総務委員会速記録第十五号

平成二十年十一月四日(火曜日)
第一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長馬場 裕子君
副委員長伊藤 ゆう君
副委員長崎山 知尚君
理事大松  成君
理事倉林 辰雄君
理事松村 友昭君
鈴木 章浩君
後藤 雄一君
山口 文江君
石毛しげる君
串田 克巳君
木内 良明君
鈴木 一光君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
青少年・治安対策本部本部長久我 英一君
総合対策部長小濱 哲二君
治安対策担当部長八木沼今朝蔵君
参事藤井 秀之君
総務局局長中田 清己君
危機管理監島田幸太郎君
理事志賀 敏和君
総務部長岳野 尚代君
参事和久井孝太郎君
行政改革推進部長和賀井克夫君
情報システム部長紺野 秀之君
首都大学支援部長松本 義憲君
人事部長中西  充君
労務担当部長安藤 弘志君
主席監察員齋藤  進君
行政部長笠井 謙一君
多摩島しょ振興担当部長松山 英幸君
参事鈴木 隆夫君
参事塩見 清仁君
総合防災部長石野 利幸君
企画調整担当部長鈴木 省五君
統計部長三田村みどり君
人権部長荒井  浩君
国体・障害者スポーツ大会推進部長谷島 明彦君
監査事務局局長白石弥生子君
参事三森 生野君

本日の会議に付した事件
 監査事務局関係
事務事業について(質疑)
 青少年・治安対策本部関係
事務事業について(質疑)
 総務局関係
事務事業について(質疑)

○馬場委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより監査事務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 それでは、監査事務局に対する質疑を行わせていただきたいというふうに思います。できるだけテンポよく質疑をさせていただきたいと思っていますので、ご協力お願い申し上げたいと思います。
 去る十月の中旬に、十二道府県で不正経理、十五億円未消化の予算をプールしていたと、こういうニュースがございました。会計検査院が十二道府県の経理状況を調べたところ、総額約十五億円の不正経理があったということであって、うち約九億円は国土交通省並びに農林水産省の補助金など、使い切れなかった予算を外部の業者に預けてプールさせていたということがありました。特に問題になったのは愛知県の二億数千万円だったということが朝日の記事等にも報じられているところでございます。
 その後、十二道府県は四十七の都道府県の中で抽出をされたものだったようですけれども、そのすべてで不正経理があったということで、これらの十二道府県以外でも、それぞれの自治体で不正経理がないかということが調査をされているということでございます。
 中には、埼玉の上田清司県知事がいわれていますけれども、全国から抽出した十二道府県すべてで見つかったということは、まず四十七自治体すべてに不正経理があると思うのが当然だと、このように上田知事もいわれております。事実、埼玉県では、その後調査を命じられて、〇三年から〇七年度で約一千万円の不正経理が見つかったということであるようでございます。これらのことが毎日新聞の夕刊に記載をされておりました。
 そして、毎日新聞が調査したところによれば、三十五の都府県に不正経理の有無などを調査したところ、八割を超える二十九都府県がないと回答した一方で、二十三都府県が調査する、検討中と答えたということでございます。二十三都府県ということは、東京都もこの中に入っているというふうに理解をするところでありますので、この点についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 この十二の道府県に不正経理があったわけですけれども、東京都でも類似の経理処理が果たしてないといえるのかどうかについて、まず所見を伺いたいと思います。

○三森参事 東京都では、平成十九年の定例監査におきまして、事務局を対象に、宿泊を伴います近接地以外の旅費及び郵券等の金券類の取り扱いについて不適正な事務処理がないか、監査を行いました。監査の結果、事務処理上のミスはありましたが、不正は発見されておりません。このように、これまで定例監査等で旅費や金券、物品の納入契約などについて監査を行い、必要なチェックは実施してきております。
 ただ、今回の不正経理に関する報道で問題とされておりますような国費と都費の支出区分という観点につきましては、これまで留意しておりませんでした。

○伊藤委員 それでは、東京都でも公共事業に関する国庫補助金についての不正経理がないか、埼玉の事例に倣って監査を行う必要があると私は思います。事実、改めて監査をしてみたところ出てきたという自治体もあったようですので、この必要性についての所見を伺いたいと思います。

○三森参事 東京都の監査委員でも、今回の報道を受け、公共事業に係る国庫補助金等の事務処理について、地方自治法第百九十九条第一項及び第五項に基づき随時監査を行うことといたしました。対象となりますのは、今回問題となりました国土交通省及び農林水産省からの補助金を受けている建設局、港湾局、産業労働局を対象に、国庫補助事業に係る事務費について監査を行う予定でございます。

○伊藤委員 確認ですけれども、今問題になっている建設局、港湾局、産業労働局を対象に、国庫補助金が入っているものについて、特に監査を随時監査という形でやるということは、今回のこの報道を受けての監査という理解でよろしいんですか。

○三森参事 先ほど申し上げましたように、今回の報道にありますような国費と都費の支出区分ということにつきましては、東京都としてもこれまで留意しておりませんでしたので、この点も含めて監査をしていきたいというふうに考えております。

○伊藤委員 今回のこうした報道を受けて、迅速に監査を行っていただくことに対しては評価を申し上げたいと思います。
 それでは、土木事業費の補助を受けている、今度は東京都内の市区町村に対しても同様の事例がないとも限りません。同様の事例がないかどうかの調査を行う必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

○三森参事 今回、随時監査とあわせ、都から土木補助を受けている市町に対しても、同様の事例がないか監査を行う必要があると考えておりますことから、地方自治法第百九十九条第七項に基づき、財政援助団体への監査として、市町を対象に監査を行うことといたしました。都の土木費から補助を受けております市町のうち八王子市、武蔵野市、昭島市、町田市、瑞穂町の四市一町を対象に監査を行います。

○伊藤委員 東京都も、また東京都内の市に対しても監査が行われるということがわかりました。
 これらの、今のお話にあったとおり、監査対象を市町に限った理由は何かあるんでしょうか。二十三区が対象になっていない理由は何か、伺いたいと思います。

○三森参事 今回の監査につきましては、限られた期間で行わなければならないということもございまして、五市町を対象といたしました。対象としました五市町は、土木費補助の金額、地域等を考慮して選定したものでございます。
 また、二十三区につきましては直接土木費補助を行っていないため、今回の監査対象とはしておりません。

○伊藤委員 今の答弁から、八王子外、五市町が特に疑わしいという理由ではなくて、あくまで今の土木費補助の金額等を勘案して選定をされたと、こういう理解になろうかと思いますので、誤解がないように、これらの市町に対する配慮というものをしていただきたいなというふうに思います。
 それでは、これらの随時監査の公表時期というのはいつごろになるんでしょうか。監査結果。

○三森参事 監査結果の公表時期につきましては、監査結果がまとまり次第、速やかに公表する予定でございます。

○伊藤委員 今回の会計検査院の指摘というのは、あくまで会計検査院みずからが正式に公表をしたわけではなくて、スクープ報道によるものだというふうにいわれているわけでありますけれども、近く会計検査院も今回の監査結果を正式に発表されるということであります。
 その際に、東京都監査事務局として、会計検査院から事件の詳細について聞き取りを行って、どんな調査によって、つまりこういう不正経理というものが明らかになったのかということを聞き取ることによって、みずからの東京都庁内の不正経理の有無というものが調査しやすくなるのではないかと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○三森参事 会計検査院と東京都の監査委員は、それぞれの権限に基づき検査及び監査を行っております。近く会計検査院から公表されます予定の検査結果につきましては、都としても詳細に分析を行い、必要であれば会計検査院に確認を行っていきたいと考えております。

○伊藤委員 今回事件として明らかになったのは、補助金をもらい、使い、そして、発注先の業者に対して余ったお金をプールしておいてもらったというものであります。中にはお金を流用したという案件もあるようですけれども、特に悪質なものとして、納入業者にプールをさせて、そして、ポケットに入れてしまったというのは言語道断ですけれども、ほかのことにも使ってしまったという事例があるようであります。
 こうした納入業者に物品の納入なしに公金を支払った悪質な事案というものを調査する必要があるというふうに思うんですけれども、調査方法といっても簡単ではないと思いますが、実際どのように調査することが可能なんでしょうか。

○三森参事 今回の監査を実施するに当たりましては、特に三点の留意事項を設けております。一点は、補助金が補助対象事業以外に流用されていることはないか、二点目としまして、補助金を架空の経費に充てていないか、三点目としましては、納入業者に物品の納品なしに公金を支払い、預けて管理させていないかという点に特に留意して監査を行うこととしております。
 この監査の過程におきまして疑わしい事例が見つかりました場合には、調査の必要があると認める場合については、納入業者に対しまして協力を得た上で、地方自治法第百九十九条第八項の規定に基づく関係人調査を行うことは可能でございます。

○伊藤委員 不正経理をする方も、見つかろうと思ってそういう経理操作をしているわけではありませんので、これを見つけるのは容易な作業ではないと思います。
 そういう中で、比較的不正経理が発生しやすいのは、三月の年度末に工事が大量発注されているとか、あるいは職員数に見合わないような物品の数が発注されている等の書類上での監査というものが、私は有効に機能するのではないかなと思いますので、そうした留意点というものをあらかじめ用意した上で監査に入っていただきたいなと思います。
 特に、不正経理で得た裏金の保管については、役所内の互助会や親睦会の口座を利用するケースというものが多々あるというふうに伺っています。ですから、こうした口座の出入金記録の開示を求めていくことも有効な監査手法と考えますけれども、いかがでしょうか。

○三森参事 各職場の互助会や親睦会につきましては、監査委員監査の対象とはなっておりません。今回の監査の中で、万が一公金の保管に疑わしい状況が見つかったなどの場合につきましては、関係人について必要な調査を行うことはできるというふうに考えてございます。

○伊藤委員 今回、いち早く二十年度に随時監査を導入されたことは、先ほども申し上げたとおり評価をしたいと思います。あとは、適正に厳正に監査をされ、今後こうした不正経理等で国民の信頼を失うことのないように、どうぞ厳しい監査というものに努めていただきたいということをお願い申し上げて、質疑を終わらせていただきます。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。

○馬場委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小濱総合対策部長 十月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の表紙をおめくりください。飲酒運転対策についてでございます。
 まず、1といたしまして、飲酒運転対策における平成二十年度の予算額及び内訳を示してございます。また、2といたしまして、飲酒運転させないTOKYOキャンペーンの概要を、さらに、3といたしましてその実績を記載してございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○串田委員 都は、石原知事が就任され、治安の維持こそ最大の都民福祉であるとの認識のもと、広島県警本部長であった竹花氏を治安担当の副知事に迎え、治安対策の強化に取り組まれてきました。行政組織の中に治安対策を担当する部局として設置された青少年・治安対策本部も、その強化の一つの象徴であると受けとめています。
 また、治安対策の根底に青少年の問題が深くかかわっているとの認識のもと、青少年の健全育成も一体として取り組んでおられます。確かに、昨今の青少年や若者の状況を見ますと、親の責任もあるとは思いますが、こらえ性が不足しているということも原因にあるのでしょう。結果としてさまざまな事件を引き起こしてしまう状況が見られます。
 また、インターネットや携帯電話の普及の影響もあり、青少年が犯罪に巻き込まれる事件も起きております。都内の犯罪の認知件数が改善傾向にある中で、昨今、若者による動機不可解な無差別の殺傷事件が発生するなど、都民の方々の体感治安の改善が進んだとはいえない状況にあることもまた事実であろうと思います。
 久我本部長は昨年就任されたわけですが、警察庁の出身であり、外務省、防衛庁や海外勤務も経験されているなど、警察行政だけでなく幅広い経験を有し、また、東京にいらっしゃる直前には、鹿児島県警本部長として困難な課題に取り組んでおられたことも伺っております。その久我本部長に東京都の青少年・治安対策についてご見解を伺います。
 まず、東京都の治安状況と青少年問題をどのように認識していらっしゃるのか。大都市東京特有の問題があるのではないかと思いますが、都の本部長としての立場を離れて、できれば鹿児島県の状況などもお話をいただきながら、率直な感想をお聞かせ願いたいと思います。

○久我青少年・治安対策本部長 私が昨年まで勤務しておりました鹿児島県は、今でも地域社会のつながりが強く、地域で子どもを守り育てる気風がございます。例えば、西郷隆盛や大久保利通などを育てた薩摩藩の郷中教育、これは「ごじゅう」と読みますが、そういう郷中教育という、年長者が年少者の心身を鍛える地域教育の伝統が残っております。小中学生の子ども会加入率は八〇%を超え、まち中で子どもたちが年長者にあいさつするのも日常の光景となっております。また、小学校に併設された公民館を拠点として、地域の住民が学校と一体となったコミュニティ活動を推進する校区公民館制度などユニークな取り組みも行われております。
 こうした状況のもと、地域の防犯ボランティア活動も活発で、鹿児島県の犯罪発生率は全国で四、五番目に低い状態が続いております。
 一方、人口の流動性が高く核家族化の進展した東京のような大都市では、地域の人間関係も希薄化し、地域の防犯力や教育力も相対的に低下しております。東京におきましては、こうした地域力を高めるため、行政が果たすべき役割が他の地域と比べて大きくならざるを得ないと感じており、安全で安心なまちづくりや子どもの健全育成などに行政が積極的にかかわっていく必要があるというのが東京の現状だと認識しております。

○串田委員 鹿児島の状況と違いもよくわかりました。東京の現状については私も同感だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、本部の組織運営について伺います。
 青少年・治安対策本部という組織は、警察庁から見えておられる本部長を初め、警視庁や入国管理局などからも職員が見えていると聞いております。都庁の中では珍しい組織であると思います。そのような組織において、組織運営といいますか、事業を執行していく上で、メリットやデメリットがおありかと推察しますが、デメリットはいいにくいということもおありでしたら、メリットだけでも結構ですので、お話しいただきたいと思います。

○久我青少年・治安対策本部長 治安対策や青少年の健全育成は、いずれも都だけ、都の一部局だけでできるものではなく、関係部局、関係機関、団体との緊密な連携が必要不可欠であります。
 私は、竹花副知事が着任した当時、警視庁の人事部門に勤務しており、当本部の前身である緊急治安対策本部に警視庁の職員を派遣し、また、逆に都の職員百名を警視庁に受け入れる準備に携わりました。
 現在、当本部の職員八十名のうち、警察庁、警視庁、東京入国管理局及び文部科学省から受け入れている職員は十七名で、全体の五分の一を占めております。都庁プロパーの職員とは物の見方や仕事の進め方などが違う部分もあり、当本部に来た当初はお互いに戸惑うこともあったかと思います。
 しかし、逆にそのことで緊密なコミュニケーションをとるようになり、一体感が醸成されたこと、また、主に職員の出身母体など関係機関とスムーズな情報交換ができ、より緊密な連携をとれるようになったこと、さらには、異なる視点を持った職員が自由濶達に議論することにより、斬新なアイデアが生まれるようになったことなどのメリットの方が大きいと思っております。
 今後とも、都庁プロパーの職員と派遣者などが、それぞれの知識や経験を踏まえた持ち味を生かしつつ、互いに切磋琢磨し、風通しよく連携して事業を進めてまいりたいと考えております。

○串田委員 これからも、そういった組織のメリットを大いに活用しながら、都民のための施策を展開していただきたいと思います。
 治安対策、青少年問題対策などは当然のことですが、東京だけで推進できるものではありません。特に、市区町村といった地元自治体の役割も非常に重要だと思います。私の地元の八王子市でも、青色防犯パトロール隊のパレードなど事業を実施したり、先日も市内の方が、地域における青少年の健全育成の活動が評価され、知事から表彰されております。
 そこで、こういった基礎的自治体である市区町村や地域住民の役割について、本部長の見解を伺います。

○久我青少年・治安対策本部長 私の仕事上のモットーは現場主義でございまして、それぞれの活動の現場の実態に即して物事を考え、現場の意見やアイデアを大切にするようにしております。治安対策や青少年の健全育成も、地域の状況や問題の所在など、地域の実態を最もよく把握している市区町村や地域の住民が現場の実態を踏まえた取り組みを行うのが基本だと考えております。
 一方、都の役割は、もう少し広い視点で社会の状況や都民の要望を的確に把握するため、実態調査や有識者などの意見聴取を行うとともに、取り組むべき新たな課題をモデル事業や社会実験などの形で市区町村に提示し、また、市区町村や地域住民の取り組みが円滑に進むよう、さまざまな支援を実施していくことだと考えております。
 こうした観点から、当本部では、今後とも地域の安全確保や、青少年の健全育成の基本的な担い手である市区町村や地域住民と緊密に連携して、地域の実態に即した取り組みに努めるとともに、こうした取り組みが地域にしっかりと定着し、地域のきずなが回復するよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。

○串田委員 青少年・治安対策本部は職員数八十名と小さな組織でもあり、東京の治安対策、青少年問題などすべてをカバーすることは、当然のことながら困難でしょう。青少年や治安などの取り組みについて率先して対策を講じていくこととともに、東京都全体のコーディネーターとして都庁内の各局と連携を図り、連携はもとより、区市町村、住民、NPOなどさまざまな機関や人々と一緒になって取り組んでいくことが大切だと思います。
 これからも、久我本部長のリーダーシップのもと、都民の安全・安心の確保にしっかり取り組んでいかれるようお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

○石毛委員 都が取り扱っているというか、進めておりますあいさつ運動について質問をさせていただきます。
 あいさつ、欧米では握手だとか、またほっぺたにキスをしたり、ロシアでは、テレビで見たんですが、大統領と知事だったと思いますが、唇同士で男同士がキスをするのがあいさつだと、そうコメントが書いてありましたけれども、いろんなあいさつが世界にはあるんだなと思います。
 芸能関係ですとか夜の仕事の方は、夜でも昼でもおはようございます、不思議だなと思って聞いたら、芸能関係というのは上下関係が大変厳しいところだと、丁寧にいわなくちゃいけないと。こんにちはございます、こんばんはございますというのはございません。朝のおはようございますだけは丁寧なんですね。だからそれを使っているんだと、このように聞いております。
 また、十二月三十一日から一日にかけて、最近、若い人たちは、明けましておめでとうございますを、明けおめというそうですね。四文字でございます。大変軽くなったわけでございますが、もともとこのあいさつ、ご存じだと思いますが、仏教用語でございまして、一挨一拶、つまり数字の「一」と「一」が入って、その間に「挨拶」が入ります。この二つの「一」が取れて「挨拶」となっております。師匠と弟子のやりとり、禅問答から、この一挨一拶、あいさつになっておりまして、両方あいさつ、押す、押すという意味もありますし、押して開くという意味もございます。
 さて、このあいさつ運動、本題に入りたいと思いますが、あいさつの取り組みは人と人のコミュニケーションの始まりでありまして、人間関係の潤滑油ばかりではなく、家族や友達、すべての人たちにいろんな意味で聴診器のような役割を果たしているというふうに思います。
 例えば、家族の中で、当然一番早く起きるのはお母さんだと思いますが、お母さんが起きて、コトコトコトコトってやっていると、子どもかだれかが来て、おはよう、おはようというわけですね。普段のおはよう、おはようが、状況はこうだとしたとき、おはようといって、元気なくおはようといえば、きのうだれかに怒られたとか、あるいはお腹が痛いとか頭が痛いとかという、そういうことがすぐわかるんですね。ふだんの毎日の状況の中で、そういう意味では、先ほど申し上げたように聴診器のような役割を果たすんじゃないかと思います。そうしたことを考えますと、あいさつというのは、自然にまじらいをつくる社会づくりに非常に役立つものだと思います。
 また反面、欧米というか、海外では、特に海外、欧米ですね。例えばバスなんかを待っていますと、知らない人がいますけど、ともかくハーイとかといってあいさつするんですね。主題は、バスの運転手が乱暴だとか、きのうこんなことがあったとかと、全く知らない人たちがその待っている間に話をするんですね。しかし、一たんバスに乗ってしまうともうそれでおしまいで、その一期一会だけなんですね。日本は、こんにちは、どうですかなんていうと、途端に引かれてしまうような、この人、何だろうと。とかく日本では天気のあいさつから最初は始まりますが、向こうではダイレクトに何か問題点を話をする。こんなような状況がございます。
 こうしたあいさつでありますが、ともすると犯罪に利用される場面もあるかと思います。運動の推進に当たって注意をすべき点もあると考えますが、一面ではらむ危険性に十分配慮しながら、あいさつ運動を粘り強く広げてもらうために、何点かお伺いします。
 まず、この取り組み、あいさつ運動の現状についてお伺いいたします。

○藤井参事 都では、平成十一年度に心の東京革命を提唱いたしまして、これまで、毎日きちんとあいさつさせようを、「心の東京ルール-七つの呼びかけ-」に位置づけ、人が生きていく上での当然の心得として、都民に訴えを行ってまいりました。特に、十七年度からは活動の重点テーマに位置づけ、コミュニケーションの入り口であるあいさつが広く家庭や地域等でなされることを目指して、あいさつ運動を推進してきたところでございます。
 さらに、平成十八年度からは本格的に、これまで二回開催いたしました東京あいさつフェスタをメーン行事として、さまざまな形で普及活動に取り組んでおります。具体的には、運動の普及のためのテーマソングとして、多湖輝前会長の作詞によるあいさつソング「あいさつは魔法の力」を作成したほか、区市町村を通じて、地域における活動に補助したり、地域におけるすぐれた取り組みをモデル事例として紹介するなど、多岐にわたる活動に取り組んでおります。
 さらに、今年度からは、寸劇とゲームで楽しくあいさつの重要性を訴えるあいさつキャラバンや、オリンピック出場経験者がみずからの体験などを通じて呼びかけるあいさつ運動チャレンジプロジェクトを学校や地域のイベントなどで展開するなど、新たな取り組みも行っているところでございます。

○石毛委員 わかりました。
 あいさつ運動を進めるに当たって、どういった方々に協力を求めているのか、この辺もちょっとお聞かせください。

○藤井参事 あいさつ運動は、子どもたちやその保護者にとって身近な地域で展開されることが重要であります。区市町村や青少年健全育成地区委員会を初めとする地域の育成団体に対して、積極的な取り組みをお願いしているところでございます。また、当然のことながら、教育委員会との連携のもと、学校における取り組みをお願いしております。
 さらに、民間企業の先進的な取り組みをあいさつフェスタで紹介するなど、民間企業との連携、協力も進めているところでございます。

○石毛委員 わかりました。
 こうした運動について、例えば数値で求めるのは結構難しいんじゃないかと思いますが、先ほども私、家庭の中であいさつをするとこんな効果があるよと申し上げたわけでありますが、このあいさつの効果について、現時点での都の評価についてお伺いいたします。

○藤井参事 ご指摘のとおり、あいさつ運動の全般的効果について数値で評価するのは難しいことでありますが、各学校、地域において、熱意と工夫のあるすぐれた取り組み例が報告されており、手ごたえを感じております。
 学校においては、大規模なあいさつ集会を行う学校があり、児童会、生徒会の参加による校門でのあいさつ運動の例が幾つも報告されているほか、あいさつソングの普及も進んでおります。
 また、地域ぐるみでさまざまな工夫をしながら、あいさつ、声かけ運動に取り組む例や、地域の行事の中であいさつをテーマにした展開を行うなど、地域での活動も拡充しております。
 さらに、今年度から開始いたしましたあいさつキャラバンやあいさつ運動チャレンジプロジェクトが各地で多くの人を集め、好評を博し、マスコミでも取り上げられるなど、あいさつ運動が着実に進展していると感じているところでございます。

○石毛委員 わかりました。いろいろ苦労はあると思いますが、着実にあいさつ運動が広まっているという実感がわかりました。
 あいさつによるプラスの効果というのは疑いないところでありますけれども、一方、あいさつが犯罪のきっかけになってしまうということも見逃しができないと思います。善意のあいさつをして、そこに気を許して詐欺行為に遭ったり、あるいは場合によっては痛ましい犯罪に巻き込まれたり、そうしたことがあってはいけないと思います。
 我が国では、先ほど申し上げたように、欧米と比べてウエットというんでしょうか、欧米の方がドライ、その瞬間は瞬間でという、そうしたところを考えると、日本におけるこの種の運動がとかく性善説に傾いて、悪意や犯罪の危険性について、特に子どもたちにきちんと伝えていない傾向があるのではないかという危惧があるんですが、その点いかがでしょうか。

○藤井参事 あいさつ運動には、その活動を通じて、地域において大人同士、また大人と子どもとの顔の見える関係を築き、見知らぬ怪しい人と見分けがつくようにするという効果があると考えております。そして、地域の皆が顔見知りとなることは、大人たちが協力して子どもたちを見守り育てていく地域の力を高めることに役立つものと考えております。
 しかしながら、子どもが巻き込まれる犯罪が発生いたしますと、実際に活動している方々からも不安があることを聞いております。
 ご指摘のとおり、あいさつ運動は単にあいさつの実行を目的とするのではなく、広く地域で子どもを守り、はぐくむ環境整備の一環として取り組むことが必要であると認識しているところでございます。

○石毛委員 わかりました。都としてもいろいろ悩みながら取り組んでいるということが十分わかったわけでありますが、こうした地道の活動、非常に大事であると考えるわけでありますが、私は、防犯意識の向上で、やはり子どもたちが小さいときから犯罪の危険にある意味でなれるというようなことも必要だろうと。
 例えば学校では、こういうことはしてはいけませんよと、これは悪いことですよというような教え方をするんですね。ところが向こうでは、ある意味ではこんな悪い人がいるからという、そういう例もやって、ある意味では学校の中で、詐欺師と、逆に被害者と子どもたちのロールプレーみたいな、例えば振り込め詐欺の状況をやらせるとか、あるいはキャッチセールスの役を子どもたちに両方させて、ある意味ではそういったところになれると。決してそれは、日本に全然犯罪がなければ問題ないわけでありますが、えてして振り込め詐欺も、こういったこともあるんではないかと思うわけです。ぜひともそうしたことも考え合わせて、とっさに判断できるような、そんな生きた授業なんかも取り入れていくことがいいんじゃないかなと、私はこう考えるわけです。
 こうしたことを踏まえて、実施に当たって、あいさつ運動と子どもの安全対策との両輪、ここを進めていくべきだと考えますが、青少年・治安対策本部長の決意をお伺いいたします。

○久我青少年・治安対策本部長 次代を担う子どもたちが健全かつ安全に育つ環境をつくるためには、地域において円滑で良好な人間関係が構築され、低下が著しいといわれている地域で子どもを守り育てる力の回復、向上が欠かせません。その意味で、委員からただいまお話がございました人間関係の潤滑油であり聴診器でもある、あいさつのできる社会づくりは極めて重要であるというふうに考えております。
 一方で、社会にさまざまな悪意が存在することは事実であり、当本部では、地域安全マップづくりなど、子どもが犯罪から身を守る能力を高める取り組みも進めております。
 今後とも、子どもの安全対策にも十分配慮しながら、しっかりとあいさつ運動を進めてまいります。

○大松委員 子どもの防犯対策についてお伺いをいたします。
 全国では、子どもが被害に遭う凶悪事件が後を絶ちません。東京都内におきましても、こうした子どもが被害者となる犯罪の前兆となるような声かけ事案等も多数発生しているわけでございます。
 私も、警視庁、また、各地元の警察署から発信されますメールサービス、登録をさせていただいているわけでありますけれども、それを見させていただきながら、本当に身近なところでこうした声かけ事案が発生しているということにつきまして、また小さなお子さんをお持ちの保護者の皆様方も大変胸を痛めているわけでございます。
 こうした子どもが被害に遭う犯罪から子どもを守るためには、地域の防犯活動、また子どもの見守りが重要になるわけでありますけれども、やはり子ども自身に犯罪から身を守る力、判断力をつけさせていくということが重要になるわけでございます。
 そこで、注目されておりますのが、立正大学の小宮信夫教授の犯罪機会論というものがございます。この機会というのは、犯罪が実行しやすくなる状況とかチャンスとかという意味でありますけれども、こういう状況をつくらない、またこの状況に入らないというふうに注意することによって、被害者にならないようにすることができるという理論でございまして、これはニューヨークの犯罪を大きく抑制しました割れ窓理論とも共鳴するものでございます。
 こうした犯罪機会論をもとに、東京都では地域安全マップづくりの普及を図っているわけでございますが、どのような取り組みになっておりますのか、概要について伺います。

○八木沼治安対策担当部長 地域安全マップづくりについてでございますけれども、都が普及に努めております地域安全マップづくりにつきましては、子どもが犯罪からみずから身を守ると、そういう能力を高めることを目的としておりまして、小学校の授業の一環として、子ども自身がフィールドワークで地域を実際に歩きまして、だれでも入りやすく、だれからも見えにくいをキーワードに、犯罪が起こりやすい危険な場所を自分たちで確認しまして地図にあらわすものでございます。
 こうした地域安全マップづくりの正しい知識や方法を周知するため、都では平成十七年度に地域安全マップ作製指導マニュアルを作成いたしまして、都内のすべての小学校等へ配布して取り組んでまいりました。
 また、昨年度には、地域安全マップづくりを小学校低学年の児童へも普及するため、続編といたしまして、低学年用の指導マニュアルを作成したところであります。現在、低学年児童への地域安全マップづくりの普及にも努めているところでございます。

○大松委員 それでは、地域安全マップづくりの普及状況について伺います。

○八木沼治安対策担当部長 本年七月に当本部で都内の国公私立小学校等を対象に実施した調査によりますと、地域安全マップづくりを既に実施している、あるいは今後実施を予定していると回答した小学校が約七五%に上りました。このように、都内の小学校における地域安全マップづくりの取り組みが着実に進んでいるものと考えております。

○大松委員 この地域安全マップづくりでありますけれども、なかなか留意点があり難しい作業であると、このように伺っております。例えば、失敗する事例として、単純に不審者がいた場所がここであるとか、犯罪が発生した場所がここであるとか、そういったことだけをこのマップに記入をして、子どもに判断力を身につけさせるということにつながらなかったり、またあるいは、被害を受けたことのある子どもさんにいろんなことを聞き過ぎることによりましてトラウマを深めてしまったと、こういう失敗事例もあるというふうに伺っているわけでございます。
 したがいまして、地域マップづくりの効果を上げ、今後、より多くの学校に地域安全マップの普及をさせていくためには、的確な指導のできる人材の育成が重要であります。この人材育成に向けての東京都の取り組みを伺います。

○八木沼治安対策担当部長 人材育成に向けた都の取り組みについてでございますけれども、都では地域安全マップづくりの指導者を育成するため、教職員、区市町村の職員、警視庁スクールサポーターなどを対象にいたしまして、平成十七年度から地域安全マップ専科を実施いたしました。これまでに既に八百六十五名の方が受講しております。
 また、学校の先生方に地域安全マップづくりの理論的な背景などについて学んでいただくために、研修会や、子どもたちへの地域安全マップづくりの指導方法を学んでいただくための公開モデル事業を、十八年度からこれも実施しております。これまでに、研修会には二千九百三十名の方が、公開モデル事業には二百五十人の方が受講されております。
 今後とも、地域安全マップの普及に向けまして、学校、区市町村、警視庁、子ども安全ボランティア等とも連携しながら、マップづくりを指導できる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。

○大松委員 こうしたマップづくりは、子どもに自分自身の身を犯罪から守る力をつけさせるということにとどまらず、子どもだけにとどまらず、大人にもこれは大変効果がある、このように考えております。答弁の中にも、子ども安全ボランティアとの連携ということで、地域住民との連携というような答弁もいただきましたので、さらにこれを地域に広くすそ野を広げていただくような取り組みを要望させていただきまして、次の質問に移ります。
 次に、出会い系サイトの対策について伺います。
 警察庁の資料によりますと、出会い系サイトが原因で犯罪被害に遭った十八歳未満の児童、平成十九年度は一千百人、このうち携帯を使用しての事例が九六・五%で、千六十二人に及んでおります。さらに、都内では、携帯サイトで福祉犯罪の被害を受けた子どもは百三十九人、こういうことが報告をされているわけでございます。
 東京都といたしまして、子どものネット、携帯の利用実態をどのように掌握されているのか伺います。

○藤井参事 本年七月に東京都教育委員会が行った実態調査によりますと、携帯電話によるインターネットは、小、中、高と校種が上がるほど利用されており、小学生ではゲームサイトの利用が最も多くなっております。中高では音楽サイトが最も多いものの、プロフ、ブログ、掲示板、コミュニティサイトなどの利用が中学生で急増しています。
 十月十八日に、関係局等が横断的に連携し、小中学生を対象にネット、携帯問題に関するイベントを開催いたしました。その際、会場においてリアルタイムでアンケートを行った結果でも、コミュニティサイトを利用したことがあると答えた者が約二割あり、ネットで知らない人と知り合うことについて、楽しい、おもしろいと答えた者が約一割存在するという状況がございました。

○大松委員 コミュニティサイトを使ったことのある小中学校生は二割であるとか、そういったことがおもしろいというのは一割ということでありますけれども、大変危ういことでありまして、危険なサイトが多い中で、やはり小中学校生はフィルタリングを、また、一定のサイトにアクセスできないようにするということがしかるべきであるというふうに考えるわけでございます。
 それで、東京都の青少年健全育成条例でも、プロバイダーや販売店に対しまして、保護者への告知、勧奨義務が課せられているわけでありますけれども、このフィルタリングの率が三〇・七%ということで、大変低いわけでございますけれども、このことにつきまして、東京都はどのように評価をしているのか伺います。

○藤井参事 本年二月に東京都で実施した都内販売店に対する実態調査によれば、青少年が携帯電話等を使用する場合、約八五%の店舗において、フィルタリングの告知、勧奨が実施されておりました。
 また、普及状況が低いことにつきましては、販売員の回答から、携帯電話等を自由に使えなくなることによる子どもの反発や親の知識不足、フィルタリングの仕組みが不十分なこと等が理由として考えられます。
 先般、いわゆる有害サイト規制法が成立しましたことを受け、関係事業者の自主的な取り組みが進み、フィルタリングの普及が一層促進されることを期待いたしておりますが、この法律においても、フィルタリングの導入の最終的判断は保護者にゆだねられており、保護者の認識を高めることが依然として重要であると認識しております。

○大松委員 うちの娘も中学に入りましたときに携帯を持たせたわけでありますけれども、フィルタリングをかけるときにかなり不満そうでありましたけれども、やはりこうした現状から見れば、フィルタリングはしかるべきということで、店頭でいいましたら、お店の方に非常に的確に対応をしていただいておりますので、要は保護者、親の意識をしっかり高めていくということが大事になってくると思います。
 そうした中で、東京都は既にネットやゲームに関するルールづくりのためのファミリeルール講座というものを実施していますけれども、これについてどのように実施をしているのか、その状況について伺います。

○藤井参事 ファミリeルール講座は、平成十九年三月に事業を開始いたしました。これまで、平成二十年十月末日現在までの間に四十一回の講座を開催し、千九百二十五名の方が受講しております。
 この講座では、有識者の検討をもとに作成した冊子「作ってみようファミリeルール」を使用し、ネットで人と知り合う、携帯の使い過ぎ、ワンクリックで架空請求が届いたなど、参加者の関心のあるテーマを選び、少人数のグループで、子どもの気持ちになったロールプレーなどを通じて、家庭で子どもと話し合い、子どもがみずから納得してルールをつくるためのノウハウなどを学び合っているところでございます。

○大松委員 ネットによる犯罪被害も大変多うございまして、例えば親や家族や友人に相談のしにくいようなアダルト関連の架空請求等、大変巧みにいろんな犯罪もふえているわけでございます。
 また、私の知り合いで、高校生なんですけれども、出会い系サイトで知り合った者同士が会っていると親御さんが気がつきまして、私も一緒にその高校生と親御さんと会って、かかわってきたということがあるわけでございますけれども、こうした親や地域の住民とのかかわりのないところで出会い系サイトで出会っている実態、そうしたことに余り抵抗を感じないまま行っている高校生等の実態に驚きながら、大変危ういものを感じているわけでございます。
 そうした中で、どんどんネットの世界も変化をしておりますので、親と子の知識ギャップを埋めるためにも、こうしたルールづくりに加えて、保護者に対して、フィルタリングの重要性やネットトラブルに関する最新の知識などを教えていく取り組みを強化すべきではないかと考えます。所見を伺います。

○藤井参事 保護者へフィルタリングの重要性等を教えていくことが重要という件につきましては、今年度、IT知識やネットの実務に精通した方々にファミリeルール講座のグループワーク運営手法を学ぶ研修を受けてもらうなどして、新たにeメディアリーダーを養成したところでございます。十月以降、eメディアリーダーによるネット関連の講義や質疑応答を加味し、より保護者のニーズに合ったファミリeルール講座を開催しているところでございます。
 今後とも、保護者の知識や認識を高めるための実践的な講座開催に向け、さらに努力してまいります。

○松村委員 今、大麻や覚せい剤が青少年をむしばんでいる深刻な事態が広がって、大学にまではびこっているということについては、非常にショックを覚えます。この覚せい剤や薬物は、所管は福祉保健局でありますけれども、青少年問題協議会を所管する本部としても、この問題を青少協に諮問するなど、関係局とも連携をとりながら、青少年の健全育成という立場から、やはり重大な事態だというふうに思うんですね。そういう諮問などをしていく点についての考え方を伺いたいと思います。

○藤井参事 青少年の薬物乱用は憂慮すべき問題であり、東京都では、福祉保健局が事務局を務めております東京都薬物乱用対策推進本部、特にそのもとに置かれました青少年対策部会におきまして、青少年のための総合的な薬物乱用対策の検討を行っております。当青少年・治安対策本部も、これらの本部や部会の一員として連携しているところでございます。
 また、薬事に関しましては、知事の附属機関として東京都薬事審議会が置かれており、平成十九年十二月には、都の今後の薬物乱用対策を効果的に推進するための基本的な考え方について答申が出されたところでございます。この中でも、青少年を中心とした啓発の充実は大きな柱の一つでございます。
 こうした答申を受け、東京都薬物乱用対策推進本部では、現在、啓発対象となる青少年の範囲を有職、無職少年に拡大していくことや、インターネットなどの普及に伴う乱用助長情報に対するフィルタリングの利用促進強化など、新たな対策を盛り込んだ薬物乱用対策推進計画を見直ししているところでございます。
 青少年・治安対策本部では、薬物乱用対策推進本部の一員として、また、当本部が事務局を務めております子ども・若者問題対策会議の部会の一つに薬物乱用防止の部会があることの両面から、引き続き関係局と緊密に連携して青少年の健全育成に努めてまいります。

○松村委員 青少年・治安対策本部も青少年健全育成の広報に力を入れているというふうに思います。ぜひ所管局や、今るる答弁がありましたところと密に連携をとりながら、大麻や覚せい剤から青少年を守る宣伝にぜひ力を入れていただくことを要望して、終わります。

○山口委員 私の方からは、青少年・治安対策本部が取り組んでおります若年者自立支援について、何点か伺いたいと思います。
 ひきこもり、ニートは、長期化により、三十代にまで今及んでいるといわれています。平成十六年度からスタートしたひきこもり相談事業は、十九年度は、従来のインターネット相談に加えて電話相談も開始し、インターネット相談の新規登録者が三百七十六人、延べ相談件数が千四百六十三件、電話相談の新規登録者が七百七十三人、延べ相談件数千百九十件と、本人や家族、友人などの相談に応じていると聞いております。
 通常なら社会的にも精神的にも自立してしかるべき年ごろの青年が、親元にいて働かず、さりとて勉学するでもなく、就業への準備をしているものでもない状況は看過できず、都はNPO法人との連携によるひきこもり等の自立支援を実施するに当たり、平成十九年度、関連するNPO法人の実態調査を行い、ひきこもり等の若年者支援プログラムを開発したと聞いています。
 まずは、その調査の結果と開発した支援プログラムの内容について伺います。

○藤井参事 昨年度実施いたしました若年者自立支援団体実態調査におきまして、都内にあるひきこもり等の若年者を対象として支援を実施しているNPO法人の活動内容等を分析いたしました。
 訪問相談と就労・就学支援を実施している団体は比較的多くございましたが、その間をつなぐ支援である自己肯定感、生きる力の醸成を目的とした居場所の提供や、社会参加への準備支援を行っている団体が比較的少ないことが明らかになりました。
 また、比較的小規模な団体が多く、専門的な知識や技術を有する支援員等の育成、確保が容易でないことから、各団体が体得したノウハウが団体間で共有、活用されていない実態が把握されたところでございます。
 そこで、今後、ひきこもり等の本人及びその家族を対象として、体系的、連続的な支援を行うための支援プログラムとして、訪問相談支援、自宅以外の居場所の提供、社会参加への準備支援の三つの支援プログラムを開発いたしました。
 また、団体の組織体力の維持向上を図るための支援プログラムとして、支援員、代表者への支援、支援団体間の交流促進支援の二つの支援プログラムを開発いたしました。

○山口委員 では、そのプログラムを今後どのように活用していくのか、その状況について伺いたいと思います。

○藤井参事 今年度は、昨年度開発した支援プログラムによる事業を通称東京都若者社会参加応援ネット、コンパスとして、この八月一日から開始いたしました。具体的には、企画公募の方法により選定いたしました五つのNPO法人等に委託して実施しております。対象は、都内在住の十五歳からおおむね三十四歳までのひきこもり等の状態にある方とそのご家族で、原則として無料でご利用いただけます。
 就労、就学支援の前の段階の支援として、ひきこもり等のご本人やご家族などから、多くのお問い合わせやお申し込みをいただいているところでございます。

○山口委員 ひきこもり等の支援は、NPO法人だけで実施していくことは大変難しいと思うのですが、関係するさまざまな機関との連携が欠かせないと思います。関係機関との連携はどのように行っていくのか、伺いたいと思います。

○藤井参事 従来から、関係機関との相互連携を図るための場として、ひきこもりに係る連絡調整会議を設置いたしまして、精神保健福祉センター、都及び区の保健所、東京しごとセンター、教育相談センターなどの関係機関の実務者レベルの職員で情報共有等を行っているところでございます。コンパスの実施に当たりましては、同会議におきまして、NPO法人などとの協力関係を確認したところでございます。
 また、NPO法人が個別のケースに対応するに当たりまして、必要に応じて事例検討会を開催するなどして、関係機関から専門的なアドバイスを得たり、具体的な連携のあり方について確認などを行ったりしております。
 今後とも、このような実務的な連携を一層進めてまいりたいと考えております。

○山口委員 都は、昨年度、ひきこもりの実態調査を目的とした調査研究を行い、若年者一般に対するアンケート調査の結果、都内でひきこもりの状態にある若年者は、少なくとも全体の〇・七二%に当たる二万五千人以上との推計値を得るとともに、ひきこもりと思われる層への面接調査等を通じて、一般的な若年者の自立意識から見たひきこもりについての考察を行ったと聞いています。
 これまで、不登校とひきこもりの関連が注目され、指摘されることが多かったと認識していますが、この点についてどのようなことが明らかになったのか伺います。

○藤井参事 アンケート調査の結果によりますと、ひきこもりの状態にある若年者の三四%が不登校の経験があり、また、ひきこもりの状態になった直接の原因が不登校という方が一九%いるなど、ひきこもりと不登校の関連が明らかになったところでございます。
 また、学校での経験について、四四%がいじめられた、五〇%が勉強についていけなかった、四一%が先生との関係がうまくいかなかったなど、一般的な若年者に比べ高い割合で、学校生活において何らかの学校不適応を体験していたことが明らかになったところでございます。

○山口委員 ひきこもりの問題解決に向けた抜本的な対策に当たっては、コンパスなど、既にひきこもりの状態にある層への支援を行うことが必要でありますが、同時に、いまだひきこもりの状態に至っていないが、さまざまな問題を抱えて社会参加できずに悩んでいる層への未然防止対策も重要ではないかと思います。
 都は、今年度より、ひきこもりの未然防止対策を目的としたひきこもりセーフティネットモデル事業を実施していると伺っていますが、その事業の概要と進捗状況について伺いたいと思います。

○藤井参事 東京都ひきこもりセーフティネットモデル事業は、不登校経験者や高校中退者などさまざまな問題を抱えて悩んでいる若者が、進学や就職をせず社会とのつながりを失うことにより、ひきこもり等の状態となることを未然に防止するため、各地域において、教育、福祉、保健医療、就労支援等の行政分野や関係機関、地域団体等が緊密に連携したネットワークをセーフティネットとして構築するとともに、個人の状況に応じた適切な支援を継続的に講じるものでございます。
 平成二十年度は、都内の各自治体への意向調査の結果に基づきまして、新宿区、足立区、西東京市に委託し、足立区は七月下旬、新宿区は八月上旬、西東京市は十月中旬から事業を開始いたしました。各区市におきましては、対象者の把握、総合窓口の設置、専門の相談員による訪問面接、相談など、ご本人やご家族の状況に応じた適切なサポートに着手していただいております。
 ひきこもりに限らず、子ども、若者をめぐるさまざまな問題への対応に当たりましては、できるだけ早い段階から継続的かつ包括的に支援するとともに、すべての関係者が相互に協力しつつ、総合的にかかわっていくことが重要でございます。青少年・治安対策本部におきましては、こうした取り組みが都内各地に広がるよう努めてまいりたいと考えております。

○山口委員 ひきこもりなど心を閉ざして自分の中に閉じこもってしまった若者は、表面的には社会からの逃避や退行現象のように見えるが、一方では、成熟していない自我を再生されるさなぎのような時期でもあるのだという専門家の見方もあります。怠けているとか甘えているとかいわれがちですが、本当は本人が一番不安であり、思い悩んでいるのではないでしょうか。
 こうした若者の心を受けとめて、気持ちに寄り添った援助が必要であるとの認識のもとに、これらのひきこもり対策、またひきこもり未然防止対策が一層推進されるように要望して、質問を終わります。

○後藤委員 私は、こちらの事業概要の五〇ページに書いてあります自転車安全利用TOKYOキャンペーンについてお尋ねをします。
 こちらが今年度出されたものだと思いますけど、まず、これの発行部数と金額がどのぐらいかかったのか教えてください。

○八木沼治安対策担当部長 今年度発行いたしました自転車安全利用TOKYOキャンペーンの際につくりましたパンフレットでございますけれども、印刷部数は百十万枚、経費は約二百九十万円ほどかかっております。

○後藤委員 こちらのリーフレットの中なんですけれども、できたらば交差点の標識というんですか、標示についてお尋ねしたいんですけれども、これは多分皆さんご存じだと思いますけれども、例えば自転車のストップマークといいますか、ここにありますストップマークの位置づけというんですか、例えば法的な位置づけがあるのか、どういうふうな場合にこれを設置していて、設置をする所管、区市町村がやるのか、都がやるのか、国がやるのかとかということについてお答えください。

○八木沼治安対策担当部長 自転車ストップマークについてでございますけれども、これは道路標識、それから区画線及び道路標示に関する命令により定められたもの以外の道路標示ということで、いわゆる法定外標示等に当たると考えております。
 この自転車ストップマークは、自転車利用の多い地域で交通事故を防止するために、自転車利用者に対しまして、交差点等において一時停止と左右の安全確認の習慣を定着させることを目的といたしまして、主として交通管理者や区市町村が地域の実情に応じて設置、維持管理しているものと伺っております。

○後藤委員 こちらの自転車のストップマークを守らなくても、罰則というんですか、違反にはならないと思ってよろしいんですか。

○八木沼治安対策担当部長 自転車も軽車両の一種でございますから、一時停止の箇所で、もしとまらない場合には、それは違反に該当すると思います。

○後藤委員 待っていただけますか。こちらのストップマークですよ。このストップマークも、とまらなかったらば、部長は今、違反とおっしゃいましたけど、違反ということは切符も切られるということでよろしいんですか。

○八木沼治安対策担当部長 一時停止の箇所の場合ですね、先生が今お話しなさいました自転車ストップマークにつきましては、例えば見えにくい交差点とか、そういう場所に、先ほどお話ししましたように、地元の区市町村等が工夫いたしまして、自転車のストップマークをつけているというふうに認識しております。ですから、ただ単にそこの場所でとまらないからといって、すぐに、直ちに違反になるというふうなことではないと思います。

○後藤委員 部長の見解からいきますと、こちらのストップマークであっても、自転車に乗っている子どもさんたちはとまってくださいよというふうに解釈なさっているんでしょうか。

○八木沼治安対策担当部長 先ほどご答弁申し上げましたように、非常に見にくい交差点の箇所で、しかも横断歩道がないような箇所で、よくそういうマークを見かけますけれども、そこでは、やはり左右を安全確認したりするために、そこの交差点できちっととまって見ることが重要だというふうに認識しております。

○後藤委員 というふうに部長がもしおっしゃるんだとしたらば、現場、例えば区市町村が、こちらのストップマークというのは、一般的にいえば、区市町村の方たちが住民の方たちの要望を聞きまして設置をしているわけですけれども、これですけど、世田谷かなんか見ますと、言葉は悪いですけど、至るところについていますよ。至るところについていまして、確かに部長が今おっしゃったように、交通の標示ですか、例えば「止まれ」の停止線がついているところにも、必ずこれがついています。
 ここで私はできたらば二点お伺いしたいんですけれども、部長がそこまでおっしゃるんだとしたらば、こちらのリーフレットですけれども、なぜ二枚あるかといいましたら、小学生用と中学生の方よりも上の方というんで、小学生と、簡単にいえば大人ですよね、だろうと思うんですけれども、小学生の、信号を守って、安全確認をしましょうのところの、仮に部長がそこまでいうんだったらば、ストップマークについても一言書くべきだと思うんですけれども、書かない理由は何なんですか。

○八木沼治安対策担当部長 委員お話のように、私も世田谷区の方に問い合わせをいたしました。世田谷区の事例でいきますと、世田谷区のユニバーサルデザイン推進条例という条例がありまして、それに基づきまして施設整備マニュアルというのを作成しております。歩行者用と自転車用の一たん停止ステッカーというふうにおっしゃっているようでございますけれども、必要に応じて注意喚起をするために設置しているというふうに聞いております。
 私ども作成いたしました自転車安全利用TOKYOキャンペーンの中に、委員おっしゃるように、確かにここに、交差点での信号重視と一時停止の安全確認ということで記されております。ここにはお話のような自転車ストップマークは記されておりませんけれども、基本的には、地元の地域の事情によりまして、実情等を勘案いたしまして、住民要望とか、それから地元の警察署等からお話があって、区の方で整備をしているというふうに伺っております。
 したがいまして、私ども、確かに一時停止のマークのあれは、ここのパンフレットの中に織り込んでございますけれども、自転車ストップマーク等につきましては、地元できちんと普及啓発等を図っていただければと。今後、私どもも、こうしたパンフレット等々をつくるときには、その辺のところも検討してまいりたいというふうに考えております。

○後藤委員 こちらの事業概要の四五ページなんですけれども、交通安全対策の総合調整というふうな言葉が書かれていまして、関係各機関と協力してやるというふうな文言が載っているわけですけれども、確かに部長がおっしゃいましたように、こちらのファイルは、世田谷区が例えばストップマークだとかを設置したものの資料がこれだけあります。例えば何カ所、何カ所、何カ所ということで、こちらのストップマークを一個つけるのに一万円ぐらいかかります。
 ここで私はお願いをしたいのは一点だけなんですけれども、こちらのファイルをつくりましたのは、警察庁の交通局ですね。例えば標示に関してのマニュアルというふうに情報公開請求をかけましたらば、警察庁の方から出てきたマニュアルです。これと同じように、警視庁も青本というふうな形で標示のマニュアルがあります。例えば警察庁と警視庁がやっていますけれども、これだけやってもできない。例えば交通安全、自転車ですとか歩行者の方たちが危険だというふうに地元の方たちが考えて、考えたのがストップマークですとか、「止まれ」の足型のマークだとかがあるわけですけれども、これに関してはとまらなくても違反じゃないんですよ。
 確かに部長が今おっしゃったように、左右を注意して見て歩いてくださいよ、自転車だったら交差点で必ずあるんです。ひどいところになりますと、一方通行を走っていますと、必ず一個ずつについているんですよね。必ず一個ずつについているのなんていうのは、守ろうと思っても守りません。多分ですけど、守る方はいないと思います。なぜかといえば、例えば、「止まれ」のマークがありまして停止線があったとしたらば、みんなとまります。ここは危ないからです。
 こちらの警察庁の文書の中にも書いてあるんですけど、たしか、なるべくシンプルでなければいけないというふうな書き方があると思うんですよ。道路上にマークばかりいっぱいあったって、なかなか守る方も大変だと思います。公安委員会ですとか警視庁の方たちにお願いをするのが本当なのかもわかりませんけれども、こちらの事務事業の中で総合調整という言葉があるわけです。普通の民間人が、例えば警察庁に行っても相手になんかしてくれません。警視庁で、前に、新宿区の裏通りの交差点で四方向とも何もなかったので、私は新宿警察へ行きました。そうしたら相手にしてくれないんですよ。仕方ないんでこちらの警視庁を通しました。警視庁を通しましたらば話は聞いてくれました。ただ、話だけしか聞きませんので、この後、議会の文書質問に入れました。そしたら一たん停止つくんですよ、すぐに。
 こういうふうな話がありますので、現場ではストップマークだとかいろいろ考えているわけです。片や、例えば停止線がありますよね。停止線で消えているのもあるし、必ず守らなければいけないところが消えているのがたくさんあります。消えているけれども、警察に頼んでも予算がないといわれる。
 ここのところで、例えば世田谷区というふうにいわせていただいて、悪いんですけれども、世田谷区の方にいうと、金がないといわれてしまうので、とりあえずはストップマークをつけておくから許してくれよというふうなニュアンスでくるわけですよ。これでは、住民の方たちが、仮にですけれども事故を起こしたときに、必ず賠償問題というふうになると思うんですけれども、割合ですよね。こういうのもありますから、公安委員会、警視庁、区市町村の間に入っているのが皆さんなので、できたらばその辺を、現場を見ながら、各担当の方たちに物事をいえるといいましたらば、部長ですとか皆さんしかいないので、ここのところはできたらばやっていただきたいかなと思うんですけれども、この辺で考え方を聞かせてください。

○八木沼治安対策担当部長 私どもは、いろんな交通安全対策に向けて、国や、それから区市町村、警視庁、地元の関係団体等々と連携をとりながら、交通環境の整備等、あるいはそうしたハード面ばかりじゃなくて、交通安全の普及等々、ソフト面のいろんな形で事業調査をしたり、あるいは計画を立てたりしながら、いろんな事業を進めておるところでございます。
 先生お話の自転車ストップマークにつきましては、先ほど申し上げましたように、地域の実情に応じて現場で対応しているのが多うございますけれども、自転車ストップマークをどう位置づけていくか、それからまた、法定標示にすべきかどうか等々につきましては、これは国の権限に属する事項でございます。
 そうしたこともかんがみまして、都といたしましては、いろんな会議、そんな場を通じ、また、今後の事業の連携調整を図っていく中で、お話のあった趣旨を受けとめながら、お話をさせていただきたいというふうに思っております。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○馬場委員長 これより総務局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 私からは、首都直下地震についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 首都直下地震は、今後三十年以内に発生する確率が七〇%というふうにいわれておりまして、これは三十年以内ということでございますから、いつ起きてもおかしくないわけであります。発災時への備えは喫緊の課題であります。
 先月、十月二十七日に、国の防災会議・首都直下地震避難対策等専門調査会が報告書を公表いたしました。翌日の新聞の見出しでも、避難所六十万人分が不足だとか、深刻トイレ難民とか、トイレ難民八十二万人とかいうことで、翌日の新聞でも公表されました。これには、大別して避難者対策と帰宅困難者対策についていろいろ言及をされております。
 そこでまずお伺いをしたいと思いますが、六千人以上の犠牲者を出しました阪神・淡路大震災から既にもう十三年が経過していますけれども、国はどのような目的でこの調査会を設置して検討を行ってきたのか。また、専門調査会と並行して、東京都はどのような対応をこれまで行ってきたのか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

○石野総合防災部長 南関東地域では、マグニチュード七クラスの直下地震の切迫性が指摘されておりまして、国は平成十八年四月に首都直下地震の地震防災戦略を策定いたしまして、避難者対策と帰宅困難者対策を検討することといたしました。
 このため、同年八月に、首都直下地震避難対策等専門調査会を設置いたしまして、避難者に係る区市町村の現況調査や帰宅行動シミュレーション結果などをまとめまして、本年十月二十七日に報告書を公表してございます。
 東京都におきましては、十八年五月に首都直下地震による東京の被害想定を行いまして、それをもとに、十九年五月の東京都の防災会議におきまして、地域防災計画の抜本的な見直しを行い、死者の半減や避難者の減などの減災目標を設定するとともに、外出者対策など都市型災害への対策を盛り込んでおります。
 本年三月には、地域防災計画を受けまして、減災目標の十年以内達成を目指して都の施策を取りまとめました震災対策事業計画を策定いたしまして、現在、震災対策を推進しているところでございます。

○崎山委員 次に、この専門調査会報告書ですけれども、帰宅困難者対策における課題はどういうものがあると指摘をされているのか、お伺いをしたいと思います。いかがでしょうか。

○石野総合防災部長 国の被害想定によりますと、首都直下地震が発生した場合の帰宅困難者は、一都三県で最大約六百五十万人に上るとされてございます。今回発表されました国の専門調査会報告では、こうした帰宅困難者に関します課題として幾つか挙げてございます。
 まず、発災後に一斉帰宅を開始した場合、混雑による集団転倒が起きるとか、また、火災、沿道建物などからの落下物などによりまして死傷する危険があるとともに、救助、救急活動などに支障が出るという課題を挙げてございます。
 また、都心部等では、大量の滞留者が発生し、駅周辺で混乱が生ずること、さらには、トイレ、休憩場所などが不足するなどの課題を挙げてございます。

○崎山委員 今ご答弁になりましたように、帰宅困難者が大量に出て、帰宅する際に渋滞というか、滞留というんですかね、大勢の皆さんが帰れなくなって、人があふれてしまうというような課題も挙げられておりますけれども、そうした中で、東京都としては、今課題になっている帰宅困難者に対する課題に対して、先ほどは国の課題というふうにご答弁いただいたわけですけれども、次に東京都としてどのように取り組んできたのか。そしてまた、今回の国の報告書が指摘する課題と東京都の対策と整合性がとれているものなのかお伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○石野総合防災部長 帰宅困難者の問題につきましては、都市型災害として、都におきましても重点的に取り組むべき課題の一つであると認識しておりまして、先ほど述べました平成十九年五月に修正いたしました地域防災計画におきまして、さまざまな対策を盛り込み、現在取り組みを進めているところでございます。
 主な対策といたしましては、発災時、直ちに移動することは二次災害に巻き込まれるおそれがあるため、まず災害用伝言ダイヤル一七一等により安否確認を行い、正確な情報により冷静に行動することを内容といたします外出者の行動ルールを定めまして、パンフレットやホームページによる広報に加えまして、防災展や総合防災訓練などさまざまな機会をとらえ、その普及啓発を図っているところでございます。
 さらに、ターミナル駅で帰宅困難となった人の避難誘導や一時待機施設の確保等ができるよう、都と地元区市が連携し、事業者を中心といたしました駅周辺混乱防止協議会を発足させまして、本年一月には、全国で初めてでございますが、駅前滞留者対策訓練を北千住駅と新宿駅で実施してございます。
 こうした都の対策は、専門調査会の報告書が指摘しております課題に対応したものでございまして、同報告書との整合性は図られていると考えております。

○崎山委員 今ご答弁にありましたように、北千住駅等でそういう対策の協議会を設置したということでありますけれども、全都的に広げていただきたいというふうに思っております。
 それで、この報告書では六百五十万人に上るといわれております帰宅困難者対策の一つとして、トイレの不足問題が指摘されております。
 トイレ需給等に関する試算を行っておりますけれども、区市町村が設置する避難所は、主としてその地域の住民の使用を前提としています。帰宅困難者が避難所のトイレをどの程度使用できるかによって、トイレ不足の結果が異なってきます。つまり、帰宅困難者が避難所に押しかけると、避難所のトイレはパンクしてしまうということになろうかというふうに思います。新聞の報道でもそういうふうに報道がなされておりますけれども、国の試算では、帰宅困難者が公衆トイレやコンビニエンスストアなどのトイレとともに避難所のトイレを半数使える場合には、十二区においてトイレが不足し、避難所のトイレをすべて使用できない場合には、二十三区すべてにおいてトイレが不足するというふうに指摘をされております。
 こうした避難時のトイレ不足は深刻な問題でありまして、東京都としてはどのような対策をこれから進めていくのかお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○石野総合防災部長 震災時におけますトイレの確保は、震災時の混乱を防ぐだけでなく、生活環境を維持し、帰宅困難者の健康を守るためにも重要でございます。
 このため、都は区市町村などと協力いたしまして、簡易トイレの備蓄の充実やマンホールトイレの整備促進、トイレがある避難所などの施設の耐震化などを進めてございます。さらに、帰宅困難者に災害情報やトイレを提供する施設として、都立学校を指定してございます。また、防災ホームページによる広報や駅前滞留者訓練などの機会をとらえまして、施設内のトイレ提供を事業者に要請するとともに、一斉帰宅の抑止と分散帰宅につきまして、都民への働きかけなどを実施してございます。
 今後とも、区市町村や事業者などの協力を得まして、トイレ不足問題の解決に取り組んでまいります。

○崎山委員 私は地元は荒川区でありますけれども、災害対策でいえば割と、千代田区、都心部に比べて、トイレの問題はそんなに深刻ではないのかもしれませんけれども、割と意識が、区民の中でも行政でも意識がまだまだ、帰宅困難者対策については意識がちょっと希薄なのかなというふうに思っている部分もあります。ぜひ区市町村とそれぞれ連携をしながら、帰宅困難者対策にも取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、東京には周辺県市から三百万人を超える通勤通学者、買い物客が来ております。こうした人たちは都県境を越えて帰宅する必要があります。トイレの不足問題を含めた帰宅困難者対策は、東京都だけではなく、周辺県市と協力して、より広域的にとらえた対策を講じることが必要と考えますけれども、東京都の取り組みについて最後にお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。

○石野総合防災部長 震災時におきまして、帰宅困難者の一部は都県境を越えまして帰宅するため、ご指摘のとおり、その対策にはより広域的な対策が必要でございます。
 このため、都を初めとした八都県市は、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどの事業者団体と、帰宅困難者にトイレや休憩場所、災害情報の提供を行います帰宅支援ステーションとしての協力協定を結ぶとともに、総合防災訓練などの機会をとらえまして、船舶による帰宅困難者の輸送訓練などを実施してございます。
 今後とも、八都県市と協力しまして、帰宅困難者対策に積極的に取り組んでまいります。

○石毛委員 ただいまの崎山副委員長と同じ質問でございまして、ダブる部分ではカットさせていただきたいと思います。
 トイレの問題が出ておりましたけれども、それに付随いたしまして、トイレットペーパーも二時間後には十一区で全部なくなってしまうと、このように記されております。こうしたところも同時に考えていただきたい、これは要望にかえさせていただきます。
 それでは、一点目は既に答えが出ていますので、二点目。今、分散して帰るというようなご提案もあったわけでありますが、災害用伝言ダイヤル一七一というのがございますが、これを活用してというお話もあるわけでありますが、報告書によれば、伝言を預かる方は、現在八百万件預かれると。しかし一方、再生、聞く方ですね、これは一時間に六十万件しか聞けないというんですね。一都三県で昼間人口が三千四百三十八万人という膨大な人口がいるわけでありまして、それに対して六十万件でございますので、やはりアクセスは大変難しいんではないかと。あるいはパンクするような状況にあるんではないかと思いますが、一斉帰宅行動を制御するための前提である安否確認の手段としての災害用伝言ダイヤル一七一の強化と、他の安否の確認手段の普及が必要となると考えますので、その点はどうかお伺いいたします。

○石野総合防災部長 発災時の安否確認でございますが、これは都民等を安心させ、混乱を防止するということだけでなく、帰宅困難者の一斉帰宅を抑制するためにも重要でございます。
 都では、これまでも安全、安否確認の手段としまして、NTT東日本に対して災害用伝言ダイヤル一七一の強化について要望するとともに、KDDIなど他の通信会社に対しても、安否確認システムの充実を働きかけてございます。
 さらに、都民等に対しましては、まずこうした安否確認手段があるということを、そうした周知をした上で体験する機会を提供するとともに、一つの安否確認手段だけですと、まさにふくそうしてしまうとか容量の問題等ございますので、そうした場合にほかの、そういう事態に備えまして、あらかじめ複数の手段を準備する必要がございますので、そうしたこともあわせまして、防災訓練や防災展などにおきまして普及啓発を図っているところでございます。
 今後とも、あらゆる機会をとらえまして、安否確認手段の活用と複数手段の準備について働きかけてまいりたいと思います。

○石毛委員 了解いたしました。ともかく安否がわかるのは大変難しそうでありますね。昔だったら、のろしを上げたりとか、手旗信号だとか、いろんな場面はあるかもしれませんが、この東京ではそういったことは全くできないわけでありますので、何かの手段ということ、やっぱり幅を広げていくということが大切だろうというふうに思います。
 最後になりますけれども、ここ数年、小児、また産科医の不足によりまして、周産期医療の取り組みが不十分であるというふうに指摘されております。先般も、残念ながら都立墨東病院では痛ましい事故が起きてしまいました。災害でも妊産婦が安心して出産できる体制というのも必要であろうというふうに思います。
 そのためには、当然、小児、産科等はもちろんでありますが、結構潜在的にやっているのが助産師だと思うんですね。そうしたところも、やはり連絡網とか、そうした協会とある意味では提携をすることによって、一次、二次、三次ありますが、すぐ産めるような方は何も三次まで行かなくたっていいわけで、近場で出産あるいは助産師に来てもらえる、そんなようなことも考えられるのではないかというふうに思います。
 また、乳幼児を抱える帰宅困難者が一斉に帰宅移動しなければならないとき、保育園の安全、えてして保育園というのも、こうした地域防災計画の中では漏れていることだろうと思います。例えば病院で働いている看護師さんがいて、しかし、みんな若い看護師さんは保育園に預けている。そうしたところも、安心でないとしっかり病院で働くこともできません。病院で何割機能するかなんていうことも、そうしたところが確立されて初めて働けるのではないかというふうに思います。そうした点もしっかり今後の中で、地域防災計画の中へ組み込んでいただくようにお願いをいたしまして、質問を終わります。

○馬場委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分程度休憩いたします。
   午後二時四十九分休憩

   午後三時二分開議

○馬場委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続けます。
 発言をお願いします。

○大松委員 土砂災害対策について伺います。
 首都直下型地震等が想定をされているわけでございますけれども、大変大きな危機でありますが、それと同時に、毎年のように発生をし、そして犠牲者を出しているのが土砂災害でございます。また、東京都内におきましても、ことしの八月の土砂災害、以前にも、特に山間部まで宅地開発が進み、土砂災害の危険地域が大変多いと。東京都内では、八千カ所もあるということで、以前、八王子市初め、そうした危険地域を視察したことがございますけれども、こうした危険地域に対しまして、土砂災害を防止する工事、そのハード対策とあわせて、またハード対策は予算等がかかりますので、追いつかないところは警戒情報を発するなど、そうしたソフト対策があわせて必要になってきているところでございます。
 そして、ことし二月から、土砂災害情報が東京都から発表されるようになりましたけれども、この情報がどのような仕組みで住民に伝達をされていくのか、お伺いをいたします。

○石野総合防災部長 ことしの二月からでございますが、大雨によります土砂災害の発生の危険が高まったときには、都の建設局と気象庁が共同で土砂災害警戒情報を発表することとなりました。土砂災害警戒情報が出た場合でございますが、その際には、都は区市町村の防災担当部署にファクスで情報を伝達するとともに、災害情報システムにより五キロメッシュごとの危険度を表示しました地図を提供することになります。区市町村では、これらの情報を活用しまして、土砂災害の危険がある地域に対しまして、避難の勧告や指示を行うことになります。
 なお、土砂災害警戒情報につきましては、テレビやラジオ、インターネットなどを通じまして、都民が直接知ることができるようになってございます。

○大松委員 それで、ことしの八月二十八日未明から二十九日にかけまして、八王子市川町で土砂崩れが起こりまして、住宅が倒壊をしたわけでありますけれども、この土砂災害情報がこの際も出されたと聞いておりますが、住民の避難にどのように生かされたのか伺います。

○石野総合防災部長 八月二十八日の集中豪雨の際でございますが、同日の二十二時三十二分に八王子市を対象としました土砂災害警戒情報が出されてございます。都は、災害情報システム及びファクスによりまして、八王子市に伝達するとともに、土砂災害の危険のある地域に避難勧告の発令を検討するよう要請してございます。
 これを受けまして、八王子市は、地元の川町消防団を通じまして、がけ付近の住民に自主避難を呼びかけてございます。二十九日の未明に土砂崩れが発生したわけでございますが、そのときには既に避難は完了しておりまして、人的被害を未然に防止することができました。

○大松委員 その件につきましては、十月二十八日に行われました東京都砂防促進大会でも報告があったところでございますけれども、土砂災害警戒情報が出されたのが二十八日の夜の十時三十二分と。そこから市が判断をされて、消防団が駆けつけて、住民の方が避難をして、その直後になると思いますが、二十九日午前四時に発災をしたということでございます。この八王子市の果断な決断、そして、この消防団の迅速な行動に、改めて敬意を申し上げるものでございます。
 こうした情報を有効に活用するために大切なことは、市区町村が迷わず的確迅速に判断をできるようにすることでございます。そのためにも、判断基準を明確に、市、住民にもきちっと説明をできるようにしていくことが大切でございます。そのためにも、区市町村の地域防災計画の中に、この情報活用について明示をしていくことが欠かせないわけでございます。今後、この区市町村の地域防災計画の中で、こうした情報の活用をきちっと明記をしていくように、都として働きかけていくように要望いたしまして、質問を終わります。

○松村委員 まず、市町村総合交付金について伺います。
 都税の伸びの多くは法人関係で、これが二十三区、とりわけ都心部に集中しています。都区は、これを財調で水平調整しています。今年度も財調の伸びは、金額にして前年度より約二百六十六億円、二%も伸びております。また基金も潤沢です。一方、市町村は、依然財政力が弱く、同じ都民でも、受ける施策に差があるなど、財政不足に悩んでいます。それを少しでも緩和しているのが市町村総合交付金です。しかし、今年度は前年度より増額しましたが、四十億円にとどまっております。
 そこで、市町村会からも特に強い要望が出されていますこの市町村総合交付金の拡充充実についてどのように考えているのか、伺います。

○笠井行政部長 市町村総合交付金の予算額につきましては、平成二十年度は過去最高額を更新する三百八十億円を計上してございます。今後とも、市長会や町村会の要望などを踏まえて、多摩・島しょ地域の一層の振興に努めてまいりたいと思っております。

○松村委員 東京都が十月三十一日に都民生活の危機的状況に対して、東京緊急対策Ⅱを発表しましたが、市町村や島しょに対する支援はあるのでしょうか。

○松山多摩島しょ振興担当部長 東京緊急対策Ⅱでございますが、アメリカ発の金融危機による急激な円高の進行や株価の下落が実体経済に影響を与え、中小企業の資金繰りの悪化や倒産の増加が加速する中、都民がみずから危機克服に向けた第一歩を踏み出すための支援を実施するものでございます。
 緊急対策の各事業は、多摩・島しょ地域も含めた全都的な視点から実施するもので、特定の市町村を想定したものではございません。

○松村委員 今は、やはり島しょの漁業だとか、また財政力の弱い多摩市町村、そして、またそこでのいろいろな地域経済、本当に打撃を受けて、なかなか区のように、市町村・島しょも手を打てないという点では、全体的な都民への支援だという点、中小企業への支援だという点、もちろん当然でありますし、理解できますけれども、やはり私は引き続き補正予算を組んででも、多摩・島しょなどの市町村や島しょなどへの支援をやるべきだということを要望しておきます。
 そこで、三宅島モーターサイクルフェスティバルについて伺いますが、まず、ことしの開催状況について、昨年と比べてどうだったのか、伺います。

○鈴木参事 本年の開催状況でございますけれども、三宅島のオープニングパレード等につきましては、沿道の観覧者が千百人、昨年につきましては千六百人、それから、トライアルデモ等につきましては、ほぼ昨年同数の三百人が見ております。それからドラッグレースにつきましては、ことしは五百三十人、昨年は四百五十人。ことし新たに実施いたしましたキッズバイク親子体験、交通安全教室、サイドカーパッセンジャー体験の方につきましては、約二百名が島で参加しております。グランドフェスティバルにつきましては、ほぼ、昨年が三百二十名、ことしは三百八十名と、六十名ほど増加しております。

○松村委員 今、お答えなかったんですけれども、フェスティバルの参加者としては、ツアー参加者がどのぐらいあったのか、昨年に比べて。この答弁がなかったので、お答えください。

○鈴木参事 失礼いたしました。本年度のツアー参加者でございますが、二百八名、昨年度百八十七名で、二十一名の増となっています。

○松村委員 今の二百八人の中には、それはマスコミを含めた数なんですよね。去年の百八十七人というのにはマスコミは入れていないんです。また、昨年の島内一周パレードには、島民の参加を含めて八十四台、千六百人だったのが、ことしはオープニングパレードの参加者は、六十八台の一千百人と、やはり大幅に減をしているわけです。ドラッグレースも昨年が十九台だったのに、十二台というようなことを見れば、やっぱり低調だったとマスコミが報じているとおりだというふうに思います。
 昨年の、実際開催されたのが当初計画よりも下回っていた。そういうふうに我が党がただしたのに対して、宣伝期間が不足していた旨の発言をしていましたが、ことしはプレイベントまでやりました。にもかかわらず、参加者が不振だったのはなぜでしょうか。

○鈴木参事 最初に、委員ご指摘のパレードの人数でございますが、昨年は確かに千六百人、ことし千百人と申し上げましたが、ことしはパレードの途中で、FMX、フリースタイルモトクロスですとか、トライアルデモ、そこに三百名ずつ、約六百名の方が現地で観覧を待っておりました。それを合わせますと約千七百名ということでございますので、おおむね同じような数字であるかと、私ども考えております。
 それと、参加者が少ないということでございますけれども、本イベントは、観光客が噴火前の約半数と低迷しております三宅島の厳しい状況を踏まえまして、復興の起爆剤として、村、NPOの主催により実施しております。
 イベントの期間中の集客力だけではなく、イベントを通じてのマスコミへの露出など、広く全国に三宅島をアピールし、年間を通じて島を訪れる人々をふやすことを目的としております。そのような趣旨から、イベント期間中の参加者だけに注目すべきではないと考えております。

○松村委員 八月のお台場のプレイベントに私も行ってみましたけれども、この経費、参加者数について、お答えいただきたいと思います。

○鈴木参事 お台場のプレイベントの参加人数は、約一万七千人でございます。バイクイベントの経費につきましては、主催者であります三宅村及びNPO法人三宅島スポーツ振興会が、三宅島でのイベントとお台場でのプレイベントを合わせて約二億二千万円の予算立てをしております。ことしのプレイベントに関する決算につきましては、三宅島での本イベントとセットで現在調製中であると主催者から聞いております。

○松村委員 このプレイベントをやった効果は上がったのですか。

○鈴木参事 お台場でのプレイベントには、約一万七千名の方々がおいでになり、マスコミ等広く三宅島をアピールできたと考えております。

○松村委員 あそこに行った人の何人が今回のイベントに参加したのですか。やはり三宅島のアピールができたじゃなくて、実際に、島の観光客の増につながったとか、費用対効果からいっても、当然、その点を見なければならないと思いますけれども、この点についてお答えください。

○鈴木参事 委員ご指摘でございますけれども、観光振興につきましては、これをやれば直ちに観光客が爆発的に増加するというような明快な解決策はございません。
 そこで、三宅村としても、何とか観光客をふやそうと三宅島での本イベントを含め、さまざまな観光振興策を実施しているところでございます。特に、三宅島の本イベントは、三宅村最大の観光振興イベントでございまして、村の観光振興の核となっております。そのような意味で、お台場でのプレイベントも、広く全国に三宅島をアピールし、年間を通じて観光客の増加を目指すという趣旨は、達成できているのではないかと考えております。

○松村委員 お台場のプレイベントは、たしか昨年、石原都知事がウエルカムパーティーで、やはりこれ、島だけじゃもったいないから、お台場あたりでやってみたらいいねというようなことをいったのを具体化したというか、恐らく費用も一千万円もかけた。確かに、今一万七千人の方が、愛好家が集まったと。私も行きましたから、そういう参加者だったというふうに思うんですけれども、しかし、バイク関係者がいっています。バイク愛好家のほとんどの人が、あそこで見られるから、つまりお台場で見られるから、わざわざお金を出して島には行かないといっているのです。本当に一千万円の経費をかけて、プレイベントまでやったのに、昨年より、さらに低調だったのは、宣伝不足でもなく、やはりこのイベントのあり方そのものに問題がある、誤りがあることを私は示すものだというふうに思います。
 ドラッグレースは、なぜ公認が承認に格下げされたのですか。

○鈴木参事 イベント主催者であります村及びNPO法人三宅島スポーツ振興会とドラッグレース事業者との間で、ドラッグレースの運営方法等で合意に至らなかったため、ドラッグレース事業者が公認レースから承認競技会に切りかえたものと聞いております。

○松村委員 運営方法で合意に至らなかったということですけれども、空港が一日しか使えず、公認レースとしての練習ができる状況にないからだとマスコミがいっているのは事実ですか。

○鈴木参事 そのような事実はございません。あくまでも、ドラッグレースの事業者と村、NPOとの合意に至らなかったということでございます。

○松村委員 そのような事実はございませんという答弁だったんですか。その合意に至らなかった中身というか、それが何なのかというのを聞いたんですけれども。

○鈴木参事 失礼いたしました。空港関係者などとの調整が終了した後に、三宅島での本イベント直前になりまして、ドラッグレース事業者からレースの運営方法等につきまして、突然の変更の申し出があったため、合意に至らなかったというふうに聞いております。

○松村委員 空港を一日閉鎖するだけでも、大変な批判というか、問題が村関係者からも含めて出ております。
 そして、もう一つ、四輪車を入れるかどうか。それもまとまらなかったと、これは私ども説明を受けているんですけれども、そうではありませんか。そういう事情もあったんではないですか。

○鈴木参事 二輪、四輪含めまして、ドラッグレース事業者の方から三宅島本イベント直前になって、運営方法の変更がありましたので合意できなかったということでございます。

○松村委員 結局、目玉にしようとしたドラッグレースも、今後とも公認レースにはならないことは明らかです。いずれにしても、空港は一日しか使えない。四輪を持ち込めばバイクレースではなくなるという事態に立ち至っていることは明白です。
 石原知事は、バイクレースを開催すれば、年間一万人の観光客がふえるといいましたが、バイカーの来島など、どのぐらい観光客が昨年の開催以降ふえたのでしょうか。

○鈴木参事 観光客の推移でございますが、平成十九年につきましては四万一千二百九十五名、十八年度が四万九百五名ということでございますので、約三百名程度の増加となっております。

○松村委員 今十八年度、十九年度を比較した数字をいいましたけれども、実際、これ十九年の十一月開催しましたよね。それ以降の、平成二十年度の八月までの三宅島、船による乗降客数だと思いますけれども、その資料が手元にあります。また、四月から三宅島空港が再開されまして、この乗降客数もあります。差し引きというか、合わせましても、その前年と比較しても、全く横ばいで、バイクレースの効果は出ていないといわざるを得ません。
 ところで、ことしのモーターサイクルフェスティバルの経費は幾らかかったんですか。

○鈴木参事 決算がまだ出ておりませんので、村の予算書によりますれば、三宅島モーターサイクルフェスティバルに要する経費につきましては、二億一千万となっています。

○松村委員 バイクイベント経費、これプレイベントを含む経費としての、今三宅村は二億二千万円の予算を組んでいるんじゃありませんか。今、二億一千万円というのは、どの数字かはっきりしないんですけれども、そのことと、では財政負担についてはどうなるのでしょうか。

○笠井行政部長 村の予算書によりますと、三宅島モーターサイクルフェスティバルに要する経費は、二億一千万円でございます。そのうち都支出金は一億八千万円となってございます。

○松村委員 都支出金一億八千万円というのは、これ都議会では、昨年は、災害復旧・復興交付金がありました。ことしはありません。この都の支出金一億八千万というのは、何を指しているんでしょうか。

○笠井行政部長 具体的には都の支出金ということでございますけれども、恐らくは、総合交付金という形ではなかろうかと推測しております。

○松村委員 都と村などの協定書がありますが、どういう内容か。都の経費負担についての約束があるのですか。

○鈴木参事 東京都、三宅村及びNPO法人三宅島スポーツ振興会の三者間で締結された協定書におきましては、運営補助と財政支援については明確に区分されております。お尋ねの財政支援につきましては、村からNPO法人への財政支援は協定書に明記されておりますが、都による財政支援につきましては記載されておりません。
 都の分担業務に記されております実施に関する運営補助は、主に人的支援でございます。

○松村委員 そうしますと、三宅村は二億一千万円の予算を組んで、既にそれを執行したと。詳しい決算はわかりませんけれども、恐らくその予算の範囲でやっているんだというふうに思いますけれども、そして、そのうち都の支出金を一億八千万円、市町村総合交付金を見込んでいるということですけれども、今の協定書でも財政支援についての約束というか、明記されていないということによると、場合によっては、この市町村総合交付金の各市町村からの交付や割り当てや、これが足りなくなるとかいうふうになれば、一億八千万円、支出を当てにしてやったけど、しかし、これがそういう予定どおり、都とのきちっとした約束もないということになれば、出ないで、村がかぶってしまうという、そういう問題をはらんでいるという理解でいいのでしょうか。

○笠井行政部長 村の歳入予算、これは収入の見積もりでございます。これは、財源として市町村総合交付金に限らず、例えば、一般の補助金等もその交付決定がなくても、予算計上することは、これは市町村の歳入予算では一般的に行われていることでございます。
 それから、これが本当に執行されるのかと、交付されるのかという理事のお話でございますけれども、これにつきましては、総合交付金といたしまして、もし必要であれば、三宅島の財政能力ですとか、それから事業の内容ですとか、そういったものを精査して交付するという、一般的な形で交付するという形になろうかと思います。

○松村委員 民間資金は、幾ら集まったんですか。

○鈴木参事 一千万円程度でございます。

○松村委員 そうすると、やはり一億七千万は、都の支出金が市町村総合交付金から支出されないと、やっぱり三宅村としては大変な事態となると。私も多摩の各市で市町村総合交付金について、いろいろレクを受けたり要望を受けてきましたけれども、市にとって、または町にとって、村にとって、どうしてもこれはやらなきゃいけない、それで市町村総合交付金を当てにするということだけれども、場合によっては来ない場合も覚悟しながら、どうしても必要だからやると。しかし、このバイクレースはもともと知事の発案によって、そういうお金を出してくれるならばと、昨年は災害復興・復旧交付金から、特別三宅村に出されていたと。そういうものがなくなって一般化された中で、やっぱり本当に問題があるということを指摘しなきゃいけないというふうに思うんです。
 先に話を進めます。リフレッシュ館などの管理運営を定める条例は、平成十九年四月一日から施行する改正が三宅村でなされておりますが、ふるさとの湯やリフレッシュふるさと館の利用料は、施設開始の日から適用すると。これは、私も局を通じて、村から総務局を経由して私もいただきましたけれども、そこに、施設開始の日から適用するとありますけれども、施設開始の日とはいつだったんでしょうか。

○鈴木参事 平成十九年十一月一日と村から聞いております。

○松村委員 十月三十一日までの工期で、このリフレッシュふるさと館は改修工事が終わった。じゃあ一日から、使えるようになったというんですね。それで、その直後に、知事がそこに泊まられたと。
 そこで、村の条例の別表第三に、利用料として、一人一休憩、そして休憩室の料金を五千円と定めているんですね。それしか定められていない。宿泊は定められていないんです。何を根拠に石原知事は、そこに宿泊できたのでしょうか。また、幾ら払ったんですか。

○鈴木参事 別表第三、六条関係のうち、リフレッシュふるさと館、一人一休憩、休憩室五千円を根拠に宿泊しております。

○松村委員 休憩料で宿泊したというんですか。私、その前の火山災害に遭わない前、これは一時休憩所としてあった施設が火山によって傷んで、それを復興後、全面改築するということで、平成十九年度、石原知事が泊まる、このモーターフェスティバルが行われる直前に改修工事が終わった。
 以前は、一時休憩、一人で細かく、午前五時から正午までとか、次は三時から何時まで、または五時から九時までの休憩料が条例の中にはっきりと明記されております。それが平成十九年四月一日に改正が行われたときに、今いった休憩料が一人一休憩五千円に改まりました。その休憩時間は定められておりません。しかし宿泊も、その条例の中には定められておりません。規則も求めましたけれども、どうやら規則もないようであります。そうなると、やはり条例上は、私は休憩室になっていると思いますよ。そして、休憩料が五千円と。そこに石原知事が、初めてというか、泊まったと。
 その後、じゃあどういう利用実績があるのかというので、資料もいただきました。私も現地に行ってみたんですけれども、石原知事が泊まった二〇三号室は、他の、例えば二〇一、二〇二号の二倍近い広さで、トイレも二つついております。ダブルベッドですね。応接セットも置いてあります。この八月までの各部屋の利用実績を出していただきましたけれども、石原知事を含めて、二〇三号室には六人宿泊したことになっています。
 しかし、その前に、私どもが村から局を通じていただいた利用実績と、今度の質問をするに当たっていただいた利用実績の数字がちょっと違うんですよね。突然でちょっと恐縮で、私もよく目を通して、わかった中では、ホール回数、ホールの利用料ですね。これは最初の回数は二だったんですけれども、最初いただいた資料は。これが今度のいただいた資料で三になっております。それから、明らかに、休憩室の利用という区分もありました。休憩と宿泊があるわけですね。その人数が違うんです。数字が違っているんです。
 これは村ですから、直接村に行って、いろいろ村の問題だからたださなければならないので、きょうはここで時間を費やしませんけれども、私は、この利用実績もどうも当てにならないというふうに思わざるを得ません。しかも、宿泊料がないんですよ。休憩料一人一休憩、そして五千円。宿泊の実績があったんだという利用実績が示されましたけれども、おかしいことには、先ほどいいましたみたく、二〇三号に比べて二〇一号や二〇二号は半分以下なんですよね。狭いんです。あいているのに同じ料金で、なぜ二〇三号に、私はあいているんだったら希望して、そこに泊まるのが普通だというふうに思いますよ。何も狭い方に、二〇一や二〇二号に泊まっていただくことはなくて、二〇三号あいているんだったら、同じ料金を払うんですから、当然、利用者はそこに泊まりたいというならば、泊めてさしあげるのがしかるべきだというふうに思います。
 なぜ、そういうふうに聞いたかというと、現地に行ったときにもいろいろ聞きました。私どもの方の村会議員、それから元の村会議員も、そういう施設が改築されて、そこに石原知事が泊まったということは知らなかったと。こんな施設ができていたんですねということで、いろいろ調査して、資料も送っていただいたわけですけれども、やはり都民の税金、これ一億円かけて改修をやりましたよね。しかも、災害復旧・復興交付金で、このリフレッシュ館の改築経費はずっと少ないんです。
 ちょっと資料がないので、不正確な数字になりますけれども、たしか三千四百万ぐらいで、一億の工事をやって、あとはどうしたかというと、もろもろのこのビレッジ関係の申請の中の費用を使って、一億円の改修をやったという、これは既に決算委員会でも指摘したというふうに思いますけれども、明らかに、やはり都民の税金をかけてやった、これらは私は、だから予算の使い方もずさんだと思いますし、また、この一億円をかけてやったリフレッシュふるさと館、事実上、知事の専用宿泊施設のためだったとしかいいようがないではないかというふうに思います。島民の人も、みんなそういうふうにいっているんです。このことを指摘せざるを得ません。
 石原知事は、開会式のあいさつで、本当に驚くべきというふうにマスコミも伝えているような発言をしております。長いので、あいさつの全文を写せません。石原知事によくこういうところで指摘すると、はしょって、都合のいいところだけをいっているというので、本当は全文読みたいんですけれども、時間の関係で、出足のところと最後の部分をいいますと、島民が余りいないでしょう、全部集まっても、本当はね、二度目、三度目になると、もっと外から来てもらいたかったんですよ、この間、東京でも聞いた、何かというと、世界で一か二か知らないけれど、ホンダというメーカーがこの大会に引き続き妨害をしているんだ云々かんぬんで、そして最後の方は、こんなに控えたレースをやっているのに妨害するのか、言論統制だろう、私は命をかけて戦う、みんな一緒に戦おうと。さすがに報道関係者も驚きの発言というふうに、こう聞きましたけれども、そこで、まずホンダの妨害とは事実なのですか。事実を確認したのですか、伺います。

○鈴木参事 今の問いの前に、リフレッシュ館でございますけれども、村のリフレッシュ館は、観光振興のための村営施設でございまして、その施設復旧事業に交付金を充てることにつきましては、適切な使われ方だと考えております。また、リフレッシュ館につきましては、村の公の施設として、条例で設置されておりますので、だれもが利用できます。決して、知事の専用ではございません。
 今のご質問でございますけれども、ホンダに対しては、事実を確認する文書を出しております。

○松村委員 今、答弁がリフレッシュ館についてありましたけれども、だれでもが使えるといっても、全体の稼働率というんですか、一億円かけた施設が三・九%しか稼働していないと。私は、事実上、知事のそういう施設、宿泊施設をつくられたんじゃないかと、その後もそうなっているんじゃないかということは、村の関係者から、二〇三号室にはお泊めしていませんという話も聞いた上でのことですから、この点については、引き続き私はただしていきたいというふうに思います。
 それから、ホンダには事実の確認の文書を出したということですけれども、ホンダからはどういう回答が、いつあったんでしょうか。

○鈴木参事 まず、事実確認した内容でございますが、ホンダの社員がある会合で、ホンダとしてはこのイベントに反対しているのでご理解をいただきたいという趣旨の発言があったか否か。二点目として、仮にこの発言があった場合、企業のコンプライアンス上、問題はないのかという内容でございます。
 そのような確認文書に対しまして、ホンダの方からは、そのような事実はないという回答がございました。日付は二十年八月二十八日付でございます。

○松村委員 それは、既に八月二十八日にそういう回答があったということは、皆さんの方から知事にも伝わっているわけですよね。それをあえて、知事が気に入らなかったのか、人数が少なかったのか、そういう事実を踏まえないで発言するというのは、重大だというふうに思いますし、また、同時に知事は、マスコミが一社も来ていないと、このあいさつの中でもいっていますけれども、この点も事実ですか。

○鈴木参事 ことしの三宅島のイベントにつきましては、一般誌も含め、全体で二十九社が島に取材に来ております。しかしながら、知事が参加しました初日も含めまして、二輪関係専門誌が異常に少ないという状況を踏まえまして、知事はそのように発言されたものと考えております。

○松村委員 やはりそういう低調なイベントに終わったというか、イベントだったことを、他に責任を転嫁するべきではなく、ましてや、命がけで戦うなどということは、やはり断じて許されないというふうに思います。
 島の観光関係者は、島民の参加しないイベントは長続きしないといっています。事実、バイクによる島民の参加は、昨年はたしか二十名だったと思いますけれども、ことしは九名と減っています。また、費用対効果は、島民に必要かつ切実な生活産業支援などには、真摯な検証等、議論が政治的立場を超えてほしいと、このように三宅新報という島の新聞報道も行っております。さらにもう一つ紹介しますと、交通需要の悪い離島では、特に短期型のイベントは誘致効果が期待できませんと。旅行代理店もいい商売にはならないと、このように南海タイムスも報じています。
 一方、イベントの前に、テレビで三宅特産のイセエビの紹介があったところ、漁協に問い合わせが殺到したそうです。島の人はそういう支援こそ行ってほしいといっています。こういう声に耳を傾けるべきではありませんか。どうでしょうか。

○鈴木参事 都は、これまでも村の要望を踏まえまして、公営住宅や観光施設の復旧及び農業、漁業の振興など、村民の生活安定に向けた村の取り組みに対しまして、必要な支援を積極的に行ってまいりました。また、観光客が噴火前の約半数と低迷している現状の中で、バイクイベントの実施は、観光産業の振興に大きく資するものと考えております。今後も、村からの要望を十分に踏まえまして、島の復興に向けた最大限の支援を行ってまいります。

○松村委員 目玉にしようとした公認ドラッグレースも、今後できる見通しもありません。バイクレースと銘打ちながら、モーターフェスティバルと名前も中身も変えざるを得ない状況になっています。これでどうして、今後とも続ける意義があるのでしょうか。バイクレースはきっぱりやめて、復興のための支援は、島民の自主的な取り組みを尊重し、現実的な復興、振興に向けたものにすべきです。また、三宅島災害復旧・復興特別交付金を復活するとともに、原油高騰に伴うガソリン、石油購入への補助や住宅再建、漁業の価格保障制度など、緊急対策を講じるべきだということを申し上げまして、三宅島関係は終わります。
 次に、都の業務委託契約問題について伺います。
 本年度の予算特別委員会で、我が党が東京都の都税事務所の個人事業税関係資料の閲覧及びコピーの業務委託が偽装請負になっている問題を取り上げました。主税局は全面否定し、我が党が調査し、正すように求めたのに対し、拒否しました。ところが、労働局は九月二十九日、職業安定法に違反していたとし、都に是正指導書を出している。都も十月十四日に、同事業についての仕事の契約を是正する旨の報告をしていました。
 今、都民の中に深刻な貧困と格差が広がり、とりわけ若年者層では、低賃金と劣悪な雇用条件の派遣労働者や偽装請負が横行し、ワーキングプアに苦しめられているときに、東京都で初めて、全国でも新潟県に次いで二例目の職業安定法違反で、是正指導を受けたことは極めて重大です。この問題の大もとには、この間、石原都政の国の構造改革路線を先取りして、二次にわたる都庁改革アクションプランや行財政改革実行プログラムによって、自治体本来の仕事を放棄し、職員定数をひたすら削減し、民営化や業務委託、非正規職員化を拡大する、構造改革路線を進めてきたことにあります。
 そこで、まず石原都政における職員定数の削減は、どのぐらいの規模で行ったのか。また、このうち、正規職員から非正規職員へ置きかえたのはどのぐらいか。また、業務委託に従事する従事者数を伺います。

○中西人事部長 まず、石原都政になってからの定数の状況でございますが、知事部局等や公営企業、学校職員、警視庁及び東京消防庁合わせました東京都職員定数は、石原都政が始まりました平成十一年度においては、十八万八千八百十九人でございましたが、平成二十年度には十六万七千三十二人となっておりまして、二万一千七百八十七人の削減となっております。また、職員定数の見直しにつきましては、区市町村や民間との役割分担など多くの要素を勘案して行っておりますので、委託により削減した職員定数としての集計は行っておりません。

○和賀井行政改革推進部長 委託業務に従事している従事者数ということでございますけれども、委託業務につきましては、どれだけの職員を従事させるかというものは、業務委託先の判断にゆだねられていると考えております。したがいまして、委託業務に従事している人数について、現在把握はしておりません。

○松村委員 今の答弁で削減数はわかりましたけれども、正規職員から非正規職員への置きかえについても伺ったんですけれども、この点についてはどうでしょうか。

○中西人事部長 知事部局の数字でございますが、非常勤職員、臨時職員で雇用した人数は、約七千人でございます。

○松村委員 必ずしも職種や仕事の中身によっては違うと思いますけれども、やはり七千人も、都で働いて実際にやっている労働者が不安定雇用というか、そういう処遇にいるということは、非常に大きな問題だと思いますけれども、業務委託については、今、従事者数について答弁がありませんでしたけれども、昨年の事務事業質疑でも、私はただしましたが、行政改革推進部長は、民間に業務委託を実施するに際しては、所管局におきまして、適正に管理していると答弁されました。今回、主税局の偽装請負に当たるとした労働局の是正に対して、総務局はどう認識していますか。

○和賀井行政改革推進部長 今回の件は、終業時のあいさつなどをとらまえて、職業安定法上の問題があるという東京労働局の指摘に対し、見解の相違はあるものの、法を所管する東京労働局の判断を踏まえ、適切な対応を図ると聞いてございます。

○松村委員 私ども、この東京労働局からの是正指導に対して、人事というか、その元締めとしての総務局長にも改善するように申し入れを行いましたから、その内容については総務局もご存じだというふうに思うんですよね。ですから、今の答弁がそういうふうに聞いていますということじゃなくて、総務局として、どう東京労働局の主税局のこの業務に対する偽装請負だという点に対して判断なされているのかと、問題はそこの点なんです。
 先日、東京労働局の是正指導がなされたことに対して、我が党が財政委員会で主税局にただしたのに対して、主税局はお昼の声をかけた、それからコピーのサイズを指示したとか、全く事態の認識をしていないか、把握していない態度をとりました。今の部長さんの答弁も、そういうふうに聞いておりますというのは、そのことの繰り返しにほかなりませんけれども、事実は、個人事業税関係の書類のコピーというのは、国税に、いわゆる納税者から出されたものを、個人事業税がかかるその書類を都の税務職員がチェックして、それを引き出して、ここをコピーしてくださいというふうに、派遣された労働者に指示しなければ、作業はできないわけであります。また、昼にしましょうというふうに声かけたといいますけれども、実際、都の職員の作業に従って、そのコピーが始まるわけですから、都の職員が作業して、その書類を渡したら、コピーをする派遣の労働者の方も休憩とか、そういうふうにならないわけなんです。まさに、一体となって、そういう指示がやっぱりあった。だから、出勤簿、私も見ましたけれども、そこには四時だとか四時半だとか、さまざまな退社というか、終了の時間は違っております。ですからまさに、偽装請負となる、直接指示してはならない、または出退勤簿を管理というか、してはならないという、このことで、東京労働局もそういう事実があったということで、職業安定法違反という形での是正をしたわけです。そういう認識に立っていないんですか、総務局は。

○和賀井行政改革推進部長 業務委託契約に関します東京労働局からの指導に基づきまして、主税局におきましては、現行方式における業務委託契約の廃止、労働者の派遣、複写機の賃借、用紙の購入、成果品の配送に細分化した契約を検討すると聞いてございます。
 いずれにいたしましても、本件のような個々の契約の具体的な対応につきましては、東京労働局と相談の上、主税局が責任を持って対応すべきと考えております。

○松村委員 事実関係は、所管局任せじゃなくて、総務局もきちっと把握すべきだと思いますよ。事実、ここに私は、勤務表、出退勤のこれを持っております。ここに、赤く判を押したのは、これは東京都の職員ですよ、いずれを見ましても。だから、東京都が派遣されたところの地区の責任者ですか、そういう方が管理していたんじゃないんですよ。明らかに管理も違うし、先ほど業務上からも直接の指示が、お昼をしましょうとか、そういう範囲ではないということがあるにもかかわらず、主税局は、ささいなことだとかいうことで、いまだにそういう見解を述べて、東京労働局との見解の違いだということで済まそうとすることに対して、私は、全体のそういう職員のきちっとした管理というか、定数を管理されている、調整機能がある総務局としてはそれでいいのかということを、くどいようですけれども、重ねて指摘しているわけであります。各局任せにして、こういう改善が行われるはずはありません。
 主税局としては、今、そうした偽装請負に抵触する、先ほどたくさんの委託業務を出しております。こういう主税局に起きた事態がほかにもあるのではないか。また、それを是正しなければならないと思いますけれども、その実態を所管局とともに、当然、調査すべきではないかと思いますけれども、調査を行いますか。この点についてはどうでしょうか。

○和賀井行政改革推進部長 現時点におきましては、全庁的な調査を行う考えはございません。

○松村委員 調査する考えはないということですけれども、それじゃあ、これはたまたま主税局で、そういう職場で起きた偽装請負だと。ほかにはないという認識、判断だというふうに伺ってよろしいでしょうか。

○和賀井行政改革推進部長 今回の業務委託契約など、個々の契約の具体的な対応につきましては、各局において適切に履行すべきものと考えておりますので、全庁的な調査を総務局として行う考えはございません。

○松村委員 人ごとのようにいっていますけれども、実態にはそういう定数削減とか、抑制とか、さまざま総務局が率先して、先ほど冒頭述べましたようなアクションプランだとか、行政改革実行プログラムなどに各局を指示し、そうやってきたんですよ。だから、各局も、そういうそれが偽装請負になるというような、そういう認識すらなくてやっていたということも、一方においては事実だろうというふうに思うんです。そこをやはり法令に照らして、総務局から点検し、そういうのがないかどうか、あれば直ちに改善するとか、そういうことをやらす責任というか、それが総務局の役割ではないでしょうか。
 例えば、私もう一つ例を挙げます。これ教育庁です。今、都立高等学校において、昔、用務さんといわれた方々を定年不補充でどんどん委託業務に切りかえております。ほぼこれ全校終わって、平成二十年度の都立高校環境整備委託の一覧表というものを、私、今これ持っておりますけれども、都立学校の用務です。これは、皆さん委託に出しているといっても、派遣された方、今までは用務員さんは二名から三名いたのが、この契約業者によって、ほぼ一名配置されてきているけれども、この方がやる仕事、皆さん、学校と一体となって指示できなければ、学校の用務というのはできないんじゃないでしょうか。このことを見ても、先ほどのコピーも同じですよ。ただ積まれたものをマニュアルどおりにコピーするというんじゃないんです。一つ一つ抜き出して、ここの箇所をこういう形でコピーしてほしいということを指示しなきゃいけないんです。何かコピーのサイズをA3をB5だとか、そういう問題じゃないんですね。
 この学校の用務においても、これほぼ全校ですよ。全部、委託契約業者があります。そこから派遣されている。じゃ、どうやって仕事を行っていくのか。明らかに私は、今回の東京労働局の指導があった請負に当たると、どう見たって判断せざるを得ないんですよ。こういう委託業務が、都庁の全体で私はあちらこちらというか、あるということを非常に危惧します。やはり直ちに、そういう一つの主税局で正された。私は、これはもう全庁的に、直ちに総務局の方がそういう調査を行い、あれば改善させていくということに取り組まなければならないんではないでしょうか、重ねて伺います。

○和賀井行政改革推進部長 繰り返しになりますが、個々の契約の具体的な対応につきましては、各局において、適切に履行すべきものと考えております。

○松村委員 削減をしろと、もっと業務委託をやって、都の正規職員を減らせという大号令をかけておきながら、それを受けて、各局とも四苦八苦しながらやってきた結果がこういう事態にまでなっているということなのに、やはりその大もとといいますか、皆さん方が本当に人ごとのようにいうのは、私は許せないというふうに思います。
 もう一つ最後に、主税局は、今後の対応策として、現行の方式による業務委託契約を廃止するとしながら、請負を、今度はただ派遣に切りかえるだけなんですね。しかし、それでは非正規雇用を前提にして事を済まそうというもので、今非正規雇用がこれだけ社会的に大問題になっているときに、まさに逆行した対応だと思いますけれども、主税局のこの対応についても、見解を伺います。

○中西人事部長 都の事業は、都民の税金で賄われており、常に最少の経費で最大の効果を発揮することが強く求められております。このため、都は業務実態や業務内容などに応じて、適切な手法を導入し、都民サービスの質の向上と業務の効率的執行に努めております。主税局の対応について、問題があるとは考えておりません。

○松村委員 都民の税金で賄われているからこそ、いやしくもこの都庁で偽装請負が横行していた、行われていた、こんな指摘を受けることは恥ずかしいことじゃないんですか。直ちに、もう都庁挙げて、私は改善すべきだというふうに思いますし、今やはり雇用の問題、本当に非正規雇用が、若者も含めて、ワーキングプアをつくり出している。少なくとも、都庁で立派に働いてもらう、そういう方々の処遇を直ちに改善する。
 ただ、皆さん方が率先して、今までの臨時の時給を大幅に九百円ですか、引き上げたことは、これはよくやったというか、本当は千円ぐらいまでに引き上げなきゃいけないところを改善したと、思い切って改善したということについては率直に評価いたしますけれども、やっぱり民間化、業務委託化、非正規雇用のこういう拡大路線を改めて、都の仕事を行う労働者に、安定した労働条件と労働環境を保障することを改めて求めて、ちょっと早いんですけれども、質問を終わります。

○山口委員 ワークライフバランスの推進について、何点か伺いたいと思います。
 東京都は、すべての都民が性別にかかわりなく、個人として尊重されるよう、男女が平等な立場で、さまざまな活動に参画し、責任を分かち合う男女平等参画社会の実現を目指し、平成十二年度、全国の自治体に先駆けて、東京都男女平等参画基本条例を制定しました。この基本条例では、労働の分野における男女共同参画の視点を持ち、雇用に関する項目が明記され、評価されています。条例に基づいて策定された男女平等参画のための東京都行動計画、チャンス&サポート二〇〇二は、昨年度改定され、チャンス&サポート二〇〇七として、二〇〇七年度から二〇一二年度までの行動計画を策定し、新たに基本的な考え方として、仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスと、女性のチャレンジ支援の二つを掲げ、中心的に取り組むとしています。
 仕事と生活の調和、ワークライフバランスは、長時間労働の削減や育児・介護休暇の取得促進など、社会全体で働き方を変えていくことによって、だれもが希望する形で仕事と生活の調和を図れるようにしようというものです。
 東京都男女平等参画審議会では、ワークライフバランスの定着に向けての調査審議を専門調査報告としてまとめました。企業の事例の裏づけのもとに、四つの視点が示され、これを受け、現在、企業がワークライフバランスを導入するためのマニュアル、ワーク・ライフ・バランス実践プログラムを策定中と聞いています。
 企業でのワークライフバランスの推進に向けて、この実践プログラムを活用して、東京都は、事業者に対して普及啓発に努めていくわけですが、東京都も事業主として積極的に推進していくことが求められると思いますが、現在の取り組みについて伺いたいと思います。

○安藤労務担当部長 都では平成十七年三月に、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、事業主としての立場から、東京都職員次世代育成支援プランを策定し、子育てを支援するさまざまな制度が職員に適切に活用されるよう周知するとともに、これらの制度を利用しやすい職場環境の整備や雰囲気づくりに取り組んでまいりました。
 ことし三月には、これまでの取り組み実績や昨年八月に実施しました職員アンケートの結果を踏まえまして、中間の見直しとして、この育成支援プランを改定しまして、休暇の取得促進や超過勤務の縮減を進めるなど、職員のワークライフバランスをより実効性のあるものにするための取り組みを強化したところでございます。

○山口委員 ただいま東京都職員次世代育成支援プランについて、三年が経過したことし三月、中間の見直しをしたということをお聞きしましたけれども、計画期間中に、これまでに育児休暇や子どもの介護休暇、それから短時間勤務など、成果を上げたもの、また課題として見えてきたことがあればお聞かせいただきたいと思います。

○安藤労務担当部長 先ほど申し上げましたが、都ではこれまで東京都職員次世代育成支援プランに基づきまして、職員の仕事と子育ての両立を支援していくため、業務改革の推進及び男性職員の子育てのための休暇等の取得促進の取り組みを推進してきました。
 これまでの成果としては、例えばこの支援プランで、男性職員が配偶者の出産の際に取得できる出産支援休暇というのがございますが、この取得率を平成二十一年度までに八五%以上にする目標を掲げましたが、平成十八年に八〇・七%だったものが、平成十九年には、八七・三%に増加してございます。また、育児休業の取得率も徐々に増加傾向にありますから、これらの制度を利用しやすい職場環境の整備や雰囲気づくりが進んできたものと考えております。
 一方、課題としましては、育児休業中などの職員に定期的に連絡を行うマンスリーコールというものがございますが、それや、職員や子育てに関する制度についての相談にワンストップで対応する両立支援アドバイザー、こういった取り組みなどにつきましては認知度が低く、その定着がまだ十分であるとはいえないことがございます。
 そのために、例えばマンスリーコール実施者を選任する場合、妊娠出産休暇、育児休業中の職員の意向も踏まえまして、管理監督者や庶務担当職員に加えまして、職員と身近な同僚なども選任できるようにするなど、こうした取り組みをより機能させるための支援プランの改定を行ったところでございます。

○山口委員 出産支援休暇の取得はかなり進んできているというお話でしたけど、多分、育児休業の男性職員の取得というのは数値でお示しいただけませんでしたけど、まだまだではないかというふうに思っております。今後も意識改革とか、それからまた職場環境を整えていくということが必要ではないかと思いますが、民間企業などでは、従業員の満足度調査や意識調査を毎年実施するとか、社長がみずから従業員の誕生日に面談して要望を聞くなど、大変努力されている企業があるように聞いていますが、都においては職員の要望など実態を把握するための取り組みはどのように行われているのでしょうか。

○安藤労務担当部長 仕事と子育ての両立が可能な職場環境を実現していくためには、職員の意見や要望を把握することが必要であると考えております。
 東京都職員次世代育成プランにおきましては、計画を着実に実行、実施するため、各任命権者の管理職を構成員とする計画推進委員会を設置することとしておりまして、これまでも本委員会において、各局からの要望を含めた実施状況の点検結果などについて意見交換を毎年行ってきたところでございます。
 今後とも、こうした場を通じて職場の実態把握に努めるとともに、各職場においてもOJTなどを活用いたしまして、直接個々の職員の要望をくみ上げていくなど、より多くの意見を計画実施に反映させていきたいと思います。

○山口委員 ワークライフバランスの定着を図るには継続した取り組みが必要であり、個人の意識改革という点では、今後、どのような取り組みが行われているのでしょうか。

○安藤労務担当部長 ワークライフバランスの定着を図るためには、職員みずからが仕事の進め方を常に見直して、めり張りをつけた業務執行を心がけることが重要であると思います。都ではこれまで、東京都職員次世代育成支援プランに基づきまして、年次有給休暇や夏季休暇の計画的な取得促進や、全庁一斉定時退庁日における定時退庁の促進に取り組むとともに、講演会の実施、啓発ポスター、パンフレットの作成配布など、管理職を初め、すべての職員に対し制度の周知や意識啓発を図ってきたところでございます。
 これらの取り組みは継続して行っていくことが肝要と考えておりまして、引き続きこれらの取り組みを通じまして、意識啓発と職場の雰囲気づくりに努めてまいります。

○山口委員 ワークライフバランス推進には、社会的な課題として、国も含め、各方面での動きがようやく活発になってきているところです。子育てや介護などで休職中の人がスムーズに職場復帰しやすいように、インターネットを活用した職場復帰プログラムなどの実施など、今後はキャリアロスの対策も充実していくことが求められると思います。また、仕事と生活の調和といえば、育児とか介護休暇のみだけではなくて、社会貢献などさまざまな社会活動に参加することによって、より豊かな生き方が可能になるような働き方を選択していくこともできるようになるということが必要ではないかと思います。
 都庁でもボランティア休暇などの取得が認められているということですが、まだまだここのところまでには数字が及ばないということでお聞きしておりますが、今後こうしたことも実現できるような仕組みにも取り組んでいただきたいということを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 災害対策についてですが、一九九五年、阪神・淡路大震災をきっかけに国内での防災意識が高まり、それに関する法律や計画、支援対策が整備されてきました。その間さまざまな検証が行われてきましたが、女性の視点からの災害の検証は少なく、避難所の生活は女性に対する配慮に欠け、さまざまな問題が生じていました。
 災害対策は男の仕事であり、女性に合う防災服が準備されていないというような状況の中、二〇〇四年の新潟中越地震では、初めて内閣府から女性職員が派遣されました。彼女は避難所や地域を回り、聞き取り調査を行い、その調査をもとに男女共同参画基本計画(第二次)に、また防災基本計画改定、これは二〇〇六年七月に行われておりますが、男女共同参画の視点を導入することにつながったと聞いています。このあたりからようやく災害と女性のテーマが日本でも本格的に取り上げられるようになりました。
 二〇〇五年十一月、神戸において開催された防災フォーラム「災害と女性-防災・復興に女性の参画を-」において、アピール文が当時の各担当大臣にも提出されています。二〇〇六年十一月には、阪神・淡路大震災十周年記念行事として、防災フォーラム「災害と女性-防災・復興に女性の視点を」が神戸で開催されました。全員女性のパネリストが、これまで余り問題にされなかった被災地における女性の人権をテーマに語り合ったというふうにいわれています。
 こうした取り組みの中で明らかになってきたのが、長引く避難所生活での女性への配慮に欠けることや、避難所などでの生活における性別役割による女性への負担、さらに災害時に女性に対する暴力、これはDVや性被害などが増加することなどが明らかにされています。避難所や仮設住宅での生活が長くなればなるほど、男女が共同で対応することが不可欠だと思います。
 二〇〇七年、東京都地域防災計画見直しに際して、このような女性の視点はどのように反映されたのか伺います。

○石野総合防災部長 大地震などの災害時には、性別に配慮した対応を行うことが必要な場合もございます。このため、平成十九年五月に修正いたしました地域防災計画におきましては、避難所の運営に当たり、被災者の性別も踏まえ、プライバシーの確保や生活環境を良好に保つよう定めてございます。また、妊産婦を災害時要援護者として位置づけまして、安全確保を図ることや、外出時の一時待機施設への優先受け入れを盛り込んでございます。
 なお、防災服につきましては、東京都では、平成二年、一九九〇年の見直しの際に、既に男女別の防災服を導入してございます。

○山口委員 避難所などでの性別役割としては、例えば食事の支度とか、子どもや高齢者の介護等は女性がやるのが当たり前であるとか、仕事などで手薄になる日中は、専業主婦やパートなど非正規雇用の女性が当たる。また、仕事をして疲れて帰っても、食事の支度にかかるのは女性だけといったようなことで、心身ともに疲れ果てても、よい妻、よい母、よい嫁を演じなければならないプレッシャーなどで、つい我慢をしてしまうというようなこともいろんなところで明らかにされていました。
 妻だからとか嫁だからという考え方は、地方と都会では大分違いがあるかとは思いますが、こうした問題に配慮するためには、避難所の担当職員に女性を配置することや、避難所、仮設住宅の運営への女性参画が必要ではないでしょうか。それには防災復興計画に女性の参加をという声が上がってきています。各区市町村の役割に負うところだとは思いますが、都としてこうした点についてはどのような見解を持っているのか伺います。

○石野総合防災部長 地域防災計画の策定には、女性を初め、さまざまな方の意見を反映させる必要がございます。このため、計画の策定に当たりましては、課題ごとに十の部会を設置いたしまして、女性の委員や職員などの参画を得て検討を進めるとともに、素案の発表に際しましては、パブリックコメントを実施しまして、広く都民からの意見を反映してございます。

○山口委員 要援護者として、妊娠中や乳幼児を抱えた女性、高齢者、障害者、外国人といった人たちへの支援策が取り組まれていますが、災害復興時の相談体制について、要援護者特有のさまざまな問題を受けとめることができる相談体制についてはどのようになっているのか伺います。

○石野総合防災部長 災害復興時におきましては、高齢者や障害者、妊産婦などの要援護者を含めまして、被災した住民の方々には、さまざまな生活上の不安であるとか問題を抱えることになりますことから、これらの問題に総合的に対応する窓口を設置し、相談を受ける必要がございます。
 このため、都では震災復興マニュアル、これを定めてございますが、その中で、発災後一週間以内に被災者のための臨時相談窓口を開設することとしてございまして、その中で各分野の専門家や団体の協力を得ながら、被災者のさまざまな生活上の不安や問題の相談にきめ細かく対応することとしてございます。
 また、復興対策が本格化します被災後一カ月程度をめどといたしまして、臨時相談窓口とは別に、被災者総合相談所を設けまして、復興期におけます被災者の相談にも応ずることにしてございます。

○山口委員 次に、帰宅困難者に関連して二点ほど伺います。
 震度五強の地震が発災した場合、鉄道等ほとんどの交通機関が停止するために、都全体で外出者のうち約三百七十万人の帰宅困難者が発生するといわれています。また、発災直後の主要ターミナル駅に滞留する人の中で、最終的に帰宅できない人、観光やビジネスで東京を訪れている人などを合わせると、約その倍ぐらいの数になるとまでもいわれておりますが、幾つかのターミナル駅での滞留者避難訓練、また総合防災訓練にも帰宅困難者避難訓練が行われるようになり、地域によっては協議会を立ち上げ、こうした問題に取り組んでいるというところが出てきています。
 都は、徒歩帰宅者に対する沿道支援を行うとして、たしか平成十五年に帰宅支援対象道路として十六の道路を選択していますが、帰宅支援対象道路はどのような観点で決められたのか、改めて伺いたいと思います。

○石野総合防災部長 帰宅支援対象道路でございますが、これは国や区市町村、また近隣県市、さらには鉄道事業者や経済団体などの委員から成ります震災時における昼間都民対策検討委員会、これを設置いたしまして、その検討結果を踏まえまして、平成十五年五月の地域防災計画の見直しの際に十六路線を選定してございます。
 この帰宅支援対象道路でございますが、これにつきましては、まず明確かつわかりやすく、道路の幅が広く安全な道路であること、これを前提として指定してございます。具体的な路線といたしましては、都心から放射状に伸び、かつ被災者の避難路になっております緊急交通路のうち都県境を越えます、第一京浜であるとか川越街道など十一路線を、多摩地域においては、国道一六号線に至ります甲州街道や青梅街道など三路線を、さらには都心を迂回します環状路線であります環状七号線と環状八号線を含めまして、合わせて十六路線を指定してございます。

○山口委員 最後に、東京都は十九年五月に地域防災計画を見直して、首都直下型地震の被害の軽減目標を定め、外出者を四日間以内に帰宅させることを目指していますが、それならば、帰宅支援対象沿道をふやすべきではないかというふうに思いますが、どのようにお考えなのか伺って、質問を終わりたいと思います。

○石野総合防災部長 現在、都では、地域防災計画で定めてございます減災目標であります、外出者を四日以内に帰宅というのを実現するために、緊急輸送路沿いの建築物の耐震化を推進するとともに、帰宅支援ステーションの拡充などに努めているところでございます。
 帰宅支援対象道路につきましては、道路の幅や安全性に配慮しまして、都民にとって明確かつわかりやすいものでなければなりませんので、一概に数をふやすべきものとは考えてございません。

○後藤委員 私からは二つ三つ聞きたいんですけれども、こちらにあります事業概要の五八ページのところに、都の職員の福利厚生の体系というところで、福利厚生事業団がやっているカフェテリアプランについてお尋ねします。
 カフェテリアプランは、簡単にいいますと、民間でもやっています選択方式の福利厚生ということで、これの三一ページのところに、余暇施設の利用ということがあるんですけれども、例えば遊園地、ゴルフ場、美術館、博物館、庭園、水族館、動物園、クアハウス、日帰りの温泉ですとかスタジオ、体育施設、スキー場ですとかというのがあるんですが、この中で、きょうはゴルフ場だけについて聞きたいと思います。(「この間やったじゃない」と呼ぶ者あり)この間ですね、今いわれたんですけれども、この間の委員会でも私、これに関しましては取り上げまして、このような余暇施設を利用する場合は、課税をしている監理団体があるというふうに私の方から指摘をしたんですが、このことに関して担当の方は、新宿税務署の方に問い合わせると、新宿税務署の方に聞いてみるというふうにいわれていたんですけど、聞いた経過をちょっと教えていただけますか。

○安藤労務担当部長 メニュー選択事業についてのご質問でございます。
 まず、一番冒頭に申し上げておきたいことがございまして、先般、後藤委員から本事業に対する都の支出は無効であるなどとして訴訟の提起がございました。したがいまして、本事業に関する事項に関しましては、事業の基本的考え方や概要などについてはできる限りお答えさせていただきますけれども、訴訟の関係もございますので、この場での答弁は差し控えさせていただいて、裁判の中で対応させていただくような場合もございますので、あらかじめお含みおきいただきたいと思います。
 ゴルフについてでございますけれども、メニュー選択事業の中の余暇施設利用の中でゴルフというのは排除してございませんけれども、そのことに関して税務署に問い合わせに行ったのかと、そこのところのご質問であると思います。新宿税務署の方に、我々の人事部の職員と福利厚生事業団の職員が事務所に行って、税務相談を行ってございます。

○後藤委員 これに関しましては私も、十月三十一日の金曜日に、新宿税務署の個人事業税第一部門の方に、人事部の方と、それから福利厚生事業団の職員が出向いて説明を受けたというふうに聞きましたので、私も実は行ってきました。
 ここで確かに裁判にはなっていますけれども、私は今、とりあえず一点だけ聞きたいことがあるんですけれども、例えばこれに関して、ゴルフに関してはいかがなものでしょうかねというふうに担当の税務署の職員の方がいわれまして、紙を実は一枚もらってきました。十六年度版所得税基本通達逐条解説というやつなんですけれども、この中の二七四ページなんですけれども、ゴルフに支出するプレーのために直接要する費用については、入会金が資産に計上されているかどうかに関係なく、その使用者の業務の執行上必要なものであるか否かの実質に従って、交際費または給与として取り扱われると、ここの文章しかないんですよねというふうに、私はこの間の金曜日に聞いてきたんですが、このことに関して聞こうと思いましたらば、これは税務署の、何というんですか、手続だと思うんですけれども、事前照会という手続があるんですが、この事前照会という手続をおやりになっているかどうか。これについてお尋ねします。

○安藤労務担当部長 この事業を開始するときに、事前照会という、いわゆる文書上の照会をやってはございません。

○後藤委員 七月の段階で……。

○安藤労務担当部長 七月でございますか。文書による照会は行ってございません。

○後藤委員 こういうふうな問題があったらば、できたらば事前照会をやっていただけると助かるんですよねというふうに、これは新宿税務署の方がいっていたので、今回のように、例えば逐条解説の中に書かれているような文言があるんだとしたらば、できる限り早く聞いて、対応を考えていただきたいと思います。
 これで、このカフェテリアメニューの中で、これはできたらば答えていただけると思うんですが、例えばポイントと書かれていまして、会員が同行していなくても助成対象となります、その際には会員の名義の領収書を受け取ってくださいと書いてあるんです。会員が行かなくて、会員の名前を書きました領収書を受け取ってきてくださいと書いてあるんですけど、この書いてある意味がよくわからないんですが、違う人が行って、例えば会社名だったらわかりますけれども、会員名義の領収書を受領してきてくださいというのは、これはちょっと書き方として不適切なんじゃないかと思いますけど、これに関してはいかがですか。

○馬場委員長 何ページですか。

○後藤委員 これは三一ページです。

○安藤労務担当部長 会員が行かなくてという表現はちょっと、私は把握できないんですが……。

○後藤委員 ここに書いてあるよ。

○安藤労務担当部長 行かなくてという表現がちょっとわからないんですけれども。

○馬場委員長 見ていらっしゃるものが違いますか。

○安藤労務担当部長 大変申しわけありませんが、物がちょっと違うものですから、ページが違うんですけれども、何の部分についておっしゃっているのか、ちょっと……。

○後藤委員 こちらで三一ページですけど、余暇施設利用……

○安藤労務担当部長 余暇施設の利用ということですよね。

○後藤委員 ええ、下から二行目なんですが、会員が同行しなくても助成の対象になりますと書いて--書いていませんか、そちらには。だったらば、今度のやつは何と書いてあるんですか。教えてください。

○安藤労務担当部長 会員が行かなくてとは書いていなくて、恐らく委員がおっしゃっているのは、家族の利用分も助成対象かみたいな話ではないかと思うんですが、余暇施設利用助成は、本人だけじゃなく、ご家族の利用分も助成対象となりますというふうな表現は書いてございます。

○後藤委員 括弧はないんですか、その下に。

○安藤労務担当部長 その下に括弧はないんでございますが。申しわけありません。

○後藤委員 だったら、質問を変えます。
 多分部長が持っているのは今年度のということだと思いますけれども、そうしましたらば、十九年度のカフェテリアプランの都の支出は幾らになりますか。

○安藤労務担当部長 東京都の支出というのはちょっと、まずお答え申し上げますのは、このメニュー選択事業におきまして、ポイント充当として支出している全体の経費としては、約十五億五千万円になります。

○後藤委員 ここで今、十九年度というふうにいっていただいたのであれなんですけど、十九年度のを私持っているので、これに関しては、ここだけははっきり聞きたいんですけど、十九年度のときは、会員が同行しなくても助成対象になりますというふうになっていたんですが、これというのは、例えば家族だというふうには書いてあります。家族の方ですけど、本人が行かなくて、例えば本人の名義で、会員の名義の領収証を受け取ってきてくださいなんていうことになりますと、例えば前の話ですけど、官官接待だとかいろいろあったときに、必ず領収書というのは本人名義だと思うんですよね。過去については書き方が悪かったというふうに思っていただけますか、じゃ、これ。

○安藤労務担当部長 恐らく、この余暇施設利用助成につきましては、本人及びその家族が助成対象者になりますので、家族名義のいわゆる領収書とかですね、それの確認がとれれば助成対象になるということでございます。

○後藤委員 とりあえずこれに関しましては、あえて要望だということになるだろうと思いますけど、少しでもおかしいなと思われたらば、できれば税務署の方に行きまして、事前照会なり、かけることによって、一つでも納税者の方からご不審なことを得ないように、例えば税務署に関しても、彼らも役所ですよね。役所は何のためにあるのかといったらば、国民のためになるためだと思いますので、構わずどんどん使って、正しいのか正しくないのか、例えば皆さんは正しいと思っても、税務署の方が課税してくる可能性だって幾らだってあるわけですよ。課税が正しくないと思ったらば争えばいいわけですから、結局、皆さんは正しいと思ってやっている。税務署の方は課税だったらば、それはそれでいいじゃないですか、争えばいいことですから。できることだったらば、なるべく早い機会に事前照会をかけていただいて、この問題を明らかにしていただきたいと思います。
 次なんですけど、三宅島の件でお尋ねします。
 ここにありますのが、三宅島のガスマスクの缶なんですけど、缶といいますのは吸収缶です。この吸収缶なんですけれども、メーカーが二つあると思います。このメーカーについて、ちょっと教えていただけますか。

○石野総合防災部長 現在、東京都で購入してございますガスマスクの、今、吸収缶がございましたが、メーカーは二社ございます。ちょっとメーカー名は、企業名になりますので、一応、A社、B社と、二社ございます。

○後藤委員 ところで現状を教えていただきたいんですが、総務局として、例えばマスク、メーカーが二社あるとおっしゃいましたけど、A社とB社が何個ずつあるのか、このことをお尋ねします。

○石野総合防災部長 総務局ということでよろしいですか。

○後藤委員 できたら全部教えてもらえますか。

○石野総合防災部長 まず、総務局を含めまして、どういう状況にあるかは、本年の七月二十三日時点で調査してございます。その結果でございますが、総務局を初めとしまして七局で、七月二十三日現在ですが、五百四十六個のガスマスクと百二十三個の吸収缶を保管していることが明らかになりました。
 この中の内訳でございますが、先ほどもありましたが、二社から製品を購入してございまして、A社のガスマスクにつきましては五百二十八個、吸収缶については百個、B社のガスマスクについては十八個、吸収缶が二十三個となってございます。

○後藤委員 これですけど、三宅村は、二つのメーカーがありますけど、A社ですか、B社ですか、どちらですか。

○石野総合防災部長 三宅村でございますが、三宅村については、今の二社のうちのB社でございまして、B社の製品を住民と村民に貸与しているという状況でございます。

○後藤委員 まずここで問題点が二つ出てきたんですけれども、例えば総務局を例にとってみますと、A社のマスクが四百七、吸収缶の数が五十です。結局、マスクばっかりあったって吸収缶がなかったらば使えないと思うんですけれども、ここのところは何で、マスクが四百七、吸収缶が五十個。災害対策を担っている総務局がですよ、例えばガスマスクを持っています。ただ、持っていますけれども、吸収缶がなかったらば、大変なことになっちゃうんじゃないんでしょうか。ここのところの対策、できたら教えてください。

○石野総合防災部長 既存のガスマスク等、これは有効に活用を図る必要がございますし、またガスマスクと吸収缶、これを取り違えということがあってはいけませんので、そうしたことを防止する必要がございますので、総務局は既に各局に対しまして、当然、支庁もそうでございますが、現在保有するガスマスク及び吸収缶の管理の徹底を図り、吸収缶の十分な確保をするよう、文書により指示を出してございます。
 そうした中で、三宅支庁でございますが、七月の調査後、この三宅支庁では職員数が六十七でございますけれども、この中で吸収缶が五十だったわけですけれども、新たに百四十購入しまして、今現在、百九十個になってございます。今後も引き続き、必要な吸収缶を購入する予定でございます。

○後藤委員 これですけれども、都庁のマスクの数の合計というのが五百二十八です。マスクと吸収缶の金額が、例えばですけど三千円ぐらいと仮定します。買いかえたとしても百五十万です。
 ここで私がいいたいのは、三宅村の方たちがお使いになっているのはB社ですよね。B社のマスクを三宅村の方たちが使っていて、総務局の方たちはA社です。皆さんみたいに頭のいい方たちが、例えばテーブルの上で、これは気をつけて使えよ、こっちはA社だぞ、こっちはB社だぞといっていましても、本当に噴火か何かがあったとしたらば、しっちゃかめっちゃかという言葉はいけないかもわかりませんけれども、めちゃくちゃな状態になると思います。
 捨ててしまえといっているのではなくて、例えば間違えて使って事故が起こったときですよ。間違えて使って、例えばお一人の方、お二人の方という方が事故に遭われてしまったときのことを考えたらば、百五十万は確かにもったいないかもわからないけれども、買いかえちゃって、例えば三宅村だったらばA社かB社かどっちかにしてしまうというふうな考えが、僕はあってしかるべきかなと思うんですけど、その辺はいかがですか。

○石野総合防災部長 まず、ガスマスクの購入はそれぞれ、村もそうですし、東京都でも各所属が、それぞれ必要な時期に必要な数を入札等で購入することになりますので、購入に当たりましては、実際は複数社ございますので、メーカーの統一を指定するというのには、難しい側面がございます。
 現在の三宅島の状況でございますが、ご案内のとおり、平成十二年の噴火当初には、火山ガスの噴出が、これが約一日当たり二万から五万トンと、そうした放出状況でございまして、現在は一日当たり一千から三千トンとなってございまして、最近の状況は横ばいに近い状態ではありますが、少しずつ減少しているという状況でございます。
 こうした中で、購入時期なども異なります中で、こうした既存のガスマスクなどをまず有効に使うことが重要でございますし、今お話がございました、ガスマスクと吸収缶の取り違えを防止するために、今、総務局では、こうした文書により、そういうことのないよう管理の徹底、また吸収缶の十分な確保を徹底しているところでございます。
 支庁、村につきましては、これは村民及び村住民を含めまして、二千九百四名の方にガスマスクを貸与している状況でございまして、現在、支庁と三宅島の住民等が使えますガスマスク等につきましては、それぞれ足りている状況でございますので、今現在は融通し合う状況にないと考えてございます。

○後藤委員 ここの今の事業というのは、防災部ですよね。今部長がいったのが、普通のセクションの方だったらば、僕は百点の答えだと思うんですよ。例えば入札かけるときに、買う場合に二社あったとしたらばどっちを選ぶか、安い方を選ぶだとか、三社、四社あったらば入札、随契だ、何だかんだというふうなことがありますけれども、こういうふうなケースのときほど、随契というのか、これだったらば特命随契になるのかわかりませんけど、決めてかかっていく。
 だったら、観点変えて聞きますけど、例えば竹芝桟橋で売っているのはどっちなんですか。

○石野総合防災部長 竹芝桟橋、島に入島される方が買うことになろうかと思いますが、そこではB社のものを売ってございます。

○後藤委員 例えば三宅島に住んでいる方ですとか、お役人の方たちは、紙が回っていて周知徹底することもいいでしょう。ただし、三宅に行く場合には必ずマスクを買っていってくれというふうに書いてありますよね。三宅島の観光のホームページを見ますと、このマスクは買っていってくださいよというふうに書いてあります。
 仮にそうだとしたらば、確かに百五十万はもったいないけど、人の命にかかわるようなことで、部長は今おっしゃいましたよ、確かにガスの量は減ってきている。ただし、減ってきているのはわかりますけど、いつ何どきどうなるかわからないから、ですからガスマスクを買っていってくださいといっているわけじゃないですか。
 だったら、買っていってくださいといわなくてもいいし、ここのところでもう一回聞きますけど、例えば百五十万は確かにもったいないのはわかります。この間の墨東病院の件ですけれども、人の命に何か起こったときに、この委員会で私が、百五十万円かけて変えておけばよかったじゃないですかということをいっていて、ここまでの指摘があったのに変えなくて、仮に事故が起きたらば、どうなさいますか。これについて、ちょっと考え方を教えてください。

○石野総合防災部長 ガスマスク等でございますが、まず入島される方、また村で滞在を予定する方は、当然、村の条例に従いまして、こうしたガスマスク等の携帯が義務づけられているわけでございます。そうした中で、やはり村の条例、村が主体的にその中で、今のいろいろな買う場所に、船客待合所等で、これは村では統一してございまして、B社のやつで統一されているわけですが、その購入をするよう周知しているところでございます。そうした中で、村に入られる方については一社で現在、村の方が購入し、また観光協会として協力して、今その購入ができるような体制になってございます。

○後藤委員 観点をちょっと変えますけど、部長が、ガスマスクの管理担当者や使用者の人事異動の際には、ガスマスクなどの取り扱いについて確実に引き継ぎを行うことというのがあります。例えば使用期限が定められているので、必ず在庫管理をすること。結局、メーカーが異なるので、ガスマスクと吸収缶は必ず組み合わせて適正に携帯するようにというふうになっています。
 そうだとしたらば、形も余り変わりありません。これですけど、私がこの間三宅に行きまして、たまたま吸収缶を買ってきていただいたらば、別の吸収缶だったので、三宅島で私が吸収缶をくっつけたら、吸収缶が外れちゃうわけですよ。これはおかしいね、これは何なのということでわかったわけですけれども、確実に引継ぎを行うことというふうに書くんだとしたらば、例えば色塗ってペンキで塗っちゃうとか、こっちのメーカーはAですよというふうな形で、何らかの形をとらないと、紙で徹底しただけで緊急時に職員の方が実際に対応ができるかどうかというのが本当に疑問なので、これ以上ここでいっても、買う買わないというご判断というのはまた別にあるだろうと思いますけど、これですけどね、局長、本当に、確かに百五十万はもったいないし、私なんかは一円、十円、もったいないというふうにいっている男ですけれども、人の命にかかわることだったらば、この百五十万は僕、安いと思いますので、もう一たん買いかえてしまうぐらいのことを一つに統一してやっていただきたいと思うんですけれども、できれば最後にもし局長が何かお話をしていただければ、もうこれで質問は終わりますけど。

○石野総合防災部長 先ほども述べさせていただきましたが、こうしたガスマスクと吸収缶を取り違えることのないよう、先ほど文書を出してございますが、それの徹底は、いろいろな機会をとらえまして、徹底してまいりたいと考えております。

○後藤委員 ここで局長がいっていただければ、僕やめたんですけれども、部長があえていったので、だったらばいいますけれども、何でこのような買い方をしたんですか。メーカーが二つあったというのは知っていたんですか、最初。
 これですけど、私の方から聞いていきましたらば、本当の火山の専門家の方は二つあって困っているんだよなというふうに、私にも話してくれましたよ。でも、担当の方たちは二種類あるのを知らなかったんだから、これ全部。こんなようなことで、例えば総合防災部だなんていえますかということを、僕、最後にいいますよ。

○石野総合防災部長 私の方では、当時の状況、細かい状況までは存じておりませんが、こうしたいわゆる国家検定を合格しておりますガスマスクにつきましては、現在、A社、B社を含めて四社あるということを承知しているところです。

○後藤委員 国家資格の合格だとか、例えばJAS規格のことはよく知っていますよ。あのね、これが本当に、もう何もいいませんけど、非常事態が起こったときに国家規格だとかJAS規格なんて関係ないんですよ。
 はっきりいって僕ね、部長のお話聞いていて、非常事態が起こったら、心配になりましたよ。これ、いっておきますけど、机上訓練というんですかね、テーブルの上で偉そうなことをいったって、本当に何か起こったら知りませんよ。本当にお願いしますよ、局長。変えましょう。変えることをお願いします。

○石野総合防災部長 先ほども述べましたが、現在の三宅島の状況でございますが、幸い、横ばい状態から少しずつ減少しているという状況でございますので、そうした中でガスマスクの有効な活用を図ると、これがまず重要なことでございます。また、取り違えを防止するということを文書などで徹底をしているところでございます。
 委員ご指摘の、例えばまた噴火が起きたとか、そういう事態ということは、将来にかけて絶対にないわけではないですから、またそのときは、そうした状況の中で判断することになると思います。

○後藤委員 たまたまですけど、私たちが三宅に視察に行きました前の日なんですけれども、前の日に私は飛行機で入ろうと思いました。飛行機で入ろうと思いまして、羽田まで行きましたらば、欠航でした。欠航の理由を翌日聞きました、三宅に行って。火山ガスが、こちらに戻ってきてから一番ひどい値が出てしまったと。たまたま一番ひどい値のときに私は前もって入ろうと思って行けなかったわけですけれども、本当に何が起こるかわからないんですよ。これでもうやめましょうね。

○串田委員 最後の質問になりますので、よろしくお願いします。
 さきの第三回定例会で、我が党の高島幹事長が、行政執行力の強化と人材の確保、育成について質問をいたしました。質疑のテーマは地味ではありますが、今後の都政運営における行政の執行力の強化という極めて重要なものであったので、幅広い反響を呼びました。
 そこで、きょうは私から、さきの代表質問をフォローする意味で、何点か質問をさせていただきます。
 都政が将来に向かって発展していくためには、都政の担い手として、人材や組織を盤石なものとしておくことが必要なことはいうまでもありません。都政が国政と決定的に違うのは、やはり都には現場があることです。都民ニーズを肌で感じることのできる人材を第一線に配備してきたことで、地に足のついた施策展開を着実に進めることができているんだなと常々感じているところです。
 組織が定数をコンスタントに削減するという行政改革の流れが定着する一方で、この何年間かの間に、団塊世代が大量に都政の一線から退職していくという状況が迫っています。良質なサービスを提供していく提供の仕組みを支えてきた組織にしろ、人材にせよ、ふだんの通常の業務をごく普通にこなすことすらできなくなってしまうのではないかとも危惧しています。
 そこでまず最初に、さきの代表質問を受けて、総務局は、今年度の組織定数などを進めるに当たって、どのような趣旨を生かそうとしているのか伺います。

○中西人事部長 都庁の執行力を将来にわたって維持強化するためには、中長期的視点に立って職員を採用し、着実に育成していくことが重要であると考えております。今年度の組織定数の検討に当たりましては、将来の東京を見据え、都市インフラの整備、都有施設の更新など、今後増加していく政策課題にこたえるための基盤をつくるとともに、「十年後の東京」に掲げられた事業など、重点施策に確実に対応できるよう、人員執行体制を構築してまいります。具体的には、常勤職員による体制整備に加えまして、非常勤職員などの多様な雇用形態のマンパワーを確保することで、機能的、効率的な執行体制を構築してまいります。

○串田委員 今年度もぜひよろしくお願いします。
 次に、今後の話をさせていただきます。
 都みずからの行政改革の努力と景気の回復などで、平成十六年度以降は財政状況も好転し、事業規模が拡大できた一方で、施策の実施を担う組織も人材もないために執行できない予算が数多く起こり、事業が結果的に進まないという声も各局から聞こえてきています。財政再建に向けた今までの行政改革については評価しますが、一度決めた方針に拘泥し、組織や定数の削減を進めていき、団塊の世代の退職にかかわる有効な対策、方策を打ち出せないままでは、責任のある都政運営は望めません。
 繰り返しになりますが、代表質問において我々がいいたかったのは、量にウエートを置いたこれまでの行革に対しては、当然一定の評価はいたしますが、その一方で、団塊世代の大量退職や少子化の進行による人材難の深刻化などにより、これまでの行革はターニングポイントを迎えているということであります。代表質問は、今後の行革は特に質に重点を置いた新たなものへ再構築していくことが重要なのではないかと問題を提起したものです。この点を踏まえ、今後の組織や定数の考え方、特に人材難の時代における今後の新規採用のあり方について具体的に伺います。

○中西人事部長 少子化の進展などにより人材の確保が難しい時代になっていることはご指摘のとおりでございます。こうした中で、都政のコア業務を担う質の高い人材を確実に採用することが必要でございます。そのためには、より幅広く希望者を募り、有為な人材を選抜していくことが不可欠です。都への就職希望者をふやすため、今年度からは、民間主催イベントへの参加や、都単独の就職セミナーの開催など、さまざまな採用PR活動を実施しております。
 また、来年度は試験制度を改正いたしまして、新たに年齢制限を設けないキャリア活用採用を実施するなど、時代に即した採用方法を積極的に取り入れ、中長期にわたって都政を支える多様な人材の確保に努めてまいります。

○串田委員 ぜひとも代表質問の意を酌んで、真摯に取り組んでいってほしいと思います。
 次に、代表質問で指摘した、指定管理者のあり方について質問します。
 去る九月十日には、総務局から指定管理者管理運営状況評価結果についてが公表されています。二百一の施設に係る指定管理者の運営の事後評価について、優良二十、良好百八十一、良好でない者ゼロということで、極めてすぐれたパフォーマンスであったとの評価になっています。こうした評価結果そのものは喜ばしいものと受けとめるべきとは思いますが、指定管理者が事業を受託することによって、当該事業に係る生々しい行政ニーズや利用者の要望などを都庁の中に吸い上げることができなくなってくるのではないかと危惧しているところです。
 指定管理者に委託した後の現場実態の変化が見にくくなれば、当然、事業そのものをどのように方向づけるべきかという行政としての考え方も現実とかけ離れたものになってしまいます。さらに、民間にゆだねることのみを目的化し、都の大きな政策の流れとの整合性を置き去りにしたら、これまたおかしな話になります。
 そうした事情を踏まえた上で、指定管理者の管理運営の対象事業をこのままふやしていくべきなのか。さらには指定管理者の見直しをすべきなのか、あるいは行政を補完するために都がみずから設立した監理団体をもっときちんと活用すべきなのかなど、根本的な議論や検討が必要になると考えますが、所見を伺います。

○和賀井行政改革推進部長 指定管理者制度は、民間事業者との競い合いを通じまして管理に要するコスト縮減とともに、利用者に対するサービス向上を目指した制度でございます。
 本制度の運用に当たりましては、業務の履行確認に加えまして、サービスの実施状況や利用者満足度調査を行うなど、評価の仕組みを構築し、適切な事業執行の確保に進めているところでございます。今後とも、指定管理者制度の活用に当たりましては、引き続き不断の検証を行い、官民の役割分担を再整理した上で、適切な行政サービスの提供を図ってまいります。

○串田委員 やはりコスト削減の視点も否定できませんが、何よりも都民にとってサービスの向上に本当につながっているかどうか、その視点を忘れないでほしいと思います。
 民間活力を強く打ち出して、公共部門の大胆なスリム化によってその立て直しを図ったのは、イギリスのサッチャリズムが印象的です。サッチャリズムの最も先鋭的であったところは、やはり公的部門の民営化を進めて、小さな政府を徹底して追求した部分であるように感じています。サッチャーの改革については鉄道会社を民営化したことを代表例として取り上げられることも多く、日本の国鉄民営化との比較など頻繁に行われていますが、その陰の部分については「折れたレール」という書物なども刊行されて、さまざまな分析が行われています。むしろ最近では、サッチャリズムの評価は否定的な面が強いのではないかと思います。
 イギリスの場合には、日本とは異なり、国有の鉄道会社を数多くの民間鉄道会社に細かく分割したので事業運営がうまくいかなかったなどの指摘もありますが、やはり初期投資の大きい公共性の高い会社については、民営化による分割方式のような法律論だけでなく、どのような理念によって行政として直接に運営するべきか、民営化して利用者のためになるかという根っこのところの整理が重要かと考えます。
 要は行政責任をどう担保していくかという仕組みの問題もあります。今後、都営交通のあり方など俎上に上がってくるかもしれませんが、公営であるがゆえに、バリアフリー対策など、民間に比べ、かなり先行してきている施策もあるわけで、それらの評価、検証などもしっかりして、真に都民のためになるかどうかという理念、哲学を固める必要があると思います。
 まずは、どのような理念に基づいて民営化を進めるべきと考えているのかという点であるはずです。行政責任をどう担保していくかなど、都政の中で民間活力活用を進める場合に、都としてどのような視点を重視して取り組みを進めるべきと考えているか、所見を伺います。

○和賀井行政改革推進部長 都は民間活用によるサービスの向上と、効率的、効果的な事業執行を図るため、民間でできることは民間にゆだねるとの原則のもと、指定管理者制度などの多様な民間開放手法の導入を進めてきたところでございます。
 民間開放を行う場合におきましては、都民サービスの向上の視点を重視し、都民の安全・安心の確保を損なうことがないよう十分注意して進めていく必要があると認識をしております。

○串田委員 国においては、郵政の各事業の見直しも今図られようとしています。後から、ああすればよかったといったことにならないように、理念を大切に、真に都民のためということを追求してほしいと思います。
 民営化のような大きなテーマにはならないまでも、民間委託の進む行政分野も多くあります。ある行政分野の一部に民間委託を導入すると、その他の部分は余り深く考えずに委託できる先があると、ある意味、連鎖的に委託が進むような傾向があるようにも感じています。つまり、行政として、民間委託にせよ、民営化にせよ、行政と民間との担当分野の線引きがあいまいなままに、行政としてもそうした考え方の整理には十分に力を入れてこないような印象もあります。
 行政改革においては、やはり考え方の基本を所管する総務局で、民間委託等の分野で何らかの考え方の指針やガイドラインを設けて、各局とも認識を共有していくような工夫が必要であると考えます。特に民間委託などを行って、その後にどのような弊害が出ているかは十分に検証することが必要です。一たび民間委託にかじを切ったら、その後は十分な検証もなしに、淡々と可能な限り委託化を図るというような姿勢では、都政全体の行政執行力を損なうことにもつながりかねません。
 民間委託などを既に行った事業についても、場合によっては、スクラップ・アンド・ビルドを前提としながらも抜本的に見直すなど、民間委託を実施するに当たっての限界や制限などをしっかりと整理していくことが重要と考えるが、見解を伺います。

○和賀井行政改革推進部長 民間開放手法を導入するに当たりましては、官民の役割分担の観点から、行政が担う範囲を再構築してきたところでございます。この官民の役割分担は固定的なものではなく、市場におけます民間開放業務の担い手が育っているかなど、さまざまな社会経済の状況等に応じて変化をするものと考えております。
 今後、都と監理団体、民間事業者との役割分担の整理に当たりましては、都民の安全・安心の確保などの点に十分留意しながら取り組んでまいります。

○串田委員 るる述べてきましたが、今後も都政がしっかりと担うべき業務は決してなくなることはありません。また一方で、都政の効率化は永遠の課題でもあります。本当に必要な事業に力を注ぐためにも、監理団体の活用方策についても改めて整理すべきではないかと考えます。
 監理団体については、我が党の主張に基づき、この間、そのあり方や役割を根源的に精査し、民間並みの経営努力を求め、一貫して改革に努めてきました。しかし、監理団体は民間との競争相手としようと都がみずから設けているわけではありません。監理団体には経験豊富な都のOBの能力を活用している団体もあります。都庁のベテラン職員が大量に退職していく中で、監理団体の活用を図ることは技術の継承などの点から大事なことです。今後は、監理団体に対しては、これまで以上に前向きに都政の支援、補完機能を持たせるべきと考えますが、監理団体の活用のあり方について所見を伺います。

○和賀井行政改革推進部長 職員の大量退職期におきましても、行政サービスの質や事業量を確保していくため、行政支援、補完を目的としました監理団体の役割が今後ますます高まっていくものと認識をしております。
 監理団体を適切に活用することは、業務の質を維持するための有効な手法であり、都職員の現場感覚を養うフィールドとして活用していくことにもつながると考えております。今後、指定管理者制度や民間委託などの活用に当たりましては、都が担うべき業務、役割を再整理した上で、行政の支援、補完機能を担う監理団体の有効活用を図ってまいります。

○串田委員 監理団体の活用については、ぜひとも効果的な対策を打ち出していただきたいと強く要望します。
 今年度の予算要求を行うに当たって、財務局から見積もり方針とともに、多様な雇用形態を活用し、スリムで機能的な執行体制を構築するべきであるとの考え方が示されています。趣旨としては、組織や人員が削減される中で、人材派遣などの委託手法を通じて、事業執行を確保する方策を検討し、予算にも反映するようにとの方針であろうかと思われます。
 代表質問にもあったように、やはり行政としての企画能力の維持向上や事業執行体制を強化していく上から、職員の人材育成に力を注ぐことは重要課題です。今後も、後にも述べますが、待遇などを勘案すれば、多様な就業形態をすぐさま否定するものではありませんが、当座の事業執行に必要であるからといって人材派遣に安易に頼っていくのは、都固有の職員の能力向上、スキルアップの点や、ジョブローテーションの現場の確保の点からもよく考えた方がいいのではないかとも思います。
 やはり安易に外部の人材に頼る方向性を打ち出してしまえば、これもまた役所の慣性として、とめどなく人材アウトソーシングが進んでいき、結果として、行政の執行力低下につながるのではとも危惧しています。外部の人材を活用しても、そのノウハウは都の組織の中に蓄積されないだけでなく、派遣をした会社にも残るかどうか保証がないわけで、これも行政としてというより、社会全体としての損失であるとさえいえます。
 やはりきちっとした理念を持って、内部の人材で、みずから直営の事業をしっかりと、ある意味、現場を確保して責任ある行政施策の展開を進めていく中で、OJTを初めとする人材育成に努めるべきものと考えます。また、一歩進めて、ジョブローテーションの現場の確保から、民間や区市町村に人材育成の側面から積極的に都の職員を派遣することも有効かもしれません。もちろん監理団体の活用もあります。
 こういったことを念頭に置いた場合、これからの人材育成をどのように進めていくべきものと考えているのか、見解を伺います。

○中西人事部長 都におきましては、平成十八年三月に策定いたしました東京都職員人材育成基本方針に基づきまして、人材育成を基軸に据えた人事管理を積極的に推進しているところでございます。具体的には、職員一人一人の意欲を引き出し、強みをはぐくむ配置管理を進めるとともに、OJT、集合研修、自己啓発の三本柱を基軸とした人材育成機能を強化しております。
 これらの取り組みの中で、ご指摘のような、民間や区市町村、監理団体への派遣を実施し、個別の専門領域に応じた高度な知識やスキルの付与、現場感覚の醸成に取り組んでおります。今後も、都として職員のレベルアップを図り、執行体制を強化するよう人材育成を進めてまいります。

○串田委員 人材育成にはそれなりの時間がかかります。また、せっかく育てた人材は、より有効に活用しなくてはなりません。政策立案や事業執行に人材を効果的に投入するためにも、いま一度、都庁の仕事にむだがないかを検証することもやはり必要です。
 その点からすると、内部管理的な事務には、まだいわゆるお役所仕事的な体質が残っているのではないか、他の地方公共団体や民間企業等の例も参考にしながら、もう一歩踏み込んだ効率化の検討はやはり必要であることは変わりません。その際、いわゆる派遣社員を活用することも有効な方策です。ただ、派遣社員については、その身分や収入の面でどうしても不安定になりがちで、人生設計も立てにくいということが問題になっています。
 一方で、スキルはあってもさまざまな事情により正社員として働くのは困難な人にとっては、派遣は就業形態の一つの有効な選択肢になっているのも事実である。本来的には国の問題ではあるが、待遇面にも配慮しつつ、個々の能力や事情に応じた選択ができるさまざまな就業形態が用意されているような社会にするべきであり、都庁もそれをバックアップしていくことも重要であると思います。
 都庁において人材派遣の活用拡大を考えているようですが、民間企業等で問題になっている課題も含め、どのように活用していこうとしているのか伺います。

○中西人事部長 人材派遣の活用につきましては、調査業務など、人材派遣にふさわしい業務を精査した上で、法改正の動きも踏まえ、適切に活用してまいります。あわせて病気休職者などの発生により、年度途中に欠員が生じた場合などに活用することも想定してございます。

○串田委員 ぜひトータルとして、多面的な問題なども考慮して適切にやってもらいたいと思います。
 我が党の入札・契約制度改革プロジェクトチームがまとめた公共事業の正しいあり方についての報告書においても、都の入札契約制度や公共事業における品質管理に関するさまざまな問題に関連し、技術系職員は一朝一夕に育成することはできず、多くの時間を費やし、さまざまな経験を積ませて初めて民間の技術者と対等に技術的な話ができるようになるのであろうと。そう考えると、都における技術職員の減少はそろそろ限界に来ているのではないかと指摘しています。このことは先週の環境・建設委員会において、我が党の山田政調会長代行が建設局への質疑において、やりとりをしたところでもあります。
 ところで、さきの東京都の人事委員会の勧告を見ると、都職員に求められる能力という項目がありました。その中において、東京都の職員には、首都公務員として、東京から日本の未来を切り開くという気概や現実性のある政策を立案する能力と、既存の枠組みにとらわれず、積極的な取り組みを行う実行力が必要とされています。これはかなりスーパーマンに近いなと思われるわけですが、いずれにしても、非常に崇高な人格と能力を要求されているわけです。
 今までるる述べてきましたが、最後に中田局長に伺います。総務局においては、今後、行財政改革を進めるに当たっての基本的な考え方を検討中と聞いていますが、行革全般について、特に今後の都職員のあるべき姿と、そのような都職員をどうやって確保、育成していくつもりなのかなど、人事行政、行革の責任者である中田局長の決意をお聞きしたいと思います。

○中田総務局長 職員の大量退職や少子化に起因します労働市場の縮小、アメリカ発金融危機に端を発しました景気の減速など、都政を取り巻く状況がますます厳しく変化する中、都民サービスの向上や都民の安全・安心の確保が今まで以上に強く求められていると認識しております。
 こうした状況のもと、今後の行財政改革を進めていくに当たりましては、都民の安全・安心に直結する事業など、今後とも行政が責任を持って実施していく業務を明確化するとともに、官民の役割分担を再整理した上で、監理団体や民間活用を含めて進めていくことが必要と考えております。その際、民間に開放した事業につきましても、都民サービスの向上につながる適切な執行がなされるよう、きめ細かく目配りするなど、都の事業執行体制を強化していきたいと考えております。
 また、こうした執行体制を確保するためには、首都公務員として都政を支える使命感と能力を持った優秀な人材の確保、育成がますます重要な課題となってきております。申すまでもなく、組織にとって人は最大の資産でございます。その最大の資産の人を確保する具体的な採用活動におきましては、都政と都庁の職場の魅力を幅広い層の学生等に発信するとともに、採用制度につきましても、さらに検討を続けてまいります。
 人材育成につきましては、職員一人一人の現場感覚を養い、事業執行能力や企画力を高めるよう取り組んでまいります。
 今後とも、時代に即した改革を不断に推進するとともに、人材確保と人材育成の強化を着実に進め、活力ある都政の実現に向けまして、引き続き邁進していく考えでございます。

○串田委員 いずれにしても、今後の検討に当たっては、総務局は積極的に各局とも大いに議論を重ね、各局の思いを生かしながら取り組んでもらいたいと思います。ぜひ中田局長を先頭に、総務局が一丸となって都庁の先頭に立って頑張ってもらいたい、それが都政の発展のために欠かせないと私は確信しているので、ぜひよろしくお願いを申し上げて、質問を終わります。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時二十九分散会

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