委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 加藤 雅之君 |
副委員長 | 本橋ひろたか君 |
理事 | 藤井あきら君 |
理事 | 鈴木 邦和君 |
理事 | 清水 孝治君 |
山内れい子君 | |
宮瀬 英治君 | |
原 のり子君 | |
つじの栄作君 | |
中屋 文孝君 | |
米倉 春奈君 | |
谷村 孝彦君 | |
入江のぶこ君 | |
木村 基成君 |
欠席委員 なし
出席説明員都民安全推進本部 | 本部長 | 國枝 治男君 |
総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 森山 寛司君 | |
治安対策担当部長 | 高野 豪君 | |
若年支援担当部長 | 小菅 秀記君 | |
総務局 | 局長 | 遠藤 雅彦君 |
危機管理監 | 小林 茂君 | |
次長 | 野間 達也君 | |
理事 | 箕輪 泰夫君 | |
総務部長 | 西山 智之君 | |
企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 | 久保田直子君 | |
調整担当部長尖閣諸島調整担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 藤原 知朗君 | |
訟務担当部長 | 江村 利明君 | |
復興支援対策部長復興支援調整担当部長 被災地支援福島県事務所長兼務 | 伊東みどり君 | |
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 | 小林 忠雄君 | |
都政改革担当部長 | 豊田 義博君 | |
都政改革担当部長 | 勝見 恭子君 | |
人事部長 | 山口 真君 | |
労務担当部長 | 高崎 秀之君 | |
コンプライアンス推進部長主席監察員 政策法務担当部長訟務担当部長兼務 | 貫井 彩霧君 | |
行政部長 | 佐藤 智秀君 | |
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長 事業調整担当部長兼務 | 石橋 浩一君 | |
都区制度担当部長 | 米今 俊信君 | |
総合防災部長 | 有金 浩一君 | |
防災計画担当部長 | 古賀 元浩君 | |
防災対策担当部長 | 榎園 弘君 | |
物資調整担当部長 | 大澤 洋一君 | |
統計部長 | 影山 忠男君 | |
人権部長 | 堀越弥栄子君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 小泉 健君 |
任用公平部長 | 須藤 栄君 | |
審査担当部長 | 柴田 義之君 | |
試験部長 | 田中 宏治君 |
本日の会議に付した事件
人事委員会事務局関係
事務事業について(説明)
報告事項(説明)
・令和元年「職員の給与に関する報告と勧告」について
都民安全推進本部関係
事務事業について(説明)
総務局関係
報告事項(説明・質疑)
・令和元年台風第十九号に伴う被害状況と都の取組等について
事務事業について(質疑)
○早坂委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局及び都民安全推進本部関係の事務事業の説明聴取、人事委員会事務局及び総務局関係の報告事項の聴取並びに総務局関係の事務事業に対する質疑を行います。
なお、人事委員会事務局及び都民安全推進本部関係の事務事業並びに人事委員会事務局関係の報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
これより人事委員会事務局関係に入ります。
初めに、人事委員会事務局長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
○小泉人事委員会事務局長 人事委員会事務局長の小泉健でございます。
早坂委員長を初め本委員会委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りながら、職員一同、当局事務事業の適正な執行に全力を尽くしてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
任用公平部長の須藤栄でございます。審査担当部長の柴田義之でございます。試験部長の田中宏治でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長の船川勝義でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○早坂委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○早坂委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○小泉人事委員会事務局長 人事委員会が所管しております事務事業の概要につきまして、お手元にお配りしてございます資料第1号、人事委員会の概要によりご説明申し上げます。
人事委員会は、民主的、能率的な人事行政を推進するため、地方公務員法に基づき設置され、任命権者から独立した専門的な機関でございます。
Ⅱの機構にございますとおり、人事委員会は、都議会のご同意をいただいて知事が選任する三名の委員による合議制の執行機関でございまして、委員会の権限行使を補助するため、事務局が置かれております。
現在の委員は、行政経験者の青山やすし委員長、経済界出身の山極清子委員、法曹界出身の山崎恒委員で、その任期は四年でございます。
人事委員会の権限は地方公務員法によって規定されておりますが、主な業務といたしましては、第一に、適正な勤務条件の設定でございます。その代表的なものといたしましては、給与、その他勤務条件に関する勧告がございます。
第二に、中立、公正な任用制度の確保でございます。都政の将来を担う有為な人材を確保し、育成するため、採用試験や昇任選考に関する事務などを行っております。
第三に、公平審査機能でございます。職員からの勤務条件に関する措置要求や不利益処分についての審査請求を審査し、裁決などを行っております。
事業の詳細につきましては、任用公平部長からご説明させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○須藤任用公平部長 引き続き、事務事業の詳細につきまして、お手元にお配りしてございます資料第2号の冊子、事業概要によりご説明を申し上げます。
恐れ入ります、三ページをお開き願います。委員会の事務局組織でございますが、任用公平部に三課、試験部に二課が設置されております。
六ページをお開き願います。3、事務局職員配置状況でございますが、八月一日現在の職員数は、表の右下に記載しておりますとおり五十八人でございます。
また、4、予算概要にございますように、令和元年度の当初予算額は九億二千五百万円でございます。
続きまして、主要事業のご説明に移らせていただきます。
恐れ入ります、九ページをお開き願います。まず、1、委員会議の運営等ですが、ア、委員会議開催状況にございますように、平成三十年度は、委員会議を計三十三回開催し、百九件の案件を取り扱っております。
下段には、人事委員会が昨年度行った規則の制定改廃の状況についてまとめてございます。
一一ページをお開き願います。当委員会は、国や他の地方公共団体と緊密に連絡をとり合い、任用、給与制度や勤務条件等に関する共同研究、情報交換などを積極的に行っております。下段が加盟組織の一覧でございます。
一二ページをお開き願います。2、労働基準監督機関としての事務でございます。
これは、都立学校や都税事務所などのいわゆる非現業の事業場におきまして、職員の勤務条件や職場環境などが労働基準法等の定める基準に適合しているかどうかを調査、監督するものでございます。
一三ページから一五ページにかけましては、定期監督を初め各種調査、検査等の実績を記載してございます。
次に、一六ページをお開き願います。3、任用、給与及びその他の勤務条件の調査、研究、勧告等でございます。
まず、(1)、任用制度の調査、研究でございますが、行政の民主的、能率的な運営を確保するため、今後の人事制度のあり方や採用制度等に関して、絶えず調査、研究並びに企画、立案を行い、随時適切な制度の改善に努めております。
次に、(2)、給与、その他の勤務条件の調査、研究、勧告等でございますが、これがいわゆる人事委員会勧告に関するものでございます。
特に職員の給与につきましては、社会一般の情勢に適応させる必要があることから、毎年、都職員と民間従業員の給与及び勤務条件に関する実態調査を実施し、その結果に基づいて、現行の給料表が適当であるかどうかについて都議会及び知事に報告し、必要に応じて勧告を行っているものでございます。
昨年度の実態調査等につきましては一七ページに、また、一八ページから二〇ページにかけましては、昨年の人事委員会勧告等の概要を記載してございます。
続きまして、二一ページをお開き願います。4、公平審査等でございます。
まず、(1)、勤務条件に関する措置の要求の審査でございますが、これは、職員から勤務条件に関する措置の要求があった場合に審査、判定し、必要に応じて、権限を有する機関に対し勧告等を行うものでございます。
二一ページ中段から二二ページにかけまして、昨年度の事案処理の状況と判定した事案の内容についてまとめてございます。
続きまして、二二ページ中段、(2)、不利益処分に関する審査請求の審査でございますが、懲戒、その他、意に反する不利益な処分を受けた職員が審査請求を行った場合に審査、裁決を行い、必要に応じ、任命権者に対する指示等を行うものでございます。
二二ページ下段から二三ページ上段にかけましては、昨年度の事案処理の状況と判定した事案の内容等についてまとめてございます。
このほか、二三ページ中段から二五ページにかけましては、職員団体の登録や職員団体等に対する規約の認証などについて記載をしております。
続きまして、二八ページをお開き願います。5、試験及び選考の実施でございます。
都では、地方公務員法に定める成績主義の原則に基づき、人事委員会におきまして、採用試験や昇任選考などの事務を行っております。
また、さまざまな状況の変化に応じて、採用試験及び昇任選考の制度の見直しを行ってきております。
三三ページには、参考として、今年度の採用試験等の実施状況及び予定について、また三四ページからは、昨年度実施いたしました各種試験及び選考に関する実績について記載をしてございます。
以上、当局が所管をしております事務事業についてのご説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○早坂委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○原委員 一点、お願いいたします。
障害者を対象とするⅢ類採用選考試験の申し込み数と合格者数を障害別に三年分お願いいたします。
○早坂委員長 ほかはよろしいですか。--ただいま原委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○早坂委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○須藤任用公平部長 東京都人事委員会は、去る十月十六日に都議会及び知事に対しまして、地方公務員法の規定に基づき、職員の給与についての報告及び勧告並びに人事制度等についての報告を行いました。
本日は、お手元に、資料第3号、令和元年人事委員会勧告等の概要及び資料第4号、職員の給与に関する報告と勧告を配布させていただいております。
ご説明は、資料第3号、概要により行わせていただきます。
恐れ入ります、概要の一ページをごらんください。最初に、本年の勧告のポイントでございます。
給与改定についてですが、例月給は改定を見送り、特別給、賞与は四・六〇月分から四・六五月分に引き上げることとしております。
引き続き、詳細をご説明させていただきます。
2の職員と民間従業員の給与比較ですが、(1)、比較の方法にございますように、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の民間事業所を対象に調査を行った結果、(2)、比較の結果のとおり、例月給につきましては、民間従業員の給与が、都職員の給与を四十七円、率にいたしまして〇・〇一%上回っておりました。
また、特別給につきましては、民間が年間四・六三月となっており、都職員を〇・〇三月分上回っておりました。
続いて、二ページをごらんください。3、給与の改定ですが、(1)、改定の考え方として、例月給については、本年の公民較差が極めて小さいものであるため、改定を見送ることとし、特別給につきましては、(2)、改定の内容に記載のとおり、年間支給月数を〇・〇五月分引き上げることとし、引き上げ分は全て勤勉手当に配分をいたします。
(3)、実施時期でございますが、特別給の引き上げは、令和元年十二月支給分から実施することとしております。
続きまして、4の今後の課題でございます。
まず、(1)、高齢層職員の給与については、定年引き上げに係る国における法改正などの動向を注視しながら、都のこれまでの取り組みや実情を十分に考慮して、給与水準等について検討してまいります。
また、(2)、職務給や(3)、能力、業績を反映した給与制度についても、適切な対応を検討してまいります。
続きまして、5の人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)でございます。
(1)、人材の確保と活用のア、人材確保、活用に向けた取り組みでは、東京二〇二〇大会後の職員構成の変化を踏まえ、中長期的な視点をもって人事制度全般の検証等を行うことや、AIなどを活用できるIT人材の確保等、採用環境の変化に適切に対応すること、女性の活躍促進に向けて取り組みを強化することについて言及をしております。
次に、三ページの上段に移りまして、イ、多様な人材の活躍推進では、定年引き上げに関して、都の実情に合った制度の検討を進める必要性について言及しております。また、障害者雇用について、職場のサポート体制の強化や人事制度の検討を進めることが必要であるとしております。さらに、会計年度任用職員制度への円滑な移行を図るための取り組みについても言及をしております。
続きまして、(2)、働き方改革と職員の勤務環境の整備では、長時間労働の是正に向けて、組織全体での抜本的な業務の効率化、見直しの継続的実施や、管理職によるマネジメント強化などが必要であるとしております。加えて、男性職員の育児休業取得促進について、取得しやすい職場環境を整備する取り組みが必要と言及しております。
イ、職員の勤務環境の整備では、パワーハラスメントを初め、ハラスメント防止に向けた取り組みの推進や、四ページになりますが、職員が性自認及び性的指向にかかわらず活躍できるよう、ハード、ソフト両面から職場環境の整備に努めていくべきであるとしております。
最後に、(3)の公務員としての規律の徹底におきましては、職員一人一人が職責の重さを認識し、自律的に行動することや、コンプライアンスの取り組みを一層強化し、都民から信頼される都政を実現することが重要であるとしております。
以上、令和元年職員の給与に関する報告と勧告についてのご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○早坂委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 よろしいでしょうか。なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○早坂委員長 これより都民安全推進本部関係に入ります。
初めに、都民安全推進本部長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
○國枝都民安全推進本部長 都民安全推進本部長の國枝治男でございます。
早坂委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻をいただきながら、当本部所管の事務事業の円滑な実施に全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、当本部の幹部職員をご紹介申し上げます。
総合推進部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務しております森山寛司でございます。治安対策担当部長の高野豪でございます。若年支援担当部長の小菅秀記でございます。本委員会との連絡を担当しております担当部長で総務課長事務取扱の須賀隆行でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○早坂委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○早坂委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○國枝都民安全推進本部長 当本部が所管しております事務事業の概要につきまして、お手元にお配りしております事業概要に基づきご説明申し上げます。
九ページをお開きください。1、都民安全推進本部の役割と取り組みの方向性でございます。
当本部は、東京二〇二〇大会や新たな外国人材の受け入れ、ICTの進展など社会情勢が大きく変化する中においても、誰もが安全・安心を実感できる社会の実現に向けて、柔軟かつ集中的に対応するべく、令和元年度、それまでの青少年・治安対策本部から都民安全推進本部へと組織改正を行ったところでございます。
当本部では、治安対策、交通安全対策、若年支援の三つを施策の柱として事業を展開しております。
東京の治安につきましては、刑法犯認知件数は減少傾向にあるものの、振り込め詐欺などの特殊詐欺被害が、全国的な傾向とは異なり、高どまりしているほか、子供や一般市民を無差別に狙った悪質かつ凶悪な事件が相次いで発生しております。都民生活に関する世論調査においても、治安対策に関する要望が継続して上位を占めており、取り組みの強化が求められております。
交通安全に関しましては、近年、都内の交通事故発生件数、負傷者数ともに減少傾向にあるものの、大きな社会問題となっている高齢ドライバーによる事故への対策や、自転車の安全利用を促進する取り組みに加え、引き続き、交通渋滞の解消や放置自転車の削減に向けた施策を着実に推進していく必要があります。
若者への支援につきましては、少子高齢化やICTの進展など、社会情勢の変化が子供、若者を取り巻く環境に大きな影響を与えており、その結果生じるさまざまな困難な状況に適応できずにいる子供、若者に対する早期の支援が、若者の社会的自立を促す上で、これまで以上に重要となっております。
以上のような状況を踏まえ、当本部としては、各分野の事業を有機的に連携させ、切れ目なく施策に取り組んでまいります。
さらに、都民の安全・安心を確保するには、事件や事故への的確な対応とともに、被害を未然に防ぐという観点が改めて重要となります。そのためには、ソフト、ハード両面からの安全・安心の確保に向けたアプローチに加え、警察機関はもとより、区市町村、民間事業者、地域の防犯ボランティア等が連携し、一体となった取り組みや努力が不可欠であります。当本部がこれらの関係機関等の結び目としての機能を果たし、誰もが安全・安心を実感できる社会の実現に向けた施策を推進してまいります。
当本部の事務事業の概要につきましては以上でございます。
詳細につきましては、この後、総合推進部長からご説明申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○森山総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいまの本部長の説明に続きまして、事務事業の詳細についてご説明申し上げます。
お手元にお配りしております事業概要をごらんください。
まず初めに、三ページをごらんいただきたいと思います。当本部の執行体制でございます。
当本部は、総合推進部の一部、総務課、都民安全推進課、治安対策課、交通安全課、若年支援課の五課の体制でございます。
一ページおめくりいただきまして、四ページをごらんください。職員配置状況でございます。
表の右上の合計欄にございますように、当本部の職員総数は八十五名でございます。この人数には、下の括弧書きでお示ししているように、警視庁など他機関との併任職員など二十五名を含んでおります。
次に、右の五ページをごらんください。課ごとの分掌事務を記載してございます。
具体的な事業内容は、後ほどご説明申し上げます。
一ページおめくりいただきまして、六ページをごらんいただきたいと思います。予算概要でございます。
(1)、総額に記載しておりますとおり、令和元年度の当初予算額は、歳入が百六十万余円、歳出が二十六億五千六百万円となっております。
なお、表右側の増減率欄にありますとおり、歳入が八六・五%減となっておりますが、主な要因といたしましては、ひきこもり等社会参加支援に係る国庫補助金が、組織改正に伴い、福祉保健局へ事業とともに移管されたことによるものでございます。
次に、当本部の主な事業についてご説明申し上げます。
最初に、一〇ページをお開きいただきたいと思います。まず、2、治安対策の推進でございます。
(1)、防犯環境の整備では、地域の見守り活動等が活発に展開されるよう、防犯カメラを初めとする防犯設備の整備等を行う町会、自治会や商店街等に対し、区市町村を通じて補助を行っております。
なお、防犯カメラにつきましては、右のページ、一一ページ上段のオ、防犯設備維持管理経費補助事業として、今年度から、町会、自治会や商店街等が都の補助制度を活用して設置した防犯カメラに係る保守点検費及び修繕費の一部について、区市町村を通じて補助を行っております。
次に、同じく一一ページ中段の(2)、防犯ボランティアの活動支援についてでございますが、一ページおめくりいただきまして、一二ページ中段のオ、ながら見守り連携事業の推進といたしまして、民間の事業者の協力を得て、子供や高齢者等の弱者を見守るネットワークの構築を進めております。
次に、右の一三ページ中段をごらんいただきたいと思います。(3)、子供の安全対策についてでございますが、一ページおめくりいただきまして、一四ページの上段のオ及びカの防犯人材ソフトパワーの発掘事業といたしまして、市民ランナーや犬の飼い主を対象に、防犯ボランティア活動を行う人材の裾野を広げる事業を実施しております。
また、キ、在住外国人等による子供の見守り活動といたしまして、都内各所の外国人コミュニティ等との協力を得ながら、子供の見守り活動を実施しております。
続きまして、その下の(4)、有害情報等からの保護についてでございますが、ページをおめくりいただきまして、一六ページをごらんいただきたいと思います。一六ページの中段のオにございますように、インターネットやスマートフォンを利用する上で生じたトラブルや悩みについて気軽に相談できる総合的な窓口として、こたエールを運営しております。
平成三十年度の試行を踏まえまして、今年度からLINEによる相談を実施しており、また、運営に当たっては、教育庁、警視庁、福祉保健局など関係部局と連携して取り組んでおります。
次に、右の一七ページの下段、(5)、再犯の防止等の推進についてでございますが、一ページおめくりいただきまして、一八ページをごらんいただきたいと思います。上段のア、東京都再犯防止推進計画の策定及び計画に基づく施策の推進でございます。
庁内関係局や法務省等から成る計画策定に向けた検討会での議論や、関係者からのヒアリングを踏まえまして、本年七月、都の再犯防止推進計画を策定いたしました。本計画に基づき、都、区市町村、都内の刑事司法関係機関等から構成される協議会を設置するなど、再犯防止のための各種施策を推進してまいります。
また、次のイ、高齢者よろず犯罪相談窓口の設置といたしまして、高齢者本人やその家族等を対象とした相談窓口を開設し、本人の悩みや生活環境など、それぞれの状況に沿ったアドバイスを行うことで、的確かつ必要な支援につなげております。
また、ウ、犯罪をした者等の指導、支援等に資するガイドブックの作成、配布といたしまして、各種制度や専門機関等の情報を整理し、地域の一員として円滑に復帰するまでの継続的な支援に資するガイドブックを作成、配布いたします。
次に、右の一九ページをごらんください。下段の(7)、身近な犯罪の防止対策といたしまして、特殊詐欺対策等を実施しております。
(ア)にございますように、被害防止効果の高い自動通話録音機の設置促進に向け、区市町村が録音機を購入する際の費用の一部を補助しております。
ページをおめくりいただきまして、右の二一ページをごらんいただきたいと思います。中段の(8)、不法滞在外国人対策でございますが、出入国在留管理庁等と連携し、不法滞在や不法就労の防止に向けた啓発事業を実施しております。
一ページおめくりいただきまして、二二ページをごらんください。中段の(9)、外国人滞在支援対策についてでございますが、都内在住外国人が日本のルール、マナーや法律を正しく理解し、トラブルを未然に防ぐことができるよう、生活指導講習などを実施しております。
次に、右の二三ページをごらんいただきたいと思います。中段の(10)、暴力団排除対策でございます。
都のあらゆる事業から暴力団を排除するとともに、都民への啓発など、区市町村や警視庁等と連携して実効性ある対策に取り組んでおります。
一ページおめくりいただきまして、二四ページをごらんください。中段の(11)、オリンピック・パラリンピックを見据えた地域の安全点検の推進でございます。
広く都民に対し、通勤や買い物など、ふだんの外出時にまちの様子にいつもと違う点がないかを気にかけていただく、まちの安全見守り活動を呼びかけ、防犯力の向上と意識啓発に努めております。
次に、右の二五ページをごらんいただきたいと思います。3の交通安全対策等の推進でございます。
交通事故のない安全・安心な都市東京の実現に向け、さまざまな対策を行っております。
一ページおめくりいただきまして、二六ページをごらんください。(1)、交通事故防止といたしまして、春、秋の全国交通安全運動など啓発活動のほか、右の二七ページ中段の(ア)、参加体験型の交通安全教育にございますように、道路横断等の危険性を疑似体験できる歩行者シミュレーター等による実践的な交通安全教育を実施しております。
また、(イ)、高齢者交通事故防止の普及啓発といたしまして、運転免許自主返納の呼びかけのほか、高齢ドライバーによる事故を抑止することを目的とした高齢ドライバー交通安全セミナーを開催しております。
なお、今年度途中に創設したため、事業概要に記載してございませんが、高齢ドライバーによる交通事故が大きな社会問題となっていること等を受けまして、本年七月に、緊急対策として、ペダル踏み間違い等による急加速を抑制する安全運転支援装置の購入、設置に対する補助制度を開始いたしました。
一ページおめくりいただきまして、二八ページをごらんいただきたいと思います。下段の(2)、自転車安全対策でございます。
アの自転車安全利用普及啓発といたしまして、右のページの上段、(ア)の自転車安全利用TOKYOキャンペーンや、(イ)、自転車シミュレータ交通安全教室等に加えまして、一ページおめくりいただきまして、三〇ページ中段にございます、(キ)、免許返納者等高齢者向け自転車安全利用講習会を開催しております。
また、その下、イにございますように、自転車安全利用指導員制度として、街頭における自転車利用者への啓発や指導を試行的に実施しているほか、自転車の安全性の向上や安全利用の促進を図るため、右のページ、三一ページ中段のオにございますように、自転車安全利用促進事業に対する区市町村補助を実施しております。
また、カにございますように、放置自転車対策を区市町村や関係団体と連携して実施しております。
なお、時点の関係で記載してございませんが、さきの第三回定例会において、自転車利用者等への損害賠償保険の加入義務づけ等を内容とする自転車安全利用条例の改正について可決いただきました。来年四月の施行に向け、改正内容の周知や普及啓発等に努めているところでございます。
一ページおめくりいただきまして、三二ページをごらんいただきたいと思います。(3)、ITS等を活用した交通の円滑化と安全の促進では、都内の主要渋滞箇所を対象に、高度道路交通システム、ITSの技術も活用し交通流の円滑化を図る渋滞対策事業、ハイパースムーズ東京を実施しております。
一ページおめくりいただきまして、三四ページをごらんいただきたいと思います。4の若年支援施策の推進でございます。
当本部では、青少年施策について調査、審議等を行う東京都青少年問題協議会を運営しております。
なお、時点の関係で記載してございませんが、先週十月二十五日に、新たに第三十二期の青少年問題協議会を設置いたしまして、東京都子供・若者計画の改定について、知事より諮問いたしまして、ご審議をお願いしているところでございます。
次に、右の三五ページをごらんいただきたいと思います。上段の(1)、若者総合相談支援事業でございます。
人間関係や仕事などの悩みを抱える若者からの相談を受け、就労や就学等の適切な支援につなぎ、社会的自立を後押しする東京都若者総合相談センター、若ナビαを運営しております。
また、下段のエ、地域の若者支援社会資源ポータルサイト、若ぽたの運営にございますように、若者支援機関の情報を提供することにより、区市町村における若者支援の充実に資するポータルサイトを運営しております。
一ページおめくりいただきまして、三六ページをごらんください。(3)、青少年健全育成審議会でございます。
青少年に有益な映画等の推奨や不健全図書類の指定などを行っております。
なお、平成三十一年四月一日付の組織改正により、ひきこもり対策は福祉保健局に、地域における青少年の健全育成事業は、一部を除き、生活文化局へ移管しております。
以上で当本部の事務事業についての説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○早坂委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○米倉委員 二点、お願いします。
一つ目は、都道及び区市町村道における自転車走行空間の整備状況の五年間の推移。
二点目は、青少年健全育成条例の改正後の自画撮り被害の認知件数です。
お願いします。
○早坂委員長 ほかはよろしいでしょうか。--ただいま米倉委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員との調整の上、ご提出願います。
以上で都民安全推進本部関係を終わります。
○早坂委員長 これより総務局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。
○遠藤総務局長 公務のため、過日の委員会を欠席させていただきました当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
危機管理監の小林茂でございます。総合防災部長の有金浩一でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○早坂委員長 紹介は終わりました。
○早坂委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○有金総合防災部長 資料第1号に基づきましてご説明させていただきます。
令和元年台風第十九号に伴います被害状況と都の取り組みについてご報告をいたします。
まず、一ページ目のⅠの1の(1)、台風第十九号に伴う警報の発表状況ですが、十月十二日十五時三十分に、多摩地方を中心に大雨特別警報が発表され、以降、夜にかけ、二十三区西部にも大雨特別警報が発表されました。その後、二十三時五十五分には、全ての大雨特別警報が解除されております。
続きまして、(2)、避難勧告等の状況につきましては、恐れ入りますが、四ページ目の別紙1をごらんください。
十四の自治体で避難指示、三十九の自治体で避難勧告、三十二の自治体で避難準備情報を発令しております。
続きまして、一ページ目に戻りまして、(3)、十月二十九日正午現在の被害状況についてでございますが、こちらにつきましては、恐れ入りますが、五ページ、六ページの別紙2をごらんください。
六ページの下の合計欄にありますとおり、都内全体で、人的被害は死者一名、軽傷者十一名、建物被害は全壊十三棟、半壊九棟、一部破損二百九十四棟、床上浸水九百八十二棟など、多くの被害が発生をしております。
なお、数字が未記載の自治体につきましては、現在、被害状況を調査中となっております。
一ページ目にお戻りいただきまして、2の(1)、東京都の態勢でございますが、小笠原地方に警報が発令をされました十月十日より情報連絡態勢を構築し、同日には第一回東京都応急対策本部会議を開催いたしました。
翌十一日には第二回の会議を開催し、都民や企業等に対しまして、知事から台風に備えた対応を呼びかけたところでございます。
翌十二日には東京都災害対策本部へ移行し、十三日及び十五日に、被害状況や各局の対応状況等の共有を図るため、東京都災害対策本部会議を開催いたしました。
続きまして、(2)、東京都の取り組みについてでございますが、七ページの別紙の3をごらんください。
総務局におきましては、島しょ部や多摩部への職員派遣及び物的支援を行いました。このほかにも、福祉保健局や生活文化局など、各局において必要な支援を実施したところでございます。
(3)の災害救助法の適用につきましては、十月十二日に大雨特別警報が発表され、施行令第一条第一項第四号に定めます、多数の者が生命または身体に危害を受けるおそれが生じていると考えられました六区十五市三町一村に適用したほか、十月十九日は、その後の降雨により被害の拡大が懸念をされました一区二市を追加し、十二日に遡及して適用しております。
続きまして、二ページ目をごらんください。島しょ地域に被害をもたらしました台風第十五号、二十一号についてご報告をいたします。
まず、台風第十五号についてでございますが、九月七日に小笠原村に、その後、伊豆諸島及び区部、多摩地域にも暴風警報が発表されましたが、九日に全ての警報が解除されております。
避難勧告等の状況については、ごらんのとおりとなっております。
また、被害状況に関しましては、人的被害が死者一名、軽傷者七人、建物被害が全壊九棟、半壊九十八棟、一部損壊千六百七十一棟となっております。
都といたしましては、大島町、新島村に対しまして、延べ四十八人の職員を派遣し、住家被害認定調査を行うとともに、物資の支援を行いました。
また、千葉県に対しましても、延べ百六十五人の職員を派遣するとともに、さまざまな物資支援も行ったところでございます。
また、大島町につきましては、九月八日に遡及をして災害救助法を適用しております。
続きまして、三ページをごらんください。台風第二十一号についてご報告をいたします。
十月二十三日に小笠原村に暴風警報が発表され、その後、台風の北上に伴いまして、区部や多摩地域にも大雨警報、洪水警報が発表されました。その後、二十五日の十八時三十分に、都内全域で警報が解除されております。
次に、被害状況でございますが、十月二十九日正午時点で、小笠原村におきまして重傷者一名の人的被害が出たほか、建物被害では、父島で二十件以上、母島で十件以上となっておりますが、詳細は現在調査中でございます。
都の取り組みといたしましては、二十六日に、小笠原村に対しまして、ブルーシート及び土のう袋の提供を行っております。
以上、雑駁ではございますが、台風の被害状況等に関するご報告をいたしましたが、引き続き、被害状況の把握や区市町村への支援、また、復旧に向けましたさまざまな取り組みを進めてまいります。
○早坂委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
○早坂委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○西山総務部長 十月十五日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。資料は十八点ございます。
一ページをごらんください。1、防災対策予算の主な事業別執行状況の推移でございます。
平成二十五年度から二十九年度の防災対策予算の執行状況を主な事業別に記載してございます。
二ページをごらんください。2、タイムラインの区市町村の最新の具体化状況でございます。
水害対応タイムラインを策定している区市町村数を記載してございます。
三ページをごらんください。3、感震ブレーカー設置率及び区市町村における設置支援制度の状況でございます。
感震ブレーカーの都内の設置率や設置支援制度を実施している区市町村数を記載してございます。
四ページをごらんください。4、長時間労働面接対象者数でございます。
長時間労働の面接対象者数について、平成二十六年度から三十年度までの五年分の実績を局別に分けて記載してございます。
五ページをごらんください。5、知事部局の障害者雇用率の推移でございます。
知事部局の障害者雇用率について、平成二十六年から三十年までの五カ年の状況を記載してございます。
六ページをごらんください。6、政策連携団体における障害者雇用率の推移でございます。
政策連携団体のうち、障害者の雇用の促進等に関する法律による雇用義務制度の適用団体の障害者雇用率について、平成二十六年から三十年までの五カ年間の状況を記載してございます。
七ページをごらんください。7、人権に関する相談件数の推移でございます。
相談分野別に、平成二十六年度から三十年度までの五年分の状況を記載してございます。
八ページをごらんください。8、職員対象の人権に関する講演会及び研修会のテーマと講師の一覧でございます。
平成三十年度分の状況を記載してございます。
九ページをごらんください。9、同和対策事業の終了に伴い、一般対策で実施している事業の一覧でございます。
一〇ページをごらんください。10、同和問題に関する専門相談窓口の相談件数でございます。
一一ページをごらんください。11、東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業の相談件数の推移でございます。
平成二十七年七月から開始した本事業について、平成二十七年度から三十年度までの四年分の実績を記載してございます。
一二ページをごらんください。12、首都大学東京の授業料、入学料減免の実績でございます。
首都大学東京における授業料及び入学料の減免者数につきまして、平成二十七年度から令和元年度までの五年分の実績を記載してございます。
一三ページをごらんください。13、首都大学東京の授業料、入学料減免制度でございます。
首都大学東京における授業料及び入学料の減免制度につきまして、概要、対象者、減免となる世帯の例を記載してございます。
一四ページをごらんください。14、都及び政策連携団体における非常勤職員等数の状況でございます。
都及び政策連携団体における非常勤職員等数について、平成二十七年から令和元年までの状況を記載してございます。
一五ページをごらんください。15、都における非常勤職員等数の状況でございます。
非常勤職員等の人数について、局別に令和元年の状況を記載してございます。
一六ページをごらんください。16、附属機関等の会議及び議事録、議事要旨の公開状況でございます。
会議及び議事録、議事要旨の公開について、平成三十年四月及び三十一年四月の状況を記載してございます。
一七ページをごらんください。17、政策連携団体評議員会の状況でございます。
政策連携団体が設置している評議員会の状況を記載してございます。
二六ページをごらんください。18、専門家会議の設置及び開催状況でございます。
専門家会議について、平成三十一年四月一日現在の設置状況及び平成三十年度の開催実績を記載してございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○早坂委員長 説明は終わりました。
これより、ただいまの資料を含めまして、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○木村委員 私からは、災害について質問をいたします。
昨年は、台風二十一号の関西地方上陸や北海道胆振東部地震など、大きな災害が続きました。ことしは、今、報告があった台風十五号、十九号、二十一号などが続いております。これまでは想定外であったような規模の災害というものが常態化しつつあるのではないかというふうに思います。
現代の生活というのは、電力というのはエネルギーだけではなくて情報インフラも支えているわけでありますけれども、実際に東京都内では停電が起きた場所があり、都民ファーストの会がこれまで推進してきました非常用電源の整備というのが不可欠だということが改めて確認されたというふうに思っております。
非常用電源の整備については、前回の総務委員会で、局長から、整備に向けて大変力強い決意というものをいただきましたけれども、引き続き努力していただくように、改めて今回も要望したいと思います。
さて、我が党では、台風十五号の被害状況を調査するために、大島、利島、神津島、新島、それぞれに調査チームを派遣いたしました。私自身は大島と利島に行ってまいりました。また、十九号の際には、私は、溢水が起きた二子玉川駅の周辺の住宅街など、あるいは多摩川にも行ってまいってきたわけであります。
現場に行って気がついたことは、被害状況の把握に非常に時間がかかっていたのではないかということです。特に島しょでは、倒木、それから電線の断線、そういったことで道路が使えないというような場所があることに加えて、役場のマンパワーというものがそもそも不足していたんじゃないか、それを私は見てきて感じたわけであります。
被害の全容把握にとても時間がかかってしまったのではないか。これは、島しょ地域だけではなくて、奥多摩などでも同様だったのではないでしょうか。
そこで、災害時の情報収集あるいは物資の搬送においては、都市部はもとより、島しょ地域や山間部を抱えている多摩地域においても、ドローンの活用が大変有効だと思いますが、都の見解を伺います。
○有金総合防災部長 ドローンは、人口が密集している地域では飛行が禁止されているなど制約がございますが、離着陸のためのスペースが小さく、狭隘な場所での飛行が可能であるなどの特性がございます。
こうした特性から、島しょ地域や多摩地域におきましては、人が立ち入れないエリアの被害状況の確認や遠隔地への物資輸送に活用することが可能であるなど、災害時には非常に有効な手段でございます。
今回の台風第十九号の対応におきましては、車の通行ができない奥多摩町の地区へ、ドローンを活用して支援物資の提供を実施したところでございます。
引き続き、飛行に関する規制が少ない島しょ部や多摩地域を中心に、ドローンを活用した物資搬送を進めるとともに、今後は、発災時における迅速な情報収集に向けてドローンの活用を推進してまいります。
○木村委員 東日本大震災以降、災害時にツイッターなどを活用して、リアルタイムで情報を確認する人がふえてまいりました。災害時には、都民が発するSNS情報を収集して、災害対応に生かすことが重要だと考えます。
そこで、都として、SNS情報の有効な活用方法を伺います。
○有金総合防災部長 都では、国立研究開発法人情報通信研究機構が開発をいたしました災害状況要約システム、D-SUMMと呼びますけれども、こちらを用いまして、災害に関するツイッター情報を収集しております。
先般の台風第十九号への対応に当たりましても、都では、D-SUMMを用いまして都民が発信するSNS情報の収集を行い、日の出町の道路崩落などの情報を入手し、被害状況を把握いたしました。
今後も、SNS情報も有効に活用し、被害状況の早急な把握に役立ててまいります。
○木村委員 次に、災害時の島しょ部の物資の調達についてお伺いをいたします。
島への交通手段というのは、船、飛行機などがありますが、物資の輸送は大型船が主力となっております。大型船は大量輸送に向いていますが、島に着くまで時間を要します。
そこで、島しょ部で災害が発生した場合、物資の供給が途絶しないように、東京消防庁と連携して、搬送を迅速に行えるようにするべきだと考えます。
また、迅速な搬送が困難な場合に備えて、災害時に必要と見込まれる物資は、あらかじめ島しょ地域に備えておくなどの対策が必要だと考えますが、見解を伺います。
○有金総合防災部長 災害時に島しょ町村へ支援物資を搬送する手段につきましては、都はこれまで、輸送力なども考慮し、協定を締結している関係事業者と連携し、船舶による搬送を行ってきたところでございます。
災害時においては、東京消防庁の航空隊は、地域防災計画上、被害情報の収集や消防及び救助などの活動を行うこととされておりますが、島しょ町村への支援物資の搬送に当たりましては、迅速な対応が必要となる場合もあることから、東京消防庁のヘリ活用も今後検討してまいります。
一方で、島しょ地域への物資搬送は、天候等により輸送が困難な場合も想定をされることから、日ごろから災害に備えて必要な物資を備蓄していくことが有効でございます。
このため、都では、島しょ町村において災害発生時に必要な物資が不足しないよう、備蓄物資のあり方などについても今後検討してまいります。
○木村委員 先月から今月にかけて相次いで発生した台風、それから大雨は、私の地元の世田谷区内でも家屋の浸水が発生したり、あるいは、奥多摩では道路の崩落によって孤立したりするなど、さまざまな被害が生じております。
ハードに頼る災害対策だけでは限界があるということは、さまざまな場面で論じられており、共助の推進につながるような地域の自主的な取り組みについては、東京都の積極的な支援が必要だと思います。
都は、町会や自治会などを対象にした派遣型のセミナーを実施しておりますが、先般の第三回定例会で、私たち都民ファーストの会の代表質問に対して、子育て世代の防災意識を高めていくことは重要であり、子育て世代向けにパパママ東京ぼうさい出前教室を実施すると答弁がありました。
そこで、これらの事業について、今年度の取り組みと申し込み状況を伺います。
○榎園防災対策担当部長 町会、自治会等を対象とした東京防災学習セミナーでは、団体が希望するコースをより選択しやすくなるよう、今年度から、団体に講師を派遣して、首都直下地震、風水害などテーマ別の学習会を行うコースと、防災の専門家が団体の実情や課題に即した助言を行うコースを同時に募集する方式に見直して実施しています。
今年度は年間三百団体を募集したところ、募集規模を上回る三百三十八団体から申し込みがございました。
今年度から新たに開始いたしましたパパママ東京ぼうさい出前教室は、ゼロ歳児から小学生の子供の保護者のグループを対象に、防災の専門家を派遣して、子供がいるからこそ知っておくべき防災の知識、備えについて学んでいただくものでございます。
八月三十日に事業開始を発表いたしまして、九月三十日までの一カ月間、募集を行ったところ、三十グループの募集に対し、双子の親や父親のグループを含む、募集枠の二倍を超える七十グループから申し込みがあったところでございます。
○木村委員 どちらの事業も、今年度は申し込み数が多いということですから、災害が相次ぐ現状で、都民の防災に関する関心が高まっているのだと思います。
そこで、こういうときこそ、年度内にこれらの事業、とりわけパパママ東京ぼうさい出前教室に申し込んだ団体の意欲に応えられるように、全ての団体が参加できるようにするべきだと考えますが、所見を伺います。
○榎園防災対策担当部長 委員お話しのとおり、都民の関心が高まっているこの時期を捉えて支援していくことは、都民の防災意識を一層向上するに当たり、効果的であると考えております。
そこで、現在、東京防災学習セミナーにつきましては、実施規模を可能な限りふやせるよう調整するとともに、パパママ東京ぼうさい出前教室につきましては、応募いただいた七十グループ全てに出前教室を実施できるよう、現在、スピード感を持って対応を進めているところでございます。
○木村委員 こうしたセミナーだとか教室は、都民が防災を身近な場所で学ぶことができるよい取り組みだと思っております。ぜひ今後とも積極的に進めていただくよう、要望させていただきます。
ことしは、連続して強力な台風が東京に上陸し、島しょ地域のほか、都内各地に甚大な被害が発生しております。
最後に、ますます激甚化が進む台風や大雨、これらの災害に対する取り組みについて、局長の見解を伺います。また、引き続き、十分な支援、それから対策についても要望しておきます。
○遠藤総務局長 近年、日本に向かう台風が強大化する傾向にございまして、東京都においても、ゲリラ豪雨等を含め、激甚化する風水害への対応が求められているところでございます。
地震などと異なりまして、事前の備えが可能な台風などの風水害におきましては、タイムラインに沿った初動体制の確立と、被災直後の迅速な情報収集が重要だと認識しております。
今回、都では、台風十五号の経験を直ちに生かしまして、台風十九号の接近前から東京都応急対策本部を設置し、鉄道の計画運休や災害に備えるとともに、さまざまなメディアを通じまして、企業や住民に対し、台風に関する情報収集と早目の行動を呼びかけさせていただきました。
また、東京都としては初めて、多摩地区の全ての市町村と島しょ部に、あらかじめ六十四人の職員を派遣いたしまして、都との連絡調整に当たらせたところでございます。
さらに、台風に対する庁内の体制強化を図るため、都では十九年ぶりとなる東京都災害対策本部を設置し、自衛隊や気象庁、東京電力などの関係機関からの支援要員を含め、最大時には約百名が一丸となりまして、災害対応に当たってきたところでございます。
その結果、速やかな状況把握が可能となり、台風通過後の迅速な物資支援や救援活動につなげることができたものと考えております。
今後、今回の災害対策を通じまして得られた経験から、課題や改善点などをしっかりと検証いたしまして、さらなる災害対応力の強化に向け、災害対策の主管局である当局が先頭に立ちまして、全庁を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
○清水委員 それでは、よろしくお願いいたします。
事務事業に対する質疑ということで、私からも何点かお伺いをしたいと思います。
まず初めに、多摩・島しょ地域の振興ということで、多摩の魅力発信プロジェクトについてお伺いしたいと思います。
本事業は、多摩の魅力を、特設ホームページですとかSNSの活用、情報誌への掲載、英語字幕つきの映像の配信、各種イベントの出展などを通じて発信しているわけであります。
そこで、本取り組みの目的は、多摩地域の交流人口や定住人口の増加を図るとされておりますが、まずは、その目的の設定理由についてお伺いしたいと思います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 多摩地域は、二〇二〇年をピークに人口減少に転じ、本格的な人口減少、少子高齢化社会が到来することが見込まれております。
そうした中、都においては、交流人口や定住人口の増加を図り、多摩地域の持続的な発展に寄与することを目的とし、市町村と連携しながら多摩の魅力発信を実施しているところでございます。
○清水委員 ありがとうございます。多摩の持続的な発展というご答弁がございました。この多摩の持続的発展は、平成二十六年に策定されました東京都長期ビジョンにも位置づけられているように、多摩・島しょ地域の振興なくして東京の持続的発展なしの認識につながる、東京都全体にとっても、非常に重要な要素だと私は思うわけでございます。
SNSでの発信やフリーペーパーへの記事連載といった本事業の取り組みは、民間事業者へ委託をされているそうでございますが、そのターゲット層は、幼稚園ですとか保育園の保護者など、未就学児を持つ三十代の方だそうでございます。
そこで、お伺いしたいと思うんですが、これはなぜ三十代の方にターゲットを当てたのか、その理由をお伺いしたいと思います。またあわせまして、他の世代の方々へのアプローチについてのお考えもお聞かせ願いたいと思います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 本事業は、多摩地域の交流人口や定住人口の増加に結びつけることを事業目的としているため、市町村における取り組みとの整合性も考慮しながら、主なターゲットを、住みかえのタイミングにあると考えられる三十歳代の子育て世代に設定しております。
また、事業実施に当たっては、SNSや親子向けの雑誌など、ターゲット層に向けて魅力を伝える媒体に加え、特設ホームページや電車内のサイネージなどにおいて、幅広い世代の人々に対しても多摩の魅力を発信しております。
○清水委員 ありがとうございます。
多摩地域にもシンクタンクがございまして、その調査によりますと、多摩地域を訪れる観光スポットのランキングは、一位が高尾山、二位が井の頭公園、三位が昭和記念公園だそうでございます。最近は、ご案内のとおり、シニア世代による登山ですとかウオーキングなども盛んに行われております。ぜひとも幅広い年代のアプローチも、交流人口の増加には重要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
その件に伴いまして、魅力発信プロジェクトの情報媒体は、ホームページやSNSだけではなく、新聞、テレビ、ラジオなどといった既存の媒体の活用も含め、拡大を私は図るべきだと思いますが、ご見解をお伺いしたいと思います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 都は、平成二十五年度に多摩の魅力発信プロジェクトを立ち上げ、特設ホームページやツイッターを開設し、多摩の魅力を継続して発信しております。
その後も、フェイスブックの開設など、SNSの活用を進めるとともに、電車内のデジタルサイネージへの映像配信や雑誌への記事掲載など、市町村と連携しながら、多様な媒体を活用してまいりました。
今後も、さまざまな媒体の活用を検討しながら、より効果的に多摩の魅力を発信してまいります。
○清水委員 ありがとうございます。ぜひともさまざまな媒体を活用していただければなと思います。最近は、それぞれの自治体ごとにコミュニティFMが開局をされておりますし、テレビには東京ローカル放送局もございます。ぜひとも情報媒体のさらなる拡大を求めたいと思います。
さて、先日、本事業と同じく多摩の魅力を発信するイベントなんですが、多摩の超文化祭のご案内をいただきました。さまざまな催し物がありまして、豊洲市場の六街区で、多摩の物販ですとか、観光PRですとか、体験イベントなどを行うそうであります。
私の立川市でも、何かこれに出展するようでございまして、新たな名物、立川とびしまレモンを使用したレモネードというふうなことでございます。行ってみたいなと思います。
東村山市では、東村山が誇るB級グルメ、東村山黒焼きそばなんですって。おいしそうですね。国立市では、小麦粉不使用の国立薬膳カレーだそうですよ。そのようなおいしそうなものがたくさん出るそうでございます。
このイベントなんですが、実は予算が五千八百万円計上されておりまして、充実された予算でありますし、そのような取り組みになるんじゃないかなと思います。
その一方で、多摩の魅力発信事業は、先ほどから申し上げているとおり、本事業が重要な取り組みなのにもかかわらず、平成二十五年から継続的にやっているにもかかわらず、予算は三千七百万円と変わっていないそうでございます。
重要な取り組みであります多摩の魅力発信というこの取り組みを実現するためには、三千七百万円の予算は余りにも少額だと思いますが、ご見解をお伺いしたいと思います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 今年度は、特設ホームページやSNS、ユーチューブ、親子向けの雑誌を初めとしたさまざまな媒体を通して、多摩の魅力を感じられるスポットなどを発信する経費として、約三千七百万円の予算を計上しております。
これに加え、より多くの人々に多摩地域を訪れていただく契機とするため、ご当地グルメの提供や特産品の販売、多摩の自然に触れる工作教室などを行う魅力発信イベントを市町村と共同で実施する経費として、五千八百万円の予算を計上しております。
多摩の魅力発信に係る予算としては、合計で約九千五百万円となっているところでございます。
○清水委員 多摩の魅力を発信する方法は数々あるかと思いますし、確かに、足し込んでみれば一億近い予算になるのかなと思います。
しかしながら、私は思うんですけど、この多摩の魅力を発信するという、なかなか事業効果の測定が難しい本事業にどれだけ予算を充てることができるのかというのは、これは私は、総務局だけでなく、財政当局の腕の見せどころであり、総務局も、ぜひともそのPRをしっかりとやっていただければなと思いますので、ぜひとも今後とも予算の獲得に対してご努力をされるよう、要望したいと思います。
また、この多摩の魅力発信の取り組みを効果的に行うためには、当然のことではございますが、地元の市町村自身のご努力と都との連携が必要不可欠だと思うわけでもあります。
市町村との連携の取り組みにつきまして、現状をお伺いしたいと思います。
○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 多摩地域の全市町村に本事業の取り組み結果を情報共有した上で、今年度は、特設ホームページやSNS、親子向け雑誌などにおいて効果的に魅力発信を行うため、市町村からの推薦を受けた地域の見どころについて、積極的に発信しております。
また、多摩の魅力発信イベントについても、市町村とともに開催の準備を進めているなど、連携を図っているところでございます。
○清水委員 ありがとうございました。引き続き、取り組みをお願いしたいと思います。
なお、ご案内かと思いますが、本年、東京都市長会の会長が交代となりました。その新会長の所信では、二つの大きなテーマが掲げられたそうでございます。
一つは多摩地域の観光振興、そして、多摩地域の事務の共同化だそうでございますので、ぜひとも市長会とも連携をとりながら、多摩の魅力の発信を引き続き行っていただければなと思います。
それでは、続きまして、防災体制の整備についてお伺いしたいと思います。
記録的な雨量をもたらしました台風第十九号は、日本列島各地に深い爪跡を残しました。改めて、犠牲者、被害者に対し、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
さて、台風第十九号の来襲を受けた今月十二日は、都内基礎自治体でも、災害現場の対応にこれは追われたことだと思うわけであります。
また、東京都は、災害情報の収集や応急給水、救助物資の調達、加えて職員の派遣など、広域自治体としての役割を実行していたことでありましょう。
その災害対策の拠点となるのが、実は、都庁第一本庁舎九階にございます東京都防災センターであり、多摩地域におきましては、立川の東京都立川地域防災センターでございます。このたびの台風第十九号の被害は、都内広範な地域に及んでおります。二つの防災センターの役割は、重要かつ不可欠なものであったと思うわけであります。
そこで、東京都防災センター及び立川地域防災センターにおきまして、台風十九号襲来時、どのような役割、活動を担ったのか、お伺いをしたいと思います。
○有金総合防災部長 台風第十九号の対応において、東京都防災センターでは、総合防災部職員のほか、自衛隊、気象庁、東京電力等の防災関連機関が参集し、情報共有及び災害対応に関する連絡調整を行うとともに、区市町村に個別に連絡をし、被害状況の収集や支援ニーズの聞き取り等を行いました。
こうした情報をもとに、関係各局と連携をしながら、救出救助活動や人的、物的支援を実施いたしました。
立川地域防災センターでは、同センターを拠点といたしまして、隣接する住宅棟に居住する災害対応職員を、台風接近前に多摩地域の全市町村へ情報連絡員として派遣することで、速やかに情報収集を行いました。
また、同センターに備蓄をされております土のう袋等を都内自治体に提供したところでございます。
○清水委員 ありがとうございました。災害対策につきまして、例えば台風接近前に職員を市町村に派遣するなど、東京都が地域防災計画にのっとりまして、広域自治体の役割を行っていただいたことがよくわかったわけでございます。
関連いたしまして、災害対策時の防災センターの活動状況を、どのような形で行っていたのか、ちょっと把握をしていきたいと思いますので、何点かお伺いしたいと思うわけでございます。
台風第十九号対応におきまして、東京都防災センター及び立川地域防災センターにそれぞれ参集された職員の方はどのような内訳だったのか、その人数、所属、役職などについてお示しいただければと思います。
○有金総合防災部長 東京都防災センターには、小笠原村に大雨警報が発令をされました十月十日から、台風が東京を通過する十月十四日までの五日間に、延べで約三百名が参集をしております。
この間、本部長である知事を初め、総務局長や危機管理監のほか総合防災部職員が参集をするとともに、自衛隊、気象庁、東京電力、NTT東日本等の防災関連機関が活動いたしました。
また、立川地域防災センターにおきましては、隣接する住宅棟に居住する災害対応職員約三十名が参集をし、台風が東京に接近する前の十月十一日から通過後の十三日までの間、総務局職員約三十名とともに、多摩地域の全市町村で情報連絡員としての活動を行っております。
○清水委員 ありがとうございました。これは災害対応とはいえ、自身や大切な方の安全確保を傍らに置き、多くの職員や関係機関の皆様が都民のためにお集まりいただいたこと、本当に感謝申し上げたいと思います。どんな場面の対応でも、最終的に頼りになるのは、やはり人なんだなと改めて感じ入りました。
さて、ご答弁でもございました立川地域防災センターには住宅棟があるとのことでございますが、居住職員の内訳及び災害時における役割は何か、お伺いをしたいと思います。
○有金総合防災部長 立川地域防災センターの横には立川緑町住宅がございます。平時は総合防災部以外の職場で勤務をする約五十名の職員が災害対応職員として居住をしております。家族用住宅に約三十名、単身用住宅に約二十名が居住をしております。
これら住宅棟に居住する職員は、災害時に多摩地域における情報収集や連絡調整の実施、区市町村等に対する備蓄物資の提供等を役割として担っております。
○清水委員 ありがとうございました。ふだんは防災部以外の職場で勤務をなさっている方が、いざというときは災害対応職員となられるということで、約五十名もの都職員の方が、災害対応に備え、お住まいになっていることでございまして、多摩地域の者といたしましては、大変頼もしい限りでございます。
片や、第一本庁舎九階の東京都防災センターでは、平成二十九年度からことしにかけまして改修工事を行っているそうでございます。
その内容と、その改修工事によって得られる効果についてお伺いしたいと思います。
○有金総合防災部長 東京都防災センターは、都庁舎の改修工事に合わせまして、平成二十九年八月から令和元年六月までの間、改修工事を実施しております。
発災時には、各関係機関を含め、多くの職員が災害対策活動を実施することから、十分な活動スペースが必要になってまいります。そのため、執務室や通信室の壁をなくし、災害対策活動を行うオペレーションルームのオープンスペースを拡大しております。
さらに、災害情報の一層の共有化を図るため、複数の情報をより多く表示できるようにモニターを大型化するなど、発災時におけます対応能力の強化も図りました。
こうした改修の結果、今回の台風第十九号の対応におきましても、活動環境の改善が図られたことから、これまで以上に迅速かつ機動的な災害対応を行うことが可能となりました。
○清水委員 ありがとうございます。一千四百万人にも迫る都民の生命と財産を守ります災害対策の拠点である防災センターの機能強化がされたことは、大変喜ばしいことだと思うわけでございます。
余談でございますが、私は、小池知事に対する向き合い方は、与党の方々と若干違いはございますが、小池知事に共感できるところもございます。それは、知事の座右の銘でございます、備えよ、常にでございます。
私も、地域の防災訓練では、このエピソードを話をさせていただいているわけでございますが、いつ発生してもおかしくない災害に万全に備えていただき、防災、減災にこれからも生かしていただきたいと思います。
それでは、次に、東京都多摩広域防災倉庫についてお伺いします。
この東京都多摩広域防災倉庫や、先ほど申し上げました東京都立川地域防災センターは立川広域防災基地にございまして、首都圏大規模災害発生時、政府の災害応急活動の臨時拠点となるそうでございます。あの映画「シン・ゴジラ」の舞台になったところでもございます。
都は、平成二十八年に、旧立川政府倉庫を東京都多摩広域防災倉庫として使用するため、国から同施設を買い取りました。
このことによりまして、東京都のみならず、南関東一円での災害に対応する防災倉庫となるようでございますが、この多摩広域防災倉庫と旧政府倉庫との機能、役割の違いは何なのか、お伺いしたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 旧立川政府倉庫は、政府がいわゆる食糧法に基づき政府米を備蓄し、不作時や地震等の災害時に首都圏へ米を安定供給する役割を担ってまいりました。
一方、多摩広域防災倉庫は、都や多摩地域の自治体等の災害用の食料、生活必需品などを保管する防災備蓄倉庫であるとともに、災害時に国や民間事業者等から届く支援物資を取り扱う広域輸送基地としての役割を担います。
また、物資の拠点のほか、消防団の防災訓練、周辺自治体の防災に関する普及啓発活動の実施や、施設の一部を警視庁警備部災害対策課の事務所とするなど、災害対応を担うさまざまな主体の活動を支える防災拠点でございます。
○清水委員 食料備蓄から、主に災害対応ということに変化をしたということだと思うわけでございます。その結果、広域防災基地としての機能は、これはさらに向上したんじゃないかと思うわけでございまして、大変すばらしいことなのかなと思います。
また、地元自治体でも消防団の訓練会場などにお貸しをいただいておりまして、地域防災力の向上にも貢献をしていただいております。今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。
その多摩広域防災倉庫ですが、現在、大規模な改修を行っているようでございます。その大規模改修の必要性と改修内容についてお伺いしたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 旧立川政府倉庫は、平成二年に建設されまして平成二十二年に用途廃止となるまで二十年間、倉庫として活用しておりまして、その後、平成二十八年に都が購入するまで、相当の期間が経過をしておりました。
都は、倉庫を活用するに当たりましては、老朽化した消防設備等の補修などの法令上必要な対策や、更新時期を迎えた設備の機能回復、都の活用方法に応じた改修など、施設の大規模な改修が必要でございます。
主な改修内容でございますが、給排水、空調設備の更新、外壁や屋上の防水塗装、災害対応車両駐車場の消火設備の設置等、都の活用方法に応じた改修を行っております。
改修は令和二年二月末で完了いたしまして、翌三月から全面的な施設の運用を開始する予定でございます。
○清水委員 ありがとうございました。来年二月のリニューアルオープンに向けまして、改修工事も仕上げの段階に入ってきているのかなと思います。この大規模な改修によりまして、より強靭な防災倉庫としての機能が図られることを切に願うわけでございます。
さて、ただいま質問させていただきました東京都多摩広域防災倉庫並びに東京都立川地域防災センターは、先ほど申し上げましたとおり、立川広域防災基地の中にあるわけでございます。この立川広域防災基地は、JR立川駅の北口にあるわけでございます。
利点としては、やはり立川飛行場もありまして、空路輸送にはたけているものの、陸路のアクセスが悪うございます。
加えまして、青梅線並びに引き込み線がその南北の道を塞ぐかのように通っているわけでございまして、東日本大震災の際には、物資を南北に運ぼうとしても、あかずの踏切になってしまって、結局は人海戦術で救助、救援物資を運んだそうでございます。
それに加えまして、先ほどの台風第十九号の被災によりまして、あの日野橋の橋脚が陥没をしまして、今現在、多摩川にかかっている橋の中でも主要な橋脚でございます日野橋が通行不能となっておりまして、またその復旧にも大分時間がかかるのかなというふうなことであります。
したがいまして、この立川広域防災基地、中央自動車道ですとか、あるいは幹線道路に対するアクセスは、ますます悪くなっているような状況がございまして、南関東一円の防災を担う、この立川広域防災基地を何とかしなければならないという思いは、さまざまな方が思っているわけでございます。
そこで、お伺いをしたいと思うわけでございますが、この多摩広域防災倉庫につきましては、中央自動車道や幹線道路とのアクセス整備が喫緊に求められていると思うわけでございますが、総務局としてのご見解がございましたら、お聞かせをいただければなと思います。
○古賀防災計画担当部長 多摩広域防災倉庫が立地する立川広域防災基地は、政府の立川防災合同庁舎、陸上自衛隊立川駐屯地、災害医療センターなどの機関が集積し、大規模災害時に災害応急対策活動の中枢拠点となります。
発災時におきまして、多摩広域防災倉庫での円滑な物資の搬出入など、基地内の各機関のさまざまな活動を迅速に実施するためには、基地と都内各地を結ぶ交通アクセスの確保が重要であると認識しております。
○清水委員 防災、そして多摩の振興につきましては、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○加藤委員 それでは、初めに、このたびの台風被害により亡くなられた方に改めてお悔やみ申し上げますとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
また、総務局の職員の皆様も、被害対応に不眠不休で取り組んでいただき、感謝を申し上げます。引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
都議会公明党は、いち早く現場に急行し、現地調査と、地元の区市町村議員との連携をとりまして要望を聞いて、小池知事に対しまして、台風被害への復旧、復興や住民の生活再建支援に全力を挙げることなど、十数項目にわたりまして要望を行いました。
また、都内の中でも断水被害の激しかった奥多摩町の断水対応についても、知事に要望を申し上げたところです。
都におきましては、都議会公明党の各種要望に対し、真摯に対応していただいているところと承知しておりますけれども、引き続き、要望内容について、しっかりと取り組んでいただくよう求めておきます。その上で質疑に入りたいと思います。
近年は、風水害による日本列島への被害が多く発生しています。一説では、温暖化による海面温度の上昇によって、より強大な台風が日本列島を通過するようになったといわれております。夏の異常ともいうべき高温やゲリラ豪雨など、気象条件の変化による被害が今後も続くと予想されています。
そうすると、それに対する防災対策も、今までと同じレベルで策定していては後手後手になりかねません。国交省も、ダムなどの治水対策のレベルを引き上げるとの報道がありました。
そこで、同様に、都内に甚大な被害をもたらした台風十九号など、最近の豪雨の発生状況を踏まえ、都としても風水害対策の強化が必要だと考えますが、見解を伺います。
○古賀防災計画担当部長 大規模水害から都民の生命と財産を確実に守るためには、河川施設等を整備するとともに、都民が被害想定やみずからとるべき避難行動をあらかじめ理解しておくことが重要でございます。
都はこれまで、護岸や防潮堤、水門などの施設整備を推進するとともに、都民の確実な避難行動に向けた東京マイ・タイムラインの普及啓発を図るなど、ハード、ソフトの両面から風水害対策を進めてまいりました。
一方、地球温暖化に伴う気候変動により、今後、豪雨災害がより激甚化、頻発化する可能性が高いといわれております。このような状況の変化を踏まえまして、都では、風水害対策の根幹となる東京都地域防災計画風水害編について、来年度前半の計画改定を目標として、五年ぶりの修正に着手しております。
東京都地域防災計画風水害編の修正によりまして、施設整備の一層の強化や広域避難に対する取り組みの推進など、都における風水害対策に万全を期してまいります。
○加藤委員 地域防の風水害編の修正作業の中で、これまでの教訓とともに、この整備基準を引き上げて、新たな災害にも対応できるように取り組みをお願いしたいと思います。
今回の台風十九号では、墨田区も最終的に避難勧告を出しましたけれども、非常に出すのをためらっておりました。それは、悩ましいのが、避難所となる場の確保が不足しているということでありました。
墨田区では、浸水区域が多いため、小中学校の避難所が指定できない地域がありまして、都立施設を開放してほしいとの住民の声が多くありました。
緊急時の避難先として、都立施設の活用が有効と考えますが、見解を伺います。
○古賀防災計画担当部長 自宅やその周辺が長期間にわたり浸水するなどのおそれがある地域においては、浸水を免れる場所へ避難することが原則でございます。
一方、時間的な猶予がない場合は、近隣の高い建物へ緊急的に移動する垂直避難をする必要がございまして、そのためには、高さのある区立施設等を避難場所として確保していくことも重要でございます。
今回の台風第十九号の対応では、自治体からの要請により、都立学校二十一校等を避難所として開放して、避難を希望する近隣住民等を受け入れている事例もございます。
こうしたことから、今後も、地域の安全・安心の確保のため、施設管理者の判断のもと、可能な限り要請に応えてまいります。
○加藤委員 例えば墨田区では、避難場所に指定されているところに都のリハビリテーション病院があるんですね。ここは大量の飲料水、そして自家発電機もあるんですけれども、当然、今は避難所と指定されておりませんので、台風のときに、電話して、住民が避難をしたいということを申し出たのですけども、当然、受け入れてもらえないということがありました。
こうした都有施設は、さまざまな形態があるというふうに思いますので、有効に今後使えるよう協議をしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
次に、都立の一時滞在施設の活用についての質問なんですけども、突然の地震の場合には、帰宅困難者が多く発生することは予想されますけれども、台風の場合は事前に予測ができますので、一時滞在施設は、あきが発生するというふうに思います。
そこで、帰宅困難者の一時滞在施設となっている都有施設を、水害等が予見される場合などに避難所に活用することは有効であると認識しておりますけれども、都の見解を伺います。
○榎園防災対策担当部長 帰宅困難者対策条例上の一時滞在施設は、大規模な地震その他の災害が発生したことに伴い、公共交通機関が運行を停止し、当分の間、復旧の見通しがない場合に、会社や学校など、とどまる場所がない行き場のない帰宅困難者が三日間滞在するための施設として指定を行ってございます。
区市町村の避難所が不足し、区市町村から求めがあった場合には、都立の一時滞在施設を緊急的な避難施設として開設するなど、極力要請に応えてまいります。
○加藤委員 ぜひ積極的に対応をお願いしたいと思います。
次に、都立の一時滞在施設の備蓄品についてなんですが、先ほどの答弁にもありますとおり、一時滞在施設は基本的に三日間の備蓄ということであります。
この一時滞在施設で避難が長期にわたった際への備えとして、施設に段ボールベッドの配備も必要だというふうに考えますが、その備蓄について伺います。
○榎園防災対策担当部長 都立一時滞在施設では、長期の滞在を前提としていないことから、段ボールベッドの備蓄までは行っていませんが、簡易エアマットを配備してございます。
一時滞在施設に多くの備蓄品を配備することは困難であることから、避難が長期にわたる際には、他に受け入れ可能な避難所等がある場合には、他の避難所等への移動を、避難所等がない場合に当たっては、物資の調達により臨機応変に対応することになります。
○加藤委員 移動ができないということもあると思いますので、ぜひ物資調達がスムーズにいくよう、あらかじめ協定等などを結んで、この対応がスムーズにいくようにお願いしたいというふうに思います。
次に、近隣県への広域避難についてなんですが、以前、都議会公明党が代表質問で広域避難について質問を行いました。その際、知事からは、近隣県と直接お話をしていますと、調整しているという旨の答弁がありました。
東京都は、大規模水害時の広域避難について検討会を設置し、検討を進めていると思いますが、近隣県への避難について、現在の検討状況を伺います。
○古賀防災計画担当部長 国と共同で設置いたしました首都圏における大規模水害広域避難検討会では、本年三月、広域避難場所や避難手段の確保につきまして、基本的な考え方を取りまとめました。
現在、近隣県を含む広域避難場所の確保につきましては、受け入れ自治体の大規模水害による影響の予測等を踏まえた検討等を進めているところでございます。
こうした検討を進めていき、今年度末に、関係機関の役割分担や連携のあり方を最終報告として取りまとめてまいります。
○加藤委員 今回の台風でも、近隣自治体とあらかじめ協定を結んでおいて、被害を免れた自治体があるという報道を聞きました。都の規模と比べるというのはちょっと難しいと思うんですけども、避難所不足という観点からも、早急に決めていただきたいと要望いたします。
次に、災害発生時における白鬚東地区の役割についてなんですが、ここは広域避難場所に指定をされております。その中に旧忍岡高校の跡地がありまして、ここが近年、新たに大規模救出救助の活動拠点に指定をされました。
災害発生時における白鬚東地区の大規模救出救助活動拠点としての役割について伺います。
○有金総合防災部長 首都直下地震等の大規模災害発生時には、自衛隊、警察、消防等が円滑に連携し、救出救助活動を行うことが重要でございます。
そのため、広域支援救助部隊等が被災者の救出救助等を行うための活動拠点として、国や区市町村と協議の上、大規模な都立公園や河川敷など屋外施設を三十五カ所、清掃工場等の屋内施設二十六カ所を候補地としております。
お尋ねの白鬚東地区につきましても、発災時には救出救助を行う広域支援救助部隊等のヘリの臨時離発着及び活動スペースとして、大規模救出救助活動拠点の候補地となっております。
○加藤委員 地域住民は、ここに救助部隊が来るので、直近の自分たちを助けに来てくれるのではないかと、このように思っている人も実際いるんですね。自衛隊には医療救護部隊もありますし、また、拠点内で臨時のお風呂に入れるのではないかと、こうしたことも考えている人もいるんですけれども、そうした意味で、この大規模救出救助の活動拠点とはこういうところなんだということを、ぜひ防災訓練等で実際に見せていただいて、地域住民の方にもわかりやすい、そういう対応を今後ぜひお願いしたいと思います。
同時に、平常時はあいておりますので、平常時、ぜひまた連携して協議させていただいて、開放していただきたい、このように要望しておきます。
次に、区市町村の支援ということで、今回の台風で非常に苦情が多かったのが、防災無線が聞こえないという声でありました。
災害発生時に区市町村が住民に避難情報などを呼びかける防災行政無線の役割は大変大きいと思いますが、また、それを補完する防災アプリの役割も重要であります。
防災行政無線のデジタル化対応や、今アナログなんですけど、何年後かにはデジタルに変わるということでありまして、この対応や防災アプリの開発など、区市町村の情報発信の取り組みを支援する必要があると考えますが、所見を伺います。
○有金総合防災部長 都はこれまで、都内全域を対象としたさまざまな災害に関する情報を、東京都防災ホームページや防災ツイッター、東京都防災アプリを通じ発信をしてまいりました。
また、区市町村におきましても、独自の防災アプリを通じて、住民へのきめ細かい情報発信に取り組んでいる自治体もございます。
こうした取り組みを支援するため、各区市町村に対しまして、東京都防災アプリの活用に関する説明を行うとともに、独自のアプリによる情報発信の取り組みを行っている団体との共有の場を設けまして、情報の提供などを行っております。
また、防災行政無線のデジタル化につきましても、国の支援を受け、速やかに更新するように促しているところでございます。
引き続き、区市町村の情報発信の取り組みについて、さまざまな観点から支援を行ってまいります。
○加藤委員 谷村委員の地元、東村山市もすばらしい防災アプリを持っているとのことで、先日見せていただいたんですけども、こうした情報も共有していただいて、そういう先進的な取り組み、そうしたことをぜひ発信していただきたいというふうに思います。
冒頭、地域防災計画の話をしましたが、私の地元、墨田では、広域避難場所として東白鬚公園が指定をされており、多くの避難民を受け入れるため、地域住民と都と区が協力して避難行動マニュアルというのを作成したんですね。このマニュアルも年数がたちまして、環境条件が変化しておりますので、修正すべき時期に来ております。ぜひ都としても修正作業に協力していただき、多くの人命を救うことができるよう、よろしくお願いを申し上げます。
これで防災関連の質問は終わらせていただきます。
次に、人権問題について質問をしたいと思います。
昨年、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が制定されました。世界人権宣言が国連で採択されて七十周年という記念すべき年に、都としても、人権先進都市に向けての歩みを一つ前に進めることができたのではないかと思っております。
私もかねてから人権施策の推進を訴え、都の人権施策推進指針の改定を進めてきた立場から、指針に掲げる十七の人権課題の解消に向けて取り組んでいきたいと考えております。
その中でも、本日は、インターネットと人権に焦点を当て、質問したいと思います。
現代は、ICTの進展で情報が洪水のように大量に流れるとともに、顔の見えないネット上の気軽さからか、匿名で相手のことをおもんぱからない情報発信や拡散がたびたび問題となっています。
こうしたインターネット上でのプライバシー侵害や誹謗中傷、差別的な書き込みなど、人権侵害と思われる事案も後を絶たないと聞いております。
そこで、特にこのような事案があった場合、都民は何らかの形で救済を受けることができるのか、まず伺います。
○堀越人権部長 人権侵害に関する救済は、法務省の人権擁護機関である法務局で対応しています。法務局では、被害者から人権を侵害されたという申し出を受けて調査を行い、その結果を踏まえ、勧告や要請などの事案に応じた適切な措置を講じています。
具体的な措置として、インターネット上の人権侵害に関しては、法務局からサイトの管理者等であるプロバイダーに対し、書き込み等を削除する要請等を行っているところでございます。
○加藤委員 国として、プロバイダーへの削除要請や人権侵害事案への調査、勧告、要請など、救済措置があるということはわかりましたが、都としての対応はどうなっているのか、伺います。
○堀越人権部長 東京都人権プラザの人権相談窓口では、インターネット上の人権侵害を含むさまざまな相談を受けており、例えば、書き込みの削除に関する事柄については違法・有害情報相談センターを、人権侵犯事件の調査、救済が必要となるケース等については、国の人権擁護機関である東京法務局の相談窓口を紹介しています。
さらに、昨年十月から、インターネット上の人権侵害に関する弁護士による法律相談も開始したところでございます。
また、都は、悪質な差別書き込みについては、表現の自由にも十分に配慮しながら、東京法務局に対し、プロバイダーへ削除要請を行うよう依頼しています。
今後とも、インターネット上の人権侵害でお困りの方に寄り添い、丁寧に対応してまいります。
○加藤委員 都としては、表現の自由の観点から、人権侵害かどうかについては、直接ではなく、あくまでも国に対して削除要請を行うとのことですが、被害を受けている都民感情からすると対応が弱いと感じると思いますので、人権侵害で困っている都民に寄り添い、丁寧な対応をお願いいたします。
けさもテレビで、あおり運転で問題となった車に同乗していた女性と全く関係のない女性をネットで特定し、拡散させた話題を取り上げていましたが、改めてSNS等による人権侵害の怖さを感じました。
法務省によると、二十九年の人権侵犯事件の状況では、ネット上の人権侵害情報に関する事件数が二千二百十七件で、対前年比一六・一%増、五年連続して過去最高件数を記録しているとのことです。
また、報道では、ネット上のデマ拡散で被害を受け、発信者の特定に二つの壁があり、一つは、拡散されたサイトなどへのIPアドレスの開示に一、二カ月、もう一つが、プロバイダーへの氏名、住所の開示に約半年かかり、弁護士などに頼むと、一人の特定に五十万から七十万円の費用と手間と時間がかかり、多くの方が泣き寝入りしているとのことでした。先ほどの弁護士による法律相談も開始されましたが、ハードルが高いのも課題であります。
都の人権条例では、第二条第三項に都民の責務も努力規定として入っていますので、誰が見ても悪質と思われる事案については、都民の責務が足りないとして、もっと踏み込んでいくべきではないでしょうか。
人種差別撤廃条約第四条にも、差別のあらゆる扇動または行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとることを約束し、国または地方の公の当局または機関が人種差別を助長し、または扇動することを認めないことと、国及び地方自治体に求めていますので、毅然たる対応をお願いしたいと思います。
次に、モニタリングといわれている、インターネット上の書き込みを行政が監視する事業に取り組んでいる地方自治体がありますが、このことについて都の見解を伺います。
○堀越人権部長 いわゆるモニタリング事業を実施している地方自治体が幾つかあることは承知しており、それぞれの団体から現状や課題についてヒアリングを行うとともに、学識経験者や弁護士等からも専門的な意見を聞き、情報収集に努めております。
インターネット上の表現活動の制限は、表現の自由にかかわることであり、インターネット上の書き込みを対象としたモニタリング事業の実施につきましては、慎重に対応していく課題であると認識しております。
インターネット上の人権侵害への対応につきましては、国が全国一律の考え方に基づいて実施することが効果的であるため、都は、所管である法務省及び総務省へ、法整備も含めた実効性のある対策を求める要望活動を行っているところでございます。
○加藤委員 今後も、しっかりと粘り強く国に法整備を求めてもらいたいと思います。
次に、ことしも十二月十日の人権デーに合わせて人権週間が設定され、都も人権週間キャンペーンの各種事業を計画していると伺っています。
人権尊重への普及啓発事業は、都として大変大切な取り組みであり、評価をしておりますが、先ほど申し上げたように、最近はインターネットによる人権侵害事案がとても多くなっている状況に鑑み、インターネットと人権といったテーマでの普及啓発が大切です。
そこで、都がこれまで取り組んできたことと、今後も重点的に取り組むべきと考えますが、都の啓発の取り組みについて伺います。
○堀越人権部長 インターネットの利用に当たっては、他者の人権への配慮や、ルールやマナーを守ることなどについて啓発していくことが重要でございます。
都はこれまでも、リーフレットを作成し、都や区市町村などの窓口や人権啓発イベントで配布するとともに、都のホームページや東京動画に啓発映像を掲載しております。
また、東京都人権プラザにおいても、SNSの適切な利用を学べる展示を行っているほか、インターネットといじめの問題をテーマに、トークセッションを本年八月に実施いたしました。
今後とも、インターネット上の人権侵害の解消に向け、粘り強く人権啓発に取り組んでまいります。
○加藤委員 人権先進都市を目指して、他都市から称賛される積極的な対応を求めて、次の質問に移ります。
行革関連の質問でございます。
昨年度の第三回定例会にて、庁内に提出する書類の削減や簡素化について、電子申請の促進を含めたペーパーレス化に関する質疑を行いました。
ペーパーレスは、資源の削減に伴う環境保護や職場環境の美化、働き方改革、さらには都民サービスの向上につながる利点があると思います。
都庁内のペーパーレスについては、全庁的な目標として、二〇二〇年度までに、コピー用紙の使用量を対二〇一六年度比で二〇%削減するという目標を設定しております。
そこでまず、確認の意味も含め、ペーパーレスの今年度の取り組み状況について伺います。
○豊田都政改革担当部長 ペーパーレスについては、コピー用紙使用量を対二〇一六年度比で、昨年度は、一〇%の全庁削減目標に対し、一一%削減いたしました。今年度は一五%の全庁削減目標を設定し、取り組みを進めております。
具体的には、特に使用量が多い部署を対象としたペーパーレスにつながる業務の改善や、局長などへの幹部説明の原則ペーパーレス化などの取り組みを進めております。
今後、ICT環境の整備を進めるとともに、ペーパーレス会議の実施を一層促進するなど、さらなるペーパーレス化を推進してまいります。
○加藤委員 私も、ある審議会の委員として出席した会合で、ペーパーレス会議を体験いたしました。委員の中には高齢の方もいて、機器の操作になれておらず、戸惑っている様子もありましたが、なれてくれば効率的に進むと思いました。議事の進め方も、工夫次第でわかりやすいというふうに感じました。IT系や外資系の会社では導入が進んでいると聞いておりますけれども、都庁も取り組みを一層進めて、他の自治体の模範となれるよう、頑張ってもらいたいと思います。
議会でもタブレット端末が配布されて、ペーパーレスの取り組みが始まったばかりでありますけれども、今は議場だけですが、そのうち委員会室へと利用が拡大されていくと予想をしております。議会としても、課題を乗り越えながら進めていきたいというふうに思います。
次に、都庁外からの申請に係るペーパーレスについて伺います。
都が率先して取り組みを進めることにより、ペーパーレスを軸とした業務改革と利用者の利便性改善など、都民サービスの向上を一層図っていくとの昨年の答弁がありました。
そこで、行政手続の簡素化、ペーパーレス化について、今年度の取り組み状況と今後の取り組みについて伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都では、平成三十年より、行政手続の原則オンライン化によります電子申請の一層の推進を行うなど、都民の利便性を向上するための取り組みを強化してまいりました。
今年度からは、さらなる手続の簡素化やペーパーレス化の浸透を図るため、申請にかかわる時間を行政手続コストとして見える化し、その削減に取り組むことといたしました。
来年度から二カ年で、全庁百六十九の手続につきまして集中的に取り組むため、今年度は、先行して十程度の手続について、行政手続コストの削減のための分析手法の確立に向け、取り組んでいるところでございます。
○加藤委員 見える化は、削減や簡素化に当たって大変有効な取り組みなので、行政手続のオンライン化が一層進むよう期待をしております。
その上で、各種手続について、都では電子申請の導入に取り組んでいるところでありますが、紙での提出を求められる添付書類もあるというふうに聞いております。
そこで、紙での提出を要しているものについて、ペーパーレス化、簡素化に向けた具体的な課題とその解決に向けた取り組みについて伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 行政手続において、紙で提出を求めておりますのは、申請者の戸籍や住民票、法人では、定款や登記事項証明などのほか、許認可の審査に不可欠な図面といったものがございます。
ペーパーレス化や簡素化に向けました課題といたしまして、許認可における適正性担保のための成り済まし防止や、図面などのデータ容量が大きい情報の取り扱いなどが挙げられます。
現在、国において進められておりますマイナンバーや法人番号を活用した情報連携などの検討の結果を都の手続に速やかに反映していくためには、適切な本人認証の検討、申請事業者とのデータ様式の標準化や必要な容量の確保など、都の業務フローの改善に向けまして、個別具体的な業務分析が必要でございます。現在取り組みを進めているところでございます。
このように、行政手続コストの削減の取り組みの中で、ペーパーレス化などに向けた課題とその対応策を具体化し、各局の協力のもと展開してまいります。
○加藤委員 先日、議連関係で、早坂委員長、入江先生もご一緒して訪中させていただきましたけれども、中国では、お店で物を買うにしても、全て携帯でキャッシュレスと、進んでおりました。逆に現金が使えないところもありまして、現金を持ち歩かないので泥棒がいないという、そういうジョークもありました。
また、免許証も携帯の中に入っていて、警察官に提示を求められたら携帯で見せる、そのような状況、年金の証明も携帯の中というふうにいっておりました。
先ほど本人確認にも触れておりましたけれども、日本の科学技術が劣っているわけではないと思いますので、申請データの標準様式も速やかに整えて、慎重かつ大胆に課題を乗り越えてもらいたいと思います。
今後、都でのペーパーレス化の取り組みを進めていくことで区市町村の手続にも広げられるよう、知見を蓄積し、示していくことを期待しております。最近は、事務委任などによって、業者からの申請も区市町村が多くなっております。また、都民の身近な各種手続は圧倒的に区市町村が多いわけでありますので、ぜひ連携をとっていただきたい、模範となっていただきたいということをお願いして、質問を終わります。
○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時一分休憩
午後三時十六分開議
○早坂委員長 では、休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○米倉委員 私からは、まず初めに、都立大学、首都大学の学費などの学生支援について伺います。
日本の大学の学費は、ほかの先進国と比べても授業料が高額である上に、公的補助も薄い状況で、最も安い国立大学でも、四年間の学費は約二百五十万円に上る状況です。高等教育の学費の引き下げは、社会的にも切実な課題となっています。
今、国は大学を無償化するといっていますけれども、実際には国立大学の学費値上げが相次ぐ事態となっています。今年度は東京工業大学、東京芸術大学が約十万円、来年度は一橋大学や千葉大学が約十一万円の値上げです。到底、大学教育の無償化とはいえない状況です。
そもそも日本は、国際人権規約を批准し、全ての人の教育を受ける権利の完全な実現のために、高等教育は段階的に無償にしていくことを約束しています。日本政府の取り組みは、この約束に逆行するものですが、都はこういう状況だからこそ、首都東京から、国際人権規約の精神に立ち、世界水準の教育環境を整備する役割が求められています。
都は、この国際人権規約をどう受けとめているか、伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 国際人権規約が掲げる中等、高等教育の漸進的な無償化につきましては、国会において、国が、財政や進学率など、その時々の状況を総合的に判断しながら無償教育の漸進的導入に努めると答弁しており、都としては、国において適切に対応すべきものと認識しております。
○米倉委員 国が適切に対応するものというご答弁なんですが、国立大学とは異なり、都立大学は、首都大学、今はそうですけれども、東京都が運営費交付金を交付していますから、都として学生支援を位置づけて、学費値下げなどに踏み出すことは可能なわけです。
以前にご紹介をさせていただきましたが、日本と同じように学費が高い韓国では、ソウル市長が学生の要望に応えて、ソウル市立大学の学費を半額に下げたということで、これが韓国全国で学費値下げが必要だという全国的な議論も巻き起こして、ほかの自治体での学費の無償化や値下げが進むという状況がありました。ぜひ都としても、こうした政府の姿勢も動かすような、東京都として、できることをぜひ検討していただきたいと思っています。
今、国立大学の授業料値上げが相次いでいますので確認をしたいのですが、首都大学の授業料の値上げはすべきでないと思いますが、都や大学はどう考えているのか、値上げの検討があるかどうも確認したいと思います。
あわせて、都としての都立大学の学費の引き下げを、法人と連携して検討する必要があると思いますが、いかがですか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 公立大学法人の授業料は、地方独立行政法人法の規定によりまして、議会の議決を経た上で都が上限額を認可し、その範囲内で法人が決定する仕組みとなっております。
授業料の具体的な額の決定は、他大学の動向や社会経済状況などを総合的に勘案いたしまして、法人が自主的、自律的に判断をすることとなります。首都大学東京が開学して以降、これまで一度も変更しておりません。
なお、法人が授業料の改定を検討する際は、あらかじめ都に情報提供するよう依頼しておりまして、現時点では情報提供を受けておりません。
○米倉委員 国際人権規約の趣旨からいいましても、また首都大学の学生の実態から見ても、学費は、値上げではなく値下げを検討していく必要があると思います。
首都大学東京学生委員会の二〇一七年度の学生生活実態調査報告書には、大学のいい点として、回答者の六割が学費を選択し、学生にとって学費が重要な要素となっていることが明らかになっています。
この学生委員会のアンケートを見ても、経済的に厳しい学生が入学している傾向というものがあると思いますが、都はどのように認識していますか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京では、二年ごとに学生生活実態調査を実施しておりまして、直近の調査結果によりますと、学部生の世帯の平均所得は約八百十七万円でございまして、国立、私立を含む全国平均の八百三十万円と比べ、大きな差はございません。
また、世帯所得が二百万円未満の世帯の割合は五%程度と、こちらも全国平均と大きな差はございません。
経済的に厳しい状況に置かれている学生も一定数いると認識しております。
○米倉委員 所得二百万円未満の世帯が全国平均と差がないというお話だったんですけれども、この学生委員会の調査を見ましても、二百万円未満の世帯というのは、全国平均は三・一%で、本学学生は八・八%というふうに書いていまして、これは差はある、かなり大きい差だと思います。
この学生生活実態調査というのは二年ごとに行っていまして、過去二回の調査結果と比べての学生の経済状況についての傾向ということも記載をされていますけれども、世帯年収が四百万円から九百万円未満の層が減っていて、低所得と高所得に二極化する傾向があるという指摘も書いています。ぜひこういう学生の生活状況を踏まえて、学費の値下げを初め、学生への支援を検討していただきたいと思います。
首都大学の学生たちみずからも、首都大学の学費や奨学金についての実態調査というものをやっていまして、二百五十四人の学生からアンケートを集めています。
とても印象に残るというか、大切だなと思ったのが、八五%の回答者が進学のときに学費を判断基準にしているということですとか、もし学費が無償化になったらどうしますかという質問項目に対して、大学院に進学したいですとか、海外留学、研修に行きたいという声を合わせると、二四%に上るという状況なんですね。
ぜひ、こういう学生の生活実態とともに、学びたいという思いを持っている学生がたくさんいますので、そういうところに応えていただきたいと思っています。
来年の四月一日からは、いわゆる大学教育の無償化、大学等修学支援制度が施行されます。この制度が始まることに伴い、国立大学では学生支援が大幅に後退する危険があるということが問題になっています。
文科省の調査では、現行の国立大学の授業料の免除や減額の対象となっていた学部生の五三%に当たる二万四千人が支援を受けられなくなる、もしくは支援額が減少すると明らかにしています。現行の減免制度は中所得世帯も対象ですが、新制度に移行するに伴い、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯に支援が限定されるということによるものです。
首都大学でもこれまで、授業料減免制度により、経済的に困難のある学生への授業料の半額減免や全額免除を行ってきましたが、国の動きを受けて、制度が後退しないようにしてほしいという声が今上がっています。
まず、国の制度について伺いたいのですが、国の入学料と授業料の減免となる収入基準がどうなっているでしょうか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 国の高等教育の修学支援新制度による入学料及び授業料の減免に関する収入基準につきましては、国の資料によりますと、両親、本人、中学生の家族四人世帯の場合の目安で、年収約二百七十万円未満の世帯は全額免除、約二百七十万円以上三百万円未満の世帯は三分の二免除、約三百万円以上三百八十万円未満の世帯は三分の一免除とされております。
○米倉委員 ありがとうございます。
現行の首都大学の制度というものについては、きょう、つくっていただきました資料の一三ページにも載っていますけれども、同じ四人世帯のモデルでは、年収四百七十八万円未満の世帯は全額免除と、首都大学では今はなります。四百七十八万円以上で六百七十四万円未満の世帯は半額免除です。
国の基準ですと、四人世帯のモデルで、年収約二百七十万円未満の場合になると全額免除がということで、減額の対象となる世帯も年収が三百八十万円未満までということなので、首都大学の現行の基準だったら全額免除に相当する世帯でさえ、国の基準だと支援の対象外になる場合もありますし、授業料は三分の一の減額になるという状況だと思います。これまで半額免除だった学生は支援の対象外になるということも、このご答弁と資料でわかりました。
法の施行に伴いまして、都立大学の授業料減免制度の変更、対象となる世帯の収入基準や支援額の変更などの検討はあるのかどうか、伺いたいと思います。あわせて、この制度について、後退することはないようにすべきだと思いますが、いかがですか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 来年度の首都大学東京の減免制度につきましては、国の高等教育の修学支援新制度の影響等を踏まえ、現在検討中と聞いております。
○米倉委員 検討中ということですが、減免制度が後退することがないように重ねて求めておきます。そもそも学費自体の値下げが国際的にもですし、学生の実態からしても求められているということも改めて申し上げたいと思います。
入学料と授業料なんですけれども、後退させないということはもちろんなんですけれども、支援の拡充も求めたいと思いますが、これはいかがですか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京ではこれまでも、他大学の動向や社会経済状況などを踏まえまして、入学料、授業料の減免制度を運用するなど、さまざまな学生支援に取り組んでおりまして、都としても、適切な支援が行われているものと認識しております。
○米倉委員 学生の経済状況など、ぜひ大学と連携して、よくつかんでいただきたいと思いますし、先ほど首都大学の学生のアンケートの一部も紹介しましたけれども、ぜひこういう声を踏まえた支援の拡充というものも求めたいと思います。
今ある制度についてなんですけれども、まず、必要な学生に利用されるということも大切だと思います。
学生委員会のこの実態調査では、授業料の減免に該当する可能性がある学生が制度を知っているのか、申請をしているのか、実際に減免制度を利用しているのかなども分析しています。
ここでは、授業料の全額免除に当てはまる可能性がある学生の四割は、全額か半額の免除を受けているけれども、四割の学生は、制度は知っていたが、申請はしていないと答えていることが明らかになっています。
授業料の減免制度について、受験生や在学生にどのように周知をしているのか。特に、対象となる学生が自分が対象となり得ることがわかるような、わかりやすい周知が大切だと思いますが、どのように取り組んでいるのでしょうか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京では、対象学生が授業料の減免を受けられるように、授業料減免制度をわかりやすく紹介するチラシや、所得基準額や総所得額の計算方法を具体例とあわせてホームページで公表するなど、制度の周知に努めております。
○米倉委員 制度をわかりやすく紹介するチラシというものは、今年度作成されたと聞きました。こうしたわかりやすい周知ということが大切だなと思います。学生が自分が対象になるかもしれないと思えるような周知に、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
こうしたわかりやすいチラシなどについてなんですけれども、入学手続案内の書類を送る際に同封するですとか、ホームページにも減免制度について周知をする箇所があります。そうしたところでも、同じようにチラシを見ることができるというような対応も要望したいと思いますが、いかがですか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京では、入学手続案内におきまして本制度の概要を紹介するとともに、本制度をわかりやすく紹介したチラシをホームページで公表しております。
また、チラシを受験生向けのオープンキャンパス等で配布する取り組みも行っており、引き続き制度の周知に努めてまいります。
○米倉委員 ぜひよろしくお願いします。
例えばなんですけれども、入学を検討している方に向けたホームページの中では、入学考査料や入学料、授業料について紹介するページがあります。その中の授業料減免についての説明のところからもチラシを見ることができるということなどをぜひ検討していただきたいと思います。
入学手続の案内なんですけれども、これは入学に関する必要な事項が記載されているボリュームのある冊子になっていまして、情報量が多いですし、説明の表現も、やはりちょっとかたいということで、わかりにくさがあるなと感じています。ぜひチラシなどを活用した、さらなるわかりやすい周知をお願いしたいと思います。
私も首都大学の学生たちにお話を伺ったのですが、授業料が全額免除になる学生が、自分が減免対象になると思わなくて申請をしなかったと。そういう方が、たまたま先輩から減免制度が受けられるんじゃないかと話をしてもらって、その後、申請したんですという話を聞いています。引き続きの周知をお願いしたいと思います。
次に、学生寮についても伺います。
学生寮はどういう位置づけで設置しているのか、入寮者はどういう基準で決められているのかということと、入寮の際に経済的な事情が考慮されるのか、伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京の学生寮は、通学が不便な都外出身者、遠距離通学者など、通学時間が片道二時間以上を要し、かつ経済的事情により住居費の支弁が困難な学生を対象に設置しております。
○米倉委員 入寮者について、どういう基準で決められているのかということも伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、学生寮は、通学が不便な都外出身者、遠距離通学者など、通学時間が片道二時間以上を要しまして、かつ経済的事情で住居費の支弁が困難な学生を対象に設置しているものでございます。
○米倉委員 どのくらいが入寮を希望し、実際に入寮できるのは何人なのでしょうか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 平成三十一年四月入学予定者向け入寮募集では、受験者三百八十三名から応募があり、入試合格者百六十九名のうち百一名が入寮いたしました。
また、平成三十一年度の在学生向け入寮募集では、三十七名から応募がございまして、十九名が入寮いたしました。
いずれの募集でも、基準を満たす希望者は全員入寮しております。
○米倉委員 応募した方は、基本的に全員が入寮できているということですが、ただ、入寮のための要件というものが、片道二時間以上の通学時間で経済的な要件もあるということです。そうなりますと、入寮のハードルそのものも高いと思います。
寮で生活できる期間が二年に限られていると聞いているのですが、本来は、経済的に住居費の負担が困難な学生にとって、希望する学生は、期間限定ではなく寮に住めることが望ましいと思っています。
この寮に入ることができる期間が二年間に限られているというのは、どういう理由なのですか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 限られた部屋数の中で、より多くの学生に入寮の機会を提供するため、入寮期間は最長二年としております。
○米倉委員 寮に入っている学生から話を伺いました。アルバイトをして、奨学金も借りているということなんですが、生活費を切り詰めて、奨学金はできるだけ使わないようにして、ためているということです。
二年間の入寮期間が終わった後には、保護者から自力で生活していけるかといわれたということです。そうなれば、生活費のためにアルバイトをかなりふやすことになりかねないと思います。
首都大学の実態調査でも、授業に関連した学習時間が不十分であった理由について問う項目がありますが、最も多い六割の回答が、アルバイトに時間をとられていたという回答で、また、通学に時間がかかり過ぎたという理由も二割を超えています。
やはり寮に二年間しかいられないというふうになれば、人によっては二時間以上をかけて実家から通うということもあると思いますし、アルバイトに追われるということもあると思います。
入寮期間については二年に限らないことや、寮の部屋数自体をふやすことの検討が必要だと思いますが、いかがですか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 繰り返しになりますが、現在、基準を満たす希望者全員が入寮できております。
首都大学東京では、学生寮の運営に加えまして、国の高等教育の修学支援新制度を上回る授業料減免制度などによりまして、経済的に困窮をしている学生に対し各種支援を行っておりまして、引き続き適切に対応していくこととしております。
○米倉委員 入寮期間を二年に限っているために、希望者全員が入寮できる状況だと思うんです。
学部生の場合ですと、入学時に入寮するケースがほとんどだと聞いています。そうなりますと、寮を出るのは三年生になるときということで、ゼミなどで大学の学びが一番深まる時期に退寮する。就職活動などでアルバイトも難しくなるという忙しい時期になると思います。やはり寮に住めないということは、学生の大きな負担になるケースもあると思います。
以前、寮に住んでいたという方からお話を聞きますと、以前は、経済的に厳しい学生など事情のある学生は、二年間の期限を延長して寮に住めたと聞いていますが、これは今どういう対応になっているのでしょうか。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 延長はできません。
○米倉委員 これはぜひ、先ほど寮の位置づけで答弁いただきましたけれども、やっぱり学生の支援を位置づけて寮を設置されているわけですから、経済的な事情ですとか、そういうさまざまな事情は考慮して、場合によっては延長措置というものはすべきだと思います。ぜひ検討していただきたいと要望します。
あわせまして、今の部屋数だと確かに、三年間、四年間住めるよというふうになれば、希望者全員は入れないという状況は起こるんだと思います。部屋を借り上げるなどして、寮の規模を拡大することも検討していただきたいと要望して、次の質問に移ります。
性暴力被害の支援についてです。
東京都は、SARC東京に委託をして性暴力被害者のワンストップ支援を行っています。相談件数については、最新の出していただきました資料では約四千件ということです。
私も、先日、支援センターに伺いまして、お話を伺いました。話を聞いている間にも電話が頻繁に鳴りまして、お話を聞きますと、昼間も夜も同じ数ぐらい相談の電話がかかってくるということで、二十四時間で対応されているのは本当に大切なことだなと思いました。
あわせて、ここの支援センターでは、病院や警察に行く際には、必要な方には、センターは東京の端にあるんだけれども、どんなに遠くても同行支援をしているということも伺っています。
東京の人口を考えましても、また、こうしたきめ細かい同行支援なんかをやるということを考えたときに、今は都内には一カ所しか支援センターはないということなんですけれども、やはりこれは複数箇所設置を求めたいと思います。
この取り組みについては国も支援を行っていますので、伺いたいと思うんですが、性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターの運営に対する内閣府の交付金の目的と、都の交付金について、二〇一七年度と二〇一八年度の交付確定額について伺います。
○堀越人権部長 内閣府の性犯罪・性暴力被害者支援交付金は、ワンストップ支援センターの運営等に関し、都道府県が支出する経費に充てるために交付することにより、被害者支援に係る取り組みの充実を図ることなどを目的としております。
東京都への交付確定額は、平成二十九年度が一千百三十五万八千円、平成三十年度は七百五十八万三千円となっております。
○米倉委員 性犯罪の被害者支援を充実するための交付金ということなんですが、二〇一七年度と一八年度を比べると、支援額は七割に減っているということです。全国的にも、本来必要な国の支援額からして、八千万円減っているということが今大問題になっています。
国のこの交付金が、都に交付される確定額についてですが、二〇一七年度と一八年度を比較して減額となった理由はどういう理由なのですか。
○堀越人権部長 この交付金は、各都道府県がワンストップ支援センターの運営に必要な経費として算出した額と内閣府が設定する基準額を比較して、少ない方に決定される仕組みとなっています。
この基準額の算定方法が変更され、結果として、平成三十年度の東京都への交付額が減額となったものでございます。
○米倉委員 東京都の減額分は、この基準額が減ったことによると聞いています。
例えばどういうふうに減らされているかといいますと、二十四時間対応をする場合に、今まで四百万円加算があったものが三百五十万円に減らされるですとか、そういうふうに国が支援の基準を下げているということです。専門性も、こうした相談員の方は必要だと思いますが、国の考え方では、職員の時給は千円になっているというふうに説明がされています。
私もセンターに伺って、むしろ充実が必要だというふうに感じました。これは、私たちもぜひ国にも--東京都としても、もちろん、現場で必要な支援をさらに拡充していただきたいんですが、国に対しても拡充を求めていきたいと思っています。
このワンストップの支援センターの広報についても伺いたいのですが、外国語による広報ですとか、男性やLGBTの方も相談しやすいような広報の充実が必要だと思います。
都は、現在、ワンストップ支援センターの広報についてどのような取り組みを行っているのかということとあわせて、充実も必要じゃないかと思います。伺います。
○堀越人権部長 ワンストップ支援センターの広報につきましては、ホームページでの情報発信のほか、相談電話の番号を記載したカードや、外国語版を含めたリーフレットなどを作成しております。
これらの印刷物を、学校、医療機関、自治体などの相談窓口や民間支援団体などに提供しているほか、一般都民向けの各種啓発イベント等においても配布し、ワンストップ支援センターの事業内容をPRしております。
引き続き、一人でも多くの都民に知っていただくために、広報の充実などに努めてまいります。
○米倉委員 男性やLGBTの方の被害についても、刑法で位置づけられました。支援が求められていますし、今の広報ですと、そういう方たちが相談していいんだというふうには、やっぱりわかりにくい状況だと思います。ぜひ、男性、LGBTの方に対する広報を位置づけていただきたいと思います。
外国人の対応なんですけれども、英語のリーフレットは作成されていて、大切だと思います。
ただ、やはり緊急に支援を求めたいというときに、インターネットで検索をしたときに、ここなら安心して相談できるというサイトが英語で出てこないというのは、やはり早急に対応する必要があると思います。外国語対応も検討していただきたいと要望します。
最後になりますが、台風被害の対応について伺います。
この秋に複数の大型台風が上陸したことにより、東京都を含め、全国で甚大な被害となっています。
十五号では、都内では、島しょ地域が特に甚大な被害になりました。都内の建物被害が約二千棟ですが、八割が島しょ地域となっています。
その後の台風十九号も、建物被害が千八百棟を超えるという状況ですとか、土砂崩れで孤立、道路崩落などで孤立状態が生まれたり、川の氾濫など、各種浸水被害も起きるという状況です。
二十一号も来ましたけれども、小笠原村で建物被害が出ています。
総合防災部の方々など関係機関の皆さんが、この間、本当に尽力してくださっているということに、まず感謝を申し上げたいと思うこととあわせまして、早急な復旧等、生活、また、なりわいの再建のために、ぜひ各自治体の要望を積極的に聞いていただいて支援をしてほしいと要望します。
今、大きな課題になっていることの一つは、多数の建物被害に対して、国や都が適切な支援をどのぐらい行うかどうかだと思います。そこにかかわり、被害認定について伺います。
今回の台風による建物被害では、被害も地震などとは異なり、強風で飛んできたものによって屋根や壁が壊れ、そこから雨や土砂が吹き込んでくるというような大変な被害も起きています。そうした被害が被害認定調査でどう評価されるかが、その後の公的支援が受けられるかどうかにかかわり、被災者の方にとって大事な問題になっています。
国は、台風十五号の被害状況を受けて、住家の被害認定の弾力的運用というものを九月二十日に発表し、実際にも連絡をしています。
この国の住家の被害認定の弾力的運用はどういう内容なのか、また、都は、国の連絡を受けて、区市町村に対してどういう対応をしているのかも伺います。
○榎園防災対策担当部長 内閣府の事務連絡は、平成三十年三月に作成された災害に係る住家の被害認定基準運用指針の基本的な内容の説明に加え、台風十五号による屋根の損傷に伴い浸水被害が生じた家屋について、屋根の損壊とあわせて、浸水被害を受けた部位についても適切に判定していくことや、飛来物の衝突によって損傷が生じた場合、損傷面積を過小評価することのないように留意する内容となっています。
都は、内閣府からの通知を受けた後、速やかに区市町村へ通知するとともに、台風による被害の大きかった大島や新島へは、九月中旬から総勢五十二名の都及び区市町村職員を派遣し、こうした内閣府の通知を踏まえた住家被害認定調査等の支援をしてきました。
また、台風十九号発災後には、区市町村向けに説明会を開催し、留意点も含め、通知内容を詳細に周知し、住家被害認定調査における支援が必要な場合には、都に要請するよう伝えております。
○米倉委員 島しょ地域に職員を派遣したり、直接支援をしたりですとか、台風十九号通過後には、区市町村に向けた説明会を開催されているということです。
地域では、建物被害の認定の経験がなく、マニュアルを片手に被害調査に職員が奮闘しているという話や、被害家屋調査がなかなか進まないという話も聞いています。都の方からも区市町村の状況を把握して、職員派遣なども積極的に行っていただきたいと思います。
台風十五号被害を受けて、国はこれまで、災害救助法の支援対象外だった一部損壊についても支援を行うと発表しています。被害家屋が多い千葉県では、この国の対応に、さらに別の国の交付金を活用して、最大二十万円の支援をすると、早い時期に発表しています。
台風十五号が通過して、既に一カ月半たちますけれども、都は、こうした支援をやるかどうかというところをいまだに発表していません。早期に各局と連携をして都としての支援を行うこと、また、区市町村に負担を求めない形での支援制度とすることを求めます。
災害救助法が適用されない地域でも、多数の建物被害が起きています。ぜひ法の適用外の地域でも同じレベルの支援が受けられるように求めます。
私たち日本共産党として、この一連の台風被害を受けて、島しょ地域を初め被害の深刻な地域の現地調査を行いまして、住民の皆さんや市町村の要望を聞いて、国や都などに取り組みを求めてまいりました。
島しょや多摩地域の自治体の中には、住宅の復旧や、農業や林業の被害状況などがまだ把握できていないという状況もあります。例えば利島村では、基幹産業のツバキ油のツバキ林の倒木が多数あるということなんですが、今はツバキの実の収穫時期で、関係者の皆さんも忙しいために、全容が把握できていないということです。これからこうした被害の全容がわかり、各自治体で支援を検討していくことになると思います。
都は、今後の継続した区市町村への支援にどう取り組んでいくのでしょうか。
○佐藤行政部長 知事からは、区市町村の支援ニーズの把握に努め、的確に対応するよう、既に指示がございました。
このことから、既に全庁的に対応に取り組んでいるところでございます。
○米倉委員 特に被害の大きい島しょや多摩地域については、市町村総合交付金の増額もして対応していただきたいと思います。
私たちも市町村を訪問してお話や要望を伺う中で、長い支援が必要になる、国や都の支援がないメニューでも、必要だと思うことに自治体として支援をしたい、そういうときに市町村総合交付金をお願いしたいですと、お話を伺ってきました。
おととしには、八丈島で、島の基幹作物であるフェニックスロベレニーが深刻な被害を受けて、被害金額は二億四千三百万円に上りましたが、総合交付金による支援を行ったと聞いています。今回の台風被害からの再建への支援も、各団体の要望をよく聞いていただいて、可能な限りの支援を求めます。
一連の台風についての対応もお聞きしたいと思います。
まず、台風十九号が上陸する前に、事前に職員を島しょや多摩地域の自治体へ派遣した対応は、被害状況を早期に把握して支援を行う上で重要な対応だったと思います。
どういう判断で台風十九号の上陸前に島しょや多摩地域の自治体へ都職員を派遣したのか、また、効果についても伺います。
○有金総合防災部長 台風第十九号は、早い段階で気象庁から、非常に強い勢力で、島しょ地域だけではなく首都圏に上陸し、大雨や暴風への警戒が必要であるとの予報が発表されていました。こうしたことから、都は、台風の上陸前から、島しょ町村や多摩地域の市町村に職員を派遣したところでございます。
都はこれまでも、災害時に被災自治体の被害状況や支援ニーズを迅速に把握するため、都の職員を情報連絡員として派遣してきたところでございますが、今回の台風におきましても、市町村に職員を派遣したことで、速やかに被害状況を把握し、支援ニーズを踏まえた円滑な支援につなげることができたと考えております。
○米倉委員 事前に職員を派遣することで速やかに支援ができたということで、重要な対応だと思います。
今後の対応についてで要望したいのですが、今回の台風前に都職員を派遣したのは、多摩地域は全市町村ということなんですが、島しょ地域は、支庁がある大島町、三宅村、八丈町に限られました。台風十五号被害の大きかった新島村には派遣がありませんでした。
島こそ、こうしたときにアクセスも限られますし、すぐに状況を調査しに行くということも難しくなります。今後、職員を派遣する際には、ぜひそれぞれの島に都の職員を派遣していただきたいと要望します。
大型台風が幾つも関東に上陸することは、今後も想定されると思います。そうした中で、都としてスーパー台風に対応するための総合的な対策を検討する必要があると思います。そのためにも、この検討はぜひ求めたいと思います。
そして、そのためにも、今回の一連の台風でどういう課題があるかということを整理する必要があると思います。
今回の台風対応についての避難指示、避難勧告についてですが、本来、命を守るためには、早目の避難所開設と避難指示が大切です。しかし、台風十九号のときには、夜に豪雨の中で避難指示が出されたりですとか、避難をしようとしても、既に交通手段がかなり確保されていない状況ということも課題じゃないかと声がありました。
今回の台風の対応について、避難指示の出し方やタイミングに課題があるという指摘について、都としても、区市町村任せにせず、検証が必要だと思いますが、いかがですか。
○有金総合防災部長 都は、台風第十九号が二十三区及び多摩地域に上陸する二日前に当たる十月十日に、気象庁と合同で、区市町村に対する台風情報の提供と早目早目の避難情報の発令を働きかけております。
また、十二日にも、区市町村に対しまして、早期に避難情報を発令するよう個別に連絡し、働きかけを行ったところでございます。
台風などの風水害時における避難情報は、災害対策基本法第六十条や内閣府による避難勧告等に関するガイドラインにより、各区市町村長が地域防災計画や気象情報、地域特性など踏まえて適切に判断し、発令することとなっております。
○米倉委員 都として、各自治体へ避難についての働きかけをされたということは、必要というか、大切だと思います。
あわせて、今後の対応に生かすためにも、各地で共通する課題もあるだろうと思います。ぜひ都としての検証もしていただきたいと思います。
課題検証の際なんですが、タイムラインを策定している自治体と策定していない自治体で対応に差があるのかどうかも検証していただきたいと思っています。
タイムラインを策定している自治体と未策定の自治体で、台風への対応にどのような差があるでしょうか。今回あったのかどうか、伺いたいと思います。
また、タイムラインが実際に役に立ったのか、課題はあるのかなども検証が必要だと思いますが、いかがですか。
○古賀防災計画担当部長 都では、区市町村によるタイムライン作成を支援するため、本年五月に手順書及びひな形を全区市町村に配布するなど、普及拡大に向けた取り組みを進めているところでございます。
今後、各市町村によるタイムラインの策定事例を積み重ねる中で、必要に応じ、手順書を見直すことなどにより、より実効性のあるタイムラインとしてまいります。
○米倉委員 自治体タイムラインというものは、河川沿川の自治体から率先してつくられ始めましたが、近年のスーパー台風や線状降水帯の発生による長時間の集中豪雨など、河川沿川以外でも自治体のタイムラインを策定し、事前の備えや関係各所との連携などがスムーズに行えるということで重要になっています。
資料をいただきましたが、都内の自治体では三十三団体がタイムラインを策定しているということです。都としても、残りの二十九自治体に対し、策定のための支援を重ねて求めます。
また、自治会や町会などで、自治体タイムラインと連携したコミュニティタイムラインの策定も重要です。要配慮者の把握や、避難場所や避難経路の周知など、発災前から迅速な対応をする助けとなります。策定に向けて、マニュアルの配布や講習会開催など、策定への支援も要望いたします。
情報の発信もさらなる充実が必要だと、今回課題になりました。
都として、災害時の情報発信はどういう取り組みをされているのでしょうか。
○有金総合防災部長 大規模災害発生時には、情報不足による混乱や二次災害を防止するため、住民等へ的確な情報発信が非常に重要だと考えております。
都におきましては、防災ホームページ、防災ツイッター、防災アプリなど、さまざまな媒体を活用し、気象情報、鉄道の運行情報、避難勧告や避難指示の発令状況、避難所の開設情報などを発信しております。
また、防災ホームページでは、英語、中国語など八カ国語にも対応し、外国人への適切な情報発信も行っております。
○米倉委員 都としては、インターネットを通じた発信が中心で、さまざま取り組まれている、外国語の対応もされているということです。
では、自治体、各区市町村の情報発信の取り組みについて、都としてどういう支援があるのかも伺いたいと思います。
防災ラジオですとか戸別受信機など、情報機器を住民に対して普及することに支援も求めたいと思いますが、いかがですか。
○有金総合防災部長 都は、区市町村との間で災害情報システム専用の端末を配置し、被害情報などを入力することで、総務省の所管するLアラートを活用して、マスコミ各社を通じて避難勧告等の情報提供を迅速に行う体制を構築しております。
さらに、東京都の防災アプリでは、区市町村ごとの避難情報をプッシュ通知で発信するとともに、東京都防災ホームページに区市町村の防災ページへのリンク一覧を掲載するなどして、区市町村が行う防災ラジオなど防災用品のあっせんの情報も含めた住民一人一人への災害情報提供の補完も行っております。
また、台風接近時には、気象庁と連携し、気象情報連絡会を区市町村向けに開催し、気象に関する情報も提供しております。
○米倉委員 都のアプリがプッシュ型発信をされているということで、私も使わせていただいていまして、本当に早く情報が届きます。使いやすいなというふうに感じています。
都も区市町村も、ネットでの情報発信というものは強化されてきているなと思うのですが、インターネットやスマートフォンを利用していない高齢者の情報源が、今回の台風でも防災無線に限られたという状況もありまして、風雨で防災無線の音が聞こえなかったという声もかなり出ています。
都内の自治体では、防災無線の内容を電話で問い合わせて聞けるサービスを導入しているところも多いのですが、これも高齢者の方々からは、聞き取りづらかったですとか、仕組みがややこしかったというような声もあります。
奥多摩町ですとか、ほかの自治体でも、こうした方などに対して、戸別受信機というものを希望者に配布している自治体もありまして、これは、防災無線が流れると、自動でスイッチが入って、無線の内容が屋内でしっかり聞こえるというものです。物によっては、録音もされて、後からも聞くことができるということです。
音だけでは難聴の方などには情報が届かなかったということも、今回指摘があります。
インターネットの活用はもちろんなんですけれども、こうしたインターネットをそもそも余り活用しないという方もたくさんいらっしゃいますので、こうした戸別受信機の中には、パネルが表示されていて、防災無線の内容が文字で表示されるという受信機もあります。ぜひこういう機器を必要な方に配布しようというふうになると、一個一個の金額も安くはないので、自治体負担も大きくなります。都としても、まずは、こういう機器があるということを区市町村に情報提供していただきたいですし、あわせて、設置のための補助も行っていただきたいと要望しておきます。
非常用電源も大事になっています。
七十二時間分の非常用電源を確保できている自治体と、都が始めた支援を利用して電源確保を進めている自治体がどのくらいなのか、伺います。
○古賀防災計画担当部長 都が昨年十月一日に行いました調査によりますと、非常用電源の稼働時間を七十二時間確保できているのは三十七団体でございます。
また、これまでに、七十二時間化を図るため、非常用電源設置等の補助制度を利用したのは五団体となっております。
なお、水害対策のための補助制度の利用は二団体、専門家派遣事業の利用は十一団体でございまして、これらを合わせると十八団体となります。
○米倉委員 七十二時間の非常用電源を確保している自治体がふえてきているということは重要で、さらに設置を進めるために支援を求めたいと思います。
あわせて、補助の対象の拡充も求めます。
この補助は、災害対策本部が設置される庁舎のみが対象で、分庁舎や支庁がある自治体は、そこに七十二時間の非常用電源を設置したとしても補助が受けられません。避難所も対象外です。
特に支庁がある自治体というのは、島などは特にそうですけれども、そこも電源が確保されないと、災害対応をする上でかなり厳しいという自治体もあると思います。ぜひそういう実態を考慮して、補助の対象を拡大していただきたいと思います。
お風呂などのプライバシーの配慮についても伺いたいと思います。
台風十九号被害を受けて、奥多摩町では、長期にわたり二千戸以上が断水する状況になりました。私も現地に行きましたが、水を確保するために、町のあちこちに給水車や給水所が設置されたり、仮設トイレが設置をされていました。住民の方々からもお話を聞きましたが、東京都が細かく対応してくれていて、ありがたいという話を伺いました。
それと同時に、断水で家のお風呂が使えないために、町や自衛隊が入浴場を設置されたのですが、この共同浴場には行っていないという声も複数伺いました。コインシャワーでもいいから、プライバシーに配慮した入浴できる場所が欲しいという声でした。
これは大事な話だと思いました。やはり、いろいろな事情のある方がいらっしゃるということを踏まえた対応が必要だと思います。
例えばなんですが、地域防災計画では、LGBTの方など、それぞれの状況への配慮や対応についてどう位置づけられているのか、また、その内容についても伺います。
○古賀防災計画担当部長 地域防災計画におきまして、発災前の備え、発災時の避難行動、避難後の生活等の各段階において、特に配慮を要する者として、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦等を要配慮者として位置づけておりまして、LGBTの方たちもこの中に含まれます。
具体的には、避難所における要配慮者対策を定めた指針において、LGBTの方も含めた男女双方が利用可能なトイレを設置することや、着がえスペースの配慮などを規定しております。
○米倉委員 要配慮者として、各段階で配慮するようになっているということです。
今回の台風十九号では、都が奥多摩町の入浴支援を自衛隊に要請されたということなんですけれども、これはどういう経過で要請されているのでしょうか。
○有金総合防災部長 台風第十九号の影響により、十月十三日から、奥多摩町では一部の地域で断水が発生しております。水道局による復旧作業や給水車による給水支援を実施しておりましたが、一定期間、断水が続くことが見込まれたため、奥多摩町より都に対しまして、十月十六日に自衛隊による入浴支援の要請がありました。
そのため、都は、十月十七日から断水が解消する十月二十四日までの間、古里中学校におきまして、自衛隊による入浴支援を実施したところでございます。
○米倉委員 先ほどのご答弁になりますけれども、要配慮者の方は各段階で位置づいているということなんですけれども、避難所については具体的な指針があるよということで、今回なんかは、そういうものを見るというふうには、もちろんならない話だとは思うんですけれども、避難所に限らず、やはりこういう問題は起こるだろうなというふうに思います。
避難所に限らず、住民の方への支援というときに、ぜひ、こうした要配慮の方ですとか事情のある方を考慮した支援もお願いしたいと思います。
これで終わります。
○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
前期、一期目のときに、新人で総務委員会に常任委員会で配置されておりまして、あれから月日も流れまして、この一年間、改めて質疑させていただければと思います。
一年間、厳しいことも大分いおうと思っておりますが、なるべく代案を持って提言をしていきたいなと思っております。
それでは、まず、一テーマなんですが、公文書管理についてお伺いいたします。
小池都政の中で、公文書のあり方というのが大分見直しがされてまいりました。この中で、私どもも、公文書のあり方、大分いろいろご提案させていただきました。
しかし、さきの決算特別委員会の場におきまして、水道メーターの検針の委託業務について確認してまいりました。
実は調べてまいりますと、包括外部監査報告書でもありましたが、三十年、三十三年、三十六年と、わずか三社、四社で区部の水道メーターの業務委託を受けている。しかし、そこに競争性がなかなか見出せないということで、これはおかしいといったことをメーンに質疑させていただきました。
その中で、質疑させていただいた中で私が最も知りたかったのは、じゃあ、その三、四社に対しまして、今までトータルで幾ら払ってきたんですかということを確認いたしましたら、局からは七年しかわかりませんと。
都が各企業に払った、大事な情報だと私は思っておりまして、概算ですと、恐らく三十数年で三千億とか四千億とかいわれるお金が投入されてきたわけであります。しかし、払った金額が七年しかわからないといったことは、私は、税金が本当に適正に使われて、しっかりとお金の管理ができているのかという観点から確認しましたら、そういうルールになっていますといったことでございました。
皆さん、どうでしょうか。ご自身で通帳をお持ちの方もいると思いますが、七年たったら、自分の通帳とか、捨てちゃいますかという話でございます。
改めてちょっと確認したいんですが、支払い情報というのは、そもそも公文書に当たるものなのでしょうか。公文書の保存期間というのは、どのようなルールに基づいて設定されているのか、お伺いしたいと思います。
○西山総務部長 東京都公文書の管理に関する条例におきまして、公文書とは、実施機関の職員が職務上作成し、または取得し、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものと規定してございます。
契約の支払い情報が記載された文書は、これらの要件を満たすので、公文書に該当します。
また、公文書の保存期間は、条例に基づき、法令等の定め、公文書の効力、重要度、利用度、資料価値等を考慮して設定することとしてございます。
実施機関は、規則等でより具体的なルールを制定し、公文書の保存期間を定めております。
○宮瀬委員 公文書であって、実施機関、つまり水道局の方がルールを設定して決めているんですということだったと思うんですが、どう考えても、七年という期間、お金を支払ったのは、七年前はわからないといったことは--税法の定めなどにより保存期間を設定していたとしても、現に、検針委託業務に、三十年前、三十年間積み上げて幾ら払ってきたかがわからないわけであります。やはり後の検証が必要となる。
都議会議員が聞いて出てこないわけでありますから、そういった支払い情報を初め公文書については、七年といった保存期間満了後も、その公文書を保存しておくべきではないでしょうか、お伺いします。
○西山総務部長 業務上、引き続き保存する必要がある文書につきましては、常時利用する文書である常用文書として指定したり、事業期間が延長した場合にあっては、それに合わせて保存期間を延長するなど、必要に応じて保存期間の見直しを行える仕組みとなってございます。
○宮瀬委員 業務上、保存することが必要だったら、局の方で判断すれば保存できる仕組みがあるといったことでございますが、私、大変違和感を感じていまして、今回は、七年より前の支払い情報がわからないといったことが結果でございます。
私は、水道局に対しまして、公文書をつかさどっております総務局がしっかりと指導監督をするべきだと思いますが、見解を伺います。
○西山総務部長 水道局など他の実施機関は、地方自治法、地方公営企業法等により、みずからの判断と責任において、独立して事務を管理、執行しております。
公文書につきましても、水道局において、条例の定めるところにより、その管理が行われるべきものと認識してございます。
○宮瀬委員 公営企業なので、独立している事務なので、そちらでやってくださいということなんですが、やはり、知事の監督下にある公営企業の方が、実際にどの民間企業に幾らお金を払ったということが七年より前のはわからないといったことになりますと、ないとは思いますが、どういう不正があったのか、どういうことがあったのか、お金をたどっていくとわかることが多いですが、わからないわけであります。
百歩譲って、水道局というのは公営企業なのでということでありましたが、では、知事部局の方に関しましては、皆さんの立場から--つまり公営企業ではないところですね--そういった教育庁ですとか、皆さんの総務局とか、そういったところは、検証に必要な期間、保存して、保存期間をしっかりと延ばしておくべきだと思いますが、見解を伺います。
○西山総務部長 繰り返しになりますが、公文書の保存期間は、条例に基づき、法令等の定め、公文書の効力、重要度等を考慮して設定してございます。
知事部局における支出の決定に係る文書の保存期間につきましても、この考え方に基づいて、各局において適切な保存期間を設定しております。
なお、業務上、引き続き保存する必要がある文書におきましては、事業期間が延長した場合にあっては、常用文書の指定や保存期間の延長など、必要に応じて保存期間の見直しを行える仕組みとなってございます。
○宮瀬委員 この質問はそろそろやめにして問題提起とさせていただきたいですが、業務上、引き続き保存する必要があるということを、各局が必要な場合はやってねということですが、実際、都議会議員が委員会の場で、支払った情報は幾らなんですかといった情報を知りたいと。それはまさに、業務上、引き続き保存する必要があった情報なのではないかなと私は思っております。
小池都政のもとで、七十万件の支払い先情報を公開していますよといった取り組みがスタートしています。これも本会議でやりましたが、支払い先情報を公開しているといっているんですが、肝心な支払い先名が記載されておりません。内容と金額は出ているんですけども、払った取引先の名前がない。
そうなると、払った先がわからない、記録に残らない、七年たったら捨てても構わない、総務としては各自でやってくださいということは、私はいかがなものかと思っておりますので、そこは適切に保存されるよう、要望していきたいと思います。
次に、公益通報制度でございます。
こちらは、知事が誕生した際に、当時の会派の方から、私どもが、当時は外部通報制度という形で、通報制度を見直していきましょうと提言させていただいて実現したものだと思っております。
しかし、この仕組みの不備というものを、最近、現場の都庁の職員の皆さんから聞いております。
まず最初に、東京都の公益通報制度、平成二十八年十一月に綱領を大幅に改正されておりますが、どういう目的で今までのものを変えたのか。また、弁護士窓口、全庁窓口、それぞれ聞いていると思いますが、実績がどうだったのか。あわせて、事案の解決につながっているのか、お伺いをいたします。
○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 平成二十八年の制度改正は、公益通報制度を利用しやすく、かつ、わかりやすい制度とすることを目的に行ったものでございます。
具体的には、それまでは通報対象を公益通報者保護法で規定された法令に限定しておりましたところ、通報対象を法令違反行為全般に拡大するとともに、職員に加えまして、都民からの通報も受け付けることといたしました。
また、通報を受ける窓口につきましても、新たに弁護士による外部窓口を設置いたしました。
平成三十年度に公益通報として知事部局等で受理した件数は、全庁窓口で十一件、弁護士窓口で十五件の合計二十六件でございます。
受理された通報につきましては、調査を実施し、通報対象事実があると認められた場合には、速やかに是正措置及び再発防止策を講じております。
○宮瀬委員 要約しますと、今までいろんな法令違反があった中で、この法令に反している人と、法令に反している案件を限定していたと。しかし、新しくなって、全ての法令違反に関して、ちょっと違反じゃないかというものを受け付けますよと。
また、外部の弁護士窓口を設けたと。これは、今までの相談する窓口が東京都の窓口で、なかなか--私どもが提案していたのは、都の不祥事というか、法令違反に対して、都の人が、同じ局の人が調査をしていくと、なかなか自分がこう、密告という表現はよくないんですけども、いったのがばれちゃうというおそれもあったりして、あえて弁護士さんの窓口をつくったのは、そういった心理的なプレッシャーを軽減するためと思ってもよいのでしょうか。念のため確認します。
○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 弁護士窓口を設置した目的といたしましては、東京都の組織外に窓口を設置することにより、職員に知らせずに通報することができることとなり、通報に対する抵抗感が軽減され、通報しやすい環境を整備することができるということを考えて設置したものでございます。
また、加えまして、公益通報への対応に弁護士が関与することにより、法律の専門家の知見を活用することができることもメリットであると考えております。
○宮瀬委員 ありがとうございます。
公益通報制度の仕組み、パネルを持ってきまして、これは都のホームページに出ているものでございます。
通報者が弁護士さんの窓口を通じて、最後は解決に至っていくフローでありますが、今のご答弁を聞いて大変違和感を感じるのは、私がご提案させていただいたときは、通報者が弁護士さんに、弁護士さんがしっかりと調査権というか、弁護士さんが--例えば市場の件で問題があったとしましょう。市場の件で問題があったとしたら、弁護士さんがその相談を受けて、例えば皆さんみたいな人事局と連携をして、しっかりと調査に当たってくれるんだと。そうすることによって、同じ局の人たちが調べないで済むといったことで相談しやすくなると思っていたのですけども、この図を見ると、何のことはない、弁護士さんの相談窓口から、結局は同じ局の中で調査が行われてしまうといった問題が私はあると思います。
若手の都庁の職員の方からいわれたのは、結局、同じ局の人が調査するから変わらないですよ、怖くて相談できないと。匿名性は保持されていても、自分の案件で不正があって、これがおかしいと通報したときに、当然、その上司に誰がいったかというのが、調査がかかったときに、おまえがいっただろうと推測しやすくなってしまう。
こうなると、この制度をつくった意味というのはどこにあるんだったかなと思っておりまして、本来あるべき、弁護士さんがしっかりと、皆さんみたいな中立的な人事担当と共通になって調べていく。例えていうなら、包括外部監査報告だって、外部の公認会計士さんがしっかりと調べているじゃないですか。私は、そういった課題があると思っております。
他の組織が主体となって調査を行っていくべきだと思いますが、見解を求めます。
○貫井コンプライアンス推進部長主席監察員政策法務担当部長訟務担当部長兼務 公益通報制度は、都庁内部の問題を早期に発見し、問題が大きくなる前にみずから解決するという自浄作用を果たすことを目的として設けられていることに加えまして、通報された事案の事実解明及び円滑な是正のためには、当該事案に精通した当該局の服務担当等が調査を実施することが有効であると考えられることから、弁護士等ではなく、当該服務担当が調査を行うこととしております。
事案の処理に当たりましては、調査の適正を図るため、担当弁護士に相談しながら進めているところでございまして、通報者の保護に資するための調査の手法などについても、随時相談をしながら進めているところでございます。
通報者等の秘密の保持、不利益な取り扱いの禁止などを改めて徹底するなど、利用しやすい制度として適切に運用してまいります。
○宮瀬委員 ご答弁の中で、自浄作用を果たすと。自浄作用が働いていれば、そもそも、こういうところに通報は来ないと思うんですよ。問題があったら、しっかりと上司がそれをキャッチして、こういうことはよくないよと、ちゃんと自浄作用が働いていると思います。でも、そうなっていないから、こういった通報制度に、勇気を出して職員の方がエントリーするんじゃないでしょうか。
また、秘密の保持、不利益な扱いの禁止というのは、この改正前から当たり前のことでありまして、それは大前提であります。
私は、繰り返しになりますが、この通報制度だと--中央卸売市場の盛り土がなかった件で、私は市場に確認しました。そういった通報件数、上げた人、もしくは上がった実績があったか聞きましたら、ゼロ件でございました。なので、局ぐるみでそういった対応になってしまうと、わからないわけであります。
なので、外部の弁護士さんを使って、そこに切り込んでいく、そういった本来の、私たちが提案しました通報制度に変えていただくよう、これも時間がかかる案件でございますので、提案をさせていただきたいと思います。
次に、私も防災について申し上げます。
最初に、今回、被災された方、もしくは亡くなられた方に心から哀悼の意とお悔やみを申し上げたいと思います。
その中で、私は、事前準備のところから、また、避難のところ、情報の把握といった観点で質問させていただきます。
各委員の質問を聞いていましたが、重複しないと思いますので、違う角度から聞かせていただければと思います。
さきの定例会の討論の際に、私は本会議場で、災害時の知事のトップの発信というもののあり方について提言をさせていただきました。
知事の発信をちゃんと調べていただきましたら、台風十五号のときは、知事のツイッター投稿は三回。私も一回確認していますけども、二、三行でございました。危機管理対策会議一回、都民に向けた発信という意味では、記者会見はゼロ回でございました。
十九号のときは、本会議後でございますが、ツイッターの投稿は十六回、会見は定例記者会見を含めて二回、応急対策会議二回、災害対策本部会議二回。
会議の方は内向きの会議の側面がありますので、都民に対しての情報発信という意味では、格段に違いが出たと思います。
また、職員の件も、私もこれをいただきましたが、台風十五号のときには、職員が来るのか来ないのか、とても曖昧な表現で、読み上げますと、各局等におかれましては、職員の安全を図る観点から、適時、年次有給休暇の活用も含めて、職員に十分な注意喚起の周知徹底を図ること。つまり安全を確保しなさいよと。二番目で、窓口業務など都民サービスに支障を招くことがないよう、直ちに必要な体制の確保を図ること。
つまり、出るのか出ないのかわからず、ほかの部局に関していうと、この通達を自分の課のメンバーに出したら、逆に混乱するので、控えましたといった声も上がっております。
いいたいのは、十九号ではしっかりとご対応されていたと思いますが、どうしてこんなに対応が変わったのか、お伺いいたします。
○有金総合防災部長 台風第十九号の際は、接近の前段階から、非常に強い勢力であることが気象予報で判明をしていたこと、また、都内に上陸し、大雨による河川の氾濫や都内各地で避難勧告等が発令されたことから、都民への注意喚起のための情報発信が多くなったものと考えております。
また、庁内の職員に対しましては、台風第十五号の際も十九号の際も、都民サービスに支障を招くことのないような必要な体制や職員の安全確保について、知事から指示をしたところでございます。
○宮瀬委員 十九号の方が前段階から非常に強い勢力だったというご答弁ですが、これは一つ矛盾がありまして、台風十五号のときの被害状況を今回資料で出していただきましたが、死者一人、軽傷者七名、一部損壊一千六百七十一棟云々かんぬんと書いてあって、十九号と比較しますと、一部損壊は二百九十四件ということで、浸水、床上、床下も含めて、やはり見方によって、十五号の方もかなり強い台風であったと。それを証拠に、両方とも計画運休をJRは行っているわけであります。
ここでご提案でございますが、今回はやって、前回はやらない、前回はやって、今回はやらないといったことではよくないと思っておりまして、知事のトップの発信に対しまして、しっかりとこうするべきだという基準や、マニュアルといったらおこがましいですが、そういったものを進言するルールづくりを事務方でつくられている方がやはりいいと思います。
次に、帰宅困難者対策ということでお伺いします。
私も大阪北部地震の際に、大阪市と京都市、大阪府を訪問いたしまして、何が課題でありましたかということを確認させていただきました。
そうしましたら、盲点だったのは、帰宅困難者対策というのは、おうちに帰ることを前提に、おうちに帰る時間帯が帰宅困難に係るということを想定されていたそうですが、出勤時、出勤困難といいますか、帰宅困難という--朝のラッシュ時の困難さに対するルールがなかった、また、鉄道各社との協議もなかったといったことで、駅も大分混乱したそうでございます。
そのことを今まで提案、質問してまいりましたが、その進捗について伺います。
○榎園防災対策担当部長 都は、昨年の大阪北部地震を踏まえた取り組みとして、BCPの策定支援事業を所管する東京都中小企業振興公社と連携しながら、民間企業向けの事業説明会の場を活用するなど、発災時間帯に応じたきめ細やかなBCPの必要性などについて、普及啓発に取り組んでございます。
今後も、公社や経済団体などの協力を得ながら取り組んでまいります。
○宮瀬委員 いろいろやって進んでいるということでありまして、鉄道事業者との事前協議も今回はうまくいったと。十二日の二日前にJR東日本の方から情報提供を受けて、関係各所と連携を図れたと聞いて、大変評価したいと思います。
ただ、BCP、通勤時間帯における企業のBCPの取り組みを聞きましたが、では、BCPの策定率、これは普通のBCPじゃなくて、通勤時間帯別を含んだ策定率はどうでしょうか。
○榎園防災対策担当部長 都としましては、通勤時間帯における企業BCPの策定率につきましては、調査はしてございません。
なお、都と防災に関する連携協力について協定を締結している東京商工会議所が実施し、本年五月に公表した会員企業アンケート調査結果の中では、通勤時間帯における企業BCPに限ったものではございませんが、BCPを策定済みの企業は全体で二九・一%となってございます。
○宮瀬委員 これは、提言して、まだ一年ぐらいしかたっていないものなので、強くはいえませんが、やっていますではなくて、どれぐらいしっかりとリーチできたか、現状、時間帯別といいますか、通勤時間帯における企業BCPの率はわからないということでありまして、全体も二九・一、BCPそのものを設定している企業も約三割であります。
この短い期間に、これだけ人が混雑、大混乱しておりますので、ぜひこれは一つのベンチマークとして、KPIとして、私も毎回確認していきたいと思います。
では、帰宅困難者の総数と、実際にその人たちを収容できる人数、分子と分母について数字を確認させてください。
○榎園防災対策担当部長 首都直下地震が発生した際、都内で約五百十七万人の帰宅困難者が発生し、うち企業や学校など、とどまる場所のない行き場のない帰宅困難者が九十二万人発生すると想定しています。
都では、平成二十五年に東京都帰宅困難者対策条例を施行し、行き場のない帰宅困難者が安全にとどまることができる一時滞在施設について、都立など公共施設の指定を初めとし、区市町村とも連携しながら、民間企業等の協力を得て確保を進めてまいりました。その結果、これまでに約三十七万人分を確保いたしました。
○宮瀬委員 ありがとうございます。
先ほど、ちょっとBCPのところで最初にいい忘れてしまったのですが、文句だけではなくて提案なんですが、大阪北部地震の教訓を受けまして、大阪府の方でも、大阪府が実施する入札業務において、入札企業のBCP、時間別BCPを策定している企業を加点評価するといった取り組みをしているそうでございます。
また、横浜市では、地域を意識した経営、地域ボランティアの活動など社会的事業に取り組んでいる企業を一定基準のもとに横浜型地域貢献企業として認定するといった、BCPの策定を一つの条件として普及を図っている自治体があるということでございますので、東京都も巨大な発注者の自治体でございますので、そういった財務局との連携を提案させていただきたいと思います。
今ご答弁がありました帰宅困難者対策への私の指摘でございますが、帰宅困難者が五百十七万人いて、そのうち行き場のない方が九十二万人いて、実際に三十七万人分の場所を確保できているといったことでありますが、この五百十七万人の中に、出勤時、例えば外出している営業さんとか、外出している人、出勤途中の人、退社途中の人は、その五百十七万人に入っていないということでございます。
基本は、企業の中、学校の中にとどまるというご指示でありますが、実際に、時間帯に応じては五百十七万人どころではないと思っております。
私なんかが思うに、普通、帰宅困難者になってしまったという人は、企業にお勤めの方で、その人たちが実際に帰れなくなって、会社の方からおうちまで歩いていく、そういった方が主な帰宅困難者だと思っていたんですけども、実際はその数は入っておらず、いわゆる買い物客や旅行者といいますか、そういった方の九十二万人の対応に終始されていると。これは、大きな数字上の盲点があるということを指摘せざるを得ないと思っております。
なので、帰宅困難者対策、出勤時、退出時、さまざまなパターン分けを細かく設定していただくことを改めて要望したいと思います。
それでも分母が九十二万人分必要で、そのうち三十七万人分確保で、大体四割でありますが、いつまでにどう達成するのか、どんな取り組みを行うのか、お伺いします。
○榎園防災対策担当部長 一時滞在施設については、平成二十五年度の確保開始以降、公共施設のみでは確保に限界もあることから、民間企業等の協力も得ながら、着実に確保を進めてまいりました。
民間施設の確保に向けては、これまで、一時滞在施設確保推進員の直接訪問による協力要請やアドバイザー派遣の実施、民間一時滞在施設の帰宅困難者向け備蓄品の配備費用の六分の五を補助する制度などを活用し、協力を求めてきたところでございます。
さらに、今年度からは、都が購入した備蓄品を民間一時滞在施設に配備することで民間企業等の負担をなくし、推進する事業を開始し、取り組みを加速しているところでございます。
今後も、区市町村と連携しながら、民間企業等からの一層の協力を得られるよう取り組んでまいります。
○宮瀬委員 ここは、引き続き数字を確認していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
さて、情報発信でございまして、全ての都内の島しょ地域のホームページを調べました。その際に、これは一年前に文書質問で提案したんですけども、九つ、島しょ地域の自治体がありまして、防災情報がない自治体が、事実上、九分の三、多言語対応されていない自治体が九分の五でございました。
つまり、大島ですとか八丈、青ヶ島等は、大変観光客が、外国人を含めて多い状況でございます。海外の人もしくは日本の旅行者がそういった島に行って、実際に災害のときにどうしようといったときに、防災情報そのものが載っていないわけであります。
また、外国人の方も、津波が来たときにどうしよう、そういったときに、どこにどう行けばいいのか、英語の対応、多言語対応がされていないといったことを指摘させていただきました。
あれから一年たちまして、実際どういう状況でしょうか、お伺いいたします。
○有金総合防災部長 島しょ町村のホームページにつきましては、観光情報や生活情報がメーンとなっている部分がありますが、大島町、三宅村、小笠原村など、当該自治体の地域防災計画やハザードマップを掲載し、また、外国語に対応している例もございます。防災情報は七町村で掲載し、外国語は四町村で対応しております。
また、東京都防災ホームページには、島しょ町村を初めとする区市町村のホームページにリンクするページを掲載し、都民が区市町村のホームページにたどり着きやすいものにするなどの工夫を行っております。
○宮瀬委員 今、数字が出ましたが、実際、前と同じ状況です。今、ホームページのリンクという話もありましたが、東京都側から区市町村のホームページに行くリンクはありますけども、区市町村、島しょ地域の九つの自治体のホームページから東京都の皆さんの方にリンクがございません。
すなわち、過去一年前にご提案し、改善していく旨の答弁は得ていましたが、一年たっても動きがないといったことは、遅いのではないでしょうか。改めて見解を求めます。
○有金総合防災部長 東京都におきましては、昨年度、防災ホームページの内容を刷新いたしまして、台風や集中豪雨、地震などの災害別の入り口を設け、より使いやすいものとするとともに、英語、中国語、韓国語など八つの言語に対応した自動翻訳を導入し、外国語での情報提供も充実させております。
こうした都の取り組みを島しょ町村にも積極的に周知するとともに、引き続き、防災に関する情報発信の技術的助言も行ってまいります。
○宮瀬委員 都のホームページのことは指摘しておりません。自治体の方のホームページのことをいっていますので、ぜひご答弁がありましたように、引き続きしっかりと、また数字を確認されると大変だと思いますので、やっていただきたいと思います。
次の数字でございますが、東京マイ・タイムラインといったことで……(実物を示す)この青い冊子でございますが、知事がよくマイタイムラインをつくりましたといっていますが、実際につくっても活用されなければ意味がないわけであります。
実際の今の活用率はどうなっているのか、活用率を上げるための取り組みはどうなっているのか、あわせてお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 東京マイ・タイムラインにつきましては、都内全ての小中学校、高等学校の児童生徒に対して、学校を通じて配布を行うとともに、区市町村等に対し配布を行っておりますが、その活用率は把握しておりません。
東京マイ・タイムラインの作成や活用を促進するための取り組みといたしまして、学校関係者に対し、その必要性などを丁寧に説明を行うとともに、教員が児童生徒に東京マイ・タイムラインを配布する際の説明に活用できる手引を作成しております。
また、区市町村等と連携いたしまして、マイタイムライン作成講座や、その作成を指導できる人材を育成する研修会を実施しております。
○宮瀬委員 活用率は把握していないと明確に答弁されまして、説明しているのは学校関係者、先生に対してですといったことでありますが、必要なのは、児童生徒に確実に説明することが本筋だと、皆さんにいうまでもありませんが、思っております。
なかなか、いろんな諸事情はあると思いますが、私からの提案は、例えば小中学校でのICTの授業があるでしょう、そのときに、確実に一こま、一時間、この青いマイタイムラインを使った授業をやっていただく。この中を見ますと、近くの避難所はどうとか、いろいろ書いてありますから、それをみんなでインターネットで調べて、自分の住んでいる地域の避難所をちゃんと書いてもらう。
この重要性を、つくりながら生徒に必ず--中学校三年のうちに、必ず一年生のときにやってもらう、もしくは二年生のときにやってもらう、そういったことでリーチが一〇〇%になるわけであります。
また、学校でやると家族での避難に展開していかないということであれば、このマイタイムラインの中に、しっかりと親子で確認をしたかどうかの判こを押してもらって、親と子でちゃんと見てきましたよ、先生といったものを確認すれば、少なくとも、親は子供から一回、その情報提供を受けるわけであります。
こういった仕組みを通じれば、全中学生、全小学生、全高校生等に一〇〇%のリーチで進むわけでありまして、年度が重なっていけば、このマイタイムラインが確実に広がっていくわけであります。そのことを提案させていただきます。
次に、情報の把握についてでございます。
これも、過去、提案、指摘させていただきましたが、東日本大震災の際に、東京消防庁と東京都の災対本部の方は、被害状況を把握するために、その共有を紙でやりとりしていたと聞いていますが、今回の災害はどういう対応だったのでしょうか、お伺いいたします。
○有金総合防災部長 今お話のあった件につきましては、地震により火災が発生した、そういったときに東京消防庁から火災情報等を入手する際の事例でございます。
今回の水害時には、この仕組みを使って情報共有をするという場合の利用はしておりません。
なお、本年八月以降、この件につきましては、電子データとして、USBメモリーを通じ災害情報システムに取り込むことができるようになっております。また、現在進めている災害情報システムの更新時には、オンラインでデータ連携ができる予定となっております。
○宮瀬委員 紙からUSBになったということでありますが、私、お伺いしたんです。一庁の九階の五十メートルの廊下を渡って、USBでとって、それをまた災対本部に持っていくといったことだったと聞いております。当然、同じ空間で瞬時に情報共有できるような体制を組んでいただきたい。令和三年に、今いったオンラインでのデータが連携できる予定という答弁がありました。令和三年だと聞いております。
しかし、これは火災のみで、水害に関しては、消防庁との連携を現在見込んでいないといったことでございます。火災も水害も消防庁と連携していただかないと、都民の命を守るという観点からは、せっかくこれはお金をつぎ込んでいるわけでありますから、お願いをしたいと思います。
次に、瞬時に震度情報を把握する取り組みについて、過去、提案させていただきました。
東京都が持つ地震計の百三十四倍--ちょっと数字は間違っているかもしれませんが--を持っているのが、東京ガスのガス管についている地震計でございます。
(パネルを示す)実際にどれぐらいの精度の地震計かといいますと、これは見せてもいいということだったので……。東京はたしか百三十四しかありません。都内全部での地震計が百三十四だったと。その十五倍の震度計がガス管にこうやってついていて、実際に東日本大震災のときには、こうやって震度が百メートル、二百メートルメッシュでわかったと。
都の震度計はどこにあったのですかということですが、このピンクで丸にしてあるところが都の震度計だそうでございます。
東京ガスのこういったガス管についている地震計、つまり、ガス漏れが地震で起きてしまうと、ガス爆発等のリスクがあるので、供給をとめるといった際に、こういった震度計が地下に埋設されているそうでございます。
この情報を手にすれば、都内の地震の精度が、百メートル、二百メートルメッシュで十分で即座にわかるといった代物で、実際に東日本の際には十分で把握できていたといったことでございます。
この提案をいたしまして、進捗をちょっと確認させていただければと思います。
○有金総合防災部長 昨年の七月になりますけれども、内閣府におきまして、防災科学技術研究所が開発中の、インフラ事業者が持つさまざまなデータを一元的に集約し、都道府県に情報提供を行います府省庁連携防災情報共有システム、SIP4Dと申しますけれども、これを西日本豪雨の対応で使用しております。
都におきましても、このシステムを活用して今後の災害対応に役立てるよう、今年度から東京都災害情報システムとのデータ連携を進める協議を開始しております。
○宮瀬委員 ご提案は東京都にということでありましたが、内閣府もその重要性を認識していただいて、インフラ事業者が持つさまざまなデータを管理する、そこに東京都もしっかりと連携していくといったことでございます。
今、災害が多く起きておりますので、この計画も少しおくれがちだと聞いておりますが、瞬時に十分で災害状況が、震度情報がすぐわかるということは、どこに救援活動を行えばいいのか、すぐわかるということで、横浜市はもう既にやってますので、ぜひ東京都でも早目の導入をお願いしたいと思います。
次に、SNSを活用した取り組みでありますが、先ほど質問がありましたので割愛をさせていただきますが、私の方では意見だけ申し上げます。
現在、百三十万人おります神戸市の方では、多くの市民が実際にAIを活用した被害状況がわかる仕組みを、今、実験運用しているとのことでございます。
それはどういうものかといいますと、特定の会社名を出すのはあれなんですが、LINEという会社がありまして、そこのシステムで、今ここの地域で水漏れしているよ、火災が起きているよといったものを、AIを通じて集計していく。当然、足りない状況、例えば死人はいますか、けが人はいますかということも自動で応答してくれる。その情報を集約して、瞬時に被害状況を把握できるような取り組みが、阪神・淡路大震災を経験した神戸で始まっているといったことでございますので、そういった活用も参考にしていただきたいと思っております。
次に、多くの委員からございました、防災行政無線が聞こえないという問題でございます。
私の方では、率直にどうこの問題に都が対応するのか、また、聴覚障害者や外国人、高齢者などの情報難民にも必要な災害情報を届ける必要があると思っておりますが、見解をお伺いします。
○有金総合防災部長 都内の区市町村では、防災行政無線に加えて、ホームページに災害情報等を掲載することや防災情報メールにより、聴覚障害者の方も含め、広く情報提供を行っております。
また、一部の自治体では、機械翻訳による多言語化対応により、外国人向けに情報提供も行っているところでございます。
また、電話の自動応答サービスにより、パソコンやスマートフォンの使用を苦手とする人たち向けの情報提供も行っていると確認をしております。
都におきましても、災害時に各区市町村が行っている取り組みをツイッターなどで発信するなど、周知に努めてまいります。
○宮瀬委員 これはご担当者に確認をしましたが、外国人の方に対してはウエブです、耳の聞こえない方に関しては、ウエブもしくはメールが有効ですと。
うちの母は、今、七十なんですけども、全くインターネットとかできないというウエブ環境にない方は、聞いたら、今ご答弁がありましたが、自動応答サービスがありますと。うちの母に聞いてみました。自動応答サービスがあるけど、知っているかと。七十年生きていて、一回も知らないといっておりまして、あのときに自動応答サービスがどれぐらい活用されたのかというのは、米倉議員からもございましたが、普通の人は知らなかったのではないかなと思います。
また、自治体のホームページに、もしくは皆さんのホームページに出しているといっても、肝心なときにつながらなかったと。サーバーが重くなっちゃって、実際にどうすればいいのかわからないといったことがございました。
各自治体のサーバーのアクセス向上は違う部署だと聞いていますので、質問は控えますが、ぜひ、孤立している高齢者の方、外国人の方も含めて多くいると思いますので、今の周知の方を徹底していただきたいと思っております。
次に、避難についてお伺いいたします。
阪神・淡路大震災の際は、熊本地震の際もそうでありましたが、死者の統計を年代別にとっていくと、二十代前後の方がとても多くいたと。それはどうしてかというと、私も大学の先生にお伺いしましたが、賃貸に住んでいて、大学生だと。大学生はお金がないので、安いアパートに住んでいる。しかし、そのアパートは、実際には、家賃が安い関係で耐震ができていない。旧耐震の建物であった場合は、そのことを不動産会社は告知しないといけない。
(パネルを示す)これは実際に同じものですが、耐震判断をしていますか、していませんかと、これは通告義務があるそうです、不動産屋さんが物件を貸すときに。そのときに、耐震がないときは、ないで終わりだそうでございます。つまり、旧耐震のものは、なしと書けばそれでいいんですと。実際に震度はどれぐらいまで耐えられるかということも、いう必要もない。
それではやっぱりよくない。リスクはあるけども家賃が安いよ、そのことをちゃんと情報がわかった上で、そういった賃貸アパートに住んでいただくのと、わからないで住んでいただく、そのことで命を落とすということは全く違うと思っております。
そういった中で、その部局は都市整備局なので控えますが、では、水害に関しては、ハザードマップ、水没地域、洪水想定区域図等ありますが、そういったものを、賃貸を貸し出している不動産屋さんを経由して、しっかりと借り手に説明することが大事だと思いますが、見解を伺います。
○古賀防災計画担当部長 不動産の浸水リスクに関する情報につきましては、現行の宅地建物取引業法においては、津波災害警戒区域を除いて重要事項説明の対象とされていないと所管局からは聞いておりますが、本年一月、国の「水防災意識社会」の再構築に向けた緊急行動計画の改定を受けまして、国及び都道府県が不動産関係業界と連携をして、不動産関係団体の研修会等の場において、水害リスクに関する情報の解説等を実施することとされております。
これを受けまして、住宅政策本部及び建設局におきましては、水害リスクに関する情報について、都内の宅地建物取引業者に対しまして、不動産業団体が開催するセミナー等で説明を行ったと聞いております。
○宮瀬委員 セミナー等で説明というだけでなく、先ほどの耐震基準、地震のときのように、水害もしっかりと重要告知義務事項に今後入れていただくような動きを国に対してとっていただきたいなと思っております。
一方で、水害に関して、これも地元、私は板橋でありますが、問題を感じたことがございました。
ハザードマップが……(パネルを示す)全然見えなくて恐縮ですが、何となく雰囲気がわかればいいんですけど、ここは荒川がありまして、これは区が出しているハザードマップでございます。ここの水色のところが最大五メートルから十メートル、水につかりますよと。
今回、板橋区が避難所ですといったところが、何とこの水害水没地域のど真ん中の高島三中といったところに逃げろという指示がありまして、うちの母が、この辺に住んでいるんですけども、水没するんじゃないのと。ふだん、これが告知されていて、何でこの中で逃げるんだと。しかも、これ、河川、荒川があれだけ報道であふれるかもしれないといっている中で、避難所がこんなところにあっていいわけがないと。
さすがに私も、避難所に行けば、学校だから、最悪、屋上の方に逃がしてくれるんじゃないかと。ただ、一階の体育館にいる人は、全部上に上がらなきゃいけないよね、その時間がこの距離であるかなといった問題意識がありました。
何がいいたいかというと、岡山県に行ったときも感じたんです。災害現場に行ったときに、避難所と書いてある--避難場所等、いろいろ表現があります。避難と書いてあるところの施設が水没をして、実際に岡山の真備町では人が命を落としております。こういった表記に関して、どうすればいいのかと。
これは、水害と火災、避難場所、避難所で、四事象、大きくあると思っていますが、東京都が地元地域で出している看板はどうかといいますと、こちらでございまして……(パネルを示す)この立て看板があって、ここは避難所ですと。これは先ほどの水没地域に立っているものです。火災なのか、水害なのか、何の避難場所の指定がなく、この辺に逃げろと書いてあるわけです。でも、ここは水没地域。
そこの下に板橋区の方が張り紙をして、この地域の避難所は高島三中と高島五中ですよ、ここは水没地域ですと。
つまり、都民の皆さんからすれば、火災と水害、避難場所、避難所の区別がつきにくいと。私たちでもいい間違えることが多くて、要は、火事なのか、水害なのか、避難所なのか、避難場所なのか、いっとき集合場所なのかと、大混乱をしているのではないかと思います。
今回、そういったことで亡くなる、浸水してしまうといったことはなかったと思いますが、見解を求めます。
○古賀防災計画担当部長 水害発生時における避難場所につきましては、区市町村長が、おのおのの地域防災計画等におきまして、地域の特性等を踏まえ定めるとともに、ハザードマップ等を作成し、その周知を図っております。
こうした中、平成二十五年の災害対策基本法の改正におきまして、切迫した災害の危険から逃れるための避難場所については、洪水や地震など異常な現象の種類ごとに、区市町村長は指定緊急避難場所として指定することとなりました。
現在、各自治体におきましては、法に基づく指定緊急避難場所の指定を順次進めているところでございます。
また、避難場所の表示につきましては、全国的に標準化された図記号が用いられることが望ましいことから、国の新たな図記号に関する検討を受けまして、日本産業規格、いわゆるJISにおいて、避難場所等に関する災害種別図記号が規定されております。
これを受けまして、都は、区市町村に対してこれらの周知を図るなど、引き続き区市町村の避難対策を支援してまいります。
○宮瀬委員 災害種別ごとの図形ということで、今、現物をお見せしましたけど、これはおととい撮ったものです。
じゃ、それはいつになるのかと。そのうちに今回みたいな災害が来ちゃったじゃないですかと。
また、区市町村に対して頑張っていきますよといったご答弁もありましたが、先ほどいった水害と火災、そして、避難所、避難場所と四事象ある中で、火災の避難場所に関しては、この都市整備局が出しているように、都の責任でやるわけじゃないですか。
つまり、四事象の中で、一翼の責任を持っているのは東京都ですよ。その一翼を担っていることで、逆に現場で混乱が起きかねないような状況になっているわけでありますから、主体性を持って取り組んでいただくよう要望いたします。
次に、学校や福祉施設、老人福祉施設とか学校が、いわゆる要配慮者利用施設と呼ばれておりまして、その避難計画の低さが問題かと私は思っております。
避難計画の策定率について、数字をお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 水防法では、社会福祉施設、学校、医療施設などの所有者または管理者に対しまして、お尋ねの避難計画の作成を義務づけておりまして、都では、同法を所管する建設局が作成状況を把握して、国に毎年報告をしております。
平成三十年三月末時点では、都内の対象施設二千七百七十一施設のうち、作成済みは四百六十施設、割合にすると一六・六%でございましたが、平成三十一年三月末時点では、三千三百四十七施設のうち、作成済みは七百九十九施設、割合は二三・九%となってございます。
○宮瀬委員 これは、二三・九というのが現実の数字でありますので、ぜひ上げていく取り組みをしていっていただきたいと思います。
一方で、今回の台風十九号の際に、要介護の方がどう避難するのかというのが大きなテーマでありました。
時間がないので、答弁を先に私の方でいってしまいますと、要介護の--答弁を先にというのも……。意見調整をした意見をここで代弁させていただきますと、要介護者の避難に関して、ふぐあいは今回生じなかったそうだと東京都は聞いていると聞いております。
そういった中で、ふぐあいは生じなかったといっても、実際に避難できなかった、つまり、ぐあいが悪いから避難所に行けなかったから、また、おうちにいて助かったから、ふぐあいが生じなかったのであって、本当は避難したかったけども、ぐあいが悪いから行けない、高齢者だから、ちょっと無理だと。
結局、うちの母も、余りうちの母の話は……。うちの母は、わかった、逃げろといったら、高島三中じゃ、遠くて行けないと。雨が降っていて。ちょっと高島三中がこんなに東京都の議事録に載っちゃうのも申しわけないんですけども、そういう身近な母もいるわけです。
多分それは、東京都の板橋区の小さな私の宮瀬家だけの話ではなくて、各所でそういったことが起きていたと思います。
避難が必要な要介護者の数と、実際に避難した人の要介護者の数、これもちょっと酷な質問かもしれませんが、分母と分子を教えてください。
○有金総合防災部長 台風第十九号における都内の避難者数、こちらの方は把握をしておりますが、お尋ねの要介護者数までは、都としては把握はしておりません。
○宮瀬委員 これ、わかっていないといったことでございます。ここは質問にあえてしませんが、八万人避難をされているということで、今後、その内訳を知るつもりがないのか、はたまた、今回はわからなかったけども、今後はわかっていきたいのか。これは難しい問題なので答弁は求めませんが、これだけ要介護の方がふえていく中で、じゃ、何人の方がそういう避難が必要でというのは出るかと思いますが、実際に避難した人がどうだったのか、その状況がどうで、その数がどうだったのかというのは、やはり私は把握しなきゃいけない問題だと思っておりますので、ここは要望させていただきます。
次に、数字でまた恐縮ですが、一問飛ばしまして、以前、浸水想定区域図、浸水で避難しなきゃいけませんよねといったときに、本会議でやったんですが、浸水地域の総避難数と、その避難する人たちを受け入れる収容可能な人数の対比、分母と分子を教えてくださいといった質問をさせていただいて、そのときはご答弁はございませんでした。
あれから一年たちまして、答弁を求めます。
○古賀防災計画担当部長 当時のご質問の対象地域は、現在、広域避難検討会を開催しております対象となっております東部低地帯というふうに考えておりまして、その東部低地帯において大規模水害が発生した場合、都内で想定される広域避難者数は、東部低地帯を中心に約二百五十五万人に及びまして、そのうち都内において広域避難先として受け入れが期待できる容量は、最大でも約九十万人程度であると考えております。
○宮瀬委員 二百五十五万人分の九十万人と。これは数字を出していただきまして、大変難しい問題だと十分認識しておりますので、これは埋めていく努力をお互いにしていきたいと思います。
ただ、今回の災害で、江東区や大田区などでは避難者があふれてしまった避難所があったと聞いております。
今回、人があふれた避難所はどれぐらいで、どれほどだったのか、お伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 台風第十九号におきまして、満員となった避難所の数につきましては、現時点では把握をしておりません。
○宮瀬委員 なかなか把握されないといった、これはやはり問題だと思います。あふれちゃったのであれば、そこの地域はキャパをふやさなきゃいけないと思います。これは重ねて要望いたします。
時間もそろそろなのでありますが、じゃ、提言なんですけども、逃げる場所に限りがあって、実際にどうしていくのかと。
足立区の方では、垂直避難に向けて警視庁が、綾瀬警察署でございますが……(パネルを示す)こういった命を守るクイック退避建物ということで、このステッカーが張ってあるビルは上に逃げていいですよと。すばらしい取り組みを、足立区の綾瀬署、警視庁のマークがありますので、足立区の中でやっているんだと思います。
こういった取り組みを都内全域に広げていく、このマークを広げていくということが大事だと思いますが、見解を求めます。
○古賀防災計画担当部長 浸水するおそれがある地域においては、浸水を免れる場所へ避難することが原則でございますが、時間的な猶予がない場合は、高い建物へ緊急的に垂直避難する必要がございます。そのためには、民間施設も含め、避難場所を確保しておくことが必要でございます。
今後も、都民がみずからの命を守るために必要な手法につきまして、他の自治体の事例も参考にしながら、区市町村への周知を図ってまいります。
○宮瀬委員 ぜひお願いをいたします。
もう時間ですので、まだ質問はあったのですが、最後の質問にしたいと思いますが、今回いろいろ質疑をさせていただいて、数字の確認、また取り組みの確認、正直、不十分なものもあったかと思います。
この短期間では、改善策をなかなか出せないところもあると思いますが、局長は、こういったやりとりの答弁を拝見されて、率直にどう思われたのか。また、今後、水害が激甚化していく中で、トータルで見直していかなきゃいけないと思っておりますが、そのことを最後にお伺いし、質問を終わります。
○遠藤総務局長 今、宮瀬委員から、さまざまなご質問、また、ご提言もいただきました。
先ほども木村委員のご質問に対してご答弁もさせていただきましたが、台風被害、これまでになく、温暖化の影響といわれていますけども、激甚化をしている状況にございます。ことし、たまたま三つの台風が連続して起きて、さまざまな被害があったということが、またこの後、あるいは、また来年起こらないとは限らない。むしろ起こる可能性が高いというふうに考えております。
個別にお話をいただいた事項につきましては、部長がそれぞれご答弁させていただいたとおりでございますけれども、今回の台風被害、風水害を教訓として、さまざまな事項を検証しながら、次の地域防災計画の風水害編の修正に間に合わせるなど、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○山内委員 質問させていただきます。
台風十九号が関東を直撃した十月十二日、台東区の避難所で、路上生活者、いわゆるホームレスの人が受け入れを断られたという報道がありました。
直ちに命を守る行動をとってください、安全な場所に避難してくださいと、自主避難及び自助、共助の呼びかけが繰り返し流される中、避難所にたどり着いたホームレスを行政が締め出したことに多くの非難が集まりました。
一方、東京都の施設については、都立一時滞在施設である東京文化会館を開設したと聞いております。東京文化会館を開設した理由についてお伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 今月十二日、台東区は、台風第十九号の接近に伴う各公共交通機関の計画運休予定を受け、日本にふなれな外国人観光客が区内の観光拠点等に滞留することが予想されるとして、浅草と上野に外国人観光客向けの緊急滞在施設を開設することとし、浅草については、区の施設である浅草文化観光センターを開設いたしました。
上野につきましては、台東区より都立施設の活用について要請がございまして、都としても必要性があると判断し、関係局と緊急に調整を図り、開設したものでございます。
○山内委員 上野については、台東区から、十一日の夜に要請があったというふうに伺っております。
台東区が避難を拒否した理由について、区民ではないというような報道がございました。緊急に避難する際に、住所の記入が必要となるのでしょうか。
帰宅困難者対策に住所要件はあるのか、お伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 東京都帰宅困難者対策条例では、大規模災害が発生したことに伴い、公共交通機関が運行を停止し、当分の間、復旧の見通しがない場合において、徒歩により容易に帰宅することが困難な者を帰宅困難者と位置づけてございます。そのため、帰宅困難者対策において、住所要件は含まれてございません。
なお、都立一時滞在施設では、滞在者の安否確認への使用を想定しまして、入館時に記載する滞在者カードに住所記載欄を設けてございます。
○山内委員 路上生活者に対してはどのような対応になっているのか、お伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 東京都帰宅困難者対策条例では、住所要件や個人の生活状況等についての条件は設けてございません。
○山内委員 台東区は、外国人観光客に対しては、緊急滞在施設の開設を東京都に要請いたしました。
その一方で、ホームレスの人の避難は拒否したとの報道があり、行政が命の選別をすることは許されないという指摘がされています。避難や支援を求めてきた人を行政が拒むということは、あってはなりません。
大田区の超大型台風接近に伴う事前対策や避難行動のタイムラインには、ホームレス避難対策が位置づけられています。
福祉保健局では、毎年、路上生活者の概数調査をしています。実態把握はしているということだと思うんです。
災害弱者として位置づけて、関係局と連携をとり、避難対策に取り組むよう要望いたします。
また、今回の質問の趣旨とは違うんですが、帰宅困難者対策の施設滞在者カード、先ほどご答弁いただきました滞在者カードですかね、そこには住所欄があります。避難所管理のためであり、入所を判断するものではないということですが、ここに欄があるということは、ちゅうちょするということもあるんだろうと思います。
ここには、そのところには、家族等からの安否確認を容易にするために、安否確認ポータルサイトを通じて検索することが可能な状態になるということをあらかじめご容赦くださいという文言があったりします。
DV被害者の場合、配慮が必要になってくると思いますが、そうした方に対する慎重な対応が必要だと思っておりまして、この施設滞在者カードには、管理者に伝えおくべきこととか、特別の支援が必要な場合には書くように欄があるんですが、緊急のときには混乱を招きやすいと思います。
こうした配慮が必要な方の情報を、きちんと守らなくてはいけない方々に対する情報共有を慎重に対応していただけるよう要望しておきます。
次に、災害弱者としての高齢者、障害者等の移動についてお伺いしたいと思います。
東日本大震災の際に高齢者や障害者が避難するとき、リヤカーを使って避難場所にたどり着けたとか、あるいは、車椅子を押して避難所を目指したけど、たどり着けなかったというような報告がありました。自助、共助というならば、速やかな避難ができる情報提供をすることが求められていると思います。
二〇一五年に行われた東京都・立川市合同総合防災訓練で、車椅子を押すのではなく、使っている車椅子に装着して、リヤカーのように引くことができる車椅子の緊急避難装置、JINRIKIというのを紹介しているブースがありました。
ちょっと小さくて済みませんが……(資料を示す)こういう、使っていらっしゃる車椅子に装着をできる、こういった装置なんですけども、これが紹介されておりまして、私も試してみたんですが、段差も、車椅子を押すよりは、はるかに力が要らずに楽でした。今でもそのことを覚えています。
この機材に限らずに、東京都は、さまざまなアイデアの情報を共有したり、提供したり、防災訓練の際に活用したりすることで自助、共助を進めていくことが重要ではないかと考えています。
水害発生時における要配慮者への速やかな避難を促すためにどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 台風等の風水害は、発生し得る時期や場所などがおおむね予測できるため、事前の適切な避難行動が被害の程度を大きく左右いたします。
都は、災害時要援護者への災害対策推進のための指針に基づきまして、避難行動要支援者の把握、名簿の整備などについて、引き続き区市町村を支援してまいります。
また、要配慮者も含めた地域の住民同士が協力して早期に避難できるよう、行動計画を記した東京マイ・タイムラインの作成を一層促してまいります。
さらに、防災ホームページや防災ブックなど、さまざまな媒体を活用した啓発にも取り組み、水害からの逃げおくれをなくしていきたいと考えております。
○山内委員 台風十九号の直撃の際、首都圏では、避難所が満員となるために避難できなかった実態がありました。また、避難所の中には、浸水する場所にあって、適切ではないために開設できずに、結果的に避難所が不足した自治体もありました。
水害対策ができているのか、耐震対策ができているのか、判別ができないというような課題があったのではないかと思います。
避難所の不足の解消には、近隣県との広域避難や自治体間避難とともに、東京都と市区町村の連携が必要であることが改めて明らかになったと考えています。
そこで、市区町村から避難所として都有施設を活用したいという要望があった場合、どのように対応するのか、お伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 今回の台風第十九号の対応におきまして、自治体からの要請により、都立学校のうち二十一校を避難所として開放したほか、世田谷市場におきましても、避難を希望する近隣住民等を受け入れております。
今後も、住民の安全・安心確保のため、施設管理者の判断のもと、可能な限り要請に応えてまいります。
○山内委員 首都直下地震については、対策も進みつつありますけども、改めて豪雨対策の強化というのが必要だということを感じました。
答弁の中に、来年の早い時期ですかね、地域防災計画の風水害編も修正をする、見直すというようなご答弁があったと思いますが、来年の早い時期でしたか……(「五月です」と呼ぶ者あり)五月ですか。ぜひとも風水害対策も充実していただけるよう、よろしくお願いします。
障害者雇用についてお伺いしたいと思います。
障害者雇用の推進が求められている中、都は、二〇一八年度四月採用から障害種別を広げて、身体障害者だけでなく、知的障害者、精神障害者も対象として、これまで二度の選考、採用を実施してきました。現在、選考中であるというふうにも聞いております。
これまでの二年間について、合格者の障害種別人数と採用者数についてお伺いいたします。
また、障害者Ⅲ類、高卒程度選考以外の、常勤職で障害のある人を対象とした選考があるというふうに伺いましたが、それについて教えていただきたいと思います。
○山口人事部長 障害者Ⅲ類選考につきましては、平成二十九年度から、従来の身体障害に加えまして、精神障害及び知的障害にも対象を拡大しております。
実績につきまして、平成二十九年度の選考では、合格者数は全体で三十五名でありまして、そのうち精神障害が二十三名、身体障害が十二名でございます。なお、採用者数は三十二名でございます。
平成三十年度選考では、合格者数は全体で四十名でありまして、そのうち精神障害が二十四名、身体障害が十六名でございます。なお、採用者数は三十二名でございます。
また、障害者Ⅲ類選考以外の選考では、Ⅰ類B採用試験の福祉Cの区分がございまして、点字による出題に対応できる方を受験資格といたしまして、実際に採用の実績もございます。
○山内委員 今年度は、合格したけれども、採用に至らなかった人が八人いると伺っております。さまざまな障害者が働ける職場として、誰からも魅力的で働きやすいと思ってもらうようにしてほしいと思います。
また、採用の対象を広げましたが、知的障害の合格者が二回ともゼロだったということは、手続を初め、試験が難しく、ハードルが高いものになっているということではないでしょうか。
目の見えない人は、福祉Cのように点字による受験資格で採用されております。障害特性に合わせた試験や採用後の配慮をさらに広げるべきです。
知的障害者への配慮は、採用試験そのものを変えることや、仕事の切り出し、職場のコミュニケーションなど、多くの工夫が必要と考えます。
障害者Ⅲ類の拡大によって、職員として働く障害者がふえることを期待しているところです。
直近で都が雇用している障害者の数及び雇用率の状況についてお伺いいたします。
○山口人事部長 平成三十年六月時点での知事部局の障害者雇用率算定におけます障害者の数は七百二十五・五人でございます。
また、障害者雇用率の分母となります職員数につきましては二万六千三百三十五・五人でございます。
これらの結果、平成三十年の障害者雇用率は二・七五%となっております。
これまでも積極的に障害者雇用の促進を図ってきておりまして、近年では、雇用数や雇用率は着実に増加しております。
○山内委員 東京都は、雇用率三%を目標にしています。しかし、募集定員を毎年ふやしているわけではありません。三%達成の年次目標を持って進めていただきたいと思います。
障害種別を広げたことは、人数の拡大だけではなく、さまざまな障害のある方を受け入れることへの歩みと捉えることができます。
障害者Ⅲ類の障害種別を拡大したことによって、どのような効果があったのか、お伺いいたします。
○山口人事部長 障害のある方々が、その能力や適性に応じて働くことができるよう、都が率先して取り組むことは重要でございます。
そうした中、平成二十九年度の選考から精神障害及び知的障害にも対象を拡大しまして、障害者雇用の門戸をさらに広げております。
障害者Ⅲ類選考の申込者が、対象を拡大する前の平成二十八年度が九十五名、拡大した平成二十九年度が三百九十九名と約四倍となっておりまして、就労意欲のあるさまざまな障害のある方々に就労機会を拡大することができたと考えております。
また、さまざまな障害のある職員を雇用することで、障害特性に応じたきめ細かな受け入れ環境の整備が進みまして、障害のある職員とともに働く職場づくりを推進しております。
○山内委員 障害のある人が働く上での配慮はどのようにしているのでしょうか。
例えば勤務時間などの配慮が必要になると考えますが、見解をお伺いいたします。
○山口人事部長 障害のある職員の配属に当たりましては、本人の関心ある事業分野や障害特性、配慮事項などを把握するため、合格後に職員本人と面談を実施しております。
職場での合理的配慮は、通勤時間の配慮、作業手順や優先順位を紙で伝える、また、窓口の声が聞こえない席に移動するなど、配置、担当業務、業務の進め方の各段階で障害特性を踏まえた対応を実施しております。
勤務時間につきましては、常勤職員として、原則、週三十八時間四十五分、一日七時間四十五分となっております。
また、障害の有無にかかわらず、本庁職員につきましてはフレックスを活用することができまして、みずからの事情に応じて、柔軟に時間を調整しながら働くことができております。
○山内委員 精神障害の場合に、特に出勤時間や長く働くことで体調を崩しやすい人もいます。現在のところは勤務時間数が決まっていて、フレックスの活用で時間帯を変えることができるということですが、今後は、労働の時間や日数などについても検討が必要になるのではないでしょうか。
例えば、障害者何人かが交代で仕事を担うなどの方法があります。正規職員として働く短時間公務員の制度を創出するべきだと考えております。
障害者が職場で仕事を続けていくためには、採用後の継続的な定着支援が必要不可欠です。私はかねてから、相談を受けるとともに、所属部署など都の調整を図るコーディネーターを配置するように提案してまいりました。
相談体制の整備など、サポート体制が重要と考えますが、どのような定着支援を行っているのか、お伺いいたします。
○山口人事部長 障害者の雇用に当たりましては、個々の障害特性等を把握した上で配属先を決定しますほか、受け入れ職場の職員が、障害のある職員一人一人に対し適切な支援を行えますよう、障害特性や必要な配慮について理解を深めることも重要でございます。
総務局では、各職場の取り組みをまとめました合理的配慮の提供に関する事例集を作成しまして、各局へ周知を行いますとともに、障害のある職員が配属された職場におきまして、一緒に働き、サポートを行う職員などを対象に研修を実施しております。
相談体制につきましては、職員に身近な各所属の管理職を相談窓口に指定しておりまして、定期的に面談も実施することで、本人の障害の症状や悩みを把握しております。
あわせて、各所属だけでは対応が困難な場合は、各部、事業所の人事担当者があわせて相談に応じる体制も整えております。
さらには、本人や所属が、直接、精神保健の専門家のアドバイスを受けられる体制も整備しております。
こうした取り組みを丁寧に継続しながら、障害のある職員が安心して働き続けることができる職場環境を整えるよう、検証と改善を積み重ね、障害者雇用の促進に努めてまいります。
○山内委員 同じ職場でともに働くことによって相互理解が進み、多様な人それぞれが力を発揮することができます。また、仕事の幅を広げることもできるかと思います。多様性を認め合う東京をつくる上でも重要なことです。
それを実現するためには、さまざまな配慮、支援が必要です。検証と改善を積み重ねるということでございましたけれども、着実な実践とあわせて、制度改革についても進めていっていただきたいと思います。
そして、総務局の方にお願いなんですが、障害に限らず、働く環境を整えるという意味では、ユニバーサルデザインということが今非常に課題となってきています。視覚特性の方のカラーユニバーサルデザインや、活字についてもユニバーサルフォントというのがございまして、そういった活用についてもぜひ取り組んでいただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。
○本橋委員 よろしくお願いいたします。
先ほど質疑で出てきましたけども、私の方からも、首都大学東京についてお願いいたします。
さて、首都大学東京は、来年四月に東京都立大学へと名称を変更いたします。私はもちろん、都民ファーストの会東京都議団は、名称変更を単なる看板のかけかえに終わらせてはならないと考えております。
首都大から都立大へと名称が変わり、東京都が設置する唯一の総合大学であるということを都民もまた注目しているこの機会に、現在、大学が抱えております課題に正面から向き合い、解決していくことが重要であると考えております。
このような観点から、私は、五点ほど質問させていただくのと、最後にちょっと要望もさせていただきたいと思います。
まずは、首都大学東京はどのような問題認識で名称変更を行うこととしたのかという点について、改めてお伺いいたします。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 首都大学東京は、開学以来、社会の変容に応じて活躍できる人材の育成や多彩な研究の推進に取り組んでおり、各種広報誌やシンポジウムなどを通じて、教育研究の成果を広く社会に発信し、認知度の向上に努めてまいりました。
しかしながら、昨年度、都政改革の一環で行いました見える化改革の報告書におきまして、調査結果などから、本来、大学が持つ教育研究水準に対し、大学認知度やブランド力が十分とはいえないということが明らかになりました。
昨年七月の都政改革本部会議におきましても、大学のブランディング戦略や、都が設置する大学としてのプレゼンス向上に向けた都との一層の連携などに関する議論がございました。
こうした議論を踏まえ、法人として認知度の向上などにスピード感を持って取り組むこととし、法人の経営に関する最重要事項の審議を行う経営審議会等におきまして検討を重ねた結果、大学の名称を変更することといたしました。
○本橋委員 ただいまのご答弁を受けまして、見える化改革の分析、検討に基づく議論が名称変更の契機となっていることが改めて認識できました。
もっとも、今回の名称変更によりまして、もとの東京都立大学へ戻ると認識している方もいると思われます。マスコミ報道でも、復活と表現しているものが見受けられたところであります。
首都大学東京は、東京都立大学を含む四つの大学が再編統合し、平成十七年四月に誕生した大学でありまして、今回の名称変更は、もとの東京都立大学へ戻すということではないと私は理解しております。
そこで、念のために確認したい点がございますが、それは、今回の名称変更には、かつての東京都立大学に回帰するという意図があるのかどうかという点について伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 今回の名称変更は、都立の大学であるということを都民の方にわかりやすく発信し、教育研究の成果を都民及び都政に還元していくという大学の存在意義をこれまで以上に明確にしていくことを目的に行ったものでございます。
したがいまして、かつての東京都立大学へ戻るわけではなく、また、首都大学東京としての歩みを否定するものではございません。
今後は、新たな東京都立大学として、認知度、ブランド力の向上、都との連携事業の拡充を図るとともに、海外の著名な大学の水準を目指しまして、教育研究の高度化を図ってまいります。
○本橋委員 今回の名称変更が、かつての東京都立大学に戻ることではないということは確認させていただきました。ぜひとも、新たな東京都立大学として、今まで以上に教育や研究、そして、社会貢献になお一層磨きをかけていただきたいと思います。また、そのようにマスコミにも取り上げられますよう、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
さて、見える化改革の報告書では、首都大の課題としまして、情報発信や国際化、そして、シニア層の学習ニーズへの対応が取り上げられています。
ブランディング戦略という話もありましたが、都立の大学であることのみをブランドとするのではなく、見える化改革でも挙げられました課題をしっかり解決していくことでブランド力を高めていくことが重要だと思います。
そこでまず、情報発信について質問させていただきます。
ご答弁にもありましたように、これまでも大学の教育研究成果の情報発信それ自体は行われているものと認識しています。
一方で、大学の認知度をさらに高めていくためには、この情報発信を戦略的に行っていくことが必要と考えますが、この点、ご見解を伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 これまで以上に大学の認知度を高めてまいりますためには、ターゲットに応じた効果的な情報発信を行うことが重要でございます。
そのため、今年度から、広報の専門家などの知見も踏まえ、社会人向けにはターゲティングメールの送付、受験生、若者向けにはウエブ広告やSNS、動画を活用するなど、戦略的な広報を展開しております。
こうした取り組みなどによりまして、本年九月、動画投稿サイトに公開をいたしました名称変更のPR動画につきましては、一カ月で視聴回数が十万回を超えるなど、広報効果が着実にあらわれてきております。
今後も、大学祭や入試、名称変更の直前など、さまざまな機会を捉えまして、ターゲットに応じた情報発信の取り組みを加速させることで、認知度の向上に努めてまいります。
○本橋委員 今年度から、広報の専門家のアドバイスを得ながら、ターゲットに応じて広報媒体を使い分けているとのことであります。名称変更を好機と捉え、このような取り組みを加速させることで、さまざまなステークホルダーに対して情報発信をしてほしいと思います。
次に、国際化の取り組みについて質問いたします。
今日、社会、経済、文化など、さまざまな分野で国際化、グローバル化が著しく進んでおります。もはや日本だけで物事を考える時代ではないと思われますし、それは大学における教育研究の分野でも同様でしょう。首都大がより一層都政に貢献していくためにも、国際化は避けて通れません。
先日の知事会見でも紹介がありましたが、首都大では、国際化の取り組みの一環として、五大陸国際学生シンポジウムを開催するとのことであります。世界各国から学生たちが集まると聞いており、私も大変注目しておるところであります。
そこで、五大陸国際学生シンポジウムについてですが、その目的と内容、また、今後にどうつなげていくのかという点についてお伺いいたします。
○藤原調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 首都大学東京では、来月、海外の学生との交流を通じて東京二〇二〇大会の機運醸成を図るため、オリンピックシンボルにちなみ、五大陸の名を冠した国際学生シンポジウムを三日間にわたって開催いたします。
グローバルシティが拓くものをテーマに、都市課題の解決や、東京二〇二〇大会のレガシーをつくり上げる取り組み等について、首都大学東京の学生と海外からの招待学生が議論するほか、相互交流の機会も設けておりまして、現時点で、二十四の国と一つの地域、八十五大学から約百五十名の外国人学生が参加をする予定でございます。
このシンポジウムを通じまして、国際交流を一層進めるとともに、首都大学東京の国際的プレゼンスの向上を図ることにより、海外留学生の受け入れ拡大や首都大の学生の留学の促進など、さらなる国際化に向けた契機としてまいります。
○本橋委員 先の見通せない時代ともいえます今日、学生こそ積極的に海外で学び、経験してほしいと思っております。世界中から未来を担う若者たちが集い、議論し、交流を深めるこのイベントは、首都大の国際化の幅を広げるためのすばらしい取り組みだと思います。多くの学生が海外留学を目指し、また、来日してくれた海外の学生が首都大に興味を持つきっかけとなるよう、このシンポジウムの成功を期待しております。
一方で、このシンポジウムのような海外の学生とのつながりをふやしていく取り組みも大事ではありますが、大学の教育研究の質を一層向上させるためには、大学間のつながりを強固なものにしていくことも重要だと思います。
首都大のさらなる国際化に資する海外大学とのネットワーク強化を積極的に進めていくべきと考えますが、この点についてのご見解を伺います。
○久保田企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 社会経済のグローバル化が急速に進展する中、首都大学東京の教育研究水準をより高めていくためには、世界の大学との連携や共同研究に向けたネットワークの強化が欠かせません。
これまで首都大学東京では、さまざまな海外の大学と国際交流協定を締結いたしまして、学生交換や教員個々人のネットワークを生かした研究交流などに取り組んでまいりました。
こうした中、海外大学とのさらなる連携強化を図るため、首都大学東京の教育研究におきまして重要なパートナーとなり得る海外協定大学を交流重点校として指定する仕組みを平成二十九年度から導入しております。
今後、交流重点校との研究交流分野の拡大や共同学位の推進など、研究と教育の好循環を促進する取り組みを進めますことで、首都大の教育研究の質を飛躍的に高めてまいります。
○本橋委員 海外大学とのネットワーク構築にもしっかり取り組んでくれるという、そういったご答弁でした。
世界中で今後より一層厳しくなる大学間競争に勝ち抜くためには、首都大はこれまで以上に国際化を進めていかなくてはならないと考えます。日本においても、海外においても、首都大のプレゼンスが向上するよう、取り組みを進めていただきたいです。
次に、三つ目の課題でありますシニア層の学習ニーズへの対応につきましては、本年四月に開講したプレミアム・カレッジが特徴的な取り組みだと認識しております。
この取り組みについては、知事もさまざまなところで情報発信しており、また、さきの第三回定例会総務委員会におきまして、我が会派の増田一郎議員が質問しましたので、きょうのところは質問いたしませんが、多くの都民が注目している取り組みであり、来年度の生徒募集を行っていると聞いていますので、ぜひとも積極的な情報発信をお願いしたいと思います。
そこで、最後に要望をしておきたいと思います。
ことし八月に発表されました未来の東京への論点を見ますと、都民生活に広く最先端技術が浸透し、世界で最も便利で生活満足度の高い都市を初め、二〇四〇年代を想定した目指すべき未来の東京の姿が野心的に示されております。
これほど高い目標であればこそ、その達成には、行政の取り組みはもちろん、それを下支えする民間との協働に加え、大学が持つ教育研究力が肝となってまいります。
世界に目を向ければ、海外の著名な大学は、一流大学の人気講師の授業をオンラインで受けられるサービス、オンライン教育をこぞって導入しております。
また、研究力を高めるため、莫大な研究費を用意した上でトップクラスの研究者を招聘するなど、投資すべきところはしっかりと投資をしております。
一方で、これまで科学技術立国日本を支えてきた国内の大学の地盤沈下は著しいということができます。それは、国の財政難を理由に、研究費を初めとした大学運営費が大きく削られていることなどが主な要因ということができます。
持続的に成長を続ける未来の東京をつくっていくためには、必要な投資を大胆に行っていくことが欠かせません。とりわけ教育研究機能を持つ都立大学への投資を、東京都は惜しんではなりません。
折しも、先般、知事が掲げましたTOKYO Data Highway基本戦略には、都立大学に5G環境を整備し、大学をアップデートするともありました。
このような環境整備を初め、世界水準の研究者の確保や育成、潤沢な研究費の確保、ソサエティー五・〇を牽引する人材の輩出などに対して積極投資を行うなど、未来の東京の実現を支える都立大学となれるよう、本腰を入れて取り組んでいってもらいたい、このことを強く要望し、私の質問を終わります。
○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
午後六時休憩
午後六時二十九分開議
○早坂委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言をお願いいたします。
○谷村委員 では、初めに事務事業質疑をさせていただきまして、後半、報告事項に対して質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、消防団活動に対する東京都の支援について質問をさせていただきます。
台風十五号、また第十九号への対応では、消防署員の皆さんとともに、都内各地の消防団員も多数出動あるいは多数待機をされ、この応急対策に従事をされました。火災はもとより、いつ発生してもおかしくない首都直下地震への備えや、激甚化する風水害や土砂災害への対応など、地域に根差し、即時対応力がある消防団への期待はより一層高まっております。
一方、消防団の装備に関しては、特別区と多摩・島しょ地域とで管理形態が異なることから、配備の状況について、長年、大きな違い、大きな格差がありました。
このことに対して、私ども公明党は、市町村総合交付金の政策連携枠を活用した市町村消防団の装備品の充実を強く求め、そして、平成三十年、昨年になりますが、第一回定例会における公明党の代表質問に対して、小池知事の答弁を機に、多摩・島しょ地域の消防団の装備については、特別区の消防団を基準とし、装備の拡充を支援していくことになったわけであります。
そこでまず、昨年度、初年度になりますが、市町村総合交付金政策連携枠を活用して行われた多摩・島しょ地域の消防団の装備の整備状況についてお伺いします。
○有金総合防災部長 市町村総合交付金政策連携枠を活用して多摩・島しょ地域の消防団に配備された装備の状況でございますが、各市町村では、活動服や雨がっぱ、雨衣等の被服や、消火用ホース等の消火用資器材を中心に配備が進んでおります。
平成三十年度におけます目標配備数に対する配備率を年度当初と年度末とで比較した場合、例えば、薄手の活動服が三・二%増の八八・三%、雨衣が七・九%増の八八・六%、消火用ホースが三・九%増の九二・五%となっております。
また、装備の新規配備に加えて、これまで耐用年数を超えて使用していたものや、老朽化した装備等の更新も進んでおります。
○谷村委員 これは、政策連携枠で消防団の装備拡充で、幾ら平成三十年度は使われたかというところまでは出ない……。 出ますか。ありがとうございます。
○佐藤行政部長 政策連携枠として消防団の金額ですけども、二・四億円を支出しております。
○谷村委員 ありがとうございます。
初年度として大きくスタートしていただいたわけですけれども、この二・四億円、二億四千万を投入していただいてなお、活動服や雨衣等の被服や、消火用ホース等の消火用資器材が中心の配備であった。それから、活動服、薄手のが三・二%ふえて、いまだ八八・三%、雨衣については七・九%ふえて八八・六%、消火用ホースが三・九%増の九二・五%と。
この装備の新規配備に加えて、これまで耐用年数を超えて使用していたものや、老朽化した装備等の更新がこの初年度であったという、それぐらい基本的な装備の不足を埋めたような状況であります。
市町村の消防団装備が特別区消防団の装備と同じになるには、まだまだ同じ土俵にすら乗っていないという感じだということがよくわかりました。
従前、特別区消防団の装備は、数の充実、すなわち配備率の向上はもとより、質の確保、すなわち装備品の更新が着実に進められているのに対し、市町村消防団では、古く、安全性が十分に確保されないような装備が多く見受けられたわけであります。配備率の改善は引き続き課題であり、今後も装備の更新が進むよう、しっかりと支援していただきたいと思います。
公明党の推進で、市町村総合交付金の政策連携枠の導入の対象にこの消防団の装備が対象となった、これは、ある意味で政治決着として、私ども踏み込ませていただいた結果であると思っております。
市町村の消防団の装備は市町村の責任のもとで行われるべきものと、長年、この総務委員会で取り上げる、あるいは、取り上げる前に調整しても、そういう主張がずっと続いてきたわけでありますけれども、市町村の消防団装備が特別区消防団の装備と異なっていては、首都東京の安全を守ることはできないということだと思います。
市町村消防団における被服や消火用資器材の配備を総合防災部の責任で--これは長年の要望のツケが回ったと思っております。どんどん進めていただきたいと思いますが、決意をお伺いしたいと思います。どなたでも……。
○有金総合防災部長 ただいま申し上げたとおり、初年度でございますけれども、我々の方からも各市町村の防災担当の方にお話をしまして、できるだけ、この制度を使って更新をしていっていただきたいというお話もしてまいりました。
一方で、なかなか、市町村ごとにそれぞれの事情があって、今回は更新が中心だ、今回は新規のものが中心だと、いろんなところがございました。
ただ、一応、基準といたしまして、特別区の基準をこちらからも示してございますので、できるだけそれに近づくように、我々の方としても、市町村の方に対しまして話しかけていきたいと思っております。
○谷村委員 ありがとうございます。
今までも何もされていなかったわけではなくきたと思っておりますけれども、二十三区の消防団、特別区の消防団ではここまで装備があるんですよという情報を仮に提供しても、その財源がなかったということは事実でありますし、今回、その二億四千万という政策連携枠の予算があって、情報提供しても、その意味もあり、効果もある第一歩だと思います。
ぜひ引き続きお願いをしたいと思いますが、特別区消防団では、今年度に入ってからも、水災時に役立つフローティングストレーナーの新たな装備の配備が進められております。
これは、可搬ポンプとの組み合わせで、排水をするときに威力を発揮するというものですけれども、特別区消防団では、本年度、こうした配備が進められているようですけれども、それらの多摩・島しょ地域の消防団の配備状況についてお伺いをいたします。
○有金総合防災部長 特別区の消防団では、本年度、主に水災用に用いる装備として、各団にフローティングストレーナーを配備するとともに、各分団にフロートロープと強力ライトを配備する予定と聞いております。
一方、これらの装備に係る多摩・島しょ地域の消防団の配備状況を見ると、フロートロープを配備している団はございません。フローティングストレーナーと強力ライトの配備率は、おのおの一割程度にとどまってございます。
○谷村委員 今回の台風十五号あるいは十九号による被害を見るまでもなく、消防団の皆様、火災のみならず、豪雨による浸水被害などから地域住民を守っていくという大変重要な存在であります。多摩・島しょ地域の消防団の水災に対する装備はまだまだであると思います。
そこで、多摩・島しょ地域の消防団において水災に対する装備を充実させるために、総合防災部として全力で取り組んでいただきたいと思いますが、見解を求めます。
○有金総合防災部長 災害時に一人でも多くの命を救うためには、地元を熟知し、豊富な活動経験を有する消防団員が十分な救助活動ができるよう、さまざまな災害を想定し、必要な装備を配備していくことが必要でございます。
都は、市町村に対しまして、市町村総合交付金の政策連携枠を活用した多摩・島しょ地域の消防団への装備の配備を促しており、今年度は、特別区消防団の装備に新たに加えられた水災用の装備も対象といたしました。
今回の一連の台風では、都内でも大雨による家屋や道路の浸水、損壊等の甚大な被害が発生をしており、消防団の装備につきましても、水災対策の重要性を改めて認識したところでございます。
そこで、多摩・島しょ地域の消防団においても水災対策等に資する装備の配備が進むよう、今般、各市町村に対しまして、改めて水災等も想定した計画的な装備の配備を促すことといたしました。
引き続き、こうした取り組みを通じて、多摩・島しょ地域の消防団の総合的な災害対応力の強化に努めてまいります。
○谷村委員 後ほど、報告事項についてのところで触れさせていただこうとは思っておりますが、ぜひ消防団の装備、今求められている状況に対応できるものへと、しっかりと整備を進めていただきたいと思います。
次に、ずっと行政改革の一環として取り組ませていただいております外郭団体、そして、それが監理団体ともう一つに分かれ、この四月には政策連携団体と事業協力団体というふうに見直しがなされました。
その見直しになる前は、都政の重要なパートナーという位置づけでありましたけれども、この監理団体改革を進めていく中で、都政のパートナーという踏み込んでいたものから、さらに政策連携団体あるいは事業協力団体というふうな見直しが行われたわけですけれども、こうした見直しの背景について、どういった考え方があるのか、お尋ねをいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 今般、都の政策実現に寄与する団体との協力関係をより強化していくため、都が関与すべき団体について、設立時の出資、出捐の状況から、現在の人的、財政的支援の状況を重視する考え方に見直しまして、団体との関係性を整理いたしました。
そして、都が展開いたします政策の一端を担うなど、都と事業協力を行う団体を事業協力団体として指定し、その中でも、都政との関連性が高く、都とともに政策実現を目指す団体を政策連携団体として指定いたしました。
政策連携団体につきましては、本年五月、活用戦略を策定し、行政運営を支援、補完する機能にとどまらず、現場で培った専門性を都政にフィードバックさせていくなど、より高度な領域で活用していくことといたしました。
今回の見直しを踏まえまして、都庁グループとしての機能を一層高め、都の政策展開を加速する体制を構築してまいりたいと考えてございます。
○谷村委員 この政策連携団体に指定されていない事業協力団体につきましては、今後、どのように都として関与していくのか、ご説明をお願いしたいと思います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 事業協力団体は、都との間に人的、財政的な支援があり、都が展開いたします政策の一端を担うなど、都と事業協力を行う団体でございます。
各団体は、みずからの経営責任と経営判断のもと経営方針を決定いたしまして、都の所管局が事業執行を進める中で、委託契約や補助金交付要綱などに基づき、適切に指導をしてございます。
○谷村委員 それで、政策連携団体あるいは事業協力団体で、名称を見て、ああ、こういう分野で都の施策あるいは政策と連携しているんだな、あるいは、こういう事業で協力しているんだなというのが、大体、団体名を見れば想像はつくと思いますし、都民の皆様もそういうふうな状況だと思うんですが、この事業協力団体の中に東京都競馬株式会社、所管が財務局となっているわけです。これは都の事業とどう協力関係にあるのかというのは、私、いろんな方にお尋ねしても、あるいは、いろんな方に伺っても、すっきりとした説明というのをいただいたことがないんです。
改めて事業協力団体に--名称だけでいけば、この東京都競馬株式会社というのがどう東京都の事業と協力しているのか、非常にわかりにくいと思うんですけど、ここでちょっとご説明をいただくことは可能でしょうか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 明快にというふうに申し上げにくいのかもしれませんが、都も出資をいたしまして、特別区とともに競馬事業を実施できるということになってございまして、設立当初から、都と特別区、それぞれが都内自治体として発展をしていく、振興していくということでつくったものでございます。
個別の事業、都の事業に協力するということで事業協力団体という形にしてございますけれども、さまざまな場面で、都の事業に競馬組合においてもご協力をいただけるということで、引き続き、報告団体から事業協力団体に指定がえという形になりますが、そういった形で継続の指定をしているということでございます。
○谷村委員 もうこれ以上、お尋ねはしませんが、やはりもう少し都民の皆様に、都政の事業とこの会社が関連するということはきちっと発信していかなければいけないのではないかと思います。
今、IR、リゾートで、東京都がカジノを受け入れるのか、受け入れないのか、招致に手を挙げるのか、挙げないのかということについても、やはり大きな賛否があるんだろうと、いろいろ報道されていると思いますが、この外郭団体の長い歴史の中で、政策連携団体と事業協力団体にしっかりと位置づける以上は、あるいは位置づけた以上は、競馬と東京都政が何がどこでどう関係しているのか、協力関係にあるのかというのは--これ、やはりわかりづらいと思うんですね。いや、こういうことだと、何かいえそうなことはありますか。求めませんけど。
やはりわかりやすいものを発信していただきたいということを、ここでお願いしておきたいと思います。
話を戻しますが、政策連携団体に対する都の職員の派遣状況について、現在の状況をお願いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都は、めり張りのある都職員の派遣を実施いたしますため、都職員の団体への派遣につきまして、三つに分類してございます。
都が実施する具体の施策や、都の施策に密接に関連する団体の事業を推進いたしますプロジェクト型、二つ目に、団体の人材育成に向け、都職員のノウハウなどを継承する技術、ノウハウ継承型、そして、団体の組織マネジメントなどを支援いたします戦略的活用型、この三つに分類した上で職員の派遣を行ってございます。
令和元年八月一日現在で、全三十四の政策連携団体に対しまして、都職員を合計千五百六十一名派遣してございまして、団体の人員数に占める割合は一二・三%ということでございます。
○谷村委員 東京都の職員の方が千五百六十一名派遣になっているというその背景には、平成十一、二年、二十世紀最後のときに、都財政が大変厳しい状況にある中で職員定数というものをどんどん削減していった中で、さまざまな工夫がされて、外郭団体、今でいう政策連携団体等に枠としてきたという歴史と事情があるのだとは思いますけれども、今後新しいスタイルをつくっていくためには、これからもこの千五百六十一名という数が必要なのかどうかということにつきましては、不断の検討をしていただければと思います。
また、今度は政策連携団体の役員に都の関係者の方が多く就任されておりますけども、そこら辺は見直し状況はどうなっていますでしょうか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 改革の実施方針というものを定めて、それに基づきまして、個々の団体の特性やガバナンスに配慮しつつ、経営戦略について多角的な検討ができますように、常勤役員のポスト数や都関係者割合を見直すこととしてございます。
具体的には、常勤役員ポストに占めます都関係者の割合は従前約八〇%でございましたが、これを二〇ポイント程度削減いたしまして、六〇%程度に見直すことといたしてございます。
あわせまして、常勤役員に占めます民間などのポストについては倍増させるということとしてございます。
今後、団体の経営戦略の実現に適しました民間人材、公認会計士などの監査業務に適した専門家や、業務に精通したプロパー職員などを積極的に登用したいと考えてございます。
○谷村委員 この政策連携団体の役割の大きな一つとして、東京都の公の施設に指定管理者制度が導入されてしばらくたちますけれども、この政策連携団体に、一般でいうと随意契約のような、いわゆる競争性を持たない、いわゆる随意契約、特命契約をしているという状況が多く見られるわけですけれども、この政策連携団体への特命選定の状況とその考え方についてお尋ねをしたいと思います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 指定管理者制度を導入してございます公の施設につきましては、現在、二百九施設ございます。そのうち政策連携団体を非公募、特命選定してございます施設は八十八施設ございまして、おおむね四割強となってございます。
指定管理者の選定におきましては、広く民間のノウハウを活用し、競い合いの中で最も適切な事業者を選定することを基本といたしておりますが、施設の状況に鑑みまして、競い合いなどによる効果が十分に発揮できないと考えられます場合などには、公募によらず特命で選定することも可能としてございます。
とりわけ都の政策と密接な関連性のございます施設につきましては、行政支援、補完機能を引き続き有しております政策連携団体を特命選定することを可能としてございます。
○谷村委員 ちょうどここで、今のご答弁を踏まえた上で申し上げますけど、この指定管理者制度が導入されたのは、平成十八年四月一日からスタートしているわけですけれども、この段階では、公募された施設の方が七割。山間、島しょという事情があるものもありますけれども、行政目的で重視されたということを合わせると二八・八%、トータル三割だったわけですね。
それが、いろいろ契約が繰り返されていく中で、現状では七割が特命になっていて、公募で選ばれるのは三割にしか満たない。
これ、指定管理者制度となると、部が異なるんですよね。ご担当はかわるんでしたか。--同じですね。
となるわけですけども、結局、公募が三割しか行われていないとなると、指定管理者制度そのものがもう形骸化しつつあるのではないかと感じているんですけれども、もう一つ申し上げれば、この公募の部分にも政策連携団体というのが入ってきて、公募をとっているわけですね。そうすると、結果的に政策連携団体が持っているものというのは物すごい割合で、公募で民間がそれを施設の管理をとるとなると、本当に少ない数になっていると思うんですが、これは問題提起として申し上げたいんです。
特命で七割とっているような政策連携団体は、公募で行われる指定管理者の選定については一定程度歯どめをかけて、政策連携団体以外でこの公募をしっかりやっていくという形にしないと、もう指定管理者制度というのは、ほとんど意味をなしていないんじゃないかと思うんです。
意味をなさないと思って踏み込んでおられた結果、こうなっているのか、どうかなんですが、その点、一言いただくのは可能ですか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都におきまして指定管理者制度を導入いたしました当時、これが平成十八年四月でございますが、これは先ほどご紹介がございましたように、公募が約七割、そして、特命、山間、島しょなどを含めまして三割という形でございました。
現在は、二百九施設のうち、公募が三割、特命が七割ということでございますが、こちらにつきましては、山間、島しょなどの事情、あわせまして、先ほど申し上げました政策連携団体の特命ということ、加えまして、今回、オリンピック・パラリンピックの実施に当たりまして、平成二十八年から大規模な指定がえといいますか、次期の追加指定をしてございます。そのときに施設改修等を伴う関係がございまして、そこの運営に、ここで二割程度入れた結果、今回、現状は七割ということになってございます。
そして、歯どめというお話をいただきましたけれども、公募におけます指定管理者につきましては、民間事業者や政策連携団体などさまざまな事業者の広く民間のノウハウを活用いたしまして、競い合いを行う中で最も適した事業者を選定していくことを基本としてございます。これによりまして、都民サービスの向上と経営の効率という、指定管理者制度本来の趣旨に沿った運用が実現できるものと認識しております。
政策連携団体におきましても、こういった公募の場を使いまして、民間の同様のサービスを提供する事業者、そこといわば他流試合を重ねながら、自分の得意とする分野のわざを磨いていくという貴重な経験というふうに考えてございます。
一方で、政策連携団体活用戦略におきまして、団体がその専門性を生かし、より高度な領域、これは先ほど申しましたが、より高度な領域や新たな領域に活動を集中していくことができますよう、定型的な業務は民間へ移譲していくなど、都、団体、民間の今後の役割分担、具体的な業務を取りまとめておりまして、ご指摘の趣旨も踏まえながら対応してまいりたいと考えます。
○谷村委員 ありがとうございます。
最も適した団体を公募で選ぶといっても、オリンピックという、あるいはパラリンピックという一番大きな、もう二度とない大会でその施設を管理した団体というのは物すごいアドバンテージがあるわけですね。その経験とノウハウで、公募の部分を政策連携団体ですといって入ってきて、それで総合評価すれば、それはもう公平性というのはほとんど保たれないといっても過言ではないと非常に感じるわけです。
本当の公募の部分では、やはり政策連携団体というのは一定の歯どめをかけてしていただかないと、片方では、都政のパートナーという、その一つの特色を持って特命に入り、そして公募のところでは、民間の顔を持ってその公募にも入ってくるという、そうした結果として、これはトータルにしてみると、八割、九割ぐらい政策連携団体等で占められてしまうことになってくると思いますので、来年、オリンピック・パラリンピックが終わった後、この二割の部分も含めて、公募で行われる指定管理者制度に最も適した団体というところには、やっぱり民間の活力あるいは民間の参入を認めるような、あるいは促すようなものをぜひとも検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
では、続きまして、報告事項にありました今般の台風に対する被害状況について質問をさせていただきます。
まず、先日のこの台風十九号は、関東地方や甲信越、東北地方を襲い、各地で河川が氾濫して、これは甚大な被害をもたらしました。
都内でも、世田谷区や大田区での多摩川沿いの流域で多くの建物が浸水被害を受け、多摩地域では、河川の増水で道路が削られ、一時的に孤立状態になった地区も発生しました。
台風十五号も、これは史上最強の規模であったといわれております。そのままで首都圏に上陸をしました。
今回、この台風被害について、これまでの防災対策と、今回の続けての台風被害というのは、何かしら防災対策という意味合いにおいて異なるものがいっぱいあったんじゃないかと思うんですけれども、教訓とされるものがあるとすれば何かというのをお尋ねしたいと思います。
○有金総合防災部長 台風十五号、十九号、二十一号と、立て続けに首都圏を襲っている台風でございますけれども、今回の台風につきましては、やはり情報連絡体制をしっかりとるということで、十九号の場合は、事前に市町村、あと島しょ部分でございますけれども、職員、LOという形で派遣をさせていただきまして、実際、それぞれの市町村の災害対策本部の中に都の職員が入って、そこでの動き、そういったものをウオッチをしながら、必要に応じて情報をもらうという形をした結果、早目、早目の、例えば物資の支援でありますとか、そういったことができたのかなというふうに思っております。
あと、あわせまして、今回、住民が多くの方が避難をしたといった中で、一部の市町村によっては避難所があふれてしまったという状況も見受けられています。その辺の原因究明は、まだまだできていないところはございますけれども、どういった形で多くの都民の方々が発災時に安全な場所に逃げられるのかということを区市町村と一緒になって考えていかなきゃいけないということを、今、幾つか課題として挙げております。
ただ、まだまだこれから検証していかなければいけない部分がありますので、そういったものも含めながら、しっかりと今後の対応について考えていきたいと思っております。
○谷村委員 都政でも、あるいは都議会でも今まで話題になってきたのは、どちらかというと、いわゆる阪神・淡路であったり、東日本大震災であったり、新潟中越地震であったり、地震災害に対することを結構議論されてきたと思うんですが、今回の台風被害というのは、水災害、大規模なものが起こったという意味では、やはり対策を変えていかなきゃいけないところがいろいろ出てきていると思うんですけども、都内における大規模水害というのは、これは何年ぶりぐらいになりますでしょうか。前にあったとすると。思い出せないぐらい……。
○有金総合防災部長 確かな数字は持っていないんですけれども、私、昭和四十年に生まれまして、ずっと都内に住んでおりますけれども、こういう大きな水害を経験していないなと思っています。
ただ、多摩川で以前、大きな洪水があって、狛江の方で家が流れたというのがありました。あれがちょっといつだったかというのは、今すぐわからないんですけれども、そういったもの。
あとは、やっぱり内水。中小河川ですね、神田川だとか善福寺川だとか、ああいうところでは、二〇〇〇年の初期、まだ環七の地下調節池ができる前は、ゲリラ豪雨だとか、そういったときには結構氾濫をして、床上浸水だとか床下浸水があったということは記憶しております。
○谷村委員 その善福寺川とかというのが十五、六年前ぐらいでしょうか。あそこで、私も同僚議員から聞くと、二千軒ぐらいの浸水があったとかという話もありましたけれども、いわゆる大規模水害に対する教訓というのが、今回、物すごく多くあったと思うんです。
本日の本委員会における議論でも出てきましたが、これは報道によると、狛江市では、避難所設置場所が震災対策に備えられたものであって、十一カ所か十二カ所ぐらいありましたけど、広範な水害被害に対応した避難場所になっていなかったということで、八割、九割ぐらいが、そこに避難しても、水害の場合は意味がないですよと。
先ほど宮瀬委員のお母様の話を伺って、それもまたお話ししようと思うんですけれども、冒頭申し上げましたけど、地震被害、災害に対応する避難場所というものは今まで考えられてきましたけれども、大水害に備えて、避難場所というのはどうあるべきなのかというのを根本的に見直さなきゃいけなくなったと思うんですね。
私も、十二日に台風十九号が襲来したときに、東村山市は十一の避難所を設置したわけですけど、それを全部回りました。すると、避難所と自主避難所では、避難された方々に対する対応が違うんですね。後で触れますけれども、避難勧告あるいは避難指示が出る前に避難しなさいというのが今の流れであるにもかかわらず、自主的に避難すると、必要なものはちゃんと持ってきてくださいといわれたりして、自主避難所と避難所では対応が異なるということも目の当たりにしたんです。
今後、今ある、今、各市区町村で設置している避難所について、もう一回、これ、水害対策という点で避難所がどう設置されるべきか--東村山でいくと、第四中学校というのが、かくっと下がったところにあって、避難してくださいといっても、そこは下がっているから行かないというのは、私も実際にお会いしたときに伺った話なんです。
こうした避難場所の設置の見直しというのは、まだ災害対策本部が開いたままで、その次の話というのはできないかもしれませんが、本委員会でご報告をされるというので、そういう意味ではちょっとお尋ねをしたいと思っていたのですが、大丈夫ですか。
○古賀防災計画担当部長 現状につきましては、先ほどご答弁させていただきましたとおりでございます。
特に水害リスクに対する各区市町村のハザードへの対応なんですけども、これは地域によって、幾つか複数の河川に応じて、異なる災害リスクマップというものを、浸水リスクマップですとかを策定しているというような状況がまずございます。
それと、原則として、やはり水害に対する避難ということで考えれば、高いところに逃げなければいけないということがありますので、できるだけ浸水を免れる高い建物を指定緊急避難場所として指定していくだとか、そういったことが、今後の現実的な対応としては、新たな課題としては考えられると思いますが、現状、先ほど申し上げたとおりでございますので、今後、今回の台風被害を受けまして、どうあるべきかということについては、区市町村とともに検討していく必要があるのかなというふうに考えております。
○谷村委員 それで、今回、西日本豪雨等の厳しい被害の状況を踏まえて、警戒レベルの見直しがなされました。いわゆる五段階の警戒レベルと防災気象情報というものをリンクさせて、こういう気象情報が出たら、行政としてはこうです、住民としてはこうですというものが出て、東京都として--これは特に水害に対する警戒レベルの話、それに対応すべき基準というのがレベル一、二、三、四、五とありますけれども、この五段階の警戒レベルと防災気象情報というものについて、今回、災害対策本部として、この警戒レベルとその気象情報との関係性というのがどのように機能したのか、あるいは、これは現実的なのかという、あるいは、やはり正しかったというふうに認識されているのか、お尋ねさせていただきます。
○有金総合防災部長 今回、レベルを内閣府の方でこういったように導入して、これまでの例えば避難勧告、避難指示という言葉ではなくて、例えばレベル四、もう逃げろ、レベル五ならば、もう災害が発生しているという形で数字で示していく方が、市民でありますとか都民に対して、発災情報がわかりやすくすぐ伝わるというような趣旨で、こういうレベルが導入されたというふうに私は考えております。
その上で、今回、我々が情報発信する際も、高齢者避難開始情報であればレベル三というようなこと、避難勧告、避難指示であればレベル四だという、数字も一緒にあわせて発信するという形で、都民の方にわかりやすく説明しているつもりでございます。
ただ、その四とか五という趣旨が果たして、そういう位置づけということを都民の方がしっかり把握しているかどうかというところはやはり検証していって、まだまだ伝わっていないということであれば、そういった趣旨のものも、パンフレットはつくっておりますけども、そういったものをつくって周知を進めていく必要があるのかなというふうに考えております。
○谷村委員 それで、ちょっと私がこれは問題視というか、課題があるなと思うのが、気象庁が出す警報、注意報がありますよね。その気象庁が出すものに応じて市区町村の対応が定められていて、市区町村がその対応をすると、住民がとるべき行動ということでリンクされているわけですよね。
先ほど来ありました、避難所があふれている、あるいは、行っても定数でいっぱいという状況になるのが、気象庁が出すことを踏まえて市区町村が対応して、それに対して住民がとるべき行動というふうにされていますので、気象庁が出すものというのは、例えば大きくいうと二十三区全体に出たりしますけれども、じゃ、二十三区全体が、その区の対応として全部が全部それをするとなると、先ほどありました江東五区の辺だと、まさに二百五十万でしたか、そのぐらいの人口が全部動かなきゃいけなくなるという、そういうものがあって、気象庁の警報、注意報に警戒レベルがリンクしているということについて、何かしらちょっと無理があったのではないかなと思うんです。
これ、実際に東京都の災害対策本部で、さまざまな区市町村の警戒レベルが発表をされたり、住民が行動をとられたりという、もし報告等を受けられていたら、いや、これでよかったんだというふうに感じていらっしゃるか、それとも課題があると思っていらっしゃるか、ちょっと見解を伺いたいと思います。
○有金総合防災部長 大雨に対します避難情報をどういった形で発令するのかという根拠としては、やはり気象庁が発する警報だとか注意報だとか、そういったものが一番大もとになるというふうに考えております。
これまでも、気象庁の方に我々の総合防災部の方に来ていただきまして、気象状況の今後の様子でありますとか、そういったものを事前に情報を入手いたしまして、それを区市町村の方にも我々の方から流していると。そういう気象庁の発する情報をもとに、それぞれ避難指示なのか、避難勧告なのか、あるいは、高齢者だけ先に逃げてもらうのかということを基準に考えているということだとは思いますので、それ以外に適切なメルクマールというか根拠となる数字が、今のところ余りないのかなと私は感じておりますので、まず、それをメーンにやっていく必要があるのかなとは考えております。
○谷村委員 きょうの報告事項の資料第1号に記載されております、令和元年台風第十九号に伴う被害状況と都の取り組み等についてのⅠの1の(1)のところで、十月十二日土曜日、十五時三十分、多摩西部、南部に大雨特別警報が発表されたと。
これ、レベルが幾つかおわかりですか、大雨特別警報というのは。
○有金総合防災部長 レベル五です。
○谷村委員 しかし、もう一つの別紙1で、各区市町村の避難勧告等の状況というのを出されていますけれども、必ずしもこれはレベル五を出していないんですね。
まず、この多摩西部と南部というのはどの位置を指すのか。市町村ということでいけば、多摩南西部というのはどこを指すのか。私もこれを見て、どれが入るのかというのが非常に漠然としていますから。
でも、この大雨特別警報というのはレベル五なわけです。ですけど、それに応じた避難指示というものを出しているとは書かれていないですよね、この資料では。この問題点についてどう考えられますか。
○有金総合防災部長 私の方で報告をしておいて、まことに申しわけないのですけれども、多摩西部、南部のどこの市町村に警報が出たかというのは、今、手元にないのですぐにわかりませんが、今回、例えば多摩地域全域とか、そういう形ではなくて、多摩の中でも警報が出ているところ、出ていないところというのがございます。出ていないところが、もしかしたらこの避難指示までいっていないのかなというふうなことも考えられますが、ちょっと今ここに、手元に、現実的に警報が出た市町村がどこで、そこが避難指示を出しているのか、出していないのかというのは、ちょっと今資料がないので、にわかにお答えできかねますけれども、またそれは後ほど確認した上でお示ししたいと思っております。
○早坂委員長 今の資料が出せない部分は、当該委員だけじゃなくて、委員会全体として共有したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○谷村委員 だから、ちょっと繰り返しになりますけれども、まだ災害対策本部が開いている状況で、きょうの総務委員会で今回の台風十九号に伴う被害状況と都の取り組みについて報告をされるのはいいんですけども、そのまま質疑というふうに位置づけられているのは、質疑を総務局の方は既にされたいという意思があるから、きょう、報告事項で質疑になっていると思うんです。
私も、きょうの報告事項を見て、この資料を確認させていただく範囲でお尋ねしても、ちょっとはっきり、気象庁の発表と、実際に各二十三区二十六市三町一村、島しょ部が出したものとは、必ずしも一致していないと思うんですけども、二十一時十九分には二十三区西部に大雨特別警報が出ています。二十三区西部というのはどこなのか。
どこまでを指して西部なのかと、ここでそういう議論をしたいわけじゃなくて、気象庁が発表したことに対して、大雨特別警報といったら、もうレベル五ですから、最高の指示を出さなきゃいけないにもかかわらず、それがちゃんと出されたのか、出されていないのか。
いただいた資料を見る限り、いわゆる二十三区内で避難指示を出しているのは、これはレベル四までだと思いますけど、三区しかないわけですよね。もう一たび--これは全部、日付と時間別にこうあって、日付と時刻でいつ発表したか、いつ解除したかという資料だと思いますけれども、少なくとも十月十二日土曜日の二十一時十九分には二十三区西部に大雨特別警報が発表されたと。しかし、区内では、やったところは三区しかないという、こういう課題が、いただいた資料では--この資料が正しいのか、ちょっと問題があったのか、また後日教えていただければと思います。
こういう区の対応あるいは市町村の対応というのは、気象庁の発表に応じて対応するというのは非常に難しいものがあって、今、ウェザーニュースとかアプリなんかでいくと、どこどこの市あるいは区の予報とかというのは全部出ますので、実際に、この台風十九号でも区市町村名で出たかと思うんですね。東村山市には大雨特別警報とか警報とかと出ていたと思うんですけれども、だから、そういったものを二十三区内でもされていたと思うんですが、実際には三つの区しか、しかもレベル四程度のものしか出していないというのは、これはちょっと検証するべき事項として当たるのではないかと思います。
気象庁の予報で全部動くとなると、避難所が幾つあっても足りないというのは、これはもう江東五区の話からずっといわれ続けていることですけれども、そういう意味において、避難所トリアージというものをしっかりと定めていかないと、これは今後大変なことになるというふうなことを、メディアで、いわゆる著名な学者の方だと思いますけども、おっしゃっておりました。
こうした避難所トリアージというものが--いわゆる本当に避難所に行くべきその地域の人々と、でも、自主避難といわれると、とにかく促されていく人が混在してしまうという、そうすると避難所は全部いっぱいになって、本当に避難しなきゃいけない人が避難することができなくなるという、そういったものを避けるために、避難所トリアージというものを東京都としてご検討、そういったものが可能なのかどうかも含めてご検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○有金総合防災部長 今回、現実的に、多くの方が避難所に行かれて、避難所に入れなかったという、そういう実態が起こっているというのは事実でございます。
ただ、避難するということは、例えば高い家であれば自宅の上の方にとどまれたとか、そういう避難の仕方もありますし、必ずしも避難所に行かなくてもいいという場合もあるかと思いますが、そういった今の実態をしっかりと見た上で、これはやはり検証した上で、今後どういう対応をとれるのかというのは考えていきたいと思っております。
○谷村委員 ぜひお願いをしたいと思います。
千葉県の被害というのが台風十五号の段階で大変大きくて、大変な状況下というのは、ずっと連日のように報道されておりましたし、その上で十九号が来た、二十一号が来たという状況になっていますが、今回、東京都の方も、これだけの水害がいつ起こったかというのを思い出せないぐらい大きな被害だったわけですけれど、停電リスクと断水リスクというものが、この台風十九号の上陸によって大きな課題になったと私は思っております。
先ほど別の委員の方がおっしゃっていましたので、見解は求めませんが、市区役所と町村役場あるいは拠点病院と避難所、こういったところに非常用電源というものを設置していくべきだなと、私も全ての市内を回って思いました。
体育館だと、電源があるところにみんな集まってやるんですけど、情報は、スマホだったりで皆さんはとっていらっしゃいました。公民館だとテレビがあるわけですね。だから、テレビを見て、自分たちは今後どうすればいいのか、自分のまちはどうなるのかというのを見ていらっしゃいました。
でも、その両方とも、停電になってしまうと、避難所も、非常に情報が入らない中、パニックになってしまう可能性もありますし、市区役所、町村役場も何の機能も果たせなくなっていくという意味では、小中学校の体育館のエアコン設置ということで、公明党はずっとさせていただいております。それは、その場にいるという環境をよくするためのものでありますけれども、今回のこの台風に備えていく中で、停電リスクというものが大きな課題としてきておりますので、この非常用電源装置、可能なものから、東京都としてもその費用を負担していくような形で設置していかなければならないとつくづく実感をしたところであります。
今回は、多摩川が、世田谷の多摩川のところで大きな水害になりましたけれども、これは非常にネットではいわれております。今からちょうど十年前の民主党政権下で行われた事業仕分けの中で、スーパー堤防の整備について取り上げられた際に、当時の蓮舫大臣が、もうこの話は早く終わらせましょう、二百年に一回の災害が来るかもしれないからスーパー堤防を整備したい、そのために四百年かからないと全部完成しない、スーパー堤防をやろうとしているところは、二子玉川沿いを視察に行かせていただきましたけれども、既に堤防が整備されていたというような、そういう事業仕分けというのが行われたわけですけれども、これは、十月二十五日の産経新聞が多摩川の世田谷部分の氾濫状況について報道しているわけですけど、無堤防状態という表現を使っております。
台風十九号の大雨で多摩川が氾濫し、市街地が浸水した東京都世田谷区の二子玉川地区について、台風十九号では、二子玉川地区で少なくとも三百四十棟、これは二十三日時点ですけれども、浸水被害を確認、同地区には、三百メートルにわたり堤防が整備されず、土のうが積まれただけの無堤防区間があり、その区間から水が流れたと。
世田谷の方は、多摩川が氾濫したんじゃない、堤防も決壊していない、堤防がない無堤防状態だったというふうによくおっしゃいます。そういう意味では、多摩川の世田谷区での水の氾濫あるいは床上、床下浸水等についても、人災ともいうべきものだと思います。
このスーパー堤防の整備に対して、これは進めるのは建設局であったり、国との事業になると思いますけれども、この多摩川に限らず、東京都の河川に対して、スーパー堤防あるいはきちんとした堤防の設置というものをしっかりと進めていかないと--やっぱり取り残されている、あんな大きな川でも、一級河川でも、堤防、災害対策というのは置き去りにしているという状況があります。
こういったものも、災害対策本部として、今回の災害を、さまざま状況、被害を受けられた形の中で、きちんと各河川についての対策というものを進めていくということで旗を振っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○遠藤総務局長 今、委員からさまざまなご指摘をいただきました。
先ほどおっしゃっていただきましたけども、災害対策本部をしている中で、ちょっと報告事項が先になりまして、やや雑駁の嫌いがありまして、大変、委員の皆様方にご迷惑をおかけしているとは思いますけれども、これから次の議会あるいは予算の審議等も通じまして、さまざまなご議論をいただきたいと思いますので、今回のところはちょっとご容赦いただきたいというふうに思います。
その上で、数々のご提言もいただきました。私自身も、この水害でいろんなことを、教訓があったというふうに考えております。過去、いつが災害だったのかと、私もずっと区部に住んでおりますけども、なかなか思い出せないぐらいで、地震につきましては関東大震災がございましたので、まだまだ皆さんの記憶のどこか、実際に遭われた方はもうほとんどいないと思いますけども、やっぱりリアルなものであったと。
それに対して風水害は、伊勢湾台風ぐらいまでさかのぼらないとというところもあったのでしょうけれども、大分、治水も進んできたので、安全だなというふうに思うようになってきた。それが昨年の西日本の豪雨災害でかなりクローズアップされて、今回の風水害で、初めて我が身のこととして考えられるようになったのかなというふうに痛切に考えております。避難所の問題あるいは停電の問題、断水の問題、さまざまございます。これからしっかりと検証していきたいと思います。
また一方で、最初にあった消防団のお話でございますけども、私もこの間、檜原、日の出の被災されたところに行ってまいりましたけども、その場では、行政が手を出す前に、消防団の方々が自主的にいろんなことをしていただいて、例えば迂回路をつくったりしていただく。一方、檜原では、副団長が、余り個人名でいっちゃいけないかもしれないですけど、副団長の方が役場に詰めている間に自宅が土砂災害の被害に遭われた。大変に痛ましいといっていいのかどうかわかりませんけども、みずからの身を置いて、そういう形で努力されているんだなということを非常に痛切に感じたところでございます。
そんなご苦労にも報いるための部分も含めまして、さまざまな災害対策を、先生のお言葉によれば、旗振りをしっかりと務めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○谷村委員 ありがとうございました。
ちょうど時間がもう来ましたので、これまでにいたしますけども、奥多摩町ですね、災害対策本部が発表して、二千六百戸が断水中という、プラス約五十戸が断水中というか、浄水所によって二千六百五十戸が断水しているんです。奥多摩町は世帯数が二千六百七十一で、奥多摩町全域が断水したという状況になっているんですけれども、NHKが報道した第一報では、十月十四日の五時二分に、道路崩落で約百人孤立をしたというような報道があるんですが、東京都のその取り組みの発表、孤立した奥多摩町の発表というのは、それから一日、二日たって奥多摩町が孤立しているというような対応をなされた嫌いがあります。
もうきょうは時間なので、これは申し上げませんけれども、どちらかというと、何か福島の方に消防庁のヘリコプターは翌日には行っていたみたいな状況がある中、多摩の西多摩あるいは奥多摩地域についても大変大きな被害を受けたことについて、そのときの対応については、やっぱり検証しておかなきゃいけないという問題提起だけさせていただきたいと思います。
その奥多摩町というのはいろんな沢があるんですけども、町が管理する沢が道路に流れて、倒木と土砂が流れて、こうやって道路が封鎖されている中、とりあえず、災害対策本部で道路上の倒木、土砂は除却されたのですけれども、また次の雨が来ると、それがこだれてくるという、その対応も奥多摩町だけではできないという状況のときに、東京都の建設局は、いや、あそこは町の管理だからできないんだという、それはおっしゃることも間違っていないんですけども、この大きな災害時に災害対策本部として、町で対応できないようなことというのは、やっぱり東京都の関連部局でしっかりと支えていくというようなことも今後しっかりやっていただきたいと思いますし、また機会があれば取り上げさせていただきたいと思いますが、それを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○原委員 まず、資料の提出、ありがとうございました。
私は、総合防災、人事部、人権部にかかわる事業について質問をしたいと思います。
まず最初に、PAC3の機動展開訓練について伺います。
東京臨海広域防災公園で、航空自衛隊による迎撃ミサイル、パトリオット、PAC3の機動展開訓練を十月九日に実施すること及び小池知事が視察をするということが発表されて、共産党都議団としては、訓練中止を国に要請することと視察を行わないよう、知事宛てに申し入れを行いました。
そもそもPAC3は、アメリカのミサイル防衛計画とセットで打ち出されたものであり、防衛的なものではなくて、アメリカの先制攻撃体制を確保するためのものであり、憲法に反するといわなければならないと私たちは考えています。
もちろん、この間の北朝鮮の軍事的挑発行為は許されないものであり、厳しく批判をするものです。だからこそ、米朝首脳会談の合意に即して、対話による解決を進めるよう、日本の外交的努力が求められています。そういうときに基地の外で訓練を行うということは、対話による解決に逆行するものではないかと考えています。
結果として、訓練は予定どおり実施をされて、知事も視察をされました。
そこで何点か質問しますが、今回の訓練になぜ東京臨海広域防災公園が指定をされたのか、また、訓練の目的についてはどのような説明があったのでしょうか、伺います。
○榎園防災対策担当部長 防衛省からは、防空を担う地対空誘導弾パトリオット、いわゆるPAC3の機動展開訓練を行うに当たっては、機材の進入経路や配置場所など、物理的に移動、機動展開するスペースや、訓練視察者、報道機関が見学できるスペースが必要であり、こうした要件を満たした公園が東京臨海広域防災公園であったと聞いてございます。
また、訓練目的については、弾道ミサイル対処に係る戦術技量の向上を図るとともに、自衛隊の弾道ミサイル対処に係る即応態勢を顕示することで国民の安全・安心感の醸成に寄与することを目的としているとの説明を受けてございます。
○原委員 この防災公園での訓練について、公園の占用を許可した根拠及びこの訓練に協力する根拠をお聞かせください。
○榎園防災対策担当部長 PAC3機動展開訓練に関しては、令和元年九月十八日に、同年九月十七日付、防衛大臣から東京都知事宛て協力要請文を収受いたしました。
この協力要請文書を踏まえ、都における国民保護措置推進の観点から、都立公園の管理運営を行う建設局と連携し、同年十月九日に東京臨海広域防災公園において訓練の協力を行ったものでございます。
また、東京臨海広域防災公園の占用許可につきましては、公園管理に支障がないため、東京都立公園条例第十三条に基づき、建設局から防衛省に対し占用が許可されたものでございます。
○原委員 今ご答弁の中に、都における国民保護措置推進の観点からという言葉がありました。つまり、この訓練によって都における国民保護措置推進ができるとの認識のもと協力したということなんだとというふうに、今答弁を聞いていてわかりました。
それでは、当日の訓練時間はどのぐらいだったのでしょうか。また、訓練に参加をした車両は何台で、どこの基地から来たものだったのか、人員数は何人か。また、都側の人員は何人参加しているのでしょうか。伺います。
○榎園防災対策担当部長 PAC3機動展開訓練は、当日の八時過ぎから約三十分程度行われました。
訓練参加者は、航空自衛隊霞ヶ浦分屯基地に所属する中部航空方面隊第一高射群第三高射隊の自衛隊員三十名、車両十五台と聞いてございます。
なお、都は機動展開訓練に参加をしていませんが、東京都知事、総務局長のほか、危機管理監を含めた総合防災部職員十名が視察を行っています。
○原委員 十名ぐらいがということですが、知事の随行職員も合わせれば十数名ということだと思います。国からは防衛大臣や幕僚長なども参加をしているということを聞いています。
今のご答弁ですと、霞ヶ浦から来たということですが、実際には、このような遠くから、わざわざ移動してくるということは想定できないのではないかと思います。都として、この辺はどのように認識しているのかなと疑問を感じました。
それで、これ、一点ちょっと確認したいんですけれども、そもそも、私は基地の外で訓練するという意味がないと思っているんですね。それを、なぜ基地の外で訓練をする必要があるのかという説明は国からあったのでしょうか。そのことだけ、ちょっと確認させてください。あったかないかで結構です。
○榎園防災対策担当部長 なぜ基地の外で行うかということについては説明は受けてございませんけども、訓練の目的自体は、先ほどご答弁したとおり、自衛隊の弾道ミサイル対処に係る即応態勢を顕示することで国民の安全・安心感の醸成に寄与することと、実際に機材の展開等をするに当たって訓練するということで聞いてございます。
○原委員 今のお話を聞くと、なぜ基地の外でやる必要があるのかということは、特には説明はないけれどもということでしたが、先ほどの答弁を繰り返していってくださったんですけれども、弾道ミサイル対処に係る即応態勢の顕示による国民の安全・安心感の醸成に寄与と。つまり、訓練は、わざわざ遠くから来て、本当にそれが実際に生かされる訓練ではないんじゃないかと思いますが、それを国民に見せるということが目的だったんだということだと、私は今聞いていて思いました。
それで、ちょっとさらに聞きたいんですけれども、最初に述べたように、PAC3は、アメリカのミサイル防衛計画とセットのものだというふうに私は認識していますが、しかも、この場所で訓練をする必然性もないというふうに私は思います。
そういうものであるにもかかわらず、なぜ小池知事が視察をすることになったのでしょうか。
○榎園防災対策担当部長 都知事の視察は、武力攻撃事態または武力攻撃予測事態に至った場合において、都民の生命、身体及び財産を保護し、国民保護措置を的確かつ迅速に実施する国民保護法上の東京都としての責務や、弾道ミサイル対処に係る即応態勢の状況を把握する観点から視察したものでございます。
○原委員 都としての責務という言葉もありましたが、都民のために必要な訓練であり、責務もあるから知事は視察をしたということなのでしょうか。総務局から要請したということなのでしょうか。ちょっと今聞いていてわからなかったんですけれども。
それで、改めて聞きますが、このPAC3機動展開訓練の協力に際して、知事にどのように報告をして知事視察に至ったのかというのを教えてください。
○榎園防災対策担当部長 PAC3機動展開訓練の協力に当たりまして、事前に秘書課を通じまして知事に報告をしています。
その後、知事がPAC3機動展開訓練について視察を行う旨連絡を受け、防衛省と実務的な調整を行ったものでございます。
○原委員 要するに、知事の申し出によって視察が行われたというふうに理解しました。
共産党都議団では、防衛省の担当者にも聞き取りを行いましたけれども、国から知事に視察をするように要請したということはないんですね。これは確認をしています。また、今も、総務局の方からこういう協力の要請がありますよということは伝えているけれども、それを受けて視察をするかどうかの判断をしたのは知事ご自身ということだというふうに思います。
私は、特に要請をされているわけでなく、訓練自体に東京都が参加をするわけでもないのに、なぜ視察を知事がしようと思ったのか、そして、視察した結果、どう考えているのかというのは、知事は明らかにする責任があるというふうに思っています。今回、都知事としてこのような訓練を視察したのは、小池知事が初めてなんですね。ですから、このことをきちんと明らかにする責任があるんじゃないかと私は思っています。これは、そういう考えだということを指摘しておきたいと思います。
それでは、視察の結果、担当部署としては、どのように訓練意義を見出していますか。
○榎園防災対策担当部長 東京都国民保護計画は、武力攻撃事態等として弾道ミサイル攻撃など四つの事態類型を想定し、こうした事態に際して、知事を本部長とする国民保護対策本部を設置し、計画で定める国民保護措置を実施することとされております。
今回の視察により、自衛隊の弾道ミサイル対処に係る即応態勢がどのようなものか把握することができたほか、住民の避難、避難住民等の救援、武力攻撃災害への対処など、国民保護措置を実施する上で参考になったと考えております。
○原委員 今回の訓練の意義はあったと捉えているということなのかなと思って聞きましたが、先ほどもいったように、霞ヶ浦から部隊が来て迎撃ミサイルを発射するということは、現実的にはあり得ないことなので、あり得ないけれども、都民に見せるために実施をしたということなのかなというふうに思うんですね。ミサイルが発射されて数分のうちにという対応をとらなければいけないといわれていて、そのPAC3自体の性能についても本当に疑問がある中で、私はこの訓練というのは、これは東京都がやっている訓練ではないですけれども、非常に疑問があります。
伺いたいんですけれども、この防災公園は病院も隣接をしています。このような場所が弾道ミサイル防衛に実際に使われることは想定されますか。
○榎園防災対策担当部長 事態発生時における迎撃の必要性や展開場所については、事態の状況に応じて政府が判断するものでございます。
なお、今回の協力要請に際して、事態発生時に東京臨海広域防災公園が機動展開をする場所として想定されているか否かについては、防衛省からは聞いてございません。
○原委員 今ほどの答弁は、私は驚きを持って聞きました。私は、たまたまこの公園がちょうどよい場所だ、スペースもいいから選ばれたという範囲かというふうに思っていましたが、そうではない可能性もあるということなんだと思うんですよね、今のご答弁だと。国からは、この場所が実際にそういう場所として想定されるかどうかは伝達をされていないということですけれども、都民の安全・安心に寄与するためにこういう訓練をやるんだという話ですが、逆に不安になりますよね。
防衛省に聞き取りに行ったときに、防衛省の担当の方は、二次被害や三次被害の検証も今後必要なんだということまでおっしゃっているんですね。そうすると、この公園が本当に実際に想定しますよとなったときに、もちろん住んでいる方もいる、病院もあるということで、一帯、そういうことも含めてちゃんと想定されているのかということが私は本当に心配だと思いました。
都民の安全・安心を守る立場に立つならば慎重に対応すべきだというふうに思いますし、とりわけ知事の視察については、私は慎重であるべきだというふうに思いました。このことを指摘して、次の質問に移ります。
次に、障害者雇用のことについて伺います。
これまで、総務委員会でも、また一般質問でも質問を重ねてきたところですが、障害のある人たちが、その特性に応じて生き生きと働いたり、活動できる場を広げていくことはとても重要です。
私は、このことを推進していく上で鍵となっているのが、障害者権利条約二十七条でも位置づけている、公的部門で障害者を雇用することというところなんですね。そして、公的部門で正規雇用の道を開くことだというふうに思っています。
その点で、東京都の正規職員採用において、残念ながら知的障害の方の採用がない中で、特性に応じた採用を進めることの提案を私もしてきています。
総務局としては、知的障害の方に特化して非常勤職員として採用して、オフィスサポートセンターを実施していることは大事な取り組みだと思っています。改めて取り組みの現状を伺います。
○山口人事部長 総務局におきましては、平成三十年度から、知的障害者を対象としました非常勤職員でありますオフィスサポーターの雇用を開始いたしました。
職場でありますオフィスサポートセンターでは、現在、四名が、専門的な知識、経験を有する支援員の指導、助言を受けながら各種の庶務事務や軽作業に従事しております。
これまで職員が行っていました業務の一部をオフィスサポーターが担うことで、業務の効率化やペーパーレス化に寄与しております。
○原委員 そもそも、オフィスサポートセンターを知的障害者に特化して始めた、その理由を改めて伺いたいと思います。
○山口人事部長 平成二十九年度に障害者採用選考の対象拡大を行いました結果、これまでの身体障害者に加えまして精神障害者の合格者が出たものの、知的障害者の合格者は出ていない状況にございます。
こうした状況を踏まえ、平成三十年度から、知的障害者の障害特性に適した職務内容や勤務条件を検証していく取り組みとしまして、オフィスサポーターの雇用を開始したところでございます。
○原委員 今ほどの答弁で示された理由、問題意識は非常に重要だと思って、改めて聞きました。Ⅲ類の採用選考で、まだ知的障害の方の合格者がいないということを受けてスタートをさせた、今後、その特性に適した取り組みの検証を積み重ねていくということですから、とても重要だと思います。
その上で、今後の課題はどういうものでしょうか。また、この事業をどのように展開していく計画か、伺います。
○山口人事部長 障害の特性は一人一人異なりますことから、雇用に当たりましては、それぞれに合った職務の見きわめや、きめ細かな職場環境の整備が肝要であると考えております。
オフィスサポートセンターでは、データ入力や資料の電子化など、個々の能力や適性を踏まえた職務の創出を行いますとともに、勤務時間につきまして、当初の週二十四時間から段階的に延ばしており、今年度は週三十五時間勤務としております。
今後とも、障害特性に合った職務内容や勤務条件の検証と改善を積み重ねまして、都における知的障害者の雇用促進に努めてまいります。
○原委員 週三十五時間勤務ということは、より正規職員に近づけているということだと思います。それも、きっと相談をしながら進められているというふうに認識していますが、その時間ということだけではなく、時間もやっぱりその方々に合わせて検討していくことが必要ですし、同時に、中身がとても重要だと思っています。個々の能力や適性を踏まえた職務の創出という言葉がありましたけれども、これがとても重要だと思います。今、東京都がやっている事務の中から切り取るというだけではなくて、創出するという、そこの努力が障害者雇用を進めていく上では重要だというふうに思います。
私は、この検証を積み重ねていって、知的障害者の特性に応じた知的障害者の方のための正規採用試験の実施につながっていくことを期待したいと思います。
それで、次に、政策連携団体の障害者雇用について伺いたいと思います。
障害者雇用率の報告の対象になる団体は何団体で、うち未達成の団体は何団体か、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 平成三十年六月一日現在、障害者雇用促進法に基づきます雇用義務制度の適用対象団体は二十六団体でございまして、そのうち十一団体が雇用義務を未達成でございます。
○原委員 提出していただいた資料六ページを見ますと、今おっしゃったような状況がわかるわけですが、一貫して未達成の団体、あるいは、達成していたけれども未達成になってしまった団体もあります。
それぞれどのような理由だと把握をされていますか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 団体の規模や業態がそれぞれ異なっておりまして、法定雇用率の達成状況につきましては一概には論じられませんが、未達成に転じた団体につきましては、一般的に、小規模な団体では障害者の雇用状況が雇用率に大きく影響いたしますことから、雇用継続に向けた取り組みが課題になっていると考えてございます。
また、これまで未達成が続いている団体におきましても、団体ごとに障害者雇用の確保や定着に向けた対策を講じておりまして、結果として達成には至っておりませんけれども、雇用率は徐々に改善してきてございます。
○原委員 この資料を見ますと、株式会社で三団体が一貫して未達成なんですね、下三つですね。それから、公益財団法人等では、一団体が一貫して未達成というふうになっています。確かに今おっしゃったとおり、だんだんと数字、雇用率は上がってきているというふうに見れると思います。そこには努力があるんだというふうに思います。
その上で、政策連携団体全体で、障害者の雇用で身体、精神、知的障害者それぞれどのぐらいいらっしゃるか、また、勤務体系はどのようになっているか、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 平成三十年六月一日現在でございますが、障害者雇用促進法に基づき算定いたしました雇用障害者数は、政策連携団体全体で約三百人でございまして、そのうち身体障害者が七割程度、精神障害者と知的障害者を合わせて三割程度でございます。
また、障害者の勤務形態につきましては、個々の就労者の状況に応じて短時間勤務とするなど、各団体において適切な配慮がなされてございます。
○原委員 二十六団体に三百人ほどいらして、そして、三障害それぞれいらっしゃるということがわかり、少しイメージが湧きました。この方たち、障害のある方たちが政策連携団体それぞれのところにいらして、生き生きとやりがいを持って働いているかどうか、また、定着率はどうかということもあわせて重要だと思います。ぜひ丁寧な働きかけをしていっていただきたいし、同時に、やはり雇用率が低い団体については、さらなる努力をお願いしていく必要があるだろうというふうに思います。
東京都は、監理団体を政策連携団体と位置づけを高めて、都庁グループの一員としています。障害者雇用について、一層力を入れていくべきではないかというふうに思っています。
都として、今後さらにどのように働きかけていく考えか、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策連携団体におけます障害者の雇用確保は、都としても重要と認識してございまして、これまでも、その促進に向け、指導を行ってまいりました。
一人一人の障害者の特性に配慮いたしまして、雇用継続に向けた取り組みや障害者に適した職務内容の見直しに向け、ハローワークなどの関係機関とも連携を図りながら、受け入れ職場となる団体職員の理解を深めるなど、団体における障害者雇用確保、そして定着を一層促進してまいります。
○原委員 前向きに進めていくという答弁だと受けとめます。ぜひ推進していただきたいというふうに思います。
障害者雇用に限らず、政策連携団体の取り組みを都民にオープンにしていくことが大事だと、今改めて、状況を聞いて思いました。
実は、以前質問した知事と政策連携団体トップとの会談の記録が、本当はその記録に基づいて質問もしようと思いましたが、まだまとまっていないということですので、今回は質問できませんでしたが、やはり政策連携団体それぞれの努力もありますので、この障害者雇用のように、オープンにして都民に知らせていくという、そういう努力も東京都にしていただきたいということをあわせて要望しておきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
次に、人権部の課題について伺いますが、最初に同和問題について伺います。
旧人権プラザで実施をされていた同和問題の特定相談は終了しましたが、昨年五月から同和問題の専門相談が新たに始まっています。
資料七ページを見ますと、同和の相談件数は、平成二十九年度で比べますと、平成二十九年度は七百十四となっていますが、平成三十年度は二百四十九というふうに大きく減っています。
まず、今回、相談件数が大幅に減った理由と相談内容の特徴を伺います。
○堀越人権部長 平成二十九年度まで実施していた特定相談におきましては、生活全般に関する多岐にわたった相談が多く寄せられることから、相談の傾向を的確に把握することを目的に、一回の相談受け付けにつき、相談内容を複数件に分類しカウントする場合がございました。
この方法では実件数が把握できないという課題があったため、平成三十年五月から新たに開始しました同和問題に関する専門相談におきましては、一回の相談受け付けにつき一件とカウントすることといたしました。
このようにカウント方法を変更したため、平成二十九年度と三十年度を比較すると、件数が減ることとなっております。
相談内容でございますが、多いものは、医療、介護、福祉施設等や住宅問題、近隣関係などでございます。
○原委員 わかりました。
私、この総務委員会の中で人権相談の件数を初めて見たときに、同和問題が余りにも多いので、大変驚いて質問をしました。それで、今おっしゃったような、一人の方が相談をして、そこで何件も相談していると、それを全部カウントしているということが質問の中でわかりました。
今、伺いましたら、そこを改善した、実件数を把握するようにしたということですので、私はこれは重要だ、大事な前進だというふうに思います。結局、その相談件数は、多ければ多いほどいいわけではなくて、人権侵害や差別をなくしていくということが目的ですから、その点で、実際の相談の把握が改善をされたということは、非常に重要だというふうに思います。
私は、そうであれば、この一覧表を見ても、今、専門相談として、同和に特化した形でやられているこの専門相談は、人権プラザでやっている一般の相談、人権全般の相談で受けるというふうに改善することができるのではないか、必要なのではないかというふうに思っています。これは、これまでも述べてきましたけれども、人権課題には軽重はないと、東京都はずっと答えてきていますから、そうであれば、専門相談は廃止をして、人権相談全般で、同和の問題も含めて受けるということに改善をすることを強く求めておきたいと思います。きょうは求めておくことにとどめて、次に、もう少し聞きたいと思います。
同和対策事業の終了に伴い、一般対策で実施をしている事業について伺います。これは九ページに出していただいています。
この中で、同和問題に関する連絡協議会、それから人権関係諸集会職員参加、この二つが継続して一般対策として続いているわけですね。これ、一体、どういうことをやっているのかというのを教えていただきたいんです。
同和問題に関する連絡協議会は、どういうメンバーで、会議の回数はどんなものなのか、内容や会議録、予算、報酬などはどうなっているのか。また、人権関係諸集会職員参加というのは、どういう集会に年何回、職員数はどうなっているのか、伺います。
○堀越人権部長 同和問題に関する連絡協議会は、同和問題の早期解決を図るとともに、人権施策を推進するため、都と二つの民間運動団体とで行っているものでございます。
連絡協議会は年二回開催し、都からは、総務局を初め教育庁、産業労働局など、関係八局が出席しています。今年度の予算額は百九十四万四千円で、速記委託料や出席者への報償費等を計上しております。会議録につきましては、差別にかかわる具体的な事項を扱うことから公表しておりません。
また、人権関係諸集会職員参加につきましては、人権団体が主催する研究会等に、人権問題に関する情報収集のため職員が参加するものでございます。
年十回程度、それぞれの研究会等に、各局から一、二名程度の職員が参加しております。
○原委員 それでは、今ご説明いただいたこの二つの事業について、継続している意義をどう考えているか、伺います。
○堀越人権部長 この二つの事業は、平成十四年三月三十一日に策定した同和問題解決のための取組に関する基本方針におきまして、特別対策終了後も、同和問題を早期に解決するために、一般対策に移行して実施することとしたものでございます。
同和問題の早期解決のための取り組みを進めるに当たっては、当事者である民間団体からの意見を伺うことが必要であり、また、人権担当の職員などが研究会等に参加し、有識者や当事者からの考え方などを聞くことで理解を深めることも重要でございます。
このようなことから、今年度も継続して実施しております。
○原委員 資料として出していただいているのは総務局でやっている事業ということになるんですけれども、人権部以外にも、同和対策事業として以前やっていたものが、ほかの形で継続しているというものがあります。
どのような事業で、どのぐらい、幾つぐらいあるのか、伺います。
○堀越人権部長 現在も一般対策として実施している事業は、製靴科職業訓練、能力向上訓練、自動車運転科職業訓練、商工会等経営指導員の設置の四事業でございます。
○原委員 今いろいろ伺って、今までちょっと、どういう中身なのか、私自身がわかっていなかったことが少し見えてきたなというふうに思いました。
それぞれ歴史的な経過もあると思いますので、一律に全部廃止しましょうとか、縮小しましょうとか、そういうことではないと思うんです。丁寧な議論と対応が必要だというふうに思いますが、ただ、一つ一つが本当に今必要な事業なのかというのを精査していくということは大事だと私は思っています。さらに、きょう、ご説明いただいたように、一つ一つの事業をオープンにしていくということが大事ではないかというふうに思います。
相談件数については改善をされたように、実態に見合った事業が行われているのかどうかということは、きちんと検討していくことが必要であるということを指摘いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、ヘイトスピーチについて伺います。
人権条例第十四条に基づく審査会の意見を踏まえて、東京都は、ヘイトスピーチであるということで二件を認定して公表されました。これは大変重要なことだと受けとめています。
公表するに至った経緯と目的を伺います。
○堀越人権部長 今般、人権尊重条例第十二条第二項の規定に基づく申し出を都民などから受け、学識経験者等で構成する審査会の意見を聞き、都としても不当な差別的言動に該当するものと認めたため、当該表現活動の概要等を公表することといたしました。
この公表等を通じて、条例の趣旨である、ヘイトスピーチは許されないということを広く都民に周知し、啓発につなげてまいります。
○原委員 最後におっしゃっていた、この公表を通じて、へイトスピーチは許されないということを広く都民に伝えていくという、本当にそこが重要だというふうに受けとめました。
今回の二件は、一つは、五月二十日の練馬区での拡声器を使用した街頭宣伝における差別発言、それからもう一つは、六月十六日の台東区でのデモ行進における差別発言、これはヘイトスピーチだということで公表されました。
私は、これでお伺いしたいのは、今回、その差別発言の内容を見ますと、法務省のホームページでも例示をされているものと同じような発言です。この発言について、都の条例の第十一条に規定する公の施設の利用制限に関する基準の中では、こういうふうに書いてあります。個別具体の言動の背景、前後の文脈、趣旨等の諸事情を考慮する必要があると。ヘイトスピーチというふうに断定するときですね、認定するとき。ですので、その法務省が例示をしている文言以外でも、ヘイトスピーチに該当することは当然あると思います。
それぞれの言動について、ヘイトスピーチに該当するかどうかをどのように判断していくのか、伺います。
○堀越人権部長 いわゆるヘイトスピーチに該当するかどうかにつきましては、事案ごとに背景、文脈、趣旨等の諸事情を総合的に勘案する必要があり、審査会の意見を聞きながら、表現の自由を侵害しないよう、慎重に判断してまいります。
○原委員 わかりました。
この条例に基づく審査会は、国の法律、へイトスピーチ解消法の範囲で位置づけられている審査会ですよね。ただ、東京都の人権条例は、あらゆる差別の禁止を位置づけている、そういう条例になっています。ですので、もちろん、ヘイトスピーチの関係はこの審査会にかけていくわけですけれども、それ以外のいろんな差別があります。自分が受けなくても、この差別は見過ごせないなというようなものが起きたときに、それを伝えていける、そういう窓口も私は必要になってくるのではないかというふうに思っています。このことは、今後ぜひ検討していただきたいということで要望しておきたいと思います。
次に、性自認及び性的指向に関する基本計画の問題で、幾つか、若干伺いたいと思います。
この基本計画の素案ですけれども、今パブリックコメントがまとめられているということで、本当はパブコメの結果を見て議論したいと思いましたが、ちょっと間に合わなかったので、改めて伺いたいと思いますが、四四ページから今後の方向性がいろいろ記載をされていて、それが個別具体的に検討というふうになっています。
もちろん、それも必要ですけれども、基本計画の三年間で、それぞれの課題をどこまで進めるのかということを計画で明らかにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○堀越人権部長 東京都性自認及び性的指向に関する基本計画の素案では、国内外の動向や社会情勢の変化等を踏まえ、施策の評価、検証を行いながら、必要に応じて、適宜内容の見直しを行うこととしております。
庁内外の取り組みの推進に当たっては、性自認及び性的指向に関する困難を抱える当事者が直面する困り事をできる限り解消していくため、それぞれの施策現場において、施策目的も踏まえつつ、事業の実情に即した検討を行うべきものと考えております。
計画策定後も全庁横断会議を継続的に開催して、各局における取り組みの進捗を管理し、人権部が庁内各局との総合調整を行いながら、次期計画につなげてまいります。
○原委員 次期計画にもつなげていくという言葉はあるんですけれども、そのためにも、この基本計画の三年間でどうするかということを、もっと見えるようにしていくことが私は必要なのではないかというふうに思っています。
それで、この基本計画にいろいろのってきている、また、のっていないものでも、検討するものもたくさんあると思うんですけれども、事業としては各局に分かれているわけです。計画の進捗状況を確認して検証していくということは重要になってくると思います。
また、当事者参加の、都民が参加したオープンな会議体が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○堀越人権部長 性自認及び性的指向に関する全庁横断会議を含めまして、さまざまな機会を通じ、当事者や有識者の方々を講師としてお招きするなどして意見を伺ってまいりたいと考えております。
○原委員 会議体が必要じゃないかというのは、前も何回かいっていまして、なかなかこれは、そうですねという感じにはならないんですけれども、ぜひ検討してもらいたいと思います。
先日、トランスジェンダーの方のお話を聞く機会がありまして、改めて、受けてきている差別の根深さと、そして、周りの無理解に苦しんできたということを知って、本当に言葉を失う思いだったんですね。
時間がないので、ちょっと中身は話せないですけれども、そのときに、セクシュアルマイノリティーの方たちの中でも、お互いにお互いを十分理解できているわけじゃないんですということをおっしゃっていたんです。
私はやっぱり、今度のこの人権条例は全ての人のための条例ですから、都民が参加をして、マイノリティーの方だけじゃなく、都民参加でお互いを知り合うような、そういう話し合いの場を設定していくというのがすごく求められているんじゃないかなというふうに思いました。それこそ人権条例の実践なんじゃないかというふうに思うんですね。
ですので、ぜひオープンな形で都民が参加できる、そういう会議体なり、話し合いができる--結論を出さなくてもいいと思うんです。私は、そういう場を持つような検討をしていただきたいということを、この場では要望しておきたいと思います。
それで、この後、基本計画にまとめられていく中で、私は、幾つかの具体的な課題をぜひ検討してほしいということで、ちょっと述べたいんですけれども、一つは、都営住宅の対応についてです。これは、本当にいつまでに進めるのかということを明らかにしてやっていただきたいと思っています。
それからもう一つは、この基本計画の中で、病院の対応で、性自認及び性的指向に関する困難を抱えている場合、患者の個別事情や希望に応じて個室を利用してもらう等の配慮を行っているというのがあるんですね。これは大事なことなんですが、この場合の差額ベッド代はどうしていますかということなんです。
これはちょっと、ここで聞く話ではないので質問はしませんけれども、実は、障害者の方も、障害を理由に個室に誘導されて、そして差額ベッド代を払っているというケースがあるんですね。それは私は差別だと思うんです。治療上必要だから、落ちついてその方が過ごしてもらえるように個室に行ってくださいといっているのに、それを、その方は別に個室に入りたいわけじゃないのに入って、その料金を負担するというのは、これは私は違うんじゃないかと思っていて、このセクシュアルマイノリティーの方々も、そういうことになっていないかというのがとても心配なんですね。ですので、ここは、ぜひきちんと見ていっていただきたいということを、この場では要望しておきます。
それから、三つ目にはパートナーシップ制度の検討を急ぐということと、そして、四つ目には避難所について、この基本計画の中にも書かれていますけれども、セクシュアルマイノリティーの方々が避難所でいろいろな困難に遭っているということも見過ごせない。だから、やっぱりオープンな話し合いの場が必要だということを指摘しておきたいと思います。
それで、もう一つ、私、この基本計画の中に、これは記載した方がいいのではないかと思うことを提案したいと思います。
それは、先日、米倉委員と一緒に、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターでお話を伺ったんですけれども、そのときに、セクシュアルマイノリティーの方々の相談でも、非常に深刻なケースがあるということを学びました。今回、その基本計画の中には、ワンストップセンターについては記載されていないんですね。でも、緊急時の相談できる機関として記載しておく必要があるというふうに思います。
先ほど米倉委員もいったとおり、ワンストップのセンターは、別に女性だけではなくて、セクシュアルマイノリティーの方、もちろん男性の方、緊急時には相談できるところですので、それをきちんと相談機関としてこの基本計画に位置づけるべきだというふうに思っています。また、連携もしていくことが必要だと思いますので、その点について考えを伺いたいと思います。
○堀越人権部長 都のさまざまな相談窓口に寄せられる性自認及び性的指向に関する当事者からの相談の中に性犯罪、性暴力被害に関する相談が含まれている場合には、ワンストップ支援センターを初めとする専門機関を紹介するなど、各機関が適切に連携し、対応しております。
○原委員 適切に対応していますということなんですが、私がいいたいのは、女性に限らず、性被害での緊急時の相談はワンストップ支援センターが受けているということを、きちっと周知してほしい。それはやっていらっしゃるんだけれども、この基本計画の中にも入れる必要があるでしょうということをここで提起しているんですね。ぜひこれは十分検討していただきたいというふうに思います。
また別の方なんですが、やっぱりトランスジェンダーの方で、こういう被害に遭って、本当に体も心も傷ついて、緊急対応が必要だというケースもあるそうです。ですので、そういうときに迷わず電話できる先をこの基本計画に載せておく必要があるということを、ぜひ理解していただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。
そして、資料の中で、八ページに、人権の研修についてどういうものをやっているかということを出していただいたんですけれども、例えば昨年でいうと、八月二十日に、百十一名が都庁の職員は研修をしているということですが、職員数からすると、非常に少ないんじゃないかというふうに思うんですね。
管理職もしっかりと研修対象にすることや、人権条例を全ての職員が理解することが必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○堀越人権部長 都はこれまでも、さまざまな人権問題に対する正しい理解と認識を深めるため、管理職も含む全職員に対して定期的に人権研修を実施し、性自認及び性的指向に関する内容についても研修プログラムに盛り込み、理解推進を図っております。
新規採用職員に対しても、研修を通じて理解促進に向けた取り組みを行っているほか、管理職候補者向けの研修におきましても、ダイバーシティーマネジメントの一環として捉え、マネジメント層の意識啓発に努めているところでございます。
○原委員 それで、最後にちょっと二つまとめて聞きたいと思うんですけれども、人権条例そのものの研修は実施しているのかどうか、そのことと、それから、今後の人権全般の都の職員の研修を強化していくこと、このことについての見解を伺いたいと思います。
○堀越人権部長 昨年十月の人権尊重条例制定を契機に、全職員に対して定期的に実施する人権研修においても条例を取り上げ、条例の趣旨を説明し、人権意識の醸成に努めております。
また、人権尊重条例では、人権尊重の理念の実現のために、啓発、教育等の施策を総合的に実施していくとしていることを踏まえまして、その担い手である都職員にも条例の趣旨をより一層浸透させていく観点から、新たな人権課題を取り上げるなど、研修内容等を充実してきているところでございます。
○原委員 出していただいた資料以外に、いろいろ研修はやっていますということですが、これは、今後ぜひ、どんな研修をしているかというのをより見えるようにお願いしたいということと、さらなる研修の強化を求めて、質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。
○早坂委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後八時二十四分休憩
午後八時三十四分開議
○早坂委員長 では、休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○鈴木委員 私からは、大きく四点、お伺いをします。
先ほど加藤副委員長の質疑にもありましたけれども、行政手続について、まずお伺いをしたいと思います。
先月の都政改革本部会議において、行政手続コストの削減の取り組みについて報告がありました。これまで行政手続は、都民や事業者にとって大変煩雑で時間がかかるというものでした。私も都民の方々から、特に現役世代の方々からは、本件について、非常に相談をいただく機会が多くて、今回、都が行政手続のさらなる見直しに取り組むということで、大変期待をしております。
一口に行政手続といっても、さまざまあり、東京都が所管するもので二千七百九十七手続あるとのことです。その中でも今回取り組むのは、年間千件以上の受け付けがある百六十九手続ということですが、これは、件数ベースでは全体の九八%を占めるということで、取り組みのインパクトは非常に大きいものになると思います。
この議論の初めに、具体的なイメージをつかむために確認をさせていただきます。
今回、都が所管する行政手続の中で、年間一千件以上の受け付けがある手続をこの取り組みの対象とするとありますが、このうち、主に申請者が都民個人である手続で件数の多い手続というのは、具体的にどのようなものなのか、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都の行政手続のうち、受け付け件数が多く、主に都民の方から申請を受ける手続につきましては、平成三十年度の実績では、パスポートの申請、一般旅券の新規発給ということですが、こちらが約七十五万六千件、体育施設の使用承認が約四十二万八千件、卒業証明書の交付が約七万一千件などとなってございます。
○鈴木委員 私の方でも、申請件数の多い手続を確認させていただいたんですけれども、やはり都の行政手続というのは多岐にわたりまして、一つ一つの手続で、プロセスや所管も大きく異なります。全体でシステムをつくって一気に見直せるというような性質のものではなかなかないかなと思っておりまして、やはり一つ一つの手続を丁寧に解きほぐして見直しをしていく方が、一見、遠いようでも、最終的には近道なのではないかと考えております。
そこで、行政手続コストを削減するために、個別の手続にどのようにアプローチをして見直しに取り組んでいくのか、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 行政手続コスト削減の取り組みの趣旨でございますが、都民や事業者にとっての手続に要する時間を行政手続コストと捉えまして見える化し、ICT技術の活用や申請書類の見直しなどを進めていくことで、手続の手間や負担を軽減し、申請者の方に時間をお返しする、還元するということでございます。
具体的には、まず、申請書類の記入、準備、事前相談や申請のための来庁、審査、交付決定、通知、受領のための来庁など、具体的な手続のフローに沿いまして、改善点を点検し、課題の洗い出しを行います。
次に、この分析を踏まえまして、オンライン化により来庁回数を減らすなどの改善のほか、様式の簡素化、わかりやすい記入例のホームページへの掲載、FAQの作成、窓口の待ち時間短縮に向けたさらなる工夫などの改善を行ってまいります。
こうした一連の取り組みを見える化し、効果を検証し、次の改善のサイクルにつなげていく、そういったステップで取り組んでまいります。
○鈴木委員 今お話しいただきましたように、かなり業務改善といいますか、BPRの部分にも踏み込んでやっていただくと。特に、お話しいただかなかった部分でも、例えば、行政側での処理に要している時間をできるだけ定量的に測定して把握するといった取り組みであるとか、それから、申請者に対しても、満足度や改善要望などに関するアンケート調査を実施すると聞いておりまして、都民の目線に立った改善が期待できると思います。
ここからは、行政手続の見直しを進めていく上での課題を整理していきたいと思います。
今回の見直しでは、規定や申請書類の見直しも含まれるということでしたが、手続によっては、申請書類などを国の法令によって規定されているものもあり、これが見直しをする上での大きなハードルになる可能性もあります。
そこで、申請書類などを定めている根拠規定には、どの程度、国の法令が含まれており、どのように拘束をされているのか、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 対象といたします百六十九の手続について総務局で確認いたしましたところ、申請書の様式や添付書類などを直接法令で定めております手続は三割程度ございます。
こうした手続については、記載事項の簡素化や添付書類の簡略などの改善を図るためには、法令改正が必要になってまいります。
○鈴木委員 百六十九手続の中でも、三割程度は国の法令改正が必要ということでした。
一方で、国の方でも、ことし五月に、いわゆるデジタルファースト法が成立をし、行政手続の原則オンライン化に向けて、国が率先して取り組むということが定められました。今後、各省庁が所管する行政手続のオンライン化や、手続に関する法令の見直しが進めば、少しずつ都の方でも、記載事項の簡略化や添付書類の簡略化ができると思います。ぜひ国の動向を見ながら対応していただきたいと思います。
最後に、もう一つの大きな課題についてです。
国の法令上の定めの中にも、戸籍など本人確認書類を求めるものもあります。今後の点検、分析などから課題が明らかになってくるはずですが、行政手続のオンライン化や手続の見直しに際して、申請に要する本人認証が障壁となります。
今後の対応を伺いたいと思います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 許認可などの決定をするに当たりまして、成り済ましの防止など、本人認証確認は重要でございまして、これまで行政機関においては、戸籍や住民票の添付、運転免許証などの本人確認のための書類の提示を求め、適正性を担保してまいりました。
一方で、行政手続のオンライン化における本人認証確認につきましては、本年二月の国のガイドラインで、当該手続にかかわる情報漏えいなどのリスクを評価した上で、求められる水準に合わせた適切な確認手段を選択することを推奨してございます。
今後、ガイドラインの内容なども参考にいたしまして、国のマイナンバーを活用した戸籍関係の情報連携の動向なども踏まえながら、個別手続の状況に即した改善策を検討し、関係局と連携して見直しに取り組んでまいります。
○鈴木委員 今お話にありました国のガイドラインの方ですけども、私も確認をさせていただきました。本来であれば、オンライン化に際して、やはり本人認証の水準をどのように変更していいのかというのを、具体的な判断基準を本当は示すということが国の役割だったんじゃないかなと思うんですけれども、残念ながら、このガイドラインでは、結局、その判断を、おのおのの自治体に、個別の事務で判断すべきという原則にとどまっていまして、自治体の実務での活用には、正直、踏み込み不足だなと感じております。
実は、五月にデジタルファースト法が成立してから、私も国や地方自治体に、同じ会派の藤井都議とともにヒアリングをしてきました。特に基礎自治体は、デジタルファースト法が成立をしても、どこから手をつけるべきかわからないと。そして、法律ができても、なかなか動けないというのが実情だなということを感じてまいりました。
そうした中で、今回、東京都が、申請件数の多い手続から、一つ一つひもといて見直しをしていくということは、私は、これはほかの自治体にとっても大変参考になる取り組みだと思いますし、有意義であると考えております。見直しを進めていく上で、さまざまな課題が出てくると思いますが、必ず都民から評価をされる仕事だと思いますので、ぜひ粘り強く進めていただくことを期待したいと思います。
続きまして、政策評価について質問いたします。
これまで都政改革本部が中心となって都庁全体で取り組んできた二〇二〇改革プランには、大きく三つの改革がありますが、第一の仕事改革については、判こレス、ペーパーレス、そしてキャッシュレスに取り組み、目標の達成に向けて着実に成果を上げてきました。また、二つ目の見える化改革についても、全事業ユニットの報告を終え、いよいよ、ここから三つ目の仕組み改革に本腰を入れて取り組むというのが全体認識かと思います。
この三つ目の仕組み改革の中でも、今年度から実施される政策評価の取り組みは、非常に大きな柱です。今年度は、まず、各局一ユニットを対象として、政策体系の整理、成果指標、目標の設定などを実施してきました。
今回、各局が設定をした成果指標、目標は、二〇二〇年に向けた実行プランなどの行政計画に掲げている指標、目標と同一のものも多くあるわけですけれども、各局が政策評価として成果指標、目標の設定に取り組んだことにどのような意義があると考えているのか、見解を伺います。
○勝見都政改革担当部長 政策評価は、各局が施策によって都民にもたらす成果に着目したアウトカム指標と目標を設定し、目標に対する実績をもとに進捗状況を点検、分析し、施策の改善につなげていく取り組みでございます。
今年度は、先行的に、見える化改革の事業ユニットの中から、各局一ユニットを対象に実施いたしました。
成果指標の設定につきましては、都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会からご意見、ご助言をいただきながら、当初設定した指標を一部変更したものもございます。
具体的には、他自治体との比較ができるような指標や、公的施設の特徴を踏まえた指標などを設定することといたしまして、都民にわかりやすい成果指標や目標となったと考えております。
○鈴木委員 客観的な指標に基づいた目標、特にアウトカム指標を設定するというのは、一つの前進だと考えております。
しかし、政策評価あるいは事業評価でよく陥りがちなのが、目標を設定したものの、それが達成できなかった場合のフォローアップが甘く、形骸化した目標だけが毎年設定され続けるというものです。このフォローアップをしっかりしないと、結局は評価のための評価となってしまって、各事業局の疲労感だけが残ってしまう可能性もあります。
繰り返しになりますが、政策評価においては、客観的指標に基づいた目標を設定することは大事ですけれども、目標設定はあくまでも第一歩です。
目標に対する実績をどのように評価して、PDCAサイクルを回していくのか、伺います。
○勝見都政改革担当部長 今回の政策評価における取り組みでは、各局は、施策の進捗状況の点検、施策の分析、今後の方向性の提示を行うこととしてございます。
具体的な評価内容につきましては、政策評価分科会でご議論いただいておりまして、指標ごとの目標の達成状況に加えて、目標と実績の乖離などの要因分析、分析に基づく課題の抽出、その課題の解決につながる改善策等を明らかにすることが重要とのご意見をいただいています。
こうした議論を踏まえまして、施策の改善につながる評価内容となるよう、検討を進めてまいります。
○鈴木委員 ぜひしっかりと検討して実施をしていただきたいと思います。
現在、政策評価制度のブラッシュアップに向けて、都政改革アドバイザリー会議の政策評価分科会で議論が重ねられています。私も議事録を拝見しまして、その中で、委員の方々からもご意見が出ていたと思いますが、やはり個々の事業の実施結果であるアウトプットと、都民にもたらされる成果、アウトカムとの因果関係をきちんと明らかにして、政策のロジックモデルを構築していくということが大事だと考えております。
施策で実施されている個々の事業が、どのように社会や都民にもたらされる成果につながっているのか、各局がより論理性を重視して取り組めるよう、制度のブラッシュアップをすべきだと考えますが、見解を伺います。
○勝見都政改革担当部長 政策評価は、都の広範かつ多様な行政分野に係る背景、性質、内容が異なる施策を、同一の仕組みのもとで各局が客観的に評価し、自律的な改善につなげる制度としていくことが重要でございます。
このため、現在の評価書様式におきましては、施策を実施することでどのような状態にすることを目指すのか、施策目標を示した上で、成果指標と目標を設定し、施策を構成する事業を整理して記載してございます。
政策評価分科会では、施策の分野に関する各局の現状、課題認識を明らかにすべき、施策が都民にもたらす成果を示すアウトカム指標は明確に位置づけるべきなどのご意見をいただいておりまして、こうしたご意見も踏まえまして、制度のブラッシュアップを検討してまいります。
○鈴木委員 今後の政策評価の潮流としては、やはり、一つ、EBPMというのが柱になってくると考えております。
ことしのノーベル経済学賞は、EBPMの手法の一つのRCT、いわゆるランダム化の比較試験という手法ですけれども、これに関する研究チームが受賞しました。
受賞した研究チームは、このRCTという研究手法をいち早く開発経済学に応用しまして、例えば、漫然と教科書の提供や無料給食を実施しても効果が少ないということをきちっとデータで示した一方で、本当に手助けが必要な生徒に的を絞った支援をすることで、全体の教育水準が大きく改善するということが明らかになっています。
こうしたデータや統計調査に基づく政策立案というのは、政策立案の手法としては時間も手間もかかりまして、現場の事業局としてはまだまだ難しいものだということは、私も重々理解をしております。
一方で、今、戦略政策情報推進本部が中心となって検討を進めております官民連携のデータプラットホームなど、都市のデータ収集に関する取り組みが今後進むと、こうした統計調査を実施するためのハードルというのは、大きく下がってくると思います。将来的には、東京都でも、一つの政策目標に対して、どの事業がどのくらい効果を上げているのか、しっかりと統計データを取得した上で、本当に効果が出る事業に政策資源を投入していくということが重要になると思います。
今回の政策評価の取り組みは、ロジックの構築というのは、こうした将来の展開も見据えると、その前提として大変有意義だと考えておりますし、総務局としてはぜひ、この政策評価が、事業の効果、そして、最終的には都民益につながるという信念を持って、各局の取り組みをサポートしていただきたいと思います。
次に、先ほど、谷村委員、そして原委員からもご質問がありました政策連携団体について、私から二問だけ質問させていただきます。
東京都から政策連携団体に対して行われている特命随意契約の状況についてです。
私が昨年所属をしていた公営企業委員会で、最も多くの時間をかけて議論されてきたのが、東京水道サービス株式会社への特別監察についてです。東京水道サービス株式会社については、多くの課題が指摘をされてきたわけですけれども、その中でも、水道局が特命随意契約で締結した案件を東京水道サービスが民間企業に再委託している事例がかなり多く、当時の再委託の割合は、全体の三割以上に上っておりました。
そこで、平成三十年度、東京都が政策連携団体--当時は監理団体ですね。監理団体と締結した特命随意契約の件数及び金額について教えてください。
また、このうち公営企業局と監理団体が締結をした特命随意契約の件数及び金額も教えてください。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 平成三十年度に、東京都が当時の監理団体と締結いたしました特命随意契約は、合計四百七十二件、金額は約一千三百十五億円でございます。
このうち公営企業局と所管の監理団体が締結いたしました特命随意契約は、合計二百四十七件、金額は約六百二十二億円でございます。
○鈴木委員 私は、再委託を行う業務やその手法によっては、都が直接契約を行うよりも効率的な場合もあると考えております。しかし、先ほどの東京水道サービス株式会社の例では、水道局から受託した事業をそのまま再委託しているケースも散見されまして、結果として、都民の料金を余計に支出をしていたわけです。
この東京水道サービス株式会社の例を踏まえても、やはりその所管局が再委託契約の状況をしっかりと把握して明らかにするということは、私はこれは都民に対する必須の責務だと考えております。政策連携団体制度を所管する総務局としては、ぜひ各局に団体の指導監督を適切に行うよう促していただきたい。そのことは強く申し上げたいと思います。
次に、団体の固有職員の管理職への登用状況について伺います。
さきの東京水道サービス株式会社においては、管理職のポストを都のOB職員や派遣職員が占めて、固有職員のポストがなく、固有職員のモチベーションを著しく低下させ、特に若い固有職員が次々にやめているという状況にありました。団体の未来を担う固有社員がモチベーションを失ってやめてしまうというのは、各団体にとっても、決してよくないことです。固有職員のモチベーションを上げていくためには、団体に派遣された都職員が団体の重要ポストを占め続けていくような状況があれば、それを改めていくという必要があると私は思います。
そこで、政策連携団体への都職員派遣の考え方について伺います。
また、団体の固有職員の管理職比率はどのようになっているのか、あわせて確認をします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都では、東京都政策連携団体への都職員派遣方針を定めてございまして、都職員の派遣目的を、都が実施する具体の施策や、都の施策に密接に関連する団体の事業を推進いたしますプロジェクト型、団体の人材の育成に向け、都職員のノウハウなどを継承する技術、ノウハウ継承型、団体の組織マネジメントなどを支援いたします戦略的活用型の三つに分類し、めり張りのついた派遣を実施してございます。
また、団体の固有職員の管理職比率でございますが、令和元年八月一日現在で五十三・一%となってございます。
○鈴木委員 政策連携団体全体で見ると、団体における固有職員の管理職比率は五〇%を超えているということでした。
今回の東京水道サービス株式会社の件を踏まえて、各局団体に対しては、固有職員の人材育成を進めて管理職への登用を促し、固有職員のモチベーションのアップにつなげていただくよう、改めて要望いたしたいと思います。
最後に、復興支援について質問いたします。
東日本大震災から八年半がたちました。東京都はこれまでも、全国の中で率先して、東北の被災地のために、さまざまな支援を重ねてこられました。その中でも、都の職員の方々が被災自治体に赴任をして、現場で仕事を続けてこられたというのは、大変立派な取り組みだと私は考えております。
この間、被災自治体の状況も少しずつ変わってきていると思いますが、東日本大震災より八年半がたち、都職員の派遣に対する自治体のニーズはどのように変化しているのか、伺います。
○伊東復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 現在、都の派遣職員は、道路、橋梁、港湾などの公共土木施設の災害復旧、産業の再生に向けた中小企業支援など、幅広い業務に従事しております。
発災から八年半を経て、職員派遣のニーズは変化してきており、例えば、津波による被害が中心であった岩手県、宮城県では、土木施設工事の進捗に伴い、土木を中心とする技術職の派遣ニーズが減少しております。また、福島県については、今後、避難指示が解除された地域での復興が本格化するため、依然として、事務職、技術職ともに派遣ニーズが高い状況にございます。
○鈴木委員 被災自治体のニーズに合わせて、支援の形も少しずつ変わってきており、それに合わせて、都の職員の方々も、本当に多様なご経験と、そして知識を、お一人お一人、積み重ねられていると思います。
そして、この職員の方々の派遣先での経験というのは、将来、首都直下地震の可能性が高いとされる東京にとっても大変貴重な財産だと思います。
そこで、被災自治体への派遣を通じて職員の方々が得た知見や経験にはどのようなものがあるのか、また、それらはどのような形で都政に生かされているのか、伺います。
○伊東復興支援対策部長復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 都では、被災地で取り組んだ業務の具体的内容や得た知見、今後の都政に生かしたいことなどを職務分野ごとに整理、蓄積し、関連部署間で共有するため、毎年、支援活動報告書を作成しております。
被災地に派遣された職員からは、発災直後の混乱期からの具体的な対応や、被災者や国、市町村との綿密な調整、交渉など、貴重な経験ができたといった話が寄せられております。
また、派遣先自治体や、他自治体から派遣されている職員とともに業務に携わる中で、視野を広げております。
派遣後は、それぞれの職場で、防災対策の向上を初め、被災地でのこれらの経験を生かしているものと考えてございます。
○鈴木委員 私もこの支援活動報告書を拝見いたしまして、本当に職員の方々が被災地で物すごく大きな貢献をされて、しかも、お一人お一人が経験を積み重ねられているというのを拝見いたしました。
ただ、やはり都庁全体として、このお一人お一人のそれぞれの経験が、じゃ、どう具体的に都庁全体の政策に生かされているのか、そのナレッジマネジメントの部分がなかなか足りていないというように感じております。総務局は、もちろん防災の司令塔でもございますので、この復興支援対策部の方で、お一人お一人積み上げてきたご経験を、ぜひこの防災政策にも生かしていただくようお願いをしたいと思います。
私も東日本大震災のボランティア活動を二年ほどやっておりまして、現場で瓦れきの撤去とヘドロの除去を続けてまいりました。ボランティアをやっていますと、やっぱり、なかなか一人でできることというか、ボランティアの限界をいつも感じるんですね。一方で、行政の役割の大きさというか、行政ができることのすばらしさというのも、現場にいると本当に感じます。全てが流されてしまったような現場で、私たち住民がいかに行政に支えられて日々生活をしているかというのを痛感いたします。
この八年半という長い期間にわたって、皆さんが東北の被災地を支援されてきたというのは、私は本当にすばらしいことだと思いますし、また、今回の台風の対応も、やはり都庁の皆さんでなければできないことというのがたくさんあって、それに本当に市民一人一人が守られていると思いますので、私も都民の一人として、皆様にこの場をかりて感謝を申し上げまして、質疑を終えたいと思います。
○藤井委員 都民ファーストの会、藤井あきらでございます。本日、最後の質疑に立たせていただきます。
都民ファーストの会東京都議団を代表いたしまして、人事部、人権部、そして統計部への事務事業質疑を行います。
最初に、都庁組織の見直しについてお伺いいたします。
今年度、都は、喫緊の課題に迅速に対応するためということで、戦略政策情報推進本部、都民安全推進本部、そして住宅政策本部等、新たな組織を設置いたしました。
現在は、東京二〇二〇大会後、二〇二一年度に向けて都庁組織の見直しを検討しているところと聞いておるところでございます。
東京では、今後本格化する人口減少や、近年、急速に激化する都市間競争に打ち勝つために、AI、IoTに代表されるようなデジタルテクノロジーの進展をみずからに取り込み、社会実装を進め、変化の激しい時代を常に先取りして、高い生産性を発揮できる都庁組織をつくる必要があります。
都民ファーストの会東京都議団では、東京二〇二〇大会後を見据えた今後の都庁組織のあり方の検討について、かねてより質疑等を重ねて求めてまいりました。直近では、例えば、ことしの第一定例会代表質問であったり、今そこにいます木村委員の予算特別委員会での質疑、質問、森口つかさ都議の一般質問など、組織についての質疑をさせていただいてまいりました。
新たな都庁組織は、今後策定いたします長期戦略を支えるかなめでありまして、その長期戦略をどのように実行するか、世界の都市とどのように伍して戦っていくのかということを示す、都庁としての構えそのものになると考えております。その検討の方向性や手法についても、引き続き、機を捉えて議論していきたいと考えております。
まずは、直近に控えました東京二〇二〇大会後の都庁組織の見直しについて、現在の検討状況をお伺いいたします。
○山口人事部長 都政を取り巻く環境変化に対応し、持続可能な成長を続ける東京を支えるため、東京二〇二〇大会後の組織再編を見据え、今年度から本格的な議論を開始いたしました。
具体的には、本年六月の都政改革本部会議を皮切りといたしまして、七月からは、各局で組織の課題に関する議論を開始したところでございます。
各局の間では、例えば、増大する行政需要に対応できる組織のあり方や、時代の変化に合った組織のあり方について意見交換を実施しております。
今後、各局の議論等をさらに深化させながら、二〇二一年度の組織再編に向け、都庁組織の方向性を検討していく予定でございます。
○藤井委員 実務を担う現場の声を丁寧に聞きながら、二〇二一年度に向けて速やかに議論を開始したことについて評価をいたします。組織の見直しに関しては、拙速な議論とならないように、しっかりと議論することを要望させていただきます。
一方で、先般、都は、二〇四〇年代を見据えた新たな都政改革に関する検討も開始をいたしました。新たな都政改革では、戦略的な政策展開を支える都庁を目指しており、組織の見直しについても、こうした視点というのが非常に重要なものだと認識をしております。
組織の見直しの検討においても、東京の明るい未来に向けて、二〇四〇年代を見据えた新たな都政改革と一体的に議論していくべきです。見解をお伺いいたします。
○山口人事部長 組織の見直しに当たりましては、東京の将来を見据え、東京二〇二〇大会直後だけではなく、さらにその先の未来の視点を踏まえて検討することが重要であると考えております。
現在、新たな都政改革ビジョンの策定等に向けまして、二〇四〇年代を見据えた課題整理を行っており、組織のあり方議論もあわせて実施しているところでございます。検討に当たりましては、二〇四〇年代の都庁が担う仕事を想定した上で、組織のあり方を議論しております。
今後、新たな都政改革と一体となって、あるべき都庁組織の姿をさらに検討してまいります。
○藤井委員 東京二〇二〇大会の直後だけでなく、その先の未来を見据えて、生産性のより高い都庁組織を目指して、丁寧な議論をお願いいたします。
次に、デジタル人材の確保についてお伺いをいたします。
組織は人なりというように、組織を支える人材は非常に重要でございます。先ほどの都庁組織の強化と優秀な人材の確保、これが車輪の両輪となって、強い都庁というものが生まれてくるのだと認識をしております。特に、AI、IoTなどデジタル人材に関しては専門知識が必要であり、都庁のデジタル化を進め、都民サービスの向上に資する人材の採用が必要であるというふうに認識をしております。
先ほど、本委員会の別のご報告でもありましたが、今月行われました人事委員会からの勧告の中でも、AI等により政策展開を支えるIT人材が必要となるため、採用手段を検討していく必要があるとの意見が述べられております。また、さきの第三回都議会定例会において、都民ファーストの会の代表質問で、デジタルトランスフォーメーションに資する人材の必要性について質問をさせていただきました。その後の進捗状況について確認をします。
都におけるデジタル人材の確保についてどのように進めていくのか、お伺いいたします。
○山口人事部長 ソサエティー五・〇の実現に向けまして、多様で先進的な政策を進めていくため、AI等の先端技術を活用できる人材の確保が必要でございます。
都ではこれまでも、民間から高度な専門性と豊富な経験を有する人材を管理職として登用しておりますが、こうした人材の登用をさらに進めるべく、現在、新たに十名を採用予定としまして、選考手続を行っております。
加えまして、今後の職員採用に当たりましては、人事委員会の意見も踏まえ、ICT関連の職種を新設するなど、これからの都政を担う人材にふさわしい採用方法や育成策の実現に向けまして、速やかに検討を進めてまいります。
東京の未来を見据え、情報通信技術を活用した取り組みを推進する観点から、有為な人材の確保に積極的に取り組んでまいります。
○藤井委員 現在、職種の新設などを検討中とのご答弁でありまして、国や他の団体、民間企業の取り組み等も参考にいたしまして、スピード感を持って人材確保に取り組むことを要望いたします。
九月二十日に宮坂副知事が就任してから、都庁内のデジタル分野で大きな変化が起きていると私も感じております。先日、十月十七日に開催されました戦略政策情報推進本部の「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会で、宮坂副知事は、デジタル人材の体制強化をするということを発表しておりました。
その中では、専門助言員の確保、アドバイザーの確保であったり、特定任期付職員の採用、先ほどお話があったかと思いますが、デジタルシフトを担う課長級職員を募集しているということ、二〇二一年度からICT人材の職種新設を検討している、さらには、民間からICT人材の受け入れを増強していくということを述べておりますので、こちらはぜひ進めていただきたいと思っています。
さらに、その資料の中では、世界の他都市とのITデジタル人材の比較というものもございまして、例えばシンガポールでは、シンガポールの全職員の七%に当たる二千六百人のIT部門の職員がいて、デジタル化にいそしんでいるということです。
一方、東京はといいますと、百人で、全職員の〇・三%しかいないという状況でして、ここは、東京がデジタルシフト、デジタルトランスフォーメーションを進めるために、IT人材の確保が不可欠であるという認識を私も新たにしたところでございます。人材確保のために、ありとあらゆる手段で取り組んでいただきたいと強く要望をさせていただきます。
例えば、民間からのICT人材の受け入れ状況では、常勤の職員だけでなく、国のCIO補佐官のように、パートタイムの人材も活用すべきだと考えます。加えて、世界の他都市にも追いつくには、十倍以上の採用が必要となります。組織、体制を含めた抜本的な検討を強く要望させていただきます。
続きまして、話は変わりまして、人権部への質疑をさせていただきます。
先般の第三回定例会総務委員会では、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例に基づく東京都性自認及び性的指向に関する基本計画の素案について質疑を行ったところでございます。
二〇一八年十月に制定されましたこの条例、昨年十月二日の条例制定の審査の中で、我が会派の質疑に、拡散力を有するNPOあるいは民間団体等の方々など、多様な主体の方々と連携を図りながら、これまで以上に積極的に人権施策を総合的に実施していくというご答弁をいただきましたので、その進捗を確認させていただきます。
その質疑の中で、プライドハウスについて言及がありました。そして、こちらにいらっしゃる谷村委員も言及をしていたというふうに記憶しております。ちょうど現在、ラグビーワールドカップが開かれておりまして、その中でプライドハウスがオープンしております。
来年のオリンピック・パラリンピックでは、プライドハウスなど、社会に対して発信力のある団体の取り組みに対して積極的な支援をするべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○堀越人権部長 東京二〇二〇大会の開催は、人権尊重の理念の浸透の機会であり、東京都、都民及び事業者が一体となった理解、協力が必要であると認識しております。
大会開催の契機を捉え、都の人権施策推進に寄与するさまざまな民間団体等の取り組みなどとどのように連携していくべきか、引き続き検討し、多様な性の理解など、都民の人権意識の高揚に向け、普及啓発のより一層の充実に努めてまいります。
○藤井委員 オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念を実現した二〇二〇東京大会といわれるような、プライドハウス等との連携を期待しているところです。
イングランド、イギリスでは、二〇一二年のロンドン・オリンピックを契機に、法律で同性婚が認められるようになりました。東京大会を目前に控えて、都も、先ほどの人権条例を制定する等、多様な性の理解を進めているところでございます。
また、私もいろんな団体の方々からお話をお伺いしますが、都でも同性パートナーシップ等の制度を導入してほしいという声もよく聞くところでございます。
一方、都内自治体においては、私の地元であります府中を含めた一つの市と五つの区、六市区で同性パートナーシップに関連した制度ができるなど、一歩ずつではございますが、着実に、理解とそういった制度の導入が進んできているところでございます。
そこで、基礎自治体のパートナーシップ制度を活用した連携のあり方も考えられるのではないかと思っているところでございます。熊本県では、熊本市の同性パートナーとしての証明があれば、県営住宅へ入居を認めているとのことでございます。
都でも、都営住宅や都立病院などで、そういった証明書を積極的に活用すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○堀越人権部長 性自認及び性的指向に関して、当事者が抱える困り事はさまざまであり、都の行政サービスにおけるそれぞれの現場において配慮していくことは重要だと認識しております。
当事者の困り事を可能な限り解消していくため、都では、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画の策定を進めております。
基本計画素案の中で、さまざまな現場において、それぞれの実態や施策目的も踏まえながら、どのような配慮や工夫が可能であるかについて個別具体的に検討していくこととしており、今後、必要な取り組みを進めてまいります。
○藤井委員 当事者目線で、個々のお困り事の解消にはぜひ努めてもらいたいと思いますが、広域自治体としての都としては、ぜひとも基礎自治体とより強力に連携をして、そういった理解に取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
今は基礎自治体と都との連携というお話でしたが、一方、基礎自治体同士の連携というのも非常に重要であると考えております。
ちょうど昨日なんですが、先ほどありました熊本市と福岡市が、お互いの同性パートナーシップ制度と連携するというニュースがありました。ニュース記事を引用させていただきますと、LGBTなど性的少数者のカップルをパートナーとして公的に認めるパートナーシップ宣誓制度を導入している福岡市と熊本市は、当事者のカップルが両市間で転居した場合でも資格を引き継げるようにすることで合意したということで、当事者の方々からは、便利だし、画期的という声も上がっているそうです。
都内でも、区市町村同士の連携も並行して進んでいけば、より性自認及び性的指向に関する理解というものが進んでいくのではないかと考えております。
広域自治体であります首都東京が、都と区市町村間及び区市町村相互の連携を強化していくことが必要であると思います。SOGI、性自認及び性的指向の理解促進のため、都内区市町村が参加する連絡会を都が今も継続しているとのことですので、そちらに期待をしているところでございます。
続きまして、犯罪被害者支援についてお伺いをいたします。
現在、都では、犯罪被害者支援条例の制定に向けて準備が進んでいるところです。これは、本総務委員会で趣旨採択されました陳情を受けて、ことしの第一回定例会で、我々都民ファーストの会の代表質問で、小池知事が犯罪被害者等支援条例の制定を表明されたことを受けてのものだというふうに理解しております。
当時、私を含めました都民ファーストの会の総務委員会のメンバーは、犯罪被害者の当事者団体の方々から直接お話をお伺いし、その状況等を直接聞いたことで、やはり、これは何らかサポートをしていかなきゃいけないんじゃないかと強く感じたことを今でも覚えているところでございます。
犯罪被害者の支援においては、犯罪被害後の入り口、そのすぐ後のケアが非常に重要です。犯罪被害後に、相談先もわからず困っているケースというのも聞いておりますし、例えば性犯罪などでは、被害者がなかなか警察にも訴えられないケースがあります。
犯罪被害後に大きなショックを受けている被害者に寄り添い、支援するため、都は、現在どのような対応をとっているのか、お伺いします。
○堀越人権部長 都では、総合相談窓口を設置し、犯罪被害者等からの直接の電話相談等に対応しております。
相談内容に応じて、カウンセリングの実施、裁判所や警察等への付き添い、医療機関や弁護士等の紹介など、さまざまな支援を行っております。
性犯罪、性暴力等の被害者につきましては、総合相談窓口とは別に専用窓口を設け、二十四時間三百六十五日の体制で相談を受けています。性犯罪等は、妊娠のリスクがあるなど、被害直後からの早期救済が必要であることから、医療機関への付き添いなどを行うほか、中長期的な精神的ケアなどのきめ細やかな支援を実施しているところでございます。
○藤井委員 被害直後で事件化する前の段階で、都では相談体制が整備されていることを確認できました。被害直後の支援で重要なことは、できる限り、最大限、被害者に寄り添った上で支援を行うことだと思います。大阪府では、民間団体と連携いたしまして、病院内に相談窓口を設置しているとのことでございます。そういった事例も参考にしながら、被害者に寄り添った支援につながるよう、さらなる相談体制の充実を要望させていただきます。
犯罪被害者支援については、被害者の経済的負担の軽減も重要でございます。
犯罪被害者への経済的支援について、現在、都はどのような取り組みを行っているのか、お伺いさせていただきます。
○堀越人権部長 犯罪被害者への経済的支援につきましては、主な制度として、国の犯罪被害給付制度や、都による一時居所の提供、医療費助成制度、生活資金貸付制度、他機関が実施する各種支援制度などがございます。
こうしたさまざまな制度について、犯罪被害者等の状況に応じて情報提供し、利用につなげることにより、被害者等の経済的負担の軽減を図っているところでございます。
○藤井委員 先般の第三回定例会で、我が会派の森口都議からも要望しておりますが、条例制定に向けては、都としての見舞金や一時的な貸付金など、犯罪被害者の経済的負担の軽減に向けた前向きなご検討をお願いします。
また、マスコミなどによる二次被害というのも問題です。今後、都として、主体的にマスコミ対策に弁護士を派遣するなど、他の都道府県に先駆けた独自の支援策を積極的に検討していただきたいと思います。
続きまして、統計部にお伺いいたします。
十月十七日に公表されました都における統計調査に係る点検結果についてお伺いをしてまいります。
昨今、先ほど鈴木理事からもありましたが、EBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、証拠に基づく政策立案と呼ばれるものであったり、政策評価ということがいわれておりまして、我が会派でもこの推進をしているところでございます。
統計は、現実を客観的に把握して、勘ではなくて、客観的なデータや証拠に基づいて各種政策を判断するための、まさに根幹を担う大変重要なものであります。各種政策、施策を実施するかしないか、すべきかしないかであったり、どの程度お金をかけるべきなのかなどなどを判断するに当たり、統計的な数字が正しいということが大前提となっているものです。
昨年末から大きく報道されておりました国の厚生労働省による毎月勤労統計の不正問題では、東京都もかかわる企業の調査の対象を正式な手続を経ずに変更していたというもので、いまだに正式な数字が公表されていないもので、国の統計の信頼性の根幹を揺るがす大きな問題になっています。
ことしの第一回定例会総務委員会で、私の質疑に対しまして、総務局の皆様からは、今後、各局による自主点検を促し、その結果を取りまとめると答弁をいただきました。今回出てきた公表されたものというのは、これに対応するものであるというふうに認識をしております。
十月十七日に公表されました都における統計調査に係る点検結果の報告内容についてお伺いをいたします。
○影山統計部長 都における統計調査に係る点検は、基幹統計調査、一般統計調査、都の独自統計調査を対象に、平成三十年度実施分を中心に点検を行いました。
点検件数は、同一統計調査を複数の所管部署で実施している場合など、重複して計上していることから、基幹統計調査三十七件、一般統計調査三十八件、都の独自統計調査四十九件でございます。
点検結果につきましては、調査自体は適正に実施されていることを確認できました。
一方、手続上の問題として、総務大臣への届け出が漏れていたものが三件、総務局長への報告が漏れていたものが五件確認されましたが、いずれも結果数値に影響はなく、利用上の支障は生じていないことが確認できました。
○藤井委員 都の各種統計調査は適切に実施がされていて、国のように、結果や数値に影響のあるような事案がなかったということで、とても安心をいたしました。この独自点検をした意味が非常にあるかなと思います。こうした自己点検結果を明らかにしたことによって、東京都の統計に対する信頼性、それが維持向上を図れたということは、とても評価をしているところでございます。
一方、手続的な面で、届け出、報告が漏れていたものがあるとのことでありまして、こちらについても詳細を確認させていただきます。
まず、総務大臣への届け出が漏れていたものが三件あったということですが、国が届け出を求めている目的は何でしょうか。そして、三件について、それぞれ漏れていたのはどれくらいなのか、あわせてお伺いいたします。
○影山統計部長 総務大臣への届け出の目的は、総務省が都道府県並びに政令指定都市の統計調査の実施状況を把握すること及び基幹統計調査の実施に支障を及ぼすおそれの有無等を確認することであります。
届け出が漏れていた期間でございますが、東京都商店街実態調査は、国への届け出の都側窓口である統計部に残る記録を確認する限り、平成元年度の調査開始時点から届け出の記録がありませんでした。また、中小企業金融に関するアンケート調査二件ですが、平成三十年度の実施に当たりまして、報告を求める期間の変更などの届け出が漏れておりました。
○藤井委員 平成元年からということで、今は令和ですので、三十年ですかね。産業労働局の東京都商店街実態調査に関しましては、調査開始から三十年、報告がなされていなかったということですので、大変驚きました。具体的に、どのような調査で、どのように活用されていたのかというのは、今後、産業労働局に確認をしていきたいと思います。
続いて、総務局長への報告が漏れていたものが五件あったということですが、報告を求める目的及び報告の期限はいつだったのか、また、報告が漏れていた五件の統計調査は何か、お伺いをいたします。
○影山統計部長 総務局長への報告の目的は、各局等が作成した統計表などを庁内で各種資料作成などに活用し、施策に役立ててもらうために、データベースとして一元管理しております。
報告は毎年度末までに求めておりまして、平成三十年度分の報告は、平成三十一年三月二十五日を期限として各局に依頼しておりました。
報告が漏れていた五件の統計調査でございますが、住宅・土地統計調査、東京都産業連関表作成のための事業所アンケート調査、物流に関する交通需要マネジメント関連調査、住生活総合調査拡大調査、東京都商店街実態調査でございます。
○藤井委員 繰り返しになりますが、数字や結果に影響を及ぼす重大事案に及ぶものではないということはわかっておりますが、いうまでもなく、手続を守るということは、コンプライアンス上、当然のことであると思います。
中には総務局が主管するものもあり、年度末の忙しい時期で、うっかりというミスもあるのではないかと思います。しかし、そういった緩みから、国の毎月勤労統計の不正のような問題に発展することもあるのではないかと思います。
今回、漏れのありましたオリンピック・パラリンピック準備局、住宅政策本部、そして産業労働局とも連携をして対応をお願いしたいと思います。指導する立場にあるのであれば、きちんと指導していただきたいと思います。
総務局として、今回の点検結果を踏まえて、今後どのような対策をとっていくのか、お伺いいたします。
○影山統計部長 統計に対する信頼性の維持向上を図るためには、調査内容や結果の正確性はもとより、調査に係る手続もおろそかにしてはなりません。
今回の点検結果を踏まえた対応策としまして、まずは、都職員の統計リテラシー、すなわち、統計の有用性を理解し、統計データを活用していく能力の向上を目指していく必要から、各局等統計主管部長会議を活用し、統計に関する情報共有の場としていくことや、統計担当者への研修の充実を図ってまいります。
また、毎年度当初に実施しています各局等の担当者会議におきまして、各種規定や手続の周知に引き続き努めるとともに、今回の点検を一過性とせずに、所管局が自主的に点検を実施する仕組みづくりを構築してまいります。
これらに加えまして、報告を受ける立場の総務局においても、報告状況について、きめ細かい確認作業を行い、未提出の所管部署に対して報告の督促を実施してまいります。
○藤井委員 今回の検査でわかったミスをしやすいポイントであったりとかを、きちんと分析していただくことをお願いさせていただきます。例えば、統計調査が多い局であったりとか、あとは、やっぱり最初に漏れてしまうと、どうしてもその後ずっと漏れてしまうようなケースがあると思いますので、そういったところのフォローを手厚くするであったりとか、マニュアルをきっちり準備するであったりとか、そういったようなことに努めていただきまして、再発防止に努めていただきたいと思います。
また、そういった手続自体が不必要に過重というか、過度なものになっていないかというところも見直していただきたいと思います。手続自体が業務を進める邪魔になってはいけないと思いますので、その目的と、必要かどうかというところをきちんと確認いただきたいと思います。
統計調査は、お金も手間もかかるものでありますので、無駄にしてはいけないものだと思います。長いこと続けて継続してやることに意味があるものもありますし、時がたてば不要な統計調査というものも出てくると思いますので、そういったものを続けるのではなくて、見直しをしていくということも必要ではないかと思います。
繰り返しになりますが、この点検自体は非常に評価しているところでございまして、都の各種統計調査は適切に実施をされていて、国のように、結果数値に影響のあるものではないということが明らかになったのは、非常に本当によかったなと思っています。よりよい統計調査の実施に向けて、今回のような自己点検などを定期的に実施したり、チェックの体制の構築というものを要望させていただきます。
続きまして、最後の部分になりますが、令和二年度の国勢調査についてお伺いをさせていただきます。
令和二年国勢調査は、大正九年、一九二〇年の第一回調査から百年を迎える節目の調査になります。国勢調査は、基幹統計調査として五年ごとに実施されまして、その目的は、国内の人及び世帯の実態を把握し、各種行政施策その他の基礎資料を得ることとなっております。まさに国家の根幹であり、礎を築くものであると認識しております。
令和二年の国勢調査の実施に当たり、調査環境が変わってきているのではないかと懸念をしているところです。調査対象は、調査年の十月一日現在で、国籍、住民基本台帳登録を問わず、日本に常住する期間が引き続き三カ月以上にわたることになる方というのが対象になっています。つまり、日本に住んでいる外国人の方も調査対象です。
平成二十七年の前回調査時点と比較して、東京都においても外国人が増加をしておりまして、来年の国勢調査の実施に当たり、特に外国人への対応は重要であると考えています。
令和二年国勢調査における外国人対応の取り組みの方向性について、現時点での状況についてお伺いいたします。
○影山統計部長 令和二年国勢調査に当たりましては、現時点で、国から案として令和二年国勢調査実施計画などが示されている段階でございます。
その中における外国人対応の取り組みとしては、まず、前回の平成二十七年国勢調査と同様に、世帯に配布する紙ベースの調査票について二十七言語で対応することとしております。また、調査員が訪問した際に、日本語が理解できない外国人世帯とのやりとりに使用するため、外国語連絡表や調査票対訳集などについても二十七言語での対応を予定しております。
令和二年国勢調査から新たな対応としましては、オンライン回答用調査票において、従来の英語に加えて、新たに五言語を追加することとしており、さらに、外国人向けコールセンターの設置を予定しております。
○藤井委員 令和二年の国勢調査における外国人対応の方向性を確認することができました。調査員の多くは日本の方だと思いますので、きちんとアンケートがとれるような体制を、調査できるような体制をつくっていただきたいと思います、これから国と一緒に。
一方、調査に当たって、多言語の対応だけではなくて、そもそも、外国人世帯に対して国勢調査を理解してもらい、調査協力を進めるための取り組みも重要であります。
令和二年国勢調査において、外国人世帯に国勢調査に協力してもらうための取り組みについてお伺いいたします。
○影山統計部長 外国人世帯に国勢調査に協力してもらうための取り組みとして、平成二十七年調査では、二十七言語で表記したポスター掲示などを行い、国勢調査の周知を図ってきたところでございます。
令和二年国勢調査に向けた対応としては、国が外国人関係団体を訪問し、調査実施に向けての協力依頼を行うとともに、外国人世帯へ対する効果的なアプローチについての助言を得て、今後実施する広報等に反映させると聞いております。今後、国において詳細な具体策を策定する予定です。
都としましては、国と連携を図りながら、令和二年国勢調査を適切に実施してまいります。
○藤井委員 国勢調査は、国、そして都、都内区市町村の基礎となるデータでありますので、さまざまな施策にも生かされていくことになります。実態を正確に捉えられるよう、時代の変化に合わせた取り組みを要望して、都民ファーストの会東京都議団を代表しての私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○早坂委員長 お諮りいたします。
事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早坂委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後九時三十九分散会
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