委員長 | 小松 大祐君 |
副委員長 | 藤井 一君 |
副委員長 | 馬場 信男君 |
理事 | 鈴木 章浩君 |
理事 | 両角みのる君 |
理事 | 木村 基成君 |
古城まさお君 | |
藤井あきら君 | |
山内れい子君 | |
藤井とものり君 | |
森口つかさ君 | |
増田 一郎君 | |
原 のり子君 | |
中屋 文孝君 | |
とくとめ道信君 |
欠席委員 なし
出席説明員都民安全推進本部 | 本部長 | 大澤 裕之君 |
総合推進部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 森山 寛司君 | |
治安対策担当部長 | 高野 豪君 | |
若年支援担当部長 | 小菅 秀記君 | |
総務局 | 局長 | 遠藤 雅彦君 |
危機管理監 | 小林 茂君 | |
次長 | 野間 達也君 | |
理事 | 箕輪 泰夫君 | |
総務部長 | 西山 智之君 | |
企画担当部長首都大学調整担当部長兼務 | 久保田直子君 | |
調整担当部長尖閣諸島調整担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 藤原 知朗君 | |
調整担当部長 | 小菅 政治君 | |
訟務担当部長 | 江村 利明君 | |
復興支援対策部長復興支援調整担当部長 被災地支援福島県事務所長兼務 | 伊東みどり君 | |
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 | 小林 忠雄君 | |
都政改革担当部長 | 豊田 義博君 | |
都政改革担当部長 | 勝見 恭子君 | |
人事部長 | 山口 真君 | |
労務担当部長 | 高崎 秀之君 | |
コンプライアンス推進部長主席監察員 政策法務担当部長訟務担当部長兼務 | 貫井 彩霧君 | |
行政部長 | 佐藤 智秀君 | |
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長 事業調整担当部長兼務 | 石橋 浩一君 | |
都区制度担当部長 | 米今 俊信君 | |
総合防災部長 | 有金 浩一君 | |
防災計画担当部長 | 古賀 元浩君 | |
防災対策担当部長 | 榎園 弘君 | |
物資調整担当部長 | 大澤 洋一君 | |
統計部長 | 影山 忠男君 | |
人権部長 | 堀越弥栄子君 |
本日の会議に付した事件
決議について
都民安全推進本部関係
報告事項(質疑)
・「東京都再犯防止推進計画(案)」について
・自転車の安全で適正な利用の促進に向けた専門家会議の設置について
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百一号議案 東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百二号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百三号議案 都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・二〇二〇改革プラン(平成三十年度改定)について
・東京都政策連携団体活用戦略の概要について
・東京都政策連携団体経営改革プラン改訂版(二〇一九年度)の概要について
・東京都地域防災計画(震災編)の修正素案について
・セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇一九について
○小松委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、決議について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○小松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案の審査並びに都民安全推進本部及び総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより都民安全推進本部関係に入ります。
報告事項、東京都再犯防止推進計画(案)について外一件に対する質疑を一括して行います。
本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○馬場委員 それでは、東京都再犯防止推進計画(案)について質問いたします。
都の各局の取り組みに加えまして、国の関係機関のかかわりもかなり多いのがわかります。それぞれの取り組みの数が大変多いということですね。これによりまして、国と地方自治体との双方による連携強化で再犯防止をさらに進めていっていただきたいというふうに思います。
しかしながら、課題も多くありそうですので、幾つか質問いたしたいと思います。
東京都は、この法が施行されたことを踏まえて、今回、初めて再犯防止に関する計画を策定したわけですけれども、犯罪や非行の問題は、いつの時代も極めて重要なテーマでありまして、計画の有無にかかわらず、率先して取り組んでいただきたい課題であります。
これまでも、国、都、ともに再犯防止には取り組んできていたと思いますが、この間の取り組みと今回の計画策定の経緯についてお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 都はこれまでも、民間の支援団体とも連携し、犯罪や非行の防止に向け、社会を明るくする運動などの啓発活動や関係団体の活動支援に取り組んできたほか、若ナビαによる相談の実施などを通じ、非行少年の立ち直りを支援してまいりました。
再犯防止につきましては、平成二十九年十二月に国において再犯防止推進計画が策定されており、同計画では、犯罪をした者等の社会復帰に関し、国と地方公共団体が連携し、施策を推進していくことを想定しております。
都としての計画策定後は、国、地方公共団体、民間団体等の連携協力により、犯罪をした者等の立ち直りを一層支援し、再犯防止施策を推進してまいります。
○馬場委員 今の答弁にありました社会を明るくする運動ですが、これに対して、東京都は分担金として毎年百万円、また、今年度は更生保護制度七十周年記念大会の年に当たりますので、特別にこの大会へ、知事の出席や、例年より多い七百万円の分担金を支出する計画と聞いています。
しかしながら、そもそも東京都再犯防止推進計画の前提には、近年、初犯者の数は減少しているにもかかわらず、再犯者率は一貫して上昇しておりまして、約五割にも上っているといった問題があり、再犯率を低下させることが大命題であります。
今回のこの計画は、今年度から令和五年度までの五年間の計画ということでありますけれども、この間、再犯者率を何割にするなどという目標があるのか、お伺いをいたします。
○高野治安対策担当部長 都内の刑法犯検挙人員は大幅に減少しているものの、再犯者率は約五割で推移しており、安全で安心して暮らせる社会を構築する上で、再犯の防止が大きな課題となっております。
再犯防止推進法の施行を踏まえ、犯罪をした者等が円滑に社会復帰を果たす上では、地方公共団体が果たす役割が重要であるという考えのもと、国と自治体等の一層の連携による施策推進について期待されているところでございます。
計画の策定後は、各機関の緊密な連携によって、再犯者を一人でも少なくするべく取り組んでまいります。
○馬場委員 犯罪を犯してしまった人も地域の住民の一員であって、地方公共団体の役割が大事であることはいうまでもありません。まさに地域における取り組みが、再犯者率の減になる鍵となると思います。
地域における取り組みは、そこで暮らす住民の理解があってこそであります。この法の第六条では、国民の関心と理解を深めるため、再犯防止啓発月間を七月とするとあります。また、この計画案にも、再犯防止に関する広報啓発活動の推進について記載がなされてあります。
東京都は、こうしたものも含め、都民の関心と理解を深めるために、さまざまな取り組みを行っていくことと思いますが、どのようなものなのか、お伺いします。
○高野治安対策担当部長 犯罪や非行のない安全・安心な地域社会の構築に向けては、都民一人一人のご理解とご協力が不可欠でございます。
計画においては、代表的な広報啓発活動として、犯罪や非行のない明るい地域社会を構築することを目的とした社会を明るくする運動を掲載しております。
都は、本運動におきまして、国との共催によるキャンペーンの実施のほか、シンポジウム等において職員が都の施策を紹介するなど、都民の理解を深める取り組みを行っております。
また、この運動では、七月を強調月間とし、再犯防止に係る啓発もあわせて実施をしておりますが、今後は、七月の強調月間のみならず、地域の防犯活動や各種会議などを通じた啓発を実施し、犯罪や非行の防止と犯罪をした者等の更生について都民の理解を深めるよう努めてまいります。
○馬場委員 次に、罪を犯してしまった人たちの就労に関してお伺いしたいと思います。
現在、それらの人たちの就労支援に際しましては、協力雇用主という、犯罪等の前歴のために定職につくことが容易でない人たちを、その事情を理解した上で雇用してくださっている民間の事業主の存在が実に大きいわけでございます。
計画案の四ページには、協力雇用主の登録が千五十三社とありますけれども、実際に雇用しているところは百三十四社と一割強でしかなくて、かなり少ない厳しい現実なのかなというふうに思います。
法務省が公表した協力雇用主に対するアンケート調査では、過去に雇用していたけれども、直近の一年間、雇用していない理由として、過去に雇った者が短期間でやめてしまったり、勤務態度がよくなかった、また、会社の経営上、雇用する余裕がない等が挙げられております。教育や経済面での負担が大きいというところであります。
国においては、就労・職場定着奨励金として、月額最大八万円、最長六カ月、毎月八万円の奨励金を最長で六カ月、さらに、就労が継続した場合の奨励金が、先ほどの六カ月の後、三カ月ごとに二回、最大十二万円の補助を行っているようであります。
しかしながら、さきのアンケートで示されたように、協力雇用主には、すぐにやめてしまうなどの悩みがありますので、これらの悩みの解消に向けた都の取り組みはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 都では、協力雇用主の活動支援の一環として、保護観察対象少年を臨時職員として雇用しており、この取り組みを通し、就労後の職場定着などの教育効果を期待しております。
また、総合評価入札における提案内容の評価項目として保護観察対象者等の雇用が設定されており、協力雇用主の受注機会の増大を図っております。
今後も、国による取り組みの実施状況を踏まえつつ、協力雇用主の確保に向けた普及啓発に取り組んでまいります。
○馬場委員 今の答弁の中にありました、都において保護観察少年を臨時職員として雇用したとありますけれども、実績は今までどのぐらいあったのか、お伺いします。
○高野治安対策担当部長 臨時職員として雇用した実績でございますが、平成二十八年度に二名、平成二十九年度に一名、平成三十年度に一名でございます。
雇用に当たりましては、本人が少年院在院時に学んだスキル等を生かせるよう配慮するとともに、周囲の職員が適切なサポートをすることで円滑な社会復帰を支援してまいります。
○馬場委員 保護観察少年を、臨時職員、いわゆる都庁のアルバイトとして雇用しているとのことであります。非常によい取り組みだと思います。
非行少年は、必要なスキルを身につけるために、少年院の中でこつこつと努力をして仮退院を迎えています。都庁のこのような大きな組織で仕事を体験することは、少年の自己肯定感を高め、自信を持たせる、とてもよい経験になるだろうと思います。ぜひとも適切なサポートをお願いして、その先の就労につなげていただきたいと思います。
また、これも先ほどの答弁の中にありました総合評価入札の契約案件ですけれども、協力雇用主の契約案件、具体的な件数は把握しているのか、お伺いします。
○高野治安対策担当部長 当本部におきまして、昨年度、三件の実績がございました。
○馬場委員 計画は、まさに緒についたところであります。再犯の防止には、更生後に仕事につけるかどうかが大変重要になります。ソーシャルインクルージョンの考え方からも、協力雇用主の数をふやすことのみならず、よりよい支援のあり方を模索していただきたいと思います。
さて、民間で再犯防止に取り組んでいる方としては、保護司の存在も欠かせません。保護司制度は、治安のよい国、日本の一役を担っているといってもいいと思います。
三年や五年の刑期をフルに務め上げて出所した人には、保護観察はつきません。このケースで刑務所に再び戻る、再び罪を犯してしまう率は五割であるのですけれども、しかしながら、仮釈放で出所した人は、再び罪を犯さないように、保護司が立ち直りのお手伝いをしていますね。この場合の再犯率は三割であることから、仮釈放の率がふえている実態もあります。
しかしながら、最近は、その保護司の数が減少しておりまして、現在、都内の保護司充足率は、定数に対して七九%と、ゆゆしき事態であります。
そういった現状を鑑みますと、保護司の確保は、一義的には国の責任ではありますけれども、保護司のなり手を確保すべく、東京都としても果たすことのできる役割もあると考えます。
まずは、保護司の仕事を進めやすくするため、更生支援分野に係る積極的な情報提供などを行って、その他、地域活動を支援していく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 再犯防止の推進に当たりましては、犯罪をした者等の身近で活動に尽力している方々を支えることが必要でございます。
都内の保護司の数は、ご指摘のとおり減少傾向にございますが、都はこれまで、福祉保健局において、地域における活動促進のための補助を実施してきたほか、当本部では、非行少年の社会復帰に資する相談窓口等を紹介する冊子の作成などを行ってまいりました。
引き続き、これらの取り組みや広報活動を実施し、保護司の方はもちろん、民間協力者の方々が活動しやすい環境づくりを進め、更生保護の充実を目指してまいります。
○馬場委員 これまで、青少年・治安対策本部として青少年分野での取り組みを行っていたことは承知しておりますけれども、再犯防止を本格的に進めていくに当たって、今回の組織改正で設置された共生社会担当課の役割に期待するとともに、さらに保護司の数がふえることも大いに期待したいと思います。
再犯防止は、一般的にはまだなじみの薄い分野でありまして、さらにわかりやすく丁寧な広報啓発活動を行って民間協力者の幅を広げて、先ほど申し上げましたソーシャルインクルージョンの理念、つまり、全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護して健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として、包み支え合うという理念を達成することが求められているわけであります。
東京都は、ぜひ民間の支援者のことを十分に考えた意義のある施策を検討していただくことをお願いして、質問を終わります。
○古城委員 私からも東京都再犯防止推進計画について質問をさせていただきます。
第一回定例会の総務委員会でも、特に高齢者、障害者の方々が再犯となって再び刑務所に戻ることなく、地域の中で暮らしていける体制と支援の必要性を訴えて質疑を行ったところでございます。改編、改組された都民安全推進本部のリーダーシップに期待をいたしまして、改めて質問をいたします。
高齢者、障害者が、司法と福祉のはざまで福祉的な支援になかなかつながることができずに刑務所生活を繰り返さざるを得なくなってしまい、そのような方々にとっては、刑務所が最後のセーフティーネット的な存在になってしまっているという課題があります。高齢者、障害者の再犯率の高さから、刑務所の出口と入り口がつながっているとも評されています。
福祉の支援がなければ生活をすることができない高齢者、障害者が、福祉支援体制の不備のゆえに、福祉の支援が及ばないために犯罪を繰り返す状況に陥っているとするのであれば、SDGsや憲法十三条、そして、二十五条の理念の具現化が求められているともいえるのではないでしょうか。
そうした中で、厚生労働省事業として地域生活定着支援センターが全都道府県に設置をされ、東京都においても平成二十三年に設置されています。これは、特に刑務所などの矯正施設からの出所時に関する支援として、出口支援といわれています。
地域生活定着支援センターが設置されている自治体では、出所した高齢者に対する就労支援などで成果を上げていると仄聞いたします。何より、親身になって見守ってくれる存在が再犯防止に大きく役立っていることは想像にかたくありません。
一方で、出口支援だけでは不十分で、裁判段階から福祉がかかわっていかなければ十分な支援は困難であるという考えから、裁判段階での支援が入り口支援と呼ばれており、長崎県の社会福祉法人が大変先駆的な取り組みを行っています。
東京における独自の取り組みとしては、東京社会福祉士会、また、東京精神保健福祉士協会、東京臨床心理士会、精神科医と東京の三弁護士会との団体としての連携が挙げられております。
二〇一五年度からは、この取り組みの一つの結果として、三弁護士会が社会福祉士会や精神保健福祉士協会にソーシャルワーカーの派遣を依頼した場合に、これらの団体が協会としてソーシャルワーカーを紹介、派遣してくれるという制度が立ち上げられております。
さて、都においては、再犯防止推進計画を策定するに当たって、都庁の関係各局、さらには警視庁、そして、国機関から成る検討会を立ち上げて、罪を犯した人の立ち直り支援に取り組んでいる保護司、また、社会福祉士、弁護士、就労支援事業者などから意見を聴取しています。
私も、昨年以来、二度の委員会質疑に至るまで、都の担当者と幾度となく意見交換をさせていただきましたけれども、この計画案の策定に当たってはご苦労されているということも十分に承知をしているところです。
そこで、策定の経緯やどのように工夫したのか、また、この計画を踏まえ、今後どのように施策を進めていくのか、あわせて見解を求めます。
○高野治安対策担当部長 再犯防止施策につきましては、関係団体のほか、国の機関や庁内各局など、関係者が極めて多岐にわたります。そのため、実効的な計画の策定に向け、委員のお話にもありましたけれども、昨年七月に設置をした検討会などにおいて、意見を丁寧に聴取しながら取りまとめてまいりました。
こうした工夫などによりまして、都の再犯防止につながる取り組みをより多く網羅的に掲載し、また、早期の公表を目指しているところでございます。
今後は、この計画を踏まえまして、国の関係機関、区市町村、民間支援機関と連携し、必要な取り組みを推進してまいります。
○古城委員 国の犯罪白書などによりますと、刑務所を出て五年以内に再び罪を犯した六十五歳以上の高齢者のうち、半数近くが半年未満で再犯に至っているとのことであります。この割合は、ほかの世代に比べて高く、深刻な事態といわざるを得ません。急速に進む高齢社会においても見過ごせない課題であると思います。
そうした中、高齢者の犯罪では、万引きが極めて多いとされています。この万引きは、軽微な犯罪であると受けとめられがちですが、軽々に考えてはならないと私は思います。
なぜ犯罪を繰り返すのか、その大きな要因としては、出所後の経済的な困窮と社会からの孤立が指摘されています。
高齢の受刑者は、頼るべき近親者に疎まれることが少なくない上に、出所後も仕事や住居が定まらず、自立した生活を営むことが他の年代に比べて難しいとされます。このため生活の苦しさや寂しさから万引きや窃盗などを繰り返す負の連鎖に陥り、中には、刑務所に戻るために意図的に罪を犯す人までいるといいます。この悪循環を防ぐためには、出所後の自立支援や専門機関でのしかるべき対処を図るべきです。
また、どうしたらいいかわからないと悩んでいる本人はもちろんのこと、家族に対しても行政がしっかりとアプローチし、寄り添って、犯罪の繰り返しを防ぐべきです。
計画案によると、都は今年度も、万引きなどの高齢者による犯罪に関する相談事業を実施するとのことであります。この事業の位置づけなどについて、改めて見解を求めます。
○高野治安対策担当部長 都は昨年度、高齢者万引き相談として、試行的に電話相談窓口を設置いたしました。
この相談を通じまして、認知機能の低下等から万引き等をしてしまう高齢者やそのご家族に対し、相談窓口が対応方法を教示する手段として、一定程度、機能するということを確認したところでございます。
こうしたことから、今年度は、より広く事例を収集し、今後の検討につなげていくことも目的として、実施期間や対象とする罪種を広げ、万引きを初めとした犯罪に関し悩みを抱える高齢者本人やそのご家族向けの電話相談を実施いたします。
社会福祉士や精神保健福祉士等が、高齢者ご本人の状況や生活環境等について適切なアセスメントを行い、相談の内容に応じ、適切な支援機関や団体を紹介等することとしております。
これにより、万引き等の繰り返しを防ぎ、再犯防止を推進してまいります。
○古城委員 刑務所に入所している受刑者のうち、再入者の占める割合が六割に上ることもあるといわれています。刑務所においては、受刑者を更生させるための努力を続けていますが、刑務所内の対応だけでは、その効果が限定的であることは明らかです。
刑務所への再入者の約七割が再犯時に無職で、居場所のないまま出所した約六割が一年未満に再犯に及んでいるとの統計もあります。
円滑な社会復帰による再犯防止は厳しい状況の中、この再犯防止対策でのキーワードは、住まいと雇用であると考えます。この雇用について、協力雇用主に関連して馬場副委員長から言及がありましたので、私からは一言だけ。
我が党の山口那津男代表は、かつて弁護士としての自身の経験を踏まえ、協力雇用主が果たす役割の重要性を指摘し、出所者らに携わる当事者間の連携に力を注ぎ、一人の人が更生をなし遂げるための道を開きたいと訴えておりました。
福岡県北九州市で協力雇用主として非行少年の社会復帰を支援する野口義弘社長のガソリンスタンド、野口石油には、従業員の元気な声が響いております。その中では、少年鑑別所や刑務所などを経験した若者たちも汗を流して働いています。野口社長は、困ったときに助けてくれる人だと気づくと、その瞬間に心を開くと語っておられます。
東京都若者総合相談センター、若ナビαは、若者世代に寄り添って、さまざまな不安や悩みを受けとめ、支えていく窓口であります。私は、たびたび本委員会などで若ナビαを取り上げ、若者がより相談しやすいように、SNSを活用した相談などの体制の拡充を求めておりますけれども、きょうは議題に沿った質問をさせていただきたいと思います。
新宿区保護司会の総会などにお邪魔をした際に、この若ナビαをアピールさせていただいたところ、保護司の先生方から大きな期待が寄せられたところであります。幅広い分野にまたがる相談を受け付け、支援につなげていく若ナビαの機能は、非行少年などの立ち直りのためにも大きな役割を果たすと考えます。
こうした若ナビαの特徴を生かして、非行少年などの自立支援を充実させるべきと考えますが、具体的な取り組みについて見解を求めます。
○高野治安対策担当部長 非行少年などが地域社会の一員として社会復帰するためには、その時々の本人の置かれている状況を的確に見立て、自立のために必要となるさまざまな分野の支援につないでいくことが重要であると認識しております。
このため、若ナビαにおきまして、非行少年などを適切な支援機関等につなぐとともに、こうした支援機関等からの相談にも応じるなど、就学、就労、薬物問題への対応など幅広い分野の相談支援ノウハウを生かし、本人の状況を踏まえた切れ目のない支援につなげてまいります。
また、必要に応じ、保護観察所や法務少年支援センター等の国の機関とともに、非行少年等への具体的対応方法や今後の支援方針を検討してまいります。
こうした取り組みを通じまして、非行少年などに寄り添い、その時々の本人の状況に応じた適切な支援につないでいくなど、社会的自立を後押ししてまいります。
○古城委員 課題や問題が多岐にわたる、こういうところである以上、社会全体における総合的な取り組みが必要であると思います。
裁判所、検察庁、警察に高齢者や障害者、非行少年への配慮を求めることはもちろんのこと、社会復帰する際の受け入れ体制を整えるためには、自治体、刑務所、少年院、保護観察所、地域生活定着支援センター、社会福祉法人等々との連携も必要であり、ひいては社会全体の理解が必要不可欠になるかと思います。
こうした点も踏まえまして、都における再犯防止の取り組みの一層の進展を期待いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○中屋委員 私からも再犯防止について質問を何点かさせてもらいます。
東京都は、現在、計画の策定に向けてパブコメを実施しているとのことであります。策定後は、この計画をてことして再犯防止の取り組みを強化していくことと思いますが、取り組みを進めるに当たっては、都だけで物事を決めるのではなくて、さまざまな関係者の意見を聞くことも必要であります。
我が党の代表質問では、今後、民間団体や区市町村などを構成員とした協議の場を設置していくとの答弁をいただきました。
この計画に限ったことではありませんが、あらゆる計画については、決して策定して終わりとするのではなくて、策定した後、いかに取り組みを実現していくかが最も重要であることはいうまでもありません。
そこで、この協議の場とはどのようなものか、お伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 今回の計画は、これまで国が中心となって実施をしてきた再犯防止の分野につきまして、地方公共団体として必要な取り組みを推進するためのものでございます。
犯罪をした者等が地域において社会復帰を果たすためには、住民サービスなどを円滑に受けられるような配慮が必要であり、保護司を初めとする民間協力者の活動や区市町村の取り組みを促進することは極めて重要であると認識しております。
このため、都は、保護司会などの団体や区市町村などと課題等を包括的に議論する協議会を新たに設置いたします。この協議会におきましては、継続して関係者の意見を聞き、施策に生かしていくとともに、区市町村に対し、計画策定に関する情報提供なども行う予定でございます。
このように、再犯防止のための連携体制を整備することで、再犯防止に向けたより効果的な施策を検討し、推進してまいります。
○中屋委員 ご答弁ありがとうございます。再犯防止の分野は、関係者が多いことと思います。ぜひその協議会では、それぞれの地域で長きにわたって苦労してきた現場の関係者の意見をよく聞いて、都民のため、真に有効な施策を打ち出していただきたいと思います。
さて、現場の関係者という点で欠かせないのが、実際に地域において犯罪をした者の更生について尽力している保護司であります。
私は、約二十年弱、保護司として活動しております。実は保護司の活動は、犯罪をした者や非行少年の立ち直りを支えたいという熱い思いと、その善意によるところが非常に大きく、それぞれの保護司が抱える悩みも多いわけであります。
また、対象者の保護観察期間が終了いたしますと、保護観察にかかわる国のフォローがなくなるわけでございまして、その後に支援を継続する場合には、その人の善意に頼ることとなってしまいます。
こうした場合、現場において犯罪をした者に直接向き合っている支援者に対して、都としてのリーダーシップを発揮していただいて、その活動を促進していくべきだと思います。
そこで、今回の計画策定によって、都は、保護司を初めとした民間協力者の取り組みをどのように支援していくのか、伺います。
○高野治安対策担当部長 ご指摘のとおり、再犯防止の推進に当たりましては、犯罪をした者などに身近な存在として、その立ち直り支援に多年にわたって尽力しておられる保護司の方々のご見識は欠かせないものでございます。
都はこれまで、非行少年等の立ち直りを支援するため、保護司向け情報冊子の作成などを行ってまいりました。
計画策定後は、これを一層充実させ、犯罪をした者などの指導、支援内容に応じた専門機関や制度等の情報を整理し、地域に定着するまでの継続的な支援に資するガイドブックを作成いたします。
このほか、東京都若者総合相談センター、若ナビαにおいて、保護司会や更生保護サポートセンター、保護観察所などとの連携を強化することにより、犯罪をした者などに対する適切な支援を実施してまいります。
このような取り組みによりまして民間協力者の取り組みを支援し、都民が安全で安心して暮らせる社会づくりを行ってまいります。
○中屋委員 ぜひとも地に足のついた支援を実施してほしいと思います。
次に、高齢者よろず犯罪相談について申し上げます。
今回の計画案の中には、高齢者よろず犯罪相談窓口を設置するとあります。
最近は高齢者による犯罪などがクローズアップされておりまして、この状況を私も憂慮しています。超高齢社会といわれる今、高齢者の犯罪対策は切実な課題でありまして、特に万引きなどについては、表面化していないものも多いと考えられまして、被害は相当な規模に及んでいるのではないかと思います。
一方で、高齢者には特有の事情があるために、例えば物事の判断や理解に時間がかかるようになるなど、本人の意識とは別の理由で、ついついそのような迷惑行為に及んでしまうということもあるかもしれません。高齢者の犯罪に関しては、そういった背景を踏まえた取り組みを行うべきではないかというふうに思います。
そこで、都は、高齢者の実態や背景をきちんと把握しているのか、この相談窓口にどのような効果を期待しているのか、所見を伺います。
○高野治安対策担当部長 刑法犯の検挙人員が減少する中、高齢者の検挙人員は横ばいで推移しており、年齢層別では、近年、最も多くなっております。
また、七十歳以上の刑法犯検挙人員の七割以上が窃盗で占められ、その多くは万引きであり、次いで傷害、暴行となっております。
今年度実施をいたします高齢者よろず犯罪相談では、万引きのみならず、他の犯罪も対象とし、社会福祉士などの福祉専門職が相談を受け付けることとしておりまして、相談内容から高齢者が抱える問題の傾向や犯罪に至った背景等を丁寧に分析し、本人や家族などのニーズやその支援を考察することともしております。
こうした取り組みによりまして、悩みを抱える高齢者ご本人やそのご家族にとって適切な支援を行うとともに、万引きを初めとした繰り返し行われる犯罪の発生を防ぎ、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指してまいります。
○中屋委員 ぜひ全力で取り組んでいただきたいと思います。
次に、自転車の安全利用について何問か質問させていただきます。
我が党はこれまで、自転車安全利用条例の制定、自転車安全利用推進計画の策定など、都と議論を交わしながら現在の自転車利用の環境を整備してまいりました。そうした立場から、今回、都が設置した会議の議論が深まるよう、本日は何点か伺います。
これまで、社会全体での自転車安全利用が進むよう、さまざまな施策を展開してまいりました。一方で、減少傾向にあった都内の自転車関与事故件数は、ここ二年間、前年と比較して増加しています。
都とともに自転車施策を構築してきた立場からこの現状を見たとき、今、最も必要なことは、都民に自転車は車両であるという意識を持ってもらうことと考えます。
自転車は、手軽で便利な移動手段として、歩行の延長の感覚で、未成年者から高齢者まで、非常に安易な気持ちで利用してしまうことが少なくありません。当然に自転車が車両という意識も低くなり、普及啓発の呼びかけにも関心が低くなりがちであると考えます。
その一方で、歩行者との接触など事故を起こせば、法律上の責任を問われることになります。
そこで、都民が自転車は車両であるという意識を高めることの重要性を踏まえて、都は、今後どのように普及啓発活動を行っていくのか、伺います。
○高野治安対策担当部長 平成二十九年に自転車活用推進法が施行され、自転車の活用を総合的、計画的に推進するという基本理念が示されておりまして、こうしたことからも、自転車は車両であるという意識を高めていくことは、自転車の安全で適正な利用を進める上で一層重要な事項となっております。
専門家会議の中でも、自転車は手軽に利用できるため、利用者の車両としての意識が低く、歩道上でもスピードを出して走行してしまうなどの意見が出ております。
こうしたことから、お話の、自転車は車両であるという意識を高めることの重要性を踏まえ、今年度行う普及啓発活動においては、対人事故の加害者となり、高額な賠償を求められた事例など、自転車が車両であることによるリスクを、高齢者や成人、学生、児童など対象の違いも意識しながら都民に発信してまいります。
また、啓発活動に使用するリーフレットやポスター、動画などには、自転車が車両であることにより抱えるリスクや、車両として自転車を利用するに当たっての事前の備えや留意点を盛り込み、イベントや街頭ビジョンでも広く周知をしてまいります。
こうした取り組みによりまして、自転車は車両であるという意識を喚起し、自転車関連事故の減少に努めてまいります。
○中屋委員 都としても、自転車利用者が、自転車は車両、乗る人には責任があるということをしっかりと自覚できるよう、今後ともさまざまな場で発信していっていただきたい、こう思います。
都が昨年度から開始した高齢者向けの自転車安全利用講習会は、運転免許証を返納した高齢者が、日常生活の足として、気軽に自転車を利用することも少なくないことから、都民の意識を高めるいい機会であり、より広く実施していくべきであると思います。
一方で、昨年度の事業開始以降、四つの区市で四回の講習が行われておりますけれども、これまで、全て教習所のコースを活用しての実施と聞いております。
そこで、改めて、免許を返納した高齢者等を対象とした都の自転車安全教室の意義と、教習所のない区市町村などでも講習会を開催していく必要性について、都の見解を伺います。
○高野治安対策担当部長 都では、昨年度から、免許証を返納した高齢者などを対象とした自転車安全利用講習会を開始いたしました。
この事業は、免許証を返納した高齢者などが、自動車にかわる交通手段として、安全・安心に自転車を利用できるようにすることを目的に開始したもので、参加者からは、五十年ぶりに自転車に乗ったが、感覚を取り戻すことができた、電動アシスト付自転車の使用への不安が解消されたなどの声が出ております。
高齢化が進む中、幅広く都内の高齢者に安全・安心な自転車利用を広めていくことは、これまで以上に重要になりつつあると考えております。
このため、今後、都としても、委員のお話にあったような教習所以外の場所、屋内駐車場や運動公園などを活用し、講習会を実施するとともに、独自に講習会の実施を計画する区市町村に対しましては、自動車教習所以外の場所での実施方法も含め、情報を提供してまいります。
こうした取り組みによりまして、より多くの高齢者が自転車安全利用講習会に参加できるように努めてまいります。
○中屋委員 都として、従来の取り組みから一歩踏み込んでいただけるとのことで、今後は教習所以外での実施について検討を重ねて、効果の高い講習会が実現されることを期待します。
自転車は道路交通法上の車両であるが、利用に当たって免許証の取得が必要なく、いわゆる原付のように、免許証取得を通じて利用ルールを学ぶ機会がありません。この面からも、自転車利用者はルールに対する意識が不十分であります。
原付自転車は、例えば二段階右折を守らないと、法律違反の行為について取り締まりを受けまして免許証の減点処分を受けますが、自転車利用者の場合は、ルールの理解が十分でない上に、減点処分を受けることもありません。
一方、自転車の利用であっても、自動車の運転免許証を受けた者が運転する場合は、著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるときには免許停止などの処分を受けるケースがあります。
道路交通法上、自転車も、軽車両として車両と同様の法適用を受けることから、利用者の意識を高める上でも、できる限り同様の扱いをしていくことが望ましいと思います。
例えば、自動車や原付自転車の保険加入が義務であるように、自転車についても、自治体の判断で義務化することで自転車利用者の意識が上がり、また、加害事故を起こした場合であっても、相手側に賠償保険が給付されます。
こうしたことから、都としても、条例改正を行って自転車保険の加入を義務化していくべきだと考えますが、そのことについて所見を伺いたいと思います。
○高野治安対策担当部長 都としても、自転車利用に当たり、事前に賠償責任保険に加入することで、自転車利用者の安全に向けた意識が向上するものと考えております。
都は、平成二十五年に制定いたしました東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例で、加入を努力義務としております。
加入促進のため、自転車安全利用教室や自転車購入時などに普及啓発を行っておりますが、加入率は、昨年の都政モニターアンケートでは約五三%であることから、今後、さらなる加入促進が必要であると考えております。
近年の自転車が関与する事故等の状況を踏まえ、五月に、さらなる自転車の安全で適正な利用の促進に向け、専門家会議を設置し、第一回の会議を開催したところでございます。会議では、専門家から、ルール、マナーの一層の周知徹底や自転車点検整備の必要性などとともに、保険加入の義務化についても意見が出されております。
今後は、専門家会議での加入義務化に関する議論や、加入を義務化するべきとの委員のご指摘も踏まえまして、都としての対応を早期に検討してまいります。
○中屋委員 都民の、自転車は車両という意識を高める意味でも、自転車の加害事故に備えるためにも、義務化に向けて積極的な取り組みを期待し、質問を終わります。
○原委員 それでは、再犯防止推進計画(案)について伺いたいと思います。
二〇一六年十二月に国会において全会一致で成立をしたわけですが、犯罪をした者等の社会復帰のために、国や地方公共団体と民間団体との連携協力を明記して、民間団体等の再犯防止活動の促進を図っていく、財政上または税制上の措置を講ずるということ、そして、民間団体により安定的な活動支援を進めるということが位置づけられているというふうに思います。これに基づいて再犯防止推進計画が国でつくられて、その中には、八条で地方再犯防止推進計画を策定することが努力義務となり、さらに、第二十四条には、地方公共団体は国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じ、前節に規定する施策を講ずるように努めなければならないと規定しています。
今回、東京都が計画案を策定するに当たって、国との役割分担をどのように考え、すみ分けをしたのか、伺います。
○高野治安対策担当部長 都はこれまでも、国や民間支援団体とも連携し、犯罪や非行の防止に向け、社会を明るくする運動などの啓発活動や関係団体の活動支援に取り組んでまいりました。
再犯防止につきましては、平成二十九年十二月、国において再犯防止推進計画が策定されており、同計画では、犯罪をした者などの社会復帰に関し、国と地方公共団体が連携し、施策を推進していくことを想定しております。
このような法や国の計画を踏まえ、今回、都としての計画案を策定したものでございます。
都としての計画策定後は、国、地方公共団体、民間団体等の連携協力により、犯罪をした者などの立ち直りを一層支援するなど、再犯防止施策を推進してまいります。
○原委員 国との役割分担をどういうふうに考えていくのか、東京都として、国はこれをやっているけれども、東京都としてはこっちをやろうとか、その辺の具体的なすみ分けというのは、これからパブリックコメントも経て、また、これから練っていく中で進んでいくのかなというふうには思います。
私は、計画をつくるに当たって一番大事なのは、法の第三条で規定をしている基本理念だというふうに思っています。
この基本理念の中で、安定した就労と住居の確保などの困難さの解決等も指摘をしていますし、また、矯正施設に収容されているときだけでなく、社会復帰した後も、必要な指導や支援を受けられるということも規定しています。
そして、大事だと思ったのは、犯罪をした者等が責任の自覚と被害者の心情を理解する、このことも大事なんだということを基本理念ではいっています。
さらに、実態や各施策の有効性の調査研究を進めるというふうにいっています。
ですので、再犯防止というのは、やはり総合的に考えていかなければいけないんだということが重要だというふうに思います。
そう考えていくと、東京都での再犯防止の取り組みの鍵の一つになるのが、再犯防止のための協議会ということになるのではないかと私は思っています。先ほどいった法の第三条の理念を踏まえて、それにふさわしい必要な機関に協議会に参加をしてもらうということが重要ではないでしょうか。
例えば高齢者や障害者の再犯防止については、特に福祉的な視点が必要になります。東京都地域生活定着支援センターは、その重要な役割を果たしていますが、この支援センターについても、当然、協議会の構成の一つの機関というふうに思うんですけれども、この協議会はどういう機関で構成する予定でしょうか。
○高野治安対策担当部長 犯罪をした者などが地域において社会復帰を果たすためには、住民サービス等を円滑に受けられるような配慮が必要であり、国や庁内各局、区市町村との連携を強化することが重要でございます。
このため、協議会を新たに設置し、情報共有の上、課題等を包括的に議論していくものとしてございます。
この協議会におきましては、お話の東京都地域生活定着支援センターを所管する福祉保健局を初め、各局と連携の上、再犯防止に向けた効果的な施策を検討、推進していくこととしております。
○原委員 わかりました。今、福祉保健局を初めとした各局との連携というお話もありまして、本当にそこも重要だと思っています。東京都の中の各局がどういうふうに連携していくかというのは、非常に鍵だというふうに思っています。
計画案全体を見ますと、例えば性犯罪の問題などは、記述が余りなくて、これで大丈夫かなというのも私は感じているんですけれども、例えば、そういう性犯罪にかかわるような関係ではワンストップ支援センターなどもあり、まさに各局との連携をしていかないといけない、そういうところのお話なども非常に重要になってくるのではないかということを述べておきたいと思います。
先ほどいいました地域生活定着支援センターについては、衆議院の法務委員会で共産党の藤野委員も質問したのですけれども、法案提案者に対しての質問なんですが、支援センターの事業はこの法案の対象に含まれるかというふうに質問して、含まれますということで、そしてさらに、高齢であるとか障害のある方が、そうしたことが再犯につながる理由となってしまわないようにしていくことがこの法案の重要な趣旨の一つだという、そういうやりとりをした上でこの法が成立をしていますので、改めて、そうした機関のさまざまな取り組みが反映されるような協議会の構成をして、考えていっていただきたいということを述べておきたいと思います。
さらに、今回、この計画案をつくる中で、高齢者よろず相談を進めていくという、新しい施策としてやっていくということもありました。これが、万引きのみならず、他の犯罪も対象としているということで、大事な取り組みだと思っています。
既に質疑がありましたので、ここは質問は省略いたしまして意見を述べておきたいと思いますが、高齢者の方の犯罪の背景には、認知症などが進んでいるという場合も当然考えられますので、やはりきちんと医療や福祉との連携というのが必要だということで、このよろず相談の中でどのような相談があり、また、そこには、それぞれの一人一人に応じた対応が丁寧になされる、そうした取り組みになるように、これは期待をしたいというふうに思っています。
また、今回、新しい施策として、このよろず相談が出てきていますが、これは高齢者対象です。でも、高齢者以外の犯罪についてどうしていくのかというのは今後の課題なんだというふうに思うんですね。
例えば障害がある場合の対応ですとか、障害者の方の対応とか、さらに、例えば大阪府では性犯罪者に対する社会復帰支援事業というのを独自に行っていますが、子どもを性犯罪から守る条例というのがあって、それに基づいて、十八歳未満の子供に対する性犯罪を犯し、刑期の終了から五年以内の大阪居住者にカウンセリングなどを行うという、そういう事業だというふうにお聞きしました。こういうことを独自に実施するということも行われています。
ぜひ協議会を中心にしながら十分に意見を出し合って、その経験の中でどういう施策が必要とされているのかということを今後検討していただきたいということを、この場では、この点については求めておきたいと思います。
そして、私は大事だと思ったのは、現在ある施策を活用して再犯防止につなげていこうという点では若ナビαのことが挙げられていまして、これも非常に重要な活動だというふうに思っています。この点についても、先ほどやりとりがありましたので、ぜひきめ細かい対応をお願いしておきたいと思います。
その上で質問したいのですけれども、現在、パブリックコメントを実施されていますが、大事なのは都民の意識啓発ということになると思います。
これまでもさまざま取り組みはありましたが、今回の計画をつくっていくというこの段階で、どのように都民の意識啓発を進めていくのか、強化していくのかということについてお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 犯罪や非行のない安全・安心な地域社会の構築に向けては、都民一人一人のご理解とご協力が不可欠でございます。
計画におきましては、代表的な広報啓発活動として社会を明るくする運動を掲載しており、犯罪や非行のない明るい地域社会を構築することを目的とし、国と共催でキャンペーンなどを実施するものでございます。
今後、再犯防止推進計画の策定を契機といたしまして、この運動のみならず、あらゆる機会を通じ、犯罪や非行の防止と犯罪をした者などの更生について、引き続き都民の理解を深めるよう努めてまいります。
○原委員 今のご答弁で、再犯防止推進計画を契機に、意識啓発についてさらに進めていくということでおっしゃっていました。大事なことだと思っています。
その点でも、私は、先ほど述べました法の理念に立って進めるということを改めて求めたいのですけれども、特に、この間、さまざまな方にご意見も伺ってきているんですが、性犯罪の被害者の方などにお話を伺いますと、加害者が社会復帰すること自体が非常に怖いと。どこで会うかもわからないというお話をされます。
それはもっともなことで、ですので、私は、その意識啓発を進めていく--犯罪を犯してしまった、でも、ちゃんと罪を償って、これから社会で活動していこうという人たちをきちんと支援していく、支えていくということはもちろん重要なことで、同時に、犯罪を犯した人が、そのことを自覚して反省ができるようにする、必要な治療やカウンセリングなど、また指導などに結びついている、受けているんだということが一方であるということが大事だというふうに改めて今思っています。
やはり被害に遭った方の視点から物を見るということも非常に重要なので、そういう視点を持ちながら、都として必要な施策を行っていくということが重要ではないかということを改めて述べておきたいと思います。
計画を策定していくと同時に、新たな東京都独自の施策も、他の道府県の実例なども参考にしながら検討して進めていただくことを求めて、質問を終わります。
○山内委員 私からも東京都再犯防止推進計画(案)についてお伺いします。
この計画案の策定の経緯、検討会において見えてきた東京都における課題、国と地方自治体、民間との役割分担等、今後の進め方についてお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 都内の刑法犯検挙人員は、平成二十五年には三万四千九百六十九人でございましたが、平成二十九年には二万八千五百三十人となりまして大幅に減少しているものの、再犯者率は約五割で推移しております。
再犯防止推進法及び国の再犯防止推進計画を踏まえ、犯罪をした者等の立ち直りを支援し、犯罪や非行の繰り返しを防ぐため、都では、平成三十年七月に検討会を設置し、都の計画策定に向けた検討を進めてきたところでございまして、犯罪をした者などが円滑に社会復帰するためには、都がみずから施策を推進することはもとより、民間協力者の方の活動や区市町村の取り組みを促進することが重要であると認識しております。
計画案では、保護司会を初めとした民間団体や区市町村などを構成員とした協議の場を新たに設置し、継続的に現場の意見を聞き、施策に生かしていくこととしております。
また、区市町村に対しましては、この協議の場を活用し、情報提供を行うとともに、各種施策の検討などに共同して取り組むことで、その計画策定を支援し、再犯防止施策を促進いたします。
これらにより各地域の再犯防止の取り組みを促進し、都民が安全で安心して暮らせる社会づくりを行ってまいります。
○山内委員 それでは、刑務所内でどのような支援が行われているのか、また、課題についてお伺いしたいと思います。
そして、障害のある人や高齢、依存症のある人等の状況、支援について教えてください。
○高野治安対策担当部長 刑務所内では、出所後の就労に向けた支援として、美容科や自動車整備科など五十種類の職業訓練が実施されております。
また、障害のある者や高齢の者につきましては、必要に応じて、刑務所に配置された福祉専門官等により、関連する制度の説明や手続の支援などが行われており、また、薬物、アルコール等の依存症については、認知行動療法に基づくプログラムが実施され、出所後の社会復帰に向けた支援が図られております。
刑務所内の支援に関しましては、社会のニーズを反映した職業訓練の実施や、障害のある者や高齢の者に対する福祉的支援の充実といった課題があるとされております。
○山内委員 出所する人の支援の流れ、どんな人がどのような支援をするのか、また、人数がわかれば教えていただきたいのですが、そして、出所後にどのような支援をいつまで受けられるのでしょうか。
出所者等のうち、障害があったり、高齢であったりした場合にはどのような支援があるのか、お伺いします。
○高野治安対策担当部長 刑務所在所中から、保護観察所により、出所後の住居や就労先等について調整を行う生活環境調整が実施されるとともに、出所後、保護観察を受ける場合は、保護観察官及び保護司により、社会復帰に向けて適切な支援につなげるなど、必要な助言、指導が行われております。
障害があったり、高齢である者などの生活環境調整につきましては、出所後に必要な福祉的支援を利用することができるよう、関係機関が連携して特別調整が実施されております。
都におきましても、地域生活定着支援センターが特別調整に協力し、入所中から出所後まで一貫した相談支援を実施するなど、出所者の社会復帰及び地域生活への定着を支援してまいります。
○山内委員 適切な住居が確保されないまま出所する人はどのくらいいるのでしょうか。
住居確保のためにどのような支援をしていくのか、お伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 民間の更生保護施設は都内に十九ございまして、年間約千四百人の出所者等を新たに受け入れております。
住居が確保できないまま出所した者につきましては、民間の更生保護施設や自立準備ホームが、法務省からの委託を受けて、一時的に出所者等を受け入れ、宿泊場所や食事を提供するほか、自立に向けた相談、指導等を実施しております。
こうした施設は一時的な居場所であり、施設退所後には住居、住宅の確保が必要となるため、法務省は、保護観察対象者等であることを承知して住居を提供する者の確保を進めており、都におきましても、住宅セーフティーネット法が定める、保護観察対象者等を含めた住宅確保要配慮者の入居を拒まない民間賃貸住宅の登録制度の普及促進を図っております。
○山内委員 ちょっと質問の順番を変えて申しわけないのですが、就労の確保が大きな課題となっているかと思うんですが、協力雇用主の現状、数だとか、補助金、奨励金というのでしょうか、業種等についてお伺いしたいと思います。
また、今後どのくらいふやす必要があると認識しているのか、お伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 都内における協力雇用主は、平成三十年四月一日時点で千五十三業者であり、実際に刑務所出所者等を雇用している協力雇用主は百三十四社でございます。
業種につきましては、約六〇%が建設業、約一四%がサービス業、六%が運送業となっております。
協力雇用主に対する支援につきましては、更生保護の分野として、法務省等が奨励金の支給などを行っております。
国の取り組みに加えまして、都としては、協力雇用主の受注機会の増大を図るため、総合評価入札における提案内容の評価項目として、保護観察対象者等の雇用を設定しております。
今後も、国による取り組みの実施状況を踏まえつつ、協力雇用主の確保に向けた普及啓発をしてまいります。
○山内委員 先ほど、刑務所内で、美容科や自動車整備科など五十種類の職業訓練が実施されているというお話がございました。今、お伺いすると、協力雇用主、偏りがあるということがやはり課題としてあるのかなと思いますので、そのあたりをどういうふうに進めていって、課題として東京都も考えていくのかということがあるかと思います。
もとに戻りまして、犯罪白書によりますと、再犯の七割以上は窃盗で占められ、その多くは万引きで、特に七十歳以上の女性に多く、深刻化しているということです。
万引きは、窃盗症、クレプトマニアというのでしょうか、そういう精神疾患であるとの見解も出てきています。
二〇一七年、青少年・治安対策本部が策定した高齢者による万引きに関する報告書、これを拝見してみますと、都内の高齢の万引き被疑者の経済状況は、一般高齢者に比べて、やや世帯収入は低いものの、生活保護受給者はわずか一割強で、借金がある者も一割には満たず、客観的に生活が困窮している者は少なかったという報告がございました。にもかかわらず、主観的に自分の生活は苦しいと感じている者が半数いたということです。こうした感覚や将来の不安がストレスとなって、万引きにつながっているのではないかと指摘されていました。
こうした生活困窮感や不安は、日常生活で他人との交流が少ない者に見られる傾向があったとのことで、社会的な孤立の影響もうかがえるというふうにございました。
そこで、高齢女性の万引きについてお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 高齢者の刑法犯検挙人員を罪名別で見ますと、窃盗の割合が高く、特に高齢女性では約八割が万引きでございます。
高齢者による万引きなどの犯罪行為の背景には、加齢に伴う種々の機能の低下によるものなどがあると想定されるため、都では、高齢者ご本人やそのご家族等を対象とした犯罪相談を実施いたします。
社会福祉士や精神保健福祉士等の福祉専門職が電話等により相談に対応し、必要に応じて専門相談機関の協力を得るなどして、本人の状況や生活環境等についてアセスメントを行うことで、的確かつ必要な支援につないでまいります。
○山内委員 この計画案には、非行の防止、学校と連携した修学支援等のための取り組みというふうにございましたが、この取り組みについてお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 平成二十八年の全国の高等学校進学率は九八・五%でございますが、少年院入院者の二八・九%、入所受刑者の三七・四%が、中学校卒業後、高等学校に進学をしておりません。
また、非行等に至る過程で、または非行等を原因として高等学校を中退する者も多く、少年院入院者の三六・八%、入所受刑者の二四・六%が高等学校を中退している状況でございます。
当本部では、若ナビαにおきまして、非行等に陥った少年の社会復帰を支えるため、本人やそのご家族を対象とした相談により、本人に必要な支援等を見立て、就学、就労等の適切な支援につないでおり、若ナビαと関係機関との連携の上、若ナビαにおいて積極的に就労支援にかかわり、ハローワークへの同行などを通して保護観察処分少年の採用が決まった事例もあり、引き続き、若者の社会的自立を後押ししてまいります。
○山内委員 若い人たちの就学支援というのが大きな問題になるかと思います。いつでもやり直せる、そして、そういう機会に恵まれるということが、これから課題として大きくなるかと思います。
東京都では、保護観察対象少年の公的機関における非常勤職員としての雇用をしているということですが、この雇用の実績、課題、そして、今後についてお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 都では、保護観察対象少年を臨時職員として雇用しておりまして、平成二十八年度に二名、平成二十九年度に一名、平成三十年度に一名の実績がございます。
少年院での生活と都庁で働く毎日とは、大きく生活環境が変わることになるため、いかにして本人が無理なく仕事を続けられるようにするかが課題でございます。
雇用に当たっては、本人が少年院在院時に学んだスキル等を生かせるよう配慮するとともに、周囲の職員が適切なサポートをすることで円滑な社会復帰を支援してまいります。
○山内委員 再犯する人には、家族や社会とのつながりがなく、孤立している人が多いといわれています。孤独や寂しさを補い、楽しく生きがいを発見しながら社会につながる居場所づくりも重要です。
罪を犯してしまう若者の中には、家庭や学校などに居場所がなく、虐待やネグレクト、貧困、いじめなど生きづらさを抱えていたり、障害があったり、助けてというSOSの声を上げて人に頼ることができずに犯罪に巻き込まれている現状があります。
こうした若者たちを受け入れる施設はほとんどなく、あったとしても、管理や指導が厳しいなど、人に対する信頼感を失っている若者たちには役に立っていません。
若者が再び犯罪に陥らないようにするためには、話を聞き、一緒に考え、信頼関係を築ける居場所や支援団体が必要です。
住居や就労、就学支援など、関係局等との連携や、社会福祉士や弁護士などの専門家、関係諸団体との連携、特に、信頼できる関連支援団体を把握して東京都が運営を補助し、適切にチェックしていくことが必要です。
そのためには、生活者ネットワークは、この支援者団体のリスト作成を要望して、質問を終わります。
○藤井(あ)委員 都民ファーストの会、藤井あきらでございます。
報告事項、自転車の安全で適正な利用の促進に向けた専門家会議の設置について質疑をさせていただきます。
自転車は、環境負荷もなく、健康増進にも役立つ交通手段であり、世界の都市でも活用が進んでおります。
例えば、先日、私も参加しました国土交通省主催の講演会では、ニューヨーク市の交通局長を務めたジャネット・サディク・カーン氏から、自転車専用レーンの設置やシェア自転車、現在はニューヨーク市で一万二千台導入されているそうでありますが、そういったものを通じて、過去十年間でどのようにニューヨーク市が自転車のまちに変わったかという話を聞きました。
これは主にハード面の整備でございますが、東京都では、東京都自転車走行空間整備推進計画等によって、そういった整備も進めております。
あわせて、ソフト面での整備、安全で適正な利用を促進することは非常に重要であるというふうに認識をしております。
五月末に専門家会議を設置したとのことでございますが、まず、今回の専門家会議の設置の理由をお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 都は、平成二十五年に自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例を制定し、これに基づきまして自転車安全利用推進計画を策定し、自転車の安全で適正な利用の推進に取り組んでまいりました。
一方、減少を続けてまいりました自転車関与事故件数が、一昨年、昨年と増加に転じておりまして、こうした都の自転車関与事故等の現状を踏まえまして、今回、専門家会議を設置し、今後のより一層の自転車の安全で適正な利用に向け、専門家のご意見をいただくことしたところでございます。
○藤井(あ)委員 都における自転車関与事故がふえるなどの現状を踏まえて、専門家会議が設置されたという趣旨を理解いたしました。確かに、警視庁が発表している都内自転車の交通事故発生状況の平成三十年度版を確認いたしましても、自転車関与率が、ここ二年間、増加傾向にあることがわかります。
今後の専門家会議の議論が有意義なものとなるような観点から質疑をいたします。一部、ちょっと重複もしますが、質疑をさせていただきます。
そこで、都はこれまで、自転車安全利用に向けてどのような取り組みを行ってきたのか、また、専門家会議ではどのような意見が出されていて、今後どのように進めていくのか、お伺いをさせていただきます。
○高野治安対策担当部長 都はこれまでも、自転車の安全で適正な利用に向け、春、秋の交通安全運動や、五月の自転車月間に合わせた交通安全教室などで啓発活動を行うとともに、都内での自転車の購入時には、販売店を通じまして、安全利用に向けた確認書を交付するなど、さまざまな機会を活用して、自転車の安全で適正な利用について理解の促進を図ってまいりました。
また、自転車安全利用指導員を街頭に配置し、事故に直結しやすい違反に対しまして、直接、指導啓発を実施しております。
本専門家会議では、年齢層別の普及啓発の強化や保険加入の義務化、自転車点検整備の促進などについて意見が出されております。
今後は、専門家の皆様から出された意見を整理しまして、会議を進めてまいります。
○藤井(あ)委員 今後、委員の意見を整理しながら会議を進めるということで、成果に期待をするところでございます。
特に、保険の義務化というご答弁もありましたが、ことしの第一回定例会では、我が会派の白戸都議から、自転車の賠償責任保険の加入拡大に向けた質疑がありました。そして、先日の我が会派の代表質問では、同じく自転車の損害賠償保険の加入義務化について、都として対応を早期に検討するとの答弁があったところでありまして、これは着実に進めていただきたいと要望いたします。
加えまして、今の答弁の中に点検整備のお話がございましたが、都が昨年、都民提案事業として開始した自転車点検整備の区市町村助成事業について、本年はどうなったのか、お伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 都は昨年度、自転車の点検整備に係る区市町村助成制度を創設いたしました。
昨年度は、区市町村との連携を密に、区市町村の既存事業を掘り起こすなどしながら点検整備の促進に努めてまいりました。
今年度も、住民などが自転車点検整備を受ける際の経費を支援する自転車点検整備支援事業と、区市町村が行う点検整備への普及啓発に係る経費を支援する自転車安全利用促進事業を予算化しておりまして、四月には区市町村説明会を実施したところでございます。
今後とも、区市町村と連携をしながら自転車の積極的な点検整備を促進し、安全で安心な自転車利用に努めてまいります。
○藤井(あ)委員 自転車点検整備事業が定着化したとのことで、安全な自転車利用という観点から、よい展開であるというふうに認識をしております。今後、さらに区市町村連携を深めながら制度を発展させていただきたいと思います。
保険や点検整備など、安心して自転車に乗れる環境を整えることを通じまして、世界の都市にも負けない自転車活用のさらなる促進を期待いたしまして、私の質疑を終えさせていただきます。
○小松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都民安全推進本部関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後二時二十五分休憩
午後二時四十分開議
○小松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより総務局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百一号議案から第百三号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 本定例会に提出されました知事給与削減条例についてお伺いいたします。
本条例は、知事の都政改革のさらなる推進に向けた決意と姿勢を示すことを目的に、実施期間を一年間延長することであります。
私たちは、これまでにも述べましたように、知事給与削減の条例提案に反対するものではありません。また、公平性、公正性を担保する立場から設けられております特別職報酬等審議会に諮問せず、知事の都政改革のさらなる推進に向けた決意と姿勢を示すことを目的に給与の削減を行うことは理解するものであります。
しかしながら、改革に向けた姿勢を都民に示すことが目的ならば、あえて、特例措置だからと、一年一年、期間を定めて条例提案することは理解できません。
都政の改革を貫いていくのならば、条例に一年間という期間を定めず、任期の全期間、実施すべきと考えますが、まず見解をお伺いいたします。
○山口人事部長 知事の本来の給与水準につきましては、公平性、公正性をより一層高める観点から、第三者機関であります特別職報酬等審議会の答申を踏まえ、都議会に条例を提出し、ご審議をいただいた上で改定を行っているところでございます。
一方、本条例で提案しております知事の給与の減額措置は、あくまで特例的な措置でございまして、期間を定めて実施すべきものと考えております。
そのため、これまでも一年間という期間を定め、知事が、状況をその都度、総合的に判断した上で特例条例を提出し、議会のご審議をいただいた上で実施してきたと認識しております。
○鈴木委員 期間を定めるということは理解できるわけですけれども、なぜ一年間なのかということに疑問が生じるわけでございます。本人の意思によって行うものでありまして、本人以外の者にその真意を尋ねても、まともに答えられるものではないとは思いますが、知事が、状況をその都度、総合的に判断するまでもなく、一貫した改革への決意を示すための条例ならば、任期の全期間、実施する方がわかりやすいのではないでしょうか。
例えば、名古屋市の河村たかし市長は、条例期間を市長在任中としており、給与は八百万円、退職金も受け取らない特例条例を制定しております。私は、小池知事も、条例期間を在任中までとはしなくとも、任期中にしようと思えば、これまでも可能なことであったというふうに思っております。
また、かつて知事給与削減を行った鈴木、青島、石原の三代の知事は、都財政が極めて重大な危機に瀕していたことから、その象徴として給与を削減したことがあり、早急な対応が必要との認識から専決処分を実施したと聞いております。
それは、都財政の危機という状況が改善すれば正常化するということでありますので、一年ごとの特例措置であったわけであり、このたびの条例案が前例を踏襲して一年ごとの特例措置にすることには当たりません。
さらに、知事が都政改革のもと情報公開を進めていこうというのであれば、その政策についても都民にわかりやすくすべきであり、このようなわかりづらい実施方法は、その姿勢と矛盾しているといわざるを得ません。
そこで、都政改革の決意と姿勢を明らかにすることが目的といわれておりますが、具体的にはどのようなことなのか、お伺いいたします。
○山口人事部長 今回の提案理由でございますが、都政改革のさらなる推進に向けました知事の決意及び姿勢を明らかにするためでございまして、これは、知事みずからが給与減額という形で身を切ることにより、都政改革に向けた強い決意を示すものと認識しております。
○鈴木委員 今の答弁にありましたとおり、給与削減という形で身を切ることにより、都政改革に向けた強い決意、姿勢を示すということであるならば、なおさら、都政改革への一貫した姿勢を示すためにも、一年ごとの特例措置を見直すべきであったというふうに思います。
ところで、知事は、都政改革への強い決意、姿勢を示すために給与削減をする一方で、去る二月十九日に、予算要望ヒアリングを行った団体等を対象に、会費二万円の政治資金パーティーを開催しました。
知事給与と政治資金は、全く内容の異なるものであり、同じ立ち位置で論じることはできないわけでありますけれども、都政報告を趣旨としながら、予算を人質に政治資金パーティーで政治資金を集める姿に、都政改革のために身を切る姿勢を示す知事として、都民が理解することは到底できないと思います。
国会では、国務大臣、副大臣、大臣政務官は、公職にある者としての清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保する観点から、大規模な政治資金パーティーの自粛を申し合わせているにもかかわらず、国務大臣経験者であり、大臣並みの、またはそれ以上の予算編成権や執行権を持っている知事のこのような姿に、都政改革の本気度が全く感じられません。
それ以上に、都政改革推進というイメージづくりのために知事給与削減を行っているといわれても、到底いたし方ないものと思います。
本条例案が都政改革の決意、姿勢を示すものであるならば、何よりも、その姿勢が一貫しており、都民にわかりやすい政策にすべきであると申し述べて、質問を終わります。
○小松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○小松委員長 次に、報告事項、二〇二〇改革プラン(平成三十年度改定)について外四件に対する質疑を一括して行います。
本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○森口委員 私からは、報告事項、東京都地域防災計画震災編の修正素案、そして、セーフシティ東京防災プラン進捗レポートについて伺ってまいります。
都におきましては、本年七月の地域防災計画震災編の修正版公表に向けて、現在、広く都民からの意見を集めているところであります。
東京都には、防災、減災にかかわる計画といたしまして、基本計画、推進計画、対策計画、防災プランなど、さまざまあるわけですけども、まずは、地域防災計画震災編がどのような目的で策定されているのか、伺います。
あわせて、昨年三月に都が策定をしていますセーフシティ東京防災プランとの関係性についても伺います。
○古賀防災計画担当部長 災害対策基本法において、都道府県防災会議は、当該地域に係る地域防災計画を作成し、必要に応じて修正しなければならないこととされております。
都道府県地域防災計画は、都道府県という特定地域に着目し、当該地域の特殊性を加味するとともに、当該地域の防災にかかわりのある機関などが処理すべき事務や業務について、広く定めるものでございます。
東京都地域防災計画は、都の防災対策の根幹に位置づけられるものでございまして、都民の生命や財産を守り、都のみならず、国や区市町村、警察や消防、自衛隊等の関係機関の総力を結集して災害への対応力を向上させていくため、予防から応急、復旧までの各段階で行うべき対策及びその役割分担を定めた計画でございます。
この計画を踏まえ、地震、風水害、火山等の防災対策を迅速に進めていくため策定する事業計画がセーフシティ東京防災プランでございます。
○森口委員 地域防災計画は、国の災害対策基本法に基づき、東京都防災会議において策定される計画でありまして、都における防災対策の根幹であり、最も上位の計画に位置づけられております。
前回の修正は五年前の二〇一四年であり、南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定などを受け、新たに津波対策などを盛り込んだと伺っております。
本計画は、毎年検討がされており、必要に応じて修正を行うとのことでありますが、本年、二〇一九年に改定することになった背景と、具体的に修正された点についてお伺いします。
○古賀防災計画担当部長 地域防災計画は、震災対策を取り巻く環境変化を的確に捉え、見直しを図ることが重要でございます。
前回の修正は平成二十六年に行いましたが、それ以降、熊本地震や北海道胆振東部地震など全国各地で大きな地震が発生するなど、さらなる震災対策の充実強化が必要となっております。
今回の修正では、重点的に取り組む施策について、女性、外国人等、要配慮者の視点に立った対策の強化、昨年の大阪や北海道などで発生した、近年の地震による教訓の具体化、地震に強いまちづくりの推進という三つの視点を掲げております。
これらの視点を踏まえ、昨年行った防災事業の緊急総点検に基づいた新たな施策を中心としつつ、さらなる充実強化を図る取り組みも反映させております。
具体的には、女性や要配慮者の視点に立った避難所運営のあり方や、訪都外国人の増加を踏まえた多言語対応の充実、避難所となる学校への空調設備整備推進、無電柱化のさらなる推進、ツイッター分析ツールを活用した災害情報の収集、応急危険度判定体制の強化などに一層力を入れて取り組んでいくこととしております。
今後、パブリックコメントを経た上で、来月開催予定の防災会議にて修正計画を決定してまいります。
○森口委員 本計画は、直近で二〇一二年、そして二〇一四年にも改定がされておりますが、それらは、いずれも地震の被害想定の見直しが行われたことに合わせた改定であったと伺っております。
今回の修正は、被害想定の見直しによるものではなく、全国各地の震災の教訓を迅速に都の防災対策につなげるべく、小池都政として、備えを常にの精神のもと、スピード感を持ってセーフシティー東京の実現へと取り組んでいる、まさにその姿勢のあらわれであると理解をいたしております。
あわせて、私たち都民ファーストの会東京都議団としまして、これまで主張を行ってきましたさまざまな防災政策が、改めて、今回、東京都の最上位の計画に位置づけられたものと評価をいたしております。
次に、地域防災計画の目標について伺います。
計画は、講じるべき対策だけではなく、中長期的な目標設定が重要であると考えますが、都民の生命と財産を守る上で、どのような目標設定がされているのか、伺います。
○古賀防災計画担当部長 平成二十四年の計画修正の際、災害による人的、物的被害を軽減するだけでなく、速やかな応急対策、その後の都民生活や都市活動を早期に復旧、復興させるため、十年以内に達成する目標を三つ定めました。
予防対策につきましては、建築物の耐震化、不燃化や地域防災力を高めることにより、死者、避難者の減少、建物の全壊、焼失棟数の減少を図っていくことでございます。
応急対策につきましては、国や都、病院等の中枢機関の機能停止を回避するための取り組みを進めるとともに、企業などの備蓄や一時滞在施設の確保により、帰宅困難者の安全を確保することでございます。
復旧、復興対策につきましては、ライフラインを早期に回復させるとともに、被災者の生活再建への道筋をつけることでございます。
○森口委員 本計画には、発災前、発災直後、そして復旧、復興時の三つの減災目標が定められており、それぞれ、震災による死者を六千人減らす、帰宅困難者五百十七万人の安全を確保する、ライフラインを六十日以内に九五%以上確保するなど、具体的な数値が示されております。
被害軽減と都市再生に向けたこの十年間の目標、いわゆる減災目標は、二〇一二年に定められてから、ことしで八年目になるわけでありますが、現時点の進捗について都の見解をお伺いします。
○古賀防災計画担当部長 都は、本計画における目標を達成するため、さまざまな事業に取り組んでおります。
まず、予防対策については、死者、避難者、建築物被害の減少について、特定整備路線の整備や住宅の耐震化などを進めております。例えば特定整備路線については、全二十八区間において事業に着手しております。
応急対策につきましては、国や都、病院等の中枢機関の機能停止を回避するための上下水道管の耐震化を推進しております。例えば下水道につきましては、避難所や災害拠点病院などに接続する部分で耐震化を完了しております。
復旧、復興対策につきましては、ライフラインの早期回復に向け、電力、通信、ガス、上下水道の各ライフライン事業者は、耐震化を進めるとともに、被災後の復旧体制の整備を進めております。例えば、電力は一週間、上下水道は三十日以内に機能回復に努めることとしております。
こうした取り組みの進捗状況につきまして、セーフシティ東京防災プラン進捗レポートを活用して、毎年度お示ししております。
引き続き、これらの目標の達成に向け、関係機関と適切に連携しつつ取り組んでまいります。
○森口委員 先月、五月末に、政府の中央防災会議によりますと、南海トラフ地震の想定死者数が、二〇一三年の試算から三割減少し、二十三万一千人と発表がされております。
都におきましても、今後、想定死者数がどの程度減少したのかなど、この十年間の防災対策の成果が試算がされ、発表されるんだと思われます。
都の多岐にわたる防災事業を取りまとめていただいている総務局として、減災目標を大幅に上回る結果となりますよう、引き続き、各事業の進捗管理とその推進役として、鋭意取り組んでいただきたいと思います。
次に、それぞれの防災事業について伺ってまいります。
地域防災計画における三つの減災目標のうち、発災直後の応急対策にかかわる減災目標では、中枢機能を支える機関の機能停止を回避するという目標が掲げられており、これは、都や国、区市町村といった行政機関や病院などの関係機関が、発災後もその機能を確実に発揮できるようにするということであります。
昨年九月の北海道の地震によるブラックアウトの発生からも、エネルギーの確保という点は、非常に重要な震災の教訓であります。
昨年、都が行った、区市町村の災害対策本部が設置される庁舎における非常用電源の設置状況の調査におきましては、都内二十五の庁舎が稼働時間七十二時間未満とのことでありました。
都民ファーストの会東京都議団といたしましても、昨年、プロジェクトチームをつくり、それぞれの議員が地元区の庁舎を回り、区市町村庁舎の非常用電源の設置状況について視察とヒアリングを行い、発災時の各庁舎のエネルギー確保について改めて危機感を持つとともに、会派内でも十分に議論を重ね、昨年、第三回定例会の代表質問におきまして、区市町村庁舎の非常用電源等の確保に関する要望を行いました。
これを受けて、都は迅速に、補正予算として、昨年度から区市町村庁舎の非常用電源等の確保に関する支援を始めていただいております。
そこで、昨年度から進めております区市町村庁舎の非常用電源設置等の支援について、事業の実施状況を伺います。
○古賀防災計画担当部長 区市町村の災害対策本部は、発災時にその機能を維持し、都の災害対策本部と緊密な連携を図る必要がございます。そのため、都は、区市町村に対し、庁舎の非常用電源設備の設置を働きかけてまいりました。
これまで、五団体から、庁舎建てかえに伴う新たな非常用発電機の設置や蓄電池の購入等、各団体の実情に応じた補助の申請がございました。
また、専門の職員がいないなどの理由で具体的な対策に至らない団体に対しましては、今年度から都が専門家を派遣し、建物の配置や既存電源設備の状態など、個々の事情に応じた最適な非常用電源設備の設置案を提示する取り組みを実施しております。
これまで、十一団体に対して専門家を派遣し、現場調査や職員からのヒアリングを実施しておりまして、今後、詳細な検討を経て、非常用電源設備の具体的な設置案を各団体に提示していく予定でございます。
今後も、専門家派遣事業の利用を促すなど、引き続き区市町村への働きかけを積極的に行い、区市町村庁舎における非常用電源設備の設置を促進してまいります。
○森口委員 地域防災計画における、中枢機能を支える機関の機能停止を回避するという減災目標に直結する事業でありまして、我が会派が推進、そして実現した防災政策の一つとして、引き続き注視をさせていただきたいと思います。今回の地域防災計画の修正素案にもしっかりと反映がされておりまして、評価をしたいと思います。
次の質問に移ります。
都は、一昨年度より、新たに女性の防災人材の育成を行っております。これは、二〇一六年の熊本地震におきまして、避難所における女性のプライバシー確保や、女性リーダーの不在による避難所運営の課題を教訓とし、災害時に活躍できる女性人材を育成するものであり、多様化する被災者のニーズに、よりきめ細かく対応していく上で、非常に意義のある事業と考えます。
地域防災計画におきましても、復興、復旧対策に資する事業であるとともに、防災市民組織の活性化として、予防対策にも資する重要な事業と考えます。
昨年度は、育成講座として、基礎編であるウーマンセミナーと、応用編である防災コーディネーター育成研修会を実施しておりますが、参加者のアンケートを拝見しますと、実践的で有意義だったとの評価に加え、駅前で開催をしてほしい、また、多様な媒体でPRをすべき、研修を受けた人と横のつながりが欲しいなど、さまざまな意見が挙げられておりました。
こうした受講者の声を踏まえ、今年度の事業をよりよいものへと改善していくべきと考えます。
そこで、女性防災人材育成事業の昨年度の実績と今後の取り組みについて伺います。
○榎園防災対策担当部長 都は、発災時に地域や職場で防災活動の核となって活躍し、女性の視点を反映できる女性防災人材の育成を進めています。
昨年度は、基礎的な防災知識を学ぶ防災ウーマンセミナーを四回、リーダー的人材を育成する防災コーディネーター研修を二回実施し、若年層から高齢層まで幅広い年代の女性で、合計で約五百人が参加いたしました。
ご指摘のように、アンケート結果を踏まえて、今年度は、ターミナル駅の近くに開催場所を設定するとともに、SNSの活用や、ポスター、チラシを大学等にも配布し、若者向けの広報を充実させるなど、より多くの女性に参加していただけるよう、工夫しながら実施してまいります。
また、防災コーディネーター研修では、知識の向上や受講者同士の交流の促進などを図るフォローアップを新たに実施してまいります。
引き続き、こうした取り組みにより、女性防災人材を着実に育成してまいります。
○森口委員 引き続き女性の防災人材を育成していただくとともに、実際に研修を受け、防災リーダーとなった方々が、その後、地域や職場でどのような活躍をしているのか検証することも大変重要であり、この取り組みもお願いをしたいと思います。
最後に、台風や豪雨など、風水害に対し都民の適切な避難行動を促す東京マイ・タイムライン事業についてお伺いをいたします。
本事業は、昨今の激甚化している風水害の状況や、昨年七月の西日本豪雨におきまして、避難勧告や避難指示が発令されても、多くの住民が避難行動をとらず被害が拡大したことを教訓としており、都民一人一人がみずからの生活スタイルに合った防災行動計画を時系列で作成することで、災害を自分事として捉え、有事の際の的確な避難行動につながる都の新たな事業であります。
都独自の東京マイ・タイムライン作成セットを開発し、今月、六月より普及啓発に努めていると伺っております。
そこで、マイタイムライン作成支援、普及事業の実施状況についてお伺いをいたします。
○古賀防災計画担当部長 東京マイ・タイムラインについては、約百五十万部を用意し、現在、区市町村に対し配布を行うとともに、都内全ての小中学校、高等学校等の児童生徒に対し、学校を通じて配布を開始したところでございます。
児童生徒への配布に当たりましては、学校関係者に対し、その必要性や作成の要点等を丁寧に説明を行っております。
今後、教育庁において、教員が児童生徒に東京マイ・タイムラインを配布する際に、作成・活用の手引きを使用して風水害への備えの重要性を伝えるとともに、さまざまな教育活動の中で触れられるようにしていくと聞いております。
さらに、都民向けには、区市町村などの関係機関と連携し、マイタイムライン作成講座を実施するとともに、その作成を指導できる人材を育成する研修会を実施することで、地域での活動を通じて普及させてまいります。
○森口委員 まずは子供に焦点を当てて普及に努めているとのことでありまして、我が子の安全を起因として、家族全員で自然災害を自分事として捉えることにつながり、都民の防災意識の向上が大変期待できる事業と考えます。
よりよい事業にするべく、東京マイ・タイムラインセットは配布して終わりではなく、実際の利用者の声を集めることが必要不可欠と考えますが、見解を伺います。
○古賀防災計画担当部長 都民のマイタイムラインの作成を促進するためには、利用者の視点に立って東京マイ・タイムラインの内容を充実させることが必要不可欠でございます。
このため、ご意見をいただく学校を都内の幅広い地域から複数選定して、それぞれの家庭で作成したマイタイムラインや、作成の過程で気づいた点などについてのコメントを児童生徒等から提出してもらいます。
また、東京マイ・タイムラインに同封したガイドブックに掲載したQRコードや、東京都ホームページからも意見を寄せることができるようにしております。
こうした取り組みによりまして、さまざまな世代の意見を集約、分析した内容を東京マイ・タイムラインにフィードバックすることで、マイタイムラインのさらなる実効性の向上を図ってまいります。
○森口委員 今後、より多くの人が利用できるように、東京都防災アプリや東京都防災ホームページにこの機能を加えるなどの取り組みも有効と考えますが、見解をお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 より多くの都民に東京マイ・タイムラインを作成してもらうためには、さまざまな作成ツールを用意することが有効でございます。
このため、都では、紙媒体である東京マイ・タイムラインのキットに加え、スマートフォンやパソコンからでもマイタイムラインを作成、保存ができるデジタル版を、本日から東京都防災ホームページ上で配信を開始するとともに、東京都防災アプリから東京都防災ホームページに誘導するリンクを張りつけます。
また、外国人の方も作成できるよう、同時に英語版も掲載いたします。
こうした取り組みにより、さまざまな方がマイタイムラインを作成して、風水害発生時に的確に避難できるよう、きめ細かな対応を進めてまいります。
○森口委員 今月配布が始まったばかりの新規事業でありますが、学校だけではなく、家庭や地域、職場での活用など、さまざまな取り組みや工夫が、都民に共感をされ、広がっていくように思われます。期待をいたしております。
今回の質疑に当たりまして、都の防災にかかわる取り組みについて、改めて確認をさせていただきました。南海トラフや首都直下地震、また台風、豪雨など、いつ起こるかわからない自然災害の脅威に対し、都が過去の自然災害の教訓をしっかりと生かし、防災対策の見直しとその対策の強化を大変スピード感を持って推し進めていただいており、都民の一人として深く感謝したいと思います。
以上で質問を終わります。
○古城委員 私からは、総務局の報告事項に関連して、行政改革と防災対策について質問をさせていただきます。
初めに、都の政策連携団体についてです。
先日の委員会で示されました資料第5号、東京都政策連携団体活用戦略の後半、一四三ページ以降に参考として付されている監理団体改革のこれまでの取り組みには、今日に至る経緯が示されておりますけれども、確認とともに、私から付言をした上で具体的な質問に入ってまいりたいと思います。
都議会公明党は、行財政改革の草分けとして、また旗振り役として、国に先駆けた福祉施策の充実や、行財政改革の手本となる先見的な政策を実行してまいりました。
都は、一九六〇年代後半から一九七〇年代にかけて放漫財政となり、一九七八年度には、ついに三千四百億円もの膨大な財政赤字を抱える状況に陥り、都財政は破産寸前とまでいわれました。
我が党は、こうした厳しい財政事情の中、都財政を立て直し、赤字解消を強力に推し進めるべく、あくまで都民生活に何がプラスになるのかという視点から、徹底した内部努力や都職員の新規採用を抑えるなど、思い切った行政改革案を次々提案し、断行しました。
いわゆる首切りは行わずに歳出削減に努めた結果、わずか三年後の一九八一年度、見事に実質黒字財政に転換しました。
その後、都の外郭団体の中でも、都の業務を補完するパートナーとして、都が出資するなど支援してきた監理団体は、一九八〇年代末から九〇年代にかけて急激に増加、一九九三年には七十二団体に及び、都財政を圧迫することになります。
都議会公明党は、これらの整理、統合を一貫して主張し、粘り強く推進してまいりました。その結果、都においては団体の見直しを開始し、ピーク時、一九九三年度の七十二団体から、半分以下の三十三団体に減らすことができました。
また、これらの団体に対しては、都庁幹部の天下りの温床になっている、役員報酬や退職金が高過ぎると指摘されてきました。こうした問題にも鋭くメスを入れ、改革を断行し、役員の退職金廃止と役員報酬の引き下げも実現しました。
一九九八年度の都予算編成の際、当時の知事が、財政難を理由に福祉や医療、教育などの予算の大幅削減を発表したことがありました。
都議会公明党は、財政難のツケを都民に回すのではなく、財源不足の解決には、最初に徹底した行政改革の断行が不可欠であり、まず、行政みずからが内部努力をすべきと訴えました。そして、都が出資したり、補助金を出したりしている外郭団体の改革や、職員定数削減などの具体的な行政改革案を提示し、実現を迫りました。
これを受けて、都が行政改革の努力に取り組んだ結果、一九九八年度で五百二億円の予算を捻出でき、シルバーパス制度の存続など、福祉や医療、教育施策を守ることができました。
さらに、我が党は、外郭団体の経営状況を的確に把握し、団体の経営責任、所管局の指導監督責任を明確にするとともに、団体の自律した経営を促進することを目的とする経営評価制度の導入を推進してきました。
都では、一九九七年、地方自治体としては全国で初めて外郭団体の経営評価結果を発表し、都が出資し、指導する第三セクターが巨額な赤字を抱えていることが明確になりました。
また、外郭団体の出資金などに税金が使われている以上、その情報を都民に公開するのは当然という我が党の強い主張が実り、都は、一九九七年度から、それまで一般には公開されていなかった外郭団体の財務諸表などを自由に閲覧できるようにするほか、インターネットを通して各団体の概要などを公開する方針を示しました。
それから二十年余り、従前の職員数や退職金などの行政コストの削減がメインであった行政改革から、行政サービスを、競争原理の視点から、行政が担うべき仕事と民間に任せるべき仕事を明確に立て分け、行政がやるべきか、民間に任せるか、または別の方途でいくかを検討し、よりよい方向に進めていく行政改革へと変容、進化しました。
ことし四月、これまでの監理団体から政策連携団体に、団体の定義、名称が見直されています。多額の都民の税金が使われている態様などから、第二の都庁とも形容されたこともある監理団体ですが、今般、都庁グループとしての機能強化をうたう政策連携団体にあっては、単なる看板のかけかえにとどまってはなりません。不断の改革に取り組むべきです。
今回、団体の位置づけの見直しを行うとともに、活用戦略を策定した意義について見解を求めます。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都はこれまでも、行政運営を支援、補完するパートナーとして監理団体を積極的に活用してまいりましたが、今般、都庁グループ全体の経営の視点から、都とともに政策実現を目指す団体を新たに政策連携団体と位置づけ、協力関係を一層強化していくことといたしました。
あわせて、政策連携団体の活用戦略を新たに策定し、役割の高度化や新たなミッションの付与などの視点から、団体が今後注力すべき業務領域や担うべき役割などについて、団体を所管する局が中期的な団体活用の考え方を示したところでございます。
例えば観光振興におきまして、国内外のネットワークを生かしてマーケティングや企画提案機能を強化していく、あるいは、新たな公園の魅力創出に向けまして、地域と一体となった公園マネジメントなどに取り組んでいく、そういった役割の高度化を図ることといたしました。
こうした政策連携団体の戦略的な育成、活用を通じまして、グループとしての政策推進力を一層高め、都民サービスの質の向上につなげてまいります。
○古城委員 ただいまの答弁においては、なかなかわかりにくい政策連携団体というものは一体どういうものなのかという点について、具体例として観光と公園を挙げていただいておるところでございます。
少し深掘りをしたいと思うんですが、ある調査によれば、イギリスのロンドンは、二〇一二年のオリンピック・パラリンピックの開催後、世界の都市総合力ランキングで、長らく首位だったニューヨークを抜いて一位に浮上しました。オリ・パラ大会を通じて世界の人々に好印象を持たれたのが大きな要因であると指摘されたところです。
東京も、都市の総合的な魅力を高め、発信していくことが求められています。中でも、数千人、数万人の集客が見込める国際会議や国際展示なども絶好のチャンスであります。
東京観光財団は、二〇一四年から、国際会議の誘致を促進するため、ドイツ・ベルリンなど海外の諸都市が参加する国際組織に加盟しています。いわゆるMICEの開催は、知名度アップに貢献し、経済波及効果も大きく、一層の誘致に弾みをつけていきたいところであります。
また、別の話題でございますが、二〇〇九年、全高、高さが約十八メートルのガンダムの等身大立像がお台場地区にお目見えをしました。ちなみに、今、ダイバーシティ東京の前で展示をされているものは二代目でありますけれども、この初代は、緑あふれる都市の再生に向けたイベントのシンボルとして都立潮風公園に設置をされたものです。
このイベントは、GREEN TOKYOガンダムプロジェクトと銘打ち、今回、政策連携団体となる東京都公園協会や、そして、今回、事業協力団体となる東京港埠頭株式会社などでつくる同プロジェクト実行委員会が主催をしました。
人気アニメである機動戦士ガンダムのストーリーが、地球が直面している環境問題に通じる面もあり、ガンダムの活躍が期待され、予想を大きく上回る四百万人を超える来場者があったそうであります。
そして、このイベントの収益は、都の緑化事業を支える緑の東京募金などに還元されました。これからも、活用戦略に掲げる、これまでにない楽しみの提供といった公園づくりに期待をするところであります。
少し個別で申し上げましたけれども、監理団体を政策連携団体に見直すとともに、活用戦略を策定したことによって、都として団体を戦略的に活用し、都庁グループ全体の政策推進力を高めていく方針が示されています。
今後は、都がこれから活用戦略をいかに実現するかが重要です。絵に描いた餅とならないように実効性を担保すべきであります。
そこで、活用戦略を通じてどのように政策連携団体の機能強化を図っていくのか、見解を求めます。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 活用戦略では、団体の将来像とともに、その実現に向けた強化すべき機能と、短期、中期で進めていく取り組みを整理してございます。
そうした取り組みを着実に実行するため、活用戦略の内容を、毎年度定めます団体の経営目標である経営改革プランに反映し、その達成状況を評価してまいります。
経営目標の設定及び評価の際には、外部有識者で構成されます評価委員会からの専門的な意見も踏まえまして客観性や妥当性を担保することで、事業や取り組みのバージョンアップを図ってまいります。
こうした経営目標評価制度のPDCAサイクルの仕組みを通じまして、各団体の自律的かつ戦略的な経営を促すことにより、団体の機能強化を図ってまいります。
○古城委員 第一回定例会における我が党の監理団体の経営改革に関する質問に対して、知事は、PDCAサイクルを徹底し、毎年度、各団体の取り組みに磨きをかける、それから、公益性、公共性の観点から、その経営活動を通じて、これまで以上に都民サービスの向上に資する改革を進めるとの方針を示されています。
引き続き、徹底した行政改革とともに、都民、都政に貢献にすべき政策連携団体の今後の役割と着実な成果に期待をいたしまして、次のテーマに移ります。
次に、防災対策について質問をいたします。
新しい令和の時代の政治的な課題は、昭和や平成から残されたものが多くあります。特に平成の教訓は、防災、減災対策で被害を予防し、その視点を入れた復興を促したことにあります。
国際社会も防災の主流化を目標とするようになっています。我が国こそ、これを政治の柱に据えて、老朽インフラの更新や被害の及ぶタイムラインに沿った回避策など、ハード、ソフトともに地域防災力を強化する具体策を整備すべきです。
今般、東京都地域防災計画震災編修正の素案が示されました。これまで都議会公明党は、現場調査を重ねるなどし、それを踏まえて、定例会や委員会の審議などを通じて本計画の改定をリードしてまいりました。これからも都民の安心・安全を確保するために積極的に取り組んでまいります。
災害時の避難所ともなる公立の学校体育館などの屋内体育施設への空調設置について、我が党が提案をした都独自の補助制度を盛り込む補正予算が昨年十二月に成立したことによって、迅速に整備が開始されています。
加えて、我が党は、区市町村からの要望があるリース契約に都が補助するよう主張し、その点も今年度予算に盛り込まれています。
これらの点について、先日の代表質問でも、課題解決の具体策の提案とともに整備状況を確認し、一層の推進を求めたところです。
この点、本計画の修正素案、冊子でいうところの四八八ページなどに、新たな取り組みとして反映されたことを評価いたします。
さて、先週七日に、関東甲信地方などで、本州でも令和初の梅雨入りが発表されました。先月は、大陸から先島諸島付近に前線が延び、停滞をしたことに伴って、沖縄県の与那国島、鹿児島県の屋久島などでは、一時間に百ミリを超える雨を観測しました。また、たった一日で、五月ひと月の平均雨量に近い雨が降ったともいわれています。
このように、全国では既に豪雨が発生をしており、東京においても、いつこうした豪雨が発生をしてもおかしくない状況であります。本格的な雨のシーズンを迎える今、改めて、都民の風水害に対する意識を高める取り組みについて質問をしてまいりたいと思います。
ハードについて、少しばかりご紹介をしたいと思います。セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇一九にも紹介をされている下水道の浸水対策であります。
私の地元新宿区、その中でも四谷地域、赤坂御所や千代田区とも接するエリアでありますけれども、このエリアにおいては、都市化の進展による下水道への雨水流入量の増加等により、浸水被害がかつて多く発生をしておりました。
この浸水被害を軽減させるため、時間五十ミリ降雨に対応する南元町雨水調節池と南元町幹線が整備をされました。昭和初期に建設された老朽化している四谷幹線を流れる雨水の一部を、整備した南元町幹線に流入させる。そして、その後、四谷幹線を管の内部から補強することでリニューアル、こうした整備が行われました。
南元町雨水調節池については、昭和五十九年七月から第一期が始まり、平成六年三月に第二期が完了をしております。さらに、南元町幹線については、平成二十四年十一月から事業が開始され、昨年、平成三十年五月にこれが完了しているところであります。
一方で、ソフト対策などにつきましては、昨年、全国各地で発生をした自然災害の教訓を踏まえて、都議会公明党は、第三回、それから第四回の定例会において、行政が事前に発信しているハザードマップなどの防災情報や発災時に発信する臨時情報が住民の避難行動に結びついていない課題を取り上げ、都民の自主的な避難行動につながるマイタイムラインの作成や、水害リスクを肌で実感できる映像などの活用を提案いたしました。
また、本年の第一回定例会の我が党の代表質問に対しては、GPSと連動して浸水の深さなどの水害リスクをスマートフォンで確認できるコンテンツを六月までに開発する旨の答弁がありました。
これらを受けて、セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇一九では、今年度の取り組みとして浸水深マップの開発が掲げられています。
こうしたマップは、例えば、外出先における水害のリスクをその場で把握できるとともに、都民一人一人がみずからの避難行動をあらかじめ整理しておくマイタイムラインを作成する際にも大いに役立つものです。
昨日、スマートフォンに、プッシュ通知で東京都防災アプリのバージョンアップのお知らせが参りました。早速、これを受けて、私も東京都防災アプリのアップデートを行いまして、搭載された水害リスクマップで地元新宿区の水害リスクを確認いたしましたけれども、見やすくできておりまして、使いやすいということも実感をいたしました。
一方で、複数の、もともとの状況図が重ねて表示をされないというところもあるのかなと思いまして、一層のブラッシュアップを図っていただきたいと思ったところでもあります。
一方で、水害リスクのベースとなる浸水予想区域図や土砂災害警戒区域等についても、前倒しして改定する、また、新たな指定を行う旨がこの進捗レポートに記載をされております。
そこで、水害リスクマップに表示するリスク情報を常に最新のものにしておくべきと考えますが、見解を求めます。
○古賀防災計画担当部長 都民が風水害への備えを確実にするためには、日ごろから、都内各地で起こり得る水害リスクを容易に確認できることが重要でございます。
そこで、都は、洪水や高潮の浸水のみならず、土砂災害のリスクについてもスマートフォンに表示する水害リスクマップを、昨日から東京都防災アプリから利用できるようにいたしました。
このリスクマップは、河川や高潮の氾濫について、浸水の深さを人や建物と比較して視覚的に表現することで、確認したい地点における水害リスクを、よりリアルに実感できるものとなってございます。
今後は、改定が予定されている河川の浸水予想区域図や土砂災害警戒区域等の新規指定に合わせ、水害リスクマップのデータの更新を行い、常に最新の情報を提供することで、都民の的確な避難行動につなげてまいります。
○古城委員 先ほどの質疑の前提に当たる際に、この水害リスクマップについて、幾つかの想定図が複数表示をされないという点が非常に気になるということも申し上げましたが、今の答弁の中で、水害リスクマップが、そうしたさまざまな、それぞれの風水害に対応をしている、そのように工夫をしているということ、またさらには、浸水予想区域図などの改定に合わせて水害リスクマップも適宜更新をしていく、こういうことを表明していただいたわけでございます。
引き続き、建設局などの都庁内関係部局と連携をして適宜適切に、そして、遅滞なく更新作業を行っていただきたいと要望いたします。
次に、昨年の西日本の豪雨では、避難に関する情報が出されていたにもかかわらず、実際に避難行動に移った人々はごくわずかであったと、このように報道もされているところであります。
都民の風水害に対する意識調査の結果が進捗レポート二〇一九にも記載をされていますが、風水害が起きるかもしれないという不安を感じている方は、昨年と比べて七ポイント増加しているものの、八割前後である地震と比べて五割以下にとどまり、依然として低いことが見てとれます。
これは、地震と比べると、都内で風水害を身近に経験した人が圧倒的に少ないため、なかなかイメージを湧かせることができない、こういったことも一因ではないかと思われます。
私は、昨年、東京消防庁に導入された全国初のVR防災体験車で、風水害編を体験いたしました。地震や火災については、これまで、ある程度の予備知識があった、そういうつもりでいましたけれども、なかなか風水害を知る機会がなかった中で、大変貴重な経験をさせていただきました。
そこで、バーチャルリアリティー、いわゆるVRの技術を活用して、迫りくる風水害を直感的に感じ取ることができる取り組みを進めるべきと考えますが、見解を求めます。
○古賀防災計画担当部長 都民が風水害発生時に確実に避難するためには、水害の危険性を日ごろから認識し、その発生に備えておくことが重要でございます。
そこで、河川の氾濫や土砂災害など、都内各地で起こり得る水害リスクのそれぞれの特徴を捉えて、その脅威が肌で感じられ、いざというときに都民が避難行動を起こすきっかけとなるような映像コンテンツを今後作成してまいります。
その作成に当たりましては、最新の技術を活用できるよう工夫を重ねるとともに、より多くの都民が疑似体験できるよう、その提供方法や普及方法についても検討を重ねてまいります。
こうした取り組みによりまして、都民が風水害を我が事と捉えることで、水害リスクを確認してマイタイムラインの作成に取り組むなど、風水害に対する意識を高め、その対応力を高めてまいります。
○古城委員 他の自治体でも、さまざま、VRの技術を活用した取り組みを進めていると聞いております。こうしたものも参考にしながら、ぜひとも東京ならではの取り組みを進めていただきたいと要望いたします。
さて、水害が発生した際には、区市町村の災害対策本部が司令塔となり、人命救助などの対応を迅速に行う必要があります。しかし、区市町村によっては、災害対策本部となる庁舎そのものが浸水予想区域内にあり、非常用電源設備を備えていたとしても、いざというときには水没により機能しなくなること、こういうおそれも十分に考えられます。
都は、我が党の要望により、昨年度の補正予算において、区市町村の災害対策本部となる庁舎への非常用電源の設置等に対する支援を開始しましたが、この取り組みは、水害への対応についても支援の対象としております。
そこで、災害対策本部となる区市町村の庁舎における非常用発電設備の浸水対策への支援について、これまでの進捗状況を確認するとともに、今後の取り組みについて見解を求めます。
○古賀防災計画担当部長 災害対策本部となる区市町村庁舎の非常用電源設備については、水没等により非常用電源の機能が失われることは避けなければなりません。
昨年、都が実施した調査では、洪水ハザードマップ等において庁舎が浸水する可能性のある団体は二十一団体で、そのうち、水害対策が実施されていない団体が八団体ございました。
都では、水害への備えなど、その機能を確保するための対策の実施について、区市町村へ働きかけを行ってきておりまして、これまで、二団体から水害対策での補助の申請がございました。
具体的には、地下に設置している非常用発電機への浸水を防ぐための防潮板の設置や、浸水しない高所への非常用発電機の設置を今後行う予定となってございます。
今後も、専門家を派遣するなど区市町村の取り組みを支援し、庁舎における非常用電源の機能の確保を図ってまいります。
○古城委員 新しい令和の時代のスタートに当たって、都においても防災、減災、復興を社会の主流とし、都民の安全・安心の確保に向けた施策に都庁一丸となって、また、国や区市町村、そして関係機関とも連携して積極的に取り組むことを強く求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○中屋委員 私からも、防災ということをテーマに幾つか質問をさせていただきたいと思います。
平成の時代は、何かと災害が多い時代でありました。同時に、令和という新しい時代に入り、平成から学んだことを生かしていかなければなりません。
そこで、私から幾つか質問させていただきたいと思いますが、災害が発生した場合には、全ての都民が支援を必要といたします。中でも要配慮者、とりわけ障害者は、災害が発生した場合、災害に関する情報を知ること、避難すること、避難所で過ごすことなど、さまざまな活動で困難に直面する場面も予想されます。
障害者の安全確保や避難には、きめ細かな対応が必要であります。環境の変化で心身の不調を起こすことも予想されるため、公的な支援や周囲の人の配慮が重要であります。
そこで、障害者の災害対策を万全にし、安心して避難できるよう、さまざまな支援を進めていくべきと思いますが、所見を伺います。
○古賀防災計画担当部長 都では、地域防災計画において、障害者を初めとする要配慮者への支援を、各局や関係機関との役割分担のもと実施することとしております。
福祉保健局では、避難所運営のガイドラインを策定するとともに、先駆的事例等を紹介する研修会を開催するなど、区市町村の取り組みを支援してきております。
また、大規模災害の発生を想定し、平時から、区市町村や東京都社会福祉協議会等と連携した東京都災害福祉広域支援ネットワークにおきまして図上訓練を実施し、発災時の対応についての検証を行っております。
さらに、教育庁では、災害時の避難所機能向上等に向け、公立学校のトイレの洋式化への改修を実施しております。
今後、こうした取り組みを着実に実施し、障害者等の要配慮者に対する効果的な支援を進めてまいります。
○中屋委員 今、答弁の中に洋式トイレというのがありました。私も、今から十五年ぐらい前、これを質問しました。まだ当時は、そういう考えも理解がなかなかされなかった。同時に、公明党のまつば先生も、一生懸命、洋式トイレ化に向けて頑張った。そういうこともあって、私は方向性ができたんだろうというふうに思っているんです。
今、私は障害者に特化して質問していますけれども、公立の今の現状、洋式トイレ状況をちょっと見ますと、やはりまだ、財政難だとか、人のお尻がついたものに対して嫌だというような話も出ているようであります、現場でね。
ただ、防災の観点で、そして障害者の観点でいえば、肢体不自由の方は、しゃがむということはできないわけですから、そうした避難場所ということも総合的に考えれば、やはり全面的な洋式化というのは、早期に私は実現すべきだというふうに思っています。
同時に、観光の面だって、外国人からすれば、きれいな日本はすばらしいけれども、トイレの和式を見ると、ちょっと幻滅するというような話も出ているようでありますから、ぜひ総合的な面で、この洋式化というのは進めてもらいたい、こう思っております。
災害が発生した場合、住民はあらかじめ決められた避難所に避難することになっています。しかし、実際には、地理的な理由などから、決められた場所とは異なる避難所に避難する住民が発生することも考えられます。
今、私がいっているのは、区境のところだとか、市境の場面をいっているんですね。何でかというと、区境とか市境というのは、実は、決められた避難所に行くよりも、隣のまちにいった方が早い場合があるんです。
特に、私の選挙区は文京区といって、山、谷があるところで、山の上まで逃げなきゃいけない、でも、隣のまちに平らなところに避難場所があった方が、はるかに早いわけであります。そのことを今いっているんですね。
このような場合でも、多数の被災者が共同して円滑に避難生活を行うためには、被災者同士で避難所運営に相互に協力することが必要であります。そのためには、住民が近隣の地域や関係機関と共同で防災訓練を行うことなどによって、日ごろからお互いに顔の見える関係を築いておくことが私は重要であると思います。
そこで、複数の町会、自治会が連携して行う防災訓練などの取り組みを、都は積極的に推進すべきだと思いますけれども、所見を伺います。
○榎園防災対策担当部長 避難所につきましては、東京都地域防災計画により、区市町村が、原則として町会または学区を単位として指定することとされています。
大規模災害等が発生した場合には、隣接する地域や自治体をまたいで、あらかじめ指定された避難所とは別の避難所に住民が避難することも想定されることから、隣接する町会等で、日ごろから助け合える関係を築いておくことが重要でございます。
そのため、今年度から、町会に防災の専門家を派遣する事業の対象としまして、複数の町会等が共同して行う避難訓練や防災訓練を加え、団体が連携して行う取り組みを支援いたします。
今後とも、このような取り組みを通じて地域防災力の向上を図ってまいります。
○中屋委員 ぜひお願いしたいんです。私は前からいっている話なんですけれども、これは消防庁とか区が本来はやるべき話なんでしょうけれども、なかなかこれが難しいということで、都がリーダーシップをとってもらってやっていただきたいというのが私の質問なんです。ぜひそれはやっていただきたい。
それで、今度は専門家を派遣する事業をやっていただけるということなんですが、専門家といっても、どういう方が来るのかわからないということではちょっと不安ですから、ぜひ、ネット上でもいいので、どういうキャリアの方で、どういう経験を積んだ方かということぐらいは、その地域から、地元から呼ぶ際に、この方を呼びたいとか、少なくともそういうことができるような配慮というのも考えてもらえればありがたいなと、こう思いますので、よろしくお願いいたします。
都はこれまで、都内で先進的に防災活動に取り組む町会、自治会などを東京防災隣組として認定して、その取り組みの発信を通じて地域の防災活動の活性化を図ってきました。東京防災隣組の認定は、もう終了したとのことであります。
自然災害が頻発化、激甚化する昨今、東京防災隣組に代表される、地域防災のかなめとなる自主防災組織が一つでも多く結成され、活発な活動が行われるような取り組みが必要と考えます。
また、地域で活動する町会、自治会の担い手は高齢者や男性が多いことから、女性などを地域防災活動の新たな担い手としていく視点も、私は重要と考えます。
そこで、東京防災隣組認定の隣組の成果と、それから、地域防災活動のさらなる活性化に向けて、都はどのような取り組みを進めていくのか、所見を伺います。
○榎園防災対策担当部長 都は、平成二十三年度から二十八年度にかけて、意欲的な防災活動を行う二百四十六の団体を東京防災隣組として認定し、その取り組みをサポートガイドや都のホームページ等を通じて広く発信することで、自主防災組織の活動の活性化に寄与したものと認識してございます。
二十九年度からは、団体の取り組みをきめ細やかに支援するため、個別の課題に即して専門家が実践的な助言を行う事業を新たに開始し、今年度から派遣団体の拡大を図っています。
また、幅広い防災人材の育成を進めるため、三十年度に、防災市民組織リーダー育成研修の内容を、あらゆる場面に対応できるカリキュラムに見直すとともに、地域防災活動に取り組む女性を育成する研修において、今年度からフォローアップを開始いたします。
こうした取り組みを通じて、共助の核となる町会、自治会等による地域防災活動の活性化を図ってまいります。
○中屋委員 防災隣組でいい経験をしてきたわけですから、さらにステップアップして、新たな、いい成果が生まれるような防災対策をしてもらいたいと思います。
いよいよ東京二〇二〇大会の開催まで一年余りと迫ってまいりました。大会の準備に関しては、競技会場の整備、大会関係車両の輸送、暑さ対策など、とにかく課題は尽きませんが、組織委員会やオリ・パラ準備局が中心となって、これは進めております。
一方で、大会を成功に導くためには、首都直下地震や大雨など、もしものときの対策も極めて重要であります。オール都庁で取り組む必要があるわけであります。
そこで、総務局総合防災部では、東京二〇二〇大会に向けた危機管理対応として、どのような取り組みを行っていくのか、伺います。
○有金総合防災部長 都では、東京二〇二〇大会を成功に導くために、東京二〇二〇大会に向けた東京都安全・安心推進会議を設置し、治安、サイバーセキュリティー、災害、感染症の四つの分野で具体的な対応策の検討を進めております。
このうち、総務局では災害対策分野を担っており、昨年度は、大会中に首都直下地震等の大規模災害が発生した場合の関係機関との連携体制や、競技会場から避難する観客の誘導等について、図上訓練を通じた研修を行っております。
今年度は、首都直下地震に加え、台風等の風水害が発生した際の的確なオペレーションを実施する観点から、図上訓練を実施いたします。
こうした取り組みを進め、大会期間中に、万が一、大規模災害が発生した場合にも、必要な体制が構築できるよう万全を期してまいります。
○中屋委員 次に、風水害対策を質問しようと思ったのですが、古城委員から、非常に細かな、すばらしい質問がありましたので、私からは、東京都区市町村タイムラインの作成手順書、また、ひな形を早く作成するなど、その取り組みを着実に進めていただいて、都における風水害対策の実効性の向上を図っていただきたいということを申し上げておきます。
最後に、無電柱化について質問したいと思います。
電柱は、地震で倒壊をし、道路閉塞や電線切断等によって避難や救急活動、物資輸送に支障が生じるおそれがあるために、無電柱化を進めることは、防災力向上に非常に有効であると思います。
セーフシティ東京防災プラン進捗レポート二〇一九によると、都道の無電柱化の進捗率は四〇%となりまして、二〇二〇年度末の予定は四七%を目指して、今、頑張っておられるということであります。
地域防災計画震災編の修正素案においても、無電柱化については、さらなる充実強化を図る取り組みとして位置づけておりますが、今後どのように進めていくのか、伺います。
○古賀防災計画担当部長 発災時の迅速な救出活動や、安全に避難行動を行うためには、道路機能が確保されていることが前提となるため、無電柱化の推進は極めて重要でございます。
無電柱化を進めている建設局では、今年度、災害拠点病院や消防署などの防災拠点施設と緊急輸送道路を結ぶ区市町村道について取り組みを加速させるため、区市町村に対する財政支援の強化を進めることとしております。
今後も、無電柱化を含めた公助の取り組みについて、毎年度、その進捗状況を明らかにしていくとともに、防災ガイドブックなどを活用した啓発を行い、都の防災力向上を図ってまいります。
○中屋委員 最後に、この無電柱化について、ちょっと私から申し上げたいのですけれども、答えはいいです。
無電柱化が進む一方で、治安対策の観点で考えますと、電柱は防犯カメラの設置に活用されているケースが多いんです。さまざまな犯罪や交通事故によって、今、一般市民が犠牲になる事件が発生しておりますけれども、こうした事件の早期解決のためには、公共空間における防犯カメラは欠かせない状況に今なっています。
無電柱化の推進によって防災力は上がりましたけれども、地域の治安が低下したということでは困るわけであります。施策の推進に当たっては、複眼的、多面的に考えて対応していただくようにお願いをして、質問を終わります。
○とくとめ委員 私も防災問題を中心に質問させていただきます。
ちょっと何人かの同僚の議員と重なる部分もありましたので、少し順番を変えますので、済みませんが、冒頭にいいます。
近年の異常気象に関連して、頻発している全国的な台風被害や、短時間、局地的な集中豪雨による豪雨災害などの経験から、都民の命と安全、財産を守る上で、これまでの発想を超えた災害対応が求められていると思います。
そこで、注目され、具体化が急がれているタイムラインと呼ばれる事前防災行動計画、都は時系列防災行動計画と呼んでいる防災行動の具体化の問題です。
甚大な自然災害などからの逃げおくれや社会的な被害を最小限に食いとめるために、先手先手の防災対応を具体化する防災行動計画ということになると思います。
最初に、都の重要事業の一つであるタイムラインと、その第一歩としてのマイタイムラインの普及と具体化、活用促進について質問いたします。
最初に、Q四で投げておりましたけども、Q一で質問させてもらいます。
今、東京都は、タイムラインの具体化の一つである児童生徒を対象にしたマイタイムラインシートを、六月から十月の出水期を前にして急いで児童生徒に確実に届けて、実効性のある具体化を進めようとしていますが、どうやってそれを支援していくのですか。
児童や生徒への配布に学校の教員の役割を重視していますが、配布と具体化について、教員は具体的にどういう役割を果たすのでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 児童生徒に東京マイ・タイムラインを配布する学校関係者に対し、その必要性や作成の要点等を丁寧に説明を行いました。
これを受けまして、今後、教員が児童生徒にマイタイムラインを配布する際に、作成・活用の手引きを使用して風水害の備えの重要性を伝えていくと、教育庁からは聞いております。
○とくとめ委員 六番目の質問ですけれども、二番目の質問として、消防団は、マイタイムラインの具体化、実効性の発揮にどういう役割を果たしてもらうのでしょうか。実際の避難訓練なども具体化すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○古賀防災計画担当部長 消防団は、地域での防災活動の核となる役割を担っております。
このため、都では、区市町村と連携した防災イベントなどの機会を捉えて、消防団員に対して、地域の状況を踏まえたマイタイムラインの作成を促してまいります。
また、マイタイムラインを活用した防災訓練を実施することとしております。
○とくとめ委員 五番目の質問を三番目に上げさせてもらいます。
児童生徒を対象に、先取り的にタイムラインの個人版、家庭版の具体化であるマイタイムラインを具体化、活用することになります。
自治会や町会などの自主防災組織、中にはコミュニティタイムラインというのをつくっているところもあると思いますが、こういう存在も重要な役割を果たす存在だと思いますけれども、どのように協力、行動してもらうのでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 都では、区市町村と連携した防災イベントなどの機会を捉えて、自主防災組織の方々に地域の状況を踏まえたマイタイムラインの作成や活用を促すことで、風水害発生時の要配慮者への声かけなどの行動につなげてまいります。
○とくとめ委員 四番目の質問として一番目の質問を行います。
東京におけるタイムラインの具体化は、六十二の都内自治体中、三十二の自治体と聞いております。
個人や家庭単位のマイタイムラインや、地域単位のコミュニティタイムラインなどの実効性を地域全体に広げるためには、全自治体で具体化することが不可欠だと思いますけれども、いつまでに全自治体でのタイムライン具体化を完了する予定になっているのでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 都としては、時期を明示した計画等は策定しておりませんが、全ての区市町村がタイムラインを作成する必要があると認識しております。
○とくとめ委員 全自治体で作成する必要があるとの認識ですけれども、改正水防法の具体化としても、都管理河川の減災協議会の方針としても、既におおむね五年以内にという日程が決まっていて、全自治体で作成するのは当然だと思います。
ただ、ことし、出水期に予想される自然災害を最小限の被害に食いとめる上でも、時間との勝負ではないかと思います。完全な具体化ができなくても、実情を踏まえた具体的な支援が東京都としても必要ではないかと。そのこととマイタイムラインが一緒になってこそ、この実効性が担保されるのではないかと思います。
そこで、次の質問ですが、Q二で投げた質問ですけれども、現時点でタイムラインの具体化ができていない自治体の要因や原因というのは、どういう内容になっているのでしょうか。全自治体がタイムラインを具体化するためには、都はどういう支援を行っていらっしゃるのでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 都が行いました調査では、未策定の区市町村については、災害時対応のマニュアル等はあるが、タイムラインとして取りまとめてはいないというものでございまして、また、進まない理由として、参考となる事例が少ないなどの意見が複数寄せられております。
このため、都では、区市町村のタイムライン作成を支援するために手順書及びひな形を作成し、全区市町村に対して配布をしました。
○とくとめ委員 この手順書やひな形は、先日の減災協議会の中でも資料として配布されていると思いますけども、こういう具体的なイメージが湧く支援が必要だと思いますし、当日の減災協議会の資料の中にも、完璧にタイムラインを具体化するんじゃなくて、可能なところから具体化をしていって、それを見直し、練り直しながら状況に合ったものに仕上げていく、そういう支援が必要だと思います。
そういう点で、引き続き、丁寧に、強力に、全ての自治体がタイムラインの具体化が図れるように支援をしてほしいと思います。
次は、三番目に投げました質問ですけれども、自治体でタイムラインの具体化ができていない理由に、浸水予想区域の改定作業が挙げられていますけれども、これがなぜタイムライン具体化のおくれの理由になるのでしょうか。そもそも、浸水予想区域図の改定は、現在、どこまで進んでいるのでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 浸水予想区域図の改定に伴い、例えば、避難所の位置や、避難所開設に従事する職員の確保について見直しが必要となるなど、タイムライン作成への影響が生ずる場合がございます。
都管理河川の浸水予想区域図については、現在、十四流域中の五流域が改定されております。
○とくとめ委員 浸水予想区域図の全域改定は来年ともいわれている中で、より具体的に、実践的に、早期にタイムラインの具体化が推進されるよう、都としても柔軟な支援をしていただいて、今、大きな事業として、百四十万の、子供たちにマイタイムラインのシートを渡して具体化を図ろうというところに、区市町村のタイムラインの具体化が一緒になって進むようにすることが私は大事じゃないかというふうに思います。
次に、総合防災部から総務委員会で報告のあった東京都の地域防災計画震災編やセーフシティ東京防災プランなどの内容を踏まえて、首都直下地震を想定した都内の住宅耐震化の抜本的な促進について質問いたします。
防災対策の事業にかかわって、総合防災部の役割はどういうものかということを見てみました。そこには、東日本大震災や熊本地震の教訓を踏まえて、いつ発生するかわからない首都直下地震等への備えを万全にするために、庁内関係各局の総力を結集して、防災関係機関、民間事業者等との連携を図り、総合的な防災対策を推進しているというふうに明記されております。
この観点から、首都直下地震の発生が迫り、甚大な被害が想定されるもとで、被害を最小限に食いとめる上で重要な住宅の耐震化率の問題であります。
都は、来年、二〇二〇年までに住宅の耐震化率九五%の目標を立てて取り組んできましたが、進捗状況は、二〇一四年時点、これは総務省の統計局が明らかにしたデータに基づいて推計をしておりますけれども、そこで明らかになっている到達点は、住宅の耐震化率は八三・八%、そして、その時点で住宅の耐震化が終わっていないところが百七万戸残っているというふうにされています。こういう深刻な進捗状況の立ちおくれにあります。
さらに、こうした状況にもかかわらず、今年度の住宅耐震化の助成の予算は、昨年度の半分以下に減額をされてしまいました。
知事は、第一回定例会の所信表明で、耐震改修促進計画の改正に着手をして、耐震化や不燃化を効率的に展開すると述べています。そのときの我が党の代表質問に対して、住宅を含む建築物の耐震化は喫緊の課題と答弁をされています。
また、知事は五月の記者会見で、首都直下地震というのはいつ起きてもおかしくない、そのために、常に地震に対する警戒を怠らないのは当然だとも述べています。
こうした住宅の耐震化の状況について、この間、昨年来、いろいろ検討を加えてきた都政改革本部会議では、何年後にどういう状況を達成すべく何をしているかに関する情報公開が不足している、進捗のスピードには懸念がある、今後は、地域別の状況を情報公開して、区市町村の参画を積極的に促しつつ事業を実施すべきと指摘をして、この事業でPDCAサイクルが機能していないということに触れてもいます。
しかし、二〇二〇改革プランでは、これまでの取り組みの成果と今後の進め方では、住宅耐震化の事業については、耐震化率、二〇二〇年、九五%に向けて、防災まちづくりの取り組みの一層の加速が必要というふうに記載されているわけです。
そこで伺いますけれども、住宅の耐震化の進捗状況が、来年度、九五%の目標実現を掲げながら、二〇一四年度推計で八三・八%で大きくおくれて、進捗状況も低迷したままの現状とその要因について、総合防災部としてはどういう認識を持っておられるのでしょうか。
都として、抜本的促進のための具体的な目標と計画はどうするつもりなのかをお答えいただきたいと思います。
○古賀防災計画担当部長 首都直下地震の発生が懸念される東京において、住宅を含む建築物の耐震化は喫緊の課題であり、セーフシティ東京防災プランにおいても、柱の一つとして位置づけております。
今後も、プランに位置づけられた目標に向けて各事業を着実に進めつつ、自助、共助、公助の連携を高め、都の防災力の向上を図ってまいります。
○とくとめ委員 知事も一定の所信表明で述べているように、住宅耐震化の抜本的促進のためには、少なくとも、現在検討中の耐震改修促進計画改正作業の中において、後回しや先送りではなくて、具体的な目標と計画を盛り込むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 耐震改修促進計画については、現在所管する都市整備局で改定作業を進めているところと聞いております。
○とくとめ委員 都市整備局に聞いているというふうにいわれましたけれども、改定作業の検討委員会の議事録を見ますと、住宅の耐震化についての内容は先送りをされて、検討されていないのではありませんか。
担当者が、今、データがわからないから、これから別の機会にという返事を専門家の皆さんにされています。これでは、二〇二〇年、来年までに九五%の目標達成の展望は全くないといわざるを得ないと思います。
そこで、我が党は、ことしの第一回定例会で、高知県の教訓として、耐震助成件数を年間八十六件から千五百六十八件へ、十年間で十八倍にふやした全国トップの経験を紹介いたしました。その後、我が都議団は高知県を訪問して、住宅耐震化の取り組みの詳細な経験を聞き取ってまいりました。
重要な教訓だと思うのは、県知事が、住宅耐震化の促進は、さまざまな地震対策の入り口であり、命に直結する公共事業と位置づけて、三年間で四千五百件という住宅耐震改修の目標実現のため、知事みずからがPDCAサイクルを生かして目標達成の牽引者になって動いています。
その結果、最近の五年間の実績で見ても、高知県の住宅耐震化件数は七千七百件の実績で、東京の五倍以上の実績になっています。住宅戸数も予算も、東京の何十分の一しかない高知で、こういう実績をつくっています。
高知県の取り組みで特徴的なことは、目標の四千五百件の耐震助成が達成されれば、生活支援金、瓦れきの処理、仮設住宅や災害公営住宅の整備などの震災後の事後対策への公費支出があったとしても、事後対策が、何もしないよりも百八億円削減できる、そういうことを明らかにして、公費支出の削減効果を具体的に示しながら取り組んでいることです。
そこで、高知県の経験について質問しますけれども、事前の住宅の耐震助成を拡充すれば、災害事後の被害の軽減ができることはもちろんのこと、災害後の公費支出の削減にもつながるという見地に立っての高知県の経験については、どういう認識をお持ちでしょうか。
○古賀防災計画担当部長 住宅の耐震化につきまして、都市整備局からは、昨年度から支援を拡大するなど、目標に向け取り組みを推進していると聞いております。
○とくとめ委員 都市整備局の取り組みについて、昨年から支援を拡大するなど、目標に向けて取り組みを推進したという答弁がありました。
しかし、セーフシティ二〇一九年の文書を見ますと、目標に向けて支援を拡大したというのは、対象の地域をふやしたと。しかし、予算は四割に削っているんですよね。これで実際の取り組みが前進することになるのかということだと思います。助成地域の拡大はあったものの、先ほどもいいましたように、年間予算は半分以下に削られています。
次に、こういう削減された状況の中では、来年、九五%という目標も到底達成できないと思うんです。改めて、今ご紹介したような全国トップクラスの住宅の耐震化助成の取り組みを進めて、実績も上げているような高知の経験、こういうものは率直に学んで、東京都も生かすべきだと私は思います。
知事を先頭に首都直下地震に警戒する発言もされて、そのための住宅の耐震化が緊急に必要だといわれているけれども、実際はほとんど進展がないという状況をこのまま推移させるわけにはいかないというふうに思います。
それで、実際の事業局は都市整備局だと思いますけれども、少なくともこういう計画は、皆さん方も一緒になってつくっていらっしゃると思いますので、やっぱりPDCAのサイクルに立ってしっかりと点検して、具体的に前進するような検討をしていただきたいということを強く要望して、質問を終わります。
○藤井(と)委員 では、まず、セーフシティ東京防災プランに関連をいたしまして、帰宅困難者対策、一時滞在施設についてお伺いしてまいりたいと思います。
かなりの帰宅困難者が出るということが予測をされておりまして、非常に悩ましい問題だと思うわけでございます。
二〇一八年度におきまして、この一時滞在施設の確保、三十六万人ということで、数自体ふえているということは、一定、評価をするものの、東日本大震災でもそうでしたけども、かなり大量に帰宅困難者が発生することを鑑みると、このような数で足りるのかということを率直に懸念するわけでございますけれども、この点、都としてはどのような認識を持たれていらっしゃいますでしょうか。
○榎園防災対策担当部長 首都直下地震が発生した際には、都内で約五百十七万人の帰宅困難者が発生し、そのうち、行き場のない帰宅困難者は九十二万人と想定しています。
一時滞在施設につきましては、これまでに、都や区市町村の公共施設に加え、企業等の協力を得ながら、行き場のない帰宅困難者九十二万人に対し、約四〇%相当の施設を確保してまいりました。
都では、帰宅困難者対策条例を制定いたしまして、発災時に企業や学校における従業員や児童生徒の帰宅抑制を求めるとともに、事業者に対しては一時滞在施設の確保について協力を求めています。
こうした帰宅困難者対策の取り組みを着実に推進していくことが重要と認識してございます。
○藤井(と)委員 帰宅困難者九十二万人に対しまして、現在確保できている数はおよそ四〇%ということでございまして、あと六〇%、この九十二万人という数字、想定によっても変わってくるのでしょうけれども、九十二万人ということであれば、今後、この六〇%をいかにふやしていくのかということが課題になっていくのかなというふうに思うわけでございます。
その際、三十六万人という現在の数字に対して、約半数が民間施設ということだそうでして、民間施設に今後どのように働きかけていくのかという点がポイントになってくるのかなと思うわけでございますけれども、働きかけをしていく際の課題等については、どのように都としては認識をされていらっしゃいますでしょうか。
○榎園防災対策担当部長 都はこれまで、経済団体が主催する防災に関する講演会など、さまざまな機会を捉えて、広く企業等を対象に一時滞在施設確保への協力を呼びかけるとともに、一時滞在施設確保推進員を配置し、区市町村との連携のもと企業等を訪問するなど、直接的な働きかけを実施してまいりました。
都では備蓄品購入費用の補助を実施してきましたが、さらなる民間一時滞在施設の確保に当たりましては、自己負担や備蓄品の保管スペースの不足、受け入れ時のリスクなどが主なボトルネックとなっていると認識してございます。
○藤井(と)委員 自己負担の面だとか、受け入れ時のリスクということが課題ですというようなご答弁だったと思います。特に、後者の方の受け入れた場合のリスクというのは、多分、一時滞在施設の指定を受けるに当たって、すごく事業者さんにとっては懸念材料なのかなというふうに思われるわけでございます。
余震の発生などが予想されている中で、避難をしてきた人の安全を果たして確保できるのかということが懸念されるわけでございまして、よかれと思って避難されてきた方を受け入れた結果、責任を事業者として問われかねない、管理責任を問われかねないということになりますと、なかなか、施設として指定を受けるということに対して二の足を踏んでしまうということは、ある意味、自然というか、そういったことはいたし方ない部分があるのかなというふうに思います。
この点、例えば、非常時であるということでもございますので、避難をされてきた方にもしつかり理解をいただくというか、事業者に何らか問題が起きてしまったときに、これはある程度の管理責任というものを果たした上ではありますけれども、何か免責の条項をつくっていくなど、東京都としてやっぱり、一時滞在施設になってもらった事業者さんに対して、しっかりと報いていくじゃないですけども、それなりに免責の条項を付与するなり、何らかの対応をやっぱり考えていくことも必要なのかなと思うんですけれども、この点について、どのようなご認識をお持ちになっていらっしゃいますでしょうか。
○榎園防災対策担当部長 民法では、施設の安全管理が原因で他人に損害が生じた場合には、施設の管理者または所有者がその損害を賠償する責任を負う旨、規定されてございます。
このため、民間一時滞在施設において、発災時に余震等で施設が損壊したことなどにより、受け入れた帰宅困難者がけがなどをした場合には、施設側が民法に基づく損害賠償責任を負うリスクがございます。
この問題は、東京のみならず、全国的な課題であることから、法改正による全国共通の制度の創設が必要であると考えており、都は、発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度の創設に向けまして、国に対して法改正を実施するよう提案要求を行ってきています。
○藤井(と)委員 東日本大震災のときも、新宿駅だとか、池袋駅だとか、渋谷駅にすごい人が残って、大変だった状況を思い出すわけでございまして、免責の問題というのは全国共通の課題だということはおっしゃるとおりだというふうに思いますけれども、帰宅困難者の問題というのはやっぱり都市の問題でありますし、とりわけ東京は、首都直下型地震が襲ってきたときに、まずこの問題は出てくるというふうに思いますので、国に対しましても東京都がしっかり働きかけをしていただいて、リードしていくというぐらいの気持ちでぜひ取り組んでいただきたいことを申し上げたいと思います。
次に、自助、共助、公助と、三つの段階の取り組みがあろうかと思います。自助の取り組みについてお伺いをしてまいりたいと思います。
こちらのレポートの中でも書いてあるんですが、家庭内での備蓄状況ということでございまして、三日分の食料と水をご家庭で確保してください、備蓄してくださいということで東京都が働きかけをしているわけでございますけれども、食料については、現在六割、そして、水に関しましては五割弱、四六%という数字にとどまってございまして、前年と比べましても、食料の方は七〇から六〇、水の方は五五から四七ということで、これまでは順調に伸びてきたんですけど、ここに来て、自助の取り組み、これは全般にもいえることなんですけれども、ちょっと減少してしまっているというか、意識が若干低下をしてしまっているのかなというところを受けるわけでございますけれども、この点についてはどのようなご認識をお持ちになられていますでしょうか。
○榎園防災対策担当部長 大規模災害時において、ライフラインが停止し、食品等の入手が困難となる中では、身の回りにあるものだけで生活することが想定されるため、自助の取り組みといたしまして、家庭における備蓄が重要でございます。
そのため、都では、ふだん使っている水や食品等を少し多目に備えておく日常備蓄を提案しており、家庭での備蓄が進むよう、普及啓発に努めてまいります。
○藤井(と)委員 今後も、わかりやすく、どんどん積極的に啓発をしていただきたいというふうに思います。
これまで東京都として、「東京防災」を七百五十万部近く配るなど、啓発に対してご努力をしてこられたことは評価していますけれども、一方、行政による啓発がなかなか届きにくい方々がやっぱりいらっしゃるわけでございまして、例えば若者世代の方は、大変忙しい方も多いですし、なかなか意識を向けている暇もないという方もいらっしゃるかと思います。
それに対して、比較的ご高齢の方だとか、私も地元でも接していて、なかなか意識の高い方が非常に多いなというふうに感じているわけでございますけども、啓発をしてもなかなか啓発が届かないという、この若者世代を初めとした方々に、しっかり要因を分析してアプローチをしていくということもやはり必要なのかなというふうに思っているんですけれども、その点についてご認識を伺いたいと思います。
○有金総合防災部長 災害への備えを強化していくためには、全ての世代の都民一人一人がみずから命を守るという自助の取り組みが、共助、公助とあわせて重要でございます。
そのため、都では、あらゆる世代が災害時に活用できる「東京防災」や「東京くらし防災」を作成し、防災意識を高める啓発を進めてまいりました。
また、スマートフォンを活用した東京都防災アプリや東京都防災ツイッターでの情報発信、原宿、渋谷等の繁華街での大型ビジョンでの防災広報など、若者世代も意識した取り組みも進めております。
こうした取り組みを今後も引き続き進めることにより、若者世代への効果的な施策を着実に推進してまいります。
○藤井(と)委員 行政が行う啓発全てに共通するところなんでしょうけども、なかなか啓発が届かないところに、しっかり分析をして働きかけていくということが大切だと思います。
とりわけ若者世代は、大変お忙しいですし、なかなか意識が向かないという方も多いと思いますので、ぜひこの点、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次の質問項目に移らせていただきたいと思います。
東京都政策連携団体活用戦略について、次にお伺いをしたいと思います。
都はこれまで、団体活用の方法として、同様のものとして平成二十二年に策定をされた東京都監理団体活用方針というものがありますが、今般策定された活用戦略は、これまでの活用方針というものと何がどう変わったのかというのを、先ほど来ご質疑がありましたけども、伺っていて、ちょっとわかるようでわからない点があったものですから、その点、どのように変わったという認識を持てばいいのか、ご説明をいただきたいと思います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 平成二十二年に策定いたしました活用方針では、監理団体を、主に行政運営を補完、支援する団体と位置づけておりましたが、都政を取り巻く環境の変化を踏まえまして、今回の活用戦略では、政策連携団体を、都とともに政策実現を目指し、その専門性を都政にフィードバックしていく団体として位置づけを見直し、戦略的に活用していくことといたしました。
さらに、団体の所管局が、役割の高度化、新たなミッションの付与、官、団、民の役割分担の見直しの三つの視点から団体活用の将来像を整理し、団体の機能強化に向けたステップを短期的、中期的な視点から整理したものでございます。
○藤井(と)委員 今の答弁を伺って、わかるような、わからないようなという率直な気持ちなんですけれども、これまでは、団体というのは補完して支援をするという役割だったものを、一緒に政策実現をするという団体に位置づけていくという、積極的な意味があるというふうには伺いました。
この三つの視点について今ご答弁があったというふうに思いますけれども、その中で、新たなミッションの付与というお話があったと思います。
新たなミッションの付与というと、率直にいって、団体の事業領域が拡大をしていってしまうのではないかと。結果として、団体としての維持、あるいは団体が行っている事業の意義そのものが失われているのに、新しい目的を付与してしまって焼け太ってしまうんじゃないかというような懸念も、新たなミッションという言葉で、そういった意味が含まれてしまっているんじゃないかという点が非常に心配になってしまったのですけれども、具体的に、この新たなミッションというのは、何をどういうふうに、どうしたいというふうに考えておられるのか、もし具体的なことがわかればお伺いをしたいと思います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 今回、昨年度までに実施してまいりました見える化改革に基づく各局主要事業の総点検結果などを踏まえまして、複雑化する政策課題に的確に対応していくため、政策連携団体に新たなミッションを付与するものでございます。
例えば福祉の分野におきまして、外国人介護人材等の受け入れ環境整備など、新たな課題への対応に取り組んでいくこととしてございます。
今後とも団体を戦略的に活用し、都庁グループの政策推進力の強化を図ってまいります。
○藤井(と)委員 今、外国人介護人材の受け入れということで、新たなミッションを付与していくというお話があったわけでございますけれども、この政策連携団体は三十三団体あって、事業協力団体は三十二団体ということでございまして、これらの団体がどう生まれ変わっていくのか、どう変わっていくのかというのがなかなか、ちょっとイメージとしては、率直に湧きづらいなというふうに思いました。
新たなミッションを付与していく一方で、やっぱり、これまで団体がやってきた事業を本当の意味で総点検していただきたいなということ、これは質疑ではなくて要望として行わせていただきたいと思っているんですけども、例えば団体がやってきた事業の中で、駐車場の管理とか、都の施設の維持管理といった仕事というのは、この官、団、民の役割分担という中では、まさに民間でできるような仕事というのは相当含まれているのかなというふうに思っていますので、新しいミッションを付与して事業範囲を拡大していく一方で、スクラップをかけるべきところはしっかりかけて、団体の役割を絞っていくということにもぜひ目を向けていただきたいし、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っています。
今回の活用方針については、まずは是として受けとめたいと思いますけれども、これから団体をどうやっていくのか、活用していくのかということがしっかりわかるように、ぜひ私たち議会にもお示しをいただきたいということを要望いたしまして、私からの質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○小松委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分休憩をいたします。
午後四時三十分休憩
午後四時四十五分開議
○小松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○山内委員 私からも質問させていただきます。
今回の東京都地域防災計画震災編の修正素案についてです。
この修正の前提には、防災対策については、被災者の視点に立って対策を推進することが重要であり、とりわけ女性や高齢者、障害者、子供、外国人などに対しては、きめ細かい配慮が必要であるとあります。東日本大震災において、女性、高齢者等の視点を踏まえた対応が必ずしも十分でなかったとの指摘があることを踏まえて、防災に関する政策、方針決定過程及び防災の現場における女性の参画を拡大し、男女双方の視点に配慮した防災対策を推進していくということでありました。
そこで、今回の修正素案では、特に女性や要配慮者の視点に基づき、どのような見直しが図られ、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 今回の修正に当たりましては、昨今の災害の発生状況を踏まえ、対策強化が求められている事項について見直しを行い、計画素案を策定いたしました。
具体的には、女性の視点に配慮した避難所運営の方法や、男女平等参画の観点から女性防災人材の育成強化、また、災害時に活用可能な乳児用液体ミルクの調達や使用方法に関する普及啓発の推進、さらに、外国人に向けた多言語化による情報発信などを新たに位置づけております。
今後は、本素案に対する意見を踏まえつつ、来月までに計画として策定し、着実に取り組んでまいります。
○山内委員 首都直下地震等による東京の被害想定では、五百十七万人にも及ぶ帰宅困難者が発生すると見込まれています。多くの帰宅困難者が発生し、駅周辺や大規模集客施設などで混乱が予想されることから、都は、東京都帰宅困難者対策条例を制定して、一斉帰宅を抑制して混乱を防止することを進めています。
そこで、一斉帰宅の抑制をより広げていくためには、各事業者が従業員分の備蓄などに率先して取り組むことが必要ですけれども、事業者の協力を得るために、都はどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 都はこれまでも、経済団体が主催する防災セミナーなど、さまざまな機会を捉えて、従業員が職場にとどまるために必要な水、食料等の備蓄や安否確認方法を確立するよう求めてまいりました。
また、昨年度から一斉帰宅抑制推進企業認定制度を創設し、一斉帰宅の抑制に積極的に取り組む企業四十九社を認定し、都のホームページで公表することで、一斉帰宅抑制の社会的機運を醸成し、事業者の意識を高める事業に取り組んでいるところでございます。
○山内委員 一斉帰宅の抑制の取り組みは、中小企業では、従業員向けの備蓄スペースがないなどの理由によって、取り組むことが難しい現状があると聞いております。
中小企業が一斉帰宅の抑制に協力しやすい環境をつくっていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○榎園防災対策担当部長 一斉帰宅の抑制推進企業の認定を受けている四十九社のうち、十四社は従業員数三百人未満の企業でした。こうした企業では、例えば、椅子下のデッドスペースを活用した分散備蓄や、近隣の関連会社と連携した従業員の安全確保など、さまざまな工夫を凝らした取り組みを行っています。
今後、東京商工会議所などと連携しながら、今回の規模の小さな企業の取り組みを広く周知することにより、より多くの企業が一斉帰宅の抑制に取り組みやすい環境をつくってまいります。
○山内委員 一斉帰宅を抑制したとしても、通勤通学や買い物の途中などの外出先で災害に遭った場合、行き場のない帰宅困難者は多数発生いたします。これまでの質疑の中でも九十二万人が想定されていたと思いますが、このおよそ九十二万人が一時滞在施設に滞在することになります。
今回の東京都地域防災計画案によりますと、二〇一九年の四月現在で、一時滞在施設は千十三カ所、三十七万四百五十八人分を確保したということです。約四割に当たるかと思いますが、まだ四割ということもいえるかと思います。
そこで、帰宅困難者の一時滞在施設についてお伺いしていきたいと思います。
帰宅困難者の中でも、高齢者や障害者、乳幼児、妊産婦、難病患者、外国人などの帰宅困難者となった要配慮者が、発災時に一時滞在施設で安心して滞在できるように環境整備が必要となりますが、どのように進めているのか、お伺いいたします。
○榎園防災対策担当部長 帰宅困難者の一時滞在施設については、都立を初めとする公共施設や民間企業の協力により、オフィスのオープンスペースなどに開設することとしています。
都立の一時滞在施設につきましては、運営マニュアルの中で、要配慮者の方をサポートする担当者を配置するとともに、要配慮者の方からの支援希望の有無やニーズなどを滞在カードで把握した上で、専用スペースの設置などの具体的な取り組みを示しているところでございます。
また、民間一時滞在施設に対しては、本マニュアルの活用を促すとともに、アドバイザー派遣事業において、今年度から要配慮者への対応を重点項目として位置づけ、施設管理者に対して助言を行うなど充実を図ったところでございます。
引き続き、一時滞在施設における要配慮者への環境整備を推進してまいります。
○山内委員 熊本地震等では、車中泊、テント泊、自宅の軒先など、指定避難所以外の場所に滞在する被災者への対応が課題となったと聞いております。
二〇一六年に行った熊本地震に関する県民アンケートによりますと、避難者の約七割が車中泊を経験している。車中泊の理由としては、余震が続き、車が一番安全だと思った、プライバシーの問題により、避難所より車中泊を選択したとの回答があったそうです。
都内で首都直下地震が発生した場合、熊本地震と同様に、多数の車中泊が発生しかねません。都内では、原則として車中泊が認められていないことは承知しておりますが、障害のある人や妊産婦さん、あるいはペット同伴など、プライバシーの問題や避難所の機能整備が不十分であることが、こうした避難者を生む原因と考えられます。
そこで、女性や乳幼児など要配慮者の視点に基づく避難所運営について、都としてはどのように区市町村支援を行っていくのか、お伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 都では、二〇一七年度に避難所管理運営の指針を改定し、女性や要配慮者の視点に立った避難所運営のチェックシートなどについて新たに記載し、区市町村に示すとともに、それに基づく運営を行うよう、働きかけを行ってまいりました。
また、昨年度からは、災害時に避難所ともなる公立小中学校の屋内体育施設における空調設備設置の支援に取り組んでおります。
今後も、きめ細かな避難所運営の実現に向け、区市町村の取り組みを支援してまいります。
○山内委員 在住外国人、外国人観光客の増加に合わせて、外国人への支援の充実が課題となっています。関係局、自治体等と連携をしながら、外国人防災訓練への参加の働きかけ、在京大使館等との情報共有、当事者ニーズの把握のための調査等を進める必要があるのではないでしょうか。
今後の進め方についてお伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 災害発生に備え、外国人への支援の充実を図り、その対策を十分なものにしていくことは重要でございます。
生活文化局では、外国人のための防災訓練実施や東京都防災語学ボランティア育成等により、情報提供体制を強化しております。
また、政策企画局では、発災時の外国人への的確な情報提供に向け、在京大使館等との連携を強化しております。
今後とも、在住外国人や外国人観光客の防災ニーズに関する情報共有を図り、災害発生時における外国人支援の強化を進めてまいります。
○山内委員 私、実は、二〇〇一年の九・一一のときにワシントンにおりまして、想定外だったものですから、非常に混乱をした状況を見てまいりました。一生懸命、アメリカ人の方も説明してくれるんですけれども、早口なんですよね、慌てているために。だから、なかなかその緊急性とか事態がわからなくてということがございました。だからこそ、在住の外国人の方や観光客の方、そこにちゃんと視点を置いて、全庁を挙げて取り組んでいただけるようお願い申し上げておきます。
次に、スマートフォンの充電場所について質問させていただきます。
生活者ネットワークは、災害時の教訓をもとに、発災時等における情報収集のためにスマートフォンが必要になっていることから、スマートフォン等の充電場所の提供を要望してまいりました。
今回の修正素案には、どのように反映されているのでしょうか。また、どのように進めていくのか、お伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 今回の修正素案策定に当たりましては、被災者受け入れ施設や公園など、災害時の拠点となる施設で応急対策を円滑に行うために自立分散型電源の設置を推進していくことといたしました。
一方、個人の所有するスマートフォンの充電に関しましては、常に携帯充電器を持ち歩くなど、基本的に自助努力により確保すべきものでありまして、引き続き「東京くらし防災」などを活用して啓発に取り組んでまいります。
○山内委員 先日、NHKのニュースによりますと、江戸川区が出したハザードマップが大きな反響を呼んでいるといいます。江戸川区の地図の場所に、ここにいてはだめですと記された上で、想定では、江戸川区のほぼ全域が浸水し、五メートル以上の浸水が発生する地域もあるとされ、東側の千葉や茨城方面、西側の埼玉、東京西部、神奈川方面と、浸水のおそれがない地域に避難するよう矢印が書かれております。
これについて、区は、いつ大規模な水害が発生するかわからない中で、まずは広域避難の重要性を知ってもらうため、避難先を確保する前にハザードマップを発表したと説明しているそうですが、問題は、江戸川区が区の外に広域避難をする避難先を確保できていないことだとの指摘があります。
都は、今後、広域避難にかかわる検討をどのように行い、広域的避難場所の確保等の課題解決に向けて、どのように連携、支援していくのか、お伺いいたします。
○古賀防災計画担当部長 江東五区における大規模水害について、これまで都は、江東五区による協議会に参加するなど、広域避難の具体化に向けた検討に積極的に協力してまいりました。
さらに、昨年六月には、国と共同で首都圏における大規模水害広域避難検討会を設置しており、本年三月には、広域避難に係る対応の方向性を取りまとめております。
今年度は、避難場所の確保については、広域避難自治体と受け入れ自治体との組み合わせ案によるシミュレーションなどの検討を進め、今年度末までに、広域避難に係る関係機関の役割分担や連携のあり方を取りまとめてまいります。
○山内委員 大規模災害の際に、広域的な避難体制をつくることは重要です。現在検討中ということですが、避難先と移動手段の確保が必要で、特に江戸川区や江東区など、川を渡らなければ避難できない場所の移動手段は大きな課題です。
そうした中で出された江戸川区のハザードマップは、住民に危機感を喚起することには役立ったかもしれません。しかし、避難先や避難方法など、自助を強調し、危機感をあおり、住民はむしろ諦めぎみになっているといいます。
一方で、江戸川区は、水害対策としてスーパー堤防を国土交通省とともに推進していますが、完成時期も示されていません。完成には何百年もかかり、あしたにでも起こるかもしれない水害への対策として機能する見通しがありません。
このように、防災面で全く当てにできない公共事業に巨額の費用をつぎ込むのではなく、専門家や地元市民などから要望されている通常堤防の強化など、治水事業を早急に行うべきだと考えます。
千年に一度、起こるかどうかわからないような災害規模を想定し、荒川、利根川流域での最大雨量と台風による高潮が一度に来る災害への対策よりも、もっと現実的な対応を優先して考えるべきだと申し述べて、私の質問を終わります。
○藤井(あ)委員 都民ファーストの会、藤井あきらでございます。二〇二〇改革プランと東京都政策連携団体について質疑を行います。
最初に、二〇二〇改革プラン全体について一言申し上げます。
この改革プランは、小池知事の東京大改革の柱、三つのシティーの実現のため、二〇一七年の四月から、都政改革本部のもと始まりました。その目的は、これまでの都の仕事のあり方を見直して生産性を向上し、都庁機能を強化することになります。
開始当初は、外部の有識者であります特別顧問が、都の正式な機関の一部として、一定の権限を持って職員とともに改革を進めておりましたが、昨年、特別顧問は廃止をされまして、現在は職員主体の自律的な改革、もともとそうですが、外部の目がなくなったような状況になっております。
一般的な話ですが、外部からの目というものがなくなると、改革の停滞が懸念されると思います。そういった懸念を払拭し、改革を進めるためには、改めて外部の視点を取り入れるということは有効であります。我が会派の成清都議の先日の一般質問であったように、現在活用しております懇談会、都政改革アドバイザリー会議を積極的に活用することを、改めてこれは要望させていただきます。
昨年は、都政改革アドバイザリー会議は二回の開催でしたが、ことしは、その下に政策評価の分科会を設置して積極的に活用していくということですので、期待をしているところでございます。
では、二〇二〇改革プランの個別項目について確認をさせていただきます。
ペーパーレスについて確認をします。
この第二回定例会から都議会でもペーパーレス化が始まりまして、本会議の資料というものはタブレットで確認ができるようになりました。使ってみると意外と使いやすいですし、何よりも大量の紙資料から解放されたのは、持ち運びが大変楽となりまして、便利さを感じているところでございます。
ペーパーレス化は、自分たちの仕事を根本的に見直して生産性を上げる大きな機会にもなるものだというふうに認識しております。これは私の個人の意見ですが、本会議だけではなく、委員会でも、今、大変多くの紙がありますので、こういったものもペーパーレス化で減らしていきたいなと考えている次第でございます。
都でも、先日の第二十四回都政改革本部の会議において、これまで進めてきましたペーパーレスの取り組みについて、昨年度の実績というものが報告されています。
今回、公表されました昨年度の実績の状況、それを踏まえた今後の取り組みについてお伺いをさせていただきます。
○豊田都政改革担当部長 ペーパーレスについては、全庁的な目標として、二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間で、コピー用紙の使用量を対二〇一六年度比で二〇%削減する数値目標を設定し、取り組みを推進しております。
削減目標の達成に向けては、これまで、各局において紙資料の電子化やペーパーレス会議の実施などの取り組みを推進し、昨年度は、一〇%削減の全庁目標に対し、実績は一一%削減となりました。
今年度は、今回取りまとめた実績をもとに、特にコピー用紙の使用量が多い業務を分析し、電子化や業務自体の効率化などの改善策を検討するとともに、局長などへの幹部説明を原則ペーパーレス化するなど、より具体的な取り組みを実行してまいります。
今後もこうした取り組みを通じて、さらなるペーパーレスの取り組みを推進してまいります。
○藤井(あ)委員 今回、初めて実績が公表されて、目標の二〇一六年度対比で二〇二〇年の二〇%削減に向けて順調に進んでいるということがわかりました。
私が以前働いておりました日本マイクロソフトという会社では、二〇一一年のオフィス移転に伴いましてペーパーレス化を進めました。その進める前の二〇一〇年と二〇一六年を比べると、紙の使用を四九%削減することができたという実績が出ております。
そのときのポイントとなりましたのは、自然とペーパーレス化が進む環境を整えたということです。移転に合わせて固定席を廃止しましたので、そもそも書類を置くスペースがなくなってしまいました。また、画面共有やモニター接続などを活用いたしまして、一々、資料を印刷する必要というものがなくなりました。私も、ちょうどそのころ在籍をして働いておりましたので、移転によりまして劇的に働く環境は変わって、紙資料自体が余り使われなくなったということ、加えて、紙資料なしを前提に会議を設定したりとか、仕事を進めるように意識が変わったことを鮮明に覚えております。
都でも、業務端末でありますTAIMS端末が、まさに今、刷新をされている最中でして、ペーパーレス化の土壌というものは整ってきているものだと思います。今年度の取り組み状況を踏まえながら、二〇%削減よりも高い削減目標を掲げることもできるのではないかと考えておりますので、ぜひご検討いただけますと幸いでございます。
加えまして、やはり環境が整っていないと、なかなかペーパーレス化も進みませんので、TAIMS端末の早期の展開など、その実現に向けた環境整備の方もあわせて要望をいたします。
続きまして、二〇二〇改革にも含まれております東京都の政策連携団体についてお伺いをさせていただきます。
これまで監理団体と呼んでいましたが、四月に、都の政策実現に寄与する団体を明確化し、協力関係を強化することを目的として、特に都政との関係が高い団体を東京都政策連携団体と定義して三十三団体を指定しているところです。
先日、我が会派の村松都議の一般質問では、都が公表いたしました東京都政策連携団体活用戦略では、先日指摘のありました、東京水道サービス、TSSに対する総務局の特別監察で指摘がされたような構造的な問題への具体的な対応が足りないのではないかという指摘がありました。知事の答弁にありましたとおり、第三者の意見や外部の専門人材の登用など、多様な視点から団体の運営を検証していくことを期待しております。
その東京都政策連携団体活用戦略では、団体の役割の高度化や新たなミッションの付与など、都庁グループの一員である政策連携団体を、都の政策展開を加速させるエンジンとして活用していくとあります。これは、東京大改革の柱である三つのシティー実現のために、政策連携団体を積極的に活用していくということだと理解しております。
三つのシティーの実現に向けて政策連携団体をどのように活用していくのか、見解をお伺いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 人口減少やさらなる高齢化など、都政を取り巻く社会情勢が厳しさを増していく中、直面するさまざまな課題を着実に解決していくためには、都庁グループの機能をより高めることが重要でございます。
こうした認識のもと、グループとしての政策推進力と経営戦略の一層の強化を図るため、各団体の将来像を明らかにした都としての団体の活用戦略の策定と、さらなる経営改革を促す経営改革プランの改訂を行ったところでございます。
今後は、都、団体、民間の役割など、見直すべきは見直していくとともに、現場感覚を生かした都民サービスの実践など、伸ばすべきは伸ばしていくという考えのもと、団体の戦略的な活用を進めながら、グループ一丸となって三つのシティーの実現に取り組んでまいります。
○藤井(あ)委員 都と団体、民間の役割など、見直すべきは見直すという重要なご答弁をいただいたと思っております。この点、ぜひ積極的に進めていただきたいと考えております。
政策連携団体を活用することで都民サービスが向上する場面があるということはよく理解ができますし、強みの部分は、ぜひご答弁のとおり伸ばしていただきたいと考えております。
しかし、東京も間もなく人口減少を迎えますし、政策連携団体においても、限られた経営資源を活用して最大限の効果を上げていくということが求められてまいります。
事業の選択と集中を進めて、定型的な業務は民間に移譲するなど、団体の専門性がより発揮されるよう見直しを進めていくことも必要だと考えますが、今後の取り組みについてお伺いします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 経営資源に限りがある中で、政策連携団体がその専門性を遺憾なく発揮していくためには、社会情勢の変化も踏まえまして、団体が担うべき役割や機能などについて不断に見直しを図っていく必要がございます。
活用戦略におきましては、団体の既存の活用策の見直しを策定の視点として位置づけまして、団体がその専門性を生かし、より高度な領域や新たな領域に活動を集中していけますよう、都、団体、民間の今後の役割分担や具体的な業務を取りまとめいたしました。
今後は、活用戦略に掲げる役割分担や、外部有識者からの助言なども踏まえながら、団体がさらに質の高い都民サービスを提供していくことができるよう、団体の自律的な改革を促してまいります。
○藤井(あ)委員 我が会派でも、監理団体検証のためのプロジェクトチームを立ち上げておりますので、今後とも、その役割については積極的に提案をしてまいりたいと考えております。
一方、政策連携団体も、都からの事業を受託しているだけでは発展性が乏しいですし、自律性も身につかないものだと思います。
報道発表などによりますと、株式会社であります東京水道サービス、TSSは、和製水メジャーを目指すといった目標を掲げておりまして、東京の稼ぐ力を向上させていく観点からも大いに期待するところでございます。
特に、株式会社であります政策連携団体については、都からの事業を受託するだけではなくて、みずから稼いで団体の経営の自律性を上げて会社を発展させていくことが重要になると考えますが、都の見解をお伺いします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策連携団体は、都庁グループの一員として、都とともに政策実現を目指す公的サービスの担い手でございまして、質の高い都民サービスを提供する団体として設立されてございます。
こうした設立の趣旨や都の出資の意義を踏まえまして、政策連携団体が現場で培った専門性や技術を生かして自主事業に取り組んでいくことは、都財政のみに依存せず、団体経営の自律性を高めていく点で重要でございます。
例えば下水道の分野では、団体が有するノウハウや技術を用いて、下水道事業運営に課題を抱える自治体の支援を行っていくなど、株式会社においては、自主事業の拡大も経営戦略の一つとしてございます。
今後、活用戦略を踏まえ、団体の特性に配慮した自主事業の取り組みを促していくなど、団体の経営の持続的成長につなげてまいります。
○藤井(あ)委員 最後になりますが、今回、ご報告がありました東京都政策連携団体経営改革プラン改訂版(二〇一九年度)についてお伺いいたします。
これは、昨年度、各団体が策定した経営改革プランについて、初年度の進捗状況を確認した上で改訂したものになります。
政策連携団体自身が経営目標を設定し、その達成度、達成状況を都で評価し、公表することを通じて団体経営の改善を図っていくとしております。
政策連携団体が経営課題をみずから分析して、その解決のための戦略、そして、三年間の到達目標、年次計画を設定いたしまして、都が達成状況について評価を行うものになっております。
三十三団体が設定しているそれぞれの目標、そして年次計画等について、全て目を通させていただきました。団体ごとに記載にかなりばらつきがあるなというのが、最初に見ての印象でございます。目標設定や年次計画が曖昧で、どのように都がチェックしていくのか、若干、疑問に思わざるを得ないような団体もございました。
経営改革プランは、今後も毎年改訂していくということでもありますし、目標は検証可能なものとすべきだと考えております。見解をお伺いします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 経営改革プランについては、昨年度、団体の経営目標評価制度の対象として位置づけまして、外部有識者から成る評価委員会からの意見も踏まえ、毎年度、改訂、評価を実施することとしてございます。
今回、初めてとなる改訂におきましても、評価委員会からは、目標の達成に向けた取り組みの拡充や加速化、記載内容の具体化など、さまざまな意見が出されております。これらについてプランに反映いたしました。
一方で、個別の目標や年次計画につきましては、指標の定量化や具体化などの点で、さらなる改善の余地もございますことから、今後実施するプラン達成状況の評価を通じて検証を行いまして、見直しを図ってまいります。
○藤井(あ)委員 今後、活用戦略と経営改革プランに基づいて政策連携団体の戦略的な活用を進めて、団体が都民にさらなる価値を生み出す存在として活躍していくことを期待するものでございます。
二〇二〇改革プランや政策連携団体の活用により、東京大改革と三つのシティーの実現が加速することを期待いたしまして、私からの質疑を終わります。ありがとうございました。
○鈴木委員 私からも、時短に協力しつつ、二〇二〇改革プランとあわせて、政策連携団体活用戦略の概要及び政策連携団体経営改革プラン改訂版の概要について伺います。
まず、二〇二〇改革プランですが、いうまでもなく、改革というのは、ただプランをつくればいいというものではなく、都民にわかりやすい形でしっかりと成果を出していくことが重要であると考えます。
そこで、確認の意味ということで、目的とプランのポイントについて伺おうと思ったわけですけれども、もう既に答弁もいただいております。目的は、都の生産性向上と都庁の機能強化であり、その目的達成のための改革が、仕事改革、見える化改革、仕組み改革ということであります。
その三つの改革とともに、今回、改定の三つのポイントが説明されております。一つには、デジタル仕事改革。デジタルファースト、ワンスオンリー、ワンストップなどのそうした取り組みをしていく。そして、二つ目には、各局における自律的かつ総合的な見直しを継続的に行えるように政策評価を導入する。そして、三つ目は、都庁グループの監理団体改革などの機能強化を図る取り組みを推進するということでありました。
この二〇二〇改革プランは、改革のバージョンアップを図るため、あらかじめ改革の終期を定めて、全ての改革のメニューを今までのように網羅的に掲げる形態をとらないとのことであります。それでは、その改革のメニューがどのように選択されたのかわかりにくいということは、今も質疑がありましたけれども、これは都民から見ても、改革を総体的に見ることができず、成果が出ているのかも非常にわかりにくいのではないかと感じます。
このプランに掲げられている改革のメニューはどのように決められているのか、お伺いをいたします。
○豊田都政改革担当部長 二〇二〇改革プランでは、社会情勢や環境の変化を踏まえながら生産性の向上と都庁の機能強化を図るため、必要な取り組みを設定しております。
その取り組み内容については、都政改革本部会議において、知事、副知事、各局長等が公開の場で議論を行っております。
こうした議論を経て取りまとめた素案について、都議会でご議論いただくとともに、パブリックコメントを実施した上で、二〇二〇改革プランとして策定、公表しております。
○鈴木委員 都政改革本部会議において公開の場で議論をして素案を取りまとめるとのことでありますけれども、会議の議題として、何でその議題が上げられたのか、議論の進め方にも問題はないのか、そうした十分な説明が求められるわけでございます。
そこで、今後の都政の重要政策となりました築地再開発や、こどもの城の土地建物の取得などは、非常に重要な判断が必要な取り組みであり、まさに今、皆様方が取り組んでおられます二〇二〇改革プランの手法を生かしていくべきではないかというふうに思うわけでございます。
例えば築地跡地の活用について、政策決定プロセス、そして、全体の予算規模、採算性、具体的な進め方について説明が不足しているといわざるを得ない。そして、こどもの城の取得についても、何のために、今後、どのような予算規模でどのような都民利益を生み出すのか、はっきりと示されておりません。
このような予算規模の大きな政策にこそ、都政運営の基本姿勢として、二〇二〇改革プランに示された手法を生かして説明責任を果たして、後のこの政策評価につなげていくことが求められるものであります。
この件は他局の事業であり、具体的な答弁は求めませんが、今後、各局の事業に二〇二〇改革プランの手法や考え方をどのように生かしていくのか、見解をお伺いいたします。
○豊田都政改革担当部長 二〇二〇改革における見える化改革では、各局等の主要事業について、他都市や民間等との比較といった客観的なデータや事実を用いて、可能な限り定量的な分析、評価を行ってまいりました。
各局においては、こうした見える化改革で行った手法なども活用しながら、主体的に個別事業を推進しているものと考えております。
○鈴木委員 ただいまご答弁いただいたように、この見える化改革の手法、他都市や民間との比較といった客観的なデータや事実を用いて、可能な限り定量的な分析、評価を実施するということでありますけれども、築地再開発や、こどもの城の土地建物の取得で、何でこうした手法における説明がされなかったのか。唐突に方針が示され、それまでの考え方が大きく変節して、現在では事業の妥当性すら客観的に判断できるものではありませんが、今後は、この政策評価につなげていくためにも、ぜひこの評価に耐え得る報告を要望します。
さらに、二〇二〇改革プランがこれまでの都政改革をバージョンアップしたものというのであれば、ある程度、改革の物差しとなるよう、取り組みに一定のルールをつくるべきであり、ダブルスタンダードの都政が続くのであれば、改革の成果に都民の理解を得ることはできないと指摘しておきます。
次に、今回の改定ポイントだという三点についてお伺いいたします。
一つ目のデジタル仕事改革は、所管が戦略政策情報推進本部とのことでありますけれども、行政手続等を単にオンライン化するだけではなく、煩雑な書類を何度も作成することや、同じ書類を複数の窓口に提出するような作業を減らし、都民や中小企業などの事業者の負担の軽減につなげていかなくては意味がないわけであります。
特に、今定例会で審査された行政書士会からの請願にもあったような、各種手続の提出資料が非常に煩雑で、特に窓口の対応の統一性がないといった現状は、一刻も早く改善していかなくてはなりません。許認可申請や補助金申請は、対象の適格性や目的との整合性の担保はもちろん必要でありますが、それが申請をちゅうちょする方向に向かっては本末転倒といわざるを得ません。
そうした課題認識のもと、総務局もしっかりと連携して、ワンストップ、事業の生産性を阻害しないワンスオンリーの実現に向けた取り組みを進めていただきたいと思います。
そこで、このデジタル仕事改革については、プランの中で将来像を掲げておりますが、今年度は具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○豊田都政改革担当部長 社会全体のデジタル化推進や企業の働き方改革の要請が高まっているとの認識のもと、都はこれまでも、行政手続等の原則オンライン化など、都民サービスのデジタル化に取り組んでまいりました。
今年度は、同じ情報を申請者に再び求めないワンスオンリーの実現など、申請者の利便性の向上を目指し、行政手続と補助金の一部の申請を対象としてモデル事業を実施し、検証していくこととしておりまして、進行状況は、都政改革本部会議においても報告を受ける予定でございます。
○鈴木委員 デジタル仕事改革の方向性というのは間違っていないわけですけれども、実際にそれをこの都政改革につなげていくことは、本当に難しい課題があるというふうに思います。
例えば、現在も、環境局の地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業というのが、平成二十八年度から三十一年度で二十四億円の基金がある。そして、ことしで四年目を迎えているわけですけれども、これは、現在まだ一億円程度しか使われていないんですね。その理由というのが、申請書類が多くて、特にこれは、申請を出してから決定されるまでに四カ月ほども時間がかかってしまうというふうに伺っております。
こうしたことが現実に簡素化されることが何よりも必要なわけでありまして、そうした現状をしっかりと精査して取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
次に、二つ目の政策評価に関して伺います。
この政策評価では、可能な限り定量的な指標と目標値を設定するとのことでありますけれども、民間企業の経営と同様に、行政においても、定量的な指標を活用して質を高めるべきということは論をまたないわけですけれども、行政には、もう一点、民間企業のような定量的な指標になじまない分野もあるわけです。
都では、毎年度、事務事業評価も行っております。実施上、大変な労力を伴うわけでありますけれども、その労力に見合うよう、どのような効果があるのか、明らかにしていかなくてはなりません。
そこで、今回、新たに政策評価を導入するという意義についてお伺いいたします。
○勝見都政改革担当部長 政策評価は、見える化改革における各局の政策、施策レベルでの点検、評価を制度的に継続させていく仕組みとして今年度から導入いたします。
政策評価の導入によりまして、各局の政策、施策レベルでの自律的なPDCAサイクルが推進され、成果を重視した効果的、効率的な都政運営につながるとともに、都民の視点に立ってわかりやすい目標等を示すことで、都民への説明責任の徹底に資するものと考えております。
○鈴木委員 政策評価を導入するというのはいいんですけれども、これまでにも定量的な指標になじまない分野もあるという認識の中で、政策、そして施策レベルで各局が点検、評価するということでありますけれども、定量的な指標が設定されてこなかった分野も含めて、ぜひ行政の質が高まるというような取り組みになるようにしていただきたいというふうに思います。
また、行政にとって都合のよい取り組みばかりを評価するのでなく、先ほど触れた事例のように、予算の執行率の悪い取り組みなど、行政にとって都合の悪い取り組みこそ、その要因を分析、評価し、反省することが行政の質の向上につながるという考えで、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
新たな制度で評価による効果を担保していくためには、各局との連携のもと、どうやって評価の実効性を上げていくかが重要であります。
そこで、政策評価の実施に当たって、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○勝見都政改革担当部長 今年度の政策評価は、まずは、見える化改革の事業ユニットのうち、各局、一ユニットを対象に実施いたします。
具体的には、各局は、今年度、政策評価の対象とした事業ユニットにつきまして、施策ごとに成果指標の設定等を行い、来年度には、成果指標の実績をもとにした進捗状況の把握や施策の効果の分析などにより自己評価を実施いたします。
各局の成果指標の設定や自己評価の際には、外部の有識者で構成される都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会におきまして、客観的な見地から意見、助言をいただく予定でございます。
○鈴木委員 ぜひ、この政策評価の質も向上するように検討して取り組んでいただきたいというふうに思います。
繰り返しとなるわけですけれども、総務局には、各局との連携を密にして、真の行政の質の向上につながる評価制度になるように取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、今の答弁の中でも、外部の有識者で構成される会議を活用するという話がありましたけれども、政策評価を運用する上で、有識者による会議はどのような役割を果たすのか、また、それに対して、議会の関与についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
○勝見都政改革担当部長 政策評価分科会は、今年度行う成果指標の設定につきまして助言を行うこととなっております。また、来年度行う評価の過程におきまして、所管局に対して、施策に対する意見、助言を行うことを予定してございます。
政策評価につきましては、二〇二〇改革プラン等と同様、都議会に報告し、ご議論いただきたいと考えております。
○鈴木委員 この有識者会議なんですけれども、さまざまな行政分野がある中で、その全てについて、同じ有識者の方が見ることができるのか。局が違うと、その専門性も大きく違うのではないかというふうに思います。
今年度は、とにかく試行ということでありますから、現段階では、都民にとって具体的にどのような効果があるのかがわかりにくくて、都民にとって、ぜひわかりやすい制度にしていかなければならないと思います。都民や、都政のチェック機能を担う我々議会がしっかりと検証できる評価となるよう、取り組んでいただきたいというふうに思います。
さらに今後は、働き方改革が進んで、そして、テレワークが当たり前になっていく世の中になります。その際、職員個人の自律性がより求められる一方、管理監督者の目が届きにくくなるという懸念も生じる中で改革を進める上では、公務員として、これまで以上の各自の倫理観が求められ、責任が増していくことを忘れないで取り組んでいただきたいと思います。
次に、三つ目の仕組みの改革の中の監理団体改革でありますが、今回、政策連携団体活用戦略、同じく経営改革プラン概要についての報告がありましたので、それに関連してお伺いをいたします。
まず、この四月に監理団体と報告団体の枠組みが見直され、政策連携団体三十三と事業協力団体三十二という枠組みに変わりました。
これまで都は、監理団体を、行政の現場を担う行政運営のパートナーとして位置づけ、財政的な支援や人的な支援を行うと同時に、団体運営の指導監督を行ってまいりました。また、報告団体については、都は、主に出資者としての立場から必要な関与を行ってきたものと思います。
これまでの枠組みを、今回、政策連携団体と事業協力団体として見直したわけでありますけれども、その考え方はどのようなものなのか。また、単に名前が変わるだけでは意味がない中で、具体的な見直しの効果についてお伺いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 今般、都の政策実現に寄与する団体との協力関係をより強化していくため、都が関与すべき団体を、設立時の出資、出捐の状況から、現在の人的、財政的支援の状況を重視する考え方に見直しまして、団体との関係性を整理したものでございます。
そして、都が展開いたします政策の一端を担うなど、都と事業協力を行う団体を事業協力団体として指定し、その中でも、都政との関連性が高く、都とともに政策実現を目指す団体を政策連携団体として指定いたしました。
政策連携団体につきましては、先月、新たに活用戦略を策定いたしまして、行政運営を支援、補完する機能にとどまらず、現場で培った専門性を都政にフィードバックさせていくなど、より高度な領域で活用していくことといたしました。
今回の見直しを踏まえまして、都庁グループとしての機能を一層高め、都の政策展開を加速化する体制を構築してまいります。
○鈴木委員 今、答弁にありましたように、今回の見直しというのは、都の政策実現に関与する団体との協力関係をより強化する、そして、都の政策展開を加速化していくといった答弁でした。
今回の見直しが、単なる看板のかけかえだけでなく、都と団体の協力関係が強化されて、実際に都民サービスの向上につながっていくのならば、それは歓迎すべきことでありますが、しかしながら、実現に移していくためには幾つか課題があるわけであります。
先ほど、他会派の質疑の中でも、この見直しが都民にどのような利益を生じさせるのかという話がありました。そうしたことを伺う中で、まずは団体の経営の透明性というのも問題であります。
政策連携団体は、都とともに政策実現を目指していくという位置づけが明確になり、活用戦略にも記載があるとおり、都政にその知見をフィードバックしていく、また、新たなミッションにもチャレンジしていくとのことであります。
こうした位置づけで政策連携団体を活用するのであれば、より都民に理解される団体でなければなりませんが、政策連携団体は、都の内部組織と異なって、運営状況が大変見えにくい。そして、年一回の議会への経営状況報告だけでは、十分な説明責任を果たしたとはいえないのではないかという声も聞かれます。
各団体は、団体運営の一層の透明性を確保し、情報公開に対する責任を果たすべきと考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 これまでも各政策連携団体は、役職員、財務、契約などの情報公開を進めますとともに、経営改革プランを通じて、主要事業の分析、経営課題や経営目標について都民に公表するなど、経営情報の透明化を図ってまいりました。
さらに、団体の理事会、評議員会などの議事要旨、団体がそれぞれの立場から取り組むCSR活動につきましても、昨年度末までに各団体のホームページ等を通じて公表いたしておりまして、ディスクロージャーを推進してございます。
都としても、団体が運営の透明性を確保し、情報公開に対する責任を果たしていくよう、適切に指導してまいります。
○鈴木委員 今、答弁の中で、団体の理事会、評議員会等の議事要旨、団体がそれぞれの立場から取り組むCSR活動についても、昨年度末までに各団体のホームページ等を通じて公表しており、ディスクロージャー、情報公開を推進しているという話でありましたが、私もこの団体の議事要旨を見ました。適材適所の役職が配置されているのであれば、会議における議論がもっと活性化してもおかしくないのではないかというような思いに至りました。
実際の議事の進行上、必要な発言が載っているだけで、議論が活性化しているようには見えないのですけれども、その点に対する見解をお伺いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 各団体の理事会や評議員会におきましては、団体を取り巻く経営環境や社会状況を踏まえ、それぞれの経営課題の解決などに向けまして、真摯な議論が交わされているものと認識してございます。
議事につきましては、法人運営上の機密や経営上重要な意思決定過程などが少なからず含まれておりますことから、要旨の公開としておりますが、今後も、団体運営の透明性を確保する観点から適切に指導してまいります。
○鈴木委員 先ほど、ディスクロージャー、情報公開を推進していくという話がありました。そして、今の答弁でも、議事については、法人運営上の機密や経営上重要な意思決定過程などが少なからず含まれているから、要旨の公開としているという話があるわけですけれども、法人上の機密、そして経営上重要な意思決定というのは、皆様方が恣意的に判断されているわけですけれども、この情報公開をしている、そして、そのことによって信頼性を増していくという取り組みにつなげていくのであれば、やはりもう少し、この透明性というものを工夫して取り組んでいただくということが大事ではないかなというふうに指摘をさせていただきます。
次に、団体の役員構成について伺います。
社会情勢の変化は極めて速く、当然、その変化にしたがって新しい行政課題が発生し、また、都民ニーズも目まぐるしく変化しております。そこで、先ほど、新たなミッションにチャレンジしていくような団体という話があったわけですけれども、都政を支える政策連携団体の常勤の役員の多くは都の関係者であり、理事長や社長には、都の局長OBなどが就任している場合が多いのが実態であります。このことは、一定における委員会審議でも指摘されました。
さまざまな経験を有する都の局長が、政策連携団体でその知見を生かして活躍いただくこと自体は、一概に悪いというふうには思いませんけれども、その反面で、現職の都幹部が非常勤の理事として団体の経営に参画しても、元上司であった理事長や社長に対して、団体が担うべき新たなミッションについて意見ができるのかというような疑問が残るわけでございます。
団体が新たなミッションにチャレンジするためには、外部の人材をもっともっと積極的に登用して、さまざまな視点から経営戦略を検討できる体制にしていかなくてはならないというふうに思いますけれども、役員に対する外部人材の登用の考え方についてお伺いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 団体経営について多角的な検討ができる体制を整備し、また活性化させていくために、改革の実施方針に基づきまして、常勤役員ポスト数や都関係者割合の見直しを図り、常勤役員への外部人材登用を倍増することとしてございます。
今後、団体の経営戦略の実現に適した民間人材やプロパー職員等を積極登用いたしまして、理事会等の活性を図るとともに、団体の経営力を強化させてまいります。
○鈴木委員 役員については、各団体で決定した任期の問題もあって、一気呵成に進まないということも理解いたしますけれども、民間人材の登用を行って適材適所の人事を進めていくことは、最も重要なことであります。
さらに、なぜそうした人事になったのか、一定の理解し得る説明というものも必要になってくるというふうに思います。
しかし、現実の都の人事というのは、全く都民への説明責任を果たそうとしていないと受け取られても仕方ないというふうに思います。
先日、元特別秘書が、政策連携団体である東京水道サービスの社長に就任しました。これまで全く縁のなさそうな方のこの人事は、本当に適材適所といえるのか、見解をお伺いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策連携団体におきます役員の選任については、団体みずからの経営判断のもと、所定の手続を経て団体自身が決定してございます。
人選につきましては、団体は、適材適所の観点から、官民を問わず適切な人材を選任するよう努力しているものと認識してございます。
○鈴木委員 そのように答弁するしかないわけですけれども、水道事業を包括的かつ効率的に展開するために、今般、株式会社PUCとの統合を進めて、新たな事業展開によって自主事業の収益の拡大を目指す中で、この人事は、そうした取り組みの推進につながるとは全く思えないわけであります。
この人事は、あからさまの天下り以外の何物でもない。なぜ改革を進めているこのタイミングで、改革そのものに不信感を抱かせるこうした人事が行われるのか、本当に残念でなりません。まさに知事による都政の私物化といわれてもしようがない中で、こうした知事のもと都政改革を進めようとする皆様には、私も心から同情いたします。
最後に、団体のコンプライアンスと経営目標評価について伺います。
一定の総務委員会でも指摘しましたけれども、経営目標評価制度においては、事業運営の大前提であるコンプライアンスの取り組みを自己評価する仕組みになっていないわけであります。一定の総務委員会の際に、経営目標の達成状況だけでははかれない事業についても、局が自己評価に記載することとなっているとの答弁があったわけですけれども、しかし、実際に、団体が評価に都合の悪い事項を自己申告してくるとは全く思えないわけであります。また、総務局も把握できないような事例も、一定の質疑の中でもあったわけであります。つまり、そこが経営目標評価制度上の現在の限界であるといわざるを得ません。
総務局として、団体のコンプライアンスや内部統制を強化する観点から、評価の仕組み自体を見直していくべきであるというふうに思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 経営目標評価制度におきまして、これまでも、都民の信頼を失墜させる事案が団体において発生した場合には、社会的な影響などを考慮いたしまして、厳正な評価を行ってまいりました。
現在、政策連携団体に対し、各団体のコンプライアンス等にかかわる課題を把握するため、自己点検の実施を求めてございます。
今後、この点検結果も踏まえまして、都の指導監督を改めて徹底いたしますとともに、経営目標評価制度の適切な運用に努めてまいります。
○鈴木委員 これまで、二〇二〇改革全般と政策連携団体改革について質疑してまいりました。行政改革はもちろん重要でありますけれども、大切なことは、冒頭述べましたように、改革のための改革に陥ってはならないということであります。改革のための改革は、単に仕事やコストをふやすだけで、かえって行政の効率を下げるだけであります。
改革というからには、都民の皆様がどのように便利になるのか、また、働き方改革などにより生産性が上がるのかといった、成果があらわれなくては意味がないわけであります。
加えて、行政に限らず組織というものは、常に上役の出方をうかがいながら仕事をするような、いわゆるタコつぼに陥りがちであるわけであります。さきにも述べましたけれども、新たな課題に挑戦していくときに、特に、外部の目線を入れて組織を活性化していくことが何よりも重要であるというふうに思います。
皆様におかれましては、トップのダブルスタンダードの振る舞いが改革全体の不信感を買うような状況ではあるわけですけれども、真に都民のための改革になりますよう、今後とも愚直に実践していただきたいと申し述べて、質問を終わります。
○原委員 私は、政策連携団体のことについて伺います。
今ほども質疑がありました。今回、監理団体三十三団体が、結果としては、そのまま政策連携団体となりましたけれども、東京都との関係では、より位置づけを高めたということだというふうに思います。
それで、そもそも本来は東京都が直営で担っていた公共性の高い、都民の暮らしに直結する分野を担当している団体も数多くあります。都として、より都政における重要なパートナーだと位置づけを高めたわけですから、都の責任において情報公開をさらに進めていくように働きかけて、事業の透明性を確保していくことが非常に重要だと思っています。
都が、こうした役割を果たしていく政策連携団体に対して改めて、この位置づけを高めたという今の時点で、今後、その情報公開、透明性を高める、このことについてどのようにしていく考えか、まず伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 これまでも、全ての政策連携団体では、都が示した情報公開モデル要綱に準じた情報公開に関する規定を整備いたしますとともに、役員報酬や職員給与の状況、契約情報など団体の経営情報に関する公表範囲を順次拡大するなど、情報公開の取り組みを推進してまいりました。
今後も、政策連携団体の自主的な取り組みを基本といたしまして、適切に都民への説明責任を果たしていくよう、都としても指導してまいります。
○原委員 今後もとおっしゃっていましたけれども、私は、今の時点に立って、改めてどうしていくのかということを伺っていきたいと思っているんです。
具体的には、理事会、評議員会などの議事録の公開、また、会議自体を原則公開にすべきと考えていますが、現在の公開状況を改めて伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策連携団体の理事会や評議員会につきましては、昨年度末までに、その議事要旨を全団体で公開してございます。
理事会や評議員会における議事内容につきましては、法人運営上の機密や経営上重要な意思決定過程などが少なからず含まれますことから、会議そのものや議事録全文を全面的に公開することは、基本的には困難なものと認識してございます。
○原委員 基本的には困難だというふうに、東京都の方で決めてしまっていいのかというふうに私は思っているんです。
以前、提出していただいた委員会での資料では、株式会社以外の二十三団体の監理団体については評議員会が設置をされていて、議事録の要旨をホームページ上で公開しているということは書いてあります。確かに、この議事録の要旨は大事なんですが、先ほどもお話にありましたが、団体によって内容はかなりまちまちで、説明の内容や議論の経過はなかなかわからない。質疑があったかどうかもわからないものもあります。
これはやっぱり、要旨ではなくて、公開できる部分は議事録自体を公開するということや、また、会議資料もあわせて公開するように求めるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 先ほどもご答弁させていただきましたが、理事会などにおけます議事内容につきましては、法人運営上の機密や経営上重要な意思決定過程などが少なからず含まれておりますことから、議事録全文を全面的に公開するなど、やりとりについて詳細に公開をするということは、基本的には困難というふうに考えてございます。
○原委員 私は、そこを検討すべきだといっているんです。東京都が政策連携団体というふうに高めましたよ、東京都と関連が強いですよということをいっているわけですから、そこは工夫をしてやっていくことは十分可能だと思うんです。機密にかかわるところは非公開にするとしても、東京都との事業で議論をしているところは全部そのまま公開するなど、工夫はできるんじゃないでしょうか。ぜひそこは検討していただきたいということと、あと、会議自体も、原則公開にして傍聴できるようにすべきだと私は思っています。
資料によれば、一団体だけ公開しているんですね。あとはみんな非公開なんですけれども、ですから、これは全団体に東京都から働きかけて、原則公開にするということを求めるべきではないでしょうか。いかがですか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 政策連携団体におけます経営情報の情報開示につきましては、先ほどもご答弁させていただきましたが、団体の自主的な取り組みを基本といたしまして、適切に都民への説明責任を果たしていくということを考えるべきかと思います。それに合わせて、都も指導をしていくということでございます。
○原委員 それですと、今までとほとんど変わりませんねということにならないでしょうか。私は、これを機に、東京都と密接な連携もあって位置づけを高めたという段階で、東京都から積極的に情報公開をしていくということで、都民にも発信をしていくというのが大事だということを指摘したいと思います。ぜひ検討していただきたいです。
今、評議員会を設置しているのは当然ですけれども、株式会社以外のところになっているわけですね。公益財団などになっているのですが、株式会社についても、政策連携団体という位置づけで高めているわけですから、都政の重要な部分を担っているということから考えると、できる限りの公開をしていくということは求めていく必要があると指摘したいと思います。
先ほどお話にありましたけれども、私も、都政新報のきょう付の記事を見て大変驚いたのですけれども、TSS社長に聞くという記事ですが、日本版「水メジャー」土台作るという大見出しで、これで、私は本当に--政策連携団体という位置づけで東京都と連携をしながらやっていくという中で、こういうものが先にぱっと出ているということで非常に驚きました。
私は改めて、政策連携団体にしてきちんと、東京都の主要な、大事な事業を担ってもらっているということで、積極的にかかわっていかないといけないのではないかということを指摘したいと思います。
その点で、一つ確認をしたいのは、今回の知事の所信表明で、知事は、今後、私自身も各団体のトップと意見交換を行い、その政策推進力や経営戦略の一層の強化につなげますと述べられました。
これはどのように進めるのか、また、それらは公開の場で行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 知事と政策連携団体代表者との意見交換につきましては、都と団体の間で、都庁グループとしての経営課題を共有いたしますとともに、課題解決の方向性について議論を行うなど、グループの政策推進力や経営戦略を強化していくことを目的に、全団体を対象に実施するものでございます。
団体の代表者と率直に意見を交わすことが趣旨でございまして、非公開で実施してまいります。
○原委員 率直な意見交換は公開をするとできないというふうに聞こえてしまうのですけれども、それでいいのでしょうかというふうに私は思います。より都政との関連性が強いということを位置づけた政策連携団体にしたという、その時点での意見交換になるわけですから、その透明性は確保されるべきではないかと思うんですね。
非公開で実施しますというふうに、いい切られていました。この非公開というのは、どこで決まったのでしょうか。知事からの指示なのでしょうか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 先ほどもお答え申し上げておりますが、知事と政策連携団体の経営トップとの自由な、率直な意見交換の場でございまして、それを通じましてグループとしての信頼の醸成に努めるということでございます。
そのため、非公開で実施するということでございます。
○原委員 済みません。時間も限りがあるので、どこで決まったのですか、知事からの指示ですかということ、難しい質問ではないので、そこに答えてください。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 知事にお諮りをして、非公開ということで決定してございます。
○原委員 知事にお諮りして非公開ということに決まったと。じゃ、知事も合意をされているということなんですか。
小池知事は、二〇一六年八月に就任したときに、最初の職員への訓示でも、予算や重要政策の意思決定が、いつどこでどのように決められたのかを明確にする、情報公開で都政の信頼回復につなげたいと話されていて、都政と関連性が強いから政策連携団体というふうに位置づけを高めたのに、意見交換は非公開にするというのは、いかがなものかというふうに私は思います。
それも、わざわざ所信表明で意見交換をしますということをいったわけですよね。といいながら非公開というのは、都民から見て理解を得られるでしょうか。
一点だけ聞きます。記録はとられるのですか。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 会談の概要などについて、メモとしての記録は最低限残すということでございます。
○原委員 記録はとられるということのようですね。メモは残すということですが、私は改めて、この知事の意見交換は公開で行うということを再検討してほしいということを強く求めておきたいと思います。
報告団体について、ちょっともう一点聞きたいのですけれども、これまでの報告団体については、都政との関連性を精査した上で、事業協力団体と位置づけ直しています。
その目的と、団体数はどのようになったのか、どういう団体を外して、また、新たに加えた団体はあるのか、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 都の政策実現に寄与する団体を明確化し、協力関係を強化することを目的といたしまして、都が関与すべき団体の指定基準を、設立時の出資、出捐の状況から、現在の人的、財政的支援の状況を重視する基準に見直したところでございます。
この新基準に基づきまして、都が関与すべき団体を精査した結果、報告団体のうち三十一団体と、新たに一団体、合計三十二団体を事業協力団体として指定いたしました。
○原委員 これまでは報告団体は五十一団体でしたので、事業協力団体というふうに、今回は都政との関連性を見て、かなり絞り込んだということだというふうに思います。
この事業協力団体に対して、今後、都の関与はどのように変わるのか、伺います。
○小林行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務 事業協力団体は、これまで報告団体から受けていた年に一度の経営情報の報告に加えまして、団体と都施策に関する情報共有を進めるなど、都と団体の協力関係を強化していくこととしてございます。
○原委員 事業協力団体についても、一つ一つ、かなり違いますけれども、その団体の特性を踏まえた上で、できる限りの情報公開がなされるように、都としても働きかけていくことが大事だと思います。
政策連携団体、また、事業協力団体というふうにここで位置づけ直して、都政との関連が非常に強いんだということをおっしゃっているわけで、そういうときこそ、きちんと情報公開をしていくというのは当然のことだと思いますので、ぜひ指摘した点などを検討していただくように強く求めまして、質問を終わります。
○小松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時三分散会
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