総務委員会速記録第七号

平成十七年六月三日(金曜日)
第一委員会室
   午後一時六分開議
 出席委員 十三名
委員長中村 明彦君
副委員長吉原  修君
副委員長藤田 愛子君
理事樺山たかし君
理事樋口ゆうこ君
理事中嶋 義雄君
真鍋よしゆき君
古館 和憲君
中屋 文孝君
桜井良之助君
服部ゆくお君
藤川 隆則君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本局局長前川 燿男君
次長前田 正博君
企画調整部長三枝 修一君
総務局局長赤星 經昭君
危機管理監中村 正彦君
理事人事部長事務取扱大原 正行君
総務部長大塚 孝一君
行政改革推進室長前田 信弘君
IT推進室情報企画担当部長木谷 正道君
IT推進室電子都庁推進担当部長永田  元君
主席監察員相上 孝司君
行政部長荒川  満君
多摩島しょ振興担当部長清宮眞知子君
三宅島災害復興対策担当部長渋井 信和君
都区制度改革担当部長島  博文君
総合防災部長中村 晶晴君
参事高橋 尚之君
局務担当部長竹内 直佐君
勤労部長志賀 敏和君
法務部長中村 次良君
統計部長須々木亘平君
人権部長和田 正幸君
選挙管理委員会事務局局長高橋 和志君
人事委員会事務局局長佐藤  広君
任用公平部長齋藤  進君
監査事務局局長高橋 道晴君

本日の会議に付した事件
総務局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百四十六号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百四十七号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百四十八号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
・第百四十九号議案 東京都恩給条例の一部を改正する条例
・第百五十号議案  雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・第二次都庁改革アクションプラン実施状況報告(平成十七年三月末現在)について
付託議案の審査(決定)
・第百四十六号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百四十七号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第百四十八号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
・第百四十九号議案 東京都恩給条例の一部を改正する条例
・第百五十号議案  雇傭員の退職年金及び退職一時金等に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○中村委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の付託議案審査及び報告事項に対する質疑、並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより総務局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 馬場人権担当理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありましたので、ご了承願います。
 次に、付託議案の審査を行います。
 第百四十六号議案から第百五十号議案までを一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○中村委員長 次に、報告事項、第二次都庁改革アクションプラン実施状況報告に対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○桜井委員 前回の総務委員会で報告のありました第二次都庁改革アクションプランの実施状況によりますと、プランに掲げた全施策数二百八十九に対しまして、ことしの三月までに、一部実施を含めて百九十七の施策を実施したという報告がございました。
 この計画は四年間の計画でありますが、既に後半戦に入っているわけでありますが、今後とも、改革のための施策を確実に実施していっていただきたいと思っております。
 そこで、まず、計画期間の後半に取り組むべき課題の主なものにどんなものがあるのか、お示しをいただきたいと思います。

○前田行政改革推進室長 平成十七年度以降に行います施策の中には、総務事務の抜本的な改革、試験研究機関の見直し、さらに公営企業経営のあり方など、各局にまたがる大きな施策が残ってございます。また、監理団体の改革をさらに進めていくことも課題でございます。
 このほか、アクションプランを策定しましてからほぼ二年が経過しておりますことから、この間の社会経済状況の変化や国の動き、さらには制度改正などに適切に対応していくことも求められている、このように考えております。

○桜井委員 えてしてこういう計画は、初めはどうしてもやりやすいものからやっていって、残るものは、非常に内容的にも困難なものが後に残るという傾向でありますが、したがって、あと二年間、大変な問題に対して取り組んでいかなきゃなりませんので、一層の努力を求めるわけでありますが、ただいま示されました後半の課題に対してどのように対応していくのか、お答えいただきたいと思います。

○前田行政改革推進室長 アクションプランの実施施策につきましては、毎年度、各年度ごとに全施策の進捗状況を確認するとともに、万一おくれているものにつきましては、その原因を突きとめまして、各局に改革の推進を働きかけるなど、着実な進行管理を図ってございます。
 先ほど申し上げましたような課題は、ご指摘のとおり、いずれも難易度の高い、難しい方の課題でございますので、こうした各局にまたがる大きなテーマについては、こうした取り組みをより一層強力に行っていくこととしてございます。
 また、社会経済状況の変化が激しい中で、二百八十九実施施策を掲げてございますけれども、その都度、取り組み状況を見ながら、施策の追加や変更などの見直しも進めてまいります。

○桜井委員 お答えによりますと、目標の二百八十九という全施策が、ふえる場合もあるし減る場合もありますよ、こういうようなお答えだと思うんですが、国の改革議論を見ましても、三位一体を含めて、各省にまたがる問題については、必ず問題が起きて前へ進まないということがありましたので、特にこの点は、都においては、掲げた行政改革の目標はしっかりと実現していっていただきたいと思います。
 問題は、十八年度までになっていますが、十九年以降についても、行革というのは常に間断なく取り組んでいかなければならないものでありますから、その中には中期、長期的に考えなきゃならないものもたくさんあると思います。
 そこで、本プランの終了後、次のプランを考えた場合に、取り組んでいかなければならない行革についてはどう考えていらっしゃいますか。

○前田行政改革推進室長 ただいま進めておりますアクションプランは十八年度までということになっておりますけれども、その終了後も、質の高い行政サービスを効率的かつ効果的に提供していくというためには、お話のとおり、行政改革をさらに続けていく必要がございます。
 現在のプランの終了後の対応ということにつきましては、しかるべき時期に十分検討する必要があると思っておりますけれども、行政改革の方向といたしましては、執行体制の見直しとか民間との協働、区市町村との役割分担などに引き続き取り組むとともに、現在のアクションプランで取り上げました指定管理者制度とか、あるいは地方独立行政法人制度などの新たな手法につきまして、この効果を検証し、さらに積極的に展開していく、こういうことがあると考えております。また、都庁の内部事務の一層の効率化などにも取り組まなければならない、このように考えてございます。

○桜井委員 それでは、最後にしたいと思うんですが、なぜこのことを聞くかといいますと、十八年度までの行革は、ある程度問題点を探し出して、これをやる、あれをやる、こういう形なんですが、十九年度以降は、社会の変化というんですかね、そういう面にあって、本当に抜本的な都庁の見直しをやるにはいいチャンスだと思っているわけなんです。
 その理由は、社会全体において、いわゆる団塊の世代が大量に退職をする時期を迎える、そういう大きな変化が迫っているわけでありまして、聞くところによりますと、都庁でも例外でなく、十九年から二十二年のいわゆる四年間では、約三万人の職員が定年退職する見込みであるというふうに伺っているわけでありまして、この大量退職期を過ぎた二十三年度以降を展望すれば、必要な都民サービスを提供するためには、これまでにない発想で大胆な事務の見直しを行っていくことが大事であり、いいチャンスではないかと思うわけなんですね。
 行政のあり方、組織のあり方、仕事の進め方、こういうものを根本から検討していく上において、次の四年間の方がむしろ非常に大事な時期を迎えると思うわけでありまして、将来の方向として、こうした社会の変化に対応して、さらに踏み込んだ行政改革をやっていくことが非常に重要だ、また必要である、こう思うんですが、この点についてはどのように考えているのかお聞きして、私の質問を終わります。

○赤星総務局長 今先生ご指摘のように、十九年度から二十二年度まで、大量の職員退職ということを考えますと、これまでのままの延長線上での仕事のやり方あるいは執行体制では、新しい課題への対応というのは困難になってくると考えます。官と民との役割分担の見直しを徹底して行いまして、民間で行えるものは民間にゆだねますとともに、限られた人材を機動的かつ効率的に活用しまして、ご指摘のとおり、一歩先を見通して、真に必要な行政サービスを都民に提供するため、必要な改革を実施してまいりたいと思います。

○桜井委員 終わります。

○古館委員 それでは、質問ではありませんで、意見を述べさせていただきたいと思います。
 第二次都庁改革アクションプランの実施状況の報告を読ませていただきました。この間、第二次財政再建推進プランと第二次都庁改革アクションプラン、これは一対のものとして推進されてきました。その特徴は、福祉や教育、中小企業、住宅、環境などの都民施策の切り捨てなどと並行して、都立病院や都立大学、各種研究機関等々、都民の財産の民営化などが進められてきたことであります。
 この大もとには、NPMとかPPP、すなわち公民パートナーシップなどに象徴されているように、官から民へというスローガンのもとで、都財政も都のさまざまな機能も財界奉仕へと誘導してきたことであります。
 この発信元は、経済同友会や日本経団連などの財界であります。
 経済同友会は、二〇〇一年の年頭に当たって、自律国家における再配分の原則にかかわってなどとする文書を出しましたけれども、そこでは、政府の役割をすべての国民に対して日本の尺度ではかった最小限の生活水準を保障することにのみ限定すべきだとして、国民には自助努力を押しつけ、国の役割については、防衛、経済協力、司法、恩給、年金、扶助費などとし、地方自治体の役割としては、教育、警察、消防、公共事業に限定することを提案し、国や地方自治体が福祉を初めとする住民サービスから撤退していくことを露骨に求めたものであります。
 日本経団連も、二〇〇四年度に「民間活力の発揮を促進するための規制改革・民間開放の推進」、ことしの四月には「さらなる行政改革の推進に向けて」と題して、「国家公務員制度改革を中心に」などが矢継ぎ早に出されるなど、財界主導の国づくり、自治体づくりが現在も進められてきています。
 都市再生につきましても、むだと浪費という形で、都財政の支出だけではなくて、規制緩和の名のもとで財界へのさまざま特権が与えられ、環境破壊をも深刻にしていることは、日々の進展の中で明らかであります。
 今求められていることは、都財政も都の財産も都民本位にこそ転換する、このことが今求められていると確信をしています。第二次都庁改革アクションプランなどの根本的見直しを強く要求しておきます。
 以上です。

○中村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○中村委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百四十六号議案から第百五十号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○古館委員 第百四十六号議案並びに百四十七号議案につきまして意見を述べます。
 本議案につきましては、第一回定例会で可決されました東京都屋外広告物条例の一部改正で、この条例に記されております事務を特別区並びに市町村が処理することとし、事務移管するものであります。
 この条例について、我が党は以下の理由で反対をいたしました。その改正点は、屋外広告業に登録制を導入して、中小零細業者も含めおよそ四千件に新たな負担を課するものであること、また、商店街などの屋外看板やのぼり旗、置き看板など、商店街のにぎわいなどのために設置されているものまで必要以上の規制がかけられ、過料を取られる危険性もなしとはしないとして反対したものであります。
 今回、区市町村が処理する事務として移管されるわけでありますけれども、移管されることによって新たな負担や過料が科せられる事態がなくなることではないことから、両議案に反対するものであります。
 以上です。

○中村委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百四十六号議案及び第百四十七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○中村委員長 起立多数と認めます。よって、第百四十六号議案及び第百四十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百四十八号議案から第百五十号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認めます。よって、第百四十八号議案から第百五十号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○中村委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○中村委員長 この際、所管局を代表いたしまして、赤星総務局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○赤星総務局長 当委員会所管の五局を代表いたしまして、一言御礼申し上げたいと思います。
 ただいま、本定例会にご提案申し上げておりました議案につきましてご決定を賜り、まことにありがとうございました。この間にちょうだいいたしました貴重なご意見、ご要望等につきましては、可能な限り今後の都政運営に生かしてまいりたいと思います。
 さて、昨年十月から、中村委員長を初め当委員会の理事、委員の皆様方におかれましては、私どもが所管しております事務事業につきまして、数々のご指導、ご鞭撻を賜りました。
 本日は、任期中最後の定例会中の委員会でございます。任期の満了とともにご勇退される委員の方々におかれましては、終始変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りましたことを、私ども一同、心から御礼を申し上げたいと思います。今後とも都政の先輩として引き続きご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 また、改選を迎えられる委員の方々におかれましては、来る選挙でのご健闘を心からお祈り申し上げまして、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○中村委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ごあいさつを申し上げます。
 昨年の十月の七日、総務委員会の委員長を拝命をいただきました。以来、円滑な委員会運営をさせていただきましたことを、深くまずもって感謝申し上げる次第でございます。その中では、やはり、藤田副委員長そしてまた吉原副委員長、各理事の皆様、また委員の皆様のご協力があったものというふうに感謝している次第でございます。
 そうした中で、理事者の方々にも、誠意ある答弁、また緊張した中での建設的な議論、こういうものを活発にさせていただきました。特に、三宅島の帰島、そういうものも解決もいたしましたし、多くのこの委員会での成果があったというふうに感じているわけでございます。
 いよいよこの七月には都議会議員選挙で我々改選を迎えるわけでございますけれども、都民の審判を受ける中で、今までの成果、そしてまた今後の課題に取り組む、そういう姿勢を都民に訴えてまいりたい、そしてまた東京都の進展に寄与したい、このように考えているわけでございます。
 また、今期でご勇退される各委員の方々には、今後も大所高所から東京都の発展、進展のためにご意見を賜れればというふうに思っているわけでございます。
 たったの九カ月間、本来なら一年という任期でございますけれども、九カ月間の任期、本当にありがとうございました。(拍手)
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十五分散会

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