委員長 | 伊藤こういち君 |
副委員長 | 小山くにひこ君 |
理事 | みやせ英治君 |
理事 | 中屋 文孝君 |
理事 | 清水ひで子君 |
松田やすまさ君 | |
河野ゆうき君 | |
栗山 欽行君 | |
徳留 道信君 | |
野上 純子君 | |
両角みのる君 | |
島田 幸成君 | |
藤井 一君 | |
川井しげお君 |
欠席委員 なし
出席説明員青少年・治安対策本部 | 本部長 | 河合 潔君 |
総合対策部長 | 横山 宏君 | |
青少年対策担当部長 | 坂田 直明君 | |
治安対策担当部長 | 五十嵐 誠君 | |
総務局 | 局長 | 中西 充君 |
理事 | 中村 長年君 | |
総務部長 | 榎本 雅人君 | |
訟務担当部長 | 和久井孝太郎君 | |
復興支援対策部長 | 西村 泰信君 | |
行政改革推進部長 | 鈴木 勝君 | |
情報システム部長 | 長澤 徹君 | |
首都大学支援部長 | 伊東みどり君 | |
人事部長 | 内藤 淳君 | |
労務担当部長 | 栗岡 祥一君 | |
行政部長 | 砥出 欣典君 | |
区市町村制度担当部長 | 西川 泰永君 | |
総合防災部長 | 村松 明典君 | |
統計部長 | 中村 豊君 | |
人権部長 | 箕輪 泰夫君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 森 祐二郎君 |
人事委員会事務局 | 局長 | 真田 正義君 |
任用公平部長 | 石井 玲君 | |
試験部長 | 芦田 真吾君 | |
審査担当部長 | 小澤 達郎君 |
本日の会議に付した事件
選挙管理委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
人事委員会事務局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十五年「職員の給与に関する報告と勧告」について
事務事業について(質疑)
総務局関係
報告事項(説明)
・平成二十五年台風二十六号に伴う被害状況と都の取組等について
青少年・治安対策本部関係
事務事業について(質疑)
○伊藤委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局及び青少年・治安対策本部関係の事務事業に対する質疑並びに人事委員会事務局及び総務局関係の報告事項の聴取を行います。
なお、総務局関係の報告事項については、本日は説明を聴取し、資料を要求することにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、選挙管理委員会事務局長に就任されました森祐二郎君をご紹介いたします。
○森選挙管理委員会事務局長 去る十月十六日付の人事異動で、選挙管理委員会事務局長に就任いたしました森祐二郎でございます。
伊藤委員長を初め委員の皆様方のご指導を賜りながら、選挙管理委員会の事務の公正、公平な執行に全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 挨拶は終わりました。
○伊藤委員長 事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○森選挙管理委員会事務局長 去る九月十七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料、投票所における障害者対応の現状についての表紙をおめくりください。
都内区市町村における投票所内での支援対応の内容と、投票所までの移動支援の内容をそれぞれお示ししたものでございます。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 それでは、投票率向上への取り組みについてお伺いいたします。
昨年十一月の本総務委員会におきましても、石原前知事の突然の辞職を受けまして、十二月に行われる知事選挙についてお尋ねをさせていただきました。そのときに、準備期間が短い中でありますが、選挙管理委員会が選挙の広報や啓発に万全を期して、その効果を十分に上げるようにと、私もお話をさせていただいたところでございます。
また、ことしは六月に都議会議員選挙が行われまして、国政選挙に直結するということもあって大変高い関心が集まり、私以外の方々はそうではないかもしれませんけれども、身が細くなるような思いの選挙を戦わせていただきました。
続く七月には参議院選挙が行われ、また、昨年の十二月の衆議院選挙における政権交代の後、第二次安倍内閣としての初の国政選挙ということで、その結果も大変注目をされたわけでございます。
このように、今回は大変短期間に大きな二つの選挙がございました。それに加え、参議院選挙からは、長年の懸案だったインターネットによる選挙運動が解禁されました。
また、ことし三月、東京地裁が成年被後見人の選挙権の権限に違憲の判決を出したことから、権利回復の法整備が図られ、これも参議院選挙から適用されたことになりました。
このような大きな制度改正もあって、選挙への関心は従来よりかなり高まったと思われるわけでございます。
しかしながら、投票率を見ると、都議会議員選挙は四三・五〇%で、過去の都議選で下から二番目、また、参議院選挙は五三・五一%で、二十三回の選挙中十五番目の投票率、年代別投票率を見ますと、若年層世代の投票率が最も低いという状況でございます。都議会議員選挙、参議院選挙ともに、二十歳代の投票率は、全体の投票率と比較すると約二〇%も低くなっております。このような投票行動において、今までの流れとほとんど変わっていないというふうに思わざるを得ません。
そこで、今回の都議会議員選挙、参議院選挙の投票率向上、特に若年層の投票率向上のために、一体どのように取り組んだのかをお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 選挙前の一定期間は、集中して広報を行う選挙時啓発として、選挙期日や期日前投票の周知、投票の呼びかけを行っております。特に、投票率が低い若年層世代を意識した広報として、若い人に知名度の高い剛力彩芽さんや元高見盛関をイメージキャラクターとして採用し、インターネット広告や街頭の大型ビジョンなどへ集中的に動画を放映いたしました。
また、選挙に関する特設ホームページやツイッターを活用し、イベント開催の周知や選挙当日の投開票速報、選挙結果の報告を行いました。
さらに、大学生協で目に触れる広報媒体として、箸袋やコピー用紙の裏面などを活用し、幅広く広報活動を実施いたしました。
加えて、新しい試みとして、都電の日や海の日に合わせた模擬選挙や、都庁舎のライトアップなどのイベントを行い、数多くマスコミに報道されることとなりました。
こうしたさまざまな取り組みにより、選挙の周知を図り、投票率の向上に努めたところでございます。
○鈴木委員 私も、剛力彩芽さんや元高見盛関をイメージキャラクターとして、さまざまな努力をされているなというふうには感じたわけでございますけれども、特に今回の七月の参議院選挙においては、インターネットによる選挙運動が解禁された選挙でございます。候補者の情報が、本当に簡単でありリアルタイムでスピーディーに得ることができるようになったわけでございます。そして、特にインターネットとの接触が多い若年層の投票率向上に大変な期待が寄せられたわけでございます。
そこで、インターネットによる選挙運動解禁の影響については、選挙管理委員会の皆様はどのように捉えられているのかをお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 参議院議員選挙の直前に都選挙管理委員会が行った世論調査においては、選挙情報を得るために、インターネットを今までより積極的に利用するとした有権者は、全体で一八・六%であり、二十歳から四十歳では三〇%と、全体より高い数値を示しております。
一方、民間の調査によりますと、参議院議員選挙の候補者のうち、フェイスブックやツイッターなどのSNSを使う人の割合は九割以上でございました。
また、選挙当日の出口調査によれば、インターネットの情報を参考にした人は二三%でございましたが、年代別では、二十歳代で三七%、三十歳代で二八%が参考にしたと回答し、これも若い層では比較的高い数値を示しました。
選挙の結果では、全体の投票率は前回と比較して下がったものの、インターネットを多く使用する二十歳代の下落幅が、他の年齢層と比較して小幅でございました。このことから、投票率は上昇しなかったものの、一定の効果をもたらした可能性があると感じており、また、マスコミにおいてもそのように報じられております。
○鈴木委員 インターネット選挙運動の解禁は、一定の効果があったのではないかということでございますけれども、各選挙の投票率につきましては、選挙の種別や社会情勢によって、差が大変あらわれるということは理解しておりますけれども、長期的には低迷傾向にあると私は認識しております。とりわけ若年層の投票率の低さというのは、大変憂慮すべき状況であり、対応策を本当に早急に打つべきであるというふうに思います。
若い人たちが多く接触するインターネットが選挙運動に解禁されたことや、憲法改正のために必要な国民投票の年齢を十八歳以上に確定する法改正案が国会に提出されようとしていることにも関連しまして、若年層の投票率向上のためには、年齢の低い時期から政治や選挙への関心を醸成することが大切になってきているわけでございます。
そこで、今後、若い人たちが投票行動を起こすために、選挙管理委員会では何が重要だと考えているのか、改めてお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 鈴木委員ご指摘のとおり、最も重要なことは、若い人たちの政治や選挙への関心の醸成、これに加えまして、さらに一歩踏み込んでいける政治的リテラシーの向上ではないかと考えております。すなわち、政治の情報が大変多く供給されている中、政治や選挙に関心を持ち、情報を読み取り、その情報の中からみずからの考えを決定し、投票行動に結びつける、こういう力を、特に若い世代に体得してもらいたいと思っております。
そのために、若年層啓発と、まだ選挙権を持たない未成年者へのいわゆる主権者教育が、今後ますます重要な課題になると認識しております。
○鈴木委員 今、ご答弁の中で、若年層啓発、そしてまた主権者教育が重要であるというふうなお話を聞かせていただきましたけれども、そうした状況を踏まえまして、選挙管理委員会は今後どのような形で取り組んでいくのかをお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 七月の参議院議員選挙のときからインターネットによる選挙運動が解禁になったことも一つの契機といたしまして、今後も、若年層への働きかけのツールとして、既存の都選挙管理委員会ホームページやSNSなどのインターネットを活用した広報に積極的に取り組み、若年層が政治や選挙に関心を持つような情報を数多く提供してまいります。
また、未来の一票を担う未成年者への働きかけが積極的にできないかを具体的に検討しておりまして、都や区市の選挙管理委員会などが一部実施しております選挙出前授業や模擬選挙などを軸に、主権者教育を体系的に充実、強化させていきたいと考えております。
○鈴木委員 これからの次代を担う若い方々が政治に参加するという大切さというのは、私が申すまでもないわけでありますし、これは本当に大切な、国民が持っている権利であるわけでございますし、また、現在のように男女の国民全てに選挙権が与えられている状況においては、私はある意味、国民の重要な義務だとも思っております。本当に、憲法の中でも義務というのが三つ掲げられているだけという状況があるわけでございますけれども、政治不信こそ国を滅ぼすというふうにいわれる中で、これからも、選挙管理委員会の皆様方がしっかりと若年層に対する教育、そして啓蒙活動にご尽力をいただきますよう心から要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○野上委員 今、鈴木副委員長からもお話がありましたけれども、同じように投票率の向上について質問させていただきます。
今、NHKの大河ドラマ等もございますけれども、投票権を得るまでの長い人間の歴史を考えると、今、投票率が非常に低いということは、大変残念な結果だと私は思っております。
国によっては、義務投票制をしいている国とそうではない国がございまして、その議論は賛否両論あると思っております。
私の親しい友人はオーストラリアに住んでおりまして、正当な理由がなく投票しなかった有権者に対する罰金、これが日本でいうと約二千円ぐらいですか、その罰金の支払い要求に応じないで起訴された場合、有罪となると、豪ドルで五十五ドル、五千円程度、罰金が科せられる、そういう制度でございます。さらに、裁判所から裁判費用の負担も要求されるので、オーストラリアでは、投票率は、選挙人名簿の約九五%が投票しているということでございます。
この義務投票制については、長所、短所いろいろございますので、ここでは省かせていただきます。
日本は義務投票制ではないので、投票率を上げるためにも施策の展開が必要ではないかと思っております。都選管では、投票率向上のために、選挙時啓発のほか常時啓発にも取り組んでいらっしゃいますけれども、若年層については先ほど質疑がございましたけど、特にここでは、未成年者に対する取り組み状況についてお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 最近の選挙における年代別の投票率、先ほどの質疑の中でもご指摘がありましたが、全体の投票率より若年層の投票率が約二〇ポイントも低く、若い世代の投票率の向上が重要な課題であると認識しております。
都選挙管理委員会では、若年層、特に未成年者に対する常時啓発の取り組みとして、明るい選挙ポスターコンクールの実施や、同コンクールの入選作品の表彰、展示、ギャラリー列車の運行、また、中学三年生用選挙学習用冊子「Let’sすたでぃ選挙」の作成と配布を行っております。
○野上委員 選挙学習用冊子であります「Let’sすたでぃ選挙」、これは非常にわかりやすく内容を説明してありまして、すばらしい冊子だと感じております。この活用方法について具体的にお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 選挙学習用冊子「Let’sすたでぃ選挙」は、選挙の仕組みをわかりやすく説明した全十ページの冊子で、都選挙管理委員会が平成十五年度から作成しているものでございます。
この冊子は、選挙について話をしようと題して、投票率の現状、棄権の理由や、選挙制度、選挙の流れ、選挙の歴史などを紹介しており、今年度の冊子には、インターネット選挙運動や世界の選挙制度などの記述も組み入れたところでございます。
活用方法としては、都内全中学校三年生分の約十二万部を作成し、各中学校に配布して、公民の授業の中で、選挙の歴史などを学習する際に活用していただいております。
また、都や区市の選挙管理委員会、NPOや学生団体などが選挙出前授業や模擬選挙を実施する際にも提供するとともに、都選挙管理委員会のホームページにも掲出し、活用できるようにしてございます。
○野上委員 私も友人にいろいろ聞きましたら、中学校三年生の公民の授業で活用してくださっているということで、全ての子供たちがその冊子を手にしながら、選挙の仕組み等、歴史等を勉強していくことが望ましいのかなと思います。
一生にどこかの部分で選挙について触れていくということが、投票率向上にもつながるのかなというふうに思っておりますけれども、「Let’sすたでぃ選挙」などをさらに活用すべきというふうに考えているんですけれども、今後、若年層あるいは未成年者の啓発への取り組みについて、さらなる取り組みについてお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 未来の一票を担う児童、生徒、学生への働きかけ、先ほども申し上げた主権者教育を積極的に行うことが大変重要であり、そのためには、学校教育の場を活用することがぜひとも必要でございます。
そのため、「Let’sすたでぃ選挙」の配布や選挙出前授業の実施などを通じて、教育現場の声を十分に聞くなど、学校教育との連携をさらに密に図り、政治や選挙の重要性を若い世代に伝える取り組みを推進してまいります。
また、都選挙管理委員会が実施する、政治や選挙に関する若者意見交換会などの機会を活用して、若い人たちの政治に関する意識を高めるとともに、そこで出された自由な意見を取り入れた啓発活動も積極的に展開してまいります。
さらに、区市町村選挙管理委員会と民間団体などが連携して、若者の政治意識高揚のための取り組みを幾つか行っておりますが、都が積極的にこれらの情報の収集、提供を図り、こうした活動の拡大を促進してまいります。
○野上委員 「Let’sすたでぃ選挙」の配布、都内全中学校三年生分十二万部、かなり費用がかかるんですけれども、それも継続していただきたいことや、若者意見交換会、また、区市町村と民間団体などが連携した取り組みなどを熱心に行って、さらに啓発活動を努めていただきたいと思っております。
若者への啓発が投票率の向上に寄与する。それともう一つは、高齢になり、投票所に行きたいという意識はあっても、体が、障害を持ったりしてなかなか行けなくなったりする場合もあると思います。
体に障害を持つ人の投票手段として、一つは郵便投票制度があります。これを行うことができる条件についてお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 郵便投票は、重度の障害によりみずから投票所に行くことができない有権者のために設けられた制度であり、有権者が自宅など現在する場所で投票用紙に記載し、それを郵便によって選挙人名簿登録地の区市町村選挙管理委員会に送付することで、投票を行うものでございます。
郵便投票を行うことができるための該当要件としては、主に身体障害者福祉法に基づく身体障害者手帳の交付を受けた有権者で、両下肢、体幹、移動機能の障害の程度が一級もしくは二級の方、心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸の障害の程度が一級もしくは三級の方、免疫、肝臓の障害の程度が一級から三級の方、そして、介護保険法に基づく被保険者証の要介護区分が五の方が該当することになります。
なお、要件に該当する有権者は、あらかじめ選挙人名簿登録地の区市町村選挙管理委員会に申請し、郵便投票証明書の交付を受けることが必要となります。
○野上委員 だんだんと高齢化率が高くなってまいりまして、うちの葛飾区で今、六十五歳以上の方が二三・二%、このまま推移すると、二〇三〇年には三人に一人が六十五歳以上という、そういう時代がやってくるわけで、こうした郵便投票制度について、より投票を促すため、この制度の周知が必要であると思っております。
場合によっては、今、要介護区分が五というのも、四でも歩けない人とか、三でも厳しい人とか、いろいろあると思うので、制度改正も本当は求めるべきだと考えておりますけれども、今後の取り組みについてお伺いいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 郵便投票の制度や選挙情報の周知は、大変重要なことと考えております。
本年六月に行われた都議会議員選挙では、郵便投票を行うことができる有権者が五千四百六十五人おり、うち三千六百七十九人がこの制度により投票を行ったところでございます。
郵便投票の周知方法としては、都選挙管理委員会は、ホームページや都福祉保健局が発行する「社会福祉の手引」に、制度の説明や必要となる手続などについて記載してございます。
また、区市町村選挙管理委員会においても、障害者手帳交付時にあわせて行う郵便投票ガイドブックの配布や、広報紙及びホームページの活用、選挙前に行われる不在者投票指定施設の事務説明会で周知を図るなど、都と区市町村で連携した取り組みを進めております。
今後、福祉部局を初め関係機関との連携を一層密にし、郵便投票制度の周知と活用を進めることにより、身体に障害のある方々の投票環境の改善に積極的に取り組んでまいります。
あわせて、要件には該当しないものの、現実的には投票所へ行くことが困難な有権者が投票に参加できるよう、国の機関とも連携しながら、要件拡大に向けた実務的な検討を進めてまいります。
○野上委員 最後に、今の若者の投票行動を促す方法とか、また未成年者に対する施策、それから障害を抱えた方々について伺ってまいりました。
もう一つは、デジタルデバイドというんですか、ネットに非常に疎いというか、苦手な世代の対応等も含めて、これから投票率向上のために、ぜひ選挙管理委員会を中心といたしまして、活躍をしていただければということを申し述べて、終わります。
○小山委員 この一年間、まさに選挙イヤーであったと思います。昨年末十二月十六日執行の東京都知事選挙、衆議院議員選挙、そして本年六月二十三日の都議会議員選挙、七月二十一日の参議院議員選挙と、選挙管理委員会の皆様にとっては多忙であったと思います。
これらの選挙を通じて、私も多くの有権者より、投票についてさまざまなご意見をいただきました。特に、ご高齢の方や介護を受けていらっしゃる方など、投票所に足を運ぶのに大変難儀をしている方からのご意見やご要望でございました。
そこで、自力で投票所へ足を運べない有権者への対応について、現行制度ではどのような対応がなされているのか、お伺いをしたいと思います。
○森選挙管理委員会事務局長 身体の障害などにより、みずから投票所に行けない有権者が投票を行う方法として、現行制度では、不在者投票指定施設における投票と郵便投票とがございます。
不在者投票指定施設における投票は、都道府県選挙管理委員会から指定された病院や老人ホームなどに入院、入所中の有権者が、その施設内で投票を行うものでございます。また、郵便投票は、身体の障害の程度や介護保険法の要介護度において、一定の要件に該当する有権者が自宅などで投票用紙に記載し、それを郵便等で送付することにより、投票を行う制度でございます。
○小山委員 ただいまご答弁いただきましたように、不在者投票指定施設における投票と郵便投票とのご答弁でございましたが、不在者投票指定施設は、主に病院や老人ホーム、介護老人保健施設、さらには身体障害者更生援護施設などが指定をされております。
郵便投票については、先ほど野上委員からもありましたように、本委員会においても、私も平成二十二年三月に質疑をさせていただきましたが、対象者につきましては、身体障害者手帳の両下肢、体幹、移動機能障害の一、二級であるとか、あるいは介護保険法の要介護認定五などとなっております。
この質疑の際にも、郵便投票については、ぜひ対象者の拡大を求めさせていただきました。そして、当時の選挙管理委員会事務局長より、要介護五の認定を受けていない方であっても、投票所へ行くことに困難な方がいらっしゃるというふうなご答弁をいただきまして、そして、総務省に対して、郵便投票ができる対象を要介護四の方々にも拡大するよう強く要望していくとのご答弁をいただいております。
そこで改めて、現在の投票所へ行けない有権者の対応について、本年六月二十三日執行の東京都議会議員選挙における状況についてお伺いをさせていただきます。
○森選挙管理委員会事務局長 不在者投票指定施設については、積極的に新規指定に取り組んだ結果、ことしに入ってからも五十一施設が新たに指定され、現在では千三百五十三施設まで増加しており、本年六月に実施された都議会議員選挙では、二万三千二百四十四人の有権者が施設内で不在者投票を行ったところでございます。
投票するに当たりましては、病院の院長や施設長が本人にかわり、選挙人名簿登録地の区市町村選挙管理委員会に対する投票用紙の請求や、記載済みの投票用紙の返送などについて対応しております。
また、郵便投票は、都議会議員選挙の時点で郵便投票が可能な有権者は五千四百六十五人おり、うち三千六百七十九人が制度を利用して投票を行っております。
なお、郵便投票ができるための要件の拡大に向けた国への法改正要望は、継続して行っておりますが、現在のところ実現には至っておりません。このため、要件には該当しなくても、事実上自力で投票所へ行くことが困難な方々のために、区市町村が自宅と投票所間の移動に使用するための車椅子の貸し出しや、身体障害者用駐車場の確保、福祉部局と連携した障害者総合支援法による移動支援などの取り組みを進めているところでございます。
○小山委員 今のご答弁から、不在者投票指定施設については二万三千二百四十四人ということで、郵便投票の五千四百六十五名のうちの三千六百七十九名から比べると、大変な数となっております。これには私は東京都を評価したいと思うんですが、先ほどのご答弁からも、不在者投票指定施設については、当時伺ったときからも指定数が増加をされておりまして、さまざまなご対応をいただいていることを改めて評価したいと思います。
そういった反面、国の法改正のおくれといいますか、対応のおくれによって、郵便投票については、いまだ拡大が図られていないという現状があります。こういったことから、やはりこれは介護認定四以下の方々において、不在者投票指定施設に入所できている方と入所できていない方で大きな格差が生じているという、こういった結果ともなっております。
今後の東京における高齢社会を考えたときに、改めて、郵便投票を初め投票所での投票が困難な方々への投票機会の拡充というのは、しっかり図っていかなければならないと思います。
そこで、今後、このような有権者の投票機会の拡充を図るべきと考えますが、都としてはどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○森選挙管理委員会事務局長 身体に障害のある方やご高齢の方を含め、有権者一人一人の投票の権利を確保することは、大変重要なことと認識をしております。
不在者投票指定施設については、今後においても、当該施設が不在者投票事務を適切に管理執行できるための要件を満たす場合には、施設の新規指定に積極的に取り組み、より多くの入院、入所者が投票できるようにしてまいります。
また、郵便投票制度については、都道府県選挙管理委員会連合会を通じ、国に対する要件範囲拡大の法改正要望を引き続き行ってまいります。
都選挙管理委員会としては、今後とも、区市町村を初めとする関係機関との連携も図りつつ、投票所へ行くことができない有権者の投票機会の拡充に向けた取り組みを進めてまいります。
○小山委員 ご答弁で、それぞれの不在者投票指定施設、そして郵便投票について、取り組んでいかれるということを承知いたしました。
郵便投票制度については、そのときの事務局長も、強い決意で臨んでいただくということでございましたので、ぜひとも、今の状況からもわかるように、明らかに不在者投票指定施設と郵便投票では大きな差が生じております。この差の解消に向けて、やはりこれは国に対して、ぜひ選挙執行の現場を持つ東京都として、尾崎正一選挙管理委員会委員長を先頭にして、国への法改正を強く求めていただきたいと思います。
あわせて、市区町村選挙管理委員会や福祉保健部局とも十分連携をしていただきまして、制度の周知を広く都民に図っていただきますことを求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○両角委員 私からは、ネット選挙と選挙の執行経費に関して、二点について伺わせていただきたいと思います。
実は私ごとですが、この六月の都議選に至るまで、二年間で、私、四回の選挙を戦ってまいりまして、結果は二勝二敗、そして今日ここに至るということでございますが、この二年の間で一番大きかった変化は、選挙で何があったかというと、ネット選挙の導入でありました。
参議院からネットの利用の解禁ということがなされたわけですが、一部では、報道では、参議院の解禁に先立つ都議選で混乱もあったやにも聞いておりますが、まず、ネット利用解禁の法改正に際しまして都選管ではどのような対応をされたか、伺いたいと思います。
○森選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会は、改正法の施行を踏まえて、国が主催する説明会に職員を派遣するとともに、外部講師を招いた内部研修を実施し、それらを踏まえて区市町村職員を対象とした研修会を開催いたしました。
都議会議員選挙の選挙運動にインターネットが利用できないことについては、都選挙管理委員会のホームページやツイッター、「広報東京都」への掲載、さらには、都庁記者クラブへの報道協力の依頼などにより周知いたしました。
都議会議員選挙の立候補者には、選挙長を担当する区市を通じ、立候補予定者説明会等で、法改正が適用されない旨を説明しました。
一方、参議院議員選挙でインターネット選挙運動が解禁されることについては、都議会議員選挙終了後、直ちに国や区市町村と連携し、ホームページや広報紙、選挙啓発ポスター、周知ビラ等により一斉に周知を図り、立候補者には立候補手続の関連資料を配布する際、必要に応じ個別に留意事項を説明したところでございます。
○両角委員 ネット利用の規制につきましては、例えばメールで本人が投票依頼するのは可であると。しかし、第三者がメールで投票依頼をするのはだめである。あるいは、同じ同じメール機能で、SNSの場合は第三者もオーケーであるとか、非常にわかりにくいわけです。
ですから、今後も、そのあたりのスキルをきちっと都選管の皆さんにはつけていただいて、そういう必要があるだろうと思っておりますし、同時に、さらなる関係者への周知というものも必要かと思いますが、これからどのようにこの分野について取り組んでいかれるのか、お聞きをしたいと思います。
○森選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会としては、今後、インターネット選挙運動に関して見込まれる法改正への対応を含め、職員のさらなる法制度の知識向上を図るとともに、区市町村が開催する各種研修会や講演会などに職員を積極的に講師として派遣し、区市町村職員を初めとする関係者の制度への理解を促進してまいります。
各種選挙の立候補者に対しては、立候補予定者説明会や関連資料の配布の機会を活用して、留意事項等の説明を行うとともに、都民に対しては、都選挙管理委員会のホームページやツイッター、常時啓発事業を活用して周知に努めてまいります。
今後とも、総務省を初めとする関係機関とも連携を図り、インターネットによる選挙運動が健全かつ効果的なものとなるよう取り組んでまいります。
○両角委員 インターネットの世界でありますから、スキルアップと同時に、啓発にさらに取り組んでいただければと思います。
次に、選挙の執行経費について伺いたいと思います。
まず初めに、選挙を実施するに当たっての仕組みについて伺いたいと思うんですけれども、選挙には、衆参の議員を選ぶ国政選挙もあれば、私たちが経験した都議会選挙あるいは都知事の選挙、さらには区市町村の首長あるいは議員を選ぶ選挙もあるわけでございますが、これらの各級選挙の実施に当たって、国、都及び区市町村の役割分担と経費負担というのはどのようになっているのか、説明していただきたいと思います。
○森選挙管理委員会事務局長 国政選挙においては、本来国が果たすべき役割を、都及び区市町村が地方自治法第二条第九項に規定する第一号法定受託事務として担っており、公職選挙法が都道府県または区市町村が処理するものとする事務を取り扱うこととなります。
具体的には、都の役割として、衆議院議員小選挙区選挙や参議院議員選挙区選挙の選挙長事務、それらの選挙の投票用紙などの調製物の作成、立候補者の選挙公報作成や政見放送、区域全般にわたる啓発事業の実施などがございます。
また、区市町村の役割としては、選挙人名簿の登録やポスター掲示場の設置、投票及び開票事務などがございます。
次に、都が管理する都議会議員選挙や都知事選挙における区市町村の役割については、第二号法定受託事務として、第一号法定受託事務と同様に役割が規定されております。
経費負担の区分といたしましては、公職選挙法の規定により、国政選挙に関する費用は国の負担、地方公共団体の議会の議員または長の選挙に関する費用は、当該地方公共団体の負担とされております。
○両角委員 今るるご説明をいただきまして、経費負担についていえば、国政選挙は本来国が行う事務であると、だから国負担だよと。その他、都道府県の選挙については都道府県の負担ですよと。区市町村は、自分の選挙なんだから、これは自前でやりなさいよと、そんなふうに理解させていただきましたが、それでは、国政選挙における経費負担、具体的にはどのように定められており、都及び区市町村に交付されるということですけれども、どんなふうに交付をされるのか、伺いたいと思います。
○森選挙管理委員会事務局長 国政選挙等の実施に要する費用は、公職選挙法及び最高裁判所裁判官国民審査法に基づき国庫負担とされ、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律にその基準額が規定されております。
選挙の実施に要した経費の調査は、都道府県が区市町村の経費の執行状況等を取りまとめ、都道府県分とあわせて国へ報告いたします。
経費の交付については、都道府県分及び区市町村分が一括して国から都道府県に交付され、区市町村分は、都道府県を経由して当該区市町村に交付されることとなります。
○両角委員 今ご説明いただきましたが、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律というもので定められているということで、経費は国から、区市町村分も都道府県分も一括に都道府県に来ると。都であれば都に来ると。そして、それは都の裁量なく、もう分割されていて、かかった部分を配布するんですよと、そのようなご説明だと理解をいたしますが、それでは、実際に国政選挙が行われる場合、あるいは都知事、都議会の都の選挙が行われる場合に、その交付額というのがあるわけですが、それを上回る支出、いわゆる超過負担を市区町村がしている、そんなケースはあるんでしょうか。
○森選挙管理委員会事務局長 都選挙管理委員会が管理する都議会議員選挙及び都知事選挙に関しては、基本的には区市町村の経費負担が発生することはなく、必要額が賄われておりますが、国政選挙に関しては、ややもすれば区市町村が経費負担をする場合が生じている状況にございます。
○両角委員 今ご答弁ありましたが、都の選挙においてはないと、基本的に。事前に伺ったところによると、平成二十一年の都議選で若干超過負担が区市町村に出たけれども、それ以外はほとんどないということでありました。国政選挙については、今、局長、ややもすればというお話をされましたけど、結構常態的に発生しているというふうに理解させていただきます。
それでは、国政選挙では、そういった区市町村が国の仕事を法定受託事務として受けて実施しているにもかかわらず、区市町村が自腹を切らなきゃいけないという状況があるということなんですが、具体的な状況を教えていただきたいと思いますし、あわせて、直近の選挙の中で超過負担、俗ないい方をすれば区市町村の持ち出しが、一番多かった額というのは幾らぐらいなんでしょうか。
○森選挙管理委員会事務局長 ことし七月に行われた参議院議員選挙については、現在集計中でございますが、昨年十二月に行われた衆議院議員選挙については、都知事選挙との同日実施であったため、両選挙に共通する経費がそれぞれに割り振られて計上されました。このため、衆議院議員選挙に関する区市町村の執行額は二十一億八千五百四十三万余円と低目に抑えられ、これについては全額交付され、交付率は一〇〇%となっております。
なお、平成二十二年七月に行われた参議院議員選挙では、区市町村の執行額は三十九億一千九百九十四万余円であったのに対し、交付額は三十四億六千八百七十八万余円であり、交付率は八八・五%となっております。このときの区市町村の交付額を除いた負担総額は四億五千百十六万余円であり、最も多かった自治体は三千四百五十六万余円を負担しております。
○両角委員 今ご答弁いただきまして、平成二十二年十二月の衆議院選に関しては、都知事選と同日実施ということで、共通経費で両方支え合う部分があったので一〇〇%、区市町村は国からの交付金で全部賄えた、そういうご説明でありました。
一方で、この七月に行われた参議院選挙は四億五千万円余、六十二区市町村でそれだけの超過負担が出ているということでありました。そして、一番多く超過負担をした区市町村、自治体は、三千四百五十六万円余。要は、国のための国の事務である選挙を区市町村が法定受託をしてやったがために、みずからの財源を三千五百万出さなくてはいけなかったという、そういう説明でありました。
三千五百万で今どれだけの事業ができるでしょうか。区の自分の財源、市の財源が三千五百万あれば、起債を充てたり、あるいは都の補助、国の補助を充てたり、多分、倍以上の事業ができるでしょう。今、待機児童が、どこの自治体でも解消することが急務の課題になっている。そういったことにも取り組めるでしょうし、あるいは防災対策で、自主防災の充実なんていうこともできるでしょう。こういった状況があるわけです。
それでは、現実には、今のような区市町村の超過負担が、国の選挙、国の固有事務である選挙を実施するたびに出てきているということが、多分ほぼ常態化していると思うんですが、こういったことが起こる理由は何なのかということをお聞かせしていただきたいと思いますし、このことに対して都の選管としてはどのような見解を持っているか、見解を伺います。
○森選挙管理委員会事務局長 区市町村の経費負担が発生する理由につきましては、選挙の種別や区市町村ごとの実情など、さまざまな要因があることから、一概に説明することは困難でございます。
平成二十二年の参議院議員選挙における都内区市町村の経費で、国の基準額を超えた経費種別を見ると、大きなものとしては、期日前投票所経費の約二億七千万円、事務費の約二億六千万円、ポスター掲示場費の約二億三千万円が挙げられます。
都選挙管理委員会としては、基準法が実情にそぐわないなどの事情がある点は否めないとしても、可能な限り国からの交付額に近づける工夫も必要であると考えております。
○両角委員 今、超過負担の主なものとして幾つか挙げられた上で、一つは選挙経費を合理的に、できるだけ効率的にやる必要もあるだろうと。でも一方で、実情に合わない点は、やっぱり国の基準を変えていくべきだろうと、両論併記のような、そんなお答えがあったわけでありますが、それでは、都選管の役割、この事務事業の冊子を見れば、区市町村選管への助言支援ということをうたっているわけでございまして、そうした立場に立って、こうした超過負担に対して都選管としてはどんなふうに取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○森選挙管理委員会事務局長 現在、都と区市町村における選挙事務の改善を図ることを目的として、東京都選挙事務運営協議会を設置し、さまざまな検討課題について協議しており、ことしは効率的な選挙管理による経費節減について検討を進めております。
また、国政選挙における執行経費の基準額について、実情に即した水準へと改めるべく、都道府県選挙管理委員会連合会を通じて、国に対する法改正要望も行っているところでございます。
今後とも、都と区市町村及び区市町村相互間の連携により選挙事務の効率化を図り、経費負担の軽減に努めるとともに、国政選挙の基準額が実情に即したものとなるよう、他道府県との連携も図りつつ、引き続き国への働きかけに取り組んでまいります。
○両角委員 都道府県の選挙管理委員会連合会という組織で法改正を訴えているということで、具体的にその書面も拝見させていただきました。
一方で、平成二十五年、ことしの四月に、選挙執行経費基準法というのは改正をされたわけでありますが、先ほどご答弁で、乖離が出る一番多い部分というのが、例えば人件費であったり、期日前投票所であったり、ポスターの掲示板ということでありましたが、そこら辺の経費が軒並み、今回の法改正で、それこそ二〇%とか引き下げられて、法が改正されているというのが実態でもあるわけであります。
先ほど来、各委員の先生方から大変前向きな、投票率を上げるために、こういったことをしていったらいいじゃないかというすばらしいご意見、ご提案があったわけですが、そういうことを一生懸命区市町村の選管がやって、選挙に来やすい状況をつくればつくるほど、基準に反してお金をどんどん持ち出さなきゃいけないという状況は、何かおかしいと思うんです。
そして、選挙というのはまさに民主主義のインフラでありますから、そのインフラをしっかり守って整えるためにも、都選管にはきちっとしたエビデンスとロジックを持って、さらに主張していっていただきたいなと、こんなふうに思いますし、民主主義の基礎インフラである選挙が円滑な執行をしようとすると、しわ寄せが基礎自治体に押しつけられるという姿は、これは今の国と地方のあり方の問題からいっても、おかしいなと私は感じるわけでございます。
どうぞ、市区町村の選管に支援をする、そして指導的な役割を求められる都選管には、今後とも積極的なこの分野の解消に向けた取り組みを期待いたしまして、私の質問を終わります。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○伊藤委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○石井任用公平部長 東京都人事委員会は、去る十月十七日に都議会及び知事に対しまして、地方公務員法第八条、第十四条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の職員の給与について報告及び勧告を行うとともに、同法第八条の規定に基づき、人事制度等について報告をいたしました。
本日は、お手元に、この勧告等に関する資料として、資料第1号、平成二十五年人事委員会勧告等の概要及び資料第2号、職員の給与に関する報告と勧告を配布させていただいております。
恐れ入りますが、資料第1号、概要の一ページ、1、ポイントの欄をごらんください。
ことしの勧告の内容でございますが、景気の持ち直しの動きはあるものの、一部に弱さが残っている民間の経済情勢を反映して、例月給は九年連続の引き下げとなっております。
一方、特別給は、民間の支給割合とおおむね均衡していることから据え置きとしております。
最初に、例月給でございますが、ことし行った実態調査の結果、都職員の給与が民間従業員の給与と比べ、額にいたしまして八百二十七円、率にいたしまして〇・二〇%上回っていたことから、較差を是正するため、給料月額の引き下げを勧告いたしました。
次に、特別給、いわゆる賞与につきましては、ことし行った実態調査の結果、民間従業員の支給割合は三・九七月であり、都職員の支給月数三・九五月とおおむね均衡しておりますことから、改定を行わないことといたしました。
なお、給与の比較方法と結果につきましては、2、職員と民間従業員の給与比較にお示ししてございます。
次に、任用、給与制度につきましては、今後も不断の検証に努め、見直しを引き続き継続する必要があると考えております。
具体的には、再任用職員への成績率導入、分限処分における降給の導入、人事制度の抜本的改革の発展、進化、技術系職種に対する採用試験の新たな取り組みに向けた検討の速やかな実施について意見を述べております。
それでは、詳細をご説明させていただきたいと存じます。恐れ入りますが、二ページ、(2)、改定の内容をごらんください。
職員の給与につきましては、各級において公民較差に応じた給料月額の引き下げ改定を行っております。
具体的な改定に当たりましては、平均改定率マイナス〇・二%の引き下げを基本としながら、一級及び二級は上位級の昇給額とのバランス等を考慮し、昇給カーブを是正するため、一部において強めの引き下げを行っております。
なお、Ⅰ類B、Ⅱ類及びⅢ類の初任給は、民間事業所における初任給の動向等を踏まえ、据え置くことといたしました。
(3)、実施時期等でございますが、給与改定の実施時期は、条例の公布日の属する月の翌月の初日からとしておりますが、本年四月から改定までの公民較差相当分は、所要の調整を実施し、解消することとしております。
続きまして、4、給与構造・制度の改革の実施と今後の取組をごらんください。
平成十七年度から取り組んでまいりました一連の給与構造、制度の改革の着実な実施により、都の給与制度は相当程度適正化が進められてきましたが、今後も、引き続き給与制度の不断の検証に努め、都の実態に適合した形で制度を充実、発展させていくことが必要であると考えております。
以下、二ページから三ページへかけて、本年の取組及び今後の給与制度の全般的見直しについて記載しております。
まず、(2)、本年の取組のうち、ア、再任用職員への成績率の導入でございますが、本年六月から、定年前の全職員及び再任用職員の一部に特別給における成績率が導入されております。この再任用職員の一部とは管理職のことで、それ以外の職員には導入されておりません。再任用職員は、給料月額が単一の設定であるため、定年前の職員以上に業績を給与に反映させる必要があると考えております。また、雇用と年金の接続を踏まえ、再任用職員をより一層本格的に活用していくことが求められることからも、早急に全再任用職員に本制度を適用し、業績を給与に反映させる必要があると考えております。
次に、イ、給与制度等の整備及び見直しでは、分限処分における降給の導入及び懲戒処分の際の給与上の取扱いの二点を記載しております。
このうち、(ア)の分限処分につきましては、組織として指導育成に努めてもなお職務を十分に果たし得ない職員については、一定の対処をする必要があると考えており、人事制度、給与制度を効果的に機能させていくためには、これまで未整備であった降給を新たに導入することが適当であると考えております。
このほか、(3)、今後の給与制度の全般的見直しでは、高齢層等の給与制度、一般職員の給与制度、給料表、諸手当など給与制度全般のあり方について言及しております。
次に、5、再任用の給与のあり方についてですが、人事院は、本年の報告において、平成二十六年の実態調査において、公的年金が全く支給されない再雇用者の給与の具体的な実態を把握した上で、必要な検討を進めると言及しております。都としても、引き続き、国の動向を注視するとともに、民間の状況、都における実情等も十分考慮して、検討を進めてまいります。
6、人事制度及び執務環境等に関する報告(意見)につきましては、三ページから四ページにかけて記載しております。
(1)、人事制度の抜本的改革の推進でございますが、近年の人事制度改革が一定程度実現されたことに加えまして、都政が転換期を迎えていることから、この間の改革の成果の分析、検証を踏まえ、現在の人事制度の現状、課題を明らかにするとともに、課題の解決に向けた取り組みについて述べております。
恐れ入りますが、四ページをお開きください。
(2)、職員の勤務環境の整備では、仕事と生活の両立支援、超過勤務の縮減、職員の健康保持等の推進について言及し、(3)、女性の活躍促進では、さらなる女性の活躍促進に向け、働きやすい環境整備を引き続き進めることが必要であると意見を述べております。(4)、公務員倫理の徹底では、非違行為に対し厳正に対処するとともに、再発防止の徹底を強く求めております。
なお、お手元に配布いたしております資料第2号、職員の給与に関する報告と勧告の冊子には、今回の勧告等の全文が掲載されております。
以上、簡単ではございますが、平成二十五年職員の給与に関する報告と勧告についてのご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
なお、事務事業につきましては、既に説明を聴取しております。
これより事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
ご発言を願います。
○中屋委員 先日行われた人事委員会勧告に関連して何点か伺います。
いただいた冊子を、他の団体の勧告も眺めながら拝読させていただきました。どの団体も民間給与との較差やボーナスの月数が中心でありまして、多くのページがそれらに関係するものとなっております。公務員の給与が住民の税金から支払われていることを考えれば、説明責任をしっかりと果たしていく上で当然のことではあります。
都においては、〇・二%という比較的小さな較差の中にあっても、めり張りをつけた改定がされておりまして、こうした取り組みは大いに評価できるものであります。
その中で、都の勧告は、別紙第3というパートの中で、給与以外のいわゆる人事制度についても、かなりのボリュームで報告をされております。内容も、採用から昇任、高齢期雇用に至るあらゆる分野について、随分と骨太の報告がされております。これは他の団体では余り見られない都の勧告の大きな特徴の一つでありました。
そこで、本日は、別紙第3でるる報告されている人事制度にスポットを当てまして、報告の背景や意図について質疑をしてまいります。
人事にはベースとなる制度があり、それを時代の変化に応じ最もふさわしいものへと変革させていく。官民問わずこうしたプロセスを踏んで発展していくものであります。都においても同じで、今回の報告は、人事の環境のさらなる変化に対応するために、近年取り組んできた改革をさらに進めていく必要性の指摘と、取り組みの具体的に向けた提言であると読み取りました。
そうだといたしますと、今回の報告の内容をしっかり理解するためには、まずは近年の改革について、どのような制度をどのように変えてきたのか、掘り下げていく必要があります。
そこで、まず初めに、近年どのような制度を変えてきたのか。つまり、近年の改革のベースとなった人事制度について、構築された時期や時代背景を含めてお伺いいたします。
○石井任用公平部長 近年の人事制度は、団塊の世代の活用等を念頭に置き、その世代を中心に昭和六十年前後に構築されたものでございました。当時は、二度にわたるオイルショックを経て低成長時代を迎えた時期であり、高度経済成長時代のような大量採用、組織の拡大、年功的な昇進管理の維持が困難な状況にありました。
一方、高度成長期に大量に採用した団塊の世代を中心とする職員が、中高年齢層に差しかかり、職員構成の大きな山を形成しておりました。また、当時の新規採用者の抑制による若年層の減少と相まって、職員の高齢化が急速に進んでおりました。
定年制の施行なども含め、人事制度を取り巻く環境が大きく変化する中、長期的、安定的な人事制度の確立を目指し、人事制度全般の改正を行ったものでございます。
例えば、現在の主任、課長補佐、統括課長などはこの時期に設置されており、当時構築した職級構成や昇任制度の基本部分は、近年に至るまで維持されてきております。
○中屋委員 昭和六十年当時に構築された人事制度は、団塊の世代の活用がポイントであったということであります。確かに、都庁人として脂の乗り切る中堅どころに多くの職員が集中しているのであれば、この年代の職員の活用を軸に人事制度を組み立てることは当然なことだと思います。
今のご答弁でもわかるように、人事制度の構築に当たり考慮すべき大事な要素の一つに、職員の年齢構成が挙げられます。そうすると、団塊の世代が高齢化し、退職を迎える時期に、人事制度が再び大きな改革が求められる状況に置かれることは、必然の流れであります。
ここ十年程度の間に行われてきた近年の人事制度改革は、こうした状況に加えて、前知事就任後に都政そのものが大きく前進していく中で、強いリーダーシップのもとで行われてきたものと思います。この改革の成果は今後の人事制度を考えるベースとなることから、その内容について改めて確認したいと思います。
団塊の世代の高齢化、大量退職を迎えた時期に行われた近年の人事制度改革の内容について伺います。
○石井任用公平部長 職員数の減少や団塊世代の大量退職など、職員構成が大きく変化する中、一層高度化、複雑化する都政の諸課題に対応していくために、近年、人事制度の再構築を含めた人事制度改革を進めてまいりました。
そこでは、少数精鋭体制を一層強化していくため、これまでの人事管理の考え方を根本的に改め、職員一人一人、すなわち個に着目した人事制度の構築を目指し、大きく三つの課題解決に向け、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
一点目は、職務内容や職員構成の変化への対応でございます。具体的には、当時、十級構成であった職務の級を七級構成まで統合を進めたほか、管理職選考区分B、Cの統合などの取り組みを行っております。
二点目は、専門性の確保、育成でございます。具体的には、行政専門職制度の充実や専門性を持つ人材を民間企業等から幅広く確保するキャリア活用採用選考の創設などの取り組みを行っております。
三点目は、大学進学率の上昇などの人材供給構造の変化への対応や、多様な人材の確保でございます。具体的には、大学院卒程度の能力実証を行うⅠ類A採用試験や、民間企業志望者や理系学部生も含めた人材をターゲットにした専門試験や論文を課さないⅠ類B行政、新方式の創設などの取り組みを行っております。
○中屋委員 団塊世代の活用を念頭に置いた昭和六十年当時の人事制度は、大量の職員をいわば集団、固まりとして活用することを前提に設計されたものではないかと思います。その後、状況が変化をいたしまして、職員の数は減っていく一方で、都政の質はもちろん落とせないという大変に難しい問題に直面をいたしました。
そこで、それまでの人事制度を再構築いたしまして、職員一人一人の能力や適性をきめ細かく活用していくことのできる制度へと、大きくかじを切ったのが人事制度改革であったのではないかと思います。
中でも特筆すべきは、都庁のニーズを踏まえたさまざまな人材確保に向けた取り組みが継続的に行われてきたことであります。組織を動かしているのはまさに人であります。有為な人材をいかに確保していくかは、いわば人事の基本ではないかというふうに思います。人材確保の役割を担う人事委員会が、幅広い視野を持って、採用市場全体から人材を確保するために、多様な入り口を用意してきたことは高く評価できます。ぜひともこうした取り組みを継続していただきたいと思います。
そこで、本題であります今後の人事制度について、質疑を進めてまいりたいと思います。
大量退職が間もなく終わりを迎えるとともに、一連の改革も一段落した今、これからの人事制度のありようを腰を据えて考えるには、非常にいい時期だと思います。恐らく都も同じ考えで、近年の改革の成果や現在の人事環境を検証、分析されてきたのではないかと思います。その結果が今回の報告で言及されておりますけれども、項目が多岐にわたっていることから、論点をより明確にしたいというふうに思います。
そこで、報告で言及された現在の人事制度を取り巻く環境や課題について、ポイントを絞って説明を願います。
○石井任用公平部長 現在の人事環境を取り巻く環境や課題は、大きく次の三点に整理されます。
一点目は、新規採用職員の裾野の拡大でございます。
五十九歳まで受験可能なキャリア活用選考の導入や行政、新方式の導入などにより、採用時の年齢、経験、知識について、職員ごとの差異が拡大しております。また、大卒程度以上の採用者の増加に伴い、高学歴化も一層進展しております。現在の人事制度は新卒採用を前提として制度設計されていることから、このままでは多様な背景を持つ、高学歴化した職員全てを十分に活用できなくなることが懸念されます。
二点目は、都政のより一層の高度化、複雑化でございます。
高度防災都市の実現、少子高齢化への対応など、都が解決すべき課題がこれまで以上に多岐にわたり、かつ短期間で大きく変化しております。限られた人的資源で都政の諸課題に適切に対処していくためには、職員一人一人が特定の事業分野、行政分野における専門的な知見を深めていくことのできる、人事制度の構築が一層求められております。
三点目は、職員構成の変化でございます。
現在の職員構成は、平成三年度以降に大量採用した団塊ジュニア世代を中心とする職員が、四十歳前後に大きな山を形成し、今後、ベテラン層へと移行してまいります。こうした中、無年金時代の到来に伴う雇用と年金の接続や、平均年齢の上昇に伴う総人件費の上昇、組織の活性化などを踏まえつつ、人材活用のあり方を検討していくことが求められております。
○中屋委員 現在の年齢構成は、団塊世代の大きな山が抜けた後、振り返ると、団塊ジュニア世代を中心とする大きな山が、中堅層に突入しているという状況に置かれているようであります。職員構成だけを見ますと、昭和六十年当時に戻ったようにも見受けられますけれども、採用者の裾野の拡大、雇用と年金の接続、都政の複雑化、短期間での激しい変化など、人事制度を取り巻く環境は、当時と大きく異なっているものと思われます。
ベテラン層、中堅層、若年層、それぞれが異なる背景や課題を持つ中で、こうした多様な人材をどのように活用して、都庁組織の活力を最大限高めていくのか、昭和六十年当時に示した処方箋では、到底解決できない難問であると思います。
そこで、こうした難問をどのようにして解決していくのか、今後の人事制度改革の方向性についてお伺いします。
○石井任用公平部長 人事制度を取り巻く環境の変化に適切に対応していくためには、多様なバックグラウンドを持つ全ての職員が、強みや専門性を発揮できる分野で、採用から退職、再任用までのその時々で組織に最大限貢献しながら、専門性をさらに高めていくことのできる仕組みの構築が不可欠でございます。それには、近年取り組んできた人事制度改革をさらに進めていくことが何よりも重要であります。
こうした認識のもと、ことしの報告では、採用から高齢期雇用に至るあらゆる人事制度について、改革の視点と今後の取り組みの方向性を言及したところでございます。
具体的には、全庁的な視点で課題解決を行う人材の育成を中心とした、これまでの人事制度に加え、職員一人一人が、例えばライン職を中心とした組織のマネジメント、現場や事業分野のスペシャリスト、さらには特定分野のプロフェッショナルといった、それぞれのフィールドごとに強みや専門性を育むことのできる、複線型人事制度の構築などについて述べております。
○中屋委員 要するに専門性の確保と多様な人材の適材適所での活用、これが今後の人事制度のキーワードになるということではないかと思います。近年の改革も、同じような理念のもとに進められてきたものだと思います。その意味で、今後の人事制度は、冒頭申し上げましたとおり、これまでと同じ方向を見ながら、次のステージに進んでいくということであると思います。
今回質疑をいたしまして、人事制度に対するさまざまな考え方もよくわかりました。任命権者の取り組みも含めて、このほかにもさまざまな制度の見直しが行われてきたことも、忘れてはなりません。人事制度はまさに都政を支える基盤であるということであります。
そこで最後に、今後も多くの困難が予想されますけれども、改革に向けて、真田局長、ぜひ決意をお伺いさせていただきたい。それで質問を終わりたいと思います。
○真田人事委員会事務局長 本日の質疑にもございましたように、新規採用者の裾野の広がり、職員構成の大きな変化、雇用と年金の接続、さらには都政の諸課題の一層の高度化、複雑化など、都の人事環境は現在大きな変化に直面しております。こうしたときだからこそ、専門的、中立的な立場から人事行政を担う私ども人事委員会の役割は、これまで以上に重さを増しているものと考えております。
このような認識のもと、近年の人事制度改革の成果の検証や人事環境の分析を行うとともに、有為な人材をいかに確保し、育て、それを有効に活用していくかという人事の原点に立ち返りまして、次代の都政を支え得る人事制度のあるべき姿について、人事委員会として、この間、精力的に、また先ほど先生からもお話しいただきましたように、まさに骨太の議論を重ねてまいりました。
課題が複雑に錯綜しており、報告の取りまとめは容易なものではございませんでしたが、強い使命感を持ちながら、一つ一つの問題を丁寧にひもとくことで、何とか解決の糸口を手繰り寄せることができたものと考えております。
今後は、今回の報告で指し示した人事制度の実現に向け、改革を着実に推し進め、なし遂げることが大きな課題となっております。そのためには多くの壁を乗り越えなければなりませんが、人事委員会に課せられた責務を今後とも確実に果たしていくために、本日いただきましたご指摘も十分参考にさせていただきながら、また、実際に人事制度を運用している任命権者とも十分連携をとりながら、引き続き強い信念を持って、人事委員会一丸となって全力で取り組んでまいります。
今後ともご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
○清水委員 先ほどご報告がありました、平成二十五年人事委員会勧告等のご報告について、何点か質問させていただきます。
経済再生といわれていますが、デフレ、景気低迷の脱却が今強く求められています。そのためには、この間、十年間ほど、働く人の賃金が大きく引き下げられてきたこと、ここを是正することが強く求められています。民間を含めた賃金引き上げと所得の引き上げが強く求められていますが、こういう中で、東京都においては例月給が連続九年引き下げということになっていますが、どういうことなのか。先ほどもご説明されましたが、今の質問に答えていただきたいと思います。
○石井任用公平部長 人事委員会勧告制度では、職員の給与を民間の給与と均衡させることとしており、本年の職員及び民間従業員の給与実態調査の結果、職員の給与が民間の給与を八百二十七円、率にして〇・二〇%上回っていたものでございます。
○清水委員 先ほどのご説明と変わらないんですけれども、職員の給与を民間の給与と均衡させるということはよしとしても、民間の給与との比較をしたということなんですけれども、実際に東京都の全体の民間賃金水準は、全国平均を一〇〇とすると一二二・三ポイント、そして、先ほどもご説明ありましたけれども、国の差というのは、〇・〇二%に対し、東京都が〇・二〇%ということになっています。大都市東京という地域的な特殊性、生活実態などからも、かけ離れているのではないかという指摘もあります。
しかも、対象企業規模、これは先ほどご説明はありませんでしたが、この資料の中にありますけれども、今、対象企業規模は五十人以上なんです。つい何年か前までは百人以上ということだったと思います。しかも、今回、宿泊、飲食、サービス業などの産業、これは、今いろいろいわれております低賃金産業が多いところも含めています。私は、東京の地方公務員なら少なくとも、五十人以上というのではなくて、民間大手企業、千人以上の比較をする必要があるんではないかというふうに考えているということを指摘しておきたいと思います。
そして、先ほどもご説明がありましたけれども、公的な年金が全く支給されない時期が生まれる再雇用者の給与問題があります。再任用職員の給与について、都は、引き続き国の動向に注視するとともに、民間における対応状況なども十分考慮して、給与水準や給与制度などについて検討するとしていますが、これでは内容はよく説明されていませんが、具体的にどういう予定なのか伺いたいと思います。
○石井任用公平部長 本年、人事院は報告で、平成二十六年職種別民間給与実態調査において、公的年金が全く支給されない再雇用者の給与の具体的な実態を把握した上で、必要な検討を進めることとしております。
都としても、今後、国の動向を注視するとともに、民間の対応状況や都における実情等も十分考慮して、給与水準、給与制度等を検討していくと判断したところでございます。
○清水委員 具体的給与水準が言及されていないということについては、納得できない、されない問題があるというふうに思います。実際に無年金期間というものが発生するということは明らかになっているわけです。これから検討していくということなんですが、この勧告には、やはり具体的な水準が言及されるべきだったのではないかというふうに思います。
高齢期の雇用制度について、これについても先ほどご説明がありましたが、これも具体的ではなくて、今後の問題として検討するというふうになっています。高齢期の雇用制度の再構築について、今後の見通しというのはどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
○石井任用公平部長 民間企業の一部におきましては、雇用と年金の接続に係る対応をきっかけとして、中高年層の人事制度を見直す動きも見られるところでございます。
高齢期雇用のあり方については、今後の行政ニーズや職員構成の変化、国や他団体、民間における動向に留意しつつ、その時々の状況を検証しながら、採用から退職に至る人事制度全体の中で、継続して検討していくことが求められております。そのため、勧告では、六十歳前の職員も含めた人事制度のあり方を、改めて整理する必要があるとしております。
○清水委員 これについても、具体的に触れられていなかったということは納得のできないことです。
フルタイム勤務を基本とするというふうに記載されています。確かにそういう職種もあるというふうには考えますが、しかしフルタイム勤務だけでなくて、高齢者が年齢にふさわしく、よく東京都の中では多様な働き方って、いろいろないい方でいうんですけれども、そういうことも検討すべきであるというふうに私は思います。
長年にわたって、先ほども議論がありましたけれども、都政に貢献されてきた職員の方々をいろんな意味で活用するということは、都政にとって本当に有意義なこと、有益なことであるというふうに考えます。そういう意味では、私は、いろいろありますけれども、そこの部分、フルタイム勤務を基本とするということについては、今後、見直しを要望し、質問を終わります。
○両角委員 平成二十四年度の東京都人事行政の運営等の状況、そういうものを見ますと、東京都は、知事部局ほか一般行政職員が一万八千人強、そして公営企業の職員が二万人、さらには警察、消防、教職員まで含めると十六万五千人の職員を擁する、そんな巨大な組織でありまして、すなわち、これがマンモス都庁といわれるゆえんではないかなと感じるところでございますが、今、東京は、オリンピック・パラリンピックの開催も決まって、これから成熟都市として、さまざまな行政課題に取り組んでいかなくてはいけない、そんなステージに入ってきたわけでありますが、その中で何が大切かということを考えると、やはりこれは、つまるところ人であろうと、このように感じるところでございます。
そこで、人、すなわち職員、その入り口部分である採用について、まず伺わせていただきたいと思います。
まずは、初めに、都の職員採用に当たって最近の課題と取り組みについて伺います。
○芦田試験部長 職員の採用につきましては、大学卒業程度、短大卒業程度、高校卒業程度の各試験区分を設け、事務、技術職員を確保しております。
一方、近年、高度化、複雑化する都政の課題に対応していくため、これまで以上に幅広く、採用市場全体からさまざまな資質、能力を有する多様な人材を確保することが求められております。
そのため、都は、大学院レベルの高度な専門知識、能力を持った人材を対象としたⅠ類A採用試験、即戦力となる民間企業等の外部人材を対象としたキャリア活用採用選考を実施してまいりました。
さらに、本年度から、大学卒業程度のⅠ類B採用試験の事務区分につきまして、理系学部出身者や民間就職希望者層等、多様な人材を対象とした行政、新方式を導入したところでございます。
○両角委員 今の都政の課題というのは、高度、複雑化をしているということで、それに対応するような、さまざまな取り組みをされているというふうに理解させていただきますが、その中で、大学院レベルの職員を採る試験制度、あるいは即戦力を採る制度、さらには、大卒程度で今までと違った多様な人材を採るという視点で、新しい制度を始められたというようなお話がございましたが、それでは、本年度初めて実施されたということでございますが、この新たな試験制度、大卒程度の多様な人材確保に対応したものと伺っておりますが、その概要について伺いたいと思います。
○芦田試験部長 お尋ねの行政、新方式につきましては、詰め込んだ知識ではなく、柔軟な発想で課題を発見し、解決策を考え、実行する力を中心に検証できる試験内容といたしました。
具体的には、筆記試験におきまして、従来の専門記述試験及び論文試験を廃止し、受験者の負担軽減を図る一方、表現力、説得力を見るプレゼンテーション面接や、発言力、協調性を見るグループワーク面接を導入いたしました。
本年度は、受験者数千三百十四人に対し、最終合格者七十五人であり、競争倍率は十七・五倍となっております。
○両角委員 筆記試験の負担軽減、それとまた新たな発想や表現力を見るという意味で、プレゼンやグループワークを導入したということで、その結果として受験倍率というのがまさに十七・五倍ということで、これは一定の効果を発揮しているんだろうと、そんなふうに思うわけでございますが、まだ初年度でありますので、今後どういう形に、多様な人材の確保につながっているのかという検証が必要だというふうに思いますので、そのあたりをしっかりやっていただきたいと思うところでございます。
一方で、そういった新しい新卒者の多様な人材を採るということと同時に、必要なことは専門性を生かすということではないかと思います。
例えば、都庁の業務の中でも、今、ITの関連、システムがいっぱい入っていますけれども、システム発注するときに、じゃ発注者側の都庁に、そういう専門的な視点で価格やシステムの妥当性を判断できる職員が実際いるかというと、なかなか中に入って専門性をつけるのは難しいだろうというふうにも思うわけでございまして、そういった視点で考えると、今、各自治体で、即戦力の中途の人材を活用する、そんな採用も行われているわけでございますが、そうした中で、今、東京都がここ数年来、経験者採用の試験としてキャリア活用採用選考というのを行っているわけでございまして、その実施状況等についてお伺いしたいと思います。
○芦田試験部長 都は、専門的知識やスキルが求められる専門分野につきまして、年齢を問わず知識、能力を有する人材を即戦力として採用するため、平成二十一年度からキャリア活用採用選考を実施しております。
資金運用、情報処理システム等の専門分野ごとに選考区分を設け、配置予定職場を明示した上で選考を実施し、合格者は、主任級職員、場合により係長級職員として採用しております。
さらに、証券アナリスト、システム監査技術者等、選考区分ごとに指定する国家資格等保持者につきましては、専門試験を免除しております。
選考創設以来、平成二十四年度までの四年間で、三十代から五十代にわたる幅広い年齢層の三百四十六人が合格し、それぞれの専門的知識を活用できる部署に配属されてきたところでございます。
○両角委員 今、概要の説明と実績、お話がございましたけれども、まさに、平成二十一年からというお話ですが、今、キャリア活用の採用の選考案内というのを拝見させていただいておりますが、例えば資金運用、証券アナリスト資格があれば、これは専門試験免除であるとか、あるいは財務、システム、不動産、医療事務等々あるわけでございますが、今、各地で行われているプロフェッショナルを即戦力として採用するのは、任期つきというのが多いわけでございますが、今回の東京都の採用方法というのは、プロフェッショナルを長期に入れていくということと、六十歳まで誰でも自由に受けられるという、そういう視点で、これはまさに画期的なものだなと、そんなふうに評価をさせていただくところでございます。
しかしながら、まだ数年間ということでございますので、この採用が始まって。先ほどお話をした任期つき採用とのすみ分けというんですか、そこら辺の考え方や、あるいはこうやって入られた方がある程度年齢を経ていった中で、人事のローテーションの中でどうやって昇任をして、組織の中で力を発揮していただくことができるのかというような、そんな長期的な視点も今後検討して、より実りのある制度にしていっていただきたいなと、こんなふうに思うところでございます。
続いて、昇任選考について伺いたいと思うんですが、採用が入り口だとすると、人材育成をして、そしてその中で、能力と意欲のある方が、マネジメントしていくような道を上っていくということになるわけでございますが、まずその中で、特に昇任試験というのは、東京都の場合は古い歴史があるというふうに承知をしております。昇任試験は、組織全体に広く有為な人材を求め、公平に選抜を行っていくという意味で有効であると思いますし、東京都の場合は、学歴や性別によらず、誰でも一定の職務を経験すれば受験することのできる試験制度が、人事制度の柱として長い歴史の中で有効に機能してきたんだろうと、こんなふうに思っているところでございます。
しかしながら一方で、今、各自治体を見ますと、例えば、女性が、採用される方も四割ぐらい、最近では東京都も女性だということでございまして、出産をしたり子育てをしたりというライフワークバランスの問題があったり、あるいは若者の仕事観が変わってきたりして、ただただ勉強漬けの過重な負担というのも、この試験制度の問題としてクローズアップをされて、各自治体では受験率が年々低下をして、試験制度としてなかなか成り立たないというようなところも出てきて、試験制度の改正というのが行われているというのも、またこれは事実でございます。
私も、私ごとになりますが、実は二十年以上前に私は横浜市の職員をやっておりまして、そこでは係長昇任試験というのがありました。一回だけなんですけれども、当時は十倍ぐらいの倍率だったんですが、仕事漬けになって、その後、勉強会があったり、参考書があったりして、まさにブロイラーのように勉強して、何でこんなことをやっているんだろうなと。しかし、そのときに耳に入ってくるのは、東京都の試験はもっとすごいらしいと、恐ろしいものらしいと、そんなようなお話でございました。
そのとき、こんなに過重な負担をしながら、仕事が終わって、ある程度年がいった人が勉強するというのは、どこに意味があるのかなと思いつつも、やらなきゃいけないから勉強もしたわけでございますが、東京都の試験制度につきましても、紆余曲折を経て、多分、変更を重ねてきたんではないかと思うんですが、それでは、現在、都の昇任制度というのはどのようになっているのか。特に、代表的な都の昇任制度である主任級の選考について伺いたいと思います。
○芦田試験部長 主任級職選考は、学歴や採用時の試験区分にとらわれない公平な昇任システムとして、昭和六十年度から実施しており、昨年度は受験者約二千九百人、合格者約七百人という規模でございました。
選考の方法は、基礎法令、都政実務等を内容とする択一試験や論文等の筆記考査と、勤務評定となっております。
○両角委員 試験制度、主任選考につきましても負担軽減を今、図ってきているということで、いろんな改正をしているということであります。
今、若い方も、ただ偉くなろうというような、そんな考えを持っている人はほとんど少ないんじゃないでしょうか。やはり仕事を通じて自己実現をして、組織に貢献して社会に貢献をしたいとか、あるいは自己研さんにつながるようなことがそのまま人のためになるというような、そんなセンスを持っている方が非常に多いですし、あるいは自分の一生の中で仕事を組み立てていく、自分の暮らしとのバランスも考えていく、そんなような方が大変多いんではないかと思うわけです。
そうした中で、主任級選考、負担軽減をしたといえども、意欲を持ってチャレンジをしていただけるような制度としていくためには、やはりただ取り組みやすいというだけではなくてインセンティブが必要ではないかと、このように思うところでもあります。
そこで、主任級選考について、意欲ある職員がチャレンジしやすい、そしてインセンティブが働く、そんな取り組みとしていただきたいと思いますが、ちょっとご見解を伺います。
○芦田試験部長 平成十八年度の選考から、職員のライフプランに合わせ、意欲ある職員がチャレンジしやすいよう制度改正を行いました。
具体的には、筆記考査につきまして、都職員として必要な基礎知識の検証を主眼に置き、一部試験科目を廃止するとともに、一定点数以上の者についての翌年度以降の該当科目の受験免除等を行っております。
○両角委員 時代とともに試験制度も変わりますから、当然、職員の皆さんの、今、幾つかのパターンで軽減をするというような話が出ました。
でも、先ほどお話をさせていただきましたように、個人的な狭い私の経験でいっても、一生懸命勉強して、それがそのまま直接、例えば、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが開催される。そういう夢を持って入庁されてくる若い職員もいらっしゃいます。そうした職員が、例えば、これから一定の基準を経て、あるいは今いらっしゃる職員の中でそういう部署に行きたいなと、あるいは国際的な都市間外交みたいなのをやっているところもありますから、語学を磨いて、そして行きたいなと、そういう部署に行ければなと、そう思ったときに、試験科目に、例えばそういうものがあれば、直接実になるわけです。その語学が生きる。受かった後にインセンティブとして、そういう部署で仕事ができるというようなことになれば、これはまた人事委員会とは違うかもしれませんが、連携をとって、仕事面でも、あるいは研修機会等でもそうですし、あるいは金銭面でもそうです。いろんなインセンティブを組み込んで、職員のやる気をさらに引き出すような人事制度をつくっていただくように希望して、質問を終わります。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○伊藤委員長 これより総務局関係に入ります。
理事者の欠席について申し上げます。
宮嵜危機管理監、矢岡多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務、村山企画調整担当部長及び早川防災担当部長は、公務のため、また、高橋主席監察員は病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○村松総合防災部長 平成二十五年台風二十六号に伴う被害状況と都の取り組み等につきましてご報告申し上げます。
お手元に配布しております資料に沿ってご説明申し上げます。
まず、1の台風二十六号に伴う被害状況等についてでございます。
(1)、警報の発令状況でございますが、十月十五日十七時三十八分に、都内のほぼ全域で大雨洪水警報が発令されました。その後、十月十六日十一時五十八分、島しょ地区を除いた地域で警報が解除され、十月十七日二十一時二十二分、都内全区市町村で警報が解除されております。
次に、(2)、避難勧告の状況でございますが、神津島村におきましては、十月十六日零時二十分、上の川地区外二地区で避難勧告が発令され、同日七時二十分に解除されております。
また、大島町におきましては、元町地区及び泉津地区におきまして、計約千二百世帯、約二千三百人の地域を対象に避難勧告が発令され、十月二十一日八時に解除されております。
次に、(3)、被害状況でございますが、十月二十三日十八時現在、大島町を中心に三十一名の方がお亡くなりになったほか、建物被害や停電、断水など、さまざまな被害が発生しております。
なお、本日十一時現在の情報によりますと、行方不明者につきましては、十五名のうち、一名の方が既に亡くなられていたことが判明したため、十四名となっております。また、断水につきましては、十一時現在、二十世帯から十五世帯へと減少しております。
二ページをごらんください。2の東京都の取組等についてでございます。
(1)、東京都の態勢でございますが、都では、まず十月十六日、前田副知事を本部長とする現地対策本部を大島支庁に設置、現地の情報収集体制を強化いたしました。
十月十八日には、この現地対策本部を通じて、現地のニーズを的確に把握し、迅速に応急復旧対策を企画、実施するための大島応急復旧プロジェクトチームを設置いたしました。さらに、同日、台風二十七号の接近に伴う災害対応を強化するため、現地対策本部長である前田副知事を本部長とした、東京都災害即応対策本部を設置いたしました。
次に、(2)、東京都の取組でございます。
本日七時現在の気象庁情報によりますと、台風二十七号は強い勢力となっておりまして、早ければ二十六日朝には伊豆諸島に接近する見込みとなっております。台風二十七号の接近に向け、伊豆諸島を初め都内各地で万全の体制をとる必要がございますが、特に、さきの台風で被害が生じております大島町におきましては、二次被害防止に向けた対策が急務となっております。こうした状況も踏まえまして、都では全庁を挙げて対策に取り組んでいるところでございます。
まず、島外避難者の受け入れでございますが、昨日、東海汽船のチャーター便による高速ジェット船や自衛隊のヘリコプターを使用し、大島町から島外への避難を希望される高齢者、障害者の方々と付き添いの方々など、計五十四名を受け入れております。さらに、本日、高齢者、障害者に加え、妊産婦や乳幼児の避難者の皆さんを受け入れる予定となっておりまして、先ほど十三時ごろ、約七十名の方々を乗せた船が出発したところでございます。本日十七時三十分ごろ竹芝港に到着し、その後、各受け入れ施設に移っていただく予定となっております。
また、避難者への対応につきましては、総務局復興支援対策部による宿泊施設の確保、福祉保健局、病院経営本部による福祉施設確保や避難者の健康確認、港湾局、交通局による輸送手段の確保など、各局が連携して対応をとっているところでございます。
三ページをごらんください。島外への避難だけでなく、現地における避難対策としても、大島町や都の現地対策本部、政府現地災害対策室が現場で連携しつつ、避難対象地区の設定や避難所の確保などの対応をとっております。
また、教育庁や都の現地派遣職員などが、避難所運営を支援しているところでございます。
さらに、緊急的な土砂災害防止対策として、建設局におきまして大型の土のう設置を実施しており、二十二日、予定していた二カ所の土のう設置を全て完了しております。
そのほか、東京都各局における大島への支援策を、次の四ページ以降の資料にまとめさせていただいておりますので、後ほどご説明申し上げます。
続きまして、(3)、自衛隊・警察・消防の大島町への派遣状況でございますが、自衛隊、警視庁、東京消防庁におきまして、一千名を超える人員、車両、航空機、艦艇を大島町へ派遣し、救出救助活動等を展開しております。
次に、(4)、災害救助法の適用でございます。
大島町の被害状況も踏まえまして、十月十六日から大島町に災害救助法を適用して、都の支援を積極的に行える環境を整備したところでございます。
四ページをごらんください。四ページから七ページまでにおきまして、局ごとに大島への支援策を取りまとめさせていただいております。
総務局では、災害即応対策本部の運営のほか、自衛隊等の活動に必要な重機の提供、財務局においては車両の手配、また、生活文化局ではボランティアの受け入れに当たっております。また、環境局においてはLPガスの被害状況の把握、福祉保健局、病院経営本部では東京DMATの派遣、福祉保健局では支援物資提供や生活再建支援、産業労働局においては中小企業への融資、港湾局におきましては各種支援に必要な船舶の確保、水道局では応急給水の実施など、全庁を挙げて大島への支援に取り組んでいるところでございます。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
以上で総務局関係を終わります。
議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十二分休憩
午後三時十分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 困難を抱える子供、若者への支援についてお伺いいたします。
私たちは、人としてだけでは生きていくことはできず、人間として社会的存在としてのみ生きていくことができるわけであり、また、社会的存在の中でのみ生きていくことの意味を見出すことができるわけであります。その私たちが生きていくことの前提となる社会、すなわち人間が生活する際に人間同士で構築する生活環境が大きく変化してきており、特に、最も身近な地域社会が、急速な都市化や核家族化により、また、人々の価値観が多様化し、周りの環境が変貌する中で、崩れてきているといわざるを得ません。
そのために、地域の問題に対して、地域で暮らす人々が連帯意識を持って対処し、相互に支え合うといった先人から受け継いできた意思が希薄になり、地域社会の力が弱くなり、人間力の低下につながっていっているといわざるを得ません。
こうした地域社会の崩壊が、現在のさまざまな社会問題の根底にあると考えられるわけでありますが、中でも青少年の問題、特に社会的自立が困難な子供や若者の問題が深刻な状況になりつつあります。
長期間、自宅に引きこもって、家族以外の人との交流をほとんどしない状態のひきこもりの若者や、学校に登校しない不登校の子供、また、進学も就職もせず、職業訓練も受けない若者、すなわちニートといった、社会にうまく適応できない、自立できないなどの問題を抱えた子供、若者が多く見られるようになってきております。
例えば、ひきこもりについては、平成十九年度に東京都が実施した実態調査の結果、都内の十五歳から三十四歳までの若者のうち、約二万五千人がひきこもりの状態にあるとの推計値が出されております。これは東京都だけです。このような子供、若者の問題を放置しますと、少子高齢化が進む中で、次代の担い手である子供、若者が自立を果たせないままでいることになり、社会全体にとって大きな損失になってしまうわけであり、そもそも社会そのものが、瓦解していってしまうことになりかねません。まさに今、ひきこもり、不登校、ニートまたは非行などの問題を抱える少年など、社会的自立に困難を抱える子供、若者への支援、そして対策が喫緊の課題になってきているわけであります。
そこで、まずお尋ねをいたしますが、社会的自立に困難を抱える子供、若者のうち、ひきこもりの若者への自立支援と非行少年の立ち直り支援について、青少年・治安対策本部は所管しているわけでございますが、本部のこれまでの取り組みについてをまずお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 当本部は、平成十六年度から開始いたしましたひきこもりの若者の相談事業を引き継ぐとともに、また、平成十九年度から非行少年の立ち直り支援の取り組みを開始するなど、子供、若者の自立に向けた各種施策を実施しております。
昨年度の事業実績として、ひきこもり相談事業につきましては、電話やメール等での延べ相談件数五千八百五十三件、また、非行などの問題を抱える少年の立ち直りのための相談支援件数は九百二十三件でございます。
ほかにも、ひきこもり等の若者を支援するNPO法人等の発掘、育成や、区市町村における若者の自立等支援体制整備の事業に取り組んでおりまして、これらは複数の有識者から、他の道府県にはない先進的な取り組みであると評価をいただいております。
○鈴木委員 ただいまのご答弁で、国や他の道府県に先んじて、東京都は、困難を抱える子供、若者への支援に積極的に取り組んできたということではございますが、さまざまな要因により社会環境が崩れ、人間力が低下し切っている中で、すぐさま改善できるわけでなく、実際に都内にはまだまだ支援が必要な子供、若者がたくさんおり、一層の取り組みが求められるわけでございます。
そこで、子供、若者の問題に関して、国としてどのような取り組みを行っているのか疑問でありますけれども、平成二十二年四月に施行された子ども・若者育成支援推進法とは、一体どのような法律なのかをお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 子ども・若者育成支援推進法、略して子若法と申しますが、こちらについては、ひきこもり、ニートといった社会生活を円滑に営む上で困難を有する子供、若者への支援について、国や地方公共団体において取り組みを推進させることを目的として制定された法律でございます。
子若法では、困難を有する子供、若者への支援のための枠組みづくりとして、地方公共団体に対しまして子ども・若者計画を作成する努力義務を規定しております。同法では、あわせて教育、福祉、医療、更生保護、雇用、その他各分野の関係機関が密接に連携いたしまして、子供、若者への支援に総合的に対応するため、各関係機関で構成される子ども・若者支援地域協議会の設置に努めるよう、地方公共団体に対して同様に求めております。
○鈴木委員 困難を抱える子供、若者の問題が社会問題となって、そしてまた対策の重要性が叫ばれる中、平成二十二年四月に国による法律が施行されたわけでありますが、この子若法は、まだまだ聞きなれず、そしてなじみが薄い法律といわざるを得ません。
子若法では、子ども・若者計画の作成と子ども・若者支援地域協議会の設置について、いずれも努力義務ではございますけれども、全ての地方公共団体に求めているとの答弁でありましたが、現実には、都及び都内の区市町村で既に子ども・若者計画を策定している団体はゼロでございますし、子ども・若者支援地域協議会については、都内では港区、新宿区、立川市の三区市のみに設置と聞いております。
地域において、支援が必要となる子供、若者の情報を把握し、社会的自立に向け、きめ細かい支援を行うことに関しては、住民に身近な区市町村の役割が重要と考えるわけでありますが、一部の区市を除きまして、都内の区市町村では、まだまだ困難を抱える子供、若者への支援の取り組みが進んでいないのが現実であります。
都では、子若法の制定以前から、先ほどのご答弁にございましたけれども、ひきこもりの若者など困難を抱える子供、若者への支援を行っているとのことでございますが、一番大切なのは、地域社会を持つ区市町村と足並みをそろえて取り組んでいくことではないでしょうか。
区市町村においても、困難を抱える子供、若者への支援の取り組みが進むようにするために、今後は都として、どのような取り組みを行っていこうとしているのかをお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 都は、困難を抱える子供、若者への支援をさらに充実、発展させるとともに、広く区市町村においても支援の取り組みが開始されるよう、今後、都として子ども・若者計画を策定していく予定でございます。
あわせて、子供、若者への支援に係る関係機関、関係団体のネットワークとなる子ども・若者支援地域協議会を今後立ち上げ、関係機関等の連携を進めてまいります。
スケジュールといたしますと、都の子ども・若者計画については、骨子、素案を平成二十六年中に作成し、二十七年度に計画を策定する予定でございます。また、子ども・若者支援地域協議会につきましては、今年度中に立ち上げることを目指しまして、関係機関との調整に向け、既に準備作業を開始しております。
こうした都の考え方を区市町村に情報提供し、都の計画を参考として、区市町村においても子ども・若者計画の策定を検討するよう促していくとともに、関係機関等と必要な調整を行ってまいります。
○鈴木委員 ただいまご答弁いただきました。東京都としても、今後、子ども・若者計画を作成し、また、子ども・若者支援地域協議会を設置するというご答弁でございましたけれども、子供、若者支援について区市町村での取り組みを促す上でも、ぜひ青少年・治安対策本部という特別な組織を持つ東京都がしっかりリーダーシップを発揮していくことが、私は重要であるというふうに思っております。
最後に、社会的自立に困難を抱える子供、若者への支援について、青少年・治安対策本部長の決意をお伺いいたします。
○河合青少年・治安対策本部長 ひきこもりの若者など、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子供、若者への支援につきましては、都として先進的に取り組んできたとはいえ、区市町村レベルでの取り組みも含め、重点的に注力していく必要があると認識しております。
今後、都は、広域自治体としての立場から、区市町村と緊密な連携を図るとともに、子供、若者の支援を担う人材の育成を図るなど、地域における支援の広がりに積極的かつ先導的な役割を果たしていくこととしております。
こうしたことに加えて、子供、若者への支援に関する今までの事業をさらに充実、発展させ、都民の期待に応えられるよう全力で取り組んでいく所存であります。よろしくお願いいたします。
○鈴木委員 ただいま力強い決意を伺ったわけでございますけれども、社会的自立が困難な子供や若者の問題というのは、その根底に、先ほども申しましたように、地域社会の崩壊や人間力の低下の傾向があるわけでございますが、まさに人間そのものの崩壊につながっていくものでございます。
ある学者は、成熟社会の宿命であるとも述べておりますが、社会的存在としてしか生きていくことの意味を見出せない人間として、まず生きる力をつけて、そして地域社会の構成員の一人として、地域社会のつながりを強めていけるような取り組みを、そして支援を粘り強く続けていくことが大切であるというふうに思っております。
そのためにも、都として大切なことは、地域社会を持つ区市町村と連携を密にして、その取り組みをしっかりと後押ししていくことではないでしょうか。ぜひ、ただいま本部長から決意を表明されたわけでありますけれども、危機感を持って取り組んでいただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○野上委員 最初に、ネット、携帯に対する質疑を行います。ネット、携帯に関するトラブルから子供を守る施策について質問いたします。
今日の情報社会の発展は目覚ましく、私たちの暮らしの中においても、パソコンや携帯電話により、誰もが簡単に世界中のさまざまな情報を入手できるようになりました。その情報の中には、例えば自殺の仕方とか、有毒ガスの発生の仕方とか、さまざまな有害な情報も含まれておりまして、これらの情報から子供たちを遠ざけるようにすべきであると私は考えております。
その一つの方法に、有害なサイトへのアクセスを制限するフィルタリングという機能がございます。東京都の条例では、インターネット上のトラブルから子供を守るために、子供が使用する携帯電話を購入する際に、販売店が保護者に対してフィルタリングの内容を説明することとしております。その上で、保護者がフィルタリングを利用しないと判断した場合には、その正当な理由を記載した書面を販売店に提出することを求めるというふうにしておりまして、フィルタリング解除手続を厳格化した規定を設けております。
しかし、最近は、従来の携帯電話にかわってスマートフォンが急速に普及しておりまして、今後、子供にも広まってくるものと考えます。
そこで、子供がスマートフォンを利用するに当たって、現行のフィルタリングの対応ができているのかどうか、お伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 スマートフォンにおきましては、インターネットに接続する方法は二通りございまして、一つは携帯電話回線を使用するもの、もう一つは無線LAN回線を使用するものでございます。
現行のフィルタリングは、携帯電話回線での使用を前提としてつくられているため、無線LAN回線におきましては、機能的に十分対応し切れてございません。したがいまして、スマートフォンにおいて、無線LAN回線を使用した場合、現行のフィルタリングだけでは、有害サイトへのアクセス制限が不十分となるということでございます。
○野上委員 フィルタリングについて、私も平成十三年から、委員会質疑や一般質問等で、しっかりとフィルタリング機能で子供たちを守るべきだということを訴えてきたわけでございますけれども、今、もうガラケーの携帯電話も売っているところがすごく少なくなって、ほとんどがこれからは主流となるスマートフォンになってくると思うんです。そうしてくると、現行のフィルタリングだけではもう十分ではないということでございます。
フィルタリングの導入だけでは万全でないのであれば、ほかにどうすれば子供たちを有害情報から守れるのか、この都の取り組みについてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 現行のフィルタリングの機能に加えまして、保護者のしっかりとした管理のもとでインターネットを利用させることが不可欠であることから、各家庭で親と子が話し合ってルールを定めることが重要でございます。
そこで、都では、インターネットや携帯電話の利用につきまして、各家庭でのルールづくりを支援する取り組みといたしまして、保護者や教職員等を対象としたファミリeルール講座を平成十九年三月から実施しております。
当講座におきましては、参加者を数名ずつのグループに分け、身近なトラブルの事例について話し合ったり、ルールづくりにおけるポイントについて一緒に考えるなどの活動を通じまして、親子のきずなを深めつつ、各家庭に適したルールづくりを支援しております。
○野上委員 スマートフォンは大変便利な機器だけに、各種の犯罪のツールとしても使われるようになると思います。子供をネット犯罪の被害者もしくは加害者にしないためにも、このファミリeルールの活動は重要であると思っております。
例えば、地域でいえば、ファミリeルールの講演会とか使い方についての講習会を受講した人が、それぞれの学校に戻ってきて、PTA活動の中で、自分が知ったことをそれぞれの家庭に伝えるような取り組みもしているということでございます。ですから、徹底してファミリeルールについて家族で話し合って、トラブルの原因にならないようにするということが大事だと思っております。
きのう、NHKの「あさイチ」という番組で、皆様方、仕事だから見ていらっしゃらないと思うんですけど、ネット依存、驚きの実態というのを報道しておりました。この中に、普通に生活をしていた成績優秀の女の子が出てきまして、この子が、LINEという、無料で通話できるので、LINEでつながって友達をたくさんつくってきたということで、起きているとき、ずっと携帯をしている。携帯というか、スマートフォンでLINEをやっていると。そうすると、学校にもどんどん行けなくなって、昼と夜が全く逆転の生活になってしまって、勉強が手につかないで成績がどんどん低下してきて、食欲がなくなり、やせ細ったと。そして、最後はもう風呂にも入らないという、そういう状況が来ているということでございます。
困難事例で困っている家庭も多いということで、ここでやっていたのは、インターネット依存症のためのネット依存治療部門を外来で設置をした病院があるということで、これは独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターとして発足をしておりまして、ここで思春期・青年期精神科外来を設置しているということで、これは有名な先生ですけど、何か本当に困っている家庭があればぜひ受けてくださいというようなことでございました。このことにつきましては、また別の機会に質疑をしたいと思っております。
次に、実際のトラブルに遭ってしまった場合の対応として、東京都では、子供から相談を受ける窓口であります東京こどもネット・ケータイヘルプデスク、この愛称はこたエールという事業ですが、これを行っておりますが、このこたエールの相談内容の中で最も多いもの、こたエールでアドバイスしている対処方法について伺いたいと思います。だから、最も多い相談内容のことと、こたエールでアドバイスしている対処方法、この二つについてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 こたエールの中で最も多い相談は架空請求でございまして、こちらは相談件数全体の約四割を占めております。典型的な内容といたしますと、十八歳以上と記載されているサイトに年齢を偽ってアクセスしたところ、料金請求のメールが次々と送られてくるようなものなどでございます。
対処方法といたしましては、相手の誘導やおどしに応じず一切無視し、住所、氏名、メールアドレス、電話番号といった個人情報を教えないことでございます。
そこで、こたエールでは、まず落ちついて行動するようアドバイスするとともに、相談者が子供の場合は、年齢を偽ってアクセスしたことへの反省を促すなど、子供への指導も含め対処しております。
○野上委員 架空請求だけではなく、インターネットに関するトラブルから子供を守るには、子供だけでなく、保護者を含む大人もしっかりとした知識を身につけることが大変重要であると思います。この架空請求に関しては、私どもの方にも本当にたくさん相談が寄せられるところでございまして、対処の仕方等をお教えしてきたわけでございます。
最後に、都が行っている二つの事業、ファミリeルールとこたエールについても、こういう機能がありますよということを積極的にPRして、都民にしっかりと広めていただくことをお願いしたいと思います。
それともう一つ、若年者の自立支援について質問させていただきます。
先ほどと同じ質問になるんです。鈴木副委員長と最初が一緒なんですけれども、そこは飛ばします。
平成十九年度に、東京都内のひきこもりの子供たちが、十五歳から三十四歳の若者のうち二万五千人という推計結果が出ているということでございました。この二万五千人の若者が引きこもっているということは大変なことだと思います。本来ならば、東京の将来を担って大いに活躍すべき若い世代の人たちが、これほど多くひきこもりの状態にあることは、大変深刻な問題でありまして、対策の強化、充実が必要と考えております。
自分の身近な相談の中でも、私も教師をしていた関係ですごく多いんですけれども、いじめがきっかけで中学校、高校で不登校になって、そのまま部屋の中から出てこない、何年も出てこないと。洋服なんかもそのまま、一年間着っ放しなので、ぼろぼろの状態という子供たちにも会ったこともあります。その子も、結局いろいろな支援をきっかけに、まず最初、風呂に入って髪を切って、そこから見事に立ち直ったということもございました。
それからもう一つ、最近では、大学を卒業して就職活動しているうちに、私のところに百社の名簿を持ってきました。百社受けて全部落ちたと。非常に優秀であったにもかかわらず、要するに不合格をもらうたびに落ち込んでしまって、鬱病のようになってしまった。そして引きこもっていたんだけれども、その子の場合も、いろいろ手だてを講じて、今、復帰しております。
そういうこともありますので、ひきこもりになる原因はいろいろであると思いますけれども、平成十九年度の実態調査では、どういうことが原因でひきこもりになったのかということを知らせていただければと思っております。
○坂田青少年対策担当部長 実態調査によれば、ひきこもりの状態にある若者のうち、ひきこもりの状態になった時期が二十五歳から二十七歳の者が二五%を占めております。原因も、職場不適応が二八%、就職活動不調が一三%と、就職、就労に関することが多いということのほか、病気、人間関係の不振、不登校等、さまざまとなっています。
こちらの関係機関に相談する意向といたしましては、約八割が相談を希望しておりまして、相談したい機関の条件として、無料で相談できるとか、親身に聞いてくれる等が挙がっておりまして、気軽に相談でき、丁寧に話を聞いてくれる相談機関や場が求められているものと見られております。
○野上委員 私は、初め打ち合わせしたときに、不登校からのひきこもりが断トツ多いのかなというふうに感じていたんですけれども、この調査結果によると、就職してから、二十五歳から二十七歳が二五%、四分の一というのは非常に驚きました。親御さんの立場からするとやっと就職してくれてよかったなと、家族もほっとしたと思うんです。でも、どこでこの子供たちがつまずくかわからない。これからも油断できないんだなという、そういう事実があると思います。
それから、ひきこもった人の約八割が相談を希望しているという実態、これが大事だと思っております。調査結果から、ひきこもりの状態になる原因や背景はさまざまで、画一的な対応では解決できないことや、悩みを気軽に相談できる機関が望まれていることがわかり、こうした実態に即した取り組みが必要であると思っております。
そうした意味でも、平成十六年から、ひきこもり本人や家族向けの相談窓口、ひきこもりサポートネットを開始したことは、大変大事な取り組みだと思いますけれども、都のひきこもり対策を開始した基本的な考え方は何だったんでしょうか。
○坂田青少年対策担当部長 ひきこもりは、さまざまな原因により生じることでありますので、その支援も個々の事例に即したきめ細かな対応が必要であるため、住民との接点を多く持つ区市町村で、本人や家族への個別支援を提供できる体制が求められております。
そこで、地域の支援体制の整備を促進するため、平成二十年度から三年間のモデル事業を経まして、二十三年度から、ひきこもりの若者の自立支援に取り組む区市町村への財政支援等を実施しております。
○野上委員 引きこもっている子供にとって一番身近な地域、区市町村、そこでの支援体制を東京都が進めてきたということがわかりました。
身近な支援で気軽に相談をし、支援を受けられる環境の整備に向けた東京都の取り組みの現状についてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 区市町村における支援体制整備のために、補助事業や区市町村職員向け研修を実施しております。
補助事業は、平成二十三年度からの三年間で九自治体が活用しました。
また、ひきこもり支援について、ノウハウ、経験を持つNPO法人等の団体を複数確保いたしまして、地域の体制整備のため活用していくことも必要でございます。そのため、都の支援プログラムに沿って、訪問相談やフリースペースの運営、社会体験活動を行うNPO法人等を登録、技術面や経営面をサポートする事業を二十三年度から実施いたしまして、現在、こちらは十三団体が参加しております。
○野上委員 地域の支援体制の整備に向けた取り組みの実績を、今お伺いしたんですけれども、東京都と連携をしてひきこもり対策に取り組む区市町村、今のところ九自治体という、まだまだ少ないと思います。きめ細かな支援を支える民間団体もまだまだ不足している状況でございます。
一方で、ひきこもりの問題は、個々の家庭で抱えがちになりまして、外部の支援機関にも結びつきにくく、潜在化する傾向があると思います。そのため、今後、早期に発見して支援につなげていくための取り組みが求められております。国でも、都道府県における訪問支援を中心とした補助制度を設けて、取り組みを促進しております。
区市町村の整備体制の促進や訪問支援の強化など、今後のひきこもり支援体制の充実に向けた都の見解についてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 今後とも、ひきこもり対策に取り組む区市町村と、区市町村が連携できるNPO法人等をふやしていくことを通じまして、ひきこもりの若者本人や家族が、身近な地域で安心して支援を受けられる環境の整備が必要でございます。
ひきこもりの若者の個々のニーズを見きわめ、適切な支援を提供していくためにも、訪問支援は有効でございます。そのため、今後、区市町村における取り組みを促進するため、国の補助制度の活用も含めまして、訪問支援の充実を検討していきます。
○野上委員 国の補助制度の活用も含め、訪問支援の充実を検討していかれるということでございます。東京の将来を担う若者の自立と社会参加を目指し、今後とも、区市町村やNPO法人等と連携をして、ひきこもり対策への着実な取り組みをお願いいたしたいと思います。
また、都は、若者支援策として、若者の総合相談事業であります若ナビも実施しておりますが、どんなことでも気軽に相談できる窓口として相談件数も増加傾向にある等々、成果を上げていると聞いております。小さな悩みでも誠実に受けとめ、真摯に対応していく地道な取り組みが、若者の自立支援のため重要な役割を果たしていると思います。
ひきこもり対策と同様、若ナビもあわせて、都の若年者支援の一層の充実をお願いいたしまして、質問を終わります。
○清水委員 私からも、ひきこもり対策についてお伺いいたします。
対人関係や社会的環境を断ち切り、孤立化している若者など、若者のひきこもりという新しい社会問題への対応が求められています。
我が党がこの問題を初めて取り上げましたのは、二〇〇二年三月、予算特別委員会の総括質疑で取り上げさせていただきました。ひきこもりの青少年の心のケア対策に総合的に取り組みをということで、当時は、衛生局長とか教育長とか生活文化局長というような関係局長がお答えをいただいております。
私もこれを取り上げましたのは、実際に相談がありまして、強くこの解決を願ったからです。
八月でしたけれども、三十代後半の青年の親御さんなんですけれども、来られまして、有名私立大学を卒業して、一旦希望した仕事場についたんだそうです。しかし、仕事でつまずいて退職をしたままひきこもりになり、相談に来られました。
そのとき私は、自分の判断とか、そうした対応をしても解決につながらないなと思って考えたんです。やはり東京都、国などの専門機関にお連れした方がいいんじゃないかなということで、各地域に整備されていますサポートステーションというのが、国の委託事業でされていますので、そこへお連れしました。
ご一緒させていただきまして、係の方にお願いをして、その後は係の方がご本人と対応をされるということで、その方は、先日、係の方にお伺いしたところ、九月まで三回訪れたそうです。ご本人は三十代後半ということで非常に焦っている、自分の友人などはいいところに就職をしているというようなことで、何から手をつけてよいかわからないで、現在はちょっと通うことをやめてしまっていると聞きましたが、しかし、そのサポートステーションの担当者は繰り返し連絡をとって、就職の活動を軌道に乗せるために努力をしていただいています。本当にこの対応に対しては感謝をしているところです。
しかし、たまたまこの方は私にお話を持ってこられた方で、そしてサポートステーションという場所に行くことで救われているのかなということなんですけれども、こうした対応がされていない若者、先ほど、調査して何万人いるとかというご答弁がありましたけれども、どれだけいることかということを思うと本当に胸が痛みます。
労働環境、雇用環境というのは、ますます悪化をするということが予想される中で、青年、若者のこうした実態がよい方向に向かうとはとても思えません。これ以上悪い方向に向かってほしくないんですけれども、雇用環境改善に私たち自身が取り組むことも重要です。そういうことをすることと同時に、こうした青年を一人でも救うための取り組みが、これまで以上に求められているというふうに思います。
若者サポートステーションの問題はきょうはお聞きしませんが、私は、この設置は本当に広く進める必要があるということを、自分が利用させていただきまして実感をするところです。
そこでお伺いいたしますが、先ほども質問者がいらっしゃいましたけれども、国は、子供、若者育成支援を総合的に進めるために、子ども・若者育成支援推進法を制定し、都道府県に対して子ども・若者計画の作成、子ども・若者育成地域協議会の設置などの努力義務を定めました。
内閣府調べによりますと、二十五年二月現在、四十七都道府県のうち、子ども・若者育成支援法による子ども・若者計画を作成済みであるのは二十八県だそうです。また、子ども・若者支援地域協議会は、二十一道県が設置を済んでいるというふうに伺っています。
それでは伺いますけれども、都として、子ども・若者育成計画の策定と子ども・若者支援協議会の設置を進めるべきというふうに考えますが、お伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 都は、社会的自立に困難を有する子供、若者への支援といたしまして、子ども・若者育成支援推進法の制定に先立って、ひきこもり若者等の相談事業など各種事業を展開してまいりました。
これまでの成果を踏まえ、今後、事業のさらなる充実、発展を期すために、都として、子ども・若者計画、こちらの策定及び子ども・若者支援地域協議会の設置に向けまして、既に準備作業を開始しているところでございます。
○清水委員 既に準備作業を開始しているということをお聞きしましたので、それでは、開始している内容や今後の計画について、お答えいただきたいと思います。
○坂田青少年対策担当部長 子若計画と地域協議会の設置に向けた準備でございますけれども、子ども・若者計画に盛り込むべき内容につきまして、当本部所管の事業について、今、検証を開始いたしまして、今後の具体的方向性を検討しているところでございます。
また、地域協議会でございますけれども、こちらは、地域協議会の設置に向けまして、協議会を構成する関係機関、関係団体のリストアップを進めているところでございます。
○清水委員 既に全国ではかなりのところが作成し、設置をしているということで、東京都も今回そういう準備を今していらっしゃるようなので、ぜひとも若者の実態を踏まえた計画の作成、整備を早期に進めていただきたいというふうに要望しておきます。
そこで、ひきこもり支援施策として、東京都ひきこもりサポートネットでの電話相談や取り組みが進められていることは承知をしていますけれども、都が実態を調査したのは十九年だというふうに聞いています。その後も雇用状況も一段と悪化し、若者を取り巻く環境が変化しているわけで、今の段階で実態の把握をすべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○坂田青少年対策担当部長 平成十九年度に、ひきこもりの実態調査と若年者自立支援団体の実態調査に取り組みまして、分析結果を踏まえて、平成二十年度に、区市町村における支援体制の整備や、ひきこもり等の状態にある若者を支援する民間支援団体を育成するモデル的取り組みを開始しております。
二十三年度からは、こうした取り組みを発展させ、区市町村における若者の自立等支援体制整備事業と、若者社会参加応援事業を本格的に実施しております。こうした事業を含めた支援策を推進していく中で、ひきこもりの実態につきましても把握に努め、都の取り組みの充実に役立てております。
今後は、子ども・若者計画の策定に取り組む中で、区市町村との連携を確保しながら、引き続き実態把握に努めまして、地域における支援体制の整備をさらに進めていくというふうに考えております。
○清水委員 今ご答弁ありましたが、私が着目したのは、町田市の昨年九月の若者自立に関する調査の状況を見ますと、二十歳から六十四歳まで二千名、一般市民の調査をしたと。それに加えて、民生委員、主任児童委員、市内の精神科、心療内科二十機関、市内病院九機関、市外病院七機関、二百四十四人を調査しております。ヒアリング調査を実施していると。この機関の方々から聞き取ったところによりますと、九割以上の方が、ひきこもり者への社会的支援、身近な相談窓口が必要だと認識しているというふうに答えられたようです。ひきこもりが長期化すれば問題が複雑化し、場合によっては自殺や孤独死などにつながるというふうに指摘をされています。
民生委員や児童委員や保護司など、市内の関係機関の方々は、対応の方法がわからないというふうにいわれているようです。先ほどの若者サポートステーションや保健所などの相談機関の周知とか、それから連携の強化がやはり必要ではないかなというふうにこの調査からわかったようです。
十九年当時と異なる新たな課題、解決につながる課題が出されていることから見ても、都として、こうしたところの調査もできれば今後考えていただきたいということを要望しておきます。
厚生労働省のひきこもり地域対策推進事業の一環として、医療、保健、福祉、教育、雇用などの分野の関係機関と連携のもとで、ひきこもり専門相談窓口としての機能を担うひきこもり地域支援センターの整備が進められています。
それと同時に、二十三年から、特に家庭訪問を中心とするアウトリーチの支援が開始されています。このアウトリーチの支援の問題で、相談事業の拡大や訪問支援に取り組む必要があると思いますが、どうでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○坂田青少年対策担当部長 ひきこもりの問題は、個々の家庭で抱えがちで、外部の支援機関に結びつきにくく、潜在化する傾向がございます。ひきこもりの問題を早期に発見して適切な支援につなげていくためにも、訪問支援は有効でございます。
そのため、今後、区市町村における取り組みを促進するため、国の補助制度の活用を含めまして、訪問支援の充実を検討してまいります。
○清水委員 ひきこもり地域支援センターというのがかなりの体制になりますので、今後の課題として、ぜひ早期に整備をしていただきたいなというふうに考えるところです。二十二道府県、十六政令市に設置をされているということですので、ぜひ今後、センターの整備についても検討することを求めておきたいと思います。
ひきこもりから抜け出した当事者や家族が異口同音にお話しされるのは、家族だけで抱え込んでも解決できない、これはいろんな本にもそういう学者の方がいわれています。第三者のかかわりや支援があったことをきっかけとしたということです。
先ほど何人かの方がこの質問をされましたけれども、私の周りにも本当に大勢いらっしゃるんです。やはり一人でも多くの方が国の仕組み、都の仕組み、これを活用できるよう、知らなかったというのではなくて、この普及をしていただいて解決に向かえるようにしていただきたいというふうに思います。
以上で質問を終わります。
○島田委員 私の方からも、引き続きましてひきこもり対策に関連しまして、主にサポートネットを中心にお伺いさせていただきますが、重複しているところはなるべく省かせていただきまして、端的に質問させていただきたいと思っております。
前段の議論で、ひきこもりが非常に大きな社会問題となっているということがありまして、大変、社会も関心が高まっているところでございます。
その中で、アウトリーチですか、訪問支援の話がありました。確かに、積極的に対象の方々にアプローチすることも重要だというふうに考えますが、一方で、ひきこもりの方々の特性、そういったものを考えると、電話あるいはメールで気軽に相談できる体制をしっかりと整備していくこと、これも大変重要なことであるというふうに考えております。
区市町村もひきこもりの相談を行っておりますが、ひきこもりを専門としている窓口は少ないことから、ワンストップで対応できるひきこもり相談は大変重要だと考えております。
このような観点から、都は、ひきこもりの状態にあるご本人やご家族に心理的援助を中心とした包括的な支援を行うほか、状況に合わせて適切な相談支援機関を紹介し、ひきこもりご本人の社会参加の一助となるため、電話やメールによる相談窓口であるひきこもりサポートネットを実施しております。
都は、ひきこもり本人や家族向け相談窓口、ひきこもりサポートネット事業を実施しておりますが、ひきこもりサポートネットにおける相談の状況についてお伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 ひきこもりサポートネットにおきましては、電話やメールで、平成二十四年度では五千八百五十三件の相談を受け付け、年々増加傾向にございます。
相談者の約四〇%以上が三十歳代以上でございまして、また、全体の約三〇%以上が、ひきこもり期間が五年を超えております。
相談内容を踏まえ、保健相談機関へ三六・一%、就労相談へは二七%などと、保健や就労を中心に、教育や福祉などの適切な関係機関を相談者に紹介しているところでございます。
○島田委員 今ご答弁をいただきましたが、相談件数は年々増加傾向にあり、この事業のニーズが高まっているということがわかりました。また、相談者の四〇%以上が三十歳以上であり、三〇%以上が五年を超えているということで、ひきこもりの長期化が大きな問題になっているということがわかりました。
ひきこもり本人の長期化に伴い、その保護者が面倒を見られるうちはいいと思うんですけれども、将来、その保護者が高齢になって面倒を見られなくなったらどうなるかという将来不安、これが大きな問題であるというふうに思いまして、ひきこもり対策は非常に重要であるというふうに思っております。
この答弁の中で、ひきこもりサポートネットでは、相談内容を踏まえ、保健相談機関へ三六・一%、そして就労機関へ二七%など、適切な機関を相談者に紹介しているということでございます。
先ほどの話もありましたけれども、ひきこもりの原因や長期化する背景などは、一人一人異なるわけでありまして、このような若者を社会参加へつないでいくためには、関係部署と十分な連携を図る必要があると考えております。このため、どのような連携を図っているのか、お伺いいたします。
○坂田青少年対策担当部長 現在ひきこもり状態にある若者にかかわる福祉、医療、教育、就労などの関係機関を委員としたひきこもりに係る連絡調整会議を年三回開催し、ひきこもりにかかわる相談機関の実務的な連携強化を図っております。
また、教育庁と連携いたしまして、不登校・若者自立支援フォーラムを開催するなど、不登校児童生徒を引きこもらせないための予防的な取り組みも行っております。
さらに、高等学校の中途退学者や不登校生徒等を支援している東京都教育相談センターに、青少年・治安対策本部のひきこもり支援にかかわる施策などの情報を提供しております。
今後も引き続きまして、ひきこもりの多様な状況に合わせ、幅広く関係機関と連携してまいります。
○島田委員 先ほど地域との連携という話もありましたけれども、やはり福祉だとか医療、教育、就労など、そういったところと連携を図っていくことが、今後のひきこもり対策を考えていく上で大変重要かなというふうに思っております。
野上委員もそうでしたけれども、私も、中学、高等学校の現場におりまして、特に思春期の中学校では、不登校の生徒を学校にまた戻すという大変な苦労がございましたけれども、学校に戻っていただくためには、家庭の協力はもちろんなんですけれども、先ほど第三者ということもありましたけれども、医療機関とかその他のいろんな機関と連携して、不登校生徒に対応した覚えがあります。
ひきこもりも、不登校生徒と同じように原因がさまざまでありまして、例えば心の問題であったり、あるいは職場での人間関係等もございまして、そこで話もありますように、医療機関とか就労機関などの連携が、非常に重要でないかなというふうに思っておりますし、学校での不登校が、将来のこのひきこもりにも関係するんじゃないかと私も危惧しているんですけれども、先ほどご答弁の方にありましたとおり、不登校児童生徒を引きこもらせないような予防的な取り組みも、今、教育機関と連携して行っているということでございまして、このような取り組みが非常に今後とも重要だなというふうに思っております。
関係機関と綿密に連携をして、今後のひきこもり対策の促進を要望いたしまして、私の質問を終わります。
○中屋委員 私からは、ひきこもりではなくて、ITS世界会議についてお伺いをいたします。
私は今回、都議会自民党の仲間九人を連れまして、ITSの世界会議を視察させていただきました。会場の東京ビッグサイトには、東京都、警察庁といった官公庁や、自動車メーカーを初めとした多数の民間企業の工夫を凝らした展示ブースが多数出展されておりまして、ITS、いわゆる高度道路交通システムの活用の現状や、安全で快適な将来の道路交通社会の姿を知ることができまして、大変勉強させていただきました。
会場全体、東京都のブースも含めまして多くの人でにぎわっておりまして、世界会議は成功裏に終了したと思いますけれども、世界会議を終えての主催都市としての感想を、参加者からはどのような声が聞かれたか含めてお伺いをいたします。
○五十嵐治安対策担当部長 ITS世界会議では、官民の各展示ブース、ショーケースと呼ばれる実演展示、我が国の道路交通の実際の状況をバスツアー等で見学してもらうテクニカルビジット、専門家による数多くの講演やトークセッションなど、多くの催しを実施いたしました。
十月十六日には、台風二十六号の影響によりまして、午前中のプログラムが中止されるなどのアクシデントはございましたけれども、期間中、多くの来場者にお越しいただくことができました。
東京都の展示ブースの来場者からは、東京の交通管制技術に感心した、ITSは暮らしの役に立つ身近な技術であるとわかったなどの好意的な声を多数いただいております。
こうしたことから、世界会議を通じ、各国の専門家や関係者に最先端を行く日本の技術を示すとともに、一般都民の方々にも、ITSの活用の現状と未来の可能性について、広くアピールすることができたものと認識しております。
○中屋委員 今、ITSの未来という言葉がありましたけれども、私自身もその可能性を大いに感じたところであります。
例えば、運転手が気がつかなくても、車自体が歩行者を検知し、衝突を防止するブレーキがかかる車両など、いろいろな最先端の技術がたくさんありました。こうした技術を利用していけば、交通事故減少にもつながるのではないかというふうに感じたのでありますが、そこで、ITS技術が東京の交通に、そして我々の暮らしにどのような変革をもたらすのか、改めて見解を伺います。
○五十嵐治安対策担当部長 都は、震災時におけるITSを活用した新たな取り組みといたしまして、ドライバーの安全や緊急車両の円滑な通行を確保するため、火災や通行どめなど震災時に重要な情報を地図上に一元化して、スマートフォンにより提供する仕組みの構築を進めております。
また、平時におきましては、渋滞を解消するため、交通量を予測して最適な制御を行う需要予測信号の導入など、既にITS技術を活用しており、今後、これらの取り組みをさらに進めていくことにより、平時、災害時ともに円滑な道路交通の確保が図られるものと考えております。
一方、車両機能の高度化による安全運転の支援といった面につきましては、実証実験に入った自動運転、駐車場で自動的に空きスペースに駐車するシステム、見通しの悪い交差点においても、死角から接近する自動車や歩行者などを、あらかじめ認識できる仕組みといったものの実現も期待できるところでございます。
このように、ITSは、いつでも、誰でも安全で快適な移動を可能とするとともに、災害対策や環境改善にも役立つなど、社会に大きな変革をもたらす技術であると認識しております。
○中屋委員 今後も、ITSを活用した施策をより一層進展させるほか、民間におけるITSの普及への支援や、技術の進展に応じ実際に使えるように、早期に法令のあり方などもご検討いただきたいと大きな期待をしております。ぜひとも河合本部長には頑張っていただきたいというふうに思います。
そこで、このたび東京二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催が正式決定をされました。二〇二〇年まであと七年、大会を成功させるためには、当然、選手や役員、観客が安全で円滑に都内を移動できるようにする必要があります。
具体的な輸送計画などについては、今後、組織委員会において策定されていくことになりますが、私は、ITSの技術を活用することが輸送計画の鍵になってくるのではないかと考えます。また逆に、オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、東京におけるITSを一層普及させていくべきだと思います。
最後の質問になりますけれども、今後、オリンピック・パラリンピック開催に伴うITSの普及に向けての考えとご決意を河合本部長にお伺いいたしまして、質問を終わります。
○河合青少年・治安対策本部長 お答えいたします。
オリンピック・パラリンピック東京大会を成功させるためには、テロ対策や、会場における多数の観客の集合による混乱の防止といった治安面での対策はもちろん、委員ご指摘のとおり、安全で円滑に選手や観客を会場に輸送し、かつ一般の道路交通を渋滞させないといった交通対策が極めて重要であります。
こうした交通対策につきましては、ITS技術がさまざまな形で活用されると考えてございます。例えば、関係者の車両が目的地までスムーズに移動できる信号制御の導入や、観客用のシャトルバスの定時性の確保の仕組みの実現などが想定されます。
当本部といたしましては、オリンピック・パラリンピック東京大会の成功のためにも、安全で快適な道路交通環境を実現すべく、ITS技術の普及に向けた仕組みづくりなども含め、引き続き、国、関係機関、民間事業者等とも連携して、ITSに関する施策を展開してまいりたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○小山委員 これまで、ひきこもり、そして今、中屋理事の方からITSのご質問があり、私も、大変重複しまして申しわけございませんが、何とぞお許しをいただきたいと思います。
先週の十月十四日から十八日の間、ITS世界会議が東京で開催をされました。インテリジェント・トランスポート・システム、ITSは、訳して高度道路交通システムといいますが、人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策など、さまざまな課題を解決するためのシステムであり、常に最先端の情報通信や制御技術を活用して、道路交通の最適化を図ると同時に、事故や渋滞の解消、省エネや環境との共存を図るシステムでございます。関連技術は多岐にわたりまして、社会システムを大きく変えるプロジェクトとして、新しい産業や市場をつくり出す可能性を秘めております。
このITS世界会議が、日本では九年ぶり、東京では初めての開催となりました。私もこの世界会議を視察させていただきましたが、台風二十六号の直後にもかかわらず、会場の東京ビッグサイトには多くの来場者がおり、官民の展示、実演なども多種多様でございました。マスコミを初め多くのメディアでも、この世界会議の様子や、自動車の自動運転の実証実験などが大きく取り上げられておりました。
二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京開催が決定した直後に開催されました国際的な会議でもあり、東京におけるオリンピック・パラリンピックも見据え、安全で快適な道路交通未来都市東京の姿を、アピールすることができたのではないかと確信いたしております。
そこで、このたびのITS世界会議の開催概況についてお伺いをさせていただきます。
○五十嵐治安対策担当部長 この世界会議には、速報値でございますけれども、目標の八千名を大きく上回る約二万名の方々の参加をいただくことができました。
新たな取り組みといたしまして、今回の東京会議から、専門家だけではなく、より多くの方々にITSへの理解を広げるため、一般公開日を設定し、三千名を超える方々にお越しいただくことができました。
また、都が実施いたしました、一般の方々にITSをわかりやすく解説するトークセッションには、立ち見の方もいらっしゃるほど多くの方々に参加いただくことができました。
○小山委員 当初の目標八千名に対し二万名を超える来場者ということで、大変な盛況、そして関心の高さがうかがえる世界会議でありました。また、一般公開を設けられたというのも、大変すばらしい取り組みであったと考えております。
ちょうどトークセッションなどのときには、立ち見が出るということでしたけれども、都民の方を含めて、このITSというそのもののことについての認識がまだまだの部分があります。そういった点で、今回の世界会議は、こういったことの普及啓発にも大変大きく寄与したものでないかと考えております。
また、私が拝見した中で、来場者の多くの関心を集めておりましたのが、自動車の自動運転でありました。この運転支援システムは、交通事故の未然回避や渋滞解消を運行制御により実現するなど、まさに東京の課題解決に資する技術開発が展示、実証をされておりました。日産やトヨタを初め各自動車メーカーは、二〇二〇年の実用化を目指し取り組んでおりまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を念頭に置いているとのことでもございました。
そのような中で、東京は、ITS関連施策のみならず、東京都政全般を紹介するブースを会場に設けたほか、青少年・治安対策本部で取り組んでいる震災時におけるスマートフォンを通じた交通情報の提供の仕組みを、実演展示として出展されておりました。
私もその実演車両に同乗し、公道を試験走行する中で、この情報提供の仕組みがどのように機能するかを体験いたしましたが、一昨年の東日本大震災発生時におけます交通渋滞の状況を思い出し、こうした先進的な取り組みの仕組みの実用化は、大変有効かつ急務であると改めて認識をいたしました。
今回の展示は、この取り組みを広く都民の方にもお知らせする場であったと思いますが、四日間のデモンストレーション走行を行った結果や成果についてお伺いをしたいと思います。
○五十嵐治安対策担当部長 都は、実際の車両とスマートフォンを用いてデモンストレーションを行い、現在検討中の震災時における道路交通情報等の提供の仕組みにより、どのように情報を受け取れるのか、期間中、約百四十人に体験していただきました。
参加者からは、有用なシステムだと思う、火災だけではなく津波やその他の情報も表示してほしい、ぜひ早期に実現してほしいなどの意見をいただいております。
また、デモンストレーションの様子は新聞等で報道され、この取り組みを広く都民にアピールすることができたと思われます。
都といたしましても、このようにこの取り組みへの期待度が大きいことが確認できたことから、早期実現に向けて、引き続き鋭意取り組みを推進していく所存でございます。
○小山委員 この情報提供の仕組みは、スマートフォンのマップ上に災害情報や交通規制情報が示されるほかに、そこでも実際行われていたんですが、将来的には、オーグメンテッドリアリティーといって、AR、訳して拡張現実ということ、これも視野に入れて取り組んでおられます。
拡張現実とはどういうことかといいますと、バーチャルリアリティーの変種でありまして、そのとき周囲を取り巻く環境、周囲環境ですね、こういった現実環境に情報を付加して、文字どおりスマートフォンを見て、人間から見た現実世界を拡張することができます。この拡張現実として、その場でもそうだったんですが、スマートフォンを通して見た風景上に、その場所に関する情報が付加をされまして、災害情報や交通規制を確認することができるという、大変なシステムでありました。
まさに、発災時の災害情報をもとにして、自助としての災害現場からの回避が可能となるなど、都民にとって、災害時の有効な情報提供の仕組みであることを実感させていただきました。
この仕組みを来年度にも実用化したいということでございますが、当然、実験段階と実用段階では、クリアすべき課題も多く、かつより大きなものになるだろうと思われます。例えば、情報提供のシステム、ハードの課題については、東京消防庁との連携が欠かせないと思いますし、また、どんな高度なシステムでありましても、実際に運用するのは人であり、実際に適切に情報を収集して、それを確実に必要としている人に発信するといったオペレーションの面からも、課題があるのではないかと考えます。
そこで、実用化に向けてどのような課題があるのか、また、その解決に向けてどのような取り組みをしていくのか、お伺いさせていただきます。
○五十嵐治安対策担当部長 震災時において、道路交通情報等を提供する仕組みを実現化するためには、提供する情報を迅速に収集し、集約する体制の確立が課題となります。
現在は、刻一刻と変化する火災などの災害の状況を、リアルタイムで情報提供に反映させるための方法などを関係機関と調整しているところでございます。この仕組みを真に効果的なものとして実用化できますよう、今後とも鋭意努めてまいります。
○小山委員 今のご答弁の中にありましたように、やはり情報をいかに早く迅速に収集をして集約できるかということと、これをリアルタイムでしっかり情報提供できるか、これは関係機関との連携というのが必要になってくるというご答弁だったと思います。
まさしく課題とその解決に向けた取り組みをお伺いさせていただきましたが、ご答弁の中で、効果的なものとして実用化するとのことでございますので、ぜひとも今回の実証実験、こういった成果を踏まえて、青少年・治安対策本部の頑張りに期待をしたいと思います。
そして、ぜひ、東日本大震災発生以後の首都東京の安心・安全につながる施策として、実用化に向けまして、総務局を初めとして、警視庁、東京消防庁とも連携の上、早期に実現が図られますよう求めまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○河野委員 おとといに引き続きまして、ラストバッターとして質問させていただきたいと思います。私からは、交通安全対策に対して何点か質問させていただきたいと思います。
依然と痛ましい交通事故がニュースで取り上げられているわけですけど、都内における交通事故の発生状況とその傾向について、どういう状況かご説明いただきたいと思います。
○五十嵐治安対策担当部長 警視庁の統計によりますと、昨年の交通事故発生件数は四万七千四百二十九件、死者は百八十三人でございまして、発生件数は十二年連続で減少、死者数は戦後最少となっております。
本年上半期につきましては、交通事故発生件数二万四百七件、死者数は八十二人で、発生件数は、前年同時期マイナス二千六百五十八件と大幅に減少しておりますが、死者数につきましては、前年同時期でプラス二人ということで増加しております。
主な特徴といたしましては、高齢者の交通事故が多いことでございます。都の人口に占める六十五歳以上の高齢者は約二割でございますが、本年上半期の高齢者の交通事故件数は五千八百三十五件で、全体の約三割、死者数は三十一人で全体の約四割を占めております。また、死者数三十一人の過半数に当たる十八人が歩行中のものということになっております。
高齢者の歩行中の事故の原因といたしましては、車両側の違反だけではなく、横断禁止場所での横断や信号無視など、高齢者側の基本的なルール違反が挙げられております。
○河野委員 事故の件数は大きく減少しているということでございますけど、高齢者の占める割合というのが大きくなってきている。また、歩行者側にも原因があると見られているということで、特に高齢者に対して、みずからの体力などを十分に認識した上で、正しい交通ルールを再認識してもらうということが、事故の防止につながってくると思っております。
そこで、当対策本部として、高齢者に対する交通安全教育についてどのような取り組みをされているか、説明願います。
○五十嵐治安対策担当部長 高齢者の事故を減らすためには、従来からの地域における交通安全教室などの教育活動に加えまして、こうした活動には参加しない、あるいは参加しにくいといった高齢者側の事情に配慮した対応が重要でございます。
そこで、区市町村と連携した出前型の交通安全触れ合い教室の開催や、民間事業者の協力を得まして、高齢者が多く訪れるスーパーマーケットでのポスター掲示など、多様な啓発活動を行っております。
今年度は、さらに踏み込んで、地域のグラウンドゴルフ大会などに参加している活動的な高齢者に対しまして、試合の合間の待機時間を活用した交通安全教室を実施するなど、より多くの高齢者が集う場面における啓発活動を実施しております。
今後は、高齢者に対する体験型の交通安全教室といたしまして、高齢による体力の衰えを自覚してもらうため、俊敏性の測定及びトレーニングができる器材を使用するなど、新たな工夫を加えた交通安全教育の充実に努めてまいります。
○河野委員 最後にもう一つ質問させていただきたいと思うんですけど、高齢者の割合が多いということなんですけど、統計上は、子供の交通事故というのはそんなに多いわけではないんですが、実は去年、私の地元であります板橋区で、九月二十八日、これは小学二年生の女の子なんですけど、通学中に二輪車にはねられて亡くなっております。
それで、それが金曜日だったんですけど、その次の月曜日に、今度は、同じく板橋区内の同じく小学二年生の今度は男の子が、国道を渡っているときにはねられて、これは夕方の時間帯です。亡くなられております。
三日間のうちに二人の児童を板橋区は亡くしてしまって、本当にこれから対応をしっかりしていこうというさなかで二人目の犠牲者を出してしまったということで、非常につらい経験をいたしました。
そのときにいろいろな議論をさせていただいたんですけど、板橋区の中では、この委員会には板橋区選出の議員が私を含めて四名もおりまして、これは所管が違って、警視庁に対しての要望になるわけですので、ここで今答弁を求めませんけれども、男の子の事故はスクールゾーン内で起きております。しかも七時五十五分。八時から九時までは交通規制がかかっているんです。でも、五分前に事故で亡くなっている。
昔から私たち区議会の中でもいろいろ議論がある中で、七時半から八時半までが実効的な時間じゃないかと。八時では、もう七時五十分ぐらいから通学が始まっているんです。八時二十分には通学は終わっているのに九時までやっているということで、これは三十分前倒ししてほしいということを再三にわたって要望させていただいておりまして、こういう事故もあったことがあって、板橋区議会の中で要望書が上がりまして、これは東京都警視庁に対して要望が上がっております。
そして、我々四名を含めて板橋区選出の都議会議員、橘都議も含めて五名の署名で、警視庁に対して要望させていただいております。このことは警視庁所管なので、きょうの答弁は結構でございますけど、これを連携して、やはりぜひこういうことに対しても取り組んでいただきたいと思います。
最後の質問として、子供たちに対する交通安全教育について、どのような取り組みをこの本部でなされているのかを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○五十嵐治安対策担当部長 子供を交通事故から守るためには、子供自身が幼いころから交通ルールを深く学び、交通安全意識を身につけることが重要でございます。
これまで、交通ルール等をわかりやすく伝えるリーフレットを作成し、教育庁とも連携いたしまして、都内全ての小学生、中学生、高校生などを対象に、約百九十万枚配布するなど、交通安全教育の普及に努めてきたところでございます。
昨年度からは、近年社会問題になっております自転車による事故を防ぐため、小中高校などにおきまして、自転車のルールを楽しみながらわかりやすく習得できる、自転車シミュレーター安全教室を六十回開催したところでございますけれども、今年度は百五十回にふやして実施しております。
また、今年度は、特に小学校低学年の児童に基本的な交通ルールを習得させるため、映像を見ながらシート上を歩行し、道路横断時の危険を疑似体験させることにより、自動車の速度感覚などが理解できる歩行者教育システムを活用した安全教室を、小学校におきまして年間四十六回開催しております。
今後も、より効果的な体験型に重点を置きまして、工夫を凝らして交通安全教育を進めてまいります。
○河野委員 ありがとうございました。
ぜひ対策本部として、警視庁や区市町村、関係機関と連携しながら、ぜひとも安心・安全なまちづくりに努めていただきたいと思います。
以上で終わります。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時三十一分散会
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