委員長 | 馬場 裕子君 |
副委員長 | 伊藤 ゆう君 |
副委員長 | 崎山 知尚君 |
理事 | 大松 成君 |
理事 | 倉林 辰雄君 |
理事 | 松村 友昭君 |
鈴木 章浩君 | |
後藤 雄一君 | |
山口 文江君 | |
石毛しげる君 | |
串田 克巳君 | |
木内 良明君 | |
鈴木 一光君 | |
大沢 昇君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 吉川 和夫君 |
儀典長 | 多賀 敏行君 | |
次長 | 河島 均君 | |
理事 | 川澄 俊文君 | |
理事 | 前田 信弘君 | |
総務部長 | 大井 泰弘君 | |
地方分権推進室長 | 森山 寛司君 | |
外務部長 | 猪熊 純子君 | |
国際共同事業担当部長 | 高橋 誠君 | |
参事 | 中村 信一君 | |
参事 | 延與 桂君 | |
政策部長 | 遠藤 雅彦君 | |
計画調整部長 | 松浦 將行君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 矢口 貴行君 |
人事委員会事務局 | 局長 | 中村 晶晴君 |
任用公平部長 | 宮川 雄司君 | |
試験室長 | 内藤 泰樹君 | |
参事 | 鷲見 博史君 | |
監査事務局 | 局長 | 白石弥生子君 |
参事 | 三森 生野君 |
本日の会議に付した事件
選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
人事委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出 人事委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十号議案 東京都人事委員会委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
監査事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出 監査事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十一号議案 東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
知事本局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出 知事本局所管分
報告事項(質疑)
・「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九について
○馬場委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、予算の調査について申し上げます。
平成二十一年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十一年三月十三日
東京都議会議長 比留間敏夫
総務委員長 馬場 裕子殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時
(別紙1)
総務委員会
第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 総務委員会所管分
第二号議案 平成二十一年度東京都特別区財政調整会計予算
第四号議案 平成二十一年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
(別紙2省略)
○馬場委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局及び知事本局関係の予算の調査、人事委員会事務局及び監査事務局関係の付託議案の審査並びに知事本局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○山口委員 本年は都議会議員選挙の年でもありますので、それに関連して何点か伺いたいと思います。
選挙管理委員会は、ことしの都議会議員選挙の投票日を七月十二日と決定しています。新聞報道などによりますと、決定までにはいろいろないきさつがあったというふうに聞いております。
初めに、改めて都議会議員選挙の投票日がどのように決められていくのか伺います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 現在の都議会議員の皆様の任期満了日は本年七月二十二日でございます。公職選挙法第三十三条第一項によりますと、地方公共団体の議会の議員の任期満了による選挙は、その任期が終わる日の前三十日以内に行うこととされております。そこで、東京都選挙管理委員会といたしましては、七月十二日を投票日と決定した次第でございます。
○山口委員 前回の都議会議員選挙では、国分寺市の市長選挙が同時に行われました。二つの選挙を同時に行うことは、効率的な執行により経費が節減されること、また、都民、市民、いわゆる有権者にとって一日で投票することができ、投票率を高めるなどの利点があるというふうにも思います。
そこで、これまでの都議会議員選挙において、区市町村の選挙が同時に行われた過去の実績について伺いたいと思います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 都議会議員選挙は、戦後、統一地方選挙で行われておりましたが、昭和四十年の都議会の解散によりまして、それ以来、統一地方選挙から二年ほどずれてこれまで執行されております。
その後の都議会議員選挙におきまして、区市町村の選挙が同時に行われたのは、国分寺市長選挙とあきる野市議会議員選挙がございます。昭和四十四年以降十回行われました国分寺市長選挙では、そのうち八回が都議会議員選挙と同時でございました。また、合併によりまして誕生しましたあきる野市では、平成九年以降三回行われました市議会議員選挙で、そのうち一回が都議会議員選挙と同時でございました。
○山口委員 今回、あきる野市議会議員選挙が投票日は六月七日、そして国分寺市長選挙の投票日は六月二十一日と決定して、今回の都議会議員選挙とは同時に行われないということになりました。
先ほど申し上げたとおり、同時選挙にはさまざまな利点があると思いますけれども、今回の都議会議員選挙が同時選挙にならなかったその経緯について伺います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 先ほど申し上げましたとおり、地方公共団体の議員及び市長の任期満了による選挙は、その任期の終わる前の三十日以内となっておりますが、都議会議員選挙の投票日は、昭和四十四年以降日曜日が通例となっております。
今回の都議会議員選挙に当たりまして、その候補日となるのが、六月二十八日、七月五日、十二日、十九日の四つの日曜日となります。
仮に同時選挙を前提にいたしますと、あきる野市議会議員や国分寺市長の任期満了を踏まえますと、都議会議員選挙の投票日の候補を考えますと、まず国分寺市長選挙と同時ならば、六月二十八日と七月五日の二つの日曜日に限定されます。さらに、あきる野市議会議員選挙とも同時ならば、六月二十八日に候補日が特定されることになります。
東京都選挙管理委員会といたしましては、都議会議員の任期満了前三十日の範囲の中で、これらの市の選挙と同時に行うことや、大規模な国家的行事の有無や今日的政治、社会、経済状況などのさまざまな要素を十分勘案して、投票日を七月十二日と決定したところでございます。
○山口委員 先ほどもお話ししたように、何より投票率のアップにつなげるということは、選挙管理委員会としては非常に大きな役割を果たさなければいけないと思いますし、区市町村の経費の節減になって、税金の効率化が図られるということもあると思います。ちなみに、今回国分寺市は、市長選の予算に六千三十一万八千円が計上されているということをお聞きしております。
それから、今度七月二十二日が私どもの任期になりますので、その二週間前といいますと、私たちも今回は何とか部屋を広げられるように議員をふやそうということで今努力をしておりますので、そういう意味では、準備の方にも大変、二週間の間ということで、非常にそういう意味でも大変かなというふうにも推察をしております。
過去数十年にわたって同時選挙が行われてきた国分寺市の市民からは、前代未聞のことだということで戸惑いの声が寄せられていますので、選挙管理委員会の決定ではありますので尊重はいたしますが、今後こうした点も考慮していただければというふうに思います。
一応これで質問は終わりとさせていただきます。
○後藤委員 私からは選挙管理委員の報酬について幾つかお尋ねしたいと思います。
一月ですけれども、滋賀県の大津地裁で選挙管理委員の報酬についての判決が出ましたけれども、できたらば概要について教えていただきたいと思います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 大津地裁の判決でございますが、労働委員会、収用委員会、選挙管理委員会のそれぞれの委員の勤務実態は、常勤の職員と同様とはいえないために、勤務日数によらず、月額報酬を支払うことは、地方自治法に違反するというふうに判じているものでございます。
○後藤委員 そうしましたらば、都選管の選挙管理委員の方たちの出勤日数が、平成十九年度と二十年度、ただし二十年度といいましても終わっていないのでまだわかりませんけれども、大体何日ぐらいあったのか、できたらそこのところを教えてください。
○矢口選挙管理委員会事務局長 選挙管理委員会は、定例の委員会が月二回開いておりますけれども、十九年度を見ますと、これは二十五回開いておりまして、都の参議院議員選挙や例えば都知事選挙や、あるいは区市町村の選挙、それから区市町村の選挙争訟にかかわる処理などの仕事の会議をしておりますが、そのほかに、実際に市町村の選挙管理委員会との打ち合わせや国の関係の打ち合わせ、あるいは会議等を踏まえますと、延べで活動日数は八十九日になっておりますので、定例委員会は二十五回と、それから活動の四人の委員がおりますが、その延べ日数は八十九日となってございます。
○後藤委員 資料をいただきましたら五十九回というふうに聞いているんですけれども、八十幾つという数字は、できましたらば、細かく教えていただけますか。そうしましたらば、十九年度で結構ですから、例えば四月から三月まで、回数と仕事の内容もわかると思うんですけれども、できたらわかりやすく教えていただけますか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 今、月別の、委員がどこに行ったかという資料はありませんけれども、今話したように、定例委員会が二十六日やりまして、そのほかの活動は、例えば委員長の活動とか、職務代理の活動とか、そのほか委員の活動とか、個別に、全員四人で仕事をしているわけではありませんので、それを延べ、活動日数にしますと、先ほどの八十九日だというふうにお答えしたわけでございます。
○後藤委員 仮に、委員の方の人数は四人だと思うんですけれども、一人当たりに直すと何回ぐらいということになるんですか。例えば八十何回というやつを四で割ったとしたらば、大体の日数が出ると思ってよろしいでしょうか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 単純に割ればそのようになると思いますが、委員長と職務代理と各委員の職責も違いますので、単純に四で割ればそのようになると思います。
○後藤委員 そうしますと、八十九を四で割りますと、四・九日ですか、ということになるんですけれども、例えば一カ月に直しますと、一人当たり平均で五日弱になるというふうに考えてよろしいですか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 八十九を四で割ると、大体二十……
○後藤委員 ごめんなさい、間違いました。
私の方でこの間担当の課長ともお話ししましたらば、例えば委員会の開催日数が二十六日、その他の会議の日数が三十一日というふうに聞いているんですけれども、これを足しますと五十七日ですよね。この数というのを課長から聞いたんですけれども、例えば委員の活動日数は、五十九日、五十九回というふうに聞いているんですけれども、これを四で割りますと--五十九割る四じゃない、これですけれども、一カ月当たりで計算しますと大体五日弱というふうになったんですけれども、そこのところはいいですか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 後藤委員の、まず定例会がありますので、これは大体四人全部出ていますので、単純に四倍すればいいと思うのですが、そのほか先ほど八十九日延べといったのは、一人が出た場合とか、二人が出た場合がありますので、日にちに換算したわけでございます。もしその日にちを単純に、出た日にちを割れというのであれば、先ほど五十九日ですか、五十七日、ちょっとその辺の数字に、出席の日数というのはそうなると思います。
○後藤委員 済みませんでした、計算の方まで。
そうしましたらば、会議の時間なんですけれども、会議の時間というのは一回当たり何時間ぐらいやっているんですか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 私が去年の七月に就任して以来、普通の定例委員会でありますと十一時から十二時ぐらいまでやっておりまして、時には長引いたり、あるいは定例委員会ではなく、事前の打ち合わせとか事後の打ち合わせがありますので、平均的にはとっておりませんので、大体は一時間から一時間半ぐらいは定例委員会の前後とかあります。
それから、明るい選挙推進大会とか、都道府県連合会とか、区市の選管の管理委員会との話とか、いろいろありますので、一概にほかの日にちを何時間というのはちょっと難しいと思います。
○後藤委員 そうしましたらば、滋賀の判決なんですけれども、滋賀の判決の考え方なんですが、地方自治法の二百三条の二の第二項というところだと思います。ならば、選挙管理委員の方たちは非常勤というふうに考えまして、例えば報酬ではなくて日額で払いなさいというふうな考え方だと思うんですけれども、この考え方に関して都選管はどのような考え方をお持ちでしょうか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 今、後藤委員がお話しになりました地方自治法二百三条の二では、選管の委員に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給すると。ただし、条例で特別の定めをした場合には、この限りでないという規定がまずございます。
それで、選挙管理委員会の仕事は何かということに、結局報酬を決める際にはなると思うんですが、まずご承知のように、選挙管理委員会は皆様方の選挙をきちんと執行するということと、政治資金規正法に基づく政治団体に関する事務をまず所管しております。特に都議会議員選挙、都知事選挙あるいは国政選挙などは民主主義の根幹であります選挙を公正に執行するということがございます。
さらに、都の選挙につきまして、あるいは区市町村の選挙につきまして、選挙無効や当選無効などの訴えがある場合には、あるいは国政選挙に訴訟が提起された場合には、都選管が対応することとなります。すなわち極めて重い、重責をしょっていると思いますので、お尋ねのその月額か日額かとすべきものは、職責上日額によりがたい、条例で特別の定めを行うことができるとしておりますので、東京都選挙管理委員会は、先ほど申し上げましたような職務の重要性あるいは責任性などを勘案しますと、単に勤務日数に応じた日額で定められるのかということがありまして、大変定めにくいと我々考えておりますので、報酬は月額が適当と考えております。
○後藤委員 ならば、例えば報酬の場合でしたらば、考え方としては常勤になると思います。例えば日額だとしたらば非常勤というふうな考え方だと思うんですけれども、常勤というのは何かといったら、生活給的な性格だと思います。
非常勤でお金の払い方が日額ということになりましたらば、勤務に対する反対給付という考え方だと思うんですけれども、今まで何日間だ、何時間だというふうなお話では聞いたんですけれども、例えば一カ月、定例会は二日、定例会のほかにはいろいろなものがあるだろうとは思いますけれども、五日ぐらいのもので、確かに仕事が重いという重責、重責が与えられているから、ですから報酬というふうにはいわれましたけれども、例えば常勤の場合には給料に当たり、日額の場合でしたらば、仕事をした反対給付というふうな考え方ですけれども、ここについてはどのようにお考えになられますか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 まず、報酬でございますので、生活給的な考え方的にはどのようなものなのかなと、ちょっとわかりません。例えば都議会議員の先生方も、勤務に日数に応じて、じゃ給料的なのかというと、同じ報酬でございますので、ちょっと違うのかなと思っておりますが、少なくとも勤務日数だけで単純に責任と権限が執行されているわけじゃないと思っておりますので、例えば月額が生活給的で、私ども選管の委員の方々に生活給という意味で払っているわけじゃないと思っております。
報酬額が、仮に常勤だとすれば、じゃ現在の報酬額が適当なのかというのがございます。例えば、言葉があれですけれども、都議会議員の報酬額と私ども委員の報酬額は差があるわけでございまして、その職責に応じて、あるいは非常勤か常勤かは別にしまして、先ほどの先生がおっしゃった、日額で対応するのか日額で対応しがたいのか、あるいは報酬額が適正なのかどうかと、これは二つの議論があると思いますので、私どもはまず、額については報酬指針がありますので適当と思っていますが、日額では決めがたいと私どもは責任と権限から思っておりますので、単純にその日勤務したから、それだけで責任を逃れるわけではありませんので、そういうふうに考えてございます。
○後藤委員 考え方としては、二つに分けて考えなければいけないと思うんですけれども、例えば今回の話というのは、まずは地方自治法に基づいていなければいけないということは大前提だと思います。議員に関しては全く別枠の考え方がありますので、事務局長が今おっしゃったように、例えば議員の報酬と選挙管理委員の報酬とは同じものだというふうな、確かに名前は同じですけれども、考え方はまず違うと思います。
ここでちょっと観点を変えて聞きたいんですけれども、例えば国の場合には総務省の中に中央選挙管理会というのがあるんですけれども、ここの場合の、この方たちの選挙管理委員の方たちの例えばお金の払い方はどのように払っていますか、教えてください。
○矢口選挙管理委員会事務局長 中央選管のお話が今出ましたが、中央選挙管理会は、通常、国政選挙が行われる際に開かれまして、直近の開催の話は実際に開催した平成二十年の九月というふうに聞いております。
中央選管は定例的に定例委員会を開いて議論しているわけじゃなくて、選挙がある都度開いていると聞いておりますが、その業務内容と、東京都選挙管理委員会と中央選管の業務内容がまず違うということであります。中央選管の業務内容は、国政の選挙の際に、いわゆる衆議院と参議院の比例区選挙の管理だけでございます。
それから、そのほかは都道府県あるいは市町村に対して技術的な助言、指導をするということでございまして、東京都選挙管理委員会ときますと、選挙の執行の数が少ないこととか、選挙に関する異議申し出などの審査庁としての役割を果たしていないこと、それから政治団体に関する事務を行っていないことなど、権限と責任が全く異なっていると考えております。
先ほどいいましたように、勤務実態が全く異なっておりますので、中央選挙管理会の報酬は日額で定めておりますけれども、都道府県選挙管理委員会の報酬が日額であるというのはすぐ必要ではないと考えており、我々は日額ではなかなか決めがたいものがあるというふうに考えてございます。
○後藤委員 そうしたらば、選管の方から資料をいただいたんですけれども、例えば十九年度ですけれども、議案の数が三十一で、報告事項が九十八件というふうになっています。例えば国の方の中央選挙管理委員の場合の仕事と、確かに日数が違う。日数が違うといいましたけれども、例えば一カ月に二日だとか三日だとか四日の開催で報酬を払うというのは、だれがどう考えてもまずおかしいということと、地方自治法に書かれているように、例えば都選管がやっている場合にはただし書きに基づいて書いてある。ただし書きに基づいて月額報酬ということになっていると思うんですけれども、ただし書きですよね。
これはあくまでもただし書きだと思うんですけれども、例えば別の委員会だとかの場合は、常勤と変わらないような勤務の体系がある。こういうふうな場合には、ここの部分のただし書きを入れて、報酬で払うことは私も差し支えないと思うんですけれども、一カ月、二日、三日、四日ぐらいのもので、月額で払うのはまずおかしいということで、こちらの資料を見ますと、例えば二十年の八月か何かでしたらば、回数は一回なんですよね。一回しかされていないものに関して、これも月額で払わなければいけないということになってしまうんですけれども、考え方としては、地方自治法にまず基づいていなければいけないということを考えますと、確かに局長がいわれたように、重責を担っているというふうにいわれました。
ここでできたらば重責について聞きたいんですけれども、例えば訴訟の受け皿というんですか、そうしましたらば、被告になる。この場合の被告の考え方というのは、例えば損害賠償か何か受けるんでしょうか。ただ単に、例えば被告がなかったらば裁判は行えませんので、被告という場所というんですかね、被告適格というふうなことで私は解釈しているんですけれども、例えば局長がおっしゃいました、訴訟の対象になるというふうにいわれたところ、ここのところをもう少し詳しく教えていただけますか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 残念ながら、公選法で都道府県選挙管理委員会が訴訟の被告となることが決められておりますので、私どもは好きで被告になるわけではございません。
○後藤委員 ですから、考え方として、例えば選挙管理委員の方たちが重責を負っているということではないわけですよね。ただ、立場として被告になるだけであって、例えば選挙管理委員の方たちがやめたらばどうなるんですか。かわりの補充員の方たちがいると思うんですけれども、この辺の規定がどうなっているのか、ちょっと教えてください。
○矢口選挙管理委員会事務局長 後藤委員のお話は、選挙管理委員が辞職した場合にどうなるかというご質問であれば、補充員が選挙管理委員になります。
それから、先ほど訴訟で、選挙管理委員会として訴訟を受けますけれども、それに対しては選挙管理委員会の決定が訴訟を受けているわけですから、各選挙管理委員の責任は当然重いわけでございまして、形式的に、例えば後藤先生が選挙無効を訴えてきたときに、それに対して判断をするのは選挙管理委員会で、各選挙管理委員会の委員の先生の判断でするわけです。それに対して選挙無効とか訴えられた場合には、やはり各選挙管理委員会の責任がきちんとあると思います。ですから、そういう意味では重責だというふうにいっているわけでございます。
○後藤委員 局長が今おっしゃったことなんですけれども、局長がおっしゃったことが月額と日額とであっても、例えば日額であったとしても可能ですよね。選挙管理委員会が被告になることと月額の報酬というふうな考え方との違いなんですけれども、月額であったとしても日額であったとしても、被告になることは関係ないと思うんです。この辺はいかがですか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 再三後藤先生に申し上げていますが、まず地方自治法で、条例で定めた場合はよろしいという規定があるわけですね。今回、日額によりがたいということで、戦後からだと思いますけれども、月額報酬にしているわけです。これは条例を提出して、議会で承認しているわけです。まず、地方自治法違反であることはありません。きちんと定めております。
それで、じゃ日額でいいかどうかというのは、我々はいろんな責任と権限があるし、皆さん方の選挙をきちんと公正に執行しなければいけないということもありますので、日額では報酬は決めがたいという考えを持っているものでございます。先生が仮に日額だということがありましても、大多数の方が月額でよろしいとなれば、それでいいと僕らは思っています。
○後藤委員 そうしましたらば、神奈川県の松沢知事が考え直そうじゃないかというふうな意見を表明なさっているんですけれども、これについて概要と、局長のご意見を聞かせてください。
○矢口選挙管理委員会事務局長 神奈川県知事が定例の記者会見で二月二十六日にお話ししたことは、先ほどの滋賀県の関係がございまして、日額支給でいきなさいと書いてあるけれども、どうなのかなということで、神奈川県は大変厳しい財政状況に対応した特別職の給与減額に連動した方針の減額がこれまでは行われてこなかったと。私は--私というのは神奈川県知事ですけれども、私はこうした状況を踏まえまして、この際行政委員の報酬について、自治法の趣旨どおりに日額が原則であるという視点に立って見直しをし、あわせて適正な水準であるのかどうか検証すると。そこで、特別職報酬等審議会にお願いをして、各行政委員の活動形態や状況をきちんと把握をして、意見を聞きながら進めていきたいということでありまして、現在はそういう活動の実態調査が行われていると私どもは聞いております。
しかしながら、先ほど私の意見という話でございますので、選挙管理委員会の委員の報酬が単に勤務した日数だけに応じて本当にいいのかというのは疑問に思っていますので、やはり月額がふさわしいと。
仮に、じゃ日額にしたときどのぐらいの報酬額が適正なのかということも多分出てきますし、現在の選挙管理委員会の委員の報酬の額のレベルがどうなのかということもあります。そういう意味では、これだけの責任と権限を持っている選挙管理委員会として、選挙管理委員は日額により定めにくいのかなと思っております。
○後藤委員 この問題では最後に聞きますけれども、例えば国の場合には幾ら、できましたらば日額で幾らもらっているのか教えてください。
○矢口選挙管理委員会事務局長 中央選挙管理会の報酬は日額、委員長が二万九千七百円、委員が二万七千二百円と聞いています。
○後藤委員 そうしましたらば、今度の選挙にかかわることでちょっと聞きたいんですけれども、例えば公費負担というふうなものがあると思うんですけれども、この公費負担で、例えば選挙カーですね。選挙の車なんですけれども、選挙パックだとかいろいろな問題が出てきていると思うんですけれども、国の方に聞いたらば、選挙カーで公費負担で得られるのは、車両本体だというふうにこの間から説明を受けているんですが、このことに関して、今度の七月の選挙に関して、例えばどのように皆様は候補者の方たちに説明するのか教えてください。
○矢口選挙管理委員会事務局長 今の選挙の公費負担制度についてでございますが、選挙用運動自動車の公費負担については、自動車の借り入れと燃料代の供給、それから運転手の雇用などに対しまして公費の負担があるわけでございますが、これまで七月の都議会議員選挙に向けまして、自動車の借り入れにつきましては、レンタカー業者さんなどと打ち合わせを行って、まずこれまでやっております。
公費の対象の負担となるのは車両本体ということでありますので、いろんなパック料金とかがあるわけですけれども、レンタカー業界さんとしては一応料金の内訳はきちんと出せるということでございますので、そういう説明がございましたので、今後、今、公費負担の手引書をつくっております。予算が通ればすぐ速やかに印刷しますけれども、その中で、きちんとまずは公費負担の考え方あるいは自動車の借り入れについての考え方を記してありますので、今後、四月中旬以降には区市町村選挙管理委員会と打ち合わせ会議を開きます。
それから、五月に入ってから順次、候補者の事前説明会を開きますので、その際にきちんとご説明をわかりやすく丁寧にいたしたいと思っております。
○後藤委員 とりあえずこの件に関しまして、私が担当の方から説明を受けているんですけれども、例えば選挙パックというふうな場合は、そうしたらば車がありますと、上に箱だとか、普通の選挙カーは車の上にスピーカーだとかを乗っけるわけですけれども、この上の箱が、切り離せるとか切り離せないとかというふうな問題が必ず出てくると思うんです。これに関しましてはどのような考え方をお持ちなんですか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 公費負担の記入要領やその他注意点のような細かい話になって大変恐縮でございますが、まず、先ほどレンタカー業者によれば、パック料金の中でも、車両本体に加えてスピーカー、アンプ、マイクなどの放送設備あるいは看板、照明器具などの装備する料金でございますが、これは内訳を示すことが可能だといっておりますので、できるだけ内訳をきちんと出していただこうと考えております。
仮に、どうしようもなく、料金の内訳を分割することができないということがあれば、実際に七月の選挙後に請求を受けていく中でどのような車両の内容であるかを具体的にお聞きして、個別に対応していくということになろうと思います。
○後藤委員 一つおかしいと思うんですけれども、例えば七月の選挙が終わってから対応するんじゃなくて、請求書が出てきた段階で、必ず内訳書をつけさせるべきだと思うんですけれども、その辺はやられる考えはおありなんですか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 手続の細かい話で恐縮でございますが、実際に選挙を終わる前にも、皆さん方にもご説明しますし、レンタカー業者にもご説明申し上げますが、実際に選挙が終わった後に、そのパック料金、あるいはなかなか車両本体と放送設備などが分割できないと、いろいろありますけれども、実際に請求があった段階で、それが車両本体の借り入れ代金以外を含んでいるのかいないのか、あるいは選挙運動期間中以外のものも使っているかいないか、あるいはレンタカー業者から料金表を比較してやるなどのチェックリストをつくって、請求があったときにはきちんとチェックをいたします。
それから、万が一、実際に請求があった場合に、その額を確定しませんと我々は公費負担の額が支出できませんので、できるだけ実際に使って公費負担の対象となる額を確定するように、実際に請求するのはレンタカー業者さんでありますので、業者さんとよく、内訳書をできるだけ出していただくようにいたしたいと思っております。
○後藤委員 そうしましたら、最後ですけれども、担当の方の方からは、詳しく説明をいただいているんですけれども、局長の方は何ではっきりまずいってもらえないかなと思うんですけれども、請求の段階で明細を出させなかったらば、後々になったらばトラブルになるじゃないですか。ここでできたら絶対に決めておいていただきたいのは、選挙の前、必ず契約書を取り交わした段階で必ず明細もつけさせる。ここだけはちゃんとやっておかないと、終わってからトラブルになって、やったやらない、聞いている聞いていないというふうな争いが、必ず起こってくるはずなんですよ。ここだけははっきりお答えください。
○矢口選挙管理委員会事務局長 私としては再三お話ししているつもりでありますが、まず実際の流れをちょっといいますと、契約をレンタカー業者さんと候補者の方がすれば、契約書の写しを私どもに提出いただきますので、契約書の実際の写しも、仮に明細があればそれも出していただくようにします。それから、請求書が来たときにも、利用料金の明細を、先ほど、区分、パック料金の場合はきちんと車両本体と放送設備あるいは看板などの区分がわかるようなものを、明細を出していただくように考えてございます。
○後藤委員 仮にわからなかったらば、払いますか、払いませんか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 仮の話ですからあれですけれども、まず基本的にはできるだけ公費負担の額を確定してお支払いするというのが、この機会均等を図る公費負担の制度の趣旨でございます。
それで、実際にもし請求があって、請求の方からよく説明を聞いて、具体的に聞いても、本当にその額が確定しなければ、我々は支払えないということでございます。額が確定しない限りは支払えませんので。
○馬場委員長 ほかに発言ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○馬場委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案中、歳出、人事委員会事務局所管分及び第四十号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○馬場委員長 これより監査事務局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案中、歳出、監査事務局所管分及び第四十一号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○馬場委員長 これより知事本局関係に入ります。
予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案中、歳出、知事本局所管分及び報告事項、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九についてを一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○大井総務部長 要求がございました資料一点につきまして、お手元にお配りしてございます総務委員会資料によりましてご説明申し上げます。
まず表紙をおめくりください。平成二十一年度一般会計歳出予算、知事本局、8、都市外交の推進でございます。
平成二十一年度東京都一般会計歳出予算のうち、当局所管の都市外交の推進に係る予算の提案額、四億九千八百七十四万七千円につきまして、事項ごとにお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、要求がございました資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○串田委員 まず初めに、北朝鮮による拉致問題について伺います。
先週、北朝鮮に拉致された田口八重子さんの兄、飯塚繁雄さんと田口さんの長男、飯塚耕一郎さんが、昭和六十二年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元北朝鮮工作員と面会したことが大きく報道されました。北朝鮮による日本人拉致の事実がまたもや明白に裏づけられたわけで、改めて申し上げるまでもなく、北朝鮮による拉致は今もなお多くの方々がとらわれたままになっているという現在進行中の国家による犯罪であり、このようなことが決して許されてよいわけがありません。
四月十三日には北朝鮮に対する経済制裁の期限が到来しますが、国は経済制裁の再延長を行うなど、改めて国家として拉致問題の早期解決に全力で取り組むという断固たる姿勢、決意を明確に示すべきであります。
石原知事は横田夫妻を初めとする拉致被害者ご家族と面会したり、みずから北朝鮮向けの短波放送「しおかぜ」を通じてメッセージを発信し、拉致被害者の方々等を励ましています。
また、都では北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会、通称救う会の関連団体とも連携して、拉致被害者写真パネル展、拉致被害者救出のための集い等を開催し、拉致問題の啓発に努めています。
こうした取り組みに加え、石原知事は、さらに昨年十一月、全国の知事に呼びかけて、北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会を設立し、拉致問題解決に向けた活動を力強く展開されています。
そこで、この知事の会が取り組んできた行動と今後の行動予定について伺います。
○大井総務部長 北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会でございますが、拉致問題の解決を進展させるためには、国民一人一人の関心と認識をより一層深め、北朝鮮との交渉に臨む国を後押しする必要があることから、昨年十一月に全国の知事の有志が集まり設立したものでございます。
これまで知事の会は、設立してすぐに政府に対して、拉致問題解決に向けた全力の取り組みを要請しております。また、本年一月には、アメリカの政権交代期をとらえて、大統領就任前のオバマ氏に拉致問題に対する理解と協力を求める書簡を送付するとともに、北朝鮮に対して、拉致日本人の再調査の実施及び早期帰国の実現を求める文書を送付したところでございます。
さらに、北朝鮮に対する制裁措置の期限であります四月十三日を目前に控えて、先週の十三日、三月十三日でございますが、政府に対して、現行の制裁措置の継続と追加制裁措置の検討を要請するとともに、さらなる拉致問題解決の進展を図るために大韓民国等の関係諸国との連携強化を求める要請を行ったところでございます。
知事の会の運営方針によりますと、今後も北朝鮮に関する状況の変化をとらまえて、時期を逸することなく適切かつ効果的な方法で拉致問題解決の進展に資する活動を実施していくことを予定しております。
○串田委員 この問題は、さまざまな方法で国民の理解と関心を深めることにより、国を後押しすることが必要であり、今後とも積極的に活動していただくことを期待しておきます。
次に、都市外交について伺います。
まず、アジアの人材育成について伺います。アジア諸国と我が国とは、これまでも地理的、経済的に深いつながりがありました。石原知事は、先見性を持ってその重要性に着目し、二〇〇一年にアジア大都市ネットワーク21を立ち上げ、これまで東京とアジアの大都市との連携をリードしてこられました。経済危機が世界的に深まる中、この危機を乗り越え、我が国が引き続き発展していくためには、アジアと関係強化が今後ますます重要となります。とりわけ優秀な人材の育成はその基礎ともなるものとして重要であります。
都が昨年四月、アジア人材育成基金を設置し、本格的にアジアの人材育成に取り組もうとしていることは高く評価できます。そこで、アジアの人材育成に係る現在の進捗状況をお伺いしたいと思います。
まず、新たな取り組みとして、首都大学東京で留学生を受け入れて行う高度研究があります。首都大学東京は、アジア共通の大都市問題の解決に立脚した教育研究を基本理念としており、今回の高度研究は、その研究資源を十二分に活用し、東京とアジアの人材が切磋琢磨して研究成果を上げていくものとして大いに期待しているところです。高度研究の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。
○高橋国際共同事業担当部長 高度研究は、首都大学東京の博士課程にアジアの優秀な学生を受け入れ、大都市問題の解決やアジアの発展に資する高度先端的な研究を実施するものでございます。
昨年十月から、航空機用新素材開発をテーマにシンガポールから留学生を受け入れ、研究を開始いたしました。
また、来年度から実施する研究として、学内公募と外部評価委員会による審査を経て、高度医療開発に向けたプロテオミクス基盤技術の創生とアジア都市圏における水問題解決のための適応策に関する研究の二件を選定し、留学生の募集を開始したところでございます。
これらはいずれも産業振興や高度先端医療、環境対策など、アジアの大都市にとって重要な課題であり、研究成果とあわせて各分野を先導する人材の育成が期待されております。今後数年にわたり、高度先端的な研究課題を選定し、留学生を受け入れてまいります。
また、各研究について報告書やヒアリングに基づく評価を毎年実施し、評価結果や研究成果を首都大学東京のホームページに掲載するなど、その成果を広くアジアの諸都市に還元してまいります。
○串田委員 将来各分野の第一線で活躍が期待されるような優秀な人材の育成と高い研究成果を期待します。
また、アジアの人材育成事業では、このほかにも行政職員や専門家を対象とした研修事業を実施するなど、多岐にわたる分野において人材の育成に取り組んでいると聞いています。これらの人材については、東京で受け入れた期間だけで人材育成を終わらせるのではなく、帰国後もアジアと東京と人的なつながりを継続していくことが重要であります。
このような観点から、先日、新たな取り組みとしてアジア人材バンクを設置したと聞いています。そこで、このアジア人材バンクの現在の活用状況と今後の取り組みについて伺います。
○高橋国際共同事業担当部長 アジア人材バンクは、アジア各都市と東京の人的ネットワークの形成を目的として、東京で学んだ行政職員や首都大学東京への留学生など約五百名を登録し、本年一月に設置いたしました。
また、アジア人材バンクの活動の一環として、帰国後も東京への関心や各都市の連帯感を継続するための仕組みとして、ウエブマガジン「アジア通信」を創刊いたしました。創刊号では、アジア各都市の共通課題である洪水対策に関する先進的な施策の紹介や、首都大学東京において研究活動に従事する留学生のコラムなどを掲載しております。
今後は「アジア通信」を二カ月に一回、定期的に配信するとともに、資源リサイクルや下水道技術などの専門分野ごとにメーリングリストを順次立ち上げ、専門家同士が帰国後も情報交換を継続的に行う仕組みを整えてまいります。
このような取り組みを通じ、将来にわたって、アジアと東京の優秀な人材が連携して課題に取り組むための基礎づくりに役立ててまいります。
○串田委員 課題解決、人材育成の両面からアジアの発展に貢献する取り組みをされていることは評価したいと思います。
知事も先日の記者会見で、都の外務活動を評価しておりました。一方で、自治体国際化協会、通称CLAIRについて、東京にとっては要らないという発言をしておられます。そのCLAIRには、都は約三億円の分担金を支出しているとのことですが、それに関して幾つか質問をしたいと思います。
まず、自治体国際化協会CLAIRとはどういう団体で、その分担金の財源と分担割合はどうなっているのか伺います。
○猪熊外務部長 自治体国際化協会、通称CLAIRは自治体の国際化を推進する共同組織として昭和六十三年七月に設立されております。
主な事業といたしましては、まず語学指導を行う海外青年招致事業がございます。平成十九年度実績では五千人を超える青年を海外から招致しており、千を超える自治体が利用しております。また、海外七都市に事務所を設置し、自治体の活動を支援しております。このほか、自治体の多文化共生、また国際交流の支援などを行っております。
自治体の分担金の財源でございますが、国際交流宝くじでございます。百億円を発行し、この宝くじの収益金を六十四自治体の協議によりまして、販売実績に応じて分担しています。二十一年度の都の負担は三億二千万円、全国では十八億五千万円、都の負担割合は約一八%となっております。
○串田委員 CLAIRが全国自治体の国際化に一定の貢献をしてきたことは理解しました。
また、その財源は宝くじの販売実績に応じて負担しており、東京都の負担割合が非常に大きいこともわかりました。いわば自治体の雄たる東京が全国の国際交流を支え、牽引する役割を果たしてきたといえると思います。
しかし、報道等によれば、CLAIRには海外事務所新設のための多額の積立金があるが、事務所新設の具体的計画はないとのことであります。
また、協会の役員五人のうち、国の官僚OBが四人を占め、また七カ所の海外事務所長も総務省が独占していると聞いております。
CLAIRはあくまで地方のための団体であり、真に地方に役立つ組織とすることが重要であると考えます。
都はこれまでCLAIRに対してどのように見直しを求めてきたか、また今後どのような視点に立って改革を求めていくのか見解を伺います。
○猪熊外務部長 都はこれまでも理事会の場などを通じ、自治体の視点を取り入れた事業評価の実施や分担金削減などの見直しを求めてまいりました。
その結果、平成二十年度から事業評価制度が導入され、自治体が参加しての評価が開始されております。また、平成十九年度には分担金を一〇%削減するなど、一定の成果を上げてまいりました。
しかし、CLAIRを真に地方に役立つ組織とするため、一段の改革が必要と認識しております。改革を進めるためには、第一に地方中心の運営の視点、例えば役員や所長について、地方からの派遣をふやすなどの地方主体の運営、第二に地方のニーズに即した事業実施の視点、すなわち自治体の声を反映した事業評価と評価結果の予算計画への反映、第三に自治体負担の軽減の視点、例えば徹底した事業見直しを分担金削減に反映させること、積立金については明確な使途と必要最小限の残高とすること、このような以上三つの視点に立って、今後CLAIRに対して改革を求めてまいります。
○串田委員 海外事務所については、CLAIRの事業の大きな柱の一つであります。CLAIRの海外事務所では、自治体の海外活動の支援、調査や情報収集、自治体間の人的交流、派遣職員の人材育成などが目的と聞いています。
都はかつて海外事務所を廃止し、必要に応じて職員が出張することで対応することとしました。また、活動支援や調査の一部については、CLAIRや大使館を活用していると聞いています。CLAIRの海外事務所についても、世界が狭くなる中で、自治体によっては海外拠点を求めるニーズが多様になっていると思われます。CLAIRの海外事務所に何が求められているのか精査が必要であります。CLAIRの海外事務所の見直しをどのように進めていくのか見解をお伺いします。
○猪熊外務部長 変化する国際社会情勢、自治体の国際化ニーズを踏まえて、CLAIRの海外事務所についても機能や体制を見直す必要がございます。
自治体のニーズは、例えば都では課題解決に資する実質的都市外交の実現に向けまして、主要都市間での人脈構築や大都市の課題解決につながる有益な政策関連情報を得ることが重要でございますが、自治体によりまして、人材を育成する機能あるいは活動拠点としての機能など、自治体がCLAIRに求めるニーズはさまざまであると思われます。
今後、CLAIRの海外事務所が自治体のニーズに即したものとなるよう、他の自治体やCLAIRとも調整を図り、見直しを促してまいります。
○串田委員 CLAIRの運営については、ぜひ地方中心の運営に改めてもらいたいと思います。その際には、これまで都が独自の都市外交を通して養ってきた経験をCLAIRの改革に生かすことが有益であります。CLAIRに派遣している東京からの役員や職員を活用し、CLAIR内部から改革を進めるべきと考えます。
最後に、CLAIRの改革に向けた局長の決意を伺い、質問を終わります。
○吉川知事本局長 今、串田先生のお話を伺っていて、平成二十年というのは、私にとって、外交というのでしょうか、環境というか、そういう年であったのを思い出しまして、一月に私はダボスへ飛びました。それから、四月にはブレア前首相が東京にお見えになったときに、知事のブレア前首相との会見のとき同席をさせてもらったのがすごく印象に残っておりますし、それから昨年は、先生方ご案内のとおり、十月にC40の東京会議を開催しました。これらを通じて私がすごく実感しておりますのは、東京都の知事本局も環境局も、大変職員たちが積極的に外交の仕事というんでしょうか、そういうことをやってきたなと、またそういう力量もあるなというふうに思っております。
そういう意味で、今、先生が、東京都が独自の都市外交を通じて培ってきた経験をCLAIRの改革にも生かすんだというふうな今お話をいただきました。極めてそのとおりだと思いますし、また東京都というのはそういう努力もしてきたなと思っております。
いずれにいたしましても、地方共同で昭和六十三年に設立をされましたお話のCLAIRの本旨に立ち返りまして、地方主体の運営に改めることが極めて大事だと考えております。
先ほど外務部長も答弁いたしましたが、東京都は座していたわけではなくて、CLAIRに対してはこれまでも繰り返し見直しの提案をしてきました。そういう意味で、地方の手によってCLAIR内部からの改革を進めるためには、東京都の役割が極めて大きいなというふうに思っております。
結果的には東京都が先導して、他の団体とも連携しながら、例えば記者会見で同じように大変話題になった大阪府も、いってはなんですけれども、大阪府というのはCLAIRに評議員を出しているわけですから、突然あの橋下知事がああいうふうにおっしゃる、事情もあるんでしょうけれども、どうも今までの記録を見ても東京都以外のCLAIR自体の役員、評議員等々は、改革の余り提言しておりません。
ですから、東京都が先導して、CLAIRを真に地方の国際化に役立つ組織、またひいては東京都における都市外交の推進にも資するような組織に、何としても全力で頑張っていきたいというふうに思っております。
○伊藤委員 私からも、この自治体国際化協会について幾つかお伺いをしたいというふうに思います。
知事は二月二十七日の記者会見で、東京にとっても要らないと、あんなものはということを発言されて、見直す方針を打ち出されたわけでございます。今その見直しについては、具体的に三つの柱を中心に見直していくと、このような答弁があったわけですけれども、私も地方自治体が主体となるようなCLAIRの運営というものを推進するべきだというような観点からお伺いをしていきたいというふうに思います。
それで今、委員の質問の中にもありましたが、CLAIRの財団の役員が総務省の役所の出身者であるというようなお話もありました。CLAIRの財団役員の人数とその報酬総額というのは幾らになるでしょうか。
○猪熊外務部長 CLAIRによりますと、常勤役員は五名であり、報酬総額は十九年度決算で約八千二百万円であります。
○伊藤委員 聞けば、CLAIRの事業は世界七つの主要都市に拠点事務所を持っていて、そのそれぞれの事務所で外国における地域活性化の方策などの情報収集や情報提供を行うことを主としていると、こういうことでありますけれども、そこで今、七つの事務所の所長もまた総務省の人材であるというような質問がありましたが、まずこの確認と、そしてその報酬総額というのは幾らになるんでしょうか。
○猪熊外務部長 七つの海外事務所の所長は総務省からの派遣職員が就任しておりまして、CLAIRによりますと、給与及び手当の総額は十九年度決算で約一億円でございます。
○伊藤委員 このCLAIRの財団役員の報酬と、また七つの事務所の所長の報酬総額を合わせると、一年間におよそ一億八千二百万円になるということになろうかと思いますけれども、一方で、CLAIRのパンフレットを読みますと、ここに財団法人自治体国際化協会とは、次のように書かれています。
地域における国際化の機運の高まりを受けて、こうした動きを支援し、地域の国際化を一層推進するための地方公共団体の共同組織として、昭和六十三年七月に設立されました、こうあるわけでございます。地方公共団体の共同組織とは書いてありますけれども、地方が支える総務省の組織とは書いておりません。同じくパンフレットに書かれている組織図の相関図でも、総務省はCLAIRの外にあり、各省庁との連絡調整役として位置づけられています。
都として、総務省はCLAIRにとってどのような存在であると認識しているのか伺いたいと思います。
○猪熊外務部長 CLAIRの設立当初、昭和六十年代は、地方における国際化の必要性は認識されたものの、自治体に十分なノウハウの蓄積がなかったため、自治体の国際化の支援を担う総務省、当時自治省に依存した運営体制とならざるを得ないものでございました。
しかし、現在では地域の国際化や自治体の国際交流が進み、また、そのニーズも多様なものになってきたにもかかわらず、CLAIRの運営体制について見直しが行われてきませんでした。今後、自治体の共同組織としてふさわしい地方主体の運営体制を実現する観点から見直しが必要であると認識しております。
○伊藤委員 設立当時とは、今置かれている地方の立場が変わってきたということで、見直しの意義というものを今おっしゃられたんだというふうに理解できるわけですけれども、しかしこれまでは、地方自治体の共同組織であるCLAIRの運営費用を自治体が賄いながらも、それぞれの要職には総務省の職員や、あるいは出身者が並んできたということがわかりました。
つまり、都としても運営は地方が担うべきであるとの認識であります。この際、財団の役員構成と出先事務所の所長については、地方が担う覚悟を明確に示すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○猪熊外務部長 先ほども述べましたが、地方主体の運営体制の視点に立って見直しを求めていくことが重要であると考えており、例えば役員や所長について、地方からの派遣をふやすことなどの見直しを求めてまいります。
○伊藤委員 さて、東京都にとってのCLAIR事業の成果と課題を伺いたいというふうに思います。
都は、石原都知事就任以降、ニューヨークやパリなどの海外出先事務所を閉鎖し、CLAIRの出先事務所への派遣に切りかえました。その後の成果と課題というのをどのように認識しているのか伺いたいと思います。
○猪熊外務部長 かつての都の海外事務所が果たしていた役割は、インターネットの活用、必要に応じて職員が現地へ出張して行う調査、海外諸都市や外務省の在外公館への直接の紹介、そしてCLAIRへの海外調査依頼など、さまざまな方法により対応しております。
都は単なる友好親善にとどまらない実質的な都市外交を推進しておりまして、例えば先ほど局長の話にもございましたが、昨年十月のC40、気候変動東京会議の開催に当たりましては、電話会議や現地への調査、意見交換を機動的に行い、成果を上げてきました。
今後とも多様な手段により的確な情報収集を行い、大都市共通の課題解決に資する都市外交を推進してまいります。
○伊藤委員 都が職員を派遣し、海外での業務に従事させるのですから、CLAIRに出向しているとはいえ、派遣職員には都の利益に資する調査研究を私も行ってもらいたいと、こう願うわけでありますけれども、実際には派遣事務所にもよるとは思いますが、派遣先での職員の仕事量と休日というのは、それぞれまちまちなところがあろうかと思いますが、平均的には職員の仕事量と休日というのはどのようになっているんでしょうか。
○猪熊外務部長 海外事務所の職員は、自治体関係者が海外で行う調査や視察等に対する活動支援、自治体の依頼による調査や情報収集、日本と海外の自治体同士の人的交流支援などの業務に従事しており、恒常的ではないが、超過勤務もある。
また、休日については原則週休二日制でございますが、休日に実施される活動支援や現地のイベントに参加するために出勤する場合もあるというのが実態でございます。
○伊藤委員 超過勤務もあるということでありましたけれども、例えば東京都が派遣職員に対して、ロンドンのオリンピック施設をぜひ視察してこいと、このようにオーダーをした場合は、どのような手続を踏んで職員の方はこの仕事に従事することになるんでしょうか。
○猪熊外務部長 東京都からCLAIR本部を通じて海外事務所に調査依頼を行い、CLAIRの組織、人員を使って調査を実施することになります。
なお、都が依頼をする場合には、都の事情に精通している都の派遣職員に担当させることが多いようでございます。
○伊藤委員 しかし、現実には、現地視察団の受け入れなどCLAIR業務に追われた場合、派遣元自治体からのオーダーにこたえ切れないということもあると推測できます。
一度忙しいと断られれば、派遣元自治体も気安く調査依頼をかけにくいケースや、派遣職員が時間があっても職場を離れづらいなどの心理的不自由が発生する場合も考えられるかと思います。
そこで、CLAIR派遣職員については、平日の一日を調査研究日として、派遣元自治体からの調査研究などの時間に有用に活用できるように改めるなどの提言を行ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○猪熊外務部長 現在の海外事務所は、地方の共同組織としてすべての自治体からの依頼に公平に対応することを第一義として運営しつつ、その中で可能な限り、派遣元自治体からの依頼に職員が優先的に対応できるように配慮しているというのが実態でございます。
CLAIRの海外事務所については、今後これまで以上に自治体のニーズに即したものとなるよう見直しを働きかけることとしておりまして、その中で、自治体の多様な要望にこたえられる機能や体制にしていくことが重要であると認識しております。
○伊藤委員 今後もより配慮をしてもらえるように、特に事務所の所長が自治体の出身者になればなおのこと、そうした配慮というものがなされるのではないかと期待したいと思います。
派遣先での活動についても伺いたいと思います。職員の海外勤務経験は国際情勢の情報収集や東京の情報を提供できるばかりではなく、他国で働く日本人や他国の自治体職員との人脈を形成するまたとない機会でございます。派遣先で人材交流はどのようになっているのか伺いたいと思います。
○猪熊外務部長 海外事務所においては、活動支援や調査などの日常の業務を通じて現地都市の職員やNPOなどとの人脈が形成されております。
また、各都市または企業主催のセミナーなどへの参加を通じて、幅広い人的交流が行われております。
○伊藤委員 NPOや、また企業主催のイベントに参加をされていることは今わかりましたが、派遣先には在外公館、つまり日本大使館があり、どこの国においても大使館主催イベントに在日外交担当者や日本人商社マンなどの駐在員が集うものと思います。そうした在外日本大使館との連携による人材交流の機会の確保を図るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○猪熊外務部長 在外日本大使館が主催するイベントに参加するなど、在外日本大使館との連携による人的交流の機会は、現在も既に設けられています。
○伊藤委員 説明を伺ったところによれば、在外公館とのイベント参加などにおいては、その派遣事務所の所長が主として行っている、このような説明を受けたように記憶をしていますけれども、この派遣事務所での職員の方々も漏れなくこうした在外公館との交流事業の機会を得ているんでしょうか、伺います。
○猪熊外務部長 在外日本大使館の主催するイベントについて、イベントの性質、性格等によってさまざまなランクの人が出席しているというふうに認識しております。そういう意味では、職員もまた参加する機会があるということでございます。
○伊藤委員 他国において、特に大使館においては、儀礼上、本来の立場以上の役職というものが与えられるというのが外務省の通例であるようでございます。例えば三等書記官であれば二等書記官の名刺を持つなど、極めて外交においては、その相手の立場というものがどんな立場にあるかということが重視されると。
こういう観点に立ちますと、このCLAIR事業においても、所長さんがどなたか職員を連れていかれるというときにおいては、その職員の方を所長さんがかなり優先的に他国の方々に紹介をしない限りは、なかなか大使館の主催イベントにも参加しづらいということなども私は伺ったことがありますので、積極的にこうした所長さん、今は総務省の職員の方だと思いますけれども、今後自治体の出身の方になればなおのこと、こうした職員の方々も大使館の主催イベントなどに連れていけるような、そんな環境づくりというものをしていだたきたいというふうに思います。
次に、自治体の国際化とは、つまり自治体の産業の国際化に通ずることだと私は思います。例えば現在、中国で一番売れている高級品の一つは、日本製の化粧品や米、農産物など日本の良質な水質からできる商品であるというふうに聞いています。
しかしながら、地方の生産者には海外販売のノウハウがないことに加えて、料金回収リスクに耐えられずに、せっかくの付加価値商品も海外市場での日の目を浴びないことが多いというふうに聞いております。
自治体の国際化というならば、こうした産業支援をどのように行えるか研究することこそ求められるのではないかと思いますが、その点、拠点事務所はニューヨーク、ロンドン、パリと欧米主要都市が多いように思いますけれども、アジア圏はどこに事務所が置かれているでしょうか。
○猪熊外務部長 アジア圏では、シンガポール、ソウル、北京に事務所がございます。
○伊藤委員 ところが、北京はまさに政治の都ではありますけれども、北京政府も認めているほどに商売の都ではありません。国際政治を担うのは国の仕事であり、外務省や経済産業省が担う分野であります。
しかし、地域の産業、特に規模は小さいけれども、世界に通用する技術や生産物を有する中小企業支援は、紛れもなく地方自治体の仕事ではないかと思いますが、この点についてのご所見を伺いたいと思います。
○猪熊外務部長 自治体の国際化ニーズは多岐に及んでおりまして、海外事務所では現在も経済振興、産業支援等にかかわる活動支援や調査を業務の一つとして実施しております。CLAIRの海外事務所については、変化する国際社会情勢や自治体の国際化ニーズを踏まえ、その機能や体制を不断に見直す必要があると認識しております。
今後、CLAIRの海外事務所がこれまで以上に自治体のニーズに即したものとなるよう、他の自治体、CLAIRとも調整を図って見直しを促してまいります。
○伊藤委員 その点、今の海外事務所の配置は、少々前時代的な感が否めず、国との役割分担を考えれば、地方自治体が志向するのは、海外のマーケットという観点も加えられてしかるべきかと思います。そういう意味では、政治の都の北京よりも、商売の都になっています上海であったり、あるいは遠いパリよりも、今や十億人の人口を抱えつつあるインドのニューデリーではないかと思わずにはいられません。
こうした海外出張所の事務所の配置というものも、いま一度見直していただきたいと思いますが、所見を最後に伺いたいと思います。
○猪熊外務部長 繰り返しになりますけれども、変化する国際社会情勢や自治体の国際化ニーズを踏まえて、CLAIRの海外事務所の機能、体制は不断に見直していく必要がございます。
今後、CLAIRの海外事務所が自治体のニーズに即したものとなるように、他の自治体、CLAIRとも調整を図って見直しを促してまいります。
○松村委員 「十年後の東京」への実行プログラムについて伺います。
この報告された、二〇〇九年で、石原知事はこの巻頭の冒頭に、現在未曾有の経済危機に直面し、我々の行く末は混沌としておりますと。しかし、豊かな潜在力を持つ東京が明確な戦略を構えて果断に行動するならば、混沌の先に世界の範となる都市の姿を造形できるに違いありませんと述べています。
そして、この間の動き、新たな動きでこの三カ年計画をつくったということですけれども、ここに新たな動きとして、アメリカ発の金融危機を発端とする経営環境、雇用情勢に悪化があることを挙げています。
ところが、対応の方向性では、中小企業の経営体質の改善、非正規雇用者への訓練機会の拡大などとしていますが、まずこの未曾有の危機に対するどういう認識を持っておられるのか、まず伺いたいと思います。
○松浦計画調整部長 現在の景気動向についてでございます。
米国を震源地とする未曾有の経済危機は金融市場の混乱から実体経済に波及しておりまして、米国の大手証券会社の破綻から、米国最大手自動車メーカーの深刻な経営危機という事態まで至っております。
我が国の経済状況を見ましても、内閣府が三月十二日発表した昨年十月から十二月期までの実質GDP成長率の二次速報値はマイナス三・二%、年率換算にしますとマイナス一二・一%と、第一次石油危機以来三十五年ぶり、戦後二番目の減少幅となるなど、一層厳しさを増しております。
二月の月例経済報告においても、我が国経済の基調判断を景気は急速な悪化が続いており、厳しい状況にあると、近来にない経済状況の悪化を示しており、日本の景気動向は過去にない厳しい状況にあると認識しております。
○松村委員 現在の状況は、今もご答弁いただきましたけれども、本当に未曾有の事態になってきております。これに対する対応として、中小企業の経営体質の改善とか非正規雇用への訓練機会の拡大、こういう枠にやはりとどまるものじゃないというふうに思うんです。それ以上の対応が求められているというふうに思いますけれども、もっとさらにこのプログラムを今日の事態に見合った規模に、また質的にも見直すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○松浦計画調整部長 実行プログラム二〇〇九では、将来の労働力人口の減少や非正規労働者の増加、現下の雇用情勢の急激な変化をとらまえまして、意欲ある人材の就業を促進するために新たな施策を立ち上げてございます。
新たな雇用対策として、就職氷河期世代である三十歳代の非正規労働者の正社員化を支援するネクストジョブ事業や、正規労働者の安定雇用を促進するため、従来三十四歳までであった対象年齢を四十四歳まで拡大した非正規労働者向け職業訓練を打ち出しました。
また、社会問題化した企業の内定取り消しに対応するため、内定を得ていない新規学卒者への就職支援策として、合同就職面接会を年二回開催することといたしました。
このように、実行プログラム二〇〇九では、現下の厳しい雇用情勢に対応するため、さまざまな取り組みを盛り込んでおり、現時点で実行プログラムを見直すことは考えてございません。
○松村委員 共働きでないと家計が維持できない、そういうことで、非常にマスコミでも待機児童が急増している問題が大きく報道されるような事態であります。我が党もこの間、都内の区市町村の保育所への待機児童の数をつかむ中、私の住む練馬区でも、比較しましても、一・二〇倍に急増しているというか、待機児童がふえているというような実態もあります。このプログラムでの三カ年の対応が、事業所内保育施設の複数企業による共同設置の促進とか育児休業取得促進助成制度を挙げていられますけれども、こういう取り組みで今日の事態に対応できるのでしょうか。
○松浦計画調整部長 景気動向と待機児童増加の関係は不明でございますが、都は待機児童の解消に向け、今年度からこれまでの一・五倍のスピードで定員一万五千人分を整備する保育サービス拡充緊急三カ年事業を開始するところでございます。増大する保育需要に対応していくため、実行プログラム二〇〇九では、待機児童の現状を踏まえ、より一層柔軟で効果的な取り組みを実施することといたしました。
具体的には、待機児童解消区市町村支援事業を創設し、待機児童の約九割を占めるゼロ歳から二歳児の定員拡充に積極的に取り組む区市町村には、補助率を引き上げるなど、待機児童解消に向けた区市町村の取り組みを支援してまいります。また、駅前徒歩五分以内という認証保育所の開設準備経費の補助要件を緩和いたします。
今後とも、区市町村と連携し、待機児童の解消に取り組んでまいります。
○松村委員 本当に大不況の打開はやはり実体経済の回復、特に今までの外需頼みがやっぱり失敗したと。例の市場原理や新自由主義ということでやってきた構造改革の破綻だったと。当時それを積極的に推進していた経済学者もその誤りを認めた著書などが話題となっておりますけれども、ひとしく今この事態をどう乗り切っていくのかという点では、やはり雇用や中小企業へ対する緊急抜本的な、しかも量的にも質的にも広げなければいけないということと同時に、やはり内需というか、何よりも家計ですね、家計消費。しかもその土台を支えるのは社会保障の制度です。
もちろんこれは東京都の施策にとどまらず、この大きな責任は国にあるし、国のそういう対策が求められておりますけれども、私が指摘したい点は、この間の石原都政十年間でも、これまで本当に都民のそういう社会保障というか土台を支えていた各種の施策、例えばかつては六十五歳からの高齢者の医療費の無料化や、また寝たきりになれば、介護保険制度が導入されたといっても、やはり家族介護やそういう実態が多くの中で、寝たきり手当といわれた、かつては月五万五千円でしたよね、東京都の制度。それがもう一切もちろん廃止されているとか、元気高齢者を応援していたシルバーパスも全面有料化で、当時の利用者の利用率が半減といいますか、そのぐらいに近い、利用できない。
また、さまざまな公的保育、東京都の基準を追っていた、それを支える区市町村に対する民間社会福祉補助制度なども、これが削減というか壊れ、そういうことが相まって、同時にこの今のアメリカ発の金融危機、そして大企業などによる派遣切りだとか、雇用環境の破壊で、一気に底が抜けたようになってきているという、私はこの点ではやはりこの石原都政の十年間の、いわば都民のそういう社会保障制度の改悪といいますか、それが非常に問題だというふうに思わざるを得ませんけれども、やはり今こそ、そういう東京都のかつてあったような経済給付的事業を復活させるなど、都民のそういうセーフティーネットといわばいえるものを充実を図るべきだというふうに思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○松浦計画調整部長 都は、急速に進展する高齢化や福祉ニーズの多様化に伴い、多様なサービスの中から利用者みずからがサービスを主体的に選択し活用する利用者本位の新しい福祉の実現に向けて福祉改革に取り組んでまいりました。
この中で、単なる経済給付事業は時代にそぐわない事業として見直し、大都市特有のニーズにこたえる認証保育所の設置など、真に必要となる人への効果的なサービスの提供を実現してきました。
実行プログラムにおいては、今年度から所得が一定基準以下である等の要件を満たした方を対象に、生活支援や就労支援を行う生活安定化総合対策事業を開始し、現下の厳しい経済事情に対応しているところでございます。
○松村委員 都民の多様化した福祉のニーズを新しい利用者本位の福祉に変えたんだなどという答弁がありましたけれども、実際はやはり都民サービスの切り捨て、財政削減ありきというのがこの間の都民の実感だと思いますし、それが本当に今は堰を切ったように家計が支えられないというような事態をつくり出しているというふうに思います。
しかし、その一方でやってきたことは何でしょうか。相変わらず三環状道路など最優先の大型開発です。しかし、今新たな動きを逆の面で指摘すれば、国交省も交通需要の自動車の下方修正をこの間したというふうに思うんですけれども、これらの新たな動きを緻密に分析して、こうした三環状を初めとする道路づくり計画に反映するような今計画になっているのでしょうか。緻密な分析をして新たな三カ年計画にしたと、この点についてはどうでしょうか。
○松浦計画調整部長 「十年後の東京」は、東京が近未来に向け、都市インフラの整備だけでなく、環境、安全、文化、観光、産業などさまざまな分野でより高いレベルの成長を遂げていく姿を描き出したものです。
都市インフラについては、実行プログラム二〇〇九の中で、だれもが利用しやすい公共交通ネットワークを形成するため、最先端のITS技術の活用によるバスの定時性、速達性の確保を図るとともに、ノンステップバスの導入や大江戸線における可動式ホームさくの設置などを進めることとしています。
また、都心を通過する交通を回避させ、交通渋滞の緩和と二酸化炭素排出量の削減を図るためには、首都高中央環状線を初めとした三環状道路の整備を推進することが極めて重要であると考えております。
なお、国が昨年末に発表しました交通需要予測値、これは全国ベースのものでございます。
今後とも「十年後の東京」計画の実現に向けまして、これらの取り組みを着実に推進してまいります。
○松村委員 今最後の答弁で、国交省が自動車交通量の下方修正をしたのは全国だと。それは全国でもいいんですよ。だから、東京都の場合は具体的にどうなるのかと、その点を、そういうことの検討がなされているのか、それがどう反映したのかということを指摘したものです。
また、今何か三環状によって交通渋滞の緩和で二酸化炭素の排出量の削減云々という、相も変わらない答弁だというふうに私は思いますけれども、この外環道路は、既に本会議でも指摘しましたけれども、自動車公害も二酸化炭素による地球温暖化も、今日のように顕在化していない今から四十年以上も前の高度成長期に、しかも右肩上がりの成長を前提に計画されたものです。
しかし、二十一世紀を迎えた現在、地球温暖化を防止するための本当に喫緊の取り組みが求められていると。しかも、やはりその地球温暖化の世界的な取り組み課題としても、自動車中心社会の見直しが世界の流れとなっています。こうしたことを考えるならば、自動車中心から鉄道やLRT、バス優先の交通マネジメントなどを中心とする交通政策への転換という時代の要請にどうこたえるかが、今こそ都政でも求められているのではないでしょうか。
この大変な未曾有の危機の中で、車を手放す人もふえてきております。こういう中で、これ以上道路が必要なのか。私、オリンピック招致特別委員にも入っておりますけれども、たびたびこの中でも、きょうは所管局違いますけれども、大体オリンピックの立候補ファイルなどで、成熟した都市の姿を示す。もちろんこの実行プログラムはそうですよね、「十年後の東京」。ここにもまずうたっていることが、成熟した東京の姿を示すんだというふうに書かれていますけれども、新たにこの三環状を初めとする道路、道路の計画、本当にこれで、これが成熟した都市といえるのかということも指摘したいというふうに思います。
また、立候補ファイルでは、飽くことのない開発と拡大ではなく、既にあるものを生かし、かつてあったものを再生することというふうに書いてあるんです。世界が直面しているさまざまな危機を体現する都市の魅力と可能性を最大限追求することを通じて、都市と人間を再生することだというふうに、私、非常に書かれている文言としては的確だし、そのとおりやっていただきたいというふうに思うんです。
そこで、環境といいますけれども、自動車のCO2はなぜ総量規制を行う計画を持たないのでしょうか。また、今私が指摘したように、公共交通にさらに転換し、かつては石原知事も挙げていたパーク・アンド・ライドなど、こういう計画を、それこそこの実行プログラムに位置づけるべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○松浦計画調整部長 「十年後の東京」計画では、二〇二〇年に二〇〇〇年比でCO2排出量を二五%削減するという目標を掲げてございます。この目標を達成するため、運輸部門においても思い切った排出削減の取り組みを展開していくことはいうまでもないことです。
このため、実行プログラム二〇〇九では、電気自動車等の次世代車の導入促進やエコドライブの推進、バイオ燃料の利用促進などの取り組みに加え、新宿や臨海地区における環境交通モデル事業の推進を打ち出してございます。
この環境交通モデル事業は、新宿駅周辺においては地区内共同配送やパーク・アンド・バスライドを実施し、トラックやマイカーの交通量を抑制するとともに、信号制御の高度化等により、交通量の平準化を図るなどの取り組みを展開するものでございます。
また、臨海地区においては、二十一年度より大規模集客施設と協働し、ICカード乗車券を活用した公共交通機関利用の促進などに取り組んでいくとしております。これらの取り組みを推進していくことで、運輸部門のCO2排出量を着実に削減してまいります。
○松村委員 結局、都民の暮らしは後景に追しやられ、オリンピックを誘導するものといわざるを得ません。
改めて聞きますが、実行プログラムの性格は何ですか。どういう位置づけをこの都政の中で持つものでしょうか。
○松浦計画調整部長 平成十八年に策定されました「十年度の東京」は、東京の自己変革をさらに進めていくため、十年後の東京の目指すべき姿と、それに向けた政策展開の方向を示す都市戦略として策定したものでございます。
実行プログラムは「十年後の東京」に掲げる八つの目標の実現に向けた政策を着実かつ迅速に実施するためのアクションプランであり、三年後の到達目標と年次計画を明示してございます。
なお、今回改定した実行プログラム二〇〇九においては、二〇〇八で示した先進的取り組みについて、その成果を都民が実感できるようさらに加速化しており、また、さまざまな社会状況の変化を踏まえ、時代を切り開く新たな施策を機動的、戦略的に展開することとしております。
○松村委員 都政の政策を誘導する、リードする戦略的なプログラムというような答弁ですけれども、ならば、なぜ予算編成に先駆けて出されないのでしょうか。もう予算編成がほぼ終わった段階でこれを出されていますよね。違うんじゃないでしょうか。
それと、だからやはりこの実態というのは、実行プログラムの重点施策にのれば、予算の確保ができると、しやすいという、私は逆に、率直にいわせていただければ、隠れみの的な役割になっているような、そういう性格を持たざるを得ないというか、このことはやはり端的に指摘し、やっぱり根本からの見直しか、私はもうそういう点での実行プログラムそのものの必要性も、やはり今問われる事態じゃないかというふうに端的に指摘しておきます。
質問を終わります。
○後藤委員 私からはちょっと確認なんですけれども、そうしましたらば、CLAIRですか、このCLAIRの予算なんですが、これですけれども、宝くじの分担金というふうに聞いたんですが、こちらから、つくっていただいた資料を見ますと、平成二十年度の分担金というのが三億三千六百万円と書いてあります。
今年度の予算なんですけれども、国際化協会の方には三億六千五百六十三万一千円となっているんですが、今年度は三千万ぐらいふえているんでしょうか、ちょっと確認だけさせてください。
○猪熊外務部長 自治体国際化協会への地方公共団体の分担金、六十四自治体の分担金は、先ほど申し上げました国際交流自治宝くじの収益金を販売実績に応じて分担しておりまして、平成二十年度、三億三千六百万、平成二十一年度は三億二千万円で東京都の負担としては通知が来ているということでございます。
○後藤委員 ですから、今度の二十一年度の予算案を見ますと、三億六千五百万になっているんですが、今年度というんですか、ならば二十一年度は三千万円ふえているというふうなことでよろしいんでしょうかという質問なんですが。
○猪熊外務部長 二十一年度の予算につきましては、分担金について販売実績が固まらなかったため、三億三千六百万を計上し、そのほか、JETプログラムにつきましては、海外青年招致のニーズに応じた分担金あるいは自治体国際化協会への職員派遣、これらの経費を合わせて計上しております。
○後藤委員 そうしましたらば、確認ですけれども、宝くじの分担金だけしか入っていないと思ってよろしいわけですよね。人件費どうのこうのとおっしゃいましたけれども、例えば人件費、普通考えますと、人件費の分も分担金に含まれるかななんて思うんですけれども、例えば人件費だとか、今部長がおっしゃいました、三つぐらいのことをいわれたと思うんですけれども、二つぐらいは国際化協会とは関係がないような名前をちょっと今聞いたので。済みません。
○猪熊外務部長 二十一年度予算の計上の中には、分担金のほかに自治体国際化協会海外事務所への東京都職員、派遣しておりますけれども、その職員の手当等の金額が入っております。こちらについては、自治体国際化協会の方から、別途補助金として、その分相応、おおむねそれに見合う金額がまた別途収入されているという仕組みになっております。
○後藤委員 そうしましたらば、次にお尋ねしたいんですけれども、この間ですけれども、議会対応の職員のホテル代ということで監査結果も出ているのですが、知事本局の方で、議会対応の職員のホテル代で、これなんですが、ヒルトンホテルと京王プレッソインですか、ヒルトンホテルとは別なところにもお泊まりになっているんですけれども、このヒルトンホテルともう一つのホテル、これに分けている理由を教えていただけますか。
○大井総務部長 議会対応職員のために宿泊施設を借り上げておりますけれども、この借り上げにつきましては、総務局長が決定する基準というのがございまして、部長級については一万二千円以下、それから課長級については一万九百円以下、一般については八千八百円以下、この中で規模ですとか、あるいは利便性であるとか、そういったものを見てそれぞれの各局が決めておりまして、今いわれたことは、昨年の第四回定例会ではヒルトンホテルに一名一泊、そして京王プレッソインというところに十一名二十四泊となっております。
ヒルトンホテルは一万二千円、そして京王プレッソインは八千四百円で、それぞれ職給に応じた基準の中で宿泊をしたと、こういうことでございます。
○後藤委員 そうしましたらば、ホテルに泊まっている理由の確認なんですけれども、例えばタクシーで帰るよりも安いとか、深夜の緊急の対応をするときには近所に泊まっていなければいけないというふうに書かれているんですけれども、仮にそうだとしたらば、皆さんが京王プレッソインの方にお泊まりになっても、仕事には差し支えないと思うんですけれども、この件に関してはいかがでしょうか。
○大井総務部長 議会のときの宿泊でございますけれども、知事の答弁あるいは局長の答弁、その答弁の準備であるとか、あるいは各局との調整でありますとか、それから各会派との調整をやっております。そういったことが、議会対策上、深夜、緊急に必要になるということもありますので、そういった必要から庁舎の付近のホテルで宿泊施設を借り上げております。
また、当局は答弁全体の取りまとめを行うという役割を持っておりますから、ほかの局以上に深夜にわたる緊急対応の必要性が高い局でございまして、それから職員については、労働安全衛生上の観点もございまして、きちんと休養をとり、また翌日しっかり頑張っていただくという趣旨も込めて、借り上げられる仕組みになっているものを有効に活用しているということでございます。
○後藤委員 確かに部長がおっしゃっているように、職員の安全衛生のために泊まっているといわれれば、仕方がないかなというふうに思うところもあるんですけれども、例えばヒルトンホテルの方が高いですよね。金額的にいきましたらば、ヒルトンホテルは一万二千円です。京王プレッソインの方は八千幾らというふうにおっしゃったと思いますけれども、九千円よりも少ない額だったとは思うんですけれども、ここで今私が聞いているのは、何ゆえに分けるのか。例えばタクシーより安い、例えば深夜に緊急の対応をしなければいけないというんだとしたらば、なおさら皆さん同じホテルに泊まっていた方がいいというふうに、少なくとも都民の方だったらば思うと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大井総務部長 二つお答えさせていただきます。
一点目の金額につきましては、これは先ほども述べましたように、総務局長が定める基準に従って近傍のホテルを探したわけでございます。それから場所については、例えば今第一回定例会におきましては、私が今申し上げた京王プレッソイン、これも借り上げのための手続をいたしましたけれども、満杯で、ここだけではできなくて、本第一回定例会ではワシントンホテルも借り上げざるを得ないというようなこともあります。
ですから、こちらの予約をする側からすれば、同じ方がいいということであっても、宿泊先の容量によって受け入れができないという、そういった事態もございます。冒頭申し上げましたように、基準の中で私どもは適正に守ってやっておりますので、ご理解をいただければと思っております。
○後藤委員 私が聞いたのとちょっとかみ合っていないんですけれども、ワシントンホテルでもいいです。プレッソインでもワシントンホテルでもいいですけれども、例えばレベルの同等なところ、何ゆえに一万二千円のヒルトンに泊まるのかということを聞いているんですけれども、このことにお答えください。
○大井総務部長 何度も繰り返しますけれども、総務局が定める基準は、部長級については一万二千円の範囲で宿泊施設を選んでよろしいという基準が現にございます。それ以下についても、先ほど申し上げましたようにそれぞれ基準がございます。その範囲の中で、必要な際に集まれるような近傍のところということで、宿泊借り上げ施設を確保しているということでございます。
○後藤委員 部長も今範囲というふうにいわれたと思うんですけれども、別に安くたっていいわけですよね。ここでちょっとお尋ねしたいんですが、基準があったとしたらば、目いっぱいまで、例えば予算の範囲内に何が何でも使おうというのが皆さんの考え方ですか。これはあくまで税金ですよね。目的に合ったものだったらば、高くても仕方がないという考え方がありますけれども、何ゆえに、例えば局長なのか部長なのか理事の方なのかは知りませんけれども、何でこの方たちだけはヒルトンに泊まらなければいけないのかということを聞いているんです。
○大井総務部長 宿泊の基準につきましては、その所管局であります総務局からの通知に基づいてやっておりますので、それはまたその所管のところでお確かめいただければと思いますが、宿泊費については、限度額いっぱいというふうにおっしゃられましたけれども、例えば一般については、京王プレッソインは八千四百円でございます。ワシントンは八千八百円でございます。そういった意味では、安いところも探しているんですけれども、ホテルの受け入れの数等もございまして、その選択の中で選んで適正にやっているということで、ぜひご理解をいただきたいと思います。
○後藤委員 これはもう一回だけ聞きますけれども、景気は今最悪になってきています。この一万二千円というのの計算というのは、出張旅費から朝食代を引いた額だと思いますけれども、景気がよくても、民間も景気がいいときだったらばいいかもわかりませんけれども、景気がここまで落ち込んでいて、都民の方たちがご苦労なさっているというところがあったとしたらば、お役人の方たち、例えば皆さんですけれども、もう少しそこのところを考えていただいたらどうかなと思うんです。
今回も議会が開かれていますけれども、本会議の前はどことどこに泊まったのか教えていただけますか。
○大井総務部長 本会議の前というのは、この第一回定例会でございますね。第一回定例会につきましては、京王プレッソインに二月二十二日から二十五日の間で職員の宿泊を、宿泊用として借り上げをしております。
○後藤委員 そうしたら確認ですけれども、今回からはヒルトンホテルだとかは、とりあえず今回は泊まっていないということですけれども、例えば来年度になったとき、やはり議会対応の職員の方たちは、タクシー代よりも安いということと緊急時の対応ということで、これからも泊まられると思いますけれども、ヒルトンホテルだとか、高いところと安いところというふうないい方はいけないのかもわかりませんけれども、高いところと安いところに、例えば分けて宿泊するというふうなお考えはないと思ってよろしいでしょうか。
○大井総務部長 先ほどから繰り返しているんですけれども、この基準の存在がございますので、その基準の中で私どもは適正にやりたいと思いますし、また借りたいと思うホテルがいっぱいの場合もございますので、そういった中で探させていただくと、確保していくというつもりでおります。
それから、タクシーの方が安いんじゃないかというふうにおっしゃられておりますけれども、知事本局の関係でいいますと、タクシー代ですべて帰すと--連絡の必要性で待機させなければいけないんですが、仮にそうやってタクシー代でやると、経費としては宿泊借り上げ料よりも一・五倍ほど余計にかかると、こういった架空のものでございますけれども、計算してみると、宿泊借り上げの方が安いというようなこともございますので、ご理解をいただければと思います。
○後藤委員 これに関してはちょっと勘違いなさっているので訂正をしますけれども、タクシー代よりもホテルの方が安いという意味で私は聞いたのであって、例えばタクシー代の方が安いからなんて今私はいってはいないということだけいわせておいていただきます。
次に、「十年後の東京」で一言だけ聞きたいことがあるんですけれども、一二九ページなんですが、食育の問題が書かれています。ここの食育のところで、料理教室や漁村の女性と連携して東京産の魚の食べ方の普及啓発を行い、東京産水産物の消費拡大を図るというところがあるんですけれども、すごい細かいところで悪いんですけれども、例えば東京産の魚というのは何を指していっているのかなというふうに、素朴な疑問なんですけれども、ちょっと教えていただけますか。
○松浦計画調整部長 お尋ねの東京産の魚というような話については、当委員会で答えるような内容ではないと思いますけれども、参考までに、例えばキンメダイとか、カツオ類とか、カジキなどでございます。
○後藤委員 聞いたことはちょっと小さいんですけれども、東京産の魚というよりは、近海物の魚なんだと思うんですよね。このいってみれば「十年後の東京」で書かれていることが、各所管からいろいろなものを持ち寄ったのはわかるんですけれども、だったらば整合性がとれているのかなということをちょっと疑問に思ったんです。
東京産の魚といったって、例えば今部長がいったのが、キンメといったんですか、カツオだとかというふうにいわれましたけれども、東京産の魚といわれたって、カツオだとかというやつはずっと上がってきますよね。
例えば食育ということは僕すごい大事だと思っています。ただし、ここに書かれています十年後の実行プログラムというところです。一二九ページの下の欄には年次計画というところがありまして、東京産の魚の食べ方の普及啓発というふうに明確にうたっているんですよね。二十一年度、二十二年度、二十三年度にわたってやるということになっているんですけれども、このぐらいのことまでは、例えば整合性をとって書いていただかないと、ここまで大々的に「十年後の東京」がこのようにやるというふうに、これはいってみれば都民の方への約束だと思うんですけれども、書くんだとしたらば、もう少し整合性を考えていただきたいなと思ったんですけれども、いかがでしょうか。
○松浦計画調整部長 東京都には、東京湾から伊豆諸島、小笠原諸島など、南北約二千キロにわたる広大な海域がありまして、こういったところから、こういったものを東京産の魚というようなことにしております。また、こういった魚については、食べ方等について、家庭や給食への普及を図って東京産の食材の消費を拡大していくということでございます。
○後藤委員 最後に一言なんですけれども、こんなこと十年後の実行プログラムで、例えば魚のおろし方、食べ方を、これで普及啓発なんていうこというんですか。ここまでのところを、例えば料理教室なんとかでやっているようなことまで、この「十年後の東京」で書く必要は私はないと思うんです。
これに関しまして指摘ということで、とりあえずよろしくお願いします。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十分散会
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