総務委員会速記録第十号

平成二十八年十月六日(木曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十五名
委員長加藤 雅之君
副委員長西沢けいた君
副委員長柴崎 幹男君
理事石川 良一君
理事鈴木 隆道君
理事清水ひで子君
おときた駿君
まつば多美子君
木村 基成君
大場やすのぶ君
近藤  充君
新井ともはる君
中山 信行君
秋田 一郎君
曽根はじめ君

欠席委員 なし

出席説明員
青少年・治安対策本部本部長廣田 耕一君
総合対策部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務延與  桂君
青少年対策担当部長稲葉  薫君
治安対策担当部長臼井 郁夫君
総務局局長多羅尾光睦君
危機管理監田邉揮司良君
次長理事兼務榎本 雅人君
総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
小暮  実君
訟務担当部長江村 利明君
復興支援対策部長菊地 俊夫君
復興支援調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務松崎 浩一君
行政改革推進部長自治制度改革推進担当部長兼務佐々木秀之君
都政改革担当部長池上 晶子君
都政改革担当部長小笠原雄一君
情報通信企画部長久原 京子君
人事部長栗岡 祥一君
労務担当部長村岡 教昭君
主席監察員安藤  博君
行政部長西村 泰信君
区市町村制度担当部長小菅 政治君
総合防災部長梅村 拓洋君
防災計画担当部長小林 忠雄君
防災対策担当部長和田 慎一君
統計部長伊東みどり君
人権部長箕輪 泰夫君
選挙管理委員会事務局局長福田 良行君

本日の会議に付した事件
意見書について
選挙管理委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)の報告及び承認について
青少年・治安対策本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十三号議案 東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の一部を改正する条例
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十四号議案 東京都知事の給料等の特例に関する条例
・第百五十五号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百五十六号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十四号議案 公立大学法人首都大学東京に対する出資について
・第百七十五号議案 公立大学法人首都大学東京定款の変更について
・第百七十六号議案 東京都人権プラザ本館の指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・平成二十七年度公立大学法人首都大学東京業務実績評価について

○加藤委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○加藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の付託議案の審査並びに総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)の報告及び承認についてを議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○加藤委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十三号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○近藤委員 昨日、私どもの会派でも一般質問でも取り上げさせていただいたところでございますけれども、自転車の安全利用につきましては、私も推進計画改定の早いうちから質問させていただいて、また提言をさせていただきましたので、少しお尋ねをして、確認の意味できょうも伺いたいと思います。
 自転車の安全利用に関しまして、我が党はこれまでも、計画改定時など、我が党の代表質問も含め、たびたび質問をやってまいりました。第二回定例会では、自転車の安全利用に向けまして、条例の改正も有効な手段だとただし、都は専門家の意見を伺うなど条例改正に向けた準備を進めるとの答弁をいただいてきました。
 今回の改正案につきましては、専門家による会議を踏まえたものであるとのことでありますけども、専門家の皆様からはどのような意見が出されたのか、まずお尋ねをしたいと思います。

○臼井治安対策担当部長 条例改正に当たりましては、本年四月に改定した自転車安全利用推進計画に盛り込んだ取り組みに関しまして、都の取り組みをより効果的に展開するための手段や、さまざまな主体の取り組みをより促進するための手段などにつきまして、専門家の意見を伺うための会議を設置いたしました。
 委員には、交通社会学や交通心理学、条例改正の視点から行政法の学識経験者に加え、自転車の販売や交通安全教育に精通した専門家にご就任いただきました。
 会議におきましては、条例に根拠を設けることにより都民の注意喚起を促すことができること、都議会の議決を経ることで、都民や事業者の積極的な協力が得やすくなることなどの意見をいただきました。
 条例化すべき具体的項目といたしましては、自転車安全利用指導員の活動に対する都民の理解や協力を得るため根拠規定を設けることや、自転車小売業者による啓発の実施を確実にするため、販売時における顧客への啓発を義務化することなどが挙げられ、条例化が望ましいとされた事項につきましては、条例改正を早急に検討することを望むとのご意見をいただきました。
 こうしたご意見を踏まえ、今回の改正案を提案しております。

○近藤委員 今のご説明にもありましたように、専門家からも早急にと、皆さんの言葉でいうところの可及的速やかにとかいうことだと思いますけれども、ぜひこういったコメントも重要視していただきたいというふうに思います。
 自転車の安全対策の強化は急務であります。条例改正を早急に検討すべきということで、内容につきましては、今回の改正案に反映をされているとのことであります。専門家の知見も、我が会派と同じと見ることができます。
 では、具体的な内容につきましての質問を、ちょっとお尋ねをしたいと思いますが、まず、今、専門家からの活動の根拠となる規定を設けた方がいいと指摘された部分、自転車安全利用指導員についてでありますが、本年五月から江東区にて試行されているわけでございますが、間もなく開始から約半年になろうとしています。指導員の活動状況や地域住民の方の評判、評価についてお尋ねをしたいと思います。

○臼井治安対策担当部長 都は、本年五月から、自転車通行量の多い亀戸駅前交差点及び木場五丁目交差点におきまして、自転車安全利用指導員を試験的に導入しております。
 具体的には、週三日、二組四名の体制で、信号無視、イヤホンやスマートフォンを使用しながらの運転などの違反行為を行っている自転車利用者に対しまして、一日当たり約百五十件の指導等を実施するとともに、指導旗や声かけ等を通じた交通事故の未然防止活動を実施しております。
 指導員を配置した交差点では、当初は信号無視などの重大な違反もございましたが、活動の結果、こうした違反が見られなくなるなど、交通ルール、マナーの改善効果があらわれております。
 また、指導員を配置している交差点で実施した通行者へのアンケート調査におきましても、指導員の活動に肯定的な意見が約八割を占めており、地域の方からも評価されているものと考えております。

○近藤委員 自転車安全利用指導員は、路上で直接、自転車の利用者の皆さんに注意喚起ができる非常に有効な取り組みであることがわかります。
 私も以前、この委員会の席上で申し上げましたが、指導員がルールを無視する自転車利用者への啓発や指導を行おうとしても、きちんと聞いてもらおうとすると、なかなか難しい部分があるんだというふうに思っています。そのため、私は、条例に根拠を置くべきだということも申し上げてきたところでございます。
 今回の改正案では、指導の根拠規定が設けられております。また、地域の住民の皆さんからも評価されているとのことでありますから、次のステップとしては、これをいかに拡大していくかが重要になってくるんだと思います。今回の条例改正を機に、さらなる取り組みの充実と各地への展開を図っていただきたいと思います。
 都民の安心・安全な生活を守るため、以前から申し上げておりますように、必要な予算を確実に確保していただいて、江東区に限らず、都内全域に広げていただく事業にしてほしいというふうに思っております。
 次に、今回の改正案におきましては、これまで努力義務でありました自転車小売業者による販売時の交通ルールの啓発を義務規定に強化しております。最近は、自転車のシェアリングなども広がってまいりました。多くの方は、みずから購入して利用する方のほうが多いんだと思いますけども、啓発対象の広さという点で、小売店の協力をいただいてそれを進めるということは有効だというふうに思います。
 また、購入時や整備時は、自転車の利用につきましても本人の関心が高まっているときでもありますので、特に若い方を対象にして、子供さんなどを対象にして、そういう時期にしっかり覚えてもらうということも大切なんだと思います。いいタイミングをおつくりいただきたいというふうに思います。
 さらに、子供、若者、保護者、高齢者までも、多様な年齢層への啓発も可能であります。しかしながら、条例で義務規定を設けましたというだけでは、まちの小売屋さん全店舗で漏れなく啓発をしていただくというのは難しいというふうに私は肌で感じています。
 都として、小売店の方々の協力をいただいて啓発の義務規定がきちんと履行されるよう、今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお示しいただきたいと思います。

○臼井治安対策担当部長 都は、全ての自転車小売店において共通内容による啓発が実施されるよう、各店舗への支援策として、交通ルールや損害賠償保険の必要性等を記載したチェックシートを提供することを考えております。チェックシートにつきましては、より効果的に顧客への啓発ができるよう、作成に当たり自転車小売店の意見を反映させる予定であり、小売店の業界団体からは、事前に意見交換を行った際、ぜひ協力したいとのご意見をいただいております。
 今後、各店舗における確実な履行に向け、自転車法で利用者に義務づけられている防犯登録の手続と同時に啓発を実施していただくよう、業界団体と調整を行ってまいります。

○近藤委員 自転車が安全に利用されるためには必要なこととはいえ、自転車小売店の方の啓発は義務化となったわけでありまして、多少の負担がふえることになるのかもしれません。ただ、今ご説明がありましたように、業界団体からもぜひ協力をしたいというふうにいっていただいていることでありますので、必要な啓発が実施できるよう、かつ小売店の方々に過度な負担にならないように、しっかりとご調整をいただきたいと思います。
 小売店の負担を軽減するとともに、この義務規定を担保する事業展開は必須であるというふうに思っています。チェックシートの提供等、必要な取り組みをきちんと実行してほしいと思います。
 また、他の内容につきましても、これまでの我が党の主張に沿ったものでありますので、自転車安全利用推進のため欠かせない事項であると考えています。
 今後は、この取り組みを全国的に発信力のあるものにしていく必要があります。安全・安心を守る自転車の安全利用に向けた本部長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。

○廣田青少年・治安対策本部長 都内では、ご案内のとおり、交通事故及び死亡事故に占める自転車の割合が全国平均に比べ高くなっており、自転車の安全対策を重点的に進めていくことが、東京全体の交通安全にも大きく寄与するものと考えております。
 このような認識から、本年四月に自転車安全利用推進計画を改定して以降、指導員の配置や小売店による啓発の働きかけなどに精力的に取り組んでまいりました。こうした施策を、都民や関係者のご理解とご協力のもと、さらに実効性を持って展開していくため、今回、条例案を提案させていただいたところでございます。
 今後、この条例改正を契機として、都自身による対策を着実に実施するとともに、事業者等も含めた多様な主体による取り組みも促進するなど、自転車事故及び死者数のさらなる減少、そして安全・安心を実感できる道路交通の実現に向け、全力で取り組んでまいります。また、そのことによって、自転車の安全利用に向けた取り組みの輪が全国にもさらに広がっていくことを願っている次第でございます。

○まつば委員 公明党が強く求めてまいりました自転車安全利用条例が平成二十五年に施行され、この間、取り組みが進んでまいりました。今回、その改正案が提案されておりますので、何点か質問をさせていただきます。
 まず、自転車安全利用条例の改正案につきまして、改正案の提案に至るまでの経緯、プロセスを確認したいと思います。
 今回の条例改正の目的は、本年四月に改定された自転車安全利用推進計画に盛り込まれた取り組みの実効性を高めるとともに、自転車の安全で適正な利用に向けた取り組みをさらに推進するためとご説明がありました。計画の改定が本改正の起点になっているものと思っております。
 私は、計画改定から改正案提案に至るまで、それぞれの検討の過程で、その内容を都民の皆様、また関係者の方々に対し情報公開するとともに、いただいたご意見を踏まえながら進めていくことが、都だけではなく、社会全体での自転車の安全利用につながると考えております。
 自転車安全利用推進計画の改定から今回の条例改正案の提案まで、どのようなプロセスを踏んできたのか、確認の意味でお伺いをいたします。

○臼井治安対策担当部長 都は、自転車利用の広がりや事故の現状等を踏まえ、交通ルール、マナーの徹底など安全対策の強化を図るため、自転車安全利用推進計画を本年四月に改定いたしました。
 改定に当たりましては、一般の自転車利用者の意見も取り入れるため、関係団体等の委員に加え、公募した都民委員も構成員とした自転車安全利用推進計画協議会を開催するとともに、改定計画の中間案につきまして報道発表を行ったほか、ホームページ上で公表し、パブリックコメントを実施いたしました。
 今回の条例改正に当たっては、外部の専門家の意見をいただくため、自転車の安全で適正な利用に関する専門家会議を開催し、その報告書を公開するとともに、本条例改正案につきましてもパブリックコメントを実施いたしました。

○まつば委員 今、プロセスについて確認をさせていただきました。
 それでは、一般の都民の方や専門家の方々、また、今回、義務規定が課されることになります自転車販売店の方からは具体的にどういったご意見があったのか、お伺いをいたします。

○臼井治安対策担当部長 本改正案について実施いたしましたパブリックコメントでは、条例改正に反対する意見はなく、条例を改正するだけではなく、それに基づく施策も充実してほしいといったご意見をいただいております。
 専門家会議におきましては、自転車の安全利用に向けた施策が急務であり、条例化が望ましい事項については、早急に条例改正の検討をすべきとのご意見をいただいております。
 また、自転車小売店の業界団体と意見交換を行った際には、業界としても自転車の安全利用に取り組む責務があり、顧客への啓発に協力していきたいが、啓発すべき内容を盛り込んだ共通様式の提供等の支援策も必要とのご意見をいただいております。

○まつば委員 自転車小売店の方も協力していただけるということは、非常に心強いというふうに思っております。特に、学校や企業等に属していらっしゃらない主婦の方々等の啓発の機会といたしましては、自転車を購入される際、また整備をされるときというのは貴重な場だというふうに考えております。
 この小売店の方々は、都に対しまして、啓発すべき内容を盛り込んだ共通様式の提供等の支援策を求めていらっしゃるという今ご答弁でございましたが、どういった内容を盛り込んだ様式を検討されているのか、具体的にお伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 様式は、自転車利用者が交通ルールを確認できるチェックシート方式を考えております。具体的には、車道を通行する際は左側通行であること、スマートフォン等を使用しながらの運転は危険であることなど道路交通法等に基づく交通ルールや、ヘルメット着用、損害賠償保険への加入など都条例に基づく規定を記載し、利用者自身がその内容を確認してチェックをつけていただくものにする予定であります。
 また、約六割の自転車事故が交差点で起きていることや、事故による死者の七割は頭部損傷が主因であることなどを各種データやイラスト等も用いて示すことにより、チェック項目をなぜ守らなければいけないのか理解していただけるようにしたいと考えております。
 今後、自転車小売店の意見も伺いながら、自転車利用者の方にとってわかりやすく効果的なものとなるよう、作成を進めてまいります。

○まつば委員 ただいま具体的なご説明をいただきました。青少年・治安対策本部におかれましては、販売店における啓発という貴重な場を効果的に活用できますように、ぜひともいいものをつくり上げていっていただきたいというふうに思います。また、ご協力いただきます販売店の方々には感謝を申し上げてまいりたいと思います。
 条例改正は、一つの手段にすぎないと思っております。この条例改正を機に、都としても具体的な取り組みを進めることが大事であると考えております。
 また、条例改正の趣旨である社会全体での安全利用をさらに促進するためには、改正条例の施行に際し、都民や関係者の方々への広報や周知をしっかりと行っていただく必要があります。さまざまな機会、媒体を活用していただいて積極的な取り組みをしていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。

○曽根委員 私も、今回出されております青少年・治安対策本部の自転車の安全で適正な利用の促進条例の一部改正案について、簡潔に質疑をしたいと思います。
 都内での自転車の安全利用については、数多くの課題があると思っております。その中で、今回は、青少年・治安対策本部が担っております自転車の利用者の安全な乗り方を普及する上で欠かせない交通規則やマナーの啓発、普及のための方策を充実させること、それと自転車の販売や貸付事業者の利用者に対する安全指導の義務を明確にしていくことなどが盛り込まれております。私たちも、これらは基本的に必要なものであると考えておりまして、この条例改正には賛成する立場ですが、幾つか関係者などからの要望や意見が出ている点を含めて質問しておきたいと思います。
 まず、この条例改正に当たってパブリックコメントを行ったとされておりますが、条例改正で義務や規制が強化される自転車関連事業者には、この条例改正の内容は周知されているかどうかをお聞きしておきます。

○臼井治安対策担当部長 条例改正案につきましては、専門家による会議を公開で開催したり、パブリックコメントを実施するなど、広く周知及び意見把握に努めてまいりました。
 特に、今回、顧客への啓発の義務規定を設ける自転車小売業者につきましては、業界団体との意見交換の場を設けており、業界からは、顧客への啓発に協力したいが、共通様式の提供等の支援策も必要といった意見をいただいております。
 また、団体に加盟していない大規模量販店を集めた会議も別途開催し、都の施策への理解、協力を求めております。
 啓発の努力義務を設ける自転車貸付業者につきましては、業界団体はないものの、自転車シェアリングやレンタサイクル事業を推進している区市町村も多いことから、改正内容を区市町村へ事前に周知しており、条例公布後には、民間事業者に対しましても周知及び協力への働きかけを行うこととしております。

○曽根委員 私たちが自転車の小売業の団体の方にお聞きしますと、まず、実際の小売の現場は中小零細の店が多いと。そういうところでは、例えば、自転車の販売や修理の最中に、要するに商売中に、自転車の購入者や利用者に対してさまざまなアドバイスを口頭でやるとか詳しく説明するのは大変難しいと。そういう点では、先ほどもお話がありましたが、わかりやすいパンフレットなりの形で支援をしていただくということは大変重要かと思いますので、こういう要望が出ておりましたので、申し上げておきたいと思います。
 それから、この条例改正についての業界の中での意見集約を、何か今やられていると。結果として、隅々の声が届くのはこれからじゃないかというようなことをおっしゃっている方もいましたので、今後、条例改正後に具体的ないろんな要望や注文も出てくるかと思いますので、こういうことに対する、何といいますか、支援やこれに応える方策をとっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○臼井治安対策担当部長 都は、これまでの小売店と業界団体との意見交換を踏まえ、顧客への啓発を着実に実施していただくための支援策として、交通ルール等を記載したチェックシートの提供を考えております。作成に当たりましては、小売店の意見を反映させる予定であり、啓発実施に向け、引き続き業界団体と調整を行ってまいります。

○曽根委員 例えば、学校の行事などや町会、自治会などで自転車の安全利用教室などが行われるときは、警察の方ももちろんですけれども、自転車屋さんの協会などに協力要請が来ると。どういう形で協力しているかは具体的には聞きませんでしたが、例えば自転車の見本を提供したりなどがあると思うんです。こういう点についてはもっと評価していただきたいのと、可能ならば何らかの支援も欲しいんだというような声もありましたので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 今後、自転車の安全な利用を促進していくには、今回条例化されております利用者や自転車販売もしくは貸し付けの事業者の問題と同時に、何よりも自転車が走れる走行空間を整備、確保していくことが私は重要だと思っております。そういう点では、今後、やはり建設局その他、または区市町村などの道路管理者、道路整備を担っているインフラ整備の部門とも、安全な自転車の利用という点では連携、協力を強めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○臼井治安対策担当部長 自転車の安全な利用を促進するためには、自転車の利用環境の整備も重要でありますことから、本条例には、都は、区市町村その他関係者と連携して必要な措置を講じる旨、規定されております。
 当本部といたしましても、これまでも走行空間の整備に関する会議体にも参画しており、引き続き、自転車の安全で適正な利用を確保する観点から連携、協力してまいります。

○曽根委員 最後に、今後の要望として申し上げますが、やはり自転車の安全利用という点では、東京都の中でも青少年・治安対策本部が中心になると思いますけれども、多くの部局がかかわる問題ですよね。今のハードの方の局ももちろんなんですが、自転車を最も多く利用しているのは警察官だと思うんですね、公務員としては。警察官の方が今回義務づけが強化されるヘルメットの着用を徹底することも含めて課題は多いなというふうに、私は率直にいって感じております。
 そういう点でも、やはり全庁的に、東京都が全体で今回の条例の中身を充実させていけるように、今後も青少年・治安対策本部が中心となって頑張っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○新井委員 今回の改正の目的は、さまざまな主体にかかわる規定を拡充、強化し、社会全体の力で自転車の安全利用を目指していくことだと思います。
 これまでも民間事業者や自転車販売店にかかわることについて質疑がございましたが、私からは、特に高齢者への取り組みに関してお伺いしたいと思います。
 改正案には、親族等が高齢者に対し、自転車を安全に利用するために、反射材の利用やヘルメットの着用について助言する努力義務が盛り込まれています。高齢者の安全確保が課題ということで、こうした規定を新たに設けたものだと思いますが、まず、条例制定以降の高齢者の事故の発生状況についてお伺いします。

○臼井治安対策担当部長 都内の自転車事故発生件数につきましては、条例を制定した平成二十五年から平成二十七年までの三年間で約二四%減少しております。このうち、六十五歳以上の高齢者が関係した事故に限りますと、三年間の減少率は約一七%にとどまっております。
 死者数につきましては、平成二十七年に亡くなられた三十三名のうち十五名が高齢者であり、全体の半分近くを占めております。
 また、死傷者に占める死者の割合である致死率を見ますと、高齢者の場合は〇・八六%でございまして、全世代の〇・三一%の三倍近くとなっており、高齢者の安全対策が大きな課題でございます。

○新井委員 答弁より、自転車事故に占める高齢者の割合が高まっており、特に死亡事故につきましては、高齢者の対策が大きな課題であることが数字上わかりました。
 事故に遭わないためには、高齢者の方自身がきちんと交通ルールを守ること、これが一番重要だと思います。
 今回の改正案には、都の責務として、幼児期から高齢期に至るまでの各段階に応じて交通安全教育を実施する旨が明記されております。都による高齢者への自転車安全教育の具体的取り組みをお伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 都はこれまでも、自転車の交通ルール等を記載した高齢者向けの自転車安全利用リーフレットを作成し、区市町村の窓口などを通じて配布しております。
 さらに今年度からは、本年四月に改定いたしました自転車安全利用推進計画に基づきまして、シルバー人材センターにおいて自転車シミュレーター交通安全教室を開催するなど、高齢者への自転車安全利用の啓発を強化しております。

○新井委員 リーフレットの配布等に加えまして、本年の四月以降にスタートしました自転車シミュレーター、これは乗りながらルールを学べるということで、また、事故の発生するパターンなどは警察などのアドバイスをいただける参加体験型の安全教育が行われているということがわかりました。条例改正を機に、これまで以上にさまざまな場や媒体を通じた啓発を行ってほしいと思います。
 次に、今回の改正では、高齢者への助言すべき内容として、ヘルメットの着用と反射材の利用が例示として示されていますが、それぞれを普及していくための具体的取り組みについてお伺いします。

○臼井治安対策担当部長 ヘルメットにつきましては、着用の効果や死因の七割が頭部損傷であることなどを明示した高齢者向けのポスターを図書館や郵便局等で掲出するほか、老人クラブ等を通じたリーフレットの配布を予定しております。
 さらに今年度は、自転車利用が多く、安全教育にも熱心な小平市シルバー人材センターをヘルメット着用のモデルセンターに指定し、就労している高齢者の方三十名に、通勤時や移動時にヘルメットを着用してもらうモニター事業を開始しております。
 また、反射材につきましても、その効果を体験できる、くらピカBOXを活用した参加体験型の交通安全教室を実施し、あわせて反射材を配布するなど、反射材の利用に結びつくような形で啓発をしております。

○新井委員 ヘルメットや反射材の普及についても具体的取り組みが進められているということがわかりました。
 高齢者向けのポスターにつきましては、図書館に今月中に張り出して、また郵便局につきましては、施行日の来年の二月ぐらいに張り出されると聞きました。
 また、ヘルメットにつきましては、着用までのハードルがとても高く、近所のスーパーまで買い物に行くだけの方は、特に抵抗感があると思っています。とはいっても、万が一の事故の際に頭部の損傷のリスク等は大変あるということで、ヘルメットをするということは大変重要だと思っています。ヘルメットがかぶれなかったとしても、帽子をかぶることによって頭部の保護をするということができると思っています。
 先ほどの答弁でありました小平のシルバー人材センター、ヘルメットの着用モデルとして指定をして、就労している高齢者等にヘルメットを着用してもらうモニターを実施するというふうに答弁がありました。九月ぐらいからもう開始をしたといわれています。
 小平選出の斉藤あつし都議にそれを聞きましたら、小平は、特殊なタイヤを製造していますブリヂストンの東京工場があったりとか、また、坂が大変少ないということで自転車が大変利用しやすい。市民も、自転車について前向きな考えを持った方が多く、自転車に対する意識が大変強いということでした。さまざまな取り組みを通じて、高齢者のヘルメット着用をぜひ広げていただきたいと思っています。
 また、反射材につきましては、自転車利用だけでなくて歩行者にも有効です。私も、靴のかかとの部分に反射材をつけておりますが、それも効果がありますので、ぜひ広げていただきたいと思っています。
 条例改正を機に、高齢者への自転車安全利用の取り組みを一層進めてほしいということを要望しまして、私の質問を終わりにします。

○石川委員 私の方からも、東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の一部を改正する条例案につきまして、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 地方公共団体のコミュニティサイクル導入の狙いは、公共交通機関の補完、地域の活性化、観光戦略の推進が挙げられております。その中で最も重要度の高い導入目的は観光戦略の推進にあると、国土交通省都市局街路交通施設課の資料の中でも明らかにされております。
 国は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまで、現在の約倍の四千万人の外国人旅行者の我が国への来訪を目標にしているわけであります。特に、今後、観光地を中心に外国人観光客の自転車利用が活発化していくことが見込まれるわけであります。現状でも、自転車シェアリングを中心に、海外からの観光客の自転車利用者もふえているものと推察をされることから、外国人向けの交通ルールの啓発もしっかりと行うべきと考えるわけでありますけれども、所見をお伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 都は、自転車の交通ルール等を記載した自転車安全利用リーフレットの英語版を作成し、区市町村の窓口や日本語学校などを通じて配布しております。さらに今年度からは、英語、中国語など九カ国語に対応した映像教材を活用し、大型ビジョンに加え、民間航空会社の協力を得て機内モニターを通じた啓発も行っております。
 本改正条例案には、新たに自転車貸付業者による利用者への啓発の努力義務を盛り込んでおり、都は事業者とも連携しながら、さまざまな手段を通じ外国人への交通ルールの啓発に取り組んでまいります。

○石川委員 外国人観光客の増加と自転車シェアリング事業の拡大が相まって、外国人の自転車利用者への啓発の重要性は高まっていくものと思われます。特に、自転車の交通ルールがオーストラリアのように車と同一の国もあるわけでありますけれども、我が国の自転車の交通ルールは、走る場所をとっても、歩道なのか車道なのかわかりにくいものとなっております。また、ルールがあっても、なきがもののような状態も見受けられるわけであります。
 英語版のリーフレットも用意をされているわけでありますけれども、今後は多言語対応も視野に入れていただきたいと思います。外国人にも、自転車の交通ルールの徹底重視のための施策に、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、今回の条例改正においても規定が追加されているヘルメットについてお伺いしたいと思います。
 交通ルールを守っていても、事故に巻き込まれることがあります。そうした万一のとき、身を守ってくれるのがヘルメットなわけであります。
 現状、自転車用ヘルメットの着用状況はどうなっているのか、お伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 民間のヘルメット製造会社の調査によりますと、子供を自転車に乗せる際に必ずヘルメットを着用させている保護者は約五一%、時々着用させている保護者は約一六%となっており、半分以上の保護者が自転車に同乗させる子供にヘルメットを着用させているとのことでございます。
 一方、都市整備局が平成二十七年に実施いたしました十歳代から六十歳代を対象にしたアンケート調査では、ヘルメットを着用している方は約四%、着用するときとしないときがある方は約三%でございまして、約九三%の方はヘルメットを着用していないとのことでございます。

○石川委員 確かに、子供のヘルメット着用は、特に地方都市などへ行きますと、学校単位で徹底している様子を目にすることもできるわけであります。
 大人は、ロードバイクに乗った方がスポーツタイプのヘルメットをかぶっているのはよく見かけるわけでありますけれども、例えば高齢者の着用を推進していく上では、ヘルメットの形や色、使い勝手、持ち運びのよさ、そして値段も大きなポイントになるのではないかと思います。
 ヘルメットの普及のためにも、都としても使い勝手のよい製品の開発を働きかけるべきだというふうに考えますけれども、都の見解をお伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 自転車乗用中の事故による死者のうち、約七割は頭部損傷が主因であることから、事故による被害軽減の観点からヘルメットの着用は重要でございます。
 ヘルメットにつきましては、スポーツタイプのヘルメットのほかにも、一見すると帽子をかぶっているかのように見える帽子型のヘルメットなどもあり、さまざまな用途に合った製品が販売されております。
 都はこれまでも、ヘルメットの着用促進の事業展開に当たりまして、製造者団体であるヘルメット工業会からヘルメットの寄贈を受けるなど連携して取り組んでおり、持ち運びしやすいタイプの製品開発につきましても要請しているところでございます。

○石川委員 わかりました。確かに、帽子型のヘルメットであれば、高齢者の方も抵抗感なくかぶれるというふうに思うわけであります。また、持ち運びしやすいという視点では、折り畳んで小さくしまえるヘルメットなどの製品化が進むことを願っております。
 ヨーロッパでは、目に見えないヘルメットで、ふだんは襟巻型、マフラーのような形になって、衝突直前に車のエアバッグのように出現する仕組みとなっているものなどが開発をされていると聞いております。ただ、難点は値段がかなり高いことであります。
 自転車そのものが移動の手段ですから、自転車からおりて移動するときに、かさばって持ち運ぶのに手間がかかることも、利用を押しとどめる要因といえるわけであります。移動の際はかばんにおさまるような、折り畳みが可能で安価なヘルメットの開発をぜひ働きかけていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。

○おときた委員 私から、この自転車条例の策定に当たってのパブリックコメントについて、そして広報について伺いたいと思います。
 本条例案の策定に当たってパブリックコメントを募集していたということを仄聞しておりますが、まず、こちらの狙いについて改めて伺いたいと思います。

○臼井治安対策担当部長 今回の条例改正案におきましては、自転車小売業者による販売時の啓発、事業者による自転車安全利用推進者の選任、親族等による高齢者へのヘルメット着用等の助言など、事業者や都民等に取り組みを求める内容を盛り込んでおります。
 こうした改正案の内容を都民に周知するとともに、ご意見を公募し、その意見を踏まえた上で改正案を議会にてご審議いただくため、パブリックコメントを実施いたしました。

○おときた委員 自転車という極めて都民にとって身近な話題ですから、パブリックコメントを募集するということは理にかなっていると思いますし、またこれは、募集するということは、それを通じて、こういった条例案を今度改正するんだよということを幅広く都民に伝えていく狙いもあるのかなというふうに考えております。
 では、実際に周知した方法、期間、そして集まった件数と、集まったご意見はどのように条例案に生かされたのか、これをあわせて伺います。

○臼井治安対策担当部長 パブリックコメントは、八月十五日から二十九日までの十五日間実施いたしました。周知手法といたしましては、プレス発表を行ったほか、東京都及び青少年・治安対策本部の公式ホームページに掲載し、合計七通が提出されました。
 内容といたしましては、条例を改正するだけではなく具体的施策の充実を求めるものや、同居以外の親族からも高齢者のヘルメット着用等の助言が必要などの意見がございました。
 なお、条例改正に反対する意見はございませんでした。
 ご意見につきましては、今後の施策展開に生かしていくとともに、高齢者への助言に関する意見につきましては、努力義務の対象に同居していない親族も含まれていることがわかるよう、規定の表現を明確化しております。

○おときた委員 今ご答弁にあったように、パブリックコメント、出された件数が合計七通ということです。パブリックコメント、大体のものを見ていますと、数百通とか何千通集まるようなことはないのですが、しかしながら、七通というのは余りにも少ない数字ではないかと。広く公募してご意見を聞いたということはいいのですが、それが聞きましたよというポーズにならないためにも、やっぱり、しっかりこれは広報活動をやって、ある程度の件数を集めなければならないというふうに思います。
 これは、じゃ、どのような広報を行っていたのかという点で簡単に見ますと、やっぱり公式ホームページに掲載、インターネットの応募というのがメーンとなると思うんですが、例えば青少年・治安対策本部が開設しているツイッターアカウントを見ますと、大体フォロワーが一万三千以上います。一万三千のフォロワー数というのは、それなりの広告効果等々もあるような高い数字なんですが、このツイッターアカウント、八月上旬に一回つぶやかれたきり、その後、八月いっぱい一度も活用されておりません。パブリックコメントが募集されたということを告知した形跡もないという状態です。
 パブリックコメントを二週間やっているわけですから、これは当然、ツイッターのようなものがあれば、毎日のようにつぶやいて、募集期限は何日だということを告知すべきであるにもかかわらず、全くこういった稼働が見られなかったということもあるわけでございます。
 そこで、こういった広報、SNSの使い方も含めて、今後はどのように改善していくのか、そういった対策について伺いたいと思います。

○臼井治安対策担当部長 パブリックコメントに限らず、当本部の施策を広く、より多くの方々に周知し、幅広いご意見をいただくためには、従来のプレス発表や公式ホームページ上の情報提供に加え、当本部のツイッターなどさまざまな媒体やイベントの場なども活用して積極的な広報を図ることが重要でございます。
 今後、都民、事業者等、社会全体で自転車安全利用の取り組みを一層促進するため、来年二月の本改正条例の施行に向け、さまざまな機会や手段を活用し、幅広い周知に取り組んでまいります。

○おときた委員 当本部のツイッターやイベントの場なども活用し、積極的に広報することが重要というご答弁をいただきました。
 とかく、さまざまなイベントやこういった新しいことを始めますと、広報が重要ということで、SNSを活用してというご答弁はいろんなところで聞かれるのですけども、これがしっかり活用できている例というのは、余りにも今少ないと思います。これは青少年・治安対策本部だけの問題に限らないと思っています。
 今回もやはり、告知前につぶやきが、ツイッターによる広報が一回も行われなかった。かつ、募集期間が終わった後、パブリックコメント、ご応募ありがとうございましたと、思い出したように一回だけつぶやかれていたのですけども、やっぱりこういったことは真摯に反省していただいて、今後、運用改善に努めていただきたい。
 それと、SNSということになりますと、これは猪瀬元知事のときに、全局アカウントを開設するようにということでリーダーシップをとられてやったことが大きなきっかけだと思うんですが、時代は常に進化しています。特に自転車という若い方もたくさん使うようなツールとなりますと、やっぱり今、若い方々が使っているのは、最も多いのはLINEというツールになりますし、その他インスタグラムであるとか写真を活用したSNS、非常に進化を遂げております。こういったものをもうちょっと、若者がやることだからついていけないよということではなくて、やっぱり東京都もしっかりそこにキャッチアップをして、無料ですから、お金のかからない施策として、しっかりと広報活動に取り入れていただけるように強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○中山委員 私も、自転車の安全運転、マナー向上を推進するための質問は、初当選間もないころから重ねてまいりました。また、私が住む足立区も、その周辺も含めまして平たんな地盤が広がっておりまして、環境的にも優しく、経済的な負担も少ない自転車という乗り物は、我が党の代表質問でも表現させていただきましたけれども、庶民ファーストの視点からも安心して乗れるような取り組みが広まることが望ましいというふうに考えておる次第でございます。
 今申し上げましたように、自転車は、買い物や通勤通学など、子供から高齢者まで手軽に利用できる便利な乗り物であります。ただ、そうした手軽さ、便利さからか、車両を運転しているという認識を持っていない利用者の方も多いように感じています。
 都は、自転車安全利用条例に基づく取り組みを進めてきましたが、いまだにルール、マナー違反は後を絶たず、特に大人のルール、マナー違反が目につく状況だと思います。
 実際の事故の統計はどうなっているのか、都内の自転車事故の年齢層ごとの発生状況についてお伺いをいたします。

○臼井治安対策担当部長 平成二十七年に都内で発生した自転車事故のうち、最も発生件数が多い年齢層は三十歳代で、全体の二割近くを占めております。以下、四十歳代、二十歳代の順で事故が多くなっており、二十歳代から四十歳代の事故が全事故の半分以上を占めている状況でございます。

○中山委員 自転車の事故といいますと、高齢者の方や幼いお子さんたちの事故というものを思い浮かべるかもしれませんけれども、今お話がありましたとおり、やはり成人層への取り組みが非常に大事だということでございます。
 今回の条例改正に当たりまして、こうした成人層への対策の必要性に関する認識と、条例に反映させた具体的な対策についてお伺いをしたいと思います。

○臼井治安対策担当部長 成人層を含む各年齢層において、事故時に自転車利用者側にも何らかの違反があった割合は約五割に上っており、交通ルールが十分に守られていない状況でございます。
 このため、まずは利用者自身の意識啓発が重要でございますが、学校卒業後の成人層につきましては、体系的な安全教育を受ける機会が少ないことが課題であると認識しております。
 こうしたことから、事業者を通じた勤務先での交通安全教育の充実を図ることが重要であると考え、今回、自転車安全利用推進者の選任に関する規定を盛り込んでおります。

○中山委員 児童や生徒の皆さんは学校という手だてがありまして、それを使って自転車の安全運転を広めていく啓蒙、教育活動が比較的展開しやすいという状況にあります。それに比べますと成人層につきましては、交通ルールに関する一定の知識は、さまざま社会的経験を経ていますから頭の中にはあるのですけれども、改めてそれを交通安全教育として受けていただく機会というのは少ない状況にあるわけであります。したがいまして、お話のとおり、勤務先での事業者による取り組みが非常に大事であると思います。
 ただ、効果的ではありますけれども、では、実際にどれだけ多くの事業者の方々が、自転車の交通安全教育と、ある面では会社だとかその団体としての直接の利益ではない事柄について協力していただくことが可能なのかと。もちろん強制はできませんし、その意味で、現在の段階で努力義務規定にとどまっているということは、いろいろ比較考量して、やむを得ない状態ではあるというふうに思います。
 しかし、努力義務規定であったとしても、規定を設けている、強制できなかったとしても、結果的にそれに積極的に参加してくださる、協力してくださる事業者の方々がふえていけば、効果としては、強制するのと比較的同じような効果を得られるわけでありまして、そのためにも、規定を設けただけの状態にとどまらずに、協力していただけるための工夫を凝らしていかなければならないというふうに思います。
 本改正を機に、都としても安全利用推進者の育成や企業の取り組みを後押しするインセンティブの提供など支援策を講じていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○臼井治安対策担当部長 都はこれまでも、事業者による従業員研修を支援するため、社内リーダーを育成するセミナーの開催や研修用教材の提供等に取り組んでまいりました。本改正を機に、事業者による従業員への安全教育を一層推進するため、セミナーや教材の質の向上に取り組んでまいります。
 また、安全利用推進者を選任し、自転車の安全利用に積極的に取り組んでいる事業者に対しましては、ホームページで公表し、自転車利用に関する最新の情報を定期的に提供するなど、事業者の取り組みを後押しする支援策を検討してまいります。

○中山委員 事業者の取り組みを促進するためには、例えば、社内研修に都が自転車シミュレーターなどの特別の機材を提供したり、講師を派遣したり、実施に際して事業者の負担をできる限り軽減していくということが非常に大事だと思います。
 また、警察の取り締まりと連携したものとしましては、例えば交通違反をした従業員の方について、警察から事業者の方に通報が届く仕組みがもしできれば、それは従業員の方が交通ルールを守らなくてはいけないという抑止力になるかと思います。
 しかし、現状としては、道路交通法や個人情報との兼ね合い、警察の側も事務量が大変ふえることになりますので、課題はあるのかとは思います。しかし、社会全体で自転車の事故を減らしていくためには、それぐらいのことをしてもいいのではないかというふうにも思います。
 こうした取り組みを社会的に実施していくための機運を高めるためにも、まずは、事業者が自転車通勤をするご自分の会社の社員の方々に対して、交通費支給の前提条件として、毎年、自転車運転の安全講習の受講を求める、また、そうした際に警察署の名前が入った修了証みたいなものが出るようであれば、それを提出していただくというようなことを実施していただける事業者をふやしていくということも大事だと思います。
 また、警視庁とご協議いただいて、安全講習の受講者のリストというものをデータ化しておいていただければなと思います。都内在住の方であれば、都内のどこでも、違法や危険な自転車運転をされる方を警察官の方が取り締まった際に、その方が安全講習の受講をまだしていないという方であれば、ちゃんと促すことができると思いますし、本来なら全国の警察庁で対応していただけるのが一番いいのですけれども、ただ、自転車通勤というのは、どちらかというと、特に都内で非常に大きな課題なので、警視庁を含めて都内から取り組みを起こしていかなければいけないというふうに思います。
 いずれにしても、自転車運転の安全講習の推進ですとか、そういうことを通して、免許制度ではないけれども、自転車運転の安全性を担保するための工夫をしっかりと行っていただく。青少年・治安対策本部としましても、関係機関との連携を深めていただくことを求めておくものであります。
 自転車運転のマナー向上は、都民の命を守るための大事な取り組みです。その重要性に鑑みれば、本来は、安全性を高めるための工夫、取り組みというのは、単なる努力義務などでいつまでもとどめておいてよいというものではないと思います。あくまで今回の条例改正は一つの契機にすぎません。この改正がどれだけ自転車事故の削減につながるか、それは今後の具体的な取り組み次第によって決まります。ぜひ全力で取り組んでいっていただくということを求めまして、質問を終わります。

○加藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○加藤委員長 これより総務局関係に入ります。
 理事者の欠席について申し上げます。
 山口多摩島しょ振興担当部長は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百五十四号議案から第百五十六号議案まで及び第百七十四号議案から第百七十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大場委員 私から、知事給与の削減条例に関して何点かお伺いいたします。
 小池知事は、選挙公約として給与の削減を掲げて当選し、今定例会に給与を半減する条例案を提出しました。我が党の代表質問で、高木けい幹事長が本条例案について取り上げたところです。
 知事に支給されるものは、毎月の給料や地域手当のほか、年二回のボーナスや退職手当もあると認識しています。
 そこで、今回の減額措置について、改めて、どのような内容となっているのか伺います。

○栗岡人事部長 今回の減額措置は、本来の水準を変えることなく、特例で知事の年収を半減するものでございます。具体的には、毎月支給されます給料と地域手当のほか、年二回支給される期末手当、いわゆるボーナスの全てを半減するものでございます。
 なお、今回提出している条例案では、退職手当の減額は含まれてございません。

○大場委員 では、ちなみに知事の退職手当はお幾らなのでしょうか、お伺いいたします。

○栗岡人事部長 知事の退職手当は、一期四年で約三千六百万円が支給されます。

○大場委員 今回の減額措置の内容は理解いたしました。
 しかしながら、本来、税金から支給される知事の給与については、職責との見合い、社会的、一般的慣習から適正な水準があるのではないでしょうか。適正な水準を保つことが都民への説明責任を果たすことにつながるものと考えております。その機能を有しているのが、第三者機関として設置されている特別職報酬等審議会であると認識しています。
 そこで伺いますが、特別職報酬等審議会そのものの沿革と位置づけ、知事給与を決定する際の手続についてお伺いいたします。

○栗岡人事部長 特別職報酬等審議会は、昭和三十九年の自治省通知におきまして、特別職の報酬等の額の決定について、第三者機関の意見を聞くことにより一層の公正を期する必要があるとされたことによりまして、条例を制定して設置したものでございます。
 本審議会は、知事や都議会議員等特別職の報酬等の改定に際して、公正性、公平性をより一層高める観点から、社会経済情勢や民間賃金の動向等を勘案し、適正な報酬水準等について、ほぼ毎年度答申をいただいているものでございます。多様な視点からの審議が可能となりますよう、学界、実業界、労働界、報道界等、幅広い分野から選任された委員で構成されてございまして、その答申については、その制度趣旨からも十分尊重すべきものと考えてございます。
 知事の給与につきましては、本審議会の答申を踏まえまして都議会に条例案を提出し、ご審議をいただいた上で改定を行ってございます。

○大場委員 ただいまの答弁で、知事給与の水準が適正なものかを判断するに当たりまして、特別職報酬等審議会の答申が大変重要であり、これまでも尊重し、改定してきたということがわかりました。
 さて、今回、知事は自身の給与を半減するという判断を下したわけですが、改めて、知事が給与半減を実施する理由について簡潔に伺います。

○栗岡人事部長 今回の減額措置につきましては、この間、知事も説明しているとおり、都政改革に向けた知事の決意と姿勢を明らかにするために実施するものでございます。

○大場委員 我が党としましては、今回の知事の給与減額に対して反対するものではありません。
 その上で、知事の恣意的な給与設定を避けるという観点から報酬等審議会が設置されていること、知事の本来の給与水準を改定する場合に同審議会の答申を尊重していることなどに鑑みますと、同審議会に諮問し、答申を得た上で実施する方法もあったのではないでしょうか。
 なお、我々都議会として議員報酬について検討するのであれば、同審議会等の意見を聞いた上で都議会のあり方検討会のテーマとすることがふさわしいと考えていることを申し述べまして、私からの質問を終わります。

○中山委員 初めに、東京都知事の給料等の特例に関する条例について、大事な質疑は既に行われましたので、一言触れておきたいというふうに思います。
 私どもは、まつば委員も含めて、知事がご自分の給与だけを対象に、政治的意思を表明するための手段として今回条例を提出されたということであり、その意思を尊重したいと思っております。賛成でございます。
 ただ、議会としましても、身を切る改革につきましては、これまでも取り組んできたことを踏まえ、さらにこれからも取り組んでいく必要がある。その具体的な中身については、やはり先ほどのお話にもございましたけれども、議会運営委員会のもとに設けられるあり方検討会等の論議の中で、議会の役割ですとか、さまざまな機能の充実等も含めて、しっかりと審議をして明らかにしていく必要があるというふうに考えております。
 それでは、具体的な質疑につきましては、事件案のうち、公立大学法人首都大学東京への出資についてお伺いをしたいと思います。
 今回の議案は、都が建設した建物を法人へ現物出資するという手続に伴うものだと理解しておりますが、まず、都から公立大学法人首都大学東京へ出資する建物の評価額の算定方法等について確認をさせていただきたいと思います。
 議案によれば、二つの建物の評価額の合計は六十三億二千八百万円余りとなっておりますが、この評価額は、建設工事の全体費用から求められたものなのか、あるいは工事費用と評価額には差があるのか。ある場合には、その差はどのような理由で生まれたものなのか、お伺いをいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 設計委託や工事監理委託等を含む工事費用の総額でございますが、平成二十二年度から二十七年度までの合計で約五十九億二千三百万円でございます。今回の評価額は、これを約四億五百万円上回ってございます。
 これは、地方独立行政法人法の規定によりまして、法人へ出資するときの価額は、工事費用をそのまま用いるのではなくて、出資の日現在におけます時価を基準として、出資する地方自治体が評価することとされている、こういったことによるものでございます。
 評価に当たりましては、評価時点で再度同じ建物を建てるには幾ら必要かという再調達価格が算定の基礎となりまして、契約時点以降の工事費の変動や建物引き渡しまでの期間に対応する金利などの資金調達費用、また竣工後の減価償却費等を勘案して算定いたしまして、東京都財産価格審議会の審議を経た上で評価額を決定しておるものでございます。
 なお、この評価額は、法人の財産的基礎となる資本金として法人の財務諸表に計上する価額として用いるものでございまして、都に新たな負担が生じるものではございません。

○中山委員 私も初めて知りましたけども、興味深い仕組みになっているということだと思います。
 実際に今それを調達しようとしたら幾らかかるのかということで、今回、四億五百万円ですか、工事価格を上回るということだそうですけれども、これは答弁の最後にもありましたけれど、都が新たな負担を負うものでもなし、都がもうかったというものでもないし、誰が損した得したというものでもないということだそうですけれども、人件費や資材の高騰とか、そうしたものが影響しているのかもしれないと考えた次第です。
 担当者の方が今答弁のあったような要素を踏まえてベースとなる額を算定したけれども、その上で東京都財産価格審議会の審議を経て評価額を算定するということだそうでございまして、第三者の視点で吟味された金額であるということが、今の丁寧な説明で確認できたというふうに思います。
 出資に当たっての評価は、法令の規定に基づき行われたということでありますが、次に、出資を受ける首都大学東京の側からの視点として、建物の用途等について確認をしておきたいと思います。
 出資する建物には、実験・研究棟と航空宇宙実験棟とがあるとお伺いしておりますが、そこでは主にどのような教育研究活動が行われていくのか、どのような活動を行うための部屋があるのか、そういった点についてお伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回出資をいたします建物がある首都大学東京日野キャンパスには、システムデザイン学部及びそれに対応する大学院の組織でございますシステムデザイン研究科が置かれてございます。
 システムデザイン学部は、五つのコースに分かれた工学系の分野が中心の学部でございまして、今回出資する二つの建物では、ロボット工学、情報システム工学、航空宇宙システム工学、そしてプロダクトデザインなど、各分野の教育研究活動が行われております。
 実験・研究棟は、システムデザイン学部の各コースの実験室及び研究室のほか、工業製品等のデザインやデジタル技術等によるアートを学ぶインダストリアルアートコースの工房やスタジオなどの部屋がございまして、それらから構成されております。
 一方、航空宇宙実験棟でございますが、これは主に航空宇宙システム工学コースの関係の航空機やロケット、ジェットエンジンなどに関します実験を行ってございまして、風洞実験室あるいは燃焼実験室などの部屋がございます。

○中山委員 今ご説明があった機能をお伺いしていると、首都大学東京はすごい大学だなというふうに印象を受ける次第でございますけれども、公立大学法人首都大学東京には、今回の案件のように土地、建物を都から現物出資しているだけでなく、平成二十七年度には約百八十四億円余りの運営費交付金が支出されています。こうした都民の貴重な税金が投入され運営されている都立の大学として、首都大学東京の教育研究の成果が都民や都政にどのように還元されているのかという視点も重要であります。
 先ほどの答弁によれば、出資する建物を初めとする日野キャンパスにおいては、主に工学系の教育研究が行われているということであり、そこでの研究等の成果は、都内産業の振興や都民生活に生かされるべきと考えますが、試験研究機関を含む産学公連携による成果還元の実績についてお伺いしたいと思います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまで首都大学東京の日野キャンパスでは、産学公連携の取り組みなどによりまして、各専門分野の研究成果について都民生活への還元を図ってきたところでございます。
 ことし五月には、ご質問のございました試験研究機関の一つでございます都立産業技術研究センターと連携をいたしまして、各種のセンサーを活用した対話ですとか、あるいは人のために必要なことができる機能を持ったサービスロボットに関する研究成果を社会に還元するための研究交流拠点として、サーボットインクと呼ばれる施設をキャンパス内に開設したところでございます。
 このサーボットインクでは、大学の研究者と複数の企業群とがチームをつくりまして、独創的かつ実用的なサービスロボットの開発に取り組んでございまして、中小企業の支援に寄与するとともに、将来的に都民生活に広く還元されることを視野に入れた取り組みを進めてございます。
 首都大学東京の日野キャンパスでは、今後とも、産学公連携のさらなる推進や研究成果の還元に努めていくこととしてございます。

○中山委員 私どもは、今お話がございました都立産業技術研究センターのオープンにお邪魔したり、あるいは、その後も視察を重ねさせていただいて、かつての首都大学東京の副学長さんが今そちらの理事長さんをやっていらっしゃるということで、ロボット等も、そちらのセンターでも大変力を入れてやっていらっしゃるという様子を伺ってまいりました。案内を多言語で対応できるようなロボットなども試作品を拝見させていただいたところでございます。
 例えば、今ご答弁のあった産学公連携の取り組みで開発されたロボットなどが都内の各種の施設や事業所などで広く普及していくというような事例が出てくれば、首都大学東京が都民や都政のために非常に役に立っているということが目に見える形で多くの方々に理解していただけるし、首都大学東京の存在価値というものを定着させていくことにつながると思います。
 そのためには、もちろん最先端の技術といいますか、そういうものを開発するということも大事ですけれども、そうした成果が広く普及するためには、安い費用で購入できるような価格設定となるようなものだとか、そういう流通の仕組みだとか、そうしたものも、産技研との連携は当然ですけれども、東京都庁にあります産業労働局等と連携して工夫していくとか、そうした形で、特に高齢者の方のさまざまな労働ですとか介護ですとか、東京都民全体が抱えている大きな悩み事に対して、解決の大きな手だてとなるような成果を上げていくことを期待したいというふうに思います。
 さて、首都大学東京が都立の大学として存在しているという意味の一つとして、教育の機会の均等という観点があると思います。授業料を一定額に抑えているという点があると思います。
 私は、本年第一回定例会の予算特別委員会におきまして、授業料の値上げの予定がないことを確認しましたが、それは現在も変わっていないかを確認したいと思います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公立大学法人の授業料は、地方独立行政法人法の規定によりまして、法人が上限を定めて都へ申請し、都がその上限額を議会の議決を経た上で認可する仕組みとなってございます。
 授業料の具体的な額の決定につきましては、認可された上限額の範囲内で、他大学の動向や社会経済状況などを総合的に勘案して、法人が自主的、自律的に判断をしているところでございます。
 本年の第一回定例会におきましても答弁をいたしましたけれども、現在、首都大学東京からは、授業料の値上げを予定しているといった話は聞いてございません。

○中山委員 第一回定例会当時と同様に、授業料値上げの予定がないことを確認させていただいたわけであります。
 ただ、話は聞いていないというふうにいっても、今お話がありましたとおり、規定によれば、あらかじめ認可を受けている上限額の範囲内であれば、議会に付議したり都の了解を得たりしなくても、法人の判断で授業料を値上げすることができる仕組みになっているというのも事実であります。詳しい数字は存じ上げていなくて恐縮ですけれども、恐らく、上限額との差でいえば一・一倍ぐらいは可能なんだろうと思います。
 授業料を改定するときには都へ相談があるだろうという関係者間の暗黙の了解で動いていても、いつの間にか改定が行われるというようなことがないとも限らない。そういう暗黙なものというのは、今回のいろんな都の問題を考えても、場合によっては、やはりきちっとしておくことが、あらかじめ対策を講じておくことがいろんなトラブルを防いでいく大事な手段で、しかるべきときに協議しておくとか、定めを明らかにしておくとか、そうしたことが大事なんだろうと思います。
 今後のことを考えますと、例えば授業料を上げたり下げたりするときには、きちんと都と協議した上で決定し、都民に対しても、あらかじめ広く周知するなどのルールを設けておくべきではないかと考えますが、局長の見解をお伺いしたいと思います。

○多羅尾総務局長 首都大学東京の授業料の改定は、現在学んでいる学生や入学希望者への影響が大変大きいことから、法人においてそうした検討が行われる場合には、やはり都としても強い関心を持って注視する必要があるものと考えております。
 首都大学東京発足以来、これまで授業料の改定が行われていないこともあり、現在、ご指摘のようなルールは定められておりませんが、大変大事な視点なので、今後、そうした手順の整備について検討をしてまいりたいと考えております。
 都といたしましては、東京都が設立した唯一の公立大学法人として、法人がその役割を十分発揮できるよう、今後とも、法人との連携をより一層密にしていきたいと考えております。

○中山委員 相手もあることなので勝手に決めることはできないということだと思いますし、大学としての自主独立も尊重しなければいけないという点はよくわかりますけれども、一〇〇%都の出資の法人でありますし、都以外から出資を受けるということはなかなかできないでしょうし、そういう面では、今お話があったとおり、授業料の点も含めて、さまざまいろいろな形で都との関係性をきちっと定めておくということが大事ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、公立大学法人首都大学東京は、本日取り上げた首都大学東京のほかにも、主に社会人を対象とする専門職大学院である産業技術大学院大学、また、中学校卒業からの五年間の一貫教育で実践的技術者を育成する東京都立産業技術高等専門学校も運営しております。来年、平成二十九年度からは、第二回定例会で議決した第三期中期目標期間が始まるところであり、いずれの大学、高専においても、次代の東京や日本を支える優秀な人材を育成するとともに、東京を初めとする大都市が抱える課題の解決に寄与する大学を目指して、引き続き取り組みを進めていっていただきたいと思います。
 かつて私も、少子化傾向がある中で、首都大学東京の存在を都民に理解していただくということは簡単な道のりではない、容易なことではないということは申し上げたと思います。そうした面から、都も積極的に法人の支援のあり方、その内容に力を入れて取り組んでいただいて、首都大学東京が都民から存在を支持していただける大学であることを確保できるようにご努力していただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。

○曽根委員 私から、まず最初に、百五十四号議案の東京都知事の給料等の特例に関する条例について、一言、意見を述べておきたいと思います。
 知事がみずから、政治姿勢を示すためにみずからの給与を減額することに対して、日本共産党として反対するものではございません。
 ただ、これをてこに、小池知事が主張する痛みを伴う改革のためとして、都民への痛みや犠牲を押しつけることがあるならば、これには断固反対して闘うということを表明しておきます。
 また同時に、給与減額の発表の際に、知事が記者会見で、このことが都の一般職員に及ぶものではなく、経済的な影響を考えても都の職員の給与減額は行うべきではないとの考えを述べておりますが、この点も発言の趣旨をきっちり守っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それでは、私からも、百七十四号議案、百七十五号議案について簡潔に質問をさせていただきます。
 この二つの議案は、東京都が出資し、首都大学の定款に加えるということで、日野キャンパスの新たな実験・研究棟と航空宇宙実験棟を整備すると。既に建物はでき上がって利用もされているようですが、正式にこの手続を行うものだと思います。
 先端科学技術の実験・研究棟を新たに整備することは、大学としてのグレードを上げるという上で大変重要でありますので、この点については大いに進めていただきたいと思うのですが、その上で、一点、念のために、この日野キャンパスと八王子南大沢の首都大学東京の本拠地のキャンパスとは直接の交通手段がなくて、乗りかえて、かなり大回りをして行かなきゃならない。そこで大学側でバス便を通していると思うんですけれども、今度の施設ができたことで、これは建てかえだそうですので、学生や教職員の方が日野と南大沢を行き来する人数や時間帯が大幅に変更することはないと思いますが、その点を確認しておきたいと思います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回出資いたします建物がございます首都大学東京の日野キャンパスでございますが、主にシステムデザイン学部の三年生、四年生、それから大学院生が専門科目を学ぶキャンパスでございまして、その点は、今回の実験棟の建てかえに当たっても、こういった原則は変更ございません。
 そのため、学生や教職員の方々は、南大沢キャンパスと日野キャンパスの間の移動が従来と比べて増減はないというふうに考えてございます。

○曽根委員 前回、第二回定例議会で議決をしました首都大学の第三期中期目標には、二〇一八年度から工学系の再編を含む学部の再編を行うという計画が盛り込まれていたように思います。
 そこで、今後、工学系の専門分野のさらなる強化や学部の再編などにより、恐らくは、日野キャンパスでの専門科目を学ぶ学生がふえて、南大沢キャンパスと行き来する場合がふえていくのではないかということも予想されますが、そうした場合にはぜひ、学生、教職員が利用しやすい連絡バスを大学側が増発するというような場合などに、これは都としても引き続き大きな支援は必要だと思いますが、その点についても見解を伺っておきます。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、システムデザイン学部の学生は、一年次、二年次生は南大沢キャンパスで教養科目等を中心に学んでございまして、二年次生の後期には、週一回、日野デーというものを設定いたしまして、日野キャンパスで専門科目を受講してございます。このように、学生の負担等を考慮しまして、同じ日に南大沢、それから日野という形で移動して学習するような時間割は組んでございません。
 また、法人は、南大沢キャンパスと日野キャンパスの間を移動する学生あるいは教職員の方々が利用できる連絡バスを運行してございまして、週一回、こういった日野キャンパスで学習する日は、日野デーですが、こちらでも増便を行ってございます。
 お話の学部再編後のカリキュラム、それから時間割の編成につきましては、現在と同様、できる限り学生の負担が少なくなるよう、大学において現在検討を進めてございます。
 東京都といたしましても、今後とも、首都大学東京のこうした取り組みを支援してまいりたいと考えてございます。

○曽根委員 前回定例会の際にも申し上げましたが、十一年前に大学を再編したときに、首都大学東京の理念として、大都市における人間社会の理想像の追求というような、かなり抽象的な使命を設定したために、学部編成も、都市教養学部とかシステムデザイン学部とか、その中には人文系も入っていれば理工系も入っているという、他の大学と非常に異なる学部設定をした。このことが、多くの場合、受験生の敬遠を招いたり、優秀な研究者、また教職員がなかなか集まらないというような事態を招いたと私たちは思っております。
 そういう点では、今回は、より鮮明に人文系と理工系、特に理工系を今重視して、施設も充実させ、優秀な研究者、学生も集めるという方向に力を入れておられることは大変重要なことだと思っております。
 そういう点でも、大学の自治を尊重して、大学がこれから新しい時代に生き残っていこうとする、サバイバルの時代に生き残っていこうとする努力をぜひ応援するような都の支援を引き続き強化していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○新井委員 まず初めに、知事給与を減額する特例条例のことについてお伺いします。
 小池百合子都知事が、都知事選の公約でもありました知事の報酬半額を打ち出しました。知事の改革に対します決意や都政改革本部での取り組みが庁内に改革マインドを根づかせ、これまでの延長上ではない改革を実現しようとする姿勢は同調しますし、ぜひ有言実行で進めていただきたいと思っています。
 さて、特別職の報酬等の額については、特別職報酬等審議会に諮問し、審議会における答申を受け、知事給与を決定していると認識しておりますが、答申の位置づけと知事給与決定の考え方についてお伺いします。

○栗岡人事部長 特別職報酬等審議会は、知事を初めとする特別職の報酬等の改定に際しまして、公平性、公正性をより一層高める観点から、社会経済情勢や民間賃金の動向等を勘案し、適正な報酬水準等について答申をいただいているものでございます。
 本審議会の答申は、社会経済情勢を初め一般職の給与改定等、さまざまな要素を多角的な視点から審議していただいたものでございまして、その制度趣旨からも十分尊重すべきものと考えてございます。
 知事の給与については、本審議会の答申を踏まえ都議会に条例案を提出いたしまして、ご審議をいただいた上で改定を行ってございます。

○新井委員 答弁でありましたように、特別職報酬等審議会における答申を踏まえ、知事の本来の給与水準を決定しているということですが、減額する場合にはどのような手続が必要か、お伺いいたします。

○栗岡人事部長 選挙で選ばれた知事が、給与の受け取りを辞退することや、既に支給された給与を返納することは、公職選挙法上の寄附に該当いたします。そのため、実施することができないものと認識してございます。
 このため、知事がみずからの給与を減額しようとする場合には、本則を定める条例とは別に特例の条例を制定しまして、あらかじめ支給額を減額することが必要であり、今回についても減額に関する特例条例を提出してございます。
 なお、過去の知事の減額措置につきましても、今回と同様、特例条例を制定して実施してございます。

○新井委員 知事給与の減額には特例条例の制定が必要であり、過去の知事も同様の方法で減額を実施しているということでありますが、減額の目的は異なるものと認識しております。
 そこで、今回の給与減額の目的についてお伺いします。

○栗岡人事部長 これまで複数の知事が給与の減額措置を実施してございます。
 例えば鈴木知事は、都の財政再建を進めるため、約六年間にわたり減額措置を行ってまいりました。また、石原知事は、財政再建団体へ転落することが現実的な問題となっていた都財政の健全化に向けて、就任から退任までの全期間にわたり減額措置を行いました。
 このように、過去の知事の減額措置は財政上の理由によるものがほとんどでございますが、今回の給与減額は知事の選挙時の公約でございまして、条例の提案理由にもありますように、今後の都政改革に向けた知事の決意及び姿勢を示すために実施するものでございます。

○新井委員 都政改革に向けた決意と姿勢を示すことが目的ということでありますが、その場合、減額は任期中実施すべきだと考えております。
 なぜ四年間ではなく一年間の実施としたのか、また、減額措置を継続する場合には改めて判断が必要となりますが、どのような視点で判断を行うのか、見解をお伺いします。

○栗岡人事部長 給与の減額措置は、あくまで特例的な措置でございまして、期間を定めて実施すべきものと考えてございます。
 これまでの知事が実施した給与減額措置につきましても、一年という期間を定めて行いまして、その都度、知事が状況を総合的に判断し、必要があれば改めて特例条例を提出してきたと認識してございます。今回の減額措置につきましても、あくまで特例的な措置であることから、期限を定めて条例を提出しているものと考えてございます。
 なお、定例記者会見におきまして、知事は、減額の期間について、基本的に四年間と表明してございますが、減額措置を継続するか否かにつきましては、知事が今回の減額措置の理由を考慮し、そのときのさまざまな状況を踏まえ、判断するものと認識してございます。

○新井委員 定例記者会見におきましても、知事は、減額期間について、基本的に四年間と表明していますから、毎年、減額措置を継続するために判断するのでなく、都政改革に向けた決意と姿勢を示すという意味でも四年間にすべきだと考えております。
 さて、先日の代表質問におきまして、知事は、今回の減額効果について、庁内に改革マインドを根づかせ、これまでの延長線ではない改革が実現できると答弁していますが、今回の減額措置により、職員の間にこうした改革意識が定着するものと考えていますか、見解をお伺いします。

○栗岡人事部長 現在、知事が掲げる東京大改革の実現に向け、都政の透明化、見える化を初めまして、都民ファーストの視点からさまざまな改革を進めてございます。
 都政改革について、知事は、まずは各局の主体的な取り組みによる自律改革が重要な柱であると話されており、各局では所掌事業についての自主点検を進め、先日の本部会議では、その取り組み状況について報告がなされたところでございます。
 また、知事は、給与減額という形でみずからの身を切ることにより、都政改革に向けた強い決意を示しました。こうした知事の強い決意が職員にも影響を与え、各局がより一層主体的な自律改革の取り組みを進めることにより、職員の間にも改革意識が浸透し、改革のさらなる推進につながるものと考えてございます。

○新井委員 知事は、八月の就任記者会見で、行政改革を進めていくと標榜し、改革の象徴として給与を半減すると表明しました。行財政改革は、知事一人だけでは実現できないですし、私たち議員や職員の間においても改革マインドの定着ができ、初めて実現できるものだと思っています。幾らすばらしいアイデアや方法を盛り込んでも、改革マインド、思いがなければ進まないと思っています。
 次に、事件案のうち、公立大学法人首都大学東京への出資についてお伺いします。
 この議案は、都が建設工事を行い既に竣工した建物を法人へ現物出資するという手続的なものだと認識しております。該当の建物が建築されたのは首都大学東京の日野キャンパスであり、もともとグラウンドのあった場所に建てられていると記憶しております。
 あの場所は、周辺にマンションなどの住宅や学校も多く、工事に当たっては近隣からの要望もあったと聞いておりますが、どのような対応をしたのか、お伺いします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回出資いたします建物は、日野キャンパスの実験・研究棟及び航空宇宙実験棟の二棟でございまして、本件工事に当たりましては、平成二十三年の改築計画説明会、二十四年の市条例に基づく説明会、さらには二十五年の着工前の工事説明会ということで、周辺住民の方々向けの説明会を複数回にわたり行ってございます。
 そのうち、平成二十三年十月に行いました説明会におきまして、建設位置をもう少し道路から内側に寄せてほしいといった住民の方々からの要望がございまして、検討をいたしました。実施設計におきまして、当初の計画位置から敷地の内側に向けて建物の配置を移動するといったような変更を行ってございます。
 また、工事中も施工業者等と連絡を密にいたしまして、工事車両の通行など安全面に留意するとともに、周辺への騒音や振動は最小限とするよう、常に配慮を行ってございます。

○新井委員 工事中は近隣の方々に十分配慮したということを了承しました。
 さて、今回の改築は、旧実験棟の老朽化に伴うと聞いておりますが、都民の税金を投入して整備されたものでございます。そうした意味でも、大学における教育研究活動について、地元の住民の方々に発信して理解を得ること、さらには、その結果を都民へ還元していくことが重要ですが、首都大学東京の日野キャンパスではどのような取り組みを行っているのか、お伺いします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 首都大学東京日野キャンパスに設置をされておりますシステムデザイン学部では、毎年十月に、教育研究活動を広く紹介することを目的に、システムデザインフォーラムといったイベントを開催してございます。このフォーラムでは、実物展示やパネル展示による研究の紹介、それから、学内外の講師によります講演会のほか、産学公連携についての個別相談なども行っておりまして、昨年度は、約百名の企業の関係者の方々を含みまして千名以上の来場者があったということでございます。
 システムデザイン学部では、このほかに、東京都教育委員会の事業でもございます理数授業特別プログラムの日野市における連携大学ということで、平成二十七年度は、日野市の四つの小学校と二つの中学校におきまして、人間とロボットの動きを比較して学ぶ授業を行ってございます。
 また、都民の方々を対象といたしましたオープンユニバーシティー講座でも、航空宇宙工学の入門講座、こういったものを開講するなど、教育研究成果の普及、還元に努めているところでございます。

○新井委員 これまで、グラウンドや体育館など大学の体育施設も地域に開放されており、地域住民の方々が使用していると聞いております。
 現在、体育施設の開放はどのような考え方で行っているのか、また、旧実験棟の跡地にできるというフットサルコートは今後開放が行われるのか、お伺いします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 日野キャンパスでは、大学の教育研究活動に支障のない範囲で、地域のスポーツ団体あるいは学校等に体育施設等を開放いたしております。平成二十七年度は、体育館やテニスコートの貸し出しを行ってございます。
 なお、もとのグラウンドも、今回出資の建物の工事が始まる前までは貸し出しを行ってございました。
 また、現在、建てかえを行った旧実験棟の跡地に法人が整備してございます、お話のフットサルコートにつきましても、平成二十九年度から開放を行うという予定になってございます。

○新井委員 要件を満たし、団体登録をしましたら、フットサルコートにつきましては、平成二十九年度から地域、一般の方々へ開放するということです。
 公立大学は、地域における高等教育機会の提供と地域社会での知的、文化的拠点としての役割を担う必要があると考えております。今後とも、教育研究成果について、地域を含む都民への発信や還元に努めていただくことを期待しまして、質問を終わりにします。

○石川委員 今までの質疑に若干重なる部分もあるかと思いますけれども、確認のために、知事の給料等の特例に関する条例について、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の減額を実施する趣旨は何なのか、また、具体的な内容を確認させていただきたいと思います。

○栗岡人事部長 知事は、選挙におきまして知事給与の削減を公約の一つに掲げ、当選しました。知事就任後、改めて、今後の都政改革に向けた決意と姿勢を示すために給与減額措置を実施することを表明し、今回、特例条例を提出してございます。
 減額の具体的な内容は、本年十一月から来年七月までの間、毎月の給与と期末手当を五〇%減額するものでございます。
 なお、事実上、知事就任時からの五〇%減額とするため、本年十一月から来年一月までの毎月の給与については一〇〇%減額としてございます。

○石川委員 趣旨については、所信表明で述べられているとおりなわけであります。
 それでは、今回の減額について、特別職報酬等審議会に諮問をして、答申を踏まえて実施すべきだというような意見もあるわけでありますけれども、見解をお伺いいたします。

○栗岡人事部長 今回ご提案している知事給与の減額措置は、知事の本来の給与水準を引き下げるものではなく、今後の都政改革に向けた知事の決意と姿勢を示すために、あくまで特例として実施するものでございます。
 一方、特別職報酬等審議会は、知事を初めとする特別職の報酬等の改定に際しまして、公平性、公正性をより一層高める観点から、社会経済情勢や民間賃金の動向等を勘案し、適正な報酬水準等について審議を行い、答申をいただいてございます。このような特別職報酬等審議会の性質を踏まえますと、今回のように知事の政治姿勢に基づき給与の減額措置を実施する場合は、本審議会への諮問にはなじまないものと考えてございます。
 なお、過去にも、知事の給与につきまして、知事の判断により特例条例を制定した上で減額を実施した例はございますが、その際にも、同様の理由で本審議会への諮問は実施してございません。

○石川委員 確かに、歴代の知事は、給料あるいは期末手当などの減額を実施しているわけであります。おのおの知事としての決意や姿勢を示すためのものだったわけであります。
 例えば鈴木俊一元知事の場合は、財政再建のための強い決意を示すということで、給料で約六年間にわたって五〇%削減し、期末手当も一年間にわたって五〇%削減をしたわけであります。また、青島、石原、猪瀬、舛添元知事も、おのおのの理由で給料、期末手当の減額を行っていることがわかりました。
 小池知事についても、所信表明で、都政改革への並々ならぬ強い決意、姿勢というものが示されたわけでありますけれども、私どもとしては、そのことに強く賛同するものでございます。
 よって、知事のこの改革に対する決意をしっかりと議会としても受けとめていく必要があるというふうに思っておりまして、同じく特別職であるところの議員についても、その報酬等について、削減、身を切る改革、そのことを前提としてしっかりとした議論を進めていく必要がある、このことを表明して質疑を終わらせていただきます。
 以上でございます。

○おときた委員 私の方からも、東京都知事の給料等の特例に関する条例について、幾つか確認をさせていただいた後に意見を述べたいと思います。
 まず、知事給与の決定方法につきましては重複する質問がございましたので、通告をいたしましたが、質問は省略いたします。
 知事給与の月額について、これまでどのような金額の変遷をたどってきたのか、この経緯の方からまずは伺いたいと思います。

○栗岡人事部長 特別職報酬等審議会が設置されましたのは昭和三十九年になりますが、当時の知事の給料月額は三十万円でございました。その後、物価水準の上昇等によりましてプラス改定が続き、ピークである平成八年度における給料月額は百六十四万円でございました。
 以降は、厳しい財政の状況を踏まえ、プラス改定を見送り、平成十六年度には、都、国ともに一般職員の給与が引き下げられたこと等を勘案し、マイナス改定を行ってございます。これ以降、一般職員の給与の動向や経済情勢等を勘案し、マイナス改定が続いておりましたが、今年度はプラス改定を実施し、現在の給料月額は百四十五万六千円となってございます。

○おときた委員 現行の特別職報酬等審議会で審議をされて給与が決定されるというシステムが始まった昭和三十九年当時から、大体、約五倍の給料になっているということです。ですが、こちらは、昭和三十九年当時は民間の平均年収は四十万円程度で、現在が四百万円台と約十倍になっていることを鑑みれば、それほど上がり過ぎている数字ではないというふうには認識をしております。
 さて、他の委員からも質問がありましたが、では、過去、知事の給与というのが特例で減額された事例が幾つかありますが、こちらについて、過去にどのような事例があったのかを正確にお伺いいたします。

○栗岡人事部長 都におきましては、これまでも複数の知事が特例条例を定めて給与の減額措置を実施してございます。
 最近の例でいえば、石原知事は、都財政が極めて厳しい状況であったことに鑑み、平成十一年四月の就任時から、給料月額を一〇%、期末手当を五〇%の減額を行い、期末手当の減額率は変更しましたが、退任する平成二十四年十月まで給料月額の減額を継続しました。
 また、猪瀬知事につきましても、財政状況を考慮し、退任する平成二十五年十二月まで、給料月額、期末手当ともに一〇%の減額を実施しておりました。
 なお、鈴木知事につきましては、昭和五十四年七月から一年間、給料月額、期末手当ともに五〇%の減額を実施しておりました。

○おときた委員 このように、過去には五〇%の減額、今回の小池知事の提案のような金額を特例で実施した例もあったということで、これは、それぞれ事情はあったと思いますが、決しておかしなものではないということを確認させていただきました。
 さて、現在、世論におきましては、この報酬減額、給与減額によって、都知事の報酬、給与が都議会議員の報酬を下回る、都議会議員の報酬の方が高くなるということが議論になっているところでございます。
 知事給与は特別職報酬等審議会で定められて、それには公職の給与などを参考にしているということですが、その比較の対象に都議会議員というのは入っているのか、また逆に、都議会議員の報酬決定に知事給与というのは比較の対象になっているのか、ここの事実関係を、知事給与と都議の報酬についての関係を伺いたいと思います。

○栗岡人事部長 特別職報酬等審議会は、知事の給与と議員の報酬をともに審議の対象としてございます。審議会では、都の一般職員の給与改定及び国の特別職の報酬等の状況、社会経済情勢や民間賃金の動向等を踏まえ審議をし、答申を実施してございます。
 このように、知事の給与と議員の報酬は同様の考え方に基づいてはいますが、それぞれ改定が行われてございまして、いずれかの金額を参考にして他方の金額を改定しているといった関係にはございません。

○おときた委員 それぞれ個別に審議が行われておりまして、いずれかの金額を参考にして他方の金額を改定しているものではないということをご答弁いただきました。
 ただ、同様の考え方に基づいて決定しているところも重要でございまして、今回、知事は、先ほどご答弁いただきまして、また知事ご自身も述べているように、改革の覚悟、決意と姿勢を見せるためということで条例案を提出されております。それについては、私どもの会派として大いに賛同するものでございます。
 また、他の会派におきましても、都政や都議会の改革の必要性については共通認識をしているものと、代表質問、一般質問を通じて感じるところでございます。
 我々都議会の方の待遇についても、やはり報酬が高過ぎるのではないか、そういった疑問の方が非常に多い中で、知事給与の半減に反対しない、賛成する以上、当然に都議会も見直しを前提に議論を始めるべきではないかということを感じています。
 ただ、一方で、この都議会議員の報酬を、三割、四割、五割とバナナのたたき売りのように下げればいいというものではないということも考えております。昨今の報道では、都議会議員の報酬が年間千七百万、政務活動費、これは政活費で七百万もらっていて、二千五百万円年収があって、数期務めれば一財産が築けるんだというような論調もございますけども、これは実態に即したものではなくて、こういったイメージが流布されることは甚だ遺憾とするものでございます。
 都議会議員の報酬というのは、例えていうなら自営業者の売り上げに当たるものでございまして、ここから人件費であるとか、あるいは事務所の維持費、そういったものを出して真面目に政治活動を行っていれば、そんなに手取りがよくないということも、実態としてまたあるのではないかと考えております。
 ただ、このような疑惑が持たれるのは、やはり我々都議会議員の情報公開が不徹底である、何をしているのかわからない、あるいは政務活動費がネット公開されていないなどの情報が不十分であったということにも起因していることでございますし、また、都議会議員の報酬の方は、そもそもは副業であることが前提とされているので、その機会を奪うと費用弁償も発生するということが昨日の代表質問でも述べられておりましたが、果たしてこれが今の都議会議員の実態に合っているのかどうかということについては、積極的にもう一度見直しの議論を行っていかなければならない、そのように考える次第でございます。
 そこで、我々都議会としては、知事給与の削減に賛成する以上、速やかにあり方検討会を開いて、このあり方検討会はフルオープンの場で、そして、大会派のメンバーだけではなくて小会派のメンバーも全て入れた場で、報酬等、待遇につきまして再度議論を行うべきとの意見を述べさせていただきまして、私の質問を終了いたします。

○加藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十七分休憩

   午後三時十一分開議

○加藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 報告事項、平成二十七年度公立大学法人首都大学東京業務実績評価についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 それでは、私から、首都大学の実績評価に含めて、全体のそういう評価も含めて、また、今後の首都大の目指すべき道というか、方向性も含めて少し議論をしたいと思います。
 先ほど中山委員から非常に、議案の中で、首都大学の今後目指す道というか、首都大学として、これからのあるべき姿みたいなものが語られていたような気がしますが、私は、まずその評価について聞かせていただいて、それから少し、特に海外に、国際化に向けた取り組みの推進というところを含めて質問させていただきたいと思っています。
 都立大学の統合によって首都大学が開学をし、そして地方独立行政法人としての公立大学法人首都大学東京が設立されて、もう十年が経過をしたところであります。次代を担う人材の育成、特にここが一番大切なことだと思いますが、都や地域との多様な連携なども含めて、皆さん、先ほど質疑が出たように着実に取り組んできたというふうに考えます。
 六月の第二回定例会では、来年度から始まります第三期、六年間の中期目標を議決したところであります。二十七年度は現行の第二期中期目標期間の五年目に当たり、今回の評価は、次の中期目標期間に向けて、第二期に目標として掲げた事項が確実に達成されつつあるかをはかる重要な評価だといえるというふうに思います。
 それでは、まず、今回の業務実績評価における項目別評価のうち、年度計画を大幅に上回って実施しているという評定一で評価された項目は四項目あるということでありますが、評定一と評価された取り組みはどのようなもので、どういった点が評価されたのかを伺います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 評定一とされました四項目でございますが、それぞれ、首都大学東京に関するものが一項目、産業技術大学院大学に関するものが二項目、東京都立産業技術高等専門学校に関するものが一項目でございました。
 評価のポイントでございますが、首都大学東京につきましては、海外プロモーション活動や留学生の受け入れ、派遣の体制の整備を行うなど、国際化に向けた取り組みを積極的に行ってございまして、受け入れ、派遣留学生数が増加したことがございます。また、産業技術大学院大学につきましては、起業、創業等を担います人材育成のための事業アーキテクトコースを新たに開講し、実践的な教育を推進したこと、さらに、東京都立産業技術高等専門学校におきましては、キャリア支援体系を構築して、女子学生向け支援あるいは低学年向け行事などを導入いたしまして、キャリア支援を充実させたことなどが評価されたところでございます。

○鈴木委員 今、答弁がありましたが、法人が設置し運営している二つの大学と高等専門学校のそれぞれが特徴のある活動をしており、それが評価をされたということであります。全体評価でも、順調に成果を上げていると評価されているのは大変結構なことだというふうに思います。
 首都大学東京については、国際化の取り組みが評価をされております。首都大学東京には、できれば世界中に人材を送り出すぐらいな気概があって、世界の至るところにOBがいて世界中で活躍をしているというような、そんな大学であるということが世界的にも認められるような、そういう大学になってほしいなという思いが私にはあります。そのためには、まず、多くの学生を積極的に海外に送り出し、いろいろな経験を積ませることが重要だと考えます。
 そこで、首都大学東京では、学生の海外派遣留学についてどのように目標を設定し、また、どのような取り組みによりその目標を達成しようとしているのかを伺います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都長期ビジョンにおきましては、おおむね十年後、平成三十六年度までの累計でございますが、延べ二千五百名の首都大学東京の学生を海外に送り出すことを目標として掲げてございます。
 この間、首都大学東京におけます海外派遣留学者数は、中長期の留学及び短期の海外研修による派遣も含めまして、平成二十五年度は百三十八名でございましたが、平成二十七年度には二百名まで拡大をしてきてございます。さらなる海外留学者数の拡大のため、交換留学協定校の拡充によります留学先の開拓に取り組む、また、国際交流協定のうち学生交換協定校数は、平成二十五年度の十七校から平成二十七年度は六十一校まで拡充をしてございます。
 また、海外留学へのモチベーションを高めるために、国連の機関で働きます国際公務員あるいはオリンピック・パラリンピック関係の国際業務に携わります都職員を招いた講演会等を開催したところでございます。
 さらには、留学する学生に対しまして、渡航費用あるいは生活費用としての経済的支援も行っております。
 引き続き、これら取り組みを推進することによりまして、海外留学者数の拡大に取り組んでまいります。

○鈴木委員 首都大学東京の外国人留学生及び海外派遣の数、今、百三十八名から二百名にふえたということでありますが、内訳を見ますと、ある程度、派遣の留学者というのは、オーストラリアからヨーロッパ、アメリカとか、そういうところが内訳は多いですよね。この後ちょっと聞きますが、外国人の留学生数になると、今度はアジアがすごく多くなってくるわけで、その辺のことに対しての考え方は--そういうようなことがあるわけですね。
 一応、首都東京の大学としての役割を果たすには、海外派遣はもちろん、今度、世界中から留学生の受け入れも積極的に取り組む必要があると思いますので、外国人留学生の受け入れについての、首都大学東京ではどのような数値目標を持っているのか、その目標を達成するための取り組みとしてどのような内容を計画しているのかを伺いたいと思います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 首都大学東京では、平成二十七年度に国際化行動計画を策定いたしました。
 正規課程の優秀な留学生の受け入れを段階的にふやしていくとともに、短期の受け入れプログラムを順次拡大することとしております。第三期中期目標期間の最終年度に当たります平成三十四年度までに、平成二十七年五月一日現在で四百三十五名でございます留学生の在籍者数を、学生総数の約一割に当たります九百名程度へ拡大をするといった目標を掲げてございます。
 そのため、都市外交人材育成基金を最大限活用いたしまして、優秀な留学生を多く受け入れるとともに、借り上げやあっせんによります宿舎の積極的な提供を行うほか、日本語教育プログラムの拡充や、国際交流に積極的な地域ボランティアの皆さんとの連携などによりまして、留学生が日本語や日本の文化、そして東京の魅力を学ぶ機会を拡大することといたしております。
 また、留学生の円滑な受け入れを促進するため、ウエブによる入試、出願の導入につきましても早急に検討を進めることとしてございます。

○鈴木委員 さっきの続きになるのですが、外国人の首都大学東京に対しての受け入れ国の人数があるわけですが、中国が二百六十七名、韓国三十一名、ベトナム二十四名、台湾十五名、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ二名、ドイツ、オーストリア四名とか、実際に今、外国人留学生の首都大学東京での受け入れの人数というのが、こういう数字で出ているわけですね。国費とか都費、また私費の人も中国は多いですね、二百四十六名。
 それから、さっきいったように海外の派遣の方になると、逆にオーストラリアとかヨーロッパ、イギリス等、それからアジアではマレーシア二十一名とか、そういう数値が今の学生の中であるわけで、こういうようなものに対する、要するに学校の中での対応をしていくのと同時に、今いったこれが、もう少し平均化されたり、こういうようなものに対する国の対応というようなものの中で本来はされていくべきなんだろうなというような気がしています。
 また、もうご存じのように、海外からの留学生が日本に来る数が非常に減っているわけで、現実に多くの、中国もそうでしょう、それからASEAN諸国もそうですが、日本の大学に来るよりも、アメリカとかヨーロッパの大学へどんどん行く数がふえてきているという現実が実はあるわけですから、本来であれば、それだけの特色を--先ほどもいろんな委員の方がいいましたように、首都大学が持っているよさをもっと、国内だけじゃなくて海外に大いに発信をして、そして、そういう意味で、外国の人たちが、海外の人が首都大学に本当はもっと来やすいんだというような雰囲気とか、学べる場がそれだけ多くあるんだというようなことを、海外にもっと幅広く東京から発信していくべきだと思いますね。特に二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックもあるわけですから、そういう面も含めていろいろと考えられたらいいと思うんですね。
 ある面でいえば、障害を持った人たちももっと積極的にできるとか、何かいろんな面での特色を、そういうようなものを考えられて、知恵を出して、多くの海外からの学生に東京へ、また首都大学へ来てもらえるような、そういう仕掛けをつくっていく努力はぜひしていただきたいなと思いますし、逆に今度、日本からどんどん海外へ出ていくような、そういう人たちに対しても、そういうようなネットワークを生かしたものを、日本の若者たちにそういうようなものを伝えていくということも、東京から今やるべきことではないかなというふうに思っていますので、ひとつ考えていただければということをお願いしたいと思います。
 アジアの諸国は、大学教育に強い関心を持っております。その充実が国の発展に重要であると考えている面があります。首都大学東京には、外国人留学生の受け入れはもちろん、アジア地域での人的交流にリーダーシップを発揮してもらいたい。今いったようなことであります。
 かつてマレーシアでは、当時のマハティール首相がルックイーストを唱え、東方政策を掲げて、日本に、資料では一万二千、僕が知っているのは一万五千人の留学生を送り込んできたというふうに聞いています。
 私たちも、先般、マレーシアに自民党で視察に行って、マハティールさんに会いました。会って実際に話を聞いて、もう既に、二十数年前に送った人の中から、現実に、今、大臣をやっている方が出ています。もう日本語べらべらですよ。そういう方が実際に今マレーシアにいらっしゃるわけですね。
 ですから、本当に日本のことを理解して、そして日本とのそういう交流を望んでいる方がアジアの諸国にはいっぱいいらっしゃるという現実をもっと直視して私たちは臨んでいく必要があるというふうに思っています。
 ですから、首都大学東京においても、積極的にアジアの人材育成への貢献を--貢献のうちですよね。貢献を推進して、東京とアジアの発展に寄与していくべきと考えますが、これまでの取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 首都大学東京では、都市外交人材育成基金の前身でございますアジア人材育成基金を活用いたしまして、感染症など大都市共通の課題についての高度先端的な研究を進めるとともに、平成二十六年度までに大学院博士後期課程にアジアから百四十五名の留学生を受け入れ、平成二十七年度末までには、そのうちの七十名に博士の学位を授与して送り出したところでございます。
 この間、大学院を修了いたしました留学生の中には、母国で大学や研究機関等の要職を務め、また、帰国後も首都大学東京との研究ネットワークの橋渡しを行っていただいている、こういった方々もいらっしゃいます。
 そのほか、日本の大手建設会社に就職をして海外展開業務を担当したり、あるいは日本と出身地をつなぐことはもちろんですが、日本と海外の結びつきを強めるといった、こういった人材として活躍している例も多くございます。
 理事ご指摘のマレーシアでございますが、WHO、世界保健機関のジュネーブ本部に採用されまして、ポリオウイルス撲滅チームの一員として活躍しているマレーシア出身の留学生の方も実はいらっしゃいます。
 首都大学東京では、今後も都市外交人材育成基金を活用いたしまして、アジアを初めとする世界から留学生を受け入れて、積極的に人材の育成に努めていきたいということで考えてございます。

○鈴木委員 今、お答えがあったように、答弁がありましたように、マレーシアの方でも、そうやって世界的に活躍している人がいらっしゃるわけでしょう。そういう人はどんどん発信したらいいんですよ。要するに、首都大学の勉強をして、世界に出て今活躍している人がいると。そういうようなことはどんどん発信をしていったらいいんですよ。そういう交流が行われているということを、日本の方々だけじゃなくて世界にどんどん発信したらいいじゃないですか。
 私は、ネットは苦手な方で化石的な人間でだめだけど、若い人たちとかそういう人たちは、もういろんなものを使って発信するすべはわかっているわけで、しかも、首都大学東京は、ロボットとか、科学の粋を行っているところの人たちが集まっているんだろうから、知恵はいっぱい出るんじゃないでしょうかね。ぜひそういうようなことをしてほしいというふうに思っています。
 それともう一つは、これは、この間、政策企画局でもいったのですが、ミャンマーの大使さんとお会いをして、ミャンマーの大使さんが、要するに東京の義務教育制度を勉強したい、それから、日本の財政制度に関して、ミャンマーの方にそれを取り入れたいというような話があって、実は、ことしの六月十七日に東京に来て、ミャンマー大使館がみんな、大使も含めて来て、教育委員会と、それから、あれは税のあれだから主税局かな、そこと一日かけて実際に現場を見て勉強会をやりました。そして、これからミャンマーに対して、そういう勉強会を通して義務教育制度を導入していく、その一つのきっかけが東京の小中学校、そこを視察して、そして、そのことを今、祖国に持って帰って、もう検討に入っていますよ。
 そういう交流をそれぞれの大使館の人たちとやっているから、特に首都大学東京なんていうのは若い学生さんたちがいるんだから、大いに日本の国内にあるそういう大使館とも、ぜひ首都大として交流したらいいですよ、若い人たちが。大学生の人たちがいろいろ持っているものをもっとやるようなそういうマッチングを、例えば総務でも政策企画局でもいいからやって、若い人たちがいろんな経験ができる場、いろんな外国の人と会える場をぜひつくっていっていただきたいというようなことも、あわせてここでいわせていただきたいというふうに思います。
 それともう一つは、次に移りますが、先月発表されましたイギリスの教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションによる世界大学ランキングを見ますと、欧米だけでなくシンガポール国立大学や北京大学にも東京大学でさえ抜かれて、アジアの首位から陥落する状況にあるわけですね。
 こういう状況が続けば、日本の大学がアジアから顧みられなくなり、優秀な留学生は、先ほどもいったように、アメリカ、ヨーロッパまたはイギリスを含めて、シンガポールや中国に持っていかれてしまうようなおそれがあるというふうに思います。
 嫌な話かもしれません。首都大学東京は、世界大学ランキングにおいてどのような位置にあって、そのことに対して都はどう捉えているのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お話の先月発表されましたイギリスの教育専門誌、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション、こちらによりますと、世界大学ランキングでは、首都大学東京の詳しい順位は示されておりませんけれども、四百一位から五百位の間、つまり四百番台であるというふうにされてございます。
 ちなみに、日本の大学は、五百位以内に、首都大学東京を含めまして十二大学がランクインをしておるということになってございまして、この数年を見てみますと、首都大学東京は、日本の大学の中でおおむね十位前後というふうにランキングされるものというふうに思ってございます。
 ランキングの順位は、それぞれの評価機関の評価方法の違いにもよりまして変動するということでございますが、ランキングの上位に位置づけられること自体が目標となるものではないというふうに考えてございます。
 一方、ランキングの評価によって、大学の強みあるいは弱み、こういったことを確認することもできるということもありますので、大学の教育研究活動についての一つの指標であるというふうに認識をいたしております。

○鈴木委員 まさに今、やっぱり大学の教育研究の活動に対する一つの指標なんですよ、嫌でも。私もこれを調べてびっくりしたんですけど、非常に大学の、それだけのものは、これだけランキングが落ちているのを見てがっかりした部分もあったりして、国の方も今、大学教育改革をすごく進めているわけでしょう。世界にもっと認められるということも日本としては--日本ではそれはいいかもしれないけど、世界で見たらこういう目があるという事実は、これは知らなきゃいけないんですよ、我々は特に。
 日本だけを見て、それで我々は、日本だけがいいからいいんだといっているんじゃだめなので、やっぱり世界が日本をどう見ているかという認識を絶えず持っていかないと、これは二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックも同じなんだけど、今の現状もそうですが、世界がどう見ているかということに対しての客観的な視点を我々は持って、それに対しての対応をしていくということも今非常に、首都東京、それから首都大学東京、または教育、そういうようなところに対しても必要だというふうに僕は思っています。だから、あえてこのことをきょういったのは、そこにあります。
 私が出た慶應なんかは何も入っていませんからね、五百位にも入っていないし。私学は私学でまた、抱えている問題は僕はあるんだと思いますよ。この指標に対して、恐らくいい分はあると思いますね。それぞれの私学にとっても、それぞれの建学の精神があるわけですから、当然、この指標とは違ういい分は持っているでしょう。
 しかし、やはりこういうものもあるということを認識して、首都大学としての今後のありようを考えていくべきだというふうに私は思っています。
 ですから、首都大学東京がそういうようなことも踏まえて、今後、世界に対してどういうことを打ち出していく、どういう特色を持ってこれからいっていくのかということが大変に必要だと思っています。だから、これこそ首都大学東京なんだといえる、そういうようなものをやはりこれからはつくっていくべきだと思います。
 私は、さっき中山委員がいったああいう点というのは、もっともっと打ち出していっていいと思うんですね、日本だけじゃなくて世界に向けて。それで世界の技術の中で戦っていくぐらいの。そうしたら、やっぱりそこへ進む学生たちが集まりますよ。そして、そこで本気で自分たちのそういうようなものを磨いていこうと努力する、そういうような場になっていってもいいと思うんですね。
 ですから、そういう部分で、やはり僕は、首都大学東京が今後何を目指していくのか、そして、首都大学はこれからどうあるべきなのかということを考えてもらいたいと思っておりますので、最後に局長に、都としてその部分をどう考えているのかを伺いたいと思います。

○多羅尾総務局長 首都大学東京は、世界有数の大都市である東京が設置する総合大学として、グローバル社会を生き抜く力を持った人材、ただいま理事からお話のあった、アジアを初め世界に貢献する人材、こういいかえてもよろしいかと思いますが、こうした人材を輩出するとともに、卓越した研究と質の高い教育、この二つの好循環を実現する大学であることを目指しております。
 引き続き、学生の主体的な学びの姿勢を育てるよう教育の質をさらに高めていくほか、高い評価を受けている生命科学や金の化学研究など世界をリードする研究分野をさらに強化していくことも、大学の特色を鮮明にし、その存在を広く世間に知らしめることにつながるのではないかと考えております。
 今後とも、首都大学東京が教育力と研究力の向上の循環を加速させるとともに、国際化や産学公連携を推進することにより、その社会的な存在価値を高め、大学の魅力、強みを世界に発信していけるよう、都として強く支援してまいりたいと考えております。

○鈴木委員 まさに今、局長さんがいわれたように、それは確かに、東京が設置する総合大学として、グローバル社会を生き抜く力を持った人材を輩出する、卓越した研究と質の高い教育の好循環を実現する、すばらしいところを目指しているわけですよ。本当に目指していますか。なっていますか。要はそこだと思いますよ。
 だから、そこに向けて、じゃ、どこに力点を置いて、どこをアピールして、そして、これだから首都大学だというものを、大学側も含め、先ほども委員がいっているように、東京都としての大学なんだから、そこのことをきっちり出して、だったらもう堂々と世界にアピールしてしまったらいいんですよ。今、日本の大学そのものが、僕はそういうようなことが必要なんだと思いますね。だから、その先陣を切ってもらいたいんです。
 特にオリンピック・パラリンピックが来るわけでしょう。東京にオリンピック・パラリンピックが来るというのは、僕は何回もいっているけど、世界の人たちから東京でオリンピック・パラリンピックをしなさい、応援しますよというメッセージをもらって、東京がオリンピック・パラリンピック招致を勝ち得たわけですね、十年間やってきて。
 だったら、今度は、それに対して東京が、または今いった首都大学東京もそうでしょう。こういうようなものでアジアの人たちの人材交流とかを--本当に望んでいますよ。アジアの人たちの若者たちの目は輝いているし、それは僕もずっとミャンマーから、ミャンマーだけじゃなく全部回ってきていますけど、やっぱりその国の大使館の大使も、さっきいったように、日本から学ぼう、そして、これからオリンピックに向けて、ともに発展をしていきたいという気持ちをすごく持っているわけですから、まさに首都大学東京がこれから、今いったそれぞれの国が--特にミャンマーなんかはあれですよ、JICAの責任者の田中というのは、ミャンマーの建国の歴史に自分が携われて、命をかけてそのことができることを誇りに思うという、そういう気概のある男ですね。やっぱりそういう日本人がそれぞれのところに行って頑張っているんですね。
 そういうものをわかるぐらいな心を持って、東京、日本がこれからオリンピック・パラリンピックを目指してやっていくという気概を持たないとだめだと思うし、その姿勢がぜひ学生に伝わるような、首都大学東京の学生たちにもそういう気概が伝わるような、そういうようなものを東京が示していく必要があるというふうに僕は思っています。
 ですから、これから首都大学東京が、今いったように、大学の中でもその先頭を切っていけるような大学として、きっちりと基盤をつくって、そして発信をしていく、そういう学校であるということをぜひ目指していただくことをお願いして、質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。

○西沢委員 私からも、首都大学東京の業務実績評価についてお伺いをしたいと思います。
 今も話がありました、鈴木理事から厳しい指摘もあったようには思いますけども、ランキングで四百番台ということで、国内でいうと大体十位前後ぐらいという話が今ありました。普通に聞くと、結構いいんじゃないのかなというように私は思いました。
 先ほどの答弁の中にもありましたけども、やっぱり高い評価を得ている部分も大いにあるということですから、ぜひこれは進めていただきたいと思いますし、首都大学東京の果たす役割というものを着実に進めていただきたいというようには思います。
 この評価ですけども、改めてこの実績評価については、私としては、やっぱり厳しく評価をしていただいて、それを生かしていくということが何よりも重要なんだろうというように思います。ですので、ちょっと議論をさせていただきたいのは、この実績評価の中身というよりは、この実績評価制度そのものについて、きょうは少し議論させていただきたいというように思っております。
 そもそも公立大学法人首都大学東京の各事業年度における業務実績評価はどのような方法により行っているのか、お伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公立大学法人首都大学東京の各事業年度におけます業務の実績につきましては、東京都地方独立行政法人評価委員会が評価を行ってございます。
 評価方法といたしましては、法人が提出いたします業務実績報告書等に基づきまして、評価委員会が法人からのヒアリング等を実施した上で、項目別評価と全体評価を行ってございます。
 評価結果につきましては、法人に通知するとともに、知事に報告しております。知事は、その報告を受け、都議会に報告することとされておりまして、本定例会に報告をしているといったことでございます。

○西沢委員 今、答弁がありましたが、東京都地方独立行政法人評価委員会が評価をしていると。その後に議会に報告をされて、今ここにあるわけでございますけども、この評価委員会にどう評価をしていただくのかというところが、つまりポイントになるということだと思います。
 この東京都地方独立行政法人評価委員会というのはどのような組織で、さらに、年間どのぐらい開催されているのか、お伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都地方独立行政法人評価委員会は、知事の附属機関として設置されてございまして、現在十七名の委員で構成されております。
 評価委員会は、地方独立行政法人法の規定に基づきまして、法人の業務実績評価を行うほか、知事による中期目標策定の際に意見を述べるなどの権限を有しております。
 東京都が設立しております地方独立行政法人は三つでございますため、評価委員会にも三つの分科会を設けまして、それぞれの法人の事業年度ごとの業務実績評価を各分科会において処理しているところでございます。
 公立大学法人首都大学東京の評価を担当いたします公立大学分科会には七名の委員が属しておりまして、毎年度四回から六回程度開催をしてございます。ちなみに、二十八年度は、これまでに三回、公開により実施しているところでございます。

○西沢委員 法律に基づいて、そして公立大学分科会の七人の委員で評価をしている、つまりそういうことですね。この七人の方々によって業務実績評価、首都大学東京の評価がされているということです。回数については、ことしについては三回ということですから、イメージとして、この七人の先生方が、例えば毎日何かやっているということではなくて、たまにやっているというようなイメージ。ただ、当然、事前にすり合わせたりとかはしていると思いますけれども、イメージとしては、私はそんなイメージを持っているわけでございます。
 今、小池都政になって、特段、外部の目であったり第三者の目というものが、一つの都政のポイントになっているんじゃないかなというように思います。つまり、お手盛りの評価になっていないかというようなところもポイントで、小池知事、都政改革本部でも、外部から多くの顧問という形でスタートしているわけでありまして、そうした方々の知恵をもって都政改革に当たるというのは十分意義のあることではありますけども、この首都大学東京の業務実績評価などを評価していくという中にあっては、その第三者性というものも十分加味されていかなければいけないことだと私は思います。
 つまり、七名の評価委員会の公立大学分科会の委員というのがどういう根拠に基づいて選ばれるかですね。理由があるはずであります。どのような方法により選任をされているのか、お伺いをします。また、委員の選任の理由についてもお伺いをいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 評価委員会の委員でございますが、東京都地方独立行政法人評価委員会条例によりまして、経営、教育研究、試験研究、医療または高齢者研究に関し学識経験を有する者のうちから知事が任命することとされてございます。
 この規定に基づきまして、公立大学分科会の委員につきましては、民間企業の経営経験を有する方や会計の専門家、また、首都大学東京等の教育研究に対応しました専門分野の研究者の中から候補者を選定し、任命を行っているところでございます。

○西沢委員 学識経験を有する方を選んでいますよということで、さらに、答弁の中で、知事が任命をしているという、当たり前といえば当たり前なんですけれども、私がちょっとお伺いしたいのは、知事が直接、本当にその方を見つけて選んでいるのかというと、多分、そうじゃないんだろうというように思います。
 委員というのは、公募する場合もあると思うんですね。広く、私、こうしたことに精通していますからと、都民公募なんかもありますけども、自分がという形で名乗り出たり、もしくは、東京都側からこうした方を募集しますという形でやる場合なんかもあると思います。
 ですが、多分、そういう形でもないのかなとも思いますけども、だから、実際には誰が選んでいるのかというところをお伺いしたいんです。
 評価委員会公立大学分科会の委員というのは、学識経験者の中から候補者を選定しているということですが、実際には誰が候補者を選んでいるのでしょうか、お伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 評価委員会公立大学分科会の委員は公募ではございませんで、分科会事務局である総務局が、関係する分野の学識経験者の中から適任と思われる方を候補者として選定して、知事が任命をしているところでございます。

○西沢委員 つまり、職員の皆さんがやっぱり選んでいるというようなことですね。評価する人を自分たちが選ぶというようなことですから、やっぱり恣意的なことがあってはいけないんだろうというように思います。
 もちろん、そういった理由で、ほかも、ここに限らずですけども、そういった部分はあると思うんですけども、そこをそういった形でなれ合いになってしまったりして、実際に評価をする人に何かしらの力が働くというようなことはあってはいけないというように思います。この公正な選任についてのルールというようなものがどうなっているのかということについてお伺いをしたいと思います。
 これまで、この評価委員、分科会の委員七名の方を選んでいるわけですけれども、例えば、東京都が発注している工事だったりとか事業であったりとか、そうしたものを受注しているような方がいたりとか、もしそういった利害関係にある方が含まれているということがあれば、そういった公平性なんかが担保されなくなってくるんじゃないかと思いますが、どのように確認しているのか、あわせてお伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員の選任につきましては、要綱等により、都民の皆さんの批判を招くことのないよう、公正に行うことが必要であるということが示されてございます。
 公立大学分科会委員の選任に当たりましては、委員構成の公正性を担保するため、候補者の経歴等を調査し、関連業務の受託など、東京都や法人との直接的な利害関係がないことを確認した上で行っておりまして、いずれも外部の学識経験者ということでございます。

○西沢委員 そういった利害関係がないことは確認してやっているということでございますけども、それは当然だと思います。
 そうしたことはもちろんやっているんだけども、じゃ、ルールになっているのかということで、附属機関設置の要綱であったり、運営の規則がありますけども、この中身についてはちょっと、この報告事項とは離れる附属機関そのものの話になってしまうので、きょうは議論はしませんけども、この中を見ると、書いてあるだけなんですよね。合理的な人数にすることとか、それから、公正を確保し得る委員とすることというような当たり前のことを書いて、例えば、先ほどの利害関係、受発注のそういった利害関係がないかとか、入札とは違いますから、そういった細かいところまではないのかもしれませんけども、今、都政は信頼の部分がポイントになっています。情報公開、それから第三者の目、外部の目、こうした部分がポイントになっている中で、ぜひこうした部分を、都民に対しての説明責任を果たしていく上で十分に留意して今後も続けていただきたいということ、このことを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○石川委員 平成二十七年度公立大学法人首都大学東京業務実績評価についてお伺いいたします。
 ご存じのように、公立大学法人首都大学東京は平成十七年四月に法人化をされまして、現在、第二期中期目標期間の最後の年に当たっているわけであります。そこで、そもそも原点に戻って、首都大学のあるべき方向性について、まず伺っておきたいと思います。
 地方独立行政法人法には、地方独立行政法人の定義として、公共上の見地から必要な事務事業のうち、民間の主体に委ねた場合には確実に実施が確保できないおそれがあるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として設立する法人とあります。
 大学の場合、民間の主体である学校法人も私立の大学を設置し、現に運営されているわけですが、首都大学東京が地方独立行政法人により運営をされているということは、先ほど述べた定義の観点からどのように考えたらよいのか、お伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公立大学法人首都大学東京は、東京都が定款におきまして、大都市における人間社会の理想像の追求という使命を定めまして、首都大学東京の設置、管理を行う法人として設立いたしました。
 平成二十八年第二回定例会で議決をいただきました次期中期目標におきましても、東京都が設立した高等教育機関ならではの教育研究を推進し、東京の未来へ貢献という目標を掲げております。子供の貧困に関する調査研究などを初め、都の各局との連携によります研究や人材育成面での協力など、さまざまな連携事業に取り組んでおります。
 首都大学東京の運営を民間に委ねた場合には、例えば、行政とのこうした連携が十分にとれなくなる、また、都民に教育の機会を広く提供するための授業料の設定が困難になるなどといった事態が生じるおそれがございます。そのため、知事による中期目標の設定や東京都からの運営費の交付など、強い公共性を持つ地方独立行政法人の仕組みによりまして首都大学東京を運営しているものでございます。

○石川委員 地方独立行政法人であることにより、都政の喫緊の課題に関する研究や人材育成の協力など、都と連携した取り組みを一層推進することができるということと理解をしたわけであります。
 都の各局との連携とは、いわば都の施策と密接な関係にあり、都の施策を支援することも大きな役割と解することができるわけであります。そういう意味では、国立大学法人とも、私立の大学とも異なる特徴といえるわけであります。
 そこで、現在、都にとっての大きな課題として、二〇一九年ラグビーワールドカップの開催と二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会があるわけであります。首都大学東京は、公立大学法人として、都と一体となって積極的にこれに取り組むべきと考えるわけでありますけれども、平成二十七年度の取り組みについてお伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 首都大学東京では、ボランティア活動を通じ、二〇二〇年東京大会などでも活躍できる豊かな人間性と独創性を備えたリーダーシップを発揮する人材を育成することにしてございます。平成二十八年一月にボランティアセンターを開設いたしまして、学生のボランティア活動の支援をより一層推進したところでございます。
 また、障害者スポーツ支援の観点から、医療専門職を養成いたします健康福祉学部は、平成二十七年度からカリキュラムを充実させまして、初級障害者スポーツ指導員の資格取得認定校となりました。さらに、東京都のパラリンピック体験事業に協力するとともに、障害者スポーツ等に関する研究成果を広く都民に還元しているところでございます。

○石川委員 昨年、現地視察をさせていただいたラグビーワールドカップ・イングランド大会の南アフリカチームのキャンプ地となったバーミンガム大学は、多くのものをワールドカップから得ることができたと、現地で直接話を聞くことができました。特に、大学の知名度の向上と、学生が国際大会のボランティア体験ができたことに大きな意義があったとしておりまして、大学側が五万ポンド負担したことに対して、十五万ポンド程度の価値があったという試算も示されているわけであります。
 首都大学は、バーミンガム大学のようにキャンプ地ではありませんが、東京の調布にあります東京スタジアムは、開幕戦ほかの主要な試合が開催をされることになっており、首都大学も京王線沿線で同じ多摩地域にあり、会場にも近いわけであります。
 また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会も、東京スタジアムや武蔵野の森総合スポーツ施設でも多くの競技の開催が予定をされております。
 現在、組織委員会は、全国の大学と連携協定を締結し、二〇二〇年の大会に向け、さまざまな取り組みを進めているというふうに聞いておりますけれども、首都大学東京には、都が設立した大学として、今後とも、一歩進んで取り組んでいただくことを求めておきたいと思います。
 そこで、大学の国際化について伺います。
 世界中の人々が東京にやってくる二〇一九年ラグビーワールドカップ、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会を見据え、首都大学東京は、これまでにも増して国際化に向けて取り組んでいくべきと考えますが、平成二十七年度の国際化の取り組みについて伺います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 首都大学東京では、平成二十七年度に国際化行動計画を策定いたしまして、教育、研究、キャンパスの国際化についての取り組みを加速させております。
 例えば、学生の交換留学先の開拓を進め協定校を拡大するとともに、海外におけるプロモーション活動の充実、都市外交人材育成基金の枠組みを活用して受け入れた留学生の支援など、学生の海外派遣の拡大あるいは留学生の受け入れ促進に向けた取り組みを行ってございます。
 また、大学の国際化を一層推進するため、国際化に対応する職員育成方針を策定いたしまして、目指すべき人材像及び職員育成に向けた具体的な取り組みを示すなど、教員や学生を支える職員の質の確保にも取り組んでいるところでございます。

○石川委員 知事も所信表明の中で、将来を担う人材の育成も欠かせません、人生を切り開く力を身につけ、激動する世界にも目を向け活躍できる人材や、東京、ひいては日本の成長を支えるイノベーションを生み出す人材の育成が必要です、そのためには、英語など外国語力の強化や留学支援により、子供たちの内向き志向を打ち破り、世界に挑戦する気概を育むことや、科学技術立国を支える理数教育の充実を図らねばなりませんと述べております。
 ここ数年の首都大学の海外派遣留学者数は百五十人から二百人程度であり、年々増加はしているものの、その七割程度は短期留学ということになっているわけであります。長期ビジョン等ともすり合わせをしながら、これらの数値を上げていく努力が求められるところでございます。引き続き、都の施策とも連携しながら、さらに一層国際化に向けた取り組みを進めることを期待しておきたいと思います。
 次に、法人の財務運営について伺います。
 平成二十七年度は、六年間の第二期中期目標期間の五年目に当たりますが、第二期中期目標期間においては、都から法人に交付する運営費交付金に毎年度一%の効率化係数が掛けられているわけであります。この間の運営費交付金の推移についてお伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 法人の収入決算のうち、都から交付した運営費交付金の額は、第二期中期目標期間の初年度でございます平成二十三年度は百七十二億八千七百万円でございました。平成二十七年度は百八十四億五千万円となってございます。
 運営費交付金のうち、経常的な運営経費には、第二期中期目標期間中、毎年度一%の効率化係数を設定しており、その分を減額しておりますが、運営費交付金には、これ以外に、年度の事情により経費が変動する退職手当などの特定運営費交付金があるほか、都の計画事業に係るものなど新たな取り組みには別枠で経費を措置しておりまして、法人の経営努力が行われていても、単純な減額にはなってございません。

○石川委員 平成二十三年度と二十七年度の比較では、数字はふえていても、毎年度の一%の標準運営費交付金の効率化のための削減は実施をされているということがわかりました。
 平成二十九年度からは第三期中期目標期間が始まりますが、この第三期中期目標期間における効率化係数についてどのように考えているのか、お伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十八年第二回定例会でご議決いただきました第三期中期目標におきましては、効率化係数といった形では示してございませんが、法人がみずから財務状況を分析して効率化を推進するとともに、法人全体の収支構造を中長期的に見据えた今後の財政運営のあり方を確立していくよう求めております。
 六年間の法人の財政フレームにつきましては、第三期の初年度となります平成二十九年度の都の予算編成作業の中で検討することになります。

○石川委員 標準運営費交付金の削減は、法人みずからの努力による効率化を促すために制度化されたものと理解をしております。都としても、交付金に何らかのキャップを張るなどの工夫も必要ではないかと思うので、今後の予算編成の中で、そうした観点から、原点を踏襲しながらの検討をしていただくことを求めておきたいと思います。
 法人の経営努力という点では、地方独立行政法人制度の特徴の一つとして、経営努力により生じた剰余金は、翌年度以降に法人が活用できる仕組みがあると聞いております。剰余金についてどのような仕組みとなっており、公立大学法人首都大学東京ではどのような内容に支出をしているのか、お伺いいたします。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地方独立行政法人法においては、法人は、毎年度の決算における剰余金のうち、知事が経営努力によるものとして承認した金額をあらかじめ中期計画に定めた使途に充てることができるとされております。
 公立大学法人首都大学東京におきましては、剰余金を教育研究の質の向上、学生生活の充実及び組織運営の改善に充てることとしておりまして、例えば、学生の海外短期派遣留学の支援など国際化の推進、一時保育施設の開設など女性を初めとする多様な構成員の支援などに活用してございます。

○石川委員 首都大学東京には授業料の減免制度があり、経済的理由により授業料の納付が困難な者に、一定の所得基準を設けて授業料の免除を行っているわけであります。平成二十七年度の全額免除者は九百七十八人、半額免除者は五百八十七人であり、学生全体の八%程度となっています。
 しかし、授業料を免除されて、それだけで勉学に集中できる環境が整ったとはいえないわけであります。多くの学生が、補助教材の購入や生活費のためにアルバイトなどを行っているのが現実なわけであります。親の所得の格差が学ぶ環境の格差に結びつかない施策が求められるわけであります。知事も所信表明で触れた都独自の給付型奨学金について、例えば剰余金の一部を活用するなど、首都大学東京でもぜひ検討していただきたいと思います。
 剰余金は、経営努力として認められた場合に活用できるというものでございますけれども、経営努力としては、経費の節減だけではなくて、寄附金などの自己収入をふやす努力も必要ではないかというふうに考えます。
 そこで、平成二十七年度の寄附金の受入額と、この間の受入額の推移についてお伺いをしたいと思います。

○小暮総務部長企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 公立大学法人首都大学東京における寄附金には、企業等から特定の研究内容の奨励を目的に寄附される特定研究寄附金と、個人や団体から大学の学生教育や学術研究の充実、発展を目的に寄附される一般寄附金とがございます。
 平成二十七年度におけます法人全体の受入額は、特定研究寄附金が約九千七百五十一万円、一般寄附金が約百八十二万円、この両者の合計で約九千九百三十三万円でございます。
 第二期中期目標期間である平成二十三年度以降の実績を見てみますと、おおむね一億円前後で推移をしているということでございます。

○石川委員 今、答弁がありました数字は、ほとんどが特定研究寄附金ということで占められているのが現実なわけであります。一般寄附金は、平成二十五年度は四十二万円、二十六年度は四百三十九万円、二十七年度は百八十二万円にとどまっているわけであります。
 私立大学は、これからの少子化時代を見越して、特にOBを中心に寄附金集めの努力を血のにじむ思いで行っているというのが実態なわけであります。こういった卒業後も母校を支える行動が母校愛にもつながり、また、母校の知名度アップにもつながるわけであります。
 都立大学など前身の大学も含めますと、卒業生も七万五千人もいるわけで、先ほどの世界ランキングでは四百位台、国内では十位台ということですけれども、この寄附金の金額は、場合によると下から数えた方が早いぐらいの金額ではないかなと。一人当たりに換算すると幾らなんて、やぼなことはいいませんけれども、これからの大学運営に当たっては、やはり寄附金というのは非常に重要な地位を占めていくことが当然なわけであります。
 あわせて、教育研究の充実やブランド力の向上等にさらに努力をすることを期待して、質問を終わります。

○加藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○加藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時八分散会

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