総務委員会速記録第六号

平成十六年五月二十六日(水曜日)
第一委員会室
   午後一時六分開議
 出席委員 十二名
委員長土屋たかゆき君
副委員長中屋 文孝君
副委員長藤田 愛子君
理事富田 俊正君
理事長橋 桂一君
理事山田 忠昭君
真木  茂君
古館 和憲君
星野 篤功君
橋本辰二郎君
大山  均君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
知事本局局長前川 燿男君
儀典長伊藤  誠君
次長只腰 憲久君
企画調整部長高橋 道晴君
秘書部長松田 二郎君
政策部長三枝 修一君
政策担当部長横田基地共用化推進担当部長兼務河島  均君
参事秋山 俊行君
参事野口 宏幸君
参事新行内孝男君
参事岩井 壯三君
国政広域連携担当部長首都調査担当部長兼務野澤 直明君
自治制度改革推進担当部長平田  章君
国際共同事業担当部長斉藤 一美君
治安対策担当部長久保  大君
参事高嶋  明君
総務局局長赤星 經昭君
理事高橋  功君
危機管理監中村 正彦君
理事馬場 正明君
総務部長大橋 久夫君
行政改革推進室長石渡 秀雄君
IT推進室情報企画担当部長木谷 正道君
IT推進室電子都庁推進担当部長永田  元君
人事部長大原 正行君
主席監察員相上 孝司君
行政部長村山 寛司君
多摩島しょ振興担当部長高橋 敏夫君
三宅島災害復興対策担当部長渋井 信和君
都区制度改革担当部長島  博文君
総合防災部長金子正一郎君
情報統括担当部長八木 憲彦君
勤労部長大塚 孝一君
法務部長中村 次良君
統計部長古河 誠二君
人権部長和田 正幸君

本日の会議に付した事件
 総務局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・第二次都庁改革アクションプラン実施状況報告(平成十六年三月末現在)について
・三宅島帰島プログラム準備検討会報告書について
知事本局関係
報告事項(説明)
・地方分権改革に関する東京都の基本的見解について
陳情の審査
・一六第八号 自衛隊イラク派兵中止及び国連中心のイラク復興・支援を求める意見書提出に関する陳情

○土屋委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記が交代いたしましたので、紹介いたします。
 議事課の石川純子さんです。議案調査課の眞家文夫君です。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○土屋委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 次に、先般の人事異動に伴い、人事委員会事務局及び監査事務局の幹部職員に交代がありましたので、それぞれ事務局長から紹介があります。

○高橋人事委員会事務局長 四月一日付の幹部人事異動によりまして交代のございました当局の幹部職員をご紹介いたします。
 審査担当部長の友繁佳明君でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○松澤監査事務局長 先般の四月一日付の人事異動に伴い就任をいたしました監査事務局の幹部職員を紹介させていただきます。
 監査担当部長の矢島達郎君でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○土屋委員長 紹介は終わりました。

○土屋委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、総務局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、総務局及び知事本局関係の報告事項の聴取並びに知事本局関係の陳情審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承を願います。
 これより総務局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員の交代がありましたので、赤星総務局長から紹介があります。

○赤星総務局長 先般四月一日付の人事異動に伴いまして就任いたしました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 初めに、総務局理事の高橋功君でございます。主席監察員の相上孝司君でございます。三宅島災害復興対策担当部長の渋井信和君でございます。都区制度改革担当部長の島博文君でございます。
 なお、局務担当部長で災害対策担当の竹内直佐君は、公務出張のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○土屋委員長 紹介は終わりました。

○土屋委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○赤星総務局長 今定例会に提出を予定しております条例案三件につきまして、概要を説明させていただきます。
 恐れ入りますが、資料第1号、平成十六年第二回東京都議会定例会提出予定条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 表紙の次に目次がございます。
 番号1、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、関係法令の改正に伴いまして、所要の規定整備を行うものでございます。
 番号2、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、関係法令の改正に伴う所要の規定整備を行うほか、事務の新規移譲に伴います規定の追加を行うものでございます。
 番号3、都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 この条例案は、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令の施行に伴いまして、補償基礎額及び介護補償の額を改正するものでございます。
 以上が、今定例会に提出を予定しております案件の概要でございます。詳細につきましては、総務部長から説明させていただきます。どうぞよろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

○大橋総務部長 それでは、今定例会に提出を予定しております条例案三件の詳細につきまして、説明させていただきます。
 恐れ入りますが、資料第1号、平成十六年第二回東京都議会定例会提出予定条例案の概要の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 番号1、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部改正により、条番号にずれが生じたことなどに伴いまして、所要の規定整備を行うものでございます。施行日は公布の日を予定しております。
 二ページをお開き願いたいと存じます。
 番号2、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 改正点といたしまして、二点ございます。
 一点目は、1の法令の改正に伴う規定整備でございます。先ほどと同様、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部改正により、条番号にずれが生じたことなどに伴いまして、所要の規定整備を行うものでございます。
 二点目は、2の市町村への事務の新規移譲に伴う規定の追加でございます。児童福祉法等に基づく事務の一部を新たに市町村が処理することとするものなどでございます。施行日は、1につきましては公布の日を、2につきましては平成十六年十月一日を予定しております。
 次に、三ページから四ページにかけてでございます。
 番号3、都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令の施行に伴いまして改正を行うものでございます。
 改正の内容は、休業補償等の算定基礎となります補償基礎額及び扶養加算額並びに介護補償額の引き下げを行うものでございます。施行日は平成十六年七月一日を予定しております。
 以上、簡単ではございますが、今定例会に提出を予定しております案件につきまして、説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○土屋委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 なければ、資料要求なしと確認させていただきます。

○土屋委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○石渡行政改革推進室長 第二次都庁改革アクションプランの実施状況についてご報告させていただきます。
 お手元の資料第3号、第二次都庁改革アクションプラン実施状況報告の概要をごらんいただきたいと存じます。
 最初に、1の報告の内容についてでございます。
 昨年十一月に策定したアクションプランでは、十五年度から十八年度までを実施年度とする二百八十九の改革施策を掲げております。
 このうち、今回、報告の対象としておりますのは、十五年度を実施年度とする施策はもとより、組織改正など十六年四月一日までに実施済みの施策、さらに、一つの施策で複数の取り組みを行うもののうち、その一部を実施した施策についても、取り組み状況を報告しております。
 次に、2の実施状況でございます。
 今回報告する百八の施策のうち、実施済みの施策は五十六、未実施は一、一部を実施した施策は五十一でございます。未実施の施策は、公営企業における数値目標を用いた経営計画の策定で、交通局、下水道局は実施済みですが、水道局は未実施となっております。条件が整い次第、実施する見込みでございます。
 続きまして、3の実施した主な施策でございます。
 民間委託の拡大では、宅地建物取引業者の免許などの受付業務などについて、本年四月から民間事業者に委託してございます。
 ITにおけるサービス向上では、都の手数料、使用料の一部にマルチペイメントネットワークを導入し、身近なATMやパソコン、携帯電話からの支払いが可能となるなど、都民サービスの向上と収納事務の効率化を図っております。
 裏面をごらんいただきたいと存じます。
 都債制度の改革では、国が地方債の条件づけを行う方法から離脱し、都が個別に都債の発行条件を交渉する方式に移行しております。
 保有財産の利活用推進では、財産の新たな利活用について、今後の基本的な考え方、取り組みを示す、第二次財産利活用総合計画を策定いたしました。
 組織改革では、都市整備局の設置など、予定どおり実施しております。
 また、監理団体改革では、ネーミングライツの導入など、団体みずからが経営改革に取り組むとともに、都からの財政支出や職員数の削減を進めております。
 最後に、4の風土改革についてでございます。
 風土改革は、現場も含めた都庁改革をより実効性のあるものとするため、各局みずから、仕事の進め方など日常業務の改善、改革に取り組むものでございます。今回は、局独自の改革行動計画を初め、各局の取り組みについて、トップのリーダーシップ、職員、職場の自主性など、事項別に具体的な事例を紹介しております。
 以上が主な内容でございますが、詳細につきましては、お手元の資料第4号、実施状況報告をごらんいただきたいと存じます。
 報告は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○金子総合防災部長 三宅島帰島プログラム準備検討会報告書についてご報告を申し上げます。
 本報告書は、昨年十月に、内閣府、東京都、三宅村共同で設置した検討会におきまして、帰島に際して必要となる各種対策と課題について検討した結果を、本年三月三十日に取りまとめたものでございます。
 検討に当たりましては、火山ガスによる健康影響を最小限に抑えるための安全確保策を検討する安全分科会、災害復旧の仕上げと居住環境の整備に係る事項を検討する基盤分科会、帰島後における当面の生活に係る事項を検討する生活分科会の三つの分科会を設けております。
 それでは、お手元の資料第5号、三宅島帰島プログラム準備検討会報告書の概要に基づきまして説明をさせていただきます。
 一ページの、はじめにでございますが、本報告書に掲げる各種対策の実施につきましては、帰島時の状況を踏まえて必要性を検討した上で、財源の手当てを含めた具体的な実施計画を策定し推進すること。また、今から実施できるものは直ちに取りかかるとともに、今後は、残された課題の検討や、帰島の時期や方法を含めた各種対策の準備を遅滞なく進めることとしております。
 次に、1、安全分科会でございます。〇印の事項にありますように、火山ガスの監視・観測体制の整備、火山ガス情報の伝達、避難体制の整備、高濃度地区対策等について、必要となる対策や課題を取りまとめております。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。
 2、基盤分科会でございます。砂防ダムの整備等による居住地の安全確保、村営住宅の整備、堆積土砂の排除等による居住場所の確保、教育施設や公共施設の復旧、都道の整備など安全な交通網の確保、治山、林道・森林の復旧、農地の復旧など生産基盤施設の整備等について、必要となる対策や課題を取りまとめております。
 三ページに移らせていただきます。
 3、生活分科会でございます。生活、福祉・教育、住宅・災害廃棄物処理及び産業・雇用の四つの分野について、それぞれ必要となる対策や課題を取りまとめております。
 なお、各分科会で検討されました対策や課題の詳細及び必要と考えられる取り組みの内訳につきましては、資料第6号の本文に記載してございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 以上、簡単ではございますが、三宅島帰島プログラム準備検討会報告書の概要について報告をさせていただきました。よろしくお願い申し上げます。

○土屋委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は、ご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上で総務局関係を終わります。

○土屋委員長 これより知事本局関係に入ります。
 初めに、先般の組織改正により知事本局長に就任いたしました前川燿男君から、あいさつ並びに人事異動に伴い兼務となりました幹部職員の紹介等があります。
 知事本局長に就任をいたしました前川燿男君をご紹介いたします。

○前川知事本局長 四月一日付の組織改正に伴いまして知事本局長を命ぜられました前川燿男でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 当局は、これまでも全庁的な視点から、各局の事業について横断的、総合的な調整を行い、都政の方向づけを行ってまいりましたが、こうした役割を一層明確にするために、四月一日から組織名が知事本部から知事本局へと変更されました。もっとしっかりやれという意味だろうと受けとめておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、先般の人事異動に伴いまして幹部職員に異動がございましたので、ご紹介いたします。
 国政広域連携担当部長の野澤直明を首都調査担当部長兼務といたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、本日ご報告いたします地方分権改革に関する東京都の基本的見解の説明員を紹介申し上げます。
 秋山俊行政策担当参事でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
   〔理事者あいさつ〕

○土屋委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○秋山参事 知事本局では、財務局及び主税局と共同で、去る五月十四日、地方分権改革に関する東京都の基本的見解を発表いたしました。
 これにつきまして、お手元配布の資料第1号に基づきましてご説明いたします。
 一ページをお開きください。一ページから三ページまでが、第Ⅰ章「この国のかたちをかえる」でございます。
 一ページは、「1 中央集権・官治の統治システムは、歴史的な使命を終えた」でございます。
 地方交付税制度や国庫補助負担金など旧来のシステムは、国民が一定水準のサービスを享受できるようにする上で大きく貢献をしてまいりましたが、社会の変動によって、歴史的使命を終えたことなどを述べております。
 二ページをお開きください。「2 大都市と地方が共存共栄するシステムをつくり出す」でございます。
 大きな社会変動に対応して、大都市圏が先頭に立って我が国の発展を促進し、地方も、地域の個性を発揮してみずからの足で立ち、大都市とともに共存共栄するシステムをつくり出すことが必要であることを述べております。
 その一方で、地方分権の本旨に即した新たな財政調整制度の必要性を認め、さらに、いわゆる東京ひとり勝ち論は的外れの議論であるとの主張を展開しております。
 三ページをごらんください。「3 地方の自主・自立が日本を再生させる」でございます。
 地方の自主・自立の営みの総和が国を支える新たなシステムへと、この国の形を変えることが日本再生への道であることなどを述べております。
 続きまして、四ページをお開きください。四ページから六ページまでは、第Ⅲ章「自治を破壊し、膨大なムダを生んでいる地方財政制度」といたしまして、現行制度の問題点について記載してございます。
 四ページ上段は、「1 国による、全国画一基準・フルセットの事業メニューが、自治の発展を妨げている」でございます。
 国が、全国画一の基準・フルセットの事業メニューを展開していることが、地域の実情を無視した膨大なむだの発生と、没個性的なまちを生んでいるとの主張を展開しております。
 四ページ下段は、「2 国税の相当部分を国が地方に配分する仕組みが、地方支配・国依存の構造を温存している」でございます。
 経済活動が活発な大都市圏を中心に納められた国税の相当部分を国が地方に配分するシステムが、日本の発展を阻害し、国による地方支配と地方の国依存の構造を温存する結果をもたらしていると考えております。
 五ページ中段をごらんください。「3 交付税制度は、本来の目的から逸脱し、景気対策、減税補てん、政策誘導で水ぶくれして、膨大な借金を残した」でございます。
 (1)では、国が交付税の本来の目的を逸脱し、国の景気対策や減税補てんなどに利用した結果、水膨れした交付税総額の現状を、五ページ下段の表で示しております。
 ページをめくっていただきまして、六ページ上段の(2)では、その結果、交付税制度に百二十兆円もの膨大な借金が積み上がり、既に破綻状態であることを記載してございます。
 下段の「4 国による過剰な再配分が大都市圏の活力を十分に発揮させていない」では、人口一人当たりの納税額と実質的配分額の逆転状況を示し、その結果、大都市における投資が阻害され、大都市の活力を低下させていると述べております。
 七ページをごらんください。七ページから一〇ページまでは、第Ⅲ章「地方分権改革、東京都はこう考える」といたしまして、都の考える地方分権改革の内容につきまして、記載してございます。
 七ページ上段の「1 国のかたちをかえることが改革の本旨である」では、国の役割を明確にした上で、地方がみずからの足で立ち、みずからの頭で考えることができる仕組みを構築することが、地方分権改革の本旨であることなどを主張しております。
 七ページ下段の「2 自立と自己責任を基本に、地方の知恵と力が発揮できる仕組みをつくる」では、八ページ以降に示してございます改革の具体的内容を一体として実施すべきことを提案しております。
 八ページをお開きください。2-(1)の、国の責務である基礎的サービスは国が全額負担し、その他の国庫補助負担金については全廃すべきでは、生活保護や義務教育など国民生活の基盤を支える行政サービスについては、国がその財政責任をすべて負い、全額負担するとともに、国庫補助負担金については廃止すべきことを提案しております。
 続きまして九ページをごらんください。上段の「2-(2) 基幹税による税源移譲を実施すべき」では、国と地方の役割分担を明確にした上で、地方自治体の事務と権限に見合う税源が、基幹税である所得税、消費税により移譲されるべきことを提案しております。
 下段の「2-(3) 新たな財政調整制度を導入すべき」では、税源移譲を行っても、財政的自立が困難な自治体に対して、現行制度を抜本的に見直した新たな財政調整制度の導入について提案してございます。
 一〇ページをお開きください。上段の「2-(4) 地方交付税制度に累積した百二十兆円の借金について、国は解消策を示せ」では、交付税制度に累積した膨大な借金解消策の具体的な措置を示すことを国に求めております。
 中段の「3 改革を進める上での課題」では、国と地方の歳出構造と国の役割のあり方など、今後の検討課題につきまして記載してございます。これらにつきまして、今後検討を進めまして、秋にも制度構築に向けた具体的な提案を行う予定でございます。
 一一ページをごらんください。一一ページから一三ページまでは、第Ⅳ章「『骨太の方針二〇〇四』に向けた緊急提言」でございます。
 こちらは、来月上旬にも経済財政諮問会議が策定すると聞いております骨太の方針二〇〇四に対する対案でございまして、当面必要な最低限の事項について、緊急に提言を行ったところでございます。
 一一ページ、下段、1、税源移譲では、当面の最優先課題として、国税と地方税の比率が一対一となるよう、基幹税である所得税、消費税による六・七兆円の税源移譲を行う事を提言しております。
 一ページめくっていただきまして、一二ページをごらんください。中段の2、国庫補助負担金の改革では、国と地方の役割分担等に即した見直しを行い、奨励的国庫補助金の原則廃止などによって、三・五兆円の削減を行うことを提言しております。
 また、一三ページ上段の3、地方交付税等の改革では、税源移譲、国庫補助負担金の削減効果などを交付税に反映させることなどによって、四・六兆円の削減を行うことを提言しております。
 一三ページ下段には、これらの提言で見込まれる効果を記載しております。
 最後でございますが、一四ページをお開きください。
 参考資料といたしまして、四月二十六日の経済財政諮問会議で発表されました総務大臣案と、それに対する財務大臣意見書の問題点と、都の反論をまとめたものでございます。
 以上、大変雑駁ではございますが、説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○土屋委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○土屋委員長 次に、陳情の審査を行います。
 一六第八号、自衛隊イラク派兵中止及び国連中心のイラク復興・支援を求める意見書提出に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高橋企画調整部長 それでは、お手元の資料第2号、陳情審査説明表に基づきましてご説明いたします。
 表紙をおめくり願います。一六第八号、自衛隊イラク派兵中止及び国連中心のイラク復興・支援を求める意見書提出に関する陳情について説明させていただきます。
 この陳情は、東京平和委員会事務局長、岸本正人さん外百八十名から提出されたものでございます。その要旨は、日本政府に対して、自衛隊のイラク派兵を中止し、イラクの人道支援・復興活動は国連中心に行うことを求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございますが、平成十五年七月に、イラク人道復興支援特別措置法が成立いたしました。
 この法律の目的は、同法の第一条によりますと、イラクにおける国民生活の安定と向上や、民主的な手段による統治組織の設立等に向けた自主的な努力を支援し促進する国際社会の取り組みに関し、我が国が主体的かつ積極的に寄与するため、国際連合安全保障理事会決議第一四八三号を踏まえ、人道復興支援活動などを行うことにより、我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することとなっております。
 その後、この法律に基づきまして、十二月にはイラク人道復興支援基本計画が閣議決定されました。
 平成十五年十二月に、航空自衛隊の先遣隊が派遣され、その後、平成十六年一月には陸上自衛隊の先遣隊が派遣されておりまして、現在では約七百六十名が現地で活動を展開しております。
 主な業務内容は、同法第三条によりますと、医療、食料・衣料・医薬品等の生活関連物資の配布、施設や設備の復旧・整備等となっております。
 以上で、この陳情につきましての説明を終わらせていただきます。

○土屋委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○古館委員 それでは、一六第八号、自衛隊イラク派兵中止及び国連中心のイラク復興・支援を求める意見書提出に関する陳情について意見を述べます。
 もともと国連の指示もなくアメリカが勝手に始めたイラクへの侵略戦争と、戦争終結宣言をした後の引き続く軍事占領が、今深刻な破綻と世界的な批判を受けています。大体、大量破壊兵器を隠し持っているとしたブッシュ大統領の口実も、全くでたらめであったことがはっきりとし、大義のあるものが完全に崩れた中にあっても、米軍は、ファルージャでの無差別の虐殺、さらにはジュネーブ条約違反が濃厚な米軍による拘束したイラク人への拷問、凌辱、虐待、最近では結婚式への爆撃、新郎も新婦も殺され、そこでの死者の人数は四十人を超え、これまでに子ども、女性、高齢者などイラク市民の一万人余は殺されているなど、米軍のイラク国民への弾圧がますますエスカレートしています。
 こうした現状の中で、米軍はイラクから直ちに撤退せよとの痛切な声が、イラク国民のみならず全世界の共通の声として広がっております。実際、イラク国民の反米意識はいよいよ大きな広がりを見せ、例えば、米CNNの調査では、イラク国民の七一%が駐留軍を占領者だと認識している結果を発表するなど、独立イラクを求めて、イラク国民が全土で立ち上がっている状況が明らかになっております。そうしたイラク国民の行動に対して、米軍はさらに弾圧を繰り返すという悪魔の循環を、これ以上繰り返させてはなりません。
 こうした中で、駐留軍としての自衛隊の派兵、派遣そのものの根拠、すなわちサマワは安全だ、非戦闘地域だから大丈夫だなどとのいい分が、サマワで迫撃砲が打ち込まれるなど戦闘地域化しており、安全だという根拠そのものが根底から崩れていることは、日々のマスコミ報道が明らかにしています。
 私どもが重要視しなければならないことは、イラク、アラブ社会で、今日本への見方が変わってきているということです。アラブ首長国連邦のアルバヤンという新聞が、イラク占領への日本の参加は、たとえわずかな数による軍隊でも、日本がこれまで他国との外交関係をつくる上で、親切で平和的国としてみずからを演出してきた努力を台なしにするものだとの記事を掲載し、この文面の見出しが、親切な日本人よさようなら、というものです。実際にシーア派とスンニ派といわれているイスラム教の二つの指導者が、自衛隊派兵は反対だと述べていることが伝えられ、さらに「アルサマワ」という地元の新聞が四月に行った世論調査では、五一%のサマワ市民が、自衛隊は利益になっていないと回答しているのです。
 こういう状況全体を見た場合、このまま日本が派兵を続けていけば、イラクの国民全体を敵に回すことになり、取り返しのつかない事態に足を踏み入れることになります。今、イラクから駐留軍を撤退させている国が続々と出ているのも特徴であります。スペイン、ニカラグア、シンガポール、そしてポーランド、ノルウェー、ホンジュラス、ニュージーランドなどが撤退を検討しているなど、イラクからの各国占領軍の撤退が流れ的に出ているなど、米国の無法な戦争と占領支配が、いよいよ孤立したものになってきています。イラクからの撤兵という連鎖が続いている中で、日本の自衛隊がイラクから速やかに撤退することは、憲法九条を持っている国として当然のことです。今こそ日本が米軍などの軍事弾圧と軍事占領を直ちにやめるように強く働きかけ、国連中心の枠組みに速やかに移行させ、イラク国民による自主独立の国づくりを支援する国へと、根本的な転換をすることが緊急、重要な使命だと考えています。
 石原知事が、イラクへの自衛隊派兵に対して、派兵を当然視する態度をとり、もし自衛隊が攻撃を受けたら相手をせん滅すべきであるとか、さらに、外国の軍隊が攻撃された場合も反撃するべきだなどと述べましたが、イラク国民の多くが戦争の犠牲にされているという現実を、全く考えないばかりか、憲法九条をあからさまに踏みにじるものであり、首都の長として全くふさわしくない言動であるといわなければなりません。
 だからこそ、首都の東京都議会が、政府に対して、自衛隊のイラクからの撤退を求め、国連を中心としたイラクへの人道支援・復興に切りかえることを求めて意見書を上げる意味は、極めて大きな意味があると確信をしています。よって、本陳情には賛成をいたします。
 以上です。

○土屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○土屋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第八号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で知事本局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る