委員長 | 中村 明彦君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
副委員長 | 藤田 愛子君 |
理事 | 樺山たかし君 |
理事 | 坂口こうじ君 |
理事 | 中嶋 義雄君 |
真鍋よしゆき君 | |
古館 和憲君 | |
中屋 文孝君 | |
桜井良之助君 | |
服部ゆくお君 | |
藤川 隆則君 | |
吉田 信夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員総務局 | 局長 | 赤星 經昭君 |
危機管理監 | 中村 正彦君 | |
理事 | 馬場 正明君 | |
理事人事部長事務取扱 | 大原 正行君 | |
総務部長 | 大塚 孝一君 | |
行政改革推進室長 | 前田 信弘君 | |
IT推進室情報企画担当部長 | 木谷 正道君 | |
IT推進室電子都庁推進担当部長 | 永田 元君 | |
主席監察員 | 相上 孝司君 | |
行政部長 | 荒川 満君 | |
多摩島しょ振興担当部長 | 清宮眞知子君 | |
三宅島災害復興対策担当部長 | 渋井 信和君 | |
都区制度改革担当部長 | 島 博文君 | |
総合防災部長 | 中村 晶晴君 | |
情報統括担当部長 | 八木 憲彦君 | |
局務担当部長 | 竹内 直佐君 | |
勤労部長 | 志賀 敏和君 | |
法務部長 | 中村 次良君 | |
統計部長 | 須々木亘平君 | |
人権部長 | 和田 正幸君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 佐藤 広君 |
任用公平部長 | 齋藤 進君 | |
試験室長 | 星川 敏充君 | |
審査担当部長 | 友繁 佳明君 |
本日の会議に付した事件
人事委員会事務局関係
事務事業について(質疑)
総務局関係
報告事項
・新潟県中越地震の発生に伴う東京都の支援等について(説明・質疑)
・三宅島帰島支援対策について(質疑)
事務事業について(質疑)
○中村委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の報告事項の聴取、人事委員会事務局及び総務局関係の事務事業並びに総務局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより人事委員会事務局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○齋藤任用公平部長 それでは、十月十二日の当委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明をさせていただきます。
お手元配布の資料をお開き願います。
給与勧告の推移でございます。この資料は、平成十一年から平成十六年までに東京都人事委員会が勧告または報告で示した公民較差及び勧告等の内容、並びに給与改定の実施年月日を一覧にしたものでございます。
なお、この間の任命権者における給与減額措置の状況につきましても、備考としてお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○中村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、事務事業に対する質疑を行います。
発言を願います。
○古館委員 どうも資料をありがとうございます。
それでは、質問させていただきたいと思います。
この給与勧告の推移を見ましても、今の都の職員の給与を初め、遺憾にも、ずっとこの方、抑えられてきたという感を強くしております。特に備考の欄にある減額措置、すなわち給与カット、これも問題なんですけれども、これは人事院勧告とは別の措置でございますので、ここでは人事委員会の質問に純化して聞きたいと思います。
人事委員会は、公民比較により、都の職員の給与の適正な水準を勧告しているというところですね。逆較差のときには、資料を見ていますと、きっちりマイナスの給与改定を勧告しております。一方で、本年と平成十三年、この較差があっても改定は見送りにしていると。
そこで伺いますけれども、これでは給与抑制ありきといわれても仕方がないというふうに思いますけれども、どのような認識をお持ちでしょうか。
○齋藤任用公平部長 地方公務員の給与は、地方公務員法におきまして、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、その他の事情を考慮して定めなければならないとされておるところでございます。このため、人事委員会は、第三者機関といたしまして、正確な民間給与の調査によって公民較差を算出し、地方公務員法に定められたこうした均衡の原則や情勢適用の原則にのっとり、国や民間企業の動向を十分踏まえた上で、公民較差の取り扱いを判断しているところでございます。
本年の民間給与実態調査におきましては、八割を超える事業所でベースアップを実施しておらず、ベアを実施した事業所の割合が過去最低となるなど、依然として厳しい民間企業の実態が明らかになっております。
人事委員会としましては、本年の公民較差が〇・一%台と極めて低いものであり、加えて、こうした厳しい民間企業の実態、国や他団体の給与改定見送りの状況など、職員給与を取り巻く諸情勢を踏まえて慎重に検討した結果、本年は例月給の改定を行わないことが妥当であると判断したところであり、単に公民較差の水準のみをもって給与改定の適否を判断しているものではございません。
したがいまして、給与抑制ありきというご指摘があるとすれば、そういったご指摘は当たらないものと考えているところでございます。
○古館委員 今の答弁なんですけれども、この人事委員会というのがどうしてつくられているかというのは、いうまでもありませんが、公務員が労働基本権を制限されているということで、労使で人事委員会の勧告があって、その中でどういうふうに賃金を定めるかということになるわけですよね。そういう状況の中で、いわゆる公務員にとっては代償措置としての人事委員会なわけですから、そこで、たとえ金額、較差が少ないとしても、例えば〇・一%台の低い較差であっても、平成十二年度の都の勧告では、たしかことしよりも低い五百六十八円だったと思いますけれども、較差で扶養手当と住居手当の引き上げ、こういうものを図っていると思います。翌十三年の勧告では、国は三百十三円という、これもまたわずかな較差でしたけれども、暫定一時金という形で支給しているし、また、ことしの場合でも、国や他団体の改定の状況を見ましても、国の勧告は三十九円というわずかな較差であるわけですね。政令市でも百円を切るという較差があるところもありますが、しかし、仙台、ここは三百四十二円、広島は五百二十四円、北九州は六百七十六円、いわゆる三百円を超える較差の都市、これはいずれも扶養手当などで是正を勧告しているんですね。つまり人事院勧告で勧告をしていると。
このように、これまでの経過や較差の水準からいいましても、その是正を勧告するというのが人事委員会に求められていたのではないかと、このように思います。したがって、たとえわずかでも較差がある以上、その解消の措置を勧告することが人事委員会の責務であり、公民較差を是正しない、いわゆる改定の見送りとの判断は、人事委員会が労働基本権の制約の代償措置としての役割をみずから狭めるものであって、到底認めることはできません。
人事委員会としての役割を今後大いに発揮することを強く求めて、私の意見といたします。
以上です。
○中村委員長 ほかに発言がありますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 なければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了といたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○中村委員長 それでは、これより総務局関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○中村総合防災部長 去る十月二十三日夕刻に発生しました新潟県中越地震の発生に伴う東京都の支援等につきまして、お手元の資料第1号に基づき、ご説明いたします。
まず一ページ、1の被害の概要でございますが、これは内閣府及び総務省消防庁が発表した資料をもとに、十一月十日十五時現在で取りまとめたものでございます。
(1)の地震発生の状況ですが、十月二十三日十七時五十六分に新潟県中越地方にマグニチュード六・八、川口町では震度七の地震が発生いたしました。以降、余震といたしまして、これまでに震度六強が二回、震度六弱が二回発生し、また、資料には記載しておりませんが、昨日の午後三時までに震度五弱以上が十八回、有感地震は七百三十八回発生しております。
なお、表の下には七十二時間以内の余震発生確率を記載してございます。
次に、(2)、被害状況ですが、人的被害は死者三十九人、負傷者二千七百六十一人、住宅被害は全壊八百八棟、半壊千七百三十五棟、一部破損一万六千八十九棟、建物火災は八棟、土砂災害二百十一カ所、避難者数は現在、十七市町村、一万四千八百七十三人で、最大の避難者数は十月二十六日の三十四市町村、十万三千百七十八人でございました。
以下、ライフライン、道路、鉄道の被害について記載してございます。
二ページをお開きください。2の国の対応でございます。
まず(1)、政府の対応でございますが、発災日の十月二十三日には官邸対策室及び現地連絡調整室が設置され、翌二十四日には新潟県中越地震非常災害対策本部を設置するとともに、二十六日には総理大臣が現地を視察しております。
次に、(2)、主な省庁の対応でございます。厚生労働省、農林水産省、国土交通省におきましては、医療活動、食料の供給、建築物の応急危険度判定などを行うとともに、防衛庁におきましては、自衛隊の災害派遣を、また、総務省消防庁及び警察庁では、広域応援による緊急消防援助隊、警察広域緊急援助隊を招集し、物資、避難住民の輸送や救出・救助活動などを実施いたしております。
(3)の災害救助法の適用ですが、小千谷市を初め新潟県内十市二十七町十七村でその適用が決定しております。
また、(4)の被災者生活再建支援法の適用ですが、新潟県内全域にその適用が決定しております。
三ページをごらんください。このページと次の四ページに都の支援をまとめてございます。
三ページの3の都の支援状況についてご説明いたします。
(1)の各局の支援状況ですが、人的支援として、総務局を初め十局二百三十名の職員が避難所支援、医療、建築物応急危険度判定等の支援を行っております。
物的支援では、十月二十五日と二十七日に総務局、福祉保健局が災害救助基金により備蓄している給与品を東京都トラック協会の協力を得て、航空自衛隊入間基地並びに米軍横田基地にそれぞれ搬入しております。
また、車両、資器材等による支援といたしまして、水道局が給水車、工作車、緊急車などによる給水支援を行っております。
その他の支援といたしまして、大学管理本部では、被災受験生の出願期間の延長や入学考査、入学料の減額免除を行っております。また、都市整備局では、都営住宅を百戸確保し、被災者の受け入れを行うことにしております。教育庁では、都立学校での転学受け入れを行うこととしております。
次に、(2)の警視庁の支援でございます。警視庁は、広域緊急援助隊として延べ七百三十七名、ヘリコプター十九機、車両七百二十九台により救出、救助等の活動を行っております。
(3)の東京消防庁の支援でございますが、緊急消防援助隊として累計で書いてございますが、これはそれぞれ消防庁並びに警察庁の集計の仕方が違うことから表示が変わってございます。累計五十二隊二百八十四名がヘリコプター十機、車両四十四台により救出、救助等の活動を行っております。
次に、最後の四ページをお開きください。
4の都の支援物資でございます。これは三ページの物的支援の内訳でございます。入間基地に搬入いたしました物資は、クラッカー、アルファ化米、即席めん、毛布、調整粉乳及びほ乳瓶で、同時に港区など十七区市町村の支援物資も取りまとめてございます。また、横田基地に搬入した物資は、肌着及び簡易トイレで、横田基地周辺の五市一町の支援物資も取りまとめました。
このたびの物資支援の特徴といたしましては、緊急性から都独自に決定した支援であること、搬送手段として空路を活用したこと、災害対応として初めて米軍基地を使用したことでございます。
以上、雑駁ではございますが、新潟県中越地震の被害の概要及び現在までの東京都の対応についてご報告させていただきます。
○中村委員長 報告は終わりました。
本件に対する質疑は、次の事務事業等に対する質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
○中村委員長 次に、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○大塚総務部長 十月十二日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、説明させていただきます。
恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます資料第2号、総務委員会要求資料の三枚目、一ページをごらんいただきたいと思います。1、局別組織・定数の推移(知事部局等)でございます。
知事部局等における本庁組織の部(室)の数と職員定数との推移を平成十二年度から十六年度まで局別に、次の二ページにかけて掲げてございます。
三ページをごらんいただきたいと存じます。2、地方分権一括法施行以降の都から市町村への事務・権限移譲状況等でございます。
平成十二年四月の地方分権一括法施行以降、都から市町村に対して行われました事務・権限の移譲状況につきまして、建築基準法など個別の法律に基づく移譲、そして事務処理特例制度による移譲などの区分ごとに移譲項目、具体的な移譲内容などを掲げてございます。
四ページをごらんいただきたいと存じます。3、市町村補助に係る見直し事項でございます。
平成十二年度から十六年度までの五年間に都と市町村が協議を行った上で実施いたしました都の市町村に対する補助金の見直し状況につきまして、見直しの実施年度ごとに補助金の名称、当時の所管局、内容を掲げてございます。
五ページをごらんいただきたいと存じます。4、都から市町村への都支出金の推移でございます。
都から市町村への支出金につきまして、市町村の普通会計決算の分類に従い、国庫財源を伴うものと都道府県費のみのものとに分け、平成十年度から十四年度までの五年間の推移を掲げてございます。
続きまして、六ページをごらんいただきたいと存じます。5、事務処理特例制度による市町村への事務・権限の新規移譲でございます。
平成十二年度から十六年度までの五年間に都と市町村が協議を行った上で実施いたしました事務処理特例制度による都から市町村への新たな事務・権限の移譲の状況につきまして、項目、内容、移譲年月日などを掲げてございます。
なお、平成十二年度及び十三年度は新規の移譲がございませんでした。
七ページをごらんいただきたいと存じます。6、普通交付税交付決定額、臨時財政対策債発行可能額及び所得譲与税の状況(市町村別)でございます。
それぞれの見込み額につきまして、市町村別に掲げてございます。
なお、普通交付税交付決定額が空欄になっているところは、普通交付税の不交付団体でございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○中村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、先ほど聴取いたしました報告事項とあわせ、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○真鍋委員 私は、まず特別区制度改革、都区制度改革について質問させてもらいます。
平成十二年の四月一日より二十三区は基礎的自治体となりました。それまで東京都に仕事していただいた清掃事業が区に移管されたということもございました。このときに、それまでの調整三税等々財源の分配が、東京都が五六、二十三区が四四だったと思いますけれども、この移行の中でどうしていくのかと。当時、私の記憶では、東京都は二十三区分四四%をせいぜい四九%が精いっぱいだと。二十三区側は五七%なければ、とてもじゃないけれども仕事ができない等々のやりとりがあったわけです。この仕事の中身をじゃあどういうふうにしているのかということで、二十三区の仕事の中身、東京都の仕事の中身ということで、一度東京都もそのことを公表された記憶があります。しかしながら、東京都が公表された中身と二十三区の見解が結構離れていて、マスコミ各社も、東京国際フォーラムに使用するお金がこのお金でとかというような記事があった記憶があります。
そういう経過を経て、十二年四月一日を迎えたわけでありますが、当然その後の経過措置の中で、平成十八年四月一日に向けて、まだまだ協議を重ねていかなければならないというのは現状であると思います。
そこで、まずお伺いしたいのは、現時点で都区制度改革につきましてどのような協議を行ってきたのか、経緯と状況についてお尋ねします。
○島都区制度改革担当部長 今ご指摘ありました五項目につきましては、平成十二年の都区制度改革に際しまして、お話ありましたように、清掃事業の区移管に伴います特例的対応が終了いたします十七年度に向けまして、都区が協議していくということで確認したものでございます。この五項目を検討するために、平成十五年三月に、都区財政調整協議会の幹事会のもとに三つの検討会といたしまして、課題別に大都市事務検討会、清掃関連経費検討会及び小中学校改築等検討会を設置いたしまして、それぞれ検討会、五回から六回にわたりまして開催して、具体的な議論をしているところでございます。
現在、大都市事務検討会におきましては、先ほど先生からお話ありました都区制度の基本であります都区の役割分担と財源配分のあり方について検討しております。また、清掃関連経費検討会につきましては、現在、都が負担しております清掃工場等の清掃関連経費の取り扱いについて検討しているところでございます。最後に、小中学校改築等検討会におきましては、今後、急増することが見込まれます小中学校の改築需要への対応及び都市計画交付金のあり方について検討しているところでございます。
○真鍋委員 今、現状、どのような検討をしているのかというご説明をいただきましたけれども、平成十二年のときもそうでありましたが、大都市事務ということで、都の考え方と二十三区側の考え方に見解の違いがまだあると思いますし、また、そのように聞いています。都区の役割分担と財源のあり方という問題は非常に重要な課題でありますけれども、都と区で現在このことにつきましてどのような議論をしているのか、どのような見解の相違があるのか、お尋ねしたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 今お話がありました大都市事務検討会におきまして、区といたしましては、都区財政調整の原資に当たります固定資産税、市町村民税法人分及び特別土地保有税の三つの税は、他の団体でいきますと本来市町村税であり、都がこれらの調整税を使って行うことができる事務は、一般の市町村が処理する事務に限られると主張しているところでございます。これに対しまして、都といたしましては、この調整税は都区制度のもとでは都税であり、都の役割としては、大都市において一体性、統一性のある行政を行うこと、また、財源が偏在しております特別区間の財政調整を行うこと、この二つが求められていると認識しております。
この大都市におきます一体性、統一性のある行政としては、水道や消防など一般に市町村が処理することとされている事務に加えまして、地下鉄の整備や環状道路の整備、あるいは環境対策としてのディーゼル車対策など、大都市特有の行政課題に対応した事務が含まれております。したがいまして、単に一般的な市町村事務の範囲という視点ではなく、大都市東京の機能を維持、強化していくために必要かどうかという視点から都の役割を考えるべきだと考えてございます。
○真鍋委員 心なしか、区の見解が短くて、都の見解を長く聞いたような気がしますけれども、先ほども申し上げましたけれども、これの肝心なところは、もちろん上下水道みたいなお仕事は広域的にやった方が本当にいいと思います。東京都がやっている仕事の中で法令事務と法令外事務があるということで、十二年を振り返ってみますと、先ほども申し上げましたけれども、現在は東京都四八%、二十三区五二%という中身を具体的数字で挙げて情報を公開して、同じ土俵に上って議論を詰めていくと、これが不可欠であると思います。そういうことも含めて、第三回定例会で我が党の代表質問もさせていただき、都の考え方を近々示すということも答弁いただきました。
そこで、近々というのは、いつごろ、どのような中身を都の方は公表されていくのか、協議をされていくのか、お尋ねしたいと思います。
○島都区制度改革担当部長 ただいまお話ありましたように、さきの定例会におきましてご報告いたしましたように、この検討をしております大都市事務検討会におきまして、大都市におきます行政の一体性、統一性を確保する観点から、都が調整税を活用して実施しています事務内容を具体的に来月もしくは来年の一月ごろ提示する予定でございます。その内容に基づきまして、都の役割を明らかにし、都区財政調整における財源配分のあり方について、区と十分協議をしていきたいというふうに考えております。
○真鍋委員 どうぞよろしくお願いいたします。
いよいよ十七年度に一つの方向性を定めていくということで、本当に大きなポイントに来ていると思います。先ほどご説明がありました、十二年のときに合意をした五項目の確認事項、このことについて解決をしていくわけでありますけれども、協議に臨みます局長の決意を伺いたいと思います。
○赤星総務局長 私の決意ということでございますけれども、東京が魅力と活力のある大都市として発展していくために、都と特別区が適切に役割分担いたしまして、大都市機能の維持、強化を図っていくことが求められております。このためには、大都市経営にふさわしい自治のあり方について幅広く議論する必要があると認識しております。都区の役割分担を含めました五項目についての検討は、特別区の区域で都区双方が担っております行政を円滑に進めていく上で重要なことであると思います。十七年度の合意形成に向け、今後とも真摯に議論を進めてまいります。
○真鍋委員 真摯に臨んでくださるということでありますので、いずれにしても、十二月か一月、提示される中身について大変注目をしていきたいと思っております。
それから、東京都は、もう一つ、今度は国との関係で、地方分権は進んでいると、地方分権一括法もできたと、しかし財源については、まだ中長期的な課題で残したままであり、本当に中途半端なものであるという石原知事の繰り返しの言葉を聞いておりますし、私もそのとおりだなといつも思っております。
中央集権から地方分権、むしろ地方主権という形で、これは世の中の流れだと私は思います。そういう中にあって国と都の関係はどうあるべきか、都と区の関係はどうあるべきかというのが一つの方向性であろうと思います。ですから、そういう観点も含めて、今、局長が申されたとおり、真摯に協議をしていただきたいと思います。
次の質問に参ります。
昨日の夕刊をいろいろ見たんですが、朝日新聞の夕刊に、オウム教団--今、アーレフという名前に変えていますけれども--団体規制法存続へという記事がありました。今、東京の中で世田谷区であるとか足立区、台東区、杉並区等々、まだまだオウム関連の施設、そのほか、それに関係する団体の施設等がございます。地下鉄サリン事件を初め、あれだけ多くの被害者が出た凶悪な事件を起こした団体が、もちろん当事者は逮捕され、刑に服している方もいらっしゃるわけですけれども、団体としてそのまま残っているということ自体に、特にそういう施設がある近隣の方々は不安を持っています。その団体に所属する方お一人お一人に対して不安を持っているというよりも、団体活動する、団体が動いていくということに対する不安ですので、それぞれの方々が一市民として生活してくださることを望んでいるわけです。
こういう長年、特に東京の中で、関連施設、住居等々に近接する方を中心に、大変不安があり、今までも住民の皆さんがいろんな協議会をつくったり、運動をされたりということでやってきました。私も機会あるたびに質問させていただき、東京都も総務局さんがいろいろな対策、住民のバックアップ等々の担当をしてくださるということで、これまでお答えもいただいてきましたけれども、まず、これまで東京都としてオウム真理教対策、アーレフ対策について、どのような活動、行動を行われてきたのか、改めて確認したいと思います。
○大塚総務部長 東京都では、平成十一年の七月に庁内にオウム真理教対策連絡会議を設置して以来、団体の活動に対する各種法令の厳格な適用や都民に対する法律相談の実施などによりまして、団体の活動の抑制や住民の方々の不安の解消に努めてまいりました。また、国に対しても、実効性ある活動規制措置をとるよう、これまであらゆる機会をとらえて提案してまいりました。さらに、今、先生がおっしゃいましたように、一部報道機関では延長の報道も出ておりますが、まだ確認されておりませんので、本年は無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律、いわゆる団体規制法の見直し期限に当たることから、同法を廃止しないよう国へ提案要求してきており、今月中旬にも再度提案要求いたします。
都としては、今後も地元自治体、関係機関等と緊密な連携を図りまして、住民の方々の不安解消に向けた対応をしてまいります。
○真鍋委員 今のお答えの中で、団体規制法の存続というのはまだ確定したわけではないということであります。この一部報道がそのままいってもらいたいと思います。
この団体に対する問題については、質問をさせていただき、知事もそのたびに、答弁としては、破壊活動防止法という法律がありながら、その適用をしなかった、そのことに対して本当に残念であったというご答弁がありました。あれだけの大量殺りくを行った団体自体を解散できなかったことに今、それぞれの地域で住民の不安があると思います。
団体規制法の存続という目的と、新たな法律をつくっていただき、この団体の解散に持ち込むというか、住民の不安を取り払うということを求めている署名がたくさん出ているわけであります。私は、たまたま教団の本部が世田谷区にあるものですから、住民協議会の皆さんとそこに行っていろいろ抗議をしたりということをしています。そのときに、その団体の幹部とお会いすると、私たちは地下鉄サリン事件を初め、オウム真理教が犯した犯罪被害者の方々に賠償する責任を持っていると。ですから、私たちの活動をやめてしまったら、その方々に対して賠償ができなくなるんだと。ということは、被害者に賠償するということが団体活動を続ける大きなバックボーンになってしまっておりまして、ここら辺は非常に困ったものだなということを感じておりました。
先般、烏山オウム真理教対策住民協議会の皆さんで地下鉄サリン事件の被害者の家族の方と被害者の方々の顧問弁護士さんをお呼びしまして、勉強会をしました。そのときにこのお話が出たんですけれども、被害に遭われた方々の賠償につきまして、まだ総額の何割も教団側は返していないと。そうすると、もちろん被害を受けた方はそれだけの被害をこうむっているわけですから、それだけの賠償をしてもらわなければならないわけですけれども、彼らの方の動きとして、国家がかわりに被害者の方々に補償をすると。そして今度は、国家が団体を差し押さえるなり、いろんな形でそこから回収をしていくと、こういうことを弁護団、また被害者の会としては特別法を求めて活動しているんだと、こういう話を伺いました。お話を聞きますと、被害に遭われた方々も、差し押さえ等々できるらしいんですが、個人なものですから、情報がないと。ですから、どこが裏ルートで、どこが資金源で何かというのがわからない。ところが、国となると、もちろん公安調査庁を初めとしていろいろな形での情報をお持ちですから、それこそ資産を押さえるということだってより積極的にできるはずだということもあわせて伺いました。
今さら破防法適用というのは、これは無理な話だと私は思いますけれども、この特別法というものができて、国家が肩がわりしていくというのが、ある意味で一番団体解散に向けての大きな手にもなるし、被害に遭われた方々がまだまだ長い時間かけても賠償してもらえないということも解決できるということでありまして、このことを東京都としてもぜひとも研究をしていただいてバックアップしてもらいたいなと。私も一議員として、この運動に協力していきたいなと、こういう思いがあるんですけれども、都として、こういう考え方についてどのようなお考えをお持ちなのか、お尋ねしたいと思います。
○大塚総務部長 地下鉄サリン事件などの被害者に対する損害賠償につきましては、オウム真理教の破産手続の中で損害賠償請求権が認められておりますが、オウム側の資産が少なくて、配当率が低い状況にあるわけでございます。こうしたことから、国は平成十年、法律を定めまして、国の有する債権を被害者の損害賠償請求権に劣後させる取り扱いを行ってまいりました。また、東京都といたしましても、被害者救済の緊要性に配慮いたしまして、平成十年、条例を定めるなどして、都の有する債権を被害者の損害買収請求権に劣後させる措置を行ってきております。
犯罪被害者一般に対する支援につきましては、既に犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律により措置されておりまして、極めて困難な話にはなりますが、お話の趣旨につきましては、今後研究し、機会をとらえて国に働きかけていきたいと考えております。
○真鍋委員 これからも即座に解決する話ではなかろうかと思いますが、今、研究してくださる、検討してくださるということでありますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上で質問を終わります。
○坂口委員 それでは、いただきました資料につきまして、何点か質問させていただきます。
二〇〇〇年にいわゆる地方分権一括法が制定されまして、五年目になります。くしくもその時期には介護保険法も導入されまして、一気に地方分権の時代に入ってきているわけでございますけれども、ご承知のとおり、そこにはさまざまな課題があるのも事実でございます。
そこで、国から東京都への税財源の移譲につきましては、また知事本局等に聞かせていただきますので、今、真鍋委員の方からも出ましたが、東京都から区市町村等に対する地方分権がどの程度進んでいるのか、その成果と課題といいますか、また、その課題をどのように乗り越えていったらいいのかということについてお聞きしたいと思います。
まず最初でございますけれども、今まで約五年たつわけでございますけれども、都から特に市町村、区の方は今ちょっと出ましたので、市町村といいますのも多摩地域ということになるわけでございますが、今、四百万人、四国全県に匹敵する人口を擁しております。先般、商工会連合会の会長さんのお話を聞いておりますと、今、多摩地域のハイテク産業ですとかコンテンツ産業の出荷額は二兆五千億円ぐらいだと。シリコンバレーの二倍だという話を聞きまして、私もちょっと不勉強に気づいたわけでございますけれども、大変な地域になってきております。したがって、広域行政に責任を持つ東京都として何ができるのかできないのか、また、どのようにしていったらできるのか、できないものもできるようになるのか、そのことを考えていくということは大変重要なことであろうかと思います。
そこで、まず第一問でございますけれども、地方分権一括法施行後、どのようなものが都から市町村へ移譲されたのか、その状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○荒川行政部長 地方分権一括法が施行されたのが平成十二年四月でございまして、それ以降、都から市町村へ移譲した事務につきましては、個別法によるものと条例による事務処理特例によるものがございまして、まず個別の法律に基づくものとして、平成十三年度に建築主事を設置した立川市に対しまして、建築確認や違反建築物の是正措置などの建築基準行政事務を移譲いたしました。それから、条例による事務処理特例制度に基づくものといたしまして、難病医療費助成や母子保健に関する事務などにつきまして、全体で十一項目百十五事務を関係の市町村に移譲を行っております。そして、この事務処理特例制度に基づく移譲につきまして、地方分権一括法施行以前の場合には、市町村長への委任条項というのがございまして、その場合にゆだねたものと比較いたしますと、施行以前では、昭和二十三年から行っておりますけれども、五十年間で二十八項目三百四十三事務が市町村長に任されていたのに対しまして、施行以降の五年間で十一項目百十五事務が移譲されておりまして、大幅にスピードアップしているというふうに理解しております。
○坂口委員 やはり一つの峠を越えたのかなと、また、越えつつあるのかなというような感じがいたします。百数十年にわたる中央集権の体制から分権自治の方向へ大きく動き出していることは事実だなと。しかし、過渡期が大変重要なのではないかと、そんな思いがするわけでございます。
先ほどの多摩地域の問題について触れますと、私が調べた限りでは、百十年前にちょうど多摩地域が神奈川県、またはその後、旧保谷市などは埼玉県から東京都に移管されているわけでございますが、東京都に移管された当時の人口が、私の調べに間違いがなければ二十万人ですね。それが今、四百万人ということでございますから、何と二十倍に膨れ上がっていると。それだけ全国から多様な皆さんが多摩地域に参りまして、新しい自治体をつくるために住んだり、または参画をしておられると、そういう地域でございます。ある意味では、これからの日本の地方自治をリードしていく、そのような地域でもあるのではないか、そのような認識を持っております。
しかしながら、地方分権を本当の本物にするためには、当然のことながら時間も必要でございますけれども、人、物、お金、それから、情報、そして、それらを複合化したノウハウといいますか、そういったものがきちんと移転されませんと、これは絵にかいたもちになるということはいうまでもございません。
そこで、例えば先ほど出てまいりました事務の中でも、例えば建築基準行政事務、これは大変重要ですね。まちの未来の姿を描く、またはそれに基づいて、確認行政をする、指導行政をするということで、大変重要だと。本当に本気になってまちづくりをしようと思ったら、基礎自治体にこれがきちんと移管される、また、基礎自治体もそれをきちんと受けとめてこなしていくということが大変重要だと思うんですけれども、いろいろ聞いてまいりますと、義務的に実施している団体を除くと六市にしか移譲されていないということでございまして、人、物、金だけではない課題もその背後にあるように思います。
そこで、今いいました人、物、金または情報ということの支援とともに、これから分権改革をさらに進めていくに当たりまして、具体的にどのような課題があるのか、それを教えていただきたい、また、つまびらかにしていただきたいと思います。
○荒川行政部長 東京都から事務の移譲が行われる場合に、受け手でございます市町村の方では、まず事務処理体制の整備が課題になると思います。例えば財源措置はもちろんのこと、専門的知識や技術のある人材が必要になってくると思います。このため、都といたしましては、技術的な支援としまして、事務処理に必要なノウハウや情報の提供、それから、人的支援としまして、専門職の派遣や助言、さらに事務処理特例制度による移譲事務の経費としまして、交付金による財源措置など、移譲するに当たりまして総合的な支援策を講じているところでございます。
また、本年五月の地方自治法改正によりまして、市町村側からも都に対して移譲要請をできるような規定が設けられました。今後はこうした制度も活用しまして、都と市町村双方がさらなる分権推進に取り組むことが求められていると思います。
○坂口委員 私もいろんな分野におきまして、東京都がかなりきめ細かく、先ほどいいました財源措置のみならず、専門知識、技術を移管していくための、または移転していくための努力をしているということは存じ上げております。さらに積極的に地方の自立改革のためにそれらを進めていっていただきたいと、そのように考える次第でございます。
しかしながら、そのような方向は間違っていないですし、大変重要であるということを認識した上で、なおかつ課題があることも事実でございまして、今の三位一体改革の中でさまざまな補助金等が見直されております。
きょうもこのところに国の予算編成に対する東京都の提案要求という新しい冊子を持ってまいりましたが、机上に配布されております。つい先般まとまったものでございますが、東京都が示しておりますような、私は、これこそが骨太の改革の第一歩ではないかと思っているわけでございますが、所得税、住民税の配分割合を見直す。また、消費税についても、消費税なんかまさに偏在を象徴しているようなものですね。五%のうちの四%が永田町、霞が関に行っていると。これを二・五対二・五にすると。先般の一般質問で、その税源移譲した場合には、国から地方に対して六・七兆円、東京都にはどのくらいの税源移譲が起こるのかと。もちろん削られる部分も補助金ですからあるわけでございますけれども、〇・八兆円と、おおむねそのようなお答えをいただくことができました。これだけの税源移譲がされますと、東京都が示しております、または神野先生などが提言しております算式に基づいてやりますと、大体区市町村に三分の二行くんですね。東京都に三分の一来ると。これができたら大改革になるのではないかと。それをやりのけて初めて大きな峠を越えたなという感じになってくるのではないかと私は考えているわけでございますが、そこまでにはまだ至っておりません。
そのような中で三兆円の土俵が示されまして、今、何かわけもわからないような、ちょっと外から見ておりますと、何か茶番劇ではないかと思われるような攻防が行われているわけでございまして、大変嘆かわしい次第であるわけでございますけれども、嘆かわしいとだけいっておれないわけでございまして、いろんなひずみが起こってきております。
今年度になって私が経験したものでも、例えば、これは所管が違いますけれども、福祉局の関係でございますが、あるデイサービスセンター、東京都の道路事業に協力するということで移転を決めた。代替地は見つかって協議もほぼ調いつつあると。大体、国、東京都を通じて一億五千万円ほどの補助金が得られると見込んで協議が進んでいたわけでございますが、突然五千万円のお金が出ないということになりまして、担当者はもう青くなりまして、相談にお見えになりました。当時はまだ医療財団等からも借りることができないと。ある生協団体でございますが、そこから有利子で借入するというようなことで何とか切り抜けようとしたわけでございますけれども、結果としましては、財団から借入ができるようになりました。しかし、借入でございますから、当然のことながら返済が義務づけられてくるところなんですね。そういう中で大変なご苦労をしている。一部、基礎自治体が補てんをしたと。激変緩和といわれるほどの額ではないようでございますけども、補てんしたと、そういうケースがあります。
それから、もう一つは、精神障害者の関係の施設でございますが、ことしこそは法人化をということで申請をしております。東京都も、私の知る限りでは二十数カ所法人化をするための書類を準備し、三月の議会でも予算を議決していたという経緯のものでございます。しかしながら、三位一体の改革の中で厚生労働省の予算が削られまして、途中から協議に来なくて結構ですと。担当者はどうしてか最初わからなかったようでございますが、聞きただしてみますと、ことしは何と東京都全体で二カ所しか法人化が認められない。大都市東京でたった二カ所、東京都は二十数カ所の予算を計上していたわけでございますが、そのような状況が起こっております。
さきの決算委員会でもそれらに関連いたしまして、福祉保健局の予算の中に執行残が大変多く残されているということが確認されているところでございます。
そのような、大きな方向として分権改革は当然の歴史的な必然性を持っていて、進められなければならないわけでございますが、今、進められております三位一体改革の中でさまざまなひずみが生じておりまして、それが当事者団体または区市町村の行政の大変大きな課題になっているというのが実態でございます。
現在の三位一体改革について、市町村行政との窓口である総務局として、このような事態をどのようにとらえているのか、お伺いしたいと思います。
○荒川行政部長 ただいまの三位一体改革についてでございますけれども、これは国と地方における権限と財源のアンバランスを是正し、真の地方分権を実現していくために行われるものであるというふうに認識しております。
この趣旨に沿いまして補助金を廃止し、交付税制度を見直し、そして税財源を国から地方へ移譲していくということが一体的に行われることが重要でございまして、昨今の地方六団体の提案に対する各省庁の反論を見ましても、国の権限問題や財源問題に終始しまして、本来目的でございます地方分権改革の面からの議論が不十分といわざるを得ないというふうに思います。
このため、総務局としましても、市町村の財政状況や事業動向の把握に努めますとともに、三位一体改革の本来の趣旨でございます市町村の自主性、自立性の一層の向上に向けまして、適切に取り組んでまいります。
○坂口委員 今、例を挙げましたのは、必ずしも総務局が直接所管をしているところではないわけでございまして、これは決算委員会でも私、福祉保健局の方で発言させていただいた内容でございます。ただ、一事が万事とはいえないものの、このような問題が今後も引き続き起こってくる。それがいわゆる分権改革の峠を越える大変厳しいところではないかと、そのように認識をしているところでございます。そのような市町村等の状況もきちんと念頭に置いた上で、分権推進に向けまして、東京都の改革または区市町村への権限の移譲等をしていかなければならないのではないかと、そのように考える次第でございます。
そこで、最後になりますけれども、今申し上げましたような厳しい状況にある中で、分権推進、分権改革をどのように進めていくのか、また、市町村に対してどのような支援をしていくのか、局長のご意見をお聞きしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○赤星総務局長 今、先生からるるいろいろなご質問がございましたけれども、一番大事なことは、住民に身近な行政は、住民に身近な基礎的自治体の判断と責任のもとに実施していくという自治の理念を実現して、市町村の自主性、自立性を向上していくということだろうと思います。このためには、市町村の事務権限の拡充は基本となります。さらに、国から地方への税財源の移譲を実現しまして、自治体の行財政基盤を強化することは、このためには不可欠だと考えております。また、広域自治体でございます都といたしましても、分権推進に向けました市町村の取り組みに対しましては、適切な支援を講じていく必要があると考えております。
総務局といたしましては、こうした観点に立ちまして、また、各地域の実情も踏まえまして、各局と十分協力して自治の理念に基づきます市町村の分権推進に積極的に取り組んでまいります。
○桜井委員 私は、行政改革について、現状を踏まえながら、簡単に基本的なことだけお伺いしたいと思います。
都の方は、第一次に続きまして、昨年の十一月、平成十八年を実施年度とする第二次行革の改革アクションプランを策定したわけでありますが、これまでの成果はどんなものがあるのか、まずお示ししていただきたいと思います。
○前田行政改革推進室長 直近で取りまとめております十六年三月末の時点でございますが、第二次都庁改革アクションプランでお示しいたしました二百八十九の総施策のうち、平成十五年度につきましては、予定では四十九施策でございましたが、それを上回る五十六施策を実施してございます。その代表的なものとしましては、都債制度の改革、第二次財産利活用総合計画の策定、さらに、宅地建物取引業者の免許等に係る都庁の受付事務を民間に委託したというようなことが挙げられます。
○桜井委員 行政改革というのは、なかなか実感がわいてくるものじゃないわけですね。着実にしていかなければならないし、そういう意味においては、掲げました二百八十九のうち五十六が成果として挙げられると。残りがまだ二百三十三あるわけでございまして、いただいた資料を見ますと、かなり難しいものもたくさんあるわけでございますが、二百八十九を掲げて五十六施策を実施して残り二百三十三、この残りの中で特に重要だと考えているものがあればお示しをいただきたい。
○前田行政改革推進室長 本年度、十六年度以降取り組むこととしている実施施策、二百三十三ございますが、特に重要と考えておりますのは、都民サービスの向上に直接関係する施策として、公の施設への指定管理者制度の導入、あるいは都税の電子申告、納税などがございます。また、都の事業のあり方そのものを見直す施策として、複式簿記・発生主義会計の導入、それから、区市町村への権限移譲や施設の移管、それに、さらなる監理団体の改革などがございます。
○桜井委員 非常に難しい問題があると思います。今いった指定管理者制度の導入につきましても、これはいろんな分野にわたりまして、実際に取り組んでいく上には非常に難しい問題を抱えていると思いますし、今、おっしゃいませんでしたけれども、試験研究機関の統廃合等は今どうやっていくのかなということについても、考えさえ浮かばないほど難しい問題があるんじゃないかと思います。
私ども公明党では、先日、今後の都政の運営についてという申し入れを行ったわけでありますが、その中でも、行財政改革は今後とも強力に推進をして、都民の切実な要望にこたえ得る行財政基盤の確立を図ることといってますが、これは非常に大事なことでございます。というよりも、長い間いわれてきたんですが、結果として、いつも課題として残っている問題ではないかと思います。
今、お話にあったように、あと二百三十三のアクションプランの中には、都民サービスの向上といいましたが、都民や都政にとって重要な行政改革の実施課題が掲げられているわけでありまして、それをどうやって実施していくのかというのは、今まで以上に強い意識を持っていかなきゃならないと思います。年に一回だけ成果をとって議会に報告しているわけでありますが、これは要望ですけれども、途中経過も含めて、状況を私たちは知りたいなと思っているわけであります。
総務局はそれをやっていく最も中心の局でありますので、一年間の成果を見た上でというんじゃなくて、行革そのものはふだんからやっぱり努力すべき課題だと思うわけでありますが、ふだんからしっかりとチェックをしていく責任が総務局にあるんじゃないかと思います。その意味で、今後、残された二百三十三項目に対する進行管理、これをどのように取り組んでいくのか、考えがあれば述べていただきたいと思います。
○前田行政改革推進室長 第二次都庁改革アクションプランを一つ一つの項目を着実に実施していくために、全庁的な観点から進行管理をしておりまして、今、先生お話ございましたように、毎年度、結果について議会に報告するとともに、都民に対しても公表しております。
しかし、それぞれの進捗状況につきましては、年度末に一括ということではなくて、年度途中におきましても、その把握に努めております。おくれているものにつきましては、その原因を究明しまして、各局に改革の推進を働きかけるなど、総務局として着実な進行管理を図っていくこととしてございます。
○桜井委員 余り意見をいうと長くなりますので、これでおしまいにしておきたいと思いますが、ふだんからやっているというんですが、聞くところによりますと、十六年度の都税収が三年ぶりに四兆円を超える見通しとなっているということでありますが、心配なことは、今までも東京都そのものは財政困難に陥り、行革をやりながら、また財政再建をなし遂げてきた、こういう繰り返しをしてきたわけでありますが、税収がよくなると必ず積み残しが残っちゃって、それがまた次の大きな課題になっていくということを繰り返してきたのではないかなと、私はこう思うわけなんですね。現に何となく空気として、税収がふえるということについて、のど元過ぎれば熱さを忘れるような、税収がふえたんだから、行革についてもそう急いでやる必要はないんじゃないかなという空気があるのではないかなという印象を私は持っているわけでございまして、やはりこれではまずいなと思うわけであります。今後、改革の推進に当たりましては、そういう点も超えながら、総務局としてしっかりとリードしていっていただきたいなという考えを持っているわけでありまして、その辺の今後の取り組みの姿勢ということをお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○赤星総務局長 東京都は、これまでも行政改革に積極的に私ども取り組みまして、組織改革や定数削減あるいは監理団体改革などにつきまして、一定の成果は上げてきたのではないかと思います。
しかしながら、都政をめぐります社会経済状況や、また新たな課題に対応し、都民ニーズに迅速、的確にこたえられる都庁を実現するためには、今お話ありましたように、財政状況のいかんにかかわらず、行政改革に不断に取り組まなければならないことは、まさにご指摘のとおりだと思います。
私ども、今後とも、都民サービスの充実と東京の再生という重要課題に対応していくため、動きをとめることなく、第二次都庁改革アクションプランに掲げます各施策を着実に実施して、都庁改革を一層進めてまいります。
○古館委員 それでは、何点か質問させていただきます。
最初に、三宅島の再生と島民の帰島支援等についてお伺いいたします。
ご承知のとおり、三宅村が来年二月に避難勧告を解除して帰島する方針を決めて、住民説明会等を開くなど、今、精力的に準備を進めております。私ども日本共産党は、帰島指示解除が災害の終結を意味するものではなくて、島の復興の問題、島民の生活再建問題など、これからが本番である、こういう認識のもとで、石原知事に対しましても九月十九日に、帰島に当たっての生活支援、住宅再建など二十七項目にわたって申し入れを行いました。
さらに、去る十月十四日、十五日、党国会議員団と都議会議員、関係する区市の議員による調査団、団長は山口富男衆議院議員でございましたけれども、三宅島の現状を視察し、つぶさに被災地を調査することができました。都や村や村の関係者の方には本当に心から感謝申し上げたいと思っています。
その後、村田吉隆防災担当大臣、麻生太郎総務大臣に対しまして、私ども日本共産党国会議員団、都議団、そして住民の方も、三宅の再生と島民の帰島支援等に関する要望書を提出して、一つ一つの項目にわたって国の考え方なども詳細にやりとりをしたところでございます。
その上に立って幾つか質問したいと思いますが、私自身、第三回定例会の総務委員会で、三宅島民の帰島に向けての住宅建て直し、修理などの都独自の支援を強く求めてまいりました。これまでも日本共産党は一貫して住宅の建て直し、修理、この補助に踏み切ることを求めてまいりましたけれども、三宅の島民も帰りたいけど帰れないという大きな要因の中に、生活の基盤である住宅建設へのめどがなかなか立たないと、こういう問題が切実にあります。したがって、住宅の再建に当たりましては、国の被災者の生活再建支援制度では、建てかえや修繕などの本体経費には支援金が充てられない。都として、そうした部分への補助に踏み切るとともに、国に対しましては、支援金を本体経費にも使えるようにする、そして額の増額などを要望すべきだと思いますけれども、まず、この点についてお伺いいたします。
○渋井三宅島災害復興対策担当部長 今回の三宅島噴火災害は、村民のすべてが四年以上の長期にわたりまして避難生活を余儀なくされているという過去に例のない災害でございまして、村民の生活の基盤でございます住宅なども甚大な被害をこうむっている状況にございます。都といたしましては、国に対して、本年の七月、全国知事会を通じまして、住宅本体の建築費を支給対象とするなどの提案要望を既に行っております。
都独自の支援制度につきましては、現在、関係局と緊密に連携をとりながら、村民の本格的な帰島時期を視野に入れまして、国制度との整合性を図りつつ、具体的な支援策の検討を進めているところでございます。
○古館委員 今の答弁、この間も決算委員会で複数の政党が生活再建支援、そして住宅の問題にも言及されたところもありますが、私どもはそうした意味では大歓迎したいと思っています。ぜひ早急に日の目を見て、住宅の建て直しや修理に対して補助が東京都独自として実現できることを強く求めておきたいと思います。
次に、火山ガスの放出が続く中で帰島する以上、高感受性者に限定しないで、希望するすべての世帯に対して設置補助ができるように、都としても村を支援すべきだと思っています。この点について、実はこの間も国とやりとりをしたんですけれども、国の方では、村の高濃度地区を初めとして高感受性者への脱硫装置の設置など、これについては、村によく協力をしていきたいと、こういうような回答も寄せられているところでありまして、ぜひこれは東京都としても支援すべきだと、前向きの検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中村総合防災部長 ただいまのご質問は脱硫装置の話だと思いますが、三宅村は、村民の意向や火山ガスの状況を踏まえた専門家の意見、また、安全確保対策などを総合的に判断いたしまして、帰島の方針を示し、帰島計画を九月に定めたところでございます。この計画によりますと、火山ガスからの安全確保については、場所によって火山ガス濃度が違うことから、避難指示の解除までに立入禁止区域、危険区域及び高濃度地区を定め、条例により居住禁止と立ち入りを制限するとともに、火山ガス濃度の監視・観測体制や情報伝達、避難体制の整備と高感受性者世帯に対する脱硫装置の設置など総合的に対応するとしてございます。
都といたしましても、この三宅村の計画に基づきまして、三宅村がこれから実施する火山ガスに対する安全確保対策につきまして促進してまいりたいと考えております。
○古館委員 今のご答弁は、高感受性者に対しての脱硫装置の対応ということでいわれましたけれども、ぜひこれに限らないで、希望する人たちに対する対応策というのを国などに対してもぜひ強く求めながら、同時に、東京都としてもそうしたことに踏み切れるように強く求めておきたいと思います。
三つ目ですが、農地の復旧工事が村民の帰島後少しでも早く実施できるよう、国に要望すべきだというふうに思います。この点は前にも私、述べたんですけれども、帰島して農業ができるという状況に、これは四年間というブランクがありますので、そうした点では難しいかもしれないんですけれども、一刻も早く村民の方々が、農地の復旧工事ができて畑の仕事に出られると、こういう点でも国に要望すべきだというふうに思いますが、この点についていかがですか。
○竹内局務担当部長 農地の災害復旧事業については、所管局であります産業労働局が国へ要望し、事業開始時期や対象地の選定など各種の調整を行い、四年間にわたる災害に対応できるようになりました。これを受けまして、既に村では、農業者から災害復旧事業の実施申請を受け付け、一月の国の災害査定に向け、資料作成を行っていると聞いております。
○古館委員 総務局なので、産業労働局にかかわる問題でもあるんですけれども、一月の国の災害査定に向けて資料作成を行っていると。産業労働局が今、頑張っていただいているということも承知をしておりますけれども、この問題で大変大事なのは、実施設計の作成を急ぐことが非常に大事になっています。そのかぎは、災害査定の申請を早く進めるということだと思うんですね。この問題で村の対応ということも求められておりますので、ぜひ村への支援を東京都としても強力に進めていただきたいというふうに思っておりますし、そのことをぜひとも求めておきたいと思っております。
四番目ですけれども、枯損木の処理についてでございます。激甚災害法の指定を受けて、都と村で実施すべきであると、このように思っています。また、実施に当たりましては、帰島後の島民の雇用につながるように、ぜひ配慮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内局務担当部長 都は、これまでも激甚災害対策特別緊急事業の一環として、治山ダムの整備等に伴う枯損木対策を行ってまいりました。また、既に本年九月に決定した三宅島緊急支援事業においても、枯損木対策を事業の一環としております。治山事業、林道事業、砂防事業、道路事業など、各局及び村など関係機関が連携して枯損木対策を進めているのが今の現状です。
なお、枯損木対策を実施するに当たっては、島民雇用に十分努めてまいります。
○古館委員 枯損木の対策というのは非常に頭を悩ましている問題の一つだというふうに思うんですね。何せ火山ガスが今でも出ているという、そこのところで枯損木が大量にあるという状況ですから。
つい数日前に、私も板橋と北区の区境にあります都立の産業技術研究所に行ってまいりました。近所の桐ケ丘に避難している島民の方々、一生懸命産技研に通って、染物でもって何とか少しは売りたいなというぐらいまでに作品としてもでき上がってきていると。こういうこともあったり、それから、それこそ三宅の海の色と同じような濃紺のガラスでつくったコップとか、今ではアクセサリーもつくるようになってきていると。そこで私は、産業技術研究所の所長さんに、枯損木をそこの研究所で、どういう形にして、もう一回商品としても何かできるような工夫はできませんかといったら、やりますとはいわなかったんだけれども、おっという感じで見ていただいたと思いますので、東京都のそういうノウハウをぜひ十分に発揮していただいて、これらも再生利用できればいいなと、このように思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、三宅問題では、さまざまな事情からすぐには帰島できない人がいらっしゃいます。実際に帰島するまで最低限一年程度の猶予期間が必要だというふうに思っていますし、実際に島民からそういう意見も出されております。都営住宅等の無償使用などの支援措置をぜひ私は続けるべきだと思いますけど、いかがでしょうか。
○渋井三宅島災害復興対策担当部長 現在続いております島民の避難生活につきましては、三宅村の村長が避難指示を解除することによって終了いたしますので、避難生活の支援としての都営住宅等の提供につきましては、これをもって原則として終了するということになります。
村が策定しました帰島計画では、避難指示解除後、本格帰島期といたしまして、三カ月以内で村民の引っ越しはすべて完了するというふうにしておりますが、都といたしましては、特別な事情のためにこの三カ月間に帰島することができない世帯につきましては、さらに三カ月を限度といたしまして、都営住宅等の無償使用を延長することとしております。さらに加えまして、特別な事情のために帰島を断念した世帯のうち、都営住宅の入居資格のある世帯につきましては、現在使用しております都営住宅等を本入居に切りかえるということも可能となっております。
○古館委員 この問題は、引き続き島民の方との話に応じて--ケースがいっぱいあると思うんですね、その場合に弾力的に延長していくと。私どもは先ほど最低限一年以上といいましたけど、これを基本にしながら、今後ぜひ対応することを強く求めておきたいと思います。
それでは、次に、都区財調にかかわって質問させていただきます。
先ほども質問がありました。今後の都区の協議に向けて、基本的問題について明らかにしなければならない問題があると思っております。それはどうしてかといいますと、都区財調の問題が、先ほどご答弁がありましたけれども、ことしの末から来年初めにかけて大きな山場を迎えようとしています。これは実は自民党さんがこの間の第三回の代表質問で、「平成十二年の都区制度改革に伴い、都と特別区の役割分担のあり方など、引き続き協議すべき事項として五項目の確認事項がありますが、現在、都と特別区で検討を進めていると聞いております。この役割分担を含めた五項目に関する検討がどのような状況にあるのか、今後どのように進めていこうとされているのか」という質問に対して総務局長は、先ほどご答弁がありましたけれども、都区制度改革時の五項目の確認事項について、東京都が活力と魅力のある首都として、また世界都市として発展していくためには、都と特別区が適切に役割分担し、大都市機能の維持、強化を図っていく必要がございます云々と、ちょっとこれは紹介すると長くなるので……。それで知事本局長がその前に答弁に立って、恐らくこれに関連して答弁しているんだと思いますが、広域自治体と基礎的自治体の連携についてでございますが、国際的な都市間競争が激化する中で、東京がこれに勝ち抜いていくためには、広域自治体である都が大都市地域を一体的に経営することにより、東京のポテンシャルを十二分に引き出すことがますます重要になっている、と。基礎的自治体のことも書いてあるんですけれども、つまり東京が世界に勝ち抜いていかなければならないんだと。そういうことが実は東京都と特別区の財調問題にまで飛んできちゃっているというところに、今日、非常に私は危惧を感じているところでございます。なぜ危惧を感じているかというと、都区制度の、財調制度の歴史そのものがそういう方向には動いていないからであります。
二〇〇〇年の四月に都区制度改革が行われたわけでありますけれども、これで二十三区は、法律の上ではどういう位置づけになったんでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 十二年の都区制度改革に伴います地方自治法の改正によりまして、お話ありましたように、特別区は基礎的な地方公共団体と法的に位置づけられることになりました。
○古館委員 実は、前に我が党の木村議員が総務委員だったときに、連続的に毎年のように都区財調問題で質問しておりました。この中で、松澤行政部長さんが今、私と同じような質問に対してこのように答えているんですね。昨年四月の都区制度改革の一環として都区財政調整制度が改正されまして、調整税の都区間の配分割合、いわゆる調整率が法定化されて、中期的に安定的なものとされるとともに--次ですね。この調整税は区の固有財源的性格を有するものであることが明確化されたわけでございます、と。つまりこの調整税というのは固定資産税だとか市町村法人分だとか三税ですね。この調整税は区の固有財源的性格を有するものであることが明確化されたと、このようにきっちり答弁しているんですね。当時の行政部長です。
それで、この改革の一環として、都区財政調整制度が改正されて、調整税の都区間の配分割合が二十三区が五二%になりました。そしてこの調整税、いわゆる固定資産税など三税が区の固有財源的性格を有するものであると明確にされました。このように答弁があるんですから、これはお認めになりますね。いかがですか。
○島都区制度改革担当部長 今お話しのように、十二年のときに財政上の問題も当然ありまして、従来、調整税については条例で規定されていたのでございますが、法的に明記されたということは一方での固有財源として認められたということでございます。
○古館委員 今の答弁でも明らかなように、調整税は区の固有財源的性格を有するものだということをお認めになったと思います。現在まで引き続いている問題にいわゆる主要五課題、これがありますが、この五課題とは何でしょうか、また、その五課題の協議が今どうなっているのでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 先ほど、調整税の関係の固有財源のことでございますが、法的に定められましたのが一定割合についてということでございます。あわせて訂正いたしておきます。
続きまして、主要五課題ですが、先ほど申し上げました大都市の行政と配分の割合、それから、清掃経費の検討及び小中学校の将来需要の問題、都市計画交付金の問題等が五課題として残りまして、現在、都区の間で検討会を設置いたしまして、先ほど申し上げました五回か六回に開催いたしまして、検討を進めているところでございます。
○古館委員 さっきの答弁で、全然私のいったことを認めないんですか。これはその当時の行政部長が--別にこれは木村さんがいったことを私、紹介したんじゃないですよ、木村さんの質問に答えて、答弁として、調整税は区の固有財源的性格を有するものであることが明確化されたと、こういうふうにいっていることをお認めになりますかといっているんです。だから、この点について何か修正するということはおかしな話ですよ。
○島都区制度改革担当部長 今のはちょっと言葉足らずでしたので、修正といいますか、きちっと説明をいたしますということで、調整税全体というふうにとられたのではないかというふうに思ったものですから、一定割合が固有的な性格を有するということで、一定割合ということを申し上げたものでございます。そういう意味では丁寧にお答えしたつもりでございます。
○古館委員 ここでは、財調制度上もこれまで以上に--これは行政部、当時のですね--区による自主的、計画的な行財政運営が可能になるなど、区の自主性、自立性という観点から、今も地方分権というお話がございましたけれども、区の財政自主権が高まったもの、このように考えておりますと、これがその当時の質問に対する答えであります。
そこで、五つの課題のこの協議の中で都と区の間で意見の食い違いとか隔たりがあるとすれば、どのような問題があるんでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 各検討会におきまして、具体的な事項を都区双方で協議しているわけですが、その中で都区双方の意見を整理いたしまして、十七年度の合意形成に向けて、引き続き検討会の場において真摯に議論を進めていくことを都区双方で確認しているところでございます。
○古館委員 それでは、意見の食い違いはないということですか。
○島都区制度改革担当部長 協議ですので、当然のことながら、都区それぞれの意見につきましては、現段階では一致を見ていない部分がありますけれども、引き続き検討会の場で真摯な議論を進めていくということでございます。そういう意味での協議ということになると思います。
○古館委員 先ほど答弁の中で、都が広域的にやっているのは何だというような質問に対して、上下水道、消防、そのほかに地下鉄の整備だとか、環状道路をつくることだとか、そういうのも先ほど述べられましたけれども、これははっきりいって、全然東京都の姿勢は変わっていないというふうに思いますね。
ここに二〇〇〇年の三月十七日に、やはり木村議員が質問したのがあります。二〇〇〇年ですから、ちょうどこれが合意された年の質問なんですね。その質問では、都と区との間の大都市事務の範囲についていろいろ議論がありましたけれども--これは木村さんがいっているんですけれども、結局不調に終わりました。東京都の大都市事務を提案した項目が六十七項目あって、区と合意できたのが二十八項目。あのときもいったんだけれどというのは、その前の年にも木村議員、質問していますが、そのときにもいったけれども、国際フォーラムだとか国際展示場、東京湾横断道路の出資金だとか、これはみんな大都市事務だというようなことを提案すると。これが実は今日まで引きずっているんですよ。
なぜ話がまとまらないかといったら、東京都はさっきいったようなことを、まとまらないものをまた今答弁しているんですよね。つまり、これじゃあ--先ほど私は、基本は二十三区が一人前の区としてきちんと法的にも確立した、だから主軸を置くのは区ではないですか、いかがですか。
○島都区制度改革担当部長 ただいまお話がありました事務については、財政の問題とあわせまして、事務内容として特別区域におきます行政の一体性、統一性を確保する面から、東京都が行政を行うということがあわせまして役割分担の中で明記された点でございます。したがいまして、そういう観点から必要な事務事業を行っているというふうに考えております。その意味では、二〇〇〇年にお答えしましたものと相違ないものと考えております。
○古館委員 ちょっと今わからなかったんだけど、そのことをまた今回も持ち出すんですか、同じようなことを。どうですか、もう一回答えてください。
○島都区制度改革担当部長 持ち出すと申しますか、今申し上げました特別区域内において行政の一体性、統一性を確保する観点から、あるいは大都市の特有の課題に対応する事務として、現在その内容について精査し、作業をしているところでございます。
○古館委員 私は、東京都のそういう都合をこの協議の中で持ち出していくと、本当にまとまらないと思いますよ。
最後にそのこともまたいいますけれども、例えば清掃の移管事業のときに、移管費用がその当時千二百八十七億円、財調の中で見られると措置しましたね。別途措置するというものが七百四十五億円ありました。これについて、つまり五二%で七百四十五億円というと、五%分に当たりますので、すなわち五七%からこの協議はスタートすべきだと、このように区側もいっていますが、私もそう思いますけど、いかがでしょうか。
○島都区制度改革担当部長 今お話にありました東京都が現在負担しております清掃関連経費七百四十五億円というのは、平成十二年度当時の額でありますけれども、これを調整税の総額で割り返すと五%に当たるということでございまして、財調外で負担しているものでございます。十二年のとき、これらの清掃経費につきましては、財政調整の算定になじまない経費、十八年度の間に消滅する経費とありますし、例えば工場経費でございますと、無償譲渡しておりますので、負債は引き継がないという考え方に立てば、都区の合意に基づいて、経費の性格から引き続き東京都が負担したものでございます。したがいまして、換算の点で現行の配分割合の五二%に当時の五%を足した五七%ということがいわれておるわけなんですが、引き続き協議はしていきます事項にはなっておりますけれども、十八年度の財源配分の出発点としては考えておりません。
○古館委員 仮にそのときに合意になっていたら五七%なんですよね。つまりそのときにこの問題は別扱いで合意しなかったんです。だけど、財調率というのは、そこで五七%といったら、一般財源ですから、何に使おうがいいんですよ。その当時、本当だったら、区側はぜひこれを入れてくれというふうにいったんだけれども、東京都は、いや、これは東京都が別の方でもって負担しますよということで別扱いになったんです。だから、これはいわゆる政治決着そのものなんですね。
ご存じのとおり、財調というのは一般財源なんですけれども、これも入れろ、あれも入れろというのがどんどん毎年のように、これはご存じのとおりです。例えば私、去年質問いたしましたら、新しく東京都が、これは財調の対象事業としてお認めになりましょうといっているものと、しかし、東京都はこの仕事をやめて、財調にこっちは入れてくれやといっているのとどっちが多いかというと、差し引きすると、私への去年の答弁で、四百六十億円区側が損をすることになっているんですね。つまりどんどんどんどん東京都の事業を財調に入れていくものですから、五二%というパイは全然変わらないのに、入れていくものばっかり多いものですから、実質的には五二%といっても、使えるものがだんだんだんだん制約されていくというのが今の実態なんですね。やっぱりこういうことを私たちはきっちりと都議会の場でも認識をしなきゃいけないと思っています。
最後になりますが、ここに都区財政調整主要五課題の取り組みに関する申し合わせというのがありまして、これはことしの十月十四日に特別区長会、特別区議会議長会役員合同会議の場で申し合わせができました。
ここでは、この法律上、原則に基づき、都の所管範囲と都区間の財源配分を明確化する作業は都区の合意に至らず、その他の財源問題とあわせ、主要五課題として、清掃事業の特例的な対応期間が終了する平成十七年度までに解決すべく都区協議を行うこととされた。この問題の解決があいまいにされれば、長年にわたり特別区の総力を上げて取り組んできた都区制度改革の趣旨、すなわち都と特別区の役割分担と住民に対する行政責任を明らかにする取り組みは実質的にその意義を失いかねない。残された協議時間はごくわずかである。今こそ特別区の関係者が一致協力して都区制度改革の完成を目指さなければならない。特別区長会と特別区議会議長会は、以上の共通認識のもとに不退転の決意で以下の取り組みで行うことを申し合わせると、こういうふうにして、後のことはちょっと述べませんが、五課題の中も当然入っていますけれども、こういう取り組みなんだということで、先ほど私はいいましたけれども、やっぱり出発点は、区は一人前の自治体として法制化されたということ、そこから出発をして財調問題が出てきているということですから、機軸はあくまでも二十三特別区、ここに置いて協議をすることを強く求めて、私の質問を終わります。
○藤田委員 私は、新潟の中越地震に関して、住宅再建支援制度について、何点かお尋ねいたしたいと思っています。
自然災害で住宅に大きな被害を受けた被災者が自立した生活の再建を図る上で、まさにその生活の基盤となる住宅の再建は欠かせない要件だというふうに思っています。とりわけ高齢社会化の大都市を直撃した阪神・淡路大震災のときに自力の再建力の弱い高齢者の住宅再建の状況、そして、それが生活にどれだけの影響を及ぼしたかというようなことで、住宅に関して、そして住宅再建支援制度について、さまざまな課題を生んだわけでございます。
私も阪神・淡路のときに何回か、十回まではいかなかったですけれど、十年前には結構神戸の方へ行きまして、いろいろな話を伺ってきました。その中で一番感じたのは、何とか住宅再建支援制度をつくらなくてはならないという非常に強い思いの兵庫県の方の話だったというふうに覚えております。
今回の新潟の中越地震についても、この問題がすぐにいろいろなところで発表されているわけです。例えば十一月五日に、住宅再建支援策では、応急修理費が支給されるのは仮設住宅に入居していないことが条件になっているというようなことがありました。それから、年金生活の独居高齢者に、半壊等の住宅修理を決断して仮設住宅の入居をあきらめさせるか、それとも仮設に入居して補修費助成をあきらめて、損壊したままの住宅を三メートルの雪にさらすのかというような究極の選択を迫るような状況があったわけでございます。そういうふうな中で、やはり住宅再建についてはきちっとしたことを、阪神の震災のことをかんがみても、もう一回住宅の再建ができるような支援をすべきだという意見がいろんなところに載っておりました。
それで、現在の震災復興における住宅再建支援制度がどんな状況になっているのかを、まずお伺いしたいと思います。
○八木情報統括担当部長 我が国における現在の住宅再建支援制度でございますが、地震や台風などの自然災害によりまして、生活基盤に著しい被害を受け、生活再建が困難となった人々の自立再建を支援するということを目的といたしまして、国は平成十年に被災者生活再建支援法を制定いたしました。そして、家財道具など生活に必要な物品の購入費等に要する経費を支給することといたしました。その後、さらに本年三月に同法を一部改正いたしまして、新たに住宅の解体や整地に要する経費などを支給対象といたしました。これによりまして、これまでの百万円の支給限度額を三百万円に引き上げたところでございます。
○藤田委員 実際には三百万円というふうになったわけでありますけれども、なかなかそれでは住宅再建には難しい額であるということで、それぞれの都道府県が独自に支援を行っているわけでありますけれども、実際には住宅が全壊した世帯には最高三百万円、それから、持っている家が半壊した場合には最高百万円の支援金が支給されますというふうに打ち出されるわけです。しかし、そう書いてあったら、家が全壊した人は、支援金の三百万円を住宅再建費用の足しにしようという考えが普通だというふうに思いますけれども、実際にはこの費用は肝心の住宅再建費用には使えない、今のお話にもありましたけれども、そういう状況になっているわけです。
今お話をいたしましたような他の都道府県でこれまで何カ所か、そして今回も、台風二十三号でも京都府が全壊した世帯に支給したというふうにありますけれども、都道府県で実際に住宅再建支援を行った事例についてお伺いしたいと思います。
○八木情報統括担当部長 震災時における他の道府県等の住宅再建支援の実例でございますが、平成十二年の鳥取県西部地震の際には、県が国の支援制度とは別に、被災住宅の建てかえには最高三百万円、また補修には最高百五十万円を支給してございます。そのほかに、支給額や支給条件等は異なりますけれども、平成十五年の宮城県北部地震及び今回の新潟県中越地震においても、同様の県独自の住宅再建支援が行われてございます。また、地震の災害ではございませんけれども、本年七月の福井県における豪雨災害におきましても、同様の住宅再建支援が行われてございます。
なお、これらはいずれも、国の制度では対象とはなっていない住宅の建てかえや補修を対象としたものでございます。
○藤田委員 先ほどちょっと途中になりましたけれども、実際には住宅再建費用に支援金は使えないというふうにお話しいたしましたけれども、支援金の使い道として認められているというのは、八項目あるというふうにいわれています。一つは通常または特別な事情により生活に必要な物品の購入費または修理費、それから、二つ目に自然災害により負傷し、または疾病にかかった者の医療費、三つ目が住居の移転費または移転のための交通費、四つ目が住宅を賃借する場合の礼金、ここまでが一区切り、そして、この四つで最高百万円の支援金が支給される。それから、次に民間賃貸住宅の家賃、仮住まいのための経費、五十万円が限度、それから、六つ目が住宅の解体、それから、七つ目で住宅の建設、購入または補修のための借入金等の利息、それから、ローン保証料、その他住宅の建てかえ等に係る諸経費ということで二百万円、最高三百万円というふうになるわけでありますけれども、実際には今お答えいただきましたように、足りない部分をそれぞれの都道府県がつけ足しているという、そんな状況なわけです。
住宅の本体の再建に助成をどうしてできないのか、このことが非常に大きな問題になってくるわけですけれども、今の国の支援制度、どういう考え方で住宅本体の再建に助成ができないのかということについてお尋ねをいたします。
○八木情報統括担当部長 国は、住宅というものは個人資産であるということで、住宅再建は被災者の自力再建が原則であるといたしまして、個人の資産形成に対する補助ということはできないというような基本的な考え方でございます。
なお、今回の法改正に当たりましては、国会におきまして、居住安定支援制度等の充実を図るために、本法の施行後四年目を目途として制度の施行状況等を勘案し、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えることとする付帯決議もなされてございます。
なお、先ほど幾つかの県、とりわけ鳥取県の事例などをご紹介させていただきましたけれども、厳密には、建物について最高三百万円、補修百五十万円とございますけれども、さまざまな条件等々の制約、限度額百万円等といろいろございまして、現実には一律に満額もらえるということには必ずしもなってございません。この辺は相当厳しい条件等々が付されてございます。
○藤田委員 国会の中でも自然災害から国民を守る国会議員の会というようなものがありまして、先般の選挙で落ちてしまわれて、なかなかこの声が続いていないという話も聞いておりますけれども、実際には公費だけでは支援の限界があるというようなことがいわれているわけです。共助による仕組みというものがどうあるべきかということで、共助の仕組みをつくっていこうというのが実は阪神の震災のときにもう既に出ていたわけであります。そのときには、新築の住宅を買った人には必ずそこに千円の上乗せをするとか、あるいは固定資産税で幾らかのものを乗せていくというような形で共助の仕組みがいろいろ提案もされたわけでありますけれども、なかなかそこが大きくならない。それから、うちの県はそういう災害は一切起きないんだみたいなこともいっていた地域もありましたし、なかなか全体の機運にはならなかったというものもあるわけであります。
今お話があったように、個人資産にということでありますけれども、実は阪神・淡路大震災における住宅再建支援策では、災害復興公営住宅には一戸当たりの建設費は約一千五百万円かかっていた。それから、家賃の低減は平均で一戸当たり約三百二十万円、それから、民間賃貸住宅についても、家賃軽減補助は一戸当たり最高二百十万円、そして、持ち家の再建では利子補給が一戸当たり百四十二万円というように、ある意味では大変大きなお金を復興に使っているわけなんです。こういうことからすると、実際には個人資産であるから、自力再建が原則であるというようなことがいえるのかどうかということも、私はこれからの段階ではもう少し議論していかなければいけない問題だというふうに思っているわけでございます。
今お話をした共助の仕組みというのが、なかなか議論が先へ進まないという状況にありますけれども、全国知事会の中でもこの問題は提案されてきたというふうに思っておりますけれども、現在、どんなふうな状況になっているのかをお伺いしたいと思います。
○八木情報統括担当部長 全国知事会におきまして、共済制度についての国に対する要望等がこの間なされているわけですが、被災者生活再建支援法に基づく住宅再建支援制度という、現在法改正によってできた制度でございますが、これはいわば都道府県の拠出金を基本とする共済制度の一つの形式でございますが、全国知事会では本年の七月に国に対する平成十七年度予算要望の中で、被災者生活再建支援法は住宅本体の建築費用が支給対象となっておらず不十分な制度であるとしまして、制度の拡充を図るよう要望してございます。
あわせて、住宅共済制度につきましても、地域住民の意向等を踏まえて、引き続き検討することを国に対して要望してございます。
○藤田委員 先般、十一月七日、毎日新聞の世論調査の中で、新潟県中越地震のような自然災害で損壊した住宅の再建費用を国が負担することについてどうだというふうにしたところ、支持するという答えが約八〇%という、そんな調査もございます。
それから、東京の場合にはなかなかそういかないわけでありますけれども、新潟県の場合には、ご自分のうちの敷地内で仮設住宅を建てて、そして自分のところが再建するまでそこにいるというような、そんな変則的なこともいろいろ工夫してやろうとしているという報道もありました。
実際に東京が被災をしたらというような状況、これについては、私たちもいろいろ復興の計画を立てたりしますけれども、ほとんど絶対来ないよなというような、そんな感覚でしかないというか、来たらどうなるんだろうかというのは、ちょっと想像だにできないという、そんな状況にあるのだと思うんですけれども、今お話ししたような、自宅の庭に仮設をつけてなんていうのは、まずもちろん無理なことでありますし、先般の決特の中でもお話をしましたけれども、仮設住宅を建てる場所さえも非常に厳しい状況なのがこの東京でありますから、今回のような状況を考えたときには、東京都として、もう一度、住宅再建支援について、全国知事会だけではなくて、東京の場合が多分一番大変なことになろうかと思いますから、このところをどんなふうに考えて、そして私は、ぜひ共助の仕組みを他の都道府県とも一緒になってつくっていくという方に進んでいってほしいわけでありますけれども、どんなふうに考えていらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。
○八木情報統括担当部長 住宅再建支援に対する東京都の考え方でございますが、東京のような大都市で大震災が発生した場合、例えば、私ども区部直下型地震という最悪の地震を想定していろいろな訓練等々準備しているわけですが、倒壊家屋だけでも全壊が四万棟を超え、また、半壊が九万棟を超えるというような想定をしてございます。このような大規模な災害というものを想定した場合の住宅復興をどのように進めるかということになりますと、やはり自助による再建を基本としつつ、共助や公助による支援を効果的に組み合わせていく必要があるというふうに考えてございます。
このため、都はこれまでも全国知事会を通じて、住宅再建支援制度の拡充についての提案、要望を行ってまいりました。さらに、地震等により被害を受けた住宅の復興を支援するために、国民相互扶助を基本とした住宅再建に関する共済制度を創設するよう国に対して提案要求をしてまいりました。今後とも、被害者生活再建支援制度の改善と共助としての共済制度の創設につきまして、国に対して強く働きかけてまいります。
○中村委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間の休憩をいたします。
午後三時三分休憩
午後三時十二分開議
○中村委員長 それでは、委員会を再開いたします。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○吉原委員 それでは、何点かについてお尋ねさせていただきます。
一つは、市町村に対する財政支援の充実についてお尋ねいたします。
これは国ばかりでなく、さまざまなところで今の経済状況の中で大変厳しい状況にあるわけでありますけれども、特に、都内の市町村を取り巻く社会経済状況というのは大変厳しいものを感じているところであります。税収の伸びが期待できないだけではなくて、義務的経費の増加傾向などがありまして、市町村の財政はますます硬直化が進んでいるのではないかな、そう思っているところでもございます。各自治体とも懸命な行革努力によって、収支の改善に努めてはいるわけでありますけれども、各市町村の財政状況はそうはいっても厳しいものがあります。
今、国を中心といたしまして、三位一体の改革に関する議論が激しく行われているわけでありますけれども、地方六団体がまとめた改革案に対する国の各省庁の厳しい抵抗もあるわけでありまして、今後のことについては、まだまだ不透明なままではないか、そういうふうに感じられているところでもございます。
しかしながら、こうした中にあっても、市町村では地域の個性や独自性を生かしながら、それぞれ工夫をしながら、知恵を出し合いながら、意欲的なまちづくりをしていこう、そういう取り組みが行われているところでもございます。東京都としては、こうした厳しい状況の中、住民ニーズにこたえていくために必死になって取り組んでいる市町村を支援していただいていることもよく承知はしているところでもあります。これからもその支援体制というものをしっかりとつくっていただきたいと思っているわけでありますけれども、これまで東京都は、魅力と活力にあふれた多摩あるいは島しょ地域の振興のためにさまざまな施策や財政支援を行ってまいりました。中でも市町村振興交付金あるいは調整交付金は、市町村の財政状況が厳しくなる中で、その役割はますます大きくなっております。都内市町村はこれまで以上に行財政改革を進めていく必要がある、このことは地元市町村、十分承知をしております。
こうした中にあって、市町村の自助努力を前提とした中で、これからの多摩・島しょ地域の一層の発展のために、市町村振興交付金あるいは調整交付金をこれまで以上に充実していく、そのことが最も地域、市町村にとっては重要であります。このことについてお尋ねをいたします。
○荒川行政部長 今お話のございました市町村調整交付金、それから振興交付金でございますけれども、これは先生ご存じのように、市町村の一般財源を包括的に補完する制度でございまして、昭和五十五年度から現在の形でスタートしておりまして、これまで市町村間の行政水準の均衡や多摩、島しょの振興を図るという役割を果たしてきたところでございまして、そう認識しております。
都財政も健全化への取り組みは依然として続いておりますけれども、今後とも、市町村の財政状況や事業動向を的確に把握しながら、ご指摘の趣旨も踏まえまして、適切に対処してまいります。
○吉原委員 ぜひとも調整交付金、よろしくお願いしたいと思います。
次に、監理団体改革の実施計画についてお尋ねをいたします。
今まで東京都、行財政の最重要課題として取り組んでまいりました団体改革でありますけれども、これまでどれだけの成果が上がってきたのか、特に団体に対する補助金、それは幾らぐらい削減をされてきたのか、お尋ねをいたします。
○前田行政改革推進室長 監理団体につきましては、監理団体改革実施計画に基づきまして、数値目標を掲げて改革に取り組んだ結果、平成十五年度におきまして、平成十一年度と比較しまして、団体数では十七団体、都財政の支出は九百五十七億円、職員数は千六百八十三人をそれぞれ削減するなど、計画を大きく上回って達成いたしました。また、監理団体の補助金につきましては、同じく十一年度が八百六十六億円でございましたが、十五年度で三百八十七億円と四百七十九億円を削減してございます。
一方、監理団体におきましても、この間、公益法人の当期収支差額が全体で五十一億円増加するとともに、株式会社の当期損失は五十億円改善するなど、経営改善は着実に進んでございます。
○吉原委員 ぜひこれからもしっかりとやっていっていただきたい、そう思っているところでありますけれども、かつて私も一度質問をさせていただいたことがございました。それは東京国際交流財団、内容は申し上げるまでもないと思いますけれども、土地の賃貸料あるいは建物の賃貸料、そういうものが今までなかったわけでありますけれども、昨年の七月でしょうか、財団から株式に移行されました。そんな中で、今まで賃貸借関係がなかったものが、売り上げも含めてでありますけれども、売り上げに対するパーセンテージが大分大きく変わって収入も都に対して入ってくるようになったのではないかなと思っておりますが、改めてその状況をお尋ねいたします。
○前田行政改革推進室長 東京国際フォーラムの運営主体につきましては、平成十五年度からこれまでの財団法人東京国際交流財団を解散しまして、株式会社東京国際フォーラムとして経営形態の変更を図ったところでございます。社長には民間企業ご出身の方を迎えまして、積極的な経営を行い、株式会社として初めての十五年度決算では三億円弱の当期利益を計上しております。
ご指摘の都への賃料、施設使用料につきましては、財団時代、十四、十五年度、三%でございましたが、株式会社以降は事業収入の一〇%をお支払いいただくということになっておりまして、十五年度は約五億円を東京都に還元しております。
○吉原委員 そうはいっても、まだ監理団体に称されている団体が四十四あるわけでございまして、さらなる努力を引き続きお願いしたい、こう思っているところであります。
しかし、問題は、監理団体に指定されている団体だけではなくて、報告団体というものが一体どうなっているんだろうか、このことは非常に気にかかっているわけであります。今でも六十八の報告団体があるというふうにお聞きしているわけでありますけれども、この中には東京都が補助金を出しているもの、あるいは人的に協力をしているもの、そういったものがあるんだろうと思いますけれども、そういったさまざまな団体がある中で、報告団体に対して、東京都はどんな指導をされているのか、お尋ねいたします。
○前田行政改革推進室長 お話の報告団体制度でございますが、全庁的な指導監督を行う必要がある監理団体以外の団体で、都が出資、あるいはお話の継続的な補助などの要件に該当するものにつきまして、その適切な運営を図るため、所管局が運営の状況を把握し、指導監督を行うことを目的としてございます。これによりまして、報告団体に対しては、日常的には所管局が団体との委託契約なり補助金交付要綱などに基づき指導監督を行っておりますが、総務局も経営状況の報告を求めてございます。
○吉原委員 それぞれの団体が設立した当時のいきさつというものはそれぞれあるんだろうと思います。先ほど申し上げましたように、出資をしているもの、あるいは人的に措置をしているもの、そういったものがあるんだろうと思いますけれども、それぞれの中には当然のことながら理由があると思います。そしてまた、各局が当然のことながら所管をされているわけでございまして、今お話しいただいたわけですけれども、報告団体の中にも、もうそろそろこの辺で公的な役割は終了しつつあるのではないだろうかと、あるいはもう終了しているものもあるのではないか、そういうふうに感じているところなんです。
とはいっても、やっぱりまだまだ報告団体の中には公的な役割を担っているという団体もたくさんあるということも承知しているわけでありますけれども、監理団体がある、報告団体がある、この二つの区分けだけで今後もいいのかどうなのか。あるいは報告団体、監理団体の間にもう一つ何か、それを精査するような団体といいましょうか、役割を担っていただいているようなそれぞれの団体の区分けを、もう一つ項目をふやした--あってもいいのではないかな、そんなふうにも思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○前田行政改革推進室長 監理団体にいたしましても、報告団体につきましても、東京都との財政的あるいは人的なかかわりがございまして、それらについて適正な運営を確保していかなければならないというのは、ご指摘のとおりだと思います。現在、東京都とのかかわりが深く、全庁的に指導監督すべきものについて、監理団体として、先ほどご質問もいただきましたが、改革を進めております。
それ以外の東京都とのかかわりでございますが、経営が自立しているとか、それぞれの判断で行うということで、全庁的な指導監督を行うところまで至らないというものにつきましては、所管局がそれぞれ適正な運営を確保するという体制で現在行っておりまして、これらの体制の中で適正な運営、管理等につきまして、指導を強化していくことが適切であると考えてございます。
○吉原委員 ぜひそういうことでこれからもやっていただきたいと思うんですけれども、報告団体についても局が所管しておりまして、それに対しての事業報告あるいは収支の報告も総務局に上がってくるんだろうと思うんです。しかし、そういった報告団体が本当に公的な役割を担う団体なのかということになると、総務局だけではわからない部分があるんだろうと思うんですね。そして、局の中でも、それぞれ所管されている局の皆さんも、報告団体についてもしっかり指導もしていただいているんだろうとは思うんです。しかしながら、特に報告団体の中にある株式会社なんかについては、ある程度、長年の事業実績が積まれてきて、利益もきちっと出している。当然東京都に対して出資した分の還元をしているというところも若干あるんだろうと思いますけれども、そう金額は高くはないんじゃないかなと思っているんです。
そういった意味では、報告団体というのが六十八あるということでございますけれども、この団体が今までのような形で本当にいいんだろうかどうなんだろうか。監理団体改革をされてきたような精査を、報告団体にもきちっとした目を向けて、必要のあるものとないもの、人を出さなくてもいいもの、出資はもうしなくてもいいもの、あるいは極言をいえば、もう自立している団体、会社に対しては、出資金を引き揚げて、自主、独立でやっていただく、こういう姿勢が総務局にあってもいいんじゃないかなと思うわけでありますけれども、そういった報告団体をぜひともこれから精査していく力をそこにも注いでいってもらいたい、こう思っておりますけれども、いかがですか。
○前田行政改革推進室長 報告団体につきましては、先ほども申し上げましたが、日常的には所管局が指導監督を行っておりますけれども、総務局といたしましても、経営状況の報告を受けております。今後さらに、経営状況や報告団体としてのお話の位置づけなどもチェックして、所管局を通じ、適正な指導監督を強化してまいりたいと思います。
また、団体に対する出資金のお話がございましたが、財務の健全性や経営の自立性を図られた場合には、まず、都の出資に対して配当あるいは増配というものを求めていくことが第一であると考えております。さらに、団体に対する都の関与を整理する必要性が生じた場合には、お話の出資金の取り扱いも含めて検討していく必要があると考えております。
○吉原委員 余りはっきりしたお答えをいただけなかったわけでありますけれども、細かな一つ一つの団体を挙げて例を出すということになると、また差し支えもあるんだろうと思いますので、ぜひ精査をしていくという姿勢を局としても持っていただきたいと思うんです。
局長、いかがですか、そのことについて。
○赤星総務局長 ただいま前田室長の方から全体状況をお話し申し上げたんですけど、私として一言ということでございますので、経営状況の精査、これからもしていきたいと思いますし、先ほど申し上げたように、所管局がまずきちっと把握して指導すべきだと思いますけれども、私どもといたしましても、経営状況を精査いたしますとともに、これからも所管局の指導監督と運営の検証の徹底を図ってまいります。
○吉原委員 ぜひ検証の徹底を図っていただいて、改革を東京都も一生懸命やっているわけでありますから、引き続きお願いしたいと思います。
次に、震災時の応急給水活動についてお尋ねしたいと思います。
先ほど来お話もございました中越の地震がございまして、東京都も先ほどのご報告によりますと、いち早く対応していただいた。このことは、都民にとりましても、東京都の中にも新潟から出てこられている方々がたくさんいらっしゃいまして、東京はよくやっているなと、こういう意見を聞くようになりました。そういった意味では、本当に努力をされて、支援の初動対応というものをしっかりやっていただいたということには感謝しているところであります。
局からも人的支援も行かれたというお話をお聞きしているわけでありますけれども、総務局からも派遣されたと聞いているわけであります。局から派遣をされた方々からどんな報告を受けられているのか、もしありましたらお尋ねいたします。
○中村総合防災部長 先ほども報告させていただきましたが、総務局外六局で今月の四日から八日までの五日間、全国知事会からの要請を受けまして、十三名を派遣いたしました。この十三名は小千谷市で避難所の支援業務を行ってございます。派遣職員の業務といたしましては、避難所の管理、避難所への食事の提供、仮設トイレの清掃等がございましたが、この職員から支援活動を通じて報告を受けてございます。その報告は、避難所の管理のあり方、支援物資がそれぞれ、それを必要としている被災者に行き渡るシステム、県と市の情報連絡体制など、多くの課題が避難所ではあったという報告でございます。
東京都といたしましては、これらの活動内容を取りまとめ、今後の災害対策に生かしていきたいと考えております。
○吉原委員 私もことしの七月、新潟の大雨の災害のときに会派としてボランティアでお伺いいたしました。大変な惨状でありましたけれども、阪神・淡路のあの震災があって、ボランティアの果たす役割というものがだんだんだんだん確立されてきた。そしてまた、意識も少しずつはされてきたようには思っています。しかしながら、私たちの東京、大都会でありますから、いつどこでどんな震災が起こるかわからないという、そういった状況があるわけでございまして、そんなことを考えると常時から、今までは防災訓練もやる、あるいは図上訓練もやる、そういったものを積み重ねてきていただいているということはよく承知しております。そして、区市町村の自治体としてもやってきている、町内会、自治会の皆さんもそれに協力してきてやっているということはよく承知をしているところであります。
しかしながら、何かがあったときに対してボランティアの皆さんが、土曜日、日曜日は何千人という方々が被災地のところに、今までもそうだったと思いますけれども、ボランティアに行っております。それを受け入れる側の体制というのがまだまだ十分ではないな。きちっとしたマニュアル--マニュアルがあればいいかどうかわかりませんけれども、そういったものができていないのではないかなと感じることが昨今多くなりました。
そんなことを申し上げると、私たちの東京もどこでどういった災害に遭うかわからないわけでございまして、そういった意味でいうと、ボランティアに来てくれる人たち、どういったことをその人たちにお願いするか。行政の皆さんはいていただける、東京都庁の皆さんだけではなくて、あるいは区市町村の行政の皆さんもいらっしゃる、自治会、町内会も多少訓練をしながら勉強してきたこともあるのかもしれませんけれども、そうはいっても、皆さんだけでは対応し切れない部分が多分にあるのではないかなと思うわけであります。
東京都も何かがあったときはボランティアセンターを開設するということで、幾つか場所も決めていただいているようではありますけれども、そういった意味でいうと、東京都の中で何かがあって、よそから来ていただいたときにボランティアの皆さんに対応する、そういった的確な指示を出せるような人をこれから育成していく必要があるのではないかなと思うわけであります。
そんなことを考えると、どういう人たちがということになると、町内会の役員の人たちも年数がたてば人は入れかえをされていくわけでありまして、一時勉強されて、そのことがまた引き続きリーダー的な役割になっていくということも可能ではあろうかと思いますけれども、なかなかそこまでいきにくいのではないかなと。そうすると、今、二十三区、三多摩でも日ごろから活動していただいている消防団の皆様にもボランティアのリーダー的な役割を担っていただく、その知識をしっかりと勉強していただくといいますか、そういうこともあってもいいのではないかなと、こんなふうに思っているところですけれども、いかがでしょうか。
○中村総合防災部長 ボランティアでございますが、阪神・淡路大震災、今回の新潟の中越地震もそうでございますが、多くのボランティアが他県から応援に駆けつけているという実態がございます。大規模災害におきましては、被災者に対する効果的な救援活動を実現するためにはボランティアが不可欠でございますが、その場合でも組織化されたボランティアとの連携が不可欠であるというふうに考えてございます。
私どもといたしまして、東京都地域防災計画を定めてございますが、この東京都地域防災計画では、平常時から東京ボランティア市民活動センターを中心に、市民団体や関係団体と幅広くネットワークを結ぶとともに、必要に応じて協定等を締結し、訓練等を共同して行うこととしております。これに基づきまして、本年九月の総合防災訓練におきましても、江戸東京博物館にボランティアセンターを開設いたしまして、ボランティアに対する訓練を行ったところでございます。また、一定の知識、経験や特定の資格を必要とする応急危険度判定員や語学ボランティアなどにつきまして、即時的対応ができるよう、登録ボランティア制度を設けております。
ただいまお話ございました消防団の方々でございますが、消防団の方々でもこういうボランティアの活動ができる場合には、私どもとしては今申し上げました平常時からのネットワークの中で考えていくことも必要だなというふうに思っております。
○吉原委員 わかりました。訓練もされているということでございますので、できるだけ幅広く、そして中身の濃い、そういったネットワークを組んでいただいて、自分たちのところに災害が起きたときに、外からお手伝いに来てくれた人たちに的確なお願いができる、そういう体制をこれからも総務局が中心になってぜひつくっていっていただきたいと思っております。
次に、応急給水槽についてお尋ねさせていただきたいと思います。
これまで東京都も応急給水槽、積極的につくってきていただいたと思います。昭和四十六年の震災予防条例に基づいて、昭和四十八年から予防計画を策定されてきたんだろうと思います。これまでに応急給水の拠点、都内にどのぐらいあるんでしょうか。そして、重ねてで恐縮ですけれども、どういうような目的でこれをこれまでに整備されてきたのか、お尋ねいたします。
○中村総合防災部長 東京都は、震災時の断水に備えまして、飲料水を確保するために、浄水場、給水所等に応急給水資器材を整備し、給水拠点とするとともに、これらの施設のない地域には、昭和五十二年度から応急給水槽を建設し、居住場所からおおむね二キロメートルの範囲内に給水拠点を確保するよう努めてまいりました。平成十五年度末現在の給水拠点といたしましては、浄水場、給水所等の利用が百二十三カ所、応急給水槽は容量一千五百トンが五十四基、容量百トンが十九基設置してございます。今年度は百トンの給水槽を三基設置する予定でございまして、この結果、応急給水槽は全部で合計七十六基ということになります。
○吉原委員 さて、都は、昨年の十二月に今後の応急給水対策についてとして、これまで進めてこられた応急給水対策を見直しをしてまいりました。中身的には、端的にいうと応急給水槽の整備は十六年度で終了しますと、こういうことのようであります。これはどのような理由から今までしっかりとした方針を持って整備をされてきた応急給水槽、方向転換をされたのか、お尋ねします。
○中村総合防災部長 平成十三年十一月に行政監査で、狭い空白地域が点在し、建設効率が悪くなっていることなどから、費用対効果などの点で適切であるとはいえず、廃止を含めた見直しを図るべきであるとの指摘を受けてございます。これは応急給水槽に関する指摘でございます。
また、都は、平成十五年三月に東京都の応急給水のあり方に関する調査を実施いたしました。その報告といたしまして、まず第一に、区市町村単位での必要水量は既に充足している、第二に、空白区域の多くは小さな面積であること、第三に、応急給水槽以外の方法による合理的で安全・安心な応急給水を検討する必要があること、第四に、面積が比較的大きく、人口の多い地域については応急給水槽を設置し、それを踏まえた見直しが望ましいという内容でございます。これらを踏まえまして、総合的に判断いたしまして、都といたしましては、応急給水槽の設置は既に概成しているということから、新規設置は十六年度を最後に終了いたしまして、今後は給水拠点からの搬送体制や民間事業者の貯水槽の利用など、ソフト対策の充実強化を図ることにしたものでございます。
○吉原委員 私はこのことに関しては、都政に上げていただいてから、平成十三年からかかわりを持たせていただいてまいりました。このことに対して、やめるよというお話は十五年まで聞いたことがありませんでした。そしてまた、監査からもそういう指摘が来ているというのも十四年でありました。見直し方針を公表した、これはだれに対してこういう説明を行ったんですか。
○中村総合防災部長 災害時の飲料水の確保は重要な課題でございまして、都はこれまでも給水拠点の整備や応急給水用資器材等の整備を行ってきたのは、ただいま申し上げたとおりでございます。
給水拠点の一つの確保策であります応急給水槽の新規設置は十六年度を最後に終了するが、今後とも、搬送体制の強化や民間事業者の貯水槽の利用などによる応急給水体制の充実強化に努めていくというのが現在の考えでございます。これにつきましては、関係自治体等については個別に説明してございます。
○吉原委員 それはいつ。
○中村総合防災部長 平成十五年の十二月でございます。
○吉原委員 これまで東京都も震災対策事業計画を策定されてこられました。修正もされてきたんだろうと思いますけれども、平成十五年修正版があります。これは何月かわかりませんけれども、ここにもこう書いてあるんですね。応急給水充足率は平成十四年度末においては九六%に達した。当面の目標としては、給水拠点がない空白地域の早期解消を図るため、これらの地域への重点的な応急給水槽の整備を行っていく。また、面的整備だけでは把握できない応急給水が不足している地域の抽出と効率的な応急給水方法の調査を実施し、応急給水計画の見直しを行う、これも書いてはあります。しかしながら、空白地域の早期解消を図るためにまだやっていくんだとここでいわれているわけであります。
この時点では、詳細については場所も含めてもう決めていたんでしょうか。
○中村総合防災部長 空白地域の解消ということでございますけれども、応急給水槽を設置するというだけではなくて、さまざまな対策を立てようということで考えております。先ほど先生もお読みいただきましたけれども、応急給水が不足している地域の抽出と効率的な応急給水方法の調査を実施し、応急給水計画の見直しを行うということで書いてございますが、効率的な応急給水方法を対策として今とっているところでございます。その対応策といたしましては、給水拠点からの搬送体制の強化、あるいは生活物資関連業界との調達協定、あるいは公立の施設、民間の貯水槽の利用、隣接市との相互応援協定による応急給水の実施など、このような多様な方策でございます。
今、先生お話ございましたように、先ほどの時点で考えていたのかということでございますが、私どもといたしましては、空白地域については、今後このような方法で対応策を考えていこうということで、十六年度で終了するということにしたものでございます。
○吉原委員 全く答えになっていませんよ。先の事業計画はあったんですかというお尋ねをしたんです。十三年もそうでありました、十四年もそうでありました。あいていたところ、足立、練馬、板橋、中野の給水塔がありましたから、そこを三つに分けるよといっていました。これは現在一つにしてまとめたそうであります。それと、町田の三つであります。それは間違いありませんか。
○中村総合防災部長 先生がおっしゃっているのは、私どもとして当時優先的に考えていたというような地域でございますが、もちろん空白地域はそれ以外にもございますので、そういう地域も含めた対策というのは必要であるということで、今申し上げたような対策を考えたわけでございます。
○吉原委員 当然、給水体制ですから、さまざまなことをお考えになるというのはわかります。だけれども、私は、先ほど申し上げたところについては皆様方の部署からお聞きしていたわけです。これは間違いありません。後で調べてみてください。部長、調べてみてくださいよ。もし違ったら、またいってきてください。どなたからいわれたかはしっかりいいますから。それはその部局の方にいわれたわけですから。
それは後でまたあれさせていただきますけれども、先ほど、監査からの指摘もあった、こういうお話をいただきました。総務部長にお尋ねいたします。今、監査事務局は、監査をする場合に各局にそれぞれの項目について投げられるんだろうと思います。事務事業のことや、あるいは行政監査、それぞれあるんだろうと思います。監査事務局から来た指摘事項、監査事項については、総務局としてはどういう扱いをされておりますか。
○大塚総務部長 監査事務局から指摘された、あるいは意見、要望を受けた案件の処理方法でございますが、関係法令等に照らして不備があるもの、あるいは誤りのあるものにつきましては、指摘事項となります。また、関係法令等に照らして誤りはないものの、事業執行に当たり、さまざまな視点から改善すべきものについては、意見・要望事項となります。いずれの案件につきましても、各事業を執行部においてその中身を十分検証し、今後不備、誤りのないよう改善を図るなど、所要の措置を講ずることが求められます。
なお、監査委員が、地方自治法百九十九条の一項九号の規定に基づきまして、監査の結果に関する報告を議会に提出し、公表することになります。その後、各局は措置した状況を監査委員に対し定期的に通知してまいります。また、監査委員は、通知された内容を地方自治法百九十九条一項十二号の規定に基づき、議会に提出し、公表しております。
○吉原委員 細かいことは私もよく存じ上げておりません。しかしながら、監査から来たものに対しては、本会議のときに全部の監査についてそれぞれの議席に配布されていたんだろうと思います。そしてまた、結果についても、これまた報告として本会議場の議席の上に置かれたんだろうと思います。それはそういうことで間違いありませんよね。それはいいですね。
そうすると、監査から各局に監査事項を出したもの、これは必要があって、あるいは見直しをしなければならない、あるいは見直してみたらどうだ、こういうつもりで監査事務局もそれぞれの局におろしているんだろうと思います。我々は都議会議員、都民の代表としてこの議会で意見をいわせていただいて、予算やさまざまなところで決定をさせていただいている立場であります。予算を伴ってきて事業をされてきたもの、そういうものが、途中で見直しをしろ、あるいはもう少し別の方法があるのではないかと指摘されたものに対して、事務方の皆さんだけで判断されて決定したものを監査事務局に出す、そしてその報告だけを我々都民の代表である議員にする、このことの流れについては、総務部長、いかがですか。どう思いますか。
○大塚総務部長 まず、監査委員からの議会への報告でございますが、机の上に置かれるだけではなくて、監査委員から実際に報告がございます。
それから、ただいまの予算の変更等を行う場合の方法でございますが、監査委員を通じて地方自治法の規定に基づきまして監査の結果に関する報告を議会に行い、さらに定例的に第一回定例都議会において、代表監査委員から過去一年間に実施した監査結果の報告がなされております。また、同じく監査委員を通じて地方自治法の規定に基づき、措置状況について議会へ報告がなされるべきものと考えております。
○吉原委員 それでは我々都議会議員は都民の代表たる役目を負えられない、そういう状況に私はあると思います。先ほど報告もあるといわれましたけれども、それは全部つまびらかにあの監査事項について報告ないんですよ。重立ったものしかないわけですよね。もし途中で話があって間違っていたら指摘、訂正を求めていただいても、それは結構でございますので。
先ほどの応急給水槽の話に戻らせていただきます。
応急給水槽をつくってきていただいたわけでありますけれども、先ほど充足率というお話をいただきました。私たちの東京都というのは、日本全部が東京都でないわけでありますから、海もあったり、あるいは他県があったり、さまざまな行政区というものがあるわけです。二十三区においても、あるいは三多摩においても、地形がそれぞれ異なっているわけでありますから、それぞれの事情があるわけであります。そういったことを考えると、充足率が九六%に達したとか、九七%に達したとか、そういうお話をいただいたんですけれども、ちょっと違うなと自分は思っているわけです。
充足率というものがどういうものなのか、お尋ねします。
○中村総合防災部長 ただいま先生からご質問ございました充足率でございますが、応急給水充足率と私どもではいっておりますけれども、災害時に応急給水が必要とされる計画給水面積、これは水道管が通っているような場所でございます、こういう計画の給水面積におきまして、浄水場、給水所、さらに応急給水槽など給水拠点の設置によりまして、給水が充足される面積の占める割合を指しているものでございます。先ほど申し上げましたけれども、平成十六年度末の充足率は九七%になります。充足率は残り三%あるというふうになりますけれども、給水量といたしましては、全区市町村で必要とされる給水量が確保されているという状況でございます。
○吉原委員 済みません。ちょっと私、聞き落としたのかもしれません。充足率の条件といいますか、その項目はどういうものをもって充足率というんでしょう。
○中村総合防災部長 私どもの方で、今申し上げました浄水場、給水所、応急給水槽でございますので、水道が給水されているという地域をいっているわけでございます。この地域で計画の給水面積というのが決まっております。この浄水場、給水所、応急給水槽などの給水拠点を設置いたしまして、応急給水ができるという面積をいっているものでございます。
○吉原委員 私、ちょっといわれていることよくわからないんです。申しわけありません。
充足率のまず前提となるものは、人口はそうですよね。多分面積もそうだろうと思います。そのほかには何かありますか。給水場、給水塔、これはいいですよ。そのほかには何がありますか。
○中村総合防災部長 今申し上げましたように、充足率とは面積の割合でございます。
先ほど給水量の問題を申し上げましたけれども、面積は--現在の充足率は九七%でございますけれども、給水量そのもの、今申し上げました給水拠点で応急給水ができる、確保されている給水量でございますが、これは全区市町村で必要とされる給水量、発災してから一人当たりは一日三リッターということでございますが、そこにいらっしゃる住民が三日間なら三日間ということで、必要としてございます三日間の分は既に十分に確保していると。また、仮に全部が断水したということでも、私どもとしては、浄水場等も含めまして、二十八日分を確保できるというふうに考えております。
○吉原委員 部長、そんなことは全く聞いていないんですよ。
それでは、先ほどありました狭い空白が点在している、これが費用対効果には全く合わない、こういうお話をいただきました。狭い面積というのはどのぐらいのことですか、なぜそれが起こったのか、二点。
○中村総合防災部長 狭い面積ということで、現在、私どもで把握しております面積で申し上げますと、一カ所当たりの空白区域で一千平米以下のところが空白区域の八割以上を占めてございます。狭いかどうかという判断は、もちろん人によってあると思いますが、先ほど申し上げましたように、今、応急給水槽の設置はおおむね二キロ圏内ということで申し上げましたけれども、設置場所が、例えば公園だとかそういうところで区市町村と協議して設置しているわけでございますが、円がダブるような地域というのももちろんあります。円ですから、真ん中があくとか、端の方があくとか、それから、実際に位置によって全体がカバーできないとか、そういうようなことで生まれてくるものでございます。私どもとしては、そういう地域については、先ほど申し上げましたような多様な方法で給水を確保していくということを考えております。
○吉原委員 その面積は一千未満というお話でよろしいですか。
○中村総合防災部長 空白区域で今申し上げましたが、一平方キロメートル以下というのは八割以上を占めているということでございます。一平方キロメートル以上五平方キロメートル未満という箇所が十一カ所ございますが--(発言する者あり)私どもとしては、今申し上げたような、円をおおむね二キロ圏内で切っていって、残されたところということでございますので、それでもなおかつ総体的に大きいところについては、今年度三カ所設置すると。残りについて、一平方キロメートル以上五平方キロメートル未満が十一カ所、それ以外のものはみな一平方キロメートル以下ということでございます。
○吉原委員 済みませんけど、的確に答えてください。時間もないんだから。余分なことは何度も繰り返していっていただくことは全くありません。
それで、先ほど私申し上げておりましたけれども、充足率というのは、皆さんからお聞きしているのは、人口と面積、これが主ですよと、こういうお話をいただいております。東京都というのも、先ほど申し上げたようにいろいろな地域のところに、そしてまたいろいろな形で接しているところがあるわけです。八王子やあるいは青梅、西多摩の方に行っても、山沿いのところにへばりついているお宅もたくさんあるわけであります。しかし、私が今一番--総務局の皆さんが昭和四十八年から努力されてきて、さまざまな工夫をされてきて、給水塔をつくった、あるいは浄水場をつくった、それでもまだちょっと何かがあったときに、都民の皆さんに水不足を、それ以上負担をかけてはいけない。ですから、極端にいえば、百トン前後の給水槽をこれからもつくっていこうよと。震災、いつあるかわからないんだから、そのための予備として、補完的な意味でつくっていこうよ、こういって皆さんつくってきたじゃないですか。
皆さんだって、先ほど申し上げたように、くどいけれども、私が知っているときは、足立も練馬も板橋も中野も、町田--それは確かに八王子や西多摩もありました。山間地だったろうと思います。そして、町田も三カ所あると私は聞いていた。おかげさまでことし、今、二槽やっていただいております。中野については給水塔を、三カ所に槽を分けるのではなくて、一カ所でやろうよと、こういうことで進められたと思います。私が聞いている中で残っているものは町田の三輪地区というところだけでありますよ。あれが今、部長がいわれた、あるいは監査から指摘を受けられた、円を半径二キロのところで描いていったら、円と円との間にできたすき間なのか。
部長、町田に行ったことはありますか。昨年の十二月、もうつくりませんといわれた、その前に局の皆さんのだれが町田のそこを見に行きましたか。局長、行かれましたか。町田のところで三カ所ありました。忠生地区というところと成瀬地区、これは人口も多く、範囲も広かったのかもしれません。それにも匹敵するぐらいのあの三輪地域というところ。最初にどこにつくっていくかという選択は、町田市と東京都の皆さんに依存しましたよ。私はどこを先につくってくださいなんて一言もいいませんでした。残ったところのあの三輪というところは出べそみたいになっておりまして、九割以上は神奈川に接しているところなんです。飛び出たところなんですよ。そこに行く交通アクセスは、町田から直接行けるところは二カ所しかありません。一つは小田急線を超える陸橋、もう一つは、線路を超えていかなきゃならないんだけれども、そう広くない、四メートルか五メートルぐらいの道路のところ。皆さんはそういったところは別の方法で考えていきましょうと考えられたのかどうなのか、私わかりません。しかし、震災があって、橋がなくなったらどうするんですか。隣のうちの畑に行って、ダイコンやキャベツをもらうような、食物をもらうような、人の物から、くださいといってもらいに行くんですか、東京都民の皆さんが。そういうつもりじゃなくて応急給水槽をつくってきたんじゃないんですか。局長、どうですか、そのことについては。
○中村総合防災部長 先生、誤解されているようでございますが、先ほど私申し上げましたのは、円をかいて真ん中にできるというだけではなくて、端の方にももちろんできるということで申し上げているわけでございます。空白区域というのはそういうところがございます。
三輪地区につきましても、そういう端にできた空白区域でございまして、今、先生、三輪地区が何か陸の孤島のようなことをおっしゃられましたけれども、隣接しているのは横浜市、川崎市でございますから、道路は通れるというふうに思っています。そのために、私どもといたしましては、給水拠点からの搬送体制の強化、生活物資関連業界との調達協定、公立施設や民間の貯水槽の利用、隣接地との相互応援協定による応急給水の実施など多様な方策を考えて、現在町田市とも連携しながら、三輪地区の市立学校と協定が締結できるように調整を行っているところでございます。都としても今真剣に取り組んでいるところです。
なお、ちなみに、三輪地区につきましては、面積は二千六百三十八平方キロメートルでございますが、人口は約一万一千人、現在の空白地域につきましては、これよりも面積が大きいところ、また人口の多いところというのがございます。
○吉原委員 確かに円と円をかいて端っこのところもあるかもしれません。それは平らのところで。二十三区だってそうですよ。二十三区の場合は、隣は空白地になっていても、東京都の内でじゃないですか。三輪の場合は違うんですよ。二キロだとか三キロだとかという歩けるような十分のところなんですよ。皆さんも--本当に私は残念に思っているんです。これまで努力されてきたこと、なぜ--監査をされても、監査には強制力があるんですか。強制力ないでしょう。私はないと思っているんですよ、強制力は。ただ、一度監査をされて、返答を戻す、それでもだめだったら、もう一回来る、何回かやって、四回やったら、もうそのままだそうですよ。私は強制力はないと監査事務局からお聞きいたしました。そのことはどちらでもいいですよ。
しかしながら、九十何%を川崎に囲まれているような地域の中で、しかも、今お話しいただきました五キロ未満一キロ以上、その範疇には入っている。じゃあ、人口はどのぐらいだったらいいかという定義は局の中にはないじゃないですか。地震が起きたら、あの小田急線をまたいでいる橋を渡っていかなければ、搬送の余地はないんです。地震なんかどこにあるかわからない。阪神だってそうですよ。中越だってそうですよ。道路なんかどうなるかわからない状況になるじゃないですか。
私は、皆さんの中でせっかくこうやって努力されてきている、ある程度の一定の面積がある、そして、面積や人口だけじゃなくて、地域的に辺境なところに光を差さなかったら、だれが光を差してくれるんですか。その後で聞きました、それじゃあ、これはどうするのか。皆さんは空白地について、その後の対策は何をやるかということをしっかり協議して、そしてこの態勢があるから、ここのところには給水槽をつくりませんと、そういう返事をいただきましたか。私はいただいていないと思っています。
補完的にやっていただくというお話は聞いておりますよ。飲料メーカーの会社と協定を結ぶ、何かがあったときは自衛隊が搬送する、そんなものは給水槽があったところだって何だって、緊急のときは何でもやるんですよ、そんなことは。補完の補完の補完ですよ。
実質的に、私がお尋ねした中ではやらないといわれた段階の中で、次にじゃあこういうことをやっていきますといわれたものはありませんでした。唯一水道局の持っている本管に対してつないでやっていくことも考えよう、こういうお話をいただきました。よくよく調べてみたら、それに対応できるだけの直径の太さはない、耐久性もない、こういう状況じゃないですか。挙げ句の果てはどうするんだといったら、近くにある大学のところに水をもらいに行くんです。それもどういう状況になっているかわかりません、これから調査をします。皆さんはそういうことをきちんと調査をしていただいた後で、だからここのところには給水槽は今必要ないんですよと、こういう対応をするのが常識で、行政の皆さんのやることではないでしょうか。
ちょっと話を戻します。総務部長がいいのか、局長さんがいいのかわかりません。だけども、監査事務局から各局、ほかの局はわかりませんけれども、局に来たところについては--やっぱり我々は都民の代表ですよ、今お話ししたのは、私は本当に憤慨しているんです。だけど、監査の中で何百、何千あるうちのたった一つかもしれません。しかしながら、五百も六百も都の総務局に監査事項が来ているのではないと思いますよ。少なくたって、委員会のあるときに、こういう指摘を受けています、我々が協議の中で審議できる時間があればさせてもらいたい。それでもなければ、少なくとも監査事務局に上げる前に委員会に対して報告すべき事項ですよ。いかがですか。
○大塚総務部長 まず、監査で指摘された場合、局がどういう態度をとるべきかということなんですけれども、そちらから答えさせてください。
各局に提出される監査報告書で指摘された事項につきましては、その趣旨が尊重されるべきものだと考えております。最終的には局が総合的に判断して、局の責任で具体的な改善策を講じることが予定されていると思っております。
具体的に申し上げます。具体的に申し上げた方がわかりやすいと思うんですが、例えば監査結果につきましては、議会からも四人のうち二名の委員として監査委員が入っていらっしゃいますが、そのお二人の都議会からの委員を入れて、合計四名の監査委員の名前で公表され、都議会の本会議にも報告されるわけですね、先ほどから申し上げておりますように。また、指摘されて、都議会で報告された後、毎定例議会ごとに措置状況が議会に報告されます。
このように指摘の際も指摘の後も、都議会から措置の有無を厳しくウオッチされる関係になっている状況では、私ども、監査報告を守る必要はないと局が判断することは事実上大変困難なことでございまして、結果として尊重せざるを得ない状況にあるというふうに考えております。
それから、議会の中での議論のお話でございますが、先ほど来お答えしてございますように、監査委員を通じて地方自治法の規定に基づいて措置状況について議会に報告がなされておりますし、また、指摘の場合も本会議で報告がなされていると考えております。また、結果的には、この問題につきましては、平成十五年の十月にも本委員会で実際に質疑が行われておりますので、結果的には委員会での議論も行われているということでございます。
○吉原委員 委員会というのは、この総務委員会ですか。(大塚部長「総務です」と呼ぶ)そうですか。私が局の皆さんにお尋ねしたときは、そういう審議はなかったと、こういうお話でございました。私が勘違いして聞いていたのかもしれませんけれども、それは大変申しわけないと思いますけれども。
しかしながら、そういう規定をどこでつくればいいのか、私もよくわかりません。だけれども、中には事業執行をしてきて、途中でやめなければならない、見直しも迫られている、確かにそういうものもたくさんあるんだろうと思います。だけれども、それが同じ事項であっても、地域によっては、地域差というものがあるということも承知していただいて、委員会の中にもこういうものが上がってきたよというペーパーを渡していただくだけで済むわけですよ。そしてまた、こういった結果を局としては出してあげるよといって、ペーパーを渡してもらうだけで済むわけですよ。たったそれだけのことですから。今、部長は本会議場で、あるいは議員も二人監査に入っているよといわれておりました。だけど、一人が何かをする限界なんていうのは、そんなに変わるものではないと私は思っておりますので、一から十、全部目を通して、場所がどこでどういう状況で、だからこうなんだなんていう結論を一項目一項目見てできるなんていうことは、私はあり得ないと思っていますよ。ですから、ぜひ総務局においては、少なくとも今後、そういった監査のことについては、ペーパー一枚でも結構ですので、結果については、監査事務局に出す前にぜひいただきたい。
なんか局長は、そんなことは無理だなと、そういう顔をしていただいていますけれども、いずれにしても、少なくても地域の中で、先ほどいわれたような応急給水槽、特に私はこのことしかわからなかったですから。ほかの地域もそうだと思いますよ。ほかの地域だってあるんだろうと思います。だけど、特にこの場所については、そういう地域差があるということもよく見て議論してもらいたい。そして、やめるのだったら、現地に足を運んで、こういう状況だということを局の部の中で全部協議してもらいたいですよ。聞いたって、この結論を出す前に行ったことがある人がいるんですか、今。
ですから、皆さんの中でもいろいろなご苦労をされて、今までお金をしっかり、設置を整備していくために予算確保されてきたということはよくわかります。だけど、最後の最後の、充足率が九六%になったから、九七%になったから、残りはしようがないか、別の形でやろうか、そういう状況の地域なのかどうなのかということをしっかりこれから検証してもらいたいと思います。
ちょっと時間も長くなりましたので以上で終わりますけれども、部長があるようですから、そのことによってまた質問させていただくかわかりません。
○中村総合防災部長 先ほど先生の方から、私どもの職員が現地の調査をしていないんじゃないかというお話でございますが、私どもの職員もたびたび行ってございまして、その地区の状況や、民間あるいは公立の施設の貯水槽の位置など、そういう現地調査を行ってございます。また、町田市とも協議を何度も行っておりまして、そういうことで今回の見直しを行ってきたというようなことでございます。また、見直し後も、先ほど申し上げましたが、現地に参りまして、三輪地区にございます私立大学との協議も始めているというようなことでございます。
○吉原委員 私はそんなことをいっていないんです、部長。さっきから申し上げたように、十五年の十二月に皆さんは結論を出したわけですよ。結論を出す前に、そういう事前調査をきちんとして、だからこういうことにするんだよという、そういう作業がなぜできないんですかということをいったのよ。
それで、今、部長がお話しいただいたことは、結論が出て、その部の課の方と話をしている中でその話が出てきたんです。だけれども、見たこともない、どこにあるかもわからない、どのぐらいの容量もあるかわからない、こういう状況はまだつい最近ですよ、部長。いかにももう前から、十五年の十二月前から部局でそういう調査をしてやってきたような、そういういい方はやめてもらいたい、部長。そんな愚弄した話はない。失礼だよ。
○中村危機管理監 先生お話しの三輪地区、私の近くでございまして、私はよく存じておるんですけれども、ちょうど亀が両手を広げているところに頭を突き出した形でして、左肩には川崎市が長く入っています。右肩奥には川崎の飛び地がございます。その先が横浜でございます。都県境のまさに典型的な複雑な地域でございまして、これは水の問題にかかわらず、消火の問題にしても、あるいは道路、インフラの問題にしても、今後、八都県市で都県境を話し合うときにぜひとも重点を入れて対処していかなければいけない。お話のように、小田急を挟んで都県境が入り組んでおります。これをいざというときにどうするか、これは私ども、危機管理の観点から今後検討してまいります。
○吉原委員 ちょっと長くなって済みません。危機管理でそういうふうにしていただければありがたいです。だけれども、少なくともそういう決定を出すときには、このことに限らず、前もって事前調査をした中で、そういう結論を出していただきたい。そして、よく状況判断した中で、こういう対策をしていくということを明確にしてから決定してもらいたいなと思いますね。
私もずっと十三年からお願いさせていただいてまいりました。だけれども、決定しても、もちろん決定する前はそうでありますよ。決定しても、こういう文書が来てこうだなんていう話は一度も聞かない。説明らしい説明なんていうのは一回も聞きません。本当に。ただ、それはもう、最後にはできないよ、これ以上はできないよと、こういうお話をいわれたことはあります。だけれども、文書をもってこういう形で、だからできないんだ、だからこの部分についてはこういうふうに対応していく、こういうことをしていただかなければ、我々は説明していただいたというふうにはならないんですよね。
まあ、局長も何かあれば、どうぞ。
○赤星総務局長 先生、今、私どもはいろいろ申し上げて、先生にも私ども随分ご説明申し上げたと思います。町田市の状況は我々も十分勘案しまして、町田市についていろいろな場所からご要望がございましたので、当初一基を整備する予定であったところを二基整備すると、これは先生よくご存じのとおりでございます。残された空白地域につきましては、先ほど来申し上げていますように、我々としてあらゆる手だてを尽くしながら、これは町田だけではございませんので、その他の地域もいろいろございますので、空白地域については緊急時の飲料水確保に遺漏のないようにいたしたいと考えております。
○中村委員長 それでは、ちょっと私の方から報告をさせていただきます。
理事会の中で中屋委員からの発言通告がありましたけれども、本人からの申し出がありまして、発言をしないということでございますので、続きまして、中嶋理事、発言を求めます。
○中嶋委員 中越地震の支援状況の資料も出ましたし、今、答弁の中で八都県市の広域防災プランも出ましたので、実は、三宅島と新潟県中越地震に絞って質問しようと思ったんですが、次の機会に譲ってやろうと思っておりますが、行ってきました。小千谷市と十日町、それから、震度七の川口町。川口町で一番被害がひどかったのが田麦山地区。行きましたら、新潟の豪雪地帯ですから、これは釈迦に説法でしょうが、地面から一メートルぐらいコンクリートの土台があると。上に頑丈な家が乗っかっていると。現地の人がいっていました。四、五メートル吹っ飛んだと。確かにそう。土台の上から四、五メートル家屋が吹っ飛んで、道路側でぺっちゃんこになっているんですね。同じような家がほとんど、あたり一面、全滅な状態でした。こんな地震が東京に起きたら一体どうなるのかと、本当に考え込んでしまいました。これは改めてしっかりと議論したいと思います。
ちらっとこれを見ていましたら、被害想定の部分で、マグニチュード七クラスの地震については、同一の震源域で繰り返し発生する地震は知られていないとし、どこの地域で発生するかを特定できない地震として評価すると。しかし、今回はマグニチュード七は繰り返し発生しなかったけれども、幾つか大きい地震が繰り返し発生したと。ちょっとこの想定と変わってきちゃった。平均発生頻度は二十三・八年に一回で、今後三十年以内の発生確率も七〇%としている、非常に切迫していると。ぜひ真剣にこれからお互いに議論したいと思っております。
きょうは事務事業の中で、一時期盛んにIT化がはやりましたが、最近余り触れられておりません。そこで、根があまのじゃくなせいか、みんなが触れないことに触れたいという気持ちで触れますが、電子都庁推進計画は昨年度で終了しました。その途端、みんな興味がなくなったと。なんかはやり言葉みたいにITと書いていた新聞も余り書かなくなった。だけれども、事業は進んでいる。
実は注目すべき実績が都にはあると思います。それが電子自治体共同運営事業、余り聞きなれない。でも、これ近く始まると聞きました。文字どおり都と区市町村が共同して電子自治体を運営する事業、こういう話だと思います。都庁のIT化だけじゃなくて、区市町村のIT化が進まなければ、住民の利便性は向上しない。しかし、現在、区市町村は大変財政的にも困難であると。したがって、都と区市町村が共同でIT化に取り組めば、コスト面でも当然有利であると思われますが、意外と一般の都民には知られておりません。そこで、これをぜひ都民に広く知らせていただきたい、そういう意味での質問です。
最初に、電子自治体共同運営事業の仕組み、中身はどうなっているのか。それから、実施の時期、いつから始めるのか。そして、どんなメリットがあるのか。この説明をまずお願いしたいと思います。
○木谷IT推進室情報企画担当部長 東京電子自治体共同運営ですけれども、東京都と都内の区市町村が共同いたしまして、電子自治体を推進するための取り組みでございます。具体的には、電子調達というシステムと電子申請のシステム、この二つを共同で構築をし、運用いたします。
実施の時期ですけれども、区市町村が実施します電子調達は本年十二月から、都と区市町村が実施する電子申請は来年一月下旬以降に開始する予定でございます。
共同運営の利点ですけれども、都民や企業にとっては、同じホームページから同一の手順で調達や申請の手続を行うことができ、利便性が向上いたします。自治体にとってもまた、一つのシステムを多くの自治体が共通で利用いたしますので、大幅な経費の削減が可能になるなどが利点でございます。
○中嶋委員 十二月から区市町村が実施する電子調達が始まると。それから、来年一月下旬以降に区市町村が共同で実施する電子申請が始まると。申請と調達が十二月と一月、相次いで始まる。ただ、今、大幅に利便性が向上するという話がありましたけれども、ちょっとまだ抽象的でよくわからない。したがって、もう少し具体的に、経費節減の内容とその規模、また、住民にとっての利便性の向上の具体的中身、あるいは事業者にとっての利便性の向上の具体的な中身の三点。
それから、あわせてもう一点、住民にとっての利便性ということになると、これは東京都よりも基礎的自治体である区市町村の取り組みが重要です。したがって、この事業を活用したユニークな区市町村の取り組み事例があったら、これも報告を願いたいと思います。
○木谷IT推進室情報企画担当部長 まず経費節減ですけれども、共同運営によってどれだけコストが下がるかという観点からお答えいたしますが、標準的な団体でおよそ十分の一程度のコストで電子申請や調達サービスが提供できるということになっております。
それから、住民や事業者の利便性ですけれども、まず、電子自治体にすることによる利点があります。これは都民や事業者が役所に出かけることなく、自宅や会社から二十四時間手続をすることができる、これは大きな利点でございます。
次に、共同運営の利点ということで、先生から今、事業者の話がありましたけれども、例えば電子調達を考えますと、一回の登録手続をしますと、五十の団体すべてに登録ができるという形で非常に便利な点がございます。
それから、ユニークな試みということで何があるかということで、実は各団体が必死に取り組んでいまして、まだ確定したものではございません。いろんなものがありますけれども、例えば手話通訳者の派遣事業でありますとか、それを電子申請でやるというような試み、それから、子どもSOS登録というようなもの、それから、職人さんの紹介とか、これは必ずしも多くのところがやるわけではないんですが、まさにユニークな取り組みで、各自治体が一生懸命、今考えているところでございます。
○中嶋委員 これは今初めて僕聞いたんだけれども、おもしろいですね。特に若い世代の男性も女性も、実は役所に行くのは結構大変なんですよ。昔もそうだったけど、今もそう。したがって、役所に行かなくても済む、この利便性の向上を改めてぜひきちんと追求してください。区市町村を支援して、住民の直接的な利便性が高まるように誘導をお願いしたいと思います。
今もあった一回の申請で五十を超える自治体を回らなくても済むと、非常にこれは便利になりますね。したがって、たくさんの区市町村が参加していただかないと困ると。他道府県に比べて、東京都の区市町村の参加状況はどうなのか。
それから、もう一点、恐らくシステムにはセンターが必要で、どこになるのか、そこのセンターの耐震性は多分大丈夫なんだろうとは思うけれども、大丈夫かどうか、確認の意味で。
○木谷IT推進室情報企画担当部長 まず区市町村の参加状況ですけれども、実は全国でも共同運営をやっていこうということでもって取り組みが進んでいますけれども、なかなかうまくいかない状況もございます。東京の場合には、この事業を推進するための東京電子自治体共同運営協議会というのがございまして、これに都内六十三団体のうち五十五団体が参加しております。残り八団体は島しょ地域の自治体でございます。この中で十六年度から共同運営システムを稼働させる団体が五十二団体ございます。まだ共同運営に参加していない団体につきましても、東京都として働きかけて、できるだけ多くの団体が参加できるようにしていきたいと考えております。
次に、システムのセンターのお話がありましたけれども、共同運営で利用するシステムは、コンピューターなどの機器を一カ所にまとめまして、いわゆるデータセンターという場所に設置をいたします。この施設は、仕様書において阪神・淡路大震災級の地震に耐えることを求めておりまして、実際の設置場所も、震度七の地震に耐えられる設計となっていることを確認しております。
場所なんですけれども、実はこれを明らかにすることは攻撃のリスクを高めることになりますので、いわないことになっておりますので、ご容赦いただきたいと思います。
○中嶋委員 おっしゃるとおりで、主税局のコンピューターセンターも内緒なんですから、聞く方はやぼでして、失礼しました。
ただ、最近、IT化の関心は余り高まっていませんが、公明党は電子政府、国にさんざんぱらいってきましたけれども、国はなかなか進まない。この共同事業が始まると、東京都内の電子自治体化がかなり進みますので、ぜひしっかりやってもらいたいと思います。
ただ一点注文は、ただ単に、便利になった、便利になったと喜んでいればいいというものじゃなくて、ちょっとこれも大仰ないい方かもしれませんが、いわゆる質の行革に踏み込んでつながっていく必要があるだろうと思っています。定数削減やコストの削減、これも大事だけれども、もうちょっと行政サービスの提供の仕方とか中身が変わってきて初めて、この共同事業も東京全体として意味があるんだろうと思います。
それで改めて局長に、この共同事業をやるねらい、何のために行うのか、あるいは達成目標、見解をお示し願いたいと思います。
○赤星総務局長 電子自治体共同運営の事業でございますけれども、都と区市町村のIT化によりまして都民の利便性を向上させるために重要な取り組みでございます。区市町村とは三年近くにわたりまして、我々一緒に共同運営の検討を行ってまいりました。この検討を通じまして、都と区市町村が共同で電子自治体を構築いたしました。新たに運営する仕組みが具体化されたわけでございます。今後は、この共同運営システムが十分に活用されるように、都と区市町村との連携を強化いたしますとともに、今、若干参加していない団体ございますけれども、都内全団体が早期に共同運営に参加できるよう働きかけを今後とも行ってまいります。
さらに、これらを通じまして、今、先生ご指摘のように、都と区市町村を含めまして、都民の利便性の一層の向上だけでなく、それとあわせまして、東京全体の行政効率化を目指してまいります。
○中嶋委員 ぜひお願いします。公明党が一生懸命進めてきた児童手当、申請が結構面倒らしいんですね。子育てに忙しい若いお母さんが自宅のパソコンで申請ができるなんてなれば、これは大変喜ばれること受け合いですから、ぜひ進めてください。
最後に、所管が違いますので、答弁求めませんが、新潟地震、人的支援、物的支援、大変なものです。現地でも感謝されていました、これは耳で聞いてきましたから。ただ、息の長い取り組みが必要で、いずれ県あるいは自治体への何らかの形の財政支援をやらないと、実はもちません。どんな形の財政支援があり得るのかということもやはり今後は議論しなくちゃいけないと思っています。
三宅島も同様で、帰島が始まると生活の再建、住宅や事業所、店舗の再建、これが眼目です。したがって、関係局と連携を深めて、きちっとした支援策、都民に提示をしていただきたいと強く要望して質問を終わります。
○吉田委員 それでは、私、二つのテーマについて、できるだけ簡潔に質問したいと思います。
一つは、今も話がありました中越地震への支援と関連した問題、二つ目に、これも既に議論がありました市町村に対する支援と振興の問題について、できる限り重複しないように質問させていただきます。
新潟中越地震の問題から入りますけれども、二十三日の土曜日に地震が発生いたしまして、私、二十四日、日曜日でありましたけれども、何としても東京都として万全の支援体制をとっていただきたいという思いで、都庁・総合防災部に伺いましたところ、既に中村危機管理監、そして中村総合防災部長、先頭に立ちまして、休日でもありながら、職員の皆さんが懸命に新潟への支援策について協議をし、具体化を図るという努力をされておりましたし、また、きょう具体的な報告があったとおり、各局からもさまざまな困難な状況の中で支援の努力をされていることに対して、実は私、新潟県出身者の一人として改めてお礼を申し上げたいなというふうに思っております。
私自身も実は、直後というのは相手に迷惑をかけてもいけませんから、時期を置きまして、十一月二日、私の区民から託してくださいました救援募金とミカンあるいは介護用のおむつなどをワゴン車に満載いたしまして、長岡、小千谷の方を回ってきましたけれども、改めて深刻な事態を直視すると同時に、行政あるいはボランティアの支援活動が大変喜ばれているという姿も知ることができました。たまたま通ってきた車の歩道上に、杉並区が小千谷市と救援協定を結んでおりますが、「杉並区」というふうにはっきりと書かれた仮設トイレが設置されておりまして、住民の皆さんから大変喜んでいただいたのは私もうれしい思いでありました。
都全体としても、現地での救援対策に取り組むと同時に、調査活動をして、先日、政府に対する緊急の申し入れを行いました。その一つは、メンタルヘルスを含めた被災者に対する健康管理の支援の問題、さらに降雪時期を前にした仮設住宅の建設促進の問題や、あるいは既に議論がありました被災者生活再建法を改正し、住宅本体への公的支援とその増額を図ること、また、地元経済への復興支援などという点であります。
既にさまざまな分野の支援策がとられておりますけれども、きょうの新聞でも避難所で風邪が蔓延するというふうなことが報道されておりましたが、そういう状況からすれば、かつ長期にわたる避難生活という状況がある中では、これはもちろん新潟県と相談の上ということになりますが、メンタルヘルスを含めた専門的なスタッフを配置することだとか、さらに仮設住宅の建設に対して、東京都としても可能な限りの支援を継続するなど、引き続きこのような支援体制を新潟県と調整の上継続していただきたいということをまず要望として述べさせていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○中村総合防災部長 私どももこういう災害でのメンタルヘルスという心のケアの問題については、重要であると考えております。今回の地震では、県の要請に基づきまして、心のケア医療救護チームを派遣し、対応しております。心のケア医療救護チームは、十月二十八日から本日まで四回派遣しておりまして、現在も一チーム四名が活動してございます。
なお、東京都としての派遣は本日、十一日をもって終了いたしますが、被災地の心のケアについては、ローテーションでやっておりますので、他の府県のチームが引き継いで対応するということになってございます。
また、仮設住宅の建設のための支援スタッフでございますが、これにつきましては、都市整備局が国土交通省の協力要請に基づきまして派遣しております。第一陣の二名は十月三十日から十一月五日まで、現在は第二陣の二名が十一月五日から十二日までの予定で派遣されております。都市整備局は、今後も国からの要請があれば派遣を検討すると聞いております。
○吉田委員 二つについて事例的に申し上げましたけれども、ぜひ検討、協議の上に立って、引き続き、物資だけではなく、人的な支援という点でも継続的な支援をお願いしたいということを改めて述べさせていただきます。
それと、住宅再建への公的支援の問題なんですが、これは新潟県で直面している問題だけではなく、三宅帰島島民に対する支援という点でも直接国の法改正が非常に求められているわけですが、この点で先ほど既に議論がありました。全国知事会を通じて要請をしてきたし、要請していくという旨なんですが、ただ、きょうも配られた国の予算編成に対する東京都の提案要求を見てみましたところ、具体的にはこの事項が触れられていないんですよね。知事会として上げて要求するということは当然ですけれども、東京都として三宅を抱えているという問題もあるわけですから、東京都としてもぜひ直接、大いに国に対して法改正を働きかけるというご努力をしていただきたいと思うんですが、この点はどうでしょうか。
○中村総合防災部長 東京都としては、今の被災者生活再建支援法が、これは先ほども答弁させていただいておりますけれども、各都府県が拠出して基金としてできているものでございます。したがいまして、今お話の個人住宅の再建に向けた法律の充実ということになりますと、私どもとしては、東京都といたしましては、知事会を通じまして、全国の知事が一丸となって当たった方がいいというふうに判断しているものでございます。
○吉田委員 一丸となって当たることを何ら否定していないわけで、当たりつつ、東京都としてもこういう中に入れてもいいんじゃないですかというふうに思います。
あと、支援の問題で、これから新潟の地域産業の支援ということも地元にとっては非常に大きな問題になるかと思います。この点で東京都がどういう役割を果たすことができるかというのは、もちろん県の意向なりを打診し、相談しての上のことだと思いますが、私は、ぜひ新潟の被災に遭った地域産業の復興支援、例えばお酒にしても、食べ物にしても、織物にしても、物産的にも魅力あるものがあるかと思うんですけれども、いろんな財政支援だけじゃなくて、例えばある県なり団体なりが東京で支援を兼ねて何らかの取り組みをしたいなという場合の会場提供などということもあるのではないかなと思うんですけれども、それは私の個人的思いつきですが、いずれにしても、地域産業支援のために都としても県などと協議をして、何らかの支援策が組めないものかどうか、ぜひご検討をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○中村総合防災部長 先ほどの答弁を変更させていただきますけれども、全国知事会一丸となるということで申し上げました。これはそのとおりでございます。私ども東京都といたしましては、振興復興対策として毎年春の提案要求ではのせてございます。
それから、今の新潟の物産等の話でございますが……(吉田委員「物産はいいですよ。それは例え話だから」と呼ぶ)ああ、そうですか。私どもとしては、東京都といたしましては、今後とも国や県からの要請があれば必要な支援を行うというふうに考えております。産業の復興とかそういうことに関しましては、県や当該の市町村が行うことになると思いまして、私どもとしては、基本的には復旧復興の支援が必要であると考えてございます。
〔「吉田さん『久保田』『久保田』」と呼ぶ者あり〕
○吉田委員 「久保田」は越路町という小千谷市に隣接する被災地でつくられておるものでありまして、東京の場合には三宅島という、現実に帰島し、産業復興しなきゃならないという問題を直接抱えているわけですから、そういうものとリンクするなど、いろんな工夫があっていいのではないかなと思っております。
それと、支援の問題に関連して、私、二十四日に総合防災部にお邪魔して話したときに、こういう問題がいわれたわけです。すなわち、新潟県からどのような物資を送ってほしいかという直接的な要請がされていないんだと。これは新潟県側の発災直後の事情ということもあるかもしれませんし、救援協定といいますか、東京都と新潟県はそういう協定を結んでいないという仕組み上の問題もあるんだと。したがって、物を送りたいけれど、何をどう送っていいかわからないというようなことがあって、私としては、たとえそういう事態であったとしても、東京都として送れるものはぜひ送ってほしいという要望をいたしましたし、東京都としても積極的にそういう判断をされたということは本当によかったなというふうに思っているんです。
ただ、協定がないものですから、結果的には知事会が窓口になって東京都の割り振りが振られるという仕組みなんだということも聞きました。しかし、知事会が発災時から直ちに機能しているわけではないというようなこともありますから、このように救援協定を結んでいない中での支援のあり方だとか、また、いざというときに救援の必要な、不足物資の情報が行き届かなかっただとかということは、今後の他県への支援の場合でも、逆に東京都が支援を受ける場合でも、研究的には一つの教訓にすべき事例ではないかなと思うんですが、そういう点はどのようにお考え、検討されているんでしょうか。
○中村危機管理監 今回の新潟の中越地震、我々、幸いなことに被害はなかったわけですけれども、あれの国の対応あるいは県の対応を見まして、我々が将来参考にしなければいけないなという課題が何点かあります。今おっしゃられたように、応援の要請がないと何を送っていいのかなかなかわからない。したがって東京都の場合、備蓄物資が決まっておりまして、何が何食分どこにあるというのはちゃんとつかまえています。ただ、新潟の場合、我々も後から聞いて驚いたんですけども、台風及び水害によって備蓄食糧がほとんどなかったという実態がございました。だから、我々もそれを知っておれば、何はともあれ送ったんですけれども、備蓄食糧がないんだなということがわかっておりませんでした。だから、いかに被災地が情報を発信するかというのは一つの反省点でございます。
それから、先ほど、新潟県から要請がないというお話がありましたけれども、自衛隊を使う場合が典型的でございまして、今回も我々物資を送ろうとして、道路寸断、鉄道だめと、空しかないだろうと。我々が送るのは大量ですから、この場合に自衛隊しかないなということで、米軍も考えましたけれども、横田は間に合いませんで、入間から送りました。自衛隊に対する要請は被災地からでないと自衛隊は動けないという実態がございまして、これは国の体制の実態にそぐわない点といいますか。だから、我々は地ならしをしまして、最後のひと声だけ口頭でいいから新潟から自衛隊に電話を入れてくれと、こんないろんな工夫をしました。
そのほか空港の利用の仕方だとか、いろいろ我々も参考にすべき点はあろうかと思いますけれども、何せ今の状況では、調査団を送るということ自体が大変混乱している中で迷惑だろうということで、一段落した時点で私どもは調査団を派遣して、我々の参考にしたい、こんなふうに考えております。
○吉田委員 私がお願いしようと思ったら、もう答弁していただいたんだけど、もちろん適切な時期であるべきだと私もやはり思います。行った人間として、私も少しでも回ろうと思いましたけど、そんなことはできない。とにかく救援物資を持って少しでも激励的に役に立つ仕事というのが第一義的な課題だということを痛切に感じましたけれども、今後いろんな意味で、支援のあり方においても、東京自身がもし発災した場合の対応等においても、しかも山間部などの孤立状態という今回新たな事態がありましたけれども、そうしたさまざまな問題について適切な時期に調査団を派遣して、今後の教訓に生かしていただきたいなということを痛感しております。改めて要望もしておきたいと思います。
あと、東京自身にかかわる問題で、本格的に何が教訓とされるべきかは今後検討されなきゃならないと思うんですが、今の時点で私、素朴に感じている点を三点ほどちょっと質問させていただきたいんですけれども、震災復興ということはかなり東京都としても力を入れられてきました。しかし、今の新潟の事態に見られるように、緊急避難から復興までの間、すなわち住宅的にいえば仮設住宅で暮らす時期というものは、早く仮設住宅に移れて、きちんと本格復興までの間をつなぐ作業というのは非常に重要だと思うんですよね。私が行ったときは、発災して十日ちょっとだったんですけど、もう十日の避難所生活は我慢できないということが、避難所生活の皆さんから口々に出されました。
ただ、先ほど議論がありましたけど、東京の場合、相当大量の避難者が生まれる中で、仮設住宅を建てるだけのいざというときの機材の用意だとか、あるいは仮設住宅を建てる際のオープンスペースだとか、そういうものは大丈夫なんだろうかという素朴な疑問が生まれるんですけれども、ちょっとこの点はどうなのか、簡単にご答弁をお願いしたいんですが。
○中村総合防災部長 今お話ありましたように、確かに緊急避難から、家が壊れて仮設住宅等に住まなければならないという方が、東京の場合には、同じような地震が起きた場合には相当数出てくるだろうということは想定されているわけでございます。実際に直面してどうするかということは、もちろんいろいろと検討しているわけでございますけれども、東京都の地域防災計画では、このような震災で住家を滅失したり、あるいは自己の資力によって居住する住家を確保できないという被災者に対しては、今回も都営住宅を百戸提供してございますが、こういう公的住宅の提供、また、民間の賃貸住宅の空き家を借り上げると。さらに応急仮設住宅がありますが、応急仮設住宅を一時的に供給すると。
つくれる場所ということでは、今回の新潟でも非常に苦労してございますが、阪神・淡路でも公園の野球場だとかそういうところになったわけでございまして、オープンスペースの観点からいきますと、そういうところが仮設住宅の対象地になるかというふうに思います。
○吉田委員 きょうは突っ込んだ議論はまた別な機会にさせていただいてと思いますけれども、改めてやはりオープンスペースの確保だとか、長期的な視点に立ってこの問題に対応していかないと、本当にこれは大変なことになるなという思いを強くしております。
もう一つの問題は、本来避難所として想定していた学校などが破損し、また危険な状態で、実際上は避難所として使えないと。私が回ったときも、近所の学校が鉄骨が一部破損して、ビニールの温室で暮らさざるを得ないという高齢者の方々が涙を流して訴える姿がありまして、私も本当につらい思いをいたしました。また、病院などが使えなくて、緊急に入院患者を移送するというような事態がありましたけれども、都内の場合も公立の小中学校が多くの場合には避難所となっていると思うんですが、こういう避難所の耐震性の確保というのはどのようになっているのか、あるいはそういう事態というのは把握されているのかどうか、ちょっとご答弁をお願いしたいんですが。
○中村総合防災部長 今、先生がおっしゃられたように、東京都の地域防災計画でも避難所の設置運営は区市町村が行うということになっております。区市町村が避難所を指定しているわけでございますが、指定した建物につきましては、区市町村が早期に耐震診断、これは既存の建物で耐震性が弱いというふうな判断をするかどうか、建築年で判断することになると思いますが、その場合には耐震診断を実施して安全性を確認、確保することになっております。耐震補強等が必要な場合には、これも今申し上げましたように、避難所を指定した区市町村が行うというふうになってございます。
それから、避難所でございませんが、私どもの観点から申し上げますと、医療機関、これも重要でございまして、医療機関の耐震化につきましても設置者が行うことになっておりますが、災害拠点病院の耐震補強につきましては、東京都としては助成をしてございまして、これによって耐震補強を行っているという状況でございます。
なお、都立病院につきましては、使用している病棟すべてについて耐震性が確保されている状況でございます。
○吉田委員 この問題はいろいろ話題になっているところなんですけれども、一般的には公立の小中学校のうち、耐震補強がされている学校が六割、耐震補強がされていない学校が約四割、これも後で関連することですが、区部と多摩地域では若干格差がありまして、私の承知している数では、区部では六五%以上が耐震補強がされていますが、多摩地域ではちょうど五割と。五割が耐震補強されていないという事態なんですね。ただ、それがイコールそのまま避難所の数としてなるのかどうかというのは確認することはできませんけれども、少なくとも避難所のうちどの程度が耐震補強の未改修が残されているかというふうな事態は把握されているんですか。それともそれは把握されていないんですか。
○中村総合防災部長 今、先生がおっしゃられたように、小中学校でもすべてが避難所になっているかどうかということにつきましては、私どもも全部がなっているというふうに把握をしてございませんが、すべてが耐震性を確保されているかどうかということにつきましても、私ども残念ながらつかんでございません。
○吉田委員 第一義的には区市町村の仕事であるということは当然だと思うんですけれども、そうはいっても、広域行政として、状況の把握というのは最低限私は必要だと思いますし、あわせて、多摩の市長会などからは、ぜひ学校の耐震補強に対する都としての支援策ということが要望されています。これも直接的には東京都としては教育庁の所管する事項になるかと思いますが、防災をつかさどる総務局として、こういう問題についても積極的な働きかけをしていただきたいというふうに思うんです。
最後に、改めて個人住宅に対する耐震補強ということの重要性が浮き彫りになってきましたし、もちろんご本人の努力というのは当然求められると思うんです。ただ、それだけでは不十分なために、各区市町村などが独自に耐震補強に対する公的支援を始めておりますが、そうしたことに対して東京都としても支援すべきだという提案を何度かさせていただきました。これについても、議論は今後進めていきたいと思うんですが、少なくとも現在、全国の都道府県の中で、県レベルで見ても、あるいは東京と同様な政令都市を見ても、独自に耐震補強に対する公的支援策をとり始めた自治体が拡大しつつあるのではないかなというふうに思うんですね。それがどのようになっているのか、そして、そうした各県の具体的な支援策など、あるいは実績、成果などについても大いに研究対象として取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○中村総合防災部長 それぞれの県や政令市の考えでもって助成制度をつくっているというふうに思います。国土交通省の調査によりますと、平成十五年十二月一日現在で兵庫県や静岡県など七県四政令市が、独自の制度としての耐震補強をした場合の補助制度を持ってございますが、東京都といたしましては、先ほど申し上げましたように、災害拠点病院などの耐震補強を優先することが第一であるというふうに考えて、個人住宅などについては基本的には自助努力で行っていただきたいというふうに考えております。
○吉田委員 ですから、七県四政令指定都市の制度とそれの利用状況と効果ということぐらいはぜひ、当然もう調べられているのかもしれませんが、調べていただきたいということを少なくともこの場ではお願いしておきたいと思います。
続きまして、二つ目のテーマであります……(発言する者あり)一番目はちょっと熱が入りましたから、二つ目は簡潔にやりたいと思うんですが、市町村に対する支援の問題なんですけれども、結論的には、私は、今日の市町村をめぐる三位一体の改革などのさまざまな状況がある中で、ぜひ広域行政をつかさどる東京都として、また、市町村行政をつかさどる総務局として、必要な支援を強化していただきたいというのが私がきょうこの場で主張したい点なんですけれども、そのために直接的には振興交付金あるいは調整交付金の話になるかと思うんです。この話は既に出ました。
それ以前の問題として、状況認識なんですが、この間、地方分権、地方分権ということで、きょうも資料を出していただきましたが、国の法改正に基づく事務の移管と。さらに東京都の場合には特例条例に基づいて事務の移管と。資料で見ますと、事務処理特例制度に基づく事務権限の新規移譲ということが平成十四年度から十六年度だけでたしか十一事業、それ以外に国の法に基づく移管がありますよね。その一方で、これも資料に出していただきましたけれども、補助金の見直しあるいは廃止ということが毎年のように行われてまいりました。この間で見れば、直近で約二十五項目の補助金の廃止ないし見直しということがされております。
こうしたことを見て、私が素朴に思うのは、地方分権、当然であります。また、身近な住民サービスは一番身近な行政が行うべきだ、当然であります。しかし、そのためには必要な財源確保を国だけではなく、都としても行うべきだと思うんです。しかし、これだけ事業移管が行われており、その一方で補助金が廃止される。結論的には、多摩の市町村などにとって、仕事がふえているけれども、肝心の財源補てんは十分されていないんじゃないか、そういう危惧を持つんですけれども、いや、そうではないと、やっているよということなら、そういっていただきたいと思いますし、もしやっているというのなら、どのぐらいの規模でそれが行われているのかということについてもご説明願いたいと思うんです。
○荒川行政部長 ただいまお話のありましたように、市町村を取り巻くいろいろな改革の動きがございます。国の動き、それから、東京都もいろいろな形で地方分権を進めておりまして、その中で先ほど坂口委員にお話し申し上げましたように、これまで法に基づく移譲、それから、条例による特例による移譲ということをやってきました。これについては、法の場合には現在、地方交付税でもって補てんされるという仕組みになっております。それから、条例による特例の場合には、これについては、先ほど申し上げましたように、交付金によって財政的な補てんをしてございます。
それから、今、補助金の見直しのこともちょっと出ましたけれども、補助金につきましては、確かに補助金を見直すことによって、市町村に対する影響額は出ますけれども、それは単に補助金が減るということではなくて、補助金自体が時代の変化に伴って制度創設のときの必要性が薄れているのではないか、あるいは役割を終えたのではないか、もっと新しい事業の方に振りかえた方がいいのではないかということで、確かに市町村に対しては、事前に協議するときに幾ら幾らの影響額が出ますという形で示し、同時に関係局も入れて事前の市町村との協議をしておりますけれども、その協議の中ではトータルでもって--トータルといいますのは、その事業は見直すけれども、補助率は見直すけれども、あるいは廃止するけれども、別の事業としてそれを新しいものに変えていくということも含めて議論すべきものであるというふうに考えております。
○吉田委員 今ご答弁がありましたけれども、例えば補助金で見れば、その補助金が廃止されたと。市町村もその事業は廃止したということなら何ら矛盾は起きないわけですよね。補助金を廃止したけれども、住民との関係では、それは市町村としては継続しなきゃならないという現実というのは決して少ない事例ではなくて、見直された補助金の中では、逆に私はそちらの方が多いのではないかと思います。時代の趨勢で事業そのものを継続する必要がなくなったために廃止をしても問題ないよという部分もあるかもしれませんが、それは一部ではないのかなというふうに思うんです。
また個々の、いわば縛るような形の補助金じゃなくて、トータルで使えるような財源保障をするからいいじゃないですかということなら、それはそれとして一つの理屈としてはあるかもしれませんが、私が承知している限りでは、補助金が毎年毎年十項目、十数項目というふうな規模で廃止されながら、それに見合うような財源的な補てん策というのはどうも見当たらない。しかも、冒頭いったような事務の移管が特例条例に基づいて次々と進められていく。それだって、私は決して十分な財政補てん策がされていないんじゃないか。
例えば、多摩の市町村の財政状況の市町村当初予算調というものを調べてみました。これで平成十一年、一九九九年と今年度のトータルの東京都支出金を調べたら、約百一億、東京都支出金はこの間で減っているんですよね。ほかにどこか出ているところがあるのかと思って調べましたら、例えば市町村振興のための財政補完等ということで、もろもろひっくるめておりますが、これは決算ですけども、二〇〇三年と比べると四十五億円の減と。また、特別区事務処理特例交付金がありますが、これは移管などに使うものだと思うんですが、これ自身も減ということになりますと、対応はされているというふうなご答弁だったんですが、実際上は一部は対応されているかもしれませんが、トータルでは都から市町村に流れるお金は減っているというのが私は現実ではないかなと思うんです。
もう一つ、現状にかかわる認識でご答弁を願いたいのが、先ほどいっているいわゆる三位一体改革と称する問題です。これはことしの三月の本委員会のときに、当時の村山行政部長に対して、市町村に対する影響が非常に大きい問題なので、ぜひ適切な時期に、一定の時期にしっかりと市町村に対する影響を把握していただきたいという質問をいたしました。そのときに村山行政部長は、必要な時期においてそういう措置を講じたいと思っておりますというご答弁をしていただきました。これはどのようにされたんでしょうか、調査はしていただいたんでしょうか。
○荒川行政部長 今、二点のご質問だと思うんですが、最初に、都から市町村への支出金が減っているということでございますけれども、確かに--済みません、今ちょっと手元にその数字がないので、私自身、比較していないんですが、我が国の経済状況あるいは財政状況、これまでの状況を見ますと、全体が縮小財政の中にありますので、そういった中で限られた財源をいかに使っていくかということで考えれば、そういったことがあると思います。しかしながら、減ったからといって、確かに厳しい面はあるかもしれませんけれども、創意工夫して、いろいろな形でもって効率的な財政運営あるいは行政運営をしていくということにつながるんだろうというふうに思いますので、もちろん減っていることの厳しさということは、都自身もいろいろな形で国からの補助金などが減っているということで、大変な面があるということで十分味わっていることでございますけれども、財政状況が厳しい中で、そういう結果となっているということだろうというふうに思います。
それから、あと、三位一体の影響についてでございますが、これについては、我が部の職員が一生懸命いろいろ計算はしておるところでございますが、実態としてはなかなか難しいところでございます。その中で、三位一体の中の一つ、税源移譲につきましては、今回資料で提出させていただきましたように、十六年度の場合には所得譲与税について、人口により機械的に把握することができるものですから、それの影響としては六十五億八千万円余と、都の市町村に移譲される見込みとしてはそのぐらいになるということは一応計算ができました。
しかしながら、国庫補助負担金につきましては、全国ベースでは一兆三百億の削減がなされるということは、いろいろ発表されてわかるんですが、具体的に個々の市町村に対してどの程度の影響があるのかということは、それがこれまでの補助額の増減によるものか、あるいは今回の三位一体によるものかが具体的に市町村レベルではわからないというところが実態でございます。
それから、三つ目の地方交付税、これにつきましても、昨年度と比べますと、市町村全体で対前年度比五十億円余の減少ということになっておるんですけれども、これも交付税の性格から、基準財政需要と基準財政収入額のもととなった団体の運営によって出てきたものなのか、それともそうではなくて、三位一体改革による影響なのかが実際のところわからないところでございます。
しかしながら、全体としては、これは定説的な話になりますけれども、三位一体改革の中で全国の補助金が削減され、それから、交付税も見直され、そのかわりに税源移譲がなされるということで、総額でもって賄えるかどうかが今のところまだわからないところでございます。仮に賄われたとしても、今度、個々の市町村単位で見れば、税源の偏在というのがございますので、個々の市町村ごとにうまく賄えるかどうかというところが実際の市町村長たちの中にも、それを不安として訴えるところがあるということは事実でございます。
○吉田委員 親切に答弁をしていただいたわけですけれども、いずれにしても、国は補助金削減、交付税削減、そして、臨時財政対策債発行可能額の削減と、一定の所得譲与税などの財源措置をしたとしても、国自身がトータルでは削減の方がはるかに多いという規模になっているわけですから、これは当然東京の各自治体にとってみても、アンバランスはありますけれども、トータルで見れば非常に厳しい影響を与えているというふうに見ることができると思うんです。
しかも、確かに交付税の削減が三位一体によるものか否かという微妙な問題というのはあるかと思いますが、しかし、きょう示していただいた資料を見ても、普通交付税決定額の総額、これは五十億円余で、臨時財政対策債発行可能額、これでいえば二百六億円余ということが紹介されております。こういう状況なだけに、私は、総務局だけのことではなく、各局あるいは財務局を含めてですけれども、東京都としての必要な対応策が求められているのではないかなというふうに思っております。
最後の結論のところですけれども、振興交付金、調整交付金です。調整交付金については、さまざまな役割があるかと思うんですが、改めて今日的な調整交付金の役割をどのように考えていらっしゃるのか、まず基本点についてご答弁をお願いします。
○荒川行政部長 調整交付金、これにつきましては、個々の事業に対する補助ということではなくて、これは先生ご存じだと思いますけれども、包括的に市町村の一般財源を補完する財政補完制度ということでございまして、これは創設以来、こういう形でなってございます。先ほども答弁申し上げましたように、市町村の財政状況や人口動向を的確に把握しまして、都の厳しい財政状況を踏まえながら、適切に対応していくべきものというふうに考えております。
○吉田委員 調整交付金の役割で、市町村の中の格差是正という側面と、特別区との関係での格差是正という側面といいますか目的が、調整交付金の大きな一つとしてあると思うんですが、私は今の状況で見れば、多摩の市町村の中の格差も厳然として解消されていないと思いますし、特別区との格差という点で見ても、部分的には改善された面もあるかもしれませんが、トータルで見たときに厳然として格差解消は引き続き重要課題ではないかと思っているんですが、どのような認識でしょうか。
○荒川行政部長 格差のお話が出ましたけれども、いわゆる三多摩格差八課題といいますのは、昭和五十年の都市町村協議会で設定された八つの課題が道路等でございますけれども、これにつきましては何回か答弁させていただきましたけれども、都と市町村で協力して積極的に取り組んだ結果、現在ではかなりの部分で解消してきているというふうに認識しております。しかしながら、時代の変化によりまして、新たな行政課題が生じていることは十分承知しております。今後は区部との格差是正という画一的な対応ではなくて、地域の特性に応じてそういった課題に取り組んでいくべきものというふうに考えております。
○吉田委員 これは東京都財務局が作成した資料なんですけれども、行政サービスにいかに格差が存在しているかと。例えば、区市町村道舗装率というのがまずまちづくりで紹介されるんですよね。特別区は九九%です。全国の市町村は七四・三%ですけれども、都内の市町村は全国の市町村よりもわずかですが後退して、七三・〇%なんですね。だとか、もう一つだけ例を挙げますと、例えば中学校給食の完全給食実施率というグラフが出ていますが、これも特別区は中学校で一〇〇%ですが、都内市町村では五三・八%という事態があるわけです。これは財務局のつくった資料ですけれども、これをどう使うかはまた別な問題で意見はありますけれども、そういう意味では、ぜひ今日の状況、引き続きこのような格差が存在している中では、調整交付金など振興交付金も含めて大いに拡充のご努力をしていただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
○荒川行政部長 調整交付金につきましては、繰り返しになりますけれども、包括的な一般財源補完ということで、個別の事業ではなくて、一般財源補完ということで制度が発足しております。したがいまして、市町村の全体的な財政状況ですとか、あるいは事業動向を把握しまして、今後とも適切に対応していきたいというふうに思っております。
三位一体改革等でいろいろと市町村が影響を受けるのではないかということは確かにあることは事実でございますけれども、三位一体改革の部分については、それは三位一体改革の中で、地方分権改革全体の中で是正すべき問題であるというふうに思います。それを市町村交付金によって肩がわりするというようなことはあるべきではないのではないかというふうに考えております。
○吉田委員 終わります。
○中村委員長 お諮りいたします。
事務事業及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中村委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十分散会
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