総務委員会速記録第十七号

平成十八年十二月十一日(月曜日)
第一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長大津 浩子君
副委員長西岡真一郎君
副委員長倉林 辰雄君
理事鈴木あきまさ君
理事東村 邦浩君
理事古館 和憲君
後藤 雄一君
伊藤 ゆう君
神林  茂君
宇田川聡史君
上野 和彦君
近藤やよい君
遠藤  衛君
田中  良君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本局局長山口 一久君
儀典長多賀 敏行君
次長河島  均君
企画調整部長秋山 俊行君
秘書部長長谷川 均君
政策部長升 貴三男君
調整担当部長角南 国隆君
参事瀧本 裕之君
参事小林  清君
参事鈴木 賢二君
国政広域連携・首都調査担当部長吉田 長生君
自治制度改革推進担当部長川澄 俊文君
参事中村 長年君
青少年・治安対策本部本部長舟本  馨君
総合対策部長百合 一郎君
参事小島  昭君
治安対策担当部長八木沼今朝蔵君
参事保坂 俊明君
参事内藤 泰樹君
東京オリンピック招致本部本部長熊野 順祥君
企画部長宮川  昭君
招致推進部長谷島 明彦君
東京マラソン事業担当部長真田 正義君
参事遠藤 雅彦君
参事梶原  洋君
総務局局長大原 正行君
危機管理監中村 晶晴君
理事島田幸太郎君
総務部長岳野 尚代君
行政改革推進部長松崎  茂君
行政改革調整担当部長多羅尾光睦君
IT推進室長加島 保路君
首都大学支援部長影山 竹夫君
人事部長中井 敬三君
参事中西  充君
主席監察員齋藤  進君
行政部長前田 信弘君
多摩島しょ振興担当部長松本 栄一君
都区制度改革担当部長森 祐二郎君
参事廣瀬 秀樹君
総合防災部長石野 利幸君
勤労部長野口 宏幸君
法務部長中村 次良君
統計部長金子  優君
人権部長田村 初恵君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 青少年・治安対策本部関係
報告事項(質疑)
・第二十六期青少年問題協議会答申について
・スムーズ東京21-拡大作戦-(中間のまとめ)について
 総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百八号議案  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百九号議案  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十号議案  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十一号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十二号議案 東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十三号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第二百十四号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・小笠原諸島振興開発計画の変更について
・都区のあり方に関する検討のとりまとめ(平成十八年十一月十四日)について
 知事本局関係
報告事項(質疑)
・平成十九年度重点事業について
・「東京自治制度懇談会」議論のまとめについて
 東京オリンピック招致本部関係
報告事項(質疑)
・東京大マラソン祭りについて

○大津委員長 ただいまから、総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これに異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大津委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案の審査、青少年・治安対策本部、総務局、知事本局及び東京オリンピック招致本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 報告事項、第二十六期青少年問題協議会答申について、及びスムーズ東京21拡大作戦(中間のまとめ)についてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○大津委員長 これより総務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百八号議案から第二百十四号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○大津委員長 次に報告事項、小笠原諸島振興開発計画の変更について、及び都区のあり方に関する検討の取りまとめ(平成十八年十一月十四日)についてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言を願います。

○上野委員 それでは私から、先般基本的方向がまとまりました、都区のあり方に関する検討会についてお伺いしたいと思います。
 この都区のあり方、特別区の区域一つをとりましても都民や区民にとっては大変重要な問題でございます。しかしながら、これまでの都区のあり方検討会を見ていますと、私にはどうも都と区の役所同士のやりとりにとどまっているように思えてなりません。都民、区民にどのようなメリットがあるかの理解もこれからだと思いますけれども、私からは、都区のあり方の議論をもっと都民にわかりやすく知らせる努力や、都民の声に配慮するといった努力が必要じゃないかという、こういった問題意識を中心に幾つかお伺いしたいと思います。
 まず、導入としまして、そもそもいかなる経緯でこの検討が始まったのか、確認の意味も込めまして、改めてお伺いいたします。

○前田行政部長 本年二月まで都区間で協議をしてまいりました五項目の課題の中に、都区の役割分担を踏まえた財源配分という項目がございましたが、本来、事務と財源というのは切り離せないものでございますが、都区それぞれが担うべき事務内容を議論することなく、財源の帰属、つまり調整率のみをめぐる議論に終始したため、都区で認識を一致させることができませんでした。
 こうした反省とともに、東京の財源をねらい撃ちしようとする動きや国による都心区の直轄化の議論など、都と区をめぐる厳しい環境を踏まえまして、今後の都区のあり方について、事務配分、再編を含む特別区の区域のあり方、税財政制度などを根本的かつ発展的に検討するということといたしまして、都区の財源配分については、この検討の結論に従い整理するということで都区が合意をいたしました。
 この合意に基づきまして、本年五月、東京都は三副知事、区長会は正副会長等を構成員といたします、都区のあり方に関する検討会を設置いたしまして検討を行ってきたものでございます。

○上野委員 今のご答弁で、東京の財源をねらい撃ちしようとする動きや国による都心区の直轄化の議論など都区をめぐる厳しい環境が、都区のあり方の検討の契機になったとの説明がございましたが、では国などが何をいっているのか、もっと具体的に示していただきたいと思いますが、お願いいたします。

○前田行政部長 最近の国などの動きを申し上げますと、財政制度等審議会、これは財務大臣の諮問機関でございますが、その審議の場で千代田区の区報を用いられております。
 その意図は、三位一体改革で大きな減収があると一方でいいながら、妊娠五カ月から高校生まで、所得制限を設けずに毎月五千円を支給するというような、全国にも例を見ない手厚い手当を独自に実施できるほど、財政に余裕があるというふうにいいたいんだと思います。また同時に、千代田区を例にとりまして、全国の中で特別区全体が財政的に突出して余裕があるということをいわんとするものだと思います。
 また、道州制を議論しておりました地方制度調査会、これは内閣総理大臣の諮問機関でございますが、その中で東京都の二十三区だけに税収が集中してしまい、アメリカのワシントンDCではないが、国が関与した形の直轄的な市にしてはと、こういう発言も出ております。また、同じ地方自治体の複数の県知事からも、東京は、地方自治体の一員として考えると余りにも格差が大き過ぎると、やはりアメリカのワシントンDCみたいに、国の直轄地としてはという議論が出ておりまして、近年、こうした見方が東京都と特別区の外側では加速していると、こういった状態でございます。

○上野委員 今のご答弁がありましたように、こうした国とか都区の外側で極めて危険な動きがあると、こういった状況の中で東京都も漫然としているわけにはいかない、こういう状況にあると思います。
 このたびの取りまとめの内容を見てみますと、特別区の区域についてでございますが、再編を含む区域のあり方について議論が必要であると、このようにされたことが特に注目されているところでございます。特別区の再編は、住民が属する区が変更される可能性があるわけですから、都民にとって、このことは大変身近な問題であります。したがいまして、再編を含む区域のあり方が、都民生活にどのようなメリットやデメリットがあるかといった視点からの検討が不可欠であると、このように考えますが、取りまとめに当たって、そうした視点からの検討がなされたのかどうか、お伺いいたします。

○前田行政部長 特別区の区域あるいは再編も含めた区域のあり方につきまして、これまで東京都の側では、都議会の行財政改革基本問題特別委員会におきまして、大都市の実態に即した合理的な行政区域が検討される必要があるといった取りまとめが行われたことはございます。一方、区の方でございますが、区長会として議論したことはないと、こういう状況でございます。
 ご指摘のように、特別区の区域のあり方は、都民、区民にとりまして身近な問題であり、今回、あり方検討会におきましても多くの時間を割いて検討を行いました。その中では、まず一つ、区域のあり方を検討する視点といたしまして、特別区を取り巻く環境の変化、都区間の事務の再配分と区域の関係、効率的な行政運営、それから外部からの見方、こういう四つの視点が挙げられました。
 またもう一つ、先ほど委員ご指摘のように、区域のあり方につきまして、都民、区民に投げかけようといたしましたら、区民生活にとってどういうメリットがあるのか、明確なコンセプトがないと理解が得られないなどの意見が交換されまして、結論的といたしまして、再編を含む区域のあり方について議論が必要であるという点で都区の認識が一致したものでございます。

○上野委員 区域のあり方を検討する視点といたしまして、特別区を取り巻く環境の変化、または都区間の事務の再配分と区域の関係、効率的な行政運営、外部からの見方などが議論になったとのご説明がありましたが、もう少しそれぞれの視点について具体的にどのようなことなのか、詳しくお聞かせいただきたいと思います。

○前田行政部長 先ほどございました四つの視点でございますが、まず、特別区を取り巻く環境の変化でございます。現在の二十三区となりました昭和二十二年から既に六十年が経過しておりまして、この間、生活圏や経済圏の拡大を特別区の区域についても反映させる必要があるではないかと、こういうことでございます。
 二番目の都区間の事務の再配分と区域の関係でございますけれども、今後都の事務事業の、さらに特別区に移管するということを行うに当たりまして、事務を受け入れます特別区に事務処理権限の拡充に対応する基盤の強化が求められる。こうしたことから、区域のあり方を見直す必要があるのではないかということでございます。
 三番目の効率的な行政運営の視点でございますが、不安定な税財源のもとで、大都市東京の膨大な財政需要にこたえていくということは必要でございますので、間接経費の削減を初めといたしまして、より一層効率的な行政運営を行うということが必要であり、区域のあり方も見直す必要があるのではないかということでございます。
 四番目の外部からの見方の視点でございますが、先ほどもちょっと触れましたが、地方制度調査会では、道州制の議論にとどまらず、かねてから特別区の再編を含めた区域の見直しの必要性というものは再三にわたり指摘されております。また、全国的に市町村合併が急速に進んでおりまして、こうした中で特別区では再編の議論さえ必要ないということになれば、それは財政的余裕の証拠だと、証左だとして、東京富裕論に一層の拍車がかかるのではないかと、こういったことでございます。

○上野委員 今幾つかの視点についてご説明をいただきましたけれども、それを聞いてもわかるとおり、どの視点に立って区域のあり方を論ずるかによって区域のあるべき姿も大きく変わってくるものと思われます。
 今後検討を深めていくに当たっては、その議論を十分整理し、できる限り都民にわかりやすく説明していただくよう要望いたします。
 さて、平成十二年の都区制度改革によりまして特別区の分割や合併を行う場合の発案権が都から特別区に移ったと聞いております。その意味で特別区の区域の問題は、特別区が主体的に取り組むべき課題ということでもありますが、合併や分割を行う場合、具体的に必要となる手続、手順についてお伺いいたします。

○前田行政部長 まず、合併について申し上げます。特別区の合併につきましては地方自治法、それから市町村の合併の特例等に関する法律の定める手続に基づいて行うこととなります。具体的には、まず関係各区議会の議決を経まして合併協議会が設置されます。そこでは基本的な計画の作成など合併に関する協議を行いまして、合併の方向で統一的な意思が形づくられれば、各区議会で合併の議決が行われます。その後、都知事への申請、都議会での議決などを経まして、総務大臣の合併告示というふうに進んでまいります。なお、都知事は特別区に対しまして、合併協議会の設置、及び規模の適正化の勧告権を有してございます。
 次に、境界変更や分割でございますが、こちらにつきましては、地方自治法の規定によりまして、各区議会の議決に始まって都知事への申請、都議会での議決などを経まして、総務大臣の告示となります。

○上野委員 今のご答弁からも明らかなとおり、特別区の合併について都に勧告権はありますが、実現には、各区議会の議決が必要となっており、住民の意見が反映される仕組みになっております。このことからも特別区のあり方の検討に当たっては都民、区民への説明、周知が非常に重要であることが理解できます。
 そこで、最後の質問でございますが、今後、この区域の問題を含めた都区のあり方について具体的な検討が行われることになりますけれども、検討に当たっては、都民にオープンな形で議論を行い、都民の声も十分配慮しながら、都区制度の見直しを行っていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○前田行政部長 ただいまご指摘をいただきましたように、都区のあり方に関する議論はいずれの項目も都民、区民から深い、強い関心を持たれるものと考えております。
 また同時に、道州制の議論など地方自治の変革の動きが加速しておりまして、漫然としておりますと、都民、区民の知らないところで自治制度の改変というものが行われかねないおそれもございます。こうした中で都と特別区はみずから将来のあり方を示していかなければなりません。ご指摘の再編を含む区域のあり方を初めとした都区のあり方に関する議論は、極めて今日的な課題であると同時に、都と特別区の最大の課題であるといってもよいと思います。
 こういう大きな課題でございますので、今後の具体的な検討に当たりましては、都区双方が都議会及び区議会に節目節目でご報告すると同時に、一定の取りまとめを得た後にその内容を広く公表するなど、都民、区民の声にも十分配慮し、理解をいただいて進めてまいりたいと思っております。

○上野委員 ご答弁からも、都区のあり方検討は非常に重要な課題であるということが改めて理解できたところでございます。
 本検討会の今後の活発な議論を期待いたしますとともに、ぜひとも引き続き議論の進捗に合わせまして、都民の皆様にわかりやすく知らせる報告の努力をなされるようご要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○古館委員 それでは私も、都区のあり方について伺います。
 都区のあり方につきましては、十一月の十四日に都区共同の検討組織であります都区のあり方に関する検討会、ここで検討のための基本的な方向が取りまとめられました。その中で都区の事務配分について、大都市の一体性のために都が行う必要があるとされた事務を除き、都から特別区への事務移管をさらに進めるべきであるとされております。また十一月二十八日に発表された東京自治制度懇談会の議論のまとめ、三三ページでは、都は府県事務、市町村事務という枠組みにとらわれずに、大都市に必要な事務か否かという観点から都の事務を再構築することが必要だと、このように指摘されております。
 そこで確認いたしますけれども、都は区側の意向だとか意見とは関係なく都の事務を再構築すると、こういう考え方なんでしょうか。いかがですか。

○前田行政部長 これからの時代の要請にこたえまして、都の事務をどのように再構築していくかということにつきましては、まずは都がみずから判断すべき事柄と考えます。
 その上で今回の都区のあり方検討委員会の取りまとめでは、都から区への事務移管につきまして、今後、都区のあり方検討委員会及びその委員会のもとに設置されます幹事会におきまして移管対象事務の選定基準を整理するなど、都と区で十分協議しながら進めていくということになっております。

○古館委員 東京都としてのそういう意味での再構築するという考え方と、だけれども、それ自体が、二十三区にとってもそこに住んでいる共通のベースっていうのは何かっていうと、都民であり、区民なんですよね。
 これは、東京都が自分たちで考えますよというふうにいっても、そこの行き着く先は都民であり区民。したがって、先ほども委員の質問もありましたけれども、そこに住んでいる人たちの、都民ないし区民がこの問題についてどういう認識を持つのかというところでのやっぱり議論は必要なんだと思うんですよね。これ抜きにして、何かこうどんどん方向だけが進んでいくということについては、そこに住んでいる住民の方々は望んではいないと、こういうふうに私は思うんですね。
 それで、ここに十二月六日で、日経新聞だと思うんですけれども、横山副知事と西野大田区長の、区長会の会長ですけれども、どうする東京二十三区再編という記事がありますけれども、結構ここでは、意見が共通した部分もあれば、基本的な部分については余り意見が一致してないというふうに私はこれ読みました。例えば横山副知事は、今後はこの考え方から脱皮するというのは、区への事務移管の協議をする場合に、まず財源どうするかという議論が出てこの間は話がとまってしまったと。したがって、これからはこの考え方からは脱皮すると。事務移管の是非を話す際には、今の二十三区の区域でいいのかというのをまず議論すると、こういうふうにいっていて、西野区長会の会長はそういうことについては、きちっといってないんですよね。
 いっているところとすると、ただ市になっても、つまり、二十三区側は基礎的な地方公共団体という形で、この間の二〇〇〇年の地方自治法の改正では、基礎的な地方公共団体と明記された。この西野会長の一番の考え方は、しかし十分に権限が移ったとはいえず、市と同じ普通地方公共団体になれなかった。ここの部分はいっているんですよ。ここの部分はきちっといっている。ところが東京都がいっているのは、今後、二十三区の区域このままでいいのかという点では相当のずれがある。だからここの部分を抜きにして議論していくということは、やはりいかがなものかと。
 また、東京自治制度懇談会の議論のまとめでは、各特別区の歳入総額に占める特別区財政調整交付金の割合について、それへの依存度が高まり過ぎることは、自治の観点から問題があると、これはいっているのは東京都側ですよね。財政調整交付金の原資は、一般の市であれば市税となるものでありますから、交付金の額が大きいからといって、話し合いによって今までやってきたわけで、その多寡の問題については、自治の観点から私は問題があるということにはならないと思います。なぜかっていったら、固定資産税だって市税だし、もともとはですよ。都区のあり方に関する検討会の中で、こうした考え方に関する意見や議論があったんでしょうか。
 また、都としての認識もあわせて伺いたいと思います。

○前田行政部長 自治制度懇談会のまとめに関連しまして財政調整交付金のご質問ございましたが、都区財政調整交付金につきましては、特別区二十三区全体の区域からの調整税を原資といたします交付金でございます。
 ご指摘の固定資産税等の調整税が各区の区域にそれぞれ帰属するというものではございません。そういう意味で地方交付税と同様の性格がございまして、近年、地方交付税改革の議論におきまして交付税の過度の依存ということが問題とされていることと共通すると思います。また、地方自治のあるべき姿というものを財政面から考えれば、地方自治体がみずから責任を持って財源を調達し、使途を自主的に決定するということではないかと思います。
 都区のあり方に関する検討会では特別区間で税財源の偏在が拡大する中、今の区域割をそのままにして財政調整交付金に過度に依存することは、地方自治の本来のあり方からして問題であり、区域割を見直すことが必要であるとか、税財政制度の検討に当たっては、財調交付金に対する依存度が高過ぎるため、自治の観点から税源配分を見直し、区の区税割合を高めることが必要であるなどの意見が出されております。既に、財政調整交付金がその区の一般財源に占める割合が七〇%弱まで達する区が出ております。さらにこの割合が高くなっていくということは、ただいま申し上げたような観点から適切ではございません。区の自主性、自立性を高めるために、財調交付金の依存度を低下させる必要があるというふうに考えております。
 それから、私どもの横山副知事と区長会の西野会長の日経新聞の記事で、ずれがあるのではないかというご指摘がございましたが、もちろんこれから議論を行うということでございますが、両者が全くすれ違ったことをいっているというふうには私ども思っておりません。

○古館委員 ずれがあるということについては認めたというふうに思います。
 それでこの問題について……(発言する者あり)いや、大事なことは、ずれがあるというのは当たり前のことなんですよ。なぜかっていったら……(発言する者あり)ですから西野区長会の会長は、私の個人的意見だけれどもということが、幾つかの区が合併するのも一案だしと。個人的意見なんですよ、あくまでも、新聞報道では。
 ですから、そこのことについて、ところが私は何を問題にしたいかというと、横山副知事はこの同じ新聞の中で、場合によっては、本来は区が自主的に考えるのが筋だと。しかし、どうしても困難ならば都が議論を進めるための試案を出すんだと。これは、もう二十三区がどうのこうのいってまとまらないんだったら東京都がやりますよ。こういうことは、自治の観点からいっても決してすべきではないというふうに思いますが、いかがですか。

○前田行政部長 横山副知事のインタビューで、その試案を示すということについて今委員のご発言がございましたが、あくまで試案を示すというのは議論を進めるための試案でございまして、それを東京都が押しつけるというようなことは大きな誤解があると思います。

○古館委員 ですから、そこは基本的に、押しつけるということについては誤解であると。また、そういう考え方がないっていうことを今述べたっていうことだけ確認をしておきたいと思います。
 都区のあり方についてですけれど、この検討についてはあくまでも……(発言する者あり)いや、これは大事なことなんだよ。後からいろいろいろいろ出てくるんだから、これは。住民あっての問題だから。あくまでも基礎的自治体としての区側、そこに住む住民などの意向が私は優先されるべきだと思いますけど、この点について改めて確認をしておきたいと思います。

○前田行政部長 都区のあり方の検討につきましては都と区で共通認識を持っておりますが、東京の将来を展望して都民、区民のために、東京の自治のあるべき姿を確立すると、これを目指しております。そういうことに立ちまして特別区と検討を進めてまいります。

○古館委員 これは引き続き議会でまた取り上げていきますけれども、今いわれましたようにあくまでも都民、区民のための自治なんですよね。ここをきちんと優先されて考えられることを強く求めて、質問を終わります。
 以上です。

○後藤委員 とりあえず私の方からは小笠原諸島の振興計画の報告についてお伺いします。
 まず確認のためなんですけれども、この計画が変更というふうな形で出されてきているんですが、この計画自体は平成十六年から二十年度というふうに書いてあるのがここで変わってきた理由なんですけれども、確認のためにお伺いをします。

○前田行政部長 委員のお話のとおり、小笠原諸島振興開発計画につきましては平成十六年から二十年度までの五カ年間の計画でございます。
 しかし、この中でいろいろ記述がございましたが、この期間中に小笠原への交通路としてテクノスーパーライナー、いわゆるTSLが就航することを予定しておりましたが、原油の高騰等によりそれが実現することが難しくなりました。そうしたこと、並びに地上波アナログ放送の終了に伴う対応等々がございまして、計画途中ではございますけれども、今後の小笠原の振興開発に大きな影響を及ぼすということで、国の方で発意し、基本方針が変更になりましたので、それを受けまして東京都の振興開発基本計画も変更することとしたものでございます。

○後藤委員 こちらのレポートの方の四ページにあると思うんですけれども、本土との交通アクセスの改善という項目がありまして、交通アクセスの手段について所要の調査を行うというふうに書いてあるんですが、このレポートを見ていきますと、九ページのところで航空路というふうになっていますけれども、これはもう航空路一本に考えて、この計画そのものを考えていっても構わないんでしょうか。

○前田行政部長 振興開発基本計画につきましては、小笠原諸島振興開発特別措置法に基づきまして、国の基本方針を受けまして作成するということになっております。
 さきに変更されました国の基本方針では、小笠原諸島にとって高速交通アクセス手段の確保は喫緊の課題とこのように記述しておりましたので、振興開発計画におきましても同じ表現としたものでございます。この高速交通アクセス手段につきましては、現実的には航空路と東京都は考えております。

○後藤委員 航空路に限ってというふうになってきまして、そこで、例えば九ページのところに航空路の開設はPIに反映させてというんですか、結局住んでいらっしゃる住民の意見を構想と計画段階から反映をさせるということなんですけれども、例えば都の方が考えていらっしゃる航空路、航空路といえば簡単に飛行機で飛ぶというふうに考えるんですけれども、例えば向こうに完璧な飛行場があって、例えばジェット機だとかがおりられるような飛行場があれば話は別ですけれども、今回の小笠原には時雨山の件だとかいろいろありまして、現在はとんざというふうな形になっています。現在考えられています航空路、例えばどのようなものがあるのか、これはあくまでも検討段階だと思いますけれども、できたら教えていただければと思います。

○前田行政部長 小笠原諸島への航空路につきましては、平成十三年の時雨山案を撤回した後の状況でございますけれども、現在、東京都では四つの案の検討を行ってまいっております。その一つは硫黄島活用案、二つ目が水上航空機案、三つ目が洲崎地区活用案、四つ目が聟島案でございます。

○後藤委員 現在検討をなさっているのが四つの案だと思いますけれども、この四つの案ではメリットとデメリットというのがあると思うんですが、検討なさっているところで結構なんですけど、メリットとデメリット案と、例えば硫黄島でしたらば、飛行機自体はジェット機も着くとは思うんですけれども、硫黄島から小笠原まで例えば船でを考えるのか。ヘリコプターかなんかで考えた場合には、例えば自衛隊が持っている大きなヘリコプターだったらば話は別ですけれども、普通の民間がもし動かす場合だとしたらば、飛行機自体は大きな飛行機で硫黄島に行ったとしても、小笠原に行くまでに何往復もしなければいけないですとか、例えば船の問題もあると思いますし、たしか聟島ですか、こちらの聟島は小笠原から何キロぐらい離れていて、ヘリコプターを考えるのか。例えば船を考えるならとかいろんな問題が出てくると思いますけれども、この辺の検討なさっているところを教えていただけますか。

○前田行政部長 今東京都が検討しております四つの案について、メリット、デメリットというご質問ですので、お答えします。
 まず、硫黄島活用案でございますけれども、メリットといたしましては既に硫黄島には滑走路があると。委員の皆さんも先日視察をされたと思いますが、滑走路がございます。それはメリットになります。しかしながら、硫黄島から父島までおよそ三百キロ弱離れております。ここのつなぎをヘリコプターということで想定しておりますが、距離の問題、それからキャパシティの問題等いろいろと検討すべき点は多いと思います。また、硫黄島の滑走路を使うということになれば自衛隊との基地共用化のための調整、こういった課題がございます。
 次に、二番目の水上航空機案でございますが、これは海面におりられる飛行機を使えば、小笠原側において滑走路を整備する必要がないというメリットはございます。しかしながら、その水上航空機という機材がまだ民間用のものはございません。民間用に型式証明等をこれから取るということになれば莫大な費用がいると、こういったことが課題でございます。
 それから洲崎地区活用案でございますが、父島の洲崎地区にそれほど大きくない滑走路をつくるということで、それだけの余地は考えられますが、実際に就航率の問題がどうなるか、あるいは海面を一部埋め立てなければならないということ等がございますので、環境の保全をどうするかという問題がございます。
 それから聟島案でございますが、聟島は現在は無人島、人が住んでおりませんが、そこに滑走路をつくるということで、聟島-父島につきましてはおよそ七十キロ離れてると思いますが、そこは高速船ということで検討しております。これにつきましては、まず、聟島に空港をつくるということになれば、今全くインフラがないところに全部整備をするとということにつきまして、果たして可能なのか、それから聟島-父島間の航路をどうするかと、こういった問題がございます。どれ一つをとりましてもさまざまなメリット、デメリット含めて課題がございます。
 それからもう一つ、全体に共通する課題といたしまして、小笠原に航空路を開設とすれば、需要はどれくらいあって、どうやって運行するかと。つまり全国的にも、滑走路はつくったものの、思ったように飛行機は飛んでいないというのが地方空港で多く見られますが、そういった運航体制の問題、採算性等の問題につきましても、どの案にも共通して課題となってございます。

○後藤委員 部長が今ご説明なさったようなこともまた考えれば、国の方で高速交通アクセス手段についてというふうな言葉をあえて使っている理由というんですかね、例えば飛行場、航空路だけを考えてみても、非常に難しいというのが、実際にやって、需要が見込めるのかとか、採算性の問題だとかいろいろ出てくると思います。確かに今部長がおっしゃったように、硫黄島だとしたら三百キロ。三百キロ離れてるっていいますと、距離的には東京から名古屋くらいは離れているんではないかなと思うんですけれども、こういうふうなことを考えていきますと、ここのところでPIという手法をお使いになって、これから航空路のことも検討をしていくというふうにおっしゃっているんですけれども、あえてこのところで航空路一本でもっていってしまうと、いろいろと問題が出てくると思うんです。例えばTSLですけれども、できたら再度お尋ねしたいんですけれども、何でTSLだったらばだめになってしまったのか、ここのところをちょっと確認したいんですが。できるだけ細かく、例えばこういう問題もある、こういう問題もあったというふうなことを教えていただければ。

○前田行政部長 テクノスーパーライナーというのは、空気を吹きつけて船そのものを水面から浮かして高速で走行するというつくりになっております。
 したがいまして、高速力は得られますけれども、船を浮かすということもありますので、莫大な燃料消費をする。計画当時と異なりまして、現在その燃料の価格というのははるかに想定を超えたものになっておりまして、船はできておりますけれども、実際に就航させた場合、採算は全くとれる見込みがない、しかも年々赤字が累積する。そういたしますと、その小笠原航路そのものの維持というのが難しくなる。現在の小笠原にとりまして定期航路は唯一の貴重な手段でございます。この航路を維持することこそ最も重要なことだと考えてTSLを断念したものでございます。

○後藤委員 この小笠原ですけれども、世界遺産の方にも申請というんですか、登録を申請するというふうに多分なっていると思うんですけれども、航空路についてPIを活用するというふうなお話ですけれども、ここでは本当に住民の方たちと腹割ってというのか、こちらのデータをすべてをお出しして、PIの手法を最大限生かして航空路については考えていただきたいと思います。
 それで、今いいましたけれども、結局世界遺産と。例えばでかい飛行場をもしつくったとします。片や世界遺産に登録というふうになりますと、自然環境を守らなければいけなくなりますから、ここいらの兼ね合いというんでしょうか、ならば比較だとかありますので、航空路、航空路というふうに余り表に出していかなくて、例えば住民の方たちが困った場合に航空路をどういうふうにするのかとかですね。航空路イコール観光というふうに皆さん考えちゃうと思うんですよ。例えば私なんかもそうだったんですけれども、航空路を開設することによって観光客をいっぱい誘致して、小笠原の産業を発展させていくのかなというふうに考えていたんですけれども、部長の今のお話を聞きまして、水上だろうが小笠原だろうが聟島だろうが、問題点が余りにもあるのと、飛行機でも、例えばサイパンとかグアムみたいに、結局大きな飛行機で飛んでって観光客がたくさん入られるというふうな話でもないようですので、ここいらはPIの方を一生懸命やっていただきたいと思います。
 以上です。

○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○大津委員長 これより知事本局関係に入ります。
 報告事項、平成十九年度重点事業について、及び東京自治制度懇談会議論のまとめについてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○倉林委員 私は、このたび策定をされましたこの平成十九年度の重点事業について何点かお伺いをいたしたいと思います。
 この事業は、ここにも記載されていますけれども、七つの重要施策を掲げ、具体的な取り組みとして二十四の重点事業を策定いたしたわけであります。その中でも、二十四の事業費の総額では一千六十六億円という、たしか昨年は二十事業でこの半額ぐらいの予算規模だったなあと思うわけでありますけれども、大変その意味では本年度重点事業にかける意気込みというものをこの予算も含めて感じるわけでありますけれども、特に都は、これまでも重要施策あるいは重点事業について国や他の自治体に先駆けて先進的な事業も取り組んでまいりましたし、実行もしてきたわけであります。その意味では、この重点事業は、十五年度から数えて、ちょうどことしで五年目という大きな節目になったわけであります。当初のうちは主に新規事業を選定して取り組んでおりました。これはこれで都政の重要課題に緊急に対処してきたわけでありますから、当然のことであるわけであります。ただ不断の構造改革といいましょうか、これらを進めていくためには、より中期的な視点に立つ必要があるということであります。
 昨年度は重要施策を改定するとともに、重点事業についてのたしか十八年度から二十年度までの三カ年間の展開をアクションプランとして示されてきたわけであります。そして今回策定をいたしました重点事業は、十八年度の重点事業のアクションプランの二年目に当たる、こういうことのようでありますが、そこでお伺いいたしますけれども、平成十九年度の重点事業はどのような視点に立って策定したのか、基本的なことを最初にお伺いをいたします。

○角南調整担当部長 今回の平成十九年度重点事業は、昨年策定しました都政全体で取り組むべき七つの重要施策と、その実現に向けた二十の平成十八年度重点事業を基本といたしまして、改めて事業を選定したものでございます。
 策定に当たって、この一年間の都政を取り巻く状況の変化を見てみますと、本年八月、東京はオリンピック国内立候補都市に選ばれたわけでありますが、これに先立って都は五月に、二〇一六年東京オリンピック基本方針を策定し、その中でオリンピックをてこに東京の自己変革をさらに進めること、そのための都市戦略として二〇一六年の東京の都市像を明らかにすることとしております。平成十九年度重点事業は、この都市戦略のキックオフとしても位置づけられることから、オリンピック招致に向けて喫緊に取り組むべき環境対策や都市基盤整備などの視点を十分に考慮して事業を改めて選定することといたしました。
 またあわせて、急速に進む少子化やグローバル化の進展に対応するため、子育て支援を新規事業として取り上げたほか、産業力強化や就労支援、また人材育成などについても事業を拡充して取り上げているところでございます。

○倉林委員 基本的には、今回の重点事業の策定に当たってはオリンピックを視野に入れてつくられたということであります。
 そしてさらに環境対策、当然のことでありますけれども、都市基盤の整備に取り組むということでありますが、これはまさに適切な考え方だろうと思います。そしてオリンピック招致を成功させるためにも、まさに東京は、世界のあらゆる都市を先進的な環境都市にしていかなければならないし、また先進的な環境都市にしていかなければならない必要があるだろうと、こう思っております。招致に当たっての東京の唯一の弱点とも申し上げていいのかどうかわかりませんが、というべき交通渋滞、これについても、その解消に向けて道路整備は今後十年間がまさに正念場になっているだろうと、こう思っております。
 またオリンピック招致以外でも、子育て支援や産業力の強化あるいは就労の支援などに対応していくというご説明でありますので、これも評価をいたしたいと思います。
 十九年度の重点事業は、十八年度のものを検証をして改定することでつくられた、こういうことでありますが、この検証は、今回初めて実施をされたんだというふうに思います。これは中期的な視点に立って政策展開が図られたものだ。こう思っているわけでありますが、そこでお伺いしますが、この十九年度の重点事業を改定するに当たってどのように検討されたのか、検証されたのか、お伺いをいたします。

○角南調整担当部長 ご指摘のように重点事業につきましては、昨年、いわゆるPDCAサイクルを強化するため、三カ年の展開はアクションプランとして示し、毎年度検証を経て改定することといたしました。これは、取り組みの方向を中期的に示し、取り組み状況と効果を検証していく新たな枠組みを構築して不断の構造改革を行うことが必要であるという考えに基づくものであります。
 そこで、今回の平成十九年度重点事業は、平成十八年度重点事業を検証して改定することといたしましたが、現時点である十八年度は三カ年のアクションプランの初年度でございまして、まだ十分な進捗が見られないものもあるため、今回の検証では十七年度以前から実施してきた継続事業を中心に可能なものについて実施いたしました。例えば、都市と地球の温暖化対策では、これまで大規模事業者に対する地球温暖化対策計画書や建築物環境計画書の提出義務化を行ってまいりました。しかし温室効果ガスの排出量はふえ続けていることから、大規模な事業者や建築物にとどまらず中小規模事業者にも取り組みの対象を拡大するなど、対策全般を拡充してまいります。都としては、こうした仕組みをさらに充実させ、重点事業を着実に推進していきたいと考えております。

○倉林委員 事業を実行したままでなく、ぜひ検証しながら今後の事業の企画や実施に生かしていただきたいと、こう思うわけであります。
 さて今回の重点事業では、先ほど申し上げましたようにオリンピックに向けた取り組みはいろいろありますが、我が党の代表質問でも申し上げましたように、オリンピックの開催に当たっては、多摩、島しょを中心に開催されます東京国体、自称多摩国体なんでありますが、これらも推進して多摩の地域振興にもつなげるべきだと、こう考えております。
 特にこのことを私は強く申し上げておきたいと思うわけでありますが。オリンピックは、東京の一部地域でのみ開催されるわけではありません。招致に当たっては、まさに全都挙げての招致機運の盛り上げが必要であります。そのためにも、ぜひこの東京国体を成功させることが最も重要な課題である、こう思っております。
 そこで、十九年度の重点事業は、多摩地域においてはどのように進めていくのか、どのように取り組んでいくのか、具体的な事業も含めてご説明いただきたいと思います。

○角南調整担当部長 重点事業につきましては、多摩地域においても都市基盤整備、産業、医療、災害対策など、さまざまな分野で取り組みを進めてまいります。
 多摩地域を対象とする事業を具体的に申し上げますと、継続事業としては新滝山街道など三環状道路を生かす骨格幹線道路の整備、また昭島市の都立短大跡地を利用した多摩地域の産業支援拠点の整備、現在の府中病院における多摩広域基幹病院等の整備、また多摩地域の森林の伐採、育成を初めとする総合的花粉症対策、また、そのための多摩産材の利用などがございまして、これらを引き続き進めてまいります。
 また加えて新たに、就労支援拠点である東京しごとセンターの多摩拠点の開設や、奥多摩などでの土砂災害対策などにも取り組んでいくこととしております。
 またご指摘のとおり、多摩地域の振興にもつながる二〇一三年の東京国体の開催に向けた準備についても、着実に進めることとしております。このことが、都民全体のオリンピック招致機運を高めていくことになると考えております。

○倉林委員 すばらしい答弁をいただいてありがとうございます。ぜひ多摩をよろしくお願いします。東京国体を初めとする多摩地域の地域の振興あるいは土砂災害対策など、住民の安全・安心を守る施策については、ぜひこれからも積極的に取り組んでいただくよう重ねて要望しておきます。
 スポーツを通じたこの重点施策の中に、地域振興に関して、今回の重点事業では地域スポーツクラブなど取り上げているようであります。この三七ページにも記載されておりますけれども、重点事業14、地域力向上に向けた取り組みということで、知事本局が取りまとめているようでありますけれども、その中にもこの地域力の向上ということがうたわれております。
 モデル事業として集合住宅が多い地域の防犯力の向上から始まって、地域スポーツクラブの設立支援、八項目にわたってのモデル事業が記載されているわけでありますけれども、この八項目のモデル事業を設定しておりますけれども、どのような考え方に基づいているのか、そしてこれらの事業を今後どのように取り組んでいくのか、ちょっとお聞かせください。

○鈴木参事 高齢化の進行や集合住宅の増加などを背景としまして、地域の課題を地域住民みずからが解決していく力、地域力が低下してきております。
 一方では、町会、自治会などの活動が活発な地域もございます。また、企業やNPOなど新たな担い手の動きも見られるようになってきております。こうした点についての都議会での議論も踏まえまして、平成十九年度重点事業では、地域力向上方策の展開として、スポーツ振興、防災、福祉など、地域の課題に即した八つのモデル事業を選定し、これらの地域の担い手が連携した取り組みを関係各局と地元区市町村が支援していくことといたしました。今後、区部、多摩、島しょなど、さまざまな地域での取り組みを進め、その成果を検証して、地域力向上方策の充実を図ってまいります。

○倉林委員 具体的になるとなかなか大変な課題かなというふうにも思いますけれども、地域の活性化のためには、ぜひ積極的な取り組みをお願いいたしたいと思います。
 この地域力を初め重点事業は、いざ実施する場合、やはり何といっても総合的に、そして横断的に調整をしていかなければならないだろうと思います。特に重点事業は、そうでないと絵に描いたもちになるおそれもあるのかなと思いますが、これらを策定した知事本局には、事業実施段階でも各局と連携をして、リーダーシップを発揮して事業の効果を最大限発揮させるよう努力をしていただきたいと、こう思うわけであります。
 そこで知事本局長、最後にお伺いします。今後の重点事業の実施に当たって、調整担当部長も、多摩も含めてしっかりやるというお答えもありましたが、知事本局長、そこらも踏まえてご答弁いただきたいと思います。

○山口知事本局長 先生ご指摘のとおり、この重要施策及び重点事業は、都政の課題を今まさに局の横断的、統合的に進めるために、翌年度の予算編成を宣伝する重要な位置づけを担っております。
 先ほど担当部長から申し上げましたとおり、この一年間の都政を取り巻く状況変化を見てみますと、とりわけ東京が二〇一六年夏季オリンピックの国内立候補都市に選定されたことが挙げられます。今月中にも制定を予定してます、都市戦略となる二〇一六年の東京都市像、これを取りまとめる予定でございますけれども、今回の重点事業はこの長期的な都市戦略のキックオフとしても位置づけているものでございます。来年度はオリンピック招致の国際的なレースも本格化してくるなど、都政にとっては重要な時期でもありまして、また、先ほどご要望もご指摘もありました東京国体の成功に向けても、開催事務に積極的に取り組んでいかなきゃならないと思っております。いずれにしましても、この東京を魅力ある成熟した都市にしていくため、先生方のお力添えも賜りながら、局、都庁が一丸となって進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

○東村委員 それでは私の方からも平成十九年度重点事業について、何点か質問したいと思います。
 この冊子のちょうど一ページのところに重要施策と重点事業、これについて記載がなされています。具体的には先ほどから倉林副委員長が話をされていましたように、十七年十二月に七つの重要施策を定めて、二十の重点事業を選定し、そしてこれを三カ年のアクションプランとして展開をされた。このアクションプランを毎年度検証を経て改定していくという話の中で特に今年度は、この十八年八月に、二〇一六年の夏季オリンピックの国内候補地として東京に選定された。こういうことがあった関係で、まさにこのオリンピックに向けて長期的な都市戦略のキックオフとするのがこの十九年度の重点事業であると、このように記載をされております。
 そして、その中で、非常に私は大事なことが書かれているなと思ったのが次の下欄でございまして、十八年七月に行財政改革実行プログラム及び今後の財政運営の指針をそれぞれ策定したと書かれておりまして、これが十八年度から二十年度にわたって展開をされる、こう書かれた上で締めくくりの部分で、今後はこのいわゆる重要施策と重点事業を初めとする政策展開と、この平成十八年七月に策定された行財政改革実行プログラム及び今後の財政運営の指針とを車の両輪として、都政の構造改革を進めるということをきちっと明記されています。非常に私は重要なことが書かれていると思っております。
 そこでまず、この意味するところを明らかにしていただきたい、このように思います。

○角南調整担当部長 都はこれまで、昨年十一月に策定した行財政改革の新たな指針や本年七月に策定した行財政改革実行プログラムにおいて、行財政システム全般にわたる改革を実行することと、こうした都みずからの改革というものを支えといたしまして、東京の再生と都民サービスのさらなる充実に向けて、各分野で国や他の自治体に先駆けた先進的な取り組みを展開し、都政の構造改革を進めていくことを示したものでございます。
 こうしたことを踏まえて、重要施策、重点事業を初めとする政策展開と行財政システムの改革とを車の両輪として、すなわち政策展開と経営改革を一体のものとして都政改革を推進していくということでございます。

○東村委員 今、ご答弁の中に、政策展開と経営改革を一体としてこれからやっていく、こういうご答弁がありました。非常に大事なところだと思っております。先ごろ知事が議会答弁で、この行政の縦割り構造の弊害をなくすために、局横断的にこの政策を進めていくために知事本局というものを設けましたということを議会で答弁されました。よく都民の方に、都民の方も東京都の組織図を見られて、知事本局って何をやってる局ですかと聞かれるんです。知事の秘書ですかと聞かれるんですね。私がよく説明するのは、今いった言葉で、行政のそれぞれ各局の縦割り構造の弊害がある、これを局横断的に、政策を進め、調整をし、リーダーシップを発揮して東京都の政策を進めていくのが東京都の知事本局です。つまり東京都のまさに頭脳です。こういう説明をすると、都民の方は、東京都にこんなすばらしい局があるんですかということを感動されて、いつも聞かれるわけでございます。
 その中で、先ほど倉林副委員長からも、重点事業はまさにこの総合的、横断的、これをやるためにリーダーシップを知事本局に発揮してもらって、そして調整をしていくんだという話もありました。そのとおりだと思うんですね。そこで私は、知事本局の皆さんというのは、そういった意味でリーダーシップを発揮するためにはそれぞれの上がってきた局の内容もかなり突っ込んで知っておかないとこれが進められないわけでありまして、もっといえば、私は貴重な百条委員会というのを経験させていただきました。あそこで得た最大の経験は、東京都の知事本局と財務局は何でも知っているんだなということを痛感したぐらいで、本当勉強されているなということを実感したわけでございます。
 そこで、先ほど車の両輪として挙げられたまさにこの行財政改革実行プログラム、直接的には知事本局の話じゃないかもしれませんけれども、この行財政改革実行プログラムとこの重要施策というのは、まさにこれからの東京都の大きな構造改革の柱になっていく大事な部分だということで、この辺のこともちょっと突っ込ませていただきたいなと思うんです。
 この行財政改革実行プログラムは三つの柱で構成されて、その第一の柱に都民サービスの一層の充実と、社会資源の最適配分から官民の役割分担を原点から見直し、行政サービスの提供や公的な課題の解決に多様な主体がかかわる豊かな公を構築するとあるんです。そして、その多様な主体として地方独立行政法人制度の活用を取り上げています。
 そこで、一点お聞きしたいんですけれども、この地方独立行政法人の制度がどのようにこの都民サービスの一層の充実につながっていくのか、この辺についてお伺いしたいと思います。

○角南調整担当部長 地方独立行政法人制度とは、地方公共団体がみずから行う必要はないけれども、民間の主体にゆだねては確実な実施が確保できないおそれのある公共性の高い事業を効率的、効果的に推進させるための制度でございます。
 本制度導入の効果といたしましては一般的には自立性の高い経営、弾力的な予算、契約制度による効率的な事業執行、また独自の人事給与制度による質の高い人員の確保などがあるとされております。

○東村委員 私がなぜ今、地方独立行政法人制度の話をちょっとお聞きしたかといいますと、この重点事業の13に患者中心の医療を提供する体制の充実を取り上げられております。その中で、都民の高度専門的医療ニーズに対応する都立病院の整備を取り上げられております。大事なことは、この都立病院の整備を三つ挙げられているんですね。つまり府中病院を多摩広域基幹病院、小児総合医療センターとして平成二十一年度に開設する。二点目に、駒込病院をがん・感染症医療センターとして十九年度契約を締結して二十三年度に供用開始させる。そして、松沢病院を精神医療センターとして、新館を二十三年度に開設し、二十四年度に全面開設する。この三つを取り上げて、それを全部PFI手法でやるということを明記されています。
 他方、この行財政改革実行プログラムにおいては、この都立病院改革ですね、今後、より効率的、効果的に事業を推進していくために、地方独立行政法人などを視野に入れ病院経営のあり方を検討していくとありまして、具体的には十九年度にこの改革実行プログラムを策定し、二十年度に改革実行プログラムを実施するということを記載されているんです。よくこれ考えてみてほしいんですけれども、平成十三年度にこの都立病院改革マスタープランというのが策定されました。
 このとき私も厚生委員会でしたので、かなりこの議論をしました。特に私の地元は都立八王子小児病院というのを抱えていて、これと清瀬、梅ケ丘、三つ発展的統廃合させて、府中に小児総合医療センターをつくり、心と体の一体としたケアをする。もっといえば、今までなかなかできなかった、小児病院単体でできなかった周産期医療からやって、小児の治療に結びつけていくという体制まで組んでいくということだったんで、しかもコアの部分、つまり最も大事な医療と看護の部分は都が最後まで責任持ってやるんですねということで、この十三年度に策定された都立病院改革マスタープランに、渋々これは承知をして、何とかこれに協力していこうと、そういう思いでこの質疑をしたことを思い出すわけです。
 平成十五年にこの都立病院改革実行プログラムが策定されました。ここでは、今後、コアの部分については高度医療でありかつ専門的な医療であるから東京都が責任持ちますよ。責任持って、そしてPFI手法により、さまざまなコスト削減、維持運営を行っていくということを明言されたんです。
 私は、今回の行財政改革実行プログラムを読んで、この議論は何だったのかなということを、あのときに決めたPFIの手法は一体何だったんだということを正直疑問を抱かざるを得なかったんです。そもそも、都立病院の今後の役割、そして経営の根本的な--先ほど経営改革って話をされました。経営のあり方を検討して、このPFIという手法を導入したはずであります。PFI手法はよく誤解されて、建設整備のコストを削減するためにPFI手法を導入するということを誤解している人がいるんですけれど、最も大事な部分は都民サービスを向上させることができるということであり、かつ向上させながら健全な財政運営を長期間にわたってやっていくことができる。こういう手法がまさにPFIの手法だったわけなんですね。
 少なくともこの松沢病院の精神医療センターとか駒込のがん・感染症医療センターはまだ契約がされてません。でも、少なくとも多摩広域基幹病院ではもう契約が行われて、二十一年度から実は十五年間という長きにわたってこのPFIの手法で都立病院を運営していくってあるんです。ところが、今回この行財政改革実行プログラムが策定され、しかも知事本局も、重点事業とともに車の両輪として、これから都政改革の中心に居続けていくという話が出たわけなんです。
 私はこの話を聞いて、まさに、大変失礼ないい方かもしれませんけど、舌の根も乾かないうちに何でこういうことがいつも東京都は出てくるのかと。
 実はこの三月、病院経営本部の人と、この八王子の今後の問題もあるんで、また府中のPFIの問題もあるんで、あくまでもこれは府中のPFI、コアの部分は、医療、看護の部分は都が主体となってやっていくんですね、都が責任持ってやっていくんですねという話をしたら、やっていけますということをおっしゃったんです、病院経営本部の人が。ところが、その四カ月後、七月に突如この行財政改革実行プログラムがおりてきたんです。
 私はこれ来て、恐らく下から積み上げたんじゃなくてトップダウンで来たんだなということを非常に--これはまだ検証しているわけじゃありませんけれども、三月までやっていきますよといっておきながら、七月になってこのプログラムが出てきたということは、まさにトップダウンで降りてきたんじゃないかということを考えざるを得なかったんです。非常にこの問題について疑問を抱かざるを得ないという気持ちでいっぱいであります。
 そこで、この重点事業と、また行財政改革実行プログラムをこの都政の構造改革の両輪と位置づけ、重点事業にPFI手法による都民の高度専門的医療ニーズに対応する都立病院の整備を掲げた、知事本局の見解を伺いたいと思います。

○角南調整担当部長 行財政改革実行プログラムの中で、都立病院については地方独立行政法人化などを視野に入れ、新たな経営形態のあり方を検討していることは承知しております。
 重点事業といたしましては、昨年度新たに策定した、地域における自立した生活を多面的に支援という重要施策に基づきまして、都民の高度専門化する医療ニーズに対応し、患者中心の医療を実現する上で重要なことから、引き続き都立病院の整備に取り組むこととしたものでございます。都立病院の政策展開と経営改革との連携のあり方につきましては、今後とも総務局や事業局と十分調整を図りながら検討してまいります。

○東村委員 最後、質問しようと思ったんですけれど意見としていわせていただければ、今ご答弁がございました、事業局と総務局と十分調整を図る、調整を図るだけじゃなくて、まさに私は、知事本局がリーダーシップをとって進めてもらいたいと思います。
 両輪として位置づけたわけなんですね。あえて病院の独立行政法人の問題に関していわせていただければ、私も、公認会計士協会の地方独立行政法人制度の勉強会に出させていただきました。大事なことは、やはり入るをはかって出ずるを制すということを地方独立行政法人でやらなければいけない。これをきちっとできない限り地方独立行政法人制度としてもうまくいかないよという話だったですね。
 ところがよく考えてもらいたいんですけども、ここで先ほど答弁がありました、独自の人事給与制度で質の高い人員の確保ができると。つまり、優秀な質の高い医師ですね。独自の人事給与制度で質の高い医師が確保できるという話がありました。そういう中で高い先生を引っ張ることはする。そうするとどうしても低い人もできる。これはコストの部分で、出ずるを制すという部分での改革ということを、効果ということを述べられているんですけれども、病院の場合は診療報酬が決まっているわけです。決まっている診療報酬のもとで、この高い給料そして質の高い先生を確保してくるということは、経営的にこれは大変なことになるわけなんですね。どういう方向に進むかというと、都からもっと交付金をくださいという話になるのか、自由診療に進むしかないんです。
 今、国立病院が独立法人化をやって、厳しいところを、どんどん自由診療で賄おうという動きがあるんですけれども、私は、行政的医療をやってるところが自由診療なんかに移行したら、本来何のための病院だったんだという話になると思うんですね。そういう意味で、この行革という名前があれば何をやってもいいという、今何となくそういう発想になってきているんですけれども、行革、行政改革も、本当に都民というレベルをよく見て都民のサービスに向上するということを考えてやっていかないと、何でもかんでも行革と名がつけばやって、進めて、みんな賛成するだろうという発想は変えていかなければならないんじゃないか。その辺を、やはりリーダーシップをとって最後調整をしていくのが知事本局なんで、知事本局の皆さんには、やはりその辺の検討並びに研究をしていただいて、この問題も取り組んでいただきたいということを意見としていわせていただきまして、質問を終わります。

○古館委員 それでは最初に、東京自治制度懇談会の議論のまとめについて質問します。
 これは先ほど、総務局の方ともやりとりをさせてもらいましたが、最初に、この自治制度懇談会、学者の方々で構成されているように見受けましたけれども、この懇談会の役割は何なのか。今回のまとめで終わりだと認識してよろしいのか。また、この議論のまとめというのは今後どのように当局として扱っていく考えなのか。特別区のあり方などにも言及しているので、この点で明確にしていただきたいと思います。

○川澄自治制度改革推進担当部長 東京自治制度懇談会は、東京をめぐる地方自治制度の課題や改革の方向について調査検討する目的で、昨年の九月に設置され、委員の任期は二年間としております。
 今回これまでの議論をまとめ、地方自治制度の課題に対する基本的な考え方や改革の一定の方向性を示したところですが、税財政制度のあり方など、いまだ残された課題があることから、引き続き検討を継続する予定としております。
 今後、今回の懇談会の助言、提言を踏まえ、国における地方分権改革や道州制の検討状況等を見据えつつ、都としての主張を取りまとめ、真の地方分権改革を実現するため、国に対して働きかけてまいります。

○古館委員 私は、この懇談会なんですけれども、ちょっと認識の問題として、この懇談会がどういう形でということで二番目の質問なんです。一〇ページなんですけど、懇談会の議論のまとめの。そこでは集積したメリットが存在すると、これは何について--大都市経営の意義というところなんですけれども、この中で、集積のメリットが存する一方で、大都市にはデメリットとして交通渋滞や都市型犯罪などの外部不経済も発生していると。私はこの文言を見てちょっと首をかしげたんですね。なぜかというと、大都市の場合、メリットがあって、デメリットがあると。それに交通渋滞みたいのを入れているんですよね、デメリットとして。しかし、これは考え方の総合性が欠如している問題であって、例えば鉄道が走っている、踏み切りは立体交差じゃないと。
 それが大都市のデメリットという形で位置づけていいものかどうか。まちづくりを総合的に考えていくならば、当然、鉄道が走っても、そこの立体交差ということを考えてない方が欠落している問題なんだっていうように私は認識をしているんです。したがって、大都市のデメリットとして交通渋滞など、集積のメリットに対置して扱われているということについて、私はこうした整理でいいのかなというのを素朴に疑問として思ったんですが、いかがでしょうか。

○川澄自治制度改革推進担当部長 大都市では多くの人や企業が集積することによって活発な経済社会活動が行われているというメリットが存在している一方で、集積の結果、その弊害として交通渋滞などの外部不経済が発生しているということで認識をしてございます。

○古館委員 だから、私はデメリットという形でとらえるというのは違うと思っているんですよね。これは当然生まれるものなんだから、そこをどうしなきゃならないのかということが都政の行政体にも課せられているんじゃないのかなと、こういうふうに思ってこの問題は質問をしているわけです。
 大型開発優先で進められてきていることの結果じゃないのかなと私は思うんですね。交通渋滞ばかりか、例えば歩車道分離、多摩の方に行ったって、歩車道が分離されていないところはいっぱいある。都内でもあるかなと。
 つまり、そういう公園の管理とか整備みたいのが、住民生活に密着したところへの予算措置とか目線、事業の重点化、こういうところが軽視されてきたものであって、デメリットではなくて、そういうところが軽く扱われてきているということではないのかと思うんですが、その点については私はそう思います。それはここだけ指摘しておきますね。済みません。
 そこで、五ページ目に基礎的自治体の区域再編について言及しているんですね。この五ページ目の区域再編のところで、これが都の規定の方針として示されていると。いわゆるこの懇談会が出していることがイコール都の既定の方針として示されていると認識していいのか。この点についてまず質問させていただきたいと思います。

○川澄自治制度改革推進担当部長 今回の議論のまとめは懇談会の委員の議論の概要を取りまとめたものでございまして、都としての考え方をお示ししたものではございません。

○古館委員 なぜ私がこのことを質問したかといいますと、五ページ目の事例で何が書いてあるかというと、基礎的自治体は以下の性質を有する事務を処理すべきであると。それで、近接性、住民生活や地域に密着した事務、例えば子育て推進とか、そういうようなことが書かれて、次に書かれているのが利便性、住民生活の利便に資する事務と。例えば各種届け出とか登録事務だとかね。書いてあるのは一ページの半分だけなんですよね。基礎的自治体が、性質を有する事務を処理すべきだというふうにいっている。
 こういうこの認識という部分でいうと、ちょっとこの懇談会の先生方は、本当の意味で区市町村の果たしている役割というのを認識しているんだろうかということを素朴に感じました。
 例えば板橋区の場合、大きなくくりでいいますと、大体七百ぐらいの事業をやっているわけですよ。それから、うち委任事務というのは百二十事業ぐらいですね。東京都から委任されてきたり、国から委任されてきたり。つまり、圧倒的に多くの事務というのをやっているんだけど、そこの部分がたった半ページしかないというところ、あとは全部、大都市事務は何をやるのかという、これがすごい重点が置かれていくというところにこの懇談会の意図というか、そういうことを感じざるを得なかったんですが、この事例として近接性、利便性ということで示されているんですが、今私がいってしまったので質問はしません。答えをいっちゃっているから、七百事業ぐらいあるよと。
 ただいいたかったのは、こういう簡単な問題でくくられるというところに、これを読んだら本当に基礎的自治体の人たちはどう思うだろうかということを私はここでいいたかったんですよ。それで、私は、区市町村こそ住民自治にかかわる第一義的な役割を担っているし、都による税財源の十分な保障こそが不可欠だということを強く指摘しておきたい。
 そこで九ページ目なんですけれども、ここで大都市経営の意義という問題が書かれています。ここで大都市経営という形でいわれているんですね。実は七〇年代の、正確にいうと一九七七年なんですけれども、都市経営論というのがもてはやされました。そことの関連性や相違点があるんでしょうか。相違点があるとしたら、どういうところが相違点なんでしょうか。

○川澄自治制度改革推進担当部長 現在、我が国は少子高齢化、人口減少が急速に進み、また、経済活動のグローバル化や、東アジアの発展による熾烈な国際間競争に巻き込まれております。
 今回懇談会が提言している大都市経営は、このような社会経済状況の変化を踏まえた上で、大都市の果たすべき役割を明確に位置づけた地方自治制度を構築するに当たって、大都市がそのポテンシャルを最大限に発揮し、その地域の行政課題を総合的、一体的に解決するための大都市経営が必要であると、そういった結論に至ったものでございます。

○古館委員 私も改めてちょっと勉強させてもらったんだけど、自治体の中で経営論と考えたのは結構古いんですよね。
 一九七七年ですから、ちょうど三十年ほど前だと思いますが、既に都市経営論という名の行政改革がいわれました。このときは都市行財政研究委員会を設置して、そこの財団法人の日本都市センターが行ったところで、この都市経営論というのが出されました。委員長は、ご存じのとおり、都知事になった鈴木俊一さんでありました。
 当時は非常に財政危機だったんですよね。そういう中でどういう行政、自治体として仕事をしていくのかということがかなり大きなテーマだったんですね。そこで強調されていたのは、第一に、事業における原価主義。第二に、それに関連して行政の守備範囲を、民間でできるものは民間で。第三が、全体として減量経営を進めるために、ゼロベース予算、スクラップ・アンド・ビルド、こういう手法の提起と。四つ目に、自治体職員の給与について抑制すべきだと。五つ目に、職員の意識改革、成績主義の導入、職務給制度の導入、職員の能力開発。第六、受益と負担の問題と。
 こういうふうに考えていきますと、そこから三十年ぐらいたっているんですが、よくも懲りずにこういうふうにやってきているなということを--よく知事は、私ども日本共産党がいうと、またまたということをいうんですが、またまたこういうことが出てきていると。そろそろこれは都民の方に目線を変えた方がいいのではないかなということを思いつつ、引き続きこれは懇談会のまとめという形で、今後この問題は具体的にやられていくんだというふうに思っておりますので、これは引き続き注目をしていきたいと思っております。
 次に、重点事業について何点か質問させていただきたいと思います。
 平成十九年度の重点事業についてですけれども、今回の重点事業は、知事が常々自認をしていますトップダウンの方針が極めて色濃く反映された内容になっているというふうに理解をしています。オリンピック開催のための経費だけではなくて、オリンピック関連事業への大きな財政投入、さらには、我が党のみならずマスコミも取り上げているワンダーサイト事業への大きな予算措置。これは美術館を初めとする他の文化施設の予算が大幅に減らされていく中で大盤振る舞いです。これらが重点事業の予算を膨らませていることをまず指摘をしておきたいと思います。
 そこで聞きますけれども、重点事業でいつも気になっているんですが、重点事業には後年度負担というのがなかなか書かれていないんですよね。ことしはこうですよといって予算だけは書かれるんだけれども、後年度負担のことが気になります。この全体像が明確にされることが、私は大変事業評価では大事だと思っております。〇七年度重点事業のそれぞれの後年度負担をどれぐらい見込んでいるんでしょうか。

○角南調整担当部長 重点事業は都市基盤整備、また景観誘導、人材育成、就労支援など、さまざまな事業があること、また、その事業が軌道に乗った段階で一般事業に移行させる場合もあることなどから、後年度負担を積み上げることは行っておりません。重点事業に限らず、事業を実施していく上で、後年度負担への配慮は当然のことでございます。
 ただ、重点事業を選定するに当たりましては、負担の問題はもちろんですが、それも含めて、事業を実施することによる経済的な効果、波及効果も含めた、経済効果も考慮した上で総合的に検討し、真に必要な事業を厳選して重点事業としてまとめたものでございます。

○古館委員 やっぱり後年度負担というのを当然考えながら重点事業にしても考えていくと。それがやらなくてもいいというのは、私は今の税収が非常に多いからだというのが裏返しであるんじゃないのかなという気がしているんですね。お金がないときに重点事業、やれやりますよといったって、できっこないんですよ。だから、そういうような状況の中で、やっぱり後年度負担というのがどれくらいかかりますよということを検討すると。また、そこのところに考慮した上でやるということが大事だと思うんですね。
 そこで、重点事業について、今後、芽出しだけじゃなくて、後年度負担も乗せていただきたい。例えば品川線なんていうのはこれから四千億ぐらいかかっていくわけですよね。そういう道路事業にしたって一兆何がしとかかるような、例えば東京外郭環状道路なんかはそれぐらいかかっていくわけですから、そういうものが今度の中にありまして、これだけのものが今年度の予算措置ですと。こういうふうに後年度負担も乗せていただきたいと思いますが、その見解を伺いたいと思います。

○角南調整担当部長 繰り返しになりますが、重点事業は都市基盤整備のほかにも、景観誘導、人材育成、就労支援など、さまざまな事業がございます。また、その一般事業に移行される場合もあるといったことから、後年度負担を積み上げることは行っておりません。したがいまして、重点事業の後年度負担はお示しできないということでございます。
 なお、平成十八年度より事業の三カ年の展開をアクションプランとして示した上で、毎年度検証して改定することで、事業は着実に推進を図っていくという仕組みは導入してございます。

○古館委員 我々の試算でも、オリンピックなんかで八兆円を超えるような投資が予定されるというような形で、一生懸命こっちの方が研究しないと出てこないという部分でいうと、やっぱり東京都としてはきちんとこうした後年度負担についても明確にしていくということを強く求めておきたいと思います。
 それで、オリンピックを視野に入れた事業についてですが、今後、重点事業としてさらに事業件数がふえていくことはあるんでしょうか。今これは三カ年のアクションプランという形の答弁があったので、まずオリンピックを視野に入れた事業について、今後重点事業としてはふえていくのかということについてお答えいただきたいと思います。

○角南調整担当部長 重要施策及び重点事業は、都政の課題に局横断的、総合的に取り組むとともに、翌年度の予算編成を先導する重要な位置づけを担っております。
 東京は本年八月にオリンピック国内立候補都市として選定されましたが、これに先立ち、オリンピック基本方針の中で東京の自己変革をさらに進めるとともに、そのための都市戦略を明らかにすることといたしました。したがって、平成十九年度重点事業は、この都市戦略のキックオフとしての位置づけもございまして、さまざまな分野で取り組みを始めるものでございました。そういう観点から、多方面にわたってオリンピックに向けた地位を位置づけ、選定しております。このため、今後も多面的に事業を取り上げていく中で、既存事業を拡充していくものもあれば、新たに選定していくものもあると考えております。

○古館委員 それで、今回の重点事業の中に今、指摘した関連投資の費用だけじゃなくて、オリンピック招致の推進ということで、十九年度事業費で十五億円が予定されていますけれども、こうしたいわゆるオリンピック招致の推進と、こういう事業、あるいは招致に伴って別の事業などを、今回は十五億円で、恐らくこれ、今年度限りじゃないというふうに私は感じているので、今後もこの事業費として出てくるのかどうか。
 また、この範疇に組み入れる事業の内容についてはどのようなことが想定されているのか、お答えいただきたいと思います。

○角南調整担当部長 重点事業、オリンピック招致の推進につきましては、東京への二〇一六年のオリンピック招致を目指し、官民一体の招致活動を推進するということとともに、東京大マラソン祭りや東京国体をオリンピックに向けたスポーツイベントとして成功させるといったことを事業内容としております。
 また、招致機運を盛り上げていくため、地域スポーツクラブの設立促進や、競技力の向上など、スポーツの振興を積極的に推進するといったことにも取り組んでいくものでございます。このため、今後も継続的に取り組むべき事業であると認識しております。

○古館委員 オリンピックを招致するそのものについても、かなり今後もお金が投入されていくということなんですね。
 私はそういう問題でなぜいったかというと、都民生活関連が余りにも事業そのものも少ないし予算も少ない。福祉や健康、教育など、例えば少人数学級、三十人学級、全国の自治体、どこでもやっているんだけれども、これがいまだに出てこないとか。こういうものは真っ先に重点事業として掲げるということを強く私は求めておきたいと思います。
 同時に、私は、知事本局が行うものとして、これは私なりの提案なんで余りいわないで聞いておいていただきたいと思うんですけれども……(発言する者あり)いや、そうじゃなくて、また後ほどこれは質問しますけどね。
 それで、私は、知事本局が行うこの重点事業という形でいえば、イギリスのロンドンプランだとか、スペインのバルセロナモデルだとか、あるいはアメリカのスマートグロースなど、既に相当以前から持続可能な都市ということを明確に意識しながら都市づくりを行ってきている。こういうことは世界の流れです。東京のように、何でもかんでも大型開発ありきなんていうのは、はっきりいって、世界の先進の中からいうと、おくれた状況にあるというふうに私は判断しています。したがって、こういう問題も調査もし、研究もする必要がある、このことを要求しておきたいというふうに思います。
 今後、そうしたことも、知事本局だからこそ--例えばアメリカのスマートグロースというのはもう何十年も前からやってきて、それから、先ほどいったイギリスのロンドンプランなんていうのは、高層ビル論争という形で、高層ビルなんていうのは今はほとんどつくらない、こういう形になっているわけですよね。もちろんつくるという部分があるところは限定しているわけです。そういうふうなことだとか、バルセロナモデルというのは、公共がまず空地だとか公園などのだれもが集まれるような場所を優先して設置していく。そのことによって町並み自体がだんだんだんだん変わっていっているというのがこのバルセロナモデル。
 だから、私が何をいいたいかといったら、知事本局というところで、そういうものを含めて、我々議会に対してもそういうことの研究みたいなのもぜひ報告していただいて、お互いに切磋琢磨をしていきたい。
 西が丘の産業技術研究所についてもいおうと思ったけれども、これはきっちり今後も運動として残させていくということを述べて、質問を終わります。

○大津委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十分休憩

   午後三時一分開議

○大津委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続けます。
 ご発言をお願いいたします。

○後藤委員 私からは、知事本局の方から渡されましたカラーのペーパーに基づいて幾つか聞きたいと思うんですが、このカラーのページの右側ですけれども、右側の下のところに、太字はオリンピックに向けた事業というふうに書いてあるんですけれども、例えば、二十二番目にあります快適な生活環境を生み出す水の活用というのがこれが何の、例えばオリンピックに向けた事業なのか、まずご説明していただけますか。

○角南調整担当部長 都はこれまでも、都民の快適な生活環境を確保するため、安全でおいしい水の供給などに取り組んでまいりました。オリンピックの招致に向けては、東京が世界に誇れる優位性をアピールしていくことが重要でありまして、蛇口から出る水道水を直接飲むことができる、世界でもまれな東京の水道システムと品質の高さ、下水の高度処理など、水資源を有効活用する先進的な技術というものを世界に発信いたしまして、アジア諸国を初めとした都市問題の解決に貢献していこうと、こういう観点から選んでおります。

○後藤委員 これは逆さまにいいますと、どちらかといえば、東京の水は、汚いといっては語弊がありますけれど、汚れた水からいかにきれいな水をつくるかということの、反対のアピールをしていることと同じことになると思うのですけれど、いかがでしょうか。

○角南調整担当部長 別に、汚い水を宣伝しようというわけではございません。とにかく、東京におきましては、世界もろもろのところで水道からの水を安心して飲めないというところが多々ある中で、東京は蛇口から水が飲めるといったことが、優位性があるということでございます。

○後藤委員 次に番号が15なんですけど、震災対策ということで、外出者対策、エレベーターの閉じこめ対策、堤防の耐震強化ということで、こちらの重点事業の方にも細かくうたってあるのですけれども、例えば震災対策ですよね。震災対策というのは、これはオリンピックとどうやって結びつけていくのですか。

○角南調整担当部長 震災対策というのは、都民の安全を守る上で重要な事業でございまして、都もこれまで取り組みを進めてきたものでございます。オリンピックの国際的な招致レースを勝ち抜いていくためには、災害面などで、安全性を強化して、都市としての信用力を高めていく必要があると、こうしたことから、地震国である、日本特有な課題でもある震災対策の強化というものが、オリンピック招致のためにも重要なものだというふうに考えてございます。

○後藤委員 ここまでオリンピックに向けた事業というふうにいっていらっしゃるということは、知事本局のお考えでいいんですけど、例えばオリンピックを開催するに当たってメリットとデメリットというのがあると思うんですよ。例えばオリンピックに対するメリットはどのようなものがあって、デメリットはどんなことを考えてらっしゃってという認識のもとに、ここでオリンピックに向けた事業とまでうたわれているわけですから、少なくともメリットとデメリットくらいは考えていらっしゃると思うのですけれど、できたらそこのところを教えていただけますか。

○角南調整担当部長 今のメリット、デメリットというお話がございました。先ほど答弁申し上げましたが、日本というのが地震国であって、これが日本の弱点と、オリンピック招致に当たって弱点ともなりかねないということで、震災対策をしっかりやっていくということが重要だと考えております。デメリットというのは、別に特にないと考えてございます。

○後藤委員 私の聞き方が悪かったと思うんですけれど、例えば、この震災対策だとか水だけではなくて、オリンピックを開催すること、招致することによって、例えばメリット、お客さんがいっぱい来る、インフラが整備されるだとかというのはメリットといわれるのかもわかりませんけど、例えばデメリットというのは何か考えられているものがあるのかなと思って。

○角南調整担当部長 オリンピックを招致することにおけるデメリットというのは、特に考えてございません。

○後藤委員 ここでですね、今まで僕が聞いていた理由っていうんですけど、例えばオリンピックに関係するといったら、何だって関係させていくことができると思うんですよ、これからでも。これは本当にオリンピックの招致に関係しているものですよ、ということがわかるものだったらいいと思うんですけれども、何でもかんでもオリンピックに関係するものだというふうに持っていくこと自体が、例えば知事本局がオリンピックに向けた事業ということで、ここのところ、この表には黄色い星印をつけているわけですけれども、知事本局というのは、行政的な立場でやるわけですよね。これを見ていますと、私はパン屋をやっているわけですけれども、ただの広告、例えば企画屋さんが、これをやったらば売れるじゃないか、何かくっつければいいじゃないかというふうにやっているとしか、ちょっと僕思えないようになってきたんで、ここのところはちょっと心配になって聞いているわけですけれども、例えば五番目にあります、美しく風格ある景観の形成というふうなことで書かれています。こちらの冊子の中を見ますと、確かにきれいなところはいっぱい出てきます。ただし、ここでやられていることは、行政なわけですから、例えば、裏通りはどうなのというふうになったときに、確かに外国からお客さんがいらっしゃいます。私も海外には何度か行ってるんですけれども、本当の表通りのきれいなところだけ見て、この国はいい国だって思うところなんて余りないわけですよ。外国からの観光客の方が来られたときには、本当の日本はどうなっているのか、例えば裏通りにある赤ちょうちん、飲み屋さんですとか、おそば屋さんですとか、裏通りだとしても、こういうふうなところまで外国の方たちが入ってくるわけですよ。
 この国は、日本の国はいい国だとか、ここのところはおかしいだとか、ここのところは私の国の方がまさっているだとか、まねしようとか、いろいろな考え--観光というのは、ただ単に、例えば、ヨーロッパの町並みをまねしただけのことが観光ではなくて、東南アジアに観光旅行に行って戻ってきますと、これは皆さんはどうかわかりませんけれども、私が考えるのは、ああ、私も東南アジアの一員なんだな、例えばアジアの一員なんだなと思うわけですよ。確かに町並みをきれいにして、ここにもあります、美しく風格ある景観の形成ということで、これもオリンピックに向けた事業となっていますけれども、ただの企画屋さんではないわけですから、裏通りというのは何かといえば、税金を納めている住民の方たち、都民の方たちに対してやるべきじゃないですか。
 この美しく風格ある景観の形成というのは新規事業になっているわけですよ。新規事業でオリンピックに向けた事業、これに関しては、知事の方からの意向なのかもわかりませんし、何が何でもオリンピック、オリンピックというんですけれども、例えばオリンピックが重要なのか。例えばオリンピックを、ここにキックオフと書いてありますよね。十九年度事業は、この都市戦略のキックオフとして位置づけるというふうに書いてあるわけで、キックオフのボールはオリンピックなのか、ここのところが、僕よくわからなくなってきたんですよ。例えば都市戦略のためのキックオフなのか。オリンピック、オリンピック、オリンピックとお祭りやって、確かにお祭りをやれば、喜びますし、楽しいこともいっぱいありますけれど、お金いっぱいかかるわけですよ。ここいらのところ、例えば、鶏が先なのか、卵が先なのかということになるのかなと思うんですけど、この辺どう考えられますか。

○角南調整担当部長 もとより重点事業は、都民生活の向上のために実施すると、すべきものであるということはいうまでもございません。今回の重点事業は、都がオリンピックをてこに東京の自己変革をさらに進めるとともに、そのための都市戦略を明らかにするといったことを示したことを受けまして、この都市戦略のキックオフとしての位置づけもございまして、さまざまな分野での取り組みを始めるとしたものでございます。そういった観点から、多方面にわたって、オリンピックに向けた事業も位置づけ、選定してございます。
 先ほどちょっとお話のございました景観の話でございますが、良好な景観の形成は、都民の日常生活には豊かさと潤いを与えるとともに、首都東京の魅力を高めることによって観光振興を図るといった上でも重要な施策であって、積極的に取り組むべきものと考えております。しかしながら、オリンピック開催の際には、より多くの外国からの来訪者が東京を訪れることとなり、こうした人々を温かくもてなすことが必要であろうと。このため、十年後を見据えて、世界に誇れる美しい町並みや風格のある景観を有する都市としていくことが重要であり、ここはオリンピック関連の施策として位置づけているところでございます。

○後藤委員 私はこの間ですけれども、長野のオリンピック招致に関しても、田中康夫さんから頼まれたというよりも、委嘱されまして、長野のオリンピックの招致に関していろいろ調べさせていただいたんですけど、この中で、IOCの委員というのは、例えば、外観ばっかり見てるわけではなくて、結構いろいろなところを見ますよ。これは苦言を呈すると思っていただければいいんですけれども、余りにも知事本局の考え方というのが、安受け合いというのか、受けをねらうようなことばかりやられているというふうに今回はちょっと思ってしまいますので、ここいらはできれば気をつけてやらないと、例えば、都民の観点ということをもっと表に出すことによって、オリンピックの招致に持っていくというのだったらわかるけれども、ただ単にオリンピック招致ありきでこういうふうな十九年度の重点事業を決めるというのは、できたらばもうちょっと考えていただきたいなというふうに要望します。

○宇田川委員 私からは、さきに発表されましたこの東京自治制度懇談会の議論のまとめにつきまして、内容の確認という意味も含めて、何点かお尋ねをさせていただきます。
 自治制度改革について、これまで都議会においては、行財政改革基本問題特別委員会で活発なる議論を重ねてきたところです。また、地方が自主的、自立的な行財政運営を行い、より住民の皆さんの身近な意向に沿った形での施策を行うことができるように、真の地方分権改革を実現しなければならないといった趣旨の意見書を数回にわたって国に対して使送し、強く要請をしてきたところです。にもかかわらず、国のいわゆる三位一体改革では、三兆円の上限移譲が実現したものの、国と地方の役割分担の抜本的見直しについては、本質的な議論がなされていないままでありまして、改革はまだまだ不十分であるといわざるを得ないと思っております。国における改革が進まずにきたのはどうしてなのか、都の認識をまずお伺いいたします。

○川澄自治制度改革推進担当部長 これまでの国のいわゆる三位一体改革ですが、中央省庁が既得権益や地方に対する影響力を維持しようとして、例えば、義務教育国庫負担金や児童扶養手当などの国の負担率の切り下げが行われたところでございます。その分地方に税源移譲が行われましたが、これらは義務的な支出であることから、地方の裁量は何ら拡大することなく、単なる地方への負担の押しつけにとどまっており、このように、本来なされるべき国と地方の役割分担の明確化などの本質的な議論が行われなかったことが最大の要因であると考えております。また、地方の意見を制度の改正に反映させる、実効性ある仕組みがなかったことも改革が進展しなかった理由の一つであると認識しております。

○宇田川委員 国会では、このたび地方分権改革推進法が成立いたしまして、新たな分権改革への第一歩として私も大いに期待をしているところです。しかしながら、改革の推進体制だけが幾ら整備されたからといっても、中身の議論がしっかりなされなくては何の意味もないことであります。年明けには、新法によって、地方分権改革推進委員会が設置をされ、今後三年間で、さまざまな議論がなされていくこととは思いますが、国と地方との役割分担の本質的な議論がこの場でしっかりとなされ、改革を進めるためにも、都としての主張をはっきりと物申すべきであると考えております。今回の東京自治制度懇談会議論のまとめにおいては、国と地方との役割分担について、どんなスタンスで整理していくべきと考えているのかを伺いたいと思います。

○川澄自治制度改革推進担当部長 議論のまとめでは、真の地方自治を確立するためには、国と地方が事業について負うべき責任を明確にすべきとして、国と地方の役割分担を抜本的に見直す必要があるとしております。国が担うべき役割につきましては、外交、防衛、司法などに限定して、国家としての責任を全うすべきであり、地方に対する国の過剰な関与は、廃止、縮小していかなければならないとしております。あわせて、現在国が行っている事業でございましても、それぞれの地域の実態を踏まえる必要があるものにつきましては、住民が受益と負担についての選択を行うことによって、より創意と工夫を生かした行政サービスが提供されることになるとの認識に基づいて、地方の役割とすべきとしております。

○宇田川委員 地方自治法の理念におきまして、国家存立にかかわる分野ですとか、全国的に統一して行うことが望ましい施策などの実施については、国が重点的に担うものとしておりまして、身近な行政はできる限り地方へゆだねるべきだとなっております。しかし、実際には、国が個別の法律や要綱基準などを設けて、さまざまな形で地方の自主的な事業執行に介入をしておりまして、地方の裁量が束縛されてきたのが現実であります。
 今のご答弁では、真の地方自治を確立するためには、国と地方が事業について負うべき責任を明確にしなければならないということでありました。しかしこれまでは、事業に対する責任の所在があいまいだったために、法定受託事務だけでなく、本来地方が、地方の責任で行われるべき自治事務においても、国の関与の余地があったわけであります。今回のこの議論のまとめでは、事業における行政が負うべき責任をどのように考えているのかをお尋ねいたします。

○川澄自治制度改革推進担当部長 行政が行う事業は一般的に、制度責任、財政責任、執行責任の三つの責任に区分が可能であるとして、行政がこの三つの責任を同時に負うことで、制度の改善や効率的な事業執行が可能となることから、事業についてのこれらのすべての責任は、原則として同一の主体が負うべきであるとしております。現行制度においては、一連の事業でありながら法律等において、国、都道府県、市町村のそれぞれの果たすべき役割を詳細に定めているなど、地方の事業に対する国のさまざまな関与があることにより、三つの責任について必ずしも同一の主体が負っていないことから、道路、港湾の社会資本整備重点計画に基づく事業でありますとか、社会福祉分野における就業紹介の事業など、事業に重複やむだ、非効率が生じております。こうしたむだなどを排除して、効率的な事業執行の仕組みを構築することが必要であるとしております。

○宇田川委員 今のご答弁の中に、三つの責任を負うというものがございましたが、今後の三つの責任に基づいた中で、国と地方それぞれの役割分担について、東京都としては具体的にどう位置づけ、整理していくのか、ご所見を伺います。

○川澄自治制度改革推進担当部長 これまで国と地方が負う責任は、国家存立にかかわるとか、住民に身近なという抽象的な概念によってしか検討されてきませんでした。今回整理した三つの責任を個別の事業に当てはめることによって、国と地方のどちらに責任があるかを分類するための有効な基準になると考えております。今回の議論のまとめを受けて、今後東京発自治論を作成してまいりますが、その中で、現在国が定めた統一基準に基づいて実施されている事業について、制度責任、財政責任、執行責任に着目して分類し、分権型社会において、地方が担うべき事業を検討してまいります。

○宇田川委員 先ほども申し上げたのですが、責任の所在があいまいだったと、そのために本来地方が地域実情に即した形で基準を設定して担うべきところを、全国一律の基準に縛られてしまっている事業もあると思います。その一方で、全国的な統一基準が引き続き必要な事業、例えば、近年問題になってます建築物の耐震基準などの事業もあろうかと思います。今お話しがあった三つの責任という新たなる切り口で、国と地方がそれぞれ負うべき責任を明確にし、役割分担を定め、地方が担う部分には、財政責任をも担えるような必要な財源をきちんと移譲することによって、財政的にも自立した形で、事業を執行できるようにすべきだと、あえて申し上げておきたいと思います。
 次に、大都市経営についてお尋ねをいたします。
 少子高齢化や、人口減少が社会問題として進んできております。また、中国を筆頭に、アジア各国における発展も急加速している現状です。こうした背景がある今日、我が国の国際的な競争力が相対的に低下している、そうした懸念はぬぐえないところであります。このような状況下においては、大都市が、日本をしっかりと牽引していく必要があるとも思っているところです。しかし現在、東京ひとり勝ち論などの大変うがった見方が大半を占めて、大都市の財源を地方に回そうという議論が横行しているのも事実であります。大都市の活力を生かして、豊かな社会を実現しようという発想は残念ながら出てきておりません。都市の時代にあって、大都市の活力を最大限発揮できるように、例えば、投資効果の高い都市部に集中投資を行っていくなどのめりはりをつけた戦略も一考ではないでしょうか。こうした仕組みについて、この議論のまとめの中でのご見解を伺いたいと思います。

○川澄自治制度改革推進担当部長 人や企業が高度に集積することによって富を生み出しているのが大都市の特徴でございます。議論のまとめでは、委員ご指摘のとおり、大都市がそのポテンシャルを十分に発揮することが、日本の豊かな経済力の源泉になるという認識のもと、総合的かつ一体的な大都市経営の必要性を述べております。
 しかし、現行の地方自治法では、大都市の定義は人口要件しか示されていないため、合併などにより、人口をふやして大都市となる傾向も見られております。議論のまとめでは、大都市は単に人口規模だけではなく、企業の集積や市街地の連檐性などによりとらえる必要があるという考え方から、昼間人口割合、昼夜間人口密度、DID、商業地の地下道の指標、また、地目別都市構成比、歳出構成比、税収等によって、大都市の特性を分析し、独自に範囲を設定しております。その結果、大都市経営が必要な範囲といたしまして、昼夜間人口や企業の集積が高く、市街地が連檐している高度集積連檐区域であり、東京圏におきましては、二十三区及び一部周辺市であるとしております。
 また、大都市経営の主体につきましては、大阪、札幌も含めて、都市の現状を分析し、最も効率的、効果的な大都市経営を行うという視点から、大都市経営の主体を決定すべきであるという考え方も示しております。このように、大都市が果たすべき役割に着目して、実証的に分析した上で、大都市経営の意義等を自治制度に明確に位置づける必要があるとしております。

○宇田川委員 大都市、とりわけ東京ですけれども、人なり企業なりが集中しております。このことに対して、東京一極集中を否とする議論があるわけですが、これは明らかに経済原則を無視したものだといわざるを得ない、私はそう思っているところです。大都市が、集積のメリットを生かしつつも、集積に伴う弊害を解消すべきであると、そうした見解は全くもって、これまでの都が主張してきたことでありまして、私も大いに賛同しているところです。国際社会においてきちんと確立をして、世界に向けてはっきり主張できる日本を築くためにも、今までと同じベクトルで積極的に取り組んでほしいと願っております。
 さて、今、大都市のポテンシャルを最大限に発揮させるためには、まさに大都市経営を総合的に行う必要があるというご答弁があったわけですが、その経営というものについて、具体的にはどのように行っていくのかを伺います。

○川澄自治制度改革推進担当部長 大都市経営でございますが、大都市の集積のメリットを効果的に発揮させる事務としまして、都市づくりビジョンの策定、美しい都市景観の整備、魅力ある都市文化の振興のほかに、都市の魅力の積極的な発信、国際会議、国際大会の誘致などが考えられるとの議論がございました。また、集積のデメリットとしての外部不経済を解消する事務といたしまして、交通渋滞を解消するための道路整備や連続立体交差、住民の生命、財産を守るための都市型犯罪への対応のほかに、災害対策の強化などを行っていく必要があるとの意見がございました。

○宇田川委員 今現在、地方分権が進んできているんですが、その中で、地方がみずからの権限や財源を確保しまして、そして責任を負って自主的、自立的な行財政運営を行っていくことが肝要だと考えます。大都市経営を行うに当たって、その財政的裏づけですとか、住民の皆さんの意向を反映させることが必要であると考えているんですが、その点についてはいかがでしょうか。

○川澄自治制度改革推進担当部長 まず、国と地方の役割分担を明確化し、地方に対する国の関与を廃止、縮小することを通して国庫補助負担金を縮小することとあわせまして、国から地方への税源移譲を進めることが必要であるとしております。また、この考え方を原則とし、さらに大都市経営を行うに当たっては、その事務に見合った財源の確保や税負担を含め、大都市の活動を支えている企業や昼間住民を合わせた人々が大都市経営に参画する新たな地域自治の仕組みなど、大都市経営の実効性を担保するための制度が必要であるとしております。

○宇田川委員 地方分権改革を地方の自主的、自立的--先ほどからこの言葉を使わしていただいているんですが、そうした行財政運営を可能ならしめる真の改革とするため、地方からの声を強く発信して、国へ正面から物申すべきときが来ておると思います。しかし、本年七月の全国知事会議等では、多くの知事から改革疲れといいますか、そうした発言があったことは残念でならないと思っております。国の財政に頼らざるを得ない現実を打破することなく、さまざまな拘束を受け続ける現行の体制を今後とも続けていくのか、多少の痛みを伴ってでも、改革を推進し、制度的にも、もちろん財政的にも自立した存在を目指していくのか決断すべきときが来ているわけでございます。都は、地方自治体の自立をきちんと確立するべきという立場から、真の地方自治のあり方をしっかりと発信していく、まさに東京発の自治論を展開していただきたいことを強く要望しておきます。
 以上です。

○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で知事本局関係を終わります。

○大津委員長 これより東京オリンピック招致本部関係に入ります。
 報告事項、東京大マラソン祭りについてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 ご発言をお願いします。

○伊藤委員 東京大マラソンについて質疑をさせていただきたいというふうに思います。わずかに三問だけですので、おつき合いいただければと思います。
 この東京マラソンは、当然オリンピックに向けてのPRという側面もあるというふうに当初から伺っているわけでありまして、知事はかねてより、この東京オリンピックの招致に関しては、いわゆる成熟した都市というものを世界に発信していきたいんだということを再三、発言されているかと思います。成熟した都市の中には、景観の問題、これも知事も発言されてますが、電柱の地中化など景観の問題もあると思いますけれども、もう一方でいわゆる今、アジアを中心として発展途上国の目覚ましい開発が進む中で、いわゆるエコに対する関心というものも高まっていますし、また、先進都市らしい、このエコのあり方というものをそうした発展途上国の国々に向けても先進事例として発信をするべき立場に東京はあるんだろうというふうに思っております。
 そこで、東京大マラソンなんですけども、幾つかのイベントがさまざまな会場で行われるということを伺っておりまして、当然多くのごみなどが発生をするかと思います。最近、イベント会場ごとにブースを設けて、ごみの整理など取り組んでいるところがあるかと思いますけれども、成熟した都市らしいごみの分別と、再生利用可能なものを使って、できる限り、例えばコップであったり、あるいはおはしであったり、お皿であったりというものが活用される姿というものを世界に発信をされ、これがオリンピックにもつながっていけばよろしいんではないかなと思いますけれども、この東京大マラソン祭りの実施に当たって、ごみ問題、十分に配慮されていると思いますけれども、改めてそのご所見を伺いたいと思います。

○真田東京マラソン事業担当部長 東京大マラソン祭りでは、日比谷公園、芝公園、有明フィニッシュ会場において、屋台村など簡単な飲食ができるコーナーを設けることなどから、ごみの発生は避けられません。その際ご指摘のとおり、オリンピックを視野に入れ環境に最大限配慮した大会運営という観点から、東京大マラソン祭りにおいても、イベント会場におけるごみの持ち帰りにご協力をお願いするほか、ごみの分別収集の徹底、再生紙を用いた紙皿や、間伐材を用いたスプーンの利用などにより、ごみの減量、再利用に努めていきます。またイベント展開時には、都民ボランティアによる会場内のごみの収集、マナーアップキャンペーン等を実施する予定であり、こうした普及啓発活動もあわせて、全体として環境に配慮した大会運営を実施していきたいと考えております。

○伊藤委員 ぜひ、ボランティアの方々にもご協力をいただいてお願いできればと思いますが、地元に、自由が丘の女神まつりというのがありまして、これは自由が丘周辺を使って、また飲食なんかもやるんですけれども、そこにエコスタッフというボランティアの方々が参加されてブースをつくるんですね。そこに、ブースの中に、私もちょっとお手伝いしたことがあるんですけど、スタッフがいて、ごみはあくまでその方々に捨ててもらうんですけれども、捨て方を、こっちに捨ててください、あっちに捨ててください。これは、ボランティアの方が全部預かっちゃってごみの仕分けをしてあげると、ある意味で、ごみ自体は仕分けされるかもしれませんですけれど、意識改革にならないものですから、ぜひあくまで自分で捨ててもらう。捨てる理由がわかるように、パネルなんかを展示したりなんていうこともやっていましたんで、そんなことも少し念頭に置いていただけたらなというふうに思います。
 それから、これは今度大会運営の中で、参加者の方が、今、少し不安に思われている点について少しお話をさせていただきたいと思うんですけれども、東京マラソンの場合、ほかのマラソン会場と違う一つの特徴として、都庁から出発をされて有明までということでスタート地点とゴール地点がかなり距離があるということでありますので、参加者にとっては自分の荷物が、果たして、都庁から有明にどういう形で運ばれるのかと。あるいは運んでもらえるのかということも、まだ現状、一般の参加者の方はご存じでないということも伺ったものですから、このランナーの荷物についてどのような移動がなされるのか、お答えいただければと思っております。

○遠藤参事 ランナーの荷物でございますけれども、ランナー個人の荷物につきましては組織委員会がフィニッシュ会場まで運ぶ予定となっております。具体的に申しますと、事前にランナーに配布いたしましたゼッケンナンバーを記した袋に荷物を入れまして、その袋をスタート地点で預けていただき、それを組織委員会がトラックで運搬した後に、日比谷公園あるいは東京ビッグサイトのフィニッシュ会場で本人に返却することとなります。

○伊藤委員 そうやって運んでいただけることは大変ありがたいことだと思います。ただ三万人だったでしょうか、参加者がいらっしゃいますので、この管理というのはどこかに委託をされるんだと思いますけれども、大変慎重であり、また事故のないようにぜひお願いをしたいというふうに思うんですけれども、そもそもこの運んでもらえるということ自体、一般の参加者の方で、当選通知は来たけれども、そういったことについてはいつの段階でまた教えてもらえるのかさえもまだわからないという方が多いわけでございまして、その辺の大会運営にかかわるPRというものを今後充実をされて、現状、例えばホームページなどおありだと思いますので、こういうところで少なくても荷物についてとかということが掲載されていれば参加者の方もわかりやすいんではないかなというので、この点についてお考えをお聞かせください。

○遠藤参事 大会運営に関する詳細につきましては、個々のランナーにつきましては一月中旬ごろに郵送によりさまざまなアナウンスをしたいというふうに考えておりますが、東京マラソンは、初心者を含みます多様なランナーが参加をする大会でございます。ご指摘ありましたように、ランナーの不安を少しでも解消するために、ただいまご質問のありました、荷物の運搬を含む大会運営情報など早めにホームページに掲載するなどして、不安を解消する方向につきまして、組織委員会と十分に協議をしてまいりたいと思います。

○伊藤委員 ぜひそうしていただいて、細かいことですけど、都庁に持ってきたものというのは基本的にランナーの方は全部預ける形になるんだと、小銭さえも入れられないということですので、逆にいったら、大きな金額のものは持ってきてもらわないようにしてもらうということも、今後の事故防止策として必要なことなんじゃないかなというふうに思いますので、そこもちょっとご留意をいただければと。せっかくのマラソンに参加して何かなくなったとか、盗まれたとかいうことが起きると、そういうところだけよくクローズアップされてまた報道されたりしますので、ぜひ、お気をつけをいただけたらなと思います。
 それと、もう一点は要望ですけれども、私も、この東京マラソンに参加をされる方の中で、ほかのマラソン大会にも出たことがある、いわゆるプロではない素人のランナーの方から聞いたんですけれども、一つの楽しみとして、やっぱり自分の走っている姿を後から写真で見たりすると、これ非常に記念になると。ただ、これはだれかにお願いして撮ってもらうというのはなかなか大変な作業でございまして、山中湖のマラソン大会では、折り返し地点のところにすべてのランナーの撮影ができる写真撮影用の機材が設置をされていて、そして後日それが、希望者によって、欲しいと思う人が買えるような仕組みになっているそうでありまして、これ自体特に赤字でやっているということでもないようなので、恐らくスポンサーなんかと連携をしているんだろうと思うんですけれども、一つ記念にもなると思いますし、こういうものがまた出回れば来年、再来年、また出たいという人たちもふえてくるというふうに思いますので、有料化でいいと思うんですが、写真撮影のようなものも今後ぜひ検討していただいて、多くの方に楽しんでいただけるマラソンになるように努めていただければということをお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。

○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京オリンピック招致本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十五分散会

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