総務委員会速記録第十号

平成十八年九月二十八日(木曜日)
第一委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長山下 太郎君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長増子 博樹君
理事吉倉 正美君
理事吉原  修君
理事古館 和憲君
宇田川聡史君
後藤 雄一君
高木 けい君
橘  正剛君
倉林 辰雄君
比留間敏夫君
柿沢 未途君
田中  良君

 欠席委員 なし

 出席説明員
総務局局長大原 正行君
危機管理監中村 晶晴君
理事島田幸太郎君
総務部長岳野 尚代君
行政改革推進部長松崎  茂君
行政改革調整担当部長多羅尾光睦君
IT推進室長加島 保路君
首都大学支援部長影山 竹夫君
人事部長中井 敬三君
参事中西  充君
主席監察員齋藤  進君
行政部長前田 信弘君
多摩島しょ振興担当部長松本 栄一君
都区制度改革担当部長森 祐二郎君
参事廣瀬 秀樹君
総合防災部長石野 利幸君
勤労部長野口 宏幸君
法務部長中村 次良君
統計部長金子  優君
人権部長田村 初恵君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十二号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十三号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十四号議案 電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律施行条例の一部を改正する条例
・第百七十五号議案 東京都消防訓練所条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・行財政改革実行プログラムについて
・平成十七年度東京都監理団体経営目標の達成状況・経営実績 平成十八年度東京都監理団体経営目標の設定状況について
・平成十七年度公立大学法人首都大学東京業務実績評価書について
・小笠原諸島振興開発計画(変更素案)について
・大規模停電に伴う緊急点検と今後の対策について

○山下委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山下委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七十二号議案から第百七十五議案までを一括して議題といたします。
 本案件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○山下委員長 次に、報告事項、行財政改革実行プログラムについて外四件に対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岳野総務部長 去る九月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明させていただきます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 1、役員報酬の決定についてでございますが、都が定める標準報酬額を基準といたしまして、各団体が経営状況を踏まえて決定することとなっております。
 次に、2、役員標準報酬額推移についてでございますが、ランク別、役職別に、過去十年の年度当初の標準報酬額を記載してございます。
 例えば、上段のAランク、理事長の標準報酬額は、平成九年度、二千百六十万円でございましたが、十八年度は千五百七十一万円でございまして、この十年間で金額で六百万円、率で約三〇%の大幅な削減を行っております。
 なお、AランクからDランクまでのそれぞれのランクに該当する団体につきましては、二ページ目の役員報酬ランク一覧(平成十八年四月一日現在)に記載してございますので、ご参照いただきたく存じます。
 以上、簡単ではございますが、ご説明でございます。どうかよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山下委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○吉原委員 それでは、行財政改革実行プログラムの監理団体のことについて、若干お尋ねをさせていただきたいと思います。
 監理理団体の改革につきましては、都庁改革アクションプランの一次、二次にわたって、その実施を通じて、監理団体の団体数がこれまで二十三削減をされてまいりました。それに伴って千百人の職員が削減されて、また、約一千億円にわたって、財政支出が削減をされてこられたわけでありますけれども、これに対しては大変大きな評価をさせていただきたいと思いますし、これからもこの行財政改革実行プログラムの中にある監理団体の改革に従ってしっかりとやっていっていただきたいなというふうな思いをしているわけであります。
 そこで、今回のプログラムで示した監理団体改革について、基本的な考えをお伺いいたします。

○多羅尾行政改革調整担当部長 東京都はこれまで監理団体改革に積極的に取り組んでまいりましたが、指定管理者制度の導入や公益法人制度改革など、監理団体を取り巻く環境は大きく変化しており、一層の改革が必要となっております。そのため、個々の団体について、それぞれの存在意義を改めて検証した上で、統廃合を行うものや、それぞれ民営化を含む自立的経営への移行を行うものなど、そのあり方を見直してまいります。
 その上で、中期的な経営改革の取り組みを進め、将来を見据えた団体経営の戦略的展開を促進することで、効率経営のさらなる推進と公共性の発揮により、都民に一層貢献できる団体へと変革していくことを基本的な考え方といたしております。

○吉原委員 今ご答弁をいただきました、団体のあり方の見直しというお話でございますけれども、私もかねてから、委員会や各定例会の本会議の一般質問においても監理団体あるいは報告団体、もうちょっと必要に応じて見直していくべきでないかということを申し上げておりまして、特に行政がやっている話でありますから、何といっても都民にとっての公共性や公益性がなければならないわけでございまして、その役割を果たしているのかどうなのか、もう少し詳細にしっかりと見きわめてもらいたい。こういう発言をさせていただいてきたところでありますけれども、今回の実行プログラムの中に指定解除、こういう項目が設けられました。かねてから東京熱供給の会社に対しては、やっぱり民間と競争をしていく。民間にもそういった会社があるわけでございまして、そういった民に任せるものは任す、民間の競争をより活発にしていく、こういうことが大切だろう、こういうふうに申し上げてまいりました。
 今回の指定解除の中にその内容も具体的に挙げていただいたことは大変評価をするところでもありますけれども、今までの一次、二次のアクションプランとは若干違う、そういう感じもするわけでございまして、その具体的な考え方、あるいは内容についてお尋ねをいたします。

○多羅尾行政改革調整担当部長 今回のプログラムにおきましては、民間市場の成熟など社会経済情勢の変化により、都として事業を先導する意義の薄れた団体や、事業の安定的運営や自立的経営が可能になった団体など、都が全庁的に関与する必要のなくなった団体については、監理団体の指定を解除することといたしました。
 具体的には、先生からお話のございました東京熱供給株式会社、株式会社建設資源広域利用センターの二社について指定解除の方向性を示したところでございます。
 今後は、都の出資比率の引き下げや都職員の派遣解消など、この二団体に対する都の関与の度合いを順次縮小いたしまして、さらなる自立的経営を促してまいります。

○吉原委員 ぜひ成果の上がるようにしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 しかしながら、先般も、港湾局の発表によりますと、持ち株会社方式で臨海地域、統括してつくっていく、こういうお話があったわけでございますけれども、この中にも、その傘下として東京臨海熱供給、ゆりかもめ、ビッグサイト、埠頭公社等もおさめて、それぞれの事業実施はそこでやっていただくけれども、持ち株会社をつくって統括して運営していこう、こういうお話があるわけでございます。
 また、民事再生中であります四つの会社についても、当然のことながらそういう方向で進んでいくんだろうと思います。
 そんな方向性がある中で、きょうのこの実行プログラムにはその具体的なことはまだ載っていないわけでありますけれども、その持ち株会社というものも、当然のことながら東京都が大幅な出資をしていくわけでございますから、当然監理団体になっていくんだろうと思うわけであります。そんなことを考えると、監理団体の中に、さらにまた系列的な監理団体がその中にあるというのはどうも不自然だなというふうに思わざるを得ません。
 今後については、きょうこの場でどうだということでありませんけれども、そのこともしっかりと踏まえた中でその改革を進めていっていただきたい、こういう要望だけ申し上げておきたいと思います。
 次に、報告団体についてお尋ねをいたします。
 かねてから、先ほどのように、再三、報告団体もやっぱり見直すべきだ、こういうお話をさせていただいてまいりました。すべてが東京都にとって、あるいは都民にとっての公共性がないというわけではありませんけれども、株式会社であったって公共性があったり、公益性があるわけでありますし、当然のことながら、行政でやっている、関与している報告団体でございますから、そんなことを考えると、報告団体の中にも、もう既に切り離してもいい報告団体があるんではないか、あるいは、これからもっと重要視される報告団体があって、監理団体に格上げしていってもいいんじゃないか、こういうような思いをしているわけでありますけれども、そういった中で、今回のプログラムの中にも、報告団体への関与の見直しというものを挙げていただいているわけでありますけれども、どういうような観点をもって見直すのか、お尋ねをいたします。

○多羅尾行政改革調整担当部長 報告団体の中には、委託料など都からの財政支出が多い団体や、都の執行体制のスリム化に資するため、都の業務の担い手となることが期待されている団体もあるなど、ご指摘のように、都とのかかわり合い、あるいは団体の役割は一様ではございません。このため、今後は、それぞれの団体の特性に応じて都の関与のあり方を見直すことといたしました。
 具体的には、報告団体の事業における都財政支出の割合が大きい団体に対しては、関連する事業の収支報告や内部監査における意見など、財務情報についてより詳細な運営状況報告を求めていくことといたしました。
 また、報告団体のうち、都施策を支援、補完していく団体として、より積極的に活用していくものにつきましては、都が責任ある関与を行うために新たに監理団体に指定することといたしました。
 今回のプログラムにおきましては、株式会社PUCを監理団体に新たに指定いたしまして、水道料金徴収業務などの水道事業の準コアな業務の担い手として、都の水道事業を支援、補完させることといたしました。

○吉原委員 わかりました。とにかく、社会情勢も大きく変化をしているときでもございますので、そういった団体をしっかりととらえて見ていただいて、監理団体あるいは報告団体の、東京都の関与のあり方というものを、これからもしっかりと進めていっていただきたいということだけお願い申し上げまして、終わりにさせていただきます。
 続いて、小笠原諸島振興開発計画の変更素案についてお尋ねをいたします。
 今月の九月十四日、小笠原振興開発計画の変更素案の報告を聞いたところでありましたけれども、それから間もない九月の十九日付の新聞報道では、国と都がTSLの就航を再検討する、こういう大きな見出しで新聞に掲載をされておりました。
 昨年の十月にこの委員会で、TSLの就航を断念する、そういう答弁があったわけでありますけれども、今回のこの新聞報道には大変驚かされたわけであります。だれよりもあの小笠原の島民の皆さんが、この新聞記事を見て、一体どうなってるんだろうというふうに思っているのではないかと思うわけでありますけれども、改めてお聞きをいたしますが、TSLの就航を断念した考えには変わりがないのかどうなのか、お尋ねをいたします。

○松本多摩島しょ振興担当部長 テクノスーパーライナー、TSLにつきましては、燃料であります軽油価格が高騰いたしまして、運航収支の大幅な赤字が継続すると見込まれたことなどから、昨年の秋、都として運航支援を断念いたしました。また、国も運航支援を断念いたしまして、既に振興開発基本方針の変更を行い、TSLに関する記述を削除したところでございます。
 小笠原定期航路は、島民の唯一の生活航路として、信頼性、安定性が何よりも重要でございます。TSLについては現在ではさらに巨額の運航赤字が見込まれる上、現「おがさわら丸」と同様の就航率の確保は困難であり、小笠原定期航路への就航は難しいという考えに変わりはございません。

○吉原委員 そういうことであれば、今の答弁を踏まえて、変更素案について何点かお尋ねをさせていただきます。
 ことしの五月に、国が小笠原諸島に関する基本方針の変更を発表いたしました。この基本方針の変更を受けて、都としては今までの計画を変更するわけでありますけれども、変更内容についてどのようなものがあるのか、お尋ねをいたします。

○松本多摩島しょ振興担当部長 ご指摘のとおり、本年五月、国は、TSLの就航が困難となったことなどを受けまして、高速交通アクセス手段や観光、地上波テレビ放送のデジタル化対応などについて基本方針を変更いたしました。都は、基本方針の変更を踏まえまして、本委員会へのご報告及び都民への意見募集などを経て、振興開発計画を十一月末に変更する予定でございます。
 変更計画の主な内容は、将来の航空路の開設を目指した検討、観光客増加に向けた振興策及び世界自然遺産登録への取り組み等となってございます。

○吉原委員 今のお話を一口でいえば、TSLを断念したことによって、再び航空路の開設を目指して検討していく、こういうことになるんだろうと思いますが、具体的にどのように進めていくのか、お尋ねいたします。

○松本多摩島しょ振興担当部長 これまで、新規の空港整備につきましては、国が空港整備計画を定めまして、その中で事業として位置づける方式がとられてまいりました。しかし、平成十五年度以降はこの方式が見直され、新たに示された国の整備指針の中で、新規の空港整備に当たっては、合意形成の手段としてPIを実施することが必要とされました。
 都は、国の整備指針に基づき、村と協議会を設置いたしまして、計画期間内に空港候補地選定に向けたPIを実施してまいりたいと考えております。
 また、都は、PIに反映させるために、自然環境への影響、費用対効果、運航採算性、安全性等について、総合的に調査検討を行うこととしております。

○吉原委員 簡単に変更素案について一通りお伺いをいたしました。
 小笠原諸島の振興は、単に東京だけの問題ではないと思います。私たちのこの日本にとっても、安全保障の問題があり、あるいは、先ほどもお話しいただきました世界遺産の問題も、特異な自然環境の保全という意味であるんだろうと思いますし、海洋資源、そして観光等、さまざまな貴重で重要な位置づけをされているわけであります。加えて、島民の生活の安定と向上をしっかりと確保していかなければならない、この行政の大きな責任もあるんだろうと思います。
 これまでに、自然環境や費用対効果などの理由によって、航空路の白紙撤回をされてきた。そしてまた、さらにはTSLの就航を断念した。そしてまた、もとに戻って三度目になりますか、再度、航空路整備を模索していく、こういうことになるんだろうと思います。もう二回も失敗をしたといっても、決して過言ではないと思うわけでありますけれども、三度目、同じ轍を踏まないようにしっかりやっていっていただきたい。
 そのためには、国交省、あるいは環境省、国の関係機関との協議というものをしっかりやっていかなければならないと思います。と同時に、やっぱり島民の皆さんが今後自分たちの生活をどのように向上させていくか、あるいは確保していくかということは、ご案内のとおり大変心配されているわけでございますから、島民の皆さんの合意というのも大変重要になるんだろうと思います。
 そういった意味で、村民の皆さんの合意というものが重要になるわけでありますけれども、その見解をお伺いして終わりにしたいと思います。

○松本多摩島しょ振興担当部長 小笠原への航空路開設には、航空路の必要性の認識共有を初め、自然環境への調和などのさまざまな課題について、村民の合意形成が何よりも必要でございます。村は、村民の理解を深めるため広報広聴を開始し、今後、航空路の開設に向けた推進組織の立ち上げを準備することとしてございます。都は村の取り組み状況を見きわめた上で村と協議会を立ち上げ、航空路の開設に向け、PIを実施してまいります。

○増子委員 私からは、行財政改革実行プログラムについて何点かお伺いをいたしたいと思います。
 初めに、豊かな公をどうやって構築していくのかということについて伺いたいと思います。
 行財政改革の新たな指針にありますように、明治以来の中央集権的な体制の中で、公イコール官というような図式ができ上がってきて、そして、右肩上がりの経済とともに大きくなり続けて、今日に至っているというふうに私も認識をいたしております。
 しかしながら、その右肩上がりの戦後経済が終えんを迎えて、現在の限られた財源の中では、公を民間の多くの主体が担うという考え方について、私自身は理解ができております。
 しかし、現実的にこのバブル経済の崩壊後、多分、私の記憶では平成五年ぐらいからだんだん自治体財政が厳しくなってきて、公務員の職員の皆さんの削減などによって起きている職員の担うべき仕事量の増大というものが、多様な主体との協働という考えが出てきたその背景にあるのではないかという声を聞きますけれども、この点についてはどのようにお考えか伺います。

○松崎行政改革推進部長 少子高齢化、人口減少が急速に進む一方、公共分野を担う民間団体が成長する中で、公的部門のコストと成果が厳しく問われ、公を行政だけが担うシステムといったものの限界が明らかになってまいりまして、このシステムが、原点に立ち返った見直しを強く求められてきているというふうに考えております。
 このようなことを背景といたしまして、官民の役割分担を見直し、民間ができることは民間にゆだねるとともに、社会全体の利益につながる活動に多様な主体がかかわる、豊かな公を構築していくこととしているものでございます。

○増子委員 近年、いろんな団体から、最近、予算は削られるけれども仕事がどんどんふえていくというような話をよく聞きました。
 例えば、地域の町会などでも、いわゆる、都とか区以外の公共機関と協働する事業も大変多くて、町会員は減少してるのに、どんどん忙しくなっているというようなことを感じるというような話を実はよく聞きます。
 私は、ある意味では、身の丈にあった行政ということが一方の真理でもありますので、それだけの財源に見合った事務事業を行うんだということも、僕ははっきりいってもいいんじゃないかというふうには思いますけれど、皆さんが、公ということが別に職員の仕事量だけのことでないということできちんといっていくのであれば、その行革によってしわ寄せが来ているんではないという、誤解を受けないようにきちんと理解を求めるような説明責任を果たしていく必要があるというふうに思っています。
 そこで、その公ということについて、都民の認識をどのように上げていくのか、公を多様な主体が担っていくためには、民の側の理解が欠かせないというふうに思っています。町会を初めとする自治組織や、あるいは企業、あるいはNPOなどとの協働をどのようにして理解をしてもらっていくのか伺います。

○松崎行政改革推進部長 行財政改革実行プログラムにおきましては、公を担う多様な主体の育成、環境対策における協働、防犯・防災活動における協働、公共施設の維持管理における協働などにつきまして、さまざまな取り組みを進めることといたしております。
 これらの施策の実施を通じて、都民、地域、企業、NPOなどに対する説明を重ね、豊かな公の構築について、共通の理解に立てるよう努めてまいりたいと考えております。

○増子委員 確かに、さまざまな場面でご理解をいただくようなことは必要だと思うんですけれども、これ、いうはやすく、行うはなかなかかたくて、例えば基礎的自治体である各区も、同じようなことで公あるいは協働という概念を広げようとしているわけですけれども、私の地元の文京区でも、どうやって広めていくかという中で、自治基本条例を策定していく中で協働ということをきちんと規定をして、そして、住民参加による審議会で議論を重ねて、そして、おびただしい数の説明会を行い、あるいは丁寧なパブリックコメントを求めるというようなことを重ねて、やっとご理解いただくような状態だと私は思っております。
 そういう意味では、広域自治体である都が、この公あるいは協働という概念を都民の皆さんに理解していただくには、相当の大きな仕掛けが必要なのかなというふうに思っておりますので、今後ぜひ、そういう意味でご研究をいただければありがたいというふうに思っております。
 次に、区市町村との役割分担のところで伺いたいと思いますけれども、身近な事務は身近な自治体が行うという、いわゆる補完性の原理に従って役割分担を見直していくべきだというふうに思っておりますが、この補完性の原理についての記述が、私が読むと余り明確でないというふうに思うんですけれども、この点。また、事務事業の移譲についての言及もありますけれども、特に、財源配分について何の記述もないという中でいうと、事務を移せば財源を移すというのも当然のことだと思いますし、昨今の都区制度改革の中でも、事務が移らないのに、なぜ財源だけ移すんだということもあるわけですから、当然、事務が移れば財源も移るというふうに思います。
 この点について、財源について具体的に触れられていない、それと、補完性の原理の記述のことについてご答弁いただきたいというふうに思います。

○前田行政部長 区市町村の役割分担の内容でございますが、その事項の説明にございます改革の方向性の中に、区市町村は、最も身近な行政主体として、みずからの創意工夫により、地域における行政課題をみずからの責任において判断し、解決していくことが求められていると、いわば補完性の原理の内容を踏まえました記載を行っているところでございます。
 区市町村への権限移譲に当たりまして、都は、財源措置も含めまして、該当の各市町村と十分な協議を経た上で、これまでも行ってきているところでございます。
 なお、移譲に際しての事務と財源の関係でございますが、もちろん同時に検討はいたしますが、個々の事業と財源が機械的、自動的にセットされるというものではないと考えております。
 事務の移譲分に要する経費がどのくらいの金額になるのか、または、その移譲により区市町村の全体の財源に過不足が生じるかどうか、こういうことを判断して区市町村と協議を行っております。

○増子委員 今ご答弁がありましたけれど、行政の中心的な担い手が基礎的な地方公共団体である。基礎的自治体であるということを前提にして、小さな単位でできることは、なるべく大きな単位でなくて小さな単位で行うと。小さな単位でできないこと、あるいは非効率で、事務事業だけを大きな単位がやるということについて、つまり、まず基礎的自治体がやれるものはそこがやるという考えに立つというのが、基本的には補完性の原理だというふうに思っていて、そういう意味では、似たような表現だとは思うけれど、この文章からいわゆる分権の香りがしないというふうに私はちょっと感じるところがあって、国に対していっているようなことと同様に、国あるいは市町村に対しても行っていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 財源の点についても、きちんと明確な形でこのプログラムに載せていくべきだというふうに私は思っています。
 それと、民間委託について伺いたいと思います。
 官から民へということで、着実にその民間委託がさまざまな分野の中で進んできているということは高く評価をさせていただきたいと思っています。
 全国で民間委託が進んでいるわけですけれども、既に委託して数年を経て、さまざまな事情で委託料が例えば上昇しているようなこともあるようでございます。本当は、その委託した物件費の中で人件費がどのぐらいあるのかというようなことも研究できれば一番いいんだろうと思うんですが、現実的にはなかなか困難だというふうには思っています。
 そういう意味で、一度以前に委託した事業についても、一定期間を置いて、直営との比較を再検討してみる必要がある場面もあるのではないかなというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○松崎行政改革推進部長 これまでも民間委託をする場合には、実務的に直営分の直接経費と民間委託相当額を比較いたしまして、費用対効果が高い場合に民間委託を進めてまいりました。
 お話にあります、既に民間開放した事業につきまして、経費の変動を含む事業内容等の見直しが必要な場合には、改めて直営事業との費用分析を実施することは有効であるというふうに考えております。

○増子委員 私は、基本的に、なるべく民間でできることは民間でやっていただくというスタンスに立っていますけれど、現実的には、例えば、今、区市町村レベルでいうと、保育園の問題なんかは一時期、すごく民間委託ということが一気に進んだ反面、やってみたら、人材の面とかも含めてさまざまな議論が起きて、委託に出すときの仕様を見直すというようなことも含めた変化が実は出てきているという中でいうと、今後、今いったような委託料の変化というのはあり得るというふうに思いますので、この点についても常に見直しが必要だと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、アウトソーシングした際の情報管理について伺っておきたいと思います。
 総務省によりますと、つい先日ですが、独立行政法人で八百五十五件、日本郵政公社で六百十五件、住宅金融公庫で七十八件、中小企業金融公庫で四十八件の情報漏えいがあったということでございます。
 アウトソーシングによって事業を担う主体に対して、役所や、あるいは職員に求められているような同様な責務を課して、実効的な情報セキュリティー対策を立てる必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、いかがですか。

○加島IT推進室長 都では、情報セキュリティー上の漏えい対策について東京都情報セキュリティーポリシーを定め、管理体制を構築しております。
 監理団体やアウトソーシングによって業務を請け負った民間業者等につきましては、国内外におけるファイル交換ソフトによる情報漏えい事故やホームページへの不正アクセス事故が多発する状況から、その都度、所管局を通じて各団体に対し、重要情報の自宅への持ち出し禁止や、ファイル交換ソフトの削除などの対策を実施するよう周知しているところでございます。
 本年一月に実施しました情報セキュリティー個人情報保護状況の緊急点検では、監理団体等も点検対象とするよう各局に指示し、一部ホームページ等の点検、改善を実施したところでございます。
 また委託業者に対しては、契約時の特記仕様書に個人情報の秘密保持など、受託者が実施すべき情報セキュリティー対策を具体的に明記し、適切に履行するよう定めているところでございます。
 今年度、東京都情報セキュリティーポリシーを改定する予定でございまして、改定後は監理団体等についても、これを参考にして情報セキュリティー対策の強化を行うよう所管局に対し指導してまいります。

○増子委員 アウトソーシングが進めば進むほど必ず起きてくる問題というふうに思っておりますので、今、個人情報保護の点、情報セキュリティーについて申し上げましたけれども、一方では情報公開の問題も、ここでは議論しませんが、あると思います。建築確認事務を外部からアクセスできないようなことも現実に起こっていることなので、そういう意味では、情報公開の問題とあわせてぜひご検討をさらに進めていっていただきたいというふうに思っています。
 次に市場化テストについて伺います。基本的な事項については以前の委員会でも質問いたしましたので、その後の検討状況について伺いたいというふうに思います。
 本年の五月に、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律が成立しましたけれど、都では、この公共サービス改革法によらない公開的な導入の検討を進めるということになっていますが、この東京都版市場化テストについて、どのようなものなのか教えていただきたいと思います。

○松崎行政改革推進部長 東京都版の市場化テストについてでございますが、国の法令の運用上民間開放が困難とされてきた業務であって、民間の参加が期待でき、官民の競い合いが実現できる業務を対象に実施するものでございます。今回、モデル事業の対象といたします技術専門校につきましては、いわゆる公共サービス改革法の対象業務となっておりませんので、地方自治法に沿いまして都独自の手法により実施をすることといたしております。

○増子委員 今回、その技術専門校でモデル事業を行うということですけれども、このすべての科目について民間開放ができるというふうにお考えなのか伺わせてください。
 また、官民の公平な競争を確保するためにも、民間団体からの意見をきちんと取り入れていく必要があろうかというふうに思っておりますが、どのように意見を聴取して、また反映させていくのかについてもあわせてお伺いをいたします。

○松崎行政改革推進部長 若年者や高齢者などの就職困難者に対する訓練など公共職業訓練の役割は、今後とも重要であるというふうに認識をいたしております。民間の受け皿を調査の上、適正な競争が働くよう実施科目を選定するものでありまして、すべての科目を対象にすることは考えておりません。
 また、今年度のモデル事業におきましては、対象科目などの検討に当たりまして、マスコミやインターネットを通じまして広く民間事業者の意見募集を行いますとともに、専門学校などを対象としまして、アンケート調査を実施し、民間事業者の意向の把握に努めたところでございます。
 今後、モデル事業の参加者を公募する際にも、幅広く民間から質問を受け付け、官民の公平な競争の実現に努めてまいりたいと考えております。来年度以降につきましても、民間事業者のよりよい意見や提案を取り入れ、事業に活用してまいりたいと考えております。

○増子委員 今、幅広く意見を取り入れるということですから、結構なことだと思います。行政の質を高めるという意味でも、ここで、この場面で民間のいろんな意見を尊重するということが非常に大切だと思っておりますので、ぜひよい制度にしていっていただきたいというふうに思います。
 民間事業者が落札した場合でも、私は、いたずらに役所の行政の責任領域を狭めるべきではないというふうに思っています。都が適切に監督を行って責任を持つべきというふうに思いますけれども、例えば、業務実績状況の確認だとか、あるいはそのサービスの水準の評価などについてどのように行っていくのか伺います。

○松崎行政改革推進部長 官民競争入札の結果、民間が実施することとなりました場合でも、都が定める標準的な訓練基準に基づき実施することといたしております。また、定期的な履行確認、訓練生の満足度調査、都による実地調査などのモニタリングを行い実施状況の評価を行ってまいります。モニタリングの結果につきましては、市場化テスト全般の公正性や客観性などを監視するために設置する委員会に報告するなど、適正な事業実施を確保してまいります。

○増子委員 サービスの水準が下がったのではないかというふうに都民が感じれば、当然都に対していろんなご意見があるということでしょうから、あらかじめ都がきちんと責任と権限を持って取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
 イギリスでは、一九八〇年代にサッチャー政権によって導入された強制競争入札というんでしょうかね、市場化テストですが、これはブレア政権になって廃止になっています。イギリスは、日本の公務員制度と違って、解雇によって確実に短期間でコスト削減が行われてますから、財政的には大変大きく寄与しましたけれども、公共サービスの質の低下とはいいません、軽視につながったというような専門家の意見もあるようで、そのために廃止されたということもいわれています。
 東京では、そういった先例を参考にして、質とコストについて厳格に数量化していく必要があるというふうに考えております。都が検討している具体的な競争方法と入札、スケジュールについてお聞かせください。

○松崎行政改革推進部長 お話にありましたとおり、イギリスでは、一九八〇年代に行政のコスト削減を図るため、公共施設の運営や道路の維持管理など、さまざまな分野の自治体業務につきまして官民競争入札を義務づけるという制度が設けられ、それとともに、公務員が落札企業に転職する仕組みを設けるなどの改革を行ったところでございます。
 これによりまして、経費の削減が進んだわけでありますが、その後、自治体への強制的な措置といったものを廃止し、価格のみならず、サービスの質も重視する制度として運用をされているというふうに認識をいたしております。
 東京都といたしましては、官民の公平な競争条件を確保するため、官民の提案につきまして、同じ評価基準のもとで、質とコストの両方を点数化して比較する総合評価一般競争入札手続を採用する予定でございます。その際、学識経験者を含む委員会で、官民競争の公平性、透明性、中立性を確保していくこととしております。
 スケジュールでございますが、来年四月から職業訓練を開始するためには、前もって訓練生の募集、選考期間を設ける必要がございますので、年内を目途に競争入札を行うよう準備をしてまいりたいと考えております。

○増子委員 今、現在のイギリスの制度についても触れられましたけれども、今ベストバリューを求めるというようなことを基準に、いろんな民間開放を進めているというふうに聞いています。その質とコストをきちんと数量化していくという作業そのものは、多分、行政の質の向上にもつながっていくんだというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、人材育成についてお伺いをいたしたいと思います。
 最近の報道で、教職員の希望降任が多いというのが問題になっているようでございまして、文部科学省によりましても、全国の公立小中学校、高校などで、二〇〇五年度に降格を申し出た管理職が七十一人、〇一年度の二十六人から三倍近くに一気にふえている。この数年で物すごくふえているようですね。特に、初めて管理職になった教頭先生、今、副校長先生ですかね、降任が六十二人と圧倒的に多いということです。東京も十八人いらっしゃるというふうになっています。
 実は世界的にも、イギリスでも千三百ぐらいの小中学校が校長先生がいないといったような大変な事態になっているようで、日本だけの傾向ではないのかもわかりませんが、都庁内にも、何というんでしょうかね、管理職になりたくない症候群のようなものがあるというふうに聞くんですが、そのような現実があるのかどうか、また、どのように対処していくことができるのかについてお聞かせいただきたいと思います。

○中西参事 東京都におきましては、昭和三十三年度以来、公正平等な管理職の内部選抜制度として、試験制度による管理職選考を行ってまいりました。しかし、この間、職員意識の変化などによりまして、近年は受験率の低迷が続いており、優秀な職員が必ずしも受験していないという状況も見られております。
 こうした状況を踏まえまして、今般の管理職選考の改正において、受験機会の拡大や択一記述試験の資格試験化などによりまして、職務に励み、実績を上げ、職場で評価されている職員がチャレンジしやすい仕組みとすることとしております。

○増子委員 これは、今後どういうふうな対策が望ましいのか、私もちょっとまだ判然としませんけれども、中には、管理職になったためにその人の個性と能力を発揮できなくなってしまって、戻った途端に生き生きとやってらっしゃる方もいるというふうな話もあるようですけれども、組織のあり方も含めて今後大変大きな問題かなと思っております。
 管理職になることを希望する人が減っていく、また、団塊の世代の管理職が大量退職するという中で、今後、管理職の配置やその育成といったものをどのようにして行っていくのか、この点についても伺いたいと思います。

○中西参事 大量退職期を迎え、少数精鋭の体制づくりを進める中、都庁の次世代のリーダーを担う管理職には、政策立案力や調整力、組織管理力など、これまで以上の能力発揮が求められてまいります。
 このため、管理職選考により適切に選抜した人材に対し、配置管理や研修を含めた総合的な育成を行うことにより、管理職一人一人の能力を高めていくことが重要であると考えております。より効果的な人材育成を目指して、昇任前の配置管理や研修を見直すとともに、一人一人の職務経歴や強み、適性を生かせるようキャリア形成を意識した配置を行い、管理職のスキルの向上を図ってまいります。

○増子委員 能力や、あるいはスキルアップを図るんだということですが、この問題というのは、能力やスキルだけの問題じゃなくて、それ以前の問題、重責に対する責任感が嫌だということも含めた、もうちょっと根深い問題があるかなと思いますので、ぜひ、今後いい方向に検討していっていただきたいというふうに思っています。
 今回の行革プログラムにありますけれど、この行財政改革の最大の目的というのは、最少の経費で最大の効果を上げることだというふうに思っております。行政の質の向上ということとあわせて、ぜひそのことを目指して頑張っていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○橘委員 私の方からは監理団体の経営評価制度について伺います。
 監理団体の経営改革については、中期的な視点から戦略的に進めるべきである、というのが我が党の一貫した主張でありまして、それに基づいて、私も昨年、この委員会で二回、監理団体に関する質問をさせていただきました。その中では、中期経営計画、それから評価制度のあり方について主張してまいりました。
 今回公表されました行財政改革実行プログラム、ここでは重要施策の柱の一つに監理団体改革が掲げられておりまして、その主要な取り組みとして、一つは、三カ年の中期経営計画の策定を求めますとし、またもう一つは、総合的に評価できる新たな経営評価制度を導入しますというふうになっております。この二つが大きな柱になっているかと思います。
 この取り組みについては我が党がずっと主張してきた方向と軌を一にしておりますので、評価するものでありますけれども、今までの質疑を踏まえて、今回はある程度まとめるという形で、何点か確認させていただきます。
 まず一点でありますけれども、従来も経営評価の仕組みはございました。今回また新たに改革実行プログラムでは、経営評価の見直しを行うというふうにしておりますけれども、従来の仕組みと違う、また新たに評価制度の見直しを行うとした、この目的について伺います。

○多羅尾行政改革調整担当部長 都は、平成十三年度から経営目標達成度評価制度を導入し、団体が掲げた目標について、その達成に向けた取り組みを促し、毎年度その達成状況を評価することを通じて、団体の経営体質の強化を図ってまいりました。しかし、監理団体を取り巻く経営環境が劇的に変わる中で、単年度の取り組みでは成果の上がらない事項も含め、三年から五年程度の中期的な観点から一層の経営改革を進めていく必要が生じてまいりました。
 そのため、それぞれの団体に中期経営計画を策定させるとともに、同計画とリンクさせ、中期的視点からの経営改革の進捗を総合的に評価することを目的として、平成十八年度からバランススコアカードなど、民間の経営管理手法を採用した新たな経営評価制度を導入することといたしました。

○橘委員 今答弁にありましたように、中期的経営、中期的な観点に立つということは、これは非常に、行政の視点からはこれから大事になってくると思います。
 それを踏まえて、見直しの具体的な内容でありますけれども、経営評価制度というのは、一点目は経営目標の設定、それから二点目に達成状況の評価、この二つのプロセスから構成されるわけですけれども、まず経営目標の設定について、これまでの制度と具体的な違い、この点について説明をお願いします。

○多羅尾行政改革調整担当部長 経営目標の設定についてでございますが、これまでは単年度ごとに目標を設定いたしておりましたが、新たな制度では、中期経営計画に掲げた指標をすべて当該年度の経営目標として掲げるとともに、その水準についても、前年度実績を踏まえ一層チャレンジングな水準とするなど、中期経営計画とリンクを図り、中期的な視点から経営管理を行う制度といたしました。
 また、経営目標の設定に当たり、新たに団体トップによる所管局長へのプレゼンテーションを制度化するとともに、副知事をトップとする監理団体改革推進委員会への付議事項とし、目標を事前審査するなど、経営目標の妥当性や客観性についての審査機能を強化いたしました。

○橘委員 資料第5にありますけれど、東京都監理団体中期経営計画の概要、これざっと拝見いたしました。そうしますと、この項目にある経営目標のところを見ますと、毎年度順調に目標を伸ばしている団体、それから、あわせて収支計画もずっと伸びていくというふうに見込んでいる団体もあれば、十七年度の見込みベース、これを十八年度が下回っているところもございました。
 こういうふうに団体によってさまざまな要因はあろうかと思いますけれども、これは勘ぐってみれば、目標値をある程度抑えておけば目標をクリアしやすいというふうな判断もできます。けれども、これを見る限り、大胆に大きく前進させようという、そういった意気込みのある経営目標を掲げているところは余り多くないように思います。
 そうしますと、ある程度順調に推移する、経営を健全化していくという観点から、妥当な線でおさめて目標を定めていこうという、そういった発想も若干あるのかなという気がいたしました。
 そこで質問ですけれども、ある程度特殊な事情によって十七年度実績を下回る目標が十八年度に設定されているのもありますけれども、少なくともこの概要を見る限りでは、その特殊な事情というのは見えてきません。したがって、総務局として、この目標設定についてどのようにこれから見ていくのか、検討していくのか、指導していくのか、その辺について伺います。

○多羅尾行政改革調整担当部長 総務局といたしましては、団体の経営改善に向けた努力を促すという観点から、中期経営計画を踏まえるとともに、基本的には必ず前年度実績を上回る水準の目標設定となるように所管局及び団体を指導しているところでございます。
 ただし、先生のお話にもございましたように、特殊事情により前年度実績のみが急激に増加した場合であるとか、当該年度にやむを得ぬ経営に関するマイナス要因が生じている場合などにつきましては、客観的かつ合理的な理由がある場合のみ、例外といたしまして前年度実績を下回る水準での目標設定を認めているところでございます。
 十八年度の具体例を幾つか申し上げますと、病院事業において診療報酬の大幅な引き下げ改定があった場合であるとか、あるいはスポーツ施設において、海外で第一級の国際イベントが開催されたために、どうしても試合数が前年度実績を下回ってしまう場合などが、前年度より低い目標の設定を認めた例でございます。
 しかし、このような場合におきましても、目標設定の水準は、過去数年分の実績平均などを参考とするとともに、中期的にはその実績が向上するように指導しているところでございます。

○橘委員 次に、経営目標の達成度評価のプロセスについて伺います。
 いうまでもなく、中期経営計画を策定しただけでは改革は進まないのは当然であります。単に経営目標が達成されたかどうかということにとどまらないで、中期的な視点から改革の進捗度合いをしっかりと評価していくことが大事だと思いますけれども、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。

○多羅尾行政改革調整担当部長 経営目標の達成度評価に当たっては、単年度の取り組み結果にとどまらず、複数年の取り組みを要する事項について、そのプロセスを評価するなど、中期的な視点から経営改革への取り組みを総合的に評価してまいります。また、評価結果を確実に次年度の改善につなげるよう、プラン・ドゥー・チェック・アクションのPDCAサイクルシートを導入するなど、中期経営計画の進捗管理を着実に行い、団体の経営改革を促進してまいります。
 なお、経営目標の達成度評価は、所管局における一次評価、総務局における二次評価を経て、最終的には副知事をトップとする監理団体改革推進委員会の議を経て決定いたします。さらに、評価結果を冊子として取りまとめまして都議会へご報告するとともに、都民に公表するなど、評価の公正性や妥当性の確保に万全を期していく所存でございます。

○橘委員 今答弁にありましたように、中期的な視点から経営改革の進捗度合いを総合的に評価するというこの取り組みは、私は画期的なやり方だと思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 また、経営目標の評価の結果、これを役員報酬にどう反映させるか、これもやはり明確な基準に基づいてクリアな状態のもとで反映させていく、これが今求められていると思います。
 この点について役員報酬にどう評価の結果を結びつけていくのか、これについてお願いいたします。

○多羅尾行政改革調整担当部長 経営目標の達成度合いに応じまして、知事が団体トップの業績評価を行い、評価結果を踏まえ、団体自身が役員報酬へ反映させる仕組みとなっております。
 この役員業績評価制度については、団体トップのリーダーシップを一層発揮させ、さらなる経営改革を促進するため、平成十八年度から新たな仕組みを導入することといたしました。
 具体的には、これまで三段階で行っておりました評価を五段階にいたしまして、よりきめ細やかな評価を行うとともに、最大で五%の範囲内であった報酬のカット率を一〇%の範囲内とするなど、報酬への業績反映割合を拡大しております。さらに、リーダーシップや業績を一層適正に団体トップの業績評価へ反映させるために、新たに所管局長の意見を付す機会を設けるなど、団体トップの経営改革に対する取り組みを総合的に評価し、報酬へ反映させる仕組みといたしております。

○橘委員 今、質疑を通して目標の設定から達成状況の評価まで、それから、役員の報酬に至るまで確認させていただきましたけれども、新たな取り組みとしてしっかり取り組んでほしいと思います。
 最後に私の意見としていわせていただきますけれども、大きな改革を進めるときというのはどうしても、トップが力んでも、職員が本当にやる気を起こして一丸とならなければ、どこかからほころびが出るというのが、今までの改革を通して、いろんなものを通して感じるところであります。
 私もサラリーマンの時代に経営再建とかそういった関係では、自分が所属していた社ではそういうのもありました。しかし、節約、節約といってすべてが節約で、出張を三回今まで行っていたところが一回になり、それから会議、打ち合わせ等が五回のところが二回になったり、もうこれもだめ、あれもだめといった経験もございます。それは、再建のためにはいたし方ないところもあったかもしれません。しかしながら、それは立て直すためにはこうしなきゃならないんだという意識があってこそ、それに協力できました。
 これは行革といえども同じだと思います。ところが、これが頑張ろう、頑張ろう、頑張ろうといって、しっかり立て直すまでは頑張ろうというふうにして、意識はあるんですけれども、これが何年も続きますと、どうしても職員心理として萎縮してしまうんです。もうこれを提案してもだめだろうと、これをやろうとしてもやっぱり却下されるだろうと。といったことが続きますと、どうしても萎縮してくる。萎縮してくるところから、今度、新たな発想はやっぱり生まれなくなります。なぜかといいますと、いっても、まず、少し金かかるからだめだろうとか、そういった発想にどうしてもならざるを得ない、こういった経験もございました。
 したがって、この監理団体改革、これから進めること、大いに後押ししてまいりたいと思いますけれども、そうした中で、やはりこの改革を進めるトップというのは、締めるところはきちっと締めて、職員の理解を得て、そして協力体制をいただいて、そしてそれを推進する。強力に、これは推進すべきところは推進する。といって発想まで、また行動まで萎縮するような、そういった改革まではやってはいけないと思います。ある程度自由な発想が出る、特に監理団体については自由な発想が出る、そういった伸び伸びとした発想を伸ばしながら改革を進めるという、そういった方向性が非常に大事であろうと私は思います。
 その点について、最後に、恐縮ですが、総務局長の考えをお聞かせ願いたいと思います。

○大原総務局長 監理団体のさらなる改革の推進についてのご意見、ご質問だと思います。
 まず、監理団体を取り巻く環境が大変大きく変化する中で、監理団体はみずからが策定をいたしました中期経営計画に基づいて、都の方で新たに導入をいたしました経営評価制度を活用して、中期的な視点から経営改革を推進していく、これが極めて重要だというふうに考えております。こうした改革を推進するためには、まさにご指摘のとおり、監理団体の職員一人一人が高いモラールのもとに創意工夫を凝らし、さらに生き生きと働くことで団体の持てる力を最大限に発揮できるようにしていく、こういう内部改革を促していくことが必要であるというふうに考えております。
 このために、私ども都といたしましても、例えば職責や業績が処遇に一層的確に反映できるような、それぞれの団体ごとの人事給与制度の導入を指導いたしますとか、あるいは改革のリーダーとなり得る固有職員の育成を目指した研修を実施するとか、固有職員の職務へのインセンティブの発揮ができるように、あるいはさらなる能力開発を支援していくということで、職員の活性化を図ってまいりたいと思います。
 こういったことも含めまして、監理団体が真に都民に貢献をし、いわば豊かな公を担う主体となり得るように、都としても着実に改革を応援し、推進してまいりたいと考えております。

○古館委員 それでは最初に、行財政改革実行プログラムについて質問します。
 いっとき、地方分権が盛んにいわれたわけですけれども、今日、地方分権って一体何だったのかと。結局、行財政の今日的推移を見ますと、地方自治体に対して、地方への財源も三位一体改革だとして縮小されましたし、地方自治体の権能も、国が実は行革推進法だとか市場化テスト法などの法律、さらには骨太の方針だ、事細かに地方自治体に対していってきますので、上から網をかけて、文字どおり、はしの上げおろしまで指示する、こういう感じで進んできていると。これが現実なんじゃないかなと。いわば上からの行革が推し進められている、これが今の実態だと思いますけど、まず、このことについて見解を求めたいと思います。

○松崎行政改革推進部長 ただいまお話のありました国におけます行政改革に関する動きでございますが、行財政改革につきましては、本来、国の画一的な指導によるものではなく、地方自治体がそれぞれの置かれた状況にかんがみて取り組むべきものであろうというふうに考えております。
 都におきましては、都の置かれた現状認識に立ちまして、独自の判断で徹底した改革を進め、他の自治体に例を見ない成果を上げてきたというふうに考えております。

○古館委員 そうはいっても、やってきている中身というのはほとんど変わらないんですよね。それで、何を成果というふうに考えるかといえば、大事なことは、その立場によって成果が逆になるということもあるんです。例えば財界がもうかれば、痛みは、今、格差社会といいますけれども、逆になるということだけは、やっぱりきちっと押さえておかないといけないと。
 その点でいいますと、国の諸機関と地方自治体の基本的な責務として、民間開放を目的とした公共サービスの見直しを義務づけている、そういう法律が、実はこの市場化テスト法であり、行政改革推進法だというふうに思います。
 私は、過去にこういうふうに義務化のような形で押しつけてきている法律というのは記憶にないんですけれども、この点について、もしほかに他の法であったら、後で質問の際に答えていただければいいと思いますが、この義務づけを地方自治体にするという法律は、市場化テスト法、それから行政改革推進法、これが初めてではないかと思っております。
 こうした中で、ほとんどの自治体でいわゆるこの法律によって、上からのひな形によって地方行革が推し進められてきた。それらの計画の推進によって、住民にとっては三重の痛みを求められている。つまり国、東京都、それから区市町村と、こういう形の構図になってきているのが今の現実だと思います。
 石原都政は行財政改革実行プログラムで、東京都は国に先駆けて先進的に行ってきたと、このように誇っていますけれども、では聞きますけれど、一体、石原都政の行財政運営の特質、特徴はどのようなものだというふうに考えているのか、認識を伺いたいと思います。

○松崎行政改革推進部長 平成十一年の石原知事の就任以来、東京都におきましては、これまで国の改革が一向に進まない中、直面する危機を克服するため、東京から日本を変えるという考えのもと、危機意識の徹底とスピードの重視を基本理念にさまざまな都政改革を推進してまいっております。
 行財政運営につきましては、二次にわたる財政再建推進プランや都庁改革アクションプランを策定し、逼迫した都財政につきまして、財源不足の解消など都財政の健全化を達成いたしますとともに、職員定数の大幅な削減や監理団体の統廃合を実施するなど、国の改革に先んじて効率的な都政の実現に向け、着実に成果を上げてまいりました。
 今回策定いたしました実行プログラムでは、多様な主体の協働による豊かな公の構築、政策対応能力の高い執行体制の確立、スリムで効率的な行政運営の実現を柱にした改革を進めていくこととしております。このプログラムを着実に実行していくことによりまして、多様な都民ニーズに対応することのできる、スリムで仕事ができる効率的な都庁の実現を目指すことといたしております。

○古館委員 それで、先ほど私がいった、この法律が義務づけている法律としては、今回、このようなことは市場化テスト法、行政改革推進法が初めてだということについては余り反論がありませんでしたので、そのようなものなんですよ、これは。だからどこのところでも、少しこのいい方は違ったり、力点の置き方が違うかもしれないんだけれども、全国どこでも同じような状況になってきている。私はそのことをやっぱりきちんと押さえておかなきゃいけないと思うんです。
 いわゆる官から民、小さな政府、これを忠実に進めてきたということが多くの自治体でいえると思うんです。廃止したり、民間移譲した都立施設、これも東京都では百五十カ所に上ってますし、都の事業として残ったものも、大体指定管理者制度だとか独立行政法人、こういうところに経営効率化を優先してやってきているわけです。福祉、暮らしなど都民に密着した施策というのはどんどん切り下げて、それで結構お金を浮かせてきました。それに加えて、前年比は税収が三千六百億円もの増収になりましたから、我が党がこの間の代表質問でも指摘しましたけれども、結局、そのことに対して八兆五千億円ぐらい投じて浪費型のオリンピックを推進する。ところが都民の暮らしは一向によくならない。こういうのが今ずっとあらわれているんだと思うんです。
 地方自治の有力な側面の一つが住民のための自治ということからしますと、この大きな財源は福祉とか暮らしとか、まず都民福祉の増進に使うべきだということを強調しておきたい。しかも強調したいことは、都の行革手法が、国のこの行革関連法だとか骨太の方針で、この発信元が経済同友会とか日本経団連などの各種文書等と重なり合っているということを指摘しなければなりません。(「いつも同じ質問だよ」と呼ぶ者あり)これはでも、そのとおりなんでね。同じ質問だといわれますけれども、確かに財界が次から次へと、もう出してきているんです。
 例えば市場主義宣言、これは市場化テストの問題と同じ民間活力を引き出す構造改革と、それから行財政の抜本改革と公平公正な税制改革、基本方針二〇〇四、つまり骨太方針の中身まで財界がいってくるんですよ。これ、今いってるのは経済同友会ですけどね。そういうのがずっと毎年のように出されて、こうしなさい、ああしなさいということがやられてきているというのが今日の特徴なんですよね。
 そこで伺いますけれども、本プログラムでは、都は公の担い手の一つであるとの原点に立ち返る、このようなことが書かれていますけれども、この公の担い手の一つであるとの原点というのは一体、具体的にどのような内容のことを指しているんでしょうか、お答えいただきたいと思います。

○松崎行政改革推進部長 先ほどの答弁で若干漏れていたようですので、つけ加えさせていただきますが、行政改革推進法やいわゆる市場化テストの法律につきましては、公共団体に義務づけを行うものではございません。それらを手法として選択するかどうかは、公共団体の判断になっているものというふうに考えております。
 お尋ねの公の担い手の一つであるとの原点の原点についてでございますが、本来、公とは私に対置する言葉でありまして、統治のあり方を示す官とは異なる概念でございます。また歴史的に見れば、公イコール官ではなかったという認識を指しているものでございます。
 都といたしましては、この原点に立ち返り、官民の役割分担を徹底して見直し、民間ができることは民間にゆだねるとともに、社会全体の利益につながる活動に多様な主体がかかわる豊かな公を構築することを目指しております。

○古館委員 しかし、この豊かな公の構築というのは、別に東京都の専売特許じゃないんですよね。これもまた、実は昨年の三月ですけれども、地方分権型社会に対応した地方行政組織運営の刷新に関する研究会というのがありまして、その研究会が大体同じことをいっているんです。新しい公共空間の形成をイメージして、公の仕事を官だけでやるんじゃなくて民でできることは民でと。つまり、これ自体も、別に東京都の独自の考え方から出てきたものではなくて、やはり今いいましたけれども、そういう意味での、いわゆる財界も入った研究者がいまして、そういう中で出されてきたのが今日のこの公、いわゆる豊かな公の部類だということなんです。このことを指摘せざるを得ないわけです。
 そういう中で、都のこのプログラムの問題で、この公というのは私に対する言葉であって、統治のあり方を示す官とは異なる概念だというふうにいっているんですけれども、しかし、その点でいいますと広辞苑とか大辞林でどういうことがいわれているかというと、これは……(発言する者あり)いやいや、大事なことなんですよ。(「質問しようよ、質問」と呼ぶ者あり)質問しますよ、してるじゃないですか。
 公というのは何かというと、政治や行政に携わる組織、機関、国、政府、地方公共団体、これは大辞林の規定です。それから広辞苑は、朝廷、政府、官庁、官事。念のために官というのはどういうふうに広辞苑でいっているかというと、公の家の意味だと。つまり公ということと官ということはイコールなんだというのが、今日、通常一番権威があるといわれている辞典などの中での解釈なんです。この点についてどういうお考えでしょうか。

○松崎行政改革推進部長 先ほども申し上げましたが、公を行政だけが担うシステムの限界が明らかになってきたと、こういうことから、それを原点に立ち返って見直しを求め、またそういうことを踏まえまして、社会全体の利益につながる活動に多様な主体がかかわる豊かな公を構築していくこととしておりまして、このような認識は国においても、また他の団体においても、公を行政だけが担うシステムの限界ということは、同様の背景があるものというふうに考えております。
 また、公につきましては、先ほども申し上げましたが、私に対置する言葉であり、統治のあり方を示す官とは異なる概念であると、公共といった意味合いを含んでいるものというふうに考えております。

○古館委員 今の公と官というのは、私は先ほどイコールだといいましたね。それで、公というのは公権力ともいうし、それから官というのは、逆にいうと、何が公で何が私なのかというのは、やはり公だからこそ税金を納めてもらったり、それから条例をつくったり、一定の罰則ができる、ここに私はちゃんとした公としての、この決まりがあるというように思うんです。
 ところが、それを私は、例えば町会の人と一緒に何かをやりましょうということを否定しているわけじゃありません。公そのものが、税金徴収であるとかそういうことの中で、いわゆる庶民に対して、私に対してやっていくことというのは厳然と区別して、それなりに役割を果たしていかなきゃならないと、これが私は大きな公としての役割だというように思ってます。もう一回、ちょっと答弁していただきたいと思います。

○松崎行政改革推進部長 今回のプログラムにおきましても、東京都において公としての役割を否定しているものでは全くございません。

○山下委員長 速記とめてください。
   〔速記中止〕

○山下委員長 速記再開してください。

○古館委員 それで、今、質問集中といいましたけれども、こういうことになると報告事項に対しての質疑ですから、私は私なりの考え方を述べて質問しているわけであって、それで、こういう流れでちょっとひとつ、次の質問に移りたいと思いますけど、首都大学東京について質問したいと思います。
 首都大学東京については、都立大学など四大学を統合して、昨年度、首都大学東京が開設されました。そこでの教育や研究などが、大学本来のあるべき姿から大きく外れつつある事態が起きていると私ども考えています。
 六月三十日に〇五年度の公立大学法人首都大学東京の決算について、法人は、初年度に大学法人が十七億円の黒字を計上したと、このように評価をしております。しかし、その半分以上は、予定以上に百人近くの教員が転職だとか退職したことで人件費が浮いたためであります。十七億円の黒字の計上がですね。
 そこで質問しますけれども、〇五年度の教員人件費の予算は、〇四年度の現員数をもとに算定したと思いますけれども、何人分を計上したのでしょうか。

○影山首都大学支援部長 平成十七年度の教員人件費は、法人の予算上では平成十六年度末の退職者も考慮しまして七百三十七人分を計上しております。

○古館委員 当初予算の人件費で七百三十七人分を計上したと。そこで、教員退職者数、採用者数のプラスマイナスの中で、実際には〇五年度は総数で何人おりましたか。

○影山首都大学支援部長 平成十七年四月一日現在の教員数は七百三人でございます。

○古館委員 結局、当初予算で七百三十七人を計上して、現実の教員数は〇五年度の四月一日現在で七百三人、つまりマイナス三十四人、足りないわけです。
 それで、先ほど私が、百人近くの教員が転職とか退職したというふうにいいましたから、それでもまだ大変な教員が足りない。ですからこれ、百人近くにならないんですよね。教職員組合の会報によりましては、百人近く教員が減ったとやはり書かれています。その中には、独法化に反対して大学を去った、文科省の最もすぐれた研究に対するCOEに選ばれた経済学部の研究グループ十四人であるとか、法学部では、法科大学院を支えるべきベテラン教授がほとんどいなくなるなど、首都大学でもなくてはならない人材が数多く離れていった影響があります。本来なら、大学として人件費分ではかえられない貴重な教員の流出を食いとめるためにあらゆる努力をすべきだったし、今後もあらゆる努力をすべきです。この点について、どのような認識を持っておられますか。

○影山首都大学支援部長 先生おっしゃる教職員組合の会報、ちょっと手元にないので詳しい数字はわかりませんが、優秀な教員の確保についてでございますが、教員の採用に当たっては、法人の中期計画に定められた教員設定数の枠内で各学部、コースの教育目標ですとか教育内容に合わせ、それにふさわしい優秀な教員を計画的に募集、採用しているところでございます。
 また、インダストリアルアートコースなど新しいコースの開設による教員の採用につきましては、学年進行に従って順次段階的に行っているところでございます。

○古館委員 教員の設定数の枠内といいましたんで、悪いんですけど、教員の設定数は今、何人で設定したんでしょうか。

○影山首都大学支援部長 法人が定めました中期計画上では七百二十人と設定しております。

○古館委員 結局、当初予算では七百三十七人分の教員採用を計画して、それで教員設定は七百二十人というふうに落として、さらに実際にいる教員は七百三人と、こういうことなんですよね。
 この問題について、やっぱり一緒に考えていかなければならない問題というのは、教員に対する任期制の導入、任期、つまり期限を切って教員を採用する、こういう任期制の導入をしています。任期制を導入すれば、トップが期待しているような人というのは結局のところ、現実から見てほとんどいませんでした。やはり基本的に、首都大学として大学の存在感というのを高めるためには個々の研究もチームを組んで取り組みながら、これらが相まって大学全体で教育や研究の質の高さを築いていく、こういうことが必要なんであって、私は、期限切って任期制というようなやり方でよい教育研究が実現できるものではないというふうに考えています。したがって、この任期制というのは改めて中止し、再検討すべきだと思いますけど、いかがでしょうか。

○影山首都大学支援部長 教員の任期制でございますが、この制度は、意欲ある教員のステップアップと教育研究の活性化のために導入したものでございます。いわゆる大学全入時代を迎える中で大学間競争が激化してまいります。魅力ある大学づくりを進める上で人事の活性化は不可欠であり、中止する考えはありません。

○古館委員 結局、教員が集まらない、そういう中で任期制の導入をすると。ですから、今、明確にそういう考えはないというふうにいいましたけど、私はぜひ近い将来において再検討することを求めておきたいと思います。
 次いで、首都大学ではかなり法人の役員は高報酬なんです。ところが年収二百五十万円に満たない固有職員が百人近くも雇用されております。これはどうしてこうなっちゃうのかというと、固有職員の場合に、例えば一般事務でいいますと、たった一年の任期なんです。二回までは更新可だと、こういうふうになっているんです。
 一般事務に限らず、例えば図書館のそこで働いている人も含めて一年任期ではないんだけれども、全部任期がついているから不安定雇用になっちゃうんです。私は任期制の、改めてこの問題についても、固有職員についても中止、再検討するとともに、やっぱり同一労働同一賃金の原則に基づいた抜本的な見直し、そして何よりも常勤化にするなどの是正をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○影山首都大学支援部長 固有職員でございますが、事務補助から図書館司書、就職カウンセラーなど、さまざまな専門的職種まで幅広く採用しているところでございます。ご指摘の年収二百五十万円未満というのは一般事務補助の固有職員でございまして、図書館司書やコーディネーターなどの専門的職種ではそれを超えております。いずれにいたしましても、民間従事者の給与等を考慮して適正に設定しているところでございます。
 固有職員については、将来的には大学の事務運営を担う中核的職員としての役割を期待しておりまして、任期ですとか給与等の人事制度については、人材の確保、育成を図る観点から、適切な制度となるよう法人内で検討を進めております。

○古館委員 ぜひ前向きな検討を期待しております。
 日野キャンパスの本部建てかえで、床面積一万平米であったものが四割の四千平米と、六割も減少することになっているんです。私も日野キャンパス、大変皆さんにもご協力いただいて行ってまいりました。今まで校舎が一万平米あったんですが、今建てかえているんですけど、それが四割の四千平米ということで六割も減少することになっています。研究室の移転、縮小によって、教員だけでなく、学生の勉学条件が悪化することのないように、責任ある対応が求められていると考えます。この問題は当局の重要な責務と考えますが、いかがでしょうか。

○影山首都大学支援部長 日野キャンパスの件でございますが、前身の科学技術大学の時代に比べ、一、二年生は南大沢キャンパスで学ぶことから、学生数も減少しております。そうした中で本部棟の建てかえに伴う面積につきましては、キャンパス内にあります交流棟ですとか実験棟、大学会館などさまざまな施設を改修し有効活用することで、教員や学生の教育環境の維持に必要な面積は確保してまいります。また暫定的には研究室の移転用に設置したプレハブ棟も活用してまいります。

○古館委員 結局は、私も今、プレハブ、暫定的だという形で建っているのを見ましたけれども、今のお答えは暫定的には研究室の移転用に設置したプレハブ棟も活用していくと。結局これでは足りないというのを、逆にいうと今の答弁で明らかにしてるようなものなんですよね。ですから、この問題については、やっぱりどういう環境のもとで研究者や学生が勉学を受けられるのかという、そういう環境をまず大前提として検討していってもらいたいと、このように思います。
 日野キャンパスの場合は、伺いましたところ、まだ東京都の管轄なんですね。つまり南大沢の方は、あれは独立法人が受けてやっているんですが、まだ、この日野キャンパスの方は東京都がやると、こういうことになっているそうなんで、この問題についても本当に学生の勉学条件第一で考えていただきたい、このように思います。
 それで日野キャンパスに建設中のプレハブの建物についてですが、一棟が五百平米で二棟建設されています。今年度末までの仮施設と聞いていますが、今いったように、その後は撤去するんでしょうか。今の答弁だと暫定的に利用していくということなんですけれども、これについては、やはりよく関係者の声を聞きながら、私は本格的な建物にしてもらいたいと思うんですが、行ったら、トイレがまた別棟として設置されているんですね、別の棟で。なぜこれが一体になっていないのか、お尋ねしたいと思います。

○影山首都大学支援部長 お尋ねのプレハブの建物でございますが、日野、南大沢キャンパス間の研究室の移転に備えまして、現研究室の仮移転場所として法人が建設したものでございます。しかし、耐用年数も数年あることを踏まえまして、移転完了後も当面存置して有効活用を図ることを検討しています。
 また、トイレにつきましては、研究室の人員や研究棟の使用実態、実験機器を収納するというような使用実態も踏まえて必要数を確保したものでございます。

○古館委員 この問題は、本当に研究できる環境、学べる環境、それを第一にして、それこそ検討してもらいたいというふうに思ってますし、プレハブという形ではなくて、私は本格的に東京都の予算としてもやってもいいと、こういうふうに思ってますので、これは強く求めておきたいと思います。
 それから学生さんからも出されたんですが、日野キャンパスと南大沢キャンパスをつなぐバス便が少な過ぎるんですね。現在試行的なものというふうに聞いているんですけれども、来年度は確実に日野キャンパスに移動する学生が多くなりますし、また往来も多くなることは十分考えられます。縮小とか廃止というんではなくて増便こそ必要だと考えていますが、この点についてご見解を伺いたいと思います。

○影山首都大学支援部長 日野、南大沢キャンパス間の連絡バスは、教室や研究室の移動を必要とする授業科目の時間等に合わせ、一日四便から六便程度試行的に運行しているものでございます。日によって利用者のばらつきが大きく、今後のカリキュラム編成に合わせ、教員や学生の要望も踏まえて運行形態を見直してまいります。

○古館委員 廃止するという見直しは絶対にだめですので、これは本当に学生だとか教職員の声も聞きながら、その対応に見合った見直しをしてもらいたい、このように思います。
 南大沢キャンパスの方ですけれども、学生の代表の方々とお話しする機会がありました。そこで特に強く要望された一つが、学生の皆さんからアンケートがとられていたのを見ましたら、一、二学年の学生数が一・六倍にふえたことから昼休みに人が集中すると。学生のアンケートのナンバーワンは、食事するという機会を逃がしてしまうと。昼間に学生が集中して行くので、食堂も少ないので、ぜひ食堂をふやしてほしいと、こういう切実な声が上がっております。
 また、施設の修繕も強い要求が出されておりまして、その多くはテニスコートの照明、暗い、それからコートの中に穴があいていて危険だと。それから図書館の雨漏り、トイレの改善、トイレも暗い、トレーニングルームの改善など、多くの声として上がっていました。
 これは私がいっているんじゃないんです。学生のアンケートでそのことを、改善を一番強く求めているものなんです。で、これら学生の声をどのように認識しておられるか、これらの修繕、改修、改善を急ぎ対応すべきであります。
 これらの修繕、改修、改善を急ぎ対応すべきでありますけれども、同時に私は、これは南大沢のキャンパスのことをいってますので、やるとすると、今だったら法人になっちゃうんですね。しかし、受けたのはついこの間のことですから、やっぱりその前からずっと今のような欠陥ってあったわけですよ。したがって、私はここで何を強調したいかというと、大学移行以前からのこの問題を引きずっているわけですから、都としての財政投入も含めて特段の支援が求められていると考えますけど、いかがでしょうか。

○影山首都大学支援部長 施設の修繕ですとか使い勝手の向上などにかかる経費は、運営費交付金として都から法人に対して交付しております。
 学生から施設の修繕ですとか改修についてさまざまな要望があった場合には、改修の必要性や緊急性を勘案して、一義的には法人が判断し、適切に対応しているものと思います。

○古館委員 私は今のような答弁があるから、本当に法人でいいのかということを考えちゃうんですよね。前は、都立大学というのは教育庁所管、今は総務局所管。なぜかといったら、こういう形で独立行政法人になっているということで、総務局の所管と。私はこういうものを、本当に学生の勉学条件を第一に考えるんだったら、直ちに改修して当たり前のことだし、そういう点でいえば、やっぱり一刻も早く改善をしてあげてもらいたいと思っています。
 法人は、六月三十日に〇五年度の公立大学法人首都大学東京の決算について、業務コストを最小限に抑制するなどして、十七億円の節減効果による利益を計上したと発表していますけれども、先ほどもいいましたが、この教員の人件費がかなり減になったことなどによって生まれていますので、この十七億円につきましては、教育研究条件の改善、教職員待遇改善、これらに充てることを私は求めますけど、この点についてご見解を伺いたいと思います。

○影山首都大学支援部長 先生、冒頭に都立大学時代は教育庁の所管とおっしゃっていましたけれども、(古館委員「前には教育庁」と呼ぶ)教育庁というよりも、一級事業所として総務局の所管でございました。
 それで、剰余金の発生した理由は、教員の計画的な採用のほかに複数年契約の導入ですとか、教育研究のコンピューターシステムの見直しなど、そういう経営努力もあったということは、人員減だけじゃないということはご理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、剰余金の活用に当たっては、その使途は、法人の中期計画において教育研究の質の向上及び組織運営の改善に充てるとされております。法人における剰余金の活用に当たっての基本的な考え方は、大学の使命実現に向けた教育研究、社会貢献、及びこれを支える法人運営の充実強化に資する事業であること、法人の責任において実施すべき事業であることなどとされております。具体的な活用については今後法人が決定してまいります。

○古館委員 今、ご答弁ですけれども、それこそ法人ということだけじゃなくて、教職員とか学生の声もよく聞いてもらいたいというふうに思うんですね。なぜ私はこういうことをいうかといいますと、質問しませんでしたが、学生から最大の目玉であった単位バンク制というのがあるんですね。例えば、知事がよく答弁していたんですけど、一橋大学なんかで受講すると単位がもらえると。こういうふうな、結構これ、売りだったんですよね。ところが他の大学ではこれが軒並み承認されないと。つまりだめですと、そういうことはできませんというようなことになってきているんです。だから学生などからは宣伝と違うという声も上がってるんです。
 で、学長はいますけれども週二回程度しか来ない。大学運営についても理事会が置かれていない。大学として最も大事にするべき教育研究体制を担う教員や職員、学生を含めた民主的な協議の場などが最低限、私は必要だと考えています。そういう点では、独法化されたということで、都議会での議論も直接なかなか届かない。今の答弁でも、法人に伝えますとかという関係になるんですけど、私はやっぱり都立大学としての再転換が必要だと、このように指摘をして、私の質問を終わります。

○山下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時四十六分休憩

   午後二時五十八分開議

○山下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○後藤委員 資料をまずつくっていただきましてありがとうございました。一ページの一番終わりですけど、別紙のとおりと書いてあるんですけど、二ページ目の頭に別紙と書いてないから、ここだけは二ページのとおりというふうにまず直しておきたいと思います。
 そうしましたらば、私はこちらでつくっていただきました資料に基づいて質問をさせていただきます。
 まず、二ページ目なんですけれども、この二ページ目の役員報酬ランク表というので、A、B、C、Dというふうに四段階に分けてあるんですけども、このランクはどのような基準に基づいてつくったのか、教えていただけますか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 監理団体は、収益や職員数などの事業規模、抱える課題の大きさや社会的責任の重要性など多種多様でございまして、役員の業務の困難度もこうした団体の特性に応じてさまざまでございます。このため、団体の規模や経営の困難度などに基づきまして団体のランクを四段階に分けて報酬基準を定めていると、こういうものでございます。

○後藤委員 できましたら、もう少し具体的に教えていただきたいんですけれども、余りにも今のお話ですと抽象的過ぎるんで、例えば困難度、どこの場合は、もしAランクだとしたらば、どういうふうな形の困難度があるのか。例えば職員の人数なのか。総合的というふうにいわれましても、ここのところでAランク、Bランク、Cランク、Dランクというふうに区分することによって、役員の報酬というものがすべて変わってきてしまいますので、ここのところのランク分けをできたらばもう少し詳しく教えていただきたいと思います。

○多羅尾行政改革調整担当部長 先ほどもお答え申し上げましたように、まず、団体の組織規模、職員数でございますとか、組織の大小、そういった管理スパンというようなもの、あるいはその事業の内容、都民生活へのかかわり度合いでございますとか、あるいは、この監理団体が請け負う業務の中には、かつて都政が直営でやってたもの、引き継いだものもございますから、そういった都政の時代から引き継いだものについて、過去の経緯、その困難度、そういったものなどを総合してこういったランクを現在定めていると、こういうことでございます。

○後藤委員 総合的といわれる場合には、数字で何か換算できるようなものはお持ちなんでしょうか。例えば評価委員会ですとか、審議会だとかがあってね、この監理団体はAランクにしようだとかというふうになっていれば、まだ透明性はあると思うんですけれども、今の部長のお話でいきますとね、総合的に判断をしたんだとしたら、だれが判断をしたのか、数字的にまず計数を持ってらっしゃるのか、この辺をお伺いします。

○多羅尾行政改革調整担当部長 まず、数的なものでございますが、やはり職員数でございますとか、売上高でございますとか、そういったものは当然、基礎的なものとして判断の材料にしたいと思っております。しかしながら、すべて団体のランクを定量的に判断できるものではございませんので、定量的な考え方と定性的な考え方を組み合わせてこのようなランクができ上がっている、こういうことでございます。

○後藤委員 仮にそうしますと、監理団体というのはなぜ--都庁で今までやっていたもの、本庁でやっていたものを外部に出したのかということも含めて、監理団体というのは一体何なんですか。例えば公的なもの、自治体では制約があって小回りがきかなくなって、民間的な手法を用いなければいけないだとかというような理由に基づいて監理団体ができていると思うんですけれども、例えば公的なものですよね。公的なものの中で、職員の数字ですとか、株式の持ち分だとかということもいろいろあると思いますけども、余りにも--このランク表を見ますと、例えば下水道サービスと水道サービス。下水道サービスというのはBランクになってて、Cランクに水道サービスというのがあります。これを比較した場合、職員数というふうなことをいわれるかもわかりませんけど、だったらば、職員数の中で何万人と百人規模だったらば違うかもしれないけど、同じような何百人規模だとしたらば、それほど規模は違わないと思いますけど、部長が考える下水道サービスと水道サービス、何で片一方がBランクで、片一方がCランクなんでしょうか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 水道、下水道の両団体でございますけれども、業務におきまして、都政の密着度、例えば下水道の場合でございますと、雨水対策など、東京の危機管理に直結するような課題も請け負っておると、こんなようなこともございまして、業務内容を総合的に判断してこういった違いが出ていると考えております。

○後藤委員 ここで部長は今、危機管理っておっしゃいましたけれど、例えば水道水というのはすごく大事だということは、きのうの本会議の中でも自民党さんですとか、いろいろな方たちが取り上げていらっしゃったと思いますけど、例えばライフラインの中で下水道と水道といったら一番大事なものですよ。ここのところを分けられている理由、私、納税者でも利用者でも構いませんけれども、もう少し納得した何かの説明はないんですか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 詳細にわたりますと非常に時間がかかるご説明になりますので簡単に申し上げますと、先生もご案内のとおり、下水道におきましては雨水対策、洪水対策に直結する雨水対策をやっております。したがいまして、そういった危機管理の--もちろん水道事業も都民の生活になくてはならない重要なライフラインではございますが、危機管理の切迫度と、そういったものが行っている業務の内容で異なると、こういうことを私先ほどご説明申し上げたつもりでございます。

○後藤委員 部長が今おっしゃったことは絶対に納得できるようなご答弁ではないと思いますけれども、仮にもしここで、例えば四十分間時間をかけてお話を聞いたらば、話をしていただけるのか。時間が長くかかってしまうからというふうに逃げられるんだとしたらば、この後の質問、僕はなくしても構わないから、そのことは答えていただけるんですか。そのような答弁をなさるんだとしたら。

○多羅尾行政改革調整担当部長 このランクの分け方の個々の考え方につきましては、私どもでも十分検討して決定しておるわけでございますが、その決定過程を、ここではなかなか難しゅうございますが、ご説明することは可能かと思っております。

○後藤委員 この件に関しましては、だったら最後に、だれが決めたのか。職員の方の何人の方たち、どのような方たちが集まってお決めになったのか教えてください。
 これと一緒に、民事再生法を申請している団体がありますよね。この民事再生している団体が、この資料によりますと平成十八年の四月一日現在ということになってます。この民事再生を申請するような団体というのは、過去からいろいろ問題があったんだと思いますけれども、この団体が、例えばAランクが一つ、それからBランクが二つの団体があります。こういうのは団体間の移動というのが今まで行われていたのか。なぜゆえに、民事再生になっている団体、民事再生法を申請しているような団体をもっと早く移動させることをしなかったのか、これについてお尋ねします。

○多羅尾行政改革調整担当部長 三つのご質問にお答え申し上げます。
 まず、このランクづけはどういうふうに決まるのかということでございますが、これは監理団体を所管しております総務局におきまして、総務局の所定の基準に従って定めております。
 それから、ランクの変更があるかということでございますが、例えば、統廃合等は当然のことでございますが、業務内容や組織に大きな変動があった場合にはランクの変更もございます。例えば、最近の例でございますと、財団法人の東京動物園協会をCランクからBランクに格上げいたしております。その理由は、従来、動物園協会は売店、レストラン等の運営を中心にやっておりましたけど、十八年度より、直営で今までやっておりました飼育業務等も請け負ったと、そういうことで業務内容が拡大したということでCランクからBランクへの格上げを行っております。
 それから、最後のご質問でございます民事再生対象団体のことでございますが、このランクづけと申しますのは、いわゆる世間一般での会社の健全性の評価といいましょうか、いわゆるランキング会社などが評価しておりますが、そういうものとは必ずしも一体ではございませんで、それぞれの業務の困難性、課題の重要性等でランク分けしておりますので、会社の経営が厳しいからといって、ランクが下だ上だと、必ずしもこういうことにはならないと、こういうことでございます。

○後藤委員 部長の今までのお話を聞いてますと、例えば、Aランクの場合は、本庁でいったならば部、Bランク、Cランクの場合は、本庁でいったならば課がやるような仕事になっているんではないかなと私は考えてしまうんですが、それで、ここのところで下水道サービスと水道サービスを見てみますと、公営企業に関するものというのはワンランク下げているんではないかなというふうに、あえて私は想像をしてしまうんですが。
 ここでお尋ねしたいんですけど、例えば報酬の基準です。今回の資料の一ページ目なんですが、この報酬の、例えばAランクの理事長だったらば千五百七十一万円というふうなことになってますが、この千五百七十一万円、例えばBランクの理事長が千四百五十九万円というのは、どういう根拠だとか基準に基づいて出しているのか、教えてください。

○多羅尾行政改革調整担当部長 ランクの金額の算出の根拠といいましょうか、考え方でございますけれども、監理団体の役員の、お示ししました標準報酬額の金額は、民間の中小、中堅企業の役員報酬であるとか、国の特殊法人の役員報酬、そういったものなどを総合的に勘案して決定しているところでございます。

○後藤委員 これは私と担当者との話だったんで、ここのところが間違っていたらば謝りますけど、例えば、都の方の指定職給料表、この指定職給料表を基準にして、民間の中小の、例えば役員の報酬を勘案してというふうに聞いてたんですけど、ここの一番最初のもとの金額、例えば基準ですよね、基準には指定職給料表だとかというのは全く考えていなかったのか、そこのところを確認させてください。 

○多羅尾行政改革調整担当部長 先ほども申し上げましたけれども、標準報酬額の決定に当たりましてはいろいろな資料を参考にして決定しておるところでございます。したがいまして、指定職給料表というのは、中立的かつ専門的な機関である人事委員会が民間給与水準等を勘案した上で、給与勧告を踏まえるとともに、議会の議決を経て決定されるものでございますので、非常に資料として優位であるとは思いますが、これをもとにスタートで決定しているということではございません。

○後藤委員 この辺は担当者の説明とはちょっと異なってしまったんであれなんですが、例えば、Cランクの中にしごと財団ですとか観光財団というのが含まれているんですけれども、しごと財団、観光財団というのは、これからの、都にとって頑張ってもらいたいような団体だと思うんですけれども、これらの団体がCランクというのは私なんかはおかしいと思うんですが、今後、例えばしごと財団、観光財団かなんかもこれから頑張ってもらいたいし、とても重要な団体だということを考えまして、例えばBランクに上げるということも考えてなんですけど、ランク表ですとか、報酬額表というんですか、ここいらを見直すべきと考えるんですけど、いかがでしょうか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 先生の今のお話で、東京しごと財団、観光財団、これから頑張ってもらわなければいけない団体だと、こういうふうなお話でございましたけれども、ここにAからDまでのすべての団体は非常に都政と重要なかかわりがございまして、すべての団体において、先生のお言葉をかりれば、頑張っていただかなければいけない団体でございまして、その上で、先ほどから申しておりますような組織規模ですとか、売り上げ、課題の困難さ、こういったものを勘案してランクを決めているところでございます。

○後藤委員 次に、この役員の報酬なんですけれども、細かく、理事長、副理事長、理事、監事というふうに分かれてますけれども、これらの監理団体で、代表権のある社長ですとか理事長とは別に、副理事長ですとか、理事、株式会社であったらば取締役だとか、監査役、監事というのは常勤の役員の報酬として払われているんですけれども、個別にここで聞いてみたいんですけど、例えば、歴史文化財団の役員の状況と、下水道サービスの役員の状況、これについてちょっと現状を教えてください。

○多羅尾行政改革調整担当部長 二つの団体の役員の状況ということでございますが、歴史文化財団は現在、常勤の役員が一名、副理事長がおります。それから、東京下水道サービスにつきましては、代表取締役社長と専務取締役、一名、二名の、三名の役員がおります。

○後藤委員 今の聞き方はちょっと僕、間違ってしまったんですが、例えば歴史文化財団、歴史文化財団の代表権を持っている方というのは非常勤の役員というふうに聞いているんですが、これがまず確かかどうかということと、下水道サービスの場合も、この三人の役員というのは都のOBというふうに聞いているんですけれども、これは間違いないですか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 歴史文化財団の理事長は非常勤でございます。それから、下水道サービスの役員につきましては都のOBでございます。

○後藤委員 今の二つの団体を見ますと、例えば、代表の理事長であったとしても、非常勤でも構わないということがまずわかったのと、例えば下水道サービスですけれども、三人います常勤の役員が、すべてが都のOBなんですよ。この中に、私の方のいただきました資料の中には、例えば理事長だとか社長というのが都のOBの方たちが非常に多いということがまず挙げられます。
 ここでなんですけど、例えば監査役だとか監事が常勤をしていますけれども、監査役だとか監事というのも、今皆さんがおっしゃっているように天下り先というふうなことだと思うんですけれども、この天下り先で常勤の役員報酬が支払われています。例えば一千万円を超えるようなところです。
 これですけれども、監理団体というのは監査委員の監査の対象になっていますよね。監理団体というのは、担当の方にもお伺いしたんですけれども、例えば外部監査は、これからは入れていくような方向になっているというふうにも聞いているんですが、監査委員と外部監査がダブルでチェックをやるわけですよね。このほかに、現在の各団体では、監査ならば事務方の方たちがいるはずだと思うんですけれども、このような状態において、監査役だとか監事を、こちらの資料でいただいたような金額の常勤役員の報酬を払う必要があるかどうか、ここいらのことを考えまして、例えば常勤の役員の数ですね、この常勤の役員の数を精査する必要があると思うんです。
 例えば、現に下水道サービスですとか、税務協会、歴史文化財団、都の交響楽団、環境整備公社、医学研究機構だとか、数多くの団体で監事だとか監査役がいないんですよ。監事とか監査役がいないといっても、監査はちゃんとやられていなければいけないし、仕事は必ずなさっているわけですから、現在置かれている監事だとか監査役の方たち、この方たちを、常勤の役員として報酬を払う必要があるのかどうかまで含めて、常勤の役員も数を精査すべきだと考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 まず、監理団体の役員数につきましては、各団体がそれぞれの経営状況であるとか事業運営上の必要性等勘案いたしまして、株主総会や評議員会などの機関決定を経て、みずからの経営判断と責任のもとで決定しているものでございます。このことは常勤、非常勤の別を問わず同様でございまして、いずれも所定の手続を経て、団体がそのポスト数を適正に決定していると、このように都としては考えております。
 なお、団体における役員の数の問題でございますが、役員数についてはこれまで団体みずからが積極的に削減に努めてきておりまして、平成十一年度におきます常勤役員数が百五十七名でございましたけれども、平成十八年八月一日現在では九十七人と、既に約四〇%も削減しているというところでございます。

○後藤委員 今部長がおっしゃいましたけれども、監理団体との間には業務運営に関する協定書というのを必ず結ばなければいけないというふうになっていまして、例えば、協議事項の中で事細かく、このようなものは協議しなければいけないというふうにみんななっているわけです。
 監理団体が四十一ですか、現在資料でいただいているものは四十一ですけれども、この中でいろいろなケースがあります。いろいろなケースがある中で、確かに、今、部長がおっしゃったように、前と比べたらば四〇%減ったとはいわれますけれども、だったら四〇%でいいのかと。これで本当に必要なものと必要でないものとをもっと分けなければいけないはずだというふうに私は考えますので、ここのところで、例えば協定書というのがあるわけですから、一つ一つの団体をもっと精査して、各団体に任せているとか、各団体が株主総会を開いてどうのこうのしているというふうにいわれますけれども--私の経験で申しわけないんですけれども、ここに書いてあります医学研究機構の評議員、私やっていました。
 ここのところで、監事の方が一日当たり五万円かなんかの日当をもらっていたというふうなことで、このときに調べたときに、医学研究機構の役員の方はどうやって決めるのかというふうに聞きましたらば、本庁の総務局の人事の方からいわれるままでやっているんで、私は、いわれても仕方がないと、こういうふうにいわれているのが現状なんです。
 都庁の本庁の方からここまで関与している監理団体なんですから、今、部長がおっしゃったように、監理団体が決めているから私たちは関係ないなんていわないで、仮に必要なところは必要でもちろん置いていいんですけれども、皆さんが本当にやっているかやってないか。例えば天下りというのはいけないわけですから、仕事に応じてもちろん必要だったら幾らやっても構わないけれども、常勤だとかでいても構わないけれども、例えば下水道サービスの場合の、三人の常勤の都のOBの方たち、民間の方はいないんですからね。こういうふうなことをもっと積極的に僕はやるべきだと思います。これはできたらやっていただきたいと思います。
 その次に、民間の役員についてちょっと聞いてみたいんですけれども、今回示されている団体の中で、確かに二つに関しては民事再生の関係がありますから、この二つを引きまして、三十九団体のうち三十二の団体が、例えば理事長、社長というのがOBなんですよ。軽く計算しまして、例えば二十歳代で入った方たち、役所に入られた方で、かれこれ四十年間もお役人をやられていた方々が民間意識を持ち合わせているとはなかなか考えられないんですよ。
 ここでお尋ねしたいんですけれども、例えば国際フォーラム。国際フォーラムは民間の方が社長になって実績を上げておられる。また、先ほども聞きましたけれども、歴史文化財団の理事長、この方は民間の方で、非常勤でなられていて、たしか副専務理事というのが常勤でいられて、実際に運営なさって、経営なさって、業績も上げてられるというふうに聞いているんですけれども、どのように監理団体の役員を選ぶようになっているのか、できたらシステムみたいなのも教えてください。

○多羅尾行政改革調整担当部長 役員の選任は、基本的に監理団体が経営判断のもと、所定の手続を経まして団体自身が決定しているわけでございます。都といたしましては、監理団体は適材適所の観点から、官民を問わず有能な人材を選任するよう努力していると、このように考えております。先ほどの歴史文化財団の例でいえば、文化事業という特性からそういう形になっているのではないかと、このように思っております。

○後藤委員 今、部長がおっしゃったように、例えば、本庁の人事の場合、都のOBを選ぶ場合には、団体の方から、だれか推薦をしていただけないかというふうな形で、都の本庁の人事の方、多分こちらだと思うんですけれども、総務局の人事部の方にお願いをすると。ここで人事部の方から、多分順番だと思うんですけれども、順番で幹部の方たちにここに入ってくださいというふうになっているんだとは思うんですが、ここのところで、できたらば人事部長にお尋ねしたいんですけれども、このような事実、先ほど私の方からいいました、例えば医学研究機構の、これは幹部の方から僕がちゃんと聞いていることです。このことは何回もやり合って、もう私たちにはどうにもならないのだというふうなことまでいわれているわけですけども、このようなことが事実で行われているのかどうなのか、教えてください。

○中井人事部長 監理団体の役員の選任につきましては、監理団体からの要請に基づきまして、当該監理団体の事業、あるいは置かれた状況、また一方でOBの中からそういった要請にふさわしい人材を職務経験だとかその他の適性を考慮しながら、適材適所にふさわしい候補者を選んで推薦をしているという状況でございます。

○後藤委員 そうしましたらば人事部長の今のご発言からいきますと、例えば医学研究機構の方がいわれたのは何か間違いであったというふうに考えなければならないんですけれども、実際問題として、今度は、行革担当の方にお伺いしたいんですけども、例えば団体が役員をかえるだとかいう場合には協議書の中で、協議しなければいけないというふうに書かれているんだろうと思うんですが、役員をかえるような状態になったときに、まずは団体の方で、一義的には民間の方をどちらかに推薦していただけないか。例えば歴史文化財団ですとか国際フォーラムの場合は石原知事のお知り合いの方というふうにもちらっと聞いて、例えば知事からの推薦というのが--知事が、民間の方でいい方がいるからぜひやっていただけないかというふうにお願いをしたというふうにも聞いているんですけれども、団体の方に、都の方にまずは推薦してくれというのではなくて、自分たちでまず探すように指導するべきだと思うんですけれども、この辺いかがですか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 先ほども申し上げましたけれども、監理団体は適材適所の観点から、官民を問わず有能な人材を常に選任するよう努力していると、このように思っております。

○後藤委員 監理団体の中で、例えば島しょ振興公社があると思うんですけれども、この役員の名簿を見てみますと、常勤はいないけれども非常勤は十五人いらっしゃって、都の派遣が五人で、国などから十人というふうに数字が入っていまして、要するに民間の方が入っていない。ここで代表権を持っている理事というのは、現在は大島の町長さんだというふうに聞いていますけれども、この選ばれ方というのは、互選で選ばれるということになっていると思います。
 この島しょ振興公社は、資料を見ますと職員が七名かな、たしか一けただったと思うんですけれども、このような団体に対しては例えば代表権を持つ方、確かに非常勤の方で、大島の町長さんでもいいんですけれども、互選ですよね。ならば島しょ振興公社というのは、例えば特産品の販売だとかいろいろやってるわけですけれども、販売に関する何というんですか、もっと技術を持っている、内容を熟知しているような民間の方というのもお入れになるべきではないかなと思います。
 ここいらで時間がちょっとなくなってきたんで、例えば五%アップということをやられていると思うんですけれども、五%アップすることができる団体が、例えば昨年度の業績では十三団体あったというふうに聞いていますけれども、この中で幾つかの団体は、結局アップをすることができたのに上げていない団体があると思うんですけれども、この団体がどことどこだか教えていただけますか。

○多羅尾行政改革調整担当部長 平成十六年度の経営目標の達成状況をもとに、平成十七年度にいわゆる役員報酬を五%増額することができる団体は、お話のとおり十三団体ございました。そのうち実際に報酬を五%アップしたのは九団体でございます。その団体は財団法人東京都新都市建設公社以下八団体ということでございます。(後藤委員「しなかった団体を教えてください」と呼ぶ)
 しなかった四団体ということでございますか--財団法人東京税務協会、財団法人東京港埠頭公社、東京熱供給株式会社、株式会社東京国際フォーラムの四団体でございます。

○後藤委員 これらの四つの団体がなぜ上げなかったというのは、行革担当の方としては何か聞いてらっしゃるだとか、何ゆえにアップしなかったということをご存じですか。ご存じだったら教えてください。

○多羅尾行政改革調整担当部長 この増額の五%を実施するかどうかは各団体の自主的な判断によるものでございますので、各団体においてさまざまな検討が行われたということは聞いております。

○後藤委員 そうしましたら、協議書というのがあるわけですよね。例えば協議書というのがあって、各監理団体と皆さんは密接な連絡をとりながら協議も行っているわけですよ。普通の民間でもし皆さんみたいな仕事をなさったらば、ここいらは、何で上げなかったのかということは絶対に聞いているはずですよ、部長の方で。聞いているけれども、いえない理由というのがもしあるんだとしたらば、また後ほどでも教えていただければいいですけれども、実際に監理団体の中で五%上げられるのに上げなかった団体がある、これがまず一つ。
 例えば監理団体のシステムで、例えば会社ですよ。一つの会社の中で、実際に人事の方にお願いをして、推薦をしてもらって、例えば都のOBが来て、そこのところで結局実績が上がるというのは、職員の方たちが一生懸命やるから実績が上がるんですよ。例えばリストラもやられるかもしれませんよ。ここまで職員の方たちが一生懸命やることによって--例えば役員といっても、民間みたいにもう本当に昔からずっと続けてやっていて、ここのところで業績が上がったから五%でも三%でも一割でも上がるっていうんだったらまだわかりますけれども、この監理団体というのは一般的には天下り先というふうにいわれているわけです。新聞だとかではそう書いてあります。
 こういうふうに書かれている団体で、たとえ業績が上がったからといっても、前の質問にもありましたけれども、ちょっと甘く見積もっていて、例えば甘く見積もっていたとしたら達成するのは当たり前ですし、今まで私の方から幾つか指摘をさせていただきましたけど、例えば三人も常勤の役員がいて、まだまだ削れるところは幾らだってあるわけです。ただし削るといいましても、先ほどの質問の中でも、ただ単に削っていったらばやる気なくなっちゃう、萎縮しちゃうということはわかりますけど、役員ですから、たとえ役員のところでこれだけ削ること、削るという言葉がもし悪かったとしたらば、改善しなければいけないだとか、精査しなければいけないことが多分、まだまだ出てくると思うんですけども、ここまでのことを考えて、とりあえずまずは五%の制度はやめることを含めて検討をすべきだなとは思うんですけども、ここの見解を伺って、僕の質問を終わります。

○多羅尾行政改革調整担当部長 役員の五%アップにつきましては、これは役員が経営改革の課題に積極的に取り組んでそれを達成したと、こういった場合に五%のアップになるということでございまして、必ずしもその団体のトータルの経営状況のよしあしで決まるものではないわけで、困難な課題を達成した場合には五%アップすると、こういった内容でございます。
 一方、職員についてでございますけれども、職員についても現在給与制度を見直しておりまして、より業績等が反映するような制度にしておりますので、職員にとりましてもやる気のある、業績を上げた職員には、それに報われるような今、給与体系にしつつございますので、その辺のバランスをとりながらやっているんだというふうに思っております。

○鈴木委員 私からは、公立大学法人首都大学東京の業務実績の評価について質問をさせていただきたいと思います。
 この評価書をじっくり読ませていただきました。首都大学東京をより魅力ある大学に、学生のためにするために、幾つかの示唆すべき点があったかと思います。そういう点を踏まえて質問をしてみたいというふうに考えております。
 この公立大学法人首都大学東京は、大都市における人間社会の理想像の追求という大変大きな使命を掲げて、昨年四月に都立大学外三つの大学を再編統合して、新たに独立行政法人としてスタートを切ったわけであります。都における地方独立行政法人としては首都大学東京がまさに第一号であり、今回、開学初年度の初めての外部評価の結果が報告されたわけであります。
 そこで、大学改革の成果を問う意味でも、この一年間の活動の成果について何点かお伺いをしてまいります。
 まず初めに、そもそも独立行政法人制度の意義といいますか、ねらいについて簡単に説明をしていただいて、確認をしておきたいと思います。

○松崎行政改革推進部長 地方独立行政法人は、試験研究、大学の設置管理、病院事業などを民間の主体にゆだねては確実な実施が確保できないおそれのある事業を効率的、効果的に行わせるため、創設された制度でございます。都や議会の適切な関与のもと、公共的な事業を確実に実施するとともに、人事制度や予算、契約制度等において、より弾力的な運営が可能となることにより、効率的、自立性の高い経営が期待できるとされております。
 地方独立行政法人法におきましては、法人の設立や中期目標の設定などの際、議会の議決を得ることとされているほか、今回のように評価委員会が評価をした際には、議会に報告することなどが定められております。

○鈴木委員 資料8の概要の三ページに、2として地方独立行政法人制度の仕組みと議会との関係というものが書いてありまして、〔1〕設立、〔2〕目標管理制度、〔3〕地方独立行政法人評価委員会、〔4〕財務及び会計、〔5〕情報の公表というように、その意義というものは議会としても適切な関与と議決を必要としているわけであります。それぞれの法人がその使命を達成して、都民サービスの向上に資するためにもより効率的、効果的な成果を上げてもらいたいと、そのように考えております。
 さて、今の答弁で制度のねらいや議会との関係などを確認させていただきましたが、具体的に独立行政法人制度において評価委員会はどのような役割を担っているのか、お伺いをいたします。

○松崎行政改革推進部長 評価委員会は、各年度及び中期目標期間の業務実績を評価し、結果を法人と設立団体の長に通知、報告するとともに、それを公表し、業務運営の改善やその他の勧告などを行う役割を担っております。外部の有識者等で構成されます評価委員会で評価を実施し、結果を公表することによりまして、法人事業の透明性を確保するとともに、法人の業務運営の改善等に資するという意義を有しております。

○鈴木委員 今の答弁にもありましたように、この制度において事後チェックを行うというのが評価委員会の役割であり、一つのポイントというよりも大きなポイントになるように思いますが、首都大学東京の評価にかかわった評価委員会の構成、それから委員の方々が実際にどのように評価を行ったのか、その点もお伺いしたいと思います。

○影山首都大学支援部長 評価委員会は経営、教育、会計分野などで学識経験を有する外部委員十二名で構成しております。
 また、評価委員会の中に、公立大学法人に関し専門的に評価を実施するため、例えば経営分野では企業経営者、教育分野では他の大学の学長や副学長、会計分野では公認会計士など、七名の委員による公立大学分科会を設置し、より詳細な評価を実施しております。この分科会では評価を適正に行うため、事前に大学を視察し、理事長、学長及び幹部教員との意見交換などを実施しています。
 具体的な評価方法でございますが、法人からの業務実績報告書及び関係資料によるヒアリングなどをもとに各評価委員会が項目別評価及び全体評価を実施し、評価委員会として最終評価を取りまとめております。
 都といたしましては、このたびの評価が、評価委員会が定める評価方針及び基準をもとに専門的、実践的な見地から、法人及び大学運営全般について客観的かつ公正に実施されたと認識しております。

○鈴木委員 原島文雄さんという、この委員長、東京電機大学の学長さんでいらっしゃるようですけれども、この十二名の評価委員の皆さんには、それぞれの教育や経営の専門の立場から大学運営の実績を見聞して、この評価書の中にもいろいろと細かく書いてありますけれども、評価をしたこのスケジュールというのが書いてありますけど、三月末から九月にわたって精力的に、適切な評価のもと、業務実績の評価がまとめられたというふうに理解をさせていただきます。
 そこで、法人化によって具体的に大学運営はどのように評価されたのか、お伺いをいたします。

○影山首都大学支援部長 法人化に当たりましては、経営面では理事長をトップに大学運営に経営的な視点の導入を図りました。また教育研究面では、学長をトップに先進的かつ実践的な教育を推進することにいたしました。このことによりまして、理事長、学長の適正な役割分担のもとに、相互にリーダーシップを発揮して、強力な大学改革を推進していく体制を構築したところでございます。
 評価委員会では、教育面では基礎ゼミナール、現場体験型インターンシップの導入など、首都大学東京ならではの新しい基礎教育が評価されております。
 さらに研究面では、大学の使命に対応した大都市の課題解決に資する研究が評価されております。
 また人事面では、新たな教員人事制度としての任期制、年俸制、教員評価制度の導入が評価されているところでございます。

○鈴木委員 今、教育面、研究面、経営面、それぞれ成果を上げている点について答弁がありましたけれども、法人化したことによってよくなった点を強調していただいて、それは理解できます。
 しかし今回の評価を見ますと、この評価書の一五ページから、評定三、年度計画を十分に実施できていないという項目では、例えば外部資金等の増加に関する目標を達成するための措置、それから、剰余金の適切な活用による戦略的な事業展開に関する目標を達成するための措置、また、施設設備の整備・活用等に関する目標を達成するための措置、あるいは、安全管理に関する目標を達成するための措置が評定三ということで、年度計画を十分に実施できていないと、このような評価をされているわけです。
 こういうような点、具体的に今後どのように対応を図っていくのか、ぜひお伺いをしたいと思います。

○影山首都大学支援部長 項目別評価におきまして評定三、年度計画を十分に実施できていないというふうに評価された外部資金等の増加に関する目標など四項目については、早急な対応が必要であると評価委員会においても指摘されております。このため、法人におきましてはこの指摘を踏まえ、外部資金等の増加に関する目標につきましては、産学公連携センターが主導し、企業等との積極的なマッチングにより外部資金等の増加を図るとしております。
 また、剰余金の適切な活用による戦略的な事業展開に関する目標につきましては、剰余金の活用の仕組みを十八年度中に構築するとともに、予算管理を迅速かつ適切に行うとしております。
 また、施設設備の整備・活用等に関する目標につきましては、十八年度中に施設改修計画を策定するとしております。
 最後に、安全管理に関する目標につきましては、キャンパスのトータルな管理の仕組みを整備し、教職員、学生が一体となった環境整備に取り組むというふうに、改善策を早急に実施し、適切に対応してまいります。

○鈴木委員 改善を早急に図っていくという、今、それぞれ四つの項目について答弁がありましたけれども、私は、特に、外部資金等の増加に関する目標を達成するための措置で、寄附金をもとにした奨学金制度の創設などの整備がおくれた点も課題でありというような指摘もありますけれども、やっぱり、こういった点を積極的にぜひ行って、この外部資金等の増加を図ってもらいたいなというふうに考えます。
 いずれにしても、まだ開学してから一年半ということで、余り厳しいことをいうのも何かと思いますけれども、この平成十八年度の評価では、評価一、年度計画を順調に実施しているというふうに、しっかりとレベルアップするように、早急な改善、対応をぜひ要望しおきたいというふうに思います。
 次に、首都大学東京の重要な目的の一つとして、教育研究の成果を還元して地域産業の活性化に貢献するということが中期目標にも掲げられているわけであります。私も七月に同僚議員と一緒に視察をしてきたんですが、本年四月に開学した産業技術大学院大学なんですけれども、この点について二点ばかり聞きたいと思います。
 この大学院大学は産業界の求める高度専門職業人の育成を目指すとしているわけですが、どのように取り組んでいくのか、ぜひお伺いをしたいと思います。

○影山首都大学支援部長 産業技術大学院大学は、産業の活性化や地域で活躍する高度専門職業人の育成を目指し、主に社会人を対象に開学したところでございます。
 この大学院大学では、まず情報産業分野で活躍する人材育成に向け、情報アーキテクチャー専攻を開設しました。本年四月、主に社会人を中心に五十二名の学生が入学したところでございます。
 今後は、ものづくりの分野で活躍する高度専門職業人の育成を目指しました、仮称でございますが、創造技術専攻の平成二十年度の開設に向け、準備しているところでございます。

○鈴木委員 社会人を中心に五十二名の方が今、一生懸命勉強しているということで、今後、卒業してからの地域での活躍というものを非常に期待をしているわけなんですけれども、地域ものづくり産業の活性化や産業界の求める人材育成に向けて、創造技術専攻など、着々と新しい取り組みも進められているわけですが、産業技術大学院大学が、東京のものづくりの中心であるこの城南地区の中小企業産業の発展に資するよう、役立つ人材の育成ができるように、今後ますます発展をしてもらいたいと、大いに期待をしているところであります。
 さて、大田品川地域の企業からは、大学資源を活用した地域貢献が大きく期待されております。今回の評価で産学公連携はおおむね順調というように評価されておりますが、産業技術大学院大学による産学公連携は今後どのように進められていくのか、お伺いをいたします。

○影山首都大学支援部長 産業技術大学院大学では、本年度大学の教育研究成果の社会還元を図るため、オープンインスティテュート--連続した公開講座でございますが--を設置いたしまして、企業の技術者などを対象に、家電製品などへ組み込まれます組み込みシステム開発ですとか、スーパーデザイナー養成などの講座を開講しているところでございます。
 今後は、都立産業技術研究センターなどとの連携を強化いたしまして、大田品川地区、城南地域の企業との共同研究などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○鈴木委員 今、お話のあったスーパーデザイナーの養成なんていうのは非常に期待されているようでございまして、ぜひ今後の産学公連携の中でしっかりやってもらいたいなというふうに思います。
 そこで最後になりますけれども、いかに詳細で適切な評価が出されたとしても、この評価が生かされなければ何の意味もないと考えます。首都大学東京がより一層魅力ある大学となるためには、今回の評価結果を法人及び東京都が今後の大学運営に十分に生かしていくことが重要だと考えております。そこで大原総務局長に、思いというか、決意をぜひお伺いしたいと思います。

○大原総務局長 今回の評価でございますけれども、法人化されて初めてのものでございますが、外部の専門家による専門的な視点からの評価によって、法人、それから大学運営に関する課題が基本的に明らかになったというふうに考えております。この評価結果につきましては、法人、それから東京都が今後の大学運営に生かしていかなければいけない、重要なご指摘をちょうだいいたしました。
 そこで、まず法人の方ですけれども、これは理事長、学長のリーダーシップを一層強力に発揮をしてもらって、指摘をされた課題の解決に向けて、迅速かつ早急に取り組んでもらうというふうに考えております。都といたしましても、法人の方が評価結果を次の年度計画に適切に反映できるように指導してまいります。
 さらに、大学全入時代を迎えまして、高等教育ニーズが非常に多様化するなど、大学間競争が激化する中で、この首都大学東京が都民にとってさらに魅力ある大学、頼りになる大学になるように、財政的にも人的にも支援に努めてまいりたいと思っております。
 また、ご指摘のあった大学の大きな課題の一つであります産学公の連携等につきましても、都庁内各局と企業との連携を強力にバックアップするなど、都として全力を挙げて大学の支援に努めてまいりたいというふうに考えております。

○鈴木委員 最後にまとめで。今、局長から力強い考えを述べていただきましたけれども、局長がおっしゃっていたように、まさに目の前に大学全入時代ということがあるんだと思います。大学希望者と大学の入学定員がほぼ同じになる。だからといって、全員がすぐ入れる、そういうふうになるとはもちろん考えてないし、そうすべきではないと思っておりますけれども、例えば先日の新聞報道でも、法学系の成果として司法試験の合格者の発表がありましたけれども、国家試験の合格率のアップということを今後また図るというようなことも、首都大学東京を目指す学生に対するアピールをできる、ブランド力をアップするというようなことに、私はなるというふうに考えております。
 今後、首都大学東京は、学生にとって魅力ある大学、地域社会や都民に貢献する大学となるために、公立大学法人の使命実現に向けて、教職員一体となって大学のアイデンティティーを確立していくことが重要であり、局長もおっしゃってましたけれども、理事長、学長がより一層強力なリーダーシップを発揮することはもとより、教職員のより一層の奮起を期待したいと考えます。
 首都大学東京及び産業技術大学院大学が、首都東京の発展に資する人材を育成して、東京都のシンクタンクとしての機能をも担い、都民の財産としてますます発展することを期待して、私の質問を終わりたいと思います。

○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三分散会

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