総務委員会速記録第二号

平成二十五年三月五日(火曜日)
第一委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十五名
委員長中山 信行君
副委員長鈴木 章浩君
副委員長山下ようこ君
理事橘  正剛君
理事原田  大君
理事吉田 信夫君
佐藤 由美君
中屋 文孝君
星 ひろ子君
谷村 孝彦君
吉原  修君
西岡真一郎君
服部ゆくお君
小沢 昌也君
川井しげお君

欠席委員 なし

出席説明員
知事本局局長前田 信弘君
儀典長伊藤 秀樹君
次長長谷川 明君
総務部長藤田 裕司君
地方分権推進部長潮田  勉君
自治制度改革推進担当部長樋口 正勝君
外務部長櫻井 和博君
国際共同事業担当部長熊谷 克三君
基地対策部長新美 大作君
横田基地共用化推進担当部長筧   直君
政策部長池田 俊明君
政策担当部長調整担当部長兼務鈴木  勝君
尖閣諸島調整担当部長坂巻政一郎君
投資政策部長松下 隆弘君
計画調整部長澤   章君
計画調整担当部長秀嶋 善雄君
総合特区推進部長瀬口 芳広君
青少年・治安対策本部本部長樋口 眞人君
総合対策部長中村 長年君
青少年対策担当部長坂田 直明君
治安対策担当部長五十嵐 誠君
総務局局長笠井 謙一君
危機管理監宮嵜 泰樹君
理事前田 敏宣君
総務部長山手  斉君
訟務担当部長和久井孝太郎君
復興支援対策部長野口 一紀君
復興支援調整担当部長早川 剛生君
行政改革推進部長堤  雅史君
情報システム部長長澤  徹君
首都大学支援部長伊東みどり君
人事部長中嶋 正宏君
労務担当部長内藤  淳君
主席監察員藤森 教悦君
行政部長砥出 欣典君
多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務鴫原  浩君
区市町村制度担当部長西村 泰信君
総合防災部長村松 明典君
企画調整担当部長箕輪 泰夫君
統計部長高橋 英次君
人権部長並木 勝市君
選挙管理委員会事務局局長影山 竹夫君
人事委員会事務局局長真田 正義君
任用公平部長石井  玲君
試験部長芦田 真吾君
審査担当部長小澤 達郎君
監査事務局局長松井多美雄君
監査担当部長仁田山芳範君

本日の会議に付した事件
青少年・治安対策本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 青少年・治安対策本部所管分
選挙管理委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
人事委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 人事委員会事務局所管分
監査事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 監査事務局所管分
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 総務局所管分
・第百三十七号議案 平成二十四年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
・第百四十号議案 平成二十四年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
・諮問第一号 地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問について
報告事項(質疑)
・平成二十四年度都区財政調整再調整の概要について
知事本局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二十八号議案 東京都尖閣諸島寄附金による尖閣諸島活用基金条例
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 知事本局所管分
付託議案の審査(決定)
・第二十八号議案 東京都尖閣諸島寄附金による尖閣諸島活用基金条例
・第百三十六号議案 平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 総務委員会所管分
・第百三十七号議案 平成二十四年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
・第百四十号議案 平成二十四年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
・諮問第一号 地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問について

○中山委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、所管六局の中途議決に係る付託議案の審査並びに総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、青少年・治安対策本部所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○中山委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○中山委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で人事委員会事務局関係を終わります。

○中山委員長 これより監査事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、監査事務局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。

○中山委員長 これより総務局関係に入ります。
 付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、総務局所管分、第百三十七号議案、第百四十号議案及び諮問第一号、地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問について並びに報告事項、平成二十四年度都区財政調整再調整の概要についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は、いずれも終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○中山委員長 これより知事本局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二十八号議案及び第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、知事本局所管分を一括議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 これより質疑を行います。
 発言を願います。

○西岡委員 今定例会に上程された第二十八号議案、尖閣諸島寄附金基金条例案について質問をいたします。
 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も疑いのない我が国固有の領土であり、現に我が国が有効に支配していると認識しています。それにもかかわらず、一九七〇年代以降、中国や台湾が唐突に独自の主張を展開し始めたのは、国連機関から、東シナ海に石油埋蔵などの可能性があるとの指摘を受けてのことに起因しており、そのことで尖閣諸島に注目が集まったからであると考えます。
 中国などの根拠のない主張や振る舞いは、到底看過できるものでありませんが、海洋資源の確保が一国の繁栄にとって、死活的かつ重要な意味を持つことの現実を雄弁に語るものであると考えます。
 翻って、我が国には、陸域のエネルギー、鉱物資源が極めて乏しく、その需要のほぼすべてを海外からの輸入に依存してきました。しかし、近年は、資源産出国において資源ナショナリズムが台頭しつつあります。このような状況は、我が国のエネルギー、鉱物資源の安定供給確保、ひいては経済、産業、国民生活に多大な影響を及ぼしかねません。他国の状況の影響を受けずに、安定的な資源供給源を保持するための取り組みが極めて重要であります。
 我が国の領土の面積は、世界で第六十一位である一方、経済的なさまざまな権益を持つ排他的経済水域と領海を足した面積は、世界第六位という広大な広さとなっています。そして、近年、これらの海域には、石油、天然ガスに加えて、メタンハイドレートや金属鉱物資源の新たな供給源として期待される海底熱水鉱床などの多様なエネルギー、鉱物資源の存在が確認されています。レアメタルなどは、国内における資源供給が大いに期待されている状況にあります。
 いうまでもなく、この広大な排他的経済水域、それに加え、大陸棚を支えるのは、排他的経済水域を根拠づけるなどのいわゆる国境離島であります。東京都には、日本の最南端でもある沖ノ鳥島、そして、北方領土が返還されていない現状では、最東端となる南鳥島などの国境離島があります。その振興などを通じて、我が国の約四割にも及ぶ排他的経済水域を支えています。
 私も、海洋権益の確保の動向に強い関心を持っており、一昨年は、船の科学館にて開催された沖ノ鳥島フォーラムに参加しました。
 フォーラムでは、沖ノ鳥島が我が国の極めて重要な排他的経済水域を担っていることや、貴重な発表を聞かせていただきました。その岸壁の整備状況や海洋観測の様子などを聴講し、改めて貴重な海洋資源に恵まれた沖ノ鳥島の重要性を認識し、国を挙げての沖ノ鳥島への支援が重要であることを痛感しました。
 そして、尖閣諸島も極めて重要な国境離島の一つであります。
 昨年九月、尖閣諸島は、我が党政権時に国が取得をし、保有することとなりました。これを踏まえ、今後、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を図り、これを確たるものとするために、都に寄せられた十万件、十四億八千万円を超える貴重な寄附金を、状況を見据えて、国による活用に資する取り組みに対し託していくことが、都が担うこととなる重要な役割であると考えます。
 こうした基本認識のもと、何点か質疑を行います。
 まず、これまでの都の取り組みについて伺います。
 都は、昨年九月、尖閣諸島において洋上から現地調査を実施しました。調査団員の皆様の大変な労苦と周到な準備に対し、心より敬意を表するものでありますが、この調査において具体的に確認できたこと、また、調査に関してその後どのような取り組みを行ったのかを伺ってまいります。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 昨年の九月二日でございます。都は、不動産鑑定のための現地確認と活用方策の検討に向けた基礎的調査を目的としまして、尖閣諸島の現地調査に行ってまいりました。私も、調査団の団長としましてこの現場に参ったところでございますが、なぎともいえる絶好のコンディションのもと、島々の多面的な実態把握に努めたところでございます。
 この調査では、まず地元漁業者のための施設について、魚釣島や南小島あるいは北小島の沿岸域におきまして、水深や背後地の状況等を調査し、四カ所で整備の可能性を確認いたしたところでございます。
 また、野生化したヤギの食害等による土砂崩壊あるいは海岸での漂着ごみの散乱など、環境の悪化が懸念される状況も確認できたところでございます。
 これらを初めまして、海水の水質、潮流、野鳥の状況などを調査し、得られた結果や記録をまとめた調査報告書を作成するとともに、記録動画をDVDに編集の上、都内の公立図書館などへ配布、あるいは国の関係機関への情報提供をしたところでございます。
 また、昨年十一月には、都庁第一本庁舎南展望室で記録写真展を開催し、十一日間で一万一千人余りに来場いただくなど、多くの方々に尖閣諸島の現状を正しく理解いただけるよう、普及啓発に努めたところでございます。

○西岡委員 調査の結果、四カ所の整備の可能性が認識できたということや、また、漂着物など環境の悪化、国境離島をしっかり美しい島として保持していくということも重要な観点でありますが、大変環境が悪化しているということなどがわかったということは、とても重要なことだと思います。
 実際、私もテレビ報道などで現地調査の映像を見せていただきました。こうした報道により、都民、国民から多くの反響があったことは紛れもない事実であり、多くの都民、国民が、我が国の領土である国境離島の適切な維持管理の重要性を再認識することができたものと評価しております。
 さて、都がこの現地調査を行った後、島々が国の保有となったことは周知のとおりでありますが、これに関し、そもそも国境離島が公有化されることの意義に対する都の基本的認識について、伺っておきたいと思います。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 我が国におきましては、土地の売買は自由であり、一般の個人が所有する土地について、経済状況や相続など、所有者を取り巻くその時々の環境によって所有者が変わることが通例でございます。
 しかし、国境離島に関しましては、安定的に土地が所有されることが望ましいものと考えてございます。尖閣諸島の魚釣島など三島は、所有者や社会の状況などから、まさに公の機関が所有権を取得することが求められたケースであったと認識しております。

○西岡委員 国境離島は安定的に所有されることが望ましいということであり、私も同様に考えております。
 私は、尖閣諸島を国が保有し、所有形態を安定させたことを評価しています。石原前知事による尖閣諸島の購入と活用の発議によって、都民、国民が改めてこの島々の重要性を認識し、我が党政権時代に諸情勢を踏まえて島々を公有化したことは、大きな意義があったと認識をしております。
 尖閣諸島が国の保有となった際、都議会民主党は、当時の野田総理大臣あてに、尖閣諸島の国有化についてと題した申し入れを行っております。この申し入れにおいては、今回の国有化が、国有化のみにとどまってしまってはその意義は失われるとして、自国領域維持の観点から、義務履行としての種々の行為が不可欠であり、さらに実効支配が必要との見解を明らかにしたところであります。
 そこで、国が取得をし、保有することで、一つの意義は果たされましたけれども、多くの都民、国民からの志を託された東京都はどのような現状認識を持っているのか、伺わせていただきます。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 昨年四月以降、都に寄せられた寄附金は、尖閣諸島を公の所有として安定させ、活用してほしいと、こういう願いが志として寄せられたものと受けとめてございます。
 昨年九月、島々は国の所有となりましたが、今後は、島々の活用が図られること、これが肝要であるというふうに認識しております。

○西岡委員 国に島々の活用について働きかける、そのために貴重な志を基金として造成するという基本的方向性については、都議会民主党といたしましても了解をしていきたいというふうに考えております。そして、私自身もその基本的方向性について理解をさせていただきました。
 さて、その上で今後のことについて伺います。
 国境離島の取り扱いは、非常にセンシティブな要素や慎重な対応が求められる側面もあります。尖閣諸島についても、国による保有の後、国内外の多くが中国や台湾の反応に見舞われました。こうした要素を踏まえつつも、寄附者の志にかなうよう、適するよう、今後、都としてどのように取り組んでいくのかを最後に伺います。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 尖閣諸島につきましては、ただいまご答弁申し上げましたように、今後は島々の活用を図ることが肝要であると考えてございます。
 都は、昨年九月の現地調査からも、地元漁業者のための施設の設置や自然環境の保護などの必要性を確認しておりまして、今後も、国に対して島々の活用に資する取り組みについて提案要求等を行ってまいるつもりでございます。
 いずれにいたしましても、基金を託すに当たっては、寄附者の志が生かされることが重要でございます。国際関係を踏まえた国の動向を見きわめながら対応してまいります。

○西岡委員 ご答弁ありがとうございました。
 以上四点にわたって質問させていただきました。
 今後の都と国の動向を、私たちも、また寄附者も、そして都民、国民も注視をしております。
 さきに触れたとおり、東京都は多くの離島を擁しています。島の数については、データのとり方によってさまざまでありますけれども、財団法人日本離島センターのデータによれば、岩礁や瀬などを含めて、全国で四千九百十七の島しょがあり、そのうち都は二百十九を数える島しょを有しております。これは、五島列島を擁する長崎の八百七十六を初め、隠岐諸島の島根、奄美の鹿児島、瀬戸内海に面する愛媛や山口、南三陸海岸の宮城に次ぎ、実に七番目となっております。我が国を海洋国家とするならば、東京にはそれを支える重要な役割も求められていると感じております。
 今後、尖閣諸島の活用に向けて、寄附者の貴重な志である基金の活用を図られるよう引き続きの努力を要望し、質問を終わります。

○鈴木委員 それでは、私からも、尖閣諸島活用基金条例案に関して幾つか質問をさせていただきます。
 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も明らかであります。
 その歴史をひもとけば、明治十八年以降、政府は、実地調査を数次にわたり実施した上で、単に無人島であるのみならず、清国による領有の事実がないことを慎重に確認の上、尖閣諸島の領有の意思を示し、明治二十八年一月十四日、現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行って、正式に我が国の領土に編入することとし、自来、一貫して我が国の領土を構成しております。
 明治十七年ごろから、尖閣諸島で漁業等に従事していた古賀辰四郎氏から国有地借用願が出され、明治二十九年に政府はこれを許可し、古賀氏は、これに基づき、尖閣諸島のかつおぶしの製造等の事業を経営いたしました。このように、明治政府の許可のもとで戦前まで公然と事業活動を行っていたという事実は、我が国の有効な支配を示すものであります。
 また、明治二十八年四月署名の下関条約に基づき、我が国が清国より割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれていない。したがって、サンフランシスコ平和条約においても、尖閣諸島は我が国が放棄した領土には含まれておらず、この平和条約に基づき、アメリカ合衆国の施政下に置かれ、昭和四十六年署名の沖縄返還協定により、我が国に施政権が返還された地域に含まれているものであります。こうした事実が、我が国の領土としての尖閣諸島の地位を明確に示すものであります。
 ところが、昭和四十三年に、国連アジア極東経済委員会が、尖閣諸島周辺海域に石油資源が埋蔵されているという可能性を指摘した後に、中国や台湾は、初めて中国のいうところの領有権を主張したものであります。
 さて、尖閣諸島の可能性は、石油などの鉱物、エネルギー資源だけではありません。黒潮の源流域に位置する豊穣な海、アホウドリの繁殖地でもあり、センカクモグラなどの固有種の生息する豊かな自然を擁するなど、多くの特徴を有し、我が国にとっても何物にもかえがたい島々であります。
 しかし、冷戦終了から国際関係は激変し、尖閣諸島の危機は表面化するに至りました。その契機は、いうまでもなく、平成三年に中国の領海法において尖閣諸島を中国に属するものと明文化したことであります。平成十二年発効の日中漁業協定により、動きは一たん鎮静化するものの、平成二十年以降、再び島々をめぐる情勢が緊迫します。
 とりわけ、平成二十二年九月に、中国漁船が我が国の領海域で海上保安庁巡視船への体当たりをしてきたことは、記憶に新しいことであります。
 さらに、平成二十四年一月には、人民日報が尖閣諸島を中国の核心的利益と位置づけるなど、中国の領土的野心はむき出しになるばかりであります。
 先ほど申し上げましたが、中国などが主張するところの領有権に関して論点は幾つかあります。例えば、尖閣諸島は、明治二十八年の下関条約で清国が日本に割譲した台湾及び澎湖諸島に含まれるという主張であります。しかし、先ほど申し上げたとおり、そもそも下関条約締結前の明治二十八年一月に正式に我が国の領土に編入しており、不当な主張であることはいうまでもありません。
 あるいは、明、清の時代から、中国が、台湾の附属島しょとして尖閣諸島をみずからの領土として実効支配していたとも主張しております。しかし、そもそも、島を発見したり、地理的に近いことのみで、領有権の主張を裏づけることにはなりません。
 また、大正九年には、その前年の十二月に、尖閣諸島魚釣島近海で遭難した福建省の漁民が我が国の国民によって救助されたことを受け、当時の中華民国駐長崎領事から感謝状が出された際、福建省の漁民が漂着した場所として、感謝状には、日本帝国沖縄県八重山郡尖閣諸島であることが明記されております。
 今申し上げた事実は一例でありますが、いずれも歴史的に中国などの主張の根拠を裏づけるものはないことは、明々白々であります。
 中国などのこうした動きは、前政権が、我が国の安全保障の根幹をなす日米同盟を大きく毀損したために生じたものであるともいえ、竹島、北方領土を含め、我が国の無人国境離島をめぐる緊張は日に日に高まっております。
 こうした中、石原前知事が我が国の領土を守るために問題提起し、行動を起こしたことは、我が国が置かれた厳しい現実に都民、国民の目を向けさせました。
 昨年四月から本年一月末までに十万三千件、十四億八千五百万円を超える貴重な志が寄せられております。これは、都民、国民が我が国の国土保全に対して抱く危機感のあらわれにほかなりません。
 さて、終戦を目前とした昭和二十年七月、石垣から台湾へ民間人を疎開させる途中に米軍機の攻撃を受け、無人島であった尖閣諸島に漂着、飢えなどで七十名以上が亡くなったという痛ましい遭難事件がありました。
 私は、昨年八月に、その慰霊のために尖閣諸島に赴きましたが、皆が同胞の思いに心いたし、この島々を守り抜くことを心新たにいたしました。十万三千余の寄附者の方々も、同胞の思いを持つものと確信いたしております。
 昨年九月、尖閣諸島は国が購入いたしましたが、都は、国による島々の活用に対して貴重な志をしっかり託していくことこそが、都民、国民の思いにこたえることにつながるものであります。
 そこで、この場において、条例案に賛成する立場から質疑を行います。
 まず、改めて、条例を制定し、基金化する意義についてをお伺いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 都に寄せられました十四億円を超える寄附金は、尖閣諸島を公の所有として安定させ、活用してほしいと、こういう願いが志として寄せられたものと受けとめてございます。
 昨年九月、島々は国の所有になったことから、都は、国にその活用について働きかけることとし、今後も提案などを行っていくつもりでございます。
 また、寄せられた寄附金は、今年度中に支出しなかった場合、結果として都の収入となってしまい、寄附者の貴重な志を無にすることとなってしまいます。このことから、志を受けとめ、会計年度を越えて厳格に管理するために基金化する、こういうことでございます。

○鈴木委員 次に、寄附金を国に託すことについて質問いたします。
 まず、条例案では、基金化の目的を、国の尖閣諸島の活用に関する取り組みのための資金としておりますが、地方自治体から国に対して寄附をすることについての法令上の整理を確認いたします。
 以前は、地方自治体から国への寄附は法律で禁じられておりましたが、近年の法改正により、これが可能になったと認識しております。
 そこで、その経緯と趣旨についてをお伺いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 地方自治体から国への寄附につきましては、戦後の財政逼迫によって、国の経費の一部を寄附に求める傾向が著しい、こういう問題が生じたことから、昭和二十七年、地方財政法で国が地方に割り当てる寄附が禁じられました。
 昭和三十年には、旧地方財政再建促進特別措置法で、地方から国への寄附が当分の間、原則として禁止となり、これが平成二十一年施行の地方公共団体の財政の健全化に関する法律附則第五条に引き継がれたものでございます。
 平成二十三年十一月、この附則第五条の規定が、地方の自主性及び自立性を高めていくことを目的として廃止され、地方自治体の自主的な判断により、国への寄附が可能となってございます。

○鈴木委員 ただいまの答弁の中でもありましたが、平成二十三年の法改正によりまして、国への寄附に関する法律上の禁止規定が削除されたという経緯はわかりました。
 ただ、この法改正をもって、全くの自由裁量で自治体から国に寄附が認められるわけではないと認識しております。
 将来的に、この基金を国に寄附することにより、国と地方自治体の相互間の財政規律に影響が生じるものなのか、一般的な認識をお伺いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 都が受け入れました寄附金を国に託す場合でございますが、所有者である国が、島々の活用を図る際に、都議会の議論を経た上で、都が国に対して自発的かつ任意に行う寄附であること、また、個別の法令で国と地方の経費の負担区分が明示されている事務ではないこと、こうしたことから、尖閣諸島活用基金から国への寄附は、国と都相互間の財政規律に影響を及ぼすものではないというふうに認識してございます。

○鈴木委員 答弁のとおり、都から国に寄附をするとしても、その財源は都民、国民の志である寄附金であることから、本件については、こうした懸念には当たらないと考えることができると思います。
 次に、都が国に寄附することの理由についてをお伺いいたします。
 先ほどの答弁にあった地方財政健全化法の改正は、地域の自主性及び自立性を高めるために行われたものであり、都みずからの事務としての整理がまず求められます。
 そこで、都が国に対して寄附を行う意義に関する基本的な認識をお伺いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 我が国の広大な排他的経済水域や大陸棚には、豊かな水産資源や多様なエネルギー、鉱物資源が存在してございます。
 伊豆諸島や小笠原諸島を所管する都は、いわゆる国境離島の利活用を図るなど、我が国のおよそ四割を占める排他的経済水域や大陸棚の保全に資する取り組みを進めてまいりました。
 尖閣諸島もまた、排他的経済水域等の権益を確保するために重要な国境離島であり、島々を適切に維持保全していくことが必要でございます。
 こうした取り組みは、寄附を寄せた方々の志にかなうものでありまして、生じる利益は、都民はもとよりすべての国民に及ぶ、こういうふうに認識してございます。

○鈴木委員 尖閣諸島は、海洋を通じ、都とも緊密な関係を持っております。基金造成後も、寄附者の貴重な志を踏まえ、引き続き努力してもらいたいと思います。
 さて、国政は自民党政権に回帰いたしました。安倍総理は、先週二十八日の施政方針演説で、国民の生命、財産、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意でありますとしており、前政権とは姿勢が全く違ってきております。
 さらに、我が党が提案した無人国境離島管理法案は、無人国境離島を法律上初めて定義づけた上で、その適切な管理を推進し、我が国の領土保全を図ることを目的とする重要な法案であります。
 昨年六月に法案が参議院に提出されたものの、総選挙の関係で廃案の扱いとなっておりますが、いずれかの時点で国会での審議が行われるものと思います。
 しかしながら、国境離島については、外交上、安全保障上、慎重に取り扱うべきであることもまた事実であります。その上で、寄附金を基金にして、寄附者の志を大切にしながら、腰を据えて対応していくことが重要であります。
 そこで、具体的に、寄附金を国に託すタイミングや対象などは、国内外のさまざまな状況を踏まえつつ判断をするべきでありますが、都民、国民の志にこたえ、これを国に託すために、今後、都はどのような取り組みを考えているのかをお伺いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 尖閣諸島寄附金には、大変多くの志を寄せていただきました。その志を生かすべく、都は昨年九月に現地調査を行ったところでございます。
 調査では、ラバーボートが島々に迫り、詳細の把握に努めるとともに、別の小型船がラバーボートの外周を並走し、水深等の基礎データを収集するなど、多様な調査を実施し、貴重な成果を得ることができたと考えております。約十時間にわたる調査の様子をテレビ映像で見た都民、国民からも、美しい島だというような感想が寄せられてございます。
 その後、ご承知のとおり、島々は国の所有となったところでございます。
 国へ寄附金を託すに当たっては、寄附者の志が生かされることが重要であると認識しております。都といたしましても、基金を造成することにより、今年度内という短期間に判断するだけでなく、慎重かつ適切に判断できることとなります。基金を国に託すため、石垣市など地元自治体とも連携し、国への提案等の取り組みを続けてまいります。
 また、副委員長お話しのあった無人国境離島管理法案の動向を含め、国境離島である尖閣諸島を所有し、外交や防衛を専管する国の動向を見きわめながら、適切に対応してまいります。

○鈴木委員 我が会派も今の答弁と同根であり、可能な限り都の取り組みをバックアップしてまいります。
 ぜひ、寄附者の志にこたえる気構えで取り組みを進めてもらいたいことを要望いたしまして、質問を終わります。

○吉田委員 それでは、私からも、東京都尖閣諸島寄附金による尖閣諸島活用基金条例及び基金化に伴う補正予算について質疑をし、意見を表明します。
 そもそも日本共産党は、尖閣諸島が歴史的にも国際法上からも日本固有の領土であることは明白との見地を繰り返し表明してきました。同時に、尖閣諸島問題の解決は冷静な外交交渉によって図るべきで、都による尖閣諸島購入については、自治体が国家間の領土紛争に介入すべきでないと批判してまいりました。
 本議案の検討に当たっても、そもそも都が購入しようとし、そのために寄附金を募ったこと自体への検討と、さらに、国が購入を決定した段階での寄附者への都の対応なども問われるべきことだと思います。
 同時に、こうした点での見解の相違があったとしても、この問題は、単に会計処理上の観点にとどまらない政治的検討が問われています。すなわち、日本、中国間の領土問題となっている尖閣諸島の平和的、外交的解決に資するものかどうかという立場からの検討と判断が求められていると思います。
 我が党は、遺憾なことに緊張状態が続くもとで、ことし二月に、改めて尖閣問題解決のための三つの原則を提案しました。
 その第一は、日中双方が領土に係る紛争問題の存在を認め、冷静な外交交渉による解決を図ること。第二に、日中双方が、現状を変更する物理的対応、軍事的対応を厳しく自制することです。第三に、この問題を、両国の経済関係、人的、文化的交流に影響を与えぬよう努力を図ることです。
 そこで、改めて都の基本的な姿勢について伺います。
 尖閣問題について、冷静な外交交渉によって解決の努力を図るためには、双方が現状を変更する物理的対応や軍事的対応の自制が求められており、寄附金を管理する都としても、こうした点に留意をすべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 寄附金は、島々を公の所有として安定させ、活用してほしいという願いが志として寄せられたものと受けとめてございます。
 都の立場は、寄附者の志を生かそうというものでございまして、基金を造成することによりまして、今年度内にとらわれ短期的に判断するだけでなく、慎重かつ適切に判断できることとなります。
 また、基金化した後、国に対して支出する場合は、歳入歳出予算を編成し、都議会の議決を得るという手続もございます。
 尖閣諸島の島々を所有し、外交や防衛を専管する国における動向を見きわめながら、適切に対応してまいります。

○吉田委員 慎重に、かつ国際関係を踏まえたという旨のご答弁がありました。
 ただ、そもそもこの基金の目的について条例がどう規定しているのかという点は、極めて重要な点だと思います。
 条例第一条は、基金の目的を、国による尖閣諸島の活用に関する取り組みのための資金とするためと規定しています。代表質問でも答弁等がありましたが、この規定では、寄附金を一時管理して国に渡すというだけにとどまらず、活用に関する取り組みが国によって行われるということが、寄附金を渡す条件ということになると理解されると思います。
 それで、改めてお聞きいたしますけれども、国による活用とはどのようなことを指すのか、国に拠出する場合の条件をどのように考えているのか、ご答弁をお願いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 都は、昨年九月、国の所有に先立ちまして尖閣諸島の現地調査を行い、地元漁業者のための施設の設置や自然環境の保護などの必要性を確認いたしました。今後も、国に対して、島々の活用に資する取り組みについて提案要求等を続けてまいります。
 いずれにいたしましても、基金を託すに当たっては、寄附者の志が生かされることが重要であり、国際関係を踏まえた国の動向を見きわめながら、適切に判断してまいります。

○吉田委員 続いて、先ほど質問と答弁がございましたけれども、本会議でも、無人国境離島管理法などの動向を見きわめながら対応するという旨の話がありました。
 この点で、この法案の趣旨及びこの法案の動向を挙げましたけれども、その理由についてご答弁をお願いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 まず、法案の概要でございますが、我が国の領土である無人国境離島の適切な管理を推進することを目的として、無人国境離島について定義した上で、政府に基本的な方針の策定を義務づけ、土地調査、我が国の領土であることを示す標識の設置、定期的な巡回の実施を定めるとともに、灯台や護岸、気象観測施設等の公共施設の整備や自然環境の保全活動の実施に努めるよう促すものでございます。
 したがいまして、こういった法案の状況を見ながら、適切に判断してまいりたいというふうに考えてございます。

○吉田委員 重ねて質問いたしますけれども、冷静な外交交渉の努力が求められているときに、都が国に対して活用を求めるということが政治的、外交的影響を及ぼすというふうに懸念されますけれども、この点についてはどのようにご認識されているんでしょうか。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 都による国への働きかけは、寄附者の志を生かそうというものでございます。理事ご懸念の点につきましては、島々を所有し、外交や防衛を専管する国において適切に判断されるものと考えてございます。
 また、都といたしましては、基金を造成することによりまして、今年度内にとらわれ短期的に判断するだけでなく、慎重かつ適切に判断できることとなるというふうに考えております。

○吉田委員 国による専管事項でありながら、例えば、私が懸念をしたのは、寄附金終了時に東京都のホームページの記載の中で、寄附金の活用が尖閣諸島の実効支配の強化につながるものという記述がありました。国において判断をということですけれども、国に活用を求め、その要件についても無条件ではなく一定の見解が示されると。尖閣問題の解決の上で、日中双方が現状を変更する物理的対応や軍事対応の自制が求められているときに、基金の趣旨はこうした解決の原則に反しかねない、そういう懸念を表明せざるを得ません。
 しかも、冒頭述べたように、自治体が国家間の紛争に介入すべきではないということを、改めて明確に述べておきたいというふうに思います。
 次に、寄附金の扱いについてです。
 そもそも、寄附金は都が購入するために呼びかけられたものであり、したがって、国が購入を決定した時点で、寄附金の目的は失われたというふうに判断することができ、私は、その時点で返還を検討すべきではなかったのかと思いますし、実際、寄附者から、百数十名の方から返還の請求もあったというふうに聞いております。
 ただ、使途を特定、限定しない一般的な寄附ではなく、特定目的を持った寄附ならば、それが達成できない事態の場合には、返還するのは当然のことと思います。
 改めてお聞きいたしますけれども、負担つき寄附ではないというふうに示した場合に、寄附者へ返還してはならないという規定があるんでしょうか。ご答弁をお願いいたします。

○坂巻尖閣諸島調整担当部長 地方自治体に対する寄附につきましては、負担つきの寄附であっても、一般的な寄附でも、寄附者への返還を制約するものではないという点において相違はございません。
 この寄附金は、昨年四月、都が尖閣諸島の購入と活用の方針を公表した後、数多くの問い合わせが寄せられたことを受け、島々の購入と活用のために充てる旨を明示して受け入れを始めたものでございます。
 寄附金の使途につきましては、島々の購入や、島々を有効に活用するため多様な調査を実施するとともに、地元自治体の意向も取り入れつつ、都として広範な活用方策を検討する必要があると考えていました。
 また、都民、国民から志を幅広く受け入れることも考慮し、他の自治体の事例なども参考にして、寄附者の意思により使途が義務的に制約される負担つきの寄附ではないことを明示し、一般的な寄附として受け入れたものでございます。
 しかし、本寄附金は、島々を公の所有として安定させ、活用してほしい、こういう都民、国民の願いが志として寄せられたものと認識しておりまして、島々の所有者である国の取り組みに寄附者の志を生かしていく、このことが都の役割であるというふうに考えてございます。

○吉田委員 そもそも、使途が事実上制約されている寄附でありながら、一般寄附として返還しないということ自身、私は矛盾を感じます。しかも、寄附者の志といいますけれども、公の所有は既に国によって完了しているわけですから、寄附者に返還すべきだと考えます。
 もちろん、そのためには一定の事務手続は必要となりますが、寄附は二つの金融機関によって振り込み、受け付けが行われたと聞いています。その一つの金融機関からの振り込みは、全員、住所、氏名を既に都は把握しているとお伺いしています。もう一つの金融機関も、入金の記録があり、申し出があれば確認は可能です。さらに、寄附金総額の約四割に当たる六億七百六十万円分を寄附した方々は、領収書送付の手続を通じて、住所、氏名を都は既に把握していると聞いております。
 十四億円を尖閣諸島活用のための寄附金に積むのではなく、返済準備金として歳出予算を計上し、来年度、不明な方には都への申し出も呼びかけ、返還を進めるべきだと考えます。
 最後に、冒頭述べたように、尖閣諸島問題の解決は冷静な外交交渉によって図られるべきで、ましてや自治体が国家間の領土紛争に介入すべきではありません。そして、尖閣問題解決のために、日中双方が現状を変更する物理的対応、軍事的対応を厳しく自制することが求められているとき、都が寄附金を基金化して国の活用を求める行為は、これに反しかねないものです。
 よって、基金条例及びそれに伴う補正予算には反対であることを表明し、質問を終わります。

○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で知事本局関係を終わります。

○中山委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第二十八号議案、第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、総務委員会所管分、第百三十七号議案、第百四十号議案及び諮問第一号、地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、第二十八号議案及び第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、総務委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○中山委員長 起立多数と認めます。よって、第二十八号議案及び第百三十六号議案、平成二十四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、総務委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百三十七号議案及び第百四十号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認めます。よって、第百三十七号議案及び第百四十号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、諮問第一号、地方自治法第二百六条の規定に基づく異議申立てに関する諮問についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、棄却すべき旨答申することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中山委員長 異議なしと認めます。よって、諮問第一号は、棄却すべき旨答申することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十六分散会

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