総務委員会速記録第五号

平成十三年三月二十二日(木曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長今井 悦豊君
副委員長吉住  弘君
副委員長藤川 隆則君
理事土屋たかゆき君
理事丸茂 勇夫君
理事新藤 義彦君
木内 良明君
東野 秀平君
鈴木 一光君
前沢 延浩君
坂口こうじ君
佐藤 裕彦君
渋谷 守生君
木村 陽治君

 欠席委員 なし

 出席説明員
政策報道室室長安樂  進君
政策調整部長岡田 重信君
総務局局長大関東支夫君
総務部長高橋  功君
選挙管理委員会事務局局長南  靖武君
次長田口 正一君
人事委員会事務局局長中山 弘子君
任用公平部長砂岡  攻君
監査事務局局長久保田康治君
次長銅谷 勝子君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 予算の調査(意見開陳)
 ・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 総務委員会所管分
 ・第二号議案 平成十三年度東京都特別区財政調整会計予算
 ・第四号議案 平成十三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
 付託議案の審査(決定)
 ・第三十一号議案 東京都情報公開条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
 ・第三十三号議案 東京都職員定数条例の一部を改正する条例
 ・第三十四号議案 職員の再任用に関する条例
 ・第三十五号議案 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第三十六号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第三十七号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
 ・第三十八号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
 ・第三十九号議案 非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十号議案  外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十一号議案 東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十二号議案 都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十三号議案 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十四号議案 市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
 ・第四十五号議案 東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
 ・第四十六号議案 東京都育英資金貸付条例の一部を改正する条例
 ・第百七号議案  包括外部監査契約の締結について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○今井委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 さきの委員会で理事会にご一任いただきました意見書六件中二件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

三宅島噴火災害の長期化に伴う被災住民への支援対策の強化等に関する意見書(案)
 平成十二年六月二十六日から始まった三宅島の火山活動は、断続的な噴火を繰り返し、大量の降灰による泥流被害をもたらし、現在も降雨の度に、被害の拡大が続いている。また、昨年後半から、有毒な火山ガスを大量に放出し始め、現在もその活動はやむ気配はない。
 この間、三宅村民は、昨年九月二日の全島避難から、既に六か月を超える避難生活を余儀なくされており、いまだかつて経験したことのない事態を迎えている。島を離れて不慣れな土地での生活は、従来の仕事の道が絶たれ、雇用保険の期限が切れるなど、他の収入確保も困難なことから、厳しい状況が続いている。
 先般、火山噴火予知連絡会により、多量の火山ガスを放出する活動は今後も続く可能性があるとの見解が発表されたことから、避難の長期化は避けられない状況となり、村民の生活の先行きに対する不安は増すばかりである。
 日本の火山災害史上でも、このような住民の全島避難による長期の避難生活の例はなく、国による支援対策の一層の強化が求められている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、避難生活の長期化に伴う三宅村民への支援対策の一層の強化と帰島後の復旧・復興に備えた対策の充実について、以下の措置を講じるよう強く要請する。
一 三宅村民の生活基盤を安定させるため、適切な措置を講じること。
二 三宅島の産業基盤を支える農林水産業者及び商工業者に対し、噴火以前の既往債務に対する利子補給及び災害復旧資金融資の利子補給限度額の引き上げや借換対策長期無利息融資の創設など、適切な支援措置を講じること。
三 三宅村民の帰島後の生活及び事業が速やかに再開できるように、災害の復旧及び泥流被害の拡大防止対策を講じるとともに、離島の地域特性を踏まえ、帰島後の村民生活の早期安定及び復旧・復興対策の確立を図ること。
四 三宅島火山活動の監視・観測体制及び研究の充実強化の措置を講じること。
五 右記対策を速やかに実施するため、財政措置を講じるとともに、現行法制度の弾力的運用や必要に応じた新たな立法措置等を講じること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十三年三月 日
東京都議会議長 渋谷 守生
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣
防災担当大臣  あて

「えひめ丸」沈没事件に対する政府の責任ある対応に関する意見書(案)
 先月、ハワイ・オアフ島の沖合で、宇和島水産高校所有の実習船「えひめ丸」に、アメリカ海軍の原子力潜水艦が衝突した。「えひめ丸」は沈没し、事件の発生から間もなく二か月を迎えようとする今もなお、四人の高校生を含む九名の乗組員が、行方不明のままである。
 現在、アメリカ海軍が査問会議を開き、原因の究明に取り組んでいるが、アメリカ側だけに任せることなく、日本政府としても、責任ある対応をとることが必要である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項について、国民の代表としてアメリカ政府と交渉し、今後の経過を監督するとともに、家族や関係者の気持ちを汲み取り、最大限の努力をするよう強く要請する。
一 九人の行方不明者の捜索を継続すること。
二 事故原因を徹底して解明するとともに、責任の所在を明らかにすること。
三 沈没している「えひめ丸」をできる限り早期に引き揚げること。
四 アメリカ政府として、家族、関係者に対し、誠意ある対応を行い、十分な責任を果たすこと。
五 再発防止に向け、万全の措置を講じること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十三年三月 日
東京都議会議長 渋谷 守生
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣
文部科学大臣
防衛庁長官   あて

○今井委員長 本件は、議長あて提出の手続をとらせていただきますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書四件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。ご了承願います。

○今井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、平成十三年度予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、総務委員会所管分、第二号議案及び第四号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○鈴木委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託された平成十三年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 現下の都財政は、八兆円に迫る都債残高や二年連続の財政赤字に加え、一兆円を超える隠れ借金の存在など、依然として厳しい状況にあります。こうした危機的な財政状況の克服を図るとともに、首都東京の再生に向けて、都市基盤整備や少子高齢社会への対応、景気対策、環境対策、防災など、都政の重要課題に積極的に取り組んでいく必要があります。この観点から、新しい時代にふさわしい施策の再構築や歳入確保努力など、財政構造改革の引き続く実行がますます重要になるのはいうまでもありません。
 知事は、平成十三年度予算案を、財政再建推進プランの前半の到達点として、その着実な実行を図ることにより、首都東京の再生を目指す予算と位置づけられました。財源確保に当たっては、銀行業等に対する外形標準課税が一千億円程度新たな税収として見込まれ、厳しい都財政にとって大変貴重なものとなります。
 また、都が地方交付税不交付団体であることによって受けている国庫支出金の財源調整措置に関して、知事と都議会が相協力し、国に強力に廃止を要求した結果、昨年に引き続き改善が図られました。
 今後も引き続き財源確保に一層の工夫を図るとともに、税源移譲を初めとする地方税財政制度の改善を強く国に働きかけ、地方分権の時代にふさわしい財政自主権を実現していかなければなりません。
 また、この予算案においては、都債の償還経費等、今後見込まれる将来負担の増大に対応し、財政調整基金や社会資本等整備基金の積み立てを行うなど財政基盤の強化を図っておりますが、財政構造改革を進めるという観点からは必要不可欠なことであります。
 一方、景気の先行きは依然として不透明であり、都財政の運営に当たっては、常に財政再建の初心に返り、今後も引き続き財政再建推進プランに掲げた目標の確実な達成を図っていかなければなりません。
 なお、予算の執行に当たっては、各局とも一層効率的な事業運営に努め、都民の期待にこたえるべく最大限の努力を重ねられるよう強く要望いたします。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、政策報道室関係について申し上げます。
 一、東京を取り巻く環境の厳しい変化に的確に対応するとともに、新しい課題に積極的に挑戦するため、新たな組織である知事本部においても、政策立案、総合調整機能などを充実し、トップマネジメントの補佐機能をより一層強化されたい。
 二、首都機能移転問題は、二十一世紀の我が国の政治経済及び文化のあり方に大きな影響を及ぼす重大な問題であります。国の首都機能移転に関する動きに対して、都として移転先候補地との比較考量調査を十分に行い、移転反対の世論を喚起し、国が首都移転を撤回するよう幅広い活動を強力に展開されたい。
 三、東京構想二〇〇〇における首都機能の充実、産業の活性化、福祉、医療改革の推進など、東京の再生に向けた真に必要な施策を着実に実施し、中長期的な財政負担を見通した上で、千客万来の世界都市東京の実現へ邁進されたい。
 四、テレビ、ラジオ、刊行物及びインターネットなどの各種媒体を活用して、ディーゼル車排出ガス対策など都の重点課題に対して戦略的な都政広報を展開されたい。
 五、情報公開制度を適正に運用するため、庁内の指導、調整を強力に行うとともに、公安委員会及び警視庁に関する情報公開に向けた準備を着実に実施し、より一層都民に開かれた都政を推進されたい。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、当面の都庁改革である都政改革ビジョンⅠに掲げた改革への着実な取り組みに努められたい。都政改革ビジョンⅢの策定に当たっては、中長期的な視点から東京の将来像を見据えたものとなるよう努められたい。
 二、区市町村の振興については、行政水準の維持向上を図り、地域の均衡ある発展を促進するため、施策の一層の充実に努められたい。
 多摩、島しょ地域の振興に当たっては、都市基盤整備を着実に推進するとともに、市町村合併への支援や市町村の創意と地域特性を生かした諸施策の推進に努められたい。
 島しょ地域の災害復旧、復興については、被災住民に対する積極的な生活支援並びに島しょ地域の復旧、復興のための財政支援に引き続き努められたい。
 また、国に対し、現行法制度の弾力的運用及び新たな立法措置などを講ずるよう要請されたい。
 三、特別区が今後の事業執行に支障を生じることなく自主的、計画的に財政運営を行えるよう、今後の財源配分の割合については柔軟に対応するよう努められたい。
 四、震災対策については、実践的な総合防災訓練の実施や応急給水槽の建設を推進するとともに、都民の防災意識や対応能力の一層の向上を図るなど、総合的な震災対策の確立に努められたい。
 五、電子申請や電子調達など、ITの成果を都行政に取り入れた電子都庁の実現に努められたい。
 六、私立学校に対する助成については、私立学校が長い歴史と伝統のもとに特色ある教育を実践し、公立学校とともに公教育において果たしている役割の重要性と、都議会における私立学校助成に関する決議にかんがみ、厳しい財政状況にあっても、各種助成制度の一層の充実に努められたい。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○前沢委員 日本共産党都議団を代表しまして、関係予算についての意見開陳を行います。
 平成十三年度東京都予算案の最大の問題は、昨年三月に強行された福祉切り捨てを実行する予算となっていることであり、また、都財政の困難をつくり出した原因である大型開発を温存、拡大するものとなっていることであります。これはまた、本委員会に報告された東京構想二〇〇〇及び都政改革ビジョンⅠの具体化にほかなりません。この方向は、今都民が切実に解決を求めている介護保険の改善など都民要求にこたえないだけでなく、都が本来担うべき仕事を民間企業にゆだねたりして、全体として手を引いていく方向であり、また、時代の大きな流れに逆行して大型公共事業や巨大開発を加速させようとするものであります。
 以下、局別に申し上げます。
 まず、政策報道室関係。
 一、首都機能移転計画に反対を貫くこと。
 一、日米地位協定の抜本的見直しを国に要求すること。
 一、横田基地、多摩補助サービス施設など、すべての米軍基地の全面返還を知事が直接日米両国政府に申し入れること。
 一、横田基地の軍民共同使用計画は撤回すること。多摩補助サービス施設については、返還前でも住民に大幅に開放するよう求めること。
 一、横田基地で米軍が使用する下水道料金の優遇や軽自動車税の軽減、米軍人、家族などに対する税金の特権的減免を廃止すること。
 一、米軍麻布ヘリポートの都立青山公園用地不法占拠に対し、東京都、東京防衛施設局及び米軍の三者協定書に基づき、港区、地元住民と一体となって即時返還を求めること。
 一、横田基地の騒音被害軽減のために、防音対象基準を七〇WECPNLに引き下げるとともに、防音対象指定地域に八王子、町田両市を加えること。
 一、米空母艦載機による横田基地でのNLP(夜間離発着訓練)は、即時全面禁止させること。大惨事につながる低空飛行訓練を禁止させること。
 一、非核三原則の厳正な実施と法制化を国に要求すること。
 一、二十一世紀を核も基地もない平和な東京とするために、憲法の平和的、民主的条項の徹底を図るとともに、非核平和東京都宣言を行うこと。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、三宅島の被災者に対する被災者生活再建支援制度の適用に当たって、支援金の限度額の引き上げ、活用範囲の食料費や衣類などへの拡大など大幅な改善を国に求めると同時に、都として独自に生活支援金を支給することや借入金の返済猶予などを支援すること。電気、ガス料金等の免除が受けられるようにすること。
 一、三宅島の一時帰島や島民がいつ帰島できるようになっても対応できるように、道路などの復興を初め、個人住宅の再建のための個人補償制度の確立と支援を行うこと。
 一、新島、神津島、式根島など、地震災害に遭った諸島の復興に全力を挙げること。大島、八丈島など風評被害を含む打撃を受けた観光産業の救済を図ること。
 一、公正で民主的な行政を効率的に執行する見地で、都政機構や運営の改善と職員の適切な配置を行うこと。財政難を理由に、職員定数、人件費などにしわ寄せしないこと。
 一、外郭団体の組織と管理運営は、公益性、効率性の立場から抜本的に見直すこと。
 一、木造住宅を初め民間住宅の耐震診断、耐震改修への助成制度を設けること。また、区市町村への補助を行うこと。マンションについては、国の制度を活用し、耐震改修を充実させること。
 一、国と連携して震災時の個人補償制度の実現を目指すこと。被災者に対する住宅や生活の再建支援金の給付、住宅や経営の再建資金の超低金利貸付など、都独自の支援の仕組みをつくること。
 一、都区財政調整については、特別区が基礎的自治体として自立したことを踏まえ、財政権を確立するよう都区の対等平等の立場を貫き、協議を尽くすこと。
 一、市町村調整交付金、市町村振興交付金の増額など、多摩格差是正のための財政支援を強めること。
 一、区市町村振興基金を増額し、貸付枠の拡大、貸付利子の減免、借りかえ制度の拡充を行うこと。
 一、区市町村合併や多摩将来像は、当該自治体の自主性を保障すること。
 一、私学助成経常費補助の削減をやめ、私立学校経常費二分の一補助を名実ともに堅持するとともに、幼稚園の経常費補助二分の一の補助を直ちに実現すること。
 一、私立学校での学級規模縮小を促進するために、運営費補助とは別枠に予算を措置すること。
 一、私立学校で経済的理由で中途退学にならないよう、保護者負担軽減措置を別枠助成すること。リストラや倒産などで収入が途絶えた家庭には授業料の補助が受けられるよう制度を拡充すること。
 一、都の同和事業は直ちに終了し、差別の固定化につながる属人事業は廃止し、一般施策に転換すること。
 一、人権啓発センターの事業については、同和偏重でなく、憲法の基本原則に基づき、すべての人権擁護を課題とすること。
 以上であります。

○東野委員 私は、都議会公明党を代表しまして、当委員会に付託されました平成十三年度予算について意見の開陳を行います。
 平成十三年度東京都予算案は、一般会計が六兆二千六十億円で、三年ぶりに対前年度比三・六%増となったものの、一般歳出は対前年度比〇・三%増とほぼ横ばいとなり、投資的経費は九年連続の減少となっています。一般会計が増加したといっても、これは銀行業等に対する外形標準課税一千四百十六億円及びIT業種等の法人税の伸びに支えられたものであります。
 他方、減債基金積み立ての一部見送りや他会計からの借り入れによって生じた隠れ借金が累計で一兆円にも上り、加えて、十四年度から飛躍的に膨れ上がる都債償還費、退職手当や既存の社会資本の維持、更新等に要する経費の増嵩を考えるならば、都財政の先行きはなお予断を許さないものがあります。したがって、今後とも積極的な財政構造改革への取り組みが必要となることはいうまでもありません。
 我が党は、この新年度予算編成に当たり、徹底した行財政改革で都の財政構造を変革すると同時に、少子高齢社会への対応や東京の活性化に必要な予算には十分配慮すべきであると主張してきました。
 都が今回の予算を、財政構造改革を着実に進めながら東京の再生を目指す予算と位置づけておりますが、このことは、まさに我が党の方針と軌を一にするものであります。その意味では、職員定数や職員給与の削減、管理事務費や監理団体への財政支出削減、経常経費の見直しなどでおよそ八百億円に達する財源を捻出し、新たな福祉システムの構築並びに環境、教育、中小企業対策など、社会経済情勢の変化に対応した都民福祉向上のための予算確保のために充てられたことは高く評価するものであります。
 このように、新年度予算案は多くの面で評価するものでありますが、厳しい財政環境下にあって、都が今後とも財政再建をなし遂げながら東京の活力を維持し、都民生活を擁護するために引き続き政策努力を展開し、都民とともに新たな世紀の構築に向けて前進されることを強く要望するものであります。
 以下、各局別に申し上げます。
 初めに、政策報道室について申し上げます。
 一、東京の直面する危機的状況を解消し、首都東京を再生するため、東京構想二〇〇〇に示された各種施策の推進に積極的に取り組むこと。
 一、首都機能移転問題については、本質的な論議が十分に行われないまま、国会等移転審議会から移転先候補地が答申されており、さらに昨年五月には、今後二年をめどに候補地を絞り込む国会決議があったことも踏まえ、都として幅広い反対の世論を喚起し、国に方針転換を強く求めること。
 一、テレビ、ラジオや刊行物に加え、インターネットやパソコン通信など多様な媒体を活用し、都民にわかりやすく、きめ細かい広報広聴活動を進めること。
 一、東京の地域テレビ局である東京メトロポリタンテレビジョンに対して、その特色を生かし、地域に密着した放送をより一層充実するよう要請すること。
 一、情報通信技術講習事業を着実に実施し、都民の情報通信技術に対する能力の向上を図ること。
 一、都民の生活に密着した都民相談のさらなる充実を図ること。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、三宅島災害対策については、島民の方々の避難生活が長期化している実情を踏まえ、各分野にわたる施策の充実を図るとともに、復旧、復興対策に積極的に取り組むこと。
 一、スリムで柔軟な行政体質の確立を目指し、組織、定数の見直しや一層の事務改善に努めるなど、徹底した行政改革を進めること。
 一、東京都監理団体については、監理団体総点検のための基本指針に基づき、統廃合や民営化を推進するとともに、団体の経営評価結果等を踏まえ、一層着実な改革を進めること。
 一、都民生活と深くかかわる情報提供を行っている都のホームページにおけるセキュリティーを確立すること。
 一、電子都庁の基盤構築に当たっては、ブロードバンドネットワーク時代の到来に対応できる体制を目指すとともに、セキュリティーをも含め、万全の体制の確立を図ること。
 さらに、都民サービスのための行政手続のIT化等についても、都民の利便性の向上を最優先課題として取り組むこと。
 一、地方分権については、国に対し着実な実施を求めるとともに、地方財源の充実確保を働きかけること。また、事業の性格を考慮し、区市町村への権限移譲を促進すること。
 一、基礎的な地方公共団体としての特別区の事業実施に支障を生じないよう、必要に応じて都区財政調整の配分割合について適切に対応すること。
 一、区市町村との役割分担の明確化に努めつつ、行政水準の維持向上を図るための適切な財政補完を行うこと。また、多摩、島しょ地域においては、交通基盤の整備を初め、自立化と活性化のための諸施策を推進すること。
 一、大震災から都民の生命と財産を守るために、平素から警視庁、消防庁、自衛隊との連携強化を図る体制を築き、情報連絡、避難誘導、救出救護など総合防災対策の強化に努めること。
 一、私立学校に対する助成については、私立学校が公教育の一翼を担っていることの重要性や都議会決議にかんがみ、厳しい財政状況にあっても、これまでの助成水準の堅持、充実に努めること。
 一、専修学校の充実を図るため、適切な指導に努めるとともに、高等課程に対する教育振興補助の充実及び専門課程に対する補助を新設すること。また、実学教育を支える専修学校については、幅広い視野からの検討を重ね、中長期、総合的な振興策を明らかにするよう努めること。
 次に、選挙管理委員会事務局について申し上げます。
 一、来る都議会議員選挙及び参議院議員選挙にあっては、公職選挙法の精神にのっとり、厳正、公平の選挙が推進されるよう努めること。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○土屋委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十三年度予算にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 平成十三年度東京都予算案は、企業収益の改善や銀行業等に対する外形標準課税の導入などにより、法人二税の大幅な伸びを見込み、三年ぶりの増額予算となっています。しかし、一般歳出はほぼ横ばいであり、一般財源ベースでの財源確保の状況は、徴税努力や外形標準課税の導入で歳入確保策が前進した反面、内部努力や施策の見直し、再構築では、十二年度予算案に比して大きくペースダウンしています。
 これらの結果、歳入の伸びが見込まれるにもかかわらず、職員給与の削減や減債基金積み立ての一部計上見送りで、合計一千五百億円程度の臨時的な財源対策を余儀なくされています。
 一方で、アメリカ経済の急減速や昨今の世界同時株安に見られるように、日本経済の構造改革のおくれが世界経済を景気後退に巻き込み、それが日本経済を破局に導くという最悪のシナリオが進行しつつあります。今は、一刻も早く政権を交代し、破局回避の政策を断行しなければなりません。
 また、仮に破局が回避されたとしても、景気の先行きは極めて不安定であり、都税収入の減収をも見込まざるを得ない状況にあります。本予算案では、財政調整基金や社会資本整備基金への積み立てによって、ある程度の減収には対応できるよう措置されていますが、今後の情勢は予断を許してはくれません。
 私たちは、政府が破局を回避できなくても、七都県市とも連携しながら、でき得る限り都民生活を防衛していかなければなりませんし、東京都自身も、今後実施される組織再編成、電子都庁化に伴う事務事業の見直し、十三年度に本格実施される行政評価制度などを活用しながら、より一層の内部努力や施策の見直し、再構築に取り組んでいく必要があります。
 都財政の構造改革のより一層の推進は、二十一世紀の都政を大きく前進させるために避けて通れない課題です。本予算案に示された各種事業の新設や強化は、これまでの構造改革の成果であります。過去に戻ることで未来を建設することはできません。
 以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。
 まず、政策報道室関係について述べます。
 一、道州制の導入に向けて七都県市の連携を強めるとともに、防災、廃棄物、環境、首都圏、東京湾からまちづくり、産業政策、労働政策、教育政策などの分野に拡大し、共通する事項の統一条例化、広域連合制度の活用などを検討すること。
 一、都民の平穏で安全な生活を守り、地域のまちづくりを進める立場から、騒音やまちづくりの障害などの基地問題の解決に努めるとともに、米軍基地の整理、縮小、返還に積極的に取り組むこと。
 一、首都機能移転に関する比較考量に必要な調査分析を行い、都民が首都機能移転問題について判断するために必要な情報提供を図ること。
 一、小中学校の土地、建物等の将来の需給を推計し、防災、福祉、NPO等の拠点としての活用について、都としての指針を作成すること。
 次に、総務局関係について述べます。
 一、各区市町村の自治能力の強化、行政コストの削減を図るための広域連合の活用や区市町村合併について積極的に働きかけること。
 また、合併後の新自治体の融和とその後の発展を促進するため、首長の在任特例などの制度改正についても検討すること。
 一、二十一世紀の多摩、島しょ地域の特性を生かした振興発展のために、財政フレームや組織のあり方を含めて、施策の総合的な実施を図ること。
 一、行政評価に、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、行政コスト計算書による「機能するバランスシート」を活用するとともに、行政評価モニター制度や第三者機関としての行政評価委員会の設置を検討すること。
 一、都庁の電子化を促進し、業務の効率化と迅速化、都民サービスの向上を図るとともに、情報技術を効果的に活用できるよう事務処理体制を整備すること。
 一、三宅島避難島民の生活支援対策を充実するとともに、伊豆諸島の災害復旧対策に万全を期すこと。
 一、人権施策推進指針を踏まえ、複雑化、多様化する人権問題に対し、都民、NPO、企業等と連携し、人権侵害への直接的な対処のみならず、社会的な機運の醸成や都民、企業等の意欲を生かすための基盤づくりなど、人権問題に共通する観点による総合的な取り組みを展開すること。
 一、私立学校における教育内容の向上、保護者負担の軽減及び学校経営の健全化を図るため、経常費補助、授業料軽減補助等の各種助成を行うこと。
 以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終えます。

○藤川委員 無所属クラブの意見開陳を行います。
 まず、各局の共通事項です。
 我が会派は、平成十三年度予算の編成に当たり、IT関連業種を中心とした企業収益の改善や銀行業等に対する外形標準課税の導入などにより、法人二税の伸びが期待できるものの、先行き不透明のままにある我が国経済の深刻なる状況をしっかりと認識した上で、長期的視点に立っての編成が肝要であることを強く指摘してきたところであります。
 その観点から、十三年度の財源確保に当たり、都債を対前年度比一〇・三%減としたことについては、将来の公債費負担の軽減を図るという見地から一定の評価をしているところであります。
 歳出面については、財政再建への道半ばとの認識のもとに、マイナスシーリングを前提とされる中で、福祉と保健については、構成比において一一・五%と前年度と同率、額において三・一%増としたことについては一定の評価をするところでありますが、障害者及び高齢者対策についての一層の配慮と同時に、医療改革の着実なる推進を強く求めるものであります。
 東京再生のかぎは、いうまでもなく都経済の活性化にあります。中小企業対策、地域商店街活性化対策の積極的展開はもとより、生活環境改善につながる大気汚染対策、幹線道路、公園等々、都市基盤整備にかかわる公共事業の適宜適切なる展開は、都経済の活性化に欠かすことのできない要件であることを忘れてはならないと思います。
 世界規模で進むボーダーレス化の中で、東京が世界の主要都市としての地位を保ち続けることが、我が国の凋落を防ぐことであります。そのためには、何としても、新たに生まれる都民ニーズに即応するだけでなく、社会構造の変化に適応し得る行財政の構造改革を現実のものとしなければならないと思います。全庁挙げての取り組みを強く希望するものであります。
 次に、政策報道室関係について申し上げます。
 一、都政から国政を変えるという石原知事が打ち出すさまざまなアイデアや問題提起に対し、新たなる組織のもとで迅速かつ的確に対応し、トップマネジメントの補佐機関としての重責を果たされたい。
 一、横田基地問題の解決に全力を尽くされたい。
 一、首都移転問題については、これまでの一連の流れを払拭するような新たな行動を展開されたい。
 一、東京から日本を再生し、魅力ある首都圏を構築していくために、近隣県市との連携を一層密にするとともに、国や全国知事会等との情報交換をより活発に行われたい。
 一、最少の経費で最大の効果が上がるよう広報ツールを精査し、都民一人一人が激動する都政の状況を理解できるよう努められたい。
 一、都民の声が都政に反映できるよう、情報公開制度の適正な運用に努めるとともに、広聴機能の充実を図られたい。
 次に、総務局関係を申し上げます。
 一、都政改革ビジョンの着実な推進を図るとともに、ビジョンⅢを早期に策定されたい。
 一、外部監査制度を積極的に活用し、行政の公正性の確保に努めるとともに、都民の視点に立った行政を推進されたい。
 一、地方分権について、地方自治の本旨を実現するため、国に権限の移譲と自主財源の充実強化を働きかけるとともに、市町村に対する分権についても積極的に取り組まれたい。
 一、多摩地域の振興については、商業、文化、居住環境など都市生活機能の充実や都市機能基盤整備を推進し、地域の均衡ある発展に努められたい。
 また、島しょ地域の振興に当たっては、地域特性を生かした産業振興や個性豊かな島づくりに一層の支援を行い、島しょ地域の活性化に努められたい。
 なお、長期化した三宅島島民の避難生活支援に全力を尽くすとともに、帰島後の復興対策にも万全を期されたい。
 一、災害から都民の生命と財産を守るため、都民の防災意識の向上を図るために普及広報を一層推進するとともに、初動対応の迅速化など防災体制の確立に努められたい。
 以上です。

○今井委員長 以上で予算に対する意見の開陳は終了いたしました。
 ただいま開陳されました意見は、委員長において調査報告書として取りまとめた上で、議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○今井委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第三十一号議案、第三十三号議案から四十六号議案まで及び第百七号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも質疑を終了いたしております。
 これより採決を行います。
 初めに、第三十三号議案、第四十二号議案及び第百七号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○今井委員長 起立多数と認めます。よって、第三十三号議案、第四十二号議案及び第百七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第三十一号議案、第三十四号議案から第四十一号議案まで、第四十三号議案から第四十六号議案まで一括して採決をいたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今井委員長 異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○今井委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○今井委員長 この際、所管局を代表いたしまして、大関総務局長より発言を求められておりますので、これを許します。

○大関総務局長 お許しいただきまして、当委員会所管の五局を代表いたしまして、一言御礼申し上げます。
 ただいまは本定例会にご提案申し上げておりました予算案の調査及び議案のご決定を賜り、まことにありがとうございます。
 この間にちょうだいいたしました貴重なご意見、ご要望につきましては、十分尊重させていただきまして、今後の都政運営の参考とさせていただきたいと思います。今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げまして、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○今井委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十一分散会

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