総務委員会速記録第十一号

平成二十七年十月五日(月曜日)
第一委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長栗林のり子君
副委員長西沢けいた君
副委員長中屋 文孝君
理事やながせ裕文君
理事徳留 道信君
理事早坂 義弘君
上田 令子君
高倉 良生君
栗山 欽行君
清水 孝治君
ともとし春久君
田島 和明君
山下 太郎君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
政策企画局局長川澄 俊文君
次長理事兼務潮田  勉君
総務部長小池  潔君
青少年・治安対策本部本部長廣田 耕一君
総合対策部長廣瀬 秀樹君
総務局局長中西  充君
次長内藤  淳君
総務部長小暮  実君
選挙管理委員会事務局局長安藤 弘志君
人事委員会事務局局長藤田 裕司君
任用公平部長津国 保夫君
監査事務局局長宗田 友子君

本日の会議に付した事件
意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百五十四号議案 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例
・第百五十六号議案 住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
・第百五十七号議案 住民基本台帳法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百五十八号議案 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例を廃止する条例
・第百五十九号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十号議案  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十三号議案 東京都とロンドン市との友好都市関係の結成について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○栗林委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書二件につきましては、いずれも調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○栗林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百五十四号議案、第百五十六号議案から第百六十号議案まで及び第百八十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○徳留委員 マイナンバー制度の実施と関連する六本の条例案について意見を述べます。
 マイナンバー制度の個人番号の交付がきょう五日から始まり、来年一月から利用が開始されます。これにかかわる議案として、六本の条例案が提案されています。
 まず、マイナンバー制度そのものは、国民一人一人に原則不変の個人番号を付番し、既存の住基ネットが情報対象を四つに限定されていたのに比べて、この制度では、個人番号を使った情報管理、情報連携の仕組みを、限定するという当初の説明を投げ捨てて、大幅に拡大していくものです。個人の暮らしや医療情報なども対象とする個人情報が飛躍的に拡大してまいります。分散していた個人情報の収集を、容易に照合できる仕組みがつくられて、日本年金機構の事件などのように取り返しのつかない情報流出、より深刻なプライバシー侵害や成り済ましなどの犯罪被害が拡大しかねない危険があります。
 しかも、最新の内閣府の世論調査でも、多くの国民は制度を詳しく知らず、むしろ情報漏れなどへの不安が広がっています。従業員や家族のマイナンバーを集め、罰則つきで厳格な管理が求められている民間事業者の対応もおくれ、その費用負担で経営への打撃を心配する人も広がっています。
 こんな状態で厳重な保管が必要なマイナンバーの通知を始めることは、個人情報を危険にさらすことになり、実施に突き進むのは無謀だと考えます。
 さらに、共通番号システムは、二〇〇三年から導入実施された住基ネット構築のための初期費用が約三百九十億円だったのに比べても、今回のマイナンバー制度は、初期投資がその七倍以上の約三千億円を超える巨額プロジェクトにもかかわらず、その具体的な費用対効果も示されないままです。
 さらに、今後のシステムの維持費用など、新たな国民負担、事業者への大きな負担が求められます。
 したがって、我が党はマイナンバー制度の実施には反対であります。
 提案された第百五十四号議案から第百六十号議案までの六本の議案は、国のマイナンバー制度の導入に係る都としての具体化のための案件でございます。
 例えば第百五十四号議案は、法定委任事務の医療福祉関係の中で、現在都が独自に行っている難病等にかかわる医療費助成等の事務、都の横出し事務の重度心身障害者への手当支給の事務、都の上乗せ事務の障害者の精神通院医療費の助成に関する事務にかかわって、都が保有する個人番号、特定個人情報を活用するというものです。しかし、現在、申請書と同時に住民票、課税証明書を添付することによって支給は可能であり、今後とも、マイナンバーに頼らず利用することができます。
 第百五十六号議案は、マイナンバー制度の導入に伴い、住民基本台帳法を改正して、住基ネットの本人確認情報を利用するための事務に個人番号の利用事務を加えるための規定整備を行うものです。
 さらに、第百五十七号議案、第百五十八号議案、第百五十九号議案、第百六十号議案はともに全て、マイナンバー制度の開始に伴って、この制度の利用を可能にするための都としての新たな条例の改正が中心です。
 したがって、我が党は六本の条例案に反対の立場を表明して、意見を終わります。

○栗林委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百五十四号議案及び第百五十六号議案から第百六十号議案までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○栗林委員長 起立多数と認めます。よって、第百五十四号議案及び第百五十六号議案から第百六十号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十三号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗林委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十三号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○栗林委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○栗林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○栗林委員長 この際、所管六局を代表いたしまして、中西総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○中西総務局長 当委員会所管の六局を代表いたしまして、一言御礼を申し上げます。
 ただいま本定例会にご提案申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。
 昨年十月からこの間、栗林委員長を初め委員の皆様方におかれましては、私どもが所管しております事務事業につきまして数々のご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
 この間、頂戴いたしました貴重なご意見、ご提言などにつきましては十分に尊重させていただき、今後の都政運営に生かしてまいります。
 以上、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○栗林委員長 この際、任期最後の委員会に当たりまして、私からも一言、ご挨拶を申し上げます。
 この一年間、委員長を務めさせていただくことができました。何分、行き届かない点が多々あったと思いますが、中屋副委員長、西沢副委員長を初め理事の皆様、また各委員の皆様、そして所管六局の局長、理事者の皆様、そして議会事務局の書記の皆様、皆様の多大なるご配慮とご協力により、この委員会を無事、円滑に運営することができました。心より厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
 この間、総務委員会では、東京都の長期ビジョン、防災対策、治安対策、また、新しい人権指針や子供、若者の健全育成など、大変重要なテーマを議論し、前進することができたのではないかと思います。
 今後も、総務委員会は、被災地の復興、また首都東京の防災、危機管理のかなめとして、全力を挙げなければなりません。そして、これからも都政発展のため、筆頭委員会として総務委員会がご尽力、ご活躍されますことをお願い申し上げまして、最後のご挨拶とさせていただきます。
 一年間、大変お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時九分散会

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