総務委員会速記録第四号

平成十六年三月十八日(木曜日)
第一委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長土屋たかゆき君
副委員長中屋 文孝君
副委員長藤田 愛子君
理事富田 俊正君
理事長橋 桂一君
理事山田 忠昭君
真木  茂君
古館 和憲君
星野 篤功君
橋本辰二郎君
大山  均君
大西 英男君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本部本部長前川 燿男君
儀典長伊藤  誠君
次長只腰 憲久君
企画調整部長高橋 道晴君
秘書部長松田 二郎君
政策部長三枝 修一君
政策担当部長横田基地共用化推進担当部長兼務河島  均君
参事野口 宏幸君
参事新行内孝男君
参事岩井 壯三君
国政広域連携担当部長野澤 直明君
首都調査担当部長関口 栄一君
自治制度改革推進担当部長平田  章君
国際共同事業担当部長斉藤 一美君
治安対策担当部長久保  大君
参事高嶋  明君
選挙管理委員会事務局局長押切 重洋君
監査事務局局長松澤 敏夫君
参事北村 晴史君

本日の会議に付した事件
 知事本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出 知事本部所管分
報告事項(質疑)
・平成十五年度行政評価結果について
 選挙管理委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出 選挙管理委員会事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第四十八号議案 東京都選挙管理委員の報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例
・第四十九号議案 選挙長等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 監査事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十六年度東京都一般会計予算中、歳出 監査事務局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十二号議案 東京都監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例

○土屋委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、知事本部、選挙管理委員会事務局及び監査事務局関係の平成十六年度予算の調査、選挙管理委員会事務局及び監査事務局関係の付託議案の審査並びに知事本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより知事本部関係に入ります。
 予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案中、歳出、知事本部所管分及び報告事項、平成十五年度行政評価結果についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高橋企画調整部長 去る二月二十三日の当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます総務委員会要求資料第1号、都市外交の推進をごらんください。都市外交の推進に係る主な事業について記載してございます。
 まず、都市外交の企画調整でございますが、北方領土返還運動の推進や財団法人海外日系人協会への分担金の支出などでございます。
 次に、首長外交及び国際儀礼は、首都の知事としての外交や、都を訪問される外国からの賓客等への接遇などであります。
 次の、海外広報及び情報収集では、英文ホームページの管理運営などを行っております。
 最後の、財団法人自治体国際化協会でございますが、財団法人自治体国際化協会は、地域の国際化を推進するための地方公共団体の共同組織でありまして、この団体に対し、全国の道府県と同様に、自治体宝くじの益金を原資といたしまして分担金を支出しているものでございます。
 以上の事業の経費を合計いたしまして、都市外交の推進に係る平成十六年度予算案といたしまして、四億六干三百三十四万余円を計上してございます。
 次に、ページをおめくりいただきまして、資料第2号、過去の行政評価対象事業の見直し状況をごらんください。
 平成十一年度から十三年度までに、行政評価の試行を含めまして、評価を行った事業のうち、見直し等が必要とされた事業は、この表の左下の総計欄にお示ししましたように、合わせて百十一事業でございます。
 これらの事業につきましては、平成十三年度までに見直しが終了した事業が五十七事業、平成十四年度に見直しが終了した事業が四十事業、合わせて九十七事業で見直しが終了しております。
 なお、検討中の事業及び平成十四年度に評価を行った事業につきましては、現在見直し状況を調査中でございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○土屋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○山田委員 それでは、知事本部に質問をさせていただきたいと思いますけれども、先日、知事の定例記者会見がございまして、私も拝見をいたしました。
 その中で、東京の住宅市場は競争原理が機能していないから、戸建て住宅の大部分を占めている中小工務店の生産システムを合理化して、価格の値下げを実現することで、高級化、高価格化指向に安住している大手住宅メーカーにも影響を与えていきたい、これに関連して、まず東村山地区の先行まちづくりの場を活用して実証実験を行っていきたい、ということが述べられてありました。
 私も含め多摩地域に住む者にとっては、このような実験によって、広くて質がよい低廉な住宅供給のきっかけになれば、そしてまた、このことが多摩地域から起こるということになれば、大変喜ばしいことだと思っております。
 先行まちづくりプロジェクトというのは、昨年のを引き続いて重点事業として取り上げておられます。今回、こうした取り組みにも活用されるなど、東京のまちづくりを進めていく上で非常に重要なプロジェクトであると思います。
 こうした観点から、先行まちづくりについて幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、東村山では具体的にどのようなまちづくりが進められているのか、お尋ねをいたしたいと思います。

○岩井参事 東村山での具体的なプロジェクトの内容でございますけれども、ここでは、多様な世代が集うゆとりある美しい住宅市街地の形成をコンセプトといたしまして、地域で安心して暮らし続けられるまちを実現するための、多摩地域の郊外型居住モデルとなるプロジェクトを進めてまいります。
 具体的には、定期借地権制度などを活用した低廉な価格で、より広い住宅の供給、あるいは日常生活を支える店舗、緑豊かな環境やオープンスペースなどを備えた、豊かで生き生きとした住宅市街地の形成、こういったことを誘導目標としたまちづくりを進めてまいります。

○山田委員 ただいまご答弁いただきましたけれども、昨年の先行まちづくり実施地区のプレスの発表のときに、東村山地区で低廉な価格でより広い住宅の供給を行うための方策として、今ご説明がありましたように、定期借地権を活用するものとしたというご説明もございました。
 定期借地権の土地の価格は住宅価格に顕在化しないという点では、低廉化に寄与するものでありまして、そうすると、今回の実証実験は、定期借地権に加えて、上物である建物の価格を下げるための取り組みであるというふうに思います。
 こうした取り組みが同時に行われるということは大変有意義なことであると思います。先行まちづくりとしては、これまで想定していなかった誘導目標に加えて、この価格破壊ともいうべき実証実験が追加されるわけでありますが、この実験と先行まちづくりとは両立すると思ってよろしいのかどうか。
 また今後、東村山のプロジェクトは具体的にどのように進められていくのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。

○岩井参事 先行まちづくりといたしましては、約九・五ヘクタールの区域全体を対象にいたしまして、先ほど述べました誘導目標を実現するためのまちづくりを進めようとしているものでございますが、この中で、戸建て住宅の供給も想定しているところから、定期借地権による敷地を確保した上で、その一部地域を活用いたしまして、公募によりこの実証実験を行おうとするものでございます。
 また、区域全体の先行まちづくりの具体的な事業の推進につきましては、現在、住宅局において事業実施方針を検討しているところでございまして、来年度中には事業者を公募し、十七年度の着工を目指しているところでございます。

○山田委員 わかりました。ぜひこの事業を推進して成功されるよう期待をいたしております。
 ただいま具体的なご説明をいただきましたけれども、進めるに当たっては、住宅局がこれまで取り組んで進められてきたと思いますが、住宅局につきましては来年度から都市整備局に統合されるというわけでございまして、来年度以降の先行まちづくりプロジェクトの推進体制はどのように進められていくのか、お尋ねいたします。

○岩井参事 来年度以降の先行まちづくりプロジェクトの推進体制でございますけれども、知事本部は、財務局など関係局との調整を行いながら、先行まちづくりに活用可能な土地の生み出し、あるいはまちづくりの大まかな方向づけを行ってまいります。
 これを受けまして、住宅局などを統合した都市整備局では、まちづくりの方向性が示された土地につきまして、事業を具体的に展開していくために、関係局から成るPTを設置した上で、プロジェクトの具体的な目標や事業手法の検討を行い、事業を推進してまいります。

○山田委員 ぜひ、各局連携をいたしまして、鋭意この事業を進めていただきたいと思います。
 先行まちづくりについて何点か質問をさせていただいたわけでありますけれども、この東村山地区のような都有地が今後とも数多く出てくると思います。これらの土地を単に売却をするということではなくて、このような取り組み、新しい取り組みによって、まちづくりを有効に活用していくことをぜひお願いいたしたいと思います。
 また、こうした観点から、今後も、活用可能な都有地につきましては、積極的に先行まちづくりを展開し、東京のまちづくりを推進してもらいたいと思いますけれども、最後に、知事本部長の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

○前川知事本部長 この先行まちづくりを発案した背景でございますけれども、都民の実感としても、東京というのは、ダイナミックで個別のまちは大変魅力があるのだけれども、全体として見ると、美しさという点でも問題ありますけれども、住みやすさとか快適さという点でもまだまだ不十分である。そして、そのことが実は、良質で低価格の住宅の供給であるとか、都市環境の改善であるとか、あるいは国際競争力を強化するとか、そういった面でもいわば支障になっているというのが現実であろうと思います。
 そこで、こういう状況をどう打開するかでありますけれども、抽象的でいわば形の都市計画プランをつくっても余り有効ではないということは、もうさんざん学習したわけであります。そこで、大きく二方向をやっていきたいと。一つは、ご承知のとおり、都市再生のような拠点整備であったり、あるいは環状道路等の都市インフラの整備である。もう一つは、具体的に個別のまちづくりを積み上げていこう。積み上げる場合には、東京都が積極的に関与をしていく、それも個別の局がこれまでのように住宅とか産労とか個別に関与するのではなくて、都庁全体として、いわば総合的な仕切りをしながら、力を合わせていこう、そのために知事本部も一緒にやっていこう、そういう発案で進めているわけでございます。
 お話ありましたように、まだこれから、都有地も残っておりますし、そういったものも、可能な場合、十分活用しながら、また民間の力も活用して、周辺の方とも力を合わせながら、この先行まちづくり、ぜひ努力をして頑張っていきたいと思っております。

○真木委員 私は、行政評価につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 私にとりまして初めての総務委員会の中で、行政評価と接するわけでございまして、今までもこれを見たことは当然ございますし、勉強もさせていただきましたが、改めてこうやって詳細に見させていただきまして、すばらしい活動を行政みずからの中で努力をされているなということを認識しつつ、せっかくすばらしいことをやっているのに触れないわけにはいかないなという立場で、応援をする立場で質問させていただきたいと思います。
 先ほど、資料の方にありましたが、百十一事業を今まで検討・見直し対象事業とし、そして九十七もの事業で見直しがもう済んでいると。なお、残りの十四につきましても検討中であるということで、着実に知事本部の行政評価が都全体の行政に生かされているということを実感をいたします。
 そうした中で、ただ、今回のものを見ますと、三十八事業を選定し、二十事業が見直しということになっています。そうすると、この評価対象事業の選定については、ある程度ねらい撃ちをして、見直しすべきものをという観点で選んでいるのかな、それとも、どういう選び方をしているのかな、それにつきましてまず確認をしたいと思います。

○新行内参事 評価対象事業の選定についてのご質問でございますが、行政評価を実施するに当たりましては、特定のテーマを定めた上で個々の事業を選定しているということでございまして、もう少し具体的に申しますと、まずテーマの選定についてでございますが、補助・助成に関する事務事業につきましては、昨年七月に発表いたしました、都政の構造改革の視点と方向で、補助金の見直しを考えておりますので、テーマとして選定したところでございます。
 また、普及啓発、人材育成などの都民サービス事業につきましては、都が直接実施する事業の中で今まで評価対象になっていないものとして選定したところでございます。
 そうしたテーマを踏まえまして、個々の事業の選定に当たりましては、都の果たすべき役割の検証が必要なものなどの問題意識を持って事業を選び、各事業所管局との調整の上、知事本部で決定しているところでございます。

○真木委員 この行政評価結果の四ページ、五ページの一覧表を見ておりますと、環境局が二つほど対象事業に含まれております。偶然かとは存じますが、環境局がともに見直しというぐあいになっている。ちょっと私そこの辺が、自称環境族としては気になるところでございまして、環境局のやっている事業などというものは、およそ端的には、数字でありますとか、端的な結果となって見えにくいものがございます。こういったものが不利になりはしないかなということで、ちょっと気にするものでありますけれども、その点につきましての感想について、ご見解をいただきたいと思います。

○新行内参事 ご指摘の環境局の二事業は、評価書のナンバー5、二八ページ以下記載の、地下水保全対策と、ナンバー21、九二ページ以下記載の、緑の保全活動に関する人材育成制度、この二事業だと思いますが、地下水保全対策(雨水浸透ます設置補助事業)につきましては、浸透ますの目標設置基数という指標が設定されておりますし、また緑の保全活動に関する人材育成制度につきましては、指導者認定数という指標が設定されているほかに、指標以外の成果についても把握を行ったりしているところでございまして、このように数値で示される指標や、事業によっては指標以外の成果も用い、事業の実績について的確な把握に努めているために、事業の性質により有利、不利というようなことはございません。

○真木委員 どうぞ、事業の種類によってちょっと不利になりがちな傾向があるなんてことがないようにしていただきたいというぐあいに強く思います。
 確かに、例えば労働知識の普及啓発などという、なかなか成果の見えないようなものでも、着実実施という形でやられております。また、地下鉄利用促進のための広報なんていわれると、こんなもの要らないのじゃないかななんて思って見るのですけれども、着実実施となっているから、なぜかなと思うと、まあそれなりに妥当性がある評価をしていただいているんだなということで、感心をしながら拝見をさせていただきました。
 しかし先ほど、三十八事業選定をされた、これは何もねらい撃ちをしたわけではないということで理解をしていいのだと思うのですが、ねらい撃ちをして三十八事業中二十事業が見直しならばわかるのですけれども、アトランダムに選んで三十八分の二十、過半数が見直しだということになりますと、東京都の指標というのは半分以上は見直しすべきものなのかなというと、やっぱり東京都の仕事に誇りを持っている一人として、どういうことなんだと思っちゃうのですけれども、この見直しというのには、言葉の幅があるような感じがいたしますが、ご説明を願います。

○新行内参事 抜本見直しにつきましては、事業の廃止の検討を求めるものから、事業の推進のために実施方法の改善を求めるものまでが含まれております。確かに、四ページ、五ページの一覧表におきましては単に見直しと書いてあるわけでございますが、それぞれの個々の評価票におきましては、見直すべき内容について具体的に指摘をしておりますし、その評価による事業見直しの方向性というものもはっきり打ち出しておるところでございます。

○真木委員 五段階評価--積極的推進、着実実施、見直し、抜本的見直し、廃止または休止という五段階評価になっているかと思うのですが、事実上は三段階評価という形になっておるのだと、三段階評価というか、廃止または休止というのは、基本的にはほとんど最近はないわけでございますし、積極的推進といって持ち上げるものもそんなにあるわけじゃない。
 そうしますと、着実実施か、見直しか、抜本的見直し、その中で、見直しが、意義はあるけどやり方を見直しなさいよというものと、意義自体がちょっと考えたらいいのじゃないかというようなこと。これは詳細に見ればわかるわけでありますけれども、事業の見直しといいますと、やり方を工夫しろよというニュアンスよりも、存在価値自体を否定がちに見られがちになってしまいますので、この辺の書き方にもう一工夫あるともっと勇気づけられるのかなというふうな感触もした次第でございます。
 さて、この票を見ておりますと、それぞれ事業主体の局が基本指標という名前を使っておりますけれども、自分たちの仕事の達成度を、自分たちの局で、やった事業局が数値化をしております。例えば一四ページ最初のチャレンジ事業交付金にしましても、総務局がみずから、この仕事、九六・八%を達成したよというふうな数字を出されています。これは非常におもしろいなと思って私は拝見させていただきました。
 決算委員会に所属をしたときに、決算委員会の決算書が、予算、執行率だけが書いてあります。そうすると、どれだけの事業をやったかというのは全く関係なくて、予算をどれだけ使ったかだけが書いてあるわけですね。そうすると、執行率が五〇%とか三〇%だと、執行率が少ないと問題がある。八〇%を切ったりすると問題があるように思われて、仕事はうまく進んでなくても、執行率が九七%とかだと何も問題がないように見えてしまうわけであります。
 そこで、大塚出納長と、目標達成率みたいなものを自己評価で出してもらって、そして、自分たちは当初の目的の一〇〇%達成したものを予算は八〇%でやったよといったら、そんなにすばらしいことはないわけだし、当初の目的の五〇%しか達成しなかったけど予算は一〇〇%使っちゃったといったら、これは問題だと、自己申告でいいからそういったものを決算書の中に出すような工夫というのはできないだろうかというような議論をしたことがございます。
 なかなか現実には難しいのだろうなと思っておりましたが、この行政評価の中では、自分たちの局の自分たちの仕事の達成度を、自分たちに出させています。その過程では大変な知事本部のご苦労があるのだと思いますけれども、こういったものを、知事本部、ヘッドクオーターというのかな、司令塔でございますので、各局に、何もこの行政評価の対象だけじゃなくても、出させるようなことに工夫をしていただくというようなことはできないでしょうか。

○新行内参事 各局で事業を行うに当たりましては、当然、具体的に目標を立てて、成果を把握し検証しながら進めておりまして、また、都民への情報提供にも努めているところでございます。
 ただ、事業の内容によりましては、各局間の調整や全庁的な視点からの調整が必要なものもございますので、知事本部におきまして客観的、統一的な視点により、行政評価というものを行っている、こういうことでございます。

○真木委員 この行政評価を出していただく中で、この基本指標を何に使うのか、どの数字を使うのかというようなことで、知事本部と担当局とで相当な激しいやりとりもあったというぐあいに聞いております。確かに都合のいい数字だけを持ってくることになるでしょうから、一つ一つ知事本部が見ていただいて、初めて意味のあるこういった達成度というものが出てくるのかなということで、自主申告に任せればいいわけでもないので一律にというのは難しいなという感じはいたしますけれども、今後の課題としてぜひ研究をしていただけたらなという希望を持ちます。
 また、この行政評価の結果につきましては、知事本部の方で冊子を出されています。立派な冊子を出されていることを初めて知りまして、これは私、今まで総務委員会に入っていなかった人間のところにも来たのだろうかということでお尋ねしましたけれども、これは来ないのですよね。ホームページ等では見ているわけですけれども、これは配られないですよね。--せっかくいいことをやっているのだから、少しでも広く周知していただいたらいいのかなというぐあいに思ったりもした次第でございます。
 昨日の七時までは通告していたのはこれだけでございました。私はこれで終わるつもりでいたのですけれども、昨日、私は用事がありまして、五時半に地元町田に帰りました。小田急線の駅をおりて、うちのスタッフに迎えにきてもらっていまして、出口を出たすぐ目の前に車がありましたので、飛び乗ろうとしたその瞬間に物すごい爆音で、びっくりして空を見上げ、飛行機が行き過ぎるまで私は立ちどまったままになってしまいました。今まで聞いたことのない音に初めて遭遇しまして、たまげて、そしてしばらく、一時間ぐらい、これがスーパーホーネットかというぐあいに思いながら、困ったなというところで、一時間ぐらいしたところで、これやっぱり最後に聞いておこうということで、電話をし、本当に担当の方にはご迷惑をおかけしましたけれども、質問通告をさせていただいた次第でございます。
 今、韓国の釜山にキティーホークが、イラクにずっと出陣をしておりましたが--きのうの七時半からのNHKテレビでも、キティーホークの搭乗員が死んでいったという、イラクに出港した米空母キティーホークは横須賀を基地としておりますが、出港していって、そこから飛び立った米兵が死んだというような特集番組もやっておられました。そういった形で横須賀の船、空母キティーホーク、厚木の飛行機というのは、世界の安全また危機と密接につながっているということを痛感をするわけでありますけれども、今、釜山に入港しているキティーホークの艦載機が厚木飛行場に戻ってきているという異常事態でございます。
 この現実、東京都はどのように認識をしておりますでしょうか。

○新行内参事 キティーホーク艦載機の厚木飛行場への飛来の件でございますが、在日米海軍厚木基地に確認しましたところ、三月十四日以降、十五機が同基地に戻ってきておりまして、今月十九日ごろまでいる見込みとの回答がございました。
 なお、キティーホーク艦載機につきましては、厚木飛行場のほか、嘉手納飛行場、岩国飛行場にも飛来していると聞いております。
 今回の厚木飛行場への飛来に関しまして、本日、朝までに私どもの方に、都の方に一件、町田市に二十四件の苦情が寄せられております。

○真木委員 昨年の十一月十八日だったかと思いますけれども、私はこの総務委員会の事務事業質疑の中で、スーパーホーネットの配備についてお尋ねさせていただきました。ちょうど十一月十二日であったかと思いますが、今までの中でももっともうるさい飛行機が厚木に配備されて、アメリカでも支障を来しているという飛行機が配備されたということをお尋ねをいたしました。
 昔、厚木基地の爆音が問題になったころは、F4ファントムでありました。そのファントムをはるかに超える、うるさい、また速い、高音も低音も、重高音、重低音--超高音というのかな、高音の幅も低音の幅も、今までのファントムよりもはるかにひどいホーネットが配備されました。
 それが今度は、スーパーホーネットという形で昨年より配備されています。私が質問したときには、昨年四機でございましたが、その後のスーパーホーネットの配備状況、どのように認識しているでしょうか。

○新行内参事 FA18Fスーパーホーネットは、F14トムキャット十二機の退役に伴って新たに配備されたものでございますが、ご指摘のとおり、昨年十一月に四機、そしてその後十二月に九機、合わせまして十三機が配備されております。

○真木委員 四機でも大変だったのですが、やっぱりふえてきてしまっております。これが十三機で済むのかどうかというのが非常にというか、このままじゃ済まないとなるのじゃないかなということが非常に懸念をされます。すべてがスーパーホーネットになったら大変だなということを痛感をする次第でございますが、私は、昨年十一月の総務委員会で、スーパーホーネットの配備以降の騒音状況の変化について、東京都としてまずはその被害の状況を把握すべきだということで要請をいたしました。騒音状況の変化につきまして把握しておりますでしょうか。

○新行内参事 環境局では毎年、騒音の影響範囲を把握するために、厚木飛行場の騒音測定を実施しておるところでございますが、ご指摘のとおり、さきの総務委員会で先生からお話がございましたスーパーホーネットの配備以降の騒音状況につきましては、この騒音測定結果に基づきまして騒音データを分析し、騒音状況を把握するよう環境局に依頼しておりまして、現在鋭意データを取りまとめているということでございます。

○真木委員 昨年の質問を受けてやっていただいているということで、深く感謝を申し上げたいと思います。東京都議会で議論できることというのは本当に、これは極めて国のマターでございまして、横田基地を初め厚木基地をどのように返還してもらうのかとか、そういった問題につきましてここで議論するつもりはございません。
 ただ、東京都としてできることとして、国の防衛施設庁、その防衛施設庁の支部であります横浜防衛施設局が、厚木基地をめぐる防音工事補助対象地域の見直しに、昨年の十月一日から入っていただきました。これは一昨年の九月、私が初めての本会議質問等でもこの問題について取り上げて、防音工事補助対象地域の見直しに向けて東京都としても取り組みを強化してもらいたいということでお願いをしました。で、東京都、本当に町田市に来ていただく数がはるかにふえたということで伺っております。そういったご努力について深く敬意を表するものでありますけれども、まだどこまで見直すのかということにつきましては、一切明らかになっておりません。
 返す返す申し上げますが、今までの防音工事補助対象地域は、滑走路の北と南を比べ、町田側と海側を比べると、北側の町田側の方が短くて、それが見事に都県境の境川で切られているわけであります。本当に一部、八十戸だけが、合理性が合わないところだけが、町田市の一部、出っ張ったところが入れられているだけでございまして、それ以外は見事に都県境で切られてしまっている。
 その防音工事補助対象地域を決めるのが、神奈川県を守備範囲とする横浜防衛施設局であって、町田市は、大宮にある東京防衛施設局の守備範囲だということで、どうもこの防音工事補助対象区域を決めるにも、都県境の問題が一つあるのじゃないかということを指摘をさせていただきました。
 東京都としても、東京防衛施設局に強く働きかけをしていただいていることは、私の質問を受けてさらに取り組みをしていただいていることは承知しているところでございますが、具体的な見直しに入ったところでございます。客観的に、あくまでも都県境が障壁とならずに、あくまでも騒音レベルで防音工事補助対象区域が再見直しされるように、東京都としての取り組みの強化を求めるものでありますけれども、ご所見を伺います。

○新行内参事 指定区域の見直しは、実地の騒音測定などを踏まえまして、客観的データに基づいてなされるものと承知してございます。
 また、横浜防衛施設局におきましても、指定区域見直しの調査に着手しておりまして、ことし一月には、スーパーホーネット配備後の影響の調査なども行っております。
 いずれにいたしましても、指定区域の見直しにつきまして、これまでも都は、町田市と連携して東京防衛施設局に要請してまいりました。町田市域における指定区域の見直しが適切に行われますよう、引き続き要請してまいります。

○真木委員 あくまでも合理的に行われるように、ウオッチングを強化していただきたい、要望活動を強化していただきたいと思います。今度の新見直しが、北と南を比べたとき、町田側と海側を比べたとき、町田側の方がやっぱり短かったというようなことがないように、新しい見直しにおいては、あくまでも客観的に、騒音のレベルでやっていただけるように、都県境などに関係なくやっていただけるように強く要請をしていただきたいというぐあいに思います。
 現在釜山にいるキティーホークからの艦載機が厚木に戻ってきているという、これは極めて異例の事態でございます。それだけ緊迫しているという状況なのかどうかはよくわかりませんけれども、いずれにしましても、最初配備が四機だったものが、十二月中に九機ふえて、今十三機になっている。これが今後ますますふえる可能性が高いといわざるを得ないと思います。
 私は前回のこの質疑でも、もう要請活動とかいうレベルを超えて、反対声明というようなことを出してもらいたいということをお願いをしたわけでありますが、そういった取り組みでありますとか、まずはスーパーホーネットがいかにうるさいかということを客観的に、一刻も早く把握をしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 環境局の方で計測を始めたところでございますけれども、まだどれだけ最大値が大きくなったかというようなことの分析ができているわけではありません。そういった分析を急いでいただくというようなことも含めて、ぜひ東京都として、厚木基地は神奈川県にある基地ではありますけれども、しかしながら、東京都民が騒音に苦しんでいるんだという実態を踏まえ、神奈川にある厚木基地だけれども、東京の基地問題として、さらに厚木基地への問題に対する取り組みを強化していただきたいと思いますが、ご決意をお伺いします。

○新行内参事 騒音対策の拡充につきましては、環境局が毎年実施しております騒音調査結果を踏まえまして、国に要望するとともに、都から国への提案要求にも盛り込んでおるところでございます。また、厚木基地に対しましては、毎年秋に、東京都知事と町田市長が連名で、騒音防止対策の拡充を柱とする総合要請を行っております。
 また、今回のキティーホーク艦載機の厚木飛行場への飛来に関しましては、都は外務省に対し、事実を確認するとともに、地元町田市などに騒音に関する苦情が入っている現状を伝えまして、情報提供など適切な配慮を求めたところでございます。スーパーホーネット配備後の騒音状況の把握につきましては、環境局と連携して、より詳細にデータの分析を行うなど、実態の把握に努めていく必要があると認識しているところでございます。
 いずれにいたしましても、都といたしましては、町田市の騒音問題への対応が適切になされますよう、環境局と連携し、町田市との協力関係も強化して、引き続き強く要望してまいります。

○真木委員 どうぞ、この間、取り組みを強化していただいておりますことに敬意を表しますが、しかしながら、取り組みを強化しなければならない事情ができて、新しくさらにふえたということをぜひご理解をいただきたいと思います。
 最後に、重ねて申し上げますけれども、横田基地というような問題もあります。羽田空港という問題もございます。しかしながら、音の質が全然違うのだということを、ぜひご理解をいただきたいというぐあいに思います。マフラーのついた羽田の飛行機と横田、横田の飛行機は多分マフラーはついていないのかな、騒音対策はされていないのかなとは思いますが、輸送機の大きなエンジンの音、ゆっくり飛んでくるあの音と、全くスピードの違うものとは、恐怖感が全然違うわけです。ダンプの音と暴走族の音との違いがあるわけですから、ぜひその辺につきましてご理解を賜り、強化をしていただきますことをお願い申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。

○長橋委員 私、治安対策の一つとして、万引き対策についてお伺いをしたいと思います。
 万引きは、最近、近年大変増加をしているということでございます。平成十四年度で、認知件数が、全国で十四万件余り、この十年間で倍近くにふえているということでございます。この万引きというのは、逮捕されてということになりますので、実際はこの十倍もあるのではないかな、こういうふうにもいわれているわけでございます。十四万件の十倍、そうすると、日本の人口の百人に一人は万引き犯だと、そんなことは決してないわけだと思いますけれども、数的にはそういう計算にもなるわけでございます。
 また、非常に低年齢化しているということも大きな問題になっております。また被害額も、例えば日本ドラッグストア協会の調べによりますと、ドラッグストアだけで十四年度、年間二百六十二億円にも及ぶといわれておりますし、そのほかにもコンビニ--コンビニなんかはこの間、記事に出ておりましたけれども、店長が万引き犯をつかまえようとして追っかけたところを逆にやいばにつかまって亡くなってしまった、こういう非常に悲惨な事件もあるわけでありますし、そのほかにもスーパーであるとかレンタルビデオ店とか、特に書店なんかは大きな問題になっているというふうにお伺いしております。
 そこで、今回、都内ではこうした万引きの被害状況の実態はどうなっているか、まずお伺いいたします。

○久保治安対策担当部長 平成十五年中の都内における万引きの認知件数でございますが、一万二千八百四十二件でございます。しかし、理事ご指摘のように、万引きには、警察に通報せずに店限りで処理されることもありますし、また発見されないものも少なくないことから、実際の万引き件数というのは、この数倍ともあるいは数十倍ともいわれているところでございます。また、各種の小売業界が万引き被害を受けていると聞いておりますが、個別の抽出調査は行っていますが、全体としての被害額については把握されていないのが実情でございます。

○長橋委員 都内においても急増しているんだと思います。この万引きで逮捕される、こういった犯人のうち、約三分の一は青少年である、こういうふうにいわれておりますけれども、その青少年の実態についてはどのように把握されているかお伺いします。

○久保治安対策担当部長 昨年一年間に万引きで検挙補導されました人員は、都内で八千七百六人おります。そのうち、十九歳以下の少年は、二千六百五十二人おりまして、全体の三〇%余りを占めております。

○長橋委員 三分の一、二千六百五十二人、さっきお話ししたとおり、それは、青少年の場合はまた特に、実際に補導されるということがない場合が多いのじゃないかと思いますので、それが数十倍にもなるというと大変な大きな問題であると思います。
 そして、なぜこの子どもたちが万引きに走るのか、その理由について東京都で調査をしたと、こういうふうにお伺いをいたしました。その理由についてはどのようなものがあったのか、お伺いをいたします。

○久保治安対策担当部長 ことし二月に、都内の中学、高校生を対象といたしまして、万引きに関する青少年意識調査を行いました。
 その中で、少年たちが万引きをする一般的な理由について聞きましたが、お金がない、品物が欲しい、ストレス解消などの回答が比較的高い率を示しております。しかし、この調査は、実際に万引きを行った少年を対象としているわけではございません。
 対象を少年に限ってはおりませんが、経済産業省が一昨年六月に二千五百余りの書店を対象にして行った万引き被害調査によると、捕まった万引き犯が挙げましたのは、自分で読むため、換金するため、スリルを楽しむためなどの理由でございました。ただ、このほかにも、非行グループで半強制的にやらされるケースだとか、気がついたら盗んでいたといった、心理的、病的な要因を挙げる専門家もおりまして、その理由は極めて多様なように思います。

○長橋委員 今お話をお伺いしますと、お金がないとかということはあるのでしょうけれども、ストレス解消だとか、また換金するためとか、またスリルを楽しむとかという、余りにも安易な動機というのは、もちろん対象としたのが万引きした少年を対象としたわけではないわけですが、そういったことが奥底にあるということでありますけれども、特に、換金をするためということが大きな問題であるかなと思います。
 新品の商品を大量に万引きをするというケースが組織的にもあるようでございまして、新古書店というんですね、古本屋とは違って、新しい本を高く買ってもらえると。また簡単に買い取ってくれる。こういうことでございまして、こういったことが万引きとの因果関係にもつながってくるのではないかなと、こういうふうにいわれております。
 今回、今定例会に上程されております青少年健全育成条例の改正案にも、古物商が保護者の同意なしに青少年から品物を買い受けることを禁止するという規定が新たに追加をされているわけですけれども、この改正案、こうした万引き対策の視点も加えられているというふうに考えてよいでしょうか、お伺いします。

○久保治安対策担当部長 ご指摘のとおりだと思います。例えば、かねて書店業界は、新刊本を買い受ける古書店、新古書店、こういったものの存在が換金目的の万引きを誘発しているというふうに非難をしておりました。その一方で、古書店の側、古書店の業界団体の方は、青少年からの買い受けには保護者の同意書を徴するなど自主規制をしていて、仮に無差別に買い受けるケースがあったとしても、それは業界団体に加盟していないアウトサイダー業者によるものだと。したがって、古書店全体を批判するのは不当である、こういうふうに反論をいたしまして、長らく対立状態にございました。
 今回の条例案を、万引き防止という観点から評価すれば、こうした両者の対立を調停し、これから先、共同して対応策をとるきっかけにもなるものと考えていいのではないか、かように考えております。

○長橋委員 業界では努力をしてきたけれども、今度この条例でよりバックアップをしてあげる、こういうことですし、万引きの大きな温床になっているところでありますので、ぜひ期待をするところであります。
 ところで、きょうの新聞、毎日新聞でも出ておりましたけれども、また今月初めの三月六日の新聞でも、さっきの意識調査でやった中に、万引きは問題ではないと考える中学生、高校生が二割にも上ると。こういうのがさっきの調査でわかったわけであります。
 この青少年意識調査については、いつ行い、何のために、またどんな内容で行ったのか、改めてお伺いいたします。

○久保治安対策担当部長 お尋ねの調査は、三月六日に、東京都万引き防止協議会の主催で開催いたしました万引き防止シンポジウムにおきまして、討論の参考資料として利用するために、ことし二月、都内の中学、高校生千四百人の協力を得て行ったものでございます。
 これは、具体的な中学生、高校生の万引きに対する意識の実態を把握し、今後の万引き対策の取り組みに生かすことを目的としまして、万引き行為に対する規範意識、万引きが発見された場合のペナルティーに関する知識、指導のあり方などについて意見を求める内容のものでございました。

○長橋委員 万引き防止協議会、その主催で開催された防犯シンポジウム、万引き防止シンポジウム、この資料として急遽行ったということでありますけれども、この万引き防止協議会、これはいろいろな方が入っていらっしゃるのだと思いますけれども、どのような組織なのか。また、この万引き防止協議会で万引き防止対策を進めていく上で、どのような課題が出されていたのか、これからの課題であると思いますけれども、よろしくお願いします。

○久保治安対策担当部長 お尋ねの協議会は、書店、古書店やCD、レコード、テレビゲームの販売店、コンビニ、ドラッグストアなど、万引きの被害を受けている販売業者の団体、製造業者の団体、犯罪防止機器の業界などに加え、東京都、警視庁、弁護士会、私立中学高等学校協会など、現在二十の団体で構成しているものであります。
 昨年十二月二十五日に設立されまして、各団体が協力して、万引きの実態を社会に明らかにしながら、具体的な防止策について検討していくことを目的としております。
 課題の点でございますが、既に出された課題ですが、第一回の会議の中では、例えば、販売店が万引き犯人を捕まえた場合、一一〇番通報、被害届の提出、警察の事情聴取などに人手と時間を割かなければならず、営業にも支障が出る、このため被害届を出さない店も少なくないことなどの問題点が業界団体側から出されています。
 こうした問題についても、警察を含む関係者が忌憚のない意見を交換しながら、協議会として解決策を検討していきたいと考えております。

○長橋委員 今、多くの団体、業界が参加して、万引き対策について協議をされていると。で、今後の課題について問題点も出されているということでございますけれども、この万引き防止協議会の活動を通して、東京都は治安対策を進めていこうと、こういうふうに考えているんだと思いますけれども、どのように進めていくのか、お伺いをいたします。

○久保治安対策担当部長 私ども、少年の非行を中心にした問題が、東京の治安にとって大変重要な課題だというふうに認識しているわけでございます。その上でこの万引きを初発型非行という形でとらえているわけです。
 これまで万引き防止対策が成果を上げにくかったのは、青少年の側の規範意識の欠如、こういった問題もありますが、それだけではなく、実は業界団体間における責任の転嫁、それから、万引き防止の決め手となるとかねていわれているICタグの開発・採用の問題を取り上げましても、経費の負担をめぐりまして関係者の意思統一が依然として図れていなかった。それから、万引きの被害を受けている販売店と警察学校との協力連携も不足している。こういったさまざまな要因が絡み合っているものと考えています。
 都としては、この協議会を通じまして、万引きを防止するための総合的な方策、万引きをさせないための環境づくり、万引きを発見した場合の対応策などを協議し、万引き等の初発型非行を減らすための有効な対策を検討していきたい、かように考えております。

○長橋委員 万引きの防止策、この万引きが高じてくるとやはり犯罪がどんどん凶悪化してくる、この入り口に当たるわけでございますので、ぜひこの万引きについては真剣に取り組まなければいけない、こういう課題であると思います。
 この青少年の意識調査、この後ろの方に、万引きと対して、麻薬やドラッグについてはどう思いますかというようなことが、あわせて調査されているのですけれども、麻薬やドラッグでは、当然九〇%以上の生徒が絶対だめだと、こういうふうに答えているわけです。ほとんどの生徒が、今いったように、麻薬、ドラッグはだめだと、ところが万引きについては、だめだというのが、高校生では六七%、三人に一人はまあやってもいいのかなというふうなことを考えているという驚くべき結果があるわけであります。
 この違いは、学校において薬物乱用防止教育が進められている、そういう成果が反映しているということが考えられるわけでございますけれども、万引きについては適切に教えられていない。当然やってはいけないことでありますけれども、これが青少年では二割とか、場合によっては三割以上の人が、問題ない、やってもいいんじゃないかというふうに答えているわけでありまして、こういったことを考えると、ある書店の店主の方々と--ある記事で読みましたら、本を万引きした中学生を発見して、その親に連絡をしたところ、塾の時間に間に合わなくなるので子どもを解放してほしいとか、後でお金を届けますから万引きしてもお金を払えば窃盗罪にならないでしょうとかという、親もそういうような状況になってきている。このような記事を見ますと、本当に、家庭のしつけに任せておけばいいというような問題ではなくなってきて、社会全体でそういった環境づくりをしていかないといけないですし、万引きをさせない社会というのをつくっていかなきゃいけない、こういうことがあるかと思います。
 また、ほかにも、万引きが見つかった際に、高校生が、子どもが一番通報されたくないのは、親でも警察でもない、学校であると。私立学校なんかは学校に連絡されると、もうその場で、厳しいところは退学とか停学という処分になってしまう、こういうことで学校には連絡してほしくないというようなこともいっているわけであります。
 そういったことで、こういった結果になった理由について、都はどのように今の社会の状況の中で分析をしているのか、お伺いをいたします。

○久保治安対策担当部長 先ほどの調査でございますけれども、千四百という数字を挙げさせていただきましたが、実際のところは、回答数が限られています。さらに、特に高校生につきましては、実は、私立高校一校のみの調査でございますことから、この調査結果から性急に一定の結論を導き出す、引き出すということは、慎重にしたいというふうに私どもは考えています。
 ただ、その上で、あくまでも推測の域を出ないということでご了承いただきたいと存じますが、どちらかというと、警察であるとか親による叱責というのは一過性のものになりがちである。これと比べて、学校では指導記録の記載、こういったことでペナルティーが長期的な影響を持つと考えている生徒がいてもおかしくないのではないかなというふうに分析をしているわけであります。
 特に、理事ご指摘のように、私立学校ではこの万引き等の非行行為が学校に知られることがかなり大きなペナルティーになるということもございますので、これ自身が一種の抑止力となるという可能性があるのではないかなというふうに推測をしているところであります。

○長橋委員 学校に連絡すべきではないということがあるわけですけれども、そう考えると、学校教育の現場において万引きなどで指導することは非常に効果的ではないのかなと、こういったことを考えます。
 万引きに関する学校での指導の状況、どのように把握をされているのか。また、指導の必要性、必要だと思いますけれども、必要性についてどう考えるのか、お伺いいたします。

○久保治安対策担当部長 学校での指導の有無や内容につきましては、申しわけございませんが、詳細を把握しておりません。しかし、この意識調査におきましても、あなたは万引きについてどこかで教えられたことがありますか、という設問に対して、学校の授業でという回答が三分の一ございました。保護者からという回答も三分の一ありました。
 しかし、その一方で、だれからも教えられていないという回答も四割近くあったことを考えますと、ご指摘のように、学校での本格的な指導も求められる時期に来ているのではないかなと考えております。

○長橋委員 そう考えると、万引き防止という観点からも、学校においてもこういったことを厳しく指導していくというふうに思うわけでありますので、ぜひ学校での指導、社会も含めて、地域等も含めて、こういったことを進めていくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○久保治安対策担当部長 東京都では、本年度、教育庁を中心に公立の小中学校、高等学校で、子どもを非行や犯罪から守る教室、いわゆるセーフティー教室の試行を始めていますが、来年度以降はこれを本格的に実施する予定で、三カ年ですべての公立小中学校、都立学校で実施する計画になっております。
 また、この教室での指導内容については、試行の過程でさまざまな検討を行うと同時に、現在、有識者や教員等で構成する、非行防止・犯罪の被害防止教育の内容を考える委員会においても検討中でありまして、教育庁ではこれらの検討結果を踏まえて、この万引きを初めとする非行防止に実効性の高い教育を行えるようにしたいという意向を示しております。
 私ども治安対策の立場からも、こうした動きをさらには私立学校にも広げていくことにより、子どもを犯罪に巻き込まないための施策を推進していきたいと考えております。

○長橋委員 いよいよ本格的に実施するセーフティー教室で、こういった内容も進めていきたいと。ぜひ私立学校にも拡大して、万引きに対しての意識を、絶対やってはいけないのだという、高めていることを行っていただきたいと思います。
 今のこの意識調査、確かに、私立高等学校は一校、中学校は五校で高校は一校ですから全部で六校ですかね、千四百名という数少ない調査でございますけれども、大変貴重な調査であったかと思います。こういった調査結果をさまざまな施策で全庁的に検討をしていっていただきたい、こういうふうに思うわけでございますけれども、実際に、書店なんかに聞くと、経営を圧迫して、場合によっては成り立っていかない、こういったところもあるわけでございますので、さまざまな各種の業界団体と連携をとりながら、今後の治安対策、そして今いった青少年に対する教育について生かしてもらいたいと思います。ぜひ要望して、質問を終わります。

○古館委員 それでは最初に、行政評価の結果についてお伺いしたいと思います。
 今回、補助・助成に関する事務事業、普及啓発・人材育成などの都民サービス事業、公営企業における事業、この中で、補助・助成に関する事務事業への行政評価の選定基準ですが、補助・助成事業が全部で何事業あるのか、また、その中で、なぜ十八事業がこのように選定されたのか、この根拠と理由について、最初にお伺いしたいと思います。

○新行内参事 まず、補助・助成事業の数でございますが、財務局の調べによりますと、十五年度予算ベースで七百三十三事業ございます。今回この補助・助成事業の中で十八事業を選んだ、その理由、根拠についてでございますが、先ほどもお答えしましたとおり、行政評価の対象事業は、各局の補助・助成事業の中から、都の果たすべき役割の検証が必要なものなどの問題意識を持ちまして事業を選びまして、各事業所管局と調整の上、知事本部で決定しておるところでございます。

○古館委員 これは先ほども質問があったということは、やっぱり同じように、共通の疑問というか、なぜ七百三十三事業があって、その中でこれらが選ばれているのかなと。
 今、予算委員会でも大きな争点になっている一つでもあります、例えば社会福祉法人へのサービス推進事業だとか、そういうのは、これは公表するわけですよね、それから、広く都民なんかに意見を聞くという、むしろそういうような状況であればこそ、しっかりと都民にそういう意見も聞くという機会を与えるという点でも、私は選定の問題というのは非常に大事な問題だということだけ、最初に指摘をして、次に進みたいと思います。
 この補助・助成に関する事務事業の中で、地下水の保全、つまり雨水の浸透ます設置補助について、これが私は非常に効果が大きいと思っているんですが、しかも継続すべきだと思いますが、これがなぜ抜本的に見直しなのか、お聞かせいただきたいと思います。

○新行内参事 評価票のナンバー5、二八ページ記載の、地下水保全、雨水浸透ます設置補助の事業でございますが、これは地下水の涵養と湧水の保全を図るため、雨水浸透ますの設置の推進によりまして健全な水循環を回復することを目的として、野川流域を中心に、雨水浸透ますの設置事業を行う区市町村に対して補助金を交付する事業でございます。
 この事業は、平成二年度の事業開始から十年以上経過してございますが、雨水浸透ますの設置が湧水の涵養に与える効果の検証が行われていない、一方、多くの区市町村におきまして、一定規模以上の開発について雨水浸透ますの設置を指導要綱で義務づけられている、本事業以外においても雨水浸透ますの設置が進められている、こうした状況を踏まえまして、本事業のあり方を抜本的に見直す必要があると評価したものでございます。

○古館委員 でも、第一次の評価、現場の評価は、まだ全体計画の半ばに来ているところだと。これは非常に今後とも着実に実施する必要があると。しかも、これは国も三分の一の補助をしている事業なわけですよね。
 私、板橋なんですけれども、板橋では古くから、雨水浸透ますの設置というのは力を入れてきました。なぜかというと、あそこは結構武蔵野自然林がまだ残っているところで、東京大仏ってご存じかと思いますが、そこのすぐ近くに、ずっと昔から、そんなにわあっという大きな水量じゃないのですが、不動の滝というのがあって、そこにちゃんと神社があるんです。その水が、大分前に、いっときかれるという状況が騒がれて、区議会でも取り上げられて、それで結局、近くの、大きな農家がありますので、そこの屋根と雨水を全部利用した、浸透ますというのをそこへつくったんですね。それからはずうっとその水が、そのことだけでよみがえったとは思いませんけれども、そのことで今、不動の滝がまだちゃんと滝として保存されている。そういうふうな状況なんです。
 区の担当者に聞いても、板橋はこれで文化の大変な--板橋というのはわき水も多いところでありますので、その水循環という点でも、非常にこれはかけがえのないものだと。東京大仏のお寺さん、乗蓮寺というのですけど、そこも雨水の浸透ますをやってもらったり、隣に松月院という、何か有名なお寺さんもあるのですけれども、見次公園とか、そういう状況に対しても、きちっと浸透ますを置くことによって、自然環境、水循環ということに対しても非常に効果があって、これをやめないでもらいたいと。
 ですから、ここでいっている、効果検証できればということですから、これは十分、私は板橋でも効果検証ができていると思いますけど、その点についてはやっぱり再考してもらいたいし、抜本見直しという形じゃなくて、継続というふうにしてもらいたいのですが、いかがでしょうか。

○新行内参事 重ねてのお答えになりますが、先ほど述べましたとおり、この評価票三一ページに記載しておる理由によりまして、私どもといたしましては、事業効果の検証をした上で抜本的見直し、その事業のあり方について抜本的に見直す必要があるということで、評価をしておるところでございます。

○古館委員 今のお話おかしいんですよね。検証した上で抜本的に見直しちゃうって、検証してその効果があるというんだったら、見直す必要はなくて、継続すべきなんですよ。
 ちょっとそれ、何回もやりとりしていたらまたあれなんで、これはやっぱりおかしな話ですから、ぜひ、そういう点でいえば、やっている区市町村に聞けば、その効果というのはわかるはずなんですよ。だから、そこの上に立った、やっぱり継続ということを、強く求めておきたいと思います。
 その次に、看護専門学校のことであります。
 この看護専門学校ですけれども、この点については、ここの評価でいいますと、受益者負担の見直しの検討と。看護学校は、現在十一を七つでしょうか、七校体制に再編整備するというところになっているんですね。ところが、それが今度は、受益者負担の見直しというのが出ていて、今までは、現行七万五千円だった授業料を、十一万三千円に上げたんですね。ところが、まだ国立の養成機関は十六万六千円だと。それに比べると依然として格差がある。民間はもっと高いから、それに、上にならせという形でやってきているわけですけれども、この問題についていいますと、本当に東京都立の看護、この学校の役割というのは極めて大きなものであります。
 なぜこうしたことで、縮小に加えて授業料の連続値上げということになるのでしょうか。

○新行内参事 ご指摘のナンバー23、看護専門学校の運営についてでございますが、現在、都内における看護職員の需要と養成数の格差が解消しつつありまして、長期的な視点から、都としては、看護専門学校の再編整備を進めているところでございます。
 都立の看護専門学校の授業料につきましては、看護職員のこうした需給バランスの動向、奨学金制度の存在など、総合的に考える必要もあるかと思います。そうした点も踏まえまして、現状を見ますと、十五年度の授業料見直し後でも、都立が十一万三千円であるのに対し、国立の養成機関では十六万六千円、民間の養成機関の平均授業料では約三十七万円という大きな格差があることは問題でございまして、看護専門学校の運営に係る正確な行政コストを把握の上で、負担のあり方の検討を求めたものでございます。

○古館委員 これだけやっていると、それこそ時間がなくなっちゃうんでね、だけども、この問題について都立が負っている役割、それは一般の東京都内にある民間の病院に対しても、ここで育った看護師さんがたくさん行っているんですよ。だから、国立だとかここはどうだとかというんじゃなくて--この間だって私のところに電話が来ました、知っている人からね。うちの娘、看護師やりたいといっている。お金がないのだけれども、聞いたら、都立の看護学校というのが、何とかうちだったら行かせられると思うので、案内パンフをくれないかと。だから、そういう意味での都立の役割というものを、もう一回着目をした、そういう点での--私はこれこそ、現場の事業局は着実実施なんですから、そういう方向でぜひ検討し直してもらいたい。
 それから、健康情報館のことについてであります。
 これは抜本見直しなのですが、館のあり方の見直しということでございます。この問題については、私は、健康情報館の抜本的見直しについては、今日のあのBSEの問題とかSARSのこと、鳥インフルエンザなどに対応した、むしろ充実発展、そういう方向への工夫した見直しということこそが極めて求められているのじゃないか。今の状況の中では、いよいよ切実なものになっているから、この点については本当にそういう前向きな見直しという形をするべきだというふうに思うのですが、いかがですか。

○新行内参事 ナンバー25の健康情報館は、東京都健康プラザ「ハイジア」内にありました食と住まいの衛生コーナーを、平成十二年の七月、都庁第一本庁舎二階北側の都庁展示ホールへ移転した際に、局の広報機能も持たせたものでございます。
 しかしながら、館の基本コンセプトが食と住まいから健康全般に至るまで幅広くなってしまったために、その明確さを欠きますし、また局の広報パネルやポスターなども、計画的な展示となっていないため、来館者にとって事業内容がわかりにくいものとなっております。そこで、今後の館のあり方につきまして、抜本的に見直すべきであるとしたものでございます。
 なお、BSE問題あるいはSARS、鳥インフルエンザなど含めまして、時宜に応じた展示等の工夫につきましては、この評価を行う中で既に指摘しておるところでございます。

○古館委員 抜本的見直しというと、縮小の方なんですか。そうじゃなくて、この問題もう一回ちょっと--抜本見直しというのだって、考え方にとっては違う側面がありますから、これはむしろそういうふうに今の現状に見合ったように発展させなさい、充実させなさいと、そういう抜本見直しのことでしょうか、いかがですか。

○新行内参事 ここの評価票に記載のとおり、館のあり方を見直すという意味での抜本的見直しでございまして、その中には、極端な話をすれば、やはり見直した結果、うまい運営ができないということであれば、それは廃止ということも含まれるものでございます。

○古館委員 結局は--あり方の見直しというから、本当に今のSARSであるとか鳥インフルエンザだとか、そういう意味でいえば、そういうことに対する都民の関心あるいは国民的な関心というのは物すごく強いものがあるわけでしょう。だったら、そういう方向などに対して、都民のそういう心配やらそういうことにこたえるというのが、本来のあり方なんで、どうも今の響きを聞いていると、でもやっぱりやめるんだという感じにしか聞こえないんですよ。
 この問題については、本当に私たち自身は、どういうようなものに発展させるかということで、そういう発展的な見直しを、改めてこの問題でも強く求めておきたいと思います。
 次に、防災教育センターについてなんですけれども、この防災教育センターは、今、私も実は今度の一般質問でさせてもらったのですけれども、いつ起こるかわからない、必ず起こるであろう首都直下型だとか、東海大地震、大規模地震に対応したものとして、私は拡充こそ求められる点であって、三館体制を精査して、それこそ縮小していくということではない。いかに都民の利用、そうしたこと、それから、都民が--今日的な長周期波の問題だってありますから、そういうことも新しく取り入れるとか、さまざまな形を工夫しながら、この三館体制というのは、やっぱりPRをしながら、それで、より現実に、生起してくるそういう問題に対してこたえていく、これが私は東京都としての責務だというふうに思うのですが、いかがですか。

○新行内参事 ナンバー33の都民防災教育センターは、都民への防災知識の普及を目的としました常設の防災教育施設で、池袋と立川と本所の三カ所にございます。
 都民に対する防災教育の成果を最大限上げるために、都民ニーズやその時々の課題に対応させていく必要があるという点につきましては、ご指摘を待つまでもなく、既に認識しておるところでございます。
 しかし、都全体の中で各センターがどのような役割を果たすべきか明確になっておりませんので、現在の三館体制につき精査を行う必要があるという評価をしたものでございます。

○古館委員 だから、明確になっていないんなら、問題点わかっているんなら、明確にするようにして、どのようにして都民のそういう防災意識というのを高めるかということで充実させていくというのが、本来のあり方じゃないですか。
 私もこの間、静岡県の防災センターを見てきました。本当に工夫しているんですよ。展示がいつも同じだということじゃないんですね。例えば津波の体験があったり。それから、わあって思ったのは、木造でも、こういう建て方をすれば、地震が起こっても完全には倒れなくて、命は助かるよという、しかも、お金をかけない工法なんていうのが、ちゃんと実物がその建物の中にあって、こうすればいいとかですね。それから、介護のベッドがあって、どんなに地震が起こって家がつぶれても、自分の命だけは助かるような、ちゃんとそういうベッドが、こういうのは幾らぐらいでできますよとかというのが、その場その場にちゃんと置いてあって、しかも、いつも、子どもさんを初め一般の方も来られる。そういう点でいえば、工夫の仕方によって違うわけだし、それから防災意識の高揚という点でもこれは非常に大事なことだと思うんです。
 したがって、この問題について、どうも今の話を聞いていると、やはり明確化を図る上で三館体制を見直していくのだという--明確化を図ればいいんです。図って、そのニーズ、都民が一番何を今地震の問題で求めているのかということにこたえるようなことで、これこそ私どもからいう見直しをぜひしていただきたいなと、このように思っているところです。
 都立の土肥臨海学園の廃止の問題ですけれども、これも廃止含む抜本的な見直しというふうにいっています。都立の盲・ろう・養護学校の関係者、本人、父母、こうした声は当然聞いてほしいと思うんです。
 この土肥の臨海学園は、余り使われてないというふうにいいますけれども、これは障害者にとってはかけがえのない施設なんです。ですから、この問題については、しかも、電話で聞きましたらば、社会教育関係の方も、食事抜きですけれども、一泊で行けば千六百円、学校行事で行けば、これは無料で泊まれるということにもなっているわけですね。
 私は、こういう施設というのは、それこそ盲・ろう・養護学校の人たちにとってはかけがえのない施設ですから、この問題は、廃止を含む抜本的な見直しということではなくて、東京都が、教育庁と挙げてこの問題の利用について、どのようにして振興を図っていくのか、改めてそういう立場で考え直すべきだと思うのですが、いかがですか。

○新行内参事 ナンバー36の都立土肥臨海学園でございますが、当臨海学園は、利用する児童生徒の障害の重度重複化が進む中で、遠隔地にある当施設の利用が困難になっている一方、近隣の施設における利用が進んでいることなどから、平成十四年度で見ますと、利用した学校は、全体の四〇・四%、年間利用率が三五・七%、部屋の稼働率で見ますと二一・八%と低くなっておる現状がございます。また、通年施設とは申しましても、五月から十一月以外の五カ月間の利用実績は全くない、こういう状況がございます。
 そうした点を踏まえまして、今後の施設のあり方について、廃止を含めて抜本的に見直す必要があると評価したところでございます。

○古館委員 これも何度も同じことをいうのですけれども、そういうような状況の中で、そういう障害者にとって、本当にかけがえのない施設なわけですね。しかも、海のところにあるというところにも意味があるんですよ。そうじゃなくて、これをなくしますよというふうなことが、本当に盲・ろう・養護学校の果たしている役割、なぜ臨海学園なのかという、そこの役割を含めて、だったら、どのようにしてそういう利用者をふやしていくのかということを検討することこそが望まれているということを求めておきたいと思います。
 それで、ちょっと聞きたいのですけれども、廃止含め抜本的に見直しというのがあります。その中で、この評価が、廃止含め抜本見直しというのは、実際に廃止になったというのは、何事業中、幾つあるんでしょうか。

○新行内参事 平成十三年度末及び平成十四年度末に行いました見直し状況調査によりますと、平成十一年度から十三年度までで、廃止または廃止を含む抜本的見直しとして二次評価を行った十七事業のうち、見直しが終了していない一事業を除きまして、十六事業について、事業の廃止または一部廃止が、この行政評価の結果に基づき着実に行われております。

○古館委員 つまり、ここでいう行政評価で廃止を含めた抜本見直しというと、ほとんど一〇〇%ですよね。なぜかというと、一つの事業といったって、これ、高尾自然博物館か何かでしょう。これだって廃止ですよ、東京都としては。だから、そうすると一〇〇%なんですよ。
 やっぱり、何のための行政評価かという問題が問われているわけで、なくするための行政評価やっているんだったら、逆にいえば、これは行政評価といえないですね。ですから、その点では、この問題について、そうしたことをそれこそ抜本的見直しをしてもらいたいということをいいつつ、最後にこの問題については、今も私述べてまいりましたけれども、これまでの行政評価が、一次、二次の行革プランとか財政再建の推進プランの露払いの役割を果たしていると、こんなふうにしか、今のお話を聞いても、判断できないですね。どういうご見解をお持ちですか。

○新行内参事 委員ご案内のとおり、私ども東京都におきましては、平成十五年七月発表の、都政の構造改革の視点と方向におきまして、新たな政策展開のための平成十六年度重点事業、第二次財政再建推進プラン、第二次都庁改革アクションプランを一体のものとして、都政の構造改革を推進していくというふうにしてございます。
 この行政評価制度の実施におきましても、こうした都政の構造改革の一環として行っておるところでございます。

○古館委員 今、抜本見直しとか廃止とかという形で、自治体からも、それから都民からも、本当に大事だと思われている部分も含めたものが、こういう形で見直されて、それで抜本的に見直しだとか廃止だとかって、これはそれこそ、私は改めてきっちりそうした検証をして、どのようにしたら都民から喜ばれる、そういう施設であり、サービスになるのかという、そういう角度で検討し直すことを強く求めて、次に質問を移りたいと思います。
 次は、重点事業に関連して質問したいと思います。
 第一号の品川区上大崎の三丁目地区の先行まちづくりプロジェクトについてでありますけれども、この問題は、私は昨年の十二月の総務委員会で質問いたしました。交通局の土地がなければ、あそこは先行まちづくりプロジェクトというのは成り立たない、そういうところであります。
 共同事業者の一つである生命保険会社、相互住宅所有のアパートの居住者が、追い出しがあってはならないと、こういうふうに指摘をあのときしたんです。ところが、その質問をしたときのその前から、実はその手の専門業者といいますか、出ていってくださいという業者ですね、そこが相互住宅の依頼によって、幾ら幾ら上げますから、あなたは出てくださいという話が、私の質問のやられる前からそのことがもう既にやられているということが、その後に明らかになって、私もちょっと驚きました。
 そこでお聞きしたいのですけれども、こうした問題に対して、事業を行う上で不可欠な敷地を交通局が所有しているのですから、民間事業者の住民対応についても、都は計画段階から積極的に関与をして、弱い立場の人の声が十分に届くようにすべきだと知事本部の担当者に私はそのとき伝えました。その後、どのようになっているでしょうか。

○岩井参事 開発に伴います居住者への対応でございますけれども、これは開発に都が関与しているいないにかかわらず、適切な対応が行われなければならないというのは当然でございます。
 当該地におきましても、相互住宅が、現在のお住まいの方々への対応といたしまして、立ち退きまで一年以上の猶予期間を設ける、あるいは補償料や移転料を提示する、あるいはさらに、希望者に対しては移転先の紹介なども行っておるということでございまして、適切な対応が行われているものというふうに考えてございます。

○古館委員 いや、これは、私どもが質問したというのは、計画が明らかになった直近の委員会で私は質問しているんですよね。そこのところを私どもが調査に行ったら、ある生命保険会社が経営している相互住宅というアパートがある。そこには実際に居住者もいる、住んでいる。だから、そういうところの人たちが追い出しにならないようにすべきじゃないかということを、その発表になった一番直後の委員会で私は質問していったら、既にそのときに、あなたはもう残り少なくなっていますというような形でもって入っているわけですよね。
 だから私は、東京都の土地が、最大級の土地があって、それがなかったら成り立たないと私さっきいいました。そういうところでこのようなことがやられるというのは、本当におかしな話だというふうに思っております。
 私は、そういう意味での問題について、実は公営企業委員会で、交通局関連なんですけれども、先日この上大崎の先行まちづくりに関する陳情が出されて審議されたのですね。そこでこの問題を我が党の木村議員が、現に住んでいる人が住み続けられなくなるようなプロジェクトを推進するとは許されない、このようなことを指摘したことに対して、交通局はあくまでも民間の相互住宅の判断でやっていることだとの一点張りだったんですね。
 今の答弁でも、適切な対応が行われていると、こんなような答弁をしております。こんなことを許していたら、本当に東京都が率先して都民を追い出しているというふうにいわれても仕方がないというふうに思うんです。その点についてはどのようにお考えですか。

○岩井参事 東京の中でいろいろなまちづくりが行われているわけでございますけれども、そういったときに、やはり居住されている方に移転であるとか、転入される方もありますけれども、いろいろなことをお願いすることがあるわけでございます。そういう場合に、もちろん不当なことがあってはならないわけでございますし、居住者に対して適切な居住がなされなければならないということは当然でございます。
 しかしながら、一度そこにお住まいになったからということで、ずっとそこに住み続けられなければならないとか、あるいはそれがずっと保障されなければいけないとか、そういったことではないのではないかというふうに思います。先行まちづくりでもそういうことだと思いますし、事実、私自身は、自分の意思だけでなく、さまざまな事情で移転を余儀なくされてきたということでもございます。そういったことでございます。

○古館委員 私は、先行まちづくりの第一号として、そこに住んでいる、生活している人が、そこで引き続き生活を希望しているという場合、その住み続けられるような家賃と住環境を保障する、このことは私はむしろ率先して東京都がやるべきだというのが、私どもの考え方であります。こうしたことをこのプロジェクトの条件に東京都として加えるべきだ、このように思うのですが、改めてちょっと見解を聞きたいと思います。

○岩井参事 基本的には先ほどお答えしたとおりでございまして、もちろんそれぞれの方のご事情はございますけれども、そういったことで、必ず保障をされなければならないということでないというふうに思ってございますし、我々の社会生活をしている中で権利もございますし、義務もあるわけでございまして、あるいは公共の福祉の中でいろいろ協力なり協調もしていかなければならない、そういったことではないかというふうに考えてございます。

○古館委員 つまり今いったのは、東京都が土地があって、そこの土地を利用して再開発やるわけですよ。で、そこの民間住宅なんていうのは、その土地から見たら本当に何分の一というぐらいの土地です。だから、そこのところで、本当に東京都の土地があって初めて成り立つような再開発の中でやるんですから、東京都がそういう業者に対して、やっぱりそこに住んでいる人、その意向というのをどのように実現していくのかということは、最低条件としてきちんと条件に加えるべきだ。このことは、ちょっと今、全くそういうような意向がなかったのですが、私はぜひそのようにプロジェクトの条件に加えるべきだ、このことを強く求めておきたいと思っています。
 この間のやりとりで、先行まちづくりプロジェクトというのが、一方では、そういうふうに今の都民、そこに住んでいる人を、はっきりいって追い出しをしていく。それで、民間のために東京都の土地を与えて、それで民間とそういう開発をしていくという点では、私はこれはやっぱり財界戦略そのものでしかないというふうにいわざるを得ないですね。
 実は、財界の考え方なんですけれども、石原さんが知事になったのが一九九九年ですけれども、一九九八年に経団連が報告書、新東京圏の創造というのを出しておりまして、これは何で出したかというと、首都機能の移転の問題がある、経済界としては、首都機能移転がどうであっても、東京圏というのは非常に重要なところだと。なぜ重要かというと、大競争時代において東京圏が繁栄しなければ、日本の繁栄はない。東京圏は、日本経済の重要な結節点であって、世界から東京圏が取り残されることは、日本経済の存在自体がなくなってしまう。だから、経済界は困るんだ。
 そのことでどういうふうにしたかというと、政策を変えたんですね。今までは、なるべく地方の方にという計画を、今度は一挙に東京圏に集中した。これが実は東京構想二〇〇〇の中にも反映されたんですね。実は東京圏をめぐる現状というのが新東京圏の創造の中にも書かれています。この中では、文明史的観点から見れば、どこかで聞いたような言葉ですけれども、発展のピークは過ぎたんだけれども、東京圏への集中を抑制したのを改めなきゃいけない、こういう認識にならなきゃいけないということを強調して、新しい変化を東京圏から起こすんだと。
 その後の年に出されてきたのが、やはり日本経団連の都市再生への提言というところで、未利用地を有効利用するためには、どんどん規制緩和しなきゃならない。例えば、明電舎というところを私も見てきましたけれども、緊急整備地域、だから、もう何百%でもいいですよというようなことに変えなきゃいけない。そのとおり、今なってきているんですね。多様なニーズにこたえる土地利用ということで、土地がどんどんできるようにしなさい、地方公共団体はといって、わざわざ地方公共団体に高層住居誘導地区を積極的に指定するなど生活空間誘導策を講じるべきである、さらに、借家の質の向上を図るために定期借家権を導入することが不可欠だと。つまり、東村山の話ですね。
 これも、実は、だれがいっているかといったら、財界がまずこういうことを求めているんですね。自治体に対して注文をつけまして、そういうために、自治体の中心的役割は土地を何とかすることなんだということまで、この日本経団連の主張ではいっているわけですね。
 だから、これはだれのためのまちづくりかといったら、都民じゃないんですよ、財界のためのまちづくりでしかないんだ。私は、そういう方向こそ根本的に切りかえて、地方自治体が生きる、都民が主役の、そういうまちづくりへと転換することを強く求めたいと思っていますけれども、最後に、本部長、ありましたら、ご答弁いただきたいと思います。

○前川知事本部長 何度もお話を申し上げているわけでありますが、二点ほど指摘させていただきたいと思います。
 一つは、都市の更新と、それから住民福祉とが対立するというものでは、これはないと。例えば、良質な住宅の供給であるとか、あるいは環境の改善であるとか、そういったことを進めるためにも都市の更新が必要な場合もあると、これはもう当たり前であろうと思います。
 それから、今、基本的に、経済界のお話がございましたけれども、社会の見方が少し私どもと、大変恐縮ですが、違うのかなという気がしております。私どもは、この社会というのはいろいろな、いわば多元的な世界であって、経済もあれば、政治もあれば、あるいは地域福祉もあれば、いろいろな要素で成り立っていて、それぞれ多元的なプレーヤーがいわばいろいろなゲームをしているわけであります。その中で、どういう形で社会全体の利益を実現していくか、それがまさに行政の役割であろうと私どもは考えております。
 たまたま経済界がおっしゃった中で、今引用があった中で、東京集中は悪ではないとか、あるいは規制緩和が必要であるとか、そういったところは私どもも経済界と、あるいは意見が一致するかもしれませんけれども、そのほか、逆に今度は、環境規制の強化であったり、あるいは行政の役割の強化であったりとか、そういった点では対立する場合も当然あるのでありまして、そういった、いわば総合的な観点から行政を進めていきたいと、こういうふうに考えております。

○古館委員 もうあれですが、私たちは今の見解に対して、やっぱりそうじゃなくて、主役は住民というふうになっていなくて、財界が、今いったように、くしくも、それは意識してそういうことがやられているということと、そうじゃないという部分もあるかもしれませんけれども、流れは全く一致しているんだということだけ指摘して終わりにしたいと思います。
 以上です。

○藤田委員 私も、報告事項の行政評価の問題について何点か質問させていただきます。
 今までの質問を聞いていますと、個々の問題に知事本部の答えを求めるとなると、なかなかそれは私は難しいことだというふうに思うわけです。難しいというよりも、何のためにこの行政評価をやっているかということでありますけれども、実際にはこの十三年からずっとやっている中で、今回のは三ページ目に政策があって、施策があって、事務事業というふうに、もちろんなっているわけであります。
 そこには、東京における事実というものがありますから、そして実際には非常にもう右肩上がりの成長は終わったような、そういう東京の中というか、日本の中で、定常型の社会の中で、財政の問題も含めて、どういうふうに東京をしていこうかという、やはりそこには、大きな転換点であるわけですし、そのときに、じゃ、事務事業をどうやって考えていこうか、そしてそれについて評価していこうかということになりますと、私は試行の段階では、せめて重点事業についてやってみたらどうかということを申し上げましたけれども、ある意味では、実際に本当にこの事業が今のままのやり方でいいのかどうかということで見直しをしていく。そのニーズがあるということであっても、その今までのやり方でそれをやることがいいのかどうかということを考えていく大きなツールとして、この行政評価というものをやっていくべきだというふうに思っているわけであります。
 そうしますと、実際には、もうお聞きになりましたので、重複はいたしませんけれども、ちょっと予定した質問とは変わりますけれども、お答えいただければというふうに思いますが、補助・助成に関する事務事業について取り上げたというふうになさっていらっしゃるわけですけれども、これについては、昨年七月に都政の構造改革の視点と方向という道半ばの報告が出たときに、もう補助金の問題に切り込まざるを得なくなっているという話が出ていたわけです。
 先般質問いたしましたときには、二次評価は九月からというようなことがありましたので、七月に出たときに、一次評価のときに、このことがどういうふうにかかわり合っていたのかはちょっと不明だとは思うんですけれども、やはりそうなりますと、本格的にこれをやるならば、財務局もまだ一点一点、全部当たってはいないというような話でありましたので、ここでやはり補助金の見直しを挙げているということをいうならば、やはりここは連動していく、どうやってこれを連動させていくかということが重要になるかと思うんですが、そういう視点はどのようにお持ちになりましたでしょうか。

○新行内参事 私どもの方がこの補助・助成に関する事務事業についてをテーマとして選ぶということにつきましては、先ほど述べましたとおり、七月に発表いたしました都政の構造改革の視点と方向で補助金の見直しを掲げておると、そういう中でテーマとして選定しておると申し上げたとおりでございます。
 したがいまして、連動してというお言葉でございましたけれども、先ほど古館委員への答弁の中でも申しましたけれども、私どもとしては、こういった都政の構造改革の視点と方向に示された新たな施策展開のための重点事業、あるいは第二次再建推進プラン、第二次都庁改革アクションプラン、そういうものと一体のもと、その一環として、こういったテーマでやっておる、事業選定をしておる、こういうことでございます。

○藤田委員 お聞きしていることは、財務局とどういう調整をなさいましたかということでございます。

○新行内参事 失礼いたしました。
 したがいまして、そういう形で私どもの行政評価を進めておりますので、その過程の中で、前回の委員会の中でもお答えしましたけれども、お互いにそれぞれの情報交換をし合いながら、十六年度の予算に反映できるものはするわけでございますが、私どもの行政評価そのものといたしましては、この評価結果を出して、次年度以降、十六年度以降、それが各局においてどのように具体的に見直されて、十七年度の予算に反映されているか、こういったあたりを見ながら、またフォローにつなげていく、こういうことでございます。

○藤田委員 ぜひ、たくさんの補助金の補助・助成している事業がありますから、これは財務局の方とも連動してやっていただきたいというふうに思っています。もちろん、これは見直し、廃止の意味ではありませんから、ちょっといっておきますけれども。
 そして、もう一点は、先ほどもあったんですが、例えば雨水の浸透ますのことがありましたけれども、実は都市計画局でこの補助事業がありました。それが、ちょっと正確な年月がわかりませんが、多分十三年度ぐらいだったと思いますが、廃止になりました。今回、また環境局がというようなことがあります。実際には、補助事業ではありませんけれども、浸透ということになりますと、下水道事業でもこれをやっております。
 こういうふうに、もちろんどういうふうな形態で、補助なのか実際なのか、それから国のお金がどうなのか都単なのかとかといろいろありますけれども、やはり同種の事務を複数局で実施しているという例は、かなり、ある意味では縦割り行政の中で、むだなところがあるというふうに私は思いますが、都民の立場になってみますと、実際には、浸透ますをつくろう、浸透して、その水循環を考えていこうという、この行為は、都民にとってみれば一つなんです。どこの局がやろうと関係ないわけなんです。
 そういうふうに考えると、例えばまた、私の近くで五日市街道の最後の一人、立ち退きの方がいらっしゃったんですが、その方、ご自分の土地じゃなくて営業権だけを持っていらっしゃるという方でしたので、その問題でなかなか立ち退きができなかった。自分の事業をどこかで新しくするには、余りにもお金がなさ過ぎるというようなことで、立ち退けなかったわけなんですけれども、そうすると、都市計画の方で、こういうお金が出ますから、立ち退きのためのお金が出ますといって、そのお金しか説明しないんです。
 どうしたらいいものだろうかということをご相談を受けたので、実は中小企業対策として、その他もいろいろありますよっていうんですけれども、何も知らせてないんですね。そういうふうに、都民一人にとって、個人にとってみて、いろいろな施策が本来はわかれば、そうしたらそんなに長々とみんなが、あそこのうち、どうするんだろうと思うような、長年そこに一軒だけぽつんと残っていて工事もおくれてしまうというようなことはないわけなんです。
 そうすると、やはり同種の事業を一本化していく。それは、いろいろなお金の出方があるかもしれない。でも、都民にとってみれば、やはりそれは一つだということで考えれば、こういうところで重点的にこの行政評価をやっていくというようなことが、私は必要になってくるんだと思うんですが、いかがでしょうか。

○新行内参事 ご指摘のとおり、十五年度事務事業評価におきましては、子ども家庭在宅サービス事業補助、ナンバー7でございますが、それとナンバー13のファミリー・サポート・センター事業、またナンバー5の地下水保全対策とナンバー34の宅地内雨水浸透施設の設置の促進という同種の事務事業を取り上げて評価しておるところでございます。
 また、これらの事業以外でも、それぞれの事業の評価に当たっては、そういった類似事業の情報というものも収集した上で、適切に評価に反映させているということでございます。

○藤田委員 ぜひ、今例に挙げられた、先ほど私も申し上げましたけれども、地下水保全などというのは、市区町村でも、先ほど板橋というふうにおっしゃいましたけれども、私のところなんかも杉並ですけれども、やはり地域の中の川の涵養、それから飲み水も杉並では飲んでいますので、地下水をくみ上げるためにも涵養していこうという区独自のものもあるわけですけれども、やはりこういうところにも区の意見をどういうふうに聞いていくか、行政内部だけで判断していくということでないことが重要になってこようかというふうに思っています。
 それから、見直しの事業に関する検証というものが先ほども例に出されました、出ているわけですけれども、実はこの最初のところに、四ページのところに、例えば一番最初でも、第一次評価は着実実施あるいは積極的推進であっても、その次に見直しとなると、あら、見直しの次、廃止かしらって、すごくそういう強迫観念で私、読んでしまうんですけれども、たまたまよく知っていることですので、薬物乱用の防止の啓発事業のところを見ました。
 そうしましたら、中をよく見てみれば、見直しであっても、啓発の必要性というのは四ポイントをつけているわけなので、どうしてもこれは重要だというふうに、一〇七ページです、なっているわけなんですけれども。ただ、この中では、普及啓発の仕方が悪いよというようなことで、もう少し地区協議会を見直しなさいというようなことで見直しとなっているわけなんです。
 ですから、非常に詳しく端から端まで見られる方がどれだけいらっしゃるかわかりませんけれども、ぱっと見たときには、どうしてもこの最初の一覧表というところで見てしまうかと思うんですが、もう少し工夫が必要だというふうに思うわけです。
 それから、局に対して、この見直しの検証というものをどういうふうに指示しているか、そして期間をどんなふうに、どのぐらいの期間でこれをやりなさいというようなことで、期間を区切ってやっているのかどうかについてお尋ねしたいと思います。

○新行内参事 先ほども真木委員のご質問にお答えしたとおり、最初の四ページ、五ページの一覧表におきましては、単に見直しというふうに書いておりまして、非常にわかりにくい面もございます。したがいまして、今後、わかりやすく、一覧でもその意が伝わるように表記については工夫してまいりたい、このように思っております。
 いずれにいたしましても、私どもは、評価した結果が各局に確実に伝わっていくと、その結果見直しがされていくということでございますので、評価票の方にはちゃんとそこは書いてございますし、局にも伝えておると。
 なお、見直しにつきましては、先ほどお話ししましたとおり、翌年の予算編成の中でどう見直したかを、私どもの方としては、さらにその翌年調査して、最大限三年間フォローしていく、こういうことでやっております。

○藤田委員 ところで、一時期非常に流行になりましたベンチマークスの話ですけれども、オレゴン州のベンチマークスについては、いろいろと議会の中でも発言がされましたけれども、そして研究して取り入れようという試みがなされたわけでありますけれども、その後どんなふうになっているかお尋ねしたいと思います。

○野口参事 ベンチマークス、いわゆる指標についてのお尋ねでございますが、東京都は平成十二年十二月に策定いたしました東京構想二〇〇〇におきまして、六十の政策指標を示しております。
 政策指標は、構想策定当時における目指すべき政策の目標水準を具体的に示すため、お話のオレゴン州を初め諸外国の事例も参考にしながら、一つの試みとして設定したものでございます。
 しかし、社会情勢の変化が激しい今の時代にありまして、例えば深刻化する治安の悪化や食の安全など、都が取り組むべき新たな重要課題も発生しております。現在の各指標の中には、その数値を追うことの意味が薄れてきているものもございまして、施策の目標やその効果を検証する尺度は、社会状況の変化に伴って変わっていくものというふうに認識しております。

○藤田委員 まさにそうだと思います。東京構想二〇〇〇の、概要版のようになっていますけれども、一番最後に、私、改めてといいますか、前の方はよく見ていたんですが、これを改めて見させていただいて、子どもが健やかに育つ社会を築く、ゼロ、一歳の保育サービス待機児童数二〇〇四年にゼロというふうにあります。それから、子どもの倫理観、規範意識、ごみをごみ箱に捨てるパーセンテージを七一%から八〇%にしよう。どうやるんでしょうかね。それで、指導力不足で責任をとらなくちゃいけないんじゃないかと思いますけれども、だれが責任とるんでしょうかね。
 そういうふうになると、まさに、よく本部長もいっていらっしゃいますけれども、指標がどういう意味を持つんだというような、つくり方にもよりますし、それから本当に数字にしていくことが難しいというような状況もあるわけですけれども、住民にとってわかりやすくするために何とか数字化していこうよというのが、この政策指標のあり方だったと思います。
 それで、先ほどから、これはもう一貫して私たちいっていることなんですけれども、どうしても一次評価も行政、二次評価も行政という中で、そして、なおかつ既得権ということもありましょうから、もうずっと都政始まって以来、もちろんやらなければいけない事業はありますけれども、同じ形でやっていくというようなことが本当に今の都政にとっていいのかどうかといえば、やはりそれは変えていきたいというふうに私自身も思いますけれども、そういうときに、じゃ、当事者参加はどうするの、あるいは、先ほどお話ししたような区市町村との話し合いはどうするの、そして、ごくごく一般的に税金をすべて支払ってくださっている都民にとって、これがどういう政策なのかということ。
 やはりどれだけ住民が、この評価づくりに、あるいは政策決定過程に参加することができるのかということが、私はやはりかなり重要になってくるんだというふうに思っているわけなんです。
 実際には、よく住民投票やら何やらの話をしますと、じゃ、議員の役割は何なんだという声が上がりますけれども、都政の場では、なかなかそういう協働というようなことが、あるいは自治というようなことが非常に見えにくうございますけれども、地域にあっては、やはりどれだけ住民と一緒になって事をやっていこうか、税金を使っていこうかということが重要な課題になってきている昨今ですし、それをやらない限りは何だということが、今の時代はまさにそういう時代だと思っています。
 ですから、それは都政においてもどんどんそういうふうに変わってくる、そういう時代だと思います。一つは、分権化して、一つは、また都民との協働をやる中で、財政的にも軽くなるという必要もあろうかと思いますから、そういう意味でのこの行政評価の住民の参加ということ、重要だと思っておりますけれども、最後に局長にお伺いいたして終了とさせていただきたいと思います。

○前川知事本部長 いろいろお話を承ったわけですが、私ども、住民参加の前に、私、都に入ったのは昭和四十六年でありますけれども、当時、美濃部都政、美濃部さんのもとで福祉を担当して、今でも覚えていますのは、当時の要保育率が一三・八%でしたですかね。それをある意味で指標にして行政を進めたわけでありますけれども、そういう意味で、都民から見て非常にわかりやすい行政指標、基本指標を意識してつくっていくべきだろうということは、まことにおっしゃるとおりであろうと思います。
 どちらかというと、これまで、この何年間か、戦略的、重点的に課題を絞って展開する方にウエートをかけてきたわけでありますが、今お話のあったことも、今後やはり踏まえてやっていくべきだろうというふうに、私は少なくとも考えております。
 そして、行政評価につきまして、これもお話がありましたが、国ほどではありませんけれども、東京都も官僚制の弊害がいろいろあって、縦割りであるとか、なかなか実行が難しいとか、いろいろな問題があるわけでありますが、そういったことも一つの視点として行政評価制度を展開していくことも、これも重要であろうというふうに考えております。
 ただ、これはおしかりを受けるかもしれませんが、住民参加につきまして、住民が参加すればよくなるというのは、さてどんなものかなと。住民とおっしゃってもいろいろな方がいらっしゃるわけでありまして、それを、じゃ、どうやって議会のほかに代表する形になるのか。ただ個別利害を主張されても、それはまたちょっと困るわけでありますし、その辺について、おっしゃることはよくわかるんですが、さて現実に実践する場合、どんなものなのかなと、正直いって、まだ具体的な考えがまとまらないのが率直なところでございます。

○藤田委員 お話がありましたので、一言だけ申し上げますが、やはり納税者ということで、税金で事をしているのだという意識をもう一回かみしめていただいて、どちらが主人公なのかというのをしっかりと見きわめていただければ、おのずと開けてくるのではないかというふうに思っております。
 以上です。

○土屋委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
   午後三時五分休憩

   午後三時十三分開議

○土屋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○吉田委員 私は、これまで議論されていない問題で、この機会に知事交際費について何点か質問させていただきます。
 首都東京の知事として、一定の交際費が必要であることは当然なことだと思うんです。しかし、たとえ首都東京の知事の交際費であるからといっても、過去の経過から支出基準が定められているというふうに聞いております。そうした支出基準に基づいて、対象、あり方、費用など、一定の節度が求められて当然だと思います。
 改めて、交際費について記録した出納帳を見させていただきました。いい出したら、細かい点、さまざまな疑問がわきましたけれども、きょうはその基本点に絞って何点か伺いたいと思うんです。
 まず、交際費の項目を見ますと、例えば慶祝、弔慰、見舞いなど、さまざまなものがありますけれども、そうしたものの一つとして接遇という規定があります。しかも、一回当たりの費用が最高のもので一回五十万円を超える。三十万円、四十万円程度のものが比較的続けて行われているということがあります。
 それで、基礎的なことからいきますが、まず接遇というものは基本的にいかなるものなのかということをご説明いただけますか。

○松田秘書部長 接遇と申しますのは、民間有識者あるいは各種団体との意見交換や情報収集を目的といたしまして、知事などが必要と認めた場合に行う懇談でありますとか来客の飲食、茶菓等の提供でございます。

○吉田委員 それで、九九年、平成十一年に定められた支出基準、これによりますと、接遇で認められているのは、名誉都民、民間有識者、都政団体幹部で、公務員は除外されているというふうに記載されています。
 ところが、平成十二年から今年度の途中までの記録を見ますと、その中に国会議員、一部都議会議員も含めて記載されています。これは、除外している公務員に当たるものだと思うんですが、いかがでしょうか。

○松田秘書部長 支出基準の解釈では、国会議員や都議会議員は公務員として例示されております。しかしながら、いずれも東京都の政策を実現する上で必要としたものでございまして、個別に判断したものでございます。

○吉田委員 そのいずれも必要だということで、個別に判断されたと。いずれも個別に判断されたということも後でお聞きしたいんですが、その前に、原則ですから例外があることは私も認めます。しかし、例外は、支出基準及び支出基準の改定についての文書の中では、明記されているんじゃないですか。

○松田秘書部長 支出基準の解釈では、明示されているところがございます。この支出基準につきましては、原則として知事が支出の際に定めたものでございまして、個々の判断によって支出が行われることがございます。

○吉田委員 たとえ知事であったとしても、またその支出基準を知事が定めたものだといったって、そこには原則、公務員に対する交際費支出は原則廃止する。そして、例外として支出できるケースとして、私が持っているのは、十一年一月二十二日、総務局、支出基準の改定についてという文書ですけれども、三つ丸が打ってあるんですね。一つは、都政における功績がたたえられた場合のお祝い、二つ目が、本人死亡時の弔慰、三つ目に、本人に対する見舞いということで、この例外の中に、今いわれた都政の政策を実現する上で必要だという項目は、例示されていないんですよ。これはどうですか。

○松田秘書部長 例示されておりますものは、今委員ご指摘の部分でございます。しかしながら、支出基準そのものは、知事がみずから定めた交際費支出に当たっての原則でございまして、したがいまして、東京都の政策を実現する上で必要となる場合には、個別に判断し、支出する場合がございます。

○吉田委員 それでは、知事が判断すれば、都政に必要だということになれば、無限定になり得ることにもなりかねないわけですよ。わざわざ知事がみずから定めた、例外としてはこういうものがあるよという例外規定の中に文言がないではありませんか、そもそも。その他、都政に必要と認めるものというものがあれば、基準に基づくものだなということになるんですが、そうならなければ、たとえ支出基準があったとしても、知事の判断で、しかも都政上、必要だという判断が下されれば、たとえ公務員であったとしても支出される。
 そういうことがあってはいけないから、ましてや公務員が公務員を税金で接待するなどということがあってはいけないから、わざわざこういう規定が盛り込まれたんじゃないですか。改めて、なぜ、公務員が外されたということの理由についてご説明お願いします。

○松田秘書部長 平成九年十一月に設置されました、交際費を考える会、平成十年七月に報告書としてまとめておりますが、その中で公務に携わる者同士が税金を使って儀礼的な交際を行うことは、納税者の納得を得られるものとは考えられないとされておりまして、それを受けて、公務員については接遇の対象外とされたものと思います。

○吉田委員 個々のお名前は差し控えますけれども、その中には都議会議員の方もいらっしゃるわけですよね。なぜ都議会議員を、どういう経過か、わかりませんけれども、税金、公費をもって接遇しなければならないのかというのは、だれが考えても素朴な疑問として出ると思うんです。
 それと、もう一つ、この点で確かめておきたいことは、このいずれも必要だと、個別に判断したものだということなんですが、これは知事判断ですよね。要するに、部長さんとして、それぞれ都政の政策を実現する上で必要だというふうに確認されているんですか、どちらですか。

○松田秘書部長 接遇を行う場合の予定が上がってまいりましたときに、支出基準に照らし合わせて、問題がないかどうかのチェックは事務的に行っております。

○吉田委員 そのチェックの問題は、後でまた聞きますけれども、いずれにしても私はやはり、わざわざ知事みずからが支出基準を決めて、その中では例外規定の中にこのような都政の政策を実現する上でという規定はないわけですよね。
 やはり、公務員が公務員を接待するなどということはあってはならないという原則を明記したわけですから、こうした解釈によって公務員を接遇する対象が拡大され得るということについては、改めて、知事が承知の上でこういう判断をされているかどうかわかりませんけれども、きちんとやはり支出基準に基づく運営というものを望んでおきたいと思うんです。
 二つ目に、この接遇者の記録に関してなんですが、接遇の対象に関してですけれども、出納帳ではほかという言葉しか書かれていないわけですね。例えば、代表一名だけが書かれていて、ほかということで、しかもそのほかが一体何人参加されるのかということもわかりません。公費を使っての接遇であり、その代表者だけではなくて、参加者全員の記録は当然だと思うんですが、把握しているんでしょうか。たまたま出納帳上で、ほかという言葉になっているんでしょうか。

○松田秘書部長 接遇対象の人数につきましては、その都度確認をいたしております。書類上は、現金出納簿等の保存年限が三年でございます。人数の入っております書類については一年ということで、それ以前のものはございません。

○吉田委員 人数だけじゃなくて、参加者です。参加者リストは記録をとっているんですかということです。

○土屋委員長 名前ですか。

○吉田委員 名前です。

○松田秘書部長 個人名については、すべて把握する必要はございませんので、代表者、それから参加者の基準上の必要な要件についてチェックしております。

○吉田委員 把握する必要がないということですか。かつ、把握していないから、基準上問題がないなんていうことはあり得ないことだと思うんです。例えば、参加されている方の中に、いわゆる国の省庁のお役人のOBの方、いらっしゃいますけれども、その他ということで、何人かの中に公務員の方がいらっしゃることだって確認できないわけですよ、記録がないということは。
 私は、そういう推測をしては不適切かもしれませんけれども、そういう判断になると思うんですよ。少なくとも、人数だけではなくて、かつ代表者だけじゃなくて、当然、公費で接遇するわけですから、参加者全員の記録というものを、出すか出さないかは別にして、皆さん方がきちんと一定年限保管しているというのは当たり前のことじゃないですか、どうですか。

○松田秘書部長 参加者について、支出基準上問題がないかどうかのチェックはいたしております。また、一般の会議と違いまして、会議の次第ですとか会議録といったものは、接遇の場合にはございませんので、その決定の段階で基準上の問題がないかの確認はきちんと行っております。

○吉田委員 今まではそうだったかもしれませんけれども、参加者が基準上問題ないといったって、参加者のリストがないわけですから。それは、交際費を使う人が参加者には問題ありませんよといわれたら、それをわかりましたという以外、ないわけでしょう、皆さん方に参加者のリストがないわけだから、記録が。そういうことではなくて--じゃ、もう過去は問いませんから、問いませんというと少しいい過ぎだな。今後はそういう記録についてもきちんととりますぐらいの、当然じゃないですか、どうですか。

○松田秘書部長 今後とも、支出基準に則した支出がなされるよう努力してまいります。

○吉田委員 基準が、私がこんなことを一々いうのもちょっと何なんですけれども、やはりきちんと保証され、かつ、それをだれが見ても確認できるように改善をぜひしていただきたいと思うんです。
 次に、支出基準を読ませていただきますと、次のように書かれています。接遇に関してですけれども、適切な場所で必要最小限の参加者となるよう配慮し、支出額についても社会通念上、妥当と認められる範囲でなければならない。すなわち、要素としては、まず適切な場所であるということ、もう一つは、最小限の参加者であるということ、そして、その接遇の費用についても、社会通念上という非常に抽象的ないい方ではありますが、適正な範囲でなきゃならないということを示しているんですけれども、これはなぜこういう規定を設けたんでしょう。また、これはどういうふうに理解したらいいんでしょうか。

○松田秘書部長 先ほどの交際費を考える会、交際費の支出を考える会の報告の契機になりました、交際費がいわゆる社会通念を大きく超えるようなものが見受けられたということから、きちっと見直しをして、このような規定が盛り込まれたことになっております。

○吉田委員 そこで、これは解釈の問題ですから、なかなかそうですというふうにならないかもしれませんが、例えば出納帳、出納簿に記載された支出額を見ますと、接遇で高いものでは一回五十万円を超えるというものがあります。しかし、何人参加しているかがわかりませんから、事前にお聞きしたら、古いものはもう資料がありませんから、何人参加したかわかりませんというお話なんですが、比較的近いものは資料があるというご説明なんですけれども、例えば昨年六月十八日という日付で記載された接遇は、三十四万一千九十二円、また一昨年十二月十五日に行われた接遇は、これは五十二万四千九十七円ということになっているんですが、この二つの例だけでいいですから、それぞれ何人参加し、一人当たりの接遇単価は幾らなのかをご説明願えますか。

○松田秘書部長 初めにご指摘の件、これは平成十五年六月十八日でございます。八人参加しておりまして、四万二千六百三十七円でございます。二点目は、平成十四年十二月十二日でございまして、十三人参加しておりまして、一人当たりの単価が四万三百十六円でございます。これは、一年以内の文書に当たりますので、人数の記載のものがございました。

○吉田委員 そうしますと、十三人ですか、一昨年十二月のものは。それは、私の主観かもしれませんが、出納簿を見て、ほかとあれば、少なくともその人、あとプラス何人か程度かなというふうに思えば、双方の参加者ですから、知事あるいは副知事サイドの数もいらっしゃるでしょうけれども、十三人も参加されている。一人当たりの単価が四万円を超える。もう一つの昨年六月のケースも、八人参加して一人当たりの単価が四万円。
 やはり私は、果たしてこれが、都民が知ったときに、先ほど、支出基準に定められている、最小限の人数で、支出額についても社会通念上適当というふうにいえるのかどうかという疑問がわかざるを得ません。
 しかも、その中のお一人は参与。いわば参与として適切な意見や助言をもらうために、一定の報酬額を払っている方なんですよね。そういう方に対してまで接遇という場を設けて何らかの意見を聞くような、そういうことが果たして必要なのかどうかということがあります。
 例えば、ある参与の方の場合には、ずっと出納簿を見ますと、延べ十一回接遇がされています。しかも、その一回平均でいいますと、二十一万余円ですよ。そういう参与であって、公式に一定の報酬が払われて、机といすがあるかどうかわかりませんけれども、報酬に基づいて意見を聞くということが、公の非常勤職員として、公務員とされていながら、それ以外に十一回も接遇して意見を聞かなきゃならない。しかも、一回平均二十一万円ですけれども、これはだれが考えても非常に疑問がわくところだと思うんですが。
 それで、そもそもこの参与というものは、どういう職務で、どの程度の報酬が支払われているのかご説明ください。

○松田秘書部長 参与につきましては、それぞれ専門の分野をお持ちの方でございまして、お一人当たり月額報酬で三十五万一千円の支払いをしております。

○吉田委員 なぜ参与としてきちんと意見を持つ場がありながら、それ以外で、ある方の場合ですが、十一回も接遇しなきゃならないかと。そういう飲食を伴う場を全面否定はしませんよ。しかし、参与というのは通常の業務として、例えば知事が部屋なりで意見を聞くというのが普通の形じゃないんですか、違いますか。

○松田秘書部長 参与の方につきましては、通常の業務をしていただくほかに、こういった接遇でのアドバイス等をいただくことがございます。

○吉田委員 水かけ論みたいな話になりますけれども、アドバイスを受けるために公式に参与としてお願いしているわけでしょう。参与でない方から、どうしても一定の場を設けて意見を聞きたいということで接遇するということは、それは社会通念上の範囲であれば認められることだと思うんです。
 それが、一回、二回ということじゃなくて、ある方の場合には十一回もあって、一回平均が二十五万円ですよ。トータルで見れば、その方を代表者とする接遇で二百三十六万円。それ以外に参与としての月額三十五万円が報酬として払われているというのは、私は、これはちょっと突出した例で、すべてがそうだというふうにいうわけではありませんけれども、非常にやはり検討の余地が残されている問題だと思うんです。
 費用の見方については、意見が違うかもしれませんけれども、例えば私、ずっと福祉、厚生委員会の方の仕事を、この委員会に来る前、やってまいりましたけれども、本部長もいらっしゃいましたけれども、例えばことしの予算で、ある団体の補助金が削られるんですけれども、わずか二十九万円ですよ。これは、吃音というどもりの団体で、吃音に対する補助はこれ一つしかないんですよ。
 なぜ削ったかといえば、いろいろな理由がありますけれども、その最大の理由の一つは、東京都の財政が大変ですと、削らざるを得ませんということを何度も何度もいわれて、涙ながらに団体の方はのんでしまった。しかも、それだけじゃなくて、絶対今後続けてほしいなんていわないように念書を書きなさいということで、確認書まで書かされるというようなことがやられている一方で、見直しの先ほどの方は着実に実行していますと力んでいましたけれども、こうした問題はきちんと点検し、見直しをしていくべきだと思うんですが、妥当な範囲だというふうに本部長、思いますか、今、私がいった例について。

○前川知事本部長 今お話、お尋ねがありました接遇につきましては、当然ながら飲食によるもてなし、これ自体を目的としてはいないわけでございまして、政策を立案し、実現するために必要な、都庁内ではやることのできないノウハウやサジェスチョンを得るために、各分野の専門家等に参加していただいて行っているものであるというふうに考えております。
 また、政策の見直しの問題は、これはまたおのずから別の問題であろうと思います。

○吉田委員 本部長、私は一般論をいったわけじゃなくて、具体の例として、参与として意見を聞くということが、仕組みとして、あるいは費用においても担保されているにもかかわらず、高額の税金を使って十一回にわたって接遇するという事例について感想を求めたのであって、いいにくい、答えにくいかもしれませんけれども、そうしたことについて、たとえ知事であろうとも、あるいは知事でないかもしれませんが、副知事の方かもしれませんけれども、きちんと正すべきことは正す、支出基準に基づく運用は運用で厳しく求めるということを、ぜひ皆さん方で努力していただきたいと思うんです。
 最後に、まだ時間がありますから、公開問題について一言だけ。
 仕組みとしたら、情報公開に基づいて知事の交際費は公開はされています。それは承知しています。しかし、今、他の県では、情報公開という手続ではなくて、いわゆるインターネット、知事のホームページにアクセスすることで、知事の交際費が、内容はそれぞれ違いはありますけれども、見れるような仕組みをとっている県が、あるいは政令市がふえていると思うんですが、いかがですか。

○松田秘書部長 交際費についてホームページで公開しております自治体は、三十自治体、二十五の道府県、指定都市が五つでございます。非公開のところは、三十自治体、都道府県で二十二、指定都市で八でございます。

○吉田委員 今説明がありましたように、都道府県段階で見ると二十五の道府県が知事のホームページで知事交際費を公開している。
 私も、限られた中ですから、全部をあけてみることはできませんでしたけれども、これは北海道の知事の部屋的なところから、知事交際費という欄をクリックして引き出したものですけれども、全部詳細に金額、日時、もちろん相手の方、相手の方の肩書などについても記録されて、見ることができます。ちなみに、これはいつから始めたかわかりませんが、北海道は件数が六万八千七百三十三件というふうにアクセス件数が書かれておりました。
 情報公開しているぞということかもしれませんけれども、やはり気軽に知事の交際費についても広く、だれが見ても、公開されているということは、大いに適切なことであり、ぜひこのホームページでの公開ということを検討し、具体化していくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○松田秘書部長 ホームページへの掲載につきましては、知事も記者会見で、そういうニーズがあるならばやるという趣旨を発言しております。
 石原知事が就任してからの交際費に関する公文書の開示請求の実績でございますが、十九名の方から請求がございました。現時点で、その発言以降、ホームページに掲載すべきという意見は、特に今のところ寄せられてきてはおりませんが、今後のニーズの推移を見ながら検討を進めていきたいと思います。

○吉田委員 一々、そういう公開してほしいというニーズ、それが、声がどれだけ都庁に上がるかというのは、それは限られたものでありますけれども、他県の実例などから見ても、そうした、することによって改めて関心を引き出すということもありますし、ぜひこれは早急にホームページの公開を検討していただきたい、具体化していただきたいということを述べまして、ちょっと時間が余りましたけれども、終わらせていただきます。

○土屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 異議なしと認め、予算及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で知事本部関係を終わります。

○土屋委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案中、歳出、選挙管理委員会事務局所管分並びに第四十八号議案及び第四十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○長橋委員 選挙管理委員会、よろしくお願いします。
 最近行われた公職選挙法の改正、幾つかあるわけですけれども、それでその点について何点かお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず、投票しやすい環境をつくる、こういうことで、期日前投票制度、これができましたけれども、その内容についてお知らせいただきたいと思います。

○押切選挙管理委員会事務局長 期日前投票制度は、従来から区市町村等で行われておりました不在者投票制度にかわる制度として創設されたものでございます。
 期日前投票制度では、選挙期日前、すなわち投票日前でありましても、投票日と同様に投票用紙を直接投票箱に入れることができるようになりました。したがいまして、これまでの不在者投票のように、記入した投票用紙を封筒に入れ、署名するといった手間がなくなるなど、投票手続が大変簡素化されております。なお、一部の病院、老人ホーム等の指定施設で行う投票などにつきましては、引き続き、これまでどおり不在者投票の手続で行われます。
 この改正は、昨年十二月一日以降に選挙期日が公示または告示される選挙から実施されているところでございます。

○長橋委員 名簿登録地での不在者投票所では、こういった期日前投票が成ったと、こういうことであると思いますけれども、選挙になると必ず聞かれるのが、要するに二十になりましたというと、いよいよ初めての選挙ということで、今度の選挙はどうなのか。よく、誕生日によって間に合う人と間に合わない人と出てくるわけでありますけれども、この期日前投票、特に制度になってから、従来では投票日の翌日までに二十になった人は選挙権がありますよと、こういうことになるわけですから、若い人なので忙しい、投票日に行けなきゃ、不在者投票、ぜひ行ってきたらどうか、こういう話もするわけですけれども、不在者投票を行う時点でまだ二十になっていなくても、従来は不在者投票することができた、投票日、さっきいった、二十になれば。
 ところが、期日前投票制度だと、実際に投票と同じ扱いになるわけですから、その扱いはどうなるんでしょうか。

○押切選挙管理委員会事務局長 不在者投票では、その投票時点ではあくまで未確定の投票でございまして、選挙期日、投票日におきまして不在者投票をされた方が選挙権を有することを投票管理者が改めて確認の上、確定投票として取り扱うものでございます。
 しかし、期日前投票制度では、期日前に行う投票の時点で選挙権を有していることが必要でありまして、その時点でいまだ二十になっていない人は、当然選挙権を有していないこととなりますので、期日前投票をすることはできません。そのため、お話の選挙期日には二十になる方が、期日前投票を行う時点ではまだ二十になっていない人につきましては、従前どおり不在者投票制度によって投票することになります。

○長橋委員 そうすると、不在者投票へ行って、その方は従来のとおり、期日前投票じゃなくて、宣誓書は両方とも書くんでしょうけれども、その後封筒に入れて投票を預かると、こういうことになるわけですよね。パンフレットにはそういったことは書いてないんで、原則として名簿登録地の市区町村における不在者投票は、期日前投票に移行しますと、わずかな数かもしれませんけれども、初めて選挙する、どうしても投票日に行けないという場合に、こういう人もいるかと思いますので、お知らせしていただきたいと思います。
 あわせて、今度は転出についてもどうなるかということをお伺いしたいと思うんですね。特に、国政選挙とか都道府県選挙、区市町村選挙等もあるわけですけれども、あっちに移動しちゃったら、他県に移動したら、都議選の場合には投票日前に移動しちゃったら、もうできなくなるとか、区市町村の選挙の場合には、区市町村を越えたらだめになる、こういうことですけれども、従来の制度では、不在者投票した後でも、投票日、選挙期日までの間は、その人がほかのところに移動しちゃった、ほかの区市町村に移動した場合には選挙権がなくなる。ですから、たとえ不在者投票しても、その後、選挙投票日前に転出したら無効になってしまう。この期日前投票になると、これはどうなるんでしょうか。

○押切選挙管理委員会事務局長 このたびの期日前投票制度では、期日前に行う投票の時点で選挙権を有していればよいということになっておりますので、お尋ねのように期日前投票後に他団体に転出したケースにつきましては、有効な投票として取り扱うことになります。

○長橋委員 ということは、その後、期日前投票した後、場合によってはお亡くなりになってしまったというのも有効であるということでいいんですね。--はい。細かいことですけれども、確認させていただきました。
 この期日前投票制度、昨年十二月一日から導入されて、まだわずか四カ月しかたっておりませんけれども、東京で行われた期日前投票の実施状況、これについてお伺いいたします。

○押切選挙管理委員会事務局長 期日前投票制度の施行後、都内ではこれまでに四団体で選挙が行われております。本年一月二十五日執行の八王子市長選挙及び新島村長選挙、それから二月一日執行の府中市長選挙、そして二月十五日執行の三宅村議会議員選挙及び村長選挙でございます。
 各区市町村の選挙管理委員会によりますと、期日前投票は投票手続が簡単であり、有権者の皆さんには好評であったと聞いております。また、いずれの選挙管理委員会におきましても、制度改正の周知や事前準備を十分に行ったことから、選挙の管理執行上、特段のトラブルもなく、選挙は円滑に進められたと承知しております。

○長橋委員 五つぐらいの選挙ですか、八王子市長選挙とか府中市長選挙という、東京にとっては大きな選挙も行われたわけですけれども、不在者投票に行く人にとってみれば、たとえそういう制度になったということを知らなくても、向こうに行けばより簡便になったと、また直接投票箱に入れるということで、非常にいい制度だと思いますので、特段トラブルもなく円滑に進んだということで、安心しております。
 次に、もう一つ、今度、改正、実施になるようですけれども、体に重度の障害のある人、選挙人に選挙権行使の拡大、これを図るとして、郵便を使って、在宅でできる投票制度として郵便投票制度、これがあるわけですけれども、先般の公職選挙法の改正により、この制度の拡充が図られた。その具体的内容について、まずお伺いいたします。

○押切選挙管理委員会事務局長 郵便投票制度に関する今回の改正内容は、大きく二点ございます。
 一点は、郵便投票制度の対象者に介護保険の要介護五の方々が新たに加えられた点でございます。これによりまして、寝たきりの高齢者の方々などが郵便投票の対象者となったところでございます。
 次に、郵便投票の対象者で、かつ上肢、視覚の障害が一級である人など、みずから投票の記載ができない方々につきましては、あらかじめ届け出た代理記載者に投票の記載をしてもらう代理記載の制度が新設された点でございます。
 これら郵便投票制度の改正につきましては、本年三月一日以降に選挙期日が公示または告示される選挙から施行されているところでございます。

○長橋委員 郵便投票の制度拡充ということで、よく聞かれるのが、寝たきりの方、とても投票所に行けない。だけれども、今までは身体障害者手帳とか戦傷者手帳一級とか二級とかいうのを持っていないとだめだと。持っている人はそんな多くないわけで、投票したいのに行けなかった。今度、要介護五だと入ったということで、多少の拡大があったかな。これは、どこまで広げるかというのは難しい話だと思いますけれども。
 それから、もう一つは、この郵便投票できる人で、要するに手が不自由な方、目が不自由な方、それに、今までは投票所に行って代理投票というのがあったわけですけれども、今度は郵便投票でも代理投票、代理記載ができる。これは大きな前進かと思いますけれども、これをどう確かめるかというと、またこれは非常に難しい話になってくるかと思いますけれども、ともかく最近、不在者投票時間の延長も含めて、多様な社会構造の中で、またいろいろな人たち、方たちのために、こういった基本的人権である選挙権、これを拡大してきたことは大きなことだと思いますけれども、高齢で寝たきりになった人々は郵便投票の対象であっても、中には、この間裁判でありましたけれども、近年、動けなくなって投票用紙に自筆することができない。そのために、実質的に選挙権の権利行使が制限されていた神経難病ALS病、全身麻痺になって字が書けない。こういった皆さんがおりまして、それが一昨年十一月二十八日の東京地裁判決では、郵便投票でALS患者に代筆を認めないのは、選挙権の侵害であり、違憲状態であるという判断が示されております。
 このような状態を放置しておくことは許されないし、我が党としても、こうした観点から郵便投票制度の見直しを積極的に推進してきたところでありますし、巡回制度というようなこともいっているところであります。
 ところで、この郵便投票、これまで対象にはどの程度活用されてきたんだろうかというところが、また大きな問題であると思います。現状の郵便投票の申請率、すなわち制度の対象者のうち、投票の前提となる申請手続--申請手続しなきゃできないわけですよね。人の割合と、その利用率、そしてまた対象者のうち、実際に郵便投票した人の割合はどの程度だったのかお伺いいたします。

○押切選挙管理委員会事務局長 平成十三年に総務省がまとめた郵便投票制度の対象者数は、全国で約百万人と推計されております。このうち、申請により郵便投票証明書の交付を受けた方が約五万人、平成十三年の参議院選挙で実際に郵便投票した方が約三万人とされております。したがいまして、申請率は約五%、利用率は約三%となります。
 都内では、対象者は約十一万人と推計され、そのうち郵便投票証明書の交付を受けた方が約八千二百人、平成十三年の参議院議員選挙で実際に郵便投票した方が約五千七百人となっております。したがいまして、申請率は約七%、利用率は五%となります。

○長橋委員 この間の平成十三年の参議院選挙で、国政選挙で国全体では利用率が三%、都でも五%。余りにも低い、こういうことが今わかりました。
 郵便投票制度ということ自体、そうすると十分に知られていないことが大きな要因ではなかろうかなと思うわけであります。郵便投票など、障害者のために設けられている投票上の制度について、選管として、国も責任があると思いますけれども、アピールを行っていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○押切選挙管理委員会事務局長 都選管では、これまでも障害を持つ方々を対象とした投票上の各種制度などにつきまして、選挙の都度周知を図ってきたところでございますが、今回の郵便投票の改正内容につきましても、テレビ、ラジオ、広報紙など、都の広報媒体を活用し、都内全域にお知らせしていきたいと考えております。
 また、都選管のホームページには、郵便投票を初め、投票所で行うことができる点字投票及び代理投票や、病院等の指定施設における不在者投票などにつきまして、わかりやすくご案内しております。また、各区市町村選管におきましても、それぞれの広報でお知らせしたり、パンフレットを配布するなどによりまして、こうした情報の周知を図ってきております。

○長橋委員 確かに郵便投票というと、非常にわかりにくくて、よく聞かれても、なかなか説明するのが、証明書をもらわなきゃいけないということがあったりして、結局、地元区の選管、市の選管に聞いたらどうか、こういうことで、大体聞くのはかわりの方が、お近くにいる人が聞いてあげたりするんですけれども、そうすると、聞くと、非常に行ったり来たりして面倒くさいということもあったりするわけです。
 大体、こういう制度というのは、選挙前の区の広報だとか、そういったところで、インターネットで見る場合も、できますけれども、そういうところしかないわけで、日常的にそういったことがわかっている人というのは本当に少ないんじゃないかな、こういうふうに思うわけでございまして、そういった障害者のための投票制度、これをもっと周知していく工夫が必要ではないかな、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、私もこの「社会福祉の手引」、これは非常に東京都の出版物では好評であるし、いろいろなことで使われている。私も、わからないと、これを見ると、どこに聞けばいいんだなとか、どういう制度になっているのかなというのがわかるわけですけれども、「社会福祉の手引」に、この郵便投票、障害者の欄に選挙投票制度については一切記載がないわけなんですよね。
 特に、こういったものを使っている障害者や高齢者の方たち、またそれに関係する人たちは、そういう投票制度については詳しくない。これに載っていれば、そういった方に説明もできる、そういうこともあるかと思いますので、ぜひこの「社会福祉の手引」にそういったことを記載することも必要ではなかろうかな、こう思うわけでございます。
 そこで、同じ都庁の組織の中で、福祉局がこれ、発行しているわけですけれども、ぜひ連携をとってPRしていただいて、選挙と福祉、こういったことも大事なことでございますので、ぜひ連携をとって、また垣根を越えて取り組みをしていただきたい、こう考えますけれども、いかがでございましょうか。

○押切選挙管理委員会事務局長 郵便投票を初め、障害を持つ方や高齢者の方々の投票機会の確保に関連する情報を対象者に効果的に周知するためには、委員のお話のように、福祉関係者を通して周知していくことも極めて有効なことだろうと考えます。
 ご案内いただきました「社会福祉の手引」への掲載を初め、福祉関係のさまざまな広報媒体、また説明の機会などを通じまして、PRに努めてまいりたいと思います。大変貴重なご提言でございますので、速やかに福祉局と連携をとりまして具体化に努めてまいりたいと思います。

○土屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。

○土屋委員長 これより監査事務局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案中、歳出、監査事務局所管分及び第五十二号議案を一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○真木委員 議会の初日に星野監査委員から監査の状況をお伺いいたしました。星野先生を前にして大変恐縮でございますが、監査につきまして質疑させていただきたいと思います。
 と申しますのも、今回の監査では、七億一千万円もの不経済支出を指摘されました。通常、これは四千万円程度だというぐあいにお伺いしておりますけれども、大変な精力的な活動だというぐあいに私は思った次第でございます。また、議会の本来業務はチェックでありますので、チェックをともに担っていただいております監査事務局に敬意を表しつつ、質問をさせていただきたいと思う次第であります。
 さて、まず第一点目の質問としては、フォローについてであります。
 一年間に百八十件もの監査の指摘をされました。しかし、これは指摘だけで終わってはなりません。フォローについて、どのように行われているのかをお尋ねしたいところでございますが、その中で、「サンデー毎日」二〇〇四年三月二十一日号の中に、東京都交通局出資会社の奇々怪々という形で、我が党の花輪ともふみ議員の指摘を踏まえながら、過去に監査の指摘が行われているにもかかわらず、いまだ改善されていないということで指摘されております。この事項につきまして、説明と現在の状況をお尋ねいたします。

○北村参事 今先生がご指摘になりました記事につきましては、東京交通サービスについてでございます。平成十二年度に実施いたしました交通局に対する財務監査におきまして、監査委員から意見、要望事項として付記したものでございます。
 その内容は、局が東京交通サービス株式会社と特命で随意契約を締結している十二件の契約案件につきまして、他の業者でも行うことが可能であること、特命理由に乏しいなどの事象が多く見受けられましたことから、個々の案件の業務内容等を精査し、契約方法の見直しを行われたいとしたものでございます。
 今現在、状況でございますけれども、改善の状況でございますが、平成十五年度に交通局が東京交通サービス株式会社と契約締結した件数は八件ございまして、このうち七件は引き続き特命による随意契約でございますが、一件につきましては指名競争入札により行われております。

○真木委員 十二件だった特命が七件になったということでございまして、これを改善と見るのか、よくここまで十二が七になったと見るのか、まだまだ七もと見るのか、これは人によって違うわけでございますけれども、私はやはりまだまだかなというぐあいに思う次第であります。
 いずれにしろ、この十二が七になったということをフォローしているわけでありますが、監査事務局として、このフォローの体制はどのような形でやっているんでしょうか。

○北村参事 フォローアップの件でございますが、監査の結果、指摘した事項につきましては、各局に対しまして早急に是正改善するなど、適切な措置を講ずるように求めております。
 具体的には、年に二回、各局から指摘した事項に関する改善状況の報告を受けまして、これらのうち、監査委員が改善済みであると判断したものにつきましては、公表を行っております。

○真木委員 繰り返しですが、十二が七になったことについて、これを積極的にやってくれたと見るのかどうかというのは、これは本当にわからないわけでありますけれども、いずれにしろ、監査には今権限が余り与えられていないかと思います。そうした中で、フォローアップ、十二が七、まだ対応してくれた。だけれども、全く応じないようなところも中にはあるのかもしれません。監査の指摘事項をどのように実現していくかということにつきまして、事務局長よりご所見ございますでしょうか。

○松澤監査事務局長 監査で指摘した事項の中には、例えば関係機関との調整を要するものなど、即時の改善が困難なため、ある程度各局で期間を要する取り組みが必要な事例があるわけでございます。
 こうしたもののフォローアップにつきましては、年二回、各局から改善状況の報告を受け、実施されていない場合には、二年間程度は継続して是正に向けての措置を各局に促しまして指導すると、こういう形をとっているところでございます。全体的には、大体一〇〇%措置している場合もありますし、年度によっては九〇%ぐらいというのもありますが、大体そんな形で改善措置を促しながら指導しております。
 今先生お話ありましたように、それでも結果として改善が行われなかった場合には、監査委員として改善を促す権限は、現行では制度として保障されていないため、一定の限界がございますが、お話のとおり、指摘された事項が改善されなければ意味はありませんので、実効性が高まるよう、さまざまな方法を通じまして、今後とも積極的に取り組んでいく、こういうふうに考えております。

○真木委員 七億円もの不経済支出を指摘していただきました。しかし、これが具体化、改善されなければ意味がないわけでございますので、どうぞ引き続きフォローアップに監査の先生方、また事務局一丸となって取り組んでいただきますことをお願い申し上げ、私ども議員も応援させていただきたいというぐあいに思います。
 さて、具体的な問題に入らせていただきますが、今回は調査研究委託というテーマを取り上げられました。大変おもしろいテーマを取り上げたな、そして局横断的に監査するというような試みをされております。経済性、効率性、有効性の観点に立った指摘も報告がありました。
 そこで、今回、なぜ調査研究委託をテーマにしたのか、その心についてお尋ねいたします。

○北村参事 調査研究委託をテーマにしたねらいでございますけれども、各局が行っております調査研究委託は、毎年度全体で六十億円から八十億円、かなりの金額を投入してやっております。特に統一的な基準もありませんで、各局の判断でそれぞれ独自に行っている、実施しているという状況でございます。
 これに対しまして、近年、経済性、効率性、有効性という面で、統一的な観点から都庁全体として検証、評価したことがありませんで、これまで十分な見直しが行われていないという状況にございました。
 このため、今回の監査では、その問題点や課題を明らかにして、各種の調査研究委託が今後の都政に有用で効果的な方向で行われることを目指すことといたしまして、平成十二年度から十四年度までの三年間にわたりまして、都全体で千七百五十五件に及ぶ本庁執行分、このすべてにわたりまして、その必要性、実施方法、結果の活用などの視点から監査を実施したところでございます。

○真木委員 六十億円から八十億円もの調査が行われていたということ、これは初めて、この監査によってわかったわけでありまして、本当に今回の横断的にやっていただいた監査の一つの成果かなというぐあいに思います。
 そして、その監査の結果として、一九ページに監査の結果というものが述べられております。委託の現状において、計画的な執行に疑問のある状況や成果物の公表が消極的と思われるものが認められた。二つ目としては、観点別の監査結果からは、委託の必要性に疑問があるもの、調査の方法や進行管理が適切でないもの、成果物の利活用が十分でないもの、契約の方法や積算が適正でないものなどがあるという指摘をされております。
 今回、この横断的にやった調査で、こういったことが改めて初めてわかったわけでありますけれども、その中でありました成果物の公表が十分でない、利活用が十分でないということについてお尋ねしたいと思うわけでありますけれども、今後どのように使っているかというところでは、庁内での活用が四八・三%、公表していないが三三・四%、合わせると、庁内だけで終わっているものが八〇%を超えている。庁外に発表しているものが二〇%にならないわけですね。
 税金を使って実施した調査である以上、これは公表すべきであると考えますけれども、いかがでありましょうか。

○北村参事 今の公表状況の件でございますけれども、委員ご指摘のとおり、貴重な税金を使用して実施いたしました調査研究委託の成果につきましては、プレスや刊行物での公表、ホームページへの公開など、都民に広く公表しているものが少ないことは、好ましい状況であるとはいえないというふうに考えております。
 したがいまして、公表により支障の生じるものを除き、行政の透明性を高めるという観点からも、調査研究の成果につきましては、積極的に都民や研究者に公表することに取り組む必要があると、こういうふうに考えております。

○真木委員 ぜひ公表を促すような形でお願いしたいと存じます。
 それから、もう一つ、委託の契約方法についても問題を指摘されております。およそ三分の一を超えるものが特命契約によって行われております。私は、特命契約すべてを否定するものではありません。専門性や、ほかにやっているところがないとか、そういったことで特命契約があることは一定しようがないものがあるかとは存じますけれども、しかしながら、三分の一を超えるものが特命契約だということに関しては、問題意識が欠如している、特命は例外であるという基本線、スタンスを踏まえていないんじゃないかなという気がいたします。
 特命契約のその正当性について、合理性について検証されたかと思いますが、その中に疑義があるようなものはありませんでしたでしょうか。

○北村参事 契約方法の特命契約でございますけれども、特命契約、随意契約につきましては、その性質、また目的が競争入札に適しないときに例外的に認められるものでございまして、およそ三件に一件の割合で特命契約が行われていたという状況は問題があるというふうに思っております。
 競争入札によります契約締結の経済性が損なわれることのないよう、可能な限り、特命契約を競争入札やコンペ方式に改めるよう努める必要がある。特に、継続事業で特命としている場合には、コストの削減あるいは行政の透明性を高めるためにも、積極的な見直しが必要と考えております。
 このような点から見まして、昭和五十九年からほぼ一貫して特命随意契約を行っておりますが、合理性に欠けるため、契約方法を見直す必要があるとして、東京消防庁の調査研究委託を事例として、今回報告しております。

○真木委員 不経済支出につきましても指摘されております。その中でも、建設発生土にかかわるもので一億円を超える不経済支出を指摘されましたけれども、具体的に建設発生土の単価によってどのような不経済支出があったんでありましょうか。

○北村参事 建設発生土の問題でございますけれども、建設発生土、自由処分に係る処分単価につきまして、現行では都内全体の統一単価を建設局、水道局、下水道局の三局で用いております。しかしながら、施工場所と処分場の関係から、二十三区と多摩地区での処分に要する調査単価が大きく異なっているという実態がございまして、それぞれの地域ごとに単価設定を行うべきとしたものが意見の内容でございます。
 これまでの割高な統一単価でなく、今回の意見である地域ごとの単価を設定した場合では、一億三千九百万円の縮減が図れるものと、こういう試算をしたところでございます。
 このほかにも、今回の調査研究委託の指摘として、建設局が国土交通省の依頼を受け、交通事故調査委託を行っている事例がございましたが、その内容は調査委託の結果の活用を専ら国が行っており、現状では、当該調査委託により、都が得るメリットが少ない状況となっております。今後ともこういう調査を継続せざるを得ないんであれば、調査委託費用について国に応分の負担を求めるべきである、こういうふうにしたものでございます。仮に国が二分の一を負担したとしても、七百万円を超える額の負担減となるなどの不経済支出の状況が見られた、こういうものも指摘してございます。

○真木委員 私は、まだ都議会に来て二年ちょっとでございまして、監査についてそんなに知っているわけじゃありません。しかしながら、ここまで経済性にこだわった指摘をされた監査というものは、そうそうないということで伺っております。大変すばらしい成果だなというぐあいに思うところでございます。
 今まで幾つか指摘をいただきましたけれども、本当に今まで私どもが気づかなかったような点を指摘していただいております。引き続き、さらなる努力をお願いしたいと思います。
 さらには、提言の中で、今後は調査研究委託の執行を全庁的に検証、評価しながら、一元的に管理する体制を整備することが望まれるというご意見まで付されております。まさに、先ほど六十億円、八十億円もの調査をしているということがあって、基本的なデータを、生活文化局であっても福祉局であっても、同じようなことを聞いていたりするかもしれません。また、もっと一元的にやれれば、クロス集計がもっとできて、的確な分析ができるかもしれない、そういったことがあろうかと思います。全く同感でございます。
 今、みずから一元的に管理する体制を整備していこうというような提言、さらには成果物の公表をしろと、さらには特命随意契約についても問題提起をされました。先ほどの繰り返しになりますけれども、問題提起で終わってしまってはだめでございます。今回の監査事務局長様は、この直前まで財務局の主計部長をされておりました。予算をつくった方が監査をやるというのは、最適の人事か、最悪の人事か、どっちかでございます。
 しかしながら、今回、こういった経済性に注目して監査されたということは、これは多分前者だったんじゃないかなというぐあいに思います。さらにご努力いただきまして、後世に名を残す最強の監査事務局長になっていただきたいという思いを込めながら、今後の監査の充実強化、フォローアップ、決意を伺います。

○松澤監査事務局長 ただいま先生からお話のありました調査研究委託を全庁的、それから一元的に管理する体制を整備することが望ましいとしたことなど、今回の調査研究委託で報告いたしました今後の課題指摘につきましては、その実現に向けてフォローアップに積極的に取り組むことが重要であると、このように考えております。
 監査委員による監査は、これまでどちらかといいますと、法令とか規定などに違反していないかとか、それからまた、備品台帳に記入、ちゃんとされているかといったような、適正な財務処理がなされているかといった、いわゆる合規性を中心に監査を実施してきたわけでございますが、これからは、これに加えまして、各局の事業、施策がそれぞれ目的に沿ってやっているのか、あるいは費用対効果がちゃんとなされているのか、そういった効率性とか、それから有効性の観点から、もっと監査に力を入れていかなければならない、このように考えております。
 いずれにしましても、新しい時代の流れの中で、包括外部監査の導入、それから行政評価制度あるいは公会計制度改革の取り組みが具体的に動いておりますが、今後とも、都民からお預かりした税金がむだに使われることのないよう、都民の目線に立った効率的な重点的な監査を目指しまして、四人の監査委員のご指示をいただきながら、監査事務局一丸となって頑張っていく決意でございます。よろしくお願いいたします。

○土屋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土屋委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十二分散会

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