総務委員会速記録第七号

平成二十九年六月五日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長ともとし春久君
副委員長新井ともはる君
副委員長ほっち易隆君
理事中村ひろし君
理事三宅 正彦君
理事曽根はじめ君
和泉ひろし君
遠藤  守君
おときた駿君
谷村 孝彦君
早坂 義弘君
中屋 文孝君
崎山 知尚君
清水ひで子君

欠席委員 一名

出席説明員
政策企画局局長長谷川 明君
次長理事兼務潮田  勉君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小池  潔君
青少年・治安対策本部本部長廣田 耕一君
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務森山 寛司君
青少年対策担当部長井上  卓君
治安対策担当部長臼井 郁夫君
総務局局長多羅尾光睦君
危機管理監田邉揮司良君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長
被災地支援福島県事務所長兼務
松崎 浩一君
訟務担当部長江村 利明君
復興支援対策部長菊地 俊夫君
復興支援調整担当部長野口 一紀君
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務佐々木秀之君
行政改革調整担当部長小林 忠雄君
都政改革担当部長小笠原雄一君
情報通信企画部長久原 京子君
情報政策担当部長吉野 正則君
人事部長栗岡 祥一君
労務担当部長村岡 教昭君
コンプライアンス推進部長政策法務担当部長訟務担当部長兼務貫井 彩霧君
主席監察員安藤  博君
行政部長西村 泰信君
多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務
山口  真君
区市町村制度担当部長小菅 政治君
総合防災部長梅村 拓洋君
防災計画担当部長西川 泰永君
防災対策担当部長和田 慎一君
統計部長伊東みどり君
人権部長箕輪 泰夫君
選挙管理委員会事務局局長福田 良行君
人事委員会事務局局長松山 英幸君
任用公平部長矢岡 俊樹君
監査事務局局長猪熊 純子君

本日の会議に付した事件
意見書について
選挙管理委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十八号議案 東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
青少年・治安対策本部関係
報告事項(説明・質疑)
・第三十一期東京都青少年問題協議会緊急答申について
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十号議案  東京都公文書の管理に関する条例
・第九十一号議案 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
・第九十二号議案 東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第九十四号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 住民基本台帳法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第九十七号議案 東京都人権プラザ条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・「多摩の振興プラン(仮称)」素案について
・東京の防災プラン進捗レポート二〇一七について
付託議案の審査(決定)
・第九十号議案  東京都公文書の管理に関する条例
・第九十一号議案 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
・第九十二号議案 東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第九十四号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
・第九十六号議案 住民基本台帳法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第九十七号議案 東京都人権プラザ条例の一部を改正する条例
・第九十八号議案 東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
陳情の審査
1 二九第四八号 北朝鮮のミサイルに備えた避難訓練等の実施に関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○ともとし委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 本件については、本日の理事会において協議した結果、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。
 お諮りいたします。
 本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○ともとし委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局及び総務局関係の付託議案の審査、青少年・治安対策本部及び総務局関係の報告事項の聴取、陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第九十八号議案を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行いたいと思います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○ともとし委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○井上青少年対策担当部長 報告事項についてご説明いたします。
 ご報告申し上げますのは、第三十一期東京都青少年問題協議会緊急答申についてでございます。
 お手元配布の資料第1号が答申の概要、資料第2号が答申本文でございますが、本日は、資料第1号の概要によりご説明いたします。
 資料第1号、第三十一期東京都青少年問題協議会緊急答申概要をごらんください。
 東京都青少年問題協議会は、青少年問題に関する総合的施策について必要な事項を調査審議するものでございまして、去る五月三十日、知事に、児童ポルノ等被害が深刻化する中での青少年の健全育成について緊急答申がなされました。
 答申は、第1章の現状と課題、第2章の具体的な対応方策に分かれております。
 第1章の現状と課題としては、スマートフォンの普及やインターネット利用の低年齢化に伴い、青少年のネット上のトラブルが顕著になっており、児童ポルノ等の性的画像に関する相談、中でも、青少年が自分の裸体等をスマートフォンで撮影させられた上、メール等で送らされる被害、いわゆる自画撮り被害に関する相談が多く寄せられていることが近年の特徴となっております。
 次に、第2章、具体的な対応方策では、対応方策として、第1に、悪意のある者と青少年との遭遇、やりとり開始段階、二ページに移りまして、第2に、青少年への撮影、送信の働きかけ段階、第3に、青少年が画像を送信した後の段階に分けて、それぞれ普及啓発や技術的対応、規制等対応について提言されています。
 被害を未然に防ぐために重要となる二ページ目の第2の青少年への撮影、送信の働きかけ段階をごらんください。
 普及啓発、教育、相談等対応として、青少年の性に関する都の責務を追加することで、青少年や保護者等への普及啓発等を強化すべきことが提言されております。
 次に、技術的対応として、ネット上の有害な働きかけ等対策を目的とするアプリケーション等の推奨対象への追加をして、都が推奨したアプリケーション等を積極的に広報すべきこと。
 そして、規制等対応として、青少年に児童ポルノ等の作成、提供を不当に勧誘する行為を罰則をもって禁止することが提言されておりまして、この三点の取り組みを進めるため、東京都青少年健全育成条例の改正が必要とされております。
 また、民間相談窓口も含めた関係機関の連携による、勧誘段階で被害を防止すること等も提言されております。
 今後は、今回の答申において提言いただいた東京都青少年健全育成条例の改正や普及啓発等の施策に向け、早急に取り組んでまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○ともとし委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中屋委員 今ご説明がありました自画撮り被害につきましては、第一回定例議会においても質問いたしました。子供を犯罪から守ることや、日常のあらゆる危険、ネット犯罪を含めた身近な犯罪の被害から都民を守ることを施策提言している我が党としましても、また、私個人としましても、二人の娘を育てている親でありまして、まさに保護者、大人の代表として大変強い関心を持っている社会問題であると思います。
 被害がきょうも発生しているかもしれない中、子供たちを守るという視点で大人が取り組むべき喫緊の課題であり、都の積極的かつ迅速な取り組みにも期待しているところであります。
 先ほど、青少年問題協議会から自画撮り被害対策に関する緊急答申がなされた旨の報告をもらいましたけれども、答申においても、子供を守る、大人の責任、喫緊の課題という認識が示されておりまして、非常に共感できるものであります。
 今回の答申は、場面を分けてさまざまな対策が提言されておりまして、青少年健全育成条例の改正の必要性にも踏み込んでおりまして、本日は、答申を受けての都の姿勢について伺いたい、このように思っています。
 まず、本答申の特筆すべき点は、青少年への撮影、送信の働きかけ段階という、ネット上の一対一という閉鎖的な状況のもとで事業者や保護者による警戒が困難な段階について、被害発生に大きく影響しているとして、その状況を踏まえた対策を提言している点であるというふうに思います。この対策が功を奏すると、被害の減少が期待できます。
 そこで、答申では、青少年への撮影、送信の働きかけ段階における被害防止に何が課題とされているのか伺います。

○井上青少年対策担当部長 答申におきましては、青少年への撮影、送信の働きかけ段階につきまして、大きくは次の二点から被害防止に課題があるとされております。
 まず、一点目は、一対一の閉鎖的な環境下でのやりとりに移行した後、画像要求がなされることが多いため、保護者や事業者による警戒が難しく、青少年個人の未成熟な判断能力に頼るところが大きくならざるを得ないことを挙げております。
 また、二点目として、画像の要求が、青少年の判断能力の未成熟さにつけ込み、刑法上の脅迫や強要に該当しないやり方で行われることも多く、また、児童ポルノ禁止法では、画像が加害者に送信、提供されるまでは規制できないため、現行法令では青少年の画像提供を未然に防止することができないとしております。

○中屋委員 今のお話で、青少年が画像要求を受けた場合、現在の法では画像提供を未然に防止できないし、要求を断ることが青少年の未成熟な判断能力に頼ることとなっていることがよくわかりました。
 今後、スマートフォンの普及やインターネット利用の低年齢化はますます進むことが見込まれておりますために、早急に実効性のある対策を行わなければ、被害はさらに拡大すると思われます。
 そこで、青少年への撮影、送信の働きかけ段階について、ぜひ実効性のある対策を進めてもらいたいのですが、答申を踏まえ、この働きかけ段階について具体的にどのような対策を進めていくのか伺います。

○井上青少年対策担当部長 判断能力が形成途上で、将来の被害を過小評価してしまうという青少年の発達的な特性を踏まえまして、青少年、保護者等への普及啓発などを充実するとともに、ネット上の有害な働きかけから青少年を守るためのアプリケーションについて、民間における開発を促進し、広く青少年に利用してもらうなどの技術的対応も有効でございます。
 しかし、同世代の同性に成り済まし同調意識を利用する、あるいは繰り返し要求し、子供を諦めた気持ちにさせるなど、画像を要求する手口は、日々、複雑巧妙化しているため、普及啓発や技術的対応では被害の防止に限界がございます。
 そこで、被害を未然に防ぐため、子供の判断能力の未熟さにつけ込み、他者に成り済ましたり、執拗に要求するなどの悪質な働きかけ行為自体を罰則をもって禁止し、これらの行為を防止するため、東京都青少年健全育成条例の改正に向けて、速やかに関係機関との調整を行ってまいります。
 なお、条例の改正案の策定に当たりましては、答申での提言のとおり、禁止行為を明確に規定するとともに、都民の意見を伺うなどして丁寧に進めてまいります。

○中屋委員 画像要求を罰則をもって禁止するというのは、画像要求が悪いことであり、これを断ることは悪くないという認識を子供の間に広げ、子供の断る勇気を後押しすることにもなる。逆にいえば、画像要求を受けた段階で相談すれば守ることができる。だから、その段階で、画像を送信する前に周囲の保護者や窓口に相談しなさいというメッセージを子供たちに送ることにもなると思います。
 条例制定後になると思いますけども、このようなこともしっかり子供たちに伝えて、実効性のある被害防止策を講じてもらいたいと思います。
 また、条例策定に向けて作業を速やかに進めてほしいと思いますが、しかし、その間も子供たちが被害に遭わないように都としてもできることがあると思いますが、どのようなことが行えるのか伺います。

○井上青少年対策担当部長 都はこれまでも、性被害防止につきまして各種普及啓発を行ってまいりましたが、今年度から、ホームページや各種啓発講演会等で自画撮り被害の現状についても周知いたしますとともに、小中学生及びその保護者用の各リーフレットにこの現状等を盛り込み、配布することで、広く注意喚起をしております。
 これに加え、子供たちに自分も被害者となる可能性があるという意識を持ってもらえるよう、年齢の近い世代である大学生を講師として活用したグループワークを開催し、万が一、被害に遭いそうになった際に、すぐに専門機関に相談できるようにするためのアドバイスもしていくほか、高校生向けに自画撮り被害などの性被害防止のための普及啓発用リーフレットとDVDを作成、配布し、普及啓発を強化してまいります。
 さらに、今後、答申を踏まえまして、子供や保護者等への普及啓発のさらなる充実や、子供がより相談しやすい窓口の整備を進め、学校や警察等とも連携しながら、子供を被害から守るためのさまざまな取り組みを強化してまいります。

○中屋委員 答申に、条例を改正し、このような被害から子供を守るための普及啓発等の施策の推進を都の責務に追加するという旨の提言がありますけれども、これは、都が先頭に立って被害防止に取り組んでもらいたいという期待のあらわれであると思いますので、都には、条例制定の手続を進めるとともに、普及啓発なども強化してもらいたいというふうに思います。
 さて、最後になりますけれども、近年、青少年を取り巻く環境は急速に変化をし、その結果、青少年の育成を阻害するような状況が生じております。スマートフォンの急速な普及やインターネット利用の低年齢化もその一つであります。地域や世代を超えて人的交流が広がる一方で、自画撮り被害のような、子供がSNSなどで知り合った他者との間で将来にまで影を落とす被害に遭ってしまう事案もふえております。
 自画撮り被害を初めとして、時代の変化とともに生じるさまざまな有害環境から青少年を守り、その健全育成を図っていくことについて本部長の決意を伺いまして、質問を終わります。

○廣田青少年・治安対策本部長 情報通信技術が社会に深く浸透する中、次代を担う青少年が必要な情報や情報手段を積極的に活用し、健やかに成長できるよう、環境の整備を図っていくことは大変重要でございます。
 このような観点から、この技術が悪用され、青少年の今が傷つけられ、未来、将来にまで影を落とすことになる自画撮り被害に対しては、答申を踏まえ、条例改正に向けた手続を早急に進めるとともに、普及啓発にも力を入れてまいることとしております。
 また、時代の変化とともに生じるさまざまな有害環境に対しても、警察や学校等の関係機関と緊密に連携して的確に実態把握を行い、これに基づき迅速に対策を検討の上、実施することにより、青少年を守ってまいる所存でございます。
 青少年は、これからの東京、日本の未来を担う大切な存在であります。今後とも、都民や区市町村、地域のさまざまな主体と協働して、青少年を健全に育成するための施策を強力に推進してまいります。

○遠藤委員 それでは、私からも、ただいま報告がございました第三十一期東京都青少年問題協議会緊急答申について、簡潔にお伺いしたいと思います。
 この答申については、本協議会の委員を務める我が党の伊藤議員からも、短期間に意を得て、ものをまとめていただいたということで、評価のコメントを出させていただいております。
 伊藤委員もいっていますけれども、より具体に、ここで盛り込まれたものをどう具体化するか、これが、皆さん方、そして我々議会の役割だと思いますので、協力してこれを具体化する、こういう努力をしていきたい、このように思ってございます。
 その上で、この答申は、いわゆる自画撮りを防ぐという未然防止の側面と、実際に不幸にも事案が発生してしまったその後の段階ということで、大きく二つに分けられているのだと思います。
 きょうは、実際に画像を送信してしまった、させられた後の段階の対応について絞って、基本的なことですけれども、確認も含めて質問したいと思います。
 この答申の本文の一七ページでありますけれども、相談しやすい窓口の整備等ということで、(1)、最初に掲げられております。その中に、民間を含む相談窓口というくだりがあります。民間を含むということは、公または民間それぞれの役割、つかさつかさがあるんだと思いますけれども、どういった窓口が今、既に存在しているのか。
 仮に、私がこうした被害者の方、また家族から相談を受けた場合、イの一番にどこに連絡をすればいいのか、まず、この辺の整理についてお伺いしたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 自画撮り被害に関する相談を扱う窓口としましては、都がインターネット上の子供の被害、トラブルの相談を受け付けるために開設し、専門知識や豊富な経験を有する相談員を配置している、こたエールがございます。
 このほか、公的窓口としましては、警視庁に心理職を配置したヤング・テレホン・コーナーがあるほか、総務省が支援しているものとして、専門知識を有するアドバイザーを配置する違法・有害情報相談センターがございます。
 さらに、民間におきましては、全国webカウンセリング協議会が、心理療法カウンセラーを配置する子ども無料相談室みらいを開設しております。
 なお、違法有害情報の通報を広く受け付け、相談機関につなぐものといたしましては、警察庁が開設しておりますインターネット・ホットラインセンターや、一般社団法人セーファーインターネット協会が開設するセーフライン等がございます。
 都といたしましては、被害、トラブル相談につきましては、先ほど申し上げましたように、こたエールを積極的に活用してもらえるようPRに努めてまいります。

○遠藤委員 今、丁寧にご説明、答弁いただきましたけれども、東京都並びに国がやっている総務省、または民間、警察関係でいえば警視庁または警察庁ということで、非常にたくさんの窓口があると。
 そういった中で、今、最後に答弁がありましたけれども、ひとまず都としては、こたエールを第一歩、ファーストステップとしてアピールもし、都民にも、また被害者、またはその未然防止等々も含めて、ここをまず第一義的に使ってもらいたい、こういう答弁だったと思います。
 次に、二点目の技術的対応ということであります。
 インターネット上の画像削除に関する民間の技術的取り組みを注視していく、こういうくだりであります。本文の中に、民間においては、画像の発見、削除要請を行う取り組みが始まっているということでありますけれども、既に始まっている取り組みというのはどんな取り組みなのか、具体的な事例とあわせて、こうした取り組みを何らかの形で都としてバックアップ、支援していく、こういう方法があるのかないのか、それを聞きたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 民間におきましては、インターネット上の児童ポルノ等の違法有害情報につきまして、インターネット利用者から情報提供を受け、警察へ通報するとともに、国内外のプロバイダーに対して、これらの情報の削除を要請する活動を行っている団体等がございます。画像の拡散を最小限に抑えるためには、こうした民間の取り組みは有益でございます。
 今回の協議会では技術的対応も提言されておりまして、先ほど申し上げました民間での取り組みのほか、民間において技術開発等が進み、画像拡散を防ぐ方策が開発されることを期待しているところでございます。
 青少年問題協議会の審議の場におきましても、このような活動を行う団体につきまして紹介を行いまして、その際、団体の活動を広く知ってもらえるよう、行政としても支援してもらいたい旨の発言もございました。
 そこで、都としましては、今後、民間における画像の発見や削除要請の取り組みの動向を注視しつつ、このような有益な取り組みを行う団体の存在につきまして、当本部のホームページやさまざまな媒体、機会を通じまして広く周知することにより、その利用が進むよう取り組んでまいります。

○遠藤委員 今回、これは緊急答申ということで、近年、自画撮り被害が急増しているということで、まさに緊急に提言が行われたわけであります。
 もちろん、教育等々の場で、起こらない取り組みをしていく、こういう取り組みが必要でありますけれども、現に、この時点でも、きょうでも、このような被害に実際に遭っているという、そういう方々も多数いらっしゃるのだと思います。
 今、ホームページ等さまざまな媒体でバックアップのこれを広く普及していく、こういうことでありますけれども、本当にありとあらゆるチャンネル、手法を使って、ぜひ、特に若い世代の皆さん、または若いお子さんを抱えている世代の皆さんに強力に発信するこういう努力を、しかも速やかにやっていただきたい、このように思います。
 実際、私も、自画撮り被害ではないですけれども、いわゆるリベンジポルノの被害を受けた若い女性の方から相談をお受けしました。そのときに最初に聞こえてきたのは、相談されたのは、一体どこに相談したらいいのでしょうかという、まずファーストアタックの相談でありました。
 その上で、実際に警察にも行きました、民間のこういう取り組みも利用しましたと。その一方で、一件一件削除要請をし、潰していくということで、時間も労力も、そして、何より根気が要る作業だということで、相談を受けたのが半年ぐらい前ですか、そして、つい先日もその女性にお会いして、どうですかとお聞きしましたけれども、やはり一つ一つのものを削除していくということで、半ば諦めざるを得ない、こういう状況だということもお伺いしました。
 その上で、最後に規制等の対策ということで、相談者に削除要請の手順を適切に教示するなどということで、あくまでも削除要請をするのは被害者本人及びその家族等々になるんだと思いますけれども、例えば、それを都なり、または公に準ずる機関が代行してさしあげるとか、ただでさえ、不安や、または心理状態が落ちつかない、こうした被害者の手を煩わせることなく、かわってそういうようなことを、削除要請等々をする、代行するような、そういう行政サービスみたいなものは考えられないのか、このように思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

○井上青少年対策担当部長 児童ポルノ禁止法におきましては、関係行政機関は、被害に遭い、心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りつつ必要な措置を適切に講じるものとされております。
 これに基づきまして、警察におきましては、被害の相談を認知した場合には、加害者の取り締まりにあわせ、画像の削除要請をサイト管理者等に対して行っております。
 都としましては、条例改正に伴い、不当な勧誘を受けた段階で相談を受けた際の関係行政機関の相互の連携、連絡体制を新たに構築していくことを考えております。
 これにあわせて、現に被害の相談を受けた際にも、関係行政機関から迅速に情報提供が行われ、速やかな画像の削除要請につながるよう、新たに構築する関係行政機関の連携、連絡体制を的確に運用し、被害に遭った青少年の画像の拡散が最小限に抑えられ、青少年の現在と将来の影響が最小限になるように取り組んでまいります。

○遠藤委員 繰り返しになりますけれども、喫緊の課題ということで、この時期に緊急答申ということで出たわけであります。スピード感を持ってしていただきたい、このように思います。
 私も、さっきいったとおり、実際に、リベンジポルノでありますけれども、その被害を受けた方と会って、この問題にはさらに強い関心を持つようになりました。
 あわせて、今、中屋委員からもありましたとおり、私自身も、実は今、高校二年になる娘を擁しております。この報告書、緊急答申ということで私も読ませていただいて、最後に、この協議会の委員でございます先生、坂元先生とおっしゃるんですかね、いわゆる自画撮り被害に遭う子供たちについてということで先生が書かれたレポートが載っており、読ませていただきました。
 事前の、未然の防止、またはそこがなかなか気づかれにくい点であるとか、親が心がける点、子供たちが心がける点、最新の世界的ないろんな研究等々も踏まえながら、非常に有益な論文、講演要旨ということで載っておりまして、これはコピーして、早速、私の娘に、大事なことが書いてあるから読んでみなさいといったところ、残念ながら、私は読まなくても被害に遭わないといったんです。
 だから、これが一つの、私は大丈夫というのが、女子高生ですから、そこに落とし穴があり、または、一回そういう被害が起こると大変なこと--多分、本人はそれほど重大なことにつながるとは毛頭思っていないんだと思います。
 それが犯罪として急増しているという状況でありますので、ぜひオール都庁を挙げてこの取り組みを一層強めて、スピード感を持って行う、このことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○おときた委員 私からも、いわゆる自画撮り被害に関する一連の対策について協議会より緊急答申された内容について、幾つか確認の質問を行います。
 社会問題化している自画撮り被害を抑制し、子供たちを守ることの重要性に議論の余地はなく、都が対策を行うことは重要です。
 一方で、コミュニケーションや表現の課題もあり、表現の自由や諸権利が侵されるのではないかとの懸念の声が上がっていることも事実です。
 そこでまず、前段の確認ですが、これまでの刑法ではどこが不十分であったのか、答申の内容で、仮に条例が制定、改定されると、どのようなケースが新たに対応が可能になるのか、具体的に教えてください。

○井上青少年対策担当部長 自画撮り被害につながる画像の要求が、青少年の判断能力の未成熟さにつけ込み、刑法上の脅迫や強要に該当しないやり方で行われることも多く、また児童ポルノ禁止法では、画像が加害者に送信、提供されるまでは規制できないため、現行法令では、青少年の画像提供を未然に防止することができない状況にございます。
 答申におきましては、このような現行法令上の課題を踏まえ、条例において、子供の判断能力の未成熟さにつけ込み、他者に成り済ましたり、執拗に要求するなどの悪質な働きかけ行為自体を罰則をもって禁止することを規定し、これらの行為の防止を図ることを提言しております。

○おときた委員 ありがとうございます。
 青少年という言葉が何度も出てくるように、未成熟さということで、もちろんのことながら、これは相手が未成年、青少年であることが前提とされているわけです。
 では、次に、やりとりの相手が成人を自称しており、撮影、送信の働きかけを行った者が、相手が未成年だ、青少年であるというふうには認識していなかった場合、これはどのような対応が想定されるのかについてお伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 条例改正に当たりましては、青少年の自画撮り被害を防止するため、青少年に対する悪質な行為を禁止することになることから、勧誘者において、相手が青少年であると認識していることが重要な要素であると考えております。
 なお、具体的な事例への適用につきましては、司法において、それぞれの事情を踏まえながら判断されるものでございます。

○おときた委員 断定的なご答弁ではなかったですけども、相手が未成年、青少年であると認識していることが重要ということで、必ずしも、そういったケースが一概に全て取り締まられるわけではないというふうに理解しておきます。
 最近、痴漢の冤罪事件であるとか、そういったこともふえていますし、これもいわゆる成り済ましというのが可能であるような案件もあり得ると思いますので、そういったところは慎重な運用というものを視野に入れていただきたいと思います。
 次に、フィルタリングの設定や働きかけ対策などを目的とするアプリケーションの推奨を行っていくとのことですが、強制力の度合いというものを心配している声も上がっております。
 これは、具体的にどのようなレベルでどのように働きかけを行っていくのか、確認のため、お伺いいたします。

○井上青少年対策担当部長 まず、悪意のある者と青少年との遭遇、やりとりそのものの可能性を低減させるためには、青少年のフィルタリング設定を進めることが効果的でございます。これまでも、青少年や保護者等に対しまして、これに資する普及啓発を実施してまいりましたが、今後さらに普及啓発を実施してまいります。
 また、ネット上の有害な働きかけから青少年を守るためのアプリケーションも被害防止に有効であることから、このようなアプリケーションを推奨するための条例改正を行い、民間における開発を促進し、広く青少年に利用してもらえるよう取り組んでまいります。

○おときた委員 選択の自由を尊重しながら、普及啓発が実効力を持つ運用がなされていくことを期待したいと思います。
 最後に、創作活動をしている方々が最も懸念されている点になりますが、児童ポルノ等の作成、提供となっている点につきまして、児童ポルノ等としては、実写ではない漫画やアニメなどは含まれないのか、この点を確認のために伺いたいと思います。

○井上青少年対策担当部長 答申におきましては、おどされたり、だまされたりするなどして、青少年が自分の裸体等をスマートフォン等で撮影させられた上、メール等で送らされる被害、いわゆる自画撮り被害を防止するために、条例におきまして、青少年に児童ポルノ等の作成、提供を不当に勧誘する行為を罰則をもって禁止することが提言されております。
 ご指摘の児童ポルノ等には、実在しない児童の姿を描いた漫画やアニメは含まれておりません。

○おときた委員 漫画やアニメなどの非実在の創作物は対象外ということがしっかりと確認ができました。
 今後、本緊急答申に基づいて、対策の具体化、条例化の検討が進められていくものと思います。引き続き、子供たちを守る、青少年を守ることを第一に置きながらも、表現の自由など諸権利に慎重な配慮をしていただけるようお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○ともとし委員長 ほかに発言はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○ともとし委員長 これより総務局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 池上都政改革担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十号議案から第九十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小暮総務部長 五月二十九日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料1をごらんください。東京都文書管理規則の改正についてでございます。
 東京都公文書の管理に関する条例の新設に伴い予定しております東京都文書管理規則の改正について、概要をまとめたものでございます。
 具体的には、条例で新たに規定した公文書の管理状況の点検、報告についての規定の追加等を予定しております。
 なお、新たな文書管理の規範となりますことから、七月施行予定分に加え、条例に先行して改正した本年四月施行分の新旧対照表も添付してございます。
 続いて、資料2をごらんください。東京都公文書の管理に関する条例案の概要に対する意見募集の結果についてでございます。
 本年四月七日から二十六日まで実施いたしました意見募集の結果を取りまとめたものでございます。
 今回の意見募集では、合計で十七通の意見書を頂戴いたしております。
 続きまして、資料3をごらんください。雇用保険法等の一部を改正する法律の概要でございます。
 法改正の概要と、その中で今回の条例改正に関連する部分をお示ししてございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中村委員 それでは、東京都公文書の管理に関する条例案について質問いたします。
 今、豊洲市場問題などにより都政改革が求められる中、私は昨年十月の決算特別委員会で公文書管理について質問し、条例制定の必要性を主張しました。
 その後、昨年十二月の当時の都議会民進党の代表質問に対して、知事が初めて早期の条例化を検討すると答弁され、今回の提案につながりました。以前から制定の必要性を求めていた私たちの主張を受けて、早期の制定に取り組まれたことは率直に評価いたします。
 そこで、何点か質問しますが、せっかく条例を制定しても、運用がきちんとされていないと意味をなさなくなります。まず冒頭、適切な文書管理を行うことで、第一条の目的に掲げた都民による都政への参加や都政の透明化が推進されるようにしていただくことを求めます。
 さて、最初に文書の廃棄について質問します。
 豊洲市場の問題のように大きな事業の場合には、個々の文書というものをどのように管理し、また、廃棄するのかということは大変重要なことになってきます。一つの事業が終了する間に、当該事業に関連する文書を廃棄することがあってはならないと考えます。
 公文書を廃棄する起算点となる保存年限の起点はいつなのか、保存年限を迎えた場合は自動的に廃棄してしまうことになるのか伺います。

○小暮総務部長 都では、文書を作成または取得する際には当該文書の保存期間を設定してございまして、保存期間は、作成または取得した時点の翌会計年度から起算してございます。
 事業等に関係する文書につきましては、事業期間等を考慮して保存期間を設定するとともに、事業が終了するまでは、常時利用する文書としての指定または保存期間の延長の措置を必要に応じてとることにより、当該文書を廃棄することなく保存してございます。
 なお、保存期間が満了した場合におきましても、自動的に当該文書が廃棄されるものではなく、組織として廃棄の意思決定をとった上で廃棄しているといったことでございます。

○中村委員 東京都の場合は大きな事業が多いわけですから、その事業を行っている最中に最初の方の資料がなくなってしまうことがないようにということをぜひ徹底していただきたいというふうに思っています。
 さて、今、廃棄の話も伺わせていただきましたが、この公文書、今、事業が全部終了したとして、規則の手続にのっとって廃棄したとしても、例えば、当該の公文書をそもそも廃棄してしまったら、存在していたかどうかというのがわからなくなってしまうというおそれがあるわけです。
 私は、公文書が存在していたということそのものについては、たとえ文書を廃棄しようとも、存在していたことは永久に記録されるべきだと考えますけども、見解を伺います。

○小暮総務部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、公文書を廃棄する際には組織としての意思決定をとってございまして、この意思決定に係る起案文書を見れば、どのような公文書が存在し、廃棄したか、確認することができます。
 ご指摘の廃棄に関する起案文書は、現時点では永久保存という考え方はとってございませんが、総務局としては、五年保存とする基本的考え方を各局にお示ししているところでございます。

○中村委員 五年保存ということではあったのですけれども、例えば文書を保存しようと思えば、もちろん場所の都合等もありますので、どこかで廃棄ということになるのでしょうけれども、あったかなかったかさえ、存在していたかどうかさえわからなくなってしまうと、困ることも出てくるんだろうと思っています。
 例えば過去にさかのぼって資料を調べようと思っても、自分でも探し事をするときに、絶対あると思えばどこまでも探すのですが、そもそも、あるかないかさえわからなかったら、探していいのかもわかりませんし、そもそも、それが後になって、本当はあるべきものだったのになかったとか、責任をどうするのかとか、存在そのものを残すことは大切だと思っていますから、せめてどういう文書があったかだけは、五年保存といわずに、こういうことについての記録は永久に残していただいてはいかがかということは申し述べさせていただきます。
 さて、今回の条例制定及び規則改正によって、文書の廃棄手続を所管局の中でダブルチェックすることになったことは一定の進歩だと思っています。
 ただ、場合によっては、所管局の中だけで完結させるのではなくて、局外においてもチェックをすべきではないかと考えますが、ご所見を伺います。

○小暮総務部長 今回の条例制定によりまして、廃棄手続の厳格化を含めた新たな文書管理の規範を整えるとともに、公文書の管理状況を点検し、公表する仕組みも導入することとなります。
 まずは、総務局が中心となりまして新制度の定着を図りながら、適宜必要な見直しを行うなど、引き続き適正な文書管理に向けて取り組んでまいります。

○中村委員 新たな仕組みが導入されるということは、先ほども述べましたが、進展だと思ってはおりますけれども、これは本当にあってはならないことなのですが、局の中でダブルチェックということだと、例えば、もし万が一、局ぐるみでこれを隠蔽しようということが起きたときにどう防ぐのかということが起きますし、逆に、外がチェックできるということが、そういう局ぐるみで隠蔽していないということを証明することもできると思いますから、そういった点では、まだこの制度が始まったばかりなんですけれども、今後、さらに制度の見直し等をしていただく中で、本当にこういったことが適正にされるようにということを仕組みとして整えていただければと思っています。
 さて、この条例の文章の中を見ると、公文書ということの定義を、実施機関の職員が職務上作成し、または取得した文書等であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして当該実施機関が保有しているものをいうとしていますが、組織的に用いるものとはどのような文書を指すのか。個人のメモのようなものは組織的に用いるものに含むのか伺います。

○小暮総務部長 組織的に用いるとは、当該公文書が、その作成または取得に関与した職員個人段階のものではなくて、組織としての共用文書としての実質を備えた状態、すなわち、当該実施機関の組織において業務上必要なものとして利用、保存されている状態のものを意味してございます。
 したがいまして、個人限りのメモであるような備忘録のような文書につきましては、公文書には該当しないということになります。

○中村委員 もちろん、お仕事上、ちょっとしたメモをとることもあるでしょうから、全部を残すのは大変だと思ってはいるのですけれども、逆に、こういった制度の中で、あえて本当にメモのようなもので、例えば誰が書いたかわからない、詠み人知らずのような文書をつくって持っておくとか、そういったことというのは往々にしてないとはいえないところもありますから、そういったところは--もちろん、本当に個人のメモであればいいのですが、それが職場の中で共有されたりしたときには、誰かがチェックして、これは残すべきではないかとか、そういうことの判断をしっかりしていただく中で、基本的には、先ほどの第一条にあったような趣旨の中で、都民のための書類の保管ということですから、その趣旨が徹底されるようにしていただければというふうに思っています。
 また、条例の文章の中では実施機関の責務としか規定されていないのですが、知事などの実施機関のみならず、一人一人の職員などへの義務づけということも必要になるのではないかと考えますが、ご見解を伺います。

○小暮総務部長 この条例では、第三条及び第四条におきまして、知事等の実施機関に対する責務を規定してございます。
 実施機関がそれらの責務を果たすためには、職員一人一人がこの条例に基づき行動することが求められているところでございます。そのため、実質的には職員も同様の責務を有するものでございます。

○中村委員 先ほどの要求資料の中にも、パブリックコメントでも、このことについてはご意見を出す都民の方もいらっしゃったようなんですけれども、もちろん、これは実施機関ということで、例えば知事がトップで、その中の、職責上、当然、補佐する職員の方々にも同様の責務はあると思うんですけれども、例えば悪意を持って廃棄をしたりとか、なくしてしまうという人がいたときに、あくまで中だけの処分ということになってしまうのですが、条例上も、こういったことをしてはならないという位置づけもあっていいのではないかと思って質問したわけですけれども、基本的には、そういった悪意を持って廃棄するようなことがないように、条例の趣旨をしっかりと職員の方々が生かしていけるように、研修等、徹底等をしていただきたいと思っています。
 さて、次に、秘密文書についても規定がありましたので、伺いたいと思います。
 秘密文書は、秘密の取り扱いをする必要がなくなった段階で公開すべきものだと思っています。情報公開の観点から、秘密文書の指定は極力限定すべきであり、そのような趣旨は、規則だけではなくて条例に書き込むべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○小暮総務部長 住所に関する情報等の特定の個人を識別することができる情報が記載された文書などは秘密文書として指定し、当該文書の記録内容が外部に漏れることのないよう、細心の注意を払って管理してございます。
 また、秘密の取り扱いをする時期を限る時限秘の秘密文書につきましては、秘密の取り扱いを必要としなくなった時点で指定を解除しているところでございます。
 なお、条例には規定していないものの、秘密の指定ができる文書は、東京都文書管理規則等に基づき限定されておりまして、安易な秘密文書の指定はできない制度として運用してございます。

○中村委員 基本的には、文書は公開するのが原則だと思うので、その原則に該当しないものであれば、条例に定めた方がよかったのかなと思ったので、先ほども述べさせていただきました。
 もちろん、個人の情報のこともありますから、こういったものを秘密にするという部分はあるのですけども、そうではない政策の意思決定過程によるもので、あくまで今だから公開できないものだけは例外なんだということであれば、これはしっかりとした取り扱いをするのはやむを得ないと思っていますが、先々になって、何が秘密なのかもわからなくて、それが本当にどこかの時点で解除されているかどうかということもわからなければ、外からうかがい知ることができなくなってしまいますから、秘密文書ということについては本当に厳格な取り扱いをしていただいて、秘密の取り扱いが必要なくなれば、直ちに解除していただいて公開することが必要だというふうに思っています。
 以上、いろいろと質問もさせていただきましたが、大変重要な都政改革の一つの条例だと思っていますので、この趣旨が生かされて、徹底していくことによって、さらに都民のために資するような公文書管理になることを求めまして、質問は終わります。

○曽根委員 私からも、第九十号議案、東京都公文書の管理に関する条例について、何点か簡潔に質問させていただきたいと思います。
 今回の条例制定は、例えば豊洲の地下の盛り土がなかった問題のように、極めて重大な事案が文書抜きで決定されているような事態を、軽易な事案を除いて全て文書で事案を決定すること、また、重要な事案の決定について、その経過等を明らかにする文書の作成の義務化、公文書は、その性質や重要度に応じて、保存期間を現状よりもさらに大幅に延長するなどの措置が今後とられていくことが、この考え方からすると、当然、期待されるところです。
 それで、基本的な点をきょうお聞きしたいのですけれども、今回の条例制定や、この間、小池知事のもとで打ち出されてきた公文書管理に関する考え方や規則の改正もあったと思いますが、これらによって保存期間が変更になるという文書はどういうものなのか。また、その根拠となる今回の条例案や規則の規定はどういうふうになっているのか、お聞きします。

○小暮総務部長 文書の保存期間の変更についてでございますが、平成二十八年度末の東京都文書管理規則の改正によりまして、起案文書ではない資料文書の保存期間を最長三年から最長十年に延長し、本年四月から先行実施してございます。
 適切な保存期間を設定することを制度的に担保するため、今回の条例案では、第七条におきまして、実施機関に公文書の効力、重要度、利用度、資料価値等を考慮して保存期間を設定するよう義務づけたところでございます。

○曽根委員 資料文書というのは、起案に至らなかった、実施段階に入る前にとどまった文書のことだそうですが、こういう文書の中にも、実は大変重要な内容を含むものがあり得るわけで、これが最長三年しか保存期間がなかったものを十年まで延長できるようにしたということは大変重要だと思います。
 さらに、公文書全体について、私たちはかなり保存期間の延長が必要なものがあるだろうと思っておりますので、具体的な重要度に対する検討や保存期間の再設定をぜひ積極的に行っていただきたい。
 その一例として、舛添前知事に対して私たちが質疑をする際に、知事の公用車の記録をとりましたが、これがわずか一年しか記録されていないということで、知事の任期は四年間ですから、少なくとも四年間、知事の一期分が終わるまでの公用車の記録ぐらいは保存しておいていただかないと、その間にあった問題の全貌が明らかにならないという、非常に大きな限界を感じたわけです。
 その一年間の百五十数回にわたる、知事が政務と称して行き先も使い道もわからない公用車の利用があったその中で、マスコミ報道などもあった野球の観戦やコンサートへの家族を伴った利用という問題について、私、この総務委員会の集中質疑で昨年六月に取り上げましたが、その後、これが住民監査請求があって、結局、住民監査の請求に応えて、監査事務局の方が舛添知事側に要求し、このわずか三回分だけ返還があったと。都合六万五千円だというんですけど。
 それで、あと百五十数回の不明な部分の利用もわからないし、過去一年以上にわたる舛添知事当選以来の公用車の記録も全くわからないと。こういう非常に大きな限界を私たち自身も痛感したところです。
 それで、例えばこういう公文書の保存期間を延長する必要があるという、誰が見ても明らかな問題について、今後、どういう検討や改革が行われていくのか、どういうふうな進め方になっていくのかをお聞きしたいと思います。

○小暮総務部長 公文書の保存期間につきましては、総務局が示す基本的考え方に基づきまして、各局長が文書保存期間表を定めることになってございます。各局におきましては、今回の条例の趣旨を踏まえまして、文書保存期間表の見直しを行うこととなります。
 また、今回の条例制定により、各執行機関が公文書の管理状況を点検するとともに、その管理状況を知事に報告する仕組みを導入することから、総務局といたしましては、これらの報告も含め、運用実態や課題の把握に努めながら、その改善を図ってまいります。

○曽根委員 そうしますと、やはり基本的な考え方を示すのは総務局であるということ。各局--例えば知事の公用車の利用記録の管理は財務局なんですね。しかし、これは知事に直結した問題ですから、政策企画局なども、実は内容的には関連はしているんですけども、そういった局にまたがるような重要事項に関する公文書を扱っている局と、考え方などを示す局が違うというような場合には、全体としては総務局が基本的な文書の保存期間のあり方や考え方を示すということですので、非常に重要な役割だと思います。
 特に私たちにとって、ありとあらゆる--何か年間百万件を超えるような公文書が東京都の場合でもあるそうなのですが、全部が全部というものではなくて、やはり都民にとって非常に関心の高い、重要だと誰もが考える分野の情報公開を進めていくために、また文書管理を延長していくために、総務局は文書管理の取りまとめを行うということですので、どういう役割を今後果たそうとしているのかについてお聞きしたいと思います。

○小暮総務部長 今回の公文書の管理に関する条例制定によりまして、政策の形成過程における文書作成の徹底や文書廃棄手続の見直しなど、新たな文書管理の規範を整えるとともに、公文書の管理状況を点検し、公表する仕組みも導入してまいります。
 今後は、総務局が中心となりまして新しい文書管理制度の定着を図りながら、公文書管理の点検結果等を踏まえまして適宜必要な見直しを行うなど、引き続き、適正な文書の管理に向けて取り組んでまいります。

○曽根委員 わかりました。今回の条例制定は、まずスタート地点であって、この考え方や枠組みを今後中身として、都民が見て、これは余りにも早く廃棄し過ぎているのではないかといわれるような分野については、その都民の要望に応えて、保存期間の延長や文書をもっときちんと保管するシステムの構築などにこれから取り組んでいくということですので、ぜひ積極的な取り組みをお願いしておきたいと思います。
 続けて、今回の付託議案で、第九十七号議案の東京都人権プラザ条例の一部改正の条例について何点かお聞きしておきたいと思います。
 今回の人権プラザの、昨年、浜松町、都心に本館が移ったということ、このこと自体は、人権プラザの機能からいって、より充実という方向ですが、残されたこれまでの人権プラザが分館として現在利用されている。これを来年春までに廃止するということですが、東京都として、この分館を廃止した後の施設の活用については、現在どういう方針を持っておられるのか、まずお聞きします。

○箕輪人権部長 東京都人権プラザ分館の廃止後につきましては、建物が老朽化していることを踏まえまして、建物を取り壊し、土地につきましては財務局に引き継ぐ予定でございます。
 引き継ぎ後の利活用につきましては、東京都の公有財産関係の条例や規則にのっとりまして、関係各方面との調整の上、決定されます。

○曽根委員 そうしますと、この分館の廃止後の活用については、附帯条件などをつけずに一般的な東京都の--今までは行政財産ということになりますか、それを普通財産、財務局の方に引き継ぐという形での一般的な方向性が決まっているだけということのようです。
 しかし、ここは、一九七〇年代初めぐらいに建設されてから四十年以上の長い歴史がある、かつ、また都民のさまざまな運動や、それから住民の利用に供されてきた施設ですので、地元の施設利用者などからは大変強い要望が出ていると思うんです。
 これらについては、当然、総務局としてはつかんでおられると思いますし、また、その受けとめについてお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○箕輪人権部長 現在の東京都人権プラザ分館につきましては、一部の地元の方々から、その建物につきまして、今後も地域のコミュニティの場として、また、歴史的経緯からも地場産業の皮革履物産業振興のセンターとして活用すべきであるとのご要望があることは把握してございます。
 東京都人権プラザ分館の建物につきましては、その設備等の老朽化が進行しておりまして、現在の建物の使用を継続することは考えてございません。
 なお、分館の廃止に当たりましては、利用者の方々に対しまして周知徹底を図ってまいります。

○曽根委員 地元の要望は二点です。今もお話しになりましたが、地域のコミュニティの場、そして、ここは同和事業を初めとする地元のさまざまな人権問題の、以前から歴史的な地場産業である皮革履物産業などの拠点といいますか、その事業に携わる方々のいわばよりどころとして非常に大きな役割を果たしてきたことは多くの都民の方も知っていると思うんです。
 この施設を利用していた団体である旧東京都人権プラザの活用を考える会の皆さんからも私たちは要望をいただいておりまして、一つは、歴史的な経緯、つまり同和事業があった時代などからずっと営々と続けられてきた皮革履物産業の育成というような事業については、むしろ地場産業育成ということで今後も必要ではないかという声が率直に上がっているわけですけれども、これは総務局さんはお答えしにくいとは思いますが、現状で皮革履物関連産業の育成という点ではどういう課題を持っておられるのか、お聞きします。

○箕輪人権部長 東京都人権プラザ分館の前身でございます東京都産業労働会館では、皮革履物関連産業の振興を図るための事業も行っておりましたが、平成十四年に、同館を廃止いたしまして東京都人権プラザとなったものでございます。
 東京都人権プラザは、都の人権啓発の拠点としての位置づけとなってございます。
 ご質問の皮革履物関連産業の振興ということでございますが、こちらにつきましては、所管外ということもあり、お答えする立場にございません。

○曽根委員 なかなか難しいことを聞いてしまいましたが、確かに、この間の施設の利用のあり方については大きな変化がありましたので、地元で利用している方々の希望の一つである皮革履物などの産業の振興や人材育成なども含めたあり方を考えていくとすれば、一つは東京都の産業労働局、もしくは地元の台東区、こういうところがある程度連携しないと、こういう産業の育成という分野については、総務局ではなかなか担えないという段階に来ているんだと思います。
 それでは、もう一つの施設の今後の活用で、日常的に集会施設として利用している方々がおられるわけで、サークルや地元のさまざまな自治会や町会関連も含めた会合に使っている。この利用の利便を損ねないように、例えば地元の台東区との今後の協力関係は、プラザ分館が仮に廃止されても、台東区として何か協力して跡利用を考えていくなどのことはできるんじゃないか、そういう意味での働きかけは当然だと思うのですが、いかがでしょうか。

○箕輪人権部長 地元の台東区に対しましては、これまでも、東京都人権プラザの移転、分館の廃止予定等につきまして情報提供を行ってございます。
 繰り返しになりますが、分館の廃止後につきましては、建物が老朽化しているということを踏まえまして、建物を取り壊し、土地につきましては財務局に引き継ぐという予定でございます。
 引き継ぎ後の利活用につきましては、東京都の公有財産関係の条例や規則にのっとり、関係各方面との調整の上、決定されます。
 今後とも、区に対しましては必要な情報提供を行ってまいります。

○曽根委員 この場所をいいますと、最寄りの地下鉄などの駅からもちょっと離れていまして、バス便ぐらいしかないんですよね。したがって、なおのこと、地元の方にとっては非常に使い勝手のいい施設だったようで、この利便を丸々なくしてしまうということについては、利用者の方から強い要望があると思います。
 したがって、やっぱり台東区など地元の自治体としてどうするのかと。区民の方々の要望に応えるという基礎自治体としての役割も果たしてもらうことも含めて、また、できれば、歴史的な経緯を踏まえて地元の地場産業にも何らかの関連、貢献ができるような施設のあり方はないのかどうか、こういうことの検討も含めて、台東区の方との情報提供や連携の働きかけをぜひお願いしたいということを申し上げて、質問を終わります。

○ともとし委員長 他に発言はありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○ともとし委員長 次に、報告事項、多摩の振興プラン(仮称)素案について外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行いたいと思います。
 発言を願います。

○三宅委員 まず、東京の防災プラン進捗レポート二〇一七について伺います。
 このレポートは、防災対策の進捗状況を自助、共助、公助の観点から取りまとめて公表することで、わかりやすく都民に示すとともに、防災対策を着実に進めていくことを目指しているとのことですが、昨年、二〇一六年版が公表され、今回は二年目となります。
 二年目のレポートを作成するに当たり、どのような工夫を凝らし、また、防災対策において、昨年版と比べてどのような進展が見られているのか、まずはお伺いいたします。

○西川防災計画担当部長 東京の防災プラン進捗レポートは、平成二十六年十二月に策定いたしました東京の防災プランで掲げた取り組みにつきまして、その進捗状況を明らかにし、二〇二〇年に向けた防災対策のスピード感と実効性を高めることを目的に、昨年から策定を行っているものでございます。
 二年目である本年につきましては、主要な施策の達成度や都民意識の推移につきまして、グラフをレポートの冒頭に多数配置いたしまして、昨年からの取り組みの進捗と到達状況につきまして、わかりやすくお示ししております。
 また、熊本地震に際しての支援の経緯等から得られた教訓を示すとともに、これを踏まえまして、災害対策本部の機能強化、応援受け入れのルールの明確化、実効性ある物資の受け入れ、輸送体制の整備、円滑な災害廃棄物処理体制の構築など、取り組みの強化を図ることといたしております。
 都では、この進捗レポートを活用し、さまざまな災害に備え、全庁的な取り組みの強化を引き続き図りつつ、訓練による検証も積み重ねながら、自助、共助、公助による防災対策の実効性をさらに高めてまいります。

○三宅委員 東京の防災プランでは、島しょ地域における災害対策として、地震による津波対策を中心に具体的な対策が記載されています。
 南海トラフ地震による津波は、島しょ部に甚大な被害をもたらすことが想定されており、あらゆる津波対策に取り組むことが重要ですが、ハード、ソフト、さまざまな対策がある中で、まず、命を守るために避難計画の策定が喫緊の課題であります。
 避難計画策定について、都の取り組み状況についてお伺いいたします。

○西川防災計画担当部長 南海トラフ地震による津波への対策といたしまして、都は、島しょ町村の避難計画の策定の支援や、早期避難が困難な港における津波避難タワーの整備など、ハード、ソフト両面から防災対策に取り組んでおります。
 避難計画の策定につきまして、都は平成二十七年度、各島ごとの避難経路案などを示しました津波避難計画モデルを作成し、島しょの町村に提供いたしました。
 昨年度、都は、島しょ町村との連絡会等において策定に関する助言等を行い、小笠原村と御蔵島村が避難計画を策定いたしました。
 現在、他の町村においても、策定に向け取り組みを進めておりまして、今後とも、避難計画策定に取り組む町村に対し、技術的な助言と必要な支援を行ってまいります。

○三宅委員 島しょ地域は、津波以外にもさまざまな災害リスクを抱えていますが、火山対策については、大島や三宅島の次の噴火を見据え、早急に取り組む必要があると思います。
 この点について、都の取り組みについて伺います。

○西川防災計画担当部長 島しょ部における火山対策として、都はこれまで、気象庁と連携した火山活動状況の観測や砂防施設等の整備を行ってまいりました。
 また、活動火山対策特別措置法により警戒地域に指定されている六島につきまして、島しょ町村や国の機関、火山専門家等で構成する火山防災協議会を島ごとに設置し、避難計画の策定に向け、鋭意検討を進めております。
 避難計画の策定に当たりましては、各島の実情に沿った避難計画となるよう、避難場所、避難経路、要配慮者への支援方針等について議論を行っております。
 昨年度は、大島、三宅島の避難計画、八丈島、青ヶ島のハザードマップの作成に取り組み、ことしの五月に策定いたしまして公表いたしました。
 今年度は、新島、神津島のハザードマップを作成するとともに、八丈島、青ヶ島においても、噴火警戒レベルを設定し、運用していくことを予定しており、今後、平成三十二年度までに全ての島の避難計画を策定することを目指し、取り組みを進めてまいります。

○三宅委員 私たちの住む伊豆・小笠原諸島では、地震だけではなくて、台風、津波、噴火と、他の地域と比べても災害が多く、住民の生活の安全や、農業、漁業、観光などの産業振興のためにも、これらの被害を最小限に抑えることが必要だと思っております。
 あらかじめ、さまざまな災害リスクに備えた避難計画を作成するなどの防災対策について、島しょ町村が主体的に取り組んでいかなくてはならないとは思いますが、島しょ町村の独自の努力だけでは多くの困難があり、都を初めとする防災関係機関の支援も必要となります。
 これらのことを踏まえ、より実践的な訓練を通じて避難計画を実行してみるとともに、各防災機関との連携手順を確認していくことが重要となります。
 そこで、島しょ地域における都の防災訓練の取り組み状況について伺います。

○梅村総合防災部長 島しょ地域には、津波や噴火などの島しょ特有の災害リスクがございます。
 都はこれまで、島しょ地域の特性を踏まえた総合防災訓練を行っておりまして、昨年度は、大島町、利島村と合同で、島民の参加のもとに、炊き出し訓練や島外避難に向けた避難訓練等を実施いたしました。
 本年度も、十一月に、八丈町、青ヶ島村と合同で、自衛隊等の防災機関の参加も得まして、地域の状況に応じた避難訓練や救出救助訓練等を実施する予定でございます。
 今後とも、島しょ町村との合同による訓練を継続的に実施し、各島の避難計画等の実効性を高めるとともに、島しょ町村や各防災機関との連携を強め、島しょ地域の防災力を高めてまいります。

○三宅委員 私も、昭和六十一年の大島の三原山噴火の際、実際避難したのですが、その際にはやっぱり、三十年前でもあるにもかかわらず、不正確な情報が、デマというのが広がって大変な思いをしたわけです。
 今回のこの進捗レポートの中にも、各種情報の的確な発信といわれておりますが、情報不足による混乱を防ぐ、発信力を強化すると書いておりますが、ぜひ迅速に正確な情報を伝えていただけるよう、訓練等を通じて取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 先日の我が党の高橋信博議員の代表質問において、多摩の振興プラン(仮称)についての質問を行いましたが、多摩の振興については、まさにこれまで我が党が心を砕いて取り組んできた事項であります。
 そこで、改めて、今回公表されたこの素案について何点か伺います。
 まず、このプランの策定の意義についてお伺いいたします。

○山口多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務 平成二十五年三月の新たな多摩のビジョンの策定から四年を経過し、この間、多摩を取り巻く状況は変化をしております。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックでは、多摩地域におきましても一部競技が行われることになりましたほか、平成二十七年九月には、ラグビーワールドカップ二〇一九の開会式、開幕戦を東京スタジアムで開催することが決まりました。
 また、近年、自動運転や人工知能、IoTなど目覚ましい技術革新の動きが見られますほか、国におきましては、国家戦略特区や都市農業振興など規制緩和や制度改正の動きが進んでおります。
 都におきましては、昨年末に、東京二〇二〇大会の成功とその先の東京の未来への道筋を示す二〇二〇年に向けた実行プランを策定するとともに、現在、二〇四〇年代の都市像とその実現のための方策を明らかにする都市づくりのグランドデザインの策定に向けた検討を進めております。
 こうした状況を踏まえまして、多摩地域の振興におきましても、改めて、当面の取り組み、また長期の視点に立った方向性を提示するため、新たに多摩の振興プラン(仮称)を策定することといたしました。

○三宅委員 都はこれまで、平成二十五年に策定された新たな多摩のビジョンに基づき多摩振興に取り組んできましたが、この取り組み状況の分析なくして、事は先に進まないと考えます。
 この点、どのように評価されているのか伺います。

○山口多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務 都ではこれまで、新たな多摩のビジョン及びその具体の取り組みを示した新たな多摩のビジョン行動戦略に基づき、道路ネットワークの整備や産業振興、医療の充実、防災力の向上など、多摩振興の取り組みを着実に推進してまいりました。
 例えば、道路ネットワークの整備では、平成二十七年五月に多摩川南岸道路の城山工区が開通したほか、同年八月には、多摩南北道路の五路線のうちの一つである調布保谷線が全線開通しております。
 また、医療の面では、多摩総合医療センターや小児総合医療センターの機能強化などを図ってまいりました。
 一方で、人口減少、少子高齢化への対応や道路等の交通インフラ整備など、さらなる充実強化が求められるもの、長い事業期間を要するものがあり、こうした課題への対応が引き続き求められていると認識をしております。

○三宅委員 一口に多摩といっても、地域ごとに特性や課題は異なると思います。こうした点を含め、現在の多摩を取り巻く状況についての認識をお伺いいたします。

○山口多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務 理事ご指摘のとおり、多摩の中でも、地勢、人口動向、土地利用、産業構造など、地域によって特性や課題はさまざまでございます。このため、今回、多摩地域を西多摩、南多摩、北多摩西部、北多摩南部、北多摩北部の五つのエリアに区分し、それぞれの特性や状況の把握を行っております。
 例えば、人口減少、少子高齢化につきましては、西多摩エリアを中心に進行してございまして、空き家率では、北多摩南部エリアで高い状況となっております。また、都市計画道路の完成率で見ますと、特に北多摩北部エリアが低い状況となっております。また、製造品出荷額等は、西多摩エリアと南多摩エリアで高い状況でありますが、近年、大規模工場の撤退などもあり、ともに減少傾向にあります。このほか、西多摩エリアでは、最近のダイヤ改正により、JR青梅線、五日市線の運行本数の減便がありましたほか、南多摩エリアでは、大学の都心への移転などの動きが見られます。
 こうしたことから、多摩におきましては、地域ごとの課題解決に向けた取り組みが必要と考えられます。

○三宅委員 素案では、二〇二〇年の先を見据えた多摩の目指すべき地域像や施策の方向性がうたわれていますが、そこでの基本的な考え方についてお伺いいたします。

○山口多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務 二〇二〇年の先を見据えた多摩の目指すべき地域像と施策の方向性につきましては、現在策定中の都市づくりのグランドデザインの内容とも整合を図りながら、おおむね二〇四〇年代を見据えて提示をしております。
 施策の方向性に関しましては、サステーナブルなまちづくり、東京の緑を総量としてこれ以上減らさない、技術革新の力による生産性の向上、物、空間、時間などのさまざまなあきの活用、それから東京二〇二〇大会等のレガシーを生かすといった基本的な考え方に立ち、検討を行っております。

○三宅委員 このプランに掲げる地域像の実現に当たっては、実効性ある取り組みが欠かせません。
 こうした点を含め、今後どのように多摩振興を推進していくのか、局長の決意をお伺いいたしたいと思います。

○多羅尾総務局長 多摩地域は、東京の三分の一に相当する四百万人もの人口を擁し、高い技術力を持つ中小企業や大学、研究機関が集積しているほか、豊かな自然や地域の特産物にも恵まれ、多摩地域の発展は、今後の活力ある都市としての東京に欠かすことができないと考えております。
 一方で、先ほども担当部長からご答弁差し上げたとおり、多摩地域は、人口減少、少子高齢化を初め、地域ごとにさまざまな課題を抱えており、こうしたことも踏まえ、この夏に多摩の振興プラン(仮称)を取りまとめることといたしました。
 理事のお話のように、プランをつくりましても、そのプランを実効性のあるものにしていくことが極めて大切でございます。
 今後、庁内各局との連携を密にすることはもとより、市町村を初め、多様な主体とも連携し、また、市町村間の連携も促しながら多摩振興を精力的に推進し、多摩地域の持続的発展につなげてまいります。

○三宅委員 引き続き多摩振興にしっかり取り組んでいただいて、ぜひ結果を出していただきたいと思います。
 これで質問を終わります。

○中村委員 それでは、私からも多摩の振興プランについて質問いたします。
 私も三鷹市選出の議員として、これまでも何度も多摩の振興については質問してまいりました。
 おかげさまで市町村総合交付金も徐々にふえてきてはおりますし、社会インフラの整備も、かつてほどは格差はなくなってきたんだろうと思っていますが、都の方は、その縮まってきたことをもってして格差がなくなってきたといういい方をするんですが、暮らしている実感としては、まだまだ格差は存在しているという感じは受けています。
 むしろ、先ほど来、議論もありますけれども、大きな製造業が減ってきたりと、いろんな点で新たな局面での格差というのを感じないではありません。
 都全体の中での多摩地域というと、よく自然とか観光とかということがいわれていますが、全てがそうではなく、地域ごとに特色がありますから、実際には、二十三区に八百万の方が住んでいますが、その半分の四百万もの方が住んでいるということもありますので、こういったことにしっかり目を向けていただいて多摩振興を図っていただきたいというふうに思っています。
 特に昨今では多くの企業、特に東京都はこれまで多摩シリコンバレーというような名称まで使っていたわけですが、その電気産業の多くが郊外に移転をしてしまって、その分、雇用が減ってしまうということになり、一方では、大学が都心に移転をする中で若い人の移動があったりと、結局、多摩地域の方では、区部に比べて高齢化が先に進んでいくというような状況もあるようです。
 こうした状況におきまして、多摩振興といいながらも、なかなか厳しい状況にあるということをしっかりと踏まえていただいての今後の多摩振興に取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 そこでまず、今も述べましたが、この多摩の振興プランの素案も公表されましたが、この中の多摩を取り巻く状況というところで、製造品の出荷額等の減少や大規模工場の撤退についても触れています。
 この製造品出荷額等の近年の推移と大規模工場の撤退の状況について、まず伺います。

○山口多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務 多摩地域の製造品出荷額等ですが、平成十六年に約六兆九百億円でありましたが、平成二十六年には約四兆九千億となっており、この間、波はあるものの、十年間で約二割減少をしております。
 大規模工場の撤退につきましては、近年、東芝日野工場、雪印メグミルク日野工場、日本無線三鷹製作所などの撤退がありましたほか、この三月には東芝青梅事業所が撤退をしております。また、二〇二〇年には日野自動車日野工場が撤退予定と聞いております。

○中村委員 大きな企業が撤退をすると、もちろんそこで働いている人もそうですし、下請の中小企業や、また、それに関連する地域の商店街等、飲食業等も含めて大きな影響が出るものがあります。
 私も、この日本無線三鷹製作所、地元であったので、当時、産業労働局になるわけですけれども、いろいろお話はしたのですけれども、企業の活動ということで、なかなか都が直接的にはできなかったり、地元市の話だからということになってしまっていたのですが、これだけ数千人もの事業所規模であり、また、影響から含めると物すごい大きな影響があることであれば、これは恐らく、地方の県であれば県レベルで動くような話であったのではないかと思うのですが、残念ながら、産業労働局の目立った動きがあったようには私には思えなかったわけです。
 今後、こういったことをどのように対応していくのかということはしっかり考えていかないと、今、例えば、いろいろ海外の企業を特区を行う中で都心に呼ぼうとしているということはやっているにもかかわらず、そのそばから、この多摩地域の方でどんどん企業がなくなってしまうということであれば、政策の一貫性もなくなってしまうのではないかというふうに思っています。
 そこで、先ほども状況はお答えいただきましたが、こうした状況の中で、多摩地域の産業が今後衰退に向かうのではないかという懸念も残っています。今回の素案では、先々を見据えたものづくりなどの産業振興について、どのような内容を盛り込んでいるのか伺います。

○山口多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長
事業調整担当部長兼務 理事ご指摘のとおり、大規模工場の撤退等という状況はございますが、ものづくりなどの産業振興につきましては、先端企業や大学、研究機関等との連携を強化し、新たな価値を生み出すイノベーションの創出を図るとともに、地域の産業基盤を維持強化するとの施策の方向性を打ち出しました。
 具体的には、大規模工場跡地や公的住宅の建てかえ創出用地等を活用した地元市によるイノベーション創出に向けた拠点づくりの支援、航空宇宙や健康、医療、環境、危機管理など成長が見込まれる産業分野への参入促進や技術開発支援の推進、八王子市に整備予定の広域的産業交流拠点を活用した都域を超えた産業集積、産業交流の促進などを盛り込みました。

○中村委員 政策はいろいろとやっていただいているのですが、例えば、先ほどのお答えの中にも大規模工場の跡地等の活用ということで、先ほど述べました三鷹市でも、日本無線の三鷹製作所の跡地のところには、産業等の誘致ということでやってはいただいている仕組みは、市と都で一緒になってやってもらうのですけれども、ただ、跡地になってしまわないようにした方が--跡地をどう活用するかという以前の問題として、跡地にならないような政策というのも、なかなかこれが具体的には見えてこないので、そこはしっかりやっていただきたいというふうに思っています。
 特にいろいろとこれから状況も変わっていく中で、例えばこれは通勤電車の混雑緩和も重要な話ですし、そういうときに、時差通勤とかということも大事だと思うのですが、そもそも地域で働く場所がなくなってしまえば、都心へと向かっていくしかなくなってしまえば、それだけでは混雑緩和ができないわけですし、これから特に少子高齢化になると、地域での支え合いとか、そういう地域の経済ということも大事になるわけです。
 地域の中にお仕事があれば、近いところで働けば、子育てや介護とも両立しやすいわけですし、いろんなことを見据えても、それぞれ多摩地域にも雇用があることが大切だというふうに思っています。
 雇用の政策、産業の政策ということで産業労働局だけの役割ということよりも、この多摩振興全体の取りまとめを総務局がやっているわけですから、都全体として、もっともっと多摩振興のことに力を入れていくということをリードしていただいて、産業労働局にもしっかりやってもらうという、都全体の政策になっていくことが大切だと思っていますから、ぜひ今後、多摩の振興プランがしっかりとその趣旨が生かされて、いろいろな社会の状況の変化や状況もあると思うのですけれども、多摩振興に取り組んでいただくことをお願いいたしまして、質問の方を終わります。

○曽根委員 私からは、東京の防災プラン進捗レポートについて何点か質問させていただきたいと思います。
 今回の進捗レポートは、去年に続いて二回目になるのでしょうか。ちょうど二〇一六の進捗レポートが発行されたのは去年の五月になっていますが、取りまとめられたのは三月と。この間に熊本地震が起きているわけで、実際には、熊本地震での被害や、そこへの東京都の支援、そして、ここの特徴である震度七が連続して起こったことに対するその後の対策の強化、何が必要なのかという問題については、この中にもちろん反映されていない。
 その後、一年近くたった今回の進捗レポートの中で、一年間いろいろと現地にも支援に行って東京都がつかんできた教訓やノウハウについて盛り込めていることが期待されるわけなんですけれども、実際には、取り組みが一層加速されるべき分野についてどういう方策が打たれているのか、全体的な取り組みについてお聞きします。

○西川防災計画担当部長 都では、熊本地震に際しての職員派遣などの支援の経験をみずからの防災対策に反映することが極めて重要であるとの観点で、この間、支援の経験から教訓を抽出、共有するとともに、防災対策への反映に努めてまいりました。
 東京の防災プラン進捗レポート二〇一七におきましても、熊本地震における支援の経験等から得られた教訓を示すとともに、これを踏まえ、災害対策本部の機能強化、応援受け入れルールの明確化、実効性ある物資の受け入れ、輸送体制の整備、円滑な災害廃棄物処理体制の構築などの取り組みを図ることとしております。
 今後も、この進捗レポートを活用し、さまざまな自然災害に備え、全庁的な取り組みの強化を引き続き図りつつ、訓練による検証も積み重ねながら、自助、共助、公助による防災対策の実効性を高めてまいります。

○曽根委員 お話にあるように、熊本市やその周辺地域では、直下型の大規模地震というのは長期間にわたって経験がないということから、全国からの支援の受け入れ体制そのものの構築に苦労したと。そこに東京都の支援があって、非常に助かったというお話を聞いています。
 したがって、ここからの教訓は、発災後のさまざまな緊急体制、救援やその後の救護の体制づくりということにどうしても目が行きがちなんですけれども、実は、震度七が二回起きたということについて、予防の観点からいうと、さらに大都市東京での課題というのは、もっと深刻なというんですか、厳しい課題が突きつけられているんじゃないかというのが、この間、私たちの見てきたところなんです。
 一番問題なのは、やっぱり住宅などの耐震がこれまでの進め方でいいのかという問題に、どうしてもぶつかるわけですね。
 その点で、今回、これは率直にいって--主に都市整備局の問題ですから、ここは指摘だけにしたいんですけれども、今回のレポートの公助の取り組みの一番に出てくるのが耐震化率なんですね。進捗はどうだったのかと。
 概要のこの図を見ますと、最新データが二〇一四年なんですよ。目標は二〇二〇年までに九五・〇%。二〇一四年が八三・八%ですね、住宅の耐震化率。これで十分なのかと。五十六年規定ですよね、昭和五十六年の基準ですよね。
 せめてほかの図のように、二〇一六年度か二〇一五年度のデータはないのかとお聞きしたら、それはないんだと。進捗レポートを一年ごとに出しても、間が点々になっているだけで、どの程度の進捗かはわからないという、もうちょっと担当部署のところで、しっかり住宅の耐震化の現状や新たな課題について考えてもらわなきゃいかぬなということを私は痛感したので、ちょっと申し上げておきたいと思うんです。
 ただ、その中でも、去年の事務事業でも私ちょっとお聞きしましたが、マンションについては、東京都の人口の二割が分譲マンションで、賃貸も含めると四割以上になるかと思いますが、そこのマンションの住民組織、特に管理組合等への支援については、総務局の所管である、総務省からのいわゆる住民組織への支援という形で、この間、強化が図られてきたということは、率直に私たちも重視しているんです。
 例えば、学習セミナーの実施回数などがふえてきているし、今後もふやしていかなきゃならないと思いますが、そういう点ではどのように進められているのか、お聞きします。

○和田防災対策担当部長 マンションなどでも、居住者みずからが自主防災組織を結成し、自助、共助の取り組みを進めることが重要であります。
 都では、平成二十五年度より、マンションの管理組合を含めた自主防災組織を対象として防災の専門家を派遣するセミナーを実施しております。このセミナーでは、コースの一つにマンションの防災対策を設定しており、昨年度の全セミナー二百五十回のうち五十四回開催をいたしました。
 このコースでは、マンションにおける防災マニュアルの作成など、具体的な防災活動について学べる講義やディスカッションを実施しております。
 引き続き、こうした取り組みを実施することで、地域で防災活動に取り組む自主防災組織の自助、共助の取り組みを支援してまいります。

○曽根委員 実は私も、自分の住んでいる二百七十世帯ほどの大型マンションで、おととし、だめだったんですね、抽せんに外れまして。去年は何とか当せんして、マンション防災セミナーの基礎講座というようなものを受けさせていただいて、その講師に来た方は、熊本に行った方で、あっちでも一階のピロティーのようになった駐車場が全部潰れたマンションの写真なんかも見て、非常にリアルに話もいただいて、初心者コースでしたけれども、大変役に立ちました。
 こういったマンション特有の抱えている問題や、高層住宅の場合には、高層階の消防や防災とエレベーターの問題などなど独自の問題を抱えておりますので、引き続き自主防災組織--つまり、管理組合が自主防災組織という役割をちゃんとみずから果たそうとすれば、今は防火管理者も置かなければなりませんし、当然、それにふさわしい、マンション特有の防災のための資器材や、さまざまな自治体からの支援もあってしかるべきだと思いますので、こうした取り組みについては、国とも連携しながら、ぜひ進めていただきたいということを要望しておきます。
 最後に、この防災プランの中でも取り上げている中小河川の水害問題で、私の地元北区は、王子駅周辺で、二〇〇五年と二〇一〇年に五年置きに二回の大水害がありまして、特に二〇一〇年は四百五十世帯が水につかるという大変な被害が出たのですが、その後、七十五ミリ対策というのが、都市型水害に対して、石神井川を含む都市型河川について適用されました。
 かなり急ピッチで、今、対策が進められているのですが、決定的だなと私が思うのは、下流の隅田川に合流する直前の北区ではほとんど雨が降っていないと。しかし、その直前に、板橋で百十四ミリ、練馬で百ミリという大豪雨が、ちょっと前に起きているわけですね。その濁流が全部北区に流れてきて王子駅付近であふれるという事態が二回続いたわけです。
 したがって、これは、荒川で今、取り組まれている、国を中心としたタイムラインほど長期のスパンではありませんが、上流で起こっている集中豪雨やそれによる水位の上昇を、直ちに下流の自治体、七自治体ぐらいが石神井川はありますけれども、全部が共有して、直ちに準備、防災体制に入るというような連携はどうしても必要になると。
 それはかなり進んできていますが、そういう点での区市町村との連携を、都としてはどのような対策を進めようとしているのでしょうか。

○西川防災計画担当部長 水害による被害を防ぐためには、気象情報を正確に把握いたしまして、住民に速やかに注意喚起を図るとともに、平時から地域の水害リスクを住民に周知する必要がありますことから、住民との接点の多い区市町村との連携が重要でございます。
 都は、水害のおそれがある場合に、区市町村が避難勧告等の判断を速やかに行えるよう、水位情報や気象情報を災害情報システム等により区市町村に提供しております。
 また、昨年度、区と連携して、水害時の避難に関する住民向けのワークショップを実施し、水害時に住民が速やかに避難できるよう、意識啓発に努めているところでございます。
 ことしも引き続き、区と連携したワークショップを実施するほか、水害の多い時期に備え、区市町村に対し、水害対策に万全を期するよう改めて周知するなど、連携して水害対策に取り組んでまいります。

○曽根委員 あとは要望にとどめておきますけれども、中小河川の水害対策は、基本的に区市町村ごとに立ててくださいというのが東京都の基本的枠組みになっております。
 しかし、同時に、石神井川の北区の現場でも、河川工事を東京都が行っておりまして、これに伴って水防計画というのを東京都自身が持っているわけです。それは、主には工事現場を守るための、氾濫や溢水を防ぐための計画なんです。しかし、同時に、北区の住民を守るという役割もあるじゃないかということで、最近、周辺住民に対する水防計画の充実というのが行われました。
 こういう点では、下流での水害を防ぐための、東京都と、この場合、石神井川の場合は、首都高の高速中央環状線が乗っかっていますので、首都高速道路株式会社と地元の北区との連携が、ようやく今、とられるようになってきたということで、関係者の連携というのは、実質的には非常に重要になってきておりますので、これが実質的にもっともっと進むように強くお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

○ともとし委員長 ほかに発言はありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたします。
 以上で総務局関係は終わります。

○ともとし委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第九十号議案から第九十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対する発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 日本共産党都議団の、第九十一号、第九十五号議案についての意見を述べます。
 この両議案は、都の行政手続の一部において、対象者の個人番号、いわゆるマイナンバーを取得、利用する内容が含まれております。
 マイナンバー制度については、行政側による住民一人一人の個人情報の収集、監視が可能となる問題と同時に、この間、繰り返し、行政の持つ個人情報が業務委託先の企業や個人を通じて大量に漏えいする危険があり、それを防止する決め手がまだ確立されていないことなどから、導入と実施に反対をしてまいりました。
 今回の条例改正は、事務手続の上で、マイナンバーがなければ不可能なものではなく、これまでどおりの手続で十分可能であることからも、マイナンバーの一部導入は不要であり、反対をいたします。
 あわせて、第九十七号議案、人権プラザ分館廃止については、今後の施設の跡利用も含めた地元利用者などの要望に応えた今後の見通しが全く示されていない段階での廃止決定は時期尚早であり、反対をいたします。
 以上です。

○ともとし委員長 発言はほかにありませんね。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第九十一号議案、第九十五号議案及び第九十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○ともとし委員長 起立多数と認めます。よって、第九十一号議案、第九十五号議案及び第九十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第九十号議案、第九十二号議案から第九十四号議案まで、第九十六号議案及び第九十八号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。よって、第九十号議案、第九十二号議案から第九十四号議案まで、第九十六号議案及び第九十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○ともとし委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二九第四八号を議題といたします。
 本件は、先日の本会議において本委員会に付託されたばかりで、十分な調査検討をする時間がありませんので、本日のところは継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二九第四八号は継続審査といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。

○ともとし委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますので、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○ともとし委員長 この際、所管六局を代表いたしまして、多羅尾総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○多羅尾総務局長 当委員会所管の六局を代表いたしまして、一言御礼を申し上げます。
 ただいま、本定例会にご提案申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございます。
 昨年十月から、ともとし委員長を初め委員の皆様方におかれましては、私どもが所管しております事務事業につきまして、数々のご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 この間に頂戴いたしました貴重なご意見、ご要望等につきましては、可能な限り、今後の都政運営に生かしてまいりたいと存じます。
 また、任期の満了とともにご勇退を予定されている委員の皆様方におかれましては、終始変わらぬご支援、ご指導を賜りまして、私ども一同、心から厚く御礼を申し上げます。
 最後に、委員長を初め委員の皆様方のますますのご健勝を心からお祈り申し上げまして、簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。
 まことにありがとうございました。

○ともとし委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げます。
 この際、任期最後の委員会に当たりまして、私からも一言ご挨拶を申し上げます。
 副委員長、理事、委員の皆様、そして、所管六局の局長を初め理事者の皆様には大変にお世話になりまして、ありがとうございました。
 皆様のご協力とご指導を賜り、円滑に、つつがなく本委員会の運営を行うことができました。厚く御礼を申し上げます。
 この間、本委員会は、防災、減災対策の充実はもとより、都政の根幹にかかわるような、そうした問題をいろいろと議論を交わすことができました。
 一カ月後には都議選が行われます。頑張っていただきたいなと、こう思っておる次第ですので、よろしくお願いいたします。
 私は、先ほど局長からお話があったことで、三十四年間の地方議員生活に終止符を打って、勇退をさせていただきたいというふうに思っております。
 本委員会の諸先生方は、それこそ次なるステップの中で、都民の福祉、あるいはまた、これからもさらに出てくるであろうさまざまな都政に対する課題、そうしたものに対してしっかりと議論を交わしながら、都民のための都政を行っていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 この総務委員会は筆頭委員会というふうに位置づけられているわけですが、その中で、この一年近くご活躍されたわけでございますので、どうかさらなる活躍ができるように頑張っていただければというふうに思います。
 本当にありがとうございました。(拍手)
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十六分散会

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