委員長 | 今井 悦豊君 |
副委員長 | 吉住 弘君 |
副委員長 | 藤川 隆則君 |
理事 | 土屋たかゆき君 |
理事 | 丸茂 勇夫君 |
理事 | 新藤 義彦君 |
木内 良明君 | |
東野 秀平君 | |
鈴木 一光君 | |
前沢 延浩君 | |
坂口こうじ君 | |
佐藤 裕彦君 | |
渋谷 守生君 | |
木村 陽治君 |
欠席委員 なし
出席説明員政策報道室 | 室長 | 安樂 進君 |
理事 | 赤星 經昭君 | |
知事室長 | 中村 正彦君 | |
政策調整部長 | 岡田 重信君 | |
特命担当部長 | 松田 紀子君 | |
国政広域連携担当部長 | 三枝 修一君 | |
広報部長 | 中島 建夫君 | |
計画部長 | 関谷 保夫君 | |
調査部長 | 松田 曉史君 | |
首都機能調査担当部長 | 野村 寛君 | |
都民の声部長 | 浅井 憲彦君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 中山 弘子君 |
任用公平部長 | 砂岡 攻君 | |
試験室長 | 川田 明良君 | |
審査担当部長 | 石田 秀明君 | |
監査事務局 | 局長 | 久保田康治君 |
次長 | 銅谷 勝子君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
人事委員会事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出 人事委員会事務局所管分
監査事務局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出 監査事務局所管分
政策報道室関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出 政策報道室所管分
付託議案の審査(質疑)
・第三十一号議案 東京都情報公開条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京構想二〇〇〇について
○今井委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。
初めに、予算の調査について申し上げます。
平成十三年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分については、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布いたしております。
朗読は省略いたします。
平成十三年三月十六日
東京都議会議長 渋谷 守生
総務委員長 今井 悦豊殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十六日付で予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十三日(金)午後五時
(別紙1)
総務委員会
第一号議案 平成十三年度東京都一般会計予算中 歳出 債務負担行為 総務委員会所管分
第二号議案 平成十三年度東京都特別区財政調整会計予算
第四号議案 平成十三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
(別紙2省略)
○今井委員長 次に、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書六件が提出された旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件についての取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきます。
○今井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、人事委員会事務局、監査事務局及び政策報道室関係の予算の調査と付託議案の審査並びに政策報道室関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより人事委員会事務局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○今井委員長 これより監査事務局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、監査事務局所管分を議題といたします。
本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で監査事務局関係を終わります。
○今井委員長 これより政策報道室関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、平成十三年度東京都一般会計予算中、歳出、政策報道室所管分、第三十一号議案及び過日の委員会で報告のありました東京構想二〇〇〇についてを一括して議題といたします。
本案及び報告事項については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○岡田政策調整部長 去る二月十五日の当委員会におきまして要求がございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布しております資料第1号、総務委員会要求資料の一ページをお開きください。要求のございました米空母艦載機着陸訓練の実施状況と中止要請の状況でございます。
まず、1、実施状況でございますが、東京都に対する通告分といたしまして、横田飛行場、硫黄島及び厚木飛行場における平成十年度から十二年度までの米空母艦載機着陸訓練の実施状況を掲載してございます。
また、その他といたしまして、平成十年から十二年までの三沢飛行場及び岩国飛行場における実施状況をあわせてお示ししてございます。
二ページをお開きください。2、中止要請の状況でございます。
米空母艦載機着陸訓練の中止要請の内容を要請者別にお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、要求がございました資料の説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○今井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、本案及び報告事項に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木委員 東京構想二〇〇〇についてお伺いをいたします。
年頭、石原知事が記者会見で、二十一世紀になったからといってそんなに急に変わるもんじゃないよというふうな発言があったように伺っておりますけれども、そのとおり、我が国は二十一世紀を迎えて、夢と希望にあふれる二十一世紀になる予定だったのが、いまだに明るい展望が見出せず、大きな閉塞感に包まれております。活力を失って、将来に対する不安は大きくなるばかりであります。日本人全体が自信を失っているような状況でありますが、そういう中で、東京は、我が国を牽引する首都の役割を果たしていくために、活力を高め、都市の躍動感を取り戻していくことが必要であります。それなくして我が国の再生はないというふうに考えております。
石原知事が東京から日本を変えるというふうな決意のもとに頑張っているわけでありますが、しかし、東京は、環境問題や交通渋滞など高度経済成長期以来の急激な成長がもたらした多くの負の遺産を抱えたままでありますし、バブル崩壊の後遺症から立ち直れない中で、いまだその解決が図られておりません。都民にとっても、暮らしやすく、また魅力や活力のあふるる東京を築くために、今こそしっかりとしたビジョンを持って、東京という都市を抜本的に改造していくべきであると思いますが、石原都政で初めての基本構想である東京構想二〇〇〇では、その点についてどのように考え、どのように対応しようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○関谷計画部長 ただいま委員ご指摘のとおり、現在の東京は、職住の遠隔化、交通混雑、災害の危険性の増大、居住環境の悪化など、人口や産業の集中の時期に生じたさまざまな都市のひずみが積み残されたままになっております。
今後は、東京構想でも述べておりますけれども、中長期的に人口が減少していく、いわば本格的な人口減少社会に入っていくことが見込まれているわけでございますが、そういう点では、社会資本の量的な拡大への対応に追われるというこれまでの状況とは変わってまいりまして、都市を改善し、東京における生活の質の豊かさを向上させていく上で、ある意味ではまたとない機会ともいえると考えております。
東京構想におきましては、東京圏全体で首都機能を担うという環状メガロポリス構造を実現し、都区部における混雑や環境面での負荷を改善することなどを通じて、都民が生き生きと暮らせるとともに、魅力と活力にあふれる千客万来の世界都市東京を築いていくことをお示ししたところでございます。
○鈴木委員 都民の豊かな暮らしをつくり出していくためにも、環状メガロポリス構造のような、東京圏をも視野に入れた抜本的な都市改造が必要であると思います。また、そうしたしっかりとした都市基盤の上に、初めて東京の再生が可能となろうかと思います。
ところで、このような都市改造を進め、東京を再生していくためには、これまでの従来型の公共事業ではなく、環境や防災、情報化、国際化などの視点に立って、二十一世紀型の社会資本を整備していく必要があると思います。例えば、首都圏三環状道路は、東京圏の環状方向の結びつきを強化する広域幹線道路として、環状メガロポリス構造の実現を図る上で不可欠なものであります。
また、私の地元である葛飾区の立石、四つ木地区においては、水戸街道沿いの不燃化が促進されておりますし、さらに、京成押上線の四ツ木-青砥間の連続立体交差事業が都市計画決定されました。幹線道路沿いの不燃化の促進は、東京の骨格的な防災軸の形成上重要な事業であります。また、連続立体交差事業は、交通渋滞の解消はもとより、防災上の機能向上等にも寄与するもので、いずれも地域のまちづくりの促進とともに、東京の再生に資するものであると思います。
このように、首都圏三環状道路や連続立体交差事業など、真に必要な公共事業については積極果敢に取り組んでいくことが必要であると考えますが、お考えをお示しをいただきたいと思います。
○関谷計画部長 ただいまお話がございましたように、東京圏をも視野に入れた抜本的な都市改造を進め、社会の活力を維持するとともに、環境面での負荷を軽減し、また国際競争にも勝ち抜けるようにすることや、さらなる防災性の向上を講じるなど、都民が生き生きと暮らせるような東京としていくことが今後重要でございます。そのために、真に必要な都市基盤整備につきましては、着実に取り組んでいく必要があると考えております。
そういった観点から、東京構想二〇〇〇におきましては、東京外郭環状道路など首都圏三環状道路の整備促進、羽田空港の再拡張に向けた取り組み、さらには骨格防災軸となる幹線道路の整備と沿道の不燃化などの取り組みをお示ししたところでございます。
○鈴木委員 最近、国債の格付が低下するなど、国も都も財政が大変に厳しい状況にあることは、改めて申し上げるまでもありませんが、そうした中で、環状メガロポリス構造を実現していくために、公共事業を推進することが財政破綻を招くと懸念する方々もごく一部にいらっしゃるようでありますが、その点についてはどのように対応しているのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○関谷計画部長 日本経済が危機に瀕している現在、東京圏への重点投資を進めることによって、東京圏全体の活力を高め、このことを通じて日本経済を再生させていくことが極めて重要でございます。
そのため、財政再建を図りながら、選択と集中の視点に立ちまして効果の高い事業を重点的に推進していく、また、東京圏を再編し、東京圏全体の機能を最大限に発揮させるためには、行政だけで事業を進めていくのではなく、都民、民間事業者などによる都市づくりへの取り組みを促進していくことが重要でございます。
ビジョンをお示ししまして、容積率の緩和などインセンティブを適切に与えることなどによりまして、民間事業者等による都市の再構築を誘導する政策誘導型の都市づくりを推進してまいりたいと考えております。
○鈴木委員 今、選択と集中の視点に立って効果の高い事業を重点的に推進していくというお話でありましたけれども、そういった中に、都心部だけでなくて、いつも私、申し上げますけれども、下町の方にも目を向けていただきたいというふうに強くお願いをしたいと思います。
東京の明るい未来を切り開いて、都民が安心して暮らせる東京をつくるには、ハードの施策のみならず、ソフトの施策も重要であります。東京構想にもあったように、今後は急激な高齢化が進み、ついには、二〇一〇年ごろからは本格的な人口減少社会が到来するわけです。
そうした中で、介護基盤を初め福祉の基盤を整備していくことも急務の課題であります。限られた財源の中で対応していくには多くの困難も伴うと思いますが、どのように対応しようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
○関谷計画部長 急速な少子高齢化、地域の相互扶助機能の低下などが進む中、福祉サービスは、従来のような生活困窮者の保護、救済だけではなく、だれもが適正な負担により必要に応じて利用するものへと性格を変えつつあります。
昨年度の危機突破・戦略プランにおきまして、社会経済状況の変化に対応して、都民のニーズに的確にこたえられる福祉サービスを提供できるよう、都の福祉施策の重心を経済給付的事業から地域での自立生活を支える在宅サービス等の整備へとシフトし、限りある資源の効率的配分を図っていくことをお示しいたしました。
東京構想二〇〇〇におきましては、こうした方針を踏まえまして、高齢者介護サービスや心身障害者ホームヘルプサービスなどのサービス基盤を整備するとともに、民間企業を初めとする多様な経営主体が利用者本位の福祉サービスを提供することにより、住みなれた地域において、可能な限り自立して生活できる社会の実現を目指しているところでございます。
○鈴木委員 三カ年の推進プランの事業費についてお伺いしますが、前回の青島都政時代の改訂重点計画に比べて、総事業費及び福祉関連の事業費はそれぞれどのようになったのでありましょうか。また、構成比についてはいかがでありましょうか、お願いします。
○関谷計画部長 当時と状況も違いますので、単純に比較することはできませんけれども、お尋ねの趣旨に沿いますと、まず、総事業費につきましては、青島都政のもとで策定された改訂重点計画につきましては、三カ年で一兆五千三百四十二億円でございました。今回の東京構想二〇〇〇の三カ年の推進プランにおきましては、一兆二千五百六十一億円と、厳しい財政状況にかんがみて相当程度絞り込んでいる状況にございます。
福祉関連の事業費につきましては、普通会計ベースの民生費で見ますと、改訂重点計画が約千百五十億円だったのに対しまして、東京構想の推進プランでは約二千六十億円となり、約八〇%の増加となってございます。
また、構成比につきましても、約八%が約一八%弱と、一〇ポイント程度の伸びとなっております。
こうした結果になっておりますのは、一つは、都として、福祉改革に踏み出していくことを明確にあらわしたこと、さらには、投資的経費の重点化を図り、真に必要な都市基盤整備を行う中で、財政再建推進プランとの整合性も確保したということもございます。
また、先ほど申し上げましたように、民間の力を適切に誘導していくことに力点を置いて今後の都市づくりを進めていこうというスタンスに立っている、そうしたことの結果が計画事業の面でもあらわれているものと考えております。
○鈴木委員 福祉改革にかなり積極的に取り組まれるということで、これは評価をしたいというふうに思います。今回の三カ年の推進プランでは、区部東部地域における初めての重度身障児施設である東部療育センターや、江東区に痴呆性高齢者等を総合的にケアする高齢者の福祉・医療の複合施設、墨東病院に東京ERを都内で初めて整備することなどが示されています。いずれも葛飾でなかったのは残念でありますけれども、水元公園についても、都民の憩いの場として拡張整備していくこととされておりまして、我々にとっても大変期待の持てる計画となっております。
この間、石原知事が私の一般質問の答弁の中で、水元公園についてある構想を持っているというふうな答弁がありまして、それについて私どもの近藤やよい議員が、予算委員会の中で、それは何ですかというふうに聞いたら、森林青年隊ですか、その構想あんまり我々大して期待できるものではないなというふうに、(笑声)ちょっと残念な思いもしておりますけれども、そういう中で水元公園についてもしっかりお願いしたいと思いますけれども、財政再建期間中という厳しい財政状況の中で、都市づくりと福祉の両面に配慮した計画になっております。大変評価すべきだというふうに考えます。
今後とも、都民から預かった限られた財源を有効に活用し、まちづくりと福祉とのバランスのとれた都政を展開され、二十一世紀の日本の首都にふさわしい千客万来の世界都市東京を実現されることを期待しております。ぜひ東京から日本を変えるように頑張っていただきたいと思います。
以上で終わります。
○前沢委員 私は、一般会計予算の中で、政策報道室の所管事項であります横田基地に関する問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
今も沖縄では、続発するアメリカ兵の犯罪や事件、これに対する県民の怒りが、もう我慢も限界という状況になって、県議会を初め市町村議会が相次いで、海兵隊の削減であるとか、あるいは地位協定の改定を求める、こういう決議を採択いたしています。
また、たび重なる中止要求を無視して傍若無人に繰り返される米空母艦載機のNLPに対しまして、基地周辺の神奈川県の大和市並びに綾瀬市、また青森県の三沢市、広島県の岩国市、そして東京都の福生市の五つの市の市長さんが集まって、この米軍の横暴に抗議をする、そして友好関係も考えざるを得ない、こういう政府と米軍に対するNLPの中止、厳重な申し入れをいたしております。
横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会が、昨年の十一月に、それまでの横田基地の整理縮小に、基地の返還を共同の目標に加えました。そしてこうした行動をとられたわけでありますが、また、日本航空の旅客機同士のあわや大惨事につながるようなニアミスが発生するということで、改めて横田エリアという軍事空域の危険な存在が今クローズアップされているわけであります。
このように、半世紀を超えて、米軍の基地国家、こういうところから脱却をしていこうという、日米安保条約に賛成の方も、反対の立場の人も、立場を超えて今この問題が今日的な課題に到達しているんだというふうに思います。
石原都知事は、今定例会の施政方針表明で、横田空域を含む横田飛行場の返還を引き続き強く求めると、こう述べられ、さらに、たとえ国の専管事項であっても、都民のみならず、国家国民のためになることであれば、今後も具体的な問題提起を行う、こういわれております。代表質問の答弁でも、横田基地の異常な存在にも言及されて、そして基地の返還及び横田空域の返還に取り組むと、こういうことも明らかにされました。
この横田基地の返還とともに、空域の返還という問題について、我が党は、一九七八年、参議院の決算委員会で安武ひろ子議員が、横田という空域は日本の上空である、米軍が勝手気ままに使っている--日本の空なんです、その下には日本人が住んでいる、ここを運輸省の管轄にし、米軍に返還を求めないことには、事故が絶えないではないか、これは航空機事故の直後にこういう問題を取り上げております。
その後も、参議院の運輸委員会とか衆議院の予算委員会で、この空域の見直しを要求してまいりました。先日も十六日に、参議院で、我が党の緒方靖夫議員が空域の返還を要求しまして、扇大臣も積極的にこの問題を受けとめて、米軍にこのことを要求していくということも答弁されております。都議会におきましても、九六年の予算特別委員会で渡辺議員が取り上げまして、当時の青島都知事にその解決を求めております。
以上のように、横田基地の返還と空域の返還を一貫して要求しております、またそのために活動してきました日本共産党として、知事の今回の表明というのは大いに賛成できるものであります。
そこで伺いますが、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡会が、整理縮小という従来の要求に、さらに返還という問題を一致点に加えた、このことは極めて大事なことだというふうに私は思うんです。したがって、この到達した一致点というのは大事にして、このことでぜひ突き進んでもらいたいと思うんですね。そして全く別な民間との共同利用というような概念は持ち込まないようにしていただきたい、このように思うわけであります。
こうした東京都の、そして今到達した基地返還という一致点を本当に大事にして今後進めていただきたいと思うんですが、この点に関しまして答弁をいただきたいと思います。
○松田特命担当部長 横田飛行場につきまして、都の最終目標はあくまで返還でございまして、国に対する東京都の提案要求において、そのための必要な措置を国に求めております。
同時に、返還までの対策として、首都圏の航空機能を補完し、多摩の振興を図るために、横田飛行場の民間航空利用の実現を図っていくこととしております。
今後も、横田飛行場の返還及び返還までの間の共同利用並びに横田空域の返還が実現するよう、国等に働きかけていく所存でございます。
○前沢委員 先ほど私が申し上げたのは、従来の横田基地に関する取り組みが一歩進んで、返還という項目が加えられた、これによって大きな変化がつくり出されている。そしてまた既に瑞穂町あるいは昭島市、この両自治体は、市長、町長、そして議会が挙げてこの問題については東京都にも要請に来られているはずなんですね。そういう点をかんがみても、こうした大きな流れ、今全国的にも起こっている米軍施設に対する国民の世論や、そしてまた米軍に対する国民のさまざまな批判の高まり、こういうのをつかんで行動していただきたいし、またそういう流れは一層強まるであろうということを指摘して、次の質問に移ります。
二つ目の問題は、私ども日本共産党都議団は、この二月二十日に、このNLPの中止を要求している周辺の自治体を訪ねました。残念なことに、幾つかのところが議会開会中ということで、市長さんにお会いできなかったんですが、福生の野澤市長さん、それから羽村の井上市長さん、立川の青木市長さんとお会いすることができまして、懇談をし、また意見交換をいたしました。
その中で、横田基地に関する東京都と周辺自治体連絡協議会が横田基地の返還を共同の目標に掲げたということに各市長とも大変意を強くされておりまして、そして東京都も役割が非常に大事だと。我々周辺自治体としていろいろ行動するんだが、それに東京都が加わったことによって大きな変化をつくり出してきたし、これからも東京都に大きな役割を果たしていただきたいという期待がこもごも述べられておりました。
二月にこのNLPの通告があったわけでありますけれども、この横田基地で実施が中止された。先ほど配られた資料がございますけれども、これは非常に大きな問題の発展だと思うんですね。今までとにかく無視されてきたと。そして繰り返し繰り返し、始まる前に、始まって終わって抗議をするということを繰り返しながらも、それぞれの自治体の市長さん初め担当者は、本当にやりきれない気持ちで来たんだと思うんですね。これがやっと要求が通って、二月において通告されたけれども、これができなかった、これは本当に大きな変化が今生まれてきていると思います。
そういうことで、この連絡協議会や全国の基地周辺自治体のこういう毅然とした行動というのは本当に大事なことだというふうに思いますし、これからも、東京都としてもこういう問題に関して毅然とした姿勢を周辺の自治体と一緒になって取り組んでいただきたいと思いますが、この点についての所見を伺いたいと思います。
○松田特命担当部長 昨年十一月、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会におきまして、横田飛行場における米空母艦載機訓練の全面中止の要請に加え、基地問題解決のために、新たに基地の整理縮小、返還も含めた対策について協議し、要請していくことで合意し、国や米軍に要請を行いました。
また、東京都は、従来から、都内米軍基地の整理縮小、返還と、返還までの対策としての共同使用を国に要請するとともに、米空母艦載機訓練の全面中止を要請してきたところでございます。
○前沢委員 今十一月のお話がありましたが、この連絡協議会が整理縮小に返還を加えた以後の行動、そしてそれに対する政府や米軍の反応といいますか、これはどういうことがあるのか、これについて伺うとともに、このNLPだけじゃなしに、従来にも地位協定の問題に関してのいろいろな要求、さらにここでも地位協定問題が出ておりますが、騒音問題とか、米兵の犯罪に対する問題であるとか、さらに東京都独自の問題として、都有地の問題があるんですね。これを返還する問題であるとか、あるいは軽自動車への都の条例--同様の課税だとか、こういったもろもろの課題があると思います。こういうものについて、政府や米軍とこれからもこうした問題をきちんと東京都の立場を貫いて折衝していただきたいと思います。
このことについて答弁を求めて、私の質問を終わります。
○松田特命担当部長 まず、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会及び東京都の要請に対する国等の反応でございますが、国は、NLPが米軍にとって必要な訓練であり、中止を申し入れることはできないが、極力硫黄島で実施するよう要請を行うとの回答を繰り返してきております。
なお、本年二月の米空母艦載機訓練では、厚木飛行場での夜間訓練及び横田飛行場での艦載機訓練は実施はされませんでした。
次に、その他の問題に対する東京都の取り組みでございますが、都は、これまでも都内米軍基地の整理縮小、返還と、返還前の対策として、共同使用の促進を初め、日米地位協定の適切な見直しや航空機騒音防止対策など、生活環境整備の推進などを国に対して強く要請してきております。
騒音問題や税制、事件、事故等の個別的な課題につきましては、地元自治体とも連携しながら、その解決を引き続き国に強く求めていく所存でございます。
○木内委員 MXテレビについてであります。
MXテレビは、昨年の十一月、開局五周年を迎えまして、一つの節目を通過いたしました。視聴率を初めとして経営状況についてもいろいろと今後の課題を多く抱えているわけであります。
もとより、民放のキー局がひしめいております東京にありまして、元来の独自性を発揮しながら、さらに視聴者を獲得していくという課題もあるわけでありますけれども、並大抵の努力ではなかなか所期の目的を達成することはできないという厳しい一面をも抱えているのがMXテレビである、こう思うわけでありまして、さりながら、いわば許されたルールの中で、議会が常に経営状況等について検証を行い、指摘するところは指摘をしながら、また東京都の局への対応も要請しつつ、こうした議論を重ねていくということは、私は極めて大きな意味がある、こういうふうに思っているわけであります。
さて、視聴率万能主義に陥らない経営方針、東京の行政が見えないという都民の批判にこたえられる番組放送、地域ニュースと生活情報を伝える身近なメディアとしての役割を担っての五年前のスタートであったわけであります。MXテレビは、発足の趣旨に沿って、東京のローカル性に徹しつつ、なおかつ世界に発信しても決して恥じない、質を重視した、それでいて、しかも私企業としての経営基盤が確立されることが重要なことであります。
そこで、何点か具体的にお尋ねをするわけでありますけれども、まず、この視聴率という点でありますが、私は視聴率ということを取り上げつつ、常に念頭に置かなければいけないのは、視聴率万能主義に陥って、元来の目的を逸してはいけないということであります。しかしながら、やはり視聴率というものも常に念頭に置かなければ、経営基盤との相関関係が極めて重要に関連しているわけでありますから、これを論外とするわけにはいかないわけでありまして、現在、MXテレビの視聴率はどのぐらいになっているか、また、それぞれの番組の中で視聴率の高いプログラムというのはどういうものがあるか、まずご報告を願います。
○中島広報部長 調査の時期によって異なる面がございますが、直近でいきますと、本年の一月に視聴率の調査を行っておりますが、それによりますと、東京都が提供している「東京インフォーカス」という番組がございますが、これが二・五%で最高を記録してございます。上位二十番組を見てみますと、二%台が六番組、それから一%台後半で八番組、一%台前半で六番組がございます。
なお、昨年の調査でございますけれども、プロ野球の阪神・横浜戦でございますが、これについては一〇・一%を記録したことがございます。
○木内委員 今ご報告のあった阪神戦というのは特異な番組であったわけですけれどもね。ほかでやっていないからここに集中した。(笑声)しかし、これも一つの着眼点ではあると思うんですね。今後、こうした角度の番組編成というのもいろいろとまた検討していいんではないか、こういうふうに思うんですね。
そして、私は申し上げているように、視聴率というものがすべての尺度になるとは思いませんけれども、しかしながら、どうして視聴率が低いんだろうというこの分析もまた大事だと思うんです。今、一けたの一%とか二%とかいう数字がありましたが、このMXにおける視聴率一%というのは、都内では約三万二千世帯、全体で六万六千世帯ですか、やはり大きな影響力を持ったメディアの一つである、こういうふうに考えたいんですけれども、さて、今ご説明のあった視聴率が低いという原因についてどうチェックされていますか。
○中島広報部長 視聴率が低い原因としましては、一番大きいのはやはり知名度が低いという面がございます。現実に、MXの営業で中小企業等を訪れて、スポンサーになってくれというような要請をした場合も、MXテレビといって、それは何ですかと聞かれることがあるという話を聞いたことがございます。CATVと間違われることがあるというような実態があるということでございます。そういう意味で、知名度が低いということが非常に大きな問題でございます。
それから、新聞のテレビ欄がございますが、新聞のテレビ欄にVHF局の民放キー局と一緒に並んでいないというのが、これが大変大きなマイナス面にあろうかと思います。現在、東京新聞と日経新聞だけは一緒に載せてくれているわけですが、それ以外のところは別のページになってしまうというのがございます。
それから、旧来、以前から問題であったところではございますが、現在でもそうですが、UHFの専用のアンテナが必要であるということ、これが大変大きな問題であるということ。それ以外にもいろいろあろうかと思うんですが、大きなのはその三つではないかというふうに思います。
じゃ、それに対して、どういう具体的な対応をしているかということでございますが、MXテレビでは、昨年からことしにかけても新聞広告を定期的にやっております。かなり知名度を上げるための努力をしているわけでございますが、それとあわせて、MXテレビという表記でやっていたんですが、昨年十二月からは、そこに東京MXテレビと、東京というのをつけております。できるだけ東京の地域テレビだとわかるように努力をしているという面がございます。
それから、テレビ欄につきましては、ぜひ同じページに載せてほしいという旨を新聞社にも再三働きかけているというふうには聞いております。
なお、アンテナの問題でございますが、これは二〇〇三年度に地上波のデジタル化というのが予定されているわけでございますが、そのデジタル化がされますと、現在のVHF局とほぼ同じような、アンテナの面では同じ条件になりますので、その点では不利が解消されるだろうというふうに思っております。
○木内委員 今、三つの原因について言及していただいたわけで、特に新聞広告等についてもお話がありましたけれども、一般紙の紙面の扱い、今、CATVも含めて随分と局がふえてきまして、民放キー局を中心に実は掲載し切れないぐらいのテレビ番組の内容になっちゃっているわけですよね。だから、新聞社の紙面の都合もあるんでしょうけれども、ご報告いただいた東京新聞や日経以外にもぜひこれは要請を続けることが必要だと思うんです。
そうでないと、私はいつも神奈川テレビのTVKの方と比較しちゃうんだけれども、向こうは先発ですよね。それでいて経営基盤が安定していて、いわゆる地域のローカル局としては非常に屹立したというか、顕在化した目立ち方をしているわけですよ。早く追いつき、追い越せということでなきゃいけないんだけれども、やっぱり向こうの地方版を考えると、TVKの方がこの点でも有利かなというような感じがしているんですね。
それから、他律要因というか、デジタル化によって、平成十五年にはアンテナの関係で多少はバランスが図られるのかなという感じがしておりますが、いずれにしても、この原因についてはそれぞれ個別具体の努力をしないと、視聴率は上がってきませんし、有名になりませんので、どんどんとひとつ工夫をしてください。
今の、MXテレビに東京とつけたのは私、正解だと思うんですよ。やっぱりネーミングというのは大事で、MXは何かテレビ局みたいな感じがしないというんですよ。その辺もよく工夫を凝らしていただきたいと思いますし、同時に、おっしゃったように、多くのハンデがあることは私も承知しているわけであります。東京都はこの五年間で随分と多額の出稿をこの局にしてきているわけであります。MXテレビを東京都としても広報媒体の一つとして位置づけておられるし、また最近では、石原都政の重要課題、例えばディーゼル車対策あるいは心の東京革命など、こうした点についても随分と出稿しておられるということであります。
そこで、MXでなければ出せない特色あるいは特徴ある側面といいますか、こういったものをさらに強調していくということも大事だと思うんです。民放のキー局ではとても扱い切れないというテーマを扱ったり、あるいは一つのテーマについて固有の角度から掘り下げたり、いろいろそういうことはできると思うんですよ。例えば、ゴールデンタイムなんかには、どっちかというと、あえて誤解を恐れずに申し上げれば、視聴率万能の商業主義的な番組が多く流されている傾向があるわけでありますけれども、MXテレビはかなりその点に努力は割いていると思う。さらにこの傾向を今後拡大していくことも一つの道ではないか、こういうふうに思うんですが、こういった点も含めて、いわゆる民放キー局とMXテレビの特段の差異といいますか、あるいはMXの特徴を今後どうとらえていくかということについてお答え願います。
○中島広報部長 今ご指摘のような問題があるわけでございますが、現在、VHF局で東京都が提供している番組、幾つかございます。これはいずれも五分の番組でございます。VHF局では、今先生がおっしゃられたように、ゴールデンタイムに長い時間を確保するというのは、お金の問題だけでなく、やはり難しいという問題がございます。
これに対しまして、MXテレビの場合ですと、三十分程度の比較的長い番組をゴールデンタイムに確保することができます。先ほど、視聴率のところでちょっとご紹介申し上げましたが、直近の視聴率調査で一位になった「東京インフォーカス」でございますが、これは夜八時から八時半のゴールデンタイムの三十分間を割いている番組でございます。内容は、ご承知かもしれませんが、都政や社会が直面する重要課題を分析して解説するといった、いってみれば硬派の番組でございます。こういう番組がMXテレビではできるという点は非常に大きなところではないかというふうに考えております。
○木内委員 今のお話にもあったように、広報媒体の一つとして今後とも活用がさらに期待できるし、指摘したように、八時台のゴールデンタイムにそうしたオーソドックスな、そして非常にまじめな質の高い番組を流すことは極めて重要なことだ、活路の一つではないか、こういうふうに思うんです。それで、そうした苦労を重ねながら、なお経営基盤の安定化をこれまで図ってきた、こういうふうに思うんですね。
経営状況についてでありますけれども、かつて私はこの問題について指摘をしたときに、幾つか具体的に提案をした。一つは、管理体制の未成熟なために、かつては支出の細密なチェックができないような状態であった。これをきちっと強化すべきであるということを申し上げた。あるいは、制作費がかなり突出をしておりまして、これについても工夫を凝らすことができるんじゃないか、こういう指摘もしてまいりましたし、いわゆる赤字計上の理由だったこうした点について、いろいろ指摘を反映して努力が重ねられてきたわけでありまして、今日までの経営努力によって、当期利益の赤字分がどういう推移をしてきていたか。たしか平成八年度では二十億も赤字があったと思うんですが、経年どんな推移をたどっているか、お答え願います。
○中島広報部長 現在のMXテレビでは、極力数字を上げるための経営努力をしているというふうに私どもの方も考えておりますが、十分であるという評価は私どももしておりませんで、常々それのことはMXテレビにも申し上げているところでございます。
一番直近の決算数字でございますが、十二年度、今年度の決算、これは見込みでございますが、十二年度の見込みでは約六億円の赤字という状況でございます。これが前年度、十一年度と比べますと、十一年度は十一億円の赤字でございました。そういう意味ではおおむね半分近くには圧縮されているという状況はございます。
しかしながら、先ほどお話ししたように、二〇〇三年度にはデジタル化が予定されております。これで現在予想されるのが三十億程度必要になるということがございますから、やはり依然として厳しい状況にあるというふうには認識しております。
○木内委員 十五年度のデジタル化に向けての三十億というのは、これは必要なコストでありますから、いきなり経営基盤を論ずるときの数字として投入するのは、今後慎重でなければならないと思うんですが、今あったように、経年で見て、平成十二年度の六億に何とか圧縮はしてきている、こういうことがいえると思うんです。したがって、東京都は財政面での相応の負担をしてきているわけでありまして、今後も引き続いて、制作費などの精査を初めとして管理体制の確立に努めるよう指摘をしていくべきだ、こういうふうに思います。
いずれにしても、今の部長の話ですと、若干でも明るい兆しが見えてきて、経営努力の結果が出てきているというふうにまず判断をしたいと思います。
もとより、我が党は、開局の趣旨を踏まえまして、MXテレビの活用を進める立場で、予算要望等も行ってきているところでありまして、厳しい財政状況でありますけれども、しっかりこれには対応していかなければならない、こう思います。
また、同時に、経営安定のためには、厳しい経営努力とMXテレビの理念に共鳴する民間のスポンサーをしっかりと今後も確保をしていく必要があると思うんです。そこで、現在までの都の出稿額の推移と、平成十一年度までの都と民間スポンサーの比率がどうなっているか。さらに、さっき私が申し上げたように、民間スポンサーへの積極的な働きかけがあったのかどうか。あったとすれば、具体的にどういう内容であったのか、答弁願います。
○中島広報部長 東京都の出稿額でございますが、これについては、議会局の分と一緒にした数字をお話し申し上げますが、細かい点ですが、消費税は別の金額をご紹介いたしますが、平成九年度には約三十六億円でございます。それから十年度が約三十二億円でございます。十一年度は約二十七億円でございます。少しずつ減っております。
その結果でございますが、都と民間の出稿額との比較でございますが、平成九年度でございますが、東京都の分が約四九%でございます。これに対して民間が約二一%でございます。十年度は東京都が約四二%でございまして、民間が約三〇%でございます。十一年度は東京都が約三四%、民間が約三九%ということで、この十一年度に至りまして、東京都と民間との比率が逆転をしております。年々都の比率が下がって民間の比率が上がっているという現状がございます。
それから、民間スポンサーの獲得の面につきましては、MXテレビでは営業局という組織がございますが、この営業局による経常的な営業、これは当然やっているわけですが、これに加えまして、社長を中心としたトップセールスを再三やっているというふうに伺っております。
○木内委員 確かに、報告を今いただいたところでは逆転をしていることが顕著でありますね。平成九年度四九対二一、いずれもパーセント。これが十一年度に逆転をして、民間が三九、それから都が三四%、こういうふうに推移はしてきているんですが、実は逆転したからといって十分だという話には全然ならないわけでありまして、民間の比重が高まっているということはいえるけれども、まだまだ実は都を初めとする自治体の出稿というのが大宗を占めているという傾向、特色には違いはないと私は思うんですね。
したがって、具体的には、東京商工会議所を初めとして、ほかの株主にもしかるべく働きかけをしていく必要がある。たしかこれ決算委員会で指摘したわけでありますけれども、その後、MXテレビへの働きかけで、東京商工会議所等がいわば出稿するところの新たな番組の発掘等はありましたかどうか、お尋ねします。
○中島広報部長 現実に商工会議所には以前から要請しているわけでございますが、具体的には、昨年の四月以降ふえた番組をちょっとご紹介いたしますと、東京商工会議所アワーという番組で、「ガンバレ、社長さん」という番組がございます。これは金曜日の十二時半からの三十分番組のようでございますが、これが東商の努力によって、東商を初めとしたスポンサーがついているということでございます。それから「はあとふるタウン」という番組がございます。これは東京郵政局の簡易保険の関係のようでございますが、そこのスポンサーがついている番組がふえております。それから、ご承知のサッカーのFC東京戦、これの中継、これは東京ガスを中心とした数社の提供、これが商工会議所が中心になっていろいろ働きかけをしてくれてスポンサーになった番組というふうに聞いております。
○木内委員 こうやって質疑を展開していますと、随分細かいことを都議会で根掘り葉掘り聞くんだなという印象を、例えばMXの関係者に持たれるかもしれないけれども、この局の独自性といいますか、元来のあり方からして、東京都が質の高い番組をきちっきちっとサポートしながら元来のポリシーというものを貫くためには必要なんだ、こんなふうなことで関係者には受けとめてもらいたいと思っているわけであります。したがって、今後も、いわゆる株主企業が、経営改善のために、さらにさらに貢献をしていただけるようなそういう働きかけは環境づくりとしてすべきである、このことを一つ訴えるわけであります。
もう一つは、何度も重ねて申し上げるように、放送の自主権といいますか、放送事業者における独自性は断じて守らなければいけないけれども、株主としての、施行者としての東京都の意見はどんどんいっていいんじゃないか。許されたルールの中で、こういうかかわりというのを持っていくことは大事だと思うんですが、その点は確認で聞きます。
○中島広報部長 今先生がおっしゃられたように、この問題、非常に難しい問題でございまして、私ども実務レベルでも非常に扱いにくい部分が正直なところございます。その上でそこをきちっと整理をしていかなくちゃいけないというふうに思っているわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、VHF局では確保できないようなゴールデンタイムの時間帯、ある一定の長さを確保できるということや、あるいは広報効果を踏まえまして、私どもとしましては、都政や東京の情報が都民にきちっと伝わっていくように、株主としては必要な注文をつけていきたい、今までもそうですし、これからもつけていきたいというふうに思っております。
○木内委員 それから、さっきも触れていただきましたけれども、平成十五年のデジタル化、これは私はもろ刃の剣だとも思っておりますが、しかし、積極的な経営姿勢の中でとらえるならば、このデジタル化の時代の到来というのは、MXテレビにとっては朗報である、こう受けとめるべきであるというふうに思いますし、他の民放キー局との番組や質の差異というものを常に念頭に置きながら、独自のいわゆる経営姿勢をさらに深めていくということも大事だと思うんですね。したがって、他の民放キー局と同じ内容になっては生き残ることが非常に難しいのではないか。あれだけの世帯、あれだけの規模、あれだけの取材網とMXが互角に太刀打ちするというのは、極めてこれは不公平な勝負になるわけでありますから、その分、実は機動的に、また非常に配意に満ちた営業、さらに放送事業というものが可能なんだ、こんなふうに思うんですが、どうですか。
○中島広報部長 デジタル化の問題でございますけれども、一番大きなのは、チャンネルが現在の民放キー局、VHF局と一緒になっていくということが非常に大きいわけでございます。
具体的には、まだ確定した情報ではございませんけれども、デジタル化の後には、MXテレビは20チャンネルを確保できそうだということでございます。その隣の21チャンネルがフジテレビ、22チャンネルがTBSテレビ、そういう並びになるというふうに聞いております。こういうふうな並び方になれば、今までのVとUとの違いという不利が解消されるんじゃないかなという気がしております。
それから、先ほどちょっとお話しいたしましたが、専用のアンテナがもう不要になってしまう。東京タワーなりからそれは受ければいいだけになりますから、その点でも不利益がなくなるということで、そういう面は非常に大きな有利な面だろうというふうに思っているわけですが、一方では、民放のキー局、これも地域放送の部分もかなり力を入れてくるだろうというふうに思っております。ですから、そういう意味では、ある面では競争がより激しくなる部分があろうかと思っております。
そういう面で、MXテレビとして、テレビの番組の内容、質をよくすることと、あわせて経営基盤もきちっとしていかないと太刀打ちできないんじゃないかと、そういうふうに思っております。
○木内委員 今、私、それ初めて聞いたんですが、フジテレビが21ですね、それから22がTBSか何か、その手前の20がMXとなるんですね。UとVの違いがあって、特別契約したり、特定のアンテナを出さなければ今見られないわけです。
確認なんですが、今度は、十五年からそれがなくなって、順番にリモコンか何かでやっていきますと、フジテレビ見る前に、手前を押すとMXが出てくるんですか。--ああ、そうなるわけ。ちなみにNHKは何番になるのか、ちょっとその辺のデジタル化での変わりを教えてくれませんか。非常に興味もあるし……。
○中島広報部長 これは、ことしの三月六日、今月開催の郵政事業庁の主催でやっている会議でございますが、地上デジタル放送に関する共同検討委員会ということで、各民放が全部入っている委員会を、過去にもやっております。以前の案では、MXテレビの隣がNHKというふうに聞いていたんです。それが今月の案では、まだ案の段階ですが、隣がフジテレビということでございますが、それ以降はずうっと続いていきまして、NHKの教育が26チャンネル、NHK総合が27チャンネルというのが今の案だというふうに聞いております。ただ、あくまでまだ確定情報ではございません。
○木内委員 確定ではないにせよ、番組の並び方という点ではもう比肩するわけですね、ずうっと。これはかなり有利な条件になってくるんじゃないんですか。今の放送機能というか、技術的な経路から考えましてもね。
さて、開局時、このMXテレビに対しましては、災害時の速報機関としての期待が大変大きかった。私は、これまで取り上げた中で、二十四時間の速報体制であるとか、報道機能というものを持つべきだというふうに訴えてき、また可能な限りそうした体制を堅持したい、こういう答弁があったように記憶をしているんですが、今時、昨年の三宅島噴火のときのMXテレビの対応がおくれたといわれている。まさに地域テレビ局というのは、災害時にこそその真価が発揮されていいのではないか、まず率直にそう思うんですが、どうですか、今回の三宅島災害に関するそうした事態については。
○中島広報部長 三宅島噴火のときに、MXテレビ局の対応がおくれたというのは事実でございます。それに対する若干のクレームもございました。MXテレビ、当然のことながら民間テレビ放送局なものですから、当然スポンサーとの関係がございますので、NHKのように、臨時の特別番組を頻繁にやるというわけにはいかないだろうということで、そういう点は難しい面があろうかと思います。しかし、今先生お話しのように、MXテレビは地域のテレビ局でございますので、やはり迅速かつ適切な対応をとる必要があるだろうというふうには私どもも考えております。
このときには、私どもの方も、対応がおくれたということ、非常に重要な問題であるという認識をいたしまして、私が直接MXテレビに出向きまして、今後の対応を含めて、こういうことのないように強く要請してきた経緯がございます。
○木内委員 この三宅島災害を契機として、MXは今地域テレビ局として何か特色ある報道は、その後行っておりますかどうか。
○中島広報部長 今申し上げました経験を生かして、MXテレビとしては、月曜日から金曜日の毎日、午後九時から十時の「東京NEWSアップデート」という番組がございますが、その中で、きょうの三宅島という五分のコーナーを設けておりますが、そこで三宅島の現在の状況ですとか、村役場の情報、それから避難された方の情報などを伝えております。
この放送は、当然のことながら、三宅島の関係者からも大変評価をされて、また感謝をされているというふうには聞いております。
○木内委員 今の、きょうの三宅島というのは、ほとんどリアルタイムか、喫緊の取材による報道、こう判断していいですか。--いろいろお聞きしてまいりましたけれども、きょうの質疑を通じても明らかになったことは、一つには、平成十五年のデジタル化、さらにまた各メディアへの対応、あるいは経営状況の改善のこれまでの経緯と、将来に向けての明るい展望の持てる現状である、こんなふうに私は判断をしたいわけであります。
特に、デジタル放送の開始というのは、時を一にしてテレビ戦国時代に突入をするわけでありまして、まさにMXテレビについても、時代を切り開く気概を持ってもらいたいと思いますし、また、株主である東京都も指導力を発揮して、MXテレビの自立とまた充実した発展に向けての努力を重ねるよう要請して、私の質問を終わります。
○坂口委員 それでは、質問をさせていただきます。
今回は、「東京構想二〇〇〇 千客万来の世界都市をめざして 」、こういう構想が二十一世紀の初頭に出されたわけでございますけれども、二十一世紀の初頭ということもあり、今後のもろもろの基本計画、または推進計画、さらには個別具体的な施策に大変大きな影響を及ぼすであろう、そのように考えております。
そこで、私見を含めまして、また提案も含めまして、こういう点は評価するけれども、こういう点については大胆に見直した方がいいんではないかという形での質疑をさせていただきたいと思います。全部をやるわけにいきませんので、きょうは、特に重要と思われるものについてやらせていただきます。
それは何かといいますと、目指すべき東京の将来像についてでございます。このかなり分厚い冊子でございますけれども、これで見ますと一番最初のところですね、簡単にいいますと。千客万来の世界都市を目指して、特にそのうちでも目指すべき東京の将来像、このダイジェスト版でいいますと、三ページ、四ページの辺にまたがる内容ですね。このマクロの計画、これは別の言葉でいいますとトップダウン的な計画と、またミクロの計画、これは前にもパラダイムの転換ということで申し上げましたけれども、ボトムアップ型の計画をいかにとらえて、そしてまた整合性あるものにして展開をしていくか、そういう問題でもある、そんなふうに私は考えています。
そういった意味で、ダイジェスト版でいいますと、この冒頭にこういう図を示していただいて、東京メガロポリス構想ですね、それから生活圏のイメージを示していただいたというのは大変私は評価しております。ただ、この生活圏のイメージの中に、政策報道室が常々調べておりますような、例えば高齢化社会に対しての対応ですとか、または防災拠点の整備ですとか、そういうようなものが見えてきていないんですね。その点が不満といえば不満、または問題点であるといえば問題点です。せっかく世論調査をしているわけでございますから、その世論調査の結果を踏まえて、そのような施策にどうこたえていくのか、その中で生活圏がどういうイメージになるのかというものを、やはり豊かな構想力を持って示していかなければならないんではないか。それが見えないというのが残念ですね。
具体的にいいますと、字がちょっと小さいんですけれども、例えば、広域機能(環境空間)、交通結節機能、その横には商業ブロック、業務ブロックというようなものがあって、あとは主要生活道路があって、幹線道路がある。どこにも福祉施設のようなものが見えてこないわけですね。大変大きなポイントだと僕は思うんですね。
そんなことをまず指摘しながら、質問に入らせていただきます。
もう既に何回もやっておりますけれども、我が国の人口構成といいますのは、少子高齢化という言葉に集約されますように、または先ほど情報化の問題の議論がございました、または国際化というようなキーワードがあるわけでございますが、特に人口について見ますと、先ほど関谷部長からも答弁がありましたね、本格的な人口減少社会に入ってまいります。もはや右肩上がりが人口については見込めない。経済成長もそうかもしれないですね。持続可能な一、二%の成長というようなものが一つの政府の目標になっておりますけれども、これもなかなか大変な時代に入ってくる、そのように申し上げてよろしいかと思うんです。
若干の数字を申し上げますと、団塊の世代--私はまさに団塊の世代の一番先頭を走ってきたわけでございますけれども、二百七十万人の時代から、現在では百二十万人、五十年後には八十万人というような人口が、年間の出生数が予定されております。また六十五歳以上の人口は、現在は六人に一人でございますけれども、五十年後には三人に一人になる、このような予想も二〇〇〇年東京構想の中ではなされているわけでございます。
そのような数字を一つ考えてみた場合にもいえることは、量的な拡大というものはもはや期待できない、または期待すること自体も、環境との共生の時代を考えるならば見直していく必要がある、そういう時代であろうかと思います。
それでは、私どもはどのような目標なり夢なりを持ってこれからのまちづくりをしていったらいいのか、または東京づくりをしていったらいいのかということになるわけでございます。いろんな議論があろうかと思いますが、その一つの指標が、クオリティー・オブ・ライフ、生活の質、豊かさを本当に実感できるような目標値の設定であろうかと思います。また、それに向けてのまちづくりであろうかと思います。別な言葉でいえば、ピンチはチャンス、災い転じて福となす、いろんな言葉がありますけれども、まさに今そのような時代の転換点にいるのではないか、そんなふうに考えております。
そこでお聞きするわけでございますけれども、このような都民のクオリティー・オブ・ライフ、生活の質の向上、または今日なかなか財布のひもが締まって、国民経済の六〇%を占める消費支出もなかなか伸びない、株価ももうどん底までいっているというようなことを考える中で、都民のクオリティー・オブ・ライフを上げるということは大変重要である、安心して生き生きと生活ができる地域社会、または東京をどう築いていくかということが大変重要である、そのように見ることができようかと思います。
そんなことで、この東京構想の中において、ミクロの計画、生活圏の都市構造のイメージ、これをどのように考えているのか、また、それにどのように具体的に取り組んでいこうとしているのか、それについてお答えをいただきたいと思うんです。
○関谷計画部長 都民一人一人が豊かさを実感できるように、生活圏レベルにおいて、商業、文化、保健福祉など、生活の質の向上につながる諸機能を集積させていくことが重要であると考えております。職住が近接したコンパクトな生活圏を形成するため、住民と地元自治体との協働のまちづくりを進めていくことが今後必要になってくるというふうに受けとめております。
東京都といたしましても、公共交通のバリアフリー化の促進、福祉のまちづくり地域支援事業などを推進し、地元の取り組みを支援していきたいと考えております。
○坂口委員 今、部長のお答えにございました、住民と地元自治体との協働のまちづくりを進めていく、そしてまた地元の取り組みを支援していくということでございます。また、生活圏レベルにおいて都民ニーズにこたえられるような、いろんな生活の質向上につながる施策を講じていくということであろうかと思います。
そこで、お聞きをするわけでございますが、これももう何回も、五、六年にわたって私やっておりますので、捨象をして聞かせていただくことをお許しいただきたいわけでございますけれども、これは、政策報道室が三年ほど前に出しました「地方分権、わたしたちの時代」という、BUNちゃん、KENちゃんの冊子ですね。これ、ごらんになられている管理職の方も多いと思うんですが、もう課長さんの世代では見ていないよという人もいることがわかりました。
この中には大変いいことが書いてあるんですね。地方分権ってなあにという大変わかりやすい説明から始まりまして、私が一番注目しておりますのは、税財源の移譲ということ、これはもう財務委員会で二年やってまいりましたから省略させていただきます。
もう一つは、生活圏のまちづくり、新しいコミュニティづくり、二十一世紀型のコミュニティづくりといってもいいかと思うんですけれども、それに関連する部分で、何を私は重視しているかといいますと、小学校や中学校なんです。もうちょっといいますと、先ほどの人口の動態とも関連するわけでございますが、現在、都内には約千四百校の小学校があります。中学校を合わせますと二千校ですね。実際に具体的な数字でいいますと、平成十二年の値、千三百八十三校の学校があります。これをこれからの新しいコミュニティ再生のための種地、種空間として使ってはどうかというのが、私のかねてからの発言のポイントでございます。
この冊子をせっかく探してきていただきましたので、見てみますと、八ページ、九ページに、「地域の判断で余裕教室の転用を」ということで、当時の法の制約--国の補助金を得ているんで、国の承認等が必要である、ただし、社会教育施設ですとか、または一部の福祉施設についてはもう届け出だけでよくなりましたよというようなことも含めて、余裕教室の活用ですとか、または統廃合後の、今いいました種地、種空間、それをどう使ったらいいかということが大変詳しく述べられているんですね。二ページにわたって述べられています。
さて、じゃ、こちらの東京構想二〇〇〇の方では、ちょっとこれは通告外のあれですけれども、この統廃合後の種地、種空間の活用ですとか余裕教室の活用については、どこにどの程度述べられておりますでしょうか、部長にお答えいただきたいと思います。
○関谷計画部長 東京構想の中では、一八四ページに、学校の余裕教室や都営住宅などの公的施設を活用し、デイサービスセンター等の整備を促進するということで、余裕教室の転用について触れているところでございます。
○坂口委員 そうなんですよね。こちらでは全体の--別にボリュームが決定的に重要だということではありませんが、表紙を合わせて一二ページの冊子の中の二ページを割いているんですね。このことがきちんととらえられ、記述されているにもかかわらず、こちらの二〇〇〇年東京構想では、たった一ページの中の、それも三行程度にしか書かれてないですね。これは僕はやはり大きな欠落ではないかと思います。
そこで、お聞きいたしますけれども、都内の小学校の数は先ほど申し上げました。中学校を合わせると二千でございますが、小学校の数は今は千三百八十三校でございます。空き教室、または余裕教室の現状はどうなっているか。それから、十五年間に統廃合が予定される小学校または中学校は何校ぐらいだと推計しておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○関谷計画部長 都内の小学校は、平成十二年五月一日現在、公立小学校の教室は全部で二万八百四十一、二万強の教室があるわけでございますが、このうち純粋な余裕教室は四百三十八室でございます。ほかに、特別教室、ランチルーム、クラブ部室、学校開放、さらには防災倉庫等によるいわゆる一時的余裕教室として転用されているものが二千六百七十四室ございます。
今後のことでございますけれども、先ほど来、委員の方からご指摘がありましたように、五十年のスパンで見ますと、今後、本格的な人口減少社会の中で、東京都の十五歳未満人口も次第に減少に入ってまいります。ただ、全国の平均に比べますと、やや緩やかではないかというふうに見ております。
今後十五年間ということを見ますと、今後十五年間はほぼ横ばいで推移していくだろうというふうに見ております。したがいまして、将来の学校数ですとか、余裕教室、さらには学校の統廃合ということについては、現時点で明確に予測することは困難でございます。また、ご承知のとおり、今後、小学校においては、少人数授業等を導入するということで、現時点で学校の統廃合、さらには余裕教室等についての予測をすることは、私どもとしては難しいだろうというふうに受けとめております。
しかし、いずれにしても、現在、相当程度の余裕教室はあるわけでございますので、余裕教室の有効活用は、活力ある地域社会の形成を促進するために重要なことであるというふうに認識しております。
○坂口委員 そこのところが甘いんです。我々、現地、それぞれの地域、皆さん議員活動をしていておわかりかと思いますが、統廃合の問題というのはもう待ったなし。地域であちこちで起こってきているんです。
私はいつも西東京モデルを申し上げるんですけれども、人口十八万の西東京市が誕生しました。今、小学校は二十校あります。今後十年間のシミュレーションをやりました。七校が一クラスになるというシミュレーションの結果がございます。三分の一ですね、十年間で。ただ、その場合に、今部長が大変重要なところをいわれたんですが、統廃合をするか、または教育環境の改善をする。例えば四十名いた場合に、極端なモデルでいいますと、二十名、二十名のクラスを二つつくって、あとは複合施設として防災の拠点や高齢者、障害者の福祉の拠点、NPOの拠点、または保育園などで使うかというのは、それぞれの判断、裁量になってくると思うんですね。私は、どちらかといいますと統廃合論者でありませんで、今までの教員経験も含めまして、複合的な教育空間をつくった方が、この東京構想に出てまいります生活像、新東京人というような言葉が出てまいりましたけれども、心の東京革命などを実現していくためにも、いいと考えている者の一人でございます。
今ちょっと出ました数字的なものの確認でございますが、これは政策報道室からいただきました教育委員会発行の資料でございます。これを見ますと、第一の団塊の世代、昭和二十二年から四、五年の間に生まれた世代が小学校に通っていたころの同世代の人口が約百一万人ですね、ピーク時。例えば昭和三十三年、三十四年当時ですね。ちょうど小学校の五年生か六年生ぐらいのときだと思うんですね。それから、その後に第二次ベビーブームが参りまして、昭和五十四年、五十五年にやっぱり百万人を超えるんですね。百三万人、百二万人、これがピークなんですよ。これに合わせて学校をつくってきているんですね。皆さんも石拾いしたりローラーかけしたり、卒業した当時には、ちょっと前の方と後ろの方と違うかもしれませんけれども、プールがなかったというようなことを経験してきておられると思うんですね。それが今そのまま財産として残っているわけですよ。
ちょっと私見を交えていうならば、警視庁、消防庁のヘリコプターでよく東京上空を飛びますよね。私は学校を見てくるんですね。そうすると何か熱いものが込み上げてまいりますね。それぐらい熱心に学校づくりをやってきたんです。ところが、今や、先ほどは五十万人ぐらいで推移していくということをいったんですが、大体今後の十年、十五年のあれを見ましても、五十二万人とか五十四万人、若干回復しても五十四万人ぐらい。つまり、ピーク時の半分なんですね、簡単にいいますと。この現実を見落としてしまいますと、さっきみたいな答弁になっちゃうんですね。
そこで、それ以上は申し上げませんけれども、きちんと区市町村のデータ等を積み上げて推計をしていただきたい。空き教室だけですと、みんな余っているところはないよという数字になっちゃうんです、簡単にいいますと。何回出してもらってもそうですね。あいているところはありません、みんなランチルームだとかいろんな資料室だとかに使っていますという話になっちゃうんです。ところが、現実問題として統廃合の議論がどんどんどんどん足元を洗い始めているんですね。そういうことを含めまして、これも調査部でございますけれども、計画部ないしは調査部できちんと調べて推計をしていただきたいと思います。
ところで、話が転換をいたしますが、この長期構想の中の推進計画ですね、ここに数ですとか予算が掲載されてまいりますので、先ほどの都民ニーズが一番高い高齢者福祉、または障害者福祉の問題に絡めてお聞きをし、今の問題とあわせて考えてみたいと思うわけでございますが、都内の特別養護老人ホームの一カ所当たりの建設費というのはどれぐらいになりますか。用地費、建設費、または合わせて幾らぐらいになりますか。
○関谷計画部長 都内での特別養護老人ホームの整備費につきましては、これはちょっとモデルケースということで、平成十二年三月時点で試算したものでございますが、百人定員の施設の場合、約十九億五千万円でございます。内訳としましては、そのうち用地費が七億八千万、施設整備費等が十一億七千二百万、合わせて十九億五千万強というのがモデル的な整備費でございます。
○坂口委員 ありがとうございます。私のいろんなかかわった経験でいいますと、郊外施設でも大体この程度かかりますね。用地費十億円、上物、大体十億円、約二十億円。都内施設になりますと、用地費が高くなりまして、逆立ちしたような現象が出てくることがあります。用地費二十億円、建設費十億円といったようなですね。これは家でも同じですね。住宅などでも同じ傾向があります。これだけかかるんですね。
ですから、この二七五ページの高齢者、障害者(児)の自立生活の支援、一番都民の関心の高いテーマの一つであるわけでございますが、これを見ますと、例えば特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の整備ということで、十三年から十五年度の計画、三カ年で三千四百人の処遇施設をつくる、そういう数字が示されておりますね。これを今、部長がいわれました百人の規模の施設ということになりますと、百人というのはかなり大きい方ですよね。普通は五十ですとか、または七十五ですとか、それぐらいの数になるわけでございますけれども、仮に百人のものですと、三十四カ所ということになりますね。三十四カ所に二十億円掛けますと、何と六百八十億円程度という数字が出てまいります。老人保健施設もありますね。今はベッド当たり四百万ぐらいの補助単価であったかと思いますが、これだけのベッドを整備しますと、ざっと試算して、違っていたら後で指摘をしてください、百七十億ぐらいの予算がこの裏づけとしてなければならないということになりますね。
それからもう一つ、ついでですから申し上げますと、ついでというよりも、今回画期的な施策が出てきたと私は評価をしたいんです。評価をしたいのは何かといいますと、二七六ページにあります心身障害者施設緊急整備三カ年計画ですね。昨年、私の地元といいますか、多摩地域で一カ所の知的障害者の施設が誕生いたしました。三つこの計画が出されておりまして、その施設は三番手だったんですけれども、一番と二番が昨年の計画に入りませんで、三番目の計画が滑り込みました。つまり、この知的障害者の施設についていうならば、一年に一カ所か二カ所しか整備ができなかったのが今までの実態なんですね。石原さん、ちょっと福祉には弱いかなと思っていたんですけれども、任せるところは任せた、そしてまた地方分権の時代に沿うように福祉局の要望を受け入れたという感じですね。三カ年間で二百カ所の整備をする。そして、待機者ゼロの、親亡き後にも安心して生活ができるような障害者福祉施策を目指していく、そういう方向を打ち出したんですね。もう大変なこれは革命的なことですよ、革命的なこと。
しかしながら、その方向はいいわけでございますが、例えばこの施設整備を見てください。ことしだけで五カ所つくるというわけですね。身体障害者の施設も入れると六カ所つくる。三年間で二十カ所の施設整備をする。さて、じゃ、この金目の部分はどうなるかということを考えますと、これは五十床規模のものであっても、五十人規模のものであっても、ほぼ特養と同じぐらいかかりますよ、私の経験でいいますと。そうすると、二十カ所で二十億円ということになりますと、土地、建物に係る費用といいますのは約四百億円、ざっくりいってですよ、四百億円となってまいります。先ほどの特養と合わせますと、何と一千八十億円ぐらい--老健施設は除きますけど、これだけのものが土地、建物に費やされるわけです。消えるとはいいませんけれども、費やされるわけですね。こういう金のかけ方でいいかどうかということですね。マクロ的な論議の中で公共投資を見直すということも大変重要なんですけれども、むしろミクロの中にもそういう矛盾といいますか、問題点があると申し上げたいのでございます。
具体的にいいます。例えば、このうちの半分を学校につくったらどうでしょうか。学校の土地、建物を使う。土地は大体一施設一ヘクタールぐらいの土地がありますね、百メートル掛ける百メートルぐらいあります。建物だって、耐震診断をして、補強工事をしてリフォームをすれば立派に使えるんですよ。六、七年前に宇治小倉小学校では、デイサービスセンターですが、それをやっておりますね。東京でも、高島第六小学校ですとか、桃井ですとか、調布ですとか、いろんなところで、スケールは小さいんですけれども、そういう試みも既に始めております。その場合には土地代が要らないわけですね。場合によっては建物代が要らないということになります。宇治小倉の例ですと、もう六、七年前の例ですが、このデイサービスセンターとボランティアセンターなどをつくりまして、二億円弱でその施設整備をやっているんですね。こういう金の使い方を目指すべきである。または、基礎自治体にそういう金の使い方をサジェスチョンすべきであるというのが私の基本的な考えでございます。
ですから、例えば一千八十億円のうちの半分が土地や建物代に使われないような施策の推進を考えた場合には、五百億円ぐらいの金が三年間出てくるんですね。十五年間じゃないですよ。十五年間やりましたら、その五倍ということになりますから、五、三、十五、これも大変大ざっぱな話でございますが、一千五百億円ぐらいの金が出てくる。それを人やサービスにかけるべきなんですよ。今、この公的な施設との格差是正事業が、もう時限でなくなりまして、三年間でほとんど消えてしまう。あとは自助努力でやりなさいということで、特養も障害者の施設も、どういう給与体系をつくるのか。一年、二年やっても給与を上げることができないんじゃないかというような大きな悩みを抱えているんですね。公私格差是正事業ですね、それがなくなりまして。そして、それが今、基礎自治体に移管されようとしているわけでございまして、その際に土地や建物にこれだけの金を費やすということは、愚の骨頂とはいいませんけれども、方向としては、私は間違っているのではないか、そのように申し上げたいのでございます。
そこでちょっと、これももう六、七年前につくりましたパネルであるわけでございますが、こんなものを用意いたしました。私の提案は、これはテレビの討論会のときにも使ったものでございますけれども、学校を複合的に使う、それがポイントでございます。ちょっと補足をしますと、小学校というのは、先ほどいいました数だけあるわけでございます。一千四百校ですね、大ざっぱにいいますと。これは人口一万、一キロ平方に一カ所あるのです。一等地にあるんですね。子どもたちが一番通いやすい、おじいちゃん、おばあちゃんにも、いざというときには逃げ込みやすい、そういう場所にあります。中学校は人口二万、二キロ平方に一カ所ですね。六百六十カ所ぐらいあるわけです。これをこれからの二十一世紀の防災や福祉やNPOの拠点として使う。あわせて心の東京革命等を実現するための拠点、または二十一世紀型のコミュニティをつくる場合のコアとしてきちんと位置づけていくということが極めて戦略的に大切なのではないか、そういうことを申し上げたいのでございます。
そして、これは五、六年前に、ある方にボランティアでつくっていただいたものであるわけでございますが、もう既に晴海中学校などではこのような例が、またお隣にいます佐藤議員の出身地でございます品川区などでは、大変具体的にいろんな施策に取り組んでいるようでございます。例えば、これは都内で地価が高いところで、建ぺい率、容積率が比較的緩やかなところですね、高いところでつくる。例えば、小学校、それから保育園と合築をする、そして特別養護老人ホームをつくる。こちらは集合住宅となっておりますが、例えばこれはグループホームをつくるとか、そういう形のものを考えればいいということになりますね。(「十年前に終わっちゃったよ、品川は」と呼ぶ者あり)今始まったばかりです。
それから郊外型のものとしましては、建ぺい率等が低い、しかし、土地代が安いというところがあるわけでございますから、そのような場所ということになるわけですから、例えば特別養護老人ホーム、または老人保健施設、診療所、または保育園、そして開放型の集会所等を合築するといったような、これは跡地利用型ということになりますけど、このようなものを考えていくということですね。それが大変重要なのではないか、そのように私は考える次第でございます。
そこで、お聞きいたしますけれども、余りこのような考え方が取り入れられていない二〇〇〇年構想であるわけでございますけれども、その生活圏レベルのまちづくり、わけても地域福祉の充実を、限られたお金を使い、最大限の効果を上げていく際に、学校の活用ということが極めて重要である。統廃合せいということではございません。統廃合する場合もあれば、複合型の施設をつくるという選択もあると思います。このところは、それぞれの自治体で論議をしていただければいいわけですね。しかしながら、学校の種地、種空間、例えば先ほどの西東京モデルが当たるとすれば、千三百八十校ぐらいのうちの四百校から五百校が一クラスの学校になるという事態が予想されるわけでございますから、この種地、種空間をどう使っていくかということが極めて重要である、そのように考えるわけでございますが、部長のご答弁をお聞きしたいと思います。
○関谷計画部長 今、委員からご指摘がございましたように、小中学校、特に小学校につきましては、地域に満遍なくと申しますか、かなり適正に配置されているということで、学校を地域の活動の拠点として活用するということは、ご指摘のとおり、さまざまなメリットがあるというふうに認識しております。
学校、さらには余裕教室、さらには統廃合等の転用ということもございますでしょうけれども、学校をどのように取り扱っていくかということは、基本的には区市町村事項ではございますけれども、学校を福祉やまちづくり等、地域におけるさまざまな活動の拠点として活用することは、公的施設の有効活用という面からも必要であるというふうに認識してございます。
東京構想の中では記述が短いということでご指摘いただきましたけれども、東京構想の中でも、学校の余裕教室等を活用いたしましてデイサービス等の整備を促進する旨を述べておりまして、その点では同じ方向を向いているのではないかというふうに考えております。今後も、高齢者などの在宅生活を支える地域の支援体制の整備等のため、学校、余裕教室等が積極的に活用されていく必要があるというふうに認識しております。
○坂口委員 最後になりますけれども、提案、要望を含めまして、締めくくらせていただきます。
先ほどのこの議論の中でも明らかになりましたように、東京都は、高齢者、障害者の自立生活の支援、これは一つの例として申し上げただけでございまして、ほかにも、例えばSOHOですとかNPO--NPOはちょっと触れましたけれども、大体最初、土地ですとか、建物、家賃補助をしてほしいという要望、要求が大変強いんですね。ところが、土地や建物はあると私はいいたいんです、知恵がないだけだ、簡単にいいますと。だから、知恵を出すべきである。そのことによって、先ほどの二、三の例を挙げただけでも五百億ぐらい--五百億ではないですね、もし全部土地、建物の問題が解消されたとすると、一千億を超えるようなお金を、土地や建物ではなくて、人やサービスに向けることができるということですね。半分だと見ても、五百億円ぐらいということでございます。したがって、そのような検討を早急にしていただきたい。これはちょっと事前の調整では答弁が出ませんでしたので、後で局長、何かご答弁がありましたら、ぜひお願いしたいと思います。
部長の方には、今の答弁にありましたように、小中学校というのは一番少子化のうねりを早く受けるわけでございますが、その管理といいますか、財産の所有者、管理者は区市町村ですね。ですから、区市町村にそのようなところに目を向けていただかなければならない。東京都の立場でいうと、そういうところに目を向けていただけたところには、限られたお金であっても有効に使えるようなインセンティブといいますか、指針なり方向を指し示していただく。
今回の、例えば、障害者のこの施設でも画期的ですよ、用地費も四分の三、さらに緊急整備の間には特別二分の一の補助をつける。つまり、この設置者は一人二千万ぐらいずつ出して施設の建設をしてまいりました。余談になりますけれども、青森から岐阜までに三千数百名の知的障害者が入所しているんですね。六割以上の方が都外施設なんです。ノーマライゼーションになっていないわけです。そういう中で、待機者ゼロを目指すということで、このような予算をつけられたということは大変評価するわけでございますが、方向が違っているのではないかということを申し上げたいのでございます。
今申し上げましたような、まさに脚下照顧ではありませんが、足元を顧みるならば、土地や建物はどんどん出てくる。人やサービスにこそお金が使えるような、そういう施策、方向を東京都をして明示する必要があるのではないかということを、繰り返しになりますけれども、申し上げたいのでございますが、小中学校は区市町村が管理するものであるわけでございますけれども、空き教室、または統廃合の土地を含めて、これからどう活用して、どのような促進策を図っていくのか、まず部長にお聞きして、その後、局長にご答弁をいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○関谷計画部長 今お話にございましたように、基本的には学校をどのように転用していくかということ、余裕教室の転用につきましては区市町村事項でございますけれども、東京都といたしましても、先ほど来申し上げておりますように、福祉やまちづくり等地域におけるさまざまな活動の拠点として活用するということが、公的施設の有効活用という面から必要なものでございまして、今後とも区市町村と連携し、小中学校の余裕教室の活用等を図ることに努めてまいりたいと思います。
東京都といたしましては、例えば包括補助制度の、例えば高齢の関係でいいますと、高齢者いきいき事業などによって、区市町村が創意工夫により余裕教室を有効活用するといった施策を展開する場合には、これを支援していくこととしているところでございます。
○安樂政策報道室長 地域におけるコミュニティづくりの中心に小中学校の空き施設を活用すべきだという、これにつきましては、構想の中にも書き込んでおりますように、まさにそのとおりであるというふうに思います。
この長期構想のつくり方が、時間的な関係もありまして、具体化する段階にすべてを場所等の特定がしていない関係で、今いわれたような、これから具体化する段階でどういうふうに場所を特定するかという中で、ただいまいただいたような提案を私たちとしては念頭に置いて、その際に、使える空き教室であるとか、その他いろいろなあいてくる施設はたくさんあるというふうに思いますので、そういう活用につきましては十分検討していきたいと思います。
特に財政的な工夫が現在要求されているときですので、このような考え方で、今はたまたま抽象的にしかその手法を書いてありませんが、具体化の中では当然に念頭に置くべきことですので、そんなことを心がけていきたいというふうに思います。
これからコミュニティづくりをどうするかという中で、特に現在のように財源が厳しい中で、新しい手法といいますか、いろんな工夫が要求されておりますので、そういう点については、この三カ年計画の中で若干のことは書き込んであるんですが、東京構想そのものを私たちも余り絶対なものというふうに思っておりませんので、今後もローリングという問題はあると思いますし、そういう中で書き込めるもの、具体的な工夫については、これからも書いていけるような、そんな工夫はしてみたいというふうに思います。
○坂口委員 せっかく室長に答弁いただきました。最後に、重ねて要望でございますが、できれば先ほどいいましたような予算のつけ方も含めて、指針なり区市町村に対する支援マニュアルのようなものですね、ぜひ考えてみていただきたいと思います。東京都のノウハウをしたら、私は十分できると思います。もう一カ月もあったらできちゃうんじゃないか、そんなふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○藤川委員 私は、付託議案第三十一号は短く質疑を、それから東京構想二〇〇〇については意見を述べさせていただきます。
まず、第三十一号議案の東京都情報公開条例の一部改正についてですが、これは短い簡単な形で我々に提起されておられますが、将来的には大変な問題を含んだ条例改正であろうと私は思っているわけです。それはどういうことかと申しますと、事が事だけに、そこまではぜひ情報公開をしてほしいというサイドの主張と、それから組織の立場から、そこまでは情報公開をすることはできないという双方のぶつかり合いが必ず起こるわけですね。そのときに不服申し立てに対して、情報公開審査会が本当に第三者的な立場から、客観的かつ公平にちゃんとした立場の答えをきちっと出すことができるかどうかということが大きな問題になってくるだろう、そういうふうに思っているわけです。
そして、これからますます情報公開審査会の重要性が増してくるわけですが、本当に恥ずかしい話なんですが、この情報公開審査会がどのような形で今構成されていて、そのような審査会が本当に頼むに足る確たる実績があるのかどうかということなんですが、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○浅井都民の声部長 情報公開審査会についてでございますが、さまざまな分野から中立の立場の委員を選任してございます。現在、七名の委員を選任してございますが、会長は元内閣法制局長官、会長代理は元東京都副知事でございます。このほかには、大学教授、評論家、ジャーナリスト、弁護士の委員で構成されてございます。
審議に当たりましては、不服申立人、都の機関の双方から意見を聞いてございまして、これまで百五十五件の答申が出されております。このうち、都の判断を相当とするものが百五十五件の答申のうち百件、都側の判断を変更して全部開示、もしくは開示部分を拡大すべきとするものが五十五件となってございます。
東京都情報公開審査会の答申は、各県からの照会が来るなど、全国的にも評価を受けていると考えてございます。
○藤川委員 私の基本的な考え方としては、民主主義の要諦というのは、結局は情報公開のいかんにかかっているというふうに思ったわけです。そして、我々はいろんなことを知っているようで知っていないわけですね。だから、どうしても知っているということが--これからいろいろな形の選挙が始まりますが、そのときに一票を投じるに当たって、ちゃんと知っていて投ずるのか、何かわからないけれども投ずるのかということであってはいけないと思うわけです。ですから、そういう面では、まさしく開示される情報というのは民主主義の要諦である。要するに、我々は、民はよらしむべし知らしむべからずということがよくいわれますが、そうであってはやっぱりいけないと思うわけです。私の質問はそれでもって終わります。
それから、東京構想二〇〇〇に関してなんですが、これに書いてあることはもっともなわけですね。その副題としまして、「千客万来の世界都市をめざして」と書いてあるわけですが、この点に関して私の意見をちょっと述べさせてもらいたいと思うんです。
私のおばあさんというのが、高等学校二年ぐらいのときに九十四歳で他界したわけです。そのおばあさんというのが大名行列を知っているんですね。そして、おもしろいことに、その妹がちょこちょことお殿様のかごのそばに行って、お殿様のおべべきれいねといったら、ついているおつきの人というから、家老か何かだったと思うんですが、これこれそんなことしちゃだめだよといって、大名行列の妨げにならないように抱きかかえて端に置いたという記憶があるんですね。
そのおばあさんが、高校二年のときに私に何といったかというと、一家の繁栄というのはどのくらいお客さんがたくさんその家を訪ねてきてくれるかで決まるというわけです。そうすると、決まるのはどうして決まるかというと、そのときにおばあさんがいうのは、そこの女あるじが気持ちよくて、そして来れば、おしんことお茶であっても、よく来てくれたともてなすことによってその家に来てくれるから、その家は結局栄えるんだということをいったわけです。そのときに、「千客万来の世界都市をめざして」とここに書いてあるんですが、それじゃ東京都が千客万来のまちになるかというと、私はそう簡単にはならないんだろうと思うわけです。
それは、本当にこれも卑近な例なんですが、私の娘というのは平凡なサラリーマンの家庭なんですが、近い将来に三週間のロングバケーションがある。そのロングバケーションをどこで過ごすかというと、サンフランシスコに行くというわけですね。交通費をかけて向こうで住んで、食べたり見たりしてかかるコストが、日本にいるよりも、とんとんか安いというわけですよ。だから、向こうに行くんだというわけです。
だから、アメリカは千客万来の、サンフランシスコにしてもニューヨークにしてもそういう都市たり得るわけですけれども、それじゃ日本の、さっき坂口さんも申されましたが、クオリティーライフというのはどうかというと、物価は高いし、住環境は悪いし、もろもろの規制があって、あれやっちゃいけない、これやっちゃいけないという状態の中でもって、東京が千客万来の都市たり得るかというと、私はそう簡単にはならない。これは、国から何から日本をひっくり返すようなことをしなければ、そういう形にならないわけですから、言葉では簡単であっても、皆さんの将来に向かって大変な仕事が待ち受けているわけですから、皆さんにおかれましても、言葉だけではなくて実際にこれを実行するということを考えた場合に、相当心してかからなくちゃいけないのかなと思うわけです。
そして、ここに書かれていることはすべてすばらしいことですが、そのどれをとってもやはり同じようなことがいえると思いますので、その点をよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○丸茂委員 東京構想二〇〇〇でお伺いしたいと思うんですが、ここでは、首都圏の航空機能の拡充を推進するとして、戦略7、羽田空港の再拡張を促進する、この再拡張は桟橋方式によるものとする、こういう計画になっています。この計画は一大プロジェクトでして、地元大田区の区民の関心もありますし、また、中間のまとめでは全くこういう図柄も示されず、いきなり出てきた。そういう中でさまざまな、慎重な検討を求める意見だとか、交わされております。私、羽田空港が本当に首都の空港として、安全の面でも環境の面でも、それから周辺の住民にとっても、本当にすばらしい空港であるという空港にぜひしたいと思っております。
そういう中にあって、利便性だとか、国際化だとか、いろいろ航空需要にこたえるという形での計画が進められておりますけれども、やはりどうしても見逃されてきているのが、安全問題等幾つか指摘がされております。そういう中で安全問題、環境問題、それから都民の財政負担問題などいろいろ検証しなければいけないんじゃないかという点で、ぜひ総合的な検討をし、政策立案の場である政策報道室として一緒に問題点を考えてもらいたいという立場からお伺いをしたいと思います。
まず、何よりも安全問題です。これは、都市・環境委員会でも議論がされておりますけれども、やはり現場の航空関係者に聞きますと、国際競争だ、自由競争で規制緩和だという中で、安全性の面で非常に心配がされるという指摘がされております。安全面では、都知事は一月三十一日の航空機のニアミス問題を取り上げて、羽田空港を含めた空域の問題では横田空域の返還等国会でも触れられましたけれども、新たな滑走路を計画する場合、安全問題は最優先されなければならない、そういうふうに考えます。そういう中にあって、桟橋方式の提案も含めて、安全問題はどういう角度で、どういう議論がされたのか、そういうことをお伺いしたいと思うんですね。
まず、先ほど述べた空域問題、それから構想には触れられているんですが、再拡張に当たっては、東京港の港湾機能との共存を前提に、関係者との調整を図りつつ促進するという形で、第一航路側に桟橋方式で滑走路が突き出されるという中にあって、私自身も参加した港湾審議会等では、やはり大型コンテナが大変ふえている、そういう中にあって、それの障害はないのかとか、あるいは小型船はこの桟橋によって非常に横波を受けやすい、今でも大変危険な状況にあるし、障害物にならないのか、そのほか港湾関係者団体からもさまざまな意見が出されていると思います。
また、桟橋方式は、海面より十五メートル高いということになりますと、今でも陸上の滑走路で突風等で着陸をやり直すという問題等考えますと、さらに風圧が高くなる中でそういう事態がさらにふえないのかとか、地元でもいろいろな、やっぱり安全問題に対する心配が寄せられております。その点で安全問題、どのような検討、議論がされ、それから問題が提起されているのか、お伺いしたいと思います。
○関谷計画部長 羽田空港の再拡張を提案するに当たりましては、空の安全にも留意しているところでございます。例えば、滑走路の発着能力の検討に当たりましても、国が定めた管制方式の基準等によって確認がなされております。
また、海上交通等の関係につきましては、港湾機能との共存を図ることを前提としておりまして、今後、担当局において、海事関係者等を交え、航行ルートの確保等についてさらに検討が進められる予定でございます。
なお、航空機の運行に関連した安全の確保につきましては、今後とも国や運行事業者等が安全確保について取り組んでいくことになると考えております。
いずれにいたしましても、東京構想で羽田空港の再拡張を戦略として提示するに当たりましては、事業者等関係者による安全の確保に向けた取り組みもなされ、当然に安全が確保されるとの認識に立って提案したところでございます。
○丸茂委員 当然そういう検討がなされるというふうに私も思っていたんですね。それで空域問題も航空政策基本方針というのが出されておりまして、そこでも触れられているんですが、航空関係者に実際私もお聞きしますと、横田空域のニアミスはもちろんですけれども、管制官が組織している全運輸労働組合、ここの航空政策基本方針、こういうものも出しているんですが、民間機の航行上早急に改善が求められている軍事空域、自衛隊でいえば茨城県百里沖のE空域、米軍では千葉県房総沖の通称オクタゴン、こう呼ばれる八角形の空域が成田あるいは羽田にとっても非常に障害になっている。そこを早急に改善しないと、発着便をふやしても、今でも過密の状況の中で、横田を含めて空域の検討は必要だと、私、こういうお話も聞きました。
それから安全問題でいいますと、いろいろ航空現場でも調査がされておりまして、国内定期便航空会社の機材ふぐあい発生件数、平成十年には国内航空だけでも機材ふぐあいが千三百四十三件もある。平成五年は八百九十三件、六年は九百三十五件、七年度は千十一件、八年度は九百九十九件、九年度は千百六十六件、そして千三百四十三件、急激に非常に過密化して、航空機を短時間に整備をするという中にあって、整備が不十分なまま運行がされている、こういう指摘もされております。
そういう安全問題については、今後、今ご答弁があったとおり、いろんな関係者からご意見も聞いていくと。港湾関係者は、構想の中では具体的な検討がされているかと思うんですが、やはり航空関係者についても、管制官も含めて、さまざまな形で、やっぱり安全面をきちんと確保して、本当に世界に誇れる羽田空港といえる、そういうものにしていただきたいというふうに思います。そういう点での総合的な検討をお願いしておきたいと思います。
次に、環境問題なんですけれども、構想では、羽田空港を再拡張することにより、年間発着枠を二十五万回から四十一万回に増強し、成田空港とあわせて首都圏の中期的な航空需要に対応するという形で、飛行回数が一・五倍になる、そういう計画なんですね。
しかし、地元では、石原知事が先日、羽田空港に来られて懇談がされたように、やっぱり地元住民としては、航空機騒音の被害についてはまた新たな問題が起きているんですね。これは今、過密化している便数をふやすために、早朝便に限って、左旋回という形で、住宅街の方に飛行路を北風の場合はとるということを一部認めております。これが、さらに便数がふえることによって、新たな騒音が広がるんじゃないか。
もう一つは、沖合に新たなD滑走路ですか、桟橋方式ができると、基本的には東京湾側に離陸する。こうなりますと、江戸川区だとか、千葉県木更津側だとか、新たな航空機騒音の被害が一層広がるんじゃないか。その点で、成田空港の問題一つとっても、千葉県側がこの問題では航空機騒音に非常に敏感になっておりますので、そういった新たな航空機騒音の被害、それから早朝深夜、私自身も航空路の相当高度の下で住んでいるんですが、低周波振動というのも新たな問題として指摘がされ出しております。こうした低周波振動、それから桟橋による海域への影響、そして、なおかつ二十四時間化、深夜早朝になりますと、それにアクセスするための交通問題ですね、二十四時間、鉄道を初め、車を初め、いろいろな新たな交通問題が生ずる。また、そこから発生する騒音被害、振動被害、いろいろ予測されるわけですけれども、そういった環境問題でどのような議論、問題点が指摘されているのか、お伺いします
○関谷計画部長 首都圏第三空港ですとか、幾つか新たな国際空港等、空港需要にいかに対応していくかということについては、さまざまな案が提示されているわけでございますけれども、羽田空港の再拡張の立案に際しましては、当然こういう環境面での検討もなされまして、環境面でも相当程度すぐれた側面を持っているであろうという認識に立っているものでございます。
東京湾の環境を悪化させないこと、東京湾の環境に十分配慮していくこと。さらには空港周辺地域に対する騒音の影響が少ないこと等に十分留意して検討を行ったところでございます。
○丸茂委員 検討を行ったというお言葉なんですが、そういう検討の結果を含めて、やっぱり地元住民を初め都民全体にも、利便性、そして国際化、だれでも賛成する、そういう問題だと思うんですが、そこから派生する新たな環境問題についても、これもやっぱり都民に幅広く理解をしていただいて、計画を推進するという立場で、私の意見もぜひ取り入れていただきたいというふうに思います。
次に、財政問題なんですけれども、東京都はこれまで大変財政危機だということで、都民の切実な福祉の分野まで激しい切り込みがやられております。一方で、大型公共事業という形で予算的に大幅に使われている。今度の新桟橋方式による空港建設もかなり大きなプロジェクトでありまして、予算的にどのくらいなのか。知事は何か記者会見で述べたようですけれども、具体的な数字、私は聞いておりませんので、一体どのくらいの予算規模なのか。そして、東京都の負担はないのかどうか、あわせて同時にお答えいただきたいと思います。
○関谷計画部長 東京都の再拡張案の最大の眼目は、首都圏の空港容量が絶対的に足りないという危機的な状況にある中で、早期に建設が可能であるという点にございます。
また、桟橋方式は、新空港建設に比べ、工期と経費も大幅に圧縮できると見込んでございます。整備費用につきましては、東京構想二〇〇〇では具体的に明らかにしておりませんが、現時点では八千億円から九千億円程度と見込んでいるところでございます。これは、関西国際空港の第一期事業費の約一兆五千億円と比べますと、六千億円から七千億円の経費削減が見込めるものでございます。
なお、羽田空港は国が設置運営している第一種空港であり、その整備についても国において進められるべきもので、都が費用を負担するということは考えてございません。
○丸茂委員 私がなぜこのことを聞いたかといいますと、実は関西空港も今度、第二期工事が始まるわけですよね。これも本来ならば国の事業なんですが、二〇〇七年の供用開始に向けて第二期は一兆五千六百億円、こういうプロジェクトになっております。どういう計画で進んでいるかというと、上物の空港施設整備、これはターミナル等、今回桟橋はありませんけれども、土地の埋め立てを関西空港用地造成株式会社、こういう二つに上下に分けて分離方式で行う。下の部分、関西空港用地造成株式会社に出資するのは、大阪府など地元自治体なんですね。その負担は実に一兆二百七十一億円という状況で、大阪府議会あるいは自治省が、余りにも過大な負担であるというので、問題になっています。
したがって、今回そういうお話ですけれども、話を詰めていったら、東京都にも応分の負担、また出資も含めて提案がされるのかどうか、私は非常に大事な問題だと思いますので、その点まだまだこれからの話もあると思いますので、今お話しでは国の事業だから、東京都の負担はないというお話なんですが、事業費が八千億から九千億という一大プロジェクト、この計画そのものも国の大型公共事業の一環ですし、私ども、その点での問題点も指摘しておきたいと思います。
それから次に、東京構想ではバリアフリーの推進についても触れられております。ここでは、交通バリアフリー法の施行を踏まえて、二〇一〇年までに都内のすべての鉄道の駅についてエレベーターを設置する、こういう計画が示されております。これは一〇〇%達成するという計画になっているんですが、鉄道駅に設置が必要なエレベーターの台数、そして都営、民営それぞれの交通機関ごとに一体何台になるのか。また、設置計画や設置実績は都としてどう掌握しているのか、お伺いいたします。
○関谷計画部長 都内各駅のエレベーターの設置についてでございますけれども、交通バリアフリー法施行後に新たに設置されます、いわば新設の駅につきましては、これは法に基づいてエレベーター等が設置されることになります。また、既存の駅につきましては、平成十二年度末の見込みで、都内に全部で七百三十八駅あるわけでございますが、そのうち三百五十六駅にエレベーター等が設置されております。
未設置駅は三百八十二駅であり、内訳は、民間鉄道が二百二十六駅、営団が百一駅、都営地下鉄が五十五駅でございます。これらの駅については、東京構想二〇〇〇の三カ年推進プランにありますように、十三年度五十駅、十四年度四十五駅、十五年度四十四駅、エレベーター等の整備を行っていく計画でございます。十六年度以降も毎年三十から四十駅程度についてエレベーター等の整備を進めてまいりまして、二〇一〇年までに都内のすべての駅にエレベーター等が設置される計画になっております。
なお、実績の把握につきましては、これは所管局が分かれているんですけれども、民間鉄道については福祉局、営団地下鉄については都市計画局、都営地下鉄につきましては交通局で、既に毎年行っているところでございます。
○丸茂委員 交通のバリアフリーという点では、車いすの障害者の方でもエレベーターを使えば--エスカレーターは大変な手間と、それから一時とめなければいけないという中にあって、エレベーターが設置されるということは大変望ましいことだというふうに思います。
それと関連しますと、私ども常々都民から要望されるのは、都営住宅や都営の公社住宅等、特に中層住宅で四、五階でエレベーターがない。こういう点でもバリアフリーの計画にきちんとのせて、この構想でもそのぐらいのせて進めてもらいたいという要望もあるんですが、なぜこのバリアフリー計画にのらないのか、その点をお伺いしたいと思います。
○関谷計画部長 既に理事もご承知のこととは思いますけれども、東京都は平成七年三月、福祉のまちづくり条例を制定いたしまして、平成八年九月より全面施行をしているところでございます。その第十四条で、都の施設の先導的整備等といたしまして、都は、みずから設置する一般都市施設を整備基準に適合するよう率先して整備に努めるものとすると規定しております。
また、都営住宅に関しては、昭和六十三年より都営住宅等バリアフリー化を実施しているところでございます。
このように、都立施設や都営住宅に関しましては、従前より福祉のまちづくり条例に適合するよう着実に整備に努めているところでございますので、当然のこととして今後とも推進されていくものと認識しているところでございます。
○丸茂委員 私も、ハートフル東京推進プランという形で、福祉のまちづくり条例によって具体的に、エレベーターだけじゃなくて、住宅そのもののバリアフリー化も含めて計画がされている。ここではエレベーター設置四十基、最近は六十基程度整備はしているようですけれども、実際に廊下式でまだついていないのが千三百棟あるというんですよね。それを本当に計画的に、やっぱり東京都自身ができることなんですから、私はきちんと計画を設ける。そして、戦略的には、こういうエレベーター設置は、都民の利便性だけじゃなくて、仕事そのものはこの不況で苦しんでいる中小建設業が請け負うことができるわけですよね。そういう点で、東京都の戦略として、具体的な仕事確保、そして、なおかつ都民サービス、バリアフリー化を推進するという点であれば、やっぱり戦略としてこういう計画も東京構想の中で逆に大きく打ち出して促進をしていく。こういう法律があるから、決まったからやるんじゃなくて、やっぱり東京都の姿勢がそういうところで私は都民から逆に求められているんじゃないか。その辺、もしご感想なりご意見があったら、聞かせていただきたいと思います。
○関谷計画部長 これから自己責任のもとに自立的な生活をできるだけ地域の中で過ごしていただくという中で、先ほど申し上げました駅舎のエレベーター化も含めてバリアフリー化を推進していくという基本的なスタンスは、東京構想の中で明確に語られているわけでございますので、当然、都営施設等についてもその方向で取り組まれていくものというふうに考えております。
推進プラン等で直接取り上げませんでしたのは、やはり今後重点的に取り組むということで、従来の流れとは一線を画するものについて強調するということで、推進プランには取り上げていないということでございます。
○丸茂委員 私は、都民の切実な要望で、なかなか計画的に物事が進んでいない問題として、エレベーター問題を取り上げましたけれども、そういう都民の要望にこたえ、なおかつ今の不況の中で中小建設業の仕事の確保、いろいろな戦略として、一つ一つの予算の使い方、また事業の進め方、検討を求めて、質問を終わります。
○木村委員 東京構想二〇〇〇、石原都政初の長期構想ですから、一言質問させていただきます。
まず初めに、第1章で、この構想の策定に当たっての基本認識が書かれております。「二十一世紀を目前にして、国全体が依って立つべき座標軸を失った今こそ、首都としてわが国を牽引する東京が、本格的な」云々かんぬん、こう書かれていて、この構想を策定した基本認識が書かれています。ここでいいます国全体がよって立つべき座標軸とは、具体的にはどういうことでしょうか。
○関谷計画部長 「二十一世紀を目前にして、国全体が依って立つべき座標軸を失った」ということにつきましては、一つは、その前段の方で述べてございますけれども、「欧米へのキャッチアップを成し遂げた平和と繁栄のなかで、国家にも国民にも危機意識が失われ、責任感は希薄化している。また、成熟社会を迎えるなか、これまで維持されてきた終身雇用・年功序列賃金、護送船団方式、中央集権システムに代表される日本型社会システムは、機能不全に陥」ってきているということで、いわば社会システムについての基軸みたいなものが失われてきたこと。また、価値の多様化等の中で、今後の社会というものをどういうふうに形づくっていけばいいかということについての軸を失ってきているということが、基本的にあるのではないかというふうに考えております。
○木村委員 社会システムの基軸が失われたというと、これはすごい話で、確かに終身雇用、年功序列賃金というのが崩れ始めているとか、護送船団方式が通用しなくなっているとかいうことはありますけれども、それが、国がよって立つ座標軸、基軸であるということになりますと、何というんですか、そこで訴えられる危機感、閉塞感というのは、無限定なものになっていく感じがするんですね。今、まさか憲法だとか、そういう話が出てくるんじゃないだろうなと思いながら、ひやひやして聞いていたんですけどね。
私は、なぜ最初にそういう言葉にこだわったかというと、石原慎太郎氏が政治家として、あるいは評論家として、何かどこかに文章を寄稿したところにこういう表現があったとかいうんなら、わかるんですよ。ですけれども、東京都の行政上のこの計画文書に、いきなり「国全体が依って立つべき座標軸を失った今」なんていう表現が果たして適切かなというふうに、私は読み始めたときに、ここでひっかかったんです。
それは、それだけじゃなくて、その次のページにいきますと、いろいろ書いてあって、「個人や企業、自治体などの自立の気概が失われ、自己の責任に基づく多様な選択が困難になっている。」という記述もありますけれども、私は行政が--個人というと私も入りますけどね、みんな自立の気概を失って途方に暮れておるだろう、おまえは、という感じがあるんですね。
それから、例えば行政の未来像のところの、基礎的自治体のあり方なども、自治体の規模の見直しを図っていくことが必要だということは、そこまではいいにしても、合併についても検討を進めるべきである。これも、偉そうに東京都は何をいうかという感じがするんですよ。ですから、そういう意味で随所に東京都の長期計画を構想していく意気込み、気負いのようなものはありますけれども、ちょっと文章的にはもっと配慮をすべきものがあるんではないかというのを、まず一ついいたいんです。
それでは、この長期構想をつくっていく認識の出発であります「国全体が依って立つべき座標軸を失った」という、失ったというのは、いつ、どういう時点というふうに……。(笑声)
○関谷計画部長 先ほど社会システムということを申し上げましたけれども、基本的には、いわゆる高度経済成長に通じる中で、右肩上がりの成長が続いていた中では、全体としてのパイがふえていく、そういう中で所得が上がってくるとか、企業に入った場合は、企業の中での年功序列だとか、だんだん賃金も上がってくる。そういう中で、やはり都民とか国民というのは共通の価値基準みたいなもの、みんなが一緒になって豊かになっていけるというような感覚が当然あったんだろうと思います。
ただ、いってみれば、ゼロサム社会みたいな状況になって、価値観も多様化してまいりました。これからはいろいろな形で、個人が個人の責任の中でいろいろなことに価値を見出し、その中で生きがいを見出していくということが、ある意味でいうと、今までのような単純に所得が上がってくるとかなんとかいうことでの共通の価値基準というものがなくなった中で、多様な価値を持っている個人が集まって一つの社会をつくっていく。その中で一つの社会的な合意形成みたいなものを形づくって社会を進めていくということになりますと、やはり今の段階ではまだまだそこまでには至っていない。そういうものをこれからつくっていかなければいけないのではないかということを東京構想の中で述べているわけでございます。
○木村委員 大体いつごろという話はなかったんですけれども、高度成長、右肩上がりの社会が終わってから後ですね、共通の基準が失われて、ゼロサム社会になっていった。具体的にいえば、八〇年代後半か、バブル崩壊に至る九〇年代ということだと私は思うんですね。
第2章の「東京をめぐる長期展望」というところの最初の説明に、「長期的視点から時代の潮流をとらえ、それを踏まえた先行的な取組みを進めていくことが必要である。」ということで、長期展望を説明するという構成になっていますね。ですから、そういう意味では、ここでいう、長期的な視点から時代の潮流をとらえて、明確に、よって立つ基準を失ったというのは、どのぐらいの時代のスパンでとらえて物事を認識しているかというのは、非常に大事な点だと思うんですね。
私は、バブル崩壊後、特に九〇年代にこの日本の国が突入してきてからの社会の変化というものをどうとらえるかということが非常に大事だというふうに思うんです。
この長期展望そのものが、二〇一五年、今から十五年先のことを展望しつつ、十五年先にはこうなっていますよということがいわれていますよね。そうしますと、その十五年先はこうなるんだということの説明は、やはり何十年も前のことじゃなくて、ここ十年、十五年のこの日本の社会の変化というものをどうとらえるかということから、次の展望が出てくるんだと思うんですね。そういう意味で、この九〇年代の変化というのをどういうふうに認識するかということが、この長期構想を考える場合、大変大事だというふうに思うんですけれども、そういうことでよろしいですか。
○関谷計画部長 当然、今後の長期的展望を考えていく上では、足元の現在の状況、そういう意味では九〇年代というものを踏まえつつ、その中から将来を展望していくということは必要だろうというふうに考えております。
○木村委員 そこで、九〇年代、この足元の時代の変化というのをどうとらえるか、どうとらえた上でこの構想が立てられたかという点に入りますけれども、九〇年代不況とか、平成不況とか、いろいろいわれていますね。国民の生活不安がかつてなく高まっているというのは一つの事実ですね。
昨年の二月に経済企画庁が発表した国民生活先行度調査という意識調査ですと、世の中の暮らしはよい方向に向かっているかという質問に対して、そうだと答えた人が二〇%で、そうじゃない、悪い方向に向かっていると答えた人が七九・三%、八割がやっぱり悪い方向に向かっていると。これを、例えば十年前の一九九〇年の同じ調査で見ると、生活の不安の数字、国民の答えの数字は五割でしたから、五割から八割と、今の不況というのは結局将来不安というのに結びつくということになると思うんですね。
それから、いろんな数字がありますけれども、家計消費がこの十年間落ち込んでいるということ、可処分所得が伸びないということ、消費者性向、消費者マインドが冷えっ放しで落ち込んでいるということなどなどがいえると思うんですね。
それからもう一つは、この間深刻な不況がずっと続いているわけですが、国の経済政策、いわゆる景気対策がいずれも成功したとはいいがたい。国の、公の支出で公共事業五十兆円というのが、社会保障の二倍半だということで我々批判していますが、五十兆円の公共事業というのも、この九〇年代から始まって今日まで続いている。しかし、それが一向に民需を誘発して景気を回復するということにつながらないで今日まで来ちゃったということがあります。
一方、健康保険なり年金なりの改悪というのがしばしば行われるということで、一口でいうと、不況の中で国民の暮らしというのがこの十年間、この言葉でいえば閉塞感でしょうけれども、非常に不安にさらされて、先が見えないということがあると思うんですが、そういうことが踏まえられてつくられたんだというふうに私は思うんですが、その点はいかがですか。
○関谷計画部長 現在の状況ということで、幾つかのご指摘をいただきましたけれども、今回の東京構想におきましても、今後の年金に対する将来の不安といったようなことで、社会保障制度について、やっぱり国民、都民がなかなか安心ができていないということ、さらには産業面等の構造改善というのがなかなか進んでいないということ。また、現在の不況を踏まえて、失業率等が高いわけでございますけれども、それだけではなくて、今後やはり労働市場というものがどんどん流動化していって、かつてのような低い失業率ということはなかなか難しくなってくる。むしろ労働市場の流動化、活性化を図ることによって、転職等が円滑にできるような社会をつくっていく必要があるのでないかとか、実はそういうことで現状を踏まえて、いろいろ将来の展望を描いているところでございます。
○木村委員 一般的には私、いわばそういう建前で、行政はこれからの都民の暮らしについての展望を示さなくちゃいけないんだし、そうなっていると答えられるのは当然だと思いますね。
ただ、八〇年代から九〇年代にかけて、私がさっきいいましたような状況がずっと続いてきて、結果として今、国民の中に生まれている一つの側面というのは、予特の代表でも話させてもらいましたけれども、国民の間に所得格差が拡大しつつあるということ、これは先進諸国の中でも日本が最も激しく格差が拡大しつつあるんだそうです。
名目的な所得でいいますと、いわゆる第一分位と第五分位の所得を比べると、最も貧しい五分の一と最も豊かな五分の一との所得格差、これは一九八一年のときには七・四倍であったのが、一九九六年には三十三・二倍という数字が、たしか厚生省か何かの数字で出ているんですね。所得再配分をやって、社会保険だとか税金だとか全部やると、もちろんこれほどの差ではないんですけれども、しかし、格差が開いている。このバブル崩壊後、九〇年代通じて、富める者は富み、貧しくなる者は一層貧しくなるという、そういうことが現実にこの社会に生まれているということがあります。この点について、この東京構想ではどういうふうに位置づけて構想が組まれておるんでしょうか。
○関谷計画部長 現在の国民の中に所得格差が広がっているかどうかということの認識につきましては別といたしまして、東京構想自体の中でこの所得格差を正面からは扱ってございません。
基本的な考え方といたしましては、やはりこれからは自立した個人が活発な活動の中で、ある意味では非常に競争的な社会の中で生きていくということが基本でございますので、所得格差等についてがどうなっていくかということについて、行政として云々するということはいかがなものかと。むしろその結果として、やっぱり国民や都民が安心、安全の生活を維持できるかどうかということについての、広い意味でのセーフティーネットみたいなことについて十分意を図ることによって、それを前提にいたしまして、より挑戦的な自立した個人の活発な活動というものを今後期待していく。そういう点では、所得格差というものは、ある意味では、非常に富んでいる方も今後どんどん出てくるということも当然想定できるのではないかというふうに思っております。
○木村委員 私、今の答弁は非常に重大だと思いますよ。行政として所得格差を論じるのはいかがか。結果として貧富の格差が開いていく。金持ちがうんと生まれるのは、それはいいことなんですけれども、逆にやっぱり貧しい人がさらにふえていくということについて、行政が正面から見ないで、そういう面から見ないでセーフティーネットを論ずるなどということは、非常に実態に合わなくなるおそれがあると私は思うんです。
それはおいおいやっていきますが、この間の行財政改革特別委員会で自民党の松本議員からの質問、東京構想二〇〇〇、石原構想というのは青島構想や鈴木構想とどう違うのかという質問に対して、安樂室長が、それは明確に方向転換をしたというものが幾つかありますということで、二つのことを挙げましたよね。一つは、これまでの都市づくりのあり方、いわば需要対応型の都市づくりであったのを、これからは五十年、百年先を展望した上で、あらかじめ二十一世紀の東京圏の骨格的な都市構造として、従来の多心型都市構造、この成果を発展させた形での環状メガロポリス構造云々、いわば政策誘導型の都市づくりに向かったんだという話です。じゃ、マイタウン構想というのは政策誘導型じゃなかったのかなと、私はあのときに聞いて思いましたけれども、そういうことが一つ。
もう一つ挙げたのが、福祉改革の推進ということで、これまでの一方的、画一的な福祉サービスの提供方式から、受け手である都民が、みずから市場を通じて契約するという形のサービスを選択する、それを提供するという福祉改革です。二つ挙げたんですね。
都市づくりの方については、中間のまとめのときに私、発言させてもらいまして、中間のまとめで既に出ていた環状メガロポリス構造などについては、一つは、東京一極集中是正という、いわば国土形成に向かっての国民的な合意に逆行しないかということと、あとは公共事業見直し、財政の再建という点からいっても、これは逆行する方向を向いているんじゃないか、そういう意味で私、意見を申し上げました。これは、本構想を見ても、私、変わりません。ですから、きょうはそっちはさておきます。
問題は福祉ですかね。千客万来とか、いろんな言葉が出てきまして、気をとられるんですよ、おもしろい言葉があって。ただ、一つだけ申し上げます。円熟シニアという言葉が出てくるんですね。それは、福祉改革に関連して高齢者の概念を変える必要がある、円熟シニアという話が出てきます。この円熟シニアというのは、具体的にはどういうイメージなのか。
二〇一五年の時点で、団塊の世代が六十五になるという時点で、これから生まれてくるということなのか。それとも、現在既に高齢者の概念は変わっている、もう円熟シニアをそういう概念でとらえる必要がある。どっちなんでしょうか。
○関谷計画部長 こういうものは、先ほどのいつからだというお尋ねがあったんですけれども、いつから変わる、変わらないということで明確にお答えできることではございませんが、二〇一五年には団塊の世代が六十五歳以上となり、四人に一人が六十五歳以上になると、かなり圧倒的なシェアを帯びることになりますよと。そういう将来展望を見たときに、高齢者というものをどういうふうに考えていくべきかという形で述べているわけでございますので、ここでいっている円熟シニアに当たる方たちというのは、現在でも相当程度お生まれになっていますし、これからもどんどんそういう方たちが育っていく必要があるというふうに認識しております。
○木村委員 現在でも相当程度円熟シニアという世代があるということですが、それではもっと具体的なイメージをはっきりさせていただきたいと思うんです。
ここでいう円熟シニアというのは、現在でいえば、年所得どのぐらいの人をイメージしているのか。
○安樂政策報道室長 議論がそれるのがちょっとあれなので、ちょっと発言させていただきたいのですが、この円熟シニアという概念、要するに概念を変えようということを提案しているわけであります。つまり、これまでは一般に老齢者というのは、体も弱ってくる、いろんな精神的な面でも頼りなくなってくるというようなことで、弱者というふうな見方を社会全体もしていた、そういうことではなくて、これからも非常に健康でもあるし、そういう意味では社会的な一つの大きな活動の力になるということで、そういう概念をとらえ直しましょうということをここはいっておりますので、収入がどうとか、何年になったら何%の人が円熟シニアになるとか、そういう意味で我々書いているわけではないのですね。これからそういう概念のとらえ直し方をしようということで書いておりますので、そこがちょっと--参考までにご説明させていただきました。
○木村委員 概念をとらえ直すと書いてあるのは、これを読めばわかるんですよ。だけど、一つは高齢者の現実というものがありますよね。今、九〇年代の話をしました。予特でもいいましたけれども、高齢者というのは、元気な人は元気な人でいますけれども、所得の格差というのは非常に大きいですよね。だから、所得の平均というのをとっても、それは必ずしも平均でないという点がありますね。少数の高額所得者が平均を引っ張っている。だから、人数の平均というと、かなり大勢、半分以上、六割、七割の人が当然入っちゃうという点がありますね。
そういう意味で、概念を変えましょうというふうにいわれて、その後、福祉施策はこういうふうに見直します、今でもそういう概念は通用するんだというふうにいわれると、現時点では、それじゃ今の高齢者の所得でいえば平均なのか、それとも最も大勢いるところなのか、どの辺をイメージしてそういう呼びかけをしているのかいなというのは当然疑問として出てくると思う。
それは、具体的にこれから福祉の見直しは、例えばサービスはこうしますとか、民間の事業者中心ですとかいうふうに変わっていくわけですからね、そこで聞いたわけなんですよ。だから、結局、概念は概念です、抽象的なものなんですというふうにいわれても、私はにわかには納得できない、もうちょっと責任を持って説明してもらいたい、こういう思いがあるのです。それはどうでしょうね。
○関谷計画部長 東京構想の中で述べておりますのは、高齢者の状況に関しましては、平均寿命が大きく伸びて、七十から七十四歳の約八割の方々が元気であると自覚していて、逆に要介護高齢者の発生率を見ますと、七十五歳以上がやはり高まってくる、そのような状況分析をしております。このため、高齢者を一律に弱者ととらえる従来の考え方を改めて、高齢者は社会を支えていく活力となる存在であるという認識が必要であり、元気であると自覚している六十五歳以上の人を、現役世代である五十代シニアの延長として、円熟シニアとしてとらえたものでございます。
そういうふうにとらえた場合、当然円熟シニアという方については、まさに元気そのもので、まだ引き続き働いていらして、相当の収入を得ていられる方もいるでしょうし、また、ある程度の資産をお持ちなので、ボランティア的な社会参加に参加されている方もいるでしょう。また、もう少し広く考えてみますと、完全に健康ではないですけれども、一定の介助といいますか、そういうことをしてもらえれば社会に積極的に参画していくことが可能な方たち、そういう延長上の中で円熟シニアというものをとらえているわけでございますので、所得水準がどうのこうのということで一律に分けることはできないというふうに考えております。
○木村委員 しかし、しつこくお聞きしますけれども、円熟シニアというのは現在もたくさんいて、七割、八割が元気だと。だから、福祉の見直しを今やらなければいけないというので、既にやりましたよね、経済的給付事業の見直しを。で、六十五歳以上のマル福は廃止しましたよね。もう現在進行形なんですよ、見直しの方は。
私、生理的に肉体的に健康であるということと、高齢者が生活していく生活の条件が高いとか安定しているとかいうことは、別だというふうに思うんです。しかも、六十五歳以上になれば、きのうまで元気だったけれども、一年後には病気になるという、人生ではそういう境目になっていきつつあるから、東京都は六十五歳からの老人医療助成制度を国に先駆けてやってきたという経過があるわけですね。それを切っちゃったということですから、その切る根拠に、円熟シニアという概念が今持ち出されてきたというふうに読めますので、それじゃ円熟シニアというのは、元気なことはもちろんでしょうけれども、どのぐらいの年収がある、そういう高齢者のイメージですかと、こう聞いているんですよ。
○安樂政策報道室長 また繰り返しになるのですけれども、ちょっと委員のいわれているのは、ない物ねだりといいますか、むしろこの円熟シニアというのは、社会的に高齢者をどうとらえるかという問題なんですね。どういうふうに社会的にも活動してもらうか、あるいは社会自体がそういう人たちにどういう場を与えるか、そういう問題だと思うんですよ。
今いわれている高齢者の福祉をどうするかという問題は、これは、もちろん先ほどいわれているように所得の問題もあるでしょう。しかし、私たちとしては、高齢者の福祉だけではなくて、障害者も含めて、本人の希望に沿った、いかにサービスというものを有効に提供できるか、こういうことのために、今までの福祉のあり方ではやっぱり不十分だろうということで、これを変革していくという立場からの提言ですから、何も円熟シニアがふえたんで福祉施策の転換を図りましょうということとはちょっと違うというふうに我々は思っておりますけれども。
○木村委員 ない物ねだりだとか、いろいろいわれても困るんですがね。円熟シニアという概念は、社会的にどう働いてもらうかという施策を打ち出していく上での概念だと。福祉をどうするかというのはおのずと別だというんですね。つまり、昨年決められて、今既に実行されている東京都の高齢者福祉の経済的給付事業の見直し、見直しといったって、廃止ということと円熟シニアの概念の導入とは別の話だと、こういわれるんですね。それでよろしいでしょうか。
○安樂政策報道室長 まさにそういうつもりで私、いっているつもりなんですが。
○木村委員 別だと言葉でいわれても、現実には進行していて、そしてこういう円熟シニアという言葉で見直しの長期構想が出たんですからね。高齢者から見れば、別だといわれても釈然としないという点はあるんですよ。私の意見として、このようにある意味では抽象的な概念でくくって、それを福祉改革、とりわけ経済給付切り捨ての根拠にされたんではかなわないということだけは申し上げておきたいと思います。
そこで、この長期構想の中の福祉の見直しの問題について、一言だけお尋ねをしておきます。
福祉の見直しは、結局、東京都政の行政としてのあり方の根幹にかかわる、つまり小さい政府をつくっていくという言葉が図表の中にも書かれているように、非常に根本の問題だというふうに思うんですね。具体的にいえば、これからの「地域のケア能力を高め、可能な限り自立して生活できる社会を実現する」という、一七七ページ以後の問題です。ここには、そういう方向でそういう社会をつくっていく上で、「サービスの提供は民間事業者が中心となり、ボランティアなどが日常生活の助け合いを行う。行政は、民間や自主的活動では対応の難しい分野を担い、地域全体で一人ひとりの自立した生活を支えていく。」将来の行政像のところでは、できるだけ最小限の--六五ページでは、「民間では対応困難な分野に行政の活動領域を限定することにより、『小さな政府』をめざしていく。」というくだりもあります。まさに福祉改革、福祉の見直しというのは、東京都政の行政のあり方の根幹に直接かかわってくる重要な問題です。
しかし、ここでいっています都民は自立・自助を基本とすると、まずそのことが強調されています。これは、一八七ページの「住み慣れた地域で自立した生活」の図表3にそのことが強調されています。しかし、自立・自助というのは、石原さんにいわれなくたって、だれだって自分のことは自分でやりたいと思っているのは間違いないんですよね。今さらいわれたくないという思いがあるんですね。モラルの問題じゃないか。モラルの問題を社会システムの問題にすりかえてくれるなよと。どういう目的があるんだと。それは、結局、社会保障の整備をサボるというのか、公が手を抜くというか、そういうことのためにいっているんじゃないかと、私などは思います。
自立・自助というのを強調されると、そしてその上で、サービスは民間事業者が中心ですよ、行政は必要最小限で小さくなりますよといわれると、その自立・自助というのは、まあいうなら、円熟シニアで元気で働いていたけれども、だんだん年とっていくから、だんだんぼろぼろになって、ぼろぼろぼろになって、そうなるまで自分で努力して、それで努力して努力して、どうしてももう、まあ落ちこぼれていくというかな、ドロップアウトせざるを得ないというときに初めて福祉、それがセーフティーネットだというふうにいわれますと、福祉というのは、スティグマといいますか、福祉を受けると今でも世間ではいいますよね。生保を受けるときに、福祉のごやっかいになるというふうに世間一般ではいっています。普通の人、自分で自立したいと頑張っている人というのは、生保を受けることを恥辱と考えるという人がまだたくさんいるんです。だけど、ここに書かれている自立・自助、そしてこういう方向で、行政は必要最小限の小さい政府になりますよというと、福祉をそういうスティグマにしていくという方向になっていくんじゃないかと思うんですね。基本的な質問ですけれども。
○安樂政策報道室長 その辺はいろいろ議論のあるところかもしれませんけれども、やはり個人の尊厳というのは自立・自助というのが中心だと思うんですね。いわゆる誇り高い人たちというのは、人には迷惑かけない、自分の力で生きていくということがやはり基本であって、これは個人のモラルであると同時に、いろんなシステムをつくるときの基本的な考え方だというふうに思います。
それを余りにも今までは、この東京構想の中のほかの部分で書いてありますけれども、過度な結果の平等とか、余りにもそこに結果だけを保障しようというようなことに重点を置いているために、私は、むしろ個人のそういう誇りというものさえも失うようなシステムをつくり上げているんじゃないかというふうに思うんですね。ですから、そういう意味では機会の平等を中心として競い合っていく。そういう中で、先ほどもいわれましたけれども、果敢に挑戦する中ではやはり失敗もある。一度失敗したために立ち直れないというのは、むしろそういう挑戦というものを逆に結果的には損なうことになりますので、そういうものについてはセーフティーネットを設けようというのがこの基本的な考え方になっているわけですね。
ですから、先ほどいわれたように、こういう考え方をするから、どんどんみんなぼろぼろになって、結局は制度、システムそのものが成り立たなくなるんではないかというのは、私はちょっと逆ではないかというふうに思います。
○木村委員 意見は合わないと思います。僕は、こういう方向では、結局、福祉を、ぼろぼろになるまで自立・自助ということで、最後にセーフティーネットにたどり着く、そういうシステムができ上がってしまうおそれがあるというふうに思います。もしそうでないというんだったら、私は、マル福なり高齢福祉の自治体がやっていた経済的給付を廃止をするというようなことは、するべきではないと思います。生活保護というセーフティーネットの以前に、幾つも機会の平等にもう一度挑戦できるように、立ち直れるような、そういう自治体としての福祉施策が重層的に張りめぐらされて、初めて、だれもが安心して、何かそういう社会になっていくんだと私は思うんです。
あと一問。じゃ、福祉は意見が合わないから……。
そこで、今度は、中間のまとめと違って三カ年の具体的な計画が張りついているんですよね。この具体的な計画の一つ一つはもちろんやれないんですが、最後のところに三カ年の計画事業の事業費の一覧が、目標1から目標16までまとめられています。これだけだとわからないので、事業費の性質別に私は一つ一つ拾って組み直してみました。
そうしますと、まず一つは、大型公共事業、広域幹線道路ネットワーク整備促進、骨格幹線道路、東京臨海地域における交通、物流ネットワークの強化、新海面処分場の整備、センター・コア・エリアの活性化などなどですね。この構想で最も力を入れて進めようとしている大型公共事業については、全体の三〇%、三千七百五十四億円が張りついています。それから、そのほかの公共事業ですね、いろいろな交通網の整備だとか、モーダルシフトの推進だとか、合流式下水道とか、いろいろありますけれども、公共事業全部合わせますと八千八百二十億円、全体の七〇%になります。さらに、公共事業の中でも特色ある都立高校づくりだとか、高齢者介護保険基盤の整備だとか、そういう福祉、教育のいわば箱物、これを全部足しますと一兆一千百十九億円、八八・五%、ここまでは投資的経費なんです。三カ年の重点事業費配分のうちの九割が投資的経費。で、地域における居住の場の整備だとか、安心してサービスを利用できる仕組みの構築だとか、ソフトの部分は、ですから残り二割とか--二割もないか、そういう形ですね。
私は、一つは、三割がいわゆる大型公共事業だという点も、これが三割で済むわけがないと思うんですよ、これが進んでいけば。わけがないというふうに思いますし、それから今、財政再建推進プランが進行中です。ちょうどこの三カ年と財政再建推進プランとは期間的に重なります。財政再建をする上では、投資的経費を抑えなければならないというのが大前提になっている。そういう肝心の東京都が公にいっている財政再建推進の方向と、この三カ年事業計画の事業費の張りつき方と、相矛盾するんですよ。
だから、結局、これを予算化するというんで、今年度の最終補正なんかも事業費の九割が公共事業でしょう。毎年毎年、補正予算になると投資的経費をぼんとふやさないと、東京構想のつじつまが合わなくなってくる。ここに、財政再建推進プランと相矛盾し、財政を再建するという建前とも相矛盾しているものがあるというふうに思うんです。この点についてだけ、見解を聞いておきたいと思います。
○関谷計画部長 先ほど来申し上げているところでもありますけれども、都市基盤整備につきましては、選択と集中という視点に立ちまして、財政再建を図りながらも効果の高い事業を重点的に推進していくということで取り上げたところでございます。
また、先ほど来申し上げておりますように、今回の東京構想の三カ年の推進プランにつきましては、福祉改革に大きく踏み出すということで力点を置いて組んだところでございます。
先ほどの、青島都政下の改訂重点計画のときに比較して、まず総事業費全体が抑制的であること。また、逆に普通会計ベースの民生費につきましては、改訂重点計画に比較しまして、額で約八〇%程度伸びていること。また、構成比も八%から約一八%ということで一〇ポイントほど伸びているということで、今回の推進プランが計画事業費の面から見ますと決してハード重視ということではないというふうに受けとめております。
ちなみに、土木費につきましては、改訂重点のときは八二%強でございましたけれども、今回は六七・五%、七〇%を切っているということで、仕上がりでは土木費は相当抑制的になっているということでございます。
このようなことで、繰り返しになりますが、真に必要な重点事業に限って事業費を計上いたしました。都市基盤の整備は、経済活動の維持向上のみならず、生活環境の改善にも資するものであり、東京を再生していく上で不可欠であるという認識に立って選定したところでございます。それで、都市基盤整備のみならず、福祉、教育なども含めて、さまざまな行政分野について三カ年間で重点的に取り組むべき事業を絞り込んで提示したものでございます。
○木村委員 総事業費全体が抑制的だとか、青島のときと比べると土木費そのものは低いとかいう話がありましたけれども、あくまでこれは二〇一五年を目指しての長期構想の最初の三年間の話ですし、ここで広げられている大ぶろしきといいますか、これがこのままいけば、この三年間とは全然違った方向に事業費の配分割合も伸びていくとかいうことは当然予想されることなんだと思うので、今の答弁をもってして、青島時代のよりも抑制されているというのは、私は承服はできないということを申し上げて、私は終わります。
○今井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で政策報道室関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時十三分散会
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