総務委員会速記録第二十二号

令和元年十二月十六日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長早坂 義弘君
副委員長加藤 雅之君
副委員長本橋ひろたか君
理事藤井あきら君
理事鈴木 邦和君
理事清水 孝治君
山内れい子君
宮瀬 英治君
原 のり子君
つじの栄作君
中屋 文孝君
米倉 春奈君
谷村 孝彦君
入江のぶこ君
木村 基成君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長山手  斉君
次長理事兼務栗岡 祥一君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小沼 博靖君
都民安全推進本部本部長國枝 治男君
総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
戦略政策情報推進本部本部長松下 隆弘君
戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務松永 竜太君
総務局局長遠藤 雅彦君
危機管理監小林  茂君
次長野間 達也君
理事箕輪 泰夫君
総務部長西山 智之君
企画担当部長首都大学調整担当部長兼務久保田直子君
調整担当部長尖閣諸島調整担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
藤原 知朗君
訟務担当部長江村 利明君
復興支援対策部長復興支援調整担当部長
被災地支援福島県事務所長兼務
伊東みどり君
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務小林 忠雄君
都政改革担当部長豊田 義博君
都政改革担当部長勝見 恭子君
人事部長山口  真君
労務担当部長高崎 秀之君
コンプライアンス推進部長主席監察員
政策法務担当部長訟務担当部長兼務
貫井 彩霧君
行政部長佐藤 智秀君
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務
石橋 浩一君
都区制度担当部長米今 俊信君
総合防災部長有金 浩一君
防災計画担当部長古賀 元浩君
防災対策担当部長榎園  弘君
物資調整担当部長大澤 洋一君
統計部長影山 忠男君
人権部長堀越弥栄子君
選挙管理委員会事務局局長黒田 祥之君
人事委員会事務局局長小泉  健君
任用公平部長須藤  栄君
監査事務局局長岡崎 義隆君

本日の会議に付した事件
総務局関係
報告事項(説明・質疑)
・汚職等防止策検討結果報告書(最終報告)について
付託議案の審査(決定)
・第百八十四号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 総務委員会所管分
・第百八十六号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十七号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十八号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十九号議案 東京都人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十一号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百九十二号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の報告事項の聴取並びに付託議案の審査、請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 報告事項、汚職等防止策検討結果報告書(最終報告)について理事者に報告を求めます。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 汚職等防止策検討結果報告書(最終報告)についてご報告いたします。
 お手元の資料、汚職等防止策検討結果報告書(最終報告)に沿ってご説明させていただきます。
 三枚おめくりいただきまして、本文の一ページをごらんください。事故等の概要について記載してございます。
 初めに、職員等による情報漏えい事案についてです。
 平成二十二年度から平成二十六年度までの間に、水道局の複数の浄水場において、当該事業所に所属する職員が浄水場排水処理施設運転管理作業委託の設計金額に関する情報を漏えいしておりました。
 また、平成二十八年度に、水道局経理部契約課において、所属職員が排水処理作業委託契約に関する書類を受託事業者へ交付する際に、誤って非公表の予定推定総金額が記載された書類を交付しております。
 加えまして、職員の特定には至りませんでしたが、平成二十一年度にも、排水処理作業委託契約の設計金額に関する情報が事業者に流出していたことが判明しております。
 続いて、その他の不適正事案といたしまして、三件記載しております。
 一件目は、平成二十八年度に、排水処理作業委託を監督する立場の職員が、当該事業所の受託事業者のみに単価の算出根拠が変更となる旨を伝えておりました。
 二件目は、平成三十年度に、排水処理作業委託契約に関する受託事業者からの公文書開示請求に対し、一部開示とするべき情報を全部開示していた事案です。
 三件目は、職員が所属長によるヒアリングを受けた際、情報漏えいしたことを示唆したことなどについて、一カ月以上経過した後に、水道局長及び本事案についての調査を行う調査特別チームにその情報が伝達されたというものでございます。
 六ページをごらんください。浄水場職員による情報漏えいについて、事故に至った背景、原因と課題について分析しております。
 契約制度の理解不足、厳格管理情報の取り扱いの不徹底、危機管理の問題意識、監督者層の役割の認識不足、管理職の問題、職員の汚職防止に対する意識の問題、受託事業者のコンプライアンス意識の問題を挙げております。
 一〇ページをごらんください。契約課職員による情報流出に関する背景、原因の分析でございます。
 契約課職員が置かれていた状況、厳格管理情報の取り扱い、管理職の役割という点から分析を行っております。
 一四ページから二八ページまでは、水道局の汚職等防止策でございます。
 水道局では、本年四月に設置した東京水道グループコンプライアンス有識者委員会の議論を踏まえ、事故発生時の局の課題及び再発防止策の方向性を四つに整理した上で、それぞれの方向性を実現する再発防止策を策定しております。
 主な取り組みについてご説明いたします。
 一八ページから二四ページに記載しておりますのが、方向性1、職員のコンプライアンス意識や組織風土の抜本的改革の具体的な取り組みでございます。
 局長及び職員が将来にわたって主体的にコンプライアンス推進に取り組むことを宣言するコンプライアンス宣言を実施するとともに、各事業所におけるリスク洗い出しと防止策策定のための職場討議を行い、明らかになったリスクへの対応策を検討、実施しております。
 二五ページをごらんください。方向性2、不正を起こさない仕組み、職場環境の創出の具体的な取り組みであります。
 積算業務は本庁で一括することで現場業務から分離し、施行管理を担当する職員が厳格管理情報を保持しない仕組みを構築いたしました。
 また、積算に関する資料の外部への持ち出しを防止することなどを目的に、委託の設計、積算をシステム化し、局内の情報管理を徹底してまいります。
 二五ページから二七ページに記載しておりますのが、方向性3、監視機能、危機管理体制の強化でございます。
 委託契約情報について、過去五年間の情報を公表し、事後的な検証を可能とするとともに、早期の情報収集、調査手法、責任部署等を明確にしたマニュアルを策定するなど、危機管理、不祥事対応体制の構築に取り組んでまいります。
 二七ページをごらんください。方向性4、局事業運営体制の抜本的改革として、引き続き、有識者委員会の協力を得ながらPDCAサイクルを構築して、汚職等防止策の実効性を確保してまいります。
 二九ページから五〇ページまでは、全庁的に取り組む汚職等防止策でございます。
 こちらも主な取り組みについてご説明いたします。
 三〇ページをごらんください。厳格管理情報の取り扱いに関する意識啓発の強化といたしまして、情報漏えい等に関する研修を行い、事例を交えて意識啓発を図るとともに、改めて厳格管理情報の適切な管理について周知徹底を行いました。
 三四ページをごらんください。職層別に行われる研修の見直しといたしまして、職層ごとに求められる職務や職責に関する理解を一層促すため、最新のケーススタディーを軸に据えた実践的なカリキュラムを導入いたしました。
 三七ページをごらんください。今回の事故をベースとした事例をもとに職場討議を実施することにより、事例から導かれた課題について、職員一人一人が我が事として考える機会を設けました。
 また、職場討議において、管理職が討議結果を把握した上で、みずからの考えや職員へのアドバイスをフィードバックする取り組みを新たに実施しております。
 三八ページをごらんください。今回、同じ職場で続いて情報漏えい行為が発生するとともに、情報漏えい行為を知っていた職員がいたものの、その後の漏えいを防止することができませんでした。
 さらに、異なる複数の職場で同様の行為が発生していたことも明らかになっております。
 そうした状況を踏まえまして、業務に対する問題意識や職場の不適正事案などを共有することの重要性について、コンプライアンス推進研修等により周知徹底し、職場における課題を率直に話し合える職場環境を整えることとしております。
 また、重大事故の発生に際しまして、事故に関連する制度について、監察部門と関係する制度所管部門とで分析結果を共有することなどにより、同種の事故の再発防止を図ってまいります。
 四五ページをごらんください。東京都技術会議における汚職等防止策に係る取り組みの検討といたしまして、本報告書で明らかになった事実をもとに、技術職としての課題を踏まえ、再発防止に向け、全庁横断的な汚職等防止策に、より一層取り組んでいくこととしております。
 五〇ページをごらんください。今後、このような事故を二度と起こさないためには、定期的に汚職等防止策の内容や有効性を確認し、必要に応じて見直し、改善を図ることで、形骸化を防いでいくことが重要と認識しております。
 そのため、東京都コンプライアンス推進委員会や全庁のコンプライアンス推進月間等の機会を活用して、汚職等防止策の実施状況を確認してまいります。
 雑駁ではございますが、説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早坂委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 それでは、私から、この報告書について質疑をさせていただきます。
 本件については、公営企業委員会の方で、ずっと一年近く議論をさせていただいてきました。なので、今回は、少し簡潔な形で質疑をしたいと思いますけれども、水道局の方で、平成二十四年、それから二十六年と立て続けに重大事故を起こしていまして、そのたびに再発防止策を策定されてきたんですけども、その中で、また今回の事故が起きてしまったということは、私は大変重いことだと思っています。
 この報告書にも書いてありますけれども、特に平成二十六年の事故の直後の汚職防止策を実施したにもかかわらず、その後すぐ職員による情報の流出というのが起きてしまったということを考えると、やっぱりこれまでの再発防止策が十分に浸透していなかったのかなと。それについては、原因の分析から、しっかりとやり直す必要があるんじゃないかと思っております。
 今回、汚職防止策のこの報告書の中で、先ほど部長からもご説明いただきました浄水場職員による情報漏えいの事案については、不正のトライアングル理論というものを活用して、それに基づいた原因分析を行っています。
 この結果、組織内のコミュニケーションを活性化させるということを念頭に再発防止策を策定されているわけです。
 そこで、不正のトライアングル理論に基づく考察によって、機会、動機、それから正当化の三要素から分析した結果、なぜ組織内のコミュニケーションを念頭に今回再発防止を策定したのか、伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 最終報告に当たり、職員の属人的側面に起因するものについて、不正行為の三つの要素である機会、動機、正当化の視点から分析することで、実態に即した課題を明確化したものでございます。
 機会の視点による分析では、大人数の組織で所属長の目が行き届いていなかったこと、また、仕事上、他の係の職員との関係性が低く、受託事業者との関係が強かったことなどが判明いたしました。
 動機の視点による分析では、業者に対する過度な信頼があったこと、また、本当に受注させる必要がある業者には予定価格を伝えることは必要であると職員が認識していたことも判明しております。
 正当化の視点による分析では、業者がかわると翌年度の排水処理業務が滞ると不安を感じていたこと、また、受託事業者には、速やかに仕様書の変更などの情報を提供しなければならないと考えていた実態が判明しました。
 いずれの観点におきましても、上司や同僚に相談することなく、業務上の悩みや問題点を一人で解決しようとしていたことが共通しております。
 そこで、報告、連絡、相談の機能不全や組織内コミュニケーションの著しい不足を是正するために、組織内のコミュニケーションを念頭に再発防止策を策定したものでございます。

○鈴木委員 私も、なぜこのような事故が繰り返されてきたのかということを、その原因を考えたときに、やっぱり鍵となるのは、今回、不正をしてしまった現場の職員の方の声だと思っています。
 この報告書の中にもご紹介されていますけれども、例えば、浄水を確実につくることが何よりも優先すると考えていた、あるいは、既存事業者が受注した方が業務はうまく回るのではないか、さらには、本当に受注させる必要がある事業者には予定価格を伝えることは必要と考えていたというような声が紹介されています。
 これを見たときに、私は、組織内のコミュニケーションの活性化あるいは意識啓発は当然大事なんですけども、やはりそれだけでは限界があるんじゃないかなというふうに率直に感じました。
 やっぱり本庁で働いていらっしゃる職員の方々と、水道を安定供給するという、まさに日々現場で働いている職員の方々というのは、仕事上、大事にしているものもかなり違うと思うんですよね。現場には、やっぱり現場のプロフェッショナリズムというものがあるんだと思います。
 そこに対して、不正はだめだというアナウンスを繰り返すだけでは、恐らく事故というのは防げないんじゃないかというのが、私自身が率直に感じているところです。
 今回やっぱり、私が目を向けなきゃいけないと思うのは、水道局の事故発生時の職場の状況、構造です。今回の水道局は、設計、積算の部門と、それから施行管理部門が一緒にあったと。つまり、設計金額を知る職員さんが受託事業者さんと直接接触をしていたということが判明しております。
 私、この構造こそ見直さないといけないんじゃないかというふうに思っているんです。これはもちろん、水道局に限った話ではなくて、ぜひ全庁を挙げて取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 そこで、これに似たような事業局や政策連携団体の職場では同様の事故が発生しかねないため、どのような対策を講じているのか、伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 本年二月に、予定価格等の厳格管理情報の取り扱いについて、改めて庁内各局等に周知するとともに、電子ファイル等の管理方法につきましても、パスワード設定等やファイルサーバーのアクセス権限の設定を明記いたしました。
 八月には、財務局による研修の対象職員を、契約担当部署に加え、起工部署にも拡大し、独占禁止法と入札談合等関与行為防止法をテーマに、公正取引委員会の職員を講師に招き、研修を行いました。この研修資料につきましては、庁内ポータルサイトに掲載しております。
 また、入札契約手続に係る情報漏えい防止リーフレットにおいて、厳格管理情報を知り得る者を明記いたしました。
 さらに、政策連携団体に関しましては、本年実施したコンプライアンス等に関する自己点検の結果を踏まえた取り組みとして、ガバナンスの強化のため、団体の経営層と所管局等幹部による当該団体の運営状況等に関する意見交換を実施することといたしました。
 加えて、総務局としましても、各団体におけるコンプライアンス推進や所管局等によるガバナンス強化の取り組み事例を庁内に展開し、所管局等及び政策連携団体全体のコンプライアンスを強化してまいります。
 このようなさまざまな取り組みにより、同様の事故が起こらないよう対策を講じてまいります。

○鈴木委員 今回の事故を受けて、少なくとも水道局では、私も委員会でも申し上げましたけれども、設計、積算部門と施行管理部門を分けるという取り組みを始めました。
 今回の報告書を拝見する限りは、総務局としては、水道局の事例と、それから、ちゃんと分けてくださいよというような周知を、しっかりほかの事業局にもされているということだったと思うんですけども、私としては、ぜひ、例えば交通局であるとか下水道局であるとか、特に現場の大きい局が、実際に部門が本当に一緒になっていないかというのを確認していただきたいと思うんですね。その上で、もし万が一、一緒になっているんだったら、それはやっぱり、ちゃんと変えましょうよということをぜひいっていただきたいなと思います。
 もう一つ、今回、水道局の方で、浄水場の職員による情報漏えいだけじゃなくて、経理部契約課における情報流出というものがありました。
 これもまた重大な事故なんですけれども、特に、誤って非公表の予定推定総金額が記載された書類を印刷して、その後、それを破棄しなかった上に、ほかの交付書類と紛れて受託事業者に渡してしまったという、こういう事例があります。
 水道局で、こういうちょっと別の種類の件がありましたけれども、この水道局での経理部契約課の職員による情報流出事故について、どのような再発防止策を実施したのか、伺いたいと思います。また、全庁にはどのように再発防止の取り組みを展開したのか、あわせて伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局経理部契約課の事故は、落札業者への契約書類等を交付の際、非公表の金額が記載された書類が紛れてしまったものでございます。
 水道局では、今回の事故を受け、非公表情報が記載された不要な書類の出力を禁止し、また、契約手続中の全ての案件について、同様の書類が廃棄されずに残っていないかを確認し、廃棄を徹底いたしました。
 また、契約書を相手方に受け渡す際に、いつ、誰が受け渡しをしたのかを記録することといたしました。
 さらに、財務局から庁内各局に対し、厳格に管理すべき情報の取り扱いに関して、より一層の適正な入札契約事務を実施するため、特に留意すべき事項として、外部へ公表する情報及び事業者へ交付する書類等の確認、契約事務手続中に使用した確認書類等の取り扱いの二点につきまして、周知徹底いたしました。

○鈴木委員 今のお話にありましたけれども、私としては、そもそも印刷をするということを禁止していれば、このような事故というのは防げた可能性が高いんじゃないかなと思っています。
 水道局以外の局でも同様な事故が発生しないように、ぜひ全庁において取り組みを徹底していただきたいと思います。
 最後なんですけれども、汚職防止策で示されているものは、かなり意識啓発、周知の徹底、それから注意の喚起というものが多いです。ただ、それだけでは再発防止としては不十分だと思っていまして、このような事故が何度も起きている原因なんじゃないかなと私は思います。
 そこで、不祥事をしようとしてもできないような仕組み、組織の体制にするということが、私は再発防止策の本質だと思いますけれども、これについてどのような対策を講じているのか、伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 事故発生局の水道局におきまして、積算業務の現場業務からの分離、設計、積算のシステム化など、不正を起こさせない仕組みを実施しております。
 全庁におきましても、厳格管理情報に関する通知を改正し、知る必要のない職員が厳格管理情報を見ることができないよう、適正管理を行うことの重要性について周知をいたしました。
 あわせて、情報の種類や契約手続の進行段階に応じて取り扱いが異なることを徹底いたしております。
 加えて、利害関係者との接触についても、職務上の要望、意見等を受けたときは、速やかに上司に報告し、指示を受けることなどを指針に明確に規定いたしました。

○鈴木委員 今回の事故を起こした職員の方々は、いずれも便宜供与の事実というものは認められておりません。少なくとも、その事実を見る限りは、みずからの利益のために行った不正ではないだろうと。やはり現場の、ある意味、水道の安定供給のために必要なんじゃないかという思いから、このようなことを起こしてしまったのではないかなと思います。
 もちろん、この不正自体は決して許されるものではないんですけれども、やっぱり現場で一生懸命働いている方々を守るということも大事だと思うんですね。その観点からしっかりと、職員の方々が不正を起こさないような仕組み、組織体制をつくっていただいて、ぜひ、水道の安定供給だけではなくて、都庁がさまざま抱えている仕事、業務があると思いますので、現場のためにも、この組織構造の改編に総務局としてもしっかりと目を向けていただければと思います。そのことを要望して、私の質疑を終わります。

○清水委員 では、よろしくお願いいたします。
 私からも、汚職等防止策検討結果報告書について、何点かお伺いしたいと思います。
 当該事故につきましては、本定例会で、原因局であります水道局を所管する公営企業委員会で極めて重要なやりとりがあったことだと思うわけでございます。
 にもかかわらず、職員のコンプライアンスを担当する総務局からは、委員長の求めがあるまで、報告を行おうとしませんでした。
 まずは、そのわけをお聞かせいただけたらと思います。

○西山総務部長 今回の事案に関しましては、事故発生局である水道局が調査特別チーム最終報告書を公営企業委員会へ報告し、ご審議をいただく予定でございました。
 また、中間報告の際にも、平成三十年第四回定例会における公営企業委員会の報告のみで、総務局からの報告は行ってございません。
 これらの事情を勘案いたしまして、報告事項とはしなかったものでございます。

○清水委員 いろいろとご丁寧にご答弁していただいたわけでございますが、端的に申し上げますと、過去に例がなかったからというふうに認識をさせていただいているわけでございますが、この原因局であります水道局では、平成二十四年の収賄、平成二十六年には情報漏えい、そして今回の談合と、実に十年間で三回もの不祥事が立て続けに発生しているわけでございます。
 その都度、全庁を挙げてのコンプライアンスの点検や再発防止策がとられているわけでありまして、そういった意味では、ある意味、総務局の皆様方は被害者に近い形になっているのかなと思います。
 そういった点におきまして、総務局長から、三度も原因局になってしまっている水道局、この水道局長に何か申し上げることがあったのかどうか、お伺いしたいと思います。

○遠藤総務局長 事件が発生しました後、平成二十四年、平成二十六年と、委員ご指摘のように立て続けに重大な事故が発生しているというにもかかわらず、再び今回の事故が発生したことは極めて深刻な事態であって、庁内外の目も非常に厳しいものがある、任命権者として原因究明、再発防止に徹底して取り組んでいただきたいと、私から、直接、水道局長に申し上げたところでございます。

○清水委員 徹底して取り組んでいただきたいと申し上げたそうでございます。そのお気持ちは、私もわからぬわけではありません。
 しかしながら、原因局のみならず、全庁職員の皆さんに対しまして再発防止を徹底することは、ある意味、当たり前というか、重要な取り組みだと思うわけでありますが、他方で、他局の原因によってコンプライアンスの徹底を図ることにより、全職員にさまざまな制約を課してしまった結果、都庁職員のモチベーションや生産性が低下しなければいいなと思っているわけでございます。
 もしそうなってしまったら、これは幾らコンプライアンスの徹底といっても本末転倒になってしまいます、都民の皆様方に対しては。
 そういった意味では、職員の意欲をそぐことなく再発防止を行っていく方策、どうしたらいいのか、ここが一番肝だと思いますが、そのことについての見解をお伺いしたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 重大事故が繰り返されている状況は、極めて深刻な事態でございます。都職員全てが、我が事として汚職等の根絶に全力で取り組まなければならないと思っております。
 その一方で、職員一人一人が意欲的に職務を行い、生産性を高めていくためには、職場の環境を適正に保つことも重要でございます。
 職場の課題を率直に話し合える環境を整備するとともに、管理職が職員の状況を十分に把握し、適切に支援するなど、職員の孤立を防ぐことで、職員が十分に能力を発揮することのできるような取り組みを実施してまいります。

○清水委員 ありがとうございます。これは一般的にもよくいわれているように、風通しのいい働きやすい職場づくり、何でも話し合えるような職場づくり、今さらこの話が出てくるということを少し深く考えると、これからが大変だなと思ってなりません。ぜひともそのような職場をつくっていただければなと思うわけであります。
 本事案につきましては、地方公務員法や刑事法、入札談合等関与行為防止法に違反していたそうでございます。しかしながら、いずれも既に時効を迎えていたため、事件化しなかったわけでございます。
 大変恥ずかしい話でございますが、私の地元、立川市でも、今からさかのぼるところ十六年ほど前、平成十五年に、水道工事発注をめぐりまして、いわゆる官製談合が行われ、市幹部職員と業者が逮捕、起訴され、それぞれ有罪の判決を受けたということがございました。
 私も、当時の八王子地方裁判所で裁判を何回も傍聴したわけでありますが、少し前まで一緒に仕事をしていた市の幹部職員が手錠に腰縄姿で入廷したときは、これは衝撃を覚えたわけでございます。二度とこのような憂き目を見ることがないように、実効性のある再発防止策を徹底しなければなりません。
 今回、水道局の再発防止策の一つに、職員のコンプライアンス宣言書への署名が具体的な取り組みとして挙げられております。これまでの汚職等根絶に関する宣言書にかえまして、将来のコンプライアンス推進の実現に向けてという前向きな考え方で誓約を求める取り組みに見直すこの宣言書には、大多数の職員の方が署名されたそうであります。
 しかし、都職員は、いうまでもなく、入庁時に地方公務員法第三十一条の規定に基づきまして、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することを誓う職員服務の宣誓書に署名するわけでありまして、いわばこの宣誓書にこの宣言書は、屋上屋を課すようなものとして映ってしまうわけでございます。
 そこで、ちょっとお伺いしたいんですが、この職員服務の宣誓書は法律に基づいた署名でございますが、この宣言書につきましては、聞けば、五%ほどの水道局の職員の方が、何らかの理由をもとに、その署名をお断りしているというふうなことも聞いております。
 この法律に基づかない宣言書なるものに職員の皆さんに署名を求めるということは、法的に可能なものなのかどうなのか、お伺いをしたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今ご指摘のありました汚職等根絶に関する宣言書ですとかコンプライアンス宣言書というものは、法に基づくものではございませんで、職員の任意の署名を求めているものと聞いております。
 したがいまして、このような署名を求めることはもとより、適法に行えるものでもございますし、それに署名してもらうという取り組みには問題がないものと思っております。
 なお、既に大多数の職員が署名をしたといいますのは、昨年度行いました汚職等根絶に関する宣言書のことではないかと思っております。

○清水委員 失礼いたしました。勘違いいたしました。この宣言書につきましては、令和二年度の取り組みだそうでございまして、前回の汚職等防止の宣言書の方の数字でございました。
 任意で署名をしてもらうものですから、法に抵触することはないんですというふうなご答弁だったと思います。
 そうしますと、この宣言書への署名が、本当に不祥事の抑止効果につながるのかというところを聞いてみたいと思いますので、ご見解を頂戴したいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 コンプライアンス宣言は、毎年度定期的に実施する上司と部下との個別面接時に、管理職から職員に対して、職員一人一人が主体性と自主性を持って再発防止に取り組むことが重要であることなどを説明し、その上で、率直な意見交換により、部下に創造的かつ自律的に行動することなどを促す取り組みであると聞いております。
 上司と部下が率直に意見交換し、不正の防止や職務の改善等に結びつくことを期待しているところでございます。

○清水委員 ありがとうございました。
 この宣言書の署名を待たずしても、公務員として初めて入庁したときに署名、捺印までする職員服務の宣誓書というものがあるわけでありまして、これは法に基づいて署名するわけでございますが、なぜこれがあるのに、都庁だけでなく全国津々浦々の公務員の皆さんが、ああいった不祥事を起こしてしまうのかというところを考えますと、紙にサインしたから、じゃあ、それを全て行えるかというふうなことだと思っていまして、何らかの宣誓に背いた場合は〇〇というペナルティーを引き受けますぐらいのことがなければ、これは難しい話なのかなと思いまして、それで、宣誓書に重ねて宣言書に署名していただくことが水道局の対策のトップに掲げられてきたというのが、いささかちょっと疑問が残る点でございます。
 そこでなんですが、中国の古典の中で、統率の主張といわれている韓非子という書物がございます。多分、皆さんよくご存じのことだと思うんですが、その一節に、有名な一節がございまして、明主のその臣を制するところは二柄のみ、二柄とは、刑と徳なりというものがあるかと思います。これは、刑、徳、つまり、あめとむちの使い分けこそ、明君が臣下を統率するためには必要であると。
 たび重なる不祥事の発生に鑑み、懲戒処分の制裁罰を重くしてみたらどうなのかなと私は思うんですが、そういった形で懲戒処分の形を改めるお考えがあるのかどうなのか、また、そういったことが可能なのか、お聞きをしたいと思います。

○山口人事部長 職員による不適切な行為が発覚した場合、本人への事情聴取など事実確認を行い、過去の処分の程度や他団体における事例を参考にしつつ、非違行為の具体的な内容、被害の大きさ、職場への影響等を勘案した上で、処分の程度を決定しております。
 今後とも適切な執行に努めてまいります。

○清水委員 お答えいただきましたが、済みません、ちょっと重ねてお伺いしたいと思うんですが、私も地方公務員法というものがあるということは当たり前のようにわかっているわけでございまして、そこで一定の懲戒あるいは分限処分に対しての決まりがあるんだと思います。
 ただ、今のご答弁だと、それに基づいて、過去の事例と照らし合わせながら制裁罰を決めているんだというふうなお話だと思うわけでございますが、それでも、結局、結果としては、十年に三回も同じ局から不祥事が起こってしまうということを考えると、その過去の事例が今の現状に合わなくなってしまっているんじゃないかというふうな気がしてなりません。
 したがって、ペナルティーといういい方は失礼かもしれませんけど、人間の本性として、やはりそういったペナルティーが、例えば反則金が多くなりましたよというと--車を運転しながら携帯電話を見ているとそうなりますよということで、皆さんに注意を促すような形になると思うのと同じように、今回のたび重なる事例に鑑みて、もう一度、そういった過去の事例を見直す時期が来たんじゃないかと思うんですが、もう一度、ご見解をお聞かせいただければなと思います。

○山口人事部長 地方公務員法におきましては、職員の懲戒処分は公正でなければならないとされております。
 繰り返しになりますが、職員による不適切な行為が発覚した場合、本人への事情聴取など事実確認を行い、過去の処分の程度や他団体における事例、こちらは、委員のご指摘がありました過去だけではなくて、例えば他団体ですと、現在における他団体の事例、そういったものも参考にしながら、非違行為の具体的な内容、被害の大きさ、職場への影響等を勘案した上で、処分の程度を決定しております。
 今後とも適切な執行に努めてまいります。

○清水委員 ありがとうございます。これ以上、ペナルティーの話をしていると、私まで暗くなってきますので、この辺でやめておきたいと思いますが、職員の方がそのような不正を行うような気持ちにならないような環境をつくれば、それでいいわけでありまして、そちらの方に私たちは力を入れていかなければならないというのは重々承知をしております。
 それで、このような不祥事が発覚するたびに見直されているのが、利害関係者との接触に関する指針であります。
 本年三月には再度見直しが図られ、探り行為、これ、多分、一般的にボーリングといわれていることだと思うんですが、探り行為に応じないことや、利害関係者から職務上の要望だとか意見があった場合は速やかに上司に報告すること、管理監督者の遵守事項を明記したというふうなことだと思うわけでございます。
 この件につきましては、公営企業委員会のやりとりでも、我が党から、この指針について、全職員への周知と徹底並びに指針の遵守をチェックする機能が重要だというふうな指摘をさせていただきました。
 ただいま申し上げたことを踏まえて、具体的な対策、取り組みについての見解を求めたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 都では、利害関係者との間で職務執行の公正さに対する都民の信頼を損ねるおそれがないよう、利害関係者との接触に関する指針を定め、今般の水道局における事故を踏まえ、指針を改正し、利害関係者から探り行為を受けた場合、決して応じず、上司に報告すること等を明記いたしました。
 またあわせて、管理監督者の遵守事項として、職員と利害関係者との接触について、日ごろから状況の把握に努めること等を明記いたしました。
 改正いたしました指針は、平成三十一年三月に、各局人事担当部署を通じて全職員に周知いたしております。
 加えて、利害関係者との接触に関する指針の内容を毎年度実施するeラーニングの研修資料に反映し、周知徹底を図るとともに、本年のコンプライアンス推進月間において実施したコンプライアンスチェックリストに指針の内容を盛り込み、職員の知識を確認しております。

○清水委員 ありがとうございました。各種さまざまな取り組みがなされているというのは、これは容易に想像がつくわけでございますが、しかしながら、研修系のものというのは、非常に形骸化しやすいというと大変失礼なんですが、ただ受けるだけでなく、やはり受けた職員の方が、コンプライアンスの重要性について骨身にしみてもらわなければ、これはやった意味にならないのかなと思います。ぜひともそのような研修会等になっていただければなと思います。
 次に、調査特別チームの最終報告書に、事故に至った背景と原因が掲載されておりまして、先ほど鈴木理事の方からもご指摘がありましたが、私は、以下の二つの発言に、コメントに非常に注目をいたしました。
 一つは、このように書いてありました。委託契約の範囲外と考えられる部品交換や修繕を業者は対応してくれたため、ある程度の情報提供は問題ないと考えていたというものと、過去の経験から、落札させたい業者に落札させるようにすることが係長の役割と認識していた、この二つであります。
 この前者の方は、これはまさに業者と職員の間に貸し借りの人間関係をつくってしまったことだと思います。また、業務を円滑に行える業者に委託をさせたい。いいかえれば、先ほどもありましたように、排水処理業務がいかに業者に対する依存体質であったかということを私は物語っているんじゃないかなと思います。
 対策、防止策として、オープンスペースでの打ち合わせを徹底するなど、利害関係者からの働きかけを受けにくい職場環境の確保はもちろんのことでありますが、例えば皆様方に申し上げる--所管局があるんですが、設計変更等で業者さんに非常に負担をかける場合があるわけでございますが、そういったときにはしっかりと対応する必要があると思うわけであります。
 そうでなかったら、やはり我々は人間ですから、人によくしてもらったり、恩をかけられたときは返していきたいというのは、これは人間として必然な感情でありますので、そういった関係をつくらないような仕事のやり方というのをしっかりと事業局の方にもお伝えをしていただきますよう、この件については要望したいと思います。
 あともう一点、先ほどの、落札させたい業者に落札させるのがというふうなくだりがありました。これは何かと申しますと、職員の技術習得のために、排水処理業務の一部、全部を直営で認めるようでありますが、そもそも、業務効率化を図るため、民間への業務委託を行っているわけでありまして、職員スキルの低下や業務ノウハウの喪失が、こういったことをやると起こってしまうというふうな問題が、これはほとんど全ての自治体で起こっているわけでございます。
 つまり、事務職員じゃなくて技術系の職員の方は、やはり日進月歩の技術に対応できるスキルを持っていなければならないわけでありますが、ニューパブリックマネジメント以降、やはり民間でできることは民間に委託をした方が事務の効率化が図られるというふうな考え方のもと、業務効率化のゆえをもって民間に委託をしてしまっている現状があります。そうすると、委託を管理する職員の能力、技量が下がってきてしまっている。もっといえば、業務自体のノウハウがなくなってしまっている。こういった問題が起こっているわけであります。
 業務委託による事業の効率化と職員スキルの維持向上の両立について、どうしたらいいのか、ご見解を伺いたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局の排水処理施設委託の関係でご答弁させていただきますけれども、こちらの排水処理施設の運転管理は、これまで長期にわたって民間委託により実施し、職員はその委託管理業務を担ってきたものでございます。
 水道局としましては、排水処理施設の効率的な運転を図るため、委託を活用する一方で、危機管理や職員の技術継承の観点から、これまで委託していた運転計画作成などの重要な業務は、原則、直営で実施することとしたと聞いております。

○清水委員 ありがとうございました。水道局の話なので、そのようなご答弁かと思うわけでございますが、これは別に、水道局に限らず技術系、もっといえば、これからITの人材が採用されるわけでありますが、ITこそ、ITというのかな、その分野こそ、本当に民間の技術は日進月歩でありまして、幾ら百名単位の職員を採用してもなかなか、民間の会社と伍していけるかというのは、これは先行き、大変な問題になるのかななんて思っております。
 そういった中で、ある意味、業者といわれる方とどうやって、まさに協働してこの都政を、あるいは都民の福祉向上のために仕事をしていくことができるのかという大きなくくりの中で、技術系の職員と委託業者との関係をぜひ考えていって、そして確たるものを築いていただければなと要望したいと思います。
 次は、ちょっと処分の話になります。
 このたびは、事故の重大性に鑑みまして、現職、現役職員五名への懲戒処分が下されたわけでございます。
 水道事業は、地方公営企業法により実施されているわけでありまして、このたびの懲戒処分は、水道事業者の管理者である水道局長をして下された処分であるとの認識でよろしいのかどうなのか、まずはお伺いをしたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 委員ご指摘のとおり、水道局長からの処分でございます。

○清水委員 ありがとうございます。まさに水道事業の管理者である水道局長が職員に対して下された処分だということでございますが、この局長自身、現の局長も前の水道局長さんも処分の対象外だったということであります。しかしながら、みずからの経営責任に鑑み、給与の自主返納を申し出ているとお聞きしているわけでございます。
 地方公営企業法は、管理者たる水道局長に職員に対する懲戒処分の事務を担任させています。
 では、局長みずからは処分の対象外であるとの結論は、一体、誰がどのようにお決めになっているのか、お聞かせをいただければなと思います。

○山口人事部長 地方公務員法上、懲戒処分は職員の個々の義務違反に基づいて行われるものでございまして、今回の水道局におけます処分につきましても、非違行為を起こした職員本人及び当時の管理監督者について処分が行われたものでございます。
 本件事故が発生した当時の水道局長につきましては、全員、既に退職していることから地方公務員法上の懲戒処分を行うことはできませんが、水道局から、処分相当の自主返納を求めていると聞いております。
 現在の水道局長及び前任の元水道局長におきましては、本件事故が発生した当時、管理監督者としての立場になかったことから懲戒処分の対象とはなりませんが、みずから処分相当の自主返納を申し出たと聞いております。

○清水委員 ありがとうございます。ご丁寧にご答弁いただけたのかなと思います。
 平たくいうと、事件当時の担当の局長ではなかったというふうなことだと思うわけでございますが、それでは、なぜ前の局長と今の水道局長は自主返納するというふうなことになったのでしょうか。
 やましいことがなければ、そのような行為には及ばなかったのではないかと思いますが、その理由がおわかりになればお答えをいただければな、お聞かせをいただければなと思います。

○山口人事部長 水道局からは、両局長につきましては、みずからの経営責任に鑑み、自主的に返納したいというふうに申し出があったというふうに聞いております。

○清水委員 今、経営責任とおっしゃいましたか。そこをちょっと聞き取れなかったので、もう一度お願いできますか。

○山口人事部長 申しわけございません。ちょっと私の間違った発言でございまして、水道局からは、局長みずからの判断で申し出があったと。詳細な内容については、私どもは詳しくは伺っておりません。失礼いたしました。

○清水委員 わかりました。それだけ、前と現の水道局長さんは、この事件に対して重たく受けとめていただいているもののあらわれなのかなと推察をいたすわけでございます。
 こういったさまざまな職員に対する処分につきましてはどのような基準で決められているのかというのは、先ほどお聞きをしたわけでございますが、ちょっと振り返ってしまうようで恐縮なんですが、これはもうおなじみでございます平成二十八年に発生いたしました豊洲市場の盛り土問題では、安全性に何ら問題があるわけでもなかったわけでございますが、結果、事実と異なる、現実と異なる答弁を繰り返したというだけで、実に十八名に及ぶ当時の局長級、部長級の減給処分と市場長の更迭処分が下されたわけであります。
 私は非常に重たい処分だったなと今でも思っているわけでございますが、今回のたび重なる不祥事に対する処分と、この豊洲市場における盛り土問題の幹部職員に対する処分との違いについて、ご見解がございましたらお示しをいただければなと思います。

○山口人事部長 申しわけございません。先ほどの答弁の中で、ちょっと私の言葉が足りなかった部分がございまして、ちょっと述べさせていただきます。
 現水道局長及び元水道局長につきましては処分の対象外でございますけども、詳しい内容はわかりませんが、みずからの経営責任に鑑み、申し出たと。(「何責任」と呼ぶ者あり)みずからの経営責任に鑑み……(「経営責任」と呼ぶ者あり)はい。申しわけございません。訂正させていただきます。
 豊洲市場整備に係る事故は、豊洲新市場整備方針として敷地全面に盛り土を行うことを決定しましたが、その後、適切な手続を経ることなく同整備方針に反する整備事業等を継続的に行っていたことなど、職員の個々の義務違反に基づいて関係者の処分が行われたものでございます。
 今回の水道局におけます事故は、平成二十二年度から平成二十六年度までの間に起きた非違行為に対して、当該期間に在職していた当事者及び管理監督者が処分されたものでございます。

○清水委員 わかりました。経営責任を感じていたというふうなことでございます。やはりそれだけ責任感が強い方なのかななんて改めて思ったわけでございますが、ただいまのご答弁なんですが、要は、そこにまさに携わっていた方だったからというふうなことだと思うわけでございますが、それにしても、私は非常に重たい処分だったなというふうに感じているわけでございます。
 参考までにちょっとお聞かせをいただきたいと思うんですが、この豊洲市場の処分を下した方は知事なんでしょうけど、それをどの程度の処分にしたらいいのかというふうなことを検討された方というのはどなたになるのでしょうか、あるいはどんな組織なのでしょうか、お答えいただければと思います。

○山口人事部長 豊洲新市場に関する処分の関係でございますけども、知事部局におきましては、東京都職員懲戒分限審査委員会という、副知事をトップとする審議の機関がございまして、そちらの議を経まして、知事において決定したものでございます。

○清水委員 よくわかったわけでございます。そのような審査委員会があるというふうなことがよくわかったわけでございます。
 今回、公正取引委員会による立入検査の翌日であります平成三十年十月三十一日、東京都では、知事の指示のもと、副知事及び関係局長による水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チーム、長いけど、通称、調査特別チームを設置されて、代表者に多羅尾副知事が任命されているわけでございます。
 また、このような法律があるんですね。入札談合等関与行為防止法に基づきまして、指名しなければならない発注機関の調査を実施する職員といたしまして、これもまた、知事の命により多羅尾副知事が任命をされました。
 あわせまして、東京都コンプライアンス推進委員会の会長も多羅尾副知事でございまして、そのもとに設置されております汚職等防止部会の部会長も、ともに多羅尾副知事が担当しているわけでございます。
 多羅尾副知事、大変な思いをされているのかと思いますが、本当に都庁の運営にとって重要であります都庁職員のコンプライアンスに関しまして、まさに一手に引き受けているというふうな感がいたします多羅尾副知事でございますが、これだけ重要な任務を任されているわけでありますので、これは平成十八年に公布された改正地方自治法により制度化されました副知事による職務権限の一部委任になっているのかどうなのか、お伺いをしたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 お話にある平成十八年の地方自治法の改正は、普通地方公共団体の長を支えるトップマネジメント体制の見直しに伴い、副知事及び副市町村長が長の権限に属する事務の一部について長の委任を受けて執行することを、副知事及び副市町村長の本来的な職務と位置づけたものであると認識しております。
 委任につきましては、当該事務が受任者の職務権限となり、委任した長においては、みずからこれを処理する権限を失うというものでございます。
 本件につきましては、知事の指示に基づき副知事が対応を行っているものでございまして、副知事に委任されたものではございません。

○清水委員 明快なご答弁をいただきました。ということは、一部委任をしていない。確かに、一部委任すると公告の義務があるそうでございますので、私どもにもお知らせいただかなければならないということでございますが、ということは、まだこのコンプライアンス、今回の問題につきましても、小池知事が都の事務全般について統括をされているというふうなことでございますので、最終責任者はやっぱり知事なのかなというふうに私は思うわけであります。
 本件につきましては、ことしの七月十一日、東京都知事、つまり小池知事に対して、公正取引委員会から改善措置要求が行われました。にもかかわらず、小池知事は、翌日の記者会見でおわびはしたものの、その後は副知事任せで、前面にはあらわれておりません。
 先ほど申し上げましたとおり、豊洲市場の盛り土問題では、幹部職員の処分だけではなく、けじめと称しまして、小池知事みずからも減給をいたしました。私は立派なことだと思います。都民に対しては、わかりやすいメッセージになったと思うわけでございます。
 水道事業は、地方公営企業法により、直接的な責任者は管理者である水道局長でありますが、局長の任命者は小池知事でございます。
 これ、法的な責任は及ばないのかもしれませんが、少なくとも任命責任や道義的な責任があっても私は不自然ではないと思いますが、お答えできる方がいらっしゃいましたら、お願いしたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局におきましては、平成二十四年、平成二十六年と立て続けに重大事故が発生していたにもかかわらず、再び今回の事故が発生したことは極めて深刻な事態であると認識しております。
 事故発生局である水道局はもちろん、東京都職員全てが、我が事として汚職等の根絶に全力で取り組むことが必要不可欠でございます。
 知事からは、その内容をしっかりと実行するよう指示を受けており、本報告書に取りまとめた汚職等防止策を確実に実施してまいります。

○清水委員 知事が一番の任命権者でございますので、皆様方にお答えいただくというのは、ちょっと無理があったのかもしれませんが、コンプライアンスを担当している部長さんの方からご見解をいただいたわけでございます。
 今回の質疑でさまざまなことを聞かせていただきましたが、大変恥ずかしい話でございますが、立川の官製談合のこともお話をさせていただきました。
 そのとき、私は思ったんですね。都の職員の皆さんというのは、私たち議員と違いまして、多分、公務員という仕事を選んだ理由の一つに、やっぱり安定した職場だからというふうな理由を持っている方も多いかと思うのでございます。
 そういった方の集まりにもかかわらず、職員の皆さんが危険な誘惑のもとにさらされているようなことでは、これは大変申しわけないなと思うわけでございまして、そういったことがないような職場環境づくり、風通しのいい職場がそれにつながるのかどうかわかりません。直接、業者さんとの接触をしにくくするというのも一つかもしれませんが、そういった方たちが集まっているということを、ぜひとも幹部の職員の方、あるいは人事、職場体制を整える担当の方にはよくよくかみしめていただいて、今後、まさにこのようなことが二度と起こらないようなことにしていただいて、都民の負託にお応えいただきますよう、よろしくお願い申し上げまして、質問といたします。ありがとうございました。

○谷村委員 それでは、私の方からも、汚職等防止策検討結果報告書(最終報告)につきまして質問をさせていただきます。
 報告書をさまざま読ませていただきましたけども、一つだけ、余り明快でないものがありまして、なぜ水道局だけで起こったのかという、水道局だけが--最後、今後の対応について、水道局における再発防止策の実施、あるいは全庁における再発防止策の実施と分けてあるわけですけども、なぜ水道局だけ起こったのかということについて、別に答弁を求めるわけじゃないんですが、これをきちんと突きとめられたときに、私は本当の再発防止になるのではないかと思っております。
 たまたまというのは表現はよくないと思いますけども、水道局で不祥事が続いている。通常でいくと、公になった平成二十四年九月、平成二十六年九月の事故あるいは犯罪にあっては、特に一番厳しく組織運営をしていかなければならない局が水道局に当たるわけですけれども、水道局の組織風土とか文化とかという言葉に最後は落ちつかせて、そこに終結させてありますけども、それは本当の答えというものに踏み込めていないのではないかと思っております。そういう問題意識を含めた上で質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、水道局に起きました、先ほど申し上げましたけど、平成二十四年、そして二十六年と、都民の信頼を根底から揺るがすような重大事故が起こり、再発防止策を実施している中で、今回、情報漏えいを行っていた職員が複数存在していたと。職員指導にとどまらず、これは組織のあり方も含めた真摯な反省と抜本的な改革が必須であることはいうまでもないと思います。
 今後、二度とこのような不祥事を起こさないために、これまでの再発防止策と、今回打たれました再発防止策はどう違うのか。同じようなことが起こって、同じような再発防止策では意味がないわけで、その実効性はあるのか、質問させていただきたいと思います。
 平成二十四年、二十六年の事故を受けた再発防止策にもかかわらず、今回の事故はなぜ起こってしまったのか、答弁を求めます。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回の事故におきまして情報を漏えいした職員は、平成二十四年、二十六年の事故を受けた再発防止の取り組みを他人事と捉えており、現場の事情を優先し、公務員としての規範意識が欠如しておりました。
 また、業務上、受託事業者との関係が密接な排水処理業務の職場環境におきまして、事業者の探り行為が繰り返されておりましたが、上司への報告、連絡、相談が全く行われていなかったなど、組織内コミュニケーションが著しく不足しておりましたため、組織的な対応ができず、事故を防止することができなかったものと考えております。

○谷村委員 前回のを踏まえて、今回、なぜ事故が起こったかという質問に対してのご答弁ですので、そういうことになる、今のお話のとおりだとは思うんですけれども、今回、再発防止策を打って、また他人事、人ごとと受けとめてしまったり、あるいは組織内コミュニケーションがとれていない組織、部署というのは、これだけ大きな組織ですから--水道局以外の方が今のご答弁を聞けば、それは組織内コミュニケーションが著しく不足しているのは、うちにも当てはまるなみたいなところはあろうかと思うんです。
 そこに業者との関係が入ってくるか、入っていないかで、事件に足が向いてしまうのかどうかということはあるかと思いますけれども、職員の皆様の人ごとと受けとめてしまう傾向性というのは、今回も、再発防止を発表されたとしても残ってしまうのだろうと思います。
 今回の再発防止策については、平成二十四年、あるいは二十六年のときと何が違っているのかについてお答えいただきたいと思います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 平成二十四年の事故は、飲食接待を受けた職員が逮捕、起訴されたという事案であったことから、研修により、公務員としての自覚や倫理観などの意識を一層高める取り組みや、電子入札の促進等の取り組みを実施いたしました。
 平成二十六年の事故は、職員が元職員及び工事業者に情報漏えいをした事案であったことから、部外者の執務室立ち入りの規制強化、複数名での対応など、適切な事業者対応の徹底等の取り組みを実施いたしました。
 今回の事案は、職員による情報漏えいであることから、入札予定価格等の厳格管理情報の適切な管理について、改めて注意喚起するとともに、さまざまな機会を活用して周知徹底してまいります。
 また、監督職が情報漏えいを行っていることや、管理職の状況把握が不十分であることが明らかになったことから、職層に応じて求められることを、いま一度、職員に認識させる取り組みを行ってまいります。
 加えて、不適正事案を放置することがないよう、職場の課題を率直に話し合える環境を整備するとともに、庁内でも事故原因の分析結果を共有するなど、同種の事故の発生を防ぐ取り組みを実施してまいります。
 また、今回の再発防止策は、現場の視点に立ち、職員一人一人が当事者意識を持って取り組める再発防止策としたことが特徴でもございます。

○谷村委員 ありがとうございます。
 部外者の執務室立ち入りの規制強化ということにつきましては、前回もあったかのように思うんですが、今回のケースの場合は、担当職員が受託事業者の詰所に行っているわけですね。そういうふうに明快に書いてあります。
 職員Aも詰所、元職員Dというのは職員Aと一緒に立ち会った職員ですので、これも詰所、職員Bは脱水機棟内ですから、これはちょっと執務室に入ってきてしまったのかもしれませんが、職員C、これも詰所というふうにいわれております。
 この詰所ということについても、出先のことでしょうから、詰所というのは、運転するところではなくて、そこに詰めているところということなんだろうと思いますし、報告書を読ませていただきますと、現場で担当している事業者じゃなく、営業している担当者にも接触が起こっているわけですね。
 営業している事業者が執務室に入ってきたりするというのは、これは規制していいと思うんですけど、職員が詰所に行ってしまっているわけですので、そこで毎回来ているよという情報があって、実際に運転をしている事業者とは別の営業を呼んできているという、こういった課題もあったのかなというふうに思います。
 報告書には、これまで打たれてきた汚職等防止策が他人事と捉えられていた状況や、情報漏えいを起こした職員が、仕事上、受託事業者との関係を重視し、事業者側の現場責任者に恩義を感じ--ここは非常に重要なことなんですけど、事業者側の現場責任者に恩義を感じ、受託事業者の変更による排水処理業務への支障を憂慮していたという記載があります。
 まさに現場の事情が優先されていた状況であり、今回の再発防止策が、各職場の実情を踏まえ、職員一人一人に届くものでなければ、実効性もならないと思います。
 そこで、再発防止策の具体的な進め方についてお伺いをいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局におきましては、全職員を対象とした、独占禁止法、入札談合等関与行為防止法等、関係法令の研修を実施いたしますとともに、職場相互点検や、全ての職員が参加した服務事故のリスクの洗い出し、本庁と事業所との意見交換を行うことによりコミュニケーションを活性化いたします。
 また、全庁におきましては、職員がその職務、職責を一層理解できるよう、職層別研修を見直すとともに、技術会議における全庁横断的な汚職等防止策への取り組み、全庁コンプライアンス推進月間を活用した意識啓発の取り組みを進めてまいります。
 あわせて、職場の不適正事案等を共有することの重要性等を研修等で周知するなど、職場の課題を率直に話し合える環境を整備することにより、相談できる職場づくりを目指してまいります。

○谷村委員 今回の事故ですけれども、複数の浄水場で複数の職員が、同じような職場で起きていることを見逃すわけにはいかない状況になっております。
 報告書の九ページのところに出ていますけども、受託事業者が変更になったとしても、業務管理を適切に行うことで排水処理業務を円滑に遂行しようとするのではなく、安易に現在の事業者が継続して受注すれば業務が滞ることなく進むと考えた、受注させる必要のある事業者には予定価格を伝えることも必要とまでの認識を持つ者もいたと。
 いわゆる職務を理解できていないということですね。できていないまま現場に行って、受託事業者にそのやり方というのを教わっているという、これは不十分な職務理解というアプローチ。
 それから、規範意識の欠如で申し上げますと、事故者は、契約情報を示すことが地方公務員に課せられた守秘義務に違反するという意識が希薄であった、排水処理業務をとめないとの名目のもと、守秘義務を軽く考える意識があった、また、落札させたい事業者に仕事を回すことが係長の役割と考える者もいたというふうに報告書にまとめられているんですが、最後、三四ページでは、適正な職務遂行の確保をするために、事故者が行ったことについて記載されています。
 事故者は、当該職場で初めて排水処理の業務についたため、仕事の内容を受託事業者の現場責任者に詳細に至るまで教えてもらいながら業務を遂行することとなった、事故者は、受託事業者の現場責任者がいたからこそ、当該浄水場は円滑に運営されてきたと考えていたので、業者がかわった場合、排水処理業務が円滑に行われないと考えるとともに、排水処理係の業務が大変になると考えたと。
 この事故者は、排水処理の業務に初めてついて、その仕事内容がわかっていなかったと証言しているわけですね。仕事の内容がわからなかったものですから、受託事業者の現場責任者に詳細に至るまで教えてもらったと。この機械はこうするんですよ、このスイッチを押すとこうなるんですよということを、手とり足とり受託事業者に教えてもらって、それで感謝するわけですね、ありがたかったと。
 こういう細かな機械の運転操作というのは、なかなかうまく伝えることも難しいだろうなというふうに思って、今の受託事業者に入っていくわけですけども、そもそも、なぜその係長が、係長の業務についた、担当を任された人が、前任者から、この業務というのはこういう仕事をしていくんですよ、こういう管理をしていくんですよということを受け継いでいなかったのかどうかということを、非常に私としては不可解な思いが残っておりまして、そこの点について、余りこの報告書では触れられていないような気もするんですね。
 多分、引き継ぎはなかったということが書かれているのは、受託事業者との関係の引き継ぎはなかったということでは書かれているんですけども、本来、そこにいた係長さん、あるいは課長代理さんがついたときに、前任者からの引き継ぎというのはなかったから、追い込まれてしまったように読めるんですけれども、金町、三郷、朝霞の排水処理委託業務である--加えて、三園もほぼ同ケースになっております。
 今申し上げましたけども、職員の証言では、受託事業者がかわった場合、前受託事業者が新しい受託事業者に業務内容あるいは機器の操作方法などを引き継ぐこととなっており、それがスムーズに行われない可能性を危惧して、受託事業者が引き続き受託できるよう、情報を漏えいしたと。
 よくあるんですけど、メーカーがつくって、そのメーカーのマニュアルというのがありまして、そのメーカーの子会社が入れば、うまく機械が運転できるという状況があって、受託事業者がかわると、そのマニュアルが届かなかったり、あるいは肝心なことを伝えないで運転ができないようにしてしまうという、それで、結局はメーカーさんの関係の子会社が受けてきたということまで記載されていたかと思うんですけれども、そういう状況と照らし合わせますと、東村山浄水場などでは、事業者に委託することなく、水道局職員が直接業務を行うことによって安定した業務が行われていると。
 冒頭申し上げましたけれども、なぜこの水道局だけ、こういった問題が起こるのかということなんですが、本来、水道局の職員が直接担うべき、あるいは、すごく水道事業としての主管業務にあっても事業者に委託をしているという構図という水道局独特なものがありまして、下水道局には似たものはありますけれども、どんどん現場の水道局の職員の技術あるいは専門的な知識というのが薄まっていって、場合によっては、東京水道サービスの職員の方が技術はわかっているみたいな、あるいは、受託事業者の方がよく理解しているというような状況になっていることも非常に問題があるのではないかという問題意識を私は持っているということをお伝えさせていただきたいと思います。
 こうした業務委託などの実態の改善を進めていかなければ、いつしかまた職員意識というのが薄れてしまうと思いますが、この点についての見解を求めます。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 排水処理施設の運転管理は、これまで長期にわたって民間委託により実施し、職員は、その委託管理業務を担ってきたものでございます。
 水道局といたしましては、排水処理施設の効率的な運転を図るため、委託を活用する一方で、東村山浄水場は、引き続き直営で運営することとしているほか、危機管理や職員の技術継承の観点から、これまで委託していた運転計画作成などの重要な業務は、原則、直営で実施することとしたと聞いております。
 このような取り組みにより、委託管理業務に必要な技術が水道局職員にも維持され、受託事業者に頼り切りにならない意識が職員の間に醸成されていくものと考えております。

○谷村委員 ただいまのご答弁、受託事業者に頼り切らない意識が職員の間に醸成されるということを今回の再発防止策で生まれていくことを期待させていただきたいと思います。
 今回の事故につきましては、浄水場の排水処理業務に全部集中をしているわけです、あるいは、その排水処理委託業務にかかわる契約について集中をしております。
 この類似の業務というのは、下水道局や交通局などを初め、他局にも存在すると思いますが、この点、どのように確認されていますでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 全ての局について確認しているわけではございませんが、排水処理委託に類似する業務は他局にも存在しており、委託業務で行っていると聞いているところでございます。

○谷村委員 ですので、先ほども申し上げましたけれども、入札の競争性を保つためにも、どの事業者でも受託できるようなシステムというものを関係局にぜひ徹底していただきたいと思います。
 情報漏えいを行った職員が在席していた排水処理担当の課は、大規模組織でもあり、管理職との接触が限られており、定型的な業務は、監督職である係長、現在は課長代理でしょうか、係長、課長代理に一任をされていたと。さらに、受託事業者との調整、監督が業務の大半を占めており、職員は孤立していたと。
 結局のところ、今回の長年にわたる情報漏えいの事実は、どの浄水場においても、管理職が誰ひとりとして気づいた者はなく、管理職が部下職員の管理をしていなかったという状況には大きな問題があると思います。
 そこで、こうした管理職職員に責任がないとはいえないと思いますが、いかなる処分が管理職に実施されたのか、お尋ねいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 管理監督者に対しましては、適切な指導、監督に欠けるところがあったため、現職の職員に対しては、減給六十分の一、一月の処分を二名に対し、戒告処分を二名に対し行ったところでございます。
 なお、減給処分とあわせて、減給十分の一、一月相当額に満つるまで自主返納を求めていると聞いております。
 また、事故の重大性に鑑みまして、減給処分相当の退職者に対しましては、減給十分の一、一月相当額の返納を十一名に対して求めていると聞いております。

○谷村委員 今回の事故、全部、管理職のもとに入っていなかったという、入っていなかったのか、認識が足りなかったのか、どちらなのか、意見はあるかもしれませんけども、管理職の役割に着目した再発防止策についてお伺いをいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回の事故におきまして、管理職が部下職員の状況を正しく把握できず、適切な指導を行っていなかった実態が判明いたしました。
 そこで、水道局では、管理職みずからが率先してコンプライアンスについての理解を深め、部下との自己申告面接の中で東京都コンプライアンス基本方針に定める行動指針を周知するとともに、率直な意見交換を実施することで、部下職員に対し、規範意識を高く持ち、自律的に行動することを促してまいります。
 その上で、全職員がみずからの職務におけるコンプライアンスについて上司と確認した後、宣言書に署名を行ってまいります。職員による初回の宣言は、今年度に実施予定でございます。
 また、現場の課長級職員を中心としたミドルマネジメント層を対象とし、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力の向上を目的とした研修を実施し、管理職として果たすべき役割を認識させ、各職場で再発防止策の浸透を図ってまいります。
 全庁におきましては、管理職等に対し、今回の事故をベースにした事例をもとにケーススタディーを実施し、職務や職責への理解促進を図るとともに、自己申告面接時や決裁回付時等を活用し、部下職員の状況把握に努め、タイミングを逃すことなく適切な指導を行えるように、研修等で注意喚起を行うことといたしました。
 あわせまして、全庁コンプライアンス推進月間におきまして、部下職員による職場討議結果を把握した上で、みずからの意見、職員へのアドバイスをフィードバックする取り組みを行いました。
 今後、この取り組みの実施状況につきまして、総務局が各局から聞き取りを行い、来年度の取り組みに生かしてまいります。

○谷村委員 これまでのご答弁で、今回の事故の大きな要因が、職員の規範意識の欠如、組織、職員間コミュニケーションの著しい不足と捉え、管理職の問題にあることから、水道局において研修等の強化やコミュニケーションの活性化の取り組み、全庁においてコンプライアンス月間を活用して取り組んでいくと。
 ぜひ進めていただきたいと思いますが、この改善、防止策のメニューですけれども、全てが、ほとんどが意識啓発の取り組みに凝縮されておりまして、不正に対する歯どめとしては少し弱いようにも思うわけですが、長年同じ環境で、あるいは同じ仕事に従事していると、思考が現状維持に傾きがちになりますし、特に有名なのは、経理だとか会計だとか、お金を扱う人については、長いところにいさせると、必ず事故が起こる。これはどんな大きな組織であれ、小さな組織であれ、そのようにいわれております。
 業務上、他部署の職員との関係性が低く、逆に事業者との接触が多い職場においては、業者任せの方がうまく仕事ができるというふうに思った可能性があります。
 この報告書の中で原因分析をしっかり、前回はこうだったということを踏まえて原因分析を始められておりますけれども、これは前回の平成二十六年のときの報告書ですけども、五つの視点で、一つ目が組織及び制度的側面、二、管理運営的側面、三、個人的側面、四、情報管理の側面、五、行政手続、事務処理の透明性及び迅速性の側面の五点をした上で、今回それを確認した上で、今回の原因が、情報管理的側面に起因するもの、職場管理的側面に起因するもの、職員の属人的側面に起因するものと三点と分析して、ざっと行われているわけです。
 情報管理的側面というのは、事業者と接点、扱う者が、経費、経理的なものと同じ情報を持てるようになっていたとか、あるいは、職場管理的側面にあっても、何というんでしょうか、上司になるんでしょうか、職場管理的側面に起因する、あと属人的側面というのは、その人のそれぞれの問題というふうになっていると思うんです。
 職員に対する意識啓発だけではなくて、多分、前回の分析の一番目になると思うんですが、組織あるいは制度的側面で、そういった課題に切り込んだ取り組みというのが必要であると思いますが、見解をお願いします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局におきましては、水道事業の専門的技術や知識の向上とともに、高いコンプライアンス意識を持った職員を計画的に育成していく観点から、本庁と事業所、分野の異なる系列間等、積極的な人事ローテーションを行い、幅広い経験を積ませることにより、職員の専門性を確保しながら業務改善や規範意識を浸透させ、高いコンプライアンス意識を持った職員を育成していくこととしております。
 また、全庁におきましては、幅広い分野の経験を積み、能力伸長を図る観点から、次の異動期以降から、課長代理を含む一般職員の長期在職の解消や、管理職の局間交流を徹底するとともに、各局における技術分野の特性を踏まえ、横断的な技術職の育成を推進してまいります。

○谷村委員 ただいまいただいたご答弁が、私の問題意識に対しての一番の回答になると思います。
 次の異動時期以降から、課長代理を含む一般職員の長期在職の解消、管理職の方は局間交流も進めていきましょうというんですけど、結局、上司になる課長は、二年から三年が来たら、どんどんかわっていきますよと。
 その部下の方のほうが五年、六年いたりして、専門的にその仕事がわかり、それに関係する事業者ともパイプもあるので、課長に別に報告しなくても、何とか済むなという感覚というのがどうしても、今回の事故を起こされた職責のを見ても、そのようなものをずっと私自身感じたわけでございまして、管理職の上司としての責任というのもあるかもしれませんが、そうならないようにしていくためのシステムというものをつくっていただくには、有名な、課長以上は二年から三年でかわるだけじゃなく、課長代理を含む一般職員の長期在職を解消していく、これは本当に踏み込んでいただいたものだと思います。
 こちらにいらっしゃる方も、局長はもっと短くかわられることはないかもしれませんけども、あるいは各部長の方のもとで--課長さんよりは、もっと部長さんの方が早くかわるかもしれませんけど、上だけじゃなくて全体的な改善を進めていくためには、水道局あるいは全庁とも、職員育成の観点から、専門性に配慮しつつ定期的な人事交流、これは前向きな表現ではありますけれども、組織運営の観点からも、他局や他部署からの職員が転入することにより、ある職場だけの常識、そこだけの職場で通じる常識とか慣例というものが、外からの視点でチェックを受けるというメリットもあろうかと思います。
 事故発生局の水道局はもちろん、都庁各局においても同様の事故を発生させないため、ただいまのご答弁にありました技術職の交流も含め、報告書にまとめられた汚職等防止策を着実に実施し、事故の再発防止の徹底と都民の信頼回復に向け、全庁を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、今後、絶対に不祥事を起こさせないため、再発防止の徹底に向けた局長の決意をお伺いして、質問を終わらせていただきます。

○遠藤総務局長 水道局におきまして、平成二十四年、二十六年と立て続けに重大な事故が発生いたしまして、さらに、これらの事故の再発防止に取り組んでいる最中にこのような事故が発生したことについては、極めて深刻な事態であると認識をしております。
 昨年の事故発覚直後、事実関係、原因等の調査につきましては、関係局による調査特別チームにより進めてまいりましたが、今回の事故の重大性に鑑み、汚職等事故は全庁の全ての職場で発生し得る問題であると改めて認識した後、汚職等防止部会において全庁の再発防止策を検討し、最終報告として取りまとめたものでございます。
 今後、事故発生局である水道局はもちろんのこと、全庁を挙げ、汚職等防止策を着実に実施するとともに、本日の委員会おけるご指導、ご指摘等も受けとめながら、職員の意識改革、人事も含めました制度の見直しなど、いわばソフト、ハード両面にわたりまして不断の見直しを続けながら、再発防止に全力を挙げてまいる所存でございます。

○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十九分休憩

   午後二時五十四分開議

○早坂委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原委員 それでは、私の方からも何点か質問したいと思います。
 この最終報告のはじめにというところが、私はとても重要だと思っています。ここに書かれているように、昨年十一月、水道局において職員の情報漏えいが発覚をし、原因等の調査、究明、全庁的な再発防止策の確立等について知事から指示を受け、審議をしてきたということが書いてあり、副知事を部会長に、教育長、技監、政策企画局長、総務局長、財務局長、交通局長、水道局長、下水道局長で構成されて、庶務は総務局コンプライアンス推進部ということです。
 しかも、最初の時点では、情報漏えいをしたのは一人の職員だったということでしたが、その後、ことし七月の公正取引委員会の改善措置要求で、五人の局職員が関係をしていた、二〇一〇年から行われていたという、さまざまなことが明らかになってきたわけです。
 こうした中でまとめられたのが、この最終報告書ということになります。その重さからすれば、当局側から総務委員会に説明、報告をするというのが当然だと私は思っています。
 きょう、こういうふうに報告、質疑が行えるようになりましたけれども、これは先日の委員会の委員長の取りまとめによって行われるようになりましたが、結局、最後まで当局側からは、説明をしたい、報告をしたいという申し出はなかったと私は認識をしています。それがなぜなのかというのが、私はこの問題で大きいテーマだというふうに思っています。
 ですので、一点目、改めて伺いますけれども、なぜ最終報告書について、委員会に対して説明しないとしてきたのか、伺います。

○西山総務部長 今回の事案に関しましては、事故発生局である水道局が調査特別チームの最終報告書を公営企業委員会へ報告し、ご審議をいただく予定でございました。
 また、中間報告の際にも、平成三十年第四回定例会における公営企業委員会の報告のみで、総務局からの報告は行ってございません。
 これらの事情を勘案し、報告事項としなかったものでございます。

○原委員 私は、最初の経過のところで、こういうふうに、最初にわかっていた事実からさらに発展をして、より深刻なものになってきた、そういうもとで、それでもなぜ最終報告書について説明をしないのかというふうに聞きました。
 それで、今ご答弁の中で、中間報告のときもしなかったということがありましたが、では、そのときはなぜ行わなかったのですか。

○西山総務部長 先ほども申し上げましたけれども、今回の件につきましては水道局の事案であったことから、総務局としては報告をしなかったものでございます。
 また、中間報告の際にも報告をする予定はございませんと申し上げましたけれども、あわせまして、二十四年、二十六年の際にも、総務局の方では報告をしてございません。

○原委員 私は、従来の延長線上ではないんじゃないですかということをいっているんです。より深刻になってきている中で、この最終報告書がまとめられている、それに対して、どういうふうに当局の方で考えて、議会に対して説明をしていくのかというのが重要だと思っているんです。
 それで、この報告書を見ますと、汚職等防止部会の取組方針というのが後ろの方にありますけれども、ここには、基本的考え方で、汚職等は、全庁の全ての職場で発生し得る問題であることを踏まえ、各局の実情に応じて、予断や偏見にとらわれずに、汚職等が発生する背景を徹底的に究明した上で問題点を洗い出し、その解決策をまとめるというふうにあります。そして、対象とするものの(1)で、都政全般を汚職等の防止という視点から再点検し、検討を行うとあります。
 今、ご答弁の中では、水道局の問題だというふうにありましたけれども、今回のはじめににも書いてありますけれども、水道局はもちろん、東京都職員全てが、我が事として汚職等の根絶に全力で取り組むことが都民の信頼を回復する唯一の方策だと、みずから、はじめににも書いている。
 こういう状況で出されているものであるからこそ、私はこれをきちんと、水道局を所管している公営企業委員会だけではなくて、この総務委員会でもしっかり議論をする、そういうふうに進めていくのが当然だというふうに思っているわけです。
 それで、触れましたけれども、今の汚職等防止部会の取組方針は、全庁的な問題だということで書かれています。さらに、この汚職等防止部会については、参考資料のページがないんですけれども、依命通達が何枚かあったその後に、コンプライアンス推進委員会の設置要綱があります。この中で、第七条でも、部会の位置づけについて、重大事故発生時における職員の汚職等の再発防止に関することを所掌すると。重大事故のときなんだよということなわけですよね。
 ですから、私は、これは議会に、とりわけ公営企業委員会だけではなくて、従来の延長線上ではなく、今回の報告の重みを考えて、総務委員会でも説明、報告をすると判断するのが本当だというふうに思います。
 委員会への報告を当局の側で決めるのは誰なのでしょうか。

○西山総務部長 繰り返しのご答弁になりますが、職員による違法行為が発生すれば、当然ながら、都職員全てが我が事として汚職の根絶に全力で取り組む必要がございます。
 他方で、水道局においては、平成二十四年、二十六年と立て続けに重大事故が発生し、汚職等防止対策を策定したにもかかわらず、今回の事案の発生を防ぐことができなかったことから、局を挙げて組織風土にまで踏み込んだ抜本的な改革を推進していく必要がございます。
 今般の事案に関しましては、水道局が調査特別チーム最終報告書を公営企業委員会へ報告し、ご審議をいただく予定でございましたが、今回、委員会での要求がございましたので、報告をさせていただくものでございます。

○原委員 委員会側から要請があったから、やっていますよということですけれども、こういう機会が持てたのは本当によかったですけれども、私がいっているのは、本来はそうでなくても、この報告書について、きちんと当局側から報告をするという申し出があってしかるべきではないかということを思っています。
 その点について、ご意見をお願いしたいと思います。

○西山総務部長 繰り返しになりますが、今回の事案に関しましては、事故発生局である水道局が調査特別チーム最終報告書を公営企業委員会へ報告し、ご審議をいただく予定でございました。
 総務局からは、中間報告の際にも、平成三十年第四回定例会における公営企業委員会への報告のみで、報告は行ってございません。
 こうした事情を勘案して、報告事項としなかったものでございます。

○原委員 繰り返しのご答弁をいただいているんですけれども、私がいっているのは、従来の延長線上ではないのではないですかということを指摘し、本来、水道局の関係だけではなくて、総務委員会にも報告をするというのが当然ではないですかということをいっています。それで……(「委員会が決めるんだよ」と呼ぶ者あり)静かにしていただけますか。
 このことについて、十一月三十日に小池百合子知事が記者会見を行っていますが、この時点で--十一月三十日というのは、二〇一八年、昨年です。このときに、中間報告結果を受けて、都の職員が情報漏えいをしたということで、心よりおわびを申し上げたいと謝罪しています。
 そして、ここが重要なのですが、再発防止に向けて都庁全体の総点検を行うため、副知事や関係局長による汚職等防止部会を設置するというふうに述べています。ここで設置をされてスタートしてきたと。
 そして、その後、先ほども発言をしましたけれども、さらに公取が入って、一人の職員だけではないということがわかっていったわけですよね。
 そういう流れにあるわけですけれども、昨年の十一月三十日の時点でも、水道局だけの問題ではないという、そういう認識で知事は会見をされているのではないかなと私は思ったんですね。
 ですから、水道局の問題なのだから、公営企業委員会だけで議論されればそれでいいという、そういう認識だというふうに、もしも総務局の方で考えていらっしゃるんだとすれば、それは違うということをいいたいのですが、見解を伺います。

○西山総務部長 汚職防止策につきましては、当然のことながら、全庁を挙げて取り組んでいくものでございます。
 今回の事案に関しましては、事故発生局である水道局が調査特別チーム最終報告書を公営企業委員会へ報告し、ご審議をいただく予定でございました。
 また、中間報告の際にも、第四回定例会における公営企業委員会への報告のみで、総務局から報告は行ってございませんでした。
 これらを勘案して、今回は報告事項としなかったものでございます。

○原委員 それでは、最終報告書について、知事に報告したのはいつでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 知事に報告いたしましたのは、十一月二十一日でございます。

○原委員 その最終報告書について報告をされて、それについて、知事のコメントはどのようなものでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 最終案についてご報告いたしまして、知事の了解をいただいたものでございます。

○原委員 了解ということですけれども、この最終報告書について、今回、公式な場で知事は何かコメントを発表しているものはありますか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 最終報告書につきましては、特段ございません。

○原委員 知事は、昨年の段階で、これは重大だ、全庁的な問題だということで、部会できちんとやっていくんだということをおっしゃっていたんですけれども、現時点においては、最終報告については特段コメントをされていないんですよね。
 私は、これもなぜなのかなというふうに思っていますが、今回の議会の中でも、所信表明では特になかったということだと思います。
 私は、この報告書ができれば済んでしまったことではもちろんなくて、これからが重要なところですので、この知事の姿勢については改めて、ここに知事がいらっしゃるわけではないので、伺う機会に伺ってみたいなというふうに思っています。
 そこで伺いたいんですけれども、汚職が繰り返されていることについて、総務局としては、組織的な問題と考えているのか、それとも組織的な問題ではないと認識しているのか、その点を教えてください。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回の事故が発生した背景には、職場における報告、連絡、相談の機能不全や、組織内コミュニケーションの著しい不足が存在したものでございます。また、情報漏えいを行った職員の上司は、誰ひとりとしてその実態を把握していなかったことも明らかになっており、水道局には、組織として大きな課題があったものと認識しております。

○原委員 水道局には、組織として大きな課題があったと認識をしているということでした。
 それで、はじめにのところで、中の文章にも出てきますけれども、局を挙げて組織風土にまで踏み込んだ抜本的な改革を推進する必要があるという表現もありますので、まさに組織的な課題があるということをいっているんだというふうに思いますが、ちょっと改めて聞きたいんですけれども、この組織風土というのはどういうことですか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 先ほど申し上げましたような、職場における報告、連絡、相談の機能不全や、組織内コミュニケーションの著しい不足があったというような組織風土を指しているものと考えてございます。

○原委員 それが、ここでいうと局を挙げてと書いてありますので、水道局について、そういうものがあるだろうということで書かれているんだというふうに思います。
 そこを踏まえた上で、全庁的にきちんと見ていくことが必要なんだ、どこでもこういうことがないようにしていかなければいけないという問題意識で進められているんだというふうに思うんです。
 それで、ことしの七月十二日の知事の定例会見のときに、公正取引委員会の改善措置要求を受けたこと、また、複数の水道局員が情報漏えいを行っていたことについて、心よりおわびを申し上げますという、そういうお話がありました。そこでも汚職等防止部会に触れて、二度と起こらないように全庁を挙げて検討を進めていくというふうに、改めて知事は発言をされているんですね。
 それで、このときの記者の質問で情報漏えいについて聞いているんですが、組織的にそういう体制だったのではないかということを記者が尋ねているんですね。これに対して知事は、都の内部調査では、職員同士のやりとりなどを含めて調査を行っております、この結果、組織的に関与したという事実は確認されておりませんと。つまり、組織的ではないというニュアンスの発言をされているんですね。
 これは組織的な課題があるというふうに、先ほど部長のご答弁ではあったのですけれども、そこの認識、知事の認識と今回の報告書の認識は同じなのか、また違いはないのか、その点について教えてください。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 先ほどご答弁申し上げましたとおり、水道局に組織的な問題があったことは確かでございます。
 一方で、今回の情報漏えいが組織的な関与によって行われたかについては、また別の問題だと考えておりまして、組織的な関与はなかったと認定してございます。

○原委員 これは知事の記者会見のときの言葉なんですけれども、都の内部調査では、職員同士のやりとりなどを含めて調査を行っています、この結果というふうに書かれているので、組織的な問題、関与したという事実は、その結果確認されていませんというふうに知事がおっしゃっているので、そこで私は今聞いてみたんですけれども、あくまでもこれも、知事もいっているように、内部の調査の中で確認をされていることなんですね。もっと第三者による調査、これも必要なんじゃないかということを私は感じています。
 第三者による調査というものは行われているのか、伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回、最終報告書を取りまとめるに当たりましては、事実認定に関しまして、外部の弁護士の助言をいただきながら進めてきたところでございます。それを受けまして、庁内で責任を持って再発防止策を策定いたしました。
 また、第三者的な視点という面から申し上げますと、今回は公正取引委員会による強制的な調査が行われているところでございます。

○原委員 それではまた、第三者の目が入っているかどうかということは、この後、さらに聞いていきたいと思いますが、その前に、今おっしゃっていた事実認定にかかわって、二つ確認をさせていただきたいと思います。
 一つは、便宜供与の事実は認められなかったというふうに書かれています。時間の関係で全部読み上げることは省略しますが、職員のA、B、C、D、Eとありますが、職員の人たちの調査をした結果、便宜供与の事実は認められなかったという結果になっています。
 それは、どういう調査をして、その結論になっているのか、伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 調査特別チームを設置して以降、事故を起こした職員や関係職員、受託事業者の社員に事情聴取を実施いたしましたが、便宜供与があった事実は確認されませんでした。
 また、公正取引委員会におきましても、便宜供与があったとは認定されていないところでございます。

○原委員 もう一つ、確認をさせていただきたいと思います。
 契約課における情報流出についてですが、原因者は特定できなかったけれども、誤って交付したというふうに結論づけていますけれども、それは、なぜ誤って、間違ってということですよね、交付したといえるのか、伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 経理部契約課職員による情報流出につきましては、これまで、事務処理に関与していた契約課の職員やその管理監督者八名及び受託事業者に対して事情聴取を実施いたしました。
 窓口における契約書の受け渡し作業につきましては、契約課の手のすいている職員が対応していたため、受託事業者に書類を渡した職員は特定できなかったものでございます。いずれの職員も、事業者に書類を渡した記憶や認識はなく、故意に行ったという証言も得られませんでした。
 また、受託事業者への事情聴取でも、職員による意図的な情報流出の事実は確認されなかったところでございます。

○原委員 そういう聞き取り等を行った中で、誤って交付したということをいうような、そういう事実はなかったという確認だと思うんですよね。
 それで、一方で、先ほどからも、ほかの方の質問の中でも出てきていましたけれども、事故者の上司は誰ひとりとして実態を把握していなかったという事実もありますよね。ですので、事実認定というのは本当に難しいなというふうに、私は今回思っているんです。
 この事故者の上司は誰ひとりとして実態を把握していなかったという、その結論も、どういう調査でこういう結論になっているのか、教えてください。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回の調査におきましては、事故を発生させた職員のほか、周りに所属しておりました関係職員、上司等、幅広く事情聴取を行っております。
 その中で、上司本人からもそのような話が聞けたところでもございますし、そのほか、もろもろの供述から、そういった事実を認定したものでございます。

○原委員 聞き取りをしていただいている中で、そういうことだということです。
 ただ、上司が誰ひとりとして実態を把握していなかった中での認定ということで、そういう状況だったんだなというのは改めて思ったんですが、私は、これもやっぱり、全体にその事実認定をするときに、先ほど外部の弁護士さんの助言もいただいたという話がありましたが、それはそれで重要なのですが、やはり甘い評価にならないように外部の視点をどれだけ入れるかというのは、今後の課題としては、非常に重要なのではないかというふうに思っているんです。
 それで、水道局では、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会をことし四月に設置して、外部の視点を入れて検討したというふうに聞いています。
 改めてちょっと確認だけしたいのですが、この委員会については議事録はありますでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局のホームページに議事要旨が掲載されてございます。

○原委員 議事要旨を出しているということで、私も確認をしているんですけれども、有識者委員会自体は、会議で、報告書に対して意見をいうという形だったということも聞いていますし、また、現場視察も一回行われたというふうに聞いていますが、それでも外部の目を入れるということでやられてきていると思います。それだけ深刻な状況だったので、そうだというふうに思うんですが、ただ、水道局の有識者委員会でも、やっぱりもっと独立した第三者機関での調査が必要だというのは、私は課題としてあると思いますが、でも、一応、そういうのをやっているということです。
 それで、総務局としては、全庁的に今回総点検して新たな防止策をつくっていくという中で、第三者による検討というのは実施をされたのでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 先ほども申し上げたところではございますが、事故の事実認定につきましては、得られた証拠関係から認定ができるかどうかも含めまして、外部の弁護士の助言を得ながらやっているところでございます。
 その上で、汚職等防止策につきましては、庁内の汚職等防止部会が責任を持って策定したものでございます。

○原委員 コンプライアンス推進委員会の設置要綱の第七条の四、五というのがありますけれども、ここでは、部会長が必要と認める者を防止部会に加えることができる、あるいは、防止部会の構成員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができるという規定があります。
 これを使って外部の弁護士さんに入っていただいたという話なのかどうか、ちょっと教えてください。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 汚職等防止部会のメンバーとして、または参考人として入っていただいたものではなく、事務局として調査をして事実認定していくに当たりまして、外部の弁護士の助言をいただいたものでございます。

○原委員 わかりました。
 そうしますと、済みません、重ねて伺いますけれども、今回の最終報告をまとめていく上での防止部会の中では、この第七条四、五を活用はしていますでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 要綱で定められましたメンバーに加えまして、このたびは長谷川副知事と佐藤都技監をメンバーに入れて実施してございます。

○原委員 そうしますと、いわゆる外部の方というわけでは、もちろんないということですよね。
 私はやっぱり、これだけの大きな問題が起きている中で、どれだけ外部の目を入れていくか、客観的に意見をいっていただく方が入って評価をしていくということが、本当に重要なのではないかというふうに思っています。これは、意見として改めて述べておきたいというふうに思います。
 それで、さらに少し伺いたいんですけれども、今回、排水処理の業務委託は、指名競争入札でありながら、談合四社が長年指名されてきたという事実があります。
 指名業者選定委員会等も行われてきていますが、こうした構成や、あるいは、その選定委員会の議事録というものはとられているのかどうか、教えてください。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 十二月十二日の公営企業委員会で、水道局が、議事録は作成していない旨、答弁していると聞いてございます。
 東京都例規集に掲載されている東京都水道局指名業者選定委員会規程によりますと、指名業者選定委員会は、次長または技監のうちから水道局長が指名する委員長並びに総務部長、経理部長、サービス推進部長、浄水部長、給水部長、建設部長、設備担当部長、多摩水道改革推進本部技術調整担当部長及び多摩水道改革推進本部施設部長の九名の委員で構成されております。

○原委員 これは議事録はとられていないというものだということですけれども、今回、全庁的に総点検をするという位置づけになっているもとで、最終報告をまとめていく中で、水道局以外ですね、他局についてどういうふうになっているか調査をし、把握をされていますでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 財務局が所管いたします東京都指名業者選定委員会につきましては、委員構成が公表されておりますが、議事録につきましては、規則で作成することを規定されておりません。

○原委員 今お話にあったとおり、議事録については作成することを規定していないということですけれども、このことについて、例えば改善をしていこうというような話というのは、部会の中では議論になっていませんか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回の部会における議論の中では、出ておりませんでした。

○原委員 例えば、都内で、八王子市などは選定委員会の会議録をとって、それを公表しています。いろいろやり方はあると思います。
 私は、こうした改善を全庁的に検討していくということが必要ではないかというふうに思うんですけれども、今回、最終報告をまとめるに当たっては、特にそういう意見等は議論にはなっていないということですが、こういうことについても、さらに本当に局横断で議論をしていく。
 それぞれの局で違いもありますから、そういう中で、でも、選定委員会などをやっていく場合には、もっと公開していこうというようなことを検討していくことも必要ではないかというふうに思いますが、見解を伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 このたびの水道局の事故に関しましては、原因につきまして、先ほどからご答弁申し上げていますとおり、水道局におけます組織風土の問題、また、厳格管理情報の管理の問題などが大きな要因となっているものと考えておりまして、業者選定委員会の議事録については議論をしておりません。

○原委員 今はしていないということですけれども、私は、今後、本当にこういうことを二度と起こさないためには、いろんな角度からの改善が重要だと思っています。そういう点では、今の選定のあり方、また、公開をしていくということなどについても積極的に議論をして改善を図るということを、ここでは強く求めておきたいというふうに思います。全庁にかかわる問題ですので、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 それで、次に、もう一つ伺いたいのは、水ingに再就職している局のOBの方、二人が、公正取引委員会の調査に入った直後に退職をしているということが、これは公営企業委員会でもいろいろ議論になっています。
 公取が入った直後に退職をされているので、この退職をした事情については、聞き取りなどは行っていないのかということを伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 総務局としては把握してございません。

○原委員 公営企業委員会でも、水道局でも把握していない、都として把握をしていないというご答弁があったようなんですけれども、私はそのタイミングからして、なぜこのタイミングで退職をされたのか、その把握は、今回のさまざまな原因を解明していく上では非常に重要なポイントだったのではないかというふうに思うんですね。
 それで、今回の退職の理由というのもきちんと聞くべきだったということは指摘をしたいんですが、職員の方の退職時の再就職についても、本当に課題を感じています。
 これも一点伺いたいんですけれども、退職時の職務に利害関係のある企業への求職活動というのは二年間原則禁止ということでいわれていますけれども、やはりさらに厳しい対応が、このようなことが起きてきますと必要になってきているのではないかと考えますけれども、どのような対応があるのか、見解を伺います。

○山口人事部長 都の職員が民間企業に再就職することにより、公正な都政運営が損なわれるということはあってはならないものでございます。
 一方で、退職後の職員につきましては、まさに一私人でございまして、職業選択の自由が保障されることから、本来、その求職活動は過度に制限すべきものではないと考えております。
 都におきましては、職業選択の自由に配慮しつつ、公務の公正を確保するため、幹部職員につきましては、退職時の職務に利害関係のある企業への求職活動を退職後二年間原則禁止としており、外部有識者で構成される退職管理委員会におきまして、第三者の目を通してチェックを行っております。
 また、全ての退職した職員につきましては、退職後二年間、退職前五年間の職務について、現役職員に対し、職務上の行為をするよう、またはしないよう働きかける行為について規制がされておりまして、罰則も設けられております。
 さらに、都におきましては、幹部職員のほか、職場の中核を担う勤続二十年以上の一般職員につきましても、再就職情報の公表対象となっているなど、退職管理の透明化を進めてまいりました。
 今後とも、都民の信頼を損なうことがないよう、退職管理の厳格な運用を図り、再就職の公正性、透明性を確保してまいります。

○原委員 今、職業選択の自由との兼ね合いなどもご答弁の中にありましたけれども、一般論というわけではなくて、ここまで来ているわけですよね。不祥事が繰り返されていたり、そういう中で、この再就職の問題というのも、天下りの問題も、本当にいい機会ですので、きちんと解決をしていくということが私は必要なのではないかというふうに思います。
 東京都の発注企業への天下りは、やめる方向で見直しをするということも検討すべきだというふうに考えています。そうしたことについて、ご見解があれば伺います。

○山口人事部長 繰り返しになりますが、都の職員が民間企業に再就職することにより、公正な都政運営が損なわれるということはあってはならないものでございます。
 一方で、退職後の職員につきましては、まさに一私人でございまして、職業選択の自由が保障されることから、本来、その求職活動は過度に制限すべきものではないと考えております。
 今後とも、都民の信頼を損なうことがないよう、退職管理の厳格な運用を図り、再就職の公正性、透明性を確保してまいります。

○原委員 今回の最終報告でまとめられていますけれども、本当に大きな問題が起きて、これを都民の皆さんは、どうやって東京都は解決していくんだろうか、二度とこういう問題が起きないように、どういう手だてをとるのかということを、当然、注目されていると思います。
 ですので、私は、もうこの問題で、組織的にも非常に、組織風土という言葉も使いながら、やっぱり課題があるということも明らかになり、そして、それをみずから都も明らかにしつつ、そして、これは全庁の問題にしなければいけないというふうにおっしゃっているわけですよね。ですので、多角的に、本当に多面的に問題を解決していくということが求められているということを指摘したいと思います。
 特に、今回聞きましたけれども、第三者による、本当に独立した第三者機関などによるチェックというのは、今後を考えると欠かせないのではないかというふうに思います。
 その点について、ぜひ改善方、努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 外部の方の意見につきましては、今回は、先ほども申し上げましたとおり、事実認定の段階におきまして弁護士の助言をいただいているところでございます。
 また、こういった委員会の場で先生方の意見をいただくということも、私ども都職員に対する意見として厳しく受けとめていきたいと考えております。

○原委員 今、部長にそうおっしゃっていただけるのであれば、本当に局から、最終報告書についてはぜひ報告をしたいというお話があっていいのではないかと、私は改めて思います。
 やっぱりこれだけの重たい報告書を提出するということになったわけですから、十分に私たちも議論をしながら、都庁がより開かれて、本当に情報公開も進んで、都民の皆さんが、この都庁なら安心だなというような状況をつくっていかなければいけないと思いますので、私自身も努力をしますけれども、ぜひとも積極的な情報公開、そして、第三者機関については、今回わかったのは、汚職等防止部会では、必要と認める者を部会に加えたり、そこで意見を聞いたりということはやられていないということもわかりましたので、こういうところをぜひ積極的にやっていくということが必要なんだということを最後に指摘しまして、質問は終わりたいと思います。

○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
 急遽決まりました質疑でありますので、なかなか意見交換の場というのは少なかったのですけれども、この場で確認していければなと思います。
 ほかの委員の先生のお話を二時間半聞かせていただきまして、私も、鈴木理事と谷村委員がおっしゃった意識啓発、注意喚起ではだめなんじゃないか、また、清水理事がおっしゃっていた罰することの強化、やっぱり厳罰化をしなきゃいけないのではないか、また、原委員のおっしゃった全庁的な課題なんじゃないかといったところは大いに共感することでありまして、私としては、提案も交えて質疑させていただきたいと思います。
 水道局で十年で三回目の不祥事が発生してきたと。一回目、二回目の反省というものがどのように生かされていたのかというのは大変気になるところでありまして、質問も重複するので、先ほどの、総務局として再発防止のために、一回目、二回目は何をやってきたのか。谷村委員へのご答弁を聞いていて、電子入札ですとか、いろいろ、複数名での対応といった対応を総務局としてされてきたと。一回目、二回目ですね。
 そこで、私は、今回、一番の問題は水道局にもちろんあると思いますが、ここではっきりさせておきたいのは、皆さん総務局にも責任があると思いますが、見解を伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道事業において発生した重大事故に関しましては、実効性のある再発防止策を実行することも含め、公営企業である水道局が一義的な責任を負うものと認識いたしております。
 一方、水道局において、平成二十四年、平成二十六年に続き、今回の事故が発生したことは極めて深刻な事態と認識し、まことに遺憾でございます。
 なお、過去の再発防止策につきましては、総務局だけで実施しているものではございませんで、制度所管をしております局とともに、全庁を挙げて実施してまいったものでございます。

○宮瀬委員 ですので、責任はあるということなんでしょうか。要は、ここは大事なところでありまして、聞いていたときに、何か人ごとのような、多分、私の誤解ですけれども、結果が出ていない、皆さんもかかわってきたその中で、十一月二十七日に、汚職等防止策検討結果報告書(最終報告)について、総務局の名前で出ていると。
 また、過去に私も質疑しましたが、豊洲新市場に盛り土がなかった件でも、私、監査事務局に対しまして、監査をするという立場で、プレーヤーであったわけですから、見抜けなかったことは責任があるんじゃないのですかと確認をしましたら、そのとき、しっかりと答弁で、見抜けなかった責任があるといったご答弁をされていました。
 先ほども、やりとりを何度も聞いていました。他人事にはしてはいけない、全庁的な課題だと何度も皆さんの方でおっしゃっていて、今のご答弁ですと、本当に総務局にも--水道局は責任ありますよ。総務局にも責任があると明言していただけますか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 先ほども申し上げましたとおり、水道局におきましては、平成二十四年、平成二十六年に続き、しかも、その再発防止策を実施している最中にも事故が発生したものでございます。
 こういった重大事故につきましては、実効性のある再発防止策を実行することも含め、水道局は公営企業でもございますので、水道局が一義的な責任を負うものと認識してございます。

○宮瀬委員 これは、ずっとやりとりになっちゃうので、最後にもう一回、質疑のまとめで、時間があれば聞かせていただきたいと思います。一義的に水道局にあるのはわかっています、当事局でありますので。皆さんも、今まで一回目、二回目かかわってきて再発防止策を練られてきて、結果、三回目が起きているわけですから、総務局の取り組みが、やっぱりもう少し頑張った方がいいものがあったんじゃないのかなと私は思いますので、また、時間があれば最後に聞かせていただきます。
 その中で、私も、やっぱり現場を見ないとよくないなと思いまして、金町浄水場の現場に行って、いろいろヒアリングさせていただきました。その際に、そんなに大きい、大人数がいるところではなくて、よくいえばアットホーム、悪くいえば、そのチームの中で何かあったら、なれ合いになっちゃうところがあるのかなと。
 ただ、私は今回の質疑の結論をいってしまいますと、その中で業者がいなくなって、都の職員の若手が一生懸命頑張って、その業務を、都民のためにとめてはいけないといったことで頑張ってやっていましたよ。その専門性も、今度の台風、きっとこのたびの台風は大変だっただろうなと思う中で、どうだったのかなといった心配もしています。真面目にやっている職員がばかを見て、やっぱり不正を行う職員には、しっかりと信賞必罰が私は必要だと思っております。その観点から質疑させていただきたいと思っております。
 そこで、まず、今回、当事者五名という、いろいろ処分が下ったと思いますけれども、改めて、どのような処分となったのか、お伺いいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局によりますと、十一月二十七日付で、任命権者である水道局長が事故者五名に対して懲戒処分等を実施いたしました。
 懲戒処分等の内容ですが、二名について停職六月、一名について停職一月の懲戒処分を実施しております。
 退職者二名につきましては、地方公務員法上、懲戒処分を行うことができないことから、一名を停職六月相当、一名を停職十日相当であると公表いたしました。

○宮瀬委員 ご答弁ありがとうございます。
 停職等の処分が出たといったことでございますが、新聞記事を見ますと、今回の事件を受けて、その対象となる企業に対してお金を請求していると。その金額も億単位になっておりまして、水道局談合、四・七億円請求、都認定四社などに対しまして違約金と賠償金を払ってもらうようお願いをしていると。
 ここで注目していますのが、談合にかかわった当時の当局の担当者二人に対しても、一部の連帯責任があったとして支払いを求めると。私は、これはすごい大きなことだと思っておりまして、要は、問題を起こしたら、その分、金銭的なペナルティーも受けるといったことは、信賞必罰で大変大事なことだと思っておりますが、それは幾らなのか。その職員に対して、幾ら損害賠償請求するのか。また、この訴訟等はするのでしょうか、お伺いいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 職員に対しましては、談合を行いました事業者との共同不法行為ということで、連帯債務として、それぞれの職員がかかわった契約における損害を請求すると聞いております。
 なお、共同不法行為に基づく損害賠償請求につきましては、受託者である事業者が実質的に不当な利得を得ていたことから、損害額の全額について受託者が支払うよう求めているところであると水道局から聞いております。

○宮瀬委員 ここ、今、じゃ、幾らで請求したのかと。業者と合わせての金額は今おっしゃったんですけれども、職員単体ではないと。つまり、こういう事案を起こすと、これだけの損害の請求を受けるんだと金額ベースでわかると、私は最大の抑止になるのではないかなと思っています。
 これはどこまでいえるのか、局が違いますので、皆さんの立場だと、いろいろ差しさわりもあると思いますけれども、今後の戒めとして、実際にどれほど元職員に対して請求を行うのか、つまびらかに今後はしていただきたいと思っております。
 その中で、私は少し違和感がありますのは、前回、二回の不祥事の際も、実際に職場にちゃんと戻って、その間、判定が下るまで、長期にわたって給料も支払われていたといったことを聞いております。
 要は、お金をちゃんと戻しなさいといっても、その間ずっと働いてボーナスも受けていて、その中からお金を出せばいい。また、氏名も、今回もそうですが、公表されていないといったことが大きな課題だと思っています。
 そういった中で、次善の策として、先日質疑しましたが、公益通報制度というものがあると聞いております。
 実際に、今回の情報漏えいに関しまして、公益通報制度は機能したのか、活用されたのか、お伺いいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回の事故では、元職員Dが職員Aの情報漏えい行為の現場に同席していたにもかかわらず、そのことを上司に報告しておらず、公益通報も行っておりませんでした。

○宮瀬委員 今後の改善策の中に公益通報制度というものが入っているんですけども、やっぱりここの制度に問題があるのではないのかなと思っています。
 公益通報制度の課題はどこにあるのか、見解をお伺いいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 元職員Dは、ここで自分が話してしまうと影響が大きくなるので、情報漏えい行為を上司等に報告しなかったという趣旨の供述を行っており、そもそも公益通報を行う必要があるとの認識を持っていなかったことも判明しております。
 このようなことから、職員が公益通報制度を活用しなかった主な要因として、当該職員が制度の意義や内容について十分に理解していなかったことが考えられております。

○宮瀬委員 私は、これは制度の意義がわかっていない、認知が足りなかった、周知が足りなかったということではなくて、やっぱりこう、先日質疑いたしましたが、通報すると、弁護士さんのところから、同じ局のところでまた調査になってしまって、結局、同じ局の人たちが、同じ局内の不正より、指摘事項を主体となって調査するといったことが課題だと思っております。
 やはり本来の意味の通報制度がちゃんと機能するように、外部の窓口が主体となって、弁護士さんとかいろいろおりますが、対応すべきではないかと考えますけれども、見解を伺います。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 公益通報制度は、都庁内部の問題を早期に発見し、問題が大きくなる前にみずから解決するという自浄作用を果たすことを目的として設けられていることに加えまして、通報された事案の事実解明及び円滑な是正のためには、当該事案に精通した当該局の服務担当等が調査を実施することが有効であると考えられますことから、弁護士等ではなく、当該服務担当が調査を行うこととしてございます。
 事案の処理に当たりましては、調査の適正を図るため、担当弁護士に相談をしながら進めております。
 今回の案件でいえば、まずは違法行為を認識した職員が適切に行動することが大切でございます。そのため、ホームページや業務ポータルサイトにおいて制度案内を掲載するなど、さまざまな機会を活用して、制度の内容や趣旨、窓口について、一層の周知を図ってまいります。

○宮瀬委員 制度の一層の周知と、全然かみ合わないんですが、やっぱり制度そのものを見直していくこと、制度を知っていただくことは、私はセットだと思っております。ここは、再度、別の機会を捉えて指摘させていただきますが、ご答弁にありました一層の周知という表現が、きょうの委員会質疑で相当出ていまして、注意喚起、意識改革等が出てくるわけであります。
 そうなりますと、今までもそのことを皆さんはいっていて、大事さを共有する、周知、注意喚起を図っていく、重大さを認識してもらうと、よくご答弁があるんですけれども、それ、一回目も二回目もいっていたじゃないですかと。じゃ、どこまで周知をして、どこまで注意喚起をすれば、こういった事案はなくなるのでしょうか。
 つまり、毎回そういった問題が起きると、定性的な、注意していきます、喚起していきます、一層図っていきますということでは、私はそれは根本的な改善にならないと思っております。
 ちょっと意地悪な質問かもしれませんけれども、ポスターの掲示、雰囲気づくり、そういった効果というのはどれほどあったのでしょうか。指標や数値、過去やってきたものがどうだったのか。現在の周知徹底というもの、注意喚起、受けていますよ。それを数値化するとどうなんでしょうか。その数字がどれぐらいいけば、こういった問題がとまるのでしょうか、確認をさせてください。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 服務事故の予防、コンプライアンスの推進におきまして、周知徹底や意識啓発といった取り組みは不可欠なものでございまして、例えば悉皆研修や全職員対象のeラーニング研修について、改めて一〇〇%の受講を徹底してまいります。このような取り組みを繰り返し継続して行うことで、着実に効果が得られるものと認識しております。
 そのため、今後も継続して取り組みを実施してまいります。

○宮瀬委員 なので、その結果が出ていないですよ、だから、三回目の不祥事も起きているんじゃないですかということを何度も指摘させていただいております。
 これはやっぱり、周知徹底を図っていきます、注意喚起を図っていますだけじゃなくて、もっと構造的に、根本的に仕組みを変えていかなければいけないんじゃないでしょうか。
 そこで、幾つか提案をさせていただきたいと思っております。
 やっぱり、冒頭申し上げましたとおり、信賞必罰というのが大事で、今まさに水道局の現場で頑張っている若手のフォローしてくれているような職員は、もちろん待遇を上げてほしいと思いますし、逆に、問題を起こした職員は、しっかりとペナルティーを受けるべきだと思っております。
 私は民間企業にいて、大変違和感を感じるのが、もし民間企業で、例えば暴行事件、暴力事件等を起こしたら、すぐ名前が世に出て、その時点でもう自宅謹慎になって、当然、その間、給料は支払われず、社会的な制裁も受けるでしょう。こういうことをやった会社のダメージも負うでしょう。
 しかし、今回の件でありますが、実際は名前も出ず、仕事も、みずからこれをやりましたと告白し、公取がその罪を認めた後も、実に四カ月間、五カ月間にわたり通常の勤務を行って、給与もボーナスも受けている。実際にお金を払ってくださいといわれても、その働いていた間のボーナスや月給で払えちゃうじゃないですか。そうなりますと、名前も公開されない、少し休んで職場復帰。今までの過去の一回目、二回目の職員も水道局で働いていると聞いております。
 そういった姿を見れば、ほかの職員は、ああ、こういう問題を起こしても、名前も出ないし、普通にこのまま働けるんだと思ってしまうことが、再発を繰り返す最大の原因だと思っています。
 そこで、この公務員の、問題を起こした都庁職員の名前が出てこないといったことがありますが、その根拠となる基準や条例というのはあるのでしょうか。

○山口人事部長 都では、懲戒処分の指針において、職員の懲戒処分の公表基準や公表する内容等を定めておりまして、免職または社会に及ぼす影響が大きい事案につきましては、所属、職名及び氏名を公表する場合があると規定をしております。
 社会に及ぼす影響が大きい事案とは、大多数の都民の社会経済活動に重大な影響を及ぼす行為でございまして、争議行為等が該当するものと認識をしております。

○宮瀬委員 名前を出す場合があるという条件は、懲戒免職もしくは社会に及ぼす影響が大きい事案ということで、この規定を拝見させていただきましたが、今回、水道事業で多くの都民がかかわって、億単位のお金が動いている、訴訟ですね。報道も大きく出ている中で、今回の件というのは、ご指摘がありました社会に及ぼす影響というのは小さいということでしょうか。
 社会に及ぼす影響が大きいときは名前を公表することが可能であるとなっておりますが、今回、社会に及ぼす影響というのは、規模、金額、報道ベースを見ても、私は大きいと思っているんですけれども、今回、社会に及ぼす影響というのは小さいということなのでしょうか、お伺いいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 今回の件につきましては、もろもろの事情や過去事例を総合的に勘案し、氏名等を公表する事案には当たらないと判断したと水道局から聞いております。

○宮瀬委員 ここは水道局のところだと思うので、そういう答弁になると思いますけれども、やっぱりこう、客観的な基準がわからないわけであります。大多数の都民の社会経済活動に重大な影響を及ぼす行為というのは何ですかと。これはやっぱり、ちゃんと明確化を総務の方で私はされるべきだと思いますよ。これだけ連日報道に出て、三回目だ、議会でも報告事項で上がってくるほどの影響がまさにあるわけでありますから、ここは指摘をさせていただきます。
 その中でもう一つ、名前の公表に加えまして、やっぱり給料を私はとめるべきだと思います。
 今回、問題が起きたことから一年ほど既にたっておりまして、結局、本人が不正行為を認めた後、もしくは公取による不正の判定が出た後も勤務を続けられ、給料や賞与が払われております。私はおかしいと思いますけれども、見解を伺います。

○山口人事部長 職員による非違行為が発覚した場合、事実関係を速やかに調査し、正確な事実を認定した上で懲戒処分を行います。
 また、非違行為について処分を適切に行うためには、関係者から十分な事情聴取を行うなど、事実関係を正確に把握する必要がございます。
 処分までの間は、都職員である以上、職務に専念する義務が課せられておりますことから、職務に邁進する必要がございまして、その間の労働の対価として、給与は支払われることになります。

○宮瀬委員 もちろん、事実確認はとても大事だと思います。やっていないのに、いきなり都庁に来るな、給料もとめるというのは、それはもうひどい話だと思いますけれども、ご本人が認めていて、かつ公取も、公の機関が認定をしていて、そこから五カ月、給料が払われているといったものは、私はやはり、民間企業出身としては違和感を感じるわけでございます。
 例えば、過日の神戸市立東須磨小学校で教員間の暴行、暴言、問題行動等が報道されたと思います。例えば、教職員間でいじめがあって、無理やりカレーを食べさせるとか、そういった泣き叫ぶような動画が出て、大変ショックを私も受けました。
 その中で神戸市の方では、分限休職処分といった形で給与を差しとめることを可能にする条例改正案というものが提出され、可決したと報道が出ております。
 これはどういうものかといいますと、ちょっと調べましたら、重大な非違行為があり、起訴されるおそれがあると認められる職員であって、当該職員が引き続き職務に従事することにより重大な支障がある場合に、給料を支給しないことができるという規定に改正されております。私は、この考え方というものは、一つ参考になると思っております。
 いろんな考え方があると思いますが、今回、実際に訴訟、起訴も行われて、賠償金のお願いも東京都の方からしているわけでありますから、さすがに私も、過去のことに遡及して、この件に当てはめろとはいいませんが、今後は、東京都も神戸市と同様の条例改正を行うべきと考えますけれども、見解を伺います。

○山口人事部長 地方公務員法におきましては、法律または条例で定める事由による場合でなければ、本人の意に反して分限休職を行うことはできないとされております。
 また、条例で分限休職の事由を定める場合でありましても、国や他の地方公共団体との均衡、職務専念義務の免除等の関係を踏まえ、慎重に判断すべきものとされておりまして、都としては、神戸市を初め、他の地方公共団体の動向について注視をしてまいります。

○宮瀬委員 これは、明確に否定されずに、注視していくというご答弁でございまして、前段の件、神戸市で実際に条例が出て改正されていると。東京都はどうですかといったことで、実績があった上でやっている、その上で、皆さんにも改正を呼びかけたところ、注視していくといったことは、様子を見るといった、どうなるか様子を見ていくといったご答弁になりますので、ここは神戸市の動向、ほかの自治体の動向をぜひ注視していただき、私はこのような条例に改正すべきだといったことを強く申し上げておきます。
 いろいろ申し上げましたが、やはり意識啓発や注意喚起等では、私は今回の再発を防止するには至らないと考えております。平成二十六年の情報漏えい事件では、停職、罰金刑五十万円、そして三万円、名前も非公表でございます。仕事も継続され、その間、給料が支払われるようなことでは、再発は防げないと思っております。
 過去の不祥事から教訓とした複数名対応ですとか相互チェックといったことも、今回の不祥事において、全く機能しなかったと水道局からは聞いております。不正を行った公務員が、私は、守られ過ぎで再発防止につながらない、民間では考えられないことだと申し上げておきます。
 改めて、氏名の公開や迅速な給与の支払いの停止などが最大の抑止効果になると考えますが、見解を伺います。

○山口人事部長 不祥事を起こした都職員であっても、処分を受けた後には全力で職務を遂行していかなければなりません。氏名の公表につきましては、将来にわたって、職場においても円滑な公務運営の妨げとなるおそれがありますことから、慎重に行わなければならないと認識をしております。
 また、非違行為につきまして処分を適切に行うためには、関係者から十分な事情聴取を行うなど、事実関係を正確に把握する必要がございます。
 処分までの間は都職員である以上、職務に専念する義務が課せられておりますことから、職務に邁進する必要がございまして、その間の労働の対価として、給与は支払われることになります。

○宮瀬委員 ご答弁にありましたとおり、職場において円滑な公務運営の妨げになると。こういう問題を起こしたら、本当に大変なことになっちゃうんだと、後ろ指を指されるでしょう。でも、そういった光景をほかの職員が見ることが最大の抑止効果に私はなると思いますよ。それも、しっかりと今回のように調査をして、十分、関係各所にヒアリングも行い、事実関係を正確に把握されていたじゃないですか。
 であればこそ、結果が出ていないわけでありますから、慎重かつ丁寧にやっていただきながらも、名前は私は公表すべきだと思っております。
 いずれにせよ、皆さんがおっしゃっている改善策では、もう三回もあって、不祥事がとまっていないわけであります。
 端的で、少し簡単な質問で恐縮ですけれども、もう今後、四回目以降は起こらないと思っていいのでしょうか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局におきましては、重大事故を発生させることがないよう、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会での意見を踏まえ、再発防止策を策定したものと認識しております。
 また、今後も有識者委員会の知見を活用し、再発防止策の有効性について検証を行いながら、実効的な改善を実施すると聞いております。
 水道局は、過去の再発防止策を徹底できなかったことを重く受けとめておりまして、二度と重大な事故を発生させることがないよう、現場の視点に立った再発防止策を策定し、再発防止策の実施徹底を図っているものと認識しております。

○宮瀬委員 明言は当然されないんですけども、私はやっぱり、どうしても気になってしまうのは、と聞いております、水道局は頑張りますと。どうしてそんなに総務局の方は、人ごとみたいな話になってしまうのかなと。
 冒頭に聞いた質問を、ここで最後にもう一回聞きますけれども、水道局はもちろん責任があります。それはもう本当に、一番責任があるのは、やった職員ですよ。
 総務局は、今までこう、ずっと質疑してきまして、いろんな取り組みをされているじゃないですか。人事の方でもかかわることもあれば、公益通報制度もありますし、処罰の名前の公表、いろいろ総務にかかわることを私は議論させていただいたと思いますけれども、それでも総務局にも責任はないとおっしゃいますか。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、水道事業において発生した重大事故に関しましては、実効性のある再発防止策を実行することも含め、公営企業である水道局が一義的な責任を負うものと認識しております。
 一方、水道局において、平成二十四年、平成二十六年に続き、今回の事故が発生したことは極めて深刻な事態と認識しておりまして、まことに遺憾でございます。
 コンプライアンス推進部といたしましては、各局等との密接な連携のもと、引き続き、全庁一丸となったコンプライアンス推進の取り組みを徹底してまいります。

○宮瀬委員 三回、同じ答弁ですが、私はおかしいと思いますよ。
 局長も同じ意見ですか。

○遠藤総務局長 多分、責任という言葉についての若干のそごもあるのかなというふうに思いますけれども、今回の案件に関して法的な責任をとるべきなのは、任命権者としての水道局であるというふうに考えています。
 そのほかに全庁的な改善事項が機能しなかった部分があるのかないのか、これまでどういうような対策を講じていって実効性があったのかどうか、それについては、全庁を俯瞰する総務局として考えていかなければならない事項だというふうに考えております。

○宮瀬委員 考えていかなければならないといったご答弁でございます。もうこれ以上はやめますが、私は、生意気なこともいいましたけれども、今まで民間企業で働いていて、その視点や、今まで、過去、さまざま提言をさせていただいて、そのことを踏まえて提言をさせていただいたつもりでございます。
 皆さん、ぜひ責任感を持ってやっていただき、もういった質疑は私はやりたくありませんので、ぜひ責任を感じて取り組んでいただくことを要望しまして、質問を終わります。

○山内委員 この報告書で重要な問題は、複数の職員が情報漏えいしていたにもかかわらず、事故者の上司は誰ひとりとしてその実態を把握していなかったと記載されているところです。
 今回の情報漏えい問題については、特に技術分野における技術の継承がきちんとなされないことが原因の一つと、これまで生活者ネットワークは指摘してまいりました。職場でのコミュニケーションが不足し、上司が部下に仕事を任せっ放しにしていたのではないかと考えます。
 そこで、水道局におけるこのような職場の状況は、水道局特有の問題なのか、各局にわたる問題と考えているのか、お伺いいたします。

○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 水道局における今回の事故は、複数の職員が複数の浄水場で複数年にわたって情報漏えいしていた重大な事故でございます。加えて、平成二十四年、平成二十六年に立て続けに水道局で発生した重大事故の再発防止策に取り組んでいる最中にも行われており、極めて深刻な事案であると認識しております。
 本事案の発覚後に全庁点検を実施した結果、水道局以外の組織においても、定期的なミーティングの実施や日常的な声かけなど、職員間のコミュニケーションを図っておりますが、繁忙期には、職員の状況把握や情報共有が困難となる場合もあり得ることを踏まえまして、全庁的に管理監督者が率先してコミュニケーションを図るなど、相談しやすい職場環境の醸成に努めてまいります。

○山内委員 豊洲市場の謎の地下空間については、なぜこの空間ができたのか、設計変更が誰の責任で行われたのか、特別委員会などの議論を幾ら重ねても、結局、わからないままでした。今回も同様で、他人事であったり、引き継ぎがなかったり、組織内コミュニケーションがとれていませんでした。この体質は都庁全体のものであるということです。業務にかかわることを率直に聞くことができない、相談できない職場環境では、いい仕事ができるわけはありません。
 不祥事が起こったときに責任の所在をはっきりさせ、その原因を究明するのは再発防止のためです。職場環境はどうなのか、孤立させていないか、現場でのコミュニケーションが風通しよく行われ、職員が意欲的に仕事に取り組むモチベーションが維持されるようになっているのかについて、検証は必要です。
 再発防止のため、都庁全体で体質改善を進めていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。

○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○早坂委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、総務委員会所管分及び第百八十六号議案から第百九十二号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対して発言の申し出がありますので、これを許します。

○米倉委員 まず初めに、第百九十二号議案、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 この条例改正は、ことしの第一回定例会で成立したマンション管理条例にかかわる事務を各市町村に移譲するというものです。
 マンション管理条例は、昭和五十八年十二月三十一日以前に新築された六戸以上のマンションの状況調査を行うことになっていますが、条例改正により、管理状況の届け出に関する受理については、全て市町村に移譲すること、そして、マンションの管理に関する調査とマンションの管理に関する助言、指導は、準備ができた市町村から移譲するとして、今回、十三市を対象としています。
 都は、事務の移譲に伴って、これまでのマンション啓発隊の訪問記録など、必要な情報やデータは共有し、事務の移譲後も市への支援は行うとのことですが、あわせて、都として職員を派遣することも含めて、移譲を受けた市へのきめ細かい援助が必要です。このことを求めて賛成いたします。
 次に、第百八十四号議案、一般会計補正予算のうちの総務局所管分についてです。
 今補正予算で、台風被害にかかわり、総務局に市町村災害復旧・復興特別交付金として二十五億円計上されたことは重要です。質疑でも取り上げましたように、市町村によってさまざまな被害状況がありますので、市町村の要望に寄り添った対応を求めます。
 都としての防災対策の補正予算の規模は百三十四億円でしたが、昨年度の決算剰余金だけでも、約七百億円をさらに補正予算に充てることができたはずでした。今もなお、被害に苦しまれている多くの方々への支援を初め、災害対策のさらなる拡充が必要です。
 全国の多くの道府県が、住宅再建など、被災者生活支援の恒久的な独自制度を持っていますが、東京都にはありません。今後、災害発生直後から支援できるよう、都として恒久的な都独自制度を検討することを求めます。
 次に、一般会計補正予算の都民安全推進本部所管分についてです。
 防犯カメラ設置への支援が盛り込まれています。現在、防犯カメラは多くの場所に設置されております。本来は、カメラの必要のない、安全・安心のまちづくりが理想ですが、多くの事件や事故がある中で、やむを得ない面があると思います。
 同時に、日本共産党都議団は、防犯カメラの設置は、人権やプライバシーへの配慮のために、厳格な運用を行うよう厳しく求めてまいりました。また、安全・安心のまちづくりのためには、防犯カメラ設置だけではなく、地域の人材育成、見守り、街路灯などの設置など総合的な対応を進めるために、都の支援を強化することを求めてきました。
 以上が私たちの基本的な立場ですから、今回の補正予算も反対するものではありません。
 以上です。

○早坂委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、総務委員会所管分及び第百八十六号議案から第百九十二号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認めます。
 よって、第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、総務委員会所管分及び第百八十六号議案から第百九十二号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○早坂委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○早坂委員長 この際、所管七局を代表いたしまして、遠藤総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○遠藤総務局長 ただいま、本定例会にご提案申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 この間に頂戴いたしました貴重なご意見、ご提言等につきましては十分に尊重させていただき、今後の都政運営に生かしてまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、所管の七局を代表してのお礼の言葉とさせていただきます。
 まことにありがとうございました。

○早坂委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十三分散会

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