委員長 | 小松 大祐君 |
副委員長 | 藤井 一君 |
副委員長 | 馬場 信男君 |
理事 | 鈴木 章浩君 |
理事 | 両角みのる君 |
理事 | 木村 基成君 |
古城まさお君 | |
藤井あきら君 | |
山内れい子君 | |
藤井とものり君 | |
森口つかさ君 | |
増田 一郎君 | |
原 のり子君 | |
中屋 文孝君 | |
とくとめ道信君 |
欠席委員 なし
出席説明員政策企画局 | 局長 | 梶原 洋君 |
外務長 | 山元 毅君 | |
次長理事兼務 | 福田 至君 | |
次長戦略政策担当部長事務取扱 | 松下 隆弘君 | |
理事 | 横山 英樹君 | |
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小室 一人君 | |
調整部長 | 佐藤 智秀君 | |
政策担当部長 | 古屋 留美君 | |
政策担当部長 | 松崎伸一郎君 | |
技術政策担当部長 | 三木 健君 | |
戦略広報担当部長報道担当部長兼務 | 古川 吉隆君 | |
海外広報担当部長 | 梅田 弘美君 | |
ホストシティプロジェクト推進担当部長 | 小野 由紀君 | |
渉外担当部長 | 裏田 勝己君 | |
国家戦略特区推進担当部長 | 米津 雅史君 | |
戦略事業担当部長 | 田尻 貴裕君 | |
計画部長 | 宮澤 浩司君 | |
外務部長 | 加藤 英典君 | |
外務担当部長 | 丹羽恵玲奈君 | |
青少年・治安対策本部 | 本部長 | 大澤 裕之君 |
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 森山 寛司君 | |
青少年対策担当部長 | 井上 卓君 | |
治安対策担当部長 | 高野 豪君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 澤 章君 |
監査事務局 | 局長 | 岡崎 義隆君 |
監査担当部長 | 池田 美英君 |
本日の会議に付した事件
監査事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出 監査事務局所管分
選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十二号議案 東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
青少年・治安対策本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出 青少年・治安対策本部所管分
政策企画局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 政策企画局所管分
報告事項(質疑)
・「『三つのシティ』の実現に向けた政策の強化(二〇一九年度) 二〇二〇年に向けた実行プラン 」について
○小松委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、予算の調査について申し上げます。
平成三十一年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成三十一年三月十四日
東京都議会議長 尾崎 大介
総務委員長 小松 大祐殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十日(水)午後五時
(別紙1)
総務委員会
第一号議案 平成三十一年度東京都一般会計予算中
歳出
債務負担行為 総務委員会所管分
第二号議案 平成三十一年度東京都特別区財政調整会計予算
第四号議案 平成三十一年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
(別紙2省略)
○小松委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、選挙管理委員会事務局、青少年・治安対策本部及び政策企画局関係の予算の調査、選挙管理委員会事務局関係の付託議案の審査並びに政策企画局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより監査事務局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、監査事務局所管分を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○小松委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分及び第四十二号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○両角委員 それでは、私から、選管の関係について何点か伺わせていただきたいと思います。
いうまでもなく、選挙は民主主義の基本的なインフラである、そのように理解をしております。そうした中で、都選管の皆様には、選挙の啓発ですとか適正な執行ということで、日ごろご努力をしていただいているということで敬意を表したいと思います。
今回は、何点かにわたって選挙について伺いたいんですけれど、まず、一つ目といたしまして、選挙をめぐる環境整備という面で伺っていきたいと思います。
都選管は、日ごろから区市町村選管に助言や情報提供を行うという形になっておりまして、東京都選挙事務運営協議会というところを通じて、区市町村の選管とともに選挙事務の改善や検討、協議をしているというふうに事務事業にも記されているわけでありますが、それでは、近年ではどのような検討や協議が行われて、その結果、いかなる事務改善につながっているかということについて、まず伺いたいと思います。
○澤選挙管理委員会事務局長 東京都選挙事務運営協議会でございますけども、都及び区市町村における選挙事務の改善を図り、相互の連携を密にすることを目的に設置された会議体でございまして、選挙事務に関する事項の調査研究及び改善に関する協議を実施しております。
昨年は、平常時における政治活動への対応、投票環境の向上方策等及び選挙権年齢引き下げに伴う啓発事業、この三つのテーマについて検討、協議を行ったところでございます。
これらの検討結果を踏まえまして、各区市町村選挙管理委員会では、他の自治体の取り組み状況などを参考にしつつ、障害者や高齢者などへのバリアフリー化を図るなど、それぞれの実情に応じた選挙事務の合理化、効率化に活用しているものと承知をしております。
○両角委員 今ご説明をいただきまして、東京都選挙事務運営協議会、テーマを決めて区市町村と意見交換等をしているということで、部会が設けられているようでありますが、その成果として、障害者や高齢者などのバリアフリー化ということが、他の選管のやり方も学習しながら進行しているということで、有効な場としてさらに活用していただきたい、そのように思います。
続いて、選挙を実施するに当たっての、区市町村、都道府県あるいは総務省と役割が、それぞれ分担があるわけでありますけれど、特に、国政選挙を法定受託事務として区市町村が実施するに当たっての経費の問題について伺いたいと思います。
実は、五年半ほど前の平成二十五年の十月の総務委員会で、この問題については、私が取り上げさせていただいております。ですから、五年半がたって、この問題についてどのような進展が見られたのかということも考えながら伺いたいなと、そんなふうに思っているところであります。
ちょうど平成二十五年の総務委員会では、選挙の経費の問題で、国政選挙における第一号法定受託事務として、都や、あるいは区市町村が役割分担して行っている選挙事務の経費について伺いました。
基本的に、公選法の規定によって、国政選挙に関する費用は国の負担である、そういうことになっているわけであります。それで、具体的には、これは国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律に基準額が示されていて、その基準に応じて区市町村がかかった経費を交付してもらうという、そんな仕組みなわけであります。
前回、五年半前には、実際に国の事務を受託して選挙を執行している区市町村が、実は、その選挙事務を実際に行うと、国の基準以上に、区や市が単独費用を使って選挙を実施せざるを得ないという実態があるんじゃないかというご指摘をさせていただいて、それに関して、当時の選管の回答は、そういう面は否めないというような回答があったわけであります。
そこで、五年ほど前の状況と比較をして、国政選挙に係る区市町村選管及び都選管の超過負担といういい方をさせていただきますが、この超過負担の状況について、最近の状況をまず伺いたいと思います。
この五年半で、国政選挙に関する区市町村の超過負担というのは解消されたのでしょうか。伺います。
○澤選挙管理委員会事務局長 国政選挙におきましては、区市町村の中には、執行額と交付額に差が生じている自治体もございます。ですが、都では、これまで差が生じたことはございません。
直近の国政選挙におきます区市町村の執行額に対する国からの交付率を見てみますと、平成二十八年の参議院議員選挙は九二・一%で、前回、二十五年執行の九九・〇%との比較で、六・九ポイントのマイナスとなっております。
また、平成二十九年の衆議院議員選挙では九八・四%となっており、前回、二十六年執行の九八・六%との比較では、〇・二ポイントのマイナス、ほぼ横ばいということでございます。
同じ時期に同レベルの選挙が執行された場合の経費分担の兼ね合いなどから、単純な比較はできませんが、交付率の数値の上からは、現状の解消を読み取ることができないという状況でございます。
○両角委員 ご答弁をいただきまして、要は、国政選挙、特に参議院の数字あるいは衆議院の数字を示していただきましたが、傾向ははっきりは見えないということですね。要は、だんだん減っているとか、だんだんふえているという傾向ではなくて、選挙ごとにばらばらであるが、しかし、ご回答をいただいた中では、解消を読み取ることはできないと。要は、超過負担の問題が解消はしていないんだという、そんなふうに理解をさせていただきます。
五年半前、この委員会で質問させていただいたときは、国政選挙に関しては、ややもすれば区市町村が経費負担をする場合が生じていると。要は、自腹を切っている場合がありますよというふうに回答されているわけでありますが、しかし、その後、五年半がたって、その問題というのは解消がされていないんだということであります。
当時、私が質問でお話をさせていただいたのは、例えば、一生懸命、期日前投票所をいっぱい、できるだけ設けて、期日前投票がやりやすい環境をつくろうということをやればやるほど、区市町村が自腹を切って超過負担が出てしまう、これはおかしいんじゃないですかというお話をさせていただいたわけでありますが、その問題は、この数値から見ると、解消まではいっていないということでございました。
この問題について、当時も都選管は、区市町村の選管の意見も踏まえて、国にその基準額を適正なものにしてくれるように法改正要望を行っているという、そんなご答弁をいただいているわけでありますが、そのことについてはご努力をされているということは承知しているわけでありますが、しかし、それでも、五年以上たって、依然として区市町村の超過負担が解消されていないという状況があります。このことに対して、都選管はどのような認識を持っているのか、まず伺いたいと思います。
また、この五年半、ご努力をされて国に要望したけれど、改善ができていないという状況を踏まえて、今後はこの問題についてどのように取り組んでいくのか、伺います。
○澤選挙管理委員会事務局長 選挙の執行経費に関して、国の定める交付基準が区市町村の実情にそぐわないなどの事情がある点は否めないところでございます。
その一方で、可能な限り、国の定める交付基準の範囲内で選挙が執行できるよう、区市町村は、選挙事務の効率化などによりまして、執行額の節減に努めることも必要であるというふうに考えております。
都選挙管理委員会といたしましては、国政選挙における執行経費の基準額を実情に即した水準に改めるよう、都道府県選挙管理委員会連合会を通じまして国に法改正を要望しているところでございます。
今後とも、区市町村選挙管理委員会との連携を図りながら、国への働きかけに努めてまいります。
○両角委員 東京都の選挙、知事選ですとか都議会議員選挙を区市町村が実施する場合は、区市町村の超過負担はないということです。東京都はしっかり経費を見てくれるということで、これは区市町村の選管が実際にいっていました。
資料を見ますと、例えば、平成二十八年に執行された参議院議員選挙で一番超過負担している、要は、国の基準でおさまらなくて、区単費として選挙費用を持ち出しているところは、三千三百万ぐらい、これは国の事務を執行するために区の財源を使っているということであります。
これは五年前もいっていますけれど、三千万とか三千五百万とかいうお金が、市単費、区単費があれば、補助金とかを合わせれば一億円ぐらいの事業ができます。起債とかを合わせて。そうすれば、いろんな行政課題に本当は対応できるんだということでありますので、そういった意味で、この五年半を経てなかなか改善ができない問題について、今も国へ働きかけていただけるということでありますが、また一工夫しながら、実情をつまびらかにして、場合によっては区市町村にヒアリングをしたりして、そういうことも踏まえて、説得力のある国への要望活動を行っていただくようにお願いしたいと思います。
次に、今伺ったのは選挙をめぐる環境整備ということでありますが、今度は有権者の側面ということについて伺いたいと思います。
三十一年度予算案につきましても、常時啓発普及事務経費というのは計上をされているわけでありますが、額も同じなんですけれど、内容も大体同じことをやるという項目立てが出ているということでありまして、そういった意味では、ちょっと失礼ないい方になるかもしれませんが、ちょっと親身に欠けるような印象もあるわけであります。
特に、十八歳からの選挙が解禁をされた後、見てみると、その直後の投票率は高かったけれど、下がってしまっているということがあります。ですので、若年層に選挙の重要性を感じてもらうためには、例えば教育委員会と連携をした学齢期からの取り組みをするとか、若者に興味を持ってもらうには、やはりそれなりの啓発活動の内容の工夫が必要ではないか、このように考えるわけであります。
そこで、十八歳選挙権付与以降の若年層への投票参加に対する都の考えと取り組みを伺います。
○澤選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会におきましては、若年層の政治や選挙への興味、関心を高め、投票行動へとつなげるべく啓発事業を実施しております。
選挙時啓発では、他の世代と比較して投票率が低いといわれております若年層との接点が得られるように、例えば平成二十九年の衆議院議員選挙においては、eスポーツを活用したイベントなどを展開いたしております。
また、常時啓発では、選挙の制度や重要性への理解を深め、選挙への参加を促すため、出前授業及び模擬選挙を実施するとともに、より多くの学校で実施されるよう、教育庁や市の教育委員会主催の校長連絡会など、さまざまな場面を活用し、出前授業等の情報を提供しております。
引き続き、人気のキャラクターを起用したアニメーションを作成、公開するなど、さまざまなアプローチにより、若い人たちの選挙意識の醸成に努めてまいります。
○両角委員 いろいろ工夫をしていただいているということでありますが、十八歳になって初めて選挙に行く、行った若者は、選挙に行くんだということが習慣づけられるかもしれない。ですから、非常に重要なことだと思いますので、引き続き、選挙時だけではなくて、常時の啓発についても工夫をしていただきたい、このように要望させていただきます。
最後に、環境整備、そして有権者の側面から、今度はプレーヤー、我々でございます。選挙を実際に戦う者のルールである公職選挙法の改正について伺いたいと思います。
近年、インターネットを使った選挙運動が解禁されるなど、選挙運動についても社会情勢の変化を踏まえた改正が行われております。
こうしたことは必要であると私は感じておりますが、現在、総務省においては、選挙に関してどのような議論が行われているのか、伺いたいと思います。
また、間もなく統一地方選が始まるわけでありますが、今回の統一地方選から適用される、主な選挙運動に係る変更点について伺います。
○澤選挙管理委員会事務局長 総務省が設置をしております投票環境の向上方策等に関する研究会では、外国に居住をしております人など投票しにくい状況にある人の投票環境の向上や、期日前投票所の混雑対策などの有権者の負担軽減、選挙管理の合理化などについて検討し、平成三十年八月に研究会報告を発表したところでございます。
次に、選挙運動の変更点でございますが、公職選挙法におきましては、これまで、衆議院議員選挙、参議院議員選挙及び地方自治体の長の選挙における選挙運動用ビラの頒布が認められておりました。
平成二十九年の公職選挙法の改正によりまして、本年三月から新たに、都道府県または区市の議会議員選挙における選挙運動用ビラの頒布が解禁となりまして、一候補者当たり、都道府県議会議員選挙では一万六千枚、区市議会議員選挙では四千枚の頒布が可能となったところでございます。
○両角委員 国においても、できるだけ投票しやすいことも含めて、いろいろな今日的な検討がされているというふうに理解をしました。
そして、今回の改正、三十一年三月、今月から選挙運動用ビラの頒布解禁ということで、まさに、今まで選挙期間中に配れなかったビラを、区議会議員選挙とか市議会議員選挙とか県議会議員選挙では配れるということでありますが、一律なんですよね、枚数が。
都道府県については一万六千枚、区議、市議については、大きな、私は八王子市でありますが、五十六万の市でも四千枚、あるいは、もっと小さい五万、六万の市でも四千枚と、ここはもう少し考えた方がいいかなと思いますが、これは議員立法で国政で決めたことだということでありますから、東京都の選管には、それをどうしてくれということはいいませんけれど、今後、選挙は民主主義のインフラである、そして、そこの一部を、重要な部分を担っていただいているという都選管の事務執行、そして、選挙のやりやすいことも含めた充実ができるような取り組みを期待いたしまして、質問を終わります。
○古城委員 私からも、平成三十一年度東京都予算案の選挙管理委員会事務局所管分に関連をいたしまして、知的障害者の選挙権、さらには公職選挙法上の選挙運動について、それぞれ伺ってまいりたいと思います。
まず、知的障害者の選挙権に関してでございますが、私は、ことしの一月に行われました新宿区手をつなぐ親の会の成人を祝う会・新年会に参加をいたしまして、ご本人、また保護者の方々と懇談をしてまいりました。
その中で、知的障害児、知的障害者の中には、選挙の意味を理解できなかったり、また、投票用紙に候補者名や政党名を正しく記入できなかったりすることから、投票をためらってしまう方が大変多い、こういう切実なお声を伺ってまいりました。
あわせて、これらの理由から、投票所職員が本人の指示に基づいてかわりに記入する代理投票など、知的障害をお持ちの方々が選挙権を行使するための支援、サポートを行ってほしい、こういう要望もいただいたところでございます。
選挙権は、国民主権国家で最も重要な権利であり、我が国は日本国憲法でこれを保障しております。また、今、国際的に取り組んでいる、誰ひとり置き去りにしない社会を目指すSDGsにおいても、あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保することが求められています。
そこで、障害のある都民が貴重な一票を投じられるように、投票所環境を整備していくべきと考えます。
投票所においてどのように対応しているのか、どのような配慮を行っているのか、見解を求めます。
○澤選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会といたしましては、全ての有権者の方が投票しやすい環境の充実を図ることは大変重要であるというふうに考えております。
投票所の運営は区市町村選挙管理委員会が行っておりまして、公職選挙法では、投票の際、心身の故障その他の事情により、みずから候補者の氏名を記載することができない場合は、投票管理者に申請をし、代理投票をさせることができるとされております。そうした場合の代理記載は区市町村の投票事務従事者が行っておりまして、申請者の自由意思を丁寧に確認しながら適切に行われております。
また、代理投票だけではなく、バリアフリーへの対応など、投票所においては、区市町村選挙管理委員会が有権者の個々の事情に応じまして対応しているというふうに承知をしております。
○古城委員 制度として、障害のあるなしにかかわらず、全ての有権者の方々が投票できるようにする、そういう対応、配慮が行われている、制度としてはあるということを確認させていただきました。
さて、新宿区手をつなぐ親の会では、先月、二月、自信を持って投票にをテーマに、第三回、ご本人のための選挙の学習会が開催されました。新宿区選挙管理委員会、また、明るい選挙推進委員の皆様の協力で、投票箱だけではなく、投票用紙の記載台や立会人など、選挙本番と変わることなく、投票所を見立てた会場で投票体験が行われました。
本人からは、付き添いの人がいて安心した、選挙に行ってみてもいいかなと思ったが、やっぱり不安だとの感想、保護者からは、選管の方が優しく丁寧に本人たちに言葉かけ、手助けをしてくれてうれしいとの声、区選管職員から、投票する方それぞれに違うニーズがあることを確認できた、なるべく多くの方の要望に応えられるよう対策を進めたいとの声、そして、ご本人と一緒にこの投票体験に来られた支援事業所の職員からは、指さしをし、投票用紙に記入してもらって、自分で投票用紙を投票箱に入れることができた、私たちも、こんな選挙の仕方があるんだと、とてもよい体験になったとの声が寄せられたそうでございます。
やはり、制度としてはあるけれども、これをしっかり周知していく、また、さまざまな形で投票ができるように配慮していく、これがいよいよ求められている状況なのではないかなと思います。
投票体験など、本人の支援、本人へのサポートだけではなくて、投票所の職員が必要な配慮を学ぶ機会も重要であると考えます。
知的障害を有する有権者が安心して投票できるよう、投票に至る環境づくりも積極的に行っていくべきと考えますが、都選挙管理委員会はどのように取り組んでいるのか、見解を求めます。
○澤選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会は、主権者教育の一環といたしまして、出前授業や模擬選挙を行っております。特別支援学校等においても実施をしているところでございます。その授業の中では、投票の方法を生徒の皆さんに紹介したり、実際の機材を使っての投票体験などを行っております。
また、都選挙管理委員会が区市町村選挙管理委員会の職員を対象に行う研修では、東京都心身障害者福祉センターの協力を得まして、投票所における障害のある方への接遇の講義を行っており、さまざまな障害の特性や接遇のポイントなどについて説明をしております。
今後とも、障害を有する有権者の方々が心配をすることなく投票ができる環境の整備に向けまして、区市町村選挙管理委員会と連携を図りながら取り組んでまいります。
○古城委員 ぜひとも、さまざまな取り組みを積極的に推進していただきたいと思います。
先ほど紹介をさせていただいたご本人の声、行ってもいいかなと思ったけれども、やっぱり不安だというものが、不安だったけれども、行ってよかったな、こういう声が多く聞かれることを望みたいと思います。
次に、公職選挙法上の選挙運動について質問をいたします。
ことしは、皆様ご承知のとおり、統一地方選挙と参議院議員通常選挙が同じ年に行われる十二年に一度のい年の選挙、い年選挙ともいわれております。選挙も近づいておりますので、それぞれの選挙が告示、また公示される前に行う政治活動について、私も、地元で都民の皆様からさまざまな質問や疑問をお聞きしておりますので、確認の意を込めて質問をさせていただきたいと思います。
公職選挙法は、公示日、告示日から投票日前日までを選挙運動の期間と定め、その期間よりほかの選挙運動を禁止しております。都選挙管理委員会事務局のホームページにも、選挙運動は、公示日(告示日)に立候補の届け出をしてから投票日の前日までに限りすることができます、それ以外の期間、例えば、立候補届出前にする選挙運動は事前運動として禁止されていますと記載されています。
なぜこのような規定が設けられているのでしょうか。見解を求めます。
○澤選挙管理委員会事務局長 公職選挙法では、第百二十九条の規定によりまして、選挙運動の始期は立候補届け出の日と定められておりまして、立候補届け出前の選挙運動、すなわち、いわゆる事前運動は禁止をされてございます。
これは、選挙運動の開始の時期を特定することにより、各候補者の選挙運動を可能な限り同時期にスタートさせて、無用の競争を避けるとともに、選挙運動費用の増加を抑制するために定められたものというふうに承知をしております。
○古城委員 選挙運動の期間というものが設けられている意義について、今、確認をさせていただきました。
昨年の当委員会の事務事業質疑におきまして、藤井副委員長からもさまざまな角度からの質疑がございましたけれども、ここで、仮ではありますけれども、こういう場合はどうなのかということで、実際に私自身が都民の方からいただいたご意見を確認してまいりたいと思います。
仮にですけれども、東京太郎さんという方が、ある市議会議員選挙に立候補を予定している、その市議会議員選挙に向けて政治活動を行っている、こういう政治家がいるといたします。仮称東京太郎さんは、選挙管理委員会にアドバイスをもらいたいと考えました。選挙区内で政治活動を行う際に、どのような点に留意すべきなのでしょうか。
例えば、先ほどお示しいただいた選挙運動期間より前に、東京太郎さんの氏名が単独で表記されているのぼりを街頭に立てる行為、東京太郎さんの氏名が記載されているたすきを身につける行為、東京太郎さんの氏名を宣伝カーで連呼する行為、これらは選挙運動の期間外の活動として事前運動に当たるのか、見解を求めます。
○澤選挙管理委員会事務局長 個別具体の事案につきましては、公職選挙法に抵触するか否かについて司法が判断するものでございます。
その上で、一般論で申し上げますと、告示日や公示日前に立候補予定者が行う政治活動につきましては、それが選挙運動にわたらない限り、原則として自由ではございますが、純粋な政治活動として行われるものであっても、立候補予定者の氏名、また、氏名が類推されるような事項を表示した文書図画につきましては、政治活動用事務所の立て札、看板、ポスター及び演説会等の会場で使用するもの以外は、公職選挙法第百四十三条第十六項の規定によりまして掲示できないとされております。
また、選挙運動とは、特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として投票を得るためになされる行為と解されていることから、政治活動として行うものであっても、例えば、演説会などにおいて投票依頼を内容とするような演説を行ったり、ポスターに特定の選挙の立候補予定者である旨や投票を依頼するような文言の記載があるなど、選挙運動にわたるものと認められれば、公職選挙法第百二十九条の規定によりまして、いわゆる事前運動として規制をされるおそれがございます。
○古城委員 一般論という形でお答えいただきましたけれども、それぞれの事案の形態、事柄においては、事前運動として禁止をされる、そこに抵触することがある、そういうおそれがあるということであろうと思います。
次に、この東京太郎さんですけれども、選挙区内で選挙運動の期間よりも前に頒布しようとするビラに、東京太郎さんの氏名、顔写真、そして、所属をしていればですが、所属する政党、政治団体名に加えて、立候補を予定をしている〇〇市議選と、特定の選挙名、さらにはその選挙の投票日、加えて、〇〇市議予定候補と明示をしたいと東京太郎さんは考えております。このビラは事前運動に当たるのか、この見解を求めたい。
さらには、このビラを受け取った有権者は、もしかしたらこのビラは、選挙のことが書いてあるから、政治活動にとどまらず選挙運動なのではないか、したがって事前運動なのではないかと考えた場合に、どのように対応したらいいのか、あわせて見解を求めます。
○澤選挙管理委員会事務局長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、個別具体の事案が公職選挙法に抵触するか否かにつきましては司法が判断するものではございますが、選挙運動にわたるものと認められれば、事前運動として規制をされるおそれがございます。
また、有権者がそのようなビラを受け取りまして事前運動に当たると考えた場合には、取り締まり機関であります警察への通報により、そこでの判断に委ねられることとなります。
○古城委員 有権者が実際にビラを受け取った際にとるべき行動として、捜査機関である警察に通報するという方法が考えられるということであろうと思います。
そこで、確認をさせていただきたいのですが、誰もが公正な政治活動、そして、期間によっては限定的な選挙期間、この選挙運動をできるようにしていくことは大変大きなことであろうと思います。誰もが公正な政治活動、そして選挙活動をしていくということについて、都選挙管理委員会としてどのような権能を有しているのか。
また、選挙運動や政治活動について、今も仮で申し上げましたけれども、東京太郎さんのような政治家から問い合わせがあった場合、他方、ビラを受け取ったときにどうすればいいのかなと、今のご答弁では警察に通報ということがありましたけれども、有権者、都民から都選管に問い合わせがあった場合、それぞれのケースでの見解を求めます。
○澤選挙管理委員会事務局長 公職選挙法では、第五条の規定によりまして、選挙管理委員会は選挙に関する事務を管理することとされております。また、第七条の規定によりまして、検察官、都道府県公安委員会の委員及び警察官は、選挙の取り締まりに関する規定を公正に執行しなければならないとされております。
したがいまして、政治活動として行われる行為が選挙運動にわたるものと認められるか否かにつきましては、当該行為が行われた時期や場所、方法など、具体的な事実を総合的に勘案して実態的に判断し、最終的には司法が判断するものでございます。
また、政治家や有権者の方々からの問い合わせに対しましては、同様のお答えをすることとなります。
○古城委員 政治家が行う政治活動は、原則としてですけれども、自由に行うことができるといわれている。民主主義の基本であるということからでありますけれども、しかし、一方で、選挙運動との間では明確な線引きがあって、法のもとでの一定のルールに服するものと理解をしますけれども、この点についても見解を求めます。
○澤選挙管理委員会事務局長 公職選挙法上、選挙運動と政治活動とは、理論的には明確に区別をされる概念とされております。
繰り返しになりますけども、選挙運動とは、特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として投票を得るためになされる行為と解されておりまして、政治活動として行うものであっても、選挙運動にわたるものと認められれば、公職選挙法第百二十九条の規定によりまして、禁止される事前運動として規制の対象となるおそれがございます。
○古城委員 今、繰り返しのご答弁も含めて、いろいろ確認をるるさせていただきましたけれども、やはりルールに基づいた公平公正な選挙というものが、我が国の民主主義にとって大変大事であるというふうに思います。
したがって、一旦、出したものを、後で捜査機関が捜査をして、そして司法が判断をしていくということでなしに、それぞれの政治団体であるとか、また政治家がルールをしっかり確認して、その上で活動していく、これが都民、そして有権者の皆様に対する真摯な政治活動としての訴えであろうというふうに私自身は考えるところでございます。
これから四月、そして七月と、統一地方選挙、さらには参議院選挙と重なる大事な年でもございます。この点、ぜひとも選挙管理委員会にもご認識をいただいて、公正な選挙活動、そして選挙管理事務の執行に努めていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
○小松委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○小松委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、青少年・治安対策本部所管分を議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○森口委員 私からは、青少年・治安対策本部の組織改正と治安対策について伺います。
都は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催以降、東京の将来を見据えた都庁組織の再編を効率的な形で進めていくとのことでありますが、一方で、喫緊の課題への迅速な対応として、二〇一九年度に、新たに戦略政策情報推進本部、また住宅政策本部といった二つの本部組織の設置を行うとともに、青少年・治安対策本部につきましても、一部、組織や体制が変わると伺っております。
来年度、青少年・治安対策本部は都民安全推進本部へと改編するわけでありますが、どのような組織に変わるのか、まずはお伺いをいたします。
○森山総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 来年に迫りました東京二〇二〇大会や、新たな外国人材の受け入れといった社会情勢の変化を踏まえまして、来年度、当本部は都民安全推進本部へ改組いたします。
具体的には、治安対策、交通安全対策及び若年対策の三つを施策の柱といたしまして、近年の若者を取り巻く環境の目まぐるしい変化を踏まえ、地域における青少年の健全育成事業を生活文化局へ、ひきこもり等社会参加支援事業を福祉保健局に移管いたします。
○森口委員 一部の事業が他局に移管されることになりますが、治安対策、青少年、まあ若年対策、交通安全対策といった三つの柱を軸に、都の安全・安心のさらなる向上に向け、引き続き、さまざまな総合的な事業を行っていくと理解いたしました。期待をいたしております。
ここで青少年・治安対策本部の歴史を少し振り返りますと、今から十六年前、二〇〇三年、都内の犯罪認知件数や検挙率が戦後、過去最悪となり、都民の都政に対する最大の関心時は治安の回復でありました。身近な地域で安全・安心を都民が実感できる水準まで警察力を高めていく必要性のもと、知事本部に緊急治安対策本部が設置されたことに始まります。
翌年、二〇〇四年には、少年が加害者となる凶悪事件の発生や、児童買春など子供の犯罪被害の増加など、青少年をめぐるさまざまな問題が表面化をし、青少年を健全に育成するための施策を総合的に推進するため、知事本局に青少年育成総合対策推進本部が設置をされました。
この二つの本部と、当時、生活文化局が所管をしていた交通安全対策部門を統合した組織として、現在の局相当であります青少年・治安対策本部が二〇〇五年八月に設立がされ、以降、治安対策、そして青少年対策、交通安全対策の三つの柱のもと、東京の安全・安心の向上を目的とした事業を進めていただいているわけでございます。
東京を取り巻く環境が刻々と変化をする中、その時々において、主要な課題を明確にし、効率的に事業を執行するべく、組織の改編を行うことも大変重要であります。
組織の再編を踏まえ、来年度も引き続き重要な取り組みである安全・安心施策について具体的に伺ってまいります。
青少年・治安対策本部の施策の柱の一つである治安対策は、都における犯罪の防止、防犯ボランティアの活動支援、子供の安全対策、特殊詐欺対策、再犯防止対策など、私たち都民の生活の安全・安心を守る上で大変重要な取り組みであります。
昨今、地域の防犯対策として有効な取り組みの一つが防犯カメラであります。
都においてはこれまでも、地域の町会、自治会、商店街等の皆様の尽力により防犯カメラの整備が進んできており、都がこれまでに設置補助を行ってきた防犯カメラにつきましては、一万七千台に上ると伺っております。
都民ファーストの会としては、地域の防犯対策として、さらなる防犯カメラの設置促進のためには、設置補助だけではなく、保守点検、修繕についても補助を行うことが必要であると訴えてきました。
そこで、地域の犯罪抑止や安全確保に有益な防犯カメラについて、設置促進に向けた都の取り組みをお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 来年度の防犯カメラ補助事業についてでございますが、町会、自治会、商店街等が設置する防犯カメラの整備補助につきましては、新規設置分について地域負担が従前の二分の一となるよう、引き続き都の補助率を引き上げておりまして、予算額といたしましては約七億一千二百万円を計上してございます。
また、お話の防犯カメラの継続利用に資する保守点検費、修繕費への補助を新たに実施するため、約一億二千六百万円を計上しております。
さらに、区市町村が登下校区域や区市町村立公園に設置をする防犯カメラの整備費用補助を実施することとしておりまして、これら防犯カメラ補助事業全体で約九億九千万円を計上しております。
今後とも、各制度の活用を図りまして、各区市町村とも連携をしながら防犯カメラの設置促進に努めてまいります。
○森口委員 予算案に防犯カメラの保守点検費、そして修繕費に対する新たな都の補助制度が盛り込まれたことは、我が会派としても大変評価をいたしております。さらなる設置が進み、地域の防犯力が高まることを期待いたしております。
こうした新たな支援メニューにつきましても、必要な方々に情報が伝わり、地域の犯罪抑止につながる予算がしっかりと執行されるよう、区市町村と連携をした取り組みを進めていただけるよう要望させていただきます。
地域の防犯力の向上には、防犯カメラの整備とともに、地域の防犯見守り活動が大変重要となります。
これまでも都は、地域の防犯ボランティア団体の活動支援や、地域に根差した民間事業者と連携をした見守り事業の推進など、さまざまな見守りの目となるボランティア人材をふやしてきました。子供たちの通学路の見守りや、事業者によるながら見守り、そして市民ランナーなど、多様な主体による子供たちの見守りなどであります。
都は、一年後に迫る二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの安全な開催に向け、こういった多様な防犯ボランティア人材とともに、広く都民の協力を得て地域の安全点検事業を行うこととしておりますが、その取り組みについてお伺いいたします。
○高野治安対策担当部長 東京二〇二〇大会が安全・安心に開催されるためには、防犯カメラ等、ハード面の整備とともに、地域の住民や事業者の方々による地域の安全確保に対する協力が必要と考えてございます。
地域の安全点検事業でございますが、住民の方々が通学、通勤、買い物時に、また、事業者の方々が外出時などに、ふだんの活動や仕事の中で、いつものまちの様子と違う点がないかを見ていただくとともに、その中で不審者や不審物を発見したときには、ちゅうちょすることなく通報していただくことを目的としておりまして、親しみやすい活動のシンボルを用いまして、広く安全点検への参画を呼びかけてまいります。
こうした取り組みによりまして、不審者を寄せつけず、犯罪を起こさせないまちづくりを展開してまいります。
○森口委員 親しみやすい防犯活動のシンボルを用い、地域の多様な主体が見守りの目となり、防犯活動の意欲が高まることで、大会期間中、一千万人の方々が集まるこの東京で安全な大会が開催されることを期待いたします。
また、本事業を通じ、オリンピックのレガシーとして、オリンピック後も継続して、子供たちが巻き込まれるような地域の犯罪に対して、地域がしっかりと見守り、犯罪を抑止していくという、都民一人一人の地域の防犯意識の醸成につながることも大変重要と考えます。
次に、特殊詐欺対策について伺います。
都の刑法犯認知件数が減少している中、高齢者を狙ったオレオレ詐欺などの特殊詐欺被害は、昨年、都内では過去最悪を記録するなど、深刻な社会問題であります。
振り込め詐欺グループなどが被害者の個人情報を調べる目的で事前にかける、通称アポ電と呼ばれているような電話を利用した特殊詐欺の防止には、都で設置促進を図っている自動通話録音機が大変有効であり、今後、さらなる自動通話録音機の設置促進が必要と考えます。
また、特殊詐欺の増加に伴い、受け子、出し子として犯人グループに利用され、検挙される少年が増加をしており、未来ある子供たちを特殊詐欺の犯人として加害者にさせないためにも、子供たちが安易に犯罪に手をかさない取り組みが大変重要であります。
これらを踏まえ、自動通話録音機の設置促進と少年を受け子等にさせないための対策について、都の取り組みを伺います。
○高野治安対策担当部長 自動通話録音機につきましては、区市町村に購入費用の補助を行い、警察署とも協力し、四年間で約六万台を無償配布しております。設置をいたしました世帯から被害がほとんど発生していないなど、大変有効な対策だと考えております。
都内の特殊詐欺被害の増加を受けまして、来年度は自動通話録音機の補助台数を年間二万台から四万台に倍増させ、引き続き特殊詐欺の被害防止に努め、都民の安全確保を図ってまいります。
また、少年が特殊詐欺に加担させられることがないよう、来年度は、犯罪の重大性や、受け子などで捕まった場合の罪の重さ等を認識させるリーフレットを作成し、都内の全高校に配布し、広く周知してまいります。
さらに、暴力団等が甘い言葉で受け子を勧誘する実演式の防犯講演もふやしまして、少年が勧誘されないための対策を強力に実施してまいります。
○森口委員 ご答弁のように、未来ある子供たちが犯罪に巻き込まれることがなくなるよう、さまざまな対策を強力に実施していただけるとのことであり、取り組みに大変期待をいたしております。
都においては、刑法犯の認知件数が年々減少している一方で、子供や高齢者などの弱者を狙った犯罪や、インターネットを使ったサイバー犯罪の増加など、社会の変化に伴い、新たな犯罪が深刻な課題となっております。
また、来年はオリンピック・パラリンピックが開催されるなど、都民や都に訪れる多くの人々にとって治安対策は欠かせない取り組みであり、今後も、多様な主体と連携をした対策の強化や、時代とともに生まれる新たな犯罪に対する対策は必要不可欠と考えます。
青少年・治安対策本部は、来年度は都民安全推進本部となるわけですが、都民の安全・安心を確保するという大変重要な役割を引き続き果たしていく上での本部長の意気込みを最後に伺いたいと思います。
○大澤青少年・治安対策本部長 東京二〇二〇大会や新たな外国人材の受け入れなど、社会情勢が変化する中においても、安全・安心は都民生活の基盤をなすものであり、東京に暮らす人々や東京を訪れる誰もが、それを実感できる社会の実現が求められております。
都民の安全・安心の確保に向けては、当本部の施策の三つの柱である、防犯カメラの設置や特殊詐欺対策などの治安対策、自転車の安全利用や高齢者などの課題がある交通安全対策、子供や青少年の安全・安心を支える若年対策の各分野の事業を有機的に連携させ、切れ目なく実施していくことが不可欠であります。
来年度以降、都民安全推進本部として、新たに生じる都民の安全・安心に関するさまざまな課題に対し、柔軟かつ集中的に対応しつつ、都民を初め庁内各局や区市町村、民間事業者、地域団体等の多様な主体との連携を強化して課題解決に総合的に取り組むとともに、本部がこれら各主体の結び目としての機能をこれまで以上に果たしていくことで、都民の安全・安心を確保してまいります。
○森口委員 ご答弁ありがとうございます。
来年度以降、都民安全推進本部としても、引き続き都民の安全・安心の確保という大変重要な役割を担っており、地域のさまざまな主体と連携をし、世界一安全な都市東京の実現に向けて、これまで以上に精力的に取り組みを進めていただきたい旨要望し、質問を終わります。
○中屋委員 私は、長くこの委員会で、治安対策に特に力を入れてまいりました。今回、防犯カメラ等々について幾つか質問をいたしますけれども、今の委員の質問と若干かぶるところもありますけれども、お許しをいただきたいと思います。
昨年の都内の刑法犯認知件数は十一万四千件と、戦後最少を更新いたしました。これは、警視庁や行政の取り組みに加えて、防犯ボランティア活動や防犯カメラの普及など、官民が連携した防犯活動の成果であると思います。
こうした活動を、将来に向け継続、発展させていくことが、世界一安全な都市東京の実現のために不可欠であるとの立場から質疑をさせていただきたいと思います。
初めに、改めて防犯カメラ整備への補助制度の概要について伺います。
○高野治安対策担当部長 都は、地域の防犯力向上のため、防犯カメラの設置を契機といたしまして、地域の住民等の防犯意識が高まり、見守り活動が活発に展開されますよう、防犯カメラの整備に係る補助を実施しております。
具体的には、町会、自治会、商店街など地域団体が設置をする防犯カメラの整備に対し、区市町村とともに補助を行う制度、また、区市町村が登下校区域や区市町村立公園に設置をする防犯カメラの整備に対する補助制度がございます。
○中屋委員 今お話がありましたように、防犯カメラは、整備そのものにも大きな犯罪抑止効果があることはいうまでもありません。あわせて、整備を契機とした地域住民の防犯意識の高揚、見守り活動の活性化などを狙いとしているところでありますが、改めてそれを今確認させてもらいました。
こうした地域の取り組みを来年のオリンピック・パラリンピックまでに加速化させるために、私ども都議会自民党の提案によりまして、都は現在、新規設置での地域負担が半減されるように都の補助率を引き上げて防犯カメラの設置促進を図っているところでありますけれども、近年の地域団体への防犯カメラ補助台数について伺います。
○高野治安対策担当部長 お話のとおり、都は、平成二十九年度から三十一年度までの間、東京二〇二〇大会までに安全・安心の体制を強化するため、町会、自治会や商店街等が新規に設置をする防犯カメラにつきまして都の補助率を引き上げ、地域負担を軽減しております。
補助実績でございますが、都の補助率引き上げ前の平成二十八年度は千六百八十九台、引き上げ後の平成二十九年度は二千八十一台でございまして、平成三十年度につきましては約二千七百台となる見込みでございます。
○中屋委員 地域団体への補助台数は、都の補助引き上げ前と比べて、昨年度は約四百台、二割以上の増加となります。今年度は、見込みでありますけれども、約一千台、六割ぐらい増加したことになります。
これは、都の補助率の引き上げの効果でもあるわけでありますけれども、まず何よりも、設置主体である地域団体の方々がオリンピックまでに安全・安心の体制を強化するという使命感から取り組んでいただいている結果であるとも考えられます。こうした多くの地域団体の方々の取り組みを支援できるように、来年度もしっかりと対応してもらいたいと思います。
次に、防犯カメラの維持管理について伺います。
来年度から、都として、保守点検や修繕を対象とする維持管理補助制度を創設することになりました。私はこれを常々申し上げていたわけですけれども、あるときから、ぱっとすぐにやるようになりましたけれども、地域団体の方々から維持管理の負担が厳しいとの話を伺っておりまして、昨年秋の事務事業質疑で、いち早く維持管理補助の必要性を私は取り上げました。
この維持管理補助制度は、整備への補助と同じく、あくまでも区市町村を通じた間接補助であります。つまり、区市町村が制度をつくり予算化しないと、地域団体に補助が行き届かないわけであります。そのためには、区市町村の安全・安心まちづくり担当部署はもちろんのことでありますけれども、財政担当部署などにも、この制度をよく理解してもらうことが重要だというふうに思います。
都の維持管理補助制度を活用してもらうための取り組みについて教えてください。
○高野治安対策担当部長 お話のとおり、都が来年度から実施をいたします防犯カメラの維持管理経費補助は、区市町村を通じまして地域団体へ補助する制度となっているため、区市町村において制度を設け、予算を措置していただくことが必要でございます。
このため、先月の区市町村の安全・安心まちづくり担当課長との連絡会議など、さまざまな機会を通じまして制度の概要等を説明し、協力を依頼しているところでございます。
委員のご意見も踏まえまして、これまで以上に区市町村と連携を密にとり、都の補助制度を活用していただけるよう働きかけてまいります。
○中屋委員 今ご答弁にありましたように、多くの地域団体に維持管理補助が行き届くように、しっかりと取り組んでもらいたい、こう思います。
次に、今後の地域の防犯環境を考える上で、改めて都の防犯カメラ補助事業の歴史を振り返ってみたいと思います。
これまでの防犯カメラ補助台数の五年ごとの推移と累計の補助台数について教えてください。
○高野治安対策担当部長 補助を開始いたしました平成十六年度から二十年度までの五年間で一千六百五十五台、二十一年度から二十五年度までの五年間では三千百七十三台、この時点での累計は四千八百二十八台でございます。
平成二十六年度から二十九年度まで、四年間でございますけれども、四年間では一万二千三百九十三台。
補助を開始いたしました平成十六年度から平成二十九年度までの累計では一万七千二百二十一台でございます。
○中屋委員 今お話がありました、制度開始時から五年間で千六百五十五台だったものが、近年、防犯カメラの有用性が広く認められまして、直近の四年間で、何と一万二千三百九十三台と、格段に普及が進んでおります。これは、そう遠くない時期に、カメラの更新需要というのはますます増大するんだろう、こう思います。
昨年の事務事業質疑でも私申し上げましたけれども、当然、財政的なことも厳しくなってくるんだろうと思いますけれども、財政的に厳しくなったからといって、じゃ、やめましょうというわけにはいかない事業でありますから、その辺はしっかりとお約束もしてもらいたいと思うんです。
この安全・安心というのは、やはり一番、東京都政の中で進めて、維持、キープしていかなきゃいけない事業、政策であると私は思っておりますので、その辺に向けた、部長、ちょっと気持ちをお話しいただきたいと思いますが、これは今確認をしますが、財政的なことが将来的に心配されることも出てくると思うけれども、かといって、この事業を変えるというようなことはありませんよね。ありますか。
○高野治安対策担当部長 カメラの台数が大分ふえてまいりましたので、委員ご指摘のとおり、財政的な課題はあろうかとは思いますが、東京の安全・安心を確保していく上で、防犯カメラは大変重要な位置を占めているというふうに考えてございます。
今後とも、防犯カメラの維持、発展をさせていくことができるように、工夫を凝らして事業を進めていきたいというふうに考えてございます。
○中屋委員 次に、二〇二〇年大会に向けて、来年度新たに取り組みます地域の安全点検について伺いたいと思います。
先ほどの質疑で、防犯カメラ補助の狙いとして、地域住民の防犯意識の高揚、見守り活動の活性化などが挙げられました。特に、世界中から注目されております、多くの方々が訪れる来年の二〇二〇大会の安全・安心の確保に向けては、警察などの取り組みに加えまして、個々の住民や事業者による取り組みが欠かせないところであります。
昨年の事務事業質疑で、来年の二〇二〇大会の安全・安心確保に向けて、広く都民などに対しまして、自分たちのエリアは自分たちで守るという意識づけの重要性について訴えたところであります。本部長からも、地域の安全点検事業を強力に推進していくという力強い答弁をいただいたところであります。
いよいよ、この夏には大会の一年前を迎えるわけでありますが、オリンピック・パラリンピックを見据えた地域の安全点検事業に対して、より多くの方々に協力をいただくための啓発促進策について伺いたいと思います。
○高野治安対策担当部長 東京二〇二〇大会の安全・安心の確保のためには、警察、自治体だけでなく、まちをよく知る個々の住民や事業者の方々の協力が必要だというふうに考えております。
来年度から取り組みます地域の安全点検事業につきましては、ふだんの行動や仕事の場での自発的、日常的な見守り活動により、いつもの様子と違う点がないかをよく見ていただくこと、不審者や不審物を発見した場合には、迷うことなく通報をしていただくことなどを都民の方々に日々継続して推進していただくことで、犯罪を起こさせないまちづくりを展開してまいります。
こうした地域の安全点検事業の意義が広く都民に理解され、実行されますよう、この活動をあらわすアイコンを活用するとともに、ポスター、リーフレット等で広く周知をし、自主防犯活動や大会の安全な開催に向けた取り組みへの参画意識の高揚を図りまして、日常的な見守り活動の活性化を図ってまいります。
○中屋委員 ポスター、リーフレットなどで広く啓発をするというのはとてもいいことだと思いますが、ぜひその中にフラッグなども入れてもらうというのも一つのアイデアかなと、こう思っています。
今までいろいろな質問、確認もさせていただきました。来年の大会成功に向けては、大会期間中の安全・安心の確保が最も重要であります。また、日々刻々変化する犯罪情勢にも迅速に対応していく必要があるわけであります。
青少年・治安対策本部、先ほども質問もありましたけれども、来年度から都民安全推進本部に改組されることになりました。正直いって、もし変えるのであれば、もっと早く変えた方がいいんだろうと思うんですよ。ことしはラグビーもあるし、来年はオリンピック、ようやく青少年・治安対策本部というのが都民になじんできたときに、何でこんな大きな大会を前に変える必要があるんだろうという思いはあります。知事のセンスを疑うわけでありますけれど、それをいってもしようがないわけでありますけれども、もう決まっちゃったわけですから。
さきの事前説明で、本部長から、新たに強化した執行体制のもと、東京の安全推進にさらに注力していくとの説明をいただきました。
改めて、安全・安心の確保に向けた本部長の力強い決意をお伺いしたいと思います。
○大澤青少年・治安対策本部長 刑法犯認知件数といった点では、東京の治安状況は着実に改善しておりますが、安全・安心に対する都民の要望は依然として高いものがございます。
また、サイバー関連の問題や外国人材の受け入れ等の新たな課題、東京二〇二〇大会に向けた安全・安心の確保や急増する特殊詐欺への対策など、喫緊の課題も生じております。
こうした課題に的確に対処するためには、社会情勢の変化に応じて柔軟かつ集中的に対応していくとともに、警察による捜査や取り締まりだけでなく、区市町村や民間事業者、地域団体等と緊密に連携した社会全体での対応が重要であり、当本部は、その結び目として取り組む必要がございます。
お話の東京二〇二〇大会に向けては、来年度新たに取り組む地域の安全点検事業において、地域の安全は自分たちがつくるといった個々の住民の方々の自主防犯意識の高揚を図るとともに、官民一体となったオール東京での取り組みにより大会の安全・安心を確保し、大会レガシーとするべく、広く推進してまいります。
東京二〇二〇大会とその先をしっかりと見据え、都民安全推進本部として新たな執行体制のもと、本部一丸となって都民の安全・安心を守るため、全力を尽くしてまいります。
○中屋委員 よろしくお願いします。
○古城委員 私からは、青少年・治安対策本部が所管をする平成三十一年度予算案に関連いたしまして、都民の安心・安全を守る立場から、防犯カメラ、再犯防止推進計画、そして、青少年施策、インターネットに関する施策を中心に質問させていただきます。
まず初めに、防犯カメラの補助事業についてでございますけれども、私自身も、昨年の各会計決算特別委員会、さらには事務事業質疑におきまして、この防犯カメラの整備を補助する事業というのは、まちの安全・安心を守っていくためにも大変大事な事業であるということを訴えさせていただきまして、今現在の今年度の補助の円滑な執行、さらには来年度予算の確保を要望させていただいたところでございます。
また、今回の予算特別委員会においても、我が党の質疑において、特に学校通学路の防犯カメラの充実についても、具体的に提案、また質問もさせていただきました。
加えて申し上げますと、昨年、特に多摩地域の自治体の皆様と一緒に、都知事宛ての要望を多羅尾副知事に対して行わせていただいているところでもございます。
そのことを踏まえまして、まず、通学路の防犯カメラについて具体的に伺ってまいりたいと思います。
これまでの通学路防犯カメラの相談実績、また、来年度からの登下校区域における防犯設備整備に対する補助について具体的な内容を伺います。
○高野治安対策担当部長 都では、平成二十六年度から三十年度までの五年間で、区市町村が公立小学校の通学路に一校当たり五台程度の防犯カメラを設置できるよう、整備費用の一部を補助しております。
平成三十年度末時点では、累計で、都内の公立小学校千二百五十四校でございますが、カメラにつきましては六千二十九台が整備される見込みでございます。
一方、昨年、区市町村が行った通学路の緊急合同点検では、登下校時の安全対策のより一層の推進のため、さらなる防犯カメラの設置が必要であるとの調査結果が出ております。
こうした地域の実情も踏まえまして、来年度からは、通学路に限らず、登下校において安全対策が必要と区市町村が認める箇所への整備を促進するため、区市町村への補助を実施することとしております。
今後三年間での整備を予定しておりまして、来年度につきましては六百台分の予算を計上してございます。
○古城委員 ここ都庁周辺の新宿区内の区立小学校、まず、すぐ近くに西新宿小学校というものがございます。また、お隣の柏木地域、北新宿地域には柏木小学校、さらには、少し北に行きまして淀橋第四小学校と、区立の小学校が近接をいたしておりますけれども、それぞれの小学校で、今ご答弁があったとおり、五台の通学路の防犯カメラの設置が進んでおります。
また、特に柏木小学校については七カ所、プラス二カ所、これが設置をされているわけですが、さまざま、どういうところに防犯カメラがついているのかなというのをつぶさに見てまいりますと、もちろん通学路に設置をされているわけですが、学校の周辺、そして、なかなか人通りがなくて人目につきにくいような、子供たちにとっては不安になるような場所、こういった箇所にも設置をされていて、学校の周辺、本当の近接地域だけではなくて、通学路の本当にかなめとなるような、そういう場所に、具体的に区の方で検討されて、また、学校の皆さんが検討されて設置をされているんだなと、こういうことも見させていただいているところでございます。
今、来年度に向けての取り組みとして、登下校において安全対策と区市町村が認める箇所への整備を促進する、この目的をお示しいただいておりますけれども、通学路と指定されているところ以外にも、今お示しいただいている視点というのが大変大事であるということは、既に設置をされている防犯カメラの箇所からしてもうかがえることだと思っておりますので、しっかりとこれは進めていただきたいと思います。
さて、昨年の委員会でも少し申し上げましたけれども、新宿は大変商店街が多いまちでもございまして、特に警察へ多大な協力をしていただいている商店街、商店振興組合がたくさんございます。
そうした中で、かつて、この東京都の補助事業が始まったときに設置をされて、いよいよ更新時期を迎えるというときに当たって、更新に合わせて、新規でも補助を利用して防犯カメラを設置していく、防犯カメラの設置台数を拡充していく、こういう商店街のご相談をいただいたことがございます。
そうした中で、これまで、更新の補助の率、さらには新規設置の補助の率、これは新規の方が高いわけでございますけれども、じゃ、これから東京都が維持管理、こういう部分についても補助の対象としていく、しっかりと見ていくというときに当たって、その設置をしたとき、また更新をしたときの補助率のまま、その対象になるのでしょうか、こういうご相談も受けたところでございます。
そこで、来年度から実施される維持管理経費への補助は、商店街等の地域団体の防犯活動をより支援できるように、都の補助率を設定すべきと考えますけれども、見解を求めます。
○高野治安対策担当部長 都は、地域の防犯力の維持、向上に取り組む商店街、町会、自治会等をさらに支援するため、来年度から、防犯カメラの維持管理経費のうち、継続利用に資する保守点検費、修繕費について補助を実施いたします。
お尋ねの都の補助率につきましては、当該カメラが新設設置、更新設置であるかを問わず、一律に新設設置に係る補助率を適用する予定でございます。
具体的には、町会、自治会等が設置したカメラに関しましては、都の補助率は十二分の七、商店街等が設置したカメラにつきましては、都の補助率は二分の一となります。
○古城委員 今後も、まちの安心、そして商店街の安心、子供たちの安全・安心、これを守るための防犯カメラの設置補助事業を着実に推進していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、テーマを変えまして、再犯防止推進計画について質問をさせていただきます。
再犯防止といいますと、今から十六年前、平成十五年に発刊されました元参議院議員の獄中の体験記、手記が大変な衝撃的な反響を呼んだことは、記憶にまだまだ残るところでございます。
そうした中で、障害者、高齢者等の再犯率の高さから、刑務所の出口と入り口がつながっている、このような評され方もされているわけでございます。特に、高齢者の方、障害者の方について、司法と福祉のはざまで福祉的な支援になかなかつながることができずに刑務所生活を繰り返さざるを得なくなってしまった、こういう方が多いわけでございまして、そのような方々にとっては、刑務所が最後のセーフティーネット的な存在になってしまっているという課題がございます。
そうした中で、厚生労働省事業として、地域生活定着支援センターが全都道府県に設置をされてございます。東京都においても平成二十三年に設置をされているわけです。これについては、特に刑務所等の矯正施設からの出所時に関する支援として、出口支援といわれております。
一方で、出口支援だけでは不十分で、裁判段階から福祉がかかわっていかなければ十分な支援は困難であるという、この考えから、裁判段階での支援が入り口支援と呼ばれているわけでございますけれども、この点については、長崎県の社会福祉法人が大変先駆的な取り組みを行っておられるところでございます。
今、都においても再犯防止推進計画を策定するに当たりまして、都庁の関係各局、さらには警視庁、そして国機関から成る検討会を立ち上げて、罪を犯した人の立ち直り支援に取り組んでいる保護司、また、社会福祉士、弁護士、就労支援事業者などから意見を聴取していると聞いております。
そこで、これらの意見を踏まえて、来年度に具体化する事業について説明を求めます。
○高野治安対策担当部長 検討会では、各分野で活躍をされている方々から広範なご意見をいただいております。その中で、当本部におきまして速やかに実施可能な提案につきましては、来年度予算に計上しております。
まず、弁護士の方からの、再犯防止にも資する都の事業の内容や利用方法等の情報を、保護観察所や保護司など関係者に提供してほしいとのご意見を踏まえまして、来年度、そうした点に関します手引を作成いたします。
また、弁護士の方及び社会福祉士の方から、犯罪をした人の相談窓口を設けてほしいとのご意見をいただいております。これを踏まえまして、昨年六月に実施をいたしました高齢者万引き相談事業を発展させ、万引きや傷害等を行ってしまった高齢者本人やその家族等を対象とした相談窓口を、昨年よりも期間を拡大いたしまして開く予定でございます。
○古城委員 青少年・治安対策本部が中心となって再犯防止推進計画の取りまとめを今行っていただいているわけでございますけれども、都民安全推進本部に改編、改組された後も、ぜひともリーダーシップをとっていただいて、障害者の方、また高齢者の方々が、再犯となってまた刑務所に戻ってしまうことでなしに、地域の中で暮らしていけるような、そういう体制づくり、支援づくりを行っていただきたいと思います。
次に、ネット関係、そして青少年施策について、順次質問をさせていただきます。
昨年度から今年度にかけて、青少年・治安対策本部、福祉保健局、そして都教育委員会において、それぞれ所管する事業に対応して、LINEを用いたSNS相談事業が実施ないし試行されております。
私は、昨年の第一回定例会一般質問におきまして、自殺相談、さらにはネットトラブルの相談、そして教育相談について、若い世代が特に多く利用しているSNSを活用した相談事業を一刻も早く立ち上げていくべきだ、このように提案をさせていただいたところでございます。
そうした中で、青少年・治安対策本部においても、こたエールにおいて、LINEを用いたネットトラブルに関する相談事業が実施されました。
そうした中で、昨年の一般質問において、私がこれらの三つの事業について、わかりやすく、そして相談しやすい、都民の方々にとってそういうものであるべきだということを訴えさせていただいて、知事からも、そのような形で進めていく、こういう答弁をいただいたところでございます。
来年度においては、これらの三つの相談アカウントを統合して運用していくというふうに聞いてございます。実は、それぞれの三つのアカウントから、どのような形で新しいアカウントが紹介をされるのかなということを、この三月、特に注視をしていたわけでございますけれども、先日、教育庁の教育相談のアカウントからは、新年度、新たなアカウントに変わりますと、こういうアナウンスがされたところでございます。
一方で、青少年・治安対策本部の取り組みとして、昨年の事務事業で伺った、特にみまもりぃぬという、一番多くの友達数がいるアカウントを活用して広報、周知にぜひとも取り組んでいただきたいと、こういう点も申し上げまして、森山部長から、実効性の高い広報活動を展開していく、こういうご答弁もいただいたところでございますけれども、現在のアカウントの統合に向けた状況、また、取り組みについて見解を求めます。
○井上青少年対策担当部長 都では、来月、四月一日から、福祉保健局と教育庁、当本部がそれぞれ事業特性を生かして、今年度開設しておりましたLINEによる相談業務につきまして、一体的に運用し、気軽に相談してもらえるよう、相談ホットライン@東京という名称で都民からの相談を受け付ける予定にしてございます。
四月からのスタートに向け、青少年や都民に広く周知する必要があることから、福祉保健局や教育庁と連携して、周知用のチラシの作成、配布を行うとともに、当本部のマスコットキャラクター、みまもりぃぬを活用したSNSでの周知を来週行ってまいります。
○古城委員 繰り返しになりますけれども、都民の皆様にとってわかりやすく、そして相談しやすいSNSの相談事業に、しっかりと取り組んでいっていただきたいと要望させていただきます。
次に、青少年・治安対策本部では、青少年からのネットトラブル、ネットトラブルを抱えた保護者、また、学校関係者からの相談を受け付けているところでございます。
今後、ネットリテラシーの醸成が大変重要であると私自身も考えているところでございます。昨年の事務事業においても、子供たちへの啓発、これは子供たちに対してもやらなけりゃいけない事業だけれども、一方で、私たち大人、なかんずく保護者が、どういったものであるか自分自身が理解をして使っている状況でなければ、子供たちにそれを伝えていくことはできないのではないか、こういう問題提起をさせていただいたところでございます。
そこで、今後のネットリテラシーの醸成に向けて推進していく事業について見解を求めます。
○井上青少年対策担当部長 インターネットは、世代や地域を超えて人々を結びつける情報技術であり、現代社会にはなくてはならないものとなっている反面、急速なスマートフォンの普及やインターネット利用者の増加により、判断能力が未熟な青少年のみならず、保護者もトラブルに巻き込まれるケースが増加しております。
このようなトラブルに巻き込まれないようにするためには、インターネットを正しく使うスキルを高めつつ、インターネットリテラシーを育むことが大切でございます。
このため、インターネットやスマートフォン等の利用によるトラブル相談窓口である、こたエールのホームページを利用して広く周知することで、インターネットトラブルの未然防止に資するよう努めております。
さらに、インターネット関連のさまざまなトラブルやその防止策のほか、スマートフォンの適正な利用につきまして学ぶファミリeルール講座を年間約六百回行っており、講義形式やグループワーク形式で、青少年や保護者の理解を深める講座も展開してございます。
今後も、青少年を初め保護者等の大人に対しても、講座内容や手法に工夫を凝らしまして、インターネットの適正利用につきまして普及啓発を積極的に行ってまいります。
○古城委員 ありがとうございます。
昨年の委員会のことを何度も何度も取り上げておりますけれども、トウキョウもっと2元気計画研究所に、藤井委員、そして原委員とともに出席をさせていただいたことを昨年の委員会でもご紹介させていただいたわけですが、大人自身が、今、私もそうですけれども、インターネットを利用する時間というのが、恐らく、子供よりも、比して多くなっている、そういうような状況もあるのではないかなというふうに思います。
中でも、そういったインターネットに接する中で、さまざまなトラブルというのにも接する機会というのは、これは子供もそうですし、大人も多く触れていることになります。
例えば、お子さんがスマートフォンを用いてSNSを使っているから、お父さん、お母さんもスマホを購入して、SNSの中で家族のグループでトークをしたい、だから、ぜひスマホを持ってよということで、俗に簡単スマホと呼ばれているようなスマホを用いたときに、たまたまインターネットを閲覧しているときに、例えば架空請求であったりだとか、そういう犯罪が意図せず向かってくるような状況というのもやはりあるわけでございまして、インターネットのセキュリティー対策という点は、リテラシーもそうですけれども、青少年のみが身につければいいというものではなくて、保護者も含めて周りの大人についても、しっかりと身につけていかなければならないと考えているところでございます。
この点について、今後の取り組みについて見解を求めます。
○井上青少年対策担当部長 携帯電話やスマートフォンを子供に持たせている保護者の多くは、インターネットや携帯電話等について、子供に教育できる十分な知識を身につけることを必要な課題と捉えていることから、インターネットの知識やセキュリティー対策につきまして、青少年のみならず、保護者も含めた大人も身につける必要があるというふうに考えております。
そのため、ネットトラブルの相談窓口である、こたエールに寄せられた相談から得たインターネットセキュリティーやインターネットの適正利用方法、加害者にも被害者にもならないための情報につきまして周知していく等の取り組みが大切でございます。
具体的には、当本部のマスコットキャラクター、みまもりぃぬを活用し、SNSを初め広報、チラシ等により都民に広く周知、啓発するとともに、保護者等の大人に対するファミリeルール講座、こちらを、引き続き小中高校あるいは都内の各地域で積極的に展開することで、都民がネットトラブルに巻き込まれないよう、取り組みを推進してまいります。
○古城委員 青少年・治安対策本部としての取り組みの推進に当たっては、キャラクターである、みまもりぃぬを積極的に活用していくというお話がございましたけれども、実際の着ぐるみもそうですし、また、さまざまな各種SNSの媒体で、このみまもりぃぬがいろいろな情報を今発信しております。
昼の十二時になると、発信が来るかなと、私も楽しみにしている一人でございますけれども、これは重ねての要望になりますが、ぜひともSNSの特徴を生かして、また、SNSの機能をぜひとも活用して、都民の皆さんにとって、よりわかりやすい、そして実際の相談機関、支援機関につながりやすい、そういう体制整備を要望させていただきたいと思います。
次に、東京都若者総合相談センター、若ナビαについて質問をさせていただきます。
若ナビαも、幾度となく私は取り上げさせていただいているところでございますが、全ての青少年、若年層、若年世代に寄り添った、大変意義のある東京都の事業であるというふうに私自身は認識をしております。
昨年の事務事業で伺った点のさらに更新の状況として伺いたいのですけれども、今年度の相談実績をまず伺います。
○井上青少年対策担当部長 東京都若者総合相談センター、若ナビαにおきましては、現在、電話やメールによる相談のほか、来所相談を実施しておりまして、若者のさまざまな悩みや不安を受けとめ、若者の状況に応じて適切な支援機関につないでおります。
お尋ねの平成三十年度の相談件数は、二月末現在、電話相談が六千五百七十二件、メール相談が四百四十九件、来所相談が百二十五件、合計で七千百四十六件となっており、前年度と比べ増加しております。
また、主な相談内容につきましては、自分自身の悩みや不安のほか、仕事関係、対人関係などとなっており、若者のさまざまな悩みや不安を受けとめております。
○古城委員 昨年の各会計決算特別委員会第一分科会で私が質問させていただいた昨年度の実績を見ますと、電話相談が六千三百六十二件、メール相談が五百二件、来所相談が百十七件、合計が六千九百八十一件でしたので、この合計の数も、既に今年度は昨年度より上回っている状況でもありますし、また電話相談についても、既にこの二月の時点で、一月残して昨年度の実績を上回っているという状況でございます。非常に堅調に相談実績がふえている。また、都民の皆様に、この若ナビαという存在が認識をされている、そういう証左ではないかなと思ってございます。
そうした中で、特徴的だなと思ったのが、今、電話が今回、昨年度の実績を既に上回っているということを申し上げましたけれども、もしかしたらですが、仮定の話ですけれども、相談したいなと思って見たときに、一つは電話相談、二つにメール相談、三つに来所相談とあるわけですが、LINEを初めとするSNSでの相談はできないのかなと、こういう意見をお持ちになった方もいらっしゃるかもしれません。
この点も以前から申し上げていますが、若ナビαの開所のときに、オープンのときに、二十代の青年がそこで感じたことは、今、自分たちが使っているコミュニケーションツールでも、ぜひともそういう相談を受け付けられるような体制があったらいいなと、こういう率直な感想を私自身も伺ったところでございます。
そうした中で、一つ、ご紹介したいのですが、昨年の四月一日から十二月三十一日までの間に実施をされた文部科学省のSNS等を活用した相談体制の構築事業では、都道府県、さらには指定都市、市町村の合計三十自治体で一万一千三十九件の相談が寄せられたそうでございます。
特に相談内容については、友人関係の悩みが最も多く、次に、学業、進路の悩み、そして、いじめ問題と続いております。
そして、これらの相談事業のSNSで相談を受けた後は、そのうち百二十件が電話や対面相談に移行、そして、二十一件が実際に支援機関につながったという数字が上がっていると聞いてございます。
この点からしますと、心理的なハードルが青少年にとって低いSNSの相談から適切な相談機関へとつなぐ役割を、これらの相談事業が担っているということがうかがえると思います。
そこで、若ナビαでも、SNSを用いた相談事業ですとか、また、SNSを用いた情報発信等、これらの取り組みが必要と考えますけれども、見解を求めます。
○井上青少年対策担当部長 若ナビαの相談のありようにつきましては、昨年七月の青少年問題協議会意見具申におきまして、若者になじみのあるメディアであるSNS等の機能を活用した情報発信が重要というふうな提言があったところでございます。
若ナビαの利用促進に向けましては、これまでも、都内の全ての高校三年生の卒業時等に、携帯できるPRカード等を配布するなどの周知を図ってきたほか、今年度は、ウエブ広告を集中的に行うとともに、当本部におけるツイッター等を活用するなどして、若者自身が気軽に、どのような悩みでも相談しやすくなるようなメッセージを発信しているところでございます。
今後も、悩みを抱えた若者が、若者総合相談センター、若ナビαにつながるよう、情報発信の充実に努め、適切な支援機関につながるように努めてまいります。
○古城委員 最後の質問とさせていただきたいと思います。
私は、青少年・治安対策本部の事業というものは、まさに誰ひとり置き去りにしない、こういう精神と大変密接したものであって、都民の皆様お一人お一人にとって安全・安心の橋頭堡的存在であると考えております。
この青少年・治安対策本部は、来年度、都民安全推進本部へと組織改編されますけれども、昨年の第一回定例会で本部長にご答弁いただいたとおり、今、都においては、青少年、そして治安に関するさまざまな課題がございます。これらの喫緊の課題に、組織改編を踏まえてどのように取り組んでいくのか、本部長の決意を伺いたいと思います。お願いいたします。
○大澤青少年・治安対策本部長 今後、直面する課題に、関係機関と連携して柔軟に取り組んでまいりますけれども、例えば、直面する大きな課題であるインターネット等の利用の安全・安心については、スマホの普及やICT等の発展に伴い、都民生活の利便性が大きく向上する一方で、インターネットに関連した問題への対処の重要性が一層増しております。
今後、こうしたインターネットやICT、AIなどの普及や進展が一層見込まれる中では、大人や子供を問わずネットリテラシーを向上させるなど、インターネット等が安全・安心に利用できるよう取り組んでいくことが必要不可欠であります。
とりわけ判断能力が未熟な子供や若者については、ネット利用に関連した犯罪やトラブルが懸念されるため、子供や若者自身のネットリテラシーを向上させる取り組みの推進のみならず、保護者を含めた周囲の大人がネットリテラシーを高めて、子供や若者に寄り添って支えることができるようにする必要がございます。
こうした取り組みを含め、都民全ての安全・安心なインターネット等の利用に向けた総合的な施策を展開してまいります。
都民安全推進本部として新たな執行体制のもと、都民の安全・安心の確保に取り組んでまいります。
○古城委員 ぜひとも新たな執行体制においても、変わらず都民の皆様にとって本当に安心できる、そういう本部づくりを進めていっていただきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○原委員 それでは、私の方からも青少年施策について伺いたいと思います。
来年度からの組織改正で青少年・治安対策本部が再編され、ひきこもり支援事業は福祉保健局へ、地域の青少年健全育成事業は生活文化局へ、それ以外は、新設となります都民安全推進本部ということになるのだと思います。
青少年・治安対策本部という、青少年と治安対策を並べているこの名称については違和感がある、また、青少年施策は治安対策の一環ということなのかという声がかねてよりありました。私自身も、ひきこもりの青年から、この名称は変えてほしいという要望を受けたこともあります。
そういう点で、名称が変更になるということはよかった反面、青少年という言葉自体は今回なくなっているということ、そして、若年支援といういい方が、若者の立場から見ると、若者のことを指しているのかどうか、自分たちのことなのかというのはわかりにくいということが私はいえるのではないかというふうに思います。
そして、その青少年施策が、実際にはばらばらになってしまったようにも見える、そういうふうになっていないかというふうに思います。組織改正については、また別のところで質問をしますけれども、そういう印象を持っています。
ひきこもり支援については、福祉保健局で年齢を区切らず対応していくということになりましたので、今後の取り組みを見守っていきたいと思っていますけれども、青少年施策全体が充実していくのかどうか、これは、私は率直にいって、今、心配もしているところです。
そこで伺いたいのですが、若者相談支援事業の、先ほどもご質問がありましたが、若ナビαですが、これは都民安全推進本部が所管するということになるわけです。この相談事業は、東京都の青少年施策の中でも中心の大事な施策だというふうに私も思っています。
それで、相談件数や、また、主な相談内容の特徴などを私も伺おうと思いましたけれども、今ほど詳しく質問とご答弁がありましたので、省略させていただきたいと思います。
その上で、今聞いた相談件数などもふえているという状況ですので、多くの若者に知ってもらうために、広報などについてどのような工夫をされてきているのか、その点について伺いたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 東京都若者総合相談センター、若ナビαにおきましては、悩みを抱えた若者が気軽に相談できるよう、若ナビαのPRカードを都内全ての高校三年生の卒業時等に配布しているほか、ウエブ広告を実施するなど、効果的な広報にこれまで努めてきております。
○原委員 全ての高校三年生にお知らせしているという点は、とても重要だと思います。
また、ホームページの改善なども、かねてからさまざまな議員、ほかの議員の方も取り上げてきましたし、私もいってきましたけれども、ホームページなどの改善にも、今、着手もされてきていて、努力をされていると思います。
また、先ほどご質問もありましたけれども、今後、SNSの活用など、より一層充実してほしいというふうに思っていますが、でも、現時点でも高校三年生にお知らせをして、何かあったら相談できる先があるんだよということを知らせているということは、本当に重要だというふうに思います。
若者の中での認知度が高まるにつれて、相談件数だけではなく、相談内容もさまざまなものが出てくるというふうに思います。
先ほど特徴的なものは伺いましたが、その中で、十代、二十代、若い世代の交際相手からの暴力、デートDVにかかわる相談などは寄せられているでしょうか。また、その場合、どのように対応しているのか、伺いたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 若ナビαは、自分自身の悩みや不安のほか、仕事関係、対人関係など、若者からのさまざまな相談に対して、相談者に寄り添い、話を聞き取った上で、適切な支援機関にリファーするなど、丁寧に対応してきております。
ただいまお話のございました、交際相手からのさまざまな種類の暴力、いわゆるデートDVにつきましても、相談があった場合には適切な相談対応を行い、必要に応じて専門の相談機関につないでまいります。
○原委員 相談を聞いている中で、これはデートDVだなというケースもあるというふうに聞いていますし、その場合、相談に乗りながら、専門の機関にもつないでいくということで、大事なことだというふうに思います。
東京都の配偶者暴力対策基本計画では事業一覧が載っていまして、これは配偶者暴力ではありますけれども、この中で、暴力を許さない社会形成のための教育と啓発の推進というところに青少年・治安対策本部の名前も載っているなど、やはり積極的にこういう問題ではさらに取り組んでいっていただく必要があると思うのですが、その教育、啓発が非常に重要だということを、特にデートDVの場合は思っています。
本人が被害に遭っているという認識がなかったり、また、交際相手と対等な関係が結べないなどの問題が根幹にあるので、これは未然防止ということを考えると、やっぱり教育、啓発が重要だということだと思います。
先日、都内の中学校三年生の、外部講師によるデートDVの授業を見学させていただいたんですけれども、知らず知らずのうちにジェンダーバイアスに縛られているということに気づかされる、そういう授業でした。やっぱり対等な人間関係が大事だということが学べる、それが鍵だなということを授業でも感じまして、大変よい内容だったのですが、今、若ナビαにあった相談に対しての、起きてしまっていることについての対策、これはもちろん重要ですし、同時に、一層重要なのが未然防止の取り組みと教育、これを連携して進めていくことが重要だということを指摘しておきたいと思います。ぜひそこも含めて、他局とも連携をしながら取り組みを強めていただきたいということを求めたいと思います。
そしてまた、先日、とくとめ委員と一緒に若ナビαの方にもお邪魔をさせていただき、お話を聞かせていただきました。
それで、さまざまな相談を受けたときに、一人一人によって解決の仕方は違うんだということで、一緒に考えていくということを大変大事にされていて、必要に応じて、例えばハローワークに一緒に行くとか、そういうことも含めて同行支援も行っているということで、詳しく活動を伺いました。
ただ、その活動内容はすばらしいのですけれども、この若ナビαはビルの一室ですよね。それで、どこにあるのかというのがビルに入ってもわかりにくく、遠いんですね。それで、たどり着くまでに非常に緊張してしまうというのを私は感じたんです。どこにあるかわからないので、どきどきしながら行くという感じになるのではないかと。ビルの一室なので、外からは、ドアをあけるまでどうなっているかわからないんですね。
私は、相談しやすい環境整備など、さらに工夫や充実が必要ではないかと感じましたが、見解を伺いたいと思います。
○井上青少年対策担当部長 東京都若者総合相談センター、若ナビαにおきましては、電話やメールで相談を受け、来所で話を聞いた方がよいと思われる際には来所相談を行っているというふうな状況がございます。
当該若者の方が来所される際には、緊張していらっしゃるケースも少なくないことから、建物の一階で待ち合わせをして相談室に案内するとともに、ご本人の心情を十分に理解して寄り添う姿勢で、かつ、プライバシーにも配慮し、相談対応に努めているところでございます。
○原委員 そうなんですよね。伺ったときにも、お迎えに行くということをやっているということも聞いて、この場所で待ち合わせするんですよということも説明を受けました。その点については、とてもきめ細かい配慮をされていると思っています。
ただ、そうはいっても、秘密、相談の内容など、プライバシーなどもきちんと保護していくという点でも、そこは私も十分わかっているつもりなんですが、でも、やっぱり、約束をして来所したときに、外から少しでも明るい雰囲気というか、中に入れば、とてもほっとできる雰囲気なんですけれども、外にも伝わるような、そういう工夫ができないか。多分、ビルの中のいろんなルールもあると思うので、簡単ではないのかなと思いますけれども、私はそういうふうに感じています。
特に、あそこの場所に全てを詰め込むという意味ではないのですが、相談を受けて、その相談を通じて、その人なりの自立や新たな一歩を踏み出した後にも立ち寄れるような、そういう場所というのもとても重要だと思っていて、本当はそこでプライバシーを守られながら安心して相談もできるし、また、相談が終了した後でも立ち寄れる、そういう空間がつくられるとさらにいいのかなというふうに思っています。
安心して相談しやすい環境整備というのが必要かなというふうに思って、今伺ったわけです。ぜひ、今後、新たな展開を考えられるときには参考にしていただければ幸いです。
それで、私は、青少年、若者支援を、そういうトータルで本当に位置づけていくということを考えると、子供・若者計画を組織改正の中でも位置づけていくことが大事だというふうに思っています。
現在の子供・若者計画は二〇一九年度までです。これで五年間ということになります。
来年度、これを見直しして、二〇二〇年度以降の計画をつくるという、そういう予定、スケジュールになっているのかどうか、その点を確認したいと思います。
○井上青少年対策担当部長 青少年が健やかに成長し、社会の中で活躍できるよう、これまでも、青少年・治安対策本部にとどまらず、青少年にかかわる庁内関係部署はもとより、関係機関とも連携しながら、青少年健全育成に資する施策の展開を行ってまいりました。
また、子供・若者計画でございますけども、こちらの方は、子ども・若者育成支援推進法におきまして、都道府県は都道府県子供・若者計画を作成するよう努めるというふうに定められております。
都では、今、委員からご指摘のように、平成二十七年に、当本部におきまして、全ての子供、若者が社会的に自立を果たすことなどを目的として、関係機関の施策を取りまとめ、東京都子供・若者計画を策定いたしました。
組織改組されましても、都民安全推進本部におきまして適切に対応してまいります。
○原委員 適切に対応していくということです。
新しい体制になったところで、その進め方などはまた聞いていかなければいけないかなというふうに思いましたが、組織改正をしていくに当たっては、大事な基本になる計画をどういうふうに取り扱っていくのかというのはとても重要なことなので、その辺は、また総務局の方でも聞いてみたいというふうに私は思っています。
今、青少年施策をトータルで推進していく、若者や青少年を本当に応援していくという、そういう体制をつくっていくという点では、私は、やはり青少年、若者支援を行う専管組織が必要なのではないかなと改めて思いました。
共産党としても、若者の願いにこたえる四つの「東京プロジェクト」というのを二〇一七年に発表して取り組んでいます。その中でも、若ナビαの大事さとか、また、専管組織をきちんとつくっていくことが必要ではないかという提起をしていますが、改めてこの点については意見として述べまして、質問は終わりたいと思います。
○小松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
午後三時一分休憩
午後三時十六分開議
○小松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより政策企画局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
河内理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、政策企画局所管分及び報告事項、「三つのシティ」の実現に向けた政策の強化(二〇一九年度)-二〇二〇年に向けた実行プランについてを一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○小室総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る二月十五日の当委員会におきまして要求のございました資料二点につきまして、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料によりご説明申し上げます。
初めに、一ページをお開きください。国際金融都市・東京構想策定に係る経緯及び費用でございます。
平成二十九年十一月に策定いたしました国際金融都市・東京構想に関しまして、経緯及び年度別の費用等を記載してございます。
次に、二ページをお開きください。東京、シンガポール、香港の国際金融都市としての比較でございます。
国際金融都市としての東京の現状につきまして、世界的な地位を示す指標でございます国際金融センターインデックス、法人実効税率、株式時価総額等により、シンガポール及び香港と比較して示してございます。
以上、簡単ではございますが、資料についてご説明させていただきました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小松委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○両角委員 それでは、平成三十一年度予算に関連をいたしまして、私からは新たな長期計画の策定について伺いたいと思います。
今定例会の知事施政方針表明の中で、大会後の東京の目標となります具体的な姿を描くべく、全庁で知恵を絞り、年内を目途に新たな長期計画を策定してまいりたいと知事の表明がございました。
今回、年内に新たな長期計画が策定をされれば、現行の東京都長期ビジョン、舛添知事のもと策定をされてから五年ぶりということになるわけでございます。そこで、何点かにわたって質問をさせていただきたいと思います。
まず、長期計画を新たに策定するということなんですが、行政が長期計画を策定する意義について確認させていただきたいと思います。
○宮澤計画部長 長期計画を策定することで、十年から二十年といった、ある程度の中長期的なスパンにおける方向性や目標を定め、行政を体系的、計画的に進めていくことができます。
また、これを公表し、わかりやすく示すことで、行政の方向性や重要政策について、都民の皆様への説明責任を果たすこともできます。
こうしたことは、長期計画を策定する意義であると考えております。
○両角委員 今、一般的な、行政が長期計画を策定する意義を伺いましたところ、中長期的なスパンにおける方向性や目標を定めて体系的、計画的に行政を進める、同時に、説明責任を果たすためのツールになるというような趣旨の答弁がございました。
それでは、この五年間、長期計画は、現行のもの、東京都長期ビジョンを活用して、小池知事にかわってからもやってきたわけですが、今般、新たに都が長期計画を策定する理由及び意義について伺いたいと思います。
○宮澤計画部長 平成二十八年十二月に策定いたしました二〇二〇年に向けた実行プランの計画期間は二〇二〇年度までとなっておりまして、東京二〇二〇大会も来年に迫っていることから、大会後の東京の姿を具体的に示していく時期に来ております。
また、現行の長期計画である東京都長期ビジョンが描く東京の将来像は、二〇二〇年をピークに人口減少局面を迎えるという推計に基づいておりますが、現在の人口推計では、人口のピークが二〇二五年となっておりまして、こうした社会情勢の変化や新たな行政需要などについても反映させていく必要がございます。
このため、東京二〇二〇大会後のレガシーを生かした明るい東京の将来像を描く新たな長期計画を策定することといたしました。
○両角委員 今、何点かお話をいただきましたが、二〇二〇大会がもう間もなく迫っている、大会後の姿を示していくべきだということと、人口推計によって、人口減が今の計画より五年後倒しになって状況も変わっているというような点を挙げられたわけでありますが、私は、知事がかわって三年という節目でありますから、もうちょっと早目にこういった長期計画をつくってもよかったのかなと、そんなふうにも個人的には思っておりました。
一方で、私が今回、この計画の策定に期待するところは、長期的な視点で将来像や方向性を、知事を筆頭に行政全体、都庁全体が共有するという作業をしっかりやっていただきたい、そういうところに期待をいたしますし、あと、東京都というのは、一つ、シンクタンク機能も持っているというふうに私は理解をしておりますが、この長期のプランをつくる中で十分庁内議論をして、それをしっかり発揮してほしい、そのことを期待させていただきたいと思います。
次に、今回、長期計画を新たに策定するといった中で、じゃ、そのコンセプトは何なんだということについて伺いたいと思います。新たに策定する長期計画のコンセプトは何かということをお伺いさせていただきたい。
同時に、現行の長期ビジョンについては、サブタイトルに世界一の都市東京の実現を目指してということが前面にうたわれているわけでありますが、これはもちろん、舛添知事の公約的なものでもあろうかと思いますが、この扱いについて、政策企画局としてはどのようにしていくのか、サブタイトルですね。伺いたいと思います。
○宮澤計画部長 新たな計画では、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの三つのシティーが進化いたしました、おおむね十年先の東京の将来像を描いてまいります。
大きな要素といたしましては、東京二〇二〇大会のレガシーを将来に生かした取り組みを深化させるとともに、二〇二五年以降、東京が初めて直面する人口減少や、さらなる高齢化といった大きな時代の変化に対応し、東京の持続的な成長を実現していくことがございます。
こうしたコンセプトのもと、全庁を挙げて議論を重ねてまいります。
新たに策定する長期計画のタイトルやサブタイトルにつきましても、今後検討してまいります。
○両角委員 サブタイトルも今後検討ということでありますが、今、コンセプトについても触れていただきましたが、そういったコンセプトを象徴的に示すような、そんなフレーズをずばっと打ち出していただければと、そのように考えております。
引き続きまして、スケジュールと手続ということについて伺いたいと思います。
この新たな長期計画は本年末に策定、公表ということが、議会の場では知事からいわれたわけでありますが、じゃ、どのようなスケジュールで、どんな手続を経て策定していくのかということを伺いたいと思います。
さらに、具体的な手法として、庁内検討委員会等々、新聞報道では局長級の庁内検討委員会を設けるとか書いてありますが、例えば、都民アンケートあるいは団体の声をしっかり聞くとか、そういったことは予定をしているのか。
さらには、現在、東京都では都民による事業提案制度、いうなれば、予算を都民みずからが考えて提案するというような、一つの直接参加手法みたいなことをやって都民参加を促していくという、そんな姿勢が見られるんだろうと、こんなふうに理解しておりますが、そういったことを考えれば、新たな長期計画策定に当たっても、インターネットを活用して、直接、都民の意見を素案づくりに取り入れていくというようなことをぽんと打ち出すことによって、この策定プロセス自体も、新たなプランの特徴づけになるのではないかというふうに思うわけでございますが、見解を伺います。
○宮澤計画部長 新たな長期計画は、年内を目途に策定、公表する予定としております。
現行の長期ビジョンや実行プランの策定時は、対面で行う世論調査やインターネットで都政モニターアンケートを実施し、その結果を反映させるとともに、秋ごろに中間報告を行い、改めて都民意見の募集を実施してございます。
新たな長期計画の策定に際しましても、おおむね同様のスケジュールで進めるとともに、さまざまなチャンネルを通じて都民の意見を積極的に取り入れる方策を検討してまいります。
また、審議会や懇談会などを活用するなど、外部の意見も積極的に取り入れてまいります。
○両角委員 今、スケジュール的には、秋ごろに中間報告を行うということが示されました。審議会や懇談会等の外部意見も積極的に取り入れていくということと同時に、提案をさせていただきましたインターネットによる都民参加のようなことについても、さまざまなチャンネルから都民の意見を積極的に取り入れる方策について検討ということでございますので、これから本格的にこの計画づくりが動いていくのでしょうから、積極的に検討をまさにしていっていただきたい。
同時に、先ほどもちょっと触れましたが、この策定プロセスを通じて庁内の、局長を筆頭に職員の皆さんが政策アイデアを出して、しっかり活発に議論をしてもらって、そういった、政策を新たにつくっていくんだというような、そんな意識を持って、ただ計画をつくるというよりも、その計画を通じて、そういった能力を高めるというか、そういう能力を発揮するという、そんな意識を持って取り組んでいただくように要望させていただきたいと思います。
続いて、この計画の期間ということで伺いたいと思います。
先ほど、長期計画の期間は十年だということがございました。近年、ドッグイヤーというようなことがいわれるわけでございます。分野によっても違いますけれど、IT関連の面なんかでいえば本当に日進月歩、社会情勢の変化も大変激しい時代になっているわけでありますが、そういった中においては長期予想が困難な時代であるということがいえると思います。
そうした中で、先ほどの長期計画期間は十年とするというお話がございましたが、一般的には、こういったものは十年だと思いますが、ただ漫然と長期計画が十年だといっても、余り私にとっては説得力がございません。
そこで、今回新しくつくる長期計画の計画期間を十年とすることの妥当性について、説得力のあるご見解を示していただきたいと思います。
○宮澤計画部長 現行の長期ビジョンなどの長期計画は、一般に十年単位での基本的な構想を示すものとなってございます。また、長期計画を具体化するために、一般に三から五年程度の実施計画をあわせて策定してございます。
新たな長期計画の期間につきましては、世の中の変化のスピードなどを踏まえまして、二十年先では予測がなかなか難しいということもございます。おおむね十年程度が妥当であると認識してございます。
○両角委員 ご答弁をいただきまして、一般的なご答弁だと思います。二十年じゃ、確かに長過ぎる。十年でも、ちょっと変化についていけないかもしれないですね。ただ、実行プランとかを組み合わせて、途中、見直し等を入れてという意味合いなのかもしれませんが、場合によっては七年とか、そういうのもあってもいいのではないかと思いますが、そういった期間あるいはそのプロセス、手法も含めて、新たな長期計画をつくるということそのものに対して意味づけをしていただければなと。こういうものをつくるんだ、こういうやり方をするんだ、東京都はということもちょっと考えていただきたい、こんなふうに思います。
次に、財政フレームということについて伺いたいと思います。
偏在是正措置が、昨年末、政府の方から出されて、東京都の税収、今までも国がその一部を取って地方に回すということ、それがさらに加速をしているわけでございまして、法人事業税の一部がまたさらに国税化をされて、二〇二〇年度以降、都税収は、本来の収入、本来入るべき収入に比して、一年間で八千八百億円影響が出るということを、今、皆さんは見積もられているわけでございまして、毎年毎年、本来、東京に入るべき収入に対して、九千億円近くの歳入が取られちゃうんだということで、努力をしても、なかなかそれを押し返せなかったということでございます。
そういったことを考えると、今後の都政運営には、この都税収入の問題、都財政に対して大きな影響を与える。都政運営に対して大きな影響を与えるということは、これは確実でございます。こうした点を踏まえると、長期的な財政見通しを立てていくということが今まで以上に重要になると私は考えています。
入るをはかりて出るを制す、これは行政の基本であろうと思います。新たに長期計画を策定するということであれば、長期的な都の政策目標と同時に、その実現のためのリソースである人材であったり、あるいは、特にお金、財政フレームを同時に示すべきであって、それこそが、今般、新たに長期計画を策定する大きな意義ではないかなと私は考えるわけでありますが、この長期計画における財政フレームの扱いについて政策企画局長の考えを伺います。
○梶原政策企画局長 今、今回の新たな長期計画をつくるというお話の中での財政フレームというお話であったかと思いますが、行政計画を政策から見て、いわゆる行政計画というのは、基本構想、基本計画、実施計画、こういうふうに分けられるわけであります。
長期計画というのは、その中の基本構想とか基本計画というものに位置づけられていて、行政活動を行うための目標を設定し、規制や誘導といった行政手段を総合的、体系的に提示するもの、そして、中長期的な視野に立って、政策の大きな枠組みや方向性を示すものだというふうに考えております。
一方で、政策というのは、政策があって、施策があって、事務事業がある。そうすると、基本構想、いわゆる長期計画というのは大きな政策の方向性を示す、一方で、実行プラン、実行計画というのは具体的な施策、事務事業、こういうものをのせていくというのが大きな形なんだろうというふうに思います。
そうすると、実行計画というのは約三年、今も実行プランというのは三年。これは毎年毎年ブラッシュアップしています。そうすると、財政という観点から見ますと、そのときそのときの社会情勢の変化だとか、行政上の影響というものの見通しがつきやすい。そうすると、毎年の予算、定員、組織にリンクをした形で実行プランというのは回していく。
一方、長期計画というのは、先ほど理事の方からもお話がありましたけれども、いろんなリスクがある。社会経済がどうなるかわからない。経済の状況、あるいは行政上の影響、例えば法制度が変わる、仕組みが変わる、先ほどの偏在是正措置も、そういうものの一つなんだろうというふうに思います。
今後、人口減少、さらなる高齢化の進展をやっていくと、財政需要というのは膨れていく。しかし、ここで制度が入ってくると、変わると、例えば介護保険制度が変わると、需要というのは変わってくるわけですね。
一方で、景気だとかいうのも、世界情勢が変わると大きく変わる。あるいは、先端技術が入ることによって大きく変わる。
つまり、十年というスパンは、理事お話しのように、いろんなリスクがある。その中で財政フレームをどう考えるかというのは、我々も、いろんな意味で議論をしなきゃいけないというふうに思っています。
特に都財政というのは、過去一年で一兆円の減収をこうむるなど、いわゆる都税収入というのが景気に左右されやすいという性格を持っている。また、地方交付税の不交付団体ですから、要は、足らないからお金をくれるという世界でもありません。
したがって、長期の見通しを立てるに当たっては、今るる申し上げましたけども、丁寧な検討、検証が必要だ、不可欠だというふうに考えております。
今回策定します新たな長期計画における財政フレームの扱いについては、こうしたことを踏まえながら、今後、財政当局と十分に議論を重ねていきたいというふうに考えております。
○両角委員 今、局長からお話しいただきまして、まさにそうだと思います。
十年間をなかなか立てるのは難しいのですが、とはいえ、多分、今回、こういう偏在是正措置があり、東京都としては、新たに稼ぐということも前面に出して税収を上げていくんだと。十年は長いかもしれないけれど、例えば前期五年、今、こういう時期だからこそ、じゃ、どのぐらい稼げるようにしていくとか、あるいは、その影響について、例えば行革努力をどういうふうにしていくのかということを財政当局とセットになってやっていくべきだと思うんですね。
都道府県によっては、企画と財政部門が一緒のところがありますよね。東京都は企画部門と財政部門は分かれているわけです。ですから、企画部門の政策だけをぼんと前面に出しても、なかなか説得力もないし、しかも、変化はあるけれど、今のような大きな税収を簒奪されてしまうような、そして、それに対する対策として稼ぐということを多分前面に出していくのであろう時期であれば、稼ぎつつ、あるいは絞りつつというものとセットになって財政部署とよくやっていただいて示す努力をしていただきたいということを要望して、質問を終わります。
○古城委員 私からも、東京都の新年度の予算案、また、二〇二〇年に向けた実行プランの政策の強化版に関連をいたしまして質問させていただきたいというふうに思います。
今、実行プランについては、梶原局長から、るるご説明があった点でございます。大変わかりやすいご説明だと思ってお聞きをしておりましたけれども、今回の実行プランの政策の強化版においては、先ほどの両角理事の質疑の中でも触れられておりましたけれども、例えば偏在是正措置がこれから行われていく、さらには、昨年においては頻発する大規模災害に、東京としても、どのような課題、さらには対応力を高めていかなければならないか、こういうところが議論になったであろうかと思います。
平成二十八年の十二月に策定をされました実行プランでは、まさにこのPDCAサイクルを回しながら、社会情勢の変化であるとか、さらには事業実施状況レビューの結果など、こういったものを毎年反映している、その中で政策の強化を実施しているというふうに理解しておりますけれども、今回のこの政策の強化版のポイントについて、まず見解をお示しいただきたいと思います。
○宮澤計画部長 二〇二〇年に向けた実行プランに係る今回の政策の強化では、昨年七月に策定しました重点政策方針に掲げる人に着目した戦略や、事業実施状況レビューの結果、また、社会情勢の変化などを踏まえ、新たな政策目標の設定や新規施策の構築などを行いました。
今回は特に、平成三十年七月豪雨や大阪府北部地震など、たび重なる災害の発生を踏まえ、地震や気候変動がもたらす豪雨といった自然災害への対応力の強化策を充実させました。
また、東京の持続可能な成長を実現するため、ベンチャー企業の創出、育成の支援など、東京の稼ぐ力の強化に向けた取り組みを盛り込むとともに、高齢者が安心して暮らせる社会づくりや女性活躍の推進など、人と人とのつながりの中で誰もが力を発揮できる社会づくりに向けた施策を充実させました。
○古城委員 昨年の事務事業質疑においても、計画部長の方から、この点について、財政当局や事業所管局との連携のもと、政策のブラッシュアップを図っていく、そういう趣旨のご答弁を頂戴しているところでございますけれども、今回の政策の強化版に当たっても、ぜひこれを具現化を、確かな実行をぜひとも全庁的に推し進めていただきたいというふうに思ってございます。
そうした中で、今回の政策の強化版の中の特徴でございますけれども、実行プランに掲げる政策とSDGsとの関係をお示しいただいたところでございます。SDGsの十七の目標、さらには百六十九のターゲットがございますけれども、今回、これが、我が党がこれまで繰り返し提案をしておったところでもございますので、SDGsとの関係をお示しいただけたことについては高く評価させていただきたいと思っております。
この実行プランに掲げる政策とSDGsとの関係をつぶさに見てまいりますと、SDGsが掲げる十七のゴールと実行プランに掲げる政策の柱との関係性をさまざまお示しいただいているところですが、これを見ますと、大変ご苦労をされたのではないかなということも思います。
そうした点において、今は政策の柱というところで位置づけておられますけれども、最終的には、今後、それぞれの事業ごとに、SDGsのターゲット、具体的な百六十九のターゲットにひもづけていけば、都の政策としても、都民の皆様に、また、国際社会に大変わかりやすいアピールとなるんじゃないかなというふうに考えてございます。
さて、今、このSDGs、我が党も大変強く訴えているところでございますが、これからの東京のあるべき姿というものについて、世界の都市間競争の中で、しっかりと東京のプレゼンスを高めていかなければならないというふうに考えてございます。
だからこそ、都のさまざまな事業、そして政策目標について、逐次、SDGsとの関係性を訴えさせていただいているわけでございますが、一方で、世界的に--また後でUrban20についてもご質問させていただきたいと思っておりますけれども、都民の皆様にとっても、今回お示しいただいた実行プランに掲げる政策とSDGsとの関係だけにとどまらず、幅広く周知を行っていただきたいなというふうに思っています。
そこで、都の計画や政策をSDGsと関連づけて発信していくための工夫について見解を伺います。
○宮澤計画部長 今回の政策の強化版では、実行プランに掲げる政策とSDGsのゴールとの対応表を掲載するとともに、国連のハイレベル政治フォーラムで二〇一九年の議論の中心となる五つのゴールにつきまして、関連する実行プランの具体的な政策の例をわかりやすくお示しいたしました。
また、政策の強化版は都庁ホームページに掲載し、どなたでもごらんいただけるようにしてございます。
今般、実行プランの普及啓発用に無料で配布しておりますポケット版を改定いたしまして、SDGsに関する記載を追加したところでございます。今後は、このポケット版を活用しながら、さまざまな機会を活用して情報発信に努めてまいります。
○古城委員 ありがとうございます。
昨年の事務事業質疑で、東京、我が国においてもですけれども、高齢化の進展に伴って、人生百年時代というキーワードが叫ばれる中、高齢化、また、人生百年時代というものに大変ネガティブな印象を、特にロストジェネレーションといわれる世代、三十代から五十代手前ぐらいまでの世代が大変強く持っている、こういうことを訴えさせていただいたところでございます。
まさに高齢社会への対応というのは、SDGsが掲げる中においてはまだ触れられていない、これからの追加として、また新たに考えられていくべき課題というものであると認識をしておりますけれども、そもそも東京においては大変高齢化のスピードが速いわけでございまして、そうした中で、世界の先陣を切って、この高齢社会への対策というものを、具体的な政策の中でその取り組みを示していく必要があると考えてございます。
SDGsの視点、さらにこういった視点もあるんだよ、世界共通で取り組んでいく課題というのは、こういうこともあるんだよということを訴えていく東京としての責務があるのではないかなと思っているところであります。
そうした中で、知事が施政方針で表明をいたしました新たな長期計画でございますけれども、この新たな長期計画の策定に当たっては、SDGsの視点、さらには、SDGsを補完していく、世界として共通の中で取り組んでいくような視点、こういった点もしっかりと盛り込んでいただきたいと考えておりますけれども、この点、見解を求めたいと思います。
○宮澤計画部長 今から六年後の二〇二五年には、東京の人口が減少に転じることが見込まれており、また、いわゆる団塊の世代が全て七十五歳以上になるなど、高齢化もさらに進んでまいります。
ご指摘のように、東京は、世界のまだ誰も経験したことのない人口減少、超高齢社会と本格的に向き合っていくことになります。
新たな長期計画の策定に当たっては、こうした大きな時代の変化にしっかりと対応するとともに、東京二〇二〇大会のレガシーを生かし、東京が持続的に発展していく姿を描いていくことができるよう、全庁を挙げて検討を重ねてまいります。
○古城委員 今、部長からお示しいただいた持続可能な東京という姿を、新たな長期計画でぜひお示しをいただきたいと、強く期待するところでございます。
今、申し上げました、また、ご答弁いただきました中においては、東京が世界に先んじて経験をしていくという社会像、そういったものを示していくこと、さらには、東京が世界の各国、また各都市と共通して取り組んでいく、こういう視点があるんじゃないかなと思います。
東京の課題というのは、世界の多くの都市と共通する課題も散見されるわけでございます。そうした中で、報道発表もございましたけれども、ことしの五月には、いわゆるU20、Urban20メイヤーズ・サミットを東京都が主催するわけでございます。ぜひとも、このU20、Urban20メイヤーズ・サミットの機会を通じて、今、二点の視点で申し上げましたけれども、東京が先行して取り組んでいく課題、さらには世界が共通して取り組んでいく課題について、東京は世界の各都市とともに連帯をしていくんだと、大変意欲的なそういうメッセージを発信していただきたいと考えておりますけれども、この点について見解を伺います。
○丹羽外務担当部長 U20メイヤーズ・サミットでは、G20が都市と連携して優先的に取り組むべき事項をまとめたコミュニケを採択いたします。
東京都は、ことしの議長都市としてコミュニケの作成を主導しており、SDGsにも掲げられている気候変動などのグローバルな課題や、東京など先進国の都市が直面する高齢化への対応などを盛り込むべく、他の都市と積極的に調整しております。
持続可能で包摂的な世界の実現に向けまして、G20に対して都市の意欲的なメッセージを発出してまいります。
また、サミットには、世界の主要都市から首長、代表者が集まり、議論を行います。
この場を活用し、都の先進的な施策を発信するとともに、課題解決に向けて都市間の連携を強めてまいります。
○古城委員 ありがとうございます。
開催場所、会場として、この都庁周辺の、大規模会場を有しますホテルで開催をされると伺っております。新宿に住む一人として、このU20、Urban20メイヤーズ・サミットでの東京の大変主体的な、そして意欲的な発信というものに期待をさせていただきたいと思います。
続きまして、先ほども、超高齢社会、高齢化社会に関する話題として、計画に関して質問をさせていただきましたけれども、高齢者に限らず、誰もが健康的で心豊かな生活を送ること、そのための施策を東京都として推進していく、これが大変重要であるというふうに考えてございます。
昨年の事務事業質疑においては、こうした視点に関して、国家戦略特区制度を用いて、いろいろ確認をさせていただいた点でございます。例えば、新宿にも大変多くの大学病院、総合病院が立地をしておりますけれども、医薬品の開発であるとか、また、新宿駅の東西をまたぎまして、歌舞伎町エリア、西新宿エリアの都市計画法、さらには道路法の特例について質問をさせていただきました。きょうは、この点について、進捗の確認を含めて質問したいというふうに思います。
まず、創薬ベンチャーに関する取り組みについて確認をさせていただきます。
創薬ベンチャーは、製薬企業、また支援機関、そして投資家が集積する東京の強みを最大限に発揮していくということで、都として取り組んでいると聞いているところでございますけれども、創薬ベンチャーの方々のお話を伺っておりますと、例えば、二〇〇四年ごろからの取り組みが、ようやく十五年程度をかけて芽吹いてくる、いよいよ形としてなってくるのがまさに本年、こういう時期になろうかと思います。
そうした中で、都が今年度から、創薬ベンチャーの支援に対して、さらに一歩踏み込んだ力強い支援をしているということは評価させていただきたいというふうに思います。
また、いろいろ話をお伺いいたしますと、ぜひとも、人の命を守ることにつながる、健康寿命の延伸に資するような、そういう取り組みを行っているベンチャーを政治の分野からもバックアップしてほしい、こういう声も強く伺うところでございます。
今、東京は、先ほど申し上げましたけれども、東京の強みを生かしながら、都としても、今年度から新たに創薬系ベンチャー育成支援事業を開始しているということでございますけれども、まず、この取り組み状況について伺います。
○米津国家戦略特区推進担当部長 革新的な医薬品や治療手法の創出につきましては、委員ご指摘のとおり、都民、国民の健康長寿の実現に資するとともに、経済の活性化にもつながるものでございます。こうした観点に立ちまして、都は今年度から、創薬系ベンチャー育成支援プログラム、ブロックバスタートーキョーを開始したところでございます。
この取り組みにおきましては、創薬分野などの必要な知識を身につけることができますセミナー形式の研修プログラム、こうしたものがございますけれども、こちらにおいても全国から百名を超える参加者の登録がございまして、延べ約六百名の参加があったところでございます。
また、多くの専門家によります指導、助言や事業会社等とのマッチングなどを行う選抜プログラム、こうしたものがございますけれども、こちらにおきましては、二十チームに対しまして、個別の技術や課題に対応した支援を行います。
今月二十七日には、ビジネスプラン発表会というものも開催する予定でございます。
委員ご指摘のように、製薬企業、投資家などが集積する東京のまさに強みを生かしまして、こうした支援を引き続き実施することによりまして、創薬系のベンチャーや研究者の成長につなげてまいります。
○古城委員 今のご答弁で、るるお示しをいただきましたけれども、創薬も含めてですけれども、新たなイノベーションの創出に向けて、事業者同士の横のつながりであるとか、また、都や国などの関係機関とのネットワークづくりを後押ししていただきたい、このように考えるところでございます。
今、お話があった創薬系ベンチャーの支援事業については、今年度は約八千万円でありましたけれども、来年度の予算案においては、約一億六千四百万円へと規模が拡充をされておりまして、支援をさらに一段と強めていくということでございますけれども、新年度の取り組みについて内容を伺います。
○米津国家戦略特区推進担当部長 今年度実施いたしました育成プログラムに加えまして、研究開発環境整備、それから、大学が保有する機器等の共用促進、合わせて三つの事業を実施いたします。
まず、育成支援プログラムでございますけれども、今年度実施いたしました支援をさらに充実させまして、研究開発に必要なデータ取得を支援する取り組みを行いますなど、創薬系のベンチャーなどの成長を後押ししてまいりたい、このように考えてございます。
また、研究開発環境整備といたしまして、民間企業等が有する研究施設への入居費用の一部を補助いたしますほか、大学が保有する研究機器などをベンチャーなどと共用する取り組みを都内の大学と連携して実施してまいりたい、このように考えてございます。
こうした取り組みを通じまして、創薬、医療分野のまさにオープンイノベーションを活性化させまして、革新的な医薬品や治療手法の実用化につなげてまいりたい、このように考えてございます。
○古城委員 新年度の取り組みとして、民間企業が運営する研究施設への入居費用の一部の補助ですとか、また、大学が保有する研究機器をベンチャーと共用する取り組みをこれから開始されるということでございますが、やはりベンチャー企業の方々の多くのお声の一つとして、高額な実験機器を自前でそろえることが困難である、こういう課題を常々いわれているところでありますので、大いに期待をさせていただきたいと思います。
こうした都の取り組みを通じて、都発で、これから日本でもオープンイノベーションが進展をしていくことを期待するとともに、この支援を受ける企業にかかわらず、オープンイノベーションを創出していくベンチャー企業にあっては、技術を確立していただいて、そして、さまざまなプレーヤーと組んでいただいて、都民の健康、長寿に資する、そういう創薬、医薬品を提供していっていただきたいと思います。
話題は変わりまして、特区の中で、冒頭申し上げました、特に道路法の特例に関する新宿での取り組みについてお伺いをしたいと思います。
昨年の事務事業質疑で、西新宿二丁目及び歌舞伎町一丁目の特区の事例を紹介させていただきました。
そうした中で、歌舞伎町一丁目の新たな複合ビルにつきましては、大変魅力的な施設が多く入るようになってございます。例えば、千五百人を収容するライブホールであるとか、八百五十人規模の劇場、八つのスクリーンを擁する映画館、そしてホテル、これらが入るわけでございまして、こうした施設は、いざというときの一時滞在施設としても開放される予定と伺っております。
この歌舞伎町一丁目の国家戦略特区の指定を受けた再開発計画のすぐお隣といいますか、まさに一体となる敷地、歌舞伎町シネシティ広場でございますけれども、ここで、昨年、国家戦略特区の指定があったというふうに聞いてございます。
そこで、道路法の特例を活用した歌舞伎町シネシティ広場におけるエリアマネジメント団体の取り組みの状況について伺います。
○米津国家戦略特区推進担当部長 歌舞伎町でございますけれども、ご指摘のシネシティ広場を活用いたしまして、オープンカフェや各種イベントの開催など、外国人を含む観光客などの受け入れを促進するため、エリアマネジメントに係る道路法の特例の認定を受けたところでございます。
この認定を受けまして、昨年でございますけれども、十二月二十三日及び二十四日には、認定後初のイベントといたしまして、シネシティ広場を囲む周辺のビルの壁面にプロジェクションマッピングを投影いたしまして、複数の擬人化されたいわゆる建物が物語を語ります「たてもののおしばい 歌舞伎町の聖夜」というイベントが開催されまして、約二千五百名の来街者が新しい形のアート作品を観覧した、このように聞いてございます。
さらに、お話のあった、シネシティ広場に隣接いたします歌舞伎町一丁目地区でございますけれども、昨年六月に都市計画法の特例の認定を受けた都市再生プロジェクトによりまして、屋外ビジョンや屋外ステージの整備が計画されてございます。
こうした民間エリアマネジメント団体である歌舞伎町タウン・マネージメントでございますけれども、将来的に、屋外ビジョンでございますとか、周辺道路などを含めた一体的な活用を図りますことによりまして、さらなるにぎわいを創出できるよう検討を進めている、このように聞いてございます。
○古城委員 特区制度の積極的な活用によりまして、都庁も立地をいたします、ここ新宿のさらなる魅力向上、そして、訪れた来街者の皆さんにとっても本当に魅力あるまちである、それが住む人々にとっても安心していただけるようなまちづくりにつながるものと考えてございます。
ぜひとも、この特区の活用を、関係団体の皆様のご協力もいただきながら、都としても応援をしていただきたい、このように要望させていただきます。
最後のテーマといたしまして、デジタルマネーによる賃金支払いの特区について質問をさせていただきます。
国は、電子マネーを中心とするデジタルマネーを使った賃金支払いを解禁する検討を進めている、こういう報道がことしに入ってからございました。
この狙いとしましては、現金や、また金融機関の口座への振り込みに限定をしています現行の国の枠組みを緩和することで、国際的な流れともなっているキャッシュレス化を推進していくということにあると聞いております。
一昨日の予算特別委員会における我が党議員の質問においても、このキャッシュレスの取り組みについて質問をさせていただいたところでございますが、先日、質問いたしました大松議員とともに、私の地元にあります新宿区の商店街に改めてお邪魔をしまして、お話を伺ってまいりました。
そこで、商店振興組合、商店会の役員の方からいただいたお話は、その商店会が立地する地域に、インバウンドのお客様を数多く受け入れる、そういうホテルがあるけれども、やはり外国から来られた方は、日本での買い物や、また文化を楽しみたい、こういうことから地域の商店街に多く来られていると。
そうした中で、外国人の方がまず聞くのは、現金ではなくてキャッシュレス、クレジットカードで支払えるのかどうか、こういう点、中には、中国からの方々については、特にQRコードを用いたキャッシュレス決済が使えるのか、こういうことを尋ねられるんだという話を間近で聞いてまいりました。
官公庁やさまざまなシンクタンク等が示しているところにもよりますけれども、訪日外国人観光客の日本に対する要望という中で、これまでは、インターネット環境が不十分である、こういった点がありましたけれども、今では、支払い、決済環境が不十分である、こういったところに視点が変わってきているようでございます。
そうした中で、東京都では昨年の三月に、これは外国人観光客ではなくて、これから新たな在留資格の創設によってふえてくることが予想される外国人労働者を見据えて、特に銀行口座の開設がすぐには難しいという事情もあることから、ペイロールカード口座への賃金支払いを可能とする規制緩和を国に提案したと聞いてございます。
このペイロールカード口座を含めて、キャッシュレス化が進んでいく、デジタル決済が普及をしていく、これは大いに期待をするところでございますけれども、この特区の提案について、国との調整状況を確認したいと思います。
○米津国家戦略特区推進担当部長 いわゆるペイロールカードでございますけれども、委員ご指摘のように、被雇用者が銀行等の金融機関の口座を介することなく、デジタルマネーで賃金を受け取るということを可能とするプリペイドカードのことでございまして、現在、賃金は通貨払いというのを原則としているものですから、その実現のためには労働基準法による特例の創設が必要、このように考えてございます。
そこで、都は、ご指摘のように、銀行口座開設を即時に行うことが難しい外国人の方々のための生活環境改善のため、昨年三月に行われました国家戦略特別区域会議におきまして提案を実施したところでございます。
本提案を踏まえまして、昨年十二月でございますけれども、国家戦略特別区域諮問会議の場におきまして、国が検討する主要な規制改革事項等の一つといたしまして、デジタルマネーによる賃金支払いの解禁が取り上げられたところでございます。
現在、私どもの認識といたしましては、厚生労働省を中心に実現に向けた検討、それから関係者との調整が行われているというふうに承知してございますけれども、東京都といたしましても、国と東京都の実務者協議会などの場も活用いたしまして、引き続き、こちらの取り組みの早期実現に向けまして、国へ積極的な働きかけを行ってまいりたい、このように考えてございます。
○古城委員 昨年三月の都の提案を受けて、国としても、特に今、大きく訴えているところであるスーパーシティー構想、こういったことも踏まえて、このペイロールカード、また、キャッシュレスによる賃金支払いの特例というものを特区として進めていこうと、まさに今答弁にあったとおりでございます。
こういったことが進展をしていきますと、例えばですが、昼食、ランチから、家に帰る途中でのお買い物、こういったことまで、一切の現金を必要とすることなく、また、いろいろな付随するポイントも自動処理されるようなキャッシュレス決済が進展していくことにつながると思います。
ぜひとも、都といたしましても、この特区が実現をした際には積極的に手を挙げていただいて、都民の生活に資する、そういう取り組みを推進していただきたい、このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○藤井(と)委員 よろしくお願いいたします。
私からも新長期計画についてお伺いしたいと思いますが、先ほど来、両角先生がかなり詳しくご質疑をされておりましたので、できるだけ重複をしない形で行わせていただきたいと思いますが、若干の通告した内容と異なる点も、微調整をしながら質問させていただきたいと思いますが、ご容赦をいただきたいと思いまず。
まず、これまでの長期ビジョンとの関係についてお伺いをしてまいりたいと思います。
私は率直に、この行政計画というのは非常に多いなというふうに感じていまして、〇〇計画とか〇〇プランとか、いろんな行政計画がある中で、何が大もとであって、どういう関係性にあるのかというのが、いつの間にかよくわからなくなってしまっているというような状況でございます。
現在の長期ビジョンにつきましては、平成二十六年度から平成三十六年度ということでございまして、十年計画でございます。ですので、現在もその計画が残っている中にあって、今回、新長期計画をつくられるということでございます。
これは、知事がかわられたという政治的な背景といいますか、そういったものが多分にあろうかということは十分承知をしているつもりではありますけれども、これまでのビジョンと、そして、今回作成をされる長期計画の関係性というか、それについてお伺いをしたいと思います。
○宮澤計画部長 東京都は、平成二十六年十二月に東京都長期ビジョンを策定いたしました。この長期ビジョンは、東京二〇二〇大会の成功と将来にわたる東京の持続的発展を基本目標として掲げており、平成二十八年十二月に策定いたしました二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、その方向性を継承してございます。
長期ビジョンが二〇二〇年をピークに人口減少局面を迎えるという推計に基づいているのに対し、実行プラン策定時の人口推計では、人口のピークは二〇二五年へと変化してございます。
こうした状況を踏まえ、東京二〇二〇大会後の東京の将来像を描く新たな長期計画を策定することとしたものでございます。
○藤井(と)委員 ただいまの答弁で、特に人口減少のタイミングが五年間後倒しをされたということによって計画をつくり直す必要性がある、そういったご答弁であったと思います。
もし、そういったことであれば、今の長期ビジョンの中で数字を入れかえていくというような対応、計画をローリングさせていく形で入れかえるというような対応でも、場合によっては可能であったのかなとも思うわけでございますけれども、新長期計画をつくるに当たって、数字を入れかえるということだけではなくて、しっかりこの意義づけをしていくということが大切なのかなと思うわけでございますけれども、新たに長期計画をつくられることの意義についてお伺いをしたいと思います。
○宮澤計画部長 今後、二〇二五年以降の人口減少やさらなる高齢化など、都政を取り巻く環境の変化を見据えながら、東京二〇二〇大会のその先の東京の姿をより長期的な視点で示していく必要があるというふうに認識してございます。
そのため、東京二〇二〇大会を迎える前の年内を目途に、新たな長期計画を策定することとしたものでございます。
また、東京二〇二〇大会のレガシーを生かした新たな都市像、それから、来るべき少子超高齢社会を迎えます、そういった情勢を的確に反映する計画にする必要もあるというふうに認識してございます。
○藤井(と)委員 ありがとうございます。
これから質問する内容は通告していない内容なんですけれども、先ほど来、両角理事からもお話もありました、この期間についてお伺いをしたいと思うんですけれども、やはり、十年のスパンで計画をつくられるということでございまして、十年後はどういう姿になるのかということを責任を持って姿を示せる人というのは、多分、ここにいる誰も、一人もいないわけでありまして、やっぱり計画としての期間としては、十年間というのは、やや長過ぎるのではないかなと思うわけでございます。
長期計画の類いというのは、十年というのが常識というか、一般的なものだということは承知をしているわけでありますけれども、例えば、知事の任期は四年ごとであるわけでございますけれども、八年とか、知事の任期に合わせて計画をつくっていくだとか、十年ではなく、より短く、そして、知事の政治責任、責任の所在を明確にしていくという観点でも任期に合わせていくといった対応も、私は柔軟に考えていただきたいなと思うわけでございます。
仄聞するところ、長期計画をつくるというのは、これまでは行政の法定の事務としてやられていたそうなんですけど、今は、つくるかつくらないかということも含めて、自治体の判断でできるということでございますので、これからせっかく新長期計画をつくるということでございますので、これまでどおりの十年とかいう、行政の期間に対する常識みたいなものにとらわれないで、そういった責任を明確にしていく、あるいは、もう少し予測できる範囲で計画をつくっていくなどの柔軟な対応も必要なのかなと思うわけでございますけれども、期間についての考え方をお伺いしたいと思います。
○宮澤計画部長 先ほど局長も答弁申し上げましたとおり、計画の期間、いわゆる総合計画というものを講学的にもう一度申し上げますと、基本構想とこれに基づきます基本計画、それから実施計画という三本から成るというふうにされてございます。
おおむね十年間の地域づくりの方針を示します基本構想を受けまして、大体、五年程度の行政計画でございます基本計画、それから、三年程度の具体的政策を示す実施計画、この三つを合わせまして、いわゆる総合計画とされているというのが講学上の定義でございます。
今、委員ご指摘のとおり、平成二十三年の自治法改正によりまして、基礎的自治体である区市町村の総合計画の策定義務というものはなくなりましたが、基本的には、どの団体も、その法の改正後も、条例を根拠に基本構想を策定しているというのが現状でございます。都道府県も同様でございます。
正直に申し上げまして、計画の期間が何年がいいのかということに関しましては、正解はございません。ただ、先ほども申しましたとおり、二十年、三十年というのは余りにも長過ぎる。現状では、これだけ技術革新のスピードが激しい中におきましては、誰もその将来を予測することは難しいということがございます。十年でございましたら、我々もある程度、現状の土台に立ちまして将来推計が可能である、人口推計も当然でございますが、技術的なことも、ある程度予測がつくというふうに考えてございます。
したがいまして、基本的には、この十年をスパンとする長期計画を策定することに合わせまして、三年から四年を計画とする実施計画、この二段構えで行くというのが最も現実的であろうというふうに考えてございまして、その方針に基づいて東京都はこれまで計画を策定し、運用してきたという歴史がございます。
我々といたしましても、計画はつくって終わりということは決して考えてございません。十年の計画に合わせまして作成しました実施計画、これは毎年ローリングをすることによりまして、その達成度、KPIと呼ばれておりますが、その数値の達成状況を定期的に着実に確認し公表する、それを都民の皆様にもわかりやすくご説明する、こういったサイクルを繰り返すということが、最も現時点では妥当であろうというふうに考えているところでございます。
○藤井(と)委員 前向きに取り組んでいくというようなご答弁がありましたので、ぜひ期待をしたいと思います。
質問の冒頭に申し上げましたとおり、本当に行政計画というのはいろいろあり過ぎるというか、非常にありまして、政策企画局関係だけでも、長期ビジョン、実行プラン、そして東京都総合戦略、二〇二〇改革プランということでございまして、どこに責任を持っていくのかということもなかなか見えづらかったり、計画間の関係というのも不明瞭だったり、わかりづらかったりということもあろうかと思います。
何より、現場で働いている職員さんにしても、我々議員にしても、私たちは今どういう状況で仕事をしているのかということが、実は余りよくわからないというか、大目標がわからない中で仕事をしてしまっているというような状況も多々起きてしまうと思いますので、計画間の関係なり--長期計画というのは、本当にもう東京都の顔というんですか、計画の顔といえるものでもあろうかと思います。
先ほど来、長期ビジョンをブレークダウンした形の実行プランをレビューしているから大丈夫だというような話がありましたけれども、計画の顔といえるこの新長期計画について、私も議員になる前に、東京都はどうなっているのかなと調べたとき、やっぱり長期計画を見たんですね。長期ビジョンを見て、特養をいつまでに何万床つくるというようなことが書いてあって、これが東京都の目標なんだなと思って、私も議員になる前に見ていましたので、この計画が実際、達成されたのかどうかということも、しっかりPDCAサイクルを回していくというのが小池都政の一つの方向性だと思いますので、この点もしっかり取り組んでいただきたいなと思います。
次の質問項目に移らせていただきたいと思います。メイヤーズ・サミットについてお伺いをします。
こちらも、実は、先ほど来とかぶってしまって、質問が重複してしまっているのですけれども、こちらは、五月二十日から三日間、ホストシティーとして、三十都市、そして、オブザーバー都市として二十都市を招待されているということでございます。
G20の方は、大阪で、テロ対策だとか宿泊サービスなり、輸送の確保だとか、もうてんやわんやだというのは、私、友人の議員から、そういったことを聞いたことがあるんですけれども、東京のこのメイヤーズ・サミットについては、どのぐらいの規模感の話なのか。
そして、私が今、例示として挙げさせていただきました輸送だとか宿泊サービスについて、何か課題として考えておられることがあれば、お伺いをしたいと思います。
○丹羽外務担当部長 現在のところ、U20メイヤーズ・サミットに参加の意思を表明しておりますのは、二十五都市ございます。全体の参加人数は、都市からの参加者と関係する国際機関などからの参加者を含め、二百人から二百五十人程度を見込んでおります。
参加者の利便性に配慮しまして、サミットの会場と参加者の宿泊場所を同じホテルにいたしました。
今後、会場となるホテルや輸送等を受託する事業者とも十分調整し、会議のスムーズな運営に努めてまいります。
○藤井(と)委員 ありがとうございます。議長都市でもありますので、しっかり行っていただきたいなと思うわけでございます。
東京は二〇二〇年にオリンピックを控えているということでございまして、東京がそのような実情にあるということは、ほかの都市の皆さんもわかっておられるわけでございまして、オリンピックを、まさに一年後に開催する都市だというような見られ方をすると思います。その意味では、東京の都市としてのプレゼンスをしっかりPRしていくという、そういった機会でもあろうかと思います。
私たち東京も、オリンピックを控えて、いろんな課題が今、山積をしているわけでございますけれども、そういった都市が抱えている課題というものをしっかり共有していくというような機会になろうかと思いますし、さらに、他都市をおもてなしをしていくという意味合いにおいては、例えば東京にちなんだ食だとか、あるいは歴史のようなものを生かしたおもてなしをやっていく、こういった重要な機会にもなろうかと思うわけでございますけれども、この点、検討されていることがあれば、お伺いをしたいと思います。
○丹羽外務担当部長 U20メイヤーズ・サミットは、世界の主要都市から首長、代表者が集まる大きな会議であることから、東京のプレゼンスを存分に発揮するよい機会であると認識しております。
サミットで採択される成果文書には、気候変動対策や高齢化対策など、都が意欲的に取り組む事項を盛り込むべく、他の参加都市と積極的に調整しております。
また、サミットの場では、都の先進的な施策を発信してまいります。
東京の魅力を海外の方に伝える取り組みといたしましては、和を感じさせる会場で知事主催のフェアウエルレセプションを実施し、東京産食材を利用した食事の提供や、東京の伝統文化、また東京二〇二〇大会の紹介などを行う予定でございます。
○藤井(と)委員 G20に対して都市としての意見を集約する場所であるというようなことは、私、十分理解しているつもりでありますけれども、それだけではなくて、東京都として、オリンピックの問題だとか、あるいは東京の価値を、プレゼンスを発揮していく、PRをしていく、そういった機会にぜひしていただきたいなと思います。取り組みにぜひ期待をさせていただきたいと思います。
次の質問に移らせていただきたいと思いますが、稼ぐ力の強化に向けたソサエティー五・〇についてお伺いをしてまいりたいと思います。
こちらの資料を拝見いたしまして、ソサエティー五・〇の実現に向け、民間のイノベーションを後押ししながら、都独自の社会実装モデルを構築していくということでございまして、かなり大きな話をされているなというふうに思うわけでございますけれども、この社会実装モデルというのは、具体的にどういったことを東京都として考えておられるのかについてお伺いをしたいと思います。
○米津国家戦略特区推進担当部長 来年度設置を予定してございますソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会でございますけれども、こちらにおきまして、東京の稼ぐ力の中核となる第四次産業革命の社会実装モデルのあり方を検討してまいります。
この検討と並行いたしまして、デジタルデータの蓄積が進み、かつ新たなサービスの創出や需要拡大などにつながる可能性が高い、こうした観点から、先行的に、いわゆるMaaSとデジタル地域通貨についてモデル実証を実施する予定としてございます。
○藤井(と)委員 ちょっとこれ、質問としては通告していないんですけれども、このMaaSなりデジタル地域通貨についてでございますけれども、これを政策企画局が中心となって進めていくにしても、これ、都庁の中で、都の職員さんの中で、この分野についてのノウハウというのがなかなか、現在はないというか、蓄積されていないのかなと思うわけでございますけれども、これは実際には、何らかの民間の事業者さんに、そういった取り組みをしてもらうようにお願いしていくような形になるのか、それとも、あくまで都がイニシアチブを発揮しながらやっていこうとされているのか、どういった形を描いておられるのか、もしおわかりになれば、わかっている範囲でお教えをいただきたいと思います。
○米津国家戦略特区推進担当部長 お答えいたします。
先ほども申し上げましたとおり、本件、ソサエティー五・〇の実現に向けた検討会でございますけれども、例えば、先ほどお示しをいたしました一つの分野であるMaaSでございますけれども、私どもとしては、もちろん、こちらの社会実装モデルを構築したいということでございます。
ご指摘のように、モビリティーでございますので、こうした社会実装にあっては、一つは、それぞれの地域の移動ニーズというものがどこにあるのかということを、もちろん私どもとしては、地域ごとのニーズというのをしっかり把握していくということも必要でございます。
また、ご指摘のように、さまざまな事業者の方々、いろんなお取り組みをもう既にされているわけでございますけれども、こうした取り組みをいかに複合的に、また、サービスとして高度なものとして発揮していただくためには、もちろん、民間事業者の最大限のご協力をいただかなきゃいけないという視点も大事だと思ってございますので、私ども東京都において、こうした皆様のお力添えをいただきながら、高いサービスが実現できるよう、ひとつ、旗振り役といたしましても、いろんなお声を聞きながら進めてまいりたい、現時点でこのように考えてございます。
○藤井(と)委員 行政が産業を活性化させていく、そういった関与の仕方というのは、なかなか戦後のあり方を見ていても、私、実は難しいなと思っていまして、産業に対して行政が過度に関与すれば関与するほど、かえって競争力を失ったりとか、そういったことも多々起きてしまうこともあろうかと思っていますので、この点、あくまでも民間の事業者さんの取り組みを引き出していくというか、サポートしていくということに東京都は徹していただきたいなと思うわけでございます。
今回のこの稼ぐ力の強化に向けた取り組みということでございますが、具体的に、MaaSなりデジタル地域通貨のモデル実証というものを通じて、じゃ、この稼ぐ力、稼ぐ力というのは、今、はやり言葉になっているわけでございますけれども、どのような形で稼ぐ力につながっていくというふうに想定をされているのか、見解を伺いたいと思います。
○米津国家戦略特区推進担当部長 先ほどもご答弁いたしました、AIやビッグデータなどを活用します、いわゆる第四次産業革命技術の活用ということでございますけれども、委員のご指摘にもございましたように、まさに民間企業のイノベーションを後押しして、新たなサービスの創出や需要拡大、生産性の向上につなげてまいりたいというふうに考えてございます。
例えば、先ほど来、議論になっておりますMaaSを例にとりますと、こちらの取り組みを進めることによりまして、一つは、交通手段の最適化が図られまして、都内の移動の利便性ということが向上するということが挙げられると思います。
また、移動に関するさまざまなビッグデータというものを有効に活用することを通じまして、例えば観光案内でございますとか、飲食店の検索や予約、さらには、周辺施設に関するクーポンの配布など、さまざまな取り組み、付随的なサービスの創出ということが期待されるわけでございます。
このように、移動に関するビッグデータを有効に活用することによりまして、それによらずとも、日々大量に生成されるデータを新たなビジネスチャンスにつなげるような支援ということを推し進めてまいりたい、このように考えてございます。
○藤井(と)委員 なかなか大きな話で、どのような形で関与していくのかというのは、まさに試行錯誤されていくということだと思いますが、意欲的な取り組みをされるということは、これはいいことだと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいことを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○山内委員 質問させていただきます。
超高齢社会における東京のあり方懇談会が、これまで六回にわたり開催され、政策提言がなされました。
超高齢社会における東京のあり方懇談会はどのように行われたのか、お伺いいたします。
○宮澤計画部長 超高齢社会における東京のあり方懇談会は、持続可能な地域のあり方を検討し、今後の政策展開に資することを目的として、二〇一七年十一月に設置し、六回にわたって、各分野の専門家による幅広い視点からの議論を行ってまいりました。
懇談会では、委員による議論に加えまして、先進的な取り組みを行っているNPOや社会福祉法人、デザイナー、都市プランナーなどから、現場の実態や活動内容、その成果についてヒアリングを行うとともに、視察を実施するなど、精力的に活動をしていただきました。
その結果、昨年九月には、懇談会における議論を取りまとめた政策提言として、「TOKYO BEYOND二〇二〇-世界に先駆ける長寿社会-」を発表したところでございます。
○山内委員 懇談会では、超高齢社会における東京の状況をどのように把握しているのでしょうか。
また、その状況を踏まえて発表された政策提言について、そのポイントをお伺いいたします。
○宮澤計画部長 懇談会では、東京が既に超高齢社会にあり、二〇三五年には都民の四人に一人が高齢者になるという状況のもとで、介護サービスや医療のニーズの増加、社会保障関係経費の増加等への懸念や生産年齢人口の減少、地域のつながりの希薄化への対応の必要性などが指摘されました。
政策提言は、こうした中においても、持続的成長が可能な東京を目指して、都として取り組むべき政策の方向性をお示しいただきました。
具体的には、実情に即した地域づくりに向けた多様な主体の発見、育成、多世代、多種多様な人材が活躍できる地域づくりの促進、多様な高齢者の社会参加の促進、デザインやイノベーション、ICTの活用、地域づくりに有効な土地、建物利用の検討の五つのポイントが提示され、行政、NPO、大学、民間事業者などが主体となり、各地域で多世代、多文化の共生、高齢者の社会参加、育成等を進め、多様で持続可能な地域づくりに取り組むことが重要とされたものでございます。
○山内委員 政策提言発表後、都ではどのように取り組み、政策提言の内容が実行プランの政策の強化にどのように反映されているのか、お伺いいたします。
○宮澤計画部長 政策提言は、高齢者の社会参加、ICTの活用、まちづくり、土地利用など、多岐にわたる分野に及んでおりますので、全庁横断的な取り組みが求められます。
そのため、副知事をトップとして関係各局で構成される超高齢社会対策検討本部を開催し、各局に政策提言の趣旨、内容を踏まえた施策検討の依頼を行い、各局において、予算編成と連動しながら検討を進めてまいりました。
その結果、本年一月下旬に発表した実行プランの政策の強化版や、平成三十一年度東京都予算案には、政策提言に関連する事業を盛り込んでございます。
○山内委員 提言のポイントに、多世代、多様な人材が活躍できる地域づくりの促進とあり、高齢者のためだけの制度設計ではなく、多様な世代が参画する社会モデルが必要としています。
都の見解をお伺いいたします。
○宮澤計画部長 政策提言では、多世代、多文化共生など多様な人材が活躍できる地域づくりの促進や、高齢者となる前から退職後の人生を考えることができるよう、リカレント教育の普及やプロボノの促進など、現役世代に向けた内容が提示されてございます。
今後、東京において持続可能な地域をつくるためには、高齢者のみならず、留学生を含む学生やシニア予備軍など、さまざまな人材の活躍が重要でございます。
そこで、平成三十一年度予算案には、シニア予備軍に地域で活躍してもらうための施策や、多世代交流を促進する施策、外国人との共生を進める施策等を盛り込んでございます。
○山内委員 また、地域モデルについて、大規模住宅団地における住民の高齢化と建物の老朽化、タワーマンションで中長期的に懸念されている問題等が指摘されました。こうした課題は、買い物難民やかかりつけ医のない地域対策など、都市整備局だけでなくて、福祉保健局や医療などの全庁を挙げて、財政等も含めて政策的に取り組んでいかなくてはならない重要な課題です。
都の見解をお伺いいたします。
○宮澤計画部長 政策提言では、四つの地域モデルとして、大規模住宅団地、郊外のベッドタウン、低所得など支援が必要な高齢者が多い地域、過疎化が進む地域が挙げられ、それぞれの課題が指摘されました。
空き家や老朽化マンションへの対策、多摩ニュータウンの再生、高齢者の活躍促進等の課題については、これまでも、各局との連携のもと、スピード感を持って取り組む体制を構築し、政策化を図ってまいりました。
少子高齢化が進んでいく中で、さまざまな新たな課題が生ずると想定されております。今後とも、各局連携のもとで必要な取り組みを進めてまいります。
○山内委員 まちを歩いておりますと、私の住んでいる多摩地域は、二十三区と異なり、少子高齢化の進んでいる地域、住んでいる方の生活状況の変化などが見えてきます。集合住宅団地の住民の高齢化同様に、戸建て住宅地も、開発された時期に同じ世代の方が住み続け、同じように年を重ね、空き家、空き店舗が点在しています。
そのエリアを、まち全体としてどう位置づけ、まちづくりをしていくかは、市民を含め、区市町村が率先して行うべきですけども、残念ながら、自治体の力、財源だけではできないのが現状です。
少子超高齢社会におけるまちづくりは、提言にあるように、高齢者のためだけの制度設計ではなく、生活の質を高めるチャンスと捉えて、都や自治体も積極的に関与し、多世代、多様な人々が参画するまちづくりの政策にするよう求めておきます。
実行プランの政策の強化についてお伺いしたいと思いますが、実行プランの「三つのシティ」の実現に向けた政策の強化の策定に際して、都立高校生等の生徒さんの意見も聞いていますが、どのような経過のもと、どのような手法で意見を聞いたのか、お伺いいたします。
○宮澤計画部長 本年一月に策定した実行プランの政策の強化に際しまして、昨年度に引き続き、都民や区市町村等からの意見、アイデアを反映するための工夫を施しており、昨年九月七日から約一カ月間、実行プランに関する今後の取り組みについて意見募集を行いました。
特に、未来の東京を担う若者の貴重な意見を聞くとともに、その社会参画意欲を育むことを目的として、東京都教育庁の協力を得て、学生からの意見募集に関する都立高校への呼びかけを行いました。
その結果、都立高校十九校及び都立高校附属中学校一校から、計八百五十人、千六百九十八件の意見を頂戴いたしました。
○山内委員 どのような意見が出されたのか、お伺いいたします。
○宮澤計画部長 新しい東京を実現する三つのシティーに関しまして、日常生活を通じて感ずる不安や気づきなど、さまざまな意見をいただきました。
以下、三つのシティーごとにご紹介申し上げますと、セーフシティーに関しましては、東京二〇二〇大会を安心して観戦するための耐震化を進めることや、豪雨のニュースをよく見るため、土砂崩れに関して、もう少し対策ができたらよいなど、防災への高い関心がうかがえる意見を頂戴しました。
また、ダイバーシティーに関しましては、夫婦ともに働く家族がふえていくと思うので、夜遅くまで子供を安心して預けられる場所をもっとつくるべきですとか、子供たちが苦しいときに助けを求められる場所が欲しいなど、生活に根差した意見もいただきました。
さらに、スマートシティーでは、火力発電所を減らして再生可能エネルギーを使ってほしいですとか、最先端技術やイノベーションについて研究の場を設け、規制緩和等で研究を進めやすくすることなど、環境に関する関心や先端技術の活用に向けた意欲的な取り組み、こういった幅広い意見を頂戴いたしました。
○山内委員 新たな長期計画の検討を進めるということですけれども、議会での知事の施政方針の中で表明されましたけれども、この検討に際しても、若者の意見を聞いていくことが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。
○宮澤計画部長 東京の未来は、次世代を担う若い世代にかかることから、若者の意見の収集、政策への反映、社会参画の促進など、将来に向けた計画づくりに際して、若者の意見を聞くことは重要と認識してございます。
これまでも、実行プランの策定時に、職員が都立高校に直接出向き、プランのコンセプトや主要政策の方向性を教材として、生徒が東京の将来について考える出前授業を実施するなど、若者の意見を聞く場を設けてまいりました。
今後進める新たな長期計画の検討に際しましても、若者の社会参画意欲を高め、東京の未来に関心を持つきっかけとしていただけるよう、こうした機会を設けていくことを検討してまいります。
○山内委員 高校生の意見を聞くことは、将来を担うというスタンスだけではなく、今現在の社会を構成している一員として、東京のまちづくりに参画するという認識が必要です。今後とも、政策の実現のために、子供、若者、女性等、多世代、多様な人々の意見を聞くことを要望いたします。
最後のテーマといたしまして、在京大使館等との防災における連携についてお伺いしたいと思います。
在住外国人や外国人観光客が増加しています。災害の多い東京では、発災時の外国人支援の視点が大切です。災害が発生したときには、在住外国人、観光で訪れた外国人への情報の提供や各種サポートでは、在京大使館等が大きな役割を果たします。そのため、都も、日ごろから在京大使館等と密に連携をしていくことが重要と考えます。
外交官は三、四年で交代するために、東日本大震災を体験した多くの外交官が既に日本を離れており、地震が発生したときの状況を知らない人が多いと聞いております。地震や災害が発生した場合の適切な行動を理解し、自国民に情報を発信していただくことも重要です。
そこでまず、大使館等に都の防災施策や発災時の対応についてきちんと周知し、理解しておいていただくことが大切と考えますが、見解をお伺いいたします。
○丹羽外務担当部長 災害対応におきまして、自国民保護を担う在京大使館等と都が連携することは大変重要でございます。
そのため、平成二十七年度から、在京大使館等の防災担当官を対象とした防災施策説明会を実施しております。
説明会では、庁内の関係各局や外務省などから、都の防災対策や大規模災害時の対応、外国人旅行者に対する災害時の情報提供や国民保護、東京二〇二〇大会の安全・安心確保などについて説明しております。
近年、在住外国人や訪都外国人が増加しておりまして、防災分野における都と大使館等との連携はさらに重要となっていることから、今年度より、説明会を二回実施することといたしました。
○山内委員 日本は、地震を初め豪雨や水害など、多くの自然災害を経験していますが、在京大使館等の職員の方々は世界各国から集まっているため、実際の災害の経験がない、あるいは、ほとんどない方もいらっしゃるのではないかと思います。
そこで、大使館の方々に高い防災意識を持っていただくために、情報提供にとどまらず、どんな災害があるか知っていただくことも有用と考えますが、見解をお伺いいたします。
○丹羽外務担当部長 先ほど申し上げました防災施策説明会に加え、より多くの在京大使館等の職員の方に、災害の疑似体験を通じて発災時の対応を実際に身につけていただくため、都民向けの防災教育施設である東京消防庁の本所防災館視察の機会を設けております。
例年、参加者から好評をいただくことから、今年度から、より多くの参加者を受け入れるようにしたほか、東京消防庁が新たに導入したVR防災体験車を活用するなど、内容の充実を図っております。
○山内委員 実際に大災害が起きたときのことを考えますと、在京大使館等は、在住外国人、また外国人観光客にとって貴重な情報源であり、支援機関です。そのため、都と大使館との間で情報がスムーズに流れることが大変重要です。
東京都に災害対策本部が立ち上がった際に、大使館等との連絡窓口になるのは政策企画局であると承知しておりますが、発災時の備えをどのように準備しているのか、お伺いいたします。
○丹羽外務担当部長 都と在京大使館等との間では、発災時の情報連絡体制の確保を目的に、平成二十年度から通信訓練を実施しております。年に一度の平日昼間の訓練に加えまして、今年度から夜間訓練も行っております。
在京大使館等より、あらかじめ提供された連絡先に、都からメールやファクスを一斉に送信し、発災時の手順を相互に確認しております。
連絡がとれなかった大使館等に対しましては、後日、都から個別に状況を確認するなどして、全ての在京大使館等との連絡体制を確保するよう努めております。
今後とも、防災分野における都と在京大使館等との連携強化に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
○山内委員 東京には、百五十八カ国、地域の在京大使館等があります。防災連絡会として防災施策説明会や防災関連施設の視察などを行っているというご答弁をいただきましたが、残念ながら、出席は、そのうち半分にも満たないかと思います。
災害対策は重要な課題であり、総務局や生活文化局、産業労働局等、さまざまな部署で取り組んでいますが、発災時の避難誘導の情報の多言語化が進んでいるとはいうものの、英語、中国語、韓国語にとどまっているのが現状です。
そして、災害用語や避難用語などの日本語は難しくて、翻訳するのに苦労するとの指摘もあることから、生活者ネットワークは、「やさしい日本語」にする取り組みを長年求めてまいりました。
地震のない国、少ない国もあり、災害や避難に関する知識や経験が不足していることで適切な避難ができなかったり、文化や習慣の違いから、食事や生活面での配慮が必要だったりすることは、北海道の地震や関西国際空港の台風による災害の際に、課題として明らかになったかと思います。
都は、こうしたさまざまな情報を収集して、災害時の外国人支援を充実させることが重要であり、在住外国人の方々に外国人観光客への支援の担い手となっていただけるような仕組みをつくることが必要と考えます。在京大使館等との情報交換の拡充と、他局の施策との連携を求めたいと思います。
今回は、その一つの提案といたしまして、在住外国人、観光で東京に訪れる外国人が、災害対策に関して、どのような情報をどのように提供されることを求めているのか、当事者ニーズを把握するためのアンケート調査を、総務局等と連携して、在京大使館等を通じて、窓口として政策企画局がともに行うことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○藤井(あ)委員 本日、最後の藤井でございます。
一部、ほかの委員とも重なっているような、重なっていないようなところ、削れるところは削っていきたいとは思うのですが、どうぞよろしくお願いいたします。
東京の稼ぐ力の強化に向けたテクノロジーの活用などに関して質疑をさせていただきます。
昨年末に発表されましたOECDの労働生産性に関するレポートによりますと、時間当たりの労働生産性で見ると、日本は、OECD加盟三十七カ国中、二十位で、G7、先進七カ国で見ると、一九七〇年から五十年近く最下位でございます。労働生産性の向上というのは、長らく課題となっていますが、改善していない現状があるかと思います。
人口減少、少子高齢化が進む日本経済が成長するには、生産性の向上、これが必ず必要になります。
東京は、激化する都市間競争に打ち勝ち、日本の成長のエンジンであり続けるためにも、生産性、つまり稼ぐ力であると思いますが、これを強化することが不可欠でございます。
都は、稼ぐ力の強化に向けた予算を、来年度、平成三十一年度に見込んでおりまして、熾烈な国際競争に打ち勝つための成長戦略の展開を初め、東京に集積する資源を活用しながら、革新的技術が秘める可能性を引き出し、日本が目指すべき新たな社会の実現を先導していくための施策展開をするとのことで、大変期待をしております。
稼ぐ力を考えるときに、現在、現代ですと、データは現代の石油ともいわれておりまして、ビッグデータを制する企業というのが世界で存在感を示しているところでございます。
グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルを総称したGAFAといったところであったり、中国では、BAT、バットと呼ばれる三大IT企業、アリババやテンセント、今申し上げたような企業というのは、時価総額の世界のトップテンを占めている企業になっています。
これらの企業の共通点というのは何かと申しますと、ユーザーが持っているさまざまなデータを保有して、それをもとにビジネスを展開するということでございます。つまり、これはデータが稼ぐ力の源泉になっているということでございます。
少し話は変わります。先ほど両角理事からドッグイヤーというような話もありましたが、私も、GAFAではございませんが、マイクロソフトという企業で働いていたことがございまして、世の中の変化に対応するために、その会社では毎年のように組織が大幅に変更されていたり、新しい製品というものが出てまいりました。
変化や新しいものに対応するという点で、働いていたときには非常に大変な面もあったのですが、それくらいの大きな社会の変化が起きていて、その変化も速いというところ、そして、その変化の最前線にいるITの企業は、変化に対応できない企業というのは生き残っていくことができないというところでございます。
都市も、そういった激変する社会の変化に素早く対応できなければ、競争力を急激に失っていってしまいます。そのような世の中になっているという認識が、まず必要ではないかと思います。そして、政策企画局には、都の変化をまさに先導するということを期待するところでございます。
そういった前提で、以下、東京の稼ぐ力の強化に向けた質疑を行わせていただきます。
まず最初に、来年度の新規の施策でございます、稼ぐ力の強化に向けたソサエティー五・〇の実現加速のための調査検討に関してお伺いをしてまいります。
政府は、AI、IoT、ビッグデータ等の先端技術を活用して、サイバー空間、仮想的な空間と現実空間を高度に融合させたシステムによって、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会をソサエティー五・〇と定義をして、日本が目指すべき未来の姿として提示をしているところでございます。
都では、稼ぐ力の強化に向けて、このソサエティー五・〇を実現加速するための検討会をこれから設けていくということですが、都では、いろんな懇談会等があるかと思います。東京未来ビジョン懇談会、ICT先進都市・東京のあり方懇談会、また、東京ベイエリアビジョンの検討に係る官民連携チームといった、有識者による東京や日本の成長について検討する場が既にあるところです。
来年度に開始をします、このソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会は、それらとどういった違いがあるのか、お伺いをさせていただきます。
○米津国家戦略特区推進担当部長 来年度設置を予定してございます、ご指摘のソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会でございますけれども、東京の稼ぐ力の中核となります第四次産業革命の社会実装モデルのあり方、こういうことに焦点を当てまして、東京の目指す姿や今後の施策展開の方向性を検討するものでございます。
また、お話のございました、例えばICT先進都市・東京のあり方懇談会というものでございますけれども、こちらにおきましては、東京の持続的成長を支えるICTのあり方を議論いたしまして、三つのキーワードを掲げた提言が示されているところでございます。
そのキーワードの一つとして、先ほどご指摘のあったデータということがございまして、この提言を踏まえて策定いたしました東京都ICT戦略におきましても、データを活用することを、その柱の一つとして据えているところでございまして、私どもが今後取り組んでまいりますソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会では、これらデータの重要性や有益性という認識のもとに、さらに、データ連携などに関する施策の具体化というものを検討してまいりたいというふうに考えてございます。
また、委員のお話にもございました東京未来ビジョン懇談会でございますけれども、こちらにつきましては、二〇五〇年ごろの東京の未来像について、若手有識者に自由な議論をしていただく場ということでございます。
また、東京ベイエリアビジョンの検討に係る官民連携チームでございますけれども、こちらにつきましては、ビジョンの策定に向けまして、若手有識者と都の若手職員がともに議論を行うことによりまして、庁内検討委員会への提案を行うために設けたものでございます。
いずれにしましても、私どもといたしましては、こうした場での議論の成果も踏まえながら、ソサエティー五・〇の実現に向けて、具体的な施策の検討を本検討会で行ってまいりたい、このように考えてございます。
○藤井(あ)委員 対象としている期間であったりとかエリアに違いがあるということ、そして、ご答弁にありましたとおり、本検討会では、第四次産業革命の実装に向けた、稼ぐ力の強化のための実現、実行するというところに注力しているということがわかりました。よりその実現性が高いものにしていってほしいと思います。
東京都ICT戦略では、先ほどありましたが、ビッグデータの活用やICT化の推進を図っていて、今回の検討会の中身に近いようにも思えます。あわせて、政府の成長戦略では、ソサエティー五・〇がその中核にまさに位置づけられているところでございまして、重なりがあるようにも思えるところです。
そういった状況の中で、東京都が今般、この検討会をあえて立ち上げた意義というものについて、改めてお伺いさせていただきます。
○米津国家戦略特区推進担当部長 先ほど委員からもご指摘がございましたけれども、世界の各都市が第四次産業革命技術の社会実装にまさにしのぎを削っているという中でございまして、東京がこの都市間競争を勝ち抜いていくためには、スピード感を持って、AIやIoTなどを活用した社会実装モデル、こういうものを早急に構築していく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
そういう意味では、こうした先端技術というものは、ご案内のように、やはり実地で試されていくということで精度が上がってくるものでもございますので、さまざまな現場や地域を持つ私ども東京都において積極的に活用していく意義というのは、ひとつ大きいのじゃないかなというふうに思います。
こうした観点から本検討会を立ち上げまして、先端技術を活用した今後の施策展開の方向性などについて取りまとめてまいりたいというふうに考えてございます。
○藤井(あ)委員 激化する都市間競争に打ち勝つために、早期に社会実装を実現して、実地で活用する中で進化していくということを期待しております。
そのためにも、この検討メンバーや体制というのは、非常に重要なものであると認識をしております。
この検討会の委員の選定の考え方、そして、検討会のスケジュール、主要な検討テーマについてお伺いさせていただきます。
○米津国家戦略特区推進担当部長 まず、検討会のメンバーでございますけれども、都が解決すべき課題に即しました、例えばICTでございますとか経済等の分野に高い見識を持つ有識者や専門家などの方で構成する方向で、今、検討してございます。
また、検討会のスケジュールでございますけれども、現在のところ、来年度、開始をいたしまして、五回程度開催いたしまして、夏ごろには中間報告、年度内には最終報告を取りまとめる予定としてございます。
また、本検討会では、先行的に、先ほどもございましたけれども、次世代モビリティーサービスでございますMaaSでございますとか、キャッシュレス決済サービスとして注目されるデジタル地域通貨、さらには、データ連携の基盤でございますデータプラットホームなどについて検討してまいるというふうに考えてございます。
○藤井(あ)委員 夏に中間の報告、そして、年度内に最終報告をまとめるということですが、一点、要望がございます。本検討会では、都側でそういった、報告書で出てくる先進的な内容も含めて、きちんと受けとめて実行できる体制をきちんとつくってほしいというところを要望させていただきます。
また、社会実装の実現、実行が本検討会の大きなテーマなので、委員の選定には、学者さんだけではなくて、実務家も入れていただくことを要望させていただきます。特に、その主要な三つのテーマについても、それぞれの専門家が必要だと思いますので、その点もご考慮をお願いいたします。
今、ご答弁いただきましたが、本検討会におきまして、MaaS、デジタル地域通貨、そして、データプラットホームを主要な検討テーマに選んでいるということですが、その理由についてお伺いいたします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 本検討会の検討テーマの選定でございますけれども、視点といたしまして、デジタルデータの蓄積が進んでいる分野でございますとか、また、ビジネス市場の創出、需要拡大等につながる可能性が高いと思われる分野に重点を置きまして、例えばMaaSとデジタル地域通貨についても、委員もご指摘のように、実証実験も実施いたしながら社会実装に向けた検討を進めていく、このようにしてございます。
また、新たなビジネスチャンスを生む、まさにデータが命ということになってまいりますけれども、データ連携の基盤となりますデータプラットホームの導入についても検討してまいる、このように考えてございます。
○藤井(あ)委員 三つの主要なテーマというのは、どれもデータであったりとかビジネスと関連するものでして、冒頭に述べましたとおり、データは、まさに現代の石油であるというところ、データから東京の稼ぐ力を発展させるものだというふうに理解しております。本検討に当たりましては、上記の三つのテーマ以外にも、ソサエティー五・〇の実現のための検討をしていくべきと考えます。
先日、我が会派の鈴木都議の一般質問に対して、オープンガバメントについても検討していくという答弁があったかと思います。私は、昨年の第三回定例会の一般質問で、IT、テクノロジーを使ったスマートシティーの都市間競争が起きているという、そういったお話をさせていただきました。
国でも、先ほど古城委員からもありましたが、スーパーシティーという名前で、ソサエティー五・〇の社会実装の場としてスマートシティーの活用というものを考えている。これは実質的に、いわゆるスマートシティーであるというふうに私は認識をしておりますが、これまでも、国交省、総務省、そして経産省等がスマートシティーの実証を実施しております。
さらに、未来投資会議が成長戦略の一環としてスマートシティーの構築を提起しているところでございます。
AIやIoT、ビッグデータを実装したまちづくりから始まるさまざまな、今、申し上げたようなスマートシティーもテーマとして検討していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 委員ご指摘のように、国が目指すべき未来社会の姿として提唱しておりますソサエティー五・〇でございますけれども、第四次産業革命がもたらすさまざまな技術革新を、あらゆる産業や人々の生活に取り入れていくという幅広い社会モデルというふうに考えてございます。
そうした意味で、その社会実装を進めるという意味で、本検討会におきましても、先ほどもご答弁申し上げましたように、こうした技術の活用による東京の将来のあるべき姿でございますとか、今後の施策展開の方向性などを検討していくわけでございますけれども、本検討に当たりましては、ご指摘いただきましたけれども、さまざまな幅広い分野の有識者や専門家の方々から意見をお伺いしながら、ご指摘のような分野についても検討を進めてまいりたい、このように考えてございます。
○藤井(あ)委員 先ほど古城委員からもありましたが、スーパーシティーに手を挙げることも含めて、前向きに検討していただきたいなと思います。
続きまして、ここからは、先ほど答弁がありました三つの具体的なテーマにつきまして確認をしていきます。
まず、官民連携のデータプラットホームについてでございます。
官民連携プラットホームでは、都や区市町村の行政データと、さらに民間事業者のデータの連携が不可欠と考えておりますが、見解をお伺いいたします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 行政や各事業者に分散いたします多様かつ大量のビッグデータを有効に活用することで、都民サービスの向上や新たなビジネスチャンスの創出につながる可能性がある、このように考えてございます。
しかしながら、データの活用状況につきましては、民間事業者によるデータの囲い込みでございますとか、情報漏えいの懸念、さらには行政データの環境整備のおくれなどによりまして、現状、安全性や利便性の観点から十分といえない、このような状況にもあるように考えてございます。
したがって、今後、データ活用を進めまして、都民サービスの向上やビジネスチャンスの創出などにまさにつなげていくためには、安全かつ利便性の高い開放型の官民連携のデータプラットホームの導入、こうしたことが必要かと存じておりますけれども、これに向けた調査検討を実施してまいりたい、このように考えてございます。
○藤井(あ)委員 開放型の、つまりオープンな官民連携のデータのプラットホームをつくっていくというご答弁をいただいたかと思います。都の持つ信頼性を十分に活用していただきまして、多くの業者、そして区市町村、さらには国と連携するような、利便性の高いプラットホームにしていただきたいと思います。場合によっては、マイナンバーと連携して個人情報とうまくひもづけて、セキュリティーを担保していただくというようなことも考えていただきたいなと思います。
そういったことを通じて、東京の稼ぐ力の強化を期待しているところでございます。
続きまして、三つの主要テーマの二つ目、MaaSについてでございます。
MaaSについては、私から、昨年の政策企画局への事務事業質疑で、ベイエリアビジョンの官民連携チームへの質疑の際に、ベイエリアの交通の課題解決の一つとして検討することを要望させていただきました。
改めてMaaSですが、これはモビリティー・アズ・ア・サービスの略で、直訳すると、サービスとしてのモビリティー、移動という意味でして、ちょっと、これだけだと意味がわからないかと思います。
一つ重要なのは、事業者を超えたデータの連携というものが非常に重要になってまいります。移動そのものを一つのサービスとして捉えまして、検索、予約、決済まで一気通貫に対応できるようなサービスというのが、ひとつわかりやすい例かと思います。これは、皆さんが日々使っているような、例えばナビタイムであったりとかヤフーの路線検索などの経路検索、今できるのは検索までだと思うんですが、さらに進化して、そこでそのまま支払いや予約までできるようになったものと考えると、わかりやすいかと思います。
ただ、これもMaaSの全てではなくて、こういった、単にアプリで便利になるだけではなくて、実は、目指すべき社会を交通面でどう支えるかといったようなところを実現するための手段になるのが、このMaaSでございます。目指すべき交通政策と密接に関連してくるものになります。
一例を示します。MaaSの発祥の地、フィンランドのヘルシンキでは、化石燃料に依存しない次世代の交通社会を目指すため、つまり何かというと、自動車の利用に依存した社会からの脱却の一つの方法としてMaaSが生まれてまいりました。公共交通を月額、定額で提供することで利便性を上げて、まちの中の車の量を減らすという試みが今なされているところでございます。実際、減ったというような報告も聞いております。
国では、未来投資戦略二〇一八において、さまざまな交通サービスをデータでつなげて新たな付加価値を生み出すモビリティーサービス等、つまりこれはMaaSのことですが、これを本年度中に検討するというふうにしております。
都が来年度実施するMaaSの実証実験と、国のMaaSの施策との関連をお伺いいたします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 委員ご指摘の点でございますけれども、例えば国土交通省では、昨年十月より、都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会、こうしたものを立ち上げまして、MaaSを初めとした新たなモビリティーサービスに関して取り組むべき方策などを検討しております。
また、来年度でございますけれども、MaaSの共通基盤であるデータ連携のあり方などにつきまして検討を行う予定であると聞いてございます。
都は、昨年、こちらの懇談会におきまして自動運転の取り組みなどを発表するなど、既に連携を図ってございます。
さらに、来年度実施予定のMaaSの実証実験でございますけれども、先ほど述べました国のデータ連携基盤の検討の動向などを注視いたしまして、さまざまな交通サービス事業者が参入できるモデルの構築を私どもとしても目指してまいりたいと思いますし、また、そうした都の取り組み、実証成果などを国にフィードバックしてまいりたい、このように考えてございます。
○藤井(あ)委員 ぜひ、今の答弁にありましたとおり、国とも綿密に意見交換、情報交換等をしながら、より利便性の高いプラットホームをつくっていただきたいと思います。
私、これまで、MaaSのカンファレンスやイベントなどに参加をしてまいりました。専門家と意見交換等をさせていただいて研究してきたところでございます。その中で、日本におけるMaaS検討の課題というのは、今、現時点では、鉄道だったりバス、そして自動車など、事業者ごとに縦割りになって別々に検討しているという問題があるというふうに認識をするようになりました。
例えば、参加したイベントも、鉄道会社が中心になって主催しているイベントには、自動車系の会社というのは余り参加しておらず、逆もまたしかりというような状況になっております。
今回の事業の中で、こういった事業者が縦割りになっているというような課題というのを乗り越える必要があると考えますが、東京都の独自のMaaSモデルをどのように考えているか、お伺いをいたします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 東京には、ご案内のように、MaaSに関連する多様な事業者というのが数多く集積しております。また、都心部や多摩地域など、地域によってさまざまな移動に対する課題というのが存在しておるというふうに認識しておりますところ、私どもといたしましては、そうした多様な事業者や地域課題の組み合わせに応じまして、多様なMaaSのサービスモデルがあるというふうには認識してございます。
そのような中で、中立的な立場である都が旗振り役となって、ご指摘のような、いろんなモードを超えました多様な事業者間の連携を促すことによりまして、公共性、広域性、事業性を兼ね備えた移動サービスモデルの構築を目指してまいりたい、このように考えております。
○藤井(あ)委員 都がMaaSを取り扱うという点は、大変斬新ですし、革新的であると思います。そのインパクトは非常に大きいものだと思います。ぜひ先ほど述べたような、民間だけでは越えられない壁を積極的に越えるようなサポートをしていただくことを期待しておる次第です。
MaaS、もう少し続きます。おつき合いください。
MaaSの概念は非常に幅広く、主要な部分というのは、先ほど述べた鉄道、バス、自動車などのデータの連携という部分になりますが、それ以外でも、さまざまな交通の課題を解決する視点もございます。例えば、移動弱者の支援というのも重要であると考えております。
そこで、ラストワンマイルにおけるMaaSをどう考えているか、考えをお伺いします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 来年度行います私どもの取り組みにおきましては、実証実験を通じまして、既存の交通サービスの連携のあり方などの検討をすることを主眼に置いております。
他方、委員ご指摘のとおり、例えば、駅やバス停などから最終目的地までの移動の円滑化を図りますことは、移動弱者の利便性の向上などにつながるということでもございますので、例えば、ラストワンマイルをつなぐようなパーソナルモビリティーでございますとか、最終目的地までの適切な経路の情報提供などのサービスというのは非常に重要なのではないかなというふうに思ってございます。
このため、来年度実施予定の実証実験をとり行う際には、このようなサービスを提供する事業者等に対しても、実証実験の参画を積極的に働きかけてまいりたい、このように思っております。
○藤井(あ)委員 ぜひ、そういった事業者にもお声がけいただきますようにお願いいたします。
さらには、MaaSというのは、シェアサイクルだったりとか、今回の定例会の中でも幾つかそういったお話もありましたが、舟運だったり、将来的には、特区的な制度を活用した超小型モビリティー、さらにライドシェアだったりとか電動キックボードなど、多様な移動手段が統合の対象として考えられますが、見解をお伺いいたします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 MaaSの社会実装に当たりましては、それぞれの地域の移動ニーズに応じた交通サービスというものを適切に組み合わせていくことが重要だというふうに考えてございます。
具体的に、都の実証実験において、どのような移動手段を組み合わせていくかということにつきましては、まさに来年度以降行う取り組みにおきまして、利用者のニーズでございますとか、また、道路運送法を初めとした関係法令などを踏まえて適切に決定してまいりたい、このように考えてございます。
○藤井(あ)委員 船のMaaSに関しましては、今後、実証実験も行われるという話も聞いていますので、ぜひそういった状況も確認をお願いしたいと思います。
MaaSにつきましては、先ほどのヘルシンキの例のように、都市の課題をいかに解決して、いかにその目指すべき方向に進めるかというところが何よりも本質的なところでございます。
まずはデータの連携に取り組むということになるのではないかと思いますが、単にデータ連携をして終わりではなく、先々、都の抱える交通の課題であったりとか、そういった大きな政策的な課題を解決できるようなところまで含めてご検討いただきますように要望して、次の質問に移らせていただきます。
ソサエティー五・〇関連の最後に、デジタル地域通貨についても、一つ、お伺いをさせていただきます。
デジタル地域通貨に関する調査検討及びモデル実施に関して、その目的についてお伺いいたします。
○田尻戦略事業担当部長 デジタル地域通貨とは、従来、紙やクーポンなどの形態で、特定の地域内の決済手段として用いられてきたいわゆる地域通貨が、昨今のデジタル技術を活用して発行されたというものでございます。デジタル化の導入によりまして、セキュリティーの向上と発行コストの低減等が図られたということで、近年、注目を集めているものでございます。
デジタル地域通貨の導入によりまして、キャッシュレスを初めとする決済手段の高度化というものが期待されるものでございます。我が国はキャッシュレスの決済比率が低いといわれておりますけども、利便性や安心感を実感していただきながら、その普及を図るということが、このデジタル地域通貨の導入の重要な役割ということかと思っております。
さらに加えまして、ブロックチェーンなどの最新技術を活用することによりまして、決済手段に加えて、また新たな利用の可能性なども期待をされている分野ということでございます。
したがいまして、局といたしましては、来年度、都ならではのデジタル地域通貨の活用方法などにつきまして調査検討を行った上で、最新技術を用いたデジタル通貨プラットホームなどを活用したモデル事業の実施を予定しているところでございます。
○藤井(あ)委員 都でも、島しょ部で利用されております、しまぽ通貨というものがございますが、先日、不正利用が問題になったところでございます。そういった不正利用であったりとかセキュリティー面の対応、きちんとこれを考えていただくことを要望いたします。
質疑をしてまいりましたソサエティー五・〇関連の三つのテーマを初め、政策企画局の特区戦略事業に関しては、ICT技術が深くかかわるものが多いと認識をしております。ソサエティー五・〇の先ほど来あります三つのテーマに加えて、例えば国際金融都市にかかわるフィンテックなどもそうだと思います。
事業執行に当たりまして、総務局に所属するIT専門人材との連携が有効だと考えますが、これまでの状況についてお伺いをさせていただきます。
○米津国家戦略特区推進担当部長 来年度新たに行いますMaaSの実証実験や官民連携データプラットホームの導入につきましては、データ連携基盤に関する国内外の動向や最新技術の知識が求められてございますので、現在、総務局から、これらの知見を得ながら検討を進めているところでございます。
また、来年度新たに設置を予定してございます戦略政策情報推進本部におきましては、当局の特区関連部門と総務局の情報通信関連部門が同一の組織となる予定でございまして、今後、さらなる連携を図りまして、効果的、効率的な事業執行に取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
○藤井(あ)委員 今、ご答弁にありましたが、来年度できます戦略政策情報推進本部、その中で、きちんとお互いにコラボレーションしていただくということを要望いたします。新体制において、より事業における連携を深めるようにお願いをいたします。
続きまして、別の質問に移らせていただきます。
先端事業普及モデル創出事業、キングサーモンプロジェクトについてお伺いをさせていただきます。
都が抱える課題の解決に、スタートアップ企業が有する知見を活用して、あわせて、スタートアップの成長を促進するという野心的なプロジェクトであると認識をしております。
また、キングサーモンプロジェクトという、この名前も興味深いものと思います。稚魚が大きく成長して帰ってくるという意味だと聞いておりますので、ぜひそうなるように取り組んでいただきたいと思います。
既に、実は、スタートアップとの連携といったような取り組みは、他の自治体でもしているところがございます。神戸市では、Urban Innovation KOBEという、スタートアップの知見を行政の課題解決に活用する事業を実施しております。
先日、神戸市が開催しましたGovTechサミットというものに参加をしてまいりました。ちなみにGovTechとは、政府、ガバメントとテクノロジーを組み合わせた造語で、政府、自治体が市民サービスをよりよいものにしていくためにテクノロジーの力を活用する取り組みのことを意味いたします。
その中で、先ほどのUrban Innovation KOBEの成果報告が、そのプログラムに参加したスタートアップと行政職員が一緒に話すような形でされておりまして、その中で出てきた話としましては、今、二年目が終わったところなんですが、一年目は失敗したとの話がありました。
その理由というのは、行政側とスタートアップの意識の差がすごく大きくて、なかなか埋めることができなかった。間に事業者が入っていたのですが、それだけではうまく回らなかったというふうに聞いております。
二年目は、神戸市の側に、民間から採用した、行政とスタートアップ、両面がわかる人材を窓口として配置し、そのすき間をうまく埋めることができたというようなことが報告されておりました。
今、申し上げたような神戸市の事例を教訓に、新年度から始めるキングサーモンプロジェクトで効果的に実施していくために、都はどのように取り組むか、お伺いいたします。
○米津国家戦略特区推進担当部長 先端事業普及モデル創出事業、いわゆるキングサーモンプロジェクトでございまして、こちらの名前は、委員ご指摘のような意味合いを込めておりますけれども、有望な先端技術やサービスを有するスタートアップ企業と都の協働によりまして、後続の起業家を輩出するような起業のサイクルを創出いたしまして、東京の成長と社会課題解決の両立を目指す事業でございます。
来年度は、都が抱える社会課題のテーマについて設定した上で、課題解決に資する先端技術やサービスを有し、さらに将来大きく成長することが期待できるような企業を選定いたします。
その後、都政の現場を活用した実証実験でございますとか、トップセールスなどによる販路拡大に向けた支援を実施いたしまして、事例をモデル化して広く展開することで、後に続くような起業家の輩出につなげてまいりたいと思います。
これらの取り組みを推進する上では、スタートアップと行政が同じ目標を見据えた上で、実証実験の場を提供する庁内の各部署でございますとか、外部のステークホルダーとの調整を綿密に行っていくことが、とりわけ重要なのかなというふうに思ってございます。
そのため、起業支援に実績のあるコンサルタントの意見なんかも聞きながら、こうした調整機能を都が発揮いたしまして、事業をより効果的なものにしてまいりたい、このように考えております。
○藤井(あ)委員 先ほど事例で挙げました神戸市のプロジェクトですばらしいなと感じましたのは、失敗したということを共有できる、その文化にあるかなと思います。失敗するということは、つまり、できそうなことをやったわけではなく、難しい課題に取り組んでいるからだというふうに認識をしております。そういった他の自治体の失敗事例も参考にしながら成功を目指すのはもちろんでございますが、失敗するぐらいのチャレンジをぜひしていただきたいなと思います。
次に、自動運転について確認をさせていただきます。
自動運転につきましては、我々、都民ファーストの会東京都議団といたしましても、その推進に力を入れておりまして、昨年九月の第三回定例会、私の一般質問であったりとか、第四回定例会、そして、先日の代表質問でも少し入れさせていただきました。知事から答弁もいただいているところでございます。
また、先ほど質疑をさせていただきましたMaaSとの連携というのも期待するところでございます。
そこで、今年度実施をしております、実証実験に係る共同利用可能な設備調査の内容についてお伺いをさせていただきます。
○田尻戦略事業担当部長 自動運転の実証実験を安全に行うためには、センサーなど車両側の技術開発はもとより、通信機能を備えた信号機や正確な位置情報を取得するための磁気マーカー、視認性の高い白線などの設備を道路側に整備していくということも重要でございます。
東京二〇二〇大会に向けて、臨海副都心地域において、官民が連携した大規模な自動運転の実証実験が予定されておりますけども、これらが安全に実施されるよう、国と役割分担をしながら、この地域に冒頭述べたような設備を整備するということになってございます。
この中で、都は、同地域の臨港道路と都道において白線の引き直しというものを担当することになっており、今年度の調査では、この引き直しに必要な具体的な箇所の特定を行ったものでございます。
○藤井(あ)委員 先日、都民ファーストの会東京都議団のモビリティー政策研究会メンバーを中心にしまして、多摩ニュータウンにおける自動運転バスの実証実験に参加をしてまいりました。その際、今、ご答弁にありました、磁気マーカーの整備であったり、白線の引き直しをして実験を行ったという話を聞いております。
今回の実証実験では、地域の課題解決というところにも主眼を置いていて、多摩ニュータウンの住民の高齢化が進む中、坂道の多い団地内での買い物の足としての利用を想定したものということで、早期に実現をすることを期待するところでございます。
今年度の取り組みを踏まえまして、二〇二〇年に開催される東京大会を機にショーケーシングすることも見据えて、来年度の自動運転に関する新たな取り組みの特徴についてお伺いいたします。
○田尻戦略事業担当部長 都は今年度より、自動運転技術を活用したビジネスモデル構築に向けた事業を開始し、都心部における自動運転タクシーであるとか、ご指摘のありました多摩ニュータウンにおける自動運転バスの実証実験を支援してまいりました。
来年度は、MaaSといった交通サービスに関する新たな視点を取り入れたプロジェクトを積極的に募集するなど、内容を拡充させていく予定でございます。
また、新たに、自動運転技術が社会経済に与える便益について都独自の調査分析を実施いたしまして、結果を広く発信することにより、自動運転に対する都民や関係機関の理解を深め、これを活用した交通サービスの裾野拡大を図ってまいります。
加えて、先ほどご答弁申し上げました臨海副都心地域での大規模な自動運転の実証実験が円滑に行われますよう、先ほど述べました調査の結果を活用して、来年度は実際に白線の整備を進めていくという予定でございます。
これらの取り組みを実施することによりまして、東京二〇二〇大会の機を捉えた最新技術のショーケーシング化というものにつなげてまいりたいと考えております。
○藤井(あ)委員 一般質問でも申し上げましたが、東京二〇二〇大会は、日本の最先端のテクノロジーというのを国内外に示す大変貴重な機会でありまして、自動運転というのは、その大きな目玉になります。ぜひ積極的に実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。要望いたします。
最後に、東京ベイエリアビジョンの検討に係る官民連携チームについて確認をさせていただきます。
昨年十一月の総務委員会において質問をいたしましたが、その後の議論の進捗状況について確認をさせていただきたいと思います。
官民連携チームは、官民の連携のもと、次世代を担う若手の視点や自由な発想を生かすという、行政の枠を超えた発想や手法を積極的に取り入れることを意図した大変ユニークな取り組みであると認識しております。
昨年十月の立ち上げ後、官民連携チーム内に設置するワーキンググループにおいて、これまで検討を進めてきていると聞いております。昨年末には第一回目の提案がまとめられて、また、先週には二回目の提案に向けた総括会議が開かれたと聞いております。活発に取り組まれており、私もその資料等を拝見させていただきましたが、なかなかおもしろいアイデアが多く提案されており、非常に興味深いものでございました。
そこで、官民連携チームが昨年十二月に取りまとめました第一回の提案の内容について、まずお伺いをさせていただきます。
○宮澤計画部長 第一回提案の主な内容といたしましては、三つのワーキンググループごとに、基本的な考え方と今後深めるべき論点について整理を行いました。
まず、魅力あるまちづくりワーキンググループにおきましては、ベイエリアを多様なスケールの空間の集合体として捉えるという基本的な考え方のもと、東京の新たな文化、憩える水辺空間の創出や、ベイエリアの起爆剤となるエンターテインメント等の施設の集積、拠点化など、次に、活力と躍動感のあるまちワーキンググループにおきましては、まちと人が生き続けるための接点があるというコンセプトのもと、プロスポーツチームの誘致や世界的イベントの誘致など、さらに、最先端技術のまちワーキンググループにおきましては、サステーナブルな社会の実現、制約からの解放というコンセプトのもと、テクノロジーの活用による未来社会の実現などの論点をそれぞれ挙げてございます。
今後、こういった論点の検討をさらに深度化してまいります。
○藤井(あ)委員 チームの立ち上げからおよそ五カ月、この短い期間に、三つのワーキンググループがそれぞれ月一回のペースで集まって議論をして二回の提案を取りまとめるという、大変精力的な活動がなされているものだということが理解できました。
では、先週、三月八日に開催されました官民連携チームの総括会議、第二回の提案に向けてどのような議論が行われたのか、お伺いをさせていただきます。
○宮澤計画部長 先週開催しました総括会議では、ワーキンググループごとの検討状況について報告を受けた後、以下に掲げます五つの視点を軸に、今後の方向性について議論をいただきました。
まず第一に、水際とにぎわい施設とを一体化するなど、ベイエリアの個性を磨くこと、第二に、MICEを初め文化、エンターテインメントなど、にぎわいを生み出す拠点整備など、ベイエリアの発展を支える都市の基盤の充実強化を図ること、第三に、研究開発から社会実装、次世代人材育成までエリア内で完結するエコシステムの構築など、多様な技術、産業、人材が新たな価値を生み出すこと、第四に、再生可能エネルギーを活用した新たなシステムなど、サステーナブルな社会の象徴をつくること、第五に、官民連携による地域経営、いわゆるエリアマネジメントなど、都市経営によるエリア価値の最大化を図ること。
以上、ただいま申し上げました五つの視点のもと、第二回の提案の取りまとめに向けて、さらに議論を深めるということになってございます。
○藤井(あ)委員 さまざまな提案が出ているということがわかりました。今後、報告書としてまとめるということですので、出てきたものがきちんとその中に反映されますように、我々の会派の経済・港湾委員会のメンバーにも共有していこうと考えております。
最後になりますが、官民連携チームの今後の展開についてお伺いをさせていただきます。
○宮澤計画部長 今後、官民連携チームでは、先日の総括会議での議論を踏まえ、第二回目の提案を取りまとめ、今月末に、関係各局で構成します庁内検討委員会に提出する予定でございます。
その後は、庁内検討委員会がことし夏に中間報告を予定していることから、その検討に資するよう、第三回目の提案を行ってまいります。
第三回の提案に向けては、二〇四〇年代への取り組むべき事項を明確にした上で、成長を牽引する具体のエリアにおける土地利用や規制緩和のあり方などについて、さらなる検討を進めてまいります。
○藤井(あ)委員 二〇四〇年代という、結構、先を目指しながら、そして、大きなテーマについて取り組んでいただいているということ、東京のベイエリアを、東京、日本の成長をつくり牽引する、世界でも最先端なまちとしていけるように、官民連携チームについては、今後とも斬新な提案が出てくることを期待しております。
先日の予算特別委員会において、おおむね十年先の東京の将来像を描く、都の新たな長期計画についての我が党からの代表質問に対して、知事は、年内をめどに策定していくという答弁をしておりましたが、この長期計画にも官民連携チームの検討の成果が反映できるように要望をさせていただきます。
そして、最後になりますが、政策企画局の、さらには来年度新しくできます戦略政策情報推進本部の事業というのは、都が取り組むべき最先端のものに取り組んでいるというふうに思っております。ここでの事業の成否、そして得たものは、ほかの局にも積極的にフィードバックをして生かしていくものであると思っております。
そして、今回、質問をさせていただいた中では、これまで長きにわたって日本の課題となっておりました生産性の向上を目指すものであったり、あと、スタートアップの活用、自動運転であったり、今、最後に質問させていただきました官民連携の事業など、なかなかにハードルが高い、難しいものに取り組んでいただいていると思います。ここも、うまくいかなかったことも含めて、知見がきちんと蓄積されるように要望をいたします。
そして、難しい、チャレンジングな課題に前向きに取り組んでいただきますこと、そして、今、質疑をさせていただきました事業を大きく育てていただくことを期待申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。
○小松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小松委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で政策企画局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時三十六分散会
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