総務委員会速記録第十六号

平成十八年十一月三十日(木曜日)
第一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長大津 浩子君
副委員長西岡真一郎君
副委員長倉林 辰雄君
理事鈴木あきまさ君
理事東村 邦浩君
理事古館 和憲君
後藤 雄一君
伊藤 ゆう君
神林  茂君
宇田川聡史君
上野 和彦君
近藤やよい君
遠藤  衛君
田中  良君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本局局長山口 一久君
次長河島  均君
企画調整部長秋山 俊行君
秘書部長長谷川 均君
政策部長升 貴三男君
調整担当部長角南 国隆君
参事瀧本 裕之君
参事小林  清君
参事鈴木 賢二君
国政広域連携・首都調査担当部長吉田 長生君
自治制度改革推進担当部長川澄 俊文君
参事中村 長年君
青少年・治安対策本部本部長舟本  馨君
総合対策部長百合 一郎君
参事小島  昭君
治安対策担当部長八木沼今朝蔵君
参事保坂 俊明君
参事内藤 泰樹君
東京オリンピック招致本部本部長熊野 順祥君
企画部長宮川  昭君
東京マラソン事業担当部長真田 正義君
参事遠藤 雅彦君
総務局局長大原 正行君
危機管理監中村 晶晴君
理事島田幸太郎君
総務部長岳野 尚代君
行政改革推進部長松崎  茂君
行政改革調整担当部長多羅尾光睦君
IT推進室長加島 保路君
首都大学支援部長影山 竹夫君
人事部長中井 敬三君
参事中西  充君
主席監察員齋藤  進君
行政部長前田 信弘君
多摩島しょ振興担当部長松本 栄一君
都区制度改革担当部長森 祐二郎君
参事廣瀬 秀樹君
総合防災部長石野 利幸君
勤労部長野口 宏幸君
法務部長中村 次良君
統計部長金子  優君
人権部長田村 初恵君

本日の会議に付した事件
 東京オリンピック招致本部関係
報告事項(説明)
・東京大マラソン祭りについて
 知事本局関係
報告事項(説明)
・平成十九年度重点事業について
・「東京自治制度懇談会」議論のまとめについて
 青少年・治安対策本部関係
報告事項(説明)
・第二十六期青少年問題協議会答申について
・スムーズ東京21-拡大作戦-(中間のまとめ)について
 総務局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例
・職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・小笠原諸島振興開発計画の変更について
・都区のあり方に関する検討のとりまとめ(平成十八年十一月十四日)について
陳情の審査
(1)一八第六〇号 都の一般業務において無線機器を原則的に使用禁止とすることに関する陳情
(2)一八第八一号 大島・三宅島・八丈島測候所の職員常駐による存続と拡充を求める意見書に関する陳情

○大津委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承をお願いいたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び東京オリンピック招致本部、知事本局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の報告事項の説明聴取並びに総務局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと存じます。ご了承をお願いいたします。
 これより東京オリンピック招致本部関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 谷島招致推進部長は公務出張のため、また梶原計画調整担当参事は所用のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○宮川企画部長 それでは、私から、東京大マラソン祭りにつきましてご報告させていただきます。
 資料といたしまして、第1号、東京大マラソン祭りについて、第2号、東京大マラソン祭り会場別のイベント内容をお配りしてございます。これらの資料によりご説明させていただきます。
 一枚おめくりいただきまして、資料第1号、東京大マラソン祭りについてをごらんください。イベントの時系列的な展開、当日のイベント展開、イベントの配置を記載してございます。
 まず、イベントの時系列的な展開でございます。
 事前イベント、それから大会前日、前々日に開催する直前イベント、そして大会当日に実施いたします当日イベントと、三段階でイベントを実施いたしまして、大会の開催機運を徐々に盛り上げてまいります。
 事前イベントでは、小中学生を対象といたしましたジュニアマラソンフェスタや東京大マラソン祭りをテーマに知事と議論いたしますビッグトークなどを実施いたします。直前イベントの東京マラソンEXPOでは、選手受付のほか、マラソン関連商品の販売や各種イベントを東京ドームで実施いたします。マラソンに伴いましてこのような形で大規模なイベントを行いますのは、我が国では初めてのことになります。
 当日イベントの東京大マラソン祭りは、ランナーや応援する人すべてが楽しめるよう、さまざまなイベントを沿道各所で実施いたします。その当日のイベント展開につきまして主な考え方を三点、資料の右上の方にお示ししてございます。
 第一は、東京都及び組織委員会のほかに、区、都民、自治会、商店街などの多様な主体が自発的に参加するということであります。第二は、多数の会場でイベントを展開するということでございます。資料右下のイベントの配置図にありますとおり、日比谷公園、浅草雷門、東京ビッグサイトなどの拠点会場のほか、沿道各所にイベント会場を配置してございます。第三は、バラエティーあふれる内容のイベントを実施するということでございます。具体的には、みこし、サンバ、ヘブンアーチスト、伝統芸能、屋台村などを展開いたします。また、都民のアイデア公募によるイベントも実施することとしております。
 次に、資料第2号、東京大マラソン祭り会場別のイベント内容をごらんください。
 この資料は、スタート地点であります東京都庁からフィニッシュ会場であります東京ビッグサイトまで、会場別にどのようなイベントを行うのかについて、一覧にしてお示ししてございます。
 なお、ただいまご説明申し上げましたイベントの内容につきましては、今後の調整によりまして多少変更する可能性がございますので、ご了承をお願い申し上げます。
 以上、東京大マラソン祭りにつきましてご説明申し上げました。
 これをもちまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大津委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求がある方は発言をお願いいたします。

○古館委員 この東京マラソン祭りにかかわる予算的なものについて、大枠じゃなくて、大体これこれにこうこうだという感じで出していただければありがたいんですが。予算の問題です。
 以上です。

○大津委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 ただいま古館理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。理事者においては要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上で東京オリンピック招致本部関係を終わります。

○大津委員長 これより知事本局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 多賀儀典長は公務のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○角南調整担当部長 平成十九年度重点事業の策定についてご報告いたします。
 知事本局では、本日、平成十九年度重点事業を策定、公表いたしました。お手元の資料第1号、平成十九年度重点事業によりご説明させていただきます。
 冊子の一ページをお開き願います。第1章、重要施策と重点事業の一ページ目では、都政の構造改革と重要施策について記述しております。
 都は昨年十二月、七つの重要施策を策定し、その実現に向けた重点事業に取り組んでおります。この重要施策及び重点事業と行財政システムの改革とを車の両輪として、引き続き都政の構造改革を推進していくこととしております。
 右ページでは、十九年度重点事業の策定に当たっての考え方を記述しております。
 東京は本年八月に二〇一六年オリンピックの国内立候補都市に選定されました。今回、重点事業は、オリンピックをてこに東京の自己変革をさらに進めていくための長期的な都市戦略のキックオフとして位置づけられるものであり、環境対策、観光振興、景観形成等を進めていくこととしております。また、子育て家庭支援なども新たに取り上げるなどしております。
 三ページをごらんください。この見開きでは、七つの重要施策と二十四の重点事業の全体構成について記述しております。
 以下、非常に簡単ではありますが、個々の重点事業につきましてご説明させていただきます。
 五ページをごらんください。重要施策1は「都市構造の再編を進め首都東京を再生」でございます。重点事業1では、都市構造上の拠点である品川、渋谷の再整備を行います。
 七ページをごらんください。重点事業2では、三環状道路の整備などにより、渋滞のない円滑な道路交通の実現に努めてまいります。
 一〇ページをごらんください。重点事業3では、生産から消費までの一貫した物流効率化を実現してまいります。
 一二ページをごらんください。重点事業4では、民間活力などを活用して市街地の機能更新を行ってまいります。
 一五ページをごらんください。重点事業5では、美しく風格ある首都東京の景観形成に努めてまいります。
 一七ページをごらんください。重要施策2は「東京の経済を牽引する新たな産業を支援」でございます。この重点事業6では、これからの東京を牽引する産業の育成、強化を行います。
 二〇ページをごらんください。重点事業7では、水辺などの東京の魅力を観光資源として活用した観光振興を図ってまいります。
 二三ページをごらんください。重要施策3は「東京の未来を担う多様な人材を育成」でございます。重点事業8では、子供の生きる力をはぐくむ教育を推進いたします。
 また、二五ページをごらんいただきますと、重点事業9では、若年者、女性、団塊の世代の就業支援と産業人材の育成に取り組みます。
 また、二八ページをごらんください。重点事業10では、若手芸術家の支援とともに、都民が文化に触れ、はぐくむ環境を創造してまいります。
 二九ページをごらんください。重要施策4は「地域における自立した生活を多面的に支援」でございます。重点事業11では、仕事と子育てを両立できる環境の整備等を推進いたします。
 三一ページをごらんください。重点事業12では、認知症高齢者や障害者の方々の地域での自立した生活を支える取り組みを推進してまいります。
 三五ページをごらんください。重点事業13では、質の高い医師や看護師の確保など医療の充実を図ってまいります。
 三七ページをごらんください。重点事業14では、地域力の多様な担い手の連携や育成支援を行い、行政サービスの提供や公共的な課題の解決をしてまいります。
 三九ページをごらんください。重要施策の5は「都民生活の安全・安心を確保」でございます。重点事業15では、首都直下型地震などに対応するためのハード、ソフト両面の取り組みを行います。
 四一ページをごらんください。重点事業16では、近年の局所的集中豪雨にかんがみ、浸水被害や土砂災害を防止する取り組みを行います。
 四三ページをごらんください。重点事業17では、手口が巧妙化している悪質事業者の取り締まりの強化や、子供の安全確保の取り組みを行います。
 四四ページをごらんください。重点事業18では、新興感染症等に対応した危機管理体制を強化するとともに、自殺やウイルス肝炎対策など、心身の健康に関する課題に取り組んでまいります。
 四六ページをごらんください。重要施策6は「大都市の環境問題に広域的・先駆的に対応」でございます。重点事業19では、世界に先駆けてCO2半減都市モデルを目指す第一歩として、都政のあらゆる分野で先鋭的な排出削減を行ってまいります。
 五〇ページをごらんください。重点事業20では、花粉症の予防、治療対策や花粉発生源対策を進めてまいります。
 一枚おめくりいただきまして、重点事業21では、八都県市で連携し、産業廃棄物問題に取り組んでまいります。
 五三ページの重点事業22では、安全でおいしい水の取り組みと再生水活用の取り組みを行います。
 五四ページをごらんください。重要施策7は「日本の将来を見据え東京からメッセージを発信」でございます。重点事業23では、オリンピック招致を目指し、東京大マラソン祭りや東京国体をオリンピックに向けたスポーツイベントとして成功させることや、積極的なスポーツ振興により招致機運を盛り上げてまいります。
 五六ページをごらんください。重点事業24では、貴重な海洋資源に恵まれた沖ノ鳥島周辺海域を活用してまいります。
 五七ページをごらんください。巻末に参考資料といたしまして、平成十九年度重点事業を一覧表にしております。全体で二十四事業、計一千六十六億円を計上してございます。
 以上、簡単ではございますが、平成十九年度重点事業のご説明を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。

○川澄自治制度改革推進担当部長 東京自治制度懇談会の議論のまとめにつきましてご説明させていただきます。
 お手元に配布の資料第2号、東京自治制度懇談会議論のまとめをごらんください。
 本懇談会は、東京をめぐる地方自治制度の課題や改革の方向について調査検討する目的で設置したもので、このたび、昨年九月発足以降の議論を取りまとめました。
 表紙をおめくりください。
 「はじめに」でございますが、「はじめに」では、議論に当たっての考え方や方向性を示しております。
 まず、これまでなおざりにされてきた国と地方の役割分担の方向性を明らかにし、あわせて基礎的自治体と広域的自治体の役割分担の基準となる視点の整理がなされています。
 また、大都市経営の視点からの大都市制度のあり方を検討し、都区制度の見直しの方向性や、大都市の特性に着目した税制のあり方を示しています。さらに、首都圏における道州制の望ましい圏域を明らかにしています。
 もう一ページおめくりいただきますと、目次ですが、第1章から第7章までと別添の構成になってございます。
 それでは各章の内容をご説明いたします。
 一ページをお開きください。第1章、国と地方の役割分担の明確化についてでございます。
 真の地方自治を確立するためには、国と地方の役割分担の見直しを行い、国による地方への過剰な関与を廃止、縮小していくことが必要であるとしています。役割分担を明確にするため、行政が負うべき責任を制度責任、財政責任、執行責任に区分し、原則、同一の主体が負うべきであるとし、あわせて、地方がみずからの権限と責任で実施した方が効率的、効果的な事業は地方が実施すべきとしています。こうした見直しによって、国による義務づけや統一基準の設定が必要な事務は減少し、地方への国の過剰な関与が廃止縮小されると述べています。
 五ページをごらんください。第2章、基礎的自治体と広域的自治体の役割分担についてでございます。
 基礎的自治体は包括的に住民サービスを提供する総合的な地方行政主体としての役割を果たし、広域的自治体は広域的行政課題への戦略的、積極的な対応や基礎的自治体の補完等の役割を担うべきであるとしております。そして、その役割分担の規定は、十分な協議と合意のもとに双方の条例によって定めるべきとしています。
 八ページをお開きください。第3章、大都市制度のあり方についてでございます。
 大都市は日本経済を牽引する役割を担っております。そのポテンシャルを十分に発揮するため、大都市経営の意義、必要な範囲、主体の考え方を明らかにする必要があるとしています。大都市経営の意義は、総合的、一体的に行政課題を解決することによって集積のメリットを効果的に発揮し、集積のデメリットを効率的に解消していくことと規定しています。
 一二ページからは、大都市の範囲を、人口規模だけでなく、企業の集積などの指標により分析しております。その結果、大都市経営が必要な範囲は、人や企業が高度に集積し、市街地が連檐している区域であることを明らかにしました。
 一六ページをお開きください。一六ページ左側の図にお示ししたように、この区域は東京圏では二十三区及び一部周辺都市になります。また、効率的、効果的な大都市経営を行う観点から、大都市経営の主体を決定すべきであるとしています。東京圏のように、この区域に複数の基礎的自治体が存在する場合には、広域的自治体が担うことが望ましいと述べております。
 二一ページをごらんください。第4章、道州制における広域的自治体のあり方についてでございます。
 道州制の導入に当たっては、国と地方のあり方を抜本的に見直し、道州が地域の課題に主体的に対応し得る権限、財源等を備えていなければならないとしております。
 二二ページからは首都圏における広域的課題の現状を分析したものです。また、人の移動がほぼ完結する生活圏、経済圏には共通の広域的課題が数多く存在するとして、二五ページをごらんください、二五ページの図にお示ししたように、首都圏におきましては、半径約四十キロメートル、人口約二千八百万人の圏域が人の移動がほぼ完結する生活圏、経済圏になるとしております。これらのことから、首都圏の道州は少なくとも一都三県を包含する範囲が必要であるとし、この圏域を分断しては地域課題の効率的、効果的な解決はできないとしております。
 二八ページをお開きください。第5章、税財政制度のあり方についてでございます。
 税制のあり方として、地方分権の時代にふさわしい制度構築の必要性を示し、中でも大都市経営の財源を確保するために、大都市の特性に着目した税制が必要であるとしております。また、団体間の財政調整は、制度への依存度を低下させるなど、持続可能な制度に改革しなければならないとしています。
 三二ページをごらんください。第6章、東京における大都市制度のあり方についてでございます。
 東京の大都市経営は都が担うべきとし、今日的な社会経済状況の変化を踏まえ、都区制度を見直していく必要があるとしております。
 三三ページ以降の都区制度の見直しの方向ですが、都区の事務配分につきましては、都は、大都市経営の事務及び府県の事務以外はできる限り区に移管すべきであり、区は、より広範に地域の事務を担うことが必要であるとしています。
 三五ページですが、特別区の規模、区域について都区が再編統合の議論を深める必要があり、また、都区制度の適用区域も十分な検討が必要であるとしています。そして、これらを踏まえ、都区の税財政制度についての検討が重要であるとしております。
 三八ページをお開きください。第7章、今後検討すべき課題です。
 本懇談会において議論を継続してまいります。
 四一ページをごらんください。道州制をめぐる国の動きが本格化しているため、改めて道州制導入に当たっての考え方を示しております。
 最後に、懇談会の設置要綱等を掲載し、また、資料編として懇談会における検討資料を添付しております。
 以上で、東京自治制度懇談会の議論のまとめについて説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○大津委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求がある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 なければ、資料要求なしと確認をさせていただきます。
 以上で知事本局関係を終わります。

○大津委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○小島参事 第二十六期青少年問題協議会答申の概要について、お手元に配布させていただいております資料第1号、少年院出院者の立ち直りを支援するための施策に従ってご説明申し上げます。
 平成十七年に都内で検挙された犯罪少年は一万三千人を超えており、大変憂慮すべき状況でございます。こうした中で、少年院に収容される少年、すなわち非行の程度が相当進んだ少年について見ると、少年院を出院してから五年以内に四分の一が少年院に再入院、もしくは刑務所に入所しており、再び重大な犯罪を繰り返していることを示しております。
 少年の立ち直りを支援することは、少年が再犯の道に陥ることを防ぐだけでなく、地域社会の一員として迎え入れ、将来の重大な犯罪被害を防止するために必要なことで、地方公共団体にとっても決して無関係ではございません。
 そのため、昨年十一月、青少年問題協議会に少年院等を出た子どもたちの立ち直りを地域で支援するための方策について諮問を行い、先月答申をいただきました。答申は、少年院出院者がどのような支援を必要としているかという観点から、就労支援及び就学支援、適切な住居の確保、少年に対する生活面でのサポート、家族へのサポートの四つを柱に具体的な支援策を提言してございます。
 支援策では、まず、地域における少年院出院者への更生保護活動の中核である保護司の活動を支援するため、都の各機関を初めとする関係機関、団体が参加したネットワークである仮称少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会の設立を提言しております。
 就労支援及び就学支援では、少年の多くが就職を希望するものの、出院時点での就職が確保できる者は三〇%、復学が決定した者は五%となっており、三分の二が進路未定であるため、少年院出院者であることを理解した上で雇用を受け入れてくれる協力雇用主の確保に取り組むべきであると提言しています。
 また、東京しごとセンターなどの都の若者向け就労支援策について、少年院や保護観察所、保護司などが活用できるよう情報提供に努めることや、都立高校のエンカレッジスクールなどの取り組みについて情報提供を行う必要があると述べています。
 適切な住居の確保では、仮退院者の八割以上が親元に帰っているが、他方、適切な住居がない少年の受け皿となる自立援助ホームや更生保護施設の増設、拡充を図ることを提言しております。
 少年や家族へのサポートでは、少年や保護者が相談しやすくなるよう、都の施策や各機関の連絡先などをまとめた冊子の作成や、二十四時間三百六十五日アクセス可能な支援相談ネットの開発など、相談体制の整備を図るべきことを提言しております。
 以上、第二十六期青少年問題協議会答申につきましてご説明申し上げました。
 なお、答申書「少年院等を出た子どもたちの立ち直りを、地域で支援するための方策について」をお手元にお配りしてございますので、後ほどごらんいただけるようにお願いいたします。

○内藤参事 それでは、私の方から、スムーズ東京21拡大作戦、中間のまとめについてご報告申し上げます。
 東京都では、都内の慢性的な交通渋滞の解消に向けまして、警視庁、東京国道事務所と連携いたしまして、平成十五年度から五カ年にわたる対策としてスムーズ東京21拡大作戦を実施しております。対策を開始いたしましてから三カ年が経過し、事業期間の中間点を越えましたことから、今回、平成十七年度までの三カ年の事業効果を取りまとめましたので、ご報告をいたします。
 お手元配布の資料第2号に基づいてご説明を申し上げます。
 なお、お手元に冊子が行っておろうかと思いますが、詳細については後ほど本編の方をごらんいただければと存じます。
 本事業は、都道三十路線百交差点、国道十一路線四十交差点におきまして、道路施設等の改善、違法駐車の排除、駐車場等の有効利用、渋滞対策の普及啓発などを進めております。また、対策の進捗状況でございますが、平成十七年度末現在で、全体百四十カ所のうちの四六%の箇所に着手いたしました。
 三カ年の事業効果が右側のページに記載してございます。
 旅行時間短縮の目標値につきましては、ピーク時及び平均とも十路線中九路線で目標達成をしております。十路線平均でも、ピーク時三二%減、平均一八%減ということで、目標値を大きく上回っているところでございます。
 その下の段に明治通りの例を記載してございますので、簡単にご説明させていただきます。
 明治通りでは、左折レーンの設置、右折レーンの延伸、信号の調整などを実施するとともに、違法駐車排除のため、赤系カラー舗装、また駐車抑止カメラの設置などを実施いたしました。この結果、ピーク時の旅行時間が約四〇%減少いたしました。また、道路利用者のアンケート結果でも、天現寺橋交差点において約八五%の利用者が改善効果を実感しているという結果が出ております。
 次に、その他の対策別の事業効果例でございます。
 まず、駐車場の有効活用でございますが、路上駐車車両を路外駐車場へ誘導するため、三十分無料化実験を、平成十七年度末において十七場で実施いたしたところでございます。いずれの駐車場につきましても利用台数は大幅に増加し、また三十分無料にもかかわらず駐車場の総収入も全体としてやや増加する、こういう結果になってございます。
 次に、客待ちタクシー対策についてでございますが、池袋駅東口に約三十台収容のタクシープールを設置いたしました結果、タクシー待機列解消に大きな効果が認められました。
 最後に、荷さばき車対策でございますが、路外荷さばきスペースを確保するため、民間事業者の協力を得まして、既存コインパーキングを活用した荷さばきスペースの設置試行を実施いたしました。平成十七年度末におきまして十地区二十三カ所に拡大いたしまして、駐車場事業者や物流事業者の理解も得られまして、都内全域への拡大に向け、一定の成果が得られたものでございます。
 今後とも着実に事業実施してまいる所存でございますので、委員の皆様方には引き続きご支援のほどよろしくお願いしたいと存じます。
 簡単でございますが、報告は以上でございます。

○大津委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○大津委員長 これより総務局関係に入ります。
 初めに、おととい行われました硫黄島気象調査視察に関しまして、総務局総務部、総合防災部を初めとする局の皆様方、また気象庁、防衛庁の皆様方に大変なご尽力をいただきまして、心から御礼を申し上げます。
 また、総務委員会理事、委員の各皆様方におきましては、党を超えて各機関や各党への調整におかれましては大変なご尽力をちょうだいいたしました。まことにありがとうございました。
 七月にテポドンにより予定延期されての初の行政視察を実行いたし、都議会初の足跡を歴史に残すこともできました。
 硫黄島における火山活動、ガス監視、津波対策等、災害対策全般にかかわる調査研究を今後の委員会審議に十分役立ててまいります。また同時に、人命と世界平和をお守りをしてまいる所存でございます。皆様方、関係機関のご尽力に関しまして重ねて御礼を申し上げます。
 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○大原総務局長 それでは、私から、今定例会に提出を予定しております条例案七件につきまして概要を説明させていただきます。
 恐れ入りますが、資料第1号、平成十八年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 表紙の次に目次がございます。
 番号1、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、平成十九年四月一日より八王子市が保健所を設置する市として指定されることに伴い、八王子市へ新たに事務を移譲するため、規定の追加等を行うものでございます。
 番号2、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、東京都人事委員会勧告などに基づき、今年度の公民較差等に基づく職員の給料及び諸手当の規定改正と給与構造、制度の見直しに伴う規定改正を行うものでございます。
 番号3、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例及び番号4、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 これらの条例案は、東京都人事委員会勧告に基づき、一般職の任期つき職員及び任期つき研究員の給与を改定するものでございます。
 番号5、東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、先ほどの番号2、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定により、行政職給料表(一)の級構成が九級制から八級制に改められることに伴い、関係規定を整備するものでございます。
 番号6、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、職員の退職手当に係る構造面の見直しに伴い、規定を整備するものでございます。
 番号7、職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、先ほどの番号2、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定に伴い、条文の整理を行うものでございます。
 以上が今定例会に提出を予定しております案件の概要でございます。詳細につきましては総務部長からご説明させていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○岳野総務部長 それでは、今回定例会に提出を予定しております条例案七件についてご説明させていただきます。
 ただいま局長から申し上げた同じ資料でございます資料第1号、平成十八年第四回東京都議会定例会提出予定条例案の概要をごらんくださいませ。
 まず一ページをおめくりください。番号1でございますが、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 平成十九年四月一日より八王子市が保健所を設置する市として指定されることに伴いまして、八王子市が新たに事務処理を行うための規定を追加するほか、所要の規定を整備するものでございます。施行日は平成十九年四月一日を予定しております。
 二ページをおめくりください。番号2、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都人事委員会勧告に基づきまして、今年度の公民較差等に基づく職員の給料及び諸手当の規定改正と給与構造・制度の見直しに伴う規定改正を行うものでございます。
 まず1でございますが、今年度の公民較差等に基づく規定改正についてでございます。主な内容は三点ございます。
 (1)の給料表の改定でございます。行政職、公安職、研究職などの八つの給料表を人事委員会から勧告されました給料表等に改めるものでございます。
 なお、今回の改定では、地域手当と給料月額の配分変更相当分について、公民較差相当分の引き下げとあわせて行うこととしております。また、昨年に引き続き、昇級カーブのフラット化などによりまして年功的な給与の伸びを抑制してございます。
 次に(2)、手当等の改正でございます。給料の調整額の支給限度額、扶養手当の支給月額、地域手当の支給割合及び宿日直手当の支給限度額を改正するものでございます。
 (3)、平成十九年三月に支給する期末手当に関する特例措置でございます。本年四月からこの改正の実施の前日までの期間に係る例月給及び特別給の公民較差相当分を解消するため、平成十九年三月に支給する期末手当の額を調整するものでございます。
 次に2に参りまして、給与構造・制度の改革にかかわる規定改正でございます。主な内容は四点ございます。
 一つ目、(1)でございますが、新たな職務の級の設置に伴う給料表の改正でございます。部長の職につきまして、その職責を適正に評価するため、行政職(一)、公安職、研究職、医療職(一)の各給料表の職務の級を見直すものでございます。
 (2)に参りまして、給料の特別調整額の定額化でございます。民間事業所や国、他団体における見直しの動向を踏まえまして、管理職の職務の困難性や責任の重要性を適正に反映するため、定額制とするものでございます。
 (3)、扶養手当の改正でございます。我が国全体として少子化対策が推進されていることに配慮いたしまして、国や民間事業所の動向を踏まえ、三人目以降の子等に係る手当の支給月額を千円引き上げ、五千円とするものでございます。
 (4)、医師の給与にかかわる改正でございます。医師の勤務実態等に配慮し医師宿直の支給額を引き上げるものでございます。施行日はそれぞれ資料に記載している日を予定してございます。
 三ページをごらんいただきたいと思います。
 番号3、東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都人事委員会勧告に基づきまして、一般職の任期つき職員の給料月額を改定するものでございます。施行日は平成十九年一月一日を予定しております。
 番号4に参りまして、東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都人事委員会勧告に基づきまして、一般職の任期つき研究員の給料月額を改定するものでございます。施行日は同じく十九年一月一日を予定してございます。
 番号5、東京都公営企業の管理者の給料等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 先ほど申し上げました番号2の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定によりまして、行政職給料表(一)の級構成が九級制から八級制に改められることに伴いまして、関係規定を整備するものでございます。施行日は平成十九年四月一日を予定してございます。
 四ページをおめくりいただきたいと思います。
 番号6でございますが、職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 職員の退職手当に係る構造面の見直しに伴う規定の改正でございます。
 主な内容は四点ございます。まず一つ目、構造面の見直しでございます。退職手当の構造を勤続年数を基礎とした基本額と職責等に応じたポイント制による調整額の二層構造にするものでございます。
 2に参りまして、基本額に係る改正でございます。定年等退職者に係る支給率を勤続年数に比例的な支給率といたしまして、最大二カ月削減するものでございます。
 3に参りまして、調整額の創設でございます。在職期間中の職責等をより的確に反映できるようポイント制による調整額制度を創設するものでございます。
 4、その他でございます。職員の仕事と子育ての両立を支援する観点から、育児休業期間の除算割合を変更するとともに、マンパワーの確保という観点から、勧奨退職制度の所要の見直しを行うものでございます。
 このほか、5の経過措置といたしまして、地域手当の支給割合の段階的な引き上げに伴う調整額の取り扱い等の特例措置を附則で規定しております。施行日はそれぞれ資料に記載している日を予定しております。
 五ページをごらんいただきたいと思います。
 最後でございますが、番号7、職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例でございます。先ほどの番号2、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定に伴いまして、条文の整理を行うものでございます。行政職給料表(一)の級構成が九級制から八級制に改められること、医療職給料表(一)の級構成が四級制から三級制に改められることに伴いまして、旅費の支給区分に対応する職務の級につきまして同様の整理を行うものでございます。施行日は平成十九年四月一日を予定しております。
 以上、簡単ではございますが、今定例会に提出を予定しております案件につきましての説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大津委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○大津委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○前田行政部長 それでは、報告事項二件につきましてご説明いたします。
 初めに、小笠原諸島振興開発計画の変更につきましてご説明申し上げます。お手元の資料第3号をごらんいただきたいと存じます。
 まず1、小笠原諸島振興開発計画でございます。
 本計画は、小笠原諸島振興開発特別措置法を根拠としておりまして、国が小笠原諸島振興開発基本方針を定め、都はその基本方針に基づきまして、村の作成した計画案の反映に努めながら計画を定めるということとなっております。
 計画の効果は、本計画に基づく事業が国庫補助の対象となった場合、補助率が通常よりかさ上げされるなどの特別措置を受けることでございます。
 次に、2、計画の変更でございます。
 今回の計画変更は、国の基本方針の変更を受けまして、現計画を期間途中で変更するものでございます。主な内容は、航空路の開設検討、観光客増加に向けた振興策、世界自然遺産登録への取り組み並びに地上波テレビ放送のデジタル化完全移行に向けた対策、検討でございます。
 これまでの経緯でございますが、国は本年五月二十三日、テクノスーパーライナー、TSLの就航が困難になったことなどから、高速交通アクセス手段や観光などの事項につきまして基本方針を変更いたしました。都は、この方針変更を受けまして、本計画を変更することといたしまして、既に第三回都議会定例会の本委員会におきまして変更素案をご審議いただくとともに、都民の方からの意見募集を実施いたしました。
 今回、これらを踏まえた変更案につきまして国の同意を得まして、一昨日、十一月二十八日に計画変更の公告を行ったところでございます。この変更された計画の詳細につきましては、お手元の資料第4号の計画本文並びに新旧対照表を後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、都区のあり方に関する検討の取りまとめにつきましてご説明申し上げます。お手元の資料第5号をごらんいただきたいと存じます。
 国による東京富裕論など、都と特別区を取り巻く環境は極めて厳しい中で、東京の自治を担う都区のあり方を根本的に検討することが必要となっております。このため、本年五月三十日に、都の三副知事、特別区長会の正副会長を中心といたしました都区共同の検討組織を設置し、都区の事務配分、再編等を含む特別区の区域のあり方、税財政制度などを論点として議論を進めてまいりました。このたび、まず検討のための基本的な枠組みや方向について取りまとめが行われたものでございます。
 主な内容ですが、(1)の都区の事務配分につきましては、大都市の一体性確保のために都が行う必要があるとされた事務を除き、都から特別区への事務移管をさらに進めるべきであるとされました。
 (2)でございます特別区の区域につきましては、再編を含む区域のあり方について議論が必要である、このようにされました。
 (3)の税財政制度につきましては、ただいま申し上げた(1)、(2)などの今後の検討課題の議論の推移を踏まえて最終的に整理するということにされました。
 今後、都区協議会のもとに都区のあり方検討委員会を位置づけるとともに、幹事会を設置いたしまして、具体的な検討を進めてまいります。
 以上、大変簡単ではございますが、小笠原諸島振興開発計画の変更、それから、都区のあり方に関する検討の取りまとめについてご報告、ご説明を申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○大津委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求がある方は発言をお願いします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○大津委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、一八第六〇号、都の一般業務において無線機器を原則的に使用禁止とすることに関する陳情を議題といたします。
 本件について理事者の説明を求めます。

○加島IT推進室長 資料第6号、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 一八第六〇号、都の一般業務において無線機器を原則的に使用禁止とすることに関する陳情は、細田茂夫さんから出されたものでございまして、平成十八年七月三十一日に受理されております。
 陳情の要旨は、警察行政、防災行政その他技術的理由等により、無線機器が特に必要であると認められる場合を除いて、都の一般業務において無線機器を使用しないでいただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、都において業務上使用している無線機器には、防災行政無線、トランシーバー、コードレス電話機等がございます。コードレス電話機につきましては、分散している複数の端末をそれぞれチェックするなど、通話しながら移動することが必要な業務においてのみ使用しているところでございます。
 なお、都庁本庁舎でのコードレス電話機の使用に当たりましては、構内電話交換機との接続条件を満たす必要があるため、IT推進室に対し申請を行うこととしております。
 また、無線LANの使用につきましては、情報漏えい等を防止する観点から、平成十五年一月、各局に対し原則禁止である旨通知しているところでございます。
 以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。

○大津委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言をお願いします。

○鈴木委員 簡潔に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 この陳情者の理由を見ますと、現在は都民のプライバシーをコードレス電話などの無線機器を使用することにより公開放送していると同様な状態にあるんだと。したがって、無線機器を都の一般業務で使用することは中止すべきである、セキュリティーなどの理由からというようなことでございまして、こういうようなことがもし事実だとすれば、ゆゆしき問題であろうかと思います。ですから、その辺のところを確認をしながら質問をさせていただきたい、こんなふうに思っております。
 今申し上げましたように、都の一般業務において無線機器を使用しないことというふうに陳情者は求めておりますが、まず一般業務で使用する無線機器の実態はどうなっているのか、コードレス電話の使用状況についてお伺いをしたいと思います。

○加島IT推進室長 都におけるコードレス電話機につきましては、離れて設置してある複数の端末をそれぞれチェックする場合や、自分の席から離れた場所にある台帳を参照する場合など、通話しながら移動することが必要な業務に限って使用しているところでございます。コードレス電話機の台数でございますが、平成十八年四月一日現在、都庁本庁舎では四十八台でございまして、全電話台数約一万台のうち約〇・五%でございます。
 なお、陳情にございます主税局の事業所では千二十五台を使用しておりまして、全電話台数約二千二百台のうち四七%となっております。

○鈴木委員 都の本庁舎では四十八台ということで約〇・五%。しかしながら、主税局の事業所、都税事務所ということになろうかと思いますが、電話台数が二千二百台のうち四七%となっているという実態を今お話しいただいたわけなんですが、今お伺いをしていますように、複数の端末をチェックする場合や、実際に離れた場所にある台帳を参照に行くような場合等々、現実的にいって業務上必要な場合には、コードレス電話というのは、今の時代というのは、これ、使うなといっても無理だと思うんです。コードレス電話の使用が不可欠であるというふうに私はまず考えるんですね。だから、その場合に、陳情にあるように、情報漏えいは起こる可能性があるのか。起こるのか。起こるとしたら、それについてどういうふうに考えているのか。こういうことがまず大事なんじゃないかと思うんですけれども、その点はどういうふうにお考えでしょうか。

○加島IT推進室長 コードレス電話機は事務室内で使用しておりまして、本庁舎や都税事務所などの建物は構造上電波の遮へい度が高いため、外部への電波の漏えいのおそれは少ないというふうに考えております。また、コードレス電話機の通信の傍受は、特殊なアンテナや通信機を使用しない限り難しいというふうに思っております。仮に悪意を持った第三者が通話を傍受しても、その内容から通信の相手方を特定するのは困難ではありますけれども、コードレス電話機自体の特性から、万が一傍受されるということも考えられますので、機密を要する重要な内容の通話は、親機や固定電話を利用するようにしているところでございます。
 電波法では、第五十九条に、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在もしくは内容を漏らし、またはこれを窃用してはならないというふうにございます。また、第百九条には、無線局の取り扱い中に係る無線通信の秘密を漏らし、または窃用をした者に対する刑事罰が定められております。
 また、都において過去にコードレス電話を盗聴されたという事実はございません。
 これらにより、情報漏えいには既に一定の仕組みや配慮がなされているというふうに考えております。

○鈴木委員 陳情者が、空間に存在する電波を受信するためには違法性はないんだというようなことをいわれているんですけれども、今実際に電波法と、それから電気通信事業法の法律も手元にあるんですけれども、現実的には秘密の保護というのがきちっと法律で定められておりますし、また、今確認をしたように電波法の百九条においても、もし窃用した者は一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処するというようなこともあるわけですね。同じく、この電気通信事業法にも、百七十九条において、秘密を侵した者は二年以下の懲役または百万円以下の罰金に処すると。こういうように実はきちっと法律で対応がなされているわけでございます。
 今、過去においてもそういうような、実際に事件があったのかというようなことを確認をさせていただきましたら、過去にコードレス電話を盗聴された事実はないということでございます。情報漏えい対策を今後もしっかりと取り組んでもらいたい、このように要望しておきます。万が一にも事件が起きた場合は厳正に処罰をされるということを、都民に対してももう少しきちっと知らせていかなければならないんじゃないかなというふうに、このような陳情を受けまして感じたところです。
 そこで、コードレス電話機の使用に当たっては、既に配慮して使用していることや法整備がなされているということを十分に理解をした上で、室長にちょっと聞きたいんですが、万が一ということもあるので、今後、コードレス電話についてどのようにしていくのかということを考えておかなければいけないと思うんですが、その辺のところはいかがでしょうか。

○加島IT推進室長 都庁本庁舎でございますけれども、現在、平成十八年度末に電話設備の大規模な更新を考えております。この中で構内PHS電話機の配備を予定しているところでございます。これにより、現在コードレス電話機を使用している職場は構内PHS電話機に置きかわることになります。
 事業所につきましては、電話設備の更新等の機会をとらえて、デジタル式のコードレス電話機や構内PHS電話機に変更するよう助言をしていきたいというふうに思っております。
 なお、主税局の事業所におけるデジタル式のコードレス電話機や構内PHS電話機への移行につきましては、主税局において、予算や現在使用しているコードレス電話機の耐用年数等を総合的に考慮した上で判断するものというふうに考えております。

○鈴木委員 事業所においても、PHS電話機へ変更が進んでいきますように、ぜひ着実に取り組んでいってもらいたいと思います。
 次に、無線LANについてはどのような対策を現在講じているのか、その使用状況についてはどうなっているのか、質問いたします。

○加島IT推進室長 無線LANの使用については、既に東京都情報セキュリティー対策基準に原則使用禁止を明記し、周知しているところでございます。また、改めて平成十五年一月に無線LANの原則使用禁止である旨を各局に対し通知しているところでございます。
 無線LANの使用状況でございますが、現在五カ所の都立病院と一カ所の療育センターに限って、端末を各病室に移動して処置等の記録を入力するために使用しているところでございます。
 いずれの職場も、無線LAN設置に当たっては、IT推進室と協議の上、暗号化や認証による不正アクセス防止などの措置を講じているところでございます。

○鈴木委員 無線LANについては、原則として使用禁止である旨を規定して通知文も出しているということなど、都においては既に十分な対策が講じられているというふうに考えます。これからも、都民の信頼を得られるよう、情報セキュリティー対策についてより一層取り組んでもらえるよう要望しておきたいと思います。
 今、何点か質問させていただきましたが、コードレス電話は都の業務を進める上で必要なもので、使わざるを得ないものだというふうに私は考えております。また、無線LANについても既に十分な対策が講じられているということなどから、陳情にあるような都の一般業務において無線機器を使用しないよう求めるというようなことは妥当ではないんじゃないかなというふうに私は考えております。
 また、態度は後ほど述べさせていただきます。
 以上で私の質問を終わります。

○後藤委員 とりあえず私からは、鈴木理事の方でたくさん質問していただいたんで、抜けていたところだけをちょっと質問させていただきます。
 陳情がこういうふうに出されているんですけれども、当然現状、例えば主税局ならば主税局の現場だと思いますけど、都税事務所の現場の方に行かれまして、試すというんですかね、調べられたことはあるんでしょうか。

○加島IT推進室長 先ほどもご答弁いたしましたけれども、コードレス電話機は事務室内で使用しておりまして、建物の構造上、電波の遮へい度が高いため外部への電波の漏えいは少ないというふうに考えております。
 また、コードレス電話機、通信の傍受は特殊なアンテナや通信機を使用しない限り難しいというふうに考えております。仮に悪意を持った第三者が通話を傍受しても、その内容から通信の相手方を特定するのは困難でありますけれども、コードレス電話機の特性から万が一傍受することも考えられるため、機密を要する重要な内容の通話は親機や固定電話機を利用するようにしているところでございます。
 以上のことから、緊急に調査する必要はないというふうに考えております。

○後藤委員 室長が今おっしゃったように、性善説の上に立っていれば今いわれたことはそのとおりだと思うんですけれども、例えば都税事務所の建物、事務所の建物だから大丈夫だというふうにお考えのようですけれども、建物といいましてもいろんな建物があるわけですよ。建て方も建て方ですし、事務所の位置もいろいろとあると思うんですけれども、こういうふうな形で陳情というものが出されたときに、社会保険庁の例をとったらばいけないのかもわかりません、例えば社会保険庁の場合は特殊なケースなのかもわかりませんけれども、社会保険庁で働いていた方も公務員の方でした。
 例えばそうなったときに、こういう陳情が出されたときに、担当のセクションだとしたらば、試してみるというんですかね、例えば実験してみる。確かに実験してみて大丈夫だったよというふうにいわれるんだとしたらば、陳情者の方も納得するだろうと思うんですけれども、あくまでも公務員の方たちの性善説に立って、調べなくても構わないよ、例えば遮へい物があるから。
 この間ですけど、ヨドバシカメラですか、名前をいってはいけないのかもわかりませんけど、電機店の方に行って、僕はコードレス電話がここまで発達しているのかと思って驚いたんですけれども、例えば電波の飛ぶ距離ですとか、私なんかが使っている今のコードレスというのは古いですから余り飛ばないんですよ。で、この間、買いかえなければいけないかなと思って行ってみたときに、余りの性能のよさに驚いたんですが、ここいらのことまで考えられて、例えば性能もよくなってる。建物もいろいろ違う。事務所ですから、完全にコンクリートで遮へいされていれば話は別だと思うんですけど、窓だとかいっぱいあると思うんですよ。こういうふうなところまで考えられて今室長は、性善説の上に立って、大丈夫だよと。例えば大事なものに関しては必ず親機を使うというふうに指導はしている。確かに指導はしているのはわかります。ここいらで、例えば防災訓練をやります。防災訓練やるのは、実際にやってみたときにここが問題だとか、ここのところは改善した方がいいだろうというふうなことで、いろいろと問題点が見えてくると思うんですよ。にもかかわらず、今の室長の答弁、鈴木理事に対しての答弁を聞いてましても、余りにも、大丈夫--性善説に立っているだけなんですけれども、だったらば再度お尋ねしますけれども、こういうふうなことまで考えて大丈夫だよというふうなお考えなのか、それだけ教えてください。

○加島IT推進室長 先ほどもご答弁申し上げましたように、三点。一つは、コードレス電話機の電波の漏えいのおそれは構造上少ないということと、特殊なアンテナや受信機を使用しない限り不可能であるということと、使用上に機密を要する重要な内容の通話は親機や固定電話を利用するようにしていると、以上の三点から緊急に調査する必要はないというふうに考えております。

○後藤委員 室長が今、例えば特殊な機器を用いなければいけないというふうにいわれましたけど、どのような特殊な機器なのかというふうなことまではもうおわかりになってるんですよね。こういうふうな機器があるよと、こういうふうな機器を使わなければいけないよということがわかってお答えになっているのか、ただの一般論でお答えになっているのか。例えば実際にどの程度のものなのかというのを室長が理解なさっているのかどうなのかというところだけちょっと確認させてもらえますか。

○加島IT推進室長 先ほどご答弁申し上げた内容は、特殊なアンテナや通信機を使用しない限り不可能というふうに申し上げております。

○後藤委員 特殊なアンテナというのはどういうアンテナなんですか。例えばテレビ局が持っているような、パラボラアンテナを持っていかなければいけないんでしょうか。小型のちっちゃいものでいいんでしょうか。このぐらいのことは、できたら、お願いなんですけれども、こういうふうな形で陳情というのが出ている以上は一応検討なさって、例えば機器だったらば、今室長がおっしゃったような特殊なアンテナというのはどういうものなのかと。こういうふうなものを調べてみたけれども、これでも大丈夫だったと。大丈夫だよというのだったらば、すごい説得力あるし、陳情者の方も納得すると思います。
 これは、このことを何回もいってもあれですから、これに関しましては要望させていただきますけれども、できたらば調べていただきたい。調べていただいて、例えば防災訓練の例を挙げさせていただきましたけれども、ここの部屋、この建物のここは電波がすごく飛ぶからここではだめだよと、これはまずいよというふうなことぐらいは、私はするべきだと思うんですよ。
 これに関連しまして、例えば主税局は主税局の予算でやるから、結局所管の方でやるからこちらでは、関係がないといったらば怒られますけど、こちらの総務局の方としては、変えるときには変える。例えば更新の時期ですとか減価償却というふうにいわれましたけれども、この件に関しては、多少早まっても、お金がかかったとしても、例えば減価償却の期間が五年だったら、五年たっていなかったとしても変えるように、できたらば室長の方からも主税局の方に働きかけていただきたいなと思います。
 最後なんですけれども、LANがありますよね。このLANというのは、例えばどういうふうに接続することによって使用できるんですか。簡単に教えてください。

○加島IT推進室長 IT推進室に対して無線LANの使用の申請を出されて、それが正しく情報セキュリティー上、問題があるかないかをIT推進室の方で内容を調べまして許可を出すということになっております。

○後藤委員 そうしましたらば、聞き方が悪かったんですけど、例えばパソコンがありますよね。パソコンがあったとき、パソコンに無線LANの機器を入れると思うんですけれども、入れる場所はどういうふうになってるんですか。

○加島IT推進室長 形状によっても違うと思うんですが、ICカード型で電波を飛ばすやつもありますし、USBの端子から無線LANをやるという方法もありますし、いろいろだというふうに考えております。

○後藤委員 そうしましたらば、例えばこの件に関しましても、室長がおっしゃったようにIT推進室の方に申請をして、申請で認められたものに関してはいいよというのはいいと思うんです。ただし、パソコン、例えば携帯のパソコンというやつを皆さんお持ちだと思うんですけど、何だったらふさいじゃったっていいわけですよね、そこんところ。このぐらいのことは考えられたらばどうかなと思うんですけど、考えられてないんでしょうか。

○加島IT推進室長 現実問題として、USBの端子につきましては、多分皆さんお持ちのパソコンもそうですけれども、プリンターその他の、例えばデジタルカメラからの入力とか、そういうものに使われておりますので、そこを全部ふさいでしまうということは、仕事上、大変障害になるというふうに考えております。

○後藤委員 例えば携帯のパソコンだったらば、持ち歩いて、こっちのプリンターを使ったりいろいろすると思うんですけど、普通の一般的に職員の方がお使いになってるパソコンというのは大体テーブルの上に置かれているんじゃないかなと思うんです。仮にそうだとしたらば、例えばLANですとかUSBを使っている職員の方だけにつなげるようにしておけばいいんであって、多くの方は使う必要ないと思うんですよ。
 ここにも書かれていると思いますけれども、例えば情報漏えいなどを防止する観点から原則禁止しているというふうになってるわけですから、確かに難しいというふうにいわれるのはわかりますけれども、原則禁止というふうになっているんだとしたらば、そのぐらいのことを考えるべきではないかなと思うんですが、最後にお願いいたします。

○加島IT推進室長 先ほどの答弁、ちょっと言葉足らずだったんですが、実際にUSBメモリとかを、直接メモリだけで入れる場合は使えますけれども、無線LANのような場合は必ずソフトウエアをインストールする必要があります。ソフトウエアのインストールについては、今TAIMS端末等については一切、必ずIT推進室長に協議がなければインストールできない仕組みになっておりますので、独自に無線LANを引いたりすることはできないような仕組みになっております。

○大津委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
〔古館委員「発言したいんだけど、いいですか。意見だけ」と呼ぶ〕

○古館委員 この一八第六〇号の都の一般業務において無線機器を原則的に使用禁止とすることに関する陳情ということについて、ここでは原則的に使用禁止ということでいわれております。だから、全部だめですよという話ではない、そういう陳情ですよね。しかも、今のやりとりを聞いてると、全くそういうことがシャットアウトできているということでもないと、話のやりとりの中で明らかなように。それから本庁のところではPHSの配備などで更新をしてきているということもあるし、事業所についてもそういうことを助言をしていると。ここまでいってるわけですから、これはやることでそういうことがより確実性が高まるんだったら、私は順次そういうふうにしていくべきだということだけ意見を述べておきます。
 以上です。

○大津委員長 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大津委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第六〇号は不採択とすることに決定いたしました。

○大津委員長 次に、一八第八一号、大島・三宅島・八丈島測候所の職員常駐による存続と拡充を求める意見書に関する陳情を議題といたします。
 本件について理事者の説明を求めます。

○石野総合防災部長 資料第6号、請願・陳情審査説明表の二ページをごらんいただきたいと存じます。
 一八第八一号、大島・三宅島・八丈島測候所の職員常駐による存続と拡充を求める意見書に関する陳情は、災害被災者支援と災害対策改善を求める東京連絡会代表世話人坂巻幸雄さんから出されたものでございまして、平成十八年九月十九日に受理されております。
 陳情の要旨は、大島、三宅島、八丈島測候所を職員常駐で存続させること。測候所の人員及び観測機器を整備充実することを求める意見書を国に提出していただきたいというものでございます。
 続きまして、現在の状況でございます。
 測候所は、地域の気象観測を行い、予報、警報に必要となるデータを気象台へ通報するとともに、所在地の防災機関に対して予報、警報の伝達や解説等のサービスを行っております。都内では、明治三十九年に八丈島、昭和十三年に大島、昭和十六年には三宅島にそれぞれ観測所が設置され、現在に至っております。
 近年、我が国の気象観測は科学技術の進展によりまして自動化が進み、また、通信技術の発展により即時に全国に気象情報が通報されるようになっております。気象庁では、本年三月から防災気象情報提供システムを稼働させ、測候所の観測情報も含めた気象情報を、インターネットやメールにより、二十四時間三百六十五日、全国の自治体や防災機関に提供しております。
 こうした中、国は、平成八年度から平成十七年度までの十年間で、全国で五十カ所の測候所を無人化するとともに、閣議決定いたしました行政改革の重要方針及び国の行政機関の定員の純減についてに基づきまして、平成十八年度から平成二十二年度までの五年間で測候所を原則廃止することとしております。
 今後、大島、三宅島、八丈島の三測候所につきましても原則廃止することとしておりますが、大島、三宅島測候所が行っている火山に関する業務や八丈島測候所が行っています高層気象に関する業務につきましては、無人化が困難なため、現地において継続することも含め、現在検討を行っております。
 以上で説明を終わります。よろしくお願いします。

○大津委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言を願います。

○倉林委員 簡潔に質問しますので、お願いいたします。
 伊豆諸島は、今さら申し上げるまでもありませんけれども、台風あるいは火山の噴火、そして地震、それに伴う津波等々、大変自然災害による被害を受けている地域であります。島しょ地域においては、気象情報あるいは火山情報というのは、まさに島民の生命、財産、暮らしに直結しているわけであります。特に大島や三宅島は、ご承知のように活発な火山活動が定期的に起きております。大変大きな被害をもたらしているわけであります。測候所の廃止問題については、それだけに都議会としても極めて慎重に判断をしていかなければならないだろうと私は思っているわけでありますが、そこでちょっとお伺いしておきます。
 今、総合防災部長の方から状況の説明をしていただきました。ちょっと確認の意味で伺っておきますが、いわゆる島しょ測候所は、これまで地域密着型サービスを行っているというお話であります。そういう中で気象庁は、もしこれを廃止をした場合、これらのサービスをどのように実施をしていこうという考え方なのかをちょっと聞かせてください。

○石野総合防災部長 気象庁によりますと、測候所の廃止後は、インターネットを利用した防災気象情報提供システムなどによりまして、現在提供している役場や消防のほか、支庁、ライフライン事業者などの関係防災機関に拡大して気象情報や火山情報を提供するとともに、現地で行っています住民からの問い合わせ等につきましても、大手町の東京管区気象台等において電話等により対応すると聞いております。

○倉林委員 測候所の廃止後は、インターネットあるいは電話で対応しているということであります。これまで長い間、地域になれ親しんできた測候所が廃止されるということになりますと、何といっても一番影響を受けるのは島民であります。島民自身であります。今回の気象庁による廃止計画に対して、地元の自治体では今どのように考えられているのか、ちょっとお伺いしておきます。

○石野総合防災部長 気象庁は既に今回の三測候所の廃止計画につきまして、大島、三宅、八丈の各町村に事前説明を行っておりまして、これに対して各町村では、島民の意向を踏まえ、現在対応を検討しているという状況でございます。
 また、各町村の議会に対しても、本件陳情者と同名の方から同様の趣旨の陳情が提出されておりますが、現在取り扱いは保留されていると聞いております。

○倉林委員 地元の町村では、島民の意向を踏まえて、現在対応を検討している。また取り扱いは保留をしているということであります。地元の意向はわかりました。
 それでは、都の意向についてちょっと伺いたいと思いますが、国が閣議決定をいたしました測候所原則廃止の方針ですね、こういう中で、気象庁では、大島あるいは三宅島で行っている火山業務及び八丈で行っております高層気象業務について、無人化が困難であるということから、現地においては継続することも含め検討をするということのようでありますが、関係町村や町議会の動きを踏まえて、都としては、今回の測候所の廃止計画についてどのような考え方でいるのかを聞かせてください。

○石野総合防災部長 気象庁は、科学技術の進歩等によりまして、これまでのサービスの大部分を自動化し、測候所を廃止する意向でございますが、測候所は開設以来一世紀近くにわたりまして、住民に信頼され、地域防災活動に大きな役割を果たしてきました。都はこれまでも、伊豆諸島の住民が安心して生活できるよう、地震や火山の観測体制の強化につきまして国へ要望してきましたが、三測候所の廃止の検討に当たりましても、住民サービスの低下や防災活動に支障を来すことのないようにすべきと考えております。現在、島しょ町村では対応を検討中でありますことから、都としましては今後これらの意向を踏まえまして対応していきたいと考えております。

○倉林委員 島しょ町村では対応を今検討中であると。だとするならば都としても、今後これらの意向を踏まえて今後の取り組み、あるいは対応をしていきたいということのようであります。
 本陳情を審議するに当たっては、やはり何といっても地元の意向を十分踏まえることが何よりも重要である。しかし現時点では、関係町村あるいは議会等の意見や考え方が明らかになっていないということでありますので、ぜひこの件につきましては継続扱いにすべきであるというふうに意見を申し上げておきます。
 終わります。

○古館委員 それでは、私からも、本陳情は採択すべきというふうに考えているんですが、そうした点で何点かお尋ねしたいと思います。
 現在、測候所ですけれども、この三島ですね、三つの島のそれぞれの現状及び人員配置、これがどのようになっているか伺います。

○石野総合防災部長 大島、三宅島、八丈島の三測候所では、台風、大雨等の気象予報や警報に必要となるデータを東京管区気象台に送りますとともに、所在地の支庁、役場、ライフライン事業者などに対しまして、予報、警報の伝達や解説、相談等を行っております。
 それぞれの測候所の職員配置数でございますが、大島が十名、三宅島が九名、八丈島が二十一名となっております。

○古館委員 今のお答えのとおりの人員配置だということですが、そこでの職員の方の任務、これはどういうことが日常的にやられているんでしょうか、お尋ねいたします。

○石野総合防災部長 測候所職員の任務でございますが、気象、地震、津波、火山等の観測及び気象台へのデータ送信がまずございます。また、気象庁が発表する予報、警報に関する地元関係機関への解説、さらに災害時における地元防災機関からの相談業務などがございます。

○古館委員 今いわれたのは、実際にそこに職員が張りついていないとなかなかできないという部分が非常に多いんですよね。気象庁が発表する予報、警報に関して地元関係機関にこうこうこうですよということを伝えるとか、それから災害時になると、地元防災機関からのさまざまな相談だけじゃなくて、まずこちらから知らせていくということも含めた、そういうさまざまな任務があるんですよね。
 それで、三宅島に私どもの村議会議員もいるんですね。強く無人化にしないでくれということで、村も今、村議会も一生懸命そういう観点で検討しているということで、どういう形でこの人たちが仕事をしてるんですかというふうに聞いたら、このように村議がいっていました。
 一つは、火山ガスの噴出量ですね。いまだにガスが出てますから、その噴出量をはかるのは無人ではできない。そこに行って、地面の道路上で紫外線の量をはかってガスの量を計算するんだそうです。したがって、曇りだったら量の検知というのができないらしくて、晴れたときに雄山に行って観測するという形になりますから、どうしても人の配置というのは、これは不可分の任務になっているという話がありました。
 それから、現地で人が直接いて目視しないと、これは独特の気象状況というのがありますから、なかなかこれも難しい話で、人というのがどうしても必要なんですと。ご存じのとおり、これらの島は台風の通り道の最前線にあるので、早い感知ができればできるほど、本島に対しても、そういう予備知識なり予防措置ということができるので、これはとても大事だということをいっておりました。(「だから硫黄島一緒に行こうっていったんだ」と呼ぶ者あり)いやいや、だから、そういう話に余り飛ばさないで。
 私はそこで、そちらの島の話じゃなくて実際に伊豆諸島の気象庁の、実はこれは三宅島の測候所に問い合わせをしたんですね。そこで大体話をしていただいたことを要約してみますと、今のところはそれぞれの島に職員がいるので、先ほどいいましたが、数値予報だけでは補えないきめ細かな予報というのをやっていますと。実況に対して、つまり島特有の気象現象ですね、これについてもやっぱり対処できているんだけれども、もしそういう形で人が配置されなくなっちゃうと、当然のことですけれど、島民の方が漁業なんかに出ていく場合に、どうしても問い合わせが来るんだそうです、船を出したいけどどうかとか。そういうようなことは結構、カウントとしてはしていないんだけれども、いっぱいあるというんですね。そういうような事情というのがどうしてもあるので、自治体の防災体制の問題も含めて考えると、やっぱり人の配置というのは必要ではないかということを私自身感じました。
 それから、大島と三宅島では現在でも火山活動が活発なんですね。大島というところも定期的に二十年、三十年サイクルで噴火しているんですよ、今は三宅島ですけれども。だからそういう部分でいうと、どうしても人の配置というのがあるんですと。繰り返し、この大島も三宅島もされてきてると。そういうことをいわれましたね。
 島民の方が最も気にしてることは何かというと、ご存じのとおり、今後の火山ガスがどうなっていくのかということなんです。測候所では週に一回程度、火山ガス、二酸化硫黄の放出量も測定して、さっきちょっとお話ししましたけれども、それと同時に、月に一回、ヘリコプターで上空からの火山観測をしていますと。それは現場に行って、火口の観察というのは温度で測定するだとか、いろんなことをやらないといけないので、やっぱり人の配置はどうしても必要なんですと。三宅島の最新の火山状況、気象庁のホームページにも発表しているのは、現地の測候所の人たちで、これをホームページで発表していますというようなこともいわれました。
 同時に、月に一回、前月の火山観測資料というのを、観測結果だとか今後の見通しを載せた資料、これをもとに、支庁、いわゆる東京都の支庁ですね、それから役場、警察に担当者が状況説明をいつも行っていますと。測候所が廃止されると、火山ガスの測定も頻度が減ることが予想されるし、わざわざ東京から出向いていかないといけなくなっちゃう。噴火時の大事なことは、降灰の調査、これが迅速な対応ができなくなっていくと。何よりも自治体の防災担当者との意思疎通が現在のように十分できなくなるということも懸念されますというふうにいわれておりました。当然ながら、火山が噴出してますので、結構故障だとかが多いらしいんですね、地震計だとか気象観測機器。こういうときの対応というのは、やっぱり人がいないとなかなかできないということも、この中でいわれました。
 もう終わりますが、私の意見ですけれども、この話を聞きながら、測候所が完全無人化になるのか、火山対応のために少ない人員を残すのか、また不透明なところはいろいろあるんですけれども、やっぱりこれら三島に対しては、配置されている気象庁の測候所のこれまでどおりの体制維持、これをぜひ求めたいなと思っています。
 先ほど倉林委員も質問されていましたが、自治体の方でもお話を聞きましたら、年内までに、できればこれは残してほしいと、人は、配置を。そういう方向で取りまとめをしているようだと。これは、うちの村議の方の報告であります。
 したがいまして、この問題について、私どもはぜひ意見書も上げていくようにできればいいなというふうに思いながら質問しています。
 以上です。

○後藤委員 私からは、今週の火曜日に硫黄島に行かせていただきまして、考え方が変わったといったらば多少オーバーかもわかりませんけれども、例えば行革というふうな観点からいきますと、コンピューターですとか機器が発達していけば廃止というふうなことも考えられると思うんですけれども、今週の火曜日、硫黄島に行かせていただきまして、今回は防災委員の方ですとか気象庁の方からいろいろとお話しいただきまして、現場で見て歩いて、もう本当にぶかぶかしてるところで、もう煙が出てて、これはいつ爆発しても、水蒸気爆発してもおかしくないというふうなところを現場に行かせていただきまして、これはやはり大島ですとか三宅島、例えば三宅島の周りの新島ですよね、もうあの辺ではぐらぐらいつも揺れてるわけですよ。
 こういうふうな現状があって、特に私たちは総務委員会というふうな形で行かせていただいているわけですから、例えば今回の陳情者の話なんですけれども、今回の陳情に関しましても、これはやはり残していただきたいと。結局残さなければ、例えば古館理事がおっしゃったように、現場に行かなければわからないというのはたくさんあるということも私は認識をさせていただいた。例えば現場で、防災委員の方が実際に火口というんですか、火口というのは、ぶくぶくやってるところに温度計を入れて、ああ、これは何度だと。ああ、こんなこと知らなかったと。現場に行かなければわからなかったというふうなことも数多くお話をされてたわけです。
 例えば防災部の方も行かれてるわけです。総務委員会で防災部の方も行かれて現場を見てるわけですから、国の方にも、積極的に働きかけていただいて、できれば残すような方向にしていただきたいと思うんですけれども、例えば危機管理監、現場に行かれてどのようなことを考えられたのか、ちょっと教えていただけると。行かれた結果を今後の施策に反映していかなければいけないと思うんですけれども、何を考えたかといったらば、ちょっと聞き方が悪いんですけれども、例えばどのようなことを学んできたか、ちょっと一言お願いします。

○中村危機管理監 おとといはお疲れさまでございました。硫黄島の視察は、火山島でございまして、火山島の活動状況につきまして、今後東京都といたしまして、気象庁と協力しながら観測体制をどのようにつくるかということが主眼でございました。今後、地震計の設置等について調査、検討したいというふうに考えております。そのために現地を見て、また調査、検討の段階でどの地点がいいのか、そういうことも考えなきゃいけないというふうに思っています。
 ただ、最近の観測機器の進歩、それから通信機器の進歩もございますので、現在硫黄島で行っています防災科学研究所の地震計の観測につきましても、電気につきましてはソーラーを使っております。また、通信につきましても無線で飛ばしてるというような状況でございますので、無人化をされているということで、必ずしも観測そのものにつきましては有人である必要はないというふうに考えております。

○後藤委員 確かにコンピューターですとかソーラーですとかというのは私も見ましたけれども、例えば危機管理監だって現場に行かれたときに、専門委員の方たちだとか気象庁の方たちが、一つ一つ差し込んで、いろいろ調べていた。こういうふうなこともあるわけですけれども、こういうのがあったとしても、例えば機器が発達というんですか、コンピューターが発達すれば、防災に関しては人なんかは要らないよと、人なんかいなくても同じことができるよというふうなお考えですか。

○中村危機管理監 観測とあわせまして、気象庁につきましても緊急の場合には火山の観測班を出すということも決めていると聞いております。
 ただ、先ほども石野部長の方からご答弁させていただきましたが、現在、大島、三宅島、八丈で行っている観測の中に、火山観測や高層気象の観測もございます。こういう観測につきましては無人化が難しいというようなこともございますので、気象庁としても有人化で観測を続けたいという意向もあると聞いておりますので、必ずしもすべての観測が無人でできるというわけではないというふうに私も了解しております。

○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一八第八一号は継続審査といたします。
 陳情の審査を終わります。
 以上で総務局関係を終わりまして、本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十七分散会

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