総務委員会速記録第三号

平成十七年三月十六日(水曜日)
第一委員会室
   午後一時三十七分開議
 出席委員 十三名
委員長中村 明彦君
副委員長吉原  修君
副委員長藤田 愛子君
理事樺山たかし君
理事樋口ゆうこ君
理事中嶋 義雄君
真鍋よしゆき君
古館 和憲君
中屋 文孝君
桜井良之助君
服部ゆくお君
藤川 隆則君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
総務局局長赤星 經昭君
危機管理監中村 正彦君
理事馬場 正明君
理事人事部長事務取扱大原 正行君
総務部長大塚 孝一君
行政改革推進室長前田 信弘君
IT推進室情報企画担当部長木谷 正道君
IT推進室電子都庁推進担当部長永田  元君
主席監察員相上 孝司君
行政部長荒川  満君
多摩島しょ振興担当部長清宮眞知子君
三宅島災害復興対策担当部長渋井 信和君
都区制度改革担当部長島  博文君
総合防災部長中村 晶晴君
情報統括担当部長八木 憲彦君
局務担当部長竹内 直佐君
勤労部長志賀 敏和君
法務部長中村 次良君
統計部長須々木亘平君
人権部長和田 正幸君
選挙管理委員会事務局局長高橋 和志君

本日の会議に付した事件
 選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
 総務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 総務局所管分
・第二号議案 平成十七年度東京都特別区財政調整会計予算
・第四号議案 平成十七年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第三十二号議案 都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
・第三十三号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十四号議案 東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
・第三十五号議案 東京都人事行政の運営等の状況の公表に関する条例
・第三十六号議案 東京都職員定数条例の一部を改正する条例
・第三十七号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第三十八号議案 東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第三十九号議案 東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第四十号議案  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第四十一号議案 東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第四十二号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
・第四十三号議案 東京都非常勤職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例
・第四十四号議案 災害派遣手当の支給に関する条例の一部を改正する条例
・第四十五号議案 東京都国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例
・第四十六号議案 東京都国民保護協議会条例
・第四十七号議案 東京都統計調査条例の一部を改正する条例
・第四十八号議案 東京都人権プラザ条例の一部を改正する条例
・第百三十三号議案 包括外部監査契約の締結について
報告事項(質疑)
・平成十七年度都区財政調整の概要について
・多摩リーディングプロジェクト-明日の多摩を拓く-について
・三宅島帰島について
・津波浸水予測調査報告書(小笠原諸島)について
陳情の審査
(1)一七第一一号 国民保護協議会条例・国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例に関する陳情

○中村委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、選挙管理委員会事務局及び総務局関係の平成十七年度予算の調査並びに総務局関係の付託議案の審査、報告事項に対する質疑及び陳情の審査を行います。
 この際、予算の調査について申し上げます。
 平成十七年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十七年三月十五日
東京都議会議長 内田  茂
総務委員長 中村 明彦殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十二日(火)午後五時

(別紙1)
総務委員会
第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 総務委員会所管分
第二号議案 平成十七年度東京都特別区財政調整会計予算
第四号議案 平成十七年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算

(別紙2省略)

○中村委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑に入ります。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認め、予算に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○中村委員長 これより総務局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑並びに陳情の審査を行います。
 第一号議案中、歳出、債務負担行為、総務局所管分、第二号議案、第四号議案、第三十二号議案から第四十八号議案まで、第百三十三号議案及び報告事項、平成十七年度都区財政調整の概要について外三件並びに陳情一七第一一号を一括して議題といたします。
 予算、付託議案及び報告事項については、既に説明を聴取しております。
 陳情について理事者の説明を求めます。

○八木情報統括担当部長 陳情一七第一一号につきましてご説明いたします。
 恐れ入りますが、お手元の請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 一七第一一号、国民保護協議会条例・国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例に関する陳情は、豊島区の東京都国民ホゴ条例を問う連絡会代表山本英夫さんから出されたものでございまして、平成十七年二月二十四日に受理されてございます。
 陳情の要旨は、東京都国民保護協議会条例、東京都国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例の両条例案を慎重に審議し、否決あるいは廃案としていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、これらの条例は、いずれも武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、いわゆる国民保護法によりまして、都道府県が定めるものでございます。
 このうち、東京都国民保護協議会条例案は、国民保護法第三十八条第八項の規定に基づきまして、協議会の組織及び運営に関しまして必要な事項を定めるものでございます。
 本協議会の基本的事項は国民保護法で定められておりまして、同条例案では、委員及び幹事の定数、会議の招集及び議決、部会等の設置などについて定め、その他必要な事項は会長が協議会に諮って定めるとしております。
 国民保護計画は、国の基本指針に基づき知事が定めるものであり、協議会は、国民保護計画等の重要事項を決定するのではなく、知事の諮問に応じて審議し、意見を述べるものでございます。なお、国民保護計画を作成したときは、速やかに議会に報告することになっております。
 次に、東京都国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例案は、国民保護法第三十一条の規定に基づき、これらの本部に関して必要な事項を定めるものでございます。本部の設置、所掌、組織等の基本的事項は国民保護法で定められておりまして、同条例案では、本部、局、地方隊等の設置、本部長、局長等の職務、本部会議の運営などについて定めております。その他必要な事項は規則で定めるとしております。
 なお、国民保護措置への協力により都民が損害を受けた場合につきましては、本条例ではなく、国民保護法に基づき補償することになっております。
 簡単ですが、以上で説明を終わります。よろしくご審議をお願いいたします。

○中村委員長 説明は終わりました。
 これより予算、付託議案及び報告事項並びに陳情に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○古館委員 それでは、都区財政調整制度の主要五課題に関連して質問させていただきます。
 都区財調にかかわる主要五課題につきましては、二〇〇五年度決着という期限を前にして、都と二十三区との間で今話し合いが行われております。どの課題をとりましても、都区間の意見の隔たりが非常に大きくて、協議が難航しているというふうに聞いております。その原因は、率直にいいまして都側にあるというふうに私は思っています。特別区の区域におきまして、都が限定的に行う市町村事務、これを明示することをしないで、現在行っている都の事業の相当部分を大都市事務であるとして区側に提示をしてきていることにあります。
 その経費の総額は、何と一兆二千億円。聞くところによりますと、二百七十五事業にも及ぶとされています。つまり、これは、現在都の事業として行っているものを、区にこのお金を一兆二千億円負担させるなどしようとしているものであります。
 この平成十二年のときは、都区協議で大もめにもめまして、結局、今日まで決着を見ておりません。このとき東京都が提示した大都市事務というのがどれくらいあったかといいますと、八十九事業でございました。ですから、今回の一兆二千億、二百七十五事業というのがどんなに大きいか、おわかりいただけると思います。それで、二十三区側が当然のように、直ちに都の考え方の問題点を指摘する文書をまとめて、二十三区が、行政と議会を挙げて現在徹底抗戦を行っているのもうなずけるものであります。
 いうまでもありませんが、都区財政調整制度交付金は、二〇〇二年度決算でも特別区の歳入の二八・四%を占めております。およそ三割ですね。特別区民税の二六・一%を二ポイント余上回っております。特別区にとりまして、今いいましたように、最も大きな財源となっているのがこの財政調整交付金であります。この財調財源がどうなるかということは、実は特別区の行政のあり方とともに、住民生活に直接結びつく重大課題として我が党は極めて重要視しております。
 こうした立場から、幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず、この問題の出発点が何だったか、これをはっきりさせることが大事だと思っています。そこでお伺いしますけれども、平成十二年度の都区制度の改革で、二十三区は法的にはどのように位置づけられたのでしょうか、まずお答えいただきたいと思います。

○島都区制度改革担当部長 平成十二年の自治法の改正によりまして、特別区は基礎的な地方公共団体と位置づけられることになりました。

○古館委員 つまり、その前は、法律の上でははっきりと、いわゆる基礎的な地方公共団体ですというふうには法的にはなっていなかったんですね。そういう中で長い間、私も当時区議会議員もしておりましたので、都区制度の改革、自治権の拡充、そして一人前の区にと、こういう運動をずっと、超党派でこれは進めてきたものであります。こういう特別区の自治権の確立と、それにふさわしい財政権の確立という都区制度改革の原点に立ち返った場合に、基礎的自治体として二十三区が法的にも明確に位置づけられた、このことは極めて重要なことであります。
 そこで伺いますけれども、都が行う大都市事務とは、一体何を指しているのでしょうか。そして、地方自治法第二百八十一条の二と第二条三項とどういう関係にあるのか、お答えをいただきたいと思います。

○島都区制度改革担当部長 都が行います大都市事務とは、特別区の区域におきまして一体的に行います市町村事務のことを指しております。今お話のありました地方自治法二百八十一条の二第一項は、都が大都市事務を行うことを規定しておりまして、さらに、今前段で申し上げました大都市事務が、自治法第二条三項に規定する市町村が行う事務の範囲であるということを定めているものでございます。

○古館委員 大都市事務ということ自体を、私は地方自治法の中では見出すことができていないんですけれども、これは、都と特別区との役割分担の原則について、今お答えがありましたけれども規定をしています。都は、特別区の存する区域において、市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から、当該地域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務を処理するものとすると、このように規定しているんですね。
 ちょっとわかりにくいんですけれども、当時、国会でこの問題について、大都市の地域として都が一体的に処理することはどういうものかということに対して、何度も答弁しているものにどういう具体的な事業があるかというと、ここでいっていることは、例えば下水道だとか、交通だとか、消防とか、そういうことについていっているわけなんですね。この一体的に処理することが必要かどうか。必要であると認められる事務に限って、都が限定的に事務を担当する。特別区は、それ以外のものを一般的に担う、こういう考え方を再三のように答弁しています。
 また、自治法の解説書である「逐条地方自治法」では、通常の地域では市町村の役割とされる事務だ、このように記されています。すなわち、法及び国会答弁は、都区財政調整制度は、法定化された原資としての三税、調整三税ですね、これを、区が基礎的自治体としてまず優先的に実施する市町村事務と都が限定的に行う市町村事務、先ほど、政府委員が国会でその具体例として消防あるいは上下水道などと私がいいましたけれども、この表現が何度も国会の答弁の中で繰り返されております。こうした役割分担にのっとって配分する制度であることを明確にしております。
 そこでお伺いいたしますけれども、今行っている都区検討会で、都が示した大都市事務の事業数と額はどうなっているでしょうか。また、都としてどのような考え方で大都市事務を選んだのでしょうか、改めてお答えいただきたいと思います。

○島都区制度改革担当部長 都区検討会において都側から提示した事務数は約二百事項であります。その一般財源所要額を合計いたしますと、約一兆二千億でございます。この事業を選びました理由といたしまして、東京都の考え方といたしましては、都が行う大都市事務の範囲については、大都市東京における膨大な行政需要、大都市地域から上がる税収の大きさ、一体的行政運営の必要性を踏まえて考えるべきであるというふうに考えております。
 その意味では、単に、大都市東京の場合には一般的な市町村とは明らかに違うということを基本認識としております。すなわち、特別区の区域は、大阪や横浜などを上回る人口規模と財政力を擁する大都市であり、この大都市において行政を行う都といたしましては、政令都市であります大阪や横浜などを上回る幅広い事務を基本に、その範囲をとらえるべきだと考えております。したがいまして、今回提示いたしました事務も、このような考え方に基づいて選定したものでございます。

○古館委員 だから、私はさっき最初に何を聞いたかというと、いわゆる区市町村事務って何なんだと。ところが、今は全部それを逸脱して、東京特有の大都市としての特性があるとかそういうことを、地方自治法の決まりの中には、区市町村の仕事としてそんなことは何にも書いていません。それを勝手に解釈しながら、二百数十事業あって、そのお金は一兆二千億に達すると。正直いって、私どもにこの資料を出してほしいといっても、まだ私はこの資料を見ていないんですよ。そういうような状況というのは、私は率直にいって本当にこれでいいのかなと思うんですが、全容の中で一部分、区などが出している中で散見することができます。
 そういう中で、ごく一部を紹介しますと、東京都はこういう事業まで、これから区市町村、あるいは東京都が負担してもらいますよということで提案をしているのがあるんです。例えば、生活保護費の都の負担分、こういうものまで都区財調の中から出してもらいます。つまり、生活保護費の都の負担分というのは、東京都が都の財源において保障しなければならないようなものにまで、二十三区分のこの三税から出してもらいます、こういうことまで提案されているんです。違うなら違うといってくださいね。私は現実に見ていないんだから。ただ、先ほどいいましたけれども、区側の出している資料の中で、こういうものが書かれている。あるいは、都道府県の道路においても負担として出してもらいましょう。それから動物園、これは都立の動物園についても負担をしてもらいますよと。シルバーパスの交付、都立の、あるいは都のかかわるスポーツ、文化施設、さっき、こういうものなどなど二百数十事業、一兆二千億円。都としては、どのような考えで、今答えがありましたけれども、大都市事務として選んだのか。それに対して特別区側はどのように主張されているか、お答えいただきたいと思います。

○島都区制度改革担当部長 都側が提示いたしました大都市事務の内容につきまして、区側は、都が行う大都市事務は、一般的な市町村が実施する事務の範囲にとどまり、一般的な市町村が行う事務のレベルを超えるものは府県事務だということを主張しております。

○古館委員 それで、ちょっと区側の主張をかいつまんでいいますと、一つは、都が行う大都市事務の基本的な考え方、これについて区側は、都が行う大都市事務は、地方自治法に定める都区の役割分担原則を踏まえ、一般的に市町村が処理する事務の範囲で都が一体的に処理しなければならないのに限定して整理すべきだ。都は、府県の立場でも大都市特有の課題に対応すべきであり、府県事務と大都市事務の分担の考え方を明確にする必要がある。二つ目に、都から示された内容の問題点として、基本的な考え方の問題点は、政令指定都市を勝手に想定して、さっきいったように、架空の議論や大都市事務の拡大解釈をやっているんですね。それで、自治法の趣旨を逸脱した議論を、盛んに東京都がこの検討の中に加えているんです。都区間の協議経緯の信義にも反するものだということで、この点は厳しく問題点を指摘しています。
 それから、都の大都市事務を強調する余りに、高い行財政能力を有する府県としての都の役割が全く不明確になっている。つまり、区にいかに仕事を、財源も持たせるかということだけが集中されていて、東京都の役割が不明確になっている。さらに、個別の提示事務の主な問題点として、政令指定都市の事務、区に対する補助金、事務処理特例交付金は、これは明らかに都の府県事務でありますから、区にこれを面倒を見ろなんていうことはお門違いだ--こういうふうには書いていません。私が今こうやっていっているんですけれどもね。ただ、同様の主張を今しています。
 都内市町村では、府県事務であるものなど、大都市事務とする根拠に欠けるものが多い。都の提示内容に対する区の考え方として、都の大都市事務は、都案の約一兆二千億円に対して、現時点の区側の分析では、今後、調査検討等を要するものを含めても八千四百億円弱の範囲内でおさまるはずであって、都に留保されている市町村財源約一兆円を下回るものとなった。今後、すべての都提示事業については、さらに分析を加えて内容を精査し、区の考え方を示していきたい、こういうふうに述べています。
 それで、実はこの間の本会議の代表質問で、自民党の比留間幹事長も、この都と区の都区制度の問題に絡んでこのように主張しています。比留間幹事長は代表質問で、これからの都と区の関係は、都区制度の特殊性を踏まえながら、区の行財政基盤を強化するとともに、基礎的自治体優先の原則に立って、身近な事務を区に任せ、より戦略的な対応が図れるように、都は、都内市町村の地域を含めた府県行政と区間にまたがる広域的大都市行政に徹するべきではないでしょうか。つまり、基礎的自治体優先の原則に立ちなさい、このことを代表質問で明確に、自民党の代表として、このように知事に提案をしているものであります。
 そこでお伺いしますけれども、前回、平成十二年のときの大きな議論の一つに、清掃関連四経費というのが財政調整の率の中に反映されませんでした。清掃関連四経費について、平成十二年の時点で、その当時どれぐらいの金額で見込んでいたのか、全体額で示していただきたいと思います。

○島都区制度改革担当部長 清掃関連四経費でございますけれども、引き続き財調外で都が負担することとした清掃関連四経費の十二年当時の見込額は、都から派遣された職員の給与費等の一部、年七十六億円、この派遣職員の退職手当、年百五億円、十五年度で終了してございますが、清掃工場建設に伴います地元還元施設への補助金年三十五億円、十一年度以前に都が清掃工場等の建設に際して発行した都債の元利償還金年五百二十九億円の合わせて七百四十五億円になっております。
 それから、先ほど都の役割分担のお話がございましたが、法律で定めております役割分担につきましては、一般的な原則を定めておるというふうに理解しておりまして、具体的な事務については、現在行っている事務内容を都区双方で精査の上、埋めていくことになるかというふうに考えております。東京都の場合には、大都市ゆえに特有の事情がありますし、それは法律の中で大都市にとって一体性のある行政を行う旨規定されておりますので、その観点に立って事務を精査し、お互いに十分協議していきたいというふうに考えております。
 恐れ入りますが、つけ加えさせていただきます。

○古館委員 大体、その提案が平成十二年のときからずっと変わっていない。それで、区側から、こんなのは受けられないといって、ずっと引きずってきたんですよね。それが、なおさら事業数も多くなり、金額も多くなっているんですから、区側がそれでいいなんていうわけないじゃありませんか。今、七百四十五億円という清掃事業の関連経費が出ましたけれども、これは、財政調整率に直しますと大体五%なんですね。現在、東京都と二十三区の財政調整のいわゆる、はっきりいえば分け前といったらおかしいですが、配分率ですね。これは、二十三区側が五二%です。だから、これに清掃関連経費を入れれば、五%分ですから五七%が、本当だったら十二年度のときの財調率五七%が区分としてスタートラインについていいはずだったんですね。それが、この分は東京都が一たん補助を持ちましょうという形で五二%に、いわゆる固定したという経過があるんです。
 ところが、これは本当だったら区の仕事ですから、財調率としては五二%じゃなくて五七%、このことについても、区側はずっとそのことを主張し続けておりますから、改めてこの五七%がスタートラインなんだと。このことをきちっと私ども指摘をしておきたいと思いますし、その方向に沿って真摯な話し合いをしてもらいたいと思います。
 その際に、先ほどの区側の見解や、平成十二年の国会の政府委員の答弁、このことも紹介いたしましたけれども、これらをベースとして都が提示した大都市事務につきましては白紙に戻して、地方自治法に定める都区の役割分担の原則を踏まえた、そういう対応を強く求めて、私の質問を終わります。

○藤田委員 今回の条例案件に基づいて質問させていただきます。
 国民保護対策本部及び国民保護協議会の設置目的について、改めてお願いをいたします。

○八木情報統括担当部長 まず、国民保護対策本部でございますが、これは外国からの武力攻撃や大規模テロ等の事態に際して、国の方針や指示に基づきまして、住民の避難、救援などの措置を総合的に推進するために設置するものでございます。
 一方、国民保護協議会ですが、これは国民保護計画など国民保護措置に関する重要事項について広く意見を求め、都の施策を総合的に推進するため、知事の諮問機関として設置するものでございます。

○藤田委員 協議会のメンバーは何人ぐらいで、どんな人を想定しているのか、お伺いをします。

○八木情報統括担当部長 条例案では、委員の定数を七十人以内というふうにしてございます。メンバーですが、国民保護法第三十八条で、国、都、区市町村、自衛隊、放送、医療、運送等の指定公共機関などの代表者や、国民保護措置に関して知識、経験を有する者のうちから知事が選任することになってございます。また、委員の選任に当たっては、自然災害対策において同様の役割を担ってございます東京都防災会議との一体的かつ円滑な運営にも配慮していくことにしております。

○藤田委員 大体国と区市町村はわかるんですが、でも、国のどこから来るのか、あるいは自衛隊はどの部署なのか、それから放送、医療、運送については指定公共機関の代表というふうになっていますが、どの辺の方なのかを伺いたいと思います。
 それから、もう一回、今のお答えの中で、防災会議と一体的な運営というふうになっていますが、ここを兼ねていくのかとか、そんなことをちょっとお伺いをしたいと思います。

○八木情報統括担当部長 国民協議会の委員会メンバーでございますが、法の中で、国民保護法第三十八条で大きくは八つの分類がされてございまして、先ほど申し上げましたが、指定地方行政機関ということで、例えば関東地方通信局であるとか、あるいは東京税関であるとか、そういうところが入ります。それから、防衛庁長官が指定する陸海空の自衛官というものがございます。あと、東京都の副知事、警視総監、都の職員、これは各局長ということに、防災会議の場合はそういう形になってございます。それから、区市町村長の代表、それから指定公共機関ということで、赤十字社であるとか道路公団であるとか、そういったところの代表の方に入っていただく。その他、学識経験者が何人か入る、こういうような構成でございます。
 国は、最初に申し上げました指定地方行政機関というのが、これがいわば国の出先機関といいますか、防衛施設局、関東通信局等々の、あるいは東京航空局、気象庁の管区、こういったところでございます。

○藤田委員 十八年の第一回定例会前まで、国民保護計画の原案に関してパブリックコメントを実施する必要があるのではないかというふうに思いますが、所見を伺いたいと思います。鳥取県などでは、もう既にこれを出して皆さんの意見を聞いたというようなことがありましたけれども、これについてはいかがでしょうか。

○八木情報統括担当部長 国民保護措置におきましては、円滑に住民の避難や救援を行うためには、計画策定の段階から広く都民の意見を聞きまして計画に反映させることが重要だと考えております。このため、国民保護協議会に計画案を示すとともに、都民にも公表いたしまして意見を求め、計画に反映させていきたいと考えております。

○藤田委員 まず、ちょっとそもそもなんですが、国民保護計画の策定というところで、この計画は、何から、どのように国民を守るというふうになっているのでしょうか。

○八木情報統括担当部長 国は、国民保護に関する基本指針の案を先般示しましたが、この指針案では、外国からの武力攻撃事態といたしまして、弾道ミサイル攻撃やゲリラ、特殊部隊による攻撃など四類型、それから大規模テロ等の緊急対処事態として、NBCテロや自爆テロなど四類型、合計八類型を想定してございます。
 国民保護計画は、このような事態において、国の対処基本方針や指示に基づき、区市町村や関係機関等と連携協力して、住民の避難や救援などの措置を的確かつ迅速に行うことにより、国民の生命、財産を保護するものでございます。

○藤田委員 これは、住民の避難や救援の措置を行うというようなことが目的というふうになっておりますけれども、例えば、武力攻撃事態として弾道ミサイルが飛んできました。そうしたら、住民避難というのは実質的にどんなふうにやるというか、それから、NBCなんかだと多少考えられるということもありますけれども、これは実質的に訓練も含めてどんなふうにするのか。

○八木情報統括担当部長 国民保護計画の中で具体的にはそういったものを考えていくわけですが、国の基本指針等では、それぞれの今申し上げました八つの類型ごとに、実際には避難の仕方が、十分時間的な余裕を持って避難できる場合、それから非常に緊急を要する、その場合は、もうとりあえず家の中に退避してください、とりあえず退避してください、そういったようなことが類型ごとに一応留意点として出されておりまして、今後、そういったものをそれぞれの地域の状況等々を考えながら、具体的に国民保護計画の中で避難の方法等を定めていくということになると思います。

○藤田委員 東京の場合はといいますか、大都市の場合は、非常に昼間都民といいますか、そういうことも考え合わせると、避難がどんなふうにして、どんなになっていくのか。大体、武力攻撃事態というのが、もちろんあってはならないし、これまでは戦争というところしかなかったわけでありますけれども、なかなか想定をすることができないということで、訓練をするといっても、だれも信用しないで訓練するのでは何にもならないからという……。だれに対して--それは、こういう指定機関やら都や国が訓練をするのか、あるいは住民を巻き込んで訓練をするのかとかということがあります。ちょっともう一度お聞かせください。

○八木情報統括担当部長 訓練の具体的なやり方については、まだ示されてございませんが、大きく二つあろうかと思います。一つは、住民の方々を安全に避難させる側、いわゆる行政の側、あるいは消防や警察や自衛隊の側の訓練ですね。それからもう一つは、実際に住民がお互いに協力し合いながら避難するというときの住民の避難の訓練、こういう二つあろうかと思いますが、前者の方につきましては、これはやはり事前にマニュアルなり訓練がなされているかいないかによって、関係機関の連携であるとか、そういったことが大いに違ってくるのかなと。それから、後者の住民の避難等々の訓練につきましては、これはいろいろな通常の防災訓練と共通するところもありますし、そうでない、やはり特有の要素というのもありますので、そういった訓練についてもこれから考えていく必要があるのかと思っております。

○藤田委員 今お話が出ました防災対策ということでありますけれども、この国民保護の問題と防災対策の違いというものがどんなふうになっていくのか。それから、先ほどお話しした訓練のやり方や国民保護に要した経費--訓練も含めてですけれども、経費の負担、防災対策とどんなふうに違ってくるのかをお尋ねします。

○八木情報統括担当部長 まずは災害対策ですが、自然災害等におきましては、地方公共団体がみずからの責任と判断により必要な措置を実施するものでございます。一方、これに対して国民保護は、外国からの武力攻撃や大規模なテロ等の事態において、国の指示に基づいて地方公共団体が措置を実施する、この違いがございます。
 また、国民保護は、国が主要な役割を担うこと、また、武力攻撃への対処などの特性を持っておりますことから、その訓練は防災訓練とは異なりますが、避難誘導であるとか、あるいは炊き出しの訓練などは共通するものがございます。
 それから、避難、救援に要する費用についてですが、国民保護では、国民保護法第百六十八条によりまして、原則として国が負担するということになってございます。災害対策では、原則として地方公共団体が負担いたしますが、災害救助法等に基づきまして、一定の基準により国が補てんすることになってございます。

○藤田委員 何か外交のツケを我々に押しつけるような事態があってはならないわけでありますけれども、一方で、我々はサリン事件というものを経験いたしております。そして、ちょうど十年目、阪神の震災からも、そしてサリン事件からも十年目になっているわけでありますけれども、私も、ちょうど統一地方選挙の前でありまして、地域を回っておりまして、とにかくテレビでやっているから見てほしいというようなことで、すぐにこれについていろいろな報道がありました。そして私は、地域の方々も、実は後からですけれども、何人か丸ノ内線に乗って通う方がいらっしゃったので、被害をこうむった方がおいでになったというようなことがありましたので、もちろん皆さんも同様でありましょうけれども、このことについては非常に関心も持っておりましたし、大変な事態であったというふうに思っております。
 そして、実際九・一一のときにもいわれたことでありましたけれども、いわゆるアメリカのFEMAは、このサリン事件を非常にいろいろな意味で調べ上げ、そして日本での状況はどうだったかということをきっちりと報告をしていたというようなことが報道もされておりましたし、向こうへ行って聞きもいたしました。実質、東京都としてというか、サリン事件をどんなふうに総括をしているというか、どんな状況であったか、すべてを把握しているというようなことが--ごめんなさい、きょうは危機管理のところの部だけではなかなか難しい話だと思いますけれども、何かそういうものがありましたら、お願いいたします。

○八木情報統括担当部長 ちょうど十年前のことになるわけですが、当時、東京都の防災対策は、地震、風水害などの自然災害、あるいは石油コンビナートの事故、こういったものへの対処が中心でございまして、地下鉄サリン事件のような、いわゆる今でいうNBC災害については想定されていなかったと思われます。
 このころ、前年には松本サリン事件とか、あるいは上九一色村の異臭騒ぎ等があったわけですが、こうしたことが事前の、前兆として、何か準備対応するというようなことも多分考えられなかったんだというふうに考えております。

○藤田委員 総括的なことは、どこかできちっととらえて、まとめていらっしゃいますか。

○八木情報統括担当部長 この事件は、当時は警察、自衛隊、消防、こういったそれぞれの機関がそれぞれ対応している、それから行政は行政でお互いに連絡をとりながら対応したということで、この事件全体を当時総括したということはございません。
 ただ、これは参考になりますが、昨年、アジア大都市ネットワークでこういった危機管理の会議を東京都庁で行いまして、このときのテーマが、サリン事件にかかわったいろんな機関、それから、それを参考とする外国の事例というようなことを持ち寄って、みんなでディスカッションしたというような事例はございます。

○藤田委員 今の話は、まとめていらっしゃいますか、議事録なり何なりで冊子のようにきちっと。

○八木情報統括担当部長 アジア大都市ネットワークは、知事本局が事務局でございますが、聞いているところでは、簡単な冊子で当時の会議の中身はまとめたというふうに聞いてございます。

○藤田委員 今、もう一つ前にお聞きしたときに、前兆というか、そういうことは考えていなかったというふうにおっしゃいましたけれども、実は、私はひどくこれに反応しまして、それで、上九一色村のいわゆる山梨県の事件のことが非常に気になっておりまして、その暮れに薬事審議会がありまして、そのときに質問をする予定にいたしておりました。その後、何か報告がないかということで質問する予定にしていたのですが、実は時間切れになって質問をしなかったという経緯があります。
 それ以降、何があっても気になったことは質問をしようという、この教訓になりましたけれども、その後、すぐに松本と地下鉄サリンのことがあったんですが、事件を想定して準備をしていたのかどうか、その辺はいかがでしょうか。兆候がなかったということは、なかなか難しかったのかもしれませんけれども……。

○八木情報統括担当部長 先ほど申し上げましたように、その当時、全体を総括したまとめということはされてございませんので、他の機関や部局の事前の想定ということまでは私どもはわかりませんけれども、当時の災害対策部では、そういった事前の、こういった事件が起きるかもしれないというような想定はされていなかったというふうに考えております。

○藤田委員 実は、当時の衛生局ではこれをしっかりととらえていまして、そして、解毒をどうしようかという話だけはきちっとしていまして、というのは、質問するぞというふうにいっていましたので、その答えを一応持っていたということであります。ですから、聖路加病院なり何なり、大きなところにはそれなりのことをやっていたので、そういうところができていた方々は大変よかったわけでありますけれども、全然わからない方々に大変お気の毒なところがありました。
 そしてもう一つは、サリン自体は市場の中で動いていないわけですね。サリンは製造したわけですから。でも、その前の三塩化燐というのは市場の中でも既に動いていたということがあって、そこからいわゆる環境の汚染物質のPRTRの話にもいくような状況で、何か物の動きというものが、どういうふうに流れていって廃棄までされるかというような、そんなことにもその事件が大きくかかわったといいますか、考え方があったときでございました。
 そして、当時、事件の一報というものが都庁のどの部署に入ったのかを教えてください。

○八木情報統括担当部長 当時の記録によりますと、事件は平成七年三月二十日の午前八時過ぎに発生しておりまして、午前八時五十五分に東京消防庁から衛生局に通報がございまして、その後、午前九時十分に災害対策部が情報連絡体制をしいたという記録がございます。

○藤田委員 この事件のリーダーシップはどこの部署がとったかということと、それから、警察、消防、病院、鉄道、都の連携といいますか、これはどんなふうになっておりましたでしょうか。

○八木情報統括担当部長 事件の発生後、東京消防庁、警視庁はそれぞれ本部を立ち上げておりまして、救出活動や避難誘導などの対応に当たっております。また、東京都は、災害対策部が関係局、関係機関との連絡調整に当たるとともに、警視庁からの依頼により、陸上自衛隊に対して災害派遣要請を行っております。また、衛生局は、病院への患者受け入れ要請や医療班の派遣を行い、また、環境保全局は化学分析のために職員の派遣を行うなど、関係局、関係機関が連携して対応しておりました。

○藤田委員 先ほど、サリン事件の総括はしていないというふうにお話がありましたけれども、NBCテロに対するその後の都の対策というものがどんなふうにできたといいますか、今まであったものから変わってきたのか、伺いたいと思います。

○八木情報統括担当部長 この事件を教訓といたしまして、先ほど、全体としての各機関とか部局が集まった総括はされていないと申し上げましたけれども、それぞれの機関はかなりこういった問題の再発防止に、総括をして対応策を講じてきてございます。
 一例を申し上げますと、サリン事件の後、警視庁は化学捜査係を設置し、東京消防庁は防毒マスクや除染シャワー--汚染されたものを取り除くシャワー等の、化学剤に対する資器材の配備を行いました。また、平成十四年度には、警視庁はNBCテロ捜査隊を、また東京消防庁は特殊災害に対応する消防救助機動部隊を創設しまして体制を強化しております。また、東京都地域防災計画にNBC災害対策を盛り込み、平成十五年度には危機管理官を配置するとともに、災害対策部を総合防災部に改組いたしまして、危機管理体制の強化を図っております。これまでNBC災害対処マニュアルを策定し、天然痘やサリンによるテロを想定した図上訓練も実施しているところでございます。

○藤田委員 なぜこんなお話をさせていただいたかというと、その当時には武力攻撃事態対処法というようなこともありませんでしたし、それから、その中で国民保護の観点からももちろんなかったわけでありますけれども、それはそれなりにそれぞれの、都庁の中でも連携を図りながら、さらにこの問題を契機にいろいろと補強し、そして今やNBCの災害対処マニュアルもつくって訓練をしているということになっているわけであります。これが今起きたとしても、多分それなりにきちっとした対処ができるんだろうとは思いますけれども、実は今は保護法があるということで、多分同じような事件が発生したらこの国民保護法で対応するんだと思いますけれども、基本的に災害対策基本法とどういうふうに対応が違ってくるのか、ここをお伺いをいたしたい。今までの災害対策ではできないことが何かあるのか、あるいは、そうではなくて指揮命令系統が変わるとか、どこが違うのかをお伺いしたいと思います。

○八木情報統括担当部長 災害対策基本法におきましては、災害等に対して区市町村が対応し、都はこれを支援する、こういう基本的なやり方になっております。これに対して国民保護法は、大規模なテロが発生した場合には、国は緊急対処事態の認定をまず行いまして、直ちに対策本部を設置いたします。都は、国の指示によって区市町村と連携し、避難、救援などの措置を講じることになります。したがいまして、この国の指示のもとで国民保護法の扱いになった場合には、全国的な国の総力を挙げた対応、それから国からの強い指揮命令、こういったものが働くというふうに考えております。

○藤田委員 そうすると、今おっしゃったのだと、要するに指揮命令系統が違うというだけで、実質動くのは、市区町村が出てもなかなか難しいので、これは都がほとんどやるのだろうとは思いますけれども、特に、対応する事柄で何か違うことがありますか。

○八木情報統括担当部長 まず、国の機関が総力を挙げて取り組むということになりますと、例えば十年前のサリンのときも、化学物質の特定、こういったものは国の研究機関が最終的にやってございます。こういったところがいち早く動き出すというような部分でも、それは一例でございますけれども、対応が違ってくるだろうと考えます。

○藤田委員 今だって災害対策で頼めばいいわけですから、特に違わないと私は思いますけれども……。
 さて、スペインで先般起きたビル火災についても、テロじゃないかとか、あるいは、いやいや災害だろうとかというので、その前の鉄道はテロだったけれども、ビル火災は単なる火災で、テロではなかったという大変早い段階での判断というものがなされたというふうに思いますけれども、これについてはどんなふうに判断をして対処していくのかを伺いたいと思います。

○八木情報統括担当部長 先ほど私は、どう違うのかということで研究所の話を申し上げましたが、もう一つ、非常に重要な違いがございまして、これは情報量の違いということで、国民保護の対象は単なる事故でございませんで、事件、いわゆるテロ、犯罪、そういったものが、実際にああいったサリン事件が起きたときの、その持っている情報量、情報収集量が基本的に違ってまいります。この点も非常に大きな違いで、つけ加えさせていただきます。
 それから、ただいまご質問のありました見きわめが難しいということですが、テロかどうかの見きわめ、判断は大変難しいわけで、第一義的には、さまざまな情報を持っている国が行うということに国民保護法ではなります。事件、事故の発生直後は、事件等の内容が不明な場合には、通常は警察、消防、あるいは地元自治体がまず対応するということになりますが、その後、国が当該テロを国民保護法に基づいて事態認定をした段階で、都や区市町村はその時点から国民保護法に基づく対応に切りかえていく、こういった仕組みになってございます。

○藤田委員 それでは、最初の事故の方でお話をさせていただいたんですが、都民の避難計画というものについて、改めてどんなふうになっているかを伺いたいと思います。

○八木情報統括担当部長 国の基本指針案によりますと、住民の避難については、まず国が都道府県の知事に対して避難措置を実施するように指示をいたします。これを受けて知事は、区市町村長を経由しまして、住民に対して避難の指示を行うことになります。そして、区市町村長は避難住民の誘導を行う、こういった基本的な避難の仕組みになってございます。
 また、事態によっては、県境を越える避難ということもあり得るわけですが、そうした際には、関係都道府県で受け入れについて事前に協議をし、受け入れ先の都道府県が避難施設を開設することになってございます。
 なお、こうした具体的な中身についての都の考え方としては、都の国民保護計画は、国の基本指針に基づきまして来年度中に策定することにしてございます。

○藤田委員 大体、戦争においては、子ども、高齢者、いわゆる弱者のところに非常にしわ寄せといいますか、弱い者が被害をこうむるわけでありますけれども、高齢者、障害者、外国人などに対する情報の提供というのはどんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

○八木情報統括担当部長 これも国の基本指針案によりますと、国や地方公共団体等は、高齢者、障害者、外国人など、いわゆる情報伝達に際し援護を要する者に対しても確実に情報を伝達できるような必要な体制の整備に努めるとしております。

○藤田委員 ことしの一月に出された国の基本方針、要旨ということでありますけれども、地方公共団体や民間の機関の意見を集約したというふうに聞いておりますけれども、大きく分けてで結構でございますので、どんな意見が出たかをお伺いいたしたいと思います。

○八木情報統括担当部長 国の基本指針要旨に対しましては、全国の団体や個人から三百三件の意見が国に寄せられたと聞いております。その主なものでございますが、大都市及び離島地域、自衛隊、米軍施設周辺地域など、地域特性に応じた住民避難のあり方についてということがございます。それから、指定公共機関の自主性の確保というものがございます。また、国民保護措置に従事する者の安全の確保について、それから、先ほどございました高齢者、障害者等への配慮、こういったものが主なものでございまして、これらについては先般出されました基本指針案の中に反映されたというふうに聞いてございます。

○藤田委員 最初に、サリンの事件を通して、今回提案をされる条例の中に決めていこうとしているもの、これについて、どんなふうに今までの状況と、国民保護基本条例になりましょうか、そういうことに反映させていくのかというようなことで質問させていただいたわけでありますけれども、最初に述べたように、武力攻撃事態というようなことは、まず外交のことが第一であろうかと思いますし、もちろん有事に対応してきちっと準備をしておくこと自体はそれ相応の理由があろうかと思いますけれども、それでいたずらに脅威をあおり立てるというようなことは、私はあってはならないと思っています。
 それから、先ほどのサリンのことで前兆はなかったのかというふうにお伺いをいたしましたけれども、実は点ではいろいろ何かある。でも、それがなかなか線になったり面になって見えてこないというようなのが、私はやっぱりあるんじゃないのかなというふうに思うんです。
 ですから、そういう意味では、NBCテロに対しても、実はいろんなところでそういう情報がきちっと連携をされて一本のところへちゃんと入ってくるというようなことがまずあって、事前のところでその予防策があればよいというふうに思います。
 それから、今回、SARSのことなんかでは、それぞれ中国やアジアのところの大使館、その他必要なところと連携をとりながらというお話が出ておりますけれども、今アジアに向かっては、かなりの部分で経済界もその中に出ていって、そして、たくさんの支所があると思いますから、そういう方々の知恵も、あるいはそういう方々の情報も十分に得ることができるような、民間人の知恵を得ることができるような体制もとっていかないと--そちらの方が早いと私は思うんです。公の機関、向こうの例えば厚生省に当たるような、保健所に当たるようなところから全部するよりも、ちょっと風邪を引いたんだけれども、少し長引いていて変だぞというふうに、それはすぐ企業の人たちはちゃんと対処しているはずだと私は思いますので、そういうところからの情報提供もきちっと得るという道をつくっておく。まさに大都市ネットワークでいろいろなことをやり始めているわけでありますので、まさにそういう意味での備えというものをしっかりとやっていただきたいというふうに思うところでございます。
 以上で終わります。

○吉田委員 私も、国民保護法に基づく対策本部設置及び協議会の設置条例について、基本的な点について何点か質問させていただきます。
 当然のことですけれども、都民あるいは東京に滞在される方々の安全確保と命を守るというのは当然の責務だというふうに思います。国民保護法は、保護という文言が使われておりますけれども、しかし、この国民保護法はいわゆる有事法制、あるいはいい方によっては戦時法制全体の構成部分の一つであると。我が党は、法体系全体を見たときに、都民の安全を守るということよりは、全体として戦争遂行に自治体や都民も協力させられかねないという意味を持ったものとして、国会でこれに反対いたしましたし、しかも、このような有事法制の制定の動きと、いわば自衛隊の海外での展開、米軍との協力というものと一体としてこういう有事法制体制がつくられているということに危惧の念を抱かざるを得ません。したがって、私は、保護法、それに基づく条例だけを見ても、全体像を把握し判断することはできないと思うんです。
 初めに、国民保護法は、その一年前に成立した略称武力攻撃事態法、これは有事基本法というふうにいわれていると思いますが、そして、その一年後に関連する有事法制が成立する、その一部として国民保護法が成立したというふうに承知しておりますけれども、基本法である武力攻撃事態法の概要及び国民保護法と一体で成立した有事法制全体がどのような構成、構造になっているのか、まず概括を説明していただきたいと思います。

○八木情報統括担当部長 武力攻撃事態対処法、これは正式には、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律と大変長いものでございますが、この法律は、武力攻撃が発生したときの対処につきまして、基本理念や国、地方団体の責務などの基本となる事項を定めるとともに、個別法制の整備に関する事項を定めたものでございます。いわば、この法律は有事法制全体の中核となるものでございます。有事法制は、いわゆる有事三法といわれるもの、それから関連有事七法、こういったもの全体を有事関連法という形で構成されております。

○吉田委員 その有事法制全体像について説明していただけませんか。

○八木情報統括担当部長 法律一つ一つの中身についてはつまびらかでございませんが、全体としては、まず、アメリカ軍の軍隊の行動に伴って我が国で実施する措置に関する法律、それから武力攻撃事態のときの特定公共施設等の利用に関する法律、国際人道法に関する処罰に関する法律、外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律、武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律、それから自衛隊法の一部改正がなされた部分の法律等々でございます。

○吉田委員 今も概括的な話がありましたが、私は有事基本法というものが、いわゆる周辺事態法という、海外での自衛隊の展開や米軍に対する協力体制という状況と一体として出されているということに注目せざるを得ませんし、しかも、有事法制は、今、部分的に紹介がありましたが、私の認識では、国民保護法と一緒になって昨年六月に成立したわけですが、米軍行動円滑化法、いわゆる米軍の支援のために必要な法整備を進めると。あるいはまた、海上輸送規制法、特定公共施設利用法など、自衛隊が国内において作戦をし、また、そのための兵たんを行うという法制というもの、さらにその一環として国民保護法という全体像というものを私はとらえたときに、保護という名目のもとにこれに同意するということはしかねる問題だというふうに思うんです。
 それで改めて、若干重複する点がありますが、国民保護法では自治体の業務として何を定め、具体的にどのような行動をとることを定めているのか、概括ご答弁をお願いいたします。

○八木情報統括担当部長 これも国の指針案によりますと、武力攻撃事態等において、まず国が都道府県の知事に避難、救援等の措置を実施すると、避難、救援について申し上げますと、そういった役割をまず決めております。これを受けて自治体の役割ということで、知事は区市町村長を経由して住民に避難指示をしなさい、それとともに、知事は関係機関が行う措置を総合的に調整しなさいというようなことがございます。そして、区市町村長は避難住民の誘導などを行う。こういったことが具体的に法律及び基本指針案の中で書かれているわけでございます。

○吉田委員 避難、救援、それに関する誘導、あるいは武力攻撃に対する対応ということなんですが、しかも、それはどれだけの現実性があるか否かというのは非常に意見が分かれるところだと思うんですが、そういうことを想定して、先ほど藤田副委員長との質疑でありましたが、都民を巻き込んでの訓練を求めるという内容となっているということを私はやはり見ておかなきゃならないと思うんですね。
 ところが、先ほど八類型で計画を立てて対応するんだというお話がありました。例示はされませんでしたけれども、例えば、八類型の中には着上陸侵攻、いわば本土上陸、さらに四番目には航空攻撃、空襲というようなことも入っていると思うんですが、こうした本土上陸、あるいは空襲というふうなことも想定して計画を立て、訓練をするということが今後準備されていくんでしょうか。文献などで読んだ限りでは、鳥取県なんかは全県民越境避難というふうなことまで想定をしているようですけれども、東京都としてもそういうふうなことをこれから計画の中で具体化し、あるいは、そのための訓練を求めていくというふうに理解してよろしいんでしょうか。

○八木情報統括担当部長 東京都の訓練の具体的なやり方、基本方針等については、今後の計画策定の段階で検討してまいりたいと思っております。

○吉田委員 しかし、指針ということをいわれましたけれども、そういうことを想定せざるを得ないということになるわけですよね。しかし、私は非常に疑問に思うのは、例えば本土上陸や空襲ということも八類型の一番目、あるいは四番目として想定すると。他方、例えば同じ指針がつくられた国の平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱ということでは、私が読んだ限りでは、本土上陸、本土攻撃的な侵略の可能性というのは薄くなっていると。したがって、自衛隊の装備についても、本土防衛的なものから、より新たな事態に対応するように変えていかなきゃならないと、国の防衛の基本方針の方はそういうふうに書かれていながら、国民保護計画の中では空襲や本土上陸も想定したようなことを準備を強いられる、そのために都民に訓練を強いられる。これは一体どういうことかというふうに思うんですが、この国の防衛大綱についてどのように認識していらっしゃいますか。

○八木情報統括担当部長 今おっしゃいました国の防衛大綱での危険性が低下している、していないというようなことにつきましては、都として判断する立場にはございません。
 なお、国の国民保護計画の基本指針案の中には、我が国を取り巻く安全保障環境につきまして、冷戦終結後十年以上が経過し、我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下しているものの、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、国際テロ組織等の活動を含む新たな脅威や、平和と安全に影響を与える多様な事態への対応が差し迫った課題となっている、このように書かれてございます。

○吉田委員 防衛大綱の一部を紹介させていただきますが、侵略事態生起の可能性は低下していると判断されるため、従来のようないわゆる冷戦型の装備の縮減を図るということまでいっています。しかも、私は、そういうことを想定して訓練計画を立て、かつ都民を訓練に巻き込むということになっているから改めてこのことを強調するわけですが、さらに調べてみましたら、例えば、先ほどミサイル攻撃に一体どう対応する計画を立てるのかというお話がありましたけれども、消防庁国民保護室がつい最近発表いたしました保護計画のモデル計画においても、例えば着上陸侵攻やその前提となる反復した航空機攻撃等の本格的な侵略事態というものはなかなか想像しにくいんだと。したがって、そういうものの避難計画というのは立てにくいというふうなことまであえていっているにもかかわらず、片方は、危険がある、危険があるということで、計画を立てて、そのための訓練をするというのは一体どういうことかというふうに思います。
 さらに、先ほどNBC攻撃の問題で議論がありましたが、このNBC攻撃についていえば、既に先ほど話がありましたが、独自にかなり詳細にわたる災害対処マニュアルというものをつくっているんじゃないですか。私はこの概要版というものをいただいておりますけれども、これ以上の相当詳細にわたる対応策というのをお持ちだと思うんですが、それと今回のこの計画との関係はどうなんでしょうか。

○八木情報統括担当部長 東京都NBC災害対処マニュアルは、NBC災害の発生時における危機管理対応や各部局の役割の明確化など、基本的な行動要領として平成十五年度に策定したものでございます。
 一方、国民保護計画では、NBC攻撃も計画の対象とすることになってございますので、既存のマニュアルについても計画との整合性をとって活用していくことにしております。

○吉田委員 何かこのNBC災害対処マニュアルに現時点で欠陥や不十分さがあるんでしょうか。

○八木情報統括担当部長 このNBCマニュアルの作成に着手した時点では、まだ国民保護法が成立している状況ではございませんでした。したがいまして、今後、都の国民保護計画を策定していく中で、このNBC攻撃に関する部分と現在の私どものマニュアルのすり合わせ等をしながら必要な見直し等も行っていくということになろうかと思っております。

○吉田委員 我々は、いろんな危険性はやはり想定されますけれども、それに対する現実的な対応策ということを本当にとるべきであるというふうに考えております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、私が冒頭述べたように、今、日本が戦争に巻き込まれる危険性というものは、どういう形で現実的な可能性として浮上しているのかということなんです。その一つとして、もちろんこれ一つというふうに断定的にいうことはできませんけれども、自衛隊が今、海外展開をし、米軍の行動に協力をする。例えば、武力攻撃事態、あるいは攻撃がされる予測事態という判断をされる事例についてなんですが、海外で自衛隊が米軍の支援をする、協力をする、その自衛隊に対してもし攻撃が行われるということになったら、これは武力攻撃事態、あるいはその予測があった場合には予測事態ということになりますか、なりませんか。

○八木情報統括担当部長 そうした仮定のもとにお答えすることはできないということです。

○吉田委員 仮定といいますけれども、今、日本の現実の危険性というのは、そういう問題を直視することがより現実的な課題だと思うんですよ。直接的に本土空襲だとか、本土上陸だとかというよりは、そういう形で日本が戦争に巻き込まれていくということの危険性を直視して対応していくことが、それは国の基本的なあり方と同時に、そういうことを回避するというために努力をするのが一番現実的な、今求められている課題だと私は思うんです。片方では、やれ海外展開だ、米軍に協力だというふうにしておきながら、いわば戦争の危険性の道に進んでいるんですよ。
 それで、私は改めて、極めて常識的な話だと私は思っているんですけれども、やはりそういう事態をいかに未然に防ぐのか、回避するのかということで、東京都が都市外交を含めて努力をするということがまず根本問題として求められていると思うんですが、基本的な考え方はいかがですか。

○赤星総務局長 平和であることは最も好ましいことでありますし、何にもない、日本が攻められることのない、世界が平和であるということはみんなが望んでいることではございますけれども、現実問題として何が起こるかわからないという事態に我々は対処しなければいけない。いざ起きたときに、何も未然の準備がなければ対応できないわけでございますので、いろんな対応を我々は事前に準備しておかなければいけないだろう。それが平和な日本を守る道でもありますし、また、都民、国民の生命、財産を守る道でもあると私どもは考えております。

○吉田委員 私はこの問題は、一般的などのような事態にというふうなことを抽象的に取り出して、国民保護法、あるいは有事法制全体を考えたときに議論することはやはりできない問題だということで述べさせていただきました。
 あと若干、条例本体に即して一、二質疑をさせていただきます。
 先ほどから訓練の話がありましたが、これは条例以前の問題ですが、国民保護法との関係になりますが、訓練を行うということは行政としての責務というふうに位置づけられていると思うんです。これは都民との関係では強制を求めるんでしょうか、どうなんでしょうか。

○八木情報統括担当部長 訓練につきまして、国の基本指針案によりますれば、国及び地方公共団体は、国民保護措置についての訓練を行う場合は、住民に対して訓練への参加を要請するなどにより、国民の自発的な協力が得られるよう努めるものとするとされておりまして、訓練への参加を強制するものではございません。

○吉田委員 あと、条例の中身で、国民保護法及びそれに関連するモデル条例というものが既に国から示されておりますが、私はそのモデルと対比したときに、対策本部の構成について若干国のモデルと違う文言が、例えば、局及び地方隊を置くというふうな文言になっておりますが、これは具体的にどのようなものを想定して地方隊というのは提案されているんでしょうか。

○八木情報統括担当部長 ただいまお尋ねの、モデル計画と今回提案させていただきました東京都の条例の若干の違いというご指摘が今ございまして、東京都のモデル条例では、本部に本部長室、局、地方隊を置く、こう書いてございます。これは、既にある東京都災害対策本部条例のいわば横並びといいますか、その考え方に沿って東京都の組織をつくるということにしたものでございまして、参考までに災害対策本部の例で申し上げます。
 国民保護条例につきましては、条例が可決した後に規則で具体的に定めますので、現時点では参考となる災害対策本部の例で申し上げますと、本部長室というのは、本部の基本方針を決定する本部長、副本部長、本部員で構成される組織。それから局というのは、実際にその対策本部の実務を行う。これは平常時の各局がそのまま対策本部の局になるというような性格のものでございます。一方、地方隊というのは、具体的には現在の災害対策本部では、島しょ地域の支庁の単位で、大島、三宅、八丈、小笠原、この四つが地方隊ということで、実際に本部の事務を分掌する役割、こういう形で組織をつくる予定にしてございます。

○吉田委員 最後に、条例に関連して、これから協議会を立ち上げて、そして計画を策定するということがこの条例では想定されているわけですが、これは議会との関係ではどういう手続を踏まれるご予定なのか、ご答弁をお願いいたします。

○八木情報統括担当部長 計画策定の今後の手続といたしましては、国民保護協議会がつくられますと、そこに諮問をして、それから都民の意見等も聞き、それで決定した後に国民保護法上は議会に報告をするというような義務づけがなされてございます。

○吉田委員 改めて必要な機会には意見をいいますけれども、私は、真に都民の安全を守るということならば、そういう事態を未然にいかに防ぐかというために、当然のことですが、最大限の努力をすることが求められており、残念ながら、今、国民保護法、そしてそれに基づく、提案されている条例の中身は、自衛隊の海外展開に伴う新たな予測される戦争というふうな事態に全体として対応するという危険な流れにあるということを、率直にいって指摘せざるを得ません。
 以上です。

○中村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認め、予算、付託議案及び報告事項並びに陳情に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三分散会

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