総務委員会速記録第三号

令和二年三月十六日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長早坂 義弘君
副委員長加藤 雅之君
副委員長本橋ひろたか君
理事藤井あきら君
理事鈴木 邦和君
理事清水 孝治君
山内れい子君
宮瀬 英治君
米倉 春奈君
原 のり子君
のがみ純子君
つじの栄作君
中屋 文孝君
入江のぶこ君
木村 基成君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長山手  斉君
外務長一方井克哉君
次長理事兼務栗岡 祥一君
技監福田  至君
理事報道担当部長事務取扱河内  豊君
理事横山 英樹君
理事寺崎 久明君
理事関  雅広君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小沼 博靖君
渉外担当部長村上  章君
政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務小笠原雄一君
政策調整担当部長松崎伸一郎君
政策調整担当部長都市施設政策担当部長兼務小泉 雅裕君
技術政策調整担当部長三木  健君
戦略広報担当部長デジタル広報担当部長
新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務
浅井奈穂子君
海外広報担当部長梅田 弘美君
ホストシティプロジェクト推進担当部長政策調整担当部長兼務小野 由紀君
大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務蜂谷 典子君
計画部長吉村 恵一君
外務部長加藤 英典君
外務担当部長丹羽恵玲奈君
都民安全推進本部本部長國枝 治男君
総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
治安対策担当部長高野  豪君
若年支援担当部長小菅 秀記君
選挙管理委員会事務局局長黒田 祥之君

本日の会議に付した事件
意見書について
人事委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出 人事委員会事務局所管分
選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
都民安全推進本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出 都民安全推進本部所管分
報告事項(質疑)
・「東京都子供・若者計画」の改定について
戦略政策情報推進本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 戦略政策情報推進本部所管分
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 戦略政策情報推進本部所管分
報告事項(質疑)
・「スマート東京実施戦略 東京版Society五・〇の実現に向けて」について
・「スマート東京(東京版Society五・〇)の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針」について
政策企画局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出 政策企画局所管分
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 政策企画局所管分
報告事項
・「『未来の東京』戦略ビジョン」について(質疑)
・「『三つのシティ』の実現に向けた政策の強化(二〇二〇年度) 二〇二〇年に向けた実行プラン 」について(質疑)
・「新型コロナウイルス感染症 東京都緊急対応策(第三弾)」について(説明・質疑)

○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○早坂委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 令和二年度予算については予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和二年三月十三日
東京都議会議長 石川 良一
総務委員長 早坂 義弘殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時

(別紙1)
総務委員会
 第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 総務委員会所管分
 第二号議案 令和二年度東京都特別区財政調整会計予算
 第四号議案 令和二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
 第百三号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)中 歳出-総務委員会所管分
 第百四号議案 令和二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
 第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中 歳出-総務委員会所管分

(別紙2省略)

○早坂委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局、選挙管理委員会事務局、都民安全推進本部、戦略政策情報推進本部及び政策企画局関係の予算の調査並びに都民安全推進本部、戦略政策情報推進本部及び政策企画局関係の報告事項の聴取を行います。
 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
 私の方からは、若年層の啓発事業について、基本的なことを含めて確認したいと思います。
 冊子の方、予算案の方を見ますと、若年層の啓発事業、いろいろ書いてあるんですけれども、最初ですので、どのような事業を行っていて、事業の効果と数字についてお伺いしたいと思います。

○黒田選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会が行う若年層向けの啓発事業といたしましては、選挙出前授業及び模擬選挙、明るい選挙ポスターコンクール、「Let's study選挙」の配布、ホームページへの動画掲載、選挙啓発ワークショップ及び選挙フォーラムがございます。
 まず、選挙出前授業及び模擬選挙は、今年度における現時点での実施校が三十五校、実施回数は四十九回、受講した生徒数は九千百三十二人でございまして、昨年度実績との比較では、実施校数で二十一校、回数で三十回、生徒数で五千六百二十一名のいずれも対前年比増となってございます。
 なお、直近に開催された二校において実施されたアンケート調査の結果によりますと、今後選挙に行こうと思ったが八一・七%でございました。
 続きまして、明るい選挙ポスターコンクールにつきましては、応募数が二万九百十八作品、対前年比で四百四十七作品の増、うち六作品が全国コンクールで入選をしております。
 続きまして、「Let's study選挙」は、都内中学三年生全員を対象に選挙学習用冊子として配布するものでございまして、今年度は十一万六千五百部を作成の上、都内の各学校宛てに送付し、社会科の授業などで活用していただいております。
 事前に生徒数の調査を行った上での作成数のため、昨年度との比較では千五百部の減となってございます。
 教師の方々から寄せられたアンケート調査の結果によりますと、約九割が冊子の内容やデザインがよかったと評価し、また、生徒が興味深く読んでいたという自由意見などもございました。
 続きまして、ホームページへの動画掲載でございますが、こちらは常設ホームページに掲載しております鷹の爪団というアニメーションによる動画でございます。その閲覧数でございますが、こちらは平成二十九年八月に掲載されて以降の累計値となりますが、先週末時点で四万三千百六十四回でございます。
 続きまして、選挙啓発ワークショップでございますが、若年層有権者が座談会形式で選挙を初めとする社会とのかかわり方などについて語り合う場として、都内二カ所の会場において五回開催し、各回八名の若者の参加を得て実施されました。
 最後に、選挙フォーラムでございますが、若年層の支持が高い出演者によるトークセッションを今月二十二日に開催いたしますが、新型コロナウイルス感染症対策の必要性から、今回につきましては観客を入れずに、インターネット配信のみに変更の上、実施することといたしております。

○宮瀬委員 答弁、大変長かったんですけれども、私、ちょっと気づいたことが、動画の方が平成二十九年の累計で四万三千PVと。ユニークユーザーはわからないということと、単年度一・二万PV、大変若い人が見る動画だと思うんですけれども、再生回数がやはりとても低いのではないかなと。
 また、「Let's study選挙」という冊子も見たんですけれども、ご答弁を聞いていますと、先生がどうだったかではなくて、生徒がどう思ったのかということが、視点が欠けているのではないのかなと思います。
 一部では、この取り組みがマンネリ化しているのではないかという指摘もあるのではないかなと思っていまして、改めて、指標、効果の指標ですとかKPIについて、何を基準にやっていくのか教えてください。

○黒田選挙管理委員会事務局長 若年層啓発事業に係る指標、KPIということでございますが、都選挙管理委員会が若年層の政治意識と投票率の向上を目的として取り組む各種啓発事業における目標について説明をいたしますと、選挙出前授業及び模擬選挙につきましては、より多くの学校及び生徒の皆様への実施に加えまして、西多摩郡や島部といった町村部に加え、学校の種類など対象範囲を広げての開催に取り組んでおります。
 明るい選挙ポスターコンクールにつきましては、区市町村との連携を図りながら、より多くの応募数となるよう努めてまいります。
 「Let's study選挙」につきましては、教師の方々から寄せられるアンケート調査の結果の活用による内容の充実と、学校側への積極的な働きかけによる社会科等の授業での使用増、さらには選挙出前授業や明るい選挙推進委員の勉強会などへの活用範囲の拡大を図ってまいります。
 都選挙管理委員会の常設ホームページに掲載されております若年層啓発用動画につきましては、来年度新たな動画を制作し、掲載する予定でございます。
 現在掲載されている動画との併用により、さらなる閲覧数の増となるように努めてまいります。
 選挙フォーラム及び選挙啓発ワークショップにつきましては、今後、参加者へのアンケート調査を行うことにより、事業の有効度について数値として把握するとともに、さらなる内容の充実と今後取り組む啓発事業の方向性の検討に活用してまいります。

○早坂委員長 ご答弁は簡潔にお願いします。

○宮瀬委員 応募数ですとか、調査結果、アンケート調査、閲覧数といったところが指標ですよと、端的にいうとそういうことだと思うんですけれども、私は聞いていて、数値どうなっているのかなと思っております。
 では、KPIを、指標を確認した次に、現状の数値、そして将来の目標数値について教えてください。

○黒田選挙管理委員会事務局長 若年層向け啓発事業についての現在の数値、将来の数値、KPIの目標値についてでございますが、KPIとしての目標値を定めることにつきましては、まず、若年層の政治意識及び投票率の向上を目的として設定し、それを達成するための各種啓発事業における目標値を定めることになります。
 しかしながら、政治意識につきましては数値化が難しく、また、投票率につきましては政治情勢や投票日当日の天候などさまざまな要因の影響を受けるものとされております。
 このように、若年層啓発事業における実績との相関性が必ずしも明確ではないことから、各種啓発事業に目標値を設定することは難しいと考えてはおりますが、それぞれの啓発事業について定期的に評価を行い、その目的を着実に達成すべく努めてまいります。

○宮瀬委員 やっぱりちょっとおかしいですよね。KPIの指標があるのに、その数値目標がないといったことでは、PDCAサイクルが回っていかないと。
 自主的に、ご答弁の方から、ちょっと改めていきますよというご答弁もありましたが、やはり若い人が選挙に行ってもらうための取り組みが、このように効果がはかれないと、目標数値がないといったことになりますと、マンネリ化しちゃっているといわれてもちょっと反論がしづらいのではないかなと思います。
 ぜひ明るいポスターコンクールは七十一年、「Let's study選挙」は十九年等やっていて、もちろんその取り組み自体を否定するものではありませんが、創意工夫が必要だと思いますので、今後、PDCAサイクルを回していただきたいと思います。
 後ほども質疑しますが、政策企画局から、伝わる広報へということで、PDCAサイクル、KPIの設定、数値目標の設定をするようにという依頼が出ていますので、重く受けとめていただければと思います。
 最後の質問になりますが、ことしは都知事選があると思っております。新型コロナウイルス対策についてお伺いしたいと思います。
 平成二十八年度の投票者数は六百六十二万四百七名が投票所に足を運ばれて、投票場所も千八百六十八カ所、かかわった職員が一万五千百五十二人、アルバイトも入れると一万七千八百五名、相当な数の方が選挙の投票所に行って、今の中で、投票所で立ち会いをしてくれる人は数に入っていないと思います。
 こういった方々が、今後新型コロナウイルスがおさまらなかったときに、いわゆるクラスターになるリスクがあると思っております。
 ちょっと調べましたら、アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度理事会、FRBは、新型コロナウイルス対策として、アジアから戻ってきた米ドル紙幣を米国内に流通させる前に七日から十日隔離し、検疫を実施している旨の報道もございます。
 さすがに選挙でありますので、即日開票を私はするべきだと当然思っておりますが、数百万の人が投票用紙にさわって、それを一斉に開票所で開封作業していくといったことになりますと、アメリカ連邦政府の対応もありますが、消毒やマスクなどに加えて手袋など、予算をかけて、拡散しないように万全を期すべきだと思いますが、対応をお伺いしまして、質問を終わります。

○黒田選挙管理委員会事務局長 選挙の実施につきまして、総務省からは本年三月四日付の通知によりまして、政府が中止や延期、規模縮小を要請する文化イベント等には該当しないとの見解が示されております。
 同通知によりますと、選挙の実施に当たりましては、当日投票所の混雑を回避すべく、期日前投票の利用に向けた呼びかけを行うこと、投票所や開票所にアルコール消毒液を設置すること、選挙人の不安を解消できるための工夫について積極的な検討を行うことなど、適切な対応に取り組むよう助言をしております。
 また、総務省から三月十三日付通知におきまして、投票所や開票所におけるより具体的な取り組み事例等についての助言がなされたところでございます。
 都知事選挙告示まで三カ月でございますが、それまでの期間における新型コロナウイルスの国内への感染状況について十分見据えた上、対策についての判断をいたしてまいります。
 選挙の実施に当たりまして対策が必要となった場合には、国内で行われた選挙の取り組み例を参考といたしまして、都内区市町村と連携を図りまして、宮瀬委員からご指摘がございました感染拡大を防ぐために適切な対応が、都内全域にとられるべく取り組んでまいります。

○山内委員 質問をいたします。
 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が二〇一八年の十月に成立し、昨年四月から施行されました。都条例は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならないと差別禁止を明文化しています。
 都知事選挙や都議会議員選挙の補欠選挙であっても、投票所入場券については、各区市町村の選管が作成して、有権者に郵送しているということでございますけれども、投票所入場券の性別の表示についてはどのようになっているのかお伺いいたします。

○黒田選挙管理委員会事務局長 都内六十二区市町村の中で、投票所入場券に何らかの形で性別を表示している団体の数は三十九団体、全く表示をしていない団体の数は二十三団体でございます。
 また、表示をしている三十九団体のうち、女、男というように投票者にもわかるように性別を明示しているのは七団体であり、残りの三十二団体は投票所の事務担当者にしかわからないような記号等を印字して識別をしております。

○山内委員 投票の際に係員の方に性別を確認されて、不快な思いをした有権者の話も伺っています。
 都知事選挙や都議補選を控えて、投票所での有権者への対応について、都選挙管理委員会としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○黒田選挙管理委員会事務局長 投票所における有権者への対応につきましては、選挙前の事務説明会や実務研修の機会を捉えて、区市町村選管に周知をしております。
 一方で、投票者の本人確認は、二重投票を防止する上で必要不可欠な手続でございます。
 七月の知事選、都議補選を執行するに当たりましては、投票者の本人確認におきましても、先生からもお話のございました東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の趣旨を踏まえまして、有権者の人権に配慮した対応を行うよう、改めて区市町村選管に注意を促してまいります。

○山内委員 人権尊重の観点から、障害者への配慮はもちろんのことですが、LGBTの人たちへの理解と配慮、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上です。

○早坂委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○早坂委員長 これより都民安全推進本部関係に入ります。
 予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、都民安全推進本部所管分及び報告事項、東京都子供・若者計画の改定についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 過日の委員会において要求がございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております総務委員会要求資料の表紙をおめくりいただきたいと思います。
 目次をごらんください。要求がございました資料は、ごらんの一件でございます。
 一ページおめくりいただきたいと思います。資料第1号、区市町村の子供・若者支援地域協議会の設置状況及び子供・若者計画の策定状況でございます。
 (1)で子供・若者支援地域協議会の設置状況を、(2)で子供・若者計画の策定状況について掲載してございます。
 以上でご要求いただきました資料のご説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○つじの委員 私からは、東京都子供・若者計画(第二期)中間のまとめについて質問したいと存じます。
 本計画は、子ども・若者育成支援推進法に基づくものであり、また、令和元年十二月に策定された未来の東京戦略ビジョンを推進する計画の位置づけをあわせ持つものと理解しております。期間は令和二年度から令和六年度までの五カ年の予定であるというふうにあります。
 私も、さきの協議会では委員の一人として参加させていただきましたが、令和元年十月から令和二年二月まで、東京都青少年問題協議会及び若者支援部会において審議が行われました。
 計画の理念として、全ての子供、若者が青年期に社会的自立を果たすよう、その成長を社会全体で応援するとあります。
 改定のポイントとしては、各施策に取り組むに当たっての視点に、新たに盛り込まれた内容があります。
 追記された点として、視点1、一人一人の子供、若者の最善の利益を尊重する視点では、支援に当たっては、当事者である子供、若者の目線に立ち、意見を尊重し、支援を反映させていくことが重要とあり、また、視点2では、ご本人だけでなく、家族を含めた支援が必要であるとあります。
 そこで、このたび東京都子供・若者計画(第二期)中間のまとめにこのような内容を取り入れ、追記した経緯をお伺いします。

○小菅若年支援担当部長 東京都青少年問題協議会では、子供、若者育成支援に見識の深い有識者や子供、若者のさまざまな意見や実態等を直接見聞きしている民間支援団体の方々から成る若者支援部会を設置し、計画改定について検討、審議を行ってまいりました。
 視点1に関しましては、子供、若者の意見を尊重する観点、また、問題解決に当たる子供、若者の能動性が重要との趣旨の意見を踏まえまして、支援に当たっては、子供、若者を大人とともに生きるパートナーとして捉え、その能動性を引き出すため、当事者である子供、若者の目線に立って意見を聞き、その年齢や発達の程度に応じて最大限尊重し、支援に反映させていく姿勢が重要との記載を盛り込んでおります。
 また、視点2に関しましては、子供、若者の困難や課題の背景には家庭の抱える問題が影響している場合があることや、支える家庭がともに困難に陥ってしまう場合があるとの趣旨の意見が多く出されましたことから、子供、若者本人だけでなく、家族も含めた困難や課題の全体像を見通し、状況に応じて家族も含めた支援を行っていくことが重要との記載を盛り込んでおります。

○つじの委員 私は現役の精神科医でして、その立場から、常に患者様の立場に立って診察に当たっているというふうに自負しております。一人一人にきちんと正面から向き合い課題を解決していく姿勢は、当事者にとっても受容的な態度と受け取ることができ、ご安心していただけると存じます。
 患者様と医師との信頼関係ができてくると、患者様は意欲の改善とともに、能動的に治療にかかわり、より病状等の改善が期待できる場合もあります。
 全く同列に語ることはできませんけれども、困難な状況にある子供、若者が適切な支援のもとで、能動的にみずからの困難の改善を図ることを促す視点は極めて重要であると考えます。
 また、精神科医の視点から、患者様がいらした場合、そのご家族は、基本的にはその患者様をサポートしていただくことを期待しております。
 しかし現実には、患者様のみならず、支えていただくことを期待するご家族にも、悩みや葛藤を抱えている方がいらっしゃいます。
 私の精神科医としての経験から、今回の改定のポイントとして、ご本人だけでなく、ご家族も含めた支援が必要と明記されたのは、現実を把握した重要なことであると評価いたします。
 一方、子供、若者の支援に社会全体で重層的に取り組む視点が必要であり、視点3では、複合的な課題に対応するため、関係機関等の連携を促進し、社会全体で子供、若者の成長を見守っていくことが重要とあります。
 そこで、まず確認したいのですが、その関係機関とは、具体的にはどのような機関を想定しているのかお伺いいたします。

○小菅若年支援担当部長 子供、若者の支援に係る施策は、教育や福祉、雇用など幅広い分野に及んでおります。
 育成支援に関する関係機関等といたしましては、教育、保健、医療、福祉、矯正、更生保護、雇用の各分野の行政機関のほか、それぞれの分野の民間支援団体を想定しております。

○つじの委員 私は精神保健指定医の資格を持ち、精神科医の視点で、また臨床医としての経験から、昨今の価値観の多様化による子供、若者の、自分とは何か、あるいは自我の確立がうまくいかないことなどによる深い悩みに応えるのみならず、十代から二十代にかけては、いわゆる精神疾患の好発年齢であり、症状が軽微なうちに発見し、早期の医療機関の介入が、予後によい影響を与えるものと考えます。
 また、近年、大人の発達障害が話題になりましたが、私は、子供、若者の個性の一つとして、多動障害や広汎性発達障害など、心理発達や小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害を早期に指摘して、それぞれの個性に合わせた支援の取り組みが極めて重要と考えます。
 都民安全推進本部では従前から、若者支援の取り組みとして若ナビαを運営しています。
 そこで、改めて、若ナビαの事業内容についてお伺いします。

○小菅若年支援担当部長 東京都若者総合相談センター、若ナビαは、幅広い分野にまたがる若者の悩みの一次的受け皿として、若者やそのご家族等からの相談を受けまして、若者の状況に応じて、就労や保健、医療など、適切な支援機関につないでおります。

○つじの委員 ただいまご説明いただきました若ナビαでは、本人の状況に応じて、適切な支援機関につないでいるとのことでした。
 私は、繰り返しますけれども精神科医なので、強い関心があるのですが、どのような場合に保健機関や医療機関を紹介しているのかお伺いします。

○小菅若年支援担当部長 若ナビαにおきましては、社会福祉士などの専門家が本人の状況を丁寧に見立てております。
 鬱症状が見受けられる場合、精神疾患の悪化など持病が影響していると思われる場合、依存症が疑われる場合、本人や家族が何らかの障害を疑っている様子が見受けられる場合などには、保健所など専門機関とも連携を図りながら、保健機関や医療機関につないでおります。

○つじの委員 児童、思春期は多感な時期で、少しの心の傷が後々まで悪い影響を及ぼす可能性があります。
 また、繰り返しますが、この時期は医療の早期の介入が、ご本人さんや取り巻くご家族にとっても有益である場合があることを指摘しておきます。若ナビαは、相談者からの対応で必要と判断した場合、速やかに適切に医療機関等の受診を勧め、連携を図ることが重要と考えます。
 次に、推進体制の整備等についてお伺いします。
 概要の項目でも、1、都における計画の推進体制、2、区市町村の役割、3、関係機関との連携の強化、人材の育成とあります。
 中でも区市町村への支援は、住民に身近な地域での支援、連携の体制づくりに欠かせない重要な点であると考えます。
 現在、都内区市町村のうち、子供・若者計画を策定しているのは十六団体、子供・若者支援地域協議会を設立しているのは八団体、また子供・若者総合相談センターを設置しているのは四団体というふうに伺っております。
 平成二十七年の都の第一期計画策定以降、区市町村でも取り組みが進みつつありますが、これをさらに広げていくために、都が引き続き区市町村に対して支援することは重要だと考えます。
 そこで、区市町村における子供、若者支援施策の推進に向け、どのように取り組まれているのかお伺いします。

○小菅若年支援担当部長 都は、地域のニーズに応じて、区市町村が若者の育成支援施策を円滑に実施できるよう、地域における若者の自立等支援体制の整備を促進しています。
 具体的に申しますと、社会的自立に困難を有する若者の相談窓口の設置または支援事業の新設、拡充を行う区市町村に対し費用の一部を補助しておりまして、来年度からは、区市町村の要望も踏まえ、相談体制整備に係る補助の上限額を引き上げることとしております。
 また、東京都子供・若者支援協議会や地域支援者向け講習会、区市町村との情報交換の場などを活用し、東京都の施策説明や基礎的自治体における好事例を紹介することなどにより、区市町村における取り組みを推進してまいります。

○つじの委員 私は、本定例会でも一般質問で言及しましたが、昨今、世界はGAFAの台頭、5Gの構築など、産業構造の変化が進行中であり、それに伴い従来の雇用制度が大きく変化しつつあります。また、気候変動による環境変化や大地震などの災害、未知の感染症の蔓延など、不安定な環境要因があり、安定した確かな将来を見通すことは難しい状況です。
 このような状況のもと、今の日本の青少年は、みずからの手でみずからの将来を勇気を持って切り開いていかなければなりません。
 私は、その礎となるのが、何度もいっていますけれども、自己肯定感であるというふうに考えております。
 また、さきの協議会でも説明がありました社会的自立に困難を有する子供、若者や家族の支援の内容にもあるように、昨今の子供、若者を取り巻く環境は人それぞれであり、複雑ともいえ、それらの背景に応じたきめの細かい支援が必要と考えます。
 そこで、このような環境のもと、今後不確定な将来を、それぞれの個性を尊重しながら、力強く自分の人生を生きていく子供、若者の支援に対する意気込みを都民安全推進本部長にお伺いし、私の質疑を終わります。

○國枝都民安全推進本部長 子供、若者は、大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、その健やかな成長は、将来の東京の発展の礎をなすものであります。本計画は、未来の東京戦略ビジョンを推進する観点から、福祉、教育、雇用など、子供、若者の育成支援にかかわるさまざまな分野の施策を取りまとめております。
 子供、若者を取り巻く社会状況は、同世代人口の減少、情報通信技術の普及発展、国際化の進展など、目まぐるしく変化しております。
 また、困難を有する子供、若者については、さまざまな問題を複合的に抱え、非常に複雑で多様な状況になっていることが指摘されております。
 こうした状況を踏まえ、東京都青少年問題協議会において、子供・若者計画の改定に向け真摯なご議論をいただき、委員からご指摘のあった当事者の意見の支援への反映や家族も含めた支援の重要性など貴重なご意見を賜り、先般、中間のまとめとして公表いたしたところであります。
 当本部としては、全ての子供、若者が健やかに成長し、円滑に社会生活ができる社会の形成を目指して、関係各局、各機関の結び目としての機能を果たし、子供、若者育成支援施策の一層の推進に向け、積極的に取り組んでまいる所存であります。

○のがみ委員 私からも、報告事項であります東京都子供・若者計画の改定についてお伺いいたします。
 報告のありました子供・若者計画(第二期)中間のまとめを読ませていただきました。
 かなりの分量ですけれども、記載されている内容や施策の方向性は、どれも子供や若者の健やかな成長のために大切なことが網羅されておりまして、大変納得のいくものでございました。改めて、この施策の幅広さを認識いたしました。
 特に近年、困難を有する子供、若者は、生まれてから現在に至るまでの成長環境においてさまざまな問題に直面している場合が多く、例えば貧困、児童虐待、いじめ、不登校、若年無業者、ひきこもり等の、まだまだたくさんあるんですけれども、問題が相互に影響し合うなど、さまざまな問題を複合的に抱え、非常に煩雑で多様な状況になっていると指摘されております。
 こうした方々への効果的な支援のためには、教育、そして福祉、雇用など、幅広い分野の施策に横串を刺していくことが重要です。
 そこで、関連施策の連携という観点から、この計画の意義についてお伺いいたします。

○小菅若年支援担当部長 委員お話しのとおり、子供、若者の抱える困難や課題には、複合的な要因や背景がございまして、教育や福祉、雇用などの関係機関等がこれまで以上に連携していくことが重要でございます。
 東京都子供・若者計画は、これまで策定されてまいりました都のさまざまな分野の計画等の中から、子供、若者の育成支援にかかわる施策等を集めて一覧化することで、取り組みの状況を示すとともに、施策を進めていく上での視点を示し、子供、若者育成支援を効果的に推進していくことを目指しています。
 今後、東京都子供・若者支援協議会等を通じ、関係部署、関係部局等との連携協力を一層密にし、着実な施策の推進を図ってまいります。

○のがみ委員 さまざまな分野が一覧化されていることは、これは施策間、関係部署間の連携を進めていく上でも、とても大事なことだと思います。
 計画の改定で終わらせることなく、東京都子供・若者支援協議会の場を活用して、関係部署間の連携をより深めていただきたいと思います。
 次に、前回計画時から大きく拡充されております若者総合相談、若ナビαについてお伺いします。先ほど、つじの委員からもありましたけど、ちょっと観点を変えていわせていただきます。
 先ほども申し上げたとおり、困難を有する子供、若者が抱えている問題は複合的で、非常に複雑になっていると指摘されております。
 こうした状況から、我が党は、若者の相談事業の充実を訴え、これを受け、平成二十九年度に、今まであった若者相談事業と非行少年等の支援を行うぴあすぽが統合されて、現在の若ナビαになりました。誕生したわけでございます。
 私も視察をさせていただきました。例えば、悩みを抱えた方が来所相談でいらっしゃる際には、建物の一階まで出向いていって、そこで待ち合わせをして、相談者と一緒に上の階まで上がっていくというふうに大変丁寧な対応をされておりました。
 この若ナビαでの相談受け付け状況、そしてどのような悩みが寄せられているのかについてお伺いいたします。

○小菅若年支援担当部長 東京都若者総合相談センター、若ナビαでは、若者本人やその保護者等を対象に電話相談、メール相談及び来所相談を実施しております。
 平成三十年度の相談実績の延べ件数は、電話相談が七千三百四十九件、メール相談が五百七十九件、来所相談が百三十九件でございまして、全体で合計で八千六十七件の相談を受け付けております。
 主な相談内容といたしましては、自分自身の悩みや不安のほか、仕事関係、対人関係などとなっておりまして、若者のさまざまな悩みを社会福祉士を初めとする専門家が丁寧に受けとめまして、若者の状況に応じて適切な支援機関につないでおります。

○のがみ委員 年間八千件もの相談を受け付けているということで、若ナビαのリーフレットには、どんな悩みでも大丈夫、社会福祉士を初めとする専門家が丁寧に対応しますというふうに書いてあります。月曜日から土曜日までで、日曜日はやっていないんですけれども、十一時から夜の二十時まで、年末年始を除く期間、受け付けているということで、八千件というのはかなりな件数ではないかなというふうに思っております。
 こうした総合相談、何でもいい、もやもやした気持ちでも、鬱々とした気持ちでも、何でも相談を受け付けるということなので、ぜひ皆様方のお近くで相談したい人がありましたら、連絡していただければと思っております。
 若者のニーズにさらに応えるために、我が党は昨年の第四回定例会の代表質問で、若ナビαでのSNS相談の実施を求めました。
 都は、来年度からLINE相談を開始することとしております。改めて、若ナビαにおけるLINE相談開始の狙いについてお伺いいたします。

○小菅若年支援担当部長 若ナビαにおきましては、これまでの電話、メール、来所による相談に加え、委員お話しのとおり、本年六月からLINE相談を開始いたします。
 LINE相談の開始は、若者になじみのあるコミュニケーションツールを活用することにより、相談に当たっての心理的ハードルを下げ、若者がより気軽に若ナビαを利用できるようにすることを主な狙いとしております。
 相談方法を充実させることで、より多くの若者の悩みを丁寧に受けとめ、適切な支援につなげてまいります。

○のがみ委員 日ごろ使いなれているLINEであれば、抵抗感が少ないと思っております。電話では悩みを話しにくいけれども、LINEであれば率直に悩みを打ち明けられるという若者も多いと思います。
 LINE相談においても、これまでと同様、若者の悩みに丁寧に寄り添った相談体制を整えていただきたいと思っております。
 最後に、支援機関相互の連携の促進について伺います。
 施策推進の視点3、子供、若者の支援に社会全体で重層的に取り組む視点にあるように、子供、若者の抱える困難や課題には総合的な要因や背景があり、よりよい支援のためには、複数の支援機関等が重なり合うような密接な連携、いわゆるスクラム連携を組んでいくことが必要です。このスクラム連携、とてもわかりやすく、いい表現だと思うんですけれども、いうはやすく行うはかたしという感もいたします。
 これまで質疑をしてまいりました若ナビαでは、若者のさまざまな悩みに応じ、適切な支援機関につないでいます。これは、若ナビαが地域の支援機関と良好な関係を築いているからこそできることだと思っております。
 地域における支援機関相互の連携を促進するため、若ナビαをさらに活用していただきたいと思います。そこで、本部長の見解をお伺いいたします。

○國枝都民安全推進本部長 委員お話しのとおり、困難を有する子供、若者が抱えている問題は複合的で非常に複雑になっており、さまざまな分野の機関、団体が連携して支援に取り組んでいくことが求められております。
 一方、若者総合相談センター、若ナビαでは、一人一人の若者の状況に応じた適切な支援につないでいくため、各地域、各分野で活動している支援機関、民間団体との関係構築に努めております。
 計画改定に向けた検討においてもこうした若ナビαの活動に期待する意見が寄せられており、中間のまとめでは、若者自立支援の総合的展開として新たに若ナビαにおける取り組みを盛り込んでおります。
 具体的には、若ナビαにおいて、若者自身を適切な支援につなぐことに加え、ノウハウの提供や助言など、若者支援の現場で課題に直面している支援者に対する支援にも取り組んでまいります。
 さらに、日々の活動を通じ、関係機関や民間団体相互のネットワークづくりに寄与していくなど、若ナビαのさらなる活用を図り、地域における支援機関相互の連携促進を図ってまいります。
 こうした新たな取り組みも着実に進めながら、多くの若者の悩みを受けとめ、適切な支援につないでいくことで、社会的自立を後押しできるよう全力で取り組んでまいります。

○中屋委員 私からは、地域の安全・安心対策について何点かお伺いいたします。
 本年は東京二〇二〇大会が開催される年でありまして、都民や都を訪れる方々の安全・安心を確実に確保していくことが重要であります。
 また、大会後も都民の安全・安心を守っていくことが求められております。
 そのためには、都のみならず、区市町村や民間団体、ボランティアなどが一体となって、地域の安全・安心に向けて、より一層取り組まなければなりません。
 都は、防犯カメラを、区市町村とともに自治会、商店会などの協力を得て設置を促進し、ハード面の充実を図ってまいりました。
 ちょっと心配がありますので、申し上げます。
 防犯カメラ事業というのは、平成十五年から始まりました。私も最初から取り組みにかかわっておりますけれども、当初はプライバシー侵害だとか、いろんな苦労をしたわけです。しかし、今は、あって当然だという風潮に変わってまいりました。
 現在までに補助事業として取りつけたカメラの数というのは約二万台であります。毎年毎年、設置数については変化はありますけれども、ここ数年ふえているように思います。特に町会、自治会については、ふえてきているように感じます。
 今後も変わらず、都の考えとして設置促進で、頑張ってもらいたいと思っております。
 つけ加えれば、今回の新型コロナウイルスによって経済は悪くなるわけですから、当然治安が悪くなることは想定しなければならないわけです。ぜひそこは警察庁キャリア官僚であります國枝本部長を先頭に、警視庁と連携をして、強化していただきたいと、こう思っております。
 こうしたハード面の充実のほか、都民一人一人がまちの安全・安心を常に意識して行動することが必要でないかと思います。
 また、昨年は子供などの弱者が巻き込まれる悲惨な事案が発生しておりまして、地域の安全・安心に資する施策をより強力に進めることが求められております。
 そこで、地域で子供などの弱者を見守るための取り組みについてお伺いをいたします。

○高野治安対策担当部長 当本部におきましては、東京都安全安心まちづくり条例に基づきまして、安全で安心して暮らせる東京を実現するため、防犯ボランティアの活動支援や防犯カメラの設置補助などの対策を講じております。
 子供が犠牲となる痛ましい事例が後を絶たないことを踏まえまして、地域を見守る方をふやすため、都内で活動しております市民ランナーや犬の飼い主の協力を得まして、ランニングや犬の散歩をしながらまちを見守っていただく活動を推進しております。
 さらに、令和二年度におきましては、事件、事故に遭う危険性が高まる小学校入学を直前に控えた子供を対象に、すぐ逃げる等の実践訓練を行い、また、学んだことをご家庭で復習できる教材も提供して、子供の危険回避能力を向上させる、親子で学ぶ小学校入学前の防犯教室を開催し、子供自身の安全教育を行うとともに、保護者の意識の向上も図ってまいります。

○中屋委員 大変有効な取り組みであると思います。
 ランニングや愛犬の散歩など、ふだんの生活を通じて都民の皆様に地域の見守りを担っていただくこと、地域の見守りの目をふやしていくことは、犯罪を起こす行為をちゅうちょさせることが大いに期待できまして、ハード面の防犯カメラの設置整備とあわせて、大いに有効な対策だと思います。
 また、子供や保護者が一緒になって防犯についてご家庭でも学ぶことができる防犯教室は、子供が犯罪の危機に直面したときに自分の身を自分で守るための力を身につけさせて被害を防止するためには、やらなければならない急務な対策であることから、効果的に進めていただきたいと、こう思います。
 一方、都が運営しておりますポータルサイトであります大東京防犯ネットワークには、八百以上の防犯ボランティアの組織が登録されておりますが、このような団体においては、高齢化や人材不足への対応が課題となっていると聞いております。
 こうした中、例えば青色回転灯を点灯させながら車両で地域を巡回しております青色防犯パトロールは、少人数でも広範囲に効果的な見守りができる有効な手法であると考えます。
 都における青色防犯パトロールの活性化に関する取り組みについてお伺いをいたします。

○高野治安対策担当部長 都におきましては、防犯ボランティア団体の充実や活動の活性化を図るため、防犯の専門家によるセミナーのほか、団体間の交流を深めるため、意見交換の場を設けるなど、防犯ボランティア団体の活動を支援しております。
 また、防犯ボランティア団体の概要や活動事例、子供の安全対策と区市町村の取り組み等を掲載したポータルサイト、大東京防犯ネットワークを運営して、青色防犯パトロールを初めとする防犯に関する情報を発信しております。
 委員お話しの青色防犯パトロールにつきましては、現在、青色回転灯などの資器材の補助を行っているところでございますが、来年度はさらなる活性化を目的に、新たに都民安全推進本部の表彰制度におきまして、青色防犯パトロールの部門を分け、その活動をより的確に検証できるよう、制度の改善を図ってまいります。

○中屋委員 ぜひよろしくお願いします。
 さて、近年、我が国では検挙人員に占める再犯者率が約五割で推移しておりまして、都民の安全・安心を確保するためには、犯罪の繰り返しを防ぐことが喫緊の課題であります。
 非行少年や犯罪をした者は、それぞれに複雑な背景や事情を抱えていることも多いのであります。
 更生し、二度と犯罪をしないよう健全な社会生活を送っていくには、彼らを温かく励ましつつ、個々のケースに即して伴走してくれる存在が必要であります。現在、主にそのような役割を担っているのは、保護司を初めとした民間協力者であります。
 しかしながら、これらの方々の活動は、非行少年や犯罪をした者の立ち直りを支えたいという思いと善意によるところが大きく、また、対象者の背景が複雑であることなどから、最適な支援策の選択に迷いが生じるなど、悩みも多いと聞いております。犯罪をした者などの立ち直りに向けた継続的、発展的な活動を促進するのであれば、まずはこれらの方々への支援を充実することが必要ではないかと思います。
 保護司など地域において地道に再犯防止に取り組む方々への支援について、私は昨年六月の総務委員会においても指摘をしたところであります。
 都として、民間協力者などの活動を促進していくべきであると考えますが、見解を伺います。

○高野治安対策担当部長 委員ご指摘のとおり、再犯防止の推進に当たりましては、地域におきまして非行や犯罪からの立ち直り支援に取り組む方々の活動が非常に重要でございます。
 このため、都は、立ち直りに携わる支援者等が犯罪をした者等から相談を受けた場合に、個々の状況やニーズに応じた支援ができるよう、さまざまな支援機関や団体、制度などの情報を一元化したガイドブックを作成いたします。
 作成に当たりましては、実際に支援に携わる方々に対しまして、どのような事例における対応策を知りたいか、事前にアンケートを実施しております。その結果、関心が高かった事例について、支援の流れをわかりやすくフローチャートで示すなど、今後再犯防止に向けた支援に携わる方も含めて、ご利用いただきやすいものとなるよう工夫をしてございます。
 こうした取り組みによりまして、立ち直りを支援する方々の活動を後押ししつつ、これから担っていく方々の裾野も広げ、保護司を初めとした民間協力者などの再犯防止に向けた活動を支援してまいります。

○中屋委員 ありがとうございます。
 犯罪をした者などが二度と犯罪をすることがないようにするためには、地域でその立ち直りを支えていくことが大切です。そのかなめとして、保護司などの地域の支援者やボランティア団体などの活躍が期待されるところであります。このガイドブックが再犯防止に向けた地域の支援力の底上げになることを期待いたします。
 最後に、都民安全推進本部は、国や警視庁、区市町村、関係各局、民間団体など、地域の安全・安心を守る組織の結び目としての活躍が期待をされております。
 そこで、警視庁、区市町村、関係団体、都民とともに誰もが安全・安心を実感できる社会の実現を目指す本部長の決意をお伺いいたしまして、質問を終わります。

○國枝都民安全推進本部長 近年における犯罪情勢として、刑法犯の認知件数は減少傾向が続いておりますが、特殊詐欺やSNS、ソーシャルネットワークサービスに起因する子供への犯罪など、高齢者や子供などの弱者が被害者となる犯罪は後を絶たない状況にあります。
 また、都民の治安対策に対する期待は高く、世論調査においては、都政への要望として、治安対策が上位を占めているところであります。
 都民の安全・安心を確保していくためには、防犯カメラなどのハード面の整備を着実に進めることに加え、都民や防犯団体、民間事業者など、あらゆる主体が防犯への取り組みを強化し、地域の防犯力を高めるソフト面での取り組みが重要であります。
 さらに、委員ご指摘の犯罪をした者等が地域で立ち直れるような支援も重要さを増しております。関係機関と連携した取り組みの推進が、より一層大切になっていると認識しております。
 今後も、誰もが安全・安心を実感できる東京の実現を目指し、引き続き、警察や区市町村、関係団体等との連携を推進するとともに、都民の皆様の安全・安心に資する普及啓発活動を積極的に行うなど、社会情勢の変化に迅速に対応して、効果的かつ効率的な安全・安心対策を講じてまいります。

○米倉委員 まず、私からは、若者のネット、スマホトラブルについて伺います。
 子供や若者のネットやスマホ利用に伴うトラブルの未然防止や相談事業なんですけれども、今、ネットの低年齢層の利用が広がる中で、危険やトラブルは後を絶たない状況だと思います。
 都は、トラブルが起きた際の相談窓口として、こたエールを運営しています。事業概要には過去五年間の相談実績が記載されていますが、これを見ますと、その時々でトラブル内容も変わってくるということがよくわかります。
 そこで伺いたいのですが、過去三年を見ますと、二〇一六年から一八年ですが、架空請求は大幅に減る一方で、交際や削除方法、依存についての相談がふえています。
 まず伺いたいのが、この三つの相談はそれぞれどのような内容なのか伺います。

○高野治安対策担当部長 ネット、スマホの悩みを解決、こたエールへの交際、削除方法、依存の相談内容についてでございますが、交際では、SNSに起因した交際上のトラブル、学校内のトラブルなど、削除方法では、安易に掲示板にアップしてしまった友人の写真の削除方法など、依存では、子供のスマートフォンの利用による生活の乱れや、それに関する保護者の不安などについての相談が寄せられております。

○米倉委員 ありがとうございます。
 ネットでのトラブルを防ぐための普及啓発は都も取り組んでいますが、そこでどういう立場で情報を発信するかということも大切だと思っています。
 ネットの正しい使い方ですとか、危険な目に遭わない知識を伝えるということはもちろん一番重要ではあるんですが、発達途中の子供たちの場合、幼い方から今ネットを使っていますから、教えてもらっても、やはりまずいと思う状況に陥ることはあることだと思っています。
 ネット利用について教育する際に、正しい知識だけではなくて、そこから外れてしまった子供も実際いますから、やっぱりそういう子供にとっても、そういう場合はあるんだと、そういう場合は適切に大人の力をかりて対処すればいいんだということが知らされることは大切だと思っています。
 やっぱりそういうふうにしないと、いざというときに相談しにくくなると思っています。特にこういう子供が発達途中だということを踏まえて、間違ったことは起きる可能性があるんだよということとあわせて、相談できる場も示すということも位置づけていただきたいと思っています。
 こたエールを取り組んでいらっしゃいますけれども、どのように都民へ周知しているんでしょうか。

○高野治安対策担当部長 青少年の判断能力が未成熟であることにつけ込まれたインターネット利用による各種トラブル等の相談を受ける窓口として、こたエールを運営しておりますが、当本部におきましては、こたエールを広く周知するため、各種SNSを利用した情報発信を行い、また、小中学生及びその保護者へ各種リーフレットを配布しております。
 さらに、ネットやスマホの安全・安心な利用について学ぶファミリeルール講座におきましても周知を図っております。

○米倉委員 子供にとって、相談窓口に相談するということは、責められたり、拒絶されたらと不安になる中で、やっとの思いで相談する場合が多いと思います。都として、相談窓口について、SNSなども利用して相談を呼びかけているということは大切だと思います。
 ファミリeルールについては、子供の発達も踏まえた情報提供も行っているということを聞いています。都としては、小学校五年生、中学校一年生の保護者にもリーフレットを配布していると聞いていますし、子供たちに対しても、小学校五年生、中学校一年生は全員にリーフレットを配布しているということを聞いていますから、ぜひそこでもそうしたことも踏まえた周知をしていただきたいと要望しておきます。
 あわせて、サイトについては、こたエールのことなんですけれども、子供や若者の多くは今スマホからアクセスすることになりますので、スマホからもサイトが見やすい形にしていただきたいと思っています。
 次に続くのですが、インターネットやSNS利用によって青少年が性被害に遭うことはいまだに増加傾向です。
 都は、ネット利用による性被害を防止するためにさまざま取り組んでいますが、その内容と目的について伺います。

○高野治安対策担当部長 都におきましては、青少年がインターネット利用に起因した各種犯罪やトラブルの被害者にも加害者にもならないように、各種施策を通じて普及啓発を実施しております。
 具体的には、ネット、スマホのトラブル相談窓口、こたエール事業、ネットやスマホの安全・安心な利用について学ぶファミリeルール講座事業、年代別に作成をしておりますリーフレットによる啓発事業、各種SNSアカウントを利用した広報啓発事業、インターネット利用に伴う危険性の除去に資するものとしての携帯電話の機能やアプリケーションの推奨事業、SNSトラブル防止動画コンテスト事業、インターネット関連企業との啓発、広報事業などの施策を実施しておりますが、このうち、こたエールにおきましては、性被害についての相談に対応することはもちろん、インターネットに起因する自画撮りや各種犯罪の被害の現状や危険性、早期相談の有効性について周知を行っており、また、ファミリeルール講座におきましては、インターネット利用に起因する性被害が身近な問題であることを大学生ファシリテーターとグループワークにおいて学ぶなど、講座の充実を図り、性被害を一件でも減らすための工夫をし、普及啓発を行っております。

○米倉委員 いろいろ取り組んでいらっしゃるということです。特に中高生向けに、自画撮り被害などを防止するために大学生とグループワークで学ぶ講座ということを取り組んでいらっしゃると今お話もありました。
 こういう取り組みは本当に大切だと思っています。ぜひ、やっぱり聞く講演スタイルだけでなくて、こうした交流を通して考えることができる場というものを今後もふやしていただきたいと思います。
 都は、だまされたりおどされたりして十八歳未満の子供が裸体等を撮影させられた上、メールなどで送らされる自画撮り被害の防止のために、普及啓発ですとか相談事業、条例改正も取り組んできました。
 自画撮り被害などの被害に遭いますと、実態としては、もうどうすることもできないと諦める方が多いと聞いています。
 しかし、私も先日、児童ポルノを初めとした性的搾取で被害に遭った方への支援やトラブルを防ぐための取り組みをしているPAPS、ポルノ被害と性暴力を考える会という支援団体のお話を聞きまして、ここは、児童ポルノやリベンジポルノ、AV出演強要での販売が停止されたAVの削除要請をボランティアで行っていまして、ここの実績を聞きましたら、ネット上で拡散された画像や映像を探し出して、サーバー管理者を特定し、削除要請をしているんです。削除要請によって、ケースにもよるんですが、児童ポルノやリベンジポルノは、ほぼ全て削除していると。AVについても約七割削除しているということです。被害に遭っても対処することはできるということが、もっと知らされることは必要だなと思っています。
 自画撮り被害に遭った方には、一人で悩みを抱えることのないように、早く適切な機関に相談してもらうことが大切だと思います。
 被害画像の拡散を抑えるためにも、早期の相談を進める必要があると思いますが、都の対応を伺います。

○高野治安対策担当部長 自画撮り被害等につきましては、一人で抱えずにいち早くこたエールに相談をしてもらえるよう、リーフレットやファミリeルール講座等において啓発を行っております。
 実際に自画撮りの被害に遭った青少年からの相談があった場合には、相談者に寄り添いながら、状況により警察への被害申告が必要であることを伝えるとともに、保護者等を通じた掲示板管理者への削除要請を行うことなど、被害画像等の拡散防止に資する削除方法を案内するなどしております。

○米倉委員 ぜひそうした取り組みとあわせて、こういう具体的な支援を行っている団体もありますので、こうした支援団体との連携も検討していただきたいと思います。
 あと、今こういう人権にかかわるような発信をした場合、発信者を特定することも可能なわけで、やっぱりそういうこともリテラシーとして普及していってほしいなと要望しておきます。
 続きまして、東京都子供・若者計画の第二期計画の案、中間まとめについて伺います。
 今回の中間まとめは、東京都青少年問題協議会を開いて、その中で関係者の皆さんの議論を踏まえてつくられたものです。
 専門部会も、私も少し傍聴させていただきましたが、子供や若者への支援について真剣な議論が行われていまして、関係者の皆様には感謝を申し上げます。
 この中間のまとめの内容も、施策推進の視点で書かれていることは本当に大切なことだなと思っています。
 いろんな中で既にお話もありますが、やはり一点目で、当事者の目線に立って意見を聞いて、その年齢や発達の程度に応じて、最大限尊重して、支援に反映させていくということは、もう本当に大切な姿勢になりますし、二点目で、支援の過程では、結果は必ずしも期待どおりにならないよ、なるとは限らないと、長期的な視野で行きつ戻りつの支援をすることが大切だということですとか、三点目の、子供たちの困難の背景には複合的なものがあるということで、複数の支援機関が重なり合って連携していくこと、社会全体で成長を見守っていく視点ということで、これは本当に若者支援を考えたときに大切な視点だと思っています。
 ぜひこの内容で、計画だけでなくて、都庁全体の青少年の取り組みが進むことを求めたいと思っています。
 私たちは、この第二期の計画をつくるに当たって、当事者の声をよく聞いていただきたいということを要望してきました。
 まず伺いますが、計画をつくるに当たって、子供や若者の意見はどう聞いているのか、また、今後についてもどう検討しているのか伺います。

○小菅若年支援担当部長 東京都青少年問題協議会では、子供、若者支援に見識の深い有識者や子供、若者のさまざまな意見や実態等を直接見聞きしている民間支援団体の方々から成る若者支援部会を設置いたしまして、計画改定について検討、審議を実施してまいりました。
 部会の審議におきましては、若者の実態を踏まえた具体性のある意見交換を進めていきたいとの方針を確認するとともに、国が行った青少年意見募集事業結果を提供しております。
 また、現在パブリックコメントを実施中でございますが、実施に当たりましては、報道発表とあわせまして、意見募集のチラシを作成し、都内の高校、大学や支援機関などに掲示を依頼しております。

○米倉委員 当事者の意見を酌み上げるという点では、国が行った意見募集の内容を共有しているということ、また、中間のまとめについてのパブリックコメントに意見を寄せていただけるように、チラシなどを学校などに届けているということです。
 パブリックコメントに意見を寄せてほしいということで広く呼びかけるということは、恐らくこれまでにない取り組みだと思っていまして、大切なことだと思っています。
 この意見募集のチラシを広く送付していらっしゃるということなんですが、これはどういう考えで作成をされたのか、また、具体的にどの程度配布しているのかも教えてください。

○小菅若年支援担当部長 若者支援部会での委員のご意見を踏まえ、計画の対象となる子供、若者やその支援者などから意見が寄せられるよう、都内の高校、大学、短大、専門学校や若者支援等を行っている関係行政機関、民間団体などに、全体といたしまして約千二百カ所にチラシを配布いたしました。

○米倉委員 広く対象となる若者や支援にかかわる方から意見を寄せてもらうために行ったということで、都内の高校や大学などは全てチラシは送られたと聞いています。民間団体、関係機関、学校を合わせて千二百カ所にパブコメの案内を送っているということで、これはこれまでにない取り組みだと思います。
 やはり都として、広く関係者の声を集めて、そうした声をもとに東京都の子供や若者の実態を反映した計画にしていただきたいですし、集まった実態もぜひ各局とも共有して、都庁全体の取り組みに生かしていただきたいと思います。
 第二期の計画案についてですが、今後の計画の進捗についてはどう検証や議論の場をつくっていくのか、そこに当事者は参加するのかも伺います。

○小菅若年支援担当部長 中間のまとめでは、東京都子供・若者支援協議会において、計画の中間年を目途に、各施策の進捗状況をもとに、次期計画において見直しを行う上での課題整理等を行っていくこととしております。
 子供・若者支援協議会には、教育、保健、医療、福祉、雇用、矯正、更生保護等、各分野の行政機関のほか、民間支援団体など、子供、若者のさまざまな意見や実態等を見聞きしている多様な機関が参加しております。

○米倉委員 今のご答弁は、第二期の計画期間が五年間ありますが、その中間年をめどに、第三期計画の見直しのための課題整理を行っていくという趣旨の話でした。
 このこと自体はこれまでの計画には定めがなくて、今回の改定の議論は、そういうこともあってだと思うんですが、かなり議論の時間がタイトになりましたから、大切なことだと思います。
 ただ同時に、五年間の第二期計画がどう進んでいるのか、また、子供たちの置かれる状況の変化もあると思いますので、そういうことを議論する場も必要だと思っています。
 このことについてもぜひ新たな計画では位置づけていただきたいと、これは改めて要望します。
 こうした計画の進捗を議論する場や、また、計画の改定に向けた議論などに当事者参加の枠を設けることは必要だと思っています。
 今回の計画改定に当たっては、都は、パブリックコメントを広く呼びかけたりするなど、新しい取り組みをされているということはとても重要なのですが、子供や若者が計画についての議論に参加できるようにする必要があると思います。
 そのやり方の一つとして、青少年問題協議会に若者の参加枠を設けるということもあると思います。子供、若者の参加を青少協などで位置づけていくことは可能なんでしょうか。

○小菅若年支援担当部長 東京都青少年問題協議会は、東京都青少年問題協議会条例により設置しておりまして、委員構成も規定されております。
 委員につきましては、審議事項に応じまして、その分野や実情に見識の深い方などを選任しております。

○米倉委員 お答えのとおり、青少年問題協議会の委員構成は条例で規定されています。ですから、改正をすれば、若者の参加を位置づけることもできるわけです。
 今、実態としては、都民公募が二人の枠があって、場合によっては、そこに若い方が手を挙げて選ばれることもありますが、やっぱりそのぐらいしか参加の枠はない状況ですから、ぜひこれは検討していただきたいと思います。
 ちょっと追加で伺いたいんですが、こういう若者参加、例えば青少協に参加の枠を位置づけるだとか、こういうことは検討したことはあるんでしょうか。

○小菅若年支援担当部長 まず、委員でございますが、都といたしましては、審議事項に応じまして、世代にかかわらずその分野や実情に見識の深い方を選任しております。
 また、子供、若者の意見の聞き方につきましては、調査、審議の進め方の検討の中で決めていくものというふうに考えております。

○米倉委員 ぜひ、当事者の参加をどう確保していくのかということは、これから議論していただきたいと思います。
 私自身のことなんですが、この間、例えばいわゆるブラック校則をなくそうですとか、就活セクハラや性暴力をなくしたいと高校生や大学生が今あちこちで声を上げていらっしゃるんですが、そういう方から話を聞く機会がありまして、本当に当事者の皆さんが--若者についての政策を私たちが検討するときに、そういう声をよく聞くことが大切だなと実感をしています。
 それは、切実な実態だとかがわかるということにとどまらず、そこで、当事者としてかかわる若者が、自分たちの置かれる状況に違和感を持ちながら、学びの中で、これはおかしいことだし変えることを求めてもいいんだというふうに気づく中で、そういう方々は声を上げるということを選んでいらっしゃるんですけれど、そういう主権者ですとか一人の主体としての成長を踏まえて、その人たち自身の声があるなというふうに思っています。
 就職活動でセクハラに至るところで遭うんですということで、学生のお話を聞きましたけれども、その方たちは、ただ被害に遭ってしんどかったという話にはとどまらなくて、これはやはり社会全体の人権感覚を引き上げることが大切なんだということを語られたりですとか、実際に、そういうことを社会に発信していらっしゃいます。
 ひどい校則をなくそうと高校生などが声を上げていますが、こういう方たちも、ただひどいという話ではなくて、そこから実際に例えば学校にかけ合ってみたりする中で、話し合いを重ねてルールを決めることの大切さだとか、自分たちはそういう中で民主主義とはこういうものかということも学んだというような話もされていて、やはりそういう、この社会の一つのプレーヤーとして、また、その人たち自身の政策について議論するわけですから、やっぱり参加はこちらから閉ざすということではなくて、こちらが確保して、ぜひそういう意見をいいたい方は迎え入れるというふうにしていく必要があるなというふうに思っています。
 青少年問題協議会の場だけでなくて、都の政策や方針決定に当たっても、青年の参加を位置づけることは重要だと思っています。
 計画では、こうした子供の意見表明権などは位置づけているんでしょうか。

○小菅若年支援担当部長 東京都子供・若者計画の位置づけは、子供、若者の育成支援にかかわる施策等を集めて一覧化することで、取り組みの現状を示すとともに、子供、若者支援に係る視点を示して、子供、若者育成支援を効果的に推進するものでございます。
 施策推進の視点では、一人一人の子供、若者の最善の利益を尊重する視点といたしまして、支援に当たっては、その能動性を引き出すため、当事者である子供、若者の目線に立ち、意見を尊重し、支援に反映させていく姿勢が重要である旨、盛り込んでおります。

○米倉委員 当事者の子供たちの意見を尊重し、支援に反映する姿勢が重要ということです。ぜひそれにふさわしい仕組みもつくっていただきたいと要望します。
 東京都の若者の実態や支援の課題などについて、計画をつくるに当たっての議論の蓄積を反映することも大切だと思っています。青少協の中でも、地域の具体的な取り組みなどが紹介されたりしています。こういう内容についても計画の中に取り入れることが重要ですが、いかがですか。

○小菅若年支援担当部長 計画の改定に当たりまして、東京都青少年問題協議会におきまして、子供、若者の実態や課題に見識の深い委員からの知見の紹介や、関連する主要なデータ等によりまして、実態把握や課題整理を実施してまいりました。
 こうした審議を反映いたしまして、先月、協議会として中間のまとめを決定いたしました。さらに、パブリックコメントの実施を経まして、その後、答申を決定する予定となっております。
 都としては、協議会の答申を受けまして計画を決定していくこととしております。

○米倉委員 ぜひ議論の内容も盛り込んでください。
 あわせてですが、今回の中間のまとめは、視点は非常に重要なことを書いているんですが、具体的な取り組みは各局の取り組みをまとめるにとどまっています。ぜひここでの議論を生かして、各局の施策をどうするかということも議論して盛り込んでいただきたいと最後に要望して、終わります。

○宮瀬委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは、さまざまな観点もあるんですけれども、事業全般についてお伺いしたいと思います。
 私の方は、わずか十二年ですが民間企業で働いていまして、常に数字とか売り上げとか、そういったものをどう達成していくのかというところに非常に尽力を重ねてきたわけでありますが、総じて皆さんの事業を拝見させていただきますと、重要な事業が大変多いと。振り込め詐欺の問題もそうですし、万引きですとか、外国人、交通安全等、人に軸足を置いて、本当に皆さんのご活躍が都民の皆さんの幸せに直結している事業だなと思っているわけでありますが、私、長年疑問に思っておりますのが、そういったミッションは大変いいものなんですが、実際そのミッションを達成するに当たっての計画が少しずれているのではないかと。
 さきの十二月四日の総務委員会において、外国人の在留マニュアルといったもの、外国人の方が大体五十七万人、東京にいらっしゃっていて、その支援策が、目標は何ですかと聞きましたら、目標数値が出てこないと。しかも、この数字が、大体このリーフレット等で勉強している方が三千四百七名ということで、五十七万人を分母としますと、その影響力がわずか〇・六%だと。
 しかし、その事業の目的をさかのぼりますと、一人でも多くの外国人がトラブル等に巻き込まれることがないようにしていくのが目的ですよと。しかし、実態はなかなか、留学生に限ってもわずか三%のリーチしかないといったことで、九七%の人たちをどうするんですかといったことで質疑を重ね、目標数値のところで一切答弁がかみ合わず、次の宿題とさせてくださいといった質疑で終えた記憶がございます。
 改めて、それから数カ月たちまして、外国人滞在支援対策事業の目標数値について、その設定について検討されていると思いますが、その検討結果を教えてください。

○高野治安対策担当部長 トラブルや犯罪に巻き込まれた在留外国人の数は把握しておりませんが、一人でも多くの外国人が、トラブル等に巻き込まれることがなく、安全・安心な生活を送ることができるよう施策を展開しておりまして、そのうちの一つとして、都では、来日して間もない外国人留学生に対しまして、外国人が犯しがちな、いわゆる入管法、刑法、道路交通法等の日本の法律、またルールやマナーを理解してもらうための講習会を実施しております。
 本講習会におきましてこれまで知らなかった法律等を習得し、理解していただくことが、トラブルや犯罪に巻き込まれないことにもつながるものと考えております。
 このため、講習会を実施した日本語学校等におきまして受講生にアンケートを実施し、講習会における内容の理解度を八〇%以上とすることを目標値として設定をしてまいります。

○宮瀬委員 講習会に参加された方に理解度をとって、八割以上の方が理解することを、目標数値と設定したといったことで、ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、講習会に出ている人は、五十七万人のうち、単年度でありますが三千四百七名ということで、その中の満足度でございます。リーチしていない人たちが九割以上いることになりますので、今後、新たにリーチしていない五十数万人、九割以上の方々に対する対応も求めていきたいと思います。
 これは外国人の在留について例をとったんですが、ほかにも事務事業概要を見ますと、皆さんの仕事、大変重要な仕事があるんですが、目標数値がないと。例えば、先ほど質疑がありました自画撮り被害のところもです。本来であれば、そのトラブル件数をちゃんと把握して、それを減らしていくことが大事だと思うんですけれども、打ち手がパンフレットの作成ですといったことで、どれだけ被害が減るのかなと思っております。
 こういう状況の中で、政策企画局の方から、伝わる広報にしてくださいと、PDCAサイクルを回して、広報の目標をしっかりと効果測定も含めてやってくださいという依頼が、ついに、ことしの一月二十一日に出てまいりました。皆さんの事業は広報啓発事業が多いと思いますけれども、改めて、目標や指標を定めているのかお伺いいたします。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本部事業の普及啓発につきましては、ポスターやリーフレットの作成、ホームページ、SNSによる情報提供、ウエブ広告による周知、イベントや講習会の実施など、さまざまございます。
 広報効果を高めるためには、事業の内容に即した広報目標、これは対象となる方などですけれども、それとか公表目標指標、KPIですか、認知度とか理解度、これを設定しまして、広報の見直しを行っていく、そういうことが必要だというふうに認識しております。
 本部ではこれまでも、こうした事業に目標や指標の設定を--全てのものはできておりません。それは事実でございます。その中で、できるだけイベントや講習会などでアンケートなどを実施することによりまして、参加された方の理解度等を含めて、分析結果を本部で共有いたしまして、業務の見直しに役立たせているところでございます。

○宮瀬委員 必ずしも行っているものではないといったことでありますが、私もこれを見て思ったのが、例えば自転車用ヘルメットの普及促進事業というのがあるんですけれども、普通に考えれば、自転車に乗っているときにヘルメットをかぶっている人の数が当然指標になるのかなと思うんですが、ポスター二千四百枚、リーフレット十六万部ということだと、少しミスマッチが起きているのではないかなと思っています。
 数字を確認しますが、都民安全推進本部で広報を行っている事業は幾つあって、あわせて聞きますけれども、そのうち目標や指標を定めているものは幾つあるのか、あわせてお伺いします。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 本部の事業につきまして、予算上の事業区分でございますけれども、本部事業のうち、広報を行っている事業は二十二事業ございます。この広報を行っている二十二事業のうち、数値で目標を定めているもの、これにつきましては十五事業ということになってございます。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 十五事業、当然、見るんですけれども、身近な犯罪の防止対策で、特殊詐欺の被害の防止、振り込め詐欺の防止が挙げられているんですけれども、ここでも、本来であれば振り込め詐欺に遭った人の数が指標になって、それをどう減らしていくかが設定だと思うんですけれども、その公演が年八十回といった形になっています。
 こういう設定の仕方ですと、どれだけ振り込め詐欺に苦しんでいる方が減っていくのかがよくわからないと。そういった中で、伝わる広報という通達が、依頼でありますが、出たんですけれども、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当本部の事業の実施に当たりましては、実効性ある広報活動を展開していきたいというふうに考えております。いかにして都民の方に事業の内容を理解していただくか、こういったことを効果的に事業を推進していく上で考えていくということが基本であると考えております。
 お話のありました政策企画局からの通知に基づきまして、当本部では既に、依頼のありました企画提案方式による広報委託業務につきましては、準備契約において、仕様書にKPIの設定及び効果測定の実施を記載してございます。
 また、それ以外の広報委託業務につきましても、事業の効果測定が可能となりますように、例えばウエブ広告におけるクリック数とか、ホームページの閲覧回数、イベント来場者数等を設定するなどしまして、通知を踏まえた事務事業を進めるように、本部内での周知を徹底しているところでございます。

○宮瀬委員 今のご答弁をまとめますと、委託をして外注しているようなものは多分、コンペをする際に、仕様書にそれを設定して、その受注した会社さんに設定してもらっていると。
 ウエブ広告については、わかりやすいですので、クリック数等を設定しているということでありますが、やはり皆さんの事業はウエブだけでもありませんし、委託していない、皆さんがやっている事業の方が私は多いと思います。そうなってきますと、今いった委託業務以外のもの等も、しっかりと全ての事業において目標や指標を設定すべきと考えますけれども、見解を伺います。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当本部の事業に対します都民の理解を促進しまして、効果的に事業を促進するということのためには、お話の委託業務以外の広報業務につきましても、目標等、どのような人を対象として、どうやって都の事業の理解を深めていただくか、こういうことの検討が必要だと思っております。
 こういう検討を踏まえて、目標等を設置する必要があるというふうに認識しているところでございます。当然、事業を行っていく際には、このような目標設定を考えることが必要だというところでございます。
 また、目標につきましては、設定で終わるのではなくて、その後の事業の見直しとか、手法の検討などにつなげていかなければならないものというふうに考えております。
 今後とも、PDCAサイクルを適切に運用して、伝わる広報、どれだけ東京都の事業について認知、ご理解していただけるか、そういったこともちゃんと考えて、伝わる広報の事業に向けて、広報業務の実施に当たって、可能なものについて目標等の設定に努めていきたいというふうに考えてございます。

○宮瀬委員 可能な限りやっていくという前向きなご答弁をいただきました。
 私、ちょっと繰り返しで恐縮なんですけれども、やはり大事なのは、講習会をやること、そしてその回数ではなくて、振り込め詐欺の被害に遭うご高齢者の方がどれだけ減るのか、また、交通事故に遭う方がどれだけ減っていくのか、子供の万引き防止であれば、子供の万引きがどれだけ減っていくのか、在留外国人のトラブルも当然、予期せぬトラブルに巻き込まれた人がどれだけ減るのかというところが、目標数値であるべきだと思っております。
 その中で、やはり私も、総務の皆さんとここ七年ほどずっと議論をしてまいりまして、ついに新たな都政改革ということで、政策評価の取り組みが行われたと。そこの政策評価の中で、今お伝えしました手段と目的をどうマッチさせていくのかといったことで、皆さんもけんけんがくがく議論されたと聞いております。
 そこで、この黄色い事務事業の冊子には出ていませんが、ついに、私ちょっと感動したので幾つか読みたいと思いますが、交通安全の対策として目標数値が、子供の交通事故死傷者数、二〇一八年で二千二百三十三件、これを五%、二〇二〇年度までに減らしていくと。特殊詐欺も講演会の数ではなくて、特殊詐欺の認知件数三千九百十三件を、これはまだちょっと曖昧ですけど、前年度より減らしていくと。このように真っ当な、高齢者の交通事故死者数も四%減らしていく、子供の交通事故死者数も五%減らしていくと、明確に出たことを大変評価したいと思います。
 しかし、この項目が全部で十一項目しかなくて、では、さっき、ちょっとヘルメットの話ばかりして恐縮ですけれども、ヘルメットの普及促進が、本当にポスターとリーフレットの取り組みでいいのか。やはり私は、当然ヘルメットがどれだけかぶられているかを指標にすべきですし、子供の万引き防止であれば、目標数値は、万引き防止の啓発リーフレットを三十九万四千部刷ることや音楽劇四回ということが目標であってはいけないと思います。
 このように、総務局が出したいわゆるアウトカム、成果指標に基づいてしっかりとやっていきましょうといったものを、ほかの事業にもしっかりと展開していくべきだと思いますが、見解を伺います。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今年度の政策評価制度におきましては、それぞれの目標、指標につきまして、制度所管局である総務局や都政改革アドバイザリー会議の政策評価分科会構成員との意見交換を踏まえまして設定して、実施しているところでございます。
 現在、施策を推進するため、この評価制度の目標、指標の達成に向けて着実に事業を実施しているところでございます。その上で、今年度の達成状況等を踏まえて、この施策の推進の目標の設定状況とか指標の状況についての自己評価なり、総務局、制度所管局とともに意見交換なりを行っていく予定にしてございます。
 そのような達成状況、検討状況を踏まえて、今後、他の施策の推進とか、事業の状況等に合わせて、適切な目標とか指標の設定等を検討していくということになっていくというふうに考えてございます。

○宮瀬委員 ご答弁ありがとうございます。前向きな答弁だと思っておりまして、ぜひ、冒頭にも申し上げましたが、皆さんの事業は人に軸足を置いて、特殊詐欺ですとか、交通事故ですとか、若者のリベンジポルノですとか、そういった人が多く、苦しんでいる人がたくさんいます。
 ぜひ、その人たちの数を五%、四%減らしていくと。大変数値目標を設定するのはしんどいですが、その先に都民が泣いているといったことも私は思いますので、ぜひ、今いったほかの分野にもしっかりと、ちゃんとした数値目標を設定していただくよう改めて要望しまして、質問を終わります。

○山内委員 質問いたします。
 東京都子供・若者計画(第二期)策定に当たって、中間まとめが報告されました。第一期の子供・若者計画から五年がたちますが、子供、若者を取り巻く環境、社会状況をどのように捉えているのかお伺いいたします。

○小菅若年支援担当部長 子供、若者を取り巻く社会状況は、同世代人口の減少、情報通信技術の普及発展、国際化の進展など、目まぐるしく変化しております。
 また、困難を有する子供、若者につきましては、例えば貧困、児童虐待、いじめ、不登校、若年無業者、ひきこもり等の問題が相互に影響し合うなど、さまざまな問題を複合的に抱え、非常に複雑で多様な状況になっているということが指摘されております。

○山内委員 二〇二〇年度からの第二期の計画を策定するために、どのような点に着目したのか、今計画の特徴についてお伺いいたします。

○小菅若年支援担当部長 計画の改定について諮問を受けました東京都青少年問題協議会におきまして、子供、若者育成支援に見識の深い有識者や、子供、若者のさまざまな意見や実態等を直接見聞きしている民間支援団体の方々から成る若者支援部会を設置いたしまして、計画改定について検討、審議を行いました。先月、中間まとめを決定したところでございます。
 若者支援部会では、委員の方々から、困難を有する子供、若者の現状や課題を踏まえ、さまざまなご意見をいただきまして、そうしたご意見を各施策に取り組むに当たっての視点として盛り込んでおります。
 視点1、一人一人の子供、若者の最善の利益を尊重する視点におきましては、支援に当たっては、その能動性を引き出すため、当事者である子供、若者の目線に立ち、意見を尊重し、反映させていく姿勢が重要である旨、盛り込んでおります。
 視点2、子供、若者の状況に応じて支援する視点におきましては、ライフステージを見通した切れ目のない支援ですとか、子供、若者本人だけではなく家族も含めた支援の重要性について盛り込んでおります。
 視点3、子供、若者の支援に社会全体で重層的に取り組む視点におきましては、複合的な課題に対応するための関係機関等の連携の必要性や、社会全体で子供、若者の成長を見守っていくことの重要性につきまして盛り込んでおります。

○山内委員 計画を進めるに当たって、各部局や区市町村等とどのような連携をとっていくのかお伺いいたします。

○小菅若年支援担当部長 子供、若者の抱える困難や課題には、複合的な要因や背景がございます。教育や福祉、雇用などの関係機関等が、これまで以上に連携していくことが重要であるというふうに認識しております。
 都では、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供、若者に対します支援を効果的かつ円滑に実施することを目的といたしまして、東京都子供・若者支援協議会を設置しております。
 この協議会におきまして、子供、若者に対する支援の取り組み状況等につきまして、関係部局や区市町村、さまざまな立場の支援機関と共有しまして、意見交換を行うことなどにより、より一層の連携を図ってまいります。
 さらに、東京都子供・若者支援協議会と東京都若者総合相談センター、若ナビαが中心となりまして、各地域、各分野の関係機関や民間団体相互の情報共有やネットワークづくりを促進してまいります。

○山内委員 今、特徴としてお伺いいたしました。先ほど来お伺いしましたが、一人一人の子供、若者の最善の利益を尊重する、家族も含めた支援ということが重要であること、そして、社会全体で支えていくという非常に重要な点だと思います。ぜひこの点、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○加藤委員 まず、高齢者の交通安全対策について伺います。
 昨年、高齢ドライバーによる交通事故が相次いで発生しまして、社会的にも大きな関心を呼びました。こうした事態を受けまして、都議会公明党は、昨年六月に、高齢者の自動車運転の安全を確保するための急発進防止装置の装着に対する緊急要望を行いまして、都はその翌月、七月から、七十歳以上の都民を対象に、装置の設置費用の九割を補助する制度を開始しました。この間、多くの都民の方が制度を利用されているとのことであり、事業を通じ、高齢者の安全運転が一層確保されることを期待しております。
 さらに、都に続きまして、国においても、今月からサポカー補助金のメニューの一つとして、安全運転支援装置の設置費用を補助する制度を開始しました。ただし、国と都と両方の制度を併用することはできず、高齢者は、いずれか一方の制度のみを選択し、利用することとなっています。
 都が費用の九割を補助している現在、七十歳以上で自家用車を運転する方においては、都制度を利用いただく方が個人負担は少ないと考えられます。
 装置を取りつけたい高齢者に、適切に制度を選択、利用いただくために、都としてどう取り組んでいくのか伺います。

○高野治安対策担当部長 都は、七十歳以上の都民を対象に、緊急対策といたしまして、本年八月までは安全運転支援装置の購入及び設置費用の九割、一台当たり十万円までを、装置の販売、設置を取り扱う事業者を通じ補助する制度を実施しております。
 なお、緊急対策期間の終了の後、九月以降ということになりますけれども、九月以降は、費用の五割、六万円までとする予定でございます。
 一方、副委員長のお話にもございましたけれども、今月、国においても六十五歳以上の方を対象に、装置の種類に応じ最大四万円を、事業者を通じ定額で補助する制度を開始したところでございます。
 高齢者の方には、双方の制度の違いを十分に理解した上でご選択いただく必要があることから、事業者とも連携を図りまして、設置申し込みを受け付ける店舗で適切に案内をするようにお願いをしております。
 さらに、都のホームページにおきましても、国の制度のホームページへのリンクを張るなどして情報提供を行っておりまして、今後も、利用者の立場に立った制度の運用に努めてまいります。

○加藤委員 これはあくまで後づけ装置の話でありまして、国の制度は、六十五歳以上、車の購入についても補助がある、サポカー補助金というのはそういうことでもあるんですけれども、これだと、衝突軽減ブレーキ、プラス、ペダルの踏み間違い、軽自動車以外は十万円ということになりまして、この十万円というのがばんと出るものですから非常に戸惑うということもありますので、そうした意味で、しっかりとその違いというものがわかるようにお願いをしたいと、そのように思っております。
 また、今回の二年度予算を見ましても、この高齢運転者交通安全対策というものが、いわゆる都民安全推進本部の予算の約四割を占めております。交通安全対策としては五割だけれども、その中の高齢運転者交通安全対策が約四割を占めていまして、非常に大きいと。その分しっかりと、今話題となっております高齢運転者の交通安全を進める上でも非常に有効な策だと思っておりますので、しっかり違いをわかりやすく説明しながら進めていただきたいと、そのように思っております。
 次に、ちょっと順番を変えさせていただきまして、都内の在住外国人は年々増加しております。都が昨年公表しました未来の東京戦略ビジョンでも、二〇四〇年には百二十五万人と、都民の十人に一人が外国人になる見込みです。
 都はこれまでも、安全・安心に関する普及啓発を実施してきましたが、在住外国人には言葉や慣習の壁もあり、十分浸透していないケースがあると感じます。日本の生活になれていないことや知識がないことで、犯罪やトラブルに巻き込まれる在住外国人の子供がいます。
 都が掲げるセーフシティーとダイバーシティーを実現するためには、増加する在住外国人も含めた地域の安全の取り組みを進めることが重要です。在住外国人の子供にも焦点を当てて、安全に関する施策を展開する必要があります。在住外国人の子供への安全啓発の取り組みについて見解を伺います。

○高野治安対策担当部長 在住外国人等の子供へ安全・安心の普及啓発を進めるためには、外国人の使用する言語や文化に配慮した施策の展開が必要でございます。
 都は来年度より、新たに在住外国人などの子供を対象に、犯罪やトラブルに巻き込まれないための安全啓発を実施することとしております。
 具体的には、まちで身を守る方法や万引きの禁止など、防犯や非行防止に関する基本的な知識を掲載した冊子を作成し、配布をしてまいります。この冊子につきましては、易しい日本語版のほかに、ベトナム語版やネパール語版などを含む六カ国語のものを作成し、日本語が十分理解できない子供も内容を理解できるようにしてまいります。
 また、この冊子を活用しまして、在住外国人などの子供が多く集まるインターナショナルスクールなどに講師を派遣して、安全教育を行う出前講座も実施をいたします。
 これらの取り組みによりまして、在住外国人等に子供の時期から啓発し、日本の生活になじんで安全・安心に暮らせるよう支援をしてまいります。

○加藤委員 子供の時期が特に大切でありますので、取り組みをよろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、昨今のインターネットトラブルの被害の状況を鑑みますと、インターネットリテラシーの向上を図らなければならないのは子供、学生だけでなく、大人も含めて向上させていくことが肝要であると考えます。
 今後、インターネットリテラシーの向上をどう図っていくのか、見解を伺います。

○高野治安対策担当部長 インターネットに関する相談窓口でございますこたエールでは、トラブルを抱えた青少年やその保護者、学校関係者が抵抗なく相談することができるよう、フリーダイヤルやメール、LINEでの相談を受けております。
 また、インターネットの適正な利用について学ぶ講座、ファミリeルールの対象を、これまでの小中高生に加え、保護者の年代層に広げ、インターネットリテラシーの啓発に取り組んでおります。
 今後も、悩みやトラブルを抱えた青少年世代が気軽にアプローチができる相談窓口としてこたエールを運用していくとともに、ファミリeルールを通じて、子供も大人もしっかりとインターネットの安全な利用方法を身につけることができるよう、普及啓発活動をより積極的に推進してまいります。

○加藤委員 大人も子供もともにネットの適正利用に気をつけていくことがトラブルの防止につながりますので、よろしくお願いをいたします。
 以上で終わります。

○早坂委員長 発言がなければお諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都民安全推進本部関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十四分休憩

   午後三時九分開議

○早坂委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより政策企画局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 私から、三月十二日に公表いたしました新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策第三弾につきまして、お手元の資料第1号に基づきご説明させていただきます。
 それでは、表紙をおめくりいただき、六ページをごらんください。新型コロナウイルス対応策の都の基本的考え方でございます。
 都はこれまで、新型コロナウイルス感染症の対応として、まず、二月十八日に令和元年度、二年度の補正予算を発表するとともに、二月二十一日から約三週間の期間で集中的取り組みを進めてまいりました。
 今回の対応策は、区市町村長や専門家との意見交換を行いながら、都民の皆様の不安を払拭し、感染拡大を抑制するため、当面の都及び都民等の行動指針、緊急対応策、国への緊急要望の三つを柱として取りまとめました。
 今後、国の動向を踏まえ、三月二十三日を目途に、都として新たな対応方針を発表するとともに、今後の経済動向や感染状況等を踏まえ、必要な対策を講じてまいります。
 八ページをお開きください。ここから一八ページにかけましては、当面の都及び都民、企業等の行動指針をお示ししております。
 まず、都の対応といたしましては、今後の対応とともに、国が新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、都内を対象区域として緊急事態宣言を行った場合の対応についてお示ししております。
 一〇ページからの都民生活につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、その特徴を理解した上で正しい行動をとることが大切であることから、都民お一人お一人にお願いしたい行動等について記載しております。
 一四ページから、学校の対応につきましては、春季休業までの間を臨時休業とし、その間、感染リスクへの対策を講じつつ、安全な環境下で適度な運動を心がけるよう呼びかけております。
 また、企業等の対応として、スムーズビズの一層の推進や従業員の皆様への手洗いなどの健康管理を徹底いただきたい旨お願いしております。
 次に、一五ページ、イベント等の対応につきましては、都主催のイベント等の延期、中止など、集中的取り組みを月内について継続することと、国の動向も踏まえ、三月二十三日を目途に、都としての新たな対応方針を発表する旨をお示ししております。
 次に、一七ページから、島しょにつきましても水際対策や患者発生時の対応をしっかりと行っていく旨記載しております。
 次に、二〇ページをお開きください。こちらは、新型コロナウイルス感染症緊急対応策の一覧であり、その次の二二ページから三一ページにかけましては、その詳細を記載しております。
 二二ページ、まず初めに、三月十日に発表されました国の緊急対応策のうち、地方での負担等が見込まれる主な事項について記載しております。国の対策の詳細を把握した上で、適切に対応してまいります。医療提供体制等の強化につきましては、都立病院等において重症患者の受け入れ体制を強化するほか、医療機関や社会福祉施設等へのマスク約三百五十万枚の提供などを実施いたします。
 続きまして、二四ページ、学校臨時休業対策といたしましては、学童クラブの午前中からの開所に対する上乗せ補助や、学校給食の休止等に伴い発生する負担軽減についての支援などを実施いたします。
 続きまして、二六ページの影響を受ける企業等への支援といたしましては、実質的に返済猶予が可能となる融資メニュー、資金繰りにお困りの事業者への融資メニュー、中小企業の従業員向けの実質無利子融資などを新設いたします。
 続きまして、二八ページの区市町村支援に関しましては、臨時休校や主催イベントの中止、延期等に伴う市町村の財政負担を支援するための新たな交付金を検討するほか、効果的な情報提供のあり方を協議し、連携をより強化いたします。
 続きまして、二九ページのオンラインを活用した取り組みといたしましては、新型コロナウイルス感染症に関するオンライン相談の実施やオンライン学習を支援するとともに、テレワークの取り組みを一層推進いたします。
 また、都民行動や企業活動に関しましては、経済団体等とも連携して、スムーズビズの取り組みを一層強化いたします。
 三〇ページ、緊急対応策発表以降、速やかに事業執行できるよう財政面からの工夫を行います。
 続きまして、三二ページをお開きください。ここから三九ページにかけましては、国への緊急要望となっております。
 この難局を乗り越えるためには、国と地方が連携を強化し、地域の実情に応じた実効性ある対策を着実に講じることが必要であることから、全般的事項五項目、個別事項四十項目の要望事項を記載しております。
 四〇ページからは、これまでの経緯といたしまして、国内外の感染状況などさまざまな影響について、続いて五一ページからは、これまでの都の対応策について、五七ページからは、国の対策と緊急対応策の概要について、それぞれまとめたものを記載しております。
 なお、財政規模につきましては、二月に発表いたしました新型コロナウイルス感染症に係る補正予算、その後の集中的取り組みに続きまして、既定予算と元年度の予備費三十六億円の活用により、緊急対応策として百十一億円の財政措置を講じます。詳細につきましては、お手元の資料第3号をご参照ください。
 以上でご説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○早坂委員長 報告は終わりました。
 本件につきましては、次に行います予算の調査及び報告事項に対する質疑の際にあわせて質疑を行いますので、ご了承願います。
 次に、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、政策企画局所管分、第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、政策企画局所管分及び報告事項、未来の東京戦略ビジョンについて外二件を一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 なお、理事者の皆様には、ご答弁は簡潔にお願いを申し上げます。
 発言を願います。

○入江委員 お願いいたします。今、ご説明がありました新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策第三弾について質問いたします。
 新型コロナウイルス感染症の状況は刻一刻と変化しており、状況の変化に応じた迅速な対応が必要であることから、都民ファーストの会では、現場の都民の声を広く聞き取り、小池知事に対し、七回の緊急要望を行ってきました。
 こうした要望も受け、三月三日に開催された第十一回東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、新たな必要な対策を取りまとめるため、緊急対応策等検討チームの設置について小池知事から指示があり、翌日には、政策企画局を中心に各局横断的な検討組織が設置され、そして三月十二日にスピーディーに緊急対応策を取りまとめられたことを評価いたします。
 そこで、今般発表された新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策第三弾の特徴について改めて伺います。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 都はこれまで、新型コロナウイルス感染症に対しまして四百一億円の補正予算を編成するとともに、医療体制の充実、感染拡大の防止、広報の強化徹底の三つの観点から集中的な取り組みを推進してまいりました。
 これらに続く新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策第三弾は、都民生活、学校、企業等の不安を払拭し、感染拡大を抑制するため、都議会から寄せられた多くの要望や議論に加えて、区市町村からの要望や感染症などの専門家からのご意見を踏まえ、取りまとめたものでございます。
 本対応策は、国と異なり、緊急対応策だけでなく、当面の都及び都民、企業等の行動指針、国への緊急要望の三つの柱で取り組むこととしております。
 また、年度末という時期でも、予備費の活用など財政面からの工夫などを行って、その実効性を高めております。

○入江委員 これまで、新型コロナウイルス感染症に関する都民などへの行動啓発というのは、福祉保健局など各局において検討したものを個別にホームページなどを通じてお知らせをしていまして、都全体で行動指針を示すということはございませんでした。
 そこで、今回政策企画局を中心に取りまとめた対応策において、都民や企業などへの行動指針を柱に据えたことの意義について伺います。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の拡大を抑制するためには、今がまさに重要なときでありまして、都民や企業の皆様にご協力いただき、東京全体が一丸となって行動することが重要でございます。
 そこで、今回の行動指針では、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正が成立し、私権の制限を含む、緊急事態宣言が行われた場合の都の対応をお示しするとともに、都民お一人お一人の感染症対策や便乗した消費トラブルなど、都民生活において注意すべき事項などについて都民目線で盛り込んでみました。
 また、都民の方々が不安に思っている新型コロナウイルスの感染防止のための行動指針や、感染の疑いがある場合、まずかかりつけ医等に相談するという受診行動を初めてまとめ、都民の皆様へ、フロー図でわかりやすくお示しするなど、感染予防に役立つ情報も提供しております。

○入江委員 行政の施策のみだけでなく、都民の皆様とともに新型コロナウイルス感染症対策に取り組むことが大変重要でございます。
 引き続き、見えざる敵である新型コロナウイルスに、東京都一丸となって取り組んでいただくことを強く要望いたします。
 この新型コロナウイルスについては、現在の感染状況、予防の方法、相談の仕方、都の支援の施策など、正確でわかりやすくスピーディーな情報発信が特に重要で、都民の日常の支えとなります。
 私も、シビックテックとして評価を受けている東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトを都民や外国人の皆さんにも個別に紹介し続けております。今、この第三弾の内容も既に掲示されております。皆さんからは、このサイトで正しいファクトを知ることができたというお声を頂戴しています。
 政策企画局では、新型コロナウイルス感染症対策などに関する広報として、令和二年度補正予算に二億円計上していますが、取り組み内容の詳細について伺います。

○小笠原政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症対策に関する広報の強化徹底を図るため、二月二十六日に、政策企画局が中心となる各局横断の特別広報チームを立ち上げました。この間、最新の感染動向などをワンストップで都民に提供する特設サイトを開設いたしまして、正確な情報をわかりやすく発信することに努めております。
 来年度の補正予算案においては、新型コロナウイルス感染症等の情勢に応じた都民向け及び海外向けの情報発信をより一層充実させるための経費として、二億円を計上しております。
 具体的には、都民向けの広報については、正しい知識を持って感染予防に努めていただくため、インフォグラフィックや動画などを用いてSNS広告やユーチューブ広告を展開するなど、都民の不安解消などに向けた広報を実施してまいります。
 また、海外向けの広報については、海外で東京に関する不正確な情報が流布されないよう、海外メディアのウエブやSNS等のデジタル媒体を活用いたしまして、東京二〇二〇大会開催を見据え、東京の安全・安心をテーマに記事や動画を制作し発信してまいります。

○入江委員 年齢によって、何をリソースとして情報を得ているか、全く違ってまいります。
 四十歳ぐらいまでには、SNS広告やユーチューブ広告などが大変有効ですが、それ以上の年齢では、テレビ視聴や紙媒体が中心となっていると私は分析しております。
 一つの動画フッテージを制作すれば、尺、つまり長さを調整してさまざまな媒体に出稿することができます。そして、幾つかの媒体で並行して同じ情報を発信すると人々の記憶に残りやすいのも事実ですので、ぜひご検討をお願いいたします。
 さて、WHOは、新型コロナウイルスの拡散をパンデミックと定義した上で、さらに、インフォデミックを警告しています。フェイクニュースやデマが世界中に大量に拡散することを防がなくてはなりません。東京都として正確な事実を広く届け、効果的でわかりやすい情報発信の強化を要望いたします。
 続いて、未来の東京戦略ビジョンについて伺います。
 予算特別委員会で、我が会派を代表して藤井都議から、未来の東京戦略ビジョンを実現していくところを強く求めていただいたところですが、その内容の詳細について改めて伺います。
 まず、未来の東京戦略ビジョンの策定に当たっては、都民を初めとするさまざまな方の意見を広く聴取したということですが、どのような手法で、どの程度の意見が寄せられたのか伺います。

○吉村計画部長 まず、昨年八月の未来の東京への論点の公表に合わせまして、明るい未来の東京を築くための夢やアイデアを都民意見大募集として募り、選択方式、自由記述方式で、子供から高齢者まで、合計一万人を超える方々からご意見をいただきました。
 また、東京の未来を担う子供たちからの自由な発想、アイデアを募るため、小中学生を対象に、「わたしが大人になった時の東京」をテーマとした絵画コンクールを実施し、合計四百六十六点の作品をいただきました。小学校低学年の部の最優秀作品は、戦略ビジョンの表紙に採用させていただいております。
 さらに、都内の十三大学にご協力いただきまして、大学生によるワークショップを開催するなど、将来を担う子供、若者からの意見やアイデアを頂戴したところです。
 これらの取り組みのほか、都内区市町村や各分野の有識者からも幅広くご意見を伺い、戦略ビジョンの検討に生かしております。

○入江委員 創意工夫を凝らして、幅広い年代の方からこれだけの多くの意見を集めたのは、まさに都民と一緒になってビジョンをつくり上げたという点で大変有意義なことだと考えます。
 では、回答が一万を超えた都民意見大募集では、どのような意見が寄せられたのか、また、その意見をどのように戦略ビジョンに反映されたのか、代表的な事例を伺います。

○吉村計画部長 都民意見大募集で寄せられました自由意見につきまして、戦略ビジョンでは、子供、高齢者、誰もが活躍、安全・安心、環境の五つのカテゴリーに分類して、主なご意見を掲載しております。
 例えば、子供のカテゴリーでは、子育てを皆で考えるまちになってほしい、子供が何かを夢見たとき、それを社会で応援できる東京といったご意見が寄せられました。
 また、環境のカテゴリーでは、高度な都市機能だけでなく、自然と共存した人に優しい都市といったご意見が寄せられております。
 こうしたご意見なども踏まえながら、戦略1、子供の笑顔のための戦略では、子育てについて社会のマインドチェンジを促すプロジェクト、戦略2、子供の伸びる、育つ応援戦略では、子供一人一人の個性に着目し、自主性や主体性、課題解決力を伸ばす教育へ転換するプロジェクト、さらには戦略13、水と緑あふれる東京戦略では、あらゆる方策で都内の緑をふやすプロジェクトを構築しております。

○入江委員 現在の施策や予算の延長線ではなく、新たに都民とともに夢やアイデアを出し合い、まず、ビッグピクチャーを描くということが大変重要です。
 少子高齢化、人口減少、気候変動、デジタルテクノロジーの加速的進歩、そして今回のように誰も予測できなかった感染症のリスクと先が見えない経済の下振れなど、不確実な要素が余りにも多く、民間企業でも中期戦略や長期戦略が策定しにくい時代といわれています。
 だからこそ、発想力を持って、未来のあるべき姿を大きく描き、そこから逆算して実現のスキームを積み上げていくバックキャストの視点は大変すばらしく、民間企業でも広く取り入れられているところです。
 東京は日本で最も企業が集積しているからこそ、戦略ビジョンの推進に当たっては、経済界との連携、協働が欠かせません。地域産業を支えている中小企業はもとより、大企業やベンチャー企業からも積極的に意見を聞きながら推進していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンの策定に当たりましては、中小企業や商店街を初めとする団体から丁寧にご意見を伺ったほか、ビジョン策定後の先月には、新たな試みといたしまして、日本経済団体連合会、新経済連盟、さらには日本IT団体連盟といった大企業、ベンチャー企業、IT企業などのトップの方々と知事との意見交換を実施したところでございます。
 この意見交換では、例えば東京のデジタルトランスフォーメーションやゼロエミッション東京の実現、テレワークを初めとする働き方改革などについて、ともに進めていかなければならないという認識の共有が図られました。
 引き続き、経済界から幅広くご意見を伺いながら、戦略ビジョンの強力な推進につなげてまいります。

○入江委員 さらに、プロジェクトの推進に当たっては、基本戦略に掲げられているとおり、民間企業などとこれまで以上に強固に連携する必要があります。
 例えば、これまで東京ベイエリアビジョン官民連携チームでは、都庁の若手職員と、まちづくりや文化先端技術などにおける民間企業の社員や新進気鋭の研究者、有識者などがフラットな関係でブレーンストーミングを行うことができて、成果が出たと聞いています。
 今回のプロジェクトの実現に向かっては、具体的にどのような形で連携していくのか伺います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンでは、民間企業などの多様な主体と協働して政策を推し進めることを基本戦略として掲げておりまして、都と民間企業がフラットな関係で、ともに社会課題を解決していくことを目指しております。
 具体的な取り組みといたしまして、戦略11、スタートアップ都市東京戦略では、スタートアップによる行政課題解決プロジェクトを立ち上げ、東京が抱えるさまざまな行政課題をスピーディーに解決するため、スタートアップの斬新なアイデアやサービス、製品を積極的に活用していくこととしております。
 こうした新しい官民連携のモデルを確立させ、民間企業など社会の多様な担い手と連携、協働することで、都民目線に合った新たな行政サービスの提供を進めてまいります。

○入江委員 多くの都民や企業などの未来の東京に対する思いがこの戦略ビジョンに込められています。戦略実行のための約百二十の推進プロジェクトが盛り込まれていますが、この中には、生まれたばかりの卵のような状態のものもあれば、これまでの取り組みをさらにバージョンアップしていくものなどさまざまです。
 新しい取り組みに果敢にチャレンジしていくことは大変大きく評価できますが、何より全てのプロジェクトを着実に進め、来年度策定する長期戦略につなげていくことが重要です。
 そこで、現在のプロジェクトをどのように進行管理しているのか伺います。

○吉村計画部長 描いたビジョンを実現するためには、まず、スピード感を持って実行していくことが重要でございまして、現在ご審議いただいております令和二年度予算案におきまして、戦略ビジョンを先導する事業として、総額三千百六十億円の費用を計上してございます。
 また、新年度を待つことなくプロジェクトをスピーディーかつ強力に進めていくため、プロジェクトごとに、目指す方向性や取り組みを進める上での課題、施策のスキーム、実現に向けたロードマップなど、効果的なプロジェクトの推進に向けて必要な事項を整理し、次年度の迅速なプロジェクトの推進に生かしていくこととしております。

○入江委員 出生率二・〇七や平均寿命の延伸など、まずあるべき姿を示した上で、それに向かって具体的に何をなすべきか、施策のスキームと実現に向けたロードマップを示していくことは大変重要です。
 誰もが幸せになれることを目標として大きな夢を描いたわけですから、都としてこれまでにない大胆な発想で政策を展開することが求められています。
 特に戦略の核となる三つのC、Children、Choju、Communityは、これまでも東京の課題として認識されていながらも、抜本的な解決まで至っていません。
 こうした課題の解決に向けて、どのようにプロジェクトを進めていくのか伺います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンを貫きます重要なテーマであります三つのC、Children、Choju、Communityは、多くの行政分野がかかわることから、各局が持つリソースを最大限に活用しながら、まさに都庁の総力を挙げて対応すべき事項であると認識しております。
 そこで今月、三つのCそれぞれにつきまして、副知事をトップとした組織横断的な推進チームを設け、関係局が連携してプロジェクトを推進する体制を整えました。
 今後、推進チームにおきまして、プロジェクト推進に当たっての課題やアイデアの整理、区市町村との意見交換、民間企業などとの連携策の検討などを行うこととしております。
 例えば、子供の笑顔のための戦略推進チームでは、子供を大切にすることを最優先とする社会の創出に向けたマインドチェンジの推進や、子育て世代や家庭、区市町村に対する強力な支援の検討、実施などをテーマに議論し、スピード感を持ってプロジェクトを推進してまいります。

○入江委員 推進していくに当たって、先月の総務委員会における政策企画局の令和二年度予算の説明の中で、長期計画企画立案の項目において、未来の東京戦略ビジョンプロジェクトの推進に要する経費を計上しているとの説明がありました。
 具体的な予算額と、それをどのように活用していく予定なのか伺います。

○吉村計画部長 令和二年度予算案では、三つのCに関するプロジェクト推進のための経費として五千万円を計上しております。
 例えば、各プロジェクトの推進に必要な実態調査、先進事例の分析や、チーム二・〇七プロジェクトに係る機運醸成のイベントなどを想定しておりまして、今後、具体的な内容を検討してまいります。

○入江委員 ビジョンで掲げた東京の将来像を実現していくためには、引き続き、都民から丁寧にご意見を伺いながら、都庁各局の連携や、民間企業や区市町村との協働などを通じて、多くの方々とさまざまなアイデアを出し合ってプロジェクトを実行していくことが重要です。
 そのためにも、都庁の総合調整の役割を担う政策企画局が十分にリーダーシップを発揮して、各局をリードし、横串を刺していくことが必要だと考えます。局長の決意を伺います。

○山手政策企画局長 経済、テクノロジー、気候変動、人口構造という四つの歴史的転換点に現在直面する中で、明るい東京の未来を切り開いていく必要がございます。
 このため、今般策定した未来の東京戦略ビジョンでは、バックキャストの手法も取り入れて、創造力を働かせながら、大胆な発想で施策を検討し、都民の皆様からいただいたご意見を踏まえながら、従来の延長線ではない視点から将来像やプロジェクトをつくり上げてございます。
 戦略ビジョンでお示しした将来像の中には直ちに実現することが難しいものも含まれておりますが、あえて高いハードルを掲げますことで、目指すべき未来の東京の姿に向けて政策を加速させることが、我々の使命であるというふうに考えてございます。
 そのためにも、政策企画局が先頭に立って各局の連携を強固なものにしていくことはもとより、組織の枠にとどまらず、斬新な発想を持ってさまざまなアイデアを出し、各局と一緒に知恵を絞りながら、プロジェクトを前に進めてまいる所存でございます。
 また、区市町村や民間企業、NPOなどのさまざまな主体と連携しながらプロジェクトを進めることで、時代や状況の変化を機敏に捉え、政策を常にブラッシュアップしてまいります。
 本日委員からご指摘がありました都民や都議会の皆様から幅広くご意見を伺うこと、都庁各局の取り組みにしっかりと横串を刺すこと、さらには民間企業を初めとする多様な主体と強固な連携を図ることなどを通じまして、東京の総力を結集した長期戦略につなげてまいります。

○入江委員 力強いお言葉をありがとうございます。
 今後の各プロジェクトの具体的な推進に当たっては、ぜひリーダーとして各局の若手職員の方を抜てきしていただきたいと思います。
 十年後、二十年後の東京をリアルに生きる若い世代が、行政、民間、大学、団体などの垣根を超えてフラットに議論し、アイデアを実現し、人間関係を構築していくことこそが、人が輝き、成長と成熟が両立した未来の東京を実現させると考えております。
 戦略ビジョンの推進に当たり、各局の若手職員の登用を要望して、質問を終わります。

○のがみ委員 私も、未来の東京戦略ビジョンについてお伺いいたします。
 未来の東京戦略ビジョンには、未来を担う子供への投資に本気で取り組むと書かれております。人口減少を控えた東京にとって、この視点は非常に重要だと考えております。子供への投資という点で、少子化対策、子育て支援も重要であります。国家百年の計といわれる教育は大変重要な分野でございます。
 そこで、教育についてどのようなビジョンを描き、実現に向けた戦略を考えているのか、最初にお伺いいたします。

○吉村計画部長 未来の東京戦略ビジョンでは、経済、テクノロジー、気候変動、人口構造の四つの歴史的な転換点と世界的な都市間競争の視点を踏まえて考えたとき、最も重要なのは人を育てることであるとしております。
 そこで、二〇四〇年代のビジョンの一つとして、新たな教育モデルにより、全ての子供、若者が将来への希望を持って、みずから伸び、育つ東京を示し、みずからの人生をみずからの意思で切り開いていける力が育まれていることなどの目指すべき姿を掲げております。
 その姿の実現に向けて、子供の伸びる、育つ応援戦略におきましては、学び方、教え方を転換する新たな東京型教育モデルを実現する、世界を視野に新しい時代を切り開く人材育成を強力に進める、一人一人に寄り添い、きめ細かく子供をサポートするということを掲げまして、戦略実行のための五つの推進プロジェクトを盛り込んでおります。

○のがみ委員 時代の転換点にあって、新たな東京型教育モデルによって、子供の成長を育んでいくという積極的な視点が、ビジョンや戦略にあらわれていることがわかりました。
 ここからは、その実現に向けて、戦略ビジョンで具体的にどのようなプロジェクトを進めていくかを確認していきたいと思っております。
 まず、答弁にもありました新たな東京型教育モデルの実現に向けて何を目指していくのか、具体的な取り組みについてお伺いいたします。

○吉村計画部長 新たな東京型教育モデルは、子供たち一人一人の個性や能力に向き合い、教育現場の学び方や教員の教え方について抜本的な転換を図るものでございます。
 その実現に向けまして、新たな教育課題に対し実践的な指導力などを備えた高い資質を持つ教員を養成していくこととしております。
 また、幼小連携教育プログラムの開発、工業高校などでの専門的職業人材の育成、東京都版高大接続改革プログラムやキャリア教育の推進などにより、幼児期から社会人になるまで、子供たち一人一人の個性や成長に応じた教育を提供していくこととしております。

○のがみ委員 子供たち一人一人に着目するという姿勢は、子供がみずからの個性を生かし、そして伸び、育つために大変重要な視点であります。ぜひ一人一人の子供に対する温かい目線を持って臨んでいただきたいと思っております。
 そうした教育モデルを実現していくために、教育のICT化を強力に進めていくことが不可欠であります。この推進方法についてお伺いいたします。

○吉村計画部長 戦略ビジョンでは、新たな東京型教育モデルの確立に向けまして、教育現場のICT化を強力に進めるTOKYOスマート・スクール・プロジェクトを推進することとしております。
 具体的には、一人一台のモバイル端末の整備や学校のWi-Fi整備などを通じ、一人一人の理解度や進度に応じて個別最適化された学びの実現に取り組んでまいります。
 このことで、子供の学ぶ意欲に応えます学び方の改革、ビッグデータを活用したエビデンスベースの指導などを進めます教え方の改革、校務の効率化によりまして子供と向き合う時間を確保する教員の働き方の改革を進めることとしております。

○のがみ委員 ICT化の推進により、学び方、教え方、働き方を改革するということです。
 以前私は、六年ぐらい前になりますか、佐賀県の武雄市を視察に行きました。公明党三人で行ったわけですけれども、その武雄市は、人口も少ない市なので、児童生徒一人一人にタブレットを渡しておりました。そして、学校から貸与してそれを家に持ち帰って、反転教育というんですけれども、予習を前提とした教育を行っておりました。予習をしっかりして、そして学校に行って学んだことの復習は少な目にして、予習でほとんどのことがわかるような形になっておりました。それでかなりな効果を上げたと思っております。
 そこではICTを活用したこれまでにない教育が進められておりましたけれども、日本の首都である東京においてこそ、ICTをうまく活用して教育改革を進めていただきたいと思っております。
 ICT化を進める一方で、時代が複雑化する中、子供たちが抱えている悩みに丁寧に寄り添っていくことが、人を育てることにつながっていきます。そうした観点からの取り組みについてお伺いいたします。

○吉村計画部長 不登校など子供一人一人の状況に応じた多様な学びを提供するため、学校や社会全体で子供を支えるプロジェクトを展開してまいります。
 この中では、いじめや不登校など子供たちの悩みにきめ細かく寄り添うためのスクールカウンセラーやSNSを通じました相談体制の充実、民間施設団体などと連携した身近な場所における多様な学びの創出、障害の有無にかかわらず個別の教育的ニーズに的確に応えるインクルーシブな教育の推進に取り組むこととしております。

○のがみ委員 これまで、戦略ビジョンにおいて、教育分野でどのようなプロジェクトを進めていくかについて確認をしてまいりました。どれも実現したら非常にすばらしいなと思います。できることは、来年度からでもすぐに取りかかっていただきたいと思っております。
 そこで、戦略ビジョンに掲げた教育分野のプロジェクトの推進に向けて、令和二年度の取り組みについてお伺いいたします。

○吉村計画部長 戦略ビジョンを実行するための先導的な事業に、令和二年度から着手していくこととしております。
 教育分野では、新たな東京型教育モデルの構築に向けた調査検討を進めるとともに、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトを具体化するため、都立学校における無線LAN整備の推進や、区市町村立学校への端末一人一台の整備に向けたサポートなどを進めてまいります。
 さらに、小中学校におけるスクールカウンセラーの配置の拡充など、子供たちが抱える課題や不登校の子供への支援にも取り組むこととしております。
 こうした先導的な事業を着実に進めるとともに、各推進プロジェクトのブラッシュアップを図りまして、長期戦略に反映させてまいります。

○のがみ委員 都立学校における一人一台のモバイル端末の整備、BYOD、わかりますか、皆さん。ブリング・ユア・オウン・デバイス、自分の家にあるものを持ってこいということなんですね。
 だから、それぞれの区市町村でいえば、それぞれの区や市で子供たちに端末をしっかりとその予算で、区の予算、市の予算で与えることができますけれども、都立学校におけるやり方というのは、ブリング・ユア・オウン・デバイス。だから、ない子もいると思うんですね。ない子は学校で貸与するようになると思うんですけれども、自分の家にあるものをどんどん持ってきて、それを使ってやっていきましょうと。ただしWi-Fiに関してはしっかりと取り組んでいくということだと思うんですけれども、ここら辺も少し、もし予算があれば、都立高校の端末も考えてみてもいいんじゃないかなというふうに思っております。
 ビジョンを描いて終わりにしないで、すぐにさまざまな取り組みを実施していく姿勢がよくわかりました。
 それぞれの取り組みをしっかりと進めるとともに、長期戦略に結実させてもらうことを要望して、戦略ビジョンに関する質疑は終わりまして、次に、新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策について質問いたします。
 新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策でございますけれども、世界中に感染が拡大をしております。
 きのう私もたまたま地域の居酒屋さんに行きまして、三時間ぐらいいたんですけれども、がらがらでございました。そこの店主さんがいうには、本当に人が来ない、もう今のままだったらつぶれそうだという、物すごい切実な思いを聞いてまいりました。また、パーティーとか、コンパニオンの方たちも仕事がなくて生活が本当に厳しいということもおっしゃっておりました。
 本当に雇用の面も厳しいと。いろいろな面で都民が大きな不安を感じながら今を過ごしているわけでございます。
 そのような状況の中で、都は三月十二日に、第三弾となる緊急対応策をまとめたわけでございますが、今回の緊急対応策の策定方法についてお伺いいたします。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 今回の緊急対応策の策定に当たりましては、今が感染抑制を左右する重要な時期であるということから、三月四日に、梶原副知事をリーダーとする新型コロナウイルス感染症緊急対応策等検討チームを設置し、各局が連携しながら実効性ある対応策を取りまとめました。
 緊急対応策の策定過程におきましては、まず、特別区長会、市長会及び町村会を代表する首長の方々からテレビ会議も活用して生の声でご要望を伺い、専門家の方々からも医学的見解や都民の方々の生活行動における注意点などについてご意見を伺いました。
 また、発表に当たりましても、感染症などの専門家からご意見を伺いました。
 これらの意見などを十分に尊重しながら、直ちに実施可能な緊急対策を各局が検討し、三月十日に発表されました国の第二弾の緊急対応策の内容も踏まえ、今回の対応策を取りまとめました。

○のがみ委員 各局が連携をして、区市町村、また専門家のご意見やご要望を尊重しながら、国の対策も踏まえて策定されたとのことであり、本当に短い期間でありましたけれども、しっかりとした対応策をまとめられたと思います。
 しかし、新型コロナウイルス感染症の感染状況や都民の生活、経済の状況は日々目まぐるしく変化しております。今回の緊急対応策を速やかに実施していくことはもちろん大切ですけれども、今後も状況の変化に対応して必要な対策を打っていくことが不可欠だと考えます。
 そこで、今後の新型コロナウイルス感染症対策はどのように進めていくのかお伺いいたします。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症対策については、まず、令和元年度最終補正予算及び令和二年度補正予算を編成し、その後直ちに、二月二十一日から約三週間の期間で集中的取り組みを進めてまいりました。
 今回取りまとめた緊急対応策を初め、三つの対策を直ちに実施してまいります。
 国も、四月に緊急経済対策をまとめる検討に入ったことから、その動向なども踏まえつつ、次なる備えに向け、取り組みを開始することが重要でございます。
 今後の経済動向や感染の状況などを見きわめながら、引き続き、必要な対策に全力で取り組んでまいります。

○のがみ委員 最後に、引き続き、都民の安全・安心を第一に考えて、都庁一丸となってこの難局を乗り切っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

○清水委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、未来の東京戦略ビジョンについてのみ、お伺いしたいと思います。
 まず、この戦略ビジョンを手にとって一番印象的だったのは、先ほども部長の方からご答弁がありました四百六十六点から選ばれた小学一年生の絵画コンクールの優秀作品です。これですよね、これ。よく見ると額装してあるんですね、これ。たしか都政ギャラリーに飾ってあったような気がしたんですけど、そうですよね。私もよく見させていただきました。
 私、この表紙を見て思い出したのがございまして、それは、ちょっと昔、地方自治の勉強しているときに、ロンドン・プランという、これはグレーター・ロンドンの長期構想であるわけでございますが、そのロンドン・プランの表紙というのが、黒人と白人の学生が一緒に写っている絵なんですよね。これ、パネルじゃございません、紙で持ってきまして、こんな感じなんですよ。二〇〇四年につくられたそうなんですが、このときからもう既にロンドンでは、共生社会の実現ですとか、あるいはソーシャルインクルージョンということを意識して、計画をおつくりになったというふうなことなんです。
 やはり表紙に何が選ばれているかというのは、それは強いメッセージ性があるかと思うわけでございます。
 したがって、今回、お子さんの描かれたこのユニークな絵でございますが、この表紙にも何か意味があって採用されて、このように取り入れられたのかなと思いますけど、そういったこの表紙におけるメッセージがあれば、お答えをいただければなと思います。

○吉村計画部長 未来の東京戦略ビジョンの表紙につきましては、今、理事ご指摘のとおり、昨年の夏、小中学生を対象に実施した「わたしが大人になった時の東京」絵画コンクールの最優秀賞の作品を用いております。
 小学校や車に羽が生えて空を飛んでいる、地上は緑にあふれて、家が地下にあるなど、大変夢のある絵が描かれております。このように大胆に未来を展望し、時代を切り開くことで、人が輝く未来の東京をつくり上げていくというメッセージを込めております。

○清水委員 ありがとうございました。そのような内容のことが描かれている絵、作品だそうでございます。
 そのタイトルが、「ちじょうがぜんぶこうえんになったまち」というふうなタイトルだそうでございまして、やはり小学校一年生の子にしてみれば、公園というのは楽しいところなのかなというふうに改めて思った次第でございますが、しかし、未来の東京戦略ビジョン、これは私の認識ですと、この夏に策定される東京都の長期総合計画の素案のようなものだというふうなことだと思うわけでございますが、実際、長期総合計画にもこの絵が表紙として採用されるんでしょうか。わかっていたらお答えをいただければなと思います。

○吉村計画部長 来年度策定いたします長期戦略につきましては、今後検討を進めてまいります。

○清水委員 参考までにお伺いしたいんですけど、こういった重要な計画の表紙というものは、どなたがお決めになるんでしょうか。やっぱり知事になるんでしょうかね。お答えいただければなと思います。

○吉村計画部長 私どもの方でいろいろ案を用意しまして、議論を重ねた上で、最終的には知事にお決めいただいております。

○清水委員 深い意味はございませんので、参考までに聞かせていただいたわけでございます。
 それと、私もつぶさに中身を拝見させていただきまして、ちょっと気になった点が一つございましたので、この際ですからお聞かせをいただきたいと思うんですが、それは何かといいますと、都民ファーストという表現なんですね。ご案内のとおり、小池知事は就任以来、都民ファーストという表現、これは政策的な目標ですとか、あるいはスローガンなどに使われてきたわけでございます。
 しかしながら、今回の未来の東京戦略ビジョンに目を通した限りでは、都民ファーストという表現がちょっと見つからなかったわけでございますが、今回この戦略ビジョンの中で都民ファーストという表現は使われているのかどうなのか、お聞かせいただければなと思います。

○吉村計画部長 都民ファーストという言葉は使っておりませんが、二〇二〇年に向けた実行プランの中で示しております都民ファーストの視点に立って、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの三つのシティーを実現し、新しい東京をつくるという考え方については継承してございます。

○清水委員 ありがとうございます。
 きょうこの委員会の委員の中には、同じ名の会派の方がたくさんいらっしゃるので、ちょっとはばかりながら申し上げたいと思うのでありますが、我々都議会議員が都民ファーストという言葉を唱えるというのは、これは私たちは都民の代表、代議員でございますので、これは当然だと思うわけでございます。
 しかしながら、東京都もしくはその行政のトップである知事が、今現在、東京ひとり勝ちですとか東京富裕論がうたわれている中で、地方と共存共栄をしなきゃならない、そんなときに、この都民ファーストという表現は慎重に使わなければならないかと思っているんです。
 それで、なぜ今回、未来の東京戦略ビジョンの中で都民ファーストという表現を使っていないのか、その理由についてお聞かせをいただければなと思います。

○吉村計画部長 都民ファーストとは、都民目線に立って、真に求められる政策を展開することであると考えてございます。
 戦略ビジョンでは、時代を切り開く鍵は、東京の活力の源泉である人であるという認識のもとで、人が輝く東京を中心に、安全・安心な東京、世界をリードする東京などを目指すことで、三つのシティーが進化した未来の東京を実現していくという構成にしてございます。
 こうした視点から、都民意見大募集など、都民の意見を反映する取り組みについても幅広く展開しているところでございます。

○清水委員 わかりました。
 特に最後の、都民意見というのをしっかりと聞いていっていただけるというふうなことでございますが、それとあわせて、やはり都民のニーズの把握というのが重要かと思うんですね。
 東京都はよくアンケート等でそういった把握をされることが多いように感じておりますが、ぜひとも現場に行っていただいて、生の都民の声、どういうふうな行政サービスが必要とされているのかというのを把握していただければ、非常によい計画につながっていくのかなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは続きまして、この未来の東京戦略ビジョンの策定過程について確認をちょっとしていきたいと思います。
 私も長いこと地方議員をやっておりますが、大抵の行政計画の巻末、最後の方のページには、庁内検討のタイムライン、例えば会議の開催日程ですとか、内容ですとか、担当といったような、そういった策定のプロセスが示されていることが多いわけでございます。
 それで、何か東京都のこういった計画書は余りそういったものが示されていなくて、特にこのような大作がどのような形でつくられてきたのかというのが非常に知りたく思っております。
 この戦略ビジョンはどのような庁内検討がなされて策定されてきたのかお伺いをしたいと思います。
 そして、あわせまして、今回の予算特別委員会の我が党の会派の代表質問で、知事は、今回この未来の東京を担当してくれた職員も一生懸命、未来、将来をこうあるべきということで作業に取り組んでくれたというふうなご答弁がございました。作業に取り組んでくれたこの職員というのはどんな方なのか、ちょっとお聞かせをいただければなと思います。

○吉村計画部長 未来の東京戦略ビジョンの策定に当たりましては、昨年四月に庁内検討組織として、知事、副知事と関係局長で構成する策定会議と、各局の企画担当部長からの幹事会を設置いたしまして、検討を進めてまいりました。
 それぞれ策定会議を三回、幹事会を四回開催するとともに、随時、関係部署と議論や調整を重ねながら、昨年八月の論点整理を経て、年末に戦略ビジョンを取りまとめたところでございます。
 また、今のお話ですが、戦略ビジョンは全庁の力を結集してつくり上げたものでございます。知事の発言は、バックキャストの視点で未来の東京を切り開くという意識を、私ども長期戦略策定に携わる職員みんなで共有し、政策を進めていく趣旨だと受けとめております。

○清水委員 担当部長からしてみれば、私の部署だけでつくり上げたなんていうことは、申し上げることはないに決まっているわけでございますが、そういった知事の狙いですとか考えが、全職員に伝わっていればいいなというふうに思う限りでございます。
 この後、みんなでつくるこの計画のことについてお伺いしたいと思ったんですが、さきの委員の方の質疑で、やりとりでわかりましたので、ここは省略をさせていただきたいと思います。
 それで続いては、バックキャストについてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 未来の東京戦略ビジョンの特徴の一つは、やはり何といってもこのバックキャストという手法が用いられたことだと思うわけでございます。
 このバックキャストというのは、未来のある時点に目標を設定しておき、そこから振り返って現在なすべきことを考える方法だというふうなことは、教科書に書かれておりまして、私も若干勉強させていただいたわけでございますが、このバックキャストという手法を使う場面、これは非常に厳しい場面が多いというふうに聞いております。
 例えば地球温暖化対策のように、現状の継続では破局的な将来が予想されるようなときに用いられるんだと。もう待ったなしのときに、まさにあるべき姿を描いて、それに向かって何をすべきなのかというふうなことを考えていくような、そういったときに用いられることが多い手法だというふうに聞いております。
 その一方で、これまでの行政計画は、現状の実績ですとか、あるいは課題から延長線上に未来を考える、これはフォアキャストというふうな考え方ですが、このフォアキャストの考え方が大きかったと思うわけでございます。
 今回バックキャスティングの手法を用いたのはどなたのお考えなのか、また、このバックキャストを取り入れた経緯をお示し願いたいと思います。

○吉村計画部長 バックキャストの視点は、知事から示されたものでございますが、現状の延長線上ではなく、あるべき姿を想定し、そのためには何をなすべきかから考えていくことは、未来を切り開いていく上で重要な視点であると認識しております。
 それゆえに、我々としてもそうした視点からさまざまな議論をした上で、戦略ビジョンとして策定いたしました。二〇四〇年代の目指す東京の姿を提示して、その実現に向けて二〇三〇年に取り組むべき戦略を提示したところでございます。

○清水委員 いろんなこういった思考の形態があるということもわかっておりますし、このバックキャストを入れたことに対する是非を私は論じるわけではございません。
 特に、先ほども申し上げましたが、バックキャストの考え方を入れるとき、非常にせっぱ詰まったような状況が現状にあるというふうなことだと思うわけでございまして、この未来の東京戦略ビジョンの第一章の課題認識なんかは、私もそのとおりだよな、これは大変な世の中になるなというふうな、そういった共通の思いをしたわけでございます。
 しかしながら、バックキャストというのを導入する、あるいは検討する上で一番大切なのは何かといいますと、問題解決にかかわる制約とその関連要素の徹底的な洗い出しだそうなんですね。ちょっとにわかな勉強で恐縮なんですが、これは、本質的な制約を受け入れて理想とする未来を描き、その未来像に対して現在発生する問題を見きわめ、解決方法を検討する。徹底的な制約、あるいはハードルといってもいいんでしょうかね、この洗い出しだそうでございます。
 その割には、ちょっと私はこの第一章だけでその課題を認識されて、第二章からもう何か夢を語るような、この内容でいいのだろうかというふうな問題意識を持っております。
 特に、これから子供が輝く東京というのは重要かと思いますが、余りにもこの合計特殊出生率の二・〇七というふうな表現が、ちょっと今の現状、この制約、ハードルと真正面に向き合ってみると、果たしてこの二・〇七という数字をこのビジョンに盛り込むことがいいのかどうなのかというふうな気がするんですが、その辺のニュアンスも含めてご答弁を頂戴できればなと思います。

○吉村計画部長 少子化が進展いたしますと将来の日本、東京が立ち行かなくなるという深刻な現実を直視し、正面から見据えるからこそ、こうしたビジョンを掲げているものでございまして、そのために具体的な戦略を提示したところでございます。
 また、お話がございました課題につきましては、昨年の夏に出しました論点整理などの中でも詳しく分析しているところでございます。

○清水委員 だったら、二・〇七っていう数字はこのような形で出てこないんじゃないかと私は思ったんですね。二・〇七というのは、人口置換水準ですよね。二・〇七の出生率があれば今の人口をキープできるというふうな、そういった数字でございます。
 だったら、この二・〇七っていうふうなことをもし目標にされるんでしたら、戦略ビジョンの中で書かれておりますあるべき姿の二〇四〇年、あるいは次の計画年度であります二〇三〇年、今、東京の人口はたしか千三百五十万人弱だと思いますが、二〇四〇年あるいは二〇三〇年、何人になるというふうな想定をされているんでしょうか。お聞かせいただければなと思います。

○吉村計画部長 長期戦略策定のベースとして行った推計でございますが、現状のまま推移した場合、二〇三〇年の東京の人口は千四百十三万人、二〇四〇年の人口は千三百六十万人と見込んでおります。

○清水委員 ただいま担当の部長から明確に推計される人口をお示しされました。
 その人口の推計というのは、その中身はどういう中身になっているんですか。基本的に巷間いわれているのは、東京は、自然増減よりも社会増減、つまり転入出が多くなるから、出生率が今、一・二ぐらいでしたっけ、それでも人口は減っていかないんだというふうな見立てが一般的でございますが、先ほど部長がおっしゃいました二〇四〇年は千三百六十万人、二〇三〇年は千四百十三万人、これはどういうふうな中身になっているんでしょうか。今わかればお聞かせいただければなと思います。

○吉村計画部長 ただいまご答弁申し上げた人口推計でございますが、未来の東京への論点を出したときに、私どもの方で推計をしてご説明させていただいているものでございます。
 現状の出生率のままで推移していった場合、それから高齢者の方々も含めて現状のままで推移した場合に、どのような人口になっていくのかについて推計したものでございます。

○清水委員 今のは、自然的に出生される方とお亡くなりになられる方のバランスの話ですよね。
 転入される方、転出される方、そのバランスでもやはり東京の人口は変わっていくかと思うんですが、その点につきましてもお聞かせいただければなと思います。

○吉村計画部長 ただいま申し上げました推計に基づきますと、今後、自然減が拡大する一方で社会増も縮小していくということで、二〇二五年以降については、自然減が社会増を上回って、人口減少が本格化していくということに推計してございます。

○清水委員 やっぱり自治体経営における一番重要なのは、人口が何人いると仮定するかというところが基本中の基本だと思いましたので、今ちょっとあえて深くお聞かせをいただいたと思うんです。
 繰り返しになりますけど、バックキャストの手法というのは、夢や希望を語る意味じゃないと思うんですよね。これだけ厳しい現状を突きつけられている。だから、改善しなきゃいけない。じゃ、その改善をするためには、どういうふうな今やらなきゃいけないことがあるのかというふうなことだと思うんですね。
 今、東京都はこれから、二・〇七っていう数字を掲げるのかもしれませんが、例えば、厚労省の社会保障審議会の中に、人口構造の変化に関する特別部会というのがあるんですね。
 そこでの資料がございまして、将来の人口試算の合計特殊出生率の仮定というふうなケースがございまして、これはケースが四つ、上位に振れていくのと下位に振れていくの、これがあるんですね。その中の合計特殊出生率が二〇四〇年に一番いいとされているケースⅠ、これは、二〇四〇年までに結婚、出生に関する希望が実現するものであるというふうな計算です。これは、特殊出生率は二〇四〇年、一・七五ですよ。二・〇七じゃないですよ。
 国は最高でも二〇四〇年、一・七五にしかならないというふうなことだと思うんですね。
 大分、国との考え方、東京都は差があるんじゃないか、乖離があるんじゃないかというふうに思うんです。
 なぜこれにこだわるかと申しますと、戦略ビジョンの戦略というページのところにも書かれているんですが、この子供の笑顔のための戦略というのは、国全体を巻き込んだ国民運動にしなければならないということが書かれているんですね。逆にいうと、そうじゃなかったらこういったことが実現化しないというふうなことだと思うんです。
 国はあくまでも一・七五といっているんですよ、二〇四〇年。これじゃ国民運動にならないんじゃないかなというふうに疑問を持つわけでございますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンには、子供を持ちたい個々人の願いをかなえるとともに、少子化から脱却し、人口減少に歯どめをかけるという強い決意を持って、二〇四〇年代に目指す姿として、人口維持に必要な水準でございます合計特殊出生率二・〇七の実現を掲げております。
 そのためには、子供を大切にすることを最優先とする社会のマインドチェンジを図る必要がありまして、チーム二・〇七プロジェクトは、そのための重要な仕掛けでございます。さまざまな力を結集してムーブメントを巻き起こしていくことが重要であると考えております。
 国の方で策定しておりますまち・ひと・しごと創生長期ビジョンにおきましても、出生率につきまして、一定の水準の中では、例えば二〇三〇年から二〇四〇年ごろに出生率が二・〇七まで回復した場合、二〇六〇年には一億人程度の人口を確保することが見込まれるということにしておりまして、こうした国の方向性とも一致しているものであると考えております。

○清水委員 いや、この議論、そんなに深くしようと思っているんじゃないんですけど、今、部長が最後、国の方でもといったところは、ちょっと聞こえなかったんですが、仮に二・〇七になった場合は何億人と今おっしゃっていたんですか、その辺。それとも、国は二・〇七を目指すとおっしゃっているんですか。ちょっとその辺をお聞かせいただければなと思います。

○吉村計画部長 国の二〇一四年に策定いたしましたまち・ひと・しごと創生長期ビジョンにおきまして、二〇三〇年から二〇四〇年ごろに出生率が二・〇七まで回復した場合、二〇六〇年には一億人程度の人口を確保することが見込まれるとされております。

○清水委員 仮にというふうなお話だったかなと思うわけでございます。
 ぜひ、私はバックキャストというふうな方法論を導入したことがいいとか悪いとかいっているわけじゃございませんので、その辺は勘違いなさらないでいただきたいなと思うんですが、しかしながら、そういったなかなか実現が厳しい現状を突きつけられているようなものの、数字がひとり歩きしてしまってあたかも夢や希望を語っているだけの計画に見えるようなことがあるのならば、計画書そのものの公定力というのが私は下がってしまうと思います。
 だから、その辺を慎重に、これからの長期計画、実際のものを策定する場合には、慎重になさった方がいいんじゃないかなというふうに申し上げていきたいと思います。
 そしてもう一つなんですが、東京都の方は、このような未来の東京戦略ビジョンというのを策定されました。しかしながら、これは東京都内の構成団体、つまり区市町村によっては、東京都の夢の押しつけにつき合わなければならぬのかというふうな議論も出てきているそうでございます。
 その辺はぜひとも、国だけじゃなくて、やはり区市町村に、この戦略ビジョンをよくよく丁寧に説明していただかなければいけないのかなと思います。
 そこでなんですが、これもまたこの未来の東京戦略ビジョンにつきまして、今回の予算特別委員会で、我が党の総括質疑の代表質問で知事にお尋ねしたところ、知事の方から、ぜひこれから都民の皆様方によくお知りいただき、都民の皆様にご意見をいただきながら、未来のビジョンづくりに励んでいきたいというふうなご答弁を頂戴したわけでございます。
 実際にどうやってこれを都民の皆さんに理解していただいて、またさらに意見聴取をするのか、今のところお考えがあればお聞かせをいただければなと思います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンの中には、都民に最も身近な基礎的自治体でございます区市町村とともに取り組むプロジェクトもございます。
 このため、既に区長会や市長会、それから町村会に、戦略ビジョン策定の背景、内容を説明しておりまして、引き続き、区市町村と緊密に連携をとりながらプロジェクトを推進してまいります。
 また、都民の方々に対しましては、「広報東京都」への掲載、業界団体との意見交換や大学との定例懇談会などの機会を通じまして周知を図ったところでございまして、今後とも、さまざまな媒体を活用しまして工夫を凝らしながら、都民に積極的にPRしてまいります。

○清水委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 本日は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

○米倉委員 新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策第三弾について伺います。
 緊急対応の取りまとめにかかわっては、本当に皆さん、政策企画局の皆さんもですし、また現場で、病院や検査機関などの関係する皆さんは、本当に昼夜を問わない対応をしていらっしゃると思います。感謝を申し上げます。
 事態は日々変化する中で、都民の命と健康を守り、生活を安定させるということが今本当に東京都として求められた役割だと思っています。
 まず、都が今回発表した緊急対応策の検討に当たって伺いたいと思います。
 庁内ではどのように状況や課題を収集、整理しているのか、また、どのような方たちから意見や要望を集め、取りまとめているんでしょうか。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症につきましては、東京都の対策本部会議で各局の取り組み状況等を共有しておりまして、今回の緊急対応策の検討に当たりましても、それを十分に活用しております。
 また、各局におきましても、業界団体からの要望や地域の金融機関へのヒアリングなどを通じまして、現場における切実な声を聞いております。
 こうした知見や切実な声などを十分に参考としながら、今回の緊急対応策を取りまとめました。

○米倉委員 都庁内でも、また都庁外でも専門家や関係者のお話を聞き取り、それをもとに緊急対応策をつくられているということです。
 特にその都庁外から寄せられている、またはこちらから伺った要望についてなんですが、これは関係各局に共有されることは重要だと思っています。取り組んでいらっしゃると思うんですが、どのようにこの情報共有はされているんでしょうか。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 区市町村などから寄せられた要望につきましては、局横断的な検討チームにおいて共有するとともに、必要に応じて関係各局に情報を提供しております。

○米倉委員 都は、今後についてですけれども、三月二十三日を目途に新たな対応方針を発表するとしています。
 これまで都としても、業界団体や地域の金融機関から聞き取りもしていると先ほどのご答弁でもありました。やはりこれは、都内の実態把握のために必要だということで、聞いているんだと思います。やはり今後新たな方針を検討するというときに、引き続きさまざまな方たちから意見や要望を聞いていかなきゃいけないと思います。
 そういうときに、東京は特に大学が集中していますから、都がここについても状況を把握していく必要はあると思っています。都はこの間、例えば都内の大学との連携を進めてきました。
 この大学連携スキームを活用することで、大学から幅広く意見を聞きながら進めていくということも必要だと思っています。いかがですか。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 今回の対応策では、区市町村や感染症などの専門家の意見を初め、各局でもさまざまな要望などを伺い、これを適切に反映しながら取りまとめております。
 大学との定例懇談会におきましても既に連携を呼びかけておりまして、経済情勢や感染の状況などを踏まえて必要な対策を講じてまいります。

○米倉委員 大学についても既に連携はされているというふうな答弁でした。
 詳しく伺いましたら、二月半ばに大学関係の皆さんの集まる場があって、そのときに話題になっているということです。
 ただ、やはり事態は変わっていますので、ぜひ、今後の都の検討としても、改めて大学関係者や、また学生、都内に若者もたくさんいますし、そういったところも含めて意見や要望を聞いていただきたいと思っていますが、いかがですか。

○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 先ほどもご答弁をいたしましたとおり、今回の対応策では、区市町村、感染症などの専門家の意見を初め、各局でもさまざまな要望等を伺って、これを適切に反映しながら取りまとめております。
 新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえますと、さまざまな意見を伺うことは当然でありまして、経済情勢や感染の状況などを踏まえて必要な対策を講じてまいります。

○米倉委員 私も学生から実態を聞いています。複数、やはりコロナウイルスのこの状況によって大変になっているという声を既に聞いています。
 例えばですけれども、奨学金とアルバイトの費用で学費や生活費を支払っている学生というのも一定数いらっしゃいます。そういう中で、具体的には、アルバイト先がもう休みになって収入が激減したですとか、バイトが全てなくなり今月の収入がない、七万円ぐらい稼いでいたんだ、どうしようというような声を聞いています。報道では、内定取り消しも起きているということもいわれています。
 都として、少なくともやはり大学連携のスキームを活用したヒアリングはしていただきたいと思いますし、その他の大学にも実態を知っていただけるように、ぜひ依頼をするなどして対応していただきたいと思います。
 最後にですけれども、政府は、自由と権利の制限を行うことのできる新型インフルエンザ対策特措法の改定を提案して、国会で議決されました。この自由と権利の制限については、必要最小限度としているんですが、法律上はその保証はないという実態です。
 緊急事態宣言が出されれば外出自粛の要請が可能となり、学校や保育所、介護老人保健施設など多くの人が利用する施設の利用の制限、停止を要請し、指示することができます。さらに、医療施設建設のために土地や建物を同意なく使用できるとされています。首相がこの宣言を行えば、都道府県知事にこうした強大な権限を持たせることができます。
 しかし、この緊急事態宣言を行う基準が極めて曖昧なものとなっています。重篤とは何か、相当程度高いとはどの程度か、蔓延とは何かと。これらを誰がいかなる根拠で判断するのかということも定めがありません。科学的根拠について専門家の意見を踏まえる仕組みすらないという状況です。緊急事態宣言を解除する基準もまた明確ではないという状況です。
 こうしたことから、日本共産党としては、国会ではこれに反対をしています。そのことを述べて、質問を終わります。

○宮瀬委員 よろしくお願いいたします。
 私の方からは、新型コロナウイルスについてまずお伺いしたいと思います。
 さきの本会議の中途議決の際に討論でもお伝えさせていただきました、都が主催するイベント等に関する件でございます。
 都が二月二十二日から三週間、三月十五日まで、都主催のイベント等を原則延期または中止とすると決断をしたことは大変重要なことだと受けとめております。都はさらに、先週十二日に、月内について、今月いっぱいですね、現在の対応方針を継続するということを新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策、今回の第三弾の中で発表されました。
 しかし、四月には都内各地で入学、入園、入社式等、各種行事やイベントが控えているわけであります。
 やはり都民の皆さんが気にしているであろうことは、四月以降については何をもって、どのようなファクトや基準をもってイベントを解禁とするのか、また解禁としないのか、都民に明確にすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小笠原政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症は、現在、都内の感染者数が大きくふえている状況にはないものの、連日新たな感染者が確認されており、引き続き警戒が必要でございます。
 都は三月十二日に、新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策第三弾を発表いたしました。都主催イベントの取り扱いについては、開催に伴う感染の拡大を防ぎ、感染者の増加を可能な限り抑制していくことや、事業者の先の見通しを立てやすくする観点から、先月二十一日に公表いたしました都主催イベントの取り扱いについての対応方針を、月内について継続することといたしました。
 なお、国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議からは、三月十九日ごろを目途に、北海道での対策について、感染者数の変化、実効再生産数、感染源が明確な患者数といった複数の科学的な指標を用いて効果を判断するとともに、他の地域の状況の確認などをした上で、全国で行われている対策も含め、専門家としての考えを政府に伝えるとの見解が示されております。
 こうした国の動向を踏まえまして、三月二十三日ごろを目途に、都としての新たな対応方針を発表する予定でございます。

○宮瀬委員 ご答弁をまとめますと、一点目は国の動向を見る、二点目はその上で都が対応方針を発表するということでありましたが、私がお伺いしたいのは、その上で都が対応方針をどうしていくのかという判断基準であります。
 例えば、全国的には感染者がふえ続けたとしても、東京都の感染者がふえていないといった状況、ねじれるような状況もあるかと思います。さらに、大阪府では十三日に、換気を奨励するなど府が定めた三原則を守ることを条件に、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため自粛してきた府主催のイベントについて、二十一日から順次再開する方針を決めたという話があります。
 というのが、どうしてこんなことを聞いているかというと、事業者の先の見通しを立てやすくする観点からといった発言がありましたが、私のもとにも、四月四、五、土日の大きなイベントを控えている企業の皆さんとかそういったところは、東京都が今まで、三月までは中止ですよというお願いをしているので、取引先も自分の会社も双方納得の上で中止にできると。しかし、大きな会場ですと大きなお金がかかる。こういった状況になればそろそろ解禁になるのかな、まだまだこれがこういう状況でふえ続けているならまだまだ先かなといったことで、民間企業等もある程度、自分たちで推測ができるのではないかというお話を聞いてまいりました。
 改めてお伺いしますけれども、国の動向を踏まえた上で、何をもって都が判断するのかお伺いいたします。

○小笠原政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 国の専門家会議は、感染者数の変化、実効再生産数、感染源が明確な患者数など複数の科学的な指標を用いて、これまでの対策についての効果を判断するとしております。
 都の新たな方針につきましては、今後の国の動向を踏まえますとともに、クラスター発生のリスクが高い場に共通する三つの条件などを踏まえまして、引き続き検討してまいりまして、三月二十三日を目途に都としての新たな対応方針を発表する予定でございます。

○宮瀬委員 ご答弁、ほとんど変わらなくて、注意深く聞いていますと、クラスターの条件等と。それは、例えば箱の中でイベントを行うようなところであれば、どの条件もその条件に当てはまってしまうわけであります。
 なかなか難しいご質問をさせていただいているのは重々承知でありますが、やはり都民の皆さんは、何をもって今後、例えば大阪は解禁しました、じゃ、東京はどうなのか、みんな行方を固唾をのんで見守っていますので、ぜひ私は、そのファクトや基準をある程度はお見せすることが必要かと思っております。
 次の質問でありますが、都民の関心事でございますオリンピック・パラリンピックの影響でございます。
 一部の報道では、今後可能性がありそうなシナリオとして、無観客など条件つきでの開催、ことしの秋以降に延期、二〇二一年七月以降に延期、大会そのものの中止と、いろんなパターンが述べられております。
 私はやはり、もちろんオリンピック、通常どおりやりたいと思っております。ただ、小池知事も常々、備えよ常にとおっしゃっているように、これからは、新型コロナウイルス感染症をめぐる東京都の緊急対応策の策定の中でいろんなパターンを設けて、先手を打ってその対策を講じ、それを組織委員会やIOC等含めてしっかりと先手を打って提言をしていくと。単純にこのまま、やります、やりますといったことでない対応が必要ではないかと私は思っております。
 そこで、ファクトを確認しますが、東京都の緊急対応策の策定過程において、オリンピック・パラリンピックの中止、延期等も含めた議論というのは今までされたんでしょうか。お伺いいたします。

○小笠原政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 今回ご報告をいたしました新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策第三弾は、三月十日の国の緊急対応策も踏まえまして、都民生活、学校、企業等の不安を払拭し、感染拡大を抑制するための対策として取りまとめたものでございます。
 この緊急対応策は、当面の都及び都民等の行動指針、緊急対応策、国への緊急要望の三つを柱といたしまして、年度末であっても予備費を活用するなど、時間をかけることなく緊急に取り組むべき対応策を取りまとめたものでございまして、東京二〇二〇大会の中止や延期等を検討対象としているものではなく、そうした議論を行ってはおりません。

○宮瀬委員 ご答弁を注意深く聞いていますと、私はもうちょっと広くそういった中止や延期等も含めた議論、パターンを設けて議論してきたんですかとお伺いしたんですが、今回のは、そういった検討対象としているものではなく、そうした議論を行っていないと、ちょっと抽象的なご答弁なんですが、要はそういった議論はどこに至ってもないということでいいんでしょうか。

○小笠原政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 繰り返しになりますけれども、今回の緊急対応策は、東京二〇二〇大会の中止や延期などを検討対象としているものではなく、そうした議論は行ってはおりません。
 なお、先週十二日の予算特別委員会における質疑の中でございますが、東京二〇二〇大会の中止や延期に関しまして、オリンピック・パラリンピック準備局を所管する多羅尾副知事が、今後もIOC、IPC、組織委員会、国などの関係機関としっかり連携し、予定どおりの開催に向けて万全を期していくとの答弁をしております。

○宮瀬委員 私も予定どおりにオリンピックができれば本当にいいと思っております。
 ただ、この状況で、世界中、例えば今ヨーロッパも感染者がどんどんふえてきて、お客さんもたくさん来る中で、本当にどうやったらできるのかというのを前向きにでも、いろんなパターンを考えて提言することがやっぱり私は必要だと思います。
 取りまとめとしております政策企画局の方から、最終的には知事がお決めになることだとは思いますけれども、ぜひそういった声があるといったことを私はお伝えさせていただきたいと思います。
 一部報道ですと、早く延期等の対応をすると余計なコストはなるべく抑えられると。大会関係者は五百億から一千億の節約は可能ではないかといったコメントも聞いております。
 いきなり条件つきの開催、延期、またその他のお話がおりてきて、遺憾だけれども従うといった受け身の対応ではなくて、開催都市として、都民の命を守るのはやはり東京都だと私は思っておりますので、積極的な対応を求めたいと思っております。
 決して楽観的な見通しを皆さんされているとは思いませんし、さまざまな事情もあるとは思いますが、都民の命を守る、そして大会を開催させる形を検討していただきたいと思っております。
 次に、戦略ビジョンについて申し上げます。
 私はこの戦略ビジョンの冊子を見まして、率直に私、皆さんとは是々非々で向き合っていますが、すばらしいと思いました。野心的で、私は結構数字を確かめることが非常に多いんですが、その中で、数字も書いてあるものもあれば、書いていないものもあると。とりわけ、チーム二・〇七と、先ほど清水理事からはありましたが、私はどちらかというと、この件、大変ポジティブでございます。
 まずいいなと思ったところが、前回の質疑の際に、やっぱり東京都の職員が思い込みでいろんなものを決める、優先順位を決めるのではなくて、客観的なマーケティング調査を行ってくださいと。巻末を見ますと、一万件の声をちゃんとクラスター分析をされて優先順位をつけたといったところ、私はその部分も評価したいと思います。
 私は、このチーム二・〇七のところでまず確認させていただきたいのは、なぜ二・〇七としたのかというところであります。これは先ほど質疑も聞いていましたので割愛させていただきますが、人口維持に必要な水準だといったことであります。
 では、質問聞いていましたが、プロジェクトの概要についてお伺いしたいと思います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンに掲げた少子化からの脱却の実現に向けては、子供を大切にすることを最優先とする社会へのマインドチェンジを図る必要がありまして、チーム二・〇七プロジェクトはそのための重要な仕掛けでございます。
 民間企業、スタートアップ、大学やNPOなどの多様な主体と連携して、子供に優しい働き方を推進するとともに、ネットメディアとの連携により若い世代に対して情報提供を行うなど、さまざまな活動を展開することで、チーム二・〇七ムーブメントを推進していくものでございます。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 チーム二・〇七、大変いいと思うんですが、前向きなご提案を幾つかさせていただきたいと思っております。
 八九ページを見ますと、この図が出ていて、関係団体、NPO、民間企業、東京都、区市町村、大学と出ているんですけれども、私、最近、不妊治療のクリニックに視察に行きまして、四十前後の女性とご夫妻が子供を授かりたいといろいろご苦労、そして悩み、そして金銭的にも大変な負担を持って不妊治療に通われていると。その上で、実際妊娠できるかどうかがわからないと。
 また、これは常々いっているんですけれども、不妊治療で苦しまれている方というのは、ずっと真剣に若いとき仕事をされていて、結婚するタイミングが遅くなった。でも、もう少し妊娠適齢期、妊娠しやすい時期を学校等で、そのカーブ曲線ですね、教えてもらえれば、男女ともにもう少し早い対応もできたかなと、私、そういう授業を受けたことがないといったことで、学校等で、不妊教育といったら語弊があるかもしれませんが、そういった授業もやるべきだと訴えてまいりました。
 そういった医療関係の方々や学校の教育関係の方も大切なプレーヤーだと思っておりますが、この中には入っていないといったところでございます。こういった方々も加えて総力を挙げるべきだと思いますが、見解を伺います。

○吉村計画部長 社会全体のマインドチェンジを促進するためには、産官学民などあらゆるステークホルダーの知恵を結集する必要がございます。
 また、チーム二・〇七プロジェクトの活動が活発で実効性あるものとして継続できるよう、具体的な行動ができる主体に参加していただくことも重要でございます。
 こうした視点を踏まえながら、今後、産業界、学識経験者などの専門家、都議会などさまざまな方々からご意見を伺いながら、プロジェクトの内容について具体的な検討を進めてまいります。

○宮瀬委員 ちょっと答弁わかりづらかったんですが、端的に、学校関係者、不妊治療などを行う医療関係者は含んでいただけるという認識でいいんでしょうか。ちょっとお伺いします。

○吉村計画部長 チーム二・〇七のプロジェクトの具体的な内容につきましては、今後、産業界、学識経験者などの専門家、都議会の方々などさまざまな方からのご意見を伺いながら検討してまいります。

○宮瀬委員 これ以上はいいませんが、ぜひ入れていただきたいと。その学識経験者というのが学校関係者なのか、産業界というのが医療機関なのか、ちょっと議論が分かれるところでありますが、期待をしておりますので、お願いいたします。
 あとは、このプロジェクトですが、この表を見ていきますと、中に打ち手が書いてあるんですね。打ち手が普及啓発、広報展開、働き方改革、事例の共有と書いてあるんですが、私、済みません、大変心もとなく思っておりまして、東京都の行う広報展開でどれだけ子供の出生率が上がるのかなというのは大変懐疑的でございます。
 それも大事でありますが、それよりももっと実効的な打ち手、金銭的なインセンティブや、また不妊治療の助成も限度金額を上げましたけれども、そういった実弾がないと、笛だけ吹いて、それで終わってしまうのではないかなと思っております。そういった実効的な打ち手をふやしていくべきだと思います。
 さらには、この中ではスケジュール感がいまだちょっと見えづらいところがありますが、そういった実現のためのロードマップをどう描くのかお伺いいたします。

○吉村計画部長 戦略ビジョンでは、それぞれのプロジェクトにつきまして、その目的と取り組みの方向性を示しております。社会のマインドチェンジに向けましたチーム二・〇七プロジェクトは、子供、子育ての支援や働き方改革など就労環境の整備、さまざまな行政分野がかかわることから、各局と連携して取り組みを進めていく必要がございます。
 このため、今月、副知事をトップとして、子供の笑顔のための戦略を推進するチームを立ち上げたところでございまして、この推進チームを核としまして、組織横断的な検討を行い、チーム二・〇七プロジェクトの進め方や効果的な方策を具体化してまいります。

○宮瀬委員 これから方策を具体化していくということで、ぜひ広報や啓発、事例共有ではなくて、実効的な本当に対応をお願いしたいと思います。
 また、二〇四〇年代に向けて二・〇七と出生率出ているんですが、一朝一夕になるわけではないと思っておりまして、中間地点であります二〇三〇年はどうなっているのかお伺いしたいと思います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンでは、二〇四〇年代の東京ビジョンとして、子供を産み育てることが社会全体の喜びとなった結果、合計特殊出生率が二・〇七となることを目指すべき姿として示しております。
 その姿を実現するため、二〇三〇年に向けた子供の笑顔のための戦略の中で、子育て世代への切れ目ない支援や、子供を大切にすることを最優先とする社会へのマインドチェンジなどの取り組みを進めることとしておりまして、男性の育休取得、家事、育児時間や待機児童等に関する具体的な政策目標を掲げ、その実現に向けて全力で取り組んでいくこととしております。

○宮瀬委員 数字がないわけであります。五年後、十年後、十五年後、そして二十年後、そして二〇四〇年代と出生率のカーブを描いていかないと、いきなり二・〇七というのはあり得ないわけでありますから、ぜひ中期目標といいますか、目標値をベンチマークしていただいて、設定していただきたいなと思います。
 次に、ちょっと厳しい指摘をさせていただきたいと思いますが、平均寿命、健康寿命というのが、この中で三八ページに、ともに九十歳を超えると書いてあって、これはもう完全に数字です。
 しかし、さきの予算特別委員会におきまして、健康寿命の目標設定について福祉保健局長に――今、国の方で三歳上乗せの数字、しっかりと目標数値を出しているんですが、福祉保健局は、数値を聞いたにもかかわらず、延伸という答弁でございました。
 政策企画局の方では明確に二〇四〇年代に九十歳を超えると書いているのに、福祉保健局は延伸となっていて、やはり政策目標というのを定量化すべきだと考えますが、見解を伺います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンは、政策企画局が都庁各局と緊密に連携を図りながら策定しておりまして、お話の健康寿命に関する二〇三〇年に向けた政策目標についても、福祉保健局と調整を図った上で設定いたしました。
 設定に当たりましては、数値目標を掲げるための科学的観点からのエビデンスが十分ではないということなどを勘案しまして、現在男女とも八十歳を超えております都民の健康寿命につきまして、男女ともに延伸といたしたところでございます。
 また、戦略ビジョンでは、二〇四〇年代の目指すべき姿として、平均寿命と健康寿命がともに九十歳を超えるというビジョンを示しているところでございます。

○宮瀬委員 ここで私、少し混乱してしまうんですけれども、今ご答弁の中で、数値目標を挙げるための科学的な観点からのエビデンスが十分でないといったことで、無理なんですと。ただ、常識的に考えて、方向性として平均寿命、健康寿命を延ばさないという選択肢はないわけで、どう考えても延伸させる、その量を聞いていきたいと。
 ちょっと不安になってしまうのは、この長期ビジョンの数字が科学的な観点のエビデンスがないものなのかと、今ご答弁あったように、実効性が少し疑われてしまうわけであります。
 もう一つご指摘させていただきたいのは、この中で、一万件の声を客観的に分析されたといったことで、冒頭、大変評価させていただきました。このページでいいますと二九五ページなんですが、まさにこのランキングが、都民が求めているニーズだと思っております。このニーズに沿って、関心度の高いものを優先順位をつけて取り組むのが、私は道理だと、都民が望んでいるわけでありますから。
 こういった優先順位をつけてやっていくべきだと思いますけれども、この都民のニーズはどう反映されたんでしょうか。お伺いいたします。

○吉村計画部長 戦略ビジョン策定に当たりまして実施いたしました都民意見大募集で出された意見につきましては、自由意見の中で多く使われた語句を年代別に集計したり、関連性の高い語句の結びつきを分析してグループ化した上で、わかりやすく示しているところでございます。
 こうした都民の意見を踏まえながら、取り組むべき政策上の課題などの検討を行った上で、戦略ビジョンを策定いたしました。

○宮瀬委員 少しかみ合わないんですが、要は何がいいたいかといいますと、これに書いてある例えば第二位は、満員電車の混雑や交通渋滞の緩和がされた快適な移動、通勤なんですね。しかし、皆さんのこの中ですと、約百二十の推進プロジェクトが位置づけられているんですけれども、こういった項目がとりわけ優先されているように思えないわけであります。
 約百二十の推進プロジェクトに優先順位がなく、全てが同列では、都民の声が政策に結びついているといえないのではないでしょうか。お伺いいたします。

○吉村計画部長 約百二十の推進プロジェクトは、都民意見を踏まえつつ、バックキャストの手法を取り入れて、長期的な視点に立って必要性を吟味して立ち上げたものでございます。プロジェクトの内容は多岐にわたりますが、都政が果たすべき役割は幅広いため、いずれも重要性が高いものと考えております。
 プロジェクトの推進に当たりましても、いただいた都民意見を参考に、さまざまな施策を総合的に展開し、全庁を挙げて強力に取り組みを推進してまいります。

○宮瀬委員 いずれも重要性が高いと、それはみんな思っていますよ。ただ、都民が求めている優先順位があって、その優先順位に向けて、人、物、金の有限の資産、資材を配分していきましょうという話でございます。どれも重要だから百二十挙げていると思うんですけれども、都民の皆さんは満員電車を何とかしてほしいと切実な、二番目に挙がっているじゃないですか。その項目を優先順位をつけてやっていただきたいといっているわけでございます。
 ほかの百二十のうちのどれが低いとか高いとかというのを具体的にはいいたくありませんが、もう明確にこの二九五ページに、一番が治安や災害、次は満員電車対策、三位はバリアフリーと書いてあるわけですから、その優先順位で進めていただきたいと思います。
 また、次は財源です。この財源なんですけれども、我が会派は、財政推計を出すべきだと財務局にかねがね提案し続けまして、三年かかりましたが、このたび財務局の方で財政推計を出していただくこととなりました。
 長期的な推計でございますが、その財政推計のいわゆる財源の考え方と、この長期ビジョンの打ち手が連携していたかどうかというのは大変関心の高いことでございます。
 つまり、お金があって、お金は有限で、推計値を立てている。これも未来のことが書いてあると思う。これはリンクしてあるのかお伺いいたします。

○吉村計画部長 昨年末に公表されました財政の長期推計ですが、戦略ビジョンの策定に合わせまして財政面からの考察を行ったものでございまして、現在の都財政の実力を明らかにしたものでございます。
 戦略ビジョンの推進に当たりましては、戦略的な政策展開を可能とする持続可能な財政力の堅持が必要でございまして、戦略20、新たな都政改革戦略におきまして、その取り組み自体を推進プロジェクトとして位置づけております。
 この中で、無駄の排除の徹底、時代に即した施策の新陳代謝、国への財源確保を求めていくことなどを示すとともに、戦略ビジョンの推進を通じた未来への投資を行うことで、成長が財源を生み、さらなる施策へとつながる好循環を生み出すことを目指していくとしております。
 引き続き、財務局と連携を図りながら、戦略ビジョンの推進に向けて取り組んでまいります。

○宮瀬委員 最後ご答弁ありました、引き続き財務局との連携とありましたが、私、端的に聞きたいんですけれども、今ある財政推計との連携はあったんでしょうか。財務局との連携ではなくて、財政推計とのすり合わせについて教えてください。

○吉村計画部長 昨年末に公表されました長期推計は、戦略ビジョンの策定に合わせて財政面からの考察を行ったものでございまして、私どもとしても共有しているものでございます。
 今後、さらに戦略ビジョンをブラッシュアップしまして、長期戦略として結実させてまいりますが、その実行に当たりましては、当然ながら財政面の裏づけが必要となるため、引き続き、財務局と連携を図りながら取り組んでまいります。

○宮瀬委員 やっぱり明確におっしゃらないので、多分、財政推計との連携というのが私はないんじゃないのかなと思っております。
 それを証拠に、さきの代表質問におきまして財務局の方に確認をしましたら、財政推計との連携を聞いている部分ですけど、答弁ございませんでした。つまりこれは財政推計との連携が、この戦略ビジョン、ないんじゃないでしょうか。
 これ以上は同じ答弁の繰り返しだと思いますが、今後は財政推計、財政がどうなっていくのか、まさに二〇四〇年代を踏まえた計画を結びつけないと、絵に描いた餅になってしまうと思っております。
 最後の提案といいますか、ちょっとわかりづらい点なんですけれども、東京都の方で事業があると、そこでいわゆるPDCAサイクルがある中で、実は事業評価が三つもあると。政策企画局では事業実施状況レビュー、財務局では事業評価、総務局では都政改革の政策評価と、PDCAのサイクルが一つの事業に対して三つ、三局に分かれて走っていると。その切り方も、ユニットごとだったり、事業ごとだったり、いろんな観点でそれぞれの局がばらばらに事業を評価しているので、同じ事業に対する評価が一定しないといった課題に私は気がついたわけであります。
 そういったことから、私は、事業評価の仕組みを財務局と政策企画局と総務局と、しっかりと統一したものにしないといけないと思っております。
 この長期ビジョンを受けまして、今後策定する長期戦略に基づく実施計画を策定する予定と聞いておりますが、長期戦略及び実施計画の策定に当たっては、政策企画局が各局とコンセンサスを図りながら計画の実効性を高めていくべき、つまり政策評価、事業評価、事業実施状況レビューと連携していった方がいいと思いますが、見解を伺います。

○吉村計画部長 現在推進しております二〇二〇年に向けた実行プランでは、事業実施状況を把握、検証してPDCAサイクルを回し、各局と連携して政策の強化を進めてきております。長期戦略の推進に向けましては、こうした手法を勘案しつつ、今後検討を進めてまいります。

○宮瀬委員 今後検討を進めていただけるということで、ぜひこれは財務、政策、総務とPDCAサイクル別々に回っていますので、ぜひ統一したものをつくっていただきたいと思います。
 最後のテーマでございますが、都政広報でございます。
 ことしの一月、政策企画局では、伝わる広報といったことで、各局に依頼の文書を出したと聞いております。
 かねがね広報に関しましては、外部の人をとった方がいいのではないか、また、広報についてもPDCAサイクル、きょうも他局ではございますが、どうやって目標数値を出していくのか、その議論をさせていただいたところでございます。この文書を出すに至った経緯と内容について伺います。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 東京二〇二〇大会の開催が迫る中、効果的な広報を実施すべく、広報体制の強化として私自身、昨年四月に戦略広報担当部長として着任いたしました。
 昨年八月には、都の広報を、伝える広報から伝わる広報へと転換することを方針として示し、デジタルメディアの積極的な活用や都民の反応を捉えた広報の実施を各局に促しております。
 さらに、ことし一月には、伝わる広報の実現に向けて、KPIの設定や効果測定の実施など、PDCAを着実に実行するよう各局に依頼したものでございます。

○宮瀬委員 ありがとうございます。私、この取り組みに大変感銘を受けておりまして、ぜひ頑張っていただきたいなと。
 ただ、一個課題がありまして、きょう選挙管理事務局とも質疑したんですが、各施策、若年層に向けての啓蒙活動、施策がある中で、目標とする目標値は何ですかと聞いたところ、目標値は設定していませんと普通にご答弁されていました。
 ということは、この文書にもあるんですけれども、各局の広報担当者に対して、伝わる広報への転換に向けた広報関係業務の展開について(依頼)と、依頼になっているので、これが本当にほかの局の皆さんがきちっとやっていただけるのか、目標値やKPIの設定などをしっかりと設定していただけるのかが不安でございます。
 各局が着実に実施できるよう、実効性をどのように担保するのかお伺いいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 広報の主体である各局がPDCAを着実に実行するためには、依頼することにとどまらず、戦略広報担当のきめ細やかなサポートが欠かせないことと考えております。
 そのため、先月には各局広報担当者らを対象に、広報計画や効果測定に関する講習会を開催しております。
 また、専門人材である私と戦略広報担当課長が、マーケティングのノウハウを生かし、広報目標の設定など、各局からの相談に精力的に応じております。
 伝わる広報の実現に向け、各局がPDCAを着実に実行できるようハンズオンで支援を行ってまいります。

○宮瀬委員 私、ハンズオンというのはわからなくて、手とり足とりという意味だったということで、手とり足とり、時には、ちょっといい方は失礼かもしれないですけど、首根っこも押さえてやっていただきたいなと思っております。
 以上で質問を終わりますが、ぜひ出生率二・〇七、これを私は何としてでもご協力させていただきたいと思っております。
 個人的なことをいって恐縮ですが、私、会社員で、子育て、妊娠雑誌等をやっていて、子供が減ってどんどん部数が減っていくと。部数が減っていくと、みんな無理をする。体を壊す。次、ベビーカーが売れなくなる。車が売れなくなる。家が売れなくなる。人口減というものがどんどん今働いている会社員の皆さん、いわゆるマーケット、日本のマーケットがシュリンクしていて、みんなつらい思いをしています。
 僕の大学時代の後輩が仕事を苦に自殺をしてしまった。これがやっぱり大きな、私は政治家になった――少子化を何とかしていきたい。一民間企業ではできないんです。なので、私はこのチーム二・〇七を本当に心から応援したいと思います。文句だけではなく、私も案を出しますので、この二・〇七の旗を落とさぬよう心より要望しまして、質問を終わります。

○山内委員 未来の東京戦略ビジョンについて、人に着目する観点から質問いたします。
 まず、昨年八月に公表した論点整理に引き続き、未来の東京戦略ビジョンにおいて、経済、テクノロジー、気候変動、人口構造の四点を歴史的な転換点と位置づけた意図について、改めてお伺いいたします。

○吉村計画部長 戦略ビジョンの策定に当たりまして、まず、将来の都民生活に大きな影響を与える変化、変革としてどのようなものがあるかを分析し、それらを踏まえて都が目指す東京の姿を考えていく必要があるとの考え方から、四つを掲載させていただいております。
 まず、経済の分野は、平成の三十年間で日本の国際的な地位は低下し、世界の枠組みが大きく変化する中、我が国が生き残るための戦略が問われております。
 テクノロジーの分野では、第四次産業革命のうねりの中で、日本、東京は世界から大きくおくれをとっており、危機感を持って取り組みを進めていく必要がございます。
 また、世界的な気候変動の危機が自然災害の頻発など都民生活に深刻な影響を及ぼしており、ゼロエミッション東京の実現に向けた取り組みを強力に進めていく必要がございます。
 さらに、人口構造の変化として、例えば、人口減少の急激な進行は、労働力不足や生産活動の停滞、個人消費の減少など、社会経済活動を減退させ、都市の活力に大きな影響を与えるおそれがございます。
 こうしたことから、この四つを歴史的な転換点に位置づけ、危機感を持って正面から向き合うとしたものでございます。

○山内委員 未来の東京戦略ビジョンでは、戦略1、子供の笑顔のための戦略で、社会のマインドチェンジという言葉が使われておりますが、その意図をお伺いいたします。

○吉村計画部長 戦略1、子供の笑顔のための戦略では、未来を担う子供を大切に育てる観点から、子供の目線に立ったまちづくりや、産前から出産、子育てが終わるまで切れ目なく子供や家庭を支えることを柱としております。
 このベースとなるのが、子供を大切にすることを最優先とする社会に向けたマインドチェンジを促すことでございまして、その実現に向けて、産官学民が協働するチーム二・〇七プロジェクトを推進することとしております。
 このプロジェクトでは、子供や子育て世代に対する優しさや働き方など職場の意識変革を通じて社会全体のマインドチェンジを図り、子育て世代が社会から孤立することなく、温かく見守られていると感じることができる社会を目指してまいります。

○山内委員 二〇四〇年代の東京のビジョン01、子供において、子供の目線に立った政策やまちづくりが徹底されとありますけれども、どのように子供の意見を聞き、反映していくのかお伺いいたします。

○吉村計画部長 ビジョン01、子供の笑顔と子供を産み育てたい人であふれ、家族のきずなと社会が支える東京を実現するため、子供の笑顔のための戦略におきまして、子育てに全力で取り組む区市町村徹底支援プロジェクト、チーム二・〇七プロジェクトなどを盛り込んでございます。
 この中で、まずは都が率先して、子供が主役となり意見を発表する場づくりや、子供目線での居場所、遊び場づくりなどに取り組むこととしております。
 さらに、区市町村徹底支援プロジェクトにおきましても、子供や子育て世代との対話などを通じまして、これまでにない子供目線、子育てのための政策、まちづくりの推進に全力で取り組む区市町村を、都が強力に支援していくこととしております。

○山内委員 未来の東京戦略ビジョンでは、変化、変革の検証を踏まえ、将来を見据えた場合の東京の強みと弱みについて整理を行っています。
 その中で、教育、人、地域社会の分析の中で、教育システムの転換が必ずしも十分でないを弱みに挙げていますが、戦略ビジョンではどのように解決しようとしているのかお伺いいたします。

○吉村計画部長 時代の変化がますます激しくなり、不確実性が増す中では、一人一人の子供たちの個性や能力を最大限に伸ばし、みずからの希望や意思に基づいて人生を選択していけることが重要でございます。
 従来の受け身型、知識習得型の教育では、こうした時代の変化のスピードに対応する能力を身につけることは難しいため、変化に柔軟に対応できるよう、子供一人一人の自立性や主体性、創造力、課題解決力などを伸ばす学びへと大きく転換していく必要がございます。
 そのため、戦略ビジョンでは、戦略2として、子供の伸びる、育つ応援戦略を掲げ、子供の学びを社会全体でサポートし、一人一人の個性や能力に向き合う新たな東京型教育モデルを確立していくこととしております。

○山内委員 また、今回の未来の東京戦略ビジョンで、インクルーシブという言葉が使われています。どのようにしてインクルーシブな東京をつくり上げていくのか、その狙いをお伺いいたします。

○吉村計画部長 未来の東京戦略ビジョンでは、政策の基軸といたしまして、人に寄り添い、多様性や包摂性に富んだ社会の実現を掲げております。
 人が輝く東京の実現に向けては、一人一人がお互いを認め合い、尊重し合う社会をつくっていく必要があることから、戦略6、ダイバーシティー共生社会戦略におきまして、インクルーシブシティー東京プロジェクトを掲げております。
 このプロジェクトの中で、東京で暮らす人々がお互いに共生意識を高めるための人権の啓発や教育を推進するとともに、学校や職場、地域などさまざまな場面においてお互いに交流をする場づくりを進めることとしております。

○山内委員 人が輝くに焦点を当てた取り組みについて伺ってまいりましたけれども、今後これをどのように進めていくのかお伺いいたします。

○吉村計画部長 戦略ビジョンにおきます二十の戦略のうち、七つを人が輝く東京を実現するための戦略として掲げております。
 とりわけ、Children、Choju、Communityの三つのCを柱といたしまして、子供の笑顔のための戦略、長寿社会実現戦略、住まいと地域を大切にする戦略を掲げておりまして、チーム二・〇七プロジェクトのように関係局が多岐にわたる取り組みにつきましては、組織横断的な推進チームを立ち上げ、各局が連携して強力に推進してまいります。
 既に各プロジェクトの推進に着手しておりまして、具体的な施策やスケジュール、スキームなどを詰めた上で、長期戦略に反映させてまいります。

○山内委員 人に着目をしながら、今後、未来の東京戦略ビジョンを踏まえて、二〇二〇年度内に長期戦略を策定するということですけれども、環境への視点、気候変動対策をもっと大きな柱にするべきと私は考えております。
 SDGsは、誰もが豊かで安全な暮らしを将来にわたって継続的に営めることを目的に、十七の目標を三層に分類し、総合的に捉えて、SDGsウエディングケーキモデルとしてあらわされます。経済は社会に、社会は環境に支えられて成り立つ。人間社会と経済活動の持続可能性は地球環境に支えられているということだと思います。
 四つの歴史的な転換点の一つとして気候変動を挙げていますが、未来の東京戦略ビジョンでは気候変動にかかわる記載が小さく、もっと大きな柱、土台とすべきではないかと考えます。
 都民にも影響を及ぼす地球規模の気候危機に対する都の認識についてお伺いいたします。

○吉村計画部長 未来の東京戦略ビジョンでは、今後起こり得る変化、変革の中で、一つの歴史的な転換点の一つとしまして、気候変動の危機が訪れていることを明確に記載しております。そして、これを克服し、ゼロエミッション東京を実現していくための具体的なゼロエミッション東京戦略を示しております。
 また、日常化する台風、豪雨災害などさまざまな災害に対しまして、ハード、ソフト両面からの備えを加速し、都民の命を守るための安全・安心なまちづくり戦略や、気候変動の影響の抑制やゆとりと潤いのある生活を実現するため、公園や緑地などさまざまな緑をふやし水辺を豊かにします水と緑あふれる東京戦略を掲げているところでございます。

○山内委員 昨年を振り返ってみますと、気候変動の危機を訴えてグローバル気候マーチを行う若者たち、大学入試改革の中止を求める高校生たち、ボール遊びがしたいと遊び場を求めて陳情を出した小学生など、子供、若者たちが自分たちの要望を政治の場にしっかりと声を上げました。大きな期待を持っております。
 経済優先に突き進んだ結果に対する環境の危機感に声を上げた若者は社会の一員であるということを肝に銘じ、一緒に未来をつくっていかなくてはならないと思っています。
 虐待、子供の貧困、生きづらさを抱えている子供、若者たちなど、子供を取り巻く厳しい環境を家族だけで担わせるべきではありません。社会全体で支えていく必要があります。
 新型コロナウイルス感染症対策としての学校休校で、保護者や子供たちはストレスをためています。対策として、オンライン教材などが取り上げられていますけれども、インターネット環境が整っているほんの一部の家庭を基準にした発想だと思います。ひとり親家庭や非正規で働く保護者などは、生活の危機に瀕しています。
 今だからこそ、計画でうたっている子供目線に立った政策に立つべきです。
 例えば、具体的にいいますと、教室の一部や校庭を開放して教師が立ち会うなど、具体的施策を展開することが重要だと思います。担当が違うとかいうお話もあるかもしれませんけれども、全局横断で横串を刺した政策実現というならば、こういうときだからこそ必要ではないでしょうか。
 子供目線に立ち、子育てに優しい視点で、知恵を絞って取り組んでいただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

○加藤委員 未来の東京戦略ビジョンは、二〇四〇年代の東京の姿を描きながら、二〇三〇年までの十年間で何をなすべきかについて、多岐にわたる行政分野に関する施策が盛り込まれた大変意欲的な内容です。
 私は、その戦略ビジョンを貫く基本的な考え方を確認したいと思います。
 まず戦略ビジョンの第一部、未来の東京を描くの二四ページ、二五ページで、長期戦略を貫く基本戦略を掲げています。長期戦略を策定する上で、このように全てを貫く基本的な考え方を示すのは大事なことでありますが、この四つの基本戦略を取り上げた意義について伺います。

○吉村計画部長 令和の時代を迎えまして、都は、経済、テクノロジー、気候変動、人口構造という四つの歴史的な転換点に直面しております。今後、不確実性が一層増していく中で、従来の延長線上ではない大胆な発想が求められます。こうした認識のもと、時代を切り開き、荒波を乗り越えるために、四つの基本戦略を掲げたところでございます。
 まず、時代の先を見据えた取り組みを進めていくため、目指すべき未来を大胆に想定し、そこから逆算して道筋を定めるバックキャストの手法を取り入れました。
 また、社会構造が大きく変化する中で、都民目線に合った行政サービスを提供し続けるために、民間企業など多様な主体との協働を示しました。
 さらに、さまざまな問題の解決に最先端の技術を活用するデジタルトランスフォーメーションで、より快適な社会を築き上げていくことを提示いたしました。
 これらに加えまして、今後の状況変化にも対応するアジャイルを掲げております。
 この四つの基本戦略を庁内で共有しプロジェクトを推進することで、長期戦略として結実させるという趣旨で、戦略ビジョンだけではなく、長期戦略を貫く基本戦略としたところでございます。

○加藤委員 戦略ビジョンのように長期にわたる取り組みを進める上では、基本戦略の理念を社会に浸透させ、共感を得ながら進めていくことが大事であります。
 そして、この四つの視点のうち、一つ目のバックキャストについては、小池知事みずからがこの考え方に基づいて高い目標を掲げており、これまで何度も議論されてきたと思います。
 こうした高い目標を達成するためには、私はこの基本戦略2で掲げている民間企業等、多様な主体と協働して推し進めることが非常に重要な視点であると思います。
 なぜなら、ちょっと失礼ないい方になりますけれども、民間企業とか都民からよく都庁目線という言葉をいわれるんですね。その都庁目線は上から目線という声、これをよく聞くんです。
 そこで、今後、新たな連携を生み出していくに当たって、具体的にはどのようなことを考えているのか伺います。

○吉村計画部長 戦略ビジョンの中で、例えば長寿社会実現戦略におきましては、NPO、民間企業、大学や区市町村など多様な主体が連携し、高齢者を初め、誰もが元気で心豊かに自分らしく暮らせる地域の実現を目指しております。
 具体的には、長寿東京プロジェクトでは、世代の交流促進に向け、都営住宅や介護施設などを民間企業のノウハウでICT化を進めるとともに、NPOが地域の居場所を運営することなどを想定しておりまして、それぞれの主体が強みを生かして連携していくことで、プロジェクトの具体的な推進を担っていくことを想定しているところでございます。

○加藤委員 自分らしく暮らせる長寿東京プロジェクトは、ぜひ都内全域で展開をしてもらいたいというふうに思います。
 多様な主体の力や新たな技術などを取り入れていくことは、戦略ビジョンのほかのプロジェクトでも応用できるものと思います。その過程では、都庁内外の多岐にわたるプレーヤーとの調整が必要となりますが、その中心はやはり都の役割というふうに定めて、しっかりと進めてほしいというふうに思います。
 また、調整の核となる都庁も、イノベーションを生み出す専門性を有する内外の人材が次々と都庁に入り、活躍していることが必要であります。ぜひ都庁職員が民間と同じ目線で、協働して社会課題の解決に取り組んでほしいというふうに思います。
 それからもう一つ、基本戦略の中で私が着目したのはアジャイルであります。
 あんまり聞きなれない言葉で、計画を策定した当初から将来の変更を予期することは行政ではなじみがないように思いますけれども、なぜ基本戦略の中にアジャイルを入れたのか伺います。

○吉村計画部長 アジャイルは、俊敏な、素早いという意味で、日進月歩で技術革新が起こるIT業界で、新たなシステムを開発する途中で柔軟に仕様の変化や追加に対応していく手法を示しております。
 刻々と社会環境が変化する中で、戦略ビジョンで掲げた数々の新たなプロジェクトを進めていくためには、試行錯誤を重ね、常に改善を加えていくことが大切でございます。
 このように、必要なときには必要に応じて、変えるべきものは変えるという変化を恐れない姿勢を示すものとして、アジャイルを基本戦略として掲げたところでございます。
 都民のニーズや社会の変化に弾力的に対応し、プロジェクトをしっかり推進してまいります。

○加藤委員 長期にわたって高い目標を目指して取り組みを進める上で、時代や環境の変化に合わせてアプローチの方法を変えていくことは、先行きが不透明な今の時代にまさに合った考え方だと思います。
 バックキャストの視点で将来を展望し、多様な主体と協働し、ITなどの先端技術も活用しながら、時代の変化には柔軟に対応していく。ぜひこうした新たな手法を使って戦略ビジョンを具体化していってもらいたいと要望しまして、質問を終わります。

○早坂委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に関する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策企画局関係を終わります。
 この際、お諮りいたします。
 本日の委員会はこの程度にとどめ、委員会を閉会するとともに、三月十八日に委員会を開会し、人事委員会事務局及び戦略政策情報推進本部関係の予算調査並びに戦略政策情報推進本部関係の報告事項に対する質疑を行うことにしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十四分散会

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