委員長 | 小磯 善彦君 |
副委員長 | 田中たけし君 |
副委員長 | 伊藤まさき君 |
理事 | 大松あきら君 |
理事 | 山口 拓君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
小林 健二君 | |
小山くにひこ君 | |
淺野 克彦君 | |
西崎 光子君 | |
神野 吉弘君 | |
鈴木 勝博君 | |
吉原 修君 | |
田島 和明君 | |
川井しげお君 |
欠席委員 なし
出席説明員総務局 | 局長 | 比留間英人君 |
危機管理監 | 加藤 英夫君 | |
理事 | 塚田 祐次君 | |
総務部長 | 醍醐 勇司君 | |
訟務担当部長 | 和久井孝太郎君 | |
行政改革推進部長 | 土渕 裕君 | |
情報システム部長 | 高橋 宏樹君 | |
首都大学支援部長 | 宮本 哲君 | |
人事部長 | 中嶋 正宏君 | |
労務担当部長 | 内藤 淳君 | |
主席監察員 | 清宮眞知子君 | |
行政部長 | 岸本 良一君 | |
多摩島しょ振興担当部長 | 高木 真一君 | |
区市町村制度担当部長 | 堤 雅史君 | |
事業調整担当部長 | 榎本 雅人君 | |
総合防災部長 | 中村 長年君 | |
企画調整担当部長 | 細渕 順一君 | |
統計部長 | 三田村みどり君 | |
人権部長 | 荒井 浩君 |
本日の会議に付した事件
総務局関係
契約議案の調査
・第百四十二号議案 東京都八丈支庁舎(二十二)改築工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百四十六号議案 公立大学法人首都大学東京に対する出資について
・第百四十七号議案 公立大学法人首都大学東京定款の変更について
報告事項(質疑)
・業務・情報システム最適化計画について
・平成二十一年度東京都監理団体経営目標の達成状況・経営実績及び平成二十二年度東京都監理団体経営目標の設定状況について
・東京都監理団体活用方針について
・都庁版人材バンクの整備について
・平成二十一年度公立大学法人首都大学東京業務実績評価について
・私債権の放棄について
○小磯委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十二年九月二十九日
東京都議会議長 和田 宗春
総務委員長 小磯 善彦殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百四十二号議案 東京都八丈支庁舎(二十二)改築工事請負契約
2 提出期限 平成二十二年十月四日(月)
○小磯委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
これより総務局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百四十二号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○小磯委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百四十六号議案及び第百四十七号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○小磯委員長 次に、報告事項、業務・情報システム最適化計画について外五件に対する質疑を行います。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○淺野委員 私からは、この報告事項の中で、都庁版人材バンクの整備について伺いたいと思います。
まず初めに申し上げておきますが、昨今の役所あるいは公務員に対する批判、そういったものについては、私自身は、余り批判ばかりを繰り返して、その先にあるのは、ただただだれかを悪者にしたいというようなところにも見受けられるときがございます。
正直、そういった環境というのは決して望まれるものではなくて、やはりお互いの信頼を保ちながら、都民そしてこの都議会も、そして都庁の役所の皆さん方も仕事に邁進できる、そういった環境をつくっていくべきだと思います。そういった意味では、いたずらな批判は余計なことだと思いますが、一方で、やはり誤解を招くようなことはなるべく払拭していく、できるだけ疑念を生まないシステムをつくっていくという不断の努力が求められているだろうということを申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。
まず初めに、この人材バンクの整備に当たりまして、今までも同様に行ってきたことですけれども、今回大きく、民間企業に対しての再就職、それも情報の管理ということで、監理団体以外のところも一元管理していくんだというお話でございました。
しかし、まずこれは分けて考えなければいけないと思っておりまして、監理団体については、この人材バンクから人材を推薦して、そして監理団体の中でその人を適任かどうか、あるいは受け入れられるかどうかといったことを審査し、そして決定して、受け入れが決まった場合には受け入れさせてもらうと、そういったシステムになっているとお聞きしております。
ここで一つ疑問に思うんですけれども、もともと人材バンクは情報の管理を目的としているとおっしゃっておりますが、正直、今のようなやり方、つまり推薦をして、そして相手先が受け入れるかどうかを決めますよといっている状況というのは、これはある意味、あっせんとして見られてもおかしくないのではないかという気がいたします。
人材バンクというのが情報の管理を目的として、あっせんをするものではないということでおっしゃっておりますけれども、この監理団体についてのやり方についていえばハローワークの仕事と何が違うのかなという疑問が普通に生まれてくると思います。これはハローワークの仕事と一体何が違うんですか、そしてほかにやり方は考えられないんですかということについて、まず初めに伺いたいと思います。
○中嶋人事部長 ハローワークは、広く一般国民を対象として、無償で職業紹介、職業指導などを事業として行うことを目的とする専門の実施機関であり、職業安定法の定めのもと、国の専管で実施されるものでございます。
これに対しまして、都庁版人材バンクは東京都の幹部職員の再就職について、これまで行ってきた手続をより厳格、明確にして結果を公表し、再就職情報の一元的な管理を行うことで人材の有効活用と透明性の向上を図ることを目的とするものでございます。したがいまして、都職員の民間企業への再就職を拡大するためのものではなく、また職業紹介を行うための新しい組織を設置するものでもございません。
国家公務員法のような法規制のない中では、都として、より厳格な手続を都庁版人材バンクとして整備することで、人材の有効活用等、再就職についての手続や結果の透明性を確保していくことが最も有効な方法と考えております。
○淺野委員 もちろん、この人材バンクが職業あっせんの仕組みでないということはもう再三いっていらっしゃることでありますけれども、やはりどうしても、推薦して団体内で受け入れの手続をするという形になると、あっせんじゃないですかという批判に対してはなかなか明確な答えにはなっていないんじゃないかなという気がいたします。本質的には、やっていることはハローワーク、あるいはいわゆる転職エージェントのような仕組みと変わってないんじゃないですかという気もいたしますが、ぜひこれからも誤解が生まれないような運営、運用の仕方をしていっていただきたい、そのように思います。
今回の都知事の所信表明演説の中にも公会計制度の話が出ておりましたが、都として取り組んで非常によかったものは、ぜひほかの自治体、それは国も含めて取り入れていくべきだ、いいものは他の自治体がやっていることもどんどんどんどん取り入れていくべきだという意味だと私は受け取っておりますけれども、例えばお隣の埼玉県におきましては、いわゆる外郭団体、都では監理団体といっていますが、出資するような外郭団体に対して職員のOBが天下りすることを原則的に廃止するということを、もう既に八年ほど前に実施しております。
その状況を見れば、現実的に監理団体にやはりOBが必要だと再三にわたっておっしゃっているようですけれども、現実的にはお隣で、それをやらないで実際に運営している自治体があるというのであれば、そういった自治体の取り組みを研究したり、あるいはその中で使えるものをどんどん取り入れることによって、都としても、いわゆる天下りといわれないように、OBの方が、少なくとも都が出資している監理団体にはできるだけ行かないように仕向けていくという作業も、私は行えるんじゃないかという気がいたします。
そもそも、都のOBの方が監理団体に対して天下りをするという必要があるんでしょうか。また、どうしてもOBが必要なんだ、その見識が必要なんだといっている監理団体には、むしろ現職の職員が出向するという形ではだめなんでしょうか、お答えをお願いいたします。
○中嶋人事部長 まず天下りの件でございますが、都の幹部職員の再就職は、定年あるいはその直前まで働いた後に、在職中に培った知識や経験を生かして社会に貢献するものであり、早期に勧奨を受けて退職し、いわゆる渡りを繰り返す国の天下りとは異なるものでございます。
また、他の自治体の例が今お話にございましたけれども、東京都におきましてはこれまで、監理団体の経営の自主性の向上や経営責任の明確化を図るため、都の派遣職員については段階的な解消を行い、また最高経営責任者への都の幹部職員の充て職の廃止などの取り組みを行ってきたところでございます。
こうした基本的な方針のもと、監理団体に対しては、団体の事業の公共性、継続性、行政との一体性の確保、あるいは専門性や技術性の面で、団体みずからの人材確保が困難な場合などに都の退職幹部職員を推薦するほか、現役の幹部職員を派遣してきたところでございます。
とりわけ常勤役員については、都政との密接な連携と経営の自主性という両面を考慮しまして、都政で重責を担った局長級、あるいは枢要な職務を果たした部長級の退職した都幹部職員を推薦し、団体の運営に寄与してきたところでございます。
こうした観点から、退職した都の幹部職員の監理団体への推薦は今後とも必要であるというふうに考えてございます。
○淺野委員 今の答弁では、正直、監理団体にOBが行くことについて必要性があるということは一歩譲って理解することができたとしても、推薦が必要だということの答えにはなっていないんじゃないかなという気はいたします。
正直申し上げまして、都の幹部職員の充て職の廃止などといった取り組みは非常に歓迎するところではありますが、ただ、その自主性あるいは経営責任の明確性、そういったものを強調するのであれば、今回の人材バンクで民間企業に対して取り組んでいることと同じように、監理団体あるいはその他報告団体や独立行政法人からOBが必要ですという申し出があったときに、じゃ、こういう人がいますよという情報提供をするので十分じゃないかという気がいたします。
わざわざ、都側から推薦をするという理由には当たらないのではないですか。そのような気がいたしますので、ぜひ今後の運用の中でそういった形にできるだけ近づけていけるような検討を強く要望させていただきます。
さて先ほど、一歩譲り、理解がある程度できるとは申し上げましたが、だとしても、じゃ、OBが必要だというのであれば、そのOBの方を再任用する、それはできないんでしょうかという疑問がわいてまいります。というのは、そのOBの方は現職の公務員である以上、さまざまな法の縛りがあります。しかしながら、退職した後は一民間人に限りなく近づくわけでありまして、そういった観点から見ますと、どうしても必要だというところには、むしろその縛りが残った形のまま出てもらう。そうすることによって、仮にその方がすべてを牛耳ろうとしても、都としてそこにメスを入れていくことが可能になってくるんじゃないかなという気もいたします。
OBが必要だという監理団体について、そのOBを都として再任用し、そして出向という形で職務に当たらせるということはできないのか。それについてお答えをお願いいたします。
○中嶋人事部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、東京都はこれまで監理団体の経営の自主性を向上させるため、継続的に都の派遣職員の解消に努めてきたところでございます。また再任用制度は、定年退職者を継続任用することにより、退職職員が在職中に培った知識や経験を東京都において活用することがその趣旨でございます。
こうした点を踏まえますと、団体の自主性や経営責任の明確化の観点からも、外部の団体の役員等へ派遣することを前提として再任用を行うことはふさわしくないと考えてございます。
○淺野委員 今おっしゃった中身ですけれども、例えば、都の派遣職員の解消を実施してきた、あるいは再任用の場合は東京都において活用することがその趣旨だとおっしゃっていましたが、そのすべてが東京都が行っていることでありまして、法の縛りがあったり、絶対的に変更してはならないという話ではないと思います。特に先ほどの答弁にもありましたとおり、監理団体にOBが行くことは必要なんだ、あるいは場合によっては都の派遣職員も必要なんだという理由があるのでしたら、むしろこれは再任用して出向させることができないということよりも、やろうと思えばできるんじゃないんですかというふうに私は思いますので、ぜひぜひこれからもその検討を行っていっていただきたい、そのように思っております。
さて、先ほど二つに分けるというお話をさせていただきましたが、監理団体についての人材バンク、その運用の仕方以外に、今回民間企業に対しても、情報を一元管理するという形で、人材募集票、求人票を出していただきながら営業自粛等の文書の確認をして、情報提供するという取り組みがなされるというようになっております。
そして実は今、東京都の監理団体の中には、しごと財団というものがございますけれども、しごと財団は、いわゆるシルバー人材センターの取り組みを支援したり、あるいはさまざまな仕事の紹介などもやっている団体であります。であれば、先ほど一番最初に申し上げたとおり、都民に対して誤解を招かないという姿勢を持つのであれば、むしろ仕事の紹介、あっせんと誤解されそうな部分についての仕組み、運用については、しごと財団に任せ、人材バンクはその中で情報だけを取得し一元管理するというように分けた方が、より都民から見て非常にわかりやすい。そしてしごと財団に出すことによって、退職OBの方が特別扱いをされるのではなく、むしろ一般の都民の方と一緒に、民間企業の部長や社長を経験された方、あるいはさまざまな大学で教鞭を振るった方、いろんな方がいる中で、その中に都で幹部職員として働いていましたという人たちがいて、そこに対して民間企業が欲しい、欲しくないという審査をする。その方が、より一般の目から見て公平に扱われているというように見えると思います。その中で、都庁OBに関しては、民間企業に再就職した場合、しごと財団から情報を上げてもらう。
ふだんから皆様がおっしゃっているとおり、監理団体というのは都と密接な関係があるわけですから、OBに関してだけは、仕事が決まったらその情報を人材バンクに上げてくださいと要請をするだけで、協力は得られると思います。
役所の人間とか民間出身とか関係なく、しごと財団に紹介という業務を担ってもらい、そして、そのOBに関する情報を集めるという仕組みを検討した方がいいのではないかと思いますが、それについてはいかがでしょうか。
○中嶋人事部長 しごと財団の寄附行為によりますと、同財団の目的は、働く意欲を持つ都民のために、その経験や能力を生かした雇用、就労の支援を実施することとされております。したがいまして、その財団に退職予定の現役幹部職員の再就職の支援を依頼することは財団の趣旨にはそぐわない上、かえって都民から不公平感を抱かれるおそれがあり、都民の理解は得られないものというふうに考えます。
加えまして、しごと財団のような外部機関に委託してはどうかというお尋ねでございますけれども、今回の都庁版人材バンクの大きな目的の一つとして、人材の有効活用というものがございます。そうした人材有効活用の観点から東京都の幹部職員が在職中に培いました知識や経験を生かして社会に貢献させていくことは、職員の知識や経験、果ては性格に至るまで個々の職員の人材情報を詳細に把握しております東京都みずからが責任を持って判断しまして、団体等への推薦や人材情報の提供を行ってこそ実現できるものというふうに考えております。したがいまして、これらを外部の団体に依頼することはなじまないというふうに考えます。
○淺野委員 今、聞いている一番最初の答弁の中にありました、働く意欲を持つ都民のために、その経験や能力を生かした雇用、就労の支援--都民を都幹部職員といいかえても、働く意欲を持った都の幹部職員がその経験や能力を生かした雇用、就労の支援、人材バンクの目的と全く変わらないんじゃないかと私は思います。
ぜひ、今回は人材バンクはもう既に運用を開始しているというお話ではありますけれども、このしごと財団も活用する。やはり将来的には、情報の一元化はやった方がいいと思いますから、それは全くやっていただいて結構だと思いますけれども、紹介の分野については別立てで、特に民間の方々いわゆる他の会社も、定年退職されたOBの方々が一緒になって参加できる、まさに高齢者全体の就労支援のような仕組みを考えていくことも必要なのではないかと思いますので、ぜひいろんな、さまざまな関係各局と協力をしていっていただければと思います。
最後に、一つ質問をさせていただきます。
これはあくまで情報の一元管理を目的としているというのが、説明にも、そして答弁の中にもございました。だとしたら、その目的が遂行されるため、そして、より完全に情報を把握するための取り組みというものに対する不断の努力をしていくことこそが、ただただ口でこれが目的だというよりも説得力を生むのだろうと私は思います。もっともっと積極的に情報収集をする仕組みを考えていくべきではないでしょうか。
例えば、今回の人材バンクのシステムでいけば、退職した直後には民間企業には就職をしなかったと、そのときは再就職する気はなく少しゆっくりとしようと思っていたんだけれども、私の親類にもいますけれども、仕事をやめて一年ぐらいしているとやっぱり何かやりたいなという思いが出てきて、そこから再就職を探す。そのときに、たまたま都に対しても報告することを忘れてしまう。一年もたてば、そういう感覚が出てくるのも不思議じゃないと思いますので、そういった方の情報はきっとなかなか把握しづらいんだと思います。
また一方で、退職されたOBの方々のその後の動きを全部把握するということよりも、この情報を管理しなきゃいけないというのは、そのOBの方が都との契約やさまざまな仕事の受注の中で動いた、あるいは便宜を図ってもらったというような誤解、疑念が生まれないように、公正さが保たれているかをチェックするためにあるものだと私は受けとめておりますので、だとしたら、それは検証可能であればいい。
具体的に申し上げますと、要は都と民間企業が契約をするときに、その民間企業の社員や役員さんの中に都庁のOBの方がいるかどうか、これをぜひ報告してもらうように、そういった仕組みを考えていけば、退職した時点で仮に情報漏れがあったとしても、その後の契約の時点では少なくともフォローすることができる。そういう二重三重の取り組みをしていくべきだと思います。
そういった中で、このような取り組みを関係各局といったところに要請していく、そのような努力を見せることが、総務局として、人材バンクの運用上、情報の一元管理が目的なんですよということを強く行動で示すあかしとなると思いますが、そういった関係各局に対する要請といった取り組みをしているのか、あるいは今後するつもりがあるのか、お答えをお願いいたします。
○中嶋人事部長 都庁版人材バンクは退職管理の一環としまして、人材の有効活用と透明性の向上を図るため、再就職情報を一元的に管理することを目的としたものでございます。
今回、民間企業等に関しましては、都の幹部職員の再就職状況の公表につきまして、部課長級以上までを対象とするとともに、これまで要請してきました営業活動の自粛について今後は書面で確認を求めるなど、透明性、公正性を確保し、企業などとの関係を一層厳正に保つこととしたものでございます。
お話しの契約との関係につきましては、公共調達の仕組みの中で議論されるものであり、関係局へは人材バンクの趣旨などを伝えてまいります。
○淺野委員 今、関係局へ人材バンクの趣旨をちゃんと伝えていくんだというお答えがありました。ぜひ、この最初に踏み出した一歩を下がることなく、前に進めていっていただきたいと思います。
もう総務局の方々はよくご存じだと思いますが、監理団体に対しては、一億円以上の契約案件に対して、その会社に都庁OB、あるいはその当該監理団体のOBがいるかどうかを公表するようにという指導をしております。実際、監理団体の中には、自主的にもっと金額を下げて、二百五十万円ぐらいでも、以上の契約についても、そういったものを自主的に情報を開示している団体もございます。その親である東京都が契約の整合性などを理由にそれができないというのでは、指導が本末転倒になってしまうと私は思います。
ぜひ、これは、人材バンクを主管する総務局として関係各局と綿密に連携をとりながら、そういった情報が集約できる仕組みをなるべく早い時期に実現できるように努力されることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○田中委員 私からも、ただいま質疑のありました人材バンクにつきまして、その仕組みあるいはそのねらい、効果などにつきまして、今回の都庁版人材バンクの全体像がわかりやすく浮き彫りになるような視点からの順序立てた質問をさせていただきたいと存じます。
一般的に、企業のいわゆる経営資源というのは人、物、金、情報といわれておりまして、このいわゆる経営資源を最大限活用して、企業は経営活動を行うものであります。同様に、地方自治体、特に東京都としても同様の視点から東京の行政運営を行う際に、この人、物、金、情報といったものを最大限有効活用する中で、いわゆる都民福祉の増大に向けた活動がなされていると思っております。
特に、人のことにつきましていえば、職員の教育あるいはOJT、仕事、職場を通じてさまざまな経験を積む中で、その人材育成を図り、そしてその人材が都民福祉の増大につながるさまざまな努力をされてきていると認識をしております。このような形で東京都で培ってこられました有益な経営資源であります人材は、私は、退職された後も有効に活用していくことこそ都民の期待にこたえるものだと思っております。
そのような観点から、ことしの第一回定例会代表質問におきまして、我が党の当時の幹事長であります川井幹事長からも東京都の幹部職員の再就職に関する質問をさせていただきました。その際、石原知事からは都庁版人材バンクを今後整備するといったことが表明され、今回の委員会での報告に至ったものと認識をしております。
都幹部職員の再就職というのは、都政のさまざまな分野で知識や技術を習得した幹部職員がその経験を生かし、社会に貢献し得るもので、人材の有効活用という観点から大変意義深いものであると思っております。既に公表されております局長級の方々の再就職の状況を見ましても、産業についてあるいは都市づくりなどについてのさまざまな分野で、現役時代に培った経験を生かされて、それぞれのお立場での活躍ぶりを拝察させていただいております。ここでしっかり確認し、踏まえていかなくてはいけないのは、いわゆる国民から大変批判を受けている国の国家公務員の天下りといったものも改めて一方で、国のいわゆる天下りとは違うんだということを明確にしていかなくてはならないと思っております。
国民から批判を受けている国の天下りというのは、いわゆる官僚の出世レースに敗れた定年前に退職する国家公務員を、いわゆる天下り法人で受け入れたり、あるいはレースに勝ち抜いた高級官僚も天下り法人として受け入れ、その人件費を賄うためにむだに税金が還流されているといったことに、私は国民からの批判があるものと認識をしております。
そういった視点から、私は、今回の都庁版の人材バンクというのは、都庁内で培った有効な人材を退職後も有効活用するといった視点で大変大きな存在意義といいますか、設置意義があると思っております。そういった視点で、まず一点お伺いしたいのは、いわゆる国民から批判されている国の天下りとは違うのであるということ、そして今回の都庁版人材バンクを整備されるその目的、このことについてのご認識をお伺いいたします。
○中嶋人事部長 東京都の幹部職員の再就職は、国のように早期に退職の勧奨を受け、いわゆる渡りを繰り返すものではなく、ただいまお話のありましたように、定年またはその直前まで働いた後、再就職先で都で培われた知識や経験を活用し、社会に貢献していくものであり、ご指摘のように国の天下りとは異なっております。
一方、再就職につきましては、都民から公正な都政運営が損なわれるとの疑念が持たれることがあってはなりません。幹部職員の再就職につきましては、これまでも監理団体等には都の責任で適切な人材を推薦し、氏名、役職名を公表してまいりました。今後は、民間企業等も含め、再就職情報を一元的に管理する都庁版人材バンクを整備することにより、人材の一層の有効活用と、都民に対する透明性と納得性の向上を図ることといたしました。
この時期に整備いたしました理由は、これまでも毎年一回秋に、監理団体等への再就職情報についてはホームページで公表してまいりましたが、ことしの公表におきましては、人材バンクとして民間企業も含め、部課長級以上を対象とした再就職情報を都民にお示しするために、このたび本委員会にご報告をいたしまして整備に至ったものでございます。
○田中委員 改めて確認させていただきましたが、いわゆる国民から多くの批判を受けている国の天下りとは違うんだということを確認させていただき、また今回の人材バンクの意義、目的について確認をさせていただきました。
その人材バンク、幹部職員の退職管理の適正化を図りつつ、都民にわかりやすい透明性、納得性の向上と、人材の一層の有効活用を目的とするということでありますが、この活用に当たっては、この仕組み、先日もご説明をいただきましたけれども、監理団体に対する流れと民間企業に対しての流れと異なっておりますので、それぞれについて改めて確認をさせていただきたいと存じます。
監理団体というのは、いうまでもなく都の事業を支援、補完する機能を持っておりまして、監理団体が有効にその役割を果たしていくことは、我々としては都民福祉の増大につながるものと認識をしております。そして、その監理団体に有能な人材を送り込むことは大変重要なことであろうというふうに認識をしております。
都はこれまで、都政のこのような重要なパートナーであります監理団体等に対して、出資者や株主の立場から適任と思われる人材を推薦されてこられました。このたび、都は監理団体活用方針を策定し、監理団体の一層の活用を表明されたところでありますけれど、これらの団体に対して適切な人材を推薦し、経営に積極的に関与していくことの重みが、さらに増してきているものと思っております。
そこで、監理団体等に人材を推薦する意義は何なのか、またどのような視点から人材を推薦しているのか、改めて確認をさせていただきます。
○中嶋人事部長 監理団体等はこれまでもそうでございましたが、監理団体活用方針の策定によりまして、都政の一翼を担うパートナーとしての位置づけが一層明確になりました。
このような監理団体等について、その自主性を重んじつつ、都政との円滑な連携のもと事業運営を行っていくためには、都政における知識、経験を有する都を退職した幹部職員を活用することが、各団体の適切な運営に寄与するものと考えております。
人材の推薦につきましては、団体の性格や事業内容を踏まえまして、例えばインフラ整備や医療行政など、都政の重要な分野で重責を担った局長級、部長級の退職幹部を都市づくりや医療福祉に関する団体に推薦するなど、都での本人の経歴や専門性などのさまざまな観点から適材を推薦しております。
とりわけ監理団体等の意思決定にかかわる役員につきましては、都政とのより密接な連携と団体の自主性、経営責任の明確化という両面を踏まえまして、都政で重責を担った局長級や、重要、困難な職責を果たしました部長級の退職幹部職員を推薦しております。
○田中委員 ただいまご答弁いただきましたように、既に、その経験を生かしまして、都市づくり、あるいは医療福祉に関連する団体に人材が推薦されており、それぞれの団体で活躍されているというお話を伺いました。都政の重要なパートナーである監理団体等の意思決定の一翼を担う立場に、都政で重責を担った局長級の方々、重要で困難な仕事をされてきた部長級の職員の方々がこのような形で監理団体のもとで、再度その豊富な知識、経験を生かすことは、大変、都民福祉の向上にもつながるものと、人材活用の大変よい例ではないかというふうな認識をしているところでございます。
一方、民間企業に対しての再就職のことについて確認をさせていただきます。
民間企業への再就職に関しましては、公正な都政運営の確保という観点から、再就職に関しては都民から疑念を持たれるようなことがあっては決してならないと思っております。
一方、先ほど国の天下りのことについては触れてまいりましたけれども、国では国家公務員に対する天下り、特に民間企業に対しての再就職につきましては、国家公務員法により、その再就職に関する規制が行われております。
今回、東京都は人材バンクにより、民間企業等への再就職について、その手続を整備し結果を公表するということで、透明性を高めるということを表明されております。
そこで、いわゆる国家公務員法のように法律の規制がない中で、東京都は今回の人材バンクの仕組みをより実効性の高いものにしていくために、具体的にどのような工夫をされているのか、改めてお伺いをいたします。
○中嶋人事部長 今回、人材バンクの仕組みを検討するに当たっては、法律の規制がない中で、再就職に関して都民の理解を得ることと職業選択の自由との関係なども視野に入れ、できる限り実効性の高いものといたしました。
事前の手続といたしましては、新たに民間企業から求人票を求めることとしましたが、その際に、あわせて再就職決定後は企業名、役職名が公表されることについて同意を得ることとしました。
また、これまでは民間企業に対して、採用した都幹部職員を退職後二年間は、退職前五年間に担当した職務に関連する営業活動に従事させないよう要請してまいりましたが、これを今回、書面により確認することといたしました。仮に同意が得られない場合は、当該企業に対しては人材情報の提供は行いません。
また、就職が決定した後、本人から、従事する職務内容等を詳細に記載した報告書の提出を受け、内容を確認するとともに、改めて本人からも営業活動の自粛を確認いたします。さらに、人材バンクの整備にあわせまして、退職予定者には、幹部職員の再就職のルールとして、再就職の報告とその公表そして営業活動の自粛などにつきまして退職前に周知し、徹底を求めます。
こうした取り組みにより、民間企業との関係をより厳正に保ち、透明性を確保してまいります。
○田中委員 ただいまご説明いただきましたように、規制の実効性を担保するためにきめ細かく工夫をされてるということを確認をさせていただきました。この仕組みを、退職前の現役の幹部職員に対しても人材を求める企業等に対してもしっかりと周知徹底をしていただきたい、都民からいささかも疑念を持たれることのないような形での適切なる運営、運用をお願いしたいと思います。
さて人材バンクは、これまでお伺いをしてまいりましたが、監理団体そして民間企業とあわせて、すべての再就職情報の一元管理を行うというものであります。こうした一元管理を行うことによって、人材の有効活用と透明性の向上といった観点からどのようなメリットが見込まれるのか、お伺いをいたします。
○中嶋人事部長 人材バンクでは、退職予定者の意向、監理団体、民間企業などからの求人情報、それに人材の推薦などの再就職情報を一元的に管理いたします。人材の有効活用の観点からは、これまで各局や人事部が個別に持っておりました人材の情報や求人に関する情報の共有化が図られることになり、全庁的な視点からこれまで以上に適材の推薦が容易になります。
また、一つの局のみでは対応し切れなかった要望につきまして、全庁的な視点から対応が可能となるなど、都庁における人材の厚みを一層活用することができます。
また、透明性の向上の点からは、これまでの監理団体等に加えまして民間企業等へ再就職する部課長級職員の情報も集約し、これらのすべての情報をまとめて公表することにより、都民はもちろんのこと、庁内におきましても人事当局のみならず各局において情報の共有化が行われ、より公正かつ適正な都政運営が図られるものと考えております。
○田中委員 ありがとうございました。
今回の人材バンクのねらいや仕組みといったものが、改めて全体像を含め確認できたものと思っております。人材の有効活用と都民の納得性をいかに得ていくのか、そのことが求められていると思っておりますし、当然、我々自民党としても、今後の人材バンクの運用のことについてはしっかりと見守っていきたいと思っております。
そこで最後に、今回の人材バンクの整備を通しまして、幹部職員の一層の人材活用といったことについての局長のご見解をお伺いしたいと存じます。
○比留間総務局長 東京都の幹部職員は、社会経済状況の変化や増大する新たなニーズに対応するため、一定レベルの資質が求められ、またそうした要請にこたえるために日々研さんを重ね、切磋琢磨しております。
このように、職務遂行の過程で培われた幹部職員の豊富な知識や経験、さまざまなノウハウを退職後も有効に活用していくことは、都政にとって、さらには社会にとって有意義でございます。
東京都は今般、監理団体活用方針を策定し、監理団体は都政の重要なパートナーであるという位置づけを明確にしたところでございますが、都を退職した優秀な幹部職員を監理団体に推薦し活用していくことは、この監理団体活用方針がねらいとするところを実現していくためにも、ぜひ必要なことでございます。
また、民間企業や公益法人などで都を退職した幹部職員が広く登用され、企業の経営や運営に資することは、人材の有効活用の観点から、また、ひいては都政への信頼を確保する上からも有意義なことであると考えております。
しかしながら、一方こうした幹部職員の再就職につきましては、仮にも都民から疑念を抱かれることがあってはならないことから、このたび都庁版人材バンクを整備し、その手続や結果について厳正なものにするとともに、透明性を高めることで都民の納得が得られるような仕組みといたしました。
今後は、今回整備した人材バンクを適正に運用することを通して、都民の信頼の確保に、より一層努めていきますとともに、全庁的な視点に立って退職幹部職員の豊富な人的資源が社会のさまざまな分野で有効活用されるようにしてまいりたいと考えております。
○田中委員 ありがとうございました。
再三申し上げておりますが、いわゆる国民から強い批判を受けている国、国家公務員の天下りということとは一切異なるんだということ、そして、我々としてはこのことに対していたずらにそれを混同して、この人材バンクに対する批判をしてはならないのかなと。ただ、とはいいながらも、一方で都民から疑念が持たれるような運営があっても当然ならないと思っておりますので、細心の注意を払いながら、そして当初の目的である、退職される職員といえども、私は都民の共有の財産だと思っておりますので、その都民共有財産が有効に活用されるよう、この人材バンクが有効に生かされていくようにご努力いただくことを念じまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○小林委員 私の方からは、東京都監理団体活用方針につきまして、基本的なことも含めて端的に何点か確認をさせていただきたいというふうに思います。
監理団体改革につきましては、私ども公明党も長年にわたり全力で取り組んでまいりました。ここ最近におきましても、平成二十年の第三回定例会、そしてまた本年の第二回定例会、そしてこの第三回定例会と、代表質問において、監理団体また外郭団体改革について推進をしてまいりました。現在、党内におきましても、外郭団体改革推進プロジェクトチームを新たに立ち上げまして、監理団体にとどまらず、報告団体も含めた一層の外郭団体改革に今現在取り組んでいるところであります。
ここ十年余りを見ましても、団体数も半減し、都の派遣職員数でも大幅な削減となるなど、着実な成果を今日まで上げてきておるところでありますけれども、このたび、この監理団体を一層積極的に活用していくという、この東京都監理団体活用方針を策定されましたけれども、初めに、なぜこの活用方針を策定したのかを改めてお伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 都職員の大量退職が当面続くとともに、大幅な税収減に直面し厳しい財政環境の継続が想定されるなど、都政を取り巻く環境は厳しくなっています。こうした状況下でも、新たな行政ニーズに迅速かつ的確に対応し、政策を効果的に推進していくには、監理団体の担う役割は一層その重みを増していると認識しております。
一方、行政サービス実施に当たっての公民の役割分担や、公と民の性質をあわせ持つメリットの発揮など、監理団体の活用のあり方にはさまざまな議論があります。そのため今回、改めてすべての監理団体について位置づけを検証し、都政の推進における重要なパートナーとしての存在意義や活用の考え方を明らかにした東京都監理団体活用方針を策定したものでございます。
○小林委員 現在の監理団体が担っている事業は、都から事業移管を受けてきたものも多く、都政を推進していく上での重要なパートナーとして位置づけ、今まで以上に活用していくというご答弁でありましたけれども、確認のためお伺いをさせていただきますが、都政において監理団体を活用する意義についてお伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 監理団体は、採算性等から市場にゆだねられない業務を行う公共、いわゆる第一セクターの側面と、機動的に事業を展開しつつコスト重視に基づく効率的な経営を行う民間、いわゆる第二セクターの両方の側面をあわせ持っています。
そのため、公益性、公共性を確保しつつ、都が直接実施するよりも効率的に、より高度なサービスが提供できるメリットを活用することで、都政との連動性の高い業務を都と連携しながら一体となって実施することが可能となります。
○小林委員 この活用方針の中では、各団体ごとに、都政との関連での存在意義また活用の考え方が明示されておりますが、監理団体を積極活用していくに当たっては、何より都民サービスが向上していくこと、そしてまた効率的、効果的にこの都民サービスが提供されるのかという視点が非常に重要であるというふうに思います。しかし、監理団体の積極活用ということが、監理団体の扱う業務が無条件に拡大していくかのような誤解を都民に与えてはならないというふうに考えております。
活用方針では、監理団体の業務について不断の見直しを行うとしていますが、監理団体が行う業務の見直しの考え方についてお伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 都政の一翼を担うという監理団体の役割は変わりませんが、監理団体の担う業務は、都の施策と社会経済状況の変化により常に変化するものであり、不断の検証が不可欠であると考えております。これまでも監理団体の業務につきましては、都が行政責任を果たしつつ、都民サービスを向上させるため、都と監理団体と民間でいかに役割分担をすべきかという視点で検証を行ってきました。
本年度より、事業評価を充実し、都が監理団体に委託している事業等につきまして、事業効果や効率性のみならず、団体がその事業を実施する妥当性等についても精査を行っていきます。こうした手法も取り入れながら、監理団体の担う業務につきまして適時適切に見直しを行ってまいります。
○小林委員 今ご答弁にもありましたように、監理団体の業務を不断に検証していく、また適時適切に見直すとのことでございますけれども、さらなる改革の推進につながるよう検証していただきたいというふうに思います。
今後、一層監理団体の活用を進めるに当たっては、活用方針において具体的な活用事例といたしまして、監理団体を指定管理者として特命で選定することが可能となっておりますけれども、指定管理者制度における監理団体の特命選定の意義についてお伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 現在、指定管理者の制度を導入している公の施設には、都が施策の展開に当たって当該施設を積極的に活用する必要がある施設など、一般の施設とは異なる性格を有する施設もあります。
このような政策連動性、管理運営の特殊性が高い公の施設につきましては、団体の特質や位置づけを精査しかつ最適な管理者であることなど理由を明確にした上で、行政支援、補完機能を有する監理団体を特命で選定することが可能となるよう見直しを図っています。これにより、施設の特性に応じた適切な指定管理者の選定のもと、良好なサービスの安定的な提供につながるものと考えております。
○小林委員 この活用方針、これを本当に意義あるものとして監理団体の積極活用を推進していくに当たっては、当然のことながら、都民への説明責任を十分に果たしていくということが非常に大事になってくるというふうに思います。
この活用方針の中では、これまでの契約情報の公表基準の見直しを行い、経営の透明性の向上に取り組むこととしておりますけれども、今回の契約情報の公表範囲の拡大についての考え方についてお伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 これまでも、監理団体が締結する契約のうち一億円以上のすべての契約につきまして、契約相手方や件名などの情報を公表するなど、経営の透明性の向上に努めてきました。
今後は、団体が都から特命で受託する事業等につきましては、都民への説明責任を果たす観点から、都の工事契約に関する基準を参考に、契約情報の公表基準を二百五十万円以上とし、契約件名、契約相手方、契約金額等を公表するなど、より一層の契約の透明性の向上に取り組んでいきます。
また、公募で都の指定管理者に選定されたものや、都の入札に参加し受託した事業につきましても、経営情報を公表することが団体の競争性を阻害するおそれのあるなどの場合を除き、公表範囲を拡大するよう指導してまいります。
○小林委員 ありがとうございます。
最後に、契約情報の透明性の向上とあわせた新たな取り組みといたしまして、事業評価の充実という項目がこの活用方針の中に入っております。この活用方針の中では、監理団体を通じて都が実施する事業について、これまで以上に厳しく評価していく必要があるというふうに言及をされておりますけれども、先ほどのご答弁でも監理団体の事業の見直しに活用していくというふうにありましたけれども、新たな観点としてこの事業評価、これが具体的にどのように充実されるのかをお伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 事業評価は、財務局が主管で実施しているものですが、監理団体に関する事業評価につきましては、本年度から総務局も協力して実施してまいります。
具体的には、都が監理団体に委託している事業等につきまして、これまでは事業効果や効率性に着目した評価を行ってまいりましたが、団体の設立趣旨、存在意義、民間の状況等を踏まえ、団体がその事業を実施することが妥当かどうか、また団体が事業を適正に実施しているかという点でも評価を行うなど、充実を図ってまいります。
○小林委員 ありがとうございます。
繰り返しになりますけれども、監理団体を、都政を支えるパートナーとして、また積極的に活用していくためには、何より都民目線で都民の理解を得て、都民サービスが向上することを根本としていかなければならない、これが非常に重要であるというふうに思います。ともにこの原点に立脚して、より一層都民のための監理団体となるよう前進させていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○神野委員 私からも、小林委員に引き続きまして、今回の監理団体の活用方針についてのご質問をさせていただきたいと思います。
これまで、この監理団体の改革、平成十一年の十二月の東京の問題を考える懇談会・外郭団体専門部会から始まって、そして平成十二年の二月には東京都監理団体総点検のための基本指針が策定されて、あれから約十年が経過をしているわけであります。
私は、この監理団体の改革、大きな問題意識というのは、都民にいかに説明責任を果たすのかという、この点にあると考えております。こういった問題意識を持って幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
都民の監理団体に対する関心というのは、都の幹部職員やOB職員、そういった天下りの状況、その報酬、そして都との癒着の有無というものに、私は、集約をされているのかなという、そんな感想を持っております。情報公開を求めているのもその点だと思うんでありますが、しかし、都民に対しての説明責任を果たす目的で行われているとされている、いわゆる経営目標の達成度評価制度は、目標設定が監理団体自身に任されているため、本当に都民が知りたい、今私が申し上げたような情報が公開されているとは思えません。例えば平成二十二年度の設定目標は、都民・利用者、それから財務、そして内部管理の三つの視点から団体の経営戦略に応じた目標を設定するとなっているんですが、透明性の強化の視点が抜けていると思うんです。
総務局は、目標設定を監理団体自身に任せるこの制度運営を今後もお続けになる方針なのか。そして、そのための制度改革も視野に入れておられるのかをまずお伺いしたいと思います。
○土渕行政改革推進部長 今お話のありましたこの経営目標でございますが、団体の自律的経営を促す観点から、一義的には団体みずからが設定するものと考えております。その上で、団体が目標設定を行った後、団体のトップと所管局長が意見交換を行い、所管局の意向も反映させる仕組みになっております。
さらに、過去の実績などを参考に、適正な目標水準とするため総務局が全庁的な立場から調整を行い、最終的には副知事をトップとする監理団体改革推進委員会に付議をし、経営目標を確定させており、団体が全く独自に目標を設定しているわけではございません。また、団体の透明性の向上につきましては各団体が個別に目標とするのではなく、全庁的な観点から総務局がリードし、経営情報などの公表範囲を順次拡大するなど、着実に取り組んできたところでございます。
今後も、経営目標達成度評価制度を適切に運用しながら、団体の経営改善に努めてまいります。
○神野委員 総務局の、より一層のご努力をお願いしたいと思います。
続きまして、監理団体については、平成二十年の三月三日付で東京都監理団体の契約に関する指導監督指針というものが出ております。
監理団体が締結をする契約のうち一億円以上については、すべて、契約の相手方、契約方法、さらにはその相手方への都の管理職OBの再就職の状況などの情報を公表するということになってきました。そして、今回の監理団体の活用方針においては、先ほどもお話があったんでありますけれども、経営の透明性をさらに向上させる取り組みとして、監理団体が都から特命で受託する事業については契約情報の公表範囲を二百五十万円という金額まで下げて、そして公表するということになってまいりました。
そこで、まずお伺いをしたいんでありますが、これらの金額の根拠であります。何ゆえの一億円なのか、そして何ゆえの二百五十万円なのか。その金額決定に至る経緯を含めて教えていただきたいと思います。
○土渕行政改革推進部長 契約情報につきましては、従前は可能な限りの情報公開に努めるという努力目標にとどまっていました。しかし、今、委員のお話にありました平成二十年三月の東京都監理団体の契約に関する指導監督指針におきまして、監理団体の運営に与える影響等も考慮して一億円以上という公表基準を明示したところであります。
一方、今回策定した活用方針では、監理団体を積極的に活用していくに当たり、都民に対する説明責任を向上させていく観点から、都から特命で受託した事業などにつきましては都並みの情報公開をする必要があると判断し、都における工事契約に関する基準を参考にして、公表基準を二百五十万円以上としたものでございます。
○神野委員 二百五十万円という、そういう形にしまして、情報の公開というものがこれから図られるということなんでしょうが、これまでも各監理団体は、それぞれ経営の透明性を高めるとの目的で基準を定めて、それぞれの努力で情報公開というものを行ってきました。
例えば、建設局所管の財団法人公園協会であります。東京都からの委託事業に係るいわゆる再委託契約、東京都から委託した事業に係る再委託の契約については、競争入札に付すべき基準を二百五十万円に定めてきたわけであります。しかし、平成二十一年度の包括外部監査によりますと、平成二十年度、今から二年前でありますが、同協会のこの再委託契約中の随意契約が占める割合が七一・五%、非常に高いんです。そして、例えば小金井公園の植栽の刈り込み事業では、同じ公園内の刈り込み業務であるにもかかわらず、わざわざ二つに分けて予定価格を二百四十八万円と百八十九万円という形で分割をして、それぞれを同一業者に随意契約で発注しているという例が指摘をされているんであります。これでは、何のための二百五十万円基準なのかわからないじゃないですか。
同協会では、このような例がほかにも散見され、結果として競争入札の回避だといわれても仕方がない、こんな行為が堂々と行われてきた。このことが平成二十一年度の包括外部監査で指摘をされております。
こういった例を見ると、今回の活用方針、二百五十万円の情報公開基準といっているんでありますが、骨抜きにされる可能性が高いと思われる。総務局は、どういった方法でこの信頼性というものを担保されるおつもりなのか、ご所見を伺いたいと思います。
○土渕行政改革推進部長 まず、今、委員のお話にありました、公園協会における都立公園の再委託契約についてご説明をさせていただきますと、公園協会では平成二十二年度から複数の公園にまたがる契約を集約化するなど、競争入札を推進する取り組みに着手しております。また、その他の監理団体すべてにつきまして工事契約の金額別分布状況を調査した結果、公園協会のような事例は見受けられませんでした。
次に、ご質問の団体の信頼性担保についてでございますが、監理団体の行う契約につきましては、東京都監理団体の契約に関する指導監督指針におきまして、適正性を確保し適切に対応すべきものであるとしており、そうした原則のもと、制度上適正に運用されているかどうかにつきましては、監査事務局による財政援助団体等監査や包括外部監査を実施する中で、その確認、是正がなされてきました。
さらに本年度より、都からの受託事業を対象に事業評価を充実し、団体における事業の適正性についても評価の対象に加えることとしております。こうした取り組みを通して、団体の信頼性を高めてまいります。
○神野委員 改善をしたから、それですべてがいいということでもないわけであって、問題は再発をどう防ぐかということだと思うんですね。そして、都民の関心というのもこういった点に非常に集約をされておりまして、例えば今の公園協会の件なんかでも、要するに予定価格を二つに分けて、そしてどうしてもこの同一の業者に契約で発注をしたいという、そういった意思が見えると、そこに何らかの癒着があるのかなという、そうしたうがった見方をする。これが監理団体に対する根本からの信頼性というものを損ねているわけでありますから、今のお話で、包括外部監査そして監査事務局の監査、こういったものに任せるのも含めてなんでありますが、どうか総務局の皆さんもやる気を持って取り組んで、今回のこの二百五十万円の基準というものをしっかり守っていただきたいと思います。
続きまして、今回の活用方針に盛り込まれておりますのが事業評価であります。
事業評価を行って、監理団体の透明性というものを広げていくということなんだと思うんでありますけれども、先ほど情報公開基準金額、ご答弁にもあったんでありますが、情報の公開というと、必ず監理団体の運営、経営への影響ということが出てくるんですね。確かに、情報の公開というものを密にするということは、その分その監理団体の業務が非常に煩雑になって仕事どころではなくなってしまう、こういったことを指しているんじゃないかと思うんでありますが、しかし、片や監理団体には東京都の公金が投入をされております。そして図らずも、今回の活用方針でも再三うたわれているんでありますが、東京都政に密着をした存在がこの監理団体だと思うんです。都民に対する経営上の説明責任も、これまた当然でありますけども存在をしております。
今後、総務局の方針として、この情報公開を行っていくに当たって、再三出てくるこの監理団体の運営上への影響と、そして片や都民への説明責任を果たすというこの二つの命題、この二つの命題を比較考量するときに、どのような位置づけでお考えなのか。ちなみに私は、団体運営への影響、つまり多少業務が煩雑になっても、まずは説明責任というものを果たすことの方が重要だと考える立場なんでありますが、そのことに関する局のご見解を伺いたいと思います。
○土渕行政改革推進部長 監理団体は、民間団体としての側面もあり、自主事業などさまざまな事業を手がけております。
今回、監理団体を、都政を支える重要なパートナーとして積極的に活用していくに当たりまして、都から特命で受託する事業等につきましては契約情報の公表範囲を拡大いたしました。
今後も、監理団体の運営上の影響にも配慮しつつ、経営の透明性の向上に努めてまいります。
○神野委員 私は、この監理団体の運営上の影響と説明責任どちらが、といういい方をしたんですけれども--しつつ、説明責任も果たすということでございますので、それはそれで期待をしていきたいと思います。
それでは続きまして、今回の監理団体の活用方針には、政策連動性や管理運営の特殊性が高い公の施設については、監理団体が仕事を特命で受注ができる、指定管理者制度の見直しが図られたということが盛り込まれております。ある意味、監理団体の活用の場を広げるという一つの配慮とみなされるような、そういった処置が行われたというふうに私は理解をいたしております。しかし、先ほども引用したんでありますが、平成二十一年度の包括外部監査で、財団法人東京都道路整備保全公社について次のような指摘がございます。
同公社は、平成十七年度の指定管理者選定を経て、平成十八年度から二十二年度の五年間、八重洲外四場の東京都駐車場の指定管理者に指定をされているんでありますが、その選定方法に多少なりとも問題があったというんですね。一つは、その管理をする施設の現場での現地説明会から申請書類の提出までの期間が一カ月弱しかなかったという、その期間の短さが指摘をされています。そしてもう一つは、地下駐車場という特殊な施設で、しかもその施設の規模の大きさというものを考えると、この検討期間の短さは、従来の管理者である公社が有利といわれてもいたし方がないとまでいわれている。そしてもう一つの指摘は、指定管理者を選定する委員会の委員構成の問題であります。六名の委員のうち半数の三名が、公社と関係の深い建設局の管理職だったんですね。しかも、そのうちの一名は、公社の直接の指導監督部署である道路管理部の担当部長だった。この事実は、指定管理者制度における、指定管理者を選定する場合の透明性と公平性というものを考えると望ましくない、こういった指摘がなされております。
こうした事実を見ると、従来の指定管理者制度における業者選定においても、民間の一般企業よりも従来からその業務を行っている監理団体の方が有利とみなされるような状況にあるわけですから、今回の活用方針でいわれているような、監理団体に対するさらなる配慮とでもいえるような処置が果たして必要だったのでしょうか。ご所見を伺いたいと思います。
○土渕行政改革推進部長 ただいまお話にありました監査報告の趣旨は、施設の特性に合った募集期間の設定や、選定委員会における外部委員の比率向上により、できるだけ数多くの事業者から創意工夫を引き出すための制度改善に向けた意見であり、既に、募集期間を長く設定するなど関連する指針を改定し、全局に通知をしたところでございます。
また、現在、指定管理者制度を導入している公の施設につきましては、都が施策の展開に当たって当該施設を積極的に活用する必要がある施設など、一般の施設とは異なる性格を有する施設もあります。
このような政策連動性、管理運営の特殊性の高い公の施設につきましては、団体の特質や位置づけを精査しかつ最適な管理者であることなどを明確にした上で、行政支援、補完機能を有する監理団体を特命で選定できることとしたものであります。
これは監理団体に対する配慮ではなく、都民サービスの一層の向上を目的とした見直しでございます。今後とも、監理団体の担うべき業務につきましては、適時適切に見直しを行ってまいります。
○神野委員 冒頭申し上げたように、都民に対する説明責任というものを果たせるように、そして透明性というものをしっかりと担保ができるような制度づくりというものを行っていってほしいと思います。
今の時世でありますけども、この監理団体改革という名のもとで、もう十年以上行っているわけでありますけれども、改革というと、一つの仕事をしているんじゃないかとか、改革と訴えれば、そのことに関して前向きなような、そういったイメージが持たれるのが昨今の時世なんでありますけれども、本来、この改革というのは制度や仕組みをいじることだけではなくて、一番その実を上げるためには、その改革を実行する担当の方々の正義感と、そしてやる気だと思うんであります。
今後とも、この監理団体の透明性そして説明責任というものを果たせるように、特にこの行政改革推進部の皆様方の正義感に大きく期待をさせていただいて、質問を終わらせたいと思います。
○小山委員 私からは、業務・情報システム最適化計画についてお伺いをいたします。
今、神野委員から、行政の改革について、その姿勢が大変重要である、大事であるということがありましたが、私自身、行政の改革、改善にはやはり不断の見直しが重要であると考えております。とりわけその中で、今日の業務・情報システムは行政や行政システムの根幹をなしているといっても過言ではありません。
東京都では、平成十三年度から実施をいたしました電子都庁推進計画及びその後の取り組みにより、汎用コンピューターからサーバーへのダウンサイジングや、職員間の情報の電子化や共有化を進めるためのTAIMSなどにより、全国でのトップクラスのITを実現してきていると思っております。
そして、その後の平成十九年度には今後のIT化取り組み方針を定め、現在のIT基盤を経営革新のツールとして位置づけられ、業務の効率化や情報システム、経費の縮減の取り組みに力を尽くされているものと認識をしております。
私も府中市議会議員のときに、府中市のホストコンピューターをサーバーへダウンサイジングして、経費の削減やあるいは業務の効率性を図るなど、これまで情報システムの課題に取り組んでまいりました。その点からいって、東京都においても年間約五百億円程度の情報システム関連予算が発生をしておりまして、これら経費面から見ても見直しが必要と考えます。
こうした中、今回、業務・情報システムの最適化計画を策定され、新たな取り組みを行っていくということでありますので、この計画について幾つか質問をさせていただきます。
まず、今回策定をされました業務・情報システム最適化計画の最適化とはどのような趣旨で、またその目的をどこに置かれておるのか、お伺いいたします。
○土渕行政改革推進部長 最適化とは、業務・情報システムを制度や業務のあり方にまでさかのぼって見直しを行うことにより、ITと業務改善が一体となったスリムで効率的な行政運営の実現を目指していく取り組みのことであります。その目的は業務品質の向上と総コスト削減であり、制度を所管する組織の枠を越えた全庁横断的な視点に立って、業務・情報システムのあり方を見直してまいります。
これらの取り組みによりまして、経費の適正化や業務の効率化を図り、削減された経費等を都民のために活用し、都民満足度の向上を実現してまいります。
○小山委員 今ご答弁をいただきましたように、大変重要なお答えをいただいたと思います。今回の業務・情報システム最適化計画の最適化、まずこの趣旨ですけれども、おっしゃられたとおり、やはり業務そのものや、あるいは制度そのものを改善するためにも大変重要であるということ。そしてもう一つ、目的、これが一つすごく大事なんですが、業務品質の向上と総コストの削減、この二点が目的であるということであります。つまり、もともとのこの最適化を図る中で、システムだけの最適化にとどまるのではなくて、その先にある制度や業務そのものを変えていくんだということ。そしてこの業務品質の向上、つまりコストを削減すると、ややもするとこの業務品質が低下するということも見られがちでありますが、そういったことではなくて、業務の品質も向上させ、さらにコストも削減をしていくと、こういった二つの命題を目的として実行していくんだということであります。さらに申し上げると、この都民満足度、つまり都民益にかなうための最適化計画であるということを忘れてはならないと思います。
そこで、これまでのように単に現行の業務をそのままシステムに置きかえるという発想ではなくて、情報システムの見直しを進めていくこととあわせて、業務そのものの改善を図っていくという取り組みが必要であるということは、これは見解が一致したというふうに思います。
さらに現在、本計画において、システム総点検の結果から、この最適化計画の中にあるんですが、都の情報システムについては、業務プロセスの観点から見直しが不十分であったと、こういうことが課題として挙げられております。また、今後このような課題をしっかりと認識した上で見直しを行っていくことが重要であって、さらに加えて、最適化実現のための全体を通した基本的考え方をここで明確にしておく必要があろうと思います。
そこで、今回の計画において、最適化に対してどのような方針のもとに進められていくのか、お伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 本計画では、今後の情報システムの最適化に向け、四つの方針を定めました。
一つは、ITによる情報共有の促進であり、類似システムの統合やシステム間の情報共有化など、情報の一元化を進めていくことであります。
二点目は、入力された情報を業務処理に直接活用し、重複した業務をなくしていくことであります。
三点目は、標準的な情報システム管理とコスト適正化であり、情報システムの委託や機器の調達におきまして経費の適正性の判断が可能となる、標準的な基準や指針等を作成することであります。
最後に四点目として、グリーンITによるカーボンマイナスの実現であり、サーバー等の機器の見直し時に、より環境負荷の低い製品や構成を検討するとともに、機器の集約や有効活用を進めていくことであります。
これらの方針に基づき、最適化に取り組んでまいります。
○小山委員 今ご答弁をいただきました四つの方針、改めて確認をさせていただきますと、まず情報の一元化。そして重複業務をなくしていく、排除していく。さらに、その基準や指針をきちっと作成していくんだということ。そしてさらに四つ目として、カーボンマイナスを実現していくんだと。この四点の方針に基づいて、これからの最適化を進められていくというわけであります。
そして、ご説明のありました最適化の四つの方針、この業務やシステムの見直しにおいて、これは具体策、具体的に反映されることによって初めて意味を持つものだと考えます。この最適化計画の中にもありますように、特にカーボンマイナスの検討例として挙げられているものの中で、この庁内においての出力機、特に複合機やプリンターやファクスといった機器が実は庁内の同じ部署に幾つもある。こういったことはもう見直していかなきゃいけない。民間では既に、もうファクスやプリンターやこういった同じ機能を兼ねている複合機に一つに集中させて、ほかのものは経費の面からも業務の効率性からも、こういったものをなくしている。これは随分前にも、もう既に民間では行われているということでもありますので、こういったことの具体的な事例をしっかり認識をしていただいて、ぜひとも見直しを図っていただきたいと、このように思います。
そして、今までの最適化のさまざまな施策の中で、局ごとに類似のシステムを構築していくものを統合していくんだと。そして、最適化の対象となります情報システムのうち、既に六つのシステムが最適化の計画に着手されております。そこで、これからの最適化という大きな方向性にかんがみるに当たって、これまでのシステム最適化がどのように行われたかをここで確認しておきたいと思います。
具体的に取り組みが行われているそれぞれのシステムで、経費面も含め、どのような効果が上がりましたでしょうか。この点をお伺いいたします。
○土渕行政改革推進部長 現在、個別最適化に取り組んでいるもののうち、電子調達システムの事例でご説明をさせていただきます。
このシステムにつきましては、これまで知事部局と公営企業局が別々のシステムであったものを統合し、一元化していくことといたしました。これらの取り組みにより、個々に必要とされた運用経費が統合され、年約八億円の経費が約四億五千万円となるなど、四割程度の運用経費の削減を実現するとともに、年三十五・一トンのCO2排出削減が実現する見込みであります。
また、これまでシステム対応されていない総合評価競争入札や少額随意契約などの契約方式もシステム化することによりまして、さらなる業務効率化を図ることができます。
さらに、国土交通省が推奨する、全国で標準的に使われている入札システムを採用することにより、システムを利用する事業者の側から見ても利便性向上が図られることになります。
○小山委員 今お答えをいただきました中で、特に電子調達システムを例に挙げてお答えをいただきました。
この中で、まず経費の面からいえば、年間約八億円かかっていたものが四億五千万円と、つまり大体四割ぐらいの経費の削減が図られたと。これは、大変評価をしたいというふうに思います。そしてもう一方の業務品質の向上ということ、これは今、電子調達の中で一つ契約のことも挙げられておりましたけれども、つまり、それを使用する都民の皆さんにとってこの調達システムが非常に有益なもの、有効なものである、こういうことが大事な視点であろうと思います。
そういった点からすると、先ほどさまざまな契約に関する意見も出ておりましたけれども、こういった点も十分加味をしながら、こうしたシステムを変えることにあわせて、そもそもの業務そのものも改善していく、制度そのものも改善していく機会として、ぜひともとらえていただきたいというふうに思います。
現在、具体的な取り組みが行われているシステムの中において、今回は電子調達システムを挙げていただきましたけれども、ほかにもさまざまな点がこの概要版の中でも挙げられておりますし、その中では経費の効率化あるいは利便性の向上など、さまざまな効果があらわれていることはよくわかりました。これらの取り組みが単なる内部管理の事務の効率化だけではなくて、先ほど来申し上げておりますように、やはり都民サービスの向上につながる、そういったものであるよう引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。
そして、この計画、今まではこれまでの最適化計画についてお伺いをしてきましたけれども、今後のこの計画の中において、先ほど申し上げました目的で、業務品質の向上そして経費の削減と、こういうことを掲げられているわけですから、この東京都高度情報化推進システムなど、実施予定となっているものがありますが、今後どのように進めていくのか、そういった具体的な事例も挙げられるのであれば、挙げていただく中でお答えをいただきたいと思います。
○土渕行政改革推進部長 今後、最適化を進めていくシステムにつきましては、具体的には、今、委員からお話がありました東京都高度情報化推進システムや税務総合支援システムなどがあるわけでございますが、制度やシステムを所管する部署が横断的な形で検討体制を確保しながら、最適化計画の実現に向け取り組んでまいります。
また、行政改革推進部では、検討に当たり局間の調整等の支援を行うとともに、最適化計画の内容や費用対効果につきまして、計画策定時及び運用時にシステムを評価するシステムアセスメントを実施し、その効果等を検証しながら、最適化に取り組んでまいります。
○小山委員 今、具体的に経費の削減がどの程度図れるかというのは、いまだちょっとお答えの中になかったと思いますので、これはぜひ、先ほどお答えいただいたこれまでの従前の例のように約四割の経費削減が図れたということですから、業務の品質の向上を図りながら経費の削減が図られるように、全力の努力をしていただきたいと思います。
そして、今お答えの中で大事な部分が組織横断的にこのシステムを変えていくんだということでありますから、ぜひとも、この行政改革推進部のみならず、総務局全体の取り組みとして、やはり総務局がリーダーシップを持って、この全庁的なシステムの改革、改善に取り組んでいただきたいと思います。そして、業務・情報システムの見直しを行っていく中で、むだのない情報システムの実現を目指す取り組みが、都民益にかなうような取り組みとなることを重ねて申し上げておきます。
一方で、そうはいっても、ITを取り巻く環境、動向は大きく変化をしておりますし、技術革新も日進月歩であります。そういった点から、今後ともこの計画に掲げました情報システムについては、ぜひとも不断の見直しを行いながら、そして時代の変化に着実に対応しながら、よりよい情報システム、行政制度のシステムというものをつくり上げていただきますよう切に望みまして、私の質問とさせていただきます。
○鈴木委員 私からも、小山委員に続きまして、業務・情報システム最適化計画に関連して何点かご質問をさせていただきます。
総務局は、東京都のIT中央管理部門としまして、都庁のIT化に関する計画策定や各局の指導、そしてまた基盤システム運用などに取り組んでまいりました。
これまでの最適化に向けた第一ステップ、第二ステップの取り組みを踏まえて、今回、業務・情報システム最適化計画を策定し、都庁の大規模なシステムの見直しの方向性を今回の計画書に指摘しております。都庁のIT化、電子化は都民にとっても大変意味のあるものでありまして、一定の評価をしておりますけれども、日々のIT関連業務の統制機能も、経費の削減そして業務の効率化、これは今、小山委員からもありましたけれども、この二つの側面をしっかりと日々果たしていくことが必要であろうと、そのように思っております。
そこで重なりますが、経費面から、これまでの各局への指導の具体的な取り組みと、その経費的な効果がどのようであったのか、ここを具体的にお伺いいたします。
○土渕行政改革推進部長 行政改革推進部では、これまで情報システムの予算調整や契約協議を通じて各局指導を行ってきており、経費面から、全庁統一的な視点に立った取り組みを進めてまいりました。これにより、情報システム関連予算につきましては、新規のシステム開発や機器更新に係る経費増を既存の維持管理費の削減を図りながら、最大で年間七百億円程度であった情報システム予算を年間五百億円程度に維持していくなど、システム関連経費の適正化を図っております。
また平成二十一年度からは、情報システムに係る事業評価を実施し、これらの取り組みについては公表もしております。
今後も個別システムの事業評価のみならず、今回策定した最適化計画に基づき、都庁全体の情報システムに係るコスト適正化を図ってまいります。
○鈴木委員 今お話しいただいたように、七百億円かかっていた経費が五百億円まで、システム経費が削減できたということでございますから、そういう延長線上で、ぜひ四百億、三百億と経費が削減できるように、皆様方の力で経費の削減に向けて最適化を図っていただきたいと、そのように思っております。
そして、今回の最適化計画も各局の業務内容と情報システムそのものの見直しの第一歩であって、この考え方を前に前に進めていく必要があると思っておりますが、IT中央管理部門としての総務局の役割、これはますますこれからが課題も多いですから、重要になってまいります。
都においても、これらの対応としてIT専門知識を有する人材を確保するために、採用区分を新たに設けたり、そしてまた任期つきの専門職を採用するなど、人材面においてもかなりの取り組みを進めてきたというのもよく存じておるところでございます。IT中央管理部門においては、このような専門知識を有する人材を活用して、都庁全体のシステム化の効果や都庁のIT化のあるべき姿、方向性をまとめて、各局に対して統制を図っていくことが重要であると考えます。
そこで、総務局は本計画を実現するに当たって、今後どのように、全庁のIT推進のまとめ役として各局の統制を図っていこうとしているのか、そこについてお伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 本計画におきましては、最適化を進めていくに当たり、情報システム見直し時に組織横断的な観点から行政改革推進部が改善見直しに加わり、業務を所管する部署を含めた調整を行うなどの支援を行ってまいります。
また、個別のシステムごとに策定していく最適化計画につきましては、システムアセスメントにより、計画策定時や運用時に評価を行ってまいります。あわせて、システム監査技術者や公認会計士等の民間専門家を含んだシステム評価委員会を通じて検証を行ってまいります。これらの取り組みにより、全庁的な統制を図りつつ最適化を進めてまいります。
○鈴木委員 組織横断的な視点でこれからの見直しを進めていくことが、全庁的な最適化を実現する上で極めて重要だと私も考えております。特に、本計画でも触れているように、IT化による業務の見直しが都民サービスの向上につながるものでなければなりません。
今回の計画で見直しの方針が出されたシステムは、主に都庁の各局の内部組織向けに業務するシステムがほとんどですが、直接都民の生活の安全につながる機能を持つ重要なシステムがこの中にも幾つかあります。こういうシステムこそ、見直しを迅速にかつ高度に進めていくことが必要です。
そこで、今回最適化を進めようとしている災害情報システムについて、現在どのような課題があり、今後どのように見直しをしていくのか、お伺いをいたします。
○土渕行政改革推進部長 災害情報システムにつきましては、平成三年から稼働しているシステムであり、地図や画像を活用した情報共有機能の向上を課題として挙げております。そのため、再構築に当たりましては最新のIT技術を取り入れ、新システムでは、画像や地図を活用した災害発生時の初動態勢の確保向上に資する情報共有機能の拡充を図っていくこととしております。
あわせて、ウエブ化を図り、水防災総合情報システムとのシステム間連携を強化するとともに、専用端末からTAIMS端末へと利便性の向上を高めていくこととしました。また、拡充した地図や画像等の情報につきましては、今後、区市町村とも情報共有を図ってまいります。
○鈴木委員 まさに今お話しいただいたように、災害時の緊急を要する情報は、都民の生命、財産を守るためにこれ以上重要なシステムがないといっても過言ではございません。全庁横断的に総務局が管理をして、この災害情報を正しく都民に伝えるためのシステムを早急に見直していただくよう要望いたします。
今回の情報システムの最適化計画は、主として都庁の内部管理の関連システムの計画として作成されておりますが、今後は、IT化による都民サービスの向上が都民にわかりやすく、直接目に見える形で実現していくことが検討されるべきであると私は考えております。
総務局が、ポータルサイトに関しても、データセンターを集中的に管理して統合していくべきであると考えています。我が会派の伊藤議員が独自に調査をしたポータルサイトに係る費用について、その結果が新聞記事になりましたけれども、東京都と隣の神奈川県では、このポータルサイトに係る費用が十対一という記事が出ておりました。そういう経費面は、最適化のために、生活文化局と総務局の横断的な管理体制がこれから重要ではないかなと、そのようにも思っております。
また、海外の事例を調べてみると、IT化が進んでいるシンガポールの政府では、この電子政府、ポータルサイト、二つに大きく分かれておりまして、市民への行政サービスは、市民向けとそして企業向けに分かれて、すべての行政サービスが電子でとれるというところまで行き着いております。電子都庁を目指すこの東京都が、IT化による都民サービスの向上にどこまでこれに近づいていけるか。そしてまた、海外のこういった事情も参考にしながら、IT化が、ポータルサイトのリニューアルによって都民へのサービスが向上するように強く要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。
○小磯委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時四十三分散会
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