総務委員会速記録第六号

平成三十一年三月二十日(水曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長小松 大祐君
副委員長藤井  一君
副委員長馬場 信男君
理事鈴木 章浩君
理事両角みのる君
理事木村 基成君
古城まさお君
藤井あきら君
山内れい子君
藤井とものり君
森口つかさ君
増田 一郎君
原 のり子君
中屋 文孝君
とくとめ道信君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長梶原  洋君
次長理事兼務福田  至君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小室 一人君
青少年・治安対策本部本部長大澤 裕之君
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
総務局局長遠藤 雅彦君
次長榎本 雅人君
総務部長西山 智之君
選挙管理委員会事務局局長澤   章君
人事委員会事務局局長砥出 欣典君
任用公平部長矢岡 俊樹君
監査事務局局長岡崎 義隆君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 総務委員会所管分
・第二号議案 平成三十一年度東京都特別区財政調整会計予算
・第四号議案 平成三十一年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
付託議案の審査(決定)
・第二十九号議案 行政不服審査法施行条例の一部を改正する条例
・第三十号議案 東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第三十一号議案 東京都職員定数条例の一部を改正する条例
・第三十二号議案 職員の大学院派遣研修費用の償還に関する条例の一部を改正する条例
・第三十三号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十四号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十五号議案 住民基本台帳法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第三十六号議案 住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
・第三十七号議案 都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
・第三十九号議案 東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
・第四十号議案 東京都防災会議条例の一部を改正する条例
・第四十一号議案 東京都国民保護協議会条例の一部を改正する条例
・第四十二号議案 東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 公立大学法人首都大学東京定款の変更について
・第八十六号議案 公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について
・第八十七号議案 包括外部監査契約の締結について
特定事件の継続調査について

○小松委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、総務委員会所管分、第二号議案及び第四号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○増田委員 それでは、都民ファーストの会東京都議団を代表して意見開陳を行います。
 平成三十一年度予算は、東京二〇二〇大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつける予算として、第一に、局横断的な連携や、行政にはない新たな発想の活用により、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーを実現させるための戦略的な施策を積極的に展開すること、第二に、ワイズスペンディングの視点により、自律的な都政改革を不断に推し進め、一層の無駄の排除を徹底し、健全な財政基盤を堅持すること、第三に、東京二〇二〇大会の開催準備の総仕上げを着実かつ効率的に進めることの三点を基本に編成されています。
 一般会計予算七兆四千六百十億円、特別会計と公営企業会計を含めた全会計予算十四兆九千五百九十四億円の平成三十一年度予算には、防災対策や都民に身近な犯罪対策、国際金融、観光都市対策、中小企業対策、ゼロエミッション対策、未来を担う人材の育成対策、待機児童対策、児童虐待対策、女性活躍対策、高齢者対策、多摩・島しょ地域の振興など、都民生活にとって欠かすことができない大切な経費が盛り込まれています。
 他方、都財政については、今後の人口減少、少子高齢化の影響を織り込み、また、歳入面では、国による都税の収奪に加え、景気変動に大きく影響を受ける法人二税の割合が高いことを踏まえれば、都民のための施策を持続的に行うために強い財政基盤が必要です。
 そのため、東京二〇二〇大会を成功させ、これを推進力として東京の稼ぐ力を充実させるとともに、費用対効果分析を踏まえた政策評価、事業評価を徹底して予算の効率化を図り、東京二〇二〇大会後を見据えた大胆な行政改革にも着手していく必要があります。
 今後とも、いかなる状況のもとにあっても、都民ファーストの視点から、三つのシティーの実現に向けて、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望いたします。
 意見開陳の冒頭に、まずそのことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、政策企画局関係について申し上げます。
 一、東京二〇二〇大会の先を見据えて、東京都の抱える少子高齢化、人口減少に代表される諸課題の解決に資する施策を全力で推進するため、そのリーダーシップと調整能力を遺憾なく発揮し、都民ファーストでつくる「新しい東京」二〇二〇年に向けた実行プランの実行に当たっては、常に都民ファーストの視点で事業を進め、レビュー実施に当たっては、PDCAサイクルや客観的データに基づく検証手法を盛り込み、都民にとってわかりやすい情報発信を意識されたいこと。
 一、東京都がますます激化する世界の都市間競争に勝利し、都民の利益を最大化するため、国際金融都市・東京構想を着実に実行されたいこと。
 新たに立ち上げる金融プロモーション組織を活用し、最先端の金融機関、資産運用業者やフィンテック企業等、新たなプレーヤーの誘致、育成に加え、シティー・オブ・ロンドンとのMOUに基づく交流を強化し、国際金融市場運営のノウハウを積極的に取得するよう努められたいこと。
 一、あわせて、国家戦略特別区域会議、アクセラレータープログラム、東京開業ワンストップセンター、ビジネスコンシェルジュ東京事業などの運営により、東京に新たな活力をもたらす金融以外の外国企業の誘致にも注力されたいこと。
 一、稼ぐ力を強化するため、デジタル地域通貨や官民によるデータプラットホーム構築、MaaSなど、ソサエティー五・〇の実現加速に向けての新たな取り組みに注力し、あわせて、将来の東京の持続的成長の担い手として期待されるスタートアップ企業の育成を目指す先端事業普及モデル創出事業、キングサーモンプロジェクトを推進されたいこと。
 一、自動走行システムやドローン、ロボットの社会実装に代表される近未来技術の実現に向けた取り組みを加速させ、都の課題解決に活用するとともに、東京二〇二〇大会を見据えて、これら先端テクノロジーをショーケーシングし、世界に向けてのPRを実施されたいこと。
 一、長期計画策定に当たっては、財政の見通しを検討するとともに、期間中の財政計画との連携及び整合性の確保を図られたいこと。
 次に、青少年・治安対策本部関連について申し上げます。
 一、東京二〇二〇大会を見据え、地域や学校が各地域で行う見守り活動を促進するために、防犯設備の整備に対する支援を進めるとともに、官民一体となった治安対策を推進し、大会終了後にも高い防犯意識がレガシーとして引き継がれるよう、防犯についての普及啓発を推進されたいこと。
 一、青少年を犯罪や有害情報から守るため、LINE等、SNSを活用したネット・ケータイヘルプデスクを普及させるとともに、インターネット利用の適正化や児童ポルノ等の性被害を防止するための講習会等を実施し、啓発活動に努められたいこと。
 あわせて、児童相談所や警察、教育庁とも連携を密にとり、アウトリーチを含めた取り組みを検討されたいこと。
 一、特殊詐欺から高齢者を守るために、その効果が認められている自動通話録音機の設置を促進するとともに、事業の推進に関しては、特殊詐欺の標的にされている高齢者へ情報が届くよう、効果的な情報発信を心がけられたいこと。
 一、自転車安全利用の取り組みをより一層推進されたいこと。その際、自転車安全利用指導員の配置やヘルメット着用モデル地区での取り組みについては、その効果検証をされたいこと。
 次に、総務局関連について申し上げます。
 一、東京二〇二〇大会に向けて作成したセーフシティ東京防災プランの進捗管理を徹底し、都民の自助、共助のさらなる推進に向けて、女性や高齢者、外国人、マンション世帯など、さまざまな対象別のきめ細やかな普及啓発に努められたいこと。
 一、都民の災害に対する備えや防災意識の向上のため、マイタイムラインの普及を促進し、風水害に対し、適切な避難行動につながるよう努められたいこと。
 また、風水害に限らず、地震も含めた自然災害に対する適切な備えと避難行動につながるよう、都民一人一人の防災行動計画の作成支援に努められたいこと。
 一、東京都防災アプリのさらなる普及促進と、利用者の声を適切に集め、さらなる有用なアプリへと改善に努められたいこと。
 一、災害に対する日々の備えや避難所運営において、女性のニーズにきめ細かく対応するため、女性の視点を防災活動に反映することができる、地域や職場の女性防災リーダーの育成に努められたいこと。
 一、発災時の一斉帰宅抑制策が機能するように、高齢者や障害者、外国人など、要配慮者に配慮をした帰宅困難者対策に努められたいこと。
 また、市区町村と連携し、さまざまな施策に取り組み、民間の一時滞在施設の確保に努められたいこと。
 一、災害対策本部が設置される区市町村庁舎の非常用電源について、発災後七十二時間程度、外部からの電力供給なしに稼働できる体制を整えるため、経費の補助や専門家の派遣を実施し、設置を迅速に進められたいこと。
 一、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を踏まえ、人権に関する啓発活動に一層注力し、誰ひとり取り残されることのない、そして、豊かな価値を生み出すダイバーシティー東京を実現されたいこと。
 一、インターネットの普及に伴い、その匿名性、情報発信の容易さから、個人の名誉を侵害したり、差別を助長する表現など、人権にかかわるさまざまな問題が多発しており、東京都人権施策推進指針に基づき、人権侵害の解消に向け、他者への人権配慮やルール、マナーの遵守等の啓発に注力されたいこと。
 一、市町村総合交付金を、引き続き多摩・島しょ地域の振興のために拡充をしていくとともに、財政力が比較的弱い自治体にとっても新規事業等で積極的に活用ができるような、より使い勝手のいい制度への検討を図られたいこと。
 一、都政改革においては、新しくつくる都の長期計画を踏まえ、かつ、行政サービスの水準確保、財政負担、効率性、公益性などのさまざまな観点を踏まえ、民営化または民間との協働、連携、協力、廃止を含め、最適な方向を探られたいこと。
 特に、都保有施設については、さまざまな人の利用を想定した施設サービス魅力向上プロジェクトを進めることにより利用者の満足度を高め、監理団体については、経営状況の見える化と外部有識者による意見聴取を踏まえた自律改革を求められたいこと。
 一、都庁の業務において総務事務改革を進めるとともに、新TAIMS端末の本格導入に合わせて、さらなるICTの導入を進めるとともに、AIやRPA等を活用した業務の効率化、生産性の向上に努め、あわせてペーパーレス化を一層推進されたいこと。
 一、行政サービスのデジタル化を一層推進するため、行政手続のオンライン化に加えて、バックオフィス業務のデジタル仕事改革を進め、都民の利便性の向上を図られたいこと。
 一、職員の海外研修を積極的に進め、都の新しい施策に効率的につなげられたいこと。
 一、厚生労働省の毎月勤労統計の不正に始まる国の統計不正の問題に対して、国と連携を密にとるとともに、都としても統計の信頼回復に努められたいこと。
 一、島しょ地域の生活の利便性向上及び産業振興に不可欠なインフラとして海底光ファイバーケーブルを整備し、超高速ブロードバンド未整備地区、五村六島におけるインターネットの利用環境を早急に改善されたいこと。
 次に、選挙管理委員会関連について申し上げます。
 一、投票率向上に資する取り組みについて、SNSの活用や投票所の最適化など、より効果の高い方法を引き続き調査研究し、実施されたいこと。
 一、国政選挙において区市町村選挙管理委員会の超過負担が解消していない状況に鑑み、問題解決に向け、国への働きかけを図られたいこと。
 次に、監査事務局関連について申し上げます。
 一、東京水道サービスにおける不適正事案が判明していることも踏まえて、監理団体や財政援助団体など、その時々に応じた監査を進められたいこと。
 一、業務の効率化、生産性の向上のため、ICTを積極的に活用されたいこと。
 特に、来年度検討しているICTを活用した大量データ分析型監査を推進されたいこと。
 以上をもちまして、都民ファーストの会東京都議団を代表しての意見開陳を終わります。

○古城委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成三十一年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 平成三十一年度一般会計予算案は、都民の安全・安心の確保、一人一人が輝き続けていくための施策などに重点的に予算措置を行っています。また、事業評価の取り組みのさらなる強化による無駄の排除の徹底や、基金、都債の戦略的な活用などにより強固な財政基盤を堅持するなど、めり張りのきいた予算となっています。
 具体的には、都議会公明党が強く求めてきた国の幼児教育無償化にあわせた多子世帯に対する都独自の支援や、体育施設へのエアコン設置、不妊検査や不妊治療への支援の拡充のほか、昨年九月に行った防災事業の緊急総点検を踏まえた防災、減災対策の大幅な強化など、都民の暮らしを守り、安全を確保するための施策が随所に盛り込まれています。
 一方で、事業評価の取り組みでは、我が党が積極的な活用を主張してきた複式簿記・発生主義による新たな公会計制度を存分に活用し、いずれも過去最高となる八百三十七件の見直しや再構築を行い、約九百億円の財源確保額へとつなげています。
 こうしたことから、平成三十一年度一般会計予算案は、都民生活をしっかりと守る予算、健全な財政運営にも目くばせをした予算として、高く評価するものであります。
 予算の執行に当たっては、都民の負託に的確に応えられるよう、より効率的かつ効果の高い施策を迅速に展開することを強く求めるものです。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、政策企画局関係について申し上げます。
 一、政策企画局が持つ総合調整機能を十分に発揮し、各局が先進的な施策を展開できるよう、積極的に取り組むこと。
 一、姉妹友好都市等との具体的な交流事業を広げ、大都市共通の重要課題を解決することで、都民生活の向上に結びつけていくとともに、各国在京大使館等とのさらなる連携強化を図るなど、都市外交を着実に進めること。
 一、ことし五月に東京で開催するU20メイヤーズ・サミットにおいては、SDGsを初めとする世界共通の目標に対して、他都市と連帯して意欲的に取り組む姿勢を発信すること。
 一、環境、防災、治安など広域的諸課題に対応するため、九都県市首脳会議や関東地方知事会を活用し、幅広い視点から効果的な問題解決を図ること。
 一、特区制度の活用については、誘致した外国企業の従業員やその家族が安心、快適に生活できる環境の整備や、海外との取引や新たなビジネスチャンスの創出を図ること。
 一、ペイロールカード口座への賃金支払いを可能とする規制緩和の実現など、キャッシュレス社会の推進に取り組むこと。
 一、東京が魅力あるビジネスの場として認知され、世界中から人材、情報、資金の集まる拠点として発展するため、金融プロモーション組織の設立など、都が策定した国際金融都市・東京構想に掲げる取り組みを着実に推進すること。
 次に、青少年・治安対策本部関係について申し上げます。
 一、区市町村やボランティア、事業者等と連携し、登下校区域等の防犯カメラ設置に対する支援や見守り活動の支援等、ハード、ソフト両面から地域の安全・安心を確保する取り組みを促進すること。
 一、インターネット上のさまざまなトラブルを未然に防止するため、青少年や保護者を含めた周囲の大人に対し、相談しやすい環境づくりや普及啓発などの対策を積極的に推進し、ネットリテラシーの向上に取り組むこと。
 一、LINEによる相談業務について、青少年や都民に広く利用を促すため、関係局とも連携し、SNS等を活用して周知に取り組むこと。
 一、東京都若者総合相談センター、若ナビαについて、SNSを活用した周知とともに、相談受け付けの拡充に取り組み、青少年の適切な支援につないでいくこと。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例に基づき、啓発、教育等の施策を総合的に実施していくこと。
 一、犯罪被害者等への支援については、第三期東京都犯罪被害者等支援計画に基づき、条例の制定も見据え、着実に実施すること。
 一、行政改革に当たっては、質の高い都民サービスの展開に向けて、自主性、自律性を発揮した職員主体の体制のもと、東京二〇二〇大会以降の都政を取り巻く状況を見据えて、実効性のある取り組みを推進すること。
 一、監理団体については、都庁と一体となった質の高い都民サービスの展開に向けて一層の改革を進め、戦略的な活用を図ること。
 一、二〇二〇実行プランを下支えし、山積する都政の諸課題を解決するため、東京都ICT戦略に基づき、各局と連携しながら確実にICT化を実現していくこと。
 一、多摩の振興プランに基づき、同地域の発展を図るとともに、市町村総合交付金の適正な交付を通じて、市町村の行政水準の維持向上、財政基盤の安定化を図ること。
 また、避難所となる公共施設の体育館などへの空調設備の整備について、市町村総合交付金を活用し、各市町村の財政負担の軽減を図ること。
 一、小笠原航空路開設の実現に向けては、村民の意向を十分に踏まえて検討を進めること。
 また、大島災害からの復興に対する支援も含めた幅広い島しょ振興の取り組みについて、引き続き積極的に支援すること。
 一、首都直下地震に備え、警視庁、東京消防庁、国の機関との強力な連携を図り、帰宅困難者対策、物資輸送の円滑化など、自助、共助、公助全般にわたる対策を講じること。
 一、各地の地震災害などの教訓を踏まえ、女性視点の防災ブック「東京くらし防災」を活用し、女性防災人材育成カリキュラムに基づいてセミナーを実施し、女性防災リーダーを育成すること。
 一、東日本大震災の被災地支援については、引き続き、現地の状況を的確に把握した上、着実に実施すること。
 また、震災の風化を防ぐため、被災地の現状等を広く都民に伝え、支援の必要性を呼びかけること。とりわけ福島県については、民間団体や区市町村とも連携し、風評被害対策など、多様な取り組みを継続的かつ積極的に実施すること。
 一、首都大学東京は、独立行政法人のメリットを生かした運営を図り、都市の課題解決に資する研究や産学公連携の推進、高度専門職業人の育成、国際交流の推進など、社会要請に応じた教育研究を充実させること。
 また、学び直しの場としてTMUプレミアム・カレッジを開設し、高齢者の活躍推進にも努めること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○中屋委員 東京都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託された平成三十一年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成三十一年度予算案は、ラグビーワールドカップの成功、二〇二〇年の東京大会に向けた準備の総仕上げとともに、昨年相次いだ自然災害を教訓とした防災対策など、都政が直面する行政課題に的確に対応することで、二〇二〇年大会後の東京の発展に向けた基礎をつくる大事な予算であります。
 都は、今後も、東京の実態を踏まえ、都民福祉向上に実際に役立つ施策を精力的に推進するとともに、東京の将来の発展を支える強固で弾力的な財政基盤を構築していくことを要望いたします。
 さて、三月六日に平成三十年度の最終補正予算が中途議決され、築地跡地を五千四百二十三億円で有償所管がえすることが可決されました。平成三十一年度予算では、この有償所管がえを前提にした予算が計上されております。
 一つは、一般会計に築地跡地を有償所管がえした、いわば売り主である中央卸売市場が売り主として行う土壌汚染対策、埋蔵文化財調査にかかわる経費であります。これは、当該用地を民間に売却した場合でも同じであり、当初から有償所管がえを主張していた我が党は、当然の経費と考えております。
 もう一つは、市場会計から築地用地を取得した一般会計において計上されている、築地まちづくりに向けた委託契約に要する約七千万円の経費であります。築地跡地は民間売却し、豊洲移転経費補填のために税金は投入せず、再開発は民間活力を活用するというのが我が党の主張であります。さらに、今回、五千億円を超える一般財源を投入しておきながら、具体的な開発計画はこれから考え、財源スキームも、年間百五十億円もの賃料を五十年間にわたって稼ぎ出して税金の穴埋めをするというものであります。
 突然の有償所管がえを三十年度の最終補正予算として処理するなど、行政手続も特殊であり、財源スキームも不明確な築地まちづくりをこのまま推し進めるための委託契約は、責任ある都政運営、健全な都財政の維持という観点から、大きな問題を抱えているといわざるを得ません。
 このため、我が党は、今後の予算特別委員会において、こうした課題を抱えた平成三十一年度予算の取り扱いについて、さらに質疑を重ね、必要な提案をしていく必要があると考えております。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、まずこのことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、政策企画局関係について申し上げます。
 一、ラグビーワールドカップや二〇二〇年東京大会の成功、その先の東京の発展、そして、世界で一番の都市東京の実現を確実なものにしていくため、少子高齢化対策や防災対策の強化に向け、重要政策の横断的、総合的調整など政策企画局本来の機能を十分に発揮しながら、二〇二〇年に向けた実行プランの着実な推進に全庁を挙げて果敢に取り組むこと。
 また、地方のニーズの把握に努め、信頼関係を構築するとともに、東京が率先して地方に貢献し、東京と他の地域との共存共栄を図られたい。
 さらに、国と東京都の実務者協議会については、都としてスピード感を持って戦略的に進められたい。
 一、国家戦略特区を活用し、都市再生、まちづくりや医療の分野などに加え、観光や福祉、農業など、さまざまな地域課題の解決支援にも取り組み、東京全体の発展につなげていくこと。
 また、官民連携による金融プロモーション組織の設立などの、東京を国際金融、経済都市として成長、発展するための取り組みや、東京への外国企業誘致を進めることにより都内中小企業の振興を図る取り組みを積極的に推進されたい。
 さらに、国の未来投資戦略も踏まえ、第四次産業革命がもたらすさまざまな技術革新をあらゆる産業や人々の生活に取り入れるソサエティー五・〇の実現に向けた検討を着実に進められたい。
 次に、青少年・治安対策本部関係について申し上げます。
 一、安全・安心なまちづくりを一層推進するため、引き続き防犯カメラの設置を促進するとともに、区市町村と連携して維持管理に対する支援を行うなど、地域の防犯環境の維持、発展に向けた取り組みを推進されたい。
 一、二〇二〇年東京大会の安全・安心の確保に向けて、広く防犯意識の高揚を図るとともに、住民や防犯ボランティア、事業者などとの連携のもと、地域における見守り活動の活性化に取り組まれたい。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、行政改革に当たっては、都民サービスの質の向上を第一に、自主性、自律性を発揮した職員主体の体制のもと、二〇二〇年東京大会以降の都政を取り巻く状況を見据えて、都の重要課題を着実に解決するため、実効性のある取り組みを推進されたい。
 一、監理団体の指導監督については、経営目標の達成度だけでなく、今回の特別監察報告を踏まえ、コンプライアンスの確立を初めとした内部統制の強化や、適切な経営評価の実施、執行体制の最適化などに積極的に取り組むなど、都としての行政責任を全うされたい。
 一、組織の見直しに当たっては、これまでの取り組みや経緯などを検証し、見直しの目的や効果など、各局及び都議会ともしっかり議論した上で、都民に対し開かれた形で検討を進め、将来の東京の発展に確実につながる組織改編を推進されたい。
 一、二〇二〇年東京大会の開催準備に万全を期すとともに、さらにその先の都政を見据えた執行体制を整備するため、中長期的視点に立って、必要な職員の確保、育成及び活用を推進されたい。
 一、職員の海外研修制度については、現在のグローバル化に対応するため、新規事業の立案や既存事業の見直しを目的として明確に位置づけ、海外で学んだ知識や技術が今後の都政に生かせるよう、積極的に取り組まれたい。
 一、市町村の振興に当たっては、市町村総合交付金を活用して、行政水準の維持向上と地域の均衡ある発展を促進するなど、施策の一層の充実に努められたい。
 また、市町村とも十分に連携を図り、多摩の振興プランに基づき、より一層の多摩地域の振興を図られたい。
 一、大島災害からの復興に向け、都事業を着実に推進するとともに、町が行う取り組みについて積極的な支援を行うなど、島しょ地域の振興策を着実に進行されたい。
 小笠原諸島振興開発特別措置法に基づき振興開発計画を着実に策定し、同諸島の振興に積極的に取り組むこと。
 また、小笠原諸島の交通アクセス改善については、総合的支援を図られたい。
 さらに、島しょ地域における超高速ブロードバンドの全島整備について、早期かつ確実に推進されたい。
 一、都区制度改革については、今後の都区が果たすべき役割を踏まえて、事務配分、再編を含めた区域のあり方、税財政制度について具体的な検討を進め、都と区が連携して大都市東京の発展に取り組まれたい。
 一、災害に強い安全な東京の実現に向け、セーフシティ東京防災プランや地域防災計画に基づき、ハード、ソフト両面から防災対策を積極的に展開し、強靱な防災都市への歩みを強靱に推し進められたい。
 また、三多摩・島しょ地域の消防団の装備品などの拡充支援に取り組まれたい。
 一、東日本大震災に伴う被災地支援については、引き続き、被災地の本格振興に必要な職員を派遣するなど支援に取り組まれたい。
 避難の長期化が懸念されることから、都内避難者支援については、引き続き、被災地の行政情報や都の支援情報などを的確に提供するとともに、避難元自治体や関係機関との連携を密に行い、相談体制を実施するなど適切な支援を行われたい。
 一、サイバーセキュリティーの確保に万全を期しつつ、区市町村とも密に連携しながら、都政運営においてICTを積極的に利活用されたい。
 一、首都大学東京については、都民の期待に応える大学として、大都市で活躍する人材を育成し、東京のシンクタンクとして、大都市の課題解決を目指し、教育研究を充実するとともに、多くの海外都市から留学生を積極的に受け入れ、東京とのかけ橋となる若い人材の育成に取り組まれたい。
 また、産業技術大学院及び都立産業技術高等専門学校の運営では、東京の産業振興に貢献することのできる人材の育成に取り組まれたい。
 一、平成二十七年に策定した東京都人権施策推進指針において明らかにした、人権施策の基本理念や施策展開に当たっての基本的考え方と十七の人権課題に対して、正しく都民の理解が図られるよう、普及啓発等の人権施策に取り組まれたい。
 一、犯罪被害者等への支援については、第三期東京都犯罪被害者等支援計画に基づき、都として取り組みを強化するとともに、区市町村や民間団体との連携をさらに進めるなど、着実に施策の充実を図り、社会全体で支える支援を実現されたい。
 最後に、各局とも、予算執行に当たっては、現下の都民生活を取り巻く状況を適切に踏まえ、施策の目的を早期に達成するべく、迅速かつ着実な事業運営に取り組まれるよう強く要望し、意見の開陳を終わります。

○とくとめ委員 日本共産党都議団を代表して、総務委員会に付託された二〇一九年度予算案に対する意見を述べます。
 二〇一九年度予算案は、都民要望の反映とともに、我が党都議団が繰り返し提案してきた要望が反映し、重要な前進があった一方で、石原都政以来続いてきた大型開発や巨大道路の建設を優先する予算の基本構造は変わっていません。都政改革を掲げる小池知事が編成した三回目の予算になりますが、都民のための大改革とはいえない内容になっています。
 東京二〇二〇大会の大会経費と関連経費も膨らんで、今年度の二倍の五千三百三十億円にもなり、組織委員会との共同実施事業の千五百九十三億円も不透明になっています。
 さらに、小池知事が、築地は守る、市場機能は残すとした公約を破り、本予算ではないものの、巨額の補正予算を投入したことは重大だといわなければなりません。
 都民要求が反映した来年度予算案の重要な前進面としては、我が党都議団がいち早く提案してきた公立学校へのエアコン設置などがあります。
 公立小中学校の体育館リース補助六百五十七棟、都立学校二十四棟、公立小中学校の給食調理室への設置を初め、百十八億円が予算計上されました。国の補助単価を超える事業費の三分の二を都が負担する補助率は今年度限りとされていましたが、二〇二一年度まで延長されることになりました。
 市町村総合交付金が十億円増額をされ、学校のエアコン設置などにも活用できるようになりました。
 児童虐待防止対策として、児童相談所の児童福祉司が四十五人、児童心理司が二十人増員され、認可保育園を初めとした保育サービス利用定員については、二万一千人分をふやす見込みの予算が計上されています。
 幼児教育無償化の国制度の対象にならない認可保育園、私立幼稚園、類似施設を利用する世帯への都独自の負担軽減策、不妊検査や不妊治療助成の拡充が盛り込まれています。
 また、障害者福祉職員の奨学金返済への支援事業が始まり、高齢者福祉では、認知症検診への支援の新規事業が計上され、認知症高齢者グループホーム整備の予算が増額されました。
 以下、各局別に申し上げます。
 まず、政策企画局関係です。
 国際競争力を口実にして、不安定な株価状況のもとで、都民の貯蓄と資産をリスクが伴う投資に使わせる国際金融都市構想は撤回すること。
 外国企業の誘致に重点を置くのではなくて、都内の多数の雇用を支える中小企業への支援を抜本的に拡充すること。
 都市外交では、何よりも平和外交を軸にして、協力、共存、平等、互恵の関係を発展させることを重視すること。
 都の政策の立案、推進に関しては、幅広い都民の意見を反映させ、都民本意の内容にすること。とりわけ、未来を担う中学生、高校生などの若い世代の意見が表明できる場をつくり、施策に積極的に反映させること。
 次に、青少年・治安対策本部関係です。
 子供・若者計画については、子供や青少年の権利を尊重し、都として青少年センター等、青少年の交流の場をつくるとともに、児童館の整備を初め、地域での青少年の居場所づくりの取り組みを支援すること。
 ひきこもり状態にある若者の自立と社会参加の支援、対象年齢の引き上げなど、支援事業の抜本的拡充を図ること。
 ひきこもり支援を行う団体の立ち上げにかかわる補助制度を復活すること。
 犯罪から子供たちを守るため、地域社会の全体が協力できる仕組みをつくること。
 インターネット依存やネット犯罪から守るための具体策の普及啓発に努めること。
 学生を含めた若者の相談事業を、思い切って普及、拡充すること。
 自転車の安全利用、活用の促進のために、自転車ナビマークや自転車レーン整備による安全走行、駐輪場の増設による放置自転車の解決など、実効性のある自転車対策を進めること。
 次に、総務局関係です。
 組織再編は、青少年施策のさらなる充実、強化をするために独自の専管組織をつくり、推進すること。
 また、区市町村の青少年施策への支援を拡充すること。
 地震、風水害など、あらゆる自然災害への対策は、予防対策を最優先に位置づけて、抜本的に具体化をすること。
 逃げおくれゼロ、災害の最小化を目指して、事前災害対策を重視するタイムラインの自治体単位、町会、自治会単位、家庭単位での具体化を急ぎ、事前防災対策を強化すること。
 避難所の抜本的改善のために、区市町村への支援を拡充すること。
 地震災害の最小化のため、都内に広がる地震火災を抑制する感震ブレーカーの設置や、家具転倒、落下防止などの取り組みへの支援を強化すること。
 都民サービス向上のために、都の職員をふやし、非常勤職員、臨時職員の待遇改善とともに、非正規職の正規化への転換を図ること。
 都職員の長時間労働、過重労働を減らす取り組みを強化すること。少なくとも、過労死ラインといわれる月八十時間以上の残業時間を早急に解消する人員体制、業務の合理化を進めること。
 監理団体については、有期雇用労働者について、労働契約法の趣旨どおり、無期転換権を確実に保障するよう努め、障害者雇用を拡大すること。
 監理団体、第三セクターなどの外郭団体の透明性やコンプライアンスを高めて、公益性、公共性のあり方を抜本的に改善すること。
 東京都、都教委、都の公営企業、監理団体等は、障害者の法定雇用率を守ることはもとより、障害者雇用を一層拡大すること。
 多摩格差ゼロを都政の柱に据え、格差解消に必要な財政支援を引き続き強化すること。
 多摩地域の振興については、市町村総合交付金のさらなる拡充とともに、市町村が活用しやすい制度にすること。
 また、医療、福祉、暮らし、防災、中小企業振興、地域交通の充実などを推進すること。
 島しょ振興のため、産業、観光、医療、福祉など総合的対策を推進すること。
 首都大学東京の都立大学への名称変更後も、引き続いて運営交付金の増額を図ること。
 授業料の減免制度の充実、奨学金制度の新設、拡充、入学料、授業料の引き下げを図ること。
 人権施策の取り組みを強化すること。
 新たに制定された人権条例の基本計画の策定に当たっては、広く都民の意見を聞き、都民参加型で進めること。
 都として、ヘイトスピーチに対しては厳格な対応を行うこと。
 性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援事業については、性別等にかかわりなく相談できることを十分に周知するなど、相談体制の拡充に取り組むこと。
 同和問題のみの専門相談事業は中止して、人権全般にかかわる公平公正な相談事業の充実に努めること。
 次に、監査事務局です。
 現在のような毎年の分野別ローテーションの監査体制から、監査体制を拡充して監査事業の充実を図ること。
 次は、人事委員会事務局です。
 職員Ⅲ類の採用選考において、より多くの障害者が受験できるよう、合理的配慮に努めること。
 最後に、選挙管理委員会事務局です。
 十八歳選挙権の実施に伴い、若者の政治参加を呼びかける啓発、普及に努めること。
 高校や障害者施設などへの選挙についての出前授業を拡大すること。
 選挙投票所には、可能な限り誰でもトイレの場所を選び、高齢者や障害者などの投票活動に当たって、配慮したバリアフリーの環境を設置するように区市町村に求めること。
 以上で意見開陳を終わります。

○藤井(と)委員 私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、当委員会に調査を依頼された平成三十一年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 平成三十一年度予算案は、堅調な税収に支えられ、一般会計予算案は七兆四千六百十億円と過去最大となりました。
 しかし、国による新たな偏在是正を初め、世界景気の先行き不透明感など、都においては、これまで以上に将来を見据えた、着実で効率的な財政運営が求められています。
 私たちがこれまで再三求めてきた財政の収支見通しを示すとともに、外部の目を活用することで、事業のあり方そのものにも踏み込んだ都政改革に、より積極的に取り組まれることを求めます。
 また、都庁組織や職員定数においても、安易な肥大化を招くことのないよう、効率的、効果的な都政運営に取り組むとともに、監理団体や天下り、随意契約などの問題についても、都民の懸念を招くことのないよう、不断の改革を求めるものであります。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、政策企画局関係について申し上げます。
 新たな長期計画の策定に当たっては、まず現行の長期ビジョンを総括し、一般企業のアニュアルレポート同様、都民に対する説明責任を果たすこと。
 また、ポストオリンピックの景気や人口動態など、厳しい将来予測であっても、しっかりと踏まえて策定すること。
 メイヤーズ・サミットの東京開催に当たっては、東京の食や歴史を生かしたおもてなしを行うなど、東京のプレゼンスを高める取り組みを行うこと。
 ソサエティー五・〇の実現に向けた取り組みにおいては、稼ぐ力の強化に確実につながるよう、東京都独自の取り組みを推進すること。
 首都圏の広域的な行政課題に積極的に対応するため、近隣自治体との連携を強め、国の政策形成に反映するよう取り組むこと。
 また、地方分権のより一層の推進に向けて、地方自治体との連携を強め、引き続き取り組むこと。
 次に、青少年・治安対策本部関係について申し上げます。
 振り込め詐欺を初め、架空投資などの振り込め類似詐欺の被害防止に向けて、普及啓発事業や取り締まりを強化すること。
 ハイパースムーズ作戦による渋滞対策を引き続き推進すること。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 組織再編については、スクラップ・アンド・ビルドを原則とし、行政のスリム化に逆行した都庁組織の肥大化につながらないよう、十分留意すること。
 また、住宅ストックや社会インフラの老朽化、空き家問題など、まちづくりの課題と連携した取り組みが強化できる組織体制へと見直しを図っていくこと。
 監理団体改革については、特命随意契約の見直しや天下り問題の改善に取り組みを求めるものであります。
 災害発生時、被災者ニーズに的確に応えるため、欲しいものリストのようなマッチングシステムの活用について検討すること。
 犯罪被害者等基本条例の早期制定に取り組むこと。
 また、犯罪被害者に対する具体的な施策を推進すること。
 以上を申し上げまして、都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての意見開陳を終わります。ありがとうございました。

○山内委員 私は、都議会生活者ネットワークとして、本委員会に付託された二〇一九年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 一般会計の予算規模は、五・九%増の七兆四千六百十億円で過去最大となりました。都税収入は、五・二%増の五兆五千三十二億円で、過去最高に迫る水準を見込んでいます。
 いよいよ来年に迫ったオリンピック・パラリンピック関連の支出がピークを迎えます。開催都市として、施設整備だけでなく、その他の経費負担も計画されており、基金の全てを使い切ってしまうことのないよう、堅実な財政運営が必要です。
 東京の人口は増加していますが、近い将来、確実に訪れる人口減少を見据えて、優先的に取り組むべき政策が必須です。エネルギーを初めとする地球温暖化対策、プラスチックの発生抑制、無駄な道路計画を見直し、緑や風の道に配慮した都市計画、新築ラッシュの隣でふえ続ける空き家への対策など、差し迫った課題ばかりです。
 また、高齢者や障害者が安心して地域で暮らせる在宅支援、外国人との共生、格差社会における子供たちの虐待や貧困など、何としても解決しなければなりません。
 特に、子供の学びや育ちを応援するために、批准二十五年を迎える子供の権利条約に立ち返り、子供の最善の利益を確保する東京都子供の権利条例(仮称)を子供参画でつくることを改めて提案します。子供は社会の希望であり、未来につなぐ若者や子供への投資は重要です。
 都議会生活者ネットワークは、人への投資を重点に、環境に配慮し、地域で安心して暮らせる持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組むよう、要望いたします。
 以下、各局別に申し上げます。
 政策企画局関係についてです。
 一、少子超高齢社会におけるまちづくりは、生活の質を高めるチャンスと捉え、多世代、多様な人々が安心して豊かに暮らすまち東京にするよう、政策的に進めること。
 一、入管法改正等による外国人居住者の増加、外国人観光客の増加を見据え、在京大使館等を通じて防災対策、避難支援等の適切な情報提供ができるよう、当事者ニーズのアンケート調査を関係局と連携して実施すること。
 一、国際協力や、多様な民族や文化を認め合う東京をつくるために、NGO、NPOと連携、協力して、都の国際政策を横断的、効果的に推進すること。
 一、多様で多世代の誰もが暮らしやすいまち東京となるよう、生活の現場の声を反映し、さまざまな視点からの創意工夫で政策形成を進めること。
 一、今、求められているSDGsや人生百年時代に対応するため、環境、福祉優先へと政策を転換すること。
 青少年・治安対策本部関係についてです。
 一、少女たちが犯罪やJKビジネスに巻き込まれないよう、居場所や相談窓口、シェルターなどを行っているNPO等を支援すること。
 一、ネット、携帯のトラブル相談窓口、こたエールのメール相談、電話相談を、子供の視点に立って検索しやすくするとともに、電話相談の時間帯をニーズに合わせたものに見直すこと。
 一、自画撮り被害防止については、セキュリティーの確保や子供の人権に配慮すること。
 一、自画撮り被害に遭った場合には、画像の拡散を最小限に抑えるよう、民間等と連携すること。
 一、自転車の安全で適正な利用の促進のため、自転車のルールのきめの細かい周知徹底を図るとともに、電動アシストつき自転車の特性を踏まえた留意点の周知を進めること。
 一、スーパーなど大規模施設には駐輪場の附置義務がありますが、小規模商業施設でも、商店街として一定の集客力のあるところには駐輪場を設置するよう働きかけること。
 総務局関係についてです。
 一、在京外国人、外国人観光客に対する適切な防災、避難情報を提供できるよう、当事者ニーズを把握するための調査を他局と連携して実施すること。
 一、在京外国人の防災訓練の参加を拡充、外国人観光客への支援の担い手となるような仕組みをつくること。
 一、性暴力救援ダイヤルNaNaを充実する。
 また、二十四時間三百六十五日体制のワンストップで性暴力被害者等に対する相談窓口を、多摩地域も含めて容易に行ける都立病院の中に設置し、適切な処置とケアが受けられるようにすること。
 一、DVやストーカー被害者を保護、救済するため、性別、性的指向及び性自認などを問わず、被害者に寄り添う相談体制の充実、一時避難及び生活再建の場所を確保すること。
 一、DV、性被害、ストーカー被害者の二次被害防止と個人情報保護を徹底するよう、警察や医療関係者などの研修を行うこと。
 一、性的指向及び性自認の担当部署は、困難を抱える全ての当事者のニーズが幅広く反映され、ともに生きる社会を築くものとすること。
 一、都庁内の障害者雇用を拡大し、合理的配慮を充実させ、継続的に雇用する仕組みをつくること。
 一、都庁内に障害者就労支援コーディネーターを専門的に配置すること。
 一、防災計画に女性の視点、子供の視点を盛り込むこと。
 一、災害時のような混乱時には暴力が起こるリスクが高いため、女性、子供、高齢者、障害者等がDV、虐待、性暴力の被害に遭わないよう、専門家等と協議し、地域防災計画に盛り込むこと。
 一、ペットと同行避難できる避難所を整備するとともに、動物病院にも受け入れ協力を要請すること。
 一、区市町村と合同で、障害者など要配慮者も含めた住民参加型防災訓練の回数をふやし、障害種別ごとの対策や人的支援を充実させること。
 一、外国人や障害者、子供にもわかりやすい「やさしい日本語」を、広報や表示など情報提供に積極的に活用すること。
 一、首都直下地震や南海トラフ大地震などを想定し、広域的な災害に対する都の支援体制を整備すること。
 特に原発事故対策については、万全の備えと情報公開の仕組みを整えること。
 一、公文書は市民の共通財産であり、将来にわたり説明責任を果たす目的のもと、作成、保管、廃棄について第三者がチェックする仕組みをつくること。
 一、東京都公文書館のZEB化の効果を市民にわかりやすく公表すること。
 一、首都大学において、障害者、LGBT等への配慮や、学業、研究と子育ての両立など、誰もが学びやすいキャンパスとなるようにすること。
 一、都庁男性職員の育児休業日数などの詳細なデータをとり、男性も女性も育児休業をとりやすくすること。
 選挙管理委員会事務局関係についてです。
 一、十八歳選挙権を踏まえ、参加型民主主義を実践するため、知事と若者のタウンミーティングを企画すること。
 人事委員会事務局関係についてです。
 一、都の採用試験における障害者採用の拡大と合理的配慮に積極的に取り組むこと。
 一、受験申込書における性別明記の項目や面接のあり方について、LGBT等、当事者の意見や要望を聞いて見直すこと。
 一、受験資格における、自力で通勤が可能な人という条件の見直しをすること。
 一、人事採用担当者や面接官に対し、SOGIについての理解の研修を行うこと。
 以上をもちまして、都議会生活者ネットワークの意見開陳といたします。

○小松委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見については、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出をいたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○小松委員長 付託議案の審査を行います。
 第二十九号議案から第三十七号議案まで、第三十九号議案から第四十二号議案まで及び第八十五号議案から第八十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○原委員 日本共産党都議団を代表して意見を述べます。
 まず、第三十六号議案についてです。
 住民基本台帳ネットワークシステムにおける本人確認情報の利用をできる事務を追加するもので、具体的には、警視庁からの要請により、道路交通法による放置違反金の徴収に関する事務を追加する内容です。
 しかし、住基ネットは、かねてから個人情報の流出の危険性やその被害の重大さが指摘されており、その利用の拡大は危険性の拡大になります。住基ネット利用でなくても、現行での事務手続は可能であり、反対します。
 次に、第四十一号議案についてです。
 この議案は、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律に基づき、東京都国民保護協議会の組織及び運営に関し、必要な事項を定めている条例の改正です。
 内容は、委員七十人を七十四人にふやすものです。提案理由は、組織改正に伴い、委員の総数の上限を改める必要があるとしていますが、戦略政策情報推進本部長、住宅政策本部長、副知事だけでなく、環境省の関東地方環境事務所長を加えるとのことです。
 そもそも、国民保護計画は災害救助における住民避難計画ではなく、政府も、災害は地方が主導するのに対し、有事法制は国が主導する、つまり、米軍、自衛隊の軍事行動を最優先し、その円滑な行動を図るためのものだと説明しており、今回の条例改正には反対します。
 その他の議案には賛成ですが、事件案二件について意見を述べます。
 第八十五号議案は、首都大学東京の定款の変更です。
 都立大学に名称変更することについては、学生のアンケートや関係者の意見も踏まえ、賛成ですが、プロセスには問題を残しました。学生の声を反映させてほしい、当局と話し合う場を持ってほしいと学生が申し入れても、そういう機会が持たれなかったことは大変残念です。これからでも、名称変更した場合に学生が不利益をこうむることのないように協議をされるよう求めます。
 第八十六号議案は、首都大学東京の中期目標変更についてです。
 首都大学東京の設置目的にある、大都市における人間社会の理想像、また、人材育成との位置づけに強い違和感があるとの指摘は、かねてから寄せられています。
 教育基本法では、大学の目的について、高い教養と専門的能力を培うことと、深く真理を探究して新たな知見を創造すると位置づけられています。
 真理の探究を通してこそ、学生が主権者として成長することができ、また、結果として、大都市にかかわる課題解決に貢献することにもなるという、教育関係者などからの意見を重視すべきであると指摘をいたします。
 以上です。

○小松委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第三十六号議案及び第四十一号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○小松委員長 起立多数と認めます。よって、第三十六号議案及び第四十一号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 次に、第二十九号議案から第三十五号議案まで、第三十七号議案、第三十九号議案、第四十号議案、第四十二号議案及び第八十五号議案から第八十七号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小松委員長 異議なしと認めます。よって、第二十九号議案から第三十五号議案まで、第三十七号議案、第三十九号議案、第四十号議案、第四十二号議案及び第八十五号議案から第八十七号議案までは、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○小松委員長 次に、特定事件についてお諮りをいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小松委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小松委員長 この際、所管六局を代表いたしまして、遠藤総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○遠藤総務局長 当委員会所管の六局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 本定例会にご提案申し上げておりました議案につきまして、ただいまご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 この間に頂戴いたしました貴重なご意見、ご提言等につきましては十分に尊重させていただき、今後の都政運営に生かしてまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○小松委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四分散会

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