総務委員会速記録第十九号

令和元年十二月四日(水曜日)
第一委員会室
午後二時十五分開議
出席委員 十五名
委員長早坂 義弘君
副委員長加藤 雅之君
副委員長本橋ひろたか君
理事藤井あきら君
理事鈴木 邦和君
理事清水 孝治君
山内れい子君
宮瀬 英治君
原 のり子君
つじの栄作君
中屋 文孝君
米倉 春奈君
谷村 孝彦君
入江のぶこ君
木村 基成君

欠席委員 なし

出席説明員
都民安全推進本部本部長國枝 治男君
総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
治安対策担当部長高野  豪君
若年支援担当部長小菅 秀記君

本日の会議に付した事件
都民安全推進本部関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出案件について(説明)
・令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 都民安全推進本部所管分

○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都民安全推進本部関係の事務事業に対する質疑及び第四回定例会に提出されております案件の説明聴取を行います。
 なお、提出案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより都民安全推進本部関係に入ります。
 初めに、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 十月三十一日の委員会において要求がございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料第1号、総務委員会要求資料の表紙をおめくりいただきたいと思います。
 要求がございました資料は、区市町村道における自転車走行空間の整備状況の五年間の推移の一件でございます。
 平成二十六年度から平成三十年度までの、区道と市町村道における自転車走行空間の整備状況を掲載してございます。
 以上、ご要求いただきました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○入江委員 お願いいたします。
 先日発表されました都民生活に関する世論調査、生活文化局まとめですが、東京都が実施しているさまざまな施策を挙げ、特に力を入れてほしい施策を都民の皆さんに五つまで選んでいただきました。
 要望の上位五位は、第一位高齢者対策が四九%、第二位治安対策四三%、第三位防災対策三九%、第四位医療、衛生対策三八%、第五位交通安全対策二六%の順となりました。
 この中には、都民安全推進本部が行う施策が多いことがわかります。都民の生活を向上し、安全・安心で暮らしていただくために、重要な役割を担っていると考えます。
 まず、都内在住の七十歳以上の高齢ドライバー対策について伺います。
 先日の各会計決算特別委員会第一分科会で、高齢ドライバー対策に対し都の昨年度の取り組みについて質問いたしました。
 都からは、民間企業や自治体などとも連携し、高齢ドライバー向けの交通安全セミナーや、免許を返納した方などに対する自転車安全利用講習会についての答弁がございました。
 一方、ことし四月の豊島区での親子が亡くなるという交通事故を初め、高齢者が運転する自動車事故は各地で発生しております。こうした悲惨な事故を防ぐには、個人に対する普及啓発に加え、実効性のある具体的な施策が必要です。
 小池都知事は、ことし六月、ペダルの踏み間違いによる車の急加速を防ぐ装置の取りつけを補助する方針を表明し、翌月には民間事業者と連携し、制度を発足させました。
 これまで、免許の返納にかかわる施策と、運転を継続する方への安全対策の両面に取り組んできていたという実績や、さまざまな主体との連携の蓄積があったからこそ、スピーディーな制度の立ち上げにつながったと考えます。都民の不安を払拭するために、いち早く必要な手だてをとったことを高く評価いたします。
 そこで、この制度の内容や、現在、都民からの反応について伺います。

○高野治安対策担当部長 都は、高齢運転者による交通事故を一件でも減らすため、緊急対策として、後づけの安全運転支援装置の購入、設置に対する補助制度を七月に開始いたしました。
 この制度は、都内在住の七十歳以上の高齢運転者が装置を設置した場合、補助の受け付け開始後約一年間は、購入、設置に要する経費の九割、一台当たり十万円までを東京都が事業者に直接補助することとしており、高齢者本人は設置時に負担額として四千円から一万円程度を店舗で支払う形でございます。
 事業規模といたしましては、予算額八・五億円を計上しており、制度を開始した七月末からの二カ月間で、設置実績は累計約三千台に及んでおります。
 都民から連日お問い合わせをいただいているほか、民間企業が発行するフリーペーパーにおきまして、制度が読者投票等による賞を受賞するなど、幅広い反響を呼んでおります。
 安心して自動車運転を続けたい高齢運転者にこの制度をご利用いただけるよう、広報も引き続き実施をし、都民の安全・安心を確保してまいります。

○入江委員 広くこの制度に注目が寄せられ、活用されていることが今のご答弁でわかりました。
 都民の方からは、都に電話で問い合わせたところ、要件などを丁寧に案内してもらえた、そしてまた、訪れた店舗でも余り待たずに装置を取りつけることができたとのお声をいただいております。
 一方で、この制度が大変好評で、多くの方に利用されている状況では、年度末を待たずに予算上限に達する可能性も想定されます。上限に達し次第終了とはならないように、都民の需要にしっかりと応えていただきたいと要望いたします。
 続いて、ハイパースムーズ東京についてですが、東京都の渋滞対策事業については、東京の道路は、都民や国内外から訪れる多くの人々、物の移動、そして首都としての経済活動を支える大動脈です。
 都市の活力維持は日本の活力維持につながるといっても過言ではなく、ここ東京において、交通渋滞の解消は依然として重要な課題です。渋滞の解消には、新たな道路整備など大規模なハード対策が欠かせませんが、しかし、整備に要する時間と費用を考えますと、対策の効果が見られるまでに一定期間が必要となります。今ある渋滞を少しでも解消するために、都として、知恵を絞りながら、工夫した取り組みを展開していくことが重要です。
 このため、都は近年、ハイパースムーズ作戦、ハイパースムーズ東京と、継続的に渋滞対策を展開してまいりました。特に、ITSと呼ばれる高度道路交通システムを導入し、交通量に応じて信号を抑制して渋滞解消を目指す取り組みは注目に値いたします。
 そこで、これまでの渋滞対策としてどのような効果があらわれているのか伺います。

○高野治安対策担当部長 ご指摘のとおり、都は、既存の道路空間を活用した即効性のある渋滞対策事業として、ITSを活用した取り組みを警視庁や関係各局等と連携し、進めているところでございます。
 平成二十年度から二十七年度まで実施をいたしましたハイパースムーズ作戦では、渋滞の著しい区部三十路線区間を対象として、信号制御の高度化など、集中的に対策を実施いたしました。
 事業終了後の平成二十八年度に、開始前の平成十九年度と比較した効果検証を行いましたところ、ピーク時旅行時間について、早稲田通り上りで五七・四%の削減、靖国通り、京葉道路上りで四一・〇%削減などの効果が見られております。対象区間全体のピーク時旅行時間は三・八%減少し、日中の平均旅行速度は二三・六%上昇をしております。
 この結果も踏まえながら、現在は、平成二十八年度からの五カ年にわたりハイパースムーズ東京を進めているところでございます。

○入江委員 道路整備を伴わずにこれだけの成果が出ているということはすばらしい取り組みだと考えます。特に、今ご答弁にありました、道路によっては五〇%以上の削減効果も認められるということですので、事業の意義は大きいと思います。
 さて、来年は東京二〇二〇大会の開催も控える中、継続的に対策を実施し、都民や東京を訪れる方に快適な道路環境を提供することが必要です。
 そこで、このハイパースムーズ東京は、平成二十八年度に開始し、現在四年目となりますが、今年度の取り組みについて伺います。

○高野治安対策担当部長 ハイパースムーズ東京は、多摩地域を含む都内全域の主要渋滞箇所から、五カ年で百カ所程度に対策を実施することとしており、今年度は三十カ所を対象に事業を進めております。
 例えば今年度は、交通量を予測し、最適な信号制御を行う需要予測信号制御を多摩市内の乞田新大橋交差点に導入するなど、信号制御の高度化を六交差点で実施することとしております。
 また、目的地までのルート別混雑状況や所要時間等を表示する交通情報板を、大田区の京浜島南を初め四地点で整備する計画でございます。

○入江委員 これまでの取り組みの効果検証を見ますと、交差する道路の交通量に差がある交差点では、信号制御による渋滞解消効果が大きい傾向にあります。
 一方で、交差する道路の両方が渋滞している交差点では、信号を制御しても渋滞解消は難しいようです。今後、特に交差する道路の両方が渋滞している交差点では、信号制御のみならず面的なソフト対策を考えていくことが必要だと考えます。
 世界でも、交通渋滞のソフト対策が高く評価されているシンガポールの事例なども研究していただいた上で、都内の交通渋滞の解消に向けて、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 さて、来年の東京二〇二〇大会は、世界各国から多くの選手や競技関係者、観客、報道関係者が訪れ、都内でこれまでにはない交通量の増加が見込まれます。大会期間中は、こうした方々や都民が円滑で快適に都内を移動できるよう、都を初めとする関係者が一体となって、交通マネジメントに取り組むことが必要です。ことしの夏には、東京二〇二〇大会期間中の交通混雑緩和に向けた取り組みであるTDMやTSMのテストなどが実施されました。
 これまで何年にもわたり渋滞対策に取り組んできた都民安全推進本部としても、大会期間中の混雑緩和に向けて、関係部局と連携していくことが大変重要だと考えます。
 ハイパースムーズ東京の一環として、東京二〇二〇大会に向け、どのような取り組みを行っているのか伺います。

○高野治安対策担当部長 渋滞緩和の推進に当たっては、信号制御の高度化等の取り組みとあわせ、業務利用ドライバー及び一般ドライバーの意識啓発を図ることが重要でございます。
 これまで都は、交通量が増加する十二月と三月に、大型街頭ビジョンでの動画放映や交通関連イベントへの参加等を通じ、ドライバー向け普及啓発を集中的に実施してまいりました。
 さらに、今年度は、東京二〇二〇大会を見据え、大会一年前となる夏季においても、ラジオCMやラッピングバス等を活用し、交通情報の確認や公共交通機関の利用をドライバーに呼びかける広報活動を強化いたしました。
 また、先ほどご答弁申し上げました大田区京浜島南の交通情報板につきましては、周辺の臨海部が大会期間中に混雑の予想されるエリアであることから、情報板の設置により、期間中の都心部への交通流の分散にも資することを期待しているところでございます。
 来年度の大会本番に当たっては、関係各局とも連携をしながら、都内の交通渋滞の緩和に向け、普及啓発等を通じ取り組みを進めるとともに、今後とも、安全で円滑な交通社会の実現のため、都内全域で着実に事業を展開してまいります。

○入江委員 今回の経験も生かしながら、来年の二〇二〇大会本番時は、円滑な大会輸送の実現と経済活動や都民生活の両立に向け、関係局、機関などと十分に協力して進めていただきたいと要望いたします。
 続いて、防犯カメラの整備などについて伺います。
 本年七月の長期戦略の都政モニターアンケートでは、次世代に残したい東京のよさ、魅力として、治安がよく、安全・安心が確保されていることが最も高い結果となったと聞いています。
 さきの決算特別委員会においても、我が会派の森村議員からお話がありましたが、都民が最も重視する東京の安全・安心、その重要インフラとなっている防犯カメラの整備については、これを強力に推進するよう我が会派は要望してきたところでありまして、それを受けまして、都の施策が都民のご理解を得られているということが、きちんと数字として出てきたものと受けとめております。
 町会、自治会を初めとする地域の方々のご尽力が東京の安全・安心を維持しており、これらの方々の設置した防犯カメラは、極めて重要な役割を果たしています。
 そこで、地域の方の見守り活動を支援するための防犯カメラの整備に向けた取り組みについて改めて伺います。

○高野治安対策担当部長 防犯カメラは、子供の安全・安心の確保や犯罪の未然防止のために必要不可欠な公的インフラであると認識をしておりまして、町会、自治会等の皆様のご尽力で、地域の見守り活動の実施とあわせ、着実に整備が進んでいるものと承知をしております。
 平成二十二年度以降、町会、自治会等を補助対象とする、地域における見守り活動支援事業を進めまして、その補助実績は、平成三十年度までの累計で一万百三十三台となっており、本年度も多くの設置要望を受けているところでございます。
 さらに、本年度からは新たに、防犯カメラの継続使用に資する保守点検費や修繕費への補助を開始いたしました。
 今後も、町会、自治会等の地域団体の防犯活動の活性につながるよう、設置及び維持管理の促進に取り組んでまいります。

○入江委員 都民がより安全・安心を実感するには、防犯カメラの整備は必要不可欠と考えます。引き続き、その設置促進に取り組んでいただきたいと思います。
 また、設置した防犯カメラがきちんと機能しなければ、安全・安心は確保できません。私どもも要望いたしましたが、整備された保守点検費や修繕費の補助についても、きめ細やかに地域の方々の声を聞きながら進めていただくことを要望いたします。
 引き続き、地域を見守るという観点で、近年は、子供を初めとする全く大変多くの方が犠牲となる痛ましい事件が後を絶たず発生しております。誰もが安心して安全に生活できるよう、地域の安全・安心を確実なものにしていくためには、こうした防犯カメラのみならず、都や区市町村、自治会、民間団体などがより一層連携を密にして、地域における取り組みを進めていかなければなりません。
 都は、地域の防犯力向上のために、地域を見守る人材の裾野を広げることを目的に、平成三十年度、市民ランナーを対象とした防犯人材ソフトパワー発掘事業を開始したのに続きまして、今年度からは、犬の飼い主を対象に同様の事業を開始したと聞いております。
 この事業の内容と今後の展開について伺います。

○高野治安対策担当部長 犬の飼い主を対象といたしました防犯人材ソフトパワー発掘事業につきましては、ほぼ毎日、居住地域を愛犬とともに散歩をしている犬の飼い主に焦点を当てまして、犬の散歩をしながら地域を見守っていただく、いわゆるわんわんパトロールへの協力を呼びかけ、地域の見守りの目をふやしていく取り組みでございます。見守り活動の要領や注意点などをまとめましたリーフレットを作成し、動物病院や町会、自治会などに配布をしております。
 今後、アンケートに協力をしていただけるモニターを募集し、モニターの方には散歩の際に使用していただく手提げバッグを提供し、一定期間パトロールを実施していただいた後、気づいた点や感想などのアンケートの実施を予定しております。
 アンケートの結果につきましては、区市町村にも提供し、各自治体でわんわんパトロールの普及を図る取り組みが行われるよう働きかけを行ってまいります。

○入江委員 この地域の見守りについて、三十年度開始のこの市民ランナー編に加え、犬のお散歩中に地域の見守りをしていただくという観点は、都民が気軽に地域の見守りに参加できるのではないかと思いますので、今後の参加者の増加を期待したいところでございます。
 一方で、都内の在住外国人も年々増加しております。ことし八月に公表された未来の東京では、二〇四〇年には百二十五万人にもなると予測されております。
 地域の安全を守るためには、在住外国人にも協力していただくことが必要であると考えます。
 都では、在住外国人のボランティアと連携した子供の見守り活動の取り組みを新たに実施しております。
 この都内の在住外国人による子供の見守り活動の取り組みについて伺います。

○高野治安対策担当部長 委員ご指摘のとおり、地域の安全を考える上で、地域社会を構成する一員でございます在住外国人の協力も必要でございます。
 そこで、子供の見守り活動について、在住外国人と連携して実施をすることといたしまして、第一弾として、十一月から江戸川区でインド人による子供の見守り活動を始めたところでございます。江戸川区に多く住むインド人の方から参加者を募り、参加者の方にはアームバンドを提供して、買い物や通勤をしながら子供を見守る活動に参加してもらっております。
 これによりまして、在住外国人の子供の安全を確保するとともに、参加した外国人の防犯意識も高めていただき、地域の防犯力の底上げにつなげていきたいと考えております。

○入江委員 外国と比較しますと日本は大変安全だとはいわれておりますが、これは、日本の安全への取り組みが実を結んでいるものであります。外国人にも、見守り活動のような取り組みを通じて、これまで以上に地域の安全に協力していただくことが大切だと考えます。できるだけ多くの外国人ボランティアが見守り活動の趣旨を理解して、活動をしてもらえることが望ましいです。
 さて、この子供の見守り活動に参加するインド人の募集方法について伺います。

○高野治安対策担当部長 参加者の募集に当たりましては、十月に二回の説明会を開催いたしまして、十一月には、西葛西で行われましたインドの伝統的なお祭りでございますディワリフェスタにおいても、活動をPRして募集をいたしました。
 活動内容の説明の際には、見守り活動の趣旨も伝えて、安全への意識を持って取り組んでもらえるようにしております。
 現時点で百人以上のインド人の方々が活動に参加をしておりまして、引き続き、参加者を募集してまいります。

○入江委員 この江戸川区は都内でも最もインド人が多い地区で、特に西葛西はリトルインディアともいわれているとのことですので、最初にこうした施策を実施するにはよい選択であったのではないかと考えます。
 こうして外国人の方に見守り活動の取り組みにも参加していただくことで、セーフシティーという観点とダイバーシティーという観点の両面から効果が得られると考えます。こうした活動を都内の他の在住外国人にも広めていっていただきたいと考えます。
 在住外国人による子供の見守り活動について、今後の展開を伺います。

○高野治安対策担当部長 今回は第一弾として、江戸川区に集住、集まって住んでいらっしゃるインド人の方を対象に協力を依頼しております。参加をしたインド人の方々からも、地域の安全に貢献できるよい機会を得たとの声が上がっております。
 今後は、外国人が多く通うインターナショナルスクールなども対象に、都内の他の地域の外国人にも活動を普及させていきます。
 子供の見守り活動を都内の在住外国人に広めることで、多文化共生を推進しながら安全・安心な東京を実現してまいります。

○入江委員 このように、都の呼びかけに協力して、ランガールなど市民ランナーによる見守り、わんわんパトロール、在住外国人による子供の見守りなどが盛んになり、地域を見守る人がふえることで、犯罪が起きづらい防犯力の高いセーフシティーが実現すると考えます。
 都民の安全・安心確保に向けて着実に施策が進められていると考えておりますが、その効果をさらに高めるため、こうした見守り活動の協力者に対しては、その後の防犯活動に資するような各種の防犯講座や防犯イベントを案内するなど、フォローアップをしっかりと行っていただきたいです。
 あわせて、見守り活動の参加者が活動中に不審者を無理して捕まえようとするなどして、安全が損なわれてはなりません。参加者自身の安全も確保するように注意喚起していただくことを要望いたします。
 さて、最後に、こうした東京は少子高齢化が進む中において、安全・安心の確保や、子供の、若者の健やかな成長に向けて、しっかりと取り組んでいかなければなりません。
 都民安全推進本部としてどのように取り組んでいかれるのか、本部長の見解をお伺いいたします。

○國枝都民安全推進本部長 来年に迫った東京二〇二〇大会やその後を見据えて、東京の安全・安心を確保していくことは、セーフシティーを実現する上で極めて重要と考えております。
 都としては、安全・安心のさらなる向上を目指し、都民の皆様方や関係機関等と連携しながら、まちの安全見守り事業など、さまざまな取り組みを実施しておりますが、今後ますます進展する少子化、高齢化を考慮し、自治会、町会、商店街等、既にご協力いただいている方々へ引き続き支援を行いますとともに、こうした取り組みに対する新たな担い手の参画を促し、これまで以上の安全・安心を図っていくことが必要と考えております。
 そのため、これまでも、地域における見守り活動支援事業等での防犯カメラ設置などに係る費用補助による地域団体等の負担軽減や防犯ボランティアなど、都民の皆様方の活動のさらなる促進につながる情報の提供等に努めるとともに、ながら見守り連携事業などを通じた事業者との連携拡充に取り組んできております。
 さらに、今年度は、防犯カメラの保守点検、修繕費用の補助といった地域団体等の負担軽減に加え、お話のわんわんパトロールや在住外国人の方々による見守り活動など、これまでにない発想に基づく、幅広い地域の方々の協力を得て、安全・安心の確保に向けたさらなる施策に取り組んでいるところでございます。
 若者支援につきましては、少子高齢化に伴う社会情勢の変化が子供や若者を取り巻く環境に大きな影響を与えているとの認識のもと、都としては、若者等への早期の支援が社会的自立を促す上で極めて重要と考えており、若者総合相談センター、若ナビαや、若者支援社会資源ポータルサイト、若ぽたの着実な運営など、さまざまな施策の展開により、子供や若者が安全で安心な状況の中、心身ともに健やかに成長できる環境の整備に鋭意取り組んでいるところでございます。
 こうした取り組みの継続や、今年度創設した高齢ドライバー向けの安全運転支援装置購入、設置補助といった緊急対策、また、安全・安心まちづくりを推進するマスコットキャラクター、みまもりぃぬの活用などを通じて、広く都民に自分たちのまちは自分たちで守るという意識改革を促すとともに、子供や若者等が社会の一員として活躍し続けられる都市の実現を目指し、都民安全推進本部として、都民の皆様と手を携え、そして冒頭、委員がご鞭撻くださいましたとおり、都民の当本部に対する期待は大きなものがありますので、これを重く受けとめ、職員一丸となって全力で取り組んでまいる所存であります。

○入江委員 本部長ありがとうございます。
 都民安全推進本部という名称のとおり、都民お一人お一人に向き合い、安全で安心な生活につながる施策を警視庁などとも連携しながら、確実に進めていただくことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○中屋委員 私からも、防犯ボランティアです。多少重なるところがありますけれども、私の視点は、私もこの委員会もう十年ぐらいずっとおりまして、防犯カメラやこの民間パトロールというのもずっと携わってきましたので、そうした視点をちょっと織り交ぜながら質問したいというふうに思っています。
 感じるのは、皆さんのいろんな努力によって、本当に民間パトロールふえましたし、いろんなアイデアも入りました。ただ、感じるのは、まちで本当に一生懸命、治安や防災の方もやる方というのは、大体同じ方が多いわけですね。高齢化がどんどん進んでいます。
 やっぱり一番重要なポイントというのは、若い方をどのように育てていくかという視点がやっぱり大事だろうというふうに思っておりまして、まず最初に質問しますけれども、そうした若い世代や企業など、防犯ボランティア活動の担い手の拡大を図っていくということが必要なので、地域の防犯活動をどのように盛り上げようと考えているのか、まずお伺いいたします。

○高野治安対策担当部長 都はこれまで、防犯活動にかかわったことのない方にも、地域を見守る活動に参加をしていただき、地域の防犯力を高めることを目的に、ランニング等の日常的な活動をしながら地域を見守っていただく活動の普及事業のほか、地域で活動する事業者を対象にした、ながら見守り連携事業を展開しております。
 ランニングをしながらの見守り活動には、小学校の保護者で構成されるランニングサークルや、女性だけのランニング団体などに参加していただいており、若い世代からの協力の申し出も多くいただいております。
 日常的な活動をしながら行うことができる活動であるため、仕事で忙しい若い世代でも参加しやすいものではないかと考えております。
 また、ながら見守り連携事業につきましては、日ごろから地域を往来し、住民とも直接接する機会の多い事業者に地域の見守りにご協力いただくことにより、見守りの目をふやす取り組みを進めております。現在、運送業者など二十六事業者のご参加をいただいているところでございまして、今後、さらに協力事業者を広げていきたいと考えております。
 都は、これらの取り組みにご協力をいただいております団体や事業者等が地域の防犯活動の大きな力となるよう、必要な情報提供などの支援を行ってまいります。

○中屋委員 今ご答弁の中にありましたいろんなアイデアといったのは、わんわんパトロールだとか、ランニング、実はその民間パトロールを育てるに当たって、表彰制度を河合本部長のときにやっていただいて、そういう効果も出ているのかなというふうに思うんですけれども、いろんな方が表彰されていくのを見ながら、今話がありましたランニングパトロールとかふえてきました。
 とてもいいことだと思うんですけれども、どんどん広がっていくと思うんですけれども、ただそこで、くれぐれもやっぱりパトロールという視点を忘れないように、その辺は十分気を配っていただきたいというふうに思っております。
 いろいろとやっていただいているということは伝わっておりますので、ぜひ今後とも進めていただきたいというふうに思います。
 さて、事業者も含めた活用というお話でありますが、地域の安全・安心の向上というのは、防犯カメラによる機械の目と、また、パトロールなどの人の目による見守りとあわせて実施することで、一層の成果が上げられるというふうに感じております。
 しかし、現在、パトロールの主体となっている防犯団体も、先ほど申し上げた高齢化がまたふえてまいりまして、新たな担い手不足というのが問題となり、課題となっております。
 そこで、地域の安全・安心の向上のためには、防犯カメラを効果的に活用しながら、事業者を含めたさまざまな見守り活動が必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○高野治安対策担当部長 都におきましては、防犯カメラの設置を契機といたしまして、地域の見守り活動等が活発に展開されるとともに、犯罪発生の未然防止を目的といたしまして、平成十六年度から設置費用の補助を開始し、これまで、区市町村や町会、自治会、商店街等に対し、累計二万台を超える防犯カメラの設置を補助しております。
 防犯カメラの設置に当たりましては、地域住民の安全・安心につながりますよう、それぞれの地域において、地域住民の合意形成をもとに、犯罪を抑制するための効果的かつ適切な設置箇所を選定していただいております。防犯カメラを設置する地域団体が少ないなどの事情がある場所もあることから、犯罪の抑止に向け、現在、民間事業者による、ながら見守り連携事業等の取り組みによって、人の目による見守り活動を行う団体の範囲を広げるところでもございます。
 こうした取り組みを通じまして、地域団体以外のさまざまな事業者にも見守り活動等にご協力していただけるよう、より一層の働きかけを進め、人の目の充実に努めるとともに、見守り活動を補完する機械の目である防犯カメラとの組み合わせのあり方についても、必要に応じて町会、自治会、商店街等と連携して設置するなどの取り組みを進めてまいりたいと考えております。

○中屋委員 ぜひ、その人の目となる事業者というのも育成をしていただきたいというふうに思っています。
 今お話ありましたように、防犯カメラというのはもう安全・安心に欠かせないものであります。ただ、皆様方のご努力によって、また地域の声によって、今約二万台の補助をいただいて、設置をしているところがふえてまいりましたけれども、ただ、まだまだ行き届いていない、犯罪が発生しやすい地域なのに設置されていないということが、私は、あってはならないというふうに思っております。
 とりわけ多摩地区では、町会、自治会、商店街が少なかったり、高齢化や担い手不足が進んでいると聞いております。防犯カメラのみで安全が維持されるものではありませんけれども、そこに人の目もないのであれば、安全・安心の空白地域ができてしまう可能性があります。
 例えば、幹線道路沿いであれば、ガソリンスタンドなどの見守り活動に協力してもらえる事業者に対して、自治会、町会、商店街と同様の役割、街頭の防犯カメラの設置と見守り活動の実施をお願いしていくというやり方もあるのではないかなというふうに問題を提起しておきたいというふうに思っています。
 今申し上げたのは、補助に入らないところもあるわけです。ただし、犯罪が起こりやすい場所であるというところがあるとするならば、今枠にはまらないところもぜひお考えをいただいて、その補助対象となるようなアイデアをぜひお考えいただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 次に、非行少年立ち直り研修についてお伺いしたいというふうに思います。
 地域の安全・安心に向けた活動という点では、長年にわたって犯罪を犯した人の更生にかかわる保護司の存在も非常に重要であります。
 私も保護司をやって二十年ぐらいになりますけれども、そうした方を社会の一員として更生させるに当たっては、親身になって寄り添う気持ちが何よりも大切であります。しかしながら、現在は、それら保護司のなり手の確保なども課題となっておりまして、都民がこうした活動に協力する裾野を広げていく必要を感じています。
 地域において、犯罪を犯した人の更生を担う民間協力者の育成については、都としてどのような取り組みが必要だと考えているのか見解を伺います。

○高野治安対策担当部長 都では、平成二十九年度より、民間協力者として非行少年の立ち直り支援に携わっていただく団体や個人の育成等を目的とした研修会を実施しております。
 この研修会では、非行少年に係る支援の現状について、パネルディスカッションやグループワークの形式で学んでいただいておりますが、NPO法人などの民間支援団体のほか、保護司の方々や区市町村職員にもご参加をいただいているところでございます。
 今年度の研修会は九月に開催しておりまして、協力雇用主の方や、そこで雇用されております刑務所出所者等の講演を盛り込むなどした結果、参加者からは好評を得ているところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、犯罪をした者や非行少年の立ち直りを地域において支援していただく方々の裾野を広げ、そのなり手を確保するとともに、犯罪をした者等の再犯、再非行の防止に取り組んでまいります。

○中屋委員 今お話ありましたけれども、そうした研修会を通じて連携を図っていくことによって、僕も私も保護司になってみようという、そういう機運が盛り上がることもあると思いますので、ぜひお進めをいただきたいというふうに思います。
 次に、暴力団対策についてお伺いをします。
 平成二十三年、東京都暴力団排除条例が制定、施行されました。暴力団と交際しない、暴力団を恐れない、暴力団に資金を提供しない、暴力団を利用しないという基本理念のもと、都や警視庁は、各種暴力団対策に取り組んできております。
 本年十月からは、改正暴排条例が施行されまして、新たに都内二十九の繁華街を暴力団排除特別強化地域として選定しました。その地域内でみかじめ料や用心棒料を徴収する暴力団員と供与した特定営業者等の双方において罰則を科すという、そういう内容でございます。この間、新聞で第一号が出たと、効果が出たということは大変うれしく思います。
 暴力団の構成員は年々減少傾向にあると聞いておりますが、東京二〇二〇大会に向けて、各種イベントなどで暴力団の活動がさらに活発になることを懸念しています。
 このため、暴力団の排除には警視庁と連携して取り組むことが重要と考えます。
 そこで、暴力団を排除するため、都としてどのように取り組んでいるのかお伺いをします。

○高野治安対策担当部長 都では、暴力団排除条例に基づきまして、都民等に対し、暴力団排除活動の機運が醸成されるよう、警視庁と連携をいたしまして、広報及び啓発や、連絡会議を通じた区市町村への情報提供などを行っております。
 具体的には、サッカーやバスケットボール、東京ドームにおけます都市対抗野球など、多くの来場者が見込めるスポーツと連携したイベントを実施し、企業や来場者等に対して啓発を行っております。
 また、本年二月には、都民安全推進本部のホームページに暴排ウエブサイトを立ち上げ、青少年やその教育者、さらには離脱したいと考えている暴力団員などへ、暴力団の実態や離脱するための支援機関、制度などを情報提供しております。
 今後とも、暴力団排除の機運醸成のため、警視庁等と連携し、イベントや各種媒体を活用した取り組みを展開してまいります。

○中屋委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次に、自転車損害賠償保険の加入義務化について質問をしたいと思います。
 さきの第三回定例会で、自転車損害賠償保険への加入を義務とする自転車安全利用条例の改正案を都議会として可決しました。都は、自転車損害賠償保険加入義務化に向けて、今動き出したところであります。
 来年四月の条例施行に向けて、改正内容をしっかり都民に周知していただいて、自転車損害賠償保険の加入者をふやすことで、制度の実効性を担保していくということが重要だと思います。
 そこで、都は、具体的にどのような取り組みによって自転車損害賠償保険の加入者をふやしていくのか、今後の取り組みについて伺います。

○高野治安対策担当部長 都は、改正をいたしました自転車安全利用条例の施行を来年四月に控えまして、現在、都民の皆様に、自転車損害賠償保険等に加入していただくよう、改正内容の周知徹底に努めているところでございます。
 具体的には、都民に向けまして、十二月号の「広報東京都」に改正内容を掲載し、広く改正内容をお知らせするとともに、改正内容を記載したリーフレットを作成し、区市町村を通じて配布をしております。
 来年四月の条例施行に向けまして、今後はポスターを作成し、自転車販売店や区市町村の窓口、駅構内に掲示するとともに、街頭ビジョンの活用などにも取り組みまして、都民が改正内容に接する機会をより一層ふやしてまいりたいと考えております。
 また、企業向けに自転車安全利用の啓発を行う自転車安全利用TOKYOセミナーなど、事業者等に向けた周知活動も行っておりまして、今後は、経済団体や中小企業関連団体を通じて、加盟企業に改正内容を発信します。
 さらに、学校やその児童生徒等に向けましては、都教育委員会の連絡会に出席し、都立学校全体への周知を行うとともに、今後は、区市町村教育委員会や私立学校を所管する団体を通じまして、各学校に改正の情報を伝達してまいります。
 あわせまして、保険会社や自転車商協同組合と連携した周知活動を行うなど、あらゆる機会や手段を活用して改正内容の周知を行い、都民の保険等への加入を促進してまいります。

○中屋委員 ぜひ四月に向けて、一人でも多くの都民が自転車損害賠償保険に加入するよう、取り組みを進めてもらいたいというふうに思います。
 また、ぜひ自転車安全利用教室を開いて、普及啓発を行っていただきたいというふうに思います。
 また、安全利用に向けた意識を高めていくことが必要だと今、私申し上げましたが、実は、本年の第二回定例会の総務委員会で、高齢者向けの自転車安全利用講習会について、自動車教習所のない自治体でも開催をしていくべきとの内容で質問をいたしました。
 その後の取り組み状況がどのようになっているのかお伺いします。

○高野治安対策担当部長 都は昨年度から、自動車運転免許証を返納した高齢者を中心にした高齢者向けの自転車安全利用講習会を開催しております。
 講習会は、自転車利用のルール、マナー等を改めて学ぶ講義と、一般的な自転車だけでなく、電動アシストつき自転車の指導も行う実技で構成しておりまして、昨年度三回と今年度の初回につきましては、自動車教習所を会場として開催をしてきたところでございます。
 今年度の第二回と第三回の講習会は、議員からのご質問も踏まえまして、自動車教習所以外の施設において開催をいたしました。
 具体的には、十一月には台東区の区営施設の駐車場、また文京区の体育施設を利用して講習会を開催したところでございます。

○中屋委員 今お話ありましたけれども、文京区にも来ていただきまして、講習会を開いていただきました。私も拝見しに行きました。とても好評でございました。ぜひまた進めていただきたいというふうに思います。
 今回、区市町村が高齢者向け自転車安全利用講習会を開催するに当たって、非常に参考になったのではないかなというふうに思います。
 今後、都としても、区市町村により積極的に働きかけていただいて、都だけではなくて、これまで以上に多くの区市町村が独自に高齢者向け自転車安全利用講習会を開催できるように努めていくべきだと思います。そのことについて都の見解を伺います。

○高野治安対策担当部長 都はこれまで、高齢者向け自転車安全利用講習会の開催に当たりまして、区市町村の交通安全主管課長会議などの場におきまして、視察を呼びかけてきたところでございます。
 都が講習会を開催いたしました六つの区市以外に、七区市が視察に訪れまして、このうち二つの自治体は、既に独自の講習会を開催しております。
 今後とも、視察に訪れた区市町村や、独自の講習会開催を希望する区市町村はもとより、区市町村の担当課長会を通じまして、会場設定や集客、効果的なプログラム設定などのノウハウを広く区市町村に提供してまいります。
 こうした取り組みによりまして、区市町村との連携強化を図りまして、より多くの区市町村による高齢者向け自転車安全利用講習会の実施を促してまいります。

○中屋委員 ありがとうございます。
 ぜひそうした取り組みを行っていただいて、来年度からもまた、講習会を数多くやっていただきたいというふうに思います。
 きょうは、いろんな質問をさせていただきました。やっぱり都民のアンケートをとっても、安全・安心というのは非常にアンケートが多い、一番安全・安心を求める都民が非常に多いという数字はもう上がっております。
 ぜひ警視庁並びに都民安全推進本部と連携をして、取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 ぜひここで、都民安全推進本部長の安全・安心の東京をつくるための決意というものを、本部長からお伺いをしたいというふうに思います。

○國枝都民安全推進本部長 近年、都内の刑法犯認知件数は減少を続け、東京の治安は大きく改善されております。しかしながら、子供や高齢者など、弱者が被害者となる痛ましい事件や事故が続発しており、対策は急務と考えております。
 こうした事件や事故に関して、捜査等を行う主体は警視庁など警察機関ではありますが、例えば、手口が巧妙化し、被害が急増するなど社会問題となっている特殊詐欺については、捜査、検挙など警察機関の担う役割とともに、都の補助を受けて区市町村が購入し、高齢者世帯に貸与、設置している自動通話録音機が事件の発生や被害の未然防止に絶大な効果を上げているなど、行政の果たす役割も大きいと考えているところであります。
 このような警察と行政の取り組みの双方を有機的に連携させ、切れ目なく実施しいくことが、犯罪から都民を守る上で極めて重要であると認識しております。
 今後とも、警察機関はもとより、関係行政機関、区市町村、事業者、そして、もちろんお話の防犯ボランティアなど、都民の皆様等と緊密な連携、一体となった取り組みの継続的な実施により、広く都民に自分たちのまちは自分たちで守るという意識の浸透を促すとともに、すぐれた活動への顕彰などを通じて、日々新たに生じている犯罪にも迅速かつ的確に対応しつつ、都民安全推進本部として、誰もが安全・安心を実感できる都市東京の実現に向けて、全力で取り組んでまいる所存であります。

○加藤委員 最初に、防犯カメラについて質問したいと思います。
 九月から十一月にかけて開催されましたラグビーのワールドカップでは、日本代表が躍進をしまして、大変な盛り上がりを見せました。開催期間中は多くの外国人の方が訪れ、長期滞在し、日本各地を旅行されたというお話を聞いております。
 また、東京に観光や仕事で訪れる人も増加をしておりまして、東京を見ると、平成三十年に東京都を訪れた外国人旅行者数は約一千四百二十四万人、対前年比三・四%増、日本人の旅行者数は約五億三千六百五十万人ということで、同二・五%増となっております。
 いよいよ来年七月に迫った東京二〇二〇大会でも、国内外から多くの方が訪れます。特に、繁華街や観光地は大変なにぎわいとなると思います。こうした中、国内外から東京に訪れる方々の安全・安心の確保が重要なテーマであります。
 私の地元墨田区では、盛り場対策地域である錦糸町駅の繁華街を抱えておりまして、依然として悪質な客引きなどが行われております。
 そのため、地元商店街、町会、自治会と警視庁が連携し、定期的に防犯パトロールなどに取り組んでおります。また、地域の防犯拠点設置の要望に応え、都と区と地元住民が協力をしまして、都有地を活用し、暫定的ではありますが、防犯活動の拠点が誕生いたしました。今後、暫定的な扱いから本格的な防犯拠点になるよう、今取り組んでいるところであります。
 こうした見守り活動を補完するための重要なインフラとして、防犯カメラは欠かせません。
 都では、防犯カメラの補助事業を行ってきておりますが、商店街の安全・安心を確保するために連携しようという地域の方々の声に応えるための都の取り組みについて伺います。

○高野治安対策担当部長 都では平成十六年度から、商店街等を対象といたしました防犯設備の整備に対する補助事業を行っておりまして、平成三十年度までに、商店街等に対しまして累計四千百六十九台の補助を実施してまいりました。
 この補助につきましては、議員ご指摘の地域団体相互の連携をさらに進めるという観点から、平成二十二年度から地域における見守り活動支援事業を開始し、町会、自治会と連携した商店街等を補助対象に加え、さらに、補助限度額を一団体当たり四百五十万円と拡充を図っております。
 今後とも、町会、自治会、商店街等の地域団体の連携した防犯活動の活性化につながるよう取り組んでまいります。

○加藤委員 商店街の見回り活動が、防犯カメラの整備とともに、着実に進んでいることを確認させていただきました。
 引き続き、その促進に取り組んでいくとともに、連携の仕方もさまざまな工夫があると思います。例えば、先ほどいいました地元の錦糸町では、客引き行為を防犯カメラに常時録画するだけでなく、防犯拠点に地域の方が当番制で待機していて、その防犯カメラを遠隔操作をして、迷惑行為の現場を動かぬ証拠として録画するとともに、プリントアウトしてすぐさま警察に情報提供しようというアイデア、まだ実施していないんですけれども、アイデアも検討されておりまして、今後も区市町村とも相談しながら、きめ細やかな対応をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、不法滞在外国人対策なんですけれども、都内の繁華街の中には、外国人による悪質な客引き行為が見受けられます。この錦糸町駅も外国人の客引き行為が大変問題となっております。都では、出入国在留管理庁と連携し、繁華街における外国人対策を講じていくことが必要と考えます。
 そこで、都が実施している不法滞在外国人対策について伺います。

○高野治安対策担当部長 不法滞在外国人を減少させるためには、警視庁、出入国在留管理庁による取り締まりに加えまして、不法就労をさせない環境づくりが重要でございます。
 このため、都では、警視庁、東京出入国在留管理局、区市町村などの関係機関と連携し、外国人を雇用する事業主を対象といたしました不法就労防止啓発事業を実施しております。
 例年、六月と十二月を外国人適正雇用推進月間といたしまして、都内の主要駅等におきまして、関係機関と連携し、外国人の適正雇用と不法就労防止を呼びかける街頭キャンペーンを実施しております。
 さらに、キャンペーンに合わせまして、駅周辺に所在する飲食店、コンビニエンスストア等を直接訪問して啓発する外国人適正雇用推進宣言事業所づくりも実施をしております。
 平成三十年度は、街頭キャンペーンを都内十一カ所で、外国人適正雇用推進宣言事業所づくりにつきましては都内六カ所で実施し、合計で八百六十八事業所を訪問いたしました。
 このほか、外国人留学生に対しまして、アルバイトをする際に風俗店等で働かないよう注意をいたします外国人在留マニュアルを、日本語のほか、中国語、英語など多くの言語で作成し、配布しておりまして、本マニュアルを教材とし、日本語学校、専門学校等でのほか、外国人従業員向けにも講習会を開催するなど、各種取り組みを実施しているところでございます。

○加藤委員 引き続き、取り組みをお願いしたいと思います。また、街頭キャンペーン、ぜひ錦糸町駅でも、この東京出入国在留管理局に来ていただいて、キャンペーンやパトロールが行えるよう、ぜひ伝えていただきたいと思っております。
 錦糸町の近くには、都立の墨東病院があるんですね。聞くところによりますと、未収金が大変多く、外国人の割合も多いというふうに聞いております。
 先日、テレビで報道しておりましたけれども、他県ではありますが、所在する病院のお医者さんが非常に苦悩していると。要するに、医師としては命を救いたい、しかし、不法滞在ということでお金が払ってもらえない、医療費が払ってもらえないと、回収ができないということで、本当に苦悩するというところをテレビで取り上げておりました。
 そうした意味で、この都立病院も大変未収金というのが発生をして、これを補助しなければいけないという現実がありますので、こうした観点からもこの不法滞在対策、これをしっかりと行っていただきたいというふうに思っております。
 次に、児童の登下校時の安全対策について伺います。
 平成三十年には新潟県、本年は神奈川県川崎市で児童が殺傷される痛ましい事件が続いて発生しております。
 子供の安全対策においても防犯カメラの整備は有効であり、公明党はこれまでも、防犯カメラの設置を強く訴えてまいりました。
 これに対し、都は今年度から、防犯カメラの設置補助対象の区域を、通学路から登下校区域に拡大させるなど、防犯カメラの整備をさらに進めております。
 他方、子供の安全対策には、防犯カメラ、保護者や防犯ボランティアの方々による見守りに加え、子供たち自身にもみずからの身を守るための力を身につけさせることも重要であります。
 そこで、都は、家庭で子供と保護者が子供の身の安全を守るための知識を学ぶことができるよう、家庭での子供安全啓発事業を行っていると聞いておりますが、改めてその内容について伺います。

○高野治安対策担当部長 小学生になりますと行動範囲が広がり、それとともに、事件や事故に巻き込まれる危険性も高まることから、新一年生及びその保護者を主たる対象として、交通安全等、防犯を手軽にご家庭で学んでいただくための動画を作成しております。作成いたしました動画は、東京動画で公開をし、インターネットでいつでも閲覧可能でございます。
 内容でございますが、小学校一年生の児童が学校帰りに不審者に声をかけられたり、腕をつかまれたりした場合の対応等をクイズ形式で問いまして、逃げ方などの適切な対処方法等を子供にもわかりやすく解説しております。
 この動画の存在を広く知っていただくため、リーフレットを作成し、都内全ての新一年生の保護者に学校を通じて配布しております。また、動画を学校の安全教育等で活用していただけますよう、DVDを区市町村の教育委員会等の関係機関に配布しております。

○加藤委員 社会の宝である子供の安全を確保するためには、さまざまな面から安全対策を進めていくことが大切であり、子供への安全教育もその一つであります。
 作成した動画が活用されるよう周知を図っていただきたいと思いますが、実際に子供たちが危険に直面したときに、身を守るとっさの行動がとれなかったというのでは、本来の目的を達成したことにはなりません。実践的な能力の向上にも配慮しつつ、子供の安全対策をさらに進めていただきたいと思います。
 次に、先日、大阪市住吉区に住む小学六年生が、栃木県小山市に住む三十五歳の被疑者にSNSを利用して誘い出された後、栃木県の被疑者の自宅に数日監禁され、その後保護をされるという社会的に反響の大きい事件が発生をいたしました。また、この事件以外にも、SNSやインターネットをきっかけとして子供が事件に巻き込まれるケースは相次いでおり、今後も、インターネットを介した他人への成り済まし等、言葉巧みに青少年に接近してくることが考えられます。
 報道では、アンケート調査で、知らない相手でも半分は会うというショッキングなデータがありました、驚きました。このような状況を鑑みると、インターネットを利用している際のトラブルを相談できる窓口の存在は重要であるとともに、インターネットの危険性の周知や、適正利用についての知識の向上を図ることは喫緊の課題であると考えます。
 都は、CM、インターネットのトラブル相談窓口としての、こたエール及び啓発講座であるファミリeルールを運営しておりますが、青少年がSNSに起因する事件やトラブルに遭わないように、どんな工夫をして相談窓口や啓発講座を行っているのか伺います。

○高野治安対策担当部長 青少年を取り巻くインターネット環境の急速な変化や、スマートフォンなどの携帯端末の所有の低年齢化に伴い、各種SNSに関するトラブルや、判断能力が形成途上であることにつけ込まれ、青少年が被害者となるケースが増加しております。
 インターネットトラブルの相談窓口でございます、こたエールにつきましては、青少年の被害防止の観点から、過去の相談事例をカテゴリー別に検索できるなど、相談者にとってわかりやすくホームページで公開をしております。また、メールや平成三十年度にフリーダイヤル化した電話に加え、今年度からは、SNSによる相談窓口を開設し、青少年がアクセスしやすい環境をつくり、各種相談に対応をしております。
 啓発講座でございますファミリeルールにつきましても、青少年の被害防止の観点から、最新の事例を踏まえて、青少年が自画撮り被害やSNSを起因とするトラブルに巻き込まれたり、被害者となるケースが増加している現状から、インターネットのトラブルや危険性、それらから身を守る防止策等について、基礎講座や大学生と考えるグループワーク等の講座を実施しております。

○加藤委員 青少年について、インターネットのトラブル相談窓口を利用したトラブルへの対応や、啓発講座であるファミリeルールによるインターネットの危険性の周知、こうしたことが行われていることを理解いたしました。
 今後さらに青少年が各種トラブルや被害に遭わないためにも、各家庭においてスマートフォンの利用を学ばせたり、家庭におけるルールづくり等が重要であると考えます。
 また、専門家によると、このフィルタリング機能といったもの、技術が、活用することが非常に有効であると、そのようにいっておりました。特に、親がネットやスマホの機能などについて、子供より知っているということが大切ということなので、今むしろ子供の方がよく知っているということがあるので、そうした意味で親もしっかりと学んでいかなきゃいけないということがあると思いますので、そこもしっかりと今後取り組んでいきたいというふうに思います。
 そこで、青少年をインターネット上のトラブルや被害から守るためには、青少年に対する啓発のみでなく、保護者に対する相談窓口や啓発講座も必要であると考えます。
 現状の保護者に対するアプローチについて伺います。

○高野治安対策担当部長 インターネットトラブルの相談窓口でございます、こたエールにつきましては、世代を問わず、インターネットに関する犯罪の被害者や加害者になるケースがあることから、インターネットやスマートフォンでのトラブルで困っている青少年だけでなく、保護者等にもアクセスしやすい環境で利用してもらえるように、電話やメール、LINEによる相談を受け付けております。
 啓発講座でございますファミリeルールにつきましては、青少年のみならず、保護者を含む幅広い世代に対しても、インターネット上のトラブルや危険性、それらから身を守る防止策等を伝え、家庭におけるルールづくりを支援する保護者同士のグループワークを実施するなど、大人に対しても、インターネット上のトラブルや性被害等を身近な問題として理解を深めてもらうよう、講座を実施しております。
 今後も、インターネットトラブルに関する相談窓口や啓発講座のほか、リアルタイムに情報を取得できるツールとして定着をしているSNSを積極的に活用した広報啓発を行うことで、時宜にかなった情報を、青少年のみならず、幅広い世代に伝えまして、インターネットに起因する各種トラブルや、事件の未然防止につなげてまいります。

○加藤委員 今後も、インターネットを起因とする痛ましい事件が発生することがないように、相談や啓発に取り組んでいただきたいと思います。
 今回の事件は、保護者や子育て世代においても、大変不安になる出来事であったと思います。今後も、不安を持つ方々に寄り添い、青少年はもちろんのこと、保護者に対しても不安に答えるような施策の実施をお願いいたします。
 次に、公共施設における安全対策について伺います。
 東京二〇二〇大会に向けてさまざまな準備を進めていると思いますが、大会においては、都民を初め、都を訪れる多くの方々が、競技のみならず、東京の観光でいろんなところを訪れると思います。その際、訪ねてきた人々が、例えばトイレとか、水飲み場であるとか、公園であるとか、公共機関のみならず、民間事業者が設置した設備を利用することになると思います。
 東京のおもてなしとして、訪れる場所と設備が清潔な状態、これでお迎えして利用してもらうというのは当然といいますか、そういうことであると思うんですけれども、人が集まるとなると、そこに集まるのは善意の方々だけではないと。
 例えば、人が集まっているところに爆弾を仕掛けようとするテロであるとか、公園のトイレに落書きしたり、また、盗聴、盗撮装置を設置するなど、どうしても悪用しようと考える人たちが出てきてしまうことを危惧しております。
 このおもてなしの前提には、こうした施設管理者の自主的な防犯活動による安全・安心の確保、これが必要不可欠であります。
 そこで、都、区市町村等の公共団体、公共交通機関や事業者等の多岐にわたる関係者に向けて、東京二〇二〇大会や大会後を見据えた防犯対策をとるよう、しっかりと周知する必要があると考えております。
 都として、どのような方法で周知していくのか伺います。

○高野治安対策担当部長 区市町村等の公共団体に加え、事業者に対しては、地域における安全・安心まちづくりを推進するため設置された東京都安全・安心まちづくり協議会等を通じた情報共有に努めてきております。
 東京二〇二〇大会やその後に向けて、増加するおそれのある犯罪や、その対策等について、区市町村や当該協議会に参加をしている多岐にわたる各種団体、事業者等としっかりと共有をしてまいりたいと考えております。

○加藤委員 せっかくおもてなしのために設置された施設が悪用されてしまうことのないよう、施設の自主的な防犯活動を基本として、安全・安心確保のための情報共有はしっかりとお願いしたいと思います。
 その上で、最近、知らないうちに盗撮画像がネットに公開されている問題が多く起こっております。盗撮機器の小型化や、一般でも入手が容易になっていることも犯罪件数の増加につながっております。韓国では、政府が公衆トイレ五万カ所を常時点検する体制をとっている。また、アメリカでは、有名なキャスターが宿泊したホテルで、何者かによって仕掛けられた盗撮によって、対策を怠ったというふうにホテルを訴えて、ホテル側に何と六十二億円もの賠償を命じる判決が出て話題となっております。
 本当に怖いなと思うんですけれども、おもてなしには、そうした不測の事態を事前に防ぐための安全・安心対策も大事だと考えます。さきの協議会や関係機関で、そうした危機管理の問題も話し合ってもらいたいと要望しておきます。
 次に、高齢者の交通安全について伺います。
 高齢者の交通安全という観点で、ことし報道をにぎわせたのは、相次ぐ高齢ドライバーの事故であります。第二回定例会で、都は、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐ装置の取りつけに対し、支援を行うことを表明しました。
 我が党は、六月二十七日に、高齢者の自動車運転の安全を確保するため、急発進防止装置の装着に対する緊急要望を行い、補助事業を迅速に実施すること、補助対象年齢をシルバーパスの受給年齢と同様に七十歳以上とすること、装着に当たっては、身近なところでスピーディーに対応できるようにすることを求めたところであります。
 日常生活上、自動車が必須の移動手段となっている高齢者の方々が安心して運転ができるため、また、子供を初めとする歩行者を守るため、装置の装着が進むことが重要であります。
 都は、制度設計を迅速に進め、七月には補助事業が開始されました。また、九月の総務委員会での本事業の質疑において、都議会公明党の古城委員から、ホームページ上での取扱事業者一覧の掲載に関し、高齢者にわかりやすい表示を求めたところであります。
 そこで、我が党の要望も踏まえ、現在、都は、事業にどのように取り組んでいるのか伺います。

○高野治安対策担当部長 都は、運転を続けられる高齢者ができるだけ早期に装置を設置できるよう、緊急対策として、後づけの安全運転支援装置の購入、設置に対する補助制度を本年七月から開始いたしました。
 対象は都内在住の七十歳以上の方としておりますが、これは過去五年の七十歳以上の高齢運転者による踏み間違い事故の死亡、重傷事故の傾向や、運転免許更新時に高齢者講習の受講が義務づけられていることなどを考慮し、設定したものでございます。
 設置の取扱事業者の店舗数は、制度開始時の三百五十七から九百三十四に増加をいたしまして、二十三区、多摩地域の全ての市町村に加え、島しょの一部の町村をカバーしております。
 また、店舗数が増加したことを踏まえまして、都民安全推進本部のホームページ上で、高齢者がご自宅近くの取扱店舗がわかるように、地図上に店舗の位置を表示するなどの機能を追加したところでございます。
 手続面では、都民の利便性も考慮し、店舗で設置の相談から申請、支払いに至るまでが完結する仕組みとしてございます。
 事業開始後の二カ月間で合計約三千台に装置を設置しておりまして、痛ましい事故を一件でも減らすため、引き続き本事業の推進に取り組んでまいります。

○加藤委員 事業が順調に軌道に乗っているというふうに思います。
 都民の方からは、残念ながら車種が装置に適合せず、取りつけることができないという声も一部聞きました。そうした声もありますので、ぜひ幅広い方による制度利用が進むことを希望したいというふうに思います。
 次に、放置自転車対策について伺います。
 放置自転車は、かつて高架下や路地など、まちの至るところにあふれ、大きな社会問題となっておりました。当時は駐輪場がまだ不足していた時代でありましたが、近年では、私の地元でも、駅前に大規模な駐輪場が整備されたり、広い歩道の一部に駐輪ラックが設置されるなど、駐輪場の問題は随分改善が進んできたように感じております。
 しかし、場所によっては、まだ歩道などへの放置がなくならないというところもあり、歩道が狭くなって歩行者やベビーカーの支障になっていたり、点字ブロックがふさがれた場合には、視覚障害者にとって危険な状態も生じかねません。
 来年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、多くの訪日外国人が予想される中、訪れる人にとっても、住む人にとっても、安全で美しいまち並みを整えることが必要です。
 そこで、平成三十年における都内の放置自転車の台数と、駐輪場の整備状況について伺います。

○高野治安対策担当部長 自転車は、手軽で便利な移動手段として多くの人々に利用されておりますが、心ない利用者によって放置されることにより、歩行者の安全な通行が妨げられるとともに、まちの美観も損なわれるなど、引き続き社会的な問題であると認識をしております。
 都は、来年中に駅前放置自転車の台数を二万台以下とする目標を掲げ、区市町村や関係機関、団体と連携して、社会全体での取り組みを推進しているところでございます。
 平成三十年につきましては、原動機付自転車と自動二輪車を含む自転車等の放置台数は二万七千三百三十二台となり、最も多かった平成二年の約九分の一まで減少をいたしました。
 また、自転車等駐車場は二千七百八カ所、収用可能台数は九十二万五千四百八十四台まで増加をいたしまして、駐車場の実収容台数と放置台数を合わせた乗り入れ台数六十四万五千二十七台を上回る状況となっております。

○加藤委員 放置自転車はピーク時の約九分の一まで大きく減少したこと、また、駐輪場についても、自転車の乗り入れ需要に対して収容能力は足りているということで、着実に整備が進んでいることがわかりました。
 私は、これはまだまだ足りていないのかなと思っていたんですけれども、そうじゃないと。でも、地域を限ればまだ改善されていないというところもありまして、例えば、本当に申しわけないんですけど、地元墨田区の本所吾妻橋駅ってありまして、都営交通なんですけれども、この周辺は大変放置自転車が多いんですけれども、地下鉄の駅前ということもあって、地元から駐輪場用地の確保が難しいと聞いております。ここはだから、先ほどいったデータとちょっと違いまして、収用台数が足りていないということなんですね。
 来年の目標達成まであと少しのところまで来ていると思いますけれども、この放置自転車のさらなる削減には、行政だけでなく、鉄道事業者や集客施設の事業者の協力も欠かせないものと考えます。
 そこで、放置自転車対策における事業者の役割と都の取り組みについて伺います。

○高野治安対策担当部長 鉄道事業者は、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律に基づき、地方公共団体等から自転車等駐車場の設置に協力を求められたときは、鉄道用地の譲渡や貸し付けなど、積極的に協力することが求められております。
 また、東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例では、自転車の駐車需要を生じさせる事業者は、自転車の駐車場所の確保や利用の啓発に努めることとしております。
 都は毎年、駅前放置自転車の実態調査を実施し、公表しておりまして、各地域における放置台数や駐車場の設置状況等を区市町村や事業者と共有することにより、必要な整備を促しております。
 また、区市町村など行政機関や、鉄道、バス事業者、商工業団体などを構成員とする駅前放置自転車クリーンキャンペーン推進委員会を設置し、毎年十月には、放置自転車について広く都民に訴えるため、統一標語「放置ゼロ キレイな街で おもてなし」を掲げまして、各機関、団体がそれぞれの役割に応じて、多様な媒体を活用した広報活動を実施しているところでございます。

○加藤委員 鉄道事業者は、法律に基づいて、地方公共団体から自転車等駐車場設置の協力を求められたときは、鉄道用地の譲渡や貸し付けなど、協力することが求められるということなので、本所吾妻橋駅はまさに都営地下鉄の駅ということで、私からも交通局に強力に要望しますけれども、都民安全推進本部としてもしっかりと対応するよう伝えていただきたいと思います。
 放置自転車の削減には、区市町村や事業者による地域の実情に応じた駐輪場の整備だけでなく、今後は、適正な利用やマナーの向上を目指す取り組みも重要であると考えます。引き続き、区市町村や関係団体と連携のもと、しっかりと取り組みを進めていただきたいと思います。
 最後に、近年、子供など弱者が被害者となる痛ましい交通事故が頻発しております。交通安全対策をつかさどる都民安全推進本部として、こうした事故の防止に向けてどのように取り組んでいくのか、本部長の決意を伺います。

○國枝都民安全推進本部長 交通安全確保上の課題として、本年四月の池袋における死傷事故など、自動車に起因する重大な事故が、都内に限らずたびたび発生しております。また、身近で便利な交通手段である自転車についても、一たび事故が起きれば、最悪の場合、被害者が亡くなることもありますことから、事故防止はもとより、被害者保護に向けたさらなる対策が求められているところと認識しております。
 こうした状況を踏まえ、都は、運転免許の自主返納促進、高齢ドライバー交通安全セミナーの開催など、さまざまな施策に継続的に取り組んでいくことに加え、本年七月、高齢運転者のさらなる安全運転を促す新たな取り組みとして、お話の安全運転支援装置の購入、設置に対する補助制度を緊急対策として創設したところであります。
 自転車利用者等に対しては、自転車安全利用指導員による街頭指導や放置自転車対策などを通じて、自転車の交通ルール、マナーの向上を促しておりますが、これに加え、さきの定例会におきまして、改正自転車安全利用条例を議決いただきましたので、損害賠償保険等への加入義務化を契機とし、自転車安全利用の促進に向けた、さらなる意識啓発も図っていくことといたしております。
 都民安全推進本部としては、交通弱者である子供や高齢者を守り、東京の安全・安心のさらなる向上を図るため、こうした対策を効果的かつ重層的に推進するなど、全力で取り組んでまいる所存であります。

○米倉委員 私からは、子供や若者に関する施策について、また、女性の--犯罪から身を守るという取り組みをされていますが、そのことについて伺いたいと思っています。
 まず、子供、若者の問題についてです。
 この施策に取り組むときに、まず初めに、子供の参加が重要だと考えています。
 子ども・若者育成支援推進法というものがありますが、ここでは、子供、若者が次代の社会を担い、その健やかな成長が我が国社会の発展の基礎をなすものであるということに鑑みて、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子供、若者をめぐる環境が悪化しているということを踏まえ、支援その他の取り組みについて定めるというふうに書いています。そして、基本理念として、子供、若者の意見を十分に尊重して支援を行わなければならないと示しています。
 また、日本が子どもの権利条約を批准してことしで二十年ですが、さっき紹介しましたように、法についても条約の理念にのっとって取り組んでいくということを今紹介したわけですが、この条約を実施するというために、ユニセフが、地方自治体が主導してこの子どもの権利条約を実施していくために、こういうことが重要だということで、子供に優しいまちづくり、行動のための枠組みというものを発表しています。
 この枠組みとしても、まず初めに必要だと掲げられているのが子供参加です。具体的には、子供たちに影響を及ぼす問題への子供たちの積極的参加を推進すること、意思決定プロセスで子供たちの意見に耳を傾け、それを考慮に入れることとなっています。
 まず伺いたいのですが、この子供の参加について、青少年施策を考えるとき、特に位置づける必要があると考えますが、都はどういう認識ですか。

○小菅若年支援担当部長 青少年施策の検討に当たりましては、子供、若者の意見や実態を踏まえ進めていくことが重要であると認識しております。

○米倉委員 子供、若者の意見や実態を踏まえ進めていくことが重要だということです。大切な認識だと思います。
 では、青少年施策を進める上で、どのように子供や若者の声、意見を聞いていくつもりなんでしょうか。

○小菅若年支援担当部長 都は、青少年問題に関する総合的施策について、必要な重要事項を調査審議するため、東京都青少年問題協議会を設置しております。
 委員には、青少年の状況に見識の深い方々にもご就任いただきまして、ご審議いただいております。子供や若者の意見の聞き方につきましては、調査審議や施策の進め方の検討の中で決めていくものと考えております。

○米倉委員 子供や若者の意見を、また実態を踏まえて進めていくことが重要だとさっき答弁はあったんですが、具体的なところについては今後の検討だということです。
 既に都庁でも、政策企画局が長期計画をつくる際に、高校に出向いて高校生の声を聞いたりですとか、大学でワークショップを開くなどして、若者の声や意見を酌み取る努力というものをしております。子供や若者への支援などの検討のときにこそ、当事者の声を聞くことが求められています。
 例えばなんですが、国では、若者育成支援施策の推進を図るための大綱というものがありまして、ここに掲げられている施策の実施状況や対策の効果等を点検、評価し、子供、若者育成支援施策についての検討を行うための有識者会議というものが行われています。ここには、二十代、三十代の当事者団体の方なども参加をするなどして、若者も一緒に議論しています。
 ちょっと伺いたいのですが、都は、こうした、国も子供や若者の声を実際に聞きながら施策の議論をしているということは把握しているんでしょうか。

○小菅若年支援担当部長 先ほども申し上げましたとおりでございますが、子供、若者の意見の聞き方につきましては、調査審議の進め方の中で検討していくものというふうに認識してございます。

○米倉委員 私、今、国も実際に若者施策というものを議論するときに、若い世代も一緒に参加してもらって議論していると、そういうことはご存じですかというふうに聞きました。もう一度お願いします。

○小菅若年支援担当部長 国のそのような動きは把握しているところでございます。

○米倉委員 法律にも書いてあって、若者や子供の意見を聞くということを位置づけられているわけです。だから国も取り組んでいるわけですね。
 やっぱり具体的に、こういう国の取り組みも踏まえた検討を早期に始めるべきだと思います。いかがですか。

○小菅若年支援担当部長 繰り返しになりますが、青少年問題に関する総合的な施策につきまして、必要な重要事項を審議いたします東京都青少年問題協議会の委員には、青少年の状況に見識の深い方にご就任いただいているところでございます。子供や若者の意見の聞き方につきましては、調査審議の進め方の中で決めていくものと認識しているところでございます。

○米倉委員 既に国が取り組んでいるということもご存じだったわけです。やっぱり今、新しく計画改定ということで議論されていますが、これは、真剣に今、議論して検討していただきたいと思います。
 当事者の声をどのように聞いていくかということは、国や政策企画局の取り組みだけではなくて、これは、全国的にも取り組みはかなり広がっています。
 早稲田大学の卯月研究室とNPO法人わかもののまちというところが連携をして、全国の区市町村に対して調査を行っています。回答した市区町村のうち六割に当たる七百の自治体で、子供議会ですとか若者議会などを初め、子供、若者が参加する会議体というものを設置して、当事者の意見を聞くということを、過去もしくは現在やっているというふうに答えています。
 これは、インターネットでも調査の結果というものは報告があるので、ぜひごらんになっていただきたいのですが、私、この調査の中で、どういう目的でこうした若者の会議体を設置しているかという質問項目があって、すごく学ぶところがあるなというふうに思いました。
 どういう目的でやっているのかということに対して、子供、若者の意見表明の機会をつくるという回答が三七%なのですが、そういうことと同時に、子供、若者の意見でまちをよりよくするということが目的ですというふうに答えた自治体も五五%に上ると。そして、子供、若者の意見に学ぶというふうに答えた自治体は一九%ということで、こういうスタンスというのは本当に大切だと思います。
 ぜひ、こういう実践というものは全国的にもかなりやられていまして、こういうところを聞き取りなどもしながら、東京都としても早期の検討をしていただきたいと思っています。
 私自身も先日、この若者議会という取り組みとしては全国としても先進的といわれている愛知県新城市に行きまして、取り組みの内容について伺ってまいりました。やっぱり担当の職員の方も、今のアンケート調査の結果のような話をこの数年積み重ねる中で、実感としてあるというふうにお話ししていらっしゃいました。
 実際に新城市に伺って、職員の方からももちろんお話聞いたのですが、実際に若者の方々はどういう議論をしているのかということで、議会の傍聴もさせていただきました。この市の若者議会というものは、市長の附属機関という位置づけでして、若者が政策をつくって市長に提案するというふうな形になっているのですが、市長への提案をする最後のまとまった議論ということで、かなり集中した議論を若い皆さんでやっていらっしゃいました。
 最終的には、複数の提案を議会として可決して、市長に提案するというふうになったのですが、その中の一つとして、例えば、工業高校の生徒さんが就職活動をしようと思ったときに、地元の企業の情報が本当にないということとあわせて、高校生の立場からして求める情報もないということを実感として思っていると、やっぱりここのギャップを埋める取り組みが必要じゃないかということを提案されていて、これは若者議会の大議論の中で提案をしようということで、最終的に固まりました。
 予算も伴う提案権をこの若者議会は与えられているので、実際にその予算でできるのかですとか、それだけお金をかけるのが妥当なのかということで、本当に真剣に議論をされていました。
 担当の職員の方は、若者のパワーは桁違いだと。行政では考えられないようなアイデアも出してくるということですとか、若者議会自体が、参加する若者にとっても成長の場にもなっていると。そして、実際に、このまちづくりに若者がかかわるということで、自分もそのまちづくりに参画できて、そしてまちへの愛着心も生まれて、さらにそういう若者の取り組みをまちの方も見る中で、ほかの世代ともまちづくりを一緒に、ちょっと連携しようじゃないかということで、新しい取り組みも生まれているということで、すごくその取り組みの効果というものを実感しているということで、生き生きお話をされていました。とても勉強になる取り組みだなというふうに思います。
 こういう事例を初め、かなり全国的にも、議会という形をとらずとも、例えば審議会のような場に若い方に参加してもらって意見を伺うだとか、政策企画局のようにこっちから出向いて話を聞くですとか、いろんなやり方があるわけで、そこはぜひ早期の検討をしていただきたいと思っています。
 今、子供・若者計画を新たに改定するということで、都としても取り組みを進めていらっしゃるのですが、やっぱりこういう東京都として若者施策を位置づけるというときに、東京の若者の実態や課題を把握するということは、やはり位置づけることが必要だと思っています。
 この点についてどうお考えなのかということと、これまでの取り組みについても伺います。

○小菅若年支援担当部長 青少年施策を審議する青少年問題協議会におきましては、諮問事項等に関連する子供、若者の実態や課題を踏まえて検討を行ってきたと認識しております。
 これまで、子供、若者の実態や課題に見識の深い委員に知見を紹介いただいたり、関連する主要なデータを用いるなどにより、実態把握や課題整理を行ってきております。

○米倉委員 実態としては、専門家の方から話を聞くというのは当然重要なんですけれども、やっぱりその調査の実態というものは、多くが国の調査だということになると思うんです。やはり、全国の調査というものと東京の課題というのは、全部が一致するというわけじゃないというふうに思います。
 東京ならではの実態もあるなということを実感していまして、例えば今、若年女子の、特にJKビジネスの被害に遭うですとか、そういうことが問題になっていますが、これは、やっぱり全国的には東京が最も深刻だというふうにいわれています。そういうふうな東京ならではの実態というところの把握が、やはり今必要だと思います。これはぜひ検討していただきたいと思っています。
 子供・若者計画も今年度末で計画期間が終了するということで、今、新たな計画のための議論が東京都青少年問題協議会で行われています。
 この計画の進捗状況や、また、社会情勢の変化などもありますから、やはり計画期間中に、定期的にそういう実態を把握して議論する場が必要だと考えますが、都はどういう認識なのか伺いたいと思います。

○小菅若年支援担当部長 子供・若者計画に掲げております各事業は、それぞれの分野を所管いたします関係各局等において実施されておりまして、計画策定を初め、各年度の予算策定や事業執行段階において、それぞれ検証、進捗管理がなされておると認識しております。
 一方、総体としての子供、若者施策は広範に及ぶものでございまして、その進捗管理に当たりましては、それぞれの分野における状況や事業動向を踏まえる必要があると認識しております。
 こうしたことを勘案いたしまして、現在、計画掲載事業の現在の取り組み状況などの把握を進めているところでございます。
 なお、現在、計画改定について審議を行っております東京都青少年問題協議会、若者支援部会には、検討事項に関する現在の取り組み状況などを、必要に応じてお示ししているところでございます。

○米倉委員 つまり、各局がそれぞれ事業をやっていらっしゃって、それぞれの局がその進捗も管理しているということで、それは当然の話で、わざわざこの青少年のための計画をつくっているというのは、やっぱりその若者の実態との関係で、また社会情勢との関係で、進捗どうなのかというのを把握して、必要があればやっぱり強化するとか、そういうことの議論が求められていると、そういう話だと思うんですね。
 やっぱりそこは、現計画の四章でも位置づけて記載があるわけです。関係部局等との連携協力を密に、着実な施策の推進を図ると。本計画の進捗状況を定期的に報告、点検し、さまざまな立場の支援機関の意見等を聞くことで、計画を推進する上での課題等を再検討し、施策の一層の推進を図るというふうに、今の計画でも位置づけているわけですね。
 しかし、実際には、前回の計画は二〇一五年につくられましたが、進捗状況などの定期的な検証ということは行われていません。それで今回の計画改定に至っています。やっぱりここは、今、新しく計画改定ということで議論していますから、具体的にどういうふうに、次の計画期間では進捗状況などを議論していくのかと、新しい必要な取り組みはないのかですとか、そういう議論もできる場を設定していただきたいと思っています。
 そういう際に、国も取り組んでいますが、ぜひ子供、若者の意見を聞くということも位置づけていただきたいと要望しておきます。
 若者問題の最後に伺いたいのですが、若ナビαの来所相談についてですが、今、新宿に相談場所があります。これは本当に大事な役割を果たされているなというふうに思っていますが、やはり東京の地理を考えても、多摩地域にも設置するということは必要だと思っています。
 このことを求めたいと思っていますが、いかがですか。

○小菅若年支援担当部長 東京都若者総合相談センター、若ナビαでは、電話やメールで相談を受けた後に、相談者本人、家族からの申し出や相談員の判断により、来所相談を実施しております。来所相談では、若ナビαの相談員が対面により相談者の悩みや課題を把握し、相談者を適切な支援機関につないでおります。
 また、来所相談が必要にもかかわらず、相談者の事情により若ナビαに来所できない場合には、相談者が訪問可能な公的機関等に若ナビαの相談員が出向き、相談を実施しております。
 今後とも、相談者の実情を踏まえ、適切な相談対応を行ってまいります。

○米倉委員 丁寧に対応されているなというふうに思います。
 ただやはり、この相談場所というものは、非公開の場所のみとなっていますし、新宿に一カ所ということで、これはぜひふやしていただきたいと思っています。
 やっぱりオープンな来られる場というものも必要だと思っています。例えば、これまで相談を受けていたというような方なども、ふらっと立ち寄って、ちょっとほっとできるですとか、ちょっと職員の方とお話しできるとか、そういうような居場所となれるような場というものも、やっぱりセットである方がいいと思います。ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、女性に対する犯罪の防止対策についてです。
 二〇一四年度から本部として取り組んでいらっしゃるということですが、女性被害の防止とはどういう考え方で取り組んでいらっしゃるのか、また、具体的な取り組み実績についても伺います。

○高野治安対策担当部長 DV、ストーカーなど、女性の生命、身体にかかわる犯罪につきましては、都民の安全・安心を脅かす重要な問題であると考えております。
 このため、当本部におきましては、女性の被害防止対策として、専門講師による講習を実施しておりまして、昨年度は、女子大学や短期大学など、女性が多く集まる場におきまして、講習会を十回実施したところでございます。
 また、被害防止のポイント等を踏まえたリーフレットを昨年度十万部作成いたしまして、講習会での活用のほか、都内の大学、短期大学、専門学校等に配布するとともに、新入学時のオリエンテーションの場などで、講師から説明した上で配布をしていただいております。
 さらに、本リーフレットにつきましては、警察署や区市町村の女性相談センターなどにも配布をしておりまして、相談者への対応とともに、各種防犯講話やキャンペーン等においても活用いただくよう依頼をしております。

○米倉委員 リーフレットの配布や、女性が多く集まる場、学校での講習会を行うなど、取り組んでいらっしゃるということです。
 今のご説明ですと、被害を受ける女性への取り組みが中心だと思いますが、本来は、DVやストーカーなどというものは、やはり起こす方の問題ですから、被害者になりやすい女性への啓発以上に、加害行為を生み出さないというための取り組みが重要だと思います。
 この加害を防止するための取り組みというものは、被害防止の点からも重要だと思いますが、どういう認識ですか。

○高野治安対策担当部長 女性に対する犯罪被害防止への取り組みとして、被害者のみならず、加害者側への発信も重要と考えております。
 このため、先ほど申し上げましたリーフレットには、ストーカー被害について、こんな行為には要注意として、具体的な加害行為を列挙するなどの内容も盛り込んでおります。また、リーフレットの内容は当本部のホームページにも掲載するなど、多くの都民が閲覧できるよう配慮しております。
 さらに、被害防止講習では、新入学時のオリエンテーションの場など、女性だけでなく男性にも参加をしていただきまして、加害、被害、両方の立場について講習を実施しております。

○米倉委員 被害側だけでなく、加害側への発信も重要だということです。
 ただ、やはり取り組みの内容というものは、実際には女性に対する情報提供が中心だと思います。
 性犯罪再発防止プログラムというものを長く実践していらっしゃるクリニックの斉藤章佳さんという方は、痴漢を初めとした性犯罪は加害者側の問題であり、多くの場合に被害者側に非はないと。性犯罪から身を守るために少しでもできることがあるかという意味でならやれることはあるが、そもそも女性に自衛を求めることということ自体が、ちょっと発想としておかしいと思っていると話しています。
 加害者側の考え方の根底には、日本社会に根強く残る、男は女より上であるという男尊女卑的価値観が大きく影響していて、加害者側からは、自分より弱い存在を支配したいという声が出てくるということを指摘しています。
 やっぱりこういう実態を踏まえた対策を位置づけるべきだと思います。
 自分も相手も大切にできる繊細な人権意識を持てるようにすることですとか、男女の対等で暴力を伴わない人間関係もあるということを学べる、そういうことに比べて、自分の人間関係ですとか、自分が生きてきた環境の中での人間関係を振り返る機会があるということが大切だと思います。
 そういう中で、こういう問題意識で都内でも、例えば男子校の中で、恋愛の関係の中でのDVを防止するという位置づけで授業をやっている学校もあります。
 性犯罪の加害者全てが、もちろん男性ということではありません。性的マイノリティーの方の間でも問題もあります。ですが、やはり多数としては、男性から女性への加害というふうになっています。
 加害者側への発信も重要というご答弁ありましたから、やはりそのための新たな取り組みを求めたいと思います。
 配布をしているリーフレットや、また研修などの取り組みなんですが、被害に遭う方は悪くないということを前提として、やはりそのことを明示した情報発信ということが大切だと思いますが、どういうふうに考えていらっしゃいますか。

○高野治安対策担当部長 被害に遭った女性は、私が悪いとの思い込みから、早期に相談することや支援することをためらうこともあるため、当本部では、被害防止講習会におきまして、そのような認識を改めるよう説明をしているほか、加害行為の悪質性の紹介や各種相談窓口の教示を行っております。
 また、リーフレットでは、被害に遭わないためのポイントや、被害に遭わないためのふだんの心がけのほか、被害に遭っても一人で抱え込まないよう、被害に遭った際の相談先も記載をしております。

○米倉委員 被害者への支援ということは専門家も指摘をしていますが、被害者となったあなたは悪くないと、あなた自身に落ち度はないというところから始めるのが基本です。
 もう一度確認をしたいのですが、そういう認識での取り組みだということでよろしいですか。

○高野治安対策担当部長 先ほど申し上げましたけれども、被害に遭った女性は、私が悪いという思い込みもありますので、そういったことから、早期に相談することや支援を求めるといったことをためらうということもありますので、当本部におきましては、そのような認識を改めるように説明をしているところでございます。

○米倉委員 何でわざわざ二回も伺ったかといいますと、今配布をしているリーフレットは、そういうメッセージが実はないんですね。被害に遭わないための具体的な情報というものは載っていて、それ自体は役に立つもので大事だと思っているんです。ただ、やっぱりそういうメッセージ抜きに、こういうふうに身を守れということだけでは、自己責任の話になってしまうと思います。
 これ、専門学校や大学などでリーフレットを配布したり、講習をやられているということなんですが、やっぱり実態としては、そもそも、もう大学に上がるぐらいの年になっていると、実際、被害にもう既に遭ったことがあるという方は相当いらっしゃるんですよね。やっぱりそういう方を前提にしたリーフレットとかにしていただきたいと思っています。
 恋愛関係でのDVのことをデートDVといいますけれども、これ、実際に被害経験、初めて遭ったのはお幾つのときですかということで、複数の県が調査をしています。東京都の調査はないので山形県の調査を紹介しますが、中高生のうちに被害に遭ったという方が経験者の四一%に上っているんです。
 痴漢はどうですかと、これはウイ・ツー・ジャパンという団体がハラスメント被害の調査結果ということで、一万人以上の方を対象にした調査結果を公表しています。
 ここで明らかになっているのは、制服を着ていること自体が被害を誘発しているということで、もう今の時代はスカートの短さだとか、そういうことをいう方は大分減ったと思いますが、そういうスカートの短い、長いは関係ないということも調査結果で明らかになっています。制服ではなくて私服の方が被害経験が大きく減っているということも明らかになっています。
 ですから、もうすぐに高校を卒業するような年齢の方に対しての情報提供というときに、やっぱりこういうことを踏まえた対応と情報提供というのは本当に大切だというふうに思いますので、ぜひこういう現状を踏まえて、当事者の気持ちに寄り添った支援をしていただきたいと、これは重ねて要望したいと思っています。
 これで私の質問を終わらせていただきます。

○宮瀬委員 では、よろしくお願い申し上げます。
 私からは、命を守るという観点から、道路の渋滞対策について、まずお伺いしたいと思います。
 事業概要の中に災害時情報提供サービスというサービスがございまして、私はこのサービス、かねてから関心を持たせていただいております。きょうは問題提起を三点させていただければと思っております。
 情報提供、災害時の道路の情報を提供していくといったことでありますが、(パネルを示す)これは後ほど質疑もしますが、ふだん絶対に見られないもので、災害時しかオープンにならないという情報でございます。これは、実際に十月十五日、今回の豪雨災害のときにオープンになったサイトでございます。
 何がいいたいかといいますと、渋滞しているところが赤い線になって、しかも、これ解像度上げられますので、区道も含めて、カーナビですと大きな道路しか渋滞情報が出ないんですけれども、これは、小さい路地裏等も見えるという画期的な情報システムで、私は大変応援をさせていただいている事業でございます。
 しかし、こちらなんですが、今まで、これはさきの二年前か三年前の質疑では、使ったことありませんよといったことでございました。
 実際、災害をいろいろ想定したものだと聞いていますが、今回の台風のときに本サービスが開設されたかどうか、改めてお伺いしたいと思います。

○高野治安対策担当部長 公益財団法人日本道路交通情報センターの災害時情報提供サービスでは、震災や大雪などの異常気象等により、道路または道路交通に著しい障害が発生した場合、交通管理者や自動車メーカー等が提供する情報に基づき、交通規制や渋滞等の情報をウエブサイト上で提供しております。
 今回の台風というのが十九号、二十一号のことだと思いますが、ことしの台風十九号及び二十一号の到来の際には、本サービスを通じまして、河川の氾濫や冠水等による交通規制などの情報が提供されたと聞いております。
 なお、都としてでございますけれども、平成二十七年に日本道路交通情報センターと震災時等における情報の提供に関する協定を締結いたしまして、大規模な震災等の発生時に都が把握した火災情報を、本サービス向けに提供することとしております。

○宮瀬委員 本サービスは基本、震災時の火災情報のときに出るものでありますが、今回は豪雨災害でもオープンされたと。
 改めて確認ですけれども、では、いつからいつまでこの情報サービスが開設されていたのかお伺いしたいと思います。

○高野治安対策担当部長 公益財団法人日本道路交通情報センターによりますと、令和元年十月十二日から十一月五日まで災害時情報提供サービスを開設し、情報提供を行ったとのことでございます。

○宮瀬委員 お伺いしますと、十月十二日から十一月五日までということで、端的に申し上げますと、台風十九号と二十一号のときはこのサイト、オープンになっているんですけれども、十五号のときにはオープンになっていないと。実際に、総務局の方で被害状況を出していただいた際に、ほぼ同じぐらいの大きな災害でございました。十五号は出さずに、十九号、二十一号の際にはこのサイトが出てくるといったことでは、私はいかがなものかと思っております。
 こういったことが起きないようにすべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○高野治安対策担当部長 公益財団法人日本道路交通情報センターによりますと、災害時情報提供サービスの開設に当たっては、一定の基準等を設けて対応しているとのことでございます。
 台風十五号につきましては、この基準等に合致しなかったため、本サービスを開設しなかったと聞いております。
 都といたしましては、大規模な震災等の発生時において、道路交通における危険を防止し、交通の安全と円滑に資する情報を提供するため、同センターと協定に基づく連携を図ってまいります。

○宮瀬委員 今後は連携を図っていくといったご答弁をいただきました。
 ここで、きょう一つ目の問題提起なんですが、今まで震災時に道路情報を出すと、(パネルを示す)この中に--しかもここは火災が出たときは火災のマークがあって、こっちに逃げると危ないですよといったことが表示されると思うんですけれども、今回の豪雨災害で新聞記事を読みますと、時事通信でありますが、十月二十九日付であります。
 豪雨災害のときに車中で亡くなった方、台風二十一号などによる記録的豪雨で千葉県、福島、両県で死亡した十人のうち半数は、避難中に車が水没したことなどによる車中死と。災害時のときには車での避難は必ずしも安全ではないと。水没した場合、窓を割るなどして脱出するのは困難ということで、このサイトがオープンしたんです。
 実際に水害時はどういう表示になるかというと、裏道も出るんですが、例えば道路が冠水していてもスムーズに通れるといった表示になっていると思います。タクシー、いろんな車のカーナビ情報が衛星に行って、そこから情報がおりてくるものだと思いますけれども、当然、冠水した道路は車が通れないわけでありますから、その道路は渋滞情報--渋滞はしていないと。むしろ、水害時はすいている道路として認識があって、逆にそこを目がけて走ってしまうと、今回の豪雨災害のように、実際には道路が冠水していて車が沈んでしまうといった危険性があることを、私はちょっと指摘させていただきたいと思います。
 ここは大変技術的に難しい問題で、実際にどうするかというと、お巡りさんが通行どめですよとオフィシャルに指示をすれば道路情報、こちらに反映されると聞いていますが、では豪雨のときに、あれだけ大混雑で、同時多発でいろいろ浸水被害が出ている中で、お巡りさんがわざわざそこまで行って現場を確認して、ここは通行どめですよとできるかといえば、できないと思いますので、ぜひここは、答弁求めませんので、課題としていただきたいと思います。
 二点目の指摘でございます。
 このサイトは大変すばらしいものでありますが、これ、ふだんは見られないと。こちら裏面に用意しましたが、総合防災部の方の災害時の道路情報というところをクリックしますと、ただいま提供していませんと。このサイトは台風や豪雨のときに、発生しますよといったサイトでありまして、大変いいものであるんですが、ふだん見られないといったものがあるわけであります。実際に、大変すばらしいサービスでありますが、知らない人が大変多いと思います。
 実際に今回、水害の際に稼働したと聞いておりますが、どれぐらいアクセスがあったのかお伺いしたいと思います。

○高野治安対策担当部長 公益財団法人日本道路交通情報センターの災害時情報提供サービスにつきましては、先般の台風十九号及び二十一号の到来に際しましては、多い日で約一万件のアクセスがあったと聞いております。大規模な震災等の発生時に都民に本サービスをご利用いただくためには、サービスの認知度を高めることが重要でございます。
 このため、都といたしましては、自転車安全利用TOKYOキャンペーンキックオフイベントなどの交通安全イベントにおきまして、本サービスのリーフレットを配布するなど、周知に取り組んでいるところでございます。

○宮瀬委員 これ大変難易度の高い話でありまして、ふだんないものを周知するというのは本当に難しいことなんじゃないかなと。
 しかも、この道路情報というのは、もし自分が見るとしたら、多分何回も見ると思うんです、更新されていないかなと。一万PVですとユニークユーザー、いわゆる見た方の実数です、見た回数ではなくて実人数でいうと、例えば一人三回ぐらい見れば、大体三千人ぐらいしか見ていないんじゃないかなと。あの災害の規模を考えますと、もっと多くの人が道路を使って車で逃げようかなと、また、道路がどういう状況なのかって、大変多くの都民が知りたかったと思います。そうすると、ちょっとサーバーの問題等もあります。
 そういった中で、やっぱり周知を図っていくというのが大きな話なんですが、(資料を示す)私、このリーフレットをいただきまして、拝見させていただきました。
 そうすると、まず、このリーフレット、東京都青少年・治安対策本部という名称になっていますので、これはもう改めないといけないと思います。
 また、こちらは、火災ですよといったときにこのサイトがオープンしますよといったものでありますが、今回水害時もオープンしていますが、水害時のことは書かれていないわけであります。また、どのサイトからどう行けばこの情報が見られるかというのが、なかなかわかりにくいと思っています。なかなかふだんないものを周知していく大変さというのはまさにこれで、そのリーフレットもちょっと工夫が必要なんじゃないかなと。最新状況に更新されていないと思います。
 都民がわかりやすい内容とすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○高野治安対策担当部長 災害時情報提供サービスを災害時に都民にご利用いただくためには、本サービスの内容をわかりやすく広報していくことが重要でございます。
 本サービスのリーフレットにつきましては、今もお話しいただきましたけれども、青少年・治安対策本部となったままとなっているといったようなこともございますので、改定のタイミングを捉えまして、都民がより理解しやすい内容とするなど、今後とも、本サービスの効果的な周知に努めてまいりたいと考えております。

○宮瀬委員 やっていただけると思いますので、ぜひやっていただきたいな。
 誤解していただきたくないのは、この情報提供サービス、本当にすばらしいものだと思っていまして、大変評価をさせていただいております。ぜひ使っていただきたいなと思っているんですが、最後の三点目の問題提起であります。
 このサイト自体、できたのが、東日本大震災の際に、ふだん使わない方が車を使って逃げる、迎えに行く、子供に会いに行く等で、道路での渋滞がふだんの二十八倍になったと。
 実際に、九段下で九段会館の天井の崩落事故が起きた際に、目の前に災害拠点病院があるのに、一時間たっても着かなかったといったことで、裏道を使う、裏道の情報を知ることで緊急車両が災害時通れるでしょうと。そうすることで命を救えるといったことでありました。実際に、都内の一七%の道路が、使えた道路が一七%と。ほとんど都内の道路がパンクしてしまったといった教訓だったと思います。
 しかし、私、今回何でこの問題を取り上げているかといいますと、ちょっと個人的なことで恐縮ですが、二年前にうちの父親が他界しまして、その際に、都立の豊島病院に入院しています。それでぐあいが悪くなって、原先生の地元である複十字病院という病院に、重篤なので転送すると。転送の際は、グレードが上がる際には救急車を使っていいといったことで救急車を使わせていただいたんですが、川越街道を通って複十字の病院に板橋の方から行く際に、ずうっと渋滞で車が動かないと。もちろんサイレンも鳴らしているんですけれども、片側二車線、三車線の道路、いっぱいですので通れないと。後ろから私、救急車の方に乗っていたんですけれども、家族の方がタクシーで追いかけていったときに、ほぼ到着時間が同じといった、大変課題を認識しました。
 幸い、危ないかもしれないといわれた移転だったんですけれども、何とか移転も無事に済んだのですが、これが本当に道路状況が混雑していて、救急車が全く進まないといったことが日常で起きているんじゃないかなと思います。
 消防庁の方に今回の質疑に当たって確認しましたら、カーナビはどうなっているんですかといいましたら、ふだん市販で使われているカーナビと全く同じですと。救急車も消防、消火車も同様だそうでございます。
 つまり、こういった情報は災害時だけではなくて、平時において、とりわけ緊急車両、命にかかわるそういった車両には、私は、優先的に使わせてあげてほしいと訴えかけてまいりました。
 さきの質疑の際には、国や関係機関に働きかけていくといったご答弁ありましたが、進捗を教えてください。

○高野治安対策担当部長 ITSを活用した高度な交通対策の一層の推進の観点から、都はこれまで、官民が個別に収集し、保有する道路交通情報の共有化を推進し、相互に連携利用が行える体制を構築することを国に提案しております。
 現状におきましても、引き続き、同内容を提案していくことが必要と考えまして、本年度も関係省庁に対し、重点事項として提案要求しているところでございます。

○宮瀬委員 引き続き、ぜひ強力にお願いをしたいと思います。もう本当に、毎日すごい数の救急車が動いていますので、この情報システムが救急車等に稼働されれば助かる命、もっとふえると思っております。災害時にオープンになるサイトであれば、平時も技術的には出せると思いますので、ぜひ平時に出していただきたいと。
 あともう一つは、このサイトを消防の現場の方にちょっと聞いてみましたら、知りませんといった現場の方がいらっしゃいました。つまり、災害時はこのサイトを消防庁も使えるわけでありますから、ぜひふだんから、災害時はこういうサイトがオープンになって、裏道含めた渋滞がわかるから、ぜひ活用してほしいといったことを宣伝していただくことを強く要望したいと思います。
 一応、消防総監の答弁でも、こういった情報があれば活用したいですかと、さきの質問をしたときに、ぜひ有効性が確認できれば活用したいと消防庁もいっていますので、ぜひあと一押しお願いしたいと思います。
 次のテーマであります。
 事業概要の中に、外国人滞在支援対策という項目がございます。外国人の方がふえているなというのは、ここ五年、十年で、もう肌感覚でも皆さん、各委員の先生もおわかりだと思いますが、改めてちょっと数字を確認したいと思います。
 都内の在留外国人の総数の推移と在留目的別の内訳を教えてください。

○高野治安対策担当部長 都内の在留外国人の総数は、出入国在留管理庁の統計によりますと、平成二十八年末で五十万八百七十四人、一年飛びますが平成三十年末で五十六万七千七百八十九人となっております。
 平成三十年末の在留外国人につきまして、出入国管理及び難民認定法に定める在留資格別で見ますと、永住者が十四万四千八百八人、留学が十一万八千四百六十五人、技術、人文知識、国際業務が七万八千九百三十五人、家族滞在が五万九千九百十一人、特別永住者が四万二千九百七十七人、日本人の配偶者等が二万七千五十人、その他が九万五千六百四十三人でございまして、平成三十年末の合計では五十六万七千七百八十九人となっております。
 なお、在留外国人の中には、いわゆる外国人観光客など、在留期間が三カ月以下の短期滞在者は含んでおりません。

○宮瀬委員 ご答弁ありがとうございます。
 この二年で一三%、七万人も外国人はふえていると。これ旅行者ではなくて--旅行者の方の定義は、三カ月以下の方はいわゆる外国人旅行者、観光者。それ以外の方の数でございます。
 これに加えて観光客がいるんだよということでありますが、ちょっと数字の羅列でわかりづらかったので私の方で電卓はじきまして、大体永住者が二六%、留学が二一%、技術、まあ就労資格の一つが一四%、家族で滞在しているのが一一%、永住者の方が八%、その他ということでございます。
 そういった中で、改めて外国人滞在支援対策の目的についてお伺いしたいと思います。

○高野治安対策担当部長 在留外国人の中には、生活環境、文化、言語の違いから日本人住民とトラブルとなる者や、日本の法律の不知、あるいは忘却、まあ忘れてしまった、あるいは錯誤から、意図せずに法を犯してしまう者がおります。
 このため、在留外国人に日本のルールやマナー、法律を正しく理解していただき、トラブルや犯罪に巻き込まれることを未然に防ぐことを目的にしております。

○宮瀬委員 今いった事業の目的は、トラブルや犯罪に巻き込まれることを防ぐといったことでございます。
 では、もうまさに、私、地元が板橋区で高島平団地というところがふるさとなんですけれども、昔は憧れの高島平といったらしいんですが、何十回も応募しても入れないと。今高齢化が進んで、どんどん空き家がふえて、外国人の方がすごい入居していると。
 私の相談も外国人の--人種はいいませんけど外国人の方が大騒ぎして、ごみを散らかしてそのままどっか行っちゃうと、何とかしてくれといった相談等、ごみの--まさにベランダからごみを投げるとか、日本人の常識ではちょっと考えられないようなトラブルも、何か大変ふえている実感を持っています。
 そういった中で、私は今回問題提起したいのが、皆さん、このトラブルや犯罪に巻き込まれることを未然に防ぐといった目的があるのに、実際、皆さんの事業はどうでしょうかといったことでございます。
 ちょっと一問飛ばしますが、改めて事業の目標値やKPI、指標は何かお伺いしたいと思います。

○高野治安対策担当部長 外国人滞在支援対策といたしましては、留学生に対する生活指導講習ですとか、あるいは外国人在留マニュアルの配布などを行っておりますけれども、都内の外国人留学生の人数は年々増加をしている中で、留学生に限っては、留学生の検挙人数は減少をしておりまして、当本部の事業につきまして一定の効果はあったものと推察をしているところでございます。

○宮瀬委員 感覚値ではなくて目標値やKPIは何かとお伺いしたんですけれども、要は、ないということでよろしいんでしょうか。

○高野治安対策担当部長 繰り返しの部分もございますけれども、外国人滞在支援対策といたしまして、留学生に対する生活指導講習であるとか、あるいはマニュアルの配布などを行っておりまして、こうした取り組みによりまして、一人でも多くの外国人がトラブル等に巻き込まれることなく、安全・安心な生活などを送ることができるようにと施策を推進しているところでございます。

○宮瀬委員 ここでやりとりしませんけれども、なかなか数字が出ないということは、ないということなんじゃないのかなと思います。
 私は、やっぱり事業の目的、トラブルや犯罪に巻き込まれることを防ぐのが目的ですから、じゃあ、その犯罪に巻き込まれた方というのがどれぐらいなのかといったことが一つの指標になるんではないかなと思っております。
 そのトラブルや犯罪に巻き込まれた在留外国人の数と推移についてお伺いしたいと思います。

○高野治安対策担当部長 トラブルに巻き込まれてしまった在留外国人の数というのは把握をしておりませんけれども、都内の外国人の検挙人員で申し上げますと、警視庁の統計によりますと、平成二十八年は三千五人、平成三十年は三千三百九十人となっておりまして、このうちの留学の部分だけちょっと取り出してみますと、留学で見ますと、平成二十八年につきましては九百十人、平成三十年につきましては八百七十六人ということで、留学の部分につきましてはやや減少しているという状況でございます。

○宮瀬委員 やっぱり検挙されている外国人の数もふえているのがファクトだと思います。私は、こういった指標をもとに、しっかりと外国人の方々の支援をしていくことが必要だと思っております。
 実際、冒頭に確認しました外国人の定義は全部で七区分ございまして、皆さんの中で--留学ですとか永住者等の七区分です。この中で皆さんが行っているのは、講習会だと。留学生に向けた講習会人数が大体何人ですかということでこれ書いてあるんですが、三千四百七名と。つまり、七区分あるうちの一区分でしか、やっぱり数字は見えてこないと。電卓ちょっとはじきましたら、対全体で皆さんが影響力を持っている数、先ほどの五十七万人の中から割り出しますと、わずか〇・六%でございます。留学生という区分で限っても二・九%でございますので、皆さんの取り組みがどこまで外国人の皆さんのお役に立っているのかの評価がしづらいといったのが率直なところであります。
 また、DVDをつくる、パンフレットをつくる、講習に行くといったことはありますが、相談を受ける機能もないと聞いております。
 やっぱり今後は--まあ、トラブルという表現は人によってさまざまですので難しいと思いますけれども、犯罪に巻き込まれた在留外国人の数をしっかりと把握し、数値目標を立てまして、数値を減らしていくことを目標とすべきと考えますが、見解を伺います。

○高野治安対策担当部長 例えば検挙人員とか、そういったものにつきましては、当本部だけではなく、警察であるとか、さまざまな機関の取り組み、あるいは経済状況など、さまざまな要因が関係するものと考えております。
 先ほども申し上げましたけれども、外国人滞在支援対策といたしましては、現在のところ、講習会の実施ですとか、あるいはマニュアルの配布などをさせていただいておりまして、こうした取り組みによりまして、一人でも多くの外国人がトラブル等に巻き込まれることもなく、安全・安心な生活が送ることができるように施策を展開していきたいというふうに考えております。

○宮瀬委員 正面からご答弁いただけないわけでありますが、誤解していただきたくないのは、講習会の取り組みが悪いといったことではなくて、全体で見て、全体で五十七万人外国人の方がいて、みんなそれぞれのところで多分困っている方が多くいると思います。それをちゃんと分類して、その各分類ごとにアプローチをとっていただくと。
 これは皆さんの事業だけではないですが、これきっちりと--例えば、三つのシティーの実現に向けた政策の強化ということで政策企画局が組んでいますけれども、各局全部、数値目標と年限切っていますよ。認知のところでいっても、例えば、消防庁は救急相談センター認知率、二〇二二年度まで六〇%にしていきますよという数字もしっかりと掲げていらっしゃっています。
 なので、今回は初めての指摘でございますので、これ以上、もうご答弁は求めませんが、三月の予算質疑の際に再度確認をさせていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○原委員 それでは、私は、再犯防止推進計画について伺います。
 前定例会でも質問していますけれども、進捗状況を含めて伺いたいと思います。
 再犯防止のための協議会をどういう構成でつくっていくのかが重要だと思っています。
 いつ設置し、どういう委員構成を考えているのか伺います。

○高野治安対策担当部長 再犯防止のための協議会についてでございますが、現在、設置に向けた調整を進めているというところでございます。

○原委員 まだ進めている途中だということです。
 そういう状況ですので改めて要望しておきたいと思いますが、高齢者や障害者の再犯防止については、特に福祉的な視点が欠かせない、これはいうまでもないことですが、以前から指摘をしていますけれども、地域生活定着支援センター、この役割が非常に重要なので、協議会の構成の一つの機関としてしっかり位置づけていただく必要があると思っています。
 定着支援センターの目的は、六十五歳以上の高齢者、または障害により福祉的な支援を必要とする矯正施設退所予定者及び退所者に対し、矯正施設、保護観察所等と連携、協働しつつ、矯正施設入所中から退所後まで一貫した相談支援を実施することにより、その社会復帰及び地域生活への定着を支援し、再犯防止対策に資するということが目的です。
 それで、福祉保健局の生活福祉部、所管に現状を伺ったところ、昨年度、コーディネート業務を終えた方が百三十五人ということでした。
 また、聞いていて、途中で辞退する方もいらっしゃるということで、やっぱりさまざまな状況を把握して、フォローアップやその後の相談業務も行っていく必要性が非常にあると。その役割を果たしているのがセンターなので、本当に繰り返しになりますけれども、協議会の中ではしっかり位置づけていただきたいということを、ここでは改めて要望しておきたいと思います。
 その上で、今この再犯防止推進計画を進めていく中で実施をされています、高齢者よろず相談の実施状況について伺いたいと思います。
 件数や内容、また特徴についてお聞かせください。

○高野治安対策担当部長 高齢者よろず犯罪相談についてでございますが、加齢による機能低下などを背景とした犯罪に関して悩みを抱える高齢者本人や、そのご家族などを対象としておりまして、十月末時点で、万引きに関するものなど七十七件の相談が寄せられております。

○原委員 今はまだこの相談、途中ですけれども、現時点で七十七件ということですが、その中で具体的に必要な機関につないだケースなどはあるでしょうか。

○高野治安対策担当部長 例えばでございますが、万引き行為について、認知機能の低下による行動であることが疑われる事例を窃盗症専門病院などにつないでおります。

○原委員 そういう点では、気軽に電話をして、そして相談に応じていただいて、適切な機関につないでいくというのは本当に重要だなというふうに思います。
 七十七件が多いか少ないかという分析は難しいですけれども、少なくとも必要な人たちにこういう相談があるという情報が伝わって、そして困難なケースが解決をされていくということが重要だと思っています。
 今回、相談を始めるに当たっての周知はどのように行われましたでしょうか。

○高野治安対策担当部長 高齢者よろず犯罪相談の対象でございますが、加齢による機能低下などを背景とした犯罪に関して悩みを抱える高齢者ご本人や、そのご家族を対象としていると、そういったことを踏まえまして、警察署や地域包括支援センター、区市町村の高齢者関連窓口などに対し、事前の周知を行っております。
 また、チラシやポスターにつきましては、区役所や市役所など、図書館など、公的機関に加えまして、商業施設や商店街、地下鉄各駅に掲示するなど幅広く周知を行っております。

○原委員 幅広く周知をしていただいているということです。
 十二月までの実施となりますけれども、現時点までの実施状況の中での効果というのはどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

○高野治安対策担当部長 本相談事業でございますけれども、十二月までの実施でございますので、効果につきましては、その結果を見ながら分析をしたいと、こういうふうに考えております。

○原委員 わかりました。
 これがどういうふうに分析されるかで、今後も続けていくかどうかということになっていくんだと思いますが、お話を伺いますと、このよろず相談で、犯罪とは直接関係ないけれども困り事を相談しているという、そういう事例もあると聞いています。やっぱりそれはそれだけ、チラシなどが結構行き渡っているんだなというふうに私は思ったんですね。区役所や市役所に行ったときに手にして、困ったことがあって電話してみようと、よろず相談と書いてあるというふうに思われたのではないかというふうに思います。
 ですので、私は、再犯防止という観点で、このよろず相談の実施状況を今後分析していくこと、もちろんこれが中心なんですけれども、直接犯罪とは関係ないけれども相談をしてきているというようなケースについても、ぜひ分析というか、それがどのぐらいの割合でいらっしゃるか、どんなことで皆さん連絡してきているかということをぜひ把握して、分析していただきたいし、これを高齢者を担当している局などにも、ぜひ情報提供していただきたいなというふうに思います。
 今、ひとり暮らしの高齢者の方もふえていますので、心配なことが起きたときに、なかなか相談できる相手がいないという、そういう背景もあるのではという気持ちもしますので、ぜひ、今後の高齢者支援にも役立てるような形での分析がされるといいのではないかというふうに思っています。
 次に、再犯防止を進めるために、区市町村との連携、区市町村職員の理解、これがとても重要になります。
 都として何に力を入れていくのか伺います。

○高野治安対策担当部長 都は従来より、民間支援団体や区市町村職員を対象とした、非行少年等の立ち直りを支援していくための研修会を開催しておりまして、このような研修会への参加を募るなどして、区市町村職員の理解を深めていきたいというふうに考えております。
 また、今後設置をいたします再犯防止のための協議会におきましても、区市町村との連携を図ってまいります。

○原委員 やはり区市町村との連携は非常に重要だと思いますので、そこはぜひお願いしたいと思いますが、あわせて民間支援団体の育成や研修、これも重要になってきます。
 この育成や研修について、その強化について、どのように検討されているか伺います。

○高野治安対策担当部長 先ほどお話をいたしました研修会におきまして、非行少年及び非行歴を有する若者などを支援する担い手をふやすため、民間支援団体や区市町村職員を対象として学びの場を提供しております。
 引き続き、こうした研修会を実施いたしまして支援体制の充実を図ってまいりたいと考えております。

○原委員 研修についてはさらに強化をしていかれるというふうに、これまでの議論も通じて認識をしていますけれども、これ、先ほど研修会のお話がありました、具体的にどのように実施してどういう内容なのか、改めて伺いたいと思います。

○高野治安対策担当部長 この研修会でございますけれども、非行少年に係る支援の現状について、パネルディスカッションやグループワークの形式で学んでいただいております。参加をしていただいておりますのは、NPO法人など民間支援団体のほか、保護司の方々、あるいは区市町村の方々でございます。
 今年度の研修会につきましては、九月に開催をしておりまして、そういった取り組みに加えまして、協力雇用主の方や、そこで雇用されております刑務所出所者等の講演を盛り込むなど、工夫をしたところでございます。

○原委員 ぜひ充実をさせていっていただきたいと思います。
 その上で、再犯防止推進計画では、今も非行少年のっていうお話がありましたけれども、少年、若年者に対する可塑性に着目というふうに書かれています。
 これについてはどういう意味なのか、改めてお聞かせください。

○高野治安対策担当部長 一般的に少年、若年者は、未成熟で発達の途上にあるため、成人と比べ、指導や支援の効果が柔軟に表出する、あらわれる特性があるといわれております。そうした可塑性を踏まえまして、少年、若年者の立ち直りに向けた取り組みをきめ細かく実施していくことが重要であると、そういった意味でございます。

○原委員 私は、この点はとても重要だというふうに思っていまして、どういう支援が行われるかで本当に変わってくると思います。
 それで、子どもの権利条約では、第四十条に子供に関する司法というのが位置づけられていますが、これ、子供たちにわかりやすくユニセフが訳している内容では、こういうふうに書いてあります。
 国は、罪を犯したとされた子供が、人間の大切さを学び、社会に戻ったとき自分自身の役割をしっかり果たせるようになることを考えて扱われなければなりませんというふうに説明をしていて、本当にこれは大事なことだと思います。
 こういう視点を持って適切な支援、教育が行われることによって、本当の立ち直りもあるのではないかというふうに思いますので、ぜひここをきちんと、そういう視点で支援をしていただける、そういう支援団体を育成していくということが重要なのではないかということを意見として述べておきたいと思います。
 そして、今後、再犯防止推進計画については、広く都民に伝えていくということが必要になってきていますが、これについてどのように進める考えか伺います。

○高野治安対策担当部長 都におきましては、犯罪や非行を防止するとともに、罪を犯した人や非行歴のある少年が孤立することなく更生し、再出発できる社会を築くため、社会を明るくする運動等において普及啓発を行い、都民の理解を深めるよう努めております。
 再犯防止推進計画につきましては、七月の計画策定以降、既にこうした場などを活用し、説明を行ってきておりますけれども、引き続きさまざまな機会を活用し、都民への普及啓発を進めてまいります。

○原委員 広く都民に伝えていく、その上で、そのときに重要なのが、これまでもちょっと繰り返し指摘をして、意見をいってきているんですが、被害者の心情を踏まえた対応が求められるという点です。
 犯罪の内容によっては、罪を犯した人の再出発といわれても、なかなか受け入れにくいという場合もあります。例えば、性被害などは本当にそうだと思いますし、また、ストーカーの被害などを受けている方なども非常に恐怖を感じているという、それは事実の問題としてあると思うんですね。
 それで、やっぱりこうした被害者の立場に立った、そこも踏まえた上できちんと伝えていくという点を考える、この点については、私は、今後つくられる協議会の中で十分に議論をしていただきたいというふうに思っていますが、協議会で進めていくべき課題だと思っていますが、見解を伺います。

○高野治安対策担当部長 本協議会は、東京都再犯防止推進計画に基づきまして、都、区市町村、刑事司法関係機関、民間団体等が直面する課題への対応について、包括的な協議を行うことを目的としております。
 具体的な検討事項につきましては、設置後の議論におきまして、その時々に必要とされる事柄を扱っていくというふうに考えております。

○原委員 やはり今ご答弁を伺って、協議会は重要だなと改めて思いました。
 今、設置後の議論において、その時々に必要とされる事柄を取り扱っていくというふうにありましたので、指摘した点などもぜひそこで議論をしていただきたいと思いますが、国の計画における五つの基本方針の中では、その三つ目にこの問題をいわれています。
 再犯の防止等に関する施策は、命を奪われる、身体的、精神的苦痛を負わされる、あるいは財産的被害を負わされるといった被害に加え、それに劣らぬ事後的な精神的苦痛、不安にさいなまれる犯罪被害者等が存在することを十分に認識して行うということが位置づけられていて、犯罪をした者等が犯罪の責任等を自覚し、犯罪被害者の心情等を理解し、みずから社会復帰のために努力することの重要性を踏まえて行うというふうに書かれていまして、この社会復帰のために努力することの重要性を踏まえるということは、ただ反省して、ただ頑張りますという、そういう話ではなくて、きちんと必要な、犯罪によってはきちんと治療を受ける、教育を受ける、訓練を受けるということが、そういう人たちになされているんだということが被害者にも伝わっていく、都民にも伝わっていくことが私は重要なんだというふうに思うんですね。
 そういう中で、犯罪を犯した人たちがきちんと立ち直っていく体制をとっているんですよということを周知できるようにしていただきたいというふうに思うんです。
 そうなると、やっぱり協議会の持ち方や協議会の委員構成が非常に重要になってきますので、いろいろな犯罪がある中で、そうした議論が十分に進められるように委員会構成を考えていただきたいと、このことを改めて要望して、質問を終わります。

○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○早坂委員長 次に、第四回定例会に提出されております案件について理事者の説明を求めます。

○國枝都民安全推進本部長 今定例会に提出しております都民安全推進本部所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 今回提出しております案件は、令和元年度補正予算案一件でございます。
 恐れ入りますが、資料第2号、令和元年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。
 1、総括表の(2)、歳出、補正予算額の下段、歳出合計にございますように、歳出につきまして、地域における見守り活動支援の実施に要する経費として一億七千九百万円の補正を行うものでございます。
 詳細につきましては、総合推進部長から説明させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今定例会に提出しております令和元年度補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、令和元年度補正予算説明書の一ページをごらんください。
 下段の2の歳出予算の三行目、管理費につきまして一億七千九百万円の補正を行うものでございます。
 これは、地域における見守り活動支援事業として実施しております町会、自治会等が設置する防犯カメラへの補助事業について、補正が必要な予算額を計上したものでございます。
 本年五月の川崎市における児童生徒の大量殺傷事件の影響等もあり、地域の皆様方や区市町村から、より一層の対応を求める声が高まっております。防犯カメラは、東京二〇二〇大会に向け、セーフシティー東京を実現するための必要不可欠な公的インフラであることから、増額補正を行い、その設置を促進するものでございます。
 なお、対象事業としましては、区市町村の意向を調査しました結果、予算の不足が見込まれる町会、自治会等による防犯設備の整備事業、区市町村が行う登下校区域及び区市町村立公園における防犯設備の整備事業としております。
 以上、簡単ではございますが、令和元年度補正予算案につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○早坂委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で都民安全推進本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時九分散会

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