総務委員会速記録第二十一号

平成二十五年十二月十七日(火曜日)
第十五委員会室
午前十時開議
出席委員 十五名
委員長伊藤こういち君
副委員長小山くにひこ君
副委員長高木 けい君
理事田中 朝子君
理事川井しげお君
理事清水ひで子君
徳留 道信君
両角みのる君
島田 幸成君
東村 邦浩君
村上 英子君
鈴木 章浩君
長橋 桂一君
中屋 文孝君
宇田川聡史君

欠席委員 なし

出席説明員
知事猪瀬 直樹君
知事本局局長中村  靖君
次長武市  敬君
理事遠藤 雅彦君
理事猪熊 純子君
総務部長河内  豊君
自治制度改革推進担当部長奥田 知子君
政策部長池田 俊明君
総合特区推進部長瀬口 芳広君
総務局局長中西  充君
総務部長榎本 雅人君
人事部長内藤  淳君
選挙管理委員会事務局局長森 祐二郎君
監査事務局局長松井多美雄君
監査担当部長仁田山芳範君

本日の会議に付した事件
知事本局関係
報告事項(質疑)
・知事の資産等報告書の訂正について

○伊藤委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、知事本局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより知事本局関係に入ります。
 昨日に引き続き、知事にご出席いただいております。また、関係する総務局、選挙管理委員会事務局、監査事務局の理事者にもご出席いただいております。ご了承願います。
 これより、昨日に引き続き、報告事項、知事の資産等報告書の訂正についてに対する質疑を行います。
 本件について、十二月十一日以降、委員会で要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○河内総務部長 当委員会にて要求のございました資料について、ご説明させていただきます。
 お手元に配布しております総務委員会要求資料(十二月十七日追加提出分)をごらんください。
 昨日の総務委員会で新たに追加要求のございました猪瀬直樹個人事務所関係の資料及び未提出であった各局提出分の資料につきまして、本日追加配布してございます。
 現段階で未提出の資料につきましては、整い次第、委員会へ提出させていただきます。
 以上で説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、傍聴人の方々に申し上げます。
 傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って、静粛に傍聴を願います。傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。委員会傍聴規則等に違反する場合には、退場を命ずることがありますので、念のため申し上げておきます。ご協力を願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 短時間で明快に答弁されるようお願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、挙手の上、委員長の許可を得た上で発言されますようお願いいたします。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○小山委員 私から、知事の資産等報告書の訂正について、再度質疑をいたします。また、関連する選挙運動費用収支報告書についても、お伺いをしたいと思います。
 冒頭、先週十二月十日に行いました私の質疑におきまして、知事が五千万円を授受した後の行動について、二度にわたって確認をしましたところ、議員会館を出た後は自宅に帰ったと、繰り返し答弁をされておりました。
 その答弁内容が、資料要求をした途端に変わってしまったということに対し、甚だ遺憾であり、知事には、議会や委員会での答弁がいかに重いか自覚をしていただき、責任を持って臨まれることを強く求めたいと思います。
 また、昨日までの質疑を通じた知事の説明では、いよいよ疑惑は深まるばかりであります。改めて、知事には真実を語っていただきますよう、お願いをいたします。
 まず、十二月十日に質疑をいたしました五千万円を授受した後の行動について改めてお伺いするとともに、なぜ変わったのか、お伺いさせていただきます。

○猪瀬知事 質問の焦点を絞っていただくと、十二月十日に銀行をあけたということについてですか。

○小山委員 知事、よくお聞きをいただきたいと思いますが、先般、質疑をさせていただいたときに、十一月の二十日に、議員会館で金銭を授受した後、その後、知事はどうされましたか。ほかに寄られたところはないんですかとお聞きをしましたところ、自宅にそのまま帰りましたと、そういうご答弁をいただいたんです。
 私は、その質疑を二回繰り返し、知事に確認をいたしました。なぜならば、その後の行動が非常に疑問が多かったからであります。
 そこで、知事は、そのまま自宅に帰られたということを答弁されたわけであります。その答弁が、なぜか、この資料要求をした後に変わられたわけです。この変わられたことに対して、改めて今回はこの委員会の場で、その後の行動についてご説明をいただきたいということと、なぜ変わったのかということをお聞きいたしております。

○猪瀬知事 質問の趣旨がわかりましたので、お答えいたします。
 十一月二十日に帰ったということについてでありますが、十一月二十日に麻布に寄って、そして町田に帰ったというふうに訂正したわけですね。それは、十二月十日に真っすぐ帰ったと僕は思っておりましたが、麻布に寄って、そこで専門委員と打ち合わせをして、そして、その後、自宅に帰ったというふうに訂正させていただきます。(「何で訂正したんだよ」と呼ぶ者あり)理由は特にありませんが、専門委員と来週のスケジュール等、打ち合わせをしておく必要があったからでありまして、もう一つは、洋服を持ち帰らなければいけないということがありました。
 そこで、専門委員と打ち合わせをして洋服をうちへ持ち帰るということで、十二月二十日が直行だと思っていましたが、直行ではなかったと。ただ、気持ちの上では真っすぐ帰ったというつもりで、記憶で答えたということです。
 その十二月二十日の件はそういうことでありますが、それがあたかも何か、そこで殺人事件のアリバイみたいな形の報道がありましたけれども、普通に寄って帰ったということにすぎないわけであります。
 それからもう一つ申し上げますが、十二月--十一月から十二月にかけて、そして、次の年の五月の下旬ぐらいまでは、町田で暮らすという形になりましたので、それで仕事が終わると麻布に寄って、町田に帰るというふうに行動が大分変わりました。
 なぜならば、知事になってから行事が多くて、毎日毎日服を着がえたりネクタイをかえたりしなければならないという、そういうことで家に帰って、家内といろいろと次の日の準備をしたりしなければいけない、そういうことを今思い出してお伝えしているわけであります。
 以上です。

○伊藤委員長 知事、答弁は簡潔にお願いいたします。

○小山委員 これはですね、本当におかしな話なんですよ。五千万円という大金を授受した後の行動、それが、知事、覚えていないはずがないわけです。
 五千万円という大金をですよ、手にして、そのまま自宅へ帰られたのか、それとも事務所に寄られたのか、そんな記憶がなくなるということはあり得ないんです。
 改めて、私は、二回にわたって確認をしたのは、そういう点について、知事にもう一度よく思い出していただこうということもありまして、丁寧に二回お聞きしたわけであります。
 そのときのお答えは、はっきりと、自宅に帰られたといわれたわけです。気持ちの上ではないんです。事実をお答えくださいといって、自宅に帰られたとお答えになられたわけです。それが、このように変わった理由、何もないとおっしゃられましたけど、違うんじゃないですか。何かはっきりとした理由があるから、あのタイミングで変えられたんではないですか。お答えをいただきたいと思います。

○猪瀬知事 小山副委員長は、虚偽であるということをおっしゃりたいようですけれども、僕の記憶では真っすぐ帰ったというふうに思いましたとお伝えしましたが、一刻も早く家に帰りたいという気持ちがありまして、ただし事務所に寄って、少し打ち合わせをしなければならないということがあったわけです。
 そこで、したがって、タクシーはそこでとめて、おろして、そして公用車に乗りかえて、次の日の支度を考えて帰ったということで、それは記憶の違いでありました。それ以上のものは何もありません。

○小山委員 今のお答えは、二つの点で大きな問題があります。
 一つは、前も申し上げましたけれども、この都議会の本会議や委員会での答弁をするに当たって、十分な確認と準備をした上で行っていただきたいということを申し上げました。
 それはなぜかというと、この都議会の本会議や委員会の場というのは、議事録にしっかり残って、それは公式の発言として残るわけであります。その答弁によって、我々は今回の知事の説明責任を果たしていただこうと、このようにして委員会を設けているわけでありますから、それが二転三転するということはあり得ないわけです。こういった点で、議会に対する本当に不誠実な対応だといわざるを得ないわけであります。
 そして、もう一点は、答弁が、まさしく変わってないかのごとく、今もお答えになっております。ここは改めて、その答弁が間違っていたと、前回の答弁は間違っていたと、私どもから見れば、それは虚偽の答弁を承ったということになるんですが、そういったことをなぜ、知事はこの場でお話しになられないんですか。改めて聞きます。

○猪瀬知事 真っすぐ帰ったと思ったというふうにお答えしまして、虚偽の答弁をするつもりでは全くありませんでした。

○小山委員 結果としてですね、知事はそうおっしゃるかもしれませんけど、これは虚偽の答弁になるんです。そういった事実になってしまうんです。
 ですから、私は再三再四、知事には十分確認をしていただいて、その上でお答えをいただきたい。そして、一つ一つ丁寧に、時系列で確認をさせていただいているんです。ぜひ、きょうの質疑についても、まさか、今後二転三転することがないように、もう一度それぞれ確認をさせていただきますので、しっかりお答えをいただきたいと思います。
 事務所に寄られたことは、これまで五千万円の金銭を知っているのは、知事と知事の奥様だけだと、そういった答弁、この答弁の信憑性にも大きな疑義が生じました。
 そこで、事務所にはどなたがいらっしゃったのか、改めてお伺いをいたします。

○猪瀬知事 まずは、廣野専門委員と打ち合わせをして、その時間も長くはないです、十五分か二十分ぐらいです。そして、あすのスケジュールの確認をして、そして服を一着運ばなければいけないというふうなことで、麻布の事務所に寄ったわけです。
 したがって、今、虚偽の答弁、虚偽の答弁といいますけれども、廣野専門委員と打ち合わせをしているわけであって、それが、あたかも五千万円と結びつくようなおっしゃり方をされましたが、それは全く関係ありません。

○小山委員 では、なぜ、当初から答弁の中で、そういうお答えをいただけなかったのか。それは、あえて残念であるということを申し上げておきたいと思います。
 そこで今、廣野専門委員のお話が出ましたけれども、廣野専門委員以外、その事務所にはどなたもいらっしゃらなかったんですか。

○猪瀬知事 麻布の事務所の玄関のところで話をしたので、奥に誰かいたかいないかは確認していません。そのくらい短い時間で打ち合わせをしました。
 どっちにしろ、奥に誰かいたとしても、そのかばんを見ることはありません。

○小山委員 昨日承った答弁と異なりますけれども、改めて確認をします。
 どなたがいらっしゃいましたか。

○猪瀬知事 どなたがいたかは覚えていないんですが、とにかく服を一着とりに行って、そして玄関でお話をして、そして急いで帰ろうというふうな、そういう状態でありました。

○小山委員 きのうの答弁では、事務所のスタッフがいたようなご答弁をいただいておると思いますが、その点どうですか。

○猪瀬知事 いたかいないかはわかりませんが、いたとしても、話はしておりません。

○小山委員 私が聞いたのは、いらっしゃったかどうかということをお聞きしているんです。その次の話はまだお聞きしておりません。いらっしゃいましたかということをお聞きしているんですが、お答えいただけますか。

○猪瀬知事 現在の記憶の限りでは、いたかいないかわかりませんが、それは確認して、何しろ一年以上前のことですから、確認してみます。確認してお答えいたします。

○小山委員 これも残念ながら、きのう私どもが承った答弁と異なっております。これは非常に残念なことです。
 もう何度も、知事にこういったことを聞かねば、真実が出てこない。そしてそれが真実かどうかさえもわからない。本当に、これは、この総務委員会を開いている意味がなくなりますよ、知事。まあ、結構です。
   〔猪瀬知事「いいですか、ちょっと。本筋とどういうふうに関係あるのかよくわからない」と呼ぶ〕

○伊藤委員長 知事、委員長の指名を受けてから発言を願います。今、小山副委員長の発言中です。

○小山委員 これはですね、知事、一つ一つ事実を確認させていただいて、知事の、このいろいろ疑惑を持たれていることに対して、都民や国民に対してしっかり説明責任を果たすということで、この委員会は設けられているわけです。
 そのために、知事が、きちっと、一つ一つ、時系列で、事実も丹念に、この委員会でお示しをされて、そして説明をされて、都民の疑惑を晴らしていく、あるいは議会の我々に対してもしっかり説明を果たしていく、そういったことが大事であるということで設けられているわけです。
 そういった点で、私どもは、一つ一つ確認をしていることについて、何でそんなことを聞かれるんですかと問われること自体、大変問題であると、私は思います。
 さて、ではその間、五千万円、この五千万円は、どこにどうされていらっしゃったんですか。この事務所を訪ねられたとき、五千万円はどうされていたのか、お聞きしたいと思います。

○猪瀬知事 もちろん、タクシーに載せてあったわけですから、タクシーからおろして、そして、スケジュール表その他、服と一緒にかばんを公用車に入れかえて、そして家に帰ったわけです。

○小山委員 知事、今のご答弁ですが、もう一度伺いますが、五千万円の入った、きのうお示しをいただきましたけれども、あのバッグの中に入れてタクシーに乗られて、その後、五千万円を事務所の中で、どこにどうされていたのかということをお聞きしました。

○猪瀬知事 すぐに車に乗りかえて、十分、二十分の打ち合わせですから、車に乗りかえて入れかえたということにすぎません。

○小山委員 もう一度お聞きします。五千万円の入ったバッグをお持ちでした、知事は。恐らくそれは肌身離さず持っていらっしゃったんだと思います、大金ですから。その五千万円を持って事務所に入られて、玄関で、先ほどのご答弁のように、専門委員の方とお話をされました。その後、洋服を奥にとりに行かれたということでしたけれども、その間、この五千万円の入ったかばんをどうされたんですかと。ずっと肌身離さず持っていらっしゃったのか、それともどこかに置かれて、その間に用を足されたのか、どうされていたのかということをお聞きしたんです。

○猪瀬知事 玄関の脇に置いてあったわけです。

○小山委員 これもきのうの答弁と全く違います。きのうの答弁では、たしか事務所内にある机のその場所に置かれてあったというふうなご答弁をいただいていたのが、きょうは玄関の脇に置かれた。五千万円がですよ。こんなに所在が変わるんですかね。ますます知事がこれまでお答えいただいていることの答弁の真偽が怪しくなってまいりました。これは質疑をすればするほど知事のおっしゃっていることに本当に真実があるのか。全く私は、残念ながらちょっと信用ができなくなってまいりました。
 では、この前聞いた質問を改めてもう一度確認したいことがあります。
 自宅に持ち帰られた五千万円、これを数えられたと先日の委員会質疑の中でもお答えいただきました。改めて伺います。この五千万円を数えられたのは、知事ご自身ですか、それとも奥様ですか、それともお二人で数えられたんですか、その点をお聞かせください。

○猪瀬知事 かばんから取り出して数を確認しました、妻と二人で。

○小山委員 その際に五千万円の帯封、きのうもありましたけれども、百万円ずつの帯封でしたか、それとも一千万円まとまっての帯封でしたでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

○猪瀬知事 その辺ははっきり覚えていないんです。

○小山委員 これも大変おかしいと思うんです。百万円の束で、百万円の帯封でされていたら、それは五十束あるんですよ。それが一千万ずつであれば五束しかないんです。それを数えていらっしゃったのが知事と奥様ということであれば、それははっきりわかるんじゃないですか。もう一度お聞きをいたします。

○猪瀬知事 案外記憶がないものなんです。ただ、百万円の帯封だったかもしれませんよ、それは。一千万円じゃなくて、百万円のやつを並べた可能性が高いと思います。

○小山委員 これももう一度、知事、よおく思い起こしていただいて、きのうの答弁もありますので、もう一度確認をさせていただきたいんですが、思いますということではなくて、その百万円の束で間違いありませんね。

○猪瀬知事 一〇〇%間違いありませんとはいえませんが、百万円の束だったと思います。

○小山委員 これがですね、申しわけありませんけど一万円とか二万円とか、その数の話であれば、確かに私自身も考えてみると、そういうときなかなかそれがどうであったかという記憶をたどるのは難しいことがあると思います。しかし、五千万円という大金、それもきのうあったように紙袋に入れてあって、それを出されて、そして数えられたと。この中で、百万円だったか一千万円だったか。百万円の束だったかはっきり覚えていないということはあり得ないと思うんですけれども。
 そこは知事、これは、この委員会では真実を丁寧に思い出していただいて、そして、お答えをいただく場として設けております。ぜひもう一度、知事、思い起こしていただいて、お答えをいただけますか。

○猪瀬知事 繰り返しになりますが、百万円だったと思います。それはどういう形をしていたのかはっきり覚えていないんですけれども、とりあえず、五十個あったということだから、百万円の束ではないかと思います。

○小山委員 では、翌日、この五千万円、誰がどのようにして貸し金庫にお預けになられましたか。

○猪瀬知事 うちの妻が八十二銀行に預けに行きました。そして、預けて帰ってきました。

○小山委員 奥様が預けられて入れられたことに対して、知事はどの段階でご報告というか、お話を受けられたんでしょうか。

○猪瀬知事 多分、夜遅く仕事で帰ってくるので、きょうこういうことがあったよという報告を受けたんだと思います。

○小山委員 今の中で、その五千万円については知事から奥様に頼まれて、奥様がその翌日五千万円を貸し金庫に預けられ、そして、その話をその夜にされたということでよろしいですか。

○猪瀬知事 それでいいと思います。

○小山委員 それでは、次に、事務所には、これもきのうのご答弁ですけれども、会計責任者の部屋に金庫があるとお話になっておりました。どこにどのような金庫がおありになるんですか。

○猪瀬知事 会計責任者の部屋の奥の一隅、一番隅の方にこのくらいの金庫です。とても五千万円が入るような金庫じゃない小さな金庫があります。

○小山委員 この金庫の管理でございますが、会計責任者の方だけでしょうか。それとも、知事も管理をされていらっしゃいますか。

○猪瀬知事 この金庫は暗証番号がついておりまして、その暗証番号で僕もあけることはできます。

○小山委員 その暗証番号をご存じなのは、知事と会計管理者の方、このお二方だけということでしょうか。

○猪瀬知事 本人と会計責任者と、多分妻は知っていたかもしれません。

○小山委員 この会計責任者でございますけれども、きょうご提出いただいた資料の中にもありますし、また、この収支報告書。政治団体や確認団体の会計責任者でもある豊田佳美さんということで間違いありませんでしょうか。

○猪瀬知事 豊田佳美と申しますが。

○小山委員 つまり、この豊田佳美さんは、知事の事務所であるオフィスイノセ、それから知事の資金管理団体であります猪瀬直樹の会、さらに確認団体であります東京を輝く都市にする会の三つの組織の会計責任者であるということに間違いはありませんでしょうか。

○猪瀬知事 そういうふうになっていると思います。

○小山委員 では、この事務所にある金庫は、この三つの組織の金庫として使用されているんでしょうか。それとも、オフィスイノセだけの金庫でございましょうか、教えていただきたいと思います。

○猪瀬知事 これは、もう会計責任者に任せてありますので、そのあたりについては、本人に確認してみたいと思います。

○小山委員 そうすると、この金庫は三つの組織かもしれないし、オフィスイノセかもしれないし、それはこの豊田さんしかご存じないということですね。改めて確認させていただきます。

○猪瀬知事 全部任せてあります。

○小山委員 この豊田佳美さん、知事選挙においてはどのように、どのような役割、会計責任者、同じように会計責任者を務められていたんでしょうか。

○猪瀬知事 会計責任者をやっていたと思います。

○小山委員 それでは、次に、この要求しました資料に基づいてお伺いをいたしたいと思います。
 ここで、昨日の質疑からも委員会に示された資料の信憑性に問題がありました。また、本日示されたこの資料。このように全く黒塗りでご提出をいただいている。非常にこれは知事の私ども委員会に対する答えがこういう答えなんだなということを非常に残念に思います。
 また、こちらにありますね。(猪瀬知事「何の資料ですか、それは」と呼ぶ)これは--先に進めます。一応申し上げておくのは、こういった資料、要求資料をきちっと知事も目を通していただきたいというふうに思います。
 そこで、この資料の中で、実はいろいろ私も拝見をしましたら、書かれていることにそれぞれ客観性が乏しいんです。なぜならば、これは第三者による資料ではなくて、まさしく、これは知事なのか、知事の聞き取りを得て局がつくられた資料なのか。
 実は、私どもが申し上げておりましたのは、第三者による客観的な裏づけのある資料の提出をお願いしたいと思っておりました。今回示された資料で客観性のある資料というのは、このようにタクシーの領収書であるとか、知事、副知事の日程や公用車の記録など、こういったものに限られております。ぜひ第三者による客観的な裏づけのある資料を委員会に提出していただきますようお願いしておきたいと思います。
 さらに、昨日報告がありましたとおり、調製中の資料というのがあります。これは、知事が、この委員会、本会議や委員会の中で繰り返し述べられていた生活不安との答弁に関する、まさしくそれを裏づけする資料ばかりでございます。ぜひその資料の速やかな提出を求めておきたいと思います。
 そこで、まずこのタクシーの領収書についてでございますが、先日の質疑でも知事から確認しておきますとの答弁をいただきました。改めて確認をさせていただきますが、十一月六日の徳田虎雄氏との面会、十一月十四日の徳田毅議員、木村三浩氏との会食、そして十一月二十日の議員会館における五千万円の金銭の授受に使ったタクシーは、この領収書を見ると、同じタクシーであるというふうに思われますが、これに間違いはありませんか。

○猪瀬知事 タクシーは同じタクシーです。タクシーは、確定申告用に領収書をとっておきますので、タクシーの領収書があったということです。

○小山委員 この個人タクシーとの関係についてでございますが、知事はどれくらい前から、この利用をされていらっしゃるんでしょうか。

○猪瀬知事 正確には覚えていませんが、五年、六年ぐらいは使っているかもしれませんが、その後、このタクシーは廃業いたしました。

○小山委員 今廃業されたというのは、この利用されていたタクシーが廃業されたということですか、確認をさせてください。

○猪瀬知事 このタクシーは、今は廃業してやめちゃいました。

○小山委員 これは、今廃業されたというのは、いつおやめになったんですか。それをお聞かせください。

○猪瀬知事 余り本筋と関係ないと思いますが、この時点では、タクシーを使っていました。その後、一年か二年後に廃業したというふうに聞いております。もう連絡がとれなくなりましたので。

○小山委員 一年か二年後とおっしゃいますが、二年後というのは、まだ来ていないんですが、どういうご答弁なのかもう一度お伺いしますが、知事がこの方、廃業されたというふうにおっしゃられました。廃業されたということは、当然聞かれたときがいつごろであるかというのは、おわかりになりますよね。それはいつだったんでしょうか。

○猪瀬知事 多分、知事になってから前後ぐらいに廃業されたと思います。

○小山委員 それでは、先ほどお答えいただいた中から、これまで五、六年前からこの個人タクシーの方とは懇意になって、よく使われていたと。
 改めて確認なんですけれども、この廃業されるまでの間、私用で使われるタクシーというのは、この個人タクシーの方を使われていらっしゃったんですか。

○猪瀬知事 場所にもよりますが、割と麻布から出発する場合には、このタクシーを使うことが時々ありました。

○小山委員 先日の質疑でも触れましたけれども、十一月六日の徳田虎雄氏との面会の際に、このタクシーにお乗りになって、そして、その車には木村三浩氏が同乗されていてということのご答弁がありました。この木村三浩氏が同乗されていたのは、行きと帰りのどこからどこまで、大体で--多分恐らくこれははっきり覚えていらっしゃるかどうか、なかなか難しい質問だと思いますので、どれぐらいご一緒に乗られていたんでしょうか。

○猪瀬知事 そのタクシーの領収書に書いてある期間同乗していたということになると思います。

○小山委員 それでは、この提出をいただいたとおり、行きは有明から鎌倉、そして帰りは鎌倉からご自宅まで一緒に木村氏は同乗されていたということでよろしいんですか。

○猪瀬知事 自宅の近くにおろしたということです。

○小山委員 今多分、帰りのご答弁のところの自宅というのは、この自宅というのは、知事の自宅でしょうか、それとも木村三浩氏の自宅でしょうか。

○猪瀬知事 僕の自宅ですが、多分僕の自宅の近くの駅におろしてあげたんだと思います。

○小山委員 それでは、続いて公用車の記録について伺います。
 先日の質疑でもこれも申し上げましたが、金銭の授受において十一月六日、十四日、十九日、二十日が知事の行動として最も問われている日でございます。この四日間の公用車の記録というのは、確認していただけましたでしょうか。

○猪瀬知事 こちらに提出資料はあるんですか。

○小山委員 提出をいただいておりますけれども、知事は確認をされておりますか。

○猪瀬知事 今手元にあれば確認できますけれども。

○小山委員 知事、今のお答えも非常に残念なお答えだと思います。これはあのとき、先般の委員会で提出した、提出される予定の資料。特にこの四日間については、ぜひ確認をお願いしますということを申し上げておきました。そして、資料も提出をされております。その資料を知事がごらんになっていらっしゃらないというのは、これは論外だと思います。本来ならば、この資料を十分確認していただいた上で、その上でご答弁をいただくのがこの委員会の場であるはずです。
 もう前提が、もう残念ながら整っていないことに、もう本当に--知事、この場は、知事の説明責任を果たす場ですので、ぜひお願いしたいと思います。
 そこで今、今確認をしていただいておりますが、このうち公用車を使ったのは、十九日と二十日です。そこで、これもそうですが、昨日の質疑の答弁に誤りがあると思います。十九日の午前中に徳田毅議員からかかってきた電話は、どこで受けられたとお答えになりましたか。そのお答えは、たしか麻布、そこで受けられたようなご答弁をいただいておりましたけれども、もう一度確認をいたします。どこでお受けになられましたか。

○猪瀬知事 麻布から出かける前だと思いますが、麻布のオフィスだと思います。

○小山委員 今ごらんになられましたか。これは十一月の十九日ですが、この資料の中を拝見しますと、十一月十九日月曜日、この時間を見ると、午前中は多分自宅にいらっしゃったんでしょう。そして、十二時半から車に乗られて都庁に三十四キロかかっていらっしゃると。これは自宅ではないんですか、もう一度お聞きします。

○猪瀬知事 これを見ると、自宅から都庁に向かっているということになるのかな。その車の中で電話をかけたということになりますかね、そうしますと。

○小山委員 非常に残念です。今のお答えも多分違うと思います。先日伺ったのは、十九日の午前中に電話がかかってきた。さらに、きのうの質疑の中では、たしか十一時ごろといっていらっしゃいましたかね、電話を受けたと。そうすると、これはどう見てもご自宅にいらっしゃったとしか思えない資料なんですが、その辺の、本来こういった資料を確認されて、その上でご答弁に立たれるのが知事としての責務だというふうに思いますけれども。(猪瀬知事「これを見ると」と呼ぶ)知事、結構です。

○伊藤委員長 まだ小山副委員長の発言中ですので。

○小山委員 もうこういう質疑のやりとりを都民の方が見ていらっしゃって、どう思われるかです。この五千万円のために都政は停滞しているんです。重要課題も山積している中で、この委員会の質疑を行っているんです。そういった点を、知事自身のこの答弁や姿勢で何度も何度も委員会を開かなければいけなくなっている、このことを重く感じていただきたいと思います。

○猪瀬知事 これを見ると、電話をかけた時間は余り変わっていないわけですね。場所が違っているだけで。

○小山委員 私は、そういうことをお聞きしているんではなくて、知事がこの答弁席に立たれるときには、事前に資料を確認して、そして、はっきりと都民に対して、つまびらかに説明するために事実を一つ一つ丹念に確認をしていただきたいと。そして、これは先日の委員会でも、知事には何度も申し上げたことです。なぜなら、今多くの都民が知事の説明に納得していない。この間の世論調査でも八五%の人が納得をしていないという数字が出ていました。こういう数字が出ているということ、本当に残念でなりません。
 改めて、次のこの借り入れた……(「電話は午後なんだよ」と呼ぶ者あり)では、改めてもう一度確認をしますけれども、知事、この資料を見て、ごらんになって思い出されることがあるかもしれませんが、電話を受けた時間、電話を受けた場所、もう一度お答えをいただけますか。

○猪瀬知事 この前お話ししたように、十時過ぎぐらいに木村三浩氏から電話があって、十一時ぐらいに徳田毅氏から電話があるというふうな事実関係については、場所はちょっと違いますけれども、携帯で受けていますから、それは変わりません。

○小山委員 場所は違うわけですよね。改めて確認をしますが、場所は先日お答えいただいたのと違って自宅であったということでよろしいんですね。

○猪瀬知事 公用車の記録を見れば、自宅になるということになります。

○小山委員 もう答弁がこれほど変わるということ、本当に残念というか、もうそれ以上の言葉が実はないんですが、これまで長年私も議会活動を続けて、首長の方から答弁をいただく機会もありましたけど、そんな答弁をいただいたことありません。実に残念です。
 次に、受け取られたお金のこの五千万円、十一月十四日で、この会食の際に何のために出されるのかということについても改めて確認をしたいと思います。なぜなら、二転三転されておりますので、十一月十四日、この会食のときに、この五千万円の話、このことについても改めてお聞かせください。

○猪瀬知事 十一月十九日の話、十一月二十日の話、そして次に十一月十四日の話と、こういうふうなことですね。
 十一月十四日については、これは公用車は使っていないということです。十一月十四日の夕方に、少し僕がおくれぎみで行きましたところ、徳田毅氏と木村三浩氏が会食している、そこに僕がおくれて加わったというふうな、そういう記憶はあります。

○小山委員 この間の十四日の件は、たびたび各委員の皆さんからも質疑がありました。その中でいろんな答弁がございましたけれども、この十四日のところだけは本当に不可思議な話がずっと続いているんです。
 この十四日のときに、徳田毅議員と木村三浩氏と、そして知事の三人で選挙についての資金、この資金について、どのようにするかが話し合われて、最終的に十九日の話、そして二十日の五千万の金銭の授受につながっているんではないですかと、この前も十一月六日からの時系列で一つ一つ確認をさせていただきましたけれども、そうではないんですか。改めてお伺いします。

○猪瀬知事 十四日の話については、前にもお話ししたというふうに思っておりますが、十四日は木村氏と徳田毅氏が都知事選の話題をしていまして、一億円だとか、そういう話題を振って、お互いにしゃべっているということをよく覚えております。
 そして、そのときに僕は三千数百万円で都知事選をやるつもりですというふうな話をしました。それから、ただし、これから先、どんな候補者が出てくるかわからないので、その後の生活、つまり、うちの事務所は三千万円か四千万円で回っていますから、四千万円ぐらいで回っている事務所で、突然副知事の給料もなくなり、そして仕事もすぐに回復できないと困るだろうというふうな生活の不安については、説明しました。
 そういう中で、木村三浩氏は、そしたら、そういうことであれば徳田毅さんに対して、猪瀬さんにお金を貸してあげたらどうかというふうな会話も出ていました。
 大体、そのところぐらいです。

○小山委員 今お答えいただいたように、こういうときの話は非常にすらすらと答弁をされるんです。(「しかも微妙に狂っているんだよ、前の答弁と」と呼ぶ者あり)本当に先ほどの一連のやりとりと今のやりとりの対比を見て、どう都民の方が思われるかです。
 私は、この選挙資金、この五千万円が選挙資金に実質は資するため、そのために使われた、あるいは結果としては使わなかったのかもしれません、知事がおっしゃるように。
 しかし、これはあくまで選挙のための資金ではなかったんですかということを何度も伺っております。それは客観的な一つ一つ丹念に時系列に確認していくと、これはあくまで選挙のための資金であったと。そう客観的にはいえるわけです、状況的にも。ただ、知事はそれをずっと否定し続けられておる。
 しかし、もう一度お答えを求めたいと思いますけれども、きのうもありましたけれども、三千万円という自己資金がなくなったら、この五千万円を選挙のために使うつもりはなかったんですか。そのことをもう一度お聞きします。

○猪瀬知事 きのうも答弁させていただきましたが、三千万円プラス七百万円の確認団体、あと若干通帳に余裕がありましたので、何とかこれでやっていけるだろうというふうに考えておりました。そういう相場観は、石原前知事の特別秘書をやっていました兵藤さんから大体そのくらいだろうと、今までの実績はと。そういうふうに聞いておりました。
 だから、繰り返しますが、それはそれとして、その後どうするのかなというふうなことについての不安があったということです。

○小山委員 その答弁のきちっと論拠となる生活不安については、今回要求した資料の中に一つも入っておりません。示されておりません。これを速やかにお出しをいただきたいと思います。
 そして、この五千万円、知事はそのように答えておりますけれども、この五千万円があったからこそ安心できて、翌日二十一日に立候補の表明につながったんではないですか。お聞かせください。

○猪瀬知事 直接つながってはおりません。なぜかというと、選挙費用について、徳田氏からお金を借りたというふうに、うちのスタッフは誰も思っておりませんから、誰も知らないんです。僕が個人的に借用してきたことは妻しか知りませんので、それが選挙のこれからの活動にどういう影響を与えるかについては、全然それはインプットされていないということになります。

○小山委員 知事は、生活不安ということをいわれておりました。この五千万円を受け取られて安心されたということにならないんでしょうか。
 もう一回伺います。五千万円を、知事が答弁されているのはですよ、借り受けて、これによって安心されたんではないですか。

○猪瀬知事 それは生活不安から解消されたという、そういう気持ちにはなりました。

○小山委員 不安が解消されたということですよね。その不安が解消されたということが、この翌日の立候補表明につながったんではありませんか。そのことを聞いているんです。

○猪瀬知事 翌日の立候補表明というのは十一月の二十一日のことですが、立候補の予定というのは、十一月二十日に僕の本が出ることになっておりましたので、十一月二十日に立候補したら、それは選挙違反になってしまうので、直球でつくらせて、十一月二十日に本が出ると。じゃ、本が出た翌日に立候補表明をするというふうに、ぎりぎりのところで考えていたんです。だから、今の話と余り関係ありません。

○小山委員 今新たなご答弁が一つ出ました。この本の話が出ました。しかし、その本が出たことも、本が出たこともですよ、基本的には、ご自身の収入になるわけです。そういったもろもろのいろんな安心感があって、選挙をこれで戦えるという確信が持てたから、二十一日立候補されたんではないんですか。もう一度聞きます。

○猪瀬知事 いろいろと整合性を無理に見つけようとしても無理だと思うんです。十月の下旬ぐらいからいろんな準備を始めて、じゃ、本はいつ間に合うのかとか、スタッフはいつどこで用意するのかとか、そういうふうなことをばたばたばたばたやっていて、そして、あちこち挨拶回りはどこ行けばいいかとか、そういうふうなことに追われているうちに、要するに、本が二十日付だから二十一日に立候補するかというふうになっていったということなんです。

○小山委員 この五千万円という資金は、この間ずっと確認をしていますように、十一月六日に徳田虎雄氏のところに行って知事とやりとりした中で、最終的に票と献金、つまりお金。このために応援の依頼に行って、それが十四日、十九日と通じて、最後二十日受け取られた。必要に応じてこれは選挙のためにも使える、そういう資金として実は受け取っていると。こういうふうに我々は思わざるを得ないというわけです。
 それを知事が違うんだということを説明される場として、今回この委員会が設けられ、説明責任を果たしていただこうと、さまざま要求もして資料も出していただいているのに、先ほどまでの質疑のやりとりの中で、全く知事の誠実な答弁、姿勢というものではなく、二転三転するような、そういった答弁に終始してしまっている。このことに、私どもは大変遺憾だということを改めて申し上げたいと思います。
 さらに、貸し金庫の五千万円についても同様です。十二月十日の私の委員会質疑において、五千万円を十一月二十一日に貸し金庫に入れた後について、次のような質疑のやりとりをいたしております。
 そのやりとりは、私から先ほどお聞きしたのは一切手を触れていない。つまり、最初見たとき帯封がされていて新札があって、それをそのまま貸し金庫に入れて、そのまま返されたと。一切その間、手を触れたり、そのお金が変わったりするようなことはありませんねと、そのことをもう一度お聞きしますと聞きました。知事はそのとき、全くそのとおりですと、そうお答えをいただきました。
 しかしながら、昨日の提出資料や答弁の中で、五月十日に八十二銀行青山支店から横浜銀行つくし野支店に五千万円を移動させているじゃありませんか。つまり、先ほど紹介した十二月十日の知事の答弁は、これはうそだったということでありますね。

○猪瀬知事 これは何度も説明していることですが、十二月ぐらいから僕の生活の中心が町田市になりました。そして、一月、二月、三月、四月、五月、ほとんど町田市に帰るという状態になりました。それは、夕食も、あるいは服も着がえたりいろんなことで妻の世話にならなければいけないので、結局……(発言する者あり)これ大事な話ですから。それで、五月までずっとそういう生活になりましたので、あえて遠い青山に置いておく必要はないだろうと二月四日に借金を返済しようと考えていたものがずるずる延びているから、五月にとにかく近くに置いて、できるだけ早く返そうというふうなことで金庫を移したわけです。
 その後、五月二十六日に妻が病気で倒れてしまいましたので、それはもとのところに置いておけばよかったんだが、結局、それは結果論であって、五月十日に移して、早く返そうとしていたという、そういう動機は全く変わっていないわけです。
 以上です。

○小山委員 これも私は二回確認しているんです。一切手を触れていないですねと。それに対して、そのとおりですと知事にお答えいただいたんですよ。先週の話です。それが今週になって、全く違うじゃないですか。
 十二月の十八日、そして二月一日、さらには五月の十日。五月の十日については移動しているということですから、一切手を触れていないということはあり得ないわけです。そのときの答弁を見ると、そのまますぐ一切手をつけずに返したと知事答弁されているんです。これも本当に答弁が異なっております。
 さらに、先ほども申し上げましたけど、先日の答弁と異なる事実として、この八十二銀行青山支店に預けられていたときの十二月十八日と二月一日に利用履歴がある資料が出てまいりました。これまでの答弁からも知事の奥様が知事の指示もなくあけたということでございますけれども、改めてお聞きをいたしますが、知事が奥様に何らかの指示をされたんではありませんか。

○猪瀬知事 先ほどから手を触れていないという意味について誤解されているようですが、手を触れていないというのは、お金を使っていないという意味で手を触れていないということであります。

○小山委員 これは、世の人が見てへ理屈というんじゃないでしょうか。
 今お聞きしたのは、知事、奥様に何らかの指示をされましたかという質問をしたんです。何らかの指示をされたんではないですかと、改めてお伺いします。

○猪瀬知事 何らかの指示はした記憶はありません。

○小山委員 今記憶にありませんということですが、何らかの指示をしていないと知事はおっしゃるわけですが、先ほどの、最初に預けられたとき、知事が奥様に指示をして、そして奥様が翌日預けられた。そして、その報告もその夜にされた。そういったご答弁をいただいているのに、この十二月の十八日、二月一日、こんな大事な五千万円、知事が何の指示もしなく奥様が行って、何も知事に報告されなかったというんですか。おかしいんじゃないですか。
 もう一回聞きます。知事は何らかの指示をされたんではないでしょうか、お聞かせください。

○猪瀬知事 十二月十八日は都庁の登庁日でありまして、特にお金の問題について指示する、そういう理由はありません。
 それから、二月一日に、もし指示があるとしたら、二月四日の会合の前に確認しておいた方がいいだろうということになると思いますが、その指示をしたかどうかの記憶はありません。

○小山委員 奥様が行かれた十二月十八日と二月一日、これも非常に大事なんです。なぜなら、この間、一切知事は、先ほどもいったように手をつけていないというのがもし使っていないという意味であれば、この十二月十八日と二月一日に奥様が行かれている。この利用履歴は、もしかしたら使っている可能性がある。もしくは、それ以前の段階で使われていて、新たに何らかの入金、あるいは出金をした、そういった可能性も出てくる。それがこの二日間なんです。
 改めてお伺いしますが、知事、先ほどのご答弁と相違はないということでよろしいんですね。

○猪瀬知事 想像でいわれても、答えようがありません。

○小山委員 これも知事は今の段階、そのようにお答えですから、今後新たなまた資料、さらには、ほかの参考人招致などを通じて、もし違う答弁が出てきたら、これは大変なことになりますからね。そのことだけ申し上げておきたいと思います。
 そして、最後に、この選挙運動費用収支報告に関して、昨日の川井理事の質疑にもありましたが、十二月十五日の読売新聞報道に対する猪瀬直樹事務所、鈴木氏から出されたこのファクスについてお伺いをいたしたいと思います。
 まず、このファクスについて、知事はどのような説明を受けられましたでしょうか。

○猪瀬知事 選挙運動の収支報告書については、鈴木特別秘書に全部任せてありますので、読売新聞の記事が何か間違っているということで、彼がそこに連絡して、それから各メディアから電話がかかってきたので、彼が一人で全部それを対応しておりました。それについて、それ以上、僕は知りません。

○小山委員 昨日、川井理事からも質問がありましたけれども、その後も何ら確認をされていないんですか。あれだけの質疑がなされていながら、その後、何の確認も、あるいは鈴木特別秘書から、そういうお話、一切ないんですか。

○猪瀬知事 鈴木特別秘書に聞いていただきたいと思います。

○小山委員 知事、私は知事にお聞きしたんです。知事は、そういうことを報告を受けたり、あるいはきのうの質疑の後、質疑の後、そういったお話を受けられましたかと聞いているんです。だから、それは鈴木さんに聞く話ではなくて、知事がお答えをいただく話です。お願いします。

○猪瀬知事 この委員会の質疑でずうっと時間をとられていて、休憩時間にわずかに会話があったのみで、詳しく話している時間はありませんでした。

○小山委員 では、この確認をしたいと思いますが、ここにある鈴木氏、きのうもお話がありましたけれども、特別秘書の鈴木重雄氏で間違いありませんか。

○猪瀬知事 その紙は、鈴木特別秘書が書いた紙です。

○小山委員 この紙は、鈴木重雄氏が書かれた紙であると。そして、ここに当然、ですから鈴木と書かれているのは、特別秘書の鈴木重雄氏だと思います。
 そこで、昨日の答弁でもありましたけれども、選挙の実務、この全てというのは、この鈴木氏がとられたんでしょうか。このことについて教えていただきたいと思います。

○猪瀬知事 選挙の収支報告書はきちんと提出されております。それは、鈴木特別秘書が事務局長として整理したものであります。

○小山委員 今、選挙の事務局長というお答えでしたけれども、選挙事務に携われて、選挙の中心的な役割を担われていたんですねということをお聞きしたんですが、どうですか。

○猪瀬知事 いろんな意味で、鈴木特別秘書が選挙の中心にいました。

○小山委員 その鈴木氏の選挙での役割について、もし知事がご存じのことがあれば、恐縮でございますが、できる限り詳細に教えていただけますでしょうか。

○猪瀬知事 候補者というのは、あちこち挨拶に回ったり、歩き回ったり、演説したりしているわけですけれども、選挙事務所にはたくさんのボランティアや、あるいは事務スタッフがいて、慌ただしく、忙しくみんな仕事をやっています。そういう風景を鈴木氏を中心にやっていたというふうに覚えています。

○小山委員 先ほどお答えもいただきましたが、このファクス、鈴木氏が出されて、鈴木氏が選挙実務を担われて、中心的な役割を担われていたとありますが、このファクスの記載の中に、運動員に対する報酬の支払いについては、親族三人でお手伝いいただいた方があり、その支払いは代表者に対して三人分の報酬をお支払いし、代表者の方がほかの二人の方の同意をいただき、代表して署名捺印をいただきましたと書いてありますけれども、これも鈴木氏が行ったということで間違いありませんか。

○猪瀬知事 最終的には鈴木さんですが、いろんな人に順番にやっていきますよね。人がいっぱいいますから。そういうところで、誰がどう払ったかということについては、最終的に鈴木さんのところに集計されていくということでありまして、細かいことについて一つ一つは僕にはわかりません。

○小山委員 知事、鈴木氏がそのことを、先ほどお答えの中にもありましたけれども、十分承知をしているということでよろしいんですよね。要は、選挙の実務を、役割を担われていたわけですから、このことについても十分鈴木氏が承知していて、その上でこのファクス文書を書かれたということで、よろしいんですよね。

○猪瀬知事 それで結構です。

○小山委員 これは大変実は大きな問題をはらんでおります。
 この親族の三名の方、恐らくこの収支報告書にある。ここでもう出されていることですから、もちろん、個人の方のプライバシーなども尊重しながら、ここで申し上げなければならないんでしょうが、--(二字削除)--さんという方であろうと思います。
 このお三方に恐らくここに書かれているように、報酬の支払いについてはという文章は、このお三方を指すんだと思うんですが、まず、この報告書の中では事務員として登録がされております。選挙のための事務員登録です。事務員には、当然費用を、報酬を支払うことができます。しかし、こちらの記載の中には運動員と記載されております。運動員には報酬を支払うことができません。もし、報酬を支払えば、運動員買収ということになります。運動員買収ということになれば、組織的な管理者である鈴木氏の責任が問われ、知事が連座になることもあります。
 ここで改めて伺いますが、この--(二字削除)--氏、実はお三方いろいろ報道等で、新聞等に掲載がされておりますけれども、事務員登録をされているにもかかわらず、恐らくこのお答えの中のビラ配りをされたりというようなことの記載があります。これビラ配りというのは、有権者に対する投票依頼の活動、つまり選挙運動と。運動員ということになります。
 これは実は非常に大きな問題をはらんでいるという。それをわざわざ鈴木氏がこういう書き方をして、ファクスを出されているわけです。
 もちろん、この中には、報酬を支払っていない、もらっていないというご答弁もありますので、こういう取材もありますから、これは、--(二字削除)--氏三名それぞれから聞かなければ実はわからないことです。しかし、--(二字削除)--氏、この三名をもしお呼びして選挙運動と当然同義のことをされていて、もし、報酬を支払っていたら、その時点で鈴木氏は問われることになります。さらに、知事においても連座の対象になります。
 そういった大きな問題がこの中には含まれているということを、ここで申し上げておきたいということと同時に、私は、この件に関しても鈴木特別秘書、さらには--(二字削除)--氏も含めた、これは大変恐縮でありますが、大変大きな問題でありますので、--(二字削除)--氏、この三名の参考人招致をぜひ今後の委員会の中で求めていきたいというふうに思います。
 これまで質疑を通じて知事は再三にわたって本会議、委員会で、私からすると虚偽と受け取られるような答弁をされてまいりました。さらに委員会に提出いただいた資料の信憑性にも疑義が生じております。
 このような知事の姿勢では、到底、都民、国民の理解を得られないばかりか、私はますます不信へつながっていくんだというふうに思います。
 また、知事の二転三転する答弁や対応によって、この委員会として何度も説明を求めるほかなく、このことによって都政が著しく停滞をされており、さらに重要課題についても大きな支障が生じております。
 改めて申し上げますが、知事には第三者の客観的な資料の提出を求めると同時に、委員会として参考人招致を行うことによって、知事の答弁の真偽と真相を解明し、もって都民への説明責任を果たしていただくよう、これは強く強く求めまして、私の質疑を終わりたいと思います。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午前十一時十七分休憩

   午前十一時四十三分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 知事に申し上げます。
 ただいまの質疑におきましても、答弁がかみ合わない部分がございました。どうか質問をよくお聞きいただきまして、答弁は明確に、また誠実に、そして責任あるご答弁をいただきたい、このように思います。
 また、資料要求に基づいた質問を各委員が行いますので、資料についてもよく目を通していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 また、議会軽視とならないよう、お気をつけていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 ここで、小山副委員長より発言を求められております。

○小山委員 先ほど私が発言をいたしました民間人三名のお名前に関して、取り消しをお願いしたいと思います。よろしくお取り計らいをお願いします。

○伊藤委員長 ただいまの小山副委員長の発言にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○両角委員 それでは、引き続きまして私から質疑をさせていただきたいと思います。
 ただいま理事会におきまして、答弁について、正確を期して誠実に対応していただきたいという申し入れがございましたので、ここからは、また知事の誠意のある答弁を期待させていただきたいと思います。
 まず初めに、先ほど、今回資料提供いただいておりまして、さらに各委員の皆さんからの質疑がございますので、それを踏まえるような形で質問させていただきたいと思いますが、初めに選挙運動費用の収支報告書に関連して、何点か伺わせていただきたいと思います。
 今回、この場で知事にご発言を求めましても、この件に関しては、詳細はちょっと不明であるというようなご答弁なので、ご答弁がいただけるかどうかということはちょっと定かではないんですが、しかしながら、先ほど小山委員からもご指摘があったように重要な問題でもありますので、私からまずは、報告書に事務員ということで、報酬が十七万円、何人か載っているということでありますが、これは実際には支払いがされているのか、いないのか、この部分をわかればお聞かせいただきたいと思います。

○猪瀬知事 細かいことについては僕はわかりませんので、この支払いの領収書がここにあるということで、これが支払われているんだろうというふうに理解していますが、それ以上のことはわかりません。済みません。

○両角委員 読売の、昨日委員会でも出されました十二月十五日の記事では、支払われているという方がもらっていないという、そんなような記事も載っておりますし、一方では、収支報告書には、支払っているという形で出ているわけでございます。
 もう一点だけちょっと確認をさせていただきたいんですが、これも知事、候補者ご本人ということで、詳細はつまびらかではないかもしれないんですけれども、新聞では、この活動内容につきまして、ビラ配りや街頭演説の際の交通整理などをこの方々がやられているというふうに出ているんですけれども、その部分については承知をされていますでしょうか。

○猪瀬知事 その部分についても、候補者としては知りません。

○両角委員 なかなか候補者として詳細まで把握ができないのかもしれないんですが、しかしながら、これにつきましては、先ほど来、問題が指摘をされているような重大な点でございますので、今後、この責任者としてやっていただいている鈴木秘書とよくこの事実確認をしていただきたいと、このように思います。
 続いて、今度は貸し金庫とお金の移動についてお伺いをしたいと思います。
 昨日、資料をいただきまして、その資料の中で、この貸し金庫について、今まで明らかになっていなかった貸し金庫が、この資料で明らかになりました。一つは、貸し金庫をご自宅のそばにある横浜銀行のつくし野支店、こちらに一つ、従来から借りていたと。もう一つは、この五千万円を預ける専用として、十一月の十九日に八十二銀行の青山支店に貸し金庫を契約したと。さらには、途中でこの八十二銀行については契約を打ち切って、横浜銀行のつくし野支店の貸し金庫のサイズ変更、五千万円が入る大きなものに変えたと。
 そんなような経過が、昨日の委員会で明らかになったわけでございますが、そして、この貸し金庫への入出庫の記録でありますが、八十二銀行の青山支店につきましては、十一月二十一日に、まず、この受領した五千万円を入れて、そして、それを五月十日の日に、横浜銀行のご自宅のそばのつくし野支店の大きくなった金庫にそのお金を移動したと。そして、九月二十五日に返却をしたというような流れとなっているわけでございますけれども、その中でも、昨日もございましたが、八月の二十四日、奥様からそのキーを、権限を得て、代理人と一緒にあけたということについては、実はこの資料にも漏れていたということでもございましたが、そこで、今の経過を踏まえて何点かお伺いしたいと思います。
 まず、一点でございますけれども、この二〇一二年の十一月二十一日、前日に知事が徳田毅さんから五千万円を受領して、そして麻布の事務所に寄られて、公用車で、夜、自宅に帰ってきて、そして先ほどのお話では、奥様と一緒にその数を確認したというものを、翌日の二十一日にこの貸し金庫、青山支店の方に入れているということでございます。
 ご答弁によれば、これは奥様が入金をしたということなんですが、まず一点目、この奥様が貸し金庫に入金をしたという時間なんですが、これは何時ぐらいかわかりますでしょうか。

○猪瀬知事 時間についてはわかりませんが、昼間だったと思います。

○両角委員 ちょっと確認をしたいんですが、この貸し金庫の利用記録というのは、時間も確認ができるものなんでしょうか。

○猪瀬知事 今回確かめたときには日付だけ確認できましたので、時間が確認できるかどうかについては、銀行に問い合わせてみないとわかりません。

○両角委員 時間が確認ができるのであれば、このそれぞれの利用の日の時間についても資料を提供いただきたいというふうに、まずは述べさせていただきます。
 この十一月二十一日は、まさに知事がその前日に五千万円を受領して、この二十一日の日は、知事の出版の翌日ということで設定をされて、出馬表明をやられた日であります。副知事を五年五カ月やってきた責任を重く受けとめているという知事、当時の猪瀬副知事が、石原後継として正式に名乗りを上げた日でございますが、この十一月二十一日の出馬の表明というのは、何時ぐらいにどこでやられていたんでしょうか、知事が。

○猪瀬知事 都庁に記録があると思いますけれども、わかりません。

○両角委員 これ、選挙に出る人間にとっては、出馬の会見というのは大変な節目で、ある面、かなり気を入れて、こういうことをやるんだということで、初めて公に表明をする場でありますから、なかなか記憶から消えるということはないと思うんですが、何でこういうことを伺ったかというと、例えば奥様がこの出馬の会見に一緒についてきてくださるとか、そういうケースもあると思うんですね。そこら辺のご記憶はいかがでしょうか。

○猪瀬知事 もうてんやわんやでしたから、このときの記憶ってほとんどないんですね。

○両角委員 なかなか選挙の経験というのは強烈で、みずからの経験でいえば、選挙と結婚式ぐらいしか、自分が主役、人生の主役になれるときがございませんから、そういった意味では、なかなか記憶をお忘れになるというのは、にわかには信じがたいんですけれども、それではもう一つ、このお金が実際に五千万円という、きのう五キロほどの重さになるということでありましたけれども、それを実際には一度、八十二銀行から、ことし五月の十日に一回出して、それを今度、つくし野の銀行の貸し金庫に移したということでございます。これも奥様が移されたということで答弁をされているわけなんですが、これは大体五月十日の何時ぐらいに、八十二銀行の方から出されて、そして何時ぐらいにつくし野の貸し金庫に入れられたんでしょうか。

○猪瀬知事 昼間だと思います。

○両角委員 多分、五千万もの大金でありますから、その感覚というのは、出したらすぐにそのままつくし野の支店に入れかえるということになるんではないかと思うんですが、こちらについても、この時間のわかる記録を示していただきたいと思います。
 ところで、奥様は、ご答弁によりますと、電車で行ったのか何で行ったのはちょっと定かではないということなんですが、車の運転というのはされていたんでしょうか。

○猪瀬知事 車の運転はしますが、近くのスーパーぐらいまでの運転という車の運転です。

○両角委員 そうすると、自家用車で運んだということではないという理解でよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 そのとおりです。

○両角委員 この後、その女性のスタッフの方がまた出勤のときの件もあるんですが、この五千万という大金を一人で女性が持ち運ぶというのは、常識的には、大変これは危なっかしいことだなと、こんなふうに私は感じるわけなんですが、知事はこれは大変ちょっと危険ではないかなと思われなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 余り考えていませんでした。

○両角委員 例えば、誰かちょっと付き添いみたいな方をつけて、サポートをしてあげるべきじゃないかななんていうふうには思われなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 きのう示しましたが、普通のかばんですから、普通のかばんを持って歩いている人はいっぱいいますから、特に余り考えていませんでした。

○両角委員 普通のかばんの中身が五千万でありますから、運ぶ方とすると気が気でないかなという形であるわけですけれども、余り他の人をかかわらせたくなかったということかなと理解をさせていただきたいと思います。
 次いで、ことしの九月の二十五日、当初のお話ですと、九月の二十六日に、要は徳田秀子さんにこのお金を返したということでありましたけれども、この出金を、お金を貸し金庫、つくし野に奥様が移されて、そこから出したのは、誰が何時ぐらいに出したんでしょうか。

○猪瀬知事 九月二十五日のお話ですね。(両角委員「そう」と呼ぶ)九月二十五日にうちの会計責任者が、横浜銀行つくし野支店からお金を出して……(「時間は」と呼ぶ者あり)時間。それは間に合う時間ということになりますけれども、夕方までに鈴木特別秘書に届けなければ、鈴木特別秘書は夕方ぐらいにアポイントメントをとっているわけですから、それまでに間に合うような形で出金してきたというふうに思います。

○両角委員 それを、その会計の責任者、担当の方が九月二十五日夕方までにつくし野の銀行からお金を出して、それを鈴木特別秘書にはどのような形で、何時ぐらいにお渡しをしたんでしょうか。どこで。

○猪瀬知事 それについては余り詳しく聞いておりませんが。

○両角委員 このずっとお金を返すということが知事は気になっていたと。早く、一刻も早く返したいと。ただ、いろいろ公務があったり、日程が詰まっていて、そういう機を逸してしまったというご説明であったわけですけれども、この九月二十五日、ご本人に返しましたよという報告は、その日のうちにどなたからもらったんでしょうか。

○猪瀬知事 都議会の代表質問の日で、終わって、その後かその翌日に、お金は返したよという報告を受けていると思います。

○両角委員 それはどなたからでしょうか。

○猪瀬知事 お金を返したというのは、鈴木特別秘書から聞いています。

○両角委員 続いて、この女性のスタッフの件に関して伺いたいと思うんですけれども、きょうの資料で、金庫をあけた女性スタッフの名前ということで資料提供をいただいております。この確認なんですが、まず貸し金庫の代理人としてあける権限を持つことができたのは、この女性スタッフであるというようなことでよろしいかということを、まず確認させていただきたいと思います。

○猪瀬知事 うちの家内の件で苦労しましたので、つまり貸し金庫は、一人だけしか鍵を持っていないと手続が大変になるということがわかりましたので、今回は、自分は忙しいので、僕が貸し金庫の所有者になりますけれども、何かあったとき困るので、代理人というものをつけて、かわりに貸し金庫をあけてもらえるような形をつくったというのは、今回の反省から生まれたことです。

○両角委員 その女性スタッフは、実際に借用証が事務所に郵送をされてきて、開封をした、その人物と一緒であるかということと、それを貸し金庫に預けた方と一緒ということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 貸し金庫をあけられるのは彼女だけです。

○両角委員 借用証の開封もこの方がやられたということでよろしいんですか。

○猪瀬知事 それはうちのどのスタッフがやったかわかりませんが、彼女が判断して貸し金庫に入れたということは間違いないですね。

○両角委員 先ほど来のお話で、この方は猪瀬直樹の会、いわゆる後援会で資金管理団体を兼ねている。そして、東京を輝く都市にする会、これは知事の確認団体、さらには選挙の収支報告書の事務担当者であり、会計責任者であると。三つ兼ねているということでございました。そして、猪瀬事務所のスタッフであるということなんですが、非常に選挙あるいは政治活動においても重要な役割を担っていらっしゃって、さらにこのオフィスイノセにおいても、四人、従業員の方がいらっしゃるというような、資料の中ではそういう説明なんですが、知事がかなり信頼をされているのかなと、こんなふうに感じるわけですが、このオフィスイノセにはどのぐらい在職をされていて、信頼を非常にしているということでよろしいんでしょうか。

○猪瀬知事 二十年ぐらい、オフィスイノセにおりますが、ただ、ボランティア活動等もしたりしておりますので、毎日必ずいるとは限りません。

○両角委員 ということは、非常勤ということですか。

○猪瀬知事 常勤のような非常勤のような、そういう状態です。

○両角委員 この方がいろんな局面で大変重要な鍵を握っているといいますか、知事が今まで説明をされてきたことについて、実際その証明を、ある面できるような方かなと、そんなふうに思っておりますので、確認をさせていただいた次第でございます。
 続いて、このお金の返却、二〇一三年の九月の二十五日の件についてちょっと伺いたいんですが、徳田毅氏個人からお金を借りたと、知事はおっしゃっています。その金銭を、お母さんの秀子さんに実際お返しになった。鈴木特別秘書を通してということでございますが、親族であっても別人格でありますから、母親に、Aさんという方に借りたお金をそのお母さんに返すというのは、常識では考えられないわけでありますけれども、毅氏には、秀子さん、お母さんに返すというときに、その旨を事前に、あなたには返せないけどお母さんに返しますからねということを事前に伝えて、了解を得ていたんでしょうか。

○猪瀬知事 それについては知りません。多分、木村さんがそういうふうな連絡役を果たしたのだというふうに想像できますが、それ以上のことはわかりません。

○両角委員 今お話をしたように、五千万という大金ですから、実際に血がつながっていても、離れて暮らしている親子であって、そちらの方にいきなり返しても、本人が知らないと、そんなことは承知しないよということも十分あり得るんではないかなと。ですから、ちょっと今の話については、にわかには納得しがたいということがあるわけですが、それでは、事前には定かではないということですが、事後には報告をしたんでしょうか。つまり、徳田毅さんに借りたお金については、お母さんの秀子さんに、何月何日に、九月の二十五日に鈴木特別秘書を通じて返しましたよと、そういうお話をしたのかしないのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○猪瀬知事 借用証がすぐに戻ってきましたので、そういう話をしたんだということだと思います。

○両角委員 今、したんだと思いますということなんですが、伝えたというのは、知事ご本人は伝えていない。どなたが伝えたんではないかと、今おっしゃったんでしょうか。

○猪瀬知事 鈴木から報告を受けているのは、徳田秀子氏に五千万円をお返しして、そして借用証は木村氏の方から、木村氏の方からというのは、木村氏が徳田毅氏の秘書の方から預かってきた借用証を送ってきたというふうに、鈴木から聞いております。

○両角委員 そういう事実というか、そういう形があるので返したんですよというのは相手に伝わっているだろうというような、今、おっしゃい方なんですが、それでは、毅氏が返却をされたということを了解したから、今、借用証が知事のサイドに戻ってきたということでありますけれども、それでは、秀子さんへ返却がなされたという事実については、毅氏さんは、今のお話ですと、伝えたか伝えないかわからないけれども、借用証の行き来でそういうことだということですね。
 そうすると、今の流れを見てきますと、親子、別人格、親子といえども全然別人格で、しかも五千万という大金でありますから、このお金は徳田家という家から借りていたという意識をお持ちだったんでしょうか。

○猪瀬知事 徳田毅さんに借用証を書いたので、お金をお返ししたのは徳田秀子さんであっても、徳田毅さんから借用証が戻ってこないと返したことにならないというふうに思っておりました。

○両角委員 なかなか、そこが一般の常識では通じないというように思うんですね。別人格であるけれども、家として借りたんであればわかるんですが、それではもう一つ伺いたいと思うんですが、徳田家でないとすれば、これは徳洲会から借りていたという認識があったのか、ないのか。

○猪瀬知事 徳田毅さんとお会いして、徳田毅さんからお金を借りたという認識ですから、お返しするときも、本来だったら徳田毅さんに直接お返しするべき流れだというふうに思っておりました。二月四日のときにそれができなかったので、その後ずるずる、ちょっと長くなってしまったというふうな反省をしております。

○両角委員 もしそういうことであれば、ご本人に、実はお母さんに、なかなかお会いできないから渡しますよというような了解を得るのが一般的だろうというふうに思いますので、なかなかこのお話というのは、知事の思いと別に、理解が得られないんではないか、このように感じる次第でございます。
 次に、この五千万円についてお伺いをしたいんですが、実は一部の報道では、東京地検の特捜部が徳田秀子さんのご自宅を家宅捜査したと。その際に、紙袋入りの現金を発見して押収をした、そういうことが伝えられているんですが、その中で、このときに押収された紙幣の一部が封印が解かれ、輪ゴムでとめられていたと一部報道では伝えられております。全く手をつけていなかったというふうに、先ほどは、これは使っていなかったという意味なんですよというご答弁がありましたけれども、その五千万円が徳田秀子さんのご自宅で見つかったときに、そういう状態で、一部帯封が解かれ、輪ゴムどめがされていたものがあったよというような報道もあるわけですが、このような中で、その五千万円の一部を実際に使ってしまってということはないんでしょうか。

○猪瀬知事 その報道を僕も読みましたが、それで、何でそういう状態になっているのか、非常に不思議でした。つまり、何で帯封じゃなくてゴムになっているのかというのは、不思議な感じがしました。

○両角委員 今のは、知事は知らないと、不思議であるというようなことなんですが、それでは、ちょっと観点を変えてお伺いしますが、今、一部でやはりいわれているのが、そういった報道がある中で、五千万円の一部が選挙資金なりに実際に使われてしまって、その穴埋めのために新しい借り入れをされているというような話もちょっと流れてきているんですが、そのようなことはあるでしょうか、ないでしょうか。

○猪瀬知事 五千万円は全く手つかずの状態でした。

○両角委員 そうすると、お金は一銭も使っていないんですよというご答弁であります。
 それでは、知事選が十二月の十六日に、これは終わって当選をされているわけでありますけれども、当選をしてから、実際にこの借り入れたとされるお金を返済したという九月の二十五日、大体、実際にお金を返すまで、選挙が終わってからの間に、知事は新たな個人的な借り入れというのは行っていますか、いませんか。

○猪瀬知事 八月に金庫をあけてから借り入れをしたかということですか。

○両角委員 十二月の十六日、昨年のきのうです。当選をされて、選挙が終わってから、手つかずのその五千万、ありますよね。その五千万を実際に返したとされる九月二十五日までの九カ月余の間に、新たな借り入れを知事がなされているか、いないかということです。

○猪瀬知事 しておりません。

○両角委員 今、この十二月十六日、選挙が終了してから、知事選が終了してから、九月の二十五日、お金を返すまでの間、新たな個人的借り入れはしていないというのが知事の答弁でございました。それは、ここで確認をさせていただきます。
 次に、顧問弁護士さんについて伺いたいと思うんです。
 提出をいただいた資料の中で、顧問弁護士のお名前が出ておりまして、アンプクさんと読むんでしょうか。アンプクケンジ弁護士と読むんでしょうか。東京第二弁護士会所属の先生が顧問弁護士をしているということなんですが、この顧問契約は、いつからなさっているのか伺います。

○猪瀬知事 これ記憶ですが、おつき合いは三十年ぐらいのおつき合いで、都知事になってから、何かちょっとしたいろんなことがあったときに、顧問弁護士として、いろいろお願いをすることがたまにあります。

○両角委員 このアンプク弁護士は……。(猪瀬知事「ヤスフクと読みます」と呼ぶ)安福弁護士は、猪瀬直樹氏の個人の顧問弁護士ということでよろしいんでしょうか。

○猪瀬知事 個人の顧問弁護士です。

○両角委員 おつき合いが長いということなんですが、個人的な信頼関係があるということだと思うんですが、優秀な弁護士だと思われていますか。

○猪瀬知事 それは、大変優秀な弁護士だというふうに思っております。

○両角委員 この安福弁護士に、今回の件に関して、ご相談をされていらっしゃるんでしょうか。

○猪瀬知事 安福弁護士は、今回の件について、あくまでも顧問弁護士の範囲内でお話をしたことはあります。

○両角委員 顧問弁護士の範囲内で相談をされたということは、具体的に、どんなご相談をされて、どんなアドバイスをいただいたんでしょうか。

○猪瀬知事 ほかに小さな訴訟とか、幾つかありますので、そういったものにかかわっているということで、顧問弁護士としての役割を、たまにお会いして果たしてもらうということです。

○両角委員 そうすると、今回の件に関しては、安福弁護士にはご相談をされているということではなくて、他の小さなことを、別件をされていると。であれば、今回の件で、他にも相談をされている弁護士がいるのかどうか伺います。

○猪瀬知事 個人的に何人かご連絡したりすることはありますが、正式に、まだきちんと依頼してはいません。

○両角委員 今回の件について、相談されていることを、具体的に、いつから、どのような相談をされたかということを聞きたいんです。先ほど安福弁護士は、今回は、この件に関しては相談をされていないというようなご答弁でしたので、であれば、今、先ほどちょっとはっきりわからなかったんですが、相談は個人的にというか、されているやのご答弁がありましたので、今回のこの五千万の件に関して相談をされている弁護士というのは、どなたとどなたなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○猪瀬知事 正式にはいません。

○両角委員 そうすると、ビジネスというか仕事ではなくて、友人関係とか、そういう枠の中でアドバイスを得ている弁護士の先生がいるということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 何人かの友人がおりますので、電話で話をしたりすることはあります。

○両角委員 なかなかやっぱり法的な問題に絡んできますので、政治的な問題だけでなく法的な問題をしっかりクリアするには、やっぱり法的知識の専門家である弁護士の先生に相談をしないといけないんではないか、なかなか心細いんではないかと思います。そういった意味で、友人のおつき合いが広いと思いますので、猪瀬知事の友人の弁護士からは、この件に関してどんなアドバイスをもらっているんでしょうか。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○伊藤委員長 傍聴人の方に申し上げます。
 議事の妨害をするようであれば、ご退場願います。

○猪瀬知事 まだ個人的に話している段階で、正式に何かお願いする形にはなっていません。

○両角委員 正式にというのはわかっているんですが、しかしながら、今、代表質問、一般質問、ぶら下がり記者会見、さらには、総務委員会に場をかえて、本当に長時間、傍聴人の皆さんも、委員の皆さんも、そして知事も、職員の皆さんも詰めて、こういうやりとりをすると。そうした中で、やはり法的なアドバイスがないと間違ったことを答えてしまうとか、そこはやっぱり一線をしっかり頭に入れておくべきかなと、それが普通の考え方かなと思うわけなんです。
 十一月の二十二日から、もう一カ月たとうとしているわけでありますから、これは、やはり弁護士のアドバイスというのが何らかあるんではないかというふうにやっぱり思うんです。そこで、先ほど来、猪瀬知事からは、友人の弁護士に、契約という形ではなくて、一般論としてアドバイスをもらっているというような、そんなニュアンスの答弁でありましたが、それはどんなような内容の、こういうことをしっかり気をつけていかなくてはいけないんですよとか、どんなアドバイスがあるんでしょうか。

○猪瀬知事 それは個人的な会話なので、いえません。

○両角委員 そうですよね。弁護士は、アドバイスをして、弁護人として守るということが本来の職務でありますから。
 それでは、私も、もろもろこの委員会出席をさせていただいて、六月、七月に、議会に当選して、いきなりこういう事態に直面して大変戸惑っているわけではございますが、昨日は、猪瀬知事は、若干元気があったかなという感じがしたんですが、きょうは、全く覇気がないような感じもするわけです。そうした中で、今、定例会が閉会後も、この委員会というのがいつまで続くかわからない状況になっています。というのは、なかなか納得が得られていないからだと思います。
 そうした中で、今、都政の課題とすれば、十二月に新しいビジョンをつくりますよっていうことをいわれています。あるいは予算も編成をする。この新ビジョンや予算編成に影響が出ていると思うんですが、いかがでしょうか。

○猪瀬知事 新ビジョンについては、ずっと一年かけてやってきたものでありますから、もうすぐ、ある形に、もうでき上がってきております。ですから、もちろん、これから予算の問題になってくるので大変だと思いますが、できるだけ滞りのないように努力したいと思っております。

○両角委員 滞りのないように努力をされるということなんですが、実際には、いろんな方面で、都政が滞ってしまっているということだと思います。
 さらにいうと、今回の問題というのは、全国展開をする医療法人が政治力を使いながらグループを拡大していくという際に、政界に大量に徳洲会マネーが流れ込んでいるのではないかというようなことがいわれているわけでございます。お金により政治が動かされて、公正公平であるべき医療の分野は許認可等ございますから、その許認可等がゆがめられているんではないかというところが、この徳洲会問題の本質だと思うわけです。
 そして、今、検察が一番重要な関心を寄せているという中には、大物の政治家を含め、徳洲会マネーをもらった政治家リストというのも出回っているというようなことも聞くわけです。
 こうしたお金の一部が、仮に借り入れだとしても、五千万もの大金というものが、選挙のまさに直前、直前に猪瀬知事に渡っていたということに、都民が大きな衝撃と失望をしているというのが現状だと思います。こうした局面の中で、この東京にも、それもトップが、徳洲会マネーに染まってしまっていたということではないかと思います。
 都知事のこの職責というのは大変重いと思うんですが、しかしながら、今、なかなかこの議会とも答弁がかみ合わず、説明責任が十分果たされていると誰も思っていない中で、この混乱が続いていくということは、都民は誰も望んでいないと思います。しかし、我々議会としては、やはり事態が明らかになるように質疑を続けないわけにはいかないんです。しかし、こういう質疑もだんだん事実が、質疑もだんだんうんできて、もう早くどうにかしてくれと、要は都民としては、仕事をしてくれというのが都民の気持ちではないかと思うんです。
 都議会には、そういう責務もあるわけでございますが、十二月の十日のこの席で、私は、今、知事は、もう民意を失ってしまって、民意が基盤の知事が民意を失ってしまって、求心力と発信力を失ってしまっている。だから、東京が抱えるチャレンジングな課題に、もう対応できないじゃないか。だから、みずからの判断で職を辞して、都民の信を問うことがありませんかと聞きましたところ、知事は、そういうことも一つのあり方かもしれないけれど、それについては、今、述べることができないんだというご答弁がありました。
 それでは、今、それから、もろもろ委員会の審議等あって、状況も変わってきているのではないかと思いますが、今こそ、そういう段階ではないかと思いますが、知事の現段階においても、やはりそういう、述べることはできないんでしょうか。

○猪瀬知事 徳洲会病院について、東京都に徳洲会病院があるという認識がなかったと、これは非常に反省すべきことだと思っております。
 それから、徳洲会病院から何か頼まれたこともないし、こちらから徳洲会病院にお願いしたこともないと、そういう中で、五千万円をお借りしたということです。その責任は、とても強く感じております。
 そういう中で、都政が停滞するということが起きている状況が、今、生まれているとおっしゃって、そして、だったらどうするのだというふうにお問いになっているわけです。ですから、それについて、これから何ができるのか、いろいろ考えてみたいと。それは、あなたの求めているものと違うかもわかりませんが、まずは、来年一年間の給与返上ということを、まず、一つは提案させていただきました。
 それ以外に、あなたのおっしゃっているいろんな要望もあると思います。それは、いろんなことを考えて、これから先、臨んでいきたいと思っております。

○両角委員 一年間、これから、いろんな山を越えてやっていくような状況には、今ないと思うんです。ですから、そこを認識していただいて、この委員会を通じて、しっかり理解が得られないということであれば、きちっと出処進退を明らかにしていただくように要望して、質問を終わります。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩

   午後一時三分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田中委員 都議会みんなの党、田中でございます。
 私、この委員会での質疑はきょうが初めてでございますので、ぜひ、ちょっと時間も少のうございますので、端的に、はっきりとお答えいただければと思います。
 まず、五千万円についてお聞きをいたします。
 この基本的なところですけれども、五千万円というのはどういうお金でしょうか。

○猪瀬知事 田中委員の質問にお答えいたします。
 五千万円は徳田毅氏から個人的に借り入れたお金であります。

○田中委員 今、徳田毅さんからお借りになったとおっしゃいましたけれども、これはどちらが持ちかけたんでしょうか。相手でしょうか、それとも、知事ご自身でしょうか。
 借金というのは、どちらかが貸してくれといわない限り成り立たないと思いますので、どちらかをお示しください。

○猪瀬知事 徳田毅さんの方から貸してくれるというふうにいいました。

○田中委員 これは、なぜ五千万円という額になったんでしょうか。

○猪瀬知事 僕にも、そこのところは正確にはわかりません。

○田中委員 それでは、五千万円という額は知事が決められたのではないということですか。それでは、相手が決めたということでしょうか。それでよろしいですか。
 で、この五千万円は、誰のお金を借りたんでしょうか。

○猪瀬知事 徳田毅氏から僕が借りたという形になります。で、徳田毅氏宛てに借用証を書きました。

○田中委員 徳田毅さんのお金をお借りになったということでよろしいですね。
 このお金を貸してくれるということがわかったのは、いつで、そして、何といわれたんでしょうか。

○猪瀬知事 お借りした日が十一月二十日ですから、十一月十九日に電話があり、五千万円をお貸ししますと、ついては議員会館に取りに来てくださいと、こういうふうにお話がありました。

○田中委員 そのお電話のときに、五千万円ですということをお聞きになりましたか。
 この五千万円の借金ですけれども、無利子、無担保、そして無期限、この条件で間違いないでしょうか。

○猪瀬知事 今いわれてみると、無利子、無担保、無期限なんですけれども、借りたときに早く返さなければいけないという認識はありました。

○田中委員 知事のお考えは早く返そう、返そうと、それは何遍もご答弁でもおっしゃられていますけれども、ただ、いつまでということはいわれなかった。ということは、無利子、無担保、無期限、これは誰かがその条件をいったんでしょうか。

○猪瀬知事 特に条件は聞いておりません。

○田中委員 無利子、無担保、無期限というのを、誰かがいわないのに、利子が幾らかもわからない、担保は何も要らない、そして期限もいつまでともいわれない。これは、ちょっとお金の借り入れとしては不自然なような気がいたしますけれども、でも、それでも借用証をお書きになったわけですね。ちなみに十一月二十日です。議員会館に行かれたのは、誰と行かれたのでしょうか。

○猪瀬知事 一人で行きました。

○田中委員 なぜ一人で行かれましたか。

○猪瀬知事 仕事の帰りでした。

○田中委員 一人で来いといわれたのではありませんか。

○猪瀬知事 一人で行ったことは間違いありません。

○田中委員 一人で来いと、どなたかにいわれたのではありませんか。
 徳田さんなのか、木村さんなのかわかりませんが、どなたかに一人で行ってくださいといわれたのではありませんか。

○猪瀬知事 一人で行きました。
 それで、だから、つまり、木村氏と一緒じゃないよということです。

○田中委員 木村氏と一緒じゃないよというのは、ちょっと意味がよくわからないんですけれども、木村さんから、その日の朝お電話があったわけですけれども、僕は一緒に行きませんよとか、そういう具体的な話で、お一人でどうぞとか、そういう感じでおっしゃられたのでしょうか。

○猪瀬知事 木村氏は連絡をしてきた。そして徳田氏から連絡があり、猪瀬さんが来てくれればいいというふうなことでした。

○田中委員 それは、徳田毅さんから、猪瀬さん来てくださいと、いわゆる誰かとは来ないでくださいということでしょうか。(猪瀬知事「そうです」と呼ぶ)そういうことですね。
 この議員会館で五千万をお借りになったわけですけれども、そのときに同席したのはどなたでしょうか。

○猪瀬知事 テーブルのこちら側に徳田毅氏がおり、テーブルのこちら側に僕がおりました。あとは、事務員の方々が少し向こうに見えない形で、直接部屋に入らない形で、一人か二人か三人かわかりませんが、動きがありました。で、向かい合っているのは二人だけでした。

○田中委員 そのお金を直接、現金でおもらいになったわけですけれども、そのときの部屋にいたのはお二人だけ。で、秘書の方々が、外の事務室にいらしたということでしょうか。
 この五千万円ですけれども、これ何度もちょっとお聞かれになっていると思いますが、どのような形で渡されたんでしょうか。

○猪瀬知事 ここに五千万円がありますといって、紙袋を、そんな大きな紙袋じゃありませんでした。で、こう中を見ると、あっ、五千万円が入っているんだなという、そういう感じがわかりました。
 それで、借用証を書いてくれといわれたので借用証を書きました。

○田中委員 今、中を見たとおっしゃったのは、紙袋に入っていた、その紙袋の中をのぞかれたということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 紙袋の中が見えましたということですね。

○田中委員 見えましたというよりも、恐らくお金が入っている、お金はむき出しで入っていたわけですよね。
 それ自体が紙に包まれていたわけではありませんか。

○猪瀬知事 帯封が見えました。

○田中委員 ということは、紙袋にお金はむき出しで入っていたということですね。
 そこで、なぜ知事はお金を数えられなかったのでしょうか。

○猪瀬知事 ここに五千万円がありますといわれたので、数えませんでした。
 そして、五千万円という受け取りを、借用証を書きましたので、疑いを持つことはありませんでした。

○田中委員 普通の方だと、五千万円まずあるかどうか数えて、恐らく相手の方もお数えになってくださいとおっしゃることが普通だと思います。普通、数えて、それで五千万円の借用証を書くのがごくごく普通だと思います。大金ですから、五万円ぐらいだったら見てわかりますけれども、でもそれを、徳田毅さんを信用なさって、で、いわれるままに書式を出されたものに、五千万円、猪瀬直樹とお書きになったということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 前の日にいわれていますので、確認されていると思っていました。

○田中委員 その後、ちょっとさっき小山委員の話の中でも話題になっておりましたけれども、自宅の前に事務所に寄って帰られた。これ、なぜ自宅に真っすぐ帰らずに事務所に寄られたんでしょうか。

○猪瀬知事 先ほどから何度も聞かれていることですが、自宅に真っすぐ帰ったつもりでいましたが、麻布に寄って、うちの廣野専門委員と日程についての打ち合わせと幾つかの書類をもらって、そして、あと着がえの服を、スーツを一着持って、そして車に乗りかえて真っすぐ自宅に帰ったということです。

○田中委員 大変恐縮です。また重ねてお伺いしますけれども、その間、廣野専門委員とお話をなさった。
 もう一度ちょっと、先ほどの質疑にもありましたけれども、お聞きします。
 どこで、何をお話しなさったのか。

○猪瀬知事 麻布の事務所の玄関先で、玄関をあけて中に入ったところで、持ってきた書類とかそういったものを確認して、話し合って、そして、そこからすぐに外に出て車に乗りかえたということです。

○田中委員 それで、さっきもちょっと話に出ましたが、そのお話をなさっている、まあ二十分ぐらいだとおっしゃいましたけれども、その間かばんに入った五千万円はどこに、どうしてありましたか。

○猪瀬知事 足元に置いてありました。

○田中委員 玄関の、立っているところの足元に置いておいた。そしてまたそれを持って、公用車にお乗りになって自宅に帰られたということですね。(「スーツと書類とかばんと持てるのかよ」と呼ぶ者あり)それはお一人でお運びになったんですか。(猪瀬知事「持てますよ」と呼ぶ)その後、自宅に持ち帰って、そして五千万を奥様と数えたということですけれども、その後一晩、ご自宅のどこにその五千万を置いといたんでしょうか。

○猪瀬知事 部屋の隅です。

○田中委員 部屋の隅というのは、寝室か何かですかね。

○猪瀬知事 ごく普通の部屋のリビングルームの隅の方に置いたということです。

○田中委員 以前のご答弁で、泥棒が入ったら困るから、翌日、貸し金庫へ持っていったとおっしゃっていますが、それは、そういった部屋に直接置くしかないから貸し金庫に入れたということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 おっしゃるとおりです。
 セコムに入っていますけれども、やはりそういう大金はうちに置いとくべきでないということで、貸し金庫に入れるということにしました。

○田中委員 翌日、貸し金庫に、町田から青山の支店まで運んで入れたのは奥様ということでしたけれども、なぜご自分で入れなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 銀行関係の業務というか、雑務は一切僕はやっていませんので、妻にやってもらうか、あるいはうちの会計責任者にやってもらうか、そういうことで、自分ではやりませんでした。

○田中委員 先ほどは、奥様しか金庫をあけられないからというようなことをおっしゃったと思いますけれども、この十一月の二十一日というのは、先ほども出ましたけれども、知事選の立候補表明の日です。非常にお忙しいときだと思いますけれども、この借りられたお金というのは、知事がおっしゃるには、選挙後の生活の不安のために借金をなさったということですね。
 選挙に使うお金じゃない、選挙資金ではないのに、なぜこういった最も忙しいときに、前日の夜、わざわざご自分が出向いてお金を受け取りに行ったのはなぜでしょうか。

○猪瀬知事 その日の時間が夕方あいていたので、時間の流れからいって受け取りやすい時間帯、その日のスケジュールのね、それでちょうどよかったので、その日に受け取りました。

○田中委員 その時間帯というのは夕方だと思いますが、その時間に来てくださいといわれたのではなくて、知事の都合のいい時間で結構ですというふうにいわれたんでしょうか。

○猪瀬知事 夕方ぐらいに来てほしいということだったんですが、当時の僕の日程を見ると、昼間あちこち動いて、夕方はある場所にいて、そこから移動するとちょうどいい時間になるなという計算で行きました。

○田中委員 ゼンセン同盟の会合ということでしたか。徳田毅さんから、午前十一時ぐらいにかかってきたお電話のときに、それをいわれたんでしょうか。

○猪瀬知事 時間は、そこでいわれたかどうかはっきり記憶はないんですが、多分そこでいわれたんだと思います。

○田中委員 五千万円を貸すので来てください、借用証を書いてくださいといわれたということは全員が聞いておりますけれども、時間のことは、今初めてでしたのでちょっと一応ご確認をさせていただきました。
 そして、まあ、めでたく当選、四百三十四万票で当選なさいましたけれども、選挙も自己資金の三千万で終わり、この五千万は選挙で使わずに済んだわけでしょうか。

○猪瀬知事 全くそのとおりです。
 ですから、早くお返ししなければいけないなというふうな気持ちがずっとありました。

○田中委員 選挙に使うつもりもあったということでしょうか。

○猪瀬知事 選挙に落選したときに使うお金でしたから、選挙に当選したので使う必要がなくなったので、早くお返ししなければいけないというふうに思いました。

○田中委員 この選挙、当選なさって生活の不安がなくなった、そして、もう先ほどから何遍もおっしゃっていますけれども、早く返そう、返そうと思ったということをおっしゃっています。
 これ、具体的には、早く返そう、返そうと思った、実際返せなかったわけですけれども、翌年の九月まで。でも、返そう、返そうと思っていらっしゃったということで、いつ五千万円を返済しようと、当初思っていたんでしょうか。

○猪瀬知事 最初に選挙が終わった後、もう落選後の生活の不安がないので、その時点ですぐに返そうと思いましたが、年末の予算の査定や、正月のいろんな行事やら、査定やら、いろいろ続きまして、それで一月の下旬に何とかお返しの算段をしようというところで、それが一番最初のチャンスでした。

○田中委員 その一月の下旬というのが、二月の四日に返済方法の相談を徳田毅さんとなさろうということがそれですね。お借りになって初めてその返済を具体的になさろうと思ったのがその二月。
 そのほかに、そういった返済をしようと具体的に動かれたのは、結果だめだったわけですけれども、ありますか。

○猪瀬知事 先ほどもいいましたが、五月の連休明けに、そろそろ返さなきゃと。それまで物すごく忙しかったので、ここで返すチャンスをつくらなきゃいけないと思って、八十二銀行の青山の貸し金庫から、生活の舞台が町田市にずっと移っていましたので、町田市の自宅の近くの貸し金庫に移したということです。

○田中委員 九月二十五日に返却するまで、五千万というのは、最初は青山にあって、五月十日に町田の方に移されたということですけれども、二月から五月の明け、それからその後九月二十五日まで返済しなかった理由は何でしょうか。

○猪瀬知事 これは、休みがほとんど全くないような状態が、一月にロンドンに行き、さらに二月、三月予算議会と続き、四月ニューヨーク、そして五月サンクトペテルブルクと、そういう流れの中で、オリンピックやら、さまざまな行事、いろんな挨拶、あるいは日常の局務報告、こういったものでてんてこ舞いでした。それで生活の中心を町田に移して、そして食事を家で食べられるような形をつくったというのが、そのときまでの現状でした。

○田中委員 ということは、知事は忙しくてずっと返すことができなかったとおっしゃっているということは、知事は、そのころはご自分で返済をしようと思っていらしたのですね。

○猪瀬知事 お会いして、そして、どうもありがとうございましたというふうなつもりでいました。

○田中委員 そして、九月十日ごろに、徳田毅さんに鈴木特別秘書さんが返済を申し入れているということをお聞きしましたが、これは知事は、いつ誰からお聞きになったのか。それをお聞きになっただけではなくて、知事が返済を申し入れてくださいということをおっしゃったのか、どうでしょうか。

○猪瀬知事 五月に金庫を移してから、家内が倒れたので金庫があかなくなりました。そこで、相続の手続等いろいろありまして、ようやく金庫をあけられるようになったのが八月の二十四日、銀行員の立ち会いのもとで金庫をあけて、そこで前の反省から、うちの会計責任者の女性を代理人としていつでも出せるような体制をつくり、そして鈴木特別秘書には、これこれこういう事情でこういうお金があるから、これ以降返済を任せるのでやっておいてくれと、いつも徳田毅さんのアポイントをとるとかなんとかやっていると結局おくれてしまうので、そういうことで以降お願いしましたが、結局、鈴木重雄秘書もブエノスアイレスに行くことになってしまい、そんなこんなでおくれて、いろんな事情が重なり合って、結果的に九月二十五日の返済ということになってしまったわけです。

○田中委員 九月の十七日に東京地検特捜部が徳洲会を強制捜査しています。これはいつお知りになりましたか。そして、知ったときにはどう思われましたか。

○猪瀬知事 九月七日ですか。(田中委員「十七」と呼ぶ)十七ですか、あ、これは、こういう事件が起きたんだなというふうに思いました。で、うちのお金はまだ返していないなというふうには思いましたが、返す段取りを踏んではいましたから、いずれにしろ返さなきゃいけないということですね。

○田中委員 こういう事件が起きたんだというには、ちょっと身近な事件だったのではないですかね。徳洲会グループからお借りになったのではないですけれども、その徳洲会の徳田毅さんからお借りになっていらっしゃるのですから。
 で、二月からそれまで返済していなかった、できていなかったということですけれども、その借金を、この強制捜査の後、ほんの八日ぐらいで返済をなさっていますけど、その理由は何でしょうか。

○猪瀬知事 先ほどいいましたが、八月の下旬に貸し金庫があいて以降、できるだけ早く返せということを指示してありましたが、結局ずるずるずるずるおくれて、その新聞が出てから後になってしまったというのは非常に残念なことだと思っております。

○田中委員 先ほどもちょっとお聞きしましたけれども、知事は、そこの前までは、奥様が亡くなられる前になりますけれども、なるべく自分で返そう、返そうと思われていた節がありますね。忙しかったからなかなかそれができなかった。向こうからキャンセルされたこともありましたけど。
 しかし、この後はこの鈴木特別秘書に任せて、そして結局九月二十五日の返却の際は、知事は、もちろん公務がおありになったからですけれども、お出かけにはなっていらっしゃらない。しかし、その公務以外の、例えば土曜日曜でも返却はできたはずですけれども、それをどうして、知事本人が、その後、強制捜査の後ですね、返済をなさろうとはしなかったのですか。

○猪瀬知事 それはもっともなご質問ですが、その当時の僕の日程を見ていただければわかると思いますが、国体だの何だのいろんなものがずっと続いていまして、時間が全然ありませんでした。
 それともう一つ、八月十日ぐらいに鈴木特別秘書にそういうお金があるんだということを僕が打ち明けましたので、そして貸し金庫の代理人も指定しましたので、あとはもう自分でやらなくても、とにかく返すものは返した方がいいという、そういう体制ができたということであります。

○田中委員 それでも、鈴木秘書が返済の段取りをつけて、そしてお会いになったのが、何度も指摘をされていますけれども、毅さんではなくてそのお母様の秀子さんであった。そういったことは、いつお聞きになりましたか。もうおわかりになっていた、秀子さんにきょうは返しますよということはお聞きになっていらしたのでしょうか。

○猪瀬知事 お金を返してから、返却しましたよという報告を鈴木特別秘書から受けました。

○田中委員 それでは、毅さんじゃなくてなぜ秀子さんなのかということはお聞きにならなかったんですか。

○猪瀬知事 なぜだろうねと思いました。

○田中委員 それで大丈夫なのかということを、その鈴木秘書にはおっしゃったんでしょうか、おっしゃらなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 連絡係が木村三浩氏だったので、木村三浩氏の段取りでやったということで、なぜか徳田秀子氏になっていたということであって、こちらとしてはお金を返したんだから、もう借用証も郵送されてきたんだから、まあ長いこと借りてしまいましたが、気持ちとしては終わったなというふうに思っております。

○田中委員 その段取りをほかの方がなさったということですけれども、それでも、毅さんに借りたはずのお金を、親族でもお母様にお返しして、その上借用証が戻ってきていない、その日の時点では。それは不安ではなかったですか。

○猪瀬知事 お金を返したんだから、そのお金を、まさかごまかすとは思っていませんから、当然借用証は送るということでいわれておりますから、不安は全くないし、そもそもそういう現金のやりとりをした後で報告を聞いていますので、全く心配はしていませんでした。

○田中委員 普通は、借りた人じゃない人に返して、そこから借用証が戻ってこなければ、また、返ってきていないよといわれる可能性があるんじゃないかと普通思うと思いますが、もう一度お聞きしますが、不安ではなかったわけですね。

○猪瀬知事 お金を返したことと借用証が届いたことは、僕にとっては非常に短い期間のことなので、借用証が戻っていればもうそれで十分だというふうに思っていましたので、何月何日何時に戻ったとかという、そういう意識は僕には全然ありませんでした。

○田中委員 またその借用証のことは後ほどお聞きしますけれども、ちょっと話が変わりますけれども、昨年の都知事選の選挙運動費用収支報告書に五千万円の記載がないのはなぜでしょうか。

○猪瀬知事 これは、個人資産として訂正をこの間させていただきましたが、僕が個人として借りているということで、選挙に使うお金ではないということで、鈴木特別秘書に一切いいませんでした。それで収支報告書に載らないという形になりました。
 つまり鈴木特別秘書は、僕が五千万円借りているという認識が全くなかったわけです。つまり鈴木特別秘書は、僕が五千万円を個人的に借りているという、そういう個人の、猪瀬家の事情について、鈴木特別秘書に説明をしておりませんので、選挙の収支報告書には記載はないわけですね。個人資産として後で記載ミスだということなので、訂正させていただきました。

○田中委員 選挙運動費用収支報告書に記載していないのは、選挙運動費用じゃないからではないんですか。

○猪瀬知事 そのお金は僕個人のお金ですから、選挙運動ではないから、書かないということですよね、もちろん。

○田中委員 鈴木秘書が知っていたか知らないかという話ではないと思いますけれども、では、次に、二〇一二年の政治資金収支報告書に徳洲会関連の五千万の記載がないのはなぜでしょうか。--政治資金の収支報告書にないのはなぜでしょうか。

○猪瀬知事 それは個人的な借金なので記載してありませんでした。

○田中委員 それでは、ことし三月二十五日付の資産報告書に、これは十二月十六日、要するに当選をなさったとき現在の資産状況だそうですけれども、借入金の五千万円の記載がなかったのはなぜでしょうか。

○猪瀬知事 当然それは記入すべきものでありましたが、短い期間で返すつもりでおりましたので、記載しませんでした。

○田中委員 短い期間でも、十二月十六日現在の資産報告ですから、これは書かなければいけない。そして、さっき鈴木特別秘書が、そのお金の存在を知らなかったから、きのうでしたかね。資産に載せなかったということをおっしゃったんですが、違うんですか。

○猪瀬知事 鈴木特別秘書は、僕が五千万借りているということは知りません。その時点で。

○田中委員 ということは、短い期間借りたから、そのことを鈴木秘書にいわなくてもいいと思ったで正しいでしょうか。

○猪瀬知事 落選したときのお金だと思っていましたので、落選じゃなかったので、返せるときに返せればいいなというふうに思って、繰り返しになって申しわけありませんが、二月四日に返す算段をしようとしていたということであります。

○田中委員 今のご答弁は、私がお聞きしたこととはちょっと違うと思います。もう一回お聞きしますけれども、短い間の借り入れだったので、鈴木秘書にそれを教えなくてもいいと思ったからということでよろしいんでしょうか。

○猪瀬知事 猪瀬個人で借りているお金ですので、選挙運動と関係ないので、鈴木特別秘書には伝えなかったと。個人の資産公開の方に記入していなかったということを指摘されているわけですね。(田中委員「そうです」と呼ぶ)それは、個人の資産の公開のときにきちんと、本当だったら入れるべきだったと思いますね。

○田中委員 そうです。本当だったら入れるべきというのは知事も何度もおっしゃっていますので、訂正をなさっていますから、それはわかりますが、この十六日時点のことですからね。そのときに、知事の今までのご答弁を総合すると、要するに、何度もお聞きしますけれども、鈴木秘書はこの五千万の借り入れを知らなかった。知らなかったからこの収支報告書には載せていない。
 ということは、知事は知っていらっしゃったわけですから、自分が借り入れていることを。だけど、短い期間だったから載せなくてもいいと思ったので鈴木さんにはおっしゃらなかった、この認識でよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 その認識です。

○田中委員 この件は後でもう一回お聞きしますけれども、ことし十一月十二日に、この徳洲会の事件が発覚をいたしまして、テレビ、新聞をにぎわしました。そのときに資産報告を訂正しています。六カ月以上気づかなくて、事件発覚後すぐに気づいたのはなぜでしょうか。

○猪瀬知事 それは、そういうお金があるということを知っていましたから、記載ミスだということになりますので、記載ミス、訂正をすぐにしなければいけないと思ってやりました。

○田中委員 隠していたお金なのに、やばいなと思って表に出したということではありませんか。

○猪瀬知事 これは記載ミスですから、それは記載ミスを書かなければいけないわけです。

○田中委員 この資産報告書の作成は、鈴木特別秘書に任せていて、その五千万の、そのつくったときですね、五千万の存在を知らなかったから載せなかった、ちょっと繰り返しになりますけれども。
 それでは、鈴木特別秘書は、五千万以外のほかの猪瀬都知事の資産は全部把握していらっしゃるんでしょうか。

○猪瀬知事 鈴木特別秘書は、僕の会社の資産を全て把握しているわけではありません。

○田中委員 それでは、把握していない分は、鈴木秘書は誰から聞いてその資産報告書を作成なさったんでしょうか。

○猪瀬知事 五千万円が記載ミスであるということについて明確であるから、鈴木特別秘書が訂正したということです。

○田中委員 済みません。ちょっと今の私の質問が伝わらなかったかもしれませんけれども、鈴木秘書が五千万を知らなかったから載せなかったんだとおっしゃったので、じゃ、ほかの資産は全部把握していらっしゃるのかとお聞きしたら、そんなことはないとおっしゃいました。ほかにも知らない資産が鈴木秘書はあるわけですね。だけど、それを、全部記載ミスじゃないでしょう。全部記載ミスじゃないわけだから、ほか載せていらっしゃるわけですね。どなたからその資産をお聞きになっていらっしゃる--知事ではないんですか。

○猪瀬知事 資産の報告書は、うちの会計スタッフがつくります。自分の政治家としての資産の報告書ですね。そして鈴木が確認します。

○田中委員 鈴木さんがつくられたんではないんですか。何人かでつくられたという意味でしょうか。その何人かの方々の何人かは資産を把握していて、鈴木さんは全部把握していない。その何人かで総合して資産報告書をつくっているということでしょうか。

○猪瀬知事 資産報告書は、基本的には、現在ある資産がどのくらいかということについて、うちの会計責任者が知っていますから、それを鈴木に報告してつくるということです。

○田中委員 鈴木さんがお一人でつくったのではなくて、その会計責任者の方とほかのスタッフと一緒になって、この資産報告書はつくられたということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 確認団体を入れ忘れたりとか、そういうことがありましたよね、記載ミスで。これは選挙収支報告書の方ですか、そういうミスは時々あります。

○田中委員 このとき記載をされなかったのは五千万円ですね。この資産報告書が提出されたのは、この間お聞きしたところ、ことしの三月二十五日だそうです。この三月二十五日といえば、このちょっと前、一カ月ちょっと前の二月の頭に、猪瀬都知事は、お金を返そう、返そうと思われた。それで返済方法を相談しようとなさったのが二月の四日でしたね。そこまで、知事覚えておられたわけでしょう、その借入金があるということを。短期で返せていないわけですよね。もう三カ月ぐらいたっているわけですから。なのに、何でそれなのに、その時点で鈴木さんにはおっしゃらなかったんでしょうか。忘れていたということではないですね。その事件発覚後に急に思い出したというのはうそですね。

○猪瀬知事 これはもう、今からいえば、いいわけになりますが、二月に返そうとしていて、そして三月にIOC評価委員会が来たりいろんなものがあって、時間がたちまち過ぎていくというふうな流れがありまして、そして家内が倒れ、そういう過程の中で、やっと墓参りのときに、八月の、鈴木さんに、実はこういうのがたまっていたんですよと。あなたにいわなくてごめんなさいねということで、これを、貸し金庫をあけたら、相続が済んであくから、そしたらこれを、返済することをもう待てないからというふうなことで説明したわけですね。

○田中委員 ご丁寧にありがとうございます。ただ、私がお聞きしたのは、二月の最初の時点で覚えていらっしゃったのに、三月の二十五日に提出した資産報告書になぜその時点で思い出して鈴木さんにおっしゃらなかったのかということをお聞きしています。その後は、お忙しかったことは本当によくわかります。オリンピックとか、奥様のことで。その二月から三月のことです。三月二十五日に提出しているということは、もっと早くでき上がっているわけですね、もうちょっと前に。そこでなぜおっしゃらなかったのかということ。

○猪瀬知事 おっしゃるとおり、その二月四日から三月二十五日の間にお金を返せばよかったんです。本当は……(田中委員「いやいやそうじゃない、違います」と呼び、その他発言する者あり)いや、記載ももちろん、記載をするなり何なり処理をしておけばよかったと思っています。

○田中委員 知事がお金を返したい、返したいと思われている気持ちはよくわかります。これは早く手放したかったわけですよ。こんなお金は早く手放した方がいいと思われていたわけですよ、その時点で。だから、よくわかりますよ。返したいじゃなくて、手放したかったわけでしょう。だけど、ここには載っけていないというのは、これは表に出せないからいえなかったのとは違いますか。

○猪瀬知事 五千万円と借用証を書いて借りてきて、その五千万円を返して借用証を取り返すということが、僕にとっては一番そのときの頭のテーマだったので、そういうところで取り返せばそれも消えるしというふうに思っていましたので、三月二十五日までにそういうことを済ませておけばよかったと思っています。

○田中委員 今考えると三月の二十五日までにいっておけばよかった、載せておけばよかったということですが、結果的には、その三月二十五日提出してから十一月二十二日に訂正をなさるまでこれは記載されていなかったということです。
 ちょっと知事本局の方にお聞きしますけれども、この資産報告書というのは、政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開に関する条例に基づいたものだと思いますけれども、この五千万円の借入金が十二月十六日時点であるにもかかわらず記載されていない状態は、この条例の違反となるんでしょうか。

○河内総務部長 資産があるにもかかわらず記載されていない状況は、条例違反となります。

○田中委員 条例違反となるけど、罰則はないといったものですね。

○河内総務部長 罰則規定はございません。

○田中委員 今、知事お聞きになったと思いますけれども、六カ月以上記載がなかったということで、政治倫理の確立のための東京都知事の資産等の公開、この条例に、条例違反をしていたということは認識していましたか。

○猪瀬知事 それまでは認識しておりませんで、そして認識して、重く受けとめて、本当におわびするしかないなと、こういうふうな心境であります。

○田中委員 先日、本会議場でも、それからうちのみやせ委員もお聞きした、副知事のときに利害関係者からの借り入れ、これをすると服務紀律違反になって、いわゆる免官になるというお話もありました。今、副知事ではないのでそれが当たらないということでしたけれども、要するに服務紀律違反、免官ですよ。やめさせられるということですね。
 それと今回のこの条例違反、これ都知事が余りにもコンプライアンスから逸脱していませんか。余りこういうことはないと思います。そのことに関して、ご自身はどうお考えですか。

○猪瀬知事 ご指摘のところは、非常に厳しく受けとめるしかないと思っております。したがいまして、今後一年間の給与の返上というのを申し出たということで、そういうことで何とか責任をとれないかどうか考えているというところであります。

○田中委員 それは、今、総務委員会の方に係っておりまして、継続になっておりますので、またそれはそれですね。
 次は、借用証のことについてお聞きをいたします。
 十一月十九日の十一時ごろに徳田毅氏から電話を受けた。先ほどのお話だと自宅で受けられたようですけれども、五千万円を貸す、借用証を書いてくれ、あした二十日に議員会館に来るようといわれたのは間違いありませんか。

○猪瀬知事 五千万円を貸せるということと、目の前で借用証を書くということと別々のことですけれども、議員会館に来てくれというのは、五千万円を貸すよというときに議員会館に来てくれと、こういうことですね。

○田中委員 その電話のときに借用証を書いてくれといわれたのではないですか。

○猪瀬知事 借用証は、現金を目の前にしたときに書いてくれといわれました。それまではいわれていません。

○田中委員 以前、借用証を書いてくれといわれたというふうにお答えになっているように思いますけれども、じゃ、それは違うということですかね。借用証は、行って、出されたということですか。
 徳田毅さんからのその日のお電話は、これ一回だけですか。

○猪瀬知事 それ一回だけだと思います。とりあえず用件として記憶に残っていますので、前の日にかかってきて、そして夕方来てくれということだから夕方に行って、そして借用証を書いてという一連の流れで記憶しております。

○田中委員 なぜ電話は一回だけかとお聞きしたかというと、昨日でしたか、どなたからかご指摘があったと思いますけれども、きょうだったかな。ある報道によりますと、この日の十三時過ぎに毅さんが徳田虎雄さんにお電話をして、猪瀬さんは一億五千万円欲しいといっていましたが、結局一億円先に欲しい、残ったら返すといっているが、どうしますかとお父さんにお聞きになった。そうしたら、とりあえず五千万、先方に取りに来させろといわれて、議員会館でやりましょうか、と毅さんがおっしゃって、虎雄さんが、足がつかないようにしろといった。これは銀行員の方とかもお聞きになっていらっしゃるので、外に拡散してしまったという記事は幾らでもあります。
 このことを、一億五千万がいいんだけれども一億円先に欲しいというのは、知事は本当におっしゃったんでしょうか。

○猪瀬知事 それは十九日の会話ですよね。(田中委員「そうです」と呼ぶ)十九日の午前中に五千万だといわれているわけですから、その後そういう会話が出ていたとしても、僕には直接関係ないことです。

○田中委員 関係あるか関係ないかはちょっと置いておいて、一億五千万といっていたが結局一億円先に欲しいということをおっしゃったのは事実ですか。それはいつでもいいです。

○猪瀬知事 そういう発言は一切ありません。

○田中委員 発言がないのに、こういうことを毅さんはお父様におっしゃったということになりますよね、ですね。
 電話は、その日は、毅さんからはその朝十一時にかかってきたのが一回だけで、その後実際の時間の打ち合わせとかそういったものは一切なく、知事は、夕方、自分が行ける時間に、ただ行ったということですか。

○猪瀬知事 五千万円を、あした夕方取りに来てくれといういい方です。

○田中委員 それはお聞きしました。皆知っています。そうではなくて、さっきもお聞きしましたけれども、夕方の時間に何時に行くということはお話しなさっていないわけですね、その時点で。さっきおっしゃいました、そういうふうに。だけど、そういった詳しい、じゃ、この日は、その前に何があるので、何時ごろ伺いますよというようなことは、その後には具体的な打ち合わせは一切なさらないで、急に自分の行ける時間に行かれたということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 違います。夕方取りに来てくれというので、自分の日程の段取りを、その夕方に行けるような形につくっておいたということです。

○田中委員 前の日に、夕方来てくれといわれたので、予定を組み直したということですか。

○猪瀬知事 ゼンセン同盟の大会があって、そこから行くとちょうど夕方になるなという、そのスケジュール表を見ながら、行けるんだなというふうに計算して行きました。

○田中委員 普通、その夕方に来てくれといわれて、具体的な時間を、五千万ですからね、五千万を借りるときに、具体的な、議員会館にアポイントメントする時間をいわないというのもちょっと不思議な気がしますけれども、この借用証ですね、借用証をお書きになりました。お金を借りるときは借用証を書きますよね、ですよね。借用証を書いてくれと目の前でいわれたとき、当たり前だと思いましたか、それとも、えっ、書くのと思ったんですか、どっちですか。

○猪瀬知事 お金を借りるんだから、借用証を書くのは当たり前だなと思いました。

○田中委員 だとしたら、どうして印鑑も収入印紙も持っていかれなかったんですか。

○猪瀬知事 そういうものは用意してあるものだと思っていました。

○田中委員 収入印紙はわかりますけれども、印鑑は、猪瀬という印鑑ですから、これは用意はしないんじゃないですかね。

○猪瀬知事 サインでこうやればいいと思っていますから。

○田中委員 十万円ぐらいまでの簡易な領収証ならそれでも許されるかもしれませんが、この五千万もの大金、私が思う大金と猪瀬知事が思う大金は額が違うかもしれませんけれども、この五千万もの大金を借りるのに、こんな簡単で記録に残らないような借用証で不安とか疑問はなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 この借用証というのは、相手側に残っているという、そういう証拠になるなというふうには思っていました、はっきり。ですから、返さないと、どこかで返さないとまずいというふうに思ってお借りしました。

○田中委員 相手方に残っている。残っていたわけですね、実際。ところが、ことしの九月二十五日に、都内のホテルで、毅さんのお母さん、秀子さんに、特別秘書の鈴木さんがお金を、五千万を返済なさったわけです。そのときは一水会の木村さんが同席なさったということですけれども、そのときなぜ、何度も聞かれていると思いますが、返済金と借用証の同時交換をなさらなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 これは、もうお金を返せば自動的に返ってくるものだと思っていました。

○田中委員 自動的にというのは、返したときに返ってくるのが自動的です。後から送られるのは自動的ではありません。だけどそのときには、一説によるとお母様は、借用証のことなんかいわれたことがなかったといわれています。なかったと、そういうものは。だから、そのときに、そういう話は一切出なかったんでしょうかね。

○猪瀬知事 木村さんは、借用証が残っていることを知っていますから、借用証を送ってくれたわけですね。

○田中委員 実際お金を持って返しに行かれたのは、鈴木特別秘書ですね。鈴木さんは、幾ら知事のかわりに行かれたとしても、かわりに行かれたからなおさら、その借用証を取り返してこなければ、自分が渡したということにならないんだと思いますが、取り返していない。その上、普通は借用証をそこに持ってきていなければ、せめて受領書をもらうでしょう。じゃないと怖いでしょう。だって、返していないですよといわれてしまいますからね、何も証拠がないと、誰がいたって。なぜ受領書ももらってこなかった--鈴木さんは、なぜ受領書すらもらってこなかったのか。

○猪瀬知事 これは木村さんが、借用証を忘れてきちゃったわけですね。結局、それで慌てて送ってきたわけです。借用証は、徳田毅氏の秘書さんのところに、(田中委員「木村さんが忘れてきたんですね」と呼ぶ)秘書さんのところに預けてあったのを持ってくる予定で、それで、そのときに、持ち合わせていなかったから、鈴木さん悪いけど送るよということで、そういうことで送ったということです。

○田中委員 木村さんが忘れてきたというのは、木村さんが徳田さんの秘書にいうのを忘れ、もらうのを忘れてきた。

○猪瀬知事 木村さんはもらってきたんだけれども、慌てて来るときに、自分の事務所に置いてきちゃって、それで、後でじゃ送るからねということで、鈴木さんに送ったのですね。

○田中委員 ということは、この九月の二十五日時点では、借用証は、木村さんが持っていたのね。そのとき、徳田さんの事務所にあって、その後、木村さんがそこから持ってきて、送ったんではなくて、もう木村さんがお持ちになっていらした、それを単純に忘れてきたということ。

○猪瀬知事 木村さんが、僕、名前は知りませんが、徳田毅さん関係の秘書のところにとりに行って、そして、鈴木さんに渡す予定だったのです。

○田中委員 木村さんは、いつとりに行ったのですか。

○猪瀬知事 木村さんは、僕、詳しくは聞いていませんが、何で郵送にしたのかということについて詳しくは聞いていませんが、木村さんが、とにかくとりに行って、そして、鈴木さんと待ち合わせる場所に行く前に自分の事務所に寄って、うっかり置いてきちゃって、それで後で送るということになったわけです。

○田中委員 何かそこのご答弁はちょっと二転三転しているように思いますけれども、徳田さんのところから木村さんのところに送ってきたのを、木村さんは猪瀬事務所に送ってきたとおっしゃったと記憶をしていますが、それは、間違いですか。

○猪瀬知事 木村さんが、徳田さんの関係の秘書の方のところにとりに行ったんです。(田中委員「それはその日ですか」と呼ぶ)その日です。

○田中委員 なぜ、徳田事務所にあった借用証、要するに秘書さんが管理していたわけですね。なぜそこから直接猪瀬さんの事務所に送ってこられなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 その辺、僕にはよくわからないところです。

○田中委員 木村さんがそもそも持っていたのではありませんか。
   〔猪瀬知事「それは違います」と呼ぶ〕

○猪瀬知事 木村さん、わざわざとりに行きました。それで、少し……(「この前郵送で来たのを、また郵送したと答えているだろう」と呼ぶ者あり)違う、木村さんは、とりに行ったんですけれども、直接とりに行きまして、そして、それを自分のところに置いてきちゃったので郵送したんです。

○田中委員 じゃ、本来はその場で渡すはずだったということでしょうか。

○猪瀬知事 本来は、その場で渡すはずだと思います。

○田中委員 それにしては、要するに、お借りになった徳田毅さんにお返ししていないのにお母様から借用証が返ってくるならわかりますけれども、何で第三者の、借金をしたときに立ち会いもしていない木村さんが、わざわざ間に入られるのか、どうしてでしょうか。

○猪瀬知事 徳田毅さんの関係者のところに借用証があるから、それで、木村さんがとりに行ったということです。

○田中委員 関係者とは、どなたですか。先ほどは秘書とおっしゃっていたような気がしますけれども。

○猪瀬知事 僕も詳しくは知りません。秘書のような人だと思います。

○田中委員 ということは議員会館でお金をお借りになって、そのときに借用証を、徳田毅さんにお渡しになったんですよね、猪瀬知事は。(猪瀬知事「そうです」と呼ぶ)そうですね。そこからどこかに借用証が回ったということ。そしてそれがまた木村さんに回り、そこから返ってきた。これは恐ろしくないですか。そんなご自分の借用証がいろんな人の手に渡っているんですよ。これはちょっと、知らなかったとか、よく知らないというようなことですか。そういうことではないと思いますけれどもいかがでしょうか。

○猪瀬知事 これは、僕も詳しくは知りません。ただ、木村さんが徳田毅氏の関係者のところに行って、それは信用されている人なんです。そこからとってきたということなんです。

○田中委員 これは借用証にしても、そのお金にしても、非常に怪しいですよね。その関係者、その周りぐあいも、怪しいとしかいいようがないですね。なぜそんなに迂回しなければならないのか、借用証一つが。それでなぜ徳田毅さんに直接返すことができなかったのか、鈴木秘書が。本当にこれはちょっと怪しい感じだと思いますよ。それに疑問を持たれない知事の方が私は不思議なんですけれども。

○猪瀬知事 徳田毅さんところの周辺がいろいろと、捜査中とかいろいろなことあったんじゃないですか。だから、そうじゃないところにお金を返しに行ったんだと思いますよ。

○田中委員 ということは、やはり強制捜査が入ったからお返しになったということではないですか。

○猪瀬知事 徳田秀子さんに返せるという状況があったので返したということです。

○田中委員 だから、徳田毅さんには、その強制捜査とか何かの関連があって、行けなくて、お母様だったら安全だということで返しに行ったということではないんですか。

○猪瀬知事 それは、だから詳しくは知りません。だから鈴木秘書と木村さんで相談して、とにかく早く返す方法を探して、早く返したということです。

○田中委員 この借用証が送られてきたのは、いつですか。

○猪瀬知事 鈴木から報告を受けたのは、何日か後ですが、借用証は、多分翌日に着いていると思います。

○田中委員 これ多分というのはわからないんですね。じゃ鈴木さんは、送られてきたのを、すぐには知事には報告をしなかったということになるんでしょうか。送られてきた借用証は、知事は確認されたんですか。

○猪瀬知事 借用証は返ってきているということで、僕はもうこの件は終わったと思っていましたので、事務所のどこかにあるだろうというぐらいのつもりでいました。
 それで今回、銀行の記録を見てみたら、十月一日に、貸し金庫にわざわざ会計責任者が、これは大事なものだとして入れてあったということがわかりましたが、うちは書類の山ですから、どこかに置いてあるだろうぐらいの認識でいましたが、基本的にはもう返ってきたものだから、いいだろうというのは、鈴木さんの報告を受けたときに、もう返ってきたんだねということで、一件落着したということでありました。

○田中委員 ただ、その借用証は、あることは、特別秘書はご存じだったわけですけど、見たことないわけですよね。見たことない借用証をなぜ知事に確認させなかったのかが不思議なんですが、それと知事も確認したがらなかったのは不思議です。どうでしょうか。

○猪瀬知事 全然僕には不思議じゃなくて、借用証は自分で書いていますから覚えていますから、それが、借用証が返ってきていれば、もうそれでこの件は終わりだなということで、それ以降は忘れていました。

○田中委員 これが九月の二十五日で、翌日というと、九月二十六日ぐらいに届いているということになりますね、今のご答弁では。そして、十一月の二十六日に、知事は借用証を公表されています。その五千万の授受を公表した日ですけれども、定例会見で、最初は借用証はあるかどうかわからないと、まずいっています。翌日二十三日の総合防災訓練後の囲み取材で、あります探せば、とおっしゃっている。そして二十五日の朝、貸し金庫にあることが確認されたといっています。何でこんなに確認するまでに時間かかったんでしょうか。

○猪瀬知事 借用証が返ってきているというのは、ずっと前に聞いているわけですから、もう忘れていましたから、どこかにあるだろうというぐらいのつもりでいました。幸い貸し金庫に入れて保存してあったということがわかったので、それでそのまま公表できたわけです。

○田中委員 ただ、二十二日から二十五日、三日間ですね。その二十二日にお電話をなされば、鈴木さんか会計責任者の方か、どちらかしかいらっしゃらないわけですから、そのお二人にお電話はなさらなかったんですかね。

○猪瀬知事 どこかにあると思っていましたから。

○田中委員 だって、あるかどうかわからないとお答えになっていらっしゃるんですから、もしかしたら捨てられちゃっているかもと思ったんじゃないですか。

○猪瀬知事 書類の山ですから、探せばあるだろうというぐらいのつもりがありましたよ、それは。

○田中委員 その本物の借用証、これですね。このA4判のこの借用証ですけれども、それを金庫に、町田の金庫ですね、入れてあったということで、その町田の金庫から、いつ、誰が出したんでしょうか。

○猪瀬知事 これは、金庫をあける代理人の会計責任者の女性が出してきました。

○田中委員 これは、この借用証の問題はこの五千万の重要な問題ですけれども、最初から借用証も、印鑑もない、収入印紙もない、非常に簡易な、要するに書いただけのものですね。それから返済を--五千万ですよ、返済をしたときも、その借用証は同時交換をされず、そして受領書ももらわず、もらえずというんですかね、そして受け取っても、その鈴木秘書は、受領書くださいともいっていないわけですね。これ、五千万もの大金の貸し借りをしているのに、貸す方も、借りる方も、誰もそれを重要視していないように思いますけれども、その手続をですね。一体どういうことなんでしょうか。

○猪瀬知事 それは、そのくらいのお金だと当たり前過ぎて、あれじゃないですか、一部欠けているとかそういうことは、つまりない。例えば、五千万を四千九百万であったりとか、そういうことはあり得ないから、五千は五千だから、そういうことで、ある種の信頼のもとに基づいて、こちらをお返ししているわけだし、僕も全部数えなくても五千と書いて借りてきているわけですから。

○田中委員 ただ、これは生活の不安があって、そもそもお借りになったわけですから、使ってもいいわけですよね、別に。知事が生活費に使われる分には構わないわけじゃないですか。だから最初から五千万という固まりのやりとりをするかどうかはわかっていないわけですよ、ですよね。だってその借りた時点では選挙落ちるかもしれなかったわけですから、そうしたら生活の不安が生じたわけですから、そうしたら五千万なんて返せないわけだから、それは相手もご存じだったわけですよ。だからその五千万を固まりとしてやりとりをしているには、安易なやりとりばかりだよねということを、私は今申し上げているので、今のご答弁だと、ちょっと合わないですけれども、どうしてこんなに、何というのですかね、貸し借りをちゃんと証明しないようなやり方をしているんでしょうか。

○猪瀬知事 五千万円を返したら、それはごまかさないでしょう、それは。(発言する者あり)つまりお金をお返ししたわけですから、どこか知らない人にお返ししているわけじゃないんですから、それは、鈴木特別秘書は初めて会うかもしれないが、木村三浩氏はよく知っているわけですから、ちゃんと返せば、それは返したということになりますよ。

○田中委員 ご答弁はそうですけれども、それで都民の皆さんも、この議会の私たちも到底納得はできないです。理事者の皆さんも同じだと思います。だって、借りた人と返した人が違って、ご自分で借りたのに違う人が返しているわけですね。それなのに借用証も戻ってこない、受領書ももらわないで、何も心配がなかった、これはおかしいですね、普通の借金だと。それはちょっと、知事のご認識の方が常識から非常に逸脱しているとしかいいようがありません。
 時間が余りありませんので、次に行きます。
 貸し金庫についてお伺いをします。
 まず、確認ですけれども、横浜銀行つくし野支店の貸し金庫を当初からお使いになられていて、そしてその二〇一二年十一月十九日に、新たに八十二銀行青山支店の貸し金庫を借りて、二つの貸し金庫をしばらくの間、使っていたということでよろしいでしょうか。

○猪瀬知事 それでいいです。

○田中委員 十一月の十九日、お金を借りられる前日です。徳田毅氏から、先ほどのお話だと十一時過ぎにお電話があった、五千万を貸しますよということがあったということですけれども、その後、貸し金庫をその日に借りていらっしゃいますね、これは借りていらっしゃったのは奥様だということをお聞きしました。このお電話があった後、何時ごろ奥さんにお電話をしたのか。そして奥様は、この十一月十九日中に八十二銀行青山支店に新たに貸し金庫を借りたんでしょうか。

○猪瀬知事 貸し金庫の記録が十九日になっているわけでしょう。ということはその日に、貸し金庫を借りたんだということになりますよね。ですから、電話を受けて、じゃあ貸し金庫が必要になるねという電話をして、そして貸し金庫をつくりに行ったということになると思います。

○田中委員 何時ごろ奥様にお電話をされたかということをお聞きしています。

○猪瀬知事 それは、記憶はありませんが、そんな離れた時間じゃないと思いますね。

○田中委員 十一時過ぎに、徳田毅さんからお電話をいただいた。先ほどもありましたけれども、貸し金庫というのは三時までなんですよ。ですからそれまでに手続を終わらないと借りられないですね。相当急いだと思われますけれども、でしょう。二時半にお電話したのでは多分間に合わないと思います。その翌日、五千万円を借りた後、この五千万を持って一旦事務所に寄り、そしてその五千万をまた持って自宅に帰った。これも間違いはありませんか。

○猪瀬知事 そのとおりです。

○田中委員 そして翌日の十一月二十一日の水曜日に、またご自宅から五千万を持って、青山の、青山支店の貸し金庫に入れた、これは奥様がおやりになった、知事はご一緒はされなかったということでよろしいですか。

○猪瀬知事 そのとおりです。

○田中委員 ちょっと私、ごめんなさい、地図で調べればよかったんですけれども、八十二銀行青山支店というのは、猪瀬都知事の事務所からは近いんでしょうか、どれぐらい近いですか。

○猪瀬知事 比較的近い距離にあります。

○田中委員 大体徒歩何分ぐらいでしょうか。

○猪瀬知事 青山一丁目ですから、徒歩十五分とかそのくらいのところにあります。

○田中委員 そもそもその五千万を入れるためにお借りになったのが、その八十二銀行青山支店の貸し金庫だった。そのお金を、五千万を入れる、そこに入れるというのは、もう初めからわかっていたのに、なぜ、五千万を一旦町田の自宅に持ち帰ったんでしょうか。事務所に置いていったのではないですか。

○猪瀬知事 十一月二十日の話ですね。(田中委員「はい」と呼ぶ)先ほどから申し上げていますが、まず事務所に寄って、あしたのスケジュールの確認、きょうの簡単な報告を受け、そして服を一着入れて、そして、かばんを玄関先に置いて、ドアの中ですけれどもね、そして廣野君と少し立ち話、打ち合わせをして、そして、急いで家に帰ったということですね。

○田中委員 それはお聞きをしました。私が今お聞きしたのは、そのこと、その事実ではなくて、八十二銀行青山支店の貸し金庫に入れるのに、その前の晩ですね、一旦事務所にお寄りになっていらっしゃるわけです。事務所にお寄りになっていらっしゃるにもかかわらず、銀行から近いところですよ。そこに寄っていらっしゃるにもかかわらず、またその大金を持って町田の自宅に帰られ、そしてまた町田の自宅から事務所まで、事務所に持ってきたかどうかわからないけど、その銀行に、青山支店に、青山一丁目の、入れている。なぜ、そんなに遠回りなことをしたのか、その前日に事務所にお寄りになったときに、そこにお金を置いてきたのではないんですか。

○猪瀬知事 これは、そのときの生活を説明しないとわかりにくいかもしれないが、町田で生活を始めるようにというか、麻布生活が長かったのですが、妻は、麻布と町田を行ったり来たりしていました。まだそのころは。都知事になってからはほとんど町田生活になりました。ですから、麻布から青山に行ったりとか、町田から麻布に来たりとかいろんな形で動いていましたから、別に、八十二銀行の青山支店に行くのは、麻布からはそれほど遠くない、もちろん家からも、それほど遠い距離じゃない、一回(田中委員「遠い」と呼ぶ)いや、麻布に来てから、また行ったりとかしていましたので、麻布に来ていろんな、お弁当とか持ってきたりとか、いろんなことをやったりして、また青山に行ったりとか、そういう感じでした。

○田中委員 だから、そこを私はいっているんです。
 奥様は、事務所に来ていらしたわけですよね。その麻布、町田に住んではいらっしゃったけれども、事務所にはお弁当を持って来たりとか、来ていたわけですよね。だったら、お金を事務所に寄ったんだからそこに置いておいて、それで、奥様が翌朝そこから青山支店に持っていく方がずっと簡単じゃないですかということを私はいっています。その方が、何も女性が、たとえタクシーだとしても、五千万抱えて町田の自宅から何でそんな、そこのすぐそばの銀行に入れるのに、わざわざそして事務所に寄ったのに、そこに置かずに、また、町田まで持って帰って、泥棒に入られるかもしれないのに、部屋の片隅に置いて、そしてまたそれを女性一人で持ってきたのか。これは非常に不自然だと思うので、普通は、なぜ事務所に寄ったのか、お金を置くためです、ということではないですか。

○猪瀬知事 家内に、五千万円を夜見せました。これが借りてきた五千万円ですというふうに見せました。これははっきり覚えています。

○田中委員 質問にお答えになっていらっしゃらないと思いますし、奥様は、ごらんになったと思いますが、事務所でもごらんになれるわけですね、翌朝ね。それをお持ちになった。確かに貸し金庫は奥様しか使えないということですから、奥様が持っていかれたのはこれは間違いがないと思いますけれども、奥様に五千万もの大金を町田から運べというのは、猪瀬知事、そんなに乱暴なことを命令なさるんですかね。私はちょっとそれは考えられないと思います。
 大体、町田に持って帰るなら、だとしたらお金を持って帰るなら、そのもともとあったつくし野支店の金庫を大きくすればいいだけの話じゃないですか。そっちの方がずっと早いじゃないですか。だって実際五月十日に大きくして借り直しをされているわけですね。それをどうしてなさらなかったのか、その理由を教えてください。

○猪瀬知事 とにかく、五千万円もの大金を借りてきたので、まず家に返って家内に見せないとというのが一番強い気持ちでありました。だから、真っすぐ帰ったと間違えていいましたけれども、真っすぐ帰ったような気持ちでいたわけです。

○田中委員 五千万、五万円じゃありませんので、それをわざわざ町田まで持って帰って、奥さんに見せるだけ、それ翌朝でもいいわけですよ、見せるだけのために持って帰ったというのは本当に不自然ですね。私は事務所に置いていったんではないかということを思っています。
 それは、都知事選が終わりました。当選をなさいましたけれども、その後にね、貸し金庫の出入庫記録というんですか、それには、十二月の十八日、二日後です。当選なさった二日後に出入庫記録があります。これは、何度もお聞きするようですが、誰が何を出した、また、入れたのか、これはどうでしょうか。

○猪瀬知事 これは僕でないことは確かです。

○田中委員 奥様は、そこの金庫で何をなさったんでしょうか。

○猪瀬知事 それは全くわかりません。

○田中委員 そもそも奥様は、十一月二十一日の水曜日に、その青山支店の貸し金庫に五千万を入れたということになっていますが、五千万全部を本当に入れたんでしょうか。

○猪瀬知事 それは入れたと思います。

○田中委員 この十二月の十八日に出入庫記録があるというのが、全ての出入庫記録の中で、これだけが理由がつかないですね。この二月一日のところは、まだその二月の四日に返そうと思ったみたいなお話がありましたので、そういうこともあるかもしれません。しかし、選挙の二日後ですからね、これ非常に不思議な出入庫記録であると思います。全額を入れないで事務所に幾らか置いておいて、それを選挙に使って、残ったのを入れたのではありませんか。

○猪瀬知事 それは想像でおっしゃっているわけで、全くそういうことはありません。

○田中委員 でも、知事は、五千万を全部入れたかどうかもわからない、それは奥様が入れたわけです。十八日に奥様が何をなさったのかもわからないとおっしゃった。この私の今申し上げた想像は、そうではないというのも知事の想像ともいえるんじゃないですか。

○猪瀬知事 五千万円を入れてあることは間違いないわけであって、それは、二月四日に返す算段をするわけですから、そこに五千万円がなければ返せないわけですから、だから中身には変化がないということをいっているのです。

○田中委員 それは、中身に変化がないかどうかは、誰も証明できないわけですね。その時点では、貸し金庫は奥様しかさわれなかった。ですから、奥様が、誰かに、これだけ入れてきてよといわれてやるとか、これだけ出してきてよといわれるとか、そういうことがない限りわからないわけですね。それを知事が、及び会計責任者の方か鈴木特別秘書、だけどその時点で、会計責任者と鈴木特別秘書は知らなかったわけですよね、そうですよね。ということは知事しかいないんですよ。知事しかいない中で、その出し入れ、出しか入れかわかりませんけれども、それをいわなかったとすると、奥様が勝手におやりになったということは、知事はわからないわけですね。五千万全部入れたのか、それとも事務所の金庫、会計責任者の方のお部屋にあるといわれている金庫に一部を置いておいて、それを選挙費用に使って、余ったから、また十八日に入れに行ったのか、これはわからないわけですね、どうでしょうか。

○猪瀬知事 うちの家内は、選挙費用とか、そういうものについてもタッチしていません。

○田中委員 そうですね。その選挙に実際かかったお金、それにはタッチをなさっていないかもしれない。だけれども、その余ったお金をどっかに入れに行くのは奥様しかできないわけですから、これを入れてきてくださいといわれて入れてきたことというのは、ない話ではないと思いますが。

○猪瀬知事 会計責任者にも、選挙責任者にも、五千万円の話をしていないわけですから、うちの家内がそれを何か渡したり引っ込めたりすることはできないはずです。

○田中委員 それでは、十二月の十八日、選挙の二日後に、奥様が、この五千万が全額入っていると知事は思われているわけですけれども、その金庫に一体何しにいらっしゃったのか、想像はつきますか。

○猪瀬知事 想像はつきません。何か備品を入れにいったのかもわかりませんし、それについてはわかりません。

○田中委員 ということは、五千万円も全部あったのか、ないのか、それからその後から入れたのか出したのかも、これはわからないということになりますので、ですね。そのままということです。(猪瀬知事「そのままですから。いいですか」と呼ぶ)いえいえ、聞いていないです。
   〔猪瀬知事「つまり、五千万円…」と呼ぶ〕

○伊藤委員長 猪瀬知事、今、質問者が発言中ですので。

○田中委員 要するに、知事は、私がいったことを想像だとおっしゃったけれども、知事も奥様が何をやられたかはわからない。だって今、想像つきますかといわれて想像つかないとおっしゃったわけですから、ということはそれも知事もおわかりにならない。もちろん私がいったことは想像ですよ、もちろん想像です。知事のおっしゃっていることも想像なので、この件はわからないということになると思いますね。
 そして、この貸し金庫の話、続きますけれども、二月一日の金曜日、これは、二月四日に返済方法を打ち合わせするという予定、二月三日には向こうからキャンセルがあった。これは、誰が何を出した、また、入れたんですかね。

○猪瀬知事 二月一日に確認をしたのだと思いますよ。五千万円の、それは。確認をして、四日に会うときに、だってそろっていなければ返せないのですから。

○田中委員 このあと、ちょっともう時間がありませんので--五月十日、青山からつくし野に移していますね、お金を。これは非常に不思議なことだというのは、もう皆さん思っていらっしゃると思います。それは先ほど生活が町田中心だったのでということはおっしゃいましたけれども、何も移さなくてもいいという理屈も成り立ちますので、これもクエスチョンマークのままだと思います。で、奥様が本当に残念ながら亡くなられまして、そしてその後、特別秘書に八月十日に、二月に返すはずだったお金がまだ貸し金庫に入っていると初めて伝えたわけです。ここで初めて鈴木さんは、この五千万というお金があるということを知ったわけです。このとき同時に、これは徳田毅さんから借りたお金だということも鈴木さんは認識してお話しになったのですか。

○猪瀬知事 もちろんそれは伝えました。

○田中委員 そして、その後、八月の二十三日に貸し金庫があけられるようになったと以前おっしゃいました。そして二十四日の土曜日に、奥様の法要の日に、支店長立ち会いのもと、横浜銀行つくし野支店で、女性スタッフの豊田さんですかね。この方と貸し金庫をあけて中身を確認した。この日、つくし野支店は営業していないわけです、土曜日ですから。これは支店長に、特別に頼まないと、こういうことはできません。これは頼んだのですか、どうやって頼んだのですか。

○猪瀬知事 これは、会計の豊田が、どうしても、その日しか来れないのでよろしくお願いしますと、一応お得意さんですのでということで頭を下げて頼みました。その時間だけ来てくれればいいという、一時間もかからないからということで、その時間だけ来て、そして鍵をあけてくれたわけですね。

○田中委員 通常は、土曜日、休みの日にあけない、本当にお得意さんだったんだなと、都知事がね、思います。入出庫記録がありませんね。あれは何か入るときにお書きになりましたか。

○猪瀬知事 多分、入出庫記録は、店員にどんどん電話で聞いていって、確認していくんだと思うのですけれども、その日は鍵をあけているから記録はどのようにとったのかわかりません。ただ、うちは書類をたくさん出していますから、相続の関係の書類を、その書類を全部受け取ってちゃんと判こをぺたぺた押してくれていますから、記録は残っているはずです、何らかの。

○田中委員 それは相続の書類、要するに貸し金庫の書類であって、入出庫の書類、紙ではないと思うんですね。通常は入る人の名前を書いて、住所と名前を書いて印鑑、これ登録してある印鑑ですね。それを押して、その印鑑の照合をして鍵を持って初めて入れるんだと思いますが、そういう手続はそのときは、省略されたんですかね、支店長さんがいて特別だということで。これ確認です。

○猪瀬知事 あけてくれたんです。

○田中委員 それはなかったことになっているということになるんでしょうかね、そうすると。入出庫記録がありませんから、こちらがその銀行に、もしもお聞きをしても、それはもしかするとなかったといわれてしまうかもしれないということなんでしょうか。
 いや、実はですね、これ通常、これ一般論ですよ。横浜銀行ではありません。あるメガバンクの方にお聞きしたら、通常土曜日に支店長立ち会いであけるとペナルティーになるということをお聞きしました。支店長のね。ですから、そんな怖いことを普通受けないというのが一般論だそうです、一般論ね。ですから、まあ都知事ですからね、もちろんVIP中のVIPですから、そういう対応なさったのかもしれませんが、出入庫記録が残っていないというのは、これは事実だと思いますので、これは行った証拠もないし、行かなかったという証拠もないということになるのではないでしょうかね。(「ビデオがある」と呼ぶ者あり)あ、ビデオ。
 次に、九月二十五日に、いよいよやっとお金を返済することになりましたけれども、それを返済をするということが決まったのはいつで、それを知事が知ったのはいつですか。それとも知事が指示を出されたんですか。

○猪瀬知事 返す段取りについては、鈴木に任せてありましたので、詳しくは全く僕の頭にはありません。とにかく早く返して、とにかく借用証を戻してもらうと、それだけのことです。

○田中委員 指示をしていないということは、これ貸し金庫から五千万出したの、もしかしたら知事がお出しになったのですか。

○猪瀬知事 同じ質問、先ほど話しましたが、貸し金庫は、会計責任者の女性が代理人で貸し金庫からお金を出せるようにしたので、以後その代理人がやってくれているわけです。

○田中委員 あとこの借用証を十月一日に気をきかせて入れてくれたということですけれども、何で借用証を麻布の事務所の金庫に入れなかったのか、それはお考えになったことありませんか。

○猪瀬知事 何をどこにしまうなんて一々考えていませんよ。

○田中委員 では、ちょっと最後にお聞きしますけれども、この借り入れした五千万円というのは、徳田毅氏の、本当はお金ではなくて、別の会社から出ているという記事を読んでいますか。

○猪瀬知事 読んでいません。

○田中委員 ことしの十一月二十九日、朝日新聞の記事です。公職選挙法で逮捕された毅氏の姉、スターン美千代容疑者が、先月初めまで社長を務めていたIHS、インターナショナル・ホスピタル・サービスという会社、そこから徳田虎雄氏、お父さんからの指示で、そのスターン美千代さんが十一月十九日に上京、美千代容疑者は、IHSの口座から五千万円を引き出し、徳田毅氏の議員会館事務所に届けた。これが朝日新聞の記事です。今初めてお聞きになったかと思いますけれども、これに対して、どう思うでしょうか。もしこれが本当なら、今逮捕されているわけです、スターンさんは。これからいろいろ明らかになるかもしれませんが、どうでしょうか。

○猪瀬知事 済みません、何月何日付の新聞なのですか。(田中委員「十一月二十九日」と呼ぶ)後で読ませていただきますが、それについて特に感想はありません。

○田中委員 ただ、感想がないことはないと思いますね。要するに、徳田毅さんから借りていたんだと思うお金が、別の会社から出ていたお金、だけど借用証は徳田毅さん宛てで出した。そして返したのがまた別の人だ。これは非常に不思議、摩訶不思議としかいいようがありません。
 もうこれ最後の質問にいたしますけれども、知事、本当に今、日本中の人が、知事、どうしたんだということを本当に思っています。ですからぜひ、本当に何もやましいことがないのならば、ちゃんと説明をなさってください。だけど、皆さんがおかしいよと思っているのは、知事の言葉が二転三転するからです。微妙に違ってきているんです。
 私も、きょうは五千万、それから借用証、貸し金庫のことをお聞きしましたけれども、時間軸で微妙にずれてくるし、それから記事に出ていることと違うということが幾つかあるんですね。ですから、知事は、自分のお給料を、一年間もらわないで何とかおわびをしたいとおっしゃっていますけれども、そういうわけには、とても、もはやいかないのではないかと思いますので、これからまだ、このままでしたら委員会はまだまだ続きますし、それから銀行の方、そのほかいろいろな方、鈴木秘書、お呼びをして、いろいろ真実を明らかにしていかなければならないと思っていますので、これから、もし知事が本当のことを話そうと思われるときがあったら、ぜひ早くお願いします。
 都政も影響がもう出てきています。理事者の方々も、私たちも、ずっとここ、缶詰になっているわけです。知事もですけれども。ですから、こういったことが早く、一日も早く終わるように、ぜひしていただければと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○伊藤委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十五分休憩

   午後二時五十五分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○鈴木委員 知事、どうぞ前にお座りください。
 何度も申し上げますが、この委員会は、知事、あなたの五千万円の裏金疑惑の説明責任を果たしていただくためのものなのであります。私たちも、そして後ろに座られている理事者の皆様も、喫緊の課題である、例えば地方法人特別税の撤廃の問題や、そして来年度の予算、そしてまた、オリンピック・パラリンピックの組織委員会の立ち上げなど、山積した課題がある中で、年末も返上して、あなたの疑惑を追及するために取り組んでいるんです。そして、この問題が大きく都政の停滞をもたらしております。責任は、まさに知事にあるんです。
 にもかかわらず、これまでの質疑の中で、知事は誠実に対応することなく、そして、話せば話すほど疑惑がどんどん深まって、そしてまた、あえて、あげくの果てには人のせいにして逃げようとしている。この一連のやりとりを見ていて、都民の皆様はまさに、この五千万円は選挙の裏金だと感じていることと私は思います。
 知事、一言いっておきます。あなたは、石原知事の後継者です。石原知事が最も憂えていたのは、日本人の心の劣化ではないでしょうか。
 今日、偽装食品表示問題など、わからなければいい、ばれなければいい、前石原知事の言葉をかりれば、そうした日本人の心の劣化、まさにあなたの心を最も前知事は憂えていたんではないでしょうか。私は、今こそ、そうした日本人の、本当に恥の文化である武士道精神を復活させるような、そうした訴えをしていくべきではないか、本当にそのように感じております。
 あなたは、今回、この問題が明るみに出るとは思っていなかったでしょう。しかし、天網恢々疎にして漏らさずということわざがありますけれども、まさに、あなたはこの問題を通して、本当に自分の心の我欲、そうした心を見詰めるべきであるというふうに私は思っております。
 今、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック、ご皇室のご尽力もいただいて、本当にオールジャパンでかち取った、そして、これからまさに組織委員会を立ち上げてやっていかなくてはいけない。知事は東京の顔として、そして、これからの新しい日本の知事としてふさわしくない。だから、今回、こうした問題が明るみに出てきていると私は思っております。
 今、私はこの質疑に九十分予定をしておりましたけれども、知事が本当にごまかし、そして逃げようとしているあなたにこれ以上質疑をしても、私はしようがないというふうに思っております。やっていられないという気持ちでいっぱいです。
 委員長、ぜひ一刻も早く都民の皆様に真実が明るみに出るように、まず知事にはしっかりと真摯に猛省をしていただき、そして、この委員会の理事会を招集していただくことを強く要望いたしまして、今回の私の発言を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○伊藤委員長 速記を始めてください。
 この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
   午後三時休憩

   午後三時三十二分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 この際、私の方から申し上げます。
 これまで、総務委員会において四日間、約二十時間にわたり知事に対し集中審議を行ってまいりましたが、多くの理事、委員の中から、知事の答弁が二転三転し、信用できないとの意見が出されました。
 このような状態の中、総務委員会では限界があるため、百条委員会も視野に新たな対応を考えざるを得ません。
 ここで総務委員会の質疑を打ち切り、近日中に議会運営委員会を招集していただき、対応を協議してほしいと考えますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのようにさせていただきます。
 知事本局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十三分散会

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