委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 加藤 雅之君 |
副委員長 | 本橋ひろたか君 |
理事 | 藤井あきら君 |
理事 | 鈴木 邦和君 |
理事 | 清水 孝治君 |
山内れい子君 | |
宮瀬 英治君 | |
原 のり子君 | |
つじの栄作君 | |
中屋 文孝君 | |
米倉 春奈君 | |
谷村 孝彦君 | |
入江のぶこ君 | |
木村 基成君 |
欠席委員 なし
出席説明員政策企画局 | 局長 | 山手 斉君 |
外務長 | 一方井克哉君 | |
次長理事兼務 | 栗岡 祥一君 | |
技監 | 福田 至君 | |
理事報道担当部長事務取扱 | 河内 豊君 | |
理事 | 横山 英樹君 | |
理事 | 寺崎 久明君 | |
理事 | 関 雅広君 | |
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小沼 博靖君 | |
渉外担当部長 | 村上 章君 | |
政策調整部長 | 小笠原雄一君 | |
政策調整担当部長 | 松崎伸一郎君 | |
政策調整担当部長都市施設政策担当部長兼務 | 小泉 雅裕君 | |
技術政策調整担当部長 | 三木 健君 | |
戦略広報担当部長デジタル広報担当部長兼務 | 浅井奈穂子君 | |
海外広報担当部長 | 梅田 弘美君 | |
ホストシティプロジェクト推進担当部長政策調整担当部長兼務 | 小野 由紀君 | |
大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 | 蜂谷 典子君 | |
計画部長 | 吉村 恵一君 | |
外務部長 | 加藤 英典君 | |
外務担当部長 | 丹羽恵玲奈君 | |
戦略政策情報推進本部 | 本部長 | 松下 隆弘君 |
理事 | 小室 一人君 | |
戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 松永 竜太君 | |
特区推進担当部長 | 米津 雅史君 | |
戦略事業担当部長 | 小川 祥直君 | |
ICT推進部長 | 戸井崎正巳君 | |
情報企画担当部長 | 荻原 聡君 | |
情報基盤担当部長 | 沼田 文彦君 |
本日の会議に付した事件
政策企画局関係
事務事業について(質疑)
戦略政策情報推進本部関係
事務事業について(質疑)
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 戦略政策情報推進本部所管分
○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、政策企画局及び戦略政策情報推進本部関係の事務事業に対する質疑並びに戦略政策情報推進本部関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取を行います。
なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより政策企画局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、政策企画局長から幹部職員の紹介があります。
○山手政策企画局長 去る十一月一日付で当局の幹部職員に異動がございましたので、紹介をさせていただきます。
戦略広報担当部長でデジタル広報担当部長を兼務いたします浅井奈穂子でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○早坂委員長 紹介は終わりました。
○早坂委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○小沼総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る十月十五日の委員会におきまして要求のございました資料につきまして、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料によりご説明申し上げます。
初めに、一ページをお開きください。1、小池知事就任後の海外出張状況でございます。
小池知事就任後、現在までの海外出張について、出張先、期間、宿泊部屋タイプ、航空機の座席クラス、参加人数及び費用を記載してございます。
次に、二ページをお開きください。2、平成三十年度海外広報事業委託の目標指標、目標値及び実績でございます。
平成三十年度に実施いたしました海外広報事業委託における取り組みにつきまして、目標指標、目標値及び実績を記載してございます。
次に、三ページをごらんください。3、令和元年度海外広報事業委託の目標指標及び目標値でございます。
今年度実施しております海外広報事業委託における取り組みにつきまして、目標指標及び目標値を記載してございます。
最後に、四ページをお開きください。4、東京都に関する一般財団法人自治体国際化協会、CLAIRの活動実績等でございます。
海外事務所における海外活動支援、海外調査、JETプログラムの推進及び海外事務所における都職員派遣受け入れについて、実績を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、資料についてご説明させていただきました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○早坂委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○つじの委員 我が国では、少子高齢化が急速に進展した結果、二〇〇八年をピークに総人口が減少に転じており、人口減少社会に突入しています。内閣府や総務省のホームページなどによると、二〇五三年には、日本の総人口は一億人を下回ることが予測されています。
我が国では、七十五歳以上の人口を増加させながら、本格的な人口減少の局面を迎えております。人口構成も変化し、二〇一七年の十四歳までの年少人口、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口、六十五歳以上の高齢者人口はそれぞれ、千五百五十九万人、七千五百九十六万人、三千五百十五万人となり、高齢者人口が全人口に占める割合は二七・七%となっております。
他方、生産年齢人口は、二〇一七年の七千五百九十六万人、総人口に占める割合は六〇%だったものが、二〇三〇年には六千七百七十三万人、二〇六〇年には四千四百十八万人と、減少することが推計されております。
今後も、年少人口、生産年齢人口は一貫して減少し続けるという推測があります。
東京都の推計でも、東京都全体では二〇二五年をピークに、細かく見てみますと、多摩・島しょ地域の総人口は、二〇二〇年、来年をピークに、区部では二〇三〇年をピークに人口減少に転ずることが予測されております。
政策企画局の事業概要の中でも、長期戦略の策定に当たって、激化する国際都市間の競争、気候変動や想定を超えた自然災害などとともに、二〇二五年以降の人口減少や、さらなる少子化といった社会構造の変化を、厳しい環境と認識しております。
資料、東京の未来を切り開く長期戦略の策定についての基本的な考え方の初めに、二〇三〇年までの政策目標及び政策展開を定める、その際、バックキャストの視点も取り入れて、二〇四〇年代を念頭に東京の姿を議論し、二〇三〇年の東京の将来像とそれに向けた具体的な政策目標を設定するとあります。
バックキャストについては、私は、いわゆる出口戦略とでもいうのでしょうか、ある時点での設定、想定から逆算して、現時点でできることを模索し、そのある時点に向けて、計画、戦略を練ることと理解しております。
そこでまず、現時点での長期戦略の議論の状況、方向性などをお伺いします。
○吉村計画部長 長期戦略は、時代の変化を先取りし、現在の取り組みの延長線上ではない政策を戦略的に展開するため、いわゆるバックキャストの視点を取り入れて策定することとしております。
本年八月にまとめました未来の東京への論点をベースに、都民の皆様からの意見募集や、区市町村、各分野の有識者へのヒアリングなど、幅広くご意見を伺ってきたところでございます。
現在、寄せられたご意見を参考にしながら、庁内で目指すべき将来の姿や目標、今後取り組むべき政策の柱などについて議論を重ねておりまして、この議論の成果を長期戦略にしっかりと反映させてまいります。
○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。
都庁のみならず、多くの都民の皆様や専門家などから意見をいただき長期戦略を練っていく状況、及び、現在の取り組みの延長線ではない政策を策定していく方向を確認できたと思います。
さて、総務省が発表した二〇一九年五月一日現在の我が国の総人口は一億二千六百十八万一千人で、前年同月と比較して二十八万五千人減少、十五歳未満は千五百二十九万二千人で、前年同月と比較して二十万一千人減少、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口は七千五百十一万四千人で、前年同月と比較して四十四万三千人の減少、六十五歳以上の人口は三千五百七十七万五千人で、前年同月比で三十五万九千人の増加、日本人人口は一億二千三百九十万人で、前年同月比、四十五万四千人の減少となっております。六十五歳以上の人口のみ、前年同月比で増加し、残りの指標は減じている状況が確認できると思います。
また、厚生労働省の統計によりますと、二〇一六年には年間の出生数が九十七万六千九百七十九人でしたが、明治三十二年、一八九九年ですけども、近代的な人口統計が開始されてから出生数が年間百万人を割ったのは初めてのことで、このことが大きく報道されたのは記憶に新しいところであります。
その後も、二〇一七年は九十四万一千人、二〇一八年には九十一万八千人、本年二〇一九年では、出生数は九十万人を割り込むとの予測もあるようです。急速な少子化が進行している現実があることは、誰もが理解できるところだと考えます。
近未来の日本社会は、人類がいまだ経験したことのない社会となることが予測され、このような社会構造の変化を踏まえた上で政策策定を計画しなくてはならないと考えます。
私は、精神科医として専門家でありますけども、このような少子化、高齢化、人口減少社会となることに、臨床の現場を知る立場から、肌で危機感を感じております。
私からいわせれば、今後の超高齢化社会の到来は、あらかじめ相応の準備ができると考えております。なぜならば、既に我々はこの世に存在していますので、総数を把握でき、また、時間が一年経過すれば、確実に一歳、年を重ねます。
一方、出生数に関しては、いまだこの世に生まれていない将来の子供を、確実にその人数を確認することはできず、少子化については、誰もその進行を正確に予測することができないものと私は思います。
ただいま述べましたとおり、ほんの四年前には、年間出生数が数年間にわたり、辛うじて百万人台を維持していましたが、この三年余りで九十万人を割ることが見込まれることは、私も含めて、普通に生活している者には予想もつかなかったことだと思います。
東京都の資料、未来の東京への論点によると、東京では、二〇一八年までは数年間の出生数は十万人前後で推移し、総務省の資料では、二〇四〇年には、全国で出生数は七十四万人余りと推計しております。しかし、五年後にも出生数は八十万人を割るということも、私はあり得ると思います。
また、ことし五月、こどもの日を前に総務省の推計がマスコミなどで報道され、外国人を含めた十四歳以下の子供の数は、前年より十八万人減り、比較可能な一九五〇年以降、過去最低を更新しており、減少は三十八年連続であり、総人口における割合も、前年比〇・二ポイント減じており、一二・一%で四十五年連続低下したとあります。
そこで、このような劇的な時代の変化に対する感覚は、私を含めて、人それぞれだとは思いますけども、現状で東京都における少子高齢化や人口減少社会の受けとめ方、認識をお伺いします。
○吉村計画部長 少子高齢化や人口減少が継続いたしますと、首都東京の活力に大きな影響を与えることになり、人口構造の変化は、東京、ひいては我が国の将来をも左右する課題だと認識しております。
例えば、少子化の進行により、将来の担い手は確実に不足し、また、高齢化の一層の進展に伴い、介護、医療施設が不足し、社会保障費が大幅に増加いたします。
さらに、人口減少の急激な進行は、労働力不足や生産活動の停滞、個人消費の減少など、社会経済活動を減退させるおそれがございます。
こうした人口構造の変化をしっかりと見据えて、東京のあるべき姿やなすべき政策を検討してまいります。
○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。東京都が相応の危機感を持って、今後の東京及び日本の将来を展望しているということが理解できました。
総務省のホームページでは、男女を年齢別に表にした人口ピラミッドを資料として見ることができます。しかし、私からすると、直近のそのピラミッドの形は、上が細くて、下に行くほど裾野が広がっていく形ではないように思います。
また、将来のピラミッドの形は、私からすれば尻すぼみのようにも見えます。そのピラミッドでは、若い世代の絶対数が少なくなっていることは一目瞭然であると思います。
このような若年と老年の人口比が長く続くと、私は保険診療を行う保険医でもあるのですが、医療費の増大、若い働く世代の納める保険料で国民皆保険制度を今後も維持するのは困難を伴うであろうというふうに現場で実感しているところでございます。
また、最近、報道でもしばしば取り上げられるように、年金問題も、多くの人が承知のとおり、少子化、高齢化、人口減少社会のあり方がその本質であると改めて指摘しておきます。
国民の安心・安全を守ってきた我が国の社会保障制度のあり方も、近々、転換点を迎えるのかもしれません。
そこで、国の制度の枠組みの中で、地方自治体である東京都ができることの限界もあるかとは思いますが、東京都の政策策定の一環で、国に対して政策を要望した実績があるのか。また、ある場合にはその実績を、ない場合には、今後、国に対する働きかけをする意図が現時点であるのか、お伺いします。
○村上渉外担当部長 都は、国の施策や予算に都の意向を反映させるため、毎年、各府省庁の概算要求前の六月と国の予算編成前の十一月に、政府や各府省庁に対しまして提案要求活動を実施しております。
例えば国民健康保険制度につきましては、今年度も、今後の医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の強化を図っていくこと、その際に必要な財源を確保するとともに、地域の特性にも十分配慮することを要望しておりまして、所管局が要求活動を実施しております。
○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。
現在、都が行っている国に対する対応を確認させていただきました。引き続き、国に対して、東京都として要望、要求することを願います。
本日は、今後、より一層の少子高齢化、人口減少社会を迎えることになる東京について質疑させていただいております。
冒頭、説明申し上げましたが、私の地元、小金井市を含む多摩・島しょ地域では、区部よりも一足早く人口減少が見込まれます。
地元の観光業などの関係者の皆様にご意見を伺うと、このままだと、多摩地域では過疎化が急速に進んで衰退する一方だ、東京都には、多摩地域に観光ルートの開発などを通してにぎわいをつくってほしいなどの心からの要望をお聞きします。
そこで、二〇四〇年代を想定した長期戦略を策定する中で、東京都として、とりわけ多摩・島しょ地域に関する考え方、認識をお伺いします。
○吉村計画部長 多摩地域は、東京の三分の一の人口を擁し、高い技術力を持つ企業や大学、研究機関が集積しております。また、島しょ地域は、豊かな海洋資源や自然環境に恵まれまして、各島が特色ある特産品や文化などを有しております。
多摩・島しょ地域は、将来にわたって活力ある東京をつくっていくために重要な地域でございまして、本年八月の論点整理では、多摩・島しょの魅力をさらに高めるを取り上げ、まちづくり、産業の発展、観光振興、暮らし、災害対策など多面的な課題を提示いたしました。
長期戦略では、こうした課題を踏まえまして、多摩・島しょ地域が持つ特色を生かし、にぎわいと活力に満ちあふれた地域社会をつくり上げていくために政策を盛り込んでまいります。
○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。私の地元の小金井市を含む多摩・島しょ地域に対する都の考え方が確認できました。引き続き、人口減少が区部より先に進行する多摩・島しょ地域の戦略の策定にご尽力いただきたいと存じます。
一方、もう一つの観点から質問させていただきたいと思います。人口減少、少子高齢化のもう一つの観点から、ちょっと質問させていただきたいと思います。
今後、都内では単身世帯の増加が見込まれます。二〇一五年の国勢調査では、五十歳以上の未婚割合について、男性が二三・四%、女性が一四・一%であり、内閣府の資料によると、今後も五十歳時未婚割合の上昇が見込まれるとあります。
さきの資料、未来の東京への論点でも、二〇四〇年には都内の全世帯の過半数が一人暮らしになることが記されております。
未婚割合の増加、婚姻数の絶対数の減少などの事象に対しては、人それぞれに個々人の理由があるとは思います。また、それらに対して、いろんな解釈とか研究がなされているところも承知しているところではございます。
単身世帯になる理由は、未婚であること以外にも多岐にわたると思いますが、長期戦略において、このような家族のあり方の変化をどのように織り込んでいくのか、お伺いします。
○吉村計画部長 平成の初期は、夫婦と子供の世帯が都内全世帯の三分の一を占めておりましたが、東京の一世帯当たりの平均世帯人員は、二〇一五年に一・九九と、初めて二を下回り、単独世帯が全世帯の半数近くを占めるなど、家族構成が大きく変化しております。
今後、さらに単独世帯の増加が見込まれておりまして、一人暮らしの高齢者だけではなく、六十五歳未満の方も含めて、誰もが社会から孤立することなく安心して暮らせる社会の実現に向けた政策を検討することが重要でございます。
八月の論点整理では、二〇三〇年に向けた課題として、誰もが集い、支え合える居場所づくりなどを掲げておりまして、こうした観点からの政策を長期戦略に盛り込んでまいります。
○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。
少子高齢化、人口減少社会に伴う単身世帯の増加に対しては、今後、都の重要な課題になることが予測されると思います。
私のことですけども、私自身がことし五十一歳で、今まで勉強と仕事に集中してきて、自分自身が生きるのに必死で過ごしてまいりました。現在も、こういう立場でもございますし、そのような気持ちで毎日過ごしております。それで、気がつけば、私自身に結婚歴がなく、単身での生活を送っているわけですが、この問題は、自分のこととして非常に危機感を感じます。
私自身は、自分の人生のこれまでの選択に全く後悔はありません。しかし、単身者であることを選択した、あるいは選択せざるを得ない方を肯定的に捉え、いろんな生き方があってもよいではないかと、多様性を認め合う社会、ダイバーシティーの実現と、今後、単身世帯が増加する中で直面するであろう社会全体の課題との関係は、ある意味、矛盾を呈する状況かもしれませんけども、確実に直面する事態に十分な備えが必要と考えます。
本日、質疑、答弁いただいている中で、近未来の東京、日本が劇的な社会構造の変化の中にあることは確認できたと思います。
我々、日本人、都民の皆様が直面することになる諸問題、困難に正面から向き合わなくてはならない近い将来において、私は、困難に直面するその都度、その都度、その時点での最大の努力を行っていく必要があることを、当たり前のようですけども、強く指摘させていただきます。
なぜならば、前述しましたように、今後の私たちの東京、日本での社会構造の劇的な変化は、人類の歴史上、誰も経験したことがないものであり、今までの成功体験、つまり、こういった問題にはこのように対策できていたから大丈夫だ、あるいは、前例を踏襲すれば解決できるといった発想では、全く対処できないと考えるからであります。前例のない問題、困難に対して、臨機応変に素早く対応する態度が必要と考えます。
最後の質問になります。
資料、未来の東京への論点の中にあります目指す東京のイメージ例の中で、子供を産み、育てたいと思う人であふれ、少子化からの脱却に成功している東京とあり、具体例として、合計特殊出生率二・〇七は先進国最高水準となり、少子化からの脱却に成功している、子供を産み、育てたいという希望を持つ人であふれている、待機児童問題は死語になっているなどの文言がございます。
そこで、この目指す東京のイメージ例のような、明るく輝く東京を目指すための長期戦略を策定するに当たり、政策企画局長の決意をお伺いし、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○山手政策企画局長 本年八月にまとめました未来の東京への論点では、経済、テクノロジー、気候変動、人口構造という、現在の東京が直面する歴史的な転換点を挙げ、とりわけ日本経済の国際的な地位の低下、第四次産業革命への対応のおくれ、夏の暑さや自然災害の激甚化、人口減少、少子高齢化の進展などに対する危機感を提起させていただきました。
世の中の動きは極めて速く、不確実性が一層増していく中で、これまでの延長線上の発想では、東京の明るい未来は望めません。
そのため、長期戦略の策定に当たりましては、時代の変化、変革を先読みし、さまざまな課題を想定した上で、都民が将来への希望を抱くことができるような骨太な政策が求められております。
現在、都民の皆様を初め、多くの方々からご意見を頂戴しながら、全庁を挙げて検討を進めているところでございまして、年内に公表予定の長期戦略ビジョンでは、成長と成熟が両立した目指すべき東京の姿や、将来に向けた目標をお示しするとともに、その実現に向けて取り組むべき主要な事業などを盛り込んでまいりたいと思っております。
年内の公表に向けまして、議論の仕上げの時期に入ってございます。長期戦略ビジョンが都民の共感を得られ、明るい東京の未来の実現に向けた一歩を着実に踏み出していけますよう、引き続き、各局と十分に連携を図りながら、私ども政策企画局が先頭に立って全力で策定を進めてまいります。
○加藤委員 初めに、東京ベイエリアビジョンに係る官民連携チームの取り組みについて質問をいたします。
先月、この官民連携チームが東京ベイエリアビジョンの庁内検討委員会に最終提案書を提出したというふうに聞いております。
この庁内検討委員会自体は、東京二〇二〇大会後を見据え、今後の成長を牽引するベイエリアの将来像を描くために、港湾局を中心に検討されているとのことでありますが、官民連携チームは、次世代を担う若手や民間の視点を取り入れて、行政の枠を超えた自由な発想で検討を行うために設置され、政策企画局が事務局を担当したとのことであります。その関係で質問をしたいと思います。
まず、この官と民で連携したチームで検討するという取り組みは、非常に先進的で、これまでにはない、いい試みだというふうに思いますけれども、都が今後策定する東京ベイエリアビジョンの検討組織である庁内検討委員会とこの官民連携チームとはどういう位置づけになっているのか、確認の意味も込めて伺いたいと思います。
○吉村計画部長 東京ベイエリアビジョン庁内検討委員会は、副知事をトップに関係部局の部長級による委員で構成されておりまして、港湾局が事務局となり、東京ベイエリアビジョンを策定することを目的に設置されております。
一方、官民連携チームは、都庁の若手職員とともに、まちづくりや文化、先端技術などにおける民間企業の精鋭や新進気鋭の研究者、有識者などに参画していただきまして、行政の枠を超えた発想や手法などについて庁内検討委員会に提案いただくために設置されたものでございます。先月、最終提案が行われ、官民連携チームとしての取り組みを完了しております。
○加藤委員 先月、官民連携チームが最終提案を庁内検討委員会に提出し、その取り組みは完了したとのことでありますが、官民連携チームから出されたこの最終提案というものは、主にどういった中身だったのか、伺います。
○吉村計画部長 先月、十月二十一日に、官民連携チームの最終提案が庁内検討委員会に提出されております。
この提案書では、ベイエリアの目指す姿を、ベイエリアの強みを生かして世界から人と投資を呼び込み、東京の持続的な成長を牽引する未来創造域へとし、海から見渡す東京の未来をつくる、東京、日本ならではの未来を世界に発信し、世界を魅了する、みずから未来を生み出し続ける実験提案型のまちをつくるの三つの戦略が示されております。
この戦略をもとにしまして、内海を中心としたまちをつくるや、東京二〇二〇大会レガシーからウエルネスのまちを創成する、さらには、ベイエリア発、世界初を生み出し続けるなど、十一の提案が示されております。
○加藤委員 まさに民間の自由な発想で、先進的な取り組みやさまざまな手法について提案がなされており、こうした提案について、今後、都が策定するベイエリアビジョンに生かしていくことが大事だと考えますが、この提案がどのように扱われるのか、また、策定スケジュールはどうなっているのか、伺います。
○吉村計画部長 東京ベイエリアビジョンは、東京二〇二〇大会後の成長モデルを内外に示すものとして、ベイエリア全体を俯瞰し、これまでの枠を超えた総合的なビジョンとして策定することとしております。
今後、官民連携チームの提案などを参考にしつつ、東京二〇二〇大会のレガシーを踏まえた東京の新たな将来像を示す長期戦略と整合を図りながら、来年度の策定に向けて検討を進めることとしております。
○加藤委員 私も中身を一読させていただきましたけれども、この官民連携チームからの提案には、民間や若手の自由な意見や発想のもと、バラエティー豊かな提案が数多く盛り込まれていて、一言でいうならば、本当におもしろいというふうな内容となっているというふうに思います。
中には、行政として直ちに実現することは困難かなというものも多くありますけれども、ベイエリアの未来を描くに当たって、これまでの都政にはない新しい取り組みが行われたことは大変有意義なことであると思います。
東京二〇二〇大会を契機に、ベイエリアは一層注目を集めるとともに、大会後も持続的な成長を遂げる東京を牽引していくという、そのエリアとして期待をされておりまして、その高いポテンシャルを最大限に引き出していけるよう、議論を進めていってほしいと要望いたします。
次に、現在、政策企画局を中心に検討しております長期戦略について伺います。
年末に公表予定の長期戦略ビジョンの具体的な内容については、現在、検討中というふうに聞いておりますけれども、そこで私からは、本年八月の未来の東京への論点の公表から現在に至るまでの検討のプロセスの中で行った意見の集約について伺います。
この論点には、都民、都議会、区市町村から幅広く意見を伺い、年末を目途に長期戦略ビジョンを策定するというふうに書かれております。二〇四〇年という長期的な視点に立った都政の進む先を考える上で、私たち議会を含め、さまざまな方の意見を集約することは大変重要であると思います。
そこで、まずは、この論点公表後、どのような方からどのような形で意見を伺ったのかについて伺います。
○吉村計画部長 長期戦略の策定に当たりまして、都議会の皆様を初め、都民、区市町村など幅広い方々からご意見を伺うことは大変重要であると認識しております。
そのために、広く都民から夢やアイデアを募る都民意見大募集を実施するとともに、小中学生を対象に、わたしが大人になった時の東京をテーマとした絵画コンクールを開催いたしました。さらに、都内の十三大学にご協力いただき、大学生によるワークショップを開催するなど、将来を担う子供、若者から意見やアイデアを積極的にいただいたところでございます。
また、都民に身近な行政サービスを提供する区市町村につきましても、知事と区市町村長との意見交換等を行っております。
○加藤委員 さまざまなチャンネルや手法を通じて、また、さまざまな方から意見を伺ったということでありますけれども、中でも、この論点にも書かれております都民意見大募集については、聞くところによると、チラシなどもつくって意見を募ったということであります。
そこで、どういった意見がどれぐらい集まったのか、伺いたいと思います。
○吉村計画部長 お話の都民意見大募集は、みんなでかなえる東京の未来と題しまして、東京二〇二〇大会で後世に残すレガシー、二〇四〇年代の東京の姿の二問の選択式の設問に加えまして、自由記述で未来の東京についてのご意見を募集いたしました。
八月二十二日から十月三十一日までの二カ月余りの期間で実施し、子供から七十歳以上までの幅広い年代の方から、合わせて一万件を超えるご回答をお寄せいただいたところでございます。
いただいたご意見の内容は、子供や子育て、高齢社会、安全・安心、環境など幅広い分野にわたっております。
こうした内容につきまして分析、検討を進めた上で、長期戦略ビジョンを策定してまいります。
○加藤委員 非常に多くのご意見が出たということであります。
この長期戦略ビジョンでは、東京で働き暮らす都民の皆様にとって、東京がいかにすばらしいまちになっていくかをわかりやすく示す必要があると思います。そのためにも、都民の皆様を初めとして、さまざまな方の意見や考え方に耳を傾けることは重要であります。
現在、集計中とのことでありますが、都民意見大募集で集約した意見を初め、さまざまな声やニーズを長期戦略ビジョンの策定にしっかりと生かしていってもらうことを要望いたします。
折しも、我が党は、昨日、長期戦略ビジョン策定に関する要望を、知事に対しまして提出いたしました。その中では、安心できる住宅政策を柱に、鉄道の優先整備路線を推進、都民の健康を支援する環境、望む教育を受けられる環境、世界の都市とネットワーク、動物と共生できる社会構築といった都民生活の向上に資するさまざまな要望を盛り込んでおります。知事からも、しっかりと受けとめ、検討を進めるとのお話がありました。
政策企画局におかれても、この内容も、しっかりと長期戦略ビジョンの検討において反映するよう求めておきます。
ここまで、ベイエリアビジョンの官民連携チームの取り組み、長期戦略の関連について質疑を行いました。
政策企画局は、時に各局の事業運営を支え、また、時に全体を取りまとめるなど、全庁的な政策をコーディネートする都政のかなめの役割を担っております。
最後に、その政策企画局のかじ取りを担う局長の決意を伺います。
○山手政策企画局長 都政の課題は、まちづくりなどのハード面から、子供、子育てを初めといたしました人にかかわるソフト面まで、多岐にわたってございます。社会がますます複雑になり、刻々と変化していく状況にありましても、都政のさまざまな課題に対して有効な対策を施し、都民が将来に希望を持てる東京を実現していく必要がございます。
そのためには、長期的な視座に立った展望が必要であることから、バックキャストの視点を取り入れ、今後の都政の道しるべとなるような長期戦略の策定に向け、政策企画局が中心となって議論を深め、全庁を挙げて検討を進めてございます。
八月に公表した未来の東京への論点には、多くの都民の皆様、区市町村、そして、お話のご要望も含めまして、都議会の皆様からさまざまなご意見をいただいているところでございまして、年末の公表に向け、こうした内容も踏まえながら長期戦略ビジョンを練り上げてまいります。
さらに、政策の推進に当たりましては、各政策分野の事業を所管いたします各局と緊密に連携を図りながら、都政の課題解決に向けた取り組みを着実に推し進め、しっかりと前に進めてまいります。
○加藤委員 オリ・パラ大会後の十年、二十年が、東京、ひいては日本にとって最も困難な時期を迎えるといわれております。希望の持てる未来を描くとともに、それをどう実行、実現していくかが大事だと、そのように知事もいっておりました。
政策立案と推進の旗振り役のかなめの局として、しっかりと前に進めていくことを期待いたしまして、質問を終わります。
○中屋委員 それでは、私からは、都市外交と全国各地との連携、この二点について伺ってまいりたいと思います。
今、中国の経済発展や、香港、シンガポールの国際金融機能の集積などの成長を見ておりますと、我が東京の国際的地位が低下しているのではないかと大変心配になります。
東京が世界で一番の都市東京を目指していくためには、東京が誇る技術や文化などの強みを一層伸ばしていくとともに、世界へ発信し、アピールしていかなくてはならないというふうに思っております。
一方で、そうした東京の成長を加速するためには、姉妹友好都市を初めとした海外の諸都市との交流を深めて、すぐれた事例を学ぶなどの取り組みも極めて重要であると思います。
また、こうした都市間の協力、連携関係の重要性は、日本国内でも同様であります。我が党はかねてより、東京と地方が対立するのではなくて、共存共栄の取り組みを進めることが必要であると主張してまいりました。
改めて、都市外交と全国各地との連携、この二点についてお伺いをいたします。
まずは、都市外交についてお伺いいたします。
都は、古くから国際都市として海外との交流を活発に行ってまいりました。
海外都市との交流として一番に挙げられるのは、姉妹友好都市との交流であります。昭和三十五年に姉妹都市を提携したニューヨーク市を皮切りにロンドンに至るまで、十二の姉妹友好都市がございます。ニューヨークとパリには東京都事務所を置いた時期もありました。
こうした都市間の交流は、単に首長が行き来するだけではなくて、実務的な交流の積み重ねが重要であると、私はかねてより主張してまいりました。
そこで、十二の姉妹友好都市とどのような交流を重ねてきたのか、そしてまた、現在もどのような交流をしているのか、その成果について、できれば都市名を挙げていただきたいと思いますが、お伺いをいたします。
○丹羽外務担当部長 東京都の姉妹友好都市は、現在、ニューヨーク市、北京市、パリ市、ニューサウスウェールズ州、ソウル特別市、ジャカルタ特別市、サンパウロ州、カイロ県、モスクワ市、ベルリン市、ローマ市、ロンドン市の十二都市でございます。
こうした姉妹友好都市とは、友好親善的な交流を目的に、青少年交流、文化、スポーツ交流などを行ってまいりました。
さらに、近年は、こうした親善交流に加え、実務的な交流、協力の推進を図っております。
例えば、友好都市であるパリ市とは、昨年、パリ東京文化タンデム二〇一八を実施し、両都市の市民が多彩な文化イベントに参加いたしました。同じく友好都市であるロンドン市とは、ことし二月、オリンピック・パラリンピック・ロンドン二〇一二年大会時の交通需要マネジメント等を学ぶ実務ワークショップを実施し、関係局の職員が参加いたしました。
今後も引き続き、姉妹友好都市と実務レベルの協力を進め、その成果を都民の利益につなげてまいります。
○中屋委員 今、十二の都市名を挙げてもらいました。隣に谷村さんもいますけど、長くやっていると、本当にこの十二の都市と交流を重ねているのかなと心配になるときもありましたけれども、今のご答弁を聞いて安心いたしました。
これから長期戦略を策定するというタイミングですけれども、先般公表された論点整理でも、国際的な視点から見た東京の現状にスポットが当てられているとおり、都の施策立案の上でも、海外との関係の強化はますます重要となってくると思います。今後は、姉妹友好都市に限らず、さまざまな海外の主要都市とともに学び合う取り組みを進めるべきと思います。
そこで、二都市間都市外交の意義について所見をお伺いいたします。
○丹羽外務担当部長 姉妹友好都市を初めとする海外諸都市と二都市間の交流を深めることは、相互の都市が抱える課題や関心に即した対応を行えるため、効果的でございます。
例えば、ロサンゼルス市とは昨年七月に覚書を締結し、オリンピック・パラリンピック競技大会や環境、防災などの分野で、それぞれの都市の持つ知見を共有することに合意いたしました。ほかにも、ロンドンのシティーとは金融分野の職員派遣を通じて交流を行っておりまして、派遣職員は国際金融に関する施策の立案等の実務を学んでおります。
今後も、海外諸都市と先進事例を学び合うなど、問題解決型の二都市間の都市外交を進めてまいります。
○中屋委員 東京の国際的地位向上のためにも、海外主要都市との関係構築は重要です。都政への還元を常に念頭に置いていただいて、今後も着実に取り組んでいっていただきたいと思います。
一方で、東京はかつて、複数の都市とのネットワークを主導いたしまして成果を上げていたことを皆さんもご記憶だろうと思います。
アジア大都市ネットワーク21、通称アジネットは、さかのぼって平成十三年、当時の石原知事の強い思いで設立をされました。東京を中心にアジアの大都市が共同事業を通じてさまざまな課題の解決に連携して取り組んで、都市間の協力関係を着実に構築してきたわけであります。
しかし、これは前知事の時代に休止されました。会議への各都市首長の参加が少ないなど形骸化したからでありまして、説明は受けておりますけれども、多都市間のネットワークとして有効に機能してきたのに、とても残念でなりません。
アジネットで活発に行われていた共同事業は今どのようになっているのか、都政にどのように活用されているのか、お伺いをいたします。
○丹羽外務担当部長 アジア大都市ネットワーク21のもとで行われていた共同事業のうち、都が幹事都市を務めてきた危機管理や感染症対策などの事業は、現在も各局が多都市間の実務的協力事業として継続しております。
例えば危機管理ネットワークには、現在、十四都市が参加し、年一回の危機管理会議の開催や、各都市主催の防災訓練や研修事業への相互参加などを活発に行い、各都市の危機管理能力の向上に寄与しております。
○中屋委員 ネットワークは休止しても、実務的な協力関係は維持、活用しているとのことであります。アジネットの貴重な成果を受け継ぐものとして、ぜひとも続けてもらいたいと思います。
アジネットに見るような多都市間外交への取り組みは、姉妹友好都市などとの二都市間都市外交とはまた違った意義があります。うまく活用して存在感を発揮している海外の都市もあると聞きます。
そこで、都の多都市間外交についての考え方と、どのように進めているのか、伺います。
○丹羽外務担当部長 多都市間の都市外交は、複数の都市が共同して訴求力のあるメッセージを発信する、また、共通の課題に共同で取り組む等の点において有効と考えておりまして、目的や分野、有用性などを総合的に勘案しながら進めております。
例えば都は、平成三十年一月にU20という枠組みに参加いたしました。G20の議論に都市の意見や経験を反映させることを活動趣旨とするもので、現在、世界の主要な二十七都市が参加しております。都は、ことしの議長都市を務め、五月に東京でメイヤーズ・サミットを主催いたしました。
また、都は、分野別の国際会議も主催しておりまして、ことし五月の都市の防災フォーラムTokyo、昨年五月のきれいな空と都市東京フォーラムには多くの都市が出席いたしました。
このほかにも、平成二十七年度から東京グローバルパートナーズセミナーを主催しております。姉妹友好都市を初めとする海外の主要都市から実務責任者を招聘し、毎年テーマを設定して意見交換をするものでございます。回を重ねて参加都市もふえており、東京の取り組みの発信や海外諸都市との関係構築、強化に寄与しております。
○中屋委員 今のご答弁で、国際会議をいろいろと開催していることを理解いたしました。そのような多都市間の枠組み、機会を生かして各都市との連携を深めていただいて、相互に学び合うのはもちろん、東京の先進的な取り組みなどを世界に強く発信してプレゼンスを上げ、ぜひとも東京に成果を還元してもらいたいというふうに思います。
最後に、国内における大使館等との連携についてお聞きいたします。
海外の都市との協力関係構築はもちろん重要でありますが、東京には各国の大使館などが集積しているという地の利があります。東京にいながら、各国の代表と直に交流できるという環境を大いに活用すべきであろうというふうに思っております。
一方で、これは交流の活性化という観点にとどまらない、各国の大使館などは自国民の保護という大切な役割を有しております。大使館員を含めて日本にお住まいの外国人の方は、東京の治安や文化などを大いに評価されていると思いますが、一方で、地震や台風といった災害には不安を抱いているのではないかというふうに思っています。
外国人の観光客や住民がふえている今、こういった不安感を少しでも払拭するためにも、大使館などに対して都の取り組みを積極的に発信して、連携を密にしていく必要があると思います。
そこで、各国の大使館などとどのように連携をしているのか、お伺いをいたします。
○丹羽外務担当部長 在京大使館等との間で連絡を密にし、顔の見える関係を構築することは、東京の魅力の発信、海外諸都市に関する情報収集、災害時の外国人に対する支援などの点で重要と考えております。
毎年実施している知事主催の情報連絡会では、都の施策を在京大使等に説明し、知事を初めとする都幹部が大使等と直接意見交換を行っております。
また、都では、平成二十七年度から、在京大使館等の防災担当者を対象に防災連絡会を実施しております。発災時の都の施策を説明するとともに、都と大使館等との情報連絡体制を確認し、災害時の外国人支援に関する連携強化を図っております。
○中屋委員 大使館とは、継続的に関係の構築を図っているということはわかりました。
今後も関係を強化していただいて、いざというときに連携がとれるよう、備えるのはもちろん、外交団の皆さんに東京の真の姿を伝えていただいて、東京のファンとなって帰国いただけるよう取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、東京大会の成功とその先の東京の発展に向けて、東京の取り組みをアピールするとともに、海外都市との交流や協力を通じて、その知見や施策を学び、都政に還元していくことは重要であると思います。
来年は、いよいよ大会本番、都市外交の成果が試されるときであります。東京の都市力を強化するために、海外との交流、協力、連携をしっかりやってもらいたいと思います。
次に、都と全国各地との連携について幾つかお伺いいたします。
冒頭申し上げましたけれども、我が党はこれまで、東京、そして日本全体の発展のためには、東京対地方の構図ではなくて、共存共栄の取り組みを進めることが必要と主張してまいりました。
例えば、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致の際には、私自身も招致議員連盟の一人といたしまして、全国の四十七の都道府県、地方議会、知事、そしてまた議長を訪ね、訪問をして、招致に向けた支援を要請いたしました。
地道な取り組みを重ねたわけでありますが、その結果、全国津々浦々の地方議会議員の皆様に多くのご協力をいただいて、全国各地との連携が生み出す力の大きさを改めて私も認識したところであります。
また、特別区長会は、全国連携プロジェクトのもと、二十三区が一体となって全国との連携交流事業を積極的に進めております。連携自治体数、事業数ともに、大きく伸ばしていると聞いております。
東京には、人、物、金が集積をしております。そうした資源を最大限に活用して地方との連携を深めることは、双方の力強い発展につながるものでありまして、都も、これまで以上に積極的に他の地域とのつながりを強める努力をしていかなければならない、このように思います。
そこでまず、都がいかにみずから汗をかいて全国各地との関係構築をしているのかを確認したいと思います。
政策企画局は、我が党の提言を受けて、局長級の職員が各道府県を訪問して意見交換を行っておりますが、現在までの取り組み状況をお伺いいたします。
○村上渉外担当部長 共存共栄を推進するには、お互いに理解を深め、地域の実情を踏まえた連携事業を展開することが重要でございます。
こうした考え方のもと、平成二十八年から局長級職員などが各道府県を訪問し、政策全般にわたり意見交換を行っておりまして、本年六月には全道府県の訪問が一巡したところでございます。
訪問後には、都への相談や問い合わせ、連携事業の提案がふえるなど、関係の構築にも役立っております。
○中屋委員 全国に地道に足を運んで真摯に意見を聞く、信頼関係を築いていくことは、全国との連携強化に向けた第一歩であるというふうに思います。
しかし、一度訪問をすればそれで済むものではありませんので、訪問により構築した関係をいかに維持して発展させていくかが重要です。
政策企画局は、この四月に地方連携の専管ポストを設置したとのことでありますが、今後、全国との信頼関係をどのように強化していくのか、お伺いいたします。
○村上渉外担当部長 この四月に設置しました地方連携推進担当は、各道府県や東京事務所への訪問などを通じまして全国とのネットワーク構築を進めるとともに、寄せられた連携事業の提案や要望を各局に速やかに伝え、調整するなど、信頼関係の強化に取り組んでおります。
各道府県訪問につきましては、知事や幹部交代の機を捉えまして再度訪問を行っており、今後も道府県訪問を継続して行い、関係構築を図ってまいります。
○中屋委員 各道府県訪問は、ぜひとも今後もしっかりと続けていただいて、信頼関係を強化してもらいたいと思います。
また、政策企画局が全国各地の提案や要望を各局に伝えているとのことでありますが、各局の方が担当同士の横のつながりがあって、各道府県からの生の声や要望が直接寄せられることもあるかと思います。
必要なのは、個々の担当者、局に任せきりではなくて、全庁ですね、都庁全体で全国各地の要望を受けとめることだと考えますが、どのように対応しているのか、お伺いをいたします。
○村上渉外担当部長 これまでは、全国各地の提案や要望につきましては、各局が日々の事業を進める中において把握をし、個々の連携事業に結びつけてきたところでございます。
そこで、本年五月、地方連携を全庁を挙げて推進する組織として地方連携推進PTを設置いたしました。本PTは、政策企画局次長を座長に、連携事業を有する各局を構成メンバーとしており、おのおのが把握した全国からの提案や要望を整理、分析し、共有化を図っているところでございます。
○中屋委員 政策企画局及び各局に寄せられた提案や要望について、都全体として共有する体制を整えたということは評価いたします。
しかし、共存共栄につながる連携事業の構築というのは容易にできるものではない、このように思いますので、そのためには、情報を共有するだけでは不十分でありますから、PTを活用して全国の思いを連携事業に結びつけて、双方の発展につなげていただきたい、こう思います。
そこで、PTとして、どのように連携事業を具体化して成果を上げていくのか、お伺いいたします。
○村上渉外担当部長 地方連携推進PTは、全国の提案、要望の共有だけでなく、それに基づき、既存事業の拡充や新規事業を検討するなど、局の垣根を越えて事業の実施につなげる役割を担っております。
本年度は、福島県など幾つかの県からの新規の提案、要望を聞き取り、PT内で共有するとともに、担当部署間での意見交換や検討を行うなど、今後の事業連携の実現に向けて取り組んでおります。
こうした中、福島とのMICE協定や京都府との文化イベント関連のPR協力など、既に他の自治体との連携が実現された例も出てきております。
今後も、PTを活用して、全庁を挙げて全国との共存共栄を確かなものとすべく取り組みを強化してまいります。
○中屋委員 先般発表した未来の東京への論点にも、目指すべき未来の東京の姿として、全国との共存共栄を実現した東京を掲げておりますが、そのためにも、政策企画局が先頭に立って全国の思いを庁内に浸透させて、結果を積み重ねていただきたいと強く申し上げておきます。
最後に、IRの所管についてお伺いしたいと思います。
ホテルやリゾート施設、カジノなどを一体的に整備をしたIRは有力な観光資源でありまして、東京の国際競争力をさらに高める可能性を有していると思います。
現在、都では、IRに係る事務事業を港湾局が行っております。過去には、政策企画局の前身であります知事本局が担っておりました。
そこで、知事本局から港湾局へ、IRにかかわる事務事業が移管された経緯について教えていただきたいと思います。
○小沼総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都では、平成二十六年七月に組織改正を行い、知事本局を廃止し、政策企画局を設置いたしました。
この組織改正では、これまで以上に機動的に仕事ができる都庁組織へと変革するため、知事本局が所管していた多くの事業を各局に移管し、局の機能を知事のトップマネジメント補佐機能に純化した体制を整備いたしました。
事業移管に当たりましては、各事業に最も関連性のある事業局へ移管するものといたしまして、IRに係る事務事業は港湾局へ移管されたところでございます。
○中屋委員 私も自民党のIRの議連の会長をやっておりまして、やはりこれからの具体的な話は、まあ、知事がお決めになるんでしょうけれども、前に進めるにしても、いろいろな政府との打ち合わせでこれからやっていく上では、やはり港湾局という立場ではなかなか話もできないし、情報も得られない、こう思っておりますので、ぜひそこはお酌み取りをいただいて、もとの局の方に早く戻していただけるように皆さん方のご努力をいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○米倉委員 私の方からは、まず初めに、政策企画局の中で、どう若者の声を酌み上げているかということを伺いたいと思っています。
日本が子供の権利条約を批准して、ことしで二十五年です。この子供の権利条約は、子供を人権を持つ独立した人格として尊重するということとともに、その成長、発達に必要なものが保障されなければならないという理念のもとにつくられています。条約のもと、子供が子供らしく生き、人間として成長、発達することを応援する社会をどうつくるかということが、政府だけではなく、東京都としても真剣な検討が求められていると思います。
今、日本の子供の状況がどうかといいますと、七人に一人の子供が貧困状態ということで、児童虐待の相談件数もふえ続けている、学校では、ブラック校則が問題になったり、学力テストで過度に競争を強いられるという状況があります。国際的にも、こういうことが課題として指摘をされています。
こういうことに対して、政府の努力ということは当然なんですけれども、東京都としての努力も求められています。
実際、ユニセフでは、地方自治体が主導をして子供の権利条約を実施していくために、子供に優しいまちづくり-行動のための枠組みというものを発表しています。ここでは、子供の権利を実現することで、今、子供たちの生活を向上させることによって、現在と未来のコミュニティをよりよい方向に変えることが目的だということを書いていまして、子供たちとその現実の生活に、積極的に地方自治体が向き合うことを求めています。
この子供に優しいまちづくり実現のために九つの要素が必要だということで、具体的に、自治体に対してこれをもとに議論してほしいというものがもう既に示されているんですが、ぜひ東京都としても、この枠組みを踏まえた取り組みを考えていただきたいと思っています。
ここの、この枠組みの中では、九つ、大事な要素があるということで書いているんですが、その一番目に掲げられているのが、子供の参加になっています。自分たちに影響を及ぼす問題への子供たちの積極的参加を推進すること、意思決定プロセスで子供たちの意見に耳を傾け、それを考慮に入れることと書いています。
まず、伺いたいのですが、東京都として計画をつくる際、子供や、また、若者の声を積極的に聞き、計画に生かすということは大切だと思いますが、東京都はどういう考えで子供や若者の声を聞いているのか、伺います。
○吉村計画部長 今回策定いたします長期戦略では、おおむね四半世紀先の二〇四〇年代の東京の姿を想定いたしまして、十年後の二〇三〇年までになすべきことを取りまとめることとしております。
総合計画である長期戦略の策定に当たりましては、広く都民の方々からご意見を頂戴し、それを踏まえて策定することとしておりまして、十年後、二十年後の将来を担う若い世代の方々からも、さまざまな形で夢やアイデアをお寄せいただいたところでございます。
○米倉委員 では、今、策定中の長期ビジョンなんですが、子供、若者の声を具体的にどう聞いているのかも伺います。
○吉村計画部長 子供や若者から意見やアイデアを募る取り組みといたしましては、まず、小学生、中学生を対象といたしました、わたしが大人になった時の東京をテーマとしました絵画コンクールを実施いたしました。また、高校生向けにはアンケートを実施したほか、都内十三大学の協力を得まして、ゼミナール等の一環としてワークショップなどを開催いたしました。
○米倉委員 具体的に、小学生から大学生まで、さまざまなやり方で意見を聞いていらっしゃるということで、これは大事な取り組みだと思っています。こういう取り組みを東京都としてやっていらっしゃるのは、かなり最近の話だと思うんですが、これはぜひ、政策企画局の範囲の取り組みにしないで、やはり全庁的なものにしていただきたいと思っています。ぜひこの経験というものを、ほかの局にも共有していただきたいと思っています。
各局で計画をつくる際に、計画といってもいろいろありますが、特に子供や若者も当事者としてかかわるようなものについては意見を聞いていただきたい、そういうことを進めていただきたいと思っているのですが、これはいかがかということとあわせて、この間、政策企画局として取り組んできた青少年の意見の集め方そのものもですし、集めて、こういうふうな大切さがあったとか、そういうことも各局と連携していただきたいと思っていますが、いかがですか。
○吉村計画部長 今回策定いたします長期戦略は、東京の将来の姿を描くものでございますことから、幅広くさまざまな都民の方々からご意見を頂戴したところでございます。こうした長期戦略の策定状況につきましては、庁内会議等を通じて共有を図ってまいります。
なお、個別分野の計画につきましては、専門的な内容も含まれてくることから、その分野の性質や内容に応じまして、専門家や有識者の意見を聴取するなど、各局において適切に取り組まれるものと考えております。
○米倉委員 今、庁内会議などを通じて、長期戦略の策定に当たっての取り組みなどを共有するというふうにお答えになっているんですが、ちょっと確認をしたいのですが、ここには、今、私が伺ったような、青少年からこういうふうに声を聞いて、どういう効果があったとか、そういうことも含まれているということでよろしいですか。
○吉村計画部長 子供や若者を含めまして、広く都民の方々からご意見をいただきまして、その内容につきまして分析した上で長期戦略ビジョンを策定することといたしております。こうした取り組み状況につきまして、庁内でしっかりと共有してまいります。
○米倉委員 高校生だとかの話を実際に伺ってよかったということなんかも聞いていますし、ぜひそういう部分も含めて、各局が新たに取り組む話ですし、取り組んでみようと思えるような情報共有をしていただきたいと思っています。
きょうは、このユニセフの子供に優しいまちづくりというものは紹介にとどめますけれど、ぜひ、こういうことを踏まえた政策企画局としての役割というのも考えていただきたいと思っています。
各局の調整の役割についても伺いたいと思っています。
ことし四月の組織改正によって、調整部が政策調整部に改正をされました。局からの説明では、トップマネジメント補佐機能の強化として、政策の総合調整の役割を一層明確にし、組織名称を政策調整部へ改称というふうに聞いています。
政策調整部とは、どういう役割を担う部署なのか、また、調整部から政策調整部へ改正し、部の役割や取り組みの内容にどういう強化や発展があるのか、伺います。
○小沼総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 政策調整部におきましては、知事と現場をつかさどる所管局をつなげ、知事のトップマネジメントを補佐するとともに、全庁的な視点に立ち、各局実施事業間の有機的な連携を図り、各局が都民生活の向上につながる先進的な施策を積極的に展開できるよう支援してございます。
一方で、都を取り巻く社会経済情勢や都政に対する都民ニーズは日々変化し、かつ多様化してございます。都は、このような状況をしっかり捉え、それに即した政策を的確に展開していかなければなりません。
そのため、平成三十一年四月の組織改正におきましては、政策調整部の前身となります調整部の一部機能を他の部局へ移管することで執行体制を再構築するとともに、新たに大学連携担当などを設置し、総合調整機能の強化を図ったところでございます。
○米倉委員 では、具体的には、政策調整部でどのような総合調整を行っているのかも伺います。
○小笠原政策調整部長 政策調整部におきましては、知事のトップマネジメントを補佐するため、重要な施策の企画及び立案、重要な政策の総合調整などを行っております。
政策調整部が行っている重要施策に関する総合調整の例といたしましては、国産木材のさらなる活用を図るため、産業労働局、都市整備局及び財務局等をメンバーとして設置いたしました国産木材活用に関する検討会に共同事務局として参加していることなどがございます。
また、今年度は、都市力強化、人と人をつなぐ及び稼ぐ東京の三つの局横断的な政策課題につきまして、体制を整えまして、関係局と連携しながら総合的な調整を行っております。
○米倉委員 全庁的な視点に立って各局事業の有機的な連携を図り、各局が都民生活の向上につながる先進的な施策を積極的に展開できるように支援をしているということです。また、局横断的な政策課題について、各局の連携を進めているということがご答弁でした。
青少年にかかわることこそ、こういう各局の連携が求められていると思います。先ほども紹介しました子供に優しいまちづくりの枠組みですが、子供の視点が優先的に考慮されるようにするための恒久的な体制を地方自治体の中で発展させていくことも、これも九つの必要な要素の一つだということで、自治体の努力を求めています。
これ、どうしてこういうことがわざわざ掲げられているかといいますと、子供たちの利益というものが行政部局間で見失われてしまうことが余りに多いということで、全庁横断型の部局で扱うことや調整機能を設けることなどによって、子供の視点が行政全体で確保されることを求めるということで位置づけられています。
そういうその担当の、調整機能を担えるような部局では、効果的な調整やモニタリング、評価を確認できるように、政治的に最も高いレベルで子供戦略の実施を追求する権限も与えなければならないということを書いています。
こういうことを東京都政のような大きい組織の中でどう取り組んでいくのかということを考えたときに、具体的にいろんな青少年の取り組みをする部局はありますけれど、やっぱりそこにとどまらない検討が必要だと思いますし、ぜひこれは要望したいと思っています。
青少年に関することについて、この各局の政策調整というものが必要だと思いますが、政策企画局のこの総合調整の役割が必要だと思うんですが、局としてはどう考えているのか、伺います。
○小笠原政策調整部長 青少年に関することにつきましては、都民安全推進本部におきまして、子供、若者の支援に関する総合的施策の調査、企画、立案及び関係機関との連絡調整、青少年問題を議論する東京都青少年問題協議会の運営などを行っておりまして、政策企画局も、全庁的な政策の総合調整を担う観点から、同協議会のメンバーとして参画をしております。
政策企画局ではこれまでも、青少年に関することも含めまして、局横断的に取り組んでいかなければ解決できない行政課題について、実際に事業を所管する各局と連携し、より効果的な政策の立案に向け、総合調整機能を発揮してまいりました。
今後とも、総合調整役として各局の施策展開を支援してまいります。
○米倉委員 ぜひ、子供や若者のことについても、喫緊の具体的な課題ということにとどめず、政策企画局の調整機能の役割というところも発揮していただいて、位置づけた取り組みをしていただきたいと要望しておきます。
都政全体として、どういうふうに、この子供、若者の声だとか、ちゃんと権利が守られる安心して暮らせる東京をつくっていくのかということを考えていただきたいと要望しておきます。
大学連携についても伺います。
東京には大学が集積しています。その専門的知見や教育研究機能、若い学生の力などを、福祉や医療、教育、防災、まちづくり、産業振興を初め、都政のあらゆる分野で全面的に生かすため、東京都が都内の大学と連携を進めるということは大切だと思っています。
これまで日本共産党としても、全国各地のこの大学連携の先進例の調査を行うことや、東京都の各局で行っている大学との連携について実態を把握すること、また、都として大学との連携を進める基本方針、基本計画を策定すること、そのためにも専管の組織の設置をと求めてきました。ですので、専門部ができたということはよかったと思っています。
都は、昨年から大学との定期的な懇談を行っています。
まず、この懇談について、どういう位置づけ、目的で行っているのか。この間、どういう参加者で、テーマは具体的にどういう内容なのか、伺います。
○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 東京には、さまざまな分野に強みを持つ大学が数多く存在しておりまして、これらの知の集積は、都にとって大きな財産となっております。
大学との定例懇談会は、東京二〇二〇大会の成功と、その後の東京が持続的に成長していくため、大学の知見や新たな発想を都の政策に結びつけるべく、恒常的なコミュニケーションをより深めるためのプラットホームとして設置いたしました。
懇談会には都内大学の学長、総長の皆様が参加し、これまで、二〇二〇大会に向けた連携、国際化の推進、長期戦略の策定に向けてなどをテーマに意見交換を行ってまいりました。
○米倉委員 各大学の学長、総長の皆さんが参加されて、さまざまなテーマでの意見交換が始まっているということです。
この行われた懇談での出された意見だとか内容なんですが、これはどういうふうに都政に生かされているのかも伺います。
○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 都政への活用でございますが、例えば二〇二〇大会に向けた連携をテーマに意見交換を行った際には、ボランティアに学生がより参加しやすくなるための提案や、大会期間と教員採用選考日程の重複について、大学側から意見がございました。
大学側からの提案等を受けまして、ボランティアの募集に当たりましては、都市ボランティアを大学単位で申し込みができるように申し込み方法を見直すとともに、東京都公立学校教員採用選考は、大会期間を避けて日程を設定いたしました。
このように、懇談会での意見や提案を都政運営や個別事業に反映してまいりました。
○米倉委員 新たに大学との定期的な情報共有の場があるということで、いろんな連携が進み始めているということだと思います。
この大学との連携なんですが、今後、都政のそれぞれの分野、課題で、大学の専門的知見や教育研究機能などを生かしていただくというために、ぜひ、さらなる連携の促進の検討が必要だと思っています。東京都はどういう認識なのか、伺います。
○蜂谷大学連携担当部長政策調整担当部長成長戦略担当部長兼務 大学との定例懇談会には、さまざまな分野の教育研究におきまして日本トップクラスの大学が参加しておりまして、これらの知見を生かすことは、都政にとって重要であると認識しております。
これまでも、懇談会の意見や提案を長期戦略の策定に生かすほか、都の使い捨てプラスチック削減キャンペーンにおきましては、大学側から積極的な提案が得られまして協定の締結につながるなど、各局の個別事業にも反映してまいりました。
引き続き、懇談会を通じて得られた大学の知見やアイデアなどを、政策や都の課題解決に生かしてまいります。
○米倉委員 定例の懇談会で情報交換の場ができて、個別の連携事業に発展したりしているということで、これは大事なことだなと思っています。
長期ビジョンの策定に当たって、十三の大学でワークショップが開催されたということで、学生の意見を広く聞くことができたということだったんですが、これも、この懇談の場が活用されたというふうに聞いています。大事なことだと思っています。
今後なんですが、こうした定期的な懇談とあわせて、ここでできた新しい大学との関係を生かしていただいて、都政課題での連携ということも検討していただきたいと思っています。
例えば静岡県ですが、県内の防災に携わる研究者や専門家の方などの多面的な交流や情報発信を図るということを目的にして、県が中核になって、県内六大学と県内の防災機関や気象台、県教育委員会、報道機関各社から成る、しずおか防災コンソーシアムというものを設立しています。
これは防災面での一つの例だというふうに思うんですが、都としても、首都直下地震や豪雨、台風対策など、ほかにも高齢社会への対応ですとか、大学の最新の研究の到達点など、ほかにも専門機関との連携ということが求められている課題は幾つもあるというふうに思います。ぜひそういうところでも大学との連携をさらに生かしていただいて、また、各局、担当部局とも協議していただきながら、こういうことも検討していただきたいと思っています。
あわせての要望なんですが、この大学との連携というものは、都政に役には立っているし、情報共有の場として機能しているんですが、そこにとどめずに、学生にどう還元するかということも位置づけていただきたいと思っています。
学長や総長との懇談にとどめず、例えば知事みずから学生の声を聞く懇談する場をつくるですとか、そういうふうに学生の声を聞く中で、東京の学生の学ぶ環境を充実するですとか、学生の声自体を都政に生かすということも行っていただきたいと思っています。
このことを要望して、質問を終わります。
○宮瀬委員 では、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私の方からは、皆さんに対して、まず、長期ビジョンのところで質問させていただければと思いますが、今回の長期戦略に向けて、いろいろ冊子が出てまいりまして、例えば最近ですと……(資料を示す)未来の東京への論点。そのもとをたどっていくと、舛添知事時代の長期ビジョンという青い冊子から始まって……(「これ」と呼ぶ者あり)はい、こちらでございます。
知事がかわって、順次、五年ごとに更新されていくといったことでありますが、私は常々思っていたのが、東京都で全事業が、財務局に確認しましたら、二千五百ぐらいの事業があると。どうしてこの事業がピックアップされて、約六百に絞られているのかなというところに疑問を持ったわけでございます。
例えば、私、最近、ナイトタイムエコノミーとか、満員電車の混雑、私は三田線に乗っていますので、ぎゅうぎゅうで何とかしてほしいという要望も地元から大分受けるんですけども、こう見ても、満員電車に対する取り組みですとか、そういったナイトタイムエコノミーも--財務局がやっている、東京の財源が国に取られないようにするための有識者会議の中でも、都営地下鉄を深夜動かしていった方がいいんじゃないか、そういった提言も受けて、知事もそれはいいねといっていた記憶があります。
となりますと、こう冊子を見ていったときに、今ある政策を並びかえただけなんじゃないかなといった疑念を持ってしまって、私は、この次につくります長期ビジョンというものが、本当に都民のニーズに合っているかどうか、しっかりと検証しなければいけないなと思っております。
余り文句ばかりいってもしようがありませんので、私は民間企業にいて、マーケティングの部署にずっとおりまして、お客さんが何を求めているのか、毎年、千人規模で定量調査をとってまいりました。
パネルを用意してまいりまして……。済みません、全く見えないと思うんで、要点はいいますので。
私、実は都議会議員になってから、東京都の政策というのは、皆さん、何の優先順位が高いのかなと。
ちゃんと千サンプルは--私、板橋が選挙区というか、地元です。板橋区民の年齢構成比どおりにn数を千、例えば十代の人は何人ぐらいいる、二十代の人は何人ぐらいいるということで、ちゃんと比率どおりに合わせた上で調査会社に依頼をして、とりました。
そうすると、五十ぐらいテーマを並べたときに、上から一番関心があるのは何かなと。そうしますと、首都直下地震が二八・六で、ひきこもり等が、ちょっと数字をいうと語弊があるので、いいませんけども、要は、このように定量的に、千名の方が都政の政策に関してどのような関心を持っているのかを可視化して、実際に、じゃ、公用車を使わないことがどれぐらい評価を受けているのかとか数値化をして、当然、上から順番に、この政策はこういうふうにアプローチをするということをやってまいりました。
今回の次の長期ビジョンで、私はこういった定量的な、いわゆる特定の人が申し込んだり、特定の、一部の団体がわあっと申し込んだりとかいう形ではなく、いわゆるサイレントマジョリティーといいますか、普通の方々が今求めているものをしっかりと把握していくことが必要だと思います。
そういった中で、定量的な観点というものが今入っているのかどうか。その政策目標を、しっかりとそういう観点から長期ビジョンに反映させるべきと思いますが、見解をまずお伺いします。
○吉村計画部長 長期戦略の策定に当たりましては、幅広くご意見を伺うこととしております。
本年八月に示しました今後議論すべき内容の論点に関する意見募集をしておりますが、未来の明るい東京を築くための夢やアイデアを都民意見大募集として募り、一万件を超えるご回答をお寄せいただいたところでございます。
また、小中学生を対象とした絵画コンクール、大学生によるワークショップなどを実施いたしました。
今後、都民の関心の高さなど定量的な観点も含めた分析や、取り組むべき政策上の課題等を踏まえた検討を行った上で、長期戦略ビジョンを策定してまいります。
○宮瀬委員 ご答弁の中で、定量的な観点も含めて分析していただけるというご答弁でございました。
こういった、今ありましたワークショップに出られない人、絵画コンクールに申し込めない人、もしくは、例えばネット環境がないですとか調子の悪い人こそ、都政の政策が届く必要があるといったことだと思っております。
ぜひ、今ご答弁がありましたように、定性的なものだけではなくて、定量的な--もちろん政策でございます。都民ニーズが全体で見たときに低い項目であっても、大切な項目は、当然、重点に入れなきゃいけないと思いますけども、一方で、サイレントマジョリティー、いわゆる多くの方々の普通の声を反映させるような長期ビジョンにしていただきたいと思っております。
そうなってきますと、私、地元が板橋ですので、繰り返し恐縮ですが、この中に、ぜひ満員電車対策。日々、本当に皆さん、つらい思いをしていまして、私も乗っていますけども、何とかしてくれよと、一般のサラリーマンの方は相当いっていますので、こういった項目もぜひ検討していただきたいと思います。
次に、私はこの論点整理を見たときに、ちょっとびっくりしてしまいましたのが、四六ページの方に、先ほどつじの委員からもございましたが、少子化対策で数字が合計特殊出生率二・〇七と。なかなか皆さん数字を書かないのに、ここは覚悟を決めて書かれていて、私は大変感動したわけでございます。
しかし、これは本当にできるのかどうかといったことに私は大変関心がありまして、つまり、これを本当にコミットしていくのか。コミットしていかないとすれば、どこまでコミットしていくのか。
つまり、この論点整理の中のことというのは、どれほど拘束、局にやってくれという、たがにはめておくといいますか、目標にしていくのかということをお伺いしたいと思います。
○吉村計画部長 今回の論点で示しました目指す東京のイメージ例は、さまざまな課題がある中で、バックキャストの視点に立って、課題を克服した二〇四〇年代の東京の姿をイメージとして例示したものでございます。
この中では、現時点では実現を見通すことが容易ではない高いレベルの内容も含まれておりますが、理想の姿を描き、さまざまな政策を総動員して全力で取り組むということが重要かと考えております。
現時点では問題提起をした段階でございますが、長期戦略の中では、事業に対する目標や終期について、今後、関係局と調整し検討するなど、実効性のある内容としていきたいと思っております。
○宮瀬委員 私は都議会議員になりまして七年目なんですけども、初めて、理想の姿を描き、全力で取り組むことが重要だと。
ともすると、現場の各局の皆さんはなかなか、ちょっと数字をいうと語弊があるので、いえませんといった局が大抵多い中で、理想の姿は大事なんだ、それに対して全力で取り組むんだというご覚悟を示されていることをご答弁でされているのは、大変、私はすばらしいと思っています。
ただ、今後、この数字でこのやりとりをしたときに、福祉保健局が、何を勝手に二・〇七といっているんだよということで、けんかになるんじゃないのかなと思っていまして、ここは負けずに、ご答弁で出ていますので、少子化対策でこの数字目標を都がみずからいったということは希望そのものでありますので、ぜひ、ここを押し切っていただきたいと思っております。
一方で、事業評価の最後の質問でありますが、実は、いろんな局で、事業を組み立てて評価していきますという取り組みがあちらこちらでありまして、例えば今、総務局の方では、都政改革の一環として政策評価を決めていきますよと。そこの政策評価で外部の有識者の人の声を聞き入れて、目標数値をこうしていきましょうといった動きもあれば、当然、財務局は、各事業をしっかりと検証して、次の予算をつけるかどうか、編成を行っていくと。
そうすると、三局がそれぞれ動いていったときに、本当に最後にいいものができるのかというのを心配しておりまして、すなわち、長期ビジョン自体のPDCAサイクルがどうなっているのかといったところを心配しているわけであります。
こういった中で、もちろん政策企画局が中心となって検討を進めるということでありますが、各局と連携をしていくべきと考えますけども、見解を求めます。
○吉村計画部長 政策企画局が実施しています実行プランの事業実施状況レビュー、財務局の事業評価、総務局の政策評価は、それぞれの視点から、制度の目的に沿って運用しております。
関係局の連携につきまして、例えば実行プランの推進に当たりましては、事業実施状況レビューを初め、PDCAサイクルを進めていく中で、適宜、庁内における情報共有など、連携を図っております。
長期戦略の策定に向けましても、各局事業の実施状況を十分確認し、連携を図りながら取り組んでまいります。
○宮瀬委員 各局と連携していただけるということでございますので、私ども、局は余り関係なく、財務局の皆さんとも、総務局の皆さんとも、そして皆さんとも打ち合わせをさせていただいていますので、ぜひ最後にまとまって、事業評価、都政改革の観点、そして事業検証ですね、予算の執行率等も含めた長期ビジョンをつくっていただきたいと思います。
次に、広報についてでございますが、よく駅とかに立っていると、相談をいろんな都民の方からお受けいたします。そうすると、大抵のことは、これで困っているといったときに、都で施策が実はあったり、窓口があったりするのに知られていないといった課題を、平成二十六年ぐらいから指摘をし続けてまいりました。
実際、数字をたどっていきますと、福祉保健局が五年に一回、都民の健康と医療に関する実態と意識ということで、各施策の認知率をとっているんですけども、例えば、妊娠相談ほっとラインを知っているといった方は一〇%もいないといった状況で、不妊・不育ホットラインも八・五%、一〇%を大きく切っている。これは経年でとっていまして、五年前の数字を見ても、ほぼほぼ数字が上がっていないといったことが大きな課題だと思っています。
私たちがふだん、各委員の先生の方から提言をさせていただいて、局の皆さんがそれに対して答弁をしていただいて、お互い、いろいろ立場はありますけども、都民の皆さんのために政策をつくってきたと思っておりますが、その肝心な政策が届いていないといったことでございます。
そういった状況の中で、とりわけ私が危機感を持っておりますのが、先ほどマーケティングの部署にいたということで、また資料を用意していますけども、必要な人に必要な情報、つまり、不妊、不育の情報というのは、変な話、子供にはすぐには必要じゃない状況であったり、もう子育てが終わって、おばあちゃんとかおじいちゃんだとなかなか、その情報が必要な方はもちろんいると思いますけども、ダイレクトに必要とはいい切れない。
不妊、不育で悩んでいる人がこの施策を知っているかどうかというのを、都も活用している調査会社に依頼をして、五年前にとった数字がございます。
(パネルを示す)ちょっと表を大きくしたんですけども、わかりづらいと思うんで、また口頭でいいますが、サンプル数、九百三十四名ですので、マーケティング的にはまあまあいい数字で、誤差は余りございません。
不妊・不育ホットライン、妊娠相談ほっとラインをそもそも知っていますかとお聞きしますと、知らないよという方が九〇・六%でございます。これは福祉保健局がとっている不妊・不育ホットラインの、都がとっている調査とほとんど同じ数字です。
これをクロス集計して、不妊、不育で悩んでいる方というのも、調査すると、とれます。不妊、不育で悩んでいて、不妊・不育ホットラインを知っていますかと。つまり、当事者に対して、都の施策のことを知っていますかと聞くと、八割の方が知らない、七九・二%の方が知らないと。
ひきこもりサポートネットを知っていますかといったことで、ひきこもりに悩んでいる方に聞きますと、ひきこもりサポートネットを知らないよという人が大体八五・三%なんですが、実際にひきこもりで家族と自分が悩んでいる人も、このサポートネットを知らないという方が七五%もいると。
つまり、これは各局、全局共通していえることでありまして、必要な人たちに必要な情報が届いていないと、その政策がないと同じでありまして、この問題点をずっと指摘してまいりました。
それで、私の方で、私、宣伝の部署にもいたので、お伝えしたときに、ちょっと皆さんだけでは限界で、各局押しなべて共通の課題だと思っているので、民間で人を雇った方がいいんじゃないかと。
広告宣伝にたけた方を、代理店の方でも、メディア出身の方でもいいのでプロを雇って、ぜひ都政の課題であります戦略広報の担当の取り組みを見直してほしいと今まで訴えてまいりましたが、取り組みについてお伺いいたします。
○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長兼務 戦略広報担当は、平成二十七年度に設置され、これまで、テレビ番組や雑誌等の取材を通じた知事による都政情報の発信に取り組んでまいりました。
しかし、東京二〇二〇大会を控える中、直面する課題を踏まえ、より積極的な広報展開を図る必要が生じたことから、今年度、専門的な知識、ノウハウを活用すべく、広報実務に精通した人材を採用し、体制を強化しているところでございます。
取り組みといたしましては、幅広い施策の中から、スムーズビズなど、特に訴求力を高めるべき重点施策を特定広報項目として設定し、関係局の広報の充実に取り組んでおるところでございます。
私自身もこの四月に着任をいたしまして、この間、都庁では幅広い施策が展開され、多様な分野に広報が行われていることに民間企業との違いを感じており、特定広報項目における取り組みは有効だと考えております。
○宮瀬委員 浅井部長、ようこそいらっしゃいました。民間からということで、ご自身のことをご自身でご答弁いただくということで、どの立場でいえばいいかわかりませんが、心から歓迎させていただければと思います。
広報実務に精通した人材を採用し、体制を強化されたといったことで、今ご答弁された浅井部長がいらっしゃったわけでございますが、ご答弁の中で、民間企業との違いを感じましたといったことをちょっと触れられていますけども、どういった違いがあるか、感想で構いませんので、教えていただければと思います。
○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長兼務 都庁がこれほどまでに幅広く施策を展開されていることを知り、その点が大変驚きました。また、これほどまでに他分野にまたがる事業を展開している民間企業はまずないと思います。
また、多様な分野の広報の中には、民間企業にはない、例えば、条例による規制といった義務を周知する広報というものもございます。
それぞれの施策の現状や課題を伺いながら取り組みを進めていくことが重要だと考えております。
○宮瀬委員 まさに巨大企業でありまして、実は、過去、皆様の政策企画局のご答弁をいただいたんですが、全庁的に広報の予算、宣伝の予算はお幾らですかと聞きましたら、わかりませんといったご答弁でございましたので、私の方で各局にかけ合って、各局それぞれ、広報の予算は幾らですかといったことを確認して足し上げたら、パンフレット等もありますので、厳密にいえないということなんですが、大体三十五億から五十億円、東京都が広報の予算を出していると。
三十五億から五十億円というのは、相当、結構、大きな会社の出稿金額でありまして、このボリューム感をどうやって生かしていくかということが一つ課題だと思っております。
いずれにせよ、浅井部長がいらっしゃいましたので、先ほど申し上げました、各局とも、全庁的におおむね認知が上がっていない、必要な人に必要な情報が届いていっていないといったことに対しまして、どのように変えていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長兼務 都の施策に対する都民の認知を高めることは、広報を進める上で大変必要な取り組みだと考えております。
戦略広報担当としましては、各局に対して、訴求するターゲットの設定、効果的な媒体の選定、伝わりやすいメッセージの作成など、都民の認知を高めるための創意工夫についても助言しているところでございます。
○宮瀬委員 まだいらっしゃったばかりだと思いますので、これから期待したいと思いますが、不満と文句ばかりいってもしようがないので、私なりに少し、今までの前職の経験からお伝えしたいことがございまして、こちら、例えば、社名は申し上げませんが、雑誌がございます。(資料を示す)私が担当していた媒体でございまして、ただ、出版社というのは、皆さん、めくって見ていただいたときに、白紙のページというのが実はないんですよね。
白紙で出版社は出すわけにいきませんので、広告が埋まらなかったときに、原稿をただで入れなきゃいけない、もしくは、原稿をつくらせていただいて、いつでもこっちで都合のいいときに入れさせてくださいといったお願いを、いわゆる仮原稿という仕組みなんですけども、例えば妊娠、育児の雑誌があって、それ向けに、皆さんが先ほどの不妊、不育、もしくは子供の悩み相談の原稿を一ページ分預けておけば、出版社が勝手に入れてくれます、そういうふうな話をしておけば。
お金はかかりませんし、かつ、読者の皆さんも、その情報は必要なはずで、出版社も喜ぶと。まさに三方よしの考え方でありまして、特にいろんなクライアントさんからは、いろんな新情報ですとか、パブリシティー枠というのがありまして、プレゼントですとか、インフォメーションのページもあって、これは、実はただで情報を載せてくれます。
こういった取り組みが各出版社、紙メディアでは行われていまして、こういったところにおつき合いを公平にされておくと、原稿をただで載せてもらって、しかも、向こうにも感謝してもらえる。
また、テレビの方なんですけども、テレビも枠をあけることができません。ACジャパンという広告も流れておりますが、あそこのACジャパンのご担当にお会いしに行って、こういった東京都の重要な政策を、ACジャパンと連携をしてCMで流せないかといったご提案をかつてさせていただいたときに、そんなにネガティブな反応でもございませんでした。
また、CMの枠も当然ありますけども、特定の企業の名前はいいませんが、深夜いつも流れているあのCMとか、あの業界の商品とかというのは、実はお金がついていないCMもございます。
このように、お金はなくとも、知恵を使えば、必要な人たちに必要な情報を届けられると。しかも、出稿金額が三十五億から五十億円あれば、その辺の交渉は、ほかの民間企業ではどこもやっているわけであります。
こういった活用についての見解をお伺いいたします。
○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長兼務 パブリシティー等の活用につきましては、広報の手法として認識しております。私も、民間のときに、そういったものを使っておりました。
メディアとの日ごろの取引関係から無償提供される広告出稿の機会であることから、メディアとの間に公平公正な関係を保つことを踏まえるべきと考えております。
このため、事業者との適正な契約の範囲の中で活用できるものについては、戦略広報担当として各局に助言していきたいと考えております。
なお、ACジャパンとの連携やテレビのタイアップ、また深夜枠というものにつきましては、各局が調整を行う必要がありますので、活用ができる案は、各局をサポートして行っていきたいと考えております。
○宮瀬委員 サポートしていただけるということでございます。もちろん公平性の問題があると思っていますので、特定のメディアさんだけではなくて、多分、公平に、均等に原稿をまけば、都合に応じてやってくれると思います。
やっぱり、ここ、一つ課題なのは、各局の宣伝のご担当は、各局の事業の担当がそのまま宣伝を担って、その事業を宣伝していくということを担っているケースが多くて、ふだんメディアの方とおつき合いしているとは必ずしも限らず、局の担当ごとの都度、都度の対応になってしまうと。
普通の民間企業ですと、だからこその広報さんがいて、ふだんメディアの皆さんとの関係をちゃんと築いて、事業部の人が来たら引き合わせをしたり、また、うまく連携をさせたりということでやっていますので、戦略広報という名前がついていますので、プレスリリースを記者クラブに投げたり、そういった仕事ももちろん大事でありますが、これだけ困っている人が都内にいて、その人たちが実際に泣いている人がいて、東京都の各局の施策にそれを助けられる施策があって、でも、そこに結びついてないといったことは大きな損失でありますので、きょうは具体的な提案もさせていただき、新しい浅井部長もいらっしゃいましたので、ぜひ新たな展開を期待させていただきたいと思います。
一方で、私はこれを常にいっているんですけども、現状の調査、つまり、頑張りましたとかではなくて、認知度をしっかりと指標にすべきであると思っております。
数値目標の達成ですとか、数値があって、それに対して、どうその数値目標を達成していくのかがやはり仕事だと思っております。
部長の知見を生かして、そういった数値目標の達成に向けて関与していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○浅井戦略広報担当部長デジタル広報担当部長兼務 広報におきまして、その効果を認知度としてはかり、指標を軸としたPDCAサイクルの実行により、効果を高めていくことは必要だと考えております。
戦略広報担当といたしましては、特定広報項目の広報の充実、職員の知識、ノウハウの向上を図る講習会の開催などにおきまして、効果測定の実施、指標の設定について、広報の主体である各局へ取り組みの促進を図り、広報の強化につなげてまいります。
○宮瀬委員 ご答弁は、各局の応援をしていくということでありましたが、ご答弁をいろいろ伺いましたけども、各局の応援もさることながら、広報が戦略を持って、リーダーシップを持って引っ張っていくんだといった視点もぜひ持っていただきたいと思います。
各局の広報のご担当とお話ししても、結構、もう限界だという認識が私はありまして、いろんなことをやられているんですけども、ちょっともう、どうすればいいか袋小路ですと。
実際、福祉保健局のアンケートのデータも、五年前と比べて各施策の認知は上がっていませんので、ぜひここはリーダーシップを持ってやっていただくことを要望したいと思います。
次のテーマでございます。次は、海外の広報についても取り上げてまいりました。
過去、平成二十八年ですか、海外広報はどうなっているのかということでお伺いしたときに、KPIですとか目標数値、そういったものはございませんといったご答弁で、厳しいやりとりをお互いさせていただいたと思っております。議事録でも、目標数値は定めておりませんといった海外広報でございました。
やはり目標の設定、指標の設定等は大事だと思いますけども、現状はどうなったか、お伺いいたしたいと思います。
○梅田海外広報担当部長 海外広報事業につきましては、都庁全体の海外に向けた情報発信力を強化する取り組みとともに、海外向けコンテンツの制作などを実施しておりまして、PDCAサイクルに基づく進行管理をより強化するため、昨年度から、事業者と協議の上で、各取り組みに対して目標指標を新たに設置したところでございます。
例えば、海外メディア対応力向上のための職員向け講習会の実施に関しましては、参加者のアンケートに基づく満足度や理解度、また、海外メディアなどへの情報発信に関する取り組みに関しましては、メディアの取り扱い件数や報道件数を目標指標として設定したところです。
さらに、海外向けPR冊子につきましては、配布部数や読者アンケートに基づく満足度、そして、SNSを活用しました情報発信につきましては、利用者数の増、また、投稿に対してリツイートなどをした閲覧者数の割合を示すエンゲージメント率などの目標指標を設定しました。
こうした各目標指標に対する進行状況につきましては、毎月、実績を把握した上で分析を行いまして、都と委託事業者が協議した上で、その後の事務改善につなげているところでございます。
○宮瀬委員 今回、資料要求させていただきまして、一覧表をいただいております。
これは、一言で申し上げますと大変すばらしい取り組みで、平成二十八年のときは、やってきた項目の羅列でありましたが、その項目がふえたのに加えまして、目標値と実績、それが経年でしっかりと出るようになったといったことを、私は心からその努力に敬意を表しますとともに、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
横に浅井部長もいらっしゃいますので、こういった数字で可視化していただくと、私のような民間出身の議員は大変わかりやすく、今後もぜひ取り組んでいただきたいといったお願いもせずに済むかなと思います。ぜひこれはお願いしたいと思います。
一方で、次のステージにと思っていまして、これは、各プラン、ドゥー、シーのドゥーの目標と実績でございますが、海外戦略、海外広報がどこに行くのかといった大きな目標が今後は必要なのかなと。東京のブランド認知がどうなっていくのか、海外から見たブランドがどうなっていくのかといったことでございます。
そこで、ご担当に東京の世界都市ランキング、よく知事がおっしゃっている東京の都市総合ランキングという冊子がありまして、これがあるんですよと教えていただいたんですが、この東京のブランドイメージですとか順位の詳細を教えてくださいといいましたら、有料版で二万円なので持っていませんと。
なので、部長、ちょっとここは予算を押さえていただいて、しっかりと東京のブランドの位置が可視化できる、経年でとっていくべき、海外広報としての役割だと思いますので、予算をとっていただいて、しっかりとこの内容を精査していただきたい。概要版しかわからない、順位しかわからないということでございますので、お願いしたいと思います。
広報の最後の質問でありますが、海外広報であるわけでありますが、東京は、現状、いろんなところにブランチを公社を含めて持っていますが、海外広報に関しては、海外での活動拠点というのはあるのか、お伺いいたします。
○梅田海外広報担当部長 海外広報事業は、民間事業者のノウハウを活用しながら、主にアメリカやイギリスなどの欧米の英語圏をターゲットに情報発信を行っております。
事業実施に当たりましては、モニタリングによりまして、東京に関連する海外報道の把握を行うとともに、各局や関係団体と連携しながら、都の施策等を情報発信しているところでございます。
海外には、各局が事業で有しております現地の活動拠点がございまして、連携して事業を行っております。
例えば海外向けPR冊子につきましては、CLAIR海外事務所や東京観光レップといった活動拠点に加えまして、JNTOやジェトロにもご協力をいただきまして、各海外事務所に配布しているところでございます。
こうしたことから、海外広報担当といたしましては、海外での活動拠点は有しておりません。
○宮瀬委員 今のところ、海外の拠点はございませんよといったことがございまして、次にテーマを、職員の海外派遣についてお伺いしたいと思っております。
私も都議会議員になりましてから、NGOを二十年間やっていますので、アジアの成長というものを肌で感じております。
一方で、東京は、日本は、少子高齢化にさいなまれて、経済も見通しが少し厳しい状況が続いている中で、アジアはすごい勢いで、二〇五〇年には世界の富の多くを、半数以上を占めるといわれております。
すなわち、東京とアジア、海外とのつき合いをどうやっていくのかということが大きな鍵を握っていくと思っておりますが、私の方は、人に注目してお伺いしていきたいと思います。
過去、舛添知事時代に、アジア諸都市との都の交換派遣をしてくださいと一般質問させていただきまして、やっぱり人が行き来をして、しっかりと、例えば北京の市役所で東京都の職員が働く、逆に、北京の方が東京都に勤めていただければ、中国語の多言語対応等、すぐわかるようになるのではないかといったことで提案してまいりましたが、現在の職員の派遣、受け入れの実績についてお伺いいたします。
○加藤外務部長 東京都及び海外主要都市が関心のある政策を相互に学び、自都市の政策に還元することで、それぞれが抱える課題の解決に寄与するとともに、相互の交流を促進し、関係を深めるため、平成二十七年度より職員相互派遣事業を実施しております。
昨年度までの四年間で、教育や都市づくりなどの分野において、派遣と受け入れ、合わせて九件実施いたしました。
昨年度まで、相互派遣対象都市は、ニューサウスウェールズ州、ソウル特別市、北京市の三都市でございました。本年度からロサンゼルス市を新たに対象都市として追加し、来年度に向けて、対象都市のさらなる拡大を検討してまいります。
今後も、当事業の一層の活用を通じ、海外諸都市と相互に学び合うとともに、交流、協力を推進してまいります。
○宮瀬委員 あれからいろいろ、どこまでご提案を聞いていただいたかわかりませんが、派遣が始まって交流が、相互派遣ということで進んできたといった答弁でございます。
私は、その取り組みも提案していましたので、大変、評価したいと思いますが、問題は、その内訳の表をいただきました。
平成二十七年にはソウルに派遣をして、その次は、二十八年もオーストラリアの方に派遣をして、平成三十年も派遣しているんですが、その派遣期間が、三泊四日、ソウルでございます。平成二十八年は六日間、平成三十年は十日間、ロサンゼルスも一週間と。私は、これでは旅行ではないかと、視察ですね。視察といわれても仕方ないんじゃないかなと思っております。
私は、派遣先のいろいろ人脈づくりですとか、ノウハウを学んだり、仕事内容を、同じ釜の飯を食って今後の発展に結びつけていっていただきたいという趣旨で職員の相互派遣をお願いしておりましたが、こういった状況は改めるべきで、長期間の設定にすべきと考えますが、見解をお伺いします。
○加藤外務部長 職員を長期に海外へ派遣することは、海外自治体の政策や現地情勢に関する情報収集のみならず、現地での人脈構築、また、実際に国際業務の経験を積むという人材育成の観点からも有効でございます。
都では、一般財団法人自治体国際化協会、CLAIRの海外事務所や外務省の在外公館、計七カ所へ二年間の職員派遣を実施しております。また、各局事業の必要性に応じて、団体や自治体へ、職員の長期間の派遣も行っております。
派遣された職員は、派遣期間中に現地で得た知識や経験などを都での業務に活用しております。
今後とも、職員の海外派遣の機会拡大を検討してまいります。
○宮瀬委員 ご例示いただいたのは、CLAIRという自治体国際化協会、もしくは外務省への出向だと思いまして、私はぜひ、ご答弁で出ているので、余りいいませんけども、職員の交換派遣に関して、三泊四日とか十日間ではなくて、長期間で設定していただきたいと思います。
その中で、先ほどCLAIRという言葉がありましたが、シンガポールのCLAIRの方にお邪魔してまいりまして、どういった仕事を、シンガポールのCLAIRで東京都の職員の皆さんが働いているのかといったことをいろいろ教えていただきました。
その中で、CLAIRという団体に都の職員が行くわけでありますので、CLAIRそのものの仕事をすると。東京都以外の仕事も大分やっていますといった話を聞いておりまして、東京都がお金を一番出している自治体であるのにもかかわらず、当然、CLAIR全体での仕事で、東京都の仕事の割合が、ちょっと全体で見たときに少ないんじゃないのかなといった懸念を持っております。
そういった中でCLAIRの派遣形態に関しまして、そういった形ではなく、駐在員型の派遣というものがあって、それは派遣元の自治体の業務に専念できる派遣形態だと聞いております。
平成二十七年の決算特別委員会で質問した際には、CLAIRからの駐在員型派遣募集について各局に照会したところ、応募がなかったと聞いております。つまり、各局からの応募がないので駐在員派遣ができませんということでありましたが、現在の状況をお伺いいたします。
○加藤外務部長 CLAIRは、自治体による海外展開のサポートの一環として、駐在員型派遣職員を募集しております。
昨年度、都は、本制度によりパリ事務所へ職員を派遣し、パリ東京文化タンデム二〇一八の実施にかかわるパリ市などとの調整を行いました。
今年度は、シンガポール事務所について駐在員型派遣職員の募集がありましたが、各局に照会したところ、希望はございませんでした。
駐在員型派遣職員制度の活用につきましては、今後も、各局事業の状況も踏まえながら、必要性や効果なども含め、引き続き検討してまいります。
○宮瀬委員 各局からなかったということでありますが、私は、これ、実は、もっと海外に行って活躍したい、いろんな知見を生かしたいんだといった方は多くいると思います。
ただ、各局の上司の方が、今抜けられると困る、人手不足だ、お金はどうするんだといったことで、ある程度、ちょっと待ってほしいといっている方も多いんじゃないのかなと思います。
北九州市も行きました。兵庫県も行きました。神戸市も、私も直接、国際展開の部署と、いろいろ教えていただきましたけども、今の潮流が、派遣型でもなく、ブランチを置いて、何とか県の何とか事務所ということで、東京が昔置いていたような、ちゃんと事務所を置いて、そこで活躍していただく潮流になってきています。それは長野県もそうですし、福岡県もそうでございます。佐賀県も同様でございます。
こういった状況の変化の中で、ナンバーワンの地方自治体である東京都がブランチを持たずに、いいのかと思っております。いきなり海外の事業所を設けてくださいといっても、なかなか答弁できないと思いますので、これは意見にしますが、ぜひ海外の事業所をつくっていただきたいと要望させていただきます。
もちろん、中小企業振興公社が海外にバンコク、ジャカルタ等、支店を持っていますが、なかなか業務委託の形ですと、お伺いしますと、臨機応変に現地で対応できない、契約以上のことは対応できないといったお話も聞いております。
先ほどの海外広報の話もありましたが、そういった営業所がありましたら、そことも緊密にやれるわけでありますから、ここは賛否が分かれると思いますが、ぜひ海外に、とりわけ、発展していくアジアに事業所を設けていただき、東京とアジアの相互発展を担っていただきたいと思っております。
次に、知事の出張についてお伺いいたします。
こちらの知事の出張も、私は、もうかる都市外交をやってほしいといったことを常に申し上げてまいりました。
かつて東京都に参りましたボリス・ジョンソン・ロンドン市長、今の首相でありますが、東京都にいらっしゃったときの名簿をいただきましたところ、七名おりますが、大使、副首相等の中に、ちゃんと国際ビジネス開発部長という方がいらっしゃって、また、開発公社のCEOもいらっしゃった。また、ほかの民間企業の方も多数同行して、しっかりと東京に来てビジネスにつなげ、そして、トップ外交を行っていたと記憶しております。
私も、知事が国際的な知事でありますので、知事の出張の際に、そういった、もうかる都市外交を知事に率先してやっていただきたいと思っておりますが、現在の知事の出張における同行者と出張の成果についてお伺いしたいと思います。
○加藤外務部長 知事出張は、重要施策の進捗状況等に応じて実施しておりまして、同行する職員は、経費削減の観点から、出張ごとに業務、日程を勘案した上で必要最小限の人数に絞っており、ビジネス関係者が同行することはございません。
しかしながら、知事就任後実施いたしました八回の出張のうち、企業関係者を集めたセミナーの実施など、ビジネスにも力を注いだ出張は、フランクフルト、シンガポール、ロンドンの三回ございます。
例えば昨年十月に訪問したロンドンでは、金融庁や現地の日本の金融事業者とともに、シティー・オブ・ロンドンにおいてプロモーション活動を実施し、世界に冠たる国際金融都市を目指す東京の意気込みをアピールいたしました。
このように、知事出張の実施を通じまして、東京のビジネスチャンスの拡大、プレゼンスの向上と東京への関心を一層高めることができたと認識しております。
○宮瀬委員 今回、ほかの会派の委員の方が資料要求されている一覧表を見ていまして、今のご答弁ですと、知事就任後、八回、延べ八カ国行かれていると。
その中で、今のご答弁ですと、そのうち三回は、規模はさておき、ビジネス関係の動きをされていると。過去になかったことでありますので、この取り組みは大変広げていただきたいと思っております。
費用の話が出ましたが、各国はどうしているかというと、各企業は各企業が自腹で参加されております。ですので、知事のトップ外交に同行したい、今まさにチャンスなんだといったところを募れば、その費用は各企業がしっかりと出していくと思っております。
ここは動きが始まってきたところだと思いますので、いろんな企業、いろんな関係各局に呼びかけをして、私は個人的には、ぜひ知事には海外出張にどんどん行っていただきたいと思っております。
世界に輝く東京を導いていけるトップの役割というのは必ずありますので、もうかる外交をすれば、無駄遣いだという批判も減っていくと思いますので、ぜひそこは政策企画局の方で音頭を取っていただきたいと思います。
最後の質問になりますが、私自身は、各局、いろいろ国際展開の話を聞いていて、大きな課題認識を持っています。
例えば、さきの各会計決算特別委員会で、下水道事業も水道事業も国際展開をやっていますが、他局との連携は全くなく、日本の中小企業の発展に寄与するという文言、目標はありますが、それはどういうぐあいで、どう寄与されているんですかといったことに対しても、実際はありませんといったことであったり、また、海外から現地の企業を日本に呼ぶ際にも、実際、シンガポールを例にとれば、CLAIRがあって、中小企業振興公社があって、後での質疑になりますが、アクセス・ツー・トウキョウがあって、いろんな局のいろんな事業が同じ地域で活動していますが、横のつながりはほぼないと。
また、知事の海外出張のビジネス展開も始まったばかりでありまして、人事交流も数日で終わってしまっている。海外広報も、特に現地とのパイプが直接あるわけではないといった状況でございます。
そこで、北九州の方に教えていただいたんですが、ちゃんと北九州は、アジアの首都を目指すといった明確なビジョンを、位置的にアジアの技術首都を目指すということで……(資料を示す)こういうパンフレットをつくって、五十年先を見据えた、ちゃんと事業計画を組まれております。自治体の水道、下水の国際展開事業も、ちゃんと協議会を地元の企業と組んで、その企業と一緒に進出するような展開を組まれております。
何がいいたいかと申し上げますと、やはり都市外交、つまり、東京の都市外交戦略を私は見直していくべき時期に来ているのではないかなと思っております。
都市外交を所管する政策企画局が、各局、各事業をいろいろやっていますが、旗振り役となって、強力に都市外交を推進すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○加藤外務部長 東京二〇二〇大会の成功や大都市共通の課題解決、グローバル都市東京の実現には、都市外交の推進は重要であり、都庁全体で都市外交を総合的かつ有効に行うため、東京都都市外交推進会議を庁内連携の場として活用しております。
また、ことし八月に締結いたしました北京市との合意書につきましては、関係各局が全庁横断的に連携し、十の分野における交流、協力に係る包括的なものとすることができました。
今後も、政策企画局が旗振り役といたしまして、各局と密に連携しながら、東京のプレゼンスの向上や東京の抱える課題の解決に取り組んでまいります。
○宮瀬委員 連携の場から、ぜひリーダーシップを持って推進する立場になっていただきたいと思います。
東京都が今定めております、平成二十六年の十二月に設定しております東京都都市外交基本戦略、こちらはオリンピックに向けたものでございます。
オリンピック後、東京の都市外交がどうなっていくのか。北九州のように、次の五十年に向けた戦略を持って、各局のやっていることの羅列ではない、本当の意味での東京の都市外交の戦略を政策企画局の皆さんがリードすることによって、未来に向けた輝かしい東京をつくっていただくことを要望しまして、私の質疑を終わります。
○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時二十一分休憩
午後三時三十五分開議
○早坂委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○山内委員 質問いたします。
都がことし五月に開催いたしました国際会議、U20東京メイヤーズ・サミットについてお伺いしたいと思います。
U20メイヤーズ・サミット開催の意義についてお伺いいたします。
○丹羽外務担当部長 二〇一九年は、日本が初めてG20の議長となったことを受け、U20においては、東京都が議長となり、五月にメイヤーズ・サミットを主催しました。
サミットには、ベルリン市長やジャカルタ特別市知事、ローマ市長など、世界の二十六都市の首長、代表者のほか、国際機関などから約二百五十人が出席しました。
サミットでは、各都市の代表者が気候変動対策や社会の包摂、統合、SDGsなどをテーマに議論したほか、G20に届けるコミュニケを採択いたしました。
U20メイヤーズ・サミットの開催を通じて、世界有数の先進都市として、東京の国内外への訴求力、発信力を高めるとともに、持続可能で包摂的な世界の実現に向け、国際社会における貢献を果たしたものと考えております。
○山内委員 ことしのサミットで発表したコミュニケのポイントについてお伺いいたします。
○丹羽外務担当部長 ことしのコミュニケは、気候変動対策、社会の包摂及び統合、持続可能な経済成長の三つのテーマに沿い、G20が都市と連携して優先的に取り組むべき四十三項目を取りまとめました。
都は、ことしの議長都市として、コミュニケの作成を主導いたしました。気候変動対策に関する高い目標値を初め、海洋プラスチックごみ対策、高齢化への対応、また、先端技術を活用した都市の経済成長と課題解決の両立などを盛り込むことができました。
○山内委員 ことしのU20サミットでは、気候変動対策はどのように扱われたのか、お伺いいたします。
○丹羽外務担当部長 U20は、創設当初から気候変動対策を重要テーマの一つに掲げております。
ことしのサミットでは、気候変動対策と循環経済の二つのセッションを設け、環境の持続可能性について広く議論いたしました。
気候変動対策のセッションには、知事とジャカルタ特別市知事、ローマ市長が登壇し、各都市の施策及びその成果と課題を共有いたしました。
知事は、二〇五〇年に世界のCO2排出量の実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京を実現することを宣言し、出席者からは大きな注目を集めました。
○山内委員 グローバルな課題の中でも、今、気候変動対策は、特にその重要性を高めています。現在、世界の多くの国や都市が気候非常事態宣言をしています。
気候非常事態宣言に関しての、ニューヨークなど海外都市の情報の収集と関係部署への情報提供はどのように行っているのか、お伺いいたします。
○加藤外務部長 都では、一般財団法人自治体国際化協会、CLAIRによる調査や情報提供なども含め、さまざまな手段により海外諸都市の取り組みなどの情報を収集し、必要に応じて関係部署と共有しております。
政策企画局では、姉妹友好都市などの取り組みに関する海外の主要メディアの報道について情報収集し、関係各局と情報共有を図っております。
また、事業を所管する各局でも、国際会議への出席や海外の自治体との交流などを通して、先進事例に関する情報等を収集しております。
○山内委員 九月に開催された国連気候行動サミットで、十六歳の高校生、グレタ・トゥンベリさんは、温暖化は緊急の対応を要する問題だと声を上げました。グレタさんが始めた抗議行動、未来のための金曜日、Fridays For Futureに世界中の若者が賛同し、今や全世代的な動きとなり、九月二十日から二十七日にかけて行われた世界一斉の環境アクション、グローバルマーチでは、百八十五カ国、七百六十万人もの人々が声を上げました。
気候変動の危機に対して非常事態宣言を発表する自治体等は、現時点で、世界で千百を超えると報道されています。東京都の姉妹友好都市でもあり、U20の加盟都市であり、今回のコミュニケを発表したパリ市、ロンドン市、ニューヨーク市も気候非常事態宣言をいたしました。この情報をしっかり共有して、政策を前に進めていってほしいと思っています。ゼロエミッション東京を実現することを宣言した東京こそ、政策企画局が積極的に関連局と連携し、気候非常事態宣言をするよう強く要望いたします。
次に、CLAIRについてお伺いしたいと思います。
自治体国際化協会、CLAIRの活用について、先ほどもご答弁いただきました。CLAIRには、自治体の求めに応じて、特定のテーマについて現地の事情を調査する機能があると聞いています。
都におけるこの調査活動の活用について、実態をお伺いいたします。
○加藤外務部長 CLAIRは、地域の国際化を推進するために設立された地方公共団体の共同組織でございます。
自治体へのサポートの一環として、各自治体からの依頼により海外調査を行っております。
都では、この機能を活用し、政策立案に有効と考えられる場合に調査依頼を行っており、これらの調査結果を施策立案の検討などに活用しております。平成三十年度は、オリンピック・パラリンピック大会におけるボランティアの状況など、八件の調査依頼を行いました。
○山内委員 一方、現地でこそ得られる情報があると思うんです。先進的な取り組み等をCLAIRが主体的に調査し、施策の立案に役立てることができるのではないでしょうか。
CLAIRは、主体的な情報提供をどのように行っているのか、お伺いいたします。
○加藤外務部長 CLAIRの各事務所は、現地の情勢や施策に関する調査結果などをCLAIR REPORTとしてホームページで公開し、自治体の施策立案の参考となる情報を提供しております。
内容は、地方自治制度全般や、福祉や教育、都市づくりなど多岐にわたっており、平成三十年度には二十件のレポートが公表されております。
また、このほかCLAIRでは、自治体国際化フォーラムといった刊行物などにより独自の情報発信を行っております。
○山内委員 今、ご答弁の中にもございました自治体国際化フォーラムという報告に、外国人に対する日本語支援というのがありました。これは国内の報告でありましたけれども、海外の諸都市が多文化共生にどのように取り組んでいるのか、CLAIRを活用して都の施策に生かしていくよう、要望いたします。
東京在住の外国人は五十六万人を超え、八月に東京都が発表した未来の東京への論点では、二〇四〇年には十人に一人が外国人になる可能性を指摘しています。
外国人との共生については、生活文化局、教育庁、福祉保健局、産業労働局等、さまざまな局で取り組んでいますが、総合的な相談窓口というのが求められています。総合的な視点に立った取り組みを進める必要があります。
そこで、外国人との共生社会づくりについて、現在、策定を進めている長期ビジョンにどのように盛り込んでいくのか、お伺いいたします。
○吉村計画部長 東京に暮らす外国人の方は、この三十年間で約二・八倍と大幅に増加しておりまして、外国人材の受け入れ拡大等を踏まえますと、お話のように、近年のペースで増加した場合には、二〇四〇年には百二十五万人と、居住者のおおむね十人に一人が外国人となることも想定されております。
こうした中、言語や文化、生活習慣が異なる外国人の方々と日本人が地域でともに暮らす共生社会を実現していくためには、生活面や福祉面でのワンストップの相談機能の強化や、地域での連携体制づくり、教育面での環境整備など、多岐にわたる課題がございます。
また、地域における共生を進めるためには、区市町村との連携も不可欠であると認識しております。
こうした幅広い課題につきまして、施策を実施していく関係局とも議論を重ね、東京の将来を見据えた総合的な視点から政策を取りまとめまして、長期戦略ビジョンに盛り込んでまいります。
○山内委員 入管法の改正等、まさに今、外国人労働者の受け入れの政策転換を迎えています。外国人労働者が生活者としてともに暮らすまち、東京を目指すには、文化や言葉の違いを尊重しつつ、外国人労働者のその家族の教育や社会保障なども含めて受け入れる環境整備が必要です。
しかしながら、基礎自治体では、外国人の仕事や生活を支援する総合的な窓口、機能となる専門部署は未整備なままです。基礎自治体あるいはNPOなど、そういった力もかりながら、東京の暮らしやすいまちづくりを進めていかなければならないと考えています。
そのためには、東京都が、総合的な窓口を含め、しっかりと政策として取り組んでいくことが必要であり、そのことをぜひ盛り込んでいただきたい、このように思います。ぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○鈴木委員 私からも新たな長期戦略について、少し別の角度から質疑をさせていただきます。
今回、新たな長期戦略を策定するに当たって、私が最も重要だと考えているのが、この長期戦略が、いわゆる絵に描いた餅にならないということです。私のきょうの質疑の立脚点は、この一点に尽きます。
先ほど、つじの委員の質疑にもありましたけれども、少子化が課題であるということは、もう二十年以上前からいわれております。そして、出生率が二・〇七になれば、人口減少をとめられるということを誰もが理解しております。
大事なのは、この課題と目標は既にわかっている上で、これを実現していくための方法論だと思います。この方法論をしっかりと考えていかないと、十年後も、我々はまた同じ議論をここですることになってしまうと思っています。
今回、未来の東京への論点の中で、いろんなイメージを示されております。それは大変すばらしいものだと思っております。このイメージをどうやって具体的な目標に落としていくのか、そして、各目標をどうやって達成していくのか、そこを、きょうはちょっと突き詰めて議論をしていきたいと思います。
初めに、目標設定について確認をさせてください。
未来の東京への論点の中で、先ほど述べたように、二〇四〇年代を想定したイメージとして、例えば合計特殊出生率二・〇七というものを掲げております。
各分野で二〇四〇年代に目指す東京のイメージを達成するために、二〇三〇年においてどのような目標設定を行うのか、伺います。
○吉村計画部長 本年八月にまとめました未来の東京への論点の中で、目指す東京のイメージ例としてお示しいたしました合計特殊出生率二・〇七は、少子化からの脱却に成功しているという目指すべき東京の姿を象徴的に示したものでございます。あえて高いレベルの理想の姿を掲げることで、今後十年間で取り組んでいく施策についても加速させていくことができるのではないかと考えております。
二〇三〇年の具体的な目標設定につきましては、具体的な政策展開やその効果などを含めて、多面的な議論を行いながら進めておりまして、都民にとってわかりやすいものにしていきたいと考えております。
○鈴木委員 二〇三〇年の具体的な目標設定については、現在、議論を進めているということですが、この二〇三〇年の目標が、アウトカムになるのか、それともアウトプットなのかで、これは大きく異なると考えています。
先ほどの出生率の例だと、二〇四〇年代に二・〇七というイメージを掲げているわけですから、二〇三〇年の目標についても、例えば出生率一・七といった、アウトカムの目標をしっかりと設定しなければいけないんじゃないかと私は思っています。そうでなければ、例えば二〇三〇年に、それぞれの事業の目標を達成したけれども、残念ながら出生率は向上しなかった、こういう未来も起こり得るわけです。
ですから、ここは、二〇三〇年も、真正面からこのアウトカムの目標を設定していただくよう、要望したいと思います。
そして、先ほど宮瀬委員の質疑にもありましたが、この目標を設定するに当たっては、政策企画局と各事業局がしっかりと認識のすり合わせをしていくことが重要です。
そこで、長期戦略の策定に当たって、政策企画局と各事業局がどのように目標を共有して決めるのか、また、長期戦略の目標に対して、政策企画局として進捗のフォローをどのように行っていくのか、伺います。
○吉村計画部長 未来の東京への論点では、二〇四〇年代の目指すべき東京の姿と、二〇三〇年に向けた課題を整理しておりまして、それをベースに、現在、都庁全体で共通認識を持って長期戦略の策定を進めております。
長期戦略で掲げる目標の進捗のフォローにつきましては、現在の二〇二〇年に向けた実行プランでのPDCAサイクルの手法なども勘案しつつ、今後検討してまいります。
○鈴木委員 私は、この段階で各事業局とどれだけ認識を共有できるかということが極めて重要だと考えております。やはり、各分野の政策目標に対して、実際に事業を進めていくのは各事業局です。政策企画局として高い目標を設定している、だけど、現場の事業局は、いや、それは正直難しいという思いを抱えたまま、この認識のギャップがあるまま長期戦略がつくられて、そして十年間走るとなると、この目標と事業の差というのは、恐らく一生埋まらないと思うんですよね。
なので、やっぱり最初の長期戦略をしっかりとつくっていくときに、政策企画局さんと各事業局さんの間で、ちゃんとこの認識のすり合わせをしていただいて、それぞれにこの目標を共有できるように、ぜひご尽力をいただきたいと思っております。
今回、新たな長期戦略の議論をするに当たって、私も、舛添前知事時代に策定をした現在の長期ビジョンを改めて読みました。現在の長期ビジョンは二〇二四年までのものですが、過去の長期ビジョンで何が達成できて、何が達成できなかったのか、そして、その理由はどこにあるのか、こういった現状に対する評価というものを、しっかりとこの新たな長期戦略を策定するタイミングで行うべきだと考えております。
例えば、前回の長期ビジョンでは、二〇一七年度末までに待機児童ゼロという目標が設定されていましたが、実際には達成ができませんでした。
そこで、前回の長期ビジョンで設定した目標は具体的に幾つあって、そして、全体の達成率はどの程度だったのか、伺います。
○吉村計画部長 現在、都は、東京都長期ビジョンの四カ年の実施計画でございます二〇二〇年に向けた実行プランに基づきまして、各施策を推進してございます。
実行プランは、東京都長期ビジョンが示す大きな政策の方向性を継承しつつ、都政を取り巻く社会経済情勢の変化に対する新たな目標や政策を盛り込んだものでございまして、現在、六百四十四の目標を設定しております。
本年八月に公表いたしました実行プランの事業実施状況レビューでは、二〇一八年度末までに達成した目標は七十八、今年度末までに達成見込みの目標は七十九となっております。
○鈴木委員 先ほど私が申し上げたとおり、これは二〇二四年までのビジョンなので、現時点での達成率というのは、あくまでも一つの指標にすぎないわけです。しかし、前回の策定から現時点で五年が経過している現状なので、かなりの原因分析というのはできると思っております。
そこで、過去の長期ビジョンで達成できていない目標をどのように評価、総括をして政策の再構築につなげていくのか、伺います。
○吉村計画部長 都は、政策目的の達成に向けて施策を着実に推進する観点から政策目標を掲げておりますが、進捗に課題がある場合には、社会経済情勢の変化や施策の実施方法など、何が原因なのか、しっかりとした分析が必要でございます。
現在も、実行プランのPDCAサイクルの中で、政策目標の進捗状況とその背景などを分析した上で目標や政策の再構築をしておりまして、この検証結果を長期戦略の策定につなげてまいります。
○鈴木委員 今、ご答弁にありましたように、分析は大変必要である、重要であると。ただ、この分析を一体どのような形でやっていくのかということが一つ重要になるだろうと思います。
例えば、さっきの合計特殊出生率二・〇七という目標がありましたけども、これを達成するために、その解決策の一つといわれている保育所の整備なんかは、児童手当の四分の一程度のコストで出生率を回復させ得るといわれていますが、一方で、その効果というのは、保育所の整備をどれだけ頑張っても、出生率を〇・一程度回復させるにとどまるというような研究結果もあります。
これはもちろん、いろんな研究があって、少しその数字のばらつきはあるんですけれども、私が、きょう、ここで申し上げたいのは、それぞれの事業が目標に対してどの程度寄与するのか、ポテンシャルを持っているのかというのを、ちゃんとコストベネフィットの観点から評価をしてあげる、分析をして評価してあげるということが大変重要なんだろうと思います。
先日の総務局への事務事業質疑でも少しお話をさせていただいたんですけれども、例えば、今、途上国で、給食の無償化をやるとどの程度効果があるのかというのをかなり詳細に調査をしている事例があります。給食の無償化をやった生徒さんと、やっていない生徒さんで、どのぐらい教育水準は変わるのかというのを評価すると。
これ、通常は、東京都のいろんな福祉事業でもよくあるんですけれども、その事業の効果だけをはかることというのは結構難しい。だからこそ、この--百億かけている事業はどのぐらい効果が出ているのか、なかなかわかりませんというのが、今の政策の現場の現状だと思います。
ただ、この、今、私がご紹介した事例は、実は、ランダム化比較試験という、RCTと呼ばれる手法なんですけれども、これを使うと、給食の無償化が、どの程度、教育水準の向上に寄与しているかというものだけを、ある意味、抜き出して効果を測定するというような、そういうことができる手法だといわれております。ことしのノーベル経済学賞が、まさにこのRCTの研究に関するものでございました。
こういったRCTに代表されるような、まさにその政策の因果関係を推定する手法などを中心とした、いわゆるEBPM、こういった手法も注目をされておりまして、我が国の政府でも、内閣府の方で導入が始まっております。
長期戦略では、ぜひこうした新たな手法の導入も視野に入れて、政策の効果を高めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○吉村計画部長 政策の立案に当たりましては、最少のコストで最大の効果が得られるよう、コストベネフィットの視点を持って検討することが重要であると認識しております。
実行プランのPDCAにおきましても、政策目標の達成状況をはかる際に、関連事業の進捗状況と予算執行状況をチェックし、検証結果に基づき、事業の再構築を図っております。
また、予算編成の一環である事業評価とも連携し、コストベネフィットの視点など、事業の効率性や実効性などについて多面的な検証を実施しております。
長期戦略の策定に向けましても、可能な限り、客観的なデータ等に基づきまして、効果的な目標や政策の検討を進めてまいります。
○鈴木委員 ぜひ、今ご答弁がありましたように、コストベネフィットの視点で、そして客観的なデータに基づいて、さまざまな検討を進めていただきたいと思います。
先ほど私がご紹介をした、RCTとか、それからEBPMのような手法は、これまでは、そのデータをとるということが非常に難しくて、ハードルが高くて、一つ一つの事業でその効果を検証するところまでなかなか行けない、事業局としては難しいというのが、世界でもやっぱりあったんですね。
ただ、今まさに戦略政策情報推進本部の方で官民連携データプラットホームの議論も進んでおりますけれども、これからの時代、やっぱり都市がデータをどれだけ収集して、そしてそれを、もちろん都民生活の向上だし、あるいは政策の立案につなげていくということが、非常に大きな流れとして出てきております。
恐らくこれは、東京に限らず、世界の都市でいろんな都市のデータを収集して、そうすると、このEBPMのハードルも物すごく下がってくるんですね。
私、別にEBPMにすごくこだわっているわけではなくて、やっぱりデータをしっかりと収集して、分析をして、そして事業の効果を検証して、また事業を組み直していくという、こういう手法をしっかりとやっていただくことが大事だと思いますし、まさに、先ほどから政策企画局の皆さんから、従来の延長線上にはない政策をしっかりとつくっていくというようなお話もありましたので、こういった手法をぜひ参考にしていただいて、今後の長期戦略のさらなる策定に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
○清水委員 それでは、よろしくお願いいたします。
私からも、長期戦略の策定についてお伺いしたいと思うわけでございますが、これまでの委員の方とは党派が違うものでございますので、若干、違った等に聞こえましたら、お許しをいただければなと思うわけでございます。
地方公共団体、いわゆる自治体の総合計画におかれましては、平成二十三年の地方自治法の改正までは、これは昭和四十四年だったそうなんですが、基本構想策定の義務づけがあったそうでございます。ありました、私もよく覚えております。
しかしながら、そのときに、実は、旧自治省の報告書によりまして、総合計画は、基本構想、基本計画、実施計画、この三つの計画で構成することが適当である、このようなことが示されたそうでございます。以来、全国の自治体におかれましては、この三層の総合計画で計画を策定しているというのが、大体、今でも七割ぐらいあるんじゃないかなと思うわけでございます。
そんな中で、私は、小池知事が就任なさってから、さまざまな計画策定に及んでおりますが、前の知事と比べまして、行財政改革については熱心だなというふうに、この辺は感心をしているところでございますが、しかしながら、さまざまな計画書のタイトルあるいは内容に、横文字というか外国語表記が多くて、その計画のタイトルから、この計画は何の計画なのかと読み取るのが難しいのが、ままあるような気がしてなりません。
そこでお伺いしたいと思うんですが、今回、今、議論になっておりますこの長期戦略というのは、行政計画の中で、一体、何に当たるのか、まずはお聞かせいただければなと思います。
○吉村計画部長 現在、策定を進めております長期戦略は、中長期的な視野に立って、政策の大きな枠組みや方向性を示すものでございまして、計画の体系といたしましては、基本構想や基本計画に相当するものであると考えております。
また、期間で見れば、二〇四〇年代を念頭に東京の姿を示し、十年後の二〇三〇年に向けて取り組む政策を定める長期計画でございまして、また、対象で見ると、都庁の行政全般にわたる政策を包括的に捉える総合計画でございます。
○清水委員 ありがとうございました。いずれにいたしましても、この長期戦略というものは、東京都におきます最上位の行政計画だと思います。基本構想、基本計画、総合計画というふうなお話がありました。私は、戦略という言葉からどのようなイメージをとられるかというのは多々あるかと思いますが、ここはわかりやすく、総合計画ですとか、基本計画、長期計画というふうなタイトルを使った方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、申し述べておきたいと思います。
さて、今後、この策定プロセスでございますが、先ほど来、お示しがありますが、未来の東京への論点というこの論点集ですよね。その後に長期戦略ビジョン、これは仮称でございますが、そういったプロセスを経て、この長期戦略というふうなもの、総合計画が策定されるわけでございます。
ちょうどこの長期戦略の策定時期は、来年の夏ごろとお聞きをしているわけでございますが、これ、来年の夏と申しますと、くしくも知事選挙と同じようなタイミングというふうなことになります。知事選挙は七月五日でございます。
これは変な臆測を呼んでいるところも、ややあるようでございますので、これ、具体的に、いつ、この長期戦略が策定されるのかというのは、この際、はっきりさせておいた方がいいと思いますので、今お答えになれるようでしたら、お聞かせをいただければなと思います。
○吉村計画部長 本年末に策定いたします長期戦略ビジョンをもとにいたしまして、来年の東京二〇二〇大会でのハード、ソフト両面のレガシーなどを反映するとともに、政策目標や具体的な政策をさらに高めて、長期戦略として取りまとめていく予定でございます。
○清水委員 ありがとうございます。オリ・パラのレガシーというふうなことを反映できるようにというふうな表現でありますので、これはオリンピック・パラリンピックの後というふうな解釈をさせていただきたいと思うわけでございます。都知事選挙はオリンピック・パラリンピックの前でございますので、その関係性がこれではっきりしたのかななんて、私自身は納得をしたわけであります。
そんな中、今回、先ほど来、さまざまな東京都の総合計画的なもののお話がございました。私も、いわゆる今生きている、そういった総合計画は何があるのかなというのを調べてみました。そうしたら、きょう、懐かしいなと思いながらお持ちしたのですが、まず、新しいところからいうと……(資料を示す)この「三つのシティ」の実現に向けた政策の強化、これは更新されているやつですね、これでございます。次に古いのが都民ファーストでつくる「新しい東京」、これだそうでございます。そして、先ほど来、懐かしんでいらっしゃる方が多かったのですが、前知事がおつくりになりました東京都長期ビジョン-世界一の都市東京の実現を目指してというふうな、この三つが、いわゆるまだ計画期間の中にあるというふうな計画書だそうでございます。
それで、舛添知事時代に策定しましたこの長期ビジョンなんですが、先ほど鈴木理事からもお話がありましたとおり、まだ計画期間が残っているわけなんですね。あと残り四年でございます。その四年の根拠は何かといいますと、この中に、平成二十六年にこれは策定されたわけなんですが、この計画書はおおむね十年間という表現が多分に使われております。
はっきりと十年間ですよといっていないわけですから、おおむねでございますので、現時点でのこういった、改定になるんでしょうかね、新たな策定になるんですかね、そういったことも考えられるのですが、なぜ来年という時期に策定を目指されているのか、その理由がありましたら、お聞かせをいただければなと思います。
○吉村計画部長 平成二十六年に策定いたしました東京都長期ビジョンでは、史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現を大きな基本目標の一つに掲げておりまして、東京二〇二〇大会を来年に控えた今、その後の東京の将来の姿を示していく段階を迎えております。
また、今後始まる人口減少や、さらなる少子高齢化の進展などの課題、IoT、AIなどの先端技術がもたらす産業構造や社会構造の大きな変化、変革を見据え、目指すべき東京の姿と、その実現に向けた取り組みを明らかにするために、長期戦略を策定することといたしました。
○清水委員 ありがとうございました。私どもも政治に身を置いている者でございますので、やはり首長が変われば、とかくこういった総合的な計画も変わってくるものなのかなと思うわけでございますが、それでも小池知事は、前の知事の長期ビジョンを、数年間、踏襲していただいていたわけでございます。
やはり東京都にとりまして、これは誰でもわかることですが、オリンピック・パラリンピックというのが一つの経緯であることは、これは間違いないわけでございますし、先ほどは、つじの委員の方からもお話がありました。私も立川でございますので、三多摩の住民としましては、いよいよ二〇二〇年から人口が減ってしまうという、そういった厳しい現実もあるわけでございますので、私は、来年にこの長期の計画を変更するというのは、それはすごくすばらしいことだと、個人的には思っている次第でございます。
ところでなんですが、こういった自治体計画の策定につきましては、従来は、理事者の皆さんですとか、あるいは職員の皆様が中心となって作成をする、いわゆる行政計画というふうなことが多かったのかなと思います。
しかしながら、最近のトレンドは、先ほども、いろんな方の意見を聞いた方がいいんじゃないのという話もありましたが、民間企業ですとか、あるいは住民の方も巻き込んで策定する、いわゆる公共計画というのがはやっているそうでございます。
そこでお伺いしたいのですが、今回のこの長期戦略というのは、どのような方策で策定をしようとなさっているのか、それをお聞かせいただければと思います。
○吉村計画部長 長期戦略の策定に当たりましては、本年四月に、庁内検討組織として策定会議及び幹事会を設けました。具体的な検討や調整を行っているところでございます。
この検討体制のもとで、本年八月に論点整理を取りまとめるとともに、年末に長期戦略ビジョンを策定し、その後の長期戦略の策定を進めていくこととしております。
また、長期戦略ビジョンの策定に当たりましては、都民、都議会の皆様、区市町村、有識者などから幅広くご意見を伺っております。
○清水委員 ありがとうございました。これは、あくまでも庁内の方で検討、策定を進めていくということとお聞きいたしました。さまざまな方、議会も含めて、ご意見は頂戴するというふうなことでございます。
そうなりますと、これはまさに行政計画というものでございまして、この計画を策定したからには、やはり行政の皆さんが責任を持って進めていかなければならないわけでありまして、都民ですとか事業者など、いわゆる地域の主体の方は、あくまでも理解や協力を求めるにとどまるというふうなご理解をさせていただきたいと私は思うわけでございます。
あともう一つ、いろんな意見があるのかもしれませんけど、先ほども、この策定プロセスについて申し上げました。未来の東京への論点というのがあって、年末には長期戦略ビジョンというのがあって、それで、来年に長期戦略というふうなことでございますが、この課題の抽出ということで、未来の東京への論点というのをお出しになる、それはわかるんですね。それで、最後に、来年のオリンピック・パラリンピックの後に長期戦略を策定されるというのもわかるんです。
その間にあるこの長期戦略ビジョンというのを年末に策定を、お出しになるということですが、これは、長期戦略を策定するに当たって、一連のプロセスの中で、どのような位置づけになるんでしょうか。そのことをお聞かせいただければなと思います。
○吉村計画部長 長期戦略ビジョンは、長期戦略の策定のプロセスの一つに当たりますけども、まず、八月に公表いたしました論点整理をもとにしまして、都民、都議会の皆様、区市町村などから幅広くご意見を伺いながら、目指す東京の姿や将来の目標、それから、取り組むべき政策の柱などをお示しするもので、基本構想であるとか、ビジョンに相当するものであると考えております。
この長期戦略ビジョンをもとにいたしまして、来年の東京二〇二〇大会でのハード、ソフト両面のレガシーなどを反映するとともに、政策目標、それから具体的な政策をさらに高めて、長期戦略として取りまとめていく予定でございます。
○清水委員 ありがとうございました。よくわかりました。
最近は、中には、自治体の中で、さまざまな行政計画を議決事件にするというふうなところも数多く出ております。そうしますと、また議会の責任ということも追及されるのかなというふうな側面もあるわけでございますが、ただいまのご答弁ですと、やはり議会からも意見を聞きながらというふうなことがありました。
私たち議会としても、何らかの形でこの長期戦略にかかわる意見を申し上げることができるような場面、そういったことが長期戦略ビジョン等を通じて確保されるのかどうか、今後のことでございますが、お答えできればお聞かせをいただければなと思います。
○吉村計画部長 長期戦略ビジョンを策定した後は、これをもとといたしまして、都議会の皆様を初め、さまざまな方から改めてご意見を伺いまして、政策をさらに充実させて長期戦略として取りまとめていく予定でございます。
○清水委員 ありがとうございます。いいご答弁をいただいたのかなと思います。
当然ながら、これからの十年、そして、二〇四〇年の問題も取り沙汰されておりますが、大変厳しい時代が来るのかなというふうな認識は誰でも持っているかと思います。私も議会人の一人として、しっかりとこの計画に向き合っていきたいなと思うわけでございますが、またちょっと、その策定プロセスのことについて、私も一言申し上げたいと思いますが、これ、若干、今までの委員の方々と見方が違うわけであります。
今回は、未来の東京への論点ということで課題を示されて、また、バックキャストという手法をお使いになるということです。まず初めに、二〇四〇年代のころをイメージ、あるいは念頭に置いて、それで、手前の二〇三〇年になすべき課題を整理するんだというふうなことです。二十年前に行ったと思ったら、今度は十年前に戻るみたいな形でございます。
それで、特に、先ほど来、話題になっています目指すべき未来の東京の姿ということなんですが、私はちょっと、合計特殊出生率の件ですとか、あるいは災害のニュースが東京からなくなるんだというふうなことは、現在置かれている状況を考えると、とてもじゃないけど、幾ら課題整理、あるいは目指すべき未来といっても、これはいかがなものかなというふうな思いがしてなりません。
例えば、バックキャストで物事を考えるというのは、これは国でもやっている話でございまして、総務省なんかのそういった協議の中では、未来予想が現実的になるだろうという、そういった可能なものを取り上げて、やはり検討をなさっているような気がしております。
例えば、AIでございますチャットボットを活用したごみ出しの仕方のことですとか、あるいはRPAという、これは、ソフトウエアロボットというんですが、これで業務を自動化するんだというふうなことが例に示されまして、だから、こういうふうなことが将来的に起こり得るんだから、今何をすべきかというふうな、まだ未来といっても現実的な予想ができるような未来でありまして、ちょっと私は、合計特殊出生率と災害ニュースがないというふうなことが前提というのを検討の材料にするのはいかがなものかなと思います。
むしろ、その前に書いてある、四四ページですとか四五ページの東京の姿とは、こっちの方がよっぽど私は検討に値するというか、重要なのかなと思いますので、これはご意見として申し上げていきたいと思うわけでございます。
それに加えましてですが、今回、この戦略ビジョンの策定に当たりまして、さらに、重点政策方針二〇一九で示した、戦略的視点である「7C TOKYO」に基づいて検討を進めてくださいと。
「7C TOKYO」、久しぶりに思い出しましたよ、これ。Chanceですとか、Changeですとか、Challengeといった、こういった英語がちりばめられておりまして、なぜか日本語のChojuなんていうのも入っているんですけど、これを、長期戦略を策定するに当たって、また新たに視点を盛り込むというふうなこと、これはどういう意味があるのかなと素直に思ったわけなんですが、その意図をお聞かせいただければなと思うわけでございます。
○吉村計画部長 重点政策方針二〇一九は、令和二年度の予算編成や政策のブラッシュアップを進めるに当たりまして、政策展開の基本となる大きな方向性や、その実現に向けて重点的に検討すべき事項を定めたものでございます。その際、七つのC、今、理事のお話がございましたChance、Change、Challenge、Check、Community、Children、Chojuと、この七つのCから成る戦略的視点、「7C TOKYO」を定めたところでございます。
この戦略的視点は、予算などに限らず、未来への投資を効果的に進めていく上で、7Cの視点から施策を見詰め直し、これまでにない発想や切り口で新たな施策を生み出していこうというものでございまして、長期的に見ても重要な視点であるということでありますので、長期戦略ビジョンの策定に当たりましても、その成果を反映させることとしております。
○清水委員 ありがとうございました。7Cにつきましては、最後のChojuがちょっと声が小さかったような気がしてならないんですが、いずれにしても、大切な視点なので、そういったことも取り入れていこうというふうなことでございますが、余りにもこの前置きが長過ぎると、せっかくの計画の焦点がぼやけてしまわないかというふうな、そんな危惧もしておりますので、お気をつけいただければなと思います。
さて、先ほど来から、あくまでも総合的な計画なんですが、各局との連携というのが非常に重要だというふうなお話が各委員の方からございました。
自治体の計画は、総合計画ですとか長期計画のほかに、当然のことながら、各局ごとに分野別の計画が策定をされているわけでございますが、現在、東京都における各局のいわゆる個別計画というのはどのくらいあるのか、お示しをいただければなと思います。
○吉村計画部長 失礼いたしました。声が小さかったということで、Choju、大変大事な視点だと思います。しっかり頑張りたいと思います。
それで、各局で策定しております法定計画や主要な方針、計画として、合わせて百二十程度を把握しております。
○清水委員 ありがとうございました。約百二十程度の分野別計画があるというふうなことでございます。
これはどういうふうに連携をとっていくのかというふうな質問を考えていたんですが、先ほど鈴木理事の方からご質問がありましたので、これは割愛をさせていただきたいと思いますが、当然、ワンチームで東京都庁も進めていただけることだと思いますので、ぜひともご協力をいただきながら頑張っていただければなと思います。
もう一つ、お聞かせをいただきたいと思います。
このようないわゆる総合計画というのは、先ほど、今回の長期戦略の場合は、基本構想と基本計画をあわせたようなものであるというふうなニュアンスのご答弁がありましたが、あわせて、それに加えて、実施計画も含めたような総合計画もございます。
先ほどお示しさせていただきましたこの東京都長期ビジョンというのも、それに当たるのかなと思っているわけでございますが、こういった総合計画的なもの、これは当然のことながら、絵に描いた餅であってはなりませんので、予算の裏づけというものが考えられているのかなと思うわけでございます。
来年策定されるこの長期戦略というのは、そういった予算の実施計画というんですかね、そういったものも含まれたような、そういったたてつけになっているような計画なのかどうなのか、その辺のところをお聞かせいただければなと思います。
○吉村計画部長 長期戦略では、目指す東京の姿であるとか、二〇三〇年までの十年間で取り組む目標、政策の柱などを提示することとしておりまして、予算措置を必要とする具体の政策につきましては、別途、実施計画を策定して推進してまいります。
○清水委員 ありがとうございます。わかりました。別途に実施計画をお立てになるというふうなことでございますので、そちらの動向の方も見守っていきたいなと思います。
最後にお尋ねしたいと思うんですが、冒頭申し上げましたとおり、くしくも来年の夏に都知事選挙もございます。そして、この策定時期はオリンピック・パラリンピックの後というふうなことでございますが、タイミングもほぼ同じでございます。
これは、あくまでも現職の知事がおつくりになる総合計画でありますし、マスコミ等を拝見しますと、小池知事も、二期目に向けてやる気満々なのかなというふうな感じがするわけでございます。
そうなりますと、当然これは、知事の選挙公約と、次に策定されます長期戦略は、ある程度、整合性がとれなければならないものなのかなと思っております。
今回のこの長期戦略と知事の公約との整合性につきまして、これは局長の方からお答えをいただければなと思います。
○山手政策企画局長 長期戦略は、二〇四〇年代を見据えまして、東京の新たな将来の姿を実現する長期的な羅針盤として策定いたします、都としての行政計画でございます。
世の中の動きが極めて速く、不確実性が一層増していく中で、将来にわたって活力ある東京を創出するための骨太の政策が求められているところでございます。
このため、策定に当たりましては、庁内各局と連携いたしまして、多岐にわたる分野の政策についてしっかり議論をさせていただきますとともに、都民や都議会の皆様を初め、多くの意見を頂戴しているところでございます。また、住民に最も身近な行政である市区町村からも意見を伺っているところでございます。
こうした方々から幅広い意見を十分に伺いながら、成長と成熟が両立した目指すべき東京の姿、また、将来に向けた目標と取り組むべき政策の柱などを整理した長期戦略ビジョンを、繰り返しになりますが、都として年内を目途に取りまとめていくものでございます。
○清水委員 ありがとうございました。局長みずからご答弁をいただきました。
ちょっとなかなか、選挙という政治向きなお話が絡んだ質問でありまして、答えづらいところもあったのかなと思うわけでございますが、いわせてもらえば、やはり皆様方は小池知事の附属の機関、補助機関でございますので、今の局長のご答弁が、私は小池知事の思いを代弁していただいたのかなというふうに解釈をさせていただきたいと思います。
そして、重要だったのは、局長みずから、これは行政計画なんですよというふうなご発言もございました。それはやはり、よく計画をつくって、いろんな方から意見を聞かせてもらうと、責任の所在がどこにあるのかというふうな、そんな場面もあちらこちらで聞かせていただいております。
あくまでも行政計画、自治体の方でつくった計画でございますので、責任をしっかりと感じながら、いい計画をつくっていただいて、それで執行につなげていただきますようご要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で政策企画局関係を終わります。
○早坂委員長 これより戦略政策情報推進本部関係に入ります。
初めに、事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る十月十五日の委員会におきまして要求のございました資料四点につきまして、お手元にお配りしております資料第1号、総務委員会要求資料によりご説明申し上げます。
初めに、一ページをお開きください。1、国際金融都市・東京構想に係る経緯及び費用でございます。
平成二十九年十一月に策定いたしました国際金融都市・東京構想について、経緯及び年度別の費用等を記載してございます。
次に、二ページをお開きください。2、東京、シンガポール、香港の国際金融都市としての比較でございます。
国際金融都市としての東京の現状について、世界的な地位を示す指標である国際金融センターインデックス、法人実効税率、株式時価総額等により、シンガポール及び香港と比較して示してございます。
次に、三ページをごらんください。3、東京都における国家戦略特区の取り組み状況でございます。
令和元年九月三十日現在の取り組み状況を、六ページにかけまして分野別で記載してございます。
次に、七ページをお開きください。4、アジアヘッドクオーター特区における外国企業誘致の目標に対する到達状況でございます。
外国企業発掘・誘致事業等における目標及び実績、これらを含む特区内への外国企業の誘致目標及び実績を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、資料についてご説明させていただきました。よろしくお願い申し上げます。
○早坂委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○藤井委員 戦略政策情報推進本部の事務事業質疑を行わせていただきます。
まず最初に、都内にも大きな傷跡を残しました先日の台風十九号に関連しましてお伺いをいたします。
台風十九号は、首都圏を超大型の台風が直撃する、これまで想定できなかったものでございまして、さまざまな問題、課題が出てきたかと思います。今後対応すべき課題が明らかになっているところかと認識をしております。
その課題の一つに、戦略政策情報推進本部もかかわる区市町村のホームページがございます。
都内の区市町村のホームページは、都が運用をしている自治体セキュリティークラウドというものを通過してインターネットに公開をされています。これは逆に、アクセスする市民の側からしますと、そのセキュリティークラウドというものを通過してからホームページを見ているというところでございます。
台風十九号においては、自治体からの情報発信というのが非常に重要でございました。私、地元は府中市でございますが、多摩川が南側を流れておりまして、避難準備であったり避難勧告というものが出されまして、避難所の開設の状況というのは、基本的にホームページにアップをされておりました。
しかし、アクセスが集中したためか、ホームページにアクセス、なかなかたどり着けない、見られないという時間が長くなってしまっていて、最終的に、府中市長が個人の判断で、自身のSNS、ツイッターだったりフェイスブックを使って情報発信されていたり、大分時間がたった後にホームページが簡易版のテキストだけのものになって切りかわるなどの緊急対応をしておりました。
ホームページにつながりにくい要因の一つに、先ほど申し上げましたセキュリティークラウド側の帯域幅、そして容量が足りなかったからだという声があるやに聞いております。私も、市長から直接、また、ほかの区長などからも、都の管理するセキュリティークラウドの容量、帯域幅の問題でホームページにアクセスできなかったと認識しているというようなお話をお伺いしているところでございます。
そういった状況を受けてか、先日の十一月二十一日に、特別区長会、東京都市長会、そして町村会から合同で、各市区町村の実情に応じた情報発信方法の改善の取り組みへの支援といったご要望が出ていたところでもございます。
そこで、台風十九号通過時に、市区町村のホームページの閲覧が遅くなったり、見られないなどの支障があったということ、これにセキュリティークラウドが原因だという声もありますが、本件とセキュリティークラウドとの関係について、都の見解をお伺いいたします。
○沼田情報基盤担当部長 ご指摘のとおり、十月十二日の台風十九号の通過時に、幾つかの区市町村のホームページ閲覧に当たり、閲覧ができない、遅延が生じたという事象があったことは把握しております。
お話のあったセキュリティークラウドにつきましては、総務省の指針に基づき、自治体のホームページ等、情報システムをインターネット経由の攻撃から守るため、全国の都道府県において構築しているシステムでございまして、都では、区市町村と共同で調達し、運営しているものでございます。
ホームページの閲覧につきましては、利用者の端末からホームページまでの間に、さまざまな通信回線、サーバーや、先ほどお話がありましたセキュリティークラウド等を経由してまいります。そのため、支障が起こった場合、さまざまな要因が複合的に関係しており、その原因を特定するのは容易ではなく、原因究明にも一般的に時間がかかるものでございます。
このため、現在、都としては、セキュリティークラウドの状況とともに、当時の区市町村のシステムの状況を確認するアンケートなどを実施し、発生した事象の概要把握を進めておるところでございます。
○藤井委員 私も、民間企業、ITの企業で働いておりましたころ、システムの障害等の対応というのをしたことがあります。一見、一目でその原因だと思われるようなものだけが原因であるというケースは非常にまれでして、複数の要因が重なることというのがほとんどでありまして、しっかりとその要因を見きわめずに、目の前にある解決策に飛びついてしまうと、なかなか本質的な解決にたどり着かないというケースがございました。慎重に対応が必要だと思っております。
加えて、今回のケースであれば、ホームページがダウンして自治体からの情報発信ができなかったということが問題でありまして、今後の災害時に同様のことがないように対策をすることが必要であるというふうに考えております。
また、先ほど、原因の特定に時間がかかるというお話がございましたが、市区町村のシステムということもあってなかなか難しいとは思うんですが、こういったときに何かログがとれるような仕組みだったりとか、障害時の対応というのも考えておいた方がいいのではないかということは申し添えさせていただきます。
現在、市区町村にアンケートを実施して概要把握を進めているとのことでございますが、現在、把握している市区町村の具体的な状況についてお伺いいたします。
○沼田情報基盤担当部長 各自治体のシステム構成や導入している対策がさまざまであったため、当日の支障状況についても多様な状況が発生していた模様です。
例えば、当日、セキュリティークラウドを経由しなくても、ホームページ閲覧の支障が解決しなかったと回答している自治体もございました。また、アクセス集中対策のために、CDN、これはコンテンツデリバリーネットワークというものですが、それを導入している自治体においても、ホームページの閲覧に支障が発生したと回答している自治体もございます。こうしたことから、複合的な対策が必要だと考えております。
アンケートで把握した情報をもとに、ホームページ閲覧に支障が発生した区市町村を重点的に、支障の状況やシステム構成などのヒアリング調査を行い、発生した事象について詳細を把握していく所存でございます。
○藤井委員 セキュリティークラウドを回避して直接インターネットに接続したにもかかわらず、障害というか、ホームページが見れないような状況が続いたというケースであったり、CDNを導入して、アクセスが集中しても大丈夫なようにしていたにもかかわらず、障害があったケースがあるとのことで、さまざまなケースがあるということがわかりました。
現時点で、セキュリティークラウドが原因の全てといい切ってしまう、もしくは、セキュリティークラウドを増強することで問題の全てが解決するといい切ってしまうのは、本質的な問題点というものを見落とす可能性があり、非常に危険だと思いますので、しっかりと要因を見きわめていただきたいと思います。
この調査を踏まえて、都として具体的にどのような対応を行う予定か、お伺いいたします。
○沼田情報基盤担当部長 アンケート及びヒアリング等による調査結果をもとに、例えば、コンテンツの分散配置や災害時配信のコンテンツの軽量化など、ホームページによる情報提供の改善のための対応策等を早急に検討し、区市町村と連携して改善を図ってまいります。
○藤井委員 セキュリティークラウドの帯域を拡張することもご検討いただきながら、調査の結果を踏まえて、今後、災害などの際にホームページにアクセスが集中しても各自治体が情報発信を続けられるような対策、例えばSNSを使うであったり、ほかの手段を使うであったり、他の市区町村でうまくいった事例の共有であったり、あと、災害時のホームページの対応をまとめたマニュアルをつくるなど、積極的に進めていただきたいと要望をいたします。戦略政策だけではないかもしれませんが、要望させていただきます。
続きまして、戦略政策情報推進本部の局横断的な取り組みを中心に、事業の質疑をさせていただきます。
ことしの四月に発足をいたしました戦略政策情報推進本部は、都政の直面する課題を解決するため、局横断的に取り組んでいくということを期待しているところでございます。
戦略政策情報推進本部は、東京の成長戦略や、ICT利活用のさらなる推進のため設置され、東京の成長に資する取り組みを戦略的かつ集中的に推進する役割を担っております。
四月からこの間、どのように局横断的に取り組んできたのか、成果を含めてお伺いいたします。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 四月の本部設立後、新たな取り組みとして、ソサエティー五・〇の実現に向けた検討会を五月に立ち上げ、先端技術を活用し、各局事業とも関連するさまざまな施策展開の方向性について検討を開始いたしました。また、八月には、TOKYO Data Highway基本戦略を策定いたしました。十月には、本部内に次世代通信推進担当を設置しまして、各局連携のためのPTを立ち上げるなど、実現に向けた動きを開始しております。
加えまして、都庁のICT化推進に関しましては、今年度より、専門的な知見を有する民間人材を部長級として登用するなど、体制を強化しております。
今後も、ソサエティー五・〇の実現や高速ネットワーク網の構築及びそれに伴う施策の実現に向けまして、各局と積極的に連携をしてまいります。
○藤井委員 九月二十日だったと思いますが、宮坂副知事が就任をされてから、都政、東京のデジタル化、スマートシティー化に向けた取り組みというのは加速度的に進んでいるということを私も実感しております。
副知事の各所でのご説明、プレゼンテーション等をお聞きすると、現在の一番の課題は、いかにデジタル人材を都庁に迎えるか、そろえるかということのように感じます。
世界の他都市と比較して、IT部門の職員が、例えば職員数全体が同規模のシンガポールでは二千六百人いるのに対して、東京では百人であり、二十六倍も差があるといったようなお話。変化の激しいデジタル技術の進展を的確に捉え、都政に生かしていくためには、積極的に外部人材を活用することが重要だと考えております。
戦略政策情報推進本部では、成長戦略及びICT利活用推進に関するアドバイザー、デジタルトランスフォーメーションフェローであったり、情報通信技術担当課長、さらにはデジタルシフト担当課長など、外部人材を登用しておりますが、それぞれどのように役割が分かれているのか、お伺いをいたします。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 理事ご指摘のとおり、都の施策においてICTの利活用を積極的に進め、都民サービスの向上を目指すため、高度な専門性と豊富な経験を有する外部人材を登用することは重要でございます。
都はこれまで、情報通信技術担当課長を採用し、局横断的なICT利活用事業の企画及び実施を行うとともに、各局事業につきまして、技術的な視点から運用方法等の具体的な助言や指導を実施してまいりました。
今年度に入りまして、TOKYO Data Highway基本戦略及びソサエティー五・〇の実現に向けた取り組みを迅速に推進していくため、九月には、成長戦略及びICT利活用推進に関するアドバイザーでありますデジタルトランスフォーメーションフェローを設置しております。これによりまして、外部の有識者から、当本部が所管する成長戦略及びICT利活用の推進等に際し、必要な助言を適宜得る体制を構築いたしました。
さらに、高度な専門性と豊富な経験を有する人材を特定任期付職員のデジタルシフト推進担当課長として募集し、十二月十六日付の採用に向けて取り組んでいるところでございます。
今後とも、東京のデジタルシフトの推進に向けまして、さまざまな形でICTに詳しい外部人材を活用し、ICT施策の推進体制を強化してまいります。
○藤井委員 局横断的な取り組みであったり、先端のソサエティー五・〇だったり、TOKYO Data Highwayを支える人材として、外部の人材をご活用されているということがよくわかりました。
外部人材につきましては、現在の仕事を続けながら、パートタイムであれば、東京都のためであったり、公のために働きたいという声も、私は個人的にも聞いているところでございます。こちらは人事部の管轄かもしれませんが、国のCIO補佐官の制度のようなパートタイム、ほかの仕事を持ちながらパートタイムの民間人を公募するような仕組みというものも検討をいただければと思います。
外部の人材に加えまして、先日の総務局の事務事業質疑では、ICT関連の職種を新設するとご答弁いただきましたし、また、一部報道では、新卒の都庁職員としてのIT人材を採用するとのことでございまして、都庁の中の方々にも期待をしているところでございます。
人材採用に加えまして、車輪の両輪として、都庁職員の教育、育成も非常に重要でございます。外部人材など民間の知恵を活用しながら都政を前進させ、あわせて、最新の知見を都庁内に蓄積していく仕組みづくりが重要です。
現状、都庁内のICT利活用を進めていくための人材、人をどのように育成しているのか、お伺いいたします。
○戸井崎ICT推進部長 都政におけるICTの利活用につきましては、都政の高度化に向けた取り組みに加えまして、地域の活性化などを目指す都民生活の質の向上の実現に向けた取り組みにも資するものとなっております。
また、サイバー攻撃といったネットワークに対する脅威も深刻化しており、ICTの導入に当たりましては、セキュリティー対策も重要なものとなっております。
これらのことから、都においては、全ての職員がICT利活用の可能性やサイバーセキュリティー対策の重要性を認識し、その上で、事業の企画、実施及び運営ができるICT人材を育成していくことが重要であると考えております。
この考えのもと、本年度も、年間を通じて、ICTに関連する十二科目の研修を四十九回、また、サイバーセキュリティー関連で十五科目の研修を六十七回実施することとしております。
○藤井委員 今後、さらなる充実を要望いたします。外部人材を拡充しておりますし、さらには、現行のICT利活用の視点からの職員の育成についてというものを見させていただきました。こちらは二〇一六年に策定したものでございまして、昨今のさまざまな状況、デジタル化及びソサエティー五・〇であったり、5Gの視点の追加が必要だと思いますので、充実をお願いいたします。
続きまして、区市町村との連携についてお伺いいたします。
最近、都内区市町村と意見交換の場を設けていると聞いております。都の行政のデジタル化を進めるためには、都内の区市町村との連携というのが非常に重要です。
今後、どのように区市町村と連携に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○戸井崎ICT推進部長 少子高齢化の進展、国際競争の激化、首都直下型地震の脅威など、都が抱えるさまざまな課題に対しまして、スピード感を持って政策を展開していくためには、ICTをさまざまな施策に取り入れ、効果的に活用していくことが重要となります。そのためには、都民の方々に身近なサービスを提供する区市町村と緊密に連携し、都のみならず、区市町村におけるICT利活用をより一層進めることが必要でございます。
このため、都では、これまでにも都区市町村IT推進協議会を開催するなどし、自治体の電子化に向けた取り組みを実施してまいりました。
さらに、この取り組みをより強化していくため、本年九月に、都内全区市町村の職員を対象に副知事の講演会やグループディスカッションなどを行い、区市町村におけるICT利活用に関する課題の共有化や、今後の方向性について議論を行いました。
今後は、この場を通じて得ることができたICT利活用の課題解決に向け、勉強会等を開催するなどし、より一層、区市町村の取り組みを支援してまいります。
○藤井委員 地方自治法等の関係もございまして、なかなか一方的に区市町村に何かをしてもらうというのは難しいと思うんですが、まずは丁寧に意見交換を行い、区市町村が抱える課題を把握して、解決に向けて、ぜひ手を取り合って、寄り添いながら取り組んでほしいと思います。国では、システムの共用化を進める自治体クラウドというものを推奨しておりますので、単なる勉強会にとどまらず、そういったことも見据えながら進めていただきたいと要望させていただきます。
続きまして、キングサーモンプロジェクトについてお伺いいたします。
本年の第一回都議会定例会総務委員会において、このプロジェクトについて、効果的に実施していくためのご質問をさせていただきました。今年度は、テーマ設定及び企業の選定、そして、来年度において、都政の現場を活用した実証実験、販路拡大に向けた支援、事例のモデル化を実施すると。これらを推進する上で、スタートアップと行政が同じ目標を見据えた上で、実証実験の場を提供する庁内各部署や外部のステークホルダーとの調整を綿密に行っていくとご答弁をいただいたところでございます。
こちらを踏まえまして、来年度、実証実験を行うテーマについては、先般決まったというふうに聞いておりまして、三つほどあると聞いています。さらに、一月にスタートアップ企業公募開始、さらには三月に選定結果を公表予定ですと。
この都政の課題のテーマについては、どのような考え方でテーマ設定をしたのか、お伺いいたします。
○米津特区推進担当部長 先端事業普及モデル創出事業、いわゆるキングサーモンプロジェクトでございますけれども、有望なスタートアップ企業と都の協働によりまして、後に続く起業家を輩出するような、いわゆる起業のサイクルといったものを創出していくことを目指しております。
ご指摘のテーマの設定に当たりましては、まず、二〇二〇年に向けた実行プランの中から、グローバルな市場性が見込め、かつ、東京が先駆性を有するような課題テーマ候補の洗い出しを行いました。その上で、課題解決に資する技術やサービスを持つ有力スタートアップ企業を探索調査いたしますとともに、都政現場を活用した実証実験の実現可能性についても、確認と実施に向けた調整を行いまして、理事ご指摘のようなロボットを活用した介護支援など、三つのテーマを選定いたしましたところでございます。
このように、シーズ、ニーズ両面から特に有望な課題テーマの絞り込みを行いまして、来年一月からスタートアップ企業の公募選定を行いました上で、来年度に実証実験を実施する予定でございます。
○藤井委員 済みません、三つのテーマですが、ロボットを活用した医療、介護支援、そして、東京国際クルーズターミナルを活用したインバウンド観光振興、さらには、都立病院におけるICTの積極活用と、この三つを進めていただくというふうに聞いておりますので、ぜひこちらは進めていただきたいと思っております。
私もスタートアップの企業で働いていたこともございますし、また、スタートアップ企業から聞くと、東京都に支援してもらえて一番うれしいことは、やっぱり、そのプロダクトであったりとかサービスを都が使ってくれることだといわれるところでございます。
しかし、都の競争入札の要件等、非常に厳しいものがございまして、なかなかスタートアップ企業が入れないという話も一方で聞くところです。
そこで、キングサーモンプロジェクトにおけるスタートアップの応募要件、その考え方についてお伺いをいたします。
○米津特区推進担当部長 こちらのいわゆるキングサーモンプロジェクトでございますけれども、設定した都政課題にマッチするような有望なスタートアップ企業を幅広く募りまして、将来性や課題解決への寄与などの観点から、特に期待される企業を選定していくことが重要だというふうに認識しております。
そこで、募集に当たりましては、例えば創業年数が一定年数を超えないこと、既に製品やサービスを有していることなどの最低限の要件のみを設定いたしまして、本プロジェクトへの参加者となるスタートアップ企業を募る予定でございます。
このように、理事ご指摘のとおり、将来、大きく成長することが期待できるスタートアップ企業に幅広くチャンスを提供できるよう、事業を設計してまいりたい、このように考えております。
○藤井委員 ご答弁の中で、一定の条件を超えていれば、幅広くスタートアップ、創業間もない企業でも参加できるということが確認できましたので、非常に安心をしたところでございます。
都のデジタル化の推進、東京全体のデジタル化の推進を考えると、やはり今後、スタートアップの力を都政、東京都に生かしていくという必要があります。そのためには、このキングサーモンプロジェクトにおいては、都政におけるスタートアップとの協働、ともに働くよい事例となっていただきたいということを期待しております。
次に、5Gについて伺います。
5Gを含むモバイルインターネットの整備は、スマートシティーであったり、都の掲げるソサエティー五・〇の実現に欠かせないインフラとなるものです。
ことしの八月に策定されましたTOKYO Data Highway基本戦略を踏まえて、TOKYO Data Highwayサミットが先日開かれました。通信キャリア四社の社長と、インフラシェアリングのベンチャー企業、これも社長だったと思いますが、参加をいたしまして、さまざまな提案を行っていました。
例えば、その中では、ソフトバンクさんだったと思うんですが、都内区市町村の業務を含んだ東京都のスーパーアプリというものをつくってはどうかと。転出転入の証明であったり、戸籍謄本、印鑑証明等を一括で取得できるような東京都版スーパーアプリをつくってはどうかというご提案がありまして、私も聞いていて、5Gと直接関係ないような気もするんですが、わくわくするようなご提案をいただいたなと思ったところでございます。
そこで、TOKYO Data Highwayサミットではどのような提案があったのか、お伺いいたします。
また、提案内容について、都は実現に向けてどのように進めていくのか、伺います。
○戸井崎ICT推進部長 今月八日、第一回、TOKYO Data Highwayサミットを開催しまして、都と通信キャリア等の各社のトップが一堂に会しまして、具体的な意見交換を実施したところでございます。
通信キャリア等の各社からは、新たに基地局を設置できる場所が限られているため、都が保有するアセットを積極的に活用したい、それから、ローカル5Gの整備支援も携わっていきたいなど、さまざまなご提案をいただいたところでございます。
今後、TOKYO Data Highwayサミットのもとに推進協議会を設けまして、5Gを中心としたモバイルネットワークの構築に向けた取り組みを具体的に検討してまいります。
さらに、本協議会のもとに、実務者レベルでの分科会も設置する予定でございます。まずは、アンテナ基地局設置促進に向けたネットワーク分科会を立ち上げまして、ご提案のありましたアセット活用の促進を推進してまいります。
○藤井委員 推進協議会と実務者レベルの分科会をつくって推進するということで、ネットワーク分科会を立ち上げるということでございますが、そのアンテナ基地局設置推進のネットワーク分科会のみならず、先ほどの東京都版アプリではございませんが、サミットで提示された資料に、ちょっと破線になっていて、つくるかつくらないかわからないようになっているサービス分科会など、他の分科会を設置することも要望いたします。
どのように5Gが活用され、都民生活の向上につながるのか、そして、5Gのモバイルインターネットを整備することによって、世界中から人、物、金をどのように集めるのかについても議論をしていくということを要望させていただきます。
TOKYO Data Highwayサミットには、先ほど申し上げましたJTOWERというインフラシェアリングのベンチャー企業も参加をしておりました。ショッピングモールであったり、オフィスビルなどで4Gの携帯インフラの共有化を進めている企業であるということです。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、そして楽天の四社の5Gのアンテナについてこれから整備を進めるに当たって、TOKYO Data Highwayサミットの場等を活用してアンテナ共用化へ誘導すべきと考えますが、都の見解を伺います。
○荻原情報企画担当部長 携帯電話のアンテナ基地局は、通信事業者により設置されるものであり、これは5Gという規格においても同様でございます。
5Gは、使用する電波の特性から、これまでの4G、LTEよりも多くのアンテナ基地局が必要となります。より多くのアンテナ基地局を効率的に設置するためには、共用化も一つの方策であり、TOKYO Data Highway基本戦略でもそのイメージをお示ししております。
既に、4G、LTEでは屋内アンテナの共用化が始まっており、5Gにおいても、各通信事業者において、可能な限りアンテナ基地局を共有化することが望ましいと考えております。
そこで、お話のように、TDHサミットのもとに設置する協議会や分科会の場において、東京エリアに共有アンテナのすぐれた施工例を実現できるよう、通信キャリア等と議論を進めていきたいと考えております。
○藤井委員 ぜひ東京において、他の地域に先駆けた事例としていただきたいと思います。そして、その事例を他都市へ共有していってほしいと考えております。昨日の新聞報道では、大阪府、市の首長とも、5Gの整備戦略で協力をするという報道がなされておりました。TOKYO Data Highwayサミットなどを通じて得た知見、ノウハウを、大阪に限らず、他の都市と積極的にご共有いただくことを要望させていただきます。
さらに、都庁の各局においても、5Gの活用というものが進んでいるところでございまして、戦略政策情報推進本部は、このサミット等を通じて、民間の意見にも精通をしているところでございますので、各局をサポート、リードすべきだと考えております。どのように都庁各局と5G推進に向けて取り組むのか、伺います。
例えば、オリ・パラ準備局では、二〇二〇東京大会のライブサイトにおいて5Gのショーケースを予定しておりますが、どのようにサポートしていくのか、お伺いします。
○戸井崎ICT推進部長 TOKYO Data Highway基本戦略において、二十一世紀の基幹インフラと位置づけた電波の道の構築を進め、都民のQOL、クオリティー・オブ・ライフの向上につなげていくためには、全庁が一丸となって取り組みを進めていかなければなりません。そこで、本年九月、当本部に、基本戦略の推進に向け、全局調整を行う組織を立ち上げたところでございます。
当本部では、各局等が5G関連技術等についての理解を深め、有効な施策を企画立案できるよう、専門的見地からのサポートを行っております。また、5G重点整備エリアとした西新宿都庁近辺や東京都立大学等のプロジェクトにおいて、関係局とPTを設置するなど、積極的に取り組みを進めております。
お話のオリンピック・パラリンピック準備局が検討している東京二〇二〇大会のライブサイトイベントにおいては、5GのアンテナやWi-Fiの設置等に対する技術的なアドバイスなどを実施しておるところでございます。
今後も、各局等のニーズに応じて、引き続き協力を図り、都庁全体のTOKYO Data Highway施策の推進を強力に支援してまいります。
○藤井委員 来年度、令和二年度の東京都予算の見積もり方針等を受けた今後の予算要求などを考えても、各局の5Gの取り組みというのは加速しているようだと思います。先ほどご答弁いただきました、外部から採用予定のデジタルシフト担当課長であったり、そういった方々も、積極的に各局の支援のために配置するなど、5G推進に取り組んでいただきたいと思います。人員配置を含め、体制をつくることを要望させていただきます。
続きまして、ソサエティー五・〇社会実装についてお伺いいたします。
特に、質疑の対象としましては、官民連携のデータプラットホームについてお伺いをさせていただきます。
「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会は、米国、アメリカを中心としたGAFAや、中国のBATH、これはバイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイなどのいわゆるデジタルプラットホーマーに東京都が挑む野心的な試みであるというふうに認識をしておりまして、こちらも大きな期待をしているところでございます。
ソサエティー五・〇の実現に向けましては、現代の石油といわれているデータの取り扱いというものが非常に重要です。官民連携データプラットホームの検討では、何のデータをどのように集めて、どう利活用するかというのが重要だと思います。特に、行政データだけではなくて、官民連携ですので、民間データをどのように集めるかというところは、このプラットホームにおいて肝となる一番重要なところであると認識をしております。
これまでの検討会議での議論も確認させていただきましたし、プラットホームの構築というのは、世界中の各都市も困難をきわめておりまして、東京都のこの官民連携プラットホームの構築も困難が予想されるところでございます。
官民連携データプラットホームをどのように構築していくのか、お伺いいたします。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 官民連携データプラットホームは、行政データと民間データを集約、連携し、こうしたデータを活用することで、MaaSと呼ばれる移動サービスやキャッシュレスなどのサービスに結びつける仕組みでございます。
その構築に向けまして、まずは行政施設の位置情報など、都から活用しやすいデータを積極的に公開し、分野を超えたデータの掛け合わせなどを行い、データ活用のメリットを都民や民間事業者に広く示してまいります。その後、交通量データなど公益事業関連のデータの集約に努めまして、健康データなど民間事業で使われているデータの取り扱いにつなげていく予定でございます。
運営組織につきましては、こうした段階的な取り組みに対応していくことを想定しております。
○藤井委員 まずは、行政データからステップを踏んで構築していくとのことです。
その検討会議の中では、今年度、MaaSやデジタル地域通貨等の実証実験にこれから取り組むことになっております。現状の実証実験を見ていると、個々の実証実験で完結をしてしまっていて、それぞれが連携をしていないように見えます。将来のデータプラットホームの姿を見据えながら、それぞれが連携をきちんとしていくような、それぞれのデータを官民連携データプラットホームに集めて、さらにそのデータを活用するという循環をつくっていくことが必要であると思っておりますので、そちらも要望させていただきます。
まずは、行政データを活用して、スモールスタートで官民連携データプラットホームの運営組織を立ち上げるとのことでございますが、立ち上げを円滑に進めていくための取り組みについてお伺いいたします。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 官民連携データプラットホームの運営組織の立ち上げに当たりましては、公共交通オープンデータ協議会など、さまざまな組織や国と連携しながら、サービス分野ごとに具体的なデータ活用の検討を進めてまいります。
その中では、当該サービス分野の将来像を明確にしつつ、具体的なユースケースを検討し、民間事業者との連携を促進してまいります。
○藤井委員 官民連携データプラットホームと先ほどから申し上げておりますが、なかなかイメージをつかむことが難しいと思います。まずはサービス分野を絞っていって、スモールスタートということですので、実証実験をするなど、目に見えるような形にしていただきたいと思います。
「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会では、MaaSとデジタル地域通貨については、これから実証実験を行うところではあるのですが、並行して、この十二月に報告書がまとめられて、検討会はここで終了となると聞いております。
東京におけるソサエティー五・〇の社会実装に向けては、今申し上げましたあり方検討会の後も、都庁内で進捗をきちんと管理する体制というものが必要だと考えますが、見解を伺います。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会は、来月開催予定の第五回検討会で最終報告書の取りまとめを行う予定でございます。ソサエティー五・〇の社会実装に向けまして、理事ご指摘のような進捗管理が非常に重要であると認識しております。
今後、報告書の内容を踏まえながら、適切な執行体制の構築を検討してまいります。
○藤井委員 ソサエティー五・〇の社会実装、期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、オープンデータについてお伺いをさせていただきます。これも局横断的に取り組んでいる内容でございますので、確認をさせていただきます。
東京都オープンデータカタログサイトを活用して、戦略政策情報推進本部では、各局、さらには区市町村からのデータの充実に努めておりまして、その点について評価をしているところでございます。これまでも、一般質問、委員会質疑などを通じて、さまざまな機会にオープンデータの取り組みについて質疑をしてまいりました。
都のオープンデータの現状をお伺いいたします。特に、今年度検討が進んでおりましたAPIについて言及をお願いいたします。
○戸井崎ICT推進部長 オープンデータにつきましては、都と区市町村が連携して、都内全域にわたる幅広いデータを提供することが効果的な活用を生むことになります。
このため、都が保有するデータにつきましては、平成二十八年度より、個人情報などを除いて公開することを原則といたしまして、新規データを直ちに公開する一方、各局ウエブ上の全てのデータを調査し、特に重要な十三分野、約四万件を優先して、二〇二〇年までに都のカタログサイトに掲載することといたしました。
また、区市町村のデータにつきましても、公開を促すとともに、都区市町村標準フォーマットを策定いたしまして、これに基づいて、都のカタログサイトでの一元的なデータの提供を行っております。
これらの取り組みの結果、本年十一月時点で、都が約二万五千件、区市町村が約一万二千件、計三万七千件のデータを都のカタログサイトに掲載しております。
あわせて、利用者にとってデータの取得、加工が容易なAPIサービスによる利便性向上に向けまして、イベント一覧などの七つのデータセットに関するAPIを本年度中にカタログサイトに実装すべく、作業を進めております。
○藤井委員 ご答弁の中では、今、現状では静的データを中心に置いている、アップしているということですので、今後につきましては、データ活用の観点からも、動的データも含めて公開していくことを要望させていただきます。せっかくAPIをつくっているということですので、そういった取り扱いもできるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
このオープンデータですが、当然、公開するだけでは意味がなくて、活用されることが重要でございます。オープンデータ化すること自体が目的ではなくて、最終受益者である利用者、市民であったり都民の皆様に真に便利なサービスを実現するために、必要なデータが公開、活用される必要がございます。
データを実際に活用する民間事業者などと意見交換をして、オープンデータ化が必要なデータや提供条件を設定すべきだと考えますが、見解を伺います。
○戸井崎ICT推進部長 オープンデータの取り組みを推進するに当たりましては、データを公開する側とデータを使用する側の両者が、オープンデータがどのようにつくられ、そして、実際どのように使われているのか、共有することが重要でございます。
このため、本年七月に、都や区市町村とベンチャー企業との間で情報交換をすることを目的に、利活用促進に関する意見交換会を開催したところでございます。
意見交換会では、行政側からのオープンデータ化に関するコスト等の課題や、企業側からのアプリ等の開発に当たって必要となるデータの提供条件などの意見があったほか、データ維持管理等に関する官民の役割分担のあり方など、幅の広い意見が交換されました。
また、参加した区市町村職員からは、このような意見交換会を継続して開催してほしいとの意見も頂戴しております。
都としては、これらの意見を踏まえつつ、企業のみならず研究機関などへの参加を呼びかけるなどして、本会を継続して開催してまいります。
○藤井委員 繰り返しになってしまうのですけども、最終受益者であります利用者にとって真に便利なサービスを実現するために、公開したデータは活用されているのかという視点を大事にしていただきたいと思います。単に、一部の専門家だったり、企業のためのものになってしまわないように、細心の注意を払っていただきたいと思います。そのためには、どう活用されているのかであったりとか、そういったことを把握するためのKPIというか、指標も設けてみる必要があるんじゃないかと思っておりますので、検討をお願いいたします。
オープンデータを通じた外部データの利用促進の一方で、都庁内、内部でのデータ活用も進めていくべきでございます。実際に庁内で保有するデータを部局の垣根を越えて政策立案に活用していくことで、職員も、データ利用の重要性や、オープンデータの重要性の認識にもつながっていくことになります。また、自身がデータを活用することで、データの収集、管理の方法についても、利用者目線での気づきがあるものであると考えます。
都では、八月に、二〇二〇年に向けた実行プランの事業実施状況レビューの結果、ダッシュボード版というものを公表しておりますが、データ利活用の好循環を生み出していくためにも、庁内データの利活用を積極的に推進すべきと考えますが、見解を伺います。
○戸井崎ICT推進部長 ビッグデータ、AIなどのICTの利活用が行政、民間を問わず進んでいる現在、都庁においても、データの活用をこれまで以上に積極的に進めていくことが重要でございます。
海外の諸都市においては、都市のさまざまなデータを幅広く収集して活用していくダッシュボードを構築するなど、効果的なICTの活用が進んでおりまして、都市力の強化の点でも、データ活用が欠かせないものというふうに認識しております。
都では、先ほど理事がお話しになりましたとおり、八月に、二〇二〇年に向けた実行プラン事業実施状況レビューというもののダッシュボード版を公表するなどして、保有するデータの庁内での活用を試行しておるところでございます。
行政に対しましては、特定の事業や状況にとらわれないデータの収集、利用による政策立案が求められております。都においても、都のデータのみならず、民間の持つデータも含めたさまざまなデータを都庁全体で有機的に活用していく方策を検討してまいります。
○藤井委員 今後ですが、そのダッシュボードの拡充であったり、ダッシュボードの前提となります都庁内のデータベースの整理というものを進めていただきたいと思います。まずは、都庁内、そして職員のICTへのさらなる理解を深めていただくということを要望させていただきます。
最後の質問になりますが、激化する国際競争、そして人口減少、少子高齢化、先ほど最初に冒頭に述べました、台風十九号を初めとした、これまでにない異常気象、気候変動などなど、東京、日本の直面している状況というのは大変厳しいものがあると考えています。このまま手をこまねいていては、世界に取り残されてしまうのではないかと思うところです。
それどころか、経済の面で申しますと、バブル崩壊後の失われた三十年の間に、日本が置かれている間に、躍進する中国であったり、インドなどアジアの諸国というのも、すごい勢いで成長をしておりまして、既に、そういった視点では取り残されていってしまっているというのが現状ではないかと認識をしております。
ここから盛り返していくためにキーとなってくるのがデジタルテクノロジーの活用でございまして、都のデジタル化というものは待ったなしであるというふうに認識をしております。ソサエティー五・〇の社会実装、5Gの普及、東京の成長戦略の実現など、戦略政策情報推進本部には、これまで以上の活躍が期待されます。
そういった大きな課題に取り組むに当たりまして、戦略政策情報推進本部長に今後の決意をお伺いいたします。
○松下戦略政策情報推進本部長 戦略政策情報推進本部におきましては、本年五月に「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会を立ち上げまして、スマートシティー東京のあるべき姿、あるいはビッグデータやAIなどの先端技術を活用した施策展開の方向性につきまして、有識者の皆様、経済団体代表などとともに、理事のお話にもありましたように、国際社会におくれてはならない、そうした危機感を共通化しまして議論を続けているところでございます。
また、デジタル化の新しい潮流がすさまじい速さで世界を変えている、こういった現実の中、そのデジタル社会のインフラとなります5Gネットワークの構築につきましては、東京の都市力強化の観点からも、急ぎ取り組む必要があると強く認識しているところでございます。
当本部といたしましては、こうした危機意識を持ちつつ、都民の皆様の生活の質の向上、これを行政目的の中心に据えまして、東京のデジタルシフトに積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
今後とも、東京が稼ぐ力を高め、熾烈な国際競争を勝ち抜いていくために、ソサエティー五・〇や、あるいはTOKYO Data Highway基本戦略の実現に向けまして、官民の枠を超えた連携を一層深化させるとともに、本部職員一人一人が推進力となりまして、また、各局と強く連携しながら、果敢に挑戦を重ねてまいりたいと考えております。
○藤井委員 都政を前に進めるためには、都庁内、局横断的に取り組むことに加えまして、本部長のおっしゃるとおり、官民の枠を超えた連携というものを一層深化させ、さらに果敢に挑戦をしていくということが必要であると思います。5G、AI、IoT、ビッグデータの活用、そして、そういった技術を持ったスタートアップが活躍することが必要であると考えております。
まさに、都におきましては、この本部の皆様が取り組んでいる内容でございまして、本部長を初め皆様に、この東京のみならず、日本を背負っている覚悟とプライドを持って事業を進めていただきたいと期待の言葉を申し上げまして、私からの質疑を終えます。
○加藤委員 私からは、国家戦略特区の取り組み推進と、電子申請の利用促進について質問をいたします。
まず、特区についてですけれども、都は、国際的ビジネス拠点の形成やイノベーションの創出に向けて国家戦略特区を積極的に活用しております。これまで九十四件が国に認定されており、これは全国の約三割を占めていると聞いております。
本日のこの要求資料にも一覧が出ております。圧倒的に都市再生、まちづくり分野が多いという状況であります。
東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会がいよいよ来年に迫っておりますけれども、大会後も東京が持続的に成長していくためには、民間や多様な人材がチャレンジできるビジネス環境を整備していくことが不可欠であり、国家戦略特区は、一つの重要なツールであると考えます。
そこでまず、国家戦略特区が東京の経済にどのような効果をもたらしているのか、伺います。
○米津特区推進担当部長 都はこれまで、ご指摘の都市再生分野を初めまして、さまざまな分野の特区メニューを活用いたしまして、国際的なビジネス環境の整備を促進しております。
例えば、都市計画法等の特例を活用し、手続のスピードアップを図る国家戦略特区、いわゆる都市再生プロジェクトでございますけれども、これまでに追加した三十八件が完成した暁には、約十五兆円の経済波及効果を見込んでおります。
また、エリアマネジメントに係る道路法の特例につきましても、道路占用の要件を緩和し、道路を活用したイベントなどを展開することによりまして、昨年度でございますが、約百四十五億円の経済波及効果があったと、このように考えてございます。
○加藤委員 各自治体がそれぞれの特徴を生かして国家戦略特区の活用促進を図っていると思いますが、特に都市再生分野は東京が持つ特徴の一つであり、都が国家戦略特区を活用して大きな成果を上げていることを確認いたしました。
このように、国際的ビジネス拠点の整備を進める一方で、それを支える人材の集積を図っていくことも重要であります。
都では、国家戦略特区を活用し、外国人材の受け入れを進めておりますけれども、その受け入れに当たっては、適切な審査やきめ細かなサポートが求められます。
そこで、都では、外国人材の受け入れに当たっては、どのような審査やサポートを行っているのか、伺います。
○米津特区推進担当部長 外国人材の受け入れ促進に当たりましては、ご指摘のとおり、適切な審査ときめ細かなサポートを行っていく、こういうことが、安定的な制度運営上、重要である、このように考えてございます。
創業人材の受け入れに関する特例につきましては、事業計画の確認や経過観察が重要でありますことから、都の職員に加えまして、高い語学力を有します中小企業診断士などの専門家も活用して対応しているところでございます。
また、本年九月に全国で初認定を受けました高度人材ポイント制の特別加算におきましては、対象外国企業に就労する外国人の申請手続等の関連事項につきまして、ビジネスコンシェルジュ東京において相談体制を整備しているところでございます。
○加藤委員 世界の各都市で人材の獲得競争が繰り広げられる中、都においても、しっかり体制を整えて、外国人材の受け入れを行っていることを確認いたしました。今後とも、国家戦略特区を積極的に活用して、都市再生や多様な人材の集積などを促進し、都内経済の活性化に取り組んでいってほしいと思います。ダイバーシティー東京ということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、電子申請のオンライン化推進について質問をいたします。
私は、昨年の一般質問で、電子申請の促進とペーパーレス化の取り組みについて質問をいたしました。都からは、三年間で達成する数値目標の設定や、行政手続の原則オンライン化に向けて、ペーパーレスを軸とした業務改革と、利用者の利便性改善など都民サービスの向上を図っていくとの答弁がありました。
また、過日の三十年度の決算審査でも、関係局に対しまして取り組み状況を確認いたしました。
この行政手続のオンライン化については、昨年度策定した東京都官民データ活用推進計画の取り組み事項にもなっていると思いますが、改めて、現在の都の取り組み状況について伺います。
○沼田情報基盤担当部長 都は、平成二十九年度に、オンライン化されていない約二千七百の行政手続について、申請件数や、オンライン化を阻害する要因等の調査を実施いたしました。本調査結果を踏まえ、申請件数がゼロなどの手続を除く約千件の手続についてオンライン化を進めるべく、昨年五月に電子申請の利用促進に向けた取組方針を改正いたしました。
昨年度は、本方針に基づき、百三十一手続をオンライン化し、今年度は、おおむね二百手続のオンライン化を目指して取り組んでいるところでございます。
来年度以降も、引き続き、国の法令改正や所管部署の業務見直しの状況を踏まえつつ、オンライン化を進めてまいります。
○加藤委員 都は、区市町村とともに都区市町村IT推進協議会を設置して、電子自治体の構築を推進していると伺っております。区市町村は、より都民に身近な行政サービスを提供しており、その手続のオンライン化は重要であります。
先ほど、藤井理事からも区市町村のデジタル化について質問があって、ちょっとダブる点もありますけれども、この都の区市町村のオンライン化支援の状況について伺います。
○沼田情報基盤担当部長 都は、区市町村と東京電子自治体共同運営協議会を設置し、電子申請システムを共同で調達、運用するとともに、区市町村のオンライン化の取り組み状況や技術的ノウハウを共有するなど、区市町村のオンライン化を支援してきております。
また、区市町村に対し、行政手続のオンライン化に関する都独自の取り組みに関する情報提供に加え、デジタルファースト法など、国の施策に関する説明会を開催するなどしてきておりますが、このような取り組みを通じまして、区市町村のオンライン化を引き続き支援してまいります。
○加藤委員 報道で、外務省が二〇二四年度にも、パスポートの電子申請を初め、収入印紙や収入証紙を張って納付している手数料のクレジットカード決済も認めると出ておりました。ビザは来年度から電子申請にするということで、デジタルファースト法に基づき、行政手続をデジタル化して利便性を高める動きが加速していくとの印象を受けました。
確かに、夏休み前などの期間に、都庁のパスポート申請窓口は、もう長蛇の列ができております。しかも、申請と受け取りと、二回、窓口に来なくてはならないということで、面倒な手続といえます。郵送で受け取り可能かどうかなど、今後詰めていくようでありますが、オンライン化による利便性向上に期待できる内容だというふうに思います。
事業概要にも、現在、令和二年度から開始する第四期サービスの提供に向けた仕様調整及びシステムの構築を進めていると書いてありました。都としても、オンライン化の推進に一層取り組むとともに、区市町村のオンライン化支援についても、引き続き取り組んでいただくことを要望しまして、質問を終わります。
○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時三十一分休憩
午後五時四十四分開議
○早坂委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○清水委員 それでは、私からも戦略政策情報推進本部の事務事業につきましてお伺いしたいと思います。
私は、この場にいれば都議会議員でございますが、家に帰れば都市農業を営んでいる者の一人でございまして、まさにソサエティーでいったら二・〇になるんでしょうか。きょうは、ちょっと背伸びをさせていただきまして、ソサエティー五・〇のことについてお伺いしたいと思いますが、先ほど来、出ております、新たなモビリティーとしての、注目されておりますMaaSについて伺いたいと思います。
都では、AIやビッグデータといった第四次産業革命技術の社会実装を通じて経済発展と社会的課題の解決を両立させるということで、ソサエティー五・〇の実現に向けまして、今年度、有識者による検討会を立ち上げました。これまでに四回開催されたそうでございまして、今後の施策展開の方向性について議論が行われているわけでございます。
この検討会での議論と並行する形で、都では、MaaSを、データプラットホームやデジタル地域通貨と並んで重点プロジェクトとして位置づけまして、今年度から実証実験を行うこととしております。
そして、先月、公共性、広域性、事業性を兼ね備えましたMaaSモデルを検討するため、三件のエリアでの実証実験を選定いたしました。
そこでまず、このMaaSを重点プロジェクトとして位置づけた理由につきまして、お伺いしたいと思います。
○米津特区推進担当部長 ソサエティー五・〇のサービス領域でございますが、理事ご指摘のようにモビリティーや、ウエルネス、エネルギーなど、都民生活、経済活動全般にわたるものでございまして、その対象は幅が広くなってございます。
その中で、特にMaaSでございますけれども、これまで鉄道やバスなど個別事業者の中に閉じておりました移動データを連携させることによりまして、公共交通の利用促進による渋滞解消でございますとか、地域の回遊性の向上や交通不便地域の解消などの効果が期待できるところでございます。
また、個人データに比べまして、交通サービスの運行情報などの産業データでございますけれども、一般的に蓄積度や利活用の自由度が高く、新しいサービスを提供しやすいとされております。
このため、「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会における議論を踏まえながら、今年度、実証実験を行う、このようにしたところでございます。
○清水委員 ありがとうございました。
先行してMaaS事業を実施する重要性につきまして、ご答弁いただいたわけでございます。
特に、個人データに比べまして、この産業データというものが、蓄積ですとか利活用の自由度が高いということで、新しいサービスを生み出すことができるというふうな、これは、いい、重要なご答弁なのかなというふうに思ったわけでございます。
そこでお伺いしたいんですが、ただいまのご答弁で、このMaaSの効果について、新しいサービスの提供ができるんだというふうなことがございましたが、もう少し、どのようなサービスがあるのか、期待できるのかということをお示しいただければなと思います。
○米津特区推進担当部長 ご指摘の点でございますけれども、MaaSは、複数の交通サービスや周辺サービスを組み合わせまして、それらがスマートフォンなどのアプリ一つで検索、予約、決済まで可能になる、こういうものでございます。
これによりまして、例えば、マイカーでの移動が多かった地域で、これまでの時刻表データに加えまして、リアルタイムの運行データを表示するサービスを提供することで、バスを初めとした公共交通の利用を促したりでございますとか、また、都民にとっても、周辺施設のクーポン券を取得いたしまして、市域を回遊して楽しんだりすることができるもの、このように考えてございます。
○清水委員 ありがとうございました。新しいサービスについてのご説明がございました。
確かに、私でもスマートフォンの中には時刻表アプリが入っているわけでございますが、これが、実際、どのような形でバスや電車が動いているのかなというのがわかれば、もっと便利なことで使えるのかななんて、今、思った次第でございます。このMaaSが、都民にとりまして、交通サービス事業者にとっても、メリットがあることがよく確認できたわけでございます。
このようなMaaSの社会実装を目指しまして、都は、三件の実証エリアを選定いたしました。エリアです。
その一つに、私の地元であります立川駅周辺のエリアのプロジェクトが選定されたわけでございます。立川といいますと交通の結節点でございます。
こういった重要な立川駅を軸とした本プロジェクトではどのようなサービスを行っていただけるのか、そのサービスの概要につきまして、お伺いをしたいと思います。
○米津特区推進担当部長 立川駅周辺エリアでございますけれども、商業、観光施設などにアクセスする自家用車が集中いたしまして、道路混雑を引き起こすことがございます。さらには、その道路混雑によりバスの遅延が発生するといった課題がある、このように認識してございます。
このため、本プロジェクトでは、日本初となりますけれども、鉄道とバスのリアルタイム運行データを同時に用いました経路案内の提供を行う、このようにさせていただこうと思っております。これによりまして、例えば、バスが遅延した場合、何時ごろに駅に到着し、その後、どの電車に乗れば効率的かといったことがわかるようになる、このように考えてございます。
また、多摩モノレールの一日乗車券と多摩動物公園の入場券などがセットになった電子チケットを一つのアプリで提供する予定でもございます。
こうしたことによりまして、公共交通の利用促進や観光、商業施設の来訪者の利便向上を図っていくものでございます。
○清水委員 ありがとうございました。具体的なサービスというものが見えてきたわけでございます。
実は立川市というのは、皆様方、多分、想像されるのは、JR立川駅の周りのビルが建ち並んでいる様子だと思いますが、まだまだ私の住んでいる砂川地域という農村地域の方におきましては、バスというのが重要な役割を果たしているわけでございまして、このバスの遅延がリアルタイムでわかると、本当に移動の利便性は格段に高まるんじゃないかと思っている次第でございます。
今回のプロジェクトは、JR東日本や小田急系列の立川バス、多摩都市モノレールと、同業者が組んだプロジェクトでありまして、さらに全国初のサービスにも取り組むということで、大きな期待を持っております。多摩地域で唯一選ばれたプロジェクトでありまして、ぜひこの実証実験を、三多摩のためにも成功させてもらいたいと思うわけでございます。
今年度は初めての実証でございますが、このプロジェクトを核にステップアップしていくことも必要だと考えます。
その一つといたしまして、先ほど申し上げたものに加えまして、例えば、タクシーですとかシェアサイクル等の活用があるんじゃないかなと思います。
立川は、実は二十四キロ平米の市域でございますが、ほとんどが平たんな土地でございまして、自転車の活用に向いているようなまちでございます。そのこともありまして、実は、大正時代に岐阜から立川市に陸軍の飛行場が引っ越してきまして、それが現在の立川飛行場になっているわけでございますが、そういった土地の特徴を利用していただきまして、今いったようなシェアサイクルなんかの活用も、ぜひしていただければなと思います。
そしてまた、多摩地域では、公共交通といたしまして、どちらかというと鉄道は余り発達していないんですが、バス網は本当に発達しているわけでございます。高齢者等がバス停まで歩くのが大変だという声も聞くわけでございます。
これも私ごとで恐縮なんですが、私も、清水さん、最寄りの駅まで歩いて何分ですかと聞かれるんですよね。そうすると答えるのが、まあ、歩けないことはないけど、歩いたら一時間超えてしまいます、バス停まで、実は歩いて十分なんですと。そういうところが、まだ多摩地域にはたくさんあるわけでございます。そういったことのために、自宅からバス停までをつなぐ、いわゆるラストワンマイルの移動サービスには、これは大きなニーズがあるんじゃないかなと思うわけでございます。
そこでお伺いしたいと思いますが、超高齢社会における新たな移動サービスとして、タクシーやシェアサイクルといったモビリティーも、今後、積極的に活用を促していくべきと考えますが、ご見解を伺いたいと思います。
○米津特区推進担当部長 理事ご指摘のとおり、移動利便性の向上を図るMaaSにおきましては、ラストワンマイルの移動サービスは殊さら重要である、このように考えてございます。
今回の実証実験でも、ご指摘のように、シェアサイクルや、アプリなどで呼び出すオンデマンドモビリティーサービスなどを取り入れた実証実験を実施する予定でございます。
今年度の実証実験の成果を関係する多くの事業者などに伝えまして、ご指摘のラストワンマイルの移動サービスを取り入れましたMaaSの普及拡大に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○清水委員 ぜひとも積極的に、このMaaSの普及拡大に取り組んでいただければなと思います。
多摩地域には、タクシーですとかシェアサイクル等の事業者が数多くおります。また、市町村の取り組みとしても、交通不便地域対策に力を入れているんです。ぜひきめ細かく実証実験の成果を伝えていただければなと思うわけでございます。
さらにですが、このソサエティー五・〇の実現の中で、今後の技術革新を見据えまして、自動運転移動サービスの活用も、先日もご案内をいただきましたが、これは重要だと思うわけでございます。
東京都は、現在、自動運転システムの社会実装に向けまして、さまざまな実証支援を行っているかと思うわけでございますが、このような実証支援の成果をMaaSにもつなげていくことが重要と考えるわけでございます。
そこで、今後のMaaSの社会実装に向けまして、自動運転技術をどのように活用されていくのか、今後の展望についてお伺いしたいと思います。
○米津特区推進担当部長 都では、自動運転システムの社会実装に向けた支援を行っておりまして、例えば、本年二月には、多摩ニュータウンで自動運転バスのサービス実証を支援いたしました。
理事ご指摘のとおり、このような取り組みの成果をMaaSの社会実装に生かすことは重要であると考えております。
今年度、交通サービス事業者等によるサービス連携の枠組みが、ある意味、組成されておりまして、都としても、今後、自動運転に関係する自動車メーカーでございますとか、システム事業者などに対しても、将来の事業連携を働きかけてまいりたいと考えております。
○清水委員 ありがとうございました。
本日は、ちょっと背伸びをさせていただきまして、ソサエティー五・〇の実現における、このMaaSのことですとか自動運転技術のことにつきましてご質問させていただきました。
ぜひとも早期に社会実装につなげるよう要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○原委員 それでは、質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、5Gの関連で伺います。
民間の企業により5Gの環境を整えていくということは推進をされているわけです。その中で、東京都は、こうした民間の取り組みを支援していくとともに、東京都みずからが事業展開もするとしています。
5Gの活用で、福祉や教育などがより豊かになっていくような展開はもちろん期待をされていくわけですけれども、私は、自治体がどこまで何をやるのか、都民にとってどうなのかということを明確にしていくべきだと考えて、九月の総務委員会でも、どういう体制をとっていくのかが重要だと指摘をしました。
この時点では、知事から何も指示はないということでしたが、その後、どのような体制になったのか、伺います。
○戸井崎ICT推進部長 TOKYO Data Highway基本戦略の推進に向けまして、全局の調整を行って、各局等における企画立案を支援するために、本年九月、当本部に組織を立ち上げたところでございます。
十月一日現在で、理事一名、部長二名を配置しておりまして、課長級職員以下は十名の体制となっております。
○原委員 そのような体制がとられたということで、わかりました。
まだ立ち上げて間もないわけですけれども、その中でどのような検討をして、現時点で示せるものはありますか。
○戸井崎ICT推進部長 体制整備後、今月八日でございますが、第一回、TOKYO Data Highwayサミットを開催いたしまして、都と通信事業者等のトップが一堂に会しまして、具体的な意見交換を実施したところでございます。
また、同日、通信事業者等による5Gアンテナ基地局等の設置を促進するために、約一万三千件の都の保有の土地及び建物をデータベース化し、公表するとともに、利用手続の簡素化、迅速化を図るため、5Gアンテナ基地局等設置ワンストップ窓口を創設したところでございます。
○原委員 わかりました。
私は、最初に、5Gで福祉や教育がより豊かになるような展開を期待したいということをいいましたけれども、九月の総務委員会でも、そのことに触れています。例えば、特別支援学校などでの遠隔授業ですとか、島しょ地域の遠隔での医療とか、そういうことを本当に都としてやっていきたいんだということを具体的に進めるために展開をしていきますというような、何というんでしょうね、検討の中で示していただけると、都民にとっては、ああ、これは自分たちにとって大事なことなんだというのがわかると思いますので、私は、そこをぜひ議論して前に進めていただきたい、どういう目標を持つのかということをやっていただきたいと要望したいと思います。
それがないと、5Gといえば、際限なく財政投入をしていくということになりかねないということも、私は一方で心配しているんです。来年度予算要求も示されていますけれども、戦略政策情報推進本部にかかわらず、各局にそれぞれ、5G関連の事業、また、その予算があります。また、密接に関連のあるソサエティー五・〇関連もあります。
私は、ここでは要望しておきたいんですけれども、それらをぜひまとめて、どのぐらいの項目と、それぞれの予算があるのかということを今後示していただきたいということを、この場では要望しておきたいと思います。今、各局に散らばっているので、どういうふうになっているかというのは全体がつかめないので、そこはお願いをしておきたいと思います。
その上で、5Gについて、メリットだけではなくて、デメリットも、また、心配な部分も十分議論しておく必要があると考えています。
5Gが使う電波の周波数が4Gよりも高いということで、人体への影響を心配する声は現にあります。現在でも電磁波過敏症に苦しんでいる方もいらっしゃいますし、また、小さな子供たちや妊婦さん、胎児への影響も心配をされています。
こうしたことについて、東京都としてはどのように考えていますか。
○戸井崎ICT推進部長 電波につきましては、人体に対する安全性を確保するため、国が電波防護指針というものを策定しております。
本指針は、国際非電離放射線防護委員会、いわゆるICNIRPといわれている団体でございますが、ここの定めた国際的なガイドラインと同等でございまして、世界保健機関、WHOも本指針を支持しているところでございます。
今後設置される5Gアンテナの基地局につきましても、本指針に基づいて設置されることから、安全性は確保されているというふうに認識しております。
○原委員 今お話にあった国際基準、その国際ガイドラインで示されている基準の考え方はどういうものでしょうか。
基準いっぱいまで安全だというのか、基準を超えることにより、どういう影響があると考えられるのか、その点についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○戸井崎ICT推進部長 先ほどお話ししましたICNIRPというところがつくっております指針でございますが、ICNIRPそのものは、一九九八年に、それまでの科学的文献を徹底的に検証いたしまして、国際的なガイドラインとして、時間変化する電界、磁界及び電磁界への暴露制限のためのガイドライン、これは三百ギガヘルツまでということでございますが、こちらを作成したところでございます。
本ガイドラインは、国が定める電波防護指針と同等のものでございまして、世界各国で使用されているものでございます。
○原委員 ことしの四月に、衆議院の総務委員会でも、健康被害、人体への影響については少し議論になっていました。
その中で、いろいろやりとりがありましたけれども、今、お話にあった国際基準については、これを超えれば悪影響があり得るということで示されているのではないかという指摘や、あるいは、基準以下であっても影響がないとはいい切れないなどの指摘などもありました。そういう議論がされていました。
私はやっぱり、心配な声、心配をされる都民の声はきちんと受けとめて、都としても、事業を進める以上は、都民に安全性について説明できるように、必要な検討をすべきだと思います。
国の指針がある、国際基準もあるということで、その範囲なので大丈夫ですということですけれども、改めて都として、健康被害等に知見のある専門家の意見を聴取するなどのことは行ってもいいのではないかと思いますが、こういうことはやっていらっしゃるのでしょうか。
○戸井崎ICT推進部長 電波につきましては、人体に対する安全性を確保するため、先ほどもちょっとお話しさせていただいた、国の方で電波防護指針を策定しているところでございまして、この指針というものは、約五十年以上、国内外の研究の成果に基づいて、十分な安全率を考慮して作成されたものというふうに聞いておりまして、これは、世界保健機関、WHOも本指針を支持しているところでございます。
全国的に広がるこの電波の利用につきましては、電波法を所管する総務省において適切に対処しているというふうに、私どもでは考えております。
○原委員 済みません、ちょっと重ねて伺いたいんですけれども、要するに、私の質問としては、専門家の意見を聴取して、それを都民にも情報提供するというようなことは、今の答弁の中にはなかったですけど、特にはやっていないということだと思うんですが、今後やる予定とか、検討しているということはないかどうか、それだけ伺いたいんですが。
○戸井崎ICT推進部長 現在のところ、都として専門家の意見を聴取するということは考えておりません。
○原委員 私は、そこはぜひ検討していただきたいなということで要望しておきたいと思います。
先ほど、ご答弁の中に、国際基準については世界各国で使用していますよというお話がありました。そうだと思うんですが、ただ、これもよく見ていきますと、国としては基準を決めていても、その中の自治体によって、そこに住んでいる方の意見も聞きながら、独自の基準を持ってやっているところもあるんですよね。
特に、今回、東京都は、例えば幾つかの地域で集中的に、西新宿とか、エリアも決めてやるわけですけれども、そういうことをやろうとしているから余計に、東京都として専門家の意見も聞いて、それを情報提供するということは、やった方がいいのではないかというふうに私は思います。
アメリカなども5Gを推進していますけれども、例えば、学校の中では無線LANを使わない、有線LANの教室を確保するとか、いろいろ、そういうこともされている地域もあるんですよね。
ですので、私は、国が決めている基準に沿ってやっているという、そこはご説明で理解をしますけれども、でも、東京都として、都民の心配に応えるという点では、独自に調査をする、あるいは、こういう専門家の意見も聞きながら都民の皆さんに情報提供するということは、ぜひ、あっていいことだというふうに思いますので、これは改めて要望をしておきたいと思います。
それで、都民や、また、アンテナなどができた場合の、その周囲の住民への情報公開というのはどのように考えているか、伺います。
○戸井崎ICT推進部長 5Gのアンテナ基地局等の設置に向けて、都の保有しておりますアセットをデータベース化して、当本部のホームページにおいて公開したところでございますが、また、この本データベースに基づくアンテナ基地局の設置の進捗状況につきましては、可視化して公開してまいります。
○原委員 可視化していくということで、ぜひわかりやすく情報提供していただければありがたいというふうに思いますが、この中で、電磁波過敏症の方は現にいらっしゃるし、先ほどいったように、子供たちや妊婦さんなどへの配慮を考えると、とりわけ、電波が集中している場所がわかるようにしておくというのは非常に重要だと私は思っていますので、ぜひお願いしたいということと、やっぱりこういう問題は、リスクをきちんと検討しながら進めていくということが私は必要だと思っていまして、先ほどの国際基準も、国際基準を用いながらも、予防原則にのっとった対策をとるという考え方は十分できると私は思っています。
例えばアメリカなどでは、先ほどいったように、無線LANではなく有線LANにするとか、アクセスポイントをできるだけ子供たちから離れた場所にするとか、そういう対応をしている州もあったり、そういう有線LANの教室などを設けていると先ほどもいいましたけれども、そういうような対応をしているところもあります。
こういう話をしますと、神経質になり過ぎではないかという、そういう声も出たりするんですけれども、そうではなくて、やっぱり、今は十分にわからないんですよね。これから、この電磁波がどういう影響を与えていくかというのはわからないので、わからないからこそ、できる限りの予防対策をとりながら、とりわけ子供たちを守っていくということは、私は必要なのではないかというふうに思っています。
それで、今回、この問題については、マイナスの面というのは十分に議論をされていないんですよね、特に日本では。なので、私は、東京都で、知事がアセットを積極的に開放していくというふうにもおっしゃっているので、だったらなおさら、人体への影響について、東京都として、こういうふうに慎重に取り組むということを示していただきたいということを要望しておきたいと思います。
最後にもう一個、この問題で聞きたいんですけれども、子供たちが多く利用する場所などへの配慮について、これをどのように考えていくかというのを、最後、確認をさせてください。
○戸井崎ICT推進部長 電波につきましては、人体に対する安全性を確保するために、国が防護指針を策定しているのと同時に、こちらの指針につきましては、国際的なガイドラインと同等でございまして、WHOも本指針を支持しているところでございます。
今後設置される5Gのアンテナ基地局も、この指針に基づいて設置されることから、安全性は確保されていると認識しておりまして、今後も、こういった国の基準等の動向について、私どもは注視してまいりたいというふうに考えております。
○原委員 わかりました。国の基準等の動向について注視をしながらということですので、ぜひそこはお願いしたいと思います。国際基準の方も、また動いていく可能性もあると思いますので、ぜひ対応していただきたいというふうに思います。
では、次に、国際金融都市について、一点だけ伺いたいと思います。
資料をいろいろ出していただき、ありがとうございました。
それで、国際金融都市東京の実現に向けた取り組みについて、いつも思うんですけれども、決算額と予算額の開きが大き過ぎるのではないかと思っています。
資料では、二〇一八年度決算額、一億一千九百万円で、予算は四億六千百万円だったというふうに思います。さらに、二〇一九年度は、予算額、八億八千三百万円となっているんですね。ですから、執行率は低いけれども、予算は倍、倍というふうになっているように読み取れます。
このような予算の立て方に問題はないのかということで、見解を伺いたいと思います。
○小川戦略事業担当部長 国際金融都市東京の実現に向けた取り組みでございますが、平成三十年の決算額と予算額に大きな開きがございました主な要因は、東京版EMPファンド創設に係る補助金事業で、補助金の交付がなかったためでございます。
その理由といたしましては、平成三十年度に東京版EMPファンドが創設されまして、本補助金事業の目的の一つである、本ファンドを通しての新興資産運用業者への投資も行われたものなのでございますが、投資資金の拠出元が補助金の支給対象外である海外機関投資家だった、こういったことがありましたので、補助金の執行を行わなかった、こういうことでございます。
本予算につきましては、本補助金事業の創設前に、国内外の機関投資家、資産運用業者など約五十社にヒアリングを行わせていただきまして、その結果を制度設計に反映しまして、事業が効率的、効果的に実施されますように、適正な予算計上を行わせていただいた次第でございます。
○原委員 執行率がこのようになったということについての大きな理由についてはわかりました。
ただ、さらに今年度もふえてということになっていて、また新しい事業もやっていくということだと思うんですけれども、都庁の中でたくさんの分野がありますが、各局ありますけれども、やっぱり、執行率を見ながら次の年の予算を考えていくというのは普通だと思うんですね。
この分野は、もともとリスクも高い分野でもあると思いますし、チャレンジをしている分野なんだというふうに前にご説明も受けましたけれども、一方で、都民の暮らしを守っていく施策も、今、なかなか厳しいという中で、私は、国際金融都市の関係で、やってみないとちょっとわからないということで、執行率が低くても、予算はきちんとついていくというのが、都民目線で考えるとどうなのかということは、これは意見として述べておきたいというふうに思っています。
ちょっと時間の関係で次に行きます。
最後に、国家戦略特区の高度人材ポイント制の特別加算について伺いたいと思います。
特区の九十四件の一覧表を出していただき、実施年月日も入ったものを出していただきました。
それで、最も新しく特区に認定をされています高度人材ポイント制の特別加算なんですが、ポイントによって、外国人の方の出入国管理上の優遇措置をするということですが、どのような仕組みなのか、伺います。
○米津特区推進担当部長 高度人材ポイント制でございますが、外国人材の学歴や実務経験などをポイント化いたしまして、七十ポイントに達すると高度人材とされ、五年の在留期間が付与されるなどの出入国管理上の優遇が受けられる、こういうものでございまして、都が創業等を支援する金融系の企業に就労する外国人につきまして十ポイントを特別加算する、こういうものでございます。
○原委員 国の制度の上に、六十ポイントの人が十ポイントを加算して七十ポイントにして優遇をするということですよね。
そのニーズがあるということをどのように判断したのでしょうか。なぜこの仕組みを活用することにしたのか、伺います。
○米津特区推進担当部長 都が国際金融都市東京を実現していく上では、高度な金融知識や技術等を保有する外国人材の受け入れは重要である、このように考えてございます。
今回の特区提案に当たりまして、金融系の外国企業や専門家にヒアリングをいたしましてニーズを聞き取りました。
本制度の活用によりまして、世界から優秀な金融人材が集い、さまざまなイノベーションが創出される魅力的なビジネス環境が構築されることを期待しております。
○原委員 ニーズはあるということでヒアリングをされたということなんですけれども、あと十ポイントあったら優遇できる対象の方がどのぐらいいるのかとか、そういう規模感というのは本当に全くわからないので、ちょっと聞いてみたんですけれども、もともとの国の制度が、外国人の方でも、高度外国人材というふうに認定をしていくんですよね。それで、学歴や職歴、年収、年齢などでポイントを決めていくと。国は、分野を金融に限ってはいないんですけれども、都としては、そこは金融関係に限ってやるという、十ポイントを足すということなんですけれども、私は、この制度自体をとても複雑な思いで見ています。
やっぱり今、一方では、外国人労働者の方たちの処遇の劣悪さとか、人権問題も起きている中で、外国人の中でも、このようなポイント制で差をつけるというふうにもとれる。これに東京都が、どのぐらいの人が対象になるかわからないけれども、十ポイント加算をして、東京都の政策に合った形で特区としてやろうということは、正直、複雑な思いで見ています。
今後の展開を注視していきたいと思いますが、東京都としては、人権尊重条例を持って、誰もが差別されない、多様性を大事にした都市を目指しているということもあるので、この視点を持って、さまざまな政策を考えていかなければいけないかなと私自身は感じました。
以上で質問を終わります。
○宮瀬委員 では、よろしくお願い申し上げます。
私の方は、きょうは、アジアと東京、海外と東京というテーマで、先ほども政策企画局と大分質疑をいたしまして、皆さんの局におきましても、これは昔はなかったと思うんですが、海外ハブ組織との連絡窓口、アクセス・ツー・トウキョウというものができたといったことで、海外現地での具体的な活動内容、関係機関との連携状況、取り組み成果について、まず伺いたいと思います。
○米津特区推進担当部長 アクセス・ツー・トウキョウでございますが、ロンドン、パリ、サンフランシスコ、シンガポールの四拠点に窓口を設けておりまして、東京の市場の情報でございますとか支援策などに関しまして、東京進出に関心のある外国企業からの問い合わせへの、現地時間、現地語での対応というのも実施しております。
また、外国企業への積極的なコンタクトや、現地展示会、見本市への訪問などによりまして、東京に進出する有望外国企業の発掘を行っているところでございます。
さらに、各国の行政機関、業界団体や投資機関などの、ご指摘の現地の有力ハブとなる組織との連携を通じまして、拠点にて、年三回程度、現地外国企業向けのミニセミナーを開催しているところでございます。
その結果、平成二十九年から平成三十年までの二年間で、アクセス・ツー・トウキョウが発掘した外国企業十二社が都における外国企業の誘致実績になるなど、こうした連携活動によりまして、有望外国企業の東京でのビジネス展開につながっているものと考えております。
○宮瀬委員 ご丁寧にありがとうございます。
ここで、海外で活躍する、いわゆる現地の法人が、日本、東京に来るプレーヤーがどんどん最近ふえていまして、さきの一般質問でも、中小企業振興公社というのが、都内の中小企業が現地に進出する際の窓口業務として、最近、バンコク、ジャカルタ等、ふえてきているんですが、いろいろ調べましたら、こちらに現地の法人に来ていただく機能がなく、また、その予算もついていないといったことを指摘させていただきましたら、予算も一千万、二千万つけていただきまして、実際に、もう既にある中小企業振興公社に、現地の企業に東京にどんどん進出してくださいといった機能ができたと。
殊、シンガポールだけを見ますと、CLAIRがあって、中小企業振興公社があって、アクセス・ツー・トウキョウがあってといったことで、大分、同じような業務を行う機関がふえてきている。
こういった外交、産業、観光等の面での、さまざまな外国拠点のそれぞれの連携はどうなっているのか、お伺いいたします。
○米津特区推進担当部長 都の関係する機関のうち、例えば自治体国際化協会、CLAIRでございますけれども、ご指摘のように、ロンドン、シンガポール、ニューヨークなどにございます。また、東京都中小企業振興公社でございますが、バンコクに海外拠点を設置しているところでございます。
こうした海外拠点の連携につきましては、現在、恒常的な連携体制はないところでございますけれども、必要が生じた際の個別の連絡等を行っている状況でございます。
○宮瀬委員 恒常的な、常日ごろの連携体制はないですよと。必要が生じた際の個別の連絡等というのは、お聞きしますと、どういう事業をやっているんですかといったことをちょっと聞いたりとか、各企業、こういう企業に対して、こういうふうにやっていきましょうとか、そういった戦略的な連絡体制ではないと聞いております。
やっぱりこういったものは、さらなる連携を図るべきと思いますけども、率直に見解を伺います。
○米津特区推進担当部長 海外の現地拠点におきまして外国企業の誘致を進めていく上では、さまざまな分野で施策を進めております、ご指摘の都の関係拠点との連携も、今後、必要であるというふうに認識しております。
関連の海外拠点の設置状況や活動状況も踏まえまして、今後、有望外国企業の発掘に向けた取り組みを行ってまいりたい、このように考えております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。
アクセス・ツー・トウキョウの実績が十二社でございまして、もう一つ、事業があって、東京都のアジアヘッドクオーター特区の外国企業誘致事業というのがあると。
似たような事業に私は見えるわけなんですけど、そちらの実績はどうなんでしょうか。お伺いいたします。
○米津特区推進担当部長 これまでの都におけます外国企業誘致実績といたしましては、平成二十四年度から平成二十八年度末までの五年間で、業務統括、研究開発業務を行う拠点を八十社、平成二十九年度以降は、第四次産業革命関連企業として二十社、金融系企業二十社ということでございます。
また、そうした結果、平成三十年度までに計百二十社の外国企業誘致を実現したところでございます。
誘致企業の事業実施に伴う人件費等の直接的な投資額でございますけれども、平成三十年度末までの累計で約三百八十五億円に上ります。事業の累計事業費約二十五億円に比しまして、約十五倍の経済的効果があると考えております。
○宮瀬委員 ここまで淡々と質疑させていただいたんですが、ちょっと質問の順番を入れかえますが、いろんな事業をやられていて、アクセス・ツー・トウキョウ、東京都アジアヘッドクオーター特区による外国企業誘致事業といろいろ、公社もやっていますと。
その中で、私は問題提起させていただきたいのは、全体で東京にどれぐらい企業が来ているんですかと産業労働局に尋ねても、わかりませんといったことになってしまっていて、じゃあ、実際に、ちょっと聞き方を変えて皆さんにお聞きしたいんですが、これだけいろんな取り組みをされていて、ツールもふえている中で、東京都にある、所在する外国企業の総数は、どのように推移しているのか。
また、その東京にある企業の数をベンチマークとして捉えているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○米津特区推進担当部長 東京都内全域におきます外国企業の総数でございますけれども、国税庁が公表している統計年報によりますと、平成二十七年度は四千百二十一社、平成二十八年度は四千百三十三社、平成二十九年度は四千九十四社となっておりまして、推移としては増加傾向にありますものの、直近では若干の減が見られる、このような状況でございます。
現在、都では、新たにアジアヘッドクオーター特区内に進出した外国企業数を施策のベンチマークとして設定をしておりますけれども、委員ご指摘のように、東京都の外国企業総数の推移も参考にしながら、さらなる外国企業誘致施策に取り組んでまいりたいと考えております。
○宮瀬委員 要は、ポイントはここでありまして、何のために企業を呼んでいるんですかと。東京の発展、東京の経済力の向上を目指しているはずなんですけども、平成二十七年度は四千百二十一社、平成二十九年度は四千九十四社ということで減っているわけであります。となりますと、さまざまな打ち手をしても、総数が減ってしまえば--企業の規模の大きさも、もちろんベンチマークの中に入れなきゃいけないと思いますが、一つのKPIの指標は企業数だと思っております。
今のご答弁、多分、都庁内で初のご答弁だと思いますが、本来であれば、ここは、皆さんだけの話じゃなくて、政策企画局がちゃんと仕切って、産業労働局を含めてやらなきゃいけない部署だと思いますが、ご答弁にありましたように、今後は東京都の外国企業総数の推移も参考にしていただけると、ご答弁をありがたくいただきましたので、ここで聞いたということは来年も聞きますので、ぜひそれを教えていただければと思います。
一方で、アジアヘッドクオーターは、先ほどご答弁がございました。正確に百二十社という数字が出ていますので、一応、そこで何社撤退しちゃったのか。撤退したのか、していないのか、何社か、原因等も含めて教えていただければと思います。
○米津特区推進担当部長 これまでに都が誘致いたしました百二十社のうちでございますけれども、撤退した企業につきましては、事業譲渡した企業も含めて、累計で十二社でございます。
撤退の理由といたしましては、国際的な経済状況の変化への対応や、グローバル本社の経営層や投資家の交代による経営戦略の変更等が挙げられてございます。
これら撤退した企業につきましても、国内企業との商談等がなされておりまして、相応の投資が行われているというふうには考えております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。
ぜひ今後は、四千社の方の減っていく要因ですね、これはなかなか難しいのはわかっていまして、当然、企業ですので、いろいろ経営的な理由があるでしょうと。
ただ、ちょっと東京が居心地が悪くてやめましたという理由だけはやっぱり潰しておかないと、お風呂の水でいえば、栓が下に抜けているのに、上から幾ら水を注いでも、水はたまりませんので、ぜひお願いしたいと思います。
この辺のところは、先ほど政策企画局に対しまして、いろいろばらばらで、外交戦略がちょっとまだ乏しいんじゃないのかとご指摘させていただきましたが、ご答弁で、今後も政策企画局が旗振り役となって、各局と密に連携をしながら、東京のプレゼンスの向上や、東京の抱える課題の解決に取り組んでいくというご答弁がありましたので、ぜひ連携してやっていただきたいと思います。
次に、5G、私も質問させていただければと思います。
私どもの会派で、宮坂副知事がちょっといらっしゃいまして、ご説明をいただきました。そのとき、大変、若輩者で、私、全然この分野はわかりませんでしたので、宮坂さんにどうすればいいですかと聞きましたら、キャリアに話を聞いて来いといわれましたので、素直に、社名は伏せますが、キャリアの皆さんに話を聞いて、どうすればいいのか、東京都に何が必要なのか、率直に聞いてまいりました。本部長、忙しいと思いますので、かわりに聞いてきたことをお伝えさせていただければと思います。
まず、基本的な--私自身は常に心がけているんですが、難しい言葉を使って、難しく理解して、それをうまくわかりやすく、都民の皆さんがわからないと、こう、翻訳機能も都議の一つかなと思っていまして、翻訳をちょっとさせていただきたい。
普通の都民がどう思っているのか、ちょっと最初に聞かせていただきたいんですが、まず率直に、5G、5Gという、はやりになっていますが、都民の生活というのはどう変わるのでしょうか。
○戸井崎ICT推進部長 5Gでは、自動車、住宅内の電気製品、交通インフラ、こういったものが、既存のさまざまな機器や設備がインターネットに接続するという状態になります。これによって都民生活に身近な新たなサービスが創出されて、さまざまな面で生活が変化いたします。
例えば、5G環境が整えば、外出が困難な高齢者が、自宅にいながらテレビ画面を通じて医師の診療を受けられることも可能になります。
○宮瀬委員 まず、私、キャリアの皆さんとお話ししていて、実は、5Gのイメージが先行してしまって、何でも実現されるような過大な期待を受けている、実は、4Gでも展開が可能な部分もたくさんあるんですよと。なので、そこは、まず指摘をさせていただきたいと思います。
4Gの段階で、しっかりとやらなきゃいけないこと、5Gという言葉に踊ってしまって、地に足のつかないようなことになっては本末転倒かなと思っております。
例えば、自動運転も4Gで対応が可能だと。ただ、遠隔で運転するのは5Gなんですよといったことも教えていただきました。
もう一つ、お聞きしたいのは、都民の皆さんの率直な意見を代弁しますと、遠隔医療、事業のICT化、また自動運転、さまざま魅力的な言葉が出ているんですが、じゃあ、それは、いつ実現するんでしょうか。率直な質問で済みませんが、よろしくお願いします。
○戸井崎ICT推進部長 例えば、今、先生からお話のありました遠隔診療なんかは、5Gのネットワーク環境が整備されまして、法令等の整備や機器の開発、病院間での診療体制などの環境整備が実現してからでないと、なかなか可能とならないのかなというふうに考えております。
○宮瀬委員 新たに始まった事業で、当たり前ですけど、このTOKYO Data Highway基本戦略に、スケジュール感というのが一つもないわけでありまして、やっぱり今後のことを踏まえると、都民の皆さんからしてみれば、じゃあ、5Gを活用した遠隔医療というのは、いつなんですかと。
先日の公決の分科会で病院経営本部と質疑させていただいて、いわゆる大島とか、あちらの方々が病気、手術等が必要ですと、わざわざ広尾病院までドクターヘリで行かなきゃいけない。5Gというのが出てきて、これはもう活用すべきですよねといいましたら、検討してまいりますとおっしゃっていたんですけども、それは事業部もやりたい、病院経営本部もやりたい、都民も望んでいるといったときに、じゃあ、例えばなんですけども、5Gを活用した遠隔診療というのは、いつ実現できるものなのでしょうか。
○戸井崎ICT推進部長 今ちょっとお話ししたとおり、5Gのネットワーク環境が整備されるのが前提でございますが、その後、法令等の整備や機器の開発、それから診療体制などの環境整備ができ上がらないと、なかなか実現が難しいのかなというふうには考えております。
○宮瀬委員 そういった中で、事業概要を見ますと、自動運転に関しての部署があって、それに対して研究をしていると。
5Gの取り組みの中で、自動運転というのが一つテーマになっていまして、それは皆さんの中でやられていることですので、その辺の自動運転の方は、じゃあ、その社会実装に向けてどのようなスケジュール感なのか、教えていただければと思います。
○小川戦略事業担当部長 自動運転の社会実装に向けた都の取り組みについてでございますけれども、平成二十九年九月に、国と共同で東京自動走行ワンストップセンターというのを設置いたしまして、公道で実証実験を行おうとする民間事業者等からの相談などを一括して受け付けまして、関係行政機関との調整を行いまして、そして、スピーディーな実証実験の実現につなげている、こういうものがまずございます。
また、平成三十年度からは、自動運転タクシーや自動運転バスなど、自動運転技術を活用したビジネスモデルの構築に向けた民間事業者によるプロジェクトの支援事業を行っております。
あわせて、自動運転という新しい技術を都民にご理解、ご体感していただくため、一般都民向けの自動運転車の試乗会や、自動運転の利便性、安全性などを紹介するシンポジウムを開催しているということでございます。
○宮瀬委員 二〇二五年の高速道路ということが初めて数字が出てくるわけなんですけど、いろいろな法規制もあって、すぐにはと、私もそこは十分わかっています。
ここまで、ちょっと前置きが長くなってしまったんですが、率直にキャリアの皆さんに、都に望むことは何ですかと聞きましたら、いろんな実証実験をしてほしいと。遠隔医療しかり、いろいろなその展開をしていく中で、自動運転は皆さんが、米津部長のお名前も先方から聞きましたけれども、自動運転のことはやっている、しかし、ほかの部分のことに関して、どんどん実証実験をやっていただかないと進まないですといったことが要望の大きな一つでございました。
病院経営本部もやる気があったり、キャリアの皆さんもやる気があったり、でも、どうしたらいいのかわからないといったところで、やはり皆さんがリーダーシップを持っていただくのが一番必要なことかなというのが、これは答弁求めませんので、お願いしたいと思います。
キャリアの皆さんの要望その二が、実は、5G、5Gといわれていても、3G、4Gと違って、待っていれば自然と5Gが広がっていくものでありませんよと。というのは、5Gは、あくまでも利用用途によってふえていくものであって、電波だけあっても何もできませんという、大変厳しいご意見をいただきました。
これを私は聞いて、はっとしまして、どうしても3G、4Gのときのように、みんな携帯が自動でいろいろ変わっていくのかなと思ったんですが、実際は、卵が先か、鶏が先かというお話で、パートナーがいて魅力的なものがなければ、インフラなんていうのは広がっていきませんよというのをおっしゃっていました。これはまさに、私も、当事者の皆さんじゃないとわからないことなので、皆さんにお伝えをさせていただきたいと。
その中で、実は二カ月前にディスカッションをしていたら、一つありましたのが、動物園と組みたいと。上野動物園でございます。なぜなら、コンテンツというのが非常に魅力的なもので、しかも、オリンピック・パラリンピックみたいな一時的なものではなくて、恒常的なものがいいと。
例えば、旭山動物園やほかの地方の動物園には、広さ、スペースでは勝てなくても、上野動物園の中に自動運転の車が走って、VRがあって、夜の動物の生態がわかって、ゴーグルをつけて、ふだん見られない動物の姿を見られるようなことができれば--都のコンテンツです。水族館も、多分、同じ話だと思います。そういうことになれば、コンテンツの魅力が増し、かつ、インフラも整っていくんですよといったお話でございました。
じゃあ、そろそろ質問なんですけども、その中で、都は、とてもおくれているといわれました。どういうことかといいますと、和歌山県立大学では、もう既に提携して動いています、遠隔医療の実験をやっています、大阪でもやっています、広島県はサンドボックスを使った取り組みをやっています、都立病院でもできるけど、お話はありませんと。
こういった先進的な自治体の取り組みというものを、東京都は学ぶことが多いと思いますが、今後取り入れていくべきと考えますけれども、質問まで長かったですが、見解を求めます。
○戸井崎ICT推進部長 総務省の5G総合実証実験等におきまして、通信事業者が自治体と連携して、5Gを活用した実証実験を行っていることは、私どもも認識しているところでございます。
自治体や企業のすぐれた取り組みがあれば、関連する事業を所管する局等に情報提供するなど、連携しながら検討してまいります。
○宮瀬委員 検討していただけるということで、ありがとうございます。
あと、残りの時間は、少し指摘を二点させていただければと思います。
一点目が、官民連携データプラットホームということで、こういった取り組みが進んできているということで、私も常日ごろ、板橋区をうろうろしていると、交通事故が多いところがあって、よく交通事故多発地域という看板が立っているんですけども、常日ごろ、これがどれぐらい危ないのかを量で可視化してほしいということで、オープンデータ化でよかったなと思って見たところ、ご担当も呼びましたが、見られないといった状況でございました。
これは要望にしますが、載せるのが目的ではなく、やっていることが目的ではなく、都民の皆さんが、実際にこの交差点は危ないんだなということがちゃんとわかって、それが伝わるまでが皆さんのお仕事だと思いますので、ちょっとそこはひとつお願いを、もう一回、再点検していただきたいと思います。
二点目は、先ほどちょっと質疑も出ましたが、インターネットが台風のときにつながらなかったといったことでございます。
これは一個確認したいんですが、セキュリティークラウドという仕組みは、主に誰が責任を持っているんでしょうか。
○沼田情報基盤担当部長 ご質問がございましたセキュリティークラウドでございますけれども、総務省の指針に基づき、自治体のホームページ等の情報システムをインターネット経由の攻撃から守るため、全国の都道府県において構築されているシステムでございまして、都では、区市町村と共同で調達いたしまして、運営をしているものでございます。
○宮瀬委員 質問が、運営のやり方はわかっているので、主に主体となっている--区と都が両方でということのようなんですけれども、割合的には、都の方が責任は大きいんですか。それとも、区市町村の方がメーンでやっているのか、都がメーンでやっているのか、教えてください。
○沼田情報基盤担当部長 繰り返しになりますが、東京都では、区市町村と共同で調達して運用しているということでございます。
○早坂委員長 質問にちゃんと答えてほしいね。もう一回。
○宮瀬委員 委員長もせっかくいっていただいたので、質問にちゃんと答えていただければ。もう一度。
区市町村もやっているのはわかります。都がやっているのもわかります。でも、区市町村というのは、たくさんあるじゃないですか。フィフティーフィフティーなのか、それとも、ふだんの管理運営は、東京都がちゃんと管理をメーンにやっているのか、そこをちょっと知りたい。
○沼田情報基盤担当部長 済みません。ふだんの管理運営につきましては、都、区市町村が契約している委託事業者において実施をしているということでございます。
○宮瀬委員 これ以上はいいませんけども、事前の打ち合わせでは、都の方がメーンですといったことも聞いたように思います。なかなかこの場ではいえないこともあるかもしれませんよ。これは私の意見としていっている。皆さんはいっていないですけど。
ただ、いずれにせよ、都に責任は、何割かは知りませんが、あったわけですよ。でも、今回、水害というのは事前に予測ができて、地震と違って、来るというのは事前にわかっていて、特に水害に関しては、毎年大きな被害が出ている。どの委員の先生のところの地元でも、ホームページにつながらないと。さきの総務委員会でもやりましたよ。本当に命の危険があるのに、どこに逃げたらいいのか、肝心の自治体の情報が見られないと。
そこの何割かは知りませんが、東京都の責任があって、これはもう答弁は求めませんけど、いつになったら、じゃあ、それが改善されるのか。一年後なのか二年後なのか、全くわからなくて、その原因の解明に努めていますというお話なんですが、私は、まず、今回の件を、他人事のようなことではなくて、しっかりと責任の重さを痛感してほしいと思っています。
部長、ちょっと笑っていますけども、笑い事じゃないですよ。本当に亡くなる人がたくさんいるかもしれない。みんな不安な夜を過ごしたんですから、ぜひそこは、どっちが主体とかじゃなくて、結果ですので、災害はいつ来るかわかりませんから、早急にやっていただくことを要望しまして、質問を終わります。
○山内委員 私からも質問いたします。
私からは、ビジネスコンシェルジュ東京について伺いたいと思います。
ビジネスコンシェルジュ東京は、都における外国人に向けた主要な窓口として二〇一二年度に開設されました。
そこで、改めて、ビジネスコンシェルジュ東京がどのようなサービスを行っているのか、その内容をお伺いいたします。
○米津特区推進担当部長 ビジネスコンシェルジュ東京でございますけれども、東京で事業を展開する外国企業や外国人起業家の方々に、ビジネス面から生活面まで、幅広い分野における総合的なサポートを提供しているところでございます。
現在、赤坂、丸の内の都内二拠点に窓口を設置してございまして、無料で英語の相談が可能なほか、メール、電話や対面など、さまざまな手法での対応を行っているところでございます。
こうした取り組みを通じまして、外国企業の東京での事業展開を強力にバックアップしてまいりたい、このように考えております。
○山内委員 それでは、ビジネス支援というのは、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。その内容をお伺いいたします。
○米津特区推進担当部長 ビジネス支援でございますが、東京進出前の事業プランの相談でございますとか、物件探索支援から進出後のビジネスマッチング、人材採用、資金調達に係る相談対応など、外国企業の個別ニーズに応じた支援を実施しているところでございます。
また、金融系外国企業向けのサービスといたしまして、金融ライセンス登録などの行政手続に関するサポートのほか、金融庁の金融業の拠点開設サポートデスクというのがございますけれども、こちらと連携いたしまして、外国企業が都内に進出する際の課題解決に向けた金融ワンストップ支援も実施しているところでございます。
○山内委員 それでは、生活支援というのはどのようなサービスを行っているのですか。その内容をお伺いいたします。
○米津特区推進担当部長 生活支援でございますけれども、東京でのビジネス展開に伴うさまざまな生活相談に対応してございます。
例えばでございますが、外国人登録でございますとか、居住に際して必要な行政情報や生活情報の提供のほか、インターナショナルスクール、外国語対応可能な病院の紹介なども実施してございます。
ビジネス支援に加えまして、こうした幅広い生活に関する相談事項にもあわせてワンストップで対応することによりまして、外国企業の多様なニーズに応えてまいりたいと考えております。
○山内委員 外国人仕様のマンションに住み、英語の通じる病院や、子供がインターナショナルスクールに通う外国企業に勤める方や弁護士の方から、非常に便利で助かるんだけれども、地域になかなかなじむ機会がないという相談を受けたことがあります。特に、地震などの災害時や緊急時の不安を挙げていらっしゃいました。暮らし続けていると、地域との、コミュニティとのかかわりが重要だと感じたということだと思うんです。
海外から進出する際のスタートアップの支援は、生活支援も含めて対応するけれども、その後は居住する自治体にお任せというのでは問題もあるかと思います。本来は、相談窓口が未整備な区市町村への支援と、東京都が自治体からの問い合わせに答えられるように総合的な相談窓口を設置するということが、私は、東京都としての役割として必要ではないかというふうに思っているところです。
ビジネスコンシェルジュ東京の相談件数を拝見いたしますと、生活相談というのは非常に少なくて、全体の相談件数、総対応件数というんでしょうか、最近の五年を見ても、伸びていないように感じました。
ビジネス支援は、東京開業ワンストップセンターなども創業支援施設としてあって、それぞれがワンストップ、ワンストップというふうに銘打っているんですね。
必要なのは、東京在住の外国人は五十六万人をもう超えて、二〇四〇年には十人に一人が外国人になるというふうにいわれておりますけれども、ビジネス面でも生活面でも暮らしやすい東京を、誰にとっても--高度外国人材だけではなく、誰にでも暮らしやすいまち東京、多文化共生にするということなわけですから、先ほどいいましたような、ビジネス支援だけではなく、生活支援のことも考えますと、この事業、実は、事業そのものの見直しというのがちょっと必要になってくるのではないかというふうに感じました。
ぜひとも、この点についても早急にご検討いただきたいとお願いをしたいと思います。
以上です。
○入江委員 では、最後に質疑させていただきます。
私も、ロボット、AI、ビッグデータの活用などデジタル技術で経済発展と社会課題の解決を両立させるソサエティー五・〇の進捗などについて、幾つか伺います。
先月、東京都日中友好議員連盟として、中国の国家戦略の一翼を担う新しいまち、雄安新区を視察してまいりました。早坂委員長と加藤副委員長とも、ご一緒させていただきました。
そこは、北京市の中心部から車で二時間ほどの広大な場所で、イノベーションシティーの建設が急ピッチで進められていました。最先端のテクノロジー企業や研究機関を集積させ、北京市の教育、医療、行政機関の一部も移転する計画だということです。
この雄安新区では、無人システムやスマート技術のブレークスルーを実現するとのことで、自動運転システムの小型バスや無人配達ロボット、無人清掃ロボットなどが走行し、無人コンビニでは、顔認証で決済が完了するシステムでございました。中国の顔認証決済の利用登録者数は一億人を突破したということですが、私たちも、この雄安新区で顔による識別を受けたんですけれども、皆さん、年齢が若く認定されることなどが多くて、その技術の精度はまだまだ不確かだということも感じました。
日本では--日本も東京もですが、このように壮大なまちごとの仕掛けというのはできないわけですけれども、都は、本年五月に「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会を立ち上げ、今後の政策強化について検討を重ねていらっしゃるところです。
その中で、先ほど清水先生から出ましたけれども、MaaSを重点プロジェクトに位置づけられたということでございます。複数の交通手段、輸送機関にまたがった移動でも、予約や支払いが一括で行え、最適、最短ルートでの移動が可能になるというこのMaaSは、非常にビジネスチャンスがあるわけで、トヨタ自動車とソフトバンクさんが手を組まれるなど、経済界でも大きな話題となっております。
つまり、何がいいたいかと申しますと、民間ベースでも、しっかりと既に実証実験が行われているということなんです。
そこで、確認の意味で、今回、都がモデル実証を支援する意義について伺います。
○米津特区推進担当部長 MaaSにつきましては、委員ご指摘のとおり、例えば、プラットホーマーを目指すような民間事業者の方々が中心となりまして幾つかの実証が行われておりますけれども、鉄道やバスなど異なる事業者間でのデータ連携については、まだまだ緒についたばかりである、このように考えております。
民間事業者に実際にヒアリングを行ったところ、こうした理由から、都内ではなく、まずは交通サービス事業者の少ない地方から検討するというお声もございました。
しかし、都内におきましても、例えば、交通網が複雑でわかりにくい地域でございますとか、交通サービスが脆弱な地域なども存在してございますので、MaaSの社会実装というのは、ある意味、喫緊の課題であるというふうに考えてございます。そこで、都がモデルを構築し、その普及拡大を図るため、今回、実証支援を開始したところでございます。
今回選定いたしましたプロジェクトでございますけれども、複数の交通サービス事業者が連携した大規模なものでございまして、ある意味、東京のMaaS実現の第一歩になるものと考えております。
○入江委員 ご回答いただきましたとおり、今回の実証実験は、いずれも五社以上の事業者がタッグを組んだということで、これはやはり、民だけで放っておくと、皆さん、利益を確定したいので競争になりますので、都がそれをおまとめしてというか、一緒にやろうという声がけをすることは、非常に意味があることだと思います。こうして都内の事業化に向けた機運を高め、大規模なプロジェクト組成に至ったことは大変評価しております。
さて、私は、本年の第一回都議会定例会一般質問において、都が進めるソサエティー五・〇の実現に当たっては、港区の竹芝のような地域、こちらは世界をリードできる先進的な活動があるわけですが、そういったところと連携を図っていくべきだと質問をいたしました。
この竹芝というのは、都有地の活用や国家戦略特区の適用など、都の支援を受けながら、メディアデザインの有識者と、ソフトバンクなど民間企業が中心となって、来年、コンテンツ産業を核とした国際ビジネス拠点が形成されます。
そして、このたび、MaaSの先行的なモデルになる実証実験の一つに、この竹芝エリアを選んでいただいたわけですけれども、本プロジェクトが選定された評価のポイントについて伺います。
○米津特区推進担当部長 今回の実証実験の公募でございますけれども、七件の応募がございまして、外部有識者等で構成する審査委員会において、ご指摘の竹芝エリア、東京臨海副都心エリア、それから、先ほど質疑がございましたけれども、立川駅周辺エリアの計三件のプロジェクトが選定されたところでございます。
そのうち竹芝のプロジェクトでございますけれども、観光客や通勤客向けに、竹芝桟橋と浜松町駅間などの間を移動するためのMaaS、モビリティーサービスを新たに取り入れまして、船舶、鉄道と連携する、このように考えてございます。
また、域内の勤務者向けにつきましても、周辺の駅やオフィスなどを巡回するオンデマンドモビリティーサービスを新たに取り入れることになってございます。
審査委員会では、こうした最先端のスマートシティーを目指す、ご指摘のような竹芝エリアにおきまして、観光客や通勤者等に向けた移動手段が充実する、このように評価され、選定に至ったものでございます。
○入江委員 先ほどの立川の例にもありますように、MaaSというのは、交通不便地ですとか過疎地において非常に有効ではあるのですけども……(「過疎地……」と呼ぶ者あり)この竹芝というのは非常に、経済活性化のために--先生がそうおっしゃったので使わせていただきましたけれども--経済活性化のためにMaaSが役立つという実証実験だと思っております。
竹芝桟橋からJR浜松町駅まで歩くと、十五分ほどかかってしまいますので、ラストワンマイルの回遊を促す移動手段の確保というのは喫緊の課題でございました。
今回の実証実験では、参加者はどのようにサービスを利用するのか、具体的な内容を伺います。
○米津特区推進担当部長 今回の実証実験におきましては、オンデマンドモビリティーと舟運の移動サービスを取り入れることといたしまして、竹芝エリアの利便性を高めることを主眼としてございます。
実証期間は、本年十二月十六日から来年一月十七日までの約一カ月間を予定してございます。
実証実験の参加に当たりましては、具体的には、事前にホームページなどで予約した上で、参加当日でございますけれども、交通系ICカードを乗車時や乗船時にタッチすることでご利用いただけることを想定してございます。また、一部の実証では、いわゆるQRコードも活用する予定となっております。
本実証で取り入れましたオンデマンドモビリティーと舟運の移動サービスは無料で運行されることになっておりますけれども、今後の有料化も見据えまして、交通系のICカードやQRコードを活用した予約決済サービスの検証を行ってまいりたいと考えております。
○入江委員 この竹芝エリアは、来年には複数のオフィスビル、劇場、商業施設、ホテルが開業予定で、今後の東京の新たなブーストを目指す地区になると思われるわけです。このオンデマンドモビリティーサービスが充実し、ラストワンマイルの利便性が向上すれば、さらなる経済活性化が大いに期待されるところでございます。
今、部長からは、今後の有料化を見据えるとのご答弁をいただきましたので、今回のMaaSの実証実験を確実に検証、分析し、日常的なビジネスモデルとして実現させ、都民への利益還元に資するように取り組んでいただきたいと要望いたします。
この竹芝や大・丸・有、大手町、丸の内、有楽町などの地域では、エリアマネジメント団体などが中心となって、ソサエティー五・〇の先行的な社会実装の場であるスマートシティーの構築を目指しているところがございます。地元の企業や団体などが核となってスマートシティーの構築に取り組んでいただくことこそが、ソサエティー五・〇の実現の近道だと考えております。
またちょっと地元のお話で恐縮なんですけども、六本木の交差点中心の六本木商店街振興組合では、カメラ画像解析による歩行者量調査を行っておりまして、感覚的に捉えていた来訪者の通行量や属性を、数値として客観的に見ることが可能となりました。関係者との調整の場における説得力のある根拠データとして活用されています。また、このデータをとるに当たっては、十分に事前告知などを行うとともに、カメラ画像解析によるデータを即座に廃棄するなど、都民のプライバシーにも配慮しています。
このように、エリアの人流データを収集していくことで、ふだんはモビリティーサービスや商業的なマーケティングなどに活用し、災害時には避難誘導に活用するなど、データを活用して都市活動を最適化していくことが大変重要だと考えております。
こうした地域におけるスマートシティーの活動を広げていくために、先進事例を積極的にPRし、そして応援していくべきだと考えますが、見解を伺います。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ソサエティー五・〇の実現には、都民に、データ活用による便利さや、デジタル技術とさまざまなデータを駆使することが新たな価値の創造や社会的課題の解決に資することを理解、実感してもらう必要がございます。そのためには、先進事例をわかりやすくPRすることが重要でございます。
都では、先月開催いたしました「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会の中で、プライバシーへの配慮と、データ活用についてのイメージをわかりやすく示すため、六本木商店街振興組合の取り組みを紹介させていただきました。
今後は、来年開催する予定のシンポジウム等の中で、地域におけるデータ活用の先進的な取り組みを広く紹介するとともに、データをわかりやすく、グラフを用いたり、デザインを工夫して可視化することも検討してまいります。
また、地域の取り組みが促進されるよう、関係各局と一層の連携を図ってまいります。
○入江委員 関係各局と一層の連携を図っていただくとご答弁いただきました。
この六本木商店街振興組合では、今後、六本木の交差点を中心に、安全・安心でにぎわいのあるスマートシティーの実現に向け、カメラやデジタルサイネージなどを装備した、いわゆるスマート街路灯の設置を計画しております。そうした先進的な取り組みを前に進めるには、都は、ぜひ規制緩和を行い、そして、必要であれば支援を検討することを要望いたします。
続いて、東京二〇二〇大会に向けたテクノロジーショーケーシング事業について伺います。
この七月には、JRの品川駅でAI案内ロボットの実証実験のほか、八月には、先ほどと同じく竹芝エリアにおいて、夏フェスと連携しまして、さまざまなロボットの実証実験を実施されました。
多くの方がロボットと触れ合うことができましたし、非常に新しい企業の方のロボットも拝見することができました。
そうしたロボットの実証実験に都が取り組む意義について、改めて伺います。
○小川戦略事業担当部長 東京都といたしましては、東京二〇二〇大会を史上最もイノベーティブな大会とするということで、本年度より先端テクノロジーショーケーシング事業というものを開始しております。
これは、ロボットを初めとした先端技術は、東京の成長戦略に資するとともに、都が抱えるさまざまな社会的課題への解決策として期待されています。
本事業では、実用シーンに近い形でロボットの実証を行うということで、さまざまな社会的課題を解決できる手段となり得るという、新しい価値を広く発信してまいりたいと思っております。
また、ロボットを社会実装するに当たりまして、規制などの課題について実証結果を取りまとめて、社会実装に向けた規制緩和要望についても検討してまいります。
○入江委員 少子高齢化が進む中で、人間の労働力にかわるロボットの開発や普及を後押しするということは、大変重要だと考えております。今、社会実装に向けた規制緩和要望についても検討するというご答弁でしたので、大変期待しております。
そして、このロボットの実証実験、今年度はどのような取り組みを行うのか、伺います。
○小川戦略事業担当部長 今年度の取り組みでございますが、五カ所の民間の実証場所でサービスロボットを活用した実証実験というものを実施いたします。
具体的には、JR品川駅の構内におきまして、AI案内ロボットの実証実験を実施いたしました。また、竹芝客船ターミナルで開催されたイベントでは、複数のロボットを連動させた実証実験を実施いたしました。
今後は、大・丸・有地区や羽田空港におきまして、警備などのロボットを活用した実験を行いまして、社会実装に向けた有効性や課題の洗い出しを行うとともに、こうした先端技術の取り組みについてPRを実施してまいります。
○入江委員 私ども都民ファーストの会は、東京二〇二〇大会時に、特に中心的な場所となる臨海部の東京ウオーターフロントシティーで、最先端のテクノロジーショーケーシングを行い、世界に日本の技術力をアピールすべきだと提案してまいりました。
いよいよ大会本番である来年度については、どのようにこのロボット実証実験は取り組んでいくのか、伺います。
○小川戦略事業担当部長 来年度は、いよいよ東京二〇二〇大会本番を迎えまして、国内外から東京に注目が集まります。都の先端技術をアピールする絶好の機会となります。
特に大会期間中は、政府や都も参画している組織委員会の東京二〇二〇ロボットプロジェクトと連携いたしまして、例えば、東京の玄関口でございます羽田空港周辺地域や臨海地域などの多くの旅行者が集まる場所を活用した実証実験を通じまして、さまざまな場面でロボットが人々に寄り添い、役に立つ、こういう姿を国内外に発信できるように検討してまいります。
○入江委員 世界の注目と、あと、ありとあらゆるメディアが東京に押し寄せますので、こうしたときに、ロボットなど、日本の技術力の高さをしっかり発信することができれば、ビジネスチャンスが拡大し、経済浮揚に直結すると考えます。しっかりと取り組んでいただくことをご要望いたします。
続いて、国家戦略特区における外国人材関係について伺いますが、国家戦略特区、私の地元、港区、非常に多くを抱えております。そして、先ほど米津担当部長によりますと、都市再生、まちづくり分野が全て完成すると、経済効果は約十五兆円の波及効果があるということですので……(「すごいですね」と呼ぶ者あり)すごいわけでございますけれども、例えば直近では、港区の品川駅北周辺地区、いわゆる高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発が認定されております。
ここでは、オフィスの整備や国際水準の宿泊施設、居住施設の整備に加えて、インターナショナルスクールの設置も予定されるなど、外国人が働きやすい職住接近のまちづくりが計画されているわけです。高度な知識や技能を持った外国人に都内で多く働いていただくことは、東京の活力を高めることに寄与すると考えております。
世界各国が高度人材を積極的に受け入れている政策を展開している。全て、いろんな国で取り合いな状態なわけです。都も、国と連携し、戦略的に制度を整備していく必要があると思います。
そうした中で、先ほどご質問にも出ておりましたけども、高度人材ポイント制の特別加算というのは、全国で初の活用でございますので、これからその成果が出ると思うので、大変期待しているところでございます。
その一方で、在留資格を持ちたいという関係では、日本の美容専門学校などに留学している外国人の方が卒業し、日本の国家資格である美容免許を取得される。これは、日本語も学んだ上で技術も磨き、そして国家試験に受かるというので、大変な高度人材であるわけなんですけども、しかし、日本では就労できないという問題が存在しております。
この外国人美容師の就労拡大についてどのように取り組んでいるのか、伺います。
○米津特区推進担当部長 昨年八月に、都は、国家戦略特別区域会議におきまして、外国人美容師の就労拡大について、新規の規制緩和の提案を行ったものでございます。これは、日本に留学し、ご指摘のように、美容師の免許を取得した外国人の方が、サロンで就労できるように求めたものでございます。
これによりまして、当該外国人が就労中に実践的な技術を習得することで、日本の高い美容技術を海外に伝える担い手といたしまして育成できるようになることとともに、日本で就労している際には、例えば、インバウンド需要に対応する人材として活躍していただくことが可能になるものと考えてございます。
この提案については、現在、国で検討中でございまして、都といたしましても、引き続き、実現するように働きかけてまいりたいと考えております。
○入江委員 都も、引き続き働きかけていただくということで、とにかく東京の稼ぐ力を高めるために、国家戦略特区におけるさまざまな規制緩和プランを積極的に国に働きかけていただくことを要望いたします。
私も日常的に、特に金融の高度人材という方と、近くに住んでいらして、お話しする機会が多いんですけれども、東京は美しい、安全・安心、そして、何といっても、今、アジアのハブであった香港が、非常に政治的に状況が悪くて危険を感じる、だから、やっぱり東京で、ビルのオフィスを構え、そこで働く、なおかつ、家族等を呼び寄せても、きっちりとしたファイブスターのホテルがたくさんあるし、おいしい日本の食事も楽しめる、そして、とにかく日本の方が優しい、親切だ、ただ、こういうことが余りに、実際に自分がいるロンドンやニューヨークでは発信されていないように思うということをいっていただきます。
特に高度人材が、東京が国家戦略特区でありまして、ここで多く働いていただくように、都としてもプロモーションというか、広報戦略をしていくという記事も拝見しましたので、そちらの観点からも、ぜひアピールをしていただきたいと要望いたします。
そして、最後に一問、TOKYO Data Highway基本戦略について質問いたします。
四つのキャリアの共用アンテナも推進した上で5Gアンテナを重点整備していくというこの戦略は、非常に画期的なことで、都のアセットを開放するなど、また、ワンストップ申請の窓口をつくるなど、大変意欲的に取り組んでいらっしゃることを評価した上で、都民の方にそのことをどのように理解していただくかというのが大変重要なことではないかと思っております。
既にプレサービスを無料で始められたキャリアもありますけれども、来年の春には5Gが商用化される。そして、もちろん、私どものスマートフォンも5G対応のものが出てくると思います。
そうしたときに、今キャリアは、個人へのサービスとしてコンテンツの囲い込みに必死なわけなんですけれども、キラーコンテンツは、とにかくスポーツ生中継じゃないかというような説もありますが、スポーツや音楽のライブコンテンツのマルチアングル視聴というのが5Gでは可能になりますが、こうしたものを見ると、非常に5Gのインパクトを実感させられます。
5Gネットワークが構築された環境がどのように利便性や可能性を持つのか、都民に理解をしていただくために、都は、この5Gを体験できるようなイベントを実施すべきだと考えますが、見解を伺います。
○荻原情報企画担当部長 TDH基本戦略でお示しした、つながるまち東京を実現するため、今月八日にTOKYO Data Highwayサミットを開催するなど、都と民間事業者がしっかりとタッグを組むとともに、都民の理解や共感を得ながら進めたいと考えております。
そこで、基本戦略の中で5G重点整備エリアとした西新宿都庁近辺において、来年度、5Gアンテナの整備を促進し、5Gを活用したサービスをより多くの都民が体験する機会を提供したいと考えております。
例えば、バーチャルアーティストが登場するようなxRライブを開催し、新たなエンターテインメントを楽しんでもらうとともに、ショーケースとして、スマートオフィス、スマートハウスを設置し、IoTが生活に溶け込んだ暮らしぶりを体験してもらうことを検討しております。
こうした機会を通じて、5G、ICT技術等を活用したさまざまなサービスを都民に身近に感じてもらいながら、5Gネットワーク網の早期構築を初め、つながるまち東京の実現に向けた施策を推進してまいります。
○入江委員 ありがとうございます。
要望に対しまして、都民に伝えるための5Gの体感イベントを検討しているというご答弁なので、最大限のパフォーマンスを見せていただきたいと期待いたします。
これで質問を終わりますけども、MaaS、5Gなどのソサエティー五・〇の関係の取り組み、そして、外国人材を誘致するための特区制度などについて確認することができました。
小池都知事が目指す、成長と成熟が両立した都市へと東京がさらなる進化を遂げるためには、このような最先端技術、サービスの社会実装や規制緩和、そして、何よりも官民連携が不可欠でございます。今年度設置された戦略政策情報推進本部は、その推進の中核となる組織であり、今後の政策展開に大いに期待して、質問を終わります。ありがとうございました。
○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
○早坂委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。
○松下戦略政策情報推進本部長 今定例会に提出を予定しております戦略政策情報推進本部所管の予算案一件の概要について、ご説明申し上げます。
今回提出いたしますのは、令和元年度一般会計補正予算案でございます。
ICTショーケーシングについて、三千二十一万二千円の増額補正、以上、一件でございます。
詳細は戦略事業部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○松永戦略事業部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 総務委員会に付託される予定の予算案一件についてご説明申し上げます。
令和元年度一般会計補正予算案でございます。
恐れ入りますが、お手元の資料第2号、令和元年度補正予算説明書の一ページをごらんください。
1、総括表、一般会計歳入歳出予算でございます。
財源の補正はございませんので、歳入は、既定予算額のとおり、十一億八千五百三十一万七千円でございます。
歳出の補正予算提案額は、総務費、三千二十一万二千円でございまして、既定予算額、二百五十五億三千万円と合算しまして、二百五十五億六千二十一万二千円でございます。
差し引き一般財源につきましては、二百四十三億七千四百八十九万五千円でございます。
次に、2、事業の概要でございます。
補正予算提案額、三千二十一万二千円につきましては、1、情報システム管理事務、(1)、ICTの発信の中にICTショーケーシングを計上しております。
事業の内容といたしましては、東京二〇二〇大会期間中におきまして、東京都メディアセンターで、東京が有するICT先端技術のショーケース化を図り、国内外に発信していくものでございます。
以上をもちまして、大変雑駁ではございますが、今定例会に提出を予定しております案件につきまして、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○早坂委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○米倉委員 一点、お願いします。
このショーケーシングというものの具体的な中身についてお願いします。
○早坂委員長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 それでは、ただいま米倉委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
以上で戦略政策情報推進本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時二十六分散会
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