委員長 | 伊藤こういち君 |
副委員長 | 小山くにひこ君 |
副委員長 | 鈴木 章浩君 |
理事 | みやせ英治君 |
理事 | 川井しげお君 |
理事 | 清水ひで子君 |
栗山 欽行君 | |
徳留 道信君 | |
野上 純子君 | |
両角みのる君 | |
島田 幸成君 | |
村上 英子君 | |
藤井 一君 | |
中屋 文孝君 | |
宇田川聡史君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 中村 靖君 |
儀典長 | 伊藤 秀樹君 | |
次長 | 武市 敬君 | |
理事 | 遠藤 雅彦君 | |
理事 | 猪熊 純子君 | |
総務部長 | 河内 豊君 | |
調整担当部長 | 小室 一人君 | |
自治制度改革推進担当部長 | 奥田 知子君 | |
外務部長 | 櫻井 和博君 | |
国際共同事業担当部長 | 小菅 政治君 | |
基地対策部長 | 新美 大作君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 筧 直君 | |
政策部長 | 池田 俊明君 | |
尖閣諸島調整・政策担当部長 | 福崎 宏志君 | |
計画調整部長 | 小池 潔君 | |
総合特区推進部長 | 瀬口 芳広君 | |
青少年・治安対策本部 | 本部長 | 河合 潔君 |
総合対策部長 | 横山 宏君 | |
青少年対策担当部長 | 坂田 直明君 | |
治安対策担当部長 | 五十嵐 誠君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 森 祐二郎君 |
本日の会議に付した事件
知事本局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出 知事本局所管分
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 知事本局所管分
選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十二号議案 東京都選挙管理委員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認について
青少年・治安対策本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出 青少年・治安対策本部所管分
・第百二十九号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 青少年・治安対策本部所管分
付託議案の審査(質疑)
・第二十八号議案 東京都青少年問題協議会条例の一部を改正する条例
○伊藤委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、知事本局、選挙管理委員会事務局、青少年・治安対策本部関係の予算の調査並びに選挙管理委員会事務局及び青少年・治安対策本部関係の付託議案の審査を行います。
これより知事本局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、知事本局所管分及び第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、知事本局所管分を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○河内総務部長 要求のございました資料五点につきまして、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料に沿いまして、ご説明申し上げます。
まず、一ページをお開きください。横田基地の軍民共用化に係る経過でございます。
平成十五年以降の主な動きの概要を記載してございます。
次に、二ページをお開きください。基地対策に係る支出でございます。
平成二十年度以降の支出について、年度ごとに記載してございます。
次に、三ページをお開きください。横田基地におけるパラシュート訓練の通告状況でございます。
平成二十四年以降、米軍から北関東防衛局を通じて都へ情報提供された通告内容を記載してございます。
次に、四ページをお開きください。都内米軍基地に関係する事件等の経過でございます。
航空機の緊急着陸、部品落下等及び米軍構成員による事件、事故を記載してございます。
最後に、五ページをお開きください。アジアヘッドクオーター特区の外国企業誘致数とそのための誘致費用でございます。
平成二十六年二月末現在の誘致した企業数及び費用を記載してございます。
以上、雑駁でございますが、要求資料の説明とさせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○清水委員 まず、長期ビジョンの策定についてお伺いいたします。
これは、本会議でも予算特別委員会でも手続などの取り組みについて伺いましたが、明確にはなっていません。
そこで、改めてお伺いいたしますが、今後どのように策定していくのか。また、具体的には、計画の期間というのはどういう予定なのか。そしてまた、策定に際してどういう団体、関係者などから意見を聴取しようとしているのか、反映しようとしているのかということについてお伺いいたします。
○小池計画調整部長 ビジョンの計画期間や、関係者や団体の意見の反映などにつきましては、どのようなビジョンをつくっていくかということと密接に関連しておりまして、今後策定について検討を進める中で具体的に内容を詰めてまいります。
○清水委員 今回も明らかに、まだこれからということでお答えがありましたけれども、予算特別委員会で、この長期ビジョンの中に、知事が待機児童をゼロにするとか、それから特養待機者を減らすなどということを発言しておられるので、この長期ビジョンの中に、これをきちんと盛り込む必要があるのではないかということをただしましたけれども、当局としてはどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。
○小池計画調整部長 ビジョンでは、目指すべき東京の将来像を明らかにし、政策目標と工程表を示してまいりますが、ビジョンに盛り込むべき個別の政策につきましては、都政が直面するさまざまな課題を把握し、解決への道筋を描いていく中で検討してまいりたいと思っております。
○清水委員 ちょっと抽象的なご答弁で、はっきりしないんですけれども、やはり明確に待機児をゼロにすると、特養待機者をなくしていくんだということであれば、具体的な数値の目標を掲げるように求めておきたいと思います。
さらに、予算について、猪瀬前知事や石原元知事の計画では、アクションプランなどでは大規模公共工事三一%、そして少子化、高齢者、若者対策などは二%、三%、〇・何%などという予算措置になっていたわけで、やはりこれをむしろ変えていく、そうした計画の策定が必要であり、それを求めておきたいと思います。
次に、国家戦略特区について、我が党は特に雇用問題に触れて、特区内は労使の契約でいつでも解雇できるようにすることや、労働時間の上限規制の緩和などが検討されており、使い捨て労働と長時間労働が強力に推し進められる危険があります。そのことについて、知事に対し、東京全体をこの特区にすれば、知事が政策に掲げている最も働きやすい都市どころか、最も働きにくい都市になり、東京中が解雇特区になる、過労死特区となりかねないというふうに指摘をしてきましたけれども、知事本局長は、国家戦略特区は、そうした解雇特区とか過労死特区などという指摘は当たらないというふうに答えられました。
それでは、その根拠についてお伺いいたします。
○瀬口総合特区推進部長 東京都は、国家戦略特区を活用いたしまして、これまで進めております外国企業を対象とした取り組みに加えまして、国内企業の新規創業を支援するなど、新しいビジネスや雇用の創出に取り組む考えでございます。
したがいまして、国家戦略特区が解雇特区に当たるというご指摘は当たらないものと考えております。
○清水委員 その根拠についてお聞きしたわけですけど、今のご説明は根拠というものになっていないと思います。
国は、国家戦略特区ワーキンググループというのが昨年五月から何回も開かれていますが、その中で雇用の分野でテーマになっている、そこでは解雇しやすい限定正社員制度、サービス残業を合法化する労働時間の規制緩和、派遣労働の全面解禁と固定化などが取り上げられています。
しかもこの制度は、安倍首相自身が、国民生活を守るために、規制を岩盤規制と称し、今後二年間でそこにドリルで風穴をあけるといっています。その手法も、限られた内閣府の担当大臣と、小泉構造改革特区を推進してきた人を初め規制緩和推進の有識者を集めて、諮問委員会でスピード感を持って推進するというものです。
特区制度の内容も指定も、この諮問会議を通じて内閣総理大臣が決めるものであり、三月中には指定されるといわれています。指定された特区域の内容についての検討も、特区担当大臣、自治体の長と、首相が選任した大企業の代表という、ごく限定された推進メンバーによって決めていくものです。参考人に関係大臣の意見具申もありますが、決定権はないというのです。
世界で一番企業が活動しやすい国、都を目指す東京都の国家戦略特区にも、国がこの方向を入れ込んで、労働者の働くルールを大きく切り崩すことにもなりかねないものであることを指摘しておきたいと思います。
外国企業の誘致は、外国企業のみならず、都内中小企業にも経済波及効果があるというふうに都は説明していますが、実際には、そうした効果が出てこないのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○瀬口総合特区推進部長 東京都は、今年度の外国企業誘致におきまして、例えば世界最先端の音声認識技術を有する企業の誘致に成功いたしております。こうした企業の誘致を契機にいたしまして、国内企業との間で住宅設備や家電などの共同研究を通じた新たな製品開発に向けた取り組みなどが始まっております。当然のことながら、こうした効果は、都内中小企業を初め国内企業にも幅広く行き渡っていくものと考えております。
○清水委員 これまでも多国籍企業は、利益を上げても、それは労働者や中小企業には回らずに、株式配当や経営者への報酬を引き上げ、巨額の内部留保もため込んで、金融投機に使われてきています。
現に、昨年の秋、ロイターの企業調査によると、もし法人税減税が行われたら何に使うのかという問いに、その第一位が内部留保の積み増しで三〇%でした。賃金に回すというのは五%にすぎません。そして購買力が落ち込み、実体経済の停滞が続く日本と東京には、製造業やサービス業の直接投資が大規模に展開される余地は少なく、外資の呼び込みといっても、結局アメリカなどの金融投資関連会社が中心になることは明らかです。
国家戦略特区では、国際都市としての環境整備を行うとして、多国籍企業が金融などの情報をいち早く収集できるようにするなどに最大の眼目があるといっても過言ではありません。私たちは、金融や本社機能などの一定の集積を否定するものではありませんけれども、こうした特区づくりが、都民や労働者にとっても、東京の中小企業振興にとっても、本当に役に立つのか疑問です。結局、金融などに特化し、雇用を破壊する結果となる国家戦略特区は、私たちは進めてはならないというふうに思います。
経済の好循環というのは、中小企業の活性化と内需の拡大であり、そのためには雇用の安定、賃金アップ、社会保障の充実があってこそです。今、都政が行うべきことは、地域経済の主役である中小企業への直接支援を含め、賃金の引き上げと雇用の安定化を図ることではないかと思います。そのことを指摘して、質問を終わります。
○島田委員 私からは、まず初めに、アメリカとの都市外交についてお伺いをいたします。
国家間の外交において、日米関係は外交の基軸でありまして、この関係を深化させることが大変重要であると考えております。昨年、安倍総理大臣が靖国神社を訪問されましたけれども、その際、アメリカ側が失望していると表明をしたようでありますが、日米関係の改善の必要性を感じる昨今でございます。
舛添知事は、外交は国の専管事項ではありますが、都市には都市だからこそできる外交があるといい、さらに、その国の主要な都市同士が交流を通じて相互理解を深めることは、国家間の良好な関係にも資すると発言されております。東京都とアメリカとの都市間における関係づくりが大変重要であるというふうに思います。
東京都は、ニューヨーク市と姉妹友好都市を締結し、交流を実施しております。日本、そして東京の存在をアメリカ社会にアピールし、東京都の課題解決のための機運醸成を図ることが必要と考えております。東京都とアメリカ都市との今後の都市外交について、所見をお伺いいたします。
○櫻井外務部長 都では、世界の都市や市民が幅広い分野での交流を通じて相互理解を深めていくことが、国家間の良好な関係の強化にも資するという考えのもと、都市外交を推進しております。
米国においても、世界を代表する都市の一つであり、姉妹友好都市の第一号であるニューヨークを中心に、課題解決に向けた知見の共有や、文化、スポーツ交流などを行ってきたところです。今後もこうした取り組みを積み重ねることで、日米両国間の良好な関係の構築にも貢献してまいります。
○島田委員 今、ご答弁がありましたけれども、都市同士の交流を深めることは、国家間の良好な関係構築につながるというふうに考えております。日本の大事なパートナーであるアメリカ、その中心的な都市であるニューヨーク市などの交流を積極的に進めていただきたいと、そのように思っております。
そして、そのアメリカ軍の基地であります横田基地についてお伺いをいたします。
横田基地は、福生市、瑞穂町を初めとする五市一町にまたがって位置しておりまして、アメリカの軍人のみならず、軍属や家族、自衛隊員、日本人従業員など多くの関係者から成る大きなコミュニティを形成しております。
地元としても、横田のコミュニティとの良好な関係を保つように努め、また、基地側も地域とよい関係づくりに配慮してきたと認識をしております。毎年正月には、私も青年会議所、JCに所属しておりましたが、賀詞交換会などは横田基地内で将校クラブで行っておりまして、そういった交流も盛んでありますし、そしてまた、地域で開催されますいろんなお祭りなんかも、軍の方が最近はよく来られるようになりまして、地域の方々とそして横田の関係の方々の交流が進んでいるというふうにも認識しております。
そしてまた、昨日総務委員会でも質疑させていただきましたけれども、何か災害に遭った場合、横田基地とそして地域とで物資輸送訓練を今しておりますけれども、そうした災害時にも、この横田が非常に重要な役割を果たすというようなことを思っておりまして、そういう点では、横田基地との友好関係、これを築くことが非常に大事だというふうに思っております。そのような中、友好関係の構築に大きく貢献してきた基地の開放イベントであります横田基地友好祭について、米軍における歳出削減政策のあおりを受けまして、昨年は中止せざるを得なかったことは非常に残念であります。昨年の友好祭中止についての地元の受けとめ方と今後の見込みについて、お伺いいたします。
○新美基地対策部長 米軍横田基地の友好祭は、二日間で毎年十万人以上が訪れるイベントで、基地と地元との交流のみならず、多くの人々が多摩を訪れる機会ともなっています。
昨年は、米国の財政抑制政策の影響で、横田基地のみならず岩国基地でも、このような基地開放行事が中止されました。横田での中止に際して、地域の一部の方や航空ファンなどから開催を望む声もあったと聞いておりますが、周辺の市や町から公式に開催を求めることはしておりません。
今後の見込みに関して、岩国基地での日米親善デーについては、この五月五日に規模を縮小して行う予定であることが今月発表されました。横田基地では、例年八月に友好祭が行われてきましたが、現段階でことしの予定は発表されていません。
○島田委員 今ご答弁ありましたが、横田基地の友好祭には十万人以上ということで、本当に多くの人が訪れている、地元の方々も大変楽しみにしているイベントでございまして、残念なわけでありますけれども、ご答弁の中にありましたが、岩国基地の日米親善デーが、規模縮小ながらも復活する予定というのは、明るいニュースであるというふうに思っております。
横田の友好祭についても、現段階では決定されていないということでありますが、しかし、地元の福生市の商店街などでは、アメリカを意識したまちづくりも行われておりまして、基地の地元を全国に発信する機会にもなっております。そういう意味で地元の期待もありますので、ことしは復活が望まれるところであります。
騒音などの問題も含めて、地域は基地と日々向き合っております。そうした中で、基地との友好親善の機会は、地元の理解を促進する上で大切な役割を担っております。地元交流は、さまざまな機会を試されて積極的に進めてほしいところでございます。
さて、六年後に平和の祭典でありますオリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。この機会を通じて、例えば基地が選手団のチャーター機やオリンピックの関係者のビジネス機の受け入れなどを行えば、日米友好親善、基地と地元の良好な関係に何かつながらないかと思うところでございます。
そこで、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック大会における横田基地の活用についてどのように考えるのか、所見をお伺いいたします。
○筧横田基地共用化推進担当部長 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催に際しては、東京に外国人旅行者を初め多数の来訪者が見込まれます。横田基地での民間航空機の利用は、首都圏の空港容量を拡大させるとともに、基地周辺はもとより、首都圏西部地域の住民にメリットをもたらし、地域の活性化につながるものであります。
しかし、この問題は安全保障にかかわる課題もあり、国との連携なしには進展が難しいものでございます。横田基地の活用に当たっては、近隣自治体など地元の意向も聞きながら、国と協力して取り組んでまいります。
○島田委員 今、ご答弁ありましたが、横田基地の民間利用については、地域住民としては、騒音への不安もあり、慎重に検討すべき課題であるというふうに思っております。
ただ、一方では、軍事基地がオリンピック・パラリンピックを機に民間にも利用されれば、地域の活性化につながるという期待をする声もあります。また、横田の民間活用については、地元の賛否がある中で、いきなり本格的な共用化を持ち出すのではなく、オリンピックに関連した利用を通じて、地元が考える機会とすることも一案ではないかというふうに考えております。
その中で、将来、本格的な空港を目指すのか、その可能性についても住民の中で議論が進んでいけば、よい解決が図れるのではと思っております。基地と良好な関係の構築に長年腐心してきた地元の声をしっかり聞きながら、東京都は、今後の横田基地のあり方について取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○みやせ委員 私の方からは、長期ビジョンについてお伺いいたします。
少子高齢化社会の到来、二〇二〇年に迫っているオリンピック・パラリンピックの開催、消費税の増税による影響、伸長するアジアとの向き合い方、首都直下地震の到来など、東京都が将来にわたって抱える課題や周辺環境の変化は多岐にわたっております。
そういった中、舛添知事が新たに就任し、東京都がどのような方向に向かうのか、どう優先順位をつけて、どう政策実現に臨むのか、まさに長期ビジョン作成は、東京の未来を左右する東京の設計図づくりといっても過言ではありません。
そこで、今回の定例会には、平成二十六年度補正予算といたしまして長期計画の策定五千万円が計上されておりますので、幾つか質問させていただきます。
最初に、この補正予算に組み込まれております五千万円でございますが、新しいビジョン策定に際し、どのように予算を活用するのかお伺いしようと思っておりましたが、先ほどの質問と重複しますので、割愛をさせていただきます。
長期ビジョンといいますと、前知事の辞任に伴いまして、公表が見送られました新たな長期ビジョンがございました。先ほど、課題を抽出するとの答弁もあるかと思いますが、公表が見送られました新たな長期ビジョンの際には、どういった形で都民の皆様の声を反映しようとしてきたのか、お伺いをいたします。
○小池計画調整部長 新たな長期ビジョンの策定に際しましては、都民の皆様のご意見やニーズを幅広く聞き、内容に反映させるため、中間の段階で論点整理を発表し、パブリックコメントを実施いたしました。また、この論点整理の公表にあわせて、区市町村への意向調査も実施したところであります。
○みやせ委員 ありがとうございました。
本来でありましたら、ここで今回の長期ビジョン策定におきまして、どのように都民の皆様の声を聞くのかお伺いしたいところでありますが、まだ新しい知事になったばかりで、まさにこれからという状況かと思いますので、控えさせていただきます。
そこで、このたび長期ビジョンの策定に当たり、幾つか提案をさせていただきます。
先日、我が会派における本会議での一般質問では、長期ビジョンをつくるに当たり、広く都民の声をしっかりと伺いながら、人口推計だけでなく、財政推計も盛り込んだ計画の策定をすべきとの質疑をさせていただきました。
また、先日の総務委員会では、海外、とりわけアジア諸国など、人口動態やマーケット、意識調査なども実施すべきだと私の方から述べさせていただきました。
実は、私も民間企業に勤めている際に、会社の長期ビジョンの策定にかかわらせていただいたことがありますが、まさにどれも優先順位が高い中で、人、物、金をどう優劣をつけて、優先順位をつけて、戦略的かつ効率的に事業を進めていくべきなのか、大変苦慮いたしました。
その際にポイントになりましたのは、各事業部の利害関係や、誰もが認める、ある一定程度の納得度をもって理解を得るためには、極力ロジカルで客観的データでの現状認識やトレンド調査、満足度調査をすることが必須でありました。
もちろん、民間企業が行うサービスと自治体における行政サービスにおいて、単純に比較はできません。また、優先順位が低いからといって、行政がサービスを怠るといったことはあってはならない分野もございます。
しかし、大変生意気ではございますが、税金というお金を支払ってサービスを享受するといった意味では、ある意味、民間企業と同じであります。
いずれにせよ、外部調査機関や実態調査などを使って、しっかりと数字とロジックを持って未来や現状に対する根拠を示す、いわゆるマーケティング調査や顧客満足度調査に際し、数字データである定量調査と意見収集型の定性調査を組み合わせ、長期ビジョンを策定することが重要であります。
そこで、長期ビジョン策定における定量調査、定性調査についてお伺いいたします。
まず、選択肢をチェックするなどして数値化する、いわゆる何%といった定量調査についてであります。私もいろいろ調べてみましたが、生活文化局にて年三回世論調査をしていることがわかりました。これまで長期ビジョンを策定する際には、こうした世論調査を活用し、都の行政サービスへの満足度など定量調査を実施してきたかと思いますが、今後の世論調査の活用について、見解をお伺いいたします。
○小池計画調整部長 これまでも長期的なビジョンの策定に際しましては、生活文化局が実施する都民生活に関する世論調査やインターネット都政モニターアンケートなどを通じまして、都民のニーズを的確に把握し、策定作業に活用してまいりました。今後も、適宜世論調査などを活用して都民の皆様の声の把握に努め、政策立案の参考としてまいります。
○みやせ委員 ありがとうございます。
定量調査を実施し、また今後も活用されることを確認させていただきました。ぜひ今回の長期ビジョン策定の際に、サンプル数が三千ある都民生活に関する世論調査を活用し、引き続き定量調査を実施していただきますようお願いを申し上げます。
なお、都民生活に関する世論調査における長期ビジョンに関する項目につきましては、分量も少ないのが実態でございました。年三回行っている世論調査に対しまして、経年調査は毎年とっているものなので変更はできないと思いますが、ほかの二本は、テーマを自由に設定できるとお伺いいたしました。ぜひ大事な長期ビジョンの策定でございますので、調査のうち一回を、長期ビジョンを策定するためのマーケティング調査や満足度調査を兼ねる調査に当てるのはいかがでしょうか。既に予算計上されているものでもありますし、母数も三千名となっており、十分定量調査として成り立つものでございます。
次に、フリーアンサーや声に代表される定性調査であります。
昨年十二月の策定を目指しました新たな長期ビジョンについては、パブリックコメントを実施したとのことでありますが、その件数と主な意見につきまして、昨年十二月の質疑でお伺いいたしましたが、確認の意味で改めてお伺いいたします。
○小池計画調整部長 昨年十一月に実施したパブリックコメントには、合計二百六十六件の意見、要望が寄せられました。主な意見としまして、待機児童解消に向けた保育サービスの拡充、都市インフラの整備、身近なスポーツ環境の充実といったものがございました。
○みやせ委員 定性調査といたしまして、パブリックコメント二百六十六件の声が収集されていることがわかりました。
一方で、パブリックコメントも、都庁に対してコメントを寄せるぐらい意識の高い人のみになってしまいがちであること、また、サンプル数が定量調査の十分の一以下の規模となっており、少なくございます。マーケティングでは、一般的には最低五百サンプルありませんと、調査結果の信憑性に疑問が生じやすいこと、また、調査集計に時間がかかることなどが課題として挙げられます。これは定量調査にもいえますが、生活文化局の定量調査には、実に三カ月間の時間がかかっておりました。
そこで提案なのですが、私は、インターネットを組み合わせました定性的な調査を実施し、都民の声を数多く収集してはどうかと思います。もちろん、ネットを使わない人たちのために、従来の調査は一部継続することが必要でございます。しかし、インターネット調査でありましたら、定性調査に関しまして、数千などサンプル数の飛躍的な増加が見込めること、今はフリーアンサーを集計するソフトもありますので、すぐにデータ化し、その内容の全体像を客観的につかめること、また、調査期間もわずか三日で完了することなど、メリットが挙げられます。半年後に迫る長期ビジョンの策定には、非常に有効な手段であると思われます。
こういったインターネットを活用し、いわゆるパブリックコメントを寄せないような大多数の一般都民の方々の声、いわゆるサイレントマジョリティーの声やニーズもぜひ聞いていただくことを強く要望いたします。
最後になりますが、先ほどから何回か名前が出ております生活文化局による都民生活に関する世論調査の中に、これからの都政の進め方に対しまして、どんなことを望みますかという問いがございました。十二項目中一位になりましたのは、都民の意見や要望をよく知っていただきたい、このことが一位でありました。舛添知事と直結している知事本局の皆様におかれましては、ぜひ定量調査や定性調査を駆使し、都民の声を客観的に多く聞いていただきながら、各局から上がってきました要望の調整だけではなく、大局観を持ったさらに強いリーダーシップを発揮していただき、すばらしい長期ビジョンを策定していただくようお願い申し上げます。
なお、私も注文をつけるだけではなく、今後、政務調査費を活用いたしまして都政に関する課題を明らかにし、未来へとつながる定性、定量調査を千名規模で実施したいと思っております。ぜひ一緒に協力しながら、すばらしい長期ビジョンの策定ができればと願いつつ、私からの質問を終わります。
○両角委員 私からは、まず、長期計画の策定について伺いたいと思います。
五千万の使途につきましては、ほかの委員の方が質問をされて、答弁もありましたので割愛をして、まず、平成二十六年度の補正予算という形で、知事肝いりで予算計上されたのが、この長期計画の策定ということでありますので、この長期計画策定の趣旨を伺いたいと思います。
○小池計画調整部長 今回のビジョンは、目指すべき東京の将来像を明らかにするとともに、達成すべき政策目標と、そこに至る具体的な工程表を示すために策定するものであります。
今後、年内の策定に向け、少子高齢化対策、総合的な交通政策など、都政の課題について議論を重ねるとともに、政策の具体化に向けた検討を進めてまいります。
○両角委員 長期計画というと、昨年の末の策定を目指して、前知事であります猪瀬知事の時代に策定を指示したもの、新たな長期ビジョン(仮称)というものがございました。この新たな長期ビジョンは、昨年末公表予定でありましたから、ほぼ完成していたんではないかなと、このように思うわけですが、そこで伺いたいと思いますけれども、昨年十二月の策定を目指しました新たな長期ビジョンに関して、策定に向けてどんな作業を行いまして、どのような作業結果を得たのかということを伺いたいと思うんです。
先ほど、定量、定性の調査という話がありましたが、そういう調査をいろいろやっているんじゃないかと。あわせて、それぞれこういった作業に要した経費についても伺いたいと思います。
○小池計画調整部長 昨年十一月、新たな長期ビジョンの論点整理を公表いたしましたが、そこでは、都が直面する現状や諸課題を分析するとともに、主要な論点と政策展開における方向性を示しております。そこでは、二〇六〇年までの東京の人口や世帯の推移を示し、今後到来する少子高齢社会の状況を明らかにいたしました。
さらに、論点整理の公表に際しまして、パブリックコメントや区市町村への意向調査を実施いたしましたほか、昨年八月には、東京の都市像に関する世論調査を行い、都民の意見を頂戴いたしました。
策定経費につきましてですが、人口推計等を行った東京都における少子化対策の新たな展開に向けた支援業務委託の契約額が約二千四百万であるほか、策定作業に必要な事務経費等を支出しております。
○両角委員 詰めてきた政策そのものを生かすということは難しいだろうと思います、それは知事がかわったわけですから。しかしながら、今まで調査をした、例えば人口推計であるとかそういうデータは活用ができるんでないかなと、こんなふうに思うところであります。
そこで、昨年十二月の策定を目指しました新たな長期ビジョンに向けた作業の中で、今回、舛添知事の新しい長期計画策定に向けて使えるデータなどはあるのかどうか、所見を伺いたいと思います。
○小池計画調整部長 ビジョンの内容や構成等につきましては、今後検討してまいりますが、昨年行ったもので、人口推計の結果ですとか課題の分析や、政策の検討時に整理した数値や指標、パブリックコメントなどで寄せられた意見といった基礎的なデータにつきましては、活用できるものと考えております。
○両角委員 幾つかの事項が次の長期計画の参考となるということで、都民の税金が無駄になるわけではないということがわかったわけでございまして、特に二千四百万円をかけた調査結果ですとか、都市像に関する世論調査などがあるわけですから、そうしたものを有効活用していただきたいなと、こんなふうに思う次第でございます。
東京が直面する課題というのは、さまざまなわけでありまして、今後も調査をしっかり行うということをしていただいて、まずはしっかりとしたコンセプトのもと、よい長期計画というのを策定していただくことを要望したいと思います。
次に、アジアヘッドクオーター特区について質問をさせていただきたいと思います。
この計画、事業は、平成二十四年度から国の特区制度を活用して外国企業の投資促進に取り組んでいるということであります。そこで、アジアヘッドクオーター特区の事業目的と取り組み内容を伺いたいと思います。
○瀬口総合特区推進部長 アジアヘッドクオーター特区は、外国企業を誘致することにより、すぐれた経営資源の受け入れや、国内企業にとっての販路拡大や新たなビジネスチャンスの創出に結びつけ、東京と日本の国際競争力を強化することを目的といたしております。
外国企業誘致に向けた取り組みとしましては、ウエブサイトや国内外のセミナーでのPRや、業務統括拠点または研究開発拠点を設置する外国企業の戦略的な誘致を実施しております。
また、特区に進出する外国企業に対するワンストップ相談窓口であるビジネスコンシェルジュ東京による相談、問い合わせの対応ですとか、企業ニーズに応じたビジネス支援も行っております。
さらに、災害時にも事業継続が可能な高機能オフィスの整備や、外国人に対応可能な医療機関などの開設など、外国人が安心、快適に暮らせるような生活環境整備も進めております。
○両角委員 この事業は、実効税率の引き下げを中心としたインセンティブを用意して、外国企業が進出しやすい環境整備をすることで、アジア地域の業務統括拠点であるとか研究開発拠点として五十社を誘致するといったものでありまして、この拠点の誘致そのものが特区構想の成否ということになるわけでございます。
そこで、委員会の資料要求でこの状況ということは数値では出ているんですが、このアジアヘッドクオーター特区事業のこれまでの実績、特に企業誘致の状況を、業種、分野等含めて示していただきたいと思います。
○瀬口総合特区推進部長 今年度は、業務統括拠点または研究開発拠点を設置する外国企業五年間で五十社のうち、十社を誘致することを目標に取り組んできたところでございます。総務委員会資料でお示ししましたとおり、二月末時点で七社を誘致いたしましたが、本日時点で、さらに一社追加になりまして、八社から特区進出の意思決定を得ております。
誘致いたしました企業を産業別に見ますと、医薬品や医療機器などを扱う医療分野の企業が五社、再生可能エネルギー等に係る環境分野の企業が一社、情報通信分野の企業が一社、コンテンツ、クリエイティブ分野の企業が一社となっております。
また、設置される拠点の種類別では、業務統括拠点を設ける企業が二社、研究開発拠点を設ける企業が六社となっております。
○両角委員 今、きょう付でさらに一社、誘致がほぼ内定したというんですか、発表ができるということで、これは大変よかったなと、こんなふうに感じるわけでありますけれども、平成二十五年度、今お話がありましたとおり、この拠点の誘致は、目標十社に対して八社ということですから、八〇%の達成率であるということなわけでございます。
それでは、平成二十六年度の企業誘致の目標というのはどのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思いますし、また、それは達成できるのか、これについてもお聞きをしたいと思います。さらには、これまでの誘致経験を踏まえて、来年度の取り組みでは、どのような点をこの誘致に対して工夫していくのか、伺いたいと思います。
○瀬口総合特区推進部長 平成二十六年度は、業務統括拠点または研究開発拠点を設置する外国企業の誘致目標を、今年度の十社から二十社に引き上げ、取り組みを強化いたします。
今年度の誘致活動では、ビジネスパートナーとなり得る国内企業との面談の設定や、企業が求める条件を満たしたオフィスの紹介など、個々の企業のニーズに合わせた支援が結果的に誘致に結びついております。そのため、来年度も引き続き企業ニーズに応じたきめ細かい支援を行い、目標達成に向け取り組みを進めてまいります。
○両角委員 来年度の目標二十社ということで、これまで取り組んできたことで、これは非常に成果があったなという、個々の企業ニーズに合わせたきめ細かい取り組みをされるということでありました。八〇%達成したわけですけれども、来年度、二十六年度ですね、二十社達成できますかということについては答弁がなかったんですが、ここで、できると、任せてくださいといっていただきたかったわけでありますね。こういう公の場での回答というのは決意になるわけですから。
この計画によると、二〇一六年までに、二〇一六年までというのは二〇一五年中ということでしょうかね、五十社の目標達成をしていくという計画を掲げているわけですね、目標を。であれば、二十社と八社で二十八社、残り二十二社を誘致してこなきゃいけないということですから、加速度をつけていかなくてはいけないと思いますので、できればここで、任せてくださいと、できますよといい切っていただきたかったなと、そんなふうに思う次第でございます。
続いて、経済面で今グローバルな競争が展開をされておりますので、海外からの投資を呼び込むということは、日本にとって非常に重要なことだと私は思っています。また同時に、このことは、今、世界の主要な都市との都市間競争を繰り広げている都市としての東京にとっても、これは重要なことであり、このヘッドクオーター特区の取り組みというのは、時宜を得た取り組みであると私は評価するところであります。
しかしながら、この事業には都費が投入をされています。都税減税などが盛り込まれてもいるわけであります。当然、税金を投入する事業でありますから、費用に対して効果が問われるということになろうかと思いますが、十社を目標に取り組み、実績が八社ということで出ているこの外国企業の誘致に関して、投入した費用に対して、誘致による経済効果はどのぐらいだというふうに見積もっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○瀬口総合特区推進部長 都は、東京進出を決定した外国企業から、拠点設置までと拠点設置後三年間の投資予定額等の情報を得ております。平成二十五年度は、外国企業の発掘事業及び誘致事業としての支払い上限額三億二千三百万円に対しまして、目標とする十社中、八社の誘致が決定した段階での企業の投資予定額は約二十倍の約六十億円でございます。このことから、外国企業の誘致は、費用対効果の観点からも十分に価値のあるものと考えております。
○両角委員 三・二億円、八社ですか、七社ですかね、誘致するのにお金をかけたと。それに対して、その企業が投資をする額というのは約六十億で、二十倍の投資効果ですよというようなお話でございます。
どんな事業も、行政がやる事業というのは説明責任が求められます。特にこうした経済政策、例えば福祉や子育てや防災とは違って、何であえて東京都がやるんですかといったものに対しては、やっぱりしっかりとした納得感がないとだめだと思うんですね。今、東京都サイドから見た投資三億二千万に対して、六十億円のリターンがあるんですよということで大変結構なことであると、こんなふうに思うわけでございますが、こうしたこと以外にも雇用も創出をされるでしょう。あるいは、進出外国企業と日本の企業がパートナーとなって相互のメリットが生まれるとか、あるいは最終的に企業が集積、外国のヘッドクオーターが来ることによって、東京ブランドが向上するというようなことがあるんではないかと思うんですね。まさに、定量的と定性的と両方の効果があるんだろうと。
そういったことをしっかり説明責任という意味では、PRを都民にしていくべきではないか、今この部分が弱いんではないかと、このように感じるわけでありますが、今後、企業誘致に全力を挙げてもらうと同時に、こうした効果についてもしっかりとPRをして、都民の理解を得られるような、そんな努力をしていただくように要望したいと思います。
引き続いて、関連でございますが、国家戦略特区に関して伺いたいと思います。
安倍政権肝いりで、昨年の十二月に国家戦略特別区域法が成立をしたわけでございますが、これに対する東京都の対応を含めて、国の動きについてお聞かせをいただきたいと思います。
○瀬口総合特区推進部長 都は、国家戦略特区の制度創設に当たりまして、国が行いました提案募集に対し、世界で一番ビジネスのしやすい国際都市をテーマとした提案書を昨年九月に提出したところでございます。国では、法の成立後の二月二十五日に、特区の指定に関する基準等を定めました基本方針が閣議決定されたところでございます。
今後は、この基本方針に基づき、政令により具体の区域指定が行われ、区域指定と一体となった区域方針が内閣総理大臣により決定される予定でございます。
○両角委員 二月の基本方針の閣議決定があったと。いよいよ、これから区域指定が行われるということであります。都では、この指定に向けた具体的な提案をするために、国家戦略特区タスクフォースを立ち上げたということであります。
報道によれば、この初会合で舛添知事は、東京から日本を変えるぐらいの心構えでやると特区にかける意気込みを語ったと、そんな積極姿勢が伝えられているわけであります。
そこでお聞きをしますけれども、この国家戦略特区の制度を活用することで、現行のアジアヘッドクオーター特区の取り組みが生かされて、さらなる東京の発展につなげることができるのではないか、このように思いますけれども、所見を伺いたいと思います。
○瀬口総合特区推進部長 国家戦略特区は、地域を限定し、先行的に大胆な規制制度改革等を行い、民間企業が事業活動しやすい環境を整備し、その効果を全国に行き渡らせることを目的としております。
都として目指す国家戦略特区におきましては、これまでのアジアヘッドクオーター特区における外国企業誘致の取り組みに加え、都内中小企業と外国企業とが共同で行う新規創業やベンチャー企業の立ち上げの支援に取り組んでまいります。
東京の国際競争力を強化するため、都は、国家戦略特区の指定を確実なものとし、成長が期待できる分野でビジネスが生まれるよう取り組んでまいります。
○両角委員 今、都は、国家戦略特区の指定を確実なものとして、成長が期待できる分野でビジネスが生まれるよう取り組みを進めていくと、力強い決意があったわけでございますけれども、今まで、アジアヘッドクオーター特区というものが今立ち上がって動いている中で、さらにそれをバージョンアップするような取り組みをしていただいて、そういったプランニングをして、舛添知事の強い意気込みに応えられるような取り組みで、指定をかち取っていただくよう今後の活動を期待して、質問を終わります。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本局関係を終わります。
○伊藤委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分、第四十二号議案及び地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成二十五年度東京都一般会計補正予算(第二号)の報告及び承認についてを一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○清水委員 二月九日に行われた都知事選挙では、投票日前日に大雪となりました。この大雪に関しては、さまざまな面から被害の問題、また対策の問題、総務委員会、産業労働局などで全庁的に議論をされておりますけれども、選挙という面から考えていこうということで、今回幾つか質問をさせていただきますが、この大雪によって選挙に与えた影響はどんなものだったのか、お伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 今回の都知事選挙時の大雪は、投票日前日の二月八日に降り積もり、翌九日の投票日当日も、それほど解けずに残ったことから、有権者の投票行動に与える影響が少なからずあったと考えております。
また、大量の積雪により、投票所や開票所への資器材の運搬、通路の除雪作業など、区市町村が担当する選挙事務にも影響がございました。
特に西多摩郡の町村では、大量の積雪や雪崩の影響を受けて、檜原村では全八投票所、奥多摩町では全十三投票所中二投票所で、投票開始時刻を二時間繰り下げる措置を講じるとともに、青梅市の御岳山地区の投票所では、大量の積雪による道路交通の遮断やケーブルカーの運行停止から、開票所までの投票箱の運搬に要する時間を考慮し、投票の終了時刻を四時間繰り上げたところでございます。
○清水委員 それぞれの区市の選挙管理委員会も大変なご努力、ご苦労があったことと思いますけれども、私たちのところには、いろんなところから、投票に行くことができないとか、道路に出られないとか、車が動かせないとかいう、いろんな話が参りまして、たまたま、たまたまというか投票日はそうなんですけれども日曜日ですから、なかなか連絡をする場所もなくて、私たちも困惑をしたところです。
今回の大雪の影響下で都知事選挙を実施するに当たって、選管としてはどのような対応をされたのか、お伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 今回、選挙の投開票を実施するに当たり、区市町村選挙管理委員会は、投票所や開票所への資器材の運搬ルートの見直し等を行い、会場設営を着実に行いました。迎えた投票日当日も応援職員を動員して、投票所入り口に至る通路や障害者用駐車場の除雪、凍結防止剤の散布などを夜明け前から行うなど、来所者の安全確保に努めました。
その結果、都内千八百六十九カ所の全投票所のうち、先ほど申し上げました十カ所を除く千八百五十九カ所で、法定時刻の午前七時に投票が開始され、また、投票終了後においても、投票箱が滞りなく開票所に届けられたことから、当初予定どおり午後九時までに都内の全開票所で開票が開始されました。
都選挙管理委員会としては、今回の大雪が選挙の運営に及ぼす影響を大変危惧しておりましたけれども、このような区市町村選挙管理委員会の取り組みにより、その影響を最小限に抑えて、投開票事務を無事終えることができたと考えております。
○清水委員 いろいろご努力をされて実行されたわけです。その中で、私自身に問い合わせのあった中で、ほんの一こまのことなんですけれども、今、障害者用駐車場を除雪されたということがありますけれども、障害者の方の中には、車椅子の障害者の方もいらっしゃるわけで、この方たちの中から、投票に行きたいんだけれども、投票所に車椅子用のトイレがないということから、投票に行くことを諦めたという方が何人かおられるというふうに聞いています。
これは、雪ということだけではなくてもそうですけれども、今回の都知事選で障害者用トイレの設置はどのような状況にあったのかということをお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 今回の都知事選挙における投票所全千八百六十九カ所のうち、施設内に身体障害者用トイレが設置されているのは九百四十四カ所でございます。身体障害者用トイレにつきましては、投票所に使用する施設におけるトイレの設置状況に左右されるものであり、選挙管理委員会独自の取り組みによる対応は現実的には困難であることから、今後においても置かれた状況の中で対応してまいります。
○清水委員 これは選管だけの問題というわけではありません。それはよく承知はしているんですけれども、やはり今お答えになって数字が明らかになりましたけれども、千八百六十九カ所のうち九百四十四カ所が設置をされているということで、約半数が設置をされていないということです。
これは選挙でもそうですし、それから避難所になった場合などでも考えられることで、やはり今後の取り組みとして、選管の取り組みだけではないです。設置主体の区であったり市であったり、それから教育委員会であったりということはありますけれども、これはふやしていく必要があると思いますけれども、認識としてはどうでしょうか。
○森選挙管理委員会事務局長 お答えは、選管としてのお答えになりますけれども、身体障害者の方々が心配なく投票できる環境を整えていくということは大切なことと認識しております。
しかし、今回の知事選は、四十五年ぶりの大雪がたまたま投票日に重なるという極めてまれなケースでございます。こうした場合にも、一〇〇%の環境を整えよというご要求は、限られた財源と人員で対応するしかない私どもとしては、直ちにがえんずることはできないといわざるを得ません。
身体障害者の方々が心配なく投票できる環境を整えるべきという総論については、何ら否定するものではございません。投票所ごとの必要性について、現場の状況も踏まえて十分見きわめ、それぞれ工夫を凝らしていただくしかないものと認識しております。
○清水委員 選管としては、できることはそういうことだと思いますけれども、今後、大雪でない場合も、車椅子用トイレというのは必要になることがあるんですけれども、障害者の方の中には、車椅子用トイレが当面間に合わないようなところについては、広いトイレであれば、既存のところに手すりをつけるとか、緊急な対策をとっていただきたいというような要望もあります。
また、急に解散になる衆議院選挙などでは、もう既に学校が、投票所として使う前に、学校の運動会などが設定されていて、投票所が変更になるところがあるようなんですね。そういうところなどのときに、トイレということはありますけれども、トイレだけでなくて、今度は階段を使わなきゃいけなくなると。通常のときは階段を使わなくていいんですけれども、急に衆議院選挙を行って投票所になったりするところは、階段を使わざるを得なくなるところがあって、そこでは大変不便をしたというようなことなどもありますので、今お答えがありましたけれども、全庁的にこうした対策を事前に考慮していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○伊藤委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成二十六年度東京都一般会計予算中、歳出、青少年・治安対策本部所管分、第百二十九号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、青少年・治安対策本部所管分及び第二十八号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○横山総合対策部長 二月二十五日の当委員会におきまして要求がございました資料につきまして、説明させていただきます。
お手元にお配りしております総務委員会要求資料の一ページをお開きください。
区市町村別自転車駐車場収容能力及び放置自転車台数でございます。こちらの資料は、自転車駐車場の収容台数及び放置自転車台数につきまして、当本部が毎年実施しております駅周辺における放置自転車等の実態調査におきまして、各区市町村から回答のあった数値をまとめたものでございます。
続きまして、二ページをごらんください。都道における自転車走行空間の整備状況の推移でございます。
こちらの資料は、建設局の事業概要に記載された数値をまとめたものでございます。
続きまして、三ページをごらんください。区市町村道における自転車走行空間の整備状況でございます。
こちらの資料は、区市町村道における自転車走行空間の整備状況について、当本部が毎年実施しております区市町村における交通安全対策事業の現況調査において、報告があった区市町村のみの数値をまとめたものでございます。
最後に、四ページをごらんください。ハイパースムーズ作戦ピーク時旅行時間比較区間一覧でございます。
こちらの資料は、渋滞対策事業、ハイパースムーズ作戦につきまして、一昨年に中間のまとめを行った際の対象路線区間別のピーク時旅行時間等でございます。
以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○中屋委員 私の方からは、子供・若者計画について何点か質問させていただきたいと思います。
私は、平成十四年から文京区で保護司を務めております。毎年七月に東京ドームにおいて、文京区保護司会が中心となりまして、社会を明るくする運動として、青少年の非行防止などの普及啓発活動を実施しております。私も、もちろんその活動に参加をしております。
その中で、地域の少年野球やサッカークラブの子供たち、ボーイスカウトの子供たちも、私たちと一緒になって道行く人々に対して普及啓発グッズを手渡しております。こうした子供たちといつも触れ合うたびに、地域の将来に明るい希望を見る思いがいたします。
しかしながら一方で、今、子供、若者をめぐってさまざまな問題が複雑化、深刻化してきている状況がございます。例えば平成二十四年に検挙された六千五百人の犯罪少年のうち、約三割は再犯者であります。少年の再犯者率というのは上昇傾向にございます。都内のひきこもりの人数も二万五千人に上るとの推計が出ております。その他、子供の虐待の問題、学校などでのいじめ、薬物乱用、インターネットに起因する問題なども山積をしております。こうした問題は、我が国、そしてこの東京の将来がどうなるのかということに直結する問題でありまして、子供、若者の健やかな育成は、まさに都政における重要な課題であります。
一方で、子供、若者の問題、庁内のそれぞれの所管局が単独で取り組めば済む問題ではないと思います。関係する各局が、縦割りを排して、東京の子供、若者のために協力連携して取り組むことが必要であると思います。青少年・治安対策本部には、そうした関係各局の連携協力が一層進むよう、各局の接着剤となって青少年の総合的な対策を推進するという役割を積極的に果たすことを期待しております。
そこで、お尋ねをいたしますけれども、子供、若者をめぐる諸問題について、関係各局が連携協力をして対応するため、今後、青少年・治安対策本部はどのように取り組みを行うのか、お伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 子供、若者の問題につきましては、地域的な背景や個々の事情が複雑に絡むため、解決には、保健、福祉、教育などさまざまな分野の協力を要し、また、区市町村など地域との密接な連携も不可欠でございます。当本部では、子供の虐待やいじめなど、子供、若者をめぐる十の課題を設定いたしまして、庁内関係局で構成する子供・若者問題対策会議を設置し、関係各局との連携強化に取り組んでおります。
また、子供、若者に関する総合的な計画である子供・若者計画を作成中でございますけれども、ここでも関係各局と意見等を交換するほか、区市町村など地域からの意見を聞くなど幅広く連携することで、課題の解決に努めてまいります。
○中屋委員 今答弁がありました子供・若者計画につきましては、昨年秋の本委員会の事務事業質疑の中で、我が党の鈴木副委員長も触れさせていただいております。この計画は、ただ単に各局の施策を取りまとめて、子供・若者計画をつくるだけでは意味がありません。着実に施策が進み、成果が上がるような計画にしていかなければならないのです。
また、各施策がどの程度進捗したのか、それを評価、検証するといった視点も重要であります。子供・若者計画を実効性のある計画とするために、どのような取り組みをするのか伺います。
○坂田青少年対策担当部長 子供・若者計画は、次代を担う子供や若者を心身ともに健やかに育成し、また、社会生活を円滑に営めるよう支援する具体的施策を取りまとめるものでありまして、ご指摘のとおり、常に実効性を保っていく必要がございます。
そこで、子供・若者計画では、可能な限り施策ごとに数値目標を設定するとともに、都知事が会長を務めまして、都議会議員の皆様や行政の幹部職員、学識経験者等で構成しております青少年問題協議会のもとで各施策の進捗状況を点検、評価し、その結果をホームページ等で都民に公表するといった実効性が確保できる仕組みを設けてまいります。
このような仕組みと実践を通しまして、適時適切に各施策の改善や見直しが進むよう、関係各局と連携し、取り組んでまいります。
○中屋委員 ぜひ青少年・治安対策本部が積極的に関係各局の連携強化に努めて、子供、若者に関する都の施策全般が着実に進むよう取り組んでいただきたいと思います。
日本の発展、そして東京の発展のためには、将来を担う人材の育成が最も重要と考えます。その点、私が青少年・治安対策本部にまず第一に期待するのは、東京の子供たちの健全な育成です。子供たちを、心身ともに健やかな日本人、真っ当な大人として育成するためには、我が国が先人から受け継いできた美徳や、社会の基本的なルールやマナーをしっかりと子供たちに伝えていく必要があります。
六年後には、この東京でオリンピック・パラリンピックが開催をするわけであります。このような中、都における今後の子供、若者の施策について、青少年・治安対策本部長のまず決意をお伺いしたいと思います。
○河合青少年・治安対策本部長 いじめやひきこもりなど、子供や若者をめぐる問題の状況は、年々深刻さを増しておりまして、その対策などの取り組みは一刻も猶予がならないというものであります。こうした取り組みは、全都的な課題として全庁を挙げて進めなければなりません。また、区市町村など地域とも連携して、東京都全体として早急に効果を上げていかなければならないものです。
このような認識のもと、当本部としては、青少年施策の実施計画となる子供・若者計画の素案を本年中に作成するとともに、先ほど担当部長が答弁いたしましたように、計画が真に実効性が上がるよう、その仕組みの運営と実践に注力してまいります。
その上で、子供たちに対して、正義感や倫理観、思いやりの心を育む心の東京革命の理念を一層普及させていくとともに、関係機関や区市町村などと連携して、次代を担う子供、若者の育成支援に全力で取り組んでいく所存であります。
○中屋委員 ご答弁いただきまして、ありがとうございます。
歴代の青少年・治安対策本部長というのは、本当に将来、警察行政を背負って立つような、非常にレベルの高い方が本部長についていただいているわけであります。河合本部長で五代目となると思うんですが、ぜひ地域の皆さんや関係する方々と本部長が直接話を聞いたり、さまざまな場面を設けていただきまして、現場の声を聞いていただきたいなということを要望させていただきたいと思います。
以上をもちまして、質問を終わりたいと思います。
○野上委員 私の方からは、防犯カメラに対する補助事業につきまして、通学路防犯設備整備事業について幾つか質問させていただきたいと思っております。
今月の三日にも、わずか十分間の間に次から次へと、通りかかった男性四人が次々とナイフで刺されて、残念なことに若い一人の方が亡くなって、あとの方は、けがをした人とか、あるいは車をとられたり財布を奪われたり、そういう凶悪な事件があったんですけれども、この犯罪の犯人捜しには、やはり防犯カメラの映像がこの犯人の割り出しに大きな影響を与えたということがございました。防犯カメラが、今後大きく犯人の検挙にも至るケースが大変多いと思っております。
私ごとですごい恐縮なんですけれども、昨年の今ごろ、ちょうど都議選の準備を進めておりまして、私の非常に昔の美しいポスターにいたずら書きを毎晩のようにされまして、本当に毎日何百枚もいたずら書きをされるわけです。それで、なかなか警察にお願いしても犯人が捕まらないと。
それで、私も一週間張りました。夜十二時に張りました。もう本当に日常は政治活動で大変疲れているんですけれども、絶対に犯人は捕まえようと思って、自転車で通りかかって、ぴぴっぴぴっとやって、犯人を見つけたんですけれども、向こうは自転車、こっちは車だったので、細かいところで犯人を見逃してしまって捕まえられなかったんですけれども、その後、個人で購入したビデオカメラを設置いたしまして、その犯人像をくっきりと撮ることができました。それを逆に亀有警察に持っていって、この人が犯人ですよと、書いているところも全部撮ってありますよと突き出して、でもまだ捕まっておりません。
そういうことがあったんですけれども、やはり防犯カメラというのは、犯罪捜査だけではなく、抑止にもつながるということで、効果を発揮するのではないかと思っております。ただ、個人情報の保護とかプライバシーの保護とか、いろいろなルールのもとでしっかりとこの防犯カメラを運用していかなければいけないと思いますけれども、ロンドンのように防犯カメラで守られた地域というのは、ある程度安心できるのではないかと思っております。
東京都も今回、通学路に設置される防犯カメラに対する補助事業を創設するほか、町会や商店街を対象とする事業についても予算を大幅に増額しております。防犯カメラに対する補助事業を積極的に進めていますけれども、地域の要望が多いこの事業については、これらに応えられるように今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
一番最初に、防犯カメラに対する補助事業のメニューについて、予算額、補助率、事務を所管する局など、それぞれの違いについて質問いたします。
○五十嵐治安対策担当部長 防犯カメラに対する補助事業は、今回新設するものを含めまして、カメラの設置主体に応じて三つのメニューがございます。
まず、地域における見守り活動支援事業であります。これは、町会や自治会などの地域団体が設置する防犯カメラを対象とするものでありまして、補助率は、都が二分の一、区市町村が三分の一で、地域の団体の負担が六分の一となるものであります。平成二十六年度の予算額は、前年度の二倍を超える約二億七千五百万円を計上しています。
次に、防犯設備の整備に対する区市町村補助金であります。これは、商店街等が設置する防犯カメラを対象とするもので、補助率は都が三分の一、区市町村が三分の一で、地域団体の負担が三分の一となるものでございます。平成二十六年度の予算額は、前年度の一・四倍の約四千五百万円を計上しております。
最後に、今回新設いたします通学路防犯設備整備事業であります。これは、公立小学校を所掌する区市町村が設置する防犯カメラを対象とするもので、補助率は、都が二分の一で、区市町村の負担が二分の一、地域団体の負担は生じないというものでございます。平成二十六年度の予算額は、補正予算として二億四千七百万円を計上しております。
なお、事務を所管する局につきましては、地域における見守り活動支援事業は当本部でございます。防犯設備の整備に対する区市町村補助金及び通学路防犯設備整備事業につきましては、それぞれ産業労働局及び教育庁に事業の執行を委任するものであります。
○野上委員 今回ちょうど青少年・治安対策本部、それから産業労働局、教育庁、三つのメニューの中で、今回の通学路防犯設備整備事業は、区市町村の負担が二分の一、都が二分の一で、地域団体の負担が生じないということで、非常にこれは使いやすいメニューではないかと思っております。
しかし、これらの三つともそうなんですけれども、設置に要する経費のみが対象となっておりまして、もちろん電気代とか保守管理に要する、いわゆるランニングコストに関しては対象にならないと聞いております。防犯カメラを広く地域に普及させていくためには、設置はもとより、その運用面にも目を配って支援を行う必要があると思うので、ぜひ補助の対象にしていただくように要望しておきます。
次に、これらの事業の意義や効果について都はどのように考えているのか。そして、今回新設する通学路事業とあわせて答弁を求めます。
○五十嵐治安対策担当部長 防犯カメラの設置は、地域の住民を初めとする安全・安心の担い手となる人々の防犯意識が高まり、それぞれの自主的な活動を進める好機となることに加えまして、犯罪の抑止にも資することから、地域の安全・安心を確保する上で大変有効であると認識しております。
このため都は、ご指摘のとおり、必要な予算を確保しながら、町会や商店街などの設置する防犯カメラに対する補助事業を積極的に進めてまいりましたが、これらによりましてカバーされる地域と通学路の区域が必ずしも一致しないため、地域における子供の安全・安心の確保に抜け穴が生じないよう、今回、新たに通学路のメニューを追加し、地域全体の安全・安心の確保に万全を期するものでございます。
○野上委員 最後です。防犯カメラに対する補助事業の詳細が今回の質疑で明らかになったわけでございますけれども、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、舛添知事は、世界で最も安全で安心な東京を実現することを宣言していらっしゃいます。そのためには、防犯カメラに対する補助事業を含めた、地道で息の長い取り組みが必要であることはいうまでもありません。世界一安全で安心な東京の実現に、都は、今後どのような姿勢で取り組んでいくのか、治安対策の第一人者でもあります本部長の決意を伺って、私の質問を終わります。
○河合青少年・治安対策本部長 安全・安心は一日にして成らない、これは過日の予算特別委員会においての知事の答弁であります。安全・安心が叫ばれて久しいわけですが、いうはやすく行うはかたいと、警察庁や警視庁などで治安対策に取り組んでまいりました私自身の偽らざる実感であります。
都はこれまで、警視庁や区市町村などと連携し、ご質問のあった防犯カメラの設置に対する財政支援や、地域の防犯活動の担い手の育成など、防犯に関する地域の力、これを高めるためのさまざまな取り組みに加え、社会生活を営む上での規範意識の啓発など、犯罪の起こりにくい社会の創造に向け、あらゆる手だてを尽くしてまいりました。
安全で安心して暮らせる社会の実現は、都民全ての願いであります。また都民が、より質の高い生活を享受し、将来への希望を持ち、自由な活動を行う礎ともなります。世界一の実現は高いハードルではありますが、東京の安全・安心に携わる者として、治安状況など社会経済情勢の変化を適切に踏まえながら、引き続き都民のためにこれらの取り組みを地道に積み重ね、東京の治安対策を強力に推進してまいります。
○清水委員 私からも、防犯カメラの設置についてお伺いいたします。
今、多くの場所に防犯カメラが設置をされております。本来ならば、カメラで監視することなど必要ない安全・安心のまちづくりも理想ではありますけれども、多くの事件や事故が起こっている中では、やむを得ない面もあるかと思います。
一方で、その管理運用に不安を抱いている人も少なからず存在することも事実です。このような認識から、防犯カメラの運用面などについて確認をさせてください。
そもそも、町の中にある防犯カメラの管理はどうなっているのでしょうか。設置に当たっての法的な規制、都の補助メニューによる設置に対し、管理運用面についてどのような態度で臨んでいるのでしょうか、お伺いいたします。
○五十嵐治安対策担当部長 街頭におきます防犯カメラの管理または運用につきましては、行政機関や事業者個人などさまざまなケースがあると思われますが、いずれにしても、その設置者により行われているものと認識しております。
設置を規制する法律は特にございませんが、市区町村によっては、その管理等に関して独自の条例を定めているものがございます。
なお、都の補助事業につきましては、防犯に関する地域の自主的な活動の推進という事業の本来の趣旨から逸脱した運用がなされないよう、防犯カメラを設置する町会や商店街などの地域団体に対して、その設置目的や運用方法などにつきまして詳細な基準を制定し、これを遵守することを求めております。
○清水委員 都民の中には、防犯カメラの設置に対し、プライバシー保護について不安を感じる人も中にはいます。都の事業において、防犯カメラの設置に関する関係者の合意やプライバシーの保護について条件を付していることはあるのでしょうか。
○五十嵐治安対策担当部長 防犯カメラの設置に対します都の補助事業は、地域の安全・安心の確保に資するということでございまして、決して人々に不安を抱かせるようなものであってはならないということでございます。
このため、都の補助事業におきましては、防犯カメラの設置を希望する地域団体に対して、住民の合意を得ることを補助金の交付の要件としておりまして、もとより関係者の承認ないし合意のない交付申請が行われることはないと思います。
また、プライバシーの保護に関しましても、捜査機関からの要請など特別な事情がある場合を除いて、映像記録の保管期間を一週間程度に限定させ、その恣意的な利用を防止しているほか、閲覧ができる者の範囲を必要最小限の者にとどめることを要件としているなど、防犯カメラのメリットとプライバシーの保護を両立させているものであります。
○清水委員 現在実施している補助事業における防犯カメラの管理運用に関する都のお考えをお聞きしましたけれども、今回、通学路に設置される防犯カメラについても新たに補助事業の対象にしていますが、その管理運用についてはどのように考えられているのか、お伺いいたします。
○五十嵐治安対策担当部長 先ほどご答弁いたしましたとおり、今回ご審議をお願いしております通学路防犯設備整備事業につきましては、事業の執行を教育庁に委任することとしております。
このため、事業の詳細につきましては、今後教育庁と協議、調整した上、その実施要綱などを策定することとなりますが、安全・安心の確保という目的は、町会や商店街などの地域団体を対象とする既存の補助事業と何ら変わるものではございません。このため、この事業における防犯カメラの管理運用につきましても、さきにご答弁申し上げたものと同様の補助要件を設ける予定でございます。
○清水委員 防犯カメラの設置に対する都の補助事業については、予算が増額されています。もう一方で、地域の安全や安心を確保していくために、人材育成を初め、それから地域の見守りのための予算、それから街の明かりの確保とか街路灯などの設置に対する助成などの財政支援の強化など、いろいろな面で安全・安心を確保する。今ボランティアの方々が、うちの夫なども一緒にやっておりますけれども、見回り調査などがいろんな効果を発揮しているかと思いますけれども、そうした中長期的な取り組みも必要だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○五十嵐治安対策担当部長 都は、警視庁や区市町村などと連携し、防犯カメラの設置に対する財政支援のみならず、子供の見守り活動を推進するボランティアリーダーなどの人材育成、さらには防犯や安全・安心まちづくりに関する総合的かつタイムリーな情報を提供するためのホームページである大東京防犯ネットワークの運営など、地域の安全・安心を高めるためのさまざまな取り組みを進めております。引き続き、これらの取り組みを地道に積み重ね、安全で安心して暮らすことができる東京の実現に力を尽くしてまいります。
○清水委員 安全・安心なまちづくりというのは、もう本当に共通した願いだと思います。総合的な対策を強化しながら、これを実現されるよう、これからも財政支援を強めていただきますよう申し上げて、質問を終わります。
○島田委員 私からも、子供の安全対策について幾つか質問させていただきます。
記憶はちょっとおぼろげで申しわけないのでありますが、先日、ある新聞のコラムに、記者が通学途中のランドセルを背負った小学校の低学年と思われる子供に何の気なしに声をかけたところ、その子からは全く反応がなかった。どうやら知らない人から声をかけられても、決して相手をしてはいけない、そのように教えられているようだと、そのような趣旨のことでありますけれども、記者の複雑な思いとともに紹介されているものを目にしたわけであります。時代の流れといってしまえばそれまででありますが、身につまされる話であります。
私も教育現場が長く、地域では、朝の挨拶など積極的に子供たちに声かけを行っている一方、私生活では小学生の娘を持つ父親でもあります。他人を過度に警戒しなければならない風潮に疑問を抱きつつも、親や教育関係者の立場からすると、子供の安全・安心のためには、やむを得ないとも感じており、心が揺れ動いております。
さて、刑法犯認知件数の減少など、都内の治安は総じてよくなっているとはいうものの、昨年六月に練馬区で発生した下校途中の小学生が刃物を持った男に襲われた事件など、子供たちが被害に遭う事件が後を絶たず、大変心を痛めております。都も、警視庁や市区町村と連携し、子供の安全対策に関するさまざまな取り組みを進めてきたと聞きますが、これに満足することなく、引き続きしっかりと対策を進めていかなければなりません。
そこで、お伺いいたしますが、子供の安全対策について、青少年・治安対策本部はどのような取り組みを進めてきたのか、直近の事業についてお聞かせをいただきたいと思います。
○五十嵐治安対策担当部長 犯罪弱者ともいわれる子供の安全・安心を確保するため、都はこれまで、警視庁や教育庁、市区町村と連携しながらさまざまな取り組みを進めてまいりました。
具体的には、まず、犯罪の被害に遭う危険を子供自身が回避する能力を涵養する上で効果の高い地域安全マップの普及拡大を図るため、その作成の核となる指導者の育成や、これに関する教材の配布などを行っております。
また、地域において実際に子供の見守り活動を行うリーダーを育成するために、有識者を講師とする数カ月にもわたる集中講座を実施し、その資質の向上を図っているほか、小学生及びその保護者に対しまして、犯罪被害の防止に関する知識の涵養と注意喚起を行うため、小学校の夏休みの時期に合わせて防犯ショーなどのイベントを実施しております。
さらに、来年度は、公立小学校の通学路に設置される防犯カメラに対して、その設置に要する経費の二分の一を補助する制度を創設するなど、ソフト、ハードの両面からきめ細かな対策を講じております。
○島田委員 今ご答弁いただきまして、ありがとうございます。多彩な事業を展開しているようであります。
しかし、子供の安全対策には切り札はありません。さまざまな施策を適時適切にミックスさせ、実効性を高めていくことが肝要であります。
そこで、次の質問でありますが、これらの施策の意義や効果、さらには今後の課題とその対応について都はどのように考えているのか、お聞かせください。
○五十嵐治安対策担当部長 都のこれまでの取り組みによりまして、地域安全マップにつきましては、平成二十四年度は公立小学校の約五五%で実際に作成が行われ、多くの子供たちが犯罪の被害に遭う危険を回避する能力を涵養することができました。
また、子供の見守り活動を行うリーダーの育成講座につきましても、平成二十二年度から平成二十四年度までの間に修了者が二百五十八名を超えまして、その相当数が実際に子供の見守り活動を開始するなど、子供の安全対策に関する地域の人々の意識と行動が高まっていることがうかがえます。
一方、課題といたしましては、子供の見守り活動の核となります者の高齢化が進み、次代の人材育成が急務になっていることに加えまして、子供の安全・安心の確保に対するそれぞれの地域の取り組み姿勢に濃淡があることなどが挙げられます。
このため都は、将来の地域の活動の担い手となる大学生に当本部の各種の事業への参画を働きかけているほか、市区町村の担当者に対しまして、先進的または先行的な事例に関するノウハウを情報提供するなど、これらの課題の解決に向け、地道な努力を続けているところでございます。
○島田委員 子供の安全対策に関する青少年・治安対策本部の取り組みや姿勢は理解しました。また、事業を進める上で、基礎的自治体である市区町村の役割が大変重要であるということもわかりました。一朝一夕にはできないことも多いかとは思いますが、未来を担う子供たちの安全・安心の確保は、何にもかえがたいことであります。市区町村との連携を密にし、これまで以上の成果に結実するよう、鋭意取り組まれたいとお願いを申し上げます。
最後に、今回の補正予算に計上されている通学路に設置されている防犯カメラに対する補助事業について質問いたします。
この事業は、子供の安全対策を進める上で大変有効であるとは思いますが、防犯カメラの設置される通学路には、地域的な偏りがあってはならず、必要とされる地域については、漏れのないよう面的あるいは網羅的に普及させていく必要があると考えます。実際の実務は教育庁が担当するとのことではありますが、東京都は、今後この事業をどのように展開していくのか、答弁を求めます。
○五十嵐治安対策担当部長 通学路に設置される防犯カメラに対する補助事業につきましては、子供の安全・安心の確保に大変有効であると考えておりまして、都としても、なるべく多くの地域にこれが普及するよう、市区町村や地域団体の意向を踏まえた使い勝手のよい制度にしていく必要があると認識しております。
このため、当本部といたしましては、事業の執行を委任する教育庁に対して、制度の実施要綱の策定など、防犯カメラの設置に対する既存の補助事業に関する私どもの知見を余すことなく提供した上、今後なるべく早い時期に制度の利用拡大に向けた協議、調整を進めてまいります。
○島田委員 ぜひしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
また、通学路に防犯カメラが必要とされるのは、公立の小学校ばかりではありません。私立の学校もあります。また、小学校以外の施設もあります。子供の安全対策にすき間が生じないようにするためには、当然これらも補助事業の対象にすべきであります。所管局が異なるため答弁は求めませんが、このことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○みやせ委員 私の方からは、心の東京革命普及啓発事業についてお伺いいたします。
冒頭、私ごとで恐縮ではございますが、私も、教育系出版社で妊娠、出産、育児、子育て、教育、しつけと、微力ながら十二年携わってまいりました。現場では、お母さん、お父さんから子育てに関する悩みや生の声を数多く聞いてまいりましたが、二〇〇七年に総務省が行った統計でも、しつけや教育についての悩みを聞きますと、十一項目中一位が、子供に基本的な生活習慣が身についていないとなっておりまして、実に四人に一人の親が基本的な生活習慣について悩まれております。挨拶や公共マナーを守るといった子供の思いやりや公共心のさらなる向上は、おもてなしの心の根幹になるものと考え、オリンピック・パラリンピックを控えた今、社会全体の課題ではないかと捉えております。
東京都では、心の東京革命という、次代を担う子供たちに対しまして、人が生きていく上での当然の心得を親と大人が責任を持って伝えていこうという運動を実施しております。趣旨自体は非常によい取り組みかと思っておりますが、私自身は、都がこのような取り組みを実施していることを、大変恥ずかしながら昨年知りました。
そこで、東京都では、現状どのような事業を展開しているのか、改めてお伺いをいたします。
○坂田青少年対策担当部長 心の東京革命は、親と大人が自覚と責任を持ち、みずからが手本となりながら、次代を担う子供の正義感や倫理観、思いやりの心を育み、人が生きていく上で当然の心得を伝えていこうという取り組みでございます。
都では、家庭や地域などでの具体的な取り組み指針を示した行動プランを策定するとともに、家庭でのしつけについての講演会やグループワークの実施、アドバイザーの育成などを行っております。また、青少年育成団体と心の東京革命の趣旨に賛同いただいた企業及び都民等で構成する推進協議会と連携いたしまして、庁内各局のイベントに来場した親子に行動プランのリーフレットを配布するほか、小学校などにおいて、トップアスリートがチームワークや困難に立ち向かうことの大切さなどを伝える、あいさつ・ふれあいチャレンジプロジェクトを実施するなど、さまざまな普及啓発事業を展開しております。
○みやせ委員 ありがとうございました。現状の取り組みがわかりました。
しかし一方で、オリンピック・パラリンピックが決定しました今、これまでと同様の取り組みを続けるだけではなく、これを好機と捉え、普及啓発のさらなる推進を行っていくべきだと考えております。例えば挨拶一つとってみましても、子供自身が外国人に触れ合う機会がふえるわけでありますので、英語はもとより各国の簡単な挨拶を覚えてもらうなど、しつけやスポーツを通じて国際的な視野を向上させる要素などを加味することなどは検討いただけないでしょうか。
また、オリンピック・パラリンピック開催に向け、スポーツに対する注目はますます大きくなっておりますが、剣道や武道に見られますように、子供たちの礼儀や他者を思いやる心などを育んでいくのに、スポーツの持つ力を活用することは非常に有効であります。
そこで、オリンピック・パラリンピック開催決定を踏まえまして、今後どのように心の東京革命の普及啓発活動を展開していくのか、都の所見をお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 オリンピック・パラリンピック競技大会の成功には、開催都市として東京を訪れるアスリートや観光客を温かくもてなすことが不可欠でございまして、その際、子供の公徳心や思いやりの心を醸成していく心の東京革命の果たす役割は大きいものがございます。
大会成功を目指して、心の東京革命の理念を一層普及させていくためには、スポーツ機運の盛り上がりを活用いたしまして、普及啓発事業にスポーツの持つ力を大いに取り入れるとともに、子供を育成する親や大人への働きかけも重要となります。
このため都では、心の東京革命普及啓発事業において、新たに子供のスポーツ指導者に対しまして、技術の向上だけではなく、礼節や規範意識の育成を意識した指導を促すための研修を実施するほか、子供の憧れとなりますオリンピアンなどのアスリートによる、あいさつ・ふれあいチャレンジプロジェクトを拡充するなど、これまでの取り組みに加え、スポーツの持つ力を取り入れ、活性化を図っていく予定でございます。
また、これらの事業を実施する際には、子供だけではなく、その親や周囲の大人に対しても参加を呼びかけ、心の東京革命の理念の普及を図る努力をしてまいります。
○みやせ委員 ありがとうございました。二〇二〇年に向けたオリンピック・パラリンピック開催を受けての要素を拡充していただけるとのご答弁をいただきました。
しかし、ただいま答弁にありましたチャレンジプロジェクトの課題の一つとして、そういったイベントに参加できる子供の数には限りがあるということであります。
私の地元板橋区の小学校にも、オリンピックの金メダリストである体操の米田功さんや、サッカーの日本代表を長く務めましたジュビロ磐田の福西崇史さんなど来ていただいたようでありますが、子供たちにとっては、世界で活躍したトップアスリートとの触れ合いや直接話が聞けるということは、一生忘れられない貴重な体験になっているかと思います。
しかし一方で、平成二十年から平成二十五年度の間に、例えば板橋区内で実施された件数はわずか三件であります。当然トップアスリートは限られておりますので、実際にアスリートが都内各校に来ていただける確率が相当低いと聞いております。
そこで、アスリートの訪問回数や学校間の格差解消に向けて、都は今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 あいさつ・ふれあいチャレンジプロジェクトは、参加した児童や保護者、実施した学校からも大変好評をいただいておりまして、スポーツの力を活用した心の東京革命普及啓発事業として、意義は十分認められると考えております。
現在、都では、この事業を年間二十回程度実施しておりますが、例年この五倍の百校を超える学校からの申し込みがあるなど、多くの要望に応えるのが困難な状況にございます。
そこで、平成二十六年度から実施回数を年間二十五回にふやすとともに、今後の回数増に対応できるよう、人気アスリートやパラリンピアンにも参加を呼びかけまして、対象となる競技種目の範囲を広げ、参加アスリートをふやせるよう努力しております。
さらに、実施内容につきましても、児童だけではなく、保護者や地域の方々が少しでも多く参加しアスリートに接することで、心の東京革命の理念に共感が得られるようなプログラムの工夫を進めてまいります。
○みやせ委員 ありがとうございました。
プロジェクトのさらなる拡充をしていただけると答弁をいただきました。しかし、やはり二十回から二十五回にふやすなどしても、まだまだ格差は解消されていかないのではないかと推測をしております。
ここからは提案でございますが、例えばトップアスリートだけではなく、地域の商店街の人などに学校に来ていただいて、事業や実体験を子供に積んでもらうのはいかがでしょうか。もちろん、中学生が企業に出向き職場体験を積む、そういった事業を推進している協議会もあると思いますので、そちらや教育庁と連携していただきながら、他者への思いやりや挨拶を推進していく。
例えば、ふだん商店街にあるパン屋さんが学校に来て、パンづくりに対する思いなどを語っていただければ、自然と町でお会いしたときに挨拶するようにもなりますし、また、パンづくりの苦労や努力を知れば、自然と敬意を持つようになるかもしれません。まさに地域コミュニティの再生がうたわれている今だからこそ、地域の大人を巻き込んだ取り組みが必要なのではないでしょうか。挨拶をさせるのではなく、挨拶をしたくなるような環境づくりこそ大切なのではないかと思っております。
次に、都が作成しております行動プランのリーフレットについてご質問いたします。
どんなにつくり込んだ、すばらしいリーフレットを作成したとしましても、内容が読まれなければ意味がございません。小学生の子供を持つ知人に、心の東京革命行動プランを見たことがあるのか実際に聞いてみましたが、リーフレットをいただいた認識が、大変残念ながらございませんでした。
そこで、行動プランのリーフレットの目的を改めて確認させていただくとともに、実際に手にとってもらうには、配り方、またはしっかりと記憶してもらうには、見せ方の工夫が必要だと思いますが、都の所見をお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 行動プランのリーフレットにつきましては、家庭や学校、地域などにおける啓発資料として、庁内各局のイベント等に来場した親子などに配布してまいりました。
しかし、それぞれのイベントに来場した親のしつけに対する意識は一様ではなく、どの程度の関心を持ち、リーフレットが読まれたのかを把握することは困難でございました。このため都では、来年度以降、親としての子供のしつけに対する意識が最も高まる時期の一つでございます小学校入学時に、学校を通して保護者に直接リーフレットを配布してまいります。
また、リーフレットにつきましても、推進協議会のメンバーなどの意見を聞きながら、子供だけではなく、親や大人にも親しみが持て、心の東京革命の理念が確実に伝わるような印象的なデザインなども検討してまいります。
○みやせ委員 具体的に配布の時期を検討していただくなど、ありがとうございました。ぜひ読まれて記憶に残るような仕組みにしていただければと思っております。
今まで、アスリートの体験事業ですとかリーフレットに関しまして聞いてまいりましたが、最後に、こういった取り組みをどうやって世に広く伝えていくのか、お伺いをいたします。
心の東京革命の理念を保護者一人一人に確実に訴えかける取り組みも非常に大切であると思っております。本来であれば、テレビCMですとか新聞、雑誌広告など広告宣伝が非常に有効的かと思いますが、これらには、CMであれば数千万、雑誌であれば一ページ当たり百万以上かかるなど多額な費用がかかってまいります。正直、都で予算化することは難しいと思います。
しかし、都では、既に「広報東京都」を初めテレビ番組などさまざまな広報媒体を持っており、これらは既に年間を通じた予算措置がなされております。これら都の広報媒体を有効活用し、社会全体に対する普及活動をしない手はないと思いますが、都の所見をお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 かつて、限られた回数ではございますけれども、「広報東京都」や東京都提供の番組などを心の東京革命の事業のPRに活用しておりまして、現在でも都のテレビ番組の終了時に毎回、心の東京革命のメッセージを掲出しております。
また、都では、これら以外にも各局事業にかかわる広報紙やポスター、パンフレット、さらには多くの都立施設における広報版など、都民に対する広報を行うさまざまな媒体を有しております。当本部でも、青少年の健全育成だけではなく、交通や治安などのポスターやリーフレットにも心の東京革命のメッセージを掲載しておりますが、今後は、これらも含めまして、都の広報媒体を最大限活用できるよう関係部署にも協力を求め、より幅広く効果的な広報に努めてまいります。
○みやせ委員 ありがとうございました。ぜひ、最近ブームになっておりますゆるキャラなどを作成するなど、メディアに取り上げてもらう機会を持つような工夫をしていってもらいたいと思っております。
最後になりますが、東京でのオリンピック・パラリンピックの開催が決まり、本事業にとりましても本当に大きなチャンスであります。この好機を、しつけや礼儀、国際性の向上など、おもてなしの心につなげていただければと思っております。海外から日本を訪れた外国人が、まず日本で見るのは日本人の表情だと思っております。とりわけ、東京の子供が積極的に笑顔で、子供にその言葉で接することは大きな価値があると思っております。ぜひ本日の質問やご意見させていただいた内容を、区市町村と連携をとりながら推進していただくよう要望いたしまして、質問を終わります。
○両角委員 私からは、少年の立ち直り支援について伺いたいと思います。
警視庁によりますと、二十未満の少年による犯罪、すなわち非行少年として検挙、補導した人数は、ここ数年減少しているとのことであります。
しかし、ご記憶の方も多いとは思いますが、一年ほど前、武蔵野市吉祥寺におきまして、路上を歩いている二十二歳の女性を少年二人がナイフで刺し、金品を強奪するというショッキングな事件が発生しまして、この女性はお亡くなりになっているわけでございます。
このように、少年非行は減少しているとはいえ、こうした悲劇をなくすためにも、少年が非行に走らないようにする取り組みというのは、今後も力を入れていかなくてはいけないものだと思っております。
先ほど、この総務委員会の中には保護司の方も何人かいらっしゃるようで、中屋先輩も長く務められているということでございますが、私も地元の八王子で、平成十一年から保護司を務めておりまして、そうした活動の中で、犯罪を犯した少年をしっかりと立ち直らせることが非常に重要であると、このように感じている次第でございます。
そのためには、地域の理解と行政の支援が必要だということになるわけでありますが、そこでお尋ねをいたしますが、青少年・治安対策本部におきまして、非行少年の立ち直り支援として具体的にどのような取り組みをなさっているのか、お伺いをいたします。
○坂田青少年対策担当部長 犯罪等に陥った非行少年を社会に復帰させる立ち直り支援とは、青少年の健全育成の観点はもちろん、子供を見守ることを通じて地域のきずなを強め、規範意識を身につけさせることにより、ひいては人々の安全・安心の確保にもつながるものでございます。
当本部における取り組みとしては、まず、地域で非行少年を含めた更生保護にかかわる保護司との連携を図るため、非行少年の立ち直り支援に関する情報交換の場として、保護司活動支援協議会を運営しております。
また、地域の方々の理解と協力を得るための啓発活動として、非行少年の保護者や周辺住民向けに、少年の立ち直り支援をテーマとした講演会やシンポジウムを開催しております。
さらに、非行少年の立ち直り支援を行うNPO法人に委託して、少年一人一人に寄り添い、彼らに居場所の提供や就労、就学の支援を行う通称ぴあすぽの事業を行っております。
今後は、既に設置されております子供・若者支援協議会や子供・若者計画の策定を通じて、市区町村や関係各機関と連携し、非行少年のほか、ひきこもりなど社会生活を営む上での困難を抱える青少年の支援を充実させてまいります。
○両角委員 非行少年の立ち直りにつきましては、私の経験からも一朝一夕には実現ができず、容易ではないということは十分に承知をしているつもりでございます。
しかし、犯罪等に陥った青少年の立ち直りというのは、青少年の健全育成という問題だけではなくて、都民の安全・安心の観点からも重要な取り組みであり、今後とも粘り強く努力を継続してほしいと、このように思う次第でございます。
ところで、先ほどの吉祥寺での少年による殺人事件を例に挙げたわけでございますが、この事件の犯人というのは、一人は外国人ということであったと思います。こうした事件以外にも、外国人による犯罪が都内で多発をしていると思われるわけでございますが、そこで次に、外国人による犯罪について伺いたいと思います。
十年ほど前までは、サムターン回しやピッキングといった言葉が大変マスコミをにぎわしておりまして、慌てて鍵を交換するなどという人も多かったと思っておりますけれども、当時、こうした犯罪の背後には、外国人の窃盗団が暗躍しているというようなことがいわれておりました。今では、そうした犯罪に接することもめっきり少なくなってきたわけでありますが、そこで確認をしたいと思うんですが、都内の外国人による犯罪状況の推移というのはどうなのか、伺いたいと思います。
○五十嵐治安対策担当部長 警視庁の資料によれば、平成二十四年における外国人の検挙件数は六千三百八十五件であり、平成十五年における検挙件数である一万六千二百四十九件と比べて九千八百六十四件、率にして六〇・七%の減少となっております。
○両角委員 この十年間、外国人による犯罪というのは大変大きく減ったということがよくわかりました。
しかし、昨年実施をされました都民生活に関する世論調査によりますと、都政に関する都民の要望事項の中の第二位というのが、この治安対策であります。さらに、その要望の具体的内容では、外国人の犯罪防止というのが第三位となっております。
都民が外国人犯罪に対して不安を感じるその背景には、さまざまな要因があると思います。入国管理局によりますと、いまだに六万人以上の外国人の方が我が国に不法滞在しているということがありまして、その多くは東京などの都市部に住んでいるわけでございます。都民の多くには、こうした不法滞在者の存在が犯罪の温床になりかねないのではないかという懸念があるんではないかとも考えるわけでございます。
そこで、青少年・治安対策本部が行う不法滞在外国人対策とはどのような取り組みなのか伺いたいと思います。
○五十嵐治安対策担当部長 不法滞在外国人を減少させるためには、警視庁及び入国管理局による取り締まりに加えまして、その生活の糧となる不法就労をさせない環境づくりが重要でございます。
そこで、当本部では、警視庁、東京入国管理局、市区町村などの関係機関と連携し、外国人の不法就労を防止するための街頭キャンペーンを今年度は都内で九カ所行いました。また、不法就労外国人が多く雇用されている業種の事業主を中心に、不法就労を防止するための啓発講習を今年度は五十回開催することとしております。さらに、事業主に対して不法就労の防止について直接働きかけるため、関係機関と連携して事業所を訪問し、外国人を雇用する際の注意事項などを解説した外国人労働者雇用マニュアルを配布するなどして、外国人の適正な雇用を宣言する事業所づくりを行っております。
○両角委員 外国人犯罪のさらなる減少を図るため、引き続き不法就労をさせない環境づくりを推進していただきたいと思います。
ところで、報道によりますと、最近、外国人の留学生が不正に入手をしたクレジットカード情報で商品を購入したり、あるいは不正送金された現金をATMから引き出すなどの犯罪に加担をしたとして逮捕される、そんな事案が発生をしているとのことであります。
不法滞在者だけではなくて、こうした留学生に対する対策も必要ではないかと思うわけでございますが、本部の取り組みを伺います。
○五十嵐治安対策担当部長 当本部では、留学生が犯罪に巻き込まれないよう、また犯罪に加担することのないよう犯罪の防止を呼びかける広報啓発物を作成して、都内の日本語学校など三百二十九校に配布するとともに、都内の学校に赴いて、留学生に対して、犯罪に加担しないよう注意喚起のための講習を行っております。また、こうした活動を通じて、警視庁が行う不法就労活動防止のための説明会への参加も促すなど、関係機関と密接に連携した取り組みを行っております。
○両角委員 啓発あるいは説明会等、多岐にわたる対策をとられているということでございました。理解をするところでございますが、外国人観光客に対するビザの緩和や、あるいは二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会などの開催を控えている中で、来日外国人のさらなる増加が見込まれるわけでもありまして、今後、外国人も含め、あらゆる人々が安全で安心で暮らすことのできる社会を構築することが必要であり、それは東京都の責務である、このように思うところでございます。
今後とも引き続き、外国人対策を切れ目なく推進していただくことを要望いたしまして、私の質問を終了いたします。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十二分散会
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