総務委員会速記録第十八号

平成二十八年十二月十三日(火曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長ともとし春久君
副委員長新井ともはる君
副委員長ほっち易隆君
理事野上ゆきえ君
理事三宅 正彦君
理事曽根はじめ君
和泉ひろし君
おときた駿君
遠藤  守君
中村ひろし君
谷村 孝彦君
早坂 義弘君
中屋 文孝君
崎山 知尚君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長長谷川 明君
次長理事兼務潮田  勉君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務小池  潔君
青少年・治安対策本部本部長廣田 耕一君
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務延與  桂君
総務局局長多羅尾光睦君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長小暮  実君
選挙管理委員会事務局局長福田 良行君
人事委員会事務局局長松山 英幸君
任用公平部長矢岡 俊樹君
監査事務局局長猪熊 純子君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(決定)
・第百八十号議案  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十一号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十二号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十三号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第二百四号議案  自治体情報セキュリティクラウド(外部接続中継システム)機器の買入れについて
・第二百十一号議案 東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十二号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十三号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
・諮問第三号 地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○ともとし委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十号議案から第百八十三号議案まで、第二百四号議案、第二百十一号議案から第二百十三号議案まで及び諮問第三号、地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案及び本件に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 第二百四号議案、自治体情報セキュリティクラウド機器の買入れについて、日本共産党都議団の意見を述べます。
 本議案は、昨年発覚した年金機構からの個人情報流出事件などを契機に、総務省が検討チームを立ち上げ、自治体関係のマイナンバーや自治体情報ネットワークをサイバー攻撃から守るためという理由で、マイナンバーを扱う端末やネットワークの隔離対策の徹底とともに、自治体情報ネットワークについても、補助制度をつくってセキュリティー強化を推進するとの通知を出し、都道府県のクラウド機器の設置で、区市町村まで含む情報管理を集中して行うことを指導したことによるものです。
 しかし、国の検討チームの検討過程が明らかにされておらず、クラウド機器購入以後、情報の管理とチェックにどれほどの人員体制や費用が必要になるのかの見通しも不明のまま、一気に全国でクラウド購入が進められていることは、新しくIT関連企業の利益を大きく拡大する市場を国がお膳立てしてやるためではないかとの疑いを禁じ得ません。
 実際に、大阪府では、クラウド機器の見積もり予定額九億円余りに対してわずか十五万円で落札されるという、超低額入札と報道されていますが、落札事業者が、今後の保守管理による大きな利益と大阪府内の全自治体の情報ネットワークについてのかなめを握るというメリットを狙って低額入札を行ったことは明らかです。
 都としては、自治体情報のセキュリティー強化やサイバー攻撃の防止は当然必要ですが、果たして今回のシステムが最適なのか、都内全自治体の一括情報管理が必要なのかなどについて、こうした大阪など他の自治体の動きを踏まえて、より慎重に検討すべきであると考えます。
 よって、本議案には反対いたします。

○おときた委員 私からは、職員の給与に関連する三つの条例について、反対の立場から一言意見を申し述べます。
 毎年指摘を繰り返していることにはなりますが、こちらの職員給与の見直しの基準となっている人事委員会勧告は、その比較調査対象として、五十人以上の事業規模を持つ民間企業の給与平均値を算出し、民間給与と公務員給与の差を増額調整するとされています。
 しかしながら、この算定方法では、金融や商社など給与水準の高い企業が多く含まれ、また、平均値の場合、ある一部の高所得者が値を大きく引き上げることになります。実際に民間の実態を反映させるという前提であれば、平均値ではなく、最頻値の導入を検討することが必要です。
 また、今回の給与引き上げによってもたらされる財政支出は八十三億円にも上りますが、これだけの財源を広く薄く職員給与に反映させることでどれだけの政策メリットがあるのかは極めて不透明です。
 一方で、八十三億円という金額は、今回の五輪会場をめぐる一連の議論の中でコストカットとしてできた金額が四百億円であるということを考えると、どれだけの規模かが理解できるのではないかと思います。
 二〇二〇年東京五輪大会の予算の膨張や、また豊洲市場移転問題において都政が著しく信頼を失い、そのトップである知事がみずからの給与削減まで行っている中で、人事委員会勧告に従って機械的に給与を引き上げることに対して、多くの都民が理解を示すとは思えません。
 また、今後は、歴史上、類を見ない速度で少子高齢化が直面する東京都において、貴重な財源を薄く広く職員の給与の引き上げに充てることが果たして適切といえるのでしょうか。
 勧告にしゃくし定規に従うのではなくて、優先順位を決定するのが政治の役割です。
 以上の理由から、今回の職員の給与に関連する一連の条例案には反対をするものです。
 また、追加条例案として提出をされました二百十一号議案、都知事のさらなる給与の削減についても一言申し上げます。
 いわゆる盛り土問題をめぐって発覚した都の不作為に対して、退職OBも含む多数の都庁職員に厳格な処分が下されました。盛り土問題の原因が生じたと考えられる時期の都政のトップは小池知事ではなかったにもかかわらず、不祥事と向き合い、都民への理解を求めるために、知事みずから給与削減を申し出たことについては、政治的リーダーのあるべき姿として高く評価し、条例案には賛成をするものです。
 現在の都知事がみずから責任をとる姿勢を示しているのですから、当然にその政治的責任、道義的責任は、当時の石原慎太郎元都知事にも生じるものであり、石原元都知事には公的な場での説明責任を果たされることを強く期待するとともに、議会としても、必要に応じて特別委員会、百条委員会での参考人招致を検討すべきと考えます。
 また、たび重なる不祥事で都政、都議会への信頼が失墜し、二度にわたる知事給与削減が実行される中、少数会派を排除し、密室の非公開空間で議論されている議員報酬削減などの都議会改革については、遅々として進んでおりません。都民からの信頼を取り戻すためにも、今回の知事給与削減を契機とし、都議会としても、議員報酬の削減など議員待遇の見直しを早急に進めていくべきです。
 都政改革と並行して行われるべき都議会改革に向けて良識ある議員の皆様への協力を呼びかけまして、私の発言を終わります。

○ともとし委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第二百四号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○ともとし委員長 起立多数と認めます。よって、第二百四号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十号議案から第百八十二号議案までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○ともとし委員長 起立多数と認めます。よって、第百八十号議案から第百八十二号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十三号議案及び第二百十一号議案から第二百十三号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十三号議案及び第二百十一号議案から第二百十三号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、諮問第三号、地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、棄却すべき旨答申することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。よって、諮問第三号は、棄却すべき旨を答申することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○ともとし委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○ともとし委員長 この際、所管六局を代表いたしまして、多羅尾総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○多羅尾総務局長 本定例会にご提案を申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 この間に頂戴いたしました貴重なご意見、ご提言等につきましては十分に尊重させていただき、今後の都政運営に生かしてまいります。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○ともとし委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る