総務委員会速記録第五号

令和二年三月十八日(水曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長早坂 義弘君
副委員長加藤 雅之君
副委員長本橋ひろたか君
理事藤井あきら君
理事鈴木 邦和君
理事清水 孝治君
山内れい子君
宮瀬 英治君
米倉 春奈君
原 のり子君
のがみ純子君
つじの栄作君
中屋 文孝君
入江のぶこ君
木村 基成君

欠席委員 なし

出席説明員
戦略政策情報推進本部本部長松下 隆弘君
理事小室 一人君
戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松永 竜太君
特区推進担当部長米津 雅史君
戦略事業担当部長小川 祥直君
ICT推進部長戸井崎正巳君
情報企画担当部長荻原  聡君
情報基盤担当部長沼田 文彦君
人事委員会事務局局長小泉  健君
任用公平部長須藤  栄君
審査担当部長柴田 義之君
試験部長田中 宏治君

本日の会議に付した事件
人事委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出 人事委員会事務局所管分
戦略政策情報推進本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 戦略政策情報推進本部所管分
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 戦略政策情報推進本部所管分
報告事項(質疑)
・「スマート東京実施戦略 東京版Society五・〇の実現に向けて」について
・「スマート東京(東京版Society五・〇)の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針」について

○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局及び戦略政策情報推進本部関係の予算の調査並びに戦略政策情報推進本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより人事委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○須藤任用公平部長 二月十四日の当委員会において要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
 恐れ入ります、お手元の総務委員会要求資料の表紙をおめくりください。
 障害者を対象とする東京都職員Ⅲ類採用選考における合理的配慮の一覧でございます。受験上の配慮事項について掲載してございます。
 以上、簡単ではございますが、資料についてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○のがみ委員 私の方からは、都における人材確保戦略についてお伺いいたします。
 経費の内訳を見ておりますと、一番多くの予算をとってあるのが人材確保戦略でございました。これは五千四百七万円ということです。これは、職員を採用するためのPR経費ということでございましたけれども、都の職員によりよい人を採用していくためのPR経費だと思っております。
 委託料だと思っておりますけれども、よりよい都民サービスを安定的、継続的に提供していくためには、それを支える優秀な東京都職員の確保、これは大変重要なことだと思っております。
 そうした観点から、職員採用PRの現状などについて、幾つかお伺いしたいと思っております。
 まず、都庁の職員採用PRの今年度の取り組みについて伺います。

○田中試験部長 都政を支える人材の確保は重要課題と認識をしており、人事委員会は、任命権者と連携して採用PRに取り組んでおります。
 具体的には、職員採用ホームページやメールマガジン、SNS、パンフレット等による情報発信の充実、インターンシップや現場説明会の実施、各種セミナーや座談会の開催など、受験を希望する学生等に対し、東京都の仕事の意義や魅力等を伝えるさまざまな機会を設けております。

○のがみ委員 知事部局等の職員とともに、一緒に協力をし合いながら、年間を通してさまざまな取り組みを行っているということでございました。
 三月というと、民間企業の採用説明会などが非常に活発に行われている時期でございますけれども、ことしは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにさまざまなイベントが中止や延期になっておりまして、東京都でも、本来、都庁のホールに多数の学生等を集める東京都職員採用セミナー二〇二〇など、三つの採用イベントを中止したと聞いております。
 中止することはやむを得ないことだとは思いますけれども、東京都の仕事に関心がある学生等に対して、その魅力をどうやって説明していくのか。説明する機会が減ったということがとても残念なんですけれども、都庁志望者の関心をつなぎとめることができるのかなということがとても不安に感じております。
 今回、三月の採用イベント中止に伴う対応状況についてお伺いいたします。

○田中試験部長 イベントの中止に伴う取り組みとして、採用ホームページに新たなアンケートを設け、回答していただいた方に対して希望の職種に応じた資料を送付するほか、イベントで説明するために準備していたコンテンツを職種ごとに編集して、メールマガジンで配信することにいたしました。
 同時に、ことし一月二十四日、三十一日、二月二十一日に実施したウエブセミナーの録画を採用ホームページで視聴できるようにしました。
 イベントは実施できませんでしたが、動画やSNSなど多様なツールを活用して学生等に広報活動を行い、その結果、アンケートの回答は二千七百八十六人からいただき、中止したイベントの昨年度実績二千四百二十二人を上回りました。

○のがみ委員 回答が二千七百八十六人、昨年の参加者が二千四百二十二人ということで、イベントを中止しても、ウエブを使って対応をいろいろと工夫をして成果を上げているということは、大変適切な対応だったと思います。
 多くの民間企業でも、人を集めるイベントは中止して、インターネットを活用したPRに切りかえて取り組んでおります。または検討しています。
 都は既に、ウエブセミナーに取り組んでおりまして、その動画を活用して、さらに多くの人の理解促進に利用する方策も有効であると思っております。新設されたICT職を希望する人を集めるためには、ウエブセミナーはさらに有効と考えます。
 そこで、改めてウエブセミナーの具体的な内容と成果について伺います。

○田中試験部長 セミナーの内容は、複数の若手職員が志望動機、仕事の内容、やりがい、職場の雰囲気などを紹介するほか、インターネット上で参加者がその場で質問し、職員がリアルタイムに回答するものです。
 人事委員会では、ことし一月に、土木、建築、機械、電気の各技術職を対象に実施し、十二月に新設が決まったICT職についても、PRの計画を追加して、二月に実施をいたしました。
 参加者数は、土木、建築、機械、電気の合計で昨年度の三倍近い三百二十六人となり、ICT職は三百八十七人が参加しました。
 参加者からは、職員の生の声を聞くことで公共の仕事の実感が湧いた、地方にいてもイベントに直接参加することができて感謝するなど、肯定的に評価する意見が多数あり、一定の成果があったと考えております。

○のがみ委員 ウエブセミナーについては、非常に効果的なツールでありまして、来年度以降も引き続き有効に活用し、将来の都政を支える優秀な人材を確保することを希望します。
 最後に、試験のことですが、一点質問させていただきます。
 先ほど、ICT職種だけでウエブセミナーの参加者は四百人近くあったと聞きました。これは、受験者だけでなく、都のICTへの取り組みに対して高い関心のあらわれかもしれません。
 来年度は初めての採用試験が行われるということで、その内容を確認しておきたいと思います。
 来年度のICT職種の採用試験の内容はどうなるのかをお伺いして、私の質問を終わります。

○田中試験部長 ICT職の設置に伴い、Ⅰ類B採用試験新方式及びキャリア活用採用選考の試験選考区分にICTを新設いたします。
 具体的な試験内容は、Ⅰ類B採用試験では、一次試験で択一式の教養試験と都政課題に関するプレゼンテーションシートの作成を行い、二次試験、三次試験では、プレゼンテーション、グループワークを含む個別面接を実施します。
 キャリア活用採用選考では、一次選考で択一式の教養試験、論文、記述式の専門試験を行い、二次選考、三次選考ではプレゼンテーションを含む個別面接を実施いたします。

○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
 私も、のがみ委員と課題認識が同じでありまして、違う角度から質問したいと思います。
 昨今の、最新の調査ですけれども、就職したい企業ランキングで、二〇一九年三月三日時点でのとある民間会社での調査ですと、一位が三一・六%で地方公務員ということで、その中でも地方公務員のトップは、私は当然東京都だと思っておりますので、この解釈でいきますと、今、学生の皆さんが一番就職したいのは東京都の職員なんじゃないのかなと思っております。
 そういった人気の職業で、裏づけるように、申し込みが昨年ベースで約六千名、実際に受けた人が四千五百名、そこから数百人ですか、採用といったことで聞いておりますが、このような新型コロナウイルスの影響というのは、出てくるのではないかなと。
 先ほどの、のがみ委員の質問と重複しないような形で聞きますと、まず、都職員の採用のためにどのようなイベントを実施し、数字ですね、どのくらいの参加者がいるのかお伺いします。

○田中試験部長 東京都の仕事の意義や魅力等を学生等に説明した実績として、今年度、人事委員会が大学等の主催する説明会や民間就活イベントに出向いて説明した際の学生等の参加実績は、現時点で延べ三千二百三十五人でございます。
 また、人事委員会が開催した説明会等への参加実績は、延べ千二百六十三人でございます。

○宮瀬委員 数字、ありがとうございます。
 先ほどの質疑を聞いていまして、今回中止した二〇二〇年度のイベントの影響数は、三つイベントを中止して、昨年度のそのイベントの参加者は二千四百二十二人と。ちょっと電卓をはじいていきますと、大体その影響頻度というのが全部で九回のうちの三回、去年ベースの実績で計算すると、六千九百二十人のうち二千四百二十二を分子として、大体影響度でいうと三五%の影響が出ていると。かなり大きな影響なんじゃないのかなと思っております。
 そういった中で、メールマガジンの配信やパンフレットの配布--ウエブセミナーの録画といったご答弁を聞いていましたが、私は、そこに加えてメールが来て、パンフレットが届いて、どうなのかなと。
 最新のニールセンの調査ですと、若者の九割がスマホだけでユーチューブを見ていて、実際に十代後半の男性も女性も、その利用率が七割もしくは六割近いと。メールはほとんど見ていない可能性が、今の人たちにはあるのではないのかなというふうに思っています。実際にオンライン動画、ユーチューブ以外にもありますけれども、そういった媒体に、やっぱり進出していかないといけないのではないのかなと。
 とりわけ、今回、採用セミナーで若手職員によるパネルディスカッションを用意していて、ある程度のシナリオというか台本もあって、また、職員が参加者一人一人の質問に答えるコミュニケーションエリアというのも設ける予定だったと。
 私は思ったのは、これは絶対動画でできるでしょうと。先ほどご答弁の中に、ICTや土木関係の専門職のウエブセミナーはやっているそうなので、こういった普通の一般職といいますか総合職といいますか、そういったところにはリーチがないわけであります。
 今回、せっかく準備されていたのであれば、しっかりと、パネルディスカッションに出る予定だった人に再度お願いをして、ユーチューブ等でそのパネルディスカッションを再現するのがいいのではないかと思いますが、見解を伺います。

○田中試験部長 近年の学生等は、SNSや動画を新聞やテレビ等にかわる重要な情報ツールとして利用する傾向が高まっていると思われ、動画を活用してSNSやウエブで情報発信をしていくことは、今後も有効な広報手段の一つになるものと認識をしております。
 現在もさまざまな取り組みに努めておりますが、機会を捉えながら、さらに一層有効なPRができるよう工夫を重ねてまいります。
 また、今お話がありました一般事務職向けのウエブセミナーにつきましては、連携してやっております任命権者の方でやっておりまして、今回、私どもの方でそれの録画も見られるように措置をしたところでございます。

○宮瀬委員 大変失礼しました。三月上旬にできている動画ですよね。あの再生回数が、まだ私が見た時点では四百ぐらいでしたので、ぜひ、セミナーに来る予定だった皆さんにこういうものをお届けしていただきたいなと思います。
 また、私、ちょっと気になっているのが、コロナウイルスがこれだけ猛威を振るっている中で、私が都庁に就職したい学生だったとしたら、体調がちょっとすぐれないけれども採用の試験があしたある、どうしようとか、あした面接だけどぐあいが悪いといったときに、都庁の職員になるのに憧れていて、一番入りたい企業といいますか団体なのに、一生に一回の大一番だ、でも、ぐあいが悪いけどどうしようと思ったら、ちょっと無理して行く可能性も、私、自分のことだったら否定できないなと思っています。
 六千人近い方が受けたいといって、実際に四千五百人の方が受けると。そうなると、筆記試験の会場でどうするのかと。ことしは五月三日に一斉テストをやると聞いていますが、面接は六月中旬と。そうなると、試験の方は、いろんな大学の会場を借りて一斉にやるものだと思うので、なかなかそこでの融通というのは難しいかなと思います、試験問題が漏れちゃったり。なかなか対策が、マスクですとか手洗いとか消毒液ぐらいになっちゃうと思うんですけれども、その中で、筆記試験は無理でも、面接に関してはある程度、代替日程といいますか、ぐあいが悪くて、ちょっと濃厚接触の疑いがあって、二週間待機になりましたといったような学生がいたりしたら、やっぱり配慮してあげてほしいなと思っております。
 採用活動を実施するに当たりまして、感染予防対策の観点から、受験者にどのような配慮を考えているのか、あわせてお伺いします。

○田中試験部長 厚生労働省などから示されている、せきエチケットや手洗い励行の呼びかけ及び啓発チラシの会場掲示、アルコール消毒液の設置、小まめな換気の実施など、可能な限りの感染症予防対策について検討を行っているところでございます。
 今後も、政府及び厚生労働省からの情報、都の方針等を踏まえ、感染防止の観点から、受験者に対し適切な配慮が行えるよう検討してまいります。

○宮瀬委員 今の段階で、あれをどうするこうすると具体的にはいえないと思いますが、都庁の職員の皆さんだけでも、採用面接に二千人ぐらいの方がかかわるといった話も聞いております。単位が千単位ですので、ぜひ、採用する側も採用してほしい側も、両方がこの特殊な事態に備えて、愛情のある対応をしていただきたいと思いまして、質問を終わります。

○山内委員 質問いたします。
 二〇一八年十一月の総務委員会で、私は東京都に、まあ、ここでの質問は人事委員会に行うものですけれども、採用試験の申込書から性別の記載を削除するように求めました。医学部の入試の女性差別問題に端を発したもので、都の採用試験において、性別は合否に関係ない、必要ないなら削除すべきと指摘いたしました。その際は、東京都職員を志望する方々の人権に十分配慮をするとともに、庁内での議論や国、他団体の動向を見据えつつ、適切に対処していくとの答弁でした。
 そこで、人事委員会が実施する二〇二〇年度の採用試験申し込みにおける性別の取り扱いはどのようになるのかお伺いいたします。

○田中試験部長 人事委員会では、会場の設営など採用試験等の円滑な実施のため、事前に男女の受験者数を把握してまいりました。
 一方、従前から、採用試験の受験を希望する方々の人権への配慮、庁内での議論、国、他団体の動向等を見据えた対応も検討してまいりました。
 その結果、人事委員会が実施する職員採用試験選考については、令和二年度の申し込みから性別の記載を廃止する方針を昨年十一月にまとめ、昨年十二月に公表された東京都性自認及び性的指向に関する基本計画にもその旨を記載してございます。

○山内委員 また、性的指向、性自認において困難を抱える方々から、採用選考申込書等の性別記載があるために、戸籍性との違いが不利益の原因になることがあると聞いております。
 採用において、例えば服装や外見、言動、採用選考の申込書の性別の記載等が、戸籍性と合致していないことに関して、差別を行わないことは重要であり、そのことを採用選考の案内等に明記する必要があるとも指摘いたしました。
 採用選考での面接会においては、SOGI、性的指向や性自認についての理解や、当事者の置かれている状況、面接等でのやりとりにおいて生じ得る差別やハラスメントの具体例、その解決策等の検証を行うなど、性的指向、性自認に基づく採用差別を禁止すべきと考えております。
 二〇二〇年度に人事委員会が実施する職員採用試験等における取り組みについて、見解をお伺いいたします。

○田中試験部長 人事委員会で実施する職員採用試験等は、従前から、筆記試験、口述試験で性別情報は使用してございません。
 性別にかかわらず、今後とも、地方公務員法に定める成績主義の原則に基づき、公平、公正な採用試験等を実施してまいります。

○山内委員 採用担当者、面接官等を対象に、ぜひ性的指向、性自認についての定義や、当事者の置かれた状況、採用プロセスや面接等でのやりとりにおいて生じ得る差別、ハラスメントの具体例、その解決策、先ほども申し上げましたけれども、ぜひこれらについての研修を行うように要望いたしまして、質問を終わります。

○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で人事委員会事務局関係を終わります。

○早坂委員長 これより戦略政策情報推進本部関係に入ります。
 予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、戦略政策情報推進本部所管分、第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、戦略政策情報推進本部所管分及び報告事項、スマート東京実施戦略、東京版Society五・〇の実現に向けてについて外一件を一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 私からは、スマート東京実施戦略と官民連携データプラットホームについて伺います。
 このテーマは、一般質問でも質疑させていただきましたけれども、スマート東京の推進に向けて各局が新規事業を今回いろいろつくっておりまして、それ自体は大変高く評価をしております。
 ただ、現時点では、皆さんもごらんになっていると思いますけれども、かなり局によって事業のレベルにやっぱりばらつきがあって、これからこの事業を三年、五年と発展させていったときに、相当、スマート東京に一生懸命取り組んだ局とそうでない局との差が出てしまうかなと。これはまさに東京の分野の差が出てしまうかなというふうに思っております。
 なので、ぜひ今回は、スマート東京がしっかりと実のあるものになっていくためにどうしたらいいかという観点で質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、各分野の新しい事業について、予算編成やスマート東京実施戦略策定に当たりまして、戦略政策情報推進本部はどのような役割を果たしてきたのか伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 七月の依命通達では、令和二年度予算の見積もりにつきまして、都政が直面する諸課題に迅速かつ的確に対応するとともに、ソサエティー五・〇の実現に向けた施策など、東京が成長を生み続ける成熟都市として進化を図るための取り組みを積極果敢に進めることとされております。
 これを受けまして、各局におきまして、AI、IoT、5Gなど第四次産業革命の技術を活用した事業を検討し、予算要求を行いました。
 戦略政策情報推進本部は、この過程で、必要に応じて技術的アドバイスを実施いたしました。
 また、スマート東京実施戦略の策定に当たりましては、予算化された各分野の事業につきまして各局と調整を行い、TOKYO Data Highway、まちのデジタルトランスフォーメーション、都庁のデジタルトランスフォーメーションの三つの柱で整理し、都民にわかりやすく発信しているところでございます。

○鈴木委員 戦略政策情報推進本部が役割を果たしているということは、私も理解しております。
 ただ、各局が、技術的ノウハウもなくて、なかなか民間事業者とのつながりもないので、そういう中で事業を本当につくっていけるのかなという、やっぱり不安がすごくあります。
 実際にスマート東京の中身を見てみると、スマート東京というのは、一部の業務をICTによって効率化することだと考えているような節も見受けられまして、そうではないんだよということを私はちょっとお伝えをしたいなと思います。
 スマート東京の議論をするときに抽象論になってしまうと、どうしても皆さんからわからない、わからないといつもいわれてしまうので、きょう私は水道局のスマートメーターを例にちょっとお話ししたいと思うんですけれども、実は、水道局のスマートメーターももともとは、今やっている検針業務がありますね、二カ月に一回やっています。それは人手でやっているんです。それを自動化して、自動的にデータを取得するようにするというのがもともとの発想なんです。これが大体、人手で今、年間六十三億かけてやっているんですね。これを自動化しましょうと。
 ただ、それだけだとやっぱり効果としては薄い、かつ、スマートメーターってそれなりに導入コストもかかるので、正直なかなか難しいと。もっと視野を広く持ったときに、水道事業というのは、二〇四〇年以降、特に人口減少に伴って、施設をダウンサイジングしていかなきゃいけないんですね。水道事業って償却資産で二兆円ぐらい資産を持っていまして、それを数十年で効率的にダウンサイジングしていかなきゃいけないと。
 そのダウンサイジングをするときに、水道事業って今、実は各エリアの需要予測がちゃんとできていないんです。水道事業って、あれだけ大規模な事業をやっているのに、実は、これまでどのぐらい需要があったかというその数字に関数を当てはめて、それで将来予測をしているんです。だから、その需要をちゃんととって将来予測しているわけじゃなくて、つまり、スマートメーターを導入して各家庭とか水道管でデータをしっかりとると、需要が詳細にわかるわけです。それをしっかりと分析をして将来の需要予測を立てて、このぐらいダウンサイジングしてもオーケーだというのをやって、それで二兆円の資産を効率的に更新していきましょうと。だから、スマートメーターというのは水道局にとって、将来課題を解決する本当に重要なものなんですという、そういうストーリーになっているわけです。
 私としては、今回、スマート東京を進める上では、各局の本質的な将来課題を解決するためのものというふうに捉えていただいて、しっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思っているんです。
 ちょっと話が長くなってしまいましたけれども、済みません。まずは来年度は調査から入るというのはいいと思うんですが、おのおのの取り組みを着実に推進していく必要があると思いますけれども、戦略政策情報推進本部としてどのように進めていくのか伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまでも、先ほど申し上げましたTOKYO Data Highway基本戦略やスマート東京実施戦略、スマート東京の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針などについては、事業を進める各局と連携しながら策定いたしました。
 今後、本部が公募で民間から採用いたしました専門性や豊富な経験を有するICT人材が、外部の専門家や行政系の都職員とチームを組みまして、先生ご指摘の課題解決のため、各局とプロジェクトチームを設置することなどによりまして、ICTを活用した各局の事業を技術的に支援してまいります。

○鈴木委員 ありがとうございます。ぜひプロジェクトチーム等でしっかりと連携をしていただきたいと思います。
 連携をすると何がいいかということを申し上げますと、先ほどの水道スマートメーターというのは、実は水道の需要予測だけではなくて、もちろん各家庭の同意を得た上でデータをいただくと、例えばその家庭が水道を何時ぐらいにいつも使っているかとか、そういうデータも出てくるわけです。それって、例えば今、民間で宅配業者が再配達のコスト、すごく困っているんですけれども、この家だったらこのぐらいの時間帯に行ったら再配達の可能性が結構高いなとかということを詳細に検討できたりするんです。
 データって、いろんな分野への活用の仕方が考えられるんですね。そのときに、実はそれって水道事業のみならずいろんな活用があるので、ぜひ皆さんの方で知見をしっかりとストックしていただいて、例えば水道スマートメーターのデータって実は高齢者の見守りサービスに使えますよ、じゃあ福祉保健局さんどうですかとか、そういう形で展開していただく。そのまさに横串となっていただくのは、私、戦略政策情報推進本部だと思いますので、ぜひその役割を果たしていただきたいと思います。
 今回の実施戦略は、二〇二〇年を中心に取りまとめたものとなっておりますけれども、技術革新等を踏まえながら、将来のことを視野に入れて、さらに各局連携を進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京の実現に向けましては、都庁を挙げた取り組みが必要でございまして、スマート東京実施戦略では、令和二年度を、組織横断的にスマート東京実現に向けたムーブメントを起こすスマート東京元年と位置づけました。
 都は、東京二〇二〇大会後に長期戦略を策定することとしておりまして、スマート東京実施戦略で掲げました取り組みを積極的に推進していくことが、長期戦略策定につながると認識しております。
 今後、この長期戦略策定や令和三年度以降の予算編成における事業の検討などの中で、各局との連携をさらに強めてまいります。

○鈴木委員 ぜひお願いします。
 今、都庁の各局との連携ということをお話ししてきたんですけれども、もう一つ大事なのは、民間との連携です。
 今、5Gの整備の方で先行的に取り組んでおりますけれども、東京都は非常にいい取り組みをされていると思っておりまして、アセットデータベースを策定して、土地と建物の開放を積極的に行って、通信事業者に5Gのアンテナの設置をしていただくよう強力に後押しをしていると。このモデルが少しずつ全国に広がっていくんじゃないかなということで、私は大変期待をしているところでございます。
 今後は、こうした取り組みをしっかり、進捗状況を可視化していくことが大事だと思うんですけれども、都の見解を伺います。

○荻原情報企画担当部長 アセットの開放については、既に都の土地と建物約一万五千件を公開しております。事業者からの申し込みに係る事務処理フローを作成し、その過程ごとに処理の状況をホームページで公開しており、その結果、現在どのような事務処理が進められているか、どのくらい事務処理に時間がかかっているか、一目でわかるようになっております。
 今後は、こうした事務処理の可視化をさらに進めていくとともに、電子申請等の手法を取り入れ、事務処理期間の短縮を図っていきたいと考えております。

○鈴木委員 ぜひ積極的に取り組んでください。
 5Gについては、海外でもかなり健康被害を心配するお声が出ていまして、私も実は、自分の地元でも記事を送ってきていただいて、大丈夫なのかという、そういうお声をいただいております。私は、こういうお声に対しては丁寧にご説明をしていくことが大事だと思っております。
 実は私ごとなんですけれども、私、もともと専門が光学、光の学問でして、電磁波の波長とかを扱っておりまして、一応、特許も一つ持っております。
 5Gの健康被害なんですが、光学的な話を少しさせていただくと、電磁波というのは、確かに周波数が高くなると健康に悪影響になるんですね。一番、皆さんご存じの高い周波数というのは、エックス線とかガンマ線とか、これはもう分子結合を破壊できるレベルの強さを持っているので、非常に健康によくないと。
 今、皆さんが携帯電話で一般的に使われている4Gの電波というのは、これはマイクロ派と呼ばれる電波です。5Gの電波は、それの一個上のミリ波と呼ばれる電波なんです。マイクロ波とミリ波って、大体周波数でいうと十倍ぐらい違います。だから、確かに5Gの電波というのは、4Gの電波よりも周波数は高いんです、十倍。
 ただ、皆さんがふだん浴びていらっしゃる紫外線、これは、周波数でいうと5Gの十万倍なんです。なので、5Gの電波が危ないというのであれば、紫外線の方がよっぽど危ないんですよ、本当に。もし5Gの健康被害を心配されるのであれば、そもそも我々は外を出歩けませんと、そういう話になってしまうので、都としてももちろんいろいろ基準を満たしていますという説明をされていると思うんですが、ぜひ私としても、やっぱりできるだけわかりやすく都民の皆さんに5Gの安全性をお伝えいただきたいと思います。
 そして、5Gについては、先行実施エリアを選定しておりますけど、地域ごとに民間事業者との連携が必要だと思います。民間との連携を具体的にどのように進めていくのか伺います。

○荻原情報企画担当部長 電波の道、TOKYO Data Highwayは、二十一世紀の基幹的公共インフラであり、この整備を進めていくためには、都と民間が強力にタッグを組んで取り組みを推進していくことが不可欠と考えます。
 先行実施エリアの一つである西新宿では、エリアマネジメント団体や地元の商店街などさまざまなステークホルダーがおり、そういう方々と連携していくことが大変重要であると認識しております。
 今後、これらの方々と協議の場を設け、意見交換、情報共有を図りながら、官民連携して西新宿のスマートシティー化を進めていきたいと考えます。

○鈴木委員 特に西新宿は、スマート東京の成功を占う先行実施エリアになると思いますので、ぜひ民間との連携を密にしていただいて取り組んでいただきたいと思います。
 今度はちょっとデータの話になりますけれども、東京都は、先行エリアでの成果を生かしまして、サイバー空間とフィジカル空間を結ぶデジタルツインというものを実現していくとしていますけれども、そのために官民連携データプラットホームが必要ですよという、そういう皆さんのお示しいただいた資料にはあります。
 私も、実は二年前ぐらいからですかね、藤井都議と、それから福島都議と一緒に、交通局のデータのオープンデータ化をずっとやってきまして、この間の副知事の都市OSの答弁の中でも多分例として出していただいたんですが、あれも実はすごく大変だったんです。
 私の実感としては、公営企業ですら、データを公開することというのは本当に大変であると。やっぱりデータって資産なので、皆さん当然、民間にはというか、どこにも渡したくないんですよ。行政にすら渡したくないんですよ。
 そういう中で、やっぱりちゃんとしたメリットを彼らに提示してあげて、このデータを公開すればこれだけあなたのビジネスにとってもいいですよとか、そういうことをしっかり伝えていかないと、なかなか、特に民間事業者が持っているデータって、とてもじゃないけど集められないかなというふうに私としては思っております。
 なので、ここの部分は本当に、スマート東京の実現に向けた鍵になりますので、ぜひその意識をしっかり持っていただきたいと思います。
 民間企業に対してデータ提供を促すために、これからどのような取り組みを行うのか、見解を伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 官民連携データプラットホームを構築し、さまざまなサービスをスマート化していくためには、東京都の持つ行政データの積極的な公開に加えまして、理事ご指摘の民間企業から、いかにデータを提供してもらうかが重要でございます。
 そこで、都は、スタートアップ、大学、研究者など、さまざまな種類の知が世界有数の規模で集積しております東京の強みを生かしまして、産学官で協議会を設置いたします。
 協議会におきましては、サービス分野ごとに、行政データと民間データの掛け合わせによる具体的な活用事例の創出などを行いまして、データ利活用のメリットやユースケースを示すなど、民間企業がデータを提供しやすい環境を整備することで、データ提供を促してまいります。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 私、先日の一般質問のときも、たしかアムステルダムの例を少しお話ししたかもしれないんですけれども、アムステルダムではまさに、行政と、例えば行政のそれぞれの部局と、民間企業が一緒にプロジェクトを組んで、それぞれこういうデータを出し合ったらこういうメリットがあるよ、こういう事業が生まれるよというのを、官民連携データプラットホームの運営組織の方でしっかりとプロジェクトをつくって進行管理をしています。そのプロジェクトが今二百個ぐらい、アムステルダムはあるんです。
 私は、今回、東京都が官民連携データプラットホームのプロジェクトをつくっていく上で、このアムステルダムの例、それからシンガポールの例というのは、非常に参考になると思いますので、ぜひこの海外事例の研究をしていただきたいと思います。
 一方で、こうした取り組みに対しては、やっぱりプライバシーあるいはセキュリティーを心配するお声もあると思うんです。こういったお声に十分に配慮して、都民の声を聞いていく、都民の理解を得ていく必要があると思いますけれども、見解を伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都が目指す官民連携データプラットホームの構築及びデジタルツインの実現に向けましては、個人や民間企業が安心してデータの提供やサービスの利活用をすることができる環境を整備することが重要でございます。そのためには、データのガバナンスに配慮し、サイバーセキュリティーの確保とプライバシーの保護に十分留意すべきと認識してございます。
 そこで、官民連携データプラットホームでは、対象者から事前にデータ利活用について個別の承諾を得る、いわゆるオプトインの考え方を組み込んでいくこととしておりまして、個人の意に反したデータの利活用は行いません。
 また、データの匿名加工や暗号化など、国等の技術的な対応方針等を踏まえましたデータの収集や利活用に係る基本的な考え方でありますポリシーを策定するとともに、ポリシーに沿った運用のモニタリングなどを行うため第三者委員会を設置し、都民の理解を得てまいります。
 さらに、サイバー空間上に再現する東京をわかりやすく可視化する3Dビジュアライゼーション実証事業におきましては、シミュレーションなどの実証結果をウエブサイトで公開するなどを通じまして情報発信を進めていきますとともに、シンポジウム等の場を活用しまして広く都民の声を聞いて理解を求めてまいります。

○鈴木委員 スマートシティーの取り組みは、今、世界各地で行われています。いろんなやり方があって、よく例に出されるのは、一つは、グーグルがトロントでやっている例があります。あれが今、非常に課題となっているのは、データ収集の部分でなかなか市民の理解を得られないという、特に一企業がそれを担ってしまうとどうしても、そういう懸念が出てくると。
 一方で、東京都は、やっぱり東京都が、行政が責任を持ってデータを収集して運用していくよという、そういう方針でこれからやろうとしているわけです。これは私は、実はアドバンテージがあると思っています。もしかしたらグーグルよりも、こちらの方がうまく進むかもしれない。まさに市民の皆さんの声に十分配慮して、行政が持つ信頼性を担保にちゃんと進めることができれば、もしかしたらスマートシティーというのは東京ではうまくいくかもしれないと、私としては非常に期待をしているところですので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 スマート東京の実現を目指して今年度から既に実施している取り組みは、幾つかあります。その中の一つがMaaSです。これは、同じ会派の藤井都議がずっと取り組んできたものですけれども、先週の金曜日、全ての実証プロジェクトが終わったと聞いております。
 MaaSについては、私も昨年の一般質問の方で、東京の各エリアの移動ニーズを踏まえて、地域タイプごとにMaaSが解決し得る課題とソリューションの方向性をしっかり定めた上で実験を行ってほしいと、こういう質疑をさせていただきました。
 そこで、今年度の実証実験の成果と来年度の事業展開について伺います。

○米津特区推進担当部長 都は今年度、公共性、広域性、事業性を兼ね備えましたMaaSの社会実装モデルといたしまして、実証プロジェクトを三件選定して支援を行ってまいりました。
 このうち、立川駅周辺エリアでございますけれども、バスの遅延など公共交通の利便性向上が課題となっておりまして、日本初となりますけれども、鉄道とバスのリアルタイム運行データを用いた経路案内などを実施いたしました。
 アンケートでは、MaaSが導入されれば公共交通を使う頻度をふやしたいというようなお声も、約六四%という結果になりました。
 また、臨海副都心エリアでございますけれども、回遊性の向上といったことが課題となっておりまして、デマンド型シャトルを運行するとともに、観光施設情報やクーポンの提供などによりますエリアの新たな魅力を多言語で発信するなどいたしました。今回の実証実験によりまして、臨海副都心に来た方が周辺施設を検索した数ということでございますけれども、従来の一・〇五から二・二三ということで、二倍に増加したというふうに考えております。
 さらに、竹芝エリアでございますけれども、竹芝ふ頭からJRの浜松町駅の間などでは域内交通が不足していることや、ウオーターフロントの魅力をさらに高めたい、こういったことが課題となってございまして、鉄道や船舶と連携いたしましたモビリティーサービスなどを行いました。
 その結果、利用者のアンケートでございますけれども、MaaSを今後も利用したいという割合が、観光客の方で九四・七%、通勤者の方では八一・六%と、おおむね好評を得たんじゃないかというふうに考えてございます。
 このように、理事ご指摘のように、それぞれの地域の特性、課題といったものがございますけれども、こうしたものに沿って実証実験を行い、一定程度、利用者のニーズというものは確認できたんじゃないかなというふうに考えております。
 また、ご指摘のように、来年度の事業展開でございますけれども、MaaSの社会実装に当たりましては、当然、交通サービスにとどまらない新たな付加価値ということを生み出していくということが非常に重要であるというふうに考えてございまして、例えば、観光や商業といった周辺サービスとの連携につきましてもさらに拡充した実証プロジェクトを行ってまいりたい、支援してまいりたいというふうに考えております。

○鈴木委員 ありがとうございます。
 MaaSに関しては、かなり交通不便地域のソリューションとして期待する声というのは結構多いかなと思うんですけれども、私は、実は都心部でも非常に重要な役割が期待できると考えています。
 都心は、皆さんもご存じのとおり慢性的に道路が交通渋滞していまして、今も非常に問題になっていますけれども、満員電車が象徴するように、交通インフラのキャパシティーを超える人が今移動しているわけです。これをいかに効率的に移動できるようにするかということ、これはまさにMaaSの本質なんですね。
 例えば、輸送効率の低いマイカーというのはできるだけ都心部は走らないようにしてもらって、かわりの手段をMaaSによって提供していくとか、例えば都心なら都心で、地方なら地方で、臨海部なら臨海部でと、それぞれやっぱり交通の課題はあって、その課題を解決するためのものがMaaSなので、いろんなMaaSのあり方、あると思います。
 私としてはそういう思いで、前回の一般質問でも、しっかりと地域ごとに課題を見定めてソリューションの方向性をしっかりつくってほしいと、そういうお話をさせていただきました。
 今ご答弁にあったとおり、それぞれのエリアでしっかりとその特性をちゃんと見て、それぞれの特徴のある今MaaSの実証実験をやっていただいていると思いますので、ぜひ、その実証実験で得られた知見をもとに、これからはエリアごとの社会実装、これを早期に実現していただきたいと思います。
 最後に、ICT人材の登用についてです。
 今、世界の主要都市の行政組織では、大体ICT部門、千人以上いるというのが当たり前になっておりますが、東京都のICT部門は、資料にもありましたとおり、職員の方は今、百人程度であると。かつ、技術職に至っては、今、十数人でしょうか、しかいないというふうに聞いております。
 今後は、この人材をどれだけふやしていけるか、世界の都市に並ぶくらい、しっかりとICT部門の方々を充実していかなければ、東京全体のパワーとして負けてしまうというふうに思っております。
 そこで、今後、官民連携データプラットホームの構築を初めとした実施戦略の着実な推進を支える執行体制の確保のために、特に民間でも今採用に苦労していますICT人材をどのように登用するのか伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 デジタルテクノロジーは日進月歩で進化を続けておりまして、今後、都においても、さまざまな新しい事業実施が見込まれますことから、民間企業などからデジタル分野の知見を有する人材を確保することは、極めて重要であると認識しております。
 理事ご指摘のとおり、民間企業でもICT人材が不足しておりまして、経済産業省の試算では、二〇三〇年に全国で約四十五万人が不足すると見込まれております。
 こうした中、東京都は今年度、データ利活用などについての知見を有します専門助言員の確保や、民間企業での実務経験を有する特定任期つき職員の採用を行いました。採用に当たりましては、十名の募集に対して七十八名の応募がございました。
 今後、都では、新たな職種でありますICT職を新設し、新卒や既卒者の採用を行うこととしております。また、当本部におきましても、特定任期つき職員の採用を引き続き行うこととしております。
 募集に当たりましては、スマート東京の意義であるとか、目指す姿などにつきまして、ホームページを初めとしてSNSやITメディアの活用など多様な手段で発信しますとともに、職員の持つネットワークや人材紹介会社の活用などを行いまして、ICT人材を確保してまいります。

○鈴木委員 今、東京都はまさに長期戦略をつくっているところですけれども、私は、二〇三〇年の東京ということを考えたときに、この十年で一番重要なテーマ、私個人的に一番重要だと思っているのは、スマート東京なんです。東京のデジタル化だと思っています。
 東京のデジタル化、デジタルテクノロジーというのはもちろんツールですけれども、そのツールが、今まで解決できなかった東京の課題あるいは都庁の課題を解決する力を、私は持っていると思います。まさにそれが少しずつ今見えてきているのが、水道局のお取り組みなのかなというふうに思っています。
 今の東京に必要なデジタル化ということを考えたときに、戦略政策情報推進本部の皆さんの役割というのは物すごく大きい。私は一番重要だというふうに思っています。
 なので、ぜひ皆さんにはその気概を持って、スマート東京をしっかりと進めていただきたいと思いますし、また、もちろん知事がしっかりとリーダーシップを持って、そして宮坂副知事と戦略政策情報推進本部が先頭に立って、このスマート東京に取り組んでいただきたいと思います。
 私としても、議会からしっかりと提言をさせていただいて、この取り組みが着実に進むように応援してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上で私の質疑を終わります。

○加藤委員 私からも、つながる都市東京の実現について質問をさせていただきます。
 最近の新聞報道にも出ておりましたけれども、ソフトバンクや楽天モバイルなどが、国内において次世代移動通信規格、5Gの正式サービスの開始を発表するなど、いよいよ日本でも本格的な5Gの幕あけという感じがしております。対象エリアは、最初は限定的ということでありますけれども、段階的にエリアが拡大されるということで、まさに5Gの幕あけかなと思っております。
 そこで、まず初めに、5Gによって都民の生活がどのように変わるのか、よくなるのか、わかりやすく説明していただければと思います。

○戸井崎ICT推進部長 次世代移動通信規格、5Gでございますが、高速大容量、超低遅延、多数同時接続といった特徴を有しております。
 この5Gを使い、こうした特徴を活用することで、例えば、工場では、多数の製造機器を遠隔で無線により精緻に操作ができるようになります。また、エンタメでは、何万人もの観客が、スタジアムの自席からは見えないプレーを、同時にリアルタイムで高精細な映像を手元のスマートフォンで観戦するという楽しみ方も可能になります。
 このように、5Gによるモバイルインターネット網が整備されると、いつでも、誰でも、どこでも、インターネットを介してさまざまなサービスを身近に享受できるようになります。

○加藤委員 皆さんも経験あると思うんですけれども、特にエンタメの分野で、チケットをとって行ってもなかなかプレーヤーが見えないとか、そういうことが、いい席でないとというふうに思うんですけれども、5Gの技術によってそれが補えるようになると、本当にこれはすばらしいことだというふうに思います。
 次に、先ほど鈴木理事からも西新宿エリアの官民連携についての質問がありましたけれども、東京全体に、都内くまなく5Gアンテナを整備していくと。
 都民サービスのデジタルシフトを進めていくためには、官民連携の仕組みづくりというものが必要で不可欠だというふうに思います。このことにつきまして都の見解を伺います。

○戸井崎ICT推進部長 TOKYO Data Highway、いわゆる電波の道でございますが、こちらは二十一世紀の基幹的公共インフラでありまして、この整備を進めていくためには、行政と民間が強力にタッグを組んで取り組みを推進していくことが不可欠であるというふうに考えております。
 こうした取り組みを進めていくために、昨年十一月に、都と通信事業者等のトップが一堂に会したTOKYO Data Highwayサミットを開催いたしまして、今後の協議会や分科会の設置等を決定いたしまして、今後、官民が連携して5Gに関する取り組みを推進していくことを確認したところでございます。
 また、本日時点で都が保有するアセットのうち、約一万五千件の土地及び建物をデータベース化して公開しておりまして、現在第一期として、四十四件のアセットにつきまして現地調査を行うなど、通信事業者等の基地局設置を後押ししております。
 今後も、通信事業者等ともしっかりと協力関係を構築しながら、5G環境を早期に整備してまいります。

○加藤委員 先月、宮坂副知事や有識者で構成されましたスマート東京・TOKYO Data Highway戦略推進協議会が開催されましたが、どのような議論があったのか伺います。

○戸井崎ICT推進部長 先月十二日、第一回スマート東京・TOKYO Data Highway戦略推進協議会を開催いたしまして、専門的な知見を有する有識者と具体的な意見交換を実施いたしました。
 本協議会におきまして、ネットワーク分科会の設置を決定するとともに、都の保有する信号機へのアンテナ設置や、災害対策と情報技術を組み合わせた施策の推進、4Dマップの作成など、スマート東京の実現に向けて活発な意見交換を行ったところでございます。
 今後も、本協議会の場を活用して、アンテナ基地局設置促進やスマート東京の実現に向けた事業に関する意見交換等を行いまして、都の施策の展開に反映してまいります。

○加藤委員 アンテナ基地局設置促進を図るネットワーク分科会において、つながる東京を実現するに当たり、都は、通信事業者等にどのようなことを働きかけているのかについて伺います。

○戸井崎ICT推進部長 推進協議会において設置が決定されたネットワーク分科会でございますが、先月二十日、第一回目を開催したところでございます。
 本分科会におきましては、通信事業者等や関係各局に出席をいただきまして、アンテナ基地局の設置促進等について活発な議論を行ったところでございます。
 通信事業者等からは、都のアセット開放、データベースの作成について、よい取り組みであるとの評価をいただく一方、事務処理にかかわる具体的な改善等のご指摘をいただきました。
 都からは、通信事業者等に対しまして、5G環境の早期整備の実現に向け、重点整備エリアである西新宿、南大沢において、重点的かつ優先的な5Gアンテナ基地局等の設置や、都保有アセットへ設置するアンテナの共用化の協力依頼を行いました。また、スマートポールの設置などについても協力をお願いしたところでございます。

○加藤委員 予算特別委員会でも述べましたけれども、スマートポールについてはちょっと述べさせていただきました。
 この西新宿エリアは、新宿区が広告規制エリアに指定しておりまして、多分、歌舞伎町も近いということもありまして、その景観を守るということは非常に大切なことだと思います。したがって、良好な景観を守りながらスマートポールを設置してもらいたいというふうに思います。
 また、通信事業者だけに設置負担をさせますと、後々、利用者に通信料金の上乗せということにつながらないかという懸念を持っておりますので、そうならないような仕組みづくりをぜひ検討してもらいたいというふうに思います。
 都は、先月策定しましたスマート東京実施戦略におきまして、取り組みを具現化、加速化させるべく、令和二年度をスマート東京元年と位置づけております。
 今後も官民連携して5G環境の整備を進めるとともに、すぐれた取り組みを都内、ひいては全国に普及していってもらいたいと要望しまして、質問を終わります。

○清水委員 よろしくお願いいたします。
 私も、二〇二〇年大会のレガシーとしての首都高速道路のかわりとなるTOKYO Data Highway、これをぜひとも実現していただきたいなと、応援する立場で質問をするわけでございますが、場合によっては違うように聞こえるときもありますが、それは、ためを思ってやることでございますので、ご容赦いただければなと思う次第でございます。
 その取り組みの実現を加速化するスマート東京実施戦略は、私、拝見しまして、とても私が今まで見てきた行政の計画書とは思えないような、すごく先鋭的なものなんなんだなと思いまして、東京都もいよいよここまでのレベルになってきたのかなと思って、感心をしてきたわけでございます。
 東京のデジタルシフトを進めるためには、もう先ほど来、委員の方からご指摘があるとおり、ICT人材の確保というのが不可欠だというのは、これはもう皆さん共通の認識だと思うわけでございます。
 この戦略にも、六一ページに記されておるわけでございますが、東京都のIT部門職員数は職員総数の〇・三%ということでありまして、やっぱり世界と比べるとどれだけおくれをとっているかというのが、物の見事に示されているわけでございまして、いわゆる世界のメガシティーといわれているところと比較しても、大変なおくれをとっているというふうなご指摘だそうでございます。
 そこでなんですが、東京都は、専門助言員の確保ですとか、あるいは特定任期つきの課長の採用、いわゆる特任といわれている方の採用を開始いたしまして、二〇二一年度からはICT人材の採用をいよいよ開始するというふうな取り組みを行うそうでございますが、これまでデジタルシフト推進担当課長の採用に当たりまして、専門性をどのようにはかってきたのかお伺いしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 デジタルシフト推進担当課長の公募に当たりましては、受験資格におきまして、インターネットサービスなど情報システムの構築、管理に従事した実務経験を十年以上有していること、管理要員が五十名以上のプロジェクトを統括し、成功に導いた経験を有していることなどの項目を定めることによりまして、応募者の専門性を担保しております。
 書類選考及び面接につきましては、専門的なスキルについて確認するにふさわしい複数の幹部が公平、公正に行っております。

○清水委員 ありがとうございます。
 私も手持ち資料といたしまして、令和元年十二月十六日付の人事異動の一覧を拝見いたしました。九名の特任課長の方のお名前が載っているわけですが、ヤフーですとかソフトバンクですとか、それもしかも部長職や各プロジェクトのリーダー的な存在だった方、きら星のような方の名前がここに載っているわけでございまして、この方たちがこれから都庁の一員として、まさに東京都のデジタルシフトのためにお仕事していただくということは、本当にありがたい話なんだなと思っている次第でございます。
 しかしながら、なかなかこれだけの人材を集めるというのは苦労が予想されるわけでございまして、これは、IT業界でお顔の広い宮坂副知事が、お持ち合わせの人脈を駆使してお集めになったのかななんていうふうに推察するんですが、いかがなんでしょうかね。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回の採用につきましては、公募により実施いたしました。
 また、面接につきましては従来から、面接員であるとか、どんなやりとりがあったかなど選考過程に関することにつきましては、東京都職員の任用に関する試験委員要綱によりお答えできませんが、専門的なスキルについて確認するにふさわしい人物が面接を行っております。

○清水委員 公募というふうなことになるんでしょう。しかしながら、やはり専門的なスキルをお持ち合わせの人じゃないと、なかなかこういった方は集まっていただけないのかなと思うわけでございます。
 ちょっと恐縮でございますが、通告していないんですが、簡単なことなのでもしお答えになれるようだったらお答えいただきたいと思うんですが、この特任のいわゆる課長さんというのは、何年ぐらい都庁でお勤めしていただけるのかお伺いしたいと思います。
 それとあわせてなんですが、先ほど来、国内でも大分こういったIT関係の人材というのが不足している中で、外国の方の力をかりるというふうな考え方もあろうかと思います。しかしながらなんですが、たしかこういった地方自治体における公務員の採用の中で、外国人採用というのは、重大な判断をするところにはできないかと思うんですが、今回のこういったIT関係の推進のための特任課長さんというのは、外国人は採用できない方になってしまうのか、それとも大丈夫なのかというのを、もしおわかりだったらちょっとお答えいただければなと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 特任課長の任期につきましては二年でございます。二年経過したときに、延長することも可能でございます。
 また、外国人につきましては、公権力の行使に当たるということで、管理職についてはなれませんが、管理職以外は外国人の可能性もあると思います。これにつきましては、やはり人事委員会の方で判断すると思いますが、ただ、基本的に管理職は、外国人は採用できないということになってございます。

○清水委員 ありがとうございました。
 そういった課長以外の方も、お支えいただきながら、こういったスマート東京の実現のため頑張っていただけるのかなというふうに理解しているわけでございますが、今回の戦略策定につきまして、今いったように特任課長さんの働きが非常に大きいかと思うわけなんです。
 他方、一般的に、行政計画の策定プロセス、何回も今回の委員会でお聞かせいただいているわけでございますが、巻末の方に、こういうふうな形で庁内で検討しましてこのようなスマート東京実施戦略というものができ上がりましたというのが、大抵は載っているわけでございますが、東京都の場合は余り載せていないということなので、せっかくでございますので、庁内で今回どのようなプロセスのもと、この戦略がつくられてきたのかお伺いをしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年の十二月二十七日に未来の東京戦略ビジョンを策定しまして、その中でスマート東京、TOKYO Data Highway戦略を提示してございます。
 スマート東京実施戦略につきましては、このスマート東京、TOKYO Data Highway戦略を実現するために、スマート東京の姿をより具体的に明らかにするとともに、来年度の事業内容等をテーマ別に紹介し、取り組みを具現化、加速化するものでございます。
 この戦略の策定に当たりましては、未来の東京戦略ビジョン策定後、戦略の内容について宮坂副知事を中心に断続的な打ち合わせを重ね、途中、知事に三回ほど報告を行った上で、本年二月七日に策定いたしました。

○清水委員 ありがとうございました。
 宮坂副知事を中心に断続的に打ち合わせを重ねてきたというふうなお話だったと思います。
 やはりそうなりますと、今まで、これまでの一般的であります〇〇計画の策定経過というのは、策定委員会をつくってですとか、あるいは幹事会をつくって検討して、最終的にこのような形で発表しましたみたいな形とは、ちょっと違うような形でありまして、そういうふうな進め方もあるのかなというふうに素朴に思っただけでございますので、ぜひともこれからすばらしいものにしていっていただければなと思います。
 さて、真のスマート東京の実現には、都内区市町村との連携が必要不可欠だと思うわけでございます。
 東京都庁だけデジタルシフトができたって、東京全体のデジタルシフトにはつながらない。これは、つながる東京、都庁のデジタル化、あとは東京都のデジタル化、民間のデジタル化ですね、その三つの柱をなし遂げなければならないというふうなことだと思います。
 しかしながら、本定例会の本会議場で我が党の小松議員が指摘させていただいたように、区市町村のデジタルシフト体制というのは、まだまだその道半ばでございまして、小松議員のお話だと、ICTを専門につかさどる部署はほとんどないというふうなことだったかと思います。
 当然のことながら、宮坂副知事も、区長会ですとか市長会の方に赴いていただいて、直接的に訪問していただいたり、あるいはポイント等についても説明をしていただいたというふうなことでございますが、私は、都がオール東京のデジタルシフトを実現化するためには、区市町村の求めに応じまして、ICT人材の確保策ですとか、あるいは執行体制のノウハウ、ここまで東京都がデジタルシフトをするためにやってきたこれまでの経験も生かして、このノウハウを提供、そして支援をしていただくべきかと思うんですが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今年度採用いたしましたデジタルシフト推進担当課長につきましては、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律や、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例に基づきまして、ICT分野に係る専門性及び豊富な経験を有する人材を期間を定めて採用したものでございます。
 採用した職員は、都の内部から、スマート東京実現に向けた施策推進に関与してもらいます。
 先生ご指摘の区市町村に対しましては、昨年十二月より、各区市町村のICT活用のコアとなる人材の育成を目的といたしまして、首長からの推薦を受けました職員を対象にした勉強会を開催しており、その中で、理事ご指摘のデジタルシフト推進担当課長の採用過程や採用後の職務、ノウハウ等についても、必要に応じて情報提供や意見交換を実施してまいります。

○清水委員 ありがとうございました。ご丁寧にご説明をしていただいたかと思うわけでございます。
 区市町村が推薦をした職員に対して、勉強会を開催しているということでございますが、なかなかこういった専門技術というのは一朝一夕に身につくものではないと思いまして、そういった意味では、外部人材の登用というのは、今、東京都が実践しているように、そういったことも進めていただいたらいいのかなと思うわけでございます。
 私の地元の話で恐縮なんですが、立川は情報推進室というのがございます。特に若手の課長さんなんかが中心となりまして、立川の情報化も進めているわけでございますが、じゃ実際、立川市のさまざまなこういったIT系のソフトの導入なんていうことになりますと、ほぼその提供業者のいい値で買わざるを得ないような状況でありまして、立川市はどうしたかといいますと、こういったアドバイザー的な方と直接契約をして、その方に逐一相談をするというふうな、そこまでなんですね。
 東京都みたいに、こういったさまざまな民間の業者の方と伍して仕事をしていけるような、そういうふうな体制を区市町村でもしっかりできるぐらいになったら、東京都全域のデジタルシフトというものの実現が見えてくるのかななんて思ったので、その辺も頭に入れてぜひともやっていただければなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、ここからはちょっとトーンが変わるかもしれませんが、さきの我が会派の総括質疑、代表質問で、スマート東京の実現につきましてお尋ねをさせていただきました。その際、小池知事は、東京におけるデジタルシフトの必要性とその取り組み例といたしまして、新しい産業、MaaSを取り上げたわけでございます。
 このMaaSにつきましては、先ほど来、理事の方からも、その有用性というのがご説明があったわけでございまして、実は私の地元立川市、これは米津部長からも例示をしていただきました、実証実験が行われているわけでございます。
 それで、この件につきましては私も、さきの総務委員会でもその効用について質疑をさせていただいたわけでございます。電子チケットや共通アプリなど移動の利便性向上や、リアルタイムでの時刻表など移動ビッグデータによるサービスの創出など、私もこれはおもしろいと思いまして、早速、自分の携帯電話に入れてみておりましたが、なかなかちょっと疎いもので、そのアプリをあけることが余りないのでございますが、インストールはさせてもらいましたので、ご報告を申し上げたいと思います。
 しかしながら、先ほども、交通不便なエリアでは、MaaSというふうな取り組みというのは非常に効果をあらわすわけでございますが、都内のような交通至便地域で、この産業を、スマート東京の普及促進のための事業とすべきかというのは、私はちょっと疑問なんですね。
 先ほど、こういった交通が密集していて、あるいは渋滞が多発するような東京都心だからこそ、輸送効率を上げる意味ではMaaSは有用なんだというふうなことでよろしかったですよね。--はい。そういうことだと思うわけでございますが、今回、このMaaSというのは、なぜ取り上げているかといいますと、データを活用した早期の社会実装の取り組みのためだというふうなことだったかと思うわけでございます。
 スマート東京を実現してどんな効用があるか、都民生活が豊かになるかという例示としては、私は、先ほどの理事さんの水道スマートメーターの方がよっぽど、都民にはすごく説得力があると思うんです。
 先ほど米津部長が、このような、六四%の方から便利になったというようなお声が出ていますよというふうなことをご答弁されておりましたが、それは、この事業も、便利にするための事業でございますので、不便になりましたと答える方はいないと思うんですよね。
 やはりその聞き方も、例えば早期の社会実装としてどんな事業がふさわしいと思いますかと尋ねたときに、果たしてMaaSがイの一番で出てくるのかなというふうなところが私は疑問でありまして、そういった意味も含めて、早期社会実装のためのMaaSというのを、これから東京都がスマート東京を進めていくんだという意味での一番星としてこれからも説明をする有用性というんですか、そういったことがあるのかなと、ちょっと疑問がございましたのでこのような質問をさせていただきましたので、ご見解をお伺いしたいと思います。

○米津特区推進担当部長 お答えします。
 MaaSは、理事ご指摘のように、立川市でも実施をさせていただきましたけれども、例えば、複数の交通サービスを組み合わせてアプリ一つで検索、予約、決済というようなことを行うことで、交通手段最適化を図るという、このような考え方でございまして、ご指摘のように、移動の利便性向上でございますとか新たなサービスの創出ということが期待されているということでございます。
 そういう意味では、先ほどもご指摘ございましたように、立川駅については、バスの遅延とか公共交通の利便性向上といった地域の課題といったことがございまして、先ほども引用していただきましたけれども、もちろん利用者の方からは、これに肯定的なお声が強かったわけでございます。
 また、先ほどもお答えしましたように、ほかの地域でも、それぞれ回遊性の向上でございますとか域内交通の不足といった課題については、おっしゃるとおり、その早期の社会実装といったことを目指して、都として今年度から、都区それぞれの多様な地域における特性、課題といったことに対応するMaaSのモデル構築を早期に進めるという観点から支援を行ったわけでございます。
 また、理事ご指摘のように、スマート東京といったことについては、MaaS以外の分野などにおいても、もちろん課題としてはあるんじゃないか、また、もしくはMaaSといったことが一番ということについてはご懸念の点があるということでございますけれども、この点については私どもも、スマート東京という考え方自体は、この場でもいろんな形で議論がされていると思いますけれども、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出して、都民が質の高い生活を送ることを目指す将来社会像ということでございまして、当然、ご案内のように、MaaSといったモビリティー分野以外にも、例えば健康、医療ですとか、エネルギーですとか、都市における人々の活動ほぼ全ての領域にもちろんかかわってくることでございまして、これについては最適化を図っていくという観点が大事なんじゃないかなというふうに思います。
 その意味では、MaaSについては、先ほど申し述べましたような実証を今年度から先行的に実施いたしましたが、その他の領域についても大いなる課題があるというふうに思っておりますので、そうした観点からも支援を行ってまいれればなというふうに考えております。

○清水委員 しっかり支援するためにお聞きをさせていただいているわけでございまして、冒頭申し上げましたとおり、私どもの質問に、スマート東京を進めるというのはどういう意味なのかということで、知事が、産業としてはMaaSですといきなりのご答弁だったので、それ以外でももう少し、都民の皆さんに、スマート東京を進めることによって都民のQOLが上がるということはこういった事業もありますよということを説明できるようにしておいた方がいいんじゃないかなと思ったために、そういうふうな質問をさせていただいたわけでございます。
 それで、もう立川の実証実験は終わっちゃったということで、また今後のこともあるかと思いますけど、多分、都内の電車あるいは路線バスというのは、結構頻繁にそのバス停あるいは駅に訪れてくれるわけでございます。したがって、一本乗り越しても、また次のが来るわでそれを許せるような範囲なのかなと思いますけど、多摩地域には結構、交通の便が悪いところがありまして、そのために独自で自治体がコミュニティバスを走らせていることが多うございます。
 そのバスは一時間に一本とか、そういうふうなことが多くて、それこそおくれた、あるいは早まってしまったということが命取りになるような、まあ、例えですがそういうことがあるので、もしMaaSなんかだったらそういうのも連携できたらいいななんて、今、思ったわけでございますので、ご参考にしていただければなと思います。
 いずれにいたしましても、スマート東京の実現は、今後、小池知事の大きな政策の柱でもありますし、うまくできれば、二〇二〇年大会のレガシーとして後世の方、まさに令和の方に語り継いでいただけるような事業になるんじゃないかなと。高速道路ですとか、あるいはカラーテレビとか、それと同じぐらいに語り継いでいただけるようなことになるかもしれない事業でございます。いや、なってほしい事業でありますので、ぜひとも頑張っていただければなと思うわけでございます。
 しかしちょっと、予算特別委員会の質疑で感じた率直な感想で恐縮なんですが、小池知事のスマート東京のことに関する答弁を伺うと、ちょっと何をいっているのかよくわからないと。それで、一生懸命速記録を読んでみても、失礼ながらううんとうなってしまうようなことが多いんですが、片や、やっぱり専門家でございますね、宮坂副知事のご答弁というのは非常にわかりやすくて、そして情熱的なんですよね、すごく。胸を打たれるような答弁を頂戴しているわけでございます。
 それで、私、実は気がついておりまして、宮坂副知事がこの件の答弁をするときには必ず、主語が私なんですよ。私はこれをやりたいんですというふうないい方をするんですね、私がと。
 ただしかし、我々からいたしますと、気持ちはわかるんですけど、幾ら宮坂副知事でも知事の補助機関ですよと、知事のお手伝いをするのが宮坂さんなんじゃないかなと思うわけなんです。
 それだったら、前回も何かのときにちょっと申し述べましたけど、地方自治法改正によって制度化された副知事による職務権限の委任というのを、この際、宮坂副知事にやってもらった方がわかりやすいんじゃないかなと思ったんですが、そういったことに対するご見解というのはいただけますでしょうか。よろしくお願いします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 知事の職務権限の委譲に関しましては、所管が異なっておりまして当本部ではお答えできかねるところでございます。
 なお、宮坂副知事の担任事項には、知事が特命するソサエティー五・〇施策の推進、5G施策の推進がございまして、それに基づきまして、スマート東京実施戦略を策定いたしました。
 今後も、知事、副知事の指示のもと、各局と連携してスマート東京の実現に向けた施策を推進してまいります。

○清水委員 頑張ってください。終わります。

○原委員 それでは、私も最初に、5Gの関係について伺います。
 最先端の技術を生かして都民の暮らしを向上させることは、とても大事なことだと思っています。同時に、課題やデメリットについてもしっかり明らかにして、地方自治の本旨に立って取り組むことが必要だと考えています。そういう観点から伺います。
 今年度契約した西新宿都庁近辺におけるスマートポール設置に向けた調査検討委託について、資料を先日提出していただきました。
 改めて契約金額を伺うとともに、あわせて、現在はまだ調査中ですけれども、この結果を踏まえて、スマートポールの設置をどのように進めていくのか伺います。

○荻原情報企画担当部長 西新宿都庁近辺におけるスマートポール設置に向けた調査検討委託の契約の金額は、税込み七百七十万円でございます。
 本調査委託の中で、スマートポールに係る国内外の先行事例や搭載機能の調査検討を進めております。この委託の成果も踏まえ、西新宿において、官民連携してスマートポールを先行、試行設置していく所存でございます。

○原委員 この仕様書を読みますと、三月三十一日までの期限で調査を行っていて、そして、この調査結果を踏まえてスマートポール設置を進めるというふうになっています。しかも、それぞれのメリット、デメリットや課題を整理するという記述もあります。
 とても大事な内容の調査になっていますので、この調査した内容自体が都民生活にもかかわるということになると思いますので、この内容を報告する、周知するということをしていただきたいと思っていますけれども、その点についてご答弁をお願いしたいと思います。

○荻原情報企画担当部長 委員ご指摘の調査の結果につきましては、しかるべきタイミングで公表していく所存でございます。

○原委員 公表していくということですので、都民に広く周知をできるように、ここでは要望しておきたいと思います。
 それで、来年度予算においては、戦略本部では、5Gについてはどのような事業を進めていくのか、また、その予算額は幾らか伺います。

○戸井崎ICT推進部長 来年度、戦略本部では、スマート東京先行実施エリアである西新宿におきまして、仮想現実技術によるxRライブや、プロジェクションマッピング等のエンタメ体験、スマートオフィスやスマートハウス等の暮らし体験のイベント、スマートポールの試行設置の経費、その他、TOKYO Data Highway構築に向けた会議等の運営の経費など、約五億三千万円の予算を計上しております。

○原委員 体験型の事業を実施して、都民に身近に感じてもらうという目的であるのかなというふうに思って今聞きました。
 同時に、やはり大事なのは、便利さだけではなくて、課題となっていることについてもきちんと情報提供していくということだと思っています。
 先ほども健康被害のお話がありましたけれども、5Gは、今までよりもはるかにエネルギーの強い電磁波が使われるということで、健康や環境に及ぼす影響についても心配されている、これは事実だと私は思います。
 都は、アンテナ基地局設置のために、これまでも、より多くの都有地を企業に提供できるようにするということで進めていますけれども、デメリットの部分もきちんと検討しておくことが必要だと思っています。
 これまでの委員会質疑でも求めてきましたが、何か委員会等を設置して検討するということ、これはできないのか、見解を伺いたいと思います。

○戸井崎ICT推進部長 携帯電話の基地局等につきましては、規制基準値を満たしていることを確認した上で設置されておりまして、これらに関する委員会について、東京都では設置の考えはございません。

○原委員 私はそこがわからないんですね。予防原則に基づいて考えていくということは必要だと思っています。
 総務省は、現在の基準値以下なら問題はないといっているんですけれども、ただ、5Gの電磁波に長期間被曝した場合の影響というのは、まだわかっているわけではないんですね。
 私は、世界を見ますと、携帯電話の普及につれて、携帯電話基地局周辺で健康被害が出ているということが起きていて、国際基準よりも被曝規制値を厳しくする国や地域も出てきているわけです。
 例えばスイスでは、5G基地局の使用停止、またアメリカでも、幾つかの自治体で住宅地に基地局を設置することを禁止する条例をつくっています。これは、私は決して何か心配のし過ぎとかそういうことではなくて、さまざまその地域でいろいろ検討する中で、そういう条例をつくったりしているということだと思うんです。
 私は、基地局に限らず、5Gの事業を推進していく上では、デメリットの部分やまだ未解明な部分について、やっぱり都民の方が安心できるように検討していく、そしてその内容を公開していくということが非常に重要だというふうに思っています。
 真剣に検討することをこの場では求めておきたいと思いますので、ぜひ検討してください。
 次に、スマート東京の実現に向けたデータプラットホームの構築について伺います。
 基本方針が示されましたけれども、官民連携データプラットホームの構築をどのように進めていくのか伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 官民連携データプラットホームの構築に当たりましては、民間からのICT人材の受け入れ増強などによりまして、都庁内にデジタル分野の先端人材を確保してまいります。
 加えて、産学官で協議会を設置するとともに、都内区市町村などとの連携も図ってまいります。
 令和二年度にデータプラットホームの準備組織を発足させ、データ利活用等に係る基本的な考え方、ポリシーでございますが、これをお示しするとともに、東京都オープンデータカタログサイトを充実させます。
 さらに、行政データと民間データを掛け合わせましたプロジェクトの実証実験や、デジタルツインの実現を目指して、3Dビジュアライゼーション等の取り組み等を推進してまいります。
 なお、令和二年度中に、運営主体となります組織を設立しまして、事業をスモールスタートさせる予定でございます。

○原委員 さまざまなデータソースが集約される官民連携プラットホームを構築して、都民や民間企業も自由に活用していくということですから、個人情報保護はどうしていくのかというのが重大な問題だと思っています。
 事業を進めていく上で、どのように都民の声を聞き、理解を得ていく考えでしょうか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 データを掛け合わせたプロジェクトであるとか、3Dビジュアライゼーションの取り組みにつきまして、実証結果をウエブサイトで公開するなどを通じまして情報発信を進めますとともに、シンポジウムの場などを活用しまして広く都民の声を聞き、理解を得ていく予定でございます。

○原委員 積極的に情報発信はしていくということですけれども、情報を発信するだけでは、都民の意見を聞いていくということにはならないのではないかと私は思っています。
 都民の心配や意見をきちんと聞いて基本方針に反映させるという、そういう仕組みはつくられないんでしょうか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今もご答弁いたしましたように、シンポジウムの場などを活用しまして広く都民の声を聞いてまいります。

○原委員 シンポジウムというのは、済みません、具体的に何か決まっているということですか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今後、官民連携データプラットホームの構築を進めてまいります中で、シンポジウム等を開催したいと考えてございます。

○原委員 私は、それは進んでいく中でやられる話だと思うんですよね。この基本方針ができたその段階で、これを実行していくに当たって、都民の意見を本当に聞いていく、それを取り込んでいくということが必要だというふうに思っています。
 その点については検討していただきたいとこの場では求めておきたいと思いますが、それでは時間の関係で、まとめてちょっと伺います。
 官民連携データプラットホームの構築に当たって、適切な情報の取り扱いを行うため、第三者委員会を設けるというふうになっています。まず、これがどういうメンバーで、どういうことを行うのかということを一つ伺います。そしてもう一つは、個人情報の管理はどのようにしていくのか。この二点についてお答えください。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 官民連携データプラットホームの構築に当たりまして、その第三者委員会でございますが、メンバーは、データの保護、利活用などに関する専門家で構築していく予定でございます。具体的な人選は、今後検討してまいります。
 また、お話の個人情報の管理をどうしていくのかというところでございますが、官民連携データプラットホームでは、対象者から事前にデータ利活用について承諾を得るオプトインという考え方を前提としておりまして、個人の意に反したデータの利活用は行いません。
 また、データの匿名加工や暗号化など、国等の技術的な対応方針などを踏まえましたポリシーを策定いたしまして、先ほどの第三者委員会におきまして、ポリシーに沿ったデータの利活用等がなされているかをモニタリングしてまいります。

○原委員 いろいろご答弁ありましたけれども、第三者委員会も今後具体的に決めていくということだと思いますし、ポリシーも今後策定していくということだと思うんですね。
 今まで聞いてきても、具体的なところはこれから進めていくということになっていると思います。私は、そこに都民の意見が事実上反映されないということでは困るというふうに思って質問しているんです。もっと慎重にあるべきなのではないかなというふうに思います。
 官民連携データプラットホームの構築については、他県の取り組みなどはどうなっていますか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回のようなデータプラットホームを官民連携で構築している事例は、他県にはないというふうに認識してございます。

○原委員 自治体でのデータの取り扱い、とりわけ民間と共有していくということについては、慎重の上にも慎重であるべきだと思いますし、今の時点で他県での例がないというのは、ある意味もっともなのかなというふうにも思います。
 私は、スタートしてからではなくて、あらかじめ、今回の基本方針をもっとわかりやすく、どういうデータをどんなふうに取り扱うのか都民に説明し、了解を得なければいけないのではないかというふうに思うんですけれども、そういう機会は設けられませんでしょうか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほどもご答弁しましたとおり、いろいろな事業をやる中で、その実証結果をウエブサイトで公開するなどして広く情報発信を進めますとともに、シンポジウムの場などを活用しまして広く都民の声を聞いてまいりたいと思います。

○原委員 進める中でではなく、今、進める前にぜひということを私は求めているんですけれども、もう一つだけ伺わせてください。
 このビッグデータには、将来的に、例えば診療履歴とか学習履歴など、極めて重大な個人情報も含まれる可能性があるのではないかと思うんですね。そうした個人情報やみずからの行動、それから検索したことなどがビッグデータとして使われていくということに対して、都民からの訴訟リスクについてはどのように考えていますか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほどもご答弁しましたとおり、都が構築します官民連携データプラットホームでは、対象者から事前にデータ利活用について承諾を得る、いわゆるオプトインという考え方を前提としておりまして、個人の意に反したデータの利活用は行われないものでございます。
 また、個人のデータにつきましては匿名加工するなど、個人の特定は行いません。

○原委員 匿名加工するなどということは、もちろんそうだと思います。でも、その大もとになっているのは一人一人のデータなわけですよね。
 ですから私は、スピード感を重視する余り、都民の理解をないがしろにしたり、意見をいえなくしたりすることのないようにすべきだというふうに思っていますし、データプラットホームについては都民を含めての検討を、慎重に、一旦ここで立ちどまって行うべきだというふうに思っています。その意見を述べて、質問は終わります。

○宮瀬委員 よろしくお願いいたします。
 皆様には、東京ユアコインについてお伺いしたいと思います。
 私自身、この事業は大変、目的自体は評価させていただいておりまして、経済発展と社会的な課題の解決というのは大いに賛同したいと思います。
 私も民間企業が長かったんですが、広告営業の担当をしていたときに、住宅メーカーさんとコラボして、住宅展示場に行くと、メーカーが百円募金する、そのたまった募金でカンボジアに学校をつくるというフレームで、実際にすごく多くの人が来てくれて、四百万円ぐらいでカンボジアの小学校を建てるといったことをやりました。
 つまり、経済的な発展と社会的な課題を同時に、近江商人の言葉でありますが、三方よしという考え方があると思いますけれども、まさに売ってよし、買ってよし、世の中よしというやり方はいいなと。
 今回、東京ユアコイン事業、大変期待しているんですけれども、ちょっと確認させていただきたいなと思っています。
 我が会派は、是々非々で皆さんと向き合っていまして、いいものはいい、だめなものは改善点を含めて提案していきたいなと思っておりますが、まず最初に、ことし一月九日から二月二十八日に実施されました東京ユアコインの事業概要、目的、事業費、事業効果、それに対する指標、目標数値、お伺いしたいと思います。

○小川戦略事業担当部長 東京ユアコイン事業は、キャッシュレス推進の目的のもとで、SDGs活動を行うという新たな価値に対して経済的価値をインセンティブとして付与しますと、SDGs活動やキャッシュレスへの人々の意識や行動の変容が生じるかを検証する、実証実験段階の事業でございます。
 具体的には、主にオフピーク通勤やノーレジ袋などのプラスチックごみ削減の活動を実際に行われた方々に、東京ユアコインと呼ぶポイントを付与するものでございます。
 事業は、大手町、丸の内、有楽町、いわゆる大・丸・有地区と自由が丘など東急電鉄沿線地域などの二地域で、民間事業者への委託事業により実施いたしまして、事業費はそれぞれ約五千万円でございます。
 事業期間は効果検証期間も含めて約三カ月間でございまして、利用件数は延べ数で、大・丸・有地区では約八万件、東急電鉄沿線地域等では約百六十万件、利用者数も延べ数ではこれに同じといった形の規模感でございます。

○宮瀬委員 目的がSDGsの活動とキャッシュレスを世の中に広めていきましょうよといったことだと思いますが、私がもし民間企業で広告営業をやって、クライアントさんから一億円のお金を預かって、今の目的を果たすために一億円いただくといったときに、当然プレゼンします。
 そのときに、この一億円をこう使うとこうなんですよという、総括は三月末に出ると聞いているんですけれども、設定時の段階でしっかりと仮説を組んで、例えば、こういうことを狙いとして、今、大・丸・有地区のキャッシュレスがこれぐらいだから、狙ってお金を一億円ここに投入しましょうと、これが仮説で、実際結果を三月末に見てみましょうねといって、何度もプレゼンをして仮説の根拠を出して、何とか一億円の決裁をいただくと思うんですけど、今ご答弁を聞いていますと、私、数字も聞いたんですが、実証実験を開始するに当たっての仮説の数字や目標数値の答弁がなかったんですが、ないんでしょうか。

○小川戦略事業担当部長 本事業は、先ほど申し上げましたとおり、キャッシュレスの推進を目的としまして、SDGs活動という新たな価値に経済的価値をインセンティブとして付与すると、SDGs活動やキャッシュレスの人々の意識や行動の変容が生じるのかというのをまず検証する、あくまで実証実験段階の事業として行わせていただいております。

○宮瀬委員 多分、今のご答弁、どのように変化が生じるのかの、どのようにを数字で示すべきなのではないかなと。だって、キャッシュレスを推進していきましょうと。なのに、この地域のキャッシュレスの今の数字は幾つで、それをどれぐらいにしていくのかという、せめてそこの仮説と現状数値もないとやっぱり、せっかくいい取り組みなのに、大丈夫でしょうかとなってしまうと。
 そんな中で、新聞記事が東京新聞で上がっていまして、ポイントの例ということで出ております。オフィス型、大・丸・有エリアでは、レジ袋を辞退すると、コンビニで五十ポイント、ドラッグストアでは百ポイント、ポイントがつくと。タンブラーの持参で百ポイント、お弁当容器返却で四百ポイントということです。また同時に、生活エリアも同様に行っているといったことであります。
 まずちょっと事実の確認をしたいんですけれども、オフィス型として大・丸・有のドラッグストアですとか、こういった生活型の地域のポイントというのは、一ポイント一円といった換算でいいんでしょうか。

○小川戦略事業担当部長 委員ご指摘のとおり、一ポイント一円に相当いたします。

○宮瀬委員 となると、ちょっと新聞記事の引用で恐縮なんですけれども、七十三円のお菓子を大・丸・有のドラッグストアで買って、レジ袋は要りませんといったときに、百ポイントがつくので事実上二十七円もうかっちゃうと。なので、商品ももらって二十七円ももらえちゃうといったフレームということが書いてあるんですが、事実上、こういうのは本当に行われていたんでしょうか。

○小川戦略事業担当部長 委員ご指摘のとおりのお話というのは、あり得るお話でございます。
 ですが、ポイントは、買い物ではなくSDGs活動を行うという価値に対して与える形にしております。例えば、百円以下の買い物で百ポイントもらえるなどといった損得勘定では実はございませんで、購買額が仮に少額であっても、SDGs活動に参加したという行動変容を重視したものとしております。
 今年度の事業では、実証実験段階のものとして、受託者の民間企業が、そのような行動変容の検証ができるように、事業に参加する企業や店舗などと地域の特性に応じて必要な調査や調整を行って検討したものを踏まえ、都としても適切と判断したものでございます。
 なお、今後の検証の結果次第ではございますけれども、受託者の民間企業からは、店舗側に確認したお話として、委員にご指摘いただいたような少額の購買活動をあえて行った方はまれだったと、こういった報告を今のところは受けております。

○宮瀬委員 私、マーケッターをやっていましたので、商品を購入する際のキーポイントとなるのは何かということで、当時のデータを持ってきたんですけれども、調味料も飲料も食品に関しては持っているんですが、大体、商品の決定に対するインセンティブというのは価格です。四割ぐらい、とても重視すると。
 そういった中で、価格がどうなのかというのは、大変大きな購入の際のインサイトになるわけですが、実際に私、ドラッグストアへ行ってきました。それで、確かに七十三円のお菓子一つ買うというのは、現実的に私も買ったことないです、コンビニに行っても。
 ただ、棚をずうっと見ていったときに、きょう持ってきたんですけど、ブランド名を出すのはあれだと思うので、こういう口腔ケア商品、これ、百円以下です。レシートがありますけれども、税込みで九十八円。この水も九十八円です。こういったものを単体で買うって、私はお菓子は買わないですよ、でも、水をちょっと買いたいなとか、近くに自動販売機がないとか、ちょっと高いとかといったときに、結構、こういったものを単体で買うことって十分あると思うんですよ、実際に。
 そういった中で、どの程度のインセンティブを付与したらSDGsに関する行動変容、今のレジ袋を辞退すると百円もらえるといったインセンティブの付与、どれぐらいやったらどう変わるのかという検討をしたんでしょうか。

○小川戦略事業担当部長 先ほどお答えしましたけれども、受託者の民間企業の方で、事業に参加する企業、店舗などと地域の特性に応じて必要な調査や調整を行って検討させていただいておりますし、都としてもそれを踏まえて、適切と判断させていただいております。

○宮瀬委員 徹底的な調査を行ったということなんですが、ここで大事な指標を確認したいと思います。
 東京都の長期ビジョンの中で、東京都のキャッシュレス率を、二〇一四年二一・六%から二〇二五年五〇%にしていきますよと大きな目標があります。
 今回、SDGsとキャッシュレスを絡めて実証実験を行ったと。
 そこでやっぱりポイントになるのは、大・丸・有地区、自由が丘におけるキャッシュレス率、現状数値ですね、これが把握されることが何よりも大事だと思いますが、見解を伺います。

○小川戦略事業担当部長 今、委員ご指摘のそれらの地域に限定した統計やデータは存在いたしません。いたしませんけれども、今年度の事業では、SDGs活動とキャッシュレス決済の行動変化の実験でございますので、実験に参加した利用者へのアンケートによって、キャッシュレス決済の利用状況について実験前後で変化を調査して、効果検証を行っていこうと考えております。

○宮瀬委員 私、ちょっとびっくりしちゃうんですけど、わからないと。
 私、ここは大事なところなので、正直、現場に行って店長さんにも聞いてきました。今回の取り組みをやったところ、全部はやっぱり聞けていないです。正式な効果検証の結果というのはちゃんと出るものだと思いますが、大体六、四とおっしゃっていまして、キャッシュレスが六、現金が四ですと。私も現場に行って見ていたら、大体そんな感じかなと。
 これ、ごめんなさい、誤解されるとよくないんですが、サンプル数は少ないです。四、五件です。しっかりとした検証結果を待たなければならないんですけれども、要は、二〇一四年の時点で二一・六%を五割にしていきましょうよといっているにもかかわらず、店長さんのいう、ふだんキャッシュレス六〇%のところで、本当に実験してよかったんですかと。
 本来だったら、この実証実験をする際に、ちょっとここは高いから、世の中平均の二五ではないから、少し検討を変えた方がいいんじゃないか、その検討をした結果、大・丸・有地区でやるならいいんですよ。
 仮説があって、大・丸・有地区でも同じで、例えば、百円のレジ袋返却ではなくて、この店舗では十円にしてみよう、この店舗では五十円にしてみよう、ここの店舗では百円にしてみよう、そういった仮説があればいいんですけれども、大・丸・有地区のドラッグストアで一律百円とかとなってしまうと、どうやって都民の皆さんに説明されるのかなと思います。
 とりわけこの地域というのは、もともと所得が高そうで、世の中的な平均値というよりかはアッパーの人たちがいる。マーケティング的にはやっぱり上の方の人たちです。そういったキャッシュレス率がわからないといったところで行うのは、皆さん不本意だと思いますけれども、ばらまきなんじゃないかと、単にお金を配っているだけなんじゃないのかというご批判が出ていますけれども、見解を伺います。

○小川戦略事業担当部長 本事業の趣旨はやはり、新たな価値としてのSDGs活動に経済的価値を与えることで、SDGs活動やキャッシュレスへの意識、行動の変化が生じるかを検証する実証実験でございまして、利用者の方々からは、SDGsに取り組むきっかけとなりましたと、あるいは、レジ袋を利用しないのは以前からですが、ますます取り組むようになったと、または、とても有意義でかつ参加しやすい、よい仕組みに感じたなどのご評価をいただいておりまして、ご指摘のご批判には当たらないと考えております。

○宮瀬委員 それはインセンティブをもらった人はうれしいですよ。だって、ただで商品がもらえるような形で、お金までもらえるようなフレームで、そのベネフィットを受けた人は当然、満足度が高いと。
 新聞記事にもこんなことが書いてありまして、実際、ドラッグストアでペットボトルの飲料を購入した会社員の男性は、実験についてそもそも知らず、レジ袋辞退で百ポイントに、そんなにと驚いた様子でしたと。そのコメントで、やり過ぎな気もする、レジ袋なら十円でもいいと、税金を払う身としては正しいことに税金を使ってほしいといった声が上がっていると記事になっているじゃないですか。ここは、その見解についてはあえて聞きませんが、やっぱりいろんな声、あったんじゃないですか。
 そういった中で、私、もう一個注目しているのは、環境局が審議会を持っております東京都廃棄物審議会、この中でも、プラスチックのあり方で、買い物袋の件、書かれています。買い物袋、レジ袋は、インセンティブをつけるというよりかは、レジ袋を使う方にプラスオンで金額を上げた方が効果があるのではないかと。また、一律的な価格設定ではなく、ある程度事業者の裁量に任せる方がいいんじゃないか、そういう声も、行政の一意見ですが上がっているわけであります。
 もろもろ考えると、いろんな問題点が私はあるのではないかなと思っています。とりわけレジ袋は、もう既に民間のスーパーで、私も、レジ袋要りますか、要りますというと、じゃ五円乗せますねとやっていますよ、今、十円でも。
 それなのにどうして、東京都が百円出しますよというのは、私は、都が本事業であえてノーレジ袋購買推進を図る必要というのはあるのかなとお伺いしたいんですけど、どうでしょうか。

○小川戦略事業担当部長 ノーレジ袋購買は、プラスチックごみの削減につながるものでございまして、SDGsの推進の象徴的な活動と、このように捉えております。
 しかし、民間の取り組みのみではやはり限界がございまして、今回の取り組みに民間の小売事業者の積極的なご参加が得られていることからも、民間の取り組みに加えて都が本事業を行うことによって、ノーレジ袋の購買の動きが加速するということを期待しまして、実証実験として実施をしたものでございます。

○宮瀬委員 おかしい、おかしくないと水かけ論をいってもしょうがないと思うんですけど、やっぱりその際に大事になってくるのは数字だと思うんですよね。設定段階できちっと戦略的に、このお金を使ったらどうなるのかというのをロジカルに教えていただいて、それに基づいてどうだったのかという報告を受けたいなと思っております。
 単純に都民の方の気持ちになって、納税者の気持ちになって考えると、商品を買ったときに、九十八円ですよ、これを買って、単品でレジ袋は当然要らないですよ。手で持って帰るものだと思います。これが百ポイントつく。つまり百円。九十八円の物を買ったら二円もらえるというのは、私は、マーケティングの世界でも、価格が一番インセンティブが高いわけですから、そのポイントが価格より上回るといったことは、やっぱり事業スキームの設計がおかしいんじゃないでしょうか。お伺いします。

○小川戦略事業担当部長 繰り返しの答弁でまことに恐縮でございますけれども、本事業は、キャッシュレス推進の目的のもとで、SDGs活動にインセンティブを付与することで、SDGs活動やキャッシュレスへの人々の意識、行動の変化が生じるかを検証する実証実験段階のものとして、設計は適切と考えております。

○宮瀬委員 SDGsという言葉がございましたが、その項目の一つにあるのが、いろいろありますけれども、食品廃棄物を半減させるとか云々かんぬんありますが、私は、この取り組みが、持続可能な消費と生産ですかと。ポイントが商品の価格を上回ってしまうものが、持続可能な消費と生産に、SDGsの考えに合致しているんですかということを問いたいと思います。
 ここはあえて質問にしないですが、最後、このテーマでの質問でございます。
 今回の件、私もゆえなくいっているつもりはなくて、今後もユアコインの事業をやっていくと聞いています。冒頭申し上げたとおり期待しておりまして、こういった指摘を受けないような、しっかり見直しが必要かと私は思っております。
 今後のユアコインの展開についてお伺いしたいと思います。

○小川戦略事業担当部長 今後につきましては、今回の実験の内容、結果をきちっと検証して、その結果をもとに、さらなる事業展開を求める声やSDGs推進に向けた期待なども踏まえて、検討を進めてまいりたく考えております。
 その際には、先生やさまざまな方々の仕組みに関するご意見も踏まえて、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

○宮瀬委員 指摘を踏まえて検討していくといったことで、ぜひお願いしたいと思います。
 どうしてこんなにうるさいことを実験段階のものにいっているかといいますと、私は、皆さんの事業というのは、本当に未来と希望のあふれる将来の話だと思います。トライ・アンド・エラーであるべきだと思っていまして、なかなかほかの事業でトライ・アンド・エラーでいいものって余りないと思っているんですが、私個人的には、トライ・アンド・エラーで勝負していただきたいと思います。
 ただ、それがざるであってはいけないと思っていて、今後、5Gですとかいろんな事業で実証実験が行われていくと思います。きょうも質疑を聞いていましたけど、それはもう挙げれば切りがないと思います。
 そんな中で、今の質疑をほかでやりたくないなと。これを設定して一億円かけましたけど、どういう仮説で、どういう現状数値をどうやろうと考えたんですかというのを毎回問うのは大変ですので、ぜひそこを意識した実証実験を今後やっていただきたいなと。
 一億円というお金は、皆さんにとってどういうものかはあれですけれども、相当大変です。一億円という利益を上げるために、利益率で換算していくと、計算したら民間企業だと大体三十三億円ぐらい稼がないと、売り上げを上げないと一億円という数字は出てこないんですよ。その売り上げを稼ぐのはどれだけ大変かというのは、私、民間企業出身で思うんですけれども、一億円というお金をもっと大事に、こういった指摘に、いや、そんな指摘は当てはまりませんよ、こうですよと数字でぜひ今後は返していただくようにお願いをしたいと思います。
 では、次のテーマでございますが、稼ぐ東京、外国企業誘致ということで、私自身は、世界の富をアジアを中心に、東京に持ってきてほしいと、当選以来七年間訴え続けてきたことでございます。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が出てきて、特に外国との関係においての影響というのは、もろに受けているのではないかなと。
 そんな中で、外国企業誘致をやっている皆さんの中で、都は、都内経済の活性化に向けて、企業誘致に対するコロナの影響というのは、どういったものが出ているのかお伺いしたいと思います。

○米津特区推進担当部長 今年度の外国企業発掘・誘致事業でございますけれども、年間目標といたしまして二十五社の誘致といったところを目指しておりまして、現在のところ着実にこれは進んでおりまして、目標の達成を見込んでおります。そういう意味では、現時点において、今年度の目標達成に特段の影響は出ていないと、そんなところでございます。

○宮瀬委員 現時点においてということなんですが、私もちょっと一部聞きましたけれども、外国企業が東京への渡航の延期を検討する旨の相談も来ていると。企業の誘致は年間通して、数年かけてやっていくものだと思うので、現在、特段の影響はすぐ出ていないと思いますが、延期を検討している企業も出ているといったファクトもあると思います。
 そういった中で、今後、どのようなリスクを見込んで対応していくのかお伺いしたいと思います。

○米津特区推進担当部長 ご指摘のように、今後の新型コロナウイルス感染症によります本事業への影響は不透明なところもございますけれども、外国誘致、非常に大事な事業でございますので、状況を的確に見きわめつつ取り組んでまいりたいと思います。
 また、委員ご指摘のように、もとより外国企業誘致は、非常に時間をかけて相手方との信頼関係を築くなど、着実で地道な積み上げといったことも実現のためには必要なものだというふうに認識してございます。
 その意味では、例えば、今後、外国企業との打ち合わせなどにつきましては、遠隔でテレビ会議を活用するなど、さまざま柔軟な対応ということも必要になってくるんじゃないかなというふうに思ってございまして、そうしたこともあわせて、引き続き、積極的に誘致に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○宮瀬委員 終わります。

○山内委員 質問をいたします。
 5Gの電波は、4Gなどこれまでの電波より周波数が高いため、直進性が強く、かつ遠くに飛ばないという特徴があり、より多くのアンテナ基地局が必要になると聞いております。そのため、都民の中には、アンテナ基地局の設置に不安を抱いている人も多くいます。
 4Gと比較して、5Gになると多くのアンテナを地上に設置することになるのかお伺いいたします。

○荻原情報企画担当部長 5Gにおいて利用する周波数帯は、三・七、四・五ギガヘルツ帯及び二十八ギガヘルツ帯がございます。
 電波の周波数特性から、4G、LTE等では、おおむね五キロメートルまでの範囲で電波が届いておりましたけれども、三・七、四・五ギガヘルツ帯では二キロメートル、二十八ギガヘルツ帯に至っては二百メートル程度にとどまるともいわれており、より多くのアンテナ設置が必要と想定しております。

○山内委員 スマート東京実施戦略において先行実施エリアと定めている西新宿地区で、5Gの基盤整備に向けて何をしていくのかお伺いいたします。

○荻原情報企画担当部長 スマート東京先行実施エリアである西新宿では、都のアセットを活用し、通信事業者による5Gアンテナ等の整備を促進し、電波の道を整備してまいります。

○山内委員 先ほど来、ほかのご答弁も聞いていましたけれども、具体的な計画というのはこれからという認識でよろしかったでしょうか。

○荻原情報企画担当部長 西新宿に至っては、来年度以降、進めていく予定でございます。

○山内委員 5Gの基地局設置のために、都が保有するアセットを開放していく方針ということですけれども、現在の開放状況と今後の予定についてお伺いいたします。

○荻原情報企画担当部長 都では、本日時点で都が保有するアセットのうち、約一万五千件の土地及び建物をデータベース化して公開しております。
 現在第一期として、四十四件のアセットの現地調査を行うなど、通信事業者等の基地局設置を後押ししております。
 今後は、提供情報を順次更新し、拡充していく予定でございます。

○山内委員 昨年八月に発表したTOKYO Data Highway基本戦略バージョンワンで、都の保有するアセットについて、フィージビリティーの検証の上、つまり実現可能かどうかを調べて、可能ならば開放するとして、都道とか街灯、公園などを挙げていたかと思います。相当な数のアンテナ基地局が設置されるのではないかと都民は不安に思っていると思います。
 都が保有するアセットをアンテナ基地局に開放していくのなら、その場所や状況を都民にわかるように情報提供すべきです。
 都のアセット開放について、アンテナ基地局設置の進捗状況に応じて設置予定場所を公表する予定はあるのか、また、都のアセットに5Gアンテナを設置した場合、公表するのかお伺いいたします。

○荻原情報企画担当部長 都のアセットへのアンテナ基地局設置につきましては、設置予定場所の公開は行いませんけれども、現地調査の申し込みから設置完了までの進捗状況に応じて、件数をホームページで公表済みでございます。

○山内委員 ご答弁いただいたように、事務処理状況はホームページで公表しています。今後、5Gアンテナを設置した場合の設置場所なんですけど、この場所の公表はどうなりますか。お伺いいたします。

○荻原情報企画担当部長 今後の設置場所でございますけれども、現時点では件数のみの発表でございますので、今後の場所につきましては鋭意検討させていただければと思います。

○山内委員 都保有のアセットというのは、都民の資産です。その都民の資産を使わせてもらうわけですから、ぜひ公表すべきだと思うんです。
 件数は今公表しておりますけれども、件数だけではなくて、今質問させていただいたように、設置予定場所、もう設置した場所も公表して、周辺の人たちにもわかるようにしていただきたいと要望しておきます。
 5Gのメリットとデメリット、リスクについてお伺いしていきたいと思います。
 4Gでも十分快適だといわれております。4Gでもできなかったことを5Gによって可能になることは何か、お伺いする予定でございましたけれども、先ほど、5Gは高速大容量、超低遅延、多数同時接続といった特徴を生かして、工場での遠隔操作とかエンタメの観戦などという答弁がありましたので、割愛させていただこうと思います。
 リスクについてお伺いいたします。
 ことしの春から、5Gの通信サービスの商用化が始まるといわれています。4Gより5Gが使用する電波の周波数の高いことや、アンテナ基地局を多く設置する必要があることから、5Gの電波による人体への影響を心配する人がたくさんいます。
 都としてどのように考えるのか、改めてお伺いいたします。

○戸井崎ICT推進部長 5Gの電波による人体への影響につきましては、国が人体に対する安全性を確保するため、電波防護指針というものを策定しております。本指針は、国際非電離放射線防護委員会、いわゆるICNIRPといわれている団体でございますが、こちらの定めた国際的なガイドラインと同等でございまして、世界保健機関、WHOもこの指針を支持しているところでございます。
 既存の携帯電話基地局等は、この指針に沿って規制基準値を満たしていることを確認した上で設置されておりまして、今後設置される5Gアンテナの基地局につきましても、本指針に基づいて設置されることから、都としては、安全性は確保されているものというふうに認識しております。

○山内委員 海外では、5Gの電磁波が人体や自然環境に及ぼす影響についての研究や、使用禁止、制限措置を行う都市もあると聞いています。
 二月に、イギリス紙のフィナンシャル・タイムズが、5Gが健康に与える悪影響への懸念が拭えないため、スイス政府が5Gのネットワークの使用停止を命じたとの報道もありました。
 それでも、都は5G環境の整備を民間と進めていくのかお伺いいたします。

○戸井崎ICT推進部長 ただいま委員のお話のありましたスイス政府に係ります報道でございますが、スイスの連邦環境省は、フィナンシャル・タイムズの報道は誤解を招くというふうにいっておりまして、5G基地局を許可しないと勧めた事実はないというふうなコメントをしておるところでございます。
 5Gが健康に与える影響につきましては、繰り返しになりますが、日本では電波防護指針が策定されておりまして、5Gアンテナ基地局も本指針に基づき設置されることから、都としては、安全性は確保されているものというふうに認識してございます。

○山内委員 都民からの電波や5Gに関する健康被害についての相談に乗ってもらえる窓口を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○戸井崎ICT推進部長 本窓口でございますが、電波法を所管する総務省の方に相談窓口が設置されております。

○山内委員 先ほどのスイスに関する報道については、州議会などで一時停止を求める決議を採択したというふうにも聞いております。
 5Gによる人体への影響、健康への影響は未知だと思うんですね。それこそ情報社会であるために、海外からさまざまな情報が入ってきます。海外では5Gに反対する動きもあります。健康被害やリスクを回避する方法などの議論もされていると聞いております。そうした情報を都として確認することは重要です。
 ご答弁から、5G基地局が多く設置されることは確実なわけだと思います。まずは、携帯電話や基地局の電磁波、電波による健康被害が実際に起きているということは、認識すべきだと思います。
 5Gを東京都が積極的に進めていくのですから、今ご答弁にありましたように、電波法を所管する総務省に相談窓口がありますというふうにいっていないで、都民の不安をしっかりと受けとめて真摯に応えていく、これは都の責務だと私は考えております。
 次に、プライバシーやセキュリティーについてお伺いしたいと思います。
 個人がいつでもどこでも認証され、行動や、さらには例えば健康状態等の個人情報ともひもづけられていると聞いています。しかも、稼ぐ力としてサービス提供事業者に提供していくということです。
 プライバシーやセキュリティーの問題などのリスクにはどのように対応していくのかお伺いいたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員ご指摘の件は、官民連携データプラットホームの件だというふうに認識してございますが、プラットホームの構築に当たりましては、対象者から事前にデータ利活用について承諾を得る、いわゆるオプトインを前提としておりまして、個人の意に反したデータの利活用は行わない方針でございます。
 また、サイバーセキュリティーの確保とプライバシーの保護には十分留意すべきと認識しておりまして、データの匿名加工や暗号化など、国等の技術的な対応方針などを踏まえてポリシーを示しまして、専門家で構成する第三者委員会を設置しまして、運用のモニタリングなどを行ってまいります。

○山内委員 ご答弁で、事前にデータ利活用について承諾を得るオプトインを前提としているというふうにおっしゃっていました。リスクについてよく理解して、承諾をするか否か、こういうことを判断されるべきだと思っております。
 シンポジウムを開催するというお話もございましたけれども、リスクを理解する、認識してもらうことは大前提で、都は、責任を持って周知をしていく必要があると思います。
 都は、いつでも、誰でも、どこでも、何でも、何があっても、電波の道でつながる東京を実現するとうたっています。それは便利で、ある意味、豊かかもしれません。
 ただ、利用するとポイントがつくといわれると得をした気持ちになるので、個人情報を提供していることに鈍感になり、受け入れてしまうということもあるんだと思うんです。
 あらゆる場所で個人が認証され、行動とひもづけられることは、プライバシーのリスクを高めます。いつ、どこで買い物をした、公共機関を利用した、病気で医療にかかっているなど、そういったさまざまな個人情報が集約されて、そしてサービスとして提供されていく、また、その情報が集約されて双方向で情報がつながっていく、多くの人がこのような社会の未来像に不安も感じています。
 メリットだけでなく、デメリット、リスクを積極的に明らかにして、デメリット、リスクをどう解決するのか、解決できるのか、解消していくのか、明示することが重要だと思います。
 健康被害についても、セキュリティーやプライバシーの問題などについても、さまざまな疑問や不安を受けとめる相談窓口の設置を求めて、私の質問を終わります。

○のがみ委員 私の方からは、最初に、電子都庁基盤の運用管理の予算についてお聞きいたします。
 総務委員会に提出された予算説明書によりますと、戦略本部の来年度の予算は二百四十二億円、そのうちの百五億円が電子都庁基盤の運用管理に計上されております。その内容について、まず最初、具体的にお伺いいたします。

○沼田情報基盤担当部長 ご質問いただきました電子都庁基盤の運用管理の予算百五億円のうち、主たるものでございますが、東京都高度情報化推進システム、いわゆるTAIMSというものの関連経費でございまして、その予算額は約百億円でございます。
 TAIMSは、職員が使用する端末や業務機能を提供する高機能サーバー群、セキュリティー機器、本庁や約六百カ所の事業所を結ぶ通信機器や通信回線などから構成される、国内でも例を見ない大規模かつ高機能なシステムでございます。経費には、これら機器に関するリース経費、システムの保守、運営経費、ソフトウエア使用料などが含まれます。
 都庁職員は、TAIMSを用いることによりまして、メールや掲示板での情報共有だけでなく、文書管理システム、庶務事務システム、財務会計システム等、各種業務システムを利用することが可能となっております。
 百五億円のうちTAIMS以外の経費、残り五億円でございますが、こちらは、インターネットのデータセンターの運営経費、ホームページやメールなどのサーバー機器類のリース経費等でございます。

○のがみ委員 百五億円のうち、約百億円がTAIMSの関連経費ということでございます。
 その百五億円のうち、電子都庁を運営していくに当たって、ランニングコスト、これは非常に大きいと思うんですけれども、これが適切な規模かどうか、その考え方についてお伺いいたします。

○沼田情報基盤担当部長 TAIMSにつきましては、今年度、大規模な改修を行い、国が全国の自治体に求めるセキュリティー対策であるネットワーク分離を実現するため、インターネット利用のための物理端末と、内部業務システムを利用するための仮想端末の、二つの機能をあわせ持つ特別な仕様の端末を約五万台整備することにしました。
 これにより、セキュリティーを確保し、職員が安心してテレワークを実施できる環境が実現したものです。
 TAIMS関連経費約百億円のうち、機器類をコスト平準化のためリースで調達しており、TAIMSを構成する端末に約十五億円、サーバーや通信機器等で約六十五億円の合計約八十億円、全体経費の約八割がリース費用となっております。
 こうした機器は、システム検討に当たり、しっかりと技術調査を行うとともに、競争入札により調達しており、経費の適正化に努めているところでございます。

○のがみ委員 TAIMS関連経費の百億円のうちの十五億円が端末、そしてサーバー、通信機器等で六十五億円ということで、合計八十億円を使っているということでございました。
 もう一つ、総務委員会に提出された予算説明書を見ますと、サイバーセキュリティー対策で九億九千万円計上されていました。
 このサイバーセキュリティーというのは、いろいろな局で使っておりますよね。警視庁とか、都民安全とか、オリ・パラとか、いろいろやっていますけれども、このすみ分けというのはどうなっているんでしょうか。

○沼田情報基盤担当部長 ご質問のすみ分けでございますが、中小企業等の対策であれば産業労働局、都民に対する対策であれば都民安全推進本部や警視庁といった所管がございまして、東京都では、これら所管局が適切に連携し、サイバーセキュリティー対策を実施しているものでございます。
 戦略政策情報推進本部は、都庁の職員や都庁の情報システム等を対象としたサイバーセキュリティー対策を所管するとともに、副知事を最高情報セキュリティー責任者、CISOとする全庁的な統括体制である東京都CSIRTを構築し、サイバーセキュリティポリシーの徹底や、重大なサイバー攻撃事案への対処等を実施しているものでございます。
 来年度のサイバーセキュリティー対策予算として計上しているものといたしましては、自治体情報セキュリティークラウドのほか、サイバーセキュリティーに係る技術支援や職員の教育研修等に係る経費を計上しております。
 このうち、金額が大きいものといたしまして、国の求めにより設置し、区市町村を含むインターネットの防御システムである自治体情報セキュリティークラウドに係る経費がございまして、約七億円を歳出予算として計上しております。一方、区市町村からの負担金として四億四千万の歳入も計上しております。

○のがみ委員 七億円予算計上して、区市町村から四億四千万円歳費を計上するということで、東京都の支出としては二億六千万でよろしいんですよね。--はい。確認しておきます。
 次に、スマート東京実施戦略が発表されましたけれども、新たな事業の内容について、この中で代表的な取り組みについてお伺いいたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京実施戦略では、電波の道でつながる東京・TOKYO Data Highway、公共施設や都民サービスのデジタルシフト・まちのDX、都庁のデジタルシフト・都庁のDXの三つの取り組み方針に沿って、各局の事業を取りまとめております。
 各取り組みの代表的な事業といたしまして、まず、TOKYO Data Highwayでは、5Gアンテナ基地局等の設置促進に向けた都保有のアセットの開放と利用手続の簡素化などが挙げられます。
 次に、まちのDXでは、都立学校における全ての児童生徒がインターネットにつながる環境の実現等に向けたTOKYOスマート・スクール・プロジェクトなどがございます。
 三つ目の都庁のDXでは、オフィス改革などの働き方改革に資するシステム環境の改善などが挙げられます。

○のがみ委員 未来の東京戦略ビジョンの中で、二〇四〇年のあるべき姿から進むべき方向性を示しておりまして、みんなでつくる未来の東京として、SDGsの目線で政策を展開すると記載しております。
 我が党では、先日の予算特別委員会で答弁がありまして、知事から、都がSDGsに強く取り組む決意についてご答弁をいただいたところでございます。
 スマート東京実施戦略でのSDGsの観点からの取り組みについてお伺いいたします。

○小川戦略事業担当部長 スマート東京実施戦略では、例えば、キャッシュレス推進のため、SDGsを切り口とした実証実験を行うモデル事業に取り組むこととしております。
 これは、これまで購買活動へのインセンティブでは動かない人々に対して、SDGs活動へのインセンティブを与えて、行動変化を促すということを実証実験で試してみるとしたものでございます。
 まず、今年度はオフピーク通勤やプラスチックごみの削減など、SDGsの推進に貢献された方々に、東京ユアコインという新たな価値を付与することで、SDGsとキャッシュレスに関する人々の意識や行動が変わるかを検証することとしました。
 例えば、ノーレジ袋での購買につきましては、民間の取り組みのみでは限界がございますので、購買活動ではなく、SDGs活動に対してインセンティブとしてポイントを付与することで、その動きを加速することを期待したものでございます。
 ポイントを付与する活動や水準などの具体的な事業内容につきましては、事業現場の実情に詳しい民間からの企画提案に基づくものでございまして、実際に、オフィス地域の大・丸・有地区と生活地域の自由が丘など東急電鉄沿線地域の二地域で実証実験を行う際は、受託者の民間企業が、SDGsやキャッシュレスに関する人々の意識や行動の変化を検証できるように、事業に参加する企業や店舗との調整などを通じまして、事業現場の地域の特性を踏まえて検討を行いまして、事業内容を設計したものでございます。
 例えば、大・丸・有地区では、生活者よりもビジネス関係者が多うございまして、SDGsに関心はあっても、実際の行動にはハードルが高く、行動するきっかけがないと。こういった方々への働きかけ方につきまして、受託者の民間企業が、オフピーク通勤の取り組みに参加する企業やプラスチックごみの削減の取り組みに参加する店舗などと、まさに事業現場で入念に調整をして、検討を行った上で事業を行ってございます。
 今回の実証実験は、SDGsを切り口として、キャッシュレスを今後推進していくに当たりましてのまさに実験でございまして、その効果をしっかり検証して、今後の展開につなげていきたいと考えております。
 そして、その検証結果を踏まえまして、来年度は、例えば社会福祉活動へのボランティア参加、防災訓練や帰宅困難者訓練などの防災活動への参加など、対象とするSDGs活動の拡大を含めて検討しました上で、さらに実証実験を行い、必要な効果検証を一層積み重ねてまいりたいと、こう考えております。

○のがみ委員 今回の実証実験は、三週間もやらなかったわけで、十九日間ぐらいですか、二十日間ぐらいでしたかね。(「今回は二カ月です」と呼ぶ者あり)

○早坂委員長 発言は挙手をしてお願いします。

○のがみ委員 済みません。二カ月ということで、なかなか、そんなに長い期間でもないので、この実証実験をやってどういう効果があったかというのをしっかりとまとめていっていただきたいと思っております。
 今の答弁をお伺いいたしまして、SDGsを切り口としたキャッシュレス推進のためのモデル事業であります東京ユアコイン事業には、民間のキャッシュレスの動きを後押ししつつ、さまざまなSDGs活動を推進し得る大きな可能性があると感じております。こうした都の取り組みは、SDGs推進の観点から、非常に意義深いものであります。将来的には、このような都の先導的な取り組みが民間の活動の呼び水となって、広く民間に普及していくことも大いに期待できます。
 まずは、今年度の実証実験の結果をしっかりと検証していただき、検証結果を踏まえて、来年度の実証実験の実施につなげていくとともに、将来の事業展開について検討を進めていっていただきたいと思っております。
 もう一つ、我が党では、SDGsの中でも、障害のある方の社会参画について強く取り組んでおります。
 スマート東京実施戦略では、四九ページにあるんですけれども、この中で、人間をサポートするソーシャルロボットのプロモーション推進事業を開始すると書いてありますが、この事業の目的と具体的な取り組みについてお伺いいたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ソーシャルロボットのプロモーション推進事業についてでございますが、本事業の目的は、人間をサポートするソーシャルロボットの有用性を広く都民に周知し、ロボットの社会実装を支援することによりまして、生産性や都民の生活の質を向上させることにございます。
 本事業では、各種のロボット等を展示するプロモーションやシンポジウム、アイデアソン等を実施いたします。このうちプロモーション事業では、障害のある方がロボットを操作してカフェで働くような実証実験などを想定してございます。

○のがみ委員 障害のある方がロボットを操作して働くというのは、大変に興味深いと思います。
 聞くところによりますと、二年ほど前に赤坂において、期間限定でそのようなカフェの実証実験が行われたということでございます。そのとき、ロボットはどのような仕事をして、どのように操作されたのか、また、仕事をしたということであれば、操作者に賃金は支払われたのかなど、具体的な状況を伺います。都は、この実証実験の意義をどう評価しているのかお伺いいたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 二〇一八年に期間限定でオープンしました分身ロボットカフェでは、頸椎損傷した障害者の方などが、遠隔地の自室や病室におきまして、器具や視線などによりまして等身大の分身ロボットを操作いたしました。
 このロボットは、いらっしゃいませと来店の挨拶をし、私は岐阜県から操作しています等の自己紹介を行うなど、来店客と会話をいたしました。そして、客の注文に応じてコーヒーやオレンジジュースを運び、客に提供し、片づけなども行いました。この遠隔操作者の働きに対しまして、時給千円が支払われたとのことでございます。
 こうした事例を通じまして都民がロボットに触れることによりまして、ロボットに対する理解が深まり、社会実装につながっていくものと認識してございます。
 都といたしましては、このような事例を参考にしながら、本ロボットプロモーション推進事業を着実に実施しまして、成果の出るものにしてまいります。

○のがみ委員 最後に、本当に、いろいろな身体に障害のある方たちが、遠隔でロボットを操作して社会参加できるということはすばらしいことだと思っております。
 この分野においては、いろんな企業が先進的に事業展開もしておりますけれども、東京都もしっかりと、民間企業とも協力をしながら進めていっていただきたいと思っております。
 以上で終わります。

○早坂委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で戦略政策情報推進本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十八分散会

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