委員長 | 山下 太郎君 |
副委員長 | 鈴木あきまさ君 |
副委員長 | 増子 博樹君 |
理事 | 吉倉 正美君 |
理事 | 吉原 修君 |
理事 | 古館 和憲君 |
後藤 雄一君 | |
宇田川聡史君 | |
高木 けい君 | |
橘 正剛君 | |
桜井良之助君 | |
比留間敏夫君 | |
柿沢 未途君 | |
田中 良君 |
欠席委員 一名
出席説明員青少年・治安対策本部 | 本部長 | 舟本 馨君 |
青少年育成総合対策部長 | 百合 一郎君 | |
心の東京革命推進担当部長 | 杉谷 正則君 | |
治安対策担当部長 | 高嶋 明君 | |
参事 | 保坂 俊明君 | |
参事 | 内藤 泰樹君 | |
総務局 | 局長 | 高橋 功君 |
危機管理監 | 島田 健一君 | |
理事 | 石川 俊一君 | |
理事人事部長事務取扱 | 大原 正行君 | |
総務部長 | 荒川 満君 | |
行政改革推進室長 | 関 敏樹君 | |
IT推進室長 | 永田 元君 | |
首都大学支援部長 | 影山 竹夫君 | |
主席監察員 | 相上 孝司君 | |
行政部長 | 前田 信弘君 | |
多摩島しょ振興担当部長 | 清宮眞知子君 | |
都区制度改革担当部長 | 島 博文君 | |
特命担当部長 | 松崎 茂君 | |
総合防災部長 | 中村 晶晴君 | |
情報統括担当部長 | 高橋 尚之君 | |
局務担当部長 | 高橋 興一君 | |
勤労部長 | 渋井 信和君 | |
法務部長 | 中村 次良君 | |
統計部長 | 須々木亘平君 | |
人権部長 | 田村 初恵君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 佐藤 広君 |
任用公平部長 | 齋藤 進君 | |
試験室長 | 星川 敏充君 | |
審査担当部長 | 友繁 佳明君 |
本日の会議に付した事件
人事委員会事務局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成十七年職員の給与に関する報告と勧告について
事務事業について(質疑)
青少年・治安対策本部関係
事務事業について(質疑)
総務局関係
事務事業について(質疑)
○山下委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局関係の報告事項の聴取、並びに人事委員会事務局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより人事委員会事務局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、佐藤人事委員会事務局長から紹介があります。
○佐藤人事委員会事務局長 病気のために九月十四日の委員会を欠席させていただきました幹部職員を紹介いたします。
審査担当部長の友繁佳明でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○山下委員長 紹介は終わりました。
○山下委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○齋藤任用公平部長 それでは、平成十七年職員の給与に関する報告と勧告についてご説明申し上げます。
人事委員会は、十月十四日に議会及び知事に対しまして、職員の給与について勧告するとともに、人事制度等について報告をいたしました。
お手元に資料第1号として、平成十七年人事委員会勧告等の概要、資料第2号として、職員の給与に関する報告と勧告を配布させていただいております。
本日は概要でご説明させていただきます。
恐れ入りますが、概要の一ページをごらんいただきたいと存じます。
1の特徴でございます。
本年の公民較差は、都職員の給与が、民間給与を三千六百八十一円、率にして〇・八五%上回っていることから、給料月額をマイナス改定するとともに、配偶者にかかわる扶養手当の引き下げを勧告いたしました。
一方、特別給(賞与)につきましては、民間の支給月数が、都職員と比べて〇・〇七月上回ることから、平成九年以来、八年ぶりに〇・〇五月分を引き上げることとしております。
また、本年の勧告においては、年功的給与上昇を抑制するための昇給カーブのフラット化や能力、業績を反映しやすくするための昇給幅の細分化など、給与構造・制度の改革を行うこととし、これに基づく新たな給料表を勧告しております。
以上二点が今回の特徴でございます。
以下、順次ご説明申し上げます。
2の職員と民間従業員の給与等の比較でございます。
例月給につきましては、都職員と民間従業員の本年四月分の給与支給額を、役職、学歴、年齢別に対応させ、いわゆるラスパイレス方式により比較をしております。
また、特別給は、民間従業員に対する昨年八月から本年七月までの一年間の賞与の支給実績を調査し、都職員と比較しております。
なお、本年から、都職員、民間従業員ともに、管理職手当を給与支給額に含めて比較を行っております。
比較の結果は(2)の表のとおりでございます。
次に、この結果を踏まえました、3、給与の改定の考え方でございます。
給与勧告制度は、公務員給与が民間を上回った場合においても、公民較差を解消して民間従業員と都職員との給与水準の均衡を図ることで、職員の給与を社会一般の情勢に適応した適正な水準とする役割を果たしております。
本年も、この勧告制度の趣旨を踏まえ、公民較差相当額について例月給を引き下げることが適当と判断いたしました。
二、三ページをお開き願います。
この例月給の引き下げにつきましては、昇給カーブのフラット化を進めるため、若年層は引き下げを抑制し、高齢層については引き下げを強めるなどの是正を行う、国や民間との均衡を図るため、Ⅰ類、Ⅱ類採用の初任給を引き下げる。また、配偶者にかかわる扶養手当を引き下げるなどを改定の考え方としております。
(2)の改定の内容でございますが、以上の考え方に沿いまして、給料表、諸手当、それぞれの改定内容を表形式にまとめてございます。
なお、特別給の引き上げは、勤勉手当で行うことが適当としております。
次に、(3)の実施時期等でございますが、条例公布日の翌月の初日からとし、実施前の較差相当分につきましては、それを解消するため、人事院勧告に準じて所要の調整を行うこととしております。
続きまして、4の給与構造・制度の改革でございます。
(1)の昇給昇格制度と給料表構造の見直しでは、給料表の一、二級を統合し、級構成を十級制から九級制に改める。職責、能力、業績をよりきめ細かく昇給に反映できるよう、昇給幅を四分割し、細分化するなどのほか、昇給昇格制度などについて意見を申し述べております。
次に、三ページ中ほどの(2)、給与水準の見直しでは、若年層は引き下げを抑制し、高齢層は引き下げを強める昇給カーブのフラット化のほか、職責に応じた給与水準とするための職級間の是正、教員給与などについて言及しております。
なお、国の制度改革に伴う給料と地域手当(現行調整手当)の配分のあり方につきましては、引き続き検討することといたしました。
また、これらの実施時期でございますが、制度改正を伴うことなどから、平成十八年四月から行うこととしております。
四ページをお開き願います。
最後になりますが、5の人事制度等に関する報告(意見)についてでございます。
人事制度につきましては、従来にも増して幅広い視野や専門性を備えた人材を確保、育成することが不可欠となっていることから、人材供給構造の変化を踏まえた採用制度の検討や計画的、組織的な人材育成の推進など、系統立った任用体系や人事管理を構築する必要性などについて意見を述べております。
また、職員が意欲的に職務に従事できるよう、勤務環境の整備などについて言及したところでございます。
詳細につきましては、冊子をごらんいただきたいと存じます。
以上、雑駁ではございますが、平成十七年職員の給与に関する報告と勧告についてのご報告を終わらせていただきます。
○山下委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、次に行います事務事業に対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
次に、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○齋藤任用公平部長 それでは、九月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、説明をさせていただきます。
恐れ入りますが、お手元に配布してございます資料第3号の表紙をおめくりください。ご要求いただきました資料は、目次に記載の三件でございます。
まず一ページをごらんいただきたいと存じます。平成十六年民間給与実態調査産業別抽出事業所数でございます。
民間給与実態調査における対象事業所を業種ごとに分類し、抽出された九百九十五所の内訳を示したものでございます。
二ページをごらんいただきたいと存じます。給与勧告の推移でございます。
この資料は、平成八年から十七年までに東京都人事委員会が勧告または報告で示した公民較差及び勧告等の内容並びに給与改定の実施年月日を一覧にしたものでございます。
なお、この間の任命権者における給与減額措置の状況につきましても、備考としてお示ししてございます。
三ページをごらんいただきたいと存じます。身体障害者を対象とする職員Ⅲ類採用選考(東京都職員分)の実施でございます。
平成七年度から十六年度までの過去十年間につきまして、筆記試験実施月日、職種、申込者、受験者、第一次合格者、最終合格者、合格率を一覧にしたものでございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山下委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、先ほど聴取いたしました報告事項とあわせて、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○柿沢委員 先ほどご報告をいただきました平成十七年の人事委員会勧告について、何点かお伺いをいたしたいと思います。
この公務員給与の問題は、今、本当に国政も含めて、全国的な規模で大変厳しい議論が進められているところでありまして、今回、国における人事院勧告も、かなり今までの公務員給与の体系を変える、大変踏み込んだ内容になっているというふうに思います。
そうした状況の中を受けて、この都の人事委員会の勧告が行われたわけでありますけれども、先ほどのご説明にもありましたとおり、今回の人事委員会の勧告におきましては、能力や業績をより適切に反映する観点から、給与構造や制度の見直しを図ったということをいっておりますけれども、この部分について、見直しのポイントとしてはどのようなものが挙げられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○齋藤任用公平部長 ご指摘の見直しのポイントでございますけれども、先ほど先生、お話がございましたとおり、年功重視の給与制度から、能力、業績をより一層適切に反映した給与制度への転換を図るため、従来のといいましょうか、現行の給料の昇給幅を四つに細分化して、能力、業績の度合いをきめ細かく反映できる仕組みとする。また、あわせて、普通昇給と特別昇給に分かれている現行の昇給制度の見直し、昇給時期の年一回の統一、枠外昇給制度の廃止など、給与制度全般にわたる改革について意見を述べ、勧告したところでございます。
○柿沢委員 今お話がありましたけれども、従来の給与の昇給幅というのを四つに細分化をするというのが今回出ております。昇給期を一回にするかわりに、一回の昇給において四分割をし、四つ上がる人と、要するに一つ上がる人と、それぞれ出てくるわけですよね。それだけ勤務評定といいましょうか、そうした査定の結果が昇給幅に反映をされやすいというものをつくっていただいたわけでありまして、今までの年功重視型の給与から、実績や、あるいは能力、こうしたものをさらに重視をした昇給体系になったというふうに思います。
今、国のレベルでも、これに近い考え方のもとに給与制度の構造改革というものが行われているようでございます。全国ベースの民間の賃金較差を踏まえて、俸給と地域間調整を図る手当との配分変更を行う、これがまず一つの国における公務員給与の改革の主眼とされておりますけれども、今回、八月十五日の人事院勧告では、俸給水準そのものがまず四・八%下がる、これはかなりドラスチックなことだと思いますけれども、そういう見直しが行われました。
その一方で、従来の調整手当にかわって、地域手当というのを新たに創設をして、何段階だったかな、三%、六%、一〇%、一二%、一五%、一八%だから、六段階の地域による給与水準の調整というものを行うことになったわけですね。今後、五年間、計画期間としてリザーブされていますけれども、東京都区部については、国家公務員の給料は、四・八%下げた本給に一八%分の一番高い地域手当を上乗せして支給をされるということになったわけです。
基本的に地方公務員の給与体系というのは国公準拠で、ある意味では国家公務員の給与体系に準拠をして決められるのが通例だったというふうに思いますけれども、東京都は、基本給を引き下げて、その分を地域手当、あるいは調整手当的なものでカバーをするというこの新しい国家公務員給与の体系については、どのように対応をしていくのか。それに合わせて見直していくのか、あるいは都独自の考え方を持っていくのか、その辺はいかがなんでしょうか。
○齋藤任用公平部長 今、柿沢委員からるる国の制度のご説明をいただきましたけれども、私の方から改めて申し上げますと、ご指摘のとおり国におきましては、地域における国家公務員と民間との賃金較差を是正するため、全国一律に俸給水準を引き下げ、民間賃金の高い地域においては地域手当を新設し、支給するという、俸給と手当との配分変更を行うことについて勧告したところでございます。
都におきましては、従来から都職員の給与水準につきましては、正確な公民比較によりまして、都内の民間給与水準と均衡するよう、その較差を是正するため、給与改定を行ってきております。そういう意味では、都の民間賃金と都職員の給与とは均衡していると考えているところでございます。
一方、給与に関する制度についての面でございますけれども、例えばお話ございました調整手当につきましても、これまで国との均衡を図りつつ、改定した経緯もあるところでございます。
加えて、今回の人事院勧告にあるような給料と地域手当との配分変更に関しましては、給料と連動して決まる各種手当、あるいはその他全国的に一律に決まっております諸制度への影響などを含めた給与総体についての影響も、さらに十分考慮する必要があるものと考えているところでございます。
人事委員会としては、このような状況あるいは認識のもと、新たに新設される地域手当に関します今後の法整備の状況や他団体の動向等も十分に踏まえながら、本件につきましては、引き続き慎重に検討していく必要があると判断しているところでございます。
○柿沢委員 今、前段で、齋藤部長から、まず都の公務員給与の水準は、民間に準拠して決めているので、民間の給与水準と大体均衡しているのではないかというお話がありました。その後、国の制度の見直しに準じてどうなのかというお話について、給料と連動する各種手当などを含めた給与総体についての影響を十分考慮しながら、引き続き慎重に検討していくというお話がありました。
前段の民間との均衡という点でいえば、今まさに国家公務員の給与の問題で、特別国会でも議論が進められているところでありますけれども、私たち民主党としては、民間の給与水準の調査に当たって、百人以上の規模の企業、五十人以上の事業所という、ある種の下限を設けて給与水準を調査し、ラスパイレス指数をはじき出して参考にしている、このやり方自体が、それを下回る零細企業や、そういった事業所の給与水準を反映できていないのじゃないのかということで、政府提出の法案の見直しというか、対案を国会に提出しているような状況になっています。
東京都も、この人事委員会勧告の中で書いてありますけれども、皆さんの側では、もうこういう中小あるいは零細の調査対象にならない事業所も独自に調査をして、反映させてはいないらしいですけれども、調査をしているということですから、そこに対して目配りをしてないということではないんでしょうけれども、実際に皆さんが、今の民間の従業員の給与水準としてとらえているものが、本当に民間の平均的な給与水準になっているのかどうかということについては、今後も不断の検証が必要なのではないかというふうに思います。その点についてはぜひ留意をしていただきたいというふうにご要望申し上げておきます。
もう一方、国の制度の見直しに当たっての都の姿勢でありますけれども、先ほどの答弁の中では、給料と連動する各種手当などを含めた給与総体についての影響も十分に考慮する必要があるというお答えがありました。これは要するに、とりもなおさずいえば、本給を国のように、国は四・八%下げたわけですが、本給を下げればボーナスにも影響する、退職金にも影響する、共済なんかの影響もある。こうしたところについて、考え合わせていかなければいけないということなんだと思いますが、しかし、全体として、今の公務員給与の水準に対して、国民あるいは都民から非常に厳しい目が注がれている現状の中で、ボーナスも含めて、退職金も含めて下がっちゃうのは、ちょっと困ったものだなということだけでは済まないんじゃないかとも思います。
八月十四日に国が出して、ぽんと都もそれに合わせて、本給の水準を五%、一〇%下げましたよということはなかなかできないのはわかりますけれども、かといって、引き続き慎重に検討するというのが、延々繰り返されるわけにもいかないというふうにも思いますので、来年度、恐らくこうしたことについて、一つの結論を出さなければいけない状況になるんだろうというふうに思いますので、職員団体等、さまざまな関係団体もあり、利害当事者もいる中ですから、なかなか交渉は難しい点もあるかと思いますけれども、一つは、能力、実績を反映をさせる。そして、民間の厳しいリストラの状況を踏まえながら、そういう意味では、皆さんが、民間の目線から見ておかしいと思われるような結論を出さないということに留意して取り組んでいただきたいというふうに思います。
今回の人事委員会勧告の中でいうと、特別給、いわゆるボーナスについてですけれども、八年ぶりに〇・〇五カ月分だけ引き上げたということがあります。ボーナスについては、今までかなりカットをしたり、いろんな形でこの間の財政難、長期不況の影響を皆さんも受けてきたというふうに思いますけれども、八年ぶりの引き上げとなったわけであります。
一方で、給与月額そのものは下げているわけですから、ある意味では、給料の本給の部分については、今までの水準、あるいは少し下回ったものにして、逆に賞与というか、特別給の部分でそれをカバーするというのは、民間でも最近は、本給の水準は変えずに、業績向上に伴った部分についてはボーナスで対応するというのが一般的に行われつつありますので、そうした民間の流れをとらえての変更なんだというふうに理解をしております。
職員のボーナスについても、やはりこれも職員の皆さんが能力に応じて、あるいは努力に応じて支給をされるものにならなければいけないというふうに思うんですね。そもそも公務員というのは利益を上げる集団でないわけですから、ボーナスというのは、もともとをいえば、臨時的な増収があった場合に、その果実を社員の皆さんに分けるということで行われている制度なわけですから、本来公務員にボーナスがある、議員もあるから、ちょっと我々の問題にもなっちゃうのですけれども、何となく変だと思うんですよね。
何か突然皆さんの企業努力で売り上げがアップして、その部分についてボーナスで皆さんに分けましょうという、こういうものにはそもそも役所というのはなり得ないわけでして、それは民間がそういう給与体系になっているから、それに準拠して出しているんだというのはわかるんですけれども、そもそも公務員や議員にボーナスというのが支給されるというのは、何となくおかしいんじゃないかなと私は思います。
それが認められるとすれば、やはり個々の職員がどれだけ頑張ったか。それに応じて支給をされるというものになっていて、初めてボーナスというか、賞与的な特別給というものが公務員に対して支給をされるということが、ある意味では認められることになるんじゃないかというふうに思うんです。
今後、特別給において、一律に支給されている期末手当の支給割合を抑えて、勤務成績を反映する、勤勉手当の支給割合をふやしていくべきだというふうに、今の話を聞いてわかるように、私はそういうふうに考えているのですけれども、これについては人事委員会としての見解はいかがなものでしょうか。
○齋藤任用公平部長 都におきます特別給の取り扱いにつきましては、従来より、国や民間の特別給、賞与との均衡を図る観点から、その改定を行ってきたところでございます。ここ数年の民間給与実態調査におきまして、民間企業の賞与におけるいわゆる考課査定分の割合はふえる傾向にございます。
都としては、この間、そうした民間の傾向も踏まえながら、期末手当と勤勉手当等から成る特別給におきまして、勤勉手当の割合を高めるよう、期末手当の引き下げを勧告してきたところでございます。
今回の勧告におきましても同様の観点から、本委員会としては、〇・〇五月分の特別給の引き上げについては、勤勉手当で行うよう勧告したところでもございます。また、あわせて、この勧告におきまして、特別給につきましては、努力し、成果を上げた職員が報われるよう、支給月数の引き上げとあわせて、その制度の見直しについて意見も述べたところでございます。
今後とも、特別給も含め、都職員の給与につきましては、能力、業績をより反映した給与体系となりますよう努めていく必要があると考えているところでございます。
○柿沢委員 今お話がありましたとおり、能力、業績を反映した給与体系になるように、今後も見直しを続けていくということでありますので、そうした取り組みをぜひ進めていただきたいというふうに思います。
やはり今の、この間の衆議院の総選挙を見ても、公務員というものに対する世間の目というのは大変厳しいわけです。この間の総選挙で見ていると、驚くほどというか、ちょっと誤解があるんじゃないかと思うぐらい厳しい部分がある。その流れの中で、なかなか民主党も厳しい結果を得たわけですけれども、こうした、ある意味では国民の目というのをしっかり踏まえていただいて、これからも不断の見直しが必要だというふうに思いますので、しっかり研究を進めていっていただきたいというふうに思います。
それと、今回の国の給与制度の人事院勧告における給与構造改革の流れですけれども、これも国公準拠ということで、今まで国家公務員の給与体系と地方公務員の給与体系というのが、原則、足並みがそろっていなければいけないというのがあったと思うのですけれども、しかし、これから、例えば本給を下げて地域手当で対応するんだというようなやり方を国がやる場合に、東京都というある種の狭いエリアの中で、こういうやり方が本当にふさわしいのかどうかというと、これはこれで、そのとおりまねする必要がない部分でもあるんじゃないかなというふうに思うんですね。
そういう意味では、国公準拠ということは、今までは建前としてあったかもしれませんけれども、これから先は、ある意味では地方分権の時代でもありますので、東京都としてふさわしい地方公務員給与の支給のされ方というのはどのような形なのかということを、やはりより独自に考えていかなければいけない時代になるんだというふうに思います。
そういう意味では、各都道府県に置かれている人事委員会が、それぞれの地域の実情に応じて、そして皆さんが抱えている課題に応じて、給与体系を独自に見直していかなければいけない時代に、ことしを境に突入していくのかなというふうに思っていますので、そういう意味では、皆さんの人事委員会事務局の機能の強化というのも非常に大事なところなんだと思います。
そういう非常に節目の時期でもありますので、先ほど齋藤部長からご答弁をいただいた、そうした部分について、より一層の取り組みを進めていただくことをこの機会に強く要望させていただいて、私は質疑を終わらせていただきたいと思います。
○古館委員 それでは、私も、今回の人事委員会の職員の給与に関する報告と勧告に関連して、質問させていただきます。
今回の人事委員会の勧告が、ことし四月分の給与支給額の公民較差の比較でいいますと、都職員の給与が民間従業員の月額よりも三千六百八十一円、率で〇・八五%だったとして、マイナス勧告を行ったことはご存じのとおりです。
しかし、都労連側の発言の中で、このマイナス勧告に対して、厚生労働省や東京都の発表している各種統計から見ましても、納得できない旨の見解が表明されております。
この各種統計については、私自身持ち合わせていないわけでありますけれども、この点では定かではありませんが、ただ、私の手元に、日本経団連がことしの四月二十日現在調べとして発表した、これは少しサンプルが足りないなとは思うんですけれども、日本経団連の大手企業に対しての調べですと、単純平均で金額が大手企業で四千八百十七円、率にして一・五一%ふえている。それから中小企業につきましては、これは日本経団連の調べですが、単純平均で金額で三千八百四十四円、率で一・四三%、こういう日本経団連の発表もあったり、したがって、これらは今の民間での給与水準の状況というのを一定程度反映しているものであるというふうに思っております。
そういう点でお聞きをしたいと思いますけれども、この十月三日に日銀が短観を発表しました。この短観では、原油高騰とか消費低迷によって、景況感が小幅であるものの、企業収益で見ますと、全規模、全産業の二〇〇五年度の経常利益見通しは、前年度よりも三・四%増と引き続き好調だ。つまり、経常利益、企業収益は好調だ。売上高に対する経常利益の比率は三・七九%と過去最高を見込んでいる。
このことは何が原因かといいますと、より一層のリストラと賃金の抑制、これによるものだというふうに私は見ているのですが、この点についてはご見解いかがでしょうか。
○齋藤任用公平部長 都人事委員会が行いました民間企業実態調査によりますと、平成十七年一月以降でございますけれども、その間の民間における雇用調整等の実施状況をそれで見てみますと、業務の外部委託あるいは部門の整理、採用の抑制など、約四割の事業所で何らかの雇用調整等を実施しているところでございます。
依然として厳しい経営環境のもとで、多くの企業で内部努力を含むさまざまな経営努力を行っているものと考えております。
しかしながら、これらの措置が企業収益の主たる変動の要因であるか否かにつきましては、当委員会としては調査分析はしておりません。
○古館委員 今答弁の中でも、民間で、約四割の事業所で雇用調整等がやられている。雇用調整というのは、はっきりいって、リストラだとか、あるいは正規職員からアルバイトだとか、そういうふうに切りかえるということですけれども、こうしたことが依然としてやられているということを、この点ではお認めになっていると思うのですね。
それで十月三日付の日本経済新聞、日経新聞ですけれども、この点でも、雇用の過剰感というのは一段と解消に向かっている。つまり、雇用の過剰感とやんわりいっているのですけれども、結局、雇用が多過ぎるから、これを減らすということについては、一段と解消に向かっているということ、これは結局リストラの効果ということをこの部分でもいっているわけなんですね。
そこで、こうした企業収益ということが、働いている人にはなかなか反映されてないというのが今の現実なんだと思うんですね。だから、民間で、いわゆる人事委員会が調べた結果が、先ほどの三千数百円という、公務員の方が高いということになっているわけでありますけれども、これ自体、一概に私はそうだというふうに認めるわけではないのですけれども、働いている人に対する企業収益が反映されてないということは、一面事実だというふうに思うのですね。これは家族の生活を脅かすだけではなくて、景気をさらに冷え込ませていくし、ひいては日本経済にも否定的な影響を与えることになっていくというふうに思うんですね。このことについて、人事委員会としてどのように評価をしているのか、ちょっとお尋ねをしたいと思うんですが……。
○齋藤任用公平部長 大変難しいご質問でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、雇用調整と企業収益の変動、あるいは景気動向等の関係につきましては、当委員会としては調査分析はしておりません。
なお、委員お話のような、企業における配分の問題、株主へなのか、社員へなのか、あるいは投資にするのかといった配分の問題といいますのは、すべて企業経営におきます経営戦略にかかわるものではないかというふうに認識しているところでございます。
また、景気への影響等につきましても、我々人事委員会ではなくて、例えば国の経済政策上の課題であると認識しているところでございまして、人事委員会として、ご質問にございました評価するというような立場にはないと考えているところでございます。
○古館委員 今のこの問題についても、やはり私は、本当に消費がなかなか盛んにならない。一定程度回復しつつあるとはいっても、本当に今さまざまな福祉だとか、保健だとか、医療だとかというのが、どんどん負担増になってきていますから、そういう意味では、極めて厳しい状況というのは、一般の国民の中でもあることはもう否めないというふうに思っているのですね。
それで、勧告の概要の二ページなんですけれども、行政職給料表の(一)で、平均〇・八%の引き下げと書いてあります。これは年収ベースでいうと幾らの減額になるのか、これをお尋ねしたい。
それから、私は先ほどの質問者とは反対でありまして、高齢者についての引き下げというのを強めるとして、最大で一・九%の引き下げをする。こういうことを計画しているわけでありますが、そこでお伺いしますけれども、高齢層というのを仮に四十歳以上の職員とした場合に、その人数はどれぐらいになるんでしょうか。なかなかさまざまな局がありますので、知事部局でお示しをしていただきたいと思います。
○齋藤任用公平部長 今回の給与改定の勧告を実施した場合の職員の年収ベースでの影響についてでございますけれども、例えば行政職給料表(一)の例で申し上げますと、勧告前の平均年収は七百十二万一千円、また今回の勧告後の平均年収は七百八万二千円となり、差し引き約三万九千円の年収減となると考えてございます。
また、職層等によりまして給与の引き下げの改定率が異なるため、必ずしも、単に年齢が四十歳を超えたからといって、平均改定率を上回る引き下げ年齢の対象になるとは一概には申し上げられないところでございますけれども、仮にお尋ねの四十歳以上の職員の数について申し上げさせていただきますと、知事部局職員約三万七千人のうち、およそ六割の約二万二千人以上が四十歳以上の職員でございます。
○古館委員 つまり、約四万円の引き下げになりますよね。それで、高齢層というのを、私が仮のということでいったのですが、四十歳以上といったのは、国の方でもそういうことを検討したり、それに近い年齢で検討していますから、私はあながち、これは私の架空の話ではないというふうに思っているのですけれども、この人たちがおよそ六割に達して二万二千人。先ほど四万円ぐらいの引き下げといいましたから、四十歳以上ということで、さっき一・九%の引き下げということですので、二・四倍ぐらいの変な話、逆の負担増になるわけですね。四十歳以上の方が、これでいきますと、大体九万六千円ぐらいの減収ぐらいになるかなと。ですから、これは私ども、高齢者への昇給カーブのフラット化ということについては、絶対に認めることはできません。
そうしたことをきちんと押さえた上で、勧告の概要の二ページに、職員給与の引き下げ時期等についてですが、本年の改定は、職員給与の引き下げ改定であるため、遡及することなく条例の公布の日の属する月の初日から実施と書いてある一方で、その下に、本年四月からこの実施日前日までの公民較差相当分を解消するため、人事院勧告に準じて所要の調整を行うこととしてありますけれども、この趣旨は、どういう趣旨なんでしょうか。ちょっとそれをお答えいただきたいと思います。
○齋藤任用公平部長 職員と民間従業員の給与は、ご案内のとおり、毎年四月の時点でこれを比較し、均衡を図っているところでございます。
お尋ねの所要の調整措置でございますけれども、今回のように較差がマイナスであり、遡及改定を行わない場合でも、本年四月から改定の実施日前日までの給与につきましての公民較差を放置することなく、その解消を図るため、行うものでございまして、都民の理解を得られるものと考えてございます。
逆に、本年の公民較差相当分につきまして、何らの措置を講じないとすれば、情勢適応の原則からしても、都民の理解が得られるものではないと考えているところでございます。
○古館委員 結局これをずっと、最初ふっと読んでいたときには、遡及することはないということで、ああ、そうかと思って、よくよく読んでいたら、いや、これは結局は同じ金額だけは払わなきゃいけないんだなということはわかりました。
このことが結果として、今までもこういうことがあったと思うのですね。だから、労使協議の中で、どういう形にするかというのは、今後の労使協議の問題ですから、私はそこまで踏み込んではおりませんので、誤解のないようにしていただきたいと思うのですが、つまり、これの文言自体は、遡及することはなくとはいうんだけれども、結局は、最終的には帳尻で減額しますよという意味なんだということがわかりました。
そこで、続いて質問したいと思うのですが、人事委員会は都道府県における必置機関であります。公正な人事行政を行う目的で、長である知事から独立した行政委員会なんですね。国も人事院というのもありますけれども、私は人事院に追随する必要は全くないと思っていますが、この点についていかがですか。
○齋藤任用公平部長 ご指摘のとおり、人事委員会は、地方公務員法の定めるところによりまして、都道府県や政令指定都市等に置かれている中立的かつ専門的な人事機関でございまして、任命権者である長から独立した行政委員会として設置されているものでございますし、また国の機関としての人事院とも独立した機関であると考えております。
○古館委員 それで人事院への、結構私から見たら、人事院がやると、先ほどそれが通常であるかのような質問もちょろっとありましたけれども、しかし、今ご答弁あったように、地方公務員法の法律によって人事委員会がきちっとできているわけですよね。ですから、そこでいういわゆる人事委員会というのは、東京都の都民に対して責任を負う、そういうことだというふうに思うんですね。
ところが、十七年度の人事院の考えていること、例えば先ほどいった給与カーブのフラット化であるとか、これは人事院が考えると、東京都の人事委員会でも給与カーブのフラット化というのが出てくる。それから勤務成績に基づく昇給制度の導入というのも、人事院が考えると、東京都の人事委員会も同じように考えてくる。
どっちが先に先導してやっているのかというのは、これは私は経緯はわかりませんけれども、いずれにしても東京都の人事委員会、先ほどご答弁されたとは全く違って、人事院と人事委員会の考え方というのは全く同じような流れで進んでいる。この点でいうと、本当の意味での東京都の自治権というのはどうなっているのかということを、私は疑わざるを得ません。
そういう点で、今公務員の賃金というのは、はっきりいって、争議権など労働基本権が制約されている地方自治体の職員の給与、これはそのような形で制約をされているからこそ、第三者機関である人事委員会が、民間の給与水準を反映して勧告しているというふうに思うんですが、この点についてはいかがですか。
○齋藤任用公平部長 給与勧告制度でございますけれども、労働基本権制約のもとで、その代償措置としての機能を果たすものであり、人事委員会は、これまでも地方公務員法に規定する均衡の原則、これは国、他団体あるいは民間の給与、その他の事情、生計費等を含んだものでございますけれども、それとの均衡あるいは情勢適応の原則等に基づき、その役割を果たしてきているところでございます。
また、このように人事委員会が、労使当事者以外の第三者機関として、民間の給与との正確な比較に基づく給与勧告を行うことは、都民の理解を得ながら、職員給与を決定する方式として定着してきているものと考えております。
人事委員会としては、今後とも中立的な第三者機関として、その機能を適切に果たしていく考えでございます。
○古館委員 私が聞き逃したのか、もう一回、先ほどいいましたけれども、東京都人事委員会というのが、東京都だけじゃないんですが、これは公務員が争議権など、いわゆる労働基本権が制約されている。そのもとで地方自治体として、第三者機関として、給与などのこうしたことを勧告する、こういう機能だということについては、もう一回ちょっと答弁していただきたいんですが……。
○齋藤任用公平部長 繰り返しになるかもしれませんけれども、人事委員会制度というものは、労働基本権制約のもとでのその代償措置としての機能を果たすものでございます。また、その機能を果たすに際して、地公法等の適用を受け、それに従って、その役割を果たしているところでございます。
その地公法の中で、先ほどいいました均衡の原則、あるいは情勢適応の原則という項に基づきまして、その役割を果たしているということでございます。
○古館委員 労働基本権が制約されているということを、私は、人事委員会は特に自覚をされて仕事をしていただきたいな、このように思っています。そういう意味では、人事委員会としての役割というのは極めて大きなものがあるということは強調しておきたいとも思うのですね。
私は、公務員の給与というのは、見方を変えれば、民間企業で働く労働者の生活と権利を安定的なものにしていく目安にもなるものだと考えています。先ほど、最初にご質問した方が、零細企業なども実態調査をしてというふうに--実態調査することについて、私はどうのこうのいう気はありませんけれども、そういうことをしていくと民間労働者も下がっていく。
単にいわゆる公務員だけが給与が下がっていくということではなくて、総体としての賃金が下がっていくおそれが十分にあるという点では、この問題について調査しているということについて、私は、する必要はないと思っていますけれども、しかし、そのことが今後の賃金体系に入っていくということについては絶対に反対であります。
そういう意味では、人事委員会が、今後関係行政当局に対しても、労使間での十分な協議、そしてそれを踏まえた合意形成を何よりも保障していく、このことを人事委員会として、その役割を十二分に発揮されることを強く求めて、私の質問を終わります。
○後藤委員 とりあえず私は、お二方みたいに高尚なところからいかないで、軽くいきたいんですけれども、例えば一般、議員になる前と思っていただければいいんですけれども、議員になる前に私が考えていたことは、この数字、本当なのかよ、こんな高い金額が出てくる根拠がどうなっているのかということをいつも僕は考えていました。
今回そうしましたらば、資料2号ですけれども、ここの三ページにあります産業別調査事業所数というのが出ていましたので、この間の委員会で、できたらばもう少し詳しいものを出してほしいというふうにお願いしましたらば、今回は資料の第3号の一ページに多少細かい数字が出てきたのですけれども、例えば2号にあります大ざっぱな数字と、今回出てきている細かい数字がついているのがあるのですけれども、この辺を比較しまして、どういうふうなところを出していただけたのか、できたらご説明願えればと思います。
○齋藤任用公平部長 この資料は平成十六年でございますけれども、職種別民間給与実態調査の対象となりました九百九十五の事業所が、どのような産業分類になっているかをお示ししたものでございます。
昨年の職員の給与に関する報告の中におきましては、大分類による産業別の事業所数を掲載しているところでございますが、この総務委員会資料におきましては、中分類による産業別の事業所数を示し、あわせて大分類の欄の括弧内でございますけれども、調査対象となった事業所の従業員数を記載しているものでございます。
例えば大分類の建設業のところをごらんいただきますと、平成十六年の調査の対象となった事業所数は百一事業所、その従業員の合計は二万三千四百六人となってございまして、その内訳は、総合工事業三十四事業所、職別工事業五事業所、設備工事業六十二事業所となっているところでございます。
○後藤委員 ここの合計のところで、九百九十五の民間の事業所を調べたということになっているのですけれども、ここの九百九十五の事業所はどういうふうにして選ばれるのか。多少いろいろなことはお伺いしてはあるのですけれども、例えば人事院、特別区の人事委員会ですとか、皆さんの人事委員会で、どういうふうな割り振りをして、ここの九百九十五の事業所を出しているのか。この辺できたら教えてください。
○齋藤任用公平部長 調査する事業所の関係でございますけれども、この民間給与調査は、お話ございましたように、人事院と全国の各人事委員会が共同で調査を行いまして、調査によって得られたデータを、それぞれの団体が、民間従業員と職員の給与比較等に活用しているものでございます。
東京都内の事業所につきましては、ご指摘のように、基本的に人事院、そして東京都人事委員会、特別区の人事委員会の三者で行っております。この九百九十五の事業所のうち、約半数を人事院が、また残りを都の人事委員会と特別区の人事委員会が分担して調査を行っているところでございます。
○後藤委員 とりあえず数の分担はわかったのですけれども、たくさんある事業所の中から、多分、人事院の方で選ぶんだと思うのですけれども、どうやって企業を当てていくのか。この辺の、できたらば裏話といってはおかしいのですけれども、どういうふうに決めていくのかというのが、民間の方はわからないと思うんですよ。
例えば恣意的に、公務員の給料が上がるように、ここと、ここと、ここだけ選んだんだろうぐらいなことを皆さんは考えるわけですから、こういうふうなところを皆さんに明らかにしていくことによって、信憑性も増すんじゃないかなと思うのですけれども、その辺のことをちょっと教えてください。
○齋藤任用公平部長 調査する事業所の選定方法についてのご質問かと思いますけれども、事業所の選定は、委員お話ございましたように、人事院が全国分を一括して行っているところでございます。
具体的な選定方法でございますが、調査の対象となります企業規模百人以上、かつ事業所規模五十人以上に該当する事業所を、企業規模ですとか、あるいは産業等に偏りが生じないようにグループ分けいたしまして、その中から乱数表等を用いまして、無作為に抽出して選出していると聞いているところでございます。
○後藤委員 このピンクの表紙のものが、これは東京都人事委員会がお配りになっている、例えば民間の企業に対して、こういうふうな数字が出ましたよというふうなことを出している小冊子だと思いますけれども、ここのところの一ページを見ますと、例えば調査の人員ということで、四万五千七百五十二人というふうな数字が出ているのですが、今回出していただいた資料の中の対象の従業員者数というのは、二十三万七千九百四十四人の従業員の方たちを対象にしてやっているのに、ここのところでは調査人員が四万五千七百五十二人となっているのは、ここいらがちょっとわからないのですけれども、この説明、お願いします。
○齋藤任用公平部長 ご指摘いただきました二十三万七千九百四十四名は、この調査対象事業所、九百九十五事業所の従業員の総数でございます。それに対しまして、調査人員四万五千七百五十二人は、この二十三万七千九百四十四人の中から、実際に四月分の給与月額等を調査した人員でございます。この二十三万人の中には、例えばセールスマンですとか、あるいは工場等での単純な労務作業、ライン作業に従事する者ですとか、調査対象とならない職種も含まれているものでございますので、そういう含まれていない職種の方もいらっしゃるほか、調査を効率的に進めるため、同じ職種の人数の方が多数いらっしゃる場合には、そこから抽出して調査を行っております。そのため、人数の乖離といいましょうか、違いが生じていることになってございます。
○後藤委員 冒頭にもいいましたけれども、例えば民間の感覚からいきますと、パン屋の感覚といっていただいてもいいですけれども、普通の感覚からいくと、細かい数字まで出しちゃうわけにはいかないことはもちろんわかります。例えばプライバシーの観点もありますから、細かい数字は出せないのはわかりますけれども、できる限り出せるところまで、皆さんが公表をしていくというのが、都民との信頼関係という面で大事なんじゃないかなと思いますので、できれば来年度--これですけれども、来年度もまたやるんですか。例えばやるとしたらば、民間の方たちに配る小冊子をもう少し工夫をしていただきたい。だれが見てもこの数字だったらば信じていいのかなというぐらいの工夫を、できたらばしていただきたいと思うのですけれども、よろしくお願いをします。
これに関しては要望で終わりますので……。
○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
事務事業及び報告事項に対する質疑は、これをもって終了といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○山下委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○柿沢委員 私は万引きの話をちょっとしようと思っています。
きょうは長くなりそうですので、簡潔に済ませますけれども、七月の都議会の選挙のときに、私たち民主党は東京マニフェストというのを出させていただいて、治安の問題も取り上げさせていただいた中で、例のブロークンウインドー理論の話をそこで引用させていただきました。ニューヨークにおいて凶悪犯罪を半減させたという前ジュリアーニ市長の取り組みが、そもそも町の落書きを消すというところから始まっているということ、こうした小さな犯罪を見逃さないということによって社会の治安をよくしていくという取り組み、そういう意味でいうと、軽微な犯罪であり、なおかつ青少年が、まず最初に手を染めやすい犯罪でありという意味では、やはり万引きの防止というのは、非常に小さなことのようでいて、大きな結果を行く行くはもたらす治安対策であり、また一方で、青少年の健全育成の観点から見ても、非常に大事な取り組みなのではないかなというふうに思っております。
都においても、万引きの防止の取り組みは、前竹花副知事が中心となって、治安対策の一環として取り組まれてきたというふうに思いますけれども、都の青少年を含めた万引き防止対策として、万引防止協議会というのができていますね。これについて、立ち上げた経緯と開催状況についてお伺いをしたいと思います。
○百合青少年育成総合対策部長 万引きで警視庁に検挙された者の約三割が二十歳未満のいわゆる青少年でございます。
万引き行為に対しましては、社会が適切に対応することは、非行の深まりを防ぎまして、青少年の健全育成を図る上でも重要であるというふうに考えております。また、万引き被害は、店側にも経営上の深刻な問題となっていることから、平成十五年十二月に都が呼びかけまして、書店業界、学校、警視庁等によりまして、東京都万引防止協議会を立ち上げたところでございます。これまで計四回開催をされております。
○柿沢委員 その万引防止協議会というのを立ち上げて、計四回これまで開催をされているということで、ある意味では、今後、万引きという行為に着目をして、それを防止をしようということで、こうした枠組みというか、つくられたということは、大変先見の明もあり、また意義の深いことだというふうに評価をいたしております。
ここで、どのような防止に向けての議論が行われたのか、あるいはそれを受けて、どのような取り組みが行われているのかということについてはいかがでしょうか。
○百合青少年育成総合対策部長 お尋ねの東京都万引防止協議会でございますけれども、ここでは万引き防止に向けた議論を重ねまして、保護者、販売店、学校、また警察等の役割を明確にしまして、一体的な取り組みを進めるということとしております。
具体的に申し上げますと、万引きしにくい店舗づくり、万引き一掃の教育、万引きを繰り返させない仕組みづくり等を柱といたします行動計画を策定いたしまして、現在取り組みを実施しているところでございます。
○柿沢委員 万引きしにくい店舗づくり、万引き一掃の教育、万引きを繰り返させない仕組みづくり、そういったことについての行動計画を策定して、取り組みを実施しているということでありますけれども、特に先ほど申し上げたように、非行の入り口としての万引きということであるとすると、これは繰り返させないということが大事なんだろうというふうに思います。
やはりやってはいけないんだという気持ちになってもらって、そして二度とやるまいというふうな決意を、特に青少年に対して持ってもらうということが大事なんだろうというふうに思うんですが、この万引きを繰り返させない仕組みづくり、口では仕組みづくりと簡単にいうけれども、実際の取り組みとしてはなかなかいろんな課題があるんだろうというふうに思いますけれども、具体的にどのようなことを今、この万引きを繰り返させない仕組みづくりの中で行っているのか伺います。
○百合青少年育成総合対策部長 万引きを繰り返させない仕組みづくりでございますけれども、これまで子どもの万引きを発見した場合の対応といたしましては、関係者の連携が必ずしも十分でなかった面がございました。今回新たに万引きを繰り返させない仕組みといたしまして、販売店、学校、警察、これらが相互に必ず連絡を行うということで、情報を共有するということにいたしました。このことによりまして、例えば学校に連絡があった場合には、適切な指導を行うことができるというようなことになったところでございます。
○柿沢委員 今、百合部長からお話ありましたけれども、今までお店と警察と学校の横の連絡というのが十分にとれてなかったという反省があるようでございます。そういう意味では、子どもが例えば本屋さんで漫画本を万引きした、捕まってしまった、注意をされて家に帰る。学校にも、場合によったら警察にも届けないということがあって、結果としてその子は、そういうことをしたということは、店の人と本人しか知らない、親も知らない、学校も知らない、警察にも届け出ない、こういうことがたびたびあった。
これでは、ある意味では、やって捕まって、ちょっと謝ればそれでいいんだということになってしまうわけであって、そうしたことが、ある意味では放置をされてきた状況を改善をするということで、販売店、警察、学校の相互連絡ということを行っているんだろうというふうに思います。
それによって、例えば万引きをして、先生は知らないだろうと思って学校に行ってみると、学校の先生に連絡が行っていて、君はきのうこういうことをしたようだけれども、絶対にそんなことは二度と行っちゃいけないよという指導が行われるというようなことにもつながっているというふうにも聞くわけであります。
こうした、ある意味では社会全体で青少年を見守っていく。それでちょっとした出来心で万引きに手を出した子どもの指導を、ある意味では社会全体でしていくということになるんだと思いますが、こうした取り組みが行われている結果として、今、少年の万引きの状況というのは、万引防止協議会での取り組み、いろんなことを受けて、どのように推移をしているのか伺います。
○百合青少年育成総合対策部長 平成十七年の今年上半期におきます都内の少年犯罪の状況を見てみますと、万引きによります検挙、補導件数は、前年同期比で約三〇%の増加となっております。これは販売店が警察への連絡を徹底し、こういったことが数字として如実にあらわれたというふうに認識をしております。
○柿沢委員 今部長からも答弁ありましたが、万引きの検挙件数が前年比三〇%の増になっている。少年犯罪の状況ですから、青少年による万引きの検挙件数が三割ふえているということですね。
今、その前に取り組みがあって、販売店から警察に連絡をするというのを徹底をしているんだということですから、三割ふえているということになっているんだという説明もありましたけれども、現実には、ただ数字を見れば、三割ふえているだけなわけですから、これからそういう取り組みがあって、一たんふえるでしょうけれども、これが減少カーブをたどっていくということでなければ、施策が効果を発揮しているとはいえないわけですので、今後そういう意味では、単に警察に届けるということを励行するだけでなくて、この増加の数字をやはり減らしていくことにつながるような施策を、さらに一層取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、教育の現場において、万引きをやってはいけないんだということを徹底して指導していくことも非常に大事だと思います。そういう意味では、学校にも連絡が行くようになっている。販売店、警察、学校、この三つが相互連絡をとっているということになっているわけですから、学校における指導というのもしっかり取り組んでいただきたい。これは皆さんに申し上げることではないかもしれませんけれども、そういうふうに思います。
残念ながら、現状、万引きに関する青少年の意識が、こうした取り組みによって如実に変わっているかというと、そうでもないようでして、ことしの万引きに関する青少年の意識調査の結果を見ていても、これは東京都がやった調査ですけれども、中高生の七五%は、万引きは絶対だめだといっていますが、一方で、万引きをやっても問題ないというふうに考えている中高生が二三・三%というから、四人に一人は万引きぐらいやってもいいという意識を持っているというのが現状なわけですね。
そういう意味では、こうした社会全体で万引きを防止する、青少年の万引きを防止するという枠組みをつくっていただいた上で、結果として、特に教育現場が大事だと思いますけれども、やってはいけないんだ。やると、それを見逃されることはないんだということが意識として植えつけられるようなふうになっていったら、効果も上がるのではないかというふうに思います。
これは万引きを防止するという、ただそれだけのことではなくて、先ほど申し上げたように、ブロークンウインドー理論の世界でいえば、まさにそれから手を染めて、例えばドラッグをやり、凶悪犯罪を行い、恐喝や、あるいは強盗のような世界に歩みを進めていく。この入り口から防止をしていくということであって、社会全体の治安の改善にも大いにつながる取り組みなんだろうというふうに思います。
この都の取り組みを受けて、皆さんも、全国で万引防止協議会というのが立ち上がって、今活動を始めている。NPO法人格をとって、ちょうどこの十月からスタートをしたというふうに聞いていますので、これがもっともっと社会から青少年に発するメッセージとして広がっていって、青少年に対して一つの効果を発揮する時代がやってくることをご期待を申し上げたいというふうに思います。
そういう意味で、最後に、万引防止協議会での取り組み結果を踏まえて、青少年の万引き防止対策に向けた舟本本部長の決意を伺って、質問の終わりとしたいと思います。
○舟本青少年・治安対策本部長 今委員ご指摘のとおり、万引きをきっかけとしまして、非行がさらに深刻化するという事例は現に多いわけでございます。非行の初期の段階で、そうした子どもたちが立ち直るための社会全体でのサポート、警察、それから教育機関、そして家庭、そういったことを含めた社会全体でのサポートというのは、極めて重要であるというふうに認識をしております。
したがいまして、今後とも、さきに示しました行動計画に基づく販売店などの取り組み状況を踏まえながら、特に警視庁や教育庁と連携を図りながら、青少年の万引き防止対策がより実効性あるものとして推進されるよう、今後とも力を尽くしてまいりたいと思っております。
○吉倉委員 私は、平成十七年三月に改定されまして、この十月一日から施行されております東京都青少年の健全な育成に関する条例について、条例の実効性を高めるために、何点か質問をさせていただきたいと思います。
現在、インターネットに関連した事件や犯罪は増加傾向にあると聞いております。特に最近、被害者が若年層化して問題になっているのが出会い系サイトであります。ほかにも強盗致傷、名誉毀損、監禁あるいは児童福祉法違反などに発展するような多種多様なインターネット関連の犯罪や事件が起こっており、そのどれもが若年層化して、凶悪化の一途をたどっております。
まず、最近のインターネット犯罪と青少年とのかかわりについて、どのように把握しておられるのか、ご見解をお聞きしたいと思います。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 警視庁によりますと、平成十六年中の東京都内における出会い系サイトに絡む犯罪の検挙件数は二百十一件でございます。また、その被害事情の内訳は、中学生が約五割、高校生が約四割となっております。この中で、児童買春等の事件は百九十一件ありましたが、全国での出会い系サイト利用の児童買春事件は七百六十八件でございまして、その四分の一が都内で発生している状況にございます。
また、他県の事案でございますけれども、少女が携帯電話の出会い系サイトを通じて知り合った相手に監禁された事案でありますとか、誘拐されて身代金を要求された事案などの凶悪犯罪の被害も発生しております。
○吉倉委員 ご説明のとおり、インターネットに関する事件や犯罪の手口がますます巧妙化し、凶悪化の傾向にあります。また、インターネット上には犯罪を助長するような有害なコンテンツも無数に存在しております。
改正条例の中で注目すべき点は、インターネットの有害サイト、すなわち出会い系やポルノ、犯罪手口を紹介するホームページに子どもたちがアクセスできないようにする、制限する、フィルター、フィルタリング機能、これを整備したことだというふうに考えております。全国で初めて接続事業者や携帯電話事業者などを対象に、この機能の導入を義務づけたわけであります。
その効果には大変期待をしているところでありますが、一般には、フィルタリング機能についてはまだまだ知られていない。加えて、本当に役に立つのか、こういう声も聞かれるのが実情であります。
そこで、一般家庭におけるフィルタリング機能の認知度、普及率については、どのように把握されておられるのか、お示しをいただきたいというふうに考えております。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 全国PTA協議会が平成十六年に行った調査によりますと、小学校五年生の保護者と中学二年生の保護者のいずれもが、六二%がこのフィルタリングソフトの存在を知らないという回答をしております。フィルタリング機能につきましては、まだまだ一般家庭においては知られていないというのが実情であるというふうに認識しております。
○吉倉委員 私は青少年の健全育成の立場から、ぜひ一般家庭でのフィルタリング機能の普及率を高め、そしてさらに実効性のあるものにすべきだ、こういうふうに考えております。その意味から、保護者、教師への啓発を図り、子どもたちがインターネットを適正に利用できる環境を整備することが最も重要であると考えております。
今後の啓発活動についてどのように進めていくのか、具体的にお聞きしたいと思います。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 平成十七年の青少年健全育成条例を改定した後、インターネットの利用環境の整備を含めます改正の内容を周知するためのパンフレットを作成し、配布いたしました。
また、保護者や教員がインターネット上に潜む危険性を理解し、指導することができるように、保護者や教員のためのガイドブックを十三万部作成し、配布いたしました。
あわせて、専門家を学校に派遣して、青少年の適正な携帯電話やインターネットの利用について、保護者や教員、児童を対象としたセミナーを、今年度中に百回を目途に開催してまいります。
さらに、条例の施行を控えた九月二十一日でございますけれども、保護者の代表のほか、関連事業者や業界団体を集めた会議を開催し、改めて協力を呼びかけるとともに、月末には新聞広告を実施いたしました。
今後とも、こうした取り組みを引き続き推進してまいります。
○吉倉委員 ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
また、一方、東京都は、これまでフィルタリング機能の普及、利用の拡大を図るために、接続事業者、あるいは携帯電話事業者との間で、積極的な意見交換を進めてこられたというふうにも聞いております。接続事業者あるいは携帯電話事業者の自主的な取り組みについて、現在どこまで進んでいるのか、ご説明願えればというふうに思います。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 インターネット接続事業者、いわゆるプロバイダーでは、その多くが、フィルタリング機能を、月額にしますと数百円程度の、そういう金額で利用できるようなサービスをオプションで提供しております。
これにつきましては、契約時にサービスの利用を勧奨するなど、フィルタリング機能の利用が拡大しますように、取り組みを要請しているところであります。
また、携帯電話につきましては、効果的なフィルタリングサービスの開発と提供について、また未成年者が契約する場合には、保護者の同意が必要となることから、保護者がフィルタリングサービスの存在を認知する仕組みづくりについて、事業者の協力を要請しております。
これにつきまして、例えば最もシェアの大きいNTTドコモさんでは、条例の施行に先立ちます七月から、無料で使いやすいフィルタリングサービスを提供するなど、積極的に取り組んでいただいております。
○吉倉委員 フィルタリング機能の今後の啓蒙活動にぜひ期待をしたいというふうに思います。
ただ、一方で、コンピューターやインターネットは、想像以上のスピードで進化し続けております。新たな通信技術が導入されるたびに、犯罪と法律の追いかけっこになっている。常に法整備が後手後手に回っている、そういう気がしてなりません。国の法律である児童ポルノ、児童買春禁止法、あるいは不正アクセス禁止法、ストーカー禁止法などもしかりであります。
最後に、こうした有害サイトを含むインターネット犯罪と条例の整備について、今後どのように取り組まれるのか、青少年・治安対策本部長のご決意をぜひお願いしたいと思います。
○舟本青少年・治安対策本部長 委員ご指摘のとおりであります。インターネットは匿名性が非常に高いことに加えまして、発信者が、場合によれば外国に居住するということもありまして、ネット上の有害情報やインターネット犯罪に対しましては、情報の発信源対策、あるいは被疑者の捜査というのは極めて困難であるというのが特徴でございます。
こうしたインターネットの特徴を踏まえますと、本来であれば、国の法律ですとか、あるいは国家間の協議によって、適切な措置を講ずるということが極めて重要だと考えますけれども、都といたしましても、ネット犯罪から青少年を守るために、国に先駆けまして、フィルタリングサービスの普及、拡大を柱とする条例改正を今般させていただいたところでございます。
そういうことでありますので、まずは何よりも、この条例の確実な施行に取り組んでいきたいと思っております。さらには、条例改正の実効性についての検証というものも、しっかりと行ってまいりたいと思います。そうした中で、情報通信技術の進化というものに迅速に対応すべく、今後とも全力で取り組んでまいります。
○宇田川委員 治安対策を中心に幾つかお尋ねをさせていただきます。
東京都安全・安心まちづくり条例に基づいて、各町会、自治会の方たちが、犯罪を減らすために、また犯罪が起こりにくくするために、日夜努力をいただいております。感謝申し上げるとともに、都として、治安に対し、今以上に積極的に取り組んでいくべきだと考えておるところでございます。
犯罪の件数自体は減少の一途でございますが、減少どころか増加している犯罪も中にはあるわけでございます。一つ、現在発生している犯罪には、幾つかの特徴があるようでございますが、路上における犯罪が大多数であること、ひったくりや自転車泥棒、車上荒らしなど、屋外で行われる犯罪でございます。二つ目は、インターネット等によるワンクリック詐欺など、知能犯が増加していること、そして、外国人犯罪が増加していることや、犯罪者が低年齢化していることが挙げられると思います。これらのことを踏まえて、幾つかの事項についてお尋ねをさせていただきます。
まずは、外国人組織犯罪の対策についてお伺いいたします。
全国で百九十万余りの在日外国人がおり、毎年五百万人を超える外国人が来日している中で、不法滞在者数は約二十四万人と推定をされております。一部、不法滞在者が多発する外国人組織犯罪の温床となっているとの指摘もございます。外国人刑法犯は、中国や韓国、フィリピン、ベトナムなどのアジア人が大多数を占めているようですが、ほかにもブラジルやペルー等のさまざまな国籍の人たちが日本国内で犯罪者となっているのが現状でございます。
窃盗犯が大半なんですが、殺人や強盗など凶悪犯罪も、都内で年間百人前後が検挙されており、早急に対処すべきだと考えております。
平成十五年より、首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同宣言が発表されました。種々宣言の内容がございますが、不法滞在者を五年間で半減させるという目標が掲げられたとございますが、その目標達成に向けた具体策について、お伺いをしたいと思います。
○高嶋治安対策担当部長 目標達成に向けた具体策についてでございますが、現在、警視庁及び東京入国管理局におきましては、共同宣言に基づきまして、不法滞在者の摘発強化と効率的な退去強制等を継続的に推進しております。
東京都におきましても、東京湾、東京港からの密入国等を防ぐために、監視カメラの設置など、東京湾、東京港の水際対策の強化を行っております。
また、外国人犯罪のうち、留学生、就学生が関与する事件が四割弱を占めていることから、これらを受け入れている協議機関に対する指導を強化し、留学生、就学生による違法活動防止の徹底を図っております。
○宇田川委員 続いてですが、東京都は、不法滞在外国人の退去強制を促進するために、入管や警視庁が行っている摘発強化と効率的退去強制を支援するということをいっておりますが、その具体的な支援の内容についてお伺いをしたいと思います。
○高嶋治安対策担当部長 支援の具体的内容についてでございますが、東京都は現在、東京入国管理局及び警視庁の取り組みを支援するため、東京入国管理局に十五名、警視庁に約百名の東京都職員を派遣しております。
○宇田川委員 ぜひ引き続き強化に当たっていただきたいと思っております。
次に、繁華街浄化についてお伺いをするわけですが、先ほど申し上げた外国人犯罪もそうなんですが、犯罪の多くは繁華街、いわゆる盛り場で頻発、多発しているのが現状でございます。
犯罪数の減少、そして未然に防ぐためには、盛り場での治安確保は重要だと考えております。繁華街において、治安対策上の諸問題解決に当たって、警視庁などとともに、対策を講じてきているということでございますが、現在までの浄化に向けた取り組み、具体策についてお答えをいただければと思います。
○高嶋治安対策担当部長 現在までの浄化に向けた取り組みの具体策についてでございますけれども、東京都は、平成十五年九月に関係区、警察署等による新宿・渋谷・池袋地区治安対策代表者会議を設置いたしました。
そして、そこにおける検討結果を踏まえまして、各地区が行う清掃活動、落書き消去活動、防犯パトロール等の繁華街浄化活動への支援を行っております。また、法制面では、いわゆる青少年健全育成条例、迷惑防止条例、ぼったくり条例等の改正につながったところでございます。
○宇田川委員 最初に申し上げたんですが、犯罪の低年齢化が指摘されております。凶悪犯罪は減少傾向のようでございますが、犯罪件数は横ばいで推移をしております。石原都知事のたびたびの発言でも見受けられますように、教育を含めた青少年へのさまざまな対応は、今後ますます力を入れていくべきだと、私も強く感じているところでございます。
都として、青少年への種々の取り組みが積極的に行われておりまして、健全育成を柱とした中、繁華街での対応もご尽力されていることは理解しているのですが、しかし、現状を見ると、まだまだ多くの子どもたちが、夜中に盛り場でたむろしている光景が頻繁に見受けられる現状を見て、今後の対応についてお伺いをしたいと思います。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 平成十六年の東京都青少年健全育成条例の一部改正によって、青少年の深夜外出及び深夜におけるカラオケボックスなどへの立ち入りが制限されたことにより、青少年の深夜徘徊の防止に一定の効果を上げております。
他方、深夜徘徊による補導人員は、平成十七年度上半期において、一万九千十一人に達しておりまして、このことは、依然として多くの青少年が深夜に繁華街にたむろしている実態があることを示しているものと考えております。
このことから、学校等と連携しつつ、保護者に対する条例の趣旨の周知、条例に基づく青少年の外出防止への協力の確保、警視庁との連携による青少年の深夜における連れ出し等の検挙を初めとする青少年の深夜における繁華街の徘徊を防止するための対策、カラオケボックスや漫画喫茶、インターネットカフェ等への立入調査の継続的な実施などを進めてまいります。
○宇田川委員 今、外国人犯罪、繁華街浄化ということについてお伺いしたんですが、ともに特定地域内において重点的に実施させていること、これはやむを得ないとは思うのですが、一点集中で行っていくと、その周辺部に波及されていくのが現実だと思います。
新宿、渋谷などの一定地域で取り締まり強化をしていけば、暴力団や外国人などの犯罪組織は新地を求めて、例えば新橋ですとか、上野、錦糸町とか、新小岩とか、さまざまな地区へ拠点を移していくことだと思われます。また、都内全体で強化が実施されれば、同様に近隣他県へと移動していく。
そういった動向を考えますと、今後、都内のほかの繁華街においても、積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。全体を見渡した中で、他地域の浄化も視野に入れて対応していくことをぜひにお願いしたいと思います。近隣他県との連携をしっかり行った上で、東京都がリーダーシップをとって対応していくことも、加えてお願いをしておきます。
次に、防犯設備に対する補助金についてお尋ねをさせていただきます。
犯罪に強いまちづくり推進のため、防犯カメラ等の設置に対して補助を行っておりますが、カメラのほか、補助金の対象になっているものを教えてください。
○保坂参事 区市町村に対しまして、設置を補助する防犯設備の対象は、一定区域におきます犯罪の抑止または犯罪被害の防止に資するため、固定して設置されます防犯カメラ、防犯灯、もしくは防犯ベルなどの機器を防犯設備として補助の対象としております。
○宇田川委員 現在までの補助の状況、実績を含めてお伺いをしたいと思います。
○保坂参事 防犯設備に対する補助実績でございますが、平成十六年度二十六件で、防犯カメラ四百五十五台を設置してございます。防犯カメラ以外では、新宿区におきまして、防犯灯を一件設置している例がございます。
平成十七年度は、現時点で防犯カメラ九件、百四十五台の設置について補助申請が出されております。
○宇田川委員 当初申し上げましたとおり、路上での犯罪が多くなっている今、カメラや防犯灯、防犯ベルなど、設置意義は大変大きいものだと考えます。警視庁によるスーパー防犯灯などによって、犯罪減少は顕著である報告も伺っております。
女性やお子さんたちからも、暗い夜道の通行に大きな不安を抱えているといった意見を頻繁に耳にしております。これからも積極的に推進をしていただきたいと思っておりまして、現状を踏まえた中で、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○保坂参事 今後の取り組みについてでございますが、安全・安心のまちづくりをさらに推進していくために、一層普及啓発に努めるとともに、区市町村と連携し、防犯カメラなどの防犯設備の充実に努めてまいりたいと存じます。
○宇田川委員 今のお話を踏まえての中なんですが、最後に、私からの意見というか、要望でございます。
この件は主に警視庁の管轄であることは承知しているんですが、ぜひ空き交番の対策に力をかしていただければと思っております。二十三区内で七百を超える交番がございまして、そのうち完全な空き交番は五十を数えるということです。
さきの三定でも、警視庁への警察官の増員について意見書を提出いたしましたが、人員不足は否めないとのことでございます。来年度より、駐車違反の摘発において民間事業者を利用するという話もございますけれども、これと同様に、民間の力をかりることも必要なのかと思っております。
先ほど防犯設備に対する補助金についてお伺いをいたしましたが、民間による治安対策拠点としての施設設置に対する補助を行うですとか、方法論はいろいろあると思います。
世田谷区では明大前ピースメーカーズボックスという名の通称民間交番があるそうで、商店街組合が中心となって、区などが補助しながら運営をされているそうです。この一年間痴漢はゼロになって、空き巣被害は半減するなど、大きな成果を上げているとの報告がございます。カメラや防犯灯などと比べると、そのコストは比較にならないほどはね上がってまいりますが、こうした地域住民の取り組みに対して、積極的に助成していく姿を自治体は見せるべきだと思っております。
東京都としても今後ご協議の上、ぜひとも対応をしていただきたいことを強くお願いを申し上げまして、私からの質疑を終わらせていただきます。
○後藤委員 私からは迷惑メールについてちょっと提言というのか、この辺はどうなっているのかということを教えていただきたいのですが、迷惑メールにもいろんな迷惑メールがあると思うんですが、例えば若者向きの迷惑メール、相手が男だとか女だとか、広告だ、お金だとかというのがいろいろあると思うのですけれども、例えば私の場合は、ホームページを毎日やっています。行革一一〇番というふうな名前も打っていますので、私の迷惑メールの数も多いと思います。特に私の場合は男ですから、例えば主婦がいます、女の人がいます、どこかホテルに行けます、どうのこうのというのが大体一日に五十件ぐらいは入ってくると思うんですよ。
迷惑メールについて、対策本部としてどういうふうなお考えを持っているのか、まずちょっと教えていただければと思います。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 まず、迷惑メールという言葉でございますけれども、これは人によっていろいろ定義が異なっておりますけれども、一般的に現在大きな問題となっているのは、一方的に送信されます出会い系サイトのような、いわゆる広告メール、これが問題となっておりまして、現在、財団法人日本データ通信協会に設置されております迷惑メール相談センターによりますと、毎月三万五千件という多くの相談が寄せられているというふうに聞いております。
○後藤委員 次に、東京都青少年治安対策本部事業概要の一七ページなんですけれども、例えばコンピューターにかかわっている犯罪というのは、若い方たち、成年層の方たちだったらばコンピューターに対してもある程度の知識、経験だとかお持ちだと思うんですけれども、若い子どもさんたちに対して、インターネットのフィルタリングがどうのこうのということをいろいろ考えられているということは、確かにすばらしいことだと思うんですけれども、できたら、ちょっとお願いなんですが、例えば高齢者の方たち、私はまだ高齢者には入らないだろうとは思っていますけれども、コンピューター、コンピューターといいます。携帯電話もそうなんですけれども、例えば、私なんかはコンピューターを結構いじっているので、皆さんはよくご存じだと思うかもわかりませんけれども、扱っている機能だけは詳しいけれども、ほかのことって余りわからないんですよね。
若者向きに対して、インターネットで迷惑--例えば出会い系サイトだとかいろんなのがありますけれども、高齢者の方たちがコンピューターに関心をこのごろ持たれて、コンピューターを買って、コンピューターの学校に行って、インターネットでやっているというふうなのが現状だと思いますけれども、高齢者の方、一般人の方に対してもインターネットの利用環境の整備というのはやはり大事だと思うんです。
ここのところで、ある程度の年をいった方、高齢者でも構いませんけれども、高齢者用に何か対策というものはお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 迷惑メール対策というのはいろんな多様な方法があると思うんですけれども、その中で利用者につきましては、やはりフィルタリングサービスの活用が一番重要であるというふうに聞いております。
都では、先ほど答弁しましたとおり、フィルタリングサービスを、インターネット上の違法、有害情報から青少年を守るために効果的でありますので、これをきちんと使うような、そういう条例の改正をしましたけれども、現在におきましても、約六割の保護者がこれについて知らないという、そういう実態がございます。
今後、青少年へのフィルタリングサービスの普及、拡大を図っていくと同時に、それを通じまして、大人を含めたフィルタリングサービスの認識と利用が拡大すること自体が、インターネット上の違法、有害情報から大人も守ることにつながるというふうに認識しております。
なお、東京都では迷惑メールによります悪質商法でありますとか架空請求などの被害を防止するといった消費者対策の観点からも注意喚起や相談等行っております。
○後藤委員 ただいまの部長のお考えで僕もいいと思うんですけれども、ここのところで、青少年施策の推進というところの中にインターネット利用環境の整備というふうにうたわれているんですけれども、ここのところを、青少年、青少年と本当に考えないで、お年寄りの方、例えば詐欺行為ですよね、お金をだまかしてとろうと思っていろいろなことを考えるわけですから。金を持っているのはやっぱり大人なんですよ。大人であって、コンピューターにも詳しい人たちはひっかからない。金を持っていてコンピューターを知らない人たちがひっかかるわけですよ。
ここのところで青少年と頭に打っていますから、確かに青少年のことも大事ですけれども、これから高齢者、高齢者の方たち向けのインターネットというのも本当に考えていただきたいと思います。できたらば、この辺で、ここまでやれる、ここまでやりたいということがあったらば、もう一度聞きまして終わりにします。
○舟本青少年・治安対策本部長 委員ご指摘のお話でございますけれども、振り込め詐欺なども、あるいは架空請求なども典型でありますけれども、その被害者というのは高齢者の方が多かったり、あるいは女性の方が多いわけでございます。
そういったことも含めまして、今、特に振り込め詐欺の対策につきましては、金融機関、それから弁護士会の人たちも入っていただいて、今、総合対策を立ち上げて対応をやっておりますけれども、その中の大きな柱の一つとして、そういった高齢者の方とか女性の方により直接的に注意喚起をする方策、そういったものをまた関係部局、それから自治体の人たちと一緒になって、また警視庁も含めて今考えているところでありまして、そういった議論の中には、そういったインターネットの有害情報から高齢者の方々も守るということも当然出てまいりますので、そういった方向でも鋭意検討を進めて、具体的な施策として推進していきたいというふうに考えております。
○橘委員 青少年健全育成の取り組みについて幾つかご質問したいと思います。
近年、青少年の犯罪や荒廃が大きな社会問題となっておりまして、先ほど来の質疑を聞いておりましても、その実態が種々浮き彫りにされていたように思います。確かに現実的にはニュースや新聞等を見ますと、非行や犯罪がどうしても私たちにとっては目立つわけでありますが、実は私、この夏、生き生きとした青少年たちの活動をたまたま目にいたしました。それはすばらしい活動だなというふうにして感心するとともに、健全育成に対する地域の果たす役割の大きさもその場で痛感した次第でございます。
それはどういうことかといいますと、板橋区の高島平という地域がございまして、その夏祭りの会場の一角で行われていたわがまち大江戸舞祭という催し物でございました。地域の小中学校の子どもたちが、花の東京、お江戸日本橋、東京ラプソディといった東京を題材にした古い歌を現代風にアレンジして、その曲に合わせてリズミカルに、そして楽しそうに、そして若いエネルギーを発散させるかのように舞っておりました。その姿に私もしばし見とれて、約三十分ぐらい見とれておりました。
そして、地域の方々の反応を見ましても、みんな、若い人も当然ですけれども、お年寄りも非常に温かい拍手を送っておって、これは物すごいほのぼのとした光景だなという印象を持ちました。これが心の東京革命の一環としての取り組みであることを知って以来、私は地域と青少年の健全育成という観点から、この運動に関心を持つようになりました。
九月には、東京都が共催して、都庁前の都民広場で各地域の代表が一堂に会する大江戸舞祭の本祭りが開催され、これについてはメディアでも取り上げられておりました。
そこで質問でございますけれども、この大江戸舞祭ですけれども、平成十三年に行われた大江戸舞祭二〇〇一で、東京都が当時の大江戸ダンス実行委員会と共催したことに端を発して、年々活動が広がっていると聞いておりますけれども、この活動の目的と活動の現状について、都としてどのようにごらんになっているのか、見解を伺いたいと思います。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 大江戸舞祭は、いじめや青少年犯罪など多くの社会問題に直面する小中学生に焦点を当て、子どもからお年寄りまで世代を超えた人々が踊りを通じて触れ合い、連携した交流ができる祭りを実現することを目的としている事業でございます。
大江戸舞祭に参加する連、連というのはチームのことでございますけれども、この参加数を見ますと、平成十三年度から二十二連、三十連、三十五連、五十連、そして、ことしが五十一連の参加となっておりまして、毎年増加、拡大しております。また、連の組織化や運営には学校、親や地域の方などたくさんの大人がかかわり、子どもたちとともに活動しております。
このことは、次代を担う子どもたちを親が、大人が、そして地域が責任を持って育てていこうと提唱します心の東京革命の実践プログラムとしまして、役割は十分に果たしているというふうに認識しております。
○橘委員 ただいまの答弁にありましたように、参加チームの増加傾向を見ますと、活動の輪がかなり広がってきているということがよく見えますし、また都内各地で地域ごとの大江戸舞祭の活動も活発に開催されているようでございます。
ところで、東京都はこうした活動に、具体的にどのような形でかかわっているのか、この点についてご説明いただけますでしょうか。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 わがまち大江戸舞祭高島平ですとか、八王子大江戸舞祭二〇〇五など、地域で開催されます大江戸舞祭につきましては、各地域で実行委員会を組織しまして実施しているところでございます。
東京都は、自主的に行われております各地域の大江戸舞祭の全体的な発表の場としまして本祭りを共催しまして、都民広場を提供するとともに、本祭りの広報の中では、各地域での大江戸舞祭につきましても広報いたしております。
○橘委員 それぞれの地域の大江戸舞祭は、主役は当然子どもたちですけれども、それを支える地域の方たちの存在も、この運動には非常に大きい位置を占めておりまして、子どもたちと、それから子どもたちの健全育成に取り組む地域の住民の皆さんの応援、これが一体となっているところに、この運動のすばらしさがあるし、また広がりを見せている秘訣もここにあるのかなというふうに思いました。
今後、この舞祭を地域ぐるみの青少年健全育成の大きな柱としていくためには、ほかの地域のグループの子どもたち同士の交流、それから、それぞれのグループが抱えております課題も結構あるようでございます。その支えている大人たち同士の課題を出し合って、どうしたらいいのか意見交換の場、そして、それを交流することによって、さらにこの運動が活発に、また発展充実していくのではないかと私は今思っております。
そうした場の提供といいますか、陰の支え役でございますけれども、東京都がそうした場を提供していく、そういう面で支援していく、そういうことは東京都としてどう考えているのか、これについて見解を伺いたいと思います。
○杉谷心の東京革命推進担当部長 心の東京革命の事業の一環といたしまして、毎年、地域ぐるみで子どもを育成するモデルとなるような先進的な取り組みを、心の東京革命推進モデル事業として指定しまして、推進モデル事例集を作成し、区市町村や青少年団体などに紹介しております。
このモデル事業の中で、これまでも板橋区を初め、杉並区など各地域の大江戸舞祭の取り組みを紹介してまいりましたが、今後も各連の事例を積極的に紹介していくことはもとより、大江戸舞祭の中心的役割を果たしているNPOとの連携を深め、ご提案のとおり、各地域のグループが意見交換を進めていけるよう積極的に取り組んでまいります。
○橘委員 ただいま答弁で、積極的に取り組んでいくという、そういう答弁をいただきまして、非常に心強く思っております。青少年の犯罪防止や健全育成については、さまざまな観点から論じられておりますけれども、子どもたちの持っているあふれるようなエネルギー、それをまた地域の人たちが支え役となって引き出していく、この舞祭という運動、青少年問題に対して、私は一つの光明を見出すようなすばらしい取り組みであるというふうに実感しております。
運動の趣旨から見て、行政の関与は極力最小限にとどめるべきだと思いますけれども、この運動は単なる青少年の健全育成だけではなくて、子ども同士の友情とか信頼、そして地域住民同士の交流、親子のきずなの醸成、地域力の向上などさまざまな面に、当初、地域の住民の皆さんが想像もしていなかったような、そういったところまで波及効果が及んでいるという、そういった生の声も、私、今回取材してみてたくさんお聞きしました。
この地域住民の皆さん方の生の声というのがやはり確かであるだろうと思いますし、これまでの活動の教訓から、その方たちが、今後は東京都の教育庁であるとか区市町村の教育委員会、この教育部門の関係も連携を持つようにすることができたならば、もっともっとこの運動が深まっていくような気がしますという、そういった声もございました。
これはあくまでも要望でございますけれども、こうしたすばらしい運動が今確実に根づき始めている現段階で、都としても関係者の皆様方からそういった生の声をお聞きして、そしてその意見が反映されていったならば、この運動はさらに広く、さらに深く定着していっていい効果を、波及効果として波動性を持っていくような、そんな活動になっていくような、私は実感として思っております。
そういった面で、これからの運動の広がりに対して、東京都としても力強い推進力となっていくよう、私から要望して質問を終わります。
ありがとうございました。
○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時五十六分休憩
午後三時九分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
これより総務局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○荒川総務部長 九月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明をさせていただきます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます総務委員会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。
1、平成十六年度特別区都市計画交付金でございます。平成十六年度の交付額につきまして、区別に掲げてございます。
二ページをごらんいただきたいと存じます。
2、平成十六年度市町村振興交付金でございます。平成十六年度の交付額につきまして市町村別に掲げてございます。
それから、三ページをごらんいただきたいと存じます。
3、平成十六年度市町村調整交付金でございます。平成十六年度の交付額につきまして、同じく市町村別に掲げてございます。
それから、最後の四ページをごらんいただきたいと存じます。
4、平成十七年度総合防災部予算の概要でございます。項目別に、平成十七年度の予算額と主な内容を掲げてございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○山下委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○吉原委員 それでは、若干質問をさせていただきたいと思いますけれども、ここ数年、日本国内はもとよりでありますけれども、外国においても地震や風水害等、自然災害による多大な被害を受けることが多くなってまいりました。つい最近でも、七月、二十三区において震度五強、八月にも宮城で震度六弱、地震が続いたわけであります。
ですから、防災訓練についてお伺いをいたしますけれども、昨年の二月は、東京都と二区二市であったと思いますけれども、一つは町田でやっていただいたわけでありますが、図上訓練を実施していただきました。それに引き続いて、ことしのつい最近、九月一日でありますけれども、防災訓練において東京都と町田市による合同の訓練を実施していただきました。平日でもあったし、大変暑い中ではあったわけでありますけれども、市民の皆さんが本当に積極的に取り組んでいる姿が印象的であったわけであります。
私自身も参加はさせていただいたわけでありますけれども、個々の、個人の市民の皆さんやあるいは市民団体の皆さん、そしてまた、当然でありますけれども、行政との連携の重要さというものを改めて感じたわけであります。
そこで、今回の防災訓練について、実施した参加規模など含めてお伺いできればと思います。
○中村総合防災部長 今回の九月一日に行いました東京都と町田市の合同総合防災訓練でございますが、参加人員は町田市民などを含めまして二万六千人でございました。平日にもかかわらず非常に多くの方々の参加をいただいたというふうに思っております。
また、今回の防災訓練につきまして、ねらいでございますけれども、テーマといたしましては、一人一人の連携をテーマといたしました。ねらいといたしましては、都県境を越える隣接自治体同士の相互支援、ターミナル駅周辺の滞留者対策や鉄道運行停止等の都市型災害の対応などでございます。これによりまして震災発生直後における自助共助体制の確立及び実践的な災害対応能力の向上を図ることを目的に実施してございます。
さらに、町田市ではございませんが、昨年の新潟県中越地震、この地震を教訓といたしまして、山間部における孤立対策の訓練を奥多摩町で実施してございます。奥多摩町では自衛隊の舟艇と、それから警視庁、消防庁のヘリコプターによる救出、救助訓練を行ってございます。
○吉原委員 今回の訓練では、当然のことでありますけれども、複数の自治体あるいは八都県市が参加して、広域的な連携を視野において実施していただいたわけでありますけれども、実際にどのような成果があったのか、お尋ねいたします。
○中村総合防災部長 成果についてでございますが、まず、大地震が発生したときに多くの方々が帰宅困難になると予想されてございますので、この帰宅困難者対策について申し上げたいと思っております。
JR町田駅では、地震発生後のターミナル駅周辺の滞留者等の整理を行い、帰宅ルートの安全性を確認後、相模原市方面に帰宅をさせております。成果といたしましては、町田市と相模原市との行政間の連携がございました。
また、八都県市との関係でございますが、緊急支援物資輸送や医療搬送訓練等を実施してございます。成果といたしましては、被災者の発生した現地と都庁、それから、都庁と受け入れ先の神奈川県庁と実践的な通信訓練を実施し、搬送訓練をしたということでございます。
訓練全体といたしまして、このように自治体が相互に連携した応急対策活動を実施したことで、自助共助体制の確立、それから実践的な災害対応能力の向上が図られたというふうに思っております。
○吉原委員 さまざまな課題といいましょうか、項目について訓練を実施していただいたわけでありますけれども、その実施していただいた結果について、今後についての課題、そんなものがあったら教えてください。
○中村総合防災部長 毎年度、訓練で明らかとなった課題につきましては、その次の訓練に生かして、実践的な災害対応能力を検証しているところでございます。また、先ほど申し上げましたが、実際に発生した災害を教訓として、新たな訓練も実施しております。
今回の町田市との合同訓練でございますが、この中では都県境を越えた自治体間連携における訓練をいたしましたが、自治体間での相互の情報伝達手段の確立、それから、これまでの訓練では実施しなかった防災関係機関による現地での対策本部訓練の必要性などの課題が残っていると思っております。
さらに、七月二十三日にございました千葉県北西部地震で明らかとなった都市型災害の対応についても、さらなる検証が必要であると考えております。こうした課題につきましては、来年度の訓練におきまして重点的に実施していきたいと考えています。
今後とも区市町村、警察、消防、自衛隊、またライフライン等の防災機関との連携を密に訓練を行い、総合的な災害対応力の向上に努めていきたいと思っております。
○吉原委員 当然のことながら、訓練ではありますけれども、決してお祭り事やイベントごとではないわけでありまして、そうした結果をきちっと評価をしなければならないし、また、その課題や問題点というものをしっかり見きわめていかなきゃならない、こういうふうに思っているわけでありますけれども、これまでも八都県合同の図上訓練あるいは実動訓練というものを何度となく実施してきているわけでありますけれども、そうした課題や問題点を、今回の町田との防災訓練に対してどのように生かしてこられたのか、お尋ねいたします。
○中村総合防災部長 今までの訓練を踏まえまして、ことしの町田市との合同防災訓練を実施したわけでございますが、今回初めて多摩地域におけます都県境を越える隣接自治体間の相互支援というものを組んだわけでございます。これまでも八都県市での相互支援は行いましたが、隣接した自治体間での訓練というのは初めてでございます。
それから、さらに、先ほど申し上げましたけれども、新潟県中越地震を教訓とした山間部の孤立訓練、それから緊急患者の搬送訓練につきましても、今まで行われなかった実践的な通信訓練をあわせて行ったというようなことでございます。
今後ともこういう、先ほど申し上げました課題もまだ残っておりますので、そういう課題を生かしながら新しい訓練に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○吉原委員 たまたま町田というものは、何度か申し上げたこともあったかもしれませんけれども、都県境に接しているわけでございまして、これは町田だけではなくて、東京都内にあってもほかの二十三区にもそうしたところがあるわけでございますので、そうした他県との連携というものもきちっと取り組んでもらいたい。東京都が中心になってそれぞれの県に働きかけていただきたいなというふうに思っているところでございます。
今まで町田市というのは、神奈川県の中にあっても相模原市やあるいは川崎、横浜というところに隣接しているところでもございまして、町田の場合については相模原と防災協定というものはきちっと結んでいただいているわけでありますけれども、まだまだ川崎あるいは横浜というところについては、町田市と隣接しているところではあるにもかかわらず、そうした防災協定というものがまだしっかりと結ばれていない、こういう現状があるわけでございまして、そういったことについて、当然のことながら川崎、横浜あるいは町田との中でそれぞれやっていただかなければならないわけでありますけれども、そうはいっても、八都県という枠組みの中のこともあるわけでございますので、東京都もその辺のところもちょっと気を使っていただきながら、神奈川の方にもしっかりと相談を持ちかけていただく。そして、町田の方に対してもそういったものをできるだけ早急にやっていただく、こういう指導があればなおありがたいなというふうに思っておりますので、東京都の方からもそうした各自治体に対して働きかけをぜひお願いをしたいと思います。
続きまして、総務事務改革についてお尋ねをいたしますけれども、平成十五年に第二次都庁改革アクションプラン、こういったプランの中で、総務事務の集約化あるいはIT化だとか、委託化による事務処理センター等の業務の抜本的な見直しを行うものとしてこれまで検討されてきた、こういうふうに伺っているわけであります。
既に民間企業では、これまでの厳しい経済状況の中にあって、とにかく生きていかなきゃならない、経営をしっかりやっていかなきゃならない、そのためにさまざまなその会社なりの発想や知恵というものを出してきたように思います。そしてまた、その中でそれぞれの会社、それぞれありますから、その部門の中でスリム化や合理化を積極的に進めて、経営努力を今日までそれぞれの企業の皆さんは進めてこられているわけでございますので、そうした意味でいえば、当然のことながら都庁においても、各局横断的にその管理事務を集約して効率化あるいはコストの削減をより一層図っていかなければならないというふうに思います。
ようやく都庁の皆さんのご努力によって、意識改革というものがかなり進んできたようにもお見受けをさせていただいておりますし、そういった努力の積み重ねが総務事務の改革の実施計画というものを先ごろ策定されたわけだろうというふうに理解をしております。
そこで、改めてで大変恐縮でございますけれども、総務事務改革についてのねらい、そして概要について、若干で結構ですからお尋ねいたします。
○関行政改革推進室長 総務事務改革でございますけれども、都の厳しい財政状況や今後の大量退職を踏まえまして、限られた人材、経費などを有効活用するため、総務事務の効率化を図るものでございます。事務処理の流れを抜本的に改善し、システム、経費等を簡素化するとともに職員の意識改革を目指しております。
具体的な概要でございますけれども、給与、旅費、文書などのいわゆる総務事務のうち、給与手当届け出、旅費、休暇等申請、給与減額免除申請、年末調整・住民税事務、共済事業団関係申請の六業務につきまして、タイムズ端末を利用し、電子申請を実現して集中処理を行う仕組みを構築するものでございます。
○吉原委員 対象にされる事務の業務というものも幅広くあるんだろうと思いますけれども、今お話をいただいた中で、六業務のみを対象にしている、こういうお話をいただいたわけであります。今回、この六業務を対象とした理由は何なのか。そしてまた、今後どのように展開をしていくようにお考えなのか、お尋ねをいたします。
○関行政改革推進室長 総務事務改革ではこれまでシステム開発を進めており、カードシステムなど既存システムとの連携により効果が見込め、日常的に業務量が多い旅費、休暇、給与手当の三業務、そして、季節変動が大きく、集中化により効率的な処理が可能となる年末調整、共済事業団関係申請の二業務、さらに休暇システムの稼働により申請書が省略できます給与減免申請を対象といたしました。
これからの取り組みでございますけれども、総務事務の範囲は、先生ご指摘のように非常に幅広いということから、今後も財務会計システムなどとの連携の拡大、児童手当など申請業務への対象の拡大などを着実に進めてまいりたいと考えております。
○吉原委員 これらの業務について、現在どのような事務処理を行っているのか、簡単で結構ですので、説明お願いします。
○関行政改革推進室長 現在の標準的な業務の処理についてでございますけれども、旅費につきましては、職員が旅行命令簿に出張経路、金額を記載し、所属長から旅行命令を受けます。出張後、所属担当者が経路チェック、旅費を計算し、職員に現金で支払っております。
休暇につきましては、職員が休暇等処理簿に記載し、申請し、所属長等の承認を受けております。
給与手当につきましても、職員が届け出書に記載し、所属長に届け出ます。所属担当者は内容を確認し、認定を行い、給与電算に入力を依頼いたします。
年末調整、共済事務は、各職員が申告書を記載し、所属担当者はその内容を確認後、関係書類を税務署及び各職員が居住する自治体及び関係機関に届け出、送付するということでございます。
○吉原委員 東京のIT化状況、このことについては先ごろの、ことしの六月ですか、摂南大学の島田研究室が実施した調査、電子自治体の進展度、こういう調査だそうでありますけれども、東京都が都道府県別で総合ランキング一位、こういうことの調査結果が出たようであります。
私たち、東京に住んでいる都民にとっても、あるいは職員の皆さんにとっても議会にとっても、全国でこうした努力を積み重ねてきたことが評価をされているということについては大変喜ばしいことだろう、こういうふうに思うわけでありますけれども、IT化についても推進計画というのはあったわけでございまして、電子調達だとか電子申請あるいは情報基盤整備というものがしっかりと構築されてきたのかなというふうに思うわけであります。このことも我が党の近藤議員を初め、多くの皆さんがぜひ進めるべきだ、こういってきたわけでありまして、その一つのあらわれでもあるのかなというふうに思っているわけであります。
しかしながら、私自身としては、管理事務についてはまだまだ十分といえないんじゃないだろうか、今回の改革はほんの一部だろう、入り口だろう、こういうふうに思うわけでありますけれども、ITを活用した内部管理事務の効率化として、これからもしっかり注目をしていく、そんなつもりでいるところでもございます。
そこで、先ほど説明がありました業務処理の流れが実際にどのように改善されて、効率化するのか、説明をお願いいたします。
○関行政改革推進室長 この改革の結果、基本的には事務処理が軽減されるとともに、業務の迅速性、正確性が向上し、申請書等の書類が削減されるなど、ペーパーレス化が図られるということでございます。
具体的に申し上げますと、旅費については職員がみずから入力し、最短、最安の経路が検索でき、金額も自動的に計算され、総務事務センターでチェック後、職員の口座に振り込まれます。休暇については、同様に処理手続が簡素化され、出勤簿も自動作成されます。
そのほか、給与手当や年末調整、共済事務等の事務処理についても、認定も含めて総務事務センターで一括して集中処理するなどの効率化が図られるものでございます。
○吉原委員 この改革には、内部努力としても大変大きな期待をしているわけでございますけれども、この進捗状況、今どうなっているのか、また、今後のそのほかのものについて、どういう予定になっているのか、お尋ねいたします。
○関行政改革推進室長 現在、事務量の多い旅費、休暇、年末調整、共済事業団関係申請の四業務につきまして安定稼働を検証し、システム細部のさらなる改善を図るため、総務局で先行的に実施しているところでございます。
今後でございますけれども、既に十七年九月より、休暇システムについては総務局以外の知事部局、行政委員会等で稼働しております。十八年六月からは残る五業務につきましても、知事部局等で全面的に展開していく予定でございます。
今後も、さらに他の業務の効率化に向けて検討も続けてまいりたいと考えております。
○吉原委員 いろいろこの改革を進めていく上で、さまざまな課題があるんだろうと思いますけれども、できるだけスピードアップをしていただく、このことも大切だろうと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
先ほど、集中化について若干説明がありました。業務を集中処理することについて、どのようにこれから行っていくのか、そして、そのメリットというものをどのように考えているのか、お尋ねいたします。
○関行政改革推進室長 集中化を行います総務事務センターにつきましては、旅費のチェック、給与手当の認定、年末調整事務など、定型的業務や統一的に判断できる業務を一元的に集中処理する仕組みでございます。
その運用に当たりましては、人材派遣会社社員の活用や民間委託など業務処理の外部化を図る予定でございまして、コスト削減、処理の迅速性、正確性の向上などのメリットがあると考えております。
なお、外部化の手法につきましては、詳細を詰めた上で適切な方法を採用したいと考えております。
○吉原委員 これまでも都として民間委託の拡大あるいは行政改革に取り組んできたわけでありますけれども、総務事務改革のような、今のような仕事のやり方そのものを変えていけば、できなかったものもできるようにする道が開けることにつながっていくんじゃないかというふうに思うわけでありますので、これまでの手作業で処理していた業務が効率的になるということだけではなくて、やっぱり職員お一人お一人の皆さんの意識改革というものにつながっていくんじゃないかというふうに思っておりますので、今後も引き続き積極的な展開ができるように、引き続きの努力をお願いしたいと思います。
最後の問題にさせていただきたいと思いますけれども、テクノスーパーライナー、TSLでございます。現在、東京と小笠原父島間、約二十六時間要するわけでありますけれども、それを十時間程度短縮しよう、こういうことであろうかと思います。
このテクノスーパーライナー、国策という面もあるんだろうと思いますけれども、平成十五年の八月にはこのライナーの起工式が行われました。また、十六年の十一月に進水式。約一年前だと思います。そして、この十一月にはいよいよ就航するんだ、こういうふうに世間の方々も十分思われていた方がいらっしゃったんだろうと思いますけれども、しかしながら、もう新聞報道でも五回ぐらいだったか六回だったか、ちょっとあいまいではありますけれども、複数回にわたって報道がなされてきました。その内容については、世界的な原油価格の急騰が背景にあって、なかなか経営的に厳しい、こういうことがいわれてきたわけであります。
事業者であります、運航をしていただいている小笠原海運、年間二十億円を超える巨額の赤字が見込まれる、こういう試算をされたようでございまして、国と東京都の支援がない限り運航ができない、こういわれているわけであります。
そしてまた、ことしの六月には、これは新聞報道ではありますけれども、船主とのリース契約をもう既に解除した、こういうふうに新聞には書いてありました。
こんなことを考えると、東京-父島間のテクノスーパーライナー、こういうものは島民の皆さんにとっても、あるいはこれから世界遺産になろうとする、多分なっていくんだろうと思いますけれども、その日本にとっての観光資源といいますか、そういうことにとってもなかなか、今回のスーパーライナーの状況、今の現状というものは厳しいものがある、そういうふうに思っているわけでありますけれども、その運航が危惧されている、この事態に陥っている、こういうことだろうと思います。
まず、そこでお伺いをいたしますけれども、TSL事業の現状は今どうなっているのか、お尋ねをいたします。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 TSLは国が海運技術の向上のために国策として開発したものでございます。都も小笠原諸島の振興に寄与することから導入の実現に協力し、本年の秋には就航予定でございました。
TSLは高速力を出すために空気圧により浮上いたしまして、船体を推進させるものでございますが、そのために燃料の消費量が現在の「おがさわら丸」の約三倍と大きく、また波を乗り越える能力が在来の船に比べまして弱いという性格を持っているものでございます。
このうち、特に燃料である軽油価格が、お話にもございましたが、平成十三年の導入決定時には一リットル二十五円というふうに考えてございましたが、ことしの春には四十六円、今日では五十円を超えるまでに急騰してございまして、今後も世界的な需要増から低下が期待できない状況でございます。したがいまして、民間の航路として採算がとれない状況になっているところでございます。
こうしたことから、本年の春から、運航事業者に対する支援の方策につきまして、国と協議を行ってきたところでございます。
○吉原委員 このTSL就航に向けて厳しいということについての支援策について、国と協議を今日まで続けてきた、こういうお話をいただいたわけでありますけれども、何が一体課題であって、協議が今一体どうなっているのか、その内容について伺います。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 TSLの就航についての協議課題は、国や都の公的助成と運航事業者の経営努力、それを組み合わせ、どのように航路の採算を確保することができるかということでございました。
本年六月には、国に抜本的な支援策を強く要望もし、その後、国からの提案を受けまして繰り返し協議を続けてきたところでございます。
協議の中ではございますが、まず夏場にはTSLを、冬場には「おがさわら丸」をという二隻のコンビ運航とした上で、収支の見込みの前提につきましても、国は旅客数が現在の二倍以上の九万人に増加すると見込むとともに、軽油価格の将来の下落を想定するなど、不確定な要素の認識に都と国との間で大きな隔たりがあったところでございます。
また、旅客運賃につきましても、国は一律七千五百円のアップ、これは現在、大人の二等運賃二万二千五百円でございますが、三万円になるものとなりますが、これを提案してもございまして、生活航路であります小笠原航路の性格から見て難しいと考えてございます。
こうしたことからTSLの収支見込みも国と都の間で隔たりが生じるなど、支援の方策につきまして協議が難航してまいりました。
○吉原委員 旅客数の見通しの問題あるいは昨今、最近特にでありますけれども、軽油価格の問題もあるということでございますけれども、将来的にさまざまなことを一度に、計画段階で遠い将来のことを見きわめるというものはなかなか難しい、このことも理解できないわけではありませんけれども、しかしながら、そんなに年数がたった中での見通しでは決してないんではないかなというふうに思うわけでございまして、ここ三、四年、四、五年ぐらい、せいぜいの話だろう、そんなことを思うわけでありますけれども、東京都は収支についてどう見込んでいるのか伺います。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 導入初年度につきましての見込みでございますが、旅客数がTSLによる誘発効果一五%と見込みまして、直近では現在、実績の往復四万三千人の旅客数でございますので、五万人に増加するというふうに想定いたしました。
また、旅客運賃につきましては、現行を据え置きまして、軽油価格一リットル当たり四十六円という前提のもとで運航収支を試算いたしましたところ、年間二十億円を超える赤字になるものと考えてございます。
○吉原委員 年間二十億、大変大きな金額だといわざるを得ないわけでありますけれども、そうした状況がある中、東京都はこのTSLの就航についてどう考えているのか伺います。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 都といたしましては、ご説明申し上げましたように、見込まれる運航収支の赤字が大きく、また、それが年々継続するということについて、支援の限度を超えるものと考えているところでございます。
また、このような運航収支は、小笠原航路の運航そのものが危ういものとなるというふうにも考えてございます。都としましては、小笠原航路の長期安定的な運航を確保するということが最重要と考えているところでございまして、こうした状況のもとではTSLの導入は非常に困難と判断しているところでございます。
○吉原委員 今後、導入は非常に困難、こういうお話をいただいたわけでありますけれども、つい先ごろ、国に対する予算の要望の中にも、何とかという幾つかの項目がありました。東京都としてもその要望を国にも上げているわけでございますけれども、お金のことを考えると、余りにも高額過ぎてやむを得ないのかな、そんな思いをするわけでありますけれども、しかしながら、船も就航直前、こういうところに差しかかっているわけでありまして、きっと船ももう完成されているんだろうと思います。
こうしたことを考えると、船主の問題あるいは運航事業者の問題、そこにかかわる国のあるいは東京都の問題、さまざまなそれぞれの立場の中の問題がかなり大きな問題ではないかなというふうに思うわけであります。
お聞きしますと、船の建造そのものには東京都は直接かかわっていない、こういうお話をお聞きしているわけでありますけれども、しかしながら、これまで小笠原海運が東京と父島間のその大きな役割を果たしてきていただいたわけでございますので、そういったことを考えると、航路への導入についてかかわってきた東京都の責任というものも、これからも考えていかなきゃならないのではないかなというふうに思っているところでもございます。
それにも増して、また小笠原にお住まいになっている村民の皆さんにとっては、かつては空港問題もあったわけであります。空港問題についてはまだまだ、全く断念をした、こういうところまでは結論は出ていないということもお聞きをしているわけでありますけれども、しかしながら、二十六時間かかっているその「おがさわら丸」に乗っている時間的なことを考えると、やっぱりもう少し短時間で小笠原諸島に行ける。先ほど申し上げましたように、世界遺産にこれからなっていくだろうと思われる観光の資源でもありますから、そんなことを考えると、東京都の小笠原でありますので、東京都としてもそういったことを総合的に考えて、しっかりとした計画をつくっていくべきだろうというふうに思うわけであります。
このことだけではなくて、やっぱり東京都も、これからさまざまな中で計画をする、事業を進めていく、特に物をつくっていくということについては、きょう物の計画をして進めていっても、あるいは七年たったら、八年たったら、十年後のことを計画していっても、社会状況の変化というのは今大変大きいわけでございますので、そういった社会状況の変化というものをしっかりと見きわめていった中で計画をしっかり詰めていく。そして、途中でなかなか見通しが立たない、こういったときについては断念をするという勇気を東京都自身もやっぱりいつも持っているべきだろうな、そのことが私たち都民にとっての都民サービスに最終的にはつながっていくことになるんだろうなというふうに思っているわけでございますので、これからまだまだ課題を解決しなければならない問題も東京都自身にもあるんだろうと思いますから、ぜひそのことを明確にした上で、今後、適切な対応を図っていっていただきたいなという要望を申し上げて、終わります。
○増子委員 私からは、主に主要五課題にかかわる都区間の協議についてお伺いをしたいと思います。お聞きしたいことはたくさんあるんですが、時間の制約もありますので、なるべく簡潔に質問させていただきますので、よろしくお願いします。
初めに、財務局が出しました「都財政が直面する課題」という冊子についてなんですが、もちろん、この冊子は財務局が出したものでありまして、もちろん総務局によるものではないというのはもう重々わかっております。ただ、その中を見ますと、いわゆる財政そのもののみではなくて、特別区との関係において大変重要な問題があるというふうに私は感じています。
特に、財政調整制度については、いわば根幹にかかわるような問題もあるのではないかというふうに思いますので、幾つかの点について、特別区行政を所管する総務局としてどのように受けとめておられるのかを伺いたいと思っております。
一つ目ですが、大都市特有の行政サービスについては、市の事務として行うことが効率的であるというふうにされているんですけれども、大都市東京を基盤としている東京都が、いわゆる府県の立場で大都市特有の行政サービスを行うということが非効率なのかというような聞こえ方もするわけですけれども、都としては、市の事務として行う方が効率的であるというふうなお考えを持っておられるのでしょうか、伺います。
○島都区制度改革担当部長 特別区の地域におきます大都市事務というものは、都と区が分担しているところに特徴がございます。今お話のありました「都財政が直面する課題」において述べられています趣旨は、人口や産業が集積する都市においては大都市制度であります特例市、中核市、政令都市といったような市の規模が拡大するに応じまして、一般的に府県が行われる事務も含めまして、分権の考え方であります住民に身近な市が処理していく事務も拡大していくということを内容としているものと考えております。
○増子委員 二つ目に、都区制度と他の大都市制度との違いが、府県である都が市の事務を担っていることで都の果たすべき役割が大きいというふうに書いてあるんですけれども、都は他の団体と比較しても、財政的にも大変大きいことは明白でありますし、さきの財政委員会でも、たしかそのようなご答弁をされているかと思うんですけれども、同時に府県という立場であっても、同じエリアで同様な大変大きな役割があるのではないかというふうに私は思っておるんですが、いかがでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 今、都区制度の特徴であります都が特別区の区域で一体的、統一的に処理すべき大都市事務というのは大きいもので、その点の役割は大きいのですが、あわせまして広く東京都の維持発展のために、府県であります都が多摩島しょを含めて果たすべき役割も大きいと考えております。
○増子委員 わかりました。
それでは、三つ目に、人口が集中して産業が集積する大都市は、巨大な行政需要が存在する一方で、大都市ならではの税収も存在しており、特別区の区域では、特に大都市の特殊性が顕著にあらわれているんだというふうに書いてあって、そこには、いわゆる固定資産税を引き合いに出して説明をしようとしているんですけれども、私なんかは、大都市ということでの税収ということでいうのであれば、むしろ法人事業税を初めとして、法人関係税を引き合いに出していただいた方が顕著なのではないかというふうに思っておりますが、府県税より市税の方が顕著だというふうに思っておられるということでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 「都財政が直面する課題」においては、一般的に地方税で安定性にすぐれている例として固定資産税が挙げられているんだろうと思いますが、その点で、都の法人税関係についての特色は述べられてはございません。都が課税する税を、先生のお話のように府県税相当と市税相当と分けたとすれば、それがどちらが顕著かというのはなかなか明確にはいえないんですが、他の地域と比べましても、府県税相当あるいは市税相当ともに高い税収があると考えられます。
○増子委員 そういうことだと思いますけれども、一方だけのような書き方をされているのでちょっと申し上げました。
四つ目に、いわゆる区の主張のように、都が行う大都市事務を一般の事務に限定して、調整三税の使い道を限定すると、現行の行政水準を維持することができなくなる。よって住民サービスの低下につながるんだというふうにあるわけですけれども、もちろんこれを聞いた区長会が怒るのもわかるかなという気がするんですが、大都市事務の範囲を自治法の原則どおりに制限すると、住民サービスが低下するかのような記述は大変遺憾だというふうに、区長会としてはもちろん申し入れをされておられるというふうに聞いています。
一般的に、住民の素直な感情を考えても、例えば、私の地元、文京区ですが、文京区からの税収は文京区のために使ってほしいとか、あるいは身近な仕事は身近な自治体が行ってほしいというのはごくごく自然な発想だと思うんですけれども、大都市の事務を一般市の事務に限定するとサービス低下を招くんだというふうに総務局でも認識をしておられるのか、伺いたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 都区ともに税等の財源というのは、それぞれが行っています各種の事業に充当しております。その意味で、事業と財源というのはパラレルの関係にありまして、こうした事業と財源との関係を十分に検討せずに、単に財源配分のみの議論を行うということになれば、その財源をもとに、例えば都民に行っている事業やサービスを危うくするということにもなりかねません。
この財務局が述べていますように、区の主張のとおり、事務の移管を考慮せずに調整税など大都市財源のみを移管するということになれば、現在、都が特別区の区域で行っております大都市事務の財源が大幅に不足することになり、例えば、都がやっています地下鉄等の交通ネットワークでありますとか、その他、福祉サービス等の都が行っています大都市事務についてだけでなく、府県事務も含めて都民サービスあるいは都政全般の運営に支障が生じるものということを述べたものだと考えております。
○増子委員 今のご答弁のように丁寧に書き込んでおいていただければ、もうちょっと反応も違うのかなというふうに思うんですが。(「いやあ、同じこといっているんだもの」と呼ぶ者あり)まあ同じことですけれども……。
五つ目に、ごみ量などの減に伴って、清掃経費が過大算定になっているというふうになっているんですけれども、私が聞くところによれば、実態調査をした結果、特別区の実施経費と財調の算定額というのは余り乖離がなかったというふうに聞いているんですけれども、財調の算定は都区の協議のもとに、常に適正に算定されているというふうに私は認識しているんですけれども、総務局としても、この清掃経費について過大な算定が行われているというような認識をお持ちなのでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 現在お話しの清掃費の算定というものは、都区で合意しました一定のルールにより算定しておりまして、全体としておおむね適切なものと考えております。しかしながら、それぞれ標準算定でしているものですから、個々の具体的な経費について見ますと、算定額と実際の必要な額というのは差があるものと考えております。
○増子委員 次に、人件費についても清掃経費同様と、過大な算定だというようなことになっているわけですけれども、私の地元、文京区でも大変な行財政改革を行って人員削減に努めていますし、今の財政状況を考えましたら、どこの自治体でも、どこの特別区でも当然同様の努力をしておられるというふうに思っておりますし、財調算定額が実際の人件費を上回る実態にはないというふうに私は聞いているんですけれども、このことについても、総務局として過大という認識があるのかどうか伺いたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 これはどうしても財調上の標準算定というようなことの技術的な要因もございまして、財調上の標準的な職員数と、今お話ありました行革が進みますと、当然減ってくるわけなんですけれども、その実際の人数というのはどうしても標準と実際の人数ということで乖離が生じまして、その結果として人件費が過大な算定になるということについては、都だけでなく区も共通の認識を持っておりまして、今後見直す必要があるということで都区で一致しているところでございます。
○増子委員 それでは次に、大幅な財源超過があるんだというふうになっている部分もありますが、調整税の一定割合は基本的に特別区の固有の財源だというふうにいってもいいんだと思いますし、予算段階での税収や需要については都が見込んでいるというところもありますよね。その範囲内で都区合意のもとで需要の調整を行っているんだと思うんですけれども、もし予算と執行のずれが財源超過だということであるならば、予算の見込みあるいは特別区の需要について見直す必要があるんじゃないかと私は思いますけれども、総務局としても、大幅な財源超過があるんだというふうな認識をしておられるのでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 十年度の自治法の改正によりまして、今お話ありましたように、調整税の一定割合は特別区の固有財源的な性格を持つということが明確になりました。しかしながら、それを調整するためには財政調整制度がございまして、その交付金の総額と区別に算定した結果の額の差が生じるのは、当初見込んだ事業規模と各区の実際の事業規模の見込み差によるものや調整三税の法人税等の景気の変動等によるものもあり、仕組み上、差が生じてしまうものでございます。
○増子委員 次に、各種指標をお示しになって政令市と特別区を比較して、特別区が財政的にゆとりがあるかのような説明があるんですけれども、政令市というのは福祉や、例えば道路整備など、府県事務の移譲を受けていて、道府県支出金の割合もほかの市町村よりも低いということですよね。また、地方債を財源とする割合も高くなるのではないかと思っております。よって、例えば地方債の残高もふえたり、あるいは公債費負担比率も高くなるのではないかというふうに思うんですけれども、そもそもそういった財政構造が大きく異なる政令市と特別区を比較すること自体が、ちょっと無理があるんではないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○島都区制度改革担当部長 同じ大都市制度といいながら、都区制度と政令都市制度というのは違いがありますが、政令都市は、あくまでも大都市におきます人口や企業等の集積による税収を用いて府県事務の一部を行っております。
そうした性格からいって、特別区の区域というのは横浜や大阪の政令都市をも上回る、東京というのは大規模な大都市でありますし、また市町村税、先ほどもお話ありましたが、財源も大きいということもありまして、この地域においては都と区が調整税等のいわゆる大都市財源を活用して行うべき事務は、膨大な東京という行政需要あるいは税収の大きさを踏まえて考えるべきものというふうに考えておりまして、その意味で政令都市水準以上の行政水準を保つことが東京という地域にとって必要なものと考えております。
○増子委員 それでは次に、大都市事務ということについて伺いたいと思うんですが、大都市事務の整理というのが一つの最大の懸案というふうにも思っていいと思うんですけれども、都側が一兆二千億円という数字を提示して、区側から六千八百億円なんじゃないかということで、五千億円を超える乖離が生じているというふうに思っています。
一つ目に、区側によれば、協議の中で、都の事務には府県も市町村も区別がなく、財源の使途も特に制約がないんだというような見解が示されているんだというふうに聞いているんですけれども、都が行う大都市事務の範囲について自治法上の明確な定めはないというようなことになると思うんですが、そうであれば、大都市事務の範囲というものが府県事務の領域にまで広がっていって、まさしく都区の役割分担が非常に不明確だというふうになっていくと思うんですけれども、大都市事務の範囲をどうやって決めていくのか、その辺を伺いたいと思います。
また、一緒に、それまであいまいであった都区の役割分担というものを、平成十二年の改革によって、一定明確にしてきたのではなかったかと思うんですが、その辺のところも一緒にご答弁いただければありがたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 法改正が実際に行われました平成十年の自治法において、従来の都と区との関係というのは違いまして、都と特別区の役割分担の原則が新たな条文となって定められました。その中で、都は広域的な自治体としての府県事務と、それから、東京都特有の大都市地域におけます一体性、統一性を確保するための事務ということが明確にされましたが、法の上では都が行います市町村事務あるいは調整税を活用して行う事務というのは具体的に規定されているわけではございません。
このことから、現在協議の中でも、具体的にその事務内容を提示というような協議の過程の中でありまして、その点を受けまして、大都市事務について都の考え方を示し、現在意見の隔たりはございますが、都区間で十分な協議を行っているところでございます。
○増子委員 それと、都は、大都市事務の中に政令指定都市の事務を入れて、今提示しているわけですよね。この件については、たしか平成十年の協議のときにも大変な激論となっていて、当時の第三回の税財政検討会ワーキンググループの大都市事務分科会で十六事業をお示しになって、政令指定都市の事務をこの大都市事務という中に入れた。
しかしながら、次の回、第四回では、最終的には都側がこの政令指定都市の事務を公式に取り下げたというふうに私は思っていたんですが、もともと政令指定都市の事務というものは法律上、都道府県の事務ですから、都区間では明確に府県事務なんだというふうに思うんですね。法律上、例外を設けて、市の事務にしているのが政令市であって、当然その税源の移譲ですとか交付税の措置といったような財源措置もなされている。
特別区の範囲を架空の政令市に見立てて、府県事務である政令市の事務を法律上の役割分担を無視して市の事務だということに無理はないのだろうかというふうに思うんですが、その辺のご所見を伺いたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 先ほどの政令市との比較の関連もございますが、政令指定都市というのは、大都市におきます人口や企業の集積による税収を用いて、府県が行う事務の一部を行っているのが特徴でございます。確かに制度の違いはございますが、特別区の区域というものは、政令都市をも上回る規模の大都市であり、市町村財源の相当分も、他の政令指定都市と比べても大きうございますし、都市の中身も、膨大な行政需要や税収の大きさ等を踏まえれば、政令都市以上のものと見てとらえるべきだというふうに考えております。
○増子委員 それでは次に、清掃関連経費について伺いたいと思うんですけれども、清掃事業については、十二年の改革の最も大きな移管事業として、区側としても今全力を挙げて、身近な事務としてその定着を図っているんだというふうに思っています。住民の皆さんからも、区が行う、つまり身近な自治体が行ったことによって、よりきめ細かくなったというところもあって、評価されているというふうに私は思っています。
このときに、都に残した四経費七百四十五億円が今議論になっているんだと思うんですが、当時ですね--当時というのは平成十年なのか十一年なのか、十一年ぐらいだったかと思いますけれども、都側から、この経費が全体の五%に当たるよと。一兆五千億円の五%、約七百五十億に近いという意味だと思うんですが、なので実質五七%じゃないかというような説明があったというふうに区側から聞いているんですけれども、この辺についてはいかがかというふうにお伺いしたいと思います。
また、現在の協議の中では、十八年度以降に特別区の需要として発生するのは、身分切りかえ職員の退職手当だけだというふうな議論になっていると聞きますけれども、区側としては、灰溶融施設の関連経費ですとか、あるいは中継施設の改築経費などを含めて、幾つかの事務について配分率に反映されていないのではないかというふうにいっているというふうに聞いています。都として、これらの需要を今後認めていくのかどうか、これについてもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 十二年の都区協議時におきまして、都が直接支払うことになりました清掃四経費の見込み額が七百四十五億円であったことから、仮にこの数字を当時の調整税の総額をもとに計算するとどのくらいの割合になるのかということで、それが五%に相当すると述べたものにとどまっているというふうに考えております。
この都が負担しています四経費のうち、例えば都が整備いたしました清掃工場の起債の償還費については、現に区に移転いたしました工場運営は順調に、円滑に運営が行われておりますし、都が財政運営上に必要な資金ということで調達した債務の返済金でありますので、それまでも区に負担をかけるというのは、やはり道理がないというふうに考えておりますし、例えば債券で発行しておりますので、名義の書きかえができず、区に引き継ぎが困難な債務もあることから、都の責任において負担すべきものと考えておりますし、この点については今後もそうであるというふうに考えております。
今申し上げました工場の起債経費のように、それぞれの経費の性格あるいは実施状況を踏まえながら、都区で十分協議を行っているところでございます。
それから、あわせまして、ご指摘ありましたように、その四経費以外に、協議の過程の中で十二年度以降に整備されました灰溶融施設、いわゆる灰を高温度で燃焼することによってその容量を圧縮する施設でございますが、そういう運営経費などについては、今後の区側の需要として適切に算定する必要があると考えており、現在、都区で協議しているところでございます。
○増子委員 それでは次に、小中学校改築経費について伺いたいと思いますが、特別区の小中学校が老朽化してきていまして、建築後五十年を超える学校が今後二十年間に九百校規模で発生するんだというふうに聞いています。少子化やあるいは学校の適正配置、統廃合などを勘案して、建てかえの将来推計について議論をしている最中なんだというふうに思うんですけれども、一校当たりの単価、平米当たりの単価といった方がいいんでしょうか、それが特別区の実績経費と乖離があるというふうに聞いています。
また、起債の償還費が見られていないというようなこともあって、多くの課題を抱えていることだというふうに思っているんですけれども、私の経験でも、今学校を建てかえると、平均すると一校、やっぱり三十億円ぐらいかかるというふうな、現実にそういう認識をしています。
そういう意味でいうと、今の単価が現実に合わないというようなことがあるとすれば、できないものが標準算定になっているということには若干違和感を覚えるわけですけれども、莫大な経費がかかるこの問題の解決について、ぜひ歩み寄ってほしいと思うんですけれども、どのようなお考えなのか伺いたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 小中学校の改築につきましては、今お話ありました少子化の進展など、学校数の動向を十分見きわめる必要があると思います。また、お話の改築単価についても、学校に限らず、やはりコストということを考えますと、可能な限り縮減に努めていく必要があると考えております。
現在、こうした点も区側の方にお話し申し上げ、これを踏まえまして、将来的な改築需要に対してどのように対応していくのか、都区で具体的に協議をしていくところでございます。
○増子委員 それでは次に、都市計画交付金について伺いたいと思います。
都市計画税というのは都税です。しかしながら、特別区からいわせれば、もともとは市町村税なのではないかというような話ですよね。都市計画事業については、都の方がもちろんたくさん行っているということでしょうから、都が使う分が多いことは、これは当然のことだというふうに思っております。しかしながら、特別区も、この都市計画事業を行っているわけで、つまりそのために財源も必要だということで、都市計画交付金という仕組みがあるというふうに思っています。
その意味でいいますと、協議の中で都が都市計画事業の実施状況を示していないんだというふうな話も聞くんですけれども、基本的には都と特別区の都市計画事業の実施状況の割合に応じて都市計画税を配分すべきではないのかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 都市計画交付金のあり方につきましては、特別区の都市計画事業が基本的に、臨時特例的な大規模事業については都市計画交付金で対応し、それ以外のものについては、特別区がひとしく行う事業の一つと見て財調で対応していることから、都市計画事業の実施状況だけで議論はできないものというふうに考えております。
○増子委員 時間のこともありますので、最後に、知事が東京の将来を見据えて、今後、抜本的な自治改革が必要だというふうに発言をしておられますし、都区の新たな関係の構築について根本的に考え直していくことが必要だというふうにもいっています。行政区分の問題なども議論していくことが将来の東京の発展につながるんだというようなこともおっしゃっておられます。
それで、都は既に、いわゆる東京自治制度懇談会を設置して、第一回の会合ももう既に開催をされたというふうに思うんですけれども、この中でも大都市行政の当面の課題というのが一つ、検討課題になっている。現在行っている都区間の大都市事務の役割分担を踏まえた財源配分のあり方が、この将来に向けた自治改革の中で取り込まれてしまうのではないか。埋没するといういい方がいいのかわかりませんが、ということで、若干不安の声も耳にいたします。
私はこの十二年制度改革のときに約束をした十七年度内の解決を先送りしてはならないというふうに思っています。先送りするということは、自治体当事者間では解決ができないということになるわけですから、結局、国が介入してきて、そこを何らかの裁定をしてしまうということになってしまいます。新たな自治のあり方ということでは、もちろん大いに議論をすべきだと思いますけれども、現在行っている主要五課題の協議に決着をつけた後の問題だというふうに私は思っています。
そういう意味でいいますと、何としても年度内の解決に向けて全力を挙げてほしいというふうに思いますけれども、その解決に向けたご決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 東京の魅力と活力を高めていくためには、都と区が適切に役割分担をし、まさに政令都市をはるかに上回る首都東京の大都市機能を維持強化することが重要であります。その観点から、都は、お話ありましたように、専門家も交えて、大都市地域における自治制度について幅広く検討していくことにしたものでございます。
こういったような状況を見据えながら、引き続き、都区の協議を進めるとともに、とりわけ具体的な課題については、今年度中の合意形成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○桜井委員 私もテクノスーパーライナーについて質問するんですが、先ほど吉原理事からの質問がございまして、その質疑にすべて尽きると思うんですが、一点だけお聞きしたいことがございます。
これは先ほど、導入が困難というご答弁があったわけでございますが、最初にTSL構想があって、国の見通しも相当甘かったんじゃないかと私は思うんですね。都も安易に乗っかっちゃったなと。しかし、積み重ねていくうちに、これは大変だということになって、特に運輸会社の方が、これは大変だということになって慌てふためいたという形だと私は思います。
しかし、小笠原の人たちの長い願望は、やっぱり生活の利便性、産業の振興がございますので、しかも空港問題がとんざしちゃったという中で、相当な期待を島民の方々に持たせたと思いますね。そういう意味では、この導入を決めた一員である東京都が困難と判断しているわけですが、これは相当、島民の方々は失望していると思います。その人たちにしっかりと理解をしてもらうことが大事だと思うんですが、その点、導入を決めた一員としての都の考え方をお聞きしたいと思います。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 都といたしましては、TSLにつきましては、軽油価格の高騰などにより運航収支が大幅に悪化する見込みで、毎年二十億円に上る赤字が見込まれると考えたところでございます。このため、国と支援策の検討を行ってきましたが、収支見通しの想定につきましても合意に至らなかったところでございます。
TSLの運航赤字が公的支援の限度を超え、「おがさわら丸」と併用も無理があり、現実的でないということから、かえって、小笠原航路の長期安定的な運航を危うくし、小笠原航路は他の交通手段を持たないところでございますので、小笠原村民の生活に重大な支障を生じかねないと考えているところでございます。こうした見地から、都として導入は非常に困難と判断したものでございます。
○桜井委員 島民の人はこれで納得するかどうか、私わかりませんけれども、相当に状況変化があって、それによって導入は困難と判断したと思います。しかし、それは私どもは理解できても、小笠原の村民の期待というか願いから見ると、理解できるかどうかわかりません。やはり小笠原の問題は長年の都政の課題でありまして、これに対する都の責任はあると思うんです。ですから、長い間かかっている課題について、非常に大きな希望と期待を持った人たちに対して、どう対応していくのかということが非常に大事だと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 都としましては、TSLの就航を待ち望んでいました村民の期待の大きさにつきましては、十分認識しているところでございます。TSLの導入が、申し上げましたように、非常に困難な状況となりましたけれども、小笠原諸島への安定的な交通手段の確保と利便性の向上というのは、村民の方々の切実な願いでもあります。また、島の観光振興と村民生活の一層の安定向上を実現する上でも、非常に重要と考えているところでございます。
都としましては、村民の方々の期待を踏まえまして、こうした観点から小笠原諸島の振興策について検討してまいりたいと考えています。
○桜井委員 本当は局長と質疑をしたかったんですが、いろいろ難しい事情があると思います。部長が女性でもあるし、荒川さんだったらもう少しやり合うかもしれませんが、大事なことは、やっぱり導入を決めた一員であるということですね、一つは。そして、村民や都民を含めて、これに大変期待を寄せたということなんです。それに対しては、やはり都としてその任をしっかりと果たすことを強く要望して、終わります。
○古館委員 それでは、最初に震災対策についてお尋ねします。
パキスタン北部で起きた大地震では死者が四万人ぐらいに達するといわれています。震源はパキスタンとインドの国境付近にまたがるカシミール地方で、地震の規模を示すマグニチュードは七・七。テレビの映像を見ておりましても、多くの方々が阪神・淡路の大震災、中越地震の被災状況を思い起こしながら、世界的な救援の手を一刻も早く打つことが必要だと強く感じているものと思います。私自身もその思いでいっぱいであります。
我が党も全国的に義援金の取り組みを進めておりますけれども、質問をさせてもらいますが、このパキスタン北部大地震に対して、日本国並びに東京都として、救援、支援活動についてはどのような対応方針を持って臨まれているのか、まず伺いたいと思います。
○中村総合防災部長 まず、国は別といたしまして、東京都の支援の考え方についてお話ししたいと思います。
現在、パキスタンは非常に混乱状態にあるというふうに考えてございまして、有効な支援を行うためには、東京都が単独で動くのではなく、現地の状況を把握している国の調整のもとに支援の内容を決め、輸送手段などを確保し、全都道府県が一致して行うことが重要であると考えております。
国の要請に基づきまして、現在、国際緊急援助隊に警視庁十二名、消防庁六名の職員を派遣しておりますけれども、都は、このほかの支援につきましても、スマトラ地震のときと同様に、政府に対し国が調整するよう働きかけており、今後、要請があり次第、区市町村と連携し、直ちに支援を行う方針でございます。
○古館委員 東京は首都であって、自治体の中でも、それこそ国に次いで最大のそうした対応ができるところでもありますし、今部長が答弁されたような形で、引き続き対応をお願いしたいと思っています。
それで、首都を直撃する大地震などに対していかにして被害を最小限に抑えるか、これは政治に課せられた本当に重要な緊急課題であります。我が党は、そして私自身も、これまで系統的に震災対策についてさまざまな角度から提案、提言をさせていただきました。改めて、都として木造住宅への耐震補助に本格的に踏み出すことについて、最初に質問させてもらいます。
この木造住宅への耐震補助につきましては、阪神・淡路大震災に学び、九五年の第四回定例会で、東京都独自の耐震補助をと私ども求めて以来、一貫して求め続けてきている問題であります。
こうした中で、都議会議員選挙直前の第二回定例会では、木造個人住宅の耐震助成を求める決議が全会一致で採択をされ、さきの第三回定例会では、知事並びに関係局長が、避難の安全を確保するなど、公共性の高い地域については、助成制度も含め都民負担の軽減策を検討していると答弁されました。これは、長期にわたって耐震補助を拒み続けてきた都当局の姿勢の大きな転換を示すものとして率直に評価しています。
国の方では、今年度から都営住宅などの建設費補助を廃止する、これ自体に我が党は異論がありますけれども、これにかわって地域住宅交付金というのが創設され、その中に、民間住宅の耐震改修の推進などにも交付できるという事項が入るとともに、東京などのように大規模地震発生の危険性が高い地域においては、住宅、建築物の耐震改修等の総合的な支援の制度ができるなど、国もやっとのことで家屋の耐震診断、耐震改修への補助に踏み出しました。
そこで、お伺いいたしますけれども、東京都の今回の避難の安全を確保するなど公共性の高い地域についての助成も含め、都民負担の軽減策の検討という対応は、国も同様の公共性の高い地域などといっておりますので、施策としては同様のものかと思います。この国の耐震改修にかかわる法改正を含めた対応策などとの関連性はあるのかどうか、この問題をお聞かせいただきたいと思います。
○中村総合防災部長 震災による被害を軽減するためには、木造住宅が密集した地域の防災性の向上や、火災の延焼を防止することが重要であると考えております。このため、東京都震災対策条例では、都民に、建築物の耐震性や耐火性の確保、出火の防止などを求めるとともに、都としても地域特性に応じた整備の方針を定め、防災都市づくりを推進することとしております。
この防災都市づくりは、都市計画や建築行政などを所管する都市整備局が中心となって事業を進めているものでございます。木造住宅の耐震化の促進策につきましても、同様に建築行政を所管する都市整備局で、国の法改正の内容を見ながら検討しているところでございます。
○古館委員 つまり今私が指摘をした、国で今考えている地域住宅交付金制度、これらについても視野に入っていると、このように、今の答弁だと受けとめております。
この活用についても、ぜひ東京都としても積極的に活用することを強く求めるとともに、継続的な制度としてさらなる拡充を国に求めていただきたいと思いますけれども、このことについて見解を伺いたいと思います。
○中村総合防災部長 先生がおっしゃいました地域住宅交付金制度でございますけれども、これは本年の八月から始まっておりまして、その活用につきましては、現在、都市整備局で検討している状況でございます。
○古館委員 それで、この問題についてちょっとお尋ねしたいんですが、都市整備局で検討しているという答弁が繰り返されているんですが、これは、いわゆる総務局の総合防災部というのはどういうかみ方をしているんでしょうか。
○中村総合防災部長 私どもの総合防災部につきまして、総務局につきましては、全体的な、都全体の調整を図るということを行っております。具体的に申し上げますと、先ほど申し上げました震災対策条例に基づきまして、震災対策事業計画を定めるというようなことをしてございます。個々の具体的な施策につきましては、それぞれの所管の局が中心になって検討していくものでございます。
お話にありました住宅の耐震化の促進につきましては、先ほど申し上げましたように、建築行政を所管しております都市整備局が中心となって検討しているというものでございます。
○古館委員 この制度はかなり幅広い制度になっていますから、確かに都市整備という関係のかかわりが強いのですけれども、やっぱり総務局としての、総合防災部という名前があるんですから、こういう問題についてもぜひ積極的に、このいわゆる制度が活用できるように、ぜひ総合防災部としてもかかわりを持ってもらいたい。これは要望としておきたいと思います。
さらに、この制度なんですけれども、区市町村でもかなり注目をしております。しかし、区市町村の中からの声は、この住宅交付金制度というものに対して一定の補助を東京都としてもらわないと、いわゆる自己負担といいますか、自分たちの区の持ち分が非常に高いものですから、いい制度なんだけれどもなかなか活用がしづらい、こういう声があるんですね。したがって、区市町村に対する補助を都としてぜひ行っていただきたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○中村総合防災部長 現在、避難の安全を確保するなど、公共性の高い地域については、助成制度を含めまして、都民負担の軽減策を検討しております。具体的な案につきましては、今後、都市整備局が出されることになると考えております。
○古館委員 その中には、区市町村に対する補助制度というのも視野に入っている、このように理解してよろしいんですか。
○中村総合防災部長 具体的な案につきましては、今後、都市整備局が出されることになりますので、現時点では、そのことにつきましてはお答えを持ち合わせてございません。
○古館委員 区市町村にもそういうふうに補助をやって、そのことが本当の意味での地震に強い住宅みたいなものもできていくわけですから、ぜひこれは総務局としても実現の方向で働きかけをしてもらいたいなと、このように思っています。
同時に、国の制度では、木造密集地を初め木造住宅全般にわたっての耐震補強支援策となるものではないんですね。どうしても東京都としての木造住宅耐震補強に対する補助支援に乗り出してもらうということ、で、区市町村が足並みをそろえて住宅耐震支援に乗り出せるようにすべきだ、このように思うんですね。
先ほどちょっといいましたけれども、公共性の高い木造密集地域で、それをちゃんと強度なものにしないと危ないよというところに対しては、これは、この間も知事も都市整備局長も答えているわけですね。それが、私が今いっているいわゆる住宅交付金制度なんですよ。ところが、やっぱりそれだけでは、ああいうさまざまな大地震を見ていると、これだけではなかなか被災を食いとめるということにはならないですね。したがって、今私がいっているように、住宅耐震支援ということに、東京都として木造住宅、ここに乗り出してもらいたい、このように思いますが、いかがでしょうか。
○中村総合防災部長 先ほど申し上げましたが、住宅の耐震化を進めるために、避難の安全を確保するなど、公共性の高い地域については、助成制度も含め、都民負担の軽減策を検討しておりまして、具体的な案については、今後、都市整備局が出されることになります。
○古館委員 都市整備局については、何度も先ほどから出ていますので、総合防災部として、いかにして大地震に対する、その震災被害を少なくするか、こういう点では大きな責任を総合防災部は持っていると思いますので、この点でも大いに積極的な働きかけをしていただきたいと思います。
次に、我が党は、さきの定例会一般質問で、小中学校の校舎、体育館の耐震補強への都の財政支援についても求めてまいりました。静岡県、宮城県、福井県などでは既に小中学校への県単独補助を実施していることを例を挙げながら、その実施を強く求めました。この実現は、宮城県北部地震による小学校校舎、体育館の全壊もそうでありますけれども、パキスタン北部地震でも、授業中の子どもたちが多数犠牲になっております。同時に学校は、いざというときの避難場所としても、日本各地の震災を初めとする災害時の避難、宿泊施設として使用されております。
私は、学校校舎の耐震補強とともに、おくれている学校体育館については、所管が教育庁だということだけで済ませないで、総合防災部としても、震災などの災害対応の場所としてきちんと位置づけることだと考えております。時間がありませんので詳しくは述べられませんけれども、私、板橋区なんですけれども、校舎はかなり進んできているんですが、体育館というのがほとんど進んでないんですよ。で、耐震診断をすると、ほとんど出てくる答えがA、B、C、Dの最も悪いDランクなんですね。これは板橋だけの特徴じゃないと思っています。全体でそうなんですね。ところが、いざでっかい地震なんか起こったときには、みんな利用したいと思っているのは体育館なんですね。
したがって、こういうおくれている学校体育館については、先ほどいいましたけれども、所管ということにこだわらないで、ぜひ耐震診断を行う。それで、板橋区の小中学校の場合でも、学校校舎に比べて体育館の場合は、今年度に耐震診断を行うところが全体の四五%。だから、これからなんですよね。やっとのことで緒についていくという状況にあります。だから、これはほかも同じ傾向にあると思います。ですから、一刻も早い耐震補強を完了させるためには、都や国の特別な支援が必要だと思っています。
同時に、学校体育館につきましては、通常は学校教育のために使用するものでありますけれども、震災などの災害の避難所にもなることから、冷暖房、貯水槽、一般の方が使えるトイレや流し台の設置、場合によっては拡張をすることなど、思い切った対応が必要だというふうに思いますけれども、これは、教育の分野以外に私は今このように提案していますので、この点についていかがでしょうか。
○中村総合防災部長 小中学校の耐震補強でございますけれども、小中学校は避難所にもなっておりまして、そういう面から、耐震補強や老朽校舎の改築等を促進することは、私どもとしても重要であると考えております。
また、公立小中学校の耐震補強につきましては、文部科学省も重点を置いておりまして、小中学校の設置者である区市町村は、国の助成制度を活用して対応している状況でございます。都が独自の補助を行うことは困難でございますが、教育庁からは国に対し、助成制度の拡充を強く働きかけているところでございます。
また、避難所の整備に関しましても、基本的には区市町村の役割でございますが、都としては、下水管の耐震化を図り、区市町村が下水道を利用した仮設トイレを設置できるように努めているところでございます。
○古館委員 今、積極的な役割を認める答弁もしているわけですので、この点については、国に対して求めるのは当然なんですけれども、ぜひ東京都独自の補助も行っていただきたいと思います。
この震災問題の最後に、石原都政ができて最初に何をやったかというと、忘れもしないんですが、震災予防条例を震災対策条例というふうに変えました。これは、都の震災に対する基本姿勢を根本的に転換させたことでありました。前の震災予防条例の前文の中には、「いうまでもなく、地震は自然現象であるが、地震による災害の多くは人災であるといえる。」したがって、人間の努力でその被害を小さくすることはできるとの立場をこの震災予防条例で掲げた。震災対策条例の中ではこれは全部抹消されてしまいました。予防対策重視の施策転換を後景に追いやって、震災時の応急対策と復興へとシフトしていったことであります。
しかし、今日、木造住宅密集地域などへの耐震補助や長周期地震動への対応など、予防対策にも現実に東京都は取り組みつつある中で、最初に提起したパキスタンの被害現場の惨状を教訓としながら、減災の理念をきちんと据えることが今大事だというふうに思っていますが、この転換を求めたいと思いますが、いかがですか。
○中村総合防災部長 都はこれまで、被害想定に基づきまして、地域防災計画及び震災対策事業計画の中で事業目標を定めまして、地震に強い都市づくりや自助、共助を踏まえた初動体制の強化など、被害を最小限にとどめるための対策に取り組んできたところでございます。
本年四月には、平成十九年度までの新たな三年間の事業計画を定めまして、現在百七十三事業を推進しているところでございます。そういう意味では、被害を最小限にとどめるための事業として、百七十三に上る事業を行っているというふうにご理解いただきたいと思います。
○古館委員 そこまで今減災対策をやられているんですから、やっぱりそういう理念というのも太く突き出して、都民に対しても、東京都としては減災対策もきちんとやっていますということを、改めてそうしたことも、何らかの形で転換のための検討の開始をしていただきたいということを求めて、次の質問に入らせていただきます。
次の質問は、今大変議論になっております都区財調の問題についてでございます。
この都区財調の問題なんですけれども、財政委員会でも都区財調の問題、先ほど質問もありましたけれども、私もちょっとそこの話を曽根委員からも聞きましたが、自民党の委員の方からも、もちろん我が党の曽根委員もそうでありましたが、この財調協議が進まないと。この問題の最大の障害、問題というのは何があるのかと、この点について大分議論がされました。
その中で強調されていたのが、東京都が持ち出している大都市事務の対象事業を、現在東京都の事業としてやっている国際フォーラムだとか江戸東京博物館など、失敗の箱物を初めとして首都高速道路出資金など、こういうものに物すごく広げて、これを全部大都市事務として認めてお金をよこせと、こういうことをずっといい続けているんですね。これは五年前の財調協議の段階から同じようなことをいい続けてきて、いまだにその問題で決着つかないのに、なお今でもこれをさらに拡大をしてきているというところに、今日のなかなか決着を見ないという一番の根本的な原因がある、このように私思っています。
そこで、伺いますけれども、整理の意味で伺うんですが、九八年の自治法改正で、二十三区はどのように扱われるようになったんでしょうか。特別区が基礎的な自治体となったのではありませんか。いかがですか。
○島都区制度改革担当部長 地方自治法の改正によりまして、特別区は基礎的な地方公共団体と位置づけられ、清掃事業などが都から移管されるとともに、特別区の財政面の自主性、自立性が強化されました。法律上は、特別区は特別地方公共団体とされ、東京都が大都市の一体性、統一性を確保するために必要な事務を行うことになりました。
○古館委員 つまり特別区が基礎的な自治体になったと、このことはもう明確なんですね。それで、財政委員会での財務局……(「基礎的な、なんだ。基礎的自治体じゃない」と呼ぶ者あり)いや、基礎的自治体でいいんですよ。(「基礎的な自治体なんだよ」と呼ぶ者あり)いや同じなんですよ。(「違うんだよ」と呼ぶ者あり)財政委員会での財務局の答弁では、「都財政が直面する課題」と題する冊子は、この冊子は本年の七月に、都区財政調整の協議が本格化する前の段階で公表したものであって、それで、東京都と特別区が互いに真摯な議論をしていくのに必要だと考えて、議論に際して財政当局の見解をよくご理解いただくためにつくった、このように述べているんですね。これははっきりいって、もう二十三区のいっていることなんか聞かないよと、我々はこういう議論を、大いに真摯な議論をして、東京都なりの考えですね、これに際して財政当局としての見解をよくご理解いただくためにつくったんだと、このように答弁されているんですね。
そこで、お伺いしたいと思いますけれども、こうした財務局の考えについて総務局は同じ考えなのか、この問題について、まずお答えいただきたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 財務局の「都財政が直面する課題」というのは、基本的に財政当局の見解を述べられたものであり、細部については、財務局の視点で述べられている部分もあると考えております。
総務局としては、事業と財源は表裏一体のはずであり、現在の区の主張が財源を移すだけに終始している点については、財務局と同様に厳しい認識を持っております。
○古館委員 この問題について、今、事業と財源は一体だと。こういうような問題は、また後で私述べますけれども、先ほどいいましたが、しかも協議を余計に混乱させてきているのが、今いったような形で事業というのがあるんだと。それでいってきているのが、たしか一兆数千億円の事業ですね、東京都がいっているのが。
そういうふうにして、あれもこれもあれもこれも全部大都市事務だよということをいってきているところに、実は、協議が余計に混乱してぐじゃぐじゃになっている。その原因は東京都にやっぱりあるんですよ。私は都議会議員ですから、東京都のことだってしっかり考えなきゃいけない。だけれども、この五年前の協議というのは、基礎的というとまた「な」をつけろといいますけれども、それでもいいんですけれども、そこが出発点なんですよ。だから、そこに対して、どのように財源配分も仕事もきちんと保障するかというところから出発しているんですね。
ところが、大都市事務ですよ、やれ政令市ですよと、そういうふうにして話がまとまらないように持っていっているのが東京都だから、私はちょっとこの話は違うんじゃないのかと、このことをずっとこの間、私の先輩の木村陽治前都議と私も、総務委員会でずっとこの問題、話をしてまいりました。二十三区を一方的に政令市と見立てて、今まで東京都が進めてきた事業の少なくない部分を大都市事務だとして、調整三税の取り分を東京都により大きなものにしようとしていることなんですね。
今、調整三税が大体一兆五千億円あります。二十三区に現在は八千億、東京都が今七千億。東京都はこの七千億円分を、先ほど示した大都市事務だとして、これが実に事業数でいうと二百三十二事業、金額にして一兆二千億円にするんだと、こういうふうにずっと今でもいい続けてきて、そこから一歩も引かないんですね。この財務局の大都市事務についての考えについて、総務局はやっぱり同じ立場に立っているんでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 大都市事務につきましては、先ほど増子副委員長さんの答弁にも申し上げましたように、法的には原則が定められておりまして、具体的なものについては、事務を明らかにするという観点に立って、十分に精査した上で提示したものでございます。その結果として一兆二千億になったということで、初めに一兆二千というのがありきということではないことは申し上げておきます。
その精査の観点でございますが、特別区の区域におきまして、都と特別区が行う大都市事務の総体は、この地域が八百四十万もの人口が集中していること、あるいは他の大都市と比べましても、経済、政治、その他諸機能が十分に集積していること、その集積によって税収が非常に大きいものであるということを考えまして、少なくとも都市の水準として、政令都市が行う事務を含む範囲であるというふうに考えておりまして、この点につきましては、財務局と同様の見解でございます。
○古館委員 これをまとめる気があるんですか、東京都は。全然これではまとまらないんですよ。今、なおさらそのことを、東京都の主張を肯定的にここでしゃべっているわけですけれども、だから、そういう点でいうと、東京都自身は全然まとめようとしてないんじゃありませんか。
例えば、これは私、実は二十三区長会からいただいてきたものでありますが、都区財政調整制度の仕組みと沿革というのがあって、ここに、それぞれの国会議員がその当時どういう議論をしているかという議事録も載っているんですよ。この中で、例えば、今は北区で衆議院議員になっています太田昭宏さん、公明党の衆議院議員ですけれども、それから中島武敏元衆議院議員、下村博文現衆議院議員、なぜかちょっと板橋に関係の深い人がこの問題をちゃんと議論しているんですね。
例えば太田さんが行政局長に対して、行政の一体性、統一性を強調すると自治権を制約することになるのではないかという質問に対して、行政局長は何と答えているかというと、「結局、水の関係で水道、下水道、あるいは伝染病の関係で伝染病院というような、特にそういう観点から必要であるというものにつきまして、必要不可欠なものに限定するということでございますので、特別区の自治権の制約といったことになるものでは」ありませんと、このように答えているんですね。中島武敏元衆議院議員は、大都市の一体性、統一性の観点から、都に留保される事務は限定的であるべきと思うがいかがか、こういう質問に対して、行政局長は、「今のお話の趣旨に沿いまして、大都市の一体性、統一性の観点から都に留保される事務は限定的であるべきだ、このように考えております。」
つまり二十三区が何によっているかというと、このときの自治権拡充で基礎的な自治体に二十三区がなってきた、そのときの国会の議論がベースなんですよ。だから、やっぱり東京都がちゃんとまとめるならまとめる気になって、二十三区のいっていることも真摯に受けとめていく、このことが大事じゃありませんか。いかがですか。
○島都区制度改革担当部長 現在、平成十二年二月の都区協議会で都区で確認いたしました五項目の課題につきましては、都区双方で協議を行っているところでございます。
この問題のうち、特に大都市事務についての特別区の主張が、都にかわって事務を担うということではなく、財源だけを移すという点に終始しているために、なかなか議論がかみ合わないものもあると考えております。
しかしながら、都と区はまさに東京の行政を担う車の両輪であり、大都市東京の維持発展のためには、両者は協力していくことが必要ですので、引き続き真摯に協議していく姿勢には変わりはございません。
○古館委員 私、もう一回いいますけれども、基礎的な自治体としての話し合いが、この五年間やられてきているんです。今東京都がいっている政令市だとか大都市事務をどうするかとかいう話は、新たな制度論の問題ですよ。それを今ごっちゃにして持ち出してきているから、混乱しているんじゃありませんか。つまり、そのことを整理して、ちゃんと二十三区なら二十三区と真摯にそういう議論をしていく、これが物事の出発点でなければならないということを、私はこの場所でも強調しているわけであります。
私が冒頭で、九八年都区制度改革は、二十三区が都の内部団体的性格を脱却して、地方自治法でいう基礎的な自治体としてきちんと位置づけられたわけですから、この立場での対応、双方が、とりわけ東京都が誠実に対応すれば話がまとまる、私はこのように確信していますが、どういうご見解ですか。
○島都区制度改革担当部長 その点では、平成十五年の三月から都区の検討会を持ちまして、現在財調協議会という場に移していますが、大都市事務の提示も含めまして、十分に議論をしているところでございます。協議というものは常にどちらかの主張がということに偏るのではなく、えてして意見の相違というのはございますが、それは隔たりがあっても、これから引き続き真摯に協議を進めていくことに変わりはございません。先ほど申しました両輪であるというような姿勢を持って、十分に議論していきたいというふうに考えております。
○古館委員 両輪というんだったら、やっぱり私が今主張したような原点に立ち戻る、このことしかないというふうに私は思っています。
清掃事業につきまして質問しますが、五年前の都と区との間で確認された事項に基づいて、私はやっぱり真摯に協議すべきだと思っています。
私は、この清掃事業にかかわってこれまでも何度もこの場所で提案して、取り上げてまいりました。それはなぜかといいますと、二〇〇〇年の一月十四日、区長会に対して当時の都の総務局長、現筆頭副知事でありますが、財調の財源配分には反映されていないけれども、都として、清掃事業移管に伴って職員費等の別途交付金七十六億円、清掃工場建設に伴う地元還元施設に対する補助金三十五億円、派遣職員の退職手当百五億円、清掃工場建設等に要した既発債償還経費五百二十九億円、計七百四十五億円を財調外で負担するものである、これらを財調の率に還元すると約五%になるので、実質的には合計で五七%となる、このように発言をしました。
このことについて区長会側が、清掃事業に関する特例的な対応が終了する予定の十八年度、〇六年度に配分割合の大きな見直しが行われる、その際五七%が出発点だと認識をしていると発言したことについて、都側の代表は何と述べたかというと、区側から要請のあった事項については、その方向で調整し、整理させていただきたいとの発言がちゃんと記録に残っているんですね。こうした経緯を踏まえた対処も都として求められていると考えますが、いかがでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 今お話しの四経費でございますが、都が整備した清掃工場等の起債償還費等については、特別区が負担すべき経費でないことや財調の算定になじまないという観点から、東京都が財調外で引き続き負担したものでございます。その際に、この額が、先ほど仮に計算すると五%に相当するというお話は申し上げましたが、お話しのように、これがスタートラインというふうには考えておりません。この四経費につきましては、経費ごとの内容や性格、十二年以降の支出見込みなどを踏まえまして、都区で具体的に検討している段階でございます。
○古館委員 区側から要請のあった事項については、その方向で調整し、整理させていただきたいと。現実に、今おっしゃったような中身でだんだん財源持ち出しが減っていますね。私がいっているのはあくまでも--ここでいっている金額の七百四十五億円ということを私は今いっているんじゃありません。そういうことも含めて、大体、事の経過はこういう経過がありましたねということを双方で率直に議論すべきなんですよ。それで、そこで折り合う点はどこなのかということも含めて、私はそういう協議こそ真摯な協議だと思いますけれども、いかがですか。
○島都区制度改革担当部長 ただいまの清掃経費の財源も含めまして、財源ありきの議論ではなく、まず、東京都と特別区の役割分担をどうするかということも含めて議論すべきだというふうに考えております。
○古館委員 財源ありきといったって、財源が二十三区におりてきたら、それなりにちゃんとやることはいっぱいあるんですから、余りそれは東京都が心配する必要はないんですよ。
これをいっていると、ずっととめどもなくなっちゃいますので、最後に、学校施設の改修問題に移っていきたいと思います。
この問題での核心は、これまでの協議で、今後出てくる改築需要急増期にきちんと対応できる財源を区側は今ぜひということで、配分割合に反映させてほしい、こういうことなんですね。現行の算定では改築単価が低くて、起債の償還費も見られていない、さらにピーク期に対応した需要算定になっていない。もうこれからすぐ改築のピークが来るんですね。こういう問題点をぜひ是正をして、現実的に対応できる財源措置を求めているんです。
先ほど私は、震災対策をきちんと考えた学校整備をと提案しましたけれども、この問題は、財調算定の中でも積極的に取り組んでいただきたいと思っています。また、市町村に対する財源措置についても、別途都として措置する何らかの形で補助など、こういうことを求めますが、それぞれ答弁をいただきたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 小学校の改築経費については、既に財調の算定の中で、十二年度改正の時点で反映しております。
今お話のありました学校のピークということで申し上げますと、平成三十五年がピークになるというふうに区側からの資料も出ておりますし、それに当たりましては、少子化の進展など学校数の動向を見ながら、将来的な改築需要にどのように対応するのか、都区で議論を進めているところでございます。
○古館委員 学校改築問題については、財務局の方でも、この問題についてはかなり前向き答弁になっているんですよ。これは総務局が、今のような形じゃなくて、今の学校の改築問題については、大地震の問題もありますから、そういう点ではどういうふうにしていったらいいのかということも真摯に協議をして、見るべき成果が出るように、強く求めておきたいと思います。
最後に、私の方から意見を申し上げて終わりたいと思いますが、今、東京都政は財政が厳しいといいながらも、一般会計では約六兆円、特別会計や公営企業合わせて、全会計で十二兆五千億円という規模で、これはインドなどの国家予算の規模に匹敵するものであります。しかもこの六年間の税金の動きは、都の税収が大幅に伸びていて、一九九九年度の当初予算の比較では、累計で六千二百四十八億円伸びています。二次の財政再建推進プランとの比較でいいますと、何と一兆六千百八十億円も増収になっています。都の財政力は世界一で、お金がないのじゃありません。使い道こそ問題があることだと考えています。
この六年間、首都高速道路への投資に千四百三十五億円、圏央道を初めとする国の直轄事業負担金に三千百三十三億円を初め、幹線道路、都市再開発、臨海副都心開発などにつぎ込まれるなど、不要不急な投資に一般会計だけでも毎年一兆円規模、六年間で六兆四千億円にも達しています。都債の残高は六兆八千五百億円、借金返しの公債費は過去最高になっています。
これが都財政と都民施策を圧迫する最大の要因となっているわけで、今東京都に求められているのは、都民施策の充実とともに、基礎的な自治体である区市町村の自治権、財政権を拡充する、この観点にしっかりと立つこと、私はそのことが大事だ、このことを強く求めて、質問を終わります。
○山下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後五時九分休憩
午後五時二十二分開議
○山下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○後藤委員 私は、かたいことをいう前に、総務局のことを見ていると、お役人天国の中のまとめ役が総務局ではないかななんというふうに思えてきましたので、このお役人天国に切り込みながら、できたら総務局のこういうふうなところを改善してもらいたいというのが何点かありますので、できましたら、これからやらしていただきます。
前回の委員会でも取り上げさせていただいたんですけれども、災害情報システムの端末画面の件なんですけれども、東京ガスから送られてきているデータが画面に出ていると思うんですけれども、最近何か変えたというふうなことも聞いたんですが、どのように変えたのか、ちょっと教えていただけますか。
○中村総合防災部長 東京ガスから提供されているものでございますけれども、平成三年から提供されておりまして、これはガルという値でございます。これを、私ども防災関係者の内部の参考資料として今まで用いてまいりました。ガルは地震の最大加速度をあらわす単位でございまして、構造物への力のかかりぐあいと、それに対する構造物の変化を考える上で理解しやすいものとして、一般に使われているものでございます。
七月二十三日に東京ガスから提供された情報には、私ども防災関係者が使っているコンピューター画面に、ガル値とともに震度六が表示されましたが、この震度は換算表を用いてガルから出したもので、正式な計測震度ではございません。この地震の最大震度は、足立区西新井消防署における震度五強でございます。
しかしながら、このように震度六が表示されたということが、前回も議論ございましたが、より正確な表示をするということが--私どもとしてはわかりやすくしていく、改良していくということは常々行っているところでございますので、より正確な表示をするために、現在ガル値のみの表示に切りかえたというものでございます。
今後とも、このガル値につきましては、先ほど申し上げましたように、構造物への力のかかりぐあいと、それに対する構造物の変化を考える上で理解しやすいものとして使われておりますので、参考値といたしまして、東京ガスから継続して提供してもらうという考えでございます。
○後藤委員 ガルに変えたということはいいことだと思うんですけれども、ただ聞きたいんですが、何ゆえに前はガルだったものを今度は震度に変えて、震度の換算値がおかしかったからまたガルに戻したということなんですけれども、東京ガスさんからいただいているデータですけれども、二十カ所ぐらいじゃないかなと思うんですよ、数を数えてみましたら。気象庁を経由してきているデータというのは九十九カ所だというふうに、数えたら出てきています。
例えば気象庁のデータを立ち上げるときにも、ガルというのを考えながら、いろいろな計算値があるというふうなことを聞いたんですけれども、いろいろな計算値に基づいて気象庁のデータができていると思います。東京ガスさんもこの間の阪神・淡路大震災以降に、震度計というんですか、たしか聞くところによりますと、五百メートル単位ぐらいで都内に何百カ所というふうな形でやったと聞いているんですけれども、仮に直したんだとしたら、例えば東京ガスさんとの契約も多少は変えて、新しいものに変えるべきではないか。
ここでおもしろい資料が出てきたんですけれども、地震加速度情報の提供に関する覚書というのを、これですけれども、東京ガスさんと東京都の総務局さんが契約しているんですが、これを見ますと、はっきりいいまして凡ミスだと思うんですけれども、行革一一〇番が気がつきまして指摘をしたんですけれども、何が間違っていたか、おわかりになっていますか。
○中村総合防災部長 まず、東京ガスから提供されている情報としてガル値をいただいているわけですけれども、これは無償でございまして、平成三年当時からいただいているわけですが、その当時は、現在の計測震度計というものが存在しておりませんでした。そのためにガル値を参考としていただいて、それを、換算表に基づきまして相当する震度に換算していたというものでございます。
現在は計測震度計がございますし、また、東京都内でも九十九カ所の計測震度計を設置してございますので、そういう面では、気象庁が採用している計測震度計による震度、これを正式に用いているというものでございます。先ほど申し上げましたように、ガル値は構造物に対する影響を考える上での理解をするためのものでございますので、参考にしているというものでございます。
今ご指摘ございました、東京ガスとの覚書でございますけれども、これにつきましては、私どもも、ご指摘のありましたことにより精査いたしましたら、本文の方と、それから最終的に捺印したところが甲、乙が入れかわっていたということでございます。これについては、平成三年からこれまで自動継続されてまいりまして、実害は発生してございません。そのために、東京都のみならず東京ガスも、私どもから見ても凡ミスでございまして、通常は甲が東京都で、今までいろいろな契約を結んでございますが、これについては甲が東京ガスになっていたということで、担当者が恐らく間違えて、捺印するところだけ甲、乙を従来どおりの契約や覚書の形に変えたんだろうと思いますが、そういうことで東京ガスも気がつかなかったということでございます。
現在、これについては東京ガスと協議いたしまして、甲、乙を入れかえるように、修正するように作業中でございます。
○後藤委員 今回のことは、多分私も凡ミスだと思いますけれども、この凡ミスで、東京ガスさんとの話し合いもまた持たれて、ここだけを直そうよということだけではなくて、例えば世田谷区も東京ガスさんと契約していまして、細かいデータを、世田谷区の場合は買っています。買っているというふうにもなっていますけれども、精度の高いやつを買っているわけですけれども、今回のことに関して、いってみれば凡ミスみたいなのをなくすような形で、特に危機管理をやらなければいけないところですから、考えていただければと思います。
次に、メーンのテーマなんですけれども、離島振興計画についてお伺いしたいんですけれども、離島振興計画の趣旨を教えていただけますか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 離島振興計画は、伊豆諸島地域におけます平成十五年から二十四年度までの十年間の振興の方法を示したものでございます。価値ある地域差の発揮、これを基本理念に、各島の自立的発展の道筋を示したものでございます。
○後藤委員 この計画を読みますと、平成十五年から二十四年までの十年計画ということになっていると思いますけれども、関係する各局さんがいろいろあると思うんですが、関係する各局さんとの、例えば打ち合わせですとか調整だとかというのが行われていると思うんですけれども、何回ぐらい行われたのか、直近でいつ行われたのか、教えていただけますでしょうか。
これと、多分ですけれども、打ち合わせはもちろんやっていると思いますけれども、この打ち合わせの内容も教えていただければと思うんですが……。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 離島振興計画の策定につきましては、国の基本方針に基づきまして町村が案を作成し、それを各局と実務的な検討を十分行いながら作成したものでございます。
また、計画実施後、策定後につきましては、総務局としては、毎年各局、各町村からヒアリング等を行いながら、連携を図って進めているところでございます。
○後藤委員 島とも打ち合わせはやっているというふうにいわれたんですけれども、例えばまとめてやられたことというのはどうなんでしょうか。各局ですとか、島ですとかですね。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 策定に当たりましては、各局と、いろいろな実務者によります会議は何度も繰り返したところでございます。また、関係局全局の局長によります会議等によりまして最終的な了承をし、今回の計画となっているものでございます。
策定後に当たりましては、毎年関係局とヒアリング等を行う中で、連携を図っているところでございます。
○後藤委員 これは再度聞きたいんですけれども、関係局と合同でやったというのは、私の方で聞きましたら、十五年三月二十六日の時点でまとめて打ち合わせだとかはやったけれども、部長が今おっしゃっているのは、局ごとの打ち合わせはもちろんやらなければお仕事にならないと思いますけれども、まとめて、例えば島のことを、各局ごとの説明ではなくて、島全体で見るというふうな会合をなさったことはありますか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 再三ではございますが、策定に当たりましては、関係局全局集まりまして策定の了解を行い、その後、各局をもとに周知等を行ってきたものでございます。
○後藤委員 結局、部長の話をまとめますと、始まる前にはみんなまとめてやったけれども、計画が実施された段階からは、各局ごとの対応というふうに解釈させてもらいます。
これは部長の方から資料をいただいたんですけれども、観光客の推移というふうなものをいただいています。読み上げますと、ピーク時は昭和四十八年当時だと思うんですが、例えば大島の場合は八十三万一千六百六十人だったものが、去年、十六年には二十三万七千百八十四人、新島の場合は八万一千百六十九人から四万七千人、式根の場合は四万二千人から二万四千人、神津の場合は七万八千人から三万五千人というふうな形で、約半分近くも落ちている。この半分近く落ちている理由は何だと思いますか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 観光客数の推移に関するお問い合わせでございますけれども、離島ブームの終息、あるいは海外旅行等安価な旅行地が開発されている、そういう諸般の事情等の中での観光客数の減少等が考えられると思います。
○後藤委員 観点ちょっと変えまして、例えば行政部が各局から取りまとめて国の方に補助金の申請をするために概算要求を出していると思うんですけれども、十七年度の概算要求額の総額は大体幾らぐらいだったのかということと、局別の数字なんですけれども、でかいところでいいんですが、例えば港湾局さんとどこかと比べていただいてもいいんですけれども、できたら二つか三つぐらいの局別の概算要求額を教えていただけますか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 十七年度の離島振興事業に関します概算要求額、総事業費額でございますが、二百十七億円でございます。
また、各局別の概算要求額というご質問でございますが、国土交通省に対する予算要求は、都及び町村事業等につきまして、国土交通省が定める事業区分に合わせて取りまとめているものでございます。
○後藤委員 確かに局別の数字は出ていないんですけれども、例えば港湾局関係だけをまとめてみますと、大体八十億円ぐらいの金額になるんですが、離島振興計画で目指しているものといったら、結局島の自立ということになると思うんです。例えば島の自立ということになった場合には、観光客をいかに呼ぶかというふうなことにもなってくるのではないかなと思うんですけれども、部長がおっしゃったように、例えば離島ブームが去りました、外国の安いところがいっぱい出てきましたということになっていますけれども、一年間で二百億、十六年度でしたら百八十億というふうな形なんですけれども、これはあくまでも概算要求額ですから、これが一〇〇%予算になっているとは思いませんけれども、大体二百億ぐらいのお金をつぎ込んでいって、観光客の数が、確かに離島ブームと比べたら半分、例えば平成七年当時から見ても大幅に落ちているところが随分ある。
こういうことを考えたときに、離島振興計画で、行政部さんがまとめているところなんですけれども、各局でまとまって何か相談をしたことなんてあるんですかということを僕はいいたいんですよ。各局ごとで、例えば港湾、港のテトラポットが必要だ、ケーソンが必要だということになっていきますと、観光客が入っていったときの入り口ですよ。観光客の入り口といったら港なんですけれども、港にはテトラポットががんがん置かれていて、クレーンが置いてあって、観光客が入ってくる感じではないような形で、実際には島の状況がなっています。
それから二カ月ぐらい前ですけれども、島の方を私ちょっと見に行きまして、例えばごみを見に行きました。ごみ捨て場。これはいい方は悪いですけれども、無法地帯みたいな形で、冷蔵庫あり、空き缶はあり、廃材はあり、タイヤはあり、何はありというので、もうそのまま捨ててあるような状態で、ここのところを、例えば土だけかぶせればいいだろうぐらいになっているわけですよ。これだけではなくて、これは私の方で調べたんですけれども、式根島では、例えば焼却炉の焼却灰というのは七十トンぐらいというふうに聞いていますけれども、七十トン、ただ穴を掘って埋めてあるような形になっているというふうな話も聞いています。
こういうふうな話がたくさん出ているのにもかかわらず、例えば二百億円のお金をかけて観光客が減っているって、普通ではちょっと考えられないと思うんですけれども、この辺のお考えを聞かせていただけますか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 東京都離島振興計画におきましては、観光、交通、情報通信及び防災の四分野を重点施策として、観光立島の実現を目指すこととしているところでございます。この計画に基づきまして、各局連携しまして観光振興に取り組んでいるところでございます。
○後藤委員 各局連携といわれちゃいますと困っちゃうんですけれども、各局連携、本当にやっているんですか。各局連携やっているんだったらば、どういうふうな各局連携をやっていたのか教えてください。直近だったら、例えば何局と何局と何局で連携をとりながらやったとかですね。各局ではなくて、例えば局別に今までいろいろなお話をしてきたというんだったらわかるんですけれども、各局では今までやっていないというふうに私、現場の方から聞いているので、ここのところで部長が、例えば局と連携し、なんていわれちゃうと、だったらば、いつやったのか教えてください。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 離島振興計画の推進につきましては、各局と毎年ヒアリングを行う中で連携することを初め、全局を挙げまして、離島振興計画の趣旨に基づき施策の展開を進めているところでございます。
○後藤委員 この約二百億円のお金なんですけれども、補助金といいましても、一〇〇%国からの補助金で賄うわけではないと思うんですよ。これはあくまでも私の概算ですけれども、例えば五割ぐらい、この二百億円の約半分ぐらいが例えば国の補助金だとしたら、残りの五〇%の百億円ぐらいは都税から出ているというふうに解釈するんですけれども、ここのところの割合、例えば五割ぐらいというふうに私はいいましたけれども、ここがもし間違っていたらば教えていただけますか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 離島振興事業に関します補助率のご質問だと存じますが、例えば港湾につきましては、一般においては二分の一補助率のところが十分の八・五でございます。また道路につきましては、都県道につきましては二分の一のところが十分の五・五とかさ上げをされているところでございます。
○後藤委員 これからの話の中で、例えば五割ぐらいだというふうに思っていいですかね。二百億のうちの百億ぐらいは都民税から出ているんだよというふうな形で話を展開していこうと思うんですけれども、ここの数字が余りにも違っていると直さなきゃいけないので、ここだけちょっと確認させてもらえますか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 再度の補助率のご質問でございますが、事業の内容につきまして補助率が異なっているものでございます。三分の一の補助率のものもございますし、十分の八・五の補助率のものもございます。
○後藤委員 大体でまとめたかったんですけれども、とりあえず約半分ぐらいが国からの補助金、約半分が都からというふうになりますと、都のお金がそれだけ出ているわけですから。半分でなくてもいいです、例えば一〇%でも二〇%でもいいですけれども、多くの都民税が出ているわけですから、行政部さんのお仕事というのが、各局からの概算要求を国に上げるだけの仕事でなくて、島のため、離島振興計画の趣旨に基づいたお金の投入というふうなことをこれからも考えていただきたいんです。
ここで、こういうふうなことはだめかなと思うんですが、観光立島を目指さなければいけないわけですから、例えば部長が相談というんですか、各局の方々とヒアリングどうのこうのやっているというのはわかりました。ここのところで一つだけ僕は欠けているものがあると思うんですよ。観光客の方たち。観光客の方たちがリピーターとしてまた島に行きたくなるようなお金の投資ですよね。
民間の会社だってそうだと思うんですけれども、自分たちが幾らいい仕事をやっているというふうに思ったとしても、お客さんが来なかったら話にならないわけですから、ここのところで民間の考え方というのは、いろいろなアンケートをとったり、いろいろな市場調査をしたりして、どうやれば売れるかということを考えながらやるのに、こちらの行政部さんがやっている離島振興計画というのは、お役人さんたちが、これをやればいい、これをやればいい、これをやればいいだろうというような形でやっているわけです。これも間違ってはいないけれども、例えば有識者の方ですとか、観光に関する有識者の方でもいいです、こういうふうな第三者の方を入れた懇談会みたいなものをつくって、離島振興計画に基づく税金の使われ方をもう少し頭を使うべきと考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○清宮多摩島しょ振興担当部長 現在の離島振興計画は、地域における創意工夫を生かしつつ、離島の自立的発展を促進するという離島振興法の改正を踏まえつつ、策定の過程から各町村の意見を尊重し、各局及び町村と十分意見交換を行いながら、都が策定した計画でございます。
事業の検証、見直しにつきましては、国において今年度より、地元のニーズの変化等に対応して、計画内容の見直しを含めたフォローアップを実施することとなっておりまして、都としては、こうした取り組みにより対応してまいりたいと考えています。
○後藤委員 できたら有識者を入れることは考えてみてください。
次なんですけれども、特勤手当、特別勤務手当について聞きたいんですが、例えば千代田区は、土曜日、日曜日ですとか年末年始の特勤手当を廃止したというふうに聞いているんですけれども、ほかの自治体、例えば杉並区さんですとかいろいろな区でも取り上げられているというふうに聞いているんですが、ほかの自治体の状況を教えてください。
○渋井勤労部長 都内の二十三区に限定して考えますと、千代田区では確かに廃止をいたしました。杉並区では、現在協議中というふうに聞いております。そのほかの二十一区につきましては、依然として存続しているものというふうに聞いております。
○後藤委員 土日ですとか年末年始の特勤のことは、交代制勤務というふうにいわれているんだと思うんですけれども、例えば都の場合にはどのような職場があるのか、できたら列挙していただけますでしょうか。
○渋井勤労部長 交代制勤務等業務手当を支給している職場についてでございますが、このうち土日や年末年始の勤務に支給している手当につきましては、正規の勤務時間の全部または一部が土曜、日曜日または年末年始の日に行われることとなる職員に対して支給しておりまして、具体的な職場といたしましては、多くの都民が訪れる職場である動物園とか水族園、公園管理事務所、また、都市施設を管理する職場であります東京港管理事務所、空港管理事務所など、また、医療福祉施設でございます都立病院、児童相談所等が支給の対象となっております。
○後藤委員 土日ですとか年末年始の仕事は特勤手当というんですけれども、例えば特別勤務手当の要件というのは、危険、不快、不健康だと思うんですよ。部長が今おっしゃった職場で働いている方たちが、例えば土曜日、日曜日、年末年始に働くことによって危険、不快、不健康なんか考えられるのかどうなのかということと、これは聞きましたらば十五年度で見直しを行って、頑張ったんだよというふうには聞いているんですけれども、例えば十五年度の見直しの状況は幾らから幾らに下げたんだよというふうなことがあったら教えてください。
○渋井勤労部長 まず、土日の特勤手当の支給理由、どういう理由で支給しているのかということでございますけれども、土日につきましては、社会一般において、また、都の多くの職場におきまして休みでございまして、これらの日に勤務を割り当てられた職員に対しまして、勤務をしない職員との勤務態様や社会生活上の差異等を考慮いたしまして、手当を支給しております。
委員ご指摘のとおり、特殊勤務手当につきましては、平成十五年度に大きな見直しを行っておりまして、この中におきまして、従来、日曜日については一回千七百二十円、また土曜日については一回千四百円、この手当を両方とも千百円に減額しております。減額率につきましては、約三〇%削減しております。
○後藤委員 部長の今の話を聞いていますと、三〇%減らした。確かに三〇%減額なさったということは、組合とのやり方も大変だったと思いますけれども、この特別勤務手当というのは危険、不快、不健康な場合に払われるよということですから、民間の場合でも、土曜日、日曜日に今出て働いている方たちというのは、交代で例えば二十四時間のコンビニもありますし、店でも会社でも土日でも出てくる方たちはいっぱいいます。確かに前まではそうだったかもしれませんけれども、これからは、土日ですとか年末年始の手当というのをなくすべきだと思うんです。組合交渉の結果として、例えば一〇%減らした、一〇%では少ないから三〇%減らしたといったとしても、役所の中の話は、確かに大変だったんでしょうねというふうに終わりますけれども、これ、納税者の方たちは納得しないと思うんですよ。法律要件にのっとって、はっきりと支払うものに関しては支払えばいいと思うんですが、この件に関して、もう一回だけご答弁お願いします。
○渋井勤労部長 特勤手当の支給要件といたしまして、当該業務が著しく危険であること、不快であること、不健康であること、困難であること、その他著しく特殊な業務である、こういった要件がございます。また、そのほかに、その特殊性が給与上特別な考慮を必要とするのかどうか、それから国、他団体の支給の状況はどうか、こういった内容を総合的に勘案して支給しております。
ご指摘の土日の勤務手当でございますが、確かに委員ご指摘のとおり、以前と比べて社会状況が変化をしているということにつきましては、私どもも認識をしております。そういったことから、本年の五月以降、職員団体とも協議をいたしまして、特殊勤務手当全般について総点検を行っている最中でございます。
○後藤委員 特勤手当についてもう一つだけちょっといいたいんですけれども、例えば都税事務所の方たちには税務事務特別手当というのがついているんですけれども、私なんかも都税事務所へ行ったときに、例えばジーパン姿の方がいらっしゃったり、Tシャツの方がいたり、まあこういう方たちはまれだとは思いますけれども、危険、不快、不健康とは絶対にいえないんじゃないかと思うんです。都税事務所の方たちに払われているところの--例えば都税事務所の中でも職場はいろいろあると思うんですけれども、どういうところの職場に払われていて、都税事務所の方たちには、特別勤務手当を何を根拠にして払っているのか、ちょっと教えてください。
○渋井勤労部長 まず支給の理由でございますが、国におきましては、国税の賦課徴収を担当する職員につきましては、その職務の複雑性、困難性、こういったものを考慮いたしまして、行政職俸給表よりも高い水準であります税務事務俸給表が適用されております。しかしながら、地方公共団体におきましては、国の通知におきまして、税務職の給与表を用いないかわりに、必要がある場合には、特殊勤務手当等によりまして適宜措置をいたしまして、国の職員と給与の均衡を図ることが適当であるというふうにされております。
こういった考え方に基づきまして、都におきましては、主税局の本庁では課税部、資産税部、徴収部等、このほか各都税事務所や自動車税事務所等におきまして支給をしております。
なお、この手当につきましては、税務に従事する職員に一律に支給するというものではなくて、本庁であれば庶務担当部署等は支給対象から除外するとともに、実際に賦課徴収の業務に当たる職員に限定をして支給を行っております。
○後藤委員 この件に関しましては、とりあえず民間の方たちが納得できるようにしない限り、いってみればお役人天国だというふうにいわれてしまうわけですから、とりあえず五月からいろいろと検討なさっているということですから、このことも含めて、改革に向けてやっていただきたいと思います。
次に、都庁の第一庁舎と第二庁舎に喫茶コーナーというのがあるんですけれども、この喫茶コーナーというのはどういう位置づけで置いてあるんですか。
○渋井勤労部長 喫茶コーナーは、現在、福利厚生事業団が運営しているものでございますが、目的といたしましては、職員のリフレッシュや一般都民などの来庁者への飲食を伴う休憩場所、こういったものを提供するために設置をしてございます。
○後藤委員 とりあえず趣旨はわかりましたけれども、私が、たしか防災の日だと思うんですけれども、防災の日に、町田の方へ行って戻ってきたときにお茶を飲みたくなってちょっと行ってみたんですよ。行ってみましたらば、職員の方たちがお茶飲んでいる。では、何分ぐらいいるのか見てみようということで、四十分ぐらいたばこ吸いながらお茶飲んでいるわけですよ。こういうことを考えたときに、彼らを見たらネームプレートを外しているんですよ。悪いことをやっているだろうと思って、多分ネームプレートを外してやっていたと思うんですけれども、とりあえず勤務時間内のネームプレートの着用というのをもう一度徹底を図っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大原理事 ネームプレートの着用についてでございますけれども、私どもは、平成十三年の十二月六日、それから平成十四年の三月八日というふうに、その着用については、必要の都度注意を喚起しております。今後また推移を見まして、必要があれば注意を喚起してまいりたいと思います。
○後藤委員 ここで、この喫茶コーナーを見てみますと、みんなで四つあるんですが、例えば二つはたばこが吸える、二つの喫茶コーナーは禁煙だというんですよ。これをよくよく聞いていってみますと、喫茶コーナーは喫茶コーナーで分煙しているというんですよね。片一方はたばこが吸えて、片一方の喫茶コーナーはたばこが吸えないとかいうんですけれども、こういうふうな考え方自体がお役人天国そのままの発想だと思うんですよ。例えば同じ喫茶店の中にいて、ここからこっちは分煙ですよというのではなくて、例えば右側の喫茶店は禁煙、左側の喫茶店はたばこ吸っていいですよというふうになっているんですけれども、これはここでがたがたいうべき問題ではないと思いますけれども、少なくともみんな禁煙にすべきだと思うんですが、この辺はできたらばご検討願いたいと思います。
とりあえずもうあと一つと半分お願いいたします。
職免と組合活動についてお伺いしたいんですけれども、組合活動の中で、例えば執行委員会だとかというのがたしかあると思うんですが、組合の機関運営のためということになっていると思います。この場合には職免を与えていると思うんですけれども、現状がどういうふうな場合に何時間、例えば大会の場合は何時間、本部の何とか委員の場合は何時間というのをちょっと教えていただけますでしょうか。
○渋井勤労部長 大会の場合には一日、それから中央委員会の場合には四時間、本部の執行委員会の場合には八時間、それから支部の大会の場合には一日、支部委員会の場合には四時間、支部の執行委員会の場合には四時間です。
○後藤委員 これなんですけれども、今部長がおっしゃいました八時間とか四時間というのはどうやって確認なさっているんでしょう。私の方に入ってくる情報ですと、例えば四時間となっているけれども、四時間かからないで終わっちゃっているよと。その場合でも、私が考えるところによると、職免でもし四時間となったとしても、例えば三時間で終わったとしたらば、この残りの一時間は職場に帰って働くべきではないかと思うんですけれども、この辺の厳格な運用をなさっているんじゃないかなと思いますけれども、この辺の担当の方の考えを教えてください。
○渋井勤労部長 職免が認められる時間につきましては、実際に行われた執行委員会の時間とそれから往復の移動に要する時間を含めた時間のみが職免として承認されます。したがいまして、事前に承認された職免時間よりも執行委員会等が早く終了した場合には、その後の移動にかかわる時間を含め勤務時間内におさまる場合には、速やかに職場に戻り、勤務時間終了まで勤務をする必要がございます。
○後藤委員 この件なんですけれども、これは知事部局ではなくて、東京都職員共済組合で実際に起こっていたケースがあったので、こうやって今部長にお伺いをしたんですけれども、知事部局の中でも、本当に厳正に見たときに、例えば本部の執行委員会で八時間も本当にやっているのかよと、例えば支部の執行委員会で本当に四時間やっているのかよというふうに私も前から思っていたんですけれども、内部からいろいろな情報が入ってきたときに、全然やってないよ、後藤さん、この辺はもう少し厳密にやるようにいってくれないかというふうにいわれたので、ここで聞いてみました。
そうしましたら、最後なんですけれども、これだけはちょっとお伺いしたいんですけれども、今回、資料として出していただいたものがあります、私の方から。ところで、資料の中に--資料をお願いしますと、担当者の方は、出せませんというふうなお話をまず最初にいただくんですよ。例えば交付金関係の場合でも、各区ですとか市にどのぐらい出しているのか教えてくれないかというふうにこちらの委員会で頼みました。委員会で頼みますと、担当者の方が、これは今まで出したことがないから、だから出せない。ここで私がいったのは、だったら情報公開かければ出ることですよと。情報公開かければ出ることを、委員会が請求しているのに、担当者はまず何をいうかといったらば、これは前例がないから出せないというわけですよ。
例えば行政部さんの場合でしたらば、東京都離島振興事業の一括計上の概算要求額がどのぐらいになっていて、局別にはどのぐらい出ているのか教えてほしいといいましたらば、国に聞いてみなければわからない、各局、例えば港湾さんだとかいろいろなところに聞いてみなければわからないから、だから教えられないと。だったらば聞いてみてもらえればいいというふうに思ったんですけれども、ここのところで三日ぐらいかかりました。どうしてもだめだというので、だったら国に電話をしてくれというふうに頼んだらば、国の方は、こんなものは出しても当たり前だから、こちらは構わないという、電話一本でここにあります数字が出てきたわけですけれども、これがまとめだと思って聞いていただきたいんですが、総務局さんというのは隠すことが仕事なのか。
各局で持っている数字をまとめているんだとしたらば、そこのところは情報公開をやれば出るようなものというのはいっぱいあるわけですよ。このいっぱいあるのを、皆さんは、前例がないから出せない、前例がないから見せられないというのを、これだけは本当にやめていただきたいと思うんですが、できたらば局長、このことに関して、例えば前向きに、これからもどんどんやっていくぐらいのことをいってもらえるとうれしいんですが。
○前田行政部長 常任委員会で資料要求をいただきました場合、そのほか、先生方から資料の請求がございました場合、通例、担当者が先生のところにお伺いをして、ご趣旨を詳しく聞いたりしていると思います。その場合、過去どうであったかというのは担当者の方は常に比較をしますので、それについてこういうことでございましたということは申し上げることが中にはあると思います。私どもが気をつけなければいけないのは、過去お示ししていないものが仮にあったとすれば、それなりの理由なり根拠がきちんとあるはずですが、担当者がかわるうちに引き継がれなかったりすることで、今の先生のようなお話をちょうだいすることになると思います。
いずれにしましても、出すべき資料は出すべきでございますし、また、出した場合にいろいろと考えなければいけないこと、あるいは支障の生じるものについては、その旨をきちんと先生にお示しをして、また、それが国、そのほか民間等にかかわる部分があれば、確認をして、そういう上できちんとしたお答えをすべきものであろうと思っております。
これは先生から財務面のお話を承りましたが、資料の一つ一つについて、その性格、内容を吟味しまして、これからご相談をさせていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○高木委員 私からは、都区制度改革の問題についてご質問をさせていただきます。
我が党には都区制度改革推進議員連盟という議連がございまして、議連の会長は大西英男議員、そして幹事長が高島なおき議員ということで、二十三区選出の都議会議員が全員その議連に入って、この都区制度改革の問題について、一日も早く解決をするようにということで勉強し、研さんをし、そして活動しているわけであります。
きょうは自民党として、この都区制度改革を今後どうしていくのかということを、議連の会長の大西議員ともいろいろとご相談をしながら、実は第一弾といたしましては、先日の財政委員会の中で、我が党の神林議員と鈴木議員、そして大西議員が質問に立ったわけでございます。財政の問題については財政委員会でということで、こちらは調整三税の問題を中心にやりましたけれども、制度改革の都区制度改革自体については総務委員会の所管でありますから、きょう、その総務委員会でこの問題を取り上げるわけでございます。
最初に、この都区制度改革の問題を議論をする前に、東京都として地方分権という問題に対してどういうお考えを持っているのか。つまりこの都区制度改革というのはまさに地方分権の一つの、東京都独自の課題でありますから、この地方分権の一つの流れの中で、東京都としてこの都区制度改革をどうとらえているのか、そのことからまずご質問をいたします。
○島都区制度改革担当部長 今お話ありましたように、地方分権改革というのは、いわゆる一括法の制定で国から地方へという大きな流れで、それも平成十二年に行われたかというふうに記憶しておりますが、それと同じ時期に、法改正は平成十年にできたんですが、平成十二年の都区制度改革というのはまさに、従来内部的団体でありました特別区が、身近な住民サービスは基礎的な団体である特別区に任せるということで、そういうことを位置づける一方で、都は広域団体として大都市の一体的行政を行うことが明らかになったものと、その上で所定の法令の手続が行われたということで、そういう意味では、都としての分権改革の大きな象徴的な存在だというふうに考えております。
現在、その地方分権の流れが、いわゆる広域団体のあり方等の、道州制でありますとか、国との関係では三位一体改革など、地方分権をめぐる議論が具体的に進展するということになっておりますので、今後の地方行政がどうあるべきかは改めて大きな課題であると同時に、具体的に示されてきているというふうに考えております。
都におきましても、東京の活力の維持発展という観点に立ちまして、大都市における新しい自治のあり方について、専門家を交えました幅広い視点で検討を行うことにしております。総務局といたしましても知事本局と連携して、今後、議論を具体的に深めていきたいというふうに考えております。
○高木委員 東京都は地方分権に対して、それを進めていくんだという立場で当然いらっしゃるんだという、今そういう答弁だったと思います。将来的にいろいろな議論が行われて、将来の東京都と二十三区の形というのはこれからいろいろな議論の中で詰められていくんでしょうけれども、今議論になっている都区制度改革の主要五課題、東京都流にいうと五項目、この問題については将来の課題ではなくて現在の課題であり、将来の課題を絡ませて考えては、これはいけないんですね。つまり平成十二年の時点で都区制度改革はもう行われているわけで、そのときに積み残された課題を今議論をしているわけですから、将来の課題を絡ませてやるとおかしな議論になってしまうので、私はこの都区制度改革、今議論をされているこの主要五課題、東京都流にいえば五項目の問題というのは、そういう一つの縛りの中で議論をすべき問題だというふうに思っています。
そこでお伺いをするんですが、平成十二年に積み残したこの五項目、五課題の課題というのが、ことしは平成十七年で、平成十八年から新しい予算を組んでいくに当たっては、もうそろそろ妥結をしないと十八年度予算に反映ができないということになると思います。ですから、この五年間、一体何をやっていたのかなというのが率直な感想であります。つまり平成十二年に都区制度改革が行われたときに、それまでも長い年月をかけて、どうしていくのかということは議論をされてきたと思うんです。その議論の過程でいろいろなことがあって、私も当時区議会議員でありましたから、よく存じ上げているつもりですけれども、そこで平成十二年の法令改正をスタートしないと間に合わないというので、この五項目、五課題についてはとりあえず今回は棚上げをしておこうということだったというふうに記憶をいたしております。
ですから、本来的にいえば、平成十二年の都区制度改革が行われた後に、すぐにでもこの問題というのは都区の協議会の中で議論をしなければいけなかったと思うんですが、これがなかなか難しい課題で、今に至ってしまったということだと思います。その解決に至らなかった、現在でももめている原因というのは、東京都としてはどこにあるというふうにお考えになりますか。
○島都区制度改革担当部長 五項目の課題は、お話のように平成十二年の都区制度改革で課題にされたものでありまして、その後の経過につきましては、平成十五年の三月から都区検討会を設置いたしまして、二年有余にわたりまして検討し、それを受けまして、平成十七年の七月から、財調協議会におきまして都区で協議を進めているところでございます。
この協議を進める中で、今お話がありました十八年度というのが、清掃職員等の移管の問題を含めまして、合意形成に向けて進めていく段階に来ているというふうに考えております。十二年の改革によりまして、法的に基礎的自治体に位置づけられた特別区と、広域団体であります東京都が、それぞれ担う役割というものが自治法上明らかにされました。しかしながら、都区の共有財源であります調整税をいかに配分して、そのために具体的な大都市事務をどのように活用化するかという点で都区の見解が大きく異なっているというのが現状でございます。それについてはこれから十分協議をしていくつもりでございますが、その裏には、事務と財源が表裏一体に常にあるにもかかわらず、現在の区の主張を伺っておりますと、都が行っている事務を移管するというような表裏一体の関係に行うのではなく、財源のみを区に移すという話に終始しておりまして、それもおくらせている一因でないかというふうに私ども考えております。
○高木委員 東京都の理屈からいうと、そういうことになるんだと思いますね。区は、財源を区に移す話に終始をしているというご見解のようですが、ある意味でそれは当たり前の話だと思いますね。つまり平成十二年の都区制度改革の両者の合意事項というのは、清掃事業を初めとして、区に移管をする事務をそこで決めて、さて、それで財源をどうしますかというところで棚上げになったわけですから、話が。その財源について、区はその財源を保障してくださいと、基礎的な自治体としてこれからひとり立ちをしていくためにはそれが必要なんですよという議論になっていくのは、これは当然の帰結だと思いますから、財源の話はそこで出てくるんだというふうに思います。
むしろこの都区制度改革の主要五課題の課題について、私は、解決に至っていないのは、やはり何といっても東京都が大都市事務の範囲を限定をしないからだというふうに思いますよ。この大都市事務はどうあるべきか、どこまでが範囲なのか、そのことをきちんと整理をした上で、それに表裏一体となっている財源の問題に入っていかないと、まず制度論ありきでいかなかったら、この問題はなかなか解決をすることは難しいと思いますね。ですから、制度論として、東京都がどこまで請け負っていくのか、二十三区はどれだけの実力があって、どこまでの仕事ができるのかということをきちんと整理をしていくということが必要だと思います。
そこで常に出てくる話ですが、政令指定都市の事務が東京都の事務である、これも大都市事務の一部であるという議論は、私はこれはいかがなものかなというふうに思います。つまり政令指定都市というのは、これは市が特別に、人口だとか事業所の規模だとか戸数だとかということを、特例的に、そういう大きな市になったことによって府県の事務をできるようになるというのが政令指定都市の考え方ですから、逆に、東京都が自分たちで政令指定都市の事務まで、それまで全部私たちのものだよということに私は論理的に矛盾があるというふうに思います。政令指定都市の本来の姿ではそれはないと思います。ですから、東京都がいっている政令指定都市の事務まで大都市事務なんだよという、その理由は何なのかなというふうに思いますので、そこをもう一度確認をさせてください。
○島都区制度改革担当部長 政令都市の制度というのは、府県の事務に市の事務が、市の立場のものが入ってくると。ちょうど逆の立場が、東京都の広域団体が基礎的な部分に入ってくるということで、同じ大都市制度の正反対の仕組みのやり方だというふうに理解しております。
そういう大都市制度というものを踏まえた上で、大都市というような実態を考えてみますと、都と区が行う大都市事務の総体は、特別区の区域がどの政令都市をも上回る規模の人口集積、機能というようなことで、膨大な行政需要や税収の大きさから考えて、少なくとも政令指定都市の、制度ということではなく、その事務の水準以上を確保することがやはり大都市としての機能の維持発展のために必要だというふうに考えているのを理由としております。
したがいまして、そのような大都市の機能を維持発展していくために、都区の共有財源であります調整税等の大都市財源については、今申し上げました大都市の実態を踏まえた、大都市の維持発展を図るというような観点から活用すべきではないかというふうに私どもは考えております。
○高木委員 大都市の機能を維持発展させるために調整税をお互いどう使っていくかという議論をするのは、大変結構なことだというふうに思います。しかしながら、規模が大きいから、あるいは税収が大きいからといって、だから政令指定都市の事務まで大都市事務に含めるんだというのは、これはちょっと無理があると思います。百歩譲ってそれが東京都の正式な主張だとすれば、法律的な根拠はどこにあるんですか、これは。
○島都区制度改革担当部長 その事務の根拠につきましては、二百八十一条の二に定めてあります大都市行政の一体的、統一的観点から行うということが根拠になるかと思います。
○高木委員 都区制度改革にかかわる事務の仕分けについては、地方自治法の第二条と、今部長がおっしゃられた二百八十一条、これが根拠になると思うんですね。第二条はともかく、二百八十一条をつぶさに読み込んでいくと、そこまで拡大解釈をすべきものなのかどうかというのは、これは従来から議論があったと思うんです。制度改革のそれに伴う法令改正のときに国会でもいろいろと議論になっていますが、政令指定都市の事務まで東京都が請け負うべきだとは一切書いてないと思います。つまりこれは解釈の問題になっているんですね。ですから、解釈の問題として、二百八十一条で、東京都が政令指定都市の事務まで自分たちが請け負うことができるんだというのは、法律的にはこれは私は根拠はないというふうに思います。少なくとも根拠は薄いと思います。ですから、そこまで拡大解釈をして、政令指定都市の事務まで東京都がやるんだということで二十三区側とこの問題を議論をしていくとすれば、それはいつまでたっても平行線であるというので、それはこの五年間の実績が示しているというふうに思うんです。
ですから、そこで二十三区も東京都も、ではどこでこの都区制度改革をきちんとまとめ上げていくのかという、そういうことが問われているんだと思いますから、政令指定都市の事務まで東京都が全部やるんだということにかたくなにこだわることが、私はこれからの東京都の、先ほど部長がおっしゃられた大都市の維持発展に寄与するとはちっとも思いませんね。ですから、そのことをよくご認識をされた上で、都区制度改革のこの五項目の解決に向けて努力をされるべきだと、まず申し上げておきたいと思います。
先ほど、財源問題で財務局が出した「都財政が直面する課題」の冊子のことについては、他の委員の方が触れられておりましたので、割愛をさせていただきたいと思いますが、一点だけ申し上げますと、この三九ページに、先ほどもありましたけれども、調整三税の財源をすべて二十三区、特別区側に渡してしまうと、住民サービスの低下につながるんだという記述があって、先ほども問題になっていましたが、そういう考え方というのはやはり地方分権の考え方になじまないと思いますね。
例えば、私はこう思いますが、乳幼児医療の無料化の問題なんかは、区の方にやらせた方がはるかにサービスがいいわけですよ。現在、東京都は所得制限つきでこの乳幼児、児童の医療の無料化に対して施策を実行していますが、二十三区見てください。全部所得制限なしでやっていますよ。そのことをいうと、いや、二十三区は富裕なんだ、二十三区はお金があるからそういうことをやっているんだというふうにおっしゃられるけれども、そうじゃないですよ。二十三区の実態の中で、それだけ住民の皆さんから、少子化対策、子育て支援という中での乳幼児医療の無料化というのはニーズが多いんですよ。そのことを的確にとらえてやっているから、今二十三区では所得制限なしで全区でやっているじゃないですか。
そういう一つ一つの事例を見ていけば、こういう記述というのは当たらないと思いますよ。財務局のこの冊子のその部分については私は非常に違和感を覚えました。一面しか見ていませんよ、二十三区の実態を。ですから、そういう意味で、こういった都区の役割分担というのはいろいろな側面から見ていただきたいと思います。そのことについてもし何かご意見があれば、いってください。
○島都区制度改革担当部長 ただいま挙げられました三九ページの冊子の内容について、私どもの理解で申し上げますと、今先生がおっしゃいましたように、財源が移って、区がやる事業が非効率ということを申し上げているのではなくて、その財源が、例えば調整税が、財源が都から区に移管されたとすれば、都が特別区で行っています例えば地下鉄とかいろいろな都営交通とか、そういう都市ネットワーク、福祉サービスについては重複する部分がありますが、都が現実に大都市事務として行っています福祉サービス、そういうものについての財源が大幅に不足することになりますので、都が行っています具体的な都事業の、府県事務を含めまして、運営に支障が出るというような書き方がされていると思いますので、そういう意味では区の事業に関与した箇所ではないというふうに理解しております。
○高木委員 今の答弁も正確に聞いていると、非常におかしな部分があると私は、部長、思いますよ。例えば府県事務にまで支障を来すというお言葉がございましたが、調整三税は、これは府県事務に使っていいお金なんでしょうか。つまり府県事務は府県税があるわけですから、都税があるわけですから、そのことに使うというのが府県事務の原則なんじゃないんですか。それを調整三税まで手を入れて、そこにも府県事務も全部それでやるんだというのは、論理的に矛盾をしていると思いますよ。いかがですか。
○島都区制度改革担当部長 今申し上げましたのは、府県事務に影響がある、その府県財源を使って府県事務を行うという意味ではなくて、東京都が、それが都市部であれば、都市分が--東京都がやっている部分ですけれども、都市の財源で、ある意味では、府県の行政でいいますと、その都市の、その地域の実力なり規模にふさわしい支援の仕方がありますので、例えばそういう都市の財源で、あるところについては府県の行政としてはある程度引くことになりますから、それがそこにもし行くことになりますと、その分は府県財源で補てんをしなければならないということになったりしますので、間接的にそういう影響が出るということで申し上げましたので、直接だということであれば、そういうことではないということを申し上げておきます。
○高木委員 府県事務は、府県事務の範囲で府県税でやるという原則は確認をさせていただきたいと思います。それが地方自治の原則だと私は思います。
制度論のことばかりいっていると時間がなくなりますので、この五課題の全体について、私は今回初めての質問ですので、全体を質問させていただきたいと思います。
続いて、清掃の関係ですが、先ほども清掃の関連四経費の問題は出されておりました。清掃のいわゆる七百四十五億円、東京都の中に留保をされた。当時の金額で七百四十五億円、約五%というこの調整率の問題ですけれども、これは明らかに平成十二年の一月十四日の区長会の総会で、先ほども紹介をされておりましたけれども、当時の総務局長が、実際には調整率が五七%になるんだということをいい切っているわけですよ。ですから、何度もこの文章は議事録に残っていますからお読みになられたと思いますけれども、そういう事実が残っている中で、今この関連四経費について議論をされているという前提に立たないと、おかしな話になってくると思います。
この関連四経費は、幾つか今後の推移の中で聞いておきたいと思うんですが、平成二十七年、今から約十年後ですけれども、都が留保した七百四十五億円というこの金額は、ほとんど平成二十七年で東京都は負担をする必要のなくなる財源だというふうに思います。一番多かった、いわゆる都の既発債の償還費ですね、これもほぼなくなりますし、それから派遣職員の退職手当もなくなるということで、将来的にこれを東京都は二十三区と話し合いのもとで、この七百四十五億円をどうしていくのか決めていくような、そんなお話になっていますけれども、実際、これは二十七年で負担をすべき金額はなくなっていくわけですから、東京都はこの七百四十五億円をどうしようというふうに考えていらっしゃいますか。
○島都区制度改革担当部長 今お話がありました平成二十七年というのは、起債のちょうど償還の日がその年度で終わるということで、その年度をお話しされたんだろうと思います。
この経費につきましては、財調外に、そこのやりとりについては五%に相当するということから、それを五二に五を足して五七というような議論もその後なっていったというのは承知しておりますけれども、そういう経緯も含みながら、清掃事業の移管時に、ごみの収集や焼却処分などの清掃事業に必要な経費、千二百八十七億円の財源というのは、現に清掃事業の運営に必要なものですから、移されたものでございます。
その際に、おおむね工場が平成十一年度以前に建てられた工場経費であったものですから、そういうものに伴います債務ということで、役所の言葉では起債償還費というふうにいっておりますが、それを中心にした七百四十五は実額として引き続き都が負担することにいたしました。たまたまそういう経緯もありまして、課題ということで認識しておりますが、都が負担している四経費のうち、例えば都の今申し上げました起債償還費については、財政運営上、一般財源であればこういう措置はとれなかったんですが、施設の耐用年数、世代間の負担の公平というようなことから、いわゆる起債を起こしました。そのための債務の返済金でありますし、そのためには名義の書きかえができないこともあって、区への引き継ぎが困難だということで、実額負担したものというふうに考えております。そういう意味では、実額負担をしておりますので、四経費すべてが区の財源に移されるものというふうには都の方は考えてはございません。
なお、都が負担している四経費とは別に、灰溶融の処理施設、ごみの減量化を進めますそういう経費なり、清掃工場の建てかえ経費など、今後の区の清掃事業に必要な経費については、都としても適切に需要に算定すべきものだというふうに考えております。
○高木委員 灰溶融施設の建設費、それから建てかえ、そのことについては適切に算定をすると。何で算定をするという話になるんですかね。地方分権の時代において、清掃事業は二十三区に移ったんじゃないんですか。清掃工場の運営、それから最終処分場の処理、そういったことに対しては一部事務組合が請け負ったわけですよね。東京都がそこにこれからもずっと、要するに算定をするという考え方で介入をしていく必要というのは、私は基本的にないと思います。なぜ算定をするという考え方になるんですか。
○島都区制度改革担当部長 その算定の考え方でございますが、財政調整制度は都区間の財源配分を決めると同時に、区間の財源調整も行っていると。そういうことで、現状で申し上げますと五二%の、区に配分されるときに調整の必要上から、需要算定というのが技術的に調整の仕方として、二十三区が均一的に行政を行うために必要だということで、技術的にそういう制度になっているものですから、それで算定ということを申し上げているものでありまして、それは決して広域団体である東京都が区の事業に関与といいますか、かかわりを持つという性質のものではございません。あくまでも算定といいますか、財政調整上の必要な手続というふうにご理解いただければありがたいかと思います。
○高木委員 将来にわたっての二十三区間の調整のことも含めて議論をしていくと、これは果てしなくなりますので、一番最初にいったように、五課題をどう解決していくのかということに限っていただきたいと思うんですね。ですから、調整を、算定をするということは、清掃事業はもう二十三区に移ったんだ、二十三区は自分たちでやるし、できるというふうにいっているわけですから、もうそういう考え方をやめた方がいいと思うんですよね。ですから、この七百四十五億円の、東京都が必要なくなる経費についてどうしていくんですかという質問なんですよ。
○前田行政部長 ただいま算定という言葉をめぐってご意見をちょうだいしておりますが、特別区が行う個々の事業に東京都が口を出して、これはいいだの、これは悪いだのという意味の算定ではございません。前回の法律改正で、財調制度については財調交付金とは何かという規定がありまして、特別区がひとしく行うべき事務を遂行することができるよう都が交付する交付金であるというふうに定められております。先生お話しのように、清掃事業は特別区の方に移りましたので、今後、平成十二年度以降は区のひとしく行うべき事業ということになっております。したがって、それに必要な経費を財調制度の中で算定していきますという意味でありまして、ここの施設がどうの、ここの事業がどうのと、こういう意味で使っているものではありませんので、そこはご理解いただきたいと思います。
○高木委員 その部分はわかりましたのでいいんですけれども、先ほどからいっているように、留保した七百四十五億円は、ではどう使っていくんですか、これ。東京都側は、二十三区に需要がなけりゃ、これは出しませんよという話をしているんでしょう。二十三区は灰溶融炉、それから建てかえ、そこにこれを使いたいんだといっているわけです。ですから、留保した額がもう必要がなくなるんだから、二十三区側がそれをそのまま、これは積み残しになっている課題なんだから、丸ごと渡してくださいよというのは当然だと思いますけれども、どう思いますか。
○島都区制度改革担当部長 その七百四十五億円については、先ほど申しましたように、そのまますべてが区の財源に移るものではなく、やはり先ほどの技術的な問題を含めまして、将来的なり現時点でのそういういろいろな施設の運営経費ということで、需要として適切にあれば、それは組み入れていくべきだというふうに考えております。
○高木委員 需要として適切に組み入れていくという考え方が間違っていないでしょうか。つまり七百四十五億円はもともと五%なんだと。実際の調整額は五七%になるんだというところから出発をしているわけですから、これは留保された金額なわけですよ。ですから、これから東京都が負担する経費が縮小していく中でこれをどうしていくかというのは、まさに東京都がそれをどうしていくのかということを決めるのではなくて、二十三区側が決めていくべき問題だというふうに思うんです。ですから、そこが私が聞きたいところなんです。七百四十五億円を東京都はどうしようとしているんですか。
○島都区制度改革担当部長 その七百四十五億円はそういう意味では実額で、そのまま額として財調外で負担しているということで考えていますので、それがたまたま、換算率としてちょっと申し上げたというふうに記憶しているんですけれども、それが五%に当たるからということで五七という数字が出ているんですが、それはあくまでも財調の率の中に換算するというふうには考えておりませんで、そういう意味ではスタート論には立っていないということでございます。
○高木委員 スタート論に立っていないといわれてしまうと、先ほど引用しましたので、もう一度引用するのは控えますが、その当時の、平成十二年一月十四日の区長会の総会の総務局長の発言は、五七%なんですよといい切っているわけですよ。だから、特別区側はそういう認識を持っていますから、今部長がいわれたようなお話でありますと、これまたずっと平行線で今まで来てしまったということなんですね。ですから、そこの確認をきちんとしておかないと、この清掃の経費の問題もやはり妥結をするわけにはいかないということになるでしょうね。そういう意味で、東京都はこの特別区制度改革を解決する気持ちがあるのかどうかというところを、みんなが疑いのまなざしである意味で見ているわけですよ。
私は、この七百四十五億円というのが、東京都もこれから経費が要らなくなってくるということであれば、あるいは東京都が主張しているように、二十三区は需要算定をきちんとして、お前ら、需要算定がないじゃないかというんだったら、七百四十五億円が浮いてくるわけですから、それは減税をして区民に返すべきじゃないですか、両方ないんだったら。だけれども、これは需要があるからいっているわけですよ。灰溶融施設、清掃工場の建てかえ、そういうものはいろいろ出てくるわけです、これから。そういう中で、留保をした七百四十五億円を東京都はどういうふうに使おうとしているのかというのは、特別区側にとっては極めて重要な課題だということを申し上げておきたいと思います。
続いて、学校改築経費なんですけれども、東京都が考えている学校改築経費の標準算定額というのは一校当たり大体十五億円、十五億三千万かな、資料によると。と思いますが、先ほどもお話があったように、実態とはかなりかけ離れているということです。この東京都の考えた標準算定額というのは、いつの時代の算定額なんでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 算定の標準算定額で総額で申し上げますと、例えば小中学校等の改築に要する経費についての財調の算定額は、例えば校舎は耐用年数が五十年というふうに財務省令等で決まっている点もありまして、所要経費額の五十分の一を毎年度算定するという形になっております。その際に基礎数値になります改築単価でございますが、現在の改築単価は、平成十年度に都の予算単価を参考に見直した額がベースになっておりまして、その後は現下の経済状況等がありまして、資材費や建設労務費等の変動を反映した上で、この点については毎年都区協議の中で単価を決定しているものでございます。
今回の五課題の協議の中で都区双方が示しました校舎の改築単価については、都側は実態調査、これは都区双方で調査を行ったんですが、この実施年度であります平成十五年度の財調単価、二十二万六千八百円を用いているのに対して、区側は、その調査のときに、実態調査結果による平均単価の最も近い金額として平成九年度の財調単価、三十五万五千五百円を主張しているという状況でございます。
○高木委員 この問題は余りにかけ離れ過ぎていてどうにもならないんですね。東京都が一校当たり約十五億三千八百万円、区の実績は三十二億四千六百万円ということで、倍以上は違うことになっているわけですね。
今部長がお答えになられましたけれども、五十分の一ずつ財調に算定していた。体育館は四十分の一ですよね。プールが三十分の一。トータルで標準算定で幾らと、各区の事情に応じて出していたと思うんですよ。この改築のピークが平成三十五年に訪れるという中で、校舎については基本的に五十分の一ずつ算定をされてくるわけですから、間に合わないわけですね、改築をしようとしても。例えばどこどこの区に改築をすべき学校があると。しかし、五十分の一ずつだから、結局五十年間待たないとトータルの金額にはならないということになると思いますが、そもそもそういうやり方で標準算定という言葉でいえるんでしょうかということだと思いますね。どうですか。
○島都区制度改革担当部長 これは都区の財政調整制度がある関係で、どこを基準に置いて算定していくのかということになりますと、具体的な数値とは別に、一種の基準値を設けなければならないというようなことがありまして、基準値を設けながら、いわゆる標準的な経費を出しながらやっていくということは、制度上やむを得ないことになってくるかというふうに思っております。
現在、もう一つは、将来需要ということで、それをどういうふうにするか、現実的な標準と同時に、実際にかかる経費というのはそれが発生したときになりますので、その時間的な差異の問題も当然出てきております。そういう意味では、将来需要というのを標準的な経費と、それから時間的な差異を含めてどう把握していくのか、それに対して事前にどう対応していくのかというのは非常に難しい問題でございます。現在、小中学校の改築経費については、財調協議会において具体的な議論をそういう点も含めて行っておりまして、都としては、少子化の進展など、学校数の動向を見きわめる必要もありということで、先日、新たな資料も区側から提出もされました。
また、私どもとしては、今先生からご指摘のありました特に単価の問題につきましては、学校に限らず、これからの更新があるということになれば、単に現実の価格でなく、節減に努める必要もあるだろうというふうに考えています。そういう意味では、コスト的な面でも十分精査する必要があるというふうにも思っています。
そういうような将来需要をどう見込むのか、また、単価は実勢といいながらも、具体的に節減的な要素も含みながらどうあるべきかといったような観点から、将来的な、先ほど申しました改築需要にどう対応していくのかということで引き続き協議は進めていくというふうに考えております。
〔委員長退席、鈴木副委員長着席〕
○高木委員 学校の改築については、かつて単位費用化で一校当たり幾らで算定をされていた時代がありましたね。それが財政需要がどんどん大きくなってくる中で、毎年分割でというか、そういう形でやらざるを得なくなった。その事情はその事情として、しようがないと思いますよね。ですから、そういう中で一番問題なのは、単価基準が東京都と二十三区の考え方が倍以上違っているというところだと思いますから、その部分についてはよくお話し合いをしていただく以外ないと思いますけれども、どうしたら解決をすることができるのかということをぜひ考えていただきたいと思います。
東京都として、その解決策をどう見出していくのかというその方針があれば、ぜひ披瀝をしていただきたいんですが、それとともに一つだけ申し上げておきたいのは、学校の統廃合の問題に今触れられましたけれども、二十三区が統廃合に、各地域で、私の地元の北区もそうですが、一生懸命頑張っています。地域事情や何かを考えると、学校統廃合というのはなかなか大変な仕事なんですね。ですから、この大変な仕事をやっている二十三区は、その統廃合を通じて、新しい学校をつくっていくということも考えるでしょうし、改築も考えるでしょうし、いろいろなプランの中で今やっておりますので、そういう努力を正当に評価をしていただきたいと思いますね。それに続いて裏づけで出てくるのがやはりこの改築経費の問題だと思いますから、ぜひこれは、もう既に学校改築も統廃合も進みつつある課題ですから、そのことに対して東京都はきちんと解決策を見出すというその努力をしていただきたいと思いますが、その方針があれば披瀝をしてください。
○島都区制度改革担当部長 まだ方針ということまではいかないで、そういう意味ではちょっと姿勢ということでお話し申し上げますけれども、この学校改築の問題は、そういう意味では平成十二年に始まったことではなく、平成五、六年からずっと続いておりまして、それは将来的に、いわゆる昭和四十年代に整備されました校舎がちょうど改築年--校舎だけじゃないかもしれませんけれども、そういう問題がある中で、財源的な措置をどうするのかということで、そういう意味では平成十二年の改革の前から大きな議論になっていまして、なかなかそういう意味では深い問題であると同時に重要な問題で、一朝一夕に、十八年だからということですぐ結論が出るのは難しいかと思いますが、そういう意味では、都区双方で協議会を含めまして、私ども部長クラスと助役との間で協議会を設けておりまして、そういう意味ではお互いに知恵を出しながら接点を求めることをできる限り努力していきたい。十分そういう重要性は認識しておりますので、努力していきたいということだけ申し上げて、抽象的な答弁で申しわけありませんが、姿勢だけは強調していきたいと思っています。
○高木委員 改築経費の問題については、今後進んでいくであろう協議会の中でぜひ双方知恵を出し合って、一日も早く歩み寄りをして、そして改築ができるような、その環境を整えていただきたいというふうに思います。
続いて、都市計画交付金のことについてお伺いしますが、「都財政が直面する課題」の五二ページに、都市計画交付金というのは二十三区に対しては奨励的補助金という書き方をされているんですね。地方分権の時代で、二十三区も東京都も基礎的な自治体としては対等の関係であるというふうに私は思いますが、奨励的補助金というのはどういう意味なんでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 この奨励的補助金というのは、都市計画交付金なんですが、義務的に区の事業に交付するものではない、義務的な補助金でないという意味で、財務局の見解として奨励的補助金というふうに述べたものと理解しております。
○高木委員 奨励的というのは、これだけ事業をやったからこれだけ出しますよ、都市計画をもっと進めてください、道路をもっとつくってください、まちづくりをもっとやってくださいという意味で、いわゆるどんどんやってくださいよという意味で出しているというふうに私はとれるんですね。そういう東京都と二十三区の関係ではいけないと思いますよね。対等じゃないですよ、これは。奨励的なんといういい方はよくないと思いますね。それぞれがこれは独自の財源なんですから。都市計画税というのは、もともとこれはいわゆる基礎的な自治体の、末端の自治体の税金であるわけですから、それは東京二十三区は特殊事情で今までも都税ということになっている。その歴史的経緯は歴史的経緯として踏まえますから、それはそれでいいんですけれども、しかし、平成十七年の特別区への都市計画交付金が約百六十億円、全体の約八%にしかすぎないというのは、どう考えても、もともと市町村税である都市計画税が、私は東京都に過剰に使われているというふうに考えます。東京都はどういうふうにこの点は考えていらっしゃいますか。
〔鈴木副委員長退席、委員長着席〕
○島都区制度改革担当部長 この都市計画税につきましては、平成十二年の改革のときも、今現在調整三税になっています固定資産税とともに、他の地域では市町村税になっておりますので、どういうふうにするかという扱いについても議論が都区間で行われました。その際、特別区の区域においては都市計画税が都税とされておりますのは、今までの経緯があるんですが、特別区の区域内におきます都市計画事業については、大半を都が実施していたということと、それから大都市の一体性、統一性を確保するということで使われるということから、都税に位置づけられたものでございます。これは都区制度改革時の国の見解もそうなっておりまして、都の見解も同様であるというふうに申し上げておきたいかと思います。
○高木委員 東京都が都市計画交付金を交付をする条件というのが、対象事業というのが六事業ありますよね。例えば都市計画公園の整備なんというのは、面積が二ヘクタール以上十ヘクタール未満というように規定をされていますけれども、それ以下の公園というのも実は二十三区では、当然土地がそんなにたくさんあるわけじゃないですから、本来的にいえばこういうのも都市計画税を使い、都市計画交付金で、例えば一ヘクタールの公園、五千平米の公園、そういうのだって本当は使いたいわけですよ。だけれども、それが実はそういう対象事業に入っていないから、財調で算入します、財調で補てんをしますというわけですよね。一見それは財調で算入をしていただければいいのかもしれないけれども、しかし、財調財源というのは調整三税ですから、本来的にまちづくりに使うのは都市計画税だという議論が私は起こるべきだというふうに思っているんですよ。その点についてはどうお考えになりますか。
○島都区制度改革担当部長 先生のお話は財源の性格の問題とも関係してくるんですが、私どもの制度的に見ますと、財政調整交付金というものは、その事業の内容として特別区がひとしく行うべき事業に対応できるように算定し、交付するものだというふうに位置づけまして、特別区が行います例えば都市計画事業については、臨時的、特例的な大規模事業ということがありますので、それについては都市計画交付金で対応して、今もお話がありましたが、それ以外については特別区がひとしく行う事業の一つとして財調算定をするということで、二つの制度によりまして区の財源保障がなされるというふうに考えております。
○高木委員 今公園の例を出しましたけれども、例えば公園をつくるときに、それが都市計画交付金で行われれば、財調財源を使わなくていいわけですから、ほかのところに使えるわけですね、財調財源は一般財源ですから。ですから、そういうことも含めて、この都市計画交付金の問題というのは、二十三区のこれからの、本当に先ほどから繰り返しいわれているような一体的な発展、大都市東京としての基盤整備、社会資本の整備、そういうことに対してもっともっと二十三区が自由に使えるような財源にすべきだというふうに思います。ですから、都市計画交付金の問題というのは従来からずっといわれてまいりましたけれども、二十三区がもっと自由に使える財源として東京都はこの制度をもう一度見直すべきだと思いますので、ご検討をしていただきたいと思います。
長くなりますので最後になりますが、総括としてぜひこれは局長にご答弁をいただきたいと思いますが、積み残しになっている、今るる申し上げましたけれども、主要五課題、東京都流にいうと五項目、このいい方の差というのも、どうも二十三区と東京都の立場をあらわしているのかなというふうに思いますが、東京都と区が、双方が一日も早くこれは解決をしなければいけないというふうに思います。解決のための一つの視点として、これからの地方自治はどうあるべきかという理念に基づいて現実に対処していくことが私は必要だというふうに思います。さらに申し上げれば、その理念とともに、地方自治法の法律の趣旨にのっとって、法律の理念とその目指すところを十分理解をした上で、お互いがお互いの主張に対して真摯に耳を傾けるべきであると私は思います。そういうことを踏まえた上で、一方の当事者としての東京都のこの問題に対する解決の決意をぜひ述べていただきたいと思います。
○高橋総務局長 都区制度改革、また具体的に主要五課題についての非常に広範な、重たい課題につきまして、幅広いご意見、また質疑をさせていただきました。
主要課題の解決に向けた局長としての姿勢ということでございますけれども、東京の将来を見据えまして、今後とも都区が協力をして東京の発展に取り組んでいくためには、現在都区で鋭意協議をしております課題の解決、申し上げるまでもなく大変重要な課題であるというように認識をしております。
また一方で、地方自治を取り巻く社会経済状況が大きく変動していく中で、今後、抜本的な自治制度の改革が求められているという状況もあるというふうに認識をしておりまして、東京の行政を担う都と特別区は、新たな関係の構築に向けまして根本的な議論を進めていく必要があるというふうにも考えております。
さきの第三回定例都議会におきまして、野村幹事長の代表質問に石原知事がお答えをしておりますけれども、今後、こうした議論を進めていくためにも、お話のありました現在協議中の小中学校の改築経費など、具体的な課題につきましては、今年度中の合意形成に向けまして精力的に、また真摯に協議を進めていきたい、このように考えております。
○橘委員 私からは、監理団体改革について伺います。
東京都はこれまで危機的な財政の再建を目指して精力的に行財政改革を進めてこられました。この改革の大きな柱の一つとして実施してきた監理団体改革については、これまで我が党の諸先輩の営々とした取り組みもあって、着実に進展してきたものであると思います。
監理団体の問題については、一部には東京都の天下り団体と決めつけるばかりで、きちんとした理解がされていない向きもあるように思いますが、私は、監理団体についてはこうした一方的なとらえ方ではなくて、各団体の事業の一つ一つの必要性などの検証を踏まえて、各団体の存在意義について、民間の視点も入れた上で議論していくことが必要であろうと考えております。また、我が党ではこれまで、行政改革というのは継続的な努力が必要であって、監理団体についても不断の見直しを行い、整理統合を進めていくべきであると一貫して主張してまいりました。こうした立場から、今後の監理団体改革をどのように進めていくかという点について、何点かお伺いしたいと思います。
まず、確認の意味でございますけれども、石原知事就任後、これまでの監理団体改革の経過についてかいつまんでお伺いしたいと思います。
○関行政改革推進室長 石原知事就任後の行革の経過でございますけれども、平成十一年七月に、監理団体のあり方を見直すために、監理団体総点検を実施することとし、民間の経営者を中心とした東京の問題を考える懇談会外郭団体専門部会での検討を踏まえまして、平成十二年十一月に監理団体改革実施計画を策定いたしました。本計画を通じまして、団体の統廃合や都財政支出、役職員数の削減等の目標を設定し、厳しい進行管理を行うなどの取り組みを行ってきたところでございます。
その後、平成十五年十一月に第二次都庁改革アクションプランを策定いたしまして、さらなる都財政支出及び職員数の削減とあわせて、利用料金制の導入など、自立的経営に向け誘導策を講じることとし、現在、改革を進めているところでございます。
○橘委員 経過についてはよくわかりました。
次に、これを踏まえて、監理団体の経営体質を強化するために、東京都としてはこれまでどのような手法を用いて指導を行ってきたのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○関行政改革推進室長 監理団体の経営改善を進めていくためには、団体みずからの経営改善を促していくことがポイントでございます。そのための重要なツールとして経営評価制度を定め、これによって監理団体の体質強化を進めてまいりました。
本制度は、監理団体の実施している事業等について、事業成果や財務指標など、全体で約四百項目の目標を設定し、その達成に向けた取り組みを促すものでございます。年度終了後には、副知事をトップとした監理団体改革推進委員会に付議した上で、目標の達成状況を評価し、翌年度以降の団体改革の取り組みに活用しているところでございます。
また、評価の詳細につきましては都議会に報告させていただき、都民にも公表するなど、客観性を担保して事業を進めているところでございます。
○橘委員 ただいま答弁にございましたけれども、目標を立てて、そしてそれの達成状況を評価するというこの手法は、非常にいい手法だと私は考えております。
先日、大阪市が監理団体改革を本格的に実施するという、そういった内容で、現在の六十六団体を二〇〇七年度までに二十二団体削減するという、そういった新聞の報道がございました。また、ほかの自治体においても、例えば横浜市では、二〇〇二年度に五十六あった団体を四十八に削減するといった、そういうような取り組みも行っているといったこともお聞きしております。
さも何か大きな改革を初めてなし遂げるような、そういった印象を受けたんですが、東京都では平成十一年以降、強力に監理団体改革を進めてきたということでありましたけれども、改めてこれまでの実績について、ある程度数字的な面から説明をいただければと思います。
○関行政改革推進室長 まず、監理団体の数についてでございますけれども、平成十一年度では六十四団体ございましたが、二十一団体削減し、現在四十三団体となっております。
また、都財政支出につきましては、十一年度予算で二千七百四十一億円に対しまして、十七年度予算は千四百三十六億円の削減を行ったところでございます。
団体の職員数につきましては、十一年度の職員数九千五百五十二人に対しまして、十七年度、今、二千五百二十五人の削減を行っております。そのうち、都派遣職員につきましては、十一年度派遣職員数四千五百九十人について、千八百四十七人の削減を行っております。十七年度につきましては、第二次都庁改革アクションプランにおける十七年度数値目標をすべてクリアしており、十八年度目標の達成に向けて経営改革に取り組んでいるところでございます。
○橘委員 今答弁していただいた数字を見ますと、東京都として本当に大胆に切り込んでいっているなという感じがいたします。こうした都の地道な取り組みについては一定の評価をしたいと思います。
一方で、私先ほど冒頭で申し上げましたけれども、監理団体は天下り団体という見方をされる場合も多々ございますけれども、そこで、役員や職員の給与、それから報酬といった待遇面について、これまで東京都としてどのような改革を行ってきたのか、この点について説明をお願いします。
○関行政改革推進室長 これまでの役職員の待遇面につきましては、総人件費を抑制するとともに、業績等が的確に反映される人事給与制度を導入し、団体の自立的かつ効率的な運営を進め、役員や職員の職務意欲向上へのインセンティブを高める取り組みを推進してまいりました。
具体的には、役員退職金の廃止、役員報酬基準の見直し等による役員報酬の削減、平成十一年度比で約二〇%の削減を行っております。また、役員の業績評価結果の報酬への反映、さらに、一般職員につきましては、都と横並びの給与制度の見直しを行っております。また、所管局長が団体トップを兼ねるなどの役員の当て職廃止の取り組みなどを実施してまいりました。
○橘委員 今の答弁にありました待遇面の改革については、我が党も強く主張してきたことであり、これを高く評価したいと思います。
次に、先ほど私、大阪市と横浜市の取り組みを一つの例として挙げましたけれども、こうした自治体と比較して、東京都がこれまで、またそして現在もですけれども、取り組んでいる東京都のこの監理団体改革、この辺について、他の自治体と比較した場合ですけれども、どのように考えているか。これは感想といった形でお伺いしておきたいと思いますが、どうかよろしくお願いします。
○関行政改革推進室長 他の自治体の監理団体とは考え方がそれぞれ若干違いますので、一概に申し上げられませんけれども、公表されております資料などによりますと、例えば平成十一年度と現時点での団体数の比較をさせていただきますと、大阪市は七十八団体から六十七団体へと十一団体、約一四%の削減となっております。横浜市につきましては、六十団体から四十八団体へと十二団体、約二〇%の削減をしているところでございます。
一方、同じ時期に、東京都につきましては、六十四団体から四十三団体へと二十一団体、率にいたしまして三三%削減してきており、二都市を上回る団体数の削減を図っております。
このほか、経営評価制度に基づく役員報酬への反映など、他団体にはない独自の取り組みを実践しているなど、監理団体改革は進んでいるものと考えております。
○橘委員 今お話がありましたように、東京都が他の自治体とは違った独自の手法で成果を残しているということでございましたけれども、知事及び与党が監理団体改革を強力に進めてきた結果でもあろうかと思います。しかし、郵政民営化に象徴されますように、民間でできることは民間に任せるという大きな流れもありまして、東京都が実施している先進的な監理団体改革をさらに精力的に進めていくことが必要であろうかと思います。
我が党はさきの第三回都議会定例会の代表質問で、行財政改革に当たっては、すべての事業において、そのサービスが本当に必要かどうか、それから行政と民間ではどちらが効果的かという事業の仕分け作戦を展開し、大胆な歳出削減をすべきであると提案いたしました。こうした事業の見直しは都の事業だけではなくて、監理団体の事業についても同様に求められるものであると思います。
監理団体の経営改革については、先ほどの答弁によりますと、経営目標の達成度評価制度を活用しているとのことでございましたけれども、この制度は、団体の単年度の目標を定めて、その達成に向けた取り組みを促していくというやり方であると私は理解しております。しかし、これはあくまでも単年度の経営改善の進め方であると思います。民間企業などを見ますと、単年度ごとの計画や目標は当然ありますけれども、大体三年から五年というスパンを見て、経営の見通しや計画を立てて、その目標の達成に向けて、毎年どのようにしていくかという経営管理を行うのがほとんどであるかのように思います。
そこで、監理団体においても、民間企業のこうした取り組みを参考にして、中長期の視点に立った経営改革を進めていくべきではないかと考えますが、所見を伺います。
○関行政改革推進室長 監理団体が中期的な経営の見通しを立てて経営改革を進めていくことは極めて重要でございまして、団体みずから中長期的な課題や一般経済市場、業界の動向等を分析、把握しつつ、経営方針や経営目標を策定し、戦略的に団体経営に取り組むべきと考えております。監理団体を取り巻く環境が大きく変化している現在においては、一層その重要性が高くなっており、ご指摘の趣旨を踏まえまして、監理団体の中期的な視点を持った経営への誘導策を検討してまいります。
○橘委員 ただいまの件、どうかよろしくお願いいたします。
監理団体を取り巻く環境は大きく変化しておりまして、また、都政を取り巻く状況についても、団塊の世代の大量退職など、いわゆる二〇〇七年問題も抱えております。こういった中で、監理団体もその影響は避けられないと思います。したがって、これまで以上に多角的、多面的に監理団体の改革を進めていく必要があると思います。
こうした状況を踏まえまして、最後に、今後の監理団体改革を進める局長の決意をお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○高橋総務局長 監理団体でございますが、民間の資金や経営ノウハウを活用しながら、事業を効率的、弾力的に実施をいたしまして、都民サービスを維持向上させるために設立をしているものでございます。こうした監理団体につきまして、ご答弁申し上げましたように、これまで統廃合やあるいは都財政の支出削減等、改革を進めてきておりまして、大きな成果を上げてきているというふうに考えております。しかし、一方で、公の施設への民間事業者の参入など、いわゆる民との競争が激しくなってきております。一層経営体質の強化を図っていくことが急務の課題となっているというふうに考えております。また、都職員の大量退職など、大きな変革期にありまして、団体が東京都に人的に、財政的に依存しない、自立した経営の確立、こういうことが大変重要であるというふうにも考えております。
こうした環境の変化を踏まえた上で、監理団体の存在意義、公共性の発揮を改めて検証いたしまして、団体のあり方を見直していきたいというふうに考えております。その上で、ご指摘の趣旨等も踏まえまして、中長期的な経営改革の取り組みを進めまして、団体経営の戦略的な展開を促進しまして、効率的な経営のさらなる推進と公共性の発揮により、都民に一層貢献できる監理団体へと改革をしてまいりたい、このように考えております。よろしくお願いいたします。
○橘委員 以上であります。
○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会します。
午後七時二十四分散会
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