委員長 | 吉倉 正美君 |
副委員長 | 佐藤 由美君 |
副委員長 | 中屋 文孝君 |
理事 | 伊藤こういち君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
理事 | 大西さとる君 |
栗林のり子君 | |
星 ひろ子君 | |
しのづか元君 | |
服部ゆくお君 | |
田島 和明君 | |
吉原 修君 | |
三宅 茂樹君 | |
馬場 裕子君 | |
和田 宗春君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 秋山 俊行君 |
次長理事兼務 | 小林 清君 | |
総務部長 | 雜賀 真君 | |
青少年・治安対策本部 | 本部長 | 樋口 眞人君 |
総合対策部長 | 中村 長年君 | |
総務局 | 局長 | 笠井 謙一君 |
総務部長 | 山手 斉君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 影山 竹夫君 |
人事委員会事務局 | 局長 | 多羅尾光睦君 |
任用公平部長 | 大村 雅一君 | |
監査事務局 | 局長 | 塚本 直之君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百三十四号議案 東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例
・第百三十五号議案 都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
・第百三十四号議案に対する修正案
陳情の審査(決定)
1 二四第三九号 「原発」都民投票の実現に関する陳情
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○吉倉委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに三十二名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉倉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○吉倉委員長 初めに、意見書について申し上げます。
過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書二件につきましては、いずれもお手元配布の案文のとおり調整いたしました。
案文の朗読は省略いたします。
登記の事務・権限等の地方への移譲に関する意見書(案)
平成二十二年六月に閣議決定した「地域主権戦略大綱」においては、国の出先機関の原則廃止する姿勢の下、地方自治体への事務・権限等の移譲など、抜本的な改革を進めることが定められた。
こうした中、国の地域主権戦略会議において、出先機関改革の一環として、法務局が担う登記制度も、地方に移譲すべき対象として検討されている。
しかし、登記制度は、国民の重要な財産を守り、不動産取引等の安全に寄与する信用制度であり、高い中立性・公正性が求められるものである。また、登記事務は、国民の権利の擁護に係る事務であることから、全国統一した法解釈や運用、事務処理基準を堅持し、国の機関である法務局が直接実施する必要がある。
また、登記事務の遂行に当たっては、民法、不動産登記法、会社法、民事訴訟法等の高度な専門的知識・能力に基づく判断が必要であるとともに、安全・安心かつ迅速・円滑に処理が継続されることが不可欠である。登記事務が地方に移譲された場合、地方自治体及びその職員に著しい負担が生じるとともに、事務能力の格差が生じることが懸念される。登記事務に従事する専門職員の教育・研修は、長期的な視点の下、国が一元的・体系的に行うべきである。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、法務局が担う登記の事務及び権限等を地方への移譲対象としないよう強く要請する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十四年六月 日
東京都議会議長 中村 明彦
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣 宛て
北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に関する意見書(案)
北朝鮮による日本人拉致問題については、平成十四年、北朝鮮が拉致を認めて五人の被害者を帰国させて以降、全く進展が見られない。政府は、現在、十七人を拉致被害者として認定しているが、それ以外に特定失踪者が確実に存在すると思われる。北朝鮮の地で救いの手を待っている被害者らの苦しみと、我が国で帰りを待つ家族の苦痛は今も続いている。
平成十八年以降、政府は内閣総理大臣を本部長とする拉致問題対策本部の設置と拉致問題担当大臣の任命により、拉致被害者の救出に取り組んでいるが、いまだ具体的成果を上げることができていない。
平成二十三年末、北朝鮮の最高指導者である金正日が死去した。金正日の死去とその後継者である金正恩政権へ移行した中で、拉致被害者の安全が脅かされる危険もあり、こうした事態に備えた対策も早急に検討すべきである。
日本人拉致問題は、重大な主権侵害であり、かつ、許し難い人権侵害であることは言うまでもない。今こそ、金正恩政権に対して、実質的な問題解決のための交渉の場を作り出す必要がある。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、北朝鮮情勢に変化が見られるこの機会を逃すことなく、日本人拉致問題の早期解決に全力で取り組むよう強く要請する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十四年六月 日
東京都議会議長 中村 明彦
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
拉致問題担当大臣 宛て
○吉倉委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
○吉倉委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案及び陳情の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
この際、傍聴人の方々に申し上げます。
傍聴人の方々は、東京都議会委員会傍聴規則を守って、静粛に傍聴を願います。傍聴人は、可否を表明したり騒ぎ立てるなど、議事の妨害となる行為をすることは禁じられております。ご協力を願います。
これより付託議案の審査を行います。
第百三十四号議案及び第百三十五号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
修正案の提出について申し上げます。
ただいま議題となっております議案中、第百三十四号議案に対し、星ひろ子委員外五名及び吉田信夫理事から、それぞれ修正案が提出されました。
案文はお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
〔修正案は本号末尾に掲載〕
○吉倉委員長 これらを本案とあわせて議題といたします。
初めに、提出者の説明を求めます。
○佐藤委員 都議会民主党の佐藤由美でございます。
私は、都議会民主党及び都議会生活者ネットワーク・みらいを代表して、第百三十四号議案、東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案に対する修正案について趣旨説明を行います。
まず初めに、都議会民主党及び都議会生活者ネットワーク・みらいは、未曾有の大災害、東日本大震災によって生じた福島第一原子力発電所事故を契機に、三十二万名を超える都民の皆さんが東京電力の原子力発電所の稼働の是非に意思表明を求める条例を提出されたその熱意と行動に敬意を表するものです。
第百三十四号議案は、都民が電力消費者、東京電力の大株主である東京都の住民として、東京電力の原子力発電所の稼働の是非に意思表示をする機会として都民投票を求めた直接請求によるものです。
原子力発電所の稼働の是非については、国が第一義的な責任を有し、また福島県や新潟県といった東京電力の原子力発電所の立地地域や当該地域の住民の皆さんの多岐にわたる問題を考慮すべきと考えます。
しかしながら、今回の福島第一原子力発電所事故のもと、都民が当事者として東京電力の原子力発電所の稼働の是非について意思表明をする場はあってしかるべきであり、適正な都民投票が実現できるよう修正案を提出することといたしました。
まず、修正の第一は、原案は東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案となっていますが、直接請求の請求者が投票の対象としている東京電力の福島第二原子力発電所と柏崎刈羽原子力発電所は、いずれも東北電力管内にあります。そのため、正確を期すため、管内を削除し、第一条、第二条、第七条、第十五条についても同様に削除いたしました。
次に、第一条の条例の目的、第二条の都民投票については、規定の簡素化を図るため、修正を行いました。
第五条の投票有資格者については、年齢二十以下の国民や永住外国人の投票については、まだまだ多くの議論が必要と考えるため、選挙の当日に選挙権を有する者といたしました。
第十二条の都民投票運動及びその規則については、地方自治法に抵触するおそれのある条項を削除いたしました。
第十五条の投票結果の尊重については、原子力発電所の稼働の是非は、国が第一義的な責任を有していることや、その立地地域、当該地域住民の多岐にわたる問題が存在することを考慮した上で、都知事や都議会が諮問型の都民投票結果を踏まえて、その意思が反映されるよう努めていくとした修正を行いました。
以上が提案の趣旨であります。
本委員会において、十分ご審議の上、議員の皆さんのご賛同を賜りますよう、お願い申し上げまして趣旨説明を終わります。ありがとうございました。
○吉田委員 それでは、第百三十四号議案、東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民条例に対する日本共産党都議団の修正案について説明をいたします。
本条例は、三十四万余の署名が寄せられ、直接請求されたものであり、我が党は基本的に賛成です。
修正は一カ所のみです。それは、第十二条二項を削除することです。
修正の理由は、都民投票運動の自由をできるだけ確保する必要があるとの判断からです。全国の住民投票条例の多くは、一定の規制は定めても罰則規定は設けていません。それは、住民投票が住民の自由な研究、討論を通じて問題の認識を深め、民意を形成するところに意味があり、そのプロセスは最大限自由でなければならないと考えます。しかも、日本国憲法の改正手続に関する法律を罰則規定として準用することは不適切と考えます。
なお、条例案では、投票運動は自由とした上で買収、脅迫等、都民の自由な意思を拘束し、又、不当に干渉するものであってはならないと規定しており、買収等が放置されることはないと考えます。
議員各位の皆さんの賛同を心から呼びかけて、提案理由の説明を終わります。
○吉倉委員長 説明は終わりました。
この際、本案及び修正案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。
○しのづか委員 私は、都議会民主党を代表して、本委員会に付託されました議案の中で、第百三十四号議案、東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案に対する修正案について意見を申し上げます。
まず、都議会民主党は、未曾有の大災害、東日本大震災によって生じた福島第一原子力発電所事故を契機に、三十二万名を超える都民の皆さんが東京電力の原子力発電所の稼働の是非に意思表明を求める条例を提出されたその熱意と行動に大いに敬意を表するものです。
そこで、私たちは、その思いを議会で受けとめ真摯に議論を行うために、請求代表者の皆さんから都民投票条例案を提出した理由を直接聞くとともに、直接請求や住民投票の意義、日本のエネルギー政策の現状、原子力発電のコストと経済影響、都民投票を行った場合の概算経費などについて、専門家の方々や東京都から意見を聴取するなど、この間、精力的に調査検討を重ねてまいりました。そして、原子力発電所の稼働の是非について、都民投票を行うことが最良かどうか協議をしてまいりました。
その結果、私たちは、直接請求による三十二万名を超える都民の皆さんが求める意思表明の場があってしかるべきであり、適正な都民投票が実現できるよう条例案を修正することとしました。
私たちは、原子力発電所の稼働の是非については、国が第一義的な責任を有していると考えています。また、福島県や新潟県といった東京電力の原子力発電所の立地地域や当該地域住民の皆さんの多岐にわたる問題が存在することを考慮すべきであるとも考えています。
その上で、原子力発電所の稼働の是非について都民投票を行うことができるよう東京電力管内という誤りや地方自治法に抵触する規定を削除し、投票資格者の要件や投票結果の反映などの必要な修正を行い、東京電力の原子力発電所の稼働の是非に関する都民投票の実現を求めることとしました。
以上のことから修正案に賛成することを表明し、かつ全会派の皆さんの賛同をお願いいたしまして、意見を終わります。
○吉原委員 私は、都議会自由民主党を代表いたしまして、本委員会に付託されました東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案について、反対する立場から、さらに民主党、生活者ネットワーク・みらい及び共産党からそれぞれ提案されました同条例案の一部を修正する条例案についても反対する立場から意見を申し上げます。
我が党は、本条例案の提案に至った背景にある三十二万人を超える都民の多くの皆様の署名に込められたそれぞれの思いを受けとめ、重みをかみしめながら、身の引き締まる思いで本会議と、そして総務委員会に臨み、質疑を重ねてまいりました。
これまでの質疑を通じて明らかになったのは、原発稼働を都民投票に図ることそのものへの疑義であります。今日、世界有数の大都市となり、情報ネットワークや交通システムが高度に発達し、快適な生活を都民が享受できるのも、安定的に電力を確保してきたからであります。こうした繁栄は、福島や新潟という立地地域がさまざまな葛藤を経て原発を受け入れ、それに向き合いながら電力を送ってきてくれたからであることは絶対に忘れてはなりません。
それゆえに、我が都議会自由民主党は、東京と立地地域とのかけ橋となるべく努力をしてまいりました。とりわけ、昨年の大震災以降は福島の復興と風評被害の払拭のために石原知事にさまざまな施策を建言し、執行機関とともに実現をさせてきたのであります。
立地地域への敬意と感謝を片時も忘れてはならない東京で、都民投票を実施するのはふさわしくありません。電気を頼る立場の東京が立地地域の雇用、ひいては地域社会の存立そのものに甚大な影響を与える稼働の是非について、じままに判断することは慎むべきと考えます。
また、本会議や委員会での議論を通じて原発を今後どのように位置づけ、どのように扱っていくかは、まさに国家戦略の問題であることも明確になりました。
もとより、原発については安全の確保が最優先であります。原発の不安のない社会をつくることは、我々大人の子どもたちへの責任であることは論をまちません。同時に、先人たちが築き上げてきた現在の繁栄を将来へと受け継ぎ、世界の中でも発達した福祉や医療、そして教育をしっかりと維持しながら、子どもたちが便利で快適で潤いある生活を続けられるようにしなければなりません。
それには、エネルギーをいかに確保していくかが問われます。電力不足による産業空洞化を防ぎ、都民、国民の雇用と生活を守っていかなければなりません。電力の安定供給を確保しつつ、電力料金の値上げから家庭や中小企業を守るべく、引き続き東電に改革を迫っていく必要があります。
また、経済を発展させるにしても、日本としてCO2削減の責任を果たさなければならず、いかなる発電方式で代替するかは十分な検討をしなければなりません。
さらには、世界全体で資源の争奪戦が激化する中、エネルギー安全保障の取り組みも一段と強化する必要があります。
こうした多岐にわたる課題について、日本の将来と、それを担う子どもたちのために、最適な解決策を編み出していくには、国民的討議を経て、国が全体を俯瞰したエネルギー戦略を構えることこそが最も重要なことであると考えます。
都民限定の住民投票をやって、単にマル・バツをつけるだけで原発の問題に決着がつくわけではありません。
このほかにも十六歳以上の未成年者、あるいは永住外国人に投票権を与えることや公務員の政治活動を認めるなど、さまざまな問題を条例案は有しております。そうした問題点について、一定の修正を加えんとした他会派のご努力に敬意を表しますけれども、これまでるる述べたように、原発の稼働の是非を都民投票に付すこと自体、不適当であると考えることから、我が都議会自由民主党は条例案及び一部を修正する条例案に反対をするものであります。
我が党は、東京として、今なすべきことは何なのかを考えたときに、東電と国に改革と安定供給を迫り、全国の範となる節電を実行しながら、既に原発が停止し、現に深刻な影響が出ている立地地域を支え、特に福島の復興に全力を尽くすことであると確信をいたします。
以上をもって発言を終わります。
○伊藤委員 私からは、東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案及び修正案に対する都議会公明党の意見表明を行います。
本条例案は、三十二万人を超える都民の方々からの直接請求によって提出されたものであり、都議会公明党は署名活動を推進された方々を初め、署名をされた多くの都民の皆様の思いを深く受けとめてまいりました。また、これまでの総務委員会における条例提出者の方々の意見陳述や条例案に対する各会派の質疑はもちろんのこと、東日本大震災の被災地、被災者支援、復興支援を通じて数多く寄せられた意見についても真摯に受けとめ、本条例案に対して慎重に検討を行ってまいりました。
こうした経緯を踏まえ、本条例案及び修正案につきまして、都議会公明党として意見を述べたいと思います。
まず、原案についてでありますが、都民投票の方法は原発稼働の是非を二者択一するものとなっており、多様な都民の意思が正しく反映されないことを確認しました。すなわち、投票する都民一人をとっても、子どもを持つ親の立場の一方で激しい競争にさらされた会社に勤める立場であったりするなど、多様な都民の立場や意思を二者択一に当てはめようとすることは、条例案が求める都民の意思を正しく反映するものとはいえません。
加えて、二者択一の投票結果の比較多数をもって都民意思とすることも合理性を欠くものであります。また、都民投票を実施するに当たり、条例案で定める投票資格者の掌握方法、投票判断に資する中立公平な広報作成の方法の不備などの課題に加え、条例案に内在する法令違反の問題点のほか、原発稼働の是非は東京電力管内の他の八県や全国にも影響を及ぼすものであり、電力消費地を東京都に限定すべきではないこと及び都民のみで判断を下す性格のものではないことも明らかとなりました。
そもそも原発稼働の是非については、安全保障も含めた国のエネルギー戦略、電力の安定供給、電気料金への影響、立地地域への配慮、地球温暖化対策など多様で複合的に考慮すべき事項であります。
よって、都議会公明党は本条例案に反対であります。
次に、修正案について申し上げます。
本委員会における質疑で民主党は、原案に対し、不備と違法性をおもむろに指摘し、修正案を提出しました。しかしながら、本修正案は、法令違反については修正がなされたものの、二者択一による投票、投票資格者の掌握方法、中立公平な広報作成などの問題点を解消するものとなっておりません。それどころか、原案の投票結果を尊重という文言を削除した上で、原発の稼働の是非は国が第一義責任を有し、立地地域や当該地域の住民の多岐にわたる問題が存在することも考慮すると修正しております。これでは都民投票を実施すること自体に意味がないと申し上げるしかありません。
そもそも原案では、原発稼働について、国ではなく東京が、立地地域ではなく消費地域で、その判断を都民投票に求めており、民主党の修正案は原案とは似て非なるものであります。よって、都議会公明党は、民主、ネットによる修正案及び共産党による修正案には反対であります。
公明党は、原発に依存しない社会を目指し、一つ、新しい原発の着工は認めない、一つ、原発再稼働は、事故の教訓を踏まえた新たな安全基準にのっとり判断、一つ、再生可能エネルギー、省エネ、むだのない火力発電による安全・安心エネルギー社会の構築を推進し、次世代へ安全・安心の東京を引き継ぐことができるよう今後とも全力で邁進することをお約束し、都議会公明党の意見表明とさせていただきます。
○吉田委員 日本共産党都議団を代表して、東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案及び修正案に対する意見表明を行います。
まず、我が党修正案については、その趣旨は提案理由の説明で行ったとおりであり、議員各位の賛同を呼びかけるものです。
次に、民主党、生活者ネット共同提出案の修正案に対し意見を表明します。
条例案は、三十四万余の署名が寄せられ提出されたものであり、基本的に最大限尊重されるべきと考えます。しかし、提案された修正案は、選挙資格について条例案の十六歳以上とし、永住外国人を対象とする規定を変更、削除するだけでなく、目的に明記されたエネルギー政策に係る自治の推進の趣旨を削除し、逆に、稼働の是非は国が第一義的に責任を有するという文言を挿入するなど、条例案を後退させるものです。しかし、我が党の第十二条二項の削除が修正案に入っているとともに、何よりも東京電力の原発稼働について都民投票そのものを実施しようとするものです。
したがって、個々の修正についての意見はありますが、都民投票の実現を目指す立場から日本共産党都議団は修正案に賛成をするものです。
次に、東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民条例案について意見を表明します。
知事意見は、反対理由の第一に、国が責任を持って判断すべきとしていますが、福島第一原発の事故は、歴代政府が原発安全神話にしがみつき、警告を無視して原発を推進し続けてきた結果であり、多くの都民がもはや国に任せることができないと判断をするのは当然です。また、石原知事は、何ら科学的根拠を示さずに原発容認を繰り返しており、都民が知事任せでなく、みずからの意思を示し、その尊重を求めることも当然ではないでしょうか。
エネルギー政策は国家的課題との理由から知事は都民投票を否定し、国を滅ぼすとまで発言をしていますが、東京都自身も自立分散型エネルギー社会を創出と主張し、東京から新しいエネルギー政策を発信するとうたっていることを見ても、知事が都民投票に反対し攻撃をする理由は成り立ちません。
原発エネルギーのあり方は、都民的、国民的討論と合意に基づいて進めるべきは当然のことですが、住民投票もそうした中で取り組まれるべきと考えます。
しかも、知事自身否定できないように、直接民主制である都民投票は、間接民主制、代議制を補完する重要な手段であり、これを拒否することは許されません。また知事は、立地地域への考慮を都民投票反対の理由にしていますが、立地地域でも再稼働や原発の継続に批判の声が上がっているのが現実です。立地地域も供給地域もともに住民の意思が尊重されるべきです。立地地域を盾に都民投票を否定することは許されません。しかも、条例は、東京電力、国及び関係機関と協議しとしており、立地自治体等を無視するものではありません。
さらに、投票資格などに疑義があるとしていますが、質疑でも明らかになったとおり、全国で実施されている住民投票では、多くが二十歳以下に資格を拡大し、永住外国人にも広げており、何ら疑義はありません。さらに、投票日において都内に住所を有していると規定するのは当然であり、投票資格者名簿は通常事前に調製するものであり、投票の実施を不可能とするものではありません。
なお、十二条二項の罰則規定に関し我が党は、投票運動の自由を確保する観点から、削除の修正案を提案しましたが、具体的罰則について提案者は、国民投票法を直接適用する意味ではないとの見解を示しており、その立場に立てば自治法違反とは断定されません。
また、地方公務員法の適用除外に関しては、そもそも地方公務員法第三十六条による規制には自由な討論によって民意の形成を図る住民投票は含まれていないと解釈をいたします。したがって、地方自治法抵触との知事意見は適当でないと考えます。
以上の理由から、本条例に賛成を表明するものです。
○星委員 私は、都議会生活者ネットワーク・みらいを代表し、今回直接請求された原発都民投票条例について意見を申し上げます。
六月十四日に行われた請求代表人八名の方々の意見陳述は、都議会の歴史に残るのではないかと思われるほど胸を打つすばらしいものでした。四十分という限られた時間内でお一人数分ずつ、それぞれの立場で明確に意見を述べられました。何度もリハーサルされたとのことですが、単に練習の成果ではなく、請求代表人を初めとする三万人の受任者の皆様方が主体的に運動にかかわり、日々、街頭に立ち、まちを歩く中で国や愛する子どもたちの将来を託されているのは、今を生きる我々であるという熱いメッセージに対して、都民の共感の輪が日々大きく広がっていったことを実感し、大勢の都民の厚い信託を受けている信念と自信があったからのことでしょう。そう私は感じました。
地方分権自治がいわれながらも、現行の自治法で住民が政策を直接請求するには厳しいルールがあります。これは、この国がまだまだ民主主義の本旨である参加と自治に対して未成熟であるあかしです。知事は、間接民主主義を補完する制度であることは論をまたないと直接請求そのものの否定はされていませんが、しかし、この間の知事の発言は、都民の政治参加、行動には否定的な発言が目立ち過ぎます。
その代表例がいっときのセンチメントに流された、あるいはヒステリックなといういい方です。これだけのリスクがある原発エネルギーにリスクを承知で稼働を認めるのか、依存しない社会を目指すのか消費者自身が選びとりたい、意思表明したいという当然の思いが込められた本都民投票制度の趣旨、条文を精読すれば簡単にはそんな言葉は出ないはずです。
ましてや短期間にハードルの高い直接請求で法定署名数を大きく上回る三十二万三千七十六名もの都民の署名に対する重みを感じておられれば、なおさらのことです。
十五日の委員会でチェルノブイリ原発事故による食品の放射能汚染を経験し、子育て世代を中心に食の安全に危機感を持つ都民が起こした食品安全条例制定運動の経緯をお伺いいたしました。
食のグローバル化が進む中で、食品の流通に対して食品の放射能汚染は子どもらの命と健康の大問題です。直接請求は否決されたものの、今日まで東京都が国や他自治体に先んじて、食の安全のために、さまざまな取り組みを強化してきた布石になっています。今回の原発事故は、都も各局の事業において放射能測定の拡充、都民要望にこたえて、放射能汚染、除染などの対策を進めてきています。
チェルノブイリを思えば、今後も長く続く対策であり、立地地域だけの被害にとどまらないことは明らかです。知事は、エネルギー政策は国が決めるべきものといっていますが、東京都が東京産エネルギーの創出や温暖化対策、省エネ、CO2問題など、東京から発信することの重要性は、知事自身がこれまで何度もいってこられたことです。知事は、原発稼働は国家の安危にかかわること、各界の利害調整、専門的知見、消費地域、立地先の影響、複合的な判断を要するから国が責任を持ってすべきこと、よって、条例に反対であるといわれていますが、二〇一一年三月十一日以降、すべてが大きく変わり、これまでの価値観の延長では済まないことは明らかです。
今、まさに今後の国家の安危にかかわることが起こっているからこそ、都民が立ち上がって議論をしようといっているのです。原発の管理と事故後の対応を専門家に任せてきたことがいかに問題だったか、無関心で他地域からの電力を享受してきた責任を自覚し、今後のエネルギー政策についても、自分たちで議論し考えていきたいという都民の意思を重く受けとめ、東京から参加と自治をつくり出し、民主主義を成長、成熟させる原発都民投票条例の制定を私ども生活者ネットワーク・みらいは強く求めたいというふうに思います。
意見を終わります。
○吉倉委員長 発言は終わりました。
これより採決を行います。
初めに、第百三十四号議案を採決いたします。
まず、星ひろ子委員外五名から提出された修正案について、起立により採決いたします。
本修正案に賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○吉倉委員長 可否同数であります。よって、委員会条例第十五条の規定により、委員長が裁決いたします。
委員長は、本修正案に反対であります。よって、星ひろ子委員外五名から提出された修正案は否決と決定いたします。
次に、吉田信夫理事から提出された修正案について、起立により採決いたします。
本修正案に賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○吉倉委員長 起立少数と認めます。よって、吉田信夫理事から提出された修正案は否決されました。
次に、原案について起立により採決いたします。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○吉倉委員長 起立少数と認めます。よって、第百三十四号議案は否決されました。
次に、第百三十五号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉倉委員長 異議なしと認めます。よって、第百三十五号議案は原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○吉倉委員長 次に、陳情の審査を行います。
陳情二四第三九号を議題といたします。
本件につきましては、既に質疑を終了しております。
これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○吉倉委員長 可否同数であります。よって、委員会条例第十五条の規定により、委員長が裁決いたします。
委員長は、陳情二四第三九号を趣旨採択とすることに反対であります。よって、陳情二四第三九号は不採択と決定いたします。
以上で陳情の審査を終わります。
○吉倉委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉倉委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○吉倉委員長 この際、所管六局を代表いたしまして、総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○笠井総務局長 当委員会の六局を代表いたしまして、一言御礼を申し上げます。
ただいま、本定例会にご提案申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。
この間にちょうだいいたしました貴重なご意見、ご要望等につきましては、可能な限り今後の都政運営に生かしてまいります。
今後とも、よろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、簡単ではございますが、御礼の言葉とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○吉倉委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時三十九分散会
第百三十四号議案 東京電力管内の原子力発電所の稼動に関する東京都民投票条例
右議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
平成二十四年六月十八日
(提出者)
星ひろ子 佐藤由美 しのづか元 大西さとる 馬場裕子 和田宗春
総務委員長 殿
第百三十四号議案 東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案に対する修正案
第百三十四号議案 東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案の一部を次のように修正する。
題名中「東京電力管内」を「東京電力」に改める。
第一条中「東京都民の生活に重大な影響を与える東京電力管内」を「東京電力」に改め、「公正かつ民主的な」を削り、「確保することにより、中長期的エネルギー政策に係る住民自治を推進し」を「定め」に、「民主的かつ健全な」を「円滑な」に改める。
第二条第一項中「東京電力管内」を「東京電力」に改め、同条第二項後段を削る。
第五条第一項中「次の各号のいずれかに該当する者」を「年齢満二十年以上の日本国籍を有する者で、その者に係る東京都内の市町村の住民票が作成された日(他の道府県から東京都内の市町村に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日)から引き続き三月以上、東京都内の市町村の住民基本台帳に記載されているもの(東京都内で当該住民票の異動があった場合を含む。)」に改め、同項各号を削り、同条第二項を削り、同条第三項を同条第二項とする。
第七条第二項中「東京電力管内」を「東京電力」に改める。
第十二条第二項及び第三項を削る。
第十五条の見出し中「尊重」を「反映」に改め、同条中「都民投票において、有効投票総数の過半数の結果が、投票資格者総数の四分の一以上に達したときは、」を削り、「投票結果を尊重し」を「、投票結果を踏まえて」に、「東京電力管内」を「東京電力」に改め、同条に次の一項を加える。
2 前項の規定の適用に当たっては、原子力発電所の稼動の是非は国が第一義的責任を有していること及び原子力発電所の立地地域や当該地域の住民の多岐にわたる問題が存在することを考慮するものとする。
(提案理由)
適正な都民投票の実施のため、投票資格者の要件に関する規定及び法に抵触する規定を改めるほか、所要の規定を整備する必要がある。
修正案の提出について
第百三十四号議案 東京電力管内の原子力発電所の稼動に関する東京都民投票条例
右議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
平成二十四年六月十八日
(提出者)
吉田信夫
総務委員長 殿
第百三十四号議案 東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案に対する修正案
第百三十四号議案 東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例案の一部を次のように修正する。
第十二条の見出し中「及びその規制」を削り、同条第二項を削り、同条第三項を同条第二項とする。
(提案理由)
都民投票運動の自由を確保する必要がある。
市民投票運動における違法行為に対する罰則を規定する条項であるが、日本国憲法の改正手続きに関する法律を準用する罰則を与えるとすることは、過剰な適用であるため。
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