委員長 | 中村 明彦君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
副委員長 | 藤田 愛子君 |
理事 | 樺山たかし君 |
理事 | 樋口ゆうこ君 |
理事 | 中嶋 義雄君 |
真鍋よしゆき君 | |
古館 和憲君 | |
中屋 文孝君 | |
桜井良之助君 | |
服部ゆくお君 | |
藤川 隆則君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 前川 燿男君 |
儀典長 | 伊藤 誠君 | |
次長 | 前田 正博君 | |
企画調整部長 | 三枝 修一君 | |
秘書部長 | 松田 二郎君 | |
政策部長 | 宮川 昭君 | |
参事 | 升 貴三男君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 河島 均君 | |
調整担当部長 | 上田 洋平君 | |
参事 | 藤井 芳弘君 | |
参事 | 新行内孝男君 | |
国政広域連携担当部長首都調査担当部長兼務 | 野澤 直明君 | |
自治制度改革推進担当部長 | 秋山 俊行君 | |
国際共同事業担当部長 | 大村 雅一君 | |
治安対策担当部長 | 久保 大君 | |
参事 | 高嶋 明君 | |
青少年育成総合対策担当部長 | 白石弥生子君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 佐藤 広君 |
任用公平部長 | 齋藤 進君 | |
試験室長 | 星川 敏充君 | |
審査担当部長 | 友繁 佳明君 | |
監査事務局 | 局長 | 高橋 道晴君 |
監査担当部長 | 矢島 達郎君 |
本日の会議に付した事件
監査事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出 監査事務局所管分
人事委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出 人事委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十九号議案 審理、喚問、聴聞等に出頭した者及び公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
知事本局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出 知事本局所管分
報告事項(質疑)
・平成十六年度行政評価結果について
○中村委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、人事委員会事務局及び知事本局関係の平成十七年度予算の調査、人事委員会事務局関係の付託議案の審査並びに知事本局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより監査事務局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案中、歳出、監査事務局所管分を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 ないようでしたら、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 異議なしと認め、予算に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○中村委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案中、歳出、人事委員会事務局所管分及び第四十九号議案を一括して議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○中村委員長 これより知事本局関係に入ります。
予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案中、歳出、知事本局所管分及び報告事項、平成十六年度行政評価結果について、一括議題といたします。
本案及び本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○桜井委員 私は、知事本局の所管事務に関連して質問させていただきたいと思います。
次代を担う子どもたちや青少年が健全に育成される環境を整備することは、行政はもとより、東京全体、社会全体としても大きな課題だと思うわけでございますが、東京都は、担当副知事を設置して、都庁の力を結集して青少年の健全育成に取り組んでいるところであります。そして、私は、その中心を担っているのは知事本局ではないかな、こういうふうに思う次第であります。
そこで、東京都が今進めています青少年健全育成総合対策の基本的な考え方を、まず伺いたいと思います。
○白石青少年育成総合対策担当部長 青少年健全育成総合対策の基本的な考え方についてでございますが、少年犯罪の凶悪化、低年齢化、児童虐待、有害情報のはんらん、フリーターの増加など、青少年をめぐる問題はますます深刻化しております。こうした問題に対処するために、昨年八月に青少年育成総合対策推進本部を設置し、これまで総合的かつ効果的な対策の推進に努めてまいりました。
今後も、若者の社会的自立の促進、地域における子育て支援体制の強化、有害な情報、環境から子どもを守る取り組みの三本を柱といたしまして、関係各局と連携して取り組みを一層推進してまいります。
○桜井委員 総合対策の基本的な考えをお伺いしたわけでありますが、今の答弁にもございましたように、青少年の健全育成といいますと、少年犯罪、児童虐待、フリーターなど、どうしても青少年、若者をマイナスのイメージでとらえがちかな、こういうふうに考えるわけでございます。健全というのは一体何ぞやということにもつながるわけでございますが、私は、若者、青少年はすべてがそうだとは思いません。先日、三大紙の新聞販売店でアルバイトをしながら勉学にいそしんでいる若い人たちと懇談したときも、こういうイメージは、その人たちの中からは感ずることはできませんでした。
それから、いわゆるNPOの人、ボランティアで参加している若者とも話し合う機会があったんですが、そのNPOは、今なお解決せずに毎日人が死んでいるイスラエルとパレスチナの問題の中で、イスラエルとパレスチナの子どもたちを日本に招待をして、日本の子どもたちと合わせて混成チームをつくってサッカーの大会を開いているということを一生懸命やっているNPOの人たちなんですが、それに参加しているボランティアの青年に聞きますと、やはり平和というものについて、自分たちは本当に何の力にもなれないけれども、この世に生きている一人の人間として、やっぱり平和というもののともしびをともしたいという青年ばっかりでありまして、そういう青年たちを、やはりしっかりと私たちは見守っていく必要もあるんじゃないかなと思うわけなんですね。
そこで、都が行ういろんな青少年の対策、対応を考えるわけでありますが、マイナス面でなくて、若者のプラスの面にも目を向けて、それを伸ばしていくということが大事だと思うんです。そのために東京都は何ができるかということをぜひ考えてもらいたいな、こういう思いが強いんですが、ご見解をお伺いします。
○白石青少年育成総合対策担当部長 青少年のすべてが問題を抱えているということではもちろんありませんで、勉学とかスポーツに積極的に取り組んで、健やかに育っている青少年が多いというふうに思います。
また、スポーツや芸術の分野で世界的に評価されている十代の若者の活躍というのもたくさん聞きますし、災害復興の場などでボランティア活動などに真摯に取り組みまして、人々の役に立ったり、それから、感動を与える若者がたくさんおります。若者のマイナス面だけではなくて、こういう若者のよい面にも注目いたしまして、その長所を伸ばしていくということは大変重要だというふうに考えております。
○桜井委員 今の白石部長の答弁でも、若者のプラスの面を伸ばしていくという必要性については認識は一致したと思うんですね。今、部長が挙げましたとおり、若者にはいろんなプラスの面はあるわけでありますが、私は、特に文化の担い手として、積極的な観点から若者をとらえていくことも大事ではないかな、こう考えておるわけなんです。
東京の文化といいますと、いわゆる江戸切り子とか、江戸の織物とか羽子板とか、こういう伝統工芸的なものもあれば、また、新しい文化の発信をしているというふうに、伝統と創造という二つの局面を持ったのが東京の文化の特色ではないか、こういうふうに思っているわけでございます。
特に、その中でも、伝統文化、伝統工芸につきましては、非常に後継者の育成にみんな悩んでおりまして、そういう意味では、やはり若い人にこの文化の継承をお願いする以外にないわけでありまして、そういう観点から、この青少年健全育成総合対策では若者の社会的自立を促進するということが大きな柱になっているわけでありますが、こうした伝統文化の後継者育成ということも視野に入れて取り組んでいくことも大事ではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○白石青少年育成総合対策担当部長 若者の社会的自立を促進する取り組みの一つといたしまして、来年度、産業労働局が職人塾というものを開設いたします。この塾は、例えば銀細工などの伝統文化の担い手のもとで、こういう仕事を希望する若者に弟子入りする機会を与えまして、支援するものでございます。こうした若者の意欲を喚起し、自立を促進することが、すなわち伝統文化の後継者の育成につながる、こういうことを期待しております。
○桜井委員 期待のみならず、ぜひ取り組んでいただきたいと思うんですが、職業に触れるということは、青少年にとりまして非常に大事なんですね。今、アメリカやメキシコシティーで、やはり子どもたちが職業に触れ合う施設が非常に人気で、その中へ行くと、パン屋さんだとか、そういうすべての職業が網羅されて、それに接触するような施設がありまして、それは大変好評だ。
昔の子どもさんは、何になりたいと聞きますと、僕、何になりたいと答えてくれたんですが、最近のお子さんは、何になりたいと聞いてもなかなか答えが出てこないということで、やはり一つの時代の流れかもしれませんが、ある意味ではその辺もしっかりと、子どもさんの意識を育てていくことが大事だと思います。伝統文化の継承は若者にお願いしていく以外にありませんので、積極的な取り組みが非常に大事だと思いますので、ぜひ、ご期待だけではなくて、取り組みもお願いしたいと思います。
一方、新しい文化という面でいえば、東京は、情報とか、あるいは流行の最先端であり、毎日のように新しい文化が若者を中心に生まれて、全国、または場合によっては世界に発信していると思うわけでございます。その新しい文化を創造して発信していくことは、文化振興に非常に大きな役割を持つと思いますし、柔軟な発想とその大きなエネルギーを持つ若者の活動に期待するところは大きい、このように思うわけでございます。
石原知事は就任以来、東京ワンダーウオールというものを一つの例にして、若手の芸術家同士が切磋琢磨して、新しい文化、質の高い芸術が創造される、そういう場や環境の整備を進めているところでありますが、私は、こうした取り組みは単に美術だけじゃなくて、音楽とか演劇などの面でもぜひ広げてほしいなと思っているわけでございます。よく若い人たちの話や要望も、都政に何か要望ありませんかと聞きますと、音楽や演劇の練習や発表の場が欲しいという声が結構多いわけでありまして、渋谷に東京都児童会館がありまして、そこの音楽スタジオではそういう人たちが一生懸命バンドの活動などを行っているわけでありますが、私は、芸術やプロを目指す人も当然でありますが、その人たちだけじゃなくて、これから新しい文化を創造していく若者たちが充実した活動の場を持つこと、また、そういう場を与えてあげるということが、東京の文化振興と青少年の健全な育成の両方に寄与していくのではないかなと考えるわけでありまして、その辺のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○白石青少年育成総合対策担当部長 若者には、文化に限らず、スポーツ、勉学など、自分の持っている力を発揮できる多くの分野がございます。その中でも特に、今お話しの音楽や美術、演劇などの分野におきます新しい文化の創造につきましては、若者が大きな可能性を持つということは、ご指摘のとおりであるというふうに考えます。若者の社会的自立の促進を図り、青少年の健やかな成長に向けた取り組みの推進に当たりましては、こうした視点を持っていきたいというふうに考えております。
○桜井委員 ぜひポジティブな視点で積極的に取り組んでいただきたいと思います。
その一方で、若者の活動を私たち周囲の年配者というか、大人がしっかりと見守っていくことも大事だな、こういうふうに思いますし、必要な項目だと思います。文化の担い手である若者が、また、文化の担い手がそこに芽生えて、それをサポートする機運をつくり上げていくということも求められているのではないかなと思います。
そのためには、やはり町そのものに文化の苗を植えて、地域で育てて、また、文化の薫りを肌で感ずることのできる町をつくっていくということも大事ではないかと思うわけでございまして、そういう意味では私は、どこだといわれますと、地元には二子玉川がありまして、今いろんな面でそういう要素を歴史的にも持っている。今、大規模なまちづくりが行われようとしているわけでありますが、ぜひ、この町はそういう文化の発信拠点にならないかなという思いを強くしているところでございます。
私はそういう意味では、東京のまちづくりに当たりましては、それぞれの地域の特性を生かしていくことが大事だと思いまして、東京都はやっぱり地区ごとの特色を出すために努力しなきゃならないと思っているわけでありまして、そういう取り組みをこれまでやってきたかどうか、また、今後どのように取り組んでいくかということについてもお伺いをしたいと思います。
○上田調整担当部長 地域の個性を生かしましたまちづくりを進めるために、東京都では従来から、文化的な都市生活の確保を基本理念の一つといたします、都市計画制度の適正な運用に努めているところでございます。これに加えまして、より迅速に個性あるまちづくりを進めるため、平成十五年度から、知事本局において関係局と連携をいたしまして、都有地を活用した先行まちづくりプロジェクトを実施しているところでございます。
この先行まちづくりプロジェクトにおきましては、文化などを含めまして、地域の実情を踏まえて、まちづくりの方向性を誘導目標として設定し、民間の創意工夫を活用した個性あるまちづくりを進めることといたしているところでございます。
○桜井委員 先般の予算特別委員会で中嶋政調会長から二子玉川の話も出していただきましたが、ぜひ、二子は文化の拠点になるような町にしていきたいということを強く願っている次第でありますが、東京全体を見ますと、この二子玉川のほかにも、若者が集まって文化を創造し、また、文化的な魅力を秘めた町が非常に多いと思うんですね。上田部長はお住まいが川の向こうだと聞いておりますが、今、私のいったようなところで東京を見て、どんな町を思い起こすか、もし考えていることがあれば、示してもらいたいと思います。
○上田調整担当部長 若者が集まり、魅力的な町の例ということでございますが、例えば、若者の町といわれます下北沢、これは、私、通勤途上でいつも通っている町でございますけれども、例えば下北沢におきましては、小劇場、ライブハウス、古着屋、雑貨屋などの個性的な店が集積いたしまして、日夜、いわゆる業界人のみならず、こだわりを持った若者やサラリーマン、OLなどが多く集まりまして、にぎわっているところでございます。
また、同じく若者に人気の高い吉祥寺を例に挙げますと、ジャズ喫茶の集積とともに、南側の井之頭公園に続く七井橋通りの古着屋、雑貨屋の集積、北側のハモニカ横町、サンロード、さらに、それを取り囲みます大規模商業施設など、異なる文化、異なる客層が混在して、それが町の魅力になっていると認識しております。
また、こうした定番の町のほかにも、マスコミなどに取り上げられます町を例に挙げますれば、先生ご指摘の二子玉川のほかに、インターナショナルな白金、外資系が密集しておりますことによりまして各国のビアパブが集まっております神谷町、カジュアルなレストランが人気の神楽坂、あるいは、日々変貌する麻布十番などがよく挙げられるところでございます。
都内において、こうした古くからの文化的な街並み、しゃれた文化、国際的な文化を活用したまちづくりが進められつつある、このように認識しているところでございます。
○桜井委員 下町の方にもたくさんあるし、私は三多摩にもたくさんあるんじゃないかなと思うわけでございまして、いろんな町があるというふうに……。ただいまの答弁にもあるように、東京には、今、上田部長が挙げたところ以外にも、魅力的で個性的な文化がさまざまな町で芽生えて育っているところがたくさんあると、私は思うわけでございます。
ですから、若者を文化の担い手として育てていくためには、まちづくりということが非常に大事な点でありまして、そういう意味では、今後のまちづくりを誘導していくに当たりましては、文化の視点も取り入れて、文化とまちづくりを融合させた取り組みをすることが大事じゃないかと思うわけでございまして、その辺を最後に知事本局長にお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
○前川知事本局長 地域の個性を生かしたまちづくりというのは、なかなか難しくて、また、大変おもしろいテーマだと思っておりますが、大変個人的なことで恐縮ですが、私も若いときに、下町のある区で産業担当課長というのを二年半ほどやりまして、そこは、ファッションであったり、ガラス工芸、袋物、いろんなそういう産業が多かったせいもありますが、いわゆる産業自体も文化とは切り離せない、その国の歴史とか伝統文化と切り離せない、それを実感をしております。そしてまた、そういう産業とか文化というものを総合的に体現したのが町のあり方であり、町そのものだろうというふうに、これも実感を持って考えております。
今お話もありましたように、東京の現在の町の姿にいろんな評価はありますが、先ほど部長も答弁しましたとおり、二子玉川を初めとして、いろんな形で個性ある町が育ってきているのも事実だろうと思っております。
これを行政だけでもちろんどうこうできることではありませんで、最終的には都民の実力、その町の実力に帰すると思いますけれども、そういう町を担う若者を育てる、そして、それを支援をしていく。そのためには私ども行政が、まず第一には、きちんとインフラを整備し、必要に応じて基幹施設をその地域につくっていって、そしてまた、ソフト面での援助もしながら、町を育てていくように力を尽くすといいますか、力を合わせてやっていくことが必要だろうと思っております。そういう意味で私ども知事本局も、各局と力を合わせて、なお努力をしていきたい、こう考えております。
○古館委員 それでは、私は、平成十六年度行政評価の結果ということに関連して、幾つか質問させていただきます。
この間、行政評価が平成十一年度から継続的に行われてきております。いうまでもなく、この行政評価ですけれども、積極的推進、着実実施、見直し、抜本的見直し、廃止または休止という五段階になっていますね。私はこの行政評価で最も注目をしておりますのが、抜本的見直しというところに注目をしているんです。例えば、たしか前回の行政評価で、消防庁の防災館の三館体制について抜本的見直しということもありまして、廃止または休止でもない抜本的見直し、この意味合いについては、懐が極めて広いというふうに私自身は解釈をしているんです。
そこで伺いたいんですけれども、抜本的見直しという評価ですけれども、これは、即廃止ということを意味しているんでしょうか。いかがですか。
○新行内参事 抜本的見直しの評価の意味ということでございますが、各評価の意味につきましては、この報告書の一三ページにも記載してございますが、抜本的見直しという評価は、事業の仕組みを含めた根本的な見直しによりまして事業を改善していく必要があることを意味しておりまして、部分的な民営化または区市町村への移管、事業の一部の廃止または休止等も含まれております。なお、見直した結果、事業そのものの廃止ということもございます。
なお、先ほど、委員ご指摘の消防庁都民防災教育センターの運営につきましては、これは昨年の評価では抜本的見直しということではございませんで、見直しという評価でございました。
○古館委員 今のはわかりました。
それで、どうしても抜本的見直しというと、その下の五段階目が廃止または休止。したがって、この抜本的見直し評価というのが、廃止または休止への一里塚という印象を非常に強くいたします。今まで抜本的見直しと評価されたもののうち、見直した後で廃止された事業数と、廃止されないで再構築された事業数というのは、それぞれ何件あるんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○新行内参事 抜本的見直しとした事業のその後の状況でございますが、平成十三年度と十四年度の行政評価の結果について見ますと、抜本的見直しと評価した事業は総件数で十四件でございまして、そのうち廃止となった事業数が一件、廃止されずに再構築された事業が九件、まだ事業の見直しを継続中というものが四件、こういうことでございます。
○古館委員 今のは、なかなか興味あることなんですね。総件数が十三、十四年度の評価で十四件、そのうち廃止となったものが一件ですね。廃止されないで再構築されたという事業が九件、それで、まだ見直しを継続中、これが四件ということですから、なかなか再構築ということで、さらに局内を初めとして事業局を含めていろんな意味での検討がされているという点では、ある意味で抜本的見直しというものの持っている意味合いというのは、さっき私は懐が広いというふうにいったんですけれども、そういうことが当たっているのかなとも思っています。
それで、今までに抜本的見直しと評価したもののうち、例えば、こういうふうに見直した後、廃止されないで再構築しましたよ、こういう事業で特徴的な事業というのはどういうものがあるんでしょうか。
○新行内参事 再構築された事業で特徴的な事業というお尋ねでございますので、例で申しますと、例えば、平成十三年度に評価いたしました、当時、産業労働局が所管してございます貸金業の指導監督、これにつきましては、その後に貸金業対策室を設置しましたり、あるいは、警察官OBを活用した指導監督体制を強化したり、そういうような抜本的な見直しを図ったということでございます。
また、もう一例挙げますと、平成十四年度に評価いたしました、当時の環境局所管でございますが、廃棄物に係る市町村事業への支援という事業につきましては、補助対象施設の限定化、あるいは補助地域の重点化によりまして政策誘導効果を高めるというような抜本的な見直しを図った、こういうことでございます。
○古館委員 それで、同時に、今の再構築の問題があるのと、抜本的見直しが廃止という方向に行くと。それで、特に前の行政評価がそういう傾向が強かったんですけれども、例えば、幹線道路の事業だとか再開発事業だとか、そういうものが行政評価の対象に乗ってきて、それについては積極推進であるとかというふうに、東京都の考えている行政の考え方がどこにあるのかという点で、はっきりいえば行政評価というよりも、東京都がこれはやりたいんだということを、あえて行政評価の中にのっけてくるというような状況も、私は散見されていたし、総務委員会などでも、前の総務委員をしていた木村陽治議員などもそのことは指摘をしていたし、やっぱりそこのところの行政評価の本来のあり方という点では、今いったように抜本的見直しというのを、どういうふうに見直して、本当に都民の目線に立った施策へと発展させるかということがとても大事になっていると思うんですね。
そこで、この点ではさっきとちょっと逆の話になっちゃうんですけれども、今までに抜本的見直しと評価した事業についてですが、その結果、この事業経費について、増減はどのようになったんでしょうか。つまり、ふえたのか減ったのかとかという形で、そういう事例があればいっていただきたいと思うんです。
○新行内参事 事業経費の増減というお尋ねでございますが、平成十三年度、十四年度、行政評価の結果、抜本的見直しとされた事業で、その後廃止となった事業が、平成十三年度の、当時住宅局で所管してございます優良民間賃貸住宅等利子補給助成事業のみでございまして、この廃止した新規の助成費用は約一億八千万円でございますので、その分が減となってございます。
なお、再構築の見直しにつきましては、なかなか増の部分については集計が難しい、こういう状況がございます。
○古館委員 この問題も、私、たしか意見をいった覚えがあるんですね、今の優良民間賃貸住宅の利子補給。結構これは板橋なんかでも利用して、そのときは一区画がかなり密集住宅だったんだけれども、それが一定のマンション建設を誘導する中で、結構バランスのとれたまちづくりができていたなど、こういう問題もあったんで、私は、こうしたことについて、結果としてはそういうふうになったという点では極めて残念に思っているんですけれども、こういう問題に対して大事なのは、行政評価をした場合に、都民に対して当然お知らせをして、意見も求めているというように思うんですけれども、この行政評価について、都民はどのような意見を寄せてきていますか。また、件数としては何件ぐらいあるんでしょうか。
○新行内参事 行政評価に対する都民からのご意見というご質問でございますが、行政評価制度を本格実施いたしました平成十三年度の評価結果を公表してから現在までに都民から寄せられました意見は二十一件でございまして、個別の事業評価に対するご意見のほかに、評価制度に対する意見として、例えば、都と特別区の役割分担を含めて評価を実施してもらいたい、そういうような意見がございました。
○古舘委員 ちょっと部長、済みません、もう少し大きい声でいってもらえませんか。
それで今、部長の話の中で、行政評価の制度についての意見もご意見としてありますというような答弁がありました。それで、この意見の中で、例えば、事業所管局と評価の実施局の評価の違いが生じた理由は何なのかということを明示してもらいたいという意見もこの中にあるとか、評価を問題提起型にしてもらいたいとか、結構そういう意味じゃ貴重な意見が都民から寄せられているんですね。
こういうことについての声の反映のされ方というのは、どういうふうになっているんでしょうか。
○新行内参事 都民からの意見の反映というご質問でございますが、先ほど委員ご指摘のとおり、私ども、寄せられた意見につきましては、行政評価のホームページでその趣旨を公開させていただいているところでございます。
その意見は、事業実施局の方へ送付いたしまして、それぞれの局における事務事業の見直しの際に、検討材料の一つとしておるところでございますし、また、私ども知事本局としましても、制度の仕組みについてのご意見については、検討材料として、今後の改善のために参考にしているところでございます。
○古舘委員 それで、具体的にこの平成十六年度の行政評価の結果について何点かお聞かせいただきたいと思いますけれども、評価のナンバー1なんですけれども、マンションの改良工事助成事業の第二次評価、つまり知事本局の評価ですね。ここの評価では、補助の重点化の検討という評価をしているんですけれども、この重点化というのはどういうことなんでしょうか。
○新行内参事 評価票の一四ページ記載、ナンバー1のマンション改良工事助成事業につきましては、マンションの共用部分を改良、修繕する管理組合に対して、住宅金融公庫のマンション共有部分リフォームローンを利用する場合に一%利子補給を行う、そういう事業でございまして、私どもの二次評価では、マンションの共用部分に係る計画的な大規模修繕の支援を必要とした上で、本事業がマンションの築年数に関係なくすべて助成しているために、限られた財源を有効活用する観点から、長期修繕計画に基づく大規模修繕への重点化などを検討する必要があるとしたものでございます。
○古舘委員 これは今、簡単に、素朴に聞くと、利子補給をしていて、築年数は関係なくやっているから、それを重点化したいと。ということは、結局、これはある意味での政策的な位置づけというのが必要なんだと思うんです。
私は、マンションの問題についていうと、とりわけこういう意味での改造という点で急がれているんだったらば、それは、震災に対する強い構造、そういうことをマンションとしてどうするかと。とりわけ築年数が経過すればするほどそういう地震に対してもろいという傾向があるわけですから、例えばそこのところを、一概にこのことを重点化するんであれば、築年数のものに対して、やはり大事なのは--私、この間、文書質問させていただいたんですけれども、横浜市では、築年数が三十年とか一定経過したマンションに対しては、耐震診断に対しての支援というのを独自にやっていまして、それで、一定の年数がたったマンションで、簡易ですけれども耐震診断をやって、その結果、大体七割強がどこら辺かを補強しなきゃいけないという結果が出ていると。
つまり、先ほど、私がなぜ抜本的な見直しという問題に対して最初に問題提起したかというと、そういうふうに重点化をするということであれば、地震に対してどういうふうに、壊れない、つぶれない、そういうマンションにしていくのかという点でのやはりアプローチというか、接近が必要なんだというふうに思うんですね。
ですから、そういうような例えば横浜でやっているような耐震診断助成や支援、こうしたことをぜひ再構築として具体化していただきたい、このように思います。
この問題は、事業局があることですので、ここでどうですかと聞いてもあれなんで、これはぜひ事業局ともよく相談をして、詰めて、そういう実効のある再構築として立ち上げていただきたいなということを強く求めておきたいと思います。
それから、ナンバー4ですけれども、リフトつきの乗用自動車運行助成事業、この補助方式の検討というふうになっているんですが、これはどのようにしようとしているんでしょうか。
○新行内参事 二六ページ記載のナンバー4、リフト付乗用自動車運行助成は、一般の交通手段を利用することが困難な重度身体障害者や、寝たきり等の状態にある高齢者などが利用するリフト付乗用自動車運行助成事業を実施する区市町村に対しまして、事業費を補助するものでございます。
平成十五年度には、複数台の運行を実施している区市数が二十四区市となり、実施区市全体で百四台が運行され、全体の利用人員は約十九万人に達しているものでございます。
こうした実態を踏まえまして、民間事業者を含む地域における類似的移送サービスの整備状況や利用実態等を把握した上で、区市町村に対する補助方式を見直し、区市町村が地域の実情に応じて自主的事業展開を推進できるような方法などを検討する必要があるとしたものでございます。
○古館委員 今、ちょっと長い答弁だったんですが、最後の方のところで、ちょっとその自主的にというのは、完璧にこれは区市町村に対する補助をやめるということですか、これ、そういうふうに聞こえちゃったんですけれども、どうなんですか、それは。
○新行内参事 補助をやめる、やめないということではございませんで、区市町村がそれぞれの福祉的サービスの自主的展開をしていく際に、それに対する補助をするというような形で検討する必要もあるのではないかというような意味でございます。
○古館委員 私、板橋なんで、板橋区の、かかわっている方や区民や、そういう人にもこの問題について、リフト付タクシー運行委託についてちょっと聞いたんですね。そうしたらやっぱり、一定このあり方については検討しなきゃいけない、こういうふうにいっていました。その検討も、どうしたらいいかということで、最近、板橋の場合はタクシー会社一社に委託をしている、そういうことがいいのかどうかということについてもやっぱり検討した方がいいと。これは区民の間からも結構声が出ていて、例えばNPOだとか、最近そういうのが結構立ち上がっていて、やっているわけですよね。そういう人たちに対しては支援がなかなかない、こういう声も結構あるんですね。
したがって、この問題については、よりよく支援ができるにはどうしたらいいかという点でも、やっぱりお互いに知恵を出し合って前向きに検討していただきたい、こういうように思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○新行内参事 私どもがこの事業を直接所管しておるものでございませんので、その辺を、前向きにとか、なかなか答弁しにくいものがございますが、そういったご意見があったということは、先ほど申しましたように事業局の方にも伝えまして、今後、事業局における検討の際にも参考にさせていただきたいと思います。
○古館委員 私は、そこのところは事業局の問題もあるし、だけれども同時に、最終的に決断を下して第二次評価というのが分かれた場合には、第二次評価がある意味で都の方向性として決まるわけですよね。
第二次評価というのは知事本局がしているわけであって、そういう部分に対するありようというのは、本当に、私は、別にほかの事業局がどうだという意味ではなくて、これは知事本局ですから、都政をどうするかという意味での、ある意味で政策スタッフというか、そういう人はそろっているわけですから、これは、そういう点では、よりよい方向性はどうあるべきかということについても、大いに事業局とも知恵を出し合って、いい結果が出るように期待したいと思っております。
最後に、ナンバー17の東京消防庁PRセンターなんですけれども、これは、運営の抜本的見直しとしたのはなぜでしょうか。
○新行内参事 七八ページ記載、ナンバー17の東京消防庁PRセンター、ここにおきましては、シアターやジオラマなどによりまして、わかりやすく楽しみながら消防行政への理解を深めてもらって、あわせて防火防災思想の普及啓発を図っておるところでございます。
しかしながら、このPRセンターは東京消防庁の本庁舎の一階にございまして、来庁者とそのPRセンターへの見学者の双方が訪れる場所、こういう形になっておりまして、テロへの警戒対策としての庁舎警備の強化に伴いまして、都民が気軽に立ち寄れなくなってしまう、そういう状況で事業目的が十分に果たせなくなってしまいました。
このために、消防行政のPRにつきましては、消防防災資料センターや都民防災教育センターなどで効果的、効率的に行うことを検討して、本PRセンターは、廃止を含め抜本的に見直すという必要があるとしたものでございます。
○古館委員 もう一回聞きますけれども、消防庁のPRセンターそのものの位置づけはどうなんでしょうか。これ自体は有意義であるという認識はあるんだと思うんですけれども、いかがですか。
○新行内参事 必要性という点でございますが、私どもといたしましては、二次評価におきましては、そういったPRセンターそのものがもう役目が終わったのではないかという形で、先ほどの評価の欄でいきますと二という形で評価してございますが、その文章の説明の中におきましては、消防行政の円滑化を推進するために、効果的広報活動が必要であり、そのため、災害救急情報センターの見学とあわせ、各種展示物を活用したPRを実施していた、というふうに記載してございます。
○古館委員 いや、私は、これは必要なんだと思うんですよ。
それで、調べたら、三万数千人の方かな、年間。結局、なぜここが人数が落ちているかというと、今のこの世の中ですから、セキュリティーのことだとか、だんだんいろんなことを考えていくと、消防庁の中にそういうのがあるというと、これはなかなか一般の人が出入りするという点では厳しい、こういう部分があって少なくなっているんであって、私は、こういう消防庁のPRセンターの機能そのものは非常に大事なものだというように思っているんですね。
この問題で、私は、前にも池袋の防災館、これは、池袋というと、いや、三館体制の見直しだって--なぜ私が池袋というかというと、ほかの二館は独立した館として駐車場もあったりしていますから、そこがどうしても不必要だというふうにはならないんですよね、三館体制となると。池袋は、池袋消防署の中にあって、そこに組み込まれて防災館があると。ところが、年間六万人ぐらい来て、私なんかも行ったし、地元でも結構何回も行っている人はいっぱいいるんですよね。
そういうところについて、私は、例えば、知恵を出してもらいたいといっているのは、あそこは隣が都立の芸術劇場なんですよね。あそこには結構観光客が来て、芸術劇場ですから大型バスも何台かとめられるスペースもあったり、地下に駐車場があったりしているわけですよね。じゃ、そういうところと消防庁が提携して、その防災館に来る人に対しても、一定程度そういう駐車場のスペースみたいなのが--だから、そういうような機能というのは、やっぱり今、これから三十年以内に直下型は七割の確率で来ますよなんということが中央防災会議でいわれているわけだから、そういうことについては、知恵を出して、やっぱりどういうふうによりよい形で存続するかという点で、ぜひ英知を結集してもらいたいと思っているんですけれども、最後に本局長がご答弁いただければありがたいと思うんですけれども……。
○前川知事本局長 いわゆる消防行政のPRであるとか、当然PRを行う場合であっても、効率的に行わなくてはいけない、それはご指摘のとおりだろうと思っております。
ただ、お話があったこのPRセンターそのものにつきましては、今、部長からも答弁がありましたように、現行のままでいいとは--いろいろセキュリティーの関係もあって、これは問題があるということは、だれもがわかっているわけでありますから、その点もきちんと踏まえて、PRのあり方を考えていきたい、こう考えております。
○藤田委員 私も、行政評価のことについて何点かお尋ねしたいんですが、大分重なりますので、少し避ける点でも、ちょっと予定をしていたところからずれるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
この行政評価制度を十三年に本格実施してから四年目ということでありますけれども、これまでどのぐらいの事業を評価して、どういうような視点、テーマ性を持ってやってきたのかをまずお伺いいたします。
○新行内参事 行政評価制度は、成果重視のより効率的な行政の展開、また、都民の皆様方に都の施策に係る的確な情報を提供していくことなどを目的としまして、平成十一年度と十二年度の試行を経まして、十三年度から本格実施いたしました。これまで、十一年度からの六カ年で行政評価を実施した事業数は、二百四十事業でございます。
評価実施対象の選定につきましても、地方分権や行政改革が喫緊の課題となる中、都の果たすべき役割を検証することが求められている状況を踏まえまして、都の事務事業のうち、緊急性及び必要性に応じて、特定のテーマ及び個々の事業を選定してきたところでございます。
なお、今年度につきましては、十五年七月の都政の構造改革の視点と方向で補助金の見直しが示されていることから、前年度に引き続きまして本年度も、継続テーマとして補助助成事業を選定したところでございますし、また、公の施設への指定管理者制度が十八年度からの導入、こういう状況もございますので、一層効率的な運営が求められているということで、新規テーマとして施設運営事業を選定した、こういう状況でございます。
○藤田委員 事業数は今、二百四十というふうにありましたけれども、六年で平均すれば四十事業でしょうかね。今回は十七事業、それも、かなりいろいろな意味で、補助事業、補助金の問題は大変大きい問題でありますから、どうかなというような状況、少し意欲が薄れているのかなというような感じもしないではないというふうに思っているんですけれども、何回もいっていることでありますけれども、行政評価はやらなくちゃいけないともちろん思います。
それで、事業数としては多分一万ほどあるんじゃないかと思いますけれども、その中で、どれだけのものをどういうふうにやっていくのかというのが非常に重要になってくるわけでありますけれども、ちょっと先ほどありましたけれども、この評価をする事業で、自分の局の人たちが第一次評価で良好というふうに出してきているのはわかるんですね。それで、第二次評価で不十分というふうに出してくるのはわかるんですが、初めから不十分と書いてあるものに対してどうして今まで何もしてこなかったのかというところが非常に大きな問題だと思っているんですけれども、その辺については、選定をしてきた二百四十事業以外にも非常にたくさんあるような気もしないでもないという気がするんですけれども、その辺について、こちらに上がってくる前に、できればもう少し各局で自分たちの事業を評価をしていくというような方法も必要じゃないかと思うんですけれども、その辺についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○新行内参事 正確に私どもで把握しておりませんが、確かに、東京都の事業数が約数千事業あるというようにいわれておる中で、私どもが過去六年実施してきた事業二百四十というのは、非常にある意味では少ない、こういうことかと思います。
ただ、逆に申しますと、私どもの評価そのものの中でも、選んだ中で一次評価という形でまず各局において評価をする、その結果を私どもの方の二次評価につなげるという形での各局の評価の視点ということが、この行政評価をやることによってできているわけでございます。
したがいまして、各局の中では、厳しい財政状況でございますので、この行政評価の俎上にのせる前に、まさに自分たちの局の中でのプラン・ドゥー・シーのサイクルの中で見直しを進めているということで、上がってはきていないけれども、そういう気風は出て、その結果見直しが進んでいるというふうに考えております。
○藤田委員 先ほど伝統工芸の話がありましたけれども、ここにおいても、一次評価で不十分、二次評価で不十分と。これを大切にしていこうというのはきっとみんな思っているんですけれども、なかなか難しいような状況もありまして、ということは、自分たちがやっていることというのは、人もつきますし、それなりのお金もついているという中で、やはり事業局の中でこれを見直していくのは非常に難しいと思いますので、かなりの英断を振るわないとなかなかこれができない。
新しい事業はたくさん生まれますけれども、では、それを再構築していくために、やはりスクラップをどうやってやっていくかというのは、大変勇気が要ることでありますし、しかしこれはやらなければいけないというふうに思いますので、ぜひこのプラン・ドゥー・シーの考え方をもっときっちりとそれぞれの局内部に反映されることをまずお願いをしておきたいと思っています。
それからもう一点は、予算との関係をいつも申し上げるんですけれども、今回はどんなふうにこれがなっておりますでしょうか。
○新行内参事 予算との関係ということでございますが、私ども、四月から六月にかけまして、評価対象テーマや事業選定時におきましては、財政部門との意見交換という形で問題意識の共有を図って連携しておりまして、さらにその後、仕事を進める中で、十月から十二月にかけまして、私ども知事本局が二次評価を作成する過程で、廃止、休止など、取り急ぎ予算に反映する必要が生じた場合には、連携を図って時期を失しないようにしている、こういうところでございます。
○藤田委員 コメントは後ほど申し上げることにいたしまして、評価に当たっては、この必要性、効率性、公平性、一から四までの数字で判定をされているわけであります。
それで、この数字自体は、そして文章で書くのを読めば大体わかるんでありますけれども、ここに至るまでのことを、どういうふうにやったからこの三になったとか四になったとかというところが、私はもう少し数値化といいますか、客観的な評価をして、こうだったから三になったというようなところが、もうちょっとそこも見えるような形というのができないかなというふうに思っているんですが、それについてはいかがでしょうか。
○新行内参事 評価に至った経過の数値化ということでございますが、その評価の結果につきましては、この報告書の一三ページに記載してございますように、必要性、効率性、公平性の各評価項目につきまして、それぞれの視点を設定した上で、その視点に基づいて評価している。例えば必要性ということであれば、四であれば必要性が増大した、三は変化なし、二は減少または部分的にはなし、一はかなり薄れている、こういうように明確にあらわしているところでございます。
経過の数値化ということでございますが、事業の成果そのものについては指標としてあらわせるわけでございますが、それぞれの評価項目についてはなかなかその過程の適切な指標がとり得ない、そういうことがございます。
したがいまして、私どもの方といたしましては、なぜそういう経過になったかという点もわかるように、都民に立って、できるだけわかりやすい丁寧な説明というのを心がけて、文章にして記載しておるところでございます。
○藤田委員 初めに行政評価をやろうというようなのは、公会計改革ですとか、一連の、この行政評価というようなことも含めてすべてやり始めたと思うんです。そのときに先行していたのが三重県でありましたけれども、しかし、まだまだそれは十分なものではないというような中で、それでもそれをどういうふうにしていくかというのは、かなり細かく数値化をしていったという話を聞いてまいりました。
しかし、東京都がどういうことをやるかは、どの県もしっかりと見ているというようなことで、もちろん試行二年、そして実質から四年目になってくるわけでありますけれども、行政評価のための行政評価をやっているのかなというのでは困るわけで、これをやはり、どういうふうに事業をスクラップ・アンド・ビルドにするか、あるいはまた予算とどういうふうにつなげていくのかというところが、私はやはりその視点を持たないとだめじゃないかなというふうに思うわけです。
ですから、多分去年は、主計が二十四人もいるのに知事本局は全然人数が足りな過ぎるというお話をしたと思いますけれども、やはり数千の事業をきちっと洗い直して、そしてそのときに、では次へ向かってどうしていくかというものの一番の政策的判断をするところでありますから、行政評価を、ためにするような行政評価でないふうに使っていく、ここがやっぱり求められているのだと思いますので、今後の方向性といいますか、展開をどんなふうにしていくのか、最後に局長にお伺いして、終わりにします。
○前川知事本局長 大変難しいお尋ねだと思っておりますけれども、行政評価というのが、価値判断の部分と、技術的ないわば分析の部分と両方あると思います。
技術的な分析というのは、これはある程度客観的にできるわけでありますが、じゃ、それで全部が決まるかというと、これはもう人間の世界でありますから、そういうことはないわけでありまして、私ども、職員のころから計画行政をやったり、あるいは予算をやったりしていて、例えば極端にいいますと、都市インフラをつくる分野と、社会福祉サービスをやる分野と、どういう予算配分が正しいんだろうということをよく考えたことがありますけれども、これは答えがあるようで実はないんですね。やはりその時々の都民の意識なり、あるいは財政状況その他いろんな要素を勘案しながら決めていくしかない。
ですから、今お話があった点は、全体のいわば価値判断、ある視点も入れた価値判断をどうするかという問題については、これは、大変恐縮ですが、議会も含めて、都民も参加して徹底して議論をしていただくしかないと私は考えております。
ただ、技術的な面については、これはもう当然、特に執行状況がおかしいとか、効果がどうかとか、そういうことについては、特に個別のどちらかというと小さい事業が中心になると思いますが、それは今、私ども職員も努力をしておりますけれども、やはりより客観的にできるように努力していくべきであろう、こう考えております。
○藤田委員 結局、どちらに重きを置くか、あるいは、この部分は平行線、両方とも一生懸命やらなくちゃいけない、もちろん両方あるんですけれども、それはきっと首長の考え方ということで大きく変わってくるんだと思いますから、それがやはり都民のある意味では選んだ人ということになれば、そこが中心的になってくるんだと思います。しかし、計画、ここのところをきちっとしたものはつくらない、こういう変動のときにはそのたびに重点事業で、というようなことになりますと、私はまだまだぽんぽん花火かなという感じがどうしてもぬぐえません。
ですから、そういう意味では、なお一層機械的にやる部分をしっかりとやっておくという継続性の部分をやはりやっておく、あるいは、行政のあり方、公のあり方、知事はこの間、新しい公というのを自分が書いたんじゃないみたいないい方を、実は施政方針の中の新しい公ということで、予算特別委員会の中でおっしゃいましたけれども、あれは明らかにミスだと思います。新しい公共のあり方を、やはり議会の中でも、そして都民の中でも一緒になって考えていくというところにこれからの私たちの役割もありますけれども、ぜひそういう仕掛けも一緒になってやっていただければというふうに思っています。
以上です。
○中村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 異議なしと認め、予算及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時十二分散会
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