委員長 | 酒井 大史君 |
副委員長 | 鈴木 隆道君 |
副委員長 | 花輪ともふみ君 |
理事 | 小磯 善彦君 |
理事 | 松村 友昭君 |
理事 | 林田 武君 |
後藤 雄一君 | |
山口 文江君 | |
遠藤 守君 | |
倉林 辰雄君 | |
吉野 利明君 | |
大沢 昇君 |
欠席委員 二名
出席説明員青少年・治安対策本部 | 本部長 | 久我 英一君 |
総合対策部長 | 百合 一郎君 | |
青少年対策担当部長 | 小島 昭君 | |
治安対策担当部長 | 八木沼今朝蔵君 | |
総務局 | 局長 | 押元 洋君 |
危機管理監 | 中村 晶晴君 | |
理事 | 島田幸太郎君 | |
理事 | 中井 敬三君 | |
総務部長 | 岳野 尚代君 | |
参事 | 和久井孝太郎君 | |
行政改革推進部長 | 松崎 茂君 | |
情報システム部長 | 紺野 秀之君 | |
首都大学支援部長 | 松本 義憲君 | |
主席監察員 | 齋藤 進君 | |
行政部長 | 中西 充君 | |
多摩島しょ振興担当部長 | 松本 栄一君 | |
都区制度改革担当部長 | 森 祐二郎君 | |
総合防災部長 | 石野 利幸君 | |
企画調整担当部長 | 鈴木 省五君 | |
勤労部長 | 野口 宏幸君 | |
統計部長 | 金子 優君 | |
人権部長 | 田村 初恵君 | |
国体推進部長 | 笠井 謙一君 | |
監査事務局 | 局長 | 白石弥生子君 |
参事 | 皆川 重次君 |
○酒井委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより監査事務局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○酒井委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○酒井委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○酒井委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしております。
資料について理事者の説明を求めます。
○百合総合対策部長 十月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明をさせていただきます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。
1、心の東京革命推進会議開催状況及び議題でございます。
平成十二年四月二十六日開催の第一回会議から直近までの開催状況及び議題を記載してございます。
二ページをごらんいただきたいと存じます。2、心の東京革命推進会議委員名簿でございます。
現在委嘱しております委員の氏名、団体名、役職等を記載してございます。
以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○酒井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 それでは、私から、二点に関してお伺いをしていきたいと思います。
第一点目でありますが、不法滞在または不法就労の件に関して、簡明に聞いていきますので、お答えの方も簡明にお願いしたいと思います。
都は平成十五年十月、法務省入国管理局、東京入国管理局、警視庁とともに、首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同宣言を発表いたしました。不法滞在者の半減に向けてさまざまな取り組みを行っていると聞いております。東京における来日外国人による犯罪は、平成十七年度以降二年連続で減少しており、これは各関係機関の努力の結果、また成果であると考えています。
そこでお伺いをいたしますが、全国における不法滞在者の現状について伺います。
○八木沼治安対策担当部長 不法滞在者の現状についてでございますけれども、法務省入国管理局の発表によりますと、本年一月現在、全国の不法滞在者は、推計で約二十万であります。共同宣言を発表した平成十五年に比べますと約五万人減少しております。また、昨年退去強制手続をとった外国人は約五万六千人であり、その大部分は不法就労者であるといわれております。
摘発検挙された不法滞在者は、以前多く見られた集団居住のケースがほとんどなくなり、また地方へ拡散していることなどが主な特徴となっております。
○鈴木委員 今答弁をいただいたように、状況としては数字上もそうであろうと思います。
不法滞在者の大部分は不法就労であるという答弁があったわけですが、その実態について、できれば詳しくお伺いしたいと思います。
○八木沼治安対策担当部長 不法滞在者の実態についてですが、昨年退去強制手続をとった外国人のうち、八割強に当たる約四万六千人が不法就労者であります。このことから、国内にいる不法滞在外国人の多くが不法就労していることを裏づけていると考えられます。
その主な業種としては、食品、製造及び建設業等で全体の約七六%を占めております。また、国籍別で多いのは、中国、フィリピン、韓国の順となっております。
○鈴木委員 まあ実態はそういうことでありましょう。そして、今いったようなそういう現状を踏まえて、都の取り組みについて改めて伺いたいと思います。
○八木沼治安対策担当部長 都の取り組みについてですが、都では、十八年度から、事業者に対しまして、食品、製造、建設業等を中心に、外国人の不法就労を防止するための啓発講習を実施しております。平成十八年から本年十月末までの累計で、講習回数は百七十五回、約三万二千事業者に対しまして講習を行ってまいりました。今年度は、外国人を雇用する際のポイントをわかりやすく解説したビデオやマニュアルを作成しまして講習で活用するなど、内容の充実を図っているところでございます。
このほか、留学生、就学生の違法活動を防止するために、専修学校などの教育機関に対する啓発かつ指導にも取り組んでおります。
都といたしましては、今後とも、入国管理局や警察など関係機関との連携を密にしながら、不法滞在者の減少に向けた取り組みを充実強化してまいりたいと考えております。
○鈴木委員 今答弁があったように、都が取り組みについて非常に努力しているということ、また対応に対しても、非常に私はいいというふうに思います。
しかし、私も、実は先日、うちの会社の関係の、知人の会社で、実際に働いていた数人の外国人の方が不法就労の疑いで警察に検挙されました。その外国人のことの話を聞きますと、非常にまじめで礼儀正しくて、それで、非常に親孝行というか、自分が来ている国に対しての考え方とか、そういうのも非常にしっかりしていてまじめであるということをお聞きしました。そういうまじめに働いている人でも不法就労をせざるを得ないような状況が片一方にあるということも、もう一度我々は問題意識を持たなければいけない点があると思います。
ですから、犯罪目的で入国する者には、これは厳しく対処しなければいけないと思うのですね。しかし、日本で働きたいという外国人が適正に働けるような環境というものも大変重要であるということを改めて意見として申し上げておきますので、ひとつご理解をいただければありがたいというふうに思います。
次に、二点目の中学生の職場体験についての質問に移ります。
近年、急速な社会の変化とそれに伴う価値観の多様化等から、若者を中心として働くことに対する意識が希薄になり、社会的な問題になっているというふうに感じます。こうした背景の中で、若者が自分の将来に夢や希望を抱き、その実現を目指す意欲を高め、社会性や望ましい勤労観、職業観を身につけていくことは、極めて重要であるというふうに考えます。その意味では、中学生が地域の商店、事業所等で実際に仕事を体験する職場体験は、とても意味のある活動であるととらえていくべきであると思います。
東京都では、平成十七年度より、わくわくウイーク東京として、中学生の職場体験を推進し、成果を上げていると聞いております。そこで一点目に伺いますが、この三年間、東京都は中学生の職場体験を推進してきましたが、どのように成果が上がっているのか、事業実績についてお伺いをしたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 中学生の職場体験の事業実績についてでございますけれども、東京都では、平成十七年度より、中学生の職場体験を推進するわくわくウイーク東京を実施し、ことしで三年目を迎えております。
事業の初年度であります平成十七年度は、都内公立中学校六百四十六校の四七%に当たる三百四校の中学校で、わくわくウイーク東京として中学生の職場体験を実施し、全生徒数七万二千人の六〇%に当たります約四万人の生徒が参加いたしました。
平成十八年度につきましては、都内公立中学校の七九%に当たる五百六校の中学校で職場体験を実施いたしまして、全生徒数の八六%に当たる約六万二千人の生徒が参加いたしまして、実施校、参加生徒数とも前年度を大幅に上回り、事業の拡充が図られたところでございます。
平成十九年度、今年度につきましては、年度当初の予定数でございますけれども、都内公立中学校の八五%に当たります五百四十一校の中学校で、全生徒数の九三%に当たる六万八千人の生徒がわくわくウイーク東京として中学生の職場体験を予定しておりまして、一層の充実が図られるものでございます。
○鈴木委員 三年間で職場体験の実施校、また参加生徒数とも増加をし、事業の拡充が図られたことはよくわかりました。
私は、職場体験を通して、社会経験の浅い中学生が商店や企業等で身をもって仕事の大変さを感じることがこの事業の目的であると考えています。そういう意味においては、当事者である中学生やその保護者が、職場体験を通して何を感じたかが非常に重要であると思います。中学生の職場体験を行った子どもやその保護者は、この体験を実際にどのように受け取っているのか、都の見解を伺います。
○小島青少年対策担当部長 子どもやその保護者が、どのようにこの事業を受け取ったかということでございますけれども、都では、職場体験事業の効果を総合的に評価するとともに、今後の事業のあり方の参考にするために、職場体験を行った中学生やその保護者を対象にしたアンケート調査を実施しております。
このアンケート結果によりますと、学校の授業で味わえない仕事の厳しさや楽しさを体験できたかと、こういう問いに対しまして、生徒の九八%、保護者の九四%が、できたと回答いたしまして、生徒、保護者から職場体験を肯定的に受けとめられていると考えております。
生徒の感想には、親が働いているのは当たり前と思っていたけれども、実際に働いてみるとすごく大変だったといった感想も多く、また保護者からは、任されたことをきちんと責任を持ってやり遂げる大切さを実感したようですという感想などが上げられ、職場体験を通して、生徒が、働くことの厳しさを感じるとともに、家族のために働いている保護者への感謝の気持を感じることができたと考えております。
○鈴木委員 今、答弁にありましたけれども、親が働いているのは当たり前と思っていたと。実際に働いてみたらすごく大変だった。でまた、親の方は親の方で、責任を持ってやり遂げることの大切さを感じたと。
やっぱり、こういうことが親子の間で会話になったり、実際に家庭の中でそういうことが話されるということが非常に大事で、そういうところでお互いに親子が改めてお互いを認め合えるというか、そういうものが生まれてきて、さっき答弁の一番最後にいわれましたけれども、感謝の気持ちが生まれてくると。生かしてもらっている、または自分が生きているということに対して感謝ができるような、そういう環境になっていくということは、日本人の風習からいっても、または世相観からいっても、非常に大事なことだと思うのですね。
また、そういうような職場体験を行うことによって、中学生は大人が一生懸命仕事に取り組んでいる姿を目の当たりにし、また、中学生自身も長時間同じ作業をするなど、仕事をする大変さや大切さを感じるとともに、働くという意味を理解して将来の進路を選択し、また決定する態度や意欲を身につけていくものと思います。こういう経験を通して中学生は精神的に恐らく大きく成長してくれるものと考えます。
職場体験後、中学生は学校や家庭でどのように具体的に変化が見られたのかを改めて伺います。
○小島青少年対策担当部長 中学生が具体的にどのように変わったかという点でございますけれども、職場体験後、家庭や学校から寄せられた報告等によりますと、人に対して優しく接するようになった、あるいは他者を思いやる気持ちや態度が育った、身なり、言葉遣い、時間の厳守など基本的な社会のルールやマナーが身についたなどの好ましい変化に、保護者が、あるいは教員が気がついたということでございます。
職場体験で生徒が日常の家庭や学校から離れ、働く大人の中でみずから仕事を体験するということで、人とのかかわり方や仕事の厳しさを学び、社会の一員としての自覚が芽生え、社会的に大きく成長したものと考えております。
○鈴木委員 今、答弁の中で、人に対して優しく接するようになったとか、相手のことを思いやる気持ち、態度が育ったとか、言葉遣い、時間の厳守の基本的な社会のルール、マナーが身についた、これは本当に今、現実にそういうことであればすばらしいことですよね。
ただ、そのことが実際、今度その子どもが地域に帰ったり家庭に帰ったりしたときに、本当にそういうことを実践、またリーダーとして実践できるような、そういうような環境があるのか。また、それを整えていかなければならないというような問題は実は僕はあると思っていますが、ただ、私の地元である目黒区でも、中学生が、ダイエーというスーパーがあるわけですが、その大型店舗で働いたり、または老人ホームなどの介護関係の事業所で熱心に職場体験を行っています。中学校では受け入れてくれる職場の確保が非常に難しいというふうに聞いていますが、そういう点で伺いたいと思います。すべての中学校で職場体験を実施するには、中学生を受け入れる企業や商店街の協力が不可欠であるというふうに考えます。受け入れ事業所を確保するための取り組みについて、厳しい点はあると思いますが、伺いたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 中学生を受け入れる事業所を確保するための取り組みについてでございますけれども、本事業を実施するに当たりましては、中学生を受け入れていただいている企業や商店等の方々に、この中学生の職場体験について十分ご理解いただくことが欠かせないというふうに認識しております。
都では、これまで受け入れの具体事例などが掲載されました職場体験報告書、これを作成いたしまして事業所へ配布するなどいたしまして、企業や商店等の方々に職場体験の受け入れに対する理解をいただけるよう努め、受け入れ先の拡大を図ってまいりました。
また、中学校におきましては、職場体験する生徒へ心構え等について事前指導を徹底したり、学校と受け入れ先との連絡体制を充実したりいたしまして、職場体験の円滑な実施に取り組んでいます。
今後とも、地域において子どもを育てていく、こういう機運を醸成するとともに、職場体験受け入れに対しまして一層の協力を求めていくために、産業団体や地域、学校等の関係者で構成されております職場体験推進協議会を活用いたしまして、中学生の職場体験事業の一層の推進に努めてまいります。
○鈴木委員 最後に一言いわせていただきたいと思っていますが、職場での体験を通したことに関しては、この事業を一層推進していくことには大賛成でありますが、その職場体験の中でも、特に高齢者や障害者などの介護にかかわる福祉関係の仕事を経験した生徒というのは、人の役に立つ喜び、またはそういう大切さを非常に強く感じると思うのですね。また、思いやりの気持ちが育つとも考えられます。
こうした福祉関係の職場で奉仕体験活動をすることは、これからの社会を考える上で極めて重要であると思います。中学生の段階で、ぜひ高齢者や障害者の介護にかかわれるような奉仕体験活動が充実されることを願い、私は質問を終えたいと思います。
○花輪委員 私の方からは、交通安全対策について伺います。
先週なんですけれども、私が子どものころから世話になった方が、バイクにはねられて亡くなりました。二週間ぐらい意識不明で、最後は亡くなってしまったのですが、そういう事故とか、この前も、四、五日前ですか、首都高で観光バス二台と多くの乗用車が関係するような事故があって、何十人という方がけがをして、バスガイドさんが足首を切断するなんて、そういう事故のニュースを聞くたびに、本当にそのニュースから目をそらしたくなるような思いをしばしば感じるわけです。
そんなことから、ちょっときょうは交通安全について伺いたいと思いますが、都は、都内の交通安全を推進していくために、東京都交通安全対策会議による五カ年計画第八次交通安全計画を平成十八年に策定をされました。この計画の中で、二十二年までに都内の交通事故死亡者を二百五十人以下とするということを目標にされているようです。
まず、この五年間の交通事故の発生の件数及び死者の数がどのように推移しているか、ご答弁をお願いします。
○八木沼治安対策担当部長 過去五年の交通事故発生件数及び死者数についてでございますけれども、五年前の平成十四年の交通事故発生件数は八万八千五百十二件で、死者数は三百七十六人でございました。その後、年々減少を続けまして、昨年の平成十八年の交通事故発生件数は七万四千二百八十七件で、死者数は二百六十三人となっております。
○花輪委員 今のご答弁の中で、都内の交通事故の死者数は二百六十三人であったということです。平成二十二年の目標にされている二百五十人には及ばなかったようですが、相当減少をされていて、そして戦後最少だったというようなお話も聞いております。
都の皆さん、また警視庁、また関係団体とか区市町村、そういう方々の努力のたまものなのかなとも感じているところですが、それでは、ことし、交通事故の発生状況についてはどうなっているか、これまでの状況を教えていただければと思います。
○八木沼治安対策担当部長 本年の交通事故の発生状況についてですが、十月末現在の交通事故発生件数は五万六千六百七十件でございまして、前年と比較しますと四千七百四十二件の減少となっております。
また、交通事故による死者数は二百十八人であり、前年よりも十六人の増となっております。
○花輪委員 事故の数そのものは減っているようですが、死者数が残念ながら増加をしてしまっているということであります。なかなか思うように事も進まないとは思うのですが、いま一歩のご努力をぜひお願いしたいと思います。
そういう中で、特に死亡事故を起こすような、重大な事故につながりやすい飲酒運転について少しお話をお伺いしたいと思いますが、去年八月ですか、福岡で大変悲惨な事故がありました。橋の上で追突事故が起きて、お子さんが乗った車が海の中に落っこってしまって、三人のお子さんが亡くなったという、そんな事故もありました。
その後、法律の改正なんかもありまして、それまでは酒酔い運転は懲役三年で罰金が五十万だったものが、懲役五年、罰金が百万円に引き上げられたり、また、酒を飲んでいる人に、ちょっと家まで送ってくれよみたいなことで同乗しちゃうと、同乗罪なんていうのもできたようです。そういうことで、だんだん法律そのものは厳しくなっているようでございます。
その中で、先ほどは事故そのものの数をお伺いいたしましたが、飲酒運転の状況については、特にことしになってからどのような状況になっているか、ご答弁をお願いします。
○八木沼治安対策担当部長 本年一月から九月末までの間に発生しました飲酒運転による交通人身事故の発生件数は三百二十四件であり、死者数は十六人でございます。前年同期と比較いたしますと、発生件数はマイナス四百五十六件で、五八%の減少となっております。また、死者数はマイナス七人で、三〇%の減少となっております。
○花輪委員 飲酒の方は、飲酒による事故の数、また死亡者の数は減っているということでございます。今までもそのようなんですが、去年は福岡のああいう事件があったということで、一人一人の意識も変わったということで、こういうふうに人数が減ったのかもしれません。たしか東名高速で、インターのあたりでトラックが飲酒をして乗用車に追突をして、そのときも若いお子さんの命が多く失われました。ああいう事件があると厳罰化をされて、その影響も、また社会的な状況もあって、事故や死亡者数が減ってくる。しかし、それが少しのど元を過ぎるとまたちょっとふえてくる。またこの前の福岡のような事件があると減るというような、この繰り返しなわけです。ですから、こういうところを何とか、一度下がったものを再び上げないような、そういう努力が必要なのかなというふうに思います。
中に、飲酒で摘発をされたり、事故を起こす人の中には、アルコール依存症で再発をしやすい人もいるというような話を聞きますし、政府の方もそういう調査に入った、検討に入ったというような話も聞いたりしております。ぜひこういういろいろな調査も必要でしょうし、それと同時に厳罰化、で、一番もっともっと大事なのは、一人一人の意識改革じゃないかと思うんですね。
最近、ファミレスなんかに行っても、車を運転する方にはお酒は販売しませんよとか、どこか飲み屋さんに入っても、きょうは車じゃないわよねと確認されたり、新年会とか会合に行っても、お酒をつがれるときに、きょうは車じゃないですねと確認をされながらお酒をつがれるような、そういう状況も出てきました。そうやって、社会全体で飲酒運転はだめなんだというようなことを徹底していくことが一番大事なのかなというふうに思います。
これから十二月に向けて忘年会のシーズンになってきます。こういうときに、ぜひ皆さんも力を入れて、飲酒運転防止対策というものをしていただきたいと思いますが、お考えがあればお答えください。
○八木沼治安対策担当部長 飲酒運転の根絶を図っていくためには、先生が今おっしゃったように、一人一人の意識改革はもとより、社会全体が飲酒運転をさせない、許さないという環境をしっかりとつくっていくことが極めて重要であると考えております。これまで警視庁と連携して進めてきた、飲酒運転をさせない東京キャンペーンでは、飲食店を初めとする数多くの企業や団体、業界等が参加いたしまして、積極的な取り組みを行ってきたところでございます。具体的には、啓発ステッカーを店内に提示したり、飲酒した客が運転することのないように、飲食店や駐車場の従業員が一声をかけるなどの取り組みや、ホームページを活用した飲酒運転とアルコール依存症に関する普及啓発など、さまざまな対策を講じてきております。
また、本年十二月には、年末の飲酒機会をとらえたキャンペーンを一カ月間予定しておりますが、今後も継続して、職場や地域、家庭などで飲酒運転をさせない環境づくりを強力に進めてまいる所存でございます。
○花輪委員 今、年末の十二月に、飲酒運転をしないというキャンペーンを一カ月されるというご答弁がありました。
冒頭にお話をしましたけれども、事故が起きて、それまでずっと隣にいた人が、ある日突然いなくなる。普通の病気と違って、事故というのは、愛する家族とか友人とかが急にいなくなるという、大変悲しい事件です。私もお葬式に行って、遺族の方の顔を見ることもできないような状況でした。そういう不幸な、悲惨な事故をなくすためにも、ぜひともこういうキャンペーンをしっかりとこれからも展開していっていただきたいと思いますが、最後に、この飲酒運転の根絶対策を初めとした交通安全対策について、本部長のご意見、決意をお伺いできればと思います。
○久我青少年・治安対策本部長 先ほど担当部長がお答えいたしましたとおり、昨年、交通事故死者数は二百六十三人で、戦後最少となっておりますが、本年は十月末までに既に二百十八人の方が亡くなり、昨年よりも十六人増加しております。
特に六十五歳以上の高齢者が八十六人で二十五人も増加して、全死者数の約四割を占めております。また、飲酒運転による交通事故も、昨年より減少したとはいえ、予断を許さない状況が続いております。
第八次東京都交通安全計画では、平成二十二年までに年間の交通事故死者数を二百五十人以下とすることを目標としておりますが、究極の目標は、交通事故のない社会を実現することであります。都といたしましては、今後とも警視庁など関係機関、団体や交通事業者等と緊密に連携協力し、地域、職域を初め、社会全体で飲酒運転を根絶する環境づくりや、高齢者交通安全対策を強力に推進するなど、交通事故のない、安全で安心して暮らせる社会の実現に全力で取り組んでまいります。
○小磯委員 私の方からは、青少年の健全育成並びに交通対策についてお伺いをしたいと思います。
昨年の六月、第二回定例会の代表質問で、ゲームについてご質問をさせていただきました。
ゲームは今や青少年だけでなく、幼児から大人まで家庭生活の中に深く浸透していると。ある調査によりますと、約七八%の家庭がゲーム機を所有して、また一方、昨今多発している凶悪犯罪の遠因の一つにテレビゲームやインターネットゲームがあって、それに没入する余り、現実とバーチャルな世界の混同が起きているのではないか、そのように指摘をされているわけでございます。そういう中で、このゲームの問題点などを情報提供していくべきであると、そんな質問をさせていただきました。
そういう中で、青少年育成協会の方で、「作ってみようファミリeルール」という小冊子をつくられました。これで、要するにテレビゲームだとかインターネット、または携帯電話についての、いわゆる家庭のルールづくり、その家庭のルールづくりをやるための参考ということをつくられたわけでございます。
このファミリeルールを作成されましたが、どのように活用しているのか、まずお伺いをしたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 ファミリeルールの活用状況でございますけれども、冊子「ファミリeルール」をこれまでに六千部作成いたしまして、都内の公立、私立小学校へ、約千四百校でございますけれども、配布したところでございます。
また、これを用いまして保護者の指導に当たるファシリテーターを、これまでに百二名養成いたしまして、このファシリテーターが指導し、少人数形式で行いますグループワークファミリeルール講座を、平成十八年度は二回、これは十九年の三月から始めたものでございますので、二回ということでございます。参加者が四十八名。平成十九年度につきましては、十月末で十二回開催しておりまして、参加者は六百十名となっております。
○小磯委員 このファミリeルールにつきましては、私も内容を見させていただいて、例えば、子どもをネット社会の脅威から守る七つの方法ということで、一つには迷惑メールを拒否する方法とか、ゲームの年齢制限をする方法とか、パソコンをウィルスから守る方法とか、いろんな、本当に我々が見ても大変役に立つような情報が入っております。そういった意味では、これをどんどん活用して、子どもたちの健全育成を図っていくべきだと思うんですが、今ご答弁にありました参加者の数がやや低調と思われるわけでございますが、今後の事業の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 今後の事業の取り組みについてでございますけれども、携帯電話やインターネットをめぐりさまざまな事件が発生しております昨今の状況から、ファミリeルール講座の必要性がさらに高くなっておりまして、都民の期待も高まっているというふうに認識しております。
受講者のアンケート結果等を参考にいたしまして、ニーズにより合ったものとするために、現在、有識者によるプロジェクトチームにおきまして、冊子の内容の改定等について検討しております。
また、ファミリeルールの一層の普及啓発のために、冊子のホームページの作成でありますとか、教育庁や東京都小学校PTA協議会を通じました学校への周知、これらにつきまして強力に推進するとともに、特に講座を進めるファシリテーターの専門知識の向上や増員を図ることで参加者の増加に努めてまいりたい、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小磯委員 ぜひ、この拡大についてよろしくお願いをしたいと思います。
また、昨年の六月に、テレビゲームによる影響について実態調査を行うことについて所見を伺うと、そういう質問をしたわけでございますが、青少年・治安対策本部長からは、鋭意検討するという、そういう答弁がございました。その後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 テレビゲームによる影響についての調査についてでございますけれども、まず、テレビゲームに関しましては、既に実施されている調査研究等について調べました。そうしましたところ、文部科学省や社団法人日本PTA全国協議会など、国や民間におきましてさまざまな調査研究がなされておりました。
その中で、例えば小学生へのアンケートや学校、地域へのインタビューを通じまして、テレビゲーム接触時間の長い子ほど生命感覚が希薄で自尊感情が低く、また、テレビゲーム接触時間をコントロールした学校の子どもには、生活リズム、自尊感情、学習態度その他に向上が見られる傾向があるとの結果が出ているものもございました。子どもがメディアとよりよくつき合うためには、さまざまな場や分野における総合的な取り組みが大事であるとの提言がなされているところでございます。
こうしたことから、既に得られているこれらの知見を活用いたしまして、テレビゲームの利用時間の制限について、親子が効果的にルールづくりができるよう、今後、ファミリeルール講座内容の充実改善に反映させてまいります。
○小磯委員 恐らくこういうファミリeルールのような小冊子をつくって家庭のルールづくりというのは、東京都が本当に先駆的にやっている事業だと思います。
この前の、昨年の質問でも知事が、テレビゲームによるいろいろな影響ということについても述べておられます。こらえ性がなくなったりとか、また、のめり込み過ぎて、自分が生きている現実とゲームの世界の境目がつかなくなったりして、非常に危険な行動をとったり、そういう発想に陥ってしまう可能性があると。そういったことをきちっと、やっぱり子どもに余り見させないとか、そういったことをやるのも私たち大人の責任であると。こういうふうに知事も答えられておりますので、どうかそういった調査研究をしっかりと検討していただいて、今後のファミリeルール講座内容の充実に反映させていただきたいというふうに思います。
続きまして、交通対策の中で、とりわけ自転車対策についてお伺いをしたいと思います。
自転車は、都内には約八百四十万台もの自転車が保有されており、都民生活にはなくてはならない交通手段となっております。しかし、その自転車利用の裏返しともいえるさまざまな問題がクローズアップされております。その中でも大きな問題は、交通ルール遵守の欠如、マナーの低下であります。歩道上の暴走、無灯火運転、携帯電話の使用など、危険きわまりないと思います。交通事故の多発が懸念をされております。
東京都は、このような自転車利用の状況を踏まえて、平成十九年一月に自転車の安全利用推進総合プランを作成されたと思いますが、当該プランの位置づけ及びその施策について、ご説明をいただきたいと思います。
○八木沼治安対策担当部長 先生お話のように、自転車利用が普及する中で、自転車の交通ルール遵守の徹底、マナーの向上は大きな課題となっております。このため、平成十九年一月に、学識経験者、都民、関係部署等から成る検討会を設置いたしまして、自転車の安全利用推進総合プランを作成いたしました。
本プランでは、交通安全確保の最重視等を基本といたしまして、交通ルールの遵守、マナーの向上や自転車の安全性の向上など四つの視点から、幼児のヘルメット着用の啓発や、自転車点検整備制度の普及促進など、四十七項目の具体的な対策を提案しております。
また、本プランの位置づけについてでございますけれども、都の関係局や区市町村などが自転車に関する施策を立案計画する際のガイドラインとして策定したところでございます。
○小磯委員 確かにおっしゃるように、ここに書いてある、この自転車の安全利用推進総合プラン、大変いろいろな、さまざまな提言がされております。やっぱり、これを提言からどう実行に移して効果ある対策をやっていくかということが一番大事だと思います。
都民が自転車を安全に、安心して利用していくためには、当該プランに示されているように、さまざまな施策を都区市町村などさまざまな機関、団体が連携協力して実施していく必要があります。
しかし、歩道上の暴走行為など、自転車に関する交通ルールが守られていないのが現実であります。自転車を安全に、安心して利用していくために、子どもの自転車の歩道通行を可能にする改正道路交通法の施行も間近に迫っていることも踏まえ、小学生はもとより、中高生も含めた、ルールの遵守とマナーの向上を図るための自転車の交通安全教育が喫緊の問題であると考えております。
東京都は、ルールの遵守、マナーの向上を図るための自転車の交通安全教育のためにどのような施策を実施し、また、どう進めていく考えなのか、見解を伺いたいと思います。
○八木沼治安対策担当部長 自転車の交通安全教育についてでございますが、自転車の交通ルールの遵守、マナーの向上のためには、大変重要であると考えております。現在、区市町村等では、自転車教室の開催や自転車運転免許証の発行などを実施しておるところでございます。都は、交通安全教育の充実を図るために、区市町村の担当者を対象といたしまして、交通安全実務講習会を開催し、支援しているところでございます。
また、中学校、高等学校における自転車の安全教育の充実が図られるよう、教育庁とも連携いたしまして、自転車交通安全教育マニュアルの作成、配布を予定しておるところでございます。
今後とも、プラン等で定めた自転車のルール遵守の徹底、マナーの向上の視点や、改正道路交通法も踏まえまして、自転車の安全教育の充実に努めてまいる所存でございます。
○小磯委員 今ご答弁にありましたように、中学校、高校生にこの自転車交通安全教育マニュアルを作成、配布と、これは大変大事だと思います。
私なども、自動車を運転していまして、本当にすぐ前を自転車が通ったり、バックをしているのに、それがわかっているだろうに、すぐ自転車が通ったりとかする、そのたびに交通安全教育、どうなっているんだろうという思いがするわけでございまして、自転車運転免許証は大体小学生とか、そういう方が対象が多いのですけれども、ぜひ中学、高等学校、未来のある青年にしっかりと交通安全の教育をしていただいて、事故のないような形をしていただきたい、こういうことを申し上げまして、質問を終わらせてもらいます。
○松村委員 青少年・治安対策本部の事務事業概要を見ますと、分掌事務は、青少年の健全な育成、治安及び交通安全にかかわる総合的な施策の推進に関する事務とありますし、この設置目的のところにも、青少年健全、それから治安、交通安全、これを一体的、総合的に推進するというふうに書かれておりますけれども、この一体的、総合的に推進するというこの本部の役割なんですけれども、これをどのようにとらえたらいいのかを、ちょっと改めてというか、伺いたいと思うのです。
○百合総合対策部長 一体的、総合的にという文言のご説明ということでございますけれども、私ども、事務事業概要にございますように、青少年対策、それから治安対策、交通安全対策と、これらの対策はいずれも一定の一つの局、縦割りの局の中だけではなくて、それぞれの関係部局と連携をして進めていく政策が多いと。これまでるるご質問の中にもございましたけれども、青少年問題につきましても、教育庁、それから区市町村等との連携また福祉局との連携もございますし、また治安問題につきましても、警視庁、それから関係部局との連携もございます。こういった意味で、さまざまな部局と一体となって総合的に対策を講じた方がより効果的なものについて、正面から見据えて対策を講じていくという意味で、一体的、総合的な対策を講じていくという意味合いで組織を設置したところでございます。
○松村委員 青少年健全育成にしても、それから治安にしても、交通安全も非常にそれぞれ重要な部門ですけれども、それが一つの本部として構成されていて、予算があり、その執行があるという中での、今、ほかの事業もみんなかかわるからですね、例えば後で総務局で伺うのですけれども、防災だったら防災に関連する計画や方針を明らかにして、それが事業になれば、都市整備局だとか建設局とか、それぞれやっぱり一体的、総合的にやらなければ事業は進まないと。そういう意味では、そういう点の一体的、総合的なんですけれども、一つの部としての一体的、総合的と、この三つを所管しているこの意味合いがなかなか理解できない。たまたま一緒になったというのか、つくった経緯を決算委員会でも我が党の委員から聞きましたし、この設置目的のところにもある程度の成り立ちがわかりますけれども、一つの本部として一体的、総合的に進めるという意味合いからいくと、私などのとらえ方は、青少年健全育成というのは非常に幅広い、重要な役割がありますけれども、本部の取り組みとしてとなると、やはり治安、そういう中でのっていうか、一体的なという意味では、逆に青少年の健全育成というか、対策が、何か枠の中というか、というようなとらえ方というか、範囲になりはしないかという、そういう心配があるんです。
で、事実、この決算を見ても、青少年対策、治安対策、交通安全対策費があります。これも既に決算委員会で我が党の委員から指摘しているので繰り返しませんけれども、いただいた資料、決算書を見ると、例えば十八年度、二〇〇六年度の決算では、青少年対策費は一億四千三百余ですよね。治安対策費は九億二千三百余、交通安全対策費が八億二千三百四十八余、その前年、さらには前年度に比べても、やっぱり青少年対策予算というものは、決算で見ると減っていると。
逆に治安対策は、その前の平成十五年度の決算では一千四百万円余が、十八年度の決算では九億二千三百と。交通安全はほぼ横ばいですけれども、そういう本部全体のこの予算の配置、使われた決算を見ると、やはり治安対策、重要ですから、そういう方向にいくのかなという思いなんですけれども、青少年対策をこの中の一つに入れて、そこの枠にとどめてはやはりならないというふうに思うのです。果たしてそれでいいのかという思いが強くするので、こういった指摘をさせていただいているのですけれども、そこで、青少年健全育成の基本的な考え方について、本部の認識といいますか、考えを伺いたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 青少年健全育成の基本的な考え方についてでございますけれども、青少年健全育成とは、次代の社会を担うべき青少年が、社会の一員として心身ともに健やかに成長することができるよう、環境を整備することと考えております。
このために、東京都といたしましては、健全育成条例の的確な運用、あるいは青少年育成団体、家庭、学校、地域等との有機的な連携による地域における子どもの健全育成活動の支援、また引きこもり、ニートであるとか、自立性、社会性に問題を抱える若年者の支援、こういった新しい社会情勢に応じた課題への対応、こういったものについて、青少年問題全体を総合的にとらえる立場から取り組んでおるところでございます。
○松村委員 私もそのためには、やはり、都としての青少年行政、重視して取り組んでいただきたいと思いますし、とりわけ発達途上のそういう青少年が、健全な大人というか、主権者としての成長を図る、そういう上では、やはり青少年の自主的な活動に参加する機会が持てるようにすることや、また青少年の居場所づくりと申しますか、そういう場所の提供などを行っていく。
さらには、今、複雑な社会の中でのいろいろな青年の意識が変化しておりますから、そういう青少年の意識調査を--かつては、やっていたんですよね、大学などに依頼して。そういう専門機関とも継続的な研究調査をやり、その時代、その時々の社会に的確にマッチするような対策を素早く打ち出すとか、そういう役割は、私は本当に期待したいというふうに思うのです、本部にも。
もちろん、皆さん方、本当にご苦労されているというか、一つの部として、私、どこに共通があるかといえば、安全とか安心とか、青少年がそういう犯罪に巻き込まれてはならないという、そういうところでの共通点はあっても、それぞれが独立した、特に私は青少年の健全育成という事業分野は、非常に各区、それとも教育庁だとか、いろんな関連して一体的、総合的なそういう進め方が大事だと思うのです。
この予算も、いろいろ聞いてみますと、青少年対策費というのは、例えばかつて、手元にいただいた決算の資料では、平成十年度は四億五千三百万あったんですね。それが、先ほどいいました平成十八年度決算では一億四千三百万。この減った理由は、青少年センターがなくなったということですけれども、そういう先ほどいった居場所もなくなって、それを管理していた、生活文化局がやっていたその事業がなくなって、予算もがくっと落ちて、そしてその分野の青少年育成事業というのがこちらの本部の方に、先に出発していた治安、当時の名称はあれですか、治安本部の方にこれが入ってきたというような経過から見ると、私は、やっぱり石原都政になっての青少年対策事業というのが、いろいろな評価はあるでしょうけれども、どちらかというと管理する立場、または規範意識を育てるとか、いってみれば青少年というのは、本当に、ちょっと言葉は適切ではないかもしれませんけれども、ほうっておけば何かすぐそういう犯罪に巻き込まれるとか、何かそういうふうになってしまうんだと、だから、それをきちっとしなければいけないという、そんな知事の発言を聞くと、本来、私などが、私たちが求めたいそういう青少年、本当に健全育成を目指すという東京都全体の重要な取り組みが、そういう枠の中にとどまってきてしまうんではないか、そういう思いがしたもので、ちょっと基本的な点について伺わせていただきました。
最後に、そういう点では私、青少年問題協議会が、条例上も位置づけられている非常に重要な役割を果たすと思うんですけれども、この青少年問題協議会の最近の開催状況、またここでの検討事項についてお伺いしたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 青少年問題協議会の開催状況についてでございますけれども、現在、心身の成熟ギャップから、成人年齢である二十を超えても社会にうまく適応できない、また社会において自立できない、精神的に大人になり切れない若者が多数存在しておりまして、こうした非社会的な行動に対して、社会的課題として対応すべき状況が生じてきているというふうに認識されているところでございます。
そこで、平成十八年十一月に青少年問題協議会に対しまして、若者を社会性を持った大人に育てるための方策について、これを諮問いたしまして、平成十九年一月からこの十一月までの間、六回にわたりまして、専門部会において、委員並びに外部の専門家から意見を聴取しているところでございます。
内容的には、さまざまな若者の抱える状況等につきまして、専門的な立場からご意見を伺っているところでございます。
○松村委員 そういう青少協などの議論を通じたりしながら、この平成十九年度には新たに、ひきこもりやニートの電話相談も開始したということも事務事業に載っておりますし、また、今諮問していることも非常に大事で、ぜひその答申を期待して、そして、それが出されましたら、さらにもっと質疑をさせていただく機会をまた持ちたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
以上で終わります。
○山口委員 初めに、青少年・治安対策本部が実施しています青少年育成総合対策と他局との施策の違いについて伺いたいと思います。
先ほど少し方針なども答弁の中にもあったかと思いますが、行政を初め、家庭、学校、地域社会などが協働連携して、青少年の自立性と社会性を育成するための条件整備をしていくことを基本に青少年育成総合対策が推進され、平成十六年八月に青少年育成総合対策推進本部を設置されています。翌年八月には青少年・治安対策本部が設置されて二年が経過していますが、福祉、教育、警察などと異なる、いわゆるこの青少年育成総合対策というものの大きな特徴とは何なのか、まず伺いたいと思います。
○小島青少年対策担当部長 青少年・治安対策本部の事業の特徴ということでございますけれども、青少年・治安対策本部におきましては、青少年施策につきましては、大きく分けて一応三つの柱がございます。
東京都青少年の健全な育成に関する条例の運用による健全育成を阻害する環境の改善、次に、青少年育成団体等と連携して行います地域における子どもの健全育成活動の支援、次に、ひきこもり、ニート、少年院出院者など、自立に困難を抱える若年者への支援など、新たな行政課題への対応、こういった事業を実施しているところでございます。
いずれの事業とも、福祉、教育、警察などが行う事業と密接な関連を有するものでございますけれども、本部ではこれら他部門と緊密に連携をいたしながら、青少年問題について、総合的な視野をもって正面から取り組む、こういった点に特徴がございます。
また、取り組みに当たりましては、青少年問題協議会の運営等を通じまして、青少年をめぐる諸問題について幅広く調査、企画立案、調整を行いまして、時代の要請に応じた総合的な対策の展開を図っているところでございます。
○山口委員 次に、青少年問題協議会の答申を受けて、今年度、非行少年の立ち直り支援策を開始したということですが、その課題と取り組み状況について伺います。
○小島青少年対策担当部長 非行少年の立ち直り支援策についてでございますけれども、平成十七年十一月、東京都青少年問題協議会に対しまして、少年院等を出た子どもたちの立ち直りを地域で支援するための方策について諮問いたしました。翌十八年十月、答申を得たところでございます。
答申におきましては、就労支援及び就学支援、適切な住居の確保、少年の生活面でのサポート、家族へのサポート、この四つを柱にしてございまして、今後取り組むべきことにつきまして提言がなされております。
都においては、本答申の提言を具体化するため、今年度より、少年院出院者を初めとする非行少年の立ち直り支援、このことにつきまして取り組みを始めたところでございます。
提言の中で、地域において少年院出院者の立ち直りを中核となって支えていらっしゃいます保護司との連携を深めることの重要性が求められているところから、保護司活動の支援に必要な情報提供や率直な意見交換を行う場といたしまして、本年四月に、庁内関係部局、東京都保護司会連合会、法務省から成る少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会を設置しております。
これまでに二回開催しておりまして、協議を重ねたところでございます。
○山口委員 では、その少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会、まだ二回ほどということですけれども、その中でどのような協議がされて、どのような役割を今後担っていくのか、伺っておきます。
○小島青少年対策担当部長 協議会における協議内容とその役割ということでございますけれども、少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会、これにつきましては、協議会の場で各機関、団体の取り組みについての情報交換を行いますとともに、実際に少年の指導に当たっております保護司会の方々の意見、要望を伺いまして、支援策への反映を行っているところでございます。
保護司会の要望を受けまして、これまでに、都の施策や各機関の連絡先等を資料化いたしましたガイドブックの作成配布、また非行少年の立ち直り支援を行うNPOとの意見交換会などを行っております。
今後とも、保護司会の意見、要望を踏まえまして、関係部局と連携しながら必要な施策を講じてまいりたいと考えております。
○山口委員 意見交換をされているといわれます、非行少年の立ち直りを支援しているNPOとはどのようなものがあるのか、伺わせてください。
○小島青少年対策担当部長 非行少年の立ち直りを支援しているNPOについてでございますけれども、当本部におきまして、本年五月から六月にかけまして、都内所在の少年非行の問題にかかわると見られるNPO団体やサポート校等百二十団体を対象に実態調査を行いました。
アンケート調査や面接調査等を通じまして、非行少年の立ち直り支援を行うNPO七団体を把握いたしました。
その活動内容につきましては、少年に対する相談を行うもの、居場所をつくるもの、学習指導を行うものなど、少年に対する支援のほかに、保護者に対する相談等の支援を実施しているものもございます。
各団体の規模もさまざまでございまして、また、その活動内容はそれぞれに特色を持っているところでございます。
今後とも、非行少年の立ち直り支援を行うNPO等の活動状況を把握しながら、連携の方策についても検討してまいりたいと考えております。
○山口委員 この十月一日に改正少年法が施行されて、少年院への措置がおおむね十二歳からと対象年齢が引き下げられています。ということは、今後、保護観察対象者の年齢も低下していくことになるかもしれません。
一昨年の保護司会会長に対して実施された保護司制度に関するアンケート調査では、保護司個々の状況に頼っていることや、多忙で時間がないなどの理由により適任者への依頼を断られるケースが多いとの実態などが明らかになったといわれています。
保護司へのサポート体制を、先ほど出ましたNPOなども含めたさまざまな関係機関と連携して確立していただきたい。そこに着眼されたということは、一つの大きな東京都の取り組みとしては評価されるのかなというふうに考えています。
ただ、本来子どもというのは、さまざまな経験を通して社会性や自立性を身につけていくもので、失敗をしたり、失敗をしても差別を受けない社会、それから失敗をばねにさらに成長できる社会の仕組みについてが今後必要なのだと思っています。
子どもの人権を尊重する立場というか、その辺の取り組みもしっかり視野に入れながらの青少年の健全育成について、今後も取り組んでいただきたいということを要望して、質問を終わらせていただきます。
○酒井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○酒井委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
○酒井委員長 これより総務局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
廣瀬参事特命担当は、公務のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○岳野総務部長 十月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明させていただきます。
恐れ入ります、お手元に配布してございます総務委員会要求資料の二枚目をごらんくださいませ。
東京都総合防災訓練実施状況、過去十年間でございます。
平成十年度から十年間の東京都総合防災訓練の実施状況を掲げてございます。参加機関、団体等につきましては、東京都区市町村、町会などの自主防災組織、NTT、東京電力などの防災機関、警視庁、東京消防庁、自衛隊などが参加しておりますが、平成十八年度からは、国外からの支援としてアジアの諸都市及び在日米軍が参加しております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○酒井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 それでは、私から、都区のあり方について質問させていただきたいと思います。
都区のあり方の検討については、検討スケジュールとして、平成十九年度、二十年度の二年間で基本的な方向を打ち出すとしております。既に十九年度も第三・四半期になっておりますが、ちょうど上半期が終了した直後の十月十日に、幹事会から検討委員会に検討状況を報告したと聞いております。
まず、その報告内容を確認させていただきたいと思います。
○森都区制度改革担当部長 都区のあり方検討委員会のもとに設置されております幹事会におきましては、この六月から九月まで四回にわたって検討を行い、都が行っている事務の中から特別区に移管すべき事務をどのように選び出すかという手続、それから事務配分に関する二十年度末における検討の到達点のイメージにつきまして、おおむね整理がつきましたので、幹事会座長の山崎墨田区長がこれを検討委員会に報告し、了承されたものでございます。
○鈴木委員 二十年度末の基本的方向をどこまで詳細なものにするかによると思いますが、今のペースで間に合いますか、伺います。
○森都区制度改革担当部長 この十月からは、幹事会におきまして区域のあり方の検討も始めたところでございまして、現在、ことし一月の検討委員会で確認されたスケジュールに沿って予定どおり進んでおります。
二十年度末の基本的方向の取りまとめに向けまして、引き続き着実に進めてまいります。
○鈴木委員 今回、検討委員会に報告された検討対象の事務は、四百四十四事務に及んでおると聞いております。このほか、区域のあり方や税財政も検討していくとなると、二十年度末に基本的な方向を出すといっても、中途半端なものになってしまうという危惧もあります。その後さらに何年も検討が続くようなことになるとも懸念される次第であります。
二年間ですべての結論が出るとは思いませんが、自治制度全体を取り巻く社会情勢の流れはどんどん速くなっていると考えられます。
例えば分権改革については、ことしの四月に設置された地方分権改革推進委員会が、今月中にも中間のまとめを出すと聞いています。道州制についても、昨年二月に第二十八次地方制度調査会が答申し、ことしに入って設置された道州制ビジョン懇談会が、本年度中に中間報告を取りまとめることにもなっています。
さらに、知事が地方分権改革推進委員会などでも発言しているように、真に地方が財政的に自立できるようにするためには、消費税の税率を引き上げ、地方消費税をふやすといった抜本的な税制改正に直ちに取り組むべきであるにもかかわらず、政府・与党は、平成二十年度財政改正において小手先の対策を図ろうとしております。
すなわち、十月末の報道によれば、政府・与党が、五千億円前後の法人二税の税収を都市部から地方に移転させる方向で調整に入ったとされるなど、東京の財源をねらい撃ちにした税制改正が待ったなしの状況になっていると考えられます。
このように、周囲のうねりが速く、しかも大きくなる中で、都と区が余りじっくり検討していると、周りの動きから取り残されてしまうことにもなりかねないと思います。
都区のあり方の検討は非常に大きな課題で、一朝一夕に結論が出ないことは十分理解できますが、精力的な検討をこれはお願いをしたいと、強く要請をしておきたいと思います。
その意味で、三点目で伺いますが、事務移管の検討にしても、端から順に隅々まで検討していくのではなく、やはり大きな方針を持って検討していくべきであると思います。
すなわち、これからの都の役割、区の役割がどうあるべきか、それを踏まえて事務配分がどうあるべきかという基本的な考え方が必要であると思います。分権改革が進む中、都は、より広域的な事務、大都市東京全体の経営に力点を置き、住民に身近な事務は極力特別区が担うようにすることが必要であると考えます。
こうした考え方に立ち、政令指定都市レベルの事務があっても、思い切って移管していくぐらいの大きな方針を立てるべきと思いますが、どうか、伺いたいと思います。
○森都区制度改革担当部長 事務移管の検討に当たりましては、府県事務も含め幅広く検討することとしておりますが、効果的な検討を行っていくためには、先生ご指摘のとおり、取り組み方針を立てて検討に臨むことが重要でございます。
今後、都としての方針を策定し、事務移管の検討に取り組んでまいります。
○鈴木委員 思い切った事務移管を行うためにも、区域の再編は必然であるというふうに考えます。
戦後六十年間の経過に伴って拡大した生活圏への対応、思い切った事務移管の受け皿としての行財政基盤の強化、行政改革のさらなる推進など、区域の再編は今こそ推進していかなければならないと考えます。
政令指定都市レベルの事務移管の受け皿という観点からいえば、政令指定都市並みの人口規模にすべきという考え方もありますが、都としては再編後の特別区の規模についてどのように考えているかを改めて伺います。
○森都区制度改革担当部長 自治体の事務は、基本的には、人口や面積、行財政能力等に基づいて、広域的自治体と基礎的自治体に配分されております。このため、基礎的自治体である特別区がさらに幅広く事務を担うためには、再編による規模拡大や行財政能力の強化が必要でございます。
こうしたことを踏まえまして、特別区の規模や権能について、都としても現在さまざまな角度から調査検討しているところでございます。
先生ご指摘のとおり、政令指定都市の事務のように移管事務が専門性等を要する事務であれば、やはりそれにふさわしい規模が求められると考えられますが、さらに調査検討を進めてまいりたいと存じます。
○鈴木委員 答弁今みたいにいただいているわけですが、実際のところ、平成の大合併は進んでいる。特別区の場合には、このままでは立ち行かなくなるというような状況もないわけですね。中核市になる、また政令指定都市になるとかいうことでもないために、他の市町村とは異なり、実際の話をしたら、そう簡単に再編が進むとは考えられない部分があります。
制度上、当事者たる特別区がその気にならなければ進まないということにもなっておりますし、特別区は、区域の再編に対して概して消極的であるとも聞いています。
私、区議会からこっちへ来ていますから、区議会では相当この議論をして、実際には、ある程度合区論というのを区議会の中でも議論している、そういう方々もいます。積極的にそういうふうに動こうといっても、実際には、区長さん以下、それから区の役人の方々も、それほど賛成の意を表するということはないというような現状があるわけですから、そういうことをきちっと理解を得ながら、一つ一つ進めていく。しかも、それを、先ほどもいったように、時間をかけないでいかに理解をしてやっていくかということが非常に大事ですから、都区間の同意、それから都、区議会、それから区議連協を通して、きちっとその辺の説明を丁寧にしていく。
それで、今までも、区政会館によるミスリードというのは随分あったわけですね。それは、区長会の意向だけが区議会に伝わっていって、それが区議会の方の報告になっているということもあったわけです。
そういうことがないように、東京都も、きちっと都区間で合意したことは文書にして例えば区議会に全部流すとか、区議会の各会派にも流すというような努力をして、具体的に都の考え方が区議会、それから区の職員の方々にも伝わるようなことをしていきませんと、今いったお互いに間を通していくと、誤解が生じていることが随分あるということも、一つ指摘をしておきたいと思います。
そういうことでありますが、新たな分権改革が進み、道州制が本格的に検討されていく中で、特別区だけが今のままというわけにはいかない。むしろ変革の波のトップランナーとして、次なる時代の地方自治のあり方をリードしていくことが特に期待されているというべきであると考えます。
都区のあり方検討の推進に対する局長の決意を改めて伺いたいと思います。
○押元総務局長 鈴木副委員長からご指摘のございましたように、特別区の再編が一朝一夕で解決できるような課題でないということは、まことにそのとおりでございまして、この問題は、都と区にかかわる者が総力を挙げて取り組まなければならない重要な課題であると考えております。
昨今の地方自治をめぐる社会経済情勢の急激な変化を踏まえれば、取り組むべきときはまさに今であると認識をしているところでございます。
しかも、地域格差の是正の名のもとに、税制の基本を崩すような税制改正が行われようとしている現在の事態は、まさに東京の自治が危機にさらされているといわざるを得ません。
ご指摘のあった点も含めまして、こうした現状を深く認識をいたしまして、特別区の再編を含め、都区のあり方を十分に検討し、東京におけるよりよい自治の仕組みの実現に向けまして、最大限の努力をしていく覚悟でございます。
○大沢委員 先日いただいた総務局の事業概要を拝見したところ、分掌事務に、小笠原諸島振興開発特別措置法の施行に関することとあります。
国が定めた小笠原諸島振興開発特別措置法では、第三条で、小笠原諸島振興開発基本方針が定められており、そして第四条で、東京都は、基本方針に基づき小笠原諸島振興開発計画を定めなければならないとあります。
都議会民主党でも、島しょ振興調査会を設けて、島しょ地区の自立と振興を目指し、積極的な政策提言を行っております。
そこでお伺いをいたしますが、小笠原の航空路開設についてお伺いをいたします。
小笠原と本土を結ぶ交通アクセスは、現在でも、週約一便、片道約二十六時間の「おがさわら丸」しかないという、極めて不便な状況にあります。
私は、昨年、東京から地球の反対側のブラジル・サンパウロに行ってまいりましたが、ニューヨーク乗りかえで約二十三時間で到着をいたしましたから、小笠原は、本土から約千キロという外洋にある地理的な状況ではありますが、世界のどこよりも遠い国内となってしまうわけでございます。
このため、小笠原における航空路の開設は、小笠原村民の長年にわたる悲願であると私は考えております。小笠原に空港ができることにより、具体的にどのようなメリットがもたらされるのか、お伺いをいたします。
○松本多摩島しょ振興担当部長 先生ご指摘のとおり、小笠原諸島と本土間の交通アクセスにつきましては、現在、片道所要時間が約二十六時間の船舶航路に限られてございます。
航空路が開設されますと、小笠原と本土を結ぶ交通アクセスの所要時間が大幅に短縮されることになります。これに伴いまして、医療や福祉の分野など島民生活安定や、多様な交通手段による観光振興を中心といたします産業経済の活性化など、小笠原振興発展を図る上で大変大きなメリットがあると考えられております。
○大沢委員 それでは、これまで東京都では、小笠原における航空路の開設についてさまざまな検討がなされてきたと私は認識しておりますが、こうした中で、過去において有力候補地であった兄島案、そしてまた時雨山案のいずれもが、残念ながら撤回、断念をせざるを得なくなりましたが、そのおのおのの理由についてお伺いをいたします。
○松本多摩島しょ振興担当部長 兄島案につきましては、当時の環境庁が、平成八年一月に、兄島の世界的に貴重な自然環境を保護する立場から、反対の意向を表明いたしました。これを受けまして、空港建設を断念したものでございます。
また、時雨山案につきましては、自然環境への影響や事業費の増加などが見込まれることから、平成十三年十一月に空港建設を断念したものでございます。
○大沢委員 平成十年五月に小笠原村議会で決議された小笠原空港建設促進に関する決議文を読んでもわかるように、村民の多くが航空路の開設に期待を寄せていただけに、とりわけ時雨山案撤回により、この小笠原村民の皆様方の間に大変大きな無力感が広まったと聞いております。
こうした状況の中で、平成十三年の時雨山案の撤回後、東京都は航空路の開設についてどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いをいたします。
○松本多摩島しょ振興担当部長 時雨山周辺区域での計画の撤回後、航空路開設に向けて、費用、環境、技術の面から、洲崎地区活用案、それから水上飛行機案など四つの航空路案を中心に検討を進めるため、気象・海象観測調査、環境現況調査、また採算性等の調査を実施してまいりました。
また、平成十八年十一月には、小笠原諸島振興開発計画の変更を行いまして、航空路について将来の開設を目指して検討を進めることを同計画に明記いたしました。村と連携して、航空路開設に向けて検討を進めてきているところでございます。
○大沢委員 ただいまの答弁によりますと、航空路の開設に向けて、費用や環境、そしてまた技術面など、そしてまたさまざまなこの地区においてのイメージをしているということがよくわかりました。
そしてまた、先ほどの答弁で、小笠原諸島には世界的に貴重な自然が残されているとのことでもありました。現在、その小笠原においては、世界自然遺産登録に向けた取り組みが進められていると私は認識しておりますが、この空港建設に際し、自然環境への影響が全くないということは考えられないと思っておりますが、空港建設は世界自然遺産と両立ができるのかどうか、お伺いをいたします。
○松本多摩島しょ振興担当部長 小笠原諸島への航空路の開設につきましては、自然環境の調和など多くの課題を解決する必要がございます。昨年十一月に変更いたしました小笠原諸島振興開発計画におきましても、航空路の開設を目指した検討は自然環境との調和に十分配慮するものとしてございます。
このため、航空路の開設につきましては、世界自然遺産登録との両立を前提にいたしまして、国や村などの関係機関との十分な調整を図ってまいりたいと考えてございます。
○大沢委員 先ほどの答弁でも、都は、平成十八年に振興開発計画を変更して、村と連携して航空路に向けて検討を行っているという答弁をいただきました。
先ほども述べましたが、小笠原における航空路の開設については、多くの小笠原村民の期待が大きいものがあります。今後、空港建設に向けてどのような具体的な取り組みを行っていくのか、お伺いをいたします。
○松本多摩島しょ振興担当部長 小笠原の航空路の開設につきましては、自然環境との調和を初め、運航の安全性や採算性の確保など多くの課題がございます。ただ、何よりも、空港開設について地元村民の合意を得ることが肝要だというふうに考えてございます。
今後、こうした村民合意を前提にいたしまして、都と村で協議会を設置いたしまして、情報公開を行いながら、関係者間の円滑な合意を図り、住民参加の手法でありますPI、パブリックインボルブメントでございますが、を実施していきたいというふうに考えてございます。
また、このPIに反映させるため、自然環境への影響、費用対効果、運航採算性、安全性等につきまして、総合的に調査検討を行っていくことといたしてございます。
○大沢委員 最後に、小笠原諸島については、この小笠原諸島振興開発特別措置法が適用されておりますが、一方で、国の法律の中においては、離島振興法というものがございます。
小笠原においては小笠原諸島振興開発特別措置法が適用されて、離島振興法より私は有利な条件になっていると思いますが、都のご見解をお伺いをいたします。
○松本多摩島しょ振興担当部長 先生ご指摘のとおり、国土交通省で予算計上を行う場合には、離島振興法では全国の離島全体を対象として行われておりますけれども、小笠原諸島振興開発特別措置法では、小笠原諸島のみを対象とした予算が確保されてございます。
また、補助対象事業に対する補助率の点を申し上げますと、例えば港湾整備である防波堤事業の場合、国庫補助率が、離島振興法では八割の補助率となってございますのに対しまして、小笠原諸島振興開発特別措置法では九割となるなど、補助率のかさ上げが行われておりまして、この法が存在することによって有利な条件となってございます。
○大沢委員 最初の私の質問の答弁におきまして、航空路開設のメリットとして、医療や福祉の分野などの島民生活の安定や観光振興などの産業経済の活性化という答弁が、多摩島しょ振興担当部長からありました。
私も、都が定めたこの振興開発計画を達成するためには、航空路の開設がさまざまな分野に大きく影響を与えていると感じた次第でございます。
また、この航空路の開設は、村民の長年にわたる悲願でもあり、小笠原の振興にとっても非常に重要であることから、今後、都も積極的に取り組んでいただくことを強く強く要望しておきたいと思います。
加えて、今質問させていただきましたように、小笠原振興にとって基幹となっているこの小笠原諸島振興開発特別措置法が、平成二十一年三月三十一日までの時限立法となっております。いわゆるもう折り返しに来ているということでございます。
今後、地元小笠原村と十分に連携をして、国に対して、この法延長の働きかけを行っていただくこともあわせて要望させていただいて、私の質問を終わります。
○小磯委員 本年二月の予算特別委員会で、東京都職員の初動態勢について取り上げさしていただきました。
この五月には、東京都地域防災計画が修正され、減災目標の設定、都市型災害対策の強化が盛り込まれるなど、抜本的な見直しが行われましたが、その中で、新たな震災対策として、東京都職員の震災時の参集体制の見直しを行い、都職員の居住地と勤務場所との距離を基準に応急対応を行う体制の整備を図ることが盛り込まれたわけでございます。
さらに、勤務場所までの距離が離れている職員は、現地機動班として東京都の指定施設に参集し、応急対策に当たることになりました。このような体制は、応急対策を実践的なものとする上で非常に有効であります。
そこで、新たな初動態勢について、何点かお伺いをいたしたいと思います。
その新たな初動態勢がどのようなものなのか。また、現地機動班を含め、各配備体制の規模はどれだけなのか、お伺いをしたいと思います。
○石野総合防災部長 新たな初動態勢についてでございますが、災害時に従事すべき業務が勤務地にある職員につきましては、勤務地に参集することになりますが、勤務地から十キロ以内に居住する職員を第一配備職員としまして、また十キロを超え二十キロ以内に居住する職員を第二配備職員といたしました。また、二十キロを超える職員でも、業務に必要な職員につきましては、特例配備職員といたしました。
さらに、勤務地に業務がない職員につきましては、現地機動班要員としまして、災害時には、指定された拠点に参集し、あらかじめ指定されました業務、または必要とされる業務、そうした業務に従事することといたしました。
警察、消防を除きます各局職員約五万四千人を配分しました結果、現在、第一配備職員につきましては約一万九千人、第二配備職員につきましては約一万五千人、特例配備職員については約一万五千人、そして現地機動班につきましては約五千人となっております。
○小磯委員 この現地機動班約五千人については、あらかじめ指定された参集場所に参集することになっておりますが、その参集拠点、これが何カ所指定をするのか、お伺いしたいと思います。
○石野総合防災部長 現地機動班は、災害時におきまして、大規模公園等で救出救助部隊の活動支援を行うほか、備蓄倉庫におけます荷さばき、また駅前滞留者の整理誘導などの業務を行うことになります。このため、参集拠点につきましては、これら応急対策活動実施場所までの距離や、また参集する職員の居住地からの距離、こうしたものを勘案しまして定めることといたしております。
具体的には都税事務所などを考えておりまして、二十三区には各区一カ所、多摩地域は、三ブロック程度に分けまして、各ブロック一カ所を指定したいと考えております。
○小磯委員 二十三区は各区一カ所、多摩地域は三ブロックで各ブロック一カ所で三カ所ということで、別にこういうものまで多摩格差を設けなくてもいいんじゃないかなと思うんですけど、多摩地域はもっとふやすべきだと思うわけでございますが、多摩地域の中では、とりわけターミナル駅のある町田市が、住民も外出者も多く、震災時には現地機動班の支援が必要となると思われます。この町田市に参集拠点を指定すべきと思いますが、所見をお伺いいたします。
○石野総合防災部長 参集場所につきましては、一番危険性の高い東京湾北部地震を想定しまして、また地盤の問題もございますので、その辺でやはり参集場所というのは、どうしても二十三区は数的には多く配置する必要があるということで考えております。
多摩地域の中で、町田市でございますが、ターミナル駅でございます町田駅周辺、ここにつきましては、多くの外出者が滞留し、混乱も予想されますので、町田市につきましても、参集拠点の指定について検討してまいりたいと思います。
○小磯委員 ところで、私は、ことしの予算特別委員会で、職員の防災対策について質問し、職員が災害時に的確に応急対策に当たれるよう、災害発生時の安全確保や参集場所、業務内容をまとめた手引きを作成するとの答弁をいただいたわけでございますが、その進捗状況をお伺いしたいと思います。
○石野総合防災部長 職員が災害時に迅速に応急対策活動を行うためには、あらかじめその職員に非常配備態勢や参集時の留意事項、緊急交通路などを周知しておくことが必要でございます。
このため、職員の災害時の手引きとして、携帯用の防災カードを現在作成中でございます。このカードを、今月実施を予定しております職員の非常参集訓練で活用いたしまして、必要な修正を行った上で、年内に全職員に配布する予定でございます。
○小磯委員 今月、職員の非常参集訓練を実施するとのことでございますが、その規模と内容についてお伺いをしたいと思います。
○石野総合防災部長 今月実施を予定しております訓練でございますけれども、全体で約三千人を対象にして行うことを考えております。このうち、新たに整備した非常配備態勢で、都庁舎へ参集することとなっております第一配備職員、第二配備職員及び特例配備職員につきましては、約千六百名でございます。また、都税事務所等へ参集することになっております現地機動班につきましては、約千名でございます。
また、災害対策職員住宅の業務要員などに対しては、携帯電話を使った非常参集システムで招集をかけまして参集することを予定してございます。
○小磯委員 現地機動班を整備することで、駅前に滞留している帰宅困難者を支援し、地域防災計画で掲げている減災目標の一つである帰宅困難者を四日以内に帰宅させることが可能になると思われます。近隣県市に徒歩で帰宅する者も多くおり、この徒歩帰宅者については、八都県市における支援が重要でございます。
このため、八都県市では、帰宅困難者に対するリーフレットを作成しており、この中で、帰宅支援ステーションとして、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアを紹介しております。
こういうもので、折り畳みでございまして、NTT、それからau、ドコモ、ソフトバンクの伝言ダイヤルの方法とか、あと帰宅支援ステーションのこととかも出ております。私、防災訓練でこれいただいたんですけれども、ただ、この帰宅支援ステーションが、ファミレス、コンビニ、ガソリンスタンドだけで、都で指定している都立高校の記載がないんですね。それで、リーフレットに都立高校も紹介すべきでであると思いますが、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○石野総合防災部長 ご質問の八都県市の帰宅支援の関係でございますが、現在、八都県市では、帰宅困難者対策を共通の重要課題と位置づけまして取り組みを進めておるところでございまして、平成十一年から、帰宅困難者に対する災害時の心構えや家族への連絡方法などを盛り込みました八都県市共通のリーフレットを作成して、配布しているところでございます。
都におけます都立高等学校の帰宅支援ステーションとしての指定など、都県市独自の取り組みにつきましては、リーフレットに記載されておりませんが、都県境をまたがり帰宅する人の支援としましては必要なことでありますので、今後、各都県市の取り組みについても共通のリーフレットに記載するよう都として提案し、調整を図ってまいりたいと思います。
○小磯委員 災害時に都立高校は、帰宅困難者にとって休息、休憩場所として重要な施設でございます。都立高校に自家発電設備も今後やっていくと、設備を整えていくということも決まったようでございますので、そういった意味では、大変有益な施設になるんじゃないかなと思います。したがって、他県も帰宅支援ステーションとして県立高校も指定するように働きかけるべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。
○石野総合防災部長 災害時には、他県へ帰ります帰宅困難者は、都内にありますガソリンスタンドやコンビニエンスストア、都立高校などの帰宅支援ステーションを利用しながら自宅を目指すことになります。
都立学校につきましては、民間事業者の帰宅支援ステーションとは異なりまして、水やトイレ、各種の情報提供などのほかに、休憩、休息の場所として位置づけられております。近隣県市におきましては、このような位置づけはなされていないという状況でございます。
しかしながら、都県境を越えて移動する際には、利用できる休息、休憩場所、これが指定されていないことは、徒歩帰宅者の安全な帰宅ということに支障を来すものと考えられます。このため、他県においても休息、休憩場所の確保を図れるよう、八都県市に働きかけてまいります。
○小磯委員 これは大変大事なことだと思いますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
災害対策に関連いたしまして、情報システムについてもお伺いをいたします。
事業継続計画、いわゆるBCPにおける都の情報システムについてでございますが、初動の重要施策とあわせ、それを支えていく情報システムの事業継続は、都民への情報提供、行政機能の維持を図るためにも必要不可欠なものと考えます。
この事業継続についての重要なことの一つとして、データのバックアップのあり方といったことがあると思います。このことに関連して、都では、先般、情報セキュリティーポリシーの改定を行い、情報システムの重要度に応じたデータのバックアップ方法についても検討を進めていると聞いております。
また、練馬区では、通信回線を通じてデータを転送する、いわゆるリモートストレージ方式によるバックアップ方式を採用していると聞いており、こうした検討を行うに当たっては、さまざまな手法について調査研究すべきものと考えます。
そこでお伺いいたしますが、災害時に情報システムを維持、継続していくために、データのバックアップ方法についてどのような検討を進めているのか、今後の対策についてお伺いをしたいと思います。
○紺野情報システム部長 災害発生時に行政機能を維持し、都民への情報提供等を的確に行っていくためには、情報システムの機能確保が不可欠であり、そのためデータのバックアップについて対策を講じることは極めて重要なことでございます。
現在でも、各情報システムにおいて、磁気テープ等を利用してデータのバックアップを行っているところでございますが、ご指摘のとおり、データバックアップにはさまざまな手法があり、これらを十分比較検討することは重要なことであると認識しております。
そのため、既に実施しておりますバックアップ手法やその他データ転送による方式などについて、災害発生時の有効性やコストなどを勘案しながら、総合的に検討を進めているところでございます。
今後は、東京都事業継続計画を整備しております防災所管部署等関係部署と連携しつつ、こうした検討結果を踏まえたデータのバックアップ手法のひな型を作成するなど、災害発生時における情報システムの機能確保に万全を期してまいります。
○小磯委員 この情報システムのバックアップ体制につきましては、この二月の予算特別委員会でも質問をさせていただいております。この情報システムのバックアップの考え方は、理解をいたしました。
災害時における初動態勢の確保とあわせ、情報システムの初動も重要な機能でございます。今後のIT化取り組み方針の課題にも掲げているとおり、しっかりとした取り組みをお願いをしたいと思います。
続いて、市町村総合交付金についてお伺いをいたします。
景気が回復してきているとはいえ、多摩の市町村は、区部に比べますとまだ苦しい状況でございます。こうした厳しい状況にある多摩地域の市町村に対しては、都が積極的に支援をすべきでございますが、都の市町村総合交付金は、市町村にとって重要な制度であると伺っております。
そこで、この市町村総合交付金制度についてお伺いいたします。
まず、都は、平成十八年度に市町村総合交付金を創設いたしましたが、この市町村総合交付金はどのような目的から創設した制度か、お伺いをいたします。
○中西行政部長 多摩・島しょ地域の魅力を高めていくためには、市町村の行財政基盤の強化が不可欠で、市町村みずからの努力とともに、都による適切な財政支援が必要でございます。
そこで、特色ある地域づくりに取り組む市町村を積極的に支援するとともに、行政改革の取り組みを促すことを目的といたしまして、平成十八年度に、従前の三交付金を統合継承いたしまして市町村総合交付金を創設いたしました。
○小磯委員 市町村総合交付金は、市町村への支援をより積極的に行っていくために創設されたものであるということでございますが、市長会からの予算要望などを見ると、市町村総合交付金のさらなる充実を求める意見も大変多うございます。
例えば、現在五〇%ずつになっている市町村の財政状況や行革の取り組みに応じて配分される基盤強化分と、まちづくりへの支援を行う振興支援分の構成割合を柔軟に調整してほしい、また、人事、給与や徴税の状況など市町村の行革の取り組みに応じて配分される経営努力割について、市町村の行革への取り組みを確実に反映してほしいなど、さまざまでございますが、都は、こうした市長会からの要望にどう対応していく考えか、お伺いをしたいと思います。
○中西行政部長 市町村総合交付金の創設に当たりましては、市長会や町村会を通じて市町村の要望を十分に踏まえながら制度の設計を行っており、市町村からご理解をいただいているものと考えております。
市長会や町村会からいただいた要望につきましては、制度の運用上、新たに生じた課題や時代の変化に応じて見直しが必要となった事項などとともに、市町村の自助努力と創意工夫の発揮を促すという観点から適宜改善を図りまして、効果的な運用を行ってまいります。
○小磯委員 最近、地元で話を聞きますと、子育てしやすい環境づくりなど、福祉保健分野でのサービスの充実が求められていると感じております。
こうした中、都の義務教育就学児医療費助成の創設、また、このたびの後期高齢者医療制度の発足など、福祉保健分野での新たな制度創設が続いております。こうした制度の充実は、その方向性は理解できるわけでございますが、これに伴って市町村に財政負担が生じることが心配であります。
そこで、市町村総合交付金についても、市町村財政を取り巻く環境や財政需要を十分に踏まえて充実を図っていくべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。
○中西行政部長 少子高齢化が進む中で、地域の実情に応じまして、次世代の育成や高齢者への各種支援がこれまで以上に必要になってくることが見込まれるのは、ご指摘のとおりでございます。
市町村総合交付金におきましては、こうした市町村の財政需要を踏まえ、財源補完としての役割を十分果たしていくことが重要と考え、制度創設二年目となる十九年度は一層充実を図ったところでございます。
今後とも、市町村を取り巻く環境変化や地方分権の進展により拡大する基礎的自治体の役割を把握し、市町村の財政需要に的確にこたえられるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
○小磯委員 ぜひとも一層の充実ということでよろしくお願いをしたいと思います。
次に、障害者の就労支援についてお伺いをいたします。
我が党は、これまでも障害者の就労支援について取り上げてまいりました。多くの企業が集積する東京都においてこそ、障害者の自立支援に向けて先駆的な役割を果たすべきであると考えます。
我が党の本年第二回定例会の代表質問において、「十年後の東京」の中にある今後十年間で障害者雇用を三万人以上増加するという目標達成に向けての取り組みについて、都の姿勢をただしたところでございます。
この中で知事も答弁されているように、今後十年間で障害者雇用三万人増加という目標を達成するには、社会全体でムーブメントを起こし、障害者雇用に対する理解と関心を高め、新たな雇用機会の拡大を図っていくことが極めて重要であります。今後、こうした取り組みが推進されることを期待しております。
こうした民間企業への就労の推進は確かに不可欠でありますが、一方で、行政における取り組みも重要であります。特に都では、これまで身体障害者の採用は一定程度進んでいるものの、知的障害者の雇用については実現をしておりません。国においても、チャレンジ雇用制度を推進していくなど、知的障害者の雇用に取り組んでいるところであります。
そこで、まず、国におけるチャレンジ雇用制度の概要と現状について確認をしたいと思います。
○中井理事 お尋ねのチャレンジ雇用は、国において今年度から実施されているものでございまして、知的障害者等が、国の府省などにおいて一般雇用に向けての経験を積む機会を提供していくという施策でございます。
具体的には、一年以内の期間を単位として、国の府省などで知的障害者等を非常勤職員として雇用し、一年から三年の業務経験を経た上で、ハローワーク等を通じて一般企業への就労を実現していこうとするものでございます。
今年度中には、厚生労働省のハローワークなどを中心に、約百名を雇用する予定と聞いております。
○小磯委員 国においても、このように知的障害者の就労拡大に取り組んでいるところであります。
また、我が党代表質問に対して総務局長からは、東京都としても知的障害者の就労拡大に向けた取り組みを検討するとの前向きな答弁をいただいたところであります。
都としての取り組みを今後一層進めるべきでありますが、いかがでございましょうか。
○中井理事 知的障害者の雇用拡大を図る上では、広く社会全体で障害者雇用を拡大していくことが基本となると考えておりますが、都としても、ご指摘のあった国におけるチャレンジ雇用の取り組みなどを参考にするとともに、これまで行ってきている知的障害者の現場実習の実施状況なども踏まえながら、関係局との連携のもと、都としてどのような取り組み方ができるか、現在、鋭意検討を進めているところでございます。
いずれにいたしましても、知的障害者の就労拡大に向け、鋭意努力してまいりたいと考えております。
○小磯委員 障害者の就労の拡大を図っていく上で、民間と行政の連携が非常に重要でございます。庁内関係部署が連携をとりながら、社会に根づくような効果的な取り組みをしっかり検討するようお願いして、私の質問を終わります。
○酒井委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
午後三時休憩
午後三時十一分開議
○酒井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続けます。
発言を願います。
○松村委員 最初に、石原都政の行財政改革について伺います。
石原都政のもとで、二次にわたる財政再建推進プランや都庁改革アクションプラン、職員の定数削減、さらには行財政改革実行プランなどを行財政改革と称して進めてきました。
この間に縮小、廃止された施設や事業、職員の削減数、新たな官から民への指定管理者制度、その他業務委託件数など、その実態についてお伺いいたします。
○松崎行政改革推進部長 平成十一年の石原知事の就任以来、都におきましては、国の改革が一向に進まない中で、直面する危機を克服するため、東京から日本を変えるという考え方のもと、危機意識の徹底とスピードの重視を基本理念に、さまざまな都政改革を推進してまいりました。
この間、二次にわたる都庁改革アクションプランや行財政改革実行プログラムを策定し、推進してまいってきております。
それぞれの実施計画の進捗状況につきましては、各年度の実施状況を把握し、議会に報告するとともに、都民に公表してまいりました。
このような中では、例えば指定管理者については、二百一施設に導入しているといったようなことをご報告いたしております。
○中井理事 ただいまのお尋ねの中の職員定数削減について申し上げます。
石原都政の平成十一年度から十九年度までの間に、東京都職員定数は、当初の十八万八千八百十九名、これが十九年度には十六万八千百三十余名ということで、この間に二万六百八十五名の削減となっております。
○松村委員 今、石原都政のもとでの全体にわたる行財政改革として進めてきたその影響、廃止、縮小された施設や事業の数、それから指定管理者制度については、今、二百一施設移行したということが出されましたけれども、その他の多数業務委託件数があると思うんですね。それらの全体については、こういうプランの進行管理を行う総務局として把握されていないんでしょうか。
少なくとも総務局の直接所管する、ご答弁がありました都庁改革アクションプラン、それから行財政改革プランでは、プランで廃止、縮小、それから業務見直し件数などは、もちろんつかんでおられると思うんですけれども、それについて再度お尋ねしたいのと、それから、今、職員数は、石原知事就任時から二万六百八十五人削減されているということを聞きましたけれども、その中身についてもご答弁いただきたいと思います。
○松崎行政改革推進部長 都庁改革アクションプランや行財政改革実行プログラムに盛り込まれた施策につきましては、その進捗状況についてご報告をしているところでございますが、都政全体について業務の廃止、また縮小、また業務委託の件数については、私どもとしては把握をしていないところでございます。
○中井理事 先ほど申し上げました石原都政における職員定数削減二万六百八十五名の内訳でございますが、平成十二年度に行いました清掃事業の特別区移管、これに伴うものが約八千人でございます。
そのほか、都立四大学の公立大学法人への移行、都立大久保病院等の保健医療公社への移管、公営企業等を含めたそういった移管、委託、こういったもので約四千人の減というような状況になってございます。
○松村委員 そうしますと、二万六百八十五人から、今いいました清掃移管の八千人、四大学、それから病院などの法人化移管、移譲などで四千人というから、残りの八千人余は、縮小、廃止、業務見直しなどということで理解してよろしいんですね。
それと、私、ぜひ総務局所管の二つのアクションプラン、それから現在進めている行財政改革実行プラン、これについての廃止、縮小に伴う事業件数を、これ今示せといってもあれですから、ぜひ資料を、毎年度示しているといっても、トータルでどうなったのかつかみたいので、後日でもお示しいただきたいと思います。
結局、これら、こういう行財政改革としてやった結果、都政と都民サービスにどういう事態が起こっているのかを総務局として検証しているのでしょうか。
○松崎行政改革推進部長 例えば民間に業務委託を実施するに際しましては、所管局におきまして、都民ニーズを反映した委託内容を受託者が履行するよう契約書及び仕様書等の定めに基づき適正に管理していることはもとより、最少の経費で最大の効果を得られるような取り組みを通じて、都民サービスの向上に努めているところでございます。
また、新たな経営改革手法の一つであります指定管理者制度におきましては、制度を導入いたしました公の施設二百一施設の管理につきまして、行政のチェック機能を強化いたしますとともに、都民サービスの質の向上などを図るために、外部委員を含む評価委員会の設置や利用者満足度の把握など、都独自の評価の仕組みを構築し、施設運営の継続的な改善につなげているところでございます。
○松村委員 今、私の質問に対して、指定管理者制度のもとでの取り組みについては若干言及がありましたけれども、私は、この行政改革全般が都民の立場に立ってどういう都民サービスの状況になっているかと。今、さまざまな業務委託の中では、契約の際、最大のサービス向上に努めているところですと。じゃ本当にそうなっているのかどうかを、進行管理といいますか、そういうプランをつくって指示する総務局としては、やはりそのことを把握する必要があるのではないかということです。
それでは、幾つかの事例を挙げてみますが、例えば本来都の事業が指定管理者制度となって、どういう声が聞かれるかと。私のところに寄せられた声の中にも、東京都体育館、これがやはり指定管理者で民間に管理運営が移されました。特に、このプールでは、利用時間が途端に変更されて、それに伴い、料金も割高になって使いづらくなったとの声を聞いています。
また、同じく水泳、プールの辰巳の森でも、これは皆さん方の評価委員会の中でも、先ほど二百一施設ということが挙げられましたけれども、辰巳の森のプールでは、管理に不備があると評価委員会も指摘するほど、利用者の安全性にかかわる問題が起きたと聞いております。
また、福祉や医療の分野ではどうかと見ると、母子保健院、これが廃止されましたよね。今度の第三回定例会でもさまざまな角度から取り上げられましたけれども、出産難民と、こういうことがいえるような事態がこの都内でも起きております。
また、都立病院改革が進められた結果、本当に給与、今までの医師の待遇などが変えられて、医師不足が常態化し、診療科目に廃止や休止の事態が起き、都民の医療要求のニーズにこたえることが困難になっているということも事実ではないでしょうか。
教育、青少年分野では、高校生などの部活に、さらには子どもや大学生まで合宿、学習会、私も聞いてみましたけれども、甲子園の大会に出たような都内の高校もここで合宿をやったり、チアリーダーの合宿だとか、あと勉強会とか、さまざまな社会教育活動にも使われていた、それで大変好評だった大島セミナーハウスが、二〇〇六年、平成十八年度で廃止されました。
青少年センターも、これは石原知事の前ですけれども、都心に近く使い勝手のよかった飯田橋から、専ら臨海副都心、あのテレコムセンターに移されたため、非常に使い勝手が悪くなったとか、不便だとか、そして利用率が落ちれば、石原都政になってから、この青少年センター、これを廃止するという事態まで起きているんです。
青少年の健全育成の重要性をいうなら、先ほども青少年・治安本部で私、質疑若干しましたけれども、発達途上の青少年の自主的に活動する機会や居場所を提供すべきなのに、逆に、石原都政の進めるプランは、そういう機会や場所を奪ってしまうという事態が起きているではありませんか。
これは数々の廃止、縮小された事業などのほんの一例ですけれども、やはりそういうことを、サービス向上に努めているはずだとか、そういう契約だとかということにとどまらず、総務局としても把握して、その改善に努めるべきだということを強く申し上げたいと思います。
さらに、職員定数の削減と業務委託の拡大で、官製ワーキングプア、こういう言葉が使われるような事態を引き起こしていることも、これはマスコミ報道でも最近ニュースになるような事態になっています。しかも、行財政改革プランで、さらに今後二千八百人削減しようとしているんですよね。
伺いますけれども、私は今るる幾つか述べましたけれども、こうした事態が起きている中で、きちっと再点検といいますか、評価することなくして、こうした行財政改革実行プランを進め、職員削減を行うのですか。この点についてお伺いします。
○松崎行政改革推進部長 ただいまご質問の中にございました、例えば指定管理者についての評価でございますが、お話にございましたように、東京辰巳の国際水泳場につきましては、施設の機能維持の点から、建物、設備の点検業務について改善が必要であるということで、実際不備があるということについては評価委員会でも指摘がございまして、それについては改善が求められております。
一方で、評価すべき点として、開庁時間を延長させているということ、またシャトルバスについて当初の計画よりルートをふやしているなど、サービスの向上に取り組んでいるという点については評価をされております。
また、残りの二百の施設につきましては、おおむね適正に管理が進められているというような評価になっております。
また、民間への委託の関係では、例えば平成十三年に委託をいたしました旅券の窓口につきましては、その民間委託に伴いまして、日曜日の交付の受け付けを始めるでありますとか、申請の受け付け時間を延長するなど、都民サービスの向上につながってまいってきているのではないかというふうに考えております。
行財政改革実行プログラムにおきましては、公を行政だけが担うシステムを、原点に立ち返って、官民の役割分担を徹底して見直し、民間ができることは民間にゆだねるとともに、社会全体の利益につながる活動に多様な主体がかかわる豊かな公を構築することを目指しております。
このプログラムを着実に実行していくことで、スリムで仕事ができる効率的な都庁の実現を通じて多様な都民ニーズに対応することができるものと確信をしております。
○松村委員 それは個々の事業で改善された点多々あると思いますよ。それまで否定するわけじゃないんですけれども、全体的に都民負担がどうふえているかとか、サービスはどうなのか、やはり都民の声、要求もしっかり受けとめながら進めていかなければならないと。
そこで、今、さらに官から民だということですが、業務委託をそのもとでさらにふやそうとしておりますけれども、その委託先の雇用の実態について、雇用条件、賃金についてはどう把握されているのでしょうか。
○松崎行政改革推進部長 委託に当たってのその委託先について、どのような条件を求めるかにつきましては、それぞれ所管局において検討がなされているものでございまして、私どもでは把握をいたしておりません。
○松村委員 業務委託をしている団体の賃金など雇用実態をきちっと掌握しないで、どうして適正な事業執行が行われているなどと判断できるのでしょうか。やはりきちっとこういう計画をつくって、それぞれの局の取り組みを促して、進行管理する局の立場からやっぱり明らかにしておく、そういう点が求められるというふうに思います。
そこで、ちょっと幾つか出ている問題についても伺いたいんですけれども、都庁見学、勝手に団体お断りという新聞報道がなされたことを皆さんご存じですよね。これは、この報道記事によりますと、都総務局の調べで明らかになったと。
これはつまり、今、都庁舎や展望室、都議会棟などをめぐる団体見学、この案内業務をある会社に委託していると。ところが、その委託会社が団体見学を拒否しているという、こういう情報があって、都の総務局が恐らく調べて明らかになったという記事のようです。
どういう事実を総務局としてはつかんで指導したんでしょうか。
○岳野総務部長 今の新聞記事にもございましたとおり、ことしの三月に私どもに情報提供がございまして、調査をいたしましたところ、団体見学をしている委託会社の現場担当者が、団体見学の教育訓練が間に合わないということで、何件か自分たちの判断でお断りしていたということが判明したということでございます。
なお、私どもの仕様書なり契約内容には、教育訓練を行った職員を配置するようにと、そういうことを書いてございまして、それを守らなかったということでございまして、委員ご指摘のような定数削減の影響とか、直営であるか委託であるかとは別の次元の問題というふうに考えております。
○松村委員 そういう情報提供があったと。なければ、やはりなかなかそういう都民のサービス低下、せっかくのそういう都庁見学、この記事にもあるように、石原知事みずから、観光、そして都庁がその最大の観光のシンボル的な目玉になっている。それを断っているという事実、これがこういう形で明らかになると。
今、部長の方からは、それが委託だから、または職員の雇用実態とかそういうことに関係ないというか、じゃないようなことをいいましたけれども、私たち、さまざまな事案の中で、その実態からいろいろな問題が起きているということをつかみつつあります。これはまた別の機会に明らかにしたいというふうに思っておりますけれども、これだって、昨年の六月から七月に相次いで四人が退職したんでしょう。で、新人研修が間に合わず、人手が足りないということで勝手に断っていたという事例のようですけれども、やはり根っこにはそういう問題が深くあるのではないかということも、やはり調べてみなければわからないと思います。
私たちも重大な関心を持っていきたいと思いますけれども、そこで、こういう事態が都民サービスの低下にもあるんですけれども、もう一つ、最近相次いで都営地下鉄に重大な事故が発生しましたよね。
一つは都営浅草線、これも、今まで都の交通局の直営職員がやっていた鉄道の保守点検を業務委託に移したと。そういう中で、電線のケーブルを切断して、それに全然気がつかないまま朝の始発に--もちろん保守点検する場合には、電源切りますよね。それを切断したということに全く気づかずに始発に入れたところ、パンクしちゃって、既に動き出した列車が戻れず、引き込み線に引くためにいろんな作業をやって、それで、あれ何時間でしたっけ、三時間も四時間も、浅草線は乗り入れ線ですから、他社のそういう鉄道の客にも重大な影響を及ぼしたという事例ですけれども、これも、私、当時公営企業の副委員長をやっておりまして、来たときに説明をいろいろお聞きしたけど、今までは、そんなこともうイロハで、一回もなかったことなんですよね。やはりそこには、業務委託になってこういう重大な事故が起きているという一つの事例です。
それから、最近起きた大江戸線のこの事故も、やはり業務委託されたその団体の全く信じられないようなうっかりミス、これも大江戸線が走ってそんなことないですよね。イロハのイロハだという、何度かのそういうチェックを切り抜けたということでありますけれども、こういう重大な都民に与える影響が起きております。
そして、これらは、皆、この行財政改革プログラムに、例えばこのプランの中で、都営地下鉄のそういう保守点検は地下鉄保守事業における業務委託拡大と。それで二十年度まで、十八年から十九年、二十年度ということの記事があるんですよね。
さらに、もう一つは駅務業務の委託拡大、この大江戸線のときには、そういううっかりした入力というか、電源を入れなかったというだけではなく、実際に列車がとまったわけですよね。
私は、たまたまその列車に乗っておりました。ちょうど八時五分、練馬から、都庁の委員会があったので少し早目に準備するために乗ったんですよ。それで、そこに閉じ込められまして、私は七両目で、電車から出たのは約一時間以上かかっておりました。最後、誘導が終わったのが二時間以上かかったというふうに、後で新聞報道でも見ましたけれども、全く車内は、耐えがたい。大体、その時間ですから満員でしたよ。上着も脱げない。
あの車両も、窓をあけてくださいといってあけても、三分の一しかあかないんですよね。で、盛んに車内放送では、非常のあれはさわらないでくださいと、繰り返し繰り返しいう。みんなじっとして我慢しながら、もう近くにいた女性なんかふうふうふうふういってるし、その中にいた方は、急病人ですというので、助けてくださいといって、非常のあれをやって、じゃあ会話してくださいというと。私が何をいいたいかというと、駅員が一人来たんですね。来て、どこですかとかね。で、救急車が来たらしいんですけど、担架もあの構造じゃ入れないんです。だから病人もそこでなかなか脱出ができない。非常ドアは絶対あけないでくださいと。
もうみんな苦しくなって、今、何両目まで誘導しているんですかといったら、三両目ですといったら、みんな、ええっという声を上げて、私も本当に、皆さんが何かパニックでも起こし出したら大変だという思いでしたし、それでですね、誘導の仕方が何かといったら、前から一両ずつ出すんですと。そういうマニュアルになっているそうなんですけど、そこに職員が一人、それから階段上がるときに一人、だから線路をずっと行けば三倍ですよね。ところが、一人一人が……
○酒井委員長 松村理事にお願いいたしますが、そろそろ質問に入っていただきたいんですけれども。
○松村委員 質問しております、重大なことですから。
○酒井委員長 重大なことですけれども、それは交通局の話ですから、本件について質問されている趣旨というのは、業務委託の問題で質問されているわけですよね。だから、その事例はわかりますけれども、もう延々と事例のご紹介をいただいていますので、そろそろ質問をまとめていただきたいというお願いでございます。
○松村委員 私は、これがたまたま停電というか、そういう事故だった。そして、列車の停電だったから、その側壁の明かりがついていたんですよ。それでパニックにもならなかった。しかし、これが地震とか、何か火災とかそういうことが起きたら、どういう惨事になっていたかということを改めて見なきゃいけない。
何で、あんな駅の非常がありながらの誘導なのか。石原知事みずからが、もっと職員が配置されていれば違ったやり方があると。私も幾らでも、あの現場にいて何をしていると思ったんですよ。
大体、全部の車両が、私の乗った車両と同じようにとまっている。だから相当の駅員があちこちでやらなければ、これ解決できないということで、私も我慢していたし、みんなそういうことだったんですね。何も私の乗った電車だけじゃないんです。
じゃあ、なぜ職員が来なかったのか。それが、駅務職員が、このとまったところの前後含めて委託でしょう、東京交通サービスという。それをさらにどんどん進めていく。
だから、石原知事も、駅の職員がもっと配置されれば、こんな苦痛だとか、万が一パニックになるような誘導方法はやらなくて済んだ、見直しができるということなんですよ。そこからやはり私は教訓を学ばなければいけないし、もちろん事業者である交通局であるんですけれども、皆さん方が出したこの行革プランは、さらにそれを進めるんだと、進行管理するんだというもとで起きている事態でしょう。ぜひそういう点での、業務委託をさらに進めるとか、駅業務委託はすべて民間に任せるとかというやり方についても、関係局といろいろ連携とりながら再検討すべきだと。
いずれにしても、この問題の最後ですけれども、行政改革、すなわちこれニュー・パブリック・マネジメントといわれていますよね。NPMとは、新自由主義の行政版であり、それが何をもたらすか、既にイギリスのサッチャー改革の破綻で明らかになっているにもかかわらず、日本ではそこから学ぼうとしないばかりか、それにおくれること十年、小泉構造改革として本格的に始めたんです。
ところが、東京においては、さっき冒頭、部長さんの説明ありました。石原知事の就任以来、国の改革が一向に進まないなどとして、国に先駆けたということを誇っているんですよね。ですから、小泉構造改革と相まって、首都東京では、ワーキングプアや貧困と格差が急増して、まさにこういう安全面やいろいろな面でも、本当に耐えがたい痛みといいますか、そういうことにもなっているんだということを指摘したいと思います。
都政の行革を都民の立場から再点検し、行革実行プログラムなどを中止し、これ以上都民のサービス低下につながる職員削減や施策の切り捨てをやめることを強く主張して、次に移ります。
次は、災害対策についてです。
地域防災計画が見直されましたが、見直しのポイントについて伺います。
○石野総合防災部長 今回策定いたしました地域防災計画は、昨年公表いたしました新たな被害想定や最近の実災害などを踏まえまして、従来の計画を抜本的に見直したものでございます。
新たな計画では、死者の半減など、初めて減災目標を設定しまして、十年以内に目標を達成することといたしました。また、エレベーター対策や外出者対策など都市型災害対策を強化したこと、これまでの訓練の成果を反映しまして海外からの支援の受け入れなどを盛り込んだこと、さらには応急復旧対策のマニュアルとして活用できるようにしたことなどが、主な見直しの特徴として挙げられます。
○松村委員 建物倒壊や火災による死者を十年以内に半減させると具体的に目標を定めたことは、大変評価されると思いますけれども、目標を達成するためにどういう取り組みを行うんでしょうか。
○石野総合防災部長 今回見直しました地域防災計画の中では、先ほどご説明しましたが、十年以内に達成すべき減災目標を定めまして、またその目標を達成するに向けて行うべき主な対策を具体的に定めてございます。
これらの対策を着実に実施するために、震災対策事業計画、これを三カ年ごとに策定しまして、その進行管理を図っていこうと考えておりまして、現在、全庁的な検討組織を立ち上げまして、事業計画の年度内策定に向けて検討を進めているところでございます。
○松村委員 多数の建物の倒壊、住宅全壊、半壊合わせて約二十五万棟と。また、それに伴う大火災の発生による六千三百四十三人の死者が出た阪神大震災の教訓は、建物の倒壊をどう防ぐのか、そのための耐震化がその当時から東京でも急務となっていたはずです。
そこで伺いますけれども、東京における耐震化の現状はどうなっているのか。また、それが進んでいない状況が明らかなんですけれども、その原因について伺います。
○石野総合防災部長 今回見直しました地域防災計画の中では、耐震化について、また位置づけを一層強く打ち出している、減災目標の手段として位置づけているところでございますが、これまでの地域防災計画におきましても、地震に強いまちづくりを目指しまして、建築物の耐震不燃化を重要課題の一つとして取り組んでまいりました。木造住宅密集地域のうち、特に危険な地域につきましては、重点整備地域に指定しまして耐震不燃化の促進を図ってきました。
また、昭和五十六年の新耐震基準を満たします建物が、毎年五万棟以上建てられておりまして、耐震化は着実に進んできているものと考えております。
○松村委員 阪神大震災から十二年たちますよね。そして、今もご答弁がありましたとおり、その直後から、耐震化は重要だということで、そういう計画を立てて取り組んできたはずですが、どのぐらいの進捗率かというふうにお聞きしたんですけれども、答弁がありませんでしたけれども、やはり私は、計画を立てっ放しで進行管理しなくて済むという問題ではないというふうに思うんです。やはり進行管理に責任を負う、それが総合防災部だと考えますけれども、この点についてはどうなんでしょうか。
○石野総合防災部長 耐震化を含めます減災目標を達成するための主な対策を具体的に進めるために、先ほどもちょっとご答弁させていただきましたが、現在、震災対策事業計画、この策定に向けて全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。
また、耐震化につきましては、総合防災部としましても、関係各局、また関係区市町村と十分連携しまして、その推進を図ってまいりたいと考えております。
○松村委員 今までは、耐震化は重要だと、阪神・淡路大震災以来そういう計画でやってきたと。今度、いよいよそれが見直された地域防災計画で十年以内に死者を半減すると。これは平成十七年までに--その半減目標は書いてありますから、本当にこれしっかり早く達成して、それ以上の目標に向かっていただくような修正も引き続き行っていただきたいと思うんです。
それにしても、こういう計画に基づいて、二〇〇六年、平成十八年度に民間住宅の耐震化助成が始まりましたよね。初年度ですけれども、既に決算も出ていますけれども、総合防災部としては、この進捗率ですか、どのように把握しておりますか。
○石野総合防災部長 住宅の耐震化でございますが、この耐震化につきましては、自助、共助、公助の原則を踏まえまして、所有者によって行われるのが基本でございますが、都は、公共的な観点から、必要がある場合には財政支援を行うこととしております。
ご質問がございました木造住宅耐震化助成制度のことだと考えられますけれども、これにつきましては、十八年度、昨年度創設したばかりでございまして、制度が十分に周知されていないと。また、年度の途中から助成を開始した区もあったという状況がございましたが、制度創設を契機にしまして、区における取り組みが急速に進んでございまして、今年度は整備地域を抱えるすべての区で助成が実施されている状況でございます。
今後とも、本制度が十分に活用できますように、関係各局や区と十分連携しまして、制度の普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
○松村委員 この具体的な耐震化の取り組みは都市整備局ですけれども、実際に、今、初年度で半ばから始まったといっても、どのぐらい進捗率があったのかと。今度は具体的な数値目標を掲げたから、やっぱり進行管理を受け持つ災対部としてもしっかりつかんでほしいという意味から質問したわけですけれども、この都市整備の、私も決算で取り上げたんですけれども、木造住宅の耐震化の助成の執行率が六・四%なんですよね。それから、民間マンションの耐震診断助成も執行率が〇・五%、ほとんど先ほど立てた目標の進捗率が上がっていないということもいえると思うんです。
それは、今いった初年度だとか、周知徹底しないとか、いろいろな面があると思いますけれども、ぜひそういう点では、今度はこういう計画をつくったわけですから、進行管理をやる総合防災部としてもしっかり把握して、一日も早く進捗率が上がり、達成するようにやっていただきたいと。
そこで、私は、進捗率を上げるためにも、もっと使いやすい制度に変えていくことが必要ではないかと。確かに、木密地域で、一定の対象が絞られているんですよね。それを決めるのは、考えるのは、確かに都市整備かもしれませんけれども、やはり全体的な計画を立てて、それを促す総合防災部においても、関係局と連携し、もっと使いやすい制度に変えていくことを検討すべきではないかと思いますけれども、この点についてもお答えいただきたいと思います。
○石野総合防災部長 制度の運用の具体的な中身につきましては、ちょっと詳細に存じませんのでお答えはできませんですが、現在、住宅も含めました、この中には地域防災計画の中で耐震化を推進すると。それも受けまして、現在、庁内横断型の耐震化の推進会議を設けてございます。その中で、今、全庁挙げて耐震化の推進に検討を進めているところでございます。
○松村委員 今、災害からの復興支援について、国でも、被災者支援法が使い勝手が悪いということで、もっと個人住宅への支援という広範な世論の高まりで、超党派の見直しが準備されていると聞いております。
都としても、先ほどの耐震化の住宅支援にとどまらず、やはりこの事前復興、それからまた事後のそういう復興への個人住宅への支援という、新たな住宅再建にかかわる支援制度をつくるべきではないかというふうに思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。--まあ、いいです。それは要望にとどめておきます。
この関連で、三宅島噴火災害では、四年以上にわたる避難生活の後やっと帰島となりましたが、火山ガスとの共生を余儀なくされ、被災者の住宅再建は極めて困難な状況が続いています。その上、先日は台風被害にも見舞われました。
高濃度地区における住宅の保全解体費用に係る住民への支援については、先日の各決の我が党の質疑で、支援が検討されているということがわかりましたが、今後、さらに住宅災害を初めとする三宅島島民への生活再建支援が必要だと思いますけれども、どのように考えられているのか、伺います。
○中西行政部長 三宅島の復興に向けての必要な取り組みにつきましては、東京都は、これまでも村からの要望を十分に踏まえて支援を行ってまいりました。今後も、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
○松村委員 三宅島のモーターサイクルフェスティバルの参加者などの開催準備はどうなっているのか、中身を詳しく伺いたいと思います。
○中西行政部長 私どもが把握している状況におきましては、十一月二日の時点でございますが、百七十七名の方の申し込みがございまして、競技に参加するライダーなどを含めますと、イベント参加者の総数は約四百八十名を見込んでおります。
このうち、バイク持ち込みの申込者四十五名を含めましたツーリングラリー等へのバイクでの参加者数は、約九十名の方を確保できる見通しでございます。
○松村委員 今、新聞報道などでも、幾つか参加者などについてのあれがあるので、もう一回正確に伺いたいんですけれども、ツーリングラリーなどへの参加者数は約九十名と。これは一般参加者が四十五名、そしてそれ以外、招待レーサーなどが四十五名で、それで九十名と。これは百五十台予定していたけど九十台という数字でよろしいんですねということ。それから、十一月二日の時点で百七十七名の申し込みがあったというのは、これは旅行会社の代理店を通じて申し込まれたのが、新聞報道ではいろんな数字があるんですけれども、十一月二日の時点で百七十七名ということですね。それは、当初目標としていたのが三百人だったけれども、十月三十一日に締め切って、十一月二日では百七十七名ということですよね。
そうしますと、イベント参加者、これは千人の目標ということを聞いていましたけれども、この千人に対しては何人ということになるんですか。
○中西行政部長 今回のイベントにつきましては、例えば参加者、一般募集したわけでございますが、島における宿泊可能数などから、参加申し込みについては三百名までは可能なのではないかというふうに考えて募集をしたものでございます。また、バイクの持ち込みにつきましても、海上輸送の容量の限界やイベントの安全性を確保する観点から、百五十台を上限として募集したものでございます。そういった意味では、いずれもいわば上限という形で募集したものでございますので、ご理解をいただくようお願いをいたします。
それから、千名を目標にということのご質問がございましたが、私どもとしては、千名を目標にイベントを考えているというようなことを発表したことはないかというふうに考えております。
○松村委員 ですから、イベント参加者の総数はどうだったんですかと。つまり、今、一般参加者三百人ぐらいを上限としていたけど百七十七名と。それから、バイクのツーリングラリーの参加者を百五十台を上限としていたけど九十台と。そこまではわかりました。その内訳が、一般が四十五名で招待レーサーなどが四十五名と。
あと、イベント参加者総数が、千名といったことはないというんですけれども、現在どういう状態にとどまっているんですか。
○中西行政部長 イベント参加者の総数は約四百八十名を見込んでおります。
また、そのほか大会運営にかかわる方を含めますと、島外から六百名を超える方が島を訪れることが見込まれております。この数は、三宅島のような離島にとりましては大変大きな数でございまして、復興の起爆剤としてのイベントとしてにぎわいのある形で実施できるものと考えております。
○松村委員 今いった四百八十名--今、四百八十名という数字は答えなかったんでしたっけ。いいましたよね。これにはマスコミは入ってないんですね。
あとお聞きしたいのは、大会主催者ですか、関係者入っていないということですけれども。
○中西行政部長 私ども主催者ではございませんので、余り細かい内容はよくつかんでおりませんが、マスコミの方は入っていないというふうに考えております。
○松村委員 いろいろな新聞報道がありますし、しっかりした、これは東京都がもともと主導してやってきたものだし、後で主催者の点についても聞きますけれども、私はもともと千人ぐらい集めるというふうに聞いて、島も期待していたと思うんです。実際には、さっきいったみたいに目標を下回っていると思いますけれども、この理由については何でしょうか。何で少なくなったのか。
○中西行政部長 募集人員が上限に達しなかった理由についてでございますが、PR期間が短かったなどさまざまな要因があろうかと思いますが、今後検証してまいりたいと考えております。
○松村委員 PR期間が少なかったといったって、やるといってどのぐらいたつんですか。新聞報道も含めて大騒ぎしていたので、決して私はPRが不足していたからこういう点にとどまったんじゃなくて、さまざまな、歓迎されないというか、歓迎されていない、本当に復興支援というんだったら、あれ自然環境だし、私たちも委員会、議会、あらゆる場面でこれただしてきたので繰り返しませんけれども、そういうもろもろの批判的な意見というか、これがやはりこういう点にとどまっているということも、きちっとやっぱり見ていかなければならないというふうに思うんです。
もう少し聞きたいんですけれども、主催者はどこなんですか。
○中西行政部長 今回のイベントの主催者は、NPO法人三宅島スポーツ振興会と三宅村でございます。
○松村委員 村とNPOというんですけれども、村が口を出しても取り上げてくれないなどという声を多数聞くんですよね。村でも、どこがやっているかわからないというような、そういう当局からの話があったりして、やはりそれ、村と、その実行委員会ですか、NPOだということでは済まされないし、都が入っていませんよね、主催者に。赤字になったとき、最終責任はだれが負うのでしょうか。
○中西行政部長 今回のイベントの収支につきましては、三宅島スポーツ振興会が村からの補助金を基本に均衡を図るという予定でございます。
現時点では、収支計画に変更を生じるという話は聞いておりませんが、万一そのような事態になりました場合には、主催者である村とNPO法人が対応することとなります。
○松村委員 今、予定していたよりも、人数というか、参加者がふえないという中で、主催者が村とNPO法人三宅島スポーツ振興会だと。それが全部受けろというのは、これはやはり余りにも過酷というか、無責任というか、きちっとした東京都の、これ主導してやってきたんですから、対応が求められるというふうに思います。
そこでですね、これまで秋の村の行政懇談会の席上、都から特別交付金が出ていると、やらなければお金が来ない、こんなことが懇談会で村当局から発言があったとも聞きますが、そこで、これまで復興のための災害特別交付金が出ていますよね。それは全体でこれまで幾らなのか。また、その中身はどういうものなのか。二〇〇七年、平成十九年度はどうなるのかをお答えください。
○中西行政部長 三宅村の実施をいたします災害復旧復興事業を支援するための三宅島災害復旧・復興特別交付金につきましては、平成十四年度から十六年度までは各年度五億円、平成十七年度及び十八年度におきましては各年度十億円を交付しております。
主な充当事業でございますが、島民の一時帰宅事業、小中学校などの復旧、島内活動の安全確保、島内の廃棄物処理のための事業などでございます。
なお、平成十九年度については、予算額は十億円でございますが、今後、村からの要望に基づきまして三月に交付する予定でございます。
○松村委員 今まで、復興のためだということでのこのバイクレース、モーターサイクルフェスティバル、大体三億円だといったけど、これはこの災害特別交付金の中の枠組みだというふうに思うんですけれども、その執行はというか、これからということですね、十億円の使い方。ちょっとそれだけ確認しておきたいと思います。
○中西行政部長 今年度の特別交付金の執行につきましては、村からの要望に基づきまして三月に交付いたします。
○松村委員 このモーターサイクルフェスティバルのお金もその中と、村から要望があればということを確認しておきたいというふうに思うんです。
いずれにしても、先日、台風で土砂崩れなどの被害が出て、土どめなどに億単位のお金がかかるとも聞いております。モーターサイクルフェスティバルはやめ、島民生活の再建に使うべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
最後に、東京都国民保護計画について伺います。
防衛省は、ことし三月、弾道ミサイル防衛のための迎撃ミサイル、パトリオット、PAC3を自衛隊入間基地に初配備したのを初め、私の地元練馬区の北町にある自衛隊駐屯地、さらには都内の晴海ふ頭や代々木公園など公園緑地への展開、訓練を検討していると伝えられておりますけれども、これと東京都の国民保護計画、どういう関係だというふうに考えていいのでしょうか。
○鈴木企画調整担当部長 東京都の国民保護計画でございますけれども、その中で、武力攻撃事態といたしまして、弾道ミサイル攻撃など四つの事態類型を想定してございます。
本計画では、そうした事態におきまして、都民の生命、身体及び財産を保護し、被害を最小化するよう、住民の避難、または避難住民の救援、武力攻撃災害への対処につきまして定めているというものでございます。
○松村委員 このパトリオットの配備計画といいますか、展開、訓練という要請に、都は従う義務があるのですか。
○鈴木企画調整担当部長 防衛省から協力要請があれば、そうした具体的な内容を見た上で都として判断するということになるということでございます。
○松村委員 このパトリオットの目的は、アメリカの先制攻撃計画に日本を従わせることにあることは、自明なんです。武力攻撃事態等における国民の保護のための措置などということでも、断じてないと思います。したがって、これに協力するなどということは、憲法上許されないというふうに指摘しておきたいというふうに思います。
また、東京都の国民保護計画、これも制定時に、この総務委員会で我が党委員から、国民保護法そのものが有事法制に基づくものであり、憲法が否定している集団自衛権に基づくものとして違憲立法だと、憲法違反ということは明白だということを指摘しましたけれども、引き続き国にこういう法案の撤回を求め、またこの東京都国民保護計画もやめるよう強く申し上げて、私の質問を終わります。
○山口委員 私の方からは、初めに、職員のメンタルヘルスについて伺います。
知事部局の職員数は年々減少していますが、三十日以上の病気欠席者等の罹患率は少しずつ上昇しています。そして、三十日以上の病気休暇者等の理由の第一位は精神障害で、二〇〇六年度は全体の五二%を占めています。
社会的にも心理的にも過度のストレスを受けやすい現代人にとって、メンタルヘルスへの関心が非常に高まっていますが、知事部局におけるメンタルヘルス対策の基本的な考え方について、初めに伺います。
○野口勤労部長 職員の健康管理の問題は、本人の健康保持にとどまらず、職場全体の公務能率を向上させる上でも重要な課題でありまして、勤労部としてもその充実に努めております。
そうした中、精神障害を理由とする病気休暇者等は依然として増加しておりまして、まさにメンタルヘルス対策の強化が喫緊の課題となっております。
そこで、平成十八年三月に新たに東京都職員の心の健康づくり計画を策定し、メンタルヘルスにおいて職員みずからが行うこと、事業者が行うことなど、それぞれの取り組みや役割を明確にいたしました。
具体的には、一次予防として、職員の意識啓発をするため精神保健講習会やメンタルヘルス講習会などを催しますとともに、職員みずからが心の健康度を自覚するためのストレス度チェックを実施し、また二次予防として、心の健康相談を初めとした相談事業の充実を図り、職員からの相談への対応や心の病気の早期発見に努め、さらに休職中の職員の職場復帰支援や再発防止のための三次予防にも取り組んでおります。
こうした取り組みをさらに強化するため、平成十八年四月からは、八名のスタッフから成ります精神保健相談員制度を創設し、職員のメンタルヘルスをより能動的に支援する仕組みを導入いたしました。
○山口委員 予防対策も含めて取り組まれているということですけれども、では、具体的に、近年、非常にうつ病の患者が増加していると思うのです。中学生でも今約四%がうつを体験しているともいわれている中で、この都の病気休暇中の職員の中にも相当数おられるのではないかと思いますが、では休職者が職場に復帰をしようとする場合の具体的な支援を伺いたいと思います。
○野口勤労部長 休職中の職員の円滑な職場復帰を図るため、都の健康管理部門の精神科医、心理職、精神保健相談員の専門スタッフが、本人及び職場の上司と話し合いを行った上で、復職後の勤務を想定した無理のない段階的な職場復帰訓練計画を策定し、これに基づいて、本人の状況に応じた個別指導を行っております。職場復帰を希望する職員は、休職期間中にこの職場復帰訓練を活用することで、不安の軽減と勤務への自信回復を図ることができ、このことが再発の防止にもつながっております。
○山口委員 一定期間休職した職員が復帰するときには、受け入れる職場の理解や協力も不可欠ですが、こちらは具体的にどのように対応されているのでしょうか。
○野口勤労部長 受け入れる側の職場の体制づくりといたしまして、管理職の悉皆研修を行いますとともに、職場の安全衛生管理者等を対象とした講習会を定期的に開催し、職場全体の理解を深めるための教育、啓発に努めております。
また、各職場を精神保健相談員が巡回し、心の病の発生防止や発生した場合の対応策について、その職場の状況に応じた具体的な指導を行っております。
休職者が職場に復帰する際には、精神科医を中心とした専門スタッフが職員及び職場の上司と三者で話し合い、職場の環境づくりなどについて適切にアドバイスすることで、円滑な復職につなげております。
○山口委員 復帰しました職員についても、その復職後にはフォローが必要になるかと思いますが、そちらの支援はどのように行っているのでしょうか。
○野口勤労部長 職員が復職した場合でございますが、復職した職員を継続的に支援するため、担当になった精神保健相談員を中心とした専門スタッフが、復職後の支援の必要度に応じまして、職員及び職場の上司と定期的に面接を行い、適切な指導を行うことにより、心の病の再発を防止するためのケアに努めております。
○山口委員 本人も周囲の人も早期に気づくための方法、何よりも予防の観点からストレスを解消するための方法など、民間などの取り組みを参考にして充実していただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
次は、障害者雇用について伺いたいと思います。
東京都は、障害者も施設での隔離された生活から地域での生活に移行する方針を打ち出し、特別支援教育でも就学から就労まで、トータルな支援教育を打ち出しています。
さらに国では、障害者の地域における自立した生活を支援する体制づくりの推進のため、障害者自立支援法がスタートし、身体、知的、精神の三障害に対応するサービス体系が一元化されました。同時に、改正障害者雇用促進法が施行され、まさに社会参加と自立に向けた施策の転換において、就労問題は重要な課題だと思います。
初めに、保護者などから、都庁内においても知的障害者の職場体験を広げてほしいなどの要望が届いているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○中井理事 現在、知的障害者等を対象とした都庁内における職場体験が、産業労働局、福祉保健局、教育庁において実施されているところでございますが、障害者団体の皆様方からは、先生ご指摘のとおり、こうした職場体験の機会をさらに広げてほしいといった趣旨のご要望をいただいているところでございます。
○山口委員 先ほど、国におけるチャレンジ雇用制度の実施の状況などは、既に答弁をいただいておりますが、では近隣自治体における最近の知的障害者雇用の動きについて、どのように把握されているのか、伺います。
○中井理事 最近の近隣の自治体の動きでございますが、一例を挙げさせていただきますと、千葉県において、県庁内に知的障害者の働く場を提供する「チャレンジドオフィスちば」といった雇用の機会を提供する、そういった施策を行っているという事例を聞いております。
この取り組みでは、知的障害のある方を非常勤職員として雇用いたしまして、庁内からの依頼による文書収受、発送、封入やコピーといったような業務を行い、この業務経験を生かして民間企業への就職につなげるといったことを目的に取り組んでいるというふうに聞いております。
○山口委員 障害者雇用の促進については、福祉的就労から一般就労へ促進するという施策にのっとって、先ほどもありました、庁内では福祉保健局、産業労働局、教育庁との連携で職場体験実習も導入されています。
生活者ネットワークは、二〇〇六年第二回定例会の一般質問で、都が雇用する障害者は身体障害者のみに限定されていて、知的障害者については就労の機会の提供に努めるとなっており、精神障害者とともに雇用の対象になっていないことを指摘し、障害者の一般就労を推進する自治体として検討することを提案をしてきました。
国の動向を受けて、都として今後の計画と取り組み、先ほどご答弁をいただきましたので、早急に具体的な取り組みをしていただきたいというふうに、ここでは要望させていただきますが、では庁内で障害者雇用の実態を取りまとめていく役割が総務局にあるのではないかというふうに考えますが、見解を伺います。
○中井理事 障害者の就労拡大に向けた取り組みを進めていく上では、障害者の就労支援を所管する関係局との連携が必要不可欠であると考えております。
今後もこうした庁内の連携をより一層密に図りながら、実情の把握や、今後の取り組みの検討などを行ってまいりたいというふうに考えております。
○山口委員 障害者が能力を最大限に発揮して、働くことを通して社会参加ができる環境整備を図ることが必要です。都は、障害者雇用を促進する立場として民間企業にも働きかけていますが、そうであるならば、都みずからが率先して障害者の雇用に打って出るべきではないでしょうか。
先ほど千葉県の事例が出されましたが、今年度は兵庫県、そして来年度には名古屋市、それから岐阜県などでも、知的障害者の雇用なども促進するように進めていると聞いております。兵庫県の明石市では、庁内に障害者の作業所を設置して、そこから庁内に必要なできる仕事を受け入れ、その運営をNPOなどに委託した新しい事業展開もされているというようなことも聞いておりますので、ぜひ、関係各局は当然ですけれども、民間企業、それから当事者による事業所というのも都内でもいろいろ活動がされていると思います。
イタリアなどでは、精神障害者のことにつきましては、もう既に精神障害の病院を解体をして、そして、そういった障害者、あるいはまた刑務所を出所したとか、社会的な弱者の人たちが、一定程度の数をきちっと確保して、ともに出資をして協同組合という形式で仕事をつくっていく、社会的協同組合というような取り組みも進められておりますので、そういったことなどもきちっと調査をしていただいて、今後ともぜひ、この都庁みずからが知的障害者、あるいはまた精神障害者の雇用に打って出ることを要望しておきたいというふうに思っています。
最後に、人権施策の推進について伺いたいと思います。
高齢者、児童虐待、障害者差別、DV、セクシュアルハラスメント、さらには今パワーハラスメントなども問題になっておりますし、いじめなど、さまざまな人権侵害に関する事件が後を絶ちません。また、東京は、多くの外国人が生活をし、さまざまな文化や価値観、ライフスタイルを持つ人々が生活している町でもあります。お互いの違いを認め合い、尊重しながら、多様な人々が共生する社会、また、障害があってもなくても自分らしい生き方のできるノーマライゼーション社会の実現には、一人一人の人権がきちんと守られなければなりません。
東京都は、平成十二年十一月に、「東京都人権施策推進指針-東京ヒューマン・ウエーブ21の展開」を策定し、全庁的な推進体制のもと、救済保護、啓発教育、支援助成の三つの観点から総合的に人権施策を推進しているということですが、どのような施策がこの間展開されてきたのか伺います。
○田村人権部長 東京都人権施策推進指針は、東京都が総合的に人権施策を推進してまいりますための基本的な考え方をお示ししたものでございます。
指針では、都が取り組むべき事業を、救済保護、啓発教育、支援助成の三つの観点から新たに整理し体系化しております。
まず、第一の救済保護の観点では、人権相談への対応、救済保護機能の充実、地域との協力体制の推進に区分し、合計で三十五事業を提示しております。
第二の啓発教育の観点では、啓発教育研修で六十事業を示してございます。
また、第三の支援助成の観点ですけれども、社会的弱者、少数者の自立支援、多様な主体の連携協働の推進、企業、NPOとの自主的な取り組み支援、人権施策への民間活力の導入で三十事業、総計いたしますと百二十五の事業を掲げて取り組んできたところでございます。
○山口委員 人権施策は、長期的な視点に立ち継続的に取り組むべきであるとは思いますが、既に七年が経過をしています。指針の策定当時と比べ、その後、指針に掲げた事業がどのように変わってきたのか伺います。
○田村人権部長 指針策定以降これまでの間、国の動向、都における人権をめぐる状況を勘案いたしまして事業を進めてきたところでございまして、引き続き現行の指針を生かしながら、人権施策を総合的に推進していくこととしております。
なお、個別の事業につきましては、犯罪被害者等への支援、NPOとの協働等、時代のニーズを的確にとらえ、新たな事業を加えるなどして、当初の百二十五事業が現在は百五十七事業となっております。
○山口委員 冒頭でも申し上げたとおり、人権問題も複雑、多様化していますが、日本国憲法で保障されている基本的人権が正しく理解され、定着しているかといえば、大いに疑問を感じないわけにはいきません。
一方、国際社会では、人権問題の解決を市民社会や企業などの社会的責任としてとらえる動きもあります。個別の施策については、社会の動きをとらえ、時代のニーズを踏まえながら取り組みを進めているということですが、行政だけではなく、NPOや民間企業等の連携で、新たな視点での取り組みを推進していただくよう要望して、質問を終わります。
○後藤委員 私からは、資料2号の八〇ページに、伊豆諸島離島振興計画について書かれています。まず、この離島振興計画について、できたらばご説明をしてください。
○松本多摩島しょ振興担当部長 離島振興計画でございますが、これは、伊豆諸島地域における平成十五年から二十四年までの十年間の振興の方向性を示すものでございまして、この計画に基づき実施される事業は、国庫補助率のかさ上げ措置の対象となるものでございます。この計画は、価値ある地域差の発揮を基本理念といたしておりまして、島の自立発展の筋道を示す広域的な基本方針でございます。
○後藤委員 この計画ですけれども、この計画は何年ぐらい前から始まって、現在の予算ですね、概算要求というのですか、例えば概算要求ですけれども、毎年幾らぐらいあるのか教えてください。
○松本多摩島しょ振興担当部長 この離島振興計画は、昭和二十八年七月に離島振興法が制定されまして計画を立てることになったものでございます。
もう一つの要求額でございますが、先ほどお話ししましたように、現在十五年から二十四年までの十年間の計画になってございますが、平成十八年で申し上げますと、全体で約二百十八億の概算要求額となってございます。
○後藤委員 でしたらば、民間企業なら、例えば毎年二百億円のお金を投資していれば、進捗状況ですとか達成率ですとか、評価をして、計画の見直しも行う場合もあると思いますけれども、窓口となっています行政部、こちらの行政部の方で、例えば総合的な進捗状況だとかのチェックは行っているでしょうか。これを教えてください。
○松本多摩島しょ振興担当部長 この振興事業は、都の関係局が責任を持って実施管理をしているものでございます。したがいまして、関係局において、それぞれの事業については進捗状況を把握してございます。
総務局は、予算要求時などに、各町村とのヒアリングや関係局からのヒアリング、こういうものを通じまして進捗状況を把握するように努めてございます。
○後藤委員 次ですけれども、七八ページをちょっと見ていただきたいのですけれども、この七八ページのところには、多摩島しょ振興推進本部というのが書かれています。これで多摩ですとか島しょの計画を立てられていると思いますけれども、今回私が問題にしています離島振興計画が、この会議ですか、多摩島しょ振興推進本部の議題に上がったのは何回ぐらいあるのかということと、過去十年の間に何回ぐらい議題に上がったか教えてください。
○松本多摩島しょ振興担当部長 現在、手持ちの資料で持ってございますのは過去五年間分でございますので、五年間分でお答えさせていただきたいと存じます。
離島振興計画については、平成十四年から現在まで二回議題に上がってございます。
○後藤委員 できたら、二回というのは何年なのか教えていただけますか、済みません。
○松本多摩島しょ振興担当部長 まず、五年間分の平成十五年一月に離島振興計画の素案について本部会議で審議をしてございます。また、十五年三月に離島振興計画の案について審議をしてございます。
○後藤委員 結局、そういうことになりますと、この計画のスパンというのは十年だと思うんですけれども、この計画が始まってから今まで一回も、検討委員会というのですか、多摩島しょ振興推進本部というのは、これですけれども、本部の下に幹事会があって、都市づくり検討会がありまして、くらしづくり検討会というのがあるわけですけれども、各担当の方たちが集まって、この離島振興法というやつは、建設局もありますし、港湾局もありますし、いろいろなところがあるわけですけれども、例えば局を総合して、みんなが集まって進捗状況を検討するべきだと思うんですけれども、このような考え方はありませんか。
○松本多摩島しょ振興担当部長 離島振興計画は、今、後藤委員おっしゃったように、関係各局の局長級で構成されます多摩推進本部会議での調整を経て策定したものでございます。したがいまして、関係局は、この離島振興計画の目的や目標を踏まえまして各事業を実施しており、計画推進のために進捗状況等を把握し、関係各局の調整を図っているところでございます。
総務局といたしましては、この離島振興計画を所管する立場から、関係各局の事業進捗状況を把握するとか、各町村に要望、状況を説明する、こういうことをしながら、離島振興事業が円滑に実施されるように連絡調整に努めてございます。一括して会議を設けるという考えは今のところございません。
○後藤委員 今の部長がおっしゃったのはちょっとおかしいと思うのですけれども、例えば総合的に進捗状況は把握はしていないのかもわかりませんけれども、この離島振興事業の最終目的というのは、伊豆諸島の地域の自立ということだと思うんですよ。
で、仮にそうだとしましたらば、今どきですよ、例えば十年のスパンで物事を考えて事業をやるというのは余りないと思うんですけれども、確かに部長がおっしゃったように、局長が責任を持ってやるのはわかりますけれども、今の民間の動きを見ていていただきたいんですけれども、例えば携帯電話だって一年で変わるような世の中です。
こういうような民間の、動きが早くなっているんですから、例えば三年でみんなでもう一回集まって相談してみようとか、五年でも構わないと思いますけれども、例えば十年間、この十年間を、各任せてある局長に、局長に任せてあるから大丈夫ですよということ自体が、いわゆるお役所の発想というんですか、例えば縦割りの発想なのかもわかりませんけれども、ここのところで、皆様がいつもおっしゃっていることだと思うんですけれども、例えば総合的に考えてというふうなことで、石原知事もおっしゃっていますけれども、いろいろな会議をつくっているじゃないですか、大きな会議をつくってやってるのに、離島振興計画を見てみますと、一たん離島振興計画は十年間任せてしまったから、各局が、勝手にじゃないですね、各局が責任を持ってやるからいいだろうというふうにいっていて構わないんでしょうか。できたらば、もう一度そこのところを教えてください。
○松本多摩島しょ振興担当部長 繰り返しになりますが、離島振興計画に基づく事業につきましては、各局で責任を持って実施してございます。その連絡調整には、総務局として当たらせていただいてございます。
○後藤委員 というふうにいわれましたらば、八一ページなんですけれども、八一ページの真ん中辺に過疎地域活性化特別措置法というのが書いてあります。ここのところで新島村が新たに地域の指定を受けたと書かれていますけれども、新島村が新たに指定を受けたのは何年なのですか。
○松本多摩島しょ振興担当部長 そこに書いてございますように、平成十年三月に新たに新島村が地域の指定を受けたものでございます。
○後藤委員 結局私が今いいたいのは、例えば七年前、例えば七年前ですとか十年というふうなスパンで物事を考えるんじゃなくって、これだけ世の中が進んでいます。例えば小笠原ですけれども、あの小笠原の高速船がありましたね。TSLというのがありましたけれども、あのTSLだって、計画をしていたのが、途中で、はい、やめましたということになるわけです。ですから、私がお願いをしたいのは、結局時代に合った見直しというのをいつもいつもやっていただきたい。ここのところでやらないと、結局見直しをほうっておくとだれが困るかといいますと、住民の方たちが困るわけです。例えば十年前のものを、計画のままでいっていますから、ここのことはできたら考えていただきたいと思います。
次なんですけれども、この離島振興計画などで、都庁の職員の方が伊豆諸島ですとか小笠原諸島に出張をしていますけれども、このときの宿泊費は幾らか伺います。
○野口勤労部長 島の宿泊施設の料金について、我々ですべての宿泊施設を調査したものではございませんが、勤労部で新島、式根島、神津島の宿泊施設について、聞き取り調査等により現在調べた限りで申しますと、条例では宿泊料一万円というふうに定めておりますが、これを超える宿泊施設が、新島で四軒、式根島で三軒、神津島で三軒、こういうような状況でございます。
今申しましたのは一万円以上ということでございまして、一万円未満につきましては、新島で三十軒、式根島で三十五軒、神津島村で十三軒、そういう状況でございます。
○後藤委員 私の方でいただいている資料とちょっと違うので、できたらば見ていただきたいのですけれども、例えば新島には宿泊の施設が七十五、この七十五のうちに一万円以上の宿泊施設が四つ、式根島には六十三の施設があって、一万円以上が三つ、神津島村では九十六の施設があって、一万円以上は三つと聞いていますけれども、こちらの数字でよろしいでしょうか。
○野口勤労部長 今、後藤委員がおっしゃいました宿泊施設につきましては、島しょ保健所事業概要にございます施設でございまして、そういった施設でございます。先ほど私どもが申しました数字につきましては、そのうち勤労部の調査で、聞き取り調査等で把握している施設についての数ということでございます。
今、後藤委員がいわれましたように、一万円以上の施設について申しますと、新島で四軒、式根島で三軒、神津島村で三軒、合計十軒でございます。
○後藤委員 今部長がおっしゃった金額ですけれども、例えば民宿の場合でしたらば六千三百円というのが一番安い金額になっています。
で、確かに部長が最初におっしゃったように、例えば一万円以上のやつは四軒というふうにいわれていますけれども、例えば通常料金であっても一万一千五百五十円だとかというのはありますけれども、これは本当にごくまれです。パーセントでいきましたらば五%にも満たないようなところですけれども、例えば三宅島では、スイートルームの部屋が一万五千円というのもあるんですけれども、確かに一万円を超えている宿泊施設はありますけれども、例えば都庁の職員が行きましたら、都の中ですよね、都の中の新島、式根島、神津島、小笠原だとかに行くわけですけれども、普通の一般の職員は一万円の宿泊費をもらって行きます。
で、私も新島ですとか式根島、神津島にはよく行くのですけれども、民宿に泊まった場合、六千三百円、六千八百円、例えば七千円ぐらいが普通になります。
で、職員の宿泊費ですけれども、普通でしたら平均をとると思います。都内の中でも、例えばスイートルームだとかすごいいいホテルをとったらば三万円だとか四万円もあるとは思います。例えば十万円もあるでしょう。ただし、例えば都内に泊まる場合は一万二千円ですか、こういうふうになってますけれども、職員が都内の出張に行ったときに、例えば差額が生まれる。ここのところで差額が生まれるということは、いい方は悪いかもわかりませんけれども、お小遣いになってしまうわけです。
で、こういうふうにいいましたらば多分皆さんはいうと思うのですけれども、例えば高いところに泊まったらば、だったら差額分は私たちは負担しますというふうにいうとは思います。これが北海道に行ったり九州に行ったりするんだったらばいいんですけれども、今回私が指摘していますのは、地番から見れば東京都、例えば新島村です。ということは、同じ自治体の中--同じ自治体というんですかね、例えば圏域の中で、このように差額が生まれるのがはっきりわかっている。例えばわからないんだったら構いません。わからないのだったら構わないけれども、ここまではっきりわかっているんだったならば、何らかの方策を講じるべきだと思いますけど、いかがでしょうか。
○野口勤労部長 旅費につきましては、いわゆる実費弁償と定額方式があるわけですが、旅費は旅行した事実に対しまして支給する実費弁償の経費であり、本来、当該旅行のために要した一切の費用を弁償すべきであり、かつそれで十分であるという考え方もございます。しかし、すべての旅費種目につきまして実費主義を貫くことは、手続が煩雑であるばかりか、同一地域への旅行であっても、各自が選択するホテル等によりまして旅費額が異なる可能性があるなど、適正な支出額を判断することは困難をきわめます。
そのため、標準的な実費額を基準として定額で定めることにより、簡単な手続と適正な支出を確保しようとするものでございます。国や他団体でも定額ということになっております。東京都も、職員の旅費に関する条例で定額制を規定しておりまして、条例に沿った形で現在の宿泊料を定めて支出しておるところでございます。
○後藤委員 確かに部長がおっしゃるように、書いてはあります。書いてはあるということは、条例に書いてあることはよくわかっているんですけれども、仮にそういうふうにいわれるのだとしましたらば、以前行革一一〇番が指摘をしたように、例えば役場の公費でお土産を都庁の職員が出張に行ったときに渡したよという文書が、村の方に情報公開をかけたらば出てきたわけですけれども、この件に関しまして私も調べましたらば、役場の方は、今後は行わないというふうにいっています。
で、ここで役場は行わないというのは当たり前だと思うんですけれども、だったら都庁の職員の方はどういうふうな手当てを講じたのか伺います。
○岳野総務部長 島しょ地域の町村による都職員に対する交際費の支出についてでございますけれども、関係局に対する総務局行政監察室による聞き取りの調査を行いました結果、処分に至るような違反は認められませんでした。
しかしながら、今後とも、都職員としてその行動に都民からの疑念を抱かれることがないよう、各局総務課長会の場を通じまして、利害関係者との接触に関する指針の趣旨を改めて徹底したところでございます。
なお、島しょへの出張の際には、町村の職員等と勤務時間外に飲食をしながら意見交換を行う場合は、これまでどおり応分の負担をして参加してまいりたいというふうに思っておりますが、公費による土産物、贈答品の受領につきましては辞退することといたしまして、島しょ地域の町村に対してもその旨をお伝えして理解を求めたところでございます。
○後藤委員 とりあえずお土産に関しましては、これで片がついたのかなと思うんですけれども、例えば宿泊費に関して、役場の職員は、こちらから行く職員が一万円の宿泊費をもらっていて、例えば民宿ならば民宿、泊まった場所がわかるわけです。必ず迎えに来てくれだとかということになるんではないかなと思いますけれども、仮に六千三百円の民宿に泊まっているところに、役場の職員の方が迎えに行ったときに、三千七百円の差額がこの人には入っているんだよということが、明々白々になっているわけですよ。で、ここまでになりましたらば、確かにお土産の件は片づいたといいましたけれども、ここでお土産は片づきましたけれども、都庁の職員は例えば民宿との差額を受け取っているなと、いいな、これはと、こういうふうなことになりますと、これでは同じ公務員として示しがつかないと思うんですけれども、見解を伺います。
○野口勤労部長 島しょ地域の宿泊施設は、主に観光客を対象としておりまして、その内容により宿泊料に大きな差がありまして、季節によって高額な宿泊料金となるなどの状況がございます。また、季節によっては宿泊施設が不足する状態となり、現行においても、場合により、職員が条例で規定した額以上の宿泊施設に宿泊し、その差額を負担しているという実態もございます。
先生のご指摘の課題につきましては、まず、施設の宿泊料の状況、それから職員の宿泊実態などの把握を十分行った上で慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
○後藤委員 結局部長がおっしゃるのは、実費でやったりすると領収証を添付するのが面倒くさいからだというふうに思うんですけれども、例えば実費でできない理由、この実費でできない理由というのは、例えば領収書をとるのが面倒くさいというふうに理解してよろしいですか。
○野口勤労部長 旅費につきましては、先ほど申しましたように、定額主義でいくという考え方でございまして、その料金水準を現在のところ甲乙という二つのランクで定めておりまして、方式的にはその方式の方がすぐれているというふうに考えております。
○後藤委員 部長がそこまでいわれましたらば、ここに内国旅費請求内訳書兼領収書というのがありますけれども、例えば船ですね。船に乗った場合には領収書が添付されているというふうにちゃんと書かれているのですよ。結局出張旅費を請求する場合には、片や船に乗るときには必ず領収書をとってきてくださいねとなっているわけですよ。こうなっていたらば、例えば宿泊費だって、ちょっと面倒くさくなるかもしれないけれども、領収書をとってきて、こういうふうになれば、部長がさっきおっしゃったように、高い宿しかあいていない場合には、高い領収証があるわけですから、いいわけですよ。
で、一つだけ私がちょっと驚いたのは、結局部長が、例えば定額主義の方がすぐれているっておっしゃいましたけれども、この定額主義の方がすぐれている理由を教えてください。
○野口勤労部長 旅費の件につきましては、一番最初に申しましたように、両主義の優劣につきましては難しい問題でございますが、旅費の実費弁償という性格に即していえば、証拠主義の方がすぐれているということで、先ほど後藤委員がいわれました船みたいな、ケースがかちっと決まっている場合については、そういった形でやるという方式もございますが、しかし、あらゆる旅費種目において証拠書類を求める証拠主義を貫くことは困難でございまして、旅行者及び旅費事務担当者の手続の増加はいうまでもなく、制度の乱用等の弊害が発生するおそれもあります。
他方、定額主義は標準的な実費額で機械的に計算するため、手続の簡素化が図られるともに、比較的経費が節約できるという長所もございます。
一方、短所もあって長所もあるということでございますが、都においては、証拠主義の考え方に立ちながらも、具体的な宿泊料につきましては、国の旅費制度に準じて定額主義を建前としておりまして、証拠主義を採用するという折衷的な制度ということになっております。だから、そういう意味で、どちらがすぐれていて、どちらがすぐれていないということについては、先ほどちょっと後藤委員から指摘ございましたようにちょっといい過ぎた面もございますが、両方、優劣は難しい問題でありまして、宿泊料については定額方式をとっているということでございます。
○後藤委員 だったらば、私の方からは、要望になるかもわかりませんけれども、例えば定額でやるんだとしたらば、例えば現在の場合は二段階に分かれていますけれども、だったら三段階に分けることも可能だと思います。例えば三段階に分けて金額を下げた場合に、高いところしか宿があいていないということがわかれば、このことは文書でつければお金は出ることになってますよね。
で、ここで私がいいたいのは、役場の職員の方も、都庁の職員の方も同じ公務員なんですよ。結局同じ公務員で同じ仕事をやってるのに、片やそこから、返す必要のないお金、簡単にいえばお小遣いになってしまうのかもわかりませんけれども、このようなことで、このようなことにならないようなシステムをできたらば考えていただきたい。
今回のことで、こういうふうなこと、離島振興法のことを私いいましたけれども、結局離島振興法というのは何かといいましたらば、伊豆諸島の自立を考えて、皆さんで、例えば都庁の職員の方も、役場の職員の方も、地元に住んでいらっしゃる方とみんなでやっていかなければいけないわけですから、ここのところはぜひ皆さんで考えていただきたいと思います。
○花輪委員 それでは、監理団体について何点かお尋ねをしたいと思います。
監理団体の随意契約について、先日の定例会で一般質問をさせていただきました。その中で、総務局がつくっていらっしゃる監理団体の指導監督基準では、いわゆる契約については競争入札が原則となっているけれども、実際監理団体に問い合わせてみたところ、監理団体が十八年度に契約をした一万一千四百四十件中、九千四百三十件、八割以上がその指導基準に反して随契をしている、そういうことを指摘をさせていただきました。それで、随契を減らして透明性を高めるべきじゃないかということもいわせていただいたわけです。
そのときに、局長から、随意契約手続の一層の適正化と透明性を確保するために、各団体の随意契約に関する規定については、所要の整備を行った上、公表するよう指導するという答弁をいただきました。
当時は規定の中に、原則は競争入札だけれども、本当は競争入札をしなければいけないんだけれども、規定そのものが原則随意契約をしなければいけないみたいな規定をしているところが二件あるというふうに私も指摘をさせていただきましたが、その規定の整備について進捗していればご答弁をいただければと思います。
○松崎行政改革推進部長 委員のご質問の中で、指導基準に反しているということで、随意契約を行うこと自体が指導基準に反していることではなくて、随意契約を原則としているところが指導基準に反しているということで二団体ございまして、財団法人東京都交響楽団と財団法人東京観光財団でございます。
これらの団体におきましては、業務の専門性等から、複数見積もりの聴取や、企画コンペにより一定の競争性は確保されていたと聞いておりますが、実態として入札を実施するような契約案件を想定していなかったため、随意契約を原則とする契約規定となっていたものでございますが、規定を見直すよう指導したところでございます。
○花輪委員 規定については見直しをしていただけるということなので、一歩前進だと思います。よろしくお願いします。
次に、監理団体というのは、人もたくさん、都の職員の方が派遣をされていたり、また、多額のお金が東京都から出資とか出捐をされていたり、また継続的な財政的な関係があるという、そういう団体です。ですから、都と大変密接な関係がある団体なわけですが、まず最初にこの監理団体の情報公開の基本的な考え方についてご答弁をお願いします。
○松崎行政改革推進部長 監理団体の情報公開につきましては、都の情報公開条例に基づきまして各団体に対してモデル要綱を示し、都に準じた情報公開制度の整備を指導してきたところでございまして、平成十二年以降、すべての監理団体におきまして、条例の趣旨を踏まえた情報公開制度を整備済みでございます。指導監督要綱におきましては、団体の自主的な取り組みを基本として、その推進を図るものとするとしているところでございます。
また、十八年七月に策定した行財政改革実行プログラムを踏まえまして、各監理団体におきましては、経営の透明性の向上を図るため、役職員の報酬、給与等に関する情報の公表を進めるとともに、主要事業指標や財務指標といった経営情報の提供頻度の拡大を推進するなど、情報公開制度によらず、みずからも積極的に情報開示に取り組んでいるところでございます。
○花輪委員 みずからも積極的に情報開示に取り組んでいるところであるというようなご答弁がありました。
それで、先日、各団体に--先ほど、随契の数が九千四百三十件監理団体の中にあるという話をしました。そのうち一億円を超えるものが八十四件ありました。団体でいうと十八団体、十八団体が一億円を超える随意契約をしていて、件数が八十四件ということでございました。
その八十四件について、私の方で、契約名と契約の相手方、そして契約の金額について明らかにしていただきたいと各局に問い合わせをしました。こんな表で、契約件名、契約の相手方、契約の金額をお願いしますということをお願いしたんですが、残念ながらどの団体も、各局から返ってきた答えは真っ白でございます。数字について、契約件名について、相手方については明らかにしていただけませんでした。明らかにできない場合は理由も書いてくださいというふうにお願いをしましたらば、各局から、把握する立場にない、または局としては把握をしていません、局としては回答できませんという、そういう回答がそれぞれありました。これについて、総務局としてどのようにお考えか、お聞かせをいただけますか。
○松崎行政改革推進部長 監理団体が外部業者と行う契約につきましては、契約権者であります各団体の長にその権限がございまして、個々具体的な契約情報の詳細を公表するかどうかについては、事業運営上の観点等から各団体がみずから判断することが基本であると考えております。したがいまして、一般的に所管各局におきまして、監理団体が行う個々の契約内容の詳細は把握していないものでございまして、仮に知り得ることがあった場合でも、各局は契約権者でございませんので、基本的にそれを開示をするという立場にはないものと考えております。
○花輪委員 各局は契約権者でないため、基本的に開示する立場ではないというご答弁がありましたが、各局は各団体を指導する立場にあります。総務局も同じだと思います。
例えば、多摩都市モノレール、最近非常に経営が厳しくなったということで、また追加で融資が都から行われる。何百億円というお金が入るという話もあります。また、東京都が監理団体に、委託事業として随意契約で監理団体にまず仕事を出す。そこから監理団体が随意契約で、いわゆる民間企業に仕事を出していくと。そこでは競争性が一切ない契約もたくさんあるわけですね。だからそういう契約については、私はこれだけ東京都と密接ないわゆる事業をやっている。だからこそ監理団体として皆さんが指定をしているわけですから、情報についてはしっかりと公開をしていくべきだというふうに思います。
ちなみに、東京都の随意契約はどうなっているのかなと思いまして、財務局に確認をしました。東京都の随意契約について、どのように公表されているんだと聞いたところ、十日ぐらい時間がかかったのですが、東京都の契約の情報については、特命随意契約を除いた工事、委託などについては既に電子情報システム及び窓口で公表しておりますが、これまで積極的には公表してこなかった特命随意契約についても、今後は、個別の情報開示があれば原則すべての案件で契約の相手方と契約の金額を開示するという方針ということをお答えいただきました。多分、総務局の皆さんも、そのあたりは確認をしていただいているというふうに思います。
このように財務局も、都の随契については基本オープンにしようじゃないかというような姿勢になったわけですね。監理団体も、私はそういう姿勢になっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○松崎行政改革推進部長 契約情報の公表は、団体の契約特性や案件の性質を踏まえ、事業運営上の観点から、団体の長がみずから判断することが基本でございますが、東京都発注の契約情報の取り扱いを参考に、契約手続の公正性や透明性の向上の観点等から、適切な対応を図るよう指導してまいりたいと考えております。
○花輪委員 今、公正性や透明性の向上の観点から、適切な対応を図るように指導していくというご答弁をいただきました。この前の定例会でも、知事が、随意契約については基本的に見直すべき問題という、大変重要な答弁をされたわけですが、今、適切な対応を図るという答弁がありましたけれども、もうちょっと具体的に、どのように今後指導をしていくのかお答えいただけますか。
○松崎行政改革推進部長 監理団体の契約につきましては、その特性を生かし、公共性とともに民間並みの経済性を発揮することが必要であり、適正性を確保しつつ、さまざまな契約手法が採用されているところでございます。しかしながら、監理団体には本来、地方自治法の規定は適用されないわけでございますが、その監理団体につきまして、都に準拠した契約の分類、したがいまして競争であるか随意契約であるか、そういった分類を行ってまいりましたために、民間で通常行われている企画コンペや複数年契約、保守メンテナンス契約なども入札という形式を採用していないことから、随意契約として分類せざるを得ず、結果的に随意契約が多くなり、全体として透明性が低いのではないかと見られてしまう懸念があると認識をしております。
さきの定例会の質疑を踏まえ、知事からは、監理団体の契約について総点検を行い、都民から誤解を受けることのないよう、また都民に対してきちんと説明できるようにとの指示を受け、各団体に対し随意契約の総点検に着手するよう指導したところでございます。
具体的には、監理団体としての公共性や民間企業並みの経済性を踏まえ、監理団体にふさわしい契約となるよう、契約類型の整理や契約方法の見直しを行うとともに、契約規定の整備と公表を行っていくことを考えております。今後とも監理団体の契約について、都民から誤解を受けることのないよう、競争性や透明性の一層の向上を図ってまいりたいと考えております。
○花輪委員 今、総点検に着手するという、そんなご答弁もいただきましたし、契約の方法について見直しを行うということと、契約規定の整備と公表を行うということと、また、それぞれの団体の経営、競争性や透明性の向上を図るということをご答弁いただきました。
私も、随契すべてがいけないとはいいません。やっぱり少額なものを入札にかけるよりは、それは随契でやった方が手間が省けるというようなこともあるでしょう。また、お宅しかできないんだという特命随意契約もあるでしょう。でも、その少額随契にしても特命随契にしても、また見積もり合わせにしても、都民から、それはどうして随意契約なんですかと聞かれたときに、それが説明できないといけないと思うんですね。ですから、そのあたりで規定の整備をしっかりしていただいて、都民から疑念とか疑問を抱かれないようにぜひしていただきたいと思います。
きょうのところは、皆さんが点検をする、総点検をするとおっしゃっているので、これ以上質問はしないですが、ぜひ前例にとらわれず、見直すべきところはしっかりと見直していただき、特にまた監理団体の契約、それと同時にOBの再就職も含めて透明性を高めていただきたいと思います。最後に局長の決意をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○押元総務局長 監理団体の透明性の向上につきましては、私どももこれまで、経営状況あるいは経営評価に関しまして、毎年度、議会へも報告申し上げますとともに、都民にも公表をしてまいりました。また、都に準じた情報公開要綱をすべての団体で整備するなど、情報公開の取り組みを着実に進めてきたと考えております。
副委員長ご指摘の監理団体の契約につきましては、都と密接な関係がありますことから、契約手続の適正性や透明性が求められる一方、監理団体の設立の趣旨からは、民間企業並みの効率性や柔軟性の発揮も求められておりますところから、そのあたりのバランスをとることが必要であろうというふうに考えております。
契約に関する情報につきましても、取引条件など、団体の経営そのものと密接な関係があり、一律に情報開示の対象とすることは困難な面もございますので、その範囲、内容は各団体の自主的な判断により決定されるべきものではございますけれども、先ほど来の質疑にもございましたように、今後とも東京都の取り扱いを参考に、契約手続の公正性、透明性の向上の観点から、できる限り情報公開が行われるよう、各団体に引き続き働きかけてまいりたいと存じます。
さらに、このたび着手をいたしました監理団体の契約の総点検でございますが、この総点検におきましては、公共性と経済性の両立といった監理団体の特性にふさわしい適正な契約となるよう、契約類型の整理ですとか、あるいは契約方法の見直しなどを行いまして、一層の競争性と透明性の確保を図ってまいりたいと存じます。
○遠藤委員 長時間の質疑になりました。私、最後でございますのでテンポよくやってまいりますので、どうかご協力のほどをお願いいたします。
行財政改革実行プログラムにおけるIT化による業務運営の効率化について、私の方から、これに絞って何点か質問をさせていただきます。
東京都はこれまで、財政再建や職員定数の大幅な削減を進めるなど、不断の行財政改革を進めて経費削減に取り組んでいるところでございます。国の取り組みを大きくリードするこうした改革、総務局さん中心になって取り組まれております。日ごろのご労苦に対して、まず心より敬意を表したいと思います。
今後とも、都民サービスを維持向上させていくために、常に業務運営の効率化を進めて、費用対効果の向上を図るといった改革を推進していかなければならないと思います。業務の効率化にはさまざまな方法、手法がございますけれども、ITを活用した取り組みは、その中でも中核をなすものであって、こうした点から、この実行プログラムに示されたIT化による業務運営の効率化という項目は、極めて重要なものであると考えております。
そこで、まず、この実行プログラムに示されたIT化による業務の効率化、この実行プログラム、昨年のスタートでございますので、大分進展していると思いますので、この進捗状況についてお伺いしたいと思います。
○松崎行政改革推進部長 行財政改革実行プログラムには、IT化による業務運営の効率化に関して五つの実施計画を掲げております。
第一に、IT執行体制の見直しでございますが、本年四月に副知事級の情報統括責任者を設置し、そのもとにIT業務改革会議を設置し、業務改革と連動した今後のIT戦略の方向性を示すための全庁横断型の戦略会議として位置づけるなど、都庁のIT執行体制を再編したところでございます。
第二に、システム総点検の実施でございますが、IT分野に詳しい民間専門家を含めたシステム評価委員会における検討などを踏まえ、システム総点検を進めているところでございます。
第三に、システム調達の見直しでございますが、昨年度経費適正化マニュアルを作成し、全庁に周知を図っており、このマニュアルをさらに充実していくなど鋭意取り組んでいるところでございます。
第四に、情報セキュリティー対策の強化でございますが、本年九月に情報セキュリティーポリシーを全面改定し施行したところであり、この新しいポリシーに対応すべく、既存の情報システムに係る手順書の見直し作業などを進めているところでございます。
そして第五に、今後のIT化の指針となる計画の策定でございますが、これにつきましては、業務と情報システムの最適化など、都が今後五年間に取り組むべき施策を今後のIT化取り組み方針として取りまとめ、去る九月十日に公表したところでございます。
○遠藤委員 今ご答弁いただいた最後の五番目に、今後のIT化の方向性を示す計画として、この九月に新たに今後のIT化取り組み方針を策定し発表したと、このように答弁がございました。その中には、非常に重要な内容が含まれていると思います。
それは、このIT調達における総合評価一般競争入札の見直しのくだりでございます。情報システムの調達の際には、そのシステムの設計開発、いわゆる初期段階から運用、そして運用終了までの全体のコスト、いわゆるITのライフサイクル全体ですね、ライフサイクル全体を前もって勘案することが重要であるということはいうまでもございませんが、今回のこの取り組み方針には、総合評価一般競争入札の運用について、後年度負担額をより重視していくと、こういうくだりがございます。
情報システムの関連経費については、国や民間においても、運用経費の硬直化が問題視されております。都においても同じようなことがいえるんだろうと思います。
そこで、二点目の質問になりますけれども、この総合評価一般競争入札の現状の課題と具体的な見直しの方向性についてお答えいただきたいと思います。
○松崎行政改革推進部長 情報システムの開発委託契約について、総合評価一般競争入札を導入いたしましたのは、最初の入札を低価格で落札し、次年度以降の契約で利益を得るという、いわゆる低価格入札を排除し、良質なシステムを適正な価格で調達することを目的としているものでございます。
しかしながら、現状の評価項目の設定では、システムの設計開発から運用の全期間に係るトータルライフサイクルコストについて、十分に評価し切れていないという評価基準上の課題が存在しております。このため、評価基準を見直し、システムに係る後年度のコストを今まで以上に重視するということを進めてまいります。
具体的には、最初の入札価格が低価格であっても、後年度に係るコストが都の想定額を超過している提案は評価が低くなるよう、評価基準の見直しを検討してまいりたいと考えております。
○遠藤委員 今、答弁いただきましたけれども、システム開発の委託契約を行う際に、その落札業者の選定において、後年度負担額をより重視するという考え方、大変重要な視点だと思います。ぜひこの総合評価一般競争入札の運用見直しについては、積極的に取り組んでいただいて、できるだけ早期に実現を図っていただきたいことを強く要望させていただきます。
次いで、情報セキュリティー対策について伺います。
テレビなどの報道によりますと、個人情報の漏えいなど、いわゆる情報セキュリティー事件の発生が後を断ちません。都においても、今年度電子化された個人情報の紛失などの情報セキュリティー事故が六件発生している中で、皆様方、新聞報道等ご存じのとおり、先週、都立学校において、生徒の個人情報を含む二件の紛失事件が発生をしております。大変残念なことであります。
そこで質問をいたしますけれども、まず、現在の東京都の情報セキュリティー対策の現状はいかがなものか、お答えください。
○松崎行政改革推進部長 都は平成十四年四月に東京都情報セキュリティポリシーを策定いたしましたが、その後、情報を取り巻く技術、環境の変化が著しく、また、都におきましても、個人情報の紛失などの事故が依然として発生している中で、情報セキュリティー対策を一層強化するべく、去る九月に東京都情報セキュリティポリシーを全面改定し、全庁統一的に情報セキュリティー対策を向上させていくこととしたところでございます。
現在、今回改定した新ポリシーのもと、都が保有する電子情報の重要度に応じた分類作業や、システムごとのより具体的な対策を定めた実施手順書の作成作業を進めているところでございます。また、職員の教育研修の充実策として、今年度中に全管理職を対象とした情報セキュリティー研修の実施を計画しております。
このような中で今回の都立学校の事故が発生したことは、大変遺憾なことでございまして、総務局としても重く受けとめております。
このため、ただいま申し上げた対策に加えまして、情報セキュリティー対策の強化に関するさらなる方策の検討を実施し、このような事故が繰り返されることのないよう、全力を挙げて取り組む所存でございます。
○遠藤委員 十月末のこの都立高校で発生した二件の事件は、今部長まさに答弁されたとおり、こうしたセキュリティー対策の強化を都として一丸となって取り組んでいるさなかに起きたということであります。
今の答弁で、重く受けとめると、このように答弁がございましたけれども、今後、職員全員の意識啓発への取り組みをぜひとも早急に強化をしていただきたいと思います。
ただ一方で、IT化が社会の隅々までに行き渡った社会において、電子データの外部への持ち出しというのは、広く行われている、一般的に行われていることでありまして、都においても業務上必要となる場合があることも想定されるが、特に個人情報を含むものについては厳重な管理が必要であるということは論をまちません。したがって、決められたルールの遵守について職員に周知させていくということは当然のことである一方、人間が行うことである以上、この紛失や、または盗難というのは、必ず起こってしまうんだという一つの前提に立って、その対策を講じていくべきであると思います。
そこで、東京都における電子データの持ち出しへの情報セキュリティー対策について、例えば記録するデータの暗号化など、技術的な対策を講じておくべきだと思いますが、今後の取り組みについて見解をお伺いいたします。
○松崎行政改革推進部長 情報の持ち出しについてでございますが、東京都情報セキュリティポリシーでは、例えば都民の個人情報などの重要な電子情報については、原則持ち出しを禁止しておりまして、まず、この原則持ち出し禁止については、今回の都立学校の事故を踏まえ、全庁全職員が遵守するよう改めて周知徹底の取り組みを行ってまいります。
また、やむを得ず業務上、情報の外部への持ち出しが必要な場合、管理職の許可を得るとともに、暗号化などの技術的対策を施すことが必要でございますが、これらの手続や技術的な対応の具体的な内容については、各局において安全管理措置に定めるということを新たなポリシーで規定をしております。
このため、現在、各局における安全管理措置の策定を支援するため、総務局におきまして、標準的な内容を盛り込んだひな型の作成作業を進めているところでございますが、このひな型の作成に当たりましては、ただいまいただきましたご指摘も踏まえ、例えば認証機能のある外部記録媒体の使用やファイルの暗号化を必須とするなどの事項を盛り込んだ上で、早急にひな型の提示をしてまいりたいと考えております。
○遠藤委員 今答弁のあった内容を、ぜひとも早急に進めていただきたいと思います。
なおかつ、東京都におきましては、多くの個人情報を管理しております。さまざまなレベルの対応がありますけれども、ぜひともこの最高レベルのセキュリティー対策を構築していただきたいことを重ねて要望いたします。
一方で、昨今のマスコミの報道によれば、企業や地方自治体などにおける個人情報の損失、または漏えい事件は、外部委託契約に基づいた受託事業者から情報が流出したことによるこうした情報漏えいのケースが起こっていると、こういう報道も見受けられます。例えば直近の例でいえば、ことしの十月に明らかになったものですけれども、千葉県職員の情報が流出したという事案がございました。
ホームページを見て千葉県の方に問い合わせをしたところ、千葉県では、原則職員一人に一台卓上のパソコンを配置をしているそうでございます。そのパソコンを使うためのICカード、これをつくるために、その作業用データとして、業者に職員のデータを提供をしたということでございます。これが二〇〇六年の一月時点でございました。その数は、千葉県職員の警察並びに教員を除くすべてということで、約一万五千人分ということであったようでございますが、その一万五千人分のデータが、それから一年半以上たったこの十月になって、すべて情報漏えいしていたということが明らかになったということでございます。
また、これはことし三月に判明した事案ですが、これは公務員が絡むものではなくて、民民の事案でございますが、三菱UFJニコス、これはクレジット会社だと思いますけれども、この三菱UFJニコスが業務を委託している大日本印刷株式会社で、このニコスがカード及び融資専用カード、マイベストというのでしょうか、このお客様情報約百二十万件、この百二十万件分の名前や郵便番号、また住所、お客によってはカードの番号、生年月日、性別、電話番号という、極めて重要な個人情報が入っていたものが、すべて外部に流出したということでございます。
今指摘をしたいずれの事案も、外部の委託業者に仕事を投げたと、その中で発生した事案でございます。東京都においても、さまざまな外部委託事業を行っておりますが、それに関して情報セキュリティー対策については、これまでも、それなりにとられていると思いますけれども、このITの情報に関する技術というのは、本当に日進月歩でございます。こちら側が一つの対策をとれば、直ちにねらってくる方は次の対策をとるという、イタチごっこの状況があります。都として、より厳格にこうした対策を講じるべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。
○松崎行政改革推進部長 外部委託先に対する情報セキュリティー対策も非常に重要な課題だというふうに考えておりまして、情報システム関係の外部委託契約に関して、受託事業者が遵守すべき事項などを規定した現行の標準特記仕様書の改定作業を早急に行ってまいります。
具体的な改定内容としては、まず受託事業者に対して、作業開始前に遵守事項についての同意書等の提出を義務づけること、また情報セキュリティーに関する契約上の遵守事項について、受託事業者が実際に遵守したことの報告書を委託作業完了後に提出させるなど、発注者である都が遵守事項の点検をしっかり行うことを盛り込んでまいります。さらに、万一、受託事業者に遵守事項違反があり事故が発生した場合の事業者名の公表についても明記する予定でございます。
今申し上げました方向で、現行の標準特記仕様書を改定し、改めて全庁に周知徹底し、それをきちんと都として管理していくということで、受託事業者に対する情報セキュリティー対策を強化してまいります。
○遠藤委員 これまでの質疑では、主にハード面での取り組み、対策強化を中心に指摘をしてまいりましたが、いただいた資料にこういう標語が載っておりました。これは平成十八年度東京都情報セキュリティー強化月間における最優秀情報セキュリティー標語ということで、皆さんご存じでございましょうか。セキュリティー一人一人が責任者、セキュリティー一人一人が責任者、こういう標語が皆さんの心の中にも入っているんだろうと思います。今後とも、この職員の意識啓発の、活動の強化を初めとしたこの人的な側面、そして、今、さまざまやりとりがありましたけれども、このハード、この両面にわたる対策を講じていただき、情報セキュリティー対策については万全を期して取り組んでいただきたいと思います。
次いで、人材育成について何点か、最後にお伺いいたします。
ITを有効に活用していくためには、それを実際に利用する職員が十二分にITについて理解し、使いこなしていくことが必要不可欠であると思います。また、先ほどから伺っている情報システムの調達や情報セキュリティー対策についても、職員の皆さんがIT技術を有効に活用しなければ、的確に対応していくことは不可能でございます。
先ほど来話題となっておりますIT化の取り組み方針、この課題の中にも、ITの人材の育成、この項目が掲げられております。国や他の地方公共団体でもなかなか進んでいないのが実態かと思います。そして、必ずしも容易な課題ではないということは、十分承知しているわけでございます。しかしながら、冒頭申し上げましたとおり、都政の効率化や、または都民サービスの一層の向上のためにIT化の推進が不可欠である以上は、それを支える人材の育成、それに向けた努力が非常に重要であります。
そこで伺いますが、まず、都の今後のIT化を支えていく人材をどう育成しているのか、ご答弁をいただきたいと思います。
○紺野情報システム部長 都政の効率化と都民サービス向上に向けて、都のIT化をさらに進めていくためには、これを支えるIT人材の育成が非常に重要であると考えております。育成に当たりましては、情報システムの企画立案、運用保守を担う中核的人材である、いわゆるコア人材を育てていくとともに、すべての職員が情報システムを最大限有効に利活用できるように、ITスキルの向上を図っていく必要がございます。
また、個々の職員のITスキルの向上を図るとともに、ITを組織的に活用して事務改善を進めていくために、管理職に対する教育が重要であると認識しております。
都では、従来からIT人材の育成を目指し研修等に取り組んできたところでございますが、今後は、職員に求められるITスキルの目安を明らかにすることなどを含め、IT化の中核となる人材、管理職、一般職員、それぞれに応じた育成方法をより具体化し、都庁のIT化を支える人材を確保してまいります。
○遠藤委員 今ご答弁いただいた取り組み、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
しかしながら、こうした取り組みの一方で、ITの世界は非常に専門化また複雑でございます。よって、すべてを内部の職員の皆さん方で賄うというのは、非常に難しいという局面がございます。IT化を有効に進めるためには、都の業務内容を十分に理解し、それに適合したシステムとしていく必要があって、その意味で、先ほど伺いました内部職員の育成はもちろん不可欠でありますけれども、同時に、特に高度で専門的な業務については、外部からの人材を積極的に登用活用し、そのスキルやノウハウを職員全体に還元していくことも必要だと思います。
そこで、改めてお伺いします。都ではITの専門的能力を有する外部の人材の採用をうかがっていると聞いておりますけれども、その活用についてどう考えているのかお伺いいたします。
○紺野情報システム部長 ITの有効活用のためには、内部での人材を育成するとともに、ご指摘のとおり、高度な専門性を即戦力で求める部門には、外部人材を積極的に登用することも重要でございます。これまでも都では、民間企業での経験を有する人材を経験者採用により確保したり、また、本年五月からは、課長級の特定任期つき職員を登用するなどしてまいりました。
また、本年度からは、専門的知識、経験へのニーズが高い分野ごとに区分を設定して、外部人材を登用するための専門人材主任採用試験を新たに実施しており、この中でも、システム分野の人材を登用するための区分を設けているところでございます。こうした人材を、システムの開発運用業務や、それに伴う関係者との調整業務などに積極的に登用し、費用対効果等の向上を図るとともに、そのスキルやノウハウを内部の職員に還元し、職員のレベルアップにもつなげてまいりたいと思います。
○遠藤委員 先ほど来申し上げているとおり、ITは簡素で効率的な質の高い行政運営を実現するための不可欠なツールでございます。ぜひともITを十分に使いこなして、都民サービスの向上につながる、スリムで効率的な行政運営の実現を図っていただきたいと思います。そのためにも、この今後のIT化取り組み方針に示された施策を着実かつ迅速に実行していくことを改めて強く要望し、質問を終わります。ありがとうございました。
○酒井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○酒井委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時三十六分散会
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