委員長 | 馬場 裕子君 |
副委員長 | 伊藤 ゆう君 |
副委員長 | 崎山 知尚君 |
理事 | 大松 成君 |
理事 | 倉林 辰雄君 |
理事 | 松村 友昭君 |
鈴木 章浩君 | |
後藤 雄一君 | |
山口 文江君 | |
石毛しげる君 | |
串田 克巳君 | |
木内 良明君 | |
鈴木 一光君 | |
大沢 昇君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 吉川 和夫君 |
儀典長 | 多賀 敏行君 | |
次長 | 河島 均君 | |
理事 | 川澄 俊文君 | |
理事 | 前田 信弘君 | |
総務部長 | 大井 泰弘君 | |
地方分権推進室長 | 森山 寛司君 | |
外務部長 | 猪熊 純子君 | |
国際共同事業担当部長 | 高橋 誠君 | |
参事 | 中村 信一君 | |
参事 | 延與 桂君 | |
政策部長 | 遠藤 雅彦君 | |
計画調整部長 | 松浦 將行君 | |
東京オリンピック・パラリンピック招致本部 | 本部長 | 荒川 満君 |
次長 | 松田 二郎君 | |
企画部長 | 並木 一夫君 | |
参事 | 重田 敏光君 | |
招致推進部長 | 中村 長年君 | |
連絡調整担当部長 | 藤森 教悦君 | |
計画調整担当部長 | 中嶋 正宏君 | |
施設計画担当部長 | 藤井 寛行君 | |
参事 | 山越 伸子君 | |
参事 | 保坂 俊明君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 矢口 貴行君 |
人事委員会事務局 | 局長 | 中村 晶晴君 |
任用公平部長 | 宮川 雄司君 | |
試験室長 | 内藤 泰樹君 | |
参事 | 鷲見 博史君 |
本日の会議に付した事件
東京オリンピック・パラリンピック招致本部関係
事務事業について(質疑)
人事委員会事務局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成二十年「職員の給与に関する報告と勧告」について
事務事業について(質疑)
知事本局関係
事務事業について(質疑)
選挙管理委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
○馬場委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、東京オリンピック・パラリンピック招致本部、人事委員会事務局、知事本局及び選挙管理委員会事務局関係の事務事業に対する質疑並びに人事委員会事務局関係の報告事項の聴取を行います。
これより東京オリンピック・パラリンピック招致本部関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
福島技監は、公務のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
次に、過日の委員会でご紹介できませんでした幹部職員について、荒川本部長から紹介があります。
○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 公務出張のため過日の委員会を欠席させていただきました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
参事で国際事業担当の山越伸子でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○馬場委員長 紹介は終わりました。
○馬場委員長 これより事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○並木企画部長 去る十月八日開催の当委員会におきまして要求のございました資料四点につきまして、ご説明をさせていただきます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の表紙をおめくりくださいまして、資料1、東京オリンピック・パラリンピック招致本部、招致委員会職員が参加した行事一覧をごらんいただきたいと存じます。
本資料は、平成十九年度と二十年度の九月三十日までに当本部職員と特定非営利活動法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会の職員が参加いたしました国内での行事の一覧でございます。当該期間に百八十九の行事に参加いたしております。
次に、一一ページをお開き願いたいと思います。資料2、委託契約一覧をごらんください。
本資料は、平成十八年度、十九年度、二十年度の当本部におけます委託契約の一覧でございます。十八年度は二十五件、十九年度は十七件、二十年度は現時点で契約済みでございます四十四件につきまして掲載してございます。
次に、恐れ入ります、一五ページをお開きいただきまして、資料3、庁内連携会議の実施状況等をごらんください。
本資料は、当本部に関します庁内連携会議につきましてまとめたものでございます。1、東京オリンピック招致推進会議及び2、庁内各局連携会議、それぞれの設置目的、構成、開催実績につきまして記載してございます。
次に、一七ページをお開きいただきまして、資料4、オリンピック招致事業・オリンピックムーブメントの推進予算・決算内訳をごらんください。
本資料は、平成十九年度のオリンピック招致事業の内訳と予算額、決算額を、二十年度のオリンピック招致事業とオリンピックムーブメント推進の内訳と予算額についてまとめたものでございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○崎山委員 私からは、IOC評価委員会とオリンピック・パラリンピック競技大会の運営計画の二点について質疑を行わせていただきたいと思います。
東京は、この六月四日、申請都市から立候補都市となり、オリンピックの本格的な招致レースがスタートいたしました。そしてまた、今後の招致のスケジュールといたしましては、二月十二日までにIOCへ立候補ファイルを提出する。三月から五月のIOC評価委員による各立候補都市の視察、六月にはIOCに対する立候補都市のプレゼンテーションが行われると。そして九月は、この三月から五月のIOC評価委員が立候補都市を視察した中での報告書を作成いたして、十月二日にいよいよ投票という形になるかというふうに思います。
また、先日、IOC委員から評価委員会による立候補都市の訪問スケジュールが発表されました。東京への訪問は来年の四月十四日から二十日までの七日間とのことでありますけれども、そもそもこのIOC評価委員会が立候補都市訪問を行うというのはどのようなものなのか、お伺いをしたいと思います。
○山越参事 IOC評価委員会の訪問は、立候補ファイルに示された情報の検証や提案された計画の実現可能性を判断するために行われるものでございます。
今回、具体的には十三名の評価委員が各立候補都市を順番に訪問し、この中で競技会場の視察を行いますとともに、競技会場やセキュリティーなどといった立候補ファイルの全テーマ、十七テーマに関しまして、東京都や招致委員会、各分野の専門家などの関係者と会議を行うこととなってございます。評価委員会は、これらの結果を報告書として、開催都市決定の日の一月前までにIOCに提出することになってございます。
議員ご存じのとおり、開催都市は各IOC委員の投票により決定されるものでございますが、この評価委員会による報告書というものは、すべてのIOC委員に提供される立候補都市の計画に対する唯一の分析レポートでございまして、開催都市決定において極めて重要な判断要素となるものと認識してございます。
○崎山委員 IOC評価委員会の訪問が開催都市決定を左右する大きな、極めて重要な意味を持つものであることがよくわかります。
そうしますと、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック競技大会の東京、日本への招致を成功に導くためには、東京都、そして招致委員会ばかりでなく、国を挙げてこの評価委員会の訪問に対応する必要があると考えます。
また、投票権を持つIOC委員も含まれているこの評価委員会のメンバーに、都民、国民が東京、日本でのオリンピック・パラリンピック開催を強く望んでおり、歓迎していることをアピールすると非常によい印象を与えるということも考えられます。そのためには、例えば競技会場予定地視察に向けた入念な準備など、やるべきことはたくさんあるというふうに思っております。
参考までに私もお話をしたいと思いますけれども、東京ディズニーランドの招致のときに、その招致のいろいろなやりとりを一冊の本にまとめたものがあって、「東京ディズニーランドをつくった男たち」という本がありまして、これを読んだんですけれども、一九七四年当時ですから、ずっと昔の話なんですけれども、富士のすそ野の三菱地所と東宝グループと、こちら側、浦安側グループは三井不動産と京成グループということで、両方で招致合戦をしたわけです、東京ディズニーランド。
その中で、どうしたら自分のところに誘致できるかということで、いろいろ工夫をしてその両者がやったんですけど、結局、千葉に、浦安に決まったということで、その中で、ホスピタリティーというか、お迎えをして、自分の、千葉浦安がいいところなのかということをしっかりとPRした。そしてまた、東京に訪れたアメリカのそういうメンバーを千葉まで連れていくときに、交通渋滞を、余り込むような意識をさせないようにバスの中で接待をしたりとか、それから、ヘリコプターで都心まで連れていって、都心とこんなに近いんですよ、そして東京湾はこんなにきれいなんですよということをPRしながら誘致を進めたということも書いてありまして、釈迦に説法かもしれませんけど、いろんな工夫をしながらやっていただきたいなというふうに思っております。
四月の評価委員会の訪問まであと五カ月余りでありますけれども、訪問に向けて、今後、東京都で、招致委員会としてどのような取り組みをしていくのか、考え方をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
○山越参事 評価委員会の日程七日間のうち、視察や会議を行う公式訪問の日程というのは四日間という限られた日程でございます。この限られた時間内に、東京ならではのセールスポイントを強くアピールしていく必要があるということで、現在、過去の成功事例、例えばソチとかロンドンといったものの事例を分析し、その適切な手法を検討しているところでございます。
また、東京の都市としての魅力を伝えつつも、競技会場計画から宿泊、輸送といった詳細な運営計画に至るまで、多岐にわたる立候補ファイルの内容を適切かつ効果的に示す必要がありますので、特に全庁的な取り組みが不可欠だというふうに思っております。したがいまして、各局に積極的な協力体制をお願いしているところでございます。
加えまして、評価委員会に対して、ホスピタリティーと申しますか、きめ細やかな対応を行うということからは、国や各競技団体などといった関係者との一体的な取り組みも進めてまいりたいというふうに思ってございます。
さらに、ご指摘がありましたとおり、会場視察など各所において、都民、地元の方々の強い歓迎の意を示していただくことも非常に重要であると考えてございますので、都議会の皆様にもご支援、ご協力をお願いしたいと思ってございます。
○崎山委員 ネットで調べてIOCのルールを見ますと、開催都市選考が公平に行われるためには、評価委員以外のIOC委員は立候補都市の訪問を禁じられているというふうにも書いてありますし、IOCは、IOC委員の行動規範のみならず、立候補都市に対しても倫理規定の遵守を求めていますということでございますから、多分、この十三人のメンバーが直接日本に来て、日本の計画を見て、日本がどのような意気込みでオリンピックを望んでいるのかということの評価というのは、本当に大きなIOC委員の皆さんの判断基準となるというふうに私は理解をしておりますので、ぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
それから、評価委員会から高い評価を得るためには、何よりIOC委員に高く評価される開催計画を作成することが重要であります。先ほど申し上げましたように、この六月四日、IOC理事会による立候補都市の選定において、東京の申請ファイルは、宿泊施設や安全、環境対策など、大会運営に関する項目については高い評価を得ました。トップで予選を通過したということになります。しかし、この立候補ファイルの作成に当たっては、申請ファイルより、一層広範かつ詳細な記述が求められていると聞きます。
さきの第三回定例会で我が党の代表質問で指摘したとおり、北京で開催されたオリンピック・パラリンピック競技大会の視察は、大会運営をつぶさに見るよい機会であり、立候補ファイル作成に、大いに参考になったと思われます。
そこで伺います。北京オリンピック・パラリンピックの視察結果をどのように立候補ファイルにおける運営計画の作成に生かすのか、ご答弁を願います。
○保坂参事 この夏に開催されました北京大会では、当本部の職員が北京組織委員会及びIOCが主催する説明会に参加いたしました。この説明会は、今後オリンピックを開催する都市や立候補都市などを対象として、宿泊施設、安全対策、環境など、大会の運営面に関する主要項目につきまして、説明や現場視察、参考資料の提供などを行うものでございます。
IOCが具体的にはどういう点に着目するのか、円滑な大会運営のため特に配慮すべきことは何かなどについて、組織委員会やIOCの実務担当者から詳しい情報を得ることができました。また、視察面では、一般観客が立ち入りを許されない選手、役員の控室や各種設備の操作室などに入って説明を聞き、大会運営の裏側に接することができました。
今後、この成果を生かしまして、IOC委員の高い評価を得ることができる運営計画を作成してまいります。
○崎山委員 オリンピック・パラリンピックを実際に体感することは、立候補ファイルを作成する上で非常に参考になり、北京での視察は大変実りあるものであることがよくわかりました。しかし、北京には北京の特徴があります。東京、日本の特徴はそれとは別と考えます。
北京の次はロンドンでありますけれども、ロンドンではこういうことがいわれているそうであります。北京オリンピックでは物すごく膨大な予算を投資して開催されましたけれども、ロンドンはこういうふうにいっているそうであります。国威高揚を目的とせず、自分たちらしい五輪、お金をかけずに、楽しく気取らず、だれもが参加できる五輪を目指すということで、あと四年後のオリンピックは、また北京とは違った形でのオリンピックが開催されることを期待したいと思います。
そしてまた、東京は日本の特徴、また北京とも違い、ロンドンとも違って、東京らしさをアピールするために、どのような運営計画を作成していこうというふうに考えているのか、お伺いいたしたいと思います。いかがでしょうか。
○保坂参事 北京オリンピックにおきましては、テロ対策や環境問題など懸念されておりましたが、結果としては大きな問題もなく、成功裏に大会を終えることができたと評価されております。
しかし、そのために、オリンピック公園やIOCホテルなど主要施設周辺道路の一部遮断、工場の操業停止など、市民生活に支障を及ぼすような事例が少なくなかったのではないかとも感じております。
東京の特徴の一つとして、都民、企業の理解と協力、自発的な行動に基づきまして、世界で最も安全であるとともに、環境面でもすぐれた都市を実現していることが挙げられます。また、日本の環境技術は世界最先端の水準にあり、今後さらなる発展が期待されております。運営計画の作成に当たっては、こうした東京、ひいては日本ならではの特徴を十分に生かしてまいります。
○崎山委員 オリンピック・パラリンピックにおいて、スポーツを第一に考えるのはもちろんのことであります。東京、そして日本の魅力を強くアピールする立候補ファイルとするため、日本人の持つホスピタリティー、おもてなしの心を十分に発揮して、他の都市にない、すばらしい運営計画の策定がなされることを期待いたしたいと思います。
あわせて、最後に一つ申し上げたいのは、一つ課題があることも事実であります。先ほど申し上げましたように、トップの成績で予選を通過したんですけれども、都市の、国民、市民の招致機運が低いというのが課題として挙げられているようでありまして、ご承知のことかと思いますが、マドリードが九割、リオとシカゴが七割の支持、東京が五九%ということでございますから、そこもしっかりと力を入れて招致機運を盛り上げていただきたいというふうに願い、質問を終わります。
○木内委員 デンマークのコペンハーゲンでのIOC総会まで一年を切った今、いよいよ招致に向けての正念場を迎えるわけでありまして、これまでの時系列的な経過と今後の取り組みについて、幅広い都民の皆様がこれをよく熟知していただけるように、そういう視点から何点かお尋ねをしたいと思います。
招致本部、荒川本部長を先頭に、また委員会においても、関係者の方々がこれまで大変な、懸命なご努力をしてこられたことを、まず高く評価をさせていただき、敬意を深くさせていただくものでございます。
きょうは、主に国際招致活動と国内における支持率の拡大という二点について絞りますし、今、同僚委員からも質疑がございましたので、重複をできるだけ避けて簡潔にお尋ねします。
まず、開催都市に選ばれるためには、百十数名のIOC委員の過半数を獲得しなければならないという大きな命題があるわけでありまして、招致活動の公平性を期すため、今も質疑にありましたけれども、IOC委員による都市の訪問及び都市によるIOCへの訪問は行動規範によって禁じられている。したがって、立候補都市がIOC委員に対して働きかけができるのは、ステージが限られているわけでありまして、例えばIOCが認めた国際イベントや国際競技大会などに特化をされていると、こういう現状であります。
この機会に、そうした場でいかに東京の計画を理解してもらえるかということが、実は総会における投票行動の大きなキーポイントになると、こう思うわけでありますけれども、その大前提として、総会における投票というのがどういう概念を持っているのか、意味を持っているのか、明らかにされたいと思います。
○中村招致推進部長 オリンピック競技大会の開催都市は、IOC総会における委員の投票によって選ばれるものでございます。投票は無記名でございます。一都市が過半数の票を獲得するまで、最下位の都市が脱落する方法で行われます。また、立候補都市の所在国から選出されましたIOCの委員は、自国の都市が入る投票には加わることはできません。
今回の二〇一六年大会の開催を目指す四都市は、東京を含め、いずれもその国を代表するすばらしい都市で、一票一票が大変重みを持つことになります。また、一回目の投票で脱落した都市に投票した委員の票を次の票でどれだけ獲得できるかも重要な課題でございます。
そのため、限られたプレゼンテーション等の機会を最大限に生かしまして、いかに東京が開催都市にふさわしいかということをIOCの委員一人一人にアピールし、その積み重ねで理解を得て、東京に好意を持ってもらい、投票行動に結びつけていくことが重要なことと考えております。
○木内委員 先ほど来の質疑の中で、保坂参事、中村招致推進部長、いずれもショートカットの頭髪で、オリンピックアスリートの答弁を聞いているような感じがしております。誤解を恐れずに申し上げればということで、お伝えしておきたいと思います。
申し上げたように、招致活動はまさに正念場を迎える。総会における投票の重要さをしっかり認識していただいて、働きかけの機会を十分に生かすことができるよう取り組まれるよう、強く要望するわけであります。
そうした中で、今月十一日、メキシコのアカプルコで開催されたパンアメリカンスポーツ機構総会において、立候補都市である東京、シカゴ、リオ、マドリードの四都市が初めて一堂に会して、IOC委員などに対してプレゼンテーションを行った、こういうふうになっているわけであります。東京からは、招致委員会の河野事務総長を初め関係者の方々も多数行かれた。
ちなみに私は、河野事務総長と何度もご懇談をしておりますけれども、やはり学生時代ラグビーをやっておられた。私も実はラグビーのプレーをした経験を持つものでございまして、その責任感の強いお人柄には本当に尊敬の念を強く抱いているわけでありますけれども、この河野事務総長初め、アスリート委員会の副委員長で、一九七六年、モントリオール・オリンピックの女子バレーボール金メダリストの荒木田裕子さんなど、東京の開催計画を説明して非常にいい感触を得たと、こういうふうにも報じられているわけであります。
そこで、余り顕在化していないことでありますけれども、アカプルコでのプレゼンテーションの内容についてご報告を願います。
○中村招致推進部長 アカプルコにおけるパンアメリカンスポーツ機構では、メキシコのIOC委員であるマリオ・バスケス・ラーニャ委員長やIOCのジャック・ロゲ会長を初め、世界各国のIOC委員や国際競技団体の会長などが出席する場でプレゼンテーションを行う機会が与えられました。
アスリートに配慮した東京の最もコンパクトな会場配置計画や海に面した選手村、そして都市東京の魅力を効果的な写真やイラスト、映像を活用してアピールしてまいりました。場所がメキシコとスペイン圏であったために、英語にスペイン語を交えたものとし、さらにユーモアも取り入れたプレゼンテーションを行いました。
○木内委員 ご答弁のIOCのジャック・ロゲ会長を初めIOC委員、これまでもさまざまな国際的な行事に顔を出され、そしてまた、これからお聞きする行事でもそうでありますけれども、非常にIOCの会長という人も精力的に動いておられる。ここへの接触の場というものが、こういう国際的なステージにあるわけであります。
また、二十一日にインドネシアのバリで開催されたアジア・オリンピック評議会総会、これもやはりアジアということで非常に重要な意味を持つものだったと思いますけれども、その模様も早速我が国でもマスコミを通じて報ぜられている。
このバリのプレゼンテーションの中身、何か聞くところによりますと、関係者の東京チームがインドネシアの民族衣装をまとって、これが非常に現地の方や関係者の共感を呼び起こしたということも見聞しているわけでありますけれども、どうだったんですか。
○中村招致推進部長 バリにおけるアジア・オリンピック評議総会では、クウェートのIOC委員であるシェイク・アーマド議長やIOCジャック・ロゲ会長、アジアのほとんどのIOC委員など、約五百名の会議の参加者の前でプレゼンテーションを行いました。
今、委員の方からお話がございましたけれども、我々プレゼンテーションのメンバーは、インドネシアの民族衣装を全員おそろいで羽織りまして、プレゼンテーションに参加させていただきました。
プレゼンテーションの方ですけれども、招致委員会の河野事務総長に加え、猪谷、岡野両IOC委員、竹田JOC会長、それから、アスリートの代表としてのソウル・オリンピック銅メダリストの小谷実可子さんが、大会計画や東京の魅力について、我々の地元であるアジアを意識した写真を使うなど工夫を加えたプレゼンテーションを行いました。
また、私もこのプレゼンテーションに参加させていただきまして、東京の強みである正確で快適な交通インフラや十分な宿泊施設、緑豊かな会場配置計画などについてアピールさせていただきました。
また、そのほかの都市の状況でございますが、シカゴは競技施設を中心にプレゼンテーションを行い、またマドリードはシティセールスを中心に、それからリオデジャネイロは青少年とスポーツの振興を中心に、プレゼンテーションを行いました。
○木内委員 それぞれの立候補都市が個性豊かに、また独自の角度を持ってプレゼンテーションをやったと。私は、今ご報告のあった東京の招致に向けてのプレゼンテーションは、極めて的を射たものであったというふうに思うわけであります。
今、ハード部分といいますか、まちの景観だとか緑化の問題等について触れられましたけれども、会場の雰囲気ですとか、このときのIOC委員の皆さんのソフトといいますか、反応とか手ごたえを、率直にどういうふうに感じられましたか。
○中村招致推進部長 バリにおける東京のプレゼンテーションに対するIOC委員を初めとした会議参加者の反応は、おおむね好意的でございました。また、温かい声もかけていただいたりしました。特に、東京招致チームのチームワークのよさを今回認めていただいたと感じております。また、地元のテレビや国際メディア、そのほか日本からもNHKなども取材にいらっしゃるなど、数多くの取材がございました。
先ほども申し上げましたが、東京チームは全員がインドネシアの正装である民族衣装、これはバティックというものでございますが、これを着てプレゼンテーションに臨み、地元のアジアということもあり、会場からは大変な親近感を持って受け入れられました。
○木内委員 時系列的にいいますと、十一月二十一日、トルコのイスタンブール、ヨーロッパ・オリンピック委員会総会、それから来年四月の評価委員会、六月のテクニカルミーティングなどなど、メジロ押しになっているわけでありまして、今後開催されるこういう国際会議などの機会を、工夫を凝らしながら、さっきも答弁にありましたけれども、しっかり知恵を出して精力的に取り組んでいただきたいと思うんですけれども、次に行われるのはトルコということですが、ここでの取り組みについて伺います。
○中村招致推進部長 十一月二十一日にトルコのイスタンブールで行われますヨーロッパ・オリンピック委員会の総会におきまして、プレゼンテーションを行う機会が与えられてございます。
ヨーロッパは、現在、IOC委員の数が四十九名と最も多い大陸でございまして、この会議は極めて重要な会議になると考えられます。東京の魅力をさらにアピールするとともに、ヨーロッパであることを踏まえ、ヨーロッパの地にふさわしいプレゼンテーションとなるよう、またこれまで以上に工夫を凝らしてまいります。十五分間という短い時間ではございますが、IOC委員に直接アピールできるという機会を最大限に生かし、東京の魅力をさらにお伝えしていきたいと考えております。
○木内委員 ヨーロッパは最もIOC委員の多い大陸ということで、しっかり取り組んでください。
その後に続く来年四月の評価委員会の来日がある。六月のテクニカルミーティング、十月のIOC総会が最終プレゼンテーション。これまでの経験を存分に生かして、この計画を効果的にアピールするひのき舞台である、大事な舞台である、こう思うわけであります。
今の段階で可能な範囲で結構ですけれども、こうした一連の行事、場に向けて取り組んでいく方向性、方針をお示しいただきたいと思います。
○中村招致推進部長 他の競合都市との熾烈な招致レースに勝ち抜くためには、まず、来年二月にIOCに提出いたします立候補ファイルが高い評価が得られるものになるよう、その作成に全力を尽くしてまいります。そして、四月のIOC評価委員会の東京訪問のときには、招致委員会、JOC、国を初めとし、関係機関と密接に連携し、東京のすばらしさを直接アピールしたいと考えております。
次に、六月のスイスのローザンヌでの全IOC委員を対象としたテクニカルミーティングでは、東京の大会の計画である立候補ファイルの内容について、工夫を凝らして質の高いプレゼンテーションを行いたいと考えております。
そして、十月のデンマークのコペンハーゲンの総会では、まさに我々の集大成でございまして、念入りな準備を行い、最大限の力を発揮できるよう臨みたいと考えております。そのため、十分な戦略を持って、東京の強みである環境や先端技術などについて、効果的な映像を活用するなどにより、IOC委員から東京での開催が最もふさわしいと理解が得られるようなプレゼンテーションを実施してまいりたいと考えております。
今後、それぞれの機会に応じたアピールを行っていき、IOC委員一人一人の支持を積み重ねていくよう努力してまいりたいと考えております。
○木内委員 次に、東京が一番抱えている課題ですね、ほかと比較して。都民、国民の支持のありようということだと思うんです。
ことし六月の日本世論調査会の調査では、支持率が約七〇%にまで増加はしておりますけれども、先ほどの質疑でも数字が出ましたが、他の三都市と比較してこの点が弱い点であると。自由に物がいえる我が国の実情というものがあるわけでありますけれども、そういう中で、例えば九割を超える支持率は望むべくもないわけでありますけれども、やはり私は、八割程度は確保しなければ説得力に乏しい、こうなるのではないかと思うんですが、どうでしょうか。
○重田参事 立候補都市選定時にIOCが発表いたしました世論調査では、東京が五九%、シカゴ七四%、リオデジャネイロ七七%、それからマドリードが九〇%でございました。ほかに、立候補都市承認後に行われました民間の調査では七〇%という数字も出ております。
今後、支持率を向上させるために、開催理念、目標、都民、国民にとってのメリットなどを強く訴えていくことが必要というふうに考えております。
そのため、今月二十六日には、「広報東京都」で、オリンピックの開催意義、経済効果、目指すもの、そういったものを特集し発行いたしたところでございます。さらに、小中学生や高校生にはオリンピック学習読本による理解の促進、それから若者向けには携帯電話を活用した情報発信などを行います。また、中高年層にはイベントやシンポジウムの開催など、世代に応じたさまざまな工夫を凝らし、支持率の向上を図ってまいりたいと考えております。
今後とも、都議会の皆様のさらなるご支援、ご協力をお願いいたします。
○木内委員 第一回で五九%で、一定の時期を経て約七〇%にまでアップできた。これは関係者のご努力や、また都民、国民の理解が相乗効果として出てきたんだろうと思うわけでありまして、今後、来年の総会まで一年の間に、さらに早い時期にこれを何とか一定の支持率まで上げるよう、しっかり努力をされることを望みたいと思います。
これまでの世論調査で反対の理由として挙げられてきております、ほかに優先すべき社会問題がある、あるいは大会運営に多大な経費がかかるなどの意見に対して、私は丁寧に対応して理解を求めていくということが今後必要だと思います。また、経済効果が見込まれる、スポーツの振興になるからなどなど賛成の理由として挙げられたことを強くアピールすることが、さらに今後支持率を高めていく上で必要であろうと、こう思うわけであります。
私は、今回のオリンピック・パラリンピック招致に向けてのいろんな意義づけがありますし、議会のやりとりの中でもこれは表明をされてきたところでありますし、また、ごく短い言葉ではありますけれども、石原知事からもあった、例えば、平和ということはもとよりというたしか表現だったと思うんですけれども、世界で唯一の被爆国として反戦、平和を訴えていく、世界平和を構築する発信を行う、こういう東京オリンピックという面も、私は今後さらに強く出していくべきだろうと思いますし、あるいはハンディキャッパーといわれる社会的弱者の方、高齢者や障害者の方々などが安心・安全に暮らせるバリアフリー、福祉都市国家、福祉都市東京という、この都市インフラの整備ということをオリンピックを機に進めていくことも重要な課題でありますし、そういったことを丁寧にわかりやすい言葉でアピールしていくことが大事だと思うのであります。
反面、オリンピック招致を名目に幹線道路等の整備を含めて九兆円以上の財政投入を計画しているなどとして、オリンピック・パラリンピックの開催を罪悪視する政党がありまして、私はこの主張は的外れの議論だと思うんですが、申し上げた私の主張を踏まえて明快に答弁を願いたいと思います。
○並木企画部長 オリンピックの開催に必要な経費でございますけれども、申請ファイルの中でお示しいたしております競技施設整備費、これは三千二百四十九億円、それから招致経費百五十億円、それから大会運営経費としては約三千億円がございます。
幹線道路等の整備につきましては、円滑な都市生活を支える上で重要でございまして、これらはオリンピック開催の有無にかかわらず、東京の機能を向上させるためにも必要な将来への投資でございます。九兆円以上の財政投入を計画しているという主張につきましては、オリンピック開催にかかわらない経費が多く含まれておりまして、都民に開催の是非を判断いただく際の議論としては適切ではないと考えてございます。
○木内委員 今、部長が答弁されたことも重要な視点でありますので、アピールポイントに位置づけをお願いしたいと思います。
いわれたように、渋滞の解消や震災対策、あるいは環境施策の推進や少子高齢社会への対応などは、大会開催の有無にかかわらず取り組まなければならない課題でありまして、東京が安心・安全、そしてより機能的で魅力的な都市に生まれ変わるために必要な経費として私は受けとめたい。既にその全体像は、一昨年十二月に「十年後の東京」で都民に示され、具体策として策定された実行プログラムに基づいて着実に実行に移されているのであります。
都市の課題を解決した都市東京の中心で開催されるオリンピック・パラリンピックは、一昨年の試算では、都内だけで一兆六千億円、全国で二兆八千億円という大きな経済効果をもたらすという結果も出ております。
私は、オリンピックの開催の是非を議論するときに、数字を並べて経済効果と、こういうことも大事だけれども、同時に、次の世代を担う青少年に夢を与え、平和を発信し、そして都市機能の充実したまちづくりを目指すという、こういう視点も実は重要でありまして、経済効果云々ということを先行させることは余り得策ではないと思いますけれども、申し上げた経済波及効果の経済活動部門別の内訳について明らかにされたいと思います。
○保坂参事 経済波及効果についてのお尋ねでございますが、まずその前提としての需要増加額につきまして、競技施設や選手村などオリンピック関連施設に対する資本投資が四千九百二十六億円、大会運営に伴う消費支出が七千七百五十一億円で、合計一兆二千六百七十七億円が見込まれており、これに伴う経済波及効果を全国で約二兆八千億円と試算しております。
また、その部門別の内訳は、競技施設や選手村などの施設整備を行うため、工業や建設業などのいわゆる第二次産業が一兆二千四百億円と全体の四割強を占めております。これにとどまらず、観客の移動や宿泊、一般家庭における電気機器の購入などの消費支出に伴い、サービス業が全体の一七%、四千八百億円、商業が一一%の三千二百億円、金融・保険・不動産業が一〇%の三千億円、運輸通信業が九%の二千六百億円などの経済効果が見込まれております。
このように、オリンピック・パラリンピック競技大会を東京で開催することは、東京のみならず、我が国全体のさまざまな部門に大きな経済効果をもたらすものでございます。
○木内委員 従来、ややもすると、東京で開催する意義ということについては、抽象的な言葉で夢を語る傾向にあったという点も指摘できるわけでありますけれども、今後は、一部の人の誤解を解いて、オリンピック・パラリンピック招致の賛同の輪を大きく広げていくために、わかりやすい言葉で、さらに丁寧に工夫して説明していく必要があると考えるわけであります。
今、荒川本部長は、東京の長い歴史の中で、大変に重要なオリンピック招致という事業の先頭に執行機関の中で立っておられるわけでありまして、いよいよ正念場はあと一年の今、今後に向けての本部長としてのお気持ちを伺わせていただきたいと思います。
○荒川東京オリンピック・パラリンピック招致本部長 開催決定まで一年を切りました。ただいまお話のありましたように、本当に丁寧にわかりやすく説明していくということは非常に重要でございまして、私どもも真摯にそれを受けとめまして、これからの招致活動に臨んでいきたいというふうに思っております。
ご承知のように、オリンピック・パラリンピックというのは、選手にとりましては四年に一度の大きな世界最大のスポーツ大会でございますけれども、開催都市であります東京や日本にとりましては、一つは外に向かっては、東京や日本が持っている技術、文化、あるいはただいまお話がありましたような平和であることの重要性、また都市の魅力ですとか将来像などを世界に対してアピールできる、またとない機会であるというふうに思います。
また、国内におきましては、先ほどからお話が出ております大きな経済効果というのが発揮できると。さらには、近年、人と人との結びつきが希薄になったといわれておりますけれども、そういう結びつきも、オリンピック・パラリンピックという共通の目標を持つことによって回復していくことができると。こうしたことを通じて、停滞した日本を元気にしていくということのできる大きなチャンスが来るというふうに思っております。こんな思いを持ちながら、職員一同招致活動に取り組んでいるところでございます。
最近、マスコミで安心・安全にかかわる都政の問題などがいろいろ取り上げられておりますけれども、そういう都民生活にかかわる問題につきましては、まさに現在、都政として全力を挙げて取り組んでいるところでございますし、また、きちんと対応することがオリンピック・パラリンピックに対する世論の支持率向上にもつながるというふうに思います。
しかし、都政のテーマとして、日本を元気にする、あるいは都民生活を希望あるものにするということも非常に重要であると思います。そういう意味において、経済効果、社会効果の大きいオリンピック・パラリンピックが果たす役割というのは大変大きいというふうに思います。
今後、ご指摘の点を踏まえながら、支持率拡大あるいは国際招致活動にさらなる工夫を凝らしまして、ぜひとも招致をなし遂げまして、夢や希望、それから元気ある日本、東京の姿を子どもや孫たちに残していきたいというふうに思いますので、ご支援のほどよろしくお願いします。
○松村委員 十月二十六日発行、「広報東京都」が一斉に新聞折り込みで都民に配布されました。今もお話が質問の中にもありましたけれども、私、持ってきましたけれども、これは一体幾らかかったのでしょうか。
○重田参事 「広報東京都」の臨時号の経費ですけれども、印刷、配送、レイアウト委託等を合わせまして、全体で二千八百万というふうに聞いております。
○松村委員 今、都民生活はどういう状態にあるのか。私ども日本共産党都議団、都内で住民アンケートに取り組み始めております。そして、その回答数、さきの定例会でも紹介しましたけれども、まだ途中集計の段階でも、本当に生活が苦しくなったという回答が七二・九%。ぎっしりいろんな書き込みがあるんですね。おかずを減らし、水道代、電気・ガス代を節約、この夏の暑さもクーラーをつけない、本当に冬が来ないでほしいというお年寄りの声とか、練馬でも、医療費が払えないどころか、保険料も大変で無保険になってしまうような実態だとか、悲痛な声があるんですね。
そういう中で、これまで本当に命にかかわるような補助金ですら、財政再建だというんで一律切られてきたと、そういう方々の声が何度も私たちの方に寄せられましたし、私たちもこの中で、暮らしを守る、そういう要求を出してきましたけれども、最近、もう一つ、都民が衝撃を受けているのは都立墨東病院の問題ですよね。本当に命の最後のよりどころ、周産期総合センターの拠点ですよね。そこに駆け込めば何とかなるんだというところが体制がとれていない。
もちろんその大もとには、国のこの間の医療費削減などで、大変な医師不足や看護師不足が起きているということなんですけれども、同時に私、財政委員会でも指摘してきたんですけれども、都立病院への補助、改めてこれ調べてみたんですけれども、石原知事の就任時に比べて百六十五億円、もちろん公社、二つされておりますから、それはほかから出ているものを差し引いても百億以上の都立病院の補助が減らされて、そしてどこにしわ寄せかというと--やっぱり不採算医療だとか行政医療はやらざるを得ないんです、都立病院だから。結局、医師などに、人件費にしわ寄せがいって処遇が悪くなってくるというんで、医師もやめる人がふえる。また、大学の医局も、都立病院は処遇が悪いということで、そういう評判が立って医師が送り込めないなどということも今伝えられておりますけれども、石原知事を弁護というか、ここまで来たから本当に大変なあれで、病院本部などとも、ことしは最高に三百万ぐらいですか、手当をつけたと。それは結構ですけれども、遅きに失したわけじゃないですけれども、こういう事態が生まれてきたというようなもろもろの状況にある中で、今、オリンピックといえば何でも通っちゃうというような、そういうものがつくられて、今も二千八百万ということですけれども、何千万という都民の税金がいとも簡単に使われてしまうという、本当に私、腹立たしい思いなんです。それは私一人じゃないというふうに思います。
そこで、ちょっと中身の点について聞きますけれども、全く都民に誤解を持たせるような報道じゃないかというふうに思うんです。ひたすらオリンピック招致支持の世論を高めようとしている、皆さん方のその気持ちはわかりますよ。でも、やはり都民のきちっとした判断が、本当に是か非かを問うべきだというふうに思うんです。
そこで、今も話がありましたからダブらないように質問したいと思うんですけれども、全国で二兆八千億円、日本じゅうが元気になりますとしている点です。その二兆八千億円とする根拠は、今ご答弁がありました。私も今ご答弁があった資料はいただいておりますので、繰り返しお答えしていただくことは結構ですけれども、まず、経済波及効果というのはどういうことなのか。
ある専門家の意見も伺いましたけれども、ある投資が行われた場合、需要生産が発生することで所得が生まれ、それが次の消費を生み出し、易しくいうと、ある投資なり、あるお金を使って物を購入した場合、その物を成り立たせる部品とかの需要が発生して物がつくられ、所得が生まれるという無限の生産の誘発が起きる、これを経済効果というというふうにしております。
もっと例えれば、たんすの中にしまわれているたんす預金など、ちょっと例が悪いかもしれませんけれども、このお金を出してきて使って何か買ったり消費したりする、これがめぐりめぐってさまざまな財の生産に結びついて波及効果を生み出すと、これはわかりやすい例えだと思うんです。
ところが、例えば巨大メーンスタジアムを初め競技施設の箱物を幾つもつくれば、確かに大手ゼネコンを中心に莫大な収益というか利益が上がり、また建設関連の生産を誘発することは、それは確かだと思います。
しかし、ちょっと考えてみればわかるとおり、その分、他に回せる投資が減るわけですよね。特に、例えば予算というか税金、本来ほかに使うべきものが減ってそちらに回される。だから逆の見方をすれば、もっと有効な投資に回すこともできるのですから、その比較検討なしに効果があるなどということは、理論上もいえないものだというふうに思います。
現実的にも、かつて東京都がやろうとした世界都市博覧会のときにも、この経済波及論が持ち出されました。これに対して我が党がただしたのに、当時の青島都知事がこのようにいっているんです。軽々しい発言はできませんが、確かに波及効果の算定もいろいろ難しゅうございましょうし、また、中小企業者のところへ直接に仕事が回る、あるいは金が回るというような方向が模索できれば、それはより効果の大きい経済波及につながるのではなかろうか、かように考えますという、私が今述べたことをまさに裏づける答弁をしているんです。
それから、もう一つ現実を見れば、都市再生などといって莫大な建設投資がこの都内でも行われてきましたよね。しかし、一部の大企業は利益を得てきましたが、この間どうでしょうか。中小企業や都民は全然、景気回復だとかそんなのは感じないと。そしてまた今、大変な事態に陥って格差が起きているというふうに見れば、経済波及効果ということが、オリンピックをやる建設投資をふやす、それで先ほどいったような数字があるんだということを都民に一方的に宣伝することはできないんじゃないか。
またさらに、一カ月余り、オリンピック・パラリンピックの期間、大会開催のそういう期間のイベント効果も確かにあります。
しかしこれも、例えば直近の例でいえば、三宅島振興の起爆剤などと石原知事が鳴り物入りでやったモーターフェスティバル、これ経済効果もいわれていたんですけれども、昨年は二億六千万円、ことしも二億二千万円をかけてイベント事業をやりましたけれども、経済波及効果などは見えていないではありませんか。
私は、建設投資やイベントよりも、看護師やヘルパーをふやすとか、直接中小企業に役立つ分野への投資や、低利の融資などによる支援の方がはるかに有効で、長期的な効果も明らかだと思いますけれども、この点についての見解はどうでしょうか。
○保坂参事 経済波及効果についてでございますが、先ほどもお話しいたしましたように、投資額の面では、オリンピック関連施設の建設などのほかにも、消費支出ということで、多くの海外の方などが日本に来られて観戦されて、宿泊、移動、買い物等、こういうことでたくさんの消費をされるということで、こういう消費については、お話のように大企業だけでなくて、一般の飲食店など多くの業者の方々がこれによって経済効果が得られるということも重要な効果だと認識しております。
○松村委員 経済波及効果で日本じゅうが元気になりますと都民にいうんでしたら、これはどこがこの試算をしたんですか。もっと科学的、本当にきちっとした分析、責任ある分析の上で出すべきじゃないかと思いますけれども、この出したところ、私は、いただいた資料のときに、招致本部の試算だということで唖然としたんですけれども、もっとそういう信憑性というか--何も皆さん方が信憑性ないということじゃないですよ。でも、やはりそれがきちっと裏づけられるところのものが必要じゃないかと思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○並木企画部長 経済効果の試算でございますけれども、これは、まだ招致本部ができる以前に、知事本局がオリンピック招致を所管していたときに、平成十七年でございます、業者の方に委託して試算したものでございます。
○松村委員 あと一年を切っているときに都民に知らせるあれとしては、十七年ですか、しかもまだ知事本局ですか、オリンピックのそういうさまざまなあれが固まっていない、またどのぐらいのいろいろな財源が必要になるかということが明確になっていない、そういうときの資料が、あたかも今日のこれでそうなんだというような、これはまさに断定的ですよね。そういうことをやるべきじゃないというか、そういう意味ではフェアじゃないというように思います。
それで、これまでの例は、開催都市の開催後の現実はどうなっているんでしょうか。経済波及効果云々より、オリンピックの後の利用がどこも本当に惨たんたる事態になっているというふうに思いますけれども、こういう点はどのように認識していますか。
○保坂参事 今までのオリンピック開催都市について、開催後の結果について明らかにした都市はございません。
○松村委員 では長野では、長野オリンピック、どういう経済波及効果を見込んでいたのか。また、オリンピック後の、大変な後遺症が出ていると思いますけれども、どのように分析されているのでしょうか。
○保坂参事 長野についてのお尋ねでございますが、現時点では把握してございません。
○並木企画部長 一九九八年の長野オリンピックにおけます経済波及効果でございますけれども、初期投資額、これにつきましては一兆六千五百十二億円、それから、日本国内への波及効果といたしましては、生産誘発額が四兆六千八百三億円ということが、これは出典が財団法人長野経済研究所のものでございますけれども、こういう数字がございます。
○松村委員 そういう波及効果を見込んでいたけれども、それが、そういう経済効果がなかったのか、また現実にそれを上回るものがあったのかということを、やはりきちっと検証する必要があると思いますし、私はむしろ、長野冬季オリンピック白書、県民から見たオリンピックということで、長野地方自治研究センターの詳しい分析がありますけれども、やはり現実に、今長野がまだ--当初は、特に長野の場合には起債に頼ったと。それは国が十分面倒見てくれるといったけど、全然当てにならなかったということを冒頭から書いて、大変な県民の負担にその後もなって、財政危機がその後あったということ、長野は大変だったということは、既にもう周知の事実だというふうに思うんです。
それから、長野の場合は冬季オリンピックだから規模が違うかもしれませんけれども、アテネの場合はどのように皆さん方は見ているんでしょうか。
○保坂参事 アテネのオリンピックの経済効果についてということでございますが、公式報告書ということでは把握してございません。
○松村委員 アテネの場合も、総費用が大会経費を除いても当初の二倍以上になったと。そういう中で、やはりその後遺症が今も残っていて、ギリシャ政府の財政逼迫の要因となっていると。そして、さまざまな歳出削減とか、増税とか、公共料金の値上げが行われているようでありまして、それに対するさまざまな抗議の声などが起こっている、アテネ国民の家計に大打撃になっているということも、私もホームページだとかいろんな資料を見させていただいて、指摘できることではないかというふうに思います。
それでまた、経済効果を強調する一方、オリンピックにかかる費用について民間資金を活用することを盛んに強調されているんですね。もちろん広報もそうですけれども、新しく「日本でオリンピック・パラリンピックを」のパンフレットをもう一回つくり直した中にも、例えば経済効果も新たに書き込んで、そしてその一方、投資額をこちらの右の方に、下段に書いてありますけれども、招致経費百五十億円、競技施設(恒久施設)の方は二千四百六億円と、それから競技施設の仮設費用の場合は八百四十三億円と記載して、そしてその下に、上記経費は民間資金及び国・都の財源を活用しますと。これを見ると、さも民間資金が大半のような記載、書きぶりなんですね。
そこで伺いますけれども、この競技施設--こちらの招致経費の方で、もう時間がないから聞きます。百五十億円のうち民間資金は前年度集まった額は幾らですか。また、今年度、既にもう半年過ぎました。現在までに入金された額は幾らなのかを伺います。
○並木企画部長 恐れ入ります、一点だけ、先ほどご答弁させていただきました長野オリンピックの経済効果額でございますけれども、これは長野オリンピックが一九九八年に開催されまして、一九九九年に財団法人が研究所ということで後ほど発表した数字でございますので、当初の見込み額ではございません。
それでは、民間資金でございます。招致経費百五十億円のうち、民間経費、民間資金でございますが、これは五十億円を見込んでございます。それで、十九年度末に実際に招致委員会の方に収入になった金額でございますけれども、これは五億五千五百万円でございます。
○松村委員 お聞きしたのは、もう半年、今年度は過ぎているんですよね。あと招致委員会の期間は、IOCの来年の十月、開催都市が決定した瞬間に、この招致委員会、これは終了するというふうに聞いております。
前年度は五億五千五百万ですけれども、現在までに、その後集まった、入金された額。
○並木企画部長 まず、五億五千五百万というのは実際に招致委員会の方に収入になった金額でございまして、この収入方法というのは、一括に入る場合、それから数年にわたって分割して納付する場合がございます。したがいまして、五億五千五百万円の収入になったときにおけるお約束をいただいている額というのは、これは三十億円ございました。既にそれからたっておりますので、現時点につきましても四十億円以上の見込みがついてございます。
○松村委員 私もこの問題についてはたびたび質疑してきたんですけれども、実際それでどのぐらい年度末に集まるのかという点も出されずに、私は決算を待っていたわけですけれども、五億五千五百万と。その当時から、どのぐらい集まるのかといったら、三十一億円とかそういう数字をいって、あくまでもこれは見込みとか、お約束をいただいているものということで、確かじゃないんですよね。やっぱりきちっと入金される、入って初めて確定するわけでありますけれども、じゃあ五億五千五百万から、さらに今まで入金された額は幾らですか。
○並木企画部長 年度末三十億円というのは、これは実際にオフィシャルパートナーとして契約をしていると、手を握っているものでございまして、ただその収入時期が数年にわたると、こういう場合がございますので、年度末では五億というお話をさせていただきました。
したがいまして、先ほど答弁いたしましたように、既に直近では四十億円以上の見込みがついてございます。この内訳でございますけれども、オフィシャルパートナーの十二社、それからそれ以外につきましては、相手方との、個々の企業とのお約束で、名前、金額は公表できないというものがございます。したがいまして、総額では現時点四十億円以上見込みは立ってございますけれども、その内訳ですか、これについてはここで明らかにすることはできません。
なお、恐れ入ります、直近の招致委員会に入った収入額については、現時点では把握してございませんので……。
○松村委員 これも都民の税金で、実際には昨年度立てていた予算よりもかなりオーバーして、結局、補助金を投入するというような形になってきておりますし、また今、五十億民間資金だと。四十億の見込みは立っているというけれども、じゃああとの十億、これは逆の意味でどうなのか。集まらなければ結局税金投入なのかという課題も残るわけですけれども、今後ともその点については明らかにしていただきたいというふうに思います。(並木企画部長発言を求む)もう時間がないから……。
それから、「広報東京都」は世論調査も載せて、七割の人が賛成としております。先ほどもその質疑がありました。しかし、この調査は北京オリンピック直前の、しかもこれ全国調査ですよね。都民がどう考えているのかがやはり私は大事なんじゃないかというふうに思うんですけれども、IOCが行う調査も首都圏の範囲ですよね、東京とその近県という言葉でしたっけ。周辺県。
それからあと、子どもの、小中学生の八割が東京でのオリンピック開催を期待という、このデータ、これはネットでのアンケート調査ですよね。つまり、子どもたちがパソコンを使えて、ネットに登録した会員を対象として、それでこの標本数は七百数十だというふうに資料でも見ましたけれども、そういう特定というか限られた中で、三十万も会員がいる中での七百数十人の回答というから、私は、本当に確実に全体こういう傾向だということがいえるのかどうかということを疑問に思ったのと、しかもこの中には、北京オリンピックを見に行くという子どもが、小中学生がこの中に二・二%という数字もあります。かなりそういう意味では、これが全国の日本の小中学生の結果なんだよということを、果たしてこの「広報東京都」で都民に大々的に伝えて、期待されているんですよということになるのかどうかということも非常に疑問であります。
やはり都合のいいデータだけで宣伝するのではなく、きちっとそういう世論も反映するように--例えば、これは北京オリンピック前の六月でしょう。北京が終わったその直後の九月段階でしたっけ、二つの世論調査が新聞報道でもされておりました。そのどちらもというか、支持は四割だということで、かなり都民にも衝撃というか、えっという、やっぱりそういうこともあるんですよ。この時点で、十月二十六日で出すんだったら、そういう点はもっと慎重にというか、先ほどもいったように自分たちに--自分たちといったら失礼です、都合のいいような、招致したいというそういうことだけで一方的に押しつけるものでは、やはりアンフェアだということをいわざるを得ませんけれども、どうでしょうか。
○重田参事 今お話のありました世論調査でございますが、私どもの持っています実施いたしましたもの、これはもう既に昨年の十月ということで、かなり時間がたっておりまして、ちょうど立候補都市選定後に行われた全国規模の調査ということで、日本世論調査会が実施した調査結果を掲載したものでございます。
この実施機関であります日本世論調査会は、共同通信社と全国の新聞社等の三十八の報道機関で構成する世論調査の全国組織でございます。その調査結果であります七割の賛成ということにつきましては、国民の総意をあらわしているものというふうに考えておりまして、単独のメディアや民間機関が実施した調査に比べ、より公平、公正な結果であるというふうに考えておりまして、恣意的ではないかというご指摘は当たらないというふうに考えております。
○松村委員 次に進みますけれども、立候補ファイル作成も年内に取りまとめられるというふうに思います。既に、IF、国際競技団体との調整も進んでいるというふうに思いますけれども、申請ファイルからの変更事項も今の時点で明らかになっているというふうに思いますけれども、主な変更点は何ですか。
○中嶋計画調整担当部長 申請ファイルで競技会場計画を公表いたしましてから、北京オリンピックを皮切りに国際競技団体の方と具体的な意見交換をしてまいりまして、現在もそれは続いてございます。国際競技団体の方は、東京の会場計画が果たしてオリンピックができるのかどうかという実質的な立場から詳しい調査を行いますので、そういった意見交換を、今具体的にしているところでございます。
したがいまして、今、競技会場計画につきましては、そういった調整の経過を踏まえながら、今後、変更が必要なのかどうかという点も含めまして、立候補ファイルに向けた会場計画をさらに精査をしてまいりますので、現在の時点では、今のご質問に対する具体的なお答えはすることはできません。
○松村委員 全体的にはそうでしょうけれども、では端的に聞きますけれども、メディアセンターはどこに変更するんですか。
○藤井施設計画担当部長 メディアセンターでございますけれども、メディアセンターは、現在、築地市場の移転跡地ということで決められて、申請ファイルで記載したところでございます。
一方、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策についてでございますけれども、現在、中央卸売市場の設置いたしました技術会議で検討中というふうに聞いてございます。それを受けて都としての具体的な対策をまとめると聞いてございます。
いずれにいたしましても、立候補ファイル提出に向けて、招致本部といたしましては、コンパクトなオリンピック計画という東京のコンセプトに基づいた、しかもIOCから高い評価が得られるようなメディアセンターの計画を進めてまいります。
○松村委員 場所の変更は否定されないようですけれども、では水泳会場、これは現在、辰巳国際水泳場ですけれども、これは私たちも見てきましたが、規模的にやはり無理ですよね。それで結局、周辺地域での仮設になるんじゃないかということですけれども、これも仮設では多くの課題があると聞きますけれども、水泳場ぐらいきちっとお答えできないですか。どうするんですか。
○中嶋計画調整担当部長 水泳会場につきましては、申請ファイルにおきまして、辰巳の森の海浜公園にございます辰巳国際水泳場、これを中心とした辰巳の森の海浜公園で開催するというような計画になってございます。
現在、この計画をもちまして、先ほど申し上げましたが、国際水泳連盟の方と具体的な意見交換をしてございますので、具体的にどういう計画になるということにつきましては、その調整を経ました後、立候補ファイルにおいて明らかにしてまいりたいと考えております。
○松村委員 なぜそういうことが明らかにできないのか、私は本当に不思議なんですけれども、いろいろ聞いてもしようがないから、最後にマラソンコース、東京マラソンコースは起伏が乏しく、オリンピックコースとしては課題があると聞いていますけれども、これについては変更があるというふうに我々は受けとめていますけれども、この点はどうなんですか。
○中嶋計画調整担当部長 マラソンコースにつきましては、申請ファイルの時点では、IOCに対する具体的な計画の提出は求められてございません。したがいまして、東京オリンピックにおけるマラソンをどういうコースにするのかということにつきましては、現在、国際陸上連盟の方と具体的な意見交換をして、今後詰めてまいる計画でございます。
○松村委員 いずれにしても、今回に限らず、これまでもなかなかその中身を都民に明らかにしない。もちろん、先ほど九兆円の話がありましたから、本当は全面的に取り上げさせていただきたいと思ったけれども、時間もありますので別の機会に改めますけれども、やはりもっとフェアに明らかにして、それが都民の世論が盛り上がらない一つの大きな、私は根っこにもあると思いますよ。そして後になって突然一方的に変更を発表するなどというのは、本当に私は議会軽視じゃないかというふうにもいいたいと思いますし、おかしいと思います。いつまでもそんなやり方は通用しないというふうに思いますので、この点を厳しく指摘し、質問を終わります。
○後藤委員 それでは、私もこの広報から入りたいと思うんですけれども、ここでは質問が数えてみますと五つしか書かれていないんですけれども、一般の方たちからいえば、もっと聞きたいことがいっぱいあるんじゃないかと思いますけど、例えばどのような質問事項というのが都民の間から上がってきているんでしょうか。その辺を教えてください。
○重田参事 「広報東京都」の質問事項、紙面の都合もあって大きな要素ということでございますけれども、まず、オリンピックにはお金がかかるんじゃないかというような、これは世論調査等で、もっとほかにやることがあるのではないかというようなお問い合わせ、これはすべてお金にかかわってくるということなので、まずそこの大きなところにお答えをするというような形になっております。
それからまた、あとは北京の次にロンドンが来て、またアジアと、これはなかなか難しいんじゃないのという疑問が多いということで、そういった構成になってございます。
○後藤委員 私が皆さんとお話をしたときに、まず、このオリンピックはいつやられるのというふうに聞かれるんですけれども、過去のオリンピックは、これですけど、体育の日ですか、十月だった。普通考えましたらば、オリンピックというのは気候のいいとき、例えば体操というのかスポーツに合っているときというふうに皆さん思っていると思うんですけれども、これには何で開催日が書いてないんですか。
○中村招致推進部長 開催日についてでございますけれども、開催日につきましては、IOCから出されておりますテクニカルマニュアルというものに、七月十五日から八月三十一日までに開催することという規定がございます。これに基づいて我々は計画を策定していくという作業を進めてございます。
○後藤委員 確かにIOCのことはわかっていますけれども、七月の終わりから八月の一番暑いときですよ、日本の。この一番暑いときにやりますと。東京の招致のオリンピック、今度の招致オリンピックは七月の終わりから八月にやりますよと書いて差し上げればいいじゃないですか。これを書いたら、多分皆さん、えっ、そんなときにやるの、暑くてたまらないわよというふうに、普通だったら思うと思うんですけれども、開催都市の決定まであと一年、確かに正しいですよ、これ。書かなかった理由というのはあるんですか。
○並木企画部長 「広報東京都」の臨時号、前回の臨時号には記載してございます。前回は計画の概要のご紹介ということで載せました。今回はクエスチョン・アンド・アンサーということでございますので、その辺については記載しなかったということでございます。
○後藤委員 できたらば、これからはお願いしますけれども、広報をやるときには必ずオリンピックの日にちを書いて差し上げていただきたい。これですけど、日にちを確かに前に書いてあったと思いますし、今までの資料を見たら、そのことはみんな書かれているということはよくわかっていますけれども、必ず何かの広報をやるときに、この暑いとき、皆さんはもちろんわかっているし、私たちもわかっていますけれども、多くの方たちはそのことを知らないですよ。
このことで私が感じたのは、私もこの間、北京に行ってきました。北京は僕は暑いと思っていたんです。すごい暑くてすごい大変かと思っていたらば、結構乾燥しているんですよね。
たまたまですけど、ビーチバレーに行ったときに大雨が降っていました。大雨が降っていたときにはレインコートだけです、向こうで着られるのは。あれをもし東京でやられたらば、暑くて暑くてたまらないことになるだろうと。これはまず大変なことだなというふうに思ったので、必ずオリンピックはいつやります、何月何日から何月何日までやりますけれどもということでアンケートをとっていただきたいと思います。
これと、右側ですけれども、競技会場の七割は今ある会場を使いますというふうに書いてありますが、この七割の会場というのは全く改修しないんでしょうか。改修はするんでしょうか。改修をする場合は、例えば半分まで改修をする場合でも改修というのか、九割改修--普通九割といいましたらば建て直しぐらいだと思うんですけれども、九割のものであったとしても、敷地が同じだったとしたらば現在ある会場を使いますというのか、その辺のことをはっきりしたいんですが。
○中嶋計画調整担当部長 競技会場の改修の考え方でございますけれども、申請ファイルにおきまして四つの区分を設けてございます。一つは、既存の競技会場ということで恒久施設の工事が不要であるというもの。それと二つ目が、既存の競技会場で、これは恒久施設の工事、改修しましてオリンピックの後も残るというような工事が必要なもの。それと三つ目が、これは全く更地でございまして、あるいはその土地の中に全く新しく建てるというものと、それと、更地ではございますけれども、オリンピックのときだけに仮設で建てまして、その後撤去するという、四区分ということで分類してございまして、そういった分類をIOCに提出しますとともに、都民の皆様に対しても申請ファイルにおきまして公表しているところでございます。
○後藤委員 結局、七割あるというのの七割というのは、一番目、二番目、三番目、四番目にいわれましたけれども、だったらば何番目と何番目が入るんでしょうか。
○中嶋計画調整担当部長 現在、三十一会場ということで公表してございまして、全くの新設が五会場、それと、先ほど四番目に申し上げました全く仮設でやるものが五会場と。残り二十一会場がいわゆる既存施設を活用するというようなことで公表してございます。
○後藤委員 そうしますと、既存の施設があって、全く直さないものと直すものまで含めるというふうなことになりますと、金がかかるわけですね、相当、直すのに。ここのところで競技会場の七割は今ある会場を使いますと、競技会場は、既にある会場を最大限利用しますというふうに書いてありますから、確かに誇大広告とはいえるかもわかりませんけど、全くのうそではないだろう。
ただし、既存の施設であって、この場所ですよね。ここで建て直す。例えば駒沢ですけど、駒沢はバレーボールを昔やったところなんですが、前に見せていただいたんです。これも改修だっていうわけですよね。確かに新築ではないと思うんですけれども、九九%もう建て直しですよ。例えば九九%建て直しということになったときには、七割は今ある会場を使いますの中に、駒沢は今入っていましたっけ。
例えば駒沢みたいなところですね、住宅を想像していただければいいんですけれども、私たちが住んでいる住宅で、もうほとんど建て直し。たしか「ビフォー・アフター」とかあると思うんですけれども、テレビの番組で、壁から何からみんな取っちゃいまして、骨組みだけ残しておいて直してしまうというのも、ここに書いてある七割に含まれると解釈していいんですか。
○中嶋計画調整担当部長 申請ファイルのときに都議会にご報告した私どもの考え方は、新設会場というのは、先ほど申し上げましたが、全くの更地に、今まで何も会場がなかったと、その中にオリンピックスタジアムをつくるですとか、あるいは中央防波堤の中にボート会場をつくるですとか、そういったものを新設会場として五会場で明記してございます。
したがいまして、もともと体育館が今ありまして、それを相当程度リニューアルするというものにつきましては、この体育館を改築するわけでございますので、現存の既存会場を活用するという中で分類してございます。
○後藤委員 仮にそうだとしたら、これっておかしくありませんか。例えば一般の都民の方たちが見たらば、競技会場の七割は今ある会場を使いますということになったらば、ああ、お金はかからないわよねと、確かに書いてあるとおり、金もかからなくてオリンピックがやれるんだったらいいわねというふうに思ってしまうじゃないですか。
例えば部長の今の話からいったらば、改築ですよね。改築といったら壊しちゃうということですよ。壊して一たん更地にして、そこにまた新しいものを建てる。普通の民間住宅だったら新築じゃないですか、それ。
ここにある七割のを、改築でも改修でもいいです、金は幾らぐらいかかるんですか。
○中嶋計画調整担当部長 先ほど来、今回の「広報東京都」をもとにご質問いただいておりますけれども、私は、全体の整備費が幾らかかるかというものにつきましては、新設あるいは既存会場の改築、それと仮設も含めまして、先ほど経済波及効果の中でもこちらからご答弁いたしましたが、トータルで現在の見込みとして三千二百四十九億円かかるということで、都民の皆様に既に何回かご報告をしているところでございます。
○後藤委員 というふうにご説明なさるんだとしたらば、これだけの自治体が金をかけて皆様に広報するんだとしたらば、なるべく親切なもの、例えば全くかからないというふうなイメージは与えない。確かに部長が今いったように、前には出している、過去には出しているといいましても、民間の場合の広告だとかというのは、過去に書いてあったことなんていうのは、過去に書いてあったからいいでしょうなんていうんではなくて、これはなるべく親切にご説明しようということだとしたらば、書き方だけは本当にもっと親切に書いてあげるべきだと僕は思います。
この後聞きますけれども、例えば高速道路の関係があると思うんですが、高速道路。競技会場、確かに競技会場がコンパクトになりましたけれども、高速道路で移動するということは考えてよろしいんですよね。
○藤井施設計画担当部長 オリンピック開催時に、選手、IOC委員、メディアの関係者、そういった方々が円滑に移動できるよう、高速道路等もオリンピックで活用するルートの一つとして考えてございます。
○後藤委員 首都高速の方に、オリンピックで高速道路を使うから、できたらば相談に乗ってくださいというふうな起案文書が載っていたのを私は見たんですけれども、これに関して、首都高ですとか警察とかの打ち合わせは今どんなふうになっているんでしょうか、教えていただけますか。
○藤井施設計画担当部長 オリンピックレーン設置についてはさまざまな機関がございますので、現在、関係機関と調整中でございます。いずれにいたしましても、来年二月に提出いたします立候補ファイル提出に向けて明らかにしてまいります。
○後藤委員 ここでいろいろとお話を受けまして、立候補ファイルが、勝ったら何でもいいだろうというふうに初めから終わりまでいわれてしまうんですけれども、例えば首都高の方に相談に乗ってくださいよというふうな起案がありますので、皆さんの方からは問い合わせはもちろんかけているんだと思うんですけれども、首都高だとか警察だとかの打ち合わせの窓口はどこになるんでしょうか。
○藤井施設計画担当部長 事柄によって、例えば首都高速につきましてもいろんな事柄でお話を進めております。ですから、関係するセクションは首都高としては何カ所かございます。例えば計画・環境部なんかも一つでございます。
○後藤委員 首都高の方としては前向きな意見なんでしょうか。ここのところを聞きたいんですよね。現在の首都高だって大変じゃないですか。込み方も大変ですし、右におりるところもあれば左側におりるところもあるし、上がってくるところもいろいろあるわけですけれども、ここのところで前向きに検討しますということになっているのか、いや、ちょっと大変ですねというふうになっているのか、この辺はどうですか。
○藤井施設計画担当部長 現在検討中の内容でございますので、公表は差し控えさせていただきます。
○後藤委員 だったらば最後にちょっとお尋ねしますけど、例えば長野県に行きまして、長野の方たちにいろいろお話を聞いているという文書が残っているんですが、長野の話で、先ほどですけれども、例えば施設の後利用というんでしょうか、これですけど、共産党の方が聞かれたんですけれども、長野の現状について、オリンピックが終わってからのというふうに聞かれましたらば、把握していないというふうにいわれたんですが、これですけど、長野の方に行きまして、たしか職員の方が二人ぐらい行っていたのかな。書いてあることは、長野について参考になることをいろいろ聞いてきたというふうに書かれているんですけれども、仮にそうだとしたらば、資料だとかいっぱい持ってきているはずなんですよ。
例えば波及効果に関してですとか、跡地、施設の後についてだとかというのは、どのようなことを聞かれてきたんでしょうね。
○中村招致推進部長 現在、立候補ファイルを作成している最中でございまして、過去の経験等、長野でどのような課題があって、どのように取り組んだのか、もろもろ職員が行って聞いてきてございます。
それから、一つ申し添えますが、現在、立候補ファイルを作成中でございまして、立候補都市各都市が、現在そういう状況でございます。ですから、今現在我々の取り組んでいることを新たにここで示してしまうということは、各ライバル都市に手のうちを見せてしまうことになりますので、その辺のところは我々国際戦略も考えながら、都民にお知らせできること、それから最後の立候補ファイルでお示しすること、それからどのようにしたら勝っていけるか、そういうことを総合的に勘案しながら進めてございますので、詳細につきましては、すべては立候補ファイルで明らかにしていくというようなことでございます。
○後藤委員 最後に一つだけ聞かせてもらいます。
これですけれども、目的は何だったんですか。目的を最後に聞いておきたいんですけれども、例えばこれなんですけど、都民の方たちにオリンピックに対して賛成といってくださいというふうな形で出されているんですか。
○並木企画部長 「広報東京都」の臨時号でございますけれども、北京オリンピックが終わって、東京都民に東京都が計画している中身をより正確に、より広くご理解いただくために、東京都の計画をお示ししたものでございます。特に、いろいろ世論調査等で疑問点が出てきましたので、そういったものに対して一つずつお答えしたものでございます。
したがいまして、こういうすばらしい計画なので、これを見てぜひとも賛成してくださいというお願いはもちろんございます。
○中嶋計画調整担当部長 先ほどのご答弁で一部訂正をさせていただきたいんですが、現在ご質疑いただいている「広報東京都」におきましても、右上の方に米印の3ということで、競技会場の整備費用二千四百六億円(平成十九年十一月、開催基本計画による)は、税金と民間資金で賄いますということで、先ほど申し上げました三千二百四十九億円のうちの税金部分の二千四百六億円につきましては、今回の「広報東京都」におきましても掲載をしているところでございます。
○後藤委員 仮にそうだとしたらば、競技会場の七割は今ある会場を使いますと書いてあるんですよ。これはうそじゃないんですか。
じゃ部長、聞きますけど、今ある会場なんですか。改築ってさっき自分でいったじゃない。改築までこの中に含まれているというふうに私は理解しているんですけれども、ここでは今ある会場を使いますというんだとしたらば、おかしいですよ、それはあなたのいっているのは。
○中嶋計画調整担当部長 この二千四百六億の中に、先ほどいいました全くの新設の五会場のほかに、既存会場で改築を行います部分、恒久施設で税金を今のところ考えている部分の合計が二千四百六億ということで掲載しているところでございます。
○大松委員 オリンピック招致について伺います。
オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、世界各国から青少年の代表を招待して、共同生活を通して国際交流を図る国際ユースキャンプ事業というのがあります。このユースキャンプ事業、私も最近知ったわけでありまして、余り知られておりません。私が知らなかっただけかもしれませんけれども、このユースキャンプ事業なんですが、一九六〇年のローマ大会からオリンピック公式行事として行われてきているわけでございます。
それで、招致本部の皆様にご協力いただいて調べていただいたわけでありますけれども、これまでのこの事業の中身も大変充実しておりまして、開会式、閉会式への参加、また競技の観戦とともに、アスリートとの交流、開催地域の人々との交流といったようなものが行われまして、二〇〇四年のアテネの大会におきましては、ユニセフ、国連難民高等弁務官事務所、国連機関の交流もありまして、人類的な課題について学び合う、こういうプログラムもございました。
前回の東京オリンピックにおきましても、このユースキャンプ事業が行われたわけでありますが、この事業に参加をいたしました方から話を伺う機会がございました。ホスト国日本の代表としての役目も果たしながら、同世代の若者、大学生との交流がありまして、本当にすばらしい体験だったと。もし東京でオリンピックをやるんであればぜひ盛り上げていただいて、一人でも多くの青年たちに同じような経験をさせてあげたい、このように生き生きと語っていらっしゃいました。その方は北区を拠点に実業家として活躍されておられまして、さらに幅広い視野に立ちまして社会貢献活動にも尽力をされていらっしゃる方でございます。
こうしたユースキャンプ事業なんですけれども、日本の青少年育成に大いに役立つとともに、若い世代同士の友情をはぐくむということで、国際友好の基礎にもなってまいります。また、海外から来られました参加者が母国へ帰りまして、日本の魅力、東京の魅力を語っていただくということは、文化の発信に大変大きな効果をもたらすことは間違いないわけでございます。
特に、昨今の人類的な課題であります環境問題に先進的に取り組んでいる東京の姿をさらに海外に広めていくという意味でも、大変大きな意味があるわけでありまして、観光立国という観点からいきましても訪日外国人誘致の効果も期待できるわけでございます。
そこで、二〇一六年オリンピック・パラリンピックにおいてもユースキャンプ事業を展開すべきと考えますけれども、見解を伺います。
○並木企画部長 ただいま理事からお話しございました青少年キャンプでございますけれども、一九六〇年のローマ大会からオリンピックの公式行事として行われてございます。現在ではユースキャンプということで名称を変更いたしまして、大会組織委員会が実施してございます。まだ北京の状況は詳細わかりませんけれども、その前のアテネ大会では、百九十二カ国、地域から四百四十名の参加があったということで、理事ご指摘のとおり、次代を担う青少年に非常に大きな財産を残すことができたというふうに聞いております。
それで、国際交流ということを考えますと、オリンピック開催の前に行われます事前キャンプ、こういったものも、一流選手と子どもたちが触れ合いましてスポーツに関心を高める、また友情、連携をはぐくむ、こういったことで国際理解、理事からございました日本の環境問題、そういったものの理解を深める点にも寄与するものと考えてございます。また、こういった機会というのは、海外の選手、それからスポーツ関係者、それからマスコミ等にも、東京、日本のすばらしさをアピールする機会になると考えてございます。
それで、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック開催に当たりましても、この点につきましては、国際交流、それから東京、日本の魅力をアピールする絶好の機会ということでございますので、事業展開については今後積極的に検討していきたいと考えてございます。
○大松委員 北京のオリンピックでも事前キャンプが東京で行われたということでございます。ぜひこのユースキャンプ事業を盛り上げていただくようにご検討をお願いしたいと思います。
先ほど来お話が出ておりますけれども、東京へのオリンピック招致の課題が、やはり世論、国内支持の盛り上がりが大きな課題になっているわけでありまして、先ほど来、共産党、お話を伺っていましたら、あたかもオリンピックを契機に悪いことでもするかのようなお話でありますけれども、真実の姿とは違いまして、都民に誤解が広がっているとすればとんでもないことでございます。
オリンピックのテーマは、やはり平和、そして次代を担う青年、そして友情、これがテーマであると思うわけでございまして、オリンピックを契機に、次代を担う大切な青年の皆様方の心に、平和であり、友情であり、その苗を植える大切な、大変意義のある事業が行われているんだということをぜひアピールをしていただきまして、招致機運を盛り上げていただくようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で東京オリンピック・パラリンピック招致本部関係を終わります。
○馬場委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○宮川任用公平部長 東京都人事委員会は、去る十月十六日に都議会及び都知事に対しまして、地方公務員法第八条、第十四条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の職員の給与について報告及び勧告を行うとともに、同法第八条の規定に基づき、人事制度等について報告をいたしました。
本日は、お手元に、この勧告等に関する資料として、資料第1号、平成二十年人事委員会勧告等の概要及び資料第2号、職員の給与に関する報告と勧告を配布させていただいております。これから、平成二十年職員の給与に関する報告と勧告につきまして、資料第1号の概要に従ってご報告をさせていただきたいと存じます。
恐れ入りますが、資料の一ページ最上欄の1、ポイントをごらんください。
ことしの勧告のポイントは、四角い枠の中にお示ししておりますように、四点ございます。
まず、ポイントの一点目は、公民較差を是正するためマイナス勧告となったことでございます。
都の職員給与は、ことし行った実態調査の結果、民間従業員の給与と比べ、例月給で額にして三百七十二円、率にして〇・〇九%上回っておりましたので、これに相当する給料月額の引き下げを勧告いたしました。これにより、プラス改定がなかったのは、改定を見送った年も含め、平成十二年以降九年連続となります。
一方、特別給、いわゆる賞与につきましては、都職員、民間従業員ともに四・五〇カ月分で、おおむね均衡する結果となりましたので、改定を行わないことといたしました。
なお、公民較差につきましては、枠のすぐ下の2、職員と民間従業員の給与比較のところに、(1)、比較の方法と、(2)、比較の結果をお示ししてございます。
次に、ポイントの二点目でございますが、一点目でご説明しました公民較差を是正するため、給料表の改定に当たりましては、職責の反映と昇給カーブのフラット化を重視したことでございます。
ことしも年功序列型の給料表構造の是正に取り組みまして、給料月額を一律に引き下げるのではなく、職員のうち、高齢層については引き下げ幅を強目にし、若年層や管理職層については引き下げ幅を弱目にしております。
この点について、少し具体的にご説明をさせていただきたく存じます。
恐れ入りますが、二ページをお開き願います。(2)、改定の内容のア、給料表と、イ、諸手当の欄をごらんください。
まず、イ、諸手当にあります地域手当についてですが、平成十八年の勧告において、国との制度的均衡を図るため、平成二十二年度に支給割合が国と同様の一八%となるよう、段階的に引き上げを図るとともに、その引き上げに見合う給料月額の引き下げをあわせて行うこととしております。ことしの地域手当の支給割合は、一四・五%から一・五ポイント引き上げ一六%にいたしましたので、先ほど申し上げました公民較差分〇・〇九%を加えて、ア、給料表の内容欄に記載してありますように、給料月額を平均一・四%引き下げる必要が出てまいります。
ただし、その引き下げに当たりましては、初任給付近の改定率を〇・〇%とし、高齢層は平均より強目のマイナス一・八%とするなど、昇給カーブのフラット化を進めて年功的な給与上昇を抑制するとともに、若年層及び若手管理職層の給与水準の改善を図ることといたしました。
なお、勧告に伴う給料表及び諸手当の改定には給与条例の改正が必要でありますので、例年、第四回定例会で条例改正の審議をお願いいたしております。仮にことしの十二月中に改正給与条例の公布がなりますと、(4)、実施時期等のところでお示ししておりますように、来年一月一日から実施に移されることになります。その場合の、ことし四月から十二月までの給料等の公民較差相当分につきましては、来年三月に支給予定の期末手当によって調整され、全額解消されることになります。
恐れ入りますが、いま一度、一ページの1、ポイントのところにお戻りいただきたく存じます。
次に、係員の職務の級につきましては、主任制度が定着した現在、1級と2級とに区分しておく意義が乏しくなっておりますので、新1級として整理統合を行うことといたしました。給料表の級構成につきましては、職責を適切に反映する観点から、必要な整理を進めてまいりましたが、今回の1、2級の統合によりまして、職務、職責に応じた一職一級の簡素な級構成が完成いたします。
続いて、ポイントの三点目ですが、新たな教育職給料表を勧告したことでございます。
教員に適用されます給料表は、現在、小中学校と高校の二本立てになっており、高校の方が高い給与水準に設定をされております。しかしながら、小中、高校の教員とも既に初任給は同額であり、教員免許制度も同一基準に改正されております。また、中高一貫校の設置などにより、中学校や高校といった学校の種類を超えた人事交流も行われるなど、現在では給与水準を分ける合理的理由がなくなっております。そこで、これらを一本化し、新たに教育職給料表を設けました。
加えて、この教育職給料表におきましても、校長、副校長、主幹教諭といった職責による水準差を拡大するとともに、校務のリーダーとしての役割を担うために設けられました主任教諭に適用する職務の級を、現在の教諭の級を分化して新設することといたしました。
最後に、ポイントの四点目でございますが、職員の勤務時間について意見を述べたことでございます。
人事院は、国家公務員の勤務時間を来年四月一日から一日当たり七時間四十五分、一週間当たり三十八時間四十五分とするよう、ことし八月に勧告をいたしました。東京都人事委員会も、都内民間企業の所定労働時間の調査結果や人事院勧告を踏まえまして、都においても同様に短縮することが適当との意見を述べたところでございます。
ただし、都の公務が都民生活に直接影響を与える行政サービスを幅広く提供することにかんがみまして、実施時期につきましては、勤務時間法の改正を含めた国の実施状況や他団体の動向を注視するとともに、任命権者において都民へのサービス低下を来さないことを見定めて決定することが必要と考えております。
以上、勧告の四つのポイントについてご説明をさせていただきました。
引き続き、二ページ中ほど、(3)、初任給調整手当をごらんいただきたいと存じます。
人事院は、医師の初任給調整手当の最高支給限度額について引き上げを勧告いたしました。都におきましては、医師の人材確保が困難になっている都立病院の現状にかんがみ、その具体的な対応策として、ことし四月に、医長や産科の医師を中心に初任給調整手当の適用区分の引き上げ等を実施いたしております。このため、医師の初任給調整手当のあり方につきましては、今後、国の改善状況に留意するとともに、都における医師の給与面での改善効果を検証しつつ、検討を行っていくことといたしました。
次に、三ページ中ほど、(4)、技能系職員の給与をごらんいただきたいと存じます。
技能系職員の給与については、同種の民間従業員の給与に比べ高い水準にあるとの指摘がある中、人事委員会といたしましても、民間事業所における技能系従業員の給与をより正確に把握する必要があるため、ことし独自に調査を行いました。その結果、都職員の平均給与月額は、お示ししてございますように、民間従業員や国家公務員と比べて高い水準にあることがわかりました。
もとより、技能系職員の中心を占めます単純労務職員につきましては、人事委員会勧告の対象ではございません。しかしながら、技能系職員の給与等についても、地方公務員法に定める情勢適応の原則を踏まえ、民間及び国、他団体の状況等も十分に考慮したものでなければなりません。そこで、今回の調査結果も参考に、都民の理解と納得が得られる水準となるよう、今後見直しを行っていくことが必要と意見を述べております。
次に、三ページの下の方から四ページにかけて、5、人事制度及び勤務時間制度等に関する報告(意見)に関する記載がございます。
日本の首都であり、時代の変化がいち早く、かつ集中的にあらわれる大都市東京の行政を担う都職員には、首都公務員としての気概や、現実性のある政策を立案する能力と実行力が強く求められております。そのため、高い資質と志を持つ多様で有為な人材を確保していく必要があることから、(1)、今後の人事制度のあり方のところでは、効果的な採用PRの強化や個に着目した人材育成の重要性などについて言及をしております。
また、(2)、職員の勤務環境の整備のところでは、仕事と生活の調和のための勤務環境づくりの推進の必要について述べるとともに、(3)、公務員倫理の確立では、非違行為の防止に当たり、管理監督者に対して職責を十分に認識してみずから範を示すことを求めております。
最後に、五ページでございますが、参考として、人事院勧告との比較や大都市の勧告状況、都の公民較差の推移、モデル給与例などについてお示しをしてございます。
ちなみに、ことしの勧告が実施されますと、一番上の表にありますように、行政職給料表(一)の適用職員では、平均年収が昨年に比べ七千円程度減収になります。
なお、お手元に配布させていただいております資料第2号、職員の給与に関する報告と勧告の冊子には、今回の勧告等の全文が掲載されておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
以上、簡単ではございますが、平成二十年職員の給与に関する報告と勧告についてのご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○馬場委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、事務事業に対する質疑とあわせて行います。ご了承願います。
なお、事務事業につきましては、既に説明を聴取しております。
その際資料要求はありませんでしたので、これより、ただいまの報告事項及び事務事業に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
報告事項及び事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、報告事項及び事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十分程度休憩をいたします。
午後三時七分休憩
午後三時二十分開議
○馬場委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより知事本局関係に入ります。
これより事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○大井総務部長 要求がございました資料三点につきまして、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料、これに沿いましてご説明を申し上げます。
まず、一ページをお開きください。「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九(仮称)の策定経過でございます。
現在進めております実行プログラム二〇〇九の策定につきまして、これまでの主な経過と今後の予定を記載してございます。
次に、二ページをごらんください。アジア大都市ネットワーク21の共同事業及び平成十九年度予算額・決算額(知事本局分)でございます。
中小型ジェット旅客機の開発促進を初めとする十二の共同事業と、知事本局関係の平成十九年度の予算額及び決算額について記載をしてございます。
続きまして、三ページをお開きください。「政策会議」開催実績でございます。
都政にかかわる重要な事項を審議策定する政策会議につきまして、平成十三年度から平成十九年度まで、年度ごとの開催回数を記載してございます。
以上、簡単でございますが、要求がございました資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願いします。
○馬場委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○木内委員 事務事業に対する質疑ということでありますけれども、非常に幅広い、そしてまた重要な課題を抱えて、吉川局長を先頭に日々懸命なご努力を重ねておられる知事本局の皆さんに、まず敬意を表させていただきたいと思います。本当に連日ご苦労さまでございます。
きょうは地球温暖化対策に関連して何点かお尋ねをいたします。
地球温暖化がもたらす影響というものは、今や世界各地で顕在化いたしておりまして、よく報道されることでありますけれども、北極海の解氷というもの、極度に減少して、かつてないようなさまざまな自然現象というものが多発をしてきている。北米大陸においては毎年巨大なハリケーンが襲来をし、ミャンマーにも巨大なサイクロンが上陸をしてくる。ヨーロッパでの熱波の発生、シベリアの永久凍土の溶解など、もう挙げれば切りがないほど、一体この地球はどうなってしまうんだろうという、そういう懸念を強くするような事態が続いているのでございます。
地球の温暖化がもたらす気候変動は、最近、身近な地域でも頻発をしている実態があります。東京都の観測データによりますと、平成の初めごろには年間延べ十数カ所程度であった五〇ミリを超える豪雨が、平成十七年には延べ六十六カ所で観測をされているという事実もあります。
また、ことしの夏、日本各地でゲリラ豪雨が原因の被害が頻発をいたしました。例えば、東京でも雑司ヶ谷の下水道内で作業員が水死したり、あるいは神戸の親水公園で遊んでいた子どもたちが鉄砲水で、時ならぬこういう災害に遭って流されたり、あるいは栃木県の東北自動車道をくぐるアンダーパスでは女性が車に閉じ込められて水死したりするなど、痛ましい事故が相次いで、これらは決して私は偶発的なものとして見過ごすわけにはいかない。これまでの社会環境や都市構造というものが、安全に対する配慮をした上で、なおかつ時ならぬこうした自然現象の猛威によって事故が起きているんだということを痛感するわけであります。
しこうして、地球温暖化の影響というものは深刻になりつつあり、あと数年のうちに思い切った手を打たなければ、決してこれは誇張した表現でなく、人類にとって破局的な事態を招きかねない状況にもあるわけであります。
きょうの新聞の報道では、来日しているチャールズ・イギリス皇太子と麻生総理との間で、地球温暖化を重要なテーマという位置づけで懇談が行われたという報道もあったわけでありますが、そうしたいわゆるグローバルなそれぞれの立場で、今、地球温暖化への警鐘が乱打され、具体的な施策が進められているわけであります。
都市には世界の人口の半数以上が居住して、CO2の総排出量の約七五%を占める、こういわれていることから、世界の各都市が国家の枠を超えて、主体的に温暖化対策に取り組むことは今や喫緊の課題であると、こういってよろしいと思うのであります。まさに、都市がこの警鐘を乱打発信し、そうして世界的規模の中で議論と具体的な施策の展開を横断的に進めていく、これが今、重要な作業だと思うのであります。
申し上げた切迫した状況の中で、先週、世界の大都市が一堂に会して、地球温暖化対策のために、C40気候変動会議が東京都の主宰で開催をされました。一部報道されておりますけれども、私がただいま長々と申し上げましたけれども、この地球温暖化対策という視点から考えますと、このC40気候変動会議というもの、極めて重要な意味を持つものである、こう認識をしているのでございます。議会の質疑やりとりでありますから、都民の皆様に幅広くこれを知っていただくためにも、経過と今後の対応について何点かお尋ねをしたいと思うのであります。
C40については、残念ながら概要等が十分にまだ認識されていない向きがあるわけでありますけれども、これについてまず外務部長、お答えを願いたいと思います。
○猪熊外務部長 C40世界大都市気候変動グループは、二〇〇五年に当時のロンドン市長の提案により発足いたしました、世界の大都市が連携して温室効果ガスの削減に取り組むネットワークでございます。会員は当初二十都市でスタートいたしまして、C20といわれましたけれども、現在は正会員都市が四十、提携都市十五となっております。正会員都市は、おおむね人口三百万人以上の大都市で構成されております。
これまで都市の首長が集まりますサミットを隔年で二回開催されておりまして、このほか、港湾における気候変動対策など個別テーマを議論する実務者会議が三回開催されております。
東京都におきましては、二〇〇七年のニューヨークサミットからC40に参加しておりまして、九都市で構成されますC40の運営委員会の委員として、積極的にその運営に携わっているところでございます。
○木内委員 今のお答えにあったように、正会員都市が四十、提携都市が十五、くくり方としてはおおむね三百万以上の都市ということになるわけでありますけれども、いわゆる温暖化の問題に熱心に取り組むという強い意思を持った都市の集まりだということも感ずるわけであります。
国レベルの会議や取り組みとしては、気候変動枠組条約の交渉を行う締約国会議、いわゆるCOPや温室効果ガス排出圏の国際市場創設を目指す国際カーボン・アクション・パートナーシップ、いわゆるICAPがあるわけでありますけれども、こうしたさまざまな地球温暖化に関する会議や取り組みの中でも、いろいろ横並びのシステムや機構はあるけれども、世界をリードする規模の、いわゆる大都市が集まるC40というのは極めて重要な存在であり、意味を持つものである、こう考えるわけでありまして、C40の総会であるサミットにつきましては、昨年第二回をニューヨークで開催して、第三回は来年、ソウルでの予定と、こういうふうに聞いているわけであります。
今回、都知事が提唱した気候変動東京会議は、申し上げた二年に一度のサミットとは異なるものでありますけれども、今回の特徴について触れていただきたいと思うのであります。
○猪熊外務部長 今回の会議の特徴といたしまして、まず第一点は、サミットとは異なり、専門家や実務家が集い、地球温暖化について専門的知見に基づきまして、危機的状況を認識した上で具体的、実践的な議論を行ったこと、二点目といたしまして、気温上昇、水不足、自然災害など温暖化に伴う影響が深刻になる中で、温室効果ガスの削減を行います緩和策に加えて、C40として初めて温暖化から人間社会を守る適応策について重点的に議論したこと、この二つが挙げられます。
○木内委員 非常に重要な答弁がありまして、温室効果ガスの削減を行う緩和策に加えて、C40としては初めて温暖化から人間社会を守る適応策という具体的な、新たなステージでの議論が始まったと、こう考えるわけであります。
申し上げた適応策ということにつきましては、かねてから私ども都議会公明党がこの実施と推進を強く提言してきたところでありまして、昨年の第四回の議会の定例会におきましても、我が党の藤井一議員が指摘をしてきていることはご存じのとおりであります。具体的には、気温上昇や水不足、洪水などいずれも相互に関連をする、しかも都民生活の安全・安心に深くかかわる問題であるという、こういう側面があるのであります。
知事の提唱でありますけれども、議会での我が党のこうした発信と見解を踏まえて、今回の会議の提唱をされたことだと、こういうふうに思うのであります。
そこで、申し上げた適応策ということなんですけれども、今回の会議でこの重要性についてどのように認識されたのか、これも大事な部分なのでお答えください。
○猪熊外務部長 基調講演を行いました気候変動における政府間パネル、いわゆるIPCCの適応作業部会、前議長のマーティン・パリー博士によりますと、気温の上昇、海面の上昇、あるいは北半球の積雪面積の減少などのデータから、地球の温暖化という現象はもう明白であり、この問題は将来の話ではなく今現在の問題であること。それから、例えば二〇五〇年までに五〇%の温室効果ガス削減をしてもなお、二一〇〇年には平均二度の気温上昇、削減しない場合は平均四度の気温上昇が見込まれるなど、削減努力だけでは気候変動の影響を回避できないこと。そして、このため、温室効果ガス削減策と適応策を効果的に組み合わせて、リスクを低減することが必要であることなどの認識が示されました。
○木内委員 ですから、旧来の議論でありました、いわゆる削減努力の分野だけに議論がとどまっていては決してもう十分ではないと。やはり適応策との相関関係といいますか、相互の一体的な施策の推進によって温暖化を防止していくんだという、恐らくこういう新しい議論のスタートであったであろうと、こう思われるわけであります。
そして、今いわれたマーティン・パリー博士の認識というのは、まさに私どもの主張と軌を一にするものでありまして、IPCCは、気候変動に対する知識の普及や対策の基盤を築いたということに対して、昨年、ノーベル平和賞を受賞した団体であり、世界世論の中で相当にオーソライズされている、こうした立場からの発信であったと私は思うわけでありますけれども、そうした団体でもありました。そこでの適応作業部会議長を務めていた博士により私どもの見解が裏づけられた形となったことに、私は非常に意を強くするものであります。
さて、都市の実務者の立場にあっては、こうした認識を共有したとき、地球温暖化による都市への主な影響として、パリー博士が指摘した、例えば猛暑、水の確保、洪水などの課題ごとに分かれて、各都市が直面する危機やその対策について討議が行われ、今後に継続されていくということで、非常に重要だと思うんです。
それで、話し合われた内容は、それぞれ今後、私どもの東京都政においても大きな議論のばねになるところだと思いますし、五つのセッションを設けて討議をされたということでありますけれども、これも改めて明らかにしていただきたいと思います。
○遠藤政策部長 今回の東京会議におきましては、気候変動の進行に伴い喫緊の対応が必要と予測される分野ごとに、都市の気温上昇、水不足、自然災害、食糧問題、その他の重要事項の五つのセッションに分かれまして討議を行いました。
都市の気温上昇のセッションでは、ヒートアイランドを抑制するためのエネルギー使用の削減、緑の拡大と保全に関する取り組みなど都市の気温上昇の抑制策等につきまして、水不足のセッションにつきましては、漏水防止対策や水源林の保全に関する取り組みのほか、下水処理水などの再生水活用を初めとした水資源の保全、有効活用策等について討議が行われました。自然災害のセッションでは、海面上昇等に伴いリスクが増大している高潮等の自然災害の脅威に対する治水・洪水対策、災害時における都市の防災対策につきまして、食糧問題のセッションでは、食品の輸送等で排出したCO2量を表示するフードマイレージの活用による市民の意識啓発、地場食材の消費拡大策、都市農園を活用した都市農業のあり方などについて、最後のその他の重要課題のセッションにおきましては、ヨーロッパを中心として多数の死者を出した熱波被害、デング熱などの蚊を媒介とした感染症の増加等に関する健康問題のほか、環境破壊により住居や土地を失ってしまう、いわゆる環境難民の問題などについて議論をされたところでございます。
いずれのセッションにおきましても、各都市から先進的な取り組みが紹介され、活発な意見交換が行われたところでございます。
○木内委員 今詳しく伺いますと、五つのセッションで、とりわけ〔1〕から〔4〕までの具体的事例については、都政と非常に密接不可分な関係どころか、まさにそのものであるという認識を強くいたします。
緑の拡大と保全に関する取り組み、いわゆる都市における気温上昇への適応策、それから漏水防止対策や水源林の保全も、東京ではまさに喫緊の危急な課題であります。さらに自然災害は、ここに大沢委員もおられますけれども、私ども江東区でありますけれども、ゼロメートル地帯と昔からいわれてきている。水位の上昇があれば、高潮対策等、現状では極めて不十分な事態になることは、何も私どもの地域だけではなくて東京全体の課題であるわけであります。それから、さらに食糧問題では、地場食材の消費拡大策、あるいは都市農園を活用した、いわゆる都市農業のあり方など、これはまさにイコールの東京の抱える課題でございます。
ご説明で各セッションの概要はよく理解できるわけでありますけれども、日本では温暖化問題というのは、ともすれば遠い世界の話であるかのような概念的、観念的なとらえ方をされる傾向にあったわけでありますけれども、こうした議論を通じて、都民の皆様も、地球温暖化の問題というのは何も違う世界の話ではないと、まさに日常的な私たちの生活とその現場をどう守るかという議論なんだということを理解されると思うのであります。快適に生活できるはずの東京などの大都市が、実は気候変動に対して脆弱であるという、そうした現実というものが国際世論やこういうアカデミックな研究の場で明らかになってきたという、この会議の意義は非常に大きいと思うのであります。
しこうして、地球温暖化問題は、これまで緩和策ばかりが目について、目が行きがちであったわけでありますけれども、申し上げるように適応策についても緩和策と同様に取り組んでいかなければ、重大な手おくれになるということではないかと思うのであります。
これまで東京では、高潮による被害が多く発生してきました。とりわけ昭和二十四年のキティ台風では、重ねて申し上げますけれども、江東区を初めとした隅田川以東の東部低地域において多数の死者と広範囲に及ぶ浸水を記録するなど、過去幾度となく大規模な水害を経験してきているのであります。だからこそ、多くの区民、都民は、最近の気候変動による海面上昇に伴う高潮災害等の発生予測の情報等にも常に大きな不安を抱いており、また敏感にもなっているのであります。
したがって、治水対策等をテーマとした第三セッションの今ご説明のあった会議内容については、私としてもとりわけ重大な関心を持たざるを得ないのであります。
そこで、端的にお尋ねしますけれども、自然災害関連のセッションで議論された先進事例の内容等、どういった発言があったのか、また今後に生かすのか、ぜひご報告を願います。
○遠藤政策部長 海外都市からの事例発表が行われまして、まず、典型的なデルタ地帯に位置するロッテルダム市、オランダですけれども、こちらからは、デルタ地域における堰、堤防の建設や浸水に強い耐水性建築物の普及などを含む総合的な治水対策につきまして報告がありました。
また、ロンドン市からは、今後の気候変動に伴う海面上昇の予測を踏まえまして、西暦二一〇〇年までの長期的なスパンにおきますテムズ川河口を中心とした洪水リスクの予測に基づく治水対策、テムズエスチュアリー二一〇〇、テムズ河口という意味でございますが、この計画について紹介をなされました。
その他、海外都市では、ニューヨーク、ジャカルタからも、増大する洪水の危険に対しまして、それぞれ総合的な対応策を講じているという報告がございました。
なお、東京からも報告をいたしまして、まちづくりと一体となったスーパー堤防の建設や、避難経路を示したハザードマップの作成に係る取り組みを紹介いたしまして、各都市からの質疑応答などによりまして活発な情報交換がなされたところでございます。
○木内委員 類似した都市構造、あるいは地球温暖化に対するさまざまな対応というものが意見交換の中で明らかになった。今後、こうしたいわゆる先進事例等、他都市もそうでありましょうけれども、東京都としてもしっかりこれを受けとめて、先進的事例としてこれを採用し導入して、都民の安心・安全のまちづくりに向けて、局横断的な対応というものをしっかり進めていただきたいし、このことを私はきょう強く申し上げるわけでありますけれども、後にまた吉川局長から総合的な見解を求めたいと思うのでありますけれども、各セッションの中でも、この部門の議論を、今後しっかりと行政に生かしていただきたいということを申し上げたいと思います。海外においても同じような課題を抱えているんだということがわかった。
これまでも都は、洪水や高潮に対処するため、総合的な治水対策を講じてきているところでありますけれども、しかしこのまま放置をいたしますと、温暖化によりまして既存の備えを上回る災害が発生する懸念がある。例えば降雨、時間雨量五〇ミリ以上という対策をさまざまな分野で行ってきているけれども、これを優に凌駕する雨水というものが東京に襲来をしている事実というものがあるわけでありまして、既存の概念だけではなかなか対処できない事態にもなってきているわけであります。
なお、具体的な事業につきましては、これは建設局や、あるいは港湾局等の実施、所管になっておりますので、きょうはあえて個別具体の施策については言及をいたしませんけれども、ぜひとも精力的な取り組みを知事本局としてもお願いをしたい。
地球温暖化に伴う海面上昇などの影響に対しまして、東京都はインフラ面での対処もまた重要課題となっているわけでありまして、技術職としてより広い立場から調整を行っておられる知事本局次長にも、この際ぜひ答弁を、この点から願いたいと思うのであります。
○河島次長 私も二日間にわたりましてこの会議に参加をいたしましたけれども、今回の会議を通じまして、地球温暖化が今現在の問題であることを改めて強く実感をいたしました。今後、東京の都市インフラの整備を考える際に、気候変動の影響をしっかりと意識しながら検討することが欠かせない視点となるとの感を強くした次第でございます。
例えば、現在、東京港の防潮堤などの施設は、伊勢湾台風級の台風による高潮にも対応できる、極めて安全性の高い水準で整備されておるわけでございますが、平常時の海面自体の上昇が生じますと、結果として安全性が低下することも予想されるわけでございます。
こうした問題のリスク管理につきまして、第一日目のシンポジウムにおきまして、NASAのゴダード研究所のローゼンツバイク博士は、気候変動により生じるリスクを的確に把握し、段階に応じた柔軟な適応策を講じていくことが重要であるというふうに指摘をされました。これは大変現実的で説得力のある見解でございまして、東京都の高潮対策についていうならば、現在の高度な整備水準で着実な整備を進めるとともに、今のうちから気候変動に備えた次の段階の適応策を検討することの必要性を示唆したものであるというふうに理解することができます。
このような取り組みの必要性は、水道、下水道、河川、港湾など気候変動の影響を受けると考えられる種々の都市インフラに共通するものでございまして、都は今後、最新の科学的知見や技術を幅広く吸収、活用することによりまして、また、庁内の技術職員の持てる力も十分に発揮いたしまして、気候変動に対しても十分な備えを有する環境先進都市となることを目指していきたいというふうに考えているところでございます。
○木内委員 次長、大変詳しくお聞きできてよかったと思っておりますが、ちょっと確認でもう一回教えてください。
一つは、これまで都市インフラの整備をやってきたけれども、今、安全性のリスクというご発言があって、これは従来型の基準に基づいた整備をやっていっても、なお今後の気候変動等における環境変化によって、耐えざる状況が出てくるという想定が一つであるかなというご発言だったと。確認で結構です。
それからもう一つは、今NASAの発言の中でいわれた、段階に応じた適応策という話がありました。これはどういうことでしょうか。気候変化あるいは温暖化の進捗といいますか、深刻さの度合いによって、環境というものは悪化していく可能性があると。そのステージといいますか、レベルに応じた適応策をその都度講ずる必要があるという意味でとってよろしいのか。簡単に、恐縮だけれどもお願いします。
○河島次長 今ご指摘のように、気候変動による影響というものがさまざまな形で予測をされております。また、現況のデータにつきましても、各地域においてそれぞれいろいろな形で収集をされ、そしてまたその要因分析などを行って予測が行われているわけでございますけれども、それは非常に幅のある話でございまして、また将来、相当長期にわたった予測として出された結果が、果たしてそれがそのとおりになるのか。今後のCO2緩和策がどのくらい進むことによってどのくらい変動するか、これは今の段階で一つの数値として固定することはなかなか難しい。
ですから、この適応策を論じる場合に、やはり現状の状況の変化というものを的確にモニターして、それを把握して、そしてCO2の排出の状況などを踏まえつつ、またそのメカニズムもよく分析しながら、その時点での最新の技術的な知見によって予想し、ある程度その少し先の、例えば十年タームなら十年タームでの予測をし、それに応じたまず第一の適応策を行うと。それによってしばらく対応した状態の中で、また新たなデータが得られ、また新たな変化を把握できる。そうしたらその次に、また次の第二段階がある。やはりそういうふうに、段階的に適応策の場合にはやっていくということが、そういうふうにしないと、将来、非常に危機的な状況だということに対応して、いかにも過大な対応を今からやらなきゃいけないと、これが現実的に本当にできるかと、またそれが本当に得策かというようなことも含めまして、やはり段階的に将来の変化を把握しながら、適切に、段階ごとに対処すべき少し先の変化を予測して対応を行うと、このようなことをやることがとても重要な対処の仕方であると、こんなようなお話をお聞かせいただいたというふうに理解しております。こういったことが東京都の施策においても、今後非常に重要な視点になるのではないかなというふうに考えております。
○木内委員 極めてわかりやすい的確なご説明をいただいて恐縮しています。
もう答弁は結構ですけれども、そうしますと、「十年後の東京」、いみじくも十年ごとのタームという、今ご発言もあったわけでありまして、今後、やはり都市インフラの整備を考える際に、先ほどのご答弁ともダブりますけれども、気候変動の影響というものを必ず想定した上での、そうした側面を持ったまちづくり、行政計画というものが必要になってくるであろう、こう思います。これは都政における新たな課題ではないかと思いますので、精力的な取り組みを要望させていただきます。要望にとどめさせていただきます。
いずれにしましても、海外の事例などもよく調査をして、都にとって最適な対策というものをこうした行政計画に反映をしていくことが重要であろう。せっかく世界の各都市から多くの方々が集まり討議をし、人的にも技術的にも新しい交流の場が深められ、設けられたわけでありますので、こうした貴重な人的財産ともいうべきネットワークを、今後とも東京都総体の意思として生かしていく必要があるであろうと。これは大変ロマンに満ちた、また深刻で重大な決意を持っていただいて、新しい展望のもとで進めていただきたい。これに類似した発言は、よく吉川局長が個人的な懇談の中でおっしゃるわけでありますけれども、夢と希望を持って頑張っていただきたいわけであります。
そして、今回の会議を会議だけに終わらせるのではなくて、各分野の対策をそれぞれに進展させるための具体的な方針というものも、やはり明らかにする必要があるであろうと。どう頑張っていかれるか答弁を求めます。
○猪熊外務部長 今回の会議では、各都市が培ってきた技術や経験を互いに学び合うとともに、課題を共有する都市間で取り組む十三の共同行動を設定いたしまして、共通の取り組みを進めていくということで合意いたしました。
東京都は、環境先進都市としてリーダーシップを発揮するため、このうち九つの共同行動の幹事都市となっておりまして、今後、都庁各局がおのおのの共同行動を推進していくこととなっております。会議で築きました実務者レベルのネットワークを生かしながら、それぞれの共同行動を具体的に進めまして、その進捗を来年のソウルサミットで報告してまいりたいと存じます。
○木内委員 具体的な共同行動に合意したということは、私は偉大な一歩であると評価をさせていただきます。大きな成果が上がるようにご努力を願いたいと思います。
また、温暖化への対策を強化するためには、今回の東京会議を契機に構築したネットワークをさらにより充実、強固にしていくことが重要であると思うんです。
そこで、それぞれの共同行動に、分野別といっていいんですか、どれぐらいの都市が参加しているんですか、伺います。
○猪熊外務部長 参加都市数につきましては、十三の共同行動で延べ百三十八都市となっておりまして、一つの共同行動当たり、平均で十都市が参加しております。最大の、都市が参加した数が一番多かった共同行動は、都市を涼しく保つ省エネ、熱負荷を低減する都市づくりで、十八都市でございます。また、最小は二つございまして、森林火災の遠方監視と感染症の原因となる媒介動物の調査と対策に関する情報交換という共同行動で、四都市でございます。
○木内委員 参加都市は、例えば立地条件等を見ましても、デルタ地域や内陸部、それぞれの差異がありましたり、地形的条件から気候変動による影響というものも多種多様であると、こう思われるわけであります。異なる状況のもとでのいわゆる対応ということになるんだと思うんです。難しい問題もあると思いますけれども、今後とも共同行動の輪を広げるため、各都市に対して、東京都からもしっかり、また力強く呼びかけをしていただくことが必要なんじゃないかと思うわけであります。
知事は、都市の力で国家を先導していくということを常々いわれているわけでありますけれども、こうした都市の具体的な取り組みというものを国レベルの取り組みにつなげていくということも重要だと思うんです。
そこで、私は申し上げたいのでありますけれども、今回の会議の成果を踏まえて、京都議定書の位置づけなどいろいろな内包する課題もあると思いますけれども、C40の力で世界を動かしていく、そうしたいわゆる世界世論を構築していくというベクトルも、重要なてことして考えたらよいのではないかと、こういう提案を申し上げるわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○猪熊外務部長 温室効果ガスの排出削減に向けましては、国際社会の連携や国家の役割が非常に重要ですが、京都議定書においてもさまざまな課題があり、国家間の取り組みが遅々として進んでいない状況にございます。
今回の会議で、知事は、C40議長でありますトロント市長、デビッド・ミラー市長に対しまして、国家レベルの会議で都市の取り組みをアピールすべきであるという要請を行っております。京都議定書に続く二〇一三年以降の枠組みが決まります来年のコペンハーゲンの気候変動枠組条約締結会議にC40参加都市の意向を反映できるように、C40の代表の派遣実現に向けまして、都として働きかけを行ってまいります。
○木内委員 これは猪熊さん、地味な議論だけど、人類的課題に立ち向かうという大きな仕事でもありますので、ご努力いただきたいし、今、提案の形で申し上げましたが、粛々淡々とご答弁いただいてそのとおりなんだけど、補足する意味で総合的に、まだ結構ですが、吉川局長のときに、私が申し上げた意味をよく踏まえてご答弁を願えればと思うのであります。
今回の東京会議は大きな成果を上げたと理解しておりますけれども、環境対策ということでいえば、都民の支持が非常に重要でありまして、今後の具体的な施策を円滑に進めるためにも、地球温暖化の危機が迫っていて、これに対してさまざまな分野で対策が重要であるという問題意識、しっかりとPRしていただいて、都民の方々にわかりやすく示していくことも重要だと思うのであります。
そして、ぜひ私は、今回の東京会議の内容というものを積極的に都民の皆さんに周知をしていくと。あらゆる機会を通じて理解を求めていく。大変大事なことだと申し上げたいんですが、いかがでしょうか。
○猪熊外務部長 今回の会議につきましては、既に開設しておりますC40専用のホームページを活用いたしまして、できるだけ早い時期にわかりやすく会議の概要を示してまいります。
また、会議について報告書を取りまとめ、参加都市のみならず、環境問題に先駆的に取り組む企業や団体にも配布をしてまいります。さらに、都の提供するテレビ番組などにおいて取り上げていくことなども検討していきたいと存じます。
○木内委員 最後に、都庁の各局事業にまたがる今回のC40気候変動東京会議の責任者として、会議を取り仕切った知事本局長、先ほどの提案も踏まえて、今後への取り組みについて述べていただければと思います。
○吉川知事本局長 今回の東京会議というのは、石原知事の、私は前職が環境局長ですので、地球温暖化に対する強い強い危機意識、これに基づいて実施した、それも単なる意識を共有するというのではなくて、実務者が参加をして具体的な行動に結びつけようという適応策について、世界で初めて開催した国際会議だと思っております。
今回の会議を開催してみて、私、直接、先ほど来お話のあった基調講演をされたマーティン・パリー博士であるとか、C40の議長に、ロンドン市長であったリビングストンから、今回の会議を機に議長に就任されたトロント市長のデビッド・ミラー氏といろんなコミュニケーションをしましたが、この二人にとどまらず、今回の東京会議というのは、次長も話しましたローゼンツバイクであるとか、東大の山本良一教授じゃないですけれども、いずれにしましても温暖化の国内外を代表する大変有識者の方々に集まっていただいて、共通項で理解し合ったのは、世界の人口の約五割が都市に住んでいるということになると、それに比例してかなりの大量のCO2を都市が排出しているんだと。かつ世界、例えばアメリカを見ても、連邦は動きがない。ところが、カリフォルニアではないですけれども、アメリカでも州段階では行動を起こしている州がある。東京はご案内のとおり、第二回定例会でキャップ・アンド・トレード条例を既に可決しているわけですが、そういう意味で、都市が引っ張らなければ緩和策も適応策も解決しないんだという共通認識が強く強く図られた。
それから、今回参加されたのは三十一都市ですけれども、その実務者の方々と十三の共同行動をとっていこうではないかということについて合意をしたと。
私は、環境局長のとき常々思っていたのは、環境問題を開いていくためには、技術と仕組みと意識がキーワードだなと。技術と仕組みと意識だというふうに思いました。具体的にいうと、技術というのは、日本は世界に誇る環境技術を持っているわけで、これをどう生かすか。それから、仕組みについては、キャップ・アンド・トレードではないですけれども、きちっとした新たな仕組みをつくらないとだめだ。
そういう意味では、今回の東京会議で、東京を入れて三十二都市が、先生、先ほど確認されていたように、いろんな共同行動事項で参加都市数は変わりますけれども、いずれにしても十三項目の共同行動をとっていこうと。来年のソウルサミットに向けて、きちっと答えというか、報告を持ってこようよと。
COPの世界大会に向けては、そこの点が、先生の、吉川、おまえ答えろよといったお話ですが、実はこれは非公式な話かもしれませんが、知事はC40のデビッド・ミラーと一対一で面会をしたとき、強く強くデビッド・ミラー議長に迫りました。これは都市が引っ張るんだという考え方からすれば、まずはあなたがC40の議長なんだから、世界で政府レベルの会議があるときには、都市の代表としてあなた自身が行動してくれというふうに強く迫っておりましたが、そのデビッド・ミラー市長は基本的にはそれについては賛成されておりました。そういう意味で、私ども東京もそういった動きについて、当然、今回の東京会議の会議開催都市でもありますから、それを促進するというんでしょうか、一緒に共同歩調をとっていくというような方向で今後行動すると思います。
最終的には、僕が技術と仕組みといった、最後の意識の問題でありますが、これは先生のお話を伺っていても、今回やった会議で東京都の職員は大いに学んだと思います。この意識を都の職員から都民もしくは国民もしくは世界に発信するように、うまく会議の成果を取りまとめて発信していきたいなというのが私の総括でございます。
いずれにしましても、今回の東京会議を経て、緩和策だけではなくて適応策もあわせて、これは多くの局が一緒に取り組まないと成果は上がりません。そういう意味では、私どもの知事本局が先頭に立って、都庁全体で総合的な対応を図るように取り組んでいって、実は環境というキーワードはオリンピズムの一つであります。ですから、二〇一六年東京オリンピックを招致する上でも、環境の取り組みは極めて大事だと思っておりますので、引き続き精力的に取り組んでまいります。
○松村委員 「十年後の東京」について伺います。
今、世界的な金融市場の混乱が起き、金融不安が広がっています。石原知事が目指す「十年後の東京」、その主要な姿は、水と緑と回廊で包まれたとか、それから世界で最も環境負荷の少ない都市ということも描かれておりますけれども、私はその主要な姿は、三環状道路の整備や都市再生の名による大型開発で、国際競争力の回復、そして世界の都市間競争に打ち勝てる東京の姿が描かれているというふうに思うんです。
しかし、都市再生などでやってきた都心の再開発、例えば防衛庁の跡地開発など、これは外資系ファンドによる億単位のお金が動くような形の再開発があちらこちらというか、やられてきたわけですけれども、こうしたやり方が、今の世界的な金融市場の混乱や、そういう仕組みそのものが破綻してきているということが明白だと思うんです。
そこで、「十年後の東京」についても、考え方というか、基本的なことだけを今回聞いておくんですけれども、まず知事本局は、現在の経済情勢をどのように認識しているのかをお尋ねしたいと思います。
○松浦計画調整部長 現在の経済情勢についてですが、いわゆるサブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱は世界じゅうに広がりまして、米国の大手証券会社の破綻という事態までに至っております。また、巨大な投機マネーが原油や食糧等の高騰を引き起こすなど、景気後退とインフレの危機にさらされていることは、さきの第三回都議会定例会の所信表明で知事が述べたとおりでございます。
その後も金融市場の混乱はおさまることなく、日本の株式市場においても、バブル崩壊後最悪値を記録するとともに、実体経済におきましても、十月の月例経済報告が、我が国経済の基調判断を景気は弱まっているとするなど、現在の日本の経済情勢は一層厳しさを増していると認識しております。
○松村委員 そのような景気の悪化の中で、従来からの貧困の打開がないまま都民生活は苦境を迎えておりますし、今までのような「十年後の東京」がベースにしているオリンピック、三環状道路を中心とした、そういう大型開発から、都民の暮らしや福祉を優先にすべきだというふうに我が党は考えますが、十年後、その実行プログラムの改定というのでなくて、そういう立場ならば、策定時の前提というか状況そのものが変化してきているわけですから、それを受けて「十年後の東京」そのものを、今いいましたように都民の福祉や暮らし優先の計画にすべきではないかと。そのもとを変えなくて実行プログラムの改定というのは、今日のそういう経済情勢や都民の暮らしの実態からいって、私はそぐわないんじゃないかというふうに思いますけれども、その点ではいかがでしょうか。
○松浦計画調整部長 「十年後の東京」は、都がこれまで進めてきました先駆的な取り組みをさらに発展させ、東京が近未来に向け、都市インフラだけでなく、環境、安全、生活、文化、観光、産業など、さまざまな分野でより高いレベルの成長を遂げていく姿と、それに向けました政策展開の方向性を都市戦略として示したものです。
例えば福祉施策については、今後、都民の四人に一人が高齢者となる超高齢社会が到来することを踏まえ、最先端技術の活用や多様な主体との連携強化を図りながら、認知症高齢者三十万人の大幅抑制、障害者雇用三万人の創出、待機児童五千人の解消など、具体的な目標とその実現に向けた多面的な政策を展開しております。
したがいまして、「十年後の東京」は都の長期ビジョンとして改定の必要はないと考えており、さまざまな状況の変化や都民の新たなニーズへの対応については、実行プログラム改定の中で対応してまいります。
○松村委員 これまでも繰り返しそういう点では質疑してきましたので、ここでは述べませんけれども、確かに今ご答弁にあったように、認知症高齢者の三十万人の大幅抑制とか、障害者雇用とか、待機児童の解消などがあります。しかし、極めて幅狭いというか、やはり都民のニーズというか、都民の実態からすれば、大変解決が図られるべき課題があるわけですけれども、それがなぜ受けとめられないかといったら、私がさっき、十年後の目指す姿というのが、我々がいってきているように、オリンピックをてこに三環状と、三環状ができればバラ色のような形の中の大型開発優先と。しかも、限られた財政の中では、先ほどいいました、そういう経済構造の中の外資系のファンドだとか、さまざまなそういうものを前提としなければ成り立たないような計画にあるということを、どうしても私たちは見ざるを得ないというか、指摘せざるを得ないというふうに思うんです。
そこでもう一つ、今、都民の暮らしは本当に大変な状況で、我々が行った都民アンケートでもそういうのが示されて、我々もそういう認識を新たにしているわけですけれども、この実行プログラムの改定に当たって、石原知事が示した策定方針には、都民の間に生じた新たなニーズや時代の変化に的確に対応するため、機動的、戦略的に施策を展開しなければならないとしています。
それなら、都民の暮らしを最優先にした実行プログラムをつくっていくべきじゃないかというふうに思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○松浦計画調整部長 「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九、これは仮称でございますが、二〇〇九の策定に当たりましては、二〇〇八策定以降のさまざまな状況変化を踏まえまして、都民の間に生じた新たなニーズや時代の変化に的確に対応するため、機動的、戦略的に施策を展開する必要があると考えております。
そこで、これまでの施策の検証や新たな課題への対応を踏まえ改定する予定にしておりまして、さきの第三回都議会定例会で成立した補正予算に係る四つの緊急対策や、現下の経済情勢なども踏まえまして、各局と意見交換の上、改定作業を進めてまいります。
○松村委員 この補正予算も、我が党は、新銀行の対応に大半を使うのではなくて、こういう財源をしっかりと都民に振り向ける。そしてまた、オリンピックで今積んでいる基金、これも既に三千億円を超えておりますけれども、この一千億円を取り崩して対応するだけでも、我々としては、例えば暮らしが大変な家庭に月五千円の生活応援手当を支給する。これは三百六十億、我々の試算ではかかるんですけれども、それから都民税減税とか固定資産税などの減税、またシルバーパスの対象者を拡大するとか、中小企業への融資を拡充する等々、一千四百億円でこれだけのものができるんだということの対案をもって臨んだわけでありますけれども、ぜひ、石原知事が都民の間に生じたそういうニーズ、これに的確にこたえるんだというならば、そういう視点からも実行プログラムに、各局とも連携しながら、調整しながら、実らせていくべきだということを最後に申しまして、終わります。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本局関係を終わります。
○馬場委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
これより事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○矢口選挙管理委員会事務局長 去る十月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の資料、参議院議員選挙における開票作業時間の表紙をおめくりください。この表は、平成十九年七月二十九日に執行しました参議院議員選挙におけます選挙区及び比例代表の開票作業時間につきまして、区市町村別にお示ししたものでございます。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○伊藤委員 それでは質疑させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
まず初めに、いただきました資料に基づいての開票作業の時間について質疑したいと思いますが、その前に一問お伺いをしたいというふうに思います。
この質問に当たっては、〇六年の、二年前の総務委員会の事務事業の質疑でも行わせていただいた件でありますけれども、実はことしは総選挙も予想されていましたが、特に大型の選挙のときに、私の地元の方からも何人かからいわれたことでありますけれども、最近は、特に目黒区は女性のひとり暮らしの多い地域でありまして、そういう方々がマンションに暮らしたときに、表札に自分自身の名前を防犯上という観点からも出されないというケースが、最近は特にふえているということであります。
一般的には郵便物は、今は郵便局員といわずに、郵便事業株式会社の方々が、どの方が住んでいらっしゃるかということを把握されておりますので、表札がなくても投函するということのようですけれども、選挙になりますと、どうしても投票所の入場券という、他人の手に渡ってはならないという非常に大事な郵便物を届けるという使命感から、表示がないお宅については投函をためらう従業員の方もいらっしゃるということのようでございまして、中には、それがゆえに、あてどころがなかったということで、この投票所の入場券が届かずに、有権者の方が自分自身は投票できないと思い込んで投票に行かれないというケースもあるようでございます。
前回も、目黒区及びほかの市区町村、そのようにあてどころがないということで還付された件数について調べていただいたわけでありまして、当時の目黒区選挙管理委員会からの報告によりますと、発送したのが十三万一千件余りでありまして、そのうち還付されて返ってきてしまったのは千五百十八件であったということでありますから、およそ一%、百件に一件ぐらいが、あてどころがなかった、あるいは転居先が不明で投函できなかったということでございました。
そこで、その当時、こうした返ってきてしまう投票所の入場券の対応策として都に伺ったところ、極力、市区町村に対しては有権者のもとに届くように助言をしていくんだという、こういう答弁でありました。二年たって、この間、知事選挙などもありましたので、対策の結果を伺ってまいりたい、こう思うわけでありますけれども、把握をした結果、平成十九年の知事選挙時の状況はどうだったのかということをお答えいただきたいと思います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 投票所入場券についてのお尋ねでございますが、今、副委員長のお話がありました平成十七年に行われました都議会議員選挙について、選挙人に送付しました投票所入場券に対しまして返送された数を調査した結果、その割合は約一・〇%でございました。同じように、平成十九年の都知事選挙につきまして調べました結果、その割合は約一・一%でございました。
これまで都選管といたしましては、投票所入場券につきましては、選挙人のもとに確実に配達されますよう、選挙時の事務説明会におきまして区市町村選挙管理委員会にお願いしますとともに、郵便事業株式会社との意見交換を行ってきたところでございます。引き続き、投票所入場券につきましては確実に配達されるよう努めてまいります。
○伊藤委員 前回の都議会議員選挙のときが還付率一%で、今回の知事選挙は一・一%ということなので、〇・一%還付率がふえてしまったということでありまして、どんなに頑張っても、このパーセンテージでいくと投票率は九九%にしかならないということでありまして、一%の方々のお宅にはこの入場券が届かないということでありますので、今後とも、特に郵便事業株式会社との意見交換を図っていただいて、配達員の方に意識高く配達をしていただくようにお願い申し上げたいということを申し述べておきたいと思います。
それでは、開票の作業の迅速化についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
公職選挙法の第六条の二項の中には、いうまでもなく、「中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、選挙の結果を選挙人に対してすみやかに知らせるように努めなければならない。」と、こう法の規定があるわけでありますけれども、しかし、実際にそれぞれの市区町村の取り組みを見ますと、一時間というだけではなくて、二時間、三時間の開票作業時間の幅があるわけでございます。
例えば、平成十九年の東京都知事選挙で見ますと、最も早い千代田区では一時間十五分でありますけれども、世田谷区では四時間十五分ということで、三時間の幅があるということでございます。
この法に規定をされているとおり、有権者もいち早く結果を知りたいという思いもありますので、この点についてお伺いをしていきたいというふうに思うんですけれども、まずは都選管では、市区町村が共通して行う選挙の開票作業時間の比較検討を行っていると思いますけれども、例えばわかりやすく、平成十六年と十九年の参議院議員選挙においては、候補者数もさして変わりませんので、特に共通して早かった自治体、著しく短縮された自治体はあるのか、比較検討したのかお伺いをしたいと思います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 お手元に平成十九年の参議院議員選挙の開票作業時間をお配りしてございますけれども、選挙区の開票に要した時間を区市町村別に単純に割り返した時間数を調べますと、三時間二十六分でございました。同様に、平成十六年の参議院議員選の選挙区を調べますと三時間三十一分でございました。また、平成十六年と十九年ともに開票作業時間が短かった自治体には、府中市や多摩市などがあります。特に、平成十六年と比べまして、十九年の参議院議員選挙で開業時間を大きく短縮した自治体には、江東区を挙げることができます。
○伊藤委員 こうやって何年分か見ていくと非常におもしろいんですけれども、今回、平成十九年の参議院選挙の一覧も出していただきました。手元の資料は順位がついていないと思いますが、私の方では、時間の早かった順でランキングを出していただいたと、こういうことでありますけれども、実は平成十六年の参議院選挙も、十九年の都知事選挙も、十九年の参議院選挙も、すべて一位だった区というのが千代田区でございます。
千代田区の場合は、ご案内のとおり、人口がほかの市区町村に比べても少ないというところがあったんだろうと思いますが、それ以外でも実は傾向がはっきりしていまして、例えば、平成十六年の参議院選挙の比例区部分で二位だったのは墨田区でありますが、同様に、選挙区部分でも五位であったりとか、あるいはその後、三年後の参議院選挙でも、やはり同様に参議院の比例区部分では墨田区二位と、選挙区では六位ということであります。
そういう意味では、上位に来ている行政区というのは常に上位に来、府中市、多摩市というのは特段に早い自治体だということが見てとれるわけでありますけれども、そして、東京都の役割としては、開票作業の迅速化を図るために、それぞれのこうした優秀な開票作業が早い自治体の取り組み状況というものを情報提供する必要が、他の自治体に対してあるのではないかというふうに思うんですけれども、平成十九年執行の都知事選挙の開票作業が早かった自治体を研究されたのかどうか、お伺いしたいと思います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 昨年執行されました都知事選挙におきましては、府中市と多摩市がともに一時間前後で、迅速に開票作業を終了しているところでございます。また、本年二月に実施されました府中市長選挙を都選管では視察しまして、開票作業の状況を把握したところでございます。また、平成十九年の参議院議員選挙で開業時間を大幅に短縮しました江東区につきましては、時間短縮ができた理由や特に工夫した点などにつきまして意見交換を行い、開票の迅速化の取り組みなどについて把握したところでございます。
○伊藤委員 今、江東区のお話に触れていただきましたので、ちょっとご紹介したいと思うんですけれども、特にきょうは江東区選出の委員もお二人いらっしゃいますので、ご紹介申し上げたいと思います。
平成十六年執行の参議院議員選挙でありますけれども、四年前の参議院議員選挙のときには、江東区は、選挙区も、それから比例区も、二十三区の中で十七位と十四位ということで、真ん中よりも下でありましたけれども、東京都知事選挙でもなお二十二位という低迷をされていたわけですけれども、その後の平成十九年、去年の参議院選挙、都知事選挙から、わずかにどれぐらいなんでしょうか、数カ月後の参議院選挙では、選挙区部分で九位になり、そして比例区部分では実は三位という好成績に変わりました。
ですから、恐らくこの間に江東区はさまざまな工夫というものを図ったのではないかということを思いますと、府中市などは、実は昭和四十二年から、当時三十二歳だった弁護士さんの選挙管理委員長がどうもリーダーシップを発揮されたということがございまして、もう四十年ぐらいの開票作業に対する熱心な取り組みの歴史があるようでございます。
そういう意味では、選挙管理委員会の中の一つのスピリットになっていると思いますが、江東区ではそういう意味では、最近こういう工夫というものを特にされたという意味では、研究の対象としては非常にいいんではないかなというふうに思うんですけれども、平成二十年二月に行われた府中市長選挙の開票作業を視察されたということでしたが、具体的な取り組みというものを、視察の結果としてどういうふうに受けとめられたのかということをお伺いしたいと思います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 府中市の開票作業におきましては、例えば、いすを置かずにすべて立って作業を行うこと、あるいは作業台の高さを作業しやすい高さにかえるなどの具体的な取り組みの工夫が見られております。また、開票を迅速に行おうとする市職員の意識が大変高く、そのため、それぞれの職員の動作にむだがないことや、当初の割り当て作業が終了すると速やかに次の作業へ取り組むなど、府中市におきましては、長年にわたる工夫と努力の積み重ねによります迅速化に向けた取り組みがございました。
○伊藤委員 同時に、今るるお話をさせていただいた江東区の研究成果は、どのように受けとめられて周知されたんでしょうか。
○矢口選挙管理委員会事務局長 まず、先ほど述べました江東区選挙管理委員会の取り組みの事例につきましては、区市町村選挙管理委員会の職員との各種会議におきまして、開票時間が大幅に短縮されたという内容をまず周知してございます。
それから、私どもの東京都選挙管理委員会が実施しております区市町村選挙管理委員会の職員を対象とします研修におきまして、江東区の担当職員から一つ一つの具体的な取り組みについて紹介をしてもらうなど、開票の迅速化に取り組んだ参考事例の周知に努めてまいりました。
江東区におきましては、区長が率先して、百分時間を短縮するんだという大きな目標を掲げて取り組んだことが、この結果につながったと考えております。
○伊藤委員 今ご報告があったとおり、東京都知事選挙が四月にあって、そして参議院選挙が七月ですから、三カ月の間に一番大きな変化は、区長がかわられて新しい区長が就任をされたという意味では、民主党出身じゃない首長ですが、口惜しい思いもありますけれども、本当にこれは高く評価されるところではないかなというふうに思います。
ですから、一つの証左として、自治体の首長がかわって意識を高めると、職員の皆様方もこういう開票作業に対する意識が高くなって、創意工夫を凝らすことによってこれだけ時間が短縮されるということで、実は時間時間と申し上げておりますのも、一つには、もちろん早く知らせるということが大事ですが、同時に、一つの計算方法によれば、開票時間を一時間、例えば夜の十一時だったものを夜の十時までにということで短縮をしますと、四年間で大きな全国規模の選挙というのは、参議院選挙、衆議院選挙あるいはそれぞれの知事選挙、市区町村長選挙と六回あるわけですけれども、これで合わせると四十八億円ぐらいの人件費のカットができるんだという計算も一方ではありますので、コストカットの面から見ても、大いにこの迅速化というものは図られるべきだというふうに思います。
今回の江東区の研究成果というものも、あるいはまた府中市や多摩市などの取り組みの成果というものを、今後ともほかの自治体にぜひ周知をしていただき、また、それぞれの議員も地元の自治体において胸を張れるように、それぞれの取り組みというものを促していく必要があるのかなというふうに思います。
開票作業の迅速化について、最後に都選管はどのように認識されているのか伺いまして、終わりにしたいと思います。
○矢口選挙管理委員会事務局長 有権者の最も大きな関心事であります選挙結果を速やかにお知らせするためにも、開票を正確に行うことはもとより、開票の迅速化に向けた取り組みも重要であると考えてございます。
これまでも創意工夫を凝らし、作業の効率化や開票の迅速化に向けてさまざまな努力がなされてきたところでございますが、引き続き区市町村選挙管理委員会と連携を密にしまして、正確に、かつ迅速に選挙結果が得られるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時三十六分散会
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