委員長 | 大津 浩子君 |
副委員長 | 西岡真一郎君 |
副委員長 | 倉林 辰雄君 |
理事 | 鈴木あきまさ君 |
理事 | 東村 邦浩君 |
理事 | 古館 和憲君 |
後藤 雄一君 | |
西崎 光子君 | |
伊藤 ゆう君 | |
神林 茂君 | |
宇田川聡史君 | |
上野 和彦君 | |
三原まさつぐ君 | |
遠藤 衛君 | |
田中 良君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 大原 正行君 |
儀典長 | 多賀 敏行君 | |
次長 | 河島 均君 | |
理事政策部長事務取扱 | 前田 信弘君 | |
企画調整部長 | 川澄 俊文君 | |
秘書部長 | 長谷川 均君 | |
企画調整担当部長 | 小林 清君 | |
特命担当部長 | 鈴木 賢二君 | |
調整担当部長 | 角南 国隆君 | |
参事 | 中村 信一君 | |
国政広域連携・首都調査担当部長 | 吉田 長生君 | |
自治制度改革推進担当部長 | 中村 靖君 | |
参事 | 中村 長年君 | |
総務局 | 局長 | 押元 洋君 |
危機管理監 | 中村 晶晴君 | |
理事 | 島田幸太郎君 | |
理事 | 中井 敬三君 | |
総務部長 | 岳野 尚代君 | |
参事 | 和久井孝太郎君 | |
行政改革推進部長 | 松崎 茂君 | |
情報システム部長 | 紺野 秀之君 | |
首都大学支援部長 | 松本 義憲君 | |
主席監察員 | 齋藤 進君 | |
行政部長 | 中西 充君 | |
多摩島しょ振興担当部長 | 松本 栄一君 | |
都区制度改革担当部長 | 森 祐二郎君 | |
参事 | 廣瀬 秀樹君 | |
総合防災部長 | 石野 利幸君 | |
企画調整担当部長 | 鈴木 省五君 | |
勤労部長 | 野口 宏幸君 | |
統計部長 | 金子 優君 | |
人権部長 | 田村 初恵君 | |
国体推進部長 | 笠井 謙一君 |
○大津委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、意見書、決議について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり意見書一件を提出したい旨申し出がありました。
お諮りいたします。
本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大津委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○大津委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、知事本局、総務局関係の付託議案の審査及び総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより知事本局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京大気汚染訴訟の和解に関する報告及び承認についてを議題といたします。
本件は、既に説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。
発言をお願いいたします。
○宇田川委員 東京大気汚染訴訟についてお伺いをいたします。
去る八月八日、訴訟が和解に至りました。自動車排出ガスによる大気汚染の問題は、経済成長の裏側で深刻化した問題でありまして、過去、全国各地で訴訟が相次いで起こされてきたところであります。
各地の訴訟は、和解による終結となっているわけですが、残された最大の訴訟として、この東京大気汚染訴訟の結末が全国で注目を浴びてまいりました。平成十四年に一審判決が出た際、国は、みずからの不作為を認めようとせず、控訴したのに対して、石原知事は、内容に若干の不服があったようではありますが、行政の役割は、裁判を争い続けることではなく、患者救済と排出ガス対策であると、控訴は行いませんでした。我々都議会自民党は、知事の判断を支持させていただいて、ともにディーゼル規制を進めてきたところであります。
昨年九月、東京高裁から和解による解決を探る示唆がありまして、その後今日に至っていることは周知のとおりでございます。
知事は、常日ごろ、政治家は、文明観、歴史認識に基づいて行動すべきであると発言をしてきておりますが、今回の動きはそれを端的にあらわすものではないかと、そんな思いもございます。だからこそ、和解へと導くことができたんだと思います。
こうした背景の中、全国から注目を浴びた訴訟が和解に至ったわけですが、今までの同様な訴訟と比べてどんな特徴を持った内容だったか、都の見解をまずお伺いいたします。
○川澄企画調整部長 これまで大気汚染と健康被害との関係が争われた訴訟としましては、尼崎訴訟、名古屋東訴訟、川崎訴訟などがあり、既にすべて和解が成立をしております。
従来の和解では、工場などの固定発生源を抱えるメーカーが解決金を負担し、国は環境対策のみで、一切の財政負担を行ってきませんでした。
これと比較して、今回の東京大気汚染訴訟の特徴でございますけれども、一点目としましては、過去の和解では例のない医療費助成制度の創設が盛り込まれたことでございます。
二点目といたしましては、この制度に対して、都、国、首都高、メーカーの四被告すべてが財政負担を行いました。
特に、これまで一切の財政負担を行わなかった国と首都高が負担に応じたこと、これも特徴でございます。
三点目でございますが、従来の訴訟では、自動車排出ガス対策に関して、国と道路公団が被告となってきましたけれども、東京大気汚染訴訟では自動車メーカーも被告となりました。自動車メーカーが、一審で勝訴したにもかかわらず、社会的責任の観点から医療費助成制度の財政負担に応じたと、これもまた特徴でございます。
四点目といたしまして、従来の訴訟では国と首都高のみで行ってきた環境対策に地方自治体である東京都が加わり、より幅広い対策を構築することができたということでございます。
従来の和解に比較して、患者救済により配慮した和解になっているというふうに考えております。
○宇田川委員 先日の我が党の代表質問においても、知事から和解の意義をご答弁いただきまして、今の答弁も聞かせていただいて、過去には余り類のない訴訟だったということがわかりました。
医療費助成制度の創設に道筋がついたことで、長い間苦しんでこられた患者の皆さん方はもとよりですが、一般の都民の皆さんにとっても、大きな期待が高まっているところであります。
福祉保健局で制度のあり方検討会を立ち上げるなど、準備が進んでいるというふうに聞きましたが、実現に向けた今後の見通しはどうなのか、お伺いをいたします。
○川澄企画調整部長 去る八月十日に、学識経験者から成る東京都大気汚染医療費助成検討委員会を立ち上げまして、医療費助成を実施するに当たっての認定基準などについて検討を開始しております。
現在、鋭意検討を進めているところでございますが、年内には検討会から成案を得るとともに、これを踏まえて制度の詳細を詰めていくということになっております。
来年の第一回定例会までには条例及び予算案を議会に提案したいと、福祉保健局から聞いてございます。
二十年度中には助成を開始したいというふうに考えております。
○宇田川委員 一日も早い制度創設を皆さんが心待ちにしておりますので、速やかなる準備を進めてほしいと願うばかりであります。
また、制度の実施に当たっては、区市町村の協力も必要不可欠なわけですから、しっかりと連携をとりながら、もちろん患者の皆さんを第一に考えていただいて、都としては指導的立場を時には発揮していただき、ともに協力し合う、そうしたことにも期待をするとともに、私からも強く要望とさせていただきます。
今回の和解ですが、大変異例といえることが多かった気がいたします。知事と安倍前総理との会談が五月三十日、裁判所が骨子を示したのが六月二十二日、成立が八月八日、かなりのスピードでありました。
ところで、和解というのは、当然に議会による議決事項でありまして、先ほど相当なスピードということを申し上げましたが、医療費助成制度創設などの重要事項を含む和解を、議決を経ずして専決処分を行ったということは、非常に重い責任を知事が負ったと考えます。
専決処分とした理由を改めてご説明をいただけますでしょうか。
○川澄企画調整部長 最終的な和解成立に向けて、関係当事者間で鋭意協議を行ってきたところでございますけれども、現実のところ、当事者間での主張の隔たりが大きい点も数多く、最後まで和解の成立が危ぶまれたということがございます。
こういった状況を踏まえまして、裁判所が、八月八日という期日を区切り、和解を際どいタイミングで何とかまとめたという私どもの認識でございます。
都としましても、患者救済を進め、大気汚染の真の解決を図るためには、和解の枠組みの中で医療費助成制度を実現し、環境対策を構築する必要があると考えまして、専決処分により和解に応じることといたしました。
また、もう一点でございますけれども、長きにわたって苦しんでこられた患者の方々のために、専決処分により和解を成立させることで、より早くメーカーが支払う一時金の支払いを実現するとともに、都としても和解と同時に医療費助成制度の検討会を立ち上げ、速やかに患者救済に踏み出していきたいというふうに考えたということでございます。
以上のことから、本件の解決に向けて専決処分を行ったということでございます。
○宇田川委員 今回の和解においては、当事者間で考え等に最後まで相違があったと、そういった報道がなされておりました。実際、交渉に当たっては、かなり難渋したことだと思います。
特に原告側からすれば、もういいたいことは尽きないと、そんな思いを抱いていたことだと思います。
それぞれの意見集約をしてまとめ上げるには、タイミングをはかることもまた重要だったのかなと。機を逸することのないように専決処分をしたということは、重々理解をいたしました。
しかし、首都高の態度には、どうしても理解できないところがあります。和解の中での一つの大きな柱である医療費助成について、首都高の負担が事実上先送りとなっている。これで和解成立なんだろうかなと、疑問が浮かぶのは普通だと思います。
確認をさせていただきたいんですけど、都が首都高に求めた財政負担はどうなっているのか。首都高は何をもって負担に応じないのか、都の認識をお尋ねいたします。
○川澄企画調整部長 医療費助成制度につきましては、五年間で二百億円の経費がかかると見込んでおります。これは、厚生労働省の統計を用いて患者数を推計した上で、川崎市が独自に行っている助成制度における一人当たりの実績額を乗じて計算をしたものでございます。
都としましては、この二百億円を、社会的責任にかんがみ、被告が分かち合って負担するという考えのもとに、国が三分の一、都が三分の一、それから民間で三分の一を負担するのが妥当と考えました。
また、民間分は、一審で勝訴しているメーカーも、一審で敗訴している首都高もそれぞれが責任を果たすという趣旨から、両者で折半をし、それぞれ六分の一ずつ負担することを求めたものでございます。
このような考え方により、首都高には二百億円の六分の一である約三十三億円の拠出を求めました。
なお、三十三億円を一括して支払うのではなく、何年かに分割した拠出でも構わないと首都高には伝えたところでございます。
都の求めに対しまして首都高は、公団民営化のスキームでは利益を出せる仕組みになっていないということや、今の経営環境が不透明であることなどを理由に、現在手元にある利益剰余金十億円の中から将来の不測の事態への備えを除いた五億円を拠出することが限度であるというふうに主張してございます。
○宇田川委員 今のご答弁の中の最後に、首都高の主張の話があったわけですけれども、今の話を聞いた限りでは、この主張を納得するわけにいかないなと、そんな思いが私にはあります。ぜひ知事本局として交渉に当たってもらいたいと思います。
知事も首都高への交渉に強い決意を示したところですが、今後どのように交渉を進め、決着をさせていくのか、局長の決意も含め、ご答弁をいただきたいと思います。
○大原知事本局長 まず、今回の訴訟の和解に当たりまして、私どもは、大気汚染の問題に社会全体で取り組む枠組みをつくる必要があるというふうに考えました。そうした考えに立ちまして、被告のすべてがその社会的責任に応じて財源を拠出する医療費助成制度の創設を提案したわけでございます。
この医療費助成制度と、これまで都が行ってまいりましたディーゼル車排出ガス規制などとの施策が相まちまして、大気汚染の真の解決に向けた道筋がついたというふうに考えております。
こうした和解の意義を損なわないためにも、必ず首都高の姿勢を改めさせまして、その社会的責任に応じた負担をさせなければならないというふうに決意をしております。
これまで首都高とは、私どもの副知事が社長と直接会談して拠出を求めるなど、さまざまなルートを通じまして交渉を重ねてまいりましたけれども、引き続き首都高に対して粘り強く拠出を求めてまいります。
○宇田川委員 我々議会も、首都高の態度がこのまま硬化するというなら、考え直す必要もあるのかなと思います。
代表質問にもありましたが、首都高に対して強い不快感を持っているわけで、事によればですが、高速料金や工事の同意権を盾にとるという、乱暴かもしれませんが、また参考人招致で姿勢をただすなど、強い態度で臨むことも都議会として行うべきといった話も可能性がなきにしもかなと、そんな思いもあります。ぜひ交渉に当たってはより強い態度で臨んでいただきたいと思います。
いずれにしても、ディーゼル車の排ガス規制や三環状道路等の整備による渋滞対策など、将来に向けた取り組みを行っているところですが、二度と患者さんを出さないためにも、着実なる推進を願うばかりであります。
また、患者の皆さんの救済のためにも、医療費助成制度を早期に構築をしなければなりません。今後も、きれいな空をもっときれいにと、健康被害者をゼロにする、そうした大きな目的に向けて、我々議会も協力をしてまいりますが、皆さん方と一緒になって進めさせていただきたい。これを最後に申し上げまして、私からの質問を終わります。
○東村委員 それでは、今、宇田川委員の方から、専決処分の経緯や首都高の負担になぜ応じないのかというご質問がございました。
特に私の方からは、この医療費助成制度のスキームの中で、今お話があった首都高の負担の問題、ここをもう少し細かく、また具体的に掘り下げていきたいなと思っております。
先ほどからお話がありましたし、皆さんのお手元の資料第2号に、この画期的な医療費助成制度の創設のスキームが明確に記載されているわけでございますが、五年間二百億の中で、国が三分の一、六十七億、首都高六分の一、三十三億、都が三分の一、六十七億、メーカーが六分の一、三十三億と、こういったことが明確にこのスキームの中でうたわれている中で、先ほど、首都高は五億円しか出さないと、こういう話がありまして、今、なぜ出さないのかという説明の中にも、道路公団民営化のスキームでは利益が出る経営計画を立てることができない仕組みとなっていると、こういうご説明があったんですけれども、どうも私はこれだけでは腑に落ちないものですから、何点か、ちょっと具体的に質問させていただきたいと思います。
そこで、まず最初に、首都高の現在の経営状況と今後の経営見通し、特に十九年度の経営見通しはどうなるのか、これについて伺いたいと思います。
○川澄企画調整部長 首都高速道路株式会社の十八年度決算でございますけれども、料金収入として二千五百四十七億円を計上しております。営業利益が四十億円、経常利益は四十二億円、当期純利益は二十七億円となってございます。
十九年度の見通しでございますけれども、料金収入としましては二千五百六十一億円と、ほぼ前年並みを見込んでおりますけれども、営業利益は十一億円、経常利益は五億円、当期純利益は二億円と見込んでございます。
○東村委員 普通、素人が考えても、前年の料金収入と十九年度の見込みの料金収入がほぼ同じの中で、しかも民営化というスキームは同じ中ですから、なぜ当期純利益だけが二十七億円から二億円に減るのかというのは、非常に不可解なわけでありまして、この二〇〇七年三月期の首都高が出してきた決算説明資料を見たら、この中にいろんなことが書かれています。
先ほどもいいましたように、これは民営化のスキームで利益が出ないというスキームではなくて、公団であれば恐らく利益が出ないスキームなんだろうなと私は思っているんですけれども、実際にこの首都高の協定計画収入というのがありまして、これを超える部分については一%を内部に留保できるという仕組みがあるわけなんですね。
ところが、このことは一切加味しないで、首都高があくまでも主張しているのは、十九年度は、あくまでも協定計画収入だけで売り上げを見込んでいて、だから二億円になるんだと、こういう論法だと思うんですけれども、これは民間になれば、当然経営努力をしなきゃいけないわけでありまして、最初から民間が決められた協定の収入を目指すなんてことはあり得ないわけでありまして、民間であれば、努力をして、前年がこれだけ出た、だったら翌年度はそれにプラスアルファ何%上乗せしようというのが民間の経営努力だということを私は思うわけなんですけれども、そういうことが全く加味されないで、この純利益が二億円という数字を出してきている。
確かに、国が方針転換をして、和解をし、そして今日に至るまで時間が短かったというのは理解はできるんですけれども、大変失礼なことかもしれませんけれども、あえて辛口のことをいわせていただければ、この和解の実務を担った知事本局の首都高に対する詰めが甘かったんじゃないかと、このように思うわけなんですけれど、いかがでしょうか。
○川澄企画調整部長 これまで、副知事と首都高の社長が会うなど、さまざまなルートを通じて交渉し、社会的責任を果たすため経営努力などを行って拠出するように強く求めてきたところではございます。
また、和解の条文にあるとおり、今後首都高は医療費助成制度の拠出について関係各位の理解が得られるように努めていくということになります。首都高は、五億円のみを拠出して終わりではないという点につきましては、高裁にも確認をしているところでございます。
首都高にも、経営を赤字にできないという事情はあろうかとは思うんですが、和解の歴史的な意義を踏まえて、今後、都の提案したスキームに従った負担に応じてくれるものと考えておりますし、またそのように強く求めてまいります。
○東村委員 ぜひとも首都高の負担を、首都高側が逃げ切ったという形にだけは絶対にしないでもらいたいと思いますし、しっかりと詰めをしていただきたいと思うんですね。これをやらないと、スキームの財源的な実効性というものが担保されないわけですから、ここは非常に大事な部分だと思います。
先ほど、場合によっては参考人招致も辞さないという話がありましたけれども、よくよく考えれば、東京都は、首都高速の株式の出資を約二六・七二%やっているんです、これは十九年三月三十一日現在の数字ですけれども。二六・七二%というと、民間の企業でいくとこれは大株主です。恐らく筆頭は国だろうと思います。
この大株主が物を申して、会社がいうことを聞かないということは、普通あり得ないわけでありまして、場合によっては、私は、出資しないぞぐらいの、ある意味で強気の姿勢に出てもいいんじゃないかと思っているわけであります。
そこで、やはり大株主としての権利行使、これをぜひとも具体的に東京都は首都高に行うべきじゃないか。その上でかち取っていかないと、何でもかんでも向こうのいい分だけ聞いて、ああ、そうですかという中では、なかなか前に進まないんじゃないかと思いますので、ぜひともこの大株主としての権利行使をしていただきたい、このように思うんですけど、いかがでしょうか。
○川澄企画調整部長 株主としての権利行使でございますけれども、例えば取締役の解任請求を行うこともできます。また、出資者として経営面での指導を行うことも可能でございます。また、議会の議決を踏まえた上ででございますけれども、首都高の料金の額及び徴収期間、あるいは収支予算の明細、あるいは新線または改築の工事内容について都は同意または不同意を行うことが法律で定められております。
こうした権能を十分に踏まえて交渉に当たってまいりたいというふうに考えております。
○東村委員 今の話聞いたら、かなりの東京都にとっては権限を持っているわけですので、これは大いに活用して、社会正義のためには、これは別に圧力でも何でもないわけですから、やるべきことはきっちりやっていただきたいなと。その上で、このスキームを実効性あるものにしていただきたい、このように思うわけであります。
ぜひとも、この首都高のせいで時計の針が戻るようなことだけは断じてあってはならない、このように思うわけでございます。
この医療費助成の柱とあわせて、環境対策に今回かなり突っ込んでやろうと、努力をしていこうと、こういう姿勢がこの資料からも見てとれますけれども、実は、道路整備というのも、これは今回大事な視点なんじゃないかと私は思っています。
特に三環状道路の整備は、この問題ともある意味で関連してくる問題ではないかと思っているわけなんですね。
私も、首都高、ちょうど高井戸から永福、初台の区間を利用させていただいている人間の一人として、やはり料金所で物すごい渋滞になるわけです。渋滞になると、あの排ガスというのは半端じゃないわけでありまして、渋滞を解消しなきゃいけない。よく道路をつくるなという意見があるんですけれども、むしろ、道路をつくるなという意見よりも、渋滞を解消して、排ガスをずっと断続的に出させる、そういう仕組みを変えていかなきゃいけないというのが一番大事なんじゃないでしょうか。
そういう意味で、この六月に圏央道のあきる野インターと八王子ジャンクションの区間が接続されまして、一番影響を受けたのが滝山街道なんです。私もびっくりしましたけれども、交通量が、市も調査してくれましたけど、二〇%減りました。
先週の土曜日に、あの地域の祭りに出たときに、住民の人はどう思っているのかと意見を聞いたら、住民の人も、あの排ガスが随分減ったねと。ずっとあそこ渋滞をしていて車が動かない。特に日曜日なんかは、あの近くにレジャーランドがあるものですから、あそこが全く動かなくて、日曜日も排ガスがすごかった。ところが、あの圏央道ができたおかげで、滝山街道が随分すいた、交差点も込まなくなった、非常にありがたいと。しっかりとやはりこういう道路整備はやっていただきたいという声がありました。
そういう意味で、この首都高を断続的に込ませないためにも、外環や、そして圏央道の整備というのはこれから必要不可欠になってくるんじゃないかと思います。
こういった医療費助成制度、そして環境対策、そして環境対策としての道路の整備、こういうことを踏まえて、今後の局長の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○大原知事本局長 本定例会でこの和解の専決処分に対しましてご承認をいただければ、東京大気汚染訴訟は大きな区切りを迎えます。
ただ、これは区切りでございまして、知事が和解のコメントで述べておりますように、和解が成立したとはいえ、これですべての課題が解決されたわけではございません。改めまして、大気汚染に取り組んでいく決意を新たにしているところでございます。
今後、ご指摘のあった医療費助成制度の早期実現はもちろんでございますが、三環状道路の整備など、これまで進めてきた施策をさらに加速させまして、渋滞の解消を図っていくとともに、和解条項として整理されました事柄を着実に実現していかなければならないというふうに考えているところでございます。
知事本局といたしましては、都庁の総合調整機能を担う立場から、全庁の先頭に立ちまして、各局を督励しながら、大気汚染の真の解決に向けて引き続き努力してまいります。
○古館委員 それでは、私の方からも、東京大気汚染の訴訟の和解について幾つか質問します。
東京に青い空を取り戻したいと、国、東京都、ディーゼル自動車七社などを相手取ったこの大気汚染公害訴訟の全面和解が、八月八日成立をいたしました。一九九六年の一次提訴から十一年間に及んだこの取り組みで、文字どおり新しい段階に入ったといえます。
そこでお伺いをいたしますけれども、和解の骨子について、どういうところにその骨子があるか、まずお尋ねをいたします。
○川澄企画調整部長 和解条項は四つの大きな柱となっております。
一つ目としまして、都による医療費助成制度の創設、二番目としまして、国、首都高、都の環境対策の実施、三番目としまして、メーカーから原告への解決金の支払い、四番目としまして、和解条項の円滑な実施を目的とした連絡会の設置でございます。
○古館委員 今の四点、都による医療費助成制度の創設と、国、首都高、都の環境対策の実施と、メーカーから原告への解決金の支払い、和解条項の円滑な実施を目的とした連絡会の設置と。
ですから、和解勧告では、自動車排気ガスが大気汚染の原因の一つだということを明確にしたと思います。国と首都高速道路会社とともに、自動車メーカーにも大気汚染の責任があることを確認をしたと、それが一つの中身だと思います。
それを踏まえて、今回の和解では、これら汚染者の費用負担による未認定患者の医療費助成制度の創設に合意をした、この点も非常に大きな特徴だと考えています。
また、肺がんだとかぜんそくの原因といわれながら、今まで規制されてこなかった微小粒子状物質を健康影響評価の対象にするとか、あるいは、本格的な公害対策の実施を国や東京都が約束をしたという点でも、画期的なものであります。
さらに、国と首都高道路会社と同列に自動車メーカーの責任を認めたことによって、今回メーカーが支払う解決金が、単なる見舞金的な性格のものじゃなくて、汚染原因者としての責任を踏まえた、そういう性格のものとなっていることも強調させていただきたいと思います。
改めて、我が党は、国、地方自治体、首都高速道路会社、そして自動車メーカーに対して、今回の和解の内容を誠実に実施するように求めておきます。
なお、首都高につきましては、都がさまざまな財政支援を行っているわけですから、首都高が応分の負担をするのは当然のことだと、改めて強く申し述べておきます。
その上で幾つかお尋ねいたしますけれども、一審の判決から和解まで五年かかりましたけれども、それはどうしてでしょうか。
○川澄企画調整部長 十四年十月の一審判決を受け、都は、自動車排出ガス対策の強化と健康被害者の救済を早期に実施することが行政の使命であるとの認識から、控訴をいたしませんでした。しかし、国と首都高は、大気汚染とぜんそくの因果関係が認められないとの主張を繰り返し、その判断を再度裁判所にゆだね、原告も東京高裁に控訴いたしました。
高等裁判所における審理でございますけれども、当事者の数が多く、事案の内容も極めて複雑であり、事実認定や因果関係の争点が多岐にわたることから長期間に及んだというふうに考えております。
昨年九月の結審時における高裁の裁判長からの協力要請を受けて、都が医療費助成制度を提案したことにより、機運が醸成され、今回の和解に至ったものと考えております。
○古館委員 今回、そういう形で医療費の助成制度が創設をされると。この対象については、どのようになっているんでしょうか。
○川澄企画調整部長 和解条項では、医療費助成の対象を、都内全域の気管支ぜんそく患者で都内に引き続き一年以上住所を有する等一定の要件を満たす者としており、また認定基準などについては、現在、大気汚染医療費助成検討委員会において鋭意検討を行っているところでございます。
○古館委員 東京都が条例を制定して運営をすると。そして、都内すべてのぜんそく患者を対象にと。ここですべてのぜんそく患者といっているところが大変重要なんで、五年間実施すると。
それから、今の答弁でも明らかなように、総額二百億円、財源は、東京都のほか、国が六十億円、メーカーが三十三億円、首都高が五億円負担すると。
都は、首都高に三十三億円の拠出を求めているわけで、私はこれは協議を継続して、何としても実現にこぎつけるようにしてもらいたいと思っていますが、この対象者は、人数でいえばどの程度になるんですか。
○川澄企画調整部長 厚生労働省の国民生活基礎調査及び川崎市が独自に実施している助成制度の実績を踏まえて推計いたしますと、今回創設する制度の対象患者数は、おおむね八万人弱と見込まれております。
○古館委員 その件も含めて、今回の訴訟の中身では、いわゆる患者さんたち、あるいは弁護団、そういうところと合意されているというふうに理解してよろしいんですか。
○川澄企画調整部長 そのとおりでございます。
○古館委員 それで、ぜんそく患者という対象者を決して狭めることがないように、そのことを強く求めておきたいと思っております。
毎日新聞では、国が今回都の医療費助成制度に大気汚染訴訟で初めて資金拠出を決めたけれども、制度は五年で見直される。その上、拠出額も六十億円と明記されて、これ以上の支出はしないとの思いが透けて見えると。これが毎日新聞で書かれていた記事でありました。
しかも、メーカー側は、あくまでも東京に限定された資金拠出と強調したと報じているんですね。また、医療費助成制度への支出も五年間ということで和解を受けた、その先はわからないというスタンスで、この記事は書かれております。
和解条項では、五年間の実施、その後の見直しについては、私は、都がどのように考えているのか極めて重要だと思いますので、これについての見解を求めておきたいと思います。
○川澄企画調整部長 現在国が行っている局地的大気汚染の健康影響に関する疫学調査、この結果が平成二十二年度に公表されます。また、都としても、大気汚染の健康影響調査について引き続き調査研究を行ってまいります。
こうしたことから、大気汚染と自動車公害の関係については、新たな知見が得られる可能性があるというふうに考えております。
また、和解に基づいて実施される環境対策等により、大気環境の改善が見込まれるというふうにも考えております。
これらを総合的に勘案いたしまして、制度のあり方を見直すということとしたことでございます。
○古館委員 今、答弁があったわけでありますけれども、大気汚染など公害を本当になくしていくための処方せんを東京都としてもきちんと確立をしていくということが極めて重要だと思うんですね。
この点で、今、東京都がどういう形で考えているのかということで、ちょっと改めてお聞かせいただきたいと思うんですが。
○川澄企画調整部長 東京都といたしましては、引き続きディーゼル車排出ガス規制に取り組んでいくとともに、三環状道路を初めとする道路交通ネットワークの整備、連続立体交差事業等を着実に推進し、東京の最大の弱点である交通渋滞の解消に努めていくことだと考えております。
また、低公害車の導入促進、それから大気観測体制の整備などの今回の和解条項の中にも入っております環境対策に努めていくということが不可欠であると考えております。
○古館委員 今、極めて重大なことをいったんですね。それはちょっと後で述べますけれども、大気汚染公害の社会的責任というのを自動車メーカーも問われたわけですね。ですから、メーカーに対して公害防止対策をきちんととらせていくということは、本当に重要な課題なんですね。これを建前に終わらせちゃ絶対ならないと思います。
なぜかといいますと、大体、日本の自動車メーカーは、アメリカなどに向けては、日本で売っている車よりも三割もPM排出量少ない車を出しているわけですよね。外国ではそういうふうにやっていながら、いわゆる日本で売る車ということは、そこまで排出規制ということができていない車を売っているわけですね。
ですから、そういうようなことも含めて、やっぱり総合的な排出ガスをどのようにして抑制をしていくのか、大もとからやっぱり正していくという観点がきちんととられるということが、非常に私は大事だというふうに思っているんですね。その件についてはいかがですか。改めて、ちょっと聞きたいと思います。
○川澄企画調整部長 当然に、そうした面も踏まえて対策を考えていくということでございます。
○古館委員 言葉でやっていると、すうすうそういう形でいっちゃうんですけど、現実になかなか今日までこういう問題が進まないということも事実なんですよね。
さっき気がかりなのは、メーカーは五年間だよと、こういうふうにいっちゃって、後は知らないよという感じの印象が極めて強いと。ですから、今後の問題というのは、これで一件落着じゃなくて、ここからが本当の運動、また本当の東京都としての出番だと、こういうふうに私は認識をしているんですね。
今、三環状道路の問題ということをいわれたんですけれども、実は、これは国交省なども加わってこの和解について話し合いをしましたね。いわゆる弁護団と、それから公害認定患者の方々との話し合いの中で、その過程で、大気汚染対策のかなめというのは、都心の渋滞を解消することであって、そのために圏央道を初めとする三環状道路の整備が肝要だと、このように国交省や、今、東京都もそういう答弁をしたんですけれども、かなりこれについて国交省などは、これを外されては、四省庁取りまとめの趣旨に反して、これ抜きにしての和解は困るということで、結構頑迷に頑張っていたんですね。
しかし、この三環状の整備を冒頭に掲げるということにこだわっていた国交省なども含めて、原告団、弁護団の強い反対の中でこれらの表現を外させたと、こういう経過について、そういう認識をお持ちですか。
○川澄企画調整部長 細かいやりとりについては、私、細かくは認識しておりませんけれども、そういった面も踏まえて、今後はやっていきたいというふうに考えております。
○古館委員 つまり具体的にいうと、三環状道路ということに国交省や東京都もかなりこだわってきた。ところが、それが和解の中で外れたんですよ。除外されたんです。
つまりそこの認識について私は今問うているんですけれども、もう一回ちょっと認識聞かせてください。
○川澄企画調整部長 そこら辺の細かいやりとりについては、私ども認識をしてございません。
ただ、先ほども答弁申し上げましたように、三環状道路を初めとする交通ネットワーク全体を整備していくということは、やはり大気汚染の解消につながっていくというふうに確信をしております。
○古館委員 認識をしてないなら、今、新たに認識してもらって、私がいったことが事の経過をはっきりとそういう形で物語っていますので、改めてそこは確かめてもらいたいと思います。
それで、環境問題の研究者が、圏央道など三環状から排出されているCO2というのもあるんですよと。
つまり東京都は、「十年後の東京」、知事本が出したものですけれども、この「十年後の東京」の中では、三環状があるから、こういう環境というのは、すいすい車も通ってCO2なんかも排出が少なくなるんだといういい方なんですが、しかし、研究者の中で、圏央道などの三環状からどれぐらい二酸化窒素が排出されるかということで研究し、調査をした結果が二百九十一万トンにもなると、こういうシミュレーションの結果を示しているんですね。
ですから、三環状道路をやれば環境がよくなるんじゃなくて、やっぱり三環状道路からもCO2がこれだけ、二百九十一万トンという推計ですが、出るんだということはきちんと認識をしておかないといけないものだと思っています。
ですから、今の答弁は、東京大気汚染訴訟の和解の意義を大きく損なうもので、絶対に許せないものであります。
三環状を初めとする道路交通ネットワークの整備の着実な推進などの発言、これらは私は撤回するべきだと思いますが、いかがですか。
○川澄企画調整部長 三環状道路の整備につきましては、「十年後の東京」のメーンの施策でもございます。私どもとしては、着実に推進をしていきたいというふうに考えております。
○古館委員 ですから、約束事は守るということです。その約束事の中に、三環状というものが入らなかったんですよ。ここのことの事実も、きちんと押さえておいていただきたい。
今回の東京大気汚染訴訟の意義は、大気汚染によって苦しむ人が今後一人でも出ないこと、そのための環境対策を初めとする条件整備をさらに徹底して進めていくことだと確信をしています。こうした取り組みに逆行するような三環状道路の推進などは、絶対に容認できないものであって、撤回を改めて強く求めるとともに、東京都が和解条項に基づいて誠実に今後対応されることを強く求めて、私の質問を終わります。
○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大津委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本局関係を終わります。
○大津委員長 これより総務局関係に入ります。
付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第百五十七号議案、 第百五十八号議案、第百七十七号議案から第百八十号議案まで及び第百八十五号議案、並びに報告事項、平成十八年度東京都監理団体経営目標の達成状況・経営実績、平成十九年度東京都監理団体経営目標の設定状況について外五件を一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 それでは、私からは、都立の高等専門学校の公立大学法人首都大学東京への移管について、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
さきの通常国会、第百六十六回通常国会で、学校教育法及び地方独立行政法人法が改正をされたことを受けまして、本定例会において、都立高専を地方独立行政法人化して公立大学法人首都大学東京に移管することが議案として付託をされているわけですが、来年度から高専の設置及び管理を行うことになる公立大学法人首都大学東京は、平成十七年四月に法人化されて、現在三年目を迎えています。
まずは、これまでのこの二年の実績を踏まえて、大学を独立行政法人化したことで実際にどのようなメリットがあったのか、まず伺いたいと思います。
○松本首都大学支援部長 実現された大学法人化のメリットということでございますが、それは多々ございますけれども、客観的なものとして、まず、外部委員から成ります第三者機関でございますが、東京都地方独立行政法人評価委員会によって高く評価されたものが挙げられようかと思います。
業務運営につきましては、その効率化など法人みずからの経営努力によりまして生じた剰余金を活用し、理事長、それから学長のリーダーシップのもと、教育研究や事務組織、施設整備などの分野につきまして、法人の業務運営の基盤整備が進められたという点でございます。
また、学生サービスという面につきましては、学生サポートセンターの設置、学習カウンセラー、それから就職カウンセラー制度の導入などによりまして、従来にも増してよりきめ細かな指導支援が行われるようになったという点でございます。
また、これはこの評価委員会ではございませんが、有名受験雑誌がございますが、その大学イメージランキングというのがございますが、この中で、首都大学東京は、二年連続いたしまして、学校が発展していく可能性がある大学、その第一位ということで、トップを二年連続してとったということで、社会的にも高い評価を得ているところでございます。
○鈴木委員 少子化の時代になっていきますから、大学のイメージというのは非常に大事だと思いますし、そういう意味で、第一位という評価を得ているということは、これは非常に大事だというふうに思います。
それに、今回のこういった一連の改革をしていくということが、やっぱり学生にそのメリットがあるということが大事だと思いますし、学生サポートセンターを設置したり、カウンセラー制度、なかなかまだ人数も限られているんだと思いますけれども、こういったものが、機能的に、学生への支援をますます強化、充実を今後させていただきたいと、こういうふうに要望しておきたいと思います。
さて、来年度に向けて、このたび都立の高等専門学校を法人化することになります。都立高専の出身者、卒業生ですが、専門的知識と技術をあわせ持つ実戦的な技術者であり、就職先の企業からは、即戦力ということで活躍が期待できると、非常に高く評価されているとも聞いております。
そこで、今回の都立高専の法人化は、ものづくり人材の育成という点でどのようなメリットがあるのか、次に伺いたいと思います。
○松本首都大学支援部長 ものづくり人材の育成という観点からのメリットという点でございますが、都立高専の法人化ということは、つまり首都大学東京や産業技術大学大学院と一体的に運営することができるようになるということでございます。
こうしたメリットを生かしまして、首都大学東京に関しましては、学部及び大学院への積極的な高専の学生を受け入れる仕組みを整備すること、また、産業技術大学院大学につきましては、高専との接続による九年間一貫したものづくり教育システムを構築することとしたところでございます。
こうした育成という観点のみならず、高専そのものにつきましても、これまで都内在住者に限られていた受験資格を都外在住者にも拡大するということができるようになりまして、将来のものづくり産業を担う優秀な学生を全国から集め、確保することができるようになるということでございます。
○鈴木委員 東京のものづくり企業に、即戦力である実戦的な技術者を育成するための仕組みがより整備されて、今まで以上に優秀な学生が集まることを期待しておきたいと思います。
都立産業技術高等専門学校や産業技術大学院大学がある城南地域は、ものづくり産業が集積する地域であり、地域への貢献という点でも、高専への期待は大きいものがあります。
現在、都立高専は地域において具体的にどのような役割を果たしているのか、また、その役割は法人化後も引き継がれるのか、大事な点だと思いますので、ぜひお伺いをしておきたいと思います。
○松本首都大学支援部長 都立高専につきましては、これまでも、地元の中小企業に多くのものづくり人材を輩出、供給してまいったところでございます。
さらに、地域との連携という点につきましては、品川区内の中小企業への技術指導等を行っておりますほか、大田区内にございますが、財団法人大田区産業振興協会と連携した技術支援講座、あるいはロボットセミナーといった講座を共同して実施しておるところでございます。
また、荒川区のものづくり教室の企画運営なども行っております。
来年四月でございますが、品川区内に開校予定でございます小中一貫校に関しましては、区の教育委員会と共同で、児童生徒の知的好奇心を刺激しながら、理論的思考と技術の両方を身につけることができる小中一貫ものづくり教育モデルのプログラム開発に取り組むなど、地域のものづくり教育に貢献しておるところでございます。
高専の社会貢献につきましては、中期目標にも明記いたしまして、法人化後も、地元自治体との連携事業、中小企業の若手技術者を育成するためのものづくり講座の実施など、東京の産業を担います人材の育成に、より一層積極的に取り組んでいくこととしております。
○鈴木委員 本会議の方でも質問させていただいておりますけれども、このものづくり教育は、小さいころから実際に体験させ興味を引き出すということがとても大切なんですね。小学生から大学院の学生まで、多様な人材育成に大いに貢献をしていただきたい、そのように考えております。
今後とも、城南地域に集積するものづくり産業を担う人材を充実をしていくという役割をしっかりと引き継いでいただきたいと思います。
ところで、今回の高専移管に関する案件の中に、公立大学法人首都大学東京が徴収する料金の上限の認可に関するものが議案であります。この中にある法人化後の高専の授業料の上限は、現行の授業料より高いように思いますけれども、この上限設定の基本的な考え方及び実際の授業料はどうなるのか。その点、お伺いをいたします。
○松本首都大学支援部長 授業料の上限額につきましては、独立行政法人国立高専機構等の状況、いわゆる国立高専でございますが、国立高専の状況をも踏まえまして、平成十七年度に首都大学東京の授業料の上限を設定したときと同様の考え方に基づいております。具体的に申し上げれば、高専の現行の年額の授業料は二十三万四千六百円でございますが、これに一〇%上乗せした額でございます二十五万八千円と設定しております。
また、実際の授業料でございます。高専の実際の授業料は、今後は社会経済状況や法人の運営状況、それから、国立高専の動向などを総合的に勘案して、知事の認可を受けた料金のこの上限の範囲内で法人が決定することになるわけでございますが、来年度からすぐに値上げをするようなことはないというふうに聞いております。
それから、なお現在でも学生がいるわけですが、この在校生につきましては、卒業まで現行の授業料を据え置くこととしておるところでございます。
○鈴木委員 今、ご説明いただいたわけなんですが、現在の授業料は決して高いとは私自身思っていませんけれども、いきなり値上げをするということがないように、その点、要望しておきたいというふうに思います。
さて、今回報告された法人の業務実績評価を見ると、まだ計画期間の三分の一を過ぎたばかりですが、既に多くの項目で高い評価を得ているように思います。
来年度の高専の法人化は、広義に解釈すれば、これまで都が取り組んできた大学改革の一環であり、都民のための大学改革は、これからもとまることなく続けていかなければいけない、そのように考えております。
今後の大学改革の継続に向けてどのように取り組むのか。私も総務委員会最後の質問になりますので、局長の決意をお伺いしておきたいと思います。
○押元総務局長 少子化によります大学全入時代の到来や、あるいは規制緩和による大学の学部の多様化など、法人の設立以来、大学間の競争は一層厳しさを増しております。こうした状況の中では、ただいま鈴木理事からお話ございましたように、現状維持はむしろ後退を意味し、常に改革を続けていくことによってのみ生き残りの道を見出すことができるものと認識をいたしております。
平成十八年度の東京都地方独立行政法人評価委員会の評価におきましても、教学面での改革については既に一定の評価を得た部分もあることから、中期計画を見直し、さらなる目標に向かい、教育研究及び法人運営を進めることを望むという意見がございました。
中期目標期間も半ばとなることから、都といたしましては、現行の中期目標の達成状況を踏まえまして、法人とも緊密に連携をいたしながら、大都市における人間社会の理想像の追求という本来の使命の実現に向けまして、大学改革を着実に推進してまいる所存でございます。
○鈴木委員 今、局長から決意をお伺いしたわけですが、この高専の卒業生は、平成十八年度の求人倍率が十倍を超えたということなんですね。十倍を超えるなど、東京のものづくり産業を担う企業にとって、何度も申しますが、即戦力としてのニーズが高い人材であります。
また、来年の夏に打ち上げ予定のH-ⅡA ロケットに高専の学生たちが、超小型衛星開発プロジェクトというのに取り組んで、約三キログラム、十五センチ角立方体形状という、こういった小型衛星が搭載されることになったと。まさに大きな成果が生まれている。そんな明るいニュースも話題となっており、次代を担う若い力には大きな期待が寄せられております。
来年度から高専が法人化され、公立大学首都大学東京に移管されることになりますが、今後は、産業技術大学院大学だけではなくて、首都大学東京とも連携をして、法人化のメリットを十分生かした運営を行い、首都東京の産業振興に貢献するものづくりスペシャリストの育成により一層大きな役割を果たしていただきますよう期待をして、私の質問を終わりたいと思っております。
○西岡委員 鈴木委員に続きまして、総務委員会最後の質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
最初に、第百八十五号議案、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例につきまして伺ってまいりたいと思います。
まず、立川署警察官による殺人事件で犠牲になられた故人、そのご遺族及び関係者に対しまして、改めて哀悼の意を表します。
今回提案されております、全国でも初めてとなるこの改正条例の今後の実際の運用を考えますと、さまざまな課題が予想されるため、何点かお聞きをしておきたいと思います。
まず、今回の改正の対象である死亡退職者等への、条例でいうところの一般の退職手当の全額の不支給、一次差しとめについては、知事、教育長、消防総監、警視総監など、各任命権者が判断するものとなっております。本件のような犯罪を起こした場合、退職手当を全額支給しないことは当然のことと思っております。
しかし一方、残された遺族がいることも事実でありまして、これは今後、さまざまな状況が予想されるため、適正な判断が強く求められるところであります。
生きていれば、生存していれば、裁判所など第三者機関の判決を待って、不支給などの判断をすることは可能ですけれども、死亡した場合には判決などはありません。裁判などの手続を経ないで判断する以上、不支給をするという決定などに当たっては、第三者機関の関与など、適正な手続も一方で用意をしておく必要があるのではないかと思います。さまざまな状況が予想されますので、ご見解をまず最初に伺いたいと思います。
○中井理事 退職死亡等の場合における退職手当の扱いにつきましては、西岡副委員長ご指摘のとおり、任命権者において慎重な判断がなされるよう、適正な手続が必要と考えております。
詳細につきましては、現在、関係部署で検討調整を行っておりますが、生存者における懲戒免職の手続などを参考に、速やかに検討し結論を出してまいりたいと考えております。
○西岡委員 検討していくということですので、その結果を待ちたいと思いますが、本当に重大な重たい判断が求められると思いますから、どうしても第三者機関の設置というのは、判断する側にとっても必要なのではないかと思っておりますので、今後の検討を待ちたいと思います。
また、今回の改正は、不支給、一次差しとめのみが対象となっておりまして、生存者の場合には、このほかに従前から減額支給や支給後の返納などができる多様な仕組みになっております。
本件のような重大事案の場合に、全額不支給とすることはもちろん理解はできますけれども、場合によっては、状況によっては、全額とはいわず半額支給など、減額支給というケースも想定されるのではないかというふうに予想されます。
そこで、生存者の場合に、生きている方の場合に可能な減額支給を今回の改正で対象としなかった、その理由について伺っておきたいと思います。
○中井理事 生存者において減額支給となる場合は、一つは、禁固刑以上でない刑が確定したときであり、いま一つは、非違行為による勧奨退職となるときでありますが、いずれも非違の程度を十分に吟味した上で、それに応じた支給額を判断することになっております。
しかしながら、死亡退職の場合には、当該職員が死亡しているため、非違行為の詳細や量刑の程度を十分に判断できないことも考えられることから、今回の条例改正においては、非違の事実が明白かつ重大な場合に限って全額支給しない規定としたものでございます。
○西岡委員 今回は、特別のこういったケースを想定して改正するということですから理解できますけれども、いろんな状況が考えられるのだろうなと思っておりますから、今後の研究、検討をお願いしておきたいと思います。
さらに、死亡退職の場合は、退職手当を、遺族の方々の生活保障というような法的な性格を有しているのも事実でありまして、生存者の場合と法的性格が異なることは承知をしております。
しかし、生存者であれば、支給後であっても、有罪が確定した場合などには返納をすることができるわけであります。最近、大変不幸なことですけれども、報道などにおいて、都庁関係職員の方々の不祥事も目立っております。大変残念だなと思っておりますが、遺族に退職金が支給された後、職員の犯罪などが発覚することも十分考えられるわけであります。今回の条例改正で遺族に対する退職手当の返納を求めない理由は何かについてお示しをいただきたいと思います。
○中井理事 死亡退職等の場合には、生前の職員の行為を知らない遺族が、退職手当を受領後、一定期間のうちに既に消費してしまっている場合なども考えられますから、そのような場合に返納を求めることは、法秩序の安定といった観点などから、問題なしとはしないというふうに考えてございます。
こうしたことから、今回の改正では返納規定は設けないこととしたものでございますが、今後、今回の改正に伴う措置の運用状況や国や他団体の動向なども見ながら、さらに研究をしてまいりたいと考えております。
○西岡委員 減額支給あるいは返納などについてお聞きをしてまいりましたが、今回の都条例の改正でいろいろな研究が進むものと思います。
減額支給、返納についてはなかなか難しい課題があることはわかりましたけれども、今後とも、庁内外の動向を見きわめて、今後の課題ということでぜひ研究を続けていただきたいと要望いたします。
最後に、これら一連のこの案件は相当全国的にも報道されましたので、関心も全国的に極めて高まっていると思います。特に自治体関係者の方々も都庁の動向を大変注視していることと思いますが、都の今回の条例改正を受けて、最新の国や他自治体の反応とか動向について把握していることがあれば、教えていただきたいと思います。
○中井理事 今回の条例の新たな取り扱いにつきましては、国や他団体に前例がないということで、副委員長ご指摘のとおり、多くの自治体から関心を集めておりまして、問い合わせ等も多く寄せられておるところでございます。
そういった中で、この都の条例改正を受けて、新潟県知事が先般、九月二十七日の県議会で、今年度内に条例改正を行う方針を表明したということを聞いてございます。
今後とも、国、他団体の動向については適切に把握してまいりたいと考えております。
○西岡委員 今回の大変不幸な事件を契機に、都とすれば大変速やかに直近の定例会に条例改正を提案されたことは、基本的に評価をするものであります。
今後、本日の指摘も踏まえまして、改正条例が適切に運用されますよう要望しておきます。
次に、平成二十五年、二〇一三年、国体の成功と多摩・島しょの振興を達成する立場から、東京国体の開催準備につきまして何点か伺ってまいります。
折しも、九月の二十九日から秋田わか杉国体が開幕いたしまして、私も、土曜日でしたね、開会式の模様をテレビでじっくりと拝見をさせていただきまして、谷川副知事を先頭に、東京都の選手団が勇ましく入場する姿、また、全国の道府県の代表が勇ましく入場する姿をじっくりと拝見をさせていただきまして、いよいよ六年後には国内最大のスポーツイベントの国体が、多摩地域、島しょ地域へやってくるということで、これは本当にしっかりと準備をしておかなければいけないなと改めて思った次第であります。
また同時に、東京都の選手も緒戦から頑張っているようで、小口綾乃選手ですね、四百メートルで大会新記録を予選から打ち出したということで、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思っているところであります。
また、一方で、国体というものそのものが、その後の報道などを見てましても、なかなかメディアに登場する機会が少なくて、国体を東京からどう盛り上げていくかという、国体そのものの位置づけを高めていくということも大変重要だなというふうに思った次第でありまして、そういう視点から幾つか質問していきたいと思っております。
まず最初に、メーン会場について伺ってまいりたいと思います。
この味の素スタジアムは、現時点まではサッカー専用競技場として、二つのJリーグチームのホームグラウンドとして主に利用されてまいりました。またコンサートなど、さまざまなイベントにも利用されてまいりました。
この国体の開催に向けて、陸上競技施設としての機能を満たしていくために、さらに今度は補助競技場、第三種の施設も一方で必要となってまいります。
また、このメーンスタジアムそのものを陸上競技場として利用するための大規模な改修も同時に必要となっていくということが明らかになっております。
そこで、施設改修工事の状況によっては、毎年開催しているJリーグの試合に大変大きな影響を与えることも予想されます。多大な損害が出る場合のことも想定しなければならないと思っておりまして、これは早い段階から、このJリーグの各チームとの協議が求められているのではないかというふうに思っておりますが、まず最初に、その見解を求めておきたいと思います。
○笠井国体推進部長 味の素スタジアムは、現在はサッカーJリーグのFC東京とヴェルディ東京のスタジアムとして利用されておりますけれども、もともとは国体の会場とすることを目的として建設された競技場でございます。
したがいまして、東京国体に向けて第一種公認の陸上競技場に改修することは、これは施設本来の目的を果たすために必要なことであるというふうに考えております。
しかしながら、一方で、味の素スタジアムが、先ほど申し上げましたJリーグの二つのチームのホームスタジアムとして定着していることも事実でございますし、都は今後もホームタウンとして両チームに協力を行っていくということでは、いかなければいけないと思っております。
また、お話の改修工事につきましては、この両チームに対して極力負担となることがないように調整を図ってまいりたいと思っております。
○西岡委員 全国でもこういうサッカー場のいろいろな整備に関しては、チーム側といろいろな課題があるように聞いておりますので、東京国体におきましては円滑に合意形成ができますように、特段のご尽力をお願いしておきたいと思います。
最後に、第一種の陸上競技場とするためには、補助競技場が必要になるというふうに聞いておりまして、現時点では、その方向はまだ明確に定まっていないというふうに思いますので、今後どのように整備していく方針なのか。予定について伺っておきたいと思います。
○笠井国体推進部長 国体の陸上競技を開催するためには、財団法人日本陸上競技連盟の第一種公認を得た競技場が必要でございます。その第一種公認を得るための要件として、第三種公認の補助競技場を備えることが求められております。
この補助競技場につきましては、味の素スタジアム周辺の施設ですとか、土地利用状況などを総合的に判断いたしまして、また、地元自治体などのご意見なども伺いながら、適切に対応してまいりたいと思っております。
○西岡委員 この第一種の競技場として改修をし、国体の競技場とするために第三種も同時に新設をし、ということはわかりましたが、この国体で利用した後の味の素スタジアムの施設全体のあり方というものも、同時に考えていかなければいけない。このことは極めて重要な視点だと思っておりまして、国体利用後の施設のあり方につきましてはどんな検討が行われているのか、伺っておきたいと思います。
○笠井国体推進部長 国体終了後の味の素スタジアムのあり方についてでございますけれども、これにつきましては、施設の利用者ですとか、それから、地元の関係者の方々などのご意見を伺いながら、これから検討していくというところでございます。
○西岡委員 私の地元も隣接している小金井なんですけれども、ぜひ地元、近隣の自治体、もちろん調布市もそうですけれども、またスタジアムの関係者など、いろいろな立場の方々の意向をぜひお聞きいただいて、特に地元のご意見は大事だと思いますが、この国体が終わった後、この施設全体がどうなっていくのかということは、これは非常に重要でありますし、多くの方々が大変注目をしているところだと思いますから、ぜひ慎重かつ、そして今後の国体後において本当に喜ばれる、そして、多くの方から利用される、そして、地元の町にも貢献できる施設でありますように、特段のご検討をお願いしておきたいと思います。
次に、多摩・島しょ振興という観点から何点か伺ってまいります。
東京国体の正式名称は、今回でいえば第六十八回国民体育大会、これが正式名称なんですね。一方、関係者や主催団体などが通例、今ではいうところの東京国体、東京国体という名称が使用されております。この資料にも、国体の準備委員会に関する資料でも、東京国体ということで明記されています。
しかし、この平成二十五年に開催される東京での国体は、もともとの歴史を調べてみますと、平成元年に都の市長会、町村長会からの、東京多摩国体、これ仮称ですが、の誘致についての要望書が契機となりまして、そしてさらに平成五年には同会から都知事に、多摩東京国体の推進に関する要望書が提出され、今日に至っているんですね。
私の印象では、いつの間にか多摩という地域性の概念が消えてしまって、東京国体になってしまったような印象を受けているんですね。だからといって二十三区が開催地域になっていることは十分理解できますし、そう一方的な意見をいっているわけではないんですね。ただ、契機は、多摩・島しょを中心に国体をやろうということで持ち上がった話なのですが、今は東京国体ということで、地元の熱意がですね、名は体をあらわしていないという状況になっているのではないのかなというふうに思わざるを得ないのですね。
で、正式名称に多摩という言葉を組み入れることは困難ですけれども、サブタイトルやスローガンに多摩・島しょという地域性の概念が盛り込まれていくことは、これは必要ではないのかなと思っているんですね。
秋田国体の場合は、サブタイトルは秋田わか杉国体なんです。そしてスローガンは、「君のハートよ位置につけ」ということで、これは主催都道府県が独自に決めていいことになっているということは、調べてわかっております。いかがでしょうか、ご見解は。
○笠井国体推進部長 国体の開催都道府県では、今先生がおっしゃられましたように、正式名称のほかに、その地域になじんだ、親しみやすく呼びやすい呼び名を、テーマとかスローガンということで制定してございます。
秋田県の話は、今先生の方からお話があったとおりでございますけれども、昨年開催された兵庫県では、テーマを、のじぎく兵庫国体、スローガンを「ありがとう心から・ひょうごから」と、そういった開催県らしさがあふれる表現というのがとられているということでございます。
今後、東京にふさわしいテーマやスローガンの制定に向けましては、去る七月に設立いたしました東京都準備委員会におきまして、内容を検討し、決定していきたいというふうに思っております。
○西岡委員 ぜひともですね、多摩・島しょ、この地元からわき上がってきたエネルギーですから、この多摩・島しょの思いがきちっと、名が体をあらわすようなサブタイトルやスローガンを大いに期待しておきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
さて、多摩・島しょの自治体の開催競技数などに隔たりがあってはいけないというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
また、現時点で開催競技がない自治体があるのが見受けられます。その自治体への対策は考慮されているのか。特に島しょですね。難しいのはわかります。人口の小さな島などではなかなか交通の便などを考えると難しいのはよく理解されますけれども、多摩・島しょが一体となってできる東京国体でなければいけないと思いますから、どういった対策が考慮されているのか。
また、競技によっては、五競技ぐらいでしょうか、まだ調整中のものがありますけれども、その現況について、開催計画、開催地について、わかれば教えていただきたいと思います。
○笠井国体推進部長 自治体の開催競技につきましては、区市町村の開催希望や実施競技団体の意向及び競技施設などを考慮いたしまして、七月に開催されました東京都準備委員会第一回総会において決定したところでございます。
また、開催競技の予定がない自治体につきましては、今後、デモンストレーションとしてのスポーツ行事の開催を進めるなど、すべての区市町村において何らかの取り組みが行われるように調整をしていきたいと思っております。
それから、会場地が決まっていないライフル射撃など調整中の五競技につきましては、なるべく早い時期に会場地が決まるように引き続き調整を進めてまいりたいと思っております。
○西岡委員 すべての区市町村で、正式競技、公開競技、デモンストレーションと三つの種類の競技があるわけですけれども、このデモンストレーションというのは基本的にはどんなことをやってもいいように伺っておりますから、すべての区市町村で本当に親しまれる国体が実現できますように、準備をお願いしたいと思います。
今後は、都民のだれもが参加をして東京国体を盛り上げていかなければいけないわけですが、この国体をどうやって盛り上げていったらいいのかなというところが、まさに議会や行政、さまざまな方々のご意見を聞いて、知恵を出していくところだと思うのですね。私は、このデモンストレーションというものを大いに活用したらいいのではないのかなというふうに思っておりますし、このスポーツ行事実施基本方針の中にも、しっかりとこの位置づけが明記をされているわけです。
そこで、多摩地域でこの間開催されてきた大がかりな東京国際スリーデーマーチ、これは歩け歩け大会ですね、あるいは多摩地域で開催されている市民マラソンなどを、国体イベントとして、多くの都民が選手のような気持ちで参加できるように拡大をしていくこともいいのかなというふうに思っておりますし、まさにこの実施目的の、参加、感動の共有、多世代健康づくり、地域特性にも合致していると思うのですね。そういう意味では自分も国体の選手であるんだということを位置づけていくことも大事かなと思っております。また、都民が選手的な気分で参加ができる、この辺も大変大事だと思っておりますが、いかがでしょうか。
○笠井国体推進部長 東京国体では、三十七の正式競技と三つの公開競技を実施する予定でございます。そのほかに、国体を盛り上げていくために、お話のデモンストレーションとしてのスポーツ行事を実施していく予定でございます。
この具体的なデモンストレーションとしてのスポーツ行事につきましては、今後、開催を希望する区市町村、そして競技団体と調整しながら決定していくということになろうかと思っております。
○西岡委員 区市町村単位の行事ということももちろん重要ですけれども、オール多摩というんですかね、多摩にこだわり過ぎているかもしれませんが、オール多摩、こういう気持ちで、区域を超えて多くの多摩都民が、二十三区の方々も、都民が参加できるこういうデモンストレーションというのをぜひ検討する必要があるんじゃないかと思いますけれども、よろしくお願いしておきたいと思います。
また、プレ大会という発想も大変重要だなと思っておりまして、プレ大会は国体を盛り上げる効果が大変期待されるのではないのかなと思っているんですね。競技によっては、このプレ大会ができない競技もあるかもしれません、会場のことがありますから。開催が可能であれば、プレ大会を実施して、プレ大会であれば、都道府県代表でなくても出れるわけですね。つまり、国体と同じコースなどを選手として参加することができるわけですから、そういう意味でプレ大会というものをぜひ実施していただきたいと思いますし、この開催費用などの補助を行っていく支援対策も用意すべきと考えますので、あわせて、先ほどのデモンストレーションとともに検討していただきたいと思います。
次に、国体改革に関連して伺ってまいります。
大変心配しているテーマでございます。財団法人日本体育協会では、二〇一三年の国体から、正式競技を、毎年実施する競技と隔年実施していく競技に、二つに分ける方針ということが報道されましたが、これは事実かどうか。
もしそうなった場合には、これまで東京都や体育協会、地元の自治体が積み上げてきた計画や振興策への期待が失われてしまうと。今になって突然、このスポーツ競技は二〇一三年からやらなくなりましたということがあってはならないのではないのかなと思っているのですね。
国体改革を否定するものではありません。しかし、この平成二十年から施設改修がもう予算化されていくようなので、施設費補助を視野に入れた対応を行っている自治体もあるんだと思うのです。この国体改革というのは、計画がまだ白紙になっているときから導入されるべきものだと私は考えます。都として、二〇一三年はこれまでの基準どおりに開催していくべきだと、ここまで積み上げてきたわけですから、明確に主張しておく準備をした方がいいのではないのかなと思いますが、ご見解を伺いたいと思います。
○笠井国体推進部長 財団法人日本体育協会では、以前から国体改革の取り組みを進めております。
そのうち、平成二十五年の東京国体から実施する予定の検討項目の中に、正式競技を、毎年実施する競技と隔年実施の競技に分けるという項目があることは、承知をいたしております。今年度中にその検討結果がまとめられるとも聞いております。
一方、都では、既にさきの準備委員会におきまして、実施予定競技の選択や会場地区市町村の選定を行っており、この準備委員会の決定に基づき、着実に開催準備を進めていく方針でございます。
○西岡委員 国体改革を否定するものではないのですけれども、ここまで準備をして積み上げてきているわけですから、東京都の主体をきちっと持っていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、三宅島ですね、三宅島では公開競技としてトライアスロンの開催が決定をしております。
私は噴火する以前から、私の地元小金井は三宅村と友好都市でありまして、地元の小金井の市民としても、私自身がトライアスロンの競技をやっている関係もありますが、トライアスロンの選手としても、噴火前から、三宅島でトライアスロンができたらいいなということはずっと考えてきたんですね。今回の決定は、三宅の復興にもつながる大変いい決定だと思っていて、大変期待をしているところでありますが、三宅島での公開競技の開催の意義について伺ってみたいと思います。
○笠井国体推進部長 三宅島は、ご承知のように、美しい海に囲まれて、なおかつ起伏の多い地形を有するなど、自然環境に恵まれておりまして、トライアスロンの競技の開催には非常に適した魅力的な会場地であるというふうに認識をしております。
この三宅島でのトライアスロン競技の開催は、島の復興に大きなインパクトを与えるものと考えております。
○西岡委員 三宅島でどんなコースになっているのかなということを関係者の方に伺わせていただきましたら、現時点では高濃度地区がありますので、この高濃度地区を外して、高濃度地区には踏み込まないコース設計になっているんですね。しかし、今後、この高濃度地区が解除された場合は、三宅島の外周道路というのは三十四キロぐらいにわたって大変整備をされているわけですね。これは競技の魅力が大変増す、アスリートにとっては大変やりがいのある外周道路になっているんですね。
従前から三宅村、三宅島ではロードレースも外周道路を舞台として開催されてきましたので、この三宅島に関しては、今は高濃度地区を外すコースになっていますけれども、高濃度地区が解除された場合には、計画後においてもコースの変更を柔軟に容認する姿勢でいていただきたいなと思いますけれども、ご見解をいただきたいと思います。
○笠井国体推進部長 トライアスロン競技のコースにつきましては、これは当該三宅村と、それから競技団体が協議して決めることになってございます。
先生お話の点につきましては、今後は都といたしましては、安全で魅力ある競技が実施できるよう、地元並びに競技団体と十分調整をしていきたいと、こういうふうに思っております。
○西岡委員 二〇一三年でなくても、この国体の開催は三宅の復興対策にもつながります。
三宅島が復興の最中であるという観点を忘れることなく、都としての支援体制をしっかりと構築していただきたいと強く要望しますし、また、国体の魅力を高めていくことが大変重要であります。
大会を盛り上げる新しい取り組みも、積極的に検討していただきたいと強く要望し、最後に、最後の質問に移ります。
犯罪被害者等支援推進計画(仮称)中間のまとめについて何点か伺います。
犯罪被害者に対する支援については、大変熱心に私どもの会派は取り組んでまいりましたが、このたび東京都から中間のまとめが出されましたことは、率直に評価したいと思います。この計画策定を前向きに我々は受けとめておりまして、都は、最終のまとめに向けてぜひともご努力をいただきたい。具体的な支援につながるよう、中身のあるものにしていただきたいと思います。そういった観点から数点絞って伺ってまいりたいと思います。
まず初めに、今回策定している計画における支援の対象者についてであります。
基本法第五条では、地方公共団体に対し、その地域の状況に応じた施策の策定及び実施を求めていますが、東京ではさまざまな方々が暮らしているわけで、この中間のまとめでは、この計画における支援の対象者、どんな犯罪を受けた人がこの対象に入るのかということが何ら触れられておりません。どのような被害に遭われた方が対象者となるのかを明確にしなければ、これは計画が遂行できませんので、今回の計画において支援の対象となる犯罪被害者の範囲についてどのように考えているのか、伺います。
○田村人権部長 本計画の対象となります犯罪被害者の範囲でございますが、刑法や我が国の刑罰法規に触れる犯罪行為及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為により被害をこうむった者及びその家族または遺族であり、都民を原則としております。
例を申しますと、刑罰法令とは、暴力団による不当な行為の防止に関する法律、いわゆる暴力団対策法などがございます。また、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為とは、ストーカー行為には当たらないが警告の対象となるようなつきまとい行為等がございます。
対象は原則として都民でございますが、都内で被害に遭われた都民でない方々についても、相談などについては対象になることもあると考えております。
○西岡委員 対象の範囲は刑法その他我が国の刑罰法令における犯罪行為、そしてこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為ということでご答弁いただきました。
一方で、これは東京都がつくる計画でございますから、東京都にも、例えば迷惑防止条例など、都独自の条例というものもあるわけで、この条例上の犯罪の被害に遭う方も当然いらっしゃるわけですね。そういう意味では、この都条例についてもこの対象にしていただきたいと思いますし、ぜひ検討していただきたいと思いますので、要望だけしておきたいと思います。
ここで一番大事なのは、犯罪に遭った方々の被害後の生活保障という観点が一番大事なのだろうと思います。中間のまとめにも被害者の現状が述べられていますけれども、例えば自宅が犯行現場になったために、もうそこに住めないとか、精神的なショックから会社に行けないなど、多様な状況が想定をされます。
今回の中間のまとめでも、新たに都が重点的に取り組む支援事業として、被害直後及び中期的な居住場所の確保が挙げられております。大変よい施策であると考えますが、抽象的な記述にとどまっているため、具体的な施策のイメージがわいてきません。
何日ぐらい宿泊できるのか、具体的な宿泊場所はだれが決めるのか、その費用はだれが負担するのか、肝心の具体的な支援内容において不明な点が多過ぎます。
中間まとめですから、詳細については今後詰めていくというのはわかりますけれども、この内容を具体化し、きめ細かく支援策を準備していただきたいと思いますが、ご見解を伺いたいと思います。
○田村人権部長 この施策の内容についてでございますが、例えば犯罪直後の宿泊場所につきましては、被害者の状況等を踏まえまして、都が複数案を提示し、できれば被害者の方が選択できるような方法も考えております。
また、宿泊費用につきましては、一定期間を限度に都が負担するようなこともあることなどを検討しております。
今後、より被害者の実情に即した施策となりますよう、具体化に向けてさらに検討してまいります。
○西岡委員 期待をして、一月の最終報告を待ちたいと思います。
また一方で、被害に遭われた方々にとっては、最も身近な区市町村の役割が非常に重要です。区市町村は住民に身近で多様なサービスを行っておりますし、実際に被害に遭った方々が最初に行くところは、警察の次は恐らく区役所、市役所なんだろうと思うのですね。そういう意味では、既に杉並や日野では独自に取り組みを始めています。しかし、区市町村によってこの取り組みには大変な温度差があるというのが実情ではないでしょうか。
そこで、都としてはこの区市町村との連携や温度差が生じている状況に対して、どのような取り組みをしていこうと考えているのか、伺いたいと思います。
○田村人権部長 犯罪被害者を途切れることなく支援していくためには、区市町村との連携が重要であると認識しております。
犯罪被害者等基本法の第五条では、地方公共団体の責務を規定しておりますけれども、都道府県と区市町村の具体的な役割については規定してございません。したがって、各区市町村がその地域の実情に応じて主体的に施策を策定し実施することが重要であると考えております。
都がまず本計画を策定し、被害者支援に本格的に取り組む姿勢を区市町村に示しますとともに、会議等さまざまな機会をとらえまして、都と区市町村との連携の強化や各区市町村に即した積極的な取り組みの必要性等を丁寧に説明していきたいと考えております。
○西岡委員 最後に意見だけ申し上げたいと思います。
今ご答弁いただいたことは極めて重要だと思っております。新しい取り組みについては、スタートのラインにつくときになかなか区市町村の足並みがそろわないことは多々あることだと思います。
緊急地震速報でも、自治体で活用したのは豊島区だけだというような報道もありましたけれども、この犯罪被害者については、東京都は、本当にいろんな犯罪の被害に遭って困っている方がたくさんいらっしゃるわけで、オール東京で臨めるようにしていくことが大事だと思っております。
本計画につきましては、来年一月をめどに最終的にまとめていくということであります。我が会派の代表質問に対する答弁にもありましたように、今後、これまでの都議会での議論から明らかになった意見や要望、そして都民からの意見などを参考にして、さらに内容を充実させていただきたいということを強く要望します。
また、計画の実効性をさらに高めるためにも、東京都として、ぜひとも将来はこの条例化を目指していただきたいということもあわせて要望して、質問を終わりたいと思います。
○東村委員 私の方からは、二つの大きな報告について、ちょっとお聞きしたいと思います。
一つは、今質問もありました東京都犯罪被害者等支援推進計画の中間のまとめ、もう一つは、東京都の監理団体経営目標の達成状況・経営実績、そして、さらなる経営目標について、何点かお伺いしたいと思います。
この犯罪被害者等支援推進計画の中間まとめの中で、実はポイントを絞りたいと思います。それは何かといいますと、性犯罪被害者に対する対応についてであります。
私の地元八王子は実は二十一の大学がございまして、女子学生も多くこの地域に住んでおります。近年、東京は、この性犯罪被害者が増加をしておりまして、彼女たちが性犯罪に巻き込まれるという事件がふえてきております。
そういう中で、今回のまとめでこういう記載がございます。二四ページに、性犯罪や家庭内の暴力に係る犯罪被害者等の中には、被害そのものを明らかにできないため、捜査機関等とのかかわりすら持てず、相談や支援を要請する方法もわからないまま、困難な状況に陥っている方もいますと、こういうことが記載されていまして、私は、そのとおりだと思います。
これは性犯罪被害に遭った方のお気持ちを考えると、なかなかこういうところに踏み出せない、そういう気持ちは本当によくわかります。そういう中で、対応として、警察における相談体制として、犯罪被害者支援室に犯罪被害者ホットラインを設置し、臨床心理士の資格を持つ女性警察官等を配置して、被害者等からの相談に対応しています、こう記載があります。非常に大事な点だと思います。
そこで、この設置等の今の現状と効果、どのような効果が上がっているのか。詳しい中身まではいえないかもしれないんですけれども、わかる範囲で結構ですので、説明願いたいと思います。
○田村人権部長 犯罪被害者ホットラインについてのお尋ねでございますけれども、これは主として被害者の心の悩み相談へ対応するためのものとして設置されてございます。
現在、支援室に、臨床心理士の資格を持つ女性警察官一名、それから、一般技術系男性職員一名の計二名が配置されておりまして、月曜日から金曜日の八時半から十七時十五分まで、被害者等からの相談に対応しております。
また、その効果につきましてですが、警視庁によりますと、平成十八年度の相談件数は、電話で二千百三十六件、ファクス、手紙で二十一件とのことでございます。
臨床心理士の資格を持つ警察職員が対応することによりまして、男女を問わず、心の悩みを持つ相談者に対して、より的確な対応ができているとのことでございます。
○東村委員 二千百三十六件の電話相談があるということなんですけれども、一番大事なところは、この警視庁に設置してあるということも大事なんですけれども、やっぱりこの最初の初期の段階で対応されるのは現場の警察署なんですね。その現場の警察署においても、やはり女性警察官が、女性の被害者の気持ちに立って対応するということが大事だと思います。
医療の世界では、我が党は一貫して女性専門外来というのを訴えてきました。それは、女性の方のさまざまな特有の悩みや、また、体の診察等はやはり男性医師にはやってもらいたくない、女性の医師にやっていただきたいということで、女性専門外来を推進してまいりました。押元局長が病院経営本部長のときだったと思いますけれども、一生懸命この推進をしていただきまして、今では都立病院や公社病院まで、女性専門外来が設置されまして、多くの人から喜ばれております。
そういう中で、女性の性犯罪被害に対しては、この二二ページにも記載されているんですけれども、女性のこういった研修を受けた犯罪捜査官が各署に配置されることが一番望ましいわけでありまして、現在どのような配置状況になっているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○田村人権部長 警視庁におきましても、女性の性犯罪被害の捜査に当たりましては、女性警察官が対応することが適切だと認識しておりまして、本年九月現在、性犯罪捜査員として必要な教養、実務指導研修を修了した女性警察官は千四十四名となっております。
そのほとんどを各警察署並びに本部事件主管課等に配置しているとのことでございます。
警視庁では、今後とも女性性犯罪捜査員の充実に努めていくとのことでありまして、都としても必要な協力を行ってまいります。
○東村委員 今回中間のまとめだということですので、ぜひとも、これは要望を何点かしておきたいのですね。
今、千四十四名の実務研修を受けた女性捜査官が各警察署に配置されているという話がありましたけれども、大事なことは、配置されていても、その女性犯罪捜査員が、実際にそういう性犯罪に対応してもらわなければ困るということでございます。
一つのこれは事例なんですけれども、かなり私の方にクレームがあった事例なんですが、たまたま未遂事件で終わったからよかったのですけれども、犯人が逮捕されました、犯人が逮捕されて、四十八時間以内に起訴しなきゃいけないということで、警察の方も、再犯だったものですから、何とかこれをきっちり起訴して対応しなきゃいけないということで、一生懸命だったと思うのですけれども、結果的に男性の刑事が、朝まで--大体こういう事件というのは夜起きますから、夜、女性の捜査官というのはいないんですね、警視庁も、各警察署もいないものですから、男性の刑事が、やはりこれをきちっと対応しなきゃいけないということで、朝まで一生懸命ご尽力されたんですけれども、受けた女性にとっては、未遂事件であったけれども、やはり相当心にダメージを受けていて、その中で朝方までこういう調書をとられたということで、相当ショックだったようでございます。
配置をするということは大原則なんでしょうけれども、私はぜひともこのまとめの中で、原則、女性犯罪捜査員が対応するということを織り込んでいただきたいと思いますし、先ほど臨床心理士の話がありました。実は今、警視庁、かなり柔軟になってまいりまして、私はもともと資格が公認会計士なんですけれども、犯罪捜査に関して、この財務の捜査が必要になってくるということで、公認会計士が今、警視庁の財務捜査官になっています。逆に、警視庁の人を公認会計士に育成しようとするのは大変かもしれませんし、今ある女性警察官を臨床心理士にするというのは時間がかかるかもしれませんけれども、むしろ、公認会計士が財務捜査官になったように、今いる女性の臨床心理士が、こういった性犯罪捜査官として、特にこういう犯罪が多い地域に重点的に配置をしてもらえれば、いろんな被害者にとっても一つの大きな心の支えになるんじゃないかということを一つだけ要望させていただきたいと思います。
次に、監理団体の問題について何点かお伺いしたいと思います。
実はこの経営実績を見させていただいて、通期比較になっていますので、よくわかりました。非常にいい資料だということがよくわかりまして、その一つに、東京都高齢者研究・福祉振興財団というのは、東京都が六〇%出資している、老人福祉を中心にやられている財団です。それからもう一つ、東京都社会福祉事業団、これは児童福祉と障害者福祉を今やっております。
それぞれ見させていただいて、十五年から十八年まで、両財団とも経常収支がすべて赤です。で、この高齢者研究・福祉振興財団は、老人総合研究所を今度老人医療センターと一体となって独立行政法人化されるという話ですし、東京都福祉事業団も、今運営受託の都立福祉施設を、さまざまな形で指定管理者として受託をされています。
こういう中で、これはともに福祉保健局の所管なんですね。で、私は、この経常収支をどうやったら縮減できるのかということを考えながら、ほかの財団の経営実績を見させてもらったら、東京都の道路整備公社、これは出資が東京都〇・二%ですけど、これと、東京都道路公社、出資一〇〇%、これはともに建設局の所管なんですけれども、ここが十四年に管理部門を統合して、十六年に道路管理部門を統合して、組織の簡素化、効率化を図っています。しかも、理事長が、どちらの財団も同じ人物なんですね。
この管理部門の統合によって理事長も一人にできるという、こういうことを考えたときに、確かに行革実行プログラムで、東京都高齢者研究・福祉振興財団、これは老健と医療センターが一体となって独法化された場合には、事業のあり方を抜本的に見直すと書いてありますし、この東京都福祉事業団も、この団体の廃止も視野に入れた、この都立福祉施設の民間移譲を考えるということを記載されています。
記載されているんですけれども、これは、私は結構労力がいるし、そんな簡単に進む話ではないだろうと思っております。恐らく、さまざまな諸事情のもと反対も起きてくるだろうし、検討もしなきゃいけない部分もあるだろうと思っています。
そういうことを考えたら、むしろ、こういった管理部門だけを統合していくことによって、財団のこの管理経費、これを縮減できるんじゃないか。もっといえば、理事長も二人いる必要はなくて、統合すれば、三つあったやつを一つにすれば一人の理事長で済むわけですから、こういった管理部門の統合もできないかと。
ほかにも統合できるところはないかということをざっと見させてもらって、例えばですよ、例えば中小企業振興公社としごと財団、さらに東京水道サービスとPUC、さらにはスポーツ文化事業団と東京スタジアム、こういったところも管理部門を統合していけるんじゃないかと。そうすれば、いきなり統廃合まで持っていかなくても、こういったところで経費の削減ができ効率化ができるんじゃないかと思います。
そこで、ぜひともこういった手法を活用することも有効じゃないかと私は思うのですけれども、局の意見を伺いたいと思います。
○松崎行政改革推進部長 監理団体改革につきましては、昨年七月に策定をいたしました行財政改革実行プログラムにおきまして、団体のあり方を見直して、抜本的な経営改善などが求められている団体については、統廃合や事業再編などにより、組織の簡素効率化を推進していくこととしております。
ご指摘のございました管理部門の統合につきましては、既に民間企業においてさまざまな取り組みがされておりますが、お話がありましたように、間接費用の縮減に有効な手法の一つと認識をしております。
都におきましても、監理団体改革として持ち株会社方式で経営統合を行いました臨海ホールディングスグループ内におきまして、その経営基本方針の中で、総務経理部門等の間接部門の業務について、できる限り集約し、より効率的、効果的な執行体制を構築していくこととしているところでございます。
今後、臨海ホールディングスグループの成果も見きわめながら、さまざまな工夫によるコスト縮減に取り組み、一層の効率的経営を図るよう指導してまいりたいと考えております。
○東村委員 今、臨海ホールディングスグループの、管理部門の統合の成果を見きわめた上で検討していきたいというお話がありましたので、ぜひともこれがうまくいくんであれば、一つの手法として検討していただければと思います。
次に、監理団体の外部監査、これについてお伺いしたいと思います。
今、東京水道サービスはよく議会で取り上げられるんですけれども、売上高の九八・三%が東京都からの受託事業だと、それからPUCについては八九・八%が東京都からの受託事業だと、これでいいのかという、よく議論がなされるわけでありまして、その一つは、なかなかこの妥当性というのがはっきり対外的に示されない。そういう意味で、透明性の確保というのが非常に重要になってくるんじゃないかと思います。
そこで、ぜひとも私は、外部監査をどんどん導入していくべきだ、公認会計士等による外部監査をどんどん導入してやっていくべきだと思っているんですけれども、この目標を見ますと、東京都環境整備公社は十九年度から本格実施するし、今いった東京水道サービスやPUCは十九年度検討をしていくと、検討をするということが記載されております。
そこで、すべてのこの監理団体の現在の実施状況、それから、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○松崎行政改革推進部長 監理団体における外部監査につきましては、行財政改革実行プログラムにおきまして、経営の透明性、信頼性を一層高めるとともに、さらなる経営改善を推進するということで、小規模な団体などを除き順次導入することとしております。
まず、現状でございますが、監理団体全三十八団体のうち、平成十八年度に予備調査を実施した団体を含めまして、二十二団体において既に外部監査を導入済みでございます。
また、ご質問にもございましたように、東京水道サービス株式会社、株式会社PUCなど七団体が現在導入の準備中でございまして、未導入の団体につきましても、引き続き積極的に導入を働きかけてまいります。
○東村委員 積極的に導入を働きかけていくって、非常に結構なことなんですけども、一つだけ、ちょっとこれ要望しておきたいんですが、外部監査を、財務諸表監査だけで終わってほしくないんですね。多分、恐らく株式会社なんかだったら、財務諸表監査だけで終わってしまうと思うんです。これも大事なことなんですけれども、今、東京都が包括外部監査を実施していますように、この有効性、効果性、それから経済性という、この三つの観点から、包括外部監査を導入していただくことによって、本当の意味での透明性というのが確保されるのではないかと思いますので、この点要望しておきたいと思います。
次に、いわゆる株式会社東京国際フォーラム、これについてお伺いしたいと思います。
これ、今、出資が東京都五一%で非常にいいスキームができ上がりまして、株式会社になって成功している事例の一つだろうと思っています。そのほかの、すばらしい優良企業も出資をし、役員も派遣をしていただいて成功していると伺っております。
ただ、一覧表を見て、相変わらずこれは何とかしなきゃいけないなと思ったのが、法人税の問題です。
法人税が、法人税等ですね、平成十五年が三億二百万、十六年が四億四千七百万、十七年が三億八千九百万、十八年が二億八千四百万、これが法人税等です。内訳は、法人税と住民税と事業税。で、住民税と事業税は、今は東京都に入ってくるからいいんでしょうけれども、法人税は、少なくともこれは全部国に吸い上げられてしまうんですね。
国際フォーラムの方も、また東京都の方も手をこまねいて見ていたわけじゃなくて、ロイヤルティーという形で、例えば売上高に連動させて一〇%、さらに、売上高四十億を超えたらさらに一〇%を取るという形で、十八年度に限っては年間五億六千三百万、ロイヤルティーを東京国際フォーラムから東京都は吸い上げています。非常にこれはよく知恵を絞ってやってきたなということは評価します。
さらに、賃料、国際フォーラムの事務所部分については年間二億五百万、賃料を取っています。これはすばらしいことなんですけど、この事務所は、フォーラム全体の面積でいうと一・一%なんですね。一・一%の賃料しか取っていない。そういう中で、法人税を国に吸い上げられている。
まだ今はいいですけれども、今、国の方が、事業税、この住民税を国が一括徴収して、地方に再配分するという話があります。こういうことをやられると、ますます税金だけどんどん持っていかれる、九九%、建物を無償で貸し付けしておいて、法人税だけ国に吸い上げられていく。下手したら住民税、それから事業税も吸い上げられてしまう。
ただ、じゃあ無償貸付の分、九九%賃料取ればいいじゃないかという短絡的な発想をすると、これ二百億になってしまいますから、今度は赤字になってしまう。
そういう中でどうすればいいのかというのは、今非常に苦しんでいると思うんですけれども、ただ、四年間ずっとこういう状況で来ていますので、そろそろこういった一方的に法人税を吸い上げられる仕組みを見直していくべきなんじゃないか。例えば賃料なんかも、通常のこの基準でやるんじゃなくて、都が有しているやつを特別に、公共のさまざまな福祉に寄与するという観点から十分の一にするとか、四分の一にするとか、そういう手法も考えながら、やっぱりこれは今後見直していく必要があるんじゃないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○松崎行政改革推進部長 株式会社東京国際フォーラムにおきましては、積極的な営業活動によりまして、主要六ホールの稼働率が過去最高となったことに加えまして、自主事業として二回目の開催となりましたラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭では、七十万に迫る来場者数を記録するなど、営業努力の成果が目に見える形であらわれておりまして、その結果として十八年度決算では、七億円弱の税引き前利益を計上しております。そこで法人税等の支払いが、質問でもご紹介がありましたが、二億八千四百万、このうち国に対する法人税が一億九千四百万円ということになっております。
東京国際フォーラムに係る法人税の納付につきましては、株式会社東京国際フォーラムの前身であります財団法人東京国際交流財団に対して実施をされました平成十一年度の包括外部監査におきまして、課税所得計算について検討すべきとの指摘がございました。これを受けまして、ただいま質問の中でもご紹介がございましたが、備品の減価償却、また都に対する事務室賃料の支払いや施設使用料の増額といった措置を講じてきたところでございます。
今後につきましては、先生からもさまざまなご指摘をいただいておりますので、その点にも留意しつつ、株式会社東京国際フォーラムの経営状況等を十分に見きわめて、所管の産業労働局など関係部署と協議をしてまいりたいと考えております。
○東村委員 監理団体といっても、十把一ぐるみでなくて、それぞれの状況に応じて改革できる観点というのは、それぞれあると思います。それぞれの諸事情もあるし、課題もこれからたくさんあると思います。これは、やっていくことによって、東京都にとってプラスになる改革だと思いますので、ぜひとも、この改革を、それぞれの課題を見きわめながら着実に推進していただきたいと思います。そこで、この改革に向けた押元局長の決意を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。
○押元総務局長 監理団体改革につきましては、東京都の行財政改革の大きな柱の一つといたしまして積極的に取り組んできておりまして、団体の統廃合ですとか、あるいは東京都の財政支出や、役員、職員数の削減などに加えまして、経営の透明性を向上させるために、団体の経営状況や、あるいは経営評価の結果を公表し役員報酬に反映させるなど、都独自の取り組みを推進し、一定の成果を上げてきているものと考えております。
しかしながら、監理団体に対する都民の目には依然として厳しいものがございますことに加え、指定管理者制度、あるいは市場化テストなどの導入等、他の民間事業者との競争もますます激しくなってきております。監理団体そのものの存在が大きく問われていると認識をしております。
こうした状況を踏まえまして、すべての監理団体について、改めてその存在意義を検証し、先ほど東村理事からご指摘をいただいた点も踏まえまして、個々の団体のあり方や事業について見直しをするとともに、引き続き活用していく団体につきましても、民間企業並みの効率的経営のもと、さらなる公益性の発揮により、都民福祉に一層貢献し、都民の皆さんから評価される団体となりますよう、今後とも、監理団体改革に全力を尽くしてまいりたいと存じます。
○大津委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
午後三時七休憩
午後三時二十一分開議
○大津委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○古館委員 私は、公立大学法人首都大学東京のあり方と運営状況についてお伺いをいたします。
最初に、首都大学が開学して三年になりますけれども、この間に、法人の事務組織の職員数、これはどのように推移し、さらにその中で東京都が派遣をしている職員と固有職員はどのように推移しているか、最初に伺いたいと思います。
○松本首都大学支援部長 公立大学法人首都大学東京の事務組織の職員数の推移でございます。
首都大学東京が開学してからこれまでの事務組織の職員数でございますが、これを四月一日現在で見ていきますと、開学時の平成十七年は四百三名、平成十八年は三百九十七名、平成十九年度は四百十一名ということでございます。
内訳でございますが、この内訳は、都派遣職員と法人の固有職員、そして人材派遣職員でございます。
このうち都からの派遣職員、これは再雇用職員も含みますが、平成十七年度が二百七十七人でございます。平成十八年度が二百三十七人、平成十九年度が二百十一人となっております。
法人の固有職員でございますが、役員を含めまして、平成十七年度が百人、平成十八年度が百二十六人、平成十九年度が百六十五人ということになっております。
○古館委員 今の答弁によりますと、この三年間でこの首都大の都の派遣職員が六十六人減りまして、これは正規ですよね、六十六人減って、反比例して法人の固有職員が六十五人ふえている、こういうことになります。ほとんど派遣職員が減った分が法人の固有職員でふえていると。
そこでお尋ねしますけれども、法人固有職員の中で、現在、任期つきとか期限をつけて雇っている職員というのは、何人で、固有職員のうちのどれぐらいの割合になるんでしょうか。
○松本首都大学支援部長 法人の事務組織の固有職員でございますが、これは役員を含め今年度は百六十五人でございますが、全員が任期つきの職員でございます。
○古館委員 つまり全員が任期つきということは、期限がついているということですよね。
ですから、職業というか、仕事も不安定という形になりますが、これは大学に限らず、学校というところの仕事は、何よりも継続性が大事だと思うんですね。次から次にかわるということは、決して好ましいことではないと考えています。
そこでお尋ねしますが、東京都は、大学改革という名のもとで、法人化後は、一貫して大学に勤務する今いわれた都派遣職員を減らしております。しかし、安定的な大学運営を継続していくためには、事務組織の核となる職員の確保は、極めて重要であります。都からの派遣職員を縮減することは、積み上げてきたこれまでのノウハウ、この蓄積が生かされていかない、こういうふうに考えております。
大学運営の基幹職員の人材育成については、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○松本首都大学支援部長 法人が多様化、高度化する教育ニーズにこたえまして戦略的な大学運営を行うためには、法人運営の中核となる職員の確保が不可欠でございます。
このため、平成十九年度から法人の固有職員の新たな人事制度を導入いたしまして、来年度から、初めて任期の定めのない固有の正規職員を採用することとしております。
固有の正規職員でございますが、この方々は、まさに法人運営の中核を担う人材でございまして、将来的に指導監督的な業務に立つことを期待し、教務、会計事務から企画調整業務まで、さまざまな職場で幅広く経験を積んでいただいて育成していくこととしております。
○古館委員 今、ちょっと一歩踏み込んだ答弁がありましたけれども、私は、都の派遣職員を減らすという考え方、これは常勤の正規職員を固有職員として確保していくという答弁がありましたけれども、これは当然の話で、新たにこの人材の育成にはそれ相当の時間がやっぱりかかるものだというふうに思います。
したがって、私は、そうした観点からも、都の派遣職員を減らさないで、ちゃんと派遣をしていくべきだと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○松本首都大学支援部長 法人への都派遣職員の縮減につきましては、法人の固有職員の採用状況も踏まえまして計画的に進めてまいります。
法人の固有職員の採用につきましては、法人としても、新規学卒者の正規職員への採用を中心としながら、他大学での実務経験者等の中途採用といったさまざまな採用を行いまして、法人運営を支え、また発展させていく優秀な人材の確保に努めていくこととしておるところでございます。
○古館委員 一定の方向転換であるなというふうには思います。なぜかといったら、さっきいいましたけれども、都の派遣職員は六十六人も減らされる。この方々は常勤ですよね。
ところが、法人の固有職員が、六十五人、その分同じぐらいにふえて、この方はいわゆる任期が決まった職員というような形では、なかなかこれは大学としての運営の問題から見ても難しいということを、ある意味では告白しているのかなと思っています。
ですから、その点では、やはり正規職員、東京都の職員の配置もきちんとしていくということを、改めて求めておきたいと思います。
次に、法人の中期目標の変更についてでありますけれども、今回、新たに都立の高等専門学校についても独立行政法人化して、公立大学法人に組み込んでいくことになるという案が出されております。まだ大学の法人化から三年しかたっていないんですけれども、これからもこういう形で次々に移管を広げていく方針なんですか、いかがですか。
○松本首都大学支援部長 地方独立行政法人制度の対象業務につきましては、地方独立行政法人法第二十一条に限定列挙されております。したがいまして、いかなる業務でも対象となるわけではございません。
今回の都立高専の法人化につきましては、学校教育法及び地方独立行政法人法の改正によって可能となったものでございますが、改正後におきましても、公立大学法人が行うことのできる業務というのは、地方独立行政法人法第二十一条第二項及び第五項に掲げる業務に限定されておりますことから、大学または大学及び高等専門学校の設置及び管理を行うこと及びその附帯業務に限られることになっております。
○古館委員 要するに、移管するかどうかというのは、あくまで、できる規定だということで確認をさせていただきたいと思います。
したがって、都立の専門学校のままでもいいということですよね。この点はどうですか。
○松本首都大学支援部長 地方独立行政法人制度でございますが、法人の設立につきましては、地方公共団体の任意でございます。地方公共団体の判断で、当該事務事業につきまして、地方独立行政法人化するかどうか検討することとしております。
都といたしましては、今回の法改正を受けまして、大学と同じ高等教育機関でございます高専につきましては、これを独立行政法人化することによって、人事、財政面における弾力的な運営を図るとともに、公立大学法人首都大学東京に移管することによりまして、産業技術大学院大学との九年間の一貫ものづくり教育システムの構築などに資するというふうに判断したものでございます。
○古館委員 先ほど、同じように都立の高専について評価しておられた質問もありました。ですから、私は別に、ここに無理やりはめ込む必要はないと。そうでなくても、ちゃんと立派にやってるよという話は、先ほどの議論の中でも明らかだと思うんですね。
法人運営に必要となる財源の確保なんですけれども、都が法人に措置している運営交付金等というこの予算ですね。そのうちで、標準運営費交付金というものについていいますと、毎年度マイナス二・五%ずつ減らしていくと。つまりこれは別名でいうと効率化係数というんだけど、簡単にいえば二・五%ずつ毎年減らしますよと、東京都が出している運営交付金ですね。そういう形で削減されていくことになると。
いつまでも削減し続けるのでしょうか。必要な予算が不足することのないように、きちんとこれは改めて保障すべきだと、このように考えますが、いかがですか。
○松本首都大学支援部長 標準運営交付金に係る二・五%の効率化係数につきましては、法人の中期目標期間である六年間について定めたものでございます。
法人に交付する標準運営交付金につきましては、平成十六年度の大学関係予算をベースといたしまして、法人化に伴って必要となる初期経費等を加味して算定したものでございまして、都といたしましては、法人運営に必要な財源は措置しているというふうに考えております。
○古館委員 つまり計画だと、確実に二・五%ずつどんどん減っていくという形になっているわけなんですね。
それで、今回、都立の高専が移管されるということになると、私は、百歩譲っても、高専が新たに加わってくるわけですから、いわゆる今まで二・五%ずつ効率化係数ということで削減してきたわけですが、この都立高専は初めて、今回、これ決まれば参入するということになるわけですが、そうしたら、当然私は、ここの部分については一〇〇%の予算の措置として考える必要があると思うんですが、この点についてはどういうご見解でしょうか。
○松本首都大学支援部長 高専移管に関します法人の予算につきましては、現在予算編成中でございます。確たることは申し上げられませんが、高専運営に支障を来すことのないように適切に対応してまいります。
○古館委員 ぜひこうした予算はきちんと保障すると、増額を求めておきたいと思います。
それで、先日なんですけれども、私、首都大に通う学生さんとちょっと懇談する、お話しする機会がありました。
殺到して出されてきたのが、学費も都の交付金も減ってきているという関係もあって、それから学生数も多くなっているということで、学費の増なんかで収入がふえているような気がすると、これは学生がいっているわけですからね。特にその中でいっていたのは、学生数はふえているんだけれども、その割に反して教職員は減っていると。いい先生がいると思ったらいなくなっちゃっていると。木曜日の三時限目、といっているんですけれども、ある一つの授業に集中して、座れないで立ち見もあると、こういうふうにいわれていましたね。
とにかく教員の人数足りないし、教室も足りないと。図書館、体育館、これは雨漏りして床が滑って足をとられちゃうと。地面の舗装も急がれていて、点字ブロックなんかもなくなって見えなくなっていると。
南大沢から日野キャンパス往復のバスも、少し要望でふやしてもらったんだけど、結局、単位取るとか取らないとかって大学になるとあるわけですよね。単位取れなくなると、もう一回戻って行かなきゃならないとか、荒川から、やっぱり単位を落としてしまった人がまたどうするとかという形になると、本当にバスの便というのも、もうちょっとふやしてもらいたいと。こういう声が非常に多く出ていました。
それで、一番いいたいのは食堂だと。十二時十分ぐらいになったら、一回見てほしいんだけど、百メートルぐらい列なして、お昼ご飯買うのを待っているんだというようなことがいわれているんですね。こういうような認識というのはあるんですか、どうですか。
○松本首都大学支援部長 学生さんからさまざまな要望が出ているということは、法人を通じて承知しております。
○古館委員 認識しているということなので、やっぱりこれはぜひ手はずを整えて、思いっきりそれこそ、計画的にというと、また計画で何カ年なんてやられちゃ困っちゃうんだけど、集中的にできればやってもらいたいなと思っています。
それから、日野キャンパスの改善要求も出されておりました。プレハブのまま今後もいくのかということで、とても心配していると。
日野キャンパス、私も行ったことあるんですけど、昼間行ったんだけど、結構暗いんですよね。それで、校内が暗いために、夕方から夜にかけて廊下なんか歩くのに懐中電灯持って歩くような教授もいると。これはそういう事例でいわれていました。素直にいっただけです、私は。
つまり日野キャンパス、確かにそういう状況があるんですよ。したがって、こういう改善というのは、さっき将来性は高いよといわれているんだけれども、やっぱり教職員がなかなか定着できないということや、学生からこういう声が出ているということに対しては、やっぱりきちんと対応してもらいたいなと、こういうふうに思っております。
私も、総務委員会で大変皆さんに本当にお世話になっているんですが、今度、総務委員会から違うところに行くことになりました。最後ですので、局長さん、どうぞ答弁してもらいたいと思うんですが、よろしくお願いします。
○押元総務局長 先ほど来、首都大学東京についていろいろなご指摘をいただいております。
私どもとしましては、先ほど松本部長の方からお答え申し上げましたように、非常に将来性のある大学ということで期待をされている大学ということでございますので、これから、教学の面につきましても、研究の面につきましても、知事の非常に重点を入れている事業ということでもございますので、法人の方と密接に連携をして、よりよい大学にしていきたいというふうに考えております。
○西崎委員 私からは、東京都犯罪被害者等支援推進計画(仮称)中間のまとめについて伺います。
もう既にこのことについては何人かの委員から質問が出ていますので、私としては、三五ページに、今後の取り組みとして重点的に取り組んでいく項目が書かれていますので、ここにポイントを置いて、何点か伺ってまいります。
まず、被害者に対する支援としましては、事件直後の危機管理をするに当たっての早い時期での介入、支援が必要になります。
アメリカの犯罪被害者支援が大変進んでいるという話を聞いたんですが、アメリカでは、事件が起きて早い時期に、警察だけではなくて、ボランティアの民間支援団体の人が駆けつけまして、精神的なケアや、それからこれから起こることへの情報提供などを行っていると聞きました。
被害者は、事件直後、だれが来ても信用できない状況にありまして、刑事司法への知識の提供、事情聴取等への付き添い、家事の支援や福祉医療などのさまざまな支援が必要になると思います。手続や対応も大変煩雑になると思います。
そこで、こういった支援をコーディネートできる支援コーディネーターが必要になると思いますが、この点についてぜひ検討していただきたいと思いますが、見解を伺います。
○田村人権部長 被害に遭った方々が早期に被害から回復するようになるためには、その一人一人の状況に応じて、多様な支援を適切に受けられることが重要であります。
そのためには、多様な支援策を組み合わせまして、最適なメニューを選択して被害者の方にお示しし、それに沿った支援を行うことが必要となってございます。
都は、今後、被害者が再び平穏な生活を営めるようになるまで一貫して支援していけるような体制や、そうした役割を担う人材について検討してまいります。
○西崎委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
それから、二点目なんですけれども、区市町村、それから民間団体等の連携体制について伺いたいと思います。
先ほど区市町村の連携についてはお話が出ていますので、私は、地域の民間団体等の連携体制について、ポイントを置いて伺っていきたいと思います。
先ほど西岡副委員長の方から、地域の自治体によってこういった犯罪被害者支援というのはまちまちである、力の入れ方が違うというお話がありましたけれども、数年前に、中野区にあります野方警察署の署長さんに大変熱心な方がいらっしゃいまして、この犯罪被害者支援に取り組まれていました。
そのネットワークをつくったんですけれども、行政はもちろん、弁護士、医師、そして地元の不動産屋、かぎ屋などいろんな民間団体が入りまして、この犯罪被害者等支援ネットワークを地域の中でつくられました。
現在は、署長がかわられて、ネットワークが機能しているかどうかわからないと警視庁の方にいわれたんですけれども、でも必ず広がっていると思いますし、こういった取り組みは大変重要になってくるのではないかと思います。
特に、先ほど性犯罪の被害で女性が大変つらい思いをしたというお話もありましたけれども、やっぱり地域でこういった理解があって支援体制をつくるということが大変必要になってくると思います。
東京都は、広域にわたって支援体制を整備していく必要があると思いますけれども、こういった地域でのこのような民間団体との連携を進めていくためにも、今後どのような働きかけをしていくのか、見解を伺います。
○田村人権部長 被害者を途切れることなく支援していくためには、都だけで行うことは不十分でございまして、地元の区市町村や民間団体等さまざまな機関等と連携していくことが重要だと考えております。
都として、さまざまな機会をとらえまして、区市町村や民間団体などに相互の連携の強化について働きかけるとともに、地域の実情に応じたきめ細かい支援ネットワークの創設などを積極的に働きかけてまいります。
また、地域において犯罪被害者支援についての理解と取り組みが進むよう、犯罪被害者の置かれている状況等について広く都民にお知らせする等、都民の皆様の理解を深める取り組みも行ってまいります。
○西崎委員 三点目に、現在、被害者支援のために東京都ではさまざまな支援策を行っているんですけれども、それが、利用者というか、当事者にとって大変利用しやすい、わかりやすいものでなければならないと思うんです。
例えばDV被害者の支援については、今回、生活者ネットワークの一般質問でも取り上げましたけれども、実際にさまざまな所管で支援策を行っています。例えば男女平等参画室、あるいは福祉局で行っておりまして、それぞれの所管にお話を伺いますと、私どもは支援をしておりますとおっしゃいますけれども、当事者、あるいはその支援している民間団体からいわせると、大変わかりにくい、利用しにくい部分がすごくあるというお話を伺いました。それが実態なのではないかと思います。
今回の中間まとめで、都は、総合的窓口の設置を予定していますけれども、ぜひ被害者にとってわかりやすいシステムにするようにお願いしたいと思います。
この点についてどのようにお考えか、見解を伺います。
○田村人権部長 都では、現在でもさまざまな支援のための取り組みを行っております。
しかしながら、それらの制度が、利用者である被害者の方々に十分周知されているとはいえず、そのため、制度が使われていなかったり、必ずしも利用しやすいようになっているとはいえないケースもあるのではないかと考えております。
都としては、現在あるさまざまな制度について広く情報提供するとともに、今回設置を予定しております総合的窓口におきまして、庁内各局や関係機関、民間団体等と緊密に連携するなどして、被害者にとって使い勝手のよい、わかりやすい支援の仕組みとなるよう工夫してまいります。
○西崎委員 最後に、犯罪被害者支援条例について意見を述べたいと思います。
犯罪被害者支援についての条例制定は、一九九九年九月に埼玉県嵐山町で制定されました。これはポートピア誘致にかかわる、町民、議員、町長が襲撃されて、政治と利権と暴力の三角構造の中で、嵐山町全体が地元の暴力団の利権に脅かされ、特異な事件の結果、被害者支援条例が制定されております。
それ以降、この条例は全国に広がっておりまして、見舞金支給を目的とした単独の犯罪被害者条例を制定した自治体、それから安全なまちづくりの条例の中に犯罪被害者支援の規定を盛り込んだ自治体などあります。
こういった条例制定の動き、広がっておりますので、ぜひ犯罪被害者に対する財政的支援は、国に働きかけていくだけではなく、東京都独自の支援も考えて、こういったことも条例制定の中に盛り込むような、そういった検討もぜひしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○後藤委員 私からは、相変わらずですけれども、小さなところから入っていきたいと思います。
とりあえず、これですけれども、皆さんおわかりだと思いますけれども、USBというやつです。これが、まずUSBということで、こんなに小さい問題から入っていくということで、とりあえずやらせていただきますけど、資料第8号に、今後のITの取り組み方針というのがあります。この中の一〇ページに、情報のセキュリティー対策の強化というのがありますけれども、今年度になってから、例えばセキュリティーの問題で何件ぐらいの事故が起こったのか、できたらば概要も含めて、まず教えてください。
○松崎行政改革推進部長 今年度に発生いたしました情報セキュリティー事故についてでございますが、六件ございまして、このうち三件がUSBメモリーに関するものでございます。
USBメモリーを自家用車に置いてあったときに盗難に遭ったといったこと、また、学校に関する生徒等の個人情報をUSBメモリーで持ち出してそれを紛失したという事故、また、病院におきましては、USBメモリー、これは患者さんの情報等が入っておりますが、そういったものを紛失してしまったという事故、このほか三件は、一つは警視庁でウイニーに感染した個人用パソコンから個人情報が約一万件流出したといったもの、また、やはり個人情報紛失ということで消費生活部における都民通報メールのデータの消失、それから下水道局におきまして下水道料金データの入ったMOの紛失といった、六件の事故がございます。
○後藤委員 部長の方から、今、六件の報告ということであったんですけれども、このうち私はUSBに関してだけ取り上げたいと思います。
マスコミの方に情報として示したものを見ますと、例えば盗難というのと紛失という言葉が書かれているんですけれども、まず一点目に、都立精神病院における個人情報も含むUSBメモリーの紛失についてと書かれているんですけれども、これについて、できたらば詳しくご説明願いたいんですが。
○松崎行政改革推進部長 都立神経病院におけるUSBメモリーの紛失についてでございますが、これは神経病院手術室ナースステーション内事務机の引き出しに保管していたUSBメモリーを紛失したというものでございます。このUSBメモリーは、患者ごとの手術に用いた機械の情報をバックアップするために使用していたものでございますが、その中に延べ七百四十三名の患者さんの個人情報が入っていたというものでございます。
○後藤委員 そうしましたら、USBなんですけれども、先ほどもお見せしましたUSBというのは非常に小さいんですが、こんな小さなUSBを机の引き出しの中に入れていたというんですよね。
例えばなんですけど、このUSBを手帳の間かなんかに入れてしまえば、例えば今回の問題に関しましては、紛失というふうになっています。これに関しては、盗難に遭ったのではないだろうと私も推測するんですけれども、例えば何かの紙の間に入ってしまった、紙の間に入って、ごみ箱に行ってしまったケースもあるでしょうし、間違って持って帰ってしまったケースもあると思います。
で、考えたんですけれども、例えば小さいからなくなるんだとしたらば、だったらば、何で形の大きなものをくっつけておかなかったのかなと思うんです。仮に大きくなっていれば、入れて持っていくことはまずないです。
特に今回の場合は、ここでいう紛失というのは、間違って持っていったんだろうと私も思いますので、だったらば間違わないような、例えばこれも危機管理のことだと思うんですけれども、これだけの小さいものだったらば、なくなるということを何で想定していなかったのか。今後の対応として、例えばなんですけれども、皆様がおつけになっているネームプレートですね、というようなものをくっつけて、これは大事なものですよというふうにやるべきだと思うんですけれども、できたらお考えを聞かせてください。
○松崎行政改革推進部長 都立神経病院におきましては、事故後の対応といたしまして、一つは、当該情報を取り扱う職員を特定し、責任の所在を明確にしたということ、二つ目に、USBメモリー内の当該ファイルにパスワードを設定して情報の保護を行ったということ、また三つ目には、USBメモリーに目立つようにひもをつけ、禁OP、OPはオペレーションルームのOP、また持ち出しの禁止ということで禁ということで、そういった表示を行いまして、かぎのかかる引き出しに保管した、また引き出しのかぎは、かぎのかかる別の書庫に保管し二重の施錠管理を行っているということ、また当該ファイル自体に患者氏名の記入を取りやめたといったような対応をいたしております。
○後藤委員 そうしましたらば、今後は何か対策を講じていただけると考えてよろしいんでしょうか。
○松崎行政改革推進部長 USBメモリーによる情報紛失等の事故を未然に防止することは、もとより重要な課題と認識をいたしております。このため、そういった情報について、例えば視認しやすい形でのUSBメモリーへの組織名の表示、さらに、先ほども申し上げましたが、ファイルの暗号化やパスワードの設定など、総合的なセキュリティー対策を事前に講じることが必要であるというふうに考えております。
○後藤委員 だったらば、紛失については何らかの対応を講じていただきたいと思います。
今回、USBが盗難に遭ったというのが、ほかにあと二件あるんですけれども、二件について、できるだけ詳しくご説明ください。
○松崎行政改革推進部長 まず、一つ目でございますが、一件目は、都立墨東養護学校の教諭が前任の学校の卒業生の個人情報を含むUSBメモリーを持ち帰ったということで、それを車の中のバッグに置いてあったんですが、そのバッグを盗まれたということが一つでございます。
もう一件につきましては、都立高校の教諭が、これも前任の学校の卒業生の個人情報を含む資料をUSBメモリーに記録していたわけでございますが、このUSBメモリーを持ち帰りまして、帰宅途中の電車の中でバッグを置き忘れたといったことでございます。
○後藤委員 できたらばもう少し詳しくご説明願えればよかったんですけれども、とりあえず一件ですけれども、四月九日の件です。
これはUSBのメモリーを一本車の中に入れておいて、これは盗まれたということです。
それから、もう一件の方ですけれども、これは電車の中でバッグの中に入れておいて、これを紛失したと書かれていますけれども、情報を見ますと、二千七百五十七名分の成績証明書、例えば定期考査の結果、入学時の成績ですとか成績会議の資料というふうになっているんですよ。
これですけれども、これだけの情報というのを何で持ち出したんでしょうかね。できたらば、考えられるところをいってみていただけますか。
○松崎行政改革推進部長 多くの情報を持ち出した要因についてでございますが、この教諭としては、それらの成績等の情報からさまざまな分析を行う業務上の必要があったというふうに考えたものというふうに考えております。
○後藤委員 東京都情報セキュリティー対策基準というのがあると思うんですけれども、この基準の中で、五ページに、例えば機密性に関してA、B、Cというふうに分かれているんですが、今回持ち出したケースというのは、この機密性のランクの中で何に入るのか、教えてください。
○松崎行政改革推進部長 今回のセキュリティーポリシーを改定といいますのは、九月以降から施行ということでございまして、厳密に先ほどの事件について、このセキュリティーポリシー上の情報での該当はどうかということについては、その適用はないわけでございますが、その情報の性質からいたしますと、仮に今回のセキュリティーポリシーに照らし合わせてみますと、機密性Aの情報で、行政事務で取り扱う情報資産のうち、秘密文書に相当する高い機密性を要する情報資産に該当するものと考えております。
○後藤委員 そうしますと、簡単にいいますと、これらの情報は持ち出してはだめだというふうに解釈していいと思うんですが、こちらのUSBですけれども、形は小さいですけれども、情報を入れますと、すごい情報が入るわけですよ。
例えば今回の学校の先生が持ち出した中で、二千七百五十七名分のこれだけの情報というのを持ち出しているということは、結局持ち出したものを電車の中で盗難に遭ったというふうに書いてあるんですけれども、これですけれども、例えば一義的に、学校のもの、特に機密性を有する情報の資産というわけですけれども、機密性を要する情報の資産というものを持ち出したということに関して、確かに電車の中では盗まれたのかもしれませんけれども、学校から持ち出したというのは、持ち出しただけでいいんでしょうか。
例えば仮に学校にあるお金を持ち出したとしたら、盗難だろうと思います。例えば窃盗になるかもわかりませんけれども、これだけの機密性を有する資産というのを持ち出しておいて、結局、持ち出した段階でこれは窃盗になるのかというふうにも考えるんですけど、いかがでしょうか。
○松崎行政改革推進部長 今般改定いたしました情報セキュリティーポリシーの対策基準におきまして、情報資産の外部への持ち出し等の制限というところがございます。その中には、機密性Aの情報資産は外部への移動または持ち出しを禁止する。ただし、業務遂行上移動または持ち出しが不可欠で、情報セキュリティー責任者の許可を得た場合はこの限りでないということになっておりまして、許可を得ることが必要だと、持ち出しに当たっては許可を得ることが必要だということになっております。
○後藤委員 確かに、管理職の方が許可を与えればいいというふうになっているんですけれども、この場合の管理職の許可というのは、文書なんですか、口頭なんですか。文書であったとしたらば、例えば文書の内容まで書かれていて、何月何日持ち出しですよね、例えば図書館の持ち出しのカードではないと思いますけれども、このぐらい厳密に行われているのか否かをまずお尋ねをします。
○松崎行政改革推進部長 これまでのセキュリティーポリシーにおきましては、課長の許可の方式について明確な定めがございませんでした。今回改定いたしましたセキュリティーポリシーにおいては、やむを得ず情報を持ち出す場合には、各所管課長が持ち出しに関する記録に押印等を行うことにより許可することとしているところでございます。
なお、この記録につきましては、持ち出し者の所属課名、氏名、日時、用途等の項目を設け、情報の管理をより一層徹底することを予定いたしております。
○後藤委員 とりあえずここまで聞いてきたんですけれども、仮に情報を持ち出して紛失をした、例えば盗難に遭ったら、盗難に遭った職員がもしいた場合に、ここからは処分というふうなことになると思うんですけれども、原則持ち出してはいけない情報を持ち出して、これだけでも問題になっているのに、これを管理もしなくて、ここで紛失だとか盗難に遭ったということになりますと、ここまで来れば懲戒処分の対象になるのではないかなと思うんですけれども、見解をお聞かせください。
○中井理事 懲戒処分につきましては、その非違行為の内容はもちろんのこと、社会に与える影響、その非違行為に対してのその後の対応、ふだんの勤務状況、そういったことをもろもろ勘案して、総合的に判断するものでございます。
情報の漏えいにつきましても同様でございまして、その情報漏えいの紛失の程度がどういうものであったか、関係者に与えた実害はどうであったか、関係者への謝罪等を迅速に行ったか等々、もろもろのことを総合的に判断して決めるというものでございまして、今委員の方からお話のあった前提でどうかということは、にわかに判断できるものではございません。
○後藤委員 確かに、仮定ではお話しできないというのはわかるんですけれども、そうしたらば、本来持ち出してはいけないものを持ち出した段階で、これからもっと厳正に対応というんですか、例えば処分というものを考えていかないと、例えば情報というのだって、一件持ち出したのか、百件持ち出したのかもわからないわけですよね。
例えば百件の中には、すごい重要な情報もある可能性もあるわけですから、できれば課長が、管理職の方が許可を与えるときにも、データを確認するなり、例えばUSBの中に入っているやつをコンピューターに入れてみれば、どんな情報が入っているかわかるわけですから、このぐらいのことをやった上で、例えば断りもなしに持ち出したんだとしたらば、もっと厳正に対応していただきたいと思います。
次ですけれども、監理団体の改革ですが、たしか前も取り上げたんですけれども、役員の報酬についてお尋ねをします。
この役員の報酬なんですけれども、五%減っているところで、歴史文化財団と臨海高速鉄道とゆりかもめの三団体が載っているんですが、これですけれども、ゆりかもめに関しては七〇%未満、達成が不十分だというのでわかるんですけれども、例えば歴史文化財団と臨海高速鉄道が、九五%未満とか九〇%未満とか書いてありますけれども、ここのうちのどこに入るのか、まず教えてください。
○松崎行政改革推進部長 東京都歴史文化財団につきましては、九五%未満九〇%以上に入る、また東京臨海高速鉄道につきましては九〇%未満七〇%以上に入っているということでございます。
○後藤委員 そうしたらば、先ほどもいったんですけれども、ゆりかもめはわかるんですけれども、例えば歴史文化財団の場合は九五%未満、臨海高速鉄道の場合は九〇%未満というふうになっているんですけれども、この二つの団体が何ゆえに役員の報酬が五%減になったのか、できたら具体的に教えてください。
○松崎行政改革推進部長 団体トップの役員報酬につきましては、従来の経営目標達成度評価の制度におきましては、団体の経営目標の達成度と戦略目標の達成の有無にリンクをさせて、報酬を増減させるという制度でございましたが、平成十八年度より、経営改革へのリーダーシップなど経営者としての取り組み実績を踏まえた所管局長の評価を反映するなど、経営改革に向けた業績を総合的に評価する仕組みを導入したところでありまして、さまざまな事情をしんしゃくしているところでございます。
役員報酬が削減となりました、ただいまご指摘のございました三団体につきましては、団体のさまざまな取り組みの結果として、経営目標の達成状況や所管局長等の評価が一定基準に達しなかったものでございます。
今回の評価の際にしんしゃくした事情といたしまして、ご指摘の三団体それぞれについて、団体の経営目標の達成状況、指標の重要度や達成度合い、事件や事故といった事象に加えまして、定性的な評価として、団体と総務局や所管局との間における年間を通じての連絡調整状況、さらには所管局の要求水準に対する団体の事業実績などでございます。
○後藤委員 できたらば具体的にそこいらを教えていただきたいなと思ったんですけれども、例えば局長さんたちの評価というふうなことが一定基準に達していなかったというふうなことだと思うんですけれども、例えば局と団体の関係がうまくいっていなかったというふうなことだと思うんですけれども、ここいらのことというのは、何ゆえに報告書に書いていないのか。
例えば報酬を下げられるということは、不名誉なことだと思うんですよ。理由も明示されずに五%の報酬を減らすよというふうなことというのは、歴史文化財団なり臨海高速鉄道の役員、例えば常勤の役員の方たちが、あなたは五%下げますよと。で、こちらの報告書には理由は何も書いていません。ここのところで、まず理由を書くべきだと思いますけど、書かない理由を教えてください。
○松崎行政改革推進部長 先ほども申し上げましたが、従来の制度におきまして、役員報酬は目標達成度と戦略目標の達成の有無で評価をしてきたわけでございますが、必ずしも総合的な評価にはなっていないという面もございまして、今回、プラス面、マイナス面、それぞれさまざまな事情をしんしゃくし、総合的に評価する制度としたところでございます。
さまざまな取り組みの結果として総合的に評価したところでございまして、そこで報告書には、経営目標の達成状況や、局長の評価が一定基準に達しなかったといった説明を付しているところでございます。
○後藤委員 今の部長のお話だとおかしいのですけれども、例えば目標の達成率は、何%、何%、何%とちゃんと書いてあるじゃないですか。書いてあるのにもかかわらず、例えば局長、局長らの評価ですよ、局長らの評価というのが、AAなのか、Aなのか、Bなのかという形だけでも書くようにしなければ、例えば歴史文化財団がどういうふうになっているのかが、まずわからない。
で、ここにも書いてありますけれども、例えば削減というのは一〇%までの削減が可能というふうにはなっているけれども、今までは一〇%削減された団体がないということですけれども、例えばランクでですよ、A、B、C、Dまでつけたとして、例えばDというふうになったらば、ここのランクはもっと落ちるんだよとか。ここで何で私がいうかといいますと、この監理団体の役員の方たちというのは、失礼ないい方かもしれないけれども、天下りなのですよ、皆さん。で、例えば皆さんもまたいつかはそこに行かなければならないわけですから--行かなければならなくはありませんけれども、行く可能性がある団体です。で、ここのところで、例えば指標というんですかね、ABCでも構わないし、内容を必ず明記をする。必ず明記をするということが、この監理団体の改革の中でですね、確かに役員の報酬を例えば五%上げることが可能で、一〇%まで下げることは可能というふうに考えられたのはすばらしいと思うんですよ、民間並みの考え方ですから。
で、ここまで民間並みの考え方をやられたんだとしたらば、もう一歩進んで、こちらにも、いわれたことの中では、例えば事故があったり、例えば連絡調整がうまくいっていなくて問題点がいろいろ起こってきたというふうにもしいわれるんだとしたら、書けばいいじゃないですか。書くことを拒む理由をもう一回教えてください。
○松崎行政改革推進部長 今回の評価に当たりましては、定量的に把握できるもの、また定性的な評価として出てくるものを含めまして、総合的な評価として結果をお出ししているということでございます。
○後藤委員 だったら最後に、これは要望というふうにいわれ、だから要望になるかもわかりませんけれども、本当に皆さんが監理団体の改革をやろうとしたらば、例えば役員の報酬、例えば株式会社であったら社長になりますし、財団だったらば理事長ということになると思いますけれども、この方たちの評価を行うことは非常にいいことですから。ただし問題なのは、ここのところの評価というのをもう少しわかりやすくやっていただきたい。結局、わかりやすくやることが監理団体の改革として一番大事なことだと思うんですけれども、ここいらのところを検討いただきたいと思います。
○宇田川委員 今後のIT化取り組み方針についてお伺いをいたします。
今やインターネットは世の中にはんらんをしているといっていいほど普及をしておりまして、ホームページ等を活用した情報サービスが当たり前となっておりますが、こうしたIT化の進展は現在顕著でありまして、また、身近なものともなっております。
都においても、電子申請サービスなど、ここ数年においてさまざまなIT化に取り組んできた結果、都民サービスの向上が図られてきたと私も認識をしております。しかしながら、IT技術は、日々進歩をしておりまして、都はITを利活用して常に新たな可能性追求というんですかね、業務の効率化、そして都民サービスの向上を図っていかなければならないと思います。業務の効率化や情報セキュリティー対策の重要性というのはいうまでもないことですが、さまざま含めて今後のIT化取り組み方針が作成されたものと思います。
そこでまず初めに、都の情報システムに関する現状と課題について、どのような認識なのかをお伺いいたします。
○紺野情報システム部長 都では、平成十三年度に策定した電子都庁推進計画に基づき、さまざまな情報システムを導入、運用してまいりました。これによりまして、都民サービスの向上や業務の効率化に一定の成果を上げ、都のIT化は、全国自治体の中でも、大学やIT専門誌などからトップレベルの評価をいただくようになったところでございます。
しかし、都の情報システム全体を現時点で改めて見渡してみますと、幾つかの課題もございます。
具体的には、第一に、ITをさらに有効に利活用すればまだまだ一層の業務改革が可能であること。第二に、より低いコストで高い効果を上げること、いわゆる費用対効果の向上に引き続き取り組む必要があること。第三に、情報セキュリティー対策の強化が急がれることといった課題があると認識しております。
○宇田川委員 今、ご答弁に三つの課題ということで、一層の業務改革、それから費用対効果、それから情報セキュリティー対策の強化と、こんな話があったわけですが、もちろん、いずれも重要な課題に間違いはないと思います。こうした課題を踏まえて、今回策定した今後のIT化取り組み方針によって、都はどのようなことを目指しているのか、お伺いいたします。
○紺野情報システム部長 本格的な少子高齢社会を迎える中、限られた資源と組織で多様化、高度化する都民ニーズにこたえ、質が高く、スピード感のある都民サービスを展開していくためには、ITの一層の利用が不可欠であると認識しております。
こうしたことから、今回のIT化取り組み方針では、先ほどお答えいたしました都の情報システムの現状と課題を踏まえ、ITの利活用と業務改革の推進により最大の効果を生み出すため、業務と情報システムの最適な形の実現を目指してまいります。そのため、質の高い行政サービスの実現、効率的な執行体制の構築、高い情報セキュリティーの確保という、三つの都庁ITビジョンに基づき、今後五年間に取り組む施策を取りまとめたものでございます。
なお、今後の具体の取り組みにつきましては、本年四月に新たに設置された情報統括責任者のもと、ITの利活用と業務改革を一体的に推進していく見地から、情報システム部と行政改革推進部とが共管で中央管理部門を担い、各局と連携を密に全庁横断的に進めてまいります。
○宇田川委員 今、三つの都庁ITビジョンというお話がありましたが、ちょっと具体的にお伺いさせていただきます。
業務と情報システムの最適な形の実現を目指すと、そういうことのようなんですが、具体的にどのように実現をしていかれるのか、伺います。
○松崎行政改革推進部長 業務と情報システムの最適な形の実現を目指すということでございますが、これは、情報システムの開発や見直しを行うに当たりまして、まず、そのシステムが対象としている業務自体について、より効率的な事務処理の仕組みが考えられないかなど、業務のあり方をより望ましい形に見直し、その業務の見直しに適合させる方向で最も望ましいシステムの整備を目指していくというものでございます。
そこでまず、本年度から来年度にかけまして、現在稼働しております主要な情報システムを対象として、システム化による費用対効果、業務自体の見直しの状況などの観点から、システムの総点検を実施してまいります。
この総点検の結果を踏まえまして、個々の情報システムについては、その対象となる業務も含めて見直しを行い、いわば個別の最適化を目指していくと。また、都全体の情報システムにつきましては、相互に関連するシステムのさらなる連携を図り、都庁内の組織を横断する業務の効率化を進めるなど、いわば全体の最適化を目指していきたいということでございます。
このように、ITの利活用による業務全体の改革案を、個別、全体の両面から最適化計画として取りまとめ、実施をしてまいりたいと考えております。
○宇田川委員 取り組み方針の中には、都の情報システムに、本年度平成十九年度の予算ベースで、年間約四百六十億円という大きな経費が投入をされているわけです。情報システム関連経費については、国、もちろん民間も当然なんですが、それを硬直化するんだということで問題視されておりますが、都も同様であることはいえると思います。
そこで、今回の方針の中では、情報システム関連経費の縮減についてどのような方策を講じようとしておられるのかを伺います。
○松崎行政改革推進部長 現在各局がシステム調達などの際に参考にしているものにIT経費適正化マニュアルというものがございますが、この内容を充実させ、各局における情報システム関連経費の一層の縮減につなげるよう支援してまいります。
具体的には、システムの調達や保守運用委託契約に関して、各局が発注する際に、システムに求められる機能などを明確に仕様書にあらわすことができるよう、参考仕様書を整備し提供していきますとともに、保守料算定や再リース時における経費見積もりの考え方など、積算に関する内容の充実を図ってまいります。
また、保守運用委託契約につきましては、システムに求められている安定度、システム規模などにより競争性の導入が困難な面もございますが、ソフトの改修などシステム開発業者に委託せざるを得ない項目と、日常のオペレーティングなど競争に付すことが可能な項目に分離する考え方を整理し、一層の競争性向上につなげることを考えてまいります。
さらに、システムの開発時には、総合評価一般競争入札が原則となっておりますが、その運用におきまして、システムのライフサイクル全体で必要となる経費の縮減を図るために、後年度負担額をより重視していく仕組みを検討してまいります。
○宇田川委員 お話がありましたとおり、経費縮減という取り組みは非常に大事なことであるわけで、ぜひ進めてほしいと思っております。
こうした経費縮減への取り組みとともに、個人情報を扱う都のシステム、先ほど後藤さんから話がありましたけど、セキュリティー対策というのは、もちろん皆さんの関心も高いし、これも忘れてはならない重要な点だと考えております。情報セキュリティー対策の強化というお話がありましたが、そのセキュリティー対策の課題、今後の具体的取り組みといいますか、その辺のところを教えていただきたいと思います。
○松崎行政改革推進部長 都では、平成十四年四月に東京都情報セキュリティーポリシーを制定し、運用してまいりました。しかしながら、情報を取り巻く技術環境の変化は著しく、また、個人情報の紛失などの事故が依然として発生している中で、情報セキュリティーに対する職員の意識を高めるなど、情報セキュリティー対策を一層強化していく必要がございます。
そこで今般、今後のIT化取り組み方針の策定と時期をほぼ同じくいたしまして、東京都情報セキュリティーポリシーを全面改定し、全庁統一的にセキュリティー対策を向上させていくことといたしました。
今回の改定によりまして、職員の階層ごとの役割と責任をより明確にしたほか、取り扱う情報の重要度に応じた分類や管理方法を新たに設け、厳重な管理を徹底してまいります。
また、情報セキュリティー対策状況の定期的な自己点検監査を確実に実施してまいります。
さらに、情報セキュリティー対策は人的な部分が非常に重要でありますことから、職員の教育研修を充実してまいります。具体的には、全管理職を対象にいたしました情報セキュリティー研修を実施するとともに、一般職員を対象に、最新の事故事例などを取り入れた実効性のある教育研修を計画的に実施してまいります。
○宇田川委員 今のご答弁の中に、職員の教育研修という言葉がありましたけれども、いろいろなシステムをやる中では、この実効性を上げるために、当然に人材の育成が重要なことだと思います。ITに精通した人を育成するべく、これからやっていくことだと思うんですが、具体的にどのような形をとっていかれるのか、伺いたいと思います。
○紺野情報システム部長 ITに精通し業務改革を推進していける人材の育成が都の喫緊の課題であることは、委員ご指摘のとおりでございます。
今後は、システム担当者だけでなく、現実の業務の牽引役である管理職等も対象に、ITを利活用した業務改革を推進できる人材を育成してまいります。
また、都の職員として習得しておくことが望ましいITスキルの目安を明らかにし、職員が研修や自己啓発を行う際の目標として活用できるようにしてまいります。
さらに、高度な専門的知識を有する外部の人材を積極的に登用し、そのノウハウや知識を組織的に吸収していくことなどを通じて、職員全体のレベルアップを図り、IT化時代にふさわしい職員の能力開発を進めてまいります。
○宇田川委員 いろいろ具体策について伺ってきたんですが、今お話があったような施策は、ITと一体となった業務改革推進という意味で非常に大きな意義があると思いますし、効率的な質の高い行政運営実現のためには、ぜひとも、もっと積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
ITももちろんなんですが、業務改革というものには、終着点というものはございません。まずは都民のためにということが当然一番重要なわけですが、常に見直しすることを継続していただいて、一番は最少の経費で最大の効果を上げるということだと思います。今後とも、今回の取り組み方針に示す施策を着実に実行していただくことを強くお願いをしておきます。
ご多分に漏れず、私もきょうの質疑が最後なので、ありがとうございました。
以上でございます。
○上野委員 私からは、新潟県中越沖地震の発生に伴う東京都の支援などについて、四点ほどお尋ねいたします。
新潟県は、ご承知のとおり、平成十六年十月の新潟県中越地震から、わずか三年もたたないうちに、再びマグニチュード六・八の大地震に遭われ、甚大な被害を受けられました。改めて心よりお見舞い申し上げる次第でございます。
都議会公明党は、中越沖地震発生翌日の七月十七日、早速に石原都知事あて、被災地への支援に関する緊急申し入れを行いました。都側からは、谷川、山口両副知事が応対されましたが、申し入れでは、都による具体的な支援策として、まず第一に、被災者に対する水、食糧など当面の生活に必要な支援を十分に行うこと。第二に、警視庁、東京消防庁のヘリによる支援の継続と、医師、看護師の派遣など医療支援の積極的な実施を行うこと。また第三に、電気、ガス、水道などライフラインの復旧に対し万全の支援を行うことなど、三点について強く要望したところでございます。
これに対しまして、谷川副知事からは、現在、警視庁と東京消防庁の職員を現地に派遣しているとした上で、支援の要請があれば迅速かつ万全に対応できる体制を整えていますと、このように述べられたわけでございます。
そこで、新潟県からの支援の要請がいつあったのか。また、警視庁、消防庁による部隊の派遣、及び人的、物的支援の対応につきまして、経過を含めお尋ねいたします。
○石野総合防災部長 今回の新潟県中越沖地震は、七月十六日十時十三分ごろ発生いたしましたが、都は地震発生直後から情報収集に努めるとともに、発災後直ちに、被災地であります新潟県の要請に基づきまして、国の広域緊急援助隊及び緊急消防援助隊としまして、警視庁からヘリ三基、車両十四台、警備犬四頭を含みます総勢七十三名の部隊を、また、東京消防庁からは、ヘリ一基、指揮支援隊を含みます総勢六名の部隊をそれぞれ現地に派遣いたしました。
また、地震発生の翌日の七月十七日には、都各局及び区市町村で支援可能な人員や物資などを集約しまして、迅速な支援が行えるような体制を整え、新潟県の支援要請に基づきまして医療救護班を同日、七月の十七日に派遣しております。
その後も区市町村や民間機関と連携、協力いたしまして、十八日以降、水道復旧要員や応急危険度判定員、さらには保健師チームなどの派遣を行いまして、三十日にはブルーシートの輸送を行っております。
○上野委員 都の被災地への迅速な取り組みに対しましては高く評価したいと思います。
八月二十九日、私は都議会公明党議員団の一員として、被災地の柏崎市を訪れました。
現地では、損壊したえんま通り商店街や、宅地被害が大きい団地の被災現場、また仮設住宅など、精力的に調査してまいりました。
また、柏崎市の市長や危機管理監並びに商工会議所の代表者の方々とも率直な意見交換をしてまいりました。被災地の状況から、今後とも国を含めたさらなる支援の必要性というものを肌で実感してきたところでございます。
今回の地震は、平成十六年に発生した新潟県中越地震から三年もたっていないということから、防災準備が必ずしも十分ではなかったと、このようなことも聞きましたが、マスコミなどの報道によりますと、自動車部品メーカーのリケンの柏崎工場が被災したことによりまして、世界に誇るトヨタ、日産自動車など大手各社が、七月十九日以降、生産が一時停止状態になりました。
これは、本来であれば、事業継続計画の実行を確保しておくべきだったわけでありますが、それができていなかったということで、このことが欧米から見て、日本のBCP、事業継続計画の実行確保への信頼低下や、または危機管理意識の低さというのが懸念されているところでございまして、経済界ではサプライチェーンも含めてBCP策定が加速していくのではなかろうかと、こういったことがいわれているところでございます。これは企業のBCPが問題になった事例でございますが、改めて、被害を最小限に抑え、早期復旧を可能にする事業継続計画の重要性というものを認識してきたところでございます。
都政のBCPにつきましては、私は本年の第一回定例会と三月一日の総務委員会でその重要性というものを質問したところでありますが、知事からは、都政のBCPの策定に着手していくとの答弁がありました。
また、総務委員会では、危機管理監から、三月末になりますが、危機管理対策会議を開催いたしまして、全局に趣旨やスケジュール等を示して策定作業に入りたいとの答弁がありました。
そこで、その後の策定に向けた取り組みと進捗状況をお尋ねいたします。
○石野総合防災部長 都政のBCPについての取り組み及びその進捗状況でございますが、本年三月末に危機管理対策会議を開催いたしまして、都政のBCP策定の目的、検討体制及びスケジュール等について確認し、策定に向け取り組むことといたしました。
四月には、全庁的な検討組織といたしまして事業継続計画策定委員会を設置し、災害時にも優先的に行う必要のある非常時優先業務の抽出、また、その業務を復旧すべき目標時点の設定、さらには、復旧目標を達成するためにボトルネックとなります人員、資機材等に関する調査を行いまして、その調査結果に基づき、現在各局と調整を行っているところでございます。
今後、事業継続に必要な対応策等を検討いたしまして、今年度中には検討結果を取りまとめ、さらに都庁がテロに遭い機能が停止した場合の対応策等の検討もあわせて行いまして、二十年度早期にテロ対策を含めた都政のBCPを策定する考えであります。
○上野委員 都は現在、都政のBCPの策定に取り組んでいるということでございますが、都政は区市町村行政と深くかかわっております。また、監理団体等も都政の一端を担っております。このことから、都政のBCP策定に当たりましては、そうした区市町村も監理団体も同時にBCPの策定に取り組み、連携していくことが必要であると、このように考えますけれども、見解をお尋ねいたします。
○石野総合防災部長 災害が発生した場合に、都民生活に欠くことのできません重要なサービス、これを継続する必要がありますが、そのためには、都がBCPに取り組むだけでなく、住民に身近な基礎的自治体であります区市町村がBCPを策定するということが重要であります。このため都は、区市町村危機管理担当部長会などを通じまして、東京都の取り組みを説明いたしますとともに、区市町村みずからBCPの策定に取り組むよう働きかけているところでございます。
また、監理団体につきましても、現在、都政のBCP策定の中で、各局を通じまして調査を実施しているところでございます。
今後とも、都民生活に幅広くかかわりますBCPが、それぞれの団体ごとに策定されるよう、区市町村や監理団体と十分連携して取り組んでまいります。
○上野委員 最後になりますが、都民の生命と財産を守り、また、企業活動の継続を確保するという観点から、都政のBCPの策定に向けた決意を中村危機管理監に伺い、私の質問を終わります。
○中村危機管理監 東京は首都直下地震が切迫しておりまして、また、テロなどの発生のおそれもあるというふうにいわれております。あらゆる危機に直面しているというのが現状でございます。
さらに、災害が万一発生いたしますと、人口や都市機能が集中しておりますことから、被害は甚大となり、都民生活には大きな影響を受け、経済も深刻な打撃をこうむると想定されております。
このため、平素からあらかじめ十分な準備をしていくことが重要でございます。本年五月には地域防災計画を改定いたしましたが、今、上野委員からお話がございましたように、新潟県中越沖地震では、自動車部品メーカーでございますリケンの工場が停止いたしまして、自動車産業の操業がストップしたことは、民間事業者を含めまして、バックアップ体制の整備や被災した場合の復旧体制の確立などが大きな課題となってございます。
他県に先駆けまして、東京都は都政のBCPの策定に向け取り組んでおりますが、手法も確立していない中で、作業も検討しながら進めております。こういう状況でございますが、いつ大きな災害が発生するかもわかりません。できるだけ早期にBCP、いわゆる事業継続計画が策定できるように、今後とも最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。
○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大津委員長 異議なしと認め、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時四十六分散会
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