総務委員会速記録第十号

平成十七年九月二十九日(木曜日)
第一委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十五名
委員長山下 太郎君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長増子 博樹君
理事吉倉 正美君
理事吉原  修君
理事古館 和憲君
後藤 雄一君
宇田川聡史君
高木 けい君
橘  正剛君
倉林 辰雄君
桜井良之助君
比留間敏夫君
柿沢 未途君
田中  良君

 欠席委員 なし

 出席説明員
総務局局長高橋  功君
危機管理監島田 健一君
理事石川 俊一君
理事人事部長事務取扱大原 正行君
総務部長荒川  満君
行政改革推進室長関  敏樹君
IT推進室長永田  元君
首都大学支援部長影山 竹夫君
主席監察員相上 孝司君
行政部長前田 信弘君
多摩島しょ振興担当部長清宮眞知子君
都区制度改革担当部長島  博文君
特命担当部長松崎  茂君
総合防災部長中村 晶晴君
情報統括担当部長高橋 尚之君
局務担当部長高橋 興一君
勤労部長渋井 信和君
法務部長中村 次良君
統計部長須々木亘平君
人権部長田村 初恵君
選挙管理委員会事務局局長渡辺日佐夫君

本日の会議に付した事件
 意見書について
選挙管理委員会事務局関係
付託議案の審査(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)の報告及び承認について
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十四号議案 東京都組織条例の一部を改正する条例
・第百六十五号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十六号議案 東京都公立大学法人評価委員会条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・平成十六年度東京都監理団体経営目標の達成状況・経営実績 平成十七年度東京都監理団体経営目標の設定状況について
・平成十七年七月二十三日千葉県北西部地震等について
・東京都国民保護計画(素案)について

○山下委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員からお手元配布のとおり、意見書一件、提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りをいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○山下委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局及び総務局関係の付託議案の審査並びに総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した平成十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)の報告及び承認についてを議題といたします。
 本件については、既に説明を聴取いたしておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○山下委員長 これより総務局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百六十四号議案から第百六十六号議案までを一括して議題といたします。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○山下委員長 次に、報告事項、平成十六年度東京都監理団体経営目標の達成状況・経営実績、平成十七年度東京都監理団体経営目標の設定状況について外二件に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 平成十七年七月二十三日千葉県北西部地震等についてということで質問をさせていただきたいと思います。
 このところ、非常に地震や集中豪雨、自然災害が続いているわけです。特にこの七月の千葉県北西部地震では、都内の足立区で震度五の大きな揺れが観測をされました。被害が少なかったことは不幸中の幸いですが、交通機関の混乱など、都市機能の弱さを露呈したともいえます。
 南関東における直下型地震の切迫性が指摘されている中で、最近繰り返し発生している地震に対する都民の不安というものは、募るばかりというところだと思います。内閣府が今月二十六日に発表しました地震防災対策に関する世論調査でも、十年以内に大地震が起こる可能性が高いと思うという非常に、八年前に比べますと倍ぐらいの、大地震、きょうにでも来るのでないか、こういうような不安が募っているところだと思います。
 都は、今回の地震を貴重な教訓として、今後の震災対策にどう生かしていくべきか、震災対策に関して何点かお伺いをしてまいりたいと思います。
 まず最初に、今回の地震と被害の特徴について伺います。

○中村総合防災部長 まず、地震についてでございますけれども、この地震では、二十三区内で十三年ぶりに震度五を観測したものでございます。また、政府の地震調査委員会の見解では、千葉県のほぼ同じ場所で二十五年ごとに繰り返す地震の可能性が高いという報告が出されてございます。
 次に、被害でございますけれども、被害につきましては、人的被害は幸いにも軽症者十九名と軽微であり、建物の被害も火災二件のみでございました。しかしながら、先生がおっしゃいましたように、交通機関の運行停止やエレベーターの閉じ込めなど、都市型災害が顕著にあらわれたということが特徴でございます。

○鈴木委員 今回の地震について、マスコミ報道などで、政治経済の中枢が集中している東京で都市型災害がまさにクローズアップされたわけですが、その具体的な内容と、被害はどうであったのかお伺いします。

○中村総合防災部長 鉄道、道路、エレベーターについてご説明したいと思います。
 まず、鉄道でございますけれども、JRや地下鉄などの鉄道機関が停止いたしまして、すべての運行が復旧いたしましたのは、地震発生から約七時間後でございました。このためにターミナル駅では、一時間以上の運行の再開を待つ乗客が首都圏で約百四十五万人に上っておりました。
 次に、道路でございますが、首都高速道路も、震度五強という観測で全入り口が約二時間閉鎖されております。
 また、エレベーターでございますが、エレベーター協会の調査によりますと、都内の十二万三千台のエレベーターのうち三万九千台が停止し、そのうち四十二台のエレベーターで閉じ込めが発生しております。閉じ込めからの救出にかかった時間でございますが、通報後、平均約五十分で、最長百七十分でございました。

○鈴木委員 そのような都市型災害のうち、ここではエレベーターの閉じ込めと鉄道の運行停止についてお伺いをしたいと思います。
 火災がなかったため大事には至らなかったわけですが、エレベーターの閉じ込めは、何としても解決をしていかなければならない課題だと考えております。
 エレベーターには、地震の際に作動する安全装置がついていると思いますが、その装置は地震の際にどのように働くのか。また、閉じ込めがあった場合にどのように救出をするのか、お伺いをいたします。

○中村総合防災部長 地震で最も有効に働くのは自動管制装置でございまして、これは全体のエレベーターの約七割についてございます。これは、揺れを感知いたしますと最寄り階で自動的に停止いたしまして、扉が開放するようになっている装置でございます。
 また、閉じ込めでございますけれども、それでは全くすべて安全かというと、そうではございませんで、今回の場合でも、閉じ込めのあったエレベーターの四十二台中四十一台にはこの装置がついておりましたけれども、閉じ込めが発生しております。この装置が働く前に、別の緊急停止装置、つまり、途中で揺れによってドアが一瞬でもあいたという状況になりますと、それを感知して緊急停止をするという装置が別についてございますので、これが作動したために四十一台がとまったということでございます。
 そのほか一台は、管制装置がないエレベーターでございましたが、これはエレベーターのかごが揺れまして、物理的に壊れて停止したために閉じ込めが生じたものでございます。
 それから、エレベーターからの救出でございますけれども、通常は、エレベーターの保守会社の専門技術者が点検の上、最寄り階におろしまして救出するというのが通常の手段でございます。しかし、今回は、交通の途絶などによりまして専門技術者が集まらず、消防にも通報があり、四十二台中二十二台が、消防隊がドアをあけて、そのすき間から救出をしたというようなものでございました。

○鈴木委員 エレベーター協会が把握していないエレベーターも入れますと、約十五万台あるというふうにもいわれておりますけれども、管制装置の設置というのをぜひ義務づけていくべきじゃないか、こんなふうにも考えております。
 二月に出た国の首都直下地震の専門調査報告では、都内で約十五万台のエレベーターが停止し、最大六千人もの人がエレベーターに閉じ込められると想定をしております。大地震の際にはとても現在の体制でエレベーターから救出し切れない、このように思うんですが、東京都の所見を伺います。

○中村総合防災部長 先生ご指摘のように、大地震の場合には、今回はほとんどが震度四でございましたが、震度六弱、六強というようなことが発生すると思います。そうなりますと、エレベーターはほとんどすべてが停止するだろうというふうに思っております。したがいまして、エレベーターの保守会社の技術者だけで救出するということではとても間に合わないだろうというふうに思っております。
 また、今回は、消防が二十二台のエレベーターを救出してございますが、大規模な地震の際には、消防も消火あるいは倒壊家屋からの人命救助、こういう対応に追われまして、エレベーターからの救出に向かうことは難しいのではないかというふうに想定してございます。
 したがって、その対策といたしまして、システムの改善や救出体制の整備が必要であると考えており、そのために都は、既にエレベーター業界に対しまして、有効な閉じ込め防止策の検討を働きかけているところでございます。

○鈴木委員 一刻も早い防止策の策定ということが望まれるわけですので、ぜひその点、よろしくお願いをしたいと思います。
 一方で、今回の地震では、鉄道の運行が停止して、いっとき駅に大勢の乗客が滞留をして帰宅が困難となりました。多くの人が集まる東京で大地震が発生すれば、何百万人もの帰宅困難者が生じるのは明らかであります。
 そこで、東京都は、これまで帰宅困難者に関してどのような対策を講じてきたのか、改めてお伺いします。

○中村総合防災部長 都は、平成九年から、鉄道事業者、ライフライン事業者、大規模施設管理者などと帰宅困難者対策につきまして検討を開始いたしまして、この検討を踏まえて、事業者に対して震災対策条例で事業所防災計画の義務づけを行いました。この震災対策条例では、顧客や従業員の保護のほか、備蓄や訓練などの実施を求めてございます。
 また、徒歩で帰宅する人を支援するために、都立学校のほか、民間のガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどが、帰宅支援ステーションとして、災害時に帰宅する方に対し水やトイレ、また情報などを提供することとしてございます。

○鈴木委員 民間のガソリンスタンドやコンビニに協力者の印であるステッカーが張ってあるわけなんですけれども、このステッカーにしても、帰宅困難者は精神的にも非常に動揺しているわけですから、わかりやすいところにステッカーを張るように、そんな指導もぜひしていただきたいというふうに思います。
 都市型災害は、エレベーターや鉄道に限らず、住民対応、地下街、繁華街の混乱防止など限りなくあります。今後、都が震災対策を進める上で非常に大きな問題といえると思います。これから東京都はどのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。

○中村総合防災部長 都市型災害でございますけれども、今年度取りまとめを予定してございます被害想定の中にも想定項目として取り込み、検討していくこととしてございます。
 また、この想定をもとにしまして対策を検討いたします。来年度は、この対策につきまして、地域防災計画を抜本的に見直していく考えでございます。

○鈴木委員 被害想定の中に都市型災害の課題を想定項目として取り組んで、しっかりと地域防災計画を見直していただきたい、このように要望しておきたいと思います。
 以上、今までの質問をしてまいりましたように、今回の地震では、都市機能のもろさがまさに露呈をいたしました。震災対策は都の重要な課題であるので、ここで最後に、震災対策に取り組む局長の決意をぜひ伺って、質問を終わりたいと思います。

○高橋総務局長 七月の二十三日の地震でございますが、東京では本当に近年にない大きな地震でございました。この地震で被害が少なかったのは、不幸中の幸いというふうに認識をしておりますけれども、ご指摘のように、鉄道の運行停止、JR、メトロ等大分長い時間とまったり、あるいは、ただいまお話がありましたけれども、エレベーターの閉じ込めなど、都市型の災害の特徴というものが顕著にあらわれたというふうに認識をしております。
 中央防災会議の報告でも示されておりますが、首都直下地震の切迫性が指摘をされておりまして、こうした対策は急いで講じる必要があるというふうに強く認識をしておりまして、早速にエレベーター業界、あるいは鉄道業界に改善の働きかけをしております。また、庁内では、都市整備局など関係局と一緒に、ただいまご説明も一部させてもらいましたけれども、検討を開始しております。
 現在の被害想定は平成九年に想定されていますけれども、その後の東京のさまざまな、ITですとか機能集積が進んでおりますので、そういう状況の変化、それから今回の地震の教訓、また中央防災会議の被害想定の見直し、こういったものを十分に検証しながら、被害想定そのものを全面的に見直しを現在検討しております。この被害想定を踏まえまして、来年度は地域防災計画を抜本的に見直しを行ってまいります。
 防災対策は、全庁を挙げて取り組まなくてはいけない本当に重要な課題でございます。所管の局長といたしまして、議会のご指導をいただきながら、今後とも庁内各局、しっかりと統括をしていくとともに、区市町村、あるいは警察、消防、自衛隊、防災関係機関と緊密な連携をとりまして、全力を挙げて防災対策に取り組んでまいります。

○柿沢委員 今、鈴木副委員長からもお話がありましたけれども、地震の被害について、私も被害想定という視点から少し触れたいというふうに思っております。
 千葉県北西部地震というのが七月二十三日に発生をして、大変都市機能の混乱というものが起きたわけでありますけれども、民主党も都議選の東京マニフェストでうたわせていただきましたけれども、首都直下地震というのは、まさにいつ起きるかという段階にもう立ち至っているんだというふうに思います。その意味で、都の地震対策は十分であるのかどうか、点検しておく必要が今まさに生じているという状況なんだと思います。
 そこで、国がまず本年二月、首都直下型地震の被害想定というのを出しておりますけれども、その結果について、改めて確認のためにお伺いをしたいと思います。

○中村総合防災部長 国の被害想定でございますが、想定の条件といたしまして、時刻、季節の異なる四つのシーンを設定してございます。
 また、地震でございますが、首都圏で十八種類の地震を設定してございます。
 被害でございますが、被害につきましては、人的、物的被害に加えて、首都圏で百十二兆円の経済被害が出るということも想定してございます。
 主な人的、物的被害でございますが、この十八種類の地震のうちプレート間の地震である東京湾北部地震、これはマグニチュード七・三で想定してございますが、この地震では、死者が首都圏で約一万一千人、帰宅困難者は六百五十万人、避難者は七百万人、建物は全壊する建物が八十五万棟と、こういう大規模な被害が出ると想定してございます。

○柿沢委員 今おっしゃっていただいたように、マグニチュード七・三の地震で、死者一万一千人、帰宅困難者六百五十万人、建物の全壊が八十五万棟、こういう深刻といいますか、被害の想定が国によって明らかにされたわけであります。
 これを受けて、東京都も被害想定を行うということになっておりますけれども、この被害想定、このたび改めて行う場合に、どのような点をねらいとして行っていくのか、また、その特徴はどのようなところにあるかということをお伺いさせていただければと思います。

○中村総合防災部長 ねらいでございますが、被害想定は、数字で被害を出すだけではなくて、その被害想定をもとに対策を講じていくということがねらいでございます。したがいまして、東京都のみならず区市町村が対策をとれるよう、私どもといたしましては、地域別の被害の想定をしたいと考えてございます。
 また、平成九年以降の東京の状況変化を踏まえまして、先ほど局長からもございましたが、中高層ビルの増加、あるいはIT化の推進とか、そういうことを踏まえまして、被害状況についても、想定にも加えていきたいと思っております。
 またさらに、今回、千葉県北西部地震で明らかになりました都市型災害、特にエレベーターの停止ということで、中高層マンションや中高層のオフィス、こういうものが非常に被害を受けるということも考えられますので、こういう項目も加えていくということを考えております。
 地震の規模につきましては、先ほど申し上げました国の場合はマグニチュード七・三ということで想定してございますが、その想定でいきますと、先ほど申し上げましたような大きな被害が出ます。したがいまして、すべての地域が全くすべて被害をこうむるという状況になりまして、対策そのものの有効な対策は何かということが明確になりません。
 したがいまして、それよりも規模の小さいマグニチュード六クラスの地震による被害も想定いたしまして、地域ごとの被害の大きさなどを明らかにしまして、対策につなげたいというふうに考えております。

○柿沢委員 今、最後にありましたけれども、巨大地震というよりは、多少規模の小さいというか、マグニチュード六クラスの地震で、地域によってそれぞれどういう被害が出るかということを明らかにしていく、そういう被害想定が行われるということですから、これはもう各区市町村にとっても、洪水の場合にハザードマップがあるような形で、その地域において、まず、相当程度大きな地震が起きたときに何をすべきなのかということが、この被害想定が明らかになることによって対処ができるように、進むようになれば、これは非常に有益なことだと思います。その点、ぜひ取り組まれていただきたいと思います。
 今ご答弁の中にもありましたけれども、千葉県北西部地震での都市型災害、明らかになった。この中で高層マンションについては非常に、これからさらなる取り組みが必要だと思います。
 特に私、江東区ですので、区内には高層マンションが毎日のように一棟また一棟とできているような状況です。もう豊洲であるとか、東雲であるとか、四十階、五十階建ての高層マンションが次々に建っている。しかも、そこは埋立地で、地震に対しては非常に弱いところだと思いますし、そういう意味では、高層マンションに対する被害想定というものを考えていく必要があると思います。
 国の被害想定では、高層マンション被害として、まずどのような想定を行っているか、教えてください。

○中村総合防災部長 国の被害想定では、中高層マンションという項目はございませんで、中高層ビルというものしかございません。
 また、被害想定につきましては、エレベーターの停止と閉じ込めの人数というものが出ているわけでございます。例えば東京湾北部地震が発生した場合には、都内で約十五万台のエレベーターが停止するということと、それから、お昼の十二時に発災した場合には、閉じ込め者数は約六千人に達するというふうな想定でございます。

○柿沢委員 高層マンションにおいては、エレベーターが長期間停止をしたり、あるいは閉じ込めの被害が相当多く発生する可能性があると思います。また、高層マンションの高層階に例えばお年寄りが住んでいたりする場合、エレベーターが送電の停止によってずっと動かなくなるということになれば、その方々をどうやって下までおろしていくのかというような問題も生じるんではないかと思います。そういう意味で、こうした部分についてぜひ研究を進めていただきたいというふうに思います。
 エレベーターについてなんですけれども、先ほど、閉じ込めの被害については鈴木副委員長からもお話がありましたけれども、安全装置について、ついているエレベーターと、古いものにおいてはついていないものもある。そういう意味では、古いエレベーターには最寄りの階に停止する装置などがついていない場合もあると思うんですけれども、こうしたものについても、都として、その停止装置というのを設置を働きかけるということが必要だと思いますけれども、どうでしょうか。

○中村総合防災部長 今の安全装置でございますが、昭和六十三年から東京都建築安全条例で、五階以上の建築物のエレベーターには管制運転装置の設置を義務づけております。しかしながら、それ以前のエレベーターには義務づけがございませんので、設置されていないものも多くございます。
 ご指摘のように、管制運転装置の設置は震災対策に有用であるために、関係局と連携しながら、マンションの管理組合に働きかけるなど普及啓発に努めていきたいというふうに考えております。

○柿沢委員 そういう意味では、これから多分、人が住むという場合に、この東京においてはマンション、しかも相当程度高層のマンションに住むというのがある意味では普通のことになって、さらに広がっていくんだと思いますので、ここの部分、ぜひお取り組みをいただきたいと思います。
 重なりますので、ちょっと質問を飛ばして次に行きます。
 これも重なってしまうんですが、帰宅困難者の問題。私も実は、連合東京ボランティアサポートチームという、若い労働者の皆さんと災害現場に赴いて支援活動を行うそのボランティアチームに一員として、メンバーとして加わっていまして、去年、中越地震の被災地にも自分自身足を運んで支援活動を行った経験があります。
 その連合東京ボランティアサポートチームが参加をして中心になってやっていることとして、毎年八月に帰宅困難者等帰宅訓練というのがありまして、ことしも先月、池袋から十八キロの道のりをみんなで歩いて、帰宅困難者になった場合にどういう道のりを通るのか、その沿道においてどんな支援が受けられるのかというようなことを実体験するという催しがありまして、私も参加をさせていただきました。そういう意味では、この帰宅困難者の問題については私自身、特別な思いがありますので、ちょっと伺わせていただきます。
 地震が起きた場合には大量の帰宅困難者が発生をすると。先ほどの国の想定では六百五十万人ということをこの首都圏ではいわれているわけでありますけれども、今回の都における被害想定で、帰宅困難者についてはどのような想定を行っていくのかということをお伺いいたします。

○中村総合防災部長 お答えする前に、今、先生がおっしゃいました帰宅訓練につきましては、総合防災部もご協力申し上げまして、各ガソリンスタンド、コンビニ等についても働きかけて、支援をしてございます。
 今ご質問がございました帰宅困難者の想定でございますが、前回行いました想定、平成九年でございますが、この想定では帰宅困難者の人数のみでございました。例えば何区においては何人というような人数のみでございました。
 このために、今回の被害想定では、先ほど申し上げましたように、対策につなげていきたいというのがねらいでございますので、主要ターミナル駅における帰宅方面別人数、例えば千葉県方面あるいは埼玉県方面、神奈川県方面、こういう方面別に人数を算定いたしまして、対策につなげていきたいというふうに考えております。

○柿沢委員 先ほどの被害想定の区市町村別の被害を想定するというのと同じで、この帰宅方面別の帰宅困難者の人数を想定するというのは、非常にきめ細かくて実戦的で、大変有意義な取り組みだというふうに評価をさせていただきたいというふうに思います。
 ただ、帰宅困難者等帰宅訓練というのに参加するとわかるんですけれども、例えばガソリンスタンドだったり、あるいはコンビニだったり、そういったところが、エイドステーションといいますけれども、支援体制を組んでくれている。そういう沿道対策というのが非常にできてきている部分があるかなと。
 つい最近も、何かうどん屋さんと協定を組まれたというような話がありまして、そういう意味では、実際に歩いて帰るというか、道のりについては、非常に皆さんも意識を持って、これまでも取り組まれてきたというふうに思うんですけれども、ただ、その前の段階で、そもそもどうしたらいいかわからない状態のときに、どうするべきなのかということをそれぞれの人にどうやって情報発信をしていくのかという意味では、まだ課題があるんじゃないかなというふうに思います。
 例えば、帰宅困難者といっても、自分の家までの道のりが正確にわかるわけではないでしょうし、私は江東区ですけれども、で、新宿にいるわけですけれども、たまたま立川か何かに行って、そのときに被害に遭ってしまえば、自分としてどうしたらいいかわからないという場合もあるんだろうなと。
 こうしたそれぞれの人たちに、ここを見れば、自分がどうするべきかということがわかるというような情報提供の仕組みができれば、それぞれ混乱もせず、みずから行うべきことを行って、結果として、安全に避難あるいは帰宅ができるようになるんじゃないかというふうに思います。
 そういう意味では、途中の道路の状況など、そうした情報提供に、都として、新たな帰宅困難者対策として取り組んでいくべきではないかと思いますが、見解をお伺いします。

○中村総合防災部長 震災時に情報のないままむやみに帰宅行動をとりますと、余震に巻き込まれたり、あるいは二次災害に巻き込まれるというようなおそれがございますので、私どもといたしましても、帰宅困難者の方に的確に正しい情報を提供することが重要であるというふうに考えてございます。
 このために、交通機関の運行状況や道路の被災状況、代替輸送の有無などをまずラジオやテレビなどのマスコミに提供して、広報していただくということが必要だと思っております。それに加えまして、今、普及をしています携帯電話あるいはパソコンなど、ITの機器を活用いたしました情報提供の方法につきましても、今後検討していかなきゃならない課題であるというふうに思っております。

○柿沢委員 今、最後に、パソコンや携帯のITをツールとして活用してというお話がありましたが、前に、これは第一回定例会でしたかね、都議会民主党として代表質問で、災害の発災時にここを見れば、必要な情報が被害の状況も含めてすべてわかるという、東京の防災と称するページをつくったらどうかというようなお話もさせていただきました。
 そこで、平時というか、災害が起きていない今の時期から防災に対する有益な情報をストックしておく、そうしたものを提案させていただきましたけれども、そうしたある意味ではワンストップ型というか、ここにアクセスをすれば、自分の必要な情報が得られるというものを、東京都として都民に対してその場所をつくり出すということは非常に大事なことだと思いますので、ぜひ実現をしていただきたいと要望させていただきます。
 今、帰宅困難者、またエレベーターの問題、高層マンションに対する対策、こうしたことについて、東京都として被害想定の見積もりというか、そうしたことを中心にお伺いしてまいりましたけれども、全体としての都の被害想定というのはどういう形でまとめて、いつ公表することになるのか。
 また、その対策について、検討をこれからさらに続けると思いますけれども、どのような検討の仕方で進めていくのか、それをちょっと伺わせていただきたいと思います。

○中村総合防災部長 被害想定でございますけれども、学者の有識者の方々を委員といたしまして地震部会を構成しまして、今、検討しているところでございます。これには私どもの庁内の各局とライフラインの関係、それから鉄道事業者等も参加していただきまして、そこで被害想定について意見をいただきながら検討しているところでございます。その結果につきましては、今年度末にまとめて公表したいというふうに思っております。
 また、地域防災計画を来年度、十八年度に見直していくわけでございますけれども、この被害想定で、どういうような方向で対策を立てていくかというのが見えてきますので、それに基づきまして、関係局、関係機関、それから先ほど来ありましたエレベーターの協会、業界、こういう方々とともに協議をしまして、まとめたいというふうに思っております。

○柿沢委員 いつ災害が起こるかわからないわけですから、こうしたことについての取り組み、そして公表は、なるべく早い時期にぜひ行っていただきたいというふうに思います。
 首都直下型地震についての中央防災会議の部会の発表が二月にあったときに、あれは部会の座長はたしか伊藤滋さんだと思うんですけれども、記者会見をされて、例えば帰宅困難者対策についてはまだまだ、本当に発生したら途方に暮れてしまうような状態にあるというような言葉を使って表現されたり、そういう意味では、私、あのときの伊藤滋さんの会見の様子が非常に印象に強いんですけれども、有識者の皆さんの意見を聞きながら取りまとめるということですから、この部会について、ぜひ都民に対して、あるいはメディアに対して発信力のある人をトップとして選んでいただいて、石原知事は非常に発信力のあるリーダーですけれども、この問題についても、東京においてやらなければいけないことというのを発表する段階で、大きく都民が意識を持てるような、そうした方をぜひ選んでいただきたいというふうに思います。
 東京において、エレベーターの閉じ込め、あるいは帰宅困難者の発生、これはもうまさに社会全体が大混乱に陥るような大変大きな危機的状況が地震の発生によって生まれることになります。
 その被害を、あるいはどんな危機が生まれるのかということをあらかじめ想定しておくという意味で、被害想定のありようというのが非常に大事なわけですけれども、こうした都市型の危機の一つである、まさに大地震の発生ということにどのように対処していくのかということについて、これは総務局長のご答弁は先ほどいただきましたので、この際、危機管理監に決意をお伺いしたいと思います。

○島田危機管理監 今回の地震は、不幸中の幸いという言葉が局長からもありましたが、被害が比較的少なく、本当に不幸中の幸いであったと認識しております。
 今回の地震の被害が比較的少なかったことの要因の一つでございますが、揺れが小さかった。そのために警視庁、消防庁、電気、電話、水、ライフライン、こういった防災機関がそれぞれの役割を果たすことができた。
 具体的にいいますと、例えば、委員からご指摘がありましたが、停電がもっと起きていたら、エレベーターは四十二件で済まなかった。また、帰宅困難になった方は携帯電話が何とか通じました。これで駅のパニックが若干静まったということがあると思います。
 また、首都圏で五万件以上のガスのマイコンメーターが作動いたしまして、多少混乱がありましたが、おかげさまで火災が二件。さらに、水道、ライフラインに支障がなかったことで、先生からありました中高層ビルを初めとした都民の方々の生活に大きな支障はなかったように思われます。
 もしもっと大きい地震で、こうした防災機関がその役割を果たせなかった場合、二次災害を含めた大きな被害につながるものではないかと考えております。
 このように、震災に立ち向かうには、東京の都市基盤や生活を支えるそれぞれの防災機関が、復旧体制も含めまして地震に強いシステムをつくって備えておくこと。そして、各防災機関がおのおの連携し、補い合ってその機能性を高め、地震に強い東京を構築していくことが重要であると考えております。
 このため、現在、その前提条件となりますが、国の防災会議を受けまして、都が被害想定を進めております。今回の地震の教訓を生かしまして、エレベーター、中高層マンションなどの都市型災害などのほかに、部長からもありましたが、M6クラス、そういった地震も取り込みまして、工夫を凝らし、各防災機関が今後とるべき対策が明らかになるようなものにしたいというふうに考えております。
 先ほどありましたが、この地震部会の被害想定の座長には、日本の地震学の権威でございます溝口先生にお願いしてございます。
 今後とも、区市町村、警察、消防、自衛隊、ライフライン、報道機関等を初めとする防災機関と連携を密にし、今年度末を目指しております実質的な被害想定の取りまとめができますように全力を尽くしてまいります。

○柿沢委員 大変心強いお話をいただきました。ぜひ今後の取り組みにご期待を申し上げて、次の質問に移ります。
 平成十六年度東京都監理団体経営目標の達成状況・経営実績、また経営目標の設定状況について、お取り上げをさせていただきます。
 都は、これまで行財政改革の重要な柱の一つとして、監理団体改革を進めてきましたけれども、この監理団体改革を進める手法として実施されている経営目標の達成度評価制度については、平成十三年度から行われているわけですけれども、この制度を導入したねらいについて、まず最初に確認をさせていただきます。

○関行政改革推進室長 経営目標の達成度評価制度は、団体の経営責任及び都としての指導監督責任を明確にし、目標による管理を徹底させるため、団体みずからが目標を設定し、その達成度を評価するものでございます。

○柿沢委員 次に、毎年度の各団体の経営目標というのは、どのようなプロセスで決定されているのかということについてお伺いしたいと思います。

○関行政改革推進室長 経営目標につきましては、平成十六年度からは、おおむねその年の五月に各団体が所管局と協議の上、作成いたしまして、六月ごろに私ども総務局の方に提出することとなっております。
 その後、団体と所管局、それから私どもとの間で、約一カ月半にわたりましてヒアリング及び調整を行い、目標設定について詳細な協議を行った上で設定しているということでございます。
 なお、従来は、このスケジュールが三、四カ月ほど早いものでございましたけれども、前年度の実績が明らかとなる各団体の決算期を踏まえ変更したものでございまして、こうしたスケジュールについては柔軟に対応していきたいと思っております。

○柿沢委員 次に、この経営評価というものがどのように具体的に機能しているのかということについてですけれども、平成十六年度の評価結果について、九〇%以上の目標を達成した団体を中心に、十五年度との比較でお示しをしていただきたいと思います。

○関行政改革推進室長 経営目標につきましては、目標の達成度が九〇%以上の場合、達成、七五%以上九〇%未満の場合はおおむね達成、七五%未満は達成不十分としております。
 お尋ねの十六年度につきましては、達成の団体は、評価対象四十一団体のうち二十六団体でございまして、前年度、平成十五年度、達成団体が三十二団体と比較して、六団体減っております。
 また、評価の一ランク低いおおむね達成の団体は十一団体でございまして、平成十五年度に比べますと、五団体増加しております。
 全体としては、達成団体からおおむね達成ということで、評価が少し下がったといえると考えております。
 なお、達成不十分の団体は四団体で、平成十五年度五団体とほぼ同水準でございました。
 また、平成十六年度より、新たな課題や困難な課題に対しての取り組みとして設定する戦略目標につきましては、十六年度が初めての評価となっておりますけれども、設定した二十二団体のうち達成した団体は十七団体ということになっております。

○柿沢委員 今、答弁を聞いていますと、達成の団体が二十六団体で、平成十五年度と比べて六団体減になっている。全体として、達成からやや達成になっちゃったところがふえて、評価が下がったというふうにいえるということをおっしゃっているんですけれども、これはなんですか、監理団体の取り組みや、あるいは皆さんの行政改革推進室の方のけつたたきというか、督励というか、そういうものが弱まっちゃったということではないんですよね。

○関行政改革推進室長 平成十六年度の目標水準につきましては、平成十五年度と比較して、全体としてより高いものになるように指導したことから、達成の団体が減少したものと考えております。経営実績全体の低下ではなく、目標設定を厳しくした反映であると認識しております。

○柿沢委員 目標を高く設定したからこそ、達成できない団体が結果的にふえてしまったんだという、そういうご説明だというふうに思います。そうであるとすれば、これは逆に高い目標を掲げて取り組みを促すという意味では、間違ったことではないというふうに申し上げたいと思います。
 ただ、これ、よく読んでみると、こうぱらぱらっと見てみると、不思議なことにいろいろ気がつくんですよね、この冊子。この冊子には、平成十六年度の監理団体の改革についての実績値と十七年度の目標値というのが書かれているんですけれども、例えば株式会社東京国際フォーラムを見ると、財務重視型で、財務体質を改善することに重点を置いて経営目標を設定しているということになっているんですが、その財務内容の改善、向上にかかわる経常利益額を見ると、平成十六年度の実績値が十億六千七百万円というんだから。十億六千七百万円、十億円の経常利益を十六年度に実績として計上しているのに、十七年度の目標値を見ると四億四千二百万円と、何か経常利益額の目標が十六年度の実績値の半分になっちゃっているんですよ。
 これを見ると、こういうのが結構多いんですよね。多摩ニュータウン開発センター、テナント入居率、十六年度の実績値九六・七%。でも、十七年の目標値は九六・二%。〇・五%下がっている。十六年度に達成をした実績より下の目標を掲げるというのが、どうもよくわからない感じがするんですよね。
 もう一つ例を挙げると、東京都道路整備保全公社なんですけれども、駐車場の時間制の利用台数を指標として掲げていますけれども、十六年度実績が三百四十九万台に対し、十七年度目標値は三百二十三万台。下げ目標になっているんです。これはどうしてなんですか。ちょっと理由をお聞かせください。

○関行政改革推進室長 各団体の詳細な内容は各局の所管ということになるわけですが、この評価という点で申し上げさせていただきますと、ご指摘の東京都道路整備保全公社の駐車場事業は、平成十五年度から都有地に順次変換しておりまして、パイである駐車場そのものが廃止ということで減っております。その結果、十七年度の利用者台数は前年度に比べて二十七万台程度減少するという、物理的な要因による減少ということでございます。

○柿沢委員 これについては、まずご説明いただきました。
 じゃ、次ですけれども、東京都生涯学習文化財団。これは体育施設の団体利用の稼働率が指標として掲げられているんですけれども、十六年度実績、八一・七%の稼働率。十七年度の目標値は八一・〇%。これも下げ目標になっています。これはどうですか。

○関行政改革推進室長 東京都生涯学習文化財団の体育施設の稼働率についてでございますけれども、施設ごとの目標値につきましては、基本的に前年度比一%アップを目指した設定と指導しておりますが、駒沢公園の球技場、サッカー場でございますけれども、これが前年度比で、ちょっと細部にわたりますけれども、三%ダウンという目標設定となっておりまして、全体として、目標稼働率は十六年度に対して微減となっております。
 これは、駒沢公園のサッカー場が平成十六年の冬季、冬に施設整備工事を施工した関係で、この期間を稼働率の分子、分母から除いたため、平成十六年度の実績は、稼働率の高い春、秋、夏の時期で算出したと。結果として、駒沢公園のサッカー場の稼働率が表面上、十六年度については高い数値となったものでございます。
 ただ、具体的には、当該サッカー場の利用実数で見ますと、平成十六年度は対前年比で実際の稼働率は一五%落ちております。稼働実数は落ちております。ただ、率が、分母、分子を利用率の低い時期を抜いたために、高い時期で算定したために、十六年度の数字が高くなったということでございまして、特異数字ということになります。
 平成十四年度から十六年度のアベレージ、平均で見ますと、七八・五%でございまして、平成十七年度の八一・七%はそれよりかなり高く、我々としては妥当な数字というふうに判断しております。

○柿沢委員 たまたま利用率の低い時期が分母から除外されちゃったんで、去年は利用率がぽんとはね上がっちゃったと。それから多少差し引いて目標値を設定したんだという、そういう話でしたけれども、こういう下げ目標が結構多いんですよね。
 こういった十六年度の実績値より低い目標値を設定するというのは、要するに監理団体として、まあ達成しやすい目標を掲げて、それをクリアして、達成した、達成した、達成率が上がったという数字合わせをやっているんじゃないかと受けとめられかねないように、これを見ていると感じるんですよね。
 しかも、達成すると、役員の報酬が五%アップするようになっていたりもするので、これ、お手盛りなんじゃないかという誤解を招きそうなんですけれども、そうじゃないんですね。

○関行政改革推進室長 目標値のレベルにつきましては、総務局としては、団体の経営改善に向けた努力を促すという観点から、団体の中期計画、過去の実績、十七年度でございますれば、十七年度の事業計画、予算等を踏まえ、基本的には前年度より高い水準の目標設定となるように団体所管局を指導しております。
 なお、一部に、特殊事情により前年度実績が急激に増加した場合や、事業規模の減少や市場の動向等により業績を低く設定するなど、十七年度目標値が前年度実績を下回っているケースがあるのはご指摘のとおりでございますが、これらは、合理的、客観的な理由がある場合にのみ限定的に認めているもので、そうしたケースにつきましても、中期的には着実に事業実績が向上するよう指導しております。

○柿沢委員 これ、一つ一つあげつらうと、実は結構たくさんあるので、これはこれ以上踏み込みませんけれども、監理団体改革、これまでも東京都はかなり力を入れて進めてきた分野だと思います。そしてまた、それなりの実績をしっかり上げてきた分野だというふうに私は認識をし、評価をしております。
 ですから、この経営目標の達成状況及び経営実績の設定についても、今ご説明をいただいたように、下げ目標となっているところは、それぞれ何らかの特殊要因があるものだということで理解をしたいと思いますけれども、こういう目標設定をするに当たっては、所管局と監理団体の間の設定の数字だと、やっぱり若干甘目になってしまう場合が出てくるだろうというふうに思いますので、ある意味では第三者的な立場からその進行を管理できる総務局行政改革推進室の皆さんの側から、かなり厳しいことをいっていかなければいけない。監理団体からすれば、あるいは所管局からすれば、皆さんが悪役になっていかなければいけないことなんだと思うんですよね。
 そうした意識を持って、さらなる経営改革、そして監理団体改革というものを進めていただきたいということをご要望させていただいて、この問題についての質問を終わり、そして私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○橘委員 東京都国民保護計画素案について質問させていただきます。
 世界を震撼させたニューヨークの世界貿易センタービルなどの同時多発テロ以来、モスクワ、マドリード、ロンドンと世界の主要な大都市でのテロが起きております。また、世界有数の大都市である東京もまたテロの対象となりやすいといわれております。
 そこで、先般、都の国民保護計画の素案が公開され、それによりますと、国民保護に関しては、国が武力攻撃事態として四類型、そして大規模なテロ等として四類型を示しております。そして、その都の計画素案では、このうち大規模なテロを重視しておりますけれども、想定されるテロというのは、さまざまな形態がありますし、また、その対象もさまざまであろうかと思います。
 そこで、具体的にどのようなテロを都としては重視しようとしているのか、その点についてお伺いいたします。

○高橋情報統括担当部長 世界の大都市や首都で発生しているテロの標的が、鉄道や劇場など大勢の人が利用する施設であることを考慮いたしまして、今般の都の計画素案では、東京に集中しておりますターミナル駅や劇場など、大規模な集客施設へのテロへの対処を重視しております。

○橘委員 今のそのような施設についてでありますけれども、今後、速やかにテロへの備えを強化していかなければならないわけですけれども、実際にテロが起きた場合、被害者を迅速に救出して、また被害を最小限に食いとめることが必要であろうかと思います。その点、施設を管理する事業者、それから警察、消防、市区町村など関係する機関と都が緊密に連携して、そしてまた的確に対処していくことが重要であろうかと思います。
 そこで、都としては、平素からどのようにして関係機関との連携を確保しようとしているのか、それについてお聞きします。

○高橋情報統括担当部長 テロによります被害を最小限に食いとめるために、都と関係機関の緊密な連携によって対処することが極めて重要であると認識してございます。
 このため、素案では、平素、緊急時を通じた連携協力関係を構築するために、東京都、事業者、警察、消防等から成る連絡会議を設置することを考えてございます。この連絡会議におきましては、各施設における危機管理の強化、緊急時の連携体制の構築、テロ等に関する危機情報の共有化を図ることを目的としてございます。
 あわせまして、東京都、事業者、関係機関等と訓練を実施するなどによりまして、連携の強化を図ってまいります。

○橘委員 テロ対策については、先進各国が今、懸命に取り組んでおりますけれども、それでもなお、未然に防ぐことができないのがテロの厄介な問題点でもございます。それがまた実態でもございます。東京で実際にテロが発生した場合、被害を最小限に食いとめ、そのためには特に初期の段階でどのように対応していくのか、その点についてお聞きいたします。

○高橋情報統括担当部長 テロが発生した場合には、まず何よりも生命の安全を確保することが最優先となると考えてございます。したがいまして、国、警察、消防、区市町村、事業者などと連携を十分に確保いたしまして、被災者の救出救助、住民等の避難に全力を挙げて取り組んでまいります。
 同時に、都といたしましては、知事を本部長とする対策本部を設置いたします。
 また、被害を最小にするためには、テロの発生現地におきます的確な対処が極めて重要であることから、現地におきましては連絡調整所を設置いたしまして、そこにおきます情報の共有化、現場における役割の確認、そこで活動する諸機関の緊密な連携を確保していくこととしております。

○橘委員 今、私がこのことをお聞きしたのは、突発的な災害であるとか、それから緊急時、そういったときにいつも課題となるのが関係機関の連携の問題であります。特に国民保護計画では、都と、それから避難誘導の役割を担う区市町村の連携が極めて重要になろうかと思います。その点、もう一度、今後どのように区市町村との連携を深めていくのか、所見を伺いたいと思います。

○高橋情報統括担当部長 都と区市町村の連携でございますけれども、住民の避難におきましては、東京都が避難の指示を行い、現地に精通しております区市町村が避難誘導の役割を担うことになります。
 また、避難住民の救援につきましては、基本的に東京都が生活物資等の供給を行い、区市町村が避難所の運営を行うことになります。
 このような連携を確保するために、計画づくりの当初から、区市町村説明会や意見交換会の開催、また、今般発表いたしました素案等に関する意見照会などを行っております。
 計画素案では東京都と区市町村の基本的な役割を定めてございますけれども、来年度は区市町村の計画策定を予定しておりまして、それに合わせまして、よりきめ細かな役割分担を明らかにしてまいりたいと考えてございます。
 さらに、計画に基づきまして、区市町村と協働した訓練などを実施して、連携を強化してまいりたいと考えてございます。

○橘委員 今の答弁を踏まえまして、さらに細かく見ていきますと、地域住民の避難とか救援が必要な場合については、都や関係機関、事業者だけじゃなくて、地域自体の協力もまた大事になってくるかと思います。特に高齢者や障害者、そういった方たちの場合はなおのことだと思います。
 人命優先の観点から、地域という視点が大事だと思いますし、地域の協力を得るために、都は今後どのような取り組みを行っていこうと考えているのか、所見を伺います。

○高橋情報統括担当部長 高齢者、障害者の避難や避難時における食料の提供などを円滑に行うためには、地域の消防団、自主防災組織など住民の協力が不可欠でございます。このため、計画を審議する国民保護協議会に、消防団や自主防災組織の代表も委員として入っていただいてございます。
 素案では、東京消防庁と協力いたしまして、消防団や自主防災組織のリーダーに対する研修、消火、救出救助などの資機材の充実を支援するほか、地域の協力の重要性については、パンフレットなどを活用いたしまして、広く都民に理解を深めていただいてまいります。また、地域と直接かかわる区市町村におきましても、地域の協力を得るための対策が進められるように働きかけてまいります。

○橘委員 この国民保護計画に基づきまして国民保護を円滑に行っていくためには、避難、それから救援から、そして復旧に至るまで、都民や多くの機関、団体等の理解と協力が極めて重要であろうかと思います。都民を初め、幅広い意見を計画に反映させて、東京ならではの、いざというときにはしっかりと都民を守る、そういった安心を与えられるような計画としてもらいたいということを強く要望させていただきます。
 テロを防ぐ作業というのは、日々神経のすり減るような作業になろうかと思います。その点、最後に管理監の決意をお聞かせいただければと思います。

○島田危機管理監 私ごとで恐縮でございますが、六年ほど前、私、先ほどお話がありました有楽町の国際フォーラムの総務部長をやっておりました。時折、名も知らぬ方から電話がありまして、五千人の会場に爆弾を仕掛けたからなというのが、私、二年間おりましたが、十回ほどあったように覚えております。
 警備員をふやすとか、開場時間をおくらせて、客席、トイレまでチェックをしたりとか大騒ぎになるんですが、国際フォーラムも今行ってみますと、そういった対応も踏まえまして、日常的にお客様の手荷物検査をお願いしているという状況になっております。
 ニューヨーク、ロンドンを初めとしまして、近年、世界の大都市でテロが相次いでおります。東京はテロに強い都市なのかと自問したときに、強い都市だ、こんなことはあり得ないと答えられる都民の方々は、ほとんどいないのではないかと私は考えております。
 今回ご議論いただいております東京都国民保護計画を策定するということは、東京の日ごろの備えを強固なものにし、テロなど、いつ襲ってくるかわからない脅威に立ち向かう、安全で安心な社会をつくっていく基礎になるものだと考えております。
 委員からご指摘をいただきましたが、都民の安全を守れるしっかりした計画とするよう、現在、都民を初めとして幅広い皆様からご意見をいただいておるところでございます。そうしたいただいた意見を踏まえまして、区市町村、地域の方々、警察、消防を初めとする防災機関の方々とも連携を強化した実効性の高い計画としていきたいと考えております。
 また、計画策定後は、実質的な訓練に取り組み、東京をテロなどから守れる強い都市にしていきたいと考えております。
 危機管理監として知事を補佐し、都民の生命と財産を守るため、全力を挙げて対処していきたいと考えております。

○古館委員 それでは、最初に地震対策についてお尋ねします。
 去る七月二十三日に千葉県北部で発生した地震は、東京都心で震度四、足立区で震度五を記録しました。地震の規模はさほど大型ではありませんでしたけれども、今もるる述べられておりましたが、エレベーターのトラブルだとか、鉄道では、JR東日本や営団地下鉄、東京メトロなどが路線の復旧に三時間から四時間ぐらい要しましたし、JRが全路線復旧したのが七時間前後で、運転見合わせによる影響が、先ほどもお話がありましたけれども、百四十五万人にも及びました。さらに、東京都の地震観測データの遅延なども明らかになるなど、地震観測システムの欠陥も露呈しました。
 そこで、最初にお尋ねしますが、東京都の地震観測データの遅延などの地震観測システムのトラブルについて、どのように改善されたか、今後の対策についてもあわせてお答えいただきたいと思います。

○中村総合防災部長 地震計のネットワークシステムの改善でございますけれども、七月二十三日の地震直後から改善に向けまして検討を始め、八月に改善を行いました。九月一日からは伝送時間が、気象庁への伝送でございますけれども、この時間が九分以内になるというふうに短縮してございます。またさらに、年内には五分以内にデータが気象庁に届くようにしたいということで、さらにシステムの改善をしております。年内には達成する予定でございます。
 しかしながら、この改善は現行のシステムの中で精いっぱいでございまして、いろいろな問題がまだまだございます。より信頼性を高めるには、例えばバックアップ体制や機器の更新などのシステムの抜本的見直しが必要でございまして、そのために、国と八都県市による地震計データ伝送検討会を発足させております。年内には方針をまとめることになりますが、これを踏まえまして、地震計ネットワークシステムの再整備をしたいと考えております。

○古館委員 とまったエレベーターが、日本エレベーター協会によりますと、一都三県でエレベーター総数の三割近い約六万四千台に上っていると。エレベーター内での閉じ込めが首都圏全体で七十八件で、しかも、そのうち七十三件は最寄り階で扉があくはずの地震時管制運転装置、これは先ほどの話で全体の七割でついているわけですが、このエレベーター、ついているところで起きたものでした。
 先日、我が党都議団、私も行きましたが、社団法人エレベーター協会に赴いて、当時の対応についてお話を聞かせていただきました。その中で、この地震で停電がなかったということについて、不幸中の幸いだったと、こういうふうにも述べておりました。
 そのとおりだと思います。エレベーターは、停電が起こったらこんなものでは全然済まなかった、こういう状況にありますし、さらにまた、長周期地震動の場合はどうかといいますと、これはこの間の千葉県とは直接かかわらないんですが、長周期地震動の場合は、共振によって予測を超えた結果をもたらすということも明らかになったと思っています。
 そこで、二つ目に質問しますけれども、実際に新潟中越地震の際に、六本木ヒルズの八本のワイヤーのうちの一本が切断されたといわれていますけれども、このことについてはどのようにとらえておられるでしょうか。

○中村総合防災部長 高層ビルの長周期振動による揺れというのが最近、大きな問題になってございます。六本木ヒルズにつきましても、新潟県中越地震の長周期振動によりまして大きな揺れを感じたわけでございます。
 この長周期振動では、エレベーターについております自動管制停止装置が機能いたしませんで、エレベーターはそのまま稼働しているという状況でございます。今、申し上げましたように、大きな揺れになりますので、エレベーターのかごも揺れまして、その結果、ワイヤーがエレベーターのかごに絡まったということで切断をしたというふうに聞いております。

○古館委員 日本最先端の六本木ヒルズでこういう状況が起こったということは、やはり今後の大きな教訓にすべきだと思っています。
 それで、私もエレベーター協会の方と話をしてちょっと衝撃を受けたのは、直下型地震、一定規模の大きな地震が起こった場合に、エレベーターの地震時管制運転装置のP波センサーが作動しない、こういうことなども指摘されたんですね。
 つまり、どこかで、遠目で起こったらP波のセンサーというのが作動して、それがエレベーターが自動的にとまるという仕組みになるんだけれども、真下でどんと起こった場合にはこれが作動しない。ですから、もう気がついたときには大事故というか、そういうような状況にもなりかねない。
 その対策はどうなんですかと聞いたら、現在、研究中ですということなんですよね。ですから、この問題についても、本当に大きな問題として私どもは改善に取り組んでいかなきゃならないし、これは英知を結集しなきゃならないな、このようにも思っているところです。
 こうしたエレベーターについての現状について、東京都としてはどのように把握されているでしょうか。

○中村総合防災部長 総合防災部といたしましては、エレベーターの協会に働きかけておりますけれども、それと同時に、個別にエレベーター業界も来ていただきまして、いろんな設備につきまして話を聞いているところでございます。
 今、先生のお話がございましたけれども、エレベーターにはいろいろな安全装置がついておりますから、それらが機能するだろうというふうにいわれております。ただ、しかしながら、いろんな状況でございますので、先生おっしゃるように、いろいろと検討していく必要があるかなというふうに思っています。
 私どもといたしましても、エレベーター協会に対して、大地震のときの自動管制装置の改善、あるいは救出体制の整備、それから関係局とも現在、検討を始めておりますので、そういう体制で取り組んでいるということでございます。

○古館委員 今それこそエレベーターというのはもう、公共施設あるいは民間施設を問わずに大体高い建物が多いですから、エレベーターというのが常用されているというのが今の常識になっています。
 そういう中で、私、気になったものですから、東京都の地域防災計画の震災編というのをめくったら、エレベーターのエの字もどこにもないんですよね。つまり、東京の震災編の地域防災計画の中では、エレベーターというものが余りというか、全く視野に入っていなかったといってもいいかなということに、ちょっと改めて自分自身も驚いたところであります。
 したがいまして、地域防災計画にエレベーターの安全確保などについても取り上げる、きちっとそれを据えるということをまず求めたいと思っています。
 また、日本エレベーター協会の役割につきましても、同計画にきちんと位置づけるとともに、協力を仰ぐことが必要だと考えています。大地震でのエレベーターの停止や閉じ込めなどが顕在化した今、地震時の管制運転装置の義務づけだとか、ただ、それでは一定の費用がかかりますので、必要な場合には、その装置のための財政支援を初めとする対応とか、それから、先ほどいいましたが、直下型地震とか長周期地震動への新たな対応、これらが非常に必要だし、機敏かつ適切な対策が求められていると思いますけれども、それぞれに見解を求めたいと思います。

○中村総合防災部長 まず、被害想定でございますけれども、先ほどから何回も申し上げてございますが、被害想定には、今回の地震の教訓を踏まえまして、エレベーターの問題につきましても想定の中に盛り込むということでございます。
 これを踏まえまして、今後、対策について検討していくわけでございますが、検討に当たりましては、もちろんエレベーター協会の協力は不可欠であると考えてございます。そういう協力を得ながら対策を検討して、地域防災計画に載せたいというふうに思っております。

○古館委員 エレベーターのこうした緊急事態に対して、この間、実際にあったらしいんですけれども、保守点検に出向いた--実はエレベーター協会の話を聞いていたら、携帯電話で対応するんですね。ところが、ああいうとき携帯電話、つながらないで右往左往したらしいんですけれども、それはそれとして、とまったという報告を受けて保守点検に出かけた車が、一般車両と全然区別がつかないから、駐車違反でレッカー車で運ばれていってしまったということが起こったりしているんですね。
 だから、防災計画の中にこの問題を位置づけると同時に、例えばこういう緊急時のときに、どうしてもエレベーターのこうした、今までの千葉県の地震なんかから考えますと、やはり一定の緊急時のときの扱いのことについても検討する必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○中村総合防災部長 大地震の発生の際の緊急車両の扱いでございますけれども、私どもといたしましては、エレベーターの専門技術者の車両についての取り扱いは今後の検討課題であるというふうに思っております。

○古館委員 本当にたくさんの議員が今回の問題について取り上げたというのは、それぐらい、先ほどもおっしゃっていましたが、首都直下型地震の切迫性というのが今本当に強調されているし、そうした備えが必要だと思っています。
 総合的な防災対策に取り組んでいくという点でも、防災計画の抜本的な見直しとともに、震災についての予防、それから減災計画の見直し、そうした立場での学校校舎とか体育館の耐震化、木造住宅の耐震補助、これについては本会議一般質問などでも我々、取り上げましたけれども、急いで取り組んでいくことを強く求めて、次の国民保護計画について、質問、移りたいと思います。
 都議会の改選前の第一回定例会の総務委員会で、私もそのとき総務委員をさせていただいておりまして、審議し、私ども日本共産党は反対の態度をとりました。その際に、国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例、並びに第四十六号議案として国民保護協議会条例、これらが賛成多数で決まったわけなんですが、私はそのときに反対の意見として、条例案の根拠となっている有事法制自体が憲法に違反していると。それから、今求められていることは、戦争の危険を回避するような自治体としての努力をすることであって、したがって、この国民保護に関する三条例については反対という態度を表明したところであります。現実には多数で可決をされて、協議会委員も決まり、第二回目の協議会まで進んでいるというのが、今日までの一覧表による経過の状況であります。
 そこで、質問しますけれども、国民保護計画に対する議会の関与はどうなっているのでしょうか。都としては、この議会についての取り扱いというのはどうするつもりでしょうか。

○高橋情報統括担当部長 国民保護法第三十四条二項におきまして、国民保護計画を作成したときは速やかに議会へ報告することとされてございます。今回は素案をお示しいたしまして、本会議や委員会において十分ご議論いただきまして、また、都民、区市町村、関係機関からの意見も踏まえまして、計画を作成してまいります。
 都議会への報告は、平成十八年第二回定例都議会を予定してございます。

○古館委員 自治体の国民保護計画の作成なんですけれども、つくる場合に、これはどうしてもつくらなきゃいけないんですか。強制なんですか。そこについてはどうなんでしょうか。

○高橋情報統括担当部長 国民保護法第三十四条第一項の規定に基づきまして、計画は国の定める基本指針に基づき作成しなければならないとされてございます。

○古館委員 お聞きしますが、仮につくらなかった場合には、罰則だとか、そういうものというのは規定されているんでしょうか。(発言する者あり)これはちょっと念のために聞いています。

○高橋情報統括担当部長 国民保護法では、国の定める基本指針に基づき作成しなければならないとされてございます。

○古館委員 そうですね。ただ、ねばならないの話であって、それ以上の規定はないんですよね。このことはちょっと確認させていただきます。
 それから、国民保護計画はもともと自治体としての自主的自立性でもってつくるものだ、こういうふうに私は理解していますが、いかがですか。

○高橋情報統括担当部長 繰り返しになりますけれども、都道府県が作成する国民保護計画は、国の定める基本指針に基づき作成することとされております。
 ただ、法三十四条第五項では、あらかじめ内閣総理大臣との協議が義務づけられてございます。協議を通じて、必要な記載事項についての確認、基本指針や他の道府県計画との整合性などについて所要の調整が図られることになってございます。

○古館委員 その場合に協議ということが出ましたけれども、事前に総理大臣に協議の上、決定する、今こういうご答弁だったと思いますが、これはそれこそはっきりさせておかなきゃいけないんですが、協議であって、同意を要するものではないというふうに思いますが、どうですか。
 協議が不調ならば、自治体の意見が尊重されなきゃならない、これが本来の地方自治の原点だと思いますが、その点についていかがですか。

○高橋情報統括担当部長 都道府県の国民保護計画は、事前に内閣総理大臣に協議の上、決定することとされてございます。協議を通じまして所要の調整が図られることになってございます。

○古館委員 実は、この計画などにかかわっていた礒崎陽輔さんという方がいらっしゃるんですが、ここで、あくまでも協議であって、同意を要するものではないという趣旨の発言がされているんですね。同意を得るために相互に努力することであり、必ずしも同意は前提としない。あることについてどうしても同意ができない場合は、都道府県の意見を尊重することになる、こういうふうにいっているんですね。私は、これが当たり前の形だと思うんですが、もう一回答弁していただけませんか。

○高橋情報統括担当部長 国民保護計画は、事前に内閣総理大臣に協議の上、決定することとされておりますけれども、協議を通じまして所要の調整が図られることになってございます。

○古館委員 要するに、それ以上の答弁は東京都としてはできないということですが、改めてこの問題は、いわゆる国民保護計画に対して、今の話はちょっと進んできて、拒否してつくっていないという話じゃなくて、つくっている際には、やっぱりそこの自治体の主体性というのが生かされていくというのは当たり前のことですから、このことだけは強く求めておきたい、こういうふうに思っております。
 それで、いうまでもないと思いますが、この国民保護計画については、あくまでも住民をいかに守るか、保護するかということだと考えていますが、このことについて基本的にもう一回お尋ねをしたいと思います。

○高橋情報統括担当部長 国民保護計画では、住民の生命、身体及び財産を保護することを目的としておりまして、国、地方公共団体に共通する重要な責務でございます。

○古館委員 私は、まあ私というより我が党は、この国民保護計画ということと地域防災計画ということは厳然と区分けするべきだ、こういうふうに考えていますが、この件についてはどのようなお考えですか。

○高橋情報統括担当部長 国民保護計画は、国民保護法に基づき、武力攻撃やテロ等における住民の避難や救援などについて定めるものでございます。
 住民の避難や救援などにつきましては、災害対策と共通する部分も多いことから、地域防災計画の仕組みを最大限活用いたしまして、計画を作成してまいります。

○古館委員 つまり、この計画がイコール計画だというふうではないということですよね。防災計画ということと、それから、国民保護計画をつくる場合に、そういうことをいわゆる参考にはするけれども、そのこととは全く別だというふうに解釈していいと思うんですが、その点、いかがですか。

○高橋情報統括担当部長 国民保護計画と地域防災計画はおのおの別のものでございますが、国民保護計画を策定する際に、地域防災計画の仕組みを最大限に活用するということでございます。

○古館委員 つまり、それは今いったように、今の答弁は別のいい方をすると、地域防災計画と国民保護計画はイコールじゃないということになると思います。そのとおりだと思うんですよ、私は。
 それで、二〇〇二年初頭にいわゆる……(発言する者あり)まあいいです。後からそれを聞いておいて。静かにしてください。二〇〇二年の初頭に、いわゆる九・一一の事件とアフガンの報復戦争を背景にして有事法制の整備が叫ばれて、それで、盛んに備えあれば憂いなしということで、この国民保護計画ができたわけです。計画のそういう、しましょうということが動いてきたわけですね。
 先ほどの答弁でも明らかなように、戦争を含む八形態、つまり、主に四形態ともう一つの四形態の八形態であって、この有事法制という戦争と自然災害との同一視は、私ども大きな誤りだと、こういうふうに思っています。
 なぜかといいますと、人々の知恵をもってしても避けられないのが自然災害なんですね。軽減することはできても、自然災害というのはどうしても避けることはできないんですよ、人知をもってしても。
 しかし、この自然災害ではない戦争というのは、これは避けることはできるんです。人類の知恵、英知によって。これを同一視するというのは、私は、危機管理のイロハからいっても誤りだし、おかしいと確信をしています。戦争と自然災害は全く違うことをまずここで強調しておきたいし、しかも地震というのは備えをやり過ぎても悪いということは決してないですね。地震に備えて一生懸命備える。これは、災害をだから誘発することにはならない。
 ところが、この国民保護法を初めとする一連の有事法制に伴う準備をどんどんしていくと、逆にこれは戦争への過剰な備えという形で、かえって軍事緊張につながっていくということはあり得ると思うんです。イラクの問題でも全くそのとおりですね。ですから、そういった点での戦争への過剰な備えというのは、私は、かえってそれこそ軍事緊張を引き起こしていく、こういうことをまず指摘をしておきたいと思っています。
 それで質問ですけれども、訓練については着上陸侵攻や航空機攻撃を前提にしているように私は受けとめますけれども、この点についての見解はいかがでしょうか。

○高橋情報統括担当部長 東京都国民保護計画素案におきましては、国の基本指針を踏まえまして、武力攻撃事態や緊急対処事態としての八類型を想定してございます。訓練につきましても、これらの事態を想定して実施する考えでございます。

○古館委員 それは当然なんですけどね、訓練、訓練というふうにいっていますから、何に対して、どう訓練するかということになりますと、私が今いったように、着上陸侵攻だとか航空機攻撃。これはなぜかといったら、事前に予測することができるということをこの国民保護計画の中には、るる書かれているわけです。
 そこで質問しますが、これまでの近代の過去の戦争で、この日本で着上陸侵攻はどこでありましたか。このことについてお聞かせいただきたいと思います。

○高橋情報統括担当部長 太平洋戦争におきまして、沖縄や硫黄島が着上陸による攻撃を受けていると認識しております。

○古館委員 実は、沖縄県議会ではことしの二月に、議論で継続審査になったんです。このときに、沖縄というのが我が国唯一の地上戦があったところだと。二十万人余の住民の命が奪われた。そこで、県の文化環境部長さんがこういうふうに答えているんですよ。
 着上陸侵攻、これにつきましては、我が国では唯一の地上戦、そして着上陸侵攻を受けた沖縄県、これの前例というんですか、歴史の体験、経験があります。そういう意味で、国の方では沖縄の沖縄戦における着上陸の状況、それについて調査をし、検討していると聞いている。それで、その上で、この文化環境部長さんは、過去の例に学んで保護計画を立てる。しかし、知事の方も申し上げておりますけれども、議会の片方で答弁をしておりますが、そういう沖縄戦の経験をかんがみると、そういう有事の事態に、国民を、県民を保護するというのはいかに困難であるかというのが、沖縄県民が歴史的な体験として知っておりますし、語り継がれてきております。そういったものを含めて考えていかなきゃならない、こういう答弁があるんです。
 つまり、この沖縄戦の事態というのは、県民を守るという状況ではなかった。だから、いかにこの地上戦、着上陸侵攻ですね。これに伴う犠牲が、こういう県民を初め、国民に大きかったかということを、この県議会の中でも取り上げられているんです。
 私はその問題でもう一つ聞きたいんですけれども、例えば、この間、三宅島の島民が全島帰島しました。本当にみんなよかったと思っています。あのときに全島が避難しました。あのときは、つまりだれもが三宅島民の命と健康を守りたい、安全を守りたい、そういうことで救出するわけですよね。
 私、島でいうと一番承知しているのが三宅なものですから、例えばの話でいいますけれども、私はこんなことはあり得ないというふうに思っていますが、島に着上陸侵攻があったと仮定すると、例えば、今あそこは二つしか港がないんです。私の経験によると、どっちか波が荒い方は避けて、一つしか、大体港は使えないということになっているんです。
 そうすると、一方でどこかのところから攻めてこられた。その場合にどうするかというと、例えば自衛隊だとかが行きますけれども、それが最優先になるわけですね、戦争ですから。雄山が噴火しているのとちょっとわけが違うわけですよね。そういう状況の中で、じゃ一体、この三宅の島民はどういうふうに避難ができるのかということになれば、私は、港が今使えるのは一つしかなくなると、そこはどこが使うかといったら、やっぱり軍事優先にならざるを得ないわけですよね。
 だから、そういう点からいいますと、やっぱり私たちにとってこの問題というのは本当に--私はさっきの質問で、自然災害の計画と、それからこういういざというときの戦争になるような国民保護計画というのは別物だというふうにいったのは、先ほどの沖縄県の事例だとか、それから、例えばの話で、私はあり得ないと思っています。これは後から質問しますけれども、そういう状況の中で、このようなあり方というのはいかがなものかというふうに思っていますので、この点は厳然と区別すべきだということだけ申し述べさせていただきたいと思います。
 それで、最後になりますけれども、本土決戦、本土空襲の可能性については都としてはどのような認識を持っているでしょうか。

○島田危機管理監 先ほど申し上げましたとおり、ご議論いただいております東京都国民保護計画を策定するということは、東京の日ごろの備えを強固なものとし、テロなど、いつ襲ってくるかわからない脅威に立ち向かう、都民を保護する安全で安心な社会をつくっていく基礎となるものだと考えております。
 地域防災計画の仕組みということでございますが、具体的にいいまして、地元の避難所、そして町内会、こういったところを有効に活用し、こういった保護計画に最大限活用していこうということで今回の計画は策定されております。
 本土決戦のお話がありましたが、ご指摘のような歴史的事実の評価、並びに国際問題となるような仮定のお話につきましてはお答えいたしかねます。ご理解いただきたいと存じます。

○古館委員 沖縄戦のことは別に歴史的に、そこの県の方がいっているんだから、私はそれを紹介しただけで、これが県民の共有の気持ちだということだけはちゃんといっておきたいと思うんです。私は、三宅島の件は、あくまでも噴火の問題は事実の問題。もう一つの問題は仮定の話として、あり得ないけれどもといっていますからね。そこは誤解ないようにしておきたいと思います。
 それで、先ほどの状況の評価なんですけれども、これは今の、いわゆる私の質問は最後に、今、本土決戦とか可能性についてどういう認識を持っているかということで聞きました。実は、この問題はいつも問題点がすっきりしないんです。
 ところが、平成十七年度以降にかかわる防衛計画の大綱というので、これは安全保障会議が決定して、閣議でも決定したものですけれども、この平成十七年度以降にかかわる防衛計画の大綱ではどういうふうに書いているかといいますと--これは私が勝手にいっているのではなくて、この防衛計画の大綱では、見通し得る将来において、我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下していると判断されるため、従来のような、いわゆる冷戦型の対機甲戦、対潜戦、対航空侵攻を重視した整備構想を転換し、本格的な侵略事態に備えた装備、要員については抜本的な見直しを行い、縮減を図る。つまり、日本が攻めてこられるという可能性というのは極めて低いということを、これは閣議の決定の中でやられているわけですよ。
 ですから、私たちはこういう計画を、本当にこれを進めていくということよりは、今、間近に迫ってくるであろう、この大地震に対して備える、この問題を本当の意味で東京都の大きな基軸に据えた、そういう施策展開を強く求めて、私の質問を終わります。

○山下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十一分休憩

   午後三時五分開議

○山下委員長 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○後藤委員 そうしましたらば、私は、パン屋の感覚で小さいことからやらせていただこうと思います。
 例えば、震度のデータについてお尋ねします。東京ガスさんから提供された震度のデータがあると思うんですけれども、例えば受け取っている経緯と、データの内容をできたらば説明していただけますか。

○中村総合防災部長 私ども、災害対策に取り組んでいるわけでございますので、いろいろな情報というものがあることが必要だと思っております。その一環として、東京ガスからも情報提供を受けております。この費用については無償でございまして、平成三年四月一日から提供を受けているものでございます。

○後藤委員 今回の七月二十三日なんですけれども、例えば七月二十三日のデータがここにあります。(資料を示す)この場面は、防災部の方からいただいた場面なんですけれども、そうしましたらば、東京ガスさんのデータが震度六と書いてあるんですけれども、例えば震度六というデータに関しまして、皆さんはどのようにお考えなんでしょうか。

○中村総合防災部長 現在気象庁で採用しておりますのは、先ほど来、私がご説明いたしました地震計ネットワークシステムの震度計でございまして、この震度計は阪神・淡路大震災後に、計測震度ということで、機械を使って震度をはかるようになったものでございます。
 具体的に申し上げますと、東西方向の揺れ、南北方向の揺れ、それに縦方向の揺れということで、それぞれの加速度を合成いたしまして、震度として計算して割り出したものでございます。
 今、後藤議員がお示しになりました東京ガスの情報でございますが、その情報は、震度と書いてございましたけれども、ガル、水平方向のガル、方向は一カ所でございます。その方向のガルをあらわしているものでございます。これにつきましては、かつて、先ほど申し上げましたように平成三年でございますので、計測震度計をつくる前でございますから、その時点では、一九四九年から気象庁はガルを震度に換算するという簡易的な方法を示しておりまして、それを使って震度というふうにあらわしていたわけでございます。
 ただし、申し上げますけれども、このDIS、先ほどからお示しになっていますが、私どもの地震に対してのシステムがございますが、災害情報システムといっておりますけれども、このシステムは、区市町村あるいは東京都の防災機関の関係者、それから自衛隊、警視庁を初め、防災機関の関係者が見るものでございまして、一般の方々が見るものではございませんので、そのガルということについては承知して行っているというものでございます。

○後藤委員 ただいま部長がそうおっしゃいましたけれども、これにつきまして僕の方から指摘をしましたらば、担当の課長が、これに関しては大至急直しますと。大至急直しますといったのは八月なんですよ。確かに端末があります。確かに端末はありますけれども、関係者しか見られないといっているのに、私が見てるんですよ、事実。だれが見ても大丈夫なようにしているのが危機管理なんじゃないんですか。例えば、画面があります。画面だとかデータというのはいろいろあります。関係がないようなデータがいっぱい出てきて、画面にいっぱい出てきたりしたらば、みんながみんなプロだとは限りませんよ。ここのところを僕は今いいたいんです。
 例えば、部長は、この数字は一九四九年から使っている、現在は使っていないといいたいのかもしれませんけれども、だったらばやめておけばいいじゃないですか。この画面が何で出ているんですか。現在出ているんですか、現在出ていないんですか、もう直したんですか。

○中村総合防災部長 まず申し上げますのは、どういう経緯でごらんになったのか私にはわかりませんが、一般の都民の方々が見るものでないということだけは申し上げます。
 それから、その画面でございますけれども、ガルは水平の加速度をあらわしているわけで、物が倒れるときに引っ張る力というようなものでございます。これを入れまして、私どもとしては参考に使っているわけでございます。参考情報の一つとして使っております。
 画面として、今お示しになっておりましたけれども、その画面について、私どもとしては現在でも東京ガスからの情報としてはいただいております。

○後藤委員 そうしましたらば、八月に私が担当課長の方から聞いた言葉なんですけれども、例えば、震度が二から七まであります。加速度のガルが三から四〇〇以上というふうに書いてありますけれども、担当の課長さんが何といったかといいますと、ここの換算のソフトをかえれば、ここでは六となっていますのが、ガルでいいますと二五〇から三九九というふうになっているんですけれども、こちらの換算の率さえ変えれば、こちらの震度の方は幾らでも変えることができます、こういうふうにいわれているんですけれども、変えることはできるんですか。例えば、このまま置いておくんですか。換算の率さえ変えれば変わるわけですよ。

○中村総合防災部長 ちょっとおっしゃっていることがよくわからないんですけれども、いただいているのは東京ガスが観測しているガルの数値ですので、それを換算して変えるなんていうことはあり得ないもので、私どもとしては、ガルの表示で、今もらっているのは段階がございますが、その段階に基づいて色分けをして表示しているというものでございます。したがって、それを私どもが換算して勝手に直すということはちょっとできないということをご承知いただきたいと思います。

○後藤委員 ということになりますと、担当の課長さんが私にいったことはうそだったということになるんですけれども、それでよろしいんですね。

○中村総合防災部長 どういうふうにその場で発言したかは私もすべて知っているわけじゃございませんが、私としては、担当の課長が先生にうそをついたということは思っておりません。

○後藤委員 ここまでいわれますと、僕もどんどんいっていかなければいけないんですけど、そうしたら二日前なんですけれども、二日前に別の課長さんがいらっしゃいました。震度のところは外すけれども、ガルでこのまま置いていくというふうな決定をしましたというふうに聞いたんですけれども、これは本当ですか。

○中村総合防災部長 七月二十三日に気象庁への地震計の震度情報が二十二分かかったという問題がございまして、地震計のネットワークシステムの変更とあわせまして、先ほど申し上げました災害情報システムを含めたシステムの中で、震度情報がどうなっているかということについて点検をしております。先ほどから私申し上げましたけれども、専門家というか、私どものように防災関係機関の職員が見ていくわけですから、一般の方々と違いまして誤解を招くということはございませんけれども、いずれにしても、よりわかりやすくしていくというのが私どもの使命でございますので、システム全体をわかりやすくするということが使命でございますので、そういうわかりやすくしようということで、あえて震度というのをとってガルというだけの表示にしようというふうに思っているところでございます。
 これは全体の、今申し上げました七月二十三日以降の問題として出てきた震度計ネットワークの中での見直しの一つとして行っているものでございます。

○後藤委員 気象庁に送るデータが二十二分かかったというのも、これは新聞の報道ですけれども、職員の方たちはこのぐらいかかるだろうということはすべて想定していた、知っていたというふうに書かれていました。例えば、今回の東ガスの件も、こういうふうに震度の数字が違っているというのを皆さん知っていたはずです。皆さんの関係というのは、防災関係をやっているわけですから、危機管理の専門官までいるわけですよね。危機管理やっている方たちがみんなこういうことを知っていたのに、問題が起きなかったら変えないんだったらば、危機管理監なんていうのは商売上がったりになっちゃうんじゃないんですか。

○中村総合防災部長 問題を知っていたとかそういうものじゃなくて、地震の震度が書いてあるということについては、それは承知しているということは先ほど来から申し上げたとおりです。それを承知していることによって、ガルというのとの違いというのをわかっているわけでございますから、そういう表示をあえて一般の方々が見るように合わせる必要はないという判断でやっていたわけです。
 それから、地震計のネットワークシステムについては、送信時間の問題については、いろんな条件によって送信の時間というのがありますので、今回、七月二十三日のときには、それまで抱えていた問題というものが最も先鋭的な形であらわれたというふうに思っていますので、そういう点ではすぐさま改善に取り組んでいるということでございます。すべて、私どもとしては、いろんなことがあれば小さい改善から大きい改善までしていくのが使命だと思っております。

○後藤委員 例えば、部長のいい方を聞いていますと、この問題はプロに任せておけというふうにいっているようですけれども、だったらば、この間の七月二十三日の業務要員の方たちが参集しなかった件ありますよね。彼らもいってみればプロなんですよ。彼らみたいなプロの方も管理できなかった方たちですよ。それなのに部長は、この画面は素人は見るはずがありません、いいんですか、そんないい方して。お答えください。

○中村総合防災部長 先ほどから申し上げておりますけれども、災害情報システムというのは、私どもと区市町村、それから防災機関がそれを見まして防災活動を行う、災害対策活動を行っていくというのが趣旨でございますので、一般の都民の方々に提供している情報ではないということをご理解いただきたいと思います。

○後藤委員 そうしましたらば、局長にもし答えていただければいいんですけれども、答えていただきたいと思いますけど、例えば専門家だとかプロだとかいうのではなくて、防災の情報というのは少しでもわかりやすく、確かに部長もわかりやすくするとおっしゃいましたけれども、ただし、答えの中で、これを見るのはプロだからいいじゃないかというふうないい方をしないで、これからもっと細かいことでも一つ一つ積み上げて直していっていただきたいと思うんですけれども、できたらば、局長、答えていただけませんか、これに関しては。

○中村総合防災部長 先ほど申し上げましたけれども、私どもも使い勝手のいいシステムというのは当然必要でございます。どんなシステムでも、一回つくったらそれでいいというわけじゃなくて、やはり使っていく中で問題点が出てくるわけでございます。そういうように問題が生じてくれば、画面上の表示であろうが操作の仕方であろうが、そういうことは私どもとしては直していくということで、今、先生おっしゃったようなことについても、小さいことですが、より私どもが使いやすいようにしていこうということで直しているというものでございます。

○後藤委員 観点をちょっとだけ変えますけれども、例えば九月四日の集中豪雨ですけれども、職員の参集した状況を教えていただけますか。

○中村総合防災部長 参集状況でございますが、総合防災部としては二十三名の参集でございます。これは情報連絡体制として参集してございます。それから、そのほかに河川の管理をしております水防本部を設置しますが、これは建設局でございますが、水防本部を設置し、非常配備態勢をとって、約二百三十名、参集してございます。

○後藤委員 七月二十三日の地震のときに参集をしなかった業務要員の方たちがいますけれども、今回は業務要員の方たちというのは参集しろというふうな指示は出されたんでしょうか。また、例えばどういうふうな場合になったらば、業務要員の方たちに最初の指示をかけるんでしょうか。教えてください。

○中村総合防災部長 まず、どういう災害があるかということでございますけれども、災害というか、台風だとか大雨だとかそういう状況がございますので、大雨洪水警報等の発令がございます。そういうように対応して職員の参集をしております。人数につきましては、実際にそういう災害が起きている、あるいは長時間にわたる、あるいは長期間当たって交代が必要であるとか、そういうことを含めて総合的に勘案して、基準になる人数をどれだけ増員していくかということを決めて、臨機応変に対応しているというのが状況でございます。

○後藤委員 七月二十三日のときには、待機要員の方たちが集まらなかったということで新聞でもたたかれましたけれども、今回はどういうふうな連絡をかけているんですか。彼らは待機をしているからというだけではなくて、とりあえず待機をしているのかどうなのかを確認するなり、例えば本当に大雨になって、もっともっとひどくなってきた場合には参集の指示を出さなければいけないと思うんですけれども、この場合の参集の指示を出す権限を持っている方はだれなんですか。

○中村総合防災部長 判断は危機管理監と私どもが行うものでありまして、指令部として行っているものでございます。業務要員につきましては今回の水害では、先ほどから申し上げましたけれども、水防本部というものを設置しますので、それと並行して私どもが対応するということでございます。また、こういう大雨のような場合には、第一義的に区市町村が対応するということになります。これは水防管理団体として区市町村が対応するということになります。この区市町村が対応して現地を見る、あるいは避難勧告、避難指示を出す、救出、救助に当たる、こういうようになってございます。
 なお、そのほかにも当日は警視庁、消防庁が非常配備態勢をとっておりましたので、私どもとしては万全の備えだったというふうに思っています。

○後藤委員 洪水警報が発令された場合には、防災課長の権限で業務要員の参集を指示するというふうに、先ほど防災課長が私の前でいっていったんですけれども、これは正しいんですか、正しくないんですか。

○中村総合防災部長 災害時に私どもの総合防災部の中の体制といたしましては、それぞれ指令班、調整班等の班体制で対応いたします。そのときに私どもの方で、危機管理監、それから部長級の職員につきましては、それの全体をまとめるというような役割でございまして、統括することをしてございます。実際に招集をやるのは、今申されました防災対策課長の方が指令班として招集をかけるということになります。

○後藤委員 今までの話を聞いていますと、確かに企画をやっていまして、例えば数字のマジックをやっていて、コンピューターをいじくり回しているだけではないかなというふうに私には感じられてしまうんです。業務要員の方たちがいるんですから、業務要員の方たちには、本当に待機ができているかどうかぐらいの電話での確認なり、メールでの確認でも何でもいいですけれども、このぐらいのことはおやりになってもいいと思うんですけれども、いかがですか。考えてないんですか、そういうことは。

○中村総合防災部長 七月二十三日の千葉県北西部地震の際に業務要員が参集しなかったという事実がございまして、その後すぐに業務要員を集めまして、意識の引き締めを図って、体制につきまして待機の場合の強化を図ったわけでございます。それにつきましては、私どもとしては、前から申し上げましたように、四週間に一回の待機当番がございますので、そういう待機を履行しているというふうに思っております。

○後藤委員 この問題では最後にしますけれども、例えば、思っているって部長はいいますけれども、前の七月二十三日のときだって思っていたんでしょう、みんなが来るって。多分思っていたんだと思うんですよ。でも思っても来なくてたたかれたわけですよ。マスコミからたたかれたし。こういうのは思っている、思っていないじゃなくて、実際にやってみることですよ。これが危機管理だと思いますけれども、ここにいらっしゃる危機管理の方たち、もっと危機管理というんですか、もっと意識を高めてもらわなかったらば、僕たち心配ですよ。
 次に、監理団体の経営目標の設定についてお尋ねをします。これに関しましては、柿沢委員の方からの質問にダブらないように聞かせていただきます。
 経営目標を決める経緯を、できたらば時系列的にいっていただけますか。

○関行政改革推進室長 経営目標の確定の経緯でございますけれども、先ほどもご説明いたしましたとおり、従来は年度開始前の三月ごろにやるという方式でございましたけれども、平成十六年度の目標設定から、経営目標は前年度の実績やその分析を踏まえることが妥当であり、団体の決算が確定する六月を一つの指標として提出をしていただき、八月上旬ごろまでに団体所管局と調整を行う、こういうスケジュールでやっております。

○後藤委員 普通の民間からいきますと、例えば年度の始まる前に経営目標を立てる。目標を立てるのが普通だと思いますけれども、決算が出ていないからということで、部長のところは、出してもらうのが六月で、決めるのが八月というふうにおっしゃっていますけれども、例えば見込みで三月中につくっておいて、修正というふうなことで六月に出してもらって、八月に経営目標の目標値というのをつくるべきではないかなと思うんですけれども、この辺はいかがですか。

○関行政改革推進室長 今ご説明したとおり、当初は年度開始前の三月に設定する方式でやっていたわけですけれども、その部分では、決算等の実データの把握が不十分になるということで時期変更をしたわけでございます。ただ、このスケジュールにつきましては、先ほどご答弁いたしましたとおり、さらに改善していくという方向で、より精緻な形で検討していきたいというふうに考えております。

○後藤委員 こういうパネルをつくってみたんですけれども、これです。例えば経営目標というやつは一年間のものだと思うんですけれども、結局残っているのが、決定するのが八月ということになりますから、残っている期間は七カ月しかありません。七カ月しかない、例えば目標値に向かって職員の方たちは努力をするわけだと思うんですけれども、これはできたらば変えていただきたい。年度の初めにとりあえず目標値、暫定でも構わないと思いますけれども、つくられるべきだと思いますけれども、この辺は変えるお考えがあるのかないのか、教えていただけますか。

○関行政改革推進室長 現在はこの方式でやってまいりたいというふうに考えております。ただ、こうした方式をより精度を高めていくということについては、さらに研究してまいりたいと考えております。

○後藤委員 そうしましたらば、個別的に聞いていきたいんですけれども、例えば八〇ページの二番目にあります財団法人東京都島しょ振興公社、これはサービス重視型ということになっていますけれども、1のヘリ・コミューターの搭乗者数ということで、十六年度が一万六千百五十三人、十七年度が一万六千三百六十八人というふうになっていますけれども、これの、例えば十六年度の実績となっているのは平成何年何月何日から何日までのものなのか、十七年度の目標というのは平成何年何月から何日までなのか、教えてください。

○関行政改革推進室長 ヘリコミの実績のもとになっている期間でございますけれども、平成十五年の一月から十二月の暦年で考えております。

○後藤委員 できたらば、またパネルを見ていただきたいんですけれども、ただいま部長がおっしゃったのは、十七年度の目標値をつくるのに、完全にもう終わっちゃっている十六年、例えば十六年一月一日から十六年十二月三十一日までの決算のデータに基づいてこちらの十七年度を出すというんです。これを逆さまにこっちに持ってきますと、結局、目標値をつくってからたった三カ月か四カ月ぐらいしか、目標値に向かって経営の努力というのができないことになってしまうんですけれども、ここまでのことはお考えになっていましたか。

○関行政改革推進室長 当然そのスケジュールを考慮の上でやっているわけでございますけれども、島しょ振興公社が実施しているヘリコミにつきましては、実際のヘリの運航を行っている民間運航事業者の決算が一月から十二月の暦年管理、また航空業界の通例もそのような管理実態ということでございまして、数字の把握上、こういう形になるというふうに認識しております。

○後藤委員 例えば数字の把握って今おっしゃいましたけれども、何ゆえに数字を把握しなければいけないのかが問題になってくると思います。結局、何人乗った、一カ月の基本の契約が幾らで、何人乗ったから幾らというふうな形でお金を払うんだと思いますけれども、金を払う場合に、毎月毎月払っていくのではないんですか。一年間まとめて払うんですか。仮にもし一年間まとめて払ったとしても計算はできるはずですよね。暦年の場合と年度の場合というふうに、これは計算上でやればいいわけですから、何でこのぐらいのことをやらないんでしょうか。

○関行政改革推進室長 先生の今のご質問は、東京都の補助金の支払いということですか。

○後藤委員 このヘリコプターを経営している会社というのは、たしか東邦航空でしたっけ。東邦航空に対して、島しょ振興公社がお金を払うのではないんですか。島しょ振興公社がお金を払うわけですから、払うとき、年度で払ったとしても何月まで、例えば四月から三月三十一日までの数字は示せると思うんですけれども、確かに民間会社の関係があるから、片一方は一月から十二月まで、片一方は四月から三月までといいますと、数字がまず狂ってくるということと、これをやりますと、ただでさえ一般の場合には七カ月しか努力目標に向かって活動ができない。こちらの考えからいきますと、結局ここのところは動いてきていますので、三カ月分、四カ月分だけしか努力目標に向かってできなくなるんではないんですか。

○関行政改革推進室長 数的な考え方として、先生のお話もわかるわけですけれども、実際の決算等はこうした一月-十二月という管理で行われているとともに、その後の実績数値についても把握可能でございますので、トータルな判断として私どもはやっている。ただ、指標上は一月-十二月の実績で行っているということでございます。

○後藤委員 ちょっとだけ観点を変えます。八六ページの21に財団法人東京都埠頭公社がありますけれども、ここに有明のテニスの森公園の利用者というのがあります。ここのところでは十六年度実績が五九%、十七年度実績が五七%となっていますけれども、この計算の方法をできたら教えてください。

○関行政改革推進室長 計算の方法というのは、当然四十八面の年間利用率の状況を、実際に利用したものと利用していないものという形で計算したということでございます。

○後藤委員 これは私の方から先にいわせていただきますと、担当の方から聞きましたらば、例えば三年間の利用率の平均をまず出して、平均に基づいて、プラスアルファということで考えてこの数字が出てきたというんですけれども、例えば過去三年間の平均と、前年度実績というのは頑張ってやるわけですから、頑張って出てきた数字があるにもかかわらず、過去三年間の低い数字を平均をとりまして、ここのところでプラスアルファなんてやるのはおかしいんじゃないんですか。

○関行政改革推進室長 有明テニスの森公園の年間利用率につきましては、平成十四年度が五四%、十五年度は五六%、十六年度は五九%という形になっております。この三年間の平均値が五六ということになりますけれども、私どもとしては平成十七年度については、この平均を上回る五七%という目標を設定し、指導しているところでございます。
 テニス人口が減少する中で、毎年着実に指標を上げていくということは、一つの経営改善の有力な手法というふうに考えておりまして、十六年度は確かに五九%でございましたけれども、過去三年のアベレージに乗せて目標値を設定したということ自身は妥当なことと考えております。

○後藤委員 確かにお役人さんだったらば妥当って考えるかもしれませんけど、こんな話、民間の方が聞いたら、例えば十六年度で頑張ったわけですよ。これをわざわざ落としてまで、例えば五七%ですか。こんなことをやっていたらば、柿沢委員がおっしゃいましたけれども、団体の常勤の理事の方たちですか、達成したらば五%アップだとか、ほぼ達成だったらばそのままでいいよとか、達成できなかったらばダウンさせるよというのがあるわけですから、ここのところで、皆さんは退職したらばこちらの監理団体のところに天下る可能性があるわけですよ。
 こちらの前まで、例えば現在の団体の理事という方は皆さんたちよりも先輩だったわけです。監理団体の担当の方は、ここのところをもっとシビアに考えて、先輩だろうが何だろうが全然構わず、本当の民間の感覚でやらなかったらば、はっきりいってやっている意味がなくなっちゃいますよ。確かに発想はすごくいいんですけれども、甘いんじゃないんですか。ここいらが甘いという認識、少しでもお持ちですか。

○関行政改革推進室長 私どもはこの経営指標につきましては、先ほど申しましたように、基本的には毎年、前年度の実績を超えるように指導しているところでございます。基本的な考え方がそこに立っている以上、私どもとしては甘いとか緩いとかいうふうな認識は持っておりませんし、今後もさらに厳しく指導していくというふうに考えております。

○後藤委員 だったらば、最後に皆さん、厳しいか厳しくなかったかという最後の証明になると思うんですけれども、そうしましたらば、八〇ページの三番目にあります税務協会です。この税務協会の研修講師の派遣の予定表というのを担当の方からいただきました。これは多分、例えば目標値を設定するときに財団の方から出てきた数字ではないかと思いますけど、講師の方は五人ですか。講師の方が五人いらっしゃるというふうに聞いています。ここの予定表を見ますと、六月から十二月までしか講師として働かない。結局、六月から十二月までの予定表しか載っていないんですよ、ここに。こういうふうな目標値の設定をしているから、結局、監理団体の方は、適当なものをつくっておけばいいんじゃないかというふうに思っているのではないかと思う数字がここに出ているんですけれども、できたらばお答え願えますか。

○関行政改革推進室長 税務協会の講師の実績についてというお問い合わせだと思うんですけれども、区市町村への出向講習に従事している講師につきましては、こうした講習のみに従事しているわけではなくて、主税局の研修や税務相談、研修の教材等、または税協の出版物の執筆などにも従事するほか、先進事例の情報収集などの講習も行っていると聞いております。十七年度の目標値については、十六年度実績の四十講座、三百十時間を上回っており、決して目標が低いとは認識しておりません。
 また、こうした目標も税務協会の目標指数のうちの一部でございまして、全体として、私どもとしては税務協会の業績がさらに向上するように指導してまいりたいと考えております。

○後藤委員 お役人の方たちとこうやってやっているとむなしくなるときがあるんですけれども、確かに認めることは絶対にしないと思います。例えば、あなたたちも認めるよ。多分認めないとは思うけれども、ここのところは本当にもっと民間意識を持って、例えば目標、目標というのは何で立てるのか。目標というのは年度内の目標なわけですよ。年度内の目標ということをまず頭に置いておいて、変えてほしいと思いますけれども、変えるように、この場合は要望というんですかね、何というのかわからないけれども、変えていただきたいと思いますけれども、最後にご返事ください。

○関行政改革推進室長 私どもとしては、現在の制度につきましては、その達成度合いを客観的に示す利用者数や利用率などの数値で目標を設定し、またその数値結果を点数化するなど、明確にしております。
 また、所管局や総務局で評価を行い、最終的には副知事をトップとした監理団体改革推進委員会が評価を行っているほか、さらにこの結果を詳細に冊子化いたしまして、都議会の先生方に報告するとともに、都民に公表しているわけでございます。
 以上のように、我々としては、透明かつ客観的に議会を中心として監理団体の評価にご協力いただいていることから、現時点では現行方式について大きな問題はないと考えております。

○山下委員長 ちょっと速記をとめていただいて……。
   〔速記中止〕

○山下委員長 速記を再開していただきたいと思います。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○高木委員 九月四日の洪水のことについてご質問させていただきたいと思うんですが、昨日、一昨日、都議会の本会議でこの問題は、我が党の野村幹事長、そしてまた一般質問でも多くの議員が取り上げていたところでありますが、私の地元であります北区でも、この九月四日の大雨で洪水被害に遭ったところがございます。しかも、床上浸水が百五十件、床下浸水が二百五十五件ということで、トータルで四百件以上の浸水被害があって、新聞やテレビでなかなか取り上げられなかったところなものですから、余り有名ではないんですけれども、かなり広範囲な浸水被害に遭いました。
 石神井川のこの地域の浸水被害については、ほかの、今回、災害救助法が適用された中野区や杉並区とはちょっと異質の浸水被害でございまして、これは、今後、だれがこの浸水被害に対して責任を負っていくのかというのも含めて、これは東京都の危機管理という考え方の中で、私は検討すべき問題だというふうに実は思っているんです。
 今回の石神井川の浸水被害については、東京都の総合防災部、またその防災を担当しているセクションとしてはどういうふうに認識をされているのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。

○中村総合防災部長 九月四日に発生した水害は、太平洋の南方海上にありました大型で非常に勢力の強い台風十四号からの湿った大量の大気が、東京上空に停滞していた秋雨前線を刺激したことによる豪雨がまず原因であると考えております。
 ご質問の北区堀船の溝田橋上流部で発生した水害でございますが、これにつきましては、当日、北区からも、石神井川が溢水して家屋に浸水しているという連絡が数度入ってきております。私どもも先般、私と危機管理監で現地を見させていただきまして、ご近所の方からもお話を伺っております。

○高木委員 ほかの地域とちょっと異質だというふうに申し上げたのは、実はこの北区堀船の溝田橋上流部というところは、堤防が決壊をしてそれで浸水被害に遭ったというところなんです。しかも、その堤防の決壊というのは、河川管理者としては東京都建設局が河川管理者ですから、河川管理者がつくった堤防の上に首都高速が今工事をしておりまして、首都高速がその上に九十センチのH鋼をつけて、改めて治水対策を工事をするためにして、その首都高速が設置をしたH鋼は倒れて、そこから水が全部出ちゃった、こういうケースなんです。
 ですから、ここに今テーブルがありまして、これが建設局がつくった堤防だとしますと、その上にネームプレートのような、こういうH鋼を首都高速が独自につけたということ、これが増水によってとれちゃったんです。そこから一気に水が流れていった。そのことによって、北区堀船一丁目から三丁目まで、約十四ヘクタールが水につかってしまったということなんです。ですから、通常の河川の五〇ミリ対応でやっている治水対策がどうこうということではなくて、治水対策をきちんとした上でさらに首都高速がそれを、上に橋げたがありまして、そこを工事するので、その下のところを改めて九十センチのH鋼をつけて、それが決壊をしてしまったということですから、原因究明というのはなかなか難しいことだと思いますので、今調査中だと思いますけれども、そういう、実はほかの地域とちょっと違った意味で大変な災害であったということを、ぜひご理解をいただきたいというふうに思うんです。
 きょう、実は北区議会の防災対策特別委員会が開催をされて、その防災対策特別委員会でも現地を視察して、そしてその地域を見て、この浸水に対してどう考えるのかというのを委員会としてやったというふうに、先ほど私は速報で聞いたんですが、やはり人災であろうということをその委員会でもいっていたということを聞きました。
 そのことは、先ほど申し上げましたけれども、これから原因究明が行われて、それに対してどう補償していくかということになろうと思いますが、先ほど現地を危機管理監と部長が訪ねて、近所の方からもお話を伺ったということがございましたが、現地を見ていただいたその感想と、ご近所の方はどんなことをおっしゃっていたか、ちょっと披瀝をしていただけますか。

○中村総合防災部長 ちょうど溝田橋のところは明治通りでございまして、今、先生からお話があったように、首都高速道路の中央環状の、あれは進入路ですかね、入路をつくる工事をしておりました。地形としては、先生がおっしゃったようなH鋼が外れた方、損壊した方は、全体的に土地の低い方でありまして、そちらの方に水がいったということでございました。私が行きましたときには、もうH鋼については全部復旧しておりまして、そこに支えの鋼材をつけて頑丈なものにしてありました。
 ご近所の方は、ちょうどその河川沿いの道路のわきの方でございまして、自分の家が二メートルぐらいですか、水が入ったというようなことで大変だったというようなお話を伺っております。来ると思わなかったというようなことでございまして、そういうようなお話でございましたので、相当の区域の方も被害を受けたというようなこともあわせてお聞きいたしました。
 以上でございます。

○高木委員 通常の洪水でありますと、例えば堤防の上を越えて水がどんどん流れてくる。それであれば水位がどんどん上がってきて、いよいよ来るぞと。来れば当然、どんどん水が迫ってくるという感じになるんでしょうけれども、まさに堤防のところにとめてあった水がH鋼が決壊したことによって一気に来たものですから、皆さんどうにも対応ができなかったということで、この地域の被害がかなり拡大をしたというふうに私も聞いておりますし、事実そうだったというふうに思います。
 それでお伺いをしたいのは、今回のこういった水害、特殊な例というふうに申し上げましたけれども、水害に対して河川管理者は建設局、そして、災害が起こってしまったという意味では、防災をつかさどっているセクションも当然私は関係があるというふうに思っているんですが、東京都庁の東京都全体として、こういう問題に対して総合防災部としての対応といいますか、総合防災部としての役割というのはどういうところにあるんでしょうか。

○中村総合防災部長 今回のは水防でございますので、水防本部というのが、先ほど申し上げましたけれども、建設局それから各区市町村に設置されることになります。水防本部の場合には、例えば堤防が決壊をしそうになるというときには土のうで強化する、そういう水防活動をまずするということになります。私どもは、そういう各区市町村の水防活動あるいは被害状況等を把握いたしまして、必要があれば警視庁、消防庁に連絡をする、あるいは自衛隊の出動要請をするというようなことが私どもの役割でございます。
 今回の場合には、区市町村からの被害状況ということでは、人的被害につきましては入っておりませんでした。また、物的被害ということでは床上、床下浸水がありましたが、何分夜間だったものですから全容が入ってこないということで、東京消防庁の情報等も参考にしながら判断しておりましたけれども、いずれにしても、雲の状況から長期間になるということではなかったものですから、都としての体制は、水防本部を補佐するような情報連絡の体制ということで対応していたわけでございます。

○高木委員 情報連絡が主になるというご答弁だったと思いますが、防災という考え方からすれば、災害が起こった後の対処といいますか、復旧という課題と、それから、起こる前に防いでいくという両方の側面があると思うんです。
 今回たまたまこういうことが起こってしまったことですから、起こった後のことをこれからやっぱり考えていかなきゃいけないと思うんですけれども、その際に、先ほど局長の答弁の中にも、防災というのは全庁を挙げてやっていかなきゃいけないんだというお話がございましたが、今回のケースで、例えば水害の対策に対して、総合防災部としてはどういう立場で何をやることが必要だというふうにお考えになりますか。

○中村総合防災部長 今回の大雨の対応ですが、私どもが把握している限りでは、区市町村の、特に区が被害を受けたわけでございますが、区の対応が極めて遅かったというような認識を持っております。したがいまして、私どもといたしましては、区に対して、今後の対応の強化ということを働きかけていきたいというふうに思っているわけでございます。現に、その後既に区の課長会等で、私どもとしてはそういう説明をして、体制の強化ということを要請したところでございます。

○高木委員 区の対応の強化はぜひお願いをしていただきたいと思うんです。もう一方では、東京都庁の都の内部でこの問題をどう対応していくかということも私はあると思いますけれども、部長はいかがお考えになりますか。

○中村総合防災部長 今回の大雨による水害を教訓といたしまして、誤解をされるとちょっとまずいんですが、地域防災計画というのは震災編と風水害編というのがございまして、水害に関係しては風水害編になります。この風水害編につきましても、今回のを教訓として関係局間あるいは関係機関と協議いたしまして、見直しをしたいというふうに思っております。

○高木委員 ぜひ地域防災計画の見直しを早期に着手していただきたいと思います。特に、阪神大震災以来、水害よりも地震対策というのが、大体どこの自治体もそうだと思いますけれども、主になってきていて、ただそうはいっても、東京なんかは実は水害の方がはるかに発生件数は多いわけですから、地震と水害のバランスをとった地域防災計画というのが必要だと思いますので、もう一度、今回の件を教訓にしていただいて、水害の方にも力を入れていただくという地域防災計画の考え方を改めて示していただきたいなと思います。
 それとともに、これは私の私見だと思いますが、防災を総合的につかさどるセクションというものが、例えば今回は川の堤防が決壊をしたというケースで、これは建設局の所管だよということになると思いますけれども、全体として、やはり防災の総合的なセクションが、ここはちょっと危険だよとか、ここはこういうふうにした方がいいんじゃないかというようなことを全庁的にいえるような、そういう仕組みづくりをした方がいいのではないかなというふうに思っておりますので、そういうことも一つの検討課題として、ご答弁要りませんから、どうぞお考えをいただければと思っております。
 以上です。

○吉倉委員 危機管理の観点から、私も自然災害への対応について何点かお聞きしたいと思います。
 特に台風十四号による九月四日の集中豪雨では、私の地元の新宿を初め、杉並、中野、世田谷、練馬などで、時間雨量一〇〇ミリを超える記録的な大雨で、妙正寺川、神田川、善福寺川などの都市河川がはんらんし、東京二十三区で九月十二日までに、床上浸水二千五百九十六件、床下浸水二千三百十九件という甚大な被害が出ております。
 この緊急事態に対して、まず求められるべきは行政のスピードある対応であります。ところが、実際には区市町村による災害対策本部の立ち上げが迅速に行われていないばかりか、地域住民への避難指示、避難誘導、避難場所の確保などの対応が極めて不十分であります。
 九月四日夜、河川の水位、降雨の状況から、中野区では避難勧告を出したが、杉並区では避難勧告は行われていなかったというふうに聞いております。加えて、杉並区では避難場所に指定されていた小学校や図書館など、六つの施設そのものが床上浸水などの被害に遭ったために、住民の方々の避難ができなくなる、こういう事態が発生しております。
 急遽、臨時の避難所を用意したようですけれども、私の聞いている範囲では、区市町村の緊急対応が全くできていなかったということがあります。もしそうであれば、区市町村の危機管理が極めて脆弱であるということを露呈したというふうに思っております。
 そこで、東京都は今回の水害について、区市町村からどのような報告を受け、いかに対応されたのか、また関係機関との情報連絡をどのように進められたのかをまずお聞きしたいというふうに思います。

○中村総合防災部長 まず、私どもの体制についてから申し上げたいと思います。当日は十七時七分に多摩西部に大雨洪水警報が発令されました。これを受けまして、直ちに私ども総合防災部では情報連絡体制をしきまして、気象庁からの情報を収集の上、関係市町村に警戒情報を発令したわけでございます。
 それからまた、二十時十一分に二十三区西部に大雨洪水警報が発令されたことから、同様に二十三区に警戒情報を発令しております。
 それから、被害発生時でございますが、被害発生時には速やかに連絡するよう、区市町村にあわせて要請をしております。
 また、消防、警察、関係の各局とも連絡をとり合って、初動対応に当たったわけでございます。私どもの方から各区市町村に対しては、刻々状況が、警視庁、消防庁あるいは建設局等からも情報が入ってきますので、そういう情報について、関係の区市町村に伝達しまして、体制の強化等について当たるように働きかけたものでございます。

○吉倉委員 今回のような短時間での大雨による都市型災害は、都市機能を麻痺させるとともに、地域住民に多くの精神的苦痛や経済的な負担を強いるものであり、スピードある対応が必要であります。具体的にお聞きしますけれども、東京都は、区市町村が実施した緊急活動、緊急対応についてどのように掌握をされていらっしゃいますか。各区別に対応状況についてお示しをいただきたいと思います。

○中村総合防災部長 その当日ですけれども、先ほど申し上げました十七時〇七分に多摩西部に大雨洪水警報が発令されましたので、十七時〇七分から翌朝の十時までの報告をまとめますと、当日、各区から各区の体制、これにつきましては私どもが報告を求めております。その報告を求めたものによりますと、災害対策本部を設置したのが中野区一区でございます。それから、水防本部を設置したのが千代田区など七区。その他の体制をとった、情報連絡体制等をとった区が六区でございます。以上の区はそれぞれ体制をとったということでございます。
 なお、被害の大きかった中野区では、この災害対策本部は二十一時四十分に設置してございます。それから、杉並区でございますが、杉並区は水防本部を設置いたしましたが、午前零時に設置をしてございます。また、先生の新宿区でございますけれども、二十二時に情報連絡体制をとったという報告がございました。(「世田谷区は」と呼ぶ者あり)世田谷でございますか……(笑声)
 なお、警察、消防、ライフライン等の防災機関や区市町村とは、継続的にその連絡を行っておりました。

○吉倉委員 九月四日深夜から九月五日の明け方まで、私は水害被害の住民の方と、その応援のために、妙正寺川にかかる北原橋の護岸崩壊の現場におりまして救出に当たっておりました。この西落合二丁目付近一帯の被害規模は非常に甚大であります。混乱する現場で、行政の対応が余りにも不十分だったということは私も実感をしたわけでございます。いわく、休日のために要員の確保ができない、あるいは一〇〇ミリを超える豪雨だから川が決壊しても仕方がない、こんな発言を平気でしているわけであります。
 都の総務局の資料によりますと、二十三区西部に対する警報は九月四日二十時十一分に行われております。また、二十三区東部については、同日の二十二時五十七分に行われております。この都の出した大雨洪水警報の発令の受けとめ方とその後の対応が区によってばらばらであり、しかも各区がとった緊急体制が極めて不十分であるということであります。
 東京都は今後、予想される水害被害を最小に食いとめるために、これまで以上に十分な緊急体制がとれるよう各区に対して働きかけを強めることができないのかどうか、このあたりの所見をお伺いしたいと思います。

○中村総合防災部長 都はこれまでも大きな水害があるたびに、区市町村に対し、明確な対応を図るよう働きかけてまいりました。今回の水害の前でございますが、本年三月には、昨年の新潟県、福井県の豪雨災害を踏まえまして、住民の避難体制の準備、これは要援護が必要な高齢者等の方々でございますが、こういう方々に対する避難体制の避難準備等の整備でございます。それから、あるいは地下空間の浸水対策など、風水害対策の強化について要請をしております。
 さらに、今回の水害でございますが、今回の水害を踏まえまして、速やかに区の防災担当課長会におきまして再度周知徹底を図っております。来月には、市町村の防災担当課長会がございます。また、区市町村危機管理担当部長会、これを開催いたします。こういうところで周知を図る予定でございます。議題として取り上げて協議をする考えでございます。
 今後とも、あらゆる機会をとらえまして、区市町村の初動態勢の強化につきまして、区市町村に対して働きかけを行っていきたいというふうに考えております。

○吉倉委員 次に、消防情報システムについても、東京都が区市町村に働きかけをすることにより、しっかりと再構築を進めるべきであると考えております。具体的には、防災情報無線の活用が、警報サイレンのみではなくて、避難誘導までできるように拡大すべきである、このようにも考えております。また、登録した個人の携帯メールに配信する水防情報メールの検討もすべきである、このようにも考えております。
 こうした水防情報システムに加えて、現在、都が実施している災害対策職員住宅制度、これは私も大変高く評価しておりますが、これを各区レベルでも実施すべきであると考えております。すなわち、夜間、休日を問わず、災害発生時に直ちに参集して初動態勢につく形であります。
 冒頭申し上げた防災情報無線の活用あるいは水害情報メールの配信とあわせて、この災害対策職員住宅制度について、各区に要請することは可能なのかどうか、このあたりの所見をお伺いしたいと思います。

○中村総合防災部長 住民の避難誘導、避難所の設置あるいは運営などの救援活動は本来的に区の責務でございまして、これを支援するために、東京都は災害情報提供システムを構築いたしまして、水防情報や気象情報の提供に努めてきたわけでございます。
 また、区では防災行政無線で、先生おっしゃられましたように、避難勧告のサイレンだとかそういうのを鳴らすようになってございます。あるいは、言葉でできることもございます。このご指摘になりました防災行政無線の活用や、あるいは携帯電話による水防情報の発信というのは、私どもとしても避難誘導手段として有効であると考えております。
 それから、もう一つ、先生おっしゃいました区の災害対策の職員でございますが、これが住宅に入っているかどうかということでございますけれども、十四区が災害対策の職員住宅というのを導入してございますが、残念ながら、東京都の私どもと同様に待機体制をとっているのは三区のみでございます。そういう意味では、初動態勢として、今後強化を区市町村に働きかけていかなきゃならないというふうに思っております。
 先ほど先生がおっしゃられました防災行政無線の活用、携帯電話による水防情報の発信あるいは災害対策住宅の問題につきまして、区市町村にも、ともに検討するように働きかけていきたいというふうに思っております。

○吉倉委員 さらに、都市型水害に対応した危機管理体制を強化することについてでありますけれども、東京都はこれまでも地域防災計画、今もお話出ておりましたが、あるいは防災行動マニュアルを作成されております。
 しかし、残念なことに、こうした指針は地震対応を基本としたものであって、今回のような集中豪雨のもとでは、要援護者を含めた避難方法の記述がないというようなことで、実戦的なものになっていないという感じがいたしております。今回の水害被害の教訓を生かして、地域防災計画また防災行動マニュアルなどの見直しを検討すべきだと思いますけれども、この点いかがでしょうか。

○中村総合防災部長 東京都は、区市町村の地域防災計画あるいは避難のマニュアルとかそういうものにつきましては、指針となるようなガイドラインを示しているものでございまして、それを受けて区市町村が地域特性に応じた具体的な対応内容を盛り込んでいるものでございます。
 私どもも今回の水害の教訓を得まして、先ほど申し上げましたが、地域防災計画の見直しにも入っていきたいということで今申し上げましたので、こういう点も踏まえて検討したいというふうに思っております。

○吉倉委員 また、私は今回の教訓から、これまで余り例のなかった地下空間への浸水被害の発生、特に都心部におけるライフラインや地下鉄、地下街などへの洪水についても懸念をしております。都市の水害の質が変わっている中で、今後、東京都として専門家を加えた、いわば調査会議を設置して、今回の集中豪雨における水害対策を検証し、水害に迅速に対応できる体制を整えるべきだと考えております。
 既に東京都には、建設局の水防会議あるいは総務局の危機管理対策会議が設置されており、それぞれ成果を出されておりますけれども、今後、外部の専門家、有識者を加えた新たな調査会議の設置が重要であると考えております。この点についての所見をお伺いしたいと思います。

○中村総合防災部長 ご指摘の専門家等を加えた新たな地下空間の浸水に対する調整会議の設置でございますけれども、私どもといたしましては、主管局である建設局とよく相談しながら検討したいというふうに思っております。

○吉倉委員 最後にお伺いしますが、今回と同様の水害が発生することは今後も十分に予想されるわけであります。そうした意味から、私は抜本的な対応を含めた総合的な取り組みがどうしても必要である、こういうふうに考えております。
 まず第一に、都が現在進めている環状七号線地下調節池の早期完成。第二には、神田川、善福寺川、妙正寺川における一〇〇ミリ対応を目指した改修計画の必要性。第三には、下水の逆流による道路の冠水を防ぐために、下水と河川の整合性ある改修の必要性。この三点は、今回のような都市型水害に対応するためにぜひとも必要な緊急の取り組みであると考えております。所管局でないことは十分承知しておりますが、全体を取りまとめる役割である総務局長のご決意をお願いしたい、このように考えております。

○高橋総務局長 冒頭にもお話ありましたけれども、今回の集中豪雨では五千棟に及ぶ大きな浸水被害がございました。被害を最小限にとどめるには、ハード、ソフト、両面の対策が求められるわけでございますけれども、お話のハードの整備につきましては、一昨日、昨日の本会議代表質問、一般質問を通じまして、都市整備、建設、下水道、それぞれの担当分野から、被害の大きかった未整備区間の護岸の緊急整備あるいは下水道の貯留管の整備など、その具体的な施策の方向をお示しをさせていただいております。
 こうした水害に対応していくのには、河川や大規模な地下の調節池、また下水道の整備、さらには透水性の道路舗装など、着実に予防、減災のためのこういった取り組みを進めていくことが必要であると、私自身強く認識をしております。
 また一方で、被害を最小限にとどめるのには、ソフトな対策としましても初動の迅速な対応ということで、ただいま、特に区市町村との連携につきましても厳しいご指摘を含めていろいろご意見をいただいておりますけれども、総合防災部長の答弁しましたとおり、あらゆる機会を通じまして、こういった初動態勢の確立をまず十全に図るということとあわせまして、地域の皆様の協力あるいは協働、こういったものによる自主防災組織とのこういう連携、果たす役割が大変重要であるというふうに考えておりまして、こういった観点から、都は区市町村と連携しまして災害情報の活用あるいは避難勧告の判断基準の共通化、こうしたことの取り組みも進めておりますし、また自主防災組織の防災力の対応の向上ということにも取り組んでおります。
 こうしたことを通じまして、災害に強い社会づくりを進めていくということでございますけれども、防災対策を担当します局長としまして、庁内各局、改めて自覚を持ちまして取りまとめを行いまして、今回の災害を教訓としまして十分な課題の検証を行い、地域防災計画の見直しに具体的に反映をしていきたいというふうに考えております。
 また、国、警察、消防、自衛隊、ライフライン、さらには情報提供いただく報道機関、こういった防災機関とも十分に連携を図りながら、議会のご指導をいただき、今後とも全力を挙げて防災対策に取り組んでいきたい、このように考えております。よろしくお願いいたします。

○山下委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十三分散会

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