際に今回、皆さんもお認めになっていますけれども、議事要旨をつくっていなかったわけじゃないですか。それがわかったのは、報道が出た後。やっぱり運用上問題が全くないわけではないと思いますので、そこは強く求めて、質問を終わります。
○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○早坂委員長 次に、報告事項、原子力損害賠償紛争解決センターに対する和解あっせんの申立て方針について外三件に対する質疑を一括して行います。
本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○つじの委員 私からは、まず最初に、東京都公立大学法人の令和元年度における業務の実績に関する年度評価についてお伺いします。
ことし八月、評価委員会より、令和元年度の業務実績評価書が知事に提出され、議会に報告がなされました。
知事が定めて法人に指示を出した六年間の中期目標の達成に向かって、法人の立てた中期計画や法人の業務運営が果たして順調に進んでいるか、何点かの質問を通して確認させていただきます。
法人として、コンプライアンスに対する意識の向上や取り組みが強化されてきたことは評価しますが、そうした中にあって、都立大学において大学院入試問題漏えい事故が発生したことは、大変残念であると存じます。
まず、この事故の概要と原因についてお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本件事故は、平成二十九年五月に実施した大学院入試の受験生一名に対しまして、教員が事前に問題作成者であることを明らかにした上で、試験問題の一部を漏えいしたものでございます。
大学が作成した事故報告書によりますと、教員のコンプライアンス意識の徹底が図られていなかったこと、当該試験問題について当該教員のみによって作成、採点がなされていたこと、大学におけるガバナンスが不十分であったことが原因であるとしております。
○つじの委員 概要についてお伺いしました。
大学院入試が公平、公正に行われることが、受験生や都民の皆様からすると当然のことでありますが、残念ながら今回事故が発生しました。
今回の事故を踏まえた再発防止策とその取り組みに当たっての大学の決意をお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 事故報告書による再発防止策では、三点挙げておりまして、コンプライアンス意識の徹底、大学院入試の仕組みの改善、ガバナンス機能の強化を掲げてございます。
具体的には、教職員として守るべき倫理規程等を記載したコンプライアンスカードを全教職員に常時携帯することや、入試前に通知を発出するなど繰り返し注意喚起を行うことで、教職員のコンプライアンス意識を徹底することとしております。
また、大学院入試の仕組みの改善といたしまして、複数名体制での問題作成、採点等を徹底するとともに、学部長による学科運営への積極的な関与などを通じまして、ガバナンス機能を強化することとしております。
今後、大学として二度とこのような事故を起こさぬよう、学長みずからが先頭に立ちまして、全学を挙げて再発防止及び信頼回復に取り組んでまいります。
○つじの委員 このたび、質疑させていただき、また、ご答弁いただき、大学院入試問題漏えい事故に関して、その原因や再発防止に向けた取り組みや都立大学の決意を、私としましては十分理解、了解することができました。
このたびの入試問題漏えい事故は、調査によると、一人の教員のコンプライアンスの欠如から起きたものかもしれませんが、入試に関しては、当然のことながら公平、公正であるべきであり、都立大学に対する都民の皆様の信頼を大きく損なうことになり、大変遺憾でございます。今後、再発防止と受験生、都民の皆様からの信頼回復に向けて、全力で取り組むことを強く要望して、この件に関する質問を終わります。
次ですが、国公立大学の法人化は、大学当局にさまざまな変容をもたらしました。中でも財政的な側面においては、外部資金の獲得に向けた取り組みが重視されるようになりました。
そうした中であって、研究センターの外部資金獲得額は、この一、二年で減少傾向が見られます。中期計画の目標達成に向けて、取り組みを加速する必要があると考えます。
そこで、何点かお伺いしたいと思います。
研究センターが獲得している外部資金の種類と規模について、まずお伺いいたします。また、これまでの外部資金獲得のための取り組みについてお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年度、都立大学の研究センターが獲得いたしました主な外部資金は、企業等と共同で研究を行う産学共同研究、外部機関等からの委託を受けて行う受託研究、国や民間団体等が行う公募に対して研究内容を提案する提案公募型研究などで、合計約九億円となっております。
こうした外部資金の獲得に向けましては、企業等のニーズと大学が持つ研究シーズをマッチングさせることが重要でございます。そのため、企業や外部機関等の連携の提案、契約交渉、研究プロジェクトのマネジメントなどを行いますURA、ユニバーシティー・リサーチ・アドミニストレーターを約十名配置するなど、外部資金獲得等に向けた大学の研究活動を支援する体制を整備しております。
また、外部資金獲得の状況を見える化いたしまして、それらの現状把握、経年比較、分析を行った上で、大学内で共有を図るなど、外部資金の獲得に向けた取り組みを行っております。
○つじの委員 ただいま説明いただき、ありがとうございました。
今後、大学における研究をより一層推進させていくためにも、今まで以上に外部資金を獲得するための取り組みを充実させるべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 より多くの外部資金を獲得するためには、共同研究や受託研究の開拓に加えまして、大型の外部資金の獲得につながる提案公募型研究の採択実績をより一層高める取り組みが欠かせません。
これまで、提案公募型研究の採択を得るために、国の大型研究プロジェクト等の採択、不採択の結果を分析した上で、公募機関の担当者による審査側の視点を踏まえた申請のポイントなどを解説する説明会の開催や、プレゼンテーションの審査に向けた支援などの取り組みを行ってまいりました。
今後、URAが入手した公募情報を、研究領域との親和性が高い研究者に個別に提案することや、公募内容にふさわしい研究推進チームの編成を働きかけるなど、採択実績の向上に向けた取り組みを充実させてまいります。
これらの取り組みに加えまして、若手研究者への研究費支援やローカル5G環境を活用した研究の推進によりまして、大学全体の研究力をより一層向上させることで、外部資金のさらなる獲得につなげてまいります。
○つじの委員 答弁いただき、ありがとうございます。
これまでは、研究に関する外部資金についてお話をお聞きしました。
それ以外にも、大学の収入確保という意味では、卒業生や関係者から集める寄附金というものも重要でございます。
そこで、都立大学における寄附金獲得に関する取り組みについてお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大学運営の安定性と自立性を高めるとともに、学生への支援など教育環境を充実させていくためには、寄附金の獲得も重要でございます。
都立大学ではこれまでも、寄附の裾野拡大に向けまして、同窓会との連携強化により、卒業生への周知を促進するとともに、インターネットから寄附を受け付ける仕組みを構築するなど、寄附者の利便性の向上に取り組んでまいりました。
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、経済的に困窮している学生の支援を目的に、新たに緊急支援基金を設置し、ホームページやチラシにより広く卒業生や関係者にも呼びかけまして、現時点で二千五百万円を超える寄附を集めております。
現在、より効果的に寄附を集めるために、大学等での資金調達に実績を有する専門家を活用し、現状や課題を分析しておりまして、今後の取り組みの強化につなげてまいります。
○つじの委員 今回の年度評価について何点か確認をしてきました。
評価委員会がしっかり分析と評価を行い、その一方で、法人が着実に教育ないし研究できる環境を整える努力と準備をしていることが理解できました。とりわけ大学院で研究を行う学生に対して、十分な研究費や学生生活を送る上での経済的な裏づけを担保することが重要であると私は認識しております。
資源の少ない我が国、国土において、教育による専門を有する人材の育成や、その研究の成果などで、世界各国との各分野での最先端の競争を勝ち抜く必要があると私は考えます。
大学における研究は、稲作で例えますと種もみのようなもので、将来実がなるための投資である側面もあると私は考えます。
新型コロナウイルス禍のもと、経済的、心理的な負担が重くのしかかるおそれもありますが、今こそ大学教育を初め研究等に、十分な配慮と支援が必要と考えます。
ご答弁にありました外部資金の獲得等、引き続き、公立大学法人の努力の継続を心より望みます。
また、例えば新型コロナウイルス感染症対策の取り組み方によっては、法人運営がどのように推移していくか、不確実かつ不透明なところもあるだろうと考えます。
今回、年度評価を踏まえながらも、先々の状況を十分に予測し、臨機応変に対応していくことが必要と思われます。
特に現在のコロナ禍のもとでは、学生や保護者の皆様に感染症対策や安全対策等をしっかり行うこと、対応した上で、その意味するところを学生や保護者の方々にしっかりと伝えていくことが重要と考えます。
公立大学法人として、引き続き、感染症対策等の広報にしっかり取り組み、法人運営に万全を期していただきたいと強く要望いたします。
評価委員会の行う年度評価は、これが最大限かつ積極的に活用されることで、法人の自主的な業務の改善を促すことができるという極めて重要な意義を持っています。
今回提出された業務実績評価書によって、中期目標の着実な達成が図られ、法人の教育、研究がより一層充実していくことを強く要望しまして、このたび、この件に関して私の質疑を終わります。
引き続き、次は、セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇二〇について幾つか質問させていただきます。
まず、セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇二〇について、私なりにまとめさせていただきます。
セーフシティ東京防災プランは、東京二〇二〇大会開催を見据えた、スピード感ある地震、風水害、火山等の防災対策の取り組み推進、都民の理解と共感に基づく自助、共助のさらなる推進を策定の目的としております。また、東京が目指す都市像として、都民、地域、企業及び行政の取り組みを通じて、世界に誇るセーフシティーにふさわしい災害対応力が備わっている都市としております。
プランの構成としては、地震や風水害、火山噴火について四つの災害シナリオを作成し、災害ごとに懸念される事象、リスクを明らかにするとともに、リスクに対応するために目指すべき将来像を整理し、将来像の実現に向けた自助、共助、公助の取り組みを掲載しております。
想定し得る災害シナリオと目指すべき将来像及び取り組みについては、以下のとおりであるとあります。
区部、多摩地域における地震に対して十の将来像、島しょ地域における地震及び火山噴火に対して二つの将来像、都内各地における風水害に対して二つの将来像と、それぞれの具体的な取り組みを工程表とともに掲載しております。
セーフシティ東京防災プランの計画期間は、二〇一八年度から二〇二〇年度までであり、今回二〇一九年度までの進捗状況を把握し、二〇二〇年度の取り組み予定を記載しております。
このような計画プランの内容でありますが、昨年度までの進捗状況と今後の取り組み予想とは異なり、今年度は、昨年にはなかった新型コロナウイルス感染症拡大阻止を織り込んだ災害時の対策が必要となってくると考えます。
この夏、九州地方を中心とした豪雨災害が発生しました。その際、避難所での生活や救助の際のボランティアのあり方などが、新型コロナウイルス禍のもとで従前とは違う対応が求められました。
避難所では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためにソーシャルディスタンスが必要となり、避難所の収容人数に制限が出る可能性も指摘されました。また、同様の対策のため、地域外からのボランティアを制限することもテレビニュース等で報じられました。
東京都でも、さきに挙げた想定シナリオの今後の取り組み予定の中に、新型コロナウイルス感染症拡大防止を考慮しながらの防災計画を策定していく必要があると考えます。
そこで、まずですが、自助、共助の取り組みに関してお伺いいたします。
区部、多摩地域の地震、島しょ地域の地震、都内各所における風水害などについて調査項目がありますが、一七年度から一九年度まで、各年度の該当の調査に当てはまる割合については、改善している調査結果もあれば、そうでもない結果も見当たるように思います。
こうした自助、共助に関する都民の意識や取り組み状況をあらわす結果は、適正な調査に基づかなければならないと考えますが、そもそもこれら調査方法と調査結果の活用についてお伺いいたします。
○猪口総合防災部長 自助、共助の取り組み向上に向けた本調査は、実績のある調査会社が実施いたしまして、性別、年齢、居住地域を国勢調査の比率に準じ、偏りなく約一万五千人から回答を得ており、防災に関する都民の意識や取り組み状況を適切に反映した調査結果となっていると考えてございます。
この調査結果によれば、日常備蓄を始めている方の割合など、防災意識の高まりが確認できる取り組みがある一方で、地域の防災訓練に参加したことのある方の割合が伸び悩むなどの状況が明らかとなってございます。
こうした状況を踏まえまして、都民一人一人が相互に助け合い、発災時に適切な行動がとれるよう、防災意識の普及啓発に一層力を入れて取り組み、セーフシティーの実現に向け、防災対策を推進してまいります。
○つじの委員 今のご説明で、今回の資料の具体的な数字、調査結果が、都としても信頼し得るというふうに認識している、信頼し得る調査会社及びその調査方法から来るものということが理解できました。
当たり前ですが、そもそも信頼できる調査に基づく数字をもとに、統計処理や比較もできるものであり、その活用ができるものであると考えます。
次の質問ですが、従来には存在しなかった新型コロナウイルス禍のもと、今年度以降は、これを織り込んだ防災対策が必要と考えます。避難所のソーシャルディスタンスを保つ、三密を避ける、換気をよくするなどの対策は、新型コロナ感染症拡大防止のために必要であることはいうまでもありません。
今回の資料によれば、例えば地震発災時、避難所となる施設の安全性を確保するとあり、昨年度までの取り組みとして、避難所の暑さ対策として、冷暖房設備の支援を実施、屋内体育館の都立学校における設置を促進し、公立小中学校における設置を支援したとあり、二〇二〇年度の主な取り組みとして、これら取り組みを推進するとあります。
そこで、今回のウイルス禍において、都の地震発災時や風水害が発生した際の避難所における取り組みについてお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 新型コロナウイルスの感染が続く中、災害時に避難所が過密にならないよう、都は、感染症対策ガイドラインを作成し、区市町村に示すとともに、ホテル等の業界団体との協定締結によりまして、より多くの避難先確保に向けた取り組みを進めております。
また、避難所内の生活環境改善や感染防止対策にも有効な、段ボール製簡易ベッドやパーティション等の調達に関する新たな協定を、本年六月に都と業界団体との間で締結いたしました。
さらに、台風等の風水害は、発生し得る時期や場所などがおおむね予測できるため、早い段階での自主避難や、安全な自宅での在宅避難や、建物の上層階への垂直避難など、避難所以外への分散避難について住民周知を図っているところでございます。
今後も、区市町村と連携して、災害時の避難所における感染防止対策に取り組んでまいります。
○つじの委員 災害時の避難所における感染防止対策について説明を受けました。
次の質問であります。
帰宅困難者による混乱防止の本年度の取り組みとして、災害時帰宅支援ステーション及び一時滞在施設確保のさらなる推進とあります。
このうち、災害時に多くの被災者が集まる可能性のある一時滞在施設の確保の状況についてお伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 都では、首都直下地震が発生した際、都内で約五百十七万人の帰宅困難者が発生し、うち企業や学校など、とどまる場所のない、行き場のない帰宅困難者が約九十二万人発生すると想定しています。
一時滞在施設につきましては、公共施設の確保に加え、オフィスビル等を運営する民間企業等の協力も得ながら、着実に確保を推進してまいりました。その結果、これまでに約四十二万人分を確保してございます。
今後も、区市町村と連携しながら、民間企業等からの一層の協力を得られるよう取り組みを進めてまいります。
○つじの委員 東京都の一時滞在施設の確保状況について説明をいただきました。
私は、避難所と同様に、一時滞在施設においても、今後、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を常に念頭に置くべきだと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 一時滞在施設は、大規模地震等の発生時に不特定多数の行き場のない帰宅困難者を受け入れることから、感染症対策を確実に行うことが重要であり、これまでも、都としても迅速に対応してまいりました。
具体的には、本年四月に、マスクの着用や適切な受け入れスペースの確保など、新型コロナウイルス感染症を踏まえた留意事項を作成し、都立の一時滞在施設に通知するとともに、民間の一時滞在施設と協定を締結する区市町村に周知いたしました。
また、緊急対応として、マスクやアルコール消毒液等の感染防止に必要な備蓄品について、都立の一時滞在施設への配備を進めるとともに、民間の一時滞在施設がこれらの備蓄品を購入した場合に、費用の六分の五を補助するなどの対策を実施しております。
今後とも、こうした取り組みを通じて、一時滞在施設における感染防止対策を着実に行い、帰宅困難者の安全確保を推進してまいります。
○つじの委員 次に、災害ボランティアコーディネーターの養成についてお伺いします。
災害ボランティアコーディネーター養成に関しては、既に昨年度までに目標値の千人を超えています。
東京都はおよそ一千四百万人弱の人口を抱えていますが、そもそも災害ボランティアコーディネーターの適正な人数をどのような根拠で想定したのかお伺いします。
○古賀防災計画担当部長 災害ボランティアコーディネーターの養成目標人数は、東日本大震災の実績をもとに、都の人口規模等を踏まえ算出しておりまして、都内に設置される災害ボランティアセンター約百五十カ所ごとに七名程度の配置を見込んだ人数でございます。
○つじの委員 今ご説明いただきまして、災害ボランティアコーディネーターの養成目標人数が、東日本大震災の実績をもとに算出されていることが確認できました。
区部、多摩地域、島しょ地域において、地震、火山噴火、風水害などの想定シナリオがあるのですが、全体の目標値のみならず、都内各地域における災害ボランティアコーディネーターの配置のバランスが重要であると私は考えます。
というのは、私は医師なんですけれども、何年も前から、いわゆる過疎地で医師不足が指摘され、その対策として、医師不足であるので医師の絶対数をふやすべきであるという論調があったと考えております。一方で、医師の数は十分で、医師の偏在が問題であるとの指摘もございました。
医師の偏在と災害ボランティアコーディネーターの偏在というのでしょうか、そういったものを並列に論ずるのは異論もあるかもしれませんが、都内各地域での災害ボランティアコーディネーターの偏在は、緊急時にその機能が十分発揮できないリスクがあると考えます。
七月の九州を中心とした豪雨災害では、感染症拡大防止の観点から、地域をまたぐボランティアの移動には制限があったとの報道がありました。
新型コロナウイルス禍のもと災害が発生したと仮定すると、災害ボランティアの配置のバランスを考慮することは、なお一層重要と考えます。
災害ボランティアコーディネーターの配置について、都の見解をお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 災害ボランティアコーディネーターは、現在、都全体で必要な数を確保しておりまして、発災時には地域ごとの被害状況やボランティアの需要を踏まえて適切に配置する予定でございます。
○つじの委員 ただいまご答弁いただきましたが、発災時には災害ボランティアコーディネーターは適切に配置するとのことで、私の憂慮する発災時の偏在はないのかなというふうに存じます。
しかしながら、発災時には、道路の交通状況等、通常とは異なる状況で、人の移動も円滑にできないこともリスクとして織り込むことが必要と考えます。
東京都は、さまざまなリスクを織り込みながら、都民の皆様の生命や健康、財産を守るべく準備を引き続きしていただきますよう強く要望いたします。
地域の防災訓練に参加したことのある人の割合についてお伺いいたします。
資料によると、この三年の間は、これまでに参加したことがある人、年一回以上は参加している人は、それぞれ横ばいから減少の傾向にあるように思います。
私は、地元小金井市で、ある地域の防災訓練に参加した経験がございます。住民の皆様と一緒に非常食を煮炊きし、一晩体育館で過ごしました。薄いマットの硬い体育館の床で横になりましたが、翌朝、体の節々に痛みを感じ、避難所での長期の生活を強いられると、物すごく苦痛を感じるものだろうというふうに実感いたしました。また、住民の方が、できれば被災しても自宅で過ごしたいとお話しされたことは印象深く覚えております。
また、主催者のお一人にお伺いしたところ、地域の住民がそろって避難所での訓練を実施するのは大変困難であるというふうなお話をお伺いしたことも印象的でございました。
地域の防災訓練参加状況は、参加経験者も含め、一九年度は前年度比一・七%減の二五・三%となっております。加えて、現在の新型コロナウイルス禍のもとにおいては、住民の方々が安心して訓練に参加できる体制を構築することが難しくなっている状況がございます。
そこで、新型コロナウイルス禍においても、自助、共助の取り組みの一環として、住民が安心して参加できる防災訓練の取り組みについて、都の見解をお伺いいたします。
○猪口総合防災部長 新型コロナウイルス感染症が続く中でも都民の防災意識を高め、いつ起こるとも知れない自然災害に常に備えるため、感染拡大防止対策を徹底した上で、住民が積極的に防災訓練に参加できる環境整備が重要でございます。
このため、今年度、地元自治体と合同で実施予定の総合防災訓練の実施に当たっては、地域住民が安心して参加できるよう、密になる訓練は中止にするなど、各訓練メニューの感染リスクを精査してございます。
また、入場時における検温の実施や、ソーシャルディスタンスの確保のための人数制限や監視員の配置など、感染防止対策を徹底するとともに、訓練の実施状況を映像で配信することで、訓練に参加できない住民の防災意識も高めてまいります。
こうしたコロナ禍における訓練実施の手法を他の自治体にも展開して、住民が安心して参加できる訓練の実施を促してまいります。
○つじの委員 未知のウイルスである新型コロナウイルス感染症拡大防止には、細心の注意をもってその対策を実行していかなくてはなりません。コロナ禍のもとでも、常に地震を初め災害が起こることを今後織り込みながら、備えなければなりません。
今後も専門家等の皆様の助言をいただきながら、東京都とともに、私の立場でその都度その都度解決するべき問題点を解決し、災害から都民の皆様の生命、健康、財産を守るべき努力を継続していくことを心よりお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時三十三分休憩
午後三時四十九分開議
○早坂委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○中屋委員 まずは、本日、私の方からは、防災関係について何本か質問させていただきます。
まず、総務局の皆様方においては、このコロナ禍で大変ご苦労されていることに、心から敬意を表したいというふうに思っております。我々もできる限り、もう精いっぱい皆さんと協力をしていきたいというふうに思います。
近年、全国各地で大規模風水害が頻発をしております。一昨年の西日本での豪雨や、昨年の台風十九号、ことしに入っても七月の豪雨で、各地に甚大な被害が発生をしたわけであります。こうした大規模風水害においては、都は、市区町村の多様なニーズに円滑に対応する総合的調整役、あるいはプロデューサー役といっていいと思いますけれども、そのような役割を担っております。非常に重要な役目だと、このように思っています。
こうした役割をしっかりと果たしていくためには、市区町村からの情報を初めとして、国や関係機関からの情報もしっかりと迅速に把握する必要があります。
一方、災害発生時には、市区町村は避難所運営や住民からの問い合わせなど、現場でのさまざまな対応で手いっぱいになりまして、情報を提供する余裕がなくなることが容易に想像ができます。
そこで、大規模風水害時における情報の収集など、市区町村への支援に向けた取り組みについて、まずお伺いをいたします。
○猪口総合防災部長 大規模風水害の発生時には、市区町村から避難や被害に関する情報等を収集し、それを踏まえた市区町村への支援を迅速に行うことが重要でございます。このため、都は、昨年の風水害での教訓等を踏まえ、必要に応じて全ての市区町村に都職員を情報連絡要員として派遣する体制を構築いたしました。
また、連絡要員の役割等を整理したマニュアルを作成いたしまして、対象職員に対して研修を実施するとともに、実際に派遣される自治体が実施する防災訓練に参加いたしまして、顔の見える関係を構築するなど、連絡要員が行う業務の確認等を行ってまいりました。
こうした取り組みを通じた検証を重ねまして、マニュアルの改正を行うことなどにより、情報収集についての市区町村への支援の充実強化を図ってまいります。
○中屋委員 今ご答弁で、必要に応じて全ての市区町村に都職員を情報連絡要員として派遣をする体制を構築する、連絡要員の役割などを整理したマニュアルを作成して対応していくんだというようなご答弁いただきました。
正直申し上げますと、都の方も、やはり職員の異動というのは短期間でいろいろと行われるわけでありまして、地域の方々というのは顔も変わらないわけですから、そういう意味では、常にその訓練の中で得た環境だとか、そしてその特性などをしっかりと把握して対応してもらうということが非常に重要だと思うんですけれども、こうしたことを含めて、改めて都の方として地域派遣、市区町村に派遣する方、どういう方を派遣していくということを想定しているのかということをちょっとお答えいただければありがたいと思います。
○猪口総合防災部長 各市区町村に派遣される情報連絡員が必要な業務を円滑に進めることが、まず何より重要でございます。
このため、派遣される連絡要員には、あらかじめ派遣先の自治体を割り当てまして、その地域の災害リスクを事前に学習しておくよう、研修の際に案内してございます。
また、各連絡要員には、日ごろから災害対策住宅に居住し、発災時に都の災害対策本部の一員にもなる各局の職員や、あるいは自宅が派遣先に近く、土地カンのある職員を割り当てるようにしてございます。
こうした取り組みを通じまして、日ごろから顔の見える関係をできるだけ構築しておくことで、発災時にも情報連絡要員が円滑に対応できるよう備えてまいります。
○中屋委員 ご答弁ありがとうございます。くれぐれも、訓練のための訓練みたいな形でただ職員が来たというようなことは、ぜひ避けてもらいたいというふうに思いますし、引き続き、市区町村への支援に向けた取り組みを丁寧に進めてもらいたいと、このように思います。
先月下旬には、台風十二号の関東地方への接近の予想が出されまして、気象庁からも厳重な警戒の呼びかけがありました。幸いにも大きな被害には至らなかったわけですが、八丈島や青ヶ島などでは、大雨警報や土砂災害警戒情報が出されるなど、厳重な警戒が行われたわけであります。台風などの風水害は、ある程度事前の予測が可能でありますけれども、それゆえ事前の備えが極めて重要であります。
そこで、今回の台風十二号に対する都の対応について伺います。
○猪口総合防災部長 都では、昨年の台風十九号の教訓を踏まえまして、本年の本格的な台風シーズンに入る前に、大型台風の接近など大規模風水害において東京都がとるべき対応をまとめたタイムラインを見直したところでございます。
今回の台風十二号の接近に際して、このタイムラインや気象庁の予測等に基づきまして、都側で警戒に向けた早目の体制構築を図ると同時に、台風の再接近が予想された大島、三宅島、八丈島に総合防災部の職員を情報連絡要員としてあらかじめ派遣いたしまして、周囲の島しょ町村も含め、避難状況や被害等の情報収集に当たったところでございます。
○中屋委員 今、昨年の台風十九号を教訓にタイムラインを見直したとご答弁ありましたが、もう少し具体的に、どういう点を見直したのかということを教えてください。
○猪口総合防災部長 都庁各局と連携いたしまして、先ほどご答弁いたしました市区町村への職員の派遣の準備、あるいは計画運休を前提にしました職員の事前の配備などをタイムラインに新たに盛り込んだところでございます。
また、発災時の情報の共有のため、NTTや東京電力などライフライン事業者等に、情報連絡員として都庁にも参集していただくことも盛り込んでございます。
さらに、対策本部会議はこれまでよりも早期に開催することにいたしまして、都民に対して早目早目の呼びかけを行うこととしてございます。
○中屋委員 今回の台風の接近を見越して、あらかじめ島しょ地域に職員を派遣して情報収集を行ったこと、タイムラインを見直したことが確認できました。こうした早目早目の対応を常に意識して対応していただきたいと、このように思います。
一方、風水害に比べ予測が難しいといわれております首都直下型地震への備えも極めて重要であります。東京都防災会議で策定いたしました首都直下型地震の被害想定でも、都内の広範囲で甚大な被害が発生することが想定をされています。
大規模地震が発生した場合でも、市区町村と早期に情報連絡体制を構築することが重要であります。そのためには、日ごろから訓練などを通じて準備を進めておくことが必要不可欠であると思います。
そこで、大規模地震発生時を想定した市区町村との訓練の取り組みについてお伺いいたします。
○猪口総合防災部長 都は今年度から、多くの市区町村が参加して、首都直下地震等の発生を想定して災害対応の手順を確認する図上訓練を初めて実施してございます。七月には五十四市区町村が参加いたしまして、災害情報システム等を活用して、市区町村の態勢の構築や避難所の開設状況等を端末上で即時入力し、都がその情報を即時に集約し、情報の共有を図るなど、情報連絡体制の基本的な手順を確認する訓練を実施したところでございます。
こうした取り組みを継続的に実施することで、市区町村との情報連絡体制の構築をより一層図ってまいります。
○中屋委員 市区町村との情報連絡体制を早期に構築するということは、とても大事です。こうした訓練を繰り返し、実効性の向上に向けた取り組みをぜひ進めてもらいたいと思います。また、大規模地震の発生直後からの初動対応が、被害を軽減するためにも極めて重要であります。そのためには、警察、消防、自衛隊などの関係機関との連携を図ってもらい、速やかに対応することが求められます。
そこで、発災直後の防災関係機関との連携強化に向けた取り組みについてお伺いいたします。
○猪口総合防災部長 大規模災害の発生時に人的被害を最小限に抑えるためには、発災直後から関係機関と連携を図り、救出救助活動などの初動対応を迅速に行うことが重要でございます。
このため、今月には、十六市区に加えまして、警察、消防、自衛隊、海上保安庁が参加し、首都直下地震等の発生を想定して、各機関の適切な役割分担のもと、状況が変化する中でのとるべき初動対応を確認するロールプレーイング型の訓練を実施いたします。
こうした訓練で得られた成果を踏まえ、関係機関との連携手順を整理したマニュアルの改定を図るとともに、さまざまな状況を想定した訓練を継続的に実施することで、発災時における関係機関との連携強化を一層図ってまいります。
○中屋委員 今ご答弁いただきました。市区町村のみならず、警察、消防、自衛隊などの関係機関と継続して訓練を実施、強化していくというご答弁いただきました。とても大事だと思います。
ただ、大切なことは、マニュアル化して一律の訓練を行えばどこの地域でも通用するというものではないということであります。各地区、地域においても、自助、公助、共助の強い意思を持って訓練を重ねておりますから、こうした方々と、いざというときに訓練の成果が発揮されるように、都としても工夫をしながら進めてもらいたいと思っています。
首都としての災害対応力を世界も見ています。ぜひ、さらに向上させてもらって、すばらしい成果と効果が出るようにお願いをしたいと思います。
以上、質問を終わります。
○のがみ委員 私からも、セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇二〇から質疑をさせていただきます。
防災に関しては、日ごろから大変皆様が頑張ってくださっているんですけれども、かなり多くのテーマで、コロナの影響で事業がおくれていることも散見されます。きょうは六点について質問いたします。
まず一点目は、一〇ページにあります東京防災都市の実施状況でございます。
昨年の台風十五号では、千葉県などで停電があったり、屋根が吹き飛んだり、水道がとまったり、土砂崩れだったり、多くの被害が発生をいたしました。私の知っている家では、いまだに屋根のふきかえが終わっていないそうでございます。平時より、都民の防災意識を高める取り組みを行うことが必要であると思っております。
黄色の「東京防災」に次いで出された「東京くらし防災」は、ピンクのかわいいデザインで、多くの都民に防災意識の向上を図ることができたと感じております。外国語バージョンもつくっていただきました。私はこの取り組みの中で、東京都防災模試を大変楽しみにしておりましたけれども、やはりコロナの影響で実施がおくれていると聞いております。
今年度実施予定である東京都防災模試についての取り組み方をお伺いいたします。
○猪口総合防災部長 都はこれまで、「東京防災」や「東京くらし防災」、東京都防災アプリ等によりまして、都民の防災意識の向上を図る啓発を進めてまいりました。
さらに今年度は、十二月までに東京都防災模試を実施する予定でございます。この取り組みは、都民が気軽に参加でき、防災知識を学べることをコンセプトとしておりまして、知識の確認を通じて都民一人一人の防災力を高め、自助の取り組みを促進することを目的としております。
実施に当たっては、気軽に多くの都民が参加できるよう、スマートフォン等を用いたオンラインによる受験といたしまして、また、さまざまな内容を楽しく学べるよう、地震や風水害、感染症に関する問題を出題するとともに、回答結果に対する判定を受験者にわかりやすく伝え、防災ブックなどの閲覧を促すことで、さらなる学びにつなげてまいります。
こうした取り組みにより、都民一人一人の防災意識や防災対応力のさらなる向上を図ってまいります。
○のがみ委員 これは本当にスマートフォンで簡単に自分で模試ができて、もし不足しているところだったら、また防災ブックなどを閲覧して、もう一回自分の知識として、最後に百点満点になるぐらいまで取り組んでいきたいと思います。
十二月までに実施するということなので、多くの人に防災模試に参加してもらいたいと思っております。さっきもいいましたけど、判定に対しては何度も挑戦できると。そして、防災ブック「東京くらし防災」とか、もう一度手にとって見直すことが大事かと思っております。気軽に学べる工夫をしていただきたいと思っております。
次に、一六ページです。これは5G、ICT等の先端技術を防災に活用するための調査研究についてです。
コロナ禍という新型ウイルスによる危機に見舞われて、ウイズコロナという新たな生活様式に変わり、リモート会議とかリモート講演とかリモート表彰式とか、リモート飲み会は私は経験がないんですけど、そういう三密回避が浸透するとともに、ICT技術を活用したデジタルトランスフォーメーションの推進が叫ばれております。
また、各種メディアの報道を見ますと、高速な5G通信の優位性や、物流分野におけるドローンの活用や、自動運転の実験など、ICTに関連する話題を目にする機会がふえています。テレビ放送においては、バラエティー番組を初めとするさまざまな番組において、ドローンで空撮された映像が使用されるなど、先端技術が身近な存在になってきたと感じます。また、人間が大型ドローンに乗って数キロ飛び、無事着陸できたとの報道もありました。
こうした中で、都は、昨年の台風十九号の対応において、被害を受けた奥多摩町日原地区への救援物資提供にドローンを活用したと聞いております、ちょうど道が土砂で崩れて行けなかったということで。
そこで、災害対策の進化の鍵となる防災分野における5GやICT等の先端技術の活用について、現状の取り組みと今後の取り組みについてお伺いいたします。
○猪口総合防災部長 大規模災害時は、災害対応に有益な先端技術を、緊急物資の搬送や迅速な情報収集に積極的に活用していくことが有効でございます。
このため、都では、昨年度の総合防災訓練などにおいて実際にドローンの機動性等を検証する実験を行うとともに、台風十九号による被害対応において実際にドローンを活用した物資の搬送を行ったところでございます。
また、昨年度末には、本土との距離的な面で、より迅速な情報収集が求められる島しょ地域に対し、情報収集用のドローンを有人島全てに配備したところでございます。今年度は、研修による操縦者等の人材育成を図っているところでございます。
さらに、特に情報が不足する発災初期における情報収集のため、自動的にSNS等から有益な災害情報を収集する機能を盛り込んだ災害情報システムの改修を進めているところでございます。
引き続き、日進月歩しているICT技術や5Gなど高速通信の防災対策における活用を検討いたしまして、一層の災害対応力の強化を推進してまいります。
○のがみ委員 正確な情報収集と情報を収集する手段の多様化が、これから問われる時代だと思っております。そうした意味でドローンを活用することは、人間が入り込めないような場所もドローンを飛ばして物を運んだり、被害地がどういう状況になっているかを映像で調べることができたりします。5G、ICTの先端技術を防災の分野にどう生かすのか、調査検討をこれからも重ねていっていただきたいと思っております。
次に、一八ページ、帰宅困難者対策でございます。
東京都帰宅困難者対策条例を知っている人は三四・九%、大体三人に一人ぐらいだと思います。一斉帰宅抑制に対して、社会の理解を深めていくことが大事です。家族の安否が心配なために帰宅しようとする人がおりますけれども、日ごろから災害伝言ダイヤルの使い方を訓練することが大事だと思っております。一日と十五日ですかね、二日間試すことができるということで、家族がどこに誰といて、無事であるかわかるかどうかで、帰宅しなくても大丈夫だなということがわかるわけでございます。
そういった意味で、災害時の電源確保対策としては、充電器があるかないかで被災した人の心の余裕が違ってくると感じております。
帰宅困難者対策としてスマートフォンの充電環境整備に対する支援について、これまでの取り組み状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 帰宅困難者が安心して一時滞在施設にとどまるためには、家族の安否確認や災害情報の収集ができる環境を整えることが重要でございます。
昨年度、台風十五号等に伴う大規模風水害の検証結果を踏まえ、緊急対策として、都立の一時滞在施設にスマートフォン等の充電のための蓄電池等を配備いたしました。
今年度からは新たに、民間の一時滞在施設を管理する事業者にも蓄電池等の購入費の六分の五を補助する制度を開始いたしました。
今後は、こうした補助制度について、民間の一時滞在施設を管理する事業者の積極的な活用が図られるよう、区市町村と連携し、働きかけてまいります。
○のがみ委員 発災時に安心して安全な場所でとどまることができることが大切だと思っております。情報が家族に正確に届くことが、とどまることにも通じます。そうした意味で、今回、充電環境整備費の補助を六分の五という、この制度はすばらしいと思います。これは、基本二千五百円掛ける受け入れ人数掛ける六分の五を上限として、一月二十九日までが受け付けだそうですので、早目に用意していただければと思っております。
次に、二一ページです。段ボールなどの簡易ベッドの備蓄状況でございます。
避難所で生活する場合、段ボール等の簡易ベッドがあると、つらくなく生活ができると思います。先ほど、つじの先生が、すごい体中がこわばって大変だったっておっしゃっていましたけれども、熊本地震のときに、私の姉がいるんですけど、姉が車でずっと暮らしていて大変だったということを思うと、段ボールでつくられたベッドとか、段ボール枕--きょうちょっと持ってこようと思って忘れちゃったんです、段ボールの枕があるんですね。段ボール枕があれば、寒さや暑さを軽減して過ごすことができます。
コロナ禍における避難所の感染防止対策として、段ボール製の簡易ベッドやパーティションの活用が有効でありますが、都の支援について伺います。また、台風等により道路が寸断される可能性がある中、必要な物資の輸送の対策についてもお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 都は、昨年の台風第十九号等による被害や新型コロナウイルス感染症の蔓延を受けまして、避難所の生活環境改善と感染症対策の観点から、段ボール製の簡易ベッドとパーティションの備蓄を今年度から新たに開始いたしました。
また、本年六月には、業界団体等と段ボールベッド等の調達に関する協定を締結いたしまして、災害時に迅速に調達できる体制も整備いたしました。
災害時には、都が備蓄しているものと協定事業者からの調達により、区市町村に対して必要な段ボールベッド等を提供いたしまして、避難所運営を支援してまいります。台風等により交通状況に支障が出ることが予見される場合には、事前に区市町村に対して段ボールベッド等をあらかじめ提供するなど、災害の状況に応じて適切に対応してまいります。
○のがみ委員 民間事業者と協定を結んでいるということなので、いざというときに困らないような対応をしていく、そういった準備が必要だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次、五番目のテーマは、二三ページです。これは日常備蓄の普及啓発ということです。
当たり前のことが当たり前に考えられなくなったのが、今回のコロナであります。避難所も、前回の台風十九号のときのように、体育館が通路以外はもうびっしり人で埋まっているという状況は考えられません。自分の家に被害が少なければ住むことになると思っております。
九州では、一階が浸水したけれど避難所に行かないで二階に住んでいる人も多いと聞いております。避難所に行かない理由として、例えば高齢で病気を持っているとか、ほかに迷惑をかける障害を持った人がいるとか、犬とか猫などのペットを残しては行けないとか、さまざまな理由があると思っております。
あと、もし自分の家で暮らすことになってくれば、備蓄をしっかりしておかなければなりません。私は、備蓄に関してはローリングストックというのを行っております。大体二週間分の水と食料を備蓄しています。これは消費期限が来る前に自分で消費して食べて、新しい食料に入れかえるというのをやっております。水は二リットルを十二本用意して、毎週土曜日に、ベランダの花の水やりも兼ねて、全て新しい水に入れかえております。
この日常備蓄に取り組んでいる人は五六・一%、これが都民の九〇パーセントを超えるようにしたいところだと思っております。災害時における備蓄は重要でありますが、都民への日ごろの備えに対する広報についてお伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 大規模災害の発生時には、ライフラインが途絶えるほか、食品等の入手も困難になります。そこで、都では、ふだんの生活で使っている水や食料等を少し多目に備えて、家庭でも行える日常備蓄を提唱してございます。
このため、日常備蓄の取り組みを進めるためのリーフレットやポスターの作成を初め、さまざまなイベントや防災訓練などの機会を捉えて周知に努めています。
今後も、このような取り組みを粘り強く行うとともに、若い世代にも日常備蓄の必要性が伝わるよう、十一月の備蓄の日に向けて、広報手法などにも工夫を凝らしまして、都民への普及啓発を推進してまいります。
○のがみ委員 十一月の備蓄の日に向けて、工夫を凝らした広報を期待しております。
最後の質問です。マイタイムラインの活用とその後です。三六ページです。
平成二十七年の関東・東北豪雨による鬼怒川決壊被害を教訓に、マイタイムラインの普及の必要性を感じていました。何度かマイタイムラインの国会での勉強会に参加し、そこで、常総市で取り入れられているのを参考に、都が独自のマイタイムラインの作成を支援していけば、江東五区のようなゼロメートル地帯に暮らしている都民には、よりよい避難行動に結びつくと感じました。
行政が事前に発信しているハザードマップなどの防災情報や発災時に発信する臨時情報が住民の避難行動に結びついていない課題を取り上げて、都民の自主的な避難行動につながるマイタイムラインの作成や水害リスクを肌で実感できる映像などの活用を提案いたしました。それが、昨年の第三回定例会と第四回定例会で、マイタイムラインについて私が原稿を書き、代表質問でほかの人が提案をいたしました。
これに対して都は、マイタイムラインの作成を都が独自に支援することや、VRを活用した水害の疑似体験、浸水時の深さを視覚的に確認できるスマートフォンアプリの導入などの方針を明らかにしたわけです。
将来の防災の担い手となります都内の児童生徒に対しては、昨年、梅雨の時期の六月までに、全員に配布をし、家族とともに考えながらマイタイムラインの作成をするように、急いで配っていただいた記憶があります。
こうした取り組みを重層的に進めることによりまして、災害発生時に住民同士が相互に協力して速やかに避難することができるように、地域の防災力を高めていくことが大切です。東京マイ・タイムラインを活用したこれまでの取り組み状況と、今後の取り組みについてお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 都はこれまで、東京マイ・タイムラインを活用し、都民が風水害発生前の適切なタイミングで正しく避難行動がとれるよう、町会や学校、企業等を対象といたしまして、さまざまな取り組みを実施してまいりました。
具体的には、ハザードマップや防災気象情報の収集の重要性など避難に必要な基礎知識から、マイタイムラインの具体的な作成方法まで習得できる出前講座を実施してまいりました。また、より多くの都民に作成を促していくために、自宅でも作成方法を学習できる動画の作成、配信に加えまして、地域で作成指導できる人材を育成するための講習会を実施して、これまで約百二十名の方々に受講をしていただいております。
今後、ことし六月に配信を開始いたしました風水害の脅威を疑似体験できるVR動画、TOKYO VIRTUAL HAZARDなども活用いたしまして、都民の風水害に対するより一層の意識向上に向けて、効果的な普及啓発を展開してまいります。
○のがみ委員 総合防災部でこのマイタイムラインをつくった方が、葛飾の学校で授業を--三回、私は見せていただきました。三回ともすばらしい授業でございました。何がすばらしかったかというと、担任の教師と総合防災部の方との連携がすごくよかったんです。そういう意味で、授業は大成功でした。
あくまでもマイタイムラインは、小中高とそれぞれの学年に応じて作成していくものであります。本当は家庭で、家族で顔を突き合わせてつくっていくものであり、そのときの気づきがあります。それが大事なんです。マイタイムラインは、だんだんと今認識されてきております。配られたときよりも今すごくこの重要性が指摘をされておりますので、作成支援の動画等を活用しながら、マイタイムラインを今後とも普及を図っていただきたいと思って、これで終わります。
以上です。
○米倉委員 私からも、セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇二〇について伺います。
今期のセーフシティ防災プランなんですが、計画期間は三カ年の計画となっていまして、今回は中間の二〇一九年度の取り組みをまとめているものとなっています。特徴に、女性視点の防災対策の推進を掲げています。都が今回のプランで女性視点を特徴としたことは、東京都の防災対策の考え方を進める上では大事な契機の一つだと思っています。
そこで、災害時、都は、どう女性や多様性に配慮した対応をしていくとしているのか、基本的な姿勢を教えてください。
○古賀防災計画担当部長 地域防災計画震災編では、男女双方の視点に配慮した防災対策を進めるために、防災に関する政策方針決定過程及び防災の現場における女性の参画の拡大を掲げておりまして、こうした趣旨を踏まえ、都としても現在取り組みを進めているところでございます。
○米倉委員 地域防災計画では、昨年の修正時に、震災編についてこの視点が初めて入ったと聞いています。今後、風水害編などもこの考えが位置づけられていくのだと思っています。
このプランの特徴なんですが、女性視点の防災対策の推進と特徴づけていて、実際、この間どういう取り組みの強化や新たな取り組みをしてきたのか伺います。
○榎園防災対策担当部長 都では、女性の視点が防災分野においても発揮されるよう、女性防災人材育成を進めております。
防災知識の基礎を学ぶ防災ウーマンセミナーを平成二十九年度から実施してございます。
また、平成三十年度からはリーダー的人材を育成する防災コーディネーター研修も開始し、女性の防災人材の育成を進めてございます。
○米倉委員 これまで、阪神・淡路大震災、また東日本大震災などの大きな災害を経験して、避難所設営、運営など、災害対応の各局面で意思決定の場に女性がほとんどいなかったと。そういう中で、避難所のプライバシー確保を初め、必要な対応がなかなかとられてこなかったという教訓から、女性視点が重要だということが指摘されてきました。
災害時の対応の際に、意思決定の場に女性の割合が高いことは重要です。リーダーやコーディネーターを育成されているということで、これは今後も位置づけて取り組んでいただきたいと要望します。
今回の防災プランで、せっかく女性視点は特徴だということで位置づけていらっしゃるんですが、進捗レポートを見ていてなんですが、この視点で特徴と書いているんですが、何がどう進んでいるのかわからないというのが残念だなと思っています。ぜひこの進捗を報告する際に、プランの特徴に基づいた総括などを掲載していただきたいと思っています。今後の報告について、こうした観点、要望したいと思いますが、どうですか。
○古賀防災計画担当部長 セーフシティ東京防災プランは、防災対策の見える化や女性視点での防災対策の推進といった特徴を踏まえて作成しておりまして、毎年度、プランに掲げる事業の取り組み状況や住民等の防災意識の変化を明らかにするために、進捗レポートを公表しております。
プランの最終年度となる今年度の取り組みにつきましても、これまでと同様に、これらの特徴を踏まえ、進捗レポートを作成、公表する予定でございます。
○米倉委員 せっかくいろいろ特徴を書いていらっしゃるんですが、取り組みがよくわからないんですよね、あちこちに書いてあって。ぜひまとめて示していただきたいなと要望します。
自治体の災害対応において女性視点を位置づけていくということは、先進的に取り組んでいらっしゃる自治体もありますが、多くはまだこれからだという状況だと思っています。都の取り組み報告などは、区市町村や関係機関にも参考になるものにぜひしていただきたいと思っています。改めて要望しておきます。
防災ウーマンセミナーなどを開催されてきたということで、女性視点の防災対策を推進すると都はしてきたんですが、避難所の運営などの災害時の対応は、この間女性の視点でどう改善していますか。
○古賀防災計画担当部長 都は、災害時に区市町村が円滑な避難所運営が行えるよう、避難所管理運営の指針を策定しておりまして、プライバシーへの配慮や女性視点の活用などにつきましても、これまでの地震や風水害などの教訓を踏まえた改定を適宜行ってまいりました。
また、避難所の運営等を担う女性防災人材の育成や、乳幼児液体ミルクの調達、提供等の取り組みを進めているところでございます。
○米倉委員 やはり避難所で今いろいろやっていらっしゃるということなんですが、女性視点を災害対応で位置づけるということが大事なのは、具体的なプライバシー配慮とか、そういうことをどうするかということもあると思うんですが、私はもう一つ、災害時の暴力の対応をどうするかということが大きくあると思っています。
東日本大震災の後に、大学研究者やDV問題に取り組んできた専門性の高い団体の皆さんで、東日本大震災女性支援ネットワークという団体がつくられまして、国内で初めて災害時の女性や子供への暴力調査を報告しています。この報告書には、国内外でどういう調査がこの分野で行われてきたかについても触れています。やはり災害の後というものは、女性や子供に対する暴力がふえる傾向となることが国際的にも知られていて、海外ではそういうさまざまな調査があるということです。
一九八九年のサンフランシスコ大地震の後には、サンタクルーズ市が調査をしまして、そのまとめた報告には、レイプは三倍にふえたと。DVの保護申請も五〇パーセント増加したと報告がされ、この結論として、災害後、女性に対する暴力が増加することを予測しておくべきであり、防止活動が災害救援の中に組み込まれなくてはならないと書いています。この報告書は、全米、カナダの危機管理機関に送られて、高い評価を得たということです。
一方で日本はどうかといいますと、世界各地で災害後の女性への性暴力やDVということについての調査報告が行われてきたものの、日本にはなくて、阪神・淡路大震災のときには性暴力の被害が発生していたと問題提起する声はありましたが、被害届がないなどを理由にデマ扱いをされて、バッシングも起こったという状況があります。
そういう中で、東日本大震災を受けて、先ほど紹介をした東日本大震災女性支援ネットワークが、国内で初の災害時の暴力調査を行ったというのが到達点だと思います。被災地の暴力の実態をこの調査は明らかにして、今後、各地で予測される災害時の暴力防止に向けての取り組みに生かしていけるようにという内容になっています。私は、この中身は、首都直下地震など東京でも今後起こると想定されている大規模災害に生かされなければならないと思っています。
そこで、都としての考え方を伺いたいのですが、災害時には性暴力がふえるといわれている中で、その防止や対応のためにどういう対応を計画しているのか、体制や他機関との連携など、具体的に示していただきたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 女性の視点を生かした防災対策をまとめた「東京くらし防災」では、災害時の犯罪の危険を減らすため、単独での行動は避けることや、死角になる場所には一人では近づかないなどの対策を示しております。
また、避難所管理運営の指針では、災害時の避難所運営体制の整備に当たり、防犯班を設置し、避難所受付での身分確認や避難所内外の巡回等を行うとともに、警察との連携を通じた警備強化等の取り組みが示されております。
○米倉委員 避難所対応での取り組みをされているということです。そして、「東京くらし防災」で、犯罪への対応についていろいろ示していらっしゃるということです。
「東京くらし防災」は、私も読みました。このピンクの冊子ですが、私、これを読んだときに、これは女性向けでつくられた冊子なんですけれど、性犯罪、性暴力のことをどうして書いていないのかなと、最初に読んだとき、思ったんです。
でも、質問するに当たってもう一度よく読み直したら、言葉はありました。ただ、そのぐらい、申しわけないんですが印象に残らなかったんです。
それは何でかなということで今回改めて読んだんですが、ここに、避難所での防犯ですとか、自宅で避難のときにもどういうことに気をつけた方がいいかということが、数ページにわたって紹介をされているんですが、避難所での防犯というページで、読みやすくトピックとして、貴重品を肌身離さず持ち歩く、他人の前でお金の話はしないということが打ち出されていて、体験の声として、避難所で盗難に遭いましたということなんかが紹介されています。
ほかにも、子供だけの環境はつくらないと。それは、やっぱり見知らぬ人からストレスのはけ口として、どなられたりたたかれたりする事例がありますよというふうに書いています。体験の声としても、娘が避難所で顔を殴られてしまったとか書いているんですね。
ところが、性犯罪だとか性暴力にかかわること、複数人で行動して身を守るですとか、死角になる場所にはできるだけ近づかないというふうなことは、タイトルをつけて書いてくださっているんですが、これは、性犯罪を意識して書いているんだなということはわかるんですが、体験者の声は、人目につかない場所には近寄りたくありませんでしただとか、夜道を一人で歩かないように気をつけていたというような経験しかなくて、それは私なんかからいわせても日常からやっていることで、なぜ複数行動が大事なのかとか、その意図がわからないんですよね、これを読んでいて。
性犯罪が起こり得るということも示していただかないと、これでは、複数行動しないとというふうにも、なかなか理解がそこまでいかないんじゃないかなというふうに思います。
実際、阪神・淡路大震災ですとか東日本大震災、熊本の大震災でも、避難所や仮設住宅などで、性犯罪、性暴力は、深刻な実態が調査や聞き取りで明らかになっています。
東日本大震災では、震災で夫を亡くした女性は、避難所のリーダーに、夫を亡くして大変だね、タオルや食べ物をあげるから夜どこどこに来てといわれてとりに行くと、あからさまに性行為を強要されただとか、二十代の女性は、仮設住宅にいる男性がだんだんおかしくなって、女の人をつかまえては暗い場所で裸にする、周りの人も、若いから仕方がないねと見て見ぬふりをして助けてくれませんでしたですとか、避難所のリーダーなどに暴力を受けた女性は、複数の男性に暴行を受け、騒いで殺されても、海に流され津波のせいにされる恐怖があり、その後、誰にもいえませんでしただとか、こういう実態が既に明らかになっています。
こういう調査、聞き取りで明らかになっていることの一つとしては、災害時のこういう暴力の特徴としては、対価型というものがあるんだと。助けてあげたから性行為を強要するとか、そういう特徴があるということも、もうわかっているといわれています。
やっぱりこういう大事な、周知の手段をつくってくださるということは大事なんですが、やはりこういう災害時の女性や子供への暴力の問題というのは、もっと知らせる努力をしていただきたいと思います。
あわせて、これは要望なんですが、この「東京くらし防災」を読んでいて、そうした性的な犯罪や暴力を受けた場合は、一人で抱え込まず、警察や専門の相談機関などに相談してみましょうと書いているんです。それはもう本当にそのとおりなんですが、相談先はないんですよね。ここに書いていないんです。やっぱりこれはぜひ書いていただきたいなと思っています。書いていただきたいということだとか、中身についても、もっと意図がわかるようにしていただきたいと。これは、「東京くらし防災」だけでなくて、ほかにもいろんな媒体で、災害時の対応について都として周知される機会があると思います。そういう機会を捉えて、より中身がわかる発信をしていただきたいと要望したいんですが、いかがですか。
○古賀防災計画担当部長 先ほどのご答弁と重なりますけれども、女性の視点を生かした防災対策をまとめました「東京くらし防災」では、さまざまな注意点について対策を示させていただいているところでございます。
今いただいた要望等も踏まえまして、今後は、専門家の方々に対して、またご意見等をお伺いしながら、よりよいものに、都としても今後、取り組みについてどういうふうに検討していけばいいのかということも踏まえて、今後も検討を進めてまいりたいと思います。
○米倉委員 ぜひよろしくお願いします。
大災害時なんですけれども、やはり生命維持や当面の生活の維持に必死で、こういう被害を受けても相談や告訴ができないと。そもそも相談機関の機能が喪失したり減退するということで、平常時のように相談をして支援を受けるということがやりにくくなるといわれています。
実際、阪神・淡路大震災のときには、仮設住宅で性暴力被害を受けた女性が、警察に訴えなかったのかとほかの人に聞かれたときに、そこでしか生きていけないときに誰にそれを語れというのかと答えたという話があります。
安心して相談できる場があることが、広く、これは災害が起きる前に知らされていなければならないと思いますし、また、相談して、加害者と離れた地域で安心して暮らすことができるよう、住宅の提供や経済的な支援の制度なども必要だと思います。これは、新たな検討も恐らく必要になってくる話だと思っています。こういうことは自治体レベルでなければやはり対応が難しいと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
災害時の暴力への対応については、やはり位置づけはまだ弱くて、これから議論していくという段階だと思っています。
私、先ほどの質問で他機関との連携も伺ったんですが、そこは具体的にはお答えなかったと思います。つまり、例えば性暴力の問題、東京都として大地震が起きたりしたときにも対応するとなったときに、福祉保健局ですとか生活文化局との、事前にどういう対応をするのかということなんか、本当は必要だと思うんです。そういうことは恐らく今ないのかなと答弁を聞いていて思いました。ぜひこうした連携を求めたいと思います。
災害時には、最も支援を必要とする方々、最も弱い立場にある方々に、支援が行き届きにくくなります。
災害などの救援活動において満たされるべき国際的な最低基準を定めているスフィア基準というものがありますが、ここでは、さまざまな不平等や差別がある社会の仕組みを意識しないで支援が行われるならば、意図せずして特定の被災者がさらに被害を受けることにもなりかねないとして、ジェンダーや多様性への配慮は、スフィア基準の中で、どんな人道支援活動にも必要な分野横断的な課題として位置づけています。
その観点で幾つか伺いたいのですが、災害対応の各場面でどう女性や性的マイノリティー、その他多様なニーズの視点を把握するんでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 都は、災害対策基本法に基づく常設の東京都防災会議の委員に、防災における女性や要配慮者の知見を有する学識経験者や自主防災組織の構成員の方にご就任いただいておりまして、これまでも「東京くらし防災」や女性防災人材の育成カリキュラムの策定など、さまざまな機会でご助言、ご協力をいただいております。
また、避難所管理運営の指針では、災害時の避難所における相談窓口への女性相談員配置や、性的マイノリティーの方が相談できる窓口の明確化、声を上げにくい人の意見も酌み取りやすいよう意見箱を設置する等の取り組みが示されております。
○米倉委員 災害時に必要な支援を把握するというときなんですが、男女別、年齢別で情報を把握するということですとか、支援を把握する際に、支援チームの男女バランスなどをとることは必要だと思いますが、都は位置づけているんでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 避難所管理運営の指針では、避難所運営のメンバーや役割分担を決める際には、多様な視点が運営に反映されるよう、男性女性双方、さまざまな年齢や立場の方で構成することが示されております。
○米倉委員 男女双方、さまざまな年齢や立場で構成することを指針で示しているということは大事だと思います。この被災住民の方をバランスよく代表して協議に参加できるように示すということは大事なことなんですが、そこにとどまらず、スフィア基準でも示していますが、参加することが社会的困難な集団があれば、参加の障壁を理解し、それを取り除くというふうに示しています。ここは、実際現場でとても大事になることだと思うので、そこまでの取り組みを求めたいと思います。
あわせてですが、やはり大規模災害が起こる前に、女性や性的マイノリティー、その他の多様なニーズを災害対策に反映していくための継続的な検討の場が必要でないかと考えています。いかがですか。
○古賀防災計画担当部長 都は、災害対策基本法に基づく常設の東京都防災会議を設置しておりまして、委員には、防災における女性や要配慮者の知見を有する学識経験者や自主防災組織の構成員の方にご就任をいただき、多様な視点を取り入れております。
このような会議体を通じて、引き続き、都の災害対策について検討を進めてまいります。
○米倉委員 東京都防災会議は、年に一、二回開催されているということです。女性の割合は、お名前で見る範囲なんですが、約一三・六九%でして、国のデータと比べると、都道府県の平均より東京都は低い状況だと指摘されています。ここも努力していただきたいと思いますが、この会議は、局長など充て職も多いので、努力も限られるところがあるかなと思っています。
だからこそ、分野横断的な、こうしたかなり急いで対策を求められている課題については、部会を設置するなどして検討する必要があると思っています。会議の開催状況を聞いたところだと、やはり継続的な検討というふうにはならない場だと思いますので、ぜひその他で部会などを設置して、検討していただきたいと思います。
こうしたことは、ほかの自治体でも先進的な取り組みはやっぱりありまして、尼崎市では、国の防災基本計画の修正を受けて、二〇一一年ですが、その中で、防災の現場に男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の必要性が示されたということを受けて、市の防災対策にもその視点を反映させようということで、防災会議に女性部会を設けて、議論や調査をして提言を出しています。ここでは、脆弱な立場にある乳幼児を持つ女性の実態と災害への意識喚起が指摘をされて、事前調査が必要だと提言がありました。それを受けて市は調査をして、災害時の備品の品目を見直すということなどもやっています。こういう検討をぜひ都としてもやっていただきたいと要望します。
最後になんですが、住宅耐震について伺います。
地震の場合、あらゆる対策のまず一番が住宅耐震です。
住宅耐震は、今、目標と到達はどうなっているのか。そして、住宅耐震、進んでいないのが実態です。どういう課題があると認識しているのか、都市整備局とはどう進めていくと議論しているのか伺います。
○古賀防災計画担当部長 東京都耐震改修促進計画における住宅の耐震化率の目標は、二〇二〇年度末までに九五%以上でありまして、実績は、二〇一四年度末時点で八三・八%でございます。
この計画の改定時には、総合防災部も検討メンバーとして参画しておりまして、また、地域防災計画の改定や本進捗レポートの取りまとめなど、さまざまな機会を捉えて耐震化に関する調整や情報共有を図っております。
○米倉委員 阪神・淡路大震災のときは、犠牲者の大半は建物の倒壊による圧死でした。都としての耐震化の目標は、今お答えありましたが、二〇二〇年度末までに九五%以上ですが、実際には目標とかなり乖離があるのではないかという状況だと思います。
都の住宅耐震改修助成も近年の実績はわずか三百件程度で、さらに、耐震改修助成の予算は二年連続で大幅に削減されている、九億六千万から二億五千八百万円まで、四分の一に知事は減らしてしまったという状況です。
これは本当にまずい状況だと思っていまして、総合防災部としても、耐震改修促進計画の改定検討のメンバーにも入って議論してきたということですので、次期計画は耐震化が進むように、これは県によってはかなり進めている自治体も事例としてあるので、そうしたことを参考にしながら、助成の拡充を含めた積極的な検討をしていただきたいと要望して、質問を終わります。
○宮瀬委員 私の方からは、政策評価についてお伺いしたいと思います。
今回の報告事項の中に、令和元年度政策評価実施施策に係る評価書、要約版等、出ているんですけれども、私は、民間でわずか十一年ですが働いていたときに一番最初に感じたのは、やっぱり行政というのは数字目標がほとんどないと。数字目標がないからコミットされずに、実際にどう改善されていくのか可視化されないといったことを、ここ七年ぐらいずっとお伝えさせていただいて、今回こういった形で何百件の事業、全五千二百のうち三百でありますけれども、心から評価させていただきたいと思います。
外部の方を入れていくご提案も昔させていただきましたし、それによって専門家の声を反映して、この評価シートをつくるんだといったことであります。
ただ、これを読みましたら、例えば要約版のところの二七ページに書いてあるんですけど、無電柱化で、区市町村道における促進ということで、二〇一六年度の目標が新たな施策の検討、実績が新たな支援策の検討、一七年度の目標が支援拡充開始、実績が支援拡充開始と。目標数値が去年より減少とか、要は、数値が書いていないものが結構、全体の一割ぐらいは--ちょっとおかしいんじゃないのかなと思うところがありまして、例えば、詳細版の一三八ページに水道局の政策評価シートというのがあって、政策連携団体の経営体制の見直しとあるんですけれども、事業〔1〕、〔2〕、〔3〕と書いてあっているんですけれども、ほとんど数字がなくて、目標が検討、実績が検討とか、グループウエア等のホームページ専用サーバーの統一によるコスト削減、コスト削減が項目なのに、計画が検討になっていて、実績が検討とか。
もう挙げると切りがないんですけど、小児の医療体制のことも、七六ページですね、これは全部、右斜線がほとんど引いてあって書いていないと。
きわめつけは都民安全推進本部、都民に対するアンケートを行って防犯ボランティア活動の認知度を上げていきましょうという項目があるんですけれども、目標がアンケートの実施になっている。大事なのはアンケートをとることではなくて、防犯意識がどう上がるかがやっぱり大事だと思っています。
このように、これは精鋭の三百件の評価だと思っていて、その後ろに四千九百控えていると思うんですけれども、この評価を大変評価しているんですが、まだまだちょっと甘いところがあるんじゃないのかなと思っていますが、改善すべきと思いますけれども、見解を伺います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 成果指標の設定や自己評価につきましては、客観性を担保する観点から、外部有識者で構成されます都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会の委員意見を取り入れながら、各局みずから設定、評価したものでございます。
一方で、外部有識者からは、より具体的な成果指標の設定や、成果指標と事業効果の関連性の分析などにつきまして指摘をいただいた施策もございます。今後、こうした指摘を踏まえまして、評価制度の充実に向けた検討を行ってまいります。
○宮瀬委員 制度設計の充実に向けた検討を行っていただけるということですので、ぜひお願いしたいと思います。
誤解なきよういっておきますと、大変評価させていただいていますので、この点だけは誤解なきようお願いしたいと思います。
もう一つは、この三百の事業をどう選んだのかなというところをお聞きしたいと思います。この三百、誰がどのように選んだのかお伺いいたします。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 令和元年度より実施いたしました政策評価は、見える化改革で実施した五十五事業ユニットのうち、各局がみずから一事業ユニットを選定しました結果、合計二十一事業ユニットの施策について評価をさせていただきました。このうち、評価対象施策に関連する事業が、結果として二百九十一事業となったものでございます。
○宮瀬委員 ここで私、問題提起なんですけれども、要は、局側が選んできたよと。全部で二十一事業ユニットがあって、各局みずから一事業ユニットを選定しているといったことですが、課題なのは、自分たちで上げていくものを自分たちで決めていると。
先ほど公文書管理の件でも質問させていただきましたが、自分たちでこの評価を上げますよというのを挙げて、要は実現しやすいものを選んじゃって、実現しづらいものは、ちょっとここはやめておこう、挙げるのはと。そういった意識が、まあ、ないと思いますけれども、あるのではないのかなと思っています。そういった課題がやっぱり解消されていかないと、この政策評価、形だけではないですけれども、意味が半減してしまうのではないのかなと思います。
そこで、政策企画局の方と大分質疑させていただいたんですが、長期戦略を今後つくっていくといったことの計画のものがあります。その前段階として、論点整理というものが行われたり、二〇四〇年代に向けてこれを頑張っていきたいという、東京都としての重点項目が挙がっているわけであります。
例えば私なんかは、出生率二・〇幾つか、今すぐいえないですけれども、そこの出生率をどう上げていくのかという最大の関心があるんですが、こういった項目の中にはないわけであります。
いいたいのは、まとめますと、やっぱり東京都の重点課題から今後広げていかないと、つまり、政策企画局なり総務局の方で考えている、これが重要な政策をやっていく課題なんだよというものから、精査版の政策評価に落としていかなきゃいけないのではないかなと思います。そういった観点から、都の重点施策などを対象にしていくべきと考えますが、見解を伺います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 初年度実施いたしました政策評価は、二〇二〇改革に基づきまして、各局が取り組んだ見える化改革を対象に実施をいたしました。この制度は、各局みずから自律改革をすることによってPDCAサイクルを回すという観点から行ったものでございます。
一方、外部有識者からは、よりよい評価制度とするために、例えば局横断的な対応が求められる重点政策なども評価対象とすることも有益であるというご意見もいただいてございます。
このため、今後策定いたします長期戦略、あるいは都政の構造改革実行プランなどを見きわめながら、複雑化する行政課題の解決に寄与する制度となるよう取り組んでまいります。
○宮瀬委員 今後やっていっていただけるということで、ぜひお願いをしたいと思います。
代表質問でも少しお伝えしたんですけれども、やっぱり政策企画局と財務局、あと総務局での連携、三つ事業評価が並んでいますので、その連携を図っていくべきだと思っております。
また、他の諸都市ではやっているんですけれども、住民ですとか都民の声をどうやって反映させていくのか。今、専門家の声を政策評価に反映させていく、そして長期戦略の重点項目とリンクさせていくと。そこで、都民のニーズをどう反映させていくのかというのを、ぜひ今後、質問にしませんが、検討していただきたいなと。
他の諸都市では、例えば抽せんで無作為に選んで、その人たちを含めた検討会をやったり、また、こういう時代でありますから、オンラインを活用して広く都民の皆さんの声を集めていくと。行政と専門家と都議会議員と都民が一緒になってつくっていけるような政策評価をしていければいいかなと思います。ぜひ、中間評価も必要だと思いますし、いろんな課題も見えてきていると思いますが、今後、皆さんの努力に期待をして、またいずれ質疑させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○山内委員 私からも質問いたします。
二〇一九年度東京都公立大学法人業務実績評価書についてお伺いしたいと思います。
この実績評価書に基づいて、二〇二〇年の四月には名称変更した東京都立大学についてお伺いしてまいります。
まず、障害のある学生に対する支援で、二〇一九年度、支援を受けている学生に対して、支援に対する意見、要望等に関するアンケートを初めて実施したとのことです。このアンケートからわかったこと、改善できたことについてお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立大学では、ダイバーシティ推進基本方針に基づきまして、学生スタッフが聴覚障害者向けのノートテイクや視覚障害者向けの板書の読み上げなどを行います障害者支援スタッフ制度を設けております。支援を受けている学生を対象に、昨年度、前期と後期二回実施したアンケートでは、授業における配慮や支援、相談体制等に関するほぼ全ての項目につきまして、役に立ったとの評価が得られたと聞いております。
一方で、学生スタッフによるさらなる支援を求める意見がございましたので、支援を受けている学生と同じ学科に所属する学生スタッフを増員するなど、支援体制の充実を図りました。
○山内委員 SOGIにかかわる悩みやハラスメント等の相談についても、ダイバーシティ推進室で行っていると聞いております。
LGBTQ、SOGI、セクシュアルマイノリティーへの理解促進への取り組みについてお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立大学では、性別、障害の有無、文化的相違などにかかわらず、多様な人々が学び合い、協働するキャンパスの実現に向けて、教職員や学生向けのセクシュアルマイノリティー理解促進に関するリーフレットの配布や講演会の開催などに取り組んでおります。
令和元年度は、東京二〇二〇大会の開催を見据えまして、スポーツの場面におけるあらゆる差別の解消に資する取り組みといたしまして、セクシュアルマイノリティーの当事者であるアスリートを講師とする講演会を開催いたしました。
○山内委員 多様性について考え、多様な性的指向、性自認があることを理解することは、ジェンダーの平等を実現する上でも大切です。
国連の持続可能な開発目標、SDGsで、十七の目標の一つにジェンダー平等が掲げられています。日本は国際的にもおくれているということは、もうご承知のとおりだと思いますが、特に、二〇〇三年に、二〇二〇年までに指導的地位の女性比率を三〇%とすると掲げた目標二〇三〇を、ことし七月、先送りされてしまいました。
生活者ネットワークは、教育研究分野においても女性の割合を積極的にふやす必要があると考えています。
そこで、二〇一九年度の女性教員の比率についてお伺いいたします。また、女性も男性もLGBTQも、性別にかかわらず働きやすい環境整備への取り組みについてお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立大学の令和元年度の女性教員比率は二〇・五%と、第三期中期計画の目標である二〇%を上回っております。
これまで、平成二十六年度に一時保育施設を開設したほか、昨年度は、育児や介護に携わる研究者に対して臨時職員等の雇用経費を措置する制度につきまして、利用回数による制限を廃止いたしました。
また、今年度は、セクシュアルマイノリティーの当事者の困り事や配慮事項などを取りまとめたガイドラインを作成いたしまして配布するなどの取り組みを進めており、今後とも、誰もが働きやすい環境整備に努めてまいります。
○山内委員 学生の海外派遣や外国人留学生の受け入れに関して、新型コロナウイルスの影響でどんな困難があったのかお伺いいたします。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大をしていきました本年の一月から三月までの間、都立大学では、学生の約百人が海外の大学等に派遣されておりました。留学先ごとに状況が異なるため、教職員が手分けをしてオンラインで個別に面談をし、不安を抱える学生への精神的なケアや帰国手続のサポートなど、個々の学生のニーズに応じた支援を行いました。
また、既に受け入れておりました留学生にも、各国が渡航を制限し、帰国便を確保しづらい状況の中で、最新の帰国手段の情報提供や大使館との橋渡しを行うなど、きめ細かな学生支援に努めてまいりました。
○山内委員 温室効果ガスの削減、省エネ、再エネ、プラスチックごみ削減についての取り組み、お伺いしたいと思います。
○久保田企画担当部長都立大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立大学では、省エネルギー対策として、エネルギーの効率の高い機器への計画的な更新に加えまして、昨年度から、教室の窓への遮熱フィルムの導入を進めているほか、太陽光発電による再生可能エネルギーも活用しております。
これらの取り組みの結果、昨年度は、都の環境確保条例に定める温室効果ガスの排出量削減義務率一七%を大きく上回る約二八・五%の削減を達成いたしました。
なお、使い捨てプラスチックの削減につきましては、環境局と連携して、大学祭でパネル展示による啓発活動を行うとともに、学生食堂の持ち帰りのお弁当の容器をリサイクル容器に変更するなど、大学生活の実態に即した取り組みを推進しております。
○山内委員 セクシュアルマイノリティー、SOGIのガイドラインを作成したとのことです。カミングアウトを前提とせずに自己決定を尊重することやアウティング防止、個人情報保護等に十分配慮して、LGBTQ、SOGIへの理解を進め、差別解消に率先していただきたいと思います。
また、女性教員比率について、中間目標の期間、二〇一七年度から二〇二二年度だと思うんですが、この半ばで、二〇%を超えました。着実に進めてきたことは評価しますけれども、二〇一六年度の女子教員比率が一九%であったということから考えると、目標設定を高く持つべきであったと私は考えています。女性教員比率をさらに高めることを期待しております。
また、地球温暖化対策、気候変動対策に声を上げる若者たちがふえています。その一つに、マイボトル給水機でペットボトルを減らそうという運動があり、都が東京国際フォーラムに設置している屋外型ボトルディスペンサー式水飲み栓を、まち中等にもっとふやすべきと生活者ネットワークは要望してまいりました。
学生たちからも、大学の構内に設置してほしいという声も上がっています。都立大学を初め、さらに東京都立産業技術大学院大学等、他大学にも、これはちょっと違う箇所になるかと思いますが、ぜひマイボトル給水機の設置を広げるよう期待しております。
次に、セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇二〇についてお伺いいたします。
東京にも大きな被害をもたらした昨年十月の台風十九号の特徴は、大型化、広域化だといわれ、今後の対策として、広域避難の見直しが行われています。
首都圏を通過したのは連休中であったために、計画運休による大きな混乱はなかったものの、バスや鉄道を使っての、避難のための移動ができないという課題も見えました。今後、移動が可能な範囲での実効性のある広域避難や分散避難を検討していく必要があるかと思います。
また、住んでいる自治体の避難所等が、浸水の可能性があったり収容し切れなかったりしたために、災害発生リスクのない、都有施設等を含めた避難先の確保が重要となりました。
そこで、都は、区市町村による風水害時の避難先確保を促進するため、都立施設の活用に向けて取り組んでいくこととしています。これまでの都の取り組みと現在までの進捗状況についてお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 都は、昨年度の台風十九号等に伴う防災対策の検証を踏まえ、全ての区市町村に対して、風水害時の避難先としての活用を希望する都立施設の調査を実施するとともに、浸水リスクや活用上の課題などを整理の上、その結果を協定書のひな形などとあわせて区市町村に提供を行いました。
また、今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえまして、避難所内が過密にならないよう、区市町村に対して都立施設等の活用を進め、より多くの避難先確保を図るよう改めて周知を行いました。
引き続き、都は、区市町村と連携して、都立施設を風水害時の避難先として活用する際の具体的な運用や協定締結に向けた調整を進めてまいります。
○山内委員 外国人への災害時の情報提供を行うに当たり、都は、どのように対応していくのかお伺いいたします。
○猪口総合防災部長 都では現在、防災ホームページを八カ国語、避難先等が記載された防災マップを三カ国語で提供してございます。また、三カ国語で提供している防災アプリにつきましては、外国人が頻繁に訪れる都内五カ所の観光情報センターで、三カ国語のチラシにより周知を行い、アプリの利用を促しております。
さらに、災害時には、防災ツイッターにおいて、八カ国語で防災ホームページの閲覧を促すこととしており、昨年の台風十九号による被害の際にも、八カ国語でツイッターによる情報提供を行ったところでございます。
今後とも、こうしたさまざまな取り組みによりまして、災害時における外国人への情報提供を積極的に行ってまいります。
○山内委員 女性防災人材育成について、これまでの実績と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 都では、女性の視点が防災分野にも反映されるとともに、家庭や職場等で活躍している女性の力が災害時にも発揮されるよう、女性防災人材育成を進めており、基礎的な防災知識を学ぶ防災ウーマンセミナーを初め、女性のリーダー的人材を育成する防災コーディネーター研修を実施しています。平成二十九年度の事業開始以来、昨年度までに、幅広い年代にわたる人材を合計八百七十二人育成してまいりました。
今後とも、女性がより受講しやすい方法やニーズに合った内容に工夫するなど、女性の防災人材の育成を推進してまいります。
○山内委員 生活者ネットワークは、災害時の情報提供について、障害者、子供、高齢者、外国人にわかりやすい方法の一つとして、「やさしい日本語」での情報提供を要望してまいりました。
昨年、二〇一九年十二月の総務委員会で、風水害時についてもデジタルサイネージを活用し、多言語や「やさしい日本語」での発信にも取り組んでいくとの答弁がございました。しかし、残念ながら、各種情報の的確な発信に、その取り組みが見当たりません。
避難所を、逃げるところ、暴風を、風が強くなる、波浪を、波が高くなるなどいいかえる「やさしい日本語」は、外国人だけではなく、障害者、高齢者、子供にもわかりやすいばかりではなく、多言語で発信する際の翻訳にも重要とされています。最近では医療現場でも、「やさしい日本語」は期待されています。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
また、その委員会で、テレビの気象ニュースを見たときに、手話通訳があるにもかかわらず、画面が切れて十分に手話が映らないというようなことがあったりとか、字幕があっても項目だけなので、利用者の目線に立っていないということを私は指摘させていただいておりました。そして、東京都の情報提供も、音声情報が同時に文字になって、画面で読めるようにするなど、さまざまな工夫を凝らした情報提供をするよう要望しました。
障害者、子供、高齢者、外国人にとって、どうすればわかりやすい情報提供ができるかをぜひ聞き取って、ニーズに合わせた情報発信をするよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○入江委員 改めて、政策評価の取り組みについて伺います。
小池都知事は本定例会で、一つ一つの事業を最大限に生かす、そして都政改革において改革のギアを上げるとおっしゃっております。そのためにも、令和元年度、昨年度初めて行われました政策評価の取り組み、この目的は、一つは成果を重視した効果的、効率的な都政運営の推進と、都民への説明責任の徹底ということになっておりますが、さまざまな都政課題が山積する中、各局の状況に応じた課題解決に寄与するなど、意義ある制度であることが重要です。
PDCAサイクル、つまりプラン、企画立案、ドゥー、実施、チェック、評価、そしてアクション、次の企画立案への反映というサイクルが機能的に実施されているのか、そして、そのことが部局内できちんと共有されているのか、そうした観点が可視化されなければなりません。
そこで、改めて伺います。令和元年度の政策評価について、評価対象の選定方法やどのような評価書様式を用いたのかなど、具体的な実施方法を伺います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策評価は、二〇二〇改革に基づき各局が取り組みました見える化改革を制度的に継続させるため、実施をさせていただきました。
具体的には、見える化改革で実施しました五十五事業ユニットのうち、各局が一事業ユニットを選定しまして、合計二十一事業ユニットを対象とさせていただきました。
各ユニットの成果指標の設定や自己評価に当たりましては、外部の有識者でございます都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会の委員意見を取り入れるなど、客観性や第三者性を担保した制度となってございます。
また、評価書様式は、国や他の自治体の事例を参考にしながら、施策の目標、成果指標の達成状況及び過年度の状況、施策を構成する各事業の取り組み状況など、施策を体系的に網羅をいたしました。その上で、社会変化への対応の検証、課題、今後の方向性を明記するなど、各局が自律的かつ効果的に政策評価を行えるよう配慮いたしてございます。
○入江委員 昨年度初めて行ったということで、見える化改革の事業ユニットを対象に、各局が施策を選定し、実施したということです。そして、総務局が作成した統一フォーマット、つまり政策体系シートと政策評価シートが各局に配られ、施策ごとに記入をされてきました。定量的な成果指標や目標値は、各局が設定しています。
こうした自局内での効果検証の取り組みをする場合、民間企業でもありがちなんですけれども、作業レベルでは、担当管理職などごく少人数で政策評価シートなどを作成してしまい、組織にその取り組みが浸透しないケースも見受けられます。
そこで伺いますが、各局は評価書の作成について、どのように組織的に取り組んできたのでしょうか。担当がお書きになって、課長、部長、局長と内容を承認した上で提出になっていくんでしょうか。特に、施策の評価というところが最後にあるんですけれども、こちらを完成するに当たっては、内容の検討が事前に何度か行われているのでしょうか、伺います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策評価を行うために必要となる当該施策の目標あるいは取り組み方針、成果指標の設定等につきましては、各局の事業所管部門が主体となって取り組みましたが、これら指標などは、局方針との整合性を図る必要があることから、各局の企画部門を初めとしました関連部門も積極的に関与し、局として取りまとめた上で、所管の副知事に報告をしてございます。
また、自己評価に際しましては、事業所管部門及び関連部門等が一体となって課題の抽出、今後の方向性等を検討するなど、各局が自律的に政策評価に取り組んでございます。
○入江委員 今のご答弁で、ごく一部の担当者の方だけではなく、各局の各部門が連携して組織的に取り組んできたということを理解しました。
さらに、行政がひとりよがりにならず客観的に政策評価を行う上でも、外部有識者の助言を何度か受けながら進めることが重要です。そして、都民目線の視点、つまりこの評価書が、都民が読んでわかりやすく、理解しやすいという点を忘れないことも大切です。
この政策評価の取り組みに当たっては、答弁にあったとおり、外部有識者による都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会が設置されています。こちらでは、アウトカムの数値目標を設定すべきなどの意見もあったようですけれども、どのような有効な意見、助言があったのか伺います。また、都民目線で工夫した点はあるのか伺います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 委員ご指摘のとおり、外部有識者からは、成果指標の設定の際に、都民にもたらす効果をよりわかりやすく示すアウトカム指標を設定すべきとの意見に加えまして、例えば他の自治体との比較ができる有益な指標の設定や、事業の認知度をはかる指標に加えまして満足度をはかる指標を設定すべきなど、より都民の視点に立った成果指標の追加などの意見、あるいはご指摘がございました。
また、成果指標と事業効果との関連性の分析や、コロナ禍における評価書作成の負担軽減の点についても指摘がございました。
一方、都民目線で工夫した点といたしましては、評価書はボリュームが多いことから、一事業ユニットをA4サイズ二枚程度にまとめました評価書の要約版を作成いたしまして公開することで、都民の皆様に政策評価をより深く認知してもらうよう取り組みました。
○入江委員 客観的な第三者の意見、助言を受けて取り組んでいること、そして都民目線でわかりやすく情報を公開するために、こうした要約版を作成されたということは評価いたします。
成果指標については、外部有識者から指摘もあったように、非常に施策に応じてさまざまなものがあります。そして、そもそも各局で選定した施策の予算規模やかかわった人数などにばらつきも見られるわけです。
それでも、今回初めて各局が一斉に政策評価に取り組んだことは大きな成果だと思います。それゆえに、この取り組みを一人一人の職員に浸透させ、各自の仕事が組織の目標に向かって大事な一部となっていることなどを認識してもらうことが大切です。
そこで、この政策評価の取り組みを各局職員に浸透させるために、どのような取り組みを行ってきたのか伺います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 制度所管であります総務局といたしましては、外部有識者ヒアリングを初めとしまして、施策目標の設定や自己評価の際など各局と議論するさまざまな段階を捉えまして、政策評価の取り組みプロセスや意義を丁寧に説明するなど、制度の定着を図ってまいりました。
また、本年二月には、外部有識者を講師にお招きしまして、局長級を含む管理職層から一般職層まで幅広い職員を対象に、政策評価講習会を開催したところでございます。講習会では、各局が自己評価を行う際に重要となる問題解決手法につきまして、他の自治体の事例研究やグループワークなども取り入れながら、実務に即した実践的なプログラムを実施いたしまして、各局に政策評価の取り組みを浸透させる有益な機会を提供してございます。
○入江委員 政策評価の取り組み自体を浸透させる努力を行っていることは理解いたしました。局長級から一般職員まで参加可能な外部有識者による講習の機会があったことは、大変よかったと思います。今後もこのような機会を活用し、広く都庁内にこの政策評価の取り組みの浸透を図っていただきたいと思います。
一方、初年度で、初めて取り組んだということもありまして、やってみてわかったことも多いかと思います。これまでの政策評価の取り組みを総括してどのように受けとめているのか、課題も含め、見解を伺います。
○緑川行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 見える化改革で取り組みました各局の点検、評価を、政策評価制度により継続した取り組みとしたことで、施策の改善につなげる自律的なPDCAサイクルの推進につながったものと考えてございます。
また、事業と施策の関連性を体系的に整理いたしまして、施策としての達成状況、課題、方向性を明らかにしたことで、各事業の役割や位置づけの把握につながったものと認識してございます。
一方、外部有識者からは、先ほども申し上げましたとおり、成果指標と事業効果の関連性の分析の必要性や、コロナ禍における評価書作成の負担軽減に加えまして、財務局の事業評価など既存制度との連携についても指摘がございました。
こうした指摘も踏まえまして、政策企画局、総務局、財務局の評価制度との連携強化を図るとともに、効率的で効果的な評価策の検討をするなど、より評価制度を充実させて、都政の価値向上につなげる制度となるよう取り組んでまいります。
○入江委員 この政策評価の取り組みは、各局が評価書をきれいに丁寧に作成して終わりというわけではなく、どう今後に生かしていくのかが重要です。つまり、評価したことに大きな意味があり、その結果としてよりよい都政につながったとしなくてはなりません。
各局が今回、成果指標の実績などに基づく自己評価を行い、課題を抽出するとともに、今後の方向性を示しました。この取り組みを無駄にしないよう、予算要求を初めとした今後の施策展開に存分に活用することを期待します。
そして、政策評価の内容を各局の職員一人一人にきちんと共有し、理解していただくことも重要です。各自のお仕事というのは、多分一部分を担っているものでありますけれども、全体の目標や課題を認識してもらい、おのおのの業務改善につなげることが、組織の力を高め、より効率的な結果を導きます。その結果として、都政改革を加速させます。
さて、新型コロナウイルス感染症の影響下において、先行きの予測が非常に立てにくい、突発性が求められるという環境では、PDCAサイクルでは改善を反映するまでに時間がかかり過ぎる、前例主義に陥りやすいという見解が民間企業の中にはございます。
都の昨年十二月に発表の新たな都政改革ビジョンでも、アジャイル、素早く柔軟に改革を進めるとあります。PDCAサイクルと対比されるOODAループ、つまり、オブザーブ、観察する、オリエント、状況判断する、ディサイド、意思決定する、アクト、行動するという手法は、現場の状況に合わせて臨機応変な対応をし、課題解決のスピードをアップさせ、斬新で柔軟なアイデアが出やすいといわれています。こうした手法も参考にしていただきたいと思います。
そして、少なくとも次回、令和二年度、特別なこの一年の政策評価シートには、共通項目として、新型コロナウイルス感染症による影響についてというものと、デジタル化の進捗についてといったものをつくっていただくのがよいのではないかと考えています。
総務局は、制度所管として都政の構造改革の動きも踏まえ、外部有識者の助言を受けながら、各局の負担も考慮しながら、より効率的で効果的な制度となるようブラッシュアップを図ってください。
例えば、自己検証のタイミングを年に一回ではなく年二回にして、年度途中に施策を検討し、検証し、見直す機会を設ける。そのためには、政策評価シートをもっとシンプルにして、課題と思われることを自由に記入する欄をつくるなど、検討をしていただきたいと思います。
引き続き、各局の施策の改善などをサポートし、状況に応じた課題解決に貢献し、都政改革を力強く進めることを要望して、質問を終わります。
ありがとうございました。
○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時三十八分散会
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