総務委員会速記録第二号

令和二年三月二日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長早坂 義弘君
副委員長加藤 雅之君
副委員長本橋ひろたか君
理事藤井あきら君
理事鈴木 邦和君
理事清水 孝治君
山内れい子君
宮瀬 英治君
米倉 春奈君
原 のり子君
のがみ純子君
つじの栄作君
中屋 文孝君
入江のぶこ君
木村 基成君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長山手  斉君
次長理事兼務栗岡 祥一君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小沼 博靖君
政策調整部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務小笠原雄一君
戦略広報担当部長デジタル広報担当部長
新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務
浅井奈穂子君
海外広報担当部長梅田 弘美君
都民安全推進本部本部長國枝 治男君
総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
戦略政策情報推進本部本部長松下 隆弘君
理事小室 一人君
戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松永 竜太君
ICT推進部長戸井崎正巳君
情報企画担当部長荻原  聡君
情報基盤担当部長沼田 文彦君
総務局局長遠藤 雅彦君
次長野間 達也君
総務部長西山 智之君
人事部長山口  真君
選挙管理委員会事務局局長黒田 祥之君
人事委員会事務局局長小泉  健君
監査事務局局長岡崎 義隆君

本日の会議に付した事件
政策企画局関係
提出議案について(説明)
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 政策企画局所管分
付託議案の審査(説明・質疑)
・第百五号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 政策企画局所管分
総務局関係
提出議案について(説明)
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 総務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第三十八号議案 令和元年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 総務局所管分
・第百号議案 令和元年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
報告事項
・令和元年度都区財政調整再調整の概要について(質疑)
・都庁における障害者活躍推進計画の作成について(説明)
戦略政策情報推進本部関係
提出議案について(説明)
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 戦略政策情報推進本部所管分
付託議案の審査
・第二十九号議案 スマート東京推進基金条例(質疑)
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 戦略政策情報推進本部所管分(質疑)
・第百五号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 戦略政策情報推進本部所管分(説明・質疑)
報告事項(説明)
・「スマート東京実施戦略 東京版Society五・〇の実現に向けて」について
・「スマート東京(東京版Society五・〇)の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針」について
付託議案の審査(決定)
・第二十九号議案 スマート東京推進基金条例
・第三十八号議案 令和元年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 総務委員会所管分
・第百号議案 令和元年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
・第百五号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 総務委員会所管分

○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、政策企画局、総務局及び戦略政策情報推進本部関係の令和二年度補正予算案の説明聴取及び中途議決に係る付託議案の審査並びに総務局及び戦略政策情報推進本部関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、令和二年度補正予算案、総務局関係の報告事項、都庁における障害者活躍推進計画の作成について及び戦略政策情報推進本部関係の報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより政策企画局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、政策企画局長から幹部職員の紹介があります。

○山手政策企画局長 去る二月二十七日付で、当局の幹部職員に異動がございましたので、紹介をさせていただきます。
 政策調整部長で新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長を兼務いたします小笠原雄一でございます。戦略広報担当部長でデジタル広報担当部長及び新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長を兼務いたします浅井奈穂子でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○早坂委員長 紹介は終わりました。

○早坂委員長 次に、第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、政策企画局所管分について理事者の説明を求めます。

○山手政策企画局長 今定例会に提出しております政策企画局所管分の令和二年度一般会計補正予算案につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の資料第1号になります、令和二年度補正予算説明書の一ページをお開きください。
 1、総括表にございますとおり、歳出について二億円の増額を提案させていただくものでございます。
 その内容でございますが、二ページをお開きいただきまして、下段の説明欄の方をごらんください。新型コロナウイルス感染症対策等に関する広報及び海外メディアを活用した情報発信に要する経費といたしまして二億円を計上してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 よろしいでしょうか。なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。

○早坂委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百五号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、政策企画局所管分を議題といたします。
 本案について理事者の説明を求めます。

○山手政策企画局長 今定例会に提出しております政策企画局所管分の令和元年度一般会計補正予算案につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にございます資料第2号になります、令和元年度補正予算説明書の一ページをお開きください。
 1、総括表にございますとおり、歳出について二千五百万円の増額を提案させていただくものでございます。
 その内容でございますが、二ページをお開きいただきまして、下段の説明欄をごらんください。新型コロナウイルス感染症対策等に関する広報に要する経費として二千五百万円を計上してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○藤井委員 都民ファーストの会を代表しまして、第百五号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、政策企画局所管分について質疑をいたします。
 二月十八日の第八回東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議にて発表されました総額四百一億円、令和元年度分だけでも六十四億円になりますこの補正予算案についてです。
 三月から来年度にわたって切れ目なく対策を行う十三カ月予算として、新型コロナウイルス感染症対策に全庁を挙げて取り組んでいくという覚悟が示されているものとしまして、大いに評価をいたしますし、審査を経て、迅速に実行、実施をしていくことが重要だと考えております。
 政策企画局分としましては、情報発信の充実ということで、今年度に二千五百万円、令和二年度に二億円の補正予算が計上されております。
 今回はこの令和元年度分の審査でございますが、コロナウイルスだけでなく、こういった非常事態に、正確な情報を発信、提供して都民とコミュニケーションをとりながら信頼関係を築いていくということは、非常に重要だと考えております。
 補正予算の中身に入る前に、新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長の発令があったとのことでございますが、どのようなことを行っていくのかお伺いいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 先月二十七日付で、私、戦略広報担当部長に兼務発令があったほか、総務局、生活文化局、福祉保健局、産業労働局などにも、関連局に対して発令がございました。
 発令のあった部局で構成する特別広報チームで各局の取り組み状況や課題を共有し、都民の不安解消や知りたい情報の提供につながる広報を展開していく予定でございます。

○藤井委員 都の情報発信は、各局ごとの個別最適に陥りがちだと思います。それは、例えばホームページが各局ごとの仕様、つくりが違うということからも明らかであると思います。本来であれば、東京都全体最適を目指して情報発信はしていくべきです。
 今回初めて組まれた局横断的な特別広報チーム、ここでの経験とノウハウを今後の対応にも生かしていただきたいと思います。特に、今回のような感染症や災害など非常時の情報発信のベースとすることを念頭に置いていただきまして、ご活動をお願いいたします。
 補正予算に話を戻します。政策企画局分として、新型コロナウイルス感染症対策等に関する広報の今年度二千五百万円が今回の審査の対象でございます。このたびの補正予算では、どのような手段で広報を実施するのかお伺いいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症に対しては、都民の感染予防を初め、中小企業の経営不安やその対策に対して、さまざまな対策を実施する必要がございます。
 あわせて、これらの対策が都民や中小企業経営者に迅速に伝わるよう広報を行うことが重要でございます。
 これまでも、LINEなど都の公式SNSや「広報東京都」、デジタルサイネージなど、既存の媒体を活用し、幅広い方々に伝わるように発信してきてございます。
 より多くの都民に新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識を持っていただき、感染予防などに取り組んでいただけるよう、補正予算を活用し、ウエブ広告を実施することにしております。

○藤井委員 既存の広報媒体も、より積極的に活用をお願いしたいと思います。
 昨年の台風十九号の際には、各局のツイッターやフェイスブックといったSNSアカウントがお互いの投稿をシェアするなど連携をしていまして、より多くの都民に届けようという強い意思を感じましたし、情報が届いていたものだと思っております。ぜひ今回もそういったことを続けていただきたいと要望をいたします。
 さらに、先日生活文化局は、東京都公式LINEアカウントを始めました。都民が情報を自分でとりに行かなくても、こちら側から情報を発信できるプッシュ型での情報提供ができますので、こういったものも積極的な活用をお願いいたします。
 福岡市では、LINEの公式アカウントで、新型コロナウイルス感染症の相談ができるようになっております。
 もう一歩踏み込みますと、例えばですが、保健所の電話相談、今なかなか通じないというお話もお伺いしておりますが、こういったものをLINEのチャットボット等を利用して連絡数を減らすことも可能ですので、ぜひ特別広報チームでこういったこともご検討いただきたいと思います。
 先ほどからの繰り返しになりますが、これらの情報発信の取り組みが、それぞれの局の個別最適に陥らないように注意をお願いいたします。常に全体最適となるように横串を刺していただきたいと思います。
 今回の補正予算では、ウエブ広告を用いるということですが、なぜこの補正予算でウエブ広告を用いるのかお伺いいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、取り巻く情勢が日々刻々と変化する中、不安を感じる都民が必要なときに素早く情報入手ができる媒体を活用した広報が欠かせないと考えております。
 感染予防を喚起する動画や中小企業の経営相談を誘引する動画などの掲載を検討しており、ターゲットを特定でき、効果的に情報を伝達できるウエブ広告を実施することといたしました。

○藤井委員 ツイッターやフェイスブック等のSNS等を見ておりますと、誤った情報が拡散されて、例えばトイレットペーパーの買い占めが起きるなど、デマであったりとか、フェイクニュースといったものが拡散されております。そういったところに即座に対応することが必要だと考えます。都民、国民に正しい情報を伝えることが非常に重要であると考えております。
 コロナウイルス感染症対策の成功例として世界から注目をされております台湾では、三十八歳の天才エンジニアともいわれていますオードリー・タンIT大臣が中心となって、リアルタイムにマスクの在庫データを公開したり、緊急時に発生するデマ情報の拡散を防ぐために、LINEなどを通じて、間違った情報を信じないように注意するメールを配信しております。さらには、新型コロナウイルスに感染しやすいタクシー運転手やバス運転手にマスクが優先的に届くように求める情報を発信すると、市民が率先してマスクを譲り合うようになったとのことです。
 これは、行政が正しい情報、データを提供することで、市民がみずから正しい判断をしてくれるということを証明するよい事例だと思います。デマ情報と戦うためには、正しい情報やデータという武器を市民に渡す必要があります。その際に、わかりやすく情報提供することも非常に重要だと考えております。
 先ほど答弁の中にも動画のお話がありましたが、小池知事が、知事の手洗い実践動画を東京動画に上げておりました。大変わかりやすいものでしたので、こういったものも積極的に活用をいただきたいと思います。私が確認した時点では、二月七日で動画の投稿がとまっていたんですが、二十八日に、さらに知事からのメッセージも掲載されておりまして、こういったところをぜひ積極的に活用いただきたいと思います。
 政策企画局を中心として、全庁挙げて全力で情報発信に取り組みまして、新型コロナウイルス感染症に対峙して対応いたしますことに大きな期待を寄せているということを申し上げさせていただいて、私からの質疑を終わらせていただきます。

○のがみ委員 私も、百五号議案、一般会計補正予算(第三号)について質疑をさせていただきます。
 新型コロナウイルス対策では、さまざまな媒体からさまざまな情報が届いています。私個人でもLINEのグループというのがたくさんありまして、同級生のグループとか、それから子供食堂のグループとか、もういっぱいあるんですけれども、その中の一つで、私は消防団に入っておりまして、本田消防団十一分団のLINEの中でも、さまざまなメールが届いております。
 その中で、例えば、コロナウイルスは熱に弱いので、耐熱性が、大体二十六度から二十七度の温度で殺傷できるので、より多くの温かいお湯を飲んでくださいとか、外出時は必ず温かいお茶を持っていって、カテキンが抗ウイルス作用があるので飲んでほしいとか、それから熱いお風呂、体温より高いお風呂に入って免疫力を高めてほしいとか、ただヒートショックとかがあるので注意してくださいとか、あるいは潜伏期間が二十七日とか、それからこれは海外の研究の掲載から送られてきたものなんですけれども、熱も三十六度から三十七度で死滅するという、温度によってもいろいろ違うんですね。
 だから、どれが本当の正しい情報かというのもなかなか難しくて、これは正しい情報なので拡散してくださいと書いてあるんですけれども、なかなか拡散して間違えていたらいけないので、私自身も拡散しないことにしているんですけれども、こういったときに正しいきちっとした情報が都から送られてくるということは、すごく大事じゃないかなと思っております。
 そういう意味で、政策企画局が補正予算でこれから取り組んでいただく内容なんですけれども、補正予算で取り組む具体的な内容について、まず最初にお聞きいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う都民の不安解消と都民生活の安全・安心の確保に向けて、迅速な広報展開を図るための経費として二千五百万円を計上しております。
 幅広く都民に伝わるよう、スマートフォンの高い普及率に着目し、デジタル媒体への掲載を行っていきます。具体的には、グーグルやヤフーにおけるネットワーク上のバナーなどの広告やユーチューブ広告、SNS広告といったさまざまな媒体を活用して、強力に発信していきたいと考えております。

○のがみ委員 日々刻々と情勢が変化するわけでありますので、一刻も早く対応する必要があると思います。今後のスケジュールについてお伺いいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 現在、今年度の既定予算の範囲で、感染予防を喚起する動画や中小企業の経営相談を誘引する動画などの制作準備を進めております。
 補正予算成立後、広告枠については購入等の契約手続を速やかに進め、制作した動画などを三月中旬を目途に掲載するとともに、LINEなど都の公式SNS、デジタルサイネージなど、既存の媒体も十分に活用し、幅広い方々に伝わるよう発信していくつもりでございます。

○のがみ委員 最後に、人生も社会も激しい変化の連続だと思っております。三月五日の補正予算成立後は、いろいろ手続をする上での煩多な業務があるとは思うんですけれども、三月中旬に発信するということなので、一刻も早く、十日間ぐらいしか余裕がないと思うんですけれども、一刻も早く正確な情報が伝わるように発信していただくことを要望して、終わります。

○宮瀬委員 私も、補正予算、平成元年度の方ですね、質問させていただければと思います。
 広報に関しまして、質疑も聞いていましたので、取り組む事業内容とその規模については割愛をさせていただきますが、ウエブ広告だといったことでございます。改めて、具体的なターゲット、広報媒体ですとかターゲットについてお伺いしたいと思います。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 広報のターゲットということでございますが、今回は大切な事項でございますので、都民全体に幅広くきっちり届いていくということで、都民全体をターゲットとして捉えております。
 また、今回特にターゲットとして考えておりますのは、幼いお子様を持つ親御さんや高齢者に対しても、余すことなくきちんと届けていくことを考えております。

○宮瀬委員 そこで、少し問題提起なんですけれども、総務省が出しております二〇一七年のデータですと、高齢者のインターネット利用状況が、七十代、七十歳から七十九歳は四六・七パーセント、八十歳以上が二〇・一%という数字が出ておりまして、要は重症化もしくは命にかかわるケースが多いとされている高齢者の方々が、ウエブに関してはそんなにリーチがないと。特に八十代以上の方は五人に一人でありますので、残り五人に四人の方々にどう対応していくのかというのは、とても私は重要だと思っております。
 もちろん子育て中のお母さんも大事ですし、中小企業の皆さんも大事でしょう。しかし、命にかかわる年代というのは、やっぱり七、八十代の高齢者。しかし、ネットはほとんど半数以上の方が見ていないと。こういった状況を踏まえて、どう広報していくのかお伺いいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 高齢者に訴求するために、ウエブ広告の掲載に加えまして、都の既存広報媒体である「広報東京都」を初め、新聞広告、テレビCM、ラジオなど、各局と連携し、複数のメディアを活用して発信することをしております。

○宮瀬委員 スマートフォン保有者には、ウエブ広告への掲出を行うほかということでありましたが、次は、高齢者のスマホ保有率も一応調べましたら、七十代のスマートフォン保有率は一八・八%、八十代になりますと六%しかないと。
 つまり、スピード感も大事でしょうと。よりマスをターゲットとして、全世代も大事なんですけれども、まさに命にかかわるご高齢者の方々のインフラ及びネット環境が整っていない中で、彼らにどう情報を届けていくのかというのは、私は課題だと思っております。
 そんな中で、私は、提案でございますが、「広報東京都」の媒体も、紙媒体でありますが、月一回しか発行していない、しかも外でなかなか目にする機会もなくて、また、新聞広告とテレビCMはいつやるのかわからないと。ただし、今回のウエブ広告を単に二千五百万のウエブ広告で終わらせるのではなくて、ここの部分はウエブ、ここの部分は冊子、ここの部分はCM、スキームレスにつなげていく努力が必要だと思います。とりわけシルバーパスを持っている方は、百万人以上の高齢者の方がいまして、都営地下鉄や都バスを活用した交通広告という視点が今のご答弁の中にありませんでしたので、これはぜひ入れていただきたいと思います。
 そういった中で、次はコンテンツでありますが、新型コロナウイルス感染症において都民が知りたいということは一体何なのかといったことは総括されているんでしょうか。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 福祉保健局では、問い合わせの多い事項をQアンドA形式で、東京都公式ホームページの専用サイトに掲載してございます。
 また、産業労働局が開設している中小企業や労働者向けの相談窓口においても、中小企業からの資金繰りの相談などに適切に対応しております。

○宮瀬委員 QAですとか、中小企業向けの情報ということなんですけれども、私が一つ問題提起をしたいのが、二月の中旬に、都立学校にお子さんを通わせる保護者の方から相談を受けまして、卒業式はあるのかと、どうするんですかということが私に参りました。そこで、私の方が代理で、東京都が設置しました新型コロナウイルス感染症に関する一般相談窓口といったところにお電話させていただきました。
 そこでいろいろ気づいたことがありまして、これ、名称は一般相談窓口です、一般と書いてあって。
 電話したときに、当然、学校はどうなるのかと。東京都の学校ですので。ただ、ご対応された方がわかりませんと。まあそうでしょう、多分、福祉保健局のご担当なので。わからないのは多分いいと思うんですよ。ただ、それに対して、どこにアプローチすればいいのか、どこに電話をすればいいのか。教育庁のここに電話してください、もしくはワンストップでしっかりと転送してくれれば、私はよかったと思うんですけれども、わかりません、じゃあ連絡先はどこですか、それもわかりません、自分で調べて連絡してほしいといったご対応でした。
 つまり何がいいたいかというと、せっかく一般相談窓口をつくったのに、都民の皆さんに寄り添わない対応をされていてはやっぱりもったいないのではないかな。私、そのとき聞いたんですけれども、東京都の都立高校の卒業式の問い合わせって結構来ているんじゃないですかと。相当来ていますと。全部そういう対応をしているようなので、これは窓口をつくればいいとか一つの局で対応すればいいとかっていうことではなくて、やっぱり、いろんな局が都民のニーズや利便性に合わせて、ワンストップといいますか、一つの公務員として、東京都の公務員として、行政機関として対応していくといったことが重要だと思っております。
 そういったことで、広報も同様で、関係者が一堂に会し課題を共有するとともに、状況の分析、今いったようなことがないようにする、広報をやって終わりではなくて、その先の対応がどうなっていくのかもしっかりとチームとして対応すべきだと考えますが、所見をお伺いいたします。

○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症に関する都民からの相談内容につきましては、関係局が情報を共有し、適切な対応がとれるようにすることは大変重要でございます。
 これまでも、関係局が提携し、迅速かつ正確な情報発信を行ってきておりますが、関係各局が一体となり広報の強化徹底を図るため、先般、政策企画局、戦略政策情報推進本部、総務局、生活文化局、産業労働局、福祉保健局、教育庁をメンバーとする特別広報チームを設置いたしました。
 今後、特別広報チームにおいて、日々状況が変化する新型コロナウイルス感染症に関する情報を集約、共有しながら、総力を挙げて広報を展開してまいります。

○宮瀬委員 チームをつくったということですが、注意深くご答弁を聞いていますと、やっぱり交通局が入っていませんので、シルバーパスを利用してお出かけなさる高齢者の皆さんが使う都営交通を所管している交通局もぜひ入れていただきまして、ウエブメディアで、紙メディアで、テレビのメディアで、そして交通メディアで、複合的に戦略を持っていただいて、かつ窓口をつくって終わりではなくて、しっかりと都民の皆さんに寄り添った対応がこの後続いていくかどうかも、ぜひ吟味していただきたいと思います。
 質問を終わります。

○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で政策企画局関係を終わります。

○早坂委員長 これより総務局関係に入ります。
 初めに、第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、総務局所管分について理事者の説明を求めます。

○遠藤総務局長 今定例会に提出しております令和二年度一般会計補正予算案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料第1号、令和二年度補正予算説明書の一ページをごらんください。
 (2)、歳出の表、補正予算額の欄の下段、歳出合計にございますように、二千万円の増額補正を行うものでございます。
 以上が令和二年度補正予算案の概要でございます。
 詳細は総務部長からご説明をいたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○西山総務部長 今定例会に提出しております令和二年度一般会計補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、令和二年度補正予算説明書の二ページをごらんください。
 歳出予算科目は、款、総務費、項、防災管理費の目、防災指導費でございます。これは、今後新たに発生する感染症に備えるため、感染の疑いがある者に対する一時滞在施設の整備に関する調査に要する経費として二千万円の増額補正を行うものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 よろしいでしょうか。なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。

○早坂委員長 次に、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第三十八号議案、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、総務局所管分及び第百号議案並びに報告事項、令和元年度都区財政調整再調整の概要についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、本案及び本件に関する質疑は終了いたしました。

○早坂委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○山口人事部長 都庁における障害者活躍推進計画の作成についてご報告いたします。
 お手元に配布しております資料第2号、都庁における障害者活躍推進計画の作成についてに沿ってご説明させていただきます。
 1をごらんください。障害者活躍推進計画についてでございます。
 昨年六月に障害者雇用促進法が改正され、国及び地方公共団体の任命権者は、厚生労働省の定める作成指針等に基づき、障害者活躍推進計画を作成することが義務づけられました。
 改正法の施行が本年四月であることを踏まえまして、今年度内に計画を作成し、障害を有する職員が、その障害特性や個性に応じて能力を有効に発揮できるよう、さまざまな取り組みを進めてまいります。
 2をごらんください。計画作成の基本的な方向性でございます。
 本計画の作成主体は知事部局とし、計画期間は令和二年度から令和六年度までの五年間といたします。
 また、作成指針の内容等を踏まえ、障害を有する職員の実雇用率及び定着率について数値目標を設定しております。具体的には、実雇用率は三%の達成、定着率は過去五年の平均値である九三・五%を上回ることを目標としております。
 主な取り組みといたしましては、計画推進体制の明確化、職場環境の整備、障害者職員の採用、育成の三つを掲げております。
 まず、計画推進体制の明確化に関する取り組みでございますが、法令等に基づき障害者雇用推進者を選任するとともに、障害者雇用に積極的に取り組む体制を整えるため、障害を有する職員を含めた都庁障害者活躍推進会議を設置いたします。
 次に、職場環境の整備に関する取り組みでございますが、障害特性に配慮した施設整備や、障害者職業生活相談員の選任による相談体制の整備、職員研修の実施を通じた職場理解の促進などに取り組み、ハード、ソフト両面から環境整備に努めてまいります。
 次に、採用、育成に関する取り組みでございますが、引き続き障害者Ⅲ類採用選考を実施するとともに、オフィスサポーターなど知的障害者の採用を進めてまいります。また、特別支援学校からの実習生受け入れなどの取り組みを実施してまいります。
 3をごらんください。今後のスケジュールでございます。
 本年二月から三月にかけまして、本計画作成の参考とするため、職員を対象としたアンケートを実施しているところでございます。また、今後、障害者団体及び職員団体から意見を聴取する予定でございます。
 これらも踏まえまして、三月下旬に本計画を作成、公表する予定でございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○早坂委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上で総務局関係を終わります。

○早坂委員長 これより戦略政策情報推進本部関係に入ります。
 初めに、第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、戦略政策情報推進本部所管分について理事者の説明を求めます。

○松下戦略政策情報推進本部長 今定例会に提出しております戦略政策情報推進本部所管分の令和二年度一般会計補正予算案につきましてご説明いたします。
 お手元の資料第1号、令和二年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。
 1、一般会計歳入歳出予算でございますが、歳出は四千五百万円でございまして、新型コロナウイルス感染症の緊急対策に係る職員のテレワークの活用促進に係る経費を計上しております。
 以上、当本部所管分の令和二年度一般会計補正予算案の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細は戦略事業部長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度一般会計補正予算案の戦略政策情報推進本部所管分につきましてご説明させていただきます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第1号、令和二年度補正予算説明書の一ページをごらんください。1、一般会計歳入歳出予算でございます。
 歳入の補正はございませんので、歳入は、既定予算額のとおり七十七億五千七百七万円でございます。
 歳出の補正予算提案額は、総務費四千五百万円でございまして、既定予算額二百四十二億五千三百万円と合算いたしまして、二百四十二億九千八百万円でございます。
 差引一般財源につきましては百六十五億四千九十三万円でございます。
 次に、2、事業の概要でございます。
 事業の目的といたしましては、新型コロナウイルス感染症の緊急対策として、ウエブ会議が利用できるテレワーク環境を整備することで、都職員のテレワークをさらに推進してまいります。
 事業の内容といたしましては、本庁職場におけるウエブ会議用のカメラ及びヘッドセット一万台分のうち、令和二年度は九千台分を整備いたします。
 以上をもちまして、大変雑駁ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 よろしいでしょうか。なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。

○早坂委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第二十九号議案、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、戦略政策情報推進本部所管分及び第百五号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、戦略政策情報推進本部所管分を一括して議題といたします。
 初めに、追加提出されました第百五号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、戦略政策情報推進本部所管分について理事者の説明を求めます。

○松下戦略政策情報推進本部長 今定例会に提出しております戦略政策情報推進本部所管分の令和元年度一般会計補正予算案につきましてご説明いたします。
 お手元の資料第2号、令和元年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。
 1、一般会計歳入歳出予算にございますとおり、補正予算提案額は、歳出五百万円でございまして、新型コロナウイルス感染症の緊急対策に係る職員のテレワークの活用促進に係る経費を計上しております。
 以上、当本部所管分の令和元年度一般会計補正予算案の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細は戦略事業部長からご説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和元年度一般会計補正予算案の戦略政策情報推進本部所管分につきましてご説明させていただきます。
 恐れ入りますが、お手元の資料第2号、令和元年度補正予算説明書の一ページをごらんください。1、一般会計歳入歳出予算でございます。
 歳入の補正はございませんので、歳入は、既定予算額のとおり二百三億五千三百三十四万八千円でございます。
 歳出の補正予算提案額は、総務費五百万円でございまして、既定予算額七百五十五億六千二十一万二千円と合算いたしまして、七百五十五億六千五百二十一万二千円でございます。
 差引一般財源につきましては五百五十二億一千百八十六万四千円でございます。
 次に、2、事業の概要でございます。
 事業の目的といたしましては、新型コロナウイルス感染症の緊急対策として、ウエブ会議が利用できるテレワーク環境を整備することで、都職員のテレワークをさらに推進してまいります。
 事業の内容といたしましては、本庁職場におけるウエブ会議用のカメラ及びヘッドセット一万台分のうち、令和元年度は一千台分を整備いたします。
 以上をもちまして、大変雑駁ではありますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 その他の議案については、いずれも既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る二月十四日の委員会におきまして要求のございました資料五点につきまして、お手元にお配りしてございます資料第3号、総務委員会要求資料によりご説明申し上げます。
 初めに、一ページをお開きください。西新宿都庁近辺におけるスマートポール設置に向けた調査検討委託の仕様書でございます。
 4、目的にございますように、本委託は、令和元年八月に発表いたしましたTOKYO Data Highway基本戦略に基づき、令和二年度以降、西新宿エリアにおいてつながるまちを実現するため、5GアンテナやWi-Fiアンテナ機能を有するスマートポールを国内で先行して設置することに向けて、スマートポールが備えるべき機能や設置に係る課題、設置、運用スキーム等を検討することを目的としております。
 以降五ページまで、業務内容等を記載してございます。
 次に、七ページをお開きください。官民連携によるデータプラットホーム構築に関する調査検討委託の仕様書でございます。
 4、目的にございますように、本委託は、東京の稼ぐ力の中核となる第四次産業革命技術の社会実装を通じて、経済発展と社会的課題の解決を両立させるソサエティー五・〇の実現に向け、新たなビジネスチャンスを生む仕組みの官民連携によるプラットホームの構築に向けた調査検討を実施することを目的としております。
 以降一四ページまで、業務内容等を記載してございます。
 次に、一五ページをお開きください。令和元年度官民連携データプラットホーム構築に係るデータ利活用に関するルール整備基礎調査業務委託の仕様書でございます。
 2、委託業務の概要にございますように、本委託は、「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会の中で、データのガバナンスをめぐって、個人情報保護法、東京都個人情報の保護に関する条例等を踏まえたルール整備の検討が必要とされたことを受け、弁護士資格等を有する者が、国に先駆けて、プライバシー保護と自由なデータ流通を両立させる新たなルールづくりに向け、基礎調査を実施するものでございます。
 以降一七ページまで、業務内容等を記載してございます。
 次に、一九ページをお開きください。官民連携データプラットホーム事業組織設立に向けた事業計画等作成業務委託の委託仕様書でございます。
 4、委託の目的にございますように、本委託は、今後の官民連携データプラットホームの構築に先立ち、どのような事項を決定していく必要があるか、項目の洗い出しを行うとともに、それらの項目についての実施案、スケジュールを検討する業務を委託することを目的としております。
 以降三四ページまで、業務内容等を記載してございます。
 最後に、三五ページをお開きください。「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会開催支援業務委託の仕様書でございます。
 4、目的にございますように、本委託は、「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会をより効果的なものとすることを目的として、課題の抽出、今後の都の具体的取り組みの政策立案支援及び検討会の開催支援などを行うものです。
 以降三九ページまで、業務内容等を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、資料についてご説明させていただきました。よろしくお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○藤井委員 都民ファーストの会を代表して、戦略政策情報推進本部に係る令和元年度補正予算等、具体的には、スマート東京推進基金とその条例及び新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る都職員のテレワーク活用推進に関して、それぞれ質疑をさせていただきます。
 まず、スマート東京推進基金についてお伺いをさせていただきます。
 十二月二十七日の未来の東京戦略ビジョンにおいて、東京版のソサエティー五・〇を実現したスマートシティーとして、スマート東京、TOKYO Data Highway戦略が掲げられました。小池知事も、二〇二〇年度はスマート東京元年として、その実現に向けた意気込みを示しているものと認識をしております。
 最初に、なぜ今、このタイミングでスマート東京推進基金を創設したのかお伺いいたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は、都民生活に広く最先端技術が浸透し、世界で最も便利で生活満足度の高い都市を実現するため、昨年十二月に策定いたしました未来の東京戦略ビジョンにおきまして、スマート東京、TOKYO Data Highway戦略を掲げたところでございます。
 この基金は、イノベーション創出基金を引き継ぎますとともに、スマート東京実現に向けた将来の財政需要に備え、都税収入の増減による影響を抑えつつ、この戦略を着実に実行していくために設置するものでございます。

○藤井委員 今年度、一年間かけて検討してまいりました「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会の十二月にありました報告などを受けて、さらには二月七日にスマート東京実施戦略、二十一日にはスマート東京(東京版Society五・〇)の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針が発表をされました。そして、今年度八月にはTOKYO Data Highway基本戦略も策定、発表がされたところでございまして、スマート東京の実現に向けて、より詳細な方向性が見えてきたこのタイミングでの基金の設立というふうに認識をしております。
 そこで、基金の目的、どのようなプロセスを経て使われるのか、特に、その際、戦略政策情報推進本部がどのようにかかわるのかお伺いいたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京推進基金は、データと最先端技術を駆使し、社会におけるサービスの高度化やイノベーションの創出を進めていくために設置するものでございます。
 この基金の所管局は、戦略政策情報推進本部でございまして、財務局や充当対象となる事業を所管します関係各局と調整しながら、各年度の予算編成の中で、基準等の検討を含めまして充当事業を選定してまいります。

○藤井委員 所管局は、戦略政策情報推進本部であるということが確認できました。スマート東京推進基金のもととなりました産業労働局のイノベーション創出基金は、東京都中小企業振興公社や、東京都立産業技術研究センターなどを通じた助成金が多く、中小企業支援の意味合いが大きかったように感じております。スマート東京推進基金では、イノベーションを起こすため、新しい価値を生み出そうとするスタートアップの力をより積極的に活用するべきと考えますが、見解を伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京を実現していく上で、イノベーションの創出は必要不可欠なものでございまして、これらは表裏一体のものであると認識しております。すぐれた技術力を持つ中小企業だけではなく、今後大きく成長が期待できるスタートアップ企業も、イノべーション創出の重要な担い手として期待されますことから、基金を有効に活用してまいります。

○藤井委員 それでは、具体的にはどのような事業でこの基金の利用が想定されているのかお伺いをさせていただきます。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 この基金の充当対象事業といたしましては、基金の設置目的に鑑み、スマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業や、スタートアップ企業や中小企業等によるイノベーション創出に資する事業を想定しております。基金の性質上、複数年にわたる事業について充当することを想定してございます。
 具体的には、スマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業といたしまして、スマート東京実施戦略の柱の一つでございます公共施設や都民サービスのデジタルシフトに向けまして、センサーなどから取得したデータをもとに建物や道路などをサイバー空間上に再現いたしますデジタルツインの実現や、都民の生活の質の向上につながるスマートサービスの実装などでございます。
 イノベーション創出に資する事業といたしましては、中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業などでございます。

○藤井委員 本基金の対象につきましては、他局の事業についての取り組みも入ってくるものだと考えております。
 IT、デジタル化に関しましては、事業担当ごとの縦割りということはあり得ません。民間企業でも組織横断的に取り組むことが当たり前になっておりますし、国でもIT調達を内閣官房に一元化するということが決まっております。こういった動きも参考にしながら、戦略政策情報推進本部には、本基金の活用に関して、局を超えて横断的に取り組んでいただくことを期待するものでございます。
 未来の東京戦略ビジョンに掲げますスマート東京とこの基金の関係について、五百億円で何が実現できるのかお伺いをいたします。今後、具体的にどのように都民生活の向上に取り組むのか、見解を伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都は、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、誰もが快適な生活を送ることができる活力に満ちた社会でありますスマート東京の実現を目指してございます。
 スマート東京推進基金を活用いたしまして、電波の道でいつでも誰もがインターネットにつながる環境や、官民連携データプラットホームの構築、教育、医療、産業といった分野におけます都民向けサービスのスマート化、スマートサービスでございます都庁のデジタル化などを実現しまして、都民のQOL、生活の質の向上につなげてまいります。
 具体的には、例えばロボットによる高齢者の生活支援や、ウエアラブル端末を用いた早期の病気発見、ICTを活用した子供たち一人一人の個性や成長に応じた学びなどが可能となることが想定されてございます。

○藤井委員 我々は、今まさに新型コロナウイルス感染症の危機に直面をしているところでございます。
 きょうからは、都立の公立小中高も、多くが休校となっております。まず、この一カ月ということでございますが、この先がどうなるかというのは定かではないところです。子供たちが遠隔地からでも学べる環境をつくるというのは、非常に重要なことではないかと考えております。
 コロナウイルスの感染症、その発祥の地であります中国では、春節明けの新学期、小中高校の再開がおくれているとのことです。ただし、授業は中止しても勉強は中止せずということで、インターネットを通じた学習環境を整えています。一億八千万人とも二億八千万人ともいわれる子供がネットを通じて授業を受けられる環境を整えているということでございまして、こういった感染症などが起きたとき、もしくは遠隔に住んでいる方もふだんであれば受けられますし、そういった環境を整えるということは、まさに誰ひとりも取りこぼさないということで非常に重要ではないかと思います。
 日本でも経済産業省の未来の教室という取り組みがございまして、さまざまな教育であったりとか、教育とテクノロジーを掛け合わせましたエドテックの関連企業などが、この休校を受けて、自分たちの持っているサービスを無償提供しております。
 例えば、通信制高校のN高というものがありますが、自分たちが使っているオンラインの学習アプリ、N予備校を三月一日から全ての人に無償提供して、さらに、授業で活用したい教員に対しては配信のノウハウを教えているそうです。
 まさに多くの生徒、保護者が抱えている家庭学習への不安を解消するという取り組みにつながりますし、いつ起こるかわからない災害でも一人も取り残さないということで、スマート東京、まさにこういうことに取り組もうとしているんだというふうに私は認識をしておりまして、期待をしているところでございますので、ぜひ全力で取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る都職員のテレワーク活用促進に関する補正予算についての質疑をさせていただきます。
 私が以前働いておりました日本マイクロソフトという会社は、ITの会社でございまして、ウエブ会議のシステム、ソリューションというのも販売していて、私も売っておりました。そして当然、システム的な環境というのは整っておりましたが、ウエブ会議というのはなかなか使われるものではございませんでした。
 これが当たり前に使われるようになったのは、二〇一一年、東日本大震災を経てからです。それまで多くの社員は、やはり何となく対面じゃないと仕事が進まないと思い込んでいたところでございますが、出社できない環境に追い込まれて、使ってみるとウエブ会議でも意外と意思疎通であったりとか意思決定、確認のやりとりができるということがだんだんとわかってきて、そういった経験を積み重ねることで、その後は当たり前にそういったウエブの会議のシステムというものが使われるようになりました。
 新型コロナウイルスの感染症の拡大、我々が直面する大きな脅威ですが、これを機に、都のテレワークを一気に推進していただきたいと考えております。
 テレワークは、東京二〇二〇大会のレガシーとすべく今まで準備をしてきましたが、この危機に直面して、ここで全庁総動員してテレワークに取り組んでいただきますことを要望させていただきます。
 二〇一八年十一月の私の事務事業質疑の際には、都庁職員の皆様が使っているTAIMSにはチャットやウエブ会議の機能、これは実施されていなかったということで、利用の検討を要望させていただきました。現状と具体的な機能について確認をさせてください。

○沼田情報基盤担当部長 都の職員が利用いたします情報基盤であるTAIMSでは、働き方改革に資する機能とセキュリティー機能を同時に実現する新基盤システムを本年一月に本格導入しております。
 これに伴い、現在、本庁、出先事務所を問わず、TAIMS端末ではチャット及びウエブ会議が可能となっております。
 具体的には、チャットによる一対一のみならずグループでのリアルタイムコミュニケーションや会議資料を共有したウエブ会議などの機能が実装されております。

○藤井委員 ことしの一月に実装されたということ、そして私の事務事業質疑で要望させていただいたチャットであったりウエブ会議の機能が実装されたということで、大変安心をいたしました。ご対応ありがとうございます。
 さて、今回の補正予算は、カメラとヘッドセットの購入ということです。
 今回の補正予算で調達しますカメラとヘッドセット、これを利用する職員について、職種や人数などを確認させていただきます。あわせて、このウエブ会議が可能なTAIMS端末の数というのも教えてください。

○沼田情報基盤担当部長 TAIMS端末では、チャットをしながら資料を共有しウエブ会議を行うことが可能でございますが、補正予算で調達するカメラとヘッドセットの利用により、遠隔にあっても参加者がフェース・ツー・フェースと同等の効果が得られるウエブ会議が可能になることから、職員のテレワーク利用が促進されるものと考えております。
 具体的な調達予定数でございますが、既に配備が完了しており、本庁舎に配備したWi-Fi機能などが実装されたテレワーク対応端末一万台に対して、ウエブカメラとヘッドセットを二カ年で配備することを想定しておりまして、今年度については、そのうち一千台分を緊急計上するものでございます。

○藤井委員 既にTAIMSが配備されている本庁舎の一万台が、全体の中では対象とのことでございます。今後、TAIMSが配備されていきます出先事務所での利用であったりとか、さらには都立学校の先生などもTAIMSは利用していると思いますので、四万台あるTAIMS全てでテレワーク環境が整いますように要望させていただきます。
 ウエブ会議に関しましては、当然、一対一だけではなくて複数人の利用というものも可能になります。複数の職員が都庁や自宅からウエブ会議を行う際に、具体的にどのような利用を想定しているのかお伺いいたします。

○沼田情報基盤担当部長 TAIMSのウエブ会議機能の利用においては、ウエブカメラとヘッドセットを装着することで、各職員が自席や自宅、サテライトオフィスなどから利用することを想定しております。

○藤井委員 先日視察をいたしました渋谷区の区庁舎では、庁舎の建てかえとともに働き方改革、ワークスタイル変革に取り組みまして、各会議室にはモニターやプロジェクターが常備されているということです。日ごろから紙資料を使わずにモニターに資料を投影させているということで、そういった環境の整備からペーパーレス徹底が進むことで、柔軟な働き方を実現しております。
 ウエブ会議は当然、紙資料を使いませんので、そういった環境が普通になることが非常に重要だと思いますし、また、会議室を使って、今のご答弁の中で、複数人のウエブ会議に関しては、みんながそれぞれのパソコンからアクセスすることを前提としているというお話でしたが、都庁にいる職員は会議室で複数人で同じ資料を見たりするというケースはあると思いますので、ぜひそういった環境も整えていただきたいと思います。
 働き方改革というのは総務局で、会議室については財務局などが担当をしておりまして、担当は別かもしれませんが、そういった働き方環境の整備、提案も、戦略政策情報推進本部には横串になって実現していただきたいと要望させていただきます。デジタルトランスフォーメーションは縦割りでは実現できませんので、何とぞよろしくお願いをいたします。
 今ご答弁いただきましたところに関しましては、職員同士がウエブ会議をできる環境であるということでございまして、まずこれは非常に大きな一歩だと認識をしております。今後はさらに外部との連携での活用も望まれるところです。
 今回の新型コロナウイルスの対応では、実際に東京都子供・子育て会議など外部から委員が参加する会議が中止となっているのも聞いているところでございます。最近は、ズームといった製品やマイクロソフトのチームスといった外部とも簡単に連携ができるウエブ会議のシステムというものが一般に広がっておりますが、都の見解をお伺いさせていただきます。

○戸井崎ICT推進部長 スマート東京の実現に向けて、都庁のデジタルトランスフォーメーションを強力に進めていくためには、都庁内に閉じないで民間との協働や多様なプレーヤーとの連携を行っていくことが重要だと考えております。この際、職員のみならず外部の方々も参加可能なウエブ会議システムは有効だというふうに考えております。
 スマート東京実施戦略にお示ししたように、働き方改革に資するよう、ウエブ会議、スマートフォン配備等による職員のICT環境改善等に取り組む予定でございます。この中で、都外部とのウエブ会議の活用についても検討してまいります。

○藤井委員 未来の東京戦略ビジョンに掲げる、多様なプレーヤーとのコラボレーションで新たな政策を生み出すというものがビジョンの中にありましたが、そのためにも必須の仕組みになりますので、前向きにご検討をお願いしたいと思います。
 以上、スマート東京推進基金、そして新型コロナウイルス感染症対策としての都庁のテレワークの一層の強化についてお伺いをさせていただきましたが、これらの成功というのは、戦略政策情報推進本部の皆様のご活躍にかかっておりますので、ぜひよろしくお願いしたいということを申し上げまして、私の質疑を終わります。

○のがみ委員 私からは、令和元年度一般会計補正予算の中で、新型コロナウイルス感染症対策の補正予算だけについて質問させていただきます。
 新型コロナウイルスによる肺炎などの感染症から職員を守るために、東京都は、本庁勤務の職員約一万人を対象に、準備が整い次第テレワーク、時差出勤を行うことを表明しています。
 特に二十八日は、今まで二日間ぐらいかなと思っていたんですけれども、新たに、本庁に勤務する職員、これは窓口業務への対応職員を除いて、週四回を目安にテレワークやオフピーク通勤を原則全員が実施するということが打ち出されました。
 また、家庭に小学生以下の子を持つ職員については、優先的にテレワークによる勤務とする、自宅勤務も弾力的に運用しますよというようなことも出されております。
 準備が整い次第ということが大事だと思います。実際にテレワークができる環境が一万人、整っているのかについて伺うことになっておりましたけど、これは伺わないで、現状では本庁職員は全員テレワークができる環境にあるということをお伺いしましたので、それをもとにして質問させていただきます。
 今回、新型コロナウイルス感染症対策に係る補正予算案に、都職員のテレワークの活用促進について計上されておりますけれども、この具体的な内容を確認をいたします。

○沼田情報基盤担当部長 新型コロナウイルスについては、濃厚接触による感染拡大が懸念されており、テレワークはその有効な対策の一つであり、このたび緊急に実施するものでございます。
 具体的には、都の職員が利用する情報基盤であるTAIMSの利用端末で利用するウエブカメラとヘッドセットを購入するものでございまして、本庁に配備した端末一万台分を二カ年で整備することを想定しております。
 今年度は、先行して、そのうちの端末一千台分である五百万円を緊急計上しているところでございます。

○のがみ委員 五百万円かけて一千台ということなので、割り返すと一つのセットが大体五千円ということで値段がついております。
 東京都においては、基盤システム、TAIMSの更新に合わせて、ウエブ会議の導入とテレワーク環境の整備が進められています。今般、ウエブカメラとヘッドセットを追加配備するその狙いは何か、お聞かせください。

○沼田情報基盤担当部長 ご指摘いただきましたとおり、都の職員が利用する情報基盤であるTAIMSではテレワーク対応を進めており、既に、ウエブ会議の機能を活用して、会議参加者は資料を共有しながらチャットによる打ち合わせが可能となっております。
 今回、ウエブカメラとヘッドセットを職員が利用することにより、会議参加者が遠隔地にあっても対面と同様の効果が得られるとともに、周辺環境の影響が少なくウエブ会議が可能となるなど、ウエブ会議の効率性が一層向上することから、都庁の職員のテレワークが一層促進されるものと考えております。

○のがみ委員 最後です。テレワークの導入を検討している企業からは、機材の準備がなかなか間に合わないとか追いつかないという声もよく聞きます。それから、業種や業務形態によっては現場が中心なもので、テレワークとかウエブ会議とか、あんまりそういう機能をうちの会社に入れてもなかなかちょっとねというようなところも声を聞いております。その会社の中の、どの分野に、どういう形態でウエブ会議をやるのかとか、そこら辺も検討していく必要があるかなと思います。
 これからオリンピック・パラリンピック、その間は、テレワークとか時差出勤とか、いろいろと都の職員の方も工夫してやっていかなくちゃいけないんですけれども、一つちょっと心配しているのは、情報漏えいということを非常に心配をしているところではありますけれども、よく聞いてみますと、東京都はすごくセキュリティーがしっかりしておりまして、決まったパソコンを職場でも使い、それを家に持ち帰って家でも使いと、一台のパソコンをずっと使って、それ以外は使わないということなので、そういう意味ではセキュリティーがしっかりしているのかなと思っております。
 今回このような予算が計上されているので、これからのウエブ会議には大変適すると思います。ただ、そのパソコンを電車の中で忘れたりとか、そういうことだけはないように注意していただければと思います。
 以上で終わりです。

○清水委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、スマート東京推進基金条例のことについてお伺いしたいと思います。
 このスマート東京推進基金につきましては、さきの代表質問で私どもの鈴木幹事長から質問させていただきました。
 振り返りますと、一九六四年、東京五輪のときには、首都高ができました。そして、二〇二〇年の東京大会では、小池知事いわく電波の道をつくるんだというふうな意気込みが示されているわけでありまして、私どもはそういったスマート東京の実現を否定するものでは全くございませんので、まずは申し上げておきたいと思うわけでございます。
 しかしながら、提出された条例案を拝見しますと、基金の目的、これは難しいんですよね。データと最先端技術を駆使し、社会におけるサービスの高度化やイノベーションの創出を進め、東京をスマート東京に進化させる、こういうふうなお題目みたいなことが掲げてあるわけであります。
 じゃあ、一体、この基金の目的を都民の方が読んで、どれだけの方が理解できるのかなと思いますと、私にも、これはよほど勉強しなきゃ理解できないなというふうな難しい条例の中身なのかなというふうなことでございまして、ちょっと若干心配しているわけでございます。
 また、一方で、先ほど来お話がありました本基金の設置に合わせる形で、産労局が所管している東京都イノベーション創出基金百九十二億、この全額が取り崩されて、本基金に助成されるわけになったわけでございます。合わせて、三百八億円と足して五百億という数字は、これは非常にインパクトのある、都民にも訴えることができる数字なのかなと思うわけでございますが、なぜ今回、東京都イノベーション創出基金を全額取り崩してまでスマート東京推進基金を設立する必要があるのかというふうなことを、私どもの代表質問でちょっと尋ねさせていただいたんですが、ちょっとはっきりした答えではなかったように感じられます。
 そこで、本日の委員会では、このスマート東京推進基金設置の必要性や充当方についてもう少し明らかにしていきたいと思って、何点かご質問させていただきたいと思います。
 大分、さきの委員の方の質問で明らかになったところがございます。なぜ今回こういった基金という手法をおとりになったのかというふうなことに対しましては、将来の財政需要に備えて基金を設置するんだというふうなご答弁でございました。
 将来の財政需要に備えるって、ごもっともな話に聞こえます。我が東京も過去最大の予算規模というふうなことでございますが、その一方で、都税収は五百億強減収してしまったわけでございまして、あすの財政がどうなるかというのは、これだけ景気に左右される東京都というのは、わからないわけでございます。
 したがって、まずは、スマート東京を実現するため当面必要な財源を確保していきたいんだというふうな意味なのかということ、この財政需要に備えるということはそういった意味が含まれているのかというところをお尋ねしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 理事ご指摘のとおり、スマート東京推進基金は、都税収入の増減による影響を抑えつつ、必要な事業を着実に推進していくために将来の財政需要に備えて設置するものでございまして、当面必要な財源を確保していくものでございます。
 スマート東京の実施に関する予算といたしましては、令和元年度の十九億円から令和二年度は百五十八億円と約八倍の予算を計上しておりまして、今後もさらなる増加が見込まれております。
 スマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業や、スタートアップ企業や中小企業等によるイノベーションの創出に資する事業につきまして、各年度の一般財源とあわせまして、基金を有効に活用しながら推進してまいります。

○清水委員 ありがとうございました。
 令和二年度の東京都予算案の概要によりますと、このスマート東京の実現に係る予算は総額百五十八億円ということでございます。これがどんどん拡大するというふうなことになりますと、そもそも基金の規模は五百億円でいいのかというふうな議論も出てくるのかなと思います。
 五百億円ですとか、スマート東京ですとか、TOKYO Data Highwayなんていうふうな要望を並べられますと、なかなかイメージが湧いてこないんですが、粗い考え方で大変恐縮なんですが、大体、東京都と立川市の予算規模って百対一の割合なんですね。そうすると、大体五百億円のこの予算、これを立川市がやるとしたら大体五億円になります。そうすると、じゃあ立川市のデジタルシフトを五億円でできるかなと思うと、ちょっと首をかしげたくなるようなところがありまして、このような発言に至ったわけでございますが、都としてスマート東京の実現に要する事業費をどれくらい見込んでいるかは、五百億円という基金の規模が適正かどうか判断する一つの指標になるのかなと思います。
 そこで、いわゆるこのスマート東京を実現するためには、どのくらいのお金がかかるとご認識されているのかお伺いしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京は、未来の東京戦略ビジョンでは二〇四〇年における実現を目指しておりまして、長期的な視点を持って実施していかなければならないと認識しております。
 スマート東京推進基金で充当を予定しておりますスマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業に三百億円から三百五十億円、スタートアップ企業や中小企業等によるイノベーション創出に資する事業に百五十億円から二百億円、この二つの事業で合計五百億円を想定しているところでございます。
 しかしながら、技術は日進月歩で進化しておりまして、東京を取り巻く環境やニーズも刻一刻と変化することもありまして、現時点での総事業費の試算は難しいものと認識しているところでございます。

○清水委員 ありがとうございます。
 TOKYO Data Highwayと、あとスタートアップと、二つの内訳みたいなものをお示しいただいたわけでございますが、なかなか難しい、先々のことでございますので難しかったのかなと思いますが、ご答弁にもありましたとおり、科学技術は日進月歩でございます。今後、スマート東京を実現するため、イノベーション創出やTOKYO Data Highwayのコア事業について、現在予定していないような新しい事業に次々と取り組む必要が出てくることも、これは十分予想されるわけでございます。
 そうなりますと、基金の規模は五百億円で足りないのではないかと我が党の代表質問でもご指摘をさせてもらいました。五百億円の基金が知事の思いつきだとかパフォーマンスなんていわれないように、計画的かつ大胆な取り組みが必要であるとご指摘をさせていただきました。場合によっては、今後、基金の積み増しを行うのも必要ではないかと思うわけでございますが、ご見解をお伺いしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京の実現に向けました取り組みは着実に推進していかなければならないものでございますが、積み増しを行うか否かにつきましては、技術の進歩や東京を取り巻く環境等の状況を踏まえまして判断してまいりたいと思います。

○清水委員 今いっぱいいっぱいのご答弁をいただいたような気がしてなりません。
 スマート東京の実現というものを単なるパフォーマンスで終わらせないためにも、今後、適切な充当基準を策定した上で基金の目的に合致する事業に充当していった結果、五百億円では足りないということであれば、将来的な積み増しを行うべきとご指摘をさせていただきたいと思います。
 さて、先ほど申し上げているとおり、本基金はイノベーション創出基金を全額百九十二億円取り崩して設立する基金でございます。当然、従来のイノベーション創出基金で充当を予定していた事業には、本基金からも充当すべきというわけでございますし、さきの質疑のご答弁で、各局との調整をしながら活用をしていくんだというふうなご答弁もいただいたわけでございます。
 何となく安心をさせられる答弁でございましたが、しかし、このスマート東京推進基金は戦略本部が所管をいたしておりまして、基金の目的に合致する各事業の財源に、これは戦略本部が充当されると聞いております。となりますと、充当方を判断するイニシアチブは戦略本部にありまして、中小企業の成長などに資するイノベーション創出部門での活用が心配をされるわけでございます。
 そこでお伺いしたいと思うんですが、イノベーション創出基金は産業労働局が所管をしておりましたが、基金の所管がかわることで、中小企業に対して活用しづらくならないか懸念をいたすところでありますが、見解を伺いたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 この基金の充当対象事業といたしましては、基金の設置目的に鑑みまして、スマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業やイノベーション創出に資する事業を想定してございます。
 イノベーション創出に資する事業につきましては、令和二年度予算案では、中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業など、イノベーション創出基金で充当する予定でありました事業に約五十九億円を充当いたします。
 令和三年度以降の充当対象事業につきましては、基準等の検討も含めまして、各年度の予算編成の中で選定してまいります。

○清水委員 ありがとうございました。
 もうさきにも示されておりますとおり、充当事業というのが令和二年度、五十九億円というのがありまして、さきの答弁でも関係している各局と連携しながらというふうなご答弁も頂戴しているわけでございます。
 私どもが心配しているのは、やはり既にありました中小企業対策でありますイノベーション創出、これは非常に東京都にとっても重要な施策だと思っているわけでございます。今のご答弁、そしてさきの委員の方に対するご答弁を総合的に解釈しますと、大丈夫なんだよと、しっかり連携してやっていくんだというふうに聞こえてなりません。
 でも、もしそういうことであれば、はなからイノベーション創出基金の金額をその目的に使えるというふうなことであれば、今回、このイノベーション創出基金を残して、二つ別々の基金としてそのまま置いておいてもよかったんじゃないかと思います。
 なぜ、今回あえてイノベーション創出基金を廃止して、このスマート東京推進基金なるものに一本化を図ったのか、その理由について改めてお伺いしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 基金の廃止につきましては、戦略政策情報推進本部が決定の権限を有するものではございませんが、イノベーションの創出とスマート東京の実現は表裏一体のものであることから、スマート東京推進基金に一本化されたものと聞いてございます。
 今後、これらの事業に的確に対応できるよう努めてまいります。

○清水委員 確かに、基金の存続、廃止につきましては戦略本部さんの権限ではないのかなと思うわけでございますが、この基金の充当方の判断は、戦略本部さんでございます。そうしますと、繰り返しになりまして恐縮なんですが、産労さんが持っていましたイノベーション創出基金、残り百九十二億あったわけですよね。それで、確かになっているものは令和二年度で行われます十事業、そして五十九億円というふうなことでございます。差っ引きますと、本来ならばあと百三十三億円、産業労働局のイノベーション創出基金があったわけでございます。
 仮に百三十三億円、産業労働局が要望して、基金の目的に合致したというふうな前提がございます。そういったことがございましたら、産業労働局の事業として行っているイノベーション創出として、これは充当するというふうな判断をしていただけるんでしょうか。お伺いしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほどご答弁しましたとおり、この五百億円の見積もりの内訳といたしまして、スマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業に三百億円から三百五十億円、理事ご指摘のスタートアップ企業や中小企業等によるイノベーション創出に資する事業に百五十億円から二百億円を予定しておりまして、今、理事ご指摘の方向で基金の目的に合致するならば、そのようになされると考えております。

○清水委員 いいご答弁を頂戴したような気持ちでございます。
 あと、ちょっと余談になるんですが、今回、さきの組織改正で戦略本部さんの方に、総務局から、あるいは政策企画局からの部署の異動がございました。これはまさしく、今回TOKYO Data Highway、あるいはスマート東京を実現するための横串を刺すような専門的な本部をおつくりになったというのは、私はなるほどなというふうに思っているわけでございますが、先ほど来、産業労働局のイノベーション創出とも表裏一体なんだというふうなご発言がありましたが、これはまた、ちょっと所管が違うかもしれませんが、戦略本部さんとして、産業労働局の部署の一部もどうせなら戦略本部さんの方に移管をして、皆さんで力を合わせてスマート東京実現のため頑張るというふうな考え方もあったんじゃないかと思うんですが、その辺のお考えをお聞かせいただければなと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 組織の設置につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたとおり、戦略政策情報推進本部が決定の権限を有するものではございませんが、先ほども申し上げましたとおり、イノベーションの創出とスマート東京の実現は表裏一体のものであると認識してございまして、中小企業施策全般を担います産業労働局とも密に連携しながら、オール都庁でスマート東京の実現に努めていきたいと考えてございます。

○清水委員 お答えいいただきましてありがとうございました。
 政策企画局の中で政策調整部が戦略事業部になり、そして総務局の中の情報通信企画部がICT推進部になって、戦略政策情報推進本部となったというふうなことでございまして、産業労働局の商工部が移ってしまったら大変なことになってしまいますので、なかなかできることとできないことがあるのかなと。産業労働局については事業で連携をとっていただくというふうなことになるのかななんていうふうに、私は理解をさせていただきました。
 いずれにいたしましても、東京は世界の諸都市と比べまして都市全体のデジタル化がおくれているという指摘がされているそうであります。今後、戦略本部において充当基準を策定し、各局事業の財源に充当される過程の中で、この基金が、スタートアップ企業を初めイノベーションにより成長しようとしている中小企業も支えるものになっていくのか、私ども自民党は、今後の議会審議の中で引き続き注視していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 以上です。

○原委員 これまでの質疑を伺っていて、私は率直にいって疑問がさらに出てきてしまっています。
 ちょっと最初に一点、今ほどのやりとりを聞いていて確認したいんですけれども、スマート東京推進基金条例についてです。このことで、基金について積み増しをするかどうかはわからないという答弁が今ほどあったんですけれども、それは決まっていないということなんですか。ちょっと最初に確認させてください。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京の実現に向けては、着実に推進していかなければならないものでございます。
 しかしながら、積み増しを行うか否かにつきましては、技術の進歩や東京を取り巻く環境等の状況を踏まえまして、その必要性が生じたとき、その都度に判断していくものかと思っております。

○原委員 済みません、それは誰が判断をするんですか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 基金の所管は戦略政策情報推進本部でございますが、財政フレーム等もかかわりますので、これは財務局と緊密に連携して予算査定の中で決まっていくものと考えてございます。

○原委員 私自身は、議会の前にいろいろ説明を受けたりした中で、財務の関係からも、当然ほかの議員の皆さんと同じで、説明を受けていますけれども、積み増しをしていくという前提ではなかったように受けとめていたんですね。
 今、やりとりの中では、今後の状況の中でそれは判断していくという話だったので、ちょっと、ますますその基金のあり方というものをしっかり見ていく必要があるのかなというふうに、まず最初に一言述べたいと思います。
 それで、具体的に伺っていきたいんですが、私も基金を設置することが今なぜ必要かという質問を一番最初にしようと思ったんですが、ほかの委員の方からも質問にあったとおりですので、そこは省略します。
 ただ、そのお答えを聞いていて、改めて、今回これから説明をされる実施戦略の六二ページには、将来の財政需要に備えて基金を創設とタイトルが書かれていて、次年度以降財政需要の増大が見込まれるというふうに書いてあるんですよね。そういう中で基金をつくっていくと。一体、今後その財政需要の増大、増大とあえて書いてある、これを一体どのぐらい見込んでいくのか、どういう使い方をしていくのかということについて、順々に聞いていきたいと思います。
 まず、条例の第一条の条文ですけれども、非常に難解な文章だと、条例文だと私も思って読みました。
 伺いたいんですけれども、第一条が基金の目的に当たる部分になると思いますが、東京をソサエティー五・〇の実現によりスマート東京に進化させていくという文章があります。これはどういう意味なのか説明をしてください。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ソサエティー五・〇は、デジタルの力により経済発展と社会課題解決が両立された社会でございまして、この実現を通して、都民が質の高い生活を送ることができる社会、つまりスマート東京を目指していくという意味でございます。

○原委員 ちょっとなかなか難しいんですけれども、この条例の文章を読むと、東京をソサエティー五・〇の実現によりスマート東京に進化させるというふうになっていますから、ソサエティー五・〇の実現が、まず先にありきというふうに読めるわけですね。
 それで、では、ソサエティー五・〇というのはそもそもどういうことなのか、また、いつから、誰が提唱したのか、改めて伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ソサエティー五・〇でございますが、サイバー空間、いわゆる仮想空間と、フィジカル空間、現実空間とも申しますが、を高度に融合させたシステムによりまして、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会というふうにいわれてございます。
 この概念につきましては、国が策定いたしました第五期科学技術基本計画、これは二〇一六年一月二十二日に閣議決定されておりますが、ここにおきまして、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されたものでございます。

○原委員 今お話にあったように、ソサエティー五・〇は、現政権が提唱して、経団連が一体となって進めてきているのが特徴だと私は受けとめています。
 後ほど述べますが、かなりそういう点で疑問点の多い未来社会論だと私は思っているんですね。今ご答弁にもありましたけれども、我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱しているものですから、そういう点で非常に問題が幾つもある内容になっていると思っています。
 それで伺いたいんですけれども、ソサエティー五・〇というこの構想は、都民にどのぐらい浸透していると考えていらっしゃいますか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 昨年十二月に内閣府の外郭団体でございます経済広報センターというところが調査を行いまして、その調査結果によりますと、ソサエティー五・〇という言葉を知っているというのは四三%という結果が出てございます。

○原委員 今お答えにありました内閣府の外郭団体、経済広報センターの調査の結果ですよね。このセンターの社会広聴会員という会員になっている人たちに対するネット調査が行われた、その結果をお話しいただいたんだというふうに思います。
 それは、言葉を知っているは四三%とおっしゃっているんですが、ソサエティー五・〇について内容を知っていると答えている人は三%です。内容をある程度知っているは一三%、言葉を知っているという人を合わせて四三%ということだと思います。しかも、答えている方は経済広報センターの先ほどもいったように社会広聴会員になっている方で、日ごろからネットでの調査を受けている方なんですよね。だから、ネットに非常になれている方々が回答している。そういう回答であっても、内容を知っている人はわずか三%と、内容をある程度知っている人もわずか一三%というのが本来の実態だというふうにいわざるを得ないと思うんですね。
 こういうような状況ですから、このソサエティー五・〇が都民に浸透しているというふうにはいえないのではないかと思いますが、見解を伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員ご指摘のソサエティー五・〇の言葉を知っているという意味で四三%と申し上げましたけれども、東京都では、昨年暮れに出しました未来の東京戦略ビジョンの中でも、東京の進むべく道として、東京版ソサエティー五・〇の実現、スマート東京の実現ということを大きく掲げてございますので、そういう意味では、まだ都民を対象とした認知度は調査しておりませんけれども、東京都としてあらゆる機会を捉えて、この言葉、そして内容について広報しているところでございます。

○原委員 東京都として認知度がどのぐらいあるかというのは、今、調査の結果などは特にないわけですよね。それは私もそうだと思います。こういう調査、先ほどご答弁にあったような経済広報センターの調査でも、まだまだこういう認知度だということは、私は認める必要があると思うんですね。
 何でこれにこだわっているかというと、条例にソサエティー五・〇という言葉を入れているからです。ソサエティー五・〇という言葉を使わなくても本当は表現できる内容なのに、あえてこのソサエティー五・〇を実現するということを条例という本当に重みのあるものの中に入れているから、私はこれを都民がどの程度理解をされているのか、本当に認知度がどのぐらいなのか、そういうことがきちんと裏づけがないといけないというふうに思っているんです。
 実際に都民に十分浸透しているとはとてもいえないという状況だと思います。その構想を、今いったように条例の中に位置づけて、そのための基金だというのは、私は問題があるというふうに思っています。
 それで伺いますけれども、基金を使う基準というのはどう考えていますか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度予算案では、イノベーション創出基金で充当する予定でございました事業に約五十九億円を充当いたします。
 令和三年度以降の具体的な充当事業につきましては、基準等の検討も含めまして、各年度の予算編成の中で選定してまいります。

○原委員 私はこれも非常に疑問なんですよね。なぜイノベーション創出基金を充当する事業を執行した後に整理をして、この基金をどうするか、イノベーション創出基金も含めてどうしていくのかということを、丁寧に検討してから提案をするということがなかったのか。そこは本当に疑問で、先ほど清水理事からもイノベーション創出基金のことに触れられていましたけれども、一つの大事な基金をどうしていくかというのは本当に大きな問題ですので、これは非常にこの進め方にもとても疑問があるということはいっておきたいと思うんです。
 それで、各年度の予算編成の中で検討するということなんですけれども、あらかじめその検討に当たっての物差しとなる基準はつくらないんですか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和三年度以降の具体的な充当事業、また基準等の検討も含めまして、各年度の予算編成の中で選定してまいります。
 基準等につきましては、令和三年度が最初の充当となりますので、その中で検討していくこととなると思います。

○原委員 私は、その基準も、こういう基準でやっていくんだということを、この基金を提案するときに一緒に提案すべきだというふうに思うんですね。年度ごとにこうしていこう、これに充当しようとかって、それを決めていくのは当然なんですけれども、それを進めていくための物差しは、あらかじめ持っている必要があるというふうに思うんです。ですから、これから決めていくということは、非常に疑問を持っています。
 さらにもう少し伺いたいんですけれども、なぜ五百億円なのかということなんですが、いろいろ議論がありましたけれども、ちょっと改めて教えていただきたいと思います。そして、今後スマート東京に係る費用を試算しているのかどうか教えてください。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほど清水理事の方にご答弁いたしましたとおり、スマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業に三百億円から三百五十億円、スタートアップ企業や中小企業等によるイノベーション創出に資する事業に百五十億円から二百億円、この二つの事業で合計五百億円を想定してございます。
 しかしながら、先ほどもいいましたように、技術は日進月歩で進化しておりまして、東京を取り巻く環境やニーズも刻一刻と変化しておりまして、現時点での総事業費の試算は難しいものと認識してございます。

○原委員 そうすると、先ほどの基金を積み増しをしていくかどうかも、今後の状況によっていろいろ出てくるというお話もあり、そして今、充当対象事業として挙げていただいたわけですけれども、でも、この限りではないということになるわけですよね。全部スマート基金から全て支出をするというわけではないんだと思うんですよね。
 ですから、そうなると、スマート東京だといえば予算が青天井のようになっていくんじゃないかということを私はとても心配するんですが、見解を求めます。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京基金は、現在二つの事業で五百億円を見込んでおりますが、実際のスマート東京の実現に係る予算といたしましては当然、一般会計の充当も含めまして、そしてこの基金からの充当も含めまして、事業の財源としていくものでございまして、この基金で全てを出すというわけでもございません。
 そういう意味では、令和三年度以降の予算編成の中で、充当の基準でありますとか具体的な充当事業の選定を行っていくというものでございます。

○原委員 今ご答弁にあったように、基金で全てではないと。だからこそ本当に、五百億円の範囲ではない相当のお金をスマート東京だということで、予算がついていくということが起きてくるわけですよね。それが幾らになるのか、具体的に何に充てるのか、それは今のところ未定なんですよね。それで、技術の進歩は今、日進月歩だというふうにおっしゃっていましたけれども、だから、どこまでどうなるか本当にわからないというところを私は大変心配をしているんです。
 それで、仕様書を資料として出していただきましたけれども、まず、これらの委託でどのぐらいの費用をかけられていらっしゃいますか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今年度、五つの事業、具体的には、「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会開催支援業務委託などでございますが、この五つの事業に、約二千二百万円で契約を締結しているところでございます。

○原委員 さらに、この委託の結果、どういう調査結果かというのがまだ私も全部はわからないんですけれども、この中から、具体的にどういう事業を進めていくのかということが出てきますから、どのぐらいの費用が今後かかるかというのもこれからだと思うんですね。
 既に来年度についていえば、スマート基金の枠外で、スマート東京の予算としては百五十八億円予定されているわけですから、そういうふうに考えると財政支出の予測が本当に立たない、立っていないなというふうに思うんです。
 それが、技術はどんどん発展していくから仕方がないんだというふうには、私はやっぱりそれはいえないというふうに思って聞いているんですね。
 ソサエティー五・〇が描く未来社会論というのは、先ほどご答弁の中にもありましたけれども、サイバー空間と現実空間の高度な融合により問題を解決していくといっていますよね。それで、現実社会で発生する困難な問題をサイバー空間でAIが解析し、その解答を現実空間にフィードバックすることにより、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されるというふうに、政府の広報資料では説明をしています。
 また、超高齢化、災害やテロ、環境エネルギー問題などの人類が今当たっている複雑かつ構造的な社会課題の解決も図れるというふうに、政府の広報資料で、これも説明しているんですね。
 私はこれを読んで、何度も読み返したんですけれども、これはちょっとぜひ見解を伺いたいと思ったんですが、一つだけ聞きます。
 貧富の格差についても解決が図れるというふうにいっているんですけれども、ソサエティー五・〇のこの構想によって、貧富の格差がサイバー空間と現実空間の融合によって解決できるというふうに都としては考えているんですか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今、ソサエティー五・〇社会のあり方についてお話しいただきましたけれども、東京都では、先ほど申しました昨年末に出しました未来の東京、実施戦略等におきまして、デジタルサービスで都民の生活の質、QOLを向上させて、三つのシティー、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの実現を目指しているというのが、東京版のソサエティー五・〇、スマート東京の全体像でございます。
 そうした意味では、例えば防災であるとか、まちづくりであるとか、ウエルネスであるとか、働き方、いろんな今までの行政サービスの対象の分野、それには、貧富の格差という問題も入ってくるとは思いますが、そうした行政分野をなしにするわけじゃなくて、今まで以上に行政分野をやっていきます。それに、デジタルの力を加えて、さらにその行政分野を進化させていこうという考え方でございますので、まとめますと、デジタルサービスで、都民の最終的にはQOL、生活の質を向上させるというところが、東京版ソサエティー五・〇、つまりスマート東京の全体像かなと考えてございます。

○原委員 私は、この政府の広報資料、ホームページなどでも一番に読めるところで書いてあることを、つまみ食いでいっているわけではなくて、そのままいっています。ですから、とても心配だと思ったんですけれども、今ご答弁にあったように、行政が担当している例えば格差問題などでも、それをやっていく中でより取り入れていく、新しい技術を取り入れていくという発想だということは私も理解できるんです。でも、ソサエティー五・〇の政府の広報資料、この説明では、そういうふうにはなっていないんですね。だから、私は、このソサエティー五・〇という言葉を入れて条例で規定をしていくというのは非常に課題がある、問題があるというふうに思っているんです。
 そもそも、今ご答弁にあったとおり、現実社会で起きている問題をサイバー空間を活用する技術だけに丸投げするというわけにはいかないわけで、そういうことをきちんと踏まえないといけない。でも、東京都の戦略ビジョンは、残念ながら貧困問題や格差問題、非常に弱いんですよ。だから、私は、スマート東京に改称しちゃっているんじゃないかなということも、とても心配しているんです。
 私は、その上で最後に質問しますけれども、都として具体的に何をやりたいと考えているか、また、民間と都の役割の線引きはどのように考えているのか伺います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほども申し上げましたとおり、スマート東京の実現によりまして、さまざまな行政分野をデジタルの力でより進化させて、最終的には都民のQOLの向上、生活の質の向上につなげていくものだと考えてございます。
 また、都と民間が良好な協働関係を構築しまして、知恵を持ち寄りまして、イノベーションを創出していくことも重要かと考えてございます。

○原委員 民間はどんどん技術を発展させるための研究を進めていると思います。そこに自治体がどうかかわるのかというのは、本当に重要な問題で、きちんと線引きが必要なのではないかと考えています。そこが、今聞いている範囲では曖昧なのではないかなというふうに私は思います。
 結局は、そうなると何が問題になるかというと、都民のためにやっていくんだというふうに今ずっとご答弁にあるわけですけれども、それが都民のためではなくて、企業が自治体をステージにして実験していくようなことになっては困るということで、私は質問をしているんですね。
 そして、同時に私がいいたいのは、この基金もそうですけど、都民の税金ですよね。多額の都民の税金を使うことになるものを、今後の財政の見通しは立たない、さらにいえば、現在のサイバー空間にはサイバー攻撃やサイバー犯罪など、情報セキュリティーから見るとまだまだ欠陥もあって、完全なものとはいえない、こういう課題もありますし、また、例えば医療や教育で活用していく技術の発展も当然期待できるわけですけれども、まだそれは発展途上なわけです。そういう中で、東京都として何をどう活用していきたいのかということがまだ明確ではない。
 この段階で五百億円の基金を設置するというのは、少なくとも時期尚早ではないかと私たちは考えています。
 基金がなくても、必要な事業だと考えれば、年度ごとにその事業にどのぐらいお金を充てるのかという予算提案をしていけばいいわけです。一方では、今、大問題となっていますけど、都立病院の独法化をして一般会計の繰り出しを減らしていきたいということまでいっているわけですよね。そういう中で、五百億円の見通しが立たない中で基金を積み立てるというのは、いかがなものかというふうに思っています。お金の使い方が違うのではないかなという意見を述べて、質問を終わります。

○宮瀬委員 よろしくお願いいたします。
 私の方からは、まず、コロナウイルス感染症対策の補正予算についてお伺いしたいと思います。
 今回、ウエブカメラ及びヘッドセットを配備するということでありますが、その狙いについては、私も質疑を聞かせていただきました。新型コロナウイルスについては濃厚接触による感染拡大が懸念されていると。テレワークはその有効な対策の一つですよといったことで、まさに濃厚接触しないための取り組みだということだと思います。
 そこで、ちょっと簡単にファクトだけ確認したいんですが、今回の補正で、何台分で、職員のカバー率、令和元年度と二年度を合わせて教えていただき、あわせて、もう一緒に聞いてしまいますけれども、テレワークをしなければならない、またはテレワークをする職員はどれぐらいなのか、大事な数字ですので、念のため教えてください。

○沼田情報基盤担当部長 今回の補正予算でございますが、TAIMSの利用端末で一般会計に配備している約四万二千台の端末のうち、本庁に配備された端末一万台分を二カ年で配備することを想定しております。
 また、今回のテレワークの対象職員でございますが、令和二年二月二十八日付総務局人事部通知によれば、本庁に勤務する全ての職員(窓口業務への対象職員等を除く)をテレワークの対象とし、週四回をめどに実施することになっております。

○宮瀬委員 先ほど質疑もございましたが、TAIMS一万台といったことでありますが、ちょっと恥ずかしい質問で、大変素朴過ぎて恐縮なんですけれども、今回購入するウエブカメラとヘッドセットは、ネットとつながっていないと使えないという認識でよろしいでしょうか。

○沼田情報基盤担当部長 ご指摘のとおりでございまして、ウエブカメラとヘッドセットはTAIMSの端末がネットとつながっていることが利用の前提となっております。

○宮瀬委員 当たり前ですよね。つながっていないと使えないと。
 本庁に勤務する全ての職員が大体一万人ということでありますから、その分、ウエブカメラとヘッドセットを買うと。しかし、ネットにつながっていないと使えないですが、まあ、当たり前の話であります。
 そこで問題提起させていただきたいのは、先ほど、のがみ委員が、全員がテレワークできるといったことをおっしゃっていて、それで確認をとったといったことでありますが、私、やっぱり一万人の職員の皆さんがいますと、家にネットがない人がいるのではないかと。例えば若手の都庁の職員は、ひとり暮らししている方とか、携帯だけで日々生活をしてブロードバンドの回線を引かないという方もいますでしょうし、一万人の職員の方がいれば、ちょっと年代の高い方に関しては、まさにネット環境にいないという方もいらっしゃるんじゃないかなと。
 例えば、先ほど政策企画局への質問に対しまして、ネットの利用率というのを確認させていただきましたが、若手の皆さんは大体九五%とか九六%いらっしゃるんですけれども、都庁の現役世代であります五十代の方はぐっと下がって九割ぐらいということで、数字が落ちるわけですね。若手も、二十代、三十代も一〇〇%ではない、九六%とか九五%とか。
 となると、今回ウエブカメラとヘッドセットが来ましたと、これで在宅勤務、テレワークをやってくださいといっても、家にネットがつながっていない職員が絶対いるはずだという推測を立てたわけなんですけれども、職員の自宅などがネット環境にない人というのはどれぐらいいるんでしょうか。都庁の職員でお願いします。

○沼田情報基盤担当部長 政府統計によれば、固定系超高速ブロードバンドの整備率というのは九九・二%、移動系超高速ブロードバンド、こちらはスマホ等だと思いますが、九九・八%であり、一般的にはさまざまな方法でインターネットに接続する環境というのがあると思っております。
 一方、ご質問にある都庁の状況でございますが、平成三十一年二月に総務局人事部が端末先行配備の職員を対象に実施したアンケート結果に基づけば、モデル職場の職員の約五%がインターネット環境がないと回答しております。

○宮瀬委員 五%の方がネット環境にないと。
 今までは、テレワークというと、希望者がテレワークをとるといったことで、規約の方も確認しましたが、実施を希望する職員ということになっております。
 しかし、今回は、冒頭にありました濃厚接触を、感染拡大を避けるということで、どちらかというとテレワークをお願いしなきゃいけない立場、それがしかも週五勤務のうち週四が目安とお願いをしているわけであります。つまり、週の半分以上が自宅でのテレワークになるにもかかわらず、五%の方が通信環境にないとお調べになっているかと思います。
 素朴に思うんですけれども、ネット環境にないその五%の人はどうすればいいんでしょうか。

○沼田情報基盤担当部長 ネットワーク環境の整備につきましては、各職員の判断により整備するものと理解しております。
 また、総務局でサテライトオフィスを整備しており、自宅にネット環境がないような場合においても利用することが可能となっております。

○宮瀬委員 ネットワーク環境の整備については各職員の判断によって整備とあるんですけれども、繰り返しになりますが、今までは、希望者の方がテレワークをやると。しかし、今回はどちらかというと、感染拡大を避けるために週の半分以上テレワークをお願いすると。そういった状況の中で、各自でネット環境の整備を判断して整備というのは、私はいかがなものかと思います。
 その中で、サテライトオフィスの整備ということがあって、つまり自宅にネットワーク環境がない人はサテライトのオフィスがあるので、そこでやってくださいといったことでありますが、どこにあって、利用時間はどうなっているのかお伺いいたします。

○沼田情報基盤担当部長 こちらは総務局の取り組みになってございますが、都庁と青海にある職員研修所にサテライトオフィスが設置されており、利用時間は九時から十七時三十分となっております。

○宮瀬委員 これは大変矛盾しておりまして、都庁の出勤を控えるためにテレワークをお願いするのに、インターネットの環境にない方はサテライトオフィスに行ってくださいと。そのサテライトオフィスの場所が都庁十六階です。つまり都庁に来ないとサテライトオフィスを使えないということなんじゃないでしょうか。
 また、研修センターがある青海でありますが、恐らく青海の近辺に住んでいる方というのは、都庁の全体の中ではわずかだと思います。つまり、ほぼ全ての方が、青海のセンターを使うには満員電車に乗って行かなければならないといったことなんじゃないでしょうか。
 つまり、テレワークをお願いして都庁に来ないでねといっているのに、インターネットの環境のない人は本当に仕事をどこでやるのか。都庁に行くのか、満員電車に乗って青海に行くのかしかないわけであります。そうなりますと本末転倒だと思うんですが、見解を伺います。

○沼田情報基盤担当部長 今回の取り組みにつきましては、コロナ対策の緊急措置ということでございまして、現状における都庁、青海における職員研修所を活用していただくこととなっております。

○宮瀬委員 あれですよね、私は、皆さんにこれはおかしいと厳しくいうのも仕事を、チェック機能を果たすという意味では大事なことでありますが、急遽決まったことなので体制が追いつかないといったことはわかるんですが、きょうから、三月二日からテレワークを週四とりなさいとお願いをしていて、実際はネット環境にない方がいて、その人は都庁十六階のサテライトオフィスで仕事をしてくださいは、さすがにいかがなものかと思います。
 しかも今のご答弁を聞いていても、サテライトオフィスでやってくださいと、そこの矛盾を聞いているんですが、やはりご答弁になっていないと私は思います。
 その中で、各局の方にちょっと聞くと、ルーターがあると。ルーター等の通信機器があると。
 私もちょっと会社員時代、大阪出張が多かったときは、支給されるPCのUSBのところにルーターみたいなものを差して、全額会社負担で、テレワークといいますか、遠隔での仕事をさせていただきました。
 そういったルーターがもし十分に配備されていれば、そのルーターを借りていけばいいと思うんですけれども、何台あるんでしょうか。

○沼田情報基盤担当部長 本庁内の各局の保有する台数については把握しておりませんが、当本部では、三月一日現在で十台を保有しております。

○宮瀬委員 このルーターは基本的にはテレワーク用ではなくて、東京都の職員、皆さんが、例えば5Gの取り組みを勉強するために、例えば大阪に行ったりとか、そういった出張用だと聞いております。
 私は、今回のウエブカメラ、ヘッドセットの購入そのものを否定するつもりは毛頭ございません。
 しかし、その前に、インターネットの環境を、全社員の環境をどう担保していくのか。
 また、週二で希望者がいわゆるとっていたテレワークというものが、お願いする形で週四になったときに、電話代もしくはネット料金、例えば一定の使用まで定額でやって、その利用量を超えるとさらにお金がかかるといった契約の職員の方も多分いらっしゃるのではないかなと。週四でやりますので、ほとんど自宅の通信環境で仕事をするといったときに、じゃあお金はどうするのか。そういったルール、全庁的なルールというものが必要なのではないのかなと思いますが、見解を伺います。

○沼田情報基盤担当部長 総務局が定めております東京都職員在宅勤務型テレワーク実施要領によれば、現状、通信費については原則実施職員の負担と定めております。

○宮瀬委員 それは今までの話でありまして、状況が変わったじゃないですかといったお話です。
 私は、やっぱりこれは状況が変わったのであれば、今までの取り組みのご答弁ではなくて、せめてどう変えていくのか検討しなきゃいけないと思います。
 例えば、各局の方に聞いたんですけれども、TAIMSを持って家に帰ると。例えば都市整備局なんかはパソコンを持って帰る日は絶対に夜の宴会とか飲み会に行っちゃだめと、局で決まっているそうです。逆に、それは先ほど、のがみ委員がおっしゃっていましたけれども、飲みに行った帰りにパソコンを忘れてしまったりすることを恐れてそういった独自ルールを設けていたりとか、そういうのは全くありませんよっていう局もございます。
 つまり、今のテレワークのあり方を、これを機にしっかりと見直していかなきゃいけないと私は思っております。
 もう一回いいますけれども、カメラ、ヘッドセットも大切でありますが、全テレワーク職員のネット環境を整備することが大切だと思います。なぜなら今のその五%の人は仕事にならないじゃないですか。見解をお伺いします。

○沼田情報基盤担当部長 ご指摘のとおり、現状、ネット環境の整備につきましては、各職員の判断で整備するものになっております。
 一方で、世の中全体の動き、働き方改革を含め、テレワーク全体について今後取り組んでいくために、積極的に取り組んでまいろうと思っております。

○宮瀬委員 そうであれば、先にきちっとそういっていただければよかったんですが、テレワークのサテライトオフィス、私は今後、多摩地域の人をどうするのかとか、青海までやっぱりなかなか来るのに時間がかかります、都庁に来るのも時間がかかりますので、多摩地域に設けるのか、はたまたほかの地域に設けるのか、しっかりと確認していただきたいと思います。
 次に、スマート東京推進基金についてお伺いしたいと思います。
 出そうで出ていなかった質問としまして、皆さんの質疑を聞かせていただきまして、私は常に、今ウエブで委員会傍聴されている方もそうかもしれませんが、一般の都民がわかるような翻訳機能も都議会議員が負わなきゃいけないかなと。つまり、難しい言葉ではなくて、わかりやすい言葉で都民の皆さんに現状を理解していただくということも役割の一つだと思っております。
 単純に聞きますが、スマート東京とはどういったものでしょうか。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京は、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出し、都民が質の高い生活を送ることができる社会でございます。
 このスマート東京が実現した社会では、例えばロボットによる高齢者の生活支援や、ウエアラブル端末を用いた早期の病気発見、ICTを活用した子供たち一人一人の個性や成長に応じた学びが可能となるなど、都民の生活の質、QOLの向上や幸福度の向上が図られるものと考えております。

○宮瀬委員 スマート東京というのは、都民のQOLや幸福度の向上のためといったことでありますが、私は今回の五百億円、ほかの質疑も聞いておりましたが、清水委員、そして原委員のご指摘のように、何で五百億円なのかといったところが、我が会派も疑問に思っているところでございます。
 例えば、政策企画局が出しました戦略ビジョンでございますが、この中に戦略10、スマート東京といったものがあります。大変、夢広がる内容で、こういうのができたら本当にすばらしいなと思っておりますが、じゃあ幾らかかるんでしょうかと。さきの事務事業質疑では5Gの取り組みはいつ実現するのかと聞きましたが、幾らかかるのか。質疑をしっかりと聞いておりますと、これから先ということでありました。
 私はもうちょっと細かく聞きたいんですが、二〇三〇年、二〇四〇年までに実際こういったものが実現するのに幾らお金が必要か、お伺いしたいと思います。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 スマート東京は、未来の東京戦略ビジョンにおきまして、二〇四〇年における実現を目指しておりまして、長期的な視点を持って実施していかなければなりません。
 しかしながら、先ほどから繰り返しご答弁しておりますが、技術は日進月歩で進化しておりまして、東京を取り巻く環境やニーズも刻一刻と変化しております。現時点での総事業費の試算は難しいものと認識してございます。

○宮瀬委員 難しいからわかりませんということですが、では、今回の五百億円の充当対象とする事業の優先順位はどうなっているのかお伺いします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 この基金は、データと最先端技術を駆使し、社会におけるサービスの高度化や、スタートアップ企業や中小企業等によるイノベーションの創出を推進することを目的としております。
 今後の具体的な充当事業につきましては、この目的に鑑みまして、また、基準等の検討も含めまして、各年度の予算編成の中で選定してまいります。

○宮瀬委員 となりますと、今の五百億円の優先順位もなく、今後幾らかかるかもわかりませんと。
 まさにご答弁ありました二〇四〇年における実現を目指すとしており、長期的な視点を持って実施していかなければならない。だからこその基金だと思うんですけれども、この状況ですと、五百億円が多いのか少ないのかわからないと。
 つまり、将来、例えば二〇四〇年までに五千万円の家を建てるとしたときに、それまでに、五千万かかるから、ことしはこれぐらいの基金とか、普通のご家庭はそういった概算の金額を立てて、幾ら貯金していくかというのを決めていくのが当たり前だと思っておりますが、見解をお伺いいたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一般論でございますが、基金は、都税収入の増減による影響を抑えつつ、必要な事業を着実に推進していくために、将来の財政需要に備えて設置するものでございます。
 スマート東京推進基金設置に当たりましては、先ほど申し上げましたとおり、スマート東京、TOKYO Data Highwayのコアとなる事業に三百億円から三百五十億円、スタートアップ企業や中小企業等によるイノベーション創出に資する事業に百五十億円から二百億円を想定しておりまして、この二つの事業で合計五百億円を見込んだところでございます。

○宮瀬委員 ご答弁がないわけであります。
 大変、少しあの、今後のスマート東京事業に私は期待をしておりまして、だからこそ実現をしていただきたいと。そのために必要なのは財源でありますので、ぜひ財源のめどをつけていただきたいと。
 我が会派は財政推計をぜひ出していただきたいと財務局にお願いをしまして、二年かかりましたが、財政推計が出てきたと。その推計と財政がどうなっていくのかをしっかりと今後長期的に見ていかなければならない。
 また、戦略ビジョンに関しましてはバックキャストで物事を考えていきましょうよとおっしゃっているわけでありますから、ぜひバックキャストの視点で財源も考えていただきたいと思います。
 重複した質問は全部落としておりますが、ちょっと最後に一つ確認をさせていただければと思います。
 スマート東京は、都民のクオリティー・オブ・ライフですとか幸福度ということであり、データハイウエーという片仮名が並んで、自動運転や5Gなどきらびやかな単語が並んでおりますが、今まさに都民が求めているのは、そこでしょうか。
 先ほど藤井理事の方から、台湾のデジタル担当政務委員オードリー・タン氏の話がございましたけれども、まさに台湾では、薬局のマスクの在庫状況のデータを公開、マスク在庫マップ、また、新型肺炎情報LINEボット、また、Siriに聞くだけで一番近いマスクの在庫のありかを薬局が教えてくれるといった取り組み、また、注意喚起のメールや、タクシーの運転手、バス運転手にマスクが優先的に届くような情報発信、また、国際クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客について下船してから訪れた場所を全て公開するといった取り組みも、お隣台湾で行っております。
 日本の民間企業も、東洋経済のオンラインの方では、新型コロナウイルスの感染状況をビジュアル化し、毎日更新され、CSVデータも公開されていると。
 政府の方から、電話で処方箋を出すといった話も出ていて、クオリティー・オブ・ライフ、遠い未来の話ではなくて、まさに今、都民の皆さんが悩んで苦しんで不安に思っていることに、ITやデジタルの力を使って応えていかなければならないと思っております。
 このように、戦略政策情報推進本部として、今回のコロナの件でITを活用した、今いったような対応が行われたのか、実績をお伺いします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都では、二月二十六日に開催されました東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議におきまして、今後の都における新型コロナウイルス感染症に関する集中的取り組みとして、政策企画局を中心に、現行の特設サイトの拡充やSNS等のデジタルメディアの活用のほか、新型コロナウイルス専門ホームページを新たに立ち上げることとしております。
 戦略政策情報推進本部といたしましても、私と課長が兼務で、政策企画局新型コロナウイルス感染症対策広報担当部長と担当課長として参画しております。

○宮瀬委員 今ご答弁ございました専用ホームページですとかSNSのデジタルメディアの活用ということで打ち出してまいりまして、拝見させていただいておりますが、今までの情報を一つのサイトにリンクを張ってあるだけのように見えます。また、情報も全て、今まで出た情報もしくは最新情報のリンクが二十本ぐらいあって、それを都民の皆さんにお伝えしていると。
 そういうことではなくて、やっぱりこう、リアルタイムで、また双方向性で、都民の皆さんが知りたい--皆さんはデジタルの最前線にいるわけでありますから、これは今までの既存のやり方でもできるものだと思います。
 民間でも、ほかの国でも進んでやっているわけでありますから、ぜひ皆さんの活躍を期待いたしまして、質問を終わります。

○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○早坂委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先月七日に公表いたしましたスマート東京実施戦略、東京版Society五・〇の実現に向けてについてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料第4号は本編になります。
 本日は、資料第5号の概要版に沿ってご説明いたします。
 都では、昨年十二月、未来の東京戦略ビジョンを発表し、その中で目指すべき未来の姿の一つとして打ち出したのが、東京版ソサエティー五・〇、スマート東京の実現でございます。そのための戦略として、スマート東京、TOKYO Data Highway戦略を掲げました。
 このたび、この戦略を効果的に推進するため、スマート東京の目指す姿をより具体的に明らかにするとともに、二〇二〇年度の事業内容をテーマ別に紹介し、取り組みを具現化、加速化するスマート東京実施戦略を策定いたしました。
 まず、一ページをお開きください。二〇四〇年に向けたビッグピクチャーでございますが、スマート東京の実現によって、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの三つのシティーの実現を加速させ、都民のQOL、生活の質の向上に取り組んでまいります。
 二ページをお開きください。スマート東京の全体像でございます。
 自然、気象、インフラ、暮らし、経済などのデータを一元的に取り込み、今まである行政サービスにデジタルの力を加えることで、よりよいサービスを提供し、都民のQOL、生活の質の向上、三つのシティーの実現に取り組んでいくことを示してございます。
 三ページは、行政、東京都がデジタルトランスフォーメーションを進める意義についてお示ししております。デジタルトランスフォーメーションとは、ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるという概念でございます。
 四ページをお開きください。スマート東京の実現に向けた三つの柱を示してお示ししております。
 電波の道でつながる東京、TOKYO Data Highwayでは、電波の道で、いつでも、誰でも、どこでもつながる東京を実現してまいります。
 公共施設や都民サービスのデジタルシフト、まちのDXでは、データ共有と活用の仕組みをつくり、行政サービスの質の向上に取り組んでまいります。
 都庁のデジタルシフト、都庁のDXでは、都庁のデジタルトランスフォーメーションを強力に進めてまいります。
 五ページをごらんください。スマート東京実現に向けたロードマップとして、西新宿、南大沢、都心部、ベイエリア、島しょ地域の五つの先行エリアで、それぞれの地域特性を生かしたモデルを構築し、都内各地へ取り組みの拡大を図ってまいります。
 六ページをごらんください。スマート東京実現に向けた令和二年度予算の概要として、令和元年度は十九億円でございましたスマート東京関連予算が、令和二年度は百五十八億円になり、また、令和二年度予算がスマート東京実施に向けた第一歩の予算となること、また、スマート東京推進基金を創設することもお示ししております。
 八ページをお開きください。ここから一五ページまでは、スマート東京の実現に向けた令和二年度の主な事業の概要を示しております。
 八ページの電波の道でつながる東京では、東京二〇二〇大会競技場等における観客用Wi-Fiの整備、九ページでは、都保有アセットの積極的な開放と利用手続の簡素化等についてお示ししております。
 一〇ページの公共施設や都民サービスのデジタルシフトでは、災害対応力の強化として水防災情報発信の強化、一一ページでは、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトについてお示ししております。
 一二ページでは、五つのスマート東京先行実施エリアで、それぞれの地域特性を生かしたデータ駆動のまちづくりモデルを構築し、順次、都内各地へ取り組みを拡大し、5Gを初めとする高速モバイルネットワークと先端技術を活用した分野横断的なサービスの都市実装を目指すこと。特に、一三ページにございますが、西新宿エリアでは、スマートポールの試行設置やスタートアップ集積拠点開設、普及啓発イベント等を実施することを示しております。
 一四ページでは、スマート東京実現を支える取り組みとして、デジタルツインの推進を示しております。デジタルツインとは、センサー等から取得したデータをもとに、建物や道路等のインフラ、経済活動、人の流れ等のさまざまな要素をサイバー空間上に双子、ツインのように再現したものでございます。
 一五ページの都庁のデジタルシフトでは、働き方改革に資するシステム環境の改善についてお示ししております。
 一六ページをお開きください。実施戦略の推進手法の確立では、民間との連携や戦略のローリングを、また、一七ページの実施戦略の着実な推進を支える執行体制の確保では、ICT人材の確保が必要不可欠であり、積極的に都庁内のICT人材の確保に取り組み、さらなる体制強化に取り組むこと。
 最後、一八ページでございますが、スマート化の取り組みを全国に展開する手法の確立につきましては、先行実施エリアの取り組みと区市町村との連携協力を通じ、スマート化の取り組みを東京都全域に展開していくこと。さらに、こうした取り組みやノウハウを全国で広く共有する仕組みを検討、構築し、全国の共存共栄、日本の持続的成長につなげていくことを示しております。
 大変簡単ではございますが、以上でスマート東京実施戦略、東京版Society五・〇の実現に向けてについての説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料第6号、7号でございますが、先月二十一日に公表いたしましたスマート東京(東京版Society五・〇)の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針についてご説明させていただきます。
 お手元にお配りしております資料第6号は本文になります。
 本日は、資料第7号の概要版に沿ってご説明いたします。
 都では、二〇一九年四月、さまざまな分野の有識者や経済団体の代表者から構成される「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会を設置いたしました。
 検討会では五回にわたり、第四次産業革命技術を活用した都独自の社会実装モデルの構築の方向性や、官民連携データプラットホームの必要性について幅広く議論を行い、二〇二〇年二月に報告書を取りまとめました。
 今回、検討会の報告書を受け、今後都として取り組みを進めていくための指針として、スマート東京(東京版Society五・〇)の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針を策定いたしました。
 ここでは、三つの大きな柱として、データプラットホームの構築、都民向けスマートサービスの実装、官民連携データプラットホームにおけるデータのガバナンスをお示ししております。
 まず、一つ目のデータプラットホームの構築では、多様な主体が公共データや民間データなどさまざまなデータをオープンAPIで呼び出し連携する官民連携データプラットホームの構築をすること。このAPIというのは、外部のプログラムと連携するためのインターフェースのことでございます。
 また、センサー等から取得したデータをもとに、建物や道路等のインフラ、経済活動、人の流れ等のさまざまな要素をサイバー空間上に双子、ツインのように再現し、都内のエリア全体を対象とした都市のデジタルツインの構築を目指すこと。そして、右側には、都市のデジタルツインのイメージをお示しさせていただいております。
 このデジタルツインをわかりやすく都民に伝えるため、サイバー空間上に東京を可視化するウエブサイトの構築に取り組むこと。
 官民連携データプラットホームでは、行政データ、公益事業系データ、民間データの順に取り扱っていくこと。アーキテクチャーについては、マシンリーダブルな形で、リアルタイムに先ほどのAPIでデータ連携が可能なものとすること。
 官民連携データプラットホームのユーザーにつきましては、中小企業、スタートアップ、起業家、NPO等は無償とすること。障壁となり得る現行規制の精査や適切な範囲での規制緩和等の環境整備を進めていくことにつきまして、お示しをしております。
 左下の二つ目の都民向けスマートサービスの実装では、将来的なスマートサービスの実装に向けた先行的な取り組みといたしまして、移動、キャッシュレス推進、ウエルネス等の分野をお示ししております。
 これらの各分野におけるスマートサービスの提供に伴って生じましたデータ等につきましては、可能なものから順次、官民連携データプラットホームと連携させ、領域をまたいだサービスでの活用を促してまいります。
 下段中央の官民連携データプラットホームにおけるデータのガバナンスでございますが、官民連携データプラットホームの準備組織におきまして、新設の法人が扱うデータの収集や提供、利活用に係る基本的な考え方、ポリシーを示すとともに、適切な運用を図る目的で、ポリシーに沿った運用のモニタリングなどを行う第三者委員会を設立いたします。将来的に実施される法令の整備などに応じまして、適切にポリシー等の見直しを行ってまいります。
 最後に、下段右側の官民連携データプラットホーム構築の進め方といたしまして、都庁内のICT人材の確保に積極的に取り組んでいくこと。産学官で多分野の知を結集させる協議会を設置すること。令和二年度中に準備組織を発足させ、前述のポリシーを示すとともに、都として、東京都オープンデータカタログサイトを充実させること。また、分野を超えた行政データと民間データの掛け合わせプロジェクトの実証実験や、都としてデジタルツインの実現を目指して、デジタル空間上に再現された東京をわかりやすく示す3Dビジュアライゼーションの取り組みを推進すること。その後、令和二年度中に、官民連携データプラットホームの運営主体となる一般社団法人等の法人を設立し、事業のスモールスタートを目指すこと。令和三年度以降に、幅広く民間と連携して事業を本格化することをお示ししております。
 以上、簡単ではございますが、スマート東京(東京版Society五・〇)の実現に向けたデータプラットフォーム構築の基本方針についての説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○早坂委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上で戦略政策情報推進本部関係を終わります。

○早坂委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第二十九号議案、第三十八号議案、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、総務委員会所管分、第百号議案及び第百五号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、総務委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 ただいま議題となっております議案中、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、総務委員会所管分に対し、原委員外一名から付帯決議案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   付帯決議案の提出について
 第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)
 右議案に付する付帯決議案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  令和二年三月二日
(提出者)
 米倉 春奈  原 のり子
総務委員長 殿

   第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)に付する付帯決議案
 スマート東京推進基金については、都の役割を明確にし、事業の必要性及び実効性において、都民の合意と信頼を得られるまでは、執行を停止すること。

 本付帯決議案を本案とあわせて議題といたします。
 提出者の説明を求めます。

○原委員 この際、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)に付する付帯決議案を提案したいと思います。
 案文の朗読をもって提案といたします。
 スマート東京推進基金については、都の役割を明確にし、事業の必要性及び実効性において、都民の合意と信頼を得られるまでは、執行を停止すること。
 以上です。よろしくご検討のほどお願いいたします。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○中屋委員 本委員会に提出されているスマート東京推進基金を設置する件について、一言申し上げます。
 第一回定例会の我が党の代表質問で指摘したように、この基金はこれまで産業労働局が所管していたイノベーション創出基金百九十二億円に、三百八億円を積み増ししたものであります。
 新たに積んだのは三百八億円ですが、都民には五百億円の基金を新設したと発表しております。表面的、形式的に考えれば間違いではありませんが、しかし、こうした組み替えを行い、額面だけ五百億円にして、看板をすげかえて、新設しましたと発表するやり方は、都民に対する誠実な姿勢に欠けるのではないかと思います。
 そして、そもそも三百億円でスマート東京推進基金を設置するのではなく、二百億円弱の上積みをして五百億円にしなければならなかった理由も判然としません。
 その一方で、スマート東京推進基金に組み込まれてしまったイノベーション創出基金がこれまで果たしてきた役割は、今後もしっかり継続されるのか、中小企業の今後のイノベーションを不安視する声もあります。
 我々都議会自由民主党は、今回の五百億円基金のほぼ四割を占めるイノベーション創出基金の残額の活用について、十分に配慮した基金運用を強く要望しておきます。

○米倉委員 議案について意見を述べます。
 新型コロナウイルス対策に関する予算では、都民の安心・安全につなげるため、広報予算が計上され、具体的には、ホームページのバナー広告やSNSでの広告枠を購入するとのことです。
 広報については、ウイルスそのものの知識や予防法などから、中小企業の制度融資、また、相談窓口はどこかなど、知りたい情報は多くあります。多くの都民のニーズに応えられるよう、また、全ての都民に必要な情報が行き届くように、広報媒体についても広げること、また、広告の内容も簡潔で的確なものとなるよう求めます。
 都職員のテレワーク促進へ機器材の購入費も計上されました。感染拡大予防には効果が期待できる一方、都職員として必要な業務はテレワークだけでは完結しません。都民への行政サービスが滞ることのないよう、留意していただくよう要望いたします。
 最後に、スマート東京推進基金についてです。
 基金の目的として、ソサエティー五・〇の実現をうたっていますが、これはそもそも現政権と経団連が一体となって進めているもので、かなり疑問点の多い未来社会論です。質疑でも明らかになりましたが、多くの都民はその概念や用語も知らない状況です。
 ソサエティー五・〇の実現に不可欠な5Gについても、電磁波による健康や環境への影響が懸念されておりますが、そうしたことも検討されていません。
 日本共産党都議団は、新しい技術による行政サービスの向上は重要だと考えていますが、新しい技術には新しい課題が存在しています。そうした課題を都民に提示し、理解と合意を得ながら進めるべきと考えます。来年度予算案でも多くの局が調査検討としている中、五百億円もの基金を積み立てるのは時期尚早です。
 そのため、日本共産党都議団は、第九十九号議案の中のスマート東京推進基金については、都民の合意と信頼を得られるまでは執行を停止する付帯決議案を提案いたしました。皆様のご賛同を呼びかけまして、意見表明といたします。

○早坂委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二十九号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○早坂委員長 起立多数と認めます。よって、第二十九号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、総務委員会所管分を採決いたします。
 初めに、原委員外一名から提出されました付帯決議案について、起立により採決いたします。
 本案にお手元配布の付帯決議を付することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○早坂委員長 起立少数と認めます。よって、本案にお手元配布の付帯決議を付することは否決されました。
 次に、本案について採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認めます。よって、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、総務委員会所管分は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第三十八号議案、第百号議案及び第百五号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、総務委員会所管分を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認めます。よって、第三十八号議案、第百号議案及び第百五号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、総務委員会所管分は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十三分散会

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