委員長 | 中山 信行君 |
副委員長 | 鈴木 章浩君 |
副委員長 | 山下ようこ君 |
理事 | 橘 正剛君 |
理事 | 原田 大君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
佐藤 由美君 | |
中屋 文孝君 | |
星 ひろ子君 | |
谷村 孝彦君 | |
吉原 修君 | |
服部ゆくお君 | |
西岡真一郎君 | |
小沢 昌也君 | |
川井しげお君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 前田 信弘君 |
儀典長 | 伊藤 秀樹君 | |
次長 | 長谷川 明君 | |
理事 | 雜賀 真君 | |
理事 | 大井 泰弘君 | |
総務部長 | 藤田 裕司君 | |
地方分権推進部長 | 潮田 勉君 | |
自治制度改革推進担当部長 | 樋口 正勝君 | |
外務部長 | 櫻井 和博君 | |
国際共同事業担当部長 | 熊谷 克三君 | |
基地対策部長 | 新美 大作君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 筧 直君 | |
政策部長 | 池田 俊明君 | |
政策担当部長調整担当部長兼務 | 鈴木 勝君 | |
尖閣諸島調整担当部長 | 坂巻政一郎君 | |
投資政策部長 | 松下 隆弘君 | |
計画調整部長 | 澤 章君 | |
計画調整担当部長 | 秀嶋 善雄君 | |
総合特区推進部長 | 瀬口 芳広君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 真田 正義君 |
任用公平部長 | 石井 玲君 | |
試験部長 | 芦田 真吾君 | |
審査担当部長 | 小澤 達郎君 | |
監査事務局 | 局長 | 松井多美雄君 |
監査担当部長 | 仁田山芳範君 |
本日の会議に付した事件
監査事務局関係
事務事業について(質疑)
人事委員会事務局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十四年「職員の給与に関する報告と勧告」について
事務事業について(質疑)
知事本局関係
事務事業について(質疑)
○中山委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
理事会において、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、人事委員会事務局及び知事本局関係の事務事業に対する質疑並びに人事委員会事務局関係の報告事項の聴取を行います。
これより監査事務局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○山下委員 それでは、質問を始めさせていただきます。
さきの委員会に監査事務局から提出された事業概要を拝見しますと、地方自治法の規定で、公正で効率的な行政を確保するために監査委員を設置しているとあります。昨今の厳しい経済情勢に照らして、この設置目的を改めて考えますと、その言葉以上に監査が都民の期待を背負っている仕事であると感じます。
こうした役割を担う監査委員として任命されているのは五名の方、議員から選任される委員二名及び識見を有する者から選任される三名で、議員選出委員としては、この総務委員会の委員である小沢委員、服部委員が就任されています。この監査委員の方々が着実に監査を行っていくための事務局の職務の意義は極めて大きいと考えます。
そこで、きょうは、この監査事務局の体制について質問させていただきます。
まず、監査事務局の事業概要一ページには、定例監査は、都の事務の執行及び経営に係る事業の管理について、法令等の趣旨に沿って適正に行われているかを主眼とし、経済性、効率性、有効性の観点にも十分留意して、毎年一回以上実施すると明示されています。
そこで、実際にどのような体制で監査を行っているのか伺います。
○仁田山監査担当部長 実際の現場で行う監査は、監査第一課から第三課と技術監査課の四つの課で対応してございます。
監査ごとに申し上げますと、本庁各部へは年一回、事業所へは二年に一回を基本として実施する定例監査と、年間約百五十団体前後を対象として行っている財政援助団体等監査は、監査第一課から第三課が担当しております。
また、技術的な観点から実施する工事監査においては、技術職の職員で構成する技術監査課が年間を通じて各局の監査を行っております。
いずれの監査につきましても、対象局や対象団体の規模に応じた人員で対応しております。
そのほか、監査事務局が実施するものとしては、行政監査や住民からの請求による監査、各会計に対する決算審査など、各種監査、審査を行っております。
○山下委員 ただいまのご答弁で、多くの監査、審査を実施していることがわかりました。
そこで、これら多くの仕事を担う事務局の組織に着目しますと、事業概要の四ページにおいて、平成二十四年四月一日現在、職員定数八十九名という体制になっていることがわかります。
東京都という大きな組織で、このような限られた人員配置によって、詳細にわたる検証、評価を進めてきたことについて、私からも高く評価をさせていただきます。
平成十八年度の決算から、東京都は独自に、国に先駆け、複式簿記・発生主義会計の考え方を取り入れた新たな公会計制度を導入しており、財務状況をより正確に把握し、都民への説明責任を果たすことが可能になったといえます。
こうした中で監査を実施していくには、事務局として、監査の質を一層向上させていくことが求められており、それには職員のさらなる能力向上が不可欠と考えます。
そこで、職員の能力向上について事務局としてどのように取り組んでいるのか伺います。
○仁田山監査担当部長 監査の質を高めていくためには、個々の職員の能力を高めていくことが何よりも重要であると考えております。
通常のOJTや事務の指導等を行うほか、局として独自に次のような取り組みを行っております。
まず第一に、外部から公認会計士を任期つきで任用しております。また第二に、内部にも公認会計士等の資格を保有する者を配置しております。さらに第三に、簿記等の資格の取得の支援等を行っております。
また、転入者に対しては、研修の実施や実務を通じた指導育成等、組織一体となった取り組みにより、所属職員の能力向上に努めております。
○山下委員 監査事務局に勤務する職員の皆さんの能力向上を図りながら、監査に臨んでいることがよくわかりました。
その職員の皆さんの努力した結果として、さきの第三回定例会に提出された監査報告書があります。この報告は、数多くの、また多岐にわたる指摘事項や意見、要望事項を公表する内容となっています。
そこで、指摘事項及び意見、要望事項とは、それぞれどのようなものであるか、また、指摘や意見、要望を受けての各局の改善状況はどのようになっているのか伺います。
○仁田山監査担当部長 まず、指摘事項とは、該当事案について是正、改善を求めるものでございます。また、意見、要望事項とは、該当事案の改善の検討を求めるものでございます。
改善状況につきましては、例えば平成二十三年の定例監査を見てみますと、指摘事項が七十七件、意見、要望事項が三件あり、そのうち指摘事項で五十三件、意見、要望事項で二件の改善がなされました。また、改善がいまだになされていないものも、各局において改善に向け検討中あるいは対応中となっております。
さきの定例会に報告いたしました平成二十四年の定例監査では、指摘事項が百二十件、意見、要望事項が六件となっており、各局の改善状況につきまして、平成二十三年定例監査の未改善部分とあわせ、現在取りまとめ中であり、第四回定例会に報告する予定で準備を進めているところでございます。
○山下委員 指摘事項、意見、要望事項といった監査の結果が都政をよりよい方向へ導いていることがよくわかりました。
監査が、金額という数字の確認にとどまらず、東京都の事業の是正、改善という領域にも踏み込む役割であるとすれば、事務局に勤務する職員の意識が適正な監査のための大きな要素であるといえます。
監査事務局の職員の皆さんは、どのような意識で業務に取り組んでいるのか伺います。
○仁田山監査担当部長 監査委員は独立した執行機関であり、職員もそれを支えていくとの自覚のもとに業務を行っております。
監査に際しては、法や定められた手続に準拠しているかを見る合規性の観点はもとより、事務の経済性、効率性、有効性の観点から検証、評価を行っており、監査を通じて都民サービスの向上に寄与することを図っております。
○山下委員 ありがとうございます。
監査によって明らかとなった都の事務事業の執行上の問題点を都民に対してわかりやすく示していくことは、都政の向上のために大変重要であると考えます。
都みずからを律していこうとする監査委員、監査事務局の皆さんの取り組みによって、都民生活が向上し、日本の首都東京がますます発展することを望みまして、私の質問を終わらせていただきます。
○鈴木委員 私からも、都民に対する説明責任を果たす、本当にこの点については、都民の要請はいうまでもなく一層強まっているわけであります。知事から独立した機関である都の監査委員が出される報告の意義というのは、ますます重要なものであるわけであります。
そこで、監査結果の各局における活用について、改めてご質問をさせていただきます。
我が国経済は、長引くデフレに加え、欧州の財政金融危機の影響や、電力供給の制約など、大変厳しい状況があるわけです。都内の中小企業も、これまで円高、燃料の価格高騰、電気料金の値上げ等の直撃を受けながらも、血のにじむような経営努力を行い、何とか踏ん張っているのが状況であります。
私の地元である大田区でも、日本のハイテク産業を支えるまち工場が多いところでありますが、非常に高い技術力を持っていても、生き残りをかけた競争は大変熾烈なものがあります。そうした経営環境の中で、必死に努力して、やっとの思いで、文字どおりの血税を納めていただいているのが現状です。都政の業務を執行していくには、その納税者の思いをすべての職員が肝に銘じて職務に当たっていただきたいと思っております。
こうしたことから、都の事業が適正になされているか、より少ない経費で効果的あるいは効率的に執行されているかを検証する監査委員の仕事は、納税者の思いを背負った非常に重要なものといえます。
このような仕事の成果として、先日の第三回定例会において、監査委員から平成二十四年の定例監査報告書が提出されたところであり、この中では百件以上の指摘事項があるなど、非常に詳細な調査と指摘がなされております。
しかし、その指摘事項の内容を一つ一つ見ますと、以前にも似たような指摘事項があり、また、局が違えど同じような内容ではないかと思えるものがあり、総じて同様の指摘が繰り返されているという印象がぬぐえないのは、私だけではないと思います。
そこでまず、ことしの定例監査の中で、例えば、幾つかの局で類似した指摘になっているものがあるのかをまずお伺いいたします。
○仁田山監査担当部長 平成二十四年の定例監査において、異なった局で類似している事項が見受けられました。
例えば、同種の物品を同時期に購入する場合において、合理的な理由がなく契約を分割し、競争入札を避けているものも見られました。
また、収納業務委託契約において、実際の業務フローと仕様書の内容が異なっているため履行状況が確認できないものや、施設の運営管理を任せている受託者から利用者数や使用状況などの報告がなく、都側で運営状況の検証が十分行えないものなど、結果として、委託業務で契約内容が遵守されていないもの、指導、管理が十分にできていないものが見られました。
○鈴木委員 今ご答弁いただいたように、平成二十四年の定例監査を見ただけでも、幾つかの局で類似するような指摘事項が見られるわけであります。これが毎年続けば、報告書自体は大変すばらしいものであるわけですけれども、この監査報告を目にするたびに、同様の指摘が繰り返されているという印象を持つ人は大変多いと私も思っております。こうした観点から、同じ誤りを繰り返さない方向に誘導していくことがまず必要であり、今まで以上に再発防止を意識した監査が求められると思います。
そこで、監査結果を反映し、今まで以上に再発防止を踏まえて監査をする仕組みとは、どのようなものがあるのかをお伺いいたします。
○仁田山監査担当部長 定例監査において、過去の指摘事項などを参考に、再発防止なども視野に入れて、毎年度、重点監査事項を定め、各局への監査に当たってウエートを置くべきポイントを設定しております。
また、特定の事務事業を対象とする行政監査では、過去の傾向から対象テーマを選定し、各局に共通する事務について、不適切な処理や誤りやすい事務についてチェックを行っております。
先ほどの答弁のとおり、例えば定例監査では、過去、契約手続に不備が多かったことを踏まえ、業務委託や特命随意契約などにウエートを置いた検証を行っております。
また、ことしの行政監査では、各局に共通する土地及び建物の運用管理についてをテーマとして設定し、全庁横断的に監査を行っているところでございます。
○鈴木委員 このように、監査を行う側で、過去の傾向などを踏まえながら監査の視点を設定し、再発防止につなげる取り組みをしていることはわかりました。
しかしながら、その仕組みを経ても、監査を受ける側である都各局が、指摘された事項について真摯に受けとめ、きちんと一つずつ再発防止を踏まえた対応策をとっていかなければ、効果は得られないわけであります。
このことから、監査事務局においても、各局の指摘事項に対するその後の対応を注視し、どのような改善策をとったのかをしっかりとまず把握することであり、もし改善が行われていなければ、改善に至るまで根気よくフォローしていくことが、私は重要であると思っております。
これらのことを踏まえて、監査委員の指摘に対して各局が講じた対応をどのように把握しているのかをお伺いいたします。
○仁田山監査担当部長 監査委員が行った監査結果については、指摘事項に対する措置状況について各局から報告を求め、その結果を第二回定例会及び第四回定例会に報告書として提出しております。この報告を通じて、どのような改善策をとったか、また、所期の改善が行われていない場合には、その経過や今後の対応などについて、各局から詳細にヒアリングをしております。
例えば、ある都立学校において、多数の退学者等が発生しているにもかかわらず、教育相談体制が十分機能していないとした指摘に対して、スクールカウンセラーの活用や相談環境の整備など、さまざまな手法を用いて積極的に取り組んだ結果、退学者等が大きく減少した事例がございます。
○鈴木委員 措置状況の中で、それぞれ一つ一つの指摘についてはきちんとフォローしているということであるわけですけれども、各局が一つ一つの指摘に基づいて改善を行う一方で、ほかの局で同じような過ちが繰り返されていれば、事務が改善されているとはいえないわけであります。
このため、各局が指摘事項も参考にしながら、みずからの事務を広く振り返り、同様な手続を見直していくことが肝心であると思います。こうした取り組みを各局が行うことによって、初めて局全体の事務が見直され、ひいては全庁的な事務改善につながっていくわけであります。
今いただいた答弁で、過去の指摘事項や全庁的に行われている事務などを考慮して、監査を行う際のテーマを設定しているという話がありました。
そこで、これまで監査委員の指摘が全庁的な事務改善につながった例はあるのか、あればどのようなものがあるのかをお伺いいたします。
○仁田山監査担当部長 これまで、一つの局への監査指摘をきっかけといたしまして全庁的な事務改善につながった例には、さまざまなものがございます。
一例を挙げますと、ある局で使用料などの債権に多額の未収金が発生しており、定例監査において、徴収マニュアルの速やかな作成や適切な債権管理を求めた指摘事項がございます。
当該事案の未収金解消が円滑に進んだだけではなく、他の局の定例監査でも同様の指摘措置が行われ、先日、新聞報道で、都立病院の未払い治療費の回収対策が効果を上げていると報じられたように、病院経営本部も含めて、全庁的に未収金の徴収マニュアルの作成や、適切な回収が行われるようになったものでございます。
○鈴木委員 監査事務局の指摘によっては、横断的な、すなわち全庁的な事務改善につながる事例があるということであります。全庁的な事務改善をしていくという観点に立って、今後、一層監査に努めてもらいたいと思います。
人間は過ちを繰り返すものでありますが、一方で、失敗は成功の母ともいいます。監査で誤りを指摘することが重要なのではなく、その誤りを各局がどのように改善していくかが重要であるわけです。全庁的な事務改善を一層進めていくために、各局は前向きで真剣に取り組んでいただきたいと思います。
このためにも、各局から独立した立場である監査事務局は、重箱の隅をつつくようなものではなく、全庁的な視野から業務の本質を正確に把握し、都庁全体を事務改善へ導いていくことが肝心なわけであります。
監査は地味で目立たない仕事でありますが、最終的には、きちんと都政全体の改善につながる重要な職務だと私は考えております。監査事務局の皆さんは、よりよい監査を目指して、監査委員を支えて頑張っていただきたいと思います。
最後に局長の決意を伺って、質疑を終わります。
○松井監査事務局長 監査結果につきましては、各局が真摯に受けとめ、指摘等の内容を十分に検討し、改善策を策定し、今後の施策に反映していただくことが極めて重要であります。
予算に関する副知事の依命通達におきまして、今年度の予算編成作業について、事業評価の仕組みに監査結果を活用するよう求められております。
監査事務局といたしましては、部長からただいまるる答弁させていただきましたが、これまでもさまざまな工夫を重ねながら監査を実施してまいりましたが、今後は、ご指摘も踏まえまして、より一層、監査結果の反映が都の施策の改善につながるよう、精度の高い監査の実施を目指して、局一丸となって全力で取り組んでまいります。
○中山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○中山委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○石井任用公平部長 東京都人事委員会は、去る十月十二日に都議会及び知事に対しまして、地方公務員法第八条、第十四条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の職員の給与について報告及び勧告を行うとともに、同法第八条の規定に基づき、人事制度等について報告をいたしました。
本日は、お手元に、この勧告等に関する資料として、資料第1号、平成二十四年人事委員会勧告等の概要及び資料第2号、職員の給与に関する報告と勧告を配布させていただいております。
恐れ入りますが、資料第1号、概要の一ページ、1、ポイントの欄をごらんください。
ことしの勧告の内容でございますが、民間の厳しい賃金、雇用情勢を反映して、例月給は八年連続の引き下げとなっております。
一方、特別給は、民間の支給割合と均衡していることから据え置きとしております。
最初に、例月給でございますが、ことし行った実態調査の結果、都職員の給与が民間従業員の給与と比べ、額にいたしまして千三百三十六円、率にいたしまして〇・三二%上回っていたことから、較差を是正するため、住居手当の見直しと給料月額の改定により給与を引き下げるよう勧告いたしました。
次に、特別給、いわゆる賞与につきましては、ことし行った実態調査の結果、都職員の支給月数三・九五月は、民間従業員の支給割合と均衡しておりますことから、改定を行わないことといたしました。
なお、給与の比較方法と結果につきましては、2、職員と民間従業員の給与比較にお示ししてございます。
次に、給与構造、制度の改革でございます。
本年の勧告では、職責、能力、業績の給与への反映の一層の徹底と生活関連手当の見直しを改革の二本柱とし、管理職の給与制度の大幅な見直しなどを実施するとしております。
具体的には、部長の職の給料月額を職責、役割に応じて定額化し、昇給制度を廃止いたします。また、特別給における勤勉手当の割合を拡大し、あわせて扶養手当を廃止いたします。
また、生活関連手当である住居手当を抜本的に見直し、支給対象者を若年層の賃借者に限定することとし、自宅に係る支給は廃止いたします。あわせて支給額の改定を行います。
それでは、詳細をご説明させていただきたいと存じます。恐れ入りますが、二ページ、(2)、改定の内容をごらんください。
ア、住居手当につきましては、制度導入当初と現状では大きく社会情勢は変化しており、改めて給与原資の適正配分という観点から、本手当の趣旨に立ち返り、手当の必要度合いを厳格に考慮いたしました。
その結果、採用政策上の観点や、都民の理解と納得を得るなどの観点も踏まえて抜本的に見直すこととし、支給対象職員を三十五歳未満の若年層で借家、借間に居住する世帯主等に限定し、自宅に居住する職員及び管理職は支給対象外といたしました。
また、支給金額について、制度の再構築を機に見直すこととし、現行の月額八千五百円から月額一万五千円に改定しております。この見直しにより、行政職給料表(一)適用者の平均で月額四千三百二円の引き下げとなります。
次に、イ、給料表でございます。ただいまご説明いたしました住居手当の見直しにより生じた四千三百二円の一部を用いて公民較差を解消した上で、残りを給料に再配分することとし、給料表の改定を行いました。
改定に当たっては、職責、能力、業績の給与への反映を一層徹底する観点から、上位職層と下位職層の給与改定率に差を設けるなど、職責差によりめり張りをつけた改定を行うとともに、高位号給については改定幅を抑制しております。
(3)、実施時期等でございますが、給与改定の実施時期は、条例の公布日の属する月の翌月の初日からとしておりますが、本年四月から改定までの公民較差相当分は、所要の調整を実施し、解消することとしております。
続きまして、4、給与構造・制度の改革の実施をごらんください。
以下、二ページから三ページへかけて、部長及び課長の給与制度、特別給等を適切に見直していくことに加えまして、高齢期における給与のあり方の検討など、今後取り組みが必要となる課題について記載しております。
まず、ア、部長の職の給与制度でございますが、年功的な給与制度よりも、職務内容等を踏まえて給料が決定される仕組みの方がより実態に即していることから、部長の職の給料月額を職責、役割に応じた四区分の定額制とし、昇給制度を廃止することといたしました。また、管理職手当につきましても、あわせて見直しを行うこととしております。
さらに、生活関連手当である住居手当と扶養手当を不支給とするとともに、特別給の勤勉手当の割合を拡大し、より一層、業績査定で年収が増減する仕組みとします。
次に、イ、課長の職の給与制度でございますが、管理職の任用制度の見直しに伴い、行政職給料表(一)等の五級と六級を廃止し、新たに課長の職務の級を設置いたします。級の設置に当たっては、職責をより一層適切に反映するため、給料表の昇給カーブや号給数を見直すとともに、管理職手当の再設定、特別給における勤勉手当の割合の拡大など、より一層業績を反映させる仕組みとしております。
5、人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)につきましては、三ページから四ページにかけて記載しております。
(1)、人事制度改革の着実な推進でございますが、昨年の本委員会の報告等を踏まえ、人事制度改革の具体的な取り組みを着実に実施してまいります。
恐れ入りますが、四ページをお開きください。(2)、職員の勤務環境の整備では、仕事と生活の調和、職員の健康保持等の推進について述べております。
(3)、公務員倫理の徹底では、本年、まことに遺憾ながら汚職事件が発生したことから、任命権者に対して、再発防止策の徹底と服務規律の確保へ向けた取り組みを強く求めております。
なお、お手元に配布いたしております資料第2号、職員の給与に関する報告と勧告の冊子には、今回の勧告等の全文が掲載されております。
以上、簡単ではございますが、平成二十四年職員の給与に関する報告と勧告についてのご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○中山委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑とあわせて行います。
なお、事務事業につきましては、既に説明を聴取しております。
これより事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○山下委員 それでは、私からは、事務事業質疑として、専門的人事行政機関である人事委員会が所管する業務のうち、重要な柱である採用試験、昇任選考について質問をさせていただきます。
先日のこの総務委員会で事務事業の説明を伺ったり、ここ数年の人事委員会勧告と報告を拝見しますと、都庁は都に働く人を組織の基本ととらえ、非常に重視していると感じます。職員採用に関しては、勧告と報告の中で、可能な限り幅広い層から、さまざまな資質や能力を有する人材を採用し、採用した人材が都庁の高度な政策立案を支え、さまざまな行政課題に対応できるよう育成、活用していくという観点で取り組むべきであるとしています。
そこでまず、都が職員として求める人材像について伺います。
○芦田試験部長 都は、職員採用に当たりまして、求める人材像を明確化し、毎年度の採用ホームページや採用試験案内、職員採用セミナーなど、さまざまな機会をとらえて受験者に周知を図っております。
具体的には、日本の首都であり、あらゆる都市機能が集積し、時代変化がいち早く、かつ集中的にあらわれる世界有数の大都市である東京の特性を踏まえ、首都公務員というキーワードのもと、次の四点を求める人材像としております。
一つ目に、首都公務員にふさわしい高い志と豊かな感性を持った人材、二つ目に、進取の気性に富み、みずから課題を見つけ、進んで行動する力を持った人材、三つ目に、都民から信頼され、協力して仕事を進める力を持った人材、四つ目に、困難な状況に立ち向かい、みずから道を切り開く力を持った人材、これらを求める人材像としているところでございます。
○山下委員 今後も、より能力のある人材が都庁の門をたたくよう、求める人材像を広くアピールしていただきたいと思います。
ところで、職員を採用するための試験については、多様な能力を持つ人材の確保という目的に対応して、さまざまな試験パターンが実施されていると認識しております。
都の実施する採用試験の具体的な区分について伺います。
○芦田試験部長 職員の採用につきましては、大学卒業程度、短大卒業程度、高校卒業程度の各試験区分を設け、事務職、土木や建築等の技術職員を確保しております。中でも、大学卒業程度のⅠ類B採用試験は、本年度の受験者が六千八人、最終合格者一千三十八人という規模であり、職員採用の中核的な位置を占めております。
一方、高度化、複雑化する都政の課題に対応していくため、これまで以上に幅広く、採用市場全体から、さまざまな資質、能力を有する人材を確保することが求められております。
そのため、都では、専門職大学院などに対応した高度な知識、能力を持った人材を対象としたⅠ類A採用試験や、資金運用等、高度な専門的知識、スキルが必要な分野について、年齢を問わず、即戦力となる人材を対象としたキャリア活用採用選考を実施し、多様な人材の確保に取り組んでいるところでございます。
○山下委員 ありがとうございます。
ただいまのご答弁で、都政の各行政分野のニーズに対応するため、大きな成長の可能性を持つ若者から高度な専門性を身につけた即戦力まで、幅広い採用メニューをそろえ、実施していることがわかりました。
採用試験制度は、社会状況や採用環境の変化を読み取りながら、時期を逸することのないよう、的確に見直しを行っていくことが重要であり、これからも採用試験結果の緻密な分析、検証を行いつつ、制度の運営に努めていただきたいと思います。
一方、採用した職員、つまり狭き門をくぐり抜け、晴れて都の職員となった人々が、その能力を発揮していくためには、いかに人材を育成するか、活用するかということが非常に重要なテーマであるといえます。
先ほど来取り上げている勧告と報告では、職員一人一人のキャリアを計画的に形成し、専門分野を拡大していくなど、強みを持つ人材の育成に一層努めるとともに、集団に対する個人、すなわち個に着目したきめ細かな人事管理が必要であると述べています。
個への着目は、都政だけでなく、民間企業も含め、団塊の世代が続々と退職を迎える中、個人が、これまでのように集団の中のワン・オブ・ゼムとして扱われていた傾向とは異なり、少子化の中で一人一人大切に育てられてきた人々が世の中を担うという、社会的な変化を踏まえたものと私はとらえておりまして、都庁もその変化に対応していこうというスタンスが見てとれると感じます。
今後の人事制度のあり方については、職業人としてのライフプランに複数の選択肢を設け、みずから選択することができるような仕組みづくりを考慮することもポイントであると考えます。この点に関して、都は、管理職選考や行政専門職選考という二つの昇任選考システムを実行しており、これが職員のモチベーションアップに効果を上げていると聞きます。
そこで、この二つの昇任選考のうち、まず管理職選考はどのようなものかを伺います。
○芦田試験部長 人事委員会は、学歴や採用時の試験区分にとらわれない、公平な昇任システムとして管理職選考を実施しており、管理職として都政を担う意欲と資質を有する人材を庁内のあらゆる部署から求め、的確な選抜、育成を図っております。
選考には、主任級の若手職員を対象とした種別Aと、係長級、課長補佐級の中堅職員を対象とした種別Bを設け、職員がみずからの希望でどの職級からでも受験できるように配慮しております。
さらに、筆記考査の一部科目の廃止や、技術士、公認会計士などの有用な国家資格保持者に対する一部科目の受験免除、一定点数以上の者についての翌年度以降の該当科目の受験免除など、さまざまな負担軽減の取り組みを行ってきました。
近年、選考の有資格者に対する受験率は徐々に上昇を続けており、受験しやすく、かつ競争性を確保した選抜が実施されていると考えております。
○山下委員 わかりました。
管理職選考は、都政を動かす基幹職員を選抜する大変重要な選考であり、この制度に対する職員の信頼も厚いと考えます。都庁の将来を担う有能な人材を選抜する機能を維持しつつ、職員がチャレンジしやすい仕組みづくりを今後も追求していただきたいと思います。
一方、もう一つの昇任選考、行政専門職制度はどのようなものか伺います。
○芦田試験部長 行政専門職は、情報システムや用地買収など、特定の行政分野に精通する職員の専門的知識と経験を組織として活用するため、専門職の管理職として設置された職であり、人事委員会が選考を実施しております。
都は、本年度から制度を見直し、これまでの個別業務に係る専門区分に加え、例えば、都立病院の経営戦略等の企画立案を担当する区分や、都立公園の防災対策機能を強化するための計画策定を担当する区分など、新たに政策分野において専門性を広く発揮する専門区分を設置いたしました。
特定分野に加え、政策分野での専門性を持った人材が管理職になる道を広げたことで、都政運営及び人材育成の両面で大きなメリットがあると考えております。
○山下委員 ただいまのご答弁で、今年度からより幅広い専門分野への道が開かれたと聞き、職員が職務に取り組む意欲も向上し、都政としての専門性確保にも一層大きな効果があらわれるものと考えます。
今後の都政運営に当たって、能力のある人材を確保し、その人たちをどのように育成、活用していくかが非常に重要なポイントであるのはいうまでもなく、その骨格となる試験、選考制度は、時代変化や都政各分野のニーズに応じて柔軟に見直しを図っていくことが不可欠といえます。
人事委員会のなお一層の充実した取り組みに期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○中屋委員 本日、当委員会に報告がありました平成二十四年東京都人事委員会勧告に関連いたしますが、本年の人事制度の見直しについて労使で交渉がなされていたところ、けさ方未明、妥結したとのことであります。その中で、本年の人事委員会勧告事項についても、基本的に勧告内容に沿った形で妥結したと聞いております。
今後、条例改正に当たり、議会として審査を行っていく必要もあるため、その改正のもととなっている本年の勧告内容について伺ってまいります。
そこでまず、本年の勧告を行うに至った背景や考え方はどのようなものかお伺いいたします。
○石井任用公平部長 本年の勧告を行うに至った背景事情といたしましては、民間企業における年功的、生活給的要素の縮小と、役割、業績重視の動向、都政課題の一層の複雑化、高度化の傾向、団塊の世代の大量退職等による少数精鋭体制の一層の強化の必要性などが挙げられます。
こうした背景、問題意識を踏まえ、本年の勧告におきましては、一つ目に、限られた給与原資を最大限に有効活用するため、生活関連手当を見直し、職責、能力、業績を一層重視した適正な給与配分を実現すること。二つ目に、都政課題の一層の複雑化、高度化に対処するため、職員の意欲と能力を引き出す給与制度を構築すること。三つ目に、現行の職員構成等に即した職級構成に転換すること。これらの視点から、給与構造、制度の改革を次の段階へと推し進める必要があると考え、今回、公民較差の解消と給与の構造及び制度の改革に一体的に取り組むことといたしました。
○中屋委員 東京都人事委員会が、給与の適正水準の確保だけでなく、時代変化や民間情勢をきちんと見据えて、職員の給与のあるべき姿を常に考え、勧告に反映させているとのことであります。
一方、今回の国の人事院勧告を見ると、給与改定臨時特例法に基づき給与減額措置が実施されていることもあり、人事院としても必要な改革の実施に踏み込みが不足をしている。こうした状況にあって、人事の専門機関の立場から、原点に立ち返って、地方公務員のあるべき給与制度を真摯に検討している姿勢は評価できます。
まず、公民較差の解消について伺います。
本年の改定は、給与全体の較差としては、公務が民間を上回っており、全体としてはマイナス較差でありますが、給料表の改定は、住居手当の見直しを受けプラス改定となっております。具体的には、職員の給与が民間従業員を千三百三十六円、率にして〇・三二%上回っておりますが、住居手当の見直しによりまして、平均で住居手当の支給額が四千三百二円の減となることから、その一部を用いて公民較差を解消し、残る二千九百六十六円を給料等に再配分をしております。
そこでまず、今回の較差解消方法の意義や効果について伺います。
○石井任用公平部長 本年は、例年の較差解消とあわせ、住居手当について制度のあり方を見直すことといたしました。
中屋委員のお話にございましたとおり、給与全体としてはマイナス改定でございますが、住居手当見直しによる減少幅が較差の額を上回っていることから、その一部を用いて較差の解消を図り、残余は給料等に配分し直した結果、給料表としてはプラス改定となっております。
本年は、こうした較差解消方法により、手当から、職責、能力、業績の反映が可能な本給へと配分を見直すことで、本給重視の給与構造への転換を図り、限られた給与原資を最大限有効に活用することといたしました。
さらに、給料表への配分に当たっては、職責差を反映させるという観点から、上位の職層と下位の職層の改定率に差を設けるとともに、高位号給については改定幅を抑制するなど、これまで実施してきた給料表構造改革の視点も踏まえながら改定を行いました。
このように、本年の改定は単なる較差解消にとどまらず、給与構造、制度の改革と一体のものとして実施いたしました。
○中屋委員 本年の改定は、単なる較差解消だけでなく、給与構造、制度の改革と一体のものとして実施したとのことでありますので、次に具体的な改革の中身について説明を求めてまいりたいと思います。
まず、今の説明にもあるとおり、今回の改革の一つの大きなテーマが住居手当の見直しにあります。
住居手当については、国において、平成二十一年に自宅にかかわる支給が廃止となりまして、他自治体においても同様の見直しがなされております。東京都においては、今回の見直しは四十数年ぶりの大改正ということになろうかと思われます。
見直しに当たっては、国、他団体とは異なり、単なる自宅にかかわる支給の廃止にとどまらず、職層、年齢の観点も加味して支給対象者の絞り込みを行っております。具体的には、住居形態については借家、借間に、年齢としては三十五歳未満に、支給対象者を限定しております。さらに、支給金額についても見直し、八千五百円から一万五千円に引き上げております。ここまで踏み込んで抜本的見直しを行った団体はないと思います。
そこで、なぜ住居手当の支給対象者を、管理職を除く三十五歳未満の借家、借間居住者に限定したのか、またなぜ支給金額を引き上げたのか、その理由、考え方について伺います。
○石井任用公平部長 国と都の置かれている状況の違い、制度創設当初と現在の社会情勢の変化などを踏まえ、独自の視点から見直しを行いました。
見直しに当たりましては、生活関連手当の一つである住居手当の意義に立ち返り、手当支給の必要性を厳格に考慮し、単に住居費負担を有するだけでなく、その負担が給与水準に比べて相対的に過重となっている職員に対象者を限定することが適当と考えました。
またあわせて、採用政策上の観点、都民の納得と理解を得るという観点なども踏まえ、制度を抜本的に見直し、再構築することといたしました。
これらの検討の結果、若年層の賃借者に限定して支給対象とする整理を行ったものでございます。
三十五歳未満を若年層といたしましたが、この年齢については、今回実施した調査結果においても、おおむね自宅の割合が借家の割合を上回るポイントに当たることから、そうした事情なども踏まえ設定したものでございます。
また、管理職については、既に一定の給与水準にあること、その職の位置づけから生活給的な配慮は極力限定し、職責、業績反映の一層の徹底を図る必要があることから、すべて対象外といたしました。
支給金額については、こうした整理を踏まえ、手当本来の役割を強化充実する観点からも、手当の意義を十分に発揮できる水準とすべく、民間の支給水準、首都圏における家賃水準等も考慮し、八千五百円から一万五千円に引き上げました。
○中屋委員 手当の意義などの原点に立ち返るとともに、調査も実施し、都の職員の実情なども十分に踏まえた上で制度を設計したということであります。今回の改革の柱の一つであります生活関連手当の見直しの具体的内容については把握できました。
次に、職責、能力、業績の給与への反映の一層の徹底をもう一つの柱としております。
その中でも、部長の職の給料月額を定額化したことを挙げております。給料の定額化自体は、広島県、大阪府、そして本年は大阪市でも導入しておりまして、これについても、必ずしも目新しいものではなくなっていると思われます。
そこで、今回の部長級の給料定額化のどこに東京都の制度の特徴があるのかお伺いいたします。
○石井任用公平部長 給料定額化については、ご指摘のとおり、先行して導入している自治体が数団体ございます。
しかしながら、いずれの団体においても、役職等の区分に応じた給料の定額設定にとどまり、今回勧告した部長級の生活関連手当、具体的には住居手当、扶養手当でございますが、その廃止にまで踏み込んだところはなく、これは全国初の取り組みでございます。
また、職責に応じて給料が定額となり、昇給制度が廃止されることから、業績差の反映は勤勉手当に限られることとなります。そのため、今回、特別給における勤勉手当の割合を見直し、業績反映度合いを高めるよう勧告を行いました。
新たな制度では、昇給制度、生活関連手当は廃止となり、年齢、在級年数、扶養の状況などといった属人的要素によることなく、職責、業績に応じて年収水準が決まることから、管理職のモチベーション向上に資するものと期待しております。
また、これを契機に、職務の困難度や、職責に応じた適材適所の人材活用がより一層推進されるものと見込んでおります。
○中屋委員 部長級の給与制度については理解をいたしました。
このような定額化により、職責や能力を中心とした給与制度にしていくことは、民間企業では取り組んでいるようでありますが、公務員の世界ではまだまだ少数派であります。単に年をとれば給与が上がるということではなくて、一定の重い職責を持った部長級の職にこうした制度を導入したことで、都民に対してきちんと理解と納得が得られる給与となったのではないかと思います。
次に、現在の課長級職と統括課長級職について、既存の級を廃止し、新たな職務の級を設置するとともに、その新しい課長級職の給与制度について見直しを行ったとのことであります。
そこで、新たな課長の職の給与制度について、見直しの意義と効果について伺います。
○石井任用公平部長 新たな課長の職の給料表設定に当たっては、昇格後の昇給幅を十分確保するとともに、長期在級による給与の上昇を抑制する観点なども踏まえ、新たな課長級の職責を適切に反映した昇給カーブへと見直しを行いました。
また、課長級についても、業績反映度合いを高めるため、特別給における勤勉手当の割合を拡大いたしました。
こうした見直しにより、適正な給与水準を確保するとともに、モチベーションの向上、組織の活性化にも資するものと期待しております。
○中屋委員 困難な職責を担う管理職が、役割、業績に応じた処遇を受けることができる新たな制度の導入は、管理職のモラール向上を通じ、困難な課題に対処する都庁の組織力向上に資するものと期待されることから、ぜひとも実現に向けて努力されるよう期待をしたいと思います。
具体的な部分まで踏み込んで、今回の勧告における見直しの内容について確認いたしますと、人事委員会として、民間企業の動向や都政を取り巻く情勢、職員、組織の状況などに常に問題意識を持って、将来を見据えて、職員の意欲向上や組織力の強化にいかに腐心しているか、よく理解ができます。
冒頭でも述べたところでありますが、本日未明、基本的に勧告内容に沿った形で労使交渉が妥結に至ったとのことでありますが、今後は、各任命権者と連携して着実に実施していく必要があると思います。
今回の改革は、まさに改革の名に値する十年に一度の歴史的な節目の勧告でありまして、勧告制度の趣旨にかんがみ、人事委員会としてその責任と役割を十全に果たした意義のある勧告といえます。この勧告について高く評価するが、社会情勢や時代は絶えず変化していくものでありまして、それらを的確にとらえ、不断の検証と見直しを行う姿勢が重要であります。
そこで最後に、十年に一度の勧告を取りまとめた局長に、改めて今回の勧告に対する思いと今後の人事制度改革に向けた決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○真田人事委員会事務局長 私どもといたしましては、人事委員会の勧告制度の廃止が議論され、また国の人事院が守りの姿勢に入っている中、今こそ都が改めて勧告制度の原点に立ち返り、その役割と責任を果たしていかなければならないという強い危機意識と使命感に立ちまして、将来を見据えた攻めの姿勢の勧告を行ったつもりでございます。
先生からは、改革の名に値する十年に一度の勧告であるとの高い評価をいただき、身に余る思いでございます。どうもありがとうございます。
また、本日未明、勧告の趣旨を踏まえた形で労使交渉が妥結いたしましたが、人事委員会としても労使双方の努力を多としたいと思います。仏つくって魂入れずにならないよう、今回の妥結内容についての詳細内容の詰めや適正な運用について、任命権者とも引き続き必要な調整を行っていく考えでございます。
都政を取り巻く環境や人事給与制度に求められる課題も刻々変化してまいります。また、職員の勤務条件に対する都民の目線もますます厳しくなってまいります。それらに適切に対応していくためには、先生もご指摘のように、こうした状況変化を的確にとらえますとともに、不断の検証と見直しが必要でございます。そうした努力を継続していくことによりまして、今後とも、人事委員会に求められる職責を十全に果たしていかなければならないと考えております。
こうした基本認識のもと、人事委員会の職員一丸となって頑張っていく考えでございます。今後とも、先生方のご理解、ご支援をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○橘委員 私からは、職員の給与に関する報告と勧告に関連いたしまして、採用や昇任など、いわゆる人事制度について質問いたします。
公務員の人事制度といいますと、まずは人件費の議論が先行しまして、これに直結する給料や人の数といった分野に関心が集まりがちであります。もちろん、公務員の給料が都民の税金で賄われていることを考えますと、これらが重要であることは論をまちません。
一方、行政組織を動かしているのは、間違いなく生身の人間であります。かつてない変化の激しい時代にあって、都政がますます高度化、複雑化する中で、優秀な人材が行政組織の期待にこたえる仕事をしなければ、都民生活の安全・安心を守り続けることはできないと思います。
その意味で、いかにして有為な人材を確保するのか、確保した人材をどうやって育て、活用していくのか。つまり人事制度をどうしていくのかは、給与制度と同じく重要なことだと思います。
ことしの東京都人事委員会勧告を見ますと、人事制度に関する意見について、かなりのボリュームで言及されておりますが、都においても、こうした、今指摘しているのと同じような問題意識のもとに作成されたのではないかと思います。
そこで、本日は、この人事制度にスポットを当て、報告されている主な事項について、その背景や考え方について質疑を行いたいと思います。
ここ数年の勧告意見を見ますと、個に着目した人事という表現が毎年のように繰り返し使われております。私は、この言葉が都の人事制度改革の基本理念ではなかろうかと考えておりますが、少し抽象的な表現で、イメージがつかみづらいところもあります。
この言葉のまくら言葉には、少数精鋭体制の構築に向けてとありますので、ある程度わかりやすくはなっておりますけれども、個に着目した人事の意味するところについて、なぜそれが必要なのか、これも含めて伺いたいと思います。
○石井任用公平部長 現在の人事制度の基本部分は、団塊の世代の活用を念頭に置き、その世代を中心に構成されたものであり、団塊の世代の大量退職を踏まえ、これまでの人事管理の考え方について見直す時期を迎えております。また、定数削減により職員数が大幅に減少する一方、業務遂行において、政策立案機能の重要性が高まるとともに、行政の高度化、複雑化がより一層進展しております。
こうした変化に適切に対処していくためには、職員数が減少した中にあっても、個々の職員が能力を最大限発揮することで、より効率的に行政運営を進めていくことのできる少数精鋭体制を一層強化していくことが不可欠となっております。そのためには、これまでの画一的な人事管理の考え方を根本的に改め、職員一人一人、すなわち個に着目したきめ細かな人事管理を目指していくことが求められております。
近年、こうした観点から、人事委員会勧告において、人事制度全般にわたる改革の必要性について言及しており、本年も、同様の視点から人事制度に関する意見を述べたところでございます。
○橘委員 行政事務が高度化し難しくなる、ところがそれを担う人は減っていく、だから個、つまり個人、職員一人一人の力が重要になってくる、この論法は非常にシンプルでわかりやすい、説得力のある考え方ではあると思います。
今答弁のあった理念に基づいて進めている個々の取り組みについて、もう少し掘り下げてみたいと思います。
冒頭に例示したとおり、人事の基本は、人をどうやって確保するのか、またどうやって育て、活用していくのか、やはりこの二点に集約されるのではないかと考えております。
まず、その観点からいいますと、採用についてでありますけれども、人材の確保は、組織そのものを左右する極めて重要な問題であり、その任を担う人事委員会の役割、責任は非常に重いものがあると思います。
先ほど、都が求める人材について質疑がありましたけれども、採用におきましては、人材の供給サイドという視点も非常に重要であるかと思います。
東京都は、多様で有為な人材を確保すべく、来年度から新しい採用試験区分を設けることとしておりますけれども、やみくもに試験をふやしたり試験内容を変更しても、期待する効果は得られないと考えます。どういう人材がどこから供給されているのかなどをしっかりと分析した上で、採用戦略を構築して実行していくことが不可欠であると思います。
そこで、人材供給の状況は具体的にどうなっているのか、現在の東京都職員の採用状況も踏まえて説明を求めます。
○石井任用公平部長 近年の人材供給の状況を見ますと、雇用の流動化に伴う転職市場の拡大などに加え、採用者の最終学歴の多くを占める大学の状況に、とりわけ大きな変化が見られます。
少子化により若年者の人口が減少し、十八歳人口がピーク時の約半分の百二十万人に減少している一方、高学歴化の進展により大学進学者は大きく増加し、現在では大学進学率は五〇%を超えております。
また、大学の専攻分野数を見ますと、平成三年の二十九種類から、平成二十一年には千二百二十五種類へと大幅に増加しており、これに伴い、学生が学ぶ内容も多種多様なものへ変化していると考えられます。
さらに、大学における秋入学の導入の議論が活発に行われるなど、今後、さらなる変化も予測されるところでございます。
一方、採用者の状況を見ますと、大卒事務区分では、伝統的な学問領域である法律、経済、政治を専攻した者が約半数と、依然として高い割合を占めております。また、大卒事務区分の採用試験合格者の四人に三人が、受験対策として公務員予備校を活用しており、論文の記述内容や面接での口述内容も、あらかじめ用意された画一的なものが散見されております。
こうした状況を踏まえ、有為な人材を採用市場全体から確保するために、多様な人材に対し都政へのチャレンジを促すとともに、より多角的に人物評価が可能となる能力実証を実施していく必要があると考えております。
○橘委員 よくわかりました。
確かに、今の大学には、総合政策や情報工学など、昔にはなかった学部や学科が数多く見られます。大学の専攻分野数の増加は、グローバル化の進展など複雑化する現代社会において、法律や経済といった伝統的な学問の枠を超えた新しい学問領域が出現してきたことが背景の一つとしてあろうかと思います。
有為で多様な人材を確保するためには、これらの人材を供給する側といいますか、供給する分野といいますか、その変化を適切に把握し、柔軟に対応していくことが非常に重要であります。
こうした観点から、任期つき職員など民間企業経験者の活用も含め、人材確保のすそ野を広げていこうとする考え方や取り組みは高く評価できるものであります。今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
一方、せっかくいい人材を確保しても、組織がその人材の能力をさらに育て、最大限活用できなければ意味がありません。そのためには、例えば職員の専門性に着目した人事管理が必要です。山積する都政の諸課題に適切に対処するためには、広く都庁全体を俯瞰できるゼネラリストに加え、特定の分野に強みを持つスペシャリストが不可欠であります。
この点に限って見てみますと、都庁は人事異動が頻繁でありまして、都政における各分野のプロが育ちにくいのではないかという印象を私は持っております。
職員一人一人の能力や強みを踏まえた適材適所の配置を行う中で、専門性をしっかりとはぐくむことができる人事制度の構築に向けて、異動、昇任、研修などのあり方を見直していくべきと考えます。
今回の勧告意見の中でも、同様の観点からあらゆる分野における見直しが示されております。着実に実施していただきたいと思います。
また、人材の育成、活用という視点からは、職級のあり方も重要です。職級は仕事を複雑性や責任の度合いで分類したものであり、職員が担う仕事の内容や昇任の基礎となるものであります。
今回の勧告意見では、統括課長級と課長級の統合という大きな改正に言及しております。これに関連して給与制度も大きく変わるようですので、考え方を確認しておきたいと思います。統括課長と課長の任用制度上の現状、見直しの理由について伺います。
○石井任用公平部長 統括課長と課長の職に係る現状と統合の理由は、次の二点に整理できます。
一点目は、職務実態の問題でございます。現在、統括課長と課長の職務内容や職責差が希薄化しており、独立した職級とするほどの差がない状況にございます。お話のとおり、職務の級は、職務をその複雑性及び責任の度合いに基づき分類したものであることから、こうした職務実態を踏まえ、統括課長と課長を廃止し、両者に適用する新たな職務の級を設置する必要が生じております。
二点目は、配置管理への制約でございます。部長級への昇任には、統括課長に二年以上在職する必要があることから、有為な人材の弾力的な配置に支障が生じております。
例えば、突発的な課題に対処するため、部長の需要が生じても、優秀な課長を直接昇任させることができません。また、キャリア活用選考など、採用チャネルの多様化により課長への昇任年齢が上昇しており、統括課長を経ることが必要な現在の制度では、より上位の職級に任用すべき優秀な人材であっても、年齢の制約で部長や局長に任用できない状況が今後生じてくると考えられます。
なお、職級の統合後にも、各局総務課長や全庁的に計画、財政、人事を取り仕切る課長など、他と比較して困難なポストが現に存在しており、同一の級の中で一定程度の職責差が認められることから、これについては、管理職手当の見直しなどにより対応することとしております。
○橘委員 先ほどの答弁にもありましたけれども、従来、役所の仕事というのは、法令の解釈や運用といったものが中心だったように思います。時代が変わり、都政が複雑化し、高度な判断や難しい調整が求められるようになり、課長の守備範囲が広がりを見せているように思います。そうした変化に的確に対応するための制度改正であろうと考えます。
これまでの議論に加え、もう一つ伺っておきたいことがあります。それは、官民共通の課題である雇用と年金の接続であります。
今回の勧告意見では、再任用を中心として早急に検討を進めなければならないと記述されております。なぜ再任用制度により雇用と年金の接続を図ることとするのか、その理由について伺います。
○石井任用公平部長 地方公務員の雇用と年金の接続への対応について、国は現時点で方針を明らかにしておりませんが、現在の定年制が地方公務員法で規定されていることから、地方自治体ごとの判断ではなく、国に準拠する形で、法の規定により統一的に対応するものと考えられます。
一方、国家公務員については、ことし三月に国家公務員制度改革本部が公表した国家公務員の雇用と年金の接続に関する基本方針で、既に対応を行っている企業の八二・六%が継続雇用制度により対応している状況などを踏まえ、再任用制度を活用する方針が示されました。これに基づき、国家公務員法の改正が行われることになると聞いております。
こうした点を踏まえ、勧告意見において、再任用を中心とした高齢期雇用のあり方について早急に検討を進めるべきとの認識を示したものでございます。
○橘委員 制度設計に当たっては、再任用職員が担う職務の問題など、勧告意見で言及した四つの視点がいずれも重要であり、引き続きしっかりと検討していただきたいと思います。
ことしの勧告意見や本日の質疑を通じ、都においては、人事制度を取り巻く環境が大きく変化する中で、さまざまな取り組みが行われようとしていることがよくわかりました。今後、こうした取り組みを着実に進めていくことが重要でありますが、人事制度の見直しはすべての職員に影響を与えるものであり、こうした改革を現実に進めていくことは並大抵のことではありません。
最後に、人事制度改革を着実に進めていくに当たっての局長の決意を伺って、私の質問を終わります。
○真田人事委員会事務局長 首都東京が我が国の牽引役として使命を果たしていくためには、先生からもるるお話しいただいたように、都政を支えるすべての職員が高い意欲と志のもと、持てる能力を最大限発揮することが不可欠でありまして、人事制度はその基盤として十全に機能するものでなければならないものでございます。これは、いかなる人事環境にあっても決して揺るぐことのない、いわば人事の原点でございます。
したがいまして、専門的、中立的な立場から人事行政を担う人事委員会に課せられた責務は極めて重いものがございます。こうした強い使命感のもと、これまでも、時代にかなう人事制度のあるべき姿について、人事委員会として調査研究を重ね、時期をとらえた適切な勧告、報告を行ってまいりました。
都政の諸課題の一層の高度化、複雑化、団塊世代の大量退職、それに伴う職員構成の大きな変化、さらには高齢期雇用の問題など、都の人事制度は、今まさに大きな転換期を迎えております。
こうしたときだからこそ、人事委員会の役割が改めて問われているものと考えておりまして、新しい時代にふさわしい人事制度を実現するため、この間、少数精鋭体制の確立に向け、個に着目した人事管理の観点から、人事制度全般にわたる改革の道筋を示してきたところでございます。
いまだ緒についたばかりの改革をなし遂げるまで、長く険しい道のりになることも想定されますが、任命権者とも連携しながら、人事委員会に課せられた責務を確実に果たすよう、強い意思と覚悟を持って全力で取り組んでまいります。
今後とも、先生方のご理解、ご支援をお願いしたいと思います。
○吉田委員 私からも、報告がありました職員の給与に関する報告と勧告についてお伺いいたします。
私が主に質問したいのは、月例給についてであります。もちろん労使合意を尊重するものですけれども、議会としてもただしておきたい点があり、何点か疑問点についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
私は、今回の月例給の引き下げの勧告について、大きくいって三つの点で率直に疑問があり、お答えを願いたいというふうに思います。
第一は、これまでも毎年毎年、皆さん方が独自の調査を行って、公民較差というものを明らかにして、それを反映するという取り組みをされています。ただそれが、他の東京都などの公的な都内勤労者の賃金統計と比べてみたときに、長期的に整合性があるのかというのが第一点目です。
二つ目に、国の人事院の東京の勤労者に着目した公民較差の分析と該当しているのかどうか。もしそれが乖離しているとしたらなぜなのか。
三つ目にお伺いしたいのは、こうした民間賃金との較差だけではなく、当然、生計費の動向を加味して勧告がされていると思いますが、真にこの間の生計費の動向などにかみ合ったものなのかどうかというのが、私がお伺いしたい主な三点であります。
そこで、まず初めに、この間の経過についてご質問いたします。
報告では、十年でおおむね八十万円の年収が減となっているというご報告がありましたけれど、より具体的に額及び減額率についてご説明をお願いいたします。
さらに、石原前知事就任時の一九九九年、平成十一年と今回の改定後で比べたときに、これがどのようになるのか。
あわせて、今回の勧告で、月例給の場合には、二〇〇二年、平成十四年以降、一回の据え置きを除いてほぼ毎年減額を続けていると思いますが、この経過についても改めてご説明をお願いいたします。
○石井任用公平部長 行政職給料表(一)適用職員の平均年収は、平成二十三年と平成十三年で比較すると八十四万八千円、平成二十四年と平成十四年で比較すると七十九万五千円、それぞれ減少しております。ここ十年でおおむね八十万円減少していると考えております。
また、平成十一年の平均年収は七百五十一万円、本年の勧告実施後の平均年収は六百五十六万円であり、額にして九十五万円、率にして一二・六%の減となっております。
平均年収の減については、厳しい民間給与の状況が反映されているとともに、団塊の世代の退職や新規採用職員の大量採用により、都職員の平均年齢が低下していることも影響していると考えております。
次に、平成十四年以降で見ますと、例月給は据え置きが一回、マイナス勧告が十回、特別給はプラス勧告が二回、据え置きが五回、マイナス勧告が四回、平均年収ではプラスが一回、変化なしが一回、マイナスが九回となっております。
例月給及び特別給について、マイナス勧告となるのか、プラス勧告となるのかは、本委員会が民間給与調査を実施し、正確な公民比較を行った、その結果でございまして、職員の給与を社会一般の情勢に適応させる役割を適切に果たしていると認識しております。
○吉田委員 今、石原前都政下での推移をご説明いただきましたけれども、平均でも年額九十五万円、率にして一二・六%ということですし、月例給だけに限れば、据え置きは一回、あとはマイナス勧告が十回続いているということです。
こうした状況が、他の公的な調査で見た場合に、東京の勤労者の賃金動向の推移と合致しているのかどうかということについてお伺いしたいと思いますが、総務局が行っている毎月勤労統計の賃金調査というものが、東京の賃金動向としては一番公的な調査結果ではないかと思うんですけれども、これで見た場合、一九九九年、平成十一年と、平成二十三年、二〇一一年で比較した場合、この減額率はどのように推移しているのでしょうか。
○石井任用公平部長 東京都総務局が実施している毎月勤労統計調査によりますと、都内の事業所規模三十人以上の所定内給与は、平成十一年が三十四万六百六十九円、平成二十三年が三十四万二千三十六円であり、額にして千三百六十七円、率にして〇・四%の増となっております。
○吉田委員 調査対象が違いますから、ストレートに比較することはできないかもしれませんけれども、しかしそれにしても、これだけのスパンで見た場合に、今のご答弁だと、給与月額に当たると思いますけれども、千三百六十七円の増で、率にしてプラス〇・四%ですか。そうすると余りにも、皆さん方の結果と乖離が非常に大きいということになりますが、この点はどのように認識されているんでしょうか。
○石井任用公平部長 人事委員会が実施している職種別民間給与実態調査は、公務に類似する職務に従事している民間従業員を対象として、調査項目もきめ細かく設定しておりますが、ほかの調査は、調査目的の違いから、対象とする産業や従業員の範囲が異なり、調査項目も大ぐくりとなっております。
加えて、データの集計方法につきましても、本委員会の調査が同等の役職や年齢同士で比較するラスパイレス方式を用いているのに対し、他の調査は単純平均で集計していることから、その結果に差が生じるのは当然でございます。
○吉田委員 調査方法が違ったとしても、余りにも全体的な傾向が食い違っているというふうになっています。
しかも、私自身、改めてこの勤労統計を見てみましたけれども、先ほどの勧告にあるように、据え置き一回で、あとは毎年のようにマイナス勧告というふうな形で、データは出ておりません。
しかも、最新の、これは五人以上の企業ですけれども、一般労働者の場合の給与月額が四十九万七千円、パートタイムが十万七千円ということが示されております。こういう点でも引き続き、私としてはこの点が第一の疑問であるということです。
二つ目には、最新の国の人事院勧告での地域格差では東京都はどのようになっているのか。都の人事委員会との乖離をどのように認識されているのか、その点についてお答えください。
○石井任用公平部長 人事院は地域別の較差を公表しておりますが、本年の東京都地域においては、民間給与が国家公務員の給与を一・二三%上回る結果となり、本委員会の算出した較差マイナス〇・三二%とは異なる結果となっております。
先ほどご説明したとおり、公務と民間の給与比較を行う場合、国においても都においても、単純平均ではなくラスパイレス方式により実施しております。
具体的には、公務、民間ともに、年齢、役職、学歴別に平均給与を算出し、それぞれに公務側の職員数を乗じた総額を算出して、両者の水準を比較しております。すなわち、都でいえば、都の職員の現在の給与総額と、都の職員に調査で得られた民間の給与を支給した場合の総額とを比較しており、最も適切な比較方法と考えております。
したがって、比較結果である較差は、公務側の職員構成の実態に大きな影響を受けることとなります。同じ都内民間企業の同じデータを使用しても、都と国とでは、年齢、役職、学歴別の職員構成比も平均給与も異なることから、比較結果が同一となるわけではございません。
○吉田委員 年齢構成その他役職の構成等によって違うんだというご説明だと思うんですけれども、しかし、そうした答申の結果が、同じ東京で、片や国家公務員、片や東京都の職員として働いていたとしても、しかも、その比較対象の年齢が同じで、かつ役職、職歴が同じであったとしても、片方はプラスで出て、片方はマイナスで出るという結果になるということについても、私はどうしても理解をすることはできません。
次に、三番目に疑問な点についてですけれども、生計費の実態というものは当然考慮されるものだというふうに思いますが、この点についてはどのように考慮がされているのか。
また、報告書の中でも、消費支出については前年比六%の増だということが書かれていますが、単に前年比だけではなく、一九九九年以降どのように生計費というものは推移をしてきているのか。
さらに、消費支出ということが書かれていますが、税や社会保険料などの支出を含める、いわゆる非消費支出の動向ということも、あわせてとらえていくことが必要だと思いますが、この点どのように認識されているんでしょうか。
○石井任用公平部長 給与勧告は、地方公務員法第二十四条第三項に基づき、職員の給与水準の決定に当たっては、民間準拠を基本とするとともに、あわせて生計費や国、他の地方公共団体の給与などを考慮することとされています。都では、東京都生計分析調査をもとに標準生計費を算出し、主として初任給水準の検討などに活用しております。
消費支出の推移につきましては、総務省が実施している家計調査によりますと、平成十一年以降では、平成十六年、二十一年、二十二年に増加している以外は減少しております。この五年間に限れば、増加した年は二回でございます。
また、家計調査における非消費支出は、平成十九年まで九万円前後で推移してまいりましたが、平成二十年以降、増加傾向にございます。
○吉田委員 公務員の賃金は税金で賄われるものであり、やはり住民も納得できる適正なものが求められるということは当然です。
ただ、今お答えをいただいた消費支出、そして非消費支出、あわせて私自身も計算をしてみました。そうしましたら、平成十三年が合わせると四十五万千二百十三円、そして昨年が四十四万五千八百八十四円で、わずか五千円の減にとどまっています。
しかも、今のご答弁にあったとおり、平成二十年以降の非消費支出、すなわち税や社会保障の負担は増加傾向にあるというふうになっていながら、冒頭のご説明があったとおり、東京都の職員給与は大幅にこの十年余で後退をしているということになれば、明らかに生計支出、消費支出等々の動向にかみ合っていないと。考慮するということはいわれましたけれども、そういう点が現実には考慮されていないのではないかということを指摘せざるを得ません。
今後のこともありますので、ぜひこうした点も含めて今後調査検討していただきたいという意見を述べまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○中山委員長 これより知事本局関係に入ります。
初めに、過日の委員会において紹介できませんでした幹部職員について、前田局長から紹介があります。
○前田知事本局長 公務のため、過日の委員会を欠席いたしました幹部職員をご紹介申し上げます。
尖閣諸島・特命担当理事の大井泰弘でございます。国際共同事業担当部長の熊谷克三でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○中山委員長 紹介は終わりました。
○中山委員長 事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○原田委員 私からは、専門委員について何点かお尋ねをさせていただきます。
直近のことでございますけれども、去る十一月一日付だったかと思いますが、新しく二名の方が専門委員に任命されているかと思います。
そこで、質疑を始めるに当たりまして、まず事実関係、その方々の氏名、着任日、期間、それから委託事項、それからその委託に至るまでの経歴といいましょうか、前職といいましょうか、そこの部分についてお伺いいたします。
○藤田総務部長 委託事項の一つ目でございますが、産業力、都市力の向上でございますが、任用者の氏名は兵藤茂氏、期間は平成二十四年十一月一日から平成二十五年三月三十一日まででございます。
委託事項の二つ目、都市外交でございますが、氏名は高井英樹氏、期間は平成二十四年十一月一日から平成二十五年三月三十一日まででございます。
任用の理由でございますが、石原前知事は十月二十五日に辞職を表明されましたが、産業力、都市力の向上及び都市外交の二分野につきまして、今後も継続して取り組みを深化させていく、深めていくという意味での深化させていくべき課題だということで、専門委員の設置を決定されたところでございます。
あわせまして、これまで委託事項について、十数年にわたって政務担当特別秘書として携わってまいりました実績、経験に着目して、兵藤氏と高井氏を専門委員に選任することを決定されたものでございます。
○原田委員 今まで特別秘書としてこの都政にもかかわってこられた兵藤氏、それから高井氏を専門委員に新たに任命するというようなことでございました。
お答えの中で、十一月一日から翌年三月三十一日までというようなことでお答えをいただいたわけでございますけれども、そうしますと、十一月一日には、猪瀬副知事が職務代理者ということで、知事の職務を代行されているんだと思いますけれども、どなたの名前でこの方々に辞令が交付されたのか、お伺いいたします。
○藤田総務部長 発令日は十一月一日でございますので、発令の発令権者氏名につきましては、東京都知事代理副知事猪瀬直樹というふうになってございます。
○原田委員 職務代理者ということで、広く一般的に知事に与えられた職務を職務代理者が代行するわけでございますけれども、こうした都政にかかわる重要事項についての判断がどの程度できるかということについては、さまざまな議論があるところでございます。
そこでお尋ねしておきますけれども、この委託と申しますか、任命につきまして、手続的に問題ないと考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○池田政策部長 手続についてのお尋ねでございますけれども、石原前都知事が専門委員の職の設置、選任及び委嘱を決定いたしまして、その引き継ぎを受けました職務代理者である猪瀬副知事が、あらかじめ選任が決定された専門委員の委嘱の発令行為を行うことは、都としても手続は適法であると考えております。
○原田委員 あらかじめまだ在任中に、当時の石原知事が決めておられたと、それをただ単に執行したというだけだから、問題がないんだというようなご答弁だったかと思いますけど、そうした認識でよろしいんですね。
○池田政策部長 そうした認識でございます。
○原田委員 そうした認識だということは承っておきたいと思いますけれども、既に辞職を表明されておられた知事が、こうした人事を発令してやめていかれるということに関しては、都民からもさまざまな見られ方がされるのではないかということは感じるわけでございます。
今、手続的に問題ないというようなお答えでございましたけれども、一点確認しておきますけれども、そもそも職務代理者の権限ですとか日々の業務執行のあり方については、どのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○藤田総務部長 地方自治法の逐条解説によれば、職務代理の範囲は、原則として知事の職務権限等のすべてに及ぶものというふうに解されてございます。
しかしながら、それは地方公共団体の長の職務権限のみを代理するものでございまして、長の身分、いわゆる公選職であるという身分や資格をそのまま代理するというものではございません。
したがいまして、長の身分や資格を要件として長に付与されました職務権限等、例えば、ちょっと例としてはあれでございますが、議会の解散権でありますとか、あるいは副知事の選任権限などといったものにつきましては、一般的には職務代理者の代理権は及び得ないというふうに考えられてございます。
○原田委員 知事本局としても、当然、すべてに及ぶわけだけれども、そこのところは限定的に考えておられるというようなことでございました。
先ほども、石原知事が正式に選挙で選ばれた知事としての在任期間中に決定されたことであるのでというようなことでございましたけれども、職務代理者がいろいろな職務を行う期間にまで影響を及ぼすような決定を、自分の任期以降にも及ぼすような決定をされていったというような部分に関しましては、こうした決定のあり方というのがそもそもよかったのかどうかということは、議論の対象になってしかるべきであろうというふうに感じるわけでございます。
無論、皆様方としては、当然、その決定を受けて淡々と事務を執行する、職務を遂行するというようなことにはなろうかと思いますので、皆様にあえてそこのところをお伺いいたしませんけれども、当然、そこのところについては、皆様方もさまざまなことを考え合わせながら事務に当たっておられたのであろうということは、拝察するわけでございます。
またちょっと確認しておきますけれども、専門委員、専門委員というふうにいっておりますけれども、これは確認ですが、専門委員という職を設置している根拠法、それと、その根拠法をどのように都として受けとめて運用しているのかという点についてお尋ねしておきたいと思います。
○藤田総務部長 専門委員は、地方自治法第百七十四条に基づく制度でございまして、委託された事項について調査研究を行うとされているものでございます。
都におきましては、地方自治法に基づきまして、参与及び専門委員の設置等に関する規則を定めまして、専門委員の任命を行ってございます。
どのように運用ということでございますが、今回の件に関しましては、今回の兵藤氏、高井氏についてでございますけれども、その委託事項でございます産業力、都市力の向上、それから都市外交の二分野につきまして、今後も継続して取り組みを深化させていくべき課題であると石原前知事が判断をし、先ほど申し上げました根拠法令と都の規則に基づき任命をしたものでございます。
○原田委員 地方自治法に基づくものということで、そうした意味で、比較的きちっとした位置づけのある職種にそのお二方が今回つかれたというようなことなんだと思います。
都に関していえば、当然、法律に定めのあることで、法律の条文の中では、特段、規則の制定等を求められているわけではございませんけれども、東京都においては規則を制定して、この条文に基づいて専門委員制度を運用されているというようなことなんだろうと思います。
それで、東京都で定めている規則でございますけれども、ここの第三条の二項に、専門委員は、知事が委託する事項について調査研究をし、知事に報告するというふうに書かれているわけでございますけれども、この知事というのは、普通に考えれば、当然委託をされるわけですから、委託をしてきた人に対して専門委員は報告、回答するというようなことが普通なんだろうと思うわけでございます。
いい方を変えれば、ここで、知事が委託する事項について調査研究をし、知事に報告するとありますけれども、委託をする知事と報告を受ける知事が異なるというようなことは、通常はないんだろうなというふうに思うわけでございますが、この点について、この規則の運用に関してどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
○池田政策部長 専門委員は、普通地方公共団体の執行機関であります知事の補助機関に位置づけられております。そのため、知事への報告以外にも、職務代理者を含む執行機関に対して調査研究の結果を報告することとなります。
○原田委員 職務代理者を含む執行機関に対してというようなお答えでしたけれども、そうすると、ここの二項に書かれている報告を受ける方の知事というのは、執行機関というふうに読みかえて運用されているというようなことでよろしいんでしょうか。
○池田政策部長 今回の報告者についての件でございますけれども、報告者として位置づけられておりますのは、知事本人と、それから職務代理者と、それから、いわゆる執行機関としての関係局、そういったところも報告の対象になります。
○原田委員 当然、知事はお一人で仕事をされているわけではなくて、また非常勤の専門職じゃない、いわゆる通常の職員等々と協力しながら行政を進めているわけでございまして、そこの部分について、どれだけ知事にかわってそれを、知事のやるべきことができるのかということに関しては、これもさまざまな分野において、さまざまな範囲というのが当然ございましょうし、そこのところは、よくある事務であれば、当然のごとく、その重要性や、あるいは与える影響の大きさ等々にかんがみまして、その範囲というのが検討されておられるのだろうというふうに思うわけでございます。
今回の場合は、任期途中で知事がおやめになるということ自体、これまで都政の中で余りないことであったかと思いますので、こうした部分について、どれだけきちんと詰められていたかということでいえば、そこに関しては疑問の余地があるのではないかなというふうに思うわけでございますけれども、この部分について一般的な感覚でいえば、普通は、委託をした人に報告をするというのが当然であるんだろう、それが普通の感覚だろうというふうに思うわけでございまして、さまざまな形で専門委員を位置づけておられるかもしれません。また、局によって、あるいはテーマによって、専門委員の立場、位置づけというのは異なるかもしれませんけれども、ここのところは、その都度その都度、定めのなきままに運用するのではなくて、きちんと、どうしたことが正しいあり方なのかということは踏まえた上で、そのあり方について検討していくべきではないかなというふうに思うわけでございます。
この報告についてさらにお伺いしますけれども、第九条のところに、第三条第二項の規定に基づく専門委員の報告は、文書等によるものとするというふうに書いてございますけれども、この文書等というのはどういうことなのか。特に等という部分について、お答えいただきたいと思います。
○池田政策部長 文書等という等について、どういうことかというお尋ねかと思いますけれども、等につきましては、いわゆるメールとか口頭での報告というものが含まれると思います。
○原田委員 これは次のことにもかかわる部分なので、あわせて紹介しながらお聞きしますけれども、九条の二項のところでは、知事は、専門委員から報告を受けたときは、原則として、これを公表するというふうになっているわけでございます。
まず二項の方からお伺いしますけれども、原則としてというのはどういうことなのか、お伺いいたします。
○池田政策部長 専門委員の委託事項に関する調査研究につきましては、ホームページにより公表がされております。
しかし、専門委員からの報告書の内容につきましては、今後の行政の意思決定に影響を及ぼすような内容も含まれていることもございまして、原則という形にしてございます。
○原田委員 基本的にここで原則公表するということでございますれば、文書であれば文書という形、あるいは口頭の報告も、先ほどの第一項の方で、文書等の中で口頭も含まれるというようなお答えでしたけれども、もし口頭のものを公表するというようなことであれば、それを書き起こすなり、録音をそのまま公表するなりというようなことなのかなとも思うわけでございますけれども、口頭で報告を受けた場合には、これはどういうことになるのか、お伺いいたします。
○池田政策部長 口頭での報告ということでございますけれども、これにつきましては、内容に応じて公表するということになろうかと思っております。原則といたしましては、文書によってまとめたものをホームページ上に公表していくということにさせていただいております。
○原田委員 ということは、専門委員からの報告が口頭であるか、紙の文書であるか、電子メールのような電子媒体での文書であるか、これはわかりませんけれども、こうしたものが出てきた場合には、基本的に都としては文書の形にして、これをホームページに公表するということだというふうに受けとめてよろしいんでしょうか。
○池田政策部長 公表の内容につきましては、これはその都度、専門委員がその報告をまとめて、それを知事あるいは職務代理、関係局に対して報告するわけでございます。その内容につきましては、基本的には文書に取りまとめたものを公表していくということでございます。
○原田委員 基本的に、都政において機密を要する重要な部分でないものに関しては、そもそも文書にして公表するというようなお答えだったかと思います。
当然、専門的な知見を持たれて調査し、報告されるというようなことでございますから、それがそもそも公表できないようなことであれば、都庁から外部に委託をするということ自体、あり得ないはずですので、委託をして外部の方にこれをお願いしているという時点で、当然、何がしかの成果が、公表できる成果が報告をされ、それが公表されるということは当然なんだろうというふうに思うわけでございますので、こうしたところもきちっと、専門委員は専門委員でございますので、また地方自治法にも位置づけられている存在でございますので、適切に運用していただければなというふうに思う次第でございます。
この規則自体、不測の事態になかなか対応できていないような部分もあろうかと思います。そもそも人事制度のあり方として、やめていく知事が、数日後にはその職にないということを表明している知事が、自分の任期を超えて新たな、いってみれば、広い意味でいえば、政治的任用の任命をするということの是非に関しましては、これはきちんととらえて議論をしていかなくてはいけないのであろうというふうに思うわけでございます。
それとあわせて、これまでの都庁は、滞りなくいろんなことが進んでいくというような前提でいろいろな仕組みがつくられているのかと思いますので、こうした知事不在の間の移行期の行政運営のあり方についても、当然これは考えていかなければならないのではないかというふうに思うわけでございます。
卑近な例でいえば、最近、防災の分野でBCPだとか、どんなことがあってもきちんと業務を続けていけるようにというような計画を立てようということもいわれておるわけでございますけれども、防災に限らず、そもそも、あってほしい状態を前提とした制度設計だけではなくて、あってほしくはないけれどもいろんな事態が起こると。このいろんな事態が起きたときにもきちんと対応できる制度設計というのを行っておくということも、大変重要なことなのではないかというふうに感じるわけでございます。
そこのところの定めがあいまいであるがゆえに、実際に、規則に従って行われている事務に関して、一般都民の目からすれば、本当にそれでいいのかといったような受け取り方が生じるといったこともあるわけでございますから、こうしたことを今回のことを機にきちっと見直していき、特に公共の職にある者のあるべき姿というのは、昨今、本当にさまざまな議論がなされているところでございますので、間違いはないんだと胸を張っていえる仕組みにし、また、そこにかかわって働いている人間もまた問題ないんだと、これでいいんだということが胸を張っていえる。そして思い切って働ける制度にしなければいけないのではないかというふうに思うわけでございます。
この件に関しましては、さまざまな問題点を今回提起したわけでございますけれども、ここでは、今、皆様の事務の執行ということでございますので、その課題についてご指摘をさせていただきましたけれども、当然、本質的に問われるべきは、この制度を運用する人が、そのトップに立っていた人が、どのように運用したのかといったあり方も同時に問われていると。それは、当然、この制度を運用したときの権限者であった方に大きな責任はあろうというふうに考えるわけでございまして、そのことにつきましては、今後とも、我々都議会民主党は取り上げて議論をしていくということを申し上げまして、私からの質疑を終わりにいたします。
○中山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
午後三時十五分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○川井委員 久方ぶりの委員会での質疑でございまして、大変ふなれで失礼があるかもしれませんけれども、よろしくお願いします。
それと、やはりこういうことの中で、私は、長たる者がいろいろ行動を起こすときに、必ず、法に見合っているのか、制度上見合っているのか、そういうことを考えずにいいますから、それに対して、これはできることだとか、あるいは事務的な対応というのは事務局だろうと。今回の場合は知事本局。その最終的な判断をしたのは局長なんだろうと思うので、できるだけ局長と一問一答でやり合いたいと、こう思っております。
知事本局の事務事業に対して、先月の末、石原知事が退任され、それと同時に、前知事の特別秘書、これはまさに政治任用だろうと私は思って、政治任用としての特別秘書。本来ならば、知事が辞職したときにともに辞職すべき立場の方々、その方々を新たに専門委員として公表されたと。これは我々都議会自民党は、極めてこの措置については唐突の感をぬぐえないでおります。同時に、都民の方々の疑念を招くのではないだろうかという憂慮をしております。
そういう意味で、きょうは皆さん方と議論をして、できるだけ都民の方々にも判断をすべく材料を持ってもらいたいと、そういう思いで質疑をしたいと、こう思っております。
それで、最初に、地方自治法の第百七十四条、この二項以降の部分は後ほど読んでいただきますので、最初の部分をちょっとお読みいただければありがたいと思います。
○前田知事本局長 地方自治法において専門委員の規定を設けておりますのは第百七十四条でございます。
読み上げます。普通地方公共団体は、常設または臨時の専門委員を置くことができる。
○川井委員 ここの部分で、置くことができるということでありますから、この部分は私はできる規定だと、こう思っております。置かなくてもいいわけです、この部分だけであるならば。当然置かなくてもいいし、必要に応じて置くという形になるんだろうと。そういう意味では、この文章の部分までは私はできる規定だと、こう思っているんです。
専門委員の制度というものを考えたときに、なぜこの制度をつくって構築したのかということを考えていかなければいけないんだろうと、こう思っております。
そこにおいて、いわゆる解説本が何社か出ております。ぎょうせいだとか、逐条地方自治法とか、そういうものがすべて同じような説明をしております。
その部分は、お読みいただくのは大変だろうと思いますから、私の方で読ませていただこうと思っておりますけれども、やはり今の都民あるいは国民、そういう方々の要望が非常に複雑あるいは煩雑、そういうような状況下の中で、それを行政の長がこたえていく、そして行政をつかさどっていくには、専門的な知識あるいは技術の知識、そういうことが大変必要になってきている。ゆえに専門委員という制度をつくったと、こういうことにあるんだろうと私は思っているんです。
そこで、第二項のところをちょっとお読みいただければありがたい。
○前田知事本局長 第百七十四条第二項は、専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から、普通地方公共団体の長がこれを選任すると定められております。
○川井委員 この部分は、あえて二項で、専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から、普通地方公共団体の長がこれを選任するということは、ねばならない規定だと私は思っているんです。でなければこの部分は必要ないんです。最初の部分の、常設又は臨時の専門委員を置くことができるだけでいいです。
しかしながら、この制度をつくり上げた中で、なぜ制度をつくったのかという部分、それは先ほど私がお話しした部分につながるわけでございますけれども、いわゆる専門的な知識というのが大きく必要な世の中になってきた。そのために専門的な知識をお持ちいただいた方を活用する部分をつくったと。逆にいえば、専門委員はまさに専門的な学識経験者でなければならないと、こういうことだと私は思っているんですけど、どう思われますか。
○前田知事本局長 委員がお話しになった、まだこれからになると思いますが、同じ百七十四条の第三項で、専門委員の仕事ですけれども、専門委員は、普通地方公共団体の長の委託を受け、その権限に属する事務に関し必要な事項を調査するとありますので、当然、その調査を行うに足りる専門の学識経験を有しているという組み合わせでなければ、この規定は成り立たないと、このように考えております。
○川井委員 まさに、社会経済の発展に伴い、住民の行政需要は複雑高度化、そして多様化の傾向を見せている。このような傾向に地方公共団体が適切に対応していくために、地方公共団体自身が常に最新の知識と技術を有することが必要である。そのために、学識経験者などをもって高度な専門的な技術的知識をと、こう書いてございます。
これは、解説本どれをとっても同じでございます。地方自治制度研究会が編集した行政、あるいは自治省行政局行政課が編集者としたもの、あるいは逐条地方自治法、こういう解説本すべて同じように書いてございます。
そこでお聞きをしたいんですけれども、例えば、二項の部分を考えない場合、だれでもいいよということになってしまうわけです。そうすると、自分の奥さんや子ども、あるいは自分の親類、食いぶちを与えるために専門委員に任命できてしまう。だからこそ二項があるんだと私は思っている。しかもそれは、今読み上げたとおり、専門的な学識経験者でなければならないということだと思うんです。
仮に、専門的な学識経験者じゃない人を選任した場合は、この部分に抵触しないですか。
○前田知事本局長 先ほどもお答えいたしましたが、百七十四条の第二項で、専門の学識経験を有する者の中から、普通地方公共団体の長がこれを選任する。同じく第三項で、専門委員は、中略ですけれども、その権限に属する事務に関し必要な事項を調査するというふうに書かれておりますので、もちろん、専門委員が調査する事項というのは、東京都でいえば幅広い事業の中のその一部でございますので、その部分につきまして、調査をするのに必要な知識、経験、学識、その他いろいろございますけれども、その調査をするのにふさわしい人を選ばなければならないと私どもは考えております。
○川井委員 専門的な調査をする方、当然、専門的な調査ができるだけの知識と経験と学術的な専門分野でたけている等の知識がなければ、私は逆に無理だと思っております。ですから私は、ここの部分というのは大変重い。あえて二項を起こしているということは大変重いんだと、こう思っております。
逆にいえば、専門の学識経験を有する者という部分でない人間を選任した場合は、これは無効になるんだと。あるいは、選任した者が地方自治法というものに抵触する、こういう議論を残すことなんだろうと、こう思っております。いかがですか。
○前田知事本局長 規定の定めるところでございまして、ただ、調査というのはそれこそいろんなケースがございます。したがって、専門の学識経験を有するというものは、例えば資格とか、そういったもので一律に決めるということは、事柄の性質上できないと思いますが、必要な事項を調査すると書かれておりますので、その必要な事項を調査するのに適した専門の学識経験を有する者を選ばなければならないというふうに考えております。
○川井委員 法にまさる規則、あるいは法にまさる条例というのはないんです。まず第一義的に法律なんです。その地方自治法、二項で、専門委員は、専門の学識経験を有する者の中からと、こう書いてある。そうすると専門的な学識経験者でなければならないんです。
そこで教えていただきたいんです。さきに任命したお二方、特に、学識経験者というのは、私の判断では、かかわったことがあるとか、お手伝いしたことがあるとか、こういう状態の人間は決して学識経験者ではない。しかも専門的な学識経験者ではない、こう思って、あえてお聞きをしたい。
この二人の略歴を教えていただけたらありがたい。
と申しますのは、東京都参与あるいは専門委員と、こういう形の中で名を連ねている人たちを、ざっと見ると、一目で、何を委託されて、何を調査し、何を研究して、知事たる長が何をこの人に求めているんだって一目瞭然わかる人たちなんです。
例えば首都圏移転問題、上智大学教授、東京大学教授、多摩大学学長、こういう方々、あるいはまちづくりという部分なんでしょう、森ビルの社長、こういう方々がざっと名を連ねております。まさしくこのことをやっているんだなと。
あるいは、官庁会計における企業会計の手法の導入、公認会計士です。一、二、三、四、五、六、七、八、九、全部公認会計士。ああ、こういうことをやっているんだなと理解できると思うんです。
新大学の設置及び、このことに対しては岩手県立大学の学長さんだとか、あるいは東京電機大学の教授だとか、そういう方々がなっています。これはもうそのとおりだろうと私も思います。
官民連携インフラファンド、公認会計士、ずらっと並んでいます。
さあ、そこで、今回の方々の略歴、取り寄せてみたんです。ちょっとお読みいただいていいですか。(前田知事本局長「部長から答弁させてよろしいでしょうか」と呼ぶ)(川井委員「いや、いいよ。全部あなたやれよ」と呼ぶ)
○前田知事本局長 今回の専門委員になりましたお二方の略歴を申し上げさせていただきます。
兵藤専門委員につきましては、新しい方からいいますと、平成十二年九月、東京都知事政務担当特別秘書、そのほか衆議院議員石原慎太郎秘書、そのほか民間企業の経験がございます。(川井委員「そのほか民間企業といわないで、ちゃんと読んでください」と呼ぶ)
はい、わかりました。平成七年で、その前が株式会社恒電社、それから、その前が衆議院議員石原慎太郎秘書、その前が有限会社神保器物、その前が千代田生命保険相互会社ということになっております。
同じく専門委員の高井英樹氏になりますが、平成十一年四月、東京都知事政務担当特別秘書、その前が衆議院議員石原慎太郎秘書、その前がアサヒビール株式会社マーケティング部と、こういうふうになっております。
○川井委員 さあどうでしょうか。きょうは各委員の方々、そしてマスコミの方々がいらっしゃるわけです。その中で、今の経歴、お聞きになったかと思うんです。この経歴で、専門的な学識経験者ということを理解できる都民がいかほどいるんでしょうか。
もう一回私の方から読みましょうか。兵藤茂さん、慶應大学を卒業してすぐに千代田生命保険相互会社、保険会社です。その後は有限会社神保器物。今回任命されたこととどこが関係があるんでしょうか。そして石原事務所の秘書になった。そして株式会社恒電社。
高井さん、アサヒビール株式会社マーケティング部入社、そして衆議院議員石原慎太郎秘書。こういう方々が、果たして多くの都民の方々が、専門的な学識経験者として、東京都の長の附属機関である専門委員にふさわしいという判断をする人がどれほどいるんだろうか。
これは、私はなぜこういう質問をするかというと、当然、自治法等に見合っているかどうかという判断、これは事務方が、こういう法律、制度に合わないですよというアドバイスなり、指導なり、忠告をしなければいけない、そういう立場にあるんだろうと思うんです。
もう一方、廣野眞嗣さん、この方も専門委員なんだね。私が見て、二十数名いる中で、どうもおかしいな、地方自治法、二項に該当しないのではないだろうかと、こう思う人が三人いた。そのもう一人が廣野さんという人。この人も専門委員なんです。この人の経歴、ちょっと、ありますか。
○前田知事本局長 現在専門委員をしております廣野眞嗣氏につきましては、猪瀬直樹事務所勤務。その前、学歴になりますが、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程修了、その前、職歴としては神戸新聞社ということでございます。
○川井委員 この方に対しての委託事項、ちょっと読みますね。地方分権改革、地方税財政制度改革に関すること、これが専門委員としての委託事項です。
この方は、慶応大学を出てすぐに神戸新聞、地方新聞に入社している。その後、すぐ猪瀬事務所なんです。
しかも、神戸新聞のときに、この人は自分が書いたんだから、これ。彼のホームページだと思いますけれども、新聞社入社、取材をしているうち、いろいろな人と会った。半身の自由を失いながら行政と闘う女性がいた、こういうことを書いています。それで、特に自分がやったこと。特に野宿の人の問題、在日韓国・朝鮮人問題、定時制高校の統廃合問題へは重点的な取材に取り組むと書いてある。
さあ、この委託事項の専門的な学識経験者、どこが重なりますか。
○前田知事本局長 廣野専門委員についてのお尋ねということでよろしいですか。(川井委員「三者全員だよ」と呼ぶ)わかりました。申し上げます。
今、委員からお話しありましたが、専門委員制度について所管をしておりますのは知事本局でございますので、専門委員に任命するに当たりましては、委員がお話しになりましたように、専門委員に適しているかということは、当然、私たちも重視すべき事柄でございます。
先ほどお答えしましたように、それにつきましては、機械的な物差しというものがあるわけではございませんので、その委託事項を調査するにふさわしい専門的な学識あるいは経験、そういったものを持っているかということが最大の判断のポイントになると、このように思っております。
東京都に、かつて過去にも専門委員は多数おりましたが、いずれも、例えば学歴とか資格とか、そういうことではなくて、その委託事項を推進するのにふさわしいかと、適しているかという点で考えております。今回、石原知事から、専門委員の職の設置及び選任につきまして指示がありましたことを具体化するに当たりましては、委員いわれるよう、事務方としては当然重視すべき点でございます。
まず、今回、十一月一日に発令がありました兵藤、高井の専門委員について申し上げますと、まず状況として、石原知事が任期中途で辞職をされたと。その中で、知事からは、自分の進めてきた施策を継続するということだと思いますけれども、特に産業力、都市力の向上と都市外交の二分野について、専門委員を置いて、二人を任用するようにという話がありましたので、そうした観点に立ちまして私どもは確認をしていったわけでございます。
そうしますと、まず、どちらにつきましても、石原知事は初登庁以来、非常に独自のオリジナリティーのある行政を自治体の長として展開してこられました。それは、少なくとも新しい知事のもとで新しい判断が出るまでは、公選の石原知事でございますので、その基本路線に立って私どもは事務を進めるんだろうと、こういうふうに思っております。
そうした中で、石原知事は、この分野について、兵藤前特別秘書、また高井特別秘書も、石原知事と常に一緒にいて、その政策を進めている現場におりましたので、都政の全分野ということではなくて、特に二分野について、石原知事十三年間の政策の推進について熟知をしていると、この経験と実績と、あるいはそこで培った人脈等を生かして都政に貢献せよということをおっしゃっているというふうに、実際に略歴とか、兵藤、高井特別秘書の、特別秘書でいた時代にこの分野についてどんな行動をしていたか、どんな実績を残していたか、そこを確認の上、この調査事項につきましては、このお二人は調査研究することができるものと、このように考えて事務を進めたものでございます。
決して、政務担当秘書だからという、そういう肩書きだけではなくて、しかも都政のあらゆる分野ではなく、専門委員というのは、最初に法令の解釈でありましたけれども、特定の分野について調査をするという、かなり狭い分野でございますので、その狭い分野について、これまでの実績、経験はどうだったかということを確認の上で、事務を進めたものでございます。(「それは在任中だからできるの」と呼ぶ者あり)手続、知事の指示ではありますけれども、今、川井委員のお尋ねの件にはそういうことでございます。
それから、廣野専門委員ですけれども、これにつきましては、任命は少し前でございまして、平成二十年ごろだと思いますけれども、当時も今も、地方分権改革の推進ということにつきましては都政の重要な課題の一つでございます。
それにつきまして、石原知事が猪瀬副知事をお招きしたときも、国との対峙ということをたしかおっしゃっておりましたけれども、地方分権改革の推進ということになりますが、主な相手は国でございます。国との地方分権改革の、例えば交渉あるいは調査、そういったものを進めてくるときに、皆様ご承知のように、猪瀬副知事は、規制緩和その他のところで、都にお見えになる前にかなりの実績、経験を持っておりました。
廣野専門委員は、副知事になる前の猪瀬氏と常に行動をともにして、副知事になる前の猪瀬氏の地方分権改革の取り組みを補佐してきた人物でございます。
猪瀬副知事を石原知事が東京都にお招きし、その担当特命事項の中で地方分権改革の推進ということを担当職務とされましたので、その猪瀬副知事を補佐し、東京都の地方分権改革、地方税財政制度の改革を担当する職務に当たっては、先ほどと同様に、その調査研究を遂行するに足りるものと、このように当時考えて選任したものと承知をしております。
○川井委員 局長は、かなり苦しい答弁というか、それは都民はこじつけとしかとらない。
というのは、専門的な学識経験者、これはかかわってきた、手伝ってきた、まさにかかわってきた、手伝ってきたといっているんです。そんなことをいったら、ここにいらっしゃる都議会議員の人はみんな、すべての部分に対して学識経験者だ。並びにここにいらっしゃる方々の秘書さんたちはみんな専門委員になれちゃう。そんなことを地方自治法、二項は求めているんじゃないんです。
あなたの今の答弁だと、知事がこういうことをやっていた、それを手伝っていたからと。そして、猪瀬がこんなことをやっていたから、手伝っていたからと、そんなことであえて二項を起こしませんよ。それだったらできる規定でいいんです。専門委員を置くことができると。
それじゃいけないから、この法律の、制度の立ち上げ、基本的なものを、先ほど読んだとおりだけれども、だからこそあえて二項をうたって専門的な学識経験者と、こういっているんです。
あなたが今いった、だれだれさんの手伝いをしていたなんていったら、ここにいらっしゃる先生方は都政全般に全部かかわっている。その手伝いをしているならば全部が専門委員になっちゃう。それはどう考えたって、私の秘書が専門委員なんてあろうはずがないんだ。
これは都民がどう判断するかということなんです。やがて公金支出になれば、恐らく訴訟も行われるようなことになり得るんです。
というのは、あくまで規則がこうあります、条例がこうありますじゃないんだ。法律なんだ。法律にまさる規則なんかあるわけがない。法律の中で、専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から、こうなっているんです。
それと、先ほどご答弁の中で、これはまた後で議論するからそのときにするけれども、非常に難しい問題も含めて答弁しているので、後ほどそれは触れたいと思っています。
今の学識経験者という形の制度の議論、それから、その中で専門委員というものがどういうものであるのか、そして専門委員というものが学識経験者でなければならないと、こういうことの議論は今させていただいた。
そして、その観点でお三方の方々が、名前をいえば高井さん、兵藤さん、廣野さん、本当に地方自治法、第二項が求める専門委員にふさわしかったのかどうか、これは私は、今後しっかりと都民の方々が判断していくだろうと思います。
私は、多くの都民が、どう考えても、この経歴、経験からして、単なる学識経験じゃないんだ。専門的な学識経験者とここに記してある。私は多くの都民がそう判断しないだろうと思っています。
この部分の最後の部分で、これは私は一番心配しているのは、何だ、猪瀬さんも石原さんも自分の秘書の食いぶちを公金で賄っているんですか、このことを都民が判断したならば、こんなに悲しいことないんだよ。
あなた方はよかれと思ってやっていることなんだ。そして、知事がやろうとしていることに対して、問題がないような形でいろいろ努力しているんだろう。しかし現実は、都民の方々が万が一にも、何だ、自分のところの秘書の食いぶちあてがいに特別秘書にしたんだと。特別秘書が終わったら今度は専門委員なのかと。猪瀬さん、何、自分の秘書を、副知事になったと同時に専門委員で食いぶちをあてがったのか、こういうことを東京都政がいわれるようなことがあったら、まさに私は恥ずかしいと思う。だからあえてこういう議論をしている。
このことは、我々、執行機関と議会の信頼関係を保ちながら、都民の信頼を受けるために、そして都民のための都政を運営していくために努力をしてきた。一部の人間のこういうことで東京都政が批判されるのはたまらない。
次のところへ移らんと、時間の関係もあるので移ります。
第三項をちょっと読んでください。
○前田知事本局長 第三項は先ほどもお読みしましたが、もう一度読ませていただきます。
地方自治法第百七十四条第三項、専門委員は、普通地方公共団体の長の委託を受け、その権限に属する事務に関し必要な事項を調査する。以上でございます。
○川井委員 今お読みいただいたとおりでございます。専門委員は、普通地方公共団体の長の委託を受け、こう書いてあります。
同時に、知事本局が出した文書で専門委員の選任について書いてある。専門委員の役割ということで書いてあります。知事が委託する事項について調査研究を行い、知事に報告すると、こうあるんです。知事に報告すると。
さあ、法的な部分で、選任という部分と任命という部分は分かれては書いてございません。任命という部分は実は出てきません、どれを見ても。選任という部分が出てきます。自分が、知事を辞職する人間が選任。
これは、専門委員というのは、行政という執行機関の附属機関ではないんです。長の附属機関なんです。これは読んでいただければわかります。長の附属機関である。行政執行機関全般の専門委員ということはあり得ないんです。
そうすると、辞任する人間が、だれのために--これは自分が長である立場に対して、公選で選ばれた長の立場に付与された、専門委員の選任ができるということだと私は解しております。公選で選ばれた長、これに付与された権限、実はこの部分は、これも後ほど触れますけれども、職務代理者権限は及ばないんです。
この部分は後で触れますけれども、では、先ほどほかの答弁のときに、都政に石原知事が、自分がやってきたことを継続する、都政にこの人間が役立つ、だから選任したということを事務的に任命しただけですと、こういうご答弁がありました。
さあ、自分はやめているんです。自分がやめる、知事はいない。そうすると、選挙で選ばれた長に与えられた権限、そして専門委員を任命する付与された権限、その本人がいないんです。本人がやめたんです。そして、都政に役立つからと。待ってください、行政全般とか執行全般に対して、専門委員は意見をいう立場にはないんです。絶対にないんです。今あなた方が出したものにも、知事が委託し、知事に報告するとあるんです。
そうすると、先ほどの答弁の中で、知事がやめるに当たって、自分がやってきたこと、それを継続する。そのために東京都にとって必要な人間だと。ちょっと待ってください、自分がやめた以上は知事選があるんです。だれが知事になるかわからない。その中で、自分がやってきたことを継続させるために専門委員を選任していく、こんなばかなことがありますか。行政に置いていくのか、行政に対して専門委員は置けないんです。長に対してなんです。どうですか。
○前田知事本局長 今の委員のご指摘は重要な論点だと思いますので、私どもも、この事務を進めるに当たりまして当然確認をいたしました。
委員の見解とはやや異なるところがありますが、知事という言葉を法律で読む場合、政治家である知事個人を指すのか、あるいは地方公共団体を代表する職である知事を指すのか、それを解釈して事務を進める必要がありますことは、この専門委員だけでなく、ほかの法律の規定も皆同様だと考えております。
東京都には、こうした特別職として、副知事であるとか、あるいは参与とか専門委員とか、幾つかございますが、いわゆる知事個人としての専属性を考えた場合、専門委員は、全くないわけではありませんけれども、知事の専属機関というよりも、地方公共団体の長の補助機関であるというふうに私どもは解釈しております。
それは、地方自治法第百七十四条の一項で、地方公共団体は常設の専門委員を置くことができるとも規定されております。常設の専門委員というのは、知事の交代にかかわらず、専門委員を置くことができるというふうにも読めますので、知事個人に専属するものではないというふうに考えております。
したがいまして、公選の石原知事が、長の権限として、補助機関である専門委員の職を置き、任命をするということは、そういう例は東京都でも初めてですし、他団体でもそのような例があったとは、私どもが調べた限りでは聞いておりませんけれども、今申し上げた専門委員というものの法律上の位置づけを私どもが解釈すると、これは可能だなというふうに考えたものでございます。その点では委員と見解が異なっております。
しかし、もう一点、専門委員を選任するのは長の権限とされておりますので、人選をすることが職務代理者にできるかという問題もまたあわせて考えました。
先ほども、職務代理者の権限についてありましたけれども、法律上は、長の権限を全部代行する。しかし、副知事とかそういった者は選べないという規定でございます。専門委員については意見が分かれているところですけれども、ここは慎重に考えるべきだろうというふうに私は思っております。
○川井委員 それは見解を異にする部分ですということでは済まされないんです。専門委員は、本法においては、特に普通公共団体の長の補助機関として規定しているといわなければならない、こういう文章があるんです。
それで、今、常設といったけれども、このお二方は常設なんですか、非常勤なんですか。(前田知事本局長発言を求む)いいです。非常勤でしょう。先ほど答弁の中では、常設であるからしてというような話が出た。
○前田知事本局長 この問題につきましては、私どもは、専門委員という制度論と、それから、具体的な東京都におけます専門委員の職の設置並びに具体的な専門委員の個人名の選定、この三つが絡まった問題であり、さまざまな議論が起こるものというふうには考えておりました。
しかし、議論をするときには、制度論と職の設置と、それからそこにおける具体的な個人の任用というのは、私どもの立場としては三つ切り分けて考えるべきだろうと、このように思います。
確かに、今回東京都に置きました専門委員は非常勤でありまして、地方自治法で定めるところの臨時の専門委員でございます。しかし、第一項で常設または臨時の専門委員を置くことができるという規定の趣旨は、専門委員というのが長個人に専属するものではなく、長の補助機関、つまり組織としての長の補助機関という位置づけであり、個々の知事の異動というのが直接リンクするものではないということを示しているものと考えたところでございます。
○川井委員 先ほどのご答弁は、常設の場合は、長という立場、その長というのは、行政の代表者としてとらえる長であるならば、専門委員として行政全体にという答弁がありました。だけど非常勤なんです。その性格からして、臨時の専門委員の場合には、必要な事項の調査が終わった時点で解任されるものと考えられるということなんです。
そうすると、あくまで非常勤職員、これは行政全般、執行機関に対して、大きな意味での長という身分の専門委員としてはとらわれません。あくまで、公職選挙において付与された長、それが選任した専門委員、これは長以外に進言できないですよ。これは、また探してくるけれども、どこかに書いてあった。これは長の専属的な附属機関だと、こういうことなんです。
それで、この議論についても、私は先ほどちょっと触れて、問題がないかというようなことを触れかけたんだけれども、最後までいわなかったんだけれども、事務手続上のことで、これは私どもの政策委員会の中で大分この問題はやり合ったんです。きょう、焼き直しの部分もあるんです。そのときに皆さん方がいったのは、総務省がこれを了としていますと、こういう答弁だった、政策委員会の中で。
私は、そこで、総務省のだれと話したんですかということを聞きました。東京都の方はだれが出ていったんですかと。総務省自治行政局公務員部公務員課、なぜ公務員部公務員課なのかなと私は疑問に思ったけれども、その方に電話をしました。
いろいろ議論した中で、当初、非常に軽く考えていたんです、事務手続上問題はありませんと。ちょっと待ってくださいよと。これはあくまで地方自治法が絡んだ問題であって、地方自治法的な観点から見ると、これは非常に違法性の高い問題ですよということで議論を投げかけてやった。最終的にこの課長補佐の方は、責任がとれませんと、こういうことをはっきりいいました。
じゃあ、総務省の中で地方自治を扱うところと相談して返事をくださいと。返事をいただきました。今後議論を残す部分であって、私どもが今すぐ、大丈夫だとか、法に抵触しないとか、問題ないとか、そういうことはいえませんなんです。名前、いいますか、名前もある。
だから、私どもの政策委員会の中で、あなた方が、総務省に確認してあります、何度かこの言葉が出た。総務省は今逃げています。
これは、かつて私が区議会議員時代に、準公選、教育委員の公選制度の禁止、かつて日本は公選制度のときがあったんです。それで、余りにも乱れて、組合組織の人間ばかり出てきてしまった。そのことで、これは日本の教育がだめになってしまうと、こういう形の中で公選をやめさせたんです。
ところが、法律には、この部分はよく理解してほしいんだけれども、法律というのは想定し得ないことに対しての定めというのはないんです。あり得ないこと、あってはいけないことに対しては、法は想定していないんです。その場合は判例に基づく。判例でもそんなものはないよというときは常識に基づくんです。これが法学者の一般的な考え方であります。
当時、文部省は、今は文科省です、とんでもない、公選に準ずる準公選はできません、これは公選はしませんよと逃げた。そのかわり、その前に区民投票をしてこれを参考にしますと。だから準公選だと、こういう形で、当時、革新区政だった中野区がやろうとした。やったんです、二度ばかり。
当時の自治省、今の総務省、これは、あなた方が最初聞いたとおり、了としたんです。しかし、我々は根気よく議論を重ねていった。法に書いていないからやっていいということではないでしょうと。公選になった、そして公選を禁止した、そういう過程すべてが生きてこなければならない。その中での判断だった。しかも、公選はしないけど、その前に投票行為があるということは、この結果が長を縛るんだと、こういう議論を重ねた。
しかし、法律には書いていないんだと。だから、当時の自治省、今の総務省は了とした。七年、八年議論していく中で、当時の自治省はシャッポを脱いだんだ、最後に。認めたんだよ。
だから今、全国でどこも公選はやっていないし、準公選もやっていないんだ。だから、法律に抵触しないから、あるいは法律に書いていないからいいということではない。
インターネット犯罪だってそうです。あんな事件が起きるなんてだれも、インターネットができるまでは想定していないんだから、そんな法律はないんだ。法律というのは後追いなんです。だから今、それに必要な法律をつくっている。
まさにこれは、そこのところの議論を残しているんです。だから、あなた方が我々の政策委員会の中で、これは総務省に確認しています、大丈夫なんですという答えは、答えになっていないんだ。
先ほどの二項に戻るけれども、この二項の中で専門的な学識経験者、これにも触れるんだ。この議論は、あなた方が、今やってしまったから、それを補うために、いろいろこう薬を張る、ばんそうこうを張る、そんなことでは済まないと私は思うんです。
そこで、今、時間どのぐらいやっているんだ。まだ大丈夫か。(「まだ」「一時間です」と呼ぶ者あり)
それで、(吉田委員「そろそろじゃないの」と呼ぶ)吉田さんにいわれると弱いな。おれ、いつも五時を目途にとか、吉田さんの邪魔をしているからな。
そこで、私は、問題が二つ残るんじゃないかなというような気がしてならないんだ。前任の知事が専門委員を選任して職務代理者が任命したと、このところに問題があるかどうかというのは、私は今後議論していかなきゃならんことだろうと。それを踏まえて二つの問題が残ってくるという思いがしてならないんです。
一つは、政治任用の特別秘書が知事が辞職後に引き続き専門委員として残る、この形が許されるのかどうか、これは実は法では解していないんです、こんなことは想定し得ないことだから。
通常、政治任命であるからして、その長が退くときにきれいさっぱり退くんです。そして、恐らく選挙が行われて新たな知事ができた、その方を支える、その方のブレーン、こういうものをもって、特別秘書なり専門委員というのが構築されなければならない。にもかかわらず自分の特別秘書を専門委員として残す。法的な規制はないけれども、このことが本当に許されることなのか。いまだかつて日本国じゅうどこにでもないこと、あってはいけないこと、想定し得ないことの範疇に私は入ると思っている。
ですから、これは今後議論を残して、このことを禁止する法律を整備しなきゃならんし、されるんだろうと思います。
もう一つ問題を残すのは、職務代理者の地方自治法上の権限と今回の任命の問題、ここのところは非常に難しいと思います。
ただ、専門委員というのは長と特別な信頼関係、そして長の直属の附属機関、そういうことと解するならば、こういうことだろうと思います。地方公共団体の長の身分なり資格なりを要件として、地方公共団体の長に付与された職務権限等については、一般的には職務代理者の代理権は及び得ないと解すべきである。職務代理者がそれを代理してやることはできないと、こう書いてある。
その中に、どういうことかというと、議会の解散、副知事あるいは副市長あるいは会計管理責任者の選任などと、こう書いてある。任命などと、こういうふうにも書いてある。
これはどうしてかということを読んでいくと、副知事や副市長や会計責任者というのは長と密接な関係がある。公選で選ばれた長としての立場と密接な関係があるからして、これは及ばないだろうという解釈が後に出てくる。となると、私は、等という中に当然専門委員というのが入ってくると解しているんです。そうすると、一般的に職務代理者の代理権に及び得ないと解釈する。
ですから、今回は、職務代理者がやってはいけないことをやってしまった。なおかつ、だれのための専門委員なんですか。長はいません、それは職務代理者はわかっている。そして、職務代理者の立場で、職務代理者が自分の立場に対して専門委員は選任はできない、長なんですから。
ですから、そういうことをかんがみると、私は、この二つの問題というのは、今後大きな議論を残す部分なんだろうと思っているんです。
こういうことは通常やってはいけないことなんです。というのは、解釈文にも幾つか書いてあるのは、いずれにしろ、職務代理者が選任することはできないと解するのが適当だろうと、こういう文章の中に、性質上、他の代行が許さない具体的な判定は慎重な検討を要するものであり、個別の法令の規定の立法趣旨、職務代理の性格等を総合的に勘案して決するほかはないと、解釈文についても実はそこまでなんです。その先は議論が必要だと。ただし慎重な判断が必要であったと、こういうことが記されているんです。
ですから、私は、今回やられたことというのは、非常に大きな問題をここで残してしまった。しかしながら、こいつを選んでくれよといった本人はいない。うわさに聞けば、あってはいけない任命をした人間も、政治空白をつくらないなんていいながらいなくなるみたいだ。だれが責任をとるんですか。
場合によってはステージを変えてこれやらなきゃならない。特に、また後で触れますけれども、これは議運なり、あるいはもっと大きなステージをつくってやらなければならないこともあり得るんです。そうなれば当然参考人として呼ばなきゃならない。きょうのところはそこまで求めません。求めませんけれども、そういう問題なんです。
少しまとめに入りますけれども、これは、うちの政調会がこういうことを質問しなさいというやつで、初めて今出すんだけど、このとおり質問していないんだね。
これは具体的に、この専門委員を任用するという判断はだれがしたかというと、石原知事がしたんだろうと思う。それをだれに指示をしたの。
○前田知事本局長 十月二十五日に石原知事が辞職を表明されましたが、その日に私に話を伝えられました。
○川井委員 そうすると、局長に指示があったということですね。
さあそこで、局長がその指示を受けてどういうふうに思いましたか。
○前田知事本局長 先ほどのご答弁の中でも触れましたけど、知事の指示はございましたが、東京都で過去例がない。それから、委員もご指摘になられましたが、他団体を見ても、私の乏しい経験でも例を聞いたことがない。したがって、知事の指示でありますけれども、これを実行するには、法律の解釈その他慎重な検討が必要であろうと。特に、政治論と事務論がありますけれども、政治論は私どもの方で論ずる立場ではございませんけれども、事務手続については慎重に確認の上、事務を進める必要があると、このように思いました。
○川井委員 石原知事から指示を受けてということで、問題がないか確認したと。それは事務手続上問題がないか、あるいは違法性がないかという確認なんですね。それが、地方自治法に抵触するか云々かということではないと私は思います。同時に、総務省も、まさしく私がいっていることを最終的にはいっていました。
その中で、専門委員は来年の三月三十一日までが任期ですよね。そう思うんですね。そうすると、この間、専門委員は、専門委員として任命を受けちゃった。そうすると、この専門委員の仕事というのは、非常勤であっても、だれかから特定の事項を仕事として受けなきゃならないと私は思うんです。それをなし遂げる、成就するには、それを報告しなければならない。いずれも長からなんです。その長がいないということの認識というのはなかったんでしょうか。その話を職務代理者に局長はどう伝えたのか。
専門委員というのは、あなた方が出しているとおり、長から依頼を受けて、調査依頼なり研究依頼を受けて、長に報告するという文書を出していますよね、知事本局が。そこのところを、長がいないんですよという話は職務代理者にされたんですか。これは、ただ、いないというのは、病院に入院しているとか、海外に出張中だと、これならまだわかるんです。辞職したんです。いないんです。新たな選挙で選ばれる新たな知事、そこに、自分の政治任用で使っていた特別秘書を、今後の都政に役立つからと、これはまさに、じゃあこれからも都政にかかわっていくのか、石原さんと。ある新聞に院政をしくのかと書いてあった。まさにそこにつながるんです。
あなたもさっき答弁した。石原さんがやってきたことを継続してやっていく、都政に役立つ、こんなことあっていいわけないじゃないですか。新しい知事はどうしたらいいんですか。
しかも、任期は三月三十一日までと。その中で、長から個別的な委嘱を受けて仕事を受けるわけだ。報告をしなければならない。それはだれから受けて、だれに返すの。いないんだけど。
○前田知事本局長 専門委員というものをどのようにとらえるかということで、先ほどもご質疑がございましたが、私どもは、専門委員というのは、長という政治家個人に専属するものではなく、長の補助機関であると、このように解しております。
したがいまして、そこが委員とちょっと見解を異にするところですけれども、長に専属する、例えば東京都にも参与という制度がありますが、参与は知事に助言、進言すると、こう明確に定められておりますが、それともまた違う。それから、先ほど申し上げましたが、地方自治法の規定から見ても、専門委員は、長個人に専属する組織であるというふうには解されないと思います。
したがいまして、長の任期と専門委員の任期が直接リンクするものではない。そういう考えのもとに、他の専門委員と同様に、年度末を一つの区切りとして任期を設定したところでございます。
しかしながら、専門委員というのは、都の政策を遂行する、それに役に立っていただくということがございますので、仮に、石原知事が公選で選ばれた知事として、現時点では最後の知事になっていますが、新しい知事がお見えになった場合には、新しい知事の判断は、それはその時点であるのだろうと思いますけれども、今、私がそれを予見することは当然できません。
また、石原知事の任期あるいは職務代理者の任期、あるいは新しい知事の任期と専門委員の任期は直接リンクするものではございませんので、今申し上げたような考えから専門委員の任用をしたところでございます。
それから、委員、先ほどご指摘をいただきまして、職務代理者の権限につきましては、先ほどお話をいただきましたとおりの記載、解説がございます。そこのところも踏まえまして、私どもも決定前に調査をいたしましたが、その中で、副知事とか議会の解散、そういったものについては、当然、職務代理者はできないということはございますが、一方で、じゃあ監査委員の選任はできるのかという問いもございまして、法律上の考え方は、監査委員は可能だというふうになっていまして、しかし実際の運用上は慎重であるべきだというふうにもなっています。
専門委員は、先ほどいいましたように、副知事のような政治家、長個人と密接な関係がある組織かと、それは地方自治法上の定めからしても、そういう定めではないというふうに私どもは解しておりますので、今いったような事務を進めたわけでございます。
それから、先ほど、職務代理者に説明をしたのかというお尋ねがございました。石原前知事から指示を受けまして、私ども、先ほどいいましたように、慎重に、政治的なものはともかく、事務的なものについて可能かどうか、審査というか、チェックをしておりまして、知事から指示を受けました十月二十五日の翌日に、知事退任の議会が十月三十一日に開かれるということが決定いたしました。したがいまして、その検討についても非常に大車輪で検討したわけでございます。
それで、事務的には進めるということで起案をいたしまして、十月三十日に、当時副知事でございました猪瀬副知事に起案を持っていき、審議を受け、判を押してもらったと、こういう経緯でございます。
○川井委員 今の議論の中で、専門委員は執行機関の附属機関として考えられるといっていましたね。そうじゃないですよ。本条の専門委員は、本法第百三十八条の四、三項にいう執行機関の附属機関に該当しないと書いてある。該当しないんです。あくまで長の附属機関なんです。ですから、そこは全くの考え違いだと私は思っております。それから、専門委員が全くの独任制の補助機関、長の独任制の補助機関と、こういうことなんです。
ですから、大きな意味での長、行政を含めた長、執行機関の附属機関という認識はやめてください。これは、執行機関の附属機関には該当しないと、こう書いてあります。だから、そういう形の中でこのことをさせていったということは、私は非常に大きな問題である、こう思っています。
ご答弁になかったんだけれども、これはだれに、今いう全く独任制の補助機関であって、調査の委託はだれが受けるのか、こういう話と、だれに報告するのか。いないんですよと、こういう話。ここの部分の答弁は返ってきていないわけです。
○前田知事本局長 長の補助機関というのは、長という職の補助機関でありますので、私も含めて、ここにいる職員はみんな長の補助機関でございます。私どもは知事の任期には直接左右はされません。そういう考えでこの事務を進めておりまして、そこは委員と見解が食い違っているところは確かでございます。
私どものその考え方から申し上げれば、報告をするのは、東京都の規則で長にするということになっていますが、地方公共団体を代表する長としての職に報告をするというふうに考えられますので、職務代理者がいる間は、職務代理者が長の権限を代理しますので職務代理者と。新しい知事がお見えになりますれば、その方が知事職になりますので新しい知事、このように考えているところでございます。
○川井委員 新しい知事になるのは、だれになろうと明らかなんです。その新しい知事に残していくなんてことはあり得ないんです。
今の理解の違うのは、専門委員は全くの独任制の長の補助機関、先ほど読んだように、あなたがいうように、自分たちも補助機関だと。それはまた解し方が違うんです。専門委員はいわゆるあなた方を含めて執行機関、その附属機関には該当しない、こういうことが書いてあるんです。
ですから、これは私の解釈ではないですよ、今私がいっているのは。これはあくまで、地方自治法あるいは地方自治法の解説、法学者がいっていることなんです。ですから、そこのところも考えを改めていただかなければいけないだろうと思っております。
今いった、長ということであって、執行機関全体に返事を返せばいいようなことのようにとれるんだけど、今の解釈からいうと、それは許されないということだろうと私は思っております。
それで、一番問題なのは、そこら辺のことをしっかりチェックしていかないと、今回の問題でも、まず人ありきなんです。失礼ないい方をするよ。こいつらを専門委員にしなければならない、さあどう理屈をつけようか。
本来、専門委員というのはそうじゃないんです。個別的な調査目的、こういうものがあって、これにふさわしい専門的な学識経験者はだれなんだと、これが普通の選び方なんです。この問題、だれを専門委員にしたらいいんだろうか、だれが最もふさわしい専門的な知識を持った、技術を持った、そういう学識経験者なんだろうかと、その中から選ぶように書いてあるんです。その中から長が選任するというのはそういう意味なんです。専門的な学識経験者、ここで切っていないんです。その中から長が選任するということは、長に与えられた、まさにこれにだれがふさわしいんだということを、だれが専門的な知識を持った学者なんだろうかという選択の余地を残した項目なんです。法律なんです。
この人間ありき、こいつらに米びつを与えなきゃならないから、食いぶちを与えなきゃならないから、どうしようという泥縄式じゃないですか。そういわれてもしようがない。
というのは、今いうように、地方自治法、第二項で専門的な学識経験者の中から知事が選ぶと、こうある。そうなると、この二人に与えた部分で、ほかに専門的な学識経験者はいないのかと、こういう議論になるんです。その中から選ぶべきなんです。そのことを自治法で書いてあるんです。こいつら、食いぶちに困った、じゃ何にしよう、こんなことをつけて出しておけよ、こうとられることがあってはいけない。
そのことを都民が疑念に思い出したときには、知事云々じゃないんです。東京都政の信頼を失うことがあってはいけない。知事なんかどんどんかわるんだ。だれだっていいんだそんなものは、私からいわせれば。要は、執行機関と議会がしっかりと都政のために果たせるような立場をとって、力を合わせて、そして都政を前に進めていけばいいんです。その肝心な都政が信頼を失うことが一番残念なんです。そういう意味では知事なんかだれだっていいんだ、そんなものは。
お答えありますか。
○前田知事本局長 私ども、この件について事務に携わる知事本局として、自分たちの行った事務についてるるご説明をしてまいりました。
しかし、委員のお話にありますように、私からも申し上げましたが、全体として見れば、都庁において前例がない、他団体でもほとんど聞いたことがない。お話にもありましたように、政治任用職であった特別秘書を政治任用職でない専門委員に引き続き残すということについては、やはり通常考えても、さまざまな意見はあるものとは私どもも承知をしております。その中で、知事の人事上の指示ということもございますので、今申し上げましたように、私ども事務方でチェックすべきものはチェックをして、事務を進めたものでございます。
しかし、事務的なチェックは私ども申し上げたようにしたとしても、確かに委員おっしゃるように、それだけでこの問題がすべて解決あるいはなくなってしまうということにならないというご意見があるだろうということも、また当然わきまえております。
専門委員になりましたら、当然、専門委員の定めに従いまして調査研究をし、報告をしていただくことになります。私どもとしましては、それにふさわしい調査結果を出していただき、委員がおっしゃられた都政に疑いを持たれてはいけないんだというのは、そのことにつきましては全く見解を異にするところはございません。きちんとした報告をいただくよう、一生懸命今後とも努力してまいりたいと思います。
○川井委員 そろそろ終わりに入りたいと思うんだけど、産業力、都市力の向上、これが兵藤さんの分野であると。都市外交、これが高井さんの分野。これらのことの専門的な学識経験者というのは山ほどいるんだろうと、こう思うんです。その中から長が選任するということになっています。
しかしながら、今回は、局長に指示があった。それは本来ならば、この分野で専門委員が欲しいんだ、これが知事が指示をする形なんです。今回の場合は違いますよね。この二人をと。どうだったんですか。
○前田知事本局長 私が石原前知事から指示を受けましたときは、専門委員という職の設置と、その専門委員に選任すべき人物の指示は同時でございました。
○川井委員 さあ、どうでしょう、皆さん。本来ならば、こういう分野で専門委員が欲しいんだ、そして局に対して、このことにふさわしい専門委員の候補者を出してくれと。そしてその中から長が選任する、これが普通の形であります。世間一般的な形だろうと私は思うんです。
今回、この二人をということが同時に局長に指示があった。このこと一つとっても、一部の都民が、何だこいつら、自分の秘書の食いぶちを公金で払わせるのか、こういうところに疑念を持つというのは、私は至極当たり前のことだ、こう思うんであります。このことを、今、局長が正直にお答えいただいたということは、私は非常にありがたいと。
実は、私もきのう局長のところに電話したんです。それは、私が総務省とのやりとり、我々との政策委員会の中で局長が答えた、総務省は問題ないといっていますよと。しかしそれは違う。手続的にこういうことがあっていいんですか。それは違法ではない。法的に問題ない。このことと、あくまで事務手続的なものと、地方自治法においてこのことが抵触するか否かという議論は別問題である。そして、その答えに対しては責任が持てないということを総務省はいっていますよと、それをあしたでも確認してくださいと。
そのとき私はいった。あえて塩を送るのは、あしたぶっつけ本番でこれをやればいいんだけれども、あえてこのことをお電話したのは、執行機関と議会の信頼、このことは最低限度守りながらこの問題に触れたいからなんだよと、こういう話をしましたよね。まさにそのことを大事にしていきながら、私はこの問題は、どこに問題があったのかということをやっていかなきゃならない。議論していかなきゃならない。そして都民に知らしめなきゃならない。
これはまさに石原さんの問題なんです。専門委員の職をつくれ、この二人をと、こういう任命の仕方というのは、ここの法の趣旨からいった専門委員の制度を構築した基本的な考え方、そしてこの法の精神からいったならば、まさしくあり得ない指示なんです。
本来ならば、この問題に対して専門的な知識が欲しい、だから候補者を出してくれ、そして専門的な学識経験者を皆さん方が出していく。そしてその中で、この人はこうですよ、こうですよと何らかの説明を加えながら、その中から選んでいただく。
しかし、今回は全くイレギュラー。専門委員職をつくれと、この二人だと。だからこそ、食いぶちを公金で扱うのかとか、自分で院政をしこうと思っているのかとか、こういうことがうわさされてしまう。疑念を持たれてしまう。このことは、私は都政にとって大変残念なことだろうと思っております。
なぜこういう話をするかというと、実は私、都民からいただいているんです。これはどうなっているんだと。ここにも書いてあるんですけど、どうなっているんだと。既にそういう疑念を持っている、あるいはおかしい、こういう都民がいるわけです。だから、今回あえて私はこの問題を取り上げた。
専門委員等の特別職、官僚組織との適当な距離感と緊張感を保ちつつ、このことが大事なんです。皆さん方と私たちは、一定の距離感を持って、緊張感を持って、そして広く都民福祉の向上に向けて、連帯感を持って、お互いに尊敬し合えるような本当の信頼関係をつくりながら都政に努める、このことが都庁の力を都民に示すことにもつながる。都政の力です。都政の力、都庁の力、そのことを都民に示す。都民のためにという大義を決して忘れてはいけない、こう思うんです。
長がいったから、何でもかんでも従わなきゃならんということではない。我々の最も大きな務めというのは、都民のためにという大義、このもとに汗をかく、仕事をする、このことが決して忘れてはいけないことなんだろうと、こう思ってございます。
それで、委員長、この問題、私、幾つかのところで今後議論が必要だという形の話をしながら質問しました。これで終了ということでなく、このことに関しての質疑を留保したい。別なステージで扱わせていただくなり、この委員会で改めての機会に扱わせていただくなり、そのことを含めて留保したいと、こう思っているんです。ぜひ理事会の方で諮っていただいて、そういう取り計らいにしていただければありがたいと、こう思っております。
私はきょうはこの程度でやめます。しかしながら、今、議論の中でも、法的な部分で議論を残す。そして、本来的な姿として、人としての議論を残すんだと。そして、我々が東京都政を担うという部分で都民との信頼関係、これに対しての議論、幾つかの議論を残しているわけであって、しかしながら、その根底には、都民のためにという大義に対して、我々が、執行機関と、そして議会が揺るぎない信頼関係を築きながら、しっかり都政への都民からの信頼をかち取りながら前に進めていく。そのための議論ということで理解をしていただきながら、今後のステージの中でご答弁をいただく、こういうことをお願いしまして、きょうのところは私は、持ち時間まだありますけれども、できるだけ協力という意味で、やめさせていただきます。
局長だけに答弁をいただいて、大変ご苦労をかけたことについては申しわけないと思いながら、ただ、やはり重要なことであって、その最高責任者が判断したということを考えるならば、やはり局長とのやりとりが一番正しいだろうと、こう思ってさせていただきました。どうもありがとうございました。
○中山委員長 ただいまの発言の取り扱いを協議するため、暫時休憩いたします。
午後四時五十二分休憩
午後七時十四分開議
○中山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
川井委員の発言の取り扱いについて理事会で協議した結果、後日の理事会で引き続き協議することとなりました。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○橘委員 私からは、インフラファンドについて何点か質問いたします。
都議会公明党は、次の世代へ安全・安心の東京を引き継いでいくために、再生エネルギーなどを活用した安全・安心エネルギー社会の構築を目指してきましたけれども、東日本大震災以降、原発再稼働や新増設が困難となる中で、再生可能エネルギーの果たす役割に期待が非常に高まっております。
本日は、東京都と民間が連携してファンドをつくった上で、発電事業に投資を行う官民連携インフラファンド事業について、再生可能エネルギーに対する出資に焦点を当てて何点か質問いたします。
本年七月の再生可能エネルギー法に基づく電力買い取り価格が高目に設定された効果と考えられますけれども、国内各地で太陽光や風力による発電所の建設が相次ぎ、再生可能エネルギーによる発電量が着実に伸びております。
こうした中で、都が官民連携インフラファンドを通じて、あえて再生可能エネルギー発電に出資する意義について確認しておきたいと思います。
○松下投資政策部長 ご指摘のように、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が施行されまして、再生可能エネルギーの支援体制は構築された、そういう状況でございます。
しかしながら、中小の新電力事業者の資金調達は依然として厳しい状況が続いていると認識しております。これは、過去のプロジェクトの運営実績が存在しないこと、あるいは特に発電所新設の場合なんですが、完成工期の遅延や建設費が当初想定を相当上回ると、こういった完工リスクの存在が原因となりまして、なかなか資金調達がうまくいっていない、そういったことになっていると考えております。
この状況に対しまして、都みずからがファンドを通じて一定の出資を行うことは、民間からの投融資を促しまして、当該発電事業プロジェクトの初期の滑り出しを円滑にする効果がございます。
また、発電事業分野への参入を希望します中小の新電力事業者に対しまして、ファイナンスの面から支援を行うことは、電力の安定供給に貢献するなど、新電力事業者の振興を図ることになると、こうした意義があると考えております。
○橘委員 先月開催されました政府のエネルギー環境会議では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの活用をうたっておりますけれども、太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電の活用を促進するためには、発電供給量の過不足を調整する蓄電設備などのスマートグリッドインフラの充実強化が必要であります。
今回、インフラファンドを通じて、太陽光など再生可能エネルギー関連の新電力事業者に出資を行う都にとって、スマートグリッドを実現するための視点が欠かせないと思いますけれども、この点について見解を伺います。
○松下投資政策部長 本年六月末に選定されましたファンド運営事業者のうち、一者は、再生可能エネルギーやスマートグリッド分野に投資するファンドの運営の実績を持ちまして、青森県六ヶ所村におきまして蓄電池併設型風力発電所、こういったスマートグリッド実証実験に参加経験がある事業者でございます。
都としましても、再生可能エネルギーの普及拡大には、ご指摘のようなスマートグリッド化などの課題克服が不可欠と認識しておりますので、今後のファンド運営事業者によるスマートグリッドに対する投資戦略を注視しながら、有限責任組合員の立場ではございますが、最善の取り組みを行ってまいりたいと考えております。
○橘委員 先月の中旬でありますけれども、官民連携インフラファンド事業では初めてとなる一回目の出資が、ガス、火力発電所に対して行われたわけですけれども、間もなく行われるであろう再生可能エネルギー発電に対する出資に大いに期待しております。
出資先となるのは、太陽光発電所が中心になると思われますけれども、大規模なメガソーラー発電所の建設コストについて確認しておきたいと思います。
○松下投資政策部長 メガソーラーの建設費用につきましては、さまざまな試算がありますが、太陽光パネルや周辺機器、土地の造成工事分など合わせまして、一般的には出力一メガワット、これは一千キロワットに当たるんですが、これの建設コストは約三億円程度とされております。建設コストとしましては、天然ガス発電所などの約三倍程度というふうにされております。
なお、投資をコストとして考えますと、二百億円のファンドのすべてがメガソーラーに投資する場合、金融機関の融資も加えまして一千億の事業規模となりまして、電力量は最大三百メガワット、九万世帯分の電力を賄う規模でございます。
○橘委員 インフラファンドの投資先となるメガソーラー発電所の設置には、多数のソーラーパネルを敷き詰めることから、広大な土地の確保が必要なわけです。
首都圏、特に都内や近辺自治体では、まとまった土地の確保は相当困難ではないかと思いますけれども、今後、ファンドの投資先となるメガソーラー発電所が建設される用地の主な条件について、具体的に伺いたいと思います。
○松下投資政策部長 平均的な出力一メガワット、一千キロワットでございますが、このメガソーラー発電所の建設には、おおよそテニスコート約百面分、二万五千平方メートル程度でございますが、その土地が必要となります。また、その日射を遮る山林や建物が周辺に存在しないと、こういったことが必要最低限な条件でございます。
また、建設地域全体の年間を通じての平均日射量が多いことや、あるいは発電した電力を消費地に送ります近接の高圧送電線までの距離なども勘案しまして、当該土地がファンドとしての投資利回りを確保するための条件を兼ね備えているのかと、そういったことを含めて判断することが必要でございます。
なお、現時点で、ファンド運営事業者から、出資が確定するに至ったメガソーラーに関する情報はまだ得ておりません。しかしながら、今年度中の再生可能エネルギー出資第一号の決定を目指しまして、首都圏を中心としつつ、日本全国を視野に入れ、現在、立地条件が見合った複数の候補地を検討していると、そういった旨の報告を受けているところでございます。
○橘委員 国内の電力供給は、離れた地域、異なる電力会社間であっても電力の融通が行われるなど、電力を送る送電線がつながっている限りにおいて、密接に相互に依存し合っております。ファンド運営事業者の方々には、効率のよいメガソーラー建設のバックアップに全力を挙げていただきたいと思います。
さて、昨年秋の関東地方知事会議や九都県市首脳会議では、都と各県市が共同で特定のテーマに出資を行うファンドを構築していくための調査と研究を行うことを東京都から提案し、事務レベルで検討が行われていたと聞いております。
今後、例えば、都みずからが広大な土地の確保が可能な全国各地の自治体と協力し合って、メガソーラー等の発電所建設に取り組むケースがあってもいいのではないかと思いますが、関東地方知事会や九都県市首脳会議における検討の状況について伺います。
○松下投資政策部長 関東地方知事会あるいは九都県市首脳会議におきましては、部課長級職員により構成されておりますファンド検討会をそれぞれ立ち上げまして、約一年間にわたって、先行モデル事業として位置づけられております都のインフラファンド事業に関しまして情報提供するとともに、関係自治体間での情報共有あるいは意見交換、こういったことを行ってきたところでございます。
先般、関東知事会及び九都県市のそれぞれのファンドの検討会におきまして、各自治体が共同でファンド事業を実施する場合の課題等の整理を行いました。現段階では、自治体によって取り巻く環境あるいは抱える問題がかなり異なりますので、まずは各自治体個別にファンド事業を実施するための取り組みを進めまして、機が熟した段階で共同の取り組みをまた検討してみると、そういったこととなってございます。
今後とも、都からは、将来における連携事業の実施を念頭に置きまして、都の官民連携インフラファンド事業の進捗に応じて関連情報を提供するなど、関係自治体の取り組みを支援いたしまして、この一年間の検討で築き上げた自治体間のネットワークをさらに育て上げていきたいと考えてございます。
○橘委員 先月発表のファンドへの都の出資は、東京都の先進的な取り組みとして、報道各社も関心を持って取り上げておりましたし、都民の関心も高いように思います。
その一方で、東京都の官民連携インフラファンド事業は、国に先んじた国内では初となる取り組みであるために、制度の構築を初めとして、都として手探りの部分も多いのではないかと思います。
今後とも、都民の注目の中で、信頼ある官民連携の投融資という新しい取り組みを確かなものにするよう、ファンド運営事業者との間でしっかり調整を進めていただきたいと思います。
以上をもって私の質疑を終わります。
○吉田委員 私からも、専門委員就任問題についてお伺いをいたします。
石原前知事の特別秘書だった二人が、辞任とともに専門委員に就任したことに、都民から驚きと批判の声が寄せられています。
我が党都議団は、こうした異常な事態は速やかに正されるべきとの判断から、七日に、知事代理である猪瀬副知事に対し、速やかに二人の専門委員就任を取り消す措置をとるよう申し入れたところであります。
改めてこの機会に、なぜこうした人事が行われたのか、その経過を中心にお伺いをしていきたいと思います。
改めて確認をいたしますが、先ほどのご答弁ですが、石原前知事からは、前田局長に対して、二十五日、すなわち知事が辞任表明をする日に、二名の前特別秘書について、二つの具体的な委嘱事項、委託事項が示されて、専門委員の就任手続をとるようにとの指示があったということで理解をしてよろしいわけですね。
その際に、お伺いしたいのは、石原前知事は、どのような理由から二人について専門委員に就任手続をとるよう指示があったのか、ご答弁をお願いいたします。
○前田知事本局長 十月二十五日に石原前知事から指示を受けたのは私でありますけれども、専門委員の職の設置と、それから兵藤、高井特別秘書の選任につきまして、先ほどご答弁したようにあわせて指示がありました。
その詳細の理由等につきましては、石原前知事は詳細には述べられませんでしたけれども、日ごろ知事と接触する知事本局長としての感触は、石原知事が任期途中で辞任をするということの中で、例えば、自己の政策として独自性を持って進めておりました産業力強化であるとか、あるいは都市外交について、知事がいる、いないは別として継続しなければならないと、そういう観点から分野を示されたものというふうに受け取ったわけでございます。
○吉田委員 続けてお伺いいたしますが、当然、手続としては、稟議書が起案をされて、そして決裁手続が進められたということだと思いますが、この稟議書の起案日、そして決裁日及びこの稟議書に同意をした役職者の役職について、ご答弁をお願いいたします。
○前田知事本局長 石原知事の指示を受けた後、先ほどご答弁いたしましたが、都庁においても初めてのことでありますし、他の団体の例も聞かないことから、地方自治法など関係法令に照らしまして、選任手続等が適法であるということを慎重に確認した上で、翌週の十月二十九日に起案をし、翌三十日に石原前知事の決定を受けました。
なお、本件につきましては、事案決定規程に基づきまして、知事決定事案として、知事決定に先立ちまして、三副知事、それから私、それから主管部長など幹部の審議を受けております。
○吉田委員 先ほど、法的な問題について自民党の川井委員から質問がありましたけれども、法的な問題と同時に、道義的に見ても、みずからが辞任をする、そしてその後は都民によって選ばれた新たな知事によって都政運営がされるにもかかわらず、その人事について事前に辞任をする知事が決定をするということは、やはりあってはならないことだというふうに私は強く思います。
知事本局長は先ほど、自分たちは事務的な立場から事業を進めたと、その政治的判断を行ったものではないというご答弁がありました。ある面、事務方としてはやむを得ないことかなという印象も持ちますが、そういう意味でいえば、果たしてこれが事務的に適正か否かという判断と同時に、政治的にも道義的にも適切か否かという判断を下す点では、私はやはり、副知事、とりわけ猪瀬副知事の責任というものは極めて重いのではないか、猪瀬副知事はこれに同意をしたという手続をとって経過が進んだわけですから。
しかも、今のご答弁だと、なぜ知事がこうしたことを指示したかということの意図として、自分の施策の継続性を願ったというふうに思われるという旨のご発言がありましたけれども、やめてからも、本来、次の知事にゆだねるべき事業について、その継続を求めるために、二人の特別秘書だった人物を専門委員として配置をするという意図が、そういうことからも浮き彫りなってきているというふうに思います。
そこで、次にお伺いしたいことなんですけれども、先ほどからも質疑がありましたが、地方自治法第百七十四条の専門委員に対する規定の中で、専門委員は、専門の学識経験のある者の中から長がこれを選任するという規定があります。すなわち専門の学識経験者ということで、これも川井委員からありましたけれども、これは努力義務ではなく、でなければならないというふうに明確に書かれています。
そこでお伺いいたしますが、この二人に関して、専門的な学識経験を持つものであるということは、具体的にどのような根拠からそういう判断を下すことができたのか、具体的な根拠についてご答弁をお願いいたします。
○櫻井外務部長 高井氏について申し上げます。
地方自治法第百七十四条に、専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から選任すると規定されておりますが、この専門の学識経験には法的に限定的な条件が付されているものではなく、また、実際の専門委員の選任に当たっても、広く解釈されて運用されているところでございます。
高井氏は、都市外交の推進について、政務担当特別秘書として十三年にわたり携わってまいりました実績、知識、幅広い人脈を有しております。こうした実績等は、これまで石原前知事のもとで進めてきた都市外交に関する氏の持つ有用な知見、経験でありまして、今回の委託事項である都市外交に関することの調査研究に資するものと考えます。
○澤計画調整部長 兵藤氏について申し上げます。
兵藤氏は、産業の活性化や東京のプレゼンス向上について、政務担当特別秘書として約十三年間にわたりまして携わってきた経験、実績、幅広い人脈を有してございます。こうした実績等は、これまで石原前都知事のもとで進めてまいりました産業力、都市力の向上に関する氏の持つ有用な知見、経験でありまして、今回の委託事項であります産業力、都市力の向上に関することの研究、調査に資するものと考えております。
○吉田委員 この地方自治法の規定というのは、単なるその分野で経験を積んでいるかどうかということではないわけです。専門的な学識経験者なんです。
私は、改めて辞書等で、そもそもどういう概念なのかということについて当たってみましたけれども、岩波書店の広辞苑では、学問上の見識と豊かな生活経験のある人というふうに書かれていました。また、三省堂の辞書を調べてみましたが、専門領域の学問で評価を受け、豊富な経験と高い見識を持つと社会的に認められている人というのが書かれていました。当然のことだと思うんです。
そういう点で見ると、この二人について、専門領域の学問で評価をどの点で受けたのか、しかもそれが社会的に認められているという根拠はどこにあるのか、この二点について、改めて二人についてご説明をお願いいたします。
○櫻井外務部長 繰り返しのご答弁になりますが、専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から選任すると規定されておりますが、この専門の学識経験には、法的に限定な条件が付されているものではございませんで、また、実際の専門委員の選任に当たりましても、これは広く解釈され、運用されているところでございます。
先ほどご答弁いたしましたが、高井氏は、さまざまな実績、知識、幅広い人脈を都市外交に関して有しているわけでございまして、こうした実績等が、これまで石原前知事のもとで進めてきた都市外交に関する氏の持つ有用な知見、経験であるということでございまして、今回の調査研究には資するものであると考えたところでございます。
○澤計画調整部長 兵藤氏に関しまして申し上げます。
兵藤氏は、東京の産業の活性化やプレゼンスの向上にかかわる知事の政策を政務担当特別秘書として長年補佐してきた経験、また、ベンチャー技術大賞創設に関与するなどの実績、そうした経験や実績を通じまして、民間企業を初めとする関係機関等との幅広い人脈を有してございます。こうした実績等を踏まえまして、専門委員として適任と判断したものでございます。
○吉田委員 専門委員としての判断の適否の以前の問題として、私は事実確認を求めたわけです。すなわち、学問的見識としては何があるのか、それが社会的に認められている事実として何があるのかということを私は聞いたんです。その判断がいいかどうかという以前の問題なんです。
しかし、その点についてはお答えがなかったということは、結論的にいいますと、専門領域での学問的評価というものはないと。あるいはまた、それについて社会的に認められている事実はないということですね。もう一度お願いします。そのことだけを答えてください。同じ答弁をするんじゃなくて。
○藤田総務部長 先ほど来、いろいろ種々の引用からお話をいただいているところでございますけれども、先ほどの局長からの答弁にもございましたとおり、私どもの解釈といたしましては、地方自治法第百七十四条に定める専門の学識経験につきましては、法的に限定的な条件が付されているものではなく、他の自治体においてもいろんな事例がございます。そういった意味では広く解釈をされております。
そのため、委託事項を調査研究するのに必要な知識、経験を有しているか否かということを個々に判断すべきものということで解釈しているものでございます。
○吉田委員 だから、最終的な評価以前の事実を私は確認したかったわけですが、結局、専門領域での学問的見識、評価、客観性ということはないということなんです、それ自身でいえば。それでいいかどうかというのは次の判断としてあるんですよ。
ただ、いずれにしても、当然、ある専門の問題について委嘱、委託をするということになって、かつ、こうした規定があるわけですから、客観性、公平性ということは前提としてやはり求められていることだと思うんです。にもかかわらず、今のご答弁は、そうした点について何ら具体的な答弁をすることができなかったと。そうした人を専門委員として就任をごり押しするということは、不適切だということを改めて述べておきたいと思います。
さらに、委託事項についてなんですけれども、他の専門委員の方の場合には、分野一般ということではなく、極めて具体的にテーマ、課題が示されていると認識しています。
例えば、知事本局所管でいえば、公認会計士の山崎氏の場合は、官民連携インフラファンドという極めて具体的な事業が示されています。さらに、東海大学海洋学部教授の山田氏の場合には、尖閣列島の活用という非常に具体的な課題が委託事項として示されています。
しかし、この二人の場合は極めて抽象的で幅広いということになっています。こういう場合には、結局、相手の専門委員の問題意識で自由に意見をいうということになるかと思うんですが、この点から見ても、私は、専門委員の規定として不適切ではないかというふうに思わざるを得ませんが、いかがでしょうか。
○前田知事本局長 専門委員の要する専門的な学識経験ということを一般論としていえば、そういうお話のようなことがあると思いますが、私が最初に私の答弁の冒頭で述べましたように、極めて例は少ないんですけれども、石原知事が辞職を表明するに当たって専門委員の指示をされていかれたということを考えますと、例えば都市外交の分野で知見を伺って、何か新しいことを始めるというようなことは、到底、その状況から見て考えにくいと私は思います。
つまり、任期途中で石原知事が退任され、職務代理者の期間が少なくとも一カ月以上あると。新しい知事のことはわかりませんけれども、そういう中で、石原知事のもとで進めてきた都市外交という分野について、専門の知見を与えてほしいということであれば、石原知事のもとで、例えば高井さんの場合でいえば、外交で十三年間経験を積んできた。つまり、一般論として都市外交について学位があるかとか、そういうことがあるかということで、この状況のもとでこの任用を判断するのではなくて、そういう観点から見れば適格であろうと、こういうふうに判断した次第です。
○吉田委員 今の局長の答弁ですと、それ自身、私はそういう説明を受けますと、それが専門委員という役職なのかという印象をますます強く持つわけです。
個別具体の調査課題について専門的に調査研究し、都政に資するということではなくて、石原知事が進めてきた特定の分野的な施策について、その継続を願いたいという意図を持って、こうした幅広いテーマでの専門委員の就任を行ったんだということになれば、それ自身が、私は、地方自治法で規定している専門委員という性格ではないのではないかということを改めて強く思います。
さらに、そのことに関連してお伺いしたいんですが、専門委員は都政にどのようにかかわるのかということに関連してです。あるいはまた、局長等に対して専門委員がいろいろ発言をすると、やりとりをするということもできるのでしょうか。その点についてご答弁をお願いいたします。
○池田政策部長 参与及び専門委員の設置等に関する規則第三条によりまして、専門委員は、委託事項について調査研究をし、知事に報告するものとなってございます。また、同規則第四条によれば、専門委員は、委託事項を調査研究する範囲内において、知事の事務を分掌している各局等の長に対して資料を要求し、及び説明を求めることができるとされてございます。
○吉田委員 そうしますと、もちろんそれは範囲内においてでありますけれども、今までは特別秘書として、例えば局長に対して、あれこれと説明を求めたり、資料の提出を求めることが行われていたと推測できますが、今度は専門委員という立場で、今のご答弁だと、各局等の長に対し、資料を要求し、及び説明を求めることができるということが行われるわけです。調査という名のもとに、こうした関係が継続をされるということについても、私は非常に疑問が残るところです。
さらにお伺いをいたします。この二人の方の現在の職業、勤務先はどうなっているんでしょうか。また、石原氏との関係はどのようになっているんでしょうか。引き続き石原氏の秘書ということではないんでしょうか。お答えください。
○藤田総務部長 ただいま現在の職務、勤務先ということですが、就任をしました二人からは、無職であるというふうに聞いております。
なお、ちなみにということですが、二人は、東京二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致委員会の参与ということであるというふうに承知をしているところでございます。
○吉田委員 もう一度聞きますけれども、石原前知事の秘書、そういう関係は、継続はされているんですか、されていないんですか。
○藤田総務部長 繰り返しになりますが、二人からは無職であるというふうに聞いているところでございます。
○吉田委員 私は秘書か否かということを聞いたわけですけれども、いずれにせよ、二人は前知事の意を受けて専門委員に就任しました。それなら、今、無職というご答弁でしたけれども、たとえそうであったとしても、引き続き石原前知事の意を受けて専門委員として提案等を行うということは考えられるわけです。先ほどの局長の答弁だと、そのことはますます明確になりつつあるというふうに思います。したがって、報道でも、院政あるいは私物化という批判がありますけれども、まさにそういわざるを得ないというふうに思います。
しかも、私は改めて調べてみたんですが、例えば兵藤氏は、届け出が出ていない限りにおいては、石原前知事の政治団体の会計責任者です。これは、辞任届が出ていない限りは継続をされているということから見ても、私はやはり、専門委員という配置が、石原前知事の意を受けて、都政の中で何らかの活動をするという役割を果たすということから見ても、極めて不正常だということを重ねて指摘をしておきたいと思います。
さて、先ほども指摘をしましたが、この点で、石原前知事の意を受けて、二人を専門委員に就任するに当たっての稟議書に同意の手続を行い、かつ、就任の発令者としての役割を果たした猪瀬副知事の責任というものは重大だというふうに思います。
私たちは、申し入れの中でも指摘をしましたが、副知事は知事決定に同意をしたことについて、ある新聞報道では、都政の空白をないようにするためとか、残務が残っているなどという、全く専門委員就任の趣旨とは筋違いな、いいわけともいえる発言をしておりました。そのことも指摘をし、猪瀬副知事に対して申し入れの中で、直ちにこうした不正常な事態は取り消し、就任を取り消すようにという申し入れをいたしました。
これは、直ちに副知事に伝える旨の回答はその場でありましたけれども、これについて、猪瀬副知事はどのように判断し、対応されたのでしょうか。お答えください。
○藤田総務部長 先般のお話の共産党都議団の皆様からの申し入れにつきましては、知事の職務代理者である猪瀬副知事に速やかに報告したところでございます。
猪瀬副知事は、石原前知事から引き継ぎを受けまして、二名に対して専門委員の委嘱をしたところでございます。
したがいまして、要請書の中にいろいろ書いてございましたが、猪瀬副知事が速やかに二人の専門委員就任を取り消す措置をとるよう強く求めるという申し入れでございましたけれども、就任を取り消す考えはないというふうに受けとめてございます。
○吉田委員 猪瀬副知事は、取り消す意思はないということをご発言されたんですか。
○藤田総務部長 こちらの方でご報告したときでの受けとめでございます。
○吉田委員 結びに発言いたしますけれども、この問題について。辞任をする知事が、本来都民に選ばれた知事によって行われるべき人事について、辞任直前に決定し、押しつけるということは、あってはなりませんし、ましてやその意図が、自分のこの間の都政運営の継続のために二人を配置するということも、やはり常識的には考えられない。
それだけではなく、今、質疑をしてきましたけれども、専門委員としての本来の学識経験という資格から見ても欠いている。さらに、専門委員としての委託事項の内容についても極めて幅広く、その分野にならば何でも関係者に発言をすることができるという専門委員のあり方からしても、私は逸脱をしているというふうに思います。
この点で、やはり石原前知事の責任と同時に、これに賛同し、発令者となった猪瀬副知事の責任というものは見過ごせないと。
重ねていいますけれども、このような異常事態は直ちに正すべきであり、改めて二人の前秘書の就任は取り消すべきだということを我が党の見解として述べておきたいというふうに思います。
続いて、オスプレイ、米軍垂直離着陸輸送機に関して若干質問をしておきます。
ご承知のとおり、日米両政府による配備強行と訓練に対して、沖縄県はもちろん、全国でも首長、住民の皆さんから強い抗議と反対の声が上がっています。しかも、先日の知事会での説明報道を見ると、いよいよ本格的にこの十一月、日本全土での訓練を行うという、極めて重大な段階に入ろうとしております。
そこで、この問題は、全国的な問題であると同時に、東京にとっても極めて関連の深い問題だと私は認識しています。
それは、防衛省が米軍資料を持って東京都に説明に来たと思います。その説明の資料の中で、例えば、東京に近い静岡県のキャンプ富士に分遣隊が高い頻度で駐留をするという旨のことが記載されていたと思いますし、さらに、他の米軍施設に飛行することもあり得るということも書かれていたと思います。
私は、他の米軍施設に飛行することがあり得るという記載について、当然、横田基地についてもその対象になり得るのではないかということで、事実確認を防衛省に行うようにということでお願いをした経過があります。
このキャンプ富士に、どの程度の部隊がどの程度の頻度で使用するのか。さらに、他の米軍施設の中には横田基地もあり得るという解釈をせざるを得ないと思いますが、この点での防衛省の説明はどのようなものだったのか、ご答弁をお願いいたします。
○新美基地対策部長 初めに、キャンプ富士での運用についてでございますが、米国政府が作成した環境レビューでは、オスプレイは普天間飛行場に配備され、沖縄にある三カ所の既存訓練区域において訓練及び運用を実施し、関連の飛行場に飛来するとともに、また、岩国基地及びキャンプ富士に派遣されることが想定されております。
同レビューによりますと、キャンプ富士では、二から六機のオスプレイの分遣隊が一月当たり二日ないし三日運用を行うことが見込まれております。キャンプ富士の滑走路の運用は年間約五百回と想定され、これまでも、同基地では自衛隊や米軍の運用が行われていましたが、その活動は一〇%程度増加するとされてございます。
また、同レビューには、飛行ルートとして国内の六つのルートが記載されておりますが、東京都内のエリアはそのルート下とはなっておりません。
なお、先ほどお尋ねのありました国内の他の米軍施設に飛行する可能性がある旨の記述があるということでございますが、防衛省からもその旨、そのように説明を受けてございます。
○吉田委員 今のご答弁ですと、他の米軍施設というのは、当然、横田基地は除外されるものではないということですよね。あり得るということです。
しかも、比較的近接している静岡県のキャンプ富士は、毎月ということなんですかね、月当たり何日間ということですが、回数でいえば五百回ということで、まさに極めて身近なところで、しかも東京の横田基地でも飛来があり得るという問題を、私たちは直視する必要があると思いますし、だからこそ、周辺の五市一町でつくる基地対策連絡会は、この間、国、防衛省等に対して二回にわたって申し入れをすると。九月の申し入れでは、そもそも横田基地に飛来しないようにという申し入れも行ったということは、ある面、当然のことだと思います。
そこで、次に東京都の対応についてお伺いをいたします。
私が承知している限りでは、東京都としては、全国知事会、さらに基地のある県で構成されている渉外知事会として参加をし、その知事会及び渉外知事会の中で、国に対して要請書等を発表するということに参画しているというふうに認識していますが、この点での東京都の対応及び知事会が発した声名の趣旨について、ご説明をお願いいたします。
○新美基地対策部長 ご質問の二つの決議、要請についてでございますが、ことし七月に全国知事会が行ったMV-22オスプレイの配備及び飛行訓練に関する緊急決議は、日米安全保障条約など外交、防衛政策の重要性は都道府県としても認識しており、それに協力する必要があるとの前提のもと、モロッコ及びフロリダでのオスプレイの事故を踏まえまして、オスプレイの安全性などに関して、政府が責任を持って関係自治体に説明するとともに、飛行訓練等について、関係自治体の意向を十分尊重するよう要請したものでございます。
また、同月に行われました渉外知事会、米軍基地が所在する十四都道県で構成する渉外知事会での緊急要請でございますが、これも同様に、政府が責任を持って関係自治体に説明するとともに、自治体の意向を十分尊重することを求めているものでございます。
いずれも、東京都が参加する全国知事会及び渉外知事会の要請事項として、国に対応を求めてございます。
○吉田委員 この全国知事会、渉外知事会の申し入れというものは、七月に行われました。今ご説明があったとおり、安全性に対する懸念があり、しかも、関係自治体の意向を十分尊重するようにということだったわけです。
しかし、そうした知事会の要請事項というのは、その後どうなったのかということを考えてみれば、実態から見れば、私は、こうした申し入れが事実上無視されてきているということを指摘せざるを得ないと思います。
しかも、日米政府は、合意をし、安全性が確認をされているんだという安全宣言が行われましたが、その後の事態を見れば、その中には、例えば、人口密集地の上空は避けるだとか、あるいは米軍施設区内においてのみ垂直モードにし、他の地域では垂直モードでは飛ばないというふうなことが合意をされたというふうに伝えられていますが、ことごとくこうしたことは無視されているというのが、沖縄現地での報告ではないでしょうか。
しかも、冒頭述べたとおり、単にこれは沖縄だけではなく、いよいよこの十一月には全国で訓練を開始するというふうに伝えられています。文字どおり日本列島全体に、たしか六つの飛行ルートが既に示されていて、多くの県の上空で訓練がされると。今までの米軍機の訓練から見たら、極めて低空飛行もあるのではないかということで、少なくない県でこれに対して抗議、批判の声が上がっています。
そういう事態を私たちは見る必要があると思いますし、当然、このような事態に対して何らかの対応をしていくことが、今、東京都にも、あるいは全国知事会等にも求められていると思うんですが、その点どのように認識をされているのか、ご答弁をお願いいたします。
○新美基地対策部長 先ほどの全国知事会、また渉外知事会の要請の後でございますが、国からはその後、モロッコ及びフロリダでのオスプレイの事故に関して、人的要因によるところが大きく、機体自体には問題がないことについて報告がなされまして、またこれを受けまして、日米合同委員会で再発防止策を確認し、運用に係る安全対策について合意した旨の説明を受けてございます。
また、十一月二日の政府主催の全国知事会議で、野田総理は、米国はオスプレイに関する日米合同委員会合意を遵守し、安全性等に最大限配慮していると認識しており、政府としても、この合意が遵守されるようにフォローしていきたい旨述べております。
先ほどお話しのとおり、合同委員会合意では、低空飛行訓練に関して一定の条件をつけていまして、安全高度として地上五百フィート、約百五十メートル以上の高度で飛行することや、原子力エネルギー施設、人口密集地域等の上空を回避することという標準的な飛行の慣行を改めて確認したとされております。
また、垂直離着陸モードや転換モードでの飛行について、運用上必要となる場合を除き、垂直離着陸モードでの飛行を米軍の施設区域内に限り、転換モードの時間を限りなく短くすることが合意されてございます。
米軍装備の配備に関する事項は、日米安全保障条約に基づく国の安全保障の問題として、国が責任を持って対処すべき事項でありまして、都として、オスプレイの飛行実態を現在評価する立場にはございません。
なお、東京都は、今回のケースに限らず、これまでも、基地周辺の住民に影響を与える米軍の運用に関しましては、国に対し情報提供を求めてきたところでございまして、引き続き、正確な情報に基づき適時適切に対処してまいりたいと存じます。
○吉田委員 日米合同委員会の合意事項について、今、言及がありましたけれども、沖縄のこの間の経過は、そうしたことがことごとく踏みにじられているというのが現実だというふうに思います。
二日に行った全国知事会議の場で、防衛相は、今月から本土での訓練を開始する旨の発言をしたというふうに報道されていますが、報道ではありますけれども、静岡県知事は地方無視で一方的だと、新潟県知事は県民に説明できないという声を上げたというふうに伝えられています。
私は改めて、ぜひ担当部署として、この間の沖縄での実態について照会をしていただきたいというふうに希望を述べておきます。
そして、もちろん、横田への飛行は許さないというだけではなく、何よりも、日本への配備と訓練そのものを中止し、撤回を求めるということこそが、今求めていく対応だと思いますし、この点でぜひ引き続き、全国知事会と共同の行動をとられることを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○星委員 質問に入る前に、一言意見を申し上げたいと思います。
先ほど来質疑をされております専門委員の件ですが、前任の知事の特別秘書が知事辞職とともに退任されたにもかかわらず、辞任直前に改めて専門委員として任命され、都政の要職の立場として存在されているということは、これからどのような方針を持った方が知事になるかわからない中、極めていびつな状況であると思います。
本日のやりとりの中での答弁も納得できるものではありませんでした。都民に到底理解されることではなく、このお二人の専門委員の就任の取り消しを私ども生活者ネットワーク・みらいは強く求めたいと思います。
それでは質問に入らせていただきます。
十月三十一日、石原前知事は、退任あいさつで横田基地の共同使用について発言されました。知事にとっては、公約に掲げ、熱心に取り組んだ問題が国に阻まれ、遅々として進展しないいら立ちを述べたのだと思います。
私の地元であります昭島市は横田基地と隣接しており、滑走路の延長線上に小学校もある、まさに飛行直下という位置にあります。昔から騒音に悩まされており、ある地域は、まちごと集団移転を余儀なくされた歴史もあります。
最近は飛行回数が少なくなったものの、再編整備で横田基地の米軍の中での位置づけはさらに強化され、国際的に何か騒乱があると、すぐさま航空機の往来が激しさを増し、テロなどへの警戒が強まり、緊迫感が増すなど、近隣住民にとってはストレスを感じざるを得ないのが現実です。
そうした中、第二次新横田基地騒音訴訟団が来春提訴する意向を示した報道に対し、前知事は記者会見で、眠れないほどの騒音があるわけはない、ナンセンスとの発言をしました。少なくなったとはいえ、環境基準値超えの地点は依然としてあるわけですから、この発言は、現実を無視した、騒音に苦しむ多くの地元民を傷つけるものと私は考えます。
横田基地の航空機騒音に対して、都の認識について改めてお伺いをいたします。
○新美基地対策部長 防衛省は、防衛施設周辺における、うるささ指数七五以上の地域を騒音区域に指定しまして、住宅防音工事の助成等を行っており、横田基地周辺も当該区域に指定されております。
また、東京都環境局は、横田周辺の騒音実態を毎年調査しておりまして、平成二十二年度の調査では、七市一町にある合計十六の測定地点のうち、横田基地の滑走路の延長線上に位置する昭島市及び瑞穂町の計四地点で、住宅地域の環境基準であります、うるささ指数七〇を超えている状況にあります。
先ほど委員から、騒音が若干少なくなってきてはいるがというご指摘もございましたが、この二十年間の推移を見ますと、昭島市の測定地点での平均騒音発生回数はほぼ半減している状況にはあります。
また、二十二時から六時まで、いわゆる深夜、早朝の時間帯における米軍機の飛行については、騒音規制措置にかかわる日米合同委員会合意に基づき、その運用回数は非常に限られたものとなっていると承知しております。
○星委員 確かに昔と比べると少なくなったと思いますけれども、しかし、私もまちの中心部を歩いていて、いきなりひどい爆音を上げて雲の合間から航空機があらわれて、巨大な機体の真下にいることがあるんですけれども、そういったときの恐怖感を何度となく経験をしています。
横田基地の騒音問題に対して、東京都はどのように対応してきたのでしょうか。
○新美基地対策部長 東京都では、環境局が行う航空機騒音調査の結果を踏まえまして、毎年、米軍及び国に対し、市街地上空での低空飛行、また旋回飛行などを行わないことなどの騒音防止対策を講ずるよう要請してございます。
また、これとあわせまして、騒音軽減対策といたしまして、防衛省に対しまして、住宅、学校、病院等への防音工事に関する助成の充実強化を求めております。
○星委員 東京都は、横田基地の騒音被害の軽減に対して一定取り組んできているのは、私も承知しています。建物内は防音設備、そして、それにかかわる空調設備というものが施されています。
しかし、学校にしても民家にしても、窓をあけ放して空気を通したいときがあります。現在行っている騒音測定も、相変わらず地元では、騒音測定の箇所を増設してほしいという声をもらっています。
東京都はこれまで、前知事のもと、軍民共用を推進してきましたが、横田基地騒音に対して、今後の取り組みについてはどうなのでしょうか、横田基地の航空機騒音に対して、都の認識と対応について改めてお伺いをいたします。
○新美基地対策部長 横田基地周辺の騒音の問題についてでございますが、先ほど申し上げたとおり、環境局の調査でも一定の騒音が観測されており、騒音問題は存在しているというふうに認識してございます。
それに対しまして、横田基地周辺の騒音の実態の把握につきましては、今後とも環境局と連携して取り組んでいく必要があると認識しておりまして、その結果を踏まえまして、米軍や国に対し、騒音防止対策の推進、また、防音工事助成の充実強化を求めてまいりたいと存じます。
引き続き、基地周辺の五市一町を初め地域の方々の要望も聞きながら、横田基地の騒音問題に取り組んでまいります。
また、委員ご指摘のございました横田基地の軍民共用化の件でございますが、軍民共用化につきましては、委員ご指摘のとおり、東京都は推進する立場で進めてございます。民間機は、軍用機に比べまして騒音が小さいという特性もございます。また、それに加えまして、飛行時間帯を制限することなどにより、騒音に配慮した民間航空利用が可能であると認識しております。
東京都は、多摩地域の振興及び首都圏の航空需要への対応のため、横田基地の軍民共用化の推進に引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
○星委員 次に、私もオスプレイのことについて少し質問させていただきたいと思います。
米海兵隊のヘリ部隊の世代交代で、MV-22オスプレイが普天間飛行場に配備されました。
飛行機のように飛び、ヘリコプターのように離着陸できるオスプレイは、敵のレーダー探知を避けるため、低高度で戦域に侵入し、大量に軍備品を輸送することができ、防衛省は、速度、搭載能力にすぐれ、これにより在日米軍全体の抑止力が強化され、平和と安全に大きく寄与するといっています。
また、関東防衛局の担当課長が福生、昭島両市に来庁し、説明があった際に、安全性については、海兵隊航空機の平均を上回る安全記録であるといっていたそうですが、オスプレイより危ない航空機が海兵隊にはあるということなのかと疑念を持たざるを得ません。
オスプレイは、その機体の不安定さが問題視されていますが、翼をヘリモードと固定翼モードに転換するときで、普天間では、日米が安全策で合意した原則禁止の基地以外でのヘリモード飛行が連日実施をされています。
低空飛行訓練ルートは、沖縄から東北まで、先ほどもありましたけれども、六本あるそうです。オスプレイも同様のルートで訓練することが予定され、不安が高まっています。
地元五市一町は、横田基地へのオスプレイの飛行訓練及び一時飛来中止要請を行っていますが、東京都はどのように対応してきたのでしょうか。
○新美基地対策部長 東京都といたしましては、米軍装備の配備計画に関する事項については、日米安全保障条約にかかわる国の安全保障上の問題ととらえておりますが、ことし七月に岩国基地へオスプレイが搬入される際には、米軍基地が所在する十四都道県で構成する渉外知事会として、飛行訓練による周辺住民への影響等について、政府が責任を持って関係自治体に情報提供をするとともに、訓練飛行等について関係自治体の意向を十分尊重する旨の要請を国に対して行っております。
また、都としては、これまでも、周辺の住民に影響する米軍の運用に関しましては、外務省や防衛省に対し、情報提供することを求めているところでございます。
○星委員 沖縄以外でオスプレイが飛行訓練を行う可能性は、今のところ完全に否定はされていません。
横田基地に飛来するかもしれないからといって急に騒ぐのは、長年基地を背負って数々の痛みを味わってきた沖縄の方々に大変申しわけない気持ちですが、基地を抱える東京都として、オスプレイの横田基地への飛来や飛行訓練がいよいよ予定される状況になった場合、東京都はどのように対応されるのでしょうか。
○新美基地対策部長 横田基地において、住民への影響が予想される運用が予定される場合は、国から一定の情報提供があることが通例でございます。これまでのところ、国からオスプレイの飛行が横田基地で行われるという情報提供はございません。
仮に、オスプレイの運用について情報提供があった場合でございますが、他の航空機の訓練や飛来の場合と同様、周辺住民の生活への影響を考慮して、適時適切に対応してまいりたいと存じます。
○星委員 米軍基地と隣接した自治体は、生活環境やまちづくり全般に影響を受けておりますので、東京都全体の問題として考えていただき、地域のエゴととらえず、都民の生活安全というとらえ方で、引き続き、国や米国に機会をとらえてさまざまな要請を行うことを強くお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○谷村委員 それでは私から、大きく二点につきまして質問させていただきます。
初めに、東京大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成制度について質問いたします。
今から五年前の平成十九年、東京都内で大気汚染に苦しむ方々にとりまして画期的な動きがありました。平成八年、第一次訴訟が提起され、長い間裁判となっておりました東京大気汚染訴訟の和解が成立し、被告であった国、東京都、首都高速道路株式会社、自動車メーカー七社によって、気管支ぜんそく患者の方々の支えとなる二つの取り組みが実施されることとなったのであります。
その取り組みの一つは、環境対策の実施であります。国、東京都、首都高は、相互に連携して、東京の大気汚染を改善すべくさまざまな施策を講じることとされました。
こうした施策の一つである低公害車等の導入促進や、平成十五年から都が開始したディーゼル車規制等により、現在の都内の大気汚染は、訴訟が提起された平成八年に比べ、大幅に改善されるに至っております。
そして、もう一つが医療費助成制度の創設であります。気管支ぜんそく患者の方々の負担となっている医療費について、助成を行う制度を都が創設することとなり、都は平成二十年八月に制度を創設しました。
以来、今日までの四年と三カ月の間に、多くの患者の方々が助成を受けられてきたと思いますが、和解条項では、制度創設五年後に見直しを実施することがうたわれております。
この点につきましては、さきの第三回都議会定例会における我が党の代表質問により、来年八月以降に制度の見直し内容を十分検討していくとの都の見解が明らかになりましたが、患者の方々は、どのように見直しが行われるのか、見直しにより助成が受けられなくなるのではないかと大きな不安を抱えておられます。
そこで確認しておきたいと思いますが、本制度がどのような制度であるのか、まず改めてお伺いをしたいと思います。
○藤田総務部長 本制度は、都内に引き続き一年以上住所を有し、喫煙していないなど一定の要件を満たすすべての気管支ぜんそく患者の方々に対しまして、医療費のうち自己負担額を助成するものでございます。
健康被害者の救済を早期に実施するという石原前知事の強いリーダーシップにより、都が創設を提案しまして、和解の柱の一つとして和解条項に盛り込まれた上で、創設されたものでございます。
委員ご指摘のとおり、当初、五年間で認められる医療費について、都、国、首都高速道路株式会社、自動車メーカーが財源を拠出し、平成二十年八月から施行された制度でございます。
先ほどご指摘いただいていますとおり、和解条項には、制度創設後五年を経過いたしました時点で、検証の上、見直しを実施するというふうに明記をされておりまして、来年八月に制度創設から五年という時期が到来するというふうな状況になっているところでございます。
○谷村委員 本制度は、大気汚染との因果関係にかかわらず、一定の要件を満たすすべての気管支ぜんそく患者に助成を行うという点では、大変画期的な制度であると思います。
気管支ぜんそくは、投薬による長期的なコントロールにより発作を予防することが重要でありますが、多くの方々から、費用の心配なく薬を使うことができて助かるとの声が寄せられるなど、多くの患者の方々に大変感謝され、喜ばれている制度であることがうかがえます。
そこで、本制度の創設以来、具体的にどれだけの患者の方々が助成を受けられ、効果的な予防や治療に取り組むことができているのか、助成の実績についてお伺いをしたいと思います。
○藤田総務部長 実績でございますが、平成二十三年度末時点での実績で申し上げますと、認定患者数は約六万七千人、累計の医療費支出額は約八十三億円というふうになってございます。
また、認定患者数は年々増加をしておりまして、直近の本年十月末時点で申し上げますと、約七万二千人という状況になってございます。
○谷村委員 大変多くの患者の方々が恩恵を受けられていることが、ただいまの数字によってよくわかります。
それだけ多くの利用者がおられるのであれば、これまでも本制度について、より使いやすいものになるようにとご要望もあったことと思います。また、制度の見直しにつきまして心配する声も多いのではないかと思います。実際、不安を訴えておられるお声は、私どものもとにも数多く寄せられているところであります。
そこで、五年を迎えての検討に当たりまして、そうした方々のお声も十分に聞いていただいた上で行うべきと考えますが、都としては、これまでどのような形で患者の方々のお声を聞いてこられたのか、お伺いをいたします。
○藤田総務部長 平成十九年八月の和解以降、患者団体等との意見交換を行います連絡会を年一回、連絡会に先立って行います準備会というものを年二回ほど開催してきておりまして、その中で、制度の運営や見直しに係ります、細かい制度の見直しも含めましてでございますが、運用面の見直しも含めまして、こういったものに係ります患者の方々のご意見を伺ってきております。
このほか、制度創設から五年の経過という時期が近づいてまいります最近におきましては、患者の方々の求めに応じまして、月一回ほどの意見交換会を開催するなど、患者の皆様の声を十分に受けとめているところでございます。
○谷村委員 これまでも、患者の方々のお声を大切にしながら制度を運用しておられるとのことで、安心をいたしました。
ある政党なんかは、東京都は冷たい福祉などと、選挙目当ての意図的な喧伝をよくいたしますけれども、実際は現場でも、また都庁でも、患者の方々や福祉サービスの受給者の方々の側に立って、真剣に対応していただいていると、私はいつも高く評価をさせていただいております。本当に冷たいのは、こうした必死になって取り組んでおられる方々を意図的に批判する政党や機関誌紙の方であると私ははっきりと申し上げておきたいと思います。
見直し内容の検討に当たっては、ぜひとも患者の方々の側に立って進めていただければと思っております。
一方、見直しにおきましては、制度創設当時に財源を拠出した国等の関係者との調整も十分に行いながら、検討する必要があろうかと思いますが、制度見直しに当たっての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○藤田総務部長 石原前知事の強いイニシアチブによりまして成立をいたしました和解に基づきます本制度は、患者の方々の負担軽減に役立ってきたものと考えております。
しかしながら、そもそも大気汚染の根本的な原因は国の不作為にあり、国が責任を持って健康被害者救済策を早期に講じていくべきというふうにも考えておるところでございます。
一方、現状におきましては、制度継続に必要な今後の財源負担につきまして、国などから拠出の理解を得られていないことから、関係者に協議を働きかけつつ、来年八月以降に見直し内容を十分に検討してまいりたいというふうに考えております。
なお、見直しが決まるまでの間は、患者の方々に急な影響が生じないようということで、必要な措置を検討してまいります。
○谷村委員 ご答弁にありましたとおり、大気汚染の根本的な原因は、国がみずからの責務である自動車排出ガス規制を十分に行わなかったことにあります。
都が全国に先駆けて創設したディーゼル車規制は、大気改善を着実に実現しております。これも知事本局で推進をしていただきました。また、都による医療費助成制度の創設は、大変数多くの、六万とも七万ともいわれる患者の方々を救済してきました。
その一方で、国が何ら責任を果たさず、手をこまねいている状況が許されるはずもないわけであります。みずからの不作為により大気汚染を招いた国は、その責任を自覚して、早期に患者救済策を講じるべきであり、患者の方々もそれを強く望んでおられます。
最近の報道では、自公政権時代につくられたこの医療費助成制度について、民主党政府は、大気汚染と気管支ぜんそくとの因果関係にこだわり、救済策の創設や都制度への追加拠出に全くもって後ろ向きであると報じられております。
昨日、ようやく衆議院が解散されることが明らかになりましたが、一刻も早く民主党政権には退場していただかなければならないと念願をいたしております。
特に、田中文科大臣の引き起こした三つの大学の認可問題につきましても、目を覆いたくなるような大失態であります。
患者の方々が強く望まれている医療費助成制度について、新たな国制度の創設や都制度継続に必要な追加拠出を、国のほか各関係者、首都高速道路株式会社、自動車メーカーにも強く要求するなど、関係者に最大限に働きかけていただくことを強く要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
大きな質問の二つ目であります、姉妹友好都市交流について質問をいたします。
東京都では、これまで、姉妹友好都市を含む世界の各都市とさまざまな交流を行ってきました。
世界の人口の半数以上が都市に居住するという、いわゆる都市の世紀という新時代を迎え、都市の重要性が高まる中、世界を代表する大都市である東京都も、そのすぐれた技術力やノウハウ、そしてこれまで培ってきた経験を生かして、世界を力強くリードし、その国際的なプレゼンスをより一層高めていかなくてはならないと思います。そのために、都市外交を積極的に推進し、今後ますます世界の都市や地域との結びつきを強めていく必要があると思います。
申し上げるまでもなく、先ほど来、専門委員のお一人が都市外交に大変な知見を持っておられるというような質疑もございましたけれども、東京都の都市外交の大きな柱は、アジア大都市ネットワーク21と姉妹友好都市交流であると思います。
アジア大都市ネットワークについては、大変大きな成果を得てこられたとは思いますけれども、姉妹友好都市交流というのは、この十三年間、知事のそばで働いていた、あるいは携わってこられた方が専門委員になるほど評価されるべきものであったのかということを、きょうは少し質問させていただきたいと思っております。
アジア大都市ネットワーク21につきましては、成長著しいアジアが欧米に匹敵する世界の第三極としてさらに発展を遂げていくため、また、その中で東京のプレゼンスをより高めていくために、平成十三年に設立されました。
以来、十年以上にわたり、アジア各国の頭脳部、心臓部とも呼ぶべき代表的な都市が連携し、環境問題、産業振興、災害対策など、アジアが直面する課題の解決に向け、知事、市長が出席する総会やさまざまな共同事業による取り組みを積み重ねてこられました。
そこで初めに、アジア大都市ネットワーク21のこれまでの成果について、改めてお伺いをいたします。
○熊谷国際共同事業担当部長 アジア大都市ネットワーク21は、設立以降、産業振興、危機管理、感染症対策、環境政策など、幅広い分野で各都市が協力し、アジアの大都市に共通する課題の解決に取り組んでまいりました。
例えば、危機管理の分野では、国際会議の開催や危機管理連絡網の設置により、地震、洪水などの大規模災害の経験や対応策の共有が進んだほか、感染症対策では、新型インフルエンザ等の発生状況や症例について、都市間での情報を共有するネットワークが構築されるなど、体制整備が図られました。
また、産業振興の面では、平成二十二年の東京総会における議論を踏まえまして、会員都市の産業や技術を相互に紹介する機会の設定により、都市間の経済交流を促進する取り組みを開始いたしました。
これまで、東京、ソウルの見本市にアジアゾーンを設け、各都市の有望な企業、団体を紹介してきており、今年度も東京、デリーの見本市おいて展開する予定となっております。
さらには、この間、環境、水、交通など各分野において、延べ三百八十九名の行政職員を対象に専門研修を実施し、アジア各都市の実務専門能力の向上を図ってまいりました。
このようなさまざまな取り組みを通じて、会員都市の知事、市長から実務担当者まで、多様なレベルでの議論や対話を重ね、都市間の協力関係を強固なものとするとともに、各都市の施策の向上とアジアの発展に貢献してきたところでございます。
○谷村委員 アジア大都市ネットワークがこの十一年間に上げてきた成果につきましては、私も大変に高く評価をさせていただいているところであります。
今やこの取り組みも、十分に軌道に乗った感があると思いますので、東京は、知事がかわったから、これではい終わりというようなことになっては、国際的な東京都の信頼も失墜してしまうのではないかと思っております。だから専門委員が必要かどうかというのは別問題であると思います。
ことしの六月には、新たにロシアのトムスクとモンゴルのウランバートルの二都市を加え広がったこのネットワークが、ますます機能し、都市間交流による日本も含めたアジア全体の発展と繁栄に結びつくことを願っております。
次に、かねてからその重要性を訴えさせていただいております姉妹友好都市との友好交流について質問をいたします。
姉妹友好都市との交流につきましては、議会も関与しながら、これまで長い時間をかけて取り組んできたものであり、東京の都市外交の非常に重要な柱でもあります。
そこでまず、姉妹友好都市提携とは、そもそもどのような理念に基づいて行われてきたのか、確認の意味でお伺いをいたします。
○櫻井外務部長 都は、昭和三十五年のニューヨーク市との提携を皮切りに、パリ市、ニューサウスウェールズ州、ジャカルタ特別市、カイロ県など、世界の十一の大都市、州と姉妹友好都市提携を行っております。
世界の都市や市民が、行政、文化などさまざまな分野における交流を通じて相互理解を深めていくことが、都市の発展と友好関係の増進、そして世界平和の実現に貢献するという、こういう考えのもと、姉妹友好都市提携を行っているものでございます。
○谷村委員 今ご答弁いただきましたが、世界の都市や市民が行政、文化などさまざまな分野における交流を通じて相互理解を深めていくことが、都市の発展と友好関係の増進、それが世界平和の実現に貢献するという考え方で、姉妹友好都市提携を進めてこられたということを確認させていただきました。
まさに高邁な理念のもと、姉妹友好都市提携に取り組んでこられたわけでありますが、都市外交というのは、国の外交とは本来異なる次元の理念と目的と、その手段や方法というのが都市外交にはあるわけでありまして、ここから見ると、都市外交というものが同じ次元のものであるならば、かえってそれは二重外交になってしまい、百害あって一利なしになるわけであります。
国家間における外交というのは、時に国益と国益がぶつかってしまいます。これは長い間の国際外交の歴史から見て、いたし方ない面ではあると思います。しかし、そういう国家間の外交が時に大きく揺れ動くさなかであっても、都市外交、特に友好交流というのは、極力影響を受けることを避けなければならない。これは民間交流でも同じことがいえると思います。
しかし、意図的に、スポーツや文化交流なども含めて、すべてに国家レベルの外交の影響を与えようとする国家が相手では、これまたいたし方ない面もあるとは思いますが、ただ、本来、都市外交というものが本当の光を発して輝くときというのは、国家間における外交が行き詰まっているとき、そのときこそ、より一層の光を発するのではないかと思うわけであります。
東京都は、現在、十一の諸都市との姉妹友好都市提携を結んでおりますけれども、現在の姉妹都市交流の状況、また先週も、姉妹都市であるニューヨーク市に、ハリケーン被害に対する災害見舞金を贈呈するとの発表がありましたが、最近の交流実績も含めてお伺いをいたします。
○櫻井外務部長 姉妹友好都市とは、これまで築いてきた交流の経験を生かし、友好親善にとどまらず、両都市間の実務的な交流も各局と連携して進めてまいりました。
スポーツの分野では、姉妹友好都市を対象とした東京国際ユースサッカー大会を平成二十年に創設し、以降、スポーツを通じて青少年の相互理解を深めております。
また、近年では、カイロ県での東京庭園の修繕、ベルリン市との十五周年式典の実施、モスクワ市への桜の寄贈、ベルリンのマンホール展の開催などの交流が行われております。
さらに、直近では、本年十月にベルリン市が主催をいたしましたASEM知事・市長級会合に秋山副知事が出席し、ベルリン市長やパリの副市長と個別の会談を行いました。会談の中では、芸術、文化、スポーツなど、さまざまな分野における両都市の取り組みについて意見交換を行い、交流を深めたところでございます。
大都市相互に共通するテーマへの実務的な取り組みといたしましては、平成二十年に世界気候変動サミットC40東京会議を開催いたしまして、姉妹友好都市のニューヨーク、北京、パリ、ソウル、ジャカルタ、モスクワからも参加をいただきました。
また、各都市との実務的な交流を深めるため、各局と連携して都の先進的な施策を紹介するなど、東京が持つ技術やノウハウを提供しております。
○谷村委員 姉妹友好都市とのさまざまな交流を地道に、また着実に続けておられる状況につきましては、ただいまご紹介あったのはほんの一部であろうかと思いますが、頑張っておられることはよく伝わってまいります。
しっかり応援をしておりますので、今後の姉妹都市交流をどのように進めていくのか、所見をお伺いいたします。
○櫻井外務部長 ご指摘にもございましたように、世界の人口の半数以上が都市に居住する都市の世紀を迎えまして、都市の重要性が一層高まっておるわけでございます。そうした中、アジアを、そして世界を代表する大都市である東京が、国際社会の中でその存在感を示していく上でも、姉妹友好都市を初めとする各都市の交流は重要でございます。
今後も、アジア大都市ネットワークを通じてアジアの発展に貢献していくことはもとより、姉妹友好都市との連携、協力がより一層図られるよう積極的に取り組んでまいります。
これまで築いてきた信頼関係を礎に、各局と連携をしながら、それぞれの都市との友好関係における節目の年など、さまざまな機会をとらえまして相互理解を深めますとともに、知恵や経験の共有による実務的な交流を進めてまいります。
このような取り組みを通じまして、都市の世紀にふさわしい、より実りのある都市外交を展開してまいります。
○谷村委員 ありがとうございました。ぜひ今後とも頑張っていただきたいと思います。
アジア大都市ネットワークのような課題解決型の都市外交も重要でありますが、姉妹友好都市との友好関係を深めていくことも、これまた非常に重要であります。
東京都が地道に姉妹都市交流をこうして進めておられるということは、残念ながら余り都民の皆様には知られておりません。また、都庁で働いておられる方の中でも、東京都が結んでいる十一の姉妹友好都市の名前をすべて正確に挙げられる方がどのくらいおられるでしょうか。本委員会の委員の中にも同じことがいえるかもしれません。
また、知事本局の中でも、外務部の方以外で、正確にこの十一都市だというふうにいえる方は、余り多くいらっしゃらないのではないかと思いますけど、我こそはという方がいらっしゃればお伺いしますけれども、というような状況でございますので、姉妹友好都市を提携している都市についても、なぜその都市と連携したのかという、その意義づけとか、余り明確ではないようなので、十六年前にローマと提携以降、新たな提携がないわけであります。
これをお尋ねすることはいたしませんけれども、今、アジア太平洋の時代に入ったといわれております。エーゲ海で産声を上げて、その後、現代文明は地中海の時代に入り、そして大西洋に軸を移して、今や太平洋の時代に入ろうとしております。
APEC、アジア太平洋経済協力加盟のアジア太平洋地域の二十一の国と地域で、経済規模では世界全体のGDPの約五割、世界全体の貿易量は約四割、世界人口の約四割を占めております。
しかし、こうした太平洋の時代を迎えながらも、東京都の姉妹友好都市連携というのは、東太平洋のカナダを初め、とりわけ中南米諸国との姉妹友好都市提携は皆無であります。
いま一度、都市外交とは何か、都市間交流とは何か、姉妹友好都市とは何か、その位置づけをしっかりと確認をしていただき、予算もしっかりとつけていただいて、積極的な都市外交を展開していただきたいと思います。
そして、首長、知事あるいは市長同士を初めとする人と人との交流なども含めて、冒頭にお答えをいただきましたけれども、姉妹友好都市提携の理念、世界の都市や市民が行政、文化などさまざまな分野における交流を通じて相互理解を深めていくことが、都市の発展と友好関係の増進、世界平和の実現に貢献するという考え方、これに沿った活発な都市外交が行われることを強くご期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○中山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時四十一分散会
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